高山市議会 > 2024-06-10 >
06月10日-04号

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  1. 高山市議会 2024-06-10
    06月10日-04号


    取得元: 高山市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-15
    令和6年第3回定例会令和6年第3回高山市議会定例会会議録(第4号)=======================◯議事日程 令和6年6月10日(月曜日)午前9時30分開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問第3 議第80号 令和6年度高山市一般会計補正予算(第4号)  ================◯本日の会議に付した事件 1 日程第1 会議録署名議員の指名 1 日程第2 一般質問      5番 坂下美千代君     21番 上嶋希代子君     20番 松山 篤夫君     22番 車戸 明良君 1 日程第3 議第80号  ================◯出席議員(24名)   1番              丸山純平君   2番              中村匠郎君   3番              戸田柳平君   4番              益田大輔君   5番              坂下美千代君   6番              平戸芳文君   7番              片野晶子君   8番              水野千惠子君   9番              石原正裕君  10番              西本泰輝君  11番              伊東寿充君  12番              西田 稔君  13番              沼津光夫君  14番              榎 隆司君  15番              山腰恵一君  16番              渡辺甚一君  17番              岩垣和彦君  18番              中筬博之君  19番              倉田博之君  20番              松山篤夫君  21番              上嶋希代子君  22番              車戸明良君  23番              水門義昭君  24番              小井戸真人君  ================◯欠席議員(なし)  ================◯説明のため出席した者の職氏名  市長               田中 明君  副市長              清水雅博君  副市長              上田和史君  市長公室長            北村幸治君  総合政策部長           平野善浩君  総務部長             荒城民男君  財務部長             平塚久則君  市民活動部長           西永勝己君  市民福祉部長           石腰洋平君  こども未来部長          瓜田清美君  医療保健部長           石原隆博君  森林・環境政策部長        小林一正君  農政部長             林 篤志君  商工労働部長           倉畑政之君  飛騨高山プロモーション戦略部長  川原幸彦君  建設部長             中垣内一君  都市政策部長           池之俣浩一君  水道部長             山腰勝也君  会計管理者            村田景子君  教育長              見山政克君  教育委員会事務局長        森下澄雄君  消防長              松山孝生君  ================◯事務局出席職員氏名  事務局長             橋本 宏君  次長               比良佳久君  自動車運転職員          櫻本明宏君  ――――――――◯――――――――     午前9時30分開議 ○議長(渡辺甚一君) これより本日の会議を開きます。  ================ △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(渡辺甚一君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において、水野千惠子議員、榎隆司議員を指名します。  ================ △日程第2 一般質問 ○議長(渡辺甚一君) 日程第2 一般質問を行います。 それでは、坂下議員。   〔5番坂下美千代君登壇〕 ◆5番(坂下美千代君) おはようございます。 たくさんの傍聴者の皆さん、今日はありがとうございます。私は緊張がマックスです。頑張ってまいります。 それでは、通告に基づき、一般質問を行います。 まず最初は、介護現場の現状と支援についてです。 最初に、高山市の高齢者の概況を、高山市が出しています高山市の福祉と健康、令和5年度版から抜粋して報告します。 令和5年4月1日現在における高山市の65歳以上の高齢者は、男女の合計が2万8,099人で、人口全体に占める比率、いわゆる高齢化比率は33.6%となります。約10人に3人が、65歳以上の高齢者で占めています。 同じく5年4月1日現在における65歳以上の高齢者のみの世帯は1万1,194世帯で、これは施設に入られている方は除いてあります。総世帯の31.3%を占め、とりわけ独り暮らしの高齢者は、65歳以上の年齢層100人に対して22.3人で、総世帯数の17.5%を占めています。 同じく5年4月1日現在における介護保険認定情報に基づく65歳以上の寝たきり高齢者は1,182名、こちらも施設入所の方は除いてあります。となって、65歳以上の年齢層100人に対して4.2人が、居宅で寝たきりの状態にあります。 高山市では、国、県を上回る速度で高齢化が進展しており、75歳以上の後期高齢者が高齢者全体の過半数を占めている現状です。同時に若者の流出、核家族化などを背景に、独り暮らしの高齢者及び高齢者世帯の増加など、今後何らかの福祉援助を必要とする高齢者が着実に増加しています。そのことから、これからも多様化するニーズに対応するため、今後ますます福祉、介護、医療、保健、地域の連携が重要になると、こちらには書かれています。 全くそのとおりだと私も同感です。 2000年に創設されました介護保険制度は、約四半世紀を過ぎようとしています。かつては子どもや家族が行うものとされていた親の介護ですが、高齢化が進むにつれ、介護を必要とする高齢者の増加や核家族化の進行、介護に係る離職が社会問題となりました。こうした中、家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支えることを目的に創設されたものが介護保険制度です。 以前、私も、義母が介護保険制度を利用することで、仕事を辞めずに続けることができました。義母は、ほかの病気もあって、あるときからお風呂に入ることを嫌がって、長い間お風呂に入れていない状況が続きました。コミュニケーションも取れない状況なので、ケアマネの方、ヘルパーの方の丁寧な対応のおかげでデイサービスの利用につながって、お風呂に入ってきてすっきりして帰ってきたときは、義母の尊厳が守られたように感じて、本当にうれしかったことを忘れません。 今回の質問は、特に在宅支援について行います。 全国どの産業でも人手不足が叫ばれていますが、介護現場では、ずっと以前から人手不足が慢性化しています。 ホームヘルパーの37.6%が60歳以上の職員で支えられているのが実態で、全国では既にホームヘルパー事業所は、新規利用者が受け入れられないだけでなく、職員が確保できず、今まで提供していたサービスを断るケースも生まれています。 6日の西本議員さんの質問の答弁で、高山市の介護の現場での人手不足は約140人とお伺いしました。そんな中で、高山市内の事業所でも、人手不足から、デイサービスを休止する苦渋の決断をされた事業所があります。少ない職員では安心・安全なサービスが提供できない上、職員へは負担が増え、体調を崩す等でそれが離職につながり、さらに人手不足に陥るという事態が起きています。 それでは、最初の質問です。 人材不足のため、デイサービスを休止する事業所等の現状把握はされていますか。   〔5番坂下美千代君質問席へ移動〕 ○議長(渡辺甚一君) 石腰市民福祉部長。   〔市民福祉部長石腰洋平君登壇〕 ◎市民福祉部長(石腰洋平君) おはようございます。 デイサービス事業の現状把握との御質問ですが、幾つかのデイサービス事業所が人材不足等により、やむなく事業の廃止等をしておりまして、昨年度以降、事業を廃止した事業所が2事業所、定員を縮小した事業所が3事業所となっております。 今後、1事業所が休止を予定していることを確認しているところであります。 なお、デイサービスを休止または廃止する場合には、利用者が他の事業所を利用できるよう調整しておりまして、サービス計画を策定するケアマネジャーからは、デイサービスを利用できないといった相談は受けていないところであります。 ○議長(渡辺甚一君) 坂下議員。 ◆5番(坂下美千代君) 事業の休止を受け、約70名の方に、他の事業所へ変更してもらうことになったとお聞きしました。 人によっては回数が減る方がみえたり、行きたい事業所が遠方になれば、日によっては、受入れができないと断られる事態も起きているということです。 この間、幾つかの事業所に見学に行きました。 そこでは、手作りの旬の食材を使った食事を出されたり、それには利用者の方が大変喜ばれていました。入浴することで清潔を保つことはもちろんのこと、リラックスできる大事な時間を持てたり、何といっても職員さんやほかの利用者の方とコミュニケーションが取れることで、充実した1日を過ごされている様子を見てまいりました。 奥さんがデイサービスを利用しているお連れ合いの方からは、自宅にいると動かないから、足が弱ってしまう。デイサービス事業所には、何しろ歩いて、体を動かして、寝たきりにならないように頼んでいるんだ。通うことで、寝たきりを防止することができているということでした。 働いてみえる職員さんは、大変な中でも常に笑顔で対応されている様子に頭が下がる思いでした。 今回のデイサービス事業の休止が、近い将来復活していただけるような市の支援が望まれます。今後ほかの事業所でも同様の休止等に至らないためにも、前向きな御支援を続けていただきたいというふうに思います。 それでは、次に移ります。 訪問介護は在宅介護の要です。介護が必要になった初期から終末期まで、どの時点でも対応できる支援です。生活がちょっと崩れ始めたという初期に、週1回の生活援助、掃除や洗濯、調理、買物などから始まり、終末期には、1日、数回の身体介護と生活援助で入り、在宅でのみとりを支えています。 この4月から、介護の報酬改定は全体で1.59%の増加ですが、訪問介護の基本報酬は、身体介護も生活援助も2~3%の減額となりました。ホームヘルパー不足が極めて深刻な中での引下げです。 そこで質問です。 訪問介護の報酬単価の引下げの影響はどのようになっているか、伺います。 ○議長(渡辺甚一君) 石腰市民福祉部長。   〔市民福祉部長石腰洋平君登壇〕 ◎市民福祉部長(石腰洋平君) 議員仰せのとおり、今年4月に介護報酬の改定が行われましたが、近年の訪問介護サービスの利益率が全介護サービスの平均を大きく上回っていたため、訪問介護サービスの基本報酬が引き下げられることとなりました。 今回の報酬改定では、介護報酬全体として1.59%引き上げ、うち0.98%を処遇改善加算の拡充に充て、残り0.61%を使って、多職種の処遇改善を行う考えを打ち出しており、厚生労働省は、基本料金が減っても加算分を受け取ることができるとの見解を示しております。 そのため、この4月の介護報酬の実績については、6月に確認ができることから、どれほどの影響が生じるのかについては、結果を確認した中で、事業所の御意見などもお聞きしたいと考えているところであります。 なお、本市においては、支所地域など事務所から離れた地域を訪問する場合に、議員御指摘のように移動に要する時間や経費が負担となることから、令和4年度より市が独自に補助することとしており、引き続き事業者に対し、必要な支援を行うなどしてまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 坂下議員。 ◆5番(坂下美千代君) この間聞き取りを行った事業所では、特に小規模のところは、大打撃で、事業を継続できるか、非常に不安であると返答されました。 規模の大きいところでも、加算を使うところでは、今はどうにかなっているが、加算もハードルが高い条件を満たさなければ取れない。この報酬改定では、いずれ経営に大きく響いてくると思われるというお話でした。 政府は、職員の処遇改善加算は引き上げているのだから、合わせればプラス回答と、厚生労働相らが国会で答弁していますが、そもそも処遇改善加算は賃金改善に使うお金です。経営を支えるのは基本報酬です。全国での昨年の訪問介護事業所の倒産件数は過去最高で67件でした。休廃業も入れると、昨年は427事業所がなくなっています。そして、4割弱が赤字で、いつ閉じるかという状況なのです。それなのに、単価の引下げでは、倒産や閉鎖が爆発的に増えると思われます。 そこで質問です。 困難に陥る事業所に市はどのように支援するか、お伺いします。 ○議長(渡辺甚一君) 石腰市民福祉部長。   〔市民福祉部長石腰洋平君登壇〕 ◎市民福祉部長(石腰洋平君) 事業所の事業継続に対する支援ということで、まず、介護人材の不足というのが大きな課題であるというふうに捉えておりまして、市としても様々な取組を行っております。 具体的に、介護に関する資格取得のための助成であるとか、学生の育成につながる支援など、様々な事業に取り組んでまいりました。 令和6年度から、介護職を目指す学生の育成などの支援を拡充し、介護実習に参加する費用を助成の対象とするなど、卒業後に市内介護事業所に就職、就業していただけるきっかけとなるような新たな取組を始めました。今後も介護事業所と連携を図りながら、人材の確保に向けた取組を実施してまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 坂下議員。 ◆5番(坂下美千代君) 支援メニューを教えていただきました。 事業所の方からは、先ほど部長さんがお答えくださったように、広大な高山市のどこにいても安心して介護が受けられるために、市独自の移動に係る助成金制度が創設されていて、支所地域で登録ヘルパーさんが動けないときなどは非常にありがたい制度であると話されていました。 しかし、今後も、ガソリン価格は高いままでいることや人件費の上昇もあることから、再度検討してほしいと意見を伺ってまいりました。 事業所の種類によっては嘱託医の配置が必要ですが、今後の医師の成り手についても不安があるとのことでした。 職員確保については、どこの事業所も大変御苦労されてみえました。高齢のヘルパーさんから辞めたいと申出があっても、週に1回でも2回でも入ってほしいと必死にお願いしているそうです。辞められると回らなくなってしまうということで、大変な御苦労をお聞きしました。 また、外国人労働者の受入れについても同様に御苦労されているということで、財政面での支援について御意見を伺ってきました。 この件については、車戸議員さんが後ほど詳しく質問されるそうですので、その際の答弁を期待したいと思います。 まだまだたくさんの御意見を伺いました。また担当課にお伝えしたいと思います。 利用者の個別のニーズに合わせたサービスを提供するという課題にこそ、訪問介護の存在価値があり、望む限り自宅で生活する権利を保障することにつながります。 今月6日の新聞に、衆議院厚生労働委員会は、5日、介護・障がい福祉事業者の処遇改善に関わる決議を与野党議員も含め、全会一致で決議したと報道されました。4月実施の介護報酬改定で訪問費が引き下げられたことに対して、その撤回と報酬改定再改定を求める運動が広がって、異例の決議になったそうです。決議は、介護・障がい者福祉従事者は重要な職責を担っていると指摘。他の産業の給与水準と比べて低い状況だとして、優れた人材の確保、サービス提供体制を整備するため、報酬改定などの影響について介護事業者等の意見を聞き、速やかで十分な検証を行うとしています。今後の推移をしっかり見届けなければというふうに考えます。 報酬改定が再度改定されることを期待しているわけですが、事業者の皆さんが納得できるような結果になるまで、事業所が存続できるようしっかり下支えをするのが高山市の役割というふうに考えます。 もし地域を守る訪問介護事業所がなくなれば、低所得の老々世帯や独り暮らしの方たちが打ち捨てられてしまいます。介護離職者やヤングケアラーも増えることでしょう。そうならないためにも、各事業所の聞き取りや現場の状況を見に行っていただきたい。これは3つの事業所の方から言われました。私も福祉現場で働いていたとき、いつも市役所の方に現場を見に来てほしいと、そう常々願っていました。そうしてもらわないと伝わらないからです。 また、3つの事業所の方からは、ぜひ近隣の自治体がやっている事業所への支援メニューを参考にしてほしいと言われています。 そうは言われても、人口も事業所数も違いますので、それを一緒にするというわけにはいきませんが、まず現場の状況を見ていただき、そこにはどんな課題があるのか、どうすればそれに応えられるのか向き合っていただき、施策をつくっていただきたいというふうに思います。今ある支援メニューはもちろんのこと、それぞれの事業所の事情に寄り添い、人材の確保につながる支援を準備していただきますよう心からお願い申し上げます。 それでは、次に移ります。 2番目は、小規模建築業者への支援についてです。 今月から実施されます定額減税、物価高の影響を受け、1人4万円を減税するというものです。ありがたい、ありがたいのですが、食品の値上げは、昨年の記録的ラッシュから鎮静化の傾向と言われますが、帝国データバンクによると、6月はノリ製品など614品目が値上がりをしました。また、今年の夏も猛暑と報じられている中、電気代やガス代もこれから上がるというふうに言われています。 市民の皆さんからは、何でも値上がりで、食べることがやっとの毎日だとお話を伺うことがよくあります。 中小零細企業の皆さんに至っては、ここ数年、新型コロナの影響に苦しめられ、売上げがコロナ禍以前まで回復しない業者の方も多い中、円安に、エネルギー価格高騰の大波が押し寄せていて、価格転嫁も困難な状況と言われています。 それでは、一体高山市の景気はどのようになっているのでしょうか。今年3月に高山市商工労働部商工振興課から出されている令和5年10月から12月分の景気動向調査の結果の資料から、最初の質問をします。 調査では、飲食業、製造業、旅館業、卸売、小売業、その他とそれぞれの状況が示されていますが、今回は建設・土木業への質問をします。 景気動向調査の結果から、建設・土木業では、近年、販売高DI値が、DI値とは景気動向指数です。DI値がマイナスであり、前年同期と比較して減少したとする事業所が多い状況が続いていますが、市はこの現状をどのように捉えていますか。また、小規模建設事業者においても同様のことが言えますか、お答えください。 ○議長(渡辺甚一君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕
