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03月10日-03号

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  1. 高山市議会 2021-03-10
    03月10日-03号


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    令和3年第2回定例会令和3年第2回高山市議会定例会会議録(第3号)=======================◯議事日程 令和3年3月10日(水曜日)午前9時30分開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問  ================◯本日の会議に付した事件 1 日程第1 会議録署名議員の指名 1 日程第2 一般質問     13番 岩垣 和彦君     21番 中田 清介君      4番 松林  彰君     11番 山腰 恵一君     14番 中筬 博之君      6番 伊東 寿充君  ================◯出席議員(22名)   1番       石原正裕君   2番       笠原 等君   3番       西本泰輝君   4番       松林 彰君   5番       中谷省悟君   6番       伊東寿充君   7番       谷村昭次君   8番       西田 稔君   9番       沼津光夫君  10番       榎 隆司君  11番       山腰恵一君  12番       渡辺甚一君  13番       岩垣和彦君  14番       中筬博之君  15番       倉田博之君  16番       松山篤夫君  17番       上嶋希代子君  18番       車戸明良君  19番       水門義昭君  20番       橋本正彦君  21番       中田清介君  22番       小井戸真人君  ================◯欠席議員(1名)  24番       牛丸尋幸君  ================◯欠員(1名)  23番  ================◯説明のため出席した者の職氏名  市長        國島芳明君  副市長       西倉良介君  理事        亀山裕康君  企画部長      田谷孝幸君  総務部長      清水孝司君  財務部長      上田和史君  市民活動部長    川田秀文君  福祉部長      荒城民男君  市民保健部長    橋本 宏君  商工観光部長    東野敏朗君  都市政策部長    西永勝己君  教育長       中野谷康司君  教育委員会事務局長 北村泰気君  消防長       松山孝生君  ================◯事務局出席職員氏名  事務局長      森下 斉君  次長        二村伸一君  自動車運転職員   櫻本明宏君  ――――――――○――――――――     午前9時30分開議 ○議長(倉田博之君) これより本日の会議を開きます。  ================ △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(倉田博之君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において、笠原等議員中田清介議員を指名します。  ================ △日程第2 一般質問 ○議長(倉田博之君) 日程第2 一般質問を行います。 それでは、岩垣議員。   〔13番岩垣和彦君登壇〕 ◆13番(岩垣和彦君) おはようございます。 2日目、一般質問トップということですが、一般質問に入る前に、昨年の3月、高山市に新型コロナウイルスの感染症の影響が甚大に及んだ。もう既に1年がたちます。 昨年の3月議会のときにも、この場で、私、申し上げましたけど、この感染症の影響というのは、この高山の地にとって相当な影響がある。これまで、リーマンショック東日本大震災の影響をはるかに超えるものというふうにここで申した覚えがありますけど、現実にまだまだ出口の見えない、そういった状況の中では、これからの生活の実態をどう整えていくのか。本当にここの生活の厳しさが浮き彫りになっている昨今であります。 そういった中で、昨年1月から12月のある企業の労働者収入が出ましたけど、現実に年収で100万円余のマイナスになっています。 たかだか年間300万円、400万円の収入の方々の100万円が現実に失われてしまう。幾ら雇用調整助成金でそういうものを補填されたとしても様々な収入は回復しない。 こういう状況の中で市は何をするべきなのか。役所としてどういったものを整えるべきなのか。こういう岐路に立っているというふうに思います。 そこで、今回、通告は、地価の動向ということで通告をしております。 地価は、経済指標そのものの1つでもあります。 御案内のように、地価の価格というのは、国土交通省が公表する公示地価、また、都道府県が公表する基準地価、それと国税庁が相続税等に対する評価の価格、路線価方式、または倍率方式、様々ありますけど、そういったものに加えて、不動産取引における価格。大まかに分けて、こういったものがあります。 その上で最初にお伺いしますのは、①といたしまして、都道府県の基準地価が昨年7月に公表されました。その中で、奥飛騨温泉郷平湯地区につきましては、全国の商業地で最大の下落率。これは前年比と比べてマイナス9.3%となったという報道がされました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、観光客数の著しい減少が主な要因でもあります。 市は、この地価の下落をどう食い止め、地域経済を活性化するための手段を講じる考え方をどう思っているのか。 さらには、奥飛騨温泉郷活性化構想が示されるということを公表されました。具体的にはこの計画がいつ示されて、それから、いつから具体的な取組に進んでいくのか。このことから伺ってまいりたいと思います。   〔13番岩垣和彦君質問席へ移動〕 ○議長(倉田博之君) 東野商工観光部長。   〔商工観光部長東野敏朗君登壇〕 ◎商工観光部長(東野敏朗君) おはようございます。 観光客の入り込みや観光消費額の拡大は、地域経済の活性化につながることから、引き続き観光振興の施策を講じていくことは重要だというふうに捉えており、そうした地域経済の活性化が地価の上昇にもつながってくるものというふうに認識をしております。 市では、奥飛騨温泉郷の活性化を図るために、奥飛騨温泉郷活性化基本構想の策定に向けて、平成30年度に基礎調査を行った後、議会提言や地域の意見を踏まえながら作業を進めてまいりました。 こうした中、国内の新型コロナウイルスの感染拡大による観光への影響が顕著となった状況に伴い、コロナ禍で顕在化してきた奥飛騨温泉郷の様々な課題を把握し、構想に反映させることが必要であることから、今年度、地域の観光関係団体と意見交換を重ねてまいりました。 こうした結果を踏まえながら、現在、構想については鋭意策定に向けて作業を進めているところでございまして、観光資源の磨き上げや交通拠点等の整備など、奥飛騨温泉郷の活性化に向けた施策を計画的に実施してまいります。 ○議長(倉田博之君) 岩垣議員。 ◆13番(岩垣和彦君) 引き続き、観光振興というのは非常に大事な視点でもあります。 ただ、私が伺ったのは、基本構想がいつ示され、いつ具体的に取組をされていくのかという質問であります。 確かに新型コロナウイルスの影響を受けて、意見交換を重ねなきゃいけない気持ちは十分に分かりますけど、もう令和2年度が終わろうとしています。新年度早々にそういったものが打ち出されるのか。具体的に教えてください。 ○議長(倉田博之君) 東野商工観光部長。   〔商工観光部長東野敏朗君登壇〕 ◎商工観光部長(東野敏朗君) 奥飛騨温泉郷につきましては、高山市の大事な観光資源であり、また、日本屈指の温泉郷ということから、あそこの観光振興というのは本当に重要だというふうに考えております。 議員おっしゃられるとおり、コロナによって顕在化された課題なども、今、整理を進めているところでございます。いつということははっきり申し上げませんけれども、早急に策定を進めて、打ち上げさせていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(倉田博之君) 岩垣議員。 ◆13番(岩垣和彦君) こういうときだからこそ、早く示して取り組んでいくというところが本当に大事ではないでしょうか。 確かに、しっかりしたものを出さなきゃいけないという使命感は分かりますけど、今、手だてがない状況の中で、早く希望を見いだすというところは、今、基本構想全てに私は幻想を抱くつもりは全くありませんけど、そういうものは役所としての務めじゃないでしょうか。 地域の人たちは、本当に困っておられる。まして、今、先ほど地価が前年比で9.3%下落したというふうなこと言いましたけど、これ、よくよく見てくると、平成17年から比較をしてくると、現実には基準地価で同一地点ではありませんけど、若干地点はずれていますが、1平方当たり7割近く減少しているんです。大変な下落だと思っています。 まして、この地価の下落が、合併ということよりも、その前から、非常にこの二十数年間、約30年余りで下落を続けたというところは現実にあるんだろうと思いますけど、非常にこの地価の動向というのは、先ほども言いましたが経済指標の1つでもあって、最終的に経済指標の1つとして地価の変動に表れてしまうと。これは紛れもない事実だと思います。 ですので、人の往来や観光もそうですが、経済も活発化になれば、当然、地価の下落は食い止められる。 上がることはなかなか難しいということはあるにしても、やはりそういった施策の積み重ねを継続的に実施することでしかないというふうに思います。ですから、基本構想を含めて、早く出していただいて、希望を与えていただきたいなというふうに思います。 前にも言いましたけど、やはり奥飛騨地域全体を見たときに、1つの希望、これは私が思うところではありますけど、やはり新穂高ロープウェイの延伸とか、できるかできないかは別の問題として、そういった希望を与えて、できないにしてもそれに取り組んだことによって課題が生まれてくる。その課題をまた解消しようとするごとに何かがまた生まれてくるわけですから、やはり大きな希望を持ちながら、そういったことを積み重ねる以外に私は方法がないんじゃないかなというふうに思っています。 ですから、引き続き、特効薬はありませんけど、早めにそういったものを出していただきたいというふうに思います。 続きまして、2つ目でありますが、これは高山地域の話であります。 観光客、インバウンドも非常に活気を帯びて、市内の地価も上昇しているというような報道もされました。ただ、上昇しているのは、上三之町と駅前周辺、あと、駅西あたりということであります。 市街地における、公示価格、公示地価、基準地価とも、令和2年7月現在で平成17年と比較した中では、下落率が最も小さい地域で20%、大きい地域は50%近く下落をしています。 高山市は、当然、森林面積が非常に広いということがありますので、可住地面積が少ないということで、これまで他市と比較したときに、不動産取引における地価が非常に高いイメージを持っておりましたけど、ここ15年の下落は、大変著しいものであるというふうに感じております。 こういったものの要因については、市はどう考えておられるのか、伺いたいと思います。 ○議長(倉田博之君) 上田財務部長。   〔財務部長上田和史君登壇〕 ◎財務部長(上田和史君) 市内の地価でございますけれども、議員おっしゃるとおり、一部の中心商業地や駅周辺などを除いて、下落が続いている状況でございます。 高山地域の固定資産税の評価額を見ますと、平成17年度と比較しても大体40%以上減少しているという状況でございます。 こういった地価の下落の要因につきましては、少子高齢化ですとか、人口減少を始め、景気の低迷や、そこからくる土地投機意欲の減退など、様々な要素が複雑に作用して、結果として住宅地の需要が減少したことによるものと捉えているところでございます。 ○議長(倉田博之君) 岩垣議員。 ◆13番(岩垣和彦君) 固定資産税評価額でも40%以上減少というお話であります。高山地域も、本当に大幅な下落であります。 私が記憶することを言えば、高山地域も非常に地価の隆盛が激しかったことを覚えています。恐らく平成4年あたりだと思いますけど、当時、相生町付近では、平米当たりの単価が70万円を超えていた。こういう状況があったことは事実です。 もう既に30年を経過しますけど、それから軒並みダウンし続けています。 これは高山だけの問題でもなくて、全国各地、東京を除いて全ての地方都市がそういう状況に追い込まれていることは、紛れもない事実だというふうに思います。 ですので、誰の責任であるとか、そういうことを申し上げているわけでは決してない。ただ、現状を見たときに、こういったことをどう克服していくのかというところが一番避けては通れない話だというふうに思います。 上三之町がよく取り上げられますけど、現実に上がっているということの報道はされますけど、昨年の1月1日の国土交通省の公示価格、また、都道府県の昨年の7月1日に出された基準価格、これを半年間で見ただけでも昨年で10%近く下落しています。 こういった状況は、インバウンドがこのコロナよって非常に壊滅状況になったことによって、人の往来が減り、地価のこういう下落につながっているということは明らかであるというふうに思います。 ですので、先ほどから繰り返していますけど、特効薬はない。ですが、どういったものを何を目標に掲げて取り組んでいくのかという姿勢は、やはり避けては通れない問題だというふうに思っています。 ですから、地道な努力を続けていくしかない。地価の上昇はなかなかしないにしても、下落を食い止めることは可能なのかもしれませんし、ましてその手だてが遅れれば遅れるほど下落は進行し続けます。 ですから、そういったものを早く打ち出しながら、何がやるべきことなのか。そういったことを大局的に捉えていただきたいと思います。 次に、支所地域の話であります。 支所地域の地価も大変下落が激しい。上昇しているところは1つもないんじゃないかというふうに思います。 15年前と比較しても、下落率が小さいところで4割、大きいところでは70%近く低下を続けています。 先ほどの上田部長の答弁とかぶりますけど、やはりこれも人口減少、少子高齢化、その上で、地域産業の活力が見いだせない。こういうことが理由になるんだと思います。 支所地域における本当の意味での活力創出策。そういうものが見いだせない結果、こういったことの下落につながっているのではないかというふうに思います。 また、平成24年には、丹生川地域の一部、清見地域の一部、国府地域の一部が、都市計画区域というふうに指定をされました。しかし、指定をされた後も下落は続いております。 こういったことを含めて、地域振興策並びに都市計画を策定する段階において、改善策があるのかどうか、見いだせるのかどうか、こういうところを伺いたいと思います。 ○議長(倉田博之君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕
    ◎副市長(西倉良介君) 支所地域においての活力創出ということにつきまして、重要な課題だというふうに認識しております。 昨年、見直しを行いました第八次総合計画において、地域ごとのまちづくりの方向性が明確になっていないということから、これまでの課題を踏まえて、地域ごとに現状を分析しながら、それぞれの地域が持つ特徴を生かしたまちづくりの方向性を示させてもらいました。 各支所地域においても、まちづくりの方向性に基づいて様々な取組の実施ですとか、また、さらに検討を進めているところでございます。 各地域のまちづくりを進める上では、地域固有の課題だけではなくて、複数の地域で共通する課題もあることから、現在、総括支所長を中心に、支所長会などで各地域が連携して課題解決に取り組むなどについても検討を進めておりまして、効果的な取組につなげていきたいと考えております。 また、都市計画を生かした取組につきましては、今年度作成しました都市基本計画において、総合計画と連動し、市全体、全地域を見据えた目指すべき将来都市構造の方針を定めるとともに、地域ごとの土地利用などの方向性を示し、地域の特性に合わせたまちづくりを進めることとしております。 支所地域につきましても、開発指導や未利用地の利用の促進などの取組、地域の皆さんや事業者と話し合って、生活基盤の確保のための公共交通の見直しなどについても進めております。 そのような取組の中で、都市計画区域での規制や優遇制度についても活用しながら、秩序ある土地利用や持続可能な都市づくりについて取り組んでまいります。 ○議長(倉田博之君) 岩垣議員。 ◆13番(岩垣和彦君) 副市長からまちづくりの方向性を示したということでありますし、議会もそれは伺っております。 ただ、非常に言い方はあれかもしれませんが、やはり何か目玉を持っていかないと、1つの希望も見いだせないじゃないのかというような思いもしております。 それも含めて、こういう全体的なことに及ぶことが支所長という立ち位置の方が責任者となってというお話ですけど、本当にそれだけで整うのかどうかというところもいささか疑問があります。 ここで、支所地域の固定資産税評価額というものがどういうふうな変化をしてきたのかということもちょっとお伺いしたいなということも思いますけど、平成17年あたりからこの15年間、どういう変化をしたのか。もし把握されておれば、ちょっと教えてください。 ○議長(倉田博之君) 上田財務部長。   〔財務部長上田和史君登壇〕 ◎財務部長(上田和史君) 支所地域の固定資産評価額ということでございますが、平成17年と令和2年度を比較いたしますと、一番下落率の大きいところでは、平米当たりの下落率になりますが、上宝地域の64%、次いで朝日地域の51%、清見地域の44%、そういった形で、どこの地域も下落はしておりますが、特に大きいのはそういったところでございます。 ○議長(倉田博之君) 岩垣議員。 ◆13番(岩垣和彦君) 本当に大幅に下落をしています。地価そのものだけの話ではなくて、やはり地価は、最終的に全てに表れてしまうということなので、当然、事業者の皆さんも、金融機関に対して担保設定をする場合でも、資産価値が下がれば、やはり融資額は下がる。 こういったところと比べると、やはり経済にも大きく影響せざるを得ない、注視しなきゃいけないこの地価の動向だというふうに思います。 したがって、今すぐどういった手だてがということをここで話をしても、恐らく皆さんも持ち合わせていないんだろうと思うし、今まで言われてきたことをるる繰り返されるだけだと思う。 しかし、こういった状況の中では、今までの行政運営の在り方を、本当の地域の活力を見いだすための施策としては、180度考え方を変えるくらいのつもりで取り組んでいかないと、何か光も見いだせないまま、みんな縮小になってしまうのではないかというようなことを本当に心配します。 全て隅から隅まで成功させるなんてことは不可能だというふうに思いますけど、1つでも光があることを形をつくって成功させれば、それに付随する人たちは必ずついてくるはずですよ。そこには経済が絡み合っていますから。 そこを公共という立場のところが財源を投入したり、そこに真剣に向き合って、地域住民やそういった市民のために、公共的な財源を多く投入しながら進めていかないと、なかなかその活力、取っかかりすら見いだせない状況が、永遠と過ぎ去ってしまうのではないか、通り過ぎてしまうんじゃないかという、そういう思いをしております。 ですので、繰り返しになりますけど、特効薬はありません。ですから、1つでもやはり希望が見いだせるようなこと。ましてや、今やったところで、すごい効果なんか絶対出ませんので、もう何十年もかかります。しかし、その手だてをやめてしまうとどん底に、さらに下落を続ける。これがシナリオだというふうに思います。 ですので、そういったところも注視しながら対応をお願いしたいというふうに思います。 次に、④でありますが、都市部に、これは首都圏だと思いますけれども、生産緑地、いわゆる農地、または緑地というふうにありますが、生産緑地における2022年問題というのが課題になっております。 市街化区域にある農地が生産緑地に指定された場合に、固定資産税は農地並みの課税となりまして、この優遇措置が2022年で期限を迎えることになっております。そして、この生産緑地の制限が解除されてしまうということであります。 法律もまだこれから示されていくんだろうというふうに思いますが、今の段階ではそういう状況になっていると。 このことで、都市部の農家は、当然、税負担が過重になりますので、おのずとして農地を手放さざるを得ない状況になります。そういったところで売却が進んでいく。都市部では、そういったことと併せて、マンション建設や住宅建設が進む可能性が十分に読み取れます。 ここ最近の新型コロナの影響によりまして、地方移住というようなことに大変目を向けられましたけれども、こういった背景から移住する人をどうこの高山に呼び込むのか。 都市部もこの生産緑地の問題において、やはり大変な労力をつぎ込まなきゃいけない、施策をつぎ込まなければいけないというようなことで、都市部と地方との綱の引っ張り合いが発生するんだというふうに思います。 都市部との競争の中では、市は地方移住への施策を充実する必要がこれまで以上にあるというふうに考えますけれども、今後どういった対応が可能なのか、考え方をお伺いいたします。 ○議長(倉田博之君) 田谷企画部長。   〔企画部長田谷孝幸君登壇〕 ◎企画部長(田谷孝幸君) 本市は、豊かな自然、歴史、文化、伝統、匠の技、温かい人情など、多彩な魅力と特徴にあふれており、都市部にはない暮らしの豊かさや飛騨高山で働くことの魅力を積極的にアピールしていく必要があります。 そういった移住を希望する人へのアプローチはもとより、仕事や生活面も含め、トータル的な支援を戦略的に展開してまいります。 具体的には、住みやすさの発信やライフスタイルの提案をしていくなど、飛騨高山の魅力を伝える取組、庁内の関係部署の連携や官民連携による相談体制の充実など、移住者に寄り添った取組、さらには、住まいを見つけ、なりわいをつくり暮らしを楽しむなど、多様な移住スタイルを支援することを柱として、様々な施策を充実させていく必要があると考えております。 現在策定中の移住戦略の中でも、そのような方向性を示していきたいと考えております。 ○議長(倉田博之君) 岩垣議員。 ◆13番(岩垣和彦君) 移住政策に限らず、本当にそういった思いのある方々に寄り添うというところは、いつでも大事なんだというふうに思っています。 こういったコロナの環境の中では、やはりウェブ上での人のやり取りが盛んになってくる。こういったことを1つ思い浮かんだときに、やはりWi-Fi環境というのは、本当に公共施設全てのところにWi-Fi環境は少なくとも整えるべきだろうというふうに思いますよ。 移住者のためにそろえるのではなくて、市民の利便のためにどういったことができるのかということをまず発想しないと、移住者に喜んでいただけたって、そこにもともと住む人たちがそこを享受しない限り、やはりそれは長続きしないというふうに思います。 ですから、市民の皆さんが本当に恩恵が受けられる、その結果、移住者にもそういうところにつながる。そういう視点でもって考えていただきたいというふうに思います。 移住政策というのは、本当に高山もそうですけど、やはり東北地方なんかでも非常に人口減少が進んでいて大変な状況ですよ。 秋田県なんかでも真剣になって移住政策に取り組んでいるという。秋田県ははるかに地価が、先ほど申し上げた以上に下がっていますから、本当に東北の地はすごい勢いでその政策を進めなきゃいけないという気概を持っておられます。 