各務原市議会 2010-09-15
平成22年第 3回定例会−09月15日-02号
〇職務のため出席した事務局職員
議会事務局長 村 井 清 孝
総務課長 山 下 幸 二
主任主査兼議事調査係長 飯 沼 利 行
主査 前 島 宏 和
主任書記 五 島 竜 一
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△1、開議
(開議) 午前10時3分
○議長(古田澄信君) ただいまから本日の会議を開きます。
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○議長(古田澄信君) 本日の日程は、お手元に配付したとおり定めました。
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△日程第1、
会議録署名議員の指名
○議長(古田澄信君) 日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。
本日の
会議録署名議員には、会議規則第80条の規定により、議長において6番 杉山元則君、7番 高島貴美子君の両君を指名いたします。
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△日程第2、認第1号から日程第27、議第79号まで
○議長(古田澄信君) 日程第2、認第1号から日程第27、議第79号までの26案件を一括し、議題といたします。
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○議長(古田澄信君) これより質疑を行います。
質疑の通告がありますので、発言を許します。
9番
波多野こうめ君。
(9番
波多野こうめ君質問席へ)
◆9番(
波多野こうめ君) おはようございます。日本共産党の
波多野こうめでございます。
通告をいたしました議題について質疑を行います。
まず、認第1号 平成21年度各務原市
一般会計決算の認定について、7款商工費、1目商工総務費についてであります。
決算認定資料には、変化する経済情勢に対応するため、
グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ協議会や
ジェトロ岐阜貿易情報センターに負担金を支出し、情報収集や提供を行うことにより市内産業の振興と活性化を図ったとあります。どのように市内の産業の振興と活性化が図られたのか、具体的な説明を求めます。
○議長(古田澄信君)
産業文化部長 足立全規君。
(
産業文化部長 足立全規君登壇)
◎
産業文化部長(足立全規君)
GNI協議会や
ジェトロ岐阜は、さまざまな形態での情報収集や自社のPR、貿易・投資相談窓口として多くの市内企業に活用されております。以上でございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) 全く具体的になっておりませんので、GNIのサポートによって海外へ進出した企業だとか、また事業を拡大をしたという企業があれば上げていただきたいと思います。あわせて、
ジェトロ岐阜貿易情報センターについてもお願いいたします。
○議長(古田澄信君)
産業文化部長 足立全規君。
◎
産業文化部長(足立全規君)
ジェトロ岐阜は、ジェトロの目的どおりでございますけど、海外への商取引等、先ほども申し上げましたが、貿易投資の関係で利用をしております。21年度、市内の企業が利用した件数は、ジェトロからの聞き取りでは120件ほどあるということでございます。市内の企業では、そういう中で海外への進出や貿易の拡大につながったというお話も聞いております。以上でございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) 海外へ進出した企業は何社あるのか、お答えください。
◎
産業文化部長(足立全規君) 承知しておりません。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) それでは、2目商工振興費についてお尋ねをいたします。
アニメコンテスト事業について、今年度の
アニメコンテストが先日も行われておりました。様子を見させていただきました。子どもたちは、わき目も振らずに必死にキャラクターをつくり、一こまずつパソコンで取り込み、動画にしていました。お父さんやお母さんに手伝ってもらいながら制作している姿は、大変生き生きとしていて、とても楽しそうでした。子どもたちの豊かな心がはぐくまれたのかなというふうに感じました。
この事業は、アニメを通じて豊かな心の発展と工業の振興、これを目的にしています。
決算認定資料には、
アニメ映像創造産業に寄与できる人材の発掘と育成を図るために、この教室を開催したとありますが、
アニメ映像創造産業の説明を求めます。
○議長(古田澄信君)
産業文化部長 足立全規君。
◎
産業文化部長(足立全規君)
アニメ映像創造産業とは、世界的に注目をされている日本の漫画・動画といったアニメ映像などにかかわる産業ということでございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) ここは市ですので、市民の皆さんの商工の振興策というのにつなげていく必要があると思いますけれども、その点からいって、この事業はどのような役割を果たしたのか、具体的に御説明してください。
○議長(古田澄信君)
産業文化部長 足立全規君。
◎
産業文化部長(足立全規君) 質疑の件については、先ほど御答弁いたしたとおりでございます。
○議長(古田澄信君) もう一度、質疑をお願いします。
◆9番(
波多野こうめ君) 全体的なことを最初の答弁ではしていただきましたので、市内のこの
アニメ創造産業というか、市内の市民に対してこの事業がどのように寄与をしたのかということをお尋ねをしています。
○議長(古田澄信君)
産業文化部長 足立全規君。
◎
産業文化部長(足立全規君) 最初に、日本国の産業に資する人材育成というような観点で申し上げたとおりでございます。そういう人間が、各務原市から輩出されることが結構なことだということでやっておるわけでございます。以上です。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) 無理やり商工業の振興策というのにつなげているかなと思いますけれども、子どもの健やかな成長ということに対しては寄与しているというふうに思いますので、無理にやらなくても、教育の方でやってもいいかなというふうに思います。
次、10款教育費についてお尋ねをいたします。
学校図書は、子どもたちの健全な発展のために欠かせないものです。小学校、中学校、養護学校、それぞれ図書を購入しています。小学校は、20年度と比較をいたしますと70%余とちょっと減っていますけれども、学校の図書の購入先はどこでしょうか、お尋ねをいたします。
○議長(古田澄信君) 教育長 高根靖臣君。
(教育長 高根靖臣君登壇)
◎教育長(高根靖臣君) 学校の図書は、どこから購入されたのかという質疑についてお答えします。
平成21年度は、
見積もり合わせの結果、市外業者と契約を締結し、図書を購入しました。以上です。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) 次、5目の
文化財保護費についてであります。
指定文化財保護事業費として、
晩松園廊下壁面修復、晩
松園電気設備改修工事が行われたわけですけれども、これは予算額も決算額も同額になっています。補助要綱に基づいて補助を出しているというふうに思われますけれども、どのような基準で支出をされたのでしょうか、お尋ねをいたします。
○議長(古田澄信君) 教育長 高根靖臣君。
◎教育長(高根靖臣君) どのような基準で出したのかという質疑にお答えします。
指定文化財保護事業補助金につきましては、
指定文化財補助金交付要綱に基づき、
補助対象経費の2分の1以内の額を補助しております。以上です。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) 当初予算額のときに、もう既に事業が発注されていたのか、事業が行われてしまっていたのか、予算額と決算額が同額になるというのはどういうことなのか、御説明ください。
○議長(古田澄信君) 教育長 高根靖臣君。
◎教育長(高根靖臣君) 見積もりを実はとってやっておりますので、こういう同額になるということです。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) 次、監査委員の意見書についてお尋ねをいたします。
監査委員の意見には、今後、景気の回復が見込めず、厳しい財政状況は続くと予想されるので、一層の徴収努力をするように。人件費は減るが、扶助費や起債償還はふえてくる、財政の環境は厳しい状況が続くことが予想されるので、さらなる経費削減に努め、国保への一般会計からの繰り入れは慎重にしなさい。第2次新総合計画及び新市建設計画は推進し、強い財政力は保持し、真に必要な
行政サービスに努め、最少の経費で最大の効果を上げ、一層の福祉の増進に努めるようにと述べておられます。
これまで、市は行革の名のもとに正規職員を大幅に削減し、保育所や
給食センターの民間委託などを進めて、さらなる行革と称して図書館や公共施設の
指定管理者制度の導入、保育所・
給食センターの民間委託などが用意をされています。最少の経費でという運営にはつながるでしょうが、最大の効果ということには疑問を持たざるを得ません。そこで、監査委員の意見には、毎年「真に必要な
行政サービスに努め」と言っておられますが、真に必要な
行政サービスとは何か、どのようなサービスと考えられるのか、委員としての御所見をお伺いいたします。
○議長(古田澄信君)
代表監査委員 野田敏雄君。
(
代表監査委員 野田敏雄君登壇)
◎
代表監査委員(野田敏雄君) お答えいたします。
真に必要な
行政サービスはということでございますけれども、限られた財源の中でございます。市民ニーズに照らして、優先度の高い
行政サービスを選択していかなければならないという趣旨でございます。
具体的にどのような
行政サービスを指しているのかは、予算編成及び審議の過程で判断されるべきであり、監査委員としては、意見書でそれが適切に判断されることを要望するものでございます。以上です。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) 地方自治法には、監査委員は事務の執行が住民福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならない。この趣旨にのっとってなされているかどうか。ここを特に意を用いなければならないというふうに定めています。
優先度の高いものをというふうに言われますけれども、今、住民の皆さんの生活は大変困窮をしている状況にあります。無駄なものは削る、これは当然なことでありますけれども、市民生活の福祉を充実をさせるということは大変重要な課題であると思います。具体的なものは上げておられないということですけれども、そういった地方自治法に基づいて適切に行われているというふうに言っていますけれども、物の見方によっては、
行政サービスが本当に必要なものが削られてしまっているというものもありますが、その辺のことについてはどう考えておられるのか、伺います。
○議長(古田澄信君)
代表監査委員 野田敏雄君。
◎
代表監査委員(野田敏雄君) 監査委員といたしましては、御承知のように行政の政策決定、審議、その権限を持っておりません。したがいまして、先ほどから申し上げておりますように、予算審議をする過程の中で十分に御審議いただき、御決定をいただければ、そのように思う次第でございます。以上です。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) 次、議第61号 平成22年度各務原市
一般会計補正予算(第2号)についてです。
7款商工費について、
公共交通機関対策費100万4000円について、県の
緊急雇用創出事業臨時特例基金事業費補助金を活用して、ふれあいバスの実態調査を行うということです。ふれあいバスに対する要望は、大変多岐にわたっています。この調査をどういう目的で行うのか。今後どういう計画につなげていくのか、御説明をいただきたいと思います。
○議長(古田澄信君)
産業文化部長 足立全規君。
◎
産業文化部長(足立全規君) 実態調査の目的は、ふれあいバスの効率的な運行を図る上で、基礎資料とするものでございます。いろいろと検討しておりまして、具体的な計画についてはこの場で申し上げるわけにはいきません。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) 実際、ふれあいバスに乗車して、そしてお客さんの御意見を伺うというふうに説明を受けていますけれども、効率的な運用は当然必要なんですけれども、市民ニーズにこたえるということも必要であるわけで、そういったことをバスに乗っている人だけの調査でいいのか、どのようにお考えでしょうか。
○議長(古田澄信君)
産業文化部長 足立全規君。
◎
産業文化部長(足立全規君) 公共交通の調査は、21年度も
アンケート形式で市民対象にしております。そういうアンケート結果、解析して得られるもの、今回は乗降者の実態調査ということでございますから、その乗降者のニーズもございますでしょうし、私どもが取り組んできた低床バスの導入であるとか、運転の安全であるとか、そういう多方面からバスの運行について御意見をちょうだいし、よりよい運行に努めていくための資料とするということでございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) 10款教育費の少年自然の家の外壁の
リニューアル工事についてですけれども、
リニューアル工事をするとして、設計監理、測量、工事費4726万円予算化です。県が管理運営をしていた少年自然の家は、今年度から半減しました。そのことによる影響で、市の少年自然の家の利用者が急増をしているという経過があります。県に対して何がしかの負担を求めるべきだと考えますが、県に向けてはどのような要望をしてきたのか、お伺いをいたします。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
(
都市戦略部長 磯谷均君登壇)
◎
都市戦略部長(磯谷均君) この事業の財源といたしまして、市町村振興補助金の要望を行ったところでございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) 今、私が申し上げたような理由で、県も何がしかの責任をとってほしいなという思いが私は強いんですけれども、この振興補助金は、県が認めたものに対して交付するものですけれども、そういった県の事業の縮小による影響によって、補助金がつくというようなことにつながってきますか。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
◎
都市戦略部長(磯谷均君) この県営の少年自然の家4施設が本年度廃止をされた。その影響は各市町村に出ておると思いますが、本施設については、市内の小学生ですか、利用度が非常に高いということが1つあります。そういう意味で、県が廃止されたことに伴って利用者が急増という形はないだろうと。ただ、この場合、県が廃止されたから県は県で見てくださいというようなことでなくて、我々は基礎的な団体として、県の機能を補完するという使命を持っておりますので、できる限りの利用者にここで利用していただきたいというふうに考えております。それの特別な補助金を要求し、確保するということにつきましては、これは先ほど申し上げた補完性の原理と申しますか、その機能を補完するという意味でやりますので、ここの部分については、振興補助金についても、より優先度の高い申請として県は受けとめてくださると、そういうふうに考えております。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) 同じく教育費について、体育施設整備費1073万5000円についてであります。
総合体育館の整備を来年度以降実施をするということで、設計監理、測量委託料です。総合体育館は、利用者から修繕を要望する声がたくさん上がっています。今回の整備は、こうした要望を聞いて行われるのでしょうか。どこを整備されるのか、御説明をしてください。
○議長(古田澄信君)
産業文化部長 足立全規君。
◎
産業文化部長(足立全規君) 今回、施設整備のための実施設計に必要な予算を計上させていただいております。内容につきましては、利用者等の要望も当然踏まえております。内壁の改修、照明及び衛生設備の更新などを考えております。詳細は実施設計の中で決まるということでございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番
波多野こうめ君。
◆9番(
波多野こうめ君) この体育館の修繕について、市民からの要望も多いということで、市民アンケートをとったというふうにお聞きをしておりますけれども、その声もきちんと反映をするような形で整備を進めていかれるということでしょうか。
○議長(古田澄信君)
産業文化部長 足立全規君。
◎
産業文化部長(足立全規君) 声を聞いたものを勘案してやっていくということでございます。
○議長(古田澄信君) 3番 永冶明子君。
(3番 永冶明子君質問席へ)
◆3番(永冶明子君) 続いて質疑をさせていただきます。日本共産党、永冶明子です。
通告に基づきまして、質疑をいたします。
初めに、議第68号 各務原市
集会場設置条例等の一部を改正する条例についてです。
最初に、本議案について、公共施設を暴力団、暴力団員の利益のために使用されることを排除するためとの説明でした。
そのために、市長は本議案を議会にかける前に、各務原警察署長と情報交換等の細目にわたる合意を文書で交わしました。各務原市が行う事務事業からの暴力団排除に関する合意書というものです。本来のあり方として、市が担うべき公共サービス、公共施設の利用について、市が暴力団を排除するのは当然の責務であり、また警察においても市の照会や要請のあるなしにかかわらず、市民の安全、生命、利益を脅かすいかなる状況でも対応・対処するのが本来の任務です。あえて市長と警察署長が合意文書を取り交わした理由は何ですか、お尋ねをいたします。
○議長(古田澄信君) 総務部長 五島次郎君。
(総務部長 五島次郎君登壇)
◎総務部長(五島次郎君) 市長と警察署長の合意文書を取り交わす理由につきましては、暴力団を利することにならないよう、市の事務事業から暴力団の関与を排除する姿勢、並びに警察との連携を明確にするためでございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 3番 永冶明子君。
◆3番(永冶明子君) ただいまの御答弁で、これまでこうした状況があったかちょっとわかりませんですけど、明確にそれをしなければならないということは、今まで明確でなかったということなんでしょうか。
○議長(古田澄信君) 総務部長 五島次郎君。
◎総務部長(五島次郎君) 従前から、市におきましては、公共工事からの暴力団排除、生活保護からの暴力団排除、市営住宅の入居制限と、個別に行政分野に取り組んできまして、暴力団の排除に取り組んできたわけでございますけれども、市が行う事務事業全般に拡充し、暴力団排除のための情報提供や支援・協力といった内容の合意書ということで、締結したものでございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 3番 永冶明子君。
◆3番(永冶明子君) 次に、市は公共施設の利用において、暴力団を排除するための取り決めを、このたび条例化しようとしています。合意文書と同じ理由で、あえて条例化をする理由をお尋ねいたします。
○議長(古田澄信君) 総務部長 五島次郎君。
◎総務部長(五島次郎君) 条例化する理由につきましては、施設の使用の制限、取り消し及び警察署長への照会の根拠を明確にするためでございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 3番 永冶明子君。
◆3番(永冶明子君) 条例化は、行政による一定の拘束力が発生します。今回、暴力団に限定をしているものの、暴力団とかかわりのない人を誤認したり、また治安対策を理由に拡大解釈で取り締まる危険性が広がることがあります。警察と市の連携による取り締まり条例は権力集中に発展する可能性も排除できません。取り締まり法には暴力団対策法もあります。条例化によって市民活動を規制する可能性についてどうお考えか、お尋ねをいたします。
○議長(古田澄信君) 総務部長 五島次郎君。
◎総務部長(五島次郎君) これにつきましても、あくまでも暴力団に対する市の姿勢を示して、暴力団の使用を未然に防ごうとするものでございますので、そのようなことはないというふうに思っております。以上でございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 3番 永冶明子君。
◆3番(永冶明子君) 3つ目に、具体的に市の施設の窓口でこうした事態が起こり、そこで対応するわけですけれども、市が警察に問い合わせた情報、個人情報もあると考えますけれども、警察の持っている情報を開示することに問題はないのか、お聞きいたします。
○議長(古田澄信君) 総務部長 五島次郎君。
◎総務部長(五島次郎君) 情報の管理のことでございますが、法令・条例の規定に基づき適正に行いますので、問題はございません。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 3番 永冶明子君。
◆3番(永冶明子君) それでは次に、議第69号 各務原市
高齢者生きがいセンター川島園条例の一部を改正する条例についてです。
生きがいセンター川島園を指定管理者に委託しようとしています。ここで、指定管理者が行う業務の中の生きがいデイサービスの事業については、高齢者への対応や介助が必要になります。他社等の業者に委託するのか、また業務を再委託するということができるのか、お尋ねをいたします。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 五藤龍彦君。
(
健康福祉部長 五藤龍彦君登壇)
◎
健康福祉部長(五藤龍彦君) 高齢者生きがいデイサービス事業の業務委託につきましては、今後指定された管理者が判断し、実施をするものでございます。以上です。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 3番 永冶明子君。
◆3番(永冶明子君) 再委託できるというふうに解釈をいたします。
議第73号 各務原市
歴史民俗資料館条例の一部を改正する条例についてです。
川島ふるさと史料館に
指定管理者制度を導入しようとしています。史料館は、川島の歴史を知る貴重な民俗資料が展示されており、学術的な専門員が必要な文化財施設です。保存管理、公開展示の継続や伝承を担う体制が必要ですが、委託された指定管理者が会議室などと一括で管理するということになるのか、指定管理者の具体的な業務の範囲をお聞きいたします。
○議長(古田澄信君)
産業文化部長 足立全規君。
(
産業文化部長 足立全規君登壇)
◎