    商工労働部長(倉畑政之君) 高山市の景気動向調査結果における建設・土木業の前年同期比の販売高DI値につきましては、令和4年4月から6月期以降、前年同期と比較して売上げが減少したと回答する事業者が、増加したと回答する事業者を上回っている状態が続いています。 直近の令和5年10月から12月期の建設・土木業の前年同期比の販売高DI値は、増加したと回答した事業者の割合11.8%から、減少したと回答した事業者の割合55.9%を差し引いた、マイナス44.1ポイントとなっておりまして、前回の令和5年7月から9月期よりも25.9ポイント減少している状況です。 この景気動向調査における自由意見欄をいただいておりますけれども、その中で、建設・土木業の前年同期比の販売高DI値が減少している理由としましては、受注件数が減少したこと、また、災害復旧工事が完了したことなどが挙げられているところであります。 なお、この景気動向調査につきましては、市内企業のうち無作為に抽出した500社を対象にアンケート調査を実施するものでございまして、建設・土木業では、建設事業者や土木事業者、設備事業者など様々な事業者を対象に調査を行っておりまして、経営規模も様々な事業者から御回答をいただいているという結果でございます。 そうしたことから、景気動向調査結果からは、議員おっしゃるような小規模な建築事業者の状況に限定した状況というのは把握することはできないというふうに考えておりますが、市内事業者にヒアリングをしている中では、受注量が減少している小規模な建築事業者があるということも認識しているところでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 坂下議員。 ◆5番(坂下美千代君) この間、市内の大工さんや外壁等の仕事をされている一人親方の方、工務店の方から聞き取りを行いました。 最近は仕事がなくて困っている。物価も上がるばかりで、このまま仕事がないと心配だ。インボイスもあるし、不安を抱えてみえることが分かりました。 また、資材の高騰は相変わらず続いており、以前なら2,500万円で建った家も、今は3,000万円出さないと建たないと言われ、新築やリフォームになかなか向かえない現状があるのだと教えていただきました。 2024年版の中小企業白書には、中小企業の経営が苦しくなっている要因の1つは、原材料高騰や賃上げを伴う財政負担を価格転嫁しづらいからとあります。白書によると、仕入価格の上昇分を販売価格に転嫁できている場合は、23年9月段階で45.7%、コスト増加分の半分にも転嫁できないということです。しかも、22年9月の46.9%、23年3月の47.6%よりも下がっています。 白書によると、24年、賃上げを実施予定と答えた中小企業の割合が61.3%で、22年は45.8%、23年は58.2%を上回りました。一見、業績が上向きなのかと思いましたが、業績が好調、改善しているため、賃上げを実施する予定というのは24.4%にとどまり、業績の改善が見られないが、賃上げを実施予定が36.9%と、賃上げ予定企業の6割を占めました。業績が改善しないにもかかわらず、賃上げをする最大の理由は人材確保、採用です。人手不足の下で、収益を圧迫してでも雇用を確保しなければならない中小企業の不況がしのばれます。 それでは、2つ目の質問をします。 市が行っている景気対策において、小規模建築事業者への支援につながる取組にはどのようなものがあるか教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 池之俣都市政策部長。   〔都市政策部長池之俣浩一君登壇〕 ◎都市政策部長(池之俣浩一君) 市が発注する公共工事においては、予定価格に応じて入札参加資格区分を設けることで、様々な事業者に受注機会を提供する仕組みとしているほか、受注業者が下請業者と契約を締結する際には、可能な限り市内事業者の中から選定することを求めるなど、小規模建築事業者にも配慮をしているところでございます。 また、市で行っております各種住宅建築工事に対する補助制度のうち、伝統的大工技術等継承事業ですとか、まちなか定住促進事業等につきましては、補助の要件に工事の施工業者が市内事業者であることを規定しており、市内小規模建築事業者の受注機会の拡大と市内産業の活性化に資する施策を展開しているところでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 坂下議員。 ◆5番(坂下美千代君) 多岐にわたっての支援策に取り組まれていることを教えていただきました。 それらの事業を大いに活用することで、中小規模の建築業者の皆さんに潤っていただきたいと考えます。 今年元旦に起きた能登半島地震では、住宅被害は、全半壊と一部破損を合わせて8万918棟です。全壊は8,108棟と発表されています。 高山市が出しています高山市耐震改修促進計画、令和3年3月改定版の中にある想定される地震の規模、想定される被害状況の表を見てみますと、高山・大原断層地震(南側震源)で、震度7の場合、建物の全壊は1万2,989棟、半壊は1万4,787棟となっています。南海トラフ巨大地震で、震度6弱の場合は、建物の全壊は778棟、半壊は1,703棟となっています。いつやってくるか分からない地震に、今のうちに備えなければなりません。 そこで質問です。 耐震政策については、無料診断や改修補助のかさ上げに取り組んでいることは承知していますが、安心・安全なまちづくりと併せ、民間の改修工事が発注されることで景気対策につながるよう、助成額を拡充するなどして取り組む考えはありませんか。 ○議長(渡辺甚一君) 池之俣都市政策部長。   〔都市政策部長池之俣浩一君登壇〕 ◎都市政策部長(池之俣浩一君) 市では、無料耐震診断の実施や耐震改修工事に補助することにより、耐震化率の向上を目指して取り組んでいるところでございます。 改修工事につきましては、国と県の補助基準額に60万円を市独自に上乗せすることで、180万円まで補助しており、他市と比較しましても手厚い支援制度であると考えております。 現時点では、これ以上の補助限度額の増額を行うことは検討しておりませんけれども、現行の制度の内容をより多くの市民の皆様に知っていただけるよう、今年度は、耐震ローラー作戦と銘打った、戸別訪問による啓発活動を拡大して実施するなど、周知に努める予定としております。 また、現在多くのお申込みをいただいております耐震診断の結果を踏まえ、より円滑に改修工事に進んでいただけるよう、住宅所有者様に対する御案内を丁寧に行うことで、民間工事の発注増につなげてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 坂下議員。 ◆5番(坂下美千代君) 手厚い支援が準備されているのだと確認しました。 耐震工事には平均300万円かかると言われていますが、助成金が180万円ですと、5分の3、6割も出していただける。もちろん市民の皆さんへの周知をされています。先ほど申されたように今年度始められるローラー作戦、これをぜひしっかりやっていただきたいと思います。 耐震政策が進み、建築業の皆さんにも仕事が回ることを期待したいものですが、しかし、こんなに助成金があるのに、もっと進んでよいのではないでしょうか。それがなかなか進まないのはどうしてなのか。そこを検討される必要があると考えます。 知り合いの方は、助成金はありがたいが、高齢者世帯だし、跡継ぎがいないことを思うと、とても踏み切れない。また、ほかの方は、助成制度があっても、ローンを組むことはできない。年金暮らしや不安定雇用だと、やはり工事に踏み切れないという御意見でした。 また、危機感があまりない方もいらして、耐震の必要性を感じていない方もみえました。 災害に強いまちは、日々暮らす住宅が耐震化されなければ実現しません。能登半島地震では圧死により亡くなられた方が多く、耐震化の重要性が指摘されています。市が取り組んでいる耐震化の必要性や手厚い支援の周知はもちろんのこと、踏み切れない方の事情に寄り添った新たな提案をしていく必要があるように考えます。ぜひ前向きに取り組んでいただいて、高山の耐震化を進めること、業者の方に仕事が回っていくことを期待したいというふうに考えます。 次の質問に移ります。 住宅リフォーム工事に対する様々な支援制度も準備されているかと思います。 介護保険の要支援、要介護の方への住宅改修については利用されて、もらって大変助かったと、たくさん意見をいただきました。しかし、申請者が高齢者であることなど、対象になる世帯が限定されているものが多いように感じています。 そこで、様々な立場の市民が利用できて、かつ小規模な工事であっても対象となる制度を景気対策として創設することへのお考えはありませんか。 ○議長(渡辺甚一君) 池之俣都市政策部長。   〔都市政策部長池之俣浩一君登壇〕 ◎都市政策部長(池之俣浩一君) リフォーム工事に関する補助制度は複数の所管にまたがっておりますけれども、住宅に限定した質問でございますので、都市政策部で回答させていただきます。 住宅のリフォーム工事の発注が増えることによりまして、市内の中小規模の建築工事業を営む事業者様の受注する機会が増えることは市としても想定しているところでございます。 先ほど説明しましたとおり、これまでも一部の補助制度において、市が補助する際に、市内事業者に施工するものであることを補助の要件とするなど、取組を進めてまいりました。 景気対策のみに特化した新たなリフォーム補助制度の創設は予定はしておりませんけれども、今後とも可能な限り、現行制度に市内事業者要件を設定するなどの配慮を行うほか、国が行っております住宅省エネのリフォーム工事補助制度を十分に活用いただけるよう、市民や事業者への周知にも努めてまいりたいと考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今回、坂下議員が御質問ありました小規模建築事業者さんへの支援ということで、公共事業として、市としてもかなりの部分、今回は、本当に公共施設を建設するに当たって、多く工事は出しているというふうに考えておりますが、それがどう小規模の建設事業者さんに流れていくのかということもございますので、その辺は一応ヒアリングをさせていただいて、検証をさせていただく中で、今行っている公共事業が、実際そういったところに、そういった皆さんにどういうふうに流れて、どういった効果をもたらしていることは検証させていただきたいと思っております。 また、特に建設、建築関係は、これは建設もそうなんですけれども、景気に左右されるということもございます。また、人手不足もあるということもありますし、あと、住宅、特に建築の工法が変わって、従来あるいろいろなその技術を使いにくくなっている。そういったところに発注が行きにくくなっているということもありまして、行政として、全体としてできる部分については、大きな流れの中で、なかなかどうしても効果的な施策が打てない、打てられないというようなそういった実情もあることはありますけれども、今部長がお答えしましたように、だからといって手をこまねいておくわけではなくて、特に建築・土木については、かなり景気対策というそういった側面も大きい部分はこれまでもございましたので、これからもしっかりと皆様方の声を聞いて、どういったところに課題があるのか、その辺も視野に入れて今後やっていくつもりでおりますので、また、要するに声なき声を聞くという、中筬議員さんの御質問でも言われましたけれども、私どもが出向いて、先ほどの介護もそうなんですけれども、出向いていって声をしっかり聞いて、何が課題かはっきりさせていただいた上で、できる施策を打っていくような、そんなふうに進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 坂下議員。 ◆5番(坂下美千代君) 今ほど市長さん、そして、部長さんから前向きな御答弁をいただきました。 工務店の方が、以前あったリフォーム助成制度では、介護保険の要支援や要介護でなくても使えて、手すりの設置やヒートショック対策の工事は人気だった。あのときは設備屋さんも潤って、多くの業者がとても助かった。また、幅広い対象者の補助制度があれば、それをもって営業できるし、市民の皆さんも、それならやってみようかと前向きに検討されるようになると思うという御意見をいただきました。 一人親方の皆さんの中には、高齢者の方もいらっしゃいますが、体が元気なうちは働きたい。働かないと、少ない年金ではとてもやっていけないと言われています。生活のためでもありますが、その仕事に誇りを持ち、磨いてきた職人の技を継承していく大事な役割も持っていらっしゃいます。そういった方々も含めてこの業界が成り立っているのだと思っています。 全国商工団体連合会附属の研究所が発表した24年上期の営業動向調査によると、年間売上高1,000万円以下のインボイス発行事業者の45.1%が、消費税が納税できるか不安になったと回答しています。また、廃業を考えざるを得ないと回答した免税業者も7.5%いらっしゃいました。インボイスでも多くの事業所が苦しんでおられます。こんなときこそ、市が力を発揮していただきたいと考えます。 小規模建設事業者の皆さんが、この厳しい時期を乗り越えられるよう効果的な景気対策を打ち出していただきますよう、しっかり支えていただきますよう心からお願いしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(渡辺甚一君) 以上をもって、坂下議員の質問を終わります。 次に、上嶋議員。   〔21番上嶋希代子君登壇〕 ◆21番(上嶋希代子君) 皆さん、こんにちは。 通告に基づきまして、一般質問を行います。 まず初めに、荘川地域の産廃計画についてです。 先日の地元の平戸議員から質問が行われました。その内容も踏まえて質問をいたします。 この地域は、皆さんも御存じのように、産廃計画の種類は、汚泥や廃プラ、そして、ばいじん、政令第2条の水銀、ばいじん等も含まれているということで18品目になっています。それで、最終処分場の開発面積は、東京ドームの倍ぐらいと言われています。埋立面積も大変な状況です。地元の方からは、この大変な状況の中を何としても見ていただきたいというのが声でした。 そこで、市長にお聞きいたします。 市長は産廃処分場の建設計画予定地を直接視察されていますか。また、どういった地元の意見を聞いておられるのか、お聞きしたいと思います。   〔21番上嶋希代子君質問席へ移動〕 ○議長(渡辺甚一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今、荘川で計画されています産業廃棄物最終処理場の事業計画は、現在その許可をする権限を持っています県でしっかりと条例に基づいた審査が進められておりますことであることとか、その計画地、今、東京ドームの倍くらいというふうにおっしゃいましたけれども、そこは民有地であるということもございまして、私自身がその現地に出向いて、調査を行ったことは今まではございません。 ただ、市長に就任以来、複数回にわたって荘川には出向いておりまして、その都度都度で住民の方々の声を聞いておりますし、また、いろいろな場面で、例えば商工会であるとか、まち協であるとか、そういった場面でも話題にはなっておりますので、そこでいろいろなお話は聞かせていただいております。 その中では、本当に美しい自然環境の保全であるとか、頻発するいろいろな自然災害に対する安全性ですね、それと風評被害の発生であるとか、下流域の自治体、または多くの住民への影響など多くの懸念事項をいただいておりますので、そのことをしっかりと県にお届けして、伝えてほしいという意見もございますし、もう思いは、先日の平戸議員さんの回答の中でも述べましたけれども、住民の方々と同じ思いでおりますので、しっかりと県にはそのことは伝えていくということは皆さんにはお伝えはしております。 ○議長(渡辺甚一君) 上嶋議員。 ◆21番(上嶋希代子君) その上で、お聞きいたします。 この後、地元説明会が開かれていくということをお聞きしています。産廃計画について、市は県にどのような御意見を伝えられているのか。 今、県にお話ししていくという話もありましたけれども、これからは地元の意向、関係者の意向が重要になってきます。その上で、ぜひどんな話をされているのかお聞きしたいと考えます。 ○議長(渡辺甚一君) 小林森林・環境政策部長。   〔森林・環境政策部長小林一正君登壇〕 ◎森林・環境政策部長(小林一正君) 産廃計画について、市から県への意見通知についての御質問でございます。 岐阜県による岐阜県廃棄物処理施設の設置に係る手続の適正化等に関する条例手続の中で、県から市に対して、事業計画書及び周知計画書に対する意見照会がありました。 市から、事業計画に対しましては、水質汚濁、大気汚染、悪臭、騒音などの生活環境への影響、生態系や景観などの自然環境への影響、豪雨や地震などの防災上の懸念、盛土による土石流災害の危険性などに加え、地域の自然環境を基盤とする産業への影響などについて、市の考えを県に提出するとともに、地域の合意形成が極めて困難であることもお伝えをしております。 また、周知計画に対しましては、地域にお住まいの皆様や事業者及び利害関係者等に対しまして、計画内容を周知する上で、産業廃棄物最終処分場の仕組み、運営方法、環境保全及び安全対策など、多くの懸念事項について分かりやすく丁寧に説明することや、質問、意見書への対応を真摯に行うなどの意見を県に提出をしております。 ○議長(渡辺甚一君) 上嶋議員。 ◆21番(上嶋希代子君) 産廃計画が中止されることを多くの人たちが願っているというところです。議会の中でも意見書を上げてまいりました。そして、産廃計画を中止するために率先して意思表示を行い、行動することが求められていると考えますが、市長が今お答えいただきましたように、いろいろな計画がある中で、意見を申し上げていくということでした。 荘川地域の産廃計画には、白川村始めお隣の富山県の住民の方々や、また、富山県の議会からも視察が行われています。多くの方々の安心・安全な水、そして、環境を守るためには関係者団体の合意が今、必要だと考えます。 知事も、その合意形成に向けて、その意見を反映していくというふうに答えられています。 産廃反対しておられる団体、市民の呼びかけで、市長さんがぜひこの意思統一を、市長さんがぜひ先頭に立っていただきたいという住民の願いの方もありますが、この辺は市長さんはどんなお考えでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今計画されております最終処分場につきましては、これまで私、何度も、議会の場でも、いろいろな場で申し上げておりますけれども、まず1つ目に、荘川地域の豊かな自然を背景にした地域の産業、文化、人々の営みに対して合致するものではないということ、あと、2つ目が、積雪寒冷地であるということと、あと、雨量が多い自然環境における埋立処分地の維持管理、適正運営の懸念があるということ、3つ目が、水質、大気汚染、振動、騒音、悪臭などによる生活環境の悪化が懸念されること。また、富山県を含む広大な下流域に風評被害、そういったものが発生するおそれがあることに加えまして、地元の住民の方々を含む関係者の合意形成が極めて困難であるということを考えまして、最終処分場の建設については適地ではないということをはっきり申し上げております。 今、この件につきまして、県の条例等でしっかりと今進められておりますが、この今の私どもの考えは、県の幹部の方にもしっかり声は届いていると私は認識しておりますので、その思いに沿った対応はしていただけるんじゃないかということを、この間も申し上げましたが、私は期待しておりますし、そうなるように信じております。 当然住民の方々と一緒に、このことにつきましては、その気持ちを込めた上で、思いを受け止めた上で、県にしっかり伝えていくという、あるいは内外に伝えていくということはしておりますので、これからもそれは引き続きやらせていただきます。 ○議長(渡辺甚一君) 上嶋議員。 ◆21番(上嶋希代子君) 今、市長からは力強い御回答をいただきました。 市民の方の中から御意見をいただいたんですが、今、御存じのように議会、そして、議会は特別委員会を設けてやっています。そして、白川、そして、富山の関係市の方々たちも、さっきお話ししましたように視察など行われているというところですが、それぞれが活動されているところを何とか市長さんがまとめていただいて、1つのこの反対だというところの意見をまとめれるような、先頭に立って行動をしていただけないかという要望もいただいていますが、そのことについてはいかがでしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 上嶋議員も御存じのとおり、高山市もやはり行政機関の1つでありまして、先ほど申しましたように今回の処分場につきましては、県が任命権者でございます。 