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  1. 岐阜市議会 2021-03-01
    令和3年第1回(3月)定例会(第1日目) 本文


    取得元: 岐阜市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-06
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和3年第1回(3月)定例会(第1日目) 本文 2021-03-03 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 17 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言の表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(大野一生君) 11頁 選択 2 : ◯議長(大野一生君) 11頁 選択 3 : ◯議長(大野一生君) 347頁 選択 4 : ◯議長(大野一生君) 347頁 選択 5 : ◯議長(大野一生君) 347頁 選択 6 : ◯議長(大野一生君) 347頁 選択 7 : ◯議長(大野一生君) 347頁 選択 8 : ◯議長(大野一生君) 347頁 選択 9 : ◯議長(大野一生君) 347頁 選択 10 : ◯市長(柴橋正直君) 347頁 選択 11 : ◯議長(大野一生君) 365頁 選択 12 : ◯議長(大野一生君) 368頁 選択 13 : ◯29番(井深正美君) 368頁 選択 14 : ◯議長(大野一生君) 371頁 選択 15 : ◯議長(大野一生君) 371頁 選択 16 : ◯議長(大野一生君) 371頁 選択 17 : ◯議長(大野一生君) 371頁 ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 開  会   午前10時 開  会 [ 11頁]◯議長(大野一生君) ただいまから令和3年第1回岐阜市議会定例会を開会します。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一 諸般の報告 2: [ 11頁]◯議長(大野一生君) 日程に入るに先立って諸般の報告を行います。  監査結果報告書及び岐阜市包括外部監査報告書並びに報第4号及び報第5号専決処分事項の報告については、お手元に配付しました報告書によって御承知を願います。            ───────────────────         監査結果報告書及び岐阜市包括外部監査報告書提出一覧                     令和3年第1回(3月)岐阜市議会定例会 例月現金出納検査結果報告書(令和2年9月分~令和2年11月分) 監査結果報告書 ・定期監査及び行政監査   (令和2年度4月~8月分 必要に応じて令和元年度分)  ・都市防災部  ・消防本部  ・まちづくり推進部 ・定期監査及び行政監査   (令和2年度4月~10月分 必要に応じて令和元年度分)
     ・市民生活部  ・都市建設部 ・定期監査及び行政監査(学校施設監査)   (令和2年度4月~11月分 必要に応じて令和元年度分)  ・市立小学校46校、市立中学校22校、市立幼稚園2園及び市立特別支援学校1校の   うち、以下の小学校5校及び中学校3校   ┌───┬────────────────┐   │小学校│岐阜、岩野田、方県、七郷、西郷 │   ├───┼────────────────┤   │中学校│岐阜中央、岐北、藍川北     │   └───┴────────────────┘ ・随時監査(時間外勤務に係る報酬の支給遅延)  ・市民病院 岐阜市包括外部監査報告書(令和2年度)  ・岐阜市の補助金、負担金及び交付金            ───────────────────  1 監査等の種類   例月現金出納検査  2 検査の対象    一般会計、特別会計、基金及び企業会計               (令和2年9月出納事務)  3 検査の日程    令和2年10月22日~令和2年11月25日  4 検査の結果  (1) 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確     あることを認めた。  (2) 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確     あることを認めた。  (3) その他証拠書類等を検査したところ、歳入歳出外現金の源泉所得税の未整理金     及び軽微事項を除き、適正に処理されているものと認めた。      なお、軽微事項については、別途指示した。            ───────────────────  1 監査等の種類   例月現金出納検査  2 検査の対象    一般会計、特別会計、基金及び企業会計               (令和2年10月出納事務)  3 検査の日程    令和2年11月27日~令和2年12月25日  4 検査の結果  (1) 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確     あることを認めた。  (2) 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確     あることを認めた。  (3) その他証拠書類等を検査したところ、歳入歳出外現金の源泉所得税の未整理金     及び特別徴収住民税の過徴収、立替払並びに軽微事項を除き、適正に処理され     ているものと認めた。      なお、軽微事項については、別途指示した。            ───────────────────  1 監査等の種類   例月現金出納検査  2 検査の対象    一般会計、特別会計、基金及び企業会計               (令和2年11月出納事務)  3 検査の日程    令和2年12月28日~令和3年1月25日  4 検査の結果  (1) 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確     あることを認めた。  (2) 一般会計及び特別会計に係る歳計現金及び歳入歳出外現金の保管状況は、歳計     現金等保管状況の表と一致していることを確認した。  (3) 基金の月末残高を金融機関等の残高証明書と照合したところ、正確あること     を認めた。  (4) 各企業会計について、月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と     照合したところ、正確あることを認めた。  (5) その他証拠書類等を検査したところ、市民病院の時間外勤務に係る報酬の支給     遅延及び軽微事項を除き、適正に処理されているものと認めた。      なお、軽微事項については、別途指示した。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    都市防災部             令和2年度4月~8月分 必要に応じて令和元年度分  3 監査の着眼点   令和2年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    令和2年9月28日~令和2年11月11日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。    なお、軽微事項については、別途指示した。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    消防本部             令和2年度4月~8月分 必要に応じて令和元年度分
     3 監査の着眼点   令和2年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    令和2年9月25日~令和2年11月11日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。しかしながら、次のよう事項が見受けられたので、改   善に努められたい。    なお、軽微事項については、別途指示した。  [指摘事項]  (1)交通事故の防止について     消防本部が策定した車両誘導マニュアルは、次のように定めている。    ・ 誘導は、原則、乗組員全員で実施する。    ・ 後退時の誘導は、斜め後方で行うこととし、2人の場合は、車両左右斜め後方を     誘導位置とし、前方確認が必要場合は、1人を前部に配置する。3人の場合は、     主となる誘導員を決め、後部に2人、前部に1人の3箇所誘導を行う。    ・ 誘導は、警笛等により行う。警笛等は、主となる誘導員が使用し、危険があると     きのみ他の誘導員が使用する。    ・ 誘導は、車両の移動する方向及び位置の確認とともに、障害物等の状況を全員で     共有して行う。     しかしながら、令和元年7月10日に、岐阜市民病院敷地内において、消防車両を    指定された位置に駐車するため後退させた際、運転手のほか2人の同乗者全員が降車    のうえ、車両誘導マニュアルに定める誘導位置で誘導していたが、運転手、誘導員と    もに消防車両が柵に接近していることが分からず、柵に接触する事故が発生した。     また、令和元年7月20日に、JR東海道本線鉄橋下堤外道路において、消防車両    を方向転換するため後退させた際、運転手のほか3人の同乗者全員が降車のうえ、後    退場所全体を見通せる位置で誘導していた。しかし、誘導員の一人は消防車両が鉄製    ポールに接近し危険があることに気付きながらも警笛等により運転手や主となる誘導    員に知らせなかったため、運転手が消防車両と鉄製ポールの位置関係を把握できず、    これに接触する事故が発生した。     今後は、車両誘導マニュアルの内容が事故防止に有効か点検するとともに、職員に    対し、その遵守の徹底を図られたい。  (2)適正財務会計事務の執行について     岐阜市物品管理規則第14条は、「物品取扱員は、物品の納入があったときは、そ    の契約条件の充足等につき検査のうえ受領し、支出命令書又は注文書兼請求内訳書の    検収欄に認印を押さなければならない。」と規定している。     しかしながら、消防本部では、物品の納入があったとき物品取扱員に任命されてい    ない職員が検収し、検収欄に認印を押しているものがあった。     今後は、岐阜市物品管理規則を遵守し、適正財務会計事務の執行に努められたい。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    まちづくり推進部             令和2年度4月~8月分 必要に応じて令和元年度分  3 監査の着眼点   令和2年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    令和2年10月1日~令和2年11月25日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。しかしながら、次のよう事項が見受けられたので、改   善に努められたい。    なお、軽微事項については、別途指示した。  [指摘事項]  (1)未収金の回収について     住宅使用料の収入未済額は、令和元年度末で54,375,531円ある。令    和2年8月末現在では、過年度未収金が50,661,931円ある。     今後とも、過年度未収金の早期回収に努めることはもとより、現年度未収金の早    期回収を図ることで過年度未収金の発生を抑制するように努力されたい。  (2)適正財務会計事務の執行について    ア 地方自治法施行令第168条の5は、「指定金融機関を定めている普通地方公     共団体において、会計管理者が現金を直接収納したときは、速やかに、これを指     定金融機関、指定代理金融機関又は収納代理金融機関に払い込まなければならな     い。」と規定するが、本市においては、「速やかに」を「原則としてその日中」     と解して運用している。      しかしながら、建築指導課の公文書複写代について、例外的事由が認められな     いにもかかわらず、収納したその日に払込みをしていない事例が見受けられた。    イ 岐阜市物品管理規則第14条は、「物品取扱員は、物品の納入があったときは、     その契約条件の充足等につき検査のうえ受領し、支出命令書又は注文書兼請求内     訳書の検収欄に認印を押さなければならない。」と規定している。      しかしながら、公共建築整備課及び公共建築保全課では、物品の納入があった     とき物品取扱員に任命されていない職員が検収し、検収欄に認印を押しているも     のがあった。    今後は、地方自治法施行令及び岐阜市物品管理規則を遵守し、適正財務会計事務   の執行に努められたい。  (3)適正事務執行について     公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律(以下「派遣法」と    いう。)第6条は、派遣職員には給与は支給しないものの、同条第2項で一定の場    合には条例で定めるところにより給与を支給することができる旨規定している。こ    の規定を受け、岐阜市公益的法人等への職員の派遣等に関する条例第4条は、派遣    職員の給与のうち、給料、扶養手当、地域手当、住居手当及び期末手当については、    市が支給することができる旨規定している。     また、派遣法第6条の解釈について、裁判例は、派遣職員に対する給与の支給に    ついて、派遣法第6条第2項以外の方法による派遣元の給与支給は許されないと解    するのが相当あり、派遣先の法人に対して派遣職員の人件費に充てるために補助    金又は委託料を交付することは派遣法第6条第2項の趣旨を潜脱するものとしてい    る。(最高裁H24.4.20判決、大阪高裁H21.11.27判決)