産業文化部長(足立全規君) 指定管理者が行う業務の範囲は、本条例第17条に定めております。具体的には日常管理業務でございます。御指摘のような心配は要らないと思います。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 3番 永冶明子君。
◆3番(永冶明子君) 今申し上げたように、史料館はそういう特別な文化財が保存されている場所ですので、日常的な管理は当然そういう業務をやられると思いますけれども、管理の部分はちょっと別の専門性が必要ではないかと思いますので、その点について、一括して指定管理者がやることになっていいかどうか心配があるんですけれども、どうでしょうか。
○議長(古田澄信君)
産業文化部長 足立全規君。
◎
産業文化部長(足立全規君) 今、お答えしたとおりでございます。御指摘のような心配は要らないと思います。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 3番 永冶明子君。
◆3番(永冶明子君) 議第74号 各務原市
体育施設条例の一部を改正する条例についてです。
利用料金の改正の影響をどう考えるのか、お尋ねいたします。市外に住所を置く団体、個人には、これまでの倍の使用料を課すことになります。比較的近隣市の利用が多く、市内在住・在勤の利用が制約を受けていましたが、料金改定で市内利用者が借りやすくなるのか、その効果についてどのようにとらえておられるのか、お尋ねをいたします。
○議長(古田澄信君)
産業文化部長 足立全規君。
◎
産業文化部長(足立全規君) 市民が借りやすくなると考えております。
○議長(古田澄信君) これをもって質疑を終結いたします。
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△1、委員会付託(認第1号から認第7号まで、議第61号から議第64号まで、議第67号から議第79号まで)
○議長(古田澄信君) ただいま議題となっております認第1号から認第7号まで、議第61号から議第64号まで、議第67号から議第79号までの24案件については、お手元に配付いたしました付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
なお、委員会は会期日程表のとおり開催する旨、委員長にかわって告知いたします。
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△日程第28、一般質問
○議長(古田澄信君) 日程第28、一般質問を行います。
一般質問の通告がありますので、順次発言を許します。
23番 三丸文也君。
(23番 三丸文也君質問席へ)
◆23番(三丸文也君) 政和クラブの三丸文也でございます。
通告に基づき、次の2項目についてお尋ねいたします。答弁は、ゆっくり、また明瞭にお願いいたします。
まず第1項目について、1番目として、平成21年度各務原市
一般会計決算について。
同決算中、人件費は全体の約18%を占めています。また今回質問する職員給与費は、年間約60億円であり、人件費の約73%と非常に高額となっています。
地方公務員、国家公務員の平成19年度の平均年収は、総務省の地方公務員給与実態調査結果及び人事院の国家公務員給与等の実態統計調査、国家公務員給与の概要等をもとにした年収ラボの調査によりますと、過去5年間はほぼ横ばいの状態ではありますが、地方公務員約729万円、国家公務員約663万円となっています。次に、民間サラリーマンの平均給与は、国税庁の民間給与実態統計調査及び厚生労働省の賃金構造統計調査等をもとにした年収ラボの調査によると、平成18年度約435万円、平成20年度約430万円となっており、地方公務員の平均年収は国家公務員、民間サラリーマンと比較し、著しく高額となっています。また、平成21年度についても、最近の経済状況から見て、3者の関係は同様な状況にあると考えられます。
そこで当市の職員給与費について、次の3項目に関し、市のお考えをお尋ねいたします。
まず1番目として、各務原市の職員給与の最近5カ年の状況について。
2番目として、平成20年度及び21年度の国家公務員、民間等との平均給与の比較について。
3番目として、当市職員の平均給与が国家公務員及び民間等の給与と比べ多額となっている、その要因についてお尋ねいたします。
○議長(古田澄信君) 副市長 松岡秀人君。
(副市長 松岡秀人君登壇)
◎副市長(松岡秀人君) それでは私からは、三丸議員の一般質問、平成21年度各務原市一般会計の決算の中の人件費ということで、特に国家公務員等に比べて、非常に民間等と比べて高いのではないかということの中で、最近5カ年の状況ということにつきまして、手持ちの資料の中からお答えをさせていただきます。
市職員の1人当たりの給与費の5カ年の状況ということで、平成17年度が690万6000円、それから平成18年度が660万7000円、それから19年度が657万9000円、20年度が653万3000円、21年度が628万8000円でございます。
人事院等が公表しております、いわゆる国ベースの平均給与月額、これは20年度は国家公務員39万1770円、民間はこれに対しまして39万907円、これに対しまして市の職員は38万9224円、21年度ベースで見ますと国家公務員は39万5666円、民間が39万4909円、各務原市職員が38万5983円ということで、いずれも私どもの人事院の公表しておるデータと比較しますと、市職員が国家公務員等よりも下回っておるということでございます。以上でございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 23番 三丸文也君。
◆23番(三丸文也君) 地方公務員とか国家公務員とか、民間サラリーマンで年収に大きな差が出ていると、私が調べたところ。それは、本俸もさることながら、各種手当が特に地方公務員は他と比べ非常に充実していると ── これはある意味いいことかもしれませんけど ── 思います。ちなみに、管理職手当の受給者の全職員に対する割合について、再度お尋ねいたします。
○議長(古田澄信君) 副市長 松岡秀人君。
◎副市長(松岡秀人君) お答えをさせていただきます。
22年度4月1日現在の人数で、全体では153名が、いわゆる管理職手当を支給しておるわけでございます。これは15%ということで、三丸議員おっしゃっていただきましたとおり、やや高いものとなっております。ただし、今御指摘をいただきましたように、不当に高い管理職手当を払っているというものでは全くございません。1つには、部長・課長というのが8級・7級というものであり、その下に6級というものが、これが私どもでは管理職の位置づけ、いわゆる主幹とされておる者、これが77名ございます。これが、ただいま申し上げました153名の約半分近く占めております。この者の管理職手当の月額は3万5700円から4万4000円ということでございます。ちなみに、この者が約10時間程度残業しますと、これをはるかに上回るということでございます。
なぜ、このようなことが生じるのかと申しますと、この辺は少し御理解を願わなければいけないと申しますのは、当各務原市の年齢構成が非常にいびつでございます。と申しますのは、これから5年間で退職します一般行政職は150人ほどございます。つまり55ないし60の職員がそれぐらいいるということでございます。そういう現実の中で、私どもは、できるだけ職員の方にも年齢相応の責任とモチベーションを持っていただくということが、労務管理上非常に大事ではないかということでございます。それは、三丸議員も同じような職制のある社会で長い間お仕事をされておりますので、一係員で長い間年齢だけを重ねるということにつきましては、私ども労務管理上も非常に問題があるということでございまして、単にお金を渡すだけ、手当を払うためにそのようなことをしておると言われては、いささか本意から外れるものでございます。また、そのことにつきましては、逆に私ども組合から大変しかられておりまして、管理職をつくるなと、組合員が減るのではないかと。組合員が減ってしまうと組合費がもらえないと言うとちょっと語弊でございますけれど、そういうようなことも言われておりまして、ただ私どもといたしましては、やはり一定の年齢の職員の方にはある程度のモチベーションを持って仕事をしていただきたいと、このような考えから、そういった人事的な配慮を行っておるところでございます。以上。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 23番 三丸文也君。
◆23番(三丸文也君) 御説明ありがとうございました。相当見解の相違もあります。
平均年収の各種統計に基づく調査というのは数多くありまして、私も地方公務員、国家公務員、民間サラリーマンの平均年収を正確に把握して比較するということは、それ自体非常に困難であるということは十分承知しております。ただ、民間サラリーマンの平均年収については、実は各務原の中堅企業等、何人かの社長さん等に大体どれぐらいですかと尋ねたところ、この地域では400万円の中ごろぐらいがいいところだなというような返事であります。
そういう意味で、いずれにしてもラボの調査では700万円となっていましたけど、市のお答えでは600万円台ですね、いずれも。それが多分民間の平均が400万円台だとすると、やはり相当の差があるということです。いずれにしても、地方公務員と民間サラリーマンとの差は200万円ないしは300万円と、非常に大きくなっています。この差は、民間給与が近年大きく下がっているということが第一義的には原因があると思われますが、職員としては、自分たちの努力でこれまで少しずつ築き上げてきたものであると。そういう自負は持っておられると思います。しかし、現実には大きな差がついており、市民感情として、なかなか受け入れられないのも我々が理解しなければならないと考えております。したがって、特に地方公務員は、市民に対する心からのサービスの向上に努めるとともに、格差是正のため涙をのんで身を切る覚悟が必要と考えますが、市の御見解をお尋ねいたします。
○議長(古田澄信君) 副市長 松岡秀人君。
◎副市長(松岡秀人君) 公務員の大先輩からの三丸議員からの御指摘でございますので、制度論からいえば十分に御存じな方からの御指摘ということで、1つ肝に銘じさせていただきます。
まず、民間さんの給料と、それから私ども公務員の給料、随分違うのではないかと、そのような趣旨であろうかと思います。1つの命題といたしまして、どの程度の給与水準がこのまち、あるいはこの組織にとって最適かということについては、いろんな考え方がもちろんあるとは思います。
しかしながら、私どもこの1000人規模の各務原市という行政組織の中では、1つ地方団体、国・県、いわゆる地方団体の中での1つの物差しというのが、いわゆる人事院の勧告ということでございます。この物差しを取っ払いまして自由に価格を決めるということは、今の地公法24条、いわゆる均衡の原則とか、あるいはいろんなものとの公平の原則とか、そういった1つの制度論からいってかなり難しいのではないかということでございます。
ちなみに、人事院がどのように現在の仕組みの中で、給与水準を測定しておるかという考え方を改めてここで述べさせていただきます。
(「短くしてください」との声あり)
◎副市長(松岡秀人君) それでは、もう一言申し上げさせていただきます。
一人一人の給料が高いという、例えば三丸議員の御指摘が今あったわけですけれども、私どもは平成9年、大体1200人オーダーの職員を現在960名ということで、あと5年の間にさらに860名ほどという大削減ということでやっております。人件費で見ますと、100億オーダーのものを80億ぐらいというところへ、2割下げてきておるわけでございます。いわゆる少数精鋭の21世紀型各務原市役所を実現しつつあるわけでございます。そういった努力の中で、頑張っている職員にある程度の給料をちゃんと払ってやりたいということは、私どもの当然の組織を管理する者としての願いでございます。合わせて申しますと、先般来春入る職員の採用面接を行いました。
(「短くしてください」との声あり)
◎副市長(松岡秀人君) わかりました。七十数名の応募の中で、2次合格出したのは10名程度ということでございます。非常に優秀な大学で、なおかつ筆記試験が非常に優秀で、国公2種あるいは某県庁、あちらこちらの県庁を受かっているという職員もおります。私どもは面接を何回も重ねながら、彼らにどのような職場で仕事をしていただくか、どのような人と一緒に仕事をしていくか、そして彼らをこれから30年、40年どのような待遇をしていくのかいうことを念頭に置いて見ておるわけです。安易に高い給料を払おうとしておるわけではありません。ただし、それだけの元気で優秀な職員には相応のものを払ってあげたいというのは、私どもこの組織を守る者として、この市役所というのが元気であり続けるために、市民の皆様に適切なサービスを提供できるためには、そういったスタッフとしての優秀な人をきちんと育成していくと。その前提には一定のものを提供すると、そういうことも前提になるのではないかと。それがいわゆる知恵あるたくましいあしたの各務原市をつくる1つの重要な要素であると考えておりますので、三丸議員にもぜひ御理解をいただきたいと思います。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 23番 三丸文也君。
◆23番(三丸文也君) まず第1番目に議長にお願いします。
答弁が長いんで、簡潔・明瞭にお願いしたいということです。
次に、第2番目の項目ですが、次の2カ所の土地の取得についてお尋ねをいたします。
1カ所ずつ分けて質問しますので、よろしくお願いいたします。
まず1番目として、各務原市須衛字天狗谷2404番地から2406番地までの約9300平米の土地の取得について、お尋ねをいたします。
上記土地取得の契約書によりますと、土地取得の目的は、福祉の里屋外運動場整備事業ほかと。土地の面積は約9300平米、価格として1億円、契約日が平成17年9月2日、土地の引き渡し期限は平成17年9月13日までとなっております。
そこで、次の項目についてお尋ねいたします。
まず第1番目に取得の目的です。
ア、目的として、福祉の里屋外運動場整備事業ほかとなっておりますが、この「ほか」とは何を意味しているのか、お尋ねいたします。
イ、土地取得の詳細な利用計画について。
ウとして、総合計画との関係について。
続きまして、2番目として取得の方法です。
アとして、議会の議決。地方自治法第96条及びそれに基づく各務原市の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例によりますと、議決に付すべき土地の取得は1件5000平米以上、予定価格3000万円以上となっています。したがって、本件は議決に付すべき条件と考えられますが、いつ議決が得られたのか、お尋ねいたします。
イとして、契約の概要についてお尋ねいたします。
その次、ウとして価格算定の根拠等についてお尋ねいたします。
その次、エ、産業廃棄物等の有無等、環境への配慮についてということで、この土地は長年自動車の廃車及び部品等の置き場に使用されていたところであり、近隣への環境汚染を発生させていると言われていた土地であります。したがって、購入時産業廃棄物等の有無や土壌の汚染について、どのような確認が行われたか、お尋ねいたします。
次に、3番目にこの土地の利用状況について。
最後に、4番目に今後のこの土地の利用計画についてお尋ねいたします。以上です。
○議長(古田澄信君) 三丸議員に申し上げます。
土地の取得については、2つ一括質問ということになっていますので、一度にお願いします。
◆23番(三丸文也君) わかりました。なかなかわかりにくくなるんで、個別に分けた方がいいんじゃないかと思ったんですけど。
○議長(古田澄信君) 一括でお願いします。
◆23番(三丸文也君) それでは、第2番目の土地について。
各務原市那加雲雀町16の2の土地取得について。
上記土地取得の契約書によりますと、取得の目的は、市道那555線道路改良事業、価格4500万円、契約日平成17年2月9日、土地引き渡し期限平成17年3月31日となっています。
そこで、次の項目についてお尋ねをいたします。
1番目として取得の目的。取得土地の詳細な利用計画についてお答えください。
2番目として取得の方法。ア、取得する土地については、通常道路として使用する範囲に限定すべきではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか。
その次、イとして、契約書によると、約70%の前金が支払われているようですが、その状況等についてお答えください。
次に、ウ、価格算定の根拠。
最後として、エ、抵当権設定等当該土地の状況について。
3番目、現在の土地の利用状況。
その次、4番目に今後の土地の利用計画。以上です。
○議長(古田澄信君) 答弁者の方に申し上げておきます。
通告の範囲以内で答弁をお願いいたします。
都市戦略部長 磯谷均君。
(
都市戦略部長 磯谷均君登壇)
◎
都市戦略部長(磯谷均君) 須衛字天狗谷2404番から2406番の土地の取得につきましては、かねてより自動車解体業の土地利用に対しまして、地元から環境面・景観面で苦情がございました。また、この時期に産業廃棄物処理業者へ売却をするという情報を得ておりまして、市としてもその地区の環境・景観面での保全を図ることが必要であると判断したために、この土地の取得に至ったものでございます。
最初の1点目でございますが、取得の目的につきまして、2事業ございます。緑地整備事業、これは4623.56平米、福祉の里の屋外運動場整備事業として4687.83平米、合計で9311.41平米でございます。
利用計画の詳細につきましては、新総合計画の趣旨に沿いまして地元との協議も進めながら、文化遺産である天狗谷の遺跡、これらと複合的な活用ができるように、潤いのある福祉ゾーンとして事業化を今後していきたいというふうに考えております。
総合計画の関係につきましては、平成12年に策定をしております各務原市新総合計画、これの95ページになりますが、健康福祉都市の部門中、障がい者(児)福祉の分野において、障がい者(児)の施設の整備として事業が位置づけられております。
引用いたしますと、障がいのある人もない人も、だれもが交流できるように、建物の周囲を屋外運動場やふれあいの丘 ── 2事業でございますが ── として整備するなど、福祉ゾーンとして体系的な整備に努めます。そういうビジョンを持ちながらこの土地の取得に入ったわけでございます。
取得の方法について、議会の議決はいつとられたかという御質問ですが、議員おっしゃったとおり1件5000平米以上という規定がございます。この両事業につきましては、いずれも5000平米未満であるということから、契約議決を必要とするものではないという判断で、議会議決をいただいておりません。
価格の算定根拠につきましては、土地の価格、これ自体は不動産鑑定価格によりまして、市の市有財産評価審議会の承認を受けて契約に入ったわけでございます。ちなみに、その承認を受けた額につきましては平米当たり1万1200円で、これをもとにこれを上限として価格交渉に入りまして、双方で合意ができた価格は1万740円という価格で、事業全体では1億円となったものでございます。
産業廃棄物の有無についてどうなのかということですが、私どもも先ほどの自動車解体業、そういう事業に供されておったものですから心配をいたしましたが、産業廃棄物はございませんでした。ただ、取得した土地について、市が取得する以前にこの土地の造成に伴って、一般廃棄物であります竹が埋められていたということが発覚いたしましたので、原因者の責任により、一般廃棄物の除去などを適正に処理したところでございます。
また、土壌汚染につきましても、財団法人岐阜県公衆衛生検査センターの土壌溶出試験を行っていただきまして、有害物質が検出されなかったという報告を受けております。
現在の土地の使用状況につきましては、2500平米をグリーンリサイクル堆肥化作業場として、また6000平米を公共工事の残土の一時保管場所として使用しております。
今後の計画につきましては、先ほどの総合計画の趣旨に沿いまして、隣接する天狗谷遺跡の複合的な活用も含め、地元の方と協議をしながら、福祉の里の屋外運動場の整備や緑地の整備を事業化し、地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。
○議長(古田澄信君)
都市建設部長 大石誠君。
(
都市建設部長 大石誠君登壇)
◎
都市建設部長(大石誠君) 御質問のありました那加雲雀町の用地取得について、御回答申し上げます。
取得の目的、取得の方法、土地の使用状況、それから今後の方針ということでございます。
市道那555号線は、那加第二小学校の通学路となっておりまして、多数の児童が利用しております。御質問の箇所につきましては、道路が大変狭いということから大変危険であったために、車道の拡幅、それから歩道の新設を目的としまして、道路附帯施設も含めて取得したところでございます。
取得方法につきましては、土地開発基金を活用して平成17年2月に取得しました。
そして、現在の土地の使用状況でございますが、平成19年度に市道那555号線の道路改良舗装事業としまして、先ほど申しました車道、それから歩道を整備しました。それ以外の部分につきましては、多少凹凸があった関係から、安全のために整地をしたところでございます。現在は、暫定的ではありますが、一部シルバー人材センターの駐車場ということで貸し付けをしております。
今後、将来的には、勤労会館、那加福祉センター等の一体利用を前提に、公共駐車場として利用していく考えでございます。以上です。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 23番 三丸文也君。
◆23番(三丸文也君) どうも御答弁ありがとうございました。
まず福祉の里の屋外運動場の整備事業、これに関して、福祉の里の問題は福祉関係ですよね。だから、第一義的にこの担当部課は健康福祉部ではないかなと思うんですけど、どうして健康福祉部が担当せずに、都市戦略部が担当されるのかお伺いします。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
◎
都市戦略部長(磯谷均君) この事業につきましては、総合計画の中でビジョンをお示しする議会の御了解を得ておるという段階でございます。また、地元の協議等もまだ調っていない状況、そういうコンセンサスがまだない状況で、我々はまだ内部意思の中でその格付をきちっと整理をしていこうと、そういう段階でございます。土地につきましても、まだ基金で保有をしておる状況でございます。それが、議会の御承認を得て、行政財産として格付がなされた時点で、福祉部の所管として事業化をしてまいりたいと考えております。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 23番 三丸文也君。
◆23番(三丸文也君) ちょっと答弁が前回長かったんで時間が足りないんで、急いでやりたいと思います。
ここは、ある意味では産廃まみれの土地だということで、地元からのいろんな要望があったんで市が買ったんだということですよね。そういう買い方をすると、産廃を出している業者といいますか、その土地を持っている人の責任であって、それをわざわざ市が公金で面倒を見るというか、補うというのはおかしいんじゃないかなと思いますけど、いかがですか。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
◎
