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03月05日-03号

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  1. 高山市議会 2020-03-05
    03月05日-03号


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    令和2年第1回定例会令和2年第1回高山市議会定例会会議録(第3号)=======================◯議事日程 令和2年3月5日(木曜日)午前9時30分開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問  ================◯本日の会議に付した事件 1 日程第1 会議録署名議員の指名 1 日程第2 一般質問     11番 山腰 恵一君     14番 中筬 博之君      6番 伊東 寿充君     23番 谷澤 政司君      1番 石原 正裕君      3番 西本 泰輝君  ================◯出席議員(24名)   1番       石原正裕君   2番       笠原 等君   3番       西本泰輝君   4番       松林 彰君   5番       中谷省悟君   6番       伊東寿充君   7番       谷村昭次君   8番       西田 稔君   9番       沼津光夫君  10番       榎 隆司君  11番       山腰恵一君  12番       渡辺甚一君  13番       岩垣和彦君  14番       中筬博之君  15番       倉田博之君  16番       松山篤夫君  17番       上嶋希代子君  18番       車戸明良君  19番       水門義昭君  20番       橋本正彦君  21番       中田清介君  22番       小井戸真人君  23番       谷澤政司君  24番       牛丸尋幸君  ================◯欠席議員(なし)  ================◯説明のため出席した者の職氏名  市長        國島芳明君  副市長       西倉良介君  理事        亀山裕康君  企画部長      田谷孝幸君  総務部長      清水孝司君  財務部長      上田和史君  市民活動部長    川田秀文君  福祉部長      荒城民男君  市民保健部長    矢嶋弘治君  環境政策部長    田中 裕君  農政部長      林 篤志君  林政部長      細野達也君  商工観光部長    東野敏朗君  海外戦略部長    田中 明君  建設部長      野中偉伸君  都市政策部長    西永勝己君  水道部長      村田久之君  会計管理者     井口智人君  教育長       中野谷康司君  教育委員会事務局長 北村泰気君  消防長       中川宏規君  ================◯事務局出席職員氏名  事務局長      森下 斉君  次長        下屋 仁君  書記        中井康之君  自動車運転職員   櫻本明宏君  ――――――――◯――――――――     午前9時30分開議 ○議長(橋本正彦君) これより本日の会議を開きます。  ================ △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(橋本正彦君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において、榎隆司議員、中筬博之議員を指名します。  ================ △日程第2 一般質問 ○議長(橋本正彦君) 日程第2 一般質問を行います。 それでは、山腰議員。   〔11番山腰恵一君登壇〕 ◆11番(山腰恵一君) 2日目トップバッターということで、よろしくお願いいたします。 通告に基づきまして一般質問をさせていただきます。 まず1つ目は、お試しサテライトオフィスの活用についてであります。 お試しサテライトオフィスは、総務省が働き方改革の一環として、地方へのふるさとワークとして推進したもので、平成28年度から全国の自治体に公募をかけて、取組内容を申請した自治体の中から選択、採択して、国が費用面を支援するものでありました。 サテライトオフィスは、平成30年度では全国に444社が開設されており、岐阜県内では、恵那市、郡上市、高山市の3市に開設をされている現状であります。 高山市では平成29年度に採択され、飛騨高山お試しサテライトオフィスとして、現在上切町の古民家を借り上げ、開設をしているところであります。飛騨匠の伝統建築の古民家では、木の温もりと自然に囲まれながらの、環境にとてもいいオフィスとして活用がされているところでございます。 そうした中において、現在3年が経過をしているところでありますが、このお試し飛騨高山サテライトオフィス開設の現状とこれまでの効果をどう検証しているのか、市の御見解を伺います。   〔11番山腰恵一君質問席へ移動〕 ○議長(橋本正彦君) 東野商工観光部長。   〔商工観光部長東野敏朗君登壇〕 ◎商工観光部長(東野敏朗君) 都市部の企業においては、多様な働き方、固定費の削減、人材採用の選択肢の拡大などの観点から、都市部の本社とは別に地方にオフィスを構えるサテライトオフィスが注目を集めており、本市でも飛騨高山お試しサテライトオフィスを開設しております。 また、サテライトオフィスの誘致を促進するために、飛騨高山お試しサテライトオフィスを拠点として1か月以上利用した企業が市内にオフィスを開設した場合に、その開設費用に対し、100万円を限度に補助をする高山市サテライトオフィス開設支援事業補助金も創設し、都市部を中心とした情報通信関連企業などとのマッチングに取り組み、誘致に向けて積極的な取組を進めているところでございます。 サテライトオフィスにつきましては、現在までに首都圏の情報通信産業の企業を中心とした11社の企業に御利用いただき、現在も7社の企業が利用しているところでございます。 これまでにお試しサテライトオフィスの利用をきっかけに、IT企業が市内でのオフィスの立地や企業合宿の開催を具体的に検討いただいているところでもございます。 また、こうした取組に付随して、入所企業の連携が深まり、高山をPRするテレビ番組の作成や、飛騨地域の課題解決に向けた調査研究などにも取り組んでいただくなど、新たな相乗効果も生まれてきているところでございます。 ○議長(橋本正彦君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 現在7社ということで御答弁いただきました。 いろいろな企業がそこへ入っていただき、また、そこから市内のサテライトオフィスで開設を広げていく、こういうことが大事だと思っております。 サテライトオフィスとしては、これまで様々な取組が行われていると思いますけれども、サテライトオフィスは、人口減少社会において、都市部から地方への人の流れを創出しようという目的で企業誘致に取り組む自治体が、地域の資源を生かして都市部から地方にオフィスを構えようとする企業を支援するという考えであります。 地方は企業誘致に力を入れるものの、都市部の企業を容易に誘致するということは、なかなか大変な部分も、リスクもあります。そうした中で、一方では、企業側は都市部では人材の採用が難しい状況が続いており、人材確保に期待をしている企業が多いと言われております。例えば、IT技術者やウェブデザイナーなどのクリエーティブな人材を誘致することも可能であります。 サテライトオフィスは、企業の本社を移転することなく、地方で都市部と同じ仕事ができる。パソコンの環境があれば仕事ができる。多様な仕事を創り出し、多様な働き方ができるという最大のメリットがあります。企業は優秀な人材を確保、地方で働くことを希望する若者の受皿など、雇用創出や若者の移住定住による地域活性化にもつながるとされております。 昨年12月、市役所地下会議室で講演があり、サテライトオフィス誘致に取り組み、にぎわいある地域づくりで実績を残しております株式会社あわえ代表取締役の吉田基晴氏の話を聞かせていただきました。 吉田社長は、徳島県内の美波町と協力してサテライトオフィス誘致を行っており、IT系企業が多く開設されており、クリエーティブな職種の人材が集まってきております。優秀な人材の確保は、地方で働くことを希望する若者の受皿となるとも言われております。さらに、地元の企業を巻き込み、人が人を呼ぶ効果も期待できることや、地元の住民との交流や連携による交流人口の増加や関係人口の増加も図ることができると言われております。 また、サテライトオフィスは、若者の移住による地域活性化や地域ブランドの向上にも様々効果があると言われております。 先般、このように株式会社あわえ代表取締役吉田基晴氏の講演について、市は提案をどのように受け止めたのか感想を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 東野商工観光部長。   〔商工観光部長東野敏朗君登壇〕 ◎商工観光部長(東野敏朗君) 議員からも少し御紹介いただきましたけれども、徳島県美波町において、6年間で19社のサテライトオフィス進出をサポートした実績の下、全国の多くの自治体を支援し、地域課題の解決に向けた様々な地方創生関連の業務を手掛けている株式会社あわえの吉田基晴代表取締役を昨年12月12日にお招きし、人口減少を恐れない~にぎやかな地域のつくりかた~と題して御講演をいただきました。 当日は、市内の企業や商工関係団体、金融機関、市の職員など、約100名の方に聴講いただいております。講演では、仕事と趣味や家庭などを両立した、都会ではできない生き方、働き方の提唱により、多くの若者が集まり、上質な関係人口の構築や地域住民との連携が地域を元気にするというお話の内容でございました。 市としましても、産業構造の多様化や雇用の促進を図るため、都市部を中心とした情報通信関連企業などにお試しサテライトオフィスを御利用いただき、その後市内にサテライトオフィスを設置いただけるよう取り組んでいくことが重要であると考えております。 その上で、高山市にお越しいただいた企業と地域との連携を深め、関係人口を構築し、地域の活力を高めていくことが必要であると再認識したところでございます。 来年度には、株式会社あわえへ職員1名の派遣を予定しておりまして、先進的な取組を習得し、今後の事業展開につなげていきたいと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 今回の講演は、私にとってもすごく引かれるものがあり、本市でもこうした取組が活発になることが地域の活性化につながり、さらに若者の移住につながるものと考えております。 このサテライトオフィスは、テレワークとしてインターネットの環境があれば、時間にとらわれず働ける環境をつくることができるのが特徴であります。サテライトオフィスの活用を積極的に進めることは、都市部と地方を結び、若者の移住や雇用といった点では、可能性が大きく広がることにつながります。 それには都市部とのマッチングを図ることや、情報収集や発信を行うことも重要です。せっかくいいものがあるのに、最大限に生かさなければ宝の持ち腐れになってしまうことが懸念されます。積極的な活用の展開が大事であります。 そうした中にあって、サテライトオフィスが1つのきっかけになり、企業誘致に結びついている事業がたくさんあります。その企業誘致には、自治体の明確な戦略が必要とも言われております。このサテライトオフィスを拠点として、積極的な企業誘致の展開が必要と考えますが、市の御見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 東野商工観光部長。   〔商工観光部長東野敏朗君登壇〕 ◎商工観光部長(東野敏朗君) 高山市産業振興計画の次期計画においては、ITやクリエーティブ産業の立地を促進し、市内におけるビジネス機会の創出を図るため、サテライトオフィスの立地に向けた誘致活動の強化を図ることを位置づけることとしております。 サテライトオフィスの誘致に向けては、当市に立地を希望する企業へ様々な情報を提供するなど、アプローチを行うとともに、本市の熱意を相手方にしっかりと伝え、信頼関係を構築しながら、誘致活動を積極的に推進していきたいと思っております。 ○議長(橋本正彦君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) このサテライトオフィスを拠点とし、情報発信や人脈を広げることで、それがきっかけとなり、企業を誘致することにつながります。その取組は地道でありますが、続ければチャンスは訪れると信じて、これまで以上に御努力をお願いいたします。 今、中山間地では、若者の働く職種が限られている、少ないと言われております。本市でもそうした声が聞こえてきます。若者の選ぶ職種には、IT関連産業で仕事をしたいと選ぶ人も多くいると聞き、現在は第4次産業革命の真っただ中であり、物がインターネットにつながるIoTやAI、人工知能を活用した自動運転技術、ロボットをAIが制御するなど、さらに、シェアリングエコノミー、インターネットを通してサービスの利用者と提供者をマッチングさせる仕組みといった新たな取組も始まっております。 そうしたシステムエンジニアやソフトウェア開発、プログラマー、ウェブデザイナー等々、IT関連産業は今後まだまだ伸びることが期待をされる産業であり、そうした産業の人材を育成することが将来の本市においても大変重要であると考えます。 そうした中において、市ではIT企業等と連携したIT起業家育成が重要と考えておりますが、市の御見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 東野商工観光部長。   〔商工観光部長東野敏朗君登壇〕
    ◎商工観光部長(東野敏朗君) 人工知能やIoT、ロボット、ビッグデータといった社会の在り方に影響を及ぼす新たな技術の開発が加速化している中、市内産業の活性化や新たな職種の創出を図っていく上で、これらの先端技術を活用したIT企業等の誘致は重点的に取り組むべき課題であると認識をしております。 都市部のIT企業との交渉を進める中においては、本市の歴史や文化、町並、山岳、温泉などの自然資源などは、IT企業やその従業員にとって非常に魅力があることを実感しているところであり、そうした立地環境を積極的にPRし、IT企業等の誘致活動に取り組んでいるところでございます。 そうした取組と並行して、商工会議所や商工会、金融機関等との連携により、企業セミナーの開催や、特定創業支援補助金などによる包括的な起業家の育成、支援に努めているところであり、今後IT企業との連携にも努め、セミナーの充実なども検討しながら、IT関連企業の起業家の育成にも力を入れてまいりたいと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 私は、この情報通信技術分野に力を入れていくことが大事であると考えております。福井県鯖江市では、IT産業誘致やIT起業家育成に力を入れており、若者の定住やUターン者も増えていると言われております。 今、地方では若者の流出が続いており、いかに若者に魅力ある企業があるのか、魅力ある仕事ができるかが問われております。そうした現状の中で、IT企業誘致、あるいはIT企業との連携で起業家を育成し、地元にオフィスを構え、地元にいながら働くことができる取組が重要と考えております。 私は、地方だからそうした環境を生み出せる魅力があるのではないかと思っております。IT関連企業が弱いとされる本市においても、もっと力を入れるべきだと考えております。 次に、こうした取組も現在注目を集めております。それは、観光地などで旅先で休暇を楽しみながら働く、ワーケーションという仕事の仕方であります。 ワーケーションは、ワーク、仕事と、バケーション、休暇を組み合わせた造語で、通常オフィスとは異なる休暇地に滞在しながら、インターネットなどを使って仕事をするテレワークの働き方であります。 テレワークの一種と位置づけ、接続環境があれば仕事ができる、こうした企業が増えており、国内でも働き方改革の一環で取り入れる企業が増えつつあります。現在全国65の自治体連合が発足し、企業にワーケーションの導入を働きかけているそうであります。 この取組は、地域活性化を図るとともに、将来的には企業の移転や社員の移住など、人口増につなげることも視野に入れております。ワーケーションは、地域に住む定住人口でも観光に訪れた交流人口でもなく、都市部に住みながら、過疎地などと継続的に関わり、地域住民と様々な形で関わる関係人口が拡大されるのが狙いであります。 和歌山県では、2017年度に全国で初めてワーケーション事業を導入した先進地域でもあります。地元に新たな活気を生んでおり、働き方改革の機運が高まる中、今後さらに自治体と企業などの協力が広がると期待されております。一方、企業側も、テレワークや副業など、柔軟な働き方を模索する中で関心を高めていると言われております。 このような観光地で休暇を楽しみながら仕事をするワーケーションが注目を集めており、現在全国65の自治体で発足し、取組を進めております。市も参画する考えについて、御見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 東野商工観光部長。   〔商工観光部長東野敏朗君登壇〕 ◎商工観光部長(東野敏朗君) ワーケーション自治体協議会は、令和元年11月18日にワーケーションを受け入れる全国の自治体が集まり設立された組織であります。 この協議会は、ワーケーションの全国的な普及促進を図るために、協議会主催の情報交換会や、会員自治体によるワーケーション体験会の実施、東京2020オリンピックパラリンピック競技大会日本国際博覧会等のメガイベントに向けた地方でのワーケーションの共同PR、全国のワーケーションに関する統一的な情報発信手段の検討などの活動を行う予定とされております。 観光地で余暇を楽しみながら仕事をするワーケーションの考え方は、多様な働き方を進めていく上で有効な手段の1つであると考えておりますが、当協議会は発足して間もないということもあることから、今後の活動内容等を注視しながら進めてまいりたいと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 本市は観光地でもあり、伝統文化や自然環境も優れており、登山もできる、温泉もある。各地域には魅力あるものがたくさんあります。そうした魅力ある地域で仕事をできるのは最高ではないかと考えます。 今後は多様な働き方や価値観を大事にした企業が魅力を持つという時代とも言われ、そうした職場では、社員が生き生きと働く環境をつくっております。ワーケーションはそこに対応できる自治体が鍵を握っております。本市も積極的な取組をお願いいたします。 次に、情報リテラシー教育についてであります。 近年、LINEやツイッター、フェイスブックなど、登録した利用者同士がインターネット上で交流できるSNS、ソーシャルネットサービスを通じて子どもが見知らぬ人と知り合い、事件に巻き込まれるケースが増加をしており、そうしたスマートフォンのSNSを利用した犯罪から子どもを守る必要が求められております。 SNSを発端とした誘拐事件は後を絶たず、昨年大阪市に住む小学6年生の女児が誘拐され、その後栃木県小山市内で保護された事件は、SNSに潜む危険性を改めて浮かび上がらせました。 女児はオンラインゲームでこの男性と知り合い、ツイッターによるつぶやきで家庭や学校での悩みを投稿していた女児は、男性からダイレクトメッセージが送られてきたのをきっかけに直接会うことになり、誘拐されてしまいました。一歩間違えば取り返しのつかない状況になってしまう危険性もありました。 警視庁によると、18歳未満がSNSを通じて犯罪に巻き込まれた事件は、2018年で1,811人であり、そのうち小学生は55人、中学生は624人、高校生は991人であり、小学生は2008年の13人から約4倍に急増していると言われております。その中で、SNS被害に遭った9割は、閲覧を制限するフィルタリングの機能が使われていなかったと言われております。 そうしたSNSを利用した犯罪が増加している昨今、子どもを守る取組が求められております。 そこで、SNSを通じて子どもたちが犯罪に巻き込まれる事件が全国的に多数発生しております。市ではそのような状況の把握はこれまであるのか、また、その場合の対応をどうしているのか、また、こうしたSNSによる危険性をどのように市は考えているのか、御見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 本市におきましてSNSを通じて子どもたちが大きな犯罪に巻き込まれるといったケースは今のところは発生しておりませんけれども、犯罪に巻き込まれる可能性は否定できないと捉えております。 学校では、SNSの正しい利用法や危険性について、集会や道徳の授業などで繰り返し指導を行っておりますし、校長研修会でも、リスクマネジメントに関する研修グループにおいて、SNSが抱える問題についての認識や対応の共有を図っているところでございます。 また、スマートフォンなどの利用は、学校ではなくて家庭で行われるというようなことが基本となっておりますので、PTA、学校運営協議会、警察などとも連携を図りながら、子どもたちがSNSなどを通じた犯罪に巻き込まれないよう、継続した取組を進めてまいります。 ○議長(橋本正彦君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) SNSは、災害時の連絡手段になるなど、その利便性が高い反面、見知らぬ人と簡単に出会う危険性が潜んでおります。情報セキュリティ会社デジタルアーツが18歳以下の男女618人を対象に行った調査では、ネットで知り合った人に会うことを希望するかとの問いに対し、半数が会うことに前向きな回答があり、SNSでやり取りすることで仲間だと錯覚してしまう子どもが多い実態が表れていると言っております。 今は情報通信社会の時代であり、災害の連絡手段や、日常での親子で連絡を取り合う必要性が増しており、子どもへ携帯電話やスマートフォンを持たせることにより急激に普及し、子どもたちにとってSNSは身近な存在になっております。 国の統計調査では、小学生のスマートフォンの所持率は14%であり、中学生52%の数字が出されております。さらに、内閣府の青少年インターネット利用状況の調査では、スマートフォンから利用が小学生では34.8%、中学生が62.6%の結果であり、インターネットの利用率は小学校が85.6%、中学校が95.1%と、インターネットの利用も高くなっております。 そうした中で、小中学校の児童生徒のスマートフォンの所持について、教育委員会では子どもや保護者にどう指導しているのか、また、スマートフォンの所持率と使用時間など、利用実態をどう把握しているのか、御見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 最初に、所持率でございますが、昨年の12月に実施をいたしました情報モラルに関する調査では、本市におけるスマートフォンなどを含む携帯電話の所持率は、小学校で25.7%、中学校では51.8%となっております。学年が上がるにつれ所持率が高くなっているという状況でございます。 また、スマートフォンを所持している児童生徒の利用実態としては、ほぼ毎日使うと回答した児童生徒の割合は小学校高学年で20.9%、中学生が54.7%となっております。 教育委員会からの指導につきましては、各家庭で様々な事情がございますので、スマートフォンなどの所持を一律に禁止するといった指導は行っておりません。 ○議長(橋本正彦君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) やはり小中では高山市でも所持をしてみられる方が全国と見ると高くなってきているのかなと思っております。 そうした中で、SNSは本当の自分が表現できると考えている子どもが少なくありません。学校や家庭でのストレスを抱える中で、自由に自分の意思が伝えられる反面、伝えたことが理解されずにトラブルを発生させてしまう場合があります。コミュニケーションツールとしても、子どもを含む多くの人がSNSのLINEを利用しております。コミュニケーションツールでもありますが、ささいなことで誹謗中傷してしまうおそれがあり、トラブルにつながります。 そうした中で、本市ではいじめの認知件数は、平成30年度が小学校で483件、中学校で111件であります。