        しかしながら、令和元年度に岐阜市にぎわいまち公社と締結していた、中心市街    地活性化推進事業、リノベーションスクール事業及びぎふ信長楽市運営にかかる委    託契約については、その委託料に派遣職員の人件費として具体的金額が積算され    ており、その金額で契約が締結されていた。     したがって、派遣法の趣旨を遵守し、適正事務執行に努められたい。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    市民生活部             令和2年度4月~10月分 必要に応じて令和元年度分  3 監査の着眼点   令和2年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    令和2年12月1日~令和3年1月25日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。しかしながら、次のよう事項が見受けられたので、改   善に努められたい。    なお、軽微事項については、別途指示した。  [指摘事項]  (1)国民健康保険料及び国民健康保険税の収納率の向上について     国民健康保険料及び国民健康保険税の収納率は、令和元年度決算において、前年度    比1.06ポイント増の75.79%あった。     また、令和2年10月末現在の滞納繰越分に係る収入未済額は1,925,928,    220円ある。     今後とも、滞納繰越分の早期回収に努めることはもとより、現年賦課分の早期回収    を図ることで滞納繰越の発生を抑制するように努力されたい。  (2)適正財務会計事務の執行について     岐阜市物品管理規則第14条は、「物品取扱員は、物品の納入があったときは、そ    の契約条件の充足等につき検査のうえ受領し、支出命令書又は注文書兼請求内訳書の    検収欄に認印を押さなければならない。」と規定している。     しかしながら、防犯・交通安全課、柳津地域事務所、市民課、西部事務所、東部事    務所、南部東事務所、南部西事務所、日光事務所、国保・年金課及び斎苑では、物品    の納入があったとき物品取扱員に任命されていない職員が検収し、検収欄に認印を押    しているものがあった。     今後は、岐阜市物品管理規則を遵守し、適正財務会計事務の執行に努められたい。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    都市建設部             令和2年度4月~10月分 必要に応じて令和元年度分  3 監査の着眼点   令和2年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    令和2年12月1日~令和3年1月25日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。しかしながら、次のよう事項が見受けられたので、改   善に努められたい。    なお、軽微事項については、別途指示した。  [指摘事項]  (1)適正財務会計事務の執行について     岐阜市物品管理規則第14条は、「物品取扱員は、物品の納入があったときは、    その契約条件の充足等につき検査のうえ受領し、支出命令書又は注文書兼請求内訳    書の検収欄に認印を押さなければならない。」と規定している。     しかしながら、交通政策課、市街地再開発課、駅周辺事業推進課及び公園整備課    において、物品の納入があったとき物品取扱員に任命されていない職員が検収し、    検収欄に認印を押しているものがあった。     今後は、岐阜市物品管理規則を遵守し、適正財務会計事務の執行に努められた    い。  (2)適正事務執行について     印紙税法第5条は、別表第1の課税物件の欄に掲げる文書のうち非課税物件の欄    に掲げるものは、印紙税を課さない旨規定し、同法別表第1は、契約金額が1万円    未満の請負に関する契約書を非課税物件としている。     しかしながら、平成23年度から令和元年度までに締結した、岐阜市まちなか歩    きガイド、岐阜市自転車散策マップぎふポタ及び三輪の歴史文化散策マップへの広    告掲載にかかる契約書については、印紙税法上の請負に関する契約書に該当し、契    約金額から非課税物件あるにもかかわらず、収入印紙を貼付するよう依頼したた    め、総額13,800円の誤納を発生させた。     今後は、印紙税法を遵守し、適正事務執行に努められたい。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査(学校施設監査)  2 監査の対象    市立小学校46校、市立中学校22校、市立幼稚園2園及び市             立特別支援学校1校のうち、以下の小学校5校及び中学校3校             ┌───┬────────────────┐             │小学校│岐阜、岩野田、方県、七郷、西郷 │             ├───┼────────────────┤             │中学校│岐阜中央、岐北、藍川北     │             └───┴────────────────┘             令和2年度4月~11月分 必要に応じて令和元年度分  3 監査の着眼点   令和2年度 現地監査等実施計画(以下「実施計画」という。)             に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    令和2年12月1日~令和3年1月15日
     6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合し、監査の対象校において現地監査   を実施したところ、おおむね適正に処理されているものと認められた。しかしながら、   次のよう事項が見受けられたので、検討されたい。    なお、軽微事項については、別途指示した。  [意見]  (1)学校等における安全管理の実施状況の確認について     教育委員会は、平成28年7月27日付けで「幼児児童生徒の安全確保及び安全    管理の一層の徹底について」を各学校等へ通知している。     その中で、「幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理についてのチェックリ    スト」を提示し、チェックリストの作成と計画的点検の実施、不十分ところの    早急改善を求めるなど、学校等の安全管理の一層の徹底を図ることを依頼してい    る。     しかし、今年度に学校施設監査を実施した8校については、いずれの学校もチェ    ックリストを作成していなかった。     したがって、教育委員会事務局において、学校等の安全管理が適切に実施されて    いるか確認することについて検討されたい。  (2)消防計画に定められた消防訓練の実施について     学校施設監査において、消防法施行令第3条の2第2項に基づく消防訓練の実施    状況を調査したところ、岐北中学校から消火訓練は実施していないと書面で回答が    あり、現地監査の際、この回答内容について岐北中学校に確認したところ、内容に    誤りはないとのことあった。     しかし、学校施設監査の結果について、弁明、見解等を教育委員会事務局に求め    たところ、岐北中学校は消火訓練については既に6月に実施していたと報告がなさ    れた。     今後は、教育委員会事務局が主体となり、学校が消防訓練を実施する場合、訓練    の内容が消防法施行令第3条の2第2項に規定する訓練(消火、通報及び避難訓練)    に該当するのか所轄の消防署に確認の上、消防訓練を実施し、適法に消防訓練が実    施されたかを確認することを検討されたい。            ───────────────────  1 監査等の種類   随時監査  2 監査の対象    市民病院             時間外勤務に係る報酬の支給遅延  3 監査の実施場所  岐阜市役所南庁舎 4階 監査室  4 監査の日程    令和3年1月19日~令和3年1月25日  5 監査の結果    次のよう事項が見受けられたので、改善に努められたい。  [指摘事項]  (1)時間外勤務に係る報酬の支給について     令和2年3月31日に廃止された岐阜市病院事業非常勤の特別職職員の報酬及び    費用弁償に関する規程第4条第2項は、正規の勤務時間を超えて勤務した場合のそ    の勤務時間に対し増額して支給する報酬は、次の月の報酬の支給日に支給する旨規    定している。     しかしながら、令和2年3月31日付けで退職した非常勤職員が令和2年3月に    正規の勤務時間を超えて勤務した勤務時間に対し増額して支給すべき報酬について    は、次の月の報酬の支給日ある令和2年4月22日に支給すべきところ、令和2    年12月2日に支給されていた。     また、給与、報酬等の名称にかかわらず、賃金が支払期日から遅れて支払われた    ときは、損害賠償として遅延利息が発生する。     さらに、退職した者については、賃金の支払の確保等に関する法律第6条第1項    が、「事業主は、その事業を退職した労働者に係る賃金(退職手当を除く。以下こ    の条において同じ。)の全部又は一部をその退職の日(退職の日後に支払期日が到    来する賃金にあっては、当該支払期日。以下この条において同じ。)までに支払わ    なかった場合には、当該労働者に対し、当該退職の日の翌日からその支払をする日    までの期間について、その日数に応じ、当該退職の日の経過後まだ支払われていな    い賃金の額に年14.6%を超えない範囲内で政令で定める率を乗じて得た金額を    遅延利息として支払わなければならない。」と規定している。     しかしながら、令和2年12月2日に支給した際、遅延利息は、支払われていな    かった。     今後は、非常勤職員及び常勤職員を問わず、超過勤務手当の支給について、岐阜    市病院事業の企業職員の給与の種類及び基準に関する条例、岐阜市病院事業の企業    職員の給与の種類及び基準に関する条例施行規程及び岐阜市病院事業会計年度任用    企業職員の給与に関する規程を遵守し、適正事務執行に努められたい。            ───────────────────                  令和2年度               岐阜市包括外部監査報告書                岐阜市包括外部監査人                弁護士 竹 中 雅 史                  目  次 第1部 包括外部監査の概要………………………………………………………………… 1   1.外部監査の種類……………………………………………………………………… 1   2.監査の対象年度……………………………………………………………………… 1   3.包括外部監査人及び補助者………………………………………………………… 1   4.選定した特定の事件(監査のテーマ)…………………………………………… 1   5.選定した理由………………………………………………………………………… 1   6.利害関係……………………………………………………………………………… 2   7.監査の期間…………………………………………………………………………… 2   8.監査の手続…………………………………………………………………………… 2   9.監査の視点…………………………………………………………………………… 4
    第2部 総論…………………………………………………………………………………… 9  第1 岐阜市の補助金等の状況…………………………………………………………… 9   1.定義…………………………………………………………………………………… 9   2.全体の金額…………………………………………………………………………… 9   3.説明区分による分類………………………………………………………………… 9   4.「岐阜市の補助金、負担金及び交付金一覧表」の作成…………………………12  第2 岐阜市の補助金等への取組み………………………………………………………12   1.これまでの経過………………………………………………………………………12   2.現在の見直し方法……………………………………………………………………13   3.参考資料………………………………………………………………………………13  第3 監査の結果(全体について)………………………………………………………14   1.全体管理………………………………………………………………………………14   2.透明化…………………………………………………………………………………15   3.終期の設定……………………………………………………………………………15   4.見直しシステム………………………………………………………………………15   5.事業評価のあり方……………………………………………………………………16   6.事業評価ツール………………………………………………………………………17   7.加入団体負担金の見直し……………………………………………………………17   8.任意団体の実質………………………………………………………………………18   9.任意団体と職務専念義務……………………………………………………………18   10.実行委員会・任意団体の調査把握及び公表………………………………………19   11.説明区分………………………………………………………………………………19   12.交付金及び負担金に関する規程……………………………………………………20   13.交付要綱の根拠規定…………………………………………………………………21   14.交付要綱による手続の省略…………………………………………………………21   15.前金払の理由…………………………………………………………………………22   16.余剰金の返還…………………………………………………………………………22   17.