その中において、行政との関わりの中で、高山市が、それに対して直接的に反対という声を上げることにつきましては、私は今のその行政システム上、いろいろなそごは生じる場合がございますので、そういった部分において、皆さんの声をまとめて、一緒になって反対ということで意思表示をすることについては、少しやはりちゅうちょする部分もございます。ちゅうちょするというか、そういった機能を持ち得ていないというのが実情でございます。 ただ、そういった反対の声があるということをまとめて、私自身もこれまで適地ではないということは申し上げておりますので、それをまとめた上で、住民のお声として県に伝えていくということはしっかりとやらせていただきますので、御理解いただきたいと思います。 ○議長(渡辺甚一君) 上嶋議員。 ◆21番(上嶋希代子君) ぜひよろしくお願いいたします。 今後の大きな動きに反映してくると思いますので、よろしくお願いいたします。 それで、この前28日には大雨がありました。この結果をこの前、私たちはいただきましたが、何と241件の被害が出ています。1日の能登半島における地震の経験もしました。この経験からしましても、産廃計画は私はやはり中止すべきだと考えます。 議会はもちろん反対の声を上げていますし、特別委員会も設置しているところです。市は住民の意見を重く受け止め、行動されることを求めていきます。 2つ目の質問に入ります。 安心・安全な学校給食についてお尋ねいたします。 近年、学校給食への関心は高まっています。食生活も近年は変化しています。その中で、子どもの成長を願って、おいしくて、安心して、安全、質のよさが求められています。市民の方々からは、何よりも安心・安全が求められています。成長期の子どもたちの食事には関心が大きくなっています。 物価高という現時点の要求に合わせて、献立は工夫が求められていると考えます。献立に携わっている職員の方々は、1年生から6年生、そして、中学生の発育盛りの児童生徒への献立に工夫が要って、楽しみではありますが、楽しみではあると考えますが、苦労も多いと思います。 こうしたことの中で、1番目の質問で、おいしくて、安心・安全、質のよい学校給食をという市長の発言が以前にありましたが、その後どのように取り組まれてこられたのか、お尋ねいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 市では、安心・安全で、質の高い学校給食を提供するために、令和5年度から米飯の調達に係る費用の一部を市が負担し、主菜や副菜の充実を図っているところでございます。 令和4年度及び5年度には、食材の急激な物価高騰に対しまして、市が高騰分を負担することによりまして、質の維持向上に努めてきたというところでもございます。 また、市長が学校を訪問しまして、児童生徒と一緒に給食を食べながら、好きな献立など、意見を聞く機会を設けるといったこともさせていただいております。 今後もこういった取組を通じまして、子どもたちに安全・安心で、おいしい給食を食べていただけるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 上嶋議員。 ◆21番(上嶋希代子君) 学校給食では御飯とパン、麺類の主食が今取り入れられています。 パンは、子どもたちにも人気はあるけれど、原料となっている輸入小麦を使ったパンを検査した結果でグリホサートが検出されたといった調査結果が出たところで、国産小麦に切り替えている自治体が増えているとあります。北海道、山口県、滋賀県、静岡県、宮城県、長野県、埼玉県、熊本県だそうです。 安心・安全な材料を求めようとすれば、輸入小麦ではなく、地産地消の観点から地元産の小麦に切り替えることが必要ではないかと考えますが、現状での考え方をお尋ねいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 学校給食で提供しておりますパン類、麺類など、小麦を原料とする主食につきましては、岐阜県学校給食会より購入をしているところでございます。 麺類のうちうどんにつきましては、100%岐阜県産の小麦を、また、パン類及びソフト麺については、岐阜県産の小麦と外国産の小麦をそれぞれ50%を使用しているというところでございます。 パン等に外国産の小麦を使用する理由は、岐阜県産の小麦は、製粉をしますと中力粉という分類にされまして、中力粉はうどん等の製造には適してはおりますけれども、グルテン、たんぱく質の含有量が少なく、パン類やソフト麺には不向きなため、グルテン含有量が多い外国産小麦の強力粉を半量使用しているところでございます。強力粉につきましては、強力粉となる小麦の国内生産量が少ないことから、農林水産省が輸入する食品衛生法等の基準に適合しました安全な外国産の小麦から作られた強力粉を使用しているというところでございます。 今ほど申しましたとおり、岐阜県産の小麦については使わせてもらっているところでございます。 飛騨地域につきましては、小麦の栽培には適していないというところで、生産量が非常に僅かであるというところで、学校給食での使用については難しいというところを認識しているところでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 上嶋議員。 ◆21番(上嶋希代子君) 今、パンの小麦粉についての御意見をいただきました。 地産地消で安全な食材を入れるには、大規模な給食センターではなく、小規模化が必要だと考えます。 今、先に戻りますが、材料についてですが、各務原では、有機農家の農業を推進ということで、学校給食に有機米が取り入れられるように考えておられるそうです。 飛騨市では、地元産の小麦を取り入れたいと今、試験が行われ、昨年は少しですが生産ができたので、今年も作付けをされたということをお聞きしています。 3番目にも行きますが、地産地消で安全な食材を取り入れるには、やはり大規模ではできないということが全国各地の取組の中で分かってきています。各地の取組を調べてみますと、いろいろな取組が行われています。 農水省は、2050年までに日本の農地の4分の1、25%を有機農業の農地にするという目標を掲げています。学校給食にオーガニック食材を使う自治体の国の支援等もあるとされています。 農家も、大規模ではできないが、家族経営ならという方もおられるのではないでしょうか。また、子どもたちのためならと頑張れる方もあると考えます。荒れた田畑を見るほど悲しいことはない、農家の方の声です。 大規模な機械化だけでは進まない食と農、一度真剣に考えるときではないでしょうか。このことについて御意見があれば、お聞きしたいと思います。 ○議長(渡辺甚一君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) 今までも、議会の中で、有機のことについてはいろいろと御質問いただいております。 今、高山といいますか、飛騨3市1村で飛騨地域農業再生協議会というところで、2050年に向けた取組をどのようにしていくかという栽培マニュアルとロードマップを今、作成しております。 それらに向けて、いきなりその有機に転換するということは、非常に今までの経営の中でいけばリスクも多いですし、農業者経営という、それこそ全てが、耕地が荒れてしまうとか、経営が成り立たなくなる場合もございますので、そういったことを加味しながら、今、栽培マニュアルを作成して、それに向けて、農家と一緒に取り組んでいこうとしておりますので、いきなりということはやはりちょっと難しいかなと。 小さな農家とかで有機のほうに取り組んでいきたいという方は、今、有機のアドバイザーなんかを入れながら、増やしていこうという姿勢で向かっておりますので、そういったことを両方しながら、2050年には高山でも25%になるような取組は進めていきたいと思っていますけど、今すぐこの有機野菜を給食センターのほうとかという量的な物量の問題とか、そういったことがございますので、少しでも、ただ、消費者の方が安心・安全できるようなことは担保しながら取り組んでまいりますので、御理解をいただければと思います。 ○議長(渡辺甚一君) 上嶋議員。 ◆21番(上嶋希代子君) 食の安全については、学校給食を始め、やはり住民の方にとっても今、重要なときに来ていると思います。添加物の問題、それに、そして今の環境の問題、大変生きづらい時代に入っています。本当に食については慎重に今、取り組むべきだと考えます。 今お答えいただいたように、ぜひ2050年の目標に向かって取り組んでいただきたいと思いますし、また、その取組については、農家の方々たちの意見、そして、今、若い人たちも関心を持っておられますので、ぜひその辺の交流もできるような取組もお願いしたいと思います。 3番目の質問に入ります。 まちの体験交流館における従業員の賃金について提出させていただいておりますが、これについては、5月28日の新聞報道によりますと、指定管理者制度として運営されている飛騨高山まちの体験交流館において、高山市と、人件費をめぐり行き違いが生じているとありました。 この件に対しては、倉田議員から以前に丁寧な質問をされていますので、市の説明もありました。市長からは調査と結果を報告するとありましたので、結果報告を待つことにいたします。 その上で、この調査報告はいつになるのか、確認をいたします。 報告に当たっては、議会はもとより、市民の方に分かりやすい報告をいただきたいと考えますが、御答弁をお願いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 今ほど御質問いただきました件につきましては、報告時期等は明言はできないところでございますけれども、速やかに調査を実施いたしまして、その結果を議会の皆様を含め、しかるべき方法で御報告をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 上嶋議員。 ◆21番(上嶋希代子君) 高山市におきましては、指定管理者制度を設けて、国の制度がありましたけれど、平成15年から始まっております。 高山市では225の指定管理者があると今、調査の結果が出ていますが、この指定管理者制度と、そして、高山市の行政との在り方、そして、その中での今、働き方の関係で大変複雑になっているかと思います。安心して働いて、そして、暮らしていける賃金が何より望まれる現代だと思います。 その辺も含めて、労働者、働く人たちの生活を安心できるような制度に向けていただきたいと考えて、私の質問を終わります。 ○議長(渡辺甚一君) 以上をもって、上嶋議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(渡辺甚一君) 休憩します。     午前10時39分休憩  ――――――――○――――――――     午前10時50分再開 ○議長(渡辺甚一君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○議長(渡辺甚一君) 次に、松山議員。   〔20番松山篤夫君登壇〕 ◆20番(松山篤夫君) おはようございます。 今朝は、漫画を持って登壇いたしました。お読みになっていらっしゃる方も多いと思いますけれども、   〔実物を示す〕『モーニング』、『課長、島耕作』、お読みになっておられる方もたくさんみえるんじゃないかと思います。その課長、島耕作、部長になり、そして、専務になり、社長になり、会長になり、その後、数社の社外相談役になり、何と今度は、佐賀県庁の副知事に就任です。 その副知事のくだりの漫画なんですけれども、ビジネスパーソンからするとヒーローのような存在、副知事としての仕事は、副知事、島耕作、仕事はスポーツとビジネス、半導体産業、人材育成やサプライチェーンの強化、そして、ブランドとの協業、企業やブランドと連携しながら、地域の魅力を首都圏に届けることに力を注ぐ。佐賀県庁では、早速、古い庁舎のところにCG技術で最先端の島耕作を再現して、島耕作に会える企画展が始まって、ここでも地域活性化のために知恵を働かせております。 今日は、持続可能な地域づくりをフレームとして、元気、活力のある地域づくり、そういうフレームの中で一般質問をさせていただきます。 最初に、通告に基づいて、歴史的な木造建造物を守り伝えるための技術継承について質問させていただきます。 木造建築や木工などの伝統技術の現場における課題解決に向け、県内外の職人と行政などの関係者をつなぐ中間組織として、今年2月に、一般社団法人技の環が設立されました。 伝統技術の現場では、後継者の人材育成、原材料不足、道具の確保などで課題に直面しています。 市としては、この組織との連携も含め、伝統技術の現場を支援する仕組みづくりについてどのような取組が可能か、これまでの成果と今後の展望をお伺いさせていただきます。   〔20番松山篤夫君質問席へ移動〕 ○議長(渡辺甚一君) 上田副市長。   〔副市長上田和史君登壇〕 ◎副市長(上田和史君) 市におきましては、地域の伝統的な技法を用いた建造物の新築等にかかる費用に対しまして補助をすることで、伝統的な技法の継承に取り組んでいるところでございます。 令和2年の制度創設以来78件、2,998万8,000円の補助を交付いたしまして、この補助が呼び水となることで、建築や建具、左官工事などの民間の工事が発注されているというふうに認識をしているところでございます。 後継者の育成支援に関しましては、伝統的な木造建築技術を次の代へ継承するため、伝統的な木造建築に関わる技術を保有、活用している事業者が研修生を受け入れた場合に、研修者1人に対して、事業所に月額2万円、研修者に月額5万円の助成をしておりまして、この建築大工については、平成27年度から令和5年度末までの期間におきまして、13事業所、14名の方に交付をしております。 また、大工の伝統技術に関連をいたしました高山祭屋台の保存技術の継承を図るため、当該保存技術の伝承者養成事業所、それから研修者に対しまして、助成を行っておりまして、こちらは、令和2年度から、木工関係で1件の事業所及び研修者に補助をしているところでございます。 補助金以外につきましても、公共建築におきまして、昨年度は城山公園の公衆便所ですとか、朝日の消防団車庫、こちらの建築に伝統技術を用いた工法を取り入れるといった取組も行ってきたところでございます。 今後もこれらの補助制度の有効活用ですとか、伝統技法を積極的に公共建築工事に取り入れるなどの取組を進めるとともに、御紹介いただきました中間支援組織でございます、一般社団法人技の環などの関係機関との連携を図りながら、技術者の育成、技術の継承に努めてまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) 御答弁いただきました。 技の環につきましては、県立森林文化アカデミーの教授が代表理事を務めておられることもあり、これまでのところは県からの支援や委託を受けてプロジェクトが実施されている模様ですが、飛騨窓口も高山市内に設置されていますし、ぜひ積極的な連携を模索していただきたいと思います。 伝統技術の現場が直面する課題は、後継者の人材育成、原材料不足、道具の確保など、それぞれ問題点の所在が既に明確に捉えられています。これらの課題はそれぞれの地域にとっての課題でもあり、県が取り組む以前に、地元の自治体が率先して課題解決に取り組むべきものだと思います。ぜひ現場の声に耳を傾けながら、引き続き補助と取組を進めていただきたいと思います。 次の質問に入ります。 県が所管する高山陣屋では、榑ぶき屋根の維持管理のために、県職員として営繕職員が配置されており、榑板を製作する榑へぎや榑板でふき替えする榑ぶきの技術が継承されてきています。 平成30年度には、この営繕職員が技術指導して、地元の職人さんが榑へぎなどの伝統的な工法を学ぶ高山陣屋榑へぎ技術研究会が発足しました。 この研究会は、地元の大工さんらが陣屋の屋根に関する技術を現場で学びながら、工費、工法のみならず、材料や道具についても研究して、技術の継承を図ろうとする画期的な取組でしたが、諸般の事情により、現在は研究会としての取組は十分に展開されていない状況です。 高山市では、飛騨民俗村で5軒の榑ぶき民家を管理していますが、榑ぶきの技術を伝えてきた職人さんが高齢で引退されてからは、榑ぶき専門の技術者は補充されておらず、現在はかやぶきを専門とする職人さんが榑ぶき屋根の保存修理にも当たり、職人さん個人の技術や努力によって、辛うじて榑ぶき屋根の維持管理に対応している状況と聞いています。 榑ぶきや榑へぎは、本来、全国各地で継承されてきた板ぶき屋根の技術でありますが、降雪のある飛騨では、その風土に適した独自の榑ぶき技術が継承されてきたはずです。その技術を継承する人材を育成し、文化財にも指定されている建造物を守り伝えていくためにも、地元である高山市として、榑へぎ技術研究会のような取組への支援が必要だと考えますが、市の考えをお聞かせください。 ○議長(渡辺甚一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 榑ぶきの屋根につきましては、かつては高山市の中心部やその近郊では一般的なものでありましたけれども、トタン等の不燃材の屋根が普及をすることで、徐々に減少していきまして、現在では一般の住宅ではほとんど見ることができず、榑ぶき屋根が実際に見られるのは、飛騨民俗村や高山陣屋など文化財の建物に限られるという状況になっているところでございます。 しかしながら、これらの技術は高山の建築の歴史をたどる上では必要不可欠なものであり、その技術については、今後も残すよう取り組んでいく必要があるというふうに考えております。 先ほど来御紹介のあります、技の環さんや岐阜県、飛騨民俗村の指定管理者などと協議を進めながら、榑へぎの技術に関連した調査、普及啓発への協力、文化財の修理現場での技術継承の支援など、榑ぶき屋根の技術を残していけるよう取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) 高山陣屋は県の施設ですので、その保存修理については、岐阜県文化伝承課と現地の高山陣屋管理事務所が事業を担っていますが、そこで守り伝えられている榑ぶきや榑へぎの技術はまさに飛騨高山の地元の技術ですので、県と市という行政上の所管の壁を越えて、ぜひ県と市が連携を図って、技術の継承について取組を進めていただきたいと思います。 一方で、飛騨民俗村は、市が設置した、現在は指定管理という形で運営されている施設です。ここには国指定重要文化財の旧田中家を始めとする5軒の榑ぶき民家を管理されていますが、この屋根を保持するための人員配置、職人さんの配置及び学芸員の配置について現在どのような体制になっているのか、お聞きいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 森下教育委員会事務局。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 人員体制につきましては、ただいま明確にお答えできる資料を持ち合わせておりませんけれども、適切に管理ができる人員体制を整えて対応させていただいているところでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) かつては榑へぎ職人の方が常駐されて、また、ホームページにその情報が残っているように、榑へぎという榑板を作る作業を見学者に公開されていたと記憶しています。 職員さんが高齢となり引退された後で、後継人材の確保ができていないのは大きい課題ではないでしょうか。この人材確保についてはどのような考えか、お伺いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 人材確保につきましては、先ほど来お話をさせていただいているとおり、やはり施工されている箇所が文化財に限られる等、そういった施工のところが少ないというようなところもございますが、そういったところを、市のほうでも、文化財の修理に当たっては、継続して榑ぶきの屋根等の設置といいますか、修繕を継続をするというようなことをさせていただきながら、どれだけでも工事を実施するということで、技術の継承の提供の場を確保するというところが一番大事なところかと思っておりますので、そういったところを進めさせていただきたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) 高山陣屋での榑へぎ技術研究会は、高山陣屋の営繕職員が技術指導して、地元の若い職人さんをメンバーとして、伝統的な工法を学ぶ場であったと聞いています。