SNS等によるいじめなど、トラブル発生の実態をどう把握しているのか、また、いじめなど、トラブルが発生した場合に市はどう対応しているのか、市の御見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 学校においていじめなどの問題行動が発生すると、教育委員会に報告がございます。今年度認知したいじめのうち、SNSやインターネットなどが関係したいじめの割合は、小学校では0.9%、中学校では2.4%となっております。報告される事案によって、教育委員会から学校に対し助言、指導し、必要に応じ警察や保護者、関係団体と連携を図りながら、解決に向けて対応をしているところでございます。 ○議長(橋本正彦君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 近年はいじめ認知件数が増加傾向にあります。子ども同士の直接ないじめ行為でもなく、こうしたSNSを利用した書き込みによる嫌がらせやいじめが心配をされております。 今はSNSを使ったコミュニケーションは当たり前になってきており、利用の仕方によっては、ネット詐欺やネットいじめ、プライバシーの侵害など、犯罪やトラブルに巻き込まれる心配があります。そうならないためにも、子どもにスマートフォンを持たせるときには、家庭で使う時間、ルールなどが大切であるとか、SNSに潜む危険性があることを保護者に知っていただかねばなりません。 また、子どもたちへのインターネットリテラシー教育とは、インターネットを利用して知りたい情報を検索する能力や、受け取った情報の真意を判断する能力、そして、ネット上でのトラブルを回避する能力のことを言っております。こうした能力を身につけることが今の時代に重要とされております。子どもたちへのSNSやインターネット利用におけるネットリテラシー、マナー向上についての教育にどう取り組んでいるのか、市の御見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 全ての小中学校では、PTAの授業参観などの機会を利用しながら、各学年に応じ情報モラル教育を実施いたしております。さらに今年度は、小学校7校を会場にプログラミング出前講座を開催し、外部の講師の方によるプログラミングの指導とともに、情報モラル教育を実施したところでございます。 また、学校だけでなく、警察や市PTA連合会など、関係団体と連携し、ネット問題を乗り越える子どもを育む会を開催し、ネット問題の情報共有等対策について協議をしているところでございます。 情報機器や情報を有効に、また適切に活用する能力は、子どもたちが身につけるべき大切な力でございますので、今後もプログラミング教育や環境整備と併せまして、保護者や関係団体などと連携しながら、情報リテラシー、情報モラルの向上に取り組んでまいります。 ○議長(橋本正彦君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) これまでも取り組んでいただいているのは承知しておりますが、これからもさらに取組をよろしくお願いいたします。 今はインターネット利用率が9割を超えており、誰でも簡単に世界中の人々とSNSでコミュニケーションを取ったりすることができる時代であります。その分子どもたちが危険にさらされることを十分に伝えることが重要であり、インターネット利用のルールやマナーを保護者や子どもたちが学び、絶対に被害に遭わないよう、また、相手を傷つけないよう、今後ともネットリテラシー教育へさらに取り組んでいただきたいと考えます。 もう一つ今問題視されているのが、オンラインゲームであります。相手とインターネット上で対戦するゲームでありますが、中にはオンラインゲームにはまってしまい、日常生活に支障を来すゲーム依存症が問題視をされております。 世界保健機関では、昨年10月、ゲーム依存症を疾病として認定しております。厚生労働省が実態調査した結果では、10代、20代の約12%が休日に6時間以上ゲームをしていることが明らかになっております。さらに、低年齢になるほど依存の危険性は高まること、使用時間を短くさせるよう、保護者に積極的な対応を講じてほしいと求めております。 こういった部分も注視しながら、子どもたちへの情報モラル教育の推進にさらなる力を注いでいただきたいと考えております。 次に、自転車保険加入の促進についてであります。 これから春先に向かいますと、自転車を利用する人が増えてまいります。自転車は環境に優しい交通手段で、身近な乗り物として、子どもから高齢者まで、幅広い世代の多くの人が利用しております。近年では健康を重視している市民も多く、健康のため、あえて自転車を利用する人も多いことや、趣味としてスポーツサイクリングを行っている人も増えているところであります。 そうした中で、全国の自転車の普及台数は約7,200万台とも言われ、これは自動車の台数にほぼ匹敵するほどの台数が利用されているところであります。本市においても、台数は分かりませんが、相当の台数が利用されていることと考えられます。 手軽で便利な自転車でありますが、その乗り方によっては、時には非常に危ない乗り方をされている人もおられ、ひやっとすることもあります。自転車に乗る人は運転のルールを守って乗ってほしいとつくづく思うほどであります。 その中で、自転車に関する事故は総数こそ減少しているものの、自転車対歩行者に限ると、年間2,500件で横ばいが続いております。さらに、事故を起こした自転車運転者の約4割が20歳未満であることから、若い人の安全対策が求められております。 岐阜県では、岐阜県警察署管内の平成30年度中の自転車関連事故件数は680件、そのうち人身事故の原因が自転車側にある事故は113件となっております。自転車と歩行者の事故が113件あると出されております。 自転車の事故では、高額な賠償の事例がありました神戸市北区では、歩行中の女性が、小学生の男児が夜間に自転車で帰宅中、歩いていた女性に正面衝突。女性は転倒し、頭を打って意識不明の重体になった事故がありました。この事故で、神戸地裁は2017年7月に、小学生の保護者に約9,500万円の賠償を命じましたが、事故を補償する保険に入っておらず、判決の翌年には自己破産に至ったことがあります。 さらに、男性がペットボトルを片手に下り坂でスピードを落とさず走行、交差点に進入、横断歩道を歩行中の女性と衝突、女性は脳挫傷などで3日後に死亡しました。東京地裁で男性に6,779万円の支払いを決定いたしました。 神戸の場合、自転車保険に加入していれば、万が一に事故が発生して賠償責任を負うことがあったとしても、保険で対応することができるようになります。保険に未加入だったため、高額の賠償金を相手に支払えなければ、被害者は十分な賠償を受けられず、泣き寝入りをするしかありません。 自転車保険は、加入した保険の種類によって補償額が異なるものの、年間数千円の保険料で最大1億円程度の個人責任補償が主流となっております。低額の費用で手厚い補償が受けられるのが特徴であります。そうした中で、本市での自転車保険の加入状況をどう把握しているのか、また、保険加入に対してどう周知しているのか、御見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 川田市民活動部長。   〔市民活動部長川田秀文君登壇〕 ◎市民活動部長(川田秀文君) 市民の皆様の自転車保険の加入状況でございますが、インターネット等での自転車購入などもありますことから、市で把握はできておりませんが、近年自転車事故によります高額賠償事例も多く見られますことから、保険加入の重要性につきましては認識をしているところでございます。 自転車の事故防止及び不慮の事故に備えるために、市では入学シーズン前に、小中学校、高校に自転車安全点検整備及び保険加入のお知らせを配付しております。さらに、高校に対しましては、安全な自転車の乗り方につきましてのリーフレットも全校生徒に配付いたしまして、交通ルールの遵守と保険加入の積極的な周知を行っているところでございます。 また、高山警察署、高山自転車組合、高山地区交通安全協会などと連携いたしまして、直接高校へ出向いて自転車の簡易点検を実施いたしまして、整備点検や保険加入の案内、安全指導を実施いたしております。 市といたしましては、今後も引き続き交通安全教室や広報などでの自転車の交通ルール遵守の励行並びに安全整備点検と保険加入の促進に努めてまいりたいと存じます。 ○議長(橋本正彦君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 加入状況については把握をなかなかできないということでありますけれども、私はまだまだ保険加入というのも進んでいないのではないかと捉えております。 国土交通省が2018年11月にアンケート調査をした結果によりますと、自転車利用者の48.7%が加入をしておりますが、43%は加入がされていない状況であると報告がされております。 そうした中で、住民に自転車保険の加入を勧める自治体が増えております。兵庫県では、2015年4月、全国に先駆けて自転車保険への加入を義務づけする条例を制定、同年10月から施行されております。条例の対象者は県内で自転車に乗る人全てで、未成年者の場合、保護者に加入を義務づけております。また、名古屋市、京都市、相模原市、堺市においても条例を制定し、義務づけております。 そうした中で、自転車保険加入の義務化や促進を求める条例を制定した自治体が広がりを見せております。市として保険加入の義務化や条例を制定したらどうか、市の御見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 川田市民活動部長。   〔市民活動部長川田秀文君登壇〕 ◎市民活動部長(川田秀文君) 自転車保険加入の義務化等の条例につきましては、義務化によります利用者の負担などの課題もありますことから、市では現在のところ条例の制定については考えておりませんが、事故に備えていくことは大変重要でありますことから、今後も引き続き安全な自転車利用の啓発とともに、自転車保険加入の重要性を周知いたしまして、加入促進に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 山腰議員。 ◆11番(山腰恵一君) 先ほどの国土交通省のアンケート調査結果では、自転車保険の加入促進に条例化、義務化が有効とされ、条例で加入の義務づけを行った自治体の中には、加入率が75%近くにも上がっているところであります。 なぜ加入促進が必要であるかは様々お話しさせていただきました。歩行者との事故件数が岐阜県を含めて横ばいで推移をしていること。歩行者の事故の場合、自転者側の責任負担が重くなること。また、自転車事故の年齢層が、責任を負う能力がない未成年者が多い傾向であること。自転車による高額賠償事故が発生していること。このことから、やはり自転車の保険加入の促進、義務化、条例制定は必要であると私は考えております。ぜひ今後も検討をお願い申し上げまして、一般質問とさせていただきます。 ○議長(橋本正彦君) 以上をもって、山腰議員の質問を終わります。 それでは、次に、中筬議員。   〔14番中筬博之君登壇〕 ◆14番(中筬博之君) このようなときに、市長を始め、理事者の皆様を1日議場にとどめての一般質問であります。心して質問させていただきます。 まず、全市一律でない行政経営についてと通告をいたしました。 地域に根差した風土や歴史、文化なども踏まえ、実情に即した課題解決や地域振興を目的として協働のまちづくりを推進しておきながら、一方で、全市一律の枠をはめて、手綱を手放さない、そんな印象を受ける行政の在り方について、改めて伺ってみたいと思います。 合併に当たっては相当な議論が積み重ねられ、一つ一つ整えてこられた御苦労に敬意を表しつつ申し上げれば、合併直後盛んに使われた一体感の醸成というフレーズですが、一定の移行期間を経た今、それぞれの地域の持ち味を生かすためにも、今度は全市一律を積極的に解いて、個性あるそれぞれの地域の集合体として、高山市全体の魅力をさらに高めていく段階に入ってきているのではないかと考えます。 市が提供するサービスについては、全市的な観点から、公正公平が原則であることは押さえた上で、凸凹をなくすことが本当の公平なのか。満遍なく、当たり障りなく、堅実にではなく、改めて公平なえこひいきという考え方もあるのではないかと考えるようになりました。ただ単に高山地区と支所地域の格差だけを意識したものではありません。 例として適切かどうか心配ですが、幾つか挙げるならば、防犯灯設置のルール。基本的に防犯灯は町内会で設置をし、維持管理するものとされ、そのLED化や電気代について補助するというルールが定着していますが、町内会にも世帯規模や面積、財政状況にも格差があって、3分の2の地元負担に耐え得るところとそうでないところがありますし、町内会員のためには不要であっても、その道を通る他の町内の子どもにとっては必要となる防犯灯というものはあるわけで、1つのルールではカバーできません。 また、私道のルール。高山市は、私道については修繕も除雪も行わないとしていますが、同じ私道でもその経緯や状況が違いますし、市道延長1,860キロの中には、こんな道が市道なのかというところもあって、それを一律のルールでくくるというのは無理があるのではないかという声をよく耳にします。 また、上下水道料金。水道の給水原価は、簡水や飲供はぐっと原価が安いのに、一律の料金体系。下水道の処理原価は、農集や特環のほうがコスト高となるけれども、一律の使用料。 また、地域の基盤整備予算のまち協への配分。総額2億円という枠の中での配分がルールですが、防災面のリスクも異なる中で、まち協に丸投げするだけでなく、必要なら、ぶつ切りではなく、枠を超えての裁量もあっていいのではないか。 地域コミュニティー施策の展開として、協働のまちづくりを進めることによって、行政の責任はより重くなると自覚する必要があるとも考えます。 そのほか、医療機関や商店の有無、通院、買物などの利便性の格差もあって、一様のガイドラインとしてルールは定めたとしても、その運用においては、がちがちではなく、状況判断の余地を残すべきではないかと考えます。 今申し上げた個々のことに答弁を求めるものではなく、ベクトルについて申し上げたいと思っています。 行政の対応が担当者によって違うのもまた事実ですが、それは置いておき、インフラ整備や公共交通、市営住宅、防災体制、災害対応など、現実問題として提供できるサービスには、担い手の問題も含め格差がある中で、まち協の在り方も含め、果たして全市全て一律とすることが本当の公平なのかと問いかけたいわけです。 全部が全部とは言いませんが、高山市全体を俯瞰して、市政における機会均等、個々の状況に応じてチャンスを配分する公平性という考え方について、市の見解を伺います。   〔14番中筬博之君質問席へ移動〕 ○議長(橋本正彦君) 田谷企画部長。   〔企画部長田谷孝幸君登壇〕 ◎企画部長(田谷孝幸君) 行政の各種サービスを提供する上で、公平性は非常に重要な観点であります。その上で、行政サービスについては、おおむね2種類の考え方があると捉えております。 1つ目といたしましては、特に公平性を重視し、全市一律のルールに基づいて実施させていただく必要があるものです。 具体的には、法令などに基づく税や、戸籍、年金、選挙、福祉、教育などの基本的な部分で、多くの市民の皆様が、個人の属性や特性などにかかわらず、全市一律で公平な取扱いが求められる行政サービスです。 2つ目としましては、個々の特性や状況に応じて、全市一律ではないルールにより実施しているものです。 具体的には、一定の範囲内での行為に対する規制、特定の対象者に対する経済的支援や奨励、行事の開催などが挙げられます。 なお、先ほど申し上げました税や福祉などのサービスの中にも、特性に応じた個別の対応をしている部分があり、議員が仰せのインフラ整備や公共交通につきましても同様に、全市一律の部分と特性に応じた部分があると考えております。 また、特性に応じたサービスにつきましても、その特性の中での公平性や他のサービスとのバランスなどにも配慮してルールづくりを行い、市民の皆様が不公平感を抱かれることがないように実施に努めているところでございます。 ○議長(橋本正彦君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) こういうふわっとした質問には答弁もしにくいということは分かっていますが、意外と市民の方々からは共感を得ている話であります。 12月議会でお役所言葉について質問しましたが、行政に求められるのはハートだと思っています。そして、市民満足度を上げていくためには、それはできないけど、これならできる、ここまでならできるという、拒絶型ではない提案型の対応だと考えています。 行政というのは、常に説明責任を求められるので、その煩わしさを回避するために一律のルールということも理解はできるわけですが、納得はできません。言い過ぎかもしれませんが、行政の使う公平性という言葉は、ある意味逃げ口上なのではないかと感じることさえあります。 平等と公平は違うと言われます。公平と公平感も違います。気候も風土も歴史も文化も違う中で、表面的な平等で繕うのではなく、個性ある地域づくりのために、差別は駄目ですが、区別は必要なのだと考えます。 個人情報の取扱いも、コンプライアンスも含め、1つの基本ルールの上に、そういう個別柔軟な考え方ができないと、AIに取って代わられてしまうのではないでしょうか。単純に数値では表せないこともありますが、実情の査定に基づく適正化という視点は外せません。 もっと言えば、きちんとした説明責任は求められますが、全体最適という考え方からすれば、満遍なくではなく、公平なえこひいきという考え方があってもいいのではないか。要は、懐の深さの問題と言えるかもしれません。 利害や立場の違う関係者の調整、合意形成というのは大きな労力を要するものですが、物差しは1つではなく、これからの時代、ニーズを的確に捉えた、柔軟できめ細かな対応が求められるわけで、リスクもありますが、もっと自由度の高い、モチベーションの高まる思い切った展開が求められていると感じます。行政も経営であるとするならば、説明のつく公平なえこひいきはありだと考えますが、見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 田谷企画部長。   〔企画部長田谷孝幸君登壇〕 ◎企画部長(田谷孝幸君) 先ほど申し上げましたように、行政サービスにつきましては、おおむね2種類の考え方があると捉えております。その上で、日本一広大な市域を有する高山市において、各地域は、先ほども議員から紹介がございましたが、固有の風土や歴史文化、地域資源を有しております。生活インフラや公共施設、交通などの状況も様々でございます。 また、各地域の中にあっても、様々な背景や事情、生活スタイル、なりわいなどを有した人々が存在するとともに、様々な組織などを構成して、あるいは相互に関わり合いを持つ中で地域コミュニティーが形成されていることも事実でございます。 今回の第八次総合計画の見直しにおいても、自分たちが住むまちはどのような姿が望ましいのかという思いが最も重要であるという考え方に基づき、地域資源や特徴を踏まえた各地域のまちづくりの方向性について明示し、市民、地域、住民組織、事業者、行政が、様々な主体が同じ目線にあって立って、将来に向けて取り組んでいくことができるようにしたところでございます。 このため、先ほど申し上げましたとおり、公平性に配慮しつつ、各地域やコミュニティーの有する特性に応じた、全市一律ではない行政サービスなども実施しております。 なお、こうした特性に応じたサービスが、行政に求められている選択と集中、こういったことにもつながると捉えているところでございます。 ○議長(橋本正彦君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) おっしゃったように、総合計画にも意識をされているとは受け止めているわけですが、もっとメリハリがあってもいいのかなと私は感じているところです。全部同じにして格差を埋めるという考え方ではなく、違いを認め、役割分担して、それぞれの地域の特徴を伸ばし、足りないものを補完し合うということを申し上げたかったわけであります。慣例とか前例を変えるにはエネルギーも必要ですが、批判を恐れず取り組んでいただきたいということだけ申し上げておきたいと思います。 ある市長の言葉ですが、極論すれば、政策で人を幸せにはできない。今日よりあしたがよくなるという希望が人を幸せにする。絶対値ではなくベクトルなのだと言われています。 以前に行政の裁量権という質問をした際には、そんなものはないとの答弁でしたが、私は、公平な行政運営のためには、逆に裁量権を行使してもらっていいのだと考えます。 こういう質問すると、どこで答弁をするのか、誰が答弁書を書くのかということで、行政の中で譲り合いが発生します。担当部署が自分たちの所掌事務で精いっぱいなのは理解していますし、行政が都合よく使われる連携という言葉も、誰かがその気になって庁内を駆けずり回って調整しない限り、形にはなりません。 申し上げるまでもなく、行政の実務のトップは副市長。そして、市長の役目は、自らの信念に基づいて決断すること、責任を取ることであります。 そして、今年度から新設された政策担当の理事は、個々の実情を見極め、全庁的に政策をつなぐマネジメントの役割を担うべき立場であり、顧問とか参与とは違うと捉えています。 外から見ると、権限もなく、若干第一線から一歩引いた感のある理事職ですが、新しい風をキャッチして、原課の御意見番として、イレギュラーな立ち位置ではありますが、そして、御本人は若干無愛想なんですが、期待するとすれば、そこだと考えます。 全市一律のユニバーサルサービスと、地域ごとで事情や優先順位が異なるテーマとを峻別しながら、市の政策を地域にフィットさせ、そこに住む方々のモチベーションをいかに高められるか、経営という視点でどう捉えておられるのか。できる得るなら、理事御自身がこの1年どのような思いで職務を遂行されてきたのか伺ってみたいところですが、答弁が任命権者である市長なのか総務部長なのか分かりませんが、市の考えを伺いたいと思います。 ○議長(橋本正彦君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) これまでの御質問の中での御提案については、それを参考にさせながら今後の行政の運営に取り組んでまいりたいと思っております。 そこで、政策担当理事のお話でございますが、まず、前にお話はさせていただきましたけれども、政策担当理事は、社会情勢の変化に伴う新しい課題などに迅速に対応して、効率的や効果的な施策の推進をしていく、その組織のマネジメントの強化を図る目的で、新しく設置をさせていただいたところでございます。 理事は、各部局、各分野における政策、施策の立案に関して指導助言を行うとともに、その実施に関して、関係部局と横断的な調整のマネジメントに今携わっております。 特に、政策、施策の展開などに係る全庁的な調整を図る、私どもは調整会議と申しておりますけれども、その調整会議は理事が主催をいたしております。重要施策、あるいは課題事項などについて、市長や副市長などと共に審議をさせていただき、最終的な結論を出させていただく庁議というのがございますけれども、この庁議においては、理事が責任を持って説明や提案を行っているところでございます。このようなことから、政策担当理事の役割である組織マネジメントの強化はしっかり機能していると考えております。 職務の遂行姿勢などにつきましては、理事より直接答弁させていただきます。 ○議長(橋本正彦君) 亀山理事。   〔理事亀山裕康君登壇〕 ◎理事(亀山裕康君) 御質問のお答えになっていないかもしれませんが、御質問にあります行政経営のマネジメント、あるいは行政経営を私に与えられた職務の中でどう捉え、どう取り組んでいるかといったことについて少しだけお話をさせていただければと思います。 まず、行政経営のマネジメントという点についてでございますが、御案内のように、人口減少や少子高齢化を始め、本市を取り巻く様々な社会情勢や環境の変化、あるいは市民ニーズの多様化や価値観の変化等を背景とする様々な行政課題に対応するためには、政策の立案や実行に当たって、関係部局との横断的な調整を始めとする、行政経営のマネジメントという視点が今後ますます重要になってくると認識をしておりますし、そうした観点に立って関係部局等と協議を重ねる中で、第八次総合計画基本計画、これのありようを大幅に見直すとともに、それを支えるものとして行政経営方針の策定等にも取り組んできたところでございます。 また、行政経営という点についてどう捉え、どう取り組んでいるかというような点についてでございます。 