実績報告の実質化……………………………………………………………………23 第3部 各論(個別の補助金等の監査の結果)……………………………………………24  第1 実行委員会(類似団体含む)………………………………………………………24   1.特別展「川端康成と東山魁夷 美と文学の森」開催負担金……………………24   2.特別展「キラキラの昆虫展2019」開催負担金……………………………………28   3.ぎふサイエンスフェスティバル2019開催負担金…………………………………31   4.イングリッシュ・キャンプ in GIFU開催負担金……………………… 33   5.アートライブ・ウェルカム!アーティスト開催負担金…………………………34   6.笑いと感動のまちづくり事業負担金………………………………………………35   7.やないづ境川ふれあい夏祭り2019事業負担金……………………………………38   8.GIFUナイトビュー事業実行委員会負担金……………………………………41   9.長良川薪能開催負担金………………………………………………………………44   10.こよみのよぶね実行委員会負担金…………………………………………………47   11.長良川ツーデーウオーク開催負担金………………………………………………48   12.高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン大会開催負担金……………………………50   13.国際インラインスケート岐阜長良川大会開催負担金……………………………52   14.MAG-CUP少年サッカー交流大会開催負担金………………………………54   15.市民スポーツ・レクリエーション活動推進事業開催負担金……………………55   16.岐阜市民文化祭岐阜市美術展覧会開催負担金……………………………………56   17.岐阜市民文化祭岐阜市文芸祭開催負担金…………………………………………58   18.岐阜市民文化祭岐阜市民芸術祭開催負担金………………………………………60   19.ぎふ長良川勝手おどり実行委員会負担金…………………………………………61   20.岐阜文化再発見~市民協働による民話ライブ~開催負担金……………………64   21.さんぽde野外ライブ開催負担金…………………………………………………66   22.フローラリー岐阜開催負担金………………………………………………………68   23.エコフェスタ開催負担金……………………………………………………………70   24.岐阜市地球温暖化対策推進委員会負担金…………………………………………71   25.友好都市等産業交流推進委員会負担金……………………………………………73  第2 外郭団体………………………………………………………………………………74   26.岐阜市シルバー人材センター補助金………………………………………………74   27.岐阜市社会福祉協議会運営費補助金………………………………………………75   28.岐阜市学校給食会運営費補助金……………………………………………………78   29.岐阜観光コンベンション協会運営負担金…………………………………………81   30.外国人のための日本語講座補助金…………………………………………………86   31.中心市街地まちづくり活動事業補助金……………………………………………90  第3 薬科大学・女子短期大学……………………………………………………………94   32.受託研究交付金・共同研究交付金…………………………………………………94   33.奨学寄附金交付金・寄附講座等交付金……………………………………………96   34.間接経費交付金(薬科大学)………………………………………………………99   35.間接経費交付金(女子短期大学)……………………………………………… 100  第4 政務活動費・職員互助会………………………………………………………… 103   36.政務活動費………………………………………………………………………… 103   37.岐阜市職員互助会助成金………………………………………………………… 109  第5 岐阜県・関係市町村……………………………………………………………… 115   38.木曽川右岸地帯水防事務組合負担金…………………………………………… 115   39.大野町1アンダーパス維持管理負担金………………………………………… 116   40.名鉄高架事業県営工事負担金…………………………………………………… 117  第6 地域………………………………………………………………………………… 118   41.自治会連合会運営費補助金……………………………………………………… 118   42.地区敬老会運営補助金…………………………………………………………… 123   43.新成人を祝い励ます会運営費補助金…………………………………………… 127   44.都市美化推進事業補助金………………………………………………………… 130   45.自主防災組織強化対策補助金…………………………………………………… 133   46.地域体育振興事業補助金………………………………………………………… 138   47.交通安全活動推進団体補助金…………………………………………………… 140   48.消防関係補助金…………………………………………………………………… 145   49.消防団維持運営費負担金………………………………………………………… 149   50.消防団分団維持運営費負担金…………………………………………………… 152   51.地域力創生事業補助金…………………………………………………………… 154   52.岐阜市青少年育成市民会議運営費補助金……………………………………… 157   53.民生委員候補者推薦準備会補助金……………………………………………… 159   54.岐阜市民生委員・児童委員協議会運営費補助金……………………………… 160   55.自治会連絡協議会運営補助金…………………………………………………… 164   56.岐阜市公民館連絡協議会補助金………………………………………………… 167   57.岐阜治水会負担金………………………………………………………………… 169   58.岐阜市防犯協会運営補助金……………………………………………………… 171   59.岐阜市まちづくりサポートセンター負担金…………………………………… 174   60.単位老人クラブ運営補助金……………………………………………………… 176   61.岐阜市老人クラブ連合会補助金………………………………………………… 179   62.自治公民館補助金………………………………………………………………… 180   63.コミュニティ助成事業補助金…………………………………………………… 181   64.羽島用水土地改良区排水費負担金……………………………………………… 182   65.逆川、正木、蘇西、東野田排水機場維持管理費負担金……………………… 183
     第7 教育・保育………………………………………………………………………… 184   66.岐阜市PTA連合会補助金……………………………………………………… 184   67.岐阜市立岐阜商業高等学校部活動振興補助金………………………………… 185   68.ふるさと大好き鵜飼事業補助金………………………………………………… 188   69.学校支援推進委員会負担金……………………………………………………… 190   70.岐阜市学校保健会補助金………………………………………………………… 190   71.岐阜市立特別支援学校生徒指導対策行動費補助金…………………………… 193   72.岐阜市中学校及び岐阜特別支援学校進路指導対策行動費補助金…………… 195   73.私学振興補助金…………………………………………………………………… 196   74.岐阜市私立幼稚園連合会教育研究費補助金…………………………………… 199   75.私立教育・保育施設補助金……………………………………………………… 201   76.私立小規模保育事業等補助金…………………………………………………… 205   77.保育士確保サポート奨励金……………………………………………………… 207   78.夜間保育室事業補助金…………………………………………………………… 208  第8 任意団体・社団法人・財団法人等……………………………………………… 210   79.岐阜市スポーツ少年団本部運営補助金………………………………………… 210   80.岐阜市スポーツ指導員連絡協議会運営費補助金……………………………… 211   81.岐阜市スポーツ推進委員連絡協議会運営費補助金…………………………… 213   82.岐阜市体育協会運営費補助金…………………………………………………… 215   83.母子家庭及び寡婦支援団体運営費補助金……………………………………… 219   84.文化団体補助金…………………………………………………………………… 221   85.文化財関連団体補助金…………………………………………………………… 224   86.観光事業補助金…………………………………………………………………… 232   87.青少年各種団体運営費補助金…………………………………………………… 236   88.日本ボーイスカウト岐阜市協議会運営費補助金……………………………… 242   89.障害児・者団体運営費補助金…………………………………………………… 244   90.岐阜県身体障害者岐阜地区体育大会補助金…………………………………… 250   91.保健医療関係団体補助金………………………………………………………… 253   92.平和啓発推進補助金……………………………………………………………… 262   93.岐阜市遺族連合会運営費補助金………………………………………………… 264   94.勤労者福祉事業補助金…………………………………………………………… 266   95.人権推進事業補助金……………………………………………………………… 269   96.地域ぐるみ学校人権教育推進委員会補助金…………………………………… 272   97.岐阜市読書サークル協議会活動推進事業補助金……………………………… 274   98.岐阜市視聴覚教育連絡協議会補助金…………………………………………… 277   99.岐阜天文台天文教育振興補助金………………………………………………… 279   100.日本貿易振興機構岐阜貿易情報センター事業運営負担金……………………280   101.岐阜県発明協会事業負担金………………………………………………………281  第9 事業・個人………………………………………………………………………… 283   102.コミュニティバス運行補助金……………………………………………………283   103.BRTシステム導入事業費補助金………………………………………………284   104.中小企業振興補助金………………………………………………………………285   105.農林水産関係振興補助金…………………………………………………………295   106.公衆浴場設備改善対策事業等補助金(経営安定化)…………………………297   107.被災農業施設復旧等支援事業補助金……………………………………………298   108.市民活動支援補助金………………………………………………………………299   109.家庭用次世代自動車充給電設備(V2H)普及促進補助金…………………302   110.地中熱ヒートポンプシステム普及促進補助金…………………………………302   111.ゼロエネルギー住宅普及促進補助金……………………………………………303   112.家庭用燃料電池普及促進補助金…………………………………………………304   113.ダンボールコンポスト普及促進補助金…………………………………………306   114.みんなでつくる“ホッとタウン”プロジェクト      街角トワイライト整備事業補助金………………………………………………307   115.ブロック塀等撤去補助金…………………………………………………………308   116.建築物等耐震化促進事業費補助金………………………………………………309   117.耐震シェルター等設置事業費補助金……………………………………………310   118.空き家改修費補助金………………………………………………………………311   119.はじめての就職定住支援金………………………………………………………312   120.中心市街地新築住宅取得助成金…………………………………………………313   121.中心市街地活性化空き店舗活用事業補助金……………………………………315 第1部 包括外部監査の概要  1.外部監査の種類  地方自治法第252条の37第1項に基づく包括外部監査  2.監査の対象年度  原則として、令和元年度。但し、必要に応じて他年度。  3.包括外部監査人及び補助者  包括外部監査人 竹中 雅史(弁護士)  同補助者    平松 卓也(弁護士)  同補助者    中西 敏夫(弁護士)  同補助者    磯谷 太一(弁護士)  同補助者    後藤  聡(税理士)  同補助者    小林 和実(税理士)  同補助者    片山映理子(税理士)  4.選定した特定の事件(監査のテーマ)  岐阜市の補助金、負担金及び交付金  5.選定した理由  岐阜市は、いわゆる給付行政の一環として、補助金を交付している。また、補助金と 類似するものとして、負担金及び交付金が存在する(以下、補助金、負担金及び交付金 を総称して「補助金等」という)。  補助金等は、岐阜市の会計では、19節「負担金補助及び交付金」に区分されている ところ、令和元年度の一般会計の予算でみると、合計額が233億9,160万円に達して おり、歳出合計額(1,762億5,635万5,000円)の約13%を占めている。補助金等は、 様々支出項目の中に含まれており、多数の所管課において、広範囲の事務事業に関 わっている。  補助金は、対価のない無償譲渡あり、これを規律する法令も僅かあることから、 従前から、既得権化されやすく、見直しがなされないまま継続する傾向が指摘されて いる。負担金や交付金においても、補助金と同様の傾向になるものもある。  人口減少・少子高齢化に加え、近年の大型災害や感染症拡大等を原因として、収入が 減少する一方で、対策、補償、補助、生活保護費等の支出が大幅に増加することが起こ っており、そのための財源を確保しておかなければならない。その意味でも、真に必要 性のある補助金等あるか否かを吟味して、残すべきものは残す、失くすべきものは 失くすという措置が求められると考える。  以上から、岐阜市の補助金等について、横断的に監査する必要性は極めて高いと考