都市戦略部長(磯谷均君) 先ほどの御答弁でも申し上げましたが、これについて、法的な規制によって、ここの景観・環境を確保するということは非常に困難であったということを受けて、またこの産業廃棄物業者へ売るということについて、これは契約自由の中で売買が行われます。そういう中で、我々はこの地区の環境と景観を確保するという使命を持っておりますので、ここを買いに出た。ただ単にそれだけではなくて、我々としては、先ほども申し上げましたが、ビジョンとして2つの事業をここで想定をしておりました。そういうことから、産業廃棄物業者にそれが売却された後で取得するよりは、この機をとらえて取得するのが効率的であると判断したことによるものでございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 23番 三丸文也君。
◆23番(三丸文也君) 答弁がやはりちょっと長いですね。もっと簡潔・明瞭にお願いします。
全く私はそうは思いませんけど、時間がないんで、これは後の話ということで。
福祉の里の運動場整備事業の目的と、あとそのほかの目的、4600平米ずつ分けたということでこの法律に触れないというお話ですけど、それは全くの論外でして、皆さんわかって言っておられると思うんでこれ以上話してもしようがないんですけど、これは世の中の人、だれに聞いてもこんな詭弁はないと。じゃあ100万坪買うときに、何とか何とかの目的ほか100万件と書けば、どんな大きな土地でも議会承認なしで買えると。議会承認の趣旨は、大きな土地、また金額が3000万以上の多額なものについては議会にかけなさいよというような趣旨でつくってある法律なのを、その「ほか」をつけて、何がほかかわからないような状況で契約して、それがあるから議会にかけないということは本当に筋が通りません。これも物別れになると思うんで、これ以上聞いてもしようがないんで、この件は私の発言だけでやめておきます。
皆さんがねらっておられる福祉の里の運動場、これは本当にいろんな障がいのある方に失礼な話で、やはり非常に問題で、あそこは非常に交通の激しい道路を境にして反対側にあるわけですよね。そういうところに、わざわざ運動場をつくるという発想そのものが、障がい者に対する冒涜であると思います。また、この土地を取得した平成17年の3月には、ちゃんと福祉の里の隣接した建物の横に駐車場をつぶして芝生の運動場が、計画図をもらいましたけど、皆さんが企画しておられた運動場がちゃんとできておるわけです。その後に、またそれと同じような目的のものをつくるというのは、どだい無理があるというように思っております。この件に関してお答えをお願いします。簡明にお願いします。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
◎
都市戦略部長(磯谷均君) 道を挟んだ対面のところに運動場をつくるということについての是非でございますが、議員おっしゃったとおり、当面その敷地、地続きの中でそういう運動をしていただきます。ですから、我々としては総合計画の趣旨にのっとりまして、そこの緑地整備、ふれあいの丘、こういったものとの一体性を出すためには、やはりあの土地以外にはなかったということでございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 23番 三丸文也君。
◆23番(三丸文也君) 次に、産業廃棄物関係なんですけど、産業廃棄物がないというように言われましたけど、どうやって確認されたかということと、もう1つ、土壌の溶出試験をやっておられます。私も、資料請求により、きのうの夜、その資料をいただきました。それを見てみますと、ちゃんとした確認をとらなければいけないことなんですけど、データを見ると、5つのデータで溶出試験をやっているんですけど、例えばシアンとかアルキル水銀、PCB、有機燐とか基準値を超えているデータが並んでいるんです。これでオーケーなんでしょうか。
それともう1つ、このデータを見ますと、採取者が試料持ち込みなんですよね。試料を持ち込んだのは、疑うわけではないんですけど、それを市がどういうふうに確認したのかと。全然違うところの試料を持ち込んで、この検査所は、持ち込まれた試料がどういう成分かというのを検査しているだけの話で、どこの土地かもわからない。勝手に持ち込んだ土なんです。勝手にと言ったらよくないんですけど、持ち込まれた土を検査して、ただこういう成分でしたということだけの話で、またその中に含まれてはいけない、例えば全シアンなんかは、このデータから見ると、基準値では検出されてはいけないと、検出されないことという条件がついているのに、0.1ミリグラム/リットル未満と書いてありますけど、検出されておるわけです。これは合格しないんじゃないでしょうか。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
◎
都市戦略部長(磯谷均君) このデータの結果の読み取りにつきましては、例えば今議員おっしゃった全シアンということについて、この報告、サンプルのうちでは0.1ミリグラム/リットル未満という表示です。この表示について、未満ということはゼロも含めて未満ということであると。0.何々未満というのは数値の限界値以下である、検出されないという判断であるということを我々は確認をしております。そういう意味で、ここのところについて土壌汚染がなかったということでございます。
あと、この持ち込みについて、この土地の土壌汚染されてないということについて市が立証する必要はなくて、売ろうとする方の責任において検査を行っていただくのが原理原則です。したがいまして、検査の費用について市からの支出は何らございません。
それと、持ち込みによるものですが、これについては現場のサンプル位置等を我々は立ち会いの中で確認をして報告をしていただいております。そういうことでございますので、これについては、例えば詐術を用いてほかの土壌汚染のないところの土を持っていって、あたかもここの土であるようなことはないと我々は確信をしております。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 23番 三丸文也君。
◆23番(三丸文也君) 持ち込みについて、今の御答弁だと、市が立ち会って確認したと、どこの土を取ったか。それの根拠資料を、後でもいいので出してください。持っていくときに、資料に判こを押すなり何なりした資料があると思うんで、それを出してください。そうしないと、この業者は土地を売りたいばっかりなんですよね。売りたい人が、こういう検査を受けたと大げさに言っていますけど、これは本当にそこの土地かどうかというのは、ちゃんと確認しないとわからない。それが世の中の常識だと思いますけど。
この取引については、大変一般的に見て不自然なことが多過ぎるんですね。これについては、今後検討していくということで、時間もありませんのでその次の問題に入ります。
次は那加雲雀町の土地の取得なんです。これは通学路として使うということで、道路の拡張と。非常にいいことだと思いますね、大切なこと。ただ、その場合は、普通、市等公は、その使用する目的のあるものについて買うんであって、道路の部分を買えばいいというのが普通だと思うんですよね。いろんな人に聞いても、そのような形で土地を買っておられるということなんですけど、この件に関しては、私が見る限り、ほぼ使用目的がないのに全部の土地を買っておられるということで、これは今まで言ってこられた目的にかなった土地を買うということに関して非常に甘いと。なぜかというと、これは買われて5年間、全くと言っていいほど使用されていない。現在、シルバー人材センターが借用していますけど、時々車が、契約に3台までと書いてありますから置いてあるくらいで、有効に使われていないと。5年間もくぎづけにするような、何もしなくて済むような土地はまず買う必要がないと思いますけど、いかがでしょうか。
○議長(古田澄信君)
都市建設部長 大石誠君。
◎
都市建設部長(大石誠君) 先ほどと回答がダブるかもしれませんが、現在は確かに暫定的にシルバー人材センターの駐車場ということで貸し付けてはおりますけれども、この市道那555号線の北側の先ほど言われた一帯の地区につきましては、公共施設が大変集中しておるということから、勤労会館だとか那加福祉センター等との今後の一体利用を前提としまして、公共駐車場ということで今後の有効利用したいということから、一体的に購入したものでございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 23番 三丸文也君。
◆23番(三丸文也君) またこれも全くの詭弁と思われまして、あそこに行ってみますと、勤労会館とか福祉センターの人たちは、この場所は使ってはいけないと、前から立て看板までしてあるわけです。本当にそのために必要な土地ならば、早速舗装するなり何なりして、購入してすぐ使うこともできる。そのような土地を5年間くぎづけにして、今後使うから購入しましたというのは、はっきり言うと、これが通るならば、世の中の道路にひっかかって土地を売らざるを得ない人は、相当数の人が全部買ってくださいというような形で言ってくるんじゃないかと思います。こういう点に非常に関係あると思うんで、こういう点ははっきりさせないかんというように思います。
これもまた水かけ論になりかかっているので、これで答弁は結構です。
それと、後でも結構ですので、今考えておられる計画を、もう少し詳しく私にいただきたいと思います。
最後になりますが、この土地を取得した当時、土地開発基金を所掌する企画財政部の次長であり、また現在市政全般を統括する立場についておられる松岡副市長に、この件に関してお尋ねいたしたいと思います。
三、四日前、一市民から私に、この土地は確か松岡副市長の親族が保有していたものであり、それを市が購入したのではないかという話が入ってきました。そこで、副市長にその真偽についてお尋ねいたします。
○議長(古田澄信君) 三丸文也君に申し上げます。ただいまの発言は一部通告の範囲を超えていると思いますので、注意いたします。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 23番 三丸文也君。
◆23番(三丸文也君) この件は通告の範囲に当然入っておると考えておりまして、これぐらいのことを通告外といえば、ほとんど議会でいろんなことを討議していくことができなくなると。要するにこの仕事をやっていて、この範囲の話は当然知っておくべきものという範疇に入るし、また当然考慮しながら仕事をしなきゃいかんということの範囲に入ると思うんですよね。この当時の担当の次長が、要するに今の副市長で、その人はその後も市全体を統括する役職についておられるということで、一番こういうことは関係することなんで、当然これは通告の範囲内と私は考えております。答弁をお願いします。
○議長(古田澄信君) 暫時休憩をいたします。
(休憩) 午前11時27分
───────────────────────────
(再開) 午後1時3分
○議長(古田澄信君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
───────────────────────────
○議長(古田澄信君) 午前中の質問については、通告外の質問であると判断し、執行部に答弁を求めない扱いとします。
それでは三丸議員、質問を続けてください。
◆23番(三丸文也君) それでは、答弁漏れが少しありますので、抵当権設定等当該土地の状況というところの答弁をお願いいたします。
○議長(古田澄信君)
都市建設部長 大石誠君。
◎
都市建設部長(大石誠君) 抵当権の設定状況についてお答え申し上げます。
登記簿によりますと、極度額といったところが枠としまして1200万円というものと、それから1220万円の根抵当権がそれぞれ設定してありました。なお、これ以上の細かい質問につきましては登記簿の方に載っておりますので、そちらの方を参考としていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
○議長(古田澄信君) 2番 水野岳男君。
(2番 水野岳男君質問席へ)
◆2番(水野岳男君) 2番、民主クラブの水野岳男でございます。
議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従い、私からは4点、あすに向かって明るい御答弁を期待しながら質問をしたいと思います。
まず大項目1点目は、地域主権時代の自治体運営についてであります。
その前に、昨日、民主党代表選挙が行われ、菅総理が再選、総理続投が決まりました。8年ぶりの党員・サポーターを含めた代表選挙の中で、こうした議論をぶつけながら、オープンな形で選挙が行われたのはよかったのではないかなあというふうに思っております。しかしながら、株安、円高、経済雇用、こういった不安は厳しさを増している状況でございますので、問題は山積しておりますけれども、民主党らしい理念と、そして政策、議論ある国政を運営していただきたいなというふうに思っております。
菅総理の代表選挙立候補に当たっての政見の中に、地域主権ということに関してちょっと記述がございましたので、紹介をさせていただきます。
「地域主権の設計図を国民参加で描く、国民が政策の企画立案から参画する行政は、地域単位でこそ可能です。地域が描く設計図に沿って、新設する地域主権推進会議で権限、財源の移譲に結論を出し、あわせて出先機関の統廃合を行います。さらに、国の役割を限定し、地方公共団体を行政の基本とするための法案を検討します。一方、国民参加の地域主権の土台となる住民同士の支え合いのネットワークづくりを新設する新しい公共推進会議で応援します」というふうに書かれておりました。今後の地域主権、こういったものの推進を期待しながら、質問をさせていただきたいというふうに思います。
大項目1点目は、先ほど申しましたように、地域主権時代の自治体運営についてであります。
そもそも「地域主権」という言葉自体は造語でありまして、御存じのように「中央集権」という言葉の反対の言葉は「地方分権」であります。主権者は国民でございますので、地域主権という言葉はもともとございませんでした。しかしながら、あえて地域主権というふうに言い始めたのは、地方分権のように権利を中央から与えられるものではなく、もともと地域の人々が持っているものだという考え方からであると言われております。もっとも私の考えでは、中央集権から地方分権というプロセスを経て、地域主権社会を実現するという理解でおります。
明治以来の中央集権政府によって日本は発展してまいりました。しかしながら、国が全国画一的に地域政策の基準を決め、運用の左右まで地方に指示し、実施させてきたことは、ニーズに合わない社会資本の整備など、多くの無駄を生んできました。情報化の波の中で、人々の価値観や需要は多種多様に広がり、画一的な社会の中では得ることの難しかった創造力のある人材や政策が求められるようになっています。衰退する日本を国際社会で誇れる日本として再生するためにも、現場を持つ都市自治体が、市民と協働で柔軟な発想を持って政策を生み、個性的な発展を促す必要があると考えます。
過去の小泉政権下での三位一体改革では、まだまだ地方を元気にすることはできず、国の補助金や交付金に頼る自治体運営を余儀なくされております。ただでさえ職員数を減らしていかざるを得ない地方自治体の財政状況の中、国の政策に振り回され、補助金に縛られる地方財政では、やらされる仕事になってしまい、せっかくの職員のマンパワーも十分に引き出せません。行政と市民、あるいは議会と市民が、各務原市の未来を一緒になって考えていく地域主権が望まれるところでございます。行き過ぎた市場主義で疲弊した国民生活を建て直すためにも、民主党に期待し、昨年の総選挙で政権交代を果たしましたが、残念ながらまだまだ期待にこたえられないまま参議院選挙で大敗、衆参ねじれ状態であります。しかしながら、地域主権を望む時代の潮流をとめることなく、与野党合意のもと改革を進めていただきたいというふうに願っております。
これまでの大変な御努力により健全財政を築き上げ、それを続けている各務原市であるからこそ、声を大にして地域主権の実現を訴えていくべきではないかと思います。地域主権時代の自治体運営は、強固な財政と市民エネルギーが不可欠と考えております。
そこで、1点目にお伺いしますが、県下一の健全財政とも言われる当市の平成21年度決算の財政評価、あるいはこれまでの行財政改革を踏まえて、今後の地域主権時代の各務原市政はどうあるべきと考えますか、お尋ねをいたします。
2点目に、本市の地域コミュニティーの将来像についてお伺いします。
市長が常々おっしゃられております「夢とそれに向かうたくましさ、これが成長の推力である」、こういう言葉には私も賛同をしております。その上で、さらにその推力を加速させるものは何かと考えておりましたところ、それは信頼ではないかというふうに思いました。「民信なくば立たず」という言葉は、どんなによい政策も、民の信頼がなければ立ち行かなくなってしまうという孔子の有名な教えであります。
長引く不況の中、民間と違い、安定した公務員を見る目は厳しいものがあります。地域主権の中で地域と協働し、さらなる信頼関係を築いていく必要があります。また、自治会などには地域によって自立性に温度差があり、同じ人がやる地域、順番に回ってくるからしようがなく役員をやる地域など、何となく市にやらされているという意識の人も多いと思います。現在の国の財政をかんがみますと、福祉を再建するには大幅な負担増が必要でありますが、厳しい国民生活を思えば、大幅な負担増は難しく、地域の住民が教育や子育て、まちづくり、防犯、防災、医療、福祉などに共助の精神で参加することが必要であります。つまり、やらされていると思う方々にはさらに負担に思うことであります。これからの地域に期待されることは非常に多く、地域コミュニティーのあり方、住民自治のあり方が非常に重要になってくるのではないでしょうか。
鳩山前総理の提唱した、市民、事業者、行政による新しい公共もその1つの形であります。その仕組みを行政がしっかりサポートし、協働してまちづくりを行うことが信頼関係を築き、夢を共有し、たくましく成長する推力をさらに加速させるのではないかと思います。
地域のことは地域で決めるという地域主権には責任を伴うという側面がありますが、やらされるのではなく、みずからの手でまちづくりを行っていくコミュニティーの形をどのようにお考えでしょうか。行政の市民との協働というかかわり方も含め、本市の地域コミュニティーの将来像についてお伺いをいたします。
ちょっとざっくりした質問でございますが、1つ目はこれからの各務原市、2つ目はこれからの地域コミュニティー、あるいは住民自治というふうに考えていただいてお答えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(古田澄信君) 市長 森真君。
(市長 森真君登壇)
◎市長(森真君) 水野議員の地域主権時代の自治体運営について、私からは総論部分でお答えを申し上げます。
議員御指摘のとおり、明治維新から今日までざっと140年、この国はおくれて先進国になりました。この140年間に2つのいわば坂の上の雲の時代を経て今日があると、こう私は概観をいたします。
1つは、明治時代という約40年の時代、実にたくましいですね。それから戦後1945年、太平洋戦争が終わってからのざっと40年から45年、同じように実にたくましいですね。坂の上の雲、つまり将来のグランドデザインを掲げてたくましくやってきたと。人々も、政治も、行政も、そういう実感を受けているわけでございます。その推力は、議員御指摘のとおり、私は夢とそれに向かうたくましさにあると思っています。ただし、その手法は中央集権的行財政運営でございました。つまり、中央政府に財政と権限、政策立案の大どころを預けて、そして中央政府がそれを練って、補助金をつけて地方にやらせたというスタイルであります。これは、後進国はその方が早いということでございます。その潮流がうんと変わったのは、20世紀末であると思います。
西暦2000年に地方分権一括法ができました。私は市長に就任したのは1997年でございますが、その前、かなり長く県会議員をやっておりましたから、私は時流がわかる。大体10年ぐらい先のことはわかる。そこで、当時市長に就任しまして、市職員に自立した市政を求めました。大変でしたよ。人間は癖で、今までずうっと人生の大半を上意下達で上から来た、そういう気風が蔓延していましたよ。当時、約10名から20名に分けて職員とミーティングを毎日やりましたが、そういう中で、なぜこれがわからんのだと随分焦ったもんでございます。そういう時代を経て、そこで一定の時期から毎年2月に職員研修を始めました。約1時間30分、きちっと私のポリシーをほとんど全職員に講演をやりました。そういうことを通じてだんだん気風がよくなってきまして、もともと地方公務員、国家公務員ですが、この国はいわば公務員文化がある、江戸時代から。本来優秀な人が役所に入っている。ところが、幾ら優秀でも考えの根本が、発想の原点が、基礎自治体の足で立つと。自立した市役所における公務員と、こういう気風があるかないかでその後の展開が随分違っていると思いまして、そういう点で苦労しましたが、おかげさまで四、五年かかりましたね。その後は順調に推移しております。
そこで、西暦2000年に地方分権一括法が施行になりまして、一気に地方分権時代が到来したということでございます。つまり、議員がおっしゃる地域主権、こういう潮流に変わったということですね。これは当たり前のことで、成熟社会になるとそうなる。そうなりますと、生活にかかわることは、あるいはまちづくりにかかわることは基礎自治体がきちんとやると。自分の頭で考えて、我がまちに合った施策展開をしなきゃなりません。そういうことで、まさに基礎自治体である市町村が主役になったということであります。これは、徐々にではございますが、財源と権限と政策立案の奪い合いですね。ちょっとスピードが緩くなったと思いますよ。私は市長会等でいつもそれを思っていますが、それは中央官庁と市長会、あるいは町村会との権限の奪い合いということでございまして、全国市長会なんかに行きますと、いつもそのことを痛感しているわけでございまして、私も声を大にしてそれを言っているわけでございます。つまり、地方分権の効果は、地域主権の効果は3つあると思いますよ。1つは、市町村というのはトップは一人ですから、したがって、総合政策調整能力があるということですね。幼稚園と保育所、あるいは市町村道、林道。政策調整能力があるということが第一。もう1つは、常に住民の皆さんの目が光っていますから、税の効率的な運用が図れるということ。それから、何よりその地域に合ったまちづくりがより可能であると。その総和が、実は日本経済を再活性化するという効果があると思います。
それで、私は市長就任以来、独立都市各務原をスローガンに掲げてかなりやってまいりました。つまり、モデルはルネサンス期のイタリア半島の都市国家ですよ。何度もそれは言いました。モデルはあるわけで、独立都市各務原を目指すということを何度も言っていまして、そして今日に至っていまして、非常に今いい線を進んでおるなあと、いささか手前みそですが、そう思っている次第でございます。
例えばボランタリーと連携する市政だとか、随分たくさんのボランタリーがありますよ、各務原市は。当時、ボランタリーと連携する市政を打ち出したときに、多分そういう統計はなかったんじゃないですか。一体この都市にはどれだけの種類でどれだけの人数のボランタリー団体があるかという統計がなかったじゃないですか、地方にも国家にも。それを市役所にそう言いまして、核があるはずだということで調べさせました。随分ありますね、このまちは。ということで、ボランタリーと連携する市政ということで、いろんなことをやりました。パークレンジャーを初め、ほとんどあらゆるボランタリーがありますね、そういうボランタリー団体と市政とが組んで、まさに地方主権の先ぶれをやってきた思いであります。