行政経営とは、行政が保有する経営資源を効率的、効果的に運用して、市民福祉の向上を図ることと捉えており、そうした行政経営を持続的に行っていくためには、社会経済情勢や市民ニーズの変化等に合わせ、行政経営の在り方もその変化に対応させていく。 言い換えれば、先ほど公平性とかいうようなお話もございましたが、変化を恐れて今までどおりの取組等に固執するのではなくて、時代の流れに合わせて、あるいは変化の流れを先読みして変化し続けること。そして、市長のリーダーシップとマネジメントの下、全ての職員が行政経営に関わる、行政経営の一翼を担っているとの意識を持つ中で、現在行っている取組等を見つめ直し、よりよいものとなるよう考え、行動に移す、こういうことが大事であると考えております。 こうしたことを念頭に置きながら、日頃の職務におきまして、様々な案件について多くの職員と議論をさせていただいております。 そうした議論を通じて、職員それぞれが自分の職務とか責任の中で精いっぱい取り組んでいると感じているところでございますが、政策というような観点から見た場合には、今ほどお話ししたような点はもとより、社会情勢や市民ニーズ等を踏まえた政策課題の明確化、あるいは政策の目標、対象、手法、効果等、政策手段、妥当性、関係部署や他の政策等の調整、将来コストも含めた財政的措置等、いろいろ多角的な視点での検討が必要となってまいりますので、そうした点について一緒になって検討し、議論を重ねる中で、今まで以上に市民福祉の向上につながる政策等が全庁的に展開されるよう取り組んでいるところでございます。 理事としての職務、職責というようなことにつきましては、ただいま市長のほうから御発言がありました。まだまだ十分でない面も多々あるものと認識をしておりますので、御質問の趣旨等も踏まえる中で、与えられた職務と職責を果たせるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 理事からも御答弁いただきました。 こういう質問を通告して、担当課長以下のヒアリングを受ける中で、我々には見えないんですけども、意外と原課の方々からは大変頼りにされているなということは実感をしました。 先ほどちょっと無愛想と言いましたが、無愛想で面白い理事と訂正させていただきますが、市長と若干サイエンスが違う理事なので、聞かせていただきました。 いずれにしましても、格差の是正というのはそう簡単にはいきませんけれども、そこに住む人々のモチベーションを失わせないための公平感、持続可能性のための、一律でない、しゃくし定規でない、きめ細かで柔軟な行政経営をお願いして、この質問は終わります。 次に、部活動の在り方について伺っていきます。 部活動は、学校において計画する教育活動であり、中学校学習指導要領には、生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動について、中略して、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意することと明記されています。 また、平成25年には、文部科学省から運動部活動での指導のガイドラインが示され、昨年3月には、スポーツ庁が生徒にとって望ましい環境を構築するという観点に立ち、学校の部活動改革に向けた具体的取組として、運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインを示しています。 私の知る部活に命をかけている熱血教員は、今はどなれんし、どつけんくなったと言っていましたが、体罰はないにしても、誤った価値観や認識での指導や、一部の保護者会の過熱ぶりなど、課題はないのかというのが今回の質問の趣旨です。 先般示された高山市教育振興基本計画の素案の中には、学校教育の項で、郷土高山に根差し、未来を切り開くための資質、能力を育みますという基本的方向に沿った施策として、部活動の在り方に関する検討という一文、教職員の資質の向上と勤務の適正化という中で、部活動指導員、外部指導者の活用などによる部活動の負担軽減との一文が示されています。 どちらかといえば教員目線の書きぶりかと感じないわけでもありませんが、まず伺いたいのは、生徒の目線に立って、部活動を通して何を学ばせたいのかという基本的なところですが、確認をさせていただきたいと思います。 ○議長(橋本正彦君) 中野谷教育長。   〔教育長中野谷康司君登壇〕 ◎教育長(中野谷康司君) 中学校の学習指導要領では、部活動は教育課程外の活動であるものの、教育活動の一環と位置づけられています。生きる力を育む活動というところがポイントだと考えています。 先ほど生徒目線と言われましたが、生徒が自ら選んで行う主体的な活動で、目標に向かい挑戦し続け、達成感や貢献感を感じ、豊かな学校生活を送ることにつながるというところが生徒目線の考えと。そして、スポーツ、文化、芸術等に興味関心を持つ生徒が学級や学年の枠を超えて活動するというところも魅力的だと考えています。仲間と共に活動する中で、自分の技能を高めたり、責任感や連帯感、礼儀や感謝の気持ちを学んだりするというところも大切なポイントだと考えています。 ○議長(橋本正彦君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 全く何も言うことはありませんが、そうした理念の下運営されている部活動ですが、一方では、部費や遠征費の負担に加え、プロ並みの高価な道具やユニフォーム、シューズの購入という経済的負担、さらには、練習の送り迎えやお茶当番など、親の負担が大き過ぎるという声を耳にします。 中には部費が月に1万円、年間12万円も徴収されているケースもあると聞くわけですが、それは育成会が決めることだから、学校はノータッチということでいいのか。通常の中学校入学時のもろもろの負担もばかにならない中、そういう金銭的な理由で初めから子どもに部活を諦めさせてしまうケースも事実としてあるわけです。 教育委員会として、毎月の部費、宿泊を伴う遠征費など、保護者の負担について、その実態をどれくらい把握されているのか、どう受け止めておられるのか伺います。 ○議長(橋本正彦君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 市では、校長会が部活動運営指導の基本事項というものを定めておりまして、部費や遠征費においては、年間7万円を超えないように努力するということといたしております。 また、中学校の入学前に、説明会の際に部費や遠征費のおよその額について一覧にしてお示しをするとともに、各育成会においては総会を開き、予算について協議の上で決定をされております。 しかしながら、大会で勝ち進み、遠征費が予定より膨らむなど、年度や部活の種目によっても差が出るということは認識をいたしております。 練習の送迎などについては、家族にとって過度の負担とならないよう、土日どちらかを休日としたり、過度の経費的負担とならないように遠征の数を減らしたりするなど、部活動指針を遵守するよう、部活動研修会などの機会に学校を指導しているところでございます。 ○議長(橋本正彦君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) もろもろやってくださってはいるというお話でした。 そしてまた、市として部活動に助成をされていることも、また、県大会以上の大会出場に、参加費とか宿泊費とか交通費に半額補助するなど、保護者の負担軽減に努められていることは理解はしているつもりですが、その中身は意外と分かりにくいものがあります。 新年度予算の事業シートの中に記載されている部活動支援事業1,000万円の公平かつ効果的な支援とはどういう中身なのか。顧問の宿泊費についても、平日なら旅費、土日は中体連の大会のみ2分の1補助など、各種大会派遣に対する支援のルール、配分方法がどうなっているのか意外と分かりにくい。明快な基準はあるのでしょうか。 そして、大会出場の支援を含む部活動の環境整備は十分と言えるのか。もっと強化する考えはないのか、見解を伺いたいと思います。 ○議長(橋本正彦君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 部活動に対する補助制度といたしましては、年間に1万5,000円を均等に補助するものと、中体連主催の中学校体育大会、吹奏楽連盟主催の中学校吹奏楽コンクールなどの岐阜県大会、東海大会、全国大会に出場する際の遠征費に対しての助成という2種類のものを実施いたしております。 大会派遣に係る補助制度の基準は、対象者は大会に出場する生徒、学校責任者、コーチでございまして、対象経費は交通費、宿泊費、参加料などとなっております。 補助額は2分の1以内の額という基準といたしておりますけれども、経済的に困難を抱えていらっしゃる要保護準要保護の生徒に対しては全額を補助しているところでございます。また、今年度からクラブ活動においても同様の基準で対象を拡充したところでございます。 これで十分かということについていろいろな御意見があろうかということを思っておりますので、明快にお答えはできませんけれども、部活動に要する経費、費用に対する補助についての拡充といったことは現状では考えておりません。部活動が保護者の過度の負担とならないよう、学校に指導してまいりたいと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 次に行きますが、保護者会、育成会の在り方と市の関わりについても伺います。 保護者は、学校や地域住民とともに、生徒が教育やスポーツ文化活動等に親しめるよう、その機会の充実を支援するパートナーであるとして、部活動における保護者との連携は、基本的には善なるものとして捉えられていると感じますが、実態はどうなのかといえば、保護者会と学校の関係については、学校も顧問も関与せずとして、一歩も二歩も引く印象が否めません。 一生懸命応援することを否定するものではありませんが、指導者も親も、一部の人が熱くなり過ぎて、勝利至上主義的な流れになっていないか。常に全国大会を目指すような高校やクラブチームとは違うわけで、義務教育の中で勝つことが最終目的でないとしながらも、声の大きい人、裕福な人、顧問にとって都合のいい人の意見に従わないと子どもに影響が及ぶのではないかと、無言の強制力が働くのは事実です。その温度差は学年によっても部によっても違うので、全てとは言いませんが、ついていけなかったり、意見が衝突するなどして、結果、子どもに部活を辞めさせてしまうケースもあるということです。 そういう保護者の声は聞こえてきませんか。学校と離れた保護者会のこととして、関与を避け、聞こえないふりでしょうか。自主的な活動だから、そこまで手が届かないということでしょうか。教育委員会として部活の実態をどう把握し、どう指導性を発揮されようとしているのか伺います。 ○議長(橋本正彦君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 部活動につきましては、国や県のガイドラインを基に、校長会が高山市中学校部活動運営指導の基本事項においてそうしたことを定めているということは先ほどお話ししたとおりでございますけれども、その中で、保護者、PTA組織、地域、関係団体と互いに役割を確認しながら運営を進めるとしておりまして、各学校においては、部活動に加入した生徒の保護者による育成会を組織し、それぞれと連携をしながら部活動の運営をしているところでございます。 年度初めに育成会の総会を開催し、部活動運営の方針やサポート内容について協議し、指導者と保護者、あるいは保護者同士が意思疎通を図りながら、連携して部活動を運営しているところではございますけれども、保護者の中には、勝つこと、強くなることを目標とされる方もいらっしゃれば、そうでない方もおられるなど、部活動に対する考え方も様々であるため、共通理解を図ることに苦慮しているという実態が、議員がおっしゃったような一歩、二歩引くといった印象を与えている原因かとも捉えております。 部活動の目的をどう捉えるのか、部活動の運営方針や運営方法などについて学校や保護者がよく話し合い、共通理解を持って部活動が行われるということが大変に重要なことだという認識は持っております。教育委員会としても学校と一緒に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) ぜひ教育委員会がそこら辺をしっかり踏ん張っていただきたいと思います。 謝恩会等においても節度が必要で、ホテル等での派手になりがちな飲み食い、中には部費の会計の中に何万円ものスナックの領収書が入っていたりという話を聞けば、そこはちょっと是正してもらわなければならないと考え、申し上げました。 こういう質問をするからといって、部活動そのものを否定するものではありません。自身の経験からも、本当に10代における一番輝いた1ページとして残っていますし、部活動はやるべきと考える1人ですが、生徒同士の交流、連帯、励まし合い、達成感など、多様な学びの場としての教育的意義を正しく捉え、生徒にとって望ましいスポーツ環境を提供するという観点できちんと関わり、本来の目的に沿った部活動の環境を整えていくのは、教育行政の責任だと考えます。最低限、市として部活動の在り方に関するガイドラインを定め、徹底を図る必要があるのではないかと考えますが、見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 先ほどからお話をしております部活動に関する運営指導の基本事項というものを、市としても1つのガイドラインと捉えてはおります。 部活動については、その目的や保護者の経済的負担を含め、教員の働き方改革、合同部活動など、様々な課題があるということは認識をいたしております。 議員御紹介の第3期教育振興基本計画におきましても、部活の在り方に関する検討を挙げておりまして、来年度には関係者による検討会を立ち上げまして、部活動の様々な課題について検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 基本事項というものがガイドラインだということですが、これは公表はされておりませんし、一体どれくらいの方がそれを認識して意識していらっしゃるのかということです。ぜひここについても、見直しについても議論をしていただいて、しかも、公表の上でその実効性を高めていただきたい、そんなふうに感じます。 また若干違うことですが、少子化によって、合同での部活動という実情も高山市内にもある中で、部活を学校だけに任せきりにするのではなくして、主体を地域社会へと緩やかに移行させ、専門性のある指導者と学校が協力して推進を図るべきとの昨今の議論も踏まえ、新しい部活動の在り方についてぜひ検討していただきたいなということだけ申し上げたいと思います。 次に行きます。 市民協働の景観づくりと通告しました。 高山を訪れる人から、まちがきれいだと本当によく言われます。標高3,000メートル級の山岳景観から、歴史的町並景観、農山村景観まで、他にはない大事な高山の財産であり、資源だと感じています。 最近一新された、あるガソリンスタンドグループの焦げ茶色を基調とした高山バージョンのポール看板と外装、あるいは、全国ネットのホテルの真っ黄色の看板が落ち着いたものに変えられているのを見て、さすが高山だと誇らしく感じています。 景観は、そこに住む人々や土地に根づいた文化、空気感が命で、個性の集まりが調和を生み、町並を形づくるという意味で、キーワードは統一感のある豊かさ、優しさなのだと感じています。 さりげない風景の連なりこそが高山らしさであって、ここからが景観のいい地区というような線引きや、他市にありがちな景観重要建造物が突如として現れる形ではなく、連担性のあるまち全体の景色にもっと磨きをかけたいと思っています。ある意味観光は二次的についてくるものとも言え、景観はそこに住む人々の営みと連動で捉える必要があって、それこそ市民協働でさらなる景観づくりを進めるべきものと考えます。 今の時代、様々な媒体である程度のイメージを持って高山を訪れる方々ばかりだとすると、どれだけプラスアルファを感じ取ってもらえるか、何を持ち帰ってもらうかということに注力する必要があります。 平成29年に景観計画の見直しがされ、景観まちづくり刷新支援事業の追い風もあったり、景観にふさわしい看板補助金を始め、各種助成制度の整備など、積極的な誘導策による景観の向上が図られていることは大いに評価したいと思っています。 まず、景観刷新事業を含む近年の取組と成果について、まだ進行中の事業もあると思っていますが、確認をさせていただきたいと思います。 ○議長(橋本正彦君) 西永都市政策部長。   〔都市政策部長西永勝己君登壇〕 ◎都市政策部長(西永勝己君) 景観に関するまちづくりにつきましては、地域住民の取組を、景観計画など、公のルールに反映させたり、景観に関する支援を行うなど、地域住民と協働で取り組んでまいりました。 近年、古い町並から見た宮川対岸の高層建築物の色彩基準の強化や、屋上広告物の設置禁止区域の拡大、伝建地区に特化した基準の新設、屋外駐車場への生け垣や板塀の設置の義務づけなど、基準の強化や新設を行ってまいりました。基準強化等により基準に合わなくなったものに対しましては、補助額や補助率をかさ上げし、是正を促進する取組も併せて行ってきたところでございます。 また、景観まちづくり刷新支援事業につきましては、平成29年度より、良好な景観資源の保全活用による都市の魅力向上、地域の活性化を図ることを目的に、駅西交流広場の整備や、高山駅東口周辺の屋外広告物の撤去、改修、高層建築物の外壁の色の変更や人道橋の整備、宮川朝市通りなど、道路修景の整備、若者等活動事務所の整備のほか、今回新たな視点として、宮川に面した看板の撤去など、河川景観の修景も行ってきたところです。 このような取組により、市内各所の景観向上が図られたこと、さらには、整備に向けた地域住民との話合いや、屋外広告物、外壁の是正に向けた事業者との交渉を重ねる中で、市民や事業者等の景観に対する意識の高まりが実施につながったことが成果であると捉えているところでございます。 ○議長(橋本正彦君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 様々取り組んでくださっていることは理解をしております。昨年取り組まれた消火栓ホース格納箱の塗り替えなどは、とっても地味ですが、大いに評価したいと思っていますし、これまでにもできることは相当やっていただいたと捉えておりますが、さらに、できそうもないことにもどう踏み込むか、知恵の出しどころかと感じています。 個人的には、全国一律の交通標識の色や大きさ、あるいは消火栓本体の色も、郵便ポストの色なんかも変えられないものかと感じていますし、横断歩道のほか、道路附帯設備や自動販売、エアコンの室外の色なんかももっと積極的に変えていけないかと考えます。最低限でも、派手な赤や黄色など、原色は排除したいと思っています。 かつて西村幸夫先生は、すごいものがあるというより、変なもの、余分なものがないことが大事だと講演をされましたが、隠せるものは徹底して隠すことも必要なことで、金沢市では、法律で定められている道路案内標識であっても、特区制度を活用してサイズを小さくしています。高山市としても、安全とか案内誘導という機能は維持、確保しながらも、景観特区に取り組むなど、プラスアルファの展開ということが考えられないか、見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 西永都市政策部長。   〔都市政策部長西永勝己君登壇〕 ◎都市政策部長(西永勝己君) 今ほど議員御紹介のように、これまでも一部の景観重点区域において、消火栓用のホースのボックスや信号、防護柵などの色を周辺の景観に合わせるなど、地域の特性に応じた取組を行ってきております。 しかしながら、看板や建築物の色や大きさなど、現在の景観基準には合っているものの、周辺の景観には調和していない事例が出てきていることや、農山村景観をどう継承していくかなど、景観まちづくりにはまだまだ課題があり、さらに取組を進めていかなければならないと考えております。 そのため、今後も色や大きさなどの基準の見直しや、基準適合をどう判断するかというような判断方法の見直し、これまで取り組んできた中橋から陣屋への眺望景観や、市街地から望む里山景観の保全のほか、橋から見た河川景観、鉄道や道路から望む美しい田園風景など、保全するエリアの設定に新たな視点を加えるなどの取組も検討してまいりたいと考えています。 ○議長(橋本正彦君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 景観保全にも新たな視点をというお言葉を頂きましたので、これ以上は言いませんが、一つ一つの条例や規則では抗しきれないことも多々ある中で、たまに変化球を投げるから直球が生きると、それが付加価値だと思って、ちょっと言わせていただきました。 以前に本物という議論がありましたが、時にカモフラージュも是、見えないように覆い隠すことも是で、共存、調和による魅力アップという視点でいえば、そのコントロールはまさに行政の仕事だと考えます。 これまでにも大きな電波塔や屋上看板の撤去、無電柱化、側溝ぶたの木製化など、成果を上げてきましたが、美しい景観と潤いのあるまちづくり条例を始め、歴史的風致維持向上計画や伝建地区保存計画、都市基本計画など、関連する諸計画の実効性について考えたとき、高山市はまだまだその運用や対応が優し過ぎるのではないか。もっとこだわって強い姿勢で臨んでいってもいいのではないかと感じることがあります。 2007年に新たな景観政策を打ち出した京都などは、相当厳しい規制をかけた上で、移行期間を終えた既存不適格の屋外広告物について、行政代執行での撤去も辞さないという強い姿勢で、伝統と新しさが溶け込んだ魅力あるまちとして、景観政策のトップランナーを走り続けています。そういった条例や計画を有名無実としない規制や誘導などを含む、高山市の強い在り方について見解を伺いたいと思います。 ○議長(橋本正彦君) 西永都市政策部長。   〔都市政策部長西永勝己君登壇〕 ◎都市政策部長(西永勝己君) 市では景観計画を策定し、景観形成の方針や、地域の特性に応じた基準を定めています。また、まちづくり条例などによる届出を通して、建築や屋外広告物など、よりよい景観を形成するよう助言指導も行っています。 本市の景観は住民主導で取り組まれてきた経緯もあり、市民、事業者、行政の協働による景観まちづくりを目指しているところでございます。 そんな中で、これまでも市の指導、地域住民を交えた話合いなどを行い、建物の高さやデザインを変更していただくなどの事例もあるところでございます。行政だけでなく、住民などを交えた取組が効果があるものと考えています。 景観を極度に阻害するような場合には、法的措置も視野に入れながら、必要に応じて対応してまいりますが、併せて繰り返しの話合いの場を設けるなど、粘り強く御理解を求める中で解決していくことが大切だと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 以前に質問をした際に、関係機関と合同で景観パトロールを実施しているとか、美しい景観と潤いのあるまちづくり審議会の有識者から意見、提言を頂いているとか、景観町並保存連合の専門部会の方々と市職員で、町並を歩きながら考える取組も始めているとの答弁を頂いております。 私は、ただ、一年に一度のパトロールでは十分とは言えないし、助言指導という言葉もありましたが、指摘された側の受け止めにも温度差があると感じています。 是正についても、行政というのはやっぱり及び腰で、市民に向かって強くは言えない体質だと感じています。そういう意味で、市民の方々に景観サポーターを委嘱して、市民目線でチェックするとともに、強めに是正を働きかけていただくというのはどうかと考えます。高山市からの委嘱という立場であれば言うほうも言いやすいですし、言われるほうも、直接行政から言われるより聞く耳を持つのではないかと考えます。 もちろん、これまで町並保存会などの皆さんが、保存のルールづくりから広報、次世代への継承まで、本当に頑張って担ってくださってきた部分ですが、高齢化や代替わりなどによる危機感も耳にするところで、そこに住む方々だけではない、若い人の視点も加えた新しい角度でチェックをして正していくことも大事ではないかと考えるわけですが、この点はいかがでしょうか。 ○議長(橋本正彦君) 西永都市政策部長。   〔都市政策部長西永勝己君登壇〕 ◎都市政策部長(西永勝己君) 市民による景観の啓発などの活動につきましては、今ほど議員からもお話がありましたが、これまでも県の委嘱によります岐阜県景観形成推進ですとか、地域のボランティア、保存会の皆様方と、例えば屋外広告物の街頭啓発や簡易除却というような実効性のあるものも含め、取り組んできたところでございます。こういったようなものの活用も含め、さらなる活動につきまして取り組んでまいりたいと考えております。 