そのような機運が地元の職人さんにも生じているわけですから、市としても、それを好機と捉えて、人材育成、人材確保の課題解決に積極的に取り組んでいただければと思います。 次の質問に入ります。 現在、飛騨地域で文化財に指定されている寺社建築のうち、こけらぶきという榑ぶきより精緻な板ぶき屋根の保存修理の現場においては、地元の業者が元請けになった場合でも、実際の施工に当たっては岐阜市、中津川市、岡山市など、市外の業者が入ることが多いと聞いています。 高山市は、平成28年度に、文化庁から、日本遺産として「飛騨匠の技・こころ」のストーリーが認定を受けていますが、飛騨匠の本流である木造建築、とりわけ寺社建築の修理現場では、飛騨の技術者が必ずしも十分に活躍できていないのではないのか。飛騨匠の技、心を未来に伝えていくためにも、木造建造物を手がける真の飛騨匠を育成するような取組に期待したいと思いますが、市の見解をお願いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 飛騨匠というところで申し上げますと、建造物とは関連が薄いところでございますけれども、高山市では、屋台修理技術者の認定を行っておりまして、認定を受けた技術者の皆さんが高山・祭屋台保存技術協同組合を結成し、屋台の修理に当たっております。 この組合におかれましては、高山の屋台だけの修理にとどまらず、全国各地の屋台の修理などに腕を振るっておられまして、飛騨匠の技術の伝承という一端を担っていただいているのではないかということを考えております。 議員から先ほど来御質問がありました屋根のふき替えの工事等につきましては、こけらぶきの屋根の修理につきましては、平成24年に荒城神社の本殿、平成27年に飯山寺弁天社などで修理を行ってまいりましたし、それほど大きな工事ではございませんでしたが、村半の中庭に面したひさしの修理につきましても、こけらぶきの技法で補修をするといったこともさせていただいております。 先ほど副市長の答弁中にもありました、公共技術の中にそういった古くからの在来工法といいますか、そういった技術を工法を入れさせていただいたりというふうなことであるとか、文化財の修理に際しましても、飛騨の伝統技術を生かすような工事方法を取り入れるなどしまして、市内の技術者の方が活躍できる場をつくっていくように取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) 答弁ありがとうございます。 いろいろ取組をしていただいていることはよく分かりますが、あまり他市のことを比較するのもどうかとは思いますけれども、要望として参考までに言わせていただきますが、金沢市は、文化財の修復等に関わる伝統技術の伝承を目的として、金沢職人大学校を設立しています。また、長野県建設労働組合連合会は、信州職人学校を開設し、修了者を対象に技能評価試験を実施して、合格者を県公式の信州伝統大工として認定しています。 そのような規模での人材育成機関の設置は市単独では難しいかもしれませんが、県立森林文化アカデミーや高山工業など関係機関とうまく連携して、現代の、そして、未来の飛騨匠を育成する取組を検討していただきたいと思います。この点、要望させていただきたいと思います。 次の質問に入ります。 次は、経済成長と持続的な社会補償制度についてというフレームでお話、質問させていただきます。 日本には、大きなパラダイムシフトが訪れています。パラダイムが変わる。つまりこれまで常識と認識されていた様々な事柄が大きく移り変わること、これがパラダイムシフトです。 私たちの社会で今まさに起きているパラダイムシフトの原因は、人口減少と高齢化です。急激なスピードと規模で人口減少と高齢化が進みます。人口が右肩上がりで増えるというパラダイムが、右肩下がりに下がるというパラダイムにシフトしました。 御存じのとおり、日本では、1990年以降、高齢者が増えている上、高齢者層の平均年齢もどんどん上昇しています。一方で、現役世代、生産年齢人口が激減しています。結果として、生産年齢人口1人当たりの社会保障負担は、国の数値ですが、1990年の約55万円から2023年には約181万円まで増えています。税負担が重くなっている最大の理由です。 経済は、人口増加とイノベーションによる賃上げの2つの要因がエンジンとなって成長します。歴史的にはこの2つの要因が経済成長に寄与する割合は、およそ半分ずつでした。 しかし、日本は既に人口が減少するフェーズに入ってしまっているので、経済成長の要因の1つである人口増加要因がマイナスになってしまいます。これは経済成長の大きな足かせです。 GDPは、人口掛ける労働参加率掛ける労働生産性という数式で表せます。つまり国の経済は、人口掛ける労働参加率という量で成長するか、イノベーションという質で成長するか、そのいずれかしかないということであります。 人口が減るのであれば、労働参加率や労働生産性を上げていかないと、経済の規模は縮小します。増税、物価上昇、様々な公共サービスが相次いで縮小されていくのも、全て原因は同じです。 今後、私たちが懸念しなくてはいけない最大の問題は社会保障です。1990年度の国の社会保障費は約47.4兆円で、GDPの約10.2%でした。しかし、2023年度は約134.3兆円と、約2.8倍にも増えて、GDPに対する割合も約23.5%まで急上昇しています。 日本では、生産年齢人口の減少が今後も長く続くので、社会保障支出が仮に横ばいに推移したとしても、現役世代1人当たりの負担は急増します。この社会保障負担の激増に対応するためには、全力で生産性と賃金を上げて、税収を増やす必要があります。 では、日本で労働参加率を今より上げることができるのでしょうか。 日本では、生産年齢人口が1994年のピークから既に1,400万人も減っています。しかし、一方で、就業者数は増えています。既に人手不足が顕在化し、社会問題として騒がれ始めていますが、実は2060年に向かって、生産年齢人口はさらに約3,000万人も減ると予想されています。 総務省の労働調査によると、2024年2月の時点で、日本の生産年齢人口の78.6%は就業しています。男性は84.0%、女性は73.0%でした。20歳から60歳の労働参加率は80.4%でした。市も同じようなトレンドだと思います。労働参加率が高くなって、生産年齢人口が減るので、将来的に就業者数を維持することが困難なのは自明です。人手不足は始まったばかりです。これからさらに深刻になります。 この問題の対策として、高齢者にもっと労働してもらえばいいという意見も耳にします。 しかし、高齢者自身の平均年齢が上がっているので、仮に今まで以上に高齢者層の労働参加率が高くなったとしても、生産性の極めて低い層が出来上がるだけの結果になるのは想像に難くありません。経済規模を維持し、社会保障負担の大幅増に対応するためには、全力で生産性と賃金を上げて税収を増やす必要がありますが、市はそこに対してどのように対応されていくのか、お考えをお伺いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕 ◎商工労働部長(倉畑政之君) 議員仰せのとおり、経済成長のためには、労働力人口の維持、増加とイノベーションによる新たな価値創造、生産性の向上を図ることが大変重要であるというふうに考えております。 国内の生産年齢人口が減少していく中で、労働力人口を増加させることは大変難しいことであるというふうに考えておりますけれども、移住の促進でありますとか、女性や高齢者、それから短期人材、それから、外国人を始め多様な人材が働きやすい環境をまずは整備すること、そういったことが重要であるというふうに考えております。 そういった観点から、働き方改革のセミナー、様々な切り口から開催しておりますけれども、そういったことでありますとか、外国人材の雇用促進事業補助金を今年度から新たにスタートさせます。そういった支援などにも取り組んでいるところでございます。 一方で、生産性の向上やイノベーションの促進、こういったことのためにはデジタル人材の育成、DXの推進、起業家の確保、育成が重要であるというふうに考えております。 そういった観点から、ITリスキリングセミナーの開催や、デジタル技術活用促進支援事業補助金、それから、特定創業支援事業補助金などによる支援、こういったことに取り組んでいるところでございます。 生産性の向上やイノベーション促進を図るための取組を通じて、市内事業者の商品やサービスの付加価値を高め、利益を伸ばしていくことで、賃金水準の向上につながるものというふうに考えております。 経済成長を持続的なものとし、将来にわたり安定した税収を確保していくためには、これらの施策をバランスよく進めていくことが重要であるというふうに考えております。 今後も多様な人材による労働力の確保を図るとともに、生産性の向上やイノベーションの促進を後押しする様々な視点による施策、そういったことを展開することによりまして、市内事業者の方々が前向きに取り組んでいただき、その動きが加速化していくよう、また、国、県の動向も注視しながら、よろず支援拠点、金融機関、商工会議所、商工会などの関係機関とも連携を深めながら、市ができることを一つ一つ積み重ねてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) いろいろ答弁いただきました。 今、市の取ろうとしておられる施策に対しては同感ですが、1つ欠けているのは、御答弁で、女性活躍によって労働生産性を上げるという、女性の生産性を上げる、その視点が欠けていたんではない、答弁に欠けていたんではないのかと思います。 飛騨において、女性が、最低賃金またはそれに若干プラスのような低賃金しかもらえていないという現実があります。付加価値の低い仕事しか任されていない実態をそのことは映し出しているんだと思います。女性の能力は、男性と比較しても決して低くはないと思います。低くはありません。そのように高い能力を備えているにもかかわらず、彼女たちの収入は20代でピークを打って、その後はずっと下がり続けてきたのがこれまでの現実です。女性の能力をもっと生かそうということは総理大臣でさえ言っていますが、都市部より飛騨においては、この問題はより顕著だと思います。 市役所においても、女性管理職が少ない現状を踏まえて、市は労働力不足の1つの解決策である女性の活用がうまくいっていないこの飛騨の現状をどう分析し、どのような対応策を考えておられるのでしょうか。 最大の課題は雇用形態にも、女性の雇用形態にあるのではないかと私は考えますが、市の見解をお伺いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕 ◎商工労働部長(倉畑政之君) 議員がおっしゃるとおり、女性の活躍というのは大変重要なことであるというふうに考えております。 女性が活躍するためには、いろいろな切り口でやっていかなきゃいけないというふうに思っております。子育てしながらの方でありましたら、例えば隙間時間を使った仕事の切り出しを企業も考えていただくとか、それから、または仕事の質という面では、デザインとかそういうクリエーティブな仕事、高山にはまだ不足しております。そういった業務を企業の中で内製化していく。こういうことにも、地道な作業でありますが、少しずつそういう部分を高めていく。こういったことで女性ならではのセンスを生かした仕事ができる、そういった環境も整えていくことが大事だというふうに考えております。 これをやれば、女性が活躍できるという一面だけではなくて、いろいろな取組を進めながら、そういったことを念頭に置きながら、市内事業者の方と連携を深めて取組を進めてもらいたいというふうに考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) その点よろしくお願いしたいと思います。 参考までですが、2020年末では、日本においては、男性の正規雇用比率は77.5%であったのに対し、女性は45.6%しかありませんでした。女性は労働力の47.1%を占めていますが、女性の非正規雇用は男性の2.2倍で、68.35%を占めています。この辺りにもイノベーション、生産性向上の大きいものは、力があるんじゃないかと思います。ぜひ雇用形態の改善を積極的に促進していただきたいと思います。 次の質問に入ります。 高山市産業振興計画の見直しについてです。 地域で循環型経済の可能性を探ろうというときに、どういう経済主体を中核に据えるのか。それは中小企業や中小業者です。 これまで日本が戦後79年の間に豊かな暮らしが享受できるようになったのは、中小企業、中小業者が持っている偉大な創造性によるものと確認できます。大企業の商品は基本的に量産型で、なおかつ規格化、画一化されています。地域の環境を重視し、人間を大事にする商品が私たちの生活を豊かにしてきていますし、それを担っているのが中小企業の力なのだと確認できます。アメリカ型の文明の市場万能主義の経済から、ヨーロッパ型の文化を重視する経済に転換していくことが望まれています。 これはある学者のコメントですが、京都大学の岡田知弘教授は、中小企業、中小業者は、地域内再投資力もしくは地域内経済循環の担い手なのである。中小企業が、地域の中で地域内再投資力を持っていると指摘されています。 小売店などは地域の卸問屋から商品などを仕入れて、地域の消費者や場合によっては同業者、同じ小売店や飲食店に販売します。売上金は地域の金融機関に預金します。その預金はその地域の中小業者に貸し出されていきます。このように地域の資金循環が回っていけば、税収も上がり、自治体も潤うということになります。 EU(欧州連合)には、小企業憲章があります。趣旨は、EUの中にある小企業を政策的に振興しましょうというものです。このEUの小企業憲章の中に有名な言葉があります。小企業はヨーロッパ経済の背骨である。背骨がなかったら立てません。最も大事な骨です。それくらい小企業について重視をしている憲章をEUの各国は採択しています。 産業振興計画などアクションプログラムをつくるときに最も重要なことは、地元の中小企業、小規模企業の意見や要求を最大限に取り入れることです。つまりトップダウンではなくボトムアップ型で、下から要求を吸い上げて実施し、その結果を検証する体制づくりが大切なこととなります。そうしないと、計画のための予算をつけました。予算はつけた、やりました、終わりですとなってしまいます。PDCAサイクルに持っていかなければいけない、そう思います。自治体による中小企業政策をより充実させていくことが急務です。 今後の方向性です。中小企業振興条例、高山市では産業振興基本条例とこういう名前になっていますけれども、その基本条例、推進基本条例だけでなく、地域建設業に関わる公契約条例、住宅や商店のリフォーム助成など、農林水産業を含む様々な地域の中小企業、中小業者の振興施策を運用や予算措置などで連携させていくことも重要になります。 今年度、産業振興基本条例の見直しが予定されていますが、見直しの重要課題についてお伺いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕 ◎商工労働部長(倉畑政之君) まず初めに、産業振興基本条例の見直しを今年度予定されているというふうに議員おっしゃいましたけれども、産業振興計画ですので、よろしくお願いいたします。 高山市産業振興基本条例につきましても少し触れさせていただきます。 本市の産業の振興に関する基本理念や産業振興計画の策定、関係者の役割分担を定めることにより、市内経済の活性化や市民生活の向上に寄与することを目的に、平成21年に制定をまずいたしました。 その後、令和2年から令和6年度までを計画期間とする現行の産業振興計画、これを策定するに当たって、この産業振興基本条例との連動性を図って、市民や事業者の皆様の理解や協力をよりいただいていくために、理解をいただいていくために、条例をより実効性あるものとしていくために令和2年3月に改正を行ったものでございます。 その改正のポイントとしましては、1つ目として、条例の基本理念における経済構造のあるべき姿といいますか、そういう資金循環のそういった仕組みの明確化、それから、2つ目として、産業振興団体や金融機関、大学等との連携を強化すること、3つ目として、中小企業の皆さんの振興、議員が先ほどおっしゃいましたように。4つ目として、域外資本企業との共生。こういった観点につきまして新たに位置づけたものでございます。 特に条例第5条、市の役割においては、中小企業者等の実態を把握しまして、中小企業者等の振興に関する施策を効果的かつ効率的に実施するものというふうに明確に位置づけております。そういった条文に基づいて、様々な取組を進めているところでございます。 こうしたことを踏まえまして、昨年度から各支所地域も含めた市内事業者の方々ときめ細かく意見交換を重ねておりまして、様々な御意見をいただいているところでございます。 今年度、次期産業振興計画の策定を行いますけれども、こういった意見交換等でいただいた事業者の皆さんの御意見もしっかり参考としながら、また、農業など各産業分野の連携による取組などにも留意しながら、計画策定の作業を進めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(渡辺甚一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 2番目の御質問にも私当たるかと思うんですけれども、以前も議会でもいろいろと御議論がある中で、人口減少、少子高齢化がますます進む中で、これまで成長を機軸としてきたいろいろなその施策を賢く縮めるという、倉田議員さんもよく言われていらっしゃいますけれども、そういった方向にする必要があるんじゃないかという議論はございますし、私もそう思います。 実際に労働人口が減っていく中、どう経済を回していくか。その中で、産業をどう振興していくかということになるんですけれども、やみくもにですね、であっても、生産性を上げていくということはもう当然重要なことですし、働き方改革と、個の時間を増やしていくのは大切だと思っていますけど、根本的な価値観をやはり変える必要があるのかなというふうには思っています。 例えば、今の女性の問題もそうですけれども、日本の社会の中にずっとこれまで長年にわたって根づいてきた女性に対する価値観、そういうのはあると思うんですね。これは個人の中にもありますし、社会の中にもありますし、企業の中にも、本当にいろいろ価値観あるわけですけれども、いまだかつて、それが全く改善されていないという部分はあると思います。 それが働き方であるか、就業形態であるか、そういうものにやはり如実に出ているのかなということは私は思います。 ただ、それを変えることというのは、変えるというか、それを思いの方向に直すということは非常に難しいことで、時間がかかることでございますので、私は、例えば時間は多分かかるかもしれませんけれども、教育の現場であるとか、あるいは皆さんの生活をしていく中で、どういうところに日々の生活の充実感を置くであるとか、そういった部分についてもやはりしっかりと持っていかなければ、今生まれている子どもさん方が、実際生産年齢人口になって、家庭を持って、例えば結婚されて、子どもを出産されるというふうなそういった時代に入るにはまだ20年とか30年ぐらいかかる、そんな長い時代になります。この状態というのはずっと続くわけですから、その続いている中に、その価値観というのをしっかりと、今の日本の社会を見据えた中での価値観、賢く縮んでいく、そういった価値観をしっかりと多様性であるとか、それを教育の中でしっかりと根づくということも必要だと思いますので、私としては、できたら今の産業振興計画の中にも、直接的にそういう言葉は入らないかもしれませんけれども、そういった意識を例えば取り入れたような内容にもやはりするべきかなというふうには思っておりますので、よろしくお願いします。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) 御答弁ありがとうございました。 計画の見直し点についてですけれども、計画を見直す。市民、産業従事者を元気にする計画に迫力はあるのか。