さて、これからでございますが、正直大変だと思いますよ、日本列島は。ギリシャどころの騒ぎじゃないと思いますよ。まず、国・地方を合わせた長期債務残高は、御案内のとおり本年度末見込みでざっと992兆円でしょう。1年間1億2700万人の国民が営々として働いたその総和であるGDPのざっと2倍の借金を抱えていると。ですから、政府も財政再建のシナリオを書いて、財政再建路線を至急に歩まなきゃいかんと思います。そうでなきゃあ、この国の国際的な信用はなくなりますよ。財政再建路線、これに切りかえなきゃいかんと思いますね。それを国家はやるかどうかですね。やらなきゃもっと大変なことになると思います。したがって、私は財政再建という路線にいずれ切りかわってくるということは必至だと思います。国民はそれを知っている。
いろんな若い人と話していますと、子ども手当、ありがたいことだと。しかし、市長さん、その後はいいのと言う、若い奥さん方が。知っている。子ども手当、来年はふえるそうだ、再来年はもっとふえるのはありがたいことだと。しかし、その後はいいのと。知っている、国民は。したがいまして私は、そういうことは財政再建に面かじを切りかえるのは必至だと見ています。したがって、そのしわ寄せというか、地方はそれを受けなきゃいけませんね。したがって、その分大変であります。
もう1つは、高齢化、核家族化の進展によって、ひとり暮らし、あるいは共稼ぎ世帯がふえていく中で、生活保護、医療、子育て支援など、社会保障に対する需要は今後も増大の一途であります。平成21年度決算におきまして、我が市は財政力指数が1超えました。実質公債費比率2.6%でありまして、全国でもおかげさまでトップクラスであります。県下第一の強い財政力を実現してまいったところでございます。同時に、ここが大事ですよ。財政再建をやってのけて、同時並行して事業展開をしている。どこにありますか、そういう都市が。同時に職員がパワーアップしている、そういうことですよ。幾ら講演会を何度やっても、職員のパワーはアップしませんよ。職員というものは、仕事を通じてパワーアップするものであります。財政再建をやって、事業展開をどんどんやって、なおかつ職員がパワーアップしている。それが今日各務原市の、いささかちょっと手前みその点があるかもしれませんが、私は現状であると存じます。ただし、この強い財政力に私どもは甘んじることなく、税収、国・県の支出金など収入を積極的に確保していくとともに、職員のマンパワーのさらなる強化、負担の行革、施策の選択と集中により、計画的、効果的な行財政の運営など、都市の経営力の強化に今後とも努めてまいります。そして、冒頭申しましたとおり、独立都市自治体として、みずからの責任と創意工夫のもとに、時代や環境の変化に対応したサービスの提供や、地域の個性を生かした魅力ある都市づくりの展開など、いわゆる知恵あるたくましい都市各務原市の実現にさらに邁進してまいりたいと存じます。
以上、答弁といたします。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
(
都市戦略部長 磯谷均君登壇)
◎
都市戦略部長(磯谷均君) 地域コミュニティーの将来像につきまして、近年の社会情勢を背景に市民ニーズは多様化をしておりますし、市民相互の連帯感は残念ながら薄れつつあります。
本市は、自治会活動や市民活動がさまざまな場面において活発に、また主体的に行われている元気な都市を目標としております。防災につきましては、自主防災組織など近隣の助け合いが初期の救助に貢献いたしますし、防犯では、市民のコミュニケーションが犯罪の未然防止に重要な役割を担ってまいります。伝統文化におきましては、多世代を巻き込んだ地域の持続的な活動が伝承の重要な役割を担いますとともに、郷土愛をはぐくんでまいります。また、主体的な文化・スポーツの活動を通じまして、市民一人一人が潤いあるライフステージを満喫できると考えております。
地域社会を構築する多様な市民がお互いに連携・協力し合うとともに、市民と行政がそれぞれの役割を、また責任を認識するとともに、協働によるまちづくりを推進してまいります。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 2番 水野岳男君。
◆2番(水野岳男君) 御答弁ありがとうございました。
市長から大変力強い未来に向かったまちづくりにかける思いをお伺いいたしましたので、時間もありませんので次へ行きたいんですが、先日の日曜日に、あすかホールで子どもの作品展というのをやっていたかと思います。ちょっと見させていただいたところ、非常に個性的なユニークな作品やら、生活を便利にするものだったりとか。私が特に見たのは絵です。非常に子どもたちが素直な気持ちで、未来の都市像とか夢とか、そういったものを描いておりましたので、こういった子どもたちの夢とか創造力、こういったものをもっと広げていくというか、伸ばしていくような、そういう都市であってほしいなというふうに思っております。
次に行きたいと思います。
大項目2点目は、
指定管理者制度のこれからというものでございます。
平成15年の地方自治法改正により
指定管理者制度が制度化され、公共施設のサービス向上や経費削減のために管理運営を民間事業者等の団体に委託できるようになりました。本市では、既に約90施設に
指定管理者制度を導入しております。指定管理者の指定や制度導入のための条例制定など、議会でもたびたび議案となっており、今議会でも川島園と川島ふるさと史料館について、指定管理者導入のための条例案が出されております。民間のノウハウを生かして市民サービスを向上させるという制度の利点からすれば、私は制度そのものに対して否定はいたしませんが、少し疑問に思うことや、今後の運営改善につながるような視点で4点質問をさせていただきます。
まず1点目は、
指定管理者制度の導入基本方針を定めているかということであります。これは、
指定管理者制度の運営に当たって、基本的な取り扱いを統一し、適正な制度運営が行えるように方針を定めるもので、岡山県玉野市や兵庫県姫路市など、多くの自治体は制度を導入する平成17年に定めているようであります。特にこれを策定しなければならないというようなことではないかもしれませんが、今後まだ制度を導入するという予定があるなら、こういった基本方針が定まっていた方が、制度の目的、管理委託制度との違い、公募の対象となる施設の基準、対象とならない施設の基準、選定方法、選定基準、個人情報保護に係ることなど、基本的な部分が大変わかりやすいかなあというふうに思います。この基本方針について、御見解をまず1点目にお伺いします。
2点目に、指定管理者が公募によって変更になった場合、引き継ぎのガイドラインというのはどのようになっているのか、お伺いをいたします。
本市の場合、施設振興公社や自治会を除くと、民間で委託しているのは市民プール、学びの森駐車場、JR那加駅駐車場、慈光園、市民会館文化ホール、市民公園北駐車場などでありますが、例えば指定管理の期間が切れ、公募によって別の管理者となった場合、これは仮定の話で申しわけないんですが、民間同士の引き継ぎということになり得るわけでありまして、ある意味、ライバル同士の引き継ぎとなるので、これがスムーズにいくのかどうかという心配がございます。
具体的には、引き継ぎコストをどこが負担するか、備品を購入した場合の処理、個人情報の管理、契約期間を超えたリース契約などでございます。一般的な管理業務と、企業独自のノウハウの線引きというのが難しいなども指摘されるものでございます。いずれにしましても、これらには行政がしっかり関与して対応しなければならないと考えますが、この引き継ぎに関して見解を伺います。
3点目に、指定管理者のこれまでの評価というのは、どのように行われているのかを伺います。
地方自治法第244条により、指定管理業者は毎年度終了後に市に対して報告書の提出が義務づけられておりますが、市はどのように評価しているのでしょうか。運営改善の指導などがあるのかも含めてお伺いをいたします。
4点目に、今後の適正な運営のために第三者評価を行う考えがあるのかをお伺いいたします。
第三者評価というと、何やらチェックを厳しくして管理業者がやりにくくなりそうな響きでありますが、そこはポジティブにとらえまして、例えば高い評価を受けるような管理者であれば長い期間の管理をお願いするのが望ましいわけですから、契約継続を認めるとか、更新後の契約期間を長目にするとかなどの特典があってもいいのではないかなというふうに思います。期間が長ければ、引き継ぎのコストもそれだけかからなくなります。そのために評価し、できれば公表するのがよいと考えます。
評価の仕方としては、3つのメニューを考えてみました。
1つ目は、学識経験者などで構成する評価委員会によって評価するものであります。各務原市自身も県の指定管理者としてホッケー場を管理しており、県の評価を受けております。この評価制度は横浜市で本格的になされており、非常に的確な評価を得られていると思いますが、自治体の規模も違いがあり、コスト面からして本市にはなじまないのかなあという思いもございます。
そこで、メニューの2つ目は、現実的なところで利用者アンケートであります。やはり、使っている市民がどう思っているのかを率直に聞くのがよいだろうというふうに考えます。今議会で補正予算の中に、緊急雇用対策事業としてふれあいバスの実態調査というのもあったかと思いますが、そういった形でもやれるのではないかなあというふうに考えます。
メニューの3つ目は、これは指定管理者にとどまらないことになりますが、視野を広げまして、公共サービス全般について、公共サービスの基盤を整備し、公共サービスの質の向上を目指すということで、豊かな地域社会の実現を図るために、地域公共サービス市民会議なるものを立ち上げるものであります。学識経験者や市民で構成し、質的、量的、充足度合いを調査し、公表したり、公共サービスの改善のための施策に関する提言を行います。その一環として指定管理者の評価を行うものであります。
少し長期的な視野で考えながら、これら3つの提案を踏まえ、第三者評価について御見解をお伺いします。
以上4点ですが、御答弁よろしくお願いいたします。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
◎
都市戦略部長(磯谷均君) 導入の基本方針につきましては、行財政改革大綱におきまして
指定管理者制度を導入し、市民サービスの向上と経費削減を図るということを基本的な方針としております。
指定管理につきましては、平成16年度より導入いたしまして、平成22年度で88施設となっております。これらの観点に基づきまして、個別の施設ごとに指定管理の効果を検証し、政策決定しております。指定管理者の決定に際しましては、指定管理者選定委員会を設けまして、この場で各事業者から提案された内容につきまして、利用者に対する市民サービスの向上、施設の維持管理計画、経費削減計画、施設管理に対するそれぞれのノウハウを、さまざまな項目、それぞれにおいてチェックをしております。現状においても、
指定管理者制度導入に対する基本的な考えは統一されておりますが、さらにこの制度を充実させてまいります。そのため、改めて基本方針を作成するということは予定しておりません。
2点目の引き継ぎのガイドラインにつきまして、指定管理の期間は3年から5年程度を基本の期間としておりまして、その中に守秘義務も課せられております。指定期間の終了時には、施設を原状回復して市へ返還することとしております。また、引き継ぎに際しましても、これは細かい事務的な引き継ぎになりますが、協定書において「市もしくは市が指定するものへ業務の引き継ぎ等を行わなければならない」と規定しております。施設に応じて個別に対応していくということになります。
3点目のこれまでの評価についてはということですが、指定管理者の施設管理に対する業務報告は、地方自治法第244条第2項第7号におきまして、毎年度市へ提出するというように義務づけをされております。当市においては、毎月事業報告を提出していただきまして管理状況の確認を行うとともに、必要な場合には、同条第10号の規定によりまして実地調査を行い、施設の管理状況、市民へのサービスの状況などを検証しております。
指定管理者制度を導入したことによりまして、開館時間の延長など市民のサービスの向上や、約3億8800万円の経費削減を図ったところでございます。
第三者評価につきましては、市の内部において毎月の事業報告、実地調査をもとに、常に市民のサービス提供、効率的な施設管理の状況をチェックしておりまして、また同時に、毎年の監査において運用の効率性等をチェックしていただいております。また、パターブルフ場などにおいては利用者のアンケートも行っておりまして、他の施設におきましても必要に応じて実施したいと考えております。
現在のところ、民間団体等第三者による評価を実施する予定はございません。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 2番 水野岳男君。
◆2番(水野岳男君) 御答弁ありがとうございました。
最初の基本方針については、個別にやっているので特に改めて定めるつもりはないということです。ある程度
指定管理者制度の導入というのも一段落ついているのかなというふうに思いますので、今さら感もございますのでそれほど必要ないかもしれませんが、よりわかりやすい方法をということで、そういう視点で御指摘をさせていただきました。
ガイドラインの方は協定書ということで、中で行っているということで、今後もスムーズな運営をお願いしたいと思います。
評価についてで、アンケートなどやっているものもあるということでございました。特に再質するつもりはなかったんですが、1点だけ、質問の中ではこういった評価を公表することによって運営が改善されていくんじゃないかということも聞いていたんですが、その辺の評価を公表するという部分、アンケート調査内容をどのように公表されるのかという部分でちょっとお答えいただければなというふうに思いますが、お願いいたします。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
◎
都市戦略部長(磯谷均君) 大変貴重な御意見でございますが、現状においては、例えば広報、ホームページで公表するというようなことは行っておりませんが、現状では、希望があれば情報公開の中で皆様にお知らせするということですが、特に関心の深い、例えば施設ごとの公表とか、そういったものはこれから検討してまいりたいと考えます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 2番 水野岳男君。
◆2番(水野岳男君) ありがとうございました。
次の質問に移ります。
大項目3点目は、適正な施設運営のこれからというものでございます。今議会に提出された議案の中には公共施設の予約システムの変更に伴う条例改正が出ており、料金見直しなど大幅な変更が予定されておりますが、運営時間ということに関しては、見直しされていないように見受けられました。先日、ある福祉センターに行きましたところ、平日の夕方だったためかわかりませんが、だれも利用されておらず、予約も入っていない、そういった状態でありましたが、それでも運営はされているということで、多少もったいないなあという感じがいたしました。利用者もいない、予約も入っていないような日は、運営時間を17時までにしてもよいのではないでしょうか。
そこで2点お伺いします。
1点目に、福祉センター等の市内の施設につきまして、時間別、曜日別の利用状況をどのように把握し、分析をしておられますか。
2点目に、利用者のいない時間の運営時間を見直し、経費の削減を図ってはいかがでしょうか、御答弁よろしくお願いいたします。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
◎
都市戦略部長(磯谷均君) 市内の公共施設におきましては、利用システム、そういったものの中で、施設ごとに利用状況の把握・分析をしております。
現在、福祉センターにおきましては管理経費の削減のために、19時以降に利用の予約がない場合には閉館をしております。今般の公共施設の利用見直しにおきまして、平成23年度からはまず第一に利用者の利便性を確保するという大前提の中で、開館時間の弾力的な運用をしてまいりたいと存じます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 2番 水野岳男君。
◆2番(水野岳男君) 御答弁ありがとうございました。
一定の前向きな御答弁であるというふうに受けとめましたが、もう少し具体的に、どういった運営の改善を図られるのかということをお伺いできればと思いますが。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
◎
都市戦略部長(磯谷均君) 会館時間の弾力的な運用ということですが、まだしっかり決めておるわけではございません。案としましては、現在午後7時ということですが、5時の時点で利用者がない場合には閉館するというようなことを検討しておるところでございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 2番 水野岳男君。
◆2番(水野岳男君) ありがとうございました。
大変前向きな発言かというふうに思いますので、次に移りたいと思います。
大項目4点目は、地域防災のこれからというものであります。
阪神大震災で命を救われた人の8割は地域住民の手をかりたという分析もあり、災害時の対応は、まず地域が基本にあるべきであります。ことしも市の総合防災訓練に参加させていただきました。大規模地震であれば市全域に影響するわけですから、全市民が一斉に行うというのは大変意味のあることで、高く評価できることであります。関係各位の御努力には敬意を表する次第でございます。大変暑い中での訓練でしたが、あれだけ多くの市民が参加されるとなると、多くの意見、反応があったのではないでしょうか。実際、私も大災害となれば、もっと細かく地域の公民館などに避難することが予想できるので、近くで避難訓練ができないかとか、集中豪雨、台風による水害や土砂崩れなどを想定した訓練はどうなっているのかなど、意見を伺っておりました。
そこでお伺いしますが、1点目に、ことしも8月に行われた総合防災訓練の中で、さまざまな市民の皆様からの反応があったかと思いますが、どのようなものがあったのでしょうか。また、さらなる地域防災の強化にどのように生かしていくのでしょうか。
2つ目に、地震以外を想定した訓練はどのように行われているのでしょうか、お伺いします。
3つ目に、学校における防災教育についてお伺いをします。
各学校での避難訓練などは行われていると思いますが、近い将来の自主防災組織の担い手として、防災意識を学校で教えていくのも有効な手段と考えます。ただ話を聞くだけでなく、やはり体験学習や防災倉庫の確認・点検など、見たり触れたりして防災意識をつけていくのがよいのではないでしょうか。本格的な消火活動の訓練をする例もあり、例えば東京都足立区の中学校では、ポンプを配備し、中学生消火隊を組織しているそうであります。本市では、消防団の数がふえているなど、市民の防災意識は高いと思いますが、地域によっては温度差もありますので、将来の担い手を育てていくという観点から、今後の参考にもなるのかなというふうに思います。各務原市の学校の先生方は非常に教育熱心であると聞いておりますので、あれをやれ、これをやれというような話は言いませんが、将来の地域防災の担い手を育てるという観点から、学校教育における防災教育についてどのようにお考えでしょうか、お伺いをいたします。
○議長(古田澄信君) 総務部長 五島次郎君。
(総務部長 五島次郎君登壇)
◎総務部長(五島次郎君) 私からは、地域防災のこれからに関する3点の御質問のうち、2点お答えさせていただきますけど、まず1点目でございます。
今年度の総合防災訓練では49団体、約6000名の参加をいただき、全市民参加型総合防災訓練として市内20カ所で実施させていただきました。
ことしで3回目となりました全市民参加型総合防災訓練では、市民にも定着し、自治会長を初め参加された皆様方からは、意欲的に訓練に参加でき防災意識が高まった、あるいは日ごろ体験できないことを訓練できて有意義だったとのお声をいただき、おおむね好評をいただいており、一定の成果があったものと考えております。
この全市民参加型総合防災訓練は、毎年市内各地域で実施することにより、全市域的に防災意識の向上を図ることができ、また、より多くの市民の参加をいただくことにより、それぞれの地域で協力し、ともに助け合う共助の考えが根づくものと確信しております。
来年度以降も全市民参加型総合防災訓練として実施することが市防災会議でも決定されており、自治会長を初め市民の皆さんの御意見を参考に、よりよいものにしていきたいと考えております。
続きまして、2点目の御質問の、広く一般市民を対象とした地震以外の災害を想定した訓練としましては、例えば総合防災訓練副会場で実施している避難所運営訓練や市職員の非常招集訓練など、地震以外の災害でも成果が生かせる訓練として実施しております。このほかに、各自治会におきましては、地震以外の災害を想定した実働的な自主防災訓練も実施されており、その際には、消防を含めた市の担当者も訓練現場へ伺い、指導並びに情報交換を行っております。
さらに、今後は水害や土砂災害など地域特性も考慮しながら、自主防災訓練として有効な訓練である災害図上訓練(DIG)などを取り入れていただき、地震以外の災害も想定した訓練の実施を呼びかけてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(古田澄信君) 教育長 高根靖臣君。
(教育長 高根靖臣君登壇)
◎教育長(高根靖臣君) 私からは、学校における防災教育についてお答えをします。
学校におきましては、社会科の学習で小学校5年生や中学校2年生で災害と防災の学習をしております。理科においても、小学校5年生や6年生、あるいは中学校1年生で地震や台風など自然災害について学習し、防災意識を高めております。また、保健においては、災害に遭ったときの対処法や手当ての仕方など学習をしています。今お答えしたのは、すべての子どもたちにやっていますよということです。
それで、議員が御指摘になった将来の地域防災の担い手に子どもは何とかならんやろうかということについてお答えをします。
実際に災害が起きたときには、地域の初動態勢が大変重要になってきます。その初動態勢の担い手として、実は各務野冒険塾に参加した子どもたち、まさに災害時に似た状況を無人島で体験しておりますので、そこの子どもたちから広がることを期待しております。以上です。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 2番 水野岳男君。
◆2番(水野岳男君) 御答弁ありがとうございました。
今御答弁ありましたように、やはり地域コミュニティーというのが大事になるのかなあと。ふだんのさまざまなコミュニケーションの中で、だれがいるかわからないとか、そういうようなことがないように、ぜひ地域づくり、まちづくり、地域コミュニティー、最初の質問にもありましたが、こういうところをしっかりとサポートできるようにしていただきたいというふうに思います。