    えた。岐阜市では、平成23年度の包括外部監査のテーマに補助金等が取り上げられて いる。この監査報告書で指摘された事項について、その後、どのように改善等がなされ たかについても監査の必要があるとともに、すでに8年近く経過しているため、改め て補助金等を監査する必要性は高いと考えた。また、平成26年度の包括外部監査(「岐 阜市の外郭団体」)の中でも、外郭団体に対する補助金等が取り上げられており、この 監査報告書で指摘された事項についても、その後、どのように改善等がなされたかに ついても監査の必要があると考えた。  6.利害関係  選定した特定の事件につき、地方自治法第252条の29の規定により記載すべき利害 関係はない。  7.監査の期間  令和2年6月1日~令和3年2月12日  8.監査の手続 ┌──────────┐ │概要調査票による調査│ └──────────┘  岐阜市では、補助金等を全庁的に管理することはしていなかった。そこでまず、補助 金等の全体像を早期に把握するため、全ての部に対し、令和元年度に支出した補助金 等についての概要調査票の提出を求めた。 ┌──────────┐ │個別調査票による調査│ └──────────┘  次に、補助金等の内容を知るとともに、監査対象を選定するため、各補助金等(旅費 補助金及び出席負担金を除く。)についての個別調査票の提出を求めた。併せて、根拠 となる要綱や定款等の提出も求めた。 ┌───────┐ │監査対象の選定│ └───────┘  個別調査票、交付要綱等を検討し、次の観点から、書類監査の対象を選定した。  ア 金額が500万円以上の補助金等は、原則として対象とする(但し、観光事業以   外の特別会計及び企業会計におけるもの、企業会計補助金・企業会計負担金は除   く。)。  イ 金額が500万円未満のものから、交付要綱等の内容、過去5年間における金額   の変動の有無、開始年度の古さ、交付先等を勘案し、任意に抽出する。  ウ 平成23年度の岐阜市包括外部監査において取り上げられた補助金等は、原則と   して対象とする。 ┌────┐ │書類監査│ └────┘  選定した補助金等の一連の関係書類について、書類監査を行った。  書類監査の対象とした補助金等は、概要版の「岐阜市の補助金、負担金及び交付金一 覧表」で印をつけたものあり、その数は、442件ある。 ┌─────┐ │ヒアリング│ └─────┘  書類監査を行った後、事実の聴取、疑問点等の質問をするため、次のとおり所管課の ヒアリングを行った。 ┌───────┬─────────────────────────────────────┐ │8月28日   │行財政改革課                               │ │15:00~15:30 │                                     │ ├───────┼─────────────────────────────────────┤ │9月28日   │議会事務局、衛生試験所、健康増進課、保健医療課、地域保健課、食品衛生課、生│ │13:30~17:10 │活衛生課、健康政策課、秘書課、監査課、選挙管理委員会事務局、会計課    │ ├───────┼─────────────────────────────────────┤ │9月30日   │歴史博物館、文化芸術課、市民スポーツ課、文化財保護課           │ │13:30~17:30 │                                     │ ├───────┼─────────────────────────────────────┤ │10月5日   │まちづくり事業課、住宅課、まちづくり推進政策課、開発指導景観課、建築指導 │ │10:00~15:50 │課、道路維持課、道路建設課、水防対策課、広域事業推進課、河川課、基盤整備政│ │       │策課                                   │ ├───────┼─────────────────────────────────────┤ │10月8日   │介護保険課、高齢福祉課、障がい福祉課、福祉政策課、福祉医療課、惠光学園  │ │10:00~18:10 │                                     │ ├───────┼─────────────────────────────────────┤ │10月9日   │政策調整課、総合政策課、職員厚生課、管財課、人事課、職員育成課、行政課、女│ │10:00~17:00 │子短期大学総務管理課、都市防災政策課、消防総務課             │ ├───────┼─────────────────────────────────────┤ │10月12日   │都市建設政策課、市街地再開発課、駅周辺事業推進課、都市計画課、公園整備課、│ │13:30~18:20 │交通政策課、観光コンベンション課                     │ ├───────┼─────────────────────────────────────┤ │10月14日   │消費生活課、市民課、防犯・交通安全課、環境政策課、低炭素・資源循環課、環境│ │10:00~12:30 │保全課                                  │ ├───────┼─────────────────────────────────────┤ │10月16日   │岐阜商業高等学校、科学館、幼児教育課、教育政策課、教育施設課、学校保健課、│ │10:00~17:50 │学校指導課、社会・青少年教育課                      │ ├───────┼─────────────────────────────────────┤ │10月20日   │畜産課、農業委員会事務局、農林園芸課、労政・経営支援課、産業振興・企業誘致│ │9:30~18:00 │課、経済政策課                              │ ├───────┼─────────────────────────────────────┤ │10月21日   │財政課、資産税課、税制課、薬科大学教務厚生課、薬科大学庶務会計課     │ │10:00~12:00 │                                     │ ├───────┼─────────────────────────────────────┤ │10月23日   │子ども・若者総合支援センター、子ども支援課、子ども保育課         │ │13:00~16:30 │                                     │ ├───────┼─────────────────────────────────────┤ │10月26日   │ぎふメディアコスモス事業課、市民活動交流センター、人権啓発センター、男女共│ │13:30~17:30 │生・生きがい推進課、社会教育課、図書館、国際課              │ ├───────┼─────────────────────────────────────┤ │10月27日   │農地整備課、経済政策課                          │ │13:30~18:00 │                                     │ └───────┴─────────────────────────────────────┘ ┌────────┐
    │監査報告書の作成│ └────────┘  監査の結果として、【指摘】又は【意見】を記載した。  【指摘】とは、合規性、公平性、公益性、必要性、有効性、効率性の観点から、適法 性又は妥当性に問題があり、是正措置が必要あると考えるものある。  【意見】とは、直ちに是正措置が必要あるとまでは考えないが、是正を検討するこ とが自治体の組織及び運営の合理化に資すると考えるものある。  【事実関係】及び【規範】は、【指摘】又は【意見】の前提又は根拠となるものあ る。  また、他の補助金等において参考にして欲しい事項があった場合は、【参考報告】と した。  9.監査の視点 ┌─────┐ │基本的視点│ └─────┘ (1)合規性・手続きの適正  法律による行政の原理という言葉があるが、自治体は法令に従って事務執行をする ことが必要ある。地方自治法第2条第16項は、「地方公共団体は、法令に違反して その事務を処理してはならない」と規定する。  法律、政令に限らず、広く、自治体制定の条例、規則や内部規定ある要綱等を含め て、根拠に従って事務執行をする必要がある。監査人が観点として記載する「合規性・ 手続きの適正」は、かかる考えのもと、狭い意味の法令違反に限らず、根拠違反と広く 捉えて表現したものある。  根拠に基づく事務執行は、結果として最善の結果につながるものある。また、逆に 根拠に基づかない事務執行をした場合、住民監査請求や住民訴訟、国家賠償請求訴訟 の対象となる可能性がある。消極的意味合いではあるが、そうならないためにも根 拠に基づく事務執行が必要ある。 (2)公益上の必要性  地方自治法第232条の2は、「普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合にお いては、寄附又は補助をすることができる。」と規定する。  地方自治法第232条の2は、公益上の必要性が客観的に認められる場合なければ、 個人又は団体から相当の反対給付を受けることなく、当該個人又は団体に対し、金銭 等の供与又は供与の約束をすることはできない旨を規定するものある。したがって、 「寄附又は補助」には、地方公共団体が特定の事業の遂行を目的とする任意の団体の 構成員となり、当該団体の必要経費に充てるために構成員間の取り決めに従って支払 う負担金も含まれると解するのが相当あるから、負担金等の支出にあたっても、公 益上の必要性が客観的に認められなければならない(徳島地判平成6年5月13日参 照)。  また、岐阜市補助金等交付規則第3条が規定するように、補助金等に係る予算の執 行は、「補助金等が市税その他の貴重財源で賄われるものあることに特に留意し、 補助金等の交付の目的に従って公正かつ効率的に行われなければならない」。  「公益上必要がある」か否かは、全くの自由裁量行為ではなく、客観的に公益上必要 あると認められなければならないとされる。  特定の事業活動への補助が公益上必要あるかの判断基準について、安本典夫教授 は、次のように述べられている(判例時報1433号)。  補助金は、一般的には公財政資金の負担を伴い、受ける者とそうない者との公平 が問題となり、しかも私企業の自己責任にもとづく公正かつ自由競争秩序と何らか の程度において対立関係に立つ。したがって、そのよう犠牲を償うに足りるもの なければならない。  このよう視点からは、特定の事業活動への補助が公益上必要あるかの判断基準 として、さしあたり次のようものが考えられよう。 1) 補助金支出の目的、趣旨 2) 他の行政支出目的との関連での当該補助金の目的の重要性・緊急性 3) 補助が公益目的に適切かつ有効効果を期待できるか 4) 補助金を受ける個人又は団体の性格(団体の場合には、目的・構成員・役員等の状  況)、活動状況 5) 他の用途に流用される危険がないか 6) 支出手続、事後の検査体制等がきちんとしているか 7) 目的違反、動機の不正、平等原則違反、比例原則(当該目的と補助の程度、補助を  受けた者に期待する行動と補助の程度)違反等、裁量権の濫用・逸脱にならないか ┌─────┐ │具体的視点│ └─────┘  上記の基本的視点に基づき、補助金等の事務執行手続に即し、次の点を念頭に置い た。(規則は岐阜市補助金等交付規則の略) <補助金> ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │交付要綱     │交付目的は具体的に規定されているか                    │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助対象事業の内容は明確に規定されているか                │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助対象経費の範囲は定められているか                   │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助金の割合・上限は定められているか                   │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助金の算定基準は明確に規定されているか                 │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │暴力団排除条項はあるか                          │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │交付の目的    │公益に寄与するもの、正当ものか                    │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │形式的定めと実質的目的に乖離はないか                 │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │手続全体     │手続きは補助金等交付規則、要綱等の法規の定めに反してないか        │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │申請       │申請書は適切時期(申請期限まで)に提出されているか           │ │(規則第4条)  ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助事業の目的及び内容は明確かつ具体的に記載されているか         │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │必要書類は添付されているか                       │