また、今後の取組としましては、地域の中で住民と共に活動していただける方々を育成していくことが重要であると考えております。このためには、地域の活動に様々な方が参加していただけるよう、大学との連携を始め、若者の視点を加えた新たな取組を進めていきたいと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) そうした住民と共に活動というところをさらに広めていただきたいと思っています。景観まちづくりといっても、空間はみんなのものであって、豊かさやもてなし感が伝わること、そのプロセスこそ大事で、市民意識の高まりによる景観保全、景観形成こそが本物と言えるのではないかと考えます。 個人的な話ですが、江名子川沿いの風景、景観は、四季を通じて風情があって大好きな場所の1つですが、例えば哲学の道みたいなネーミングはどうだろうかということも考えたりします。当たり前の景色にストーリーづけすることで、改めて再認識できる宝物は多いはずで、景観まちづくりの意識をさらに根づかせるアイデアを募集するというのも面白いのではないでしょうか。 愛着や誇りこそ市民力、まちの活力であり、夜間の景観を映えらすことも、積極的な眺望伐採による見え方、見せ方の工夫も、川沿いや水辺の景観も、トップダウンではなく、ボトムアップでつくり上げていくのが理想です。 もともと高い市民意識をさらに高め、高山らしい景観を守り育て、さらにまちに厚みをつけていこうという意識を共有する中で、全市域に景観まちづくりの機運をさらに高める、オール高山での市民協働の景観まちづくり、景観の継承は文化力であり、観光でまちを台なしにしないためにも、地域のマネジメントとして、プロセスを大事にしながら、どんな景観を目指すのかをみんなで考えること、まだまだ工夫すること、やれることは多いのではないかと考えます。市の見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 西永都市政策部長。   〔都市政策部長西永勝己君登壇〕 ◎都市政策部長(西永勝己君) 景観に関する取組につきましては、住んでいる市民の皆様方などが、景観など、地域の価値を再認識し、保全や活用しようとする機運が高まることがまちづくりにおいて大切なことであると考えております。 そのために、次世代の意識の醸成のための郷土教育の学習の場や、高校生、大学生など、若者の視点を取り入れるための新たな取組、景観活動を主とした地域の活動団体設立に向けた働きかけ、景観に関するワークショップや勉強会の開催、アイデアや提案募集など、様々な方法により市民が参画できる機会を創出することが重要であると考えております。 今後は、これまで取り組んできている建築物の町並や景観形成の支援、開発行為への指導助言、親しみのある公共空間の整備などに併せ、市民が取組に参画できる機会を増やすこととともに、景観基準の見直しや、新たな視点による保全エリアの設定など、良好な景観形成に向けた誘導、地域住民組織や事業者など、多様な主体の景観保全活動に対して支援や働きかけを行うなど、景観まちづくりの機運を高める取組を行ってまいりたいと思います。 こうした取組を行っていくことにより、市民、事業者、行政が景観の価値を共有し、将来にわたって良好な景観を承継していけるようなまちづくりを目指してまいります。 ○議長(橋本正彦君) 中筬議員。 ◆14番(中筬博之君) 若干質問していて、くどいなと自分も思っていますが、高山はもともと強い誇りのあるまちです。景観を守っていくことが、そこで生活する住民にとって潤いを伴うものでなければ、窮屈なだけだということも感じています。 空間はみんなのものという共通認識をもっと高め、オール高山で守り、つくり上げる協働の景観まちづくり、この地域ならではの作法で、産業も生活様式も一体的に、行政だけではなく、生活に根づいた文化と景観づくりにじっくりと取り組み、まちの魅力をさらに高めていきたいと考え、質問させていただきました。 以上で質問を終わります。 ○議長(橋本正彦君) 以上をもって、中筬議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(橋本正彦君) 休憩します。     午前11時16分休憩  ――――――――◯――――――――     午前11時30分再開 ○議長(橋本正彦君) 休憩を解いて一般質問を再開いたします。  ―――――――――――――――― ○議長(橋本正彦君) 次に、伊東議員。   〔6番伊東寿充君登壇〕 ◆6番(伊東寿充君) お昼に差しかかろうかという時間帯に大変失礼をいたします。 場合によりましては急停止できますように、安全運転に心がけて一般質問を進めてまいりたいと思います。どうかよろしくお願いをいたします。 また、質問の中には、両日されました質問と少し似通ったところもあるのかもしれませんが、これはまた違ったアプローチからの質問ということで、予定どおり質問を続行させていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 それでは、通告に基づきまして、一般質問させていただきます。 先端技術の活用によって今、世界は大きく変わりつつあります。 これまでも質問を重ねてまいりましたが、国を挙げて取り組まれている第4次産業革命やソサエティ5.0に関する事業やモデルは多くの地方自治体においても実装され、人口減少や超高齢社会下における諸課題の解決や経済発展に資するものとして注目が集まっています。 また、多くの企業や大学もこれに参入し、これらの取組が進展するシナリオにおいては、2030年時のGDP比較で実に132兆円もの上振れが生じることを内閣府も試算しているところであります。 強力にこれを推し進めている海外列強に対し、競争優位を得るには難しいとされる我が国においても、これほどの影響をもたらすとされる技術革新の波は、日々スピードを増している状況にあるのではないでしょうか。 固定電話が携帯に、そして、スマートフォンに進化してきた例をとっても、ほんの二十数年間で当時予測し得なかった技術の進歩と社会の変容を私たちは身近に経験し、近年では極めて短いスパンで様々な先端技術が社会実装され続けております。 私たちは、普遍的な人の営みを大切にしながらも、時代に順応することでも今日の生活を享受しているわけであります。 一方で、加速する技術革新と社会の変化に少なからず不安を覚えるところもありますが、そういった環境が世界基準となりつつあること、多くの経済的メリットがあること、そして、人口減少にまつわる多くの課題解決の糸口となり得ることなど、自治体にせよ、企業にせよ、今後はやはり積極的な導入を図り、社会全体の持続力と付加価値や競争力を高めていくことも必要なことであると認識しています。 高山市におけるAI、IoT、ビッグデータを始めとする先端技術導入施策と成果といった部分では、やらないこともないが、積極的ではないといった印象を持っておりますが、今回の八次総合計画後期見直し案では、若干前向きな施策に該当する記載が見受けられてきたように感じております。 しかし、対象となる事業者や市民にとっては、何のためにどんなことをするのか、これまでと何が変わるのかなど、根本的な部分において認識度に隔たりがあることも事実で、サービスをひとしく享受いただき、生きた取組としていくためにも、再確認をさせていただければと思います。 市における先端技術の活用とはどういったものか、また、私たちの産業や暮らしにどのような影響をもたらすものであるのか、お伺いいたします。   〔6番伊東寿充君質問席へ移動〕 ○議長(橋本正彦君) 清水総務部長。   〔総務部長清水孝司君登壇〕 ◎総務部長(清水孝司君) 現在のICTを始めとする先端技術の活用状況といたしましては、市民サービスにおいて、窓口業務における外国人への対応として、言語翻訳システムを市役所で導入しております。 また、産業におきましては、AI顔認証システムを用いた交通量調査の実証実験を行い、定期的な調査を行うことで人の動きを分析し、まちづくりに反映する取組などを行っているところでございます。 また、税業務などでRPAの実証実験を行いまして、単純提携業務をコンピュータに実行させることで業務効率化につながることを確認したところでございます。 今後、情報通信技術の発展により、高速大容量の通信ができる5Gの時代に入ります。 医療分野においては遠隔診療、農業分野においては大規模スマート農業、建設分野においては重機の遠隔操作、製造分野におけるロボット制御など、様々な分野において先端技術の活用が想定をされております。 これらを始めとする様々な先端技術の活用は、地域課題でございます人口減少や高齢化、労働不足などに対応したサービスの維持、向上のほか、業務の効率化など、市民生活の向上や産業の振興につながる効果が大変大きいと考えているところでございます。 ○議長(橋本正彦君) 伊東議員。 ◆6番(伊東寿充君) いろいろな分野において、今、導入を図られようとしている、またはやっておみえになるということをお伺いできました。 少なからず、各分野においてそういった取組を進められる、また、想定されていく中で、先端技術の活用に関わる高山市全体としての明確なビジョンを持ち合わせる時期にあるのかと感じております。 到達点や方向性を導くことで一体的な取組ができること、さらに、諸課題の解決と地域の将来像からよりよい手法を選択し、分野を横断した取組にすることで、効率的、効果的に事業を推進することができます。 ぜひ、お考えいただきたいところでありますが、こういった取組の1つの方向性として、スマートシティという構想が世界各国で、そして、日本でも急速に社会実装が進んでおります。 昨年8月時点で、内閣府、総務省、経産省国交省で携わるスマートシティ官民連携プラットフォームには、全国で471団体、うち、地方自治体も112団体が参加し、ソサエティ5.0の概念の先行的な実現の姿として重視される位置づけとされております。 2010年当初では、およそ10年前になりますが、特に、エネルギーマネジメント等、特定分野を対象とした個別分野特化型としての取組が行われてきましたが、最近では、我が国において、府省の枠や旧来の分野の枠を超えた取組として、多くの事業が展開しているところであります。 また、国交省における中間取りまとめには、スマートシティは、都市の抱える諸問題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント、計画、整備、管理、運営等が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区と定義されています。 そういったことからも、人口減少、超高齢社会、厳しい財政制約等により顕在化している諸課題に対し、住民生活サービスを確保し、持続可能な都市構造を実現するためには、まちづくりという総合行政の視点から先端技術の活用を捉え、不足を補完できるまちづくりが潮流となるのではないでしょうか。 技術導入により最適化が図られるものにあって、データ連結させるべき分野、相乗効果が見込まれる分野は多種多様でありまして、市民生活全般はもとより、省エネルギー、経済活動、教育、交通、行政、そして、医療や防災、物流、金融に至るまで、市域全体を見据え、実情に応じた部分をきちっと手当てしていけるように、方向性や全体像を組み上げていく構想の必要があると考えております。 それには、分野ごとや事業単発での計画や成果という視点から脱するところから始めなくてはなりませんし、八次総見直しでも言われている分野横断的な取組や考え方が定着し、機能していくための1つの試金石としても有益な取組となるのではないでしょうか。 このような考察に対し、市の見解をお伺いいたします。 ○議長(橋本正彦君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕 ◎副市長(西倉良介君) 高山市だけでなく、全国の多くの自治体においても、人口減少ですとか、少子高齢化が進む中、先端技術を活用した取組というのは、市民生活の維持向上、また、さらには経済の安定、発展に向けてますます今後重要になってくるものと考えております。 お話のとおり、現段階では、医療、産業、さらには農業、製造業、環境、教育等々、個別分野での先端技術活用の取組が主となってはおりますが、今後においては、そうした個別分野を総括する視点からの取組も必要であると考えております。 御提案のスマートシティ構想ですが、個々の分野における効果を分野横断的により実効性を高め、効率性、効果等を踏まえる中で付加価値を生む取組であります。 そうした意味からも、市民生活の質やサービスの向上、さらに、行政運営など、生活基盤全般の向上、そして、高山市ならではの地域課題の解決、そうした視点からも、持続的に成長し続けるために大切な取組であると考えております。 新たなまちづくりの視点からも研究を進めてまいりたい、そのように考えているところでございます。 ○議長(橋本正彦君) 伊東議員。 ◆6番(伊東寿充君) ぜひ、高山型のスマートシティあるいはそういった構想に向けて研究を進めていただけたらありがたいなと思っております。 ただ、刻一刻と状況は進み、取組のスピードや熱量が優位と劣位を分けることを鑑みれば、やはりどれだけでも早くそのような研究をしていただきたいですし、それが、利便性ある豊かな市民生活の素地づくりとして機能していくよう、期待したいと思っております。 また、仮にそのような構想や計画を進めるにせよ、しないにせよ、市全体の産業や地域の課題を解消する有効な手段の1つであることは変わりませんし、先端技術の進歩を常に捕捉しながら、よりよいまちづくりのため、どういった技術をどういったところに導入していくのか、どういったデータや技術を連結していくのか、これを、総合的に調整を図れるような専門的機関が必要なのではないかと感じています。 国においては、都市や地区の面的空間における分野横断の領域は国土交通省都市局が、データの利活用基盤の構築には総務省が所管しているなど、府省の役割分担もありますが、それぞれが共通基盤のもと、連携、事業が推進されているわけであります。 共通基盤の構築あるいは全体最適化を考える上で、実質的な調整統合機関としては総合イノベーション戦略推進会議がこれに当たるわけですが、高山市においても、無駄なく、効果的に事を進めていくに当たっては、専門的な知見や特化した視点を持ち、地域全体の最適解を目指せる協議会などの発足が必要ではないでしょうか。 既存の体制でもそのような検討を進めることはある程度可能だとも思いますが、高山市にとってある種、未知の分野である以上、これまでのようなエピソードベースでは計れない部分が多分に存在すること、技術革新のスピードによる施策の陳腐化、これを防ぐために常に観測しながらアップデートを行えるような、従来のPDCAサイクルとは一線を画す考え方も必要なことから、そういった機関の設置は有効な手だてであると考えています。 総合的視点における分野横断の調整、これと共通認識あるいは政策統合という機能を付与できるとすれば、例えば、大学連携センターのシンクタンク機能などをこれに充てることも可能かもしれませんが、いずれにせよ、待てば待つほど遅れに幅が出る分野である以上、できるだけ早い段階でそのような専門機関を設置する必要があるのではないでしょうか。市の考えをお伺いいたします。
    ○議長(橋本正彦君) 清水総務部長。   〔総務部長清水孝司君登壇〕 ◎総務部長(清水孝司君) 先端技術のさらなる活用に向けましては、個別分野の取組だけでなく、様々な分野における横断的な取組が必要でございます。専門的な知見が必要と考えております。 現段階で、議員御提案の協議会を発足させるというような予定はございませんけれども、これまでにも先端技術の活用を進めたいという中で、大学との連携ですとか、国の制度を活用した有識者の招聘というようなことも行ってまいりました。 今後も、これらの取組をしっかり進める中で、議員御提案の取組につきましても研究を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 伊東議員。 ◆6番(伊東寿充君) 早期の検討、そして、実現に期待を寄せたいと思っております。 さて、そのような機関を設置するなり、あるいは研究を進めるに当たり、どのようなプレーヤーが必要となってくるのでしょうか。 少なくとも官民の連携は不可欠となるわけですが、国交省の中間報告を例に取らせていただけば、1に、技術開発者、サービス提供者として技術をつくる人、2に、都市開発者として技術を加える人、3に、都市管理者として技術を活用する人、4に、住民や地元企業として技術を購入する人が挙げられ、その連携が重要であると示されております。 3、4については、行政と地域という枠組みで不足はありませんが、1ないし2の役割に関しては高い専門性を必要とするため、これまで同様、その多くをアウトソーシングせざるを得ない状況にあると感じています。 八次総見直しにあっては、その辺りもお酌みおきいただき、先端技術の積極的導入に加え、産業間連携や生きがい依存率の高いIT関連産業の生長促進等、非常に期待感ある記載がありますが、これをどの程度具体的に、そして、戦略的に行っていけるのか、その真価が問われるところであります。 あわせて、域内での資金循環といった観点からも重要な取組となるのではないでしょうか。 先日、議会で開催させていただきました高校生との意見交換会で頂戴した意見にも、理系生徒は帰ってくる場所がなく、Uターン率が低くならざるを得ないといったものがありました。 改めて問われれば、まさにそのとおりで、これを数値化したら、相当数の理系Uターン者を失っている結果が見えてくるかもしれません。 彼らが帰ってこられる場所、帰ってきたいまちをつくっていくのも私たちの責任である以上、大きな課題として、これまで以上に力を入れるべきではないでしょうか。 域内調達がほぼ不可能というようなグローバルベースの技術開発などは難しいかもしれませんが、そういった技術を活用しシステムを構築できるくらいの技術ストックが地域に根づけば、非常に持続性の高い地域になるのではないかと期待を寄せているところであります。 将来的にはそういった分野がまちづくりの一角を担うステークホルダーとして成長し、様々な分野と連携していけば、次世代にふさわしい、市民満足度の高いまちづくり、多様な産業による不況に強いまちづくりの一助となるものと感じるところであります。 以上のような考えから、そういった企業や人材の育成を計画的に進めることが急務ではないかと考えておりますが、市の見解をお伺いいたします。 ○議長(橋本正彦君) 東野商工観光部長。   〔商工観光部長東野敏朗君登壇〕 ◎商工観光部長(東野敏朗君) 本市におきましては、都市部と比較しまして、Uターンなどの若者の雇用の受皿となる産業や職種の選択肢がなく、特に情報通信産業や企画、デザインなどの分野の企業や人材が少ない状況にあることは認識をしているところでございます。 そうした状況を踏まえまして、高山市産業振興計画の次期計画においては、技術開発系の企業や人材も含めて、クリエーティブな分野の企業や人材の増加を図るため、都市部の企業のサテライトオフィスの立地に向けた誘致活動の強化を図ることを位置づけているところでございます。 サテライトオフィスにつきましては、さきの質問でもお答えさせていただきましたけれども、企業側にもかなりのメリットがあるという状況でございます。 将来の高山市を担う若者の働く場をしっかりと確保していくためにも、現在のIT企業などを中心に積極的な誘致活動に取り組んではおりますけれども、今後もこうした取組をさらに進めて、技術開発系等の人材の育成にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 伊東議員。 ◆6番(伊東寿充君) 八次総見直しにおいても、そのような御配慮があるということ、ぜひ成果が上がりますように、積極的な取組に期待をしたいと思っております。 これまでの質問でも申し上げたように、社会のデジタル化に伴う変化は、私たちの想像を超えていきます。 しかし、それは、ミレニアル世代、いや、それ以降のZ世代と言われるデジタルネーティブの若者たちにとってごく自然のことでしょうし、彼らが地域の担い手であるという観点からも、不利を被らない社会を築き上げるのは、これも私たちの責任であります。 また、インターネットやスマートフォンによる情報技術を活用できるかそうでないかによって生じる格差、デジタルデバイドの解消といった点においても、全市的に環境構築を進め、利用コンテンツを充実させ、使いやすく統合していく必要性があると感じています。 昨日も質問いただきましたが、例えば、今回の新型コロナ対策においても、推奨されたテレワークやテレビ会議を額面どおり受け入れられる企業がどの程度あったかなど、職種や業態によっても変わりますが、多くが対応できないのではないかと考えております。 市が進めるワークライフバランスやフレックスタイム、在宅勤務や創業、起業という労働力の創出と効率化に関わる部分においても、今後、企業や病院、行政、加えて、教育についても、あらゆる主体のデジタル化は必須のものとなるのではないでしょうか。 それにより、情報や知識の共有化も進み、生産性の向上も図ることができます。 そうやってプラットフォームを充実させていくとともに、データや技術の連結を行える素地を築き、大きな地域課題でもある移動格差の解消にも取り組めないかと考えております。 高山市においては、事業者と協働し、公共交通の利用促進や移動制約者の生活環境の質の維持、これのため、料金体系や路線など、常時工夫されていることは承知しております。 ただ、それだけでは、なかなか利用促進に至らなかった背景もあります。 打開案の1つとして提唱される次世代の交通と言われるMaaSは、情報通信の活用により、多岐にわたる交通サービスを需要に応じて利用でき、1つの移動サービスとして統合することとされております。 1段階目には、交通ルートや費用情報の統合、2段階目は、交通サービスの予約利用、決済の統合、3段階目は、公共交通に加えて、一般企業の車や自転車レンタルなども統合、そして、4段階目は、データ分析なども統合し、医療福祉、観光商業や宿泊施設などとの連携が図られていくといった流れで、移動格差やバス路線の赤字化や人口減少といった課題解決とともに、地域活性や経済政策としても効果が上がると言われております。 世界では既に拡大されつつある取組で、我が国においても、政府や企業において急ピッチで研究が進められ、昨年には、先行モデル、19地区が選定されました。 1つのアプリ上で、目的地から複数の移動手段を容易に視覚化でき効率化できる1段階目の取組だけでも格段に利便性の向上が図られ、利用促進につながるものと注目をしております。 観光都市としての二次交通の利便性、生活交通を充実させた超高齢社会への対応といった視点からも非常に有用な取組であると考えておりますが、市は導入への検討を進めるべきではないか、質問させていただきます。 ○議長(橋本正彦君) 西永都市政策部長。   〔都市政策部長西永勝己君登壇〕 ◎都市政策部長(西永勝己君) MaaSにつきましては、今ほど議員から御紹介もありましたが、交通を核として情報通信を始め、様々な分野とつなげることで、移動を始め、生活の利便性の向上を図ることを目的とした取組となっており、その範囲は、交通路線検索、施設予約から自動運転というようなところまで幅広いものとなっております。 そのような中で、どのような取組が住民から求められているのか、また、効果的なのか、課題解決につながるのかというようなことのほか、費用対効果など、地域により取り組む内容も異なってくると考えております。 市としましては、市民生活において、今ほど御紹介もありましたが、交通検索や予約、決済や医療機関など、生活施設の予約を一括して行えるシステムや、観光においては、観光コースの設定や提案に合わせ、交通や宿泊などの施設利用の予約、決済が一括して行えるシステムの導入が有効な取組でないかと考えております。 現在は、小型電気自動車を使用したカーシェアリングの社会実験や経路検索や施設予約ができるシステムの構築に関する検討、交通事業者では、キャッシュレス化や配車システムの導入を進めているところでございます。 今年度策定を進めております地域公共交通網形成計画におきましても、経路検索や配車予約システムの導入やキャッシュレス化、新たなモビリティーの活用などを位置づけており、導入に向けて進めていきたいと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 伊東議員。 ◆6番(伊東寿充君) お考えの中に、そういった施策があるということでございます。大変期待をしているところでございます。 市域の住民の皆さんが気軽に外出できるというのも、市域の資金循環にとっても、まちの活気といった部分においても望ましい姿であるわけですから、そういった状況をつくり出すために、研究を急いでいただきたいと思っております。 