それから、教育面では冒険塾も1つの、将来の子どもたちが地域の防災の担い手になるということでございますが、やはりこれも続けていかないと、今後、10年後、何年後かわかりませんが、その子たちが育ってきたときに、ぜひその体験を役立てていただけるように、またその子たちからさらに別の子たちに広げていっていただけるように、これからも頑張っていただきたいというふうに思います。
質問を終わります。
○議長(古田澄信君) 7番 高島貴美子君。
(7番 高島貴美子君質問席へ)
◆7番(高島貴美子君) 市議会公明党、高島貴美子です。
それでは、議長より発言のお許しをいただきましたので、通告してあります3点について質問させていただきます。
まず初めに、児童虐待について質問させていただきます。
以前、市長は家族の絆を提唱されていました。一番大切な深い絆で結ばれているはずの家族、心のよりどころの家庭から連日悲しい報道がなされています。大阪市の幼い姉弟が母親の育児放棄で死亡し、横浜市では1歳の女の子が木箱の中で窒息死するなど、親による子どもへの信じがたい児童虐待事件が後を絶たない状況にあります。
児童虐待防止法等に関する法律、通称児童虐待防止法は2000年11月に施行され、10年がたちました。この防止法の特徴は、超党派による議員立法であるという点で、議員の熱意や民間の声を吸い上げる形での立法でした。もともと日本には、子どもの福祉を守る法律として児童福祉法があります。18歳までの児童を対象として2005年に改正され、子どもの虐待に関して通告の義務、自宅などへの強制立入調査、子どもの一時保護、家庭裁判所への申し立てが盛り込まれています。しかし、児童虐待防止法ができる以前は、児童福祉法はあまり有効に行使されていませんでした。
1990年に入ってから、次第に子どもの虐待の存在が社会問題化してきました。メディアによる報道や、民間団体による防止活動が活発化したことや、1994年に子どもの権利条約と称される国際条約を批准したことなどから、社会問題化される大きな原動力となりました。こうした動きに歩調を合わせるように、児童相談所における虐待に関する相談処理件数は、統計をとり始めた当初の1990年度は1101件であったものが、9年後には1万件を超え、1万1631件となり、2007年度には4万件を突破し、昨年の2009年度には過去最多の4万4210件となりました。極めて深刻な事態に対し、ことし8月5日、参議院の予算委員会で、公明党の山口那津男代表は、菅総理にもっと真剣に取り組むべきだと厳しく迫りました。事は命の問題であり、一刻の猶予も許されないからです。大阪市の虐待事件では、近隣住民の3回にわたる通知を受け、児童虐待への対応で中心的な役割を担う児童相談所の職員が5回も現場を訪問しましたが、室内には入れなかったため、子どもの命の安全確認ができませんでした。これは問題の1点として指摘されています。
こうした事態を受け、厚生労働省は、虐待情報の通報を受けた場合、児童相談所の職員が子どもに実際に会って48時間以内に安否を確認するよう、全国の自治体に通知を出しています。課題だった安全確認の初動対応強化を目指すもので、一歩前進と評価してもいいのではないかと思います。
その一方で、児童相談所には慢性的な人手不足という問題もあります。出頭要求の要件が緩和されることで、安全確認が改善されることを期待したところです。ただ、これによって児童相談所の職員に過度の負担がかからないよう、職員の配置など十分に考えていくべきと思います。
さらに、母親の育児不安や孤立が虐待の温床になっている点も忘れてはならないことだと思います。生後4カ月までの乳児がいる家庭を訪問するこんにちは赤ちゃん事業が、公明党の主張で展開されています。当市でも、保護者の皆さんの健康と赤ちゃんの健やかな成長、楽しい子育てを応援するために、赤ちゃんの訪問スタッフがおめでとうの気持ちとともに、子育て支援情報を届けています。
そこで、2点にわたり質問させていただきます。
まず1点目として、各務原市における虐待に関する相談件数の推移と現状をどのように認識しているのか、お聞きしたいと思います。
2点目として、児童虐待死ゼロを目指しての取り組みが叫ばれ、児童福祉法の改正により設置された養護児童対策地域協議会が受け皿となり、子どもの情報を共有し、児童虐待防止のネットワーク強化が図られています。それでも虐待は待ったなしです。いつ、どこで、何が起きるかわかりません。立場の弱い子どもを虐待する行為は決して許されることではないのですが、そこまで追い詰められた親をも救わなければならないなど、水面下に潜んでいる問題にも目を向けていく必要があると思います。
厚生労働省は、児童虐待防止法が施行された11月を児童虐待防止推進月間と定め、児童虐待問題に対する家庭や学校、地域など、社会全般の関心と理解を深めるため、さまざまな広報啓発活動などを毎年実施しています。当市においても、対策があればお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 五藤龍彦君。
(
健康福祉部長 五藤龍彦君登壇)
◎
健康福祉部長(五藤龍彦君) 児童虐待についての御質問にお答えを申し上げます。
まず、最近の現状をどのように認識しているかということでございますが、都市化や核家族化が進み、地域のつながりも希薄になりつつあり、また少子化が進み、乳幼児との触れ合いの経験が少ない世代の親が増加している傾向の中で、家庭や地域における子育て力の低下が心配されている現状であると存じます。そのような中で、マタニティーブルーや産後うつなどの育児不安を感じながらも、日々子育てに奮闘している姿も少なくありません。当市でも、現在まで他市に見られるような悲惨な虐待死に至った事件は幸いございませんが、今後、児童虐待の通報や、さまざまな子育てに関する相談を通じまして、育児支援が必要な家庭がさらにふえてくると認識をいたしております。
次に、市としての今の現状と対策についてお答え申し上げます。
まず、平成21年度の家庭児童相談件数でありますが、延べ795件で、うち虐待も含み、子どもの養育に関する相談は679件ございました。この相談の背景には、夫婦や家族関係の悪化、母親一人の孤立した育児による不安、経済的な不安など、複雑な事情が絡む傾向がございます。そこで本市では、平成18年から各務原市要保護児童対策地域協議会を立ち上げ、医療機関、警察、教育関係機関、保健所、子ども相談センター、民生児童委員、保育所、幼稚園等の代表が情報を共有し、速やかな連携を図っておるところでございます。また、実務者担当の会議といたしまして、子ども相談センターや市保健師等で気になる家庭の支援内容や状況を毎月確認する育児支援検討会議、関係者からの情報収集と共有のためのケース会議等も随時実施をし、早期発見、早期対応など、適切な援助及び発生防止に取り組んでおります。
また、当市では、このような児童虐待の予防、あるいは未然防止という観点から、育児の苦労を共感しながらもっと楽しい育児につなげ、さらに家族のきずなの大切さを感じてもらうための子ども館の運営、おめでとうの気持ちと子育て支援情報を伝えるこんにちは赤ちゃん訪問事業、地域の先輩ママさんとつながり、地域の応援を感じながら赤ちゃんを育てていく親子サロンの開設、あるいは運営支援などの事業に特に力を入れ、つながって育て合う各務原市の実現を目指しているところでございます。以上です。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 7番 高島貴美子君。
◆7番(高島貴美子君) 御答弁ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
続きまして、2点目の予防ワクチンの公費助成についてお伺いいたします。
女性特有の子宮頸がんは、予防ができる唯一のがんと言われています。年間約1万5000人が新たに罹患し、約3500人が亡くなっていると推計されていますが、近年、若年化傾向にあり、死亡率も高くなっています。結婚前、妊娠前の罹患は女性の人生設計を大きく変えてしまいかねず、子宮頸がんの予防対策が強く望まれています。
子宮頸がんは、主な原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)のワクチンについて、先進国では対象年齢の女子全員に公費でワクチンを接種するところも多いですが、日本では、まだワクチンの接種は任意のため、四、五万かかる経費は全額自己負担が原則となっています。そのため、経済的負担を軽減するため、公費助成に独自に取り組む自治体が広がっています。今では114自治体、6.5%が公費助成を行い、うち78自治体、68.4%が1万2000円以上の助成を行っていることが明らかになっています。公明党は、国会議員や地方議員が連携し、ことし5月には、子宮頸がんの予防接種を全額国費で補助することなどを柱とした子宮頸がん予防法案を参院に提出するなど、全力で取り組んでいます。
来年度の国の一般会計の概算要求では、予防ワクチンへの助成が150億円盛り込まれました。子宮頸がんの予防ワクチン接種に対する公費助成については、ことしの3月議会でも質問をさせていただきました。そのときの答弁では、できる限り早期に実現するよう検討を進め、国の動向を見ながら対応してまいりますとの回答をいただいています。また、5月には市議会公明党として、ワクチンに関する公費助成要望書を提出させていただきました。そこで、当市のその後の対応についてお伺いしたいと思います。
次に、子どもの細菌性髄膜炎の予防ワクチンの件についてお伺いします。
細菌性は化膿性髄膜炎とも呼ばれ、ウイルス性より発症頻度は低いですが、重症化しやすく、さまざまな原因菌があります。そのうち、ヒブが6割以上、肺炎球菌が3割近くを占めていると言われています。年間1000人近くの子どもが発症し、約5%の子どもが死亡、約25%に手足の麻痺や発達のおくれ、難聴、てんかんなど、後遺症が見られるそうです。細菌性髄膜炎では、抗生剤を点滴で投与し、治療を行います。ところが、風邪の患者らに内服用の抗生剤を処方することが一般化しており、1990年ごろから抗生剤が効きにくく、ヒブや肺炎球菌などの耐性菌が急増し、日本は世界で最も耐性菌が多い国の1つとなっています。髄膜炎治療への影響も避けられず、実際に耐性菌による細菌性髄膜炎患者がふえ、治療が難しくなっています。診断も治療も難しい病気の場合、予防が最大の決め手と言えます。医者も、根本的解決策はワクチン接種で発症を防ぐしかないと口をそろえ、効果に期待を寄せています。耐性菌については、最近マスメディアで、複数の抗生物質が効かなくなった多剤耐性菌アシネトバクターによる感染例が相次ぐなど、また抗生物質がほとんど効かない新型耐性菌スーパー細菌等の報道があり、話題になっています。
子どもの細菌性髄膜炎の原因となるヒブの予防ワクチンについての公費助成を行う自治体は204自治体、11.7%に広がり、助成額も3000円から4000円未満を助成する自治体が44.1%を占めています。また、ヒブについて細菌性髄膜炎の原因となっている肺炎球菌の小児用ワクチンに公費助成を使う市区町村は11自治体、0.6%があります。うち36.4%の自治体が助成額5000円以上となっています。当市においても、細菌性髄膜炎などの病気から子どもを守るため、予防ワクチンであるヒブ及び肺炎球菌の小児用予防ワクチンに公費助成を検討してはと思いますが、当市の御所見をお伺いいたします。
○議長(古田澄信君) 市長 森真君。
(市長 森真君登壇)
◎市長(森真君) 私からは、予防ワクチンの公費助成についてお答えをいたします。
議員御案内のとおり、予防接種には、国が責任を持って行う定期接種と希望する方が受ける任意接種がございます。市としては、国民の健康を守るという観点から、重症化する疾病に有効な予防接種は安全性を検証し、原則的に国が定期予防接種に位置づけ実施すべきものだと考えております。
そこで、子宮頸がん予防ワクチンにつきましては、国は、子宮頸がん予防対策強化事業として150億円を予算の概算要求に計上されたところでございます。これは、任意接種に対して初めて行われる補助でございまして、市町村独自の事業を国が支援する位置づけとなっているようでございます。それから、ヒブ、肺炎球菌ワクチンにつきましては、私どもは市長会等を通じて国に定期接種化を要望中であります。厚生労働省の予防接種部会で、ヒブ、肺炎球菌ワクチンの定期接種化について、早期実施に向けて今検討されているところでございます。そこで各務原市としては、これらの国の制度設計の動向を踏まえ、新年度予算編成の中で前向きに対処いたします。以上です。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 7番 高島貴美子君。
◆7番(高島貴美子君) 前向きにお願いいたします。
今、ワクチンにつきましては前向きな御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。人に優しい都市づくりを推進する市長さんですので、必ず考えていただけると思っております。
実は、御存じのように、既に国の補助を待たずに単独で今年度から助成を始めた市町もあります。栃木県の大田原市は、全額公費負担だそうです。県内では大垣市、岐南町が始まります。また、昨日の新聞によりますと、名古屋市でも中学1・2年生対象に、この10月1日から全額補助が始まります。各務原市でも来年度から補助が始まるとなれば、娘さんをお持ちの多くの親御さんたちからも大変喜ばれると思います。
ただ、補助制度の開始に当たっては、1つだけお願いがあります。ぜひ接種の対象年齢の幅を広く設定していただきながら、中学1年生から高校1年生までの希望者ぐらいに設定していただけるといいなと思っております。そうすると、現在中学生のお子さんの接種もできるから、もうやっていただけるという前提の上でお話をさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
では、最後に3点目の質問に入ります。
小惑星探査機「はやぶさ」の展示についてお伺いいたします。
去る6月13日、小惑星探査機「はやぶさ」は打ち上げられ7年、小惑星「イトカワ」への60億キロメートルの壮大な宇宙の旅を経て、私たちに宇宙のロマンを帰還カプセルに乗せて地球に届けてくれました。
小惑星探査機の「はやぶさ」は、2003年5月9日に宇宙科学研究所が鹿児島の内之浦から打ち上げた小惑星探査機です。イオンエンジンの実証試験を行いながら、2005年夏にアポロ群の小惑星「イトカワ」に到達し、その表面を詳しく観測してサンプル採集を試みた後、2010年6月13日、60億キロメートルの旅を終え、地球に大気圏再突入しました。サンプルの容器がおさめられたカプセルはオーストラリアで無事に回収され、その後、日本に到着し、内容物の調査が進められています。独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、これまで相模原市立博物館や筑波宇宙センター、丸の内オアゾなどで小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルの一部を展示してきましたが、より多くの方に「はやぶさ」のカプセルを通じて宇宙に興味を持っていただき、また宇宙活動を知っていただくため展示団体を公募しています。当市においても、航空宇宙技術に大きな功績をもたらした「はやぶさ」の帰還カプセル、実物大等の展示をJAXAに申し込み、当市の航空宇宙科学博物館に展示して、子どもたちの宇宙への関心を高めてはと思いますが、当市の御所見をお伺いいたします。
○議長(古田澄信君)
産業文化部長 足立全規君。
(
産業文化部長 足立全規君登壇)
◎
産業文化部長(足立全規君) 高島議員からは、各務原航空宇宙科学博物館の魅力を高める思いでの御質問をちょうだいしました。前向きな答弁をいたします。
日本の宇宙科学技術を結集した小惑星探査機「はやぶさ」は、幾多の困難を乗り越え、7年間の宇宙の旅を終えて、去る6月に話題のカプセルが無事帰還いたしました。
JAXAは、この成果を広く国民と共有し、宇宙活動の普及啓発に資することを目的に、議員御指摘のとおり「はやぶさ」帰還カプセル等の展示協力団体を現在公募中でございます。帰還したカプセル等は世界で唯一のもので、国民の貴重な財産であり、子どもたちを初め多くの来館者に宇宙への夢とロマンを与え、当博物館で展示するにふさわしいことから、展示実現に向け、JAXAに貸与申請をしてまいりたいと存じます。
今後とも、楽しみながら航空宇宙文化を学んでいただける施設を目指し、航空宇宙に関する情報発信力のある博物館づくりに努めてまいります。以上でございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 7番 高島貴美子君。
◆7番(高島貴美子君) 御答弁ありがとうございました。
各務原市で展示していただけることを願って質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(古田澄信君) 20番 今尾泰造君。
(20番 今尾泰造君質問席へ)
◆20番(今尾泰造君) 今尾泰造です。日本共産党市議団を代表して3点の質問をします。
第1は、入札と公契約についてのお尋ねです。
深刻な経済不況のもとで仕事が減り、公共工事の分野にも低価格入札がふえています。こうした低価格受注競争のしわ寄せが中小零細下請業者の経営悪化、現場建設労働者の低賃金、労働条件の悪化となって連動してきているのです。
我が市の入札についても、このところ入札を辞退する参加者が何件か見られます。また、予定価格を大きく割り込んだ低入札価格調査の対象となる事案も幾つか出ています。そうしたことで、今回提案されている(仮称)
各務原大橋上部工工事(その2)の
工事請負契約の締結についてお尋ねします。
随意契約によって、清水・前田特定建設工事共同企業体と4億845万円で契約しようというものです。予定価格は4億5696万円ですので、落札率89.38%です。ところで、同じ上部工工事(その1)を6月の市議会に提案しています。同じ清水・前田特定建設工事共同企業体と18億5430万円で契約しました。予定価格は32億5785万円余で、落札率は56.92%という低価格落札の契約案件でした。市が定めた低入札価格調査対象の要綱にも抵触する安値でした。私どもは、この低入札価格が工事の質にも人件費にも影響を与える問題だと指摘してきました。しかるに今回の入札です。この工事の入札にかかわって幾つかの疑問を感じます。まず、今回のように、本来一般競争入札にかけるべきものを随意契約にしたのはなぜか、その理由をお聞きします。
また、上部工工事は、その1と今回のその2は一体の事業であるはずで、後から追加の工事ではないはずです。工事完了日も同じなのに分割し、おくれて発注した理由が不明です。説明してください。
低入札価格は、最終的には現場労働者の賃金、労働条件を切り下げることになり、さらには欠陥構造物づくりにつながることから、その改善が叫ばれてきました。国土交通省は、入札制度の改善を地方自治体に要請しました。低入札価格調査基準価格の設定範囲の引き上げが20年ぶりに行われたという内容が、県を通じて市町村に周知が図られました。2009年5月15日付の通知です。我が市はこの通知をどう受けとめたのか、どう具体化したのか、お聞きします。
国土交通省が昨年4月3日に都道府県及び市町村に、「公共工事の入札及び契約手続のさらなる改善等について」という要請文書を送付しました。その中で、いわゆる歩切りなるものは現に慎むことも指摘しています。これは、設計価格や積算価格から一定の割合を減額し、予定価格にするというものです。この問題については、かつて私が、市が歩切りを実施していることで市内業者が苦しんでいることを取り上げました。この問題では、今回の通知をどう受けとめているのか、お聞きします。
良質の工事と労働条件確保のため、各地で最低制限価格制度導入の動きが進んでいます。それは、まず予定価格を基準に一定の割合の価格を最低制限価格と定めます。予定価格の範囲内で申し込みをしたうちで、最低制限価格以上で申し込みをしたもので、最低価格を落札者と決定する制度です。低価格の落札による弊害を防止する方法として効果がある制度です。
この間の市の公共事業の入札契約の動きを見てくると、明朗な状況には必ずしもなっていません。そうしたことをかんがみ、国交省の要望している制度改善、最低制限価格制度の採用も考えるべきではないでしょうか、お尋ねします。
こうした低価格入札、発注者である市からの厳しい要求は、結局は工事の質の低下、建設労働者、下請業者に大きな負担を課することになっています。こうしたもとで、公共工事や公共サービスを発注する国・自治体などの公的機関と受注した事業者との間で結ばれる契約が、すなわち公契約です。生活できる賃金など労働条件を確保した法律、条例の制定を求める世論と運動が進んでいる状況です。そこには、「官製ワーキングプア」と呼ばれる深刻な事態が広がっていることに要因があります。
全国で770を超す自治体が、公契約法制定を国に求める意見書採択を行っています。全国で初めて自治体として公契約条例をつくった千葉県野田市の取り組みから、全国市長会の国への決議として広がってきています。市長は、この全国市長会の決議をどう受けとめているのか、お聞きします。国に対して、法整備の要求とともにあわせて、市として同様の条例を整備することが大事と考えます。市の考えをお聞きします。
○議長(古田澄信君) 総務部長 五島次郎君。
(総務部長 五島次郎君登壇)
◎総務部長(五島次郎君) 私からは、入札制度と公契約のうち、総務部所管分について御答弁させていただきます。
御質問の1点目でございます。
(仮称)
各務原大橋上部工工事(その2)の契約方式につきましては、工事の内容及び工程等を総合的に検討した結果、(仮称)
各務原大橋上部工工事の受注業者に発注することが最も適切であると判断し、随意契約といたしました。
御質問の2点目でございます。
国が求めております契約手続の改善につきましては、検討し、対応しております。その中では、昨年4月に低価格入札調査を実施する調査基準価格を、従来の予定価格2分の1であったものを3分の2から10分の8.5の範囲で、市長が定める割合と改正しております。予定価格の積算につきましては、予定価格の積算に際して、最新の積算単価と見積もりを活用し、適正に算出しております。
御質問の3点目でございます。
低落札率での入札に対しましては、現在の低入札価格制度により十分対応できております。したがいまして、最低制限価格制度の採用は、現在のところ考えておりません。
御質問の4点目でございます。
公契約条例の制定につきましては、国におけるILO94号条約の批准や公契約法の制定など、一自治体で完結できない問題があることから、国・県及び県内他市町村における動向について注視しながら考えてまいります。以上でございます。
○議長(古田澄信君)
都市建設部長 大石誠君。
(
都市建設部長 大石誠君登壇)
◎
都市建設部長(大石誠君) 私の方からは、今尾議員から質問があったうちの、どうして今回の工事を一緒に発注しなかったのかということに対しての回答です。
今回の提案の工事につきましては、当初から入札差金にて追加しようというふうに考えていたものでございます。それとあわせて国の交付金の増額に伴いまして、来年度発注を予定していた橋面工の一部を前倒ししまして、今回発注しようとするものでございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 20番 今尾泰造君。