    │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │申請者と双方代理になっていないか                     │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │交付決定     │「負担金・補助金」の審査基準により審査されているか            │ │(規則第5条)  ├─────────────────────────────────────┤ │         │必要に応じて現地調査等は行われているか                  │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │申請者(交付先)の把握(目的、構成員、役員、活動状況)はなされているか  │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助事業の目的が交付の目的に適合していることを確認しているか       │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │経済性・効率性の見地からみて補助事業の具体的計画が適正あるか審査してい │ │         │るか                                   │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助金の算定方法・金額は事業の性質・規模に対して適切か          │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │収支予算書に予備費や雑費が過大に計上されていないか            │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │予備費や雑費の具体的使途や見込みは明確にされているか           │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助対象経費は個別具体的に定められているか                │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助対象経費の詳細が分かる内訳等を記載した書面は作成されているか     │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │一定の補助率や補助上限額は定められているか                │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │支出の効果は検討されているか                       │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │交付先の繰越金の確認はなされているか                   │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │何をもって補助事業の完了とみなすのか明らかにされているか         │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │交付決定は適切時期になされているか                   │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │交付決定前に事業着手されていないか                    │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │申請者に決定通知は送付されているか                    │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │交付(前金払又は │概算払(前金払)請求書の請求理由は適切具体的ものが記載されているか  │ │概算払)     ├─────────────────────────────────────┤ │         │あらかじめ交付されなければ、補助事業の遂行が適わず交付目的を達成し得ない │ │(規則第18条第1 │と認められるか                              │ │項但書、第2項) ├─────────────────────────────────────┤ │         │概算払(前金払)より前に事業着手されていないか              │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │補助事業の遂行  │補助団体等への指導監督はなされているか                  │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │(規則第10条~第 │補助事業の計画変更に対して適切手続きがとられているか          │ │14条)      │                                     │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │実績報告     │実績報告書は適切時期(提出期限まで)に提出されているか         │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │(規則第15条)  │補助事業の完了年月日は客観的にふさわしいものあるか           │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │必要書類は添付されているか                       │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │実績報告書の正確性(交付要綱、交付申請書との整合等)の検証はなされている │ │         │か                                    │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助事業が交付決定どおりに遂行されているかの調査確認はなされているか   │ ├─────────┼─────────────────────────────────────┤ │額の確定(履行の │補助事業の成果が交付目的達成の見地からみて交付決定の内容及び条件に適合  │ │確認)      │するか調査されているか                          │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │(規則第16条)  │補助対象経費と実績が符合するか調査確認されているか            │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助金が補助対象経費以外に使用されていないか確認しているか        │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │交付(通常払)  │履行の確認は交付決定のなされた年度内に行われているか           │ │(規則第18条第1 │                                     │ │項本文)     │                                     │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │戻入又は精算   │                                     │ ├─────────┼─────────────────────────────────────┤ │ 通常払の場合  │履行の確認によって交付決定額の戻入が生じるべきはないか         │ ├─────────┼─────────────────────────────────────┤ │ 前金払の場合  │履行の確認によって交付決定額の戻入が生じるべきはないか         │ ├─────────┼─────────────────────────────────────┤ │ 概算払の場合  │たとえゼロ精算あっても精算処理はなされているか             │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │その他      │必要書類はすべて保存されているか                    │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │関係書類は時系列に基づいて整理されているか                │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │市と交付先団体との人的関係は適切か(職務専念義務との関係)        │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘
    ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │見直し      │成果の達成度を分析する事務事業評価がされているか(施策評価シート、事業評 │ │         │価シートは適切に作成されているか)                    │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │毎年の「補助金の見直し基準」による見直しは適切に行われているか      │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │「補助金検討チーム」による再評価を行っているか              │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │「補助金検証委員会」での審議がなされたことはあるか            │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │交付先に多額の繰越金はないか                       │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │交付先は自立可能な団体ではないか                     │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助を受けた団体が他の団体又は他人に再補助をしていないか         │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助割合の低い補助金等についても、その効果はあるか            │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │少額の補助金について、補助効果は期待でき、補助金を支給する意味はあるか  │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │運営費補助→事業費補助、定額補助→定率補助に移行すべきものはないか    │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │目標値や経過年数等から、交付目的がすでに達成されていないか        │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │市の政策上、緊急性はあるか                        │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │同じ目的の補助金等や、補助対象が類似している補助金等が他にないか     │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │いつまでに目標を達成したいか(補助金の終了予定はあるか)         │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │当初の前提条件が変化していないか                     │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │補助金ではなく委託料その他の交付が適切はないか             │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ <負担金> ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │支出の根拠    │明確になっているか                            │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │法令又は契約等に基づく義務か、任意か                   │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │支出の必要性   │具体的に把握されているか                         │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │団体の構成員となっているか(開催負担金、加入団体負担金)         │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │事業から利益を受けることに対する経費負担となっているか          │ ├─────────┼─────────────────────────────────────┐ │決裁手続     │根拠となる法令、協定、定款等は添付されているか              │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │団体の予算措置が確定承認されていることを確認しているか          │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │予算書、決算書、事業計画書、名簿、総会議事録等は添付されているか     │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │支出の必要性は明確かつ具体的に記載されているか              │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │算出根拠の分かる資料は添付されているか                  │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │支出先と双方代理になっていないか                     │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │前金払又は概算払 │概算払(前金払)の理由は適切具体的ものか               │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │喫緊に必要のか、開催後の支出とできないのか、見積額は適切か等を総合的判 │ │         │断しているか                               │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │戻入又は精算   │                                     │ ├─────────┼─────────────────────────────────────┤ │ 通常払の場合  │履行の確認によって支出額の戻入が生じるべきはないか           │ ├─────────┼─────────────────────────────────────┤ │ 前金払の場合  │履行の確認によって支出額の戻入が生じるべきはないか           │ ├─────────┼─────────────────────────────────────┤ │ 概算払の場合  │たとえゼロ精算あっても精算処理はなされているか             │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │その他      │補助金と同様                               │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │見直し      │補助金と同様                               │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ <交付金> ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │支出の根拠    │明確になっているか                            │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │法令又は契約等に基づく義務か、任意か                   │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │支出の必要性   │具体的に把握されているか                         │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │事務の委託に対する報償となっているか                   │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘
    ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │決裁手続     │根拠となる法令、規則等は添付されているか                 │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │支出の必要性は明確かつ具体的に記載されているか              │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │算出根拠の分かる資料は添付されているか                  │ │         ├─────────────────────────────────────┤ │         │支出先と双方代理になっていないか                     │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ ┌─────────┬─────────────────────────────────────┐ │その他      │補助金と同様                               │ └─────────┴─────────────────────────────────────┘ 第2部 総論 第1 岐阜市の補助金等の状況  1.定義  補助金等は、市が作成している「テーマ別研修マニュアル(負担金及び補助金)」(以 下「テーマ別マニュアル」という。)では、次のように定義されている。 ┌─────┬────────────────────────────────┐ │ 補助金 │特定の事業、研究等を育成、助長するために、地方公共団体が、公益 │ │     │上必要が有ると認めた場合に対価なくして支出する経費       │ ├─────┼────────────────────────────────┤ │ 負担金 │法令又は契約等によって、地方公共団体が負担することになる経費  │ ├─────┼────────────────────────────────┤ │     │法令又は条例、規則等により、団体又は組合等に対して地方公共団体 │ │ 交付金 │の事務を委託している場合において、当該事務処理に対する報償とし │ │     │て支出するもの                         │ └─────┴────────────────────────────────┘  2.全体の金額  補助金等の全体の金額(令和元年度の決算額)は、次のとおりある。  なお、市において、補助金、負担金、交付金に区別した金額は把握されていなかった ので、本監査において実施した概要調査票及び個別調査票の結果から、監査人が把握 した件数と金額ある。件数には、旅費補助金及び出席負担金は含まない。                 (円)(千円単位省略のため合計金額は概数) ┌─────┬───────┬───────┬──────┬──────┐ │     │  全体   │ 一般会計  │ 特別会計 │ 企業会計 │ ├─────┼───────┼───────┼──────┼──────┤ │ 補助金 │   (300件)│   (291件)│  (8件)│  (1件)│ │     │ 103億3,264万│  93億3,008万│  10億256万│   1,167円│ ├─────┼───────┼───────┼──────┼──────┤ │ 負担金 │   (586件)│   (514件)│  (49件)│  (23件)│ │     │ 909億5,451万│  56億5,892万│843億8,500万│ 9億1,058万│ ├─────┼───────┼───────┼──────┼──────┤ │ 交付金 │   (36件)│   (32件)│  (1件)│  (3件)│ │     │  65億2,851万│  62億8,186万│ 2億4,069万│    595万│ ├─────┼───────┼───────┼──────┼──────┤ │ 合計  │   (922件)│   (837件)│  (58件)│  (27件)│ │     │1,078億1,568万│ 212億7,072万│856億2,826万│ 9億1,653万│ └─────┴───────┴───────┴──────┴──────┘  3.説明区分による分類  テーマ別マニュアルでは、予算計上時に用いる説明区分により補助金等が分類して いるが、概要調査票では、テーマ別マニュアルに記載のない説明区分の回答もあった (▲印のもの)。概要調査票の結果によれば、補助金等の数及び金額(令和元年度の決 算額)は、次のとおりあった。 <補助金> ┌─────────────────────────────┬──┬──────────┐ │説明区分                         │ 数│   合計金額   │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │開催補助金                        │ 7│    207万9,000円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │公益又は政策上の必要から各種団体が開催する行事等に対する │  │          │ │補助金                          │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │団体事業補助金                      │ 127│ 11億1,670万6,284円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │公益の増進を図ることを目的とする団体の事業等に対する補助 │  │          │ │金                            │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │団体育成補助金                      │ 65│   3億211万5,068円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │公益性の高い事業を実施する団体の育成を主たる目的とした補 │  │          │ │助金                           │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │諸補助金                         │ 49│  26億800万3,701円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │他の分類に該当しないその他の補助金            │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │建設補助金                        │ 16│ 14億8,031万9,100円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │公共性の高い施設等の建設経費に対する補助金        │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │維持補修補助金                      │ 12│   6,418万6,179円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │公共性の高い施設等の維持補修に係る経費に対する補助金   │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │医療費補助金                       │ 8│   1億352万3,967円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │公益又は政策上の必要から特定疾患等の医療費に対する補助金 │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │扶助的補助金                       │ 7│  3億6,584万7,636円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │社会保障給付的補助金                  │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