そして、具体的なニーズに対応する仕組みを考えなきゃいけない、この点。そして、若手の経済人や行政マンなど地域の将来を担う人材育成の視点と次世代へのメッセージを計画には私は込めてほしいと思うんですけれども、その点いかがなものでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕 ◎商工労働部長(倉畑政之君) 次期計画の策定に対しまして、当然若い方との意見交換会はしっかりやっていきたいというふうに思っておりますし、将来に向けた施策、そういったものもしっかり意識して進めていきたいというふうに考えております。 特に人材不足への対応でありますとか、生産性の向上、業務の効率化、働き方改革、企業経営におけるレジリエンス、しなやかさとか弾力性、回復力、そういった企業経営のレジリエンスの向上でありますとか、DXやイノベーション、起業・創業の促進、商品・サービスの高付加価値化、そういったものを将来にわたって、一気に全てが解決するなんていうことではないと思いますけれども、しっかり持続的な取組、企業の皆さんと一緒に取り組んでいけるような、そういった計画にしたいというふうに考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) 今御答弁いただきましたが、今なぜ、中小企業振興基本条例、いわゆる産業振興基本条例が今まで以上に余計こう必要なのかということを考えてみますと、基礎自治体では、先ほども言わせていただきましたけれども、急激な少子化、高齢化の進行によって、財政収入の激減期を迎えます。加えて、地域産業の空洞化懸念が高まる中にあって、財政逼迫化の危険性は急速に現実味を増しつつあります。 そこで、やはり先ほどEUの例も出させていただきましたけれども、小企業第一に考えることこそ、EUの企業政策のエッセンスである。その意味においても、改めてこの条例の大切さと計画の大切さを改めて思います。この点、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次の質問に入ります。 次に、観光政策についてお伺いいたします。 国内観光客の減少についてですが、外国人観光客が増えているが、国内観光客は減少しています。この現状に対する市の分析と国内観光客の増加のための対策はということでお伺いいたします。 政府観光局は、4月に日本を訪れた外国人観光客は、前年同月比で56.1%増、推計304万2,900人と発表しています。新型コロナウイルス禍前の2019年同月比で4.0%増加しました。2024年3月の訪日外国人客数は308万1,600人で、これまでの最高だった2019年7月の299万人を上回ったそうです。 一方、高山市も、令和6年4月の観光客数の動向は、春の高山祭への多くの人出や外国人観光客の引き続きの増加が見られ、観光需要の回復は顕著でした。令和6年1月から4月の観光客入り込み数は135万5,000人と推計され、対前年比で8.49%の増加となっています。 しかしながら、外国人宿泊数の前年比は57.05%増ですが、2019年同期比はたったの3.75%増にすぎません。春の高山祭の2日間の人出数は、前年比で2万人増の11.90%増、2019年1年比では6,000人増の3.3%増。 これだけ見ていればすばらしいのですが、ゴールデンウイーク期間の観光客入り込み数は、前年比1万1,100人減で、5.22%減、2019年比では10万5,100人減、34.28%も減少しています。すなわち、2019年の3分の1の観光客が訪れていないということになります。 外国人観光客は増えているのですから、この減少分は国内観光客となります。市はこの現状をどのように分析しておられるのでしょうか。そして、国内観光客増加のためにどのような対策を立てておられるのか、お伺いさせていただきます。 ○議長(渡辺甚一君) 川原飛騨高山プロモーション戦略部長。   〔飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕 ◎飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) まず、ゴールデンウイークの比較でございます。 平成31年は、元号が変わりまして10連休でございました。それに対しまして、今年度のゴールデンウイークは、二極分化といいましょうか、真ん中に平日が3日あったというふうなこともございまして、なかなか単純に比較できないというふうなことはあろうかなというふうには捉えております。 それから、令和6年4月までの観光動向、先ほど議員が申されたとおりでございます。本市の観光動向につきましては、コロナ禍後、目に見えて回復する外国人観光客に対しまして、国内観光客の動向は、観光入り込み客数からも明確には捉えられていないのが現状でございます。 しかしながら、民間旅行会社によります旅行動向の見通しでは、高止まりする旅行費用、それから、旅行意欲の落ち着きなどが影響しまして、全国的に国内旅行の動向は伸び悩むものと見込まれていることからも、今後、本市も同様の動きを見せるのではないかと捉えているところでございます。 市では、コロナ禍からの脱却を見据えまして、都市圏でのキャンペーンや、東海地区にお住まいの方々に向けましたテレビ番組によるプロモーションなどを行ってまいりました。また、令和3年度より継続して体験プログラム利用促進事業に取り組むとともに、各地域が有する豊かな自然資源などを生かしたイベントについても、観光関連団体との連携によりまして促進を図ってきたところでございます。 さらに、将来的な高山市への国内観光客となり得ます若年層への認知促進を図るため、教育旅行促進事業などによる若年層の取り込みについても継続して取組を進めているところでございます。 災害や紛争、疫病などによりまして来訪が左右されやすい外国人観光客に対しまして、国内観光客におきましては、一定数の入り込みが期待できることから、その取り込みは重要であると考えておりまして、今後もしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) ゴールデンウイークに関しては、2019年は10連休ということで、今回の高山市は分散されていたということですけれども、そういう比較でいかれると、じゃ、2018年、2017年度との比較はどうなんだということで、比較ということはあまり芳しくない捉え方だとは思いますが。 要するに他市と比較するのではなくて、マーケティングによって、マーケティング、高山市の基本戦略、松本高山Big Bridge構想においても、国内においては20代、30代の若い女性を狙うなんていうことを言っておられますけれども、マーケティングによって一番大事なことは、宿泊税のときもマーケティングを重視することにも使いたいなんていう話も聞いておりますけれども、マーケティングによって正しいニーズを酌み取って、市が目指すべき数字をはじき出して、そして、それに向かって努力するのが市のあるべき姿ではないかと思います。市独自の目標を定め、周りとは比較せず、目標達成を目指していただきたいと思います。 次の質問に入ります。 新型コロナ感染症が5類に移行し、入国者の水際対策がさらに緩和され、今後、インバウンド数はさらに増えることが予想されています。日本経済全体のことを考えればありがたいことなのですが、懸念されるのがオーバーツーリズムの再来です。円安の影響もあり、放置すれば、各地の観光地で、コロナ前以上のオーバーツーリズムが発生する可能性があります。 オーバーツーリズム、いわゆる観光公害とは、イタリアなどのヨーロッパ諸国で以前から問題になっていたことです。外国人観光客が押し寄せ、観光地だけでなく、日常生活空間に侵入してくる現象を言います。日本の観光地でも、コロナ以前から問題とされていました。 皆さんもニュースで御覧になったと思うのですが、京都では、市バスが外国人観光客でいっぱいになって、地域住民が日常生活に利用することができないと報道されていました。また、観光客に人気のある場所付近の住宅地では、庭や敷地内に食べ歩きのごみが捨てられたり、私有地に無断で立入りされたり、さらに民泊の増加などによる地価、家賃の高騰や治安の悪化で、住民が離するという地域価値の低下も懸念されています。 歴史的建造物への落書きや自然破壊などの観光資源劣化問題もありました。 こうなると、国内旅行者の減少にもつながります。渋滞や混雑のため、京都への旅行を断念する日本人が増えたと聞いております。 高山市もインバウンドが増えました。市のオーバーツーリズムの現状を、市は今の現状をどういうふうに捉えておられるのか、お伺いいたします。 また、今後、インバウンドの増加に伴うオーバーツーリズムをどのように予測され、どのような対策というか、対応を今後考えていかれるのか、お伺いさせてください。 ○議長(渡辺甚一君) 清水副市長。   〔副市長清水雅博君登壇〕 ◎副市長(清水雅博君) 今ほど議員さんのほうから、京都のようなオーバーツーリズムの認識について、いろいろとお話をいただきました。 高山も、順調にインバウンドが戻っていることから、今後、オーバーツーリズムと言われるような状況が、可能性は十二分にあるという認識でおります。 ただ、バスに市民の方が乗れないとか、そういった著しい市民の生活に負の影響を与えるような、そういう状況には今現状はなっていないかなというふうに思っております。 ただ、インバウンドのお客様が増えるに当たって、市民の皆様から様々な声が市のほうにもお寄せいただいております。例えば旅行者の方の交通マナー、信号をしっかり守らずに渡るとか、あるいはごみのポイ捨ての問題、これは外国人の方に限った話ではないんですけれども、そういったことが市のほうにも寄せられております。 交通ルールとかも、結構海外の交通ルールとまた日本のルールが違っているとか、底辺の認識の違いということも、今後しっかり実態を確認するとともに、対応していく必要があるというふうに思っております。 そんな中で、市長自らが、英語で、海外の高山を訪れる外国の方に向けたマナー啓発の動画を、ユーチューブで発信を今させていただいております。 これは、これは駄目、あれは駄目というようなそういったことではなくて、高山のまちがどうきれいに保たれているのか、市民の皆さんがどう清掃活動とかで、このまちをキープクリーンということをやっていただいているのか、そういったことを丁寧にお伝えする動画の内容になっております。 外国人の急激な回復によりまして、今後やはりオーバーツーリズムの問題は起こり得るというふうに思っておりますので、様々なちょっと観点から、どういった問題が起こり得るのか、それに対してどういう対応ができていけるのか、その辺はしっかり取り組んでいく必要があるというふうに認識をしております。
    ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) オーバーツーリズムに関わる大きな問題として、人不足というのは出てきます。 これはオーバーツーリズムだけが原因じゃありませんが、観光地である高山市は、インバウンドによって人手不足がますます大きな問題となっております。 人手不足についてはいろいろ出ておりますが、夕食難民も出始めていると聞き及んでいます。宿泊施設も朝食抜き、朝食つきを断り、素泊まりのお客様だけを受け入れざるを得ないところも出ているそうです。 これからますます増えるインバウンド、それと正比例してますます進む人手不足。インバウンドが進むということは、人手不足も進むということです。市はこの問題をどう捉え、どのような対応を策として考えておられるのかも併せてお伺いさせていただきます。 ○議長(渡辺甚一君) 清水副市長。   〔副市長清水雅博君登壇〕 ◎副市長(清水雅博君) 人手不足の問題については、今までもいろいろな議員さんから御指摘をいただいております。 観光が順調に回復するに当たって、あるいはコロナ後の経済が回り始めるに当たって、人手不足というのが顕著になってきております。 商工労働部長のほうからもいろいろな施策を説明させていただきました。雇用を、高山で働きたいという方々を増やしていくための施策、事業はいろいろと取り組ませてもらっておりますけれども、日本全体で人手不足というような大きな問題を抱えております。 後ほど、車戸議員さんからも御質問がありますけれども、外国人の労働者を今後増やしていくようなことも、国も取り組み始めておりますし、市としましてもそういったことが必要になってくるというふうに思っております。 観光客がたくさんいらしていただけることによって、当然市には経済的なメリットは大きいわけですけれども、それが人手不足によって十分に受け入れられないということになると、経済、ビジネスチャンスを取り逃すというようなことにもつながっていくというふうに思っております。 これをやれば、人手不足が解消するという施策はなかなかないわけですけれども、様々な面で取り組んでいこうとしておりますし、真剣に人手不足のことに関しては考えてまいりたいというふうに思っております。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) 人手不足の人材確保の面で、産業建設委員会で、昨年、北海道の東川町へ行ったんですけれども、ここには公立の日本人学校があります。 これ、Iwishの質問なんですけれども、公立の日本人学校があります。そして、主に東南アジア各国のほうから人を集めています。高山市でも、ベトナムのフエ市と友好協力関係の覚書協定が高山市はありますけれども、やはりベトナムと文化土壌も非常に高山市、フエ市とは似ております。いろいろなコネクションを使って、ベトナムの方のほうにもこう連携取っていただいて、そういうような公立の空き校舎なんかを利用して日本語学校をつくって、市がつくって、そこから市が、人手不足に対応するための人材を供給していく。そういうこともこれから必要なんではないのかと思います。 そんなことはIwishなのかも分かりませんけれども、希望として申し上げさせていただきます。 そして、このオーバーツーリズムに対する政府の指針として、新たな観光立国推進基本計画、これは今年の3月22日に閣議決定されました。持続可能な観光、消費額拡大、地方誘客促進の3つのキーワードが盛り込まれています。 都市部や一部の有名な観光地に集中していた観光客を、地方やこれまであまり知られていなかった目的地へと誘導し、オーバーツーリズムの弊害を除去する。また、観光客数という量への依存を脱却し、観光の質を高め、観光消費額を拡大させることで、地域経済を潤わせる。こうしたことを通じて、長い目で見て、持続可能な観光を実現するというものです。 持続可能な観光実現に向けて、高付加価値旅行者の誘客が不可欠となります。高付加価値旅行者、いわゆる富裕層は、訪日外国人旅行者全体の約1%、29万人にすぎませんが、消費額は11.5%を占めていました。ただし、大都市での買物消費が多く、地方での消費が少ないことから、地方への誘客を促進することにより、地方再生への貢献することが期待されます。 そこで、国は、高付加価値旅行者の地方への誘客に必要な取組を、ウリ・ヤド・ヒト・コネ・アシの5つの観点から、地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりアクションプランとして取りまとめました。 高山は、このアクションプランに基づく集中的な支援を実施するモデル観光地に選ばれました。松本・高山高付加価値化マスタープランです。 一昨年6月議会において、車戸議員が、松本高山Big Bridge構想と名づけられたこの松本・高山高付加価値化マスタープランについて質問されました。 2年たった現在、国の言うウリ・ヤド・ヒト・コネ・アシの5つの観点、それぞれについてどのような進捗状況にあるのか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(渡辺甚一君) 川原飛騨高山プロモーション戦略部長。   〔飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕 ◎飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりのモデル観光地に採択された件に関しましては、議員御紹介のとおりでございます。 令和5年度に、世界から選ばれる高付加価値な観光地づくりに向けたマスタープランを策定したところでございます。 今年度は、そのマスタープランに基づきまして、交付されます国の予算を活用いたしまして、協議会をつくっております。松本・高山高付加価値な観光地づくり推進協議会でございます。 その協議会で作成いたしました実施計画に基づく具体的な事業を進めていくこととしておりまして、まず、ウリにつきましては、観光資源の洗い出しや磨き上げを、ヤドについては、高付加価値層の満足度の向上に資する宿泊施設やローカルフードの検討を、ヒトについては、ガイドやホテルスタッフなどの育成を、コネについては、高付加価値層を顧客に持つ海外バイヤーとの商談やエリア内で活動するランドオペレーターの育成を、そして、最後にアシについては、高付加価値旅行者のニーズを満たす移動手段の在り方について検討を行うことといたしております。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) 検討しておられるということでしたけれども、一昨年6月議会における車戸議員のこの質問への答弁で、國島前市長、ちょうど清水副市長が飛騨高山プロモーション戦略部長であられましたけれども、2023年、2024年、25年には、何をしたらいいかというようなところをプロジェクトチームが今、積み重ねていると言われました。 そのときつくられた計画の内容、そして、2023年と24年前半には、その計画がどの程度遂行されたのか。また、24年後半と25年にどのような計画が準備されているのか、もうちょっと具体的に分かっているところを教えていただきたいと思います。 ○議長(渡辺甚一君) 川原飛騨高山プロモーション戦略部長。   〔飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕 ◎飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 議員仰せられます今ほどのウリ・ヤド・ヒト・コネ・アシ、その具体的なところ、マスタープランがどの程度、どう進捗しているような、進捗しているのかというようなことでございますが、このマスタープラン自体は、本年5月に策定、完成になりました。 これは高山市だけじゃなくて、相手方の松本市もございますし、両市の間のいろいろな各種団体、関係団体がございます。その中でマスタープランを策定されて、今年度1億8,000万円の予算がついたというふうなところでございます。 当然、私ども高山市だけではございませんでして、松本市側の意向もございます。それと民間の事業者様がやられるソフト事業がほとんどでございますので、今ほどそういった事業者の方々、民間の団体の方々と議論しながら、この1億8,000万円というのは今年度についてでございますが、それをどのような形で執行していくのかというふうなことを協議、鋭意進めているところでございますので、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) 今、大体の状況、タイムテーブルを聞かせてもらいましたけれども、私にしたら、松本高山Big Bridge構想が現実として、これによってお客さんがみえるようになったというのは一体どれぐらいを考えて、期間を考えておられるのか、その辺りをお伺いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 川原飛騨高山プロモーション戦略部長。   〔飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕 ◎飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 今の観光庁の補助の基になりました松本高山Big Bridge構想につきましては、ここ数年続く計画となっております。この観光庁の事業につきましても、具体的な終期というふうなところは明示されてないところでございます。 