そういったところと綱引きになりますから、損得で判断する人はいないと思いますけど、やはり距離的なものであったり、知名度であったり、そういうところというのは、大いに活用するところではないかなというふうに思いますので、そういった施策も充実をしていただけたらというふうに思います。 最後の質問でありますけれども、先ほどから申し上げているように、地価の変動というのは経済指標そのものであります。 市内の地価公示価格が最も高い数字になったのは、先ほどから申し上げているように、平成5年から平成18年までで、この期間に多くの地点で地価のピークを迎えましたが、その後は、上三之町と花里町や駅西地区を除き、大幅に下落をしております。 土地は、財やサービスを生み出す重要な生産要素であります。将来に向けた購買力を保持するための資産として、経済を循環させる機能を持っております。 地価の下落は、都市の生産活動に大きく影響を与えるため、早急に改善策を整えて、派手ではなくとも、継続する努力が必要と感じております。 地価の下落を食い止めるための企業の生産活動を活性化する。人を呼び込むことを早く実現するべきというふうに思っています。 地域ごとでの再生計画も必要な状況になっているんだというふうに思いますが、こういったことも含めて、先ほどから答弁をいただいておりますけれども、総合的にこれからどういうような視点を持って、地価というのも注視しながら行政運営を進められていくのか、考え方をお伺いいたします。 ○議長(倉田博之君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕 ◎副市長(西倉良介君) 地域が活性化し、魅力があるところとなれば、その地域に訪れたい、また、住みたい、さらに仕事をしたいという人が増えて、土地を取得したい、持ち続けたいというニーズも高まって、地価の上昇という評価に表れるというふうに考えております。 こうしたことから、市としましても地価の動向につきましては、まちづくりを進める上で重要な指標というふうに捉えているところでございます。 持続可能なまちの実現のためには、この先20年、30年という長い将来を見据えて、それぞれの地域の特性に応じた産業活動の活性化を図ること。さらには、担い手である地域住民や観光客などの交流人口、さらには根強いファンなど、関係人口を含めた人の獲得に向けた取組、そうしたもののほか、総合的な施策の展開によってまちの魅力を高めることが極めて大事だというふうに思っております。 第八次総合計画を始め、産業振興計画などの関連計画についても、そのような視点で見直しや策定を行っておりまして、総合計画においては、まちづくり協議会単位で地域のまちづくりの方向性について示したところでございます。 さらには、先ほど来お話のとおり、奥飛騨温泉郷活性化計画のような地域ごとの計画についても、必要なものについては早い時期でまとめてまいりたいというふうに考えております。 今後は、こうした計画の着実、継続的な推進を図っていくことが重要であります。 あわせて、このたびの新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、多くの課題が浮き彫りとなったり、新たな技術、価値観の普及が進んでいるように、様々な社会変化に適切に対応して、現在の計画、施策、事業内容などを見直していくことも必要というふうに考えております。 様々な取組の効果が地域活性化に結びつき、重要な指標の1つである地価にも好影響が表れるように取り組んでまいります。 ○議長(倉田博之君) 岩垣議員。 ◆13番(岩垣和彦君) 非常に難しい課題だというふうには思っています。まちづくりの指標、それぞれの計画、こういったところを着実に進めたとしても、本当に地価が上がるというところには確約はないですし、住んでいる方々が、本当にそこに充実感、幸せ感、幸福感を感じられる、こういったところでしかないんだろうというふうに思います。 コロナの影響というのは、いつも申し上げているように、コロナによってそれが顕在化したということは事実だと思いますが、一番弱いところ、コロナがそういったところを浮き彫りにしたということだけですから、コロナのせいにすれば全てが解決するような話があちこちでありますけど、決してそうではないというふうに思います。 コロナによって、様々なことが転機を迎える時代の転機なんだというふうに思います。 人々の暮らし方、生活の仕方、仕事の仕方、考え方、そういうものも恐らく戦後始まって以来のそういう時代背景を迎えている。こういう本当にのるか反るかの時代を迎えているんだというふうに思います。 先ほど冒頭で申し上げましたけど、やはり民間で働く方、民間企業に従事される方、本当にコロナの影響で年収は大幅に落ちています。 300万円、400万円の年収の方が100万円落ちるということは、それに加えて社会保険料を払いますから、相当落ちるんですね。そうすると皆さんだったらどういうような状況に追い込まれるかということを想像しながら人の暮らしぶりを考えないと、本当に施策というのは功を奏しないんだろうというふうに思います。 こういうことを言うと語弊を招くかもしれませんけど、やはり皆さんは、生活は保障されている。そのことだけは事実です。 ですから、こういった状況の中で皆さんがどういう役割を果たさなきゃいけないかということは、本当に真剣に考えてもらいたい。そのことだけが、皆さんの私は仕事だと思う。 皆さんをどうのこうのと言うつもりは全くないですけれども、市民の皆さんはそれに向き合って、それでも生活をしなきゃいけない、そういう現実から目を背けることはできません。 そういった意味では、皆さんの役割は非常に大きい。皆さんしかできないこともたくさんある。そのことを本当にこの場で切に申し上げて、私の一般質問を終わります。 ○議長(倉田博之君) 以上をもって、岩垣議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(倉田博之君) 休憩します。     午前10時13分休憩  ――――――――○――――――――     午前10時25分再開 ○議長(倉田博之君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○議長(倉田博之君) 次に、中田議員。   〔21番中田清介君登壇〕 ◆21番(中田清介君) 昨日から議場の皆さんの一般質問を聞かせていただいております。 いろいろな意味で、これからの高山市の在り方、問われる課題が多いというところでございます。 今の岩垣議員の質問を聞いていて、先般、私が読みました『令和の開拓者たち』という、米澤さんという方が書かれた一文を思い出しました。 氏いわく、「SNS時代とはモノの優劣がこれまで以上に厳しく選別される時代だ。又進んでそういう意味からすれば『作り手のあざとさ』がSNS上ですぐに見破られ、批判をあびる時代でもある」ということです。 こういうことは、これはスズキ自動車のジムニー開発に当たられた経緯を説明した文書でしたけれども、他の事例にも適用できる教訓ではないかというようなふうに述べられております。 私がこれを読んで思い出したのは、昨秋以来の高山市の政策です。 SNS時代とはを政策の優劣がというふうに読み替えれば、お分かりになるのではないかというふうに思います。 作り手のというところを政策担当者のと読み替えれば、お分かりになるということだというふうに思っております。 一番問題だというふうに私が思ったのは、SNS時代というのは、作り手のあざとさがSNS上ですぐに見破られてしまう、そういう時代であると。これは、我々も一様に受けなければならない批判でもありますが、政策の作り手である行政の責任はどこにあるのかということの問題を一部指摘している、そういう文書ではなかったかというふうに思っています。 氏は、次のように結んでおります。 ターゲットが緩み過ぎてコンセプトが定まらないというようなやり方では、物は進んでいかない。潔さ、何を捨てて、何を重点的に展開していくのかということが大事であるということを言っているように私は思えてなりませんでした。 今の岩垣議員への答弁についても、いつまでに努力はします。何も回答にはなっていないじゃないかというような意味で、非常に私はこの文章に書かれたことの意味を今後も注視していきたいなというふうに思っています。 先般の初日の決議で、我々議会はこう述べています。コロナ禍で行政に望まれていることは、市内の産業経済構造の多角化を通じて、コロナ後のその基盤を強化する方向性を政策としてまとめ上げることである。そのためには、市民ニーズを的確に把握し、行政課題の共有を通じた政策立案に努めることである。 もう少し市民目線での情報の共有、必要な政策の洗い出しに努めることが、我々ばかりじゃなく行政にも必要な観点ではないかというふうに思っております。 今回、フォアサイトとバックキャスティングで考えるまちづくり協議会と小中学校の通学区問題についてと通告をいたしております。両方、大きな問題であります。 これまでにも、議会から何遍も質問が上がっており、提言も続いている。そういう内容であります。 しかしながら、こうした問題を一つ一つ個別に課題を解いていくということはもう難しい。特に、高山地区においては、まちづくり協議会の区域設定というものが、もう破綻をしている状態であると私は見ております。 ただ、小学校区域で存立の区域というのは、高山地域と支所地域では、大きく異なっており、その解消を進めるにはどうした方法がいいのかということで、フォアサイトとバックキャスティングということを取り上げております。 先般、我々の議会改革のアドバイザーの1人であります江藤俊昭山梨学院大学教授が、地域の未来予測の意義と課題という文書を発表されております。キーワードとしての地域の未来予測、こうしたものが今後の地域経営にとっては大変重要な課題ではないかということを述べられております。 地域の未来予測、フォアサイトという言葉で表されておりますけれども、私は、かつて、平成30年だったと思いますけれども、バックキャスティングとフューチャーデザインという言葉を使って、このフォアサイトとバックキャスティングということの質問をしております。 フォアサイト、いわゆるフューチャーデザインというのは、今から20年後の未来にはどんな地域が望ましいのかというようなことをみんなで考えながら、新たな未来予測、それを設定するんだと。 バックキャスティングというのは、望ましい未来から解き起こして、今度は、自分たちがその未来までに何をしていったらいいのかということを考えていくんだということを先生はこう述べて説明しております。 この未来予測というのは、新たな価値の創造を目指すことがその基本であると。新たな価値の創造を通じてでなければ、フューチャーデザインもバックキャスティングも成り立たない。 今の延長線で考えるのは、行政のやり方である。それはフォアキャスティング。今の状況を踏まえた上で、考え方を積み上げて未来を想定していくというのは、行政の考え方だ。だから、新しい未来を創造していくという観点が入らない限り、バックキャスティングもフューチャーデザインも成り立たないということを先生は言っておみえになりました。 こういうようなことも考えながら、質問を進めてまいりたいと思います。 ①として、フォアサイトとは、未来洞察による未来像の設定であり、バックキャスティングとは、その未来像を具現化するための戦略策定である。 平成27年に全地域でスタートしたまちづくり協議会については、第八次総後期計画調査分析編でも指摘しているように、様々な課題が出てきている。 これまでの経験から、自治基本条例の中で位置づける地域内分権やまちづくり協議会の活動を推進するための条例などを整備して、その趣旨を示すことが必要である。かつ小学校区単位に位置づけられているまちづくり協議会設置基盤の高山地域での見直しが必要と考える。 これまでの経過の中で、まちづくり協議会運営の検証と評価について、市の見解はとしております。 まずはこうしたことの見解を伺いたいと思います。   〔21番中田清介君質問席へ移動〕 ○議長(倉田博之君) 川田市民活動部長。   〔市民活動部長川田秀文君登壇〕 ◎市民活動部長(川田秀文君) まちづくり協議会の運営の検証と評価についてという御質問でございますが、市では、平成28年度から、市民の参画の促進、地域課題の把握、地域課題解決の道筋、地域課題の解決という4つの観点から、56項目にわたりましてまちづくり協議会の皆さんと共に検証いたしております。 検証する中での主な課題といたしましては、まちづくり協議会の意義や役割の明確化、市民理解の促進、若者や女性の参画の推進、市民の意見の積極的な収集、市民の意見に基づく事業や体制の見直し、町内会との協働の推進、事務局体制の強化などが挙げられます。 市では、まちづくり協議会の会長や事務局長が情報を共有し、市と共に議論する場の設定、事務局をサポートする支援職員の増員、市道等維持、修繕の予算配分の見直し、モデル的事業の実施及び事務局の強化を支援する制度の追加など、様々な見直しを行ってまいりました。 結果といたしまして、情報発信力の強化、組織の見直し、事務局体制の強化、地域の課題解決や活性化に向けた新たな取組などが進められ、まちづくり協議会は地域コミュニティーの維持に大きな役割を果たすようになってきているものと評価いたしております。 また、協働のまちづくり推進会議におきましては、まちづくり協議会の在り方などについての議論を行い、その役割や意義、中心事業などを定めた基本指針を策定すべきとの共通認識に至り、来年度、検討に入ることといたしております。 ○議長(倉田博之君) 中田議員。 ◆21番(中田清介君) ここで言おうとしていることは、部長のお立場からいえば、推進を担う行政の立場としてもっともなことだと思います。 ただし、それはやはり行政の立場からするフォアキャスティングの論法である。1つずつ改善点を積み重ねながら、エビデンスに基づく未来を設定する。だから我々は努力しているんだということをおっしゃるわけ。 私たちが考えるといいますか、私が考える今の高山市内、高山地域のまち協の問題点は、そこばかりじゃない。小学校区単位に位置づけたことの矛盾点が出てきてしまっている。それを改善して克服するにはどうしたらいいか。 やはり、望ましい未来はこうだとフューチャーデザインで設定をしながら、それに向かっての今のような一つ一つの積み重ねならいいんです。現状を追認することの中での積み上げというのは、やはり矛盾を抱えたままの積み上げになってしまう。そのところが問題じゃないかということを言っております。 順次、質問を詰めてまいりますけど、こうした中では、小学校区単位という位置づけをどのように理解しながら変えていくのかというような発想も必要だというふうに私は思っております。 2番目として、地域自主組織としてのまちづくり協議会は、人口減少化を見据えた地域課題の解消に欠かせぬ組織であり、地域内分権を通じた今後のまちづくりの柱として重要な位置づけである。 これまでの問題点は、組織をコーディネートしていく人材の不足と、ボランティアとしての限界や、地域活動の総合主体として地域をまとめる受皿論としての正当性と活動領域論である。これは、社会教育のベースから抜け出せない組織としての活動に甘んじてはいないのか。 町内会や町内会連合会との関係は、組織論としてうまく処理されていると言えるのか。防災や地域の支え合い、特化した福祉の活動などの成果が、他地域へ波及できているのか。町内会の組織率が落ちている中にあって、まち協の活動は、それを乗り越えて地域の連帯の輪を広げていっているのかなどの問題である。 議会は、平成29年にまちづくりの理念を市民と共有するための条例制定を提言している。 権限を移譲して市民活動を活発化し、まちづくりを推進する点においては、条例化して市民と議会、そして行政の責務を示し、その協力関係を明示することは必要であり、これからの自治体に求められる情報の共有と市民参画の推進は欠かせぬ要素である。 改めて、自治基本条例やまちづくり協議会の活動を推進する条例制定について、市の見解を伺っておきたいと思います。 ○議長(倉田博之君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕 ◎副市長(西倉良介君) 自治基本条例、また、まちづくり協議会の活動を推進する条例の制定についての御質問でございます。 お話のとおり、議会のほうから、平成29年度には、協働のまちづくりの制度充実として、まちづくりの理念を市民と共有するための条例、(仮称)市民活動推進条例の整備について、また、31年度には、(仮称)まちづくり基本条例の制定について、政策提言をいただいているところでございます。 市としましても、住民自治に基づいた住民主体の自治運営を行うため、まちづくりの基本的な考え方、それを実現していくための仕組みや制度などについて明らかにする必要があると考えておりまして、昨年度見直した第八次総合計画において、基本計画の着実な計画の推進の中で、まちづくりにおける新たな制度や仕組みの構築を図るということを明記するとともに、実施計画の重点事業にも位置づけをして検討を進めておりまして、多様な主体との協働、自主自立の市政運営等について、現在、市民参加条例に基づいて進めている市民参加のまちづくりも含めて、総合的に整えることが必要であると考えているところでございます。 また、協働のまちづくり推進会議においては、先ほども部長が申し上げましたが、まちづくり協議会の在り方などについて議論を行い、その役割や意義、中心事業などを定めた基本方針を策定すべきとの共通認識でありまして、来年度、検討に入ることとしております。 検討するに当たりましては、地域におけるまちづくり協議会の権限、また、さらには行政との協力関係など、議員お話しの視点も視野に入れて考えてまいります。 ○議長(倉田博之君) 中田議員。 ◆21番(中田清介君) 問題点はあるので、改善へ向けての努力は、これまでも積み重ねてきたように、今年度以降も努力をしていくというお答えだったというふうに思っております。 都立大学法学部教授の大杉覚さんという方が、こういう意見を発表されております。 コミュニティーの未来図の描き方、巻き添えにしないプラットフォームづくりということを言っておられます。 行政は、地域の人たちを巻き込みながら、地域の担い手として位置づけながら、協働でまちづくりを進めていくんだということを言っておりますけど、氏はそうした中に思い込みや押しつけがないかということを言っておられます。その意味が巻き添えにしないプラットフォームづくりだというふうに言っておられます。 この中では、立ち位置や力量、関心の度合いや方向性の違いを無視して、無理に巻き込むようなことをしても、やらされ感満載の巻き添えにしかならないのが相場であるということも言っておられます。 そうしたことを解消するには、どうした方法がいいのかということも言っておみえになります。 地域の未来図を一緒に考えませんかという提案まではいいが、巻き添えにしてしまっては立ち位置が分からなくなってしまう。 あなたたちの役割はどうだ、じゃ、私たちはここまでやるから、あなた方市民の皆さんにもここまで擦り寄っていただきたい。巻き込まれていただきたいというお願いの論理で組み立てられるのか。 そういうところで、ナッジとしての地域の未来予測というふうに少しのサジェスチョンをしながら、自主的にそうした活動に持っていけるような位置づけで行政は進むべきである。 これが、コミュニティーの未来図の描き方と言われるところの主たる意見です。 3番目として、支所地域と高山地域では、地域特性による設立基盤の違いがある。 平成の大合併に当たって、9町村はそれぞれの小学校区の統合を経て合併へと進んだ経緯もあり、支所地域での小学校区単位でのまち協の設立は、地域内分権の受皿として認められるところである。 しかし、高山地域での小学校区は、収れんされてきた経緯が異なる。その区域割りをそのまままち協の区域割りとしてきたところの問題点については、これまで何度も指摘したところである。 高山地域でのまち協単位は、このままの姿で継続していけるのか。このことについて見解を伺いたい。 ○議長(倉田博之君) 川田市民活動部長。   〔市民活動部長川田秀文君登壇〕 ◎市民活動部長(川田秀文君) 高山地域でのまち協の単位についての御質問でございますが、まちづくり協議会のスタートに当たりましては、高山地域においては顔が見える範囲であり、幾つかの町内会のまとまりによって形成されるコミュニティーであります小学校区をまちづくり協議会の単位といたしました。 決定に当たりましては、社会教育委員会議を始め、町内会連絡協議会、社会教育連絡協議会などの全市的協議会組織や、地域審議会、各地区の社会教育運営委員会や連合町内会などの地域組織において、複数年にわたり度重なる御議論をいただいたところでございます。 しかしながら、各まちづくり協議会では、地域の課題解決や活性化に向けた新たな取組も進められ、今年度より学校運営協議会もスタートするなど、活動に大きな変化が生じております。 また、地域づくりにおいては、地域の皆さんがこんな地域にしたいという夢を語ることが大切であり、現状や課題を踏まえることも重要だと考えております。 市といたしましては、学校運営協議会などの場で夢や課題が語られる中で、地域づくりの単位につきましても、あるべき姿を描いていただけますよう、教育委員会と連携して、地域の皆さんに寄り添い、共に考えてまいりたいと存じます。 ○議長(倉田博之君) 中田議員。 ◆21番(中田清介君) 未来志向でもう少し考えていきたいというお答えであったかと思います。一番そこのところが大切なところで、今回は、私は教育委員会の経営方針等を考える小中学校区の校区設定などと連動しない限り、まち協の区域割り等の高山市内での問題の解決はないというふうに思っております。 これまでの経験から、地域の小学校区を変えるということについては、大変、抵抗があります。ただし、これまでの花里小学校等を増設したときの教育委員会の小学校の校区の区域割りの変更を見ても、場当たり的であった。 今回のようなまち協という単位と小学校区、それからコミュニティ・スクール等の教育方針、小中一貫校の推進、それを絡めた教育環境の整備というような政策を読んでみても、この2つを同等の考え方の中でまとめていくことの難しさ、大変さを感じております。 今のままのまち協単位でいけば、小井戸議員がおられる地域の問題をどうするのか。 花里小学校区のように、まとまりができるところはいいです。 山王小学校区域のように、いつも言っていることですが、まちづくりの方向が全く違う2つの区域を収れんして、そこで地域の課題解決に向けた話合いをすれと言われても、先ほど私が申し上げました巻き添え感しか出てこないというおそれが多分にあります。それは何かといえば、よって立つ基盤が違うから。 高山市内の小学校区には、それ以外にももっと大きな問題もあります。小学校区の生徒数の偏在、ここへ来て大きな偏在が出てきております。これを抱える区域の問題としては、まちづくりの問題としても同じテーブルで議論し合う問題ばかりではないということが浮かび上がってきている。 こうした中では、支所地域と高山地域のまち協の区域は、改めて見直さなければならないと私は思っております。 4番目、高山地域でのまち協の設立基盤が小学校区単位となっていることについては、大きな矛盾をはらんでいる。その解消のためには、小学校の通学区域の変更や、他の設立基盤を創造的につくるかの選択を迫られるところである。 本市の場合、基本的に小学校は、明治の合併に起因する区域である。中学校は、戦後の新制中学設立に起因する区域である。幾多の変遷を経て現在のような通学区域となっている。 中学校区は、鍛冶橋を中心に大きく東西南北に区分けして、4中学校区となっているため、中学への進学時に分割されてしまう生徒の問題がある。そのねじれを解消するためにも未来志向での学区再編が求められるのではないか。 小中と連動する再編である。特に、現行の児童生徒数の偏在を考えれば、何らかの手を打たなければならないときにきている。小学校区のみの学区再編で問題は解決すると考えているのかというふうに言っております。 これは、長い間の慣行というような意味での小学校区の区域分けであります。もっと言えば、昭和の合併以前、戦前の合併そのままの区域割り、そうしたものが残っている中での学区の問題が横たわっているというふうに思っております。 