こういった技術の導入は世代間に差はあっても、取っつきにくいとか、ついていけないとか、あるいはセキュリティの面であるとか、いろいろとマイナスイメージもあるかもしれませんが、むしろ煩雑なことを簡略化させていくもので、市民サービスの維持向上や省力化といった、市域全体で抱える問題に対して極めて有効な方向性の1つとして、充実した調査研究体制を築いていっていただきたいと思います。  ―――――――――――――――― ○議長(橋本正彦君) 伊東議員の一般質問の途中ですが、休憩をいたします。     午前11時58分休憩  ――――――――◯――――――――     午後1時14分再開 ○副議長(渡辺甚一君) 休憩を解いて伊東議員の一般質問を再開します。  ―――――――――――――――― ○副議長(渡辺甚一君) 伊東議員。   〔6番伊東寿充君質問席から質問〕 ◆6番(伊東寿充君) 先ほどに引き続きまして、一般質問を続行させていただきたいと思います。 次に、小中学校における前期後期制の検証と充実についてお伺いしてまいります。 高山市は、平成30年度より、市内小中学校に、これまでの3学期制と異なる、前期後期制を導入いたしました。 当初、29年度よりの導入を検討されておりましたが、子どもたちはもとより、家庭や地域も深く関わる大型のシステム更新ということもあり、その進め方において、説明や理解を得る機会が不十分であること、制度自体の検証の不足といった議会からの指摘もある中、1年間の検証期間を延長し、導入されたものであります。 両学期双方にメリット、デメリットがあるとの御説明がある中、導入時に掲げられたものとしては、複数ありますが、まず、目的として、大上段に掲げられているのが、高山市教育大綱の実現と次期学習指導要領の推進とされております。 教育大綱につきましては、豊かな心、健やかな体、確かな学力を育み、生きる力を身につけるといったもので、教員の事務負担軽減による子どもたちとの向き合う時間の増加による手厚い指導といったところ、指導要領につきましては、小学校の英語教科化等の、35時間から70時間とも言われておりますカリキュラム増加への対応等として、物理的な時間の捻出といったところに要約できるのかなと思っております。 ほかにも、もたらされる効果として複数の御提示がありますが、いずれも、同様の内容をメリットとして捉えることも、デメリットとして捉えることもでき、前期後期制でなければ実現できない部分としては、評定回数の減少と時期の変更等による教員の事務作業の平準化が主なものであるとして見ております。 とはいえ、制度導入の理由あるいはメリットとして複数項目挙げられているわけでありますので、詳細かつ公正な検証は必要となってくるでしょう。 加えて、過去の答弁には、16時間の時間創出や不登校と教員の多忙化を喫緊の課題として制度導入に踏み切りたい旨のお答えもあり、その辺りはどうなったのか。 子どもたちにとってよりよい環境をつくっていただくためにも、当初、効果を生むとされたことや課題とされた点について、どのような形で検証がなされ、次年度に向けた改善点が共有されているのか、アンケートの状況なども踏まえ、お答えいただきたいと思います。 ○副議長(渡辺甚一君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 前期後期制についての検証、アンケート等の御質問でございますけれども、そういった検証につきましては教育委員会の学校訪問による聞き取り、それから、アンケート、あるいはまち協の役員の方からの御意見をお聞きするというような方法をこれまで取ってきております。 昨年の2月にはアンケート調査を実施いたしまして、保護者約2,600人、教職員570人、児童生徒約3,300人、その他まちづくり協議会の方々約50人で、合計6,500人の方の回答をいただいております。 導入の受け止めに関しましては、大変よい、よい、問題ないという回答を合わせて、保護者の方で92%、教職員が96%、児童生徒73%という結果が出ております。 目指す子どもの姿の実現に向けて学校運営に役立ったと考える校長が88%、教育活動の見直しが進んだと答えた教職員が84%となっておりまして、時間数の確保あるいは子どもと向き合う時間の充実ということは進んだのではないかと捉えております。 また、夏休み前に子どもたちの夏休みの計画にじっくりと目を通したり、保護者の方との懇談も考えたりすることが有効であったという意見とともに、保護者からも、懇談で子どもの様子がよく分かったという評価もいただいております。 デメリットとして多く意見がございました前期から後期に変わるときの気持ちの切替えがしにくいということにつきましては、学校や地域の実態に合わせて前期と後期の間に振替休日を加えるなど、また、係活動や生活班替え、新たな目標の設定などによりまして気持ちの切替えが取れるような工夫をしたところでございます。 こうしたことを行いながら、検証を行ってきたところでございます。 ○副議長(渡辺甚一君) 伊東議員。 ◆6番(伊東寿充君) いろいろと検証をされているということで、大変な御苦労もあったかと感じるところであります。 ただ、アンケートの設問に触れてみますと、細かいことを言わせていただくと、取組がよいものであるということとして条文にまず示唆されている、あるいは返答の選択肢に肯定的な選択肢が多く設定されている、先ほどの問題ないというところをどう受け止めるか、どちらに捉えるかというところにも関係するかと思いますが、いわゆる誘導バイアスがかかっているようにも解釈でき、より公正なものとなるよう御留意いただきたいと感じました。 また、中身を見てみますと、前期後期制の、今ほどもありました受け止めに対し、子どもたちの27%が3学期制のほうがよいと答え、よい、大変よいという返答を徐すれば、64%の子どもたちがよくなったとは感じていないという結果が見えてまいりますが、どこか主役である子どもたちが置き去りになっているような印象もあります。 保護者、教職員の結果等も併せ見ると、よいと、大変よいの合算数値では、保護者が31%、教職員が66%ということで、この制度が実質、何に対するものであったか、あるいはその先にあるとされる効果の実感の両者の差異として見てとれるわけであります。 また、純増したとされる時間は、純粋に学期の移行により生み出されたものであるのか、業間や休み時間、掃除の時間の短縮で得られた部分は含まれていないのかなどは、少し読み取ることはできないのですが、もう少し丁寧かつ客観的に検証いただけるとありがたかったかなと思っております。 もちろん、現状の体制下においてできる限り丁寧に対処しておみえになることは御紹介いただいたとおりだと思っておりますが、よりよい制度としていくためには、アンケートは、賛同を得るためのものではなく、課題をあぶり出すための改善ツールであるとしっかり位置づけ、他の検証においても、やはり多様な視点や客観性を保つ意味においても、さらに充実した体制が必要ではないかと感じております。 他市においては、外部有識者を始めとして、多様な団体も交えた学期制の検証委員会等を設置する自治体も見受けられ、より重点的かつ客観的に制度の検証を進めておられます。 主役は誰であるのかをいま一度見据え、よりよい制度としていくための不断の取組として、改善、更新をかけていくといった姿勢を表す、その意味においても、そのような機関の設置も望まれるのではないかと考えますが、高山市のお考えをお伺いいたします。 ○副議長(渡辺甚一君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 前期後期制についての特別の委員会というようなものを設置するということは考えておりませんけれども、来年度から設置をする予定としております学校運営協議会がその役割を担うものと考えております。 学校運営協議会は、まちづくり協議会の方を始め、保護者や地域の様々な立場の方がメンバーとなり、学校運営について広く協議をしていただく場となりますので、前期後期制の検証や改善についても協議していただく予定といたしております。 また、議員御指摘のアンケートでの課題の抽出であったり、あるいは子どもの声の拾い方というようなことについても工夫をしながら、効果の検証あるいは課題の解決に努め、制度の充実に取り組んでまいります。 ○副議長(渡辺甚一君) 伊東議員。 ◆6番(伊東寿充君) 次年度よりの体制でそれをまた賄っていかれるというような回答もありましたが、先ほども申し上げましたように、これ、大型なシステム更新だったわけであります。 当然それに伴う状況をもって、あるいは体制をもって、それを検証していくという姿が望ましいのではないでしょうか。 最後の質問となります。 先ほども少しありましたが、地域や家庭との連携構築、情報の共有や開示といった部分についてであります。 これも過去の常任委員会等などにおいて、委員の皆様から質問なり、進言なり、なされてきたところではありますが、制度導入から2年が経過しようとしている今、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。 まず、制度自体が、これは教育そのものがかもしれませんが、新制度移行の段階を勘案すればなおさら、子どもたち、家庭、地域、そして、教育現場の意思疎通と理解、協力なくしては成り立たないものであるといったこと。新学習指導要領においても強く打ち出されている、社会に開かれた教育課程の実現といったこと。そういった背景からも、子どもたちとの対話はもとより、家庭や地域との意識や情報の共有や支援といったことを重点的な課題とされ、それに沿った形でこれまで以上に御努力をされてきたことについては、一定量の取組の増加はあったものとして受け止めさせていただいております。 一方で、子どもたちも含む対象に対し、なかなか周知や理解が進まないといった状況も多々あるということも、先ほどのアンケート結果等からうかがえることができ、提供側と受け取り側での認識や温度に隔たりがあるということがうかがえます。 なぜそういった状況になったのかといったことは、先ほど来申し上げている検証を密にしていただくことで御高察いただきたいと思いますが、目的自体がはっきりしている以上、手法や視点がその推進力に欠けるものであると判断し、改良していくのが通常の流れであると思います。 それをどう再構築していくのか、加えて、情報の開示や共有といった部分で申し上げれば、どのような手法でどの程度取り組まれてきたのか。 これらは、主体間の意識格差と決して無縁ではないと考えております。 例えば、高山市の学期制見直しに関するネット開示資料は、いずれも、導入前の委員会提出資料と市民意見募集の資料、導入時の広報たかやまぐらいしか私は見つけることができませんでしたが、そういった手法が全てでないにせよ、導入後の取組や課題が市民には見えてこない。情報や課題共有が図られないため、理解を得る機会を失っていくという見方も十分にできるのではないでしょうか。 他市においては、検証過程や結果の報告を始め、情報の開示といった部分にも御留意されている例も少なくはありません。 ともに教育環境をよりよいものとするために手を携え合うプレーヤーであるならば、一部でのやり取りにとどまらないように、広く、同じ情報や課題を共有し、ともに考え、ともに進めていく、そういった姿勢を打ち出していくことが理解を得ることにもつながり、本当の意味での地域に根差した教育が実現していくのだと考えております。 改めて、充実した制度とするために、家庭や地域との相互理解や情報共有、課題抽出の場がより必要となるのではないか。あわせて、検証等、結果の公表も必要とされるのではないか、お伺いいたします。 ○副議長(渡辺甚一君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 地域、家庭、学校が、子どもたちにどのような力をつけさせたいかという情報を共有し、学校づくり、学校運営をしていくということは大変に重要なことだと認識をいたしております。 これまでも学校評価については学校だよりやホームページを利用して公表しておりますけれども、今後、学校運営協議会で話し合われた内容ですとか、こうした学校の課題に対する検証結果についても、保護者や地域の皆様に、ホームページの活用や様々な手段を使って公表し、よりよい教育活動にしていけるように努力をしてまいります。 そうした取組の中で前期後期制の検証や充実についても、家庭や地域との情報共有を図りながら取り組んでまいります。 ○副議長(渡辺甚一君) 伊東議員。 ◆6番(伊東寿充君) ぜひそういうテーブルですとか、あるいは機会というものをつくっていっていただきまして、よりよい制度になるように、一丸となって推し進めていただきたいと思っております。 集団主義でのネガティブ面あるいは一斉画一的な授業、箱詰めの価値化、教育は、時代の変遷とともに、そういった負の側面からの脱却を図ろうとされております。 多様な子どもたちを多様な社会に送り出す場だからこそ、社会への理解と歩み寄りをますます積極的に行っていただきたいと切に願うところであります。 最後に、これまでの一連の質問に対するお考えや今後の在り方を教育長御自身のお言葉でいただきまして、私の一般質問を終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○副議長(渡辺甚一君) 中野谷教育長。   〔教育長中野谷康司君登壇〕 ◎教育長(中野谷康司君) 前期後期制の制度の充実、改善という点は、大切なポイントだと思っています。また、それを、順次紹介したり、皆さんにお届けするということも大切なことだと考えています。 今年度、校長会でも、社会に開かれた教育課程ということで、グループをつくって研究してまいりました。 そういう中で、こういった取組も出てきております。 例えば、12月14日に、東山中学校で郷土の未来を語る会ということがございました。特色は、土曜日に開催したというところです。内容としましては、祭りについて研究したグループは、続けるためには何が必要か、災害を研究したグループは、私たちにできることは何なのか、観光を研究したグループは、観光がなくなったら私たちはどうするべきなのかといったことを提案しながら、全校、そして、土曜日ですので、そこには地域の方々、まち協、小学校、中学校の小学校、東山中学校の校区の先生たちが参加していました。 先ほど申したように、土曜日に開催したというところが私はポイントだと思っています。 議員が紹介されたように、社会に開かれた教育課程ということは新学習指導要領、そして、教育大綱においても、地域と共同して子どもたちを育んでいくという面でも、大切だと考えております。 しかし、考えてみると、3学期制のときは、12月のこの時期というのは成績を評価する、つける時期でございまして、この時期に、土曜日に開催するということはなかなか難しいものがございました。 しかし、前期後期制という、制度を変えたことによって、この時期、地域に広げて、ともに議論しながら会を持つことができたと。 そして、私はとても感心したんですが、子どもたち、中学生の姿としては、問題から逃げないということが大変すばらしいと思いましたし、地域の方がいろいろなことを言っていただき、まち協からも御意見をいただいた中で、また、1年生の男子が持続可能にするには、今やっていることを守るだけではなくて、新しいことに挑戦することが必要だとこの会で気づいたということは言ってくれました。 私は、これが主体的、対話的で深い学びであると思っています。 学校だけではできないものを、地域の方々と一緒につくり出せた瞬間がここにあったということで、大変うれしく思いました。 このように、前期後期制の制度というのは、年間の計画を見直しながら充実させていくものと思っています。 御指摘のとおり、これからも制度の充実と改善を図りながら、そして、それで得られたものを、ぜひ皆さんにお伝えすることを大切にしていきたいと考えております。 ○副議長(渡辺甚一君) 以上をもって、伊東議員の質問を終わります。 次に、谷澤議員。   〔23番谷澤政司君登壇〕 ◆23番(谷澤政司君) それでは、早速質問に入ります。 1番、新火葬場新設についてです。 高山市は、新火葬場の候補地については、平成28年度から、各大学教授、有識者と高山市各種団体の代表者、一部の各まちづくり協議会から選任されて、42名の方で検討委員会を設置されて、数年間、委員会を開催されてきましたので、改めて、検討委員会の皆様には、感謝、御礼申し上げます。 特に、私から、政教分離時代ですから簡単に話しますが、高山市始め、飛騨地区におきまして、お寺の世界の浄土真宗大谷派の東本願寺は一番大きく、79か寺のお寺の宗派であり、私はその高山教区門徒会長10年以上就任しており、各地のお寺の報恩講などにも参詣に行きましたので、現在も門徒たちは高山市の市民でも多くありますことと、さらに、私が知人の歴代の高山市長たちと多くの皆様の家庭も同じ宗派、門徒でありますので、私は、市民皆様に感謝と下座の心を持ちまして、正常に市民が主役で進めていくことを話させていただきます。 さて、高山市の各支所地域について話しますが、国府町の市民の皆様は、火葬場利用は飛騨市古川町、国道41号線沿いの火葬場を長年利用されていますし、上宝町の市民の皆様も、飛騨市神岡町の火葬場を長年利用されていますが、平成17年2月に市町村合併して、全地区皆様は高山市民でありますので、今回の新火葬場施設開設に合わせて、高山市の市民皆様は新火葬場を利用されますことをお願い申し上げています。 さらに、高山市の荘川町と久々野町には火葬場が長年設置されていましたけど、高山地域への新しく建設される火葬場を利用されて、長年続くことを思っています。 以上、申し上げましたことを含めて、新たに高山市の全地域から利用者が通行する山にある道路整備も行い、全地域からの利用者に思いやりから公平、距離的に、高山地域に新火葬場新施設を設置されますことを思いまして、お願いしますが、これまで検討委員会の皆様が候補地選考にも取り組まれてきましたが、私からの提案の、高山地域に新設を目指していただき、再度検討に進めまして高山地域に新火葬場建設されますことから、特に昨日、岩垣議員が質問で提案されました。高山市西洞町にあります火葬場も、昭和28年から長年利用していますので、引き続き全地域市民が利用するよう、さらに、現在、施設の休憩室は小さく利用困難な状況ですから、遠い全地域の利用者に対しても、一旦戻ることは難しいから、新たに食事などが利用できる大きな休憩室も新設することと、現火葬場の裏山の東側には新年度も街路松之木千島線整備を本格的に推進されていきますので、特に、今の裏山の高さは低く、そんなに高くないので、山を越す道路整備されまして、各支所などの利用者も多くなることを含めてお願い申し上げまして、お伺いいたします。 ①番、平成の市町村合併により、日本一広い面積となったため、高山地域から遠い高根町、久々野町、荘川町、上宝町、奥飛騨温泉郷などの全市民が、公平、距離的に利用しやすい中心地の高山地域は、特に人口も最高に多いことも踏まえて、必要性は大きくありますので、高山地域に火葬場新施設の建設に取り組む考えについてお伺いいたします。   〔23番谷澤政司君質問席へ移動〕 ○副議長(渡辺甚一君) 矢嶋市民保健部長。   〔市民保健部長矢嶋弘治君登壇〕 ◎市民保健部長(矢嶋弘治君) 新火葬場の候補地の選考に当たっては、検討委員会を設置し、およそ3年間にわたる検討を進めてまいりました。 検討委員会からの答申は、大変重みのあるものと受け止めております。 答申内容の説明会では、たくさんの御意見をいただきましたが、議員お話しのような御意見もお伺いをしているところでございます。 現在、いただきました様々な御意見を参考に、候補地をどうすべきであるのか検討を進めているところでございます。 ○副議長(渡辺甚一君) 谷澤議員。 ◆23番(谷澤政司君) ただいま答弁いただきましたので、何とか、今ほど、何回も言いましたように、高山地域への新火葬場設置をぜひともお願いしたいと思います。 市民からも頼まれておりますので、どうかよろしくお願いいたします。 次に入ります。 2番、高山市で発生する地震への対応についてです。 全国的に、各地には地震発生が起きていますが、今後は、東海地区に発生するおそれがあると言われている関係者もいます。 岐阜県は、昨年2月に、県内で内陸直下型地震が発生した場合の被害想定を独自に算出し、公表しました。 最大で死者は3,700人、負傷者は3万500人及び7万7,000棟の建物は全壊、1,430棟が消失する調査結果となっております。 その内容が当時の新聞に掲載されましたので、私は、当時の3月議会の一般質問により、石浦バイパスの石浦町から一之宮町までに地震対策や大雨、大雪による土砂崩れ発生により通行不能を考え、トンネル化に取り組むことを言いまして、その前と後には、直接、国土交通省の大臣政務官の長年知人であります阿達雅志自民党参議院議員と会いましたし、また、国土交通省中部整備局高山国道事務所の所長と岐阜県高山土木事務所に行きまして、何回も同じく要望をお願いしています。 さらに、私が知人の岐阜県古田肇知事が、今年2月に新年度予算に災害対応力を高めることに予算化することを言われています。 三重県でも、同じく私が知人の鈴木英敬知事も、県議会で本会議後、南海トラフ地震の発生を想定した避難訓練を初めて実施されました。 以上、話ししましたことを大切に踏まえて、高山市の問題について話してまいります。 まずもって、今から15年前の平成16年の10月に台風が発生して、高山市は大きな災害被災地になりましたので、私も参加し、関係者によりまして災害ボランティア本部は、高山市役所本庁玄関前に設置され、全国から災害ボランティア、延べ5,000人、来てくださいました。 当時の災害は、市民のお二人が山からの土砂崩れによりお亡くなりになりまして、さらに、1人が河川で行方不明となられました。 改めて、犠牲となられた方々へのお悔やみと御家族へのお見舞いを申し上げたいと思っております。 その台風の大雨により、宮川へ苔川、川上川、大八賀川から流量が多く増水しており、特に下切町の八千代橋の橋下がダムのようになり、下切町住宅地域には、歩いて腰までの高さ約1メートルの大水が流された被災地になりまして、私は平成16年からずっと高山市へ災害ボランティアでみえた5,000人の人に感謝の心を持って、私は全国へ災害ボランティアにも行きました。経験していることから、関係者から頼まれて、毎日、下切町公民館へ行きまして、自宅が水害に遭われた家族は公民館に避難しているので、相談しまして、その自宅へ、災害ボランティアが応援に来ていただく内容について取り組んでいました。 高山市は、市町村合併して、日本一広い面積になりまして、そのうち約93%が山林地がありますので、地震や大雨が発生したら大きな被災地となり、市民、皆様は困難な生活になりますことと思います。 特に、一昨年7月に大雨が降りましたら、市内各地で何10か所も土砂崩れが発生して、その地域の住民は不安な生活に襲われました。 このときも、ちょうど今から2年前、10月に第4次安倍内閣が発足したときに、先ほどお話しした阿達雅志さんが国土交通政務官に就任したので、そのとき私も直接本人に電話して、おめでとうと、だけど、高山市はその3か月前に大雨で土砂崩れが何10か所も発生しているで助けてくださいよと言いましたら、阿達政務官は、谷澤さん、高山市付近のことには一生懸命動くよと言われたから、そのことを私も現在の市長にも報告して、ぜひお願いに行ってくださいということも言いました。 そうしたら、早速、市長は動いてもらいましたもので、予算化していただいて、去年の夏頃までに土砂崩れの整備工事も終わりました。 高山市は、日本一広い面積の市で、地形的に様々なことから、災害発生したら苦しい被災地になります。 そこで、高山市民に安心安全な思いやりを持ちまして、聞いてまいります。 ①番、高山市の広い市全域には火山と活断層が多くあり、地形的にも、森林面積も大きく広いため、東海地区に大地震が発生したときには様々な災害が発生する可能性が高くありますので、市民に強く思いやり持ちまして、市の取組への考えについてお伺いいたします。 ○副議長(渡辺甚一君) 清水総務部長。   〔総務部長清水孝司君登壇〕 ◎総務部長(清水孝司君) 地震を始めとする災害の市の取組ということで受け止めさせていただきました。 地震を始めとして、様々な自然災害に対応するため、市におきましては、地域防災計画を定めて対応することといたしております。 また、火山対策につきましては、火山周辺の市町村や気象台、県と連携をしまして、火山防災協議会を組織しており、噴火警戒レベルに応じた防災体制を構築し、住民や登山客などの皆さんの避難誘導ですとか、避難ルートなどを含めた避難確保計画の策定に取り組んでいるところでございます。 これらの計画に基づいて、災害時の対応と市民の防災意識の向上のため、内陸直下型地震を想定した毎年行っております総合防災訓練でございますとか、土砂災害防災訓練、火山防災訓練を実施しているところでございます。 