    │利子補給金                        │ 4│    163万9,274円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │資金の融通を受けて行う事務事業の助成・育成のために、当該融│  │          │ │通資金に係る利息の全部又は一部に相当する額を、相当の反対 │  │          │ │給付を受けないで給付するもの               │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │互助会補助金                       │ 1│   1,277万7,871円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │地方公共団体で任意に設置している職員互助会に対する補助金 │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │企業会計補助金                      │ 4│ 42億6,903万5,251円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │地方公営企業に対し、災害の復旧その他特別の理由により地方 │  │          │ │公共団体の一般会計又は他の特別会計から支出する補助金   │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │旅費補助金                        │ ※│    641万5,179円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │公益又は政策上、必要活動のため、それに要する旅費に対する│  │          │ │補助金                          │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │合計                           │ 300│ 103億3,264万8,510円│ └─────────────────────────────┴──┴──────────┘ ※合計数に含めない。 <負担金> ┌─────────────────────────────┬──┬──────────┐ │種類                           │ 数│   合計金額   │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │開催負担金                        │ 43│ 1億9,291万4,200円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │地方公共団体がその構成員として、加入している団体が開催す │  │          │ │る行事等に対する負担金                  │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │加入団体負担金                      │ 414│   5億3,690万314円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │地方公共団体がその構成員として、加入している団体の運営等 │  │          │ │に対する負担金                      │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │諸負担金                         │ 84│ 12億1,495万7,115円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │他の分類に該当しないその他の負担金            │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │事業負担金(▲)                     │ 1│     2万8,543円│ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │負担金(▲)                       │ 1│   1,186万6,144円│ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │建設負担金                        │ 1│     55万9,625円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │公共施設の設置等により著しく利益を受ける場合等、その建設 │  │          │ │経費に対する負担金                    │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │工事負担金(▲)                     │ 1│     53万5,200円│ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │維持補修負担金                      │ 7│    658万9,909円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │公共施設等の維持補修に係る経費に対する負担金       │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │流域下水道維持管理負担金(▲)              │ 1│  6億7,170万7,736円│ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │流域下水道負担金(▲)                  │ 1│  1億7,881万0,354円│ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │医療費負担金                       │ 7│  43億507万4,849円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │関係法令に基づいて医療保険や公費負担医療に係る事務に対す │  │          │ │る負担金・特定疾患等の医療費に対する負担金        │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │保険給付費                        │ 9│  660億660万6,340円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │公的保険において、利用者負担額が超過した場合等に支給され │  │          │ │る保険給付金                       │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │扶助的負担金                       │ 0│          │ ├─────────────────────────────┤  │          │ │その他社会保障給付的負担金               │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │拠出金                          │ 7│   132億360万15円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │特定の事務事業や保険給付等のために、その運営組織として、相│  │          │ │互扶助的に拠出するもの                  │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │県営事業負担金                      │ 3│  1億6,693万6,701円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │都道府県の実施する事業の必要経費について、その「受益の限 │  │          │ │度」において支出する負担金                │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │事務組合負担金                      │ 5│ 43億9,202万2,124円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │地方公共団体が設置する一部事務組合に対する負担金     │  │          │ └─────────────────────────────┴──┴──────────┘ ┌─────────────────────────────┬──┬──────────┐ │企業会計負担金                      │ 1│   3,228万3,438円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │地方公営企業に対し、受益者負担の原則になじまない経費につ │  │          │ │いて地方公共団体の一般会計又は他の特別会計から支出する負 │  │          │ │担金(地方公営企業法第17条の2)             │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │出席負担金                        │ ※│   3,312万3,515円│ ├─────────────────────────────┤  │          │ │各種研修や会合等への出席に対する負担金          │  │          │ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
    │合計                           │ 586│  909億5,451万6,122│ └─────────────────────────────┴──┴──────────┘ ※合計数に含めない。 <交付金> ┌─────────────────────────────┬──┬──────────┐ │種類(説明区分又は概要調査票の回答)           │ 数│   合計金額   │ ├────────┬────────────────────┼──┼──────────┤ │支援費交付金  │各法律により定められた措置施設の運営等 │ 0│          │ ├────────┤                    ├──┼──────────┤ │医療費交付金  │に対して、措置権者ある都道府県又は市 │ 0│          │ ├────────┤                    ├──┼──────────┤ │措置費交付金  │町村が交付するもの等          │ 2│  3億1,333万7,997円│ ├────────┤                    ├──┼──────────┤ │運営費交付金  │                    │ 14│ 46億2,611万2,804円│ ├────────┼────────────────────┼──┼──────────┤ │交付金     │上記の分類に該当しないその他の交付金・ │ 17│ 15億8,311万5,562円│ ├────────┤                    ├──┼──────────┤ │納付金     │納付金                 │ 0│          │ ├────────┴────────────────────┼──┼──────────┤ │補助交付金(▲)                     │ 3│       595万円│ ├─────────────────────────────┼──┼──────────┤ │合計                           │ 36│ 65億2,851万6,363円│ └─────────────────────────────┴──┴──────────┘  4.「岐阜市の補助金、負担金及び交付金一覧表」の作成  監査の結果に基づき、「岐阜市の補助金、負担金及び交付金一覧表」を作成し、概要 版に添付する。  岐阜市の補助金、負担金及び交付金の全体像や特徴が分かるよう、部や課を超えて の横断的整理を行い、上記の説明区分、交付目的、交付の根拠、交付先が個人や事業 者か、実行委員会や協議会等の任意団体か、外郭団体かといった交付先の性質等によ り分類して並べている。 第2 岐阜市の補助金等への取組み  1.