5番目でも言っておりますが、コミュニティ・スクールであるとか、小中一貫校の設立による教育環境の整備という問題と連動する難しい問題がまち協単位の改編の問題であるというふうに認識をしております。 こうした独自での小中連動する学区再編というようなこと、どのように考えておみえになるか、少し教育委員会の見解も聞いてみたいと思います。 ○議長(倉田博之君) 中野谷教育長。   〔教育長中野谷康司君登壇〕 ◎教育長(中野谷康司君) 小中学校の通学区域の問題については、第八次総合計画における検討事項として、今後の学校の在り方も含めた適正規模、適正配置に対する基本的な考え方を整理することとしています。 特に高山地域においては、1つの小学校から複数の中学校に分かれて進学する現状は、小中学校における一貫した教育を推進していく上で、また、今年度スタートしたコミュニティ・スクールを推進していく上で、課題であると捉えています。 こうしたことから、教育委員会としては、小中学校における一貫した教育の推進、学校を核としたまちづくりの推進といった視点を重視しながら、児童生徒の通学距離の問題や、小学校区を単位とするまちづくり協議会との関係にも配慮しつつ、小学校区と中学校区と連動した再編に向け、方向性を検討していきたいと考えています。 ○議長(倉田博之君) 中田議員。 ◆21番(中田清介君) 今、教育長から、そのような方向性は考えていきたいというお考えを述べていただきました。 やはりこの問題は、解決に向かっては時間がかかる。それは十分認識しております。 そのために必要なことは、フォアサイトとバックキャスティング。望ましい子どもの教育環境というのは、どういうふうにあるべきかということをまず地域の皆さんと共に考える、そうした会議を持たない限り、目標としての設定はできません。 その目標に従って、じゃ、バックキャスティングで、現在からいつまでにどのような方法で組み立て直していくのか。そこには、新しい未来創造という、現在とは違った設定を持ち込まなければならないというふうに思っております。 私は平成11年から学区再編ということを問うておりましたけど、一向に進まない現状があります。そうしたところでは、今回の教育委員会のコミュニティ・スクールの展開と小中一貫の展開という政策には、非常に期待をしております。 それでもなおかつ、行政部局と密にした連携ができるのかというところに少し疑問は持っておりますが、この辺は言わないことにしておきたいというふうに思います。 5番目、第八次総合計画後期計画に位置づけるまちづくり戦略、生きる力の形成では、コミュニティ・スクールの推進と小中学校の適正規模、適正配置の検討と推進とあり、第3期教育振興基本計画では、小中一貫教育の推進や教育水準の維持、向上の観点から、小中学校の適正規模、適正配置の検討を始めるとあります。 コミュニティ・スクールの推進では、学校運営協議会などを通じて、地域との関わりを一層深める施策の展開であり、小中一貫教育の推進は、全市的に広める中で、その長所を生かした学校経営の推進であると認識しております。 私たちが視察をしてきた京丹後市では、学校施設の統合整備は伴わないが、中学校の位置づけを通し、学校群としての一貫教育を実践していきたいということを力説されました。 小中一貫教育を通じた学校群の強みは、施設整備を省いてでもできるコミュニティ・スクールの実践として、未来志向で多くの人の賛同を得られる教育の場の再編でもある。そういうふうに認識をしています。 それは、また、地域と共に歩む学校運営の姿であり、高山地域での問題は、小中一貫教育を通した地域の連携という教育目標との連動で、まち協単位のねじれを解消していかざるを得ないのではないか。そうすれば、中学校区を主体とするまち協の単位や学校群ごとに改編された小学校区ごとのまち協単位の設定も可能である。 そうした体制整備には、時間はかかっても、フォアサイトとバックキャスティングによる市民参加で粘り強くその問題解決の道筋を開くしかないと考えるが、市の見解を伺っておきたいというふうに思います。 ○議長(倉田博之君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 先ほどの教育長の答弁と重なる部分もございますけれども、小中学校の一貫した教育を推進していく上では、小中学校の連動した通学区域の再編は重要な課題でございまして、また、同時に、通学区域は地域と共に歩んできた長い歴史があり、町内会等の連携や地域の方々の思いなど、様々な要因が絡み合い、時間を必要とする課題でもあるというふうに捉えております。 一貫した教育の推進、学校を核としたまちづくりの推進という視点を重視し、高山地域も含め、全市的に義務教育学校や小中一貫型小学校、中学校への移行といったことも視野に入れた小中学校の連動した通学区域の再編という教育委員会としての考え方もお示ししながら、まちづくり協議会、PTA、教職員などから成る学校運営協議会や学識経験者などで構成する通学区域審議会など、様々な関係者と議論を重ね、思いを共有しながら、本市の将来を担う子どもたちにとって、よりよい教育環境となるよう、取組を進めてまいります。 ○議長(倉田博之君) 中田議員。 ◆21番(中田清介君) 事務局長よりもそういった環境が必要であるというお答えではなかったかというふうに思います。 バックキャスティングだとかフォアキャスティングといいますけど、元は釣りから出てきた言葉です。 キャスティングをどう魚のすみ場所に餌を投げ込むかということから名づけられた言葉であるというふうに理解しております。 また、環境問題等を地域の皆さんと一緒に考えていくというようなことについては、バックキャスティングとフューチャーデザインという手法は、非常に有効であるということも言われているというふうに思います。 今回、その手法を使って、今のまち協単位というものの位置づけを変えてみたらどうかという提案です。 これは、もともと支所地域の状況と高山市の状況が違うということを把握しながら、同じ規格でかけてしまったことによるねじれをどうしたら解消できるかという議論です。 行政の考え方からいえば、現状を追認しながら、改善を積み上げされてエビデンスを追及する解決方法でいくしかないですから、川田部長の言われたような方法しか、現在、動きようがない。しかしながら、現状を改善して、未来志向で新しい価値観を創造していくという、そういう大きな目標を持たない限り、この2つのねじれは解消できない。そういうふうに思います。 このことが、一番大切な今後の未来志向で地域を予測していくということの観点ではないかというふうに思っております。 いろいろな意味で、地域の分権と自治についての問題をこの夏、調べました。また、先ほど岩垣議員が述べましたように、合併後の地域の格差の偏在はどこから生まれているのかというようなことも調べました。 ただ、市民と協働して、望ましい支え合いのまちづくりをつくっていくというこのまち協の目的というものは否定するものでありませんし、これからも必要な財源を投入し、必要な合意を形成しながら進まなければならないというふうに思っていますが、残念ながら、高山地域での問題は、そうやすやすと解消できる問題ではないというふうに認識をしております。 今回取り上げたフォアキャストとバックキャスティングで考えるまちづくり協議会と小学校区通学問題というのは、2つながらに俎上にのせて、行政部局と教育委員会部局がそれぞれ努力しながら、その接点を求めて歩みを続けていくことしか解決方法はないというふうに私は考えております。 今後とも、そうした観点で、行政の皆さん、少し政策を整える努力をしていただきたいというふうに思っています。 以上で終わります。 ○議長(倉田博之君) 以上をもって、中田議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(倉田博之君) 休憩します。     午前11時07分休憩  ――――――――○――――――――     午前11時19分再開 ○議長(倉田博之君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○議長(倉田博之君) 次に、松林議員。   〔4番松林彰君登壇〕 ◆4番(松林彰君) 通告に基づきまして2項目。1点目、新型コロナウイルス感染症対応について、2点目、難聴児の支援について、一般質問させていただきます。 最初に、新型コロナウイルス感染症の対応について伺います。 新型コロナ感染症は、令和元年12月31日に、中国当局からWHOへ原因不明の肺炎の発生が報告されて、令和2年1月9日には初の死亡例が確認され、新型コロナウイルスと特定されました。 令和2年1月27日には、日本では新型肺炎を指定感染症に指定し、WHOが1月31日に緊急事態宣言をしました。 そして、今年度、令和3年2月3日ですが、1年余り経過して、ようやく法的位置づけが指定感染症から新型インフルエンザ等感染症に変更され、新たな分類が決まりました。 大変長い期間があったわけですが、今まだ、コロナ禍、継続中ということで、大変残念な状況ですが、もし自分が感染したらどうなるのか。市民の皆さんは不安の中で自粛生活に耐えてみえます。 そこで、幾つかお伺いします。 1点目。新聞によると、これまでの市内感染者数は71名で、死亡者は3名とされていますが、その病状の内容について伺います。 1月に高山市においてもクラスターが発生しましたが、感染者のみならず、その御家族などの濃厚接触者もたくさんみえたと聞いています。 濃厚接触者と言われる人は何人発生したのか。また、濃厚接触者とされた方は、2週間の自宅待機が求められ、買物にも行けない状況だったと聞いております。子育て中や介護をしている人はより困ったと思われますが、行政は今回のようなときに、どのようにサポートをされたのか、お伺いします。   〔4番松林彰君質問席へ移動〕 ○議長(倉田博之君) 橋本市民保健部長。   〔市民保健部長橋本宏君登壇〕 ◎市民保健部長(橋本宏君) 昨日の中谷議員の答弁と重なるところがありますが、御了承をお願いしたいと思います。 高山市内で発生した陽性者の病状の内訳ということでございますが、県からも公表されていないというところでございます。 また、濃厚接触者の情報につきましては、市では災害などの緊急時に御本人からの市への情報提供の同意のあるもの以外は、県保健所からの情報提供がないことから、把握ができないところでございます。 濃厚接触者には、保健所から毎日、健康観察がされておりまして、その中で相談されたことについては対応されているというふうに伺っておりますが、その中で市への協力依頼はこれまでなかったところでございます。 今後、御質問のような支援が求められた場合には、保健所など、関係機関と連携して対応してまいりたいと考えております。 ○議長(倉田博之君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) 感染症対策は、これは県、いわゆる保健所の裁量で行われることは十分認識しているつもりですが、2週間の自宅待機が求められた方々についての情報は得られなかったとの答弁でございました。 濃厚接触者とされた場合、いつ感染するか分からず、とても不安だったと思います。やはりこういった場合には、当事者の意思も確認されて、ホテルでの待機療養もできるよう、もっと市民に寄り添う対応が必要だと思いますが、そしてまた、災害などの緊急時には、本人の情報提供の承諾等が今回ないことから、また、保健所からもないから把握できないという答弁も甚だ遺憾だと思います。 今のこのコロナ感染症は、世界的な大災害の真っただ中です。もうはっきり申しますと、緊急体制で取り組んでいかなければならない状況だと思っています。あえて再質問はしませんけど、今後は保健所との連絡というのをより密にしていただいて対応されることを望みます。 2番目としまして、基礎疾患がなく、PCR検査で陽性となった軽症者の方は、市外の病院へ搬送されたと聞きましたが、市内の病院では受け入れることができなかったのか。市内の病院で受け入れできる病床数は何床あるのか。また、市内で入院できないときはどのようにするのか。市外の病院に搬送するときの判断基準は、重度の場合はどのくらいまで市内の病院で加療できるとされているのか。 また、入院の必要性が低い場合は、ホテルで療養するようされていますが、何人が利用され、何日滞在したのか。受入可能者数並びに療養した場合はどのようにケアされるのか、お伺いします。 ○議長(倉田博之君) 橋本市民保健部長。   〔市民保健部長橋本宏君登壇〕 ◎市民保健部長(橋本宏君) 新型コロナウイルス感染症における感染症の対応についての御質問でありますが、岐阜県におきましては、感染者の自宅待機ゼロという大きな方針の下、新型コロナウイルス感染症の感染者は、その重症度にかかわらず、全員がまず指定された医療機関への入院をすることになっております。また、入院先の決定につきましては、各圏域の保健所が中心となり、調整及び決定をしているとのことでございます。 飛騨医療圏域におきましても、圏域内の複数の医療機関における受入可能病床数73床の中で、その重症度に応じた入院先の判断が飛騨保健所においてされているというふうに聞いております。 また、岐阜県においては、県全体の感染者の発生数や重症者の数、また、受入医療機関の医療体制などを踏まえまして、感染者が発生した2次医療圏内の医療機関における対応が難しいと判断された場合には、圏域を越えての入院調整も行われているところでございます。 御質問の飛騨医療圏域内での受入医療機関において、どの程度の重症者の方まで受入れが可能であるのかという点につきましては、一律に決められているものではなく、個別の感染者のあらゆる状態を医師が検討し、最も適切な治療ができる医療機関を県全体として選択対応することを基本としているということでございます。 宿泊療養施設につきましては、一定の入院期間を経た無症状や軽症者の方が、医師の判断の下、入床し、健康観察を行う施設のため、看護師が常駐しており、様態に変化が生じた場合には、看護師から待機医師への連絡がされ、再度の入院の必要性について判断されることとなっております。 飛騨圏域では、県が高山観光ホテルに38床を確保しておりますが、これまでに入床された実績はございません。 ○議長(倉田博之君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) 市内の病床数は73床、軽症者病床はゼロ。ホテルによる療養床は38床と、今、再確認をさせていただきました。 こういったことは、最低限の情報として、常時、市のホームページ等に開示してほしいとの声も聞きますが、これにつきましては、また再検討のほど願います。 また、県内では、1月に感染者が入院先を決められずに亡くなるとても悲しい事態が発生したことで、現在、県は医療供給体制の改善が求められている中で、その方策として、確保できる病床のうち、どれだけの割合を感染者使用していることを示す、いわゆる病床使用率を20%未満に抑える目標を掲げて取り組んでおられます。 しかしながら、昨今も新聞で見たんですけれども、飛騨圏域では、エクモ、重症呼吸不全に対する体外式膜型人工肺の使用ができないということも言われました。感染症治療対応におきましては、極めて我々の場所は脆弱な状況だと考えています。 どうかまだまだこのコロナは収束が見えませんし、早急に、難しいこともあろうと思いますけれども、医療関係とも連携をされまして、できれば飛騨圏内でこういったことが対応できるような施策を求めさせていただきます。 次の3点目でございますが、昨年10月に改正されました高山市新型インフルエンザ等対策行動計画には、市内発生期とかありますが、現在の高山市の状況はどこに当たるのか。 被害想定の中では、これは最悪の場合を見越してのことでしょうけれども、中等度入院患者数は400人、1日最大80人、重度入院患者数は1,500人、1日最大300人の想定になっていますが、こういった数字の根拠と、また、そうであった場合の対策についてはどうなっているのか、お伺いします。 ○議長(倉田博之君) 橋本市民保健部長。   〔市民保健部長橋本宏君登壇〕 ◎市民保健部長(橋本宏君) 初めに、先ほどの病床数のお話でございますけれども、飛騨圏域の中で73床ということで、その中の病床については、岐阜県は感染が確認された方は全て入院されるということですので、無症状の方から重症の方まで含めて入ってみえるということですので、軽症者ゼロと議員おっしゃられましたが、そういう区分けはございませんので、飛騨圏域で確保されている病床数が73床ということでございますので、お願いをいたします。 インフルエンザ行動計画についての御質問でございました。 高山市インフルエンザ等対策行動計画につきましては、新型インフルエンザ等対策特別措置法によりまして、国及び県の行動計画に基づき作成しております。 市や医療機関、事業者、個人等の役割を明確にし、一体的に対策を実施していくこととしております。 どの段階なのかということでございました。市内発生期だというふうに考えております。ですが、この計画における流行規模や被害の想定につきましては、国、県において、世界的に大流行したアジアインフルエンザやスペインインフルエンザと同程度と想定していることから、それと同様に設定したもので、今回のコロナウイルス感染症については、未知の感染症で、被害想定をすることは困難なところでございます。 対策につきましては、国においては基本的対処方針、県においては、コロナ社会を生き抜く行動指針といった指針を設けて、病床の確保など、医療対策に取り組まれているところでございます。 市といたしましても、これらの指針を踏まえて、感染防止対策や医療対策に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(倉田博之君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) この改正されましたインフルエンザ等対策行動計画というのは、先ほども申しましたけど、この現状の中で何のために策定されたのか。 現状での分析、もう既に高山では3名の方が亡くなっている中でのこういった部分においての市として具体的な対策の主は県、保健所でありますけれども、市としての具体的な指針とか、そういったものが、私は、行動計画を見ても分かりません。 そんなことを言っておってもあれですが、これはちょっと心配し過ぎかもしれませんけど、最近でも美濃加茂市の病院で大規模なクラスターが発生しました。現在は小康されたというような情報もありますけど、定かではありませんけれども、今まではこれで済みました、高山市も。ただ、まだまだこれからどうなるか分かりません。 そういう中で、美濃加茂市のあのような大病院とは違いますけれども、高山市でもこういった事例が今後発生しないとは限りません。決して対岸の火事ではないといつでも思っています。今の行動計画の中を見ましても、現在の医療体制には大変危機感を持っています。 オール岐阜とはいえ、地域的に飛騨圏内から他の場所への、やむを得ませんけれども、搬送入院となった場合には、家族共々大変困惑してしまいます。 逆に、地域的に人口密集地と比べて感染リスクが少ないということも、メリットといえばメリットでしょうけれども、本当に行動計画に示されているような最悪の場合は考えたくありませんけれども、やはり緊急事態に備えての効率的な、先ほども飛騨管内に73床しかないということ、これをどういうふうに連携を整備されて、どんなことをやっていただけるのか。 甚だ毎日心配ですが、そういったことも踏まえて、医療体制の充実を図られることを求めます。 次に、市は、厚生労働省からの通達を含めまして、病床逼迫時に在宅の要介護高齢者が感染した場合については、やむを得ず自宅療養となる場合が想定される。介護事業所は、必要に応じて保健所と相談し、生活に必要なサービスを確保することと高年介護課から高山市内介護事業者へ通知をされており、事業所からは戸惑いの声が上がっていました。 岐阜県は、新聞でも皆さん御存じのように、オール岐阜を掲げられ、自宅療養ゼロを堅持されている。県にも確認したところ、現在の岐阜県には当てはまらないとも見解を示してみえました。 こういった県の政策を踏まえた上で、市としても対応依頼をすべきと思いますが、市は県とどのような調整をされて通知されたのか。また、事業者への対応依頼等をどのように今後対応していくのか、御質問します。 ○議長(倉田博之君) 荒城福祉部長。   〔福祉部長荒城民男君登壇〕 ◎福祉部長(荒城民男君) 介護サービス事業所への新型コロナウイルス感染症などに関する国や県からの情報につきましては、国や県からの依頼により、その都度、所管の事業所に提供しているところでございます。 今回の議員お話しの件につきましては、病床逼迫時における在宅要介護高齢者が感染した場合の留意点等についてという厚生労働省からの通知について、市は県からの周知依頼を受けて、所管する事業所に周知を図ったものでございます。 通知の内容が、在宅の要介護者が新型コロナウイルスに感染し、自宅療養となった場合の事業所における対応についてということであったことから、県が自宅療養ゼロの方針を打ち出されている中で、そのまま通知することは混乱を招くおそれがあると判断し、案内文書には、岐阜県では、現在、原則として感染者は入院しているが、今後、病床逼迫時には、やむを得ず自宅待機となる場合が想定されるため、その際にはこの通知の対応をお願いする旨を書き添えて通知したものでございまして、県の方針を踏まえた上で、万一に備えた対応をお願いしたものでございます。 しかしながら、一部の事業所におかれましては、県が自宅療養ゼロを打ち出している中で、自宅療養に関する通知を受け取ったということに戸惑われたということをお聞きしておりますので、今後も周知に当たりましては、十分に配慮して情報提供するよう努めてまいります。 ○議長(倉田博之君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) 私の質問がちょっと悪かったのかもしれませんけど、今後はどのようにこういった方たちとの役割を果たしていくのかということも聞いたような気もしましたけれども、あえて言います。 このコロナ禍の中では業務を絶対に中断できない、特に医療機関、介護事業者の方、本当に日々身を切るような思いで対応されています。 それに対しまして、県のこの方針はとても励みになるような状況だったんですけれども、ある意味におかれましては、各事業所が保健所といわゆる個別的な分野での調整をして、しっかり対応しなさいというような、ちょっと無体な話だったというような点も、自分を含め、そういったことを聞きました。 当然ですが、これは、市としましても、こういった部分に対しましての対応指針を明確にされた上で、また、こういった方たちとさらなる連携、打合せもされた上で、保健所と連絡調整をされて、いわゆる市としてのそういった方針はしっかりと出されますよう望みます。 続きまして、5つ目ですが、今回のコロナワクチンは、核酸ワクチンだと聞きました。人体では初の承認を受け、接種されると聞いています。また、その有効性や副反応などの情報が十分でなく、市民の不安は払拭されていません。 そこで、市はどのようにこれらの情報を把握しているのか。また、3月1日付広報たかやまでのワクチン接種情報第1弾によりますと、接種順位が、医療従事者の次に高齢者になっています。 接種までの流れでは、市からのクーポンを受け取って、ビッグアリーナか、かかりつけ医に行って接種することになっていますが、集団接種がスムーズにいくための接種模擬訓練等の検討はされているのか。また、ビッグアリーナ等への移動手段の対応、そして、1日の接種人数や副反応時の対応など、接種体制は整っているのか、お伺いします。 ○議長(倉田博之君) 橋本市民保健部長。   〔市民保健部長橋本宏君登壇〕 ◎市民保健部長(橋本宏君) 現在、国が契約しているワクチンは、議員御案内のとおり、3種類ありまして、いずれも国内では初めて使用されるものでございます。 