このほか、水や食料などの分散備蓄を進めるとともに、防災行政無線や防災ラジオ、メールなどの多様な情報伝達ツールの運用のほか、今年度は、避難場におけるテレビの受信環境の整備ですとか、災害映像配信システムの充実を図り、防災情報伝達の向上を行ったところでございます。 平成30年、平成31年には、山林内の倒木による河川への影響を防ぐために、流木災害防止対策事業を実施させていただきました。 新年度からは、道路沿いの危険な立木をあらかじめ伐採するライフライン保全対策事業を進めることといたしております。 このほか、地域防災力の強化につきましては避難所運営リーダー育成研修を平成29年度から継続して開催をするとともに、防災士の育成にも取り組んでおります。 これらを含め、地域防災計画の策定に向けて、各地域に現在働きかけをさせていただいているところでございます。 また、市の防災対策を計画的に進めるために、新年度においては、高山市国土強靱化地域計画の策定に取り組むことといたしております。 このほか、気象情報の細分化の要望など、引き続き地震対策を始めとする自然災害に対する市民の意識啓発、関係機関との連携強化など、防災体制の充実を図ってまいります。 ○副議長(渡辺甚一君) 谷澤議員。 ◆23番(谷澤政司君) どうも、ただいまの答弁でもしっかり取り組むことを考えてみえますので、以上で、今回も提案質問しましたが、検討して進めることを答弁にも含まれておりました。 どうか、そのとおりに進めるよう、市民が主役で、安全なまちづくりということで、そうすると、また、人口減少も止めることができますので、取組をお願いして、これで私の一般質問を終わります。 ○副議長(渡辺甚一君) 以上をもって、谷澤議員の質問を終わります。 次に、石原議員。   〔1番石原正裕君登壇〕 ◆1番(石原正裕君) 通告に基づきまして、一般質問をさせていただきます。 2019年度環境省重点施策概要について、岐阜県省エネ新エネ推進会議が開催され、環境省概算要求、要望の概要が示されておりました。 そこで、基本的方向と取り巻く状況としては、1つ、社会は大きな転換期、デジタル技術の進歩、量から質、集約から分散、1つ、環境、経済、社会の諸課題に直面、気候変動、人口減少、少子高齢化、1つ、SDGsやパリ協定など、脱炭素社会に向けた時代の転換点が到来と、このような視点を捉え、新たな成長戦略として、環境政策をてことしたあらゆる観点からのイノベーションを創出、脱炭素化とSDGsの具現化による地域循環共生圏の実現、ESG金融の推進等で、ESGとは、環境、社会、企業投資という非財務情報を考慮して行う投融資であります。ビジネスの予見可能性を付与するとともに、脱炭素ビジネスが稼げる市場環境の創出、これが将来にわたり質の高い生活をもたらす新たな成長と示されております。 今回、高山市として、新たな成長といった視点、高山市が見据える地域循環共生圏の実現について、何点かお伺いをいたします。 まず初めに、今年1月、高山市市役所にFCV燃料電池自動車MIRAIが納車され、同1月、飛騨高山水素ステーションも開所されました。MIRAIは県内4台目、水素ステーションは県内5か所目と伺っております。 これからの未来、その社会を考えた中で、FCVの普及、水素ステーションの設備は、自分はあるべき姿の第一歩だと考えております。一歩を歩まれた高山市に好感を抱いたところです。 FCVや燃料を水素とする燃料電池など、そのメリットは、脱炭素社会の観点であれば、FCV燃料電池の使用はCO2 排出がゼロであり、究極のエコエネルギーともされております。 災害に強いまちの観点でいえば、災害時、FCVから電源確保や水素を直接燃料とする純水素型燃料電池であれば、発電と同時に熱も発生するため、給湯や暖房にも生かせ、コージェネレーション設備として利用ができます。 東京オリンピック、パラリンピックでは、燃料電池バスも実用されますし、IoT関連では作業車の燃料電池化も進み、環境や産業分野でも期待も大変大きいものであります。 しかし、デメリットとしては、ランニングコストがかかること、水素ステーションの不足があります。 現在、FCVと水素ステーションは、鶏が先か卵が先かの関係でもありますが、経済産業省も、今後10年でFCVを1,000万台にと提案をし、水素燃料電池戦略ロードマップでは、水素ステーションを2020年度には160か所、25年度までには320か所へと増加させる目標も掲げておられます。 そこで、質問いたします。高山市として、今後どのように、FCVや水素ステーションの活用、純水素型燃料電池も含めた普及促進に努めていかれるのか、お伺いをいたします。   〔1番石原正裕君質問席へ移動〕 ○副議長(渡辺甚一君) 田中環境政策部長。   〔環境政策部長田中裕君登壇〕 ◎環境政策部長(田中裕君) 水素エネルギーを利活用することで地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出を抑制することが可能となり、水素はクリーンなエネルギーとして注目されているところで、今後、暮らしの様々な場面で活用されることが期待されています。 市内では、議員も御紹介いただきましたが、本年1月14日に、飛騨地域初となる水素ステーションがオープンしました。 あわせて、市では、水素を使った燃料電池自動車、FCVを公用車として導入をしました。この公用車、FCVに、ラッピングを施し、市内を走行し、PRをすることのほか、イベントでの車の利用、展示、外部給電機能の実演などにより、FCVの普及啓発と水素エネルギーの需要拡大に努めてまいりたいと考えています。 一方、純水素型燃料電池につきましては、水素は、品質が劣化することなく貯蔵できることから、災害対応での活用が期待されていますが、技術面、コスト面でいまだ多くの課題がありますので、今後の水素エネルギーに関する技術開発の動向に注視してまいりたいと思っております。 ○副議長(渡辺甚一君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) やはり現状、一番懸念されることはランニングコストの面であろうかと思います。 仮にこれがコンコルド効果と呼ばれるような状況であっては、水素も、ただの水の泡というようなことでもありますし、水素を製造していく段階でCO2 が排出されるとも今、言われております。 しかしながら、水素社会を目指した先端技術は日進月歩であります。FCVや水素、その価格が、普及していくかのキーともなり得ると思います。 その一歩を歩み始めました高山市、次の一歩を踏み出すためにも、まずしっかりとした分析、高山市におけるFCV、燃料電池、水素ステーション普及、その在り方を調査研究していただき、未来に向けて、ビジョンを持って進めていただけたらと思っております。 次に、水素をエネルギーの1つと捉えた際、自立分散型のエネルギーシステムの構築、そこから、エネルギーの地産地消と地域間融通が浸透していくことで、地域再生エネルギービジネスとして広がりを見せる、新たな価値とビジネスでの成長が地域の存続基盤を牽引していくことになります。 地域が自立をし、誇りを持ちながらも、他の地域とも有機的につながることで、隅々まで豊かさが行き渡るのではとも考えております。 2014年頃より、国や地方自治体、企業が水素社会を、実現を目指したサプライチェーン事業として、様々な構築実証事業を行っております。 岐阜県下におきましても、平成28年、八百津町、県、岐阜大学、各企業が産学官連携協定を結び、八百津プロジェクトに取り組んでおられます。 中山間地域における太陽光や木質バイオマス等、地域資源をエネルギー資源として有効に活用することで、中山間型の水素社会の構築、100%エネルギー自給自足のまちを目指し、まちのブランド力の向上と雇用の創出につながる地域活性化を将来ビジョンとして掲げて取り組んでおられるところであります。 また、全国の水素サプライチェーン実証事業では、北海道白糠町の小水力発電での水素製造を始め、大変興味を持ちましたのは、北海道鹿追町での酪農廃棄物からメタンガスを製造し供給するという、この事業は、牛1頭から車1台分の燃料が造り出されるとも言われております。 公共施設の活用実例としましては、下水処理施設汚泥のメタンガスやごみ焼却施設の排熱や下水メタンガスからも水素を製造してもおります。 しかしながら、貯蔵、運搬といった面でたくさんの課題もあります。従来の有機ハイドライド製法の工程では高圧タンクを用意する必要があり、コスト面でやはり課題がありました。 ですが、昨年3月、東京大学産学連携で、水素サプライチェーン構築の中、新たな技術、有機ハイドライド電解合成法の検証に成功され、これは、常温常圧の液体状態で貯蔵、運搬ができる技術を発表されました。 簡略化によります低コスト化と設備費等も50%低減できる見込みとされ、今後の普及に拍車がかかるのではと期待をしているところであります。 技術面、経済面でハードルが高いとされておりますが、諸課題の解決も進み、水素社会実現が具現化されつつあります。 ここで、高山市としての強み、地域資源を生かし水素を製造していく事業で捉えますと、太陽光や小水力発電の利用、そして、100年先の森林づくりを見据えた木質バイオマスと地域循環型のエネルギー活用の構築、また、ふん尿処理が課題で、牛の数を増やせなかったと畜産業者の皆様よりお声を聞いたことがありますが、その廃棄物がエネルギーに変わる、そのサイクルが構築されていくのであれば、本当に安心して事業拡大を目指せ、飛騨牛の需要にも貢献していくのではないかと捉えます。 また、公共施設の新たな活用法も見出せ、その余剰効果は大変大きなものと捉えますが、そこで質問をいたします。 全国の実証事業実例、照らし合わせて、高山市として、地域資源を生かした再生可能エネルギーの活用とそれに付随する水素循環型の社会構築の可能性、お伺いをしたいと思います。 ○副議長(渡辺甚一君) 田中環境政策部長。   〔環境政策部長田中裕君登壇〕 ◎環境政策部長(田中裕君) 水素社会の実現に向けた取組につきましては、国は、2014年に、水素燃料電池戦略ロードマップを策定し、水素利用の飛躍的拡大と中長期目標として、サプライチェーンの構築、水素発電、再エネ由来の水素製造技術の確立を目指して様々な実証事業を行っておりまして、先ほど議員の御紹介いただきましたとおりであります。 水素エネルギーの利活用は、エネルギー供給元の多様化や環境負荷の低減に貢献するだけでなく、品質が劣化することなく貯蔵できるため、再生可能エネルギーの利用促進にも寄与するとともに、将来の市場規模の拡大も見込まれ、産業振興や地域活性化などの面において有望な技術の1つとして認識をしているところであります。 しかしながら、水素エネルギーの利活用は、先ほどの答弁と繰り返しになりますが、インフラ面、コスト面、技術面などでいまだ多くの課題があるとも捉えておりまして、まだまだ研究の余地があるのではないかなと思っております。 また、FCVの環境性能や先進性はまだ広く一般に認識されておらず、FCVによる水素の需要拡大や水素に対する市民の理解を深めていくためにも、さらなる普及啓発が必要であろうかと考えております。 ○副議長(渡辺甚一君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) 今回、水素という視点で質問させていただきましたのも、再生可能エネルギー、発電による売電となりますと、FIT制度では余剰電力の発生であったり、送電によるロスも生じることとなりますし、また、太陽光発電事業等のFIT制度では、抜本的な見直しがされていくとされております。 やはりそこで、貯蔵、運搬という観点が地方を支える新たなビジネスモデルとして重要と捉えたからであります。 ESG金融やグリーンファンド事業等も高山市としてしっかりと確立していかなければ、いずれ都市資本の投資による植民地型開発も懸念されるところであります。 持続可能な高山市であるためには、経済的に持続可能かが重要でもあります。 地域資源を活用することで、低コストで暮らしやすい高山市であり、支所地域であることも、これからの魅力のポイントになるのではと考えております。 2030年以降、本格化されるとされております水素利用社会に向けて、水素を視点に捉えた自立分散型のエネルギーシステム、計画策定や事業スキーム、検討し始めても遅くはないと捉えております。 次に、平成26年度から7年間の計画が策定されております。 高山市新エネルギービジョン、電力創出目標値9万メガワットアワー、その達成率は、平成30年、約42%と示されておりました。 目標達成については黄色信号ではというようなことを感じておりますが、しかしながら、高山市は先進的に取り組んできましたと、そして、今後も取り組んでいきますといったようなこと、市民の皆様、そして、市外、国内、はたまた海外へとPRしていくことも必要ではないかと思います。 その取組を表し示す方法といたしまして、12月に、牛丸議員も質問されておられましたが、「再エネ100宣言 RE Action」があります。 これは、企業、自治体、教育機関、医療機関等の団体が、消費電力100%、再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示していくイニシアチブであり、参加要件としては、遅くとも2050年までに使用電力を100%再エネに転換する目標を設定し、対外的に公表する必要がありますが、参加特典として、「再エネ100宣言 RE Action」のロゴが使用でき、ウェブサイト等で情報発信によるPRが可能となります。 具体的な再エネ導入情報の収集や参加団体との交流を目的とするウェブコンソーシアムの参加も可能とされており、5年後には1万団体の参加も目指すと言われており、今後大変注目される活動でもあります。 自分は高山市新エネルギービジョン、目標達成が厳しくも感じる中で、市内企業や市内機関とも意識の共有を図りながら、また、他の自治体との横のつながりもしっかり持っていくことで、今後も、これは大変必要なことではないかと感じております。 そこで、質問をいたします。 高山市新エネルギービジョンもいよいよ最終年度を迎えていく中、これまでの取組、実績も踏まえ、技術革新も進む中、情報の収集、参加団体との交流、磨き上げの効果、世界に向けた高山市の取組のPRも兼ねると思いますが、このような枠組みの中で計画策定や活動推進に検討されていくのかをお伺いいたします。 ○副議長(渡辺甚一君) 田中環境政策部長。   〔環境政策部長田中裕君登壇〕 ◎環境政策部長(田中裕君) 主要電力を100%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示す「再エネ100宣言 RE Action」の取組につきましては、再生可能エネルギー電力への切替えによって、化石燃料の使用による価格変動リスクを回避し、地球温暖化による気候変動を防ぐことや企業が再生可能エネルギー電力を求めることで、再生エネルギーの市場規模が拡大し、安定的に安価に供給を受けられるようになることなどがメリットとして挙げられます。 消費する電力の再生可能エネルギーの比率を高めることは、地球温暖化対策として有効な手段の1つであることから、市内事業者への啓発や公共施設への再生可能エネルギー電力の導入に向けた率先的な取組を進めていきたいと考えております。 こうした取組については、市民、事業者へのアンケートの結果も踏まえつつ、令和2年度に策定を予定しております地球温暖化対策地域推進計画の中に盛り込みながら、活動を推進するような検討をしてまいりたいと思っております。 ○副議長(渡辺甚一君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) 市民の皆様にも、例えば、この組織、参加したことによって、そのロゴを見ていただき、これは何と疑問に感じ、その意味と活動を知っていただくことであり、未来の高山市、そのビジョンに触れ、また、一緒に考えていただける、そのきっかけを、そういうものになるのであればと感じているところでもあります。 次に、地域循環共生圏の実現には、再生可能エネルギーの活用が挙げられます。 そこで、小水力発電について、いま一度、焦点を当ててみたいと思います。 自分自身も、地域住民の1人としまして、未来の姿、在り方、地域の方々と語り、今後どう地域を維持していくのか思考する中、エネルギーの自給自足といった点は重要な位置づけであるとし、皆様も感じておられるところでありました。 先見の明をもって意識されている地域の方、その中には、自発的に小水力発電所のほうへ足を運び、調査された方々も多くおみえでありました。その意識の高さを知るところであります。 しかしながら、御自身の地域がそれに当てはまるかと議論をし、検証された中で、根本的に流水量が少ない状況、発電までの落差のある地形ではなかったということ、水利権、河川法など、問題のクリア、法的手続が煩雑に感じること、地域で設置するに当たり、コスト面、またメンテナンス面など、様々な面で懸念がされ、折り合いがつかず、実現に至らなかったと伺ったところであります。 確かに、一利一害であり、そもそも設置に対して選抜が必要であること、そして何よりも、クリアしていくためには、そこに住む市民の皆様が問題を共有し、同じ方向を向いて歩む必要があります。 ですが、事を先送りにしていくことは、少子高齢化、過疎化がさらに進行してしまった後では、ますます地域として循環型の社会構築実現は厳しさを増すばかりであります。 ここで、一例でありますが、昨年、国産では初となります、商用のらせん水車、その発電運用が開始されました。 らせん水車を使用した発電のメリットとしましては、これまでの小水力発電と比べ、低落差であっても高効率な発電が可能であり、構造上も単純なため設置もしやすく、水路や放流口、取水堰など、数多くの施設で開発が可能であり、コスト面でも、他の小水力発電と比べ安価に設置できるという利点もあります。 また、農業用水路に設置した際、草刈り等で水路に草やごみが流れても、構造上詰まりにくいという特徴があるため、メンテナンスの負担も少なく、適しているとされております。 地域住民との意識共有が深まり、実現していくのであれば、地域の電力としての活用や売電等による利益で公共サービスの充実を図り、地域の活性につなげていくことも可能かと。 まち協等への予算充当を促すことで地域の自立分散型の社会構築を目指すなど、協働のまちづくりの深まりにも寄与されていくのではと想像いたします。 地域に根差した循環共生圏の実現、それを地域の方や高山市民、皆様と共有し、同じ方向を見て歩むためには、岐阜県も示している脱炭素ビジネスは、稼げる市場の環境創出や将来にわたり質の高い生活をもたらす新たな成長であるとも考えます。 美しい自然環境や地域資源に気づきを持ち、最大限の活用をしながら自立分散型の社会を形成しつつ、その特性に応じて補完し支え合うことで地域の活力、高山市の活力が、最大限に発揮されていくと考えます。 そこで、質問いたします。 地域循環共生圏の実現に向けて、高山市の考えをお伺いいたします。 ○副議長(渡辺甚一君) 田中環境政策部長。   〔環境政策部長田中裕君登壇〕 ◎環境政策部長(田中裕君) 国が提唱します地域循環共生圏は、自分たちの目の前にある、地域資源を互いに融通し合い、有効活用しながら、環境、経済、社会の諸問題を同時に解決しようとする取組で、中でも、再生可能エネルギーの活用は核をなすものとなっています。 現在、市内には、御紹介いただきましたらせん水車の導入事例はございませんが、荘川地域では農業用水路を活用した荘川小水力発電を始め、丹生川地域では既設の砂防堰堤を利用し、自然環境への負荷が少ない手法による民間が手がけた小水力発電が整備されています。 市では、新エネルギービジョンにおいて、地域による分散型のエネルギー社会の構築と自然エネルギー利用を暮らしの豊かさにつなげる、持続可能なまちづくりを目指しております。 引き続き、水力、地熱、木質バイオマスなど、地域資源を最大限に地域の皆様に活用していただけますよう、支援を行っていきたいと考えております。 ○副議長(渡辺甚一君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) 今回、地域循環共生圏の実現を視点に質問させていただきましたその思いの中には、観光産業にウエートが大きい場合、今、世界で猛威を振るっております新型コロナウイルスのような事案が発生した際、一気に経済が立ち行かなくなる、その可能性があり、それほどに不安定であるのだと痛感するところでもあります。 また、全てがそろう都会と比べまして、不便さを感じる地方こそがイノベーションの創出、その可能性を秘めているのだと自分は考えております。 いま一度、地域資源を意識し、活用を見出し、最新の技術、テクノロジーの進化をしっかりと捉え、歩むべき未来の高山市の姿に前進あるのみであります。 しかしながら、新たな取組に対して合意形成を図り、振興する上では、一体誰がリーダーシップを執るのか、ファシリテーターをどうつかさどるのかと、確かに必要であろうと思います。 ですが、責任的負担も大きいというものであります。 自分が感じておりますことは、SDGsの17番目の目標とされております目標のために協力するパートナーシップ、ここに気づきをいただきました。 自分たちだけでいろいろな問題、課題を解決するのが難しい現在、高山市行政がまず中心になっていただき、企業や大学、市民団体、地域、各家庭、そして、自分たち一人一人が担い手となり、積極的に関心を抱き、関わり考え行動する。これが複雑化されていく、課題解決につながっていくのではないかと。 10年先の未来を創造し、幸せで持続可能な高山市の実現、ワンチームとなれたのならば、全てのゴールへの道が開かれていくのではと感じているところでございます。 一人一人、その思い、主体的、能動的に関わりを持って力を発揮できる環境こそが最も大切な資源、人的資源を生み出し、高山市の財産になると考えるところであります。 高山市新エネルギービジョンの目標値とされます年間9万メガワットアワーの実現に向け、地域循環共生圏の実現は不可欠かと思いますので、今後の取組に期待をしております。 それでは、次の質問へ参ります。 郷土かるたの活用について質問をさせていただきます。 まず、なぜ郷土かるたを普及させていきたいかと感じたかでありますが、自分自身、子どもの頃から感じていたことでありますし、自分が朝日町に生まれ育っていく過程で、他の地域の方よりよく言われた言葉があります。 それは、朝日って遠いんやもんなであります。 子どもの頃、自分はその問いに対しまして、高山市内から車で40分ですよとお答えしておりました。現在では美女街道も整備されましたので、車で20分の道のりですよとお答えしております。 以前、この問いに対しまして、確認の意味で質問者に伺いました。朝日町ってどんなイメージなんですかと。 すると、行ったことはないんやけど、何となく遠いイメージやもんでとか、最も衝撃を受けましたのは、ところで朝日ってどうやって行くんやということでありました。 本当に情報を介して何となくイメージはできているけど、行ったことがない、これが、多くの皆様の実情ではないか。当然、朝日町の方であっても、この広い、日本一広い高山市、行ったことがない場所や地域がたくさんあり、同じ感覚であるとも思います。 生活基盤から考えても、必要と感じなければ興味を持つこともなく、行かないであろうと理解はできますが、平成の大合併を経て、新しい形の高山市、まちづくりがなされて15年、いまだに1つとはなり切れていないのではないかと疑問を感じ、高山市として共通であり、市全域について知り、学び、足を運ぶきっかけになり得ることやツールがないかと考えたときに、郷土かるたにその可能性があるのではないかと感じました。 そこで、郷土かるたにつきまして、調査研究をしてきました。 まず、発祥と言ってもいいのは群馬県の上毛かるたであります。 敗戦後の日本は、世情は混乱し、家や家族を失った戦争孤児の境遇が悲惨であり、また、GHQの指令により、学校教育での地理、そして、歴史の授業は停止されていた時代であったと。 1946年、満州から故郷群馬へと引き揚げてこられた浦野匡彦氏は、そのような状況の中、何とかして群馬の子どもたちに愛すべき故郷の歴史と文化を伝えたいと。 その思いを募らせ、翌1947年、上毛かるた構想を発表し、翌1948年には第1回上毛かるた競技県大会が開催され、その大会は令和になり73回を数え、日本で一番歴史のあるかるた大会でもあります。 群馬県民の多くの皆様が上毛かるた44の札を暗唱できるとのことでもあり、その思いはやがて全国へと波及し、高山市においても、1979年高山青年会議所発行、高山いろはかるた、1984年清見村教育委員会発行、史話と伝説の郷土歌留多、また、高山文化財かるたや飛騨弁かるたなど、また、2009年には30年が経過し、市民の皆様より、かるたを入手したいと、その要望を受けて、高山青年会議所が新生高山市を題材に市民の皆様より句を募集し、応募いただいた約1000句より飛騨高山ふるさとかるたを高山市教育委員会協力の下、発行され、市内19の小学校にも配付されたそうであります。 