◆20番(今尾泰造君) ただいまの答弁に対して改めて再質問をいたしますが、まず1つには、今回の各務原大橋の随意契約の問題です。これは、しっかりと会計法とか地方自治法の施行令でも安易に随意契約を認めていないということになっているわけです。しかも、今回は4億円という多額の事業を随意契約を行うということは、これは問題になるわけです。私、いろいろと法律、なかなか難しいんですが見ました。この問題については、会計法第29条の3で、契約の性質または目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合、及び競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより随意契約を行う。また、もう1つは予定価格が少額である場合、この2つについて随意契約を認めているわけですね。そのほかにはどういうことがあるか。これはどこを見てもないわけですね。
それで、市の説明によりますと、地方自治法施行令の先ほど言いました第167条の2第1項第2号に依拠しているようです。この条文を見てみますと、不動産の買い入れまたは借し入れ、普通地方公共団体が必要とする物品の製造、修理、加工、または納入に使用させるため必要な物品の売払いその他の契約で、その性質または目的が競争入札に適しないものをするとき、これが論拠だということですが、この項目は買い入れ、物品購入の問題であって、製造の問題ではないんですけれども、しかも、そこのその他の契約でこれを随契に持ち込んだという説明です。そうすると、大体こういう条文ですと、その他というと極めて少ない例をいうわけですね。4億円というような工事費を使っての契約を、このその他の契約に該当することで随意契約を進めるのは、いかにも乱暴なことではないでしょうか。その随意契約を結んだということについて、まずお尋ねをいたします。
そして、今回の落札率を89%にして、その予定価格との差、そしてその1の工事をやった6月の議会でのおよそ56.92%の低価格入札の、随分と企業でいえば赤字になるところですけれども、その穴は、このその2工事で89%という、いわば高額の入札をしているわけです。その穴埋めは、今回のこの契約で行われているのではないか。こういうことですと、この2つの工事というのは、つまりもう最初から出来レースではなかったかということを強く感じます。そういうことで、この問題をもう一度説明していただきたいと思います。
それから、国交省の入札制度の改善を求める問題で、先ほどの答弁では、聞き逃したかもわかりませんが、3分の2から10分の8.5に改善したということを言っておられましたが、もしそれだと少し違うんじゃないでしょうか。先ほど私、説明しましたように、昨年の5月、国交省は通達を出して改善を求めました。その中には、低入札価格の基準を高めるということで、ここでは10分の7から10分の9に引き上げる、こういう指導をしているわけです。ですから、各務原市は全く国交省のそうした通達も昨年出ているんだけれども、それに合わせないで、依然として従来の3分の2から10分の8.5の落札率の枠内で入札を認めてきたという中身になるんではないでしょうか。だから、全く通達を無視しているという、こういう態度じゃないんですか。この変わっていないということはどういうことなのか、説明を受けたと思います。
それからもう1つは、先ほど国交省の通達の中での歩切りの問題についてお尋ねをいたします。
それから、公契約の問題については、先ほども説明しましたように、既に全国では777の自治体がこの問題で法整備をするべきだということで歩調を合わせているわけですね。各務原市ではそういう動きになっていないので、ここには加わっていないんですけれども、そういう流れは野田市で条例を制定したと同時に、それに準ずるような制度に改善をしてきているということを見たときに、これは早急にやるべき内容だと思います。改めてお尋ねします。
○議長(古田澄信君) 総務部長 五島次郎君。
◎総務部長(五島次郎君) 何点か再質問がありましたので、順次お答えさせていただきます。
まず、随意契約とした詳細な理由としましては、施工面、安全性及びコストの面から判断いたしました。
1点目は、上部工工事に使用する大型仮設けたを使用した施工が可能となり、それらの附帯施設を使用することにより、より安全な工程管理のもと、工事費の軽減を図ることができるということが1点あります。
それから2点目は、橋梁上という限られた作業スペースでの同一業者が施工となるため、混雑、繁雑さの解消となるということが上げられるかと思います。
3点目には、両工事を合算経費することにより、コストの縮減が図られるということでございます。これが理由ということでございます。
それから、見積価格の歩切りの関係でございますけれども、先ほどもお話をさせていただきましたが、予定価格の積算に際しましては、最新の積算単価と見積もりを活用し、適正に算出しており、予定価格の歩切りによる切り下げは行っておりません。
それから、国の通達に基づいて調査基準価格をというようなお話でございますが、先ほどもお話しさせていただきましたように、この文書が出たのが4月でございます。したがいまして、昨年の4月にそれまでは2分の1であったものを要するに変えたということでございまして、おっしゃるとおりに10分の7から10分の9ということでございますが、一応段階的に行ったということでございますので、御理解いただきたいと思います。
それから公契約でございますけれども、公契約というのは、例えば各務原市だけがやったとしても、それらについて国で全国的に統一しなければ意味がないものというふうに思っております。例えばそのことによりまして、制限を受けるのは市の業者の方が多いと思われますが、この公契約によりまして、それじゃあそこの会社に働いている方が各務原市市民だけかというと、そうじゃありません。それから、各務原市民の方もほかの市町村で働いてみえるということでございますので、これを一自治体で完結する問題ではないということで、私どもとしては今のところ考えていないということでございます。以上でございます。
○議長(古田澄信君)
都市建設部長 大石誠君。
◎
都市建設部長(大石誠君) 先ほど、その1工事の穴埋めではないかという御指摘がありましたが、その設計におきましては、今回は追加工事が別の工事ということで、積算の方におきましても1つ1つの工種、それから数量を積み上げまして、適正に積算しているものでございます。以上です。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 20番 今尾泰造君。
◆20番(今尾泰造君) まず、各務原大橋の随契の問題です。
先ほどの説明ですと、例えば単価が安くなるとか、それから重機などの搬入の点でも軽減されるとか、あるいは同じ上部工の工事をほかの業者が入ると非常に混雑するということが説明のようですけれども、一番大もとにある随意契約を行っていいというのは、極めて特定の問題ですね。今のような説明は、これはこの発注者である各務原市と、それから事業を受けている業者との間で整理をしていかなければならないことは当然ですけれども、それを理由にして随意契約を行うということにはならないわけですし、法的にもそのことはどこにも保証されていないわけですね。
それで、私さらにいろいろと、この会計法にはそういうことで2つの問題で指摘をしておりますが、もう1つ、例えば今でもこんな法律が生きているかということを思いますが、予算、決算及び会計令、これは昭和22年の省令です。つまり、天皇の権限でつくった命令文書ですね。この中では勅命という形で、明治憲法下で天皇の大権による帝国議会の協賛を得ないで出される命令ということで、これがまだ今生きているわけです。この中で、第102条の4、指名競争に付し、または随意契約によろうとする場合の財務大臣への協議という中の第4項のイというところで、現に契約履行中の工事、製造または物品の買い入れに直接関連する契約を現に履行中の契約者以外の者に履行させることが不利であること、これは露骨に当時明治天皇の時代の憲法下で行われているわけですから、こんなことが今生きているということが非常に不可思議です。この文を各務原市は引き合いに出して、今回の4億円に及ぶ随意契約の遂行の根拠にしているんではないかということを私は思います。
いろいろと市からこの問題での随意契約の説明を受けましたけれども、不明です。だけれども、カビが生えるようなこういう法律が今も生きているということで、ここにはしっかりとそういう今の各務原市が何でその工事のときには予定価格をマイナスに、大幅に損失を及ぼすようなこういう問題が起きてきたけれども、各務原市は大丈夫だといって、これをこの業者に任せたと。その2工事は、その穴埋めができるような、いわゆる帳じり合わせができるような90%に近い入札でこの業者に任せてきたと思うわけですが、1番根拠になる随意契約ができるという論拠をしっかりと示していただきたいということ。そして、これはどういう手続で随意契約にしたのかということ。この経過を説明してください。
○議長(古田澄信君) 総務部長 五島次郎君。
◎総務部長(五島次郎君) 何度も同じ答弁になるかもわかりませんけれども、私どもは地方自治法施行令第167条の2第1項第2号の規定により、競争入札に適さないと判断して随意契約といたしました。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 20番 今尾泰造君。
◆20番(今尾泰造君) まず、私の質問にお答えがなかったと思います。
この論拠にしている地方自治法施行令の第167条2項の2、先ほども言いましたけれども、もう一度読みます。「不動産の買い入れ、または借り入れ、普通地方公共団体が必要とする物品の製造、修理、加工、または納入に使用させるため必要な物品の売り払い」、この文章しかないですよ。これ以外の契約でということです。これ以外の契約というのは具体的に何ですか。これは、無理無理今回のこの各務原大橋の工事の随意契約にしようということになっていると、そうしか読めないんですよ。その点をちゃんと報告していただきたいと思います。
○議長(古田澄信君) 総務部長 五島次郎君。
◎総務部長(五島次郎君) 何度も同じような答えになるかもわかりませんが、先ほどの地方自治法施行令第167条の2第1項第2号のその他の契約ということで、対応させていただいております。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 20番 今尾泰造君。
◆20番(今尾泰造君) オウム返しのように何回も同じことを繰り返しておられますけれども、事は、私たち市民の大切な税金を使っての公共事業が行われる、その間にはいささかも疑問があってはならないわけですね。その論拠となる法律で、地方自治体、そして職員は職務を執行するわけです。その論拠となる根拠が明確に説明できないということは、これは法律が理解できていないのか、あるいは法律に逸脱する行為、こういうことしか理解できないわけです。そういう点では、これは問題があるということを指摘して、次の質問に入ります。
2点目は、老人施設の防火体制についてです。
間もなく敬老の日を迎えようとしています。長年社会に貢献してきた高齢者の皆さんへの労苦に感謝し、それに報いるため、国が、行政が、元気で安心して長生きできるような心を砕くことが何よりも大事であります。しかし、実態は福祉の後退、高齢者への負担増大が小泉内閣の行財政改革以来、政権がかわっても住みづらい状況です。高齢者にかかわる痛ましい出来事が次々と発生するにつけても、しっかりと行政としての役割が発揮されなければならない問題です。
ことし3月、札幌市の認知症グループホームで火災事故が発生し、入居者7人が死亡しました。延べ床面積は248平方メートル、入居者9人の施設は火災への備えは弱く、スプリンクラー、火災通報装置はなく、夜間の当直職員は1人だったということです。さらに、非常火災計画の未作成、避難訓練の未実施、自動火災報知設備も消防への火災通報設備も未整備だったとのことです。この火災事件に先立ち、4年前の2006年1月、長崎県大村市でのグループホーム火災で死者7人、負傷者3人が出ました。2009年3月には、群馬県渋川市の高齢者施設の火災では10人の高齢者が死亡しました。
昨年4月、消防法施行令の一部改正により、消防用設備等の設置が厳しくなりました。ところで、市内には現在グループホームは15カ所あるのですが、防火体制、設備の設置状況などはどうなのか。先般、消防署が調査も実施されているので、その状況も含めて説明してください。グループホーム以外の老人施設についても、消防用施設の整備や防火管理については万全なのか、これについても消防署は調査を実施しておられるので説明してください。
グループホームでの火災で問題になったのは、職員の夜間勤務体制でした。入居者9人を1ユニットとし、1人体制としています。こういう基準を見たときに、夜間の職員の配置に問題はないか、お尋ねします。
また、定期的に防火訓練、避難訓練は適正に実施されているのか、お聞きします。
今回の消防法令や改正によって、とりわけ移動する際に困難な入居者が多い施設における設備や職員体制などに、調査を行って問題はなかったのか、お聞きします。
○議長(古田澄信君) 消防長 横山鉱一君。
(消防長 横山鉱一君登壇)
◎消防長(横山鉱一君) 老人施設の防火体制の御質問のうち、消防に関するものにつきまして、順次、簡潔にお答えをいたします。
まず市内のグループホームの防火体制でございますが、市内15のグループホームすべてにおいて防火管理者が選任され、消防計画に基づく消防訓練等も適正に行われており、消防法上の問題はございません。
2つ目の、グループホームの消防用設備の設置状況でございますが、スプリンクラー設備にあっては7施設、自動火災報知設備にあっては12施設、消防機関への通報設備にあっては10施設に設置されております。
次に、グループホーム以外の高齢者施設につきましても、すべて防火管理者が選任され、消防計画に基づく消防訓練等も適正に行われておりまして、消防法上の問題はありません。以上でございます。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 五藤龍彦君。
(
健康福祉部長 五藤龍彦君登壇)
◎
健康福祉部長(五藤龍彦君) グループホームなど高齢者の介護保険施設の管理運営の指導監督する立場からお答えを申し上げます。
昨年の消防法改正によりまして、平成23年度までに設置が義務づけられました延べ床面積275平方メートル以上のグループホームのスプリンクラー設置につきましては、現在、国の交付金を活用して市がその整備計画の調整をし、23年度までに順次、全事業者が設置する予定でございます。また、法的に設置義務のない275平方メートル未満のグループホームにつきましても、現在、国におきまして財政支援措置が準備されているところでありまして、今後、事業者に対して指導をしてまいります。
それから、勤務体制でありますが、グループホームにおける職員の夜間勤務体制につきましては、厚生労働省令の基準に従い、各事業者が必要な人員を確保していることを確認しております。また、実地指導及び集団指導を定期的に行い、基準の遵守を徹底しており、法令上問題となる施設はございません。
また、火災等緊急時の対応につきましては、緊急時のマニュアルの整備、夜間の勤務体制を想定した避難訓練の実施、あるいは併用施設との連携体制の強化を指導しております。
次に、グループホーム以外の高齢者施設、ケアハウスとか小規模の特別養護老人ホームなどでございますが、これらの施設につきましても、国の施設運営基準に従い、職員が適切に配置されており、勤務体制上問題となる施設はございません。火災等、緊急時の対応につきましては、グループホームと同様に対応いたしております。以上です。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 20番 今尾泰造君。
◆20番(今尾泰造君) 主にはグループホームでの防火体制の整備です。今回は275平米で線を切って、先ほど部長が答弁されているように、275平米以下についてはその設置義務はないわけです。しかし、安全を確保するという点ではこの設置が求められるわけです。しかし、275平米以上の義務づけられた施設での設置についても国の交付金は出るわけですけれども、1平米当たり9000円ということですから、仮にぎりぎりの275平米あったとしても、施設については随分な負担になってくるということです、自己負担が発生するわけですから。そういう点では、全国の自治体の中では、国の交付金以外に市町村が負担をすることで対応しているということはあるわけです。まずその点で、各務原市はどうかということ。
それから、275平米以下のグループホームについては義務づけられていないけれども、しかし、これは全体のことが言えるわけですけれども、23年までにこの設置義務があっても、その間に、こうした防火設備がないということについては問題があるところです。確かに、その後については国の交付金が来るということで、設置が順次行われていくだろうけれども、その間も、全くそうした対応がなされないということでは、問題があろうかと思います。そういう点で、各務原市はどのような体制をとろうとしているのか、お尋ねをいたします。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 五藤龍彦君。
◎
健康福祉部長(五藤龍彦君) まず、国の交付金の補助額でありますが、今、今尾議員がおっしゃられましたように、1平米9000円の基準で交付がされております。21年度、市ではこの交付金を活用して3カ所、本年度は2カ所予定をしておりますが、各務原市の例では、この基準内で設置できているというふうに理解をしております。
それから、この3年の間にということですが、法の猶予期間が23年度まででございますので、市としてもできる限り国の交付金を確保して、早期に設置をしていただくように働きかけをしていきたいと思います。以上です。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 20番 今尾泰造君。
◆20番(今尾泰造君) 繰り返しになりますけれども、空白があってはならないです。防火設備に対して猶予期間があるということで、それまでにとにかく整備をするということで、事業者も、そして市も協力していくということですけれども、その間に空白があってはどんなことが起きるのかわからないし、ましてや全国各地で一番弱い状況にあるこうしたグループホームの火災事故があちこちで発生しているだけに、その対応策はいささかもおくらせることはできないと思うんです。だから、設置までの猶予期間はあるわけですけれども、それまでをどのように各務原市はしようとして、それぞれの施設と協議をしているのかということでお尋ねをしたいのと、それから問題は275平米以下ですね。先ほどスプリンクラーの設置については問題がないと、9000円の国の交付金を受けて実施をしていくということを言われましたけれども、やっぱりそれぞれの事業体のこうした負担が大きくなるということでは、275平米以下だとその義務はないということで、おくらせてくるということになってくるし、先ほどの私も報告をいたしましたが、各地で起きているのは、どちらかというと小規模のグループホームでの事件が起きているわけですから、その点で各務原市がどう対応するのか、お尋ねします。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 五藤龍彦君。
◎
健康福祉部長(五藤龍彦君) まず設備につきましては、先ほど交付金をできる限り市としても国の方から確保して、早期に設置をしていただくように働きかけをいたします。
それから、設備はそういうことでございますが、あとは夜間の職員の勤務体制、あるいは緊急発生時の対応、いわゆるマンパワーの動き、こういうものの連携強化を市では現場に入って実地指導もしておりますし、それから毎年ですが、こういう事業者を集めまして集団指導を定期的に行っておりますので、こういう中で徹底をしてまいりたいというふうに考えております。以上です。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 20番 今尾泰造君。
◆20番(今尾泰造君) 3点目の質問は、保育についてのお尋ねです。
この6月、政府は子ども・子育て新システムの基本制度案要綱を打ち出しました。幼保一体化を含めた保育分野の制度改革、規制改革の検討を昨年末以来進めてきております。2011年の通常国会で所要の法改正を行い、実施できるものは11年度から前倒しで実施し、2013年度から新制度移行をしていこうという内容です。今、各務原市でも来年度予算の編成作業に取りかかろうとしていますが、そこにも大きな影響が及ぶものです。
この新システムでは、まず国は従来の国庫補助負担金、関係補助金を一括化し、子ども・子育て包括交付金として子どもの人口等に応じて市に配分する。次に、市はこの財源を市の裁量で、子ども手当などの現金給付と保育料などの現物給付をどのように組み合わせるかを検討し、市の裁量で給付を行うというものが政府の説明です。また、保育所、幼稚園等は垣根を取り払って子ども園に一体化するとしています。この新システムは、保育を必要とする子どもの保育保障、児童福祉法に定められた国と自治体の責任による現行の保育制度を崩すものです。
その1つ目は、保育に市場原理を持ち込む直接契約制度の導入です。介護保険制度や障害者自立支援制度をモデルにした利用者と事業者の直接契約、利用者への直接補助方式と応益負担を制度の基本としています。つまり、サービスの確保は利用者の自己責任となり、応益負担で利用者負担がふえれば利用は抑制され、保育所の収入は不安定となって、保育所運営と職員処遇の低下にもなってくることが心配されます。
さらに、現内閣が打ち出している地域主権改革と一体で保育制度改革を推し進めようとしていることが問題です。地域主権確立のために、国の義務づけや枠づけの見直しの名目で、児童福祉法など関係法の一括改正を行う法案が継続審査となっている状況です。そのうち保育に関しては、保育所最低基準の廃止、地方条例化が提案されていますが、現行基準より低い条例が定められることが危惧されます。
さて、このような長年働く親の願いと運動によって守られ、発展してきた保育所、保育制度を根本から覆してしまおうという新システムが、遠い将来でなく、来年度の予算にもかかわった喫緊の問題です。市は、この新システムについてどう受けとめているのか、お聞きします。とりわけ、これまでの国庫補助負担金などが包括負担金とされて自治体任せの運営になることでは、保育サービスに地域格差が生じることになるが、このことについてどう考えているのか、お聞きします。
また、保育所最低基準の廃止、地方条例化が実施され、その運営が自治体任せにされ、その点からも問題は大きいと推測されますが、どう考えますか。
ところで、こうした国の新システムの内容を知るにつけても、保護者への負担が大きくなることはもちろん、自治体の負担もふえてくる。そして、保育の質を後退させることになってくるものです。その結果、市は保育についての責任を民営化によって転嫁しようという動きとなって各地にあらわれていると受けとめました。
我が市における保育所の民営化は、県内でもいち早く進められています。平成18年度より5年間に公立保育所を民営化した数は5カ所です。まだまだ民営化は続きます。速度の点でも、規模の点でも、我が市の民営化の取り組みは群を抜いていると受けとめています。なぜ我が市でこのようにスピードを上げて民営化が行われているのか、その理由を説明してください。