これまで国外の接種について有効性や副反応などの情報が報道されておりますし、国内でも、国では2月から始まった医療機関での先行接種について、接種後の健康状況調査を実施した結果を公表するとしておりまして、市でもそういった情報やワクチン会社からの情報などを市民の皆さんにお知らせするとともに、今後設置するコールセンターにおいても情報の提供や照会を行い、市民の皆さんが安心して接種をしていただけるよう対応してまいります。 1日当たりの接種人数については、当初、各医療機関へ小分けしての配分が認められていなかったワクチンの取扱いが、各医療機関に配分できるようになってきたことから、個別接種がしやすい状況となってきており、そういった状況も踏まえながら、個別接種と集団接種会場での接種数については、再度検討している状況でございます。 また、集団接種の実施に当たっては、実際の会場でのシミュレーションを行い、細部の詰めを行う必要があると考えております。 先に市の保健センターで実施いたします医療従事者等の集団接種については、先日、関係者でシミュレーションを行いました。この医療従事者等の接種を参考に、市民の方の集団接種の会場準備を進めているところでございます。 また、支所地域における集団接種も含めて、移動手段の確保や副反応時の対応についても、必要資材の確保など、準備を進めているところでございます。 ○議長(倉田博之君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) 今のこの状況を改善する唯一の方法は、より多くの方にワクチン接種を受けてもらい、感染拡大、入院リスクを控えることが最大の効果を期待できるんじゃないかと思っています。 接種判断は本人の意思であり、問診等により接種できない人もいるでしょうけれども、ぜひこのワクチンの情報を的確にお伝えしていただいて、多くの方が接種できることを望んでいますし、今の状況の中では、病床数を考えましても、何よりも入院リスクを減らす効果が7割近くあるというような情報は、いろいろなメディアが伝えて聞いています。 また、既にコールセンターを設置されている自治体も見えますので、できるだけ早く、早期に開設されまして、今後こういった肝腎な大事なワクチンの情報等についても、広く市民に発信されていくことを望みます。 次に、コロナ禍におけるリモートワーク等、民間事業者の中では積極的に取り組まれている状況です。他市におかれましても民間の店舗等を賃借されて実践されていますが、本年度、今までの市役所においての取組実績と今後の計画についてお伺いします。 ○議長(倉田博之君) 清水総務部長。   〔総務部長清水孝司君登壇〕 ◎総務部長(清水孝司君) 新型コロナウイルス感染症対策として、職員の在宅によりますテレワーク勤務や会議室などを活用しましたサテライト勤務などの取組を推進しているところでございます。 特に、職員が在宅によるテレワーク勤務を行う場合には、個人情報などの重要な情報のセキュリティを確保した上で利用できるシステムの構築が必要でございますので、ネットワーク環境において安全に接続できますように、信号を暗号化するなどのセキュリティ対策を徹底した上で、テレワーク専用端末35台を導入し、職員がテレワーク勤務できる環境を整えております。 なお、今年度、この2月末までにおいての延べ人数で約2,000人の職員が在宅勤務を実施しているところでございます。 市の業務は、コロナの感染症ですとか、福祉などの相談総合窓口などを始め、住民と対面する業務が多いこと、また、昨年7月の災害の対応ですとか、コロナ感染症の経済対策などの業務によりまして、国の目指す出勤者の7割削減というのは難しい状況ではございますけれども、テレワークやサテライトワークといった取組は、職員の働き方改革の1つでもございます。 新型コロナウイルス感染症の対策に限らず、職員の育児や介護、地域活動参加などの多様な働き方に対応するための有効な手段としても、今後、積極的に推進をしてまいります。 ○議長(倉田博之君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) 市におかれましては、今年度は、各種相談窓口の開設等、大変な業務が続きまして、人員確保におかれましても相当なリスクがあったと思います。 しかし、最近県内で発生した大規模クラスター等を考えますと、市民の方を巻き込むような事態も想定されます。また、職員の働き方改革を推進するためにも、テレワーク専用端末拡充等、予算も再検討されて、率先して取り組んでいっていただきたいと思っております。 でも、2,000人ということで、取りあえずは一安心しております。 最後ですが、総体的に申しまして、今年度は既に、申し訳ないんですけど、3名の方がお亡くなりになっております。本当に、残念なことです。そして、ここまでに起こりました、私、先ほどから申し上げました、いろいろなパターンがあると思いますけど、まだまだ知らないこともあります。 ただ、こういった事例に対しまして、しっかりとモニタリングを実施していただいた上で、市民の方に寄り添うような施策、決して同じ轍は踏まないような、そういった体制強化を求めまして、1項目めの質問については終わります。 続きまして、2項目めの難聴児の支援についてお伺いします。 本年度実施されてきました岐阜県難聴児支援に関する検討会での方向性が出され、難聴児支援センターが岐阜大学附属病院内に設置されると聞きました。 その内容と次年度からの取組に対して、市の見解をお伺いします。 ○議長(倉田博之君) 荒城福祉部長。   〔福祉部長荒城民男君登壇〕 ◎福祉部長(荒城民男君) 県による難聴児支援センターの設置につきましては、平成31年度に岐阜県難聴児支援に関する検討会が設置され、県内の難聴児支援の在り方につきまして、これまで様々な議論がなされており、飛騨地域には難聴児支援の専門療育機関がないことから、十分な支援が受けられず、経済的、精神的負担が大きいことなどについても課題として取り上げられているところでございます。 こうした検討会の議論を踏まえて、県においては、保健、医療、福祉、教育の各分野の関係機関の連携により、新生児期から学齢期までの一貫した支援を行うための拠点として、(仮称)岐阜県難聴児支援センターを令和3年度内に岐阜大学医学部附属病院内に設置されることを方針決定されたところでございます。 今回設置されるセンターは、既に岐阜市にある専門療育機関の機能を生かしつつ、行政、医療機関、福祉施設、学校などの関係機関が役割分担をしながら、県内のどこに住んでいても支援が受けられる体制を目指していらっしゃいます。 具体的には、センター内にコーディネーター支援員を配置して、新生児聴覚検査の段階からの相談対応を始め、保護者向けの学習会の開催や、専門療育機関のない地域の支援体制の強化などを行い、難聴児とその御家族に継続的に関わっていく伴走型の支援を行うとされています。 センターにおける来年度の高山市での取組としましては、聴覚障がいのある幼児を対象とした幼児教室として岐阜聾学校の専門教員が毎月派遣され、個別指導や保護者向けの相談会を行うほか、教職員を対象とした研修会や、学校を訪問しての助言、相談なども予定されています。 市としましても、難聴児やその御家族とセンターとのつなぎ役となることや、市内の関係機関等と連携してこのセンターの活用を図っていくとともに、市が要望しております飛騨地域に住んでいても日常的に専門的な支援が受けられる体制づくりについて、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(倉田博之君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) この難聴児支援センター設置は、大変喜ばしい限りです。この暗いコロナ禍の中において、本当に一筋の光が見えたような、そんなことを思っています。 1年間という短い期間でございましたが、これに関係された方々の御尽力、また、県におかれてもこの重要性を認識いただいたことには本当に感謝する次第でございます。 ただ、課題は今後も出てくるでしょうけれども、これでようやく療育の充実のための取組の強化が望める次第だと思っています。 その前提ということも確認を含めまして、2番目の早期発見のためには、新生児スクリーニングの100%実施を目指す施策が必要だと思いますが、市としての見解についてお伺いします。 ○議長(倉田博之君) 橋本市民保健部長。   〔市民保健部長橋本宏君登壇〕 ◎市民保健部長(橋本宏君) 市では、新生児の聴覚に関する異常を早期に発見し、対応するため、生後間もない時期にスクリーニング検査を実施しております。 この検査につきましては、母子健康手帳交付時に内容を説明した上で申込書をお渡しし、医療機関での受診を勧奨しているところでございます。 平成31年度の受診率は99.8%で、ほぼ対象者全員に検査を受けていただいており、引き続き100%の実施に向けて取り組んでまいります。 ○議長(倉田博之君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) ほぼ100%近く実施されていると。 ほかにも平成31年度の実績におきましては、これは587人でございましたが、乳幼児健診、4か月、1歳6か月、3歳と、また、相談、7か月、10か月、2歳と、こういった業務の中でも3,400人程度の実績を確認することができましたが、どうか次年度に設置されますこの難聴児支援センター、これに対しましての意義等を十分保護者の方々にも周知されまして、今後、本当に強靱で格別の施策での対応を望みます。 これで私の一般質問を終わります。 ○議長(倉田博之君) 以上をもって、松林議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(倉田博之君) 休憩します。     午前11時59分休憩  ――――――――○――――――――     午後1時00分再開 ○副議長(松山篤夫君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○副議長(松山篤夫君) 次に、山腰議員。   〔11番山腰恵一君登壇〕 ◆11番(山腰恵一君) お疲れさまです。 それでは、午後からの一般質問をさせていただきます。通告に基づきまして、一般質問をさせていただきます。 1つ目、誰一人取り残さない教育環境についてであります。 現在、社会の急激な情報化やAI技術の加速度的な進展に伴い、デジタル化の社会によるDX(デジタルトランスフォーメーション)の動きが急速に進んでいるわけでございます。 そうした中で、児童生徒を取り巻く環境も大きく変化をしており、ICT機器を活用した教育による情報や情報手段の活用といった、これまでにない力を身につけることが求められているわけでございます。 国のGIGAスクール構想の加速化において、本市では、電子黒板、デジタル教科書に加え、1人1台のタブレット端末が配備されるようになり、ICT教育の環境が一気に整うことで、次世代を担う児童生徒の学習環境が大きく変わるとともに、将来社会を見据えた質の高い教育を提供しなければならないと考えております。 また、教育は、人間性を養い、知識や知恵を育み、思考力や創造力を豊かにするものと考えております。 そうした中において、文部科学省の新学習指導要領では、次世代を担う児童生徒にとって、情報活用能力は全ての学習の基礎となる資質、能力とされ、着実な能力育成が求められているとあります。 その中で、ICT機器を活用した効果的で質の高い教育をどう推進するのか、市の見解を伺います。   〔11番山腰恵一君質問席へ移動〕 ○副議長(松山篤夫君) 中野谷教育長。   〔教育長中野谷康司君登壇〕 ◎教育長(中野谷康司君) ICT機器を効果的に活用することで、一人一人の学習状況に応じた個別最適な学びと協働的な学びを充実させることができ、児童生徒の資質、能力を伸ばすことにつながると考えています。 1人1台のタブレットでは、教師が授業支援ソフトアプリを使い、一人一人の学習状況を把握し、実態に応じた指導や支援を行うことができます。 児童生徒自ら、前の学年に戻って苦手な部分を復習したり、次の学年に進んでより発展的な内容を学習したりすることもできます。 学習を主体的に進めることができることも、ICT教育の大きな強みだと捉えています。 また、インターネット等で調べた内容を基に自分の考えをまとめ、発信し、仲間、地域や世界の方々との交流、議論や活動する協働的な学びを広げることもできます。 ICT機器を活用し、主体的、対話的で深い学びの実現に向けて、さらなる事業改善を行い、質の高い教育を推進してまいります。 ○副議長(松山篤夫君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 協働的な学び、主体的な学びができるということであります。 ICTの活用では、児童生徒にとって、デジタル教科書で、電子黒板に映し出された映像や、おのおののタブレット端末で書き加えたり表示された内容を学習するなど、一人一人の理解度に応じた授業ができることから、授業が分かりやすくなるなど、分かる、できるという効果が期待される、質の高い授業ができるとも言われております。 そうしたICT機器が整備をされ、ICT教育が本格的に始まる中において、ICTに慣れない教職員の不安の声もあると聞きます。さらに、児童生徒への機器の操作補助など、ハード面やソフト面でのサポートが必要と考えております。 市では現在、学習指導員を採用して対応を図ろうとしておりますが、サポートの内容や役割について、市の御見解を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 来年度、配置を予定しております学習指導員は、10人程度で、小学校への配置を優先し、主に低学年の児童がタブレットの基本操作や電子黒板などとの連動操作に困ったときなどに児童をサポートしていただくといったことを想定いたしております。 ○副議長(松山篤夫君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 10人程度ということで、小学校の低学年ということでございますが、ICT教育を進める中では、一番心配されるのは、先ほど言いましたように、ICTに慣れない教職員への機器の対応や機器の不具合が発生した場合の対応、さらに、セキュリティ対策などが想定をされております。 そういった中で、ICT教育においては、国では4校に1人程度のICT支援員の配置が挙げられております。 ICT支援員は、日常的に教職員のICT活用の支援を行うもので、資格を有し、専門的なスキルを身につけております人であります。 ICT支援員は、機器の準備や操作支援、児童生徒への操作補助や、メンテナンス支援、機器不具合発生時の対応、コンピュータウイルスへの対応など、様々な形で教職員及び授業の支援をするのが支援員の役割であります。 こうしたICT支援員の活用や配置について、さらに、今後のICT教育における支援体制の構築について、市の御見解を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) ICT支援員の配置については予定をいたしておりませんけれども、今後のICT教育における支援体制として、教育研究所が県などと連携をし、教職員向けの講座を開設するほか、オンラインでの研修も実施するよう計画をいたしております。 また、学校同士が連携できるよう教職員のワーキンググループをつくり、研修の充実を図ってまいります。 実践研究では、県と連携して、ICT活用による実践フィールド校を設けまして、授業実践をした成果を市内の各学校に広め、各学校ではICT活用推進担当者が中心となり、授業実践を進め、学習指導員がサポートする体制づくりを進めてまいります。 今後も、県などと連携し、教職員のICT操作や活用能力の向上を図ってまいります。 ○副議長(松山篤夫君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 今後ICT機器により、より高度な学習が求められる中で、教職員の授業準備等の作業は、負担は増加し、さらに、操作機器の支援やサポートは必須となってまいります。 どれだけでも教職員の負担を軽減し、質の高い授業が児童生徒にできますよう、しっかりとした支援体制が期待されているところでございます。 次に、私は、児童生徒が誰一人取り残されない、そうした教育の環境を求めてまいりたいと考えております。 現在、コロナ禍にあって、様々な要因等により、やむを得ず学校に登校できない児童生徒への学びの保障を確保していく観点から、自宅等でのオンライン学習が求められていることは重要と考えます。 市では、通信環境が整っていない児童生徒へのモバイルルーター20台を貸し出すことをされておりますけれども、そうしたオンラインによる具体的な学習支援にどのように取り組むのか、市の見解を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 学校で使用いたします1人1台タブレットでございますけれども、学校に登校できない状況が発生したような場合には、家庭へタブレットを持ち帰り、オンラインで学習ができるようにいたします。 また、議員御紹介のとおり、通信環境が整っていない御家庭には、通信機器を貸し出すことといたしております。 オンラインによる学習については、今年度も夏の豪雨災害によりまして通学できなくなった生徒に、学校はオンラインで授業を行いました。 また、であい塾では、不登校の児童生徒や保護者にオンラインによる学習や相談を始めているところでございます。 今後もオンラインを活用し、支援が必要な児童生徒に学びが保障されるよう、研究、実践してまいります。 ○副議長(松山篤夫君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) やむを得ず、何らかの理由で学校に登校できない。そうした児童生徒にとって、自宅に居ながらオンラインで学習できる、これまでにない取組であり、大いに私は期待をしているところであります。 さらに、不登校児童生徒が、オンライン学習の支援によって登校ができるようになった事例もあるそうです。 そうした環境をさらに進めていただきたいと考えております。 また、誰一人取り残さない、これは、子どもが直面する悩みに関しても対応が重要であります。 SNSのLINEを活用したいじめの相談であります。 2020年、情報通信白書では、10代の若者の携帯電話の通信時間が1日で3.3分であった一方、SNSの利用時間は64.1分に上るなど、中高生のコミュニケーション手段はSNSが主流になっております。 中高生のみならず、成人でもLINEの活用は、日常的に多くの人が利用しているわけであります。 県内では、多治見市が、昨年12月に、新型コロナウイルスの流行によって、令和2年度は、学校生活など、これまでにない変化を子どもたちに強いており、悩みやストレスを抱える子どもが増えている。多くの子どもたちの潜在的な声を酌み取るため、子どもにとって最も身近な連絡ツールであるLINEを利用した相談を実施するとあります。 また、現在、全国の自治体の中でも取り入れているところが増えております。 文部科学省は、新年度から全国展開を目指す方針を固めております。 このような、LINEを活用した児童生徒への相談事業について取り組む必要があるのではないかと考えますが、市の見解を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) LINEを活用した児童生徒への相談体制につきましては、今年度、県が子供SOS相談@岐阜というのを実施されました。 この事業は、県内の中学生、高校生を対象としておりますことから、高山市の中学生もできるということを、学校を通じて周知を図ったところでございます。 しかしながら、SNSを利用できる情報端末機器を全てのお子さんが持っているということでもなく、SNSの利用によって様々なトラブルに巻き込まれる可能性を危惧するといった声もございまして、難しい面もあるというふうには捉えております。 一方、SNSを活用した相談事業は、気軽に相談できるという利点もございまして、今後の相談手段の1つとして活用が期待できるものと考えております。 県のSNS相談事業は、年々相談期間を広げて充実を図っておりまして、来年度も継続する方向のようでございますし、相談の内容によって市の関係機関にも情報が入り、連携して対応するような体制となっております。 今後も、県のSNS相談事業について、市内の生徒に周知を図るとともに、県と連携を図りながら、SNS相談事業の効果や課題等の情報を収集し、相談体制の充実に努めてまいります。
    ○副議長(松山篤夫君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 県のSNSの事業を行っているということを伺いました。 コロナ禍にあって、家庭生活や学校生活の変化により、子どもたちのストレスや悩みが増えているのが現状ではないかと思います。 全国では、中高生の自殺が増加していると報道でもありました。いじめも増加しているということでございます。 こうした中において、直接声を出さない人に、相談しやすいツールであるLINEの活用はとても有効であると考えているところでございます。 次に、2つ目の項目、新たな観光施策についてであります。 ドローンは今やあらゆる分野で活用が期待されております。災害時の災害現場状況の確認や建設現場での測量、商品を運搬するなど、様々な部分で活用が期待をされております。 そうした中にあって、ドローンの活用が新たな観光コンテンツとして注目を集めて、自治体でも取り入れられているところも出てきているところであります。 昨年、市内の観光会社が企画した飛騨高山の自然を独り占め空撮ツアーとして、飛騨高山の雄大な自然を巡る全国のドローン愛好家のためのツアーが行われました。 現在、都市部のドローン愛好家は、規制が厳しくてドローンを飛ばすところが限られており、思うように飛ばせることができない状況であります。 その点において、地方では、飛行許可を取って、万全に飛ばせる環境をつくることもできます。 こうした大自然の中で、ドローンを思うように飛行させる醍醐味と空撮による自然の魅力を撮影できる2つの満足が得られるものと考えております。 ドローンツアーでは、丹生川町のほおのき平スキー場、深谷ダム、丹生川ダムでの空撮、さらに、木地屋渓谷での空撮を楽しまれて、宿泊施設で撮影した自慢の映像を披露し、楽しいツアーになったとお聞きしました。 今、これまでと違った新しいニーズに対応したコンテンツを開拓するとともに、すばらしい大自然を空撮によって満喫していただくとともに、もっと多くの人に魅力を伝えることができると考え、これまでにない周辺観光の充実が図られるといった着地型観光の魅力を創出することができるものと考えております。 市では、こうしたドローンを活用した着地型観光の取組をどう考えるのか、さらに市として、ドローンが楽しめる中山間地域として発信をしていけないのか、市の御見解を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 東野商工観光部長。   〔商工観光部長東野敏朗君登壇〕 ◎商工観光部長(東野敏朗君) ドローンによる空撮を楽しむ着地型観光ツアーにつきましては、市が新型コロナウイルス関連の経済対策として創設しました旅行商品造成支援制度を活用して、市内の旅行業者が造成し、実施されました。 ツアーに参加されたドローン愛好家の方々からも好評をいただいているというふうにお聞きしております。 また、一方では、ドローンの飛行は当日の天候に大きく左右されることや、一度に複数のドローンを飛ばすことができないことから、ツアーを少人数で実施する必要があり、採算面で課題があるという御意見もお聞きしております。 コロナ禍の影響で旅行ニーズについても変化が見られ、密集することを避けて自然の中で過ごす体験や、少人数での旅が好まれる傾向があることから、ドローンで空撮を楽しんでいただく観光ツアーなども、自然が豊かな郊外エリアへの誘客を図る上では有効な取組の1つであるというふうに捉えております。 市としましては、今後とも自然を生かしたドローンツアーを始め、旅行ニーズを捉えた着地型観光の促進により観光客の誘致や観光消費の拡大を図ってまいります。 ○副議長(松山篤夫君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 私は今後、他の地域でもドローンの空撮ツアーを売りにした着地型観光を全面的に押し出してくる自治体が増加してくると考えます。 現に、「長野伊那谷 美景×ドローン『空巡り』」として、駒ヶ根観光協会がドローン空撮ツアーやドローン空撮体験をプログラムとした、企画をした旅行商品を売り出しております。 また、他の自治体では、庁内にドローン推進室という部署を新設され、日本一、ドローンが飛ぶ町を目指す、そうしたところもございます。 今ドローンは、子どもから大人まで人気があり、購入する人も多くなってきております。 しかし、都市部では飛ばせる場所に厳しい制限が入っており、飛ばすことがままならないなどと聞きます。 そうした中で、許可を受けた地域で、インストラクターの下で安心して飛ばせることを望んでいる人も多いと思っております。 また、私は、ドローンで空撮した映像をお借りして、市の魅力として、大自然をPR映像として発信することで、これまでにない誘客が期待できるのではないかと考えております。 次に、観光地で豊かな自然を満喫して仕事をしながら休暇を過ごす、現在コロナ禍の中で、密集や密接を避けてテレワークをするという、ワーケーションが注目を集めております。 これまでも取り上げましたが、国内でも、コロナ禍をきっかけに広く知られるようになり、受入れに動く自治体が増えております。 例えば、群馬県のみなかみ町や静岡市、栃木県日光市などが先進地として取り組んでおります。 ワーケーションをめぐっては、関係人口の増加や将来的に移住者の増加も期待をできます。 こうしたワーケーションができる環境を整え、積極的に取り組む考えについて、市の御見解を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 東野商工観光部長。   〔商工観光部長東野敏朗君登壇〕 ◎商工観光部長(東野敏朗君) コロナ禍により、3密を避け、自然を求める観光ニーズが高まっており、ワーケーションは新たな旅のスタイルの1つとして、高山市の観光振興を図る上で重要な要素だというふうに考えております。 市内には支所地域を中心に、自然や温泉など、ワーケーションに求められる多様な資源があり、また、宿泊施設においてはテレワークができる通信環境が整えられつつあります。 今年度、環境省のワーケーション推進事業を活用して、朝日地域と奥飛騨温泉郷地域で2件の事業者が取組を進められており、市では手続や関係者間の情報共有などの支援を行っております。 そのほか、奥飛騨温泉郷地域では2件の事業者がワーケーションができる環境整備に取り組まれております。 ワーケーションは、滞在型、周遊型の観光地づくりに有効なものであると考えており、観光消費額の増加を始め、将来的な移住や交流人口の増加にもつながることから、市内の宿泊施設など、受入側と利用者のニーズ把握などの情報収集や研究を進めるとともに、ワーケーションにつながる観光情報の発信を行うなど、新たな旅のスタイルに対応する観光地づくりを進めてまいります。 ○副議長(松山篤夫君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) これについては、今、話もありました、環境省は、20年度の補正予算で、ワーケーション推進のため30億円を確保し、国立公園のキャンプ場や温泉地の旅館に対し、ワーケーション向けのツアーの実施や通信環境整備に補助を出しているところでございます。 コロナ禍にあって、テレワークが推進されており、大自然の中で仕事をしながら、温泉や登山、魚釣り等、アウトドアを楽しみながら長期滞在することも考えられます。 高山地域だけではない、周辺地域の魅力を全面的に押し出し、力入れることも、今後、市が果たすべき役割ではないかと考えております。 3つ目の質問でございます。 歴史文化遺産の保護と活用について、日本遺産についてであります。 文化庁は、日本遺産を文化財や伝統文化を通じた地域の活性化を図るため、その歴史的経緯や地域の風土に根差した、世代を超えての受け継がれる伝承、風習などを踏まえたストーリーの下に、有形、無形の文化財をパッケージ化して、これらの活用を図る中で、情報発信や人材育成、伝承、環境整備など、取組を効果的に進めると言われております。 点在する文化財を、ストーリーによるパッケージ化することや、地域全体として一体的な整備と活用、国内外への積極的、戦略的、効果的な発信を方向性としております。 現在、日本遺産認定では、これまで、全国104の日本遺産が認定されている状況でございます。 高山市では、平成28年4月25日に「飛騨匠の技・こころ~木とともに、今に引き継ぐ1300年~」として、文化庁から日本遺産の認定をされたところでございます。 日本遺産に認定された当時は、市民が大変喜び、盛り上がったことを思い出しております。 高山市では、飛騨の匠の技に重点を置いたストーリーとなっており、この飛騨の匠制度は、古代における税制制度の中で、飛騨国1国のみに対して特別に与えられた制度であり、飛騨の匠は高度な木材加工や建築技術が高く評価され、税を免じてまでも必要と認められた飛騨の匠の技術であり、飛騨地方から奈良へ出向き、平城京や東大寺を始め、様々な寺院群の造営に参画したと歴史に残っております。 こうした技術や実直な気質は、古代から現在まで受け継がれ、高山の文化と伝統の基礎となっております。 市内には、中世の社寺建築群や近世、近代の木工一門の作品集、伝統工芸など、現代も様々なところで飛騨匠の技と心に触れることができます。 私たちが木と共に生きてきた1300年の高山の歴史を体験する物語とあります。 私は、飛騨の匠を誇りに思いますし、しかし、技術の継承者も少なくなってきているのが現状で、残念なことであります。 そうした中で、日本遺産に認定された「飛騨匠の技・こころ~木とともに、今に引き継ぐ1300年~」におけるこれまでの活用と、その効果をどう検証しているのか、御見解を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 田谷企画部長。   〔企画部長田谷孝幸君登壇〕 ◎企画部長(田谷孝幸君) 日本遺産に認定された飛騨匠の技・こころは、飛騨高山ブランド戦略の4つのキーワードのうちの1つ、匠の歴史的な背景として重要な要素であり、その活用については、庁内関係部署と連携しながら様々な取組を進めているところでございます。 これまで、シンポジウムや講演会、国指定重要文化財を活用したものづくり展示会などの開催、看板の整備、IT技術を活用したコンテンツ整備、日本遺産を生かした伝統芸能ライブの開催などのほか、高山城VR(バーチャルリアリティー)の映像のユーチューブ公開や、飛騨高山まちの博物館におけるアプリを用いた展示にも取り組んでいるところでございます。 これらの取組によって、日本遺産の構成文化財を巡るルートの整備や、飛騨の匠のストーリーが広く浸透するなど、一定の効果が得られていると捉えております。 今後も伝統文化の保存、継承、地域プライドの醸成、地域経済の活性化に向けた取組など、日本遺産を生かした地域づくりをさらに進める必要があると考えております。 ○副議長(松山篤夫君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 日本遺産というと、国府地域の歴まちネットさんの取組も伺ったことがあり、一生懸命に取り組んでみられることを承知しているところでございます。 市民の中には、日本遺産は国府地域だけのことだと感じておられる方もいるそうです。 日本遺産では、国宝の安国寺経蔵や、国重要文化財の飛騨国分寺の本堂、国の天然記念物、国分寺の大イチョウ等、さらに、飛騨春慶、一位一刀彫、高山祭あたりなど、41の構成文化財の中に、国、県、市の有形、無形文化財としてストーリーの中に位置づけられているところであります。 日本遺産に認定されたストーリーの認知度が市民から薄れていると感じているところでありますが、現在、コロナ禍でありますが、コロナ収束後を見据えて、市民全体への意識の底上げをどう図り、活性化するのか、市の御見解を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 田谷企画部長。   〔企画部長田谷孝幸君登壇〕 ◎企画部長(田谷孝幸君) 日本遺産のストーリーを市民の間に浸透させるためには、様々な手段を用いた方策が必要と考えます。 小学校4年生には、毎年、日本遺産の子ども用パンフレットを配付するとともに、今年度開催したものづくり展示会のときのパンフレットを中高生に配付するなど、若年層への浸透も図っております。 また、新年度からは、高山地域に所在する日本遺産について、スマートフォンを利用して楽しみながら巡っていただける日本遺産スタンプラリーを実施する予定としており、多くの市民に活用していただけるよう、広く周知してまいります。 今後も日本遺産に気軽に親しむことができる環境を整備するとともに、ポストコロナ社会として、デジタル技術を積極的に活用するなど、関係課が連携して一層の普及及び活用に向け、取組を進めてまいります。 ○副議長(松山篤夫君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 若年層への浸透、また、スタンプラリーの取組など、様々、日本遺産に対する取組が、今後も推進をしていただきたいと思っているところでございます。 文化庁は、今後、総括評価の仕組みを検討すると言われており、ポテンシャルの高い地域を重点支援地域として認定し、重点的に支援することで、先進モデル構築をすると言われております。 その反面、評価結果により不可となれば、認定取消し制度も導入するということでございます。 高山市は、ポテンシャルが高い地域であるのだと考えております。 文化庁は、日本遺産に対する理解と関心を高めるとともに、各地域における取組の充実を図るため、2月13日を日本遺産の日とすることを宣言しているところでございます。 どうか、コロナ収束後を見据えての市民あるいは旅行者への、日本遺産に認定された意義や活用を広く周知していただいて、飛騨の匠の技術がどれほどすばらしいのか、改めて認識をしていただく機会をつくっていただきたいと考えます。 本市には、現在、国指定の文化財が38件、県指定の文化財が118件、市指定の文化財が781件あり、多くの地域に所在しているところであります。 こうした文化財の保護では、国の文化財保護法や市の歴史文化基本構想などがありますが、昨今、自然災害の頻発化と激甚化により、災害が懸念されております。 とりわけ、火災、地震、水害、台風の心配がされており、大切な文化財の防災対策について、現状の取組について、さらに、各災害に対応した文化財防災マニュアルの策定をする考えはないのか、市の見解を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 文化財を災害から守るためには、まず、文化財の所在や保存状態などを正確に把握する必要があると捉えておりまして、今年度、市内にございます国、県、市指定文化財936件全てを対象に、現状調査を行ったところでございます。 現在、調査結果を取りまとめた上で、文化財の状況を踏まえたデータベースの構築について検討をしているところでございまして、災害リスクの評価や、文化財の防災体制の在り方についても、データベースの項目に含める方向で検討をしてまいります。 ○副議長(松山篤夫君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 今年は、東日本大震災から丸10年を迎えます。 先般も、東北地方での最大震度6強の地震が発生して、寺院などに被害があったとあります。 さらに、近年は豪雨による水害が多数発生しているところであり、文化財の被害リスクをどう軽減するかが重要となっておりますので、一層、計画的な取組をと考えております。 これまでも話させていただいたように、本市には歴史文化財が数多くあり、大変貴重な遺産ともいうべきものがあります。 こうした歴史文化財の調査研究、収集、整理には、大変時間も労力もかかり、しかも、地道な作業が必要であると考えております。 そこで、学芸員による歴史文化財の調査研究や収集、整理にどう取り組まれているのか、また、市には、調査研究や整理がまだされていない歴史文化資料が保管されていると聞きます。 例えば、富田家や勇家にある資料や、支所地域にも資料などがあると言われております。こうした今後の調査や活用方針について、御見解を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 市内にあります歴史資料、まだ未指定の文化財といったものでございますけれども、こうしたものについては、学芸員がその価値ですとか、歴史的な背景、そういったものを調査して、文化財として指定できるかどうかといったことを調べているところでございます。 また、市が所有しております古文書などの歴史資料につきましては、順次、整理、公開を進めているところでございます。 令和2年度からは、飛騨高山まちの博物館において所蔵しております重要な古文書であります高山町会所文書の一般公開を始めさせていただいたところでございます。 全てを公開できるまでには10年ほどかかる見込みでございますけれども、準備ができたところから順次公開をしていく方針といたしております。 今後も専門家の御指導をいただきながら、計画的に歴史資料の公開、活用を進めてまいります。 ○副議長(松山篤夫君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 現状、歴史文化財の調査研究は着々と進められていることは分かりました。 私は、未調査や整理がされていない歴史文化資料も多くあると思います。 学芸員の方は、大変作業が膨大なため、大変だろうなと考えておりますし、ある人は現在の文化財課だけでは、陣容では手が足りないのではないか、もっと人材を登用して、専門的な部署にすべきではないかとも言われております。 歴史文化財等は、本市の財産であると考えております。今後も調査研究、収集、整理や保存に力を入れていただきたいと考えているところでございます。 4つ目の質問に行きます。 聴覚言語機能障がい者の安全・安心について、Net119緊急通報システムについてであります。 昨日、西田議員の質問の中でも取り上げられましたけれども、視点をちょっと変えて質問させていただきます。 Net119緊急通報システムは、聴覚言語機能障がい等により、音声での緊急通報が困難な方が、お持ちのスマートフォンやタブレット端末等の画面操作で円滑に119番通報するシステムであります。 利用者は、緊急時にスマートフォン等から通報アプリを開いて、火事なのか、緊急なのか、また、その他なのかを選択し、また、自宅や外出先で現在地ボタンを押すと、GPS機能により、消防本部の指令センターに位置情報が送られ、緊急連絡することができるシステムであります。 現在、全国の消防本部の多くで運用をされております。 このNet119緊急通報システムを利用するには事前の登録が必要で、説明会での利用規約の確認など、登録をした上での利用になります。 本市では、昨年10月1日から、Net119緊急通報システムの運用が開始されたとあります。 登録状況については、昨日、18名が登録しておられるということがありましたけれども、このNet119を活用して緊急通報した場合の相手とのコミュニケーションなどはどう対応されているのか、また、課題はどのように捉えているのか、お伺いをいたします。 ○副議長(松山篤夫君) 松山消防長。   〔消防長松山孝生君登壇〕 ◎消防長(松山孝生君) 今、議員のほうからお話がありましたように、昨年10月1日から、Net119緊急通報システムを運用開始しております。 これまで、当該システムによる通報のほうはございません。 当該システムに通報を受けた場合、まず、画面タッチで送信された火災、救急等の種別や災害地点を示す地図などの基本情報を確認して、必要な部隊に出動指令を出します。 続いて、通報者から詳しい情報をチャット機能やカメラ機能を用いて収集し、順次、出動している消防隊や救急隊に伝えることとなります。 例えば救急現場では、救急隊員が外国人対応の場合にも使用している処置や観察などを文字や写真で示したシートを活用しつつ、筆談などを交えてコミュニケーションを取りながら活動を行います。 今後の課題は、より多くの対象者の方に当該システムの利便性、有効性を理解していただき、登録者を増やすことと考えております。 登録されていない対象者からは、家族と同居しているため必要としない。スマートフォンなどの登録に必要な端末機を持っていない。また、スマートフォンなどの操作に不慣れで抵抗を感じるといった声があることから、御家族、関係者の御協力をいただきながら、必要に応じ個別訪問するなど、細やかな対応について、関係課との連携を強化した普及啓発を実施してまいります。 ○副議長(松山篤夫君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 緊急システムの利用に当たっては、対象者が323名おみえになることを伺いました。 システムをまだまだ詳しく知らない方もおられるのではないか、また、家族の協力が得られないと、なかなか登録することもままならないこともあるかと思います。 今後、丁寧に幅広く周知をしていただき、もしかのときに、スムーズに利用ができるようお願いをいたします。 さらに、この緊急システムは、観光で訪れている障がい者の方も、地元の自治体で登録されていれば、本市でも利用ができると伺いました。 バリアフリーのまちの観点から、安心して観光を楽しんでいただくためにも、大事なツールの1つと捉えているところでございます。 こうしたICTを活用した意思疎通支援の取組は他にもあります。聴覚障がい者がスマートフォンやパソコンを使って、自宅や外出先からでもオペレーターと通話を通じてリアルタイムでコミュニケーションができる電話リレーサービスであります。 電話リレーサービスは、手話通訳者などの通訳オペレーターが障がい者と健常者の間に入って通話をサポートする仕組みで、パソコンやスマートフォンなど、ビデオ通話機能を通じ、手話や文字で仲介することで、電話による即時の双方向の意思疎通を可能にするものでございます。 この電話リレーサービスが制度化されることにより、聞こえない人の生活も変わり、聞こえる人と同じように、誰に対しても必要な電話をいつでもすぐにかけることができるようになります。 この電話リレーサービスは、聴覚障がい者等による電話の利用の円滑化を図り、公共の福祉の増進に資することを目的として、昨年6月5日、聴覚障がい者等による電話の利用の円滑化に関する法律が成立し、公的な制度として、令和3年度中に電話リレーサービスが開始されます。 聴覚障がい者等への導入に向けて、市の役割について、御見解を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 荒城福祉部長。   〔福祉部長荒城民男君登壇〕 ◎福祉部長(荒城民男君) 市では、これまで聴覚や言語に障がいのある方のコミュニケーション支援としまして、病院での受診や公的な手続を行う際などに手話通訳者を派遣し、意思疎通の手助けを行っているほか、病院などを予約される際には、御本人からファクスやメールで市に連絡をいただき、代行予約などを行っています。 また、今ほど御質問もありましたNet119の運用も行っているところでございます。 今お話しの電話リレーサービスにつきましては、通訳オペレーターを介することで、メールなどのように返信を待つ必要がなく、連絡先の相手と容易に意思疎通を図ることができることから、市としましても、これまでの支援の取組などに加え、市内の聴覚や言語に障がいがある方にとって有効なコミュニケーション手段になると期待しております。 現在、本年7月からのサービス開始に向けてモデル事業が行われており、市内でも利用ができることから、市では、利用の呼びかけやサービスの周知について行っているところでございます。 また、電話の受け手側として、消防本部では、このサービスで緊急通報の対応なども確認をしているところでございます。 このサービスが有効活用されるよう、障がい者団体などの関係団体とも連携しながら周知を図り、聴覚や言語に障がいがある方のコミュニケーション支援に取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(松山篤夫君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 聴覚障がい者等が安心で安全な日常生活を送るには、情報バリアフリーを目指す上で、令和3年度中に公的な制度となり、24時間365日、サービスが提供されるようになります。 本市におかれましても、サービスが開始された場合に利用がスムーズにできるよう、また、サービスが健常者の方にも正しく理解されるよう、普及啓発をお願いいたします。 これで、一般質問を終わらさせていただきます。 ○副議長(松山篤夫君) 以上をもって、山腰議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○副議長(松山篤夫君) 休憩します。     午後1時49分休憩  ――――――――○――――――――     午後1時59分再開 ○副議長(松山篤夫君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○副議長(松山篤夫君) 次に、中筬議員。   〔14番中筬博之君登壇〕 ◆14番(中筬博之君) 早速、質問に入らせていただきます。 まず、移住・定住促進の取組についてと通告をいたしております。 社会の価値観を大きく変えたコロナ禍を踏まえて、まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定時にも議論した人を呼び込むという視点、八次総のまちづくり戦略に掲げる地域産業の担い手確保と生産性の向上という観点から、改めて、移住、定住を考えてみたいと思います。 市は、4月から行政組織を見直し、飛騨高山プロモーション戦略部を設置するとされていますが、長期的な視点に立った移住・定住施策を展開していくに当たり、官民連携の継続的な移住者支援はもとより、地域の受入体制の確立、年代や移住目的に即した制度の構築など、ニーズに応じたきめの細かい取組が必要になってきます。 当然、数も追求しなければなりませんが、その中身にもこだわっていく必要があり、私は、移住、定住といっても、まずは、UIJターン、とりわけ、Uターン移住に重心を置きながら、その先に新規の移住者を迎え入れるというスタンスでいくべきと考えます。 商売の原則として、新規顧客を獲得することより、リピーターを大事にしたほうが費やす経費も、得られる効果も大きいと言われますし、人口減少の中、流出の流れを食い止め、新たな移住者を呼び込むというよりも、キャリアを積んで戻ってきてもらう呼び戻しに力点を置く必要があるのではないかという考えであります。 クリエーティブな業種やスペックの高い人材の自給という視点は、市も意識されているものと見ていますが、高度なスキルやノウハウを獲得し、都会に負けないだけの実力をつけた人材を自給自足する戦略として、移住のニーズに的確に応える働き方のデザインの提案を含め、今のうちから仕込んでいくべきだと捉えています。 これまで、どちらかといえば、対象を若者に特化してUIJターンの推進を訴えてきましたが、スキルの高い、即戦力となり得る熟年層、働き盛りの世代もターゲットの1つとして取り組んでいく必要があるのではないかと感じ始めております。 ここ10年、折に触れ、都会に住む同級生たちと話をする中では、ふるさとに暮らす親が心配で、いろいろと考えているというのが話題の1つに上がるようになってきており、そういう年代になったことを実感するわけですが、年老いた親の介護というのが、自分自身の働き方をも見直す大きなきっかけになっているものと受け止めております。 