そこで、質問をいたします。 飛騨高山ふるさとかるた、現在、児童の認知度、使用頻度をお伺いしたいと思います。 ○副議長(渡辺甚一君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 議員御紹介の飛騨高山ふるさとかるたについて児童の認知度、それから、使用頻度について正確に把握はいたしておりませんけれども、飛騨高山ふるさとかるたを廊下に掲示し、子どもたちの目に触れることができるようにしている学校もございますし、全校参観日の行事として、親子ふれあいかるた大会を行っている学校もございます。 このかるた大会は、通学班ごとにかるた大会を行うというものでございまして、地域の振興を深め、郷土高山の歴史、伝統文化、自然に興味を持つきっかけとなっていると感じております。 子どもたちは、かるた大会の後、総合的な学習で調べたことがかるたになっていたとか、同じかるたが家にあるから家族でやってみようといった感想を話したと聞いております。 発行から10年たった今もこうした形で子どもたちに親しまれております。 ○副議長(渡辺甚一君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) 10年以上たった今でも親子かるた大会をされたり、子どもたちに親しまれているというようなことを伺いました。大変うれしく思っております。 遊びというものも多様化される中、個でゲーム等で遊ぶことも多い中、また、このかるた遊びというのは逆に新鮮さもあるのではと感じております。 次に、飛騨高山ふるさとかるたにつきまして、当時の高山市教育長、中村氏の推薦のお言葉にも記されておりました。かるたを通じ、郷土学習も進められるほど練られておりますし、家族や仲間とかるたを通じて遊ぶ中、どこのことを言っているんだろうとか、高山以外はどうだろうと思いをはせ、他の地方文化や伝統に興味を持ち、学んでいくきっかけとなる。かるたが広く普及し、地域の将来を担う子どもたちに豊かな郷土愛が育まれることを期待しますと記されておりました。 また、高山市の子どもたち、日頃より、郷土学習を通じ、学び、自分の生まれ育った地域に対して郷土愛を育んでおられます。 親心といたしましても感謝をしておりますが、自分としましては、そこから少し範囲を広げ、高山市域全域にわたる歴史、史跡、人物、社寺、産業、自然、暮らしなどなど、子どもたちに伝えていきたい高山市の魅力をかるたに込めて、親子や友達と一緒に、市民の皆様も、かるた遊びを通じて、学び、日本一広い高山市に気づきを持ち、興味を抱き、足を運び、誇りに感じる。高山市のクといえば、何々、ニといえばこれこれ、シといえばこれです、マといえばといったように、そらで言っていただける、それほど愛着を抱いていただければ、これは将来にわたり高山市の宝物になっていくのだと思うところであります。 既存の郷土かるたを増刷し、普及していくことも1つの案でありますが、近いものでも11年前であり、同じものを増刷することも困難に思えます。 できましたら制作委員会を立ち上げ、市民の皆様から句を募集し、各地域ごと、アピールポイントも踏まえて、読み札を厳選していく。絵札についても、高山市を代表いたします作家さんへの依頼であったり、飛騨高山らしさでいえば切り絵や版画などであれば、また、いい味のデザインになります。 市民の皆様からデザインを募集したり、制作への一体感が生まれることで、面白いかるたが誕生していくやもしれません。 また、かるた大会なども、普及に当たり、有効と捉えております。 教育分野でだけではなく、観光面でも、お土産物になったり、関係人口増加のツールにも活用していただけることを考えますと、郷土かるたの持つポテンシャルは高いと感じているところです。そこで、質問いたします。 時代は令和、高山市の足元をもう一度見直す意味も込め、新たな飛騨高山かるた、制作をすべきと考えておりますが、お伺いをいたします。 ○副議長(渡辺甚一君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 小中学校では、総合的な学習の時間を通して郷土の歴史や伝統文化、自然などについて学んでおります。 飛騨高山かるたは、郷土を知るきっかけとして有効な手段の1つであるという認識は持っております。 ある児童は総合的な学習で学んだことを基に、夏休みに飛騨弁かるたというのを制作いたしました。 この作品は、今も学校の廊下に掲示され、この作品によって全校がふるさとのよさを身近に感じているところでございます。 市として直接、新たに飛騨高山かるたを制作するということは考えておりませんけれども、飛騨弁かるたを制作した児童のように、学んだ知識や技能を生かし、自ら設定したテーマや課題に向けて挑戦するといったことは大切に、郷土学習を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(渡辺甚一君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) 有効と捉えておられるということで、制作については考えていないということで、理解はしますが、既存の飛騨高山ふるさとかるた、これも大変すばらしいものであります。 その有効性を引き出す上でも、かるた大会などの開催、その活用の幅を広げていただき、学びから愛着へと、皆様に感じていただくことで高山市の宝物になり得るのでないかと思っております。 次に、郷土かるたにつきまして調査をしていましたところ、岐阜県内でも多くの自治体が制作されておりましたが、その中でも大変興味深い取組をされておりました自治体が郡上市でありました。 百聞は一見にしかずと思いまして、郡上市へお話を伺ってきました。 郡上かるた制作に至った経緯は、郡上市長、日置敏明氏が、平成16年、7つの市町村が合併してできた新しいふるさと郡上市を、市民の皆様がより知り、もっと好きに、もっと誇りに思い、一体感を築いていただきたい。その願いを込め、将来を担う子どもたちや若い世代の方々にそう感じてほしいと熱い思いを込め、制作されたそうです。 日置市長の肝煎りではありますが、平成23年、市内の小中学生に配布をし、その後は、小学校に入学される新1年生に配布されております。 普及への取組についてでありますが、翌年、平成24年に郡上かるた大会を挙行し、1チーム3人で行う競技でありますが、初年度は91チーム、278人の参加、その後は次第に普及をし広がりを見せ、昨年令和元年の参加は195チーム、586人と、参加が倍増と、大変盛り上がりを見せたそうであります。 参加チームの内訳としましても、低学年84チーム、252人、高学年88チーム、264人、一般参加では23チーム、69人、幅広い世代で親しまれているということが分かります。 しかし、このようなイベントだけで、皆様に愛着を持っていただけるものなのかと疑問に思いまして、その中身を伺いましたら、郡上かるたには、かるたを通じ、より深く知り、ふるさとを理解いただくための副読本が発行されておりました。 これが実物であります。   〔実物を示す〕 中身を見てみますと、大変よくできておりまして、イロハのイですので、いとしろ大杉1800年というようにされて、写真とともに、これまでの歴史、アクセス等も載ってありますし、また、これ、税別ではございますが500円で販売されているそうです。 そういった中で、小学校5、6年生でも読んでいただける、理解できるように執筆もされておりますし、写真やアクセスマップ、歴史の紹介、人物の紹介、また、中を詳しく見ますと、名産品のレシピまでと、様々な郡上市の姿が分かりやすく、この1冊で理解ができ、足を運びたくなるような内容が盛りだくさんであります。 また、これはガイドブックとしての役割も果たしていると感じるところであります。 かるた制作と一緒に、かるたを通じて学ぶ副読本を添えて制作していくことで、より深く、高山市の姿、形、魅力を多くの皆様に周知でき、御理解され、学びの観点だけにとどまらず、観光分野でも大きく貢献できるのではと考えます。 後に、大会など、イベントを通じて、人と人がつながりを持ち、また、切磋琢磨しながら市民が1つとなって取り組むことができるのであれば、すばらしい姿だと思います。 ぜひ、このような視点からも、副読本についても制作すべきと考えますが、お伺いをいたします。 ○副議長(渡辺甚一君) 北村教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長北村泰気君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(北村泰気君) 高山市で社会科の副読本として飛騨の高山というのを制作し、活用をいたしております。 飛騨の高山は、高山市の産業や歴史、文化、郷土についての幅広い内容を集めたもので、社会科の授業などで活用しているものでございます。 議員御紹介の副読本というのは、かるたと連動しているというようなものでございましたが、現在、地域ごとの特色を生かし、飛騨の高山の内容の充実を図るように、社会科の教員を中心に改訂を進めているところでございます。 そうした中には、子どもたちが自分たちでテーマを設定し調べた内容についても盛り込むというようなことも考えております。 こうした副読本を充実させながら活用し、郷土教育を進め、郷土に対する愛着と誇りを育んでまいりたいと考えております。 ○副議長(渡辺甚一君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) 社会科の副読本、飛騨高山を、改訂を進めるということ、今伺いました。ぜひその内容、その在り方、いろいろな工夫をしていただけたらと思っております。 副読本の活用の幅を広げていくためには、やはりかるたも同様でありますが、何かと関連づけることで興味を持っていただくことも重要かと捉えております。 かるたや副読本、これもそうですが、1つのきっかけとして、市民の皆様が暮らして楽しい高山市、これも自分はまちづくりにおいて大切な魅力だと思っております。 ぜひ、このような視点からも御検討いただけますようお願いをいたします。 最後の質問となります。 次に、高山市公式スマートフォンアプリの導入についてであります。 今ほど、かるたにつきまして郡上市へと調査研究のために訪れたと申しましたが、実はもう一点興味を抱く取組がありました。 それは、自治体スマートフォンアプリでございます。 以前より、高山市にはホームページや高山市のライン等で高山市に関わる情報の入手方法はたくさんありました。 ですが、自分的には使いづらいツールであると思っておりました。 ホームページは大変詳しく、たくさんの行政情報や観光情報が記載されておりますが、ふだんの暮らしの中で知りたい情報を得ようとしたときに、膨大な情報量の中から探し出すのが意外と面倒に感じてしまいます。 ホームページ内にも便利ショートカットがあり、対応されておりますが、より横断的な情報を知りたいとなりますと、別のサイト先で探さなくてはなりません。 これは、先日の、高校生との意見交換会の際、若い高校生の方も御指摘されております。 また、昨年の地域意見交換会で、緊急避難時について、市民の方より御意見をいただき、自分も、同様に感じた上で、その後、考えたことがあります。 例えば、防災の情報として、大雨警報で避難せよという通報があった際、市のホームページで自分のいる場所をハザードマップで確認をし避難場所へと移動を開始しますが、まず、そこで知りたい情報はルート状況であります。 道路情報カメラ、ライブカメラ等で、路線の状況の確認であったり、橋を渡るような必要がある際には、河川情報のライブカメラを通して確認をし、通っていいかどうかということを確認していきたいということでありますが、現状ではサイトを変えて再度探し、確認しなくてはなりません。 ですが、緊急時に、その余裕が自分としましても保たれるかどうかということで、疑問に感じました。 これは高山市行政だけのことでなく、国交省等のマッチングもあり、提供されるもとがあることで成り立つということは承知しておりますし、また、確立されたホームページ内で情報を得ようとするのは難しいであろうということを感じております。 そこで思いついたのが、高山市公式スマートフォンアプリの導入であります。 アプリ内に市民の知りたい生活情報、最新情報や緊急情報、公的情報がワンクリックで入手できると大変便利でありますし、詳しく知りたいときは、高山市行政や観光協会、警察、各種団体、事業所と、高山市と関わる提供元のリンク先を貼っておけばいいのではないかと考えに至りました。 自治体スマホアプリを調べておりましたら、郡上市の公式アプリを見つけたところであります。 このアプリ、5,000人以上が既にダウンロードされており、自分も調査のためにダウンロードしてみました。 すると、アプリの中身は、市からのお知らせ、道路交通、暮らし、防災、防犯、健康福祉、緊急の各種最新情報がアプリ内で入手でき、情報カメラで、先ほども言いましたが、道や河川の状況もしっかり確認できました。 また、面白いアプリの中身ですが、お天気情報ということで、各地区のポイントがそれぞれ細かく知ることもできましたし、さらに、お悔やみ情報というものも、そこで知ることができました。 これは本当に市民の皆様には、身近で必要であるという情報でもあります。 もちろん、市や警察などのホームページもリンク先として貼ってありました。 そこで、質問をいたします。 国内スマートフォン普及率も人口の85%を超えるとされる現在、高山市公式スマートフォンアプリ導入による、市民の知りたい情報が手軽に入手できる、高山市の魅力を端的に伝えるツールとして有効と考えますが、市の考えをお伺いいたします。 ○副議長(渡辺甚一君) 清水総務部長。   〔総務部長清水孝司君登壇〕 ◎総務部長(清水孝司君) 市の情報を市民の皆様にお伝えする多様な手段の1つとして公式ホームページを開設いたしております。 利用が広がっておりますスマートフォンからも情報が入手していただけるよう、専用のスマートフォン専用のホームページを作って情報を提供させていただいている状況でございます。 現状としまして、議員仰せのとおり、市のホームページにつきましては、広い分野にわたって様々な情報を掲載しているというような状況から、情報量が大変多くなっており、市民の皆様が欲しい情報を入手するまでに時間を要する場合もあるという認識はしているところでございます。 必要に応じて、ホームページの見直しは行っておりますので、議員仰せのとおり、市民の方が望まれるような情報または緊急情報が取得しやすく、利便性のよい、アプリの検討を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(渡辺甚一君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) 御検討いただけるということでうれしく思っております。 高山市ならば観光情報と情報カメラをリンクしてみたり、レビューなども掲載していければ、より多くの方に需要が見込まれると、そして、十分に利用価値が高いと捉えますし、また、防災、防火といった面でありますが、以前、郡上公式アプリから、緊急情報として火災情報が通知されました。 現在、高山市においては、SNSメールを通じて消防団員に火災情報が通知されておりますが、公式アプリからの緊急情報として通知された場合、6画面時で、緊急通知の確認ができたため、大変これ利便性も高く、通知の見落としということも減るのではないかと感じたところであります。 ぜひ、公民連携といったところはありますが、様々な面を考慮しても、早期にこの高山市公式スマートフォンアプリ導入に取り組んでいただけたらと思っております。 以上で、自分の一般質問を閉じさせていただきます。 ○副議長(渡辺甚一君) 以上をもって、石原議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○副議長(渡辺甚一君) 休憩します。     午後2時50分休憩  ――――――――◯――――――――     午後3時04分再開 ○議長(橋本正彦君) それでは、休憩を解いて一般質問を再開いたします。  ―――――――――――――――― ○議長(橋本正彦君) 次に、西本議員。   〔3番西本泰輝君登壇〕 ◆3番(西本泰輝君) 私が最後ということで、大変お疲れのことと思いますけれども、しっかり時間がかかると思いますので、あらかじめお許しをいただきたいと思います。 今年も緑の募金運動が始まっておりますが、私は、今回、日本一広い面積を持つ高山市の92%以上を占める森林を地域資源としてさらに生かすため、持続可能なこれからの森づくりとその活用について一般質問をさせていただきます。 今回、木や森林に関わる方々にお話を伺う中で、かつて私たちの暮らしの生活と密接に関係していた里山の大切さを再認識しました。 質問にも関係しますので、2冊の本の1節を御紹介させていただきたいと思います。 1冊は、テレビなどでもよく御存じの造園家で岐阜県森林文化アカデミーの学長でもある涌井雅之氏の『いなしの知恵 日本社会は「自然と寄り添い」発展する』という著書で、里山について次のように述べられています。 自然の恵みを最大限に活用するために日本人が考えたしつらえが奥山の手前につくられた里山だ。奥山とは違い、里山は日常生活に密接に関わりを持つ農用林である。人々はここで燃料となる薪を集めたり、キノコなどの食材を取ったりした。また、落ち葉や刈り取った下草を肥料にする刈敷農法も行われ、水田耕作にとっても里山は欠かせない存在であった。 また、涌井学長は、里山が1つあれば、外部からエネルギーを運んでこなくても、十分自立した暮らしができる。すなわち里山は究極の自立循環の知恵であり、金融に例えるなら、元本に手をつけず、利息で暮らす方法なのだとも書かれております。 もう一冊の本も里山の知恵を生かしていくことに注目したもので、日本経済とコミュニティーをテーマとした日本総研の藻谷浩介氏とNHK広島取材班による『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』という著書です。 この本では、里山資本主義とは、お金の循環が全てを決するという前提で構築されたマネー資本主義の経済システムの横にこっそりとお金に依存しないサブシステムを構築していこうという考え方だ。 お金が乏しくなっても、水と食料、燃料が手に入り続ける仕組み、言わば安心安全のネットワークをあらかじめ用意しておこうという実践だとした上で、マネー資本主義の下では、条件不利とみなされていた過疎地域こそ、つまり人口当たりの自然エネルギー量が大きく、前近代からの資産が不稼働のまま残されている地域こそ、より大きな可能性があるとして、中国山地における原価ゼロ円からの木質バイオマス活用など、経済再生、地域復活の取組などが紹介されています。 こうした内容は、広大な森林に囲まれて暮らす高山市のまちづくりのヒントとなり、将来の光となり得るのではないかと感じております。 それでは、一般質問に移りたいと思います。 1つ目の項目は、高山市森林整備計画についてであります。 森林整備計画は、森林法に基づき5年ごとに10年を1期として市の森林関係施策の方向性を定める計画で、本年度は現行計画の5年目に当たるため見直しが行われ、2月19日の産業建設委員会で協議をされました。 私も傍聴させていただきましたが、4月から新たな森林整備計画を推進されるに当たり、5点について質問させていただきます。 最初の質問は、森林整備計画の見直しにおいて、市は現状と課題をどのように捉えているかについてであります。 我が国の木材供給量の推移を見ますと、住宅着工戸数の減少等を背景とした木材需要の減少により、長期的には減少傾向でしたが、国産材の供給量は2002年を底に増加傾向で、木材自給率も2002年の18.8%を底に上昇となり、2017年は7年連続の上昇で36.2%となっております。 しかし、木材価格については依然低迷し、2017年の森林林業白書によると、例えば杉人工林の造成に要する50年間の投資額は、1ヘクタール当たり231万円であったのに対し、その収入額は115万円と5割に満たない状況です。 森林には水源涵養や国土保全、地球温暖化防止、生物多様性など、重要な多面的機能がありますが、主伐再造林や間伐が行き届かず、2017年の林業労働力調査によると、林業技術者、山仕事をなりわいとしている方も県内で僅か932人、市内では178人となっており、森林の荒廃も大きな問題になってきております。 そこで、協議資料では、現計画の総括等の中に総括として、今後、必要なことや取組において留意すべき事項が整理されていましたが、特に重要な事項について、現状と課題をどのように捉えているか伺います。   〔3番西本泰輝君質問席へ移動〕 ○議長(橋本正彦君) 細野林政部長。   〔林政部長細野達也君登壇〕 ◎林政部長(細野達也君) 今回の高山市森林整備計画の見直しに当たりまして、大枠の取組としましては、今年度から取り組んでいる100年先の森林づくり、また、林業の成長産業化や森林資源の適正な管理のため、新たに施行された森林経営管理法や、その財源と位置づけられている森林環境譲与税に係る取組について盛り込んでおります。 具体的な施策については、現行計画の項目ごとに実績や成果をまとめ、その上で総括と課題の整理を行っております。 主な課題を挙げますと、森林整備につきましては、様々な施策を活用して間伐を推進したことにより、毎年約1,300ヘクタールの間伐が進みましたが、森林の境界が不明なことなどから、間伐対象面積に対する実施率がまだ低いため、今後一層の間伐推進が必要であると考えています。 木材利用につきましては、森林経営計画を策定して木材生産を促進したところ、木材生産量は年間13万立米を超えて増加傾向にあり、今後もこの流れを維持、促進する必要があります。 人材育成につきましては、森林技術者の確保、育成に取り組んできたところ、先ほど議員のお話もありましたが、高山市の直近の数字では、技術者が178名と。これは、微増傾向にありますが、今後、森林整備の増加が予測される中、育成に時間を要する森林技術者の確保、育成が必要となっております。 これらの課題に加え、そのほかにも主伐再造林の推進と広葉樹材の活用、資産材のブランド化、高付加価値化、森林技術者の労働、雇用条件の改善など、近年関心が高まっております課題についても対応する施策を計画に盛り込んでおります。 ○議長(橋本正彦君) 西本議員。 ◆3番(西本泰輝君) 木を全部切って植樹をするにしても、間伐をするにしても、森林の境界が不明なことは、やはり大きな問題であり、森林技術者の確保や育成なども課題であるということです。 また、広葉樹材の活用につきましては、ドイツのように様々な樹枝を混ぜることで、生物の多様性を構築し、木の根元の植生を豊かにしたり、木材の付加価値を上げる取組も大事ではないかと思います。 次の質問は、森林経営管理制度の仕組みと100年先を見据えた森林づくりなど、森林整備計画における市の森林整備の方向性についてであります。 国は、昨年4月からの森林経営管理法の施行により、森林経営管理制度をスタートしました。この制度の背景には、国内の人工林の半数が一般的な主伐期である50年生を超えているため、循環利用に向けて計画的に再造成することが必要で、切って使って植えるという人工林資源を活用する時代になったこと、森林の所有形態と森林所有者の意欲の低下、所有者不明の森林の存在や境界未確定、経営規模の拡大を目指す者の存在があるとされております。 先日、森林組合で、この新しい制度による事業展開についてもお話を伺いましたが、森林所有者や市民の方々には少し分かりにくい制度であると感じました。 森林は、市のかけがえのない地域資源であり、市民みんなの大切な財産ですので、正しく理解いただけるよう、森林経営管理制度の仕組みとこの制度を踏まえた見直しの後の計画における市の森林整備の方向性について伺います。 ○議長(橋本正彦君) 細野林政部長。   〔林政部長細野達也君登壇〕 ◎林政部長(細野達也君) 昨年4月に施行されました森林経営管理法では、戦後や高度経済成長期に植栽された杉やヒノキなどの人工林が育ち、木材として利用する時期を迎えている一方、所有者不明や境界不明により適切な森林管理が行われていない問題を解決するため、市町村が森林所有者の意向に基づき林業事業体へ委託するなどをして森林管理を進めていくとされております。 現在、市が取り組んでいる100年先の森林づくりでは、市内の民有林を木材生産に取り組んでいる木材生産区域とそれ以外の環境保全区域にまず二分して、区域に合った森林整備を進めることとしており、森林管理制度を活用して森林整備が進んでいない環境保全区域を対象として、まず森林の境界、所有者を明らかにし、その上で森林所有者に森林管理をどうするか意向調査を行い、その結果により、意欲と能力のある林業経営者への再委託、あるいは、市が管理を行うこととしております。 