当然、この松本、高山を中心といたします国立公園が間にございますが、そこにはたくさんの方々に、特にインバウンドを含めてお越しいただくというふうなところが主眼となっておりますので、これは将来的に向けて、その時々、その状況によりまして、そういったインバウンドの方々にお越しいただくというような形になっていくのではないかというふうに捉えているところでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) 高付加価値化ツアーは、今まで大勢の人が、同じ目的で同じ主要観光地を目指すマスツーリズムではなく、対照的に比較的少人数が、一般の観光客の行かないマイナーな場所を目指すニッチツーリズムとなります。富裕層向けのラグジュアリーツアーもニッチの1つです。そして、高付加価値旅行者にお金を使っていただくには、ちゃんとしたマーケティングに基づいて徹底的に投資して、魅力的な設備を造り、そこに来た人々が、朝から晩まで、多様な楽しみ方ができるようにする必要があります。 デービッド・アトキンソン氏は、国策は、単価が中間または上のほうのインバウンド旅行者をターゲットにして誘致した中で、地域でそれを可能にしないと実現されません。せっかくお金を持っている人たちを誘致しているのに、安い単価の観光設備では、持っているお金を使ってもらえず、無駄に終わってしまいますと述べておられます。 多額を投資するのは大変勇気の要ることです。しかし、今それが求められています。その点についての市の御見解をお伺いするとともに、どの程度の投資額、どのような形での投資を考えておられるのか、お伺いいたします。 また、高山市は、この富裕層をターゲットにした国策をどのように受け取っておられるのでしょうか。そして、この国策を実現するためにどのような構想を持ち、どのように展開していかれるのか、お伺いさせていただきます。 ○議長(渡辺甚一君) 川原飛騨高山プロモーション戦略部長。   〔飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕 ◎飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 議員仰せのとおり、高付加価値旅行者につきましては、単に訪日旅行における消費額が大きいだけではなく、一般的に知的好奇心や探求心が強く、旅行による様々な体験を通じて、地域の伝統文化、自然などに触れることで、自らの知識を高め、刺激を得られることを重視する傾向にあると捉えております。 また、その施設がつくられてきた背景や守られてきた歴史などのプロセスに高い興味を示すと言われており、その地域独自の本来の歴史や伝統文化、自然景観などをいかに伝えていくのかが高付加価値旅行者を引きつける重要な要素であると捉えております。 そのため、先ほどもお話にありました高付加価値旅行者の来訪を高めるための必要なウリ・ヤド・ヒト・アシ・コネの強化に資する投資を、これは主に民間になろうかと思いますが、そういった投資を促していきたいというふうに考えております。 また、松本・高山高付加価値化マスタープランに基づくこの国の施策をチャンスとして私ども受け止めて、かつ目指すべき構想として捉えまして、松本、高山が有する豊かな自然や歴史、伝統文化、そして、人々の暮らしを生かした世界水準の観光地として自立できますよう、地域の関係者や市民の皆様と連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 ◆20番(松山篤夫君) 高山市は、今、中部山岳国立公園が世界有数のナショナルパークのように自然を主とした観光地となり、世界水準のデスティネーションとなることを目指しています。これは一朝一夕ではできません。多大な時間とお金と努力が必要です。自然こそが私たちが持つ最強の伸び代です。 日本ほど自然に多様性のある国はないと、こう言われています。その自然を生かしたアクティビティーを充実させて、施設も整え、観光客の満足度を上げて、単価を上げることこそが理想の観光ビジネスだと。そういう発想に切り替え、まさに量から質への転換期だと思います。私たちは、常に何をもって観光産業を成長させるべきか、答えを探り続ける必要があるのではないかと思います。 次の質問に入ります。 教育問題についてお伺いいたします。 栃木県那須町で、山岳部の高校生ら8人が雪崩に巻き込まれて死亡し、教師ら3人が業務上過失致死傷の罪に問われている裁判で、5月30日の判決は、3人に禁錮2年の実刑で、執行猶予はつきませんでした。 宇都宮地裁の瀧岡俊文裁判長は、学校教育活動の一環として安全確保が強く求められる中で、地形的な特徴や前日からの新雪など、雪崩発生の危険性を予見することが十分に可能であった。相当に緊張感に欠いた、ずさんな状況の下に漫然と実施された。実刑は免れない。 この判決について、中央大学の谷井悟司准教授は、今回の実刑判決について、3人が部活動の引率者として責任ある立場だったことから、教育の一環で生徒らの安全確保が強く求められていたことが有罪認定や量刑判断で考慮されたと分析されています。 ○議長(渡辺甚一君) 松山議員。 発言時間がなくなりましたので、質問をまとめてください。 ◆20番(松山篤夫君) 分かりました。 それで、この判決に対する教育長の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) この事案につきましては、大変痛ましい事故であり、学校の部活動や教育活動全般において、学校の安心・安全の重要性を改めて再認識した事案でした。 特に今、中学校部活動においては、休日の部活動地域移行を進めておりまして、移行した地域クラブが安心・安全であることは最優先条件であります。 夏の中学校体育大会に出場が認められる地域クラブは、県の中学校部活動ガイドラインを遵守し、安心・安全面の危機管理が適切に講じられている地域クラブとなっております。また、県中学校部活動ガイドラインには、活動時間や休養日、生徒の心身の健康管理と事故防止、指導体制など、遵守すべき危機管理内容が明確に示されています。 今後も本事案を踏まえ、県の中学校部活動ガイドラインの徹底や指導者の研修などを行い、生徒の安心・安全を第一に考えた地域クラブにしてまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 以上をもって、松山議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(渡辺甚一君) 休憩します。     午後0時07分休憩  ――――――――○――――――――     午後1時15分再開 ○議長(渡辺甚一君) 休憩を解いて一般質問を続けます。 次に、車戸議員。   〔22番車戸明良君登壇〕 ◆22番(車戸明良君) それでは、今議会の一番最後の大トリをやるということになりまして、実は私、これ、初めてやと思って、いろいろ先ほど、私の名前も出たりして、気持ちがマックスになっていますが、なるべく気を静めて行いますので、どうか御協力いただきたいと思います。 それでは、今回の通告は3点です。 早速1点目から入ります。 教育長の学校教育に関する考え方についてを質問いたします。 今年度に入りまして、中野谷教育長が御勇退され、新しい教育長に見山政克さんが就任されました。ここ1か月、2か月の間に、教育長さんの話の中でいろいろな話を皆さんからさせていただきました。 まず、最初に出てくるのは、ああ、教育長はな、剣道がすごいぞ。7段教士で全日本剣道学生連盟の理事もやってみえる。また、県教委やら県教育事務所に勤めてみえて、さらには日枝中学の学校長だろう。キャリアは十分だよという言葉もあります。さらに、明るいよ、しかし厳しいぞという声も聞こえてまいります。さて、そこで、この新しい時代に向かい、大きな改革の波が押し寄せてくる現代、新しい教育長さんに期待するものであります。 こういう立場に立たせていただいたおかげで、4人の教育長さんに接することができました。それぞれの教育長さんのお言葉が今でも心の片隅に残っています。 最初に出会ったのは、森瀬元教育長さんです。教育に対する信条はと聞くと、必ず子どもたちの心に景色が残る、そういう場面をいっぱいつくるのが教育だと盛んに言ってみえました。 次の住元教育長さんは、教育とは種をまく仕事だということもよく聞きました。 その後の中村元教育長さんは、学校教育は地域の皆さんと一緒に進めるんだ。協働教育を前に出して生きる力を高めていくんだというふうにおっしゃってみえました。 そして、最近の中野谷前教育長は、教育とは生きる希望を与える。そのことで人が生きていく上で勇気づけるものですよというふうに言っておられました。 今年度から就任されました見山教育長さんの学校教育への信条、そして、大切にしてみえるものは何か、どのように捉えているかをお伺いしたいと思います。   〔22番車戸明良君質問席へ移動〕 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) まず、私自身の信条、理念といいますか、教育哲学には、子どもたちの心に光をともし、大人になっても学び続ける心を持つことが教育理念としてあります。 そこで、私の思う高山市の教育は、どの子もが自ら学ぶ楽しさ、喜び、よさを感じ、周りの人とつながりながら学び続ける教育なのです。学校教育が点の教育で完結することなく、生涯学ぶ気持ちを持ち続けられるものでありたいと考えております。 このことについて、再度、簡潔に3点から申し上げますと、まず、1点目としては、学ぶ楽しさ、喜び、よさを感じとは、授業において、児童生徒一人一人の興味、関心、できること、分かることを的確に捉え、児童生徒が自分に合った学びを選択し、主体的、対話的で深い学びができる授業を全ての学校で展開することです。 また、配慮を要する児童生徒については、一人一人に寄り添った支援や、保小中、就労まで見据えた特別支援教育を進め、個に向き合う指導、支援に取り組んでまいります。 次に、2点目として、周りの人とつながるとは、コロナで心配されたコミュニケーション能力を高めるよう、ICTを活用して、地域の人や全国、世界の人々とつながり、どの児童生徒もコミュニケーション能力を身につけられる教育環境を整えていきます。 そして、3点目として、学び続ける教育とは、よりよい学校教育がよりよい未来社会をつくる。高山市は豊かな自然や歴史文化があふれるまちであり、未来社会をたくましく生き抜く力を育む教育が展開できる市であります。ゆえに、より地域と連携を図り、生まれ育った高山を誇りに思う郷土教育、説明や発信する力をつけるプレゼン教育、ICT教育など、将来、生涯にわたって生きて働く力を身につけられる教育を進めていきたいと考えています。 以上が私の考える信条となります。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) 御答弁いただきました。大変また新しい信条を考えてスタートされるんだなというふうに力強く感じました。 そこで、関連してしまいますね。次の質問に入ります。 お手元にチラシを配付させていただきました。長年こういう立場でいましたけれども、なかなか正式にこういうのを見るのはあまりなかったなと、今回、こういうことをさせていただくきっかけで、こういうのを手にしたり、何回目か、初めてではないんですけど、読むことができました。これを基に質問させていただきます。 今ほど教育長から信条をお答えになった中にも、ほとんどここに入っているのかなと思って今聞いていました。 そこで、質問に入ります。 令和6年度の高山小中学校教育の方針と重点についてであります。 このチラシは、今年度新しくなっています。令和4年、5年度をどう検証されまして、この第3期高山市教育振興基本計画の最終年度ですが、示されています。教育長として、この方針と重点はどこにどう発信して取り組んでいくのかをお聞きいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) 高山市の小中学校教育の方針と重点は、教師の指導の方向性と指針を示したものです。したがいまして、高山市内の教職員に向けて発信していくものですが、今日のように、保護者や地域の方に説明する場合は、児童生徒の具体の姿を加えながらイメージしやすいようにしております。 令和6年度の高山市小中学校教育の方針と重点においては、教育の方針は、郷土高山に根差し、未来を切り開くための資質、能力を育む、教育の重点は、挑戦し続けるたくましさの育成となっています。 この策定に向けては、令和5年度において、全国学力・学習状況調査の分析、校長、教頭、教務主任による自校分析、また、児童生徒へのアンケート等も活用して検証を行いました。その結果を基に、令和6年度の方針が決められているところです。 教育委員会としましては、各学校が令和6年度の高山市小中学校の方針と重点を踏まえ、児童生徒、保護者、地域の願いを大切にした特色ある学校経営が推進されるよう支援してまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) 御答弁いただきました。 そこで、次の質問を、関連ですので、すぐ入りたいと思います。 このチラシの中にあるように、今年度は個と向き合うというのがすごくクローズアップされているんです。この狙いと思いは何でしょうか。 実は、4年、5年と調べてみましたら、4年までは個という言葉は全然出てきませんでした。昨年度になって、個を見届けるというフレーズが入ってきますが、今年度になりまして、個と向き合うというのは、このように全面的に指導される中で打ち出されたのはどういう狙いでしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) 令和6年度の高山市小中学校教育の方針と重点で、大事にしたいキーワードは、個と向き合うにしました。 昨年度は、教職員が子どもを見届けると、その見届けるだけでは、教育の重点である、挑戦し続けるたくましさの育成が実現できないと考えたからです。個と向き合うことで、子どもたちが何につまずき、何を求めているのかを把握するなど、一緒になって考え、歩んでいくことができます。挑戦し続けるたくましさの育成は、深い学びの実感、なりたい自分の実現、居場所をつくることが大切となります。一人一人の子どもたちが深い学びの実感、なりたい自分の実現、居場所をつくるために、教職員が子どもたちと向き合っていくことを大切に取り組んでまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) よく分かりました。ぜひとも向き合っていただきたいと思います。 それで、流れとして、次、私がふいと思ったことを、次の4番目で質問させていただきます。 今の方針と重点の推進のために、アタッチメント理論、これを検証したらどうかという提案であります。 アタッチメント理論は、発達心理学やら保健学で注目されているアタッチメント、すなわち愛着という概念、これを子育て理論として体系化したものでありまして、小学校や中学校の授業では、教師と子どもの関係について、心理的な安心感を与えることやら教育ガイダンスを与えることなど、こういうことが効果があるというふうに取り上げられています。これについて、どう捉えてみえるのかなということをお聞きします。 アタッチメントは、ぱっと見ると、この人がいれば大丈夫と感じられる対象がいる、これが安心感で、これがポイントとされています。直接目の前にいなくても、本人が大丈夫と思えることで、これが重要でありまして、適切にできている子どもは学校での生活で、先生、見てください、先生、できましたと自ら積極的に環境と関わってきます。 ところが、つまずきがある方は、失敗したくない、見捨てられたくないという不安で絶えず周囲の評価が気になり、自分で自分を認めることができず、生きづらさを感じてみえます。もがいているんです。これらを理解して、頑張れではなく、大丈夫だよと受け止めることが教育上鍵とされております。 実は私、経験がありまして、小学校1年の冬の授業の休み時間に、その当時はすごく寒くて、まきストーブの時代です。40人のクラスの生徒が先生を囲んであっためていました。実はその頃、私はすごく気が小さくて、小さくなっている状況で、先生の後ろにぽつっと隠れていました。そうしたら、その女の先生でしたが、先生がふっと振り返って、ああ、明良君、ここにいたの、ごめんごめん、悪かったねと言って、自分もひざまずいて、そして前のほうへ当たらせてくれた。そのときは大きい声でもなく、小さい声でもなく、何となく、ああ、大丈夫かとか、何とかってうれしくなった気分が今でも脳裏にしっかり残っています。これがアタッチメントの1つかなというふうに痛切に感じているところであります。その先生は最近、残念ながらお亡くなりましたけど、それまでずっと私の心に残っていた。ああ、愛着があったのかなというふうに感じているところであります。 ただ、この質問はちょっと自信がなく、いろいろな先生に聞いてみました。新しい先生にも聞いてみました。ねえねえ、先生、アタッチメントって分かるかと言ったら、いや、アタッチメントは分からないな。で、話していると、ああ、分かった、何や、これ、私、大学の2年のときに教育心理学で習ったわ、そうそう、これなんですよねなんていう話が出ました。 ちょっと年配の先生にも聞いてみました。アタッチメント、うーん、分からないけど、話しよったら、ああ、そうや。10年ほど前は父性的な指導とか関わりをしていたけど、10年ほど前からは、母性的な授業の関わりとか指導をするようになったな。それやな。今もそういう気持ちで、芯はしっかり持って優しい指導をする、関わるというようなことをしているよということも聞きました。 ちょっとそれで自信を持って、こうやって質問させていただきます。 学校の中では当たり前のことと思われます。大半、恐らくそういう先生ばっかりだというふうに感じていますが、多様化社会を迎え、あえて質問させていただきましたので、よろしくお願いしたいと思います。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) 車戸議員から御提案がありましたアタッチメントは、子どもの挑戦心を育んでいく有効性が検証されています。 アタッチメントは、令和6年度高山市小中学校教育の方針と重点に示している、安心できる居場所の土台にあるものです。安心できる居場所とは、ここなら大丈夫、ここなら安心できるという場所や、この人がいるから大丈夫、この人がいるから頑張れるといった心の居場所のことです。一人一人の子どもたちに安心できる居場所をつくっていくことが大切だと考えています。 令和6年度高山市小中学校教育の方針と重点は、挑戦し続けるたくましさの育成です。教師や子どもたちの関係から得られるアタッチメントの心があって実現していくものであると考えています。教育委員会としましても、市の方針と重点を推進する上で、アタッチメントの考え方も土台にしながら、個に向き合って取り組んでまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) 答弁いただきました。 せっかくですので、もう少しシンプルに具体的な答えがというか、お気持ちがあったら答えてもらいたいと思うし、そして、この質問に対して、いろいろなキャリアが積まれて、現場をよく知っている方々にも3人聞きました。そこの中で、そうやな、こういう言葉は当たり前やけど、なかなかぴんと来ないので、これを契機に広めてもらって、レベル、スキルを上げてもらったらいいなという言葉やら、そんなこと当たり前で聞かんでもいいぞという言葉もありました。 そして、さらには、一番これ、聞いてほしいな、やってほしいなということは、今の児童生徒は、コロナがあったおかげで、影響で、環境が変わり、意識する感覚が違ってきている、そして、悩ましいことが残っている。だから、特に小学校1年生、2年生のアタッチメントがなかなか小さくなっているので、これを取り戻すには今の機会が1番ですよ。そこら辺を現教育長さんにしっかり取り組んでもらえるのか、どうなのか、どう捉えているかを聞いていただきたいなというコメントがありました。ぜひともそれについてもお話しいただきたいというふうに思います。