近年は、見守りロボットなど、便利な機能もあって、まだ、両親がそろって健在という場合はそうでもありませんが、片親を高山に1人残しているというようなケース、いつかは決断しなければと思いつつも、ずるずると結論を先延ばしにしてきている心配事であり、いずれ来る親の介護のために、実家に戻るか、都会に呼び寄せて一緒に暮らすかという究極の選択を迫られることにもなります。 切実な問題です。 コロナ前のデータですが、電通の全国Uターン移住実態調査によれば、Uターンのきっかけの上位は、親の心配というのが25%、首都圏での生活のストレスが28%となっており、ざっくり言うと、働き盛り世代や熟年層は親の介護等、若年層は都会生活のストレスがUターンのきっかけになっているということなわけで、であるならば、Uターン移住のターゲットは、この2つの世代に絞ってもいいくらいだと考えます。 人生100年時代と言われる今、50代、60代はまだまだ頑張れる世代であり、都会で力をつけ、人脈もあって、即戦力となり得る熟年の人材というのは、20代、30代の若い世代と合わせて、大きな狙い目です。 都会で親と同居といっても、住宅事情が厳しく、年老いてからは住み慣れたまちを離れることへの親の抵抗感も大きいと感じます。 事実、都会になじめず、後悔しているというお話もよく耳にするところです。 現実問題として、都会の企業でまだまだ働き盛り、結婚して家庭もある、子どもが学校に通っているとなれば、高山へのUターンは難しいものとこれまで諦めてきましたが、ある意味、コロナによる今の状況はチャンスと捉えることもできるのではないでしょうか。 要は、覚悟とタイミングの問題、市では、そうした分析は持っておられないのか。 介護Uターンというニーズを、移住の1つのターゲットとして、具体的、戦略的に取り組む考えがないか、伺います。   〔14番中筬博之君質問席へ移動〕 ○副議長(松山篤夫君) 田谷企画部長。   〔企画部長田谷孝幸君登壇〕 ◎企画部長(田谷孝幸君) 人口減少が進展する中、当市で育ち、ふるさとへの愛着を持つ方々が、様々なノウハウやスキルを持ち帰り、地元に還元していただけることは、転入者が増え、地域に新たな活力を与える上でも歓迎すべきことでございます。 なお、本市の移住者の状況としましては、平成31年度の移住者のうち、Uターンによる移住は約6割、50代から60代の移住者は2%、また、平成31年度から令和2年度にかけての移住相談カードによる相談者の属性分析によると、移住検討理由として、家庭の事情を挙げられた方は15%となっております。 出身者が地元に帰ってくる理由は、就職、家業を継ぐ、結婚など、人それぞれでありますので、介護Uターンもターゲットの1つと考え、幅広くUターンの促進を図るため、高山在住時における地域や企業などを学ぶ郷土教育の充実や、高山を離れてからのつながりの継続、強化などに努めてまいります。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 50代、60代が2%という数字でしたが、体感的には、もうニーズは間違いなくあるなということを感じております。 そういう迷っている人にアプローチをして、背中をぽんと押すことができれば、結構な確率で成果を上げられるのではないかと感じております。 もちろん、受入れの環境整備も、介護しながら働けるスタイルというものも整えなければなりませんが、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。 次ですが、新しい働き方としてリモートワークに抵抗感がなくなった今、ポストコロナを見据えて、高度なビジネススキルを持った人材の登用、活用にどう取り組んでいくのかと考えたとき、副業という働き方がクローズアップされ、それらが長い目で見たときには、移住、定住につながる可能性を秘めているものと考えます。 近年、副業や兼業を認める企業は増えており、社外で得た経験や人脈を自社の成長や新たなサービスにつなげる狙いもあって、ベンチャー的なものだけでなく、他社での勤務を想定したハイブリッドな働き方として関心も高まっているようです。 そういう中で今、まだまだ新しい概念ではありますが、ふるさと副業という2地域居住のような働き方の選択に注目をしてみました。 都会の企業で働きながら、自分のふるさとにビジネスで関わり、都会で身につけたスキルやノウハウを通して貢献できないかという取組で、地元企業と上手にコラボしなければなりませんが、思いをつないで、うまく展開できないものかと考えます。 少子化に加え、都市部への人口流出、特に若者の流出が止まらない中、地方企業にとっては、産業の継承、ICT関連など、優秀なスキルを持つ人材の確保というのが課題になっているわけで、そこを、ノウハウを持つ域外の企業に頼ってしまうのではなく、この地域にクリエーティブなスキルを蓄積させること、自給することが大事だと言われます。 ふるさと副業は、高山とのつながりの中で自身の能力を生かしつつ、本業とは別の収入を得るという意味においてもやりがいを見いだせる働き方の1つであり、地元企業にとっても、高度な人材を1人雇用するより、人材育成のための時間やコスト面でのメリットも大きいのではないかと考えます。 中には、高山の出身者だけでなく、社会人として転勤で赴任した高山、観光で訪れて気に入った高山に少しでもつながって貢献できればという思い、お金よりも地域貢献という思いをつなぐ関係人口は、即効性は望めずとも、この流れの先に見える将来の移住、定住の可能性も含め、期待が持てるのではないでしょうか。 中には、Uターンして起業するローカルベンチャーという流れにもつながり得るものと考えます。 ふるさと副業によるクリエーティブ人材の確保ということについて、市として、そうしたニーズのキャッチアップから発信まで、あらゆる人脈を使っての働きかけ、プッシュ型の情報発信、マッチングなどに取り組む考えがないか、伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 田谷企画部長。   〔企画部長田谷孝幸君登壇〕 ◎企画部長(田谷孝幸君) 優秀なスキルを持った人材による地方企業の課題の解決などは重要なことであり、高山市産業振興計画において、市内産業の価値、魅力を高め、競争力を強化していくため、ICTや企画、デザインなどのクリエーティブ人材の育成、確保を図ることとしており、これまで、お試しサテライトオフィスの活用やインキュベーション施設の設置などに取り組んできたところでございます。 現在は、働き方も多種多様となってきておりますので、飛騨高山で働く魅力などを積極的に発信し、テレワークやワーケーション、ワークシェア、副業の促進など、議員の御紹介された方法も含め、様々な形で人材の確保を図ってまいります。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 昨日も議論がありましたけれども、市役所におけるDXや情報発信、デザインなどの人材獲得を副業という形で狙ってみるというのもありではないかなということを感じさせていただきました。 働き方改革は、休み方改革でもあり、企業側からいえば働かせ方改革であって、テレワークが日常となった今、わざわざ東京で働かなくても、リゾート地で落ち着いて仕事をするほうが効率も上がるとして、特に、ワーケーションなど、大企業を中心に導入が進み、社員獲得にも寄与していると聞きます。 都会では、メンタルケアが必要なケースも散見される状況下で、非日常の中で、リフレッシュしながら生産性を上げる働き方として、先ほども御紹介がありました奥飛騨温泉郷での、開催された東京の事業者というのもありますし、ポストコロナの働き方のデザインという意味で、面白いなというふうに考えております。 昨年9月には、人材派遣の大手パソナグループが本社機能を東京から淡路島に移し、約4,600人の社員のうち、1,200人が段階的に移り住むという計画を発表され、驚きました。 大企業は、優秀な人材獲得のために、社員の就労環境を整えるのに熱心でもあり、魅力的なバケーションの資源を豊富に抱える高山市として受入体制を整え、アプローチ、全国発信していく意味はあると考えます。 既に多くの自治体が誘致に乗り出している中、高山ならではの自然や文化にとどまらず、子育てや教育、住まいや余暇など、魅力あるライフスタイルの提案までをパッケージで強力発信して誘致に取り組む考えがないか、とりわけ、國島市長のトップセールスにも期待したいわけですが、見解を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) パソナの関係につきましては、私も承知をいたしておりますし、あそこの社長さん、今、会長さんになられますか、過去にも何回かお会いを申し上げておりますし、本社のほうも伺って、いろいろ触れさせていただいている経緯もあります。いろいろお聞きしておりますけれども、先進的なお考えをお持ちでございます。 パソナだけにとどまらずに、最近は大規模災害に対応するということで、本社機能が北陸地方に移転してきているというような現状もある中で、我々といたしましては、やはり大きな企業も含めてでありますけれども、いろいろな企業に対して、本社なり、一番、本社に来ていただくと税金の関係ではありがたいわけでありますけれども、いろいろな機能を当地域のほうに移転していただくというような働きかけは重要でないかなというふうに思っています。 ただ、それに向けては、相当な基盤の整備、あるいはいろいろな私どもが準備しなきゃならないものというのが多くあるかと思いますので、それらの整理を今、企業誘致の関係の部署と、それから、プロモーションをやっている、今、ブランドのところで調べているようなところでございますけれども、それをまとめてやらせていただきたいなと思います。 そこの中に、前段階として、やはりサテライトオフィスというのが大きな力になると思っています。 単純にサテライトオフィスを提供するということだけではなしに、例えば季節型、夏の暑い地域の方はこちらのほうの涼しいところへ来ていただくとか、それから、また、レクリエーション型、例えば雪と親しむとか、あるいは山と親しむというような、そういう気候に合わせたような、そういうレクリエーション型含めて、サテライトオフィスの定着、拡充、拡大というようなことをやはり前段階で考えていく必要もあるのではないかなと考えております。 トップセールスについてのお尋ねもございました。 現在、市といたしましては、経済同友会と連携した事業を、共同プロジェクトを進行させようとしております。 ちょっと今コロナで中断いたしておりますけれども、この経済同友会のところには、主要企業、国内の主要企業の方はほとんどお入りになってみえますので、そういうところとのつながりの中で食い込んでいけたらいいかなというふうに思っておりますし、あわせまして、これまでの10年間、市長として培ってまいりました人脈をもう一度拾い上げてというか、調べ直しながら、それを活用させていただくようなセールスをしていきたいと思っています。 いずれにいたしましても、トップセールスというのはノックをする役目でありますので、ノックしたからにはお答えがいただけるように、しっかりとした整備を、体制を整えていく必要があると思います。 その意味におきまして、また後ほど御質問があるかもしれませんけれども、新たな部署というようなところで、トータルで考えていくような組織をつくって、立ち向かっていきたいと考えております。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 経済同友会との協働という、夢のあるお話も聞きました。 いろいろな働き方がある中で、やはり発信力のある國島市長が、ぜひ先頭に立っていただきたい、そんな思いを強くいたしました。 そして、次ですが、いずれにしても、ゴールというのは移住ではなくて、定住であって、一歩を踏み出すきっかけの提供からスカウトまで、中には地域になじめない移住者へのフォローも含め、分野横断の付加価値の高いプロモーションが必要だと考えます。 高山市の移住促進のための各種支援制度は、どこよりも手厚いわけですが、メニューをそろえて待つだけでは駄目で、高山はいいよというPRにとどまらず、移住希望者と地元企業をうまくマッチングさせる仕組みや背中を押す人が大切で、そこは、行政よりも、民間のノウハウを積極的に活用すべきと考えます。 一番の関心事は、やはり働き方ということになりますので、首都圏では十分に得にくい情報を、希望に添う形で、プッシュ型で提供し、さらに、企業の求人部門に伴走型でつなぐサポートをするコーディネーター、マネジャーとなるべき人材がどうしても必要です。 昨日もそういう議論がありました。 サテライトオフィスの設置までは行政にできても、他市との競合に勝ち抜くためには、戦略と人材が必要で、同じ商品でも、売れるか売れないかの差は、プロモーション力の差だと考えます。 実際に、Uターンした人からの発信も大事です。 ふるさと納税の大幅なアップに寄与しているのは、都会の大手企業でスキルを磨いてきた女性だとも聞きます。 新設されるプロモーション戦略部に望むものは大きいわけですが、全庁分野横断の戦略的な情報発信、コーディネート人材の確保について、市の狙っているところをお聞きしたいと思います。 ○副議長(松山篤夫君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) ただいま私どものほうでは、移住戦略を策定して、また御相談申し上げる予定でおりますけれども、その中では昨日、説明もありましたけれども、飛騨の魅力を伝える、そして、移住者と寄り添う、さらには移住スタイルを支援するというような3つの分野の中で進めてまいるということでありますけれども、これまでの移住対策といたしますと、私どものほうのブランド戦略課がその窓口となっておったわけでありますけれども、相談窓口というようなスタンスでございました。 言ってみれば、コールセンターのようなもので、そこで受けたのを、例えば農政のほうへつなぐとか、商工のほうへつなぐとか、そういう窓口的な業務はしっかりとできておったんですけれども、トータルとして、そこのところでワンストップで対応するということがなかなかできなかったという反省もありまして、今回、移住・定住サポートセンターというようなイメージで、新しい飛騨高山のいろいろなプレゼンスできていけるような、そんな部署をつくらせていただいて、そこがトータルで、ワンストップで事が済むような、そういう形を取らせていただきたいということで、組織編成もさせていただいて、これだけの仕事ではありませんけど、そういう機能を挙げさせていただきました。 しかし、そこにはやはり専門的な知識をお持ちなられる方とか、現場の事情をよく御存じな方というような、そういう方が必要であります。 それはなかなか市の職員として、そこまでスキルがない、あるいは現場をよく知らないという状況もありますので、そういう方々を民間の中で少し見つけていきたい、それを移住コーディネーターというような意味合いで、例えば、農政のほうに興味があって移住を考えてみえる方については、農家の方にコーディネート役をお願いして、そこの方がしっかりとサポートしていただけるというような、そういう移住コーディネーターというようなものも配置していく必要があるんじゃないかなというような思いを持っているわけであります。 いずれにいたしましても、プロモーション活動というのは外へ発信するだけの話じゃなくて、中身もしっかりとつくっていくという、そういう考え方が大事でありますので、それらを基本にした部署を設置させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) ワンストップでの窓口、移住・定住サポートセンター的な窓口という話、また、移住コーディネーターというお話、まさにそのとおりだと思っております。ぜひ進めていただきたいと思います。 最近ですが、夫のUターンについてきたお嫁さんの活躍というのも目立っております。 子育てに照準を絞ったUターン施策で、女性ならではの面白い視点や発想力を生かして、思わぬ効果を生んでいることもあります。 逆に、奥さんの出身地にUターンする嫁ターンという形も、子育てなどで実家のサポートが得られるというようなことがメリットで、一定のニーズがあるようです。 移住は、いずれにしても、人生の大きな転機であり、即断ではなく、じっくり考えての決断となりますが、いろいろな移住の在り方、働き方の可能性を提供するとともに、手厚いフォローで、本当に高山に来てよかったと言っていただけることを一番の動機として取り組んでいただきたいというふうに申し上げたいと思います。 次に、行きます。 遊休資産の活用、処分についてと通告をしております。 コロナによって、これまでの価値観やルーティンが通用しなくなってきている中、市有財産の管理においても、従来の役所の発想やスピード感の転換が迫られているのではないかという質問です。 行政財産としての公共施設については、公共施設等総合管理計画に網羅され、方向性が示されていますが、使用目的のない普通財産、いわゆる遊休資産については、少し遅れ加減ではないかと捉えています。 日頃から行政を見ていて感じることの1つに、どうしても公共性ということを、公平性ということを意識し過ぎて、売るタイミングを逸する、レスポンスであるとか、マーケッティングによる戦略的な攻めの姿勢に欠けるということがあります。 また、適正価格という言葉もよく使われますが、何をもって適正とするのか、一定期間売れなければ格安処分、売れなければ不良在庫として値下げしてでも売るという、民間なら当たり前の原理が働かないということもあります。 公有資産に関して、平成24年に質問した際には、指定管理者制度の導入に合わせて作成した普通財産も含めた公の施設の管理方針というものがあって、遊休資産についても、毎年見直しをする中で、条件がそろい次第、処分するという方針の下、合併直後の平成17年に175件あったものを103件処分して、残り72件になったという答弁もいただいております。 その後、昨年3月に策定された公共施設等総合管理計画及び行政経営方針において、行政財産については大きく踏み込んでいただいたと受け止めていますが、普通財産について、実際の洗い出し、あるいは処分の進捗状況というのはどうなっているのか、現状を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 上田財務部長。   〔財務部長上田和史君登壇〕 ◎財務部長(上田和史君) 未利用の普通財産の処分についてでございますが、平成24年の一般質問でお答えをいたしました72件、これにつきましては、そのうち処分したものがある一方で、行政財産を整理して普通財産としたものというものもございます。そういったことから、プラスマイナスで、現時点では74件となっているところでございます。 これら未利用財産につきましては、売却など処分に努めているところでございますが、なかなか進まないというのが実情でございます。 洗い出すという点でございますが、普通財産につきましては台帳で管理をしておりまして、特に土地につきましては随時、現地調査などを行って、売却の可能性について検討しているところでございます。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 行政経営方針には、未利用資産の活用や処分として、市が保有する未利用資産を有効活用するため、資産の状況、特性を踏まえた上で、最も効率的、効果的な手法により活用や処分を進めますとされていますが、最も効率的、効果的な手法、言われていることは間違っていないわけですが、具体的にはどんな手法なんでしょうか。 貸付収入が入る土地はともかくも、それであっても適正な金額で貸し付けされているのか、ずっと過去のものを引きずっているのではないかと気になっていますが、精査は必要だと考えます。 市の管理方針の中ではどんな扱いとなっているのでしょうか。 また、売却についても、固定資産税の評価額ではなく、実勢価格で売却すべきと質問したのに対し、実勢価格を加味した適正価格で売却云々という答弁をいただいてはいますが、評価額と実勢価格に大きな乖離がある中で、この時代になっても市の考え方は変わらないのか、伺っておきます。 ○副議長(松山篤夫君) 上田財務部長。   〔財務部長上田和史君登壇〕 ◎財務部長(上田和史君) 普通財産の活用、処分に当たりましては、普通財産の有効活用に伴う基本方針、これは行政財産としての用途が廃止された未活用の建物についての方針でございますが、この方針に基づきまして、処分も含め、有効活用を図ることといたしているところでございます。 土地につきましては、今後、市で活用する見込みがない場合は、基本的には処分、それができなければ貸付けをするというのを基本的な方針といたしております。 貸付けや売却をする際の適正価格についてでございますが、まず、普通財産の貸付けにつきましては、普通財産貸付料算定要領に基づきまして、相続税課税標準額をベースに、要領で規定している係数を乗じて算出をいたしております。 売却に当たりましては、高山市普通財産売却物件の標準価格算定基準、これに基づきまして、固定資産税評価額や不動産鑑定評価額などから適正価格を算出いたしまして、最終的には市有財産評価委員会に諮り、決定をしているところでございます。 また、この算定基準につきましては、過去に価格が折り合わないため購入を断念するというようなケースも散見されたことから、より市民の立場に立った売却を進めまして、その土地の経済的価値を発揮、向上させることを目的といたしまして、公売開始からの経過年数に応じて価格を下げるなど、必要に応じて見直しを行ってきたところでございます。 地方自治法に、地方公共団体の財産は、適正な対価なくしてこれを譲渡もしくは貸し付けしてはならないという規定もあることを踏まえますと、先ほど議員御紹介の実勢価格を加味した適正価格で売却という考えは、その考え自体は変わっておりませんけれども、貸付価格、売却価格の算出方法について、現時点で見直す方法はないとは考えておりますが、必要に応じては、これまでも、今後も見直しを行っていきたいと思っております。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 市有財産というのは、役所の財産ではなくして、市民の財産ということであります。 合同庁舎建設に伴い、国から替地として引き受けた土地の活用方法については、12月議会で有効活用を検討しているという答弁もありました。 中には、売れそうな土地や使えそうな土地もある一方、見込みのない土地も、どうしようもない土地もある。そういうものは、遊ばせておくくらいなら、やはりきちんと説明のつくルールを定めて、あるいはルールを変えてでも処分するということについては、市民にも理解はいただけるものというふうに考えます。 条件がそろい次第云々ということもありますけれども、今の時代、おいしい話など、そう簡単には転がり込んで来ない中、どこからから声がかかるのを待っているのではなくして、場合によっては、ルールを変えてでも、積極的に処分するというのが株式会社高山市ということではないんでしょうか。 民間企業は常に必死で、特に今、コロナ禍にあって、死ぬか生きるか、全てをゼロベースで模索しております。 コロナによる税収の減少が見込まれる中、多くの巨大事業は先送りされるようですが、必要となる財源確保のためにも、身を軽くしておく必要はあるのではないでしょうか。 財政緊縮の中、財布のひもを締める、守りの姿勢というのも理解はいたしますが、今、何に注力すべきと考えているのでしょうか。 ふるさと納税の使途のように、ストーリーが必要ではないかと考えます。 また、市民のモチベーションを考えたときに、地価下落の中で、リスクを取ってでも攻める戦略的投資という希望も必要なのではないでしょうか。 令和3年度、地域経済再生型予算に込められた思い、改めて株式会社高山市の戦略を伺いたいと思います。 ○副議長(松山篤夫君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕 ◎副市長(西倉良介君) 普通財産の処分についてです。 適正な価格設定、また、売却先についても、公平な選定が必要だというふうには考えております。 