具体的な方向性としましては、林業経営に適した人工林においては、利用間伐などにより木材生産を目指した森林整備を、一方、林業経営に適さない人工林においては、切捨て間伐などにより広葉樹が生えてくるのを促し、針広混交林など災害に強い森林を目指した森林整備を進めてまいります。 ○議長(橋本正彦君) 西本議員。 ◆3番(西本泰輝君) 森林の境界や所有者を明らかにして、森林所有者への森林管理の意向調査を行うということですので、所有者の方々には十分新しい制度を理解していただく必要があると感じました。 引き続き、次の質問に移ります。 市では、先月20日から今月13日までの間に市内10地域で森林整備計画の見直しに係る市民意見交換会を開催されていますが、市は今後どのように森林経営管理制度を周知するのか。また、森林所有者はどう対応すればいいのか伺います。 ○議長(橋本正彦君) 細野林政部長。   〔林政部長細野達也君登壇〕 ◎林政部長(細野達也君) 森林経営管理制度、森林経営管理法ですけれども、これにつきましては、昨年4月に施行される前から林業に関わる団体や森林所有者の集まる会合に出向いて、100年先の森林づくりや制度の概要について周知を図るとともに、広く市民の方にも知っていただこうと広報たかやまへの記事掲載やヒッツFMでのお知らせを行い、昨年11月にはシンポジウムを開催して周知を図ってまいりました。 また、現在、各地で順次開催中の計画見直しに係る市民意見交換会におきましても、制度の説明をさせていただいておりますけれども、今後も様々な機会を捉え、広く市民の皆様に制度の周知を図ってまいります。 これまでは、主にこの新しく始まる制度の概要に関する周知を行ってまいりましたが、今後は、順次森林の境界調査や意向調査を実施し、その結果を受けて森林整備につなげてまいります。 森林経営管理法では、森林所有者に適切な森林の経営管理の責務があることを明記しており、森林所有者の皆様におかれましては、境界調査や意向調査へ御協力いただくとともに、自己の所有森林の経営管理について積極的に取り組んでいただきたいと考えております。 ○議長(橋本正彦君) 西本議員。 ◆3番(西本泰輝君) 意見交換会はまだ開催されておりますので、森林所有者の方々にはぜひ出席いただき、御理解いただきたいと思います。 次の質問は、森林整備計画において、重点的に取り組む施策の中で、特に力を入れていく施策とその内容は、また、森林環境譲与税はどのように活用するのかについてであります。 協議資料の中には、主な取組として、取組の概要が一覧で示されています。どの取組も必要なことばかりですが、その中でも100年先を見据えた森づくりなどに向け、市は最初にお答えいただきました現状と課題を踏まえて、特に何に力を入れて取り組むのか伺いたいと思います。 また、パリ協定の枠組みの下における我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成や、災害防止等を図るため森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から創設された森林環境税、国民1人当たり年額1,000円が市町村及び都道府県に譲与される森林環境譲与税の使い道についてもお尋ねします。 ○議長(橋本正彦君) 細野林政部長。   〔林政部長細野達也君登壇〕 ◎林政部長(細野達也君) 今回の計画見直しに当たっては、継続している課題に加え、近年関心が高まってきた課題を解決するために、多岐にわたる施策に取り組むこととしております。 主要な取組としては、まずは、森林の境界を明らかにするとともに、木材生産や環境保全の森林区分を設定し、木材生産区域では木材生産に向けて森林経営計画に基づく利用間伐などを行うとともに、一方の環境保全区域では、切捨て間伐などにより、針広混交林化を進め、健全な森林とする整備を進めるなど、区域に応じた森林整備に力を入れてまいります。 このうち、これまで手入れがされておらず、林業経営に適さない森林の境界調査や切捨て間伐など、環境保全のための森林整備につきましては、森林環境譲与税を活用する方向で考えております。 そのほかには、市産材利用に向けた匠の家づくり支援事業の展開、木のよさの普及啓発、森林技術者の確保、育成に向けた取組、木育の推進などに力を入れていくこととしており、これらの実施に当たりましても、森林環境譲与税を効果的に活用することを考えております。 ○議長(橋本正彦君) 西本議員。 ◆3番(西本泰輝君) ただいまの答弁にもありました木育の推進については、子育て世代にも大変関心が高まっておりまして、また、新たな女性グループなども生まれておりますので、ぜひ御支援をお願いいたします。 そこで、ただいまの御答弁について、2点の再質問をさせていただきたいと思います。 1点は、森林の境界を明らかにすることについてであり、早期に実施することは、主伐再造林や間伐などの森林整備の前提となる特に重要な施策であると考えます。 産業建設委員会の協議においても意見が述べられていましたが、高山市の地籍調査の進捗率は全体で約15%、高山地域では僅か2.4%の進捗率にとどまっており、この問題は森林整備の大きな課題であります。 地籍調査事業は、木材生産区域において第7次10か年計画により推進し、環境保全区域においては、森林環境譲与税を活用して森林境界明確化を進める考えであると伺っていますが、地籍調査事業は、精度が高い反面、その実施には長い年月がかかります。 林野庁の資料によると、秋田県羽後町では、過去の空中写真を活用して、公図と森林計画図から境界を推定する事業を実施し、短期間で全域を推定、推定した境界を所有者説明会で説明し承諾を得る方法で、早急にかつ効率的に、しかも安価で、森林境界明確化を進められております。 そこで、森林境界を明確にするための今後の計画と羽後町などのような効率的な方法で早く進められないか伺います。 ○議長(橋本正彦君) 細野林政部長。   〔林政部長細野達也君登壇〕 ◎林政部長(細野達也君) 今ほど御質問がありました森林境界の明確化ですけれども、高山市が森林境界の明確化に重点的に取り組む背景には、議員御発言のとおり高山市の地籍調査の進捗が進んでいないことが挙げられ、これが森林整備が進まない最大の理由となっております。 そこで、森林環境譲与税を使い、地籍調査と実施箇所を分けながら境界の調査、測量を実施することにより、境界明確化を加速してまいりたいと考えております。 具体的には、地籍調査は10年計画に基づき、年間1億5,000万円程度の実施を計画しておりますし、森林環境譲与税につきましても、譲与税の増額に合わせ、来年度は3,000万円程度、譲与税の交付が満額となる令和6年には6,000万円、令和10年には9,000万円ということで、地籍調査と森林環境譲与税を使った境界明確、この二本立てで推進してまいりたいと思っております。 また、御紹介のありました調査手法につきましても、航空レーザー測量のデータを使うなど、簡易で低コストな方法を今年度から試行しておりまして、今後さらに研究をしてまいります。 ○議長(橋本正彦君) 西本議員。 ◆3番(西本泰輝君) ぜひそういった方法も踏まえて早急に実施をしていただきたいと思いますし、推進体制もさらに強化をしていただくようお願いいたします。 もう一点は、先ほどの特に力を入れていく施策にはありませんでしたが、森林資源の有効活用についてであります。 間伐材の一部や未利用木材、林地残材、製材過程でできる木くず等は、木材会社や森林組合、NPO法人活エネルギーアカデミーなどにより、チップやペレットといった木質バイオマス燃料として供給され、市内の温泉施設やホテルのボイラー燃料用、バイオマス発電用として、また小中学校のストーブ燃料などとして利用されております。 市が木の駅9か所をつなぎ運行する積まマイカーを活用し、付加価値分を地域通貨エネポで運用する木の駅プロジェクト、積まマイカー物流システムを運用されるNPO法人活エネルギーアカデミーでは、93名の方々が森林資源を巡回させ、里山を元気にしようと活動されております。 しかし、一方で、木材会社が生産する木質バイオマス燃料は、現在の供給量でも、その多くは市外へ出荷されているのが現状のようです。それがもっと市内で熱供給事業が推進され、施設が増えれば、市内の事業者が燃料代として市外へ支払っているお金が地域で循環して経済効果が高まるとともに、市場価格に左右されない安定的な熱利用となるわけです。 そこで、高山市新エネルギービジョンにおいて、自然エネルギー利用日本一の都市を目指し、バイオマスの熱利用も推進する計画がありますが、今後、木質バイオマスの熱利用をどのように進めていくのか伺います。 ○議長(橋本正彦君) 田中環境政策部長。   〔環境政策部長田中裕君登壇〕
    ◎環境政策部長(田中裕君) 木質バイオマスの利用という御質問だったと思っておりますが、高山市では、木質バイオマスの利用を推進、促進するために、木質バイオマスを燃料とするストーブやボイラーの設置に対する助成を実施しておりますし、パイロット事業として温浴施設に温室バイオマスボイラーを設置しています。 また、議員もお話を御紹介していただきましたが、森林整備に伴う未利用間伐材の利活用を推進するため、地域の未利用材を集積する木の駅の運営についてNPO法人活エネルギーアカデミーと協定を締結し、市が運行する積まマイカーにより木の駅に集められました間伐材を市内の原料加工所に運搬するなど、地域における木質バイオマスのサプライチェーンの構築とエネルギー循環を進めているものでございます。 平成24年度に策定しました環境配慮型公共施設整備指針では、市有施設に自然エネルギーを活用する設備導入を推進していくこととしておりまして、施設の建設や設備の更新などがある場合には、木質バイオマスを始めとする自然エネルギーを活用した設備の導入を検討していくこととしています。 ○議長(橋本正彦君) 西本議員。 ◆3番(西本泰輝君) 岡山県真庭市では、2015年に稼働しました真庭バイオマス発電所が予想以上に木質チップが供給されて順調に稼働し、2018年度の総売上げは約23億円に上っているということです。 市におかれましては、さらにバイオマスボイラーなどの導入や普及等を積極的に進めていただくとともに、FIT、固定価格買取り制度終了後の動向も注視しながら、バイオマス発電所についても調査研究をいただきたいと思います。 また、森林整備計画を進められるに当たっては、これまでの一般質問にも挙がっております主伐再造林における補助率等のかさ上げ、さらに、林道網の路網整備の密度を高めていただくことに加え、災害を引き起こす山の崩壊の原因にもなる作業道の改良や維持管理、修理などにもしっかり取り組んでいただくようお願いいたします。 この項目の最後の質問は、森林、林業を支える核となる人づくりのため、岐阜県森林文化アカデミーとの協定を締結してはどうかということであります。 100年先を見据えた森林づくりを目指して森林を整備し、市産材利用に向けた木材産業づくりを考えたとき、どうしても必要になるのは、林業や林産業、林業環境教育、木造建築、木工などの担い手の確保、育成であります。 森林組合や事業所、県森林アカデミー、NPOなどの市民活動団体などを訪ねてお話を伺う中で、こうした森林関係の産業に携わる人たちの裾野を広げることや、専門的な知識、技術を習得した人材の育成、そして、独立して起業する人たちの支援などが強く求められていることを感じました。 御存じのように、県森林文化アカデミーは、美濃市にある森と木に関わるスペシャリストを育成する専門学校で、森と木のエンジニア科と森と木のクリエーター科があり、全国から集まった約80名の学生が2年間にわたり学んでおります。 高山市役所では、長年人事交流により県から管理職を派遣いただいていますが、県森林文化アカデミーの副学長には、長沼元林務課長が就任されており、地域課題の解決に向け、市町村との連携を推進されるアカデミーの支援を得て、人材を育成、確保するまたとないチャンスであると考えます。 また、市への移住、定住を促進する効果も大いに期待できるため、授業料や修学経費等を助成し、市のUIJターン支援策も活用する中で、県森林文化アカデミーとの協定を早急に締結してはどうかと考えますので、見解を伺います。 ○議長(橋本正彦君) 細野林政部長。   〔林政部長細野達也君登壇〕 ◎林政部長(細野達也君) 森林技術者の確保、育成は、今後、森林経営管理制度による森林整備が増えることが予測される現状にあって、早急に取り組むべき課題であると認識しております。 市としましても、都市部での就職フェアへの出展などを通して、新規就業者の確保に取り組んでいますが、林業未経験者の場合は、林業事業体に就職してから、技術、知識を習得するまでの数年間は御苦労をされていると伺っており、さらに、雇用した側も従業員の育成が負担となっています。 こうした現状を踏まえ、森林技術者の養成ができる県森林文化アカデミーとの連携の可能性を探るべく、先方に出向いて打合せ等を行ったところですが、他市において協定を締結し、それに基づいた人材育成に取り組んでいる事例の情報を得ておりますので、市の課題解決に向けてどのような手法が効果的か、県森林文化アカデミーとの連携に向けた協議を進めてまいります。 ○議長(橋本正彦君) 西本議員。 ◆3番(西本泰輝君) 1つの例ですけれども、どんどん人口が減っている東京都西多摩郡檜原村には、株式会社東京チェンソーズという若い人たちが働くほぼ右肩上がりの林業会社があります。下請けから元請けへと転換を図っているこの会社でも、やはり優秀な人材の育成が必須だということです。 持続可能な森づくりや木材関連産業の発展には、有能な現場技術者が欠かせません。ぜひ体系的な人材育成のシステムをつくり、今ほど御答弁いただきましたが、アカデミーとの協定締結、進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。 一般質問の2つ目の項目は、森林空間を活用した森林サービス産業についてであります。 この質問は、先ほど御答弁いただきました森林整備計画の中の基本施策の取組、生活環境保全林などの森林空間の健康づくりなどのへの活用に関連した質問であり、昨年の12月定例会の一般質問では、松山議員が森林浴の推進について質問され、市長が国のネットワークへの参加や新しい活用方法を研究していきたいと答弁されたことに関連するものでございます。 森林サービス産業は、林野庁が山村地域の活性化に向け新たに提唱しているものですが、市民の方々にはまだ聞き慣れない言葉ですので、最初に林野庁の資料等に基づき、その背景などについてお話をさせていただきたいと思います。 山村地域は、我が国の国土の5割、森林面積の6割を占める一方で、人口の全体の僅か3%、地方の人口は急激に減少しており、多くの過疎地域の集落では、空き家の増加、耕作放棄地の増大、森林荒廃を始めとする人口減少に伴う様々な課題が発生しております。 さらに、人口減少、高齢化が他の地域に先駆けて進行しており、その状況は高山市においても同じでありますが、全国と山村の平均所得を比較しますと、総務省の平成30年市町村税課税状況等の調査からの推計では、山村の平均所得は、全国より2割少ない状況です。 一方で、山村地域にあり多面的機能を有する森林については、最近では働き方改革や健康経営、健康投資などの企業経営、ライフスタイルの大きな変革が見られる中で、メンタルヘルス対策や健康づくり、観光、環境教育や社員研修の場として、あるいは、子どもたちのアクティブラーニングや企業等のクリエーティブな思考力、デザイン力を育む場として、森林空間を積極的に活用していきたいというニーズが高まってきております。 また、これまで登山やキャンプ、野外活動等の愛好家が中心だった森林空間での活動も、御存じのように山ガールがブームになったり、トレイルランやマウンテンバイクなどの森林スポーツ、快適さを兼ね備えた体験型旅行でもあるグランピングなどの新しい動きが注目されているところです。 さらには、コンサートや幼児教育、ヨガなどの運営、活動が森林に囲まれた自然環境の中で行われたり、野外フェス、森の幼稚園、森ヨガなどが森林空間を活用して展開されるなど、その広がりを見ることができます。 こうした中で、林野庁では、一昨年8月、医療、福祉、観光、教育等の分野の業界団体等の参画を得た森林サービス産業検討委員会を設置し、先月は2回目となるフォーラムが東京で開催されました。細野部長も出席されていましたが、私も関心を持ち参加してきたところです。 そこで、最初の質問をさせていただきますが、健康、観光、教育などの多様な分野が森林空間とつながる森林サービス産業について、市内でその創出が考えられる森林空間はどのようなところかについてであります。 12月定例会では、市長から五色ヶ原の森を始めとした市内の森林浴の場について答弁がありましたが、ただいまお話ししましたような幅広い意味で森林サービス産業の創出を考えると、市内ではどのようなところが考えられるか伺います。 ○議長(橋本正彦君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕 ◎副市長(西倉良介君) 森林サービス産業の意義、可能性等につきましては、議員お話しのとおりでございます。木材生産以外の新たな森林の活用ということで、大いに関心が高まっているところでございます。 御承知のとおり、高山市内には、広大な森林が広がっておるところでございまして、具体的にどのようなところがあるかというところですが、森林サービス産業ということが言われる前から、主に観光、保健、休養、また環境教育の場として活用されているところではございますが、まず2つの国立公園、これは先ほど来お話がありました五色ヶ原の森を含める中部山岳国立公園、そして、荘川を含めます白山国立公園、そして、5つの県立自然公園、国府の宇津江四十八滝、一之宮、久々野の位山、舟山、そして、高根地域の野麦、清見地域のせせらぎ渓谷、朝日、高根の御嶽山などがございます。 そのほか、5か所の生活環境保全林として、清見のせせらぎ街道四季の郷、荘川のであいの森、朝日のあさひの森、高根の望嶽の森、国府の洗心の森などがございます。 このほかにも、城山公園など森林を含んだ公園ですとか里山の登山道、散策路などを含めますと、様々な森林サービス産業に活用できるような森林空間の候補地というものが市内にかなり多く存在していると考えております。 ○議長(橋本正彦君) 西本議員。 ◆3番(西本泰輝君) 大変たくさんの場所がこういった可能性を持っているということが分かりました。 見直しが行われた第八次総合計画基本計画の地域のまちづくりでも、各地域のまちづくりの方向性の中で、今ほど御答弁いただいたところを始めとした自然資源の活用などが挙げられていますので、今後は、市内各地域の特色を生かし、地元の農林畜産業や商工観光業などと結びついた森林サービス産業の創出が期待できると考えております。 次の質問は、行政の多様な分野が連携し、森林サービス産業に取り組む体制を早期に整備すべきではないかということであります。 12月定例会において、市長は、現在もうこれが森林浴が事業として企業の手、あるいはNPOの手で実施されるということは承知していると述べられましたが、私もフォーラムに参加して、全国から多数参加された企業やNPO、行政関係者の方々など等、その熱意に触れ、森林サービス産業の具体的な取組を目の当たりにしたところです。 例えば長野県信濃町では、地元自治体と協議会が連携して、都市部の企業と協定を締結し、社員の雇用活動や企業のCSR、企業の社会的責任のフィールドを提供するなどの観光地づくりを展開したり、企業が社有林での社員研修で社員の健康づくりや早期の離職対策を進めています。 また、山梨県では、医療法人グループによる森林、農園を活用した保健リゾートが創出され、地域の人たちが講師、先生になるなど、地元の方と協力をしてセラピーの場をつくり、心身の健康向上や疾病予防が図られております。 あるいは、クアオルト健康ウオーキングで開く企業の健康経営として生命保険会社が高山市の友好都市である山形県上山市と包括的連携協定を締結し、クアオルトを活用した宿泊型新保健指導プログラムを導入しています。上山については、予算も若干市で見られているということでございます。 山村地域での主要な産業である林業の規模産出額は、約4,000億円程度ということですけれども、森林空間を利用した新たな取組が期待される医療福祉業、観光旅行業、娯楽業、教育学習支援業などの他産業の生産額は、林業の規模をはるかに上回っており、様々な分野で訪日外国人旅行者のインバウンド需要も高まっている状況にあります。 こうした中で、日本一の広大な森林を有する高山市においては、これまで森林との関係が希薄であった他産業と結びつき、山村地域の貴重な資源でもある森林空間を様々な手段と機会で活用することが重要であると考え、収入と雇用を生み出す新たな森林サービス産業に行政の多様な分野、そして、本庁と各支所とが連携をして積極的に取り組み、早期の体制整備ができるよう、このことについて伺います。 ○議長(橋本正彦君) 細野林政部長。   〔林政部長細野達也君登壇〕 ◎林政部長(細野達也君) 森林サービス産業は、森林空間の利用方策として、今後様々な展開が期待できると考えております。まだ十分な情報や知見が得られていない状況で、国においても、今後、推進体制の構築や人材育成を進めつつ、事業化を目指すモデル地域を設定して検討を進めると言われております。 議員お話にありました国などが中心となって開催した森林サービス産業フォーラムに参加し、全国の事例などについて情報収集をしてきたところですが、まずは市の関係部署において、その情報共有を図っているところです。 今後、森林サービス産業としての展開につながる施策を精査しまして、分野横断的に連携を図ってまいります。 ○議長(橋本正彦君) 西本議員。 ◆3番(西本泰輝君) まずは行政において、様々な分野が連携して、森林サービス産業について検討し取り組む体制を整備することが必要だと思いますが、その後、実際に高山市において、新たな森林サービス産業を創出し推進するためには、民間企業や産業団体、大学を含めた教育機関、行政などとの連携、さらには、まちづくり協議会やNPOなど、市民活動団体等による協働のまちづくりによる取組が必要になると考えます。 最後の質問は、森林サービス産業の創出推進のため、産学官連携や協働のまちづくりによる検討委員会などを設置してはどうかということであります。答弁をお願いします。 ○議長(橋本正彦君) 細野林政部長。   〔林政部長細野達也君登壇〕 ◎林政部長(細野達也君) この森林サービス産業は、森林散策ツアーや登山ガイドなどによる観光業だけでなく、企業による森林を活用した社員のメンタルヘルス対策や森林環境教育、アロマオイルを活用した香りビジネスなど、多岐にわたる取組があり、今後、新しい産業につながるものと考えております。 今後、全国の取組事例や国の推進に向けた施策など情報収集に努めるとともに、有識者や市内で森林空間を活用している事業者、市民団体の皆様との情報共有を図りながら、森林サービス産業創出に向けた研究を進めてまいります。 ○議長(橋本正彦君) 西本議員。 ◆3番(西本泰輝君) 行政の中での検討における後には、林野庁が森林サービス産業検討委員会を設置して三部会を設けて、今ほどお話もありましたが、検討を進めているように、高山市においても産学官連携や協働のまちづくりによる検討委員会などをぜひ設けて進めていただきたいと思っております。 森林は、国連の持続可能な開発目標SDGs17の分野のうち、14の分野に関わる大切な地域資源であり、高山市のかけがえのない財産です。 森林サービス産業の創出推進は、SDGs時代を見据えた企業経営を支援するものとも期待され、また、里山を始めとする森林、そして、様々な地域の宝物を生かした地域活性化に大きく貢献するものと考えておりますので、今後とも国や自治体の動向、市の取組などを注視してまいりたいと思います。 高山市の新たな森林づくり、森林資源の利活用が環境施策とうまく連動し、さらに多様な分野とつながることにより、人と地域経済が元気になること、そして、脚本家の倉本聰氏は、森の時計はゆっくり時を刻むと色紙に書かれていますが、子どもたちから御高齢の方まで市民みんなが森に囲まれた暮らしをもっと楽しめることを願って、私の一般質問を終わります。 ○議長(橋本正彦君) 以上をもって、西本議員の質問を終わります。  ================ △閉議散会 ○議長(橋本正彦君) 以上で本日の一般質問を終わります。 残余の一般質問につきましては、9日午前9時30分から続行したいと思いますので、御了承願います。 これをもちまして、本日の会議を閉じ、散会します。     午後3時55分散会―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。         高山市議会 議長  橋本正彦               副議長 渡辺甚一               議員  榎 隆司               議員  中筬博之...