市の説明では、公立に比べて民営化すれば経費の縮減が図れる、それがメリットだとの内容です。しかし、その内容は、民営化した保育所への運営費が少なくて済むという内容には保育士の賃金が含まれており、実賃金は各保育所の給与表によるとして、市はそこまで把握をする対応ではありません。民営化の契機に新たな保育サービスをスタートさせるという形で民営化の理由づけにしています。しかし、公立のときに実施せずに、民間になったら実施するというのは理解できない態度です。民営化した保育所では、保育士の負担増大、そして賃金について職員の処遇が低下することを心配します。その点で市は把握をしていたのか、お聞きします。
ところで、これまで公立保育所を民営化するについては、市は議会への一通りの説明のみで議会の議決を経て実施しています。しかし、市の財産を民間に譲り渡すわけです。十分な論議が1つ1つの保育所について行われてしかるべきです。兵庫県西宮市は、学識経験者、市議会議員で社会保障審議会を立ち上げ、福祉にかかわる事案を諮問し、その答申に基づいて検討するという手順をとって、保育所民営化の問題を当然個々に諮られてきています。今後も我が市の保育所民営化の計画はあるわけですので、市内部での決定だけでなく、広く保護者、市民を交えた協議が必要だと考えます。
お尋ねをいたします。
今議会には、6つ目の保育所民営化に関する補正予算が提案されています。鵜沼中保育所を来年度民営化するものです。この件について若干のお尋ねをします。
まずこの民営化に伴って、鵜沼中保育所の12人の正規保育士と7人の臨時保育士の処遇はどうなるのか。市は、行革により職員の削減を進めているだけに、こうした機会に臨時職員までが削減の対象となることが危惧されます。
今回の民営化に伴っての対応をどう検討しているのか説明していただきたい。
また、民営化の当該保育所では、延長保育の時間延長、休日を含む一時保育などのサービスの充実、新設が予定されております。もちろんこうしたサービスに対する国の補助金は運営費に加算されてくるのですが、それが保育士の賃金として反映されるのでしょうか。そうでなければ市が指導することが必要ですけれども、どうでしょうか、お尋ねします。
政府は、この6月から、3歳児以上の給食の外部委託を全国どこでも可能にしました。民間委託に伴って、市内保育所給食の外部委託の状況はどうなのか、お聞きします。
このように、民間委託に切りかえることで、本来市としてすべきサービスを委託することは容認できません。今すべきことは、サービスの充実にこそ市は努力することが大事です。
その1は、病後児保育については既に実施されているが、現実には、病気になった子どもの保育を強く要望する親の声を聞きます。その点では、笠松町、羽島市では、この病児保育が実施されています。我が市での実施の考えはないのか、お聞きします。
その2は、待機児童の対応です。全国的な大問題になっているのがこのことです。我が市には待機児はいないというのが市の説明です。しかし、年度途中には、未満児の保育を希望する親が預ける保育所がなくて困っている状況が幾つか発生します。市は、保育所を選ばなければ行けるといって親の状況を見ない対応をしています。働いている親の状況、親の苦労を真剣に考えて、希望する保育所での対応を考えるべきです。どうでしょうか、お尋ねします。
保育料の軽減は、この不況下、しかも所得が大きく落ち込んでいる現状では切実です。渋谷区では、この4月から年収400万円未満の世帯については保育料の無料化に踏み切っています。財政豊かな我が市にとって福祉の充実を図ることは、やる気があれば可能なことです。市の考えをお聞きします。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 五藤龍彦君。
◎
健康福祉部長(五藤龍彦君) 保育につきまして、何点か御質問がございましたので、順次お答えを申し上げます。
まず、国が示した子育て支援策の基本制度改革案、いわゆる子ども・子育て新システムについて、どう受けとめるかという御質問でございます。
この子ども・子育て新システムは、子育て支援対策を再編成し、幼保一元化を含め、制度、財源、給付について包括的・一元的な制度を構築することを目的として、今回、基本制度案要綱として決定がされたものと認識をいたしております。
このシステムでは、市町村へ子ども・子育て包括交付金を交付し、現金給付、現物給付の配分を市町村の裁量にゆだねる制度が基本となっており、地域の実情に合わせた子育て支援施策を展開できるという点については評価できるものと考えております。
なお、今回のものはあくまでも基本制度の案でございますので、具体的な内容につきましては、まだ明確になっていないため、今後の状況を注視してまいりたいと考えております。
次に、保育所の民営化についての御質問に順次お答えします。
まず、西宮市の例を挙げて民営化の決定に至るまでの手順についての御質問でありますが、今回の市の保育所の民営化につきましては、第2次新総合計画の審議会及び第2次新行財政改革大綱の推進委員会に諮問し、その結果、公立保育所2カ所の民営化を平成22年度から24年度までの3年間で実施することとなっております。なお、民営化する保育所につきましては、規模、建物の整備状況及び公私立の地域的なバランスなどを検討し、決定をいたしております。
それから、民営化した保育所職員の処遇ですが、民営化すれば保育所職員の処遇が低下するんではないかということですが、民営化した後の保育所職員の処遇につきましては、運営法人の管理規定、就業規則及び給与規程に基づき雇用契約がされておりますので、特に問題はないと考えております。
次に、今回の鵜沼中保育所についてでありますが、保育所の民営化につきましては、今回の鵜沼中保育所に限らず、従来から市民の多様化する保育ニーズに柔軟に対応したサービスをより効率的・効果的に提供するため、保育所の民営化とともにサービスの拡大を行っております。なお、今回、鵜沼中保育所の民営化に伴いまして、12時間保育の実施、あるいは休日を含んだ一時保育の実施、あるいは生後57日目からの保育など、特別保育の拡大を図る予定でございます。
それから、現在、市の鵜沼中保育所に勤務する臨時保育士の処遇でございますが、市の臨時保育士につきましては、運営法人の募集要項に基づきまして、できる限り採用していただくようお願いをしております。あと、給与等待遇改善につきましても、保育士の経験年数を加味してお願いいたしておるところでございます。
次に、保育サービスの充実について、まず病児保育の実施でありますが、病児保育につきましては医師の確保が前提となるため、現在、医療機関での実施を検討しておるところでございます。
それから、待機児童への対応でありますが、各務原市の場合、市全体では待機児童はございませんが、ただし、年齢によっては年度途中において希望する保育所へ入所できない場合がございますが、極力保護者の利便性を考えて、御相談をしながら保育所を決定いたしております。
それから、最後に保育料でありますが、市の保育料は国の基準と比べ低く設定し、さらに所得税の階層を細分化するなど、所得状況に細かく配慮した保育料の設定を行っております。現在、今以上の軽減の考えはございません。以上です。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 20番 今尾泰造君。
◆20番(今尾泰造君) あと1点だけです。
一等初めの新システムです。もう近々それを具体化されてくるということで、当然、部長などもこの内容については研究されていると思います。私は、これがつくられると、長年培われてきた保育制度そのものが崩壊してしまう、つくりかえられるという中身になっているだけに、部長はその点でのいささかの心配、危惧もお持ちでないでしょうか。その点でお聞きします。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 五藤龍彦君。
◎
健康福祉部長(五藤龍彦君) 今回の基本制度の基本理念としては、地域の実情に合わせた保育の実施、そのために、国が決めた基準ではなくて、市町村の裁量に任せる部分で、市町村の地域実情に合わせた、保育に限らず子育て全般の施策の推進を市の裁量でもって実施するというものでございますので、基本的にはこの考え方は評価できるものと思います。ただ、細かい制度設計につきましては、今後の国の考え方、幼保一元化も含めて、そういうものが具体的に示された時点で、市としてのきちんとした考え方を示したいというふうに考えております。以上です。
○議長(古田澄信君) これより午後3時30分まで休憩いたします。
(休憩) 午後3時18分
───────────────────────────
(再開) 午後3時33分
○議長(古田澄信君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
───────────────────────────
○議長(古田澄信君) 6番 杉山元則君。
(6番 杉山元則君質問席へ)
◆6番(杉山元則君) 6番、政和クラブ、杉山元則でございます。
議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問をさせていただきます。
1つ目、公共施設予約方法の見直しについてお尋ねをいたします。
今年度予算に、公共施設予約システム再構築事業の予算が約150万円組まれました。現在使用している予約システムは、使用期限が平成23年3月で終了になるので、新しくシステムを再構築する必要があります。そして、新しいシステム再構築にあわせて、公共施設の予約方法や使用料も一緒に見直そうと検討をされています。
私は、昨年の6月議会で施設予約の課題を取り上げさせていただきました。そのときには、1つ目に、現在の先着順での予約は、早朝から何時間も待つことになり、負担が大きいこと。2つ目に、市外の団体であっても先に並べば申し込みができるので、市内と市外の団体が同じ条件になっていることの2点を指摘させていただきました。今回の見直しでその課題が改善されるのか、強い関心を持っています。
本市は、平成18年に受益者負担の適正化の目的で施設利用料の見直しを実施しています。そのときに、公共施設利用団体の緩和措置としてバウチャー券を発行し、利用助成をしてきました。バウチャー券も、当初の目的を達成したとして廃止されるとのことです。施設予約システムの変更に合わせて、予約方法や減免方法などの問題を解決するよい時期であると考えます。公共施設にはさまざまな施設があり、多くの団体が日常的に利用してみえますので、それを整理し、新たな方法に移行することは大変な作業であります。利用団体は、なれ親しんだ方法にこだわり、新しい方法がなじまないことも考えられます。例えば利用日や利用時間が変わると会員が集まらないとか、講師の都合がつかないということもあります。ですから、団体ごとの十分な分析が必要で、見直し作業は慎重に行われなければなりません。
今回の変更点は、1つ目に先着順予約から抽せん予約になる予約方法の変更と聞いています。
私も、先着順予約から抽せん予約に変更することは基本的に賛成です。早朝から順番待ちをすることがなくなり、利用者の負担が軽くなります。しかし、先ほども言いましたが、曜日と時間を決めて定期的に活動をしている団体にとって、今までは先着順で必ず予約をして活動できましたが、今後は抽せんに漏れる可能性があり、曜日や時間を変更することも出てきますので、活動がしづらくなる問題が出ます。それに対応するため、定期的に活動している団体を対象に、一般の予約より先に予約ができる制度を検討していると聞いています。
そこでお尋ねします。
1点目、予約方法はどのように変更されるのでしょうか。また、優先的に予約できる団体になるための基準は何ですか。
2点目、現在定期的に活動している団体が、予約方法が変わることで活動ができなくなる団体はあると考えられますか、お尋ねします。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
(
都市戦略部長 磯谷均君登壇)
◎
都市戦略部長(磯谷均君) 定期的に活動している団体、これはあらかじめの3カ月間程度の事業計画について確認をさせていただく予定でございますが、その団体につきましては、施設利用月の3カ月前の1日から優先的に施設予約を受け付けいたします。利用日時が重複した場合には、抽せんではなくて、利用者間でのお互いに調整していただく機会を設けたいと考えております。
一般の利用者につきましては、2カ月前の1日より予約受け付けをいたします。この予約においては、利用日時が重複した場合には、抽せん方式により利用者を決定いたします。また、同月の15日からは先着順に予約を受け付けいたします。優先的に予約ができる団体の基準につきましては、公共的な活動をしている団体と認定したもので、定期的に活動を行おうとする団体とする予定でございます。
次に、活動ができなくなる団体はないのかということですが、今申し上げたように、予約が重複した場合には、利用者同士の日程調整の場を設けさせていただきますので、できる限りお互いの希望する利用日が予約できるようになります。したがいまして、予約方法の変更により、活動ができなくなるという団体はないと考えております。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 6番 杉山元則君。
◆6番(杉山元則君) 御答弁ありがとうございます。
一般抽せんの前に優先予約というものを受け付けされて、そこで利用者間で話し合っていただくということで、定期的に活動している団体を活動しやすくしていただくということであります。
そこで、ちょっと再質をさせていただきたいんですが、どの団体も優先予約ができる団体になりたいと思われるのは当然なことだと思うんですが、そこで、市外の団体でも優先団体になり得るのか、それとも市内の団体だけに限るのか、ちょっとお尋ねをいたします。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
◎
都市戦略部長(磯谷均君) この運用につきましては、バウチャー券の運用を踏襲して行いたいと思いますので、その中では公共的活動をする団体と認定した団体、そういうものになる予定でございます。したがいまして、この市内団体に限られるということになります。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 6番 杉山元則君。
◆6番(杉山元則君) 優先団体になれるのは、市内の団体に限るということでございます。やはり、今現在は、各務原市の施設が先着順で予約できるということで、かなり市外の団体が利用なさってみえるというのは現状あるかと思います。ですから、各務原市の施設ということでございますので、市内の方が優先というのは原則であるんじゃないかなというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
2つ目に、公共施設利用料金の見直しについてお尋ねをいたします。
2つ目の変更点は利用料金の見直しです。今までのバウチャー券制度が廃止され、新たな減免制度が創設されるということです。また、市外の団体は市内の団体と料金格差をつけることで、市内の団体が施設を利用しやすくし、料金収納も口座振替を可能にして、支払いに来る手間がなくなるようにすると聞いています。減免団体や認定団体になれば施設を有利に利用できることになりますし、市外の団体か市内の団体かでも利用料金が大きく変わってきます。ですから、少しでも有利な団体になろうと申請が出されることになりますので、担当部署でのしっかりとした審査が求められます。
そこでお尋ねをいたします。
1点目、使用料減免の認定団体になるための基準、そして市内・市外団体の基準は何ですか。
2点目、口座振替の手数料は幾らぐらいになる予定ですか。市が負担することになりますか、お尋ねをいたします。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
◎
都市戦略部長(磯谷均君) 使用料減免団体になる認定の要件でございますが、現行のバウチャー発行の基準を踏襲するものでございまして、公共的な活動を行っていることが要件になります。自治会、消防団、PTAなど、公共的な団体が公益目的に活動する場合には、使用料を免除いたします。
市の認定するクラブ、サークル、スポーツ団体等につきましては、50%の減免といたします。
市内団体の認定基準につきましては、団体の代表者、構成員、または構成員の過半数が市内在住・在勤・在学の方の団体を市内団体として取り扱いいたします。
口座振替の手数料につきましては、平成21年度利用実績から1カ月に300件、5万円程度を見込んでおります。手数料の負担については、ライフデザインセンターでは市で収納しますし、その他の施設につきましては、各務原市施設振興公社で負担をすることと考えております。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 6番 杉山元則君。
◆6番(杉山元則君) ありがとうございます。
団体の中には、市外の団体なんだけれども、市内の団体のように届けを出すということも考えられると思いますが、そういった場合に、不正な申請をした団体に対してしっかりとした対応をしていただきたいと思うんですが、万が一、そういった不正な申請をした団体に対して、どのような対応をお考えですか。再質問でお尋ねをいたします。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
◎
都市戦略部長(磯谷均君) これは、団体の登録時に構成員の名簿を提出していただきまして、市内・市外の判定をいたします。これを偽ってもし申請がされたような場合につきましては、そういうことが発覚しましたら、その団体に対して条例の定めるところにより、認定、使用許可、そういったものの取り消しをいたします。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 6番 杉山元則君。
◆6番(杉山元則君) ありがとうございます。
やはり一度認定をしても、定期的に書類を提出していただいて、そこで確認作業をして、しっかりとした厳正な対応をお願いしたいというふうに思います。
続きまして3点目です。公共施設利用団体への啓発スケジュールについてお尋ねをいたします。
今回の見直しは、先着順をやめて順番待ちをなくすることで、市民が手軽に施設予約ができるようになります。また、定期的に利用している団体には、優先予約を設けて予約しやすくしたり、予約が重なった場合に調整をする場を設定し、話し合いをする機会を設けるということです。市外団体の利用料金を高くすることで、市内団体が利用しやすくしています。以上の点で、今回の見直しはよく考えられた内容だと評価できます。今後の啓発活動や運用に当たっては、各担当部署と十分な話し合いを持ち、利用者の意見に耳を傾けながら適切に行っていただきたいと願います。
そこでお尋ねします。1点、今後、利用団体を対象に説明会を開いて啓発をしなければいけませんが、どのようなスケジュールを考えていますか、お尋ねします。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
◎
都市戦略部長(磯谷均君) 新しい予約システムの説明会につきましては、減免制度の変更の案内も含めまして11月から啓発を始め、1月から新たなシステムでの受け付けを開始いたします。広報紙、ホームページを活用して周知・啓発を図るとともに、クラブ、サークル等の新年度の登録、利用者団体の会議など、そういった機会を利用いたしまして啓発を行ってまいります。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 6番 杉山元則君。
◆6番(杉山元則君) ありがとうございます。
来年4月からの分の予約ですので、3カ月前ということで、来年の1月から新システムがもう既に始まるということになります。11月からの啓発を予定してみえるということですが、やはり年内に準備作業を終えなきゃいけませんので、できるだけ早く啓発活動を始めていただきたいというふうにお願いをします。
説明会などの啓発活動をしますと、市民の方の恐らくさまざまな意見が出てくるというふうに思われます。担当部署の方は、本当に大変な思いをされると思うんですが、市民の利用しやすい公共施設となるように頑張っていただきたいというふうにお願いをいたします。
それともう1つですが、今までの公共施設の利用で無駄が多かったんではないかなあというふうに思うときがあります。それは、御要望でちょっと申し上げるんですが、施設が予約してあっても、実際使われないケースが目立ったというふうに思います。予約をしたときは必要だから予約をされたんでしょうけど、実際、その日になってみて使わなくてよくなったと、事前に使わなくても済んでしまったというケースがあって、使われないケースというのがあったというふうに思います。やはり使わないとわかった時点で予約取り消しをするというのが一つのルールだと思うんですけれども、それが守られなかったというふうに思います。
その原因の1つに、やはり同じ施設を使う方の、それぞれの団体や、あるいは協会の話し合いというのが少なかったんではないかというふうに感じます。ですから今回、同じ施設を使う方と話し合っていただく、調整する場ができるということですので、そういった話し合いを持って、お互いに融通し合うということをぜひ皆さんで、そういうお気持ちを持って施設を有効に使っていただきたいというふうに思います。
1つの事例を申し上げますと、勤労青少年グラウンドのソフトボール場というのは、スポーツ少年団野球部会と各務原市ソフトボール協会という2つの協会が主に利用します。ことしの年末に、その2つの団体が話し合って草引きをしようということを予定しております。それぞれ100人ずつぐらいの人数が出て、12月の年末に、1年間お世話になったグラウンドに対してお礼をする意味でも草引きをして、来年は一緒に有効に使っていこうということも企画しております。そういったことで、それぞれの団体がお互いに譲り合って、有効にその施設を使うということを、ぜひ進めていただきたいなというふうに思います。
今後も、施設の整備も利用者と行政が一緒になって取り組むことで、利用しやすい施設になってほしいなというふうにお願いをいたします。
続きまして4つ目ですが、これも昨年の6月議会で一般質問させていただきましたが、本市の不登校に対する取り組みについて質問をさせていただきます。
本市では、8月に山形大学の先生を招いて「不登校をゼロにする取り組み」という講演が行われました。市内小・中学校の先生を中心に多くの方が参加されました。講演は、不登校児童の対応で悩んでみえる先生方には、まさしく目からうろこといった内容でありました。その内容も含めてお話しをしたいと思います。
まず不登校児童数の状況ですが、文部科学省の資料では、平成19年度に全国で13万人になりました。小学生で約2万4000人、中学生で約10万5000人で、中学生が小学生の約4倍と、中学校で急に増加をしています。全国の不登校数の傾向は高どまりと言えます。本市でも同じような傾向が見られます。
文部科学省の調査によると、原因は大きく3つに分けられていて、1つ目は学校生活に原因がある場合、2つ目は家庭生活に原因がある場合、3つ目は本人に原因がある場合です。具体的には、1つ目の学校生活に原因がある場合は、友達や担任の先生とのトラブルや学業不振などです。2つ目の家庭生活に原因がある場合は、親子関係をめぐる問題や家庭内の不和などです。3つ目の本人に原因がある場合は、病気などです。
次に、不登校児童の将来の問題を取り上げてみたいと思います。