用地売却のために公募をかけるような場合でも、用地測量などの費用もかかるため、売却できる目途のない土地の積極的な処分については一概に進めることができない場合もございますが、土地を貸し付けしている利用者の方など、機会あるごとに購入の意思がないか、あっせんしているところでございます。 今後も、機会あるごとに、売却などの働きかけは行っていきたいというふうに思っております。 説明のある、説明のつくようなルールの見直しというようなお話もございました。 これまでも、先ほど担当部長が申し上げましたとおり、できる限りのルールの見直しをする中で、有効な土地の活用、処分については検討しております。 今後も引き続き、そういった意向は持っておりますので、よろしくお願いいたします。 また、戦略的投資という点でございますが、これにつきましても、各種事業の具体的な計画に併せて、必要となる土地を事業用地として確保する、これが基本的には大事なことだというふうに思っております。 目的が明確でない土地の取得、そこまで踏み込むということは、なかなか行政の中では難しい状況がございます。 ただ、お話のように、ある程度、戦略をつくっていく中で必要な土地を目指していくことは必要だというふうに思っております。 その戦略をいかに築いていくのかということが大事ですし、またそういったものを、いつ、そういった判断をしていくのかということについても慎重な判断は持たせてもらいたいというふうに思っております。 なお、民間の遊休地の有効活用というような点につきましても、今後も、お話のように、将来的な都市構造を踏まえた土地利用の推進、そうしたものをしっかりとやはり図っていく所存でおりますので、お願いいたします。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 私、この質問の中では、やはりどうしても駅西を意識します。 今、高山市民文化会館の建物の敷地は借地ですよね。毎年3,500万円というお金を何十年も払ってきているということもあって、やはりそこは戦略的にということも意識をして申し上げました。 今朝ほど、岩垣議員からもありましたが、公共的な財の投入で地域に光を見いだしていくということが、こういうときだからこそ大事なんだというお話。市民から、頼りにされる行政、期待される高山市という意味を込めて質問させていただきました。 次に、行きます。 保育現場の負担軽減と保育の質の確保と通告しております。 子どもを大事にすることは、まちの未来をつくることにつながると言われます。 新型コロナウイルス感染症の影響は、市民生活のあらゆる場面に及んでいますが、幼児教育、保育の現場にも負担が大きくのしかかっていると感じています。 子どもや保護者らが頻繁に出入りする保育園や幼稚園では、国のガイドラインに沿って消毒作業を始め、感染防止対策が徹底して繰り返されていますが、他県での保育施設のクラスターの例のように、休園ともなれば、学校の休校よりも影響が大きい、何かあってはいけないと、ただでさえ多忙な保育職員の負担が一段と重くなっています。 どれだけ細心の注意を払っていても、リスクを完全に取り除くことは難しく、手をつないだり、抱き上げたりと、子どもたちとの身体的接触が避けられない仕事でもあり、目の前でくしゃみやせきをされることもあると聞きます。 それでも、ほかの子どもや先生と触れ合うことは、子どもの健やかな成長に欠かせないわけで、感染リスクにさらされながらも、献身的に職責を果たそうと奮闘する保育士さんを始めとする現場の状況、コロナによる負担増の実情について、市は把握されておられると思いますが、その中身について伺います。 あわせて、新年度予算には、保育園の感染症対策のための備品購入の補助金が計上されているのみですが、市の裁量で、ワクチン接種の優先順位を上げるとか、もっと踏み込んだ対応の考えはないのか、見解を伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 荒城福祉部長。   〔福祉部長荒城民男君登壇〕 ◎福祉部長(荒城民男君) 保育園における新型コロナウイルス感染症対策としましては、お話にもありましたように、登園時の健康チェックを始め、手洗いや消毒の徹底、また、定期的な換気、給食時のパーティションの設置など、様々な対策を行っているところでございますが、そのような中で、精神的な負担を感じている保育士もいると認識しているところでございます。 現場での負担軽減の取組としまして、これまでも保育園においては、保育や行事の方法などについては見直しを進めてまいりましたが、この新型コロナウイルス感染症の対応を含めました、さらなる見直しに取り組んでいるところでございまして、毎月開催する園長会の場において、それぞれの園での取組の紹介や意見交換などを行っています。 また、その内容は、市内の他の保育園にも情報共有して、市全体で保育園の負担軽減に努めているところでございます。 ○副議長(松山篤夫君) 橋本市民保健部長。   〔市民保健部長橋本宏君登壇〕 ◎市民保健部長(橋本宏君) 保育士のワクチンの接種につきましては、現時点ではワクチンの優先順位ということで、医療従事者、高齢者、基礎疾患のある方、高齢者施設の従業者に対して優先的に接種するということとされております。 これ以外の方につきましては、今のところ優先順位は示されておりませんが、今後、国や県の方針等も注視をしながら、感染リスクの高い業種の方などへの優先接種については市の判断で対応できるようになれば、柔軟に対応してまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) ある方が、ワクチン接種の優先順位について、自分は65歳以上の高齢者だけど、後回しでいいので、保育士や教員など、日常的に感染のリスクを背負いながら頑張ってくれている人を優先にしてほしいというお言葉をいただきました。 市の裁量がどこまで許されるのか分かりませんけれども、そういうお気持ちがあるということはお伝えをしておきたいと思います。 次に行きます。 保育ニーズは高まっているのに、保育の仕事に対する社会の理解が意外と追いついていなくて、極端な話が、子どもと遊んでいて給料をもらっているというような無認識が保育士のモチベーションを下げています。 近年増えている3歳未満児などは、朝、泣きじゃくる幼い子ども親から引き剥がし、背中に1人おんぶしながら、もう一人をだっこしてあやすというような状況だと聞きます。 自分の孫を見ていて感じますが、機嫌がよくなくてぐずるときは、母親であっても手を焼くことがあるわけで、それを保育のプロとはいえ、保育士という他人が必死に支えている現状、母親がお迎えに来たときには、ただ、泣き疲れて眠っている子どもを見て、さすが保育士さんはすごいと褒められても、素直には喜べないときがあるというお話も聞きました。 誤解を恐れずに言えば、母親もある意味、子どもと1日中一緒にいるよりも、働いていたほうがストレスもなく楽なのではないかと感じることもあるほどです。 もちろん、子どもを預けて働くのはそれなりの理由があってのことですが、せめて3歳になるまでは子どもにとっても大切な時間であり、我が子を抱きしめてあげてほしいという保育士さんの声もお聞きするところです。 そうした子育て論は別として、離職者が多く、経験年数の浅い保育士が多い中、専門性が保てるのかという保護者の声、意外と知られていない保育現場の御苦労の把握と保育の質の確保について、現状、ニーズに応え切れているのか、市の受け止めについて伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 荒城福祉部長。   〔福祉部長荒城民男君登壇〕 ◎福祉部長(荒城民男君) 保育現場においては、日常業務として、子どもの保育に係る対応を始め、保育日誌など、各種書類の作成や、保護者とのやり取りなどを行っているほか、現在の新型コロナウイルスへの対応や未満児の途中入園の対応など、様々な業務を行っているところでございまして、その状況につきましては、常に園とやり取りをしながら把握をしているところでございます。 保育の質の確保につきましては、保育士の中には結婚や出産、その節目を機に退職される方もいらっしゃることから、なかなか人材が育たないというような課題を持つ保育園もありますが、ベテランの保育士が若い保育士をサポートしたり、保育の実践の中で指導、助言するなどして、質の確保に努めているということで、ニーズには応えていると考えております。 また、市の保育士は、県が開催するキャリアアップ研修を始め、年代や職階に応じた研修に積極的に参加し、個々の能力向上に努めています。 市におきましても、市内の保育士や療育事業者などにも参加していただく保育の実践報告会を開催し、効果的な保育や課題の解決方法などについて共有するなど、市全体の保育の質を高める取組を行っているところでございます。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) それぞれの園の御努力で何とか支えてくださっている、何もやっていないということではないということは分かっております。 それらを踏まえて、保育士の支援、あるいは負担軽減ということについて、何点か伺っていきたいと思います。 保育需要の高まりによって、コロナ禍以前から、配置基準というのは満たしていたとしても、現場での保育士というのは足りていないという印象を持ちます。 市が保育士確保プロモーションというものを打ち出されたのはそういう意味だと考えますが、プロモーションによる新規採用ももちろん大事ですが、現有の保育士の離職防止ということのほうがもっと大事なのではないかと感じます。 課題は何なのか、離職の多い職場には何らかの問題があるのではないかと、民間移譲された保育園であっても、市は踏み込んで原因を調査するくらいの姿勢があってもいいのではないか。中には、人間関係による離職ということもあろうかと思いますが、行政として、逃げずに立ち入って、解決する姿勢が欲しいと考えます。 保育士確保と離職防止について、市の取組と考え方を伺います。 あわせて、離職された保育士さんの中には、二度とやりたくないという方もいるにはいますが、やりがいを感じながらも、結婚や出産などによってやむなく離職したという方も多く、即戦力になり得る経験者なわけで、柔軟な働き方の工夫はいろいろあろうかと考えます。 現状でも努力されているのは理解しているつもりですが、子育てや介護のための短時間勤務など、これまで以上に柔軟な働き方の提案による保育経験者の復職支援について、現状における取組と今後の展開について、市の考えを伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 荒城福祉部長。   〔福祉部長荒城民男君登壇〕 ◎福祉部長(荒城民男君) 保育士確保の取組につきましては、これまで、PR動画を作成しインターネットで配信する取組や、中高生を対象に保育士養成大学へのバスツアーを実施するなど、若い世代に保育士を目指していただく取組などを行ってきました。 離職防止につきましては、処遇改善の取組を始め、保育現場のモチベーションアップに関する研修会などの参加について、市内の私立保育園の保育士を始め、市全体として取り組んでいるところでございます。 また、潜在人材の復職支援につきましては、保育の仕事体験会につきまして、退職された保育士の方にも参加をいただき、現場に触れたり、直接保育士のお話を聞いていただくなど、復職のきっかけづくりの取組を行っているところでございます。 この潜在保育士につきましては、現場経験者でもあり即戦力となるということで、復職支援についても力を入れていきたいと考えており、議員からもお話がありましたような、柔軟な勤務体制のことも含めて、また、登録制度など、他市の事例も含めて研究をしてまいりたいと考えております。 新規確保、離職防止、復職支援として、様々な事業を展開しながら、人材育成、職場環境の改善も併せて取り組んでいくことで、保育士確保の推進を図ってまいりたいと考えているところでございます。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 保育士の退職理由の中で、どうしても触れなければならないのはやはり給料の問題だと考えます。 これまでに何度か処遇改善は図られてきましたけれども、まだまだ水準が低いと感じますし、低賃金のまま、責任だけが重くなっているという印象を受けます。 今は全く別の職業についている元保育士の男性から聞きましたが、子どもたちにも好かれて、多忙だったけれども、やりがいはあった。ただ、給料がきつくて転職を決断したと言われます。 保護者が安心して子育てと仕事を両立させるためには、保育サービスの充実は不可欠であり、保育士不足を解消し、保育士が専門職として安心して長期間活躍できるよう、社会的地位の向上や、さらなる処遇改善、民間保育園であっても、市が賃金水準にまで関わっていくということは必要だと考えます。 コロナ禍にあって、働くお母さんを支える大事なエッセンシャルワーカーとして、命を預かる仕事として、医療従事者や介護職員らと同じように、保育従事者に独自で慰労金、応援金を出している自治体もあります。 検索すれば幾らでも出てきますが、倉敷市、旭川市、郡山市、徳山市等、保育士1人に5万円とか、10万円の支給、中には商品券を支給している自治体もあります。 金額は別として、大切に思われているという実感はモチベーションにつながります。市独自のさらなる処遇改善と応援金、慰労金の支給について、市の考えを伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 荒城福祉部長。   〔福祉部長荒城民男君登壇〕 ◎福祉部長(荒城民男君) 私立保育園で働く保育士の処遇改善につきましては、国の制度に基づき、通常ベースで引き上げられる給与水準にさらに上乗せする形で毎年給与の引上げを実施し、平成29年度からは、職場内で中堅の立場にある保育士を対象としたキャリアアップ支援の処遇改善の取組も併せて行われており、月額で9,000円から4万円以上の賃金アップが図られているというところでございます。 こうした処遇改善の取組により、保育現場からは、保育士のスキルアップや就労意欲の向上が図られたほか、職業としての保育士のイメージアップが図られたことから、保育士確保や離職防止にもつながっているといった意見を伺っており、引き続き推進してまいりたいと考えております。 また、新型コロナウイルス関連の保育園への支援としましては、感染症対策備品等の購入や施設改修のほか、臨時休園期間中の運営費についても減額がされないという特例措置がされたところでございます。 そのような中で、議員からお話のありました市の独自の処遇改善や慰労金、応援金の支給につきましては、現状、ちょっと難しいと考えているところでございます。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) いろいろお聞きしてきた中で、退職理由の2番目というのは、やはり仕事量が多いこと、労働時間が長いことが挙げられます。 特にコロナ禍にあっては、机や椅子、遊具など、拭いても拭いても切りがないという現場の声に耳を傾け、保育補助者の積極活用や、消毒や清掃作業などを外部委託することなども検討されるべきと考えます。 学校にはスクールサポートスタッフの配置が予定されていますが、保育の現場ではどんな取組がなされているのでしょうか。 資格がなくて、担任を持てないにしても、保育士の様々なお手伝いができる保育補助者という存在は、現場では歓迎されると考えますが、決算を見ると意外と導入が進んでいないのは、経費の自己負担や勤務時間の制約の問題だと捉えています。 そこを市として手だてする考えというのはないのか、伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 荒城福祉部長。   〔福祉部長荒城民男君登壇〕 ◎福祉部長(荒城民男君) 保育補助者につきましては、保育士の補助的立場で業務に当たることで、保育の現場の負担の軽減をできるようということで、市では、保育補助者の雇い上げにかかる助成制度を実施しているところでございます。 この制度は、補助基準内であれば、その経費を国、県、市が全額負担しております。 また、これまでは保育補助者の勤務時間が原則週30時間以内となっていたものが、令和3年度からは制限がなくなる予定であることから、より活用されると考えております。 私立保育園におけるこの制度の活用につきましては、各園の実情も把握しながら、働きかけを行っているところでございますが、令和3年度は、8園で11人分の要望を受けており、必要とされる園については、しっかり活用がされていると認識しているところでございます。 今後も園側と情報交換をしながら活用を推進し、保育現場の負担軽減につなげてまいりたいと考えております。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 令和3年度から要件が緩和されるということも聞きました。ぜひ期待をしたいと思います。 次ですが、一昨年、10月から始まった幼児教育・保育の無償化、これは大変喜ばれているわけですが、保育の現場からは、事務負担が増えたことに対する困惑の声もお聞きをしてきました。 今、小中学校におけるICT化は、GIGAスクール構想によって急加速していますが、保育の現場においても、非接触、非対面でできることはICTで行い、子どもに対する本来の保育士としての仕事の時間を確保するために、積極的に導入を進め、負担軽減を図るべきと考えます。 子どもの登園の管理や予防接種を含む健康の管理、あるいはお昼寝の管理など、園児の情報管理のほか、人の出入りの管理であるとか、保護者への連絡など、園内での情報共有、保育士の勤務シフトの作成、給与計算などの労務管理のほか、個々の子どもの育ちの記録を写真や動画によって見える化するなど、あるいは電子教材の活用はもとより、質の高い教育保育に資するものと考えます。 また、保育士らの、キャリアアップのための各種研修のオンライン化など、受講しやすい環境整備の推進もICTにより可能となっています。 働き方改革とは、仕事の負担軽減を進めることです。ICT導入による保育現場の負担軽減やスキルアップについて、市の考えを伺います。 ○副議長(松山篤夫君) 荒城福祉部長。   〔福祉部長荒城民男君登壇〕 ◎福祉部長(荒城民男君) 市内の私立保育園では、業務の負担軽減のために、保育日誌や保育計画書、園児の個別記録等の作成を支援する保育システムや昼寝中の園児の安全確認を行うセンサー機器の導入などが進められています。 また、幼児教育・保育無償化の制度開始に際して、私立保育園における業務負担の軽減として導入支援を行ったパソコン機器等も活用いただいているところでございます。 システムを導入されている園からは、保育の記録作成や管理がスムーズにできるようになった。子どもと向き合う時間の確保につながったなど、導入の効果についてお聞きしているところでございます。 公立保育園におきましても、ICT導入について推進していくこととしており、私立保育園から情報をいただきながら、導入について研究を進めているところでございます。 ICTの活用として、コロナ禍において、市内の保育士などを対象としたスキルアップ研修会等をオンラインで開催するようになりましたが、こういった取組を通じて、保育行事や保護者とのやり取りなどに生かせるよう検討しているところでございます。 今後もICTの活用に取り組む中で、業務の負担軽減や保育のスキルアップにつなげてまいりたいと考えております。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 一部の私立保育園の中での導入事例というのはあるのだというふうにお聞きをしました。 本来あるべき保育士の保育の仕事の確保のために、ぜひ導入を、積極的導入をお願いしたいと思います。 最後ですが、外出自粛の中、育児への不安やストレスを抱える母親が増えてきているようです。 母子が家の中に閉ざされた空間で過ごすことにより、産後鬱やマタニティーブルーのリスク、DV、児童虐待の懸念など、保育に限らず、妊娠中や出産後の感染不安、祖父母のサポートが受けられない中での育児不安などに対し、きめの細かいサポートが不可欠です。 園からは言いにくいこともあるのかもしれませんが、コロナ禍にあっては、ここを丁寧に対応する必要があると考えます。保護者のサポートについて、市の取組を確認させていただきます。 ○副議長(松山篤夫君) 荒城福祉部長。   〔福祉部長荒城民男君登壇〕 ◎福祉部長(荒城民男君) 様々な問題や悩みなどを抱えていらっしゃる保護者への支援につきましては、保育園との連携も含め、子ども発達支援センターが窓口となって相談支援、家庭訪問、関係機関との調整など、保護者に寄り添った支援を行っているところでございます。 コロナ禍において、センターで対応する相談件数につきましては大きく増加をしている状況にはありませんが、悩みを抱えながらも、なかなか相談することをためらう保護者が潜在的にいらっしゃることが課題と認識しているところでございます。 お一人で悩みを抱え込まず、気軽に相談に来ていただくことや、電話、メールでも対応することなどについて周知に努めるとともに、民生児童委員、学校、保育園、幼稚園などと情報共有をする中で、支援が必要な家庭の把握にも努めてまいりたいと考えております。 また、今年度から健康推進課に設置された母子健康包括支援センターと子ども発達支援センターが連携し、妊産婦健診、乳幼児健診などを通じて、妊娠や育児に不安を抱える母親などの早期発見、早期支援にもつなげているところでございます。 引き続き、関係機関と連携を図りながら、不安や悩みを抱える家庭へのきめ細かな、支援について行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(松山篤夫君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 子ども発達支援センターなど、そういう相談窓口に来られる方は、やはり大丈夫だろうというふうに思いますが、そこが潜在化してしまわないかというところが懸念するところであります。 アンテナとサーチライトをきちっと強化していただいて、子どもたちの未来をしっかり照らしていただきますよう、お願いをいたします。 最後に独り言を言おうかと思いましたが、やめて、これで一般質問を終わります。 ○副議長(松山篤夫君) 以上をもって、中筬議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○副議長(松山篤夫君) 休憩します。     午後3時05分休憩  ――――――――○――――――――     午後3時14分再開 ○議長(倉田博之君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ――――――――――――――――