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) 今、車戸議員さんから御提案いただきましたので、これからまたいろいろ検証していきたいなというふうに思っておりますが、今考えているところは、もともとアタッチメント理論は、幼少期とか保育園の時期に大変重要であるということははっきりしています。また、学校においても、保育園、幼稚園と低学年の接続期については、今いろいろと低学年におけるギャップというか、学校に足が向かない、先日もお話ししましたが、そういった子が今増加傾向にあります。 したがいまして、今考えているところは、低学年においてのアタッチメントを重視して、これからいろいろと取り組んでいきたいなというところが今の考えでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) よろしくお願いしたいと思いますが、もう一人の先生に聞いたら、アタッチメント不足って子が増えているんじゃないかなということもお聞きしました。学校だけではもう無理だということも聞いているから、この辺が課題ですよということも聞きました。 そういうことを含めて、今回を契機に、勝手かもしれんし、私の思い違いかもしれませんが、こういう今教育長さんが言われましたように、1歳、2歳、3歳から4歳ぐらいのときの愛着心を家庭でしっかり与えていただくことが将来大きく花開くということが言われていますので、こういう文面を、先生の労働が増えちゃうということがありますが、こども未来部もできていますので、そこでそういうようなチラシを合同で作ってあげて、先生に学級だよりの代わりに配っていただいて、そういうのを盛り上げていってといいますか、そういう子どもたちのアタッチメントがいっぱい持てるようなことにやはり努力していただければありがたいと思います。私の言っていることが全てだとは思いませんが、そういう方向も検証いただきたいなというふうに思います。 それでは、次に、この方針と重点を推進するためには、教師の働く環境の向上が課題と捉えていますが、生き生きと働ける学校づくりの取組についてお伺いいたします。 当然、先生が張り切った顔で学校へ来なければ推進できないと思っていますし、部活動はどうなっているかというのも気になります。部活動につきましては、現の見山教育長は、教員の時代に県下で初めて早くクラブ制に移行したという実績もありますので、この辺の手腕も期待したいなと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) 教師が疲れた表情で子どもたちの前に立っていては、よりよい教育はできません。教師が生き生きと働く学校づくりは喫緊の課題だと考えています。 その中でも、休日の部活動地域移行については、生徒の部活動の充実と教師の働き方改革という2面性を併せ持つ課題ですが、令和8年度には、休日において全ての部活動が地域移行になるよう進めているところです。 特に高山市においては、高山市型地域移行として、部活動の種目ごとに、競技連盟や協会、文化芸術団体を中心にしながら、組織体制づくりと指導者の確保を大切に取り組んでいます。現在の進捗状況としましては、6種目の部活動、高山市の3分の1が休日の部活動地域移行を完了しています。 教育委員会としましては、今後も、競技連盟や協会、文化芸術団体等と話合いを行い、種目の特性を踏まえながら準備を進めてまいります。また、地域移行完了の際には、生徒が希望する部活動に入部できる環境が整い、教師の働き方改革も進み、生徒も教師も生き生きとした学校生活になることを目指して取り組んでまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) 今回は、教育長に全てを質問させていただきましたが、いよいよスタートしますので、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、次の質問に変わります。 外国人労働者の受入状況と対策についてであります。 昨年あたりから、外国人労働者の多くを目にしたり、どこの分野へ行っても、外国人の雇用の話題が多くなりました。人材確保の厳しさ、これも多く感じます。特にこの先の不安感も耳にします。 そこで質問に入ります。 市の人口推計を見ると、市内の生産年齢人口は将来にわたって減少することが推計されております。この傾向は、国内の生産年齢人口においても同様であります。 人材不足が深刻化している中、市内経済を持続するためには、若者の地元就職、移住政策の促進はもちろんのこと、外国人の雇用を促進することも重要となりますが、外国人材の活用に取り組む考え方と、市全体の外国人労働者の受入状況の把握はどうなっていますか。特に産業別の状況と、外国人を受け入れる現在の民間の動きも、現状を教えていただきたいというふうに思います。 ○議長(渡辺甚一君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕 ◎商工労働部長(倉畑政之君) 岐阜労働局が公表しております外国人雇用状況というものがございます。その各年10月末現在の届出状況を見ますと、高山公共職業安定所管内ではございますけれども、外国人労働者数は、平成31年が662人、令和2年が767人、令和3年が786人、令和4年が888人、令和5年が1,075人ということで、毎年増加傾向にありまして、4年間で約400人増加している状況でございます。 また、産業別では、令和5年10月末現在の外国人労働者数1,075人のうち、宿泊業、飲食サービス業が411人で全体の38.2%を占め、最も多いという状況です。次いで、製造業が147人で全体の13.7%、建設業が121人で全体の11.3%の順となっております。 観光客入り込み者数がコロナ前の水準に近くなるなど、社会経済活動が回復傾向にある中で、宿泊事業者が外国人労働者向けの社宅を整備するなど、外国人の労働者の確保に向けた取組は増加しているものというふうに捉えておりまして、この動きは、観光関連産業だけではなく、多くの産業分野においても同じ方向ではないかというふうに捉えております。 市としましては、市内の生産年齢人口が減少していく中で、労働力を確保していくためには、移住の促進、生産性の向上など、様々な取組に加えて、外国人材の雇用促進は重要であるというふうに捉えております。様々な施策を多面的に進めていく必要があるというふうに考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) 答弁をいただきました。とうとう1,000人を超えたんだなというふうに今感じさせていただきました。 この外国人労働者のことを調査すればするほど、それぞれの分野での状況とか仕事の形態などの違いから、1つの担当課では対応できにくいと考え、今回はそれぞれの分野において質問しますので、よろしくお願いいたします。 今答弁があったように、商工関係は、かなりの人数がほとんど400人とか150人とかという人数で商工関係の分野が多く占めています。 それで、お聞きしますが、市内の商工関係産業の事業所においても人材不足が課題となっており、外国人雇用を積極的に進めていかなければならない状況であります。その状況をどう捉えながら、外国人確保に向けて、市内事業者への情報提供により意識を高めたり、外国人材が働きやすい環境整備を促進していくべきではないかと思っております。この取組については、どう取り組んでみえるのかをお聞きします。 もう一つは、どうしても初期費用がかかっちゃいます。これが大きなリスクとなっていますが、この初期費用の支援策はどのような状況に今陥っているんでしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 清水副市長。   〔副市長清水雅博君登壇〕 ◎副市長(清水雅博君) 外国人材の確保の取組といたしまして、昨年12月に北海道の東川町と連携協定を結ばせていただきました。 この連携協定の背景にありますのが、先ほど松山議員さんのほうからも御紹介がありましたように、東川町は、当時、日本で唯一、町営の日本語学校を経営してみえて、なおかつ、町内に民間の専門学校がございまして、そこでも外国人の日本語教育を実施して、多くの人材を輩出してみえます。 そういった側面もあって、東川町との連携協定ということになったわけですけれども、昨年度、卒業される外国人を高山市内のほうで採用される希望の会社はありますかということで紹介をさせていただき、十数社、手を挙げて、そして、その中から実際に個々の面談に至って、今年4月に7名の、タイの方になりましたけれども、たまたまタイの方になったんですが、7名の方が4社、市内の4社に就職が決まって現在も働いておみえになります。 この取組につきましては、秋と、9月の卒業生と3月の卒業生がありますので、また、今年度に入りましてからも秋の卒業生の採用に向けた企業向けの説明会等を、今実施をさせていただいております。今後もこうした取組を続けてまいりたいというふうに思っております。 議員さんのほうから御紹介いただきましたように外国人の就労者が増えてきております。今年度、秘書交流課内に外国人相談窓口を設置させていただきました。これは、今後、外国人の就労者が増えてくること、そして、高山市として多文化共生への取組をしっかりしていく必要があるというような背景から、そういった相談窓口を設置させていただきました。 また、外国人の雇用を検討してみえる企業さんに向けては、外国人雇用に際しての理解、知識、ノウハウ、そういったことを学んでいただくセミナーの開催ということを検討、予定をさせてもらっております。 そして、議員さんのほうから御紹介のあった、就労に関しての初期費用の支援のお話でありますけれども、これも今年度から開始をしたものですが、補助制度の内容について少しお話しします。 雇用開始時に登録支援機関、監理団体、国内の人材紹介会社に支払う初期費用でありますとか、外国人材の受入れに当たって、住宅借り上げ、ハウスクリーニング、社宅の購入、改修等、いろいろな考えられる経費につきまして、補助対象経費の3分の1以内、1事業所当たり20万円ということで、取りあえず制度をスタートさせていただきました。 5月31日現在、この制度に対して、宿泊・飲食業で3社、サービス業で2社、医療・福祉関係で2社、建設業、生活関連サービス業で各1社の計9社から申請があって、雇用計画を認定させていただいております。 今後も、今年度から始まった制度でありますけれども、様々な事業者さんの御意見を聞きながら制度の運用をしてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) 答弁をいただきました。かなりの速さで、民間も敏感で、やはり宿泊設備を整えたりして、受入体制を着々と、私は今年度の辺から進んでいるなというふうに肌で感じていますので、いろいろな行政として何ができるかということで、また施策を考えていただきたいと思います。 次に、農業分野を聞いてみます。 農業関係の外国人の受入状況は現在どうなっているかということを聞きます。 そして、私が感じてびっくりしたのは、JA飛騨が今年トマトの選果場の人数が集まらないので、それで、一定レベルの農業技術を取得して、日本語も話せると言われる特定技能実習生、いわゆる雇用のほうで受け入れる、もう見習じゃないという、そういう人を頼んで受け入れると、30名を雇うというふうに聞いておりますが、このように、農業関係もがらっと状況が変わってきたなというふうに思います。 今の状況を踏まえながら、今後の状況を見通す中で、農家の外国人受入れの課題と問題点をどう捉えてみえるのか、そして、取り組むのか。農業関係は、御案内のように、時給は最低賃金で外国人を受け入れるということを条件に提示しています。交渉を成立、獲得するためには、先ほど出てきましたが、渡航費とか家賃とか電気光熱水費、この一部が欲しいなということを私の耳にもよく入ってきます。この辺の状況と考え方も含めてお聞きいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) 現在、農業関係の外国人労働者の受入状況は17戸、54名となっています。これらは岐阜県下JAグループの制度を利用したもので、基本的に希望する農家には確保されているとお伺いをしております。それ以外の受入れはあるようですが、人数などは把握できていないのが現状です。 農家の外国人受入れの課題や問題点については、これまで外国人材を受入れしたことがないことによるコミュニケーションなどの不安や、市内で労働力を確保することに比べ、渡航費や住居の確保、その家賃といった経費がかさむこと、経費に見合う労働力が確保できるかなど様々な声をお聞きしている状況です。 また、それ以前の課題として、パートを募集しても来てくれないなど、多くの労働力不足の声もお聞きしているところです。 このように、農業分野においても労働力不足は顕著で、農業経営を維持していく上では、外国人材の受入れは重要であると捉えているところです。 こうした状況を踏まえて、外国人材の受入れを希望する農家には、外国人受入れの方法や、既に受入れしている農家の情報を伝えるとともに、先ほど説明があった補助金制度による受入支援の活用、シャワーやトイレの設置など、外国人労働者の労働環境整備に対する支援を実施しているところです。 今後も、人材不足に苦しむ農家に、様々な場面で外国人雇用の方法を周知するとともに、外国人受入れへの相談に丁寧に対応してまいります。 また、現行の支援制度の活用に対する検証も含め、高山を選んでもらえるような支援の在り方について検討をしてまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) 答弁いただきました。 農業は、昔は、少し前は人をいっぱい雇って、大々的に面積を広げて、すごいロットを作り出して産地になってきました。 ところが、この時代になりましたら、人を雇用し面積を増やすという、これは無理な時代になってきたなということがよく口にされます。飛騨の農業を産地として維持するには、外国人の雇用も視野に入れていかなければならないという声がやはりあちこちで聞こえてくるのが現実であります。 今、パートで雇いたいんだけど高いとかということがありました。パートで雇うのは、特定技能生といって、見習の特定実習生で3年雇うと、それで試験が受かったみたいになって、あとは自由にこうやって雇用が来てくれるんですが、農協はそれを利用しているんです。 実に私は、短期的に雇用している農家に聞きに行ってきました。意外と行けるかもしれんなって、ちょっと今思ったので、せっかくの機会なので、少ししゃべらせていただきますが、受入農家の悩みは、1番は宿泊設備です。2番目は、今みたいに採算が合うか合わんかが1番みんなポイントで、申し込んだけど、やはり合いそうでないでやめたという人を何人も聞きました。その農家の人に聞きましたら、渡航費が、ベトナムです、25万円で、毎月中間業者に管理料として1人当たり1万2,000円払わなければならない。これが経費です。あと、中間手数料は先ほどあったように要ります。 それで、時給は、見習ですと最低の950円です。ところが、今みたいに、もう雇用したいって短期間頼むとプラス100円で1,050円です。これを総計して、半年頼んだ農家の人に聞きに行ったら、どうでしたかって言ったら、ペイして時間給は幾らでしたかといったら、1,450円です。そうすると、今最近野菜が高かったもんで、割に合うなと。農産物が暴落しない限り、経営的に成り立つのではないかと。来年も1年、実際には8か月、これを頼む予定ですというふうに答えがあって、もう一つの原因は、やはり来てくれる方が若くて元気がいいから、仕事が早くて効率が高い。だから行けるかもしれないなというヒントをいただきました。 紹介させてもらって失礼ですが、こういう状況ですので、また、農務課のほうで周知をしていただいて、広めてもらえばありがたいなというふうに思います。 ちょっと気になったので、農政部長にもう一回聞きますが、先ほどのお答えの中で、副市長のお答えの中で、今の支援制度、家賃とか渡航費とか中間手数料、これは農業部門はゼロだったんですが、私の近くでも来年も頼むよという人が何人かみえますが、この辺は農政の状況として、この利用する今予定の案件がないのでしょうか。それとも、まだ待ちの状況なんでしょうか。ちょっと教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) 農政としては、これまでは雇用をどのように確保していくかというようなところに注力しまして、そういう研修会、例えばですけど、関係人口をいかに飛騨以外から連れてきて、そのときの支援の話とか、隙間バイトが今、この辺でもかなり登録している人はいるけど、それに登録していない企業があるというようなことで、外国人材は、先ほど議員も申されたように特定技能が、規制の緩和がされて、特定技能があるよということで、事業の推進というよりは、雇用の方法の選択肢を、今までいろいろな場面場面で研修会を開いたりして今やってきたところです。今年できたこの外国人材の部分については、今相談を受けている方には紹介をしていますが、これから今、特定技能だけでも6件ほどが利用されているというようなことも聞いていますので、これから、こういった事業に取り組んでいけそうな方に対しては、丁寧にまた説明をしながら、この事業の活用を進めてまいりたいというふうに思います。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) ぜひ農家の人は意外と引っ込み思案で聞きに行かないものですから、私もそうですけど、その辺はよろしくお願いしたいと思います。 次に、一番ずっと前から気にしていた介護分野での人材不足、これは深刻と言われていますが、市もあの手この手とやっていますが、なかなかうまくいかないというところです。外国人の労働者の活用状況はどうなっているかをお聞きします。 そして、最近になって調べてみますと、事業所と医療大学との連携で雇用確保が進められているということを聞きました。その動向などを踏まえ、外国人雇用の支援をどのように取り組んでいくかをお聞きします。 もう一つ、県にも調べたら、この介護事業所における外国人人材に関する補助金の活用というのはあるんですが、この状況はどうなって、市としてもどのように支援をしていくかもお聞きしたいと思います。 ○議長(渡辺甚一君) 石腰市民福祉部長。   〔市民福祉部長石腰洋平君登壇〕 ◎市民福祉部長(石腰洋平君) 介護の現場では、数年前まで外国人を福祉の現場で雇用することに対して、多くの事業所が抵抗感を持っていましたが、人材不足が厳しくなるにつれ、最近では、外国人の雇用を望む声が増えてきていると感じています。 市内介護事業所に、外国人の雇用の状況を確認したところ、昨年4月以降に6事業所で合計15名の外国人を雇用されており、そのうち2つの事業所では、福祉系の学校と契約または協定を締結し、4名の外国人が卒業後に就労されたというものでした。 外国人を雇用している事業所からは、一生懸命仕事をしてくれるので助かっているであるとか、雇用してよかった、外国人を雇用し人員に余裕ができたなどの声も聞いているところであります。 議員御指摘のとおり、医療系の学校と連携することでスムーズに外国人雇用につなげることができるため、これらの取組を他事業所へも共有するなどしてまいります。 また、令和5年度に県の外国人雇用に関する補助金の活用はありませんでしたが、外国人の受入れに関するセミナーや、介護現場で働く外国人の方から意見を聞く会には、市内の3つの事業所が参加をしているとのことでした。制度の周知不足により利用が少ないことも考えられるため、積極的に事業所に対する情報発信に努めてまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) 介護人材、3年、4年前はほとんどゼロやったと私は思うんです。反応もなかった。 でも、今聞いてみますと、かなり15人という雇用が着々と始まりつつあるなと、介護現場も福祉現場も少しずつ状態が変わるかと思いますし、このことは、愛知県の知人から聞きました。施設長をやってみえる方ですが、愛知県は、もうコロナ前から外国人に目をつけて雇用して、介護現場を運用しているんですよと。これがポイントですよということを言われました。 