中学校で不登校だった生徒は、学力不足などで高校へ進学できなかったり、高校へ進学できても、授業についていけずに退学するケースは多くあります。学校不適応生徒の多くが将来定職につけず、フリーターやニートになってしまうと言われています。採用する企業からすれば、高校を卒業していない子や不登校だった子は採用しないという場合もあります。文部科学省の調査から、約13万人が就職できていないことを考えると、彼らが社会で自立し、将来納税できる若者を育てることは、社会全体の大きな課題だと考えます。不登校生徒を一人でも多く学校に復帰させて義務教育を受けられるようにすることと、今後、不登校生徒を出さないという覚悟を持って、地域全体で取り組むことが大切であります。
教える側の体制はどうなっているのでしょうか。
本市は特別支援教育で、通級教室や特別支援学級で少人数指導をして、不登校の予防をしています。本人に合った訓練を保護者と一緒にすることで、成果を上げています。各小・中学校には加配教員、主幹教諭、心の教室相談員、スクールカウンセラーなどを配置して、個別に生徒指導し、各担任の先生も自分のクラスの不登校児童を家庭訪問するなどして、生徒や保護者と向き合っています。教育委員会も、学校と協力して一生懸命取り組んでいますし、学校に通えない生徒のためにあすなろ教室を設置して、学校復帰の訓練をしています。もちろん児童の保護者も、我が子が義務教育をしっかり受けて高校へ進学し、将来は社会人となって働いてもらいたいと願い、必死になっています。
今述べたように、考えられる多くの手だてをしても現状は改善されないのです。ゼロにはならないのです。では、どうしたらいいのでしょうか。
山形大学の先生は、講演の中で幾つかの指摘をされましたが、そのうちの2点を申し上げます。
まず1点目、今までは対症療法をしているのではないかということです。それは、不登校の7割は自閉症傾向で、不登校は2次障がいであるということです。多くの担任の先生は、「この子は不登校です」と判断していることが多いのです。しかし、本来はもっと具体的に、「この子は自閉症が原因で友達とコミュニケーションできないので不登校になった」と判断をしなければいけない。つまり、不登校になった根本の原因を考えなければいけないということです。
また、小学校へ進学する前に、自閉症、学習障がい、注意欠陥多動性障がいといった発達障がいを見つけることと、その子に合った指導をすることが必要なのです。例えば自閉症であれば、コミュニケーションができるように、小さいときから訓練をすることが大切なのです。今までの対策は、根本の原因が議論されずに、不登校になってしまってからどう対応しようかという対症療法だったのではないでしょうか。
2点目に、統一性がないからではないかということです。それは、今までは各先生や各学校の独自の方法で対応していたのが現状ではないでしょうか。統一されたしっかりとした指導基準がない状態で、先生の経験や学校ごとの判断により対応していたということです。各務原市全体で、専門家チームによる研究に基づいたしっかりとした指導基準をつくることや、その基準に沿って、学校や先生がぶれることなく指導をしなければなりません。コーディネーターや先生が特別支援教育の研修をしっかり受けて、すべての先生、すべての学校が必ずその指導基準に従って対応していくことが重要です。また、教育委員会がつくった専門家チームが各学校を巡回して、生徒や先生から相談を受けたり、統一性を持った指導をしていくことが重要なのです。
今年度から本市では、各務原市特別支援教育推進部会が主催をして、専門知識を持った指導者をふやしていこうと特別支援教育専門講座が始まりました。先生方が視聴覚ホールなどで、毎回受講料を自分で払って熱心に受講をしています。全部受講すると30時間になり、各務原市教育委員会認定の特別支援教育推進専門士の登録がなされます。毎回、最後にテストまで用意されていて、中身の濃い講座です。本市は、先生方が教育に対し、高い意識を持って取り組んでいます。ですから、そこにしっかりとした指導基準があり、統一性を持った特別支援教育ができれば、不登校は必ず大きく改善をすると信じます。
講演された先生は、山形県鶴岡市、人口15万人、生徒数1万2000人で特別支援教育を開始して、平成21年度に不登校をほとんどゼロにした実績をつくられました。ぶり返す生徒がなく、不登校を完壁に治すそうです。本当にそんなことができるのかと疑いたくなる話ですが、実際に不登校がほとんどゼロになったということです。
そこで質問をします。1点目、不登校児に占める発達障がい児の現状をどこまでつかんでいますか。2点目、専門家チームが学校を巡回相談していくシステムは今後できますか、お尋ねします。
○議長(古田澄信君) 教育長 高根靖臣君。
(教育長 高根靖臣君登壇)
◎教育長(高根靖臣君) まず最初に、不登校児に占める発達障がいの現状についてお答えを申し上げます。
発達障がいのある子どもの割合は、全国的に大体6%と言われております。発達障がいを持つ子どもたちの傾向として、対人関係が苦手ということが上げられます。また、不登校になる原因にも対人関係が上げられます。したがって、現在不登校になっている子どもたちのうち、発達障がいが原因になっている場合もあると考えております。
発達障がいは医師の診断を必要としますので、明確な数字を出すことは難しいのですが、不登校への対応は、どうしても医師との連携が必要であると考えられております。
次に、専門家チームが学校を巡回相談していくシステムについてお答えをします。
現在、各学校や中学校区ごとで、不登校の児童生徒一人一人に対してケース会議を開き、対応を行っています。ケース会議には、臨床心理士や子ども相談所などの専門家も参加しております。今後は、議員が今おっしゃっていただきました専門家チームによる巡回も検討していきたいと考えております。以上です。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 6番 杉山元則君。
◆6番(杉山元則君) 御答弁ありがとうございます。
やはりそういった発達障がいの子どもは、先生だけではなくて、やはり専門家の指導は不可欠になると思います。ですから、専門家が学校を巡回して、少しでも早くそういう障がいを見つけるということは必要になってくるんではないかなというふうには感じております。
それともう1つ、今年度から東海中央病院の子育て・教育相談センターというのができまして、毎月子育て講演会というのが行われていて、大変多くの方が参加をされています。自分の子どものことで悩んでいる保護者の方とか、あるいは教育関係の方が多いようですが、その講演を聞いて私も意外に思ったのは、自閉症、学習障がい、注意欠陥多動性障がいという発達障がいというのは、非常に見つけにくいということです。例えば、計算ができないような学習障がいという子どもがお見えになったとして、計算能力に関しては障がいがあるんだけれども、そのほかの障がいというのは一切ないわけですので、ごく普通の子に見えるわけですが、実際は、本人にとっては計算ができないということで非常に悩んでいるということですが、見落とされてしまうというのが現実ではないかなあというふうに思います。ですから、今まで見過ごされていた障がいを、専門家チームが学校を巡回し、少しでも早く見つけて特別支援教育で対応して予防をする。そして、それが不登校対策につながっていくということをぜひお願いしたいと思います。そのために、少しでも実績のある専門家を招いて、そして、その指導のもとで不登校対策をしていただきたいということをお願いさせていただきます。
以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○議長(古田澄信君) 5番 池戸一成君。
(5番 池戸一成君質問席へ)
◆5番(池戸一成君) 5番、政和クラブ、池戸一成。
議長のお許しをいただきましたので、通告に基づき大きく2点、御質問をさせていただきます。
まず、平成20年4月に施行されました地方公共団体財政健全化法によりまして、私ども地方自治体は4つの指数、これは実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率でございますが、この4つの指数によって財政が健全かどうかはかられることとなりました。北海道夕張市を初めとする幾つかの団体が、これにより財政再生団体であったり、早期健全化団体になったということは、記憶に新しいところでございます。
私どもの市に目を向けてみますと、本議会において上程されました平成21年度決算資料によりますと、当市の財政状況は、財政力指数1.009、実質公債費比率は2.6、これは昨年3.1よりさらに改善されておりますが、健全な状況にあるということが見受けられます。一方、岐阜県の財政状況を見てみますと、平成20年度では財政力指数は0.55、実質公債費比率は17.6%と、早期健全化基準までは至っておりませんが、公債費比率が単年度比較でも年々悪化しており、県の報告書によっても、平成21年度決算では実質公債費比率は起債許可団体となる18%を超えるという見込みがされております。
そこで、御質問させていただきます。
当市における平成21年度決算では、平成20年度の岐阜県の財政状況により、県からの交付金等に影響があったでしょうか、どうでしょうか。
2つ目、岐阜県の平成21年度決算における健全化判断比率をどう予想し、考えていらっしゃるでしょうか。
3番、岐阜県が起債許可団体になった場合、当市への影響をどのように想定されていますでしょうか、よろしくお願いいたします。
○議長(古田澄信君)
都市戦略部長 磯谷均君。
(
都市戦略部長 磯谷均君登壇)
◎
都市戦略部長(磯谷均君) 平成21年度における県補助金につきましては、前年度決算額に比べまして3.7%増加をしております。特段の影響はございませんでしたが、平成22年度からは、県は行財政改革アクションプランをスタートさせておりまして、本市においては約1億6000万円の影響があるものと見込んでおります。
また、岐阜県が平成22年度に算定いたしました実質公債費比率につきましては、今後、県議会に報告される予定でございまして、現在のところ正式に公表はされておりませんが、本年2月の県議会の定例会におきまして、執行部側から起債許可団体の基準でございます18%以上になることが確実である旨の答弁がございました。したがいまして、起債許可団体となることは、ほぼ確実な状況でございます。
起債許可団体となった場合、有利な条件で民間金融機関から借り入れを行うということは困難となります。県の資金調達に影響を与えることが十分予想されるところでございますが、これにより、市町村向けの補助金へさらなる影響も懸念されるところでございます。しかしながら、本市においては平成22年度に算定いたしました実質公債費比率は2.6%、県内市町村第1位となりました前年度の数値3.1%をさらに改善したところです。また、平成21年度末における一般会計に属する基金の現在高は約178億円となっております。このように、将来世代に過大な負担を残さず、かつ緊急的な財政出動にも耐え得る財政力を築き上げているところでございます。平成22年度においては各務原市第2次新総合計画がスタートしたところですが、万が一、県財政が悪化した場合においても、この財政力を背景に、同計画等に掲げました事業を着実に展開してまいる考えでございます。
いずれにしましても、県の財政力をにらみつつ、引き続き、着実かつ慎重な財政運営に努めてまいります。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 5番 池戸一成君。
◆5番(池戸一成君) 御答弁ありがとうございました。
当市の平成21年度決算規模が前年度と比較して約45億円増になったことは、子ども手当や景気対策、雇用対策など、国や県からの交付金が大幅に増額されたということにも起因していることと思います。しかしながら、景気後退による市税が減収したにもかかわらず、実質収支、単年度収支ともに黒字であったことを初めとして、健全な財政状況を保っているということは、これは日ごろからの行財政改革の積み重ねであるということで、高く評価できることだと思います。より一層の厳格な行財政改革に期待し、次の質問に移ります。
次の質問は、犯罪被害者等への支援に関する質問です。
先日、公判が始まりました某芸能人による薬物がかかわる事件におきまして、被害者女性の一周忌法要が8月3日、飛騨高山にて営まれました。
犯罪や事故が起こっている現実の中で、被害者やその遺族は思いがけず被害に遭った方々であり、決して私たちの遠く都会で起こるだけのことではございません。そして、この被害者たちは、生命を奪われ、家族を失い、傷害を負わされ、財産を奪われるといった、いわば目に見える被害に加え、事件や事故の後、長期にわたり重大な精神的被害、いわゆる二次的被害というものを受けています。これは、例えば再被害の不安にさいなまれたりとか、捜査・公判等の過程で負担を強いられたり、また時には配慮に欠けた対応を受けたり、新たな精神的被害を受けたりしています。そして、かけがえのないものを奪った犯罪の真実を必ずしも知ることもできず、望むような関与ができず、疎外感・無力感に苦しむことも少なくありません。さらには、周囲の好奇の目、誤解による中傷、無理解な対応や過剰な報道等により名誉や生活が侵され、社会において孤立することを余儀なくされ、苦しむことも少なくありません。
ここで、被害者の遺族の方の手記を御紹介いたします。御本人の許可をいただき、抜粋して御紹介をさせていただきます。
これは、平成18年4月19日、中津川で起きました13歳の女子中学生の殺害事件の被害者のお母さんである清水恵子さんの手記です。
では、読ませていただきます。
「今、私にできること」、清水恵子。
「直は、結婚してもずっとお母さんと一緒に暮らす。お母さんが年をとっておばあちゃんになったら、今度は直が面倒を見るからね。長生きしてよ」、中学生になってもこんなに優しい可愛いことを言ってくれる娘でした。
平成18年4月19日朝、いつものように「行ってきます」と学校のジャージにリュックを背負い、元気に走っていった姿が最後でした。私のかけがえのない大切な娘は、たった一人の少年の身勝手な思いで一瞬に、残虐に、すべてを奪われました。私たち家族の幸せも、将来も、普通の生活も、何もかもが奪われました。
加害者は15歳の少年で、犯行当日から逮捕される日まで普通に学校へ通い、家族と外食やカラオケを楽しんでいました。私たち家族や警察が捜しているのを知ったときも、「直、どこにいるんだろうね」と一緒に探すふりもしました。
少年は逮捕後、殺すつもりはなかったと言いましたが、無抵抗の娘に対し、顔を殴り、首を絞めて、とどめを刺すために頭を角材で何度も殴り、さらには手首まで切ったのです。
3日間も、暗い寒い廃塘に放置されたことを思うだけでも胸が締めつけられる思いですが、加害者の供述調書に書かれていた我が子の最後の言葉、残酷に次から次へと痛めつけられる暴行の内容、意識がなくなっていく娘の様子、知れば知るほど、どんなに怖かったろう、痛かったろう、苦しかったろうと、本当に言葉にはあらわせない思いです。
どうして私は生きているのだろう、何で御飯なんか食べているのだろう、守ってあげられなかった、助けることができなかったと自分を責める毎日です。
少年審判の結果は保護処分となり、3年以上の少年院送りとなりました。私たち被害者側の代弁者もなく、加害者側だけで密室での裁判でした。そして、その3年という月日が過ぎました。加害少年は社会に復帰し、人生をやり直します。謝罪もなく、刑罰も与えられず、賠償責任もとらず、また自分の人生を生きられるのです。
加害者は、名前も顔も明かされず、犯行の動機も、『少年の更生の妨げになる、少年の人権を守るために』と、すべてが少年法で守られ、明らかにされません。しかし、被害者は13歳になった少女にもかかわらず、名前も顔も明かされ、全く身に覚えのない事実無根の報道も何度も繰り返されました。事件報道では、見ず知らずの人が、何度も家出を繰り返していた子で、犯人と一緒に家出したこともあるらしいと報道されました。乗ってもいないタクシーの運転手から、万引きをした娘を私がしかっている、そこを乗せたことがあるという報道もされたそうです。お花見をしていた公園の中で、私の友達が原付バイクの後ろに娘を乗せて遊んであげた、このことを深夜に暴走族とバイクを乗り回していたと報道もされたそうです。
被害者である娘は、数日の間に全く違う人格にされてしまいました。地元では、娘と私たち家族を中傷するひどいうわさばかりで、まるで娘の方が悪いことをしたような言われ方をしました。私は、家から一歩も出られなくなり、会社もやめました。なぜ被害者がここまで苦しめられるのでしょうか。
事件現場となった建物も取り壊され、事件が風化していってしまうことを感じます。しかし、地元では、私たち遺族は今も孤立した状態のままです。事件や事故というものは、なくすことはできないのでしょうが、私が受けたこの二次的被害と言われるものは、この社会が変われば防ぐことができるはずです。もうだれもこんな思いをすることのないよう、被害者に対しての偏見、報道のあり方、被害者の人権を無視したような加害者寄りの裁判、納得できないことを声にしていきたいと思います。そして、何より娘の名誉を回復したい。
今はもう会話をすることも抱きしめることもできませんが、そうすることでずっと直のお母さんでいられると思っております。このようにつづっていらっしゃいます。
他人の不法な行為により、理不尽な形で最愛の家族を奪われた遺族の方々が、事件後にこのような二次的被害に遭っていらっしゃいます。そして、名誉や感情を傷つけながらも、みずからの正義の回復に期待し、これらに耐えていらっしゃいます。
平成16年より制定された犯罪被害者等基本法では、第5条に「地方公共団体は、犯罪被害者等の支援等に関し、地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」とあります。また、同法において、国及び地方公共団体に対しては、相談及び情報の提供、損害賠償の請求についての援助等、給付金の支給に係る制度の充実、安全の確保、居住の安定、雇用の安定などなど、必要な施策を講ずるものとされております。既に支援を始めている自治体の事例には、次のようなものがございます。
東京杉並区、これは人口54万人ほどのところですが、平成16年より内部検討会を立ち上げられ、社団法人被害者支援都民センターなどと協議を重ね、平成18年に杉並区犯罪被害者等支援条例を制定されました。その後、その相談窓口には、平成18年で70件、平成19年には85件、平成20年には81件、平成21年に76件の相談が寄せられているそうです。
また、大阪府摂津市、これは8万3000人ほどのまちですが、平成19年に学識経験者、法律専門家、被害者の代表、被害者支援団体の代表など7名による犯罪被害者等支援施策検討委員会を設置し、平成20年には犯罪被害者等支援条例並びに犯罪被害者等見舞金の支給に関する条例を制定。その後、犯罪被害者等日常生活支援に関する実施要綱、犯罪被害者等賃貸住宅家賃等の補助に関する要綱などが制定され、相談窓口の設置と雇用の安定を含めた総合的な支援制度をスタートさせました。
ここで質問をさせていただきます。
現在、当市、または岐阜県における犯罪件数はいかほどでしょうか。
2つ目、当市としてこの犯罪被害者を支援するため、条例制定も含め、犯罪被害者等支援に関しての今後の取り組みに関する具体的な方向性はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。検討委員会など設置することをしていただけませんでしょうか、お答えください。
○議長(古田澄信君) 総務部長 五島次郎君。
(総務部長 五島次郎君登壇)
◎総務部長(五島次郎君) 御質問にお答えさせていただきます。
岐阜県及び本市の犯罪件数、認知件数は、岐阜県及び本市それぞれ平成19年が県で3万1252件、市で2469件、平成20年、県が2万9799件、市が2345件、平成21年、県が2万7928件、市が2325件となっております。
不幸にして犯罪等の被害に遭われ、精神的・肉体的な被害をこうむった方に対する支援はとても大切なことであると考えております。現在、市民相談窓口における相談の機会を設け、また各務原警察署内に警察安全相談室を設置し、専門の職員による相談を受け付けております。
今後は、他自治体などの具体的な犯罪被害者等支援の状況を調査し、市民相談窓口の機能の拡充など、内部で検討する機会を設けるとともに、各務原警察署を初め、岐阜県、岐阜県警、ぎふ犯罪被害者支援センターなどの関係機関と連携し、さまざまな相談や必要な情報の提供、犯罪被害者の支援に係る各種制度の広報など、より一層犯罪被害者の支援に努めてまいりたいと考えております。
なお、内部検討会の設置につきましては、先ほども申しましたように、犯罪被害者等の支援の状況の調査をしていく中で、検討会の設置も検討してまいりたいと思っております。以上でございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 5番 池戸一成君。
◆5番(池戸一成君) 御答弁ありがとうございました。
内部検討会の設置を検討するということですが、検討することを検討するなどというのはナンセンスでございます。ぜひ現場の声をお聞きいただいて、それが検討ということでございますので、ぜひ行動に移していただきたいと思います。
岐阜県において、まだ具体的に行動に移せている市町というのはゼロでございます。お隣の滋賀県に行きますと、かなりの数の市町でこのような条例が制定されて、実際的な施策が開始されている。これは、役所の近隣市町との足並みをそろえてというような、性格上、そのようなことになるのかもしれませんが、岐阜県内で一番最初に私は各務原で始めてほしいと思うんですね。なぜならば、各務原シビルミニマムを制定して、最低保障される福祉サービス等の基準を示したこの各務原ですので、その理念にのっとって、生活困窮者とか、高齢者とか、教育とか、そういったことだけでなく、ぜひとも犯罪被害者等の支援にも手を差し伸べていただきたいと思うからです。
本年度から始まりました第2次新総合計画の中にも「安心・安全なまちづくり」「人にやさしいまちづくり」とあります。防犯に関してはうたってありますが、いざ、もし不幸にも見舞われた犯罪や事故に遭ったときの、その後、任せておけという部分というのは欠落しておりますので、こういった支援というのは、安心・安全の裏づけとなる部分でございます。ぜひとも前向きな御検討をよろしくお願いいたします。
1年後、議会の席で経過状況を御質問させていただく予定があることをお伝え申し上げ、加えて私は執念深いヘビ年であるということも申し伝え、質問を終わります。
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△1、延会
○議長(古田澄信君) おはかりいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」との声あり)
○議長(古田澄信君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって延会することに決しました。
本日はこれをもって延会いたします。
(延会) 午後4時33分
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地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。
各務原市議会議長 古 田 澄 信
各務原市議会議員 杉 山 元 則
各務原市議会議員 高 島 貴美子...