    ○議長(倉田博之君) 次に、伊東議員。   〔6番伊東寿充君登壇〕 ◆6番(伊東寿充君) 本定例会、一般質問最後の登壇者というふうになりました。大変、皆様お疲れのところとは思いますが、そういった中、大変心苦しくは存じますけれども、通告内容につきまして、初日、最初の小井戸議員のされました一般質問と重複する内容があります。私なりの課題抽出であるといった点と、取組が全庁的、市民全般に及ぶものであるといった重要性から、考えについては述べさせていただきたいと思いますので、御容赦いただきたいというふうに思います。 2番の質問に関しましては、昨日、小井戸議員の質問で御答弁いただいておりますので、理事者の答弁に関しましては不要というふうにさせていただきたいと思います。 それでは、通告に基づき、一般質問を始めさせていただきます。 全国的に喫緊の課題となっております、デジタル技術の社会的な実装につきましては、これまでも触れてまいりましたが、コロナ禍においては、ますますその脆弱性と遅れが、国民サービスの滞りや公平性担保の弊害といった形で顕在化した結果となりました。 抜本的な改革に声が高まる中、国では、デジタル庁の新設を始め、まさに、急ピッチで行政業務はもとより、社会全体のデジタル変革とデジタルトランスフォーメーションが進められているところであります。 政府は、これまでにも骨太方針や、IT新戦略等において、指摘されてきた内容をまとめ上げ、昨年12月25日には、デジタルガバメント実行計画、デジタル化社会の実現に向けた基本方針が閣議決定され、それに基づき、自治体デジタルトランスフォーメーション推進計画も同日策定されたところであります。 これまで、資金的、人材的にも前向きな取組ができなかった、あるいは遠い空の下の話と、当事者意識のなかった地方自治体においても、急転直下、確実な推進を図らねば成長戦略の潮流には乗れない結果となる状況にあります。 経産省の定義によれば、デジタルトランスフォーメーションとは、データやデジタル技術を使って、顧客視点で新たな価値を創出していくこととあり、自治体においての顧客とは市民であります。 すなわち、市民の利便性向上や行政業務の効率化がもたらす結果としての充実したサービス、または、地域課題の解決等に端を発する取組となるものでなくてはならないと捉えております。 その手段として、書類や機器のデジタル化やデータ活用が必要なわけでありますから、部分的なデジタル化においては、デジタイゼーションとして区切られるのが一般的で、市が成長戦略に位置づけするICT、AI、RPAの導入や、教育現場でのタブレット端末導入等が、これに当たるというふうに思っております。 そして、これらデジタルツールを活用し、業務プロセスの変革や、新たなモデル創出によって業務フローの最適化が行われ、組織の生産性を高めるノウハウが蓄積できる状態は、デジタライゼーションと位置づけられ、デジタイゼーションとはまた質の違う取組になります。 それらの要素が目的とするデジタルトランスフォーメーションを可能にすると捉え、決して、機器や技術の導入のみがこれに当たるとは考えていけないのだと感じています。 このように、質の違う複数の取組の下、自治体DXを推進する際には、全庁的、横断的な取組はもとより、それ相応の組織体制の構築がまずは必須の課題として挙げられます。 少なくとも、自治体CIOや補佐官の下、統計や業務データ等の客観的な証拠に基づく政策立案をするEBPM担当部署のほか、システム構築や運用管理業務、セキュリティ対策、情報ネットワーク警備、ウェブ管理、システム調達、窓口業務、意識醸成、人材育成等、枚挙に暇がないほど、様々な取組がDXの推進と密接に関わってくる以上、それに伴う行政改革が不可欠であり、根本的な組織再編の必要が生じてくるとさえ感じています。 加えて、本年9月より始動するとされているデジタル庁新設に合わせ、その所掌事務にまつわる業務をどのようにこなしていくのかといった点においても、より効率的で効果的な取組となるような想定が必要となってくるのではないでしょうか。 他市においては、情報政策課を先んじて設置している自治体も多数見られ、中には、情報政策部として、関連施策の多くを所管すべく、以下、情報政策課、DX推進課、ウェブ管理課、情報システム課などを設置済みの地方自治体もあります。 一方、高山市の現状においては、昨日、係での対応をしていくというような答弁がありましたが、事の大きさに対しましては、十分な組織体制が構築されているとは言い難く、御指摘いたしました課題についての御見解をお伺いいたします。   〔6番伊東寿充君質問席へ移動〕 ○議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) お答えさせていただきます。 今求められているのは、国、県、市、それぞれ自治体含めてでありますけれども、デジタルガバメントであります。 これは、今ほど議員が御説明されたように、住民や企業にとって利便性の向上、これをどう地方自治体は推進していけるのかと、その役割をやはり担っていくべきでないかというところであろうかというふうに思っています。 その前段階として、簡易的なデジタル技術を導入したり、あるいは地方行政内の業務の課題解決のために利用したりということがありますけど、究極はやはりお話のとおりだと思います。 そのためには、官と民がやはり同じ方向を向いて、そして、連携しながら進めていくと、これは大事なことでないかなと思っておりますし、昨日も答弁させていただきましたような、デジタルデバイドというような、弱者をなくしていくという考え方、これもやはり大事なものではないかなというふうに思っております。 今ほどデジタル推進係というような組織でいいのかという御質問でございますけれども、まずは、専門的にスタートさせるという意味合いで係からスタートさせていただきたいと思っております。 国が今後、デジタル庁というような形の中、それから、県においても、それなりの組織というのはできるようでございますので、そちらのほうとの連携を見合いながら、逐次これは多分、増設といいますか、充実していかなきゃならないだろうなと思っております。 そういう中で、やはり我々が一番考えなければいけないことは、今国が進めておりますSociety5.0でございます。 いわゆる、サイバー空間と、それから、フィジカル空間、いわゆる仮想空間と現実空間、これを高度に融合させるということが今、一番の目的になっております。 この時代に即した、やはり行政が必要であろうと。どちらも、仮想空間も必要だし、現実空間も必要だという、どちらも必要だという中において、どう捉えていくかということを考えさせていただく機会を今、スタートさせたいというふうに思っております。 その意味においては、これから、迷いながら担当者も進めていくと思いますけれども、議員さん始め、市民の皆さん方のいろいろな面での御指導を賜ればありがたいと感じているところでございます。 ○議長(倉田博之君) 伊東議員。 ◆6番(伊東寿充君) Society5.0のお話まで頂戴できたということで、今後、おっしゃるとおり、柔軟にこれを進めていっていただきたいなというふうに思っております。 スモールスタートといえば聞こえはいいわけで、これは逐次、軌道修正のしやすさというところにこのやり方の利点があることを踏まえていただきまして、必要な組織体制の整備には、年度の区切り等は意識せず、常駐タスクとして、これに取り組んでいただきたいというふうに思っております。 しかし、これらの業務の内部だけの知見で進めることも、この先ますます比重と重要性が増すデジタル人材を安定して確保していくことも、計画的な任用、育成プランがなくては、DX推進どころか、その起点さえも見失うことにならないかとの懸念が生じます。 デジタル人材の確保、育成については、昨年の質問においても産業育成や理系Uターン者の活躍の場としての視点からもさせていただきましたが、御返答としては、サテライトオフィス等によるITベンダーやクリエーティブ産業の誘致を積極的に行うとのことでありました。 現状課題に対する体制づくりとしては、いささか、確実性と成果回収までのスピード感に欠けるものであると感じていますし、またそのフィールドも異なっております。 この取組をもちろん促進させていただきつつ、庁内的にはより確実性の高い人材確保と育成を進めていかなくてはなりません。 そのための方策として、自治体CIOに対し、技術的な助言や制度設計を進言できる外部専門人材としてのCIO補佐官を設置することについては、国も積極的な採用を検討すべきとし、その支援体制として、デジタル庁主導の下、都道府県と連携して、複数市町村での業務も視野に入れた任用等の推進への支援の仕組みが構築される見込みであり、市単での調達が困難な場合には、こういった方策、あるいは地域情報化アドバイザー制度等の活用にもアンテナを張っておき、周辺自治体との協調した動きをつくる必要もあるのではないかと考えています。 また、これまでのレガシーシステムを客観的に排していける視点づくり、こういった重要性からも、外部専門人材の任用は、当然、前向きに検討すべき課題として浮上するものであると考えております。 庁内的な人材育成に関しても、今後は、デジタル庁との対話、研修、人事交流などのメニューが恐らく提示されることと思いますが、いずれにせよ、必要となる取組であれば、今できることを先んじて進めていくべきですし、先述いたしましたように、DXの推進には、行政業務全体の効率化やプロセスの見直しを行わなければならないこと、そして、その目的は、より市民サービスが充実することにあるわけでありますので、現場と市民に通ずる職員お一人お一人の正しい理解とモチベーションがなくては、デジタルトランスフォーメーションの本質的な目標に到達することはできないものと感じています。 全体像を把握しつつ、より積極的に、全庁的な意識醸成に取組、共通の到達イメージを持つといった素地づくりが必要とされているのではないでしょうか。 ここまでが、2番の質問の内容であります。 今ほど御提案させていただきました、検討や準備に対して、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、市はどのような具体的目標と計画を持ってこれに取り組もうとしているのかといった点であります。 DXの推進においては、情報システムの標準化、共通化が1つの条件となってきますので、ひたすら独自路線を行くといった取組となっては無駄が生じます。 少なくとも、職員を含む利用者の意見やニーズから生じる問題や課題の洗い出しを行い、デジタル移行の可能性や生産性、民間連携を検証した上でサービスを設計する必要があるわけですから、そこには地域性が出てくるのだというふうに思っています。 高山市民にとって、どういったサービスが必要か、どういった地域課題を解消していけるのか、生産性向上にどのような道筋を描けるのかをある程度明確にイメージして取り組まなくては、技術の導入やノルマ達成自体が目的となってしまい、むしろ、業務の肥大化を招くだけのものになってしまいます。 今後、様々な所管において提示されてくるであろう共用化、標準化されるプラットフォームによる投資や労務の効率化メニューを見極めながら、地域実情に応じたウエート配分、これも行政運営の腕の見せどころといったところではないでしょうか。 次年度計画において、市は、DXの推進の主たるものとして、行政手続のオンライン化やインフラ監視等を含むデータの利活用促進、AI、RPA等の技術導入、教育のIT化などが挙げられておりますが、これは、ある意味DX推進のマスト条件として提示されているものでありまして、その先にある業務効率化や市民目線でのサービス向上のメニュー、生産性の向上を含む地域課題の解消等への具体的な提示に乏しく、行政にとってではなく、市民にとってのDXという目線での発信が必要とされます。 先般話題となった押印や手続の簡略化がいつからどうなるのかなど、市民の協力も必要とすることに関してはなおさらであるというふうに考えております。 また、市民がひとしくサービスを享受するためには、これ、昨日もありましたが、マイナンバーカードの取得が必須の条件となる制度の設計上、いまだほとんどの市民が取得していないマイナンバーカードへの理解や、マイナポータルの将来性や利便性を啓発して、取得促進に努める必要が早々に求められるところであります。 国では、遅々として進まないマイナンバーカードの普及に、運転免許証との一体化を2026年、スマートフォンへの搭載は2022年度中に進めるとの考えを示していますが、地方自治体としての取得促進が成否の鍵となることは間違いありません。 DXの推進については、国の示す取組スケジュールやKPIを基準にしている部分も多々あろうかと思いますが、これまでの考察に対して、市はDXの推進により具体的にどのような行政業務や地域課題が解消され、どのような市民サービスが向上していくと考えているのか、目指す将来像とその具体的な進捗スケジュールはどの程度まで想定されているのか、また、それに不可欠とされるマイナンバーカードの取得促進をどう進めるのかについてお伺いいたします。 ○議長(倉田博之君) 清水総務部長。   〔総務部長清水孝司君登壇〕 ◎総務部長(清水孝司君) 高山市のデジタルトランスフォーメーションを推進することによりまして、広大な市域を有し、人口減少や少子高齢化が進む中での生産性の向上ですとか、働き方改革、市民生活の向上などにつながるものというふうに考えております。 現状においても、オンライン取引やデジタル決済、SNS、テレワークの取組など、様々なデジタル技術が社会の中で活用されておりますけれども、今後、まずは行政サービスの各種手続のオンライン化、24時間行政への問合せに対応するAIチャットボットの導入、テレビ会議を活用して複数の場所から会議や研修会に参加できるようにするなど、市民の利便性の向上につながる取組を行ってまいります。 特に、各種手続のオンライン化においては、押印の廃止や手続の見直しということも非常に重要でございますので、併せてスピード感を持って取組をさせていただきたいと考えております。 また、民間事業者におきましても、DXへの取組は、効率的な事業の推進による生産性の向上などにつながるものでございますので、地域産業の強化に大変有効でありますので、官民連携によります取組を進めてまいります。 次に、DXの推進につきましては、国が主導的な役割を果たしつつ、各自治体が積極的に取り組むことが大切でございますので、市の将来像は、その推進の目的である住民の利便性や行政サービスの向上により、全ての市民が多様な幸せを実感できる社会をつくっていくことということと考えております。 また、今後のスケジュールでございますが、国や県のDX推進方針等を踏まえて取り組むことになります。 市民や地域、企業、また、行政が抱える課題解決の手段としてDXを推進するということになりますので、急速に進展します情報通信技術に関する情報収集等に努め、スピード感を持って適切に市民サービスの向上につながる取組を進めてまいります。 マイナンバーカードの取得促進につきましては、昨日の小井戸議員の質問にお答えをしたとおりでございますので、お願いをいたします。 DXは、単にデジタル化を目指すものではなく、議員もおっしゃったように、そのデジタル化によって市民が豊かさ、便利さを感じることが重要であると考えておりますので、議員の御指摘も踏まえまして、今後、DXの推進に精力的に取り組んでまいります。 ○議長(倉田博之君) 伊東議員。 ◆6番(伊東寿充君) 御答弁いただきました内容にさらに重ねるようで恐縮でございますが、デジタル化を目的とするのではなく、利用者ニーズからのアウトカム、情報システムではなく、サービスをつくるという基本姿勢を忘れずに取り組んでいただきたいというふうに思っております。 そのためには、様々な主体との対話や現状把握を下に制度設計していくことが必要となりますし、市民生活にも直結する地域を支える事業者との連携も当然不可欠と言えます。 全国的、国際的なデフォルトとして最低限のデジタル化と併せ、生産性の向上や省力化への支援に注力し、地域の維持力と競争力を育てていかなくてはならないことはこれまでにも御指摘してまいりましたが、目に見えた成果としては捉えづらい状況にあるのかもしれないと考えております。 国は、次年度予算編成においては、社会経済の構造転換を進めるため、デジタル社会の推進といったポイントも掲げる中、総務省、経産省を始めとする各省庁の関連予算には大幅な増額が見られ、9月始動とされるデジタル庁には、およそ3,000億円の予算措置が取られる見通しとなっております。 また、次年度とその翌年まで、総務省による地域デジタル社会推進費とされるおよそ2,000億円の予算のうち、1,200億円は市町村分として振り分けられることからも、政府の力の入れ方と、ここ2年での集中的な取組の必要性をうかがい知ることができます。 推進費の事例としましては、デジタル社会の恩恵を高齢者など多くの住民が実感できるためのデジタル活用、地域におけるデジタル人材の確保、育成、条件不利地域等におけるデジタル技術を活用したサービスの高度化、デジタル技術を活用した観光振興や働く場の創出など、魅力ある地域づくりの推進、そして、中小企業のデジタルトランスフォーメーション支援などが示され、それぞれにつきましての取組事例集の報告などもされており、経産省の中小企業生産性革命推進支援事業等も継続されることも併せて、地域のデジタル社会形成と生産性向上に、いま一度、しっかりと目を向けなければならないのではないでしょうか。 特に物づくりや観光DXなどのように、大きな枠組みでの視点とはいかず、潮流に取り残されてしまいそうな業態の多くの方々は、正直何をどうしてすればいいのかさえ分からず、手をこまねいているといった印象もありますし、ECを推進するにせよ、マーケット参入が相次ぐ中、小規模事業者が勝ち残るすべがあるのか、ただただ投資と労力が増えることにならないかなどの不安も払拭できず、何ができるのか、何が有効なのかということを、行政や有識者と共に考え、実現していくような仕組みづくりを構築されるべきではないかと感じています。 データや技術の活用によって、どのように生産性や業績が向上し事業継続につながるのかを、具体例をもって発信することも肝要であります。 また、経産省を始め、様々な支援メニューの活用について、もう少し丁寧に活用の可能性を追求し、提示していくべきではないでしょうか。 官民一体となった取組を促す、これらの考えに対し、市の見解を求めます。 ○議長(倉田博之君) 清水総務部長。   〔総務部長清水孝司君登壇〕 ◎総務部長(清水孝司君) 現在、市の民間事業者のデジタル化に対する支援などにつきましては、高山市中小企業生産性革命推進事業補助金などを整備し、その中の対象事業としては、利用者のデジタル化の支援を行うとともに、農業分野においても、スマート農業の推進に対する支援も行っているという状況でございます。 デジタル社会の形成、また、生産性の向上には、官民一体となった取組が不可欠でございます。 そのためにも、民間事業者の皆さんに関心を持っていただき、積極的な取組を行っていただくためのデジタルリテラシーの向上が必要不可欠というふうに考えております。 商工会議所や商工会、農業協同組合など、市内の経済団体、また、市外の関係する団体や組織とも連携をしながら取り組んでまいりたいと思っております。 ○議長(倉田博之君) 伊東議員。 ◆6番(伊東寿充君) 短期間で、社会全体の意識とシステムを変革し、デジタル社会を実現しようとすることは、言わば住民が一斉にテレビのチャンネルを合わせるように、一定の行動変容が必要とされるわけですから、生半可な努力では達成に至らないと認識しております。 今ほどの御答弁に関しましても、これまで同様の対応では、進捗に推進力は生まれるものではないというふうに感じています。 方法論、あるいは研究されたことの提示も含めまして、より具体的かつ積極的な取組に期待を寄せたいというふうに思っております。 当然、中には高齢者等を中心に、デジタル機器の活用とは無縁の方々も多数おられることでしょう。 国のデジタルガバメント実行計画では、デジタル化は、ユニバーサルデザインを考慮した設計等を前提とした人に優しいデジタル化である必要があるとし、様々な理由にかかわらず、誰も取り残さない形で、全ての国民がデジタル化の恩恵を享受できる環境の整備を重要としています。 そのための誰でも使いやすいユーザーインターフェース、UIですが、の設計等は、マイナポータル等でも、恐らく進捗が見られることと思いますが、市単レベルでの取組となると、例えば音声認識や画像読み上げソフト等の導入によるデジタルサポートといった取組を充実させるとともに、やはりアウトリーチ型での、人が人に寄り添った対応も行政に求められるところではないかと考えています。 国の制度としては、多分、経産省の事業だったと思いますが、デジタル活用支援員推進事業への地域実証などが進められているようでありますが、民間にIT関連会社や人材の豊富な地域での優位性はあるものの、民間支援員の育成とともに、地域でのデジタル社会に対する理解と協力につながるものと、注目をしているところであります。 地域実証を行った自治体なども参考に、高山市においてはどういった仕組みが有用で、どういった候補人材がいるのかといった点においては、具体的なヒアリングと検討を始めてみるべきではないかと思います。 他にも、教室型や相談型として、地域に出向いて支援を行い、スマホや端末操作、サービスの利用法などのレクチャーとともに、マイナンバーカード取得やその有用性についても理解を促し、申請までを支援したりすることも方法の1つとして検討いただければというふうに考えております。 これに伴う人的コストといったところでは、一連のDXの取組において、庁内全体で業務効率化が進捗するわけですから、これ、されなければ意味がないことですし、それに伴う組織再編ももしかしたら必要になってくるとは思いますが、少なくとも省力された部分で、こういった有機的な人と人をつなぐ業務を拡充できるといったフローも成り立つのではないかと考えるところであります。高山市の御見解をお伺いいたします。 ○議長(倉田博之君) 清水総務部長。   〔総務部長清水孝司君登壇〕 ◎総務部長(清水孝司君) デジタル化の取組というのは、社会の様々な分野で取り組まれておりまして、これまでにも、市役所の中におきましては、先進的な取組を行っている自治体ですとか事業者、また、各種団体などからの聞き取りですとか、デモンストレーションを通じて情報収集をさせていただいたり、総務省の地域情報アドバイザーという方がおみえになります。このアドバイザーを招聘し、例えば、地域の情報化ですとか、農業におけるデジタル化、また、行政内部のデジタル化というような視点での助言や講習をいただいているところでございます。 また、昨年10月には、名古屋大学とNECソリューションイノベーター株式会社との3者において、連携協定を結んで、ICTを活用した先進的なまちづくりの実験も実施をさせていただいているというような状況でございます。 これらの取組は、市役所内における専門人材の育成ですとか、外部人材との関係強化という点で非常に有効というふうに考えておりますので、今後もしっかり進めてまいりたいと考えているところでございます。 DXの取組を広く市民の皆さん、また、事業者の皆さんに取り組んでいただく、利用していただくためには、議員が申されたような使いやすいユーザーインターフェースの導入ですとか、アウトリーチ的な指導、サポートというのは必要不可欠というふうに考えておりますので、そういった取組もしっかり行ってまいりたいと考えております。 また、事業者の中にも、デジタル化に向けた、技術的支援や指導を望む方もおられるというふうに考えております。誰一人取り残さない人に優しいデジタル化に向けては、その支援の形につきましては、関係する団体や事業者の皆さんとも連携をし、しっかりお話をし、話を聞く中で対策を検討してまいります。 ○議長(倉田博之君) 伊東議員。 ◆6番(伊東寿充君) 民間の動き、あるいは提携されるというところも含めまして、少し明るい話題もお聞きすることができたのかなというふうに思っております。 ただ、これ単独でやり過ぎても不利が生じてしまうという難しさがあるといったところもありますが、今できること、やらなくちゃいけないことはたくさんあるわけであります。その辺りを今ほど御提案させていただいたつもりでありますし、ぜひ御検討いただければというふうに思っております。 冒頭にも申し上げましたように、自治体デジタルトランスフォーメーションの推進は、全庁、事業者、市民の一体で取り組むべき大きな社会変革であります。今後の地域の維持や発展の鍵ともなってくるであろうこの取組に、大きな期待を寄せると同時に、確実な推進に注力いただきますようお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(倉田博之君) 以上をもって、伊東議員の質問を終わります。 以上で、一般質問を終結します。  ================ △閉議・散会 ○議長(倉田博之君) 以上をもちまして、本日の議事日程が全て終了しましたので、本日の会議を閉じ、散会します。     午後3時48分散会==================================== 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。         高山市議会 議長  倉田博之               副議長 松山篤夫               議員  笠原 等               議員  中田清介...