先ほども言いましたように、1つの事業所は、サンビレッジの国際医療大学と連携して、奨励金か何かやって、2年後に何名かを雇用してもらうというシステムは少しずつ進んでいるんだよということを聞きましたが、ぜひとも大学連携というのも、市長、得意分野ですので、ここら辺は支援していただければ非常にありがたいなというふうに思って聞いておりました。 それでは、ほぼ聞きましたので、今度は総括的に最後、聞いておきます。 市として今後、外国人の雇用促進にどう取り組むか。大きな課題。 国は2027年より、外国人労働者の技能実習に代わる残留資格の育成就労の制度の創設を盛り込むなど、法改正に取り組みまして、人材不足の分野で外国人労働者を呼び込む。特定技能水準の人材を育てて、長期就労を促進する方向性です。さらに、地域に根差し共生できる制度ともしています。 これらの情勢を分析して、それぞれの分野でどう促進していくのかをお伺いします。 また、外国人労働者の働きやすい環境整備というふうに言われていますが、選ばれる高山市になるためにも、企業のダイバーシティを進める、大事なことかと思いますが、この考え方についても併せて聞いておきます。 ○議長(渡辺甚一君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕 ◎商工労働部長(倉畑政之君) 議員仰せのとおり、国において技能実習に代わる外国人材受入制度、育成就労を創設する出入国管理及び難民認定法などの改正案が今国会で成立する見通しとなっております。現行の技能実習制度は、技能、技術等の開発途上国等への移転など、国際貢献を目的とした制度でしたが、今後は、人手不足分野における人材確保及び人材育成を目的とする育成就労制度を創設するものでございます。 生産年齢人口の減少によりまして、観光関連産業、農業、介護のみならず、各産業分野が生産性の向上や国内での人材確保のために最大限努力したとしても、なお人手不足となること、それから、地方経済、地方産業において外国人材がより貴重な労働力になっていくことが今後ますます見込まれる中で、円安などの進行により国際的な人材獲得競争、これも厳しくなってまいります。外国人材の確保が困難になるおそれがあるというふうに捉えております。 市としましても、全国において労働力不足が深刻となっている中で、外国人材から選ばれる地域となるよう、国の制度改正の情報を商工会議所や商工会などとの関係団体と連携してセミナーを開催するなど周知に努めるとともに、市内企業において雇用された外国人材にとって働きやすい環境整備が促進されるよう努めてまいります。 また、議員仰せのダイバーシティ経営は、性別や国籍、障がいなどの有無、多様な感性、能力、価値観、経験などを持った人材を確保し、それぞれが能力を最大限に発揮できるよう、競争力強化や価値創造を実現としていくものでございます。 生産年齢人口が減少し、デジタル化やグローバル競争の激化により市場環境が大きく変化していく中にありまして、市内企業は、多様化する顧客ニーズをしっかり捉えてイノベーションを生み出していくためには、外国人だけでなく、高齢者、女性、障がい者など、多様な人材がその能力を十分に発揮できる働く環境を整えていくことが大変肝要であるというふうに考えております。 国におきましても、令和6年2月にダイバーシティ経営推進に向けた取組の意義や、外国人材の活用に向けた取組の重要性、コミュニケーション方法などについて理解を深めることを目的とした研修会が開催されたところであります。 市としましても、関係団体と連携しまして、こうした研修機会の活用を図るなど、市内企業のダイバーシティ経営の取組の促進に努めてまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) 答弁いただきました。 いろいろ説明を聞く中で、もう一回質問しますが、今の法改正後、2年半後となってくるんですが、これの一番の飛騨地区においてのリスクというか、課題は、農家もいろいろなホテルもそうだと思いますが、契約して、技能実習という名前はそうなんですが、見習生として雇うというのは3年というふうに契約しますね。これで契約するんですよ。そうすると950円ぐらいで来てくれて、どの分野も助かっていました。ところが、法改正が起きると何が起きるかというと、一番怖いのは、法改正をすると、この3年間という契約なんだけど、今度は変わっちゃって、1年でも転職してもいいよということが加えられたんですよ。これが大きな課題です。すると何が起きるかというと、先ほども農政部長がお話しになったように、最低賃金で雇っていますから、そして、介護の分野もそうですね。介護賃金は大都市と比べたら低いんです。そうすると、今のベトナム人も聞いてみたら、常にネットでやり取りしていますので、何、あなたたちのところは950円か。うちは990円やぞとか、こういう支援があるよとかというのはすぐ入りますから、あっという間に1年たったら転職して、飛騨地方のこの外国人雇用が大都会へどんどん流れるというリスクを私は背負っているように判断しています。 現に農業関係でも、特定といって、さっき言ったようにちょっと高い値段で雇った人も、ああ、こんなところよりもあっちのがいいといって転職してまったという例も1つ、2つあるんですよ。まさにこの法律がこのように変わっちゃうと、この部分が一番怖いなというふうに思っていますので、この対策はしっかり今から、2年ほどありますので、余裕を持って選ばれる高山市にするために施策を練らなきゃならんなというふうに私は感じているところです。 それで、今の補助制度、今年初めて、初期経費を上限に20万円でやるよといういい制度をつくっていただきましたが、よくよくベトナム人とかに聞いてみますと、業者はそうやっていいけれども、実は私たちは、こういうところに住んでいるからというのは、母国ですね、10円でも50円でも高ければうれしいんですよというふうに聞きました。 例えば、家賃を1,000円でも2,000円でも3,000円でも補助があるとか、賃金の中で、何らかの名目で20円、30円上乗せするとか、それでも十分に対応してくれるんだという、これは中間管理会社から聞きました。 今からは、その辺も見通して、外国人本人に渡る制度ということも片方では検討しないかんなと、今は全部事業者に行ってしまいますから、そういうふうなことが問題と、私なりに感じていますので、精査をしていただきたいというふうに思います。 もう一つは、こうしますと、やはり最終的にはダイバーシティのまちづくりというふうで、市全体でダイバーシティのまちづくりを進めるというような、そういうまちづくりが、外国人が入りやすいなというふうにも思えてなりませんので、そこら辺の検討も入っていくのかなというふうに思っていますので、思いとか、御見解をいただければありがたいと思います。 ○議長(渡辺甚一君) 清水副市長。   〔副市長清水雅博君登壇〕 ◎副市長(清水雅博君) 今の育成就労の件、改正が予定されておりまして、全国の地方の都市でも、やはり1年たったところで給与の高い都市部のほうに外国人人材が行ってしまうんじゃないかということが懸念をされております。 賃金だけで競争をしていくのではなくて、やはりこのまちが外国人にとっても住みよいまちであるということが、また、重要性が高まってきているのかなというふうに思っているところであります。 ダイバーシティ、多様性、あるいは多文化共生というようなことが盛んに言われますけれども、市としましても、先ほど外国人相談窓口を設置したとかありましたけれども、第九次総合計画の検討の中にも、こういった大きな流れにつきましてはしっかりと位置づけて、高山市として取り組んでいく必要があるなというふうに考えております。 外国人に対する支援制度につきましては、取りあえず初期費用について今年度立ち上げたところでありますけれども、また今後、その必要性について十分研究を重ねていきたいと思っています。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) 副市長から今お答えいただきましたように、やはりシンプルに言えば、外国人の方は時間給幾らとか、幾らのお金ということに非常にこだわるということは現にあります。でも、その次に来るのは、やはり今言ったように、受け入れる、ここは行ってみたいと、多少賃金は安いけれども、ここならいいな、まちがいいな、市もちゃんと心得てくれるなというところをどう表すかが、私はここ2年半ぐらいが勝負かなと思っていますので、また御検証をいただきたいというふうに思います。 それでは、最後の質問に入ります。 中部縦貫自動車道についてであります。 最初に、中部縦貫自動車道の高山東道路、平湯から丹生川ですが、これの平湯久手間が新事業化となりまして、総事業費1,000億円、これが決定し、念願の高山東道路が動き出しました。地域振興、観光振興にとっても大きな一歩だと期待されております。 今年度は1億円の予算がついていますが、事業初年度である今年度の作業予定と、また、来年度、それ以降の事業の取組はどのようなシステムで、工程で進むのでしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 中垣内建設部長。   〔建設部長中垣内一君登壇〕 ◎建設部長(中垣内一君) 議員御紹介のとおり、中部縦貫自動車道におきましては、本年4月、平湯から丹生川町坊方地区の建設中の(仮称)丹生川インターチェンジまでの間の名称を高山東道路とした上で、平湯からほおのきスキー場付近である久手までの間、約5.6キロメートルの新規事業化が決定されました。 事業を実施している国土交通省高山国道事務所によりますと、今年度は各種調査や測量を行う予定です。調査に先立ちましては、地域の皆様、関係者の皆様に調査内容を早速に御説明した上で、御理解いただき、具体的には、現地の測量作業や地質、環境、水文などの調査を行います。 また、予定ではありますが、来年度も引き続き地質、環境、水文などの調査、加えまして、設計業務が行われます。その後は、用地測量、用地買収などを行い、一日も早く工事に着手できるように努めてまいります。 市といたしましても、今後の説明会の調整や土地の境界確認など、事業促進に向け、積極的に協力してまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) この件については、うまくといいますか、よくぞ採択していただいて事業が始まったということについては、やはり北のほうの地域住民は特に喜んでいる次第であります。ぜひとも着実な進捗をしていただくよう御努力をいただきたいというふうに思います。 それで、次にお聞きしますが、今進んでいる高山清見道路、飛騨清見から丹生川ですが、下切高架橋なども架かりました。坊方トンネルは柔らかい地質だったんですけど、現場の情報ですと、1,422メートルのトンネルのうち1,104メートル進んでいますよと、78%の進捗率と聞いていますが、現在の全体の進捗状況と進捗率は一体どのようになっているんでしょうか。 はたから見ると、事業もいっぱい進んできて、開通時期はもう指を数えて分かるくらいかなというふうに認識していますが、どのような状況ですか。 ○議長(渡辺甚一君) 中垣内建設部長。   〔建設部長中垣内一君登壇〕 ◎建設部長(中垣内一君) 高山清見道路は、平成19年9月に、上切町地内の高山インターチェンジまで開通した後、現在は残る高山インターチェンジから(仮称)丹生川インターチェンジまでの9.5キロメートルの区間の工事を行っております。 今年度は、丹生川町坊方地区でのトンネル工事や新張地区での道路改良工事、下切町での橋りょう工事などを行っており、高山清見道路事業全体延長24.7キロメートルの進捗率は、令和6年3月31日現在で60%となっております。事業区間の工事は順次進められておりますが、開通予定はまだ立っていない状況です。引き続き安全第一で、一日も早い開通を目指し、工事を推進していただくよう、市も一緒になって取り組んでまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) かなり行っているなと私は思いますが、よろしくお願いしたいと思います。 次にお聞きしますが、高山清見道路の上野地域は、地理的条件や自然条件にも恵まれており、地域の活性化のために、平成28年に4つの町内会と土地改良区で構成する協議会が中間インターの要望書を出してきて以来、高山市は国と協議、調整をされてきております。 それが整った段階で、国土交通省に対し、中間インターの設置の申請である連結申請を提出するということになっています。 高山清見道路も順調に進んでいる中、高山の将来を見据え、中間インターの考えと取組についてお聞きいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) まず、中部縦貫自動車道の平湯久手間の新規事業化につきましては、当然、私どもも一生懸命国に対して要望しましたけれども、本当に住民の方々あるいは民間の諸団体の方々、一緒になって要望活動をしていただいて、その重要性について分かっていただいた成果、結果、新規事業化されたということで改めて感謝申し上げますし、また、それを決断していただきました国交省の皆さんにも感謝申し上げたいと思います。 今年度は、来年度中の、今おっしゃった上野の中間インターチェンジの設置の申請に向けて、上野地域にインターチェンジが設置されることで、効果を最大限生かし、それを生かすことができました地域活性化策を検討してまいります。 また、高山市にとっての中間インターチェンジの必要性をしっかりと国にお伝えできるように、中間インターチェンジ設置を重点事項とした要望を、これも民間の皆様と一緒にしっかりとやっていくつもりでおります。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) 今市長から答弁いただきましたように、長年いろいろ運動はしてきましたし、なかなか数々の問題が生じてきました。いよいよ田中市長になられまして、これを力強く推進していただくことが、地元だけじゃなくて全高山市、飛騨地区のためにも、私はいい申請かなというふうに思っていますので、また、ぜひともリーダーシップを取っていただいて、引っ張って、あそこの設置が成立しますようにお願いはしたいと思います。 次に、それに関連しまして、高山清見道路、これの開通がだんだん見えてきますが、インター周辺の活性化策というのは大事になってきますが、これは地域だけじゃなくて、市全体の振興を含めて考えたときに、高山市はどのように取り組んでいく考えかを、これも聞いておきますので、お願いします。 ○議長(渡辺甚一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) これから要望していきます上野地域の中間インターチェンジ周辺は、先ほど議員も御紹介していただいたとおり、乗鞍を始めとする山々が一望できますし、また、広大な土地が広がるということと、あとは、本当に市内でも特出すべき良好な景観を有しているところ、また、農地でもあるということでございます。 今、仮称でございますけれども、丹生川インターチェンジができる坊方地区には、お食事どころであるとか、ドライブイン、そういったものも点在しております。 将来に向けては、新規事業化となった区間、平湯インターチェンジ、仮称でございますけれども、久手のインターチェンジ、また、事業化されていませんけれども、日面方面にも、日面地域のインターチェンジの計画がございます。 インターチェンジは、物流とか産業の様々な活動の拠点になるということから、それぞれのインターチェンジ周辺の地域資源の周遊観光であるとか、地場産品の販売であるとか、あるいは、それぞれの地域の魅力を生かした地域振興に生かすことができますし、また、ちょうどこの中部縦貫自動車道が、先ほど話題になりましたけど、松本高山Big Bridge構想のエリアをつなぐ道路であるということも含めまして、この高規格道路を生かしたまちづくりについて、今後、今年度策定します第九次総合計画の中でも、その地域の振興を核とするということにつきましては、位置づけを検討してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 車戸議員。 ◆22番(車戸明良君) 大変莫大なプロジェクトといいますか、夢のあるプロジェクトが潜んでいるなと私は思います。 土地利用とか民間資本が必ずいい条件になると参入してきますので、その辺も含めて、高山市の行政ができる中でどのように活性化するかというのは、今後期待をしたいと思いますし、また、我々もできることは御支援をしたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。 以上をもちまして、私の一般質問は終了させていただきます。ありがとうございました。 ○議長(渡辺甚一君) 以上をもって、車戸議員の質問を終わります。 以上で、一般質問を終わります。  ================ △日程第3 議第80号 令和6年度高山市一般会計補正予算(第4号)
    ○議長(渡辺甚一君) 日程第3 議第80号 令和6年度高山市一般会計補正予算(第4号)を議題とします。 議案の朗読を省略し、理事者の説明を求めます。  ――――――――――――――――   (議案は本号その2に掲載)  ―――――――――――――――― ○議長(渡辺甚一君) 平塚財務部長。   〔財務部長平塚久則君登壇〕 ◎財務部長(平塚久則君) ただいま議題となりました議第80号 令和6年度高山市一般会計補正予算(第4号)について御説明申し上げます。 追加提出いたしました別冊の補正予算書を御覧ください。 この補正につきましては、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ2億6,300万円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ638億9,870万円とするものであります。 この補正予算は、本年5月28日の大雨により被災した農地、農業施設、林業施設及び土木施設の復旧に要する経費について、必要な予算措置及び予備費の追加を行うものであります。 今回の大雨により被災した施設の災害復旧の予算措置につきましては、災害復旧費にまず予備費を充用し、農業施設及び土木施設の応急復旧や土砂撤去に対応しております。 また、同じく災害復旧費に予備費を充用し、比較的災害規模の大きい公共災害として取り扱われる災害復旧工事費を積算する経費、測量設計でございますが、それなどにも対応してございます。 こうしたことから、この補正予算は、小災害と取り扱われる災害復旧工事を実施する経費を計上するものです。 被害規模の大きい公共災害として取り扱われる災害復旧工事に係る経費につきましては、先ほど説明した測量設計実施後に予算の補正対応をする予定としております。 歳入につきましては、前年度繰越金を計上しております。 以上で、説明を終わらせていただきます。御審議の上、御決定賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(渡辺甚一君) 説明は終わりました。 ただいま説明のありました本案について、御質疑はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(渡辺甚一君) 御質疑はないようでありますから、以上をもって質疑を終結します。 ただいま議題となっております本案につきましては、予算決算特別委員会に付託の上、審査を行いたいと思います。 これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(渡辺甚一君) 異議なしと認めます。よって、本案については、予算決算特別委員会に付託の上、審査することに決しました。  ================ △閉議・散会 ○議長(渡辺甚一君) 以上をもちまして、本日の議事日程が全て終了しましたので、本日の会議を閉じ、散会します。     午後2時31分散会==================================== 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。         高山市議会 議長  渡辺甚一               議員  水野千惠子               議員  榎 隆司...