これまでの経過 ┌───────┬───────────────────────────────┐ │平成13年度  │包括外部監査のテーマとされた                 │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │平成14年4月 │岐阜市行財政改革推進会議から「補助金の見直しに関する意見書」 │ │       │が提出された                         │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │平成14年度  │岐阜市補助金検討委員会を設置した(~平成15年度)       │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │平成14年度  │「補助金の見直し基準」を作成した               │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │平成15年2月 │岐阜市補助金検討委員会から「岐阜市における補助金のあり方につ │ │       │いて中間提言」が提出された                  │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │平成15年11月 │岐阜市補助金検討委員会から「岐阜市における補助金のあり方につ │ │       │いて最終提言」が提出された                  │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │平成16年度~ │補助金の見直しを開始した                   │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │平成17年度  │「補助金の見直し基準の『評価指針』」を補足した        │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │平成22年4月 │「岐阜市版事業仕分け」がスタートした             │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │平成22年8月 │「テーマ別研修マニュアル(負担金及び補助金)」を作成した   │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │平成23年度  │包括外部監査のテーマとされた                 │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │平成23年5月 │「事業評価シート」を作成した                 │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │平成26年4月 │「補助金等ガイドライン」を作成した              │ │       │「補助金等の見直し基準チェックシート」を作成した       │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │平成26年度  │包括外部監査において外郭団体に対する補助金等が取り上げられ  │ │       │た                              │ └───────┴───────────────────────────────┘  2.現在の見直し方法 1) 新設から3年経過した補助金等 ┌─────────┬─────────────────────────────┐ │各所管部     │「補助金等の見直し基準チェックシート」に基づく評価    │ │         │その結果を踏まえ、「事業評価シート」に基づく評価     │ │         │「補助金等の見直し基準チェックシート」と「事業評価シート」│ │         │を行財政改革課に提出                   │ └─────────┴─────────────────────────────┘  ↓ ┌─────────┬─────────────────────────────┐ │補助金検討チーム │再評価                          │ │(係長級)    │                             │ └─────────┴─────────────────────────────┘  ↓ ┌─────────┬─────────────────────────────┐ │補助金評価委員会 │各所管部と補助金検討チームの評価結果が異なる場合、調査、 │ │(副市長、部長級)│検討し、各所管部へ意見書を提出              │ └─────────┴─────────────────────────────┘  ↓ ┌─────────┬─────────────────────────────┐ │各所管部     │予算書に反映                       │ └─────────┴─────────────────────────────┘ 2) 新設から1~2年又は4年以上経過したもの ┌─────────┬─────────────────────────────┐ │各所管部     │「補助金等の見直し基準チェックシート」に基づく評価    │ │         │その結果を踏まえ、「事業評価シート」に基づく評価     │ │         │「事業評価シート」を行財政改革課に提出          │
    └─────────┴─────────────────────────────┘  ↓ ┌─────────┬─────────────────────────────┐ │各所管部     │予算書に反映                       │ └─────────┴─────────────────────────────┘  3.参考資料 「補助金等の見直し基準チェックシート」及び「事業評価シート」を参考資料として、 巻末に添付する。 第3 監査の結果(全体について)  本報告書では、まず、岐阜市の補助金、負担金及び交付金の全体に関する監査の結果 を記載し、次に、書類監査及びヒアリングを行った補助金等のうち、記載すべきと考え た補助金等についての監査の結果を各論として個別に記載する。  各論について、一覧表と同様、部や課を超えての横断的整理を行い、補助金等の特 徴、それぞれの違いが分かるよう、交付目的、交付先が団体か個人か、交付先の団体の 性質等により分類して並べた。  なお、「指摘及び意見一覧表」を概要版に添付するが、こちらについては、措置をと る所管課の便宜のため、部、課毎に並べている。  1.全体管理 【事実関係】  市は、補助金、負担金及び交付金の内容を全体として把握管理していなかった。  補助金、負担金及び交付金は、性質が異なり、義務的ものや任意的もの等多種多 様はあるが、一般的に義務的あるとされる負担金の中には任意的ものが多くみ られる等、区別があいまいあるように見受けられた。 【規範】  「補助金の見直しに関する意見書」では、『補助金は特定の事業や研究等公益上必要 がある場合に支出し、団体の自立化を促進することを趣旨としているが、ともすると 補助金を受ける側では既得権化しやすく、市としても惰性的に支出されやすいことか ら、例外なく全ての補助金についてゼロベースを基準として見直し、廃止、縮小等を図 るべきある。』、『全体として総枠を抑える「総量規制」が必要あり、新規補助金に ついてはスクラップ・アンド・ビルドの方式で行う』とされている。  「岐阜市における補助金のあり方について最終提言」では、『優先すべき補助事業を 選別していくことが重要あり、戦略を持って補助金を見直していく必要がある』、『社 会情勢の変化を的確に捉え、迅速かつ効果的に補助することが必要ある』、『補助金 の見直しにより削減した財源を、新規の補助事業等に有効に活用することが望ましい』 とされている。  「補助金等の見直し基準チェックシート」では、見直しの視点として、『他の同種類 似の団体事業に対する補助金の交付』、『他部署における補助事業との補助事業の目的 の重複』が設けられている。 【指摘 行財政改革課】  新型コロナウイルス関連で、市民を補助する必要性が急速に高まっており、今後も その必要性は継続すると思われる。まさに、優先すべき補助事業を選別すること、補助 金等の見直しにより削減した財源を優先すべきものに活用することの重要性が、これ までになく強く求められている状況ある。そのために、補助金等の全体を把握する ことが大前提となる。  補助金、負担金及び交付金の内容を全体として把握管理すべきある。  2.透明化 【事実関係】  市のホームページには、「補助金一覧」としつつ、「一般対象」として63件(令和2 年4月20日時点)の補助金等が掲載されているだけあった。市の補助金、負担金及 び交付金の内容全体について、公表がなされていない。 【規範】  「補助金の見直しに関する意見書」では、『各補助金の内容を広く市民に知らせると ともに、市民の意見を求め、その意見を公開していくことが必要ある。このことによ り、使途、内容等について、市民の目が届き、不正も無駄もなくなるあろう』とされ ている。  「岐阜市における補助金のあり方について中間提言」では、『補助金の多くは市民の 税金を財源としており、その使われ方については広く市民に周知すべきあり、広報 誌やホームページ等により補助金の内容や金額について公表すべきある』とされて いる。 【指摘 行財政改革課】  岐阜市の補助金、負担金及び交付金の内容全体をホームページにより公表すべき ある。  3.終期の設定 【事実関係】  交付要綱等により終期を設定している補助金、負担金は、ほとんど見当たらなかっ た。 【規範】  「補助金の見直しに関する意見書」では、『補助金の既得権化を防ぐ意味からも、終 期を設け、時期が来たら終わりとするか、改めて見直す機会とすることが必要ある』 とされている。  「岐阜市における補助金のあり方について中間提言」では、『補助金には、長期間継 続して交付され、既得権化しているものが多く見受けられる。既得権化は、財政の効率 的運営を阻害し、財政硬直化をまねく要因あり、昨今の逼迫した財政の健全化を図 るため、補助目的に応じた補助の終期設定が必要ある。』とされている。 【指摘 行財政改革課】  定期的に補助金、負担金を見直す仕組みを構築する一つの方法として、各所管課に 対し、交付要綱に補助金、負担金の終期を設定することを指導すべきある。  4.見直しシステム 【事実関係】  上記のとおり、市は、「新設から3年」を経過した補助金については、補助金検討チ ームで再評価するという見直しをしているが、4年目以降の補助金について、3年毎 に見直すという方法はとっていなかった。  毎年、「補助金等の見直し基準チェックシート」と「事業評価シート」に基づく評価 をして見直しているというのかもしれないが、シートをどのように活用しているのか が不明あった。平成16年度から平成22年度で68件・1億6,700万円の補助金を廃 止したようあるが、補助金等合計922件(出席負担金及び旅費補助金を除く)の内、 開始から10年以上経過している補助金等が649件にも上り、直近3年の予算額に変動 がないものが473件にも上るという事実からは、見直しが十分に行なわれているとは 言い難い。 【規範】  「岐阜市における補助金のあり方について中間提言」では、『補助金は元来、年度を 単位として申請されるものあり、補助期間は原則として単年度あるが、その補助 目的に応じて継続が必要となる場合においても、社会状況の変化を踏まえ、改めて見
    直していくことが必要ある。そのためには、補助期間を例えば最長でも3年と設定 し、全ての補助金をその期間内に一旦廃止すべきある。なお、更に継続が求められる ものについては新規補助事業として改めて審査すべきある。』とされている。  「岐阜市における補助金のあり方について最終提言」では、『3年を1サイクルとし て見直していくシステムとし、初年度に全ての補助金についてゼロベースから見直し、 引き続き検討が必要補助金については、次年度以降も内部組織により各担当室の対 応状況や検討状況を踏まえた審査を実施することが望ましい。』『3年毎に市民等の外 部委員で組織された委員会等により、見直しシステムの有効性等について検証するこ とが必要ある。』とされている。 【指摘 行財政改革課】  中間提言、最終提言では、「新設から3年」ではなく、「3年毎に」見直す必要がある としている。長期化し、前年踏襲で既得権化している補助金こそ見直すべきあるは ずのに、市は、提言に従わず、補助金検討チームによる評価をするのを、「新設から 3年」に限ってしまっていた。  上記のとおり、今、優先すべき補助事業を選別すること、補助金等の見直しにより削 減した財源を優先すべきものに活用することの重要性が、これまでになく高まってい る。  3年毎に全ての補助金等を廃止し、ゼロベースで見直すシステムを策定し、実行す べきある。  5.事業評価のあり方 【事実関係】  各所管課が行財政改革課に事業評価シートを提出することになっているが、行財政 改革課としては、各所管課の総合評価において、改善又は廃止とされたものを中心に 評価の対象としている。但し、外部の有識者や市民から見直しの意見が出されたもの も評価の対象としている。 【意見 行財政改革課】  各所管課の自己評価を尊重することも分かるが、各所管課が厳格に評価しないと、 事業評価として機能しないおそれがある。各所管課としては、交付先団体との関わり やこれまで経緯から、厳格に評価しきれないことも想定される。  負担が大きくなることは承知の上あるが、上記のとおり見直しの重要性に鑑み、 各所管課の自己評価に関わりなく、全ての補助金等について第三者的に評価する方法 に改めることが望ましい。  6.事業評価ツール 【事実関係】  現在、各事業共通の「事業評価シート」で補助金等を事業評価している。「補助金等 の見直し基準チェックシート」が用意されているが、新設から4年を経過した補助金 等については、行財政改革課への提出はなされていない。  「事業評価シート」の項目は、市の直営事業や委託事業では書きやすいが、補助金等 では書きにくいと思われる。例えば、支出、収入、収支、コストバランスというのは補 助金等にはそぐわないし、資源投入により算出した活動(アウトプット)、アウトプッ トによりもたらされた成果(アウトカム)の指標設定も、補助金等では容易はない。 その結果、補助金等の事業評価シートでは、補助金等の額や数を資源投入により算出 した活動(アウトプット)に書いているものがあったりする等、不統一ある上に、理 解に苦しむものが多かった。  「補助金等の見直し基準チェックシート」は、見直し視点と評価項目毎に点数を記入 することになっているが、その点数を記入した根拠がよく分からなかった。合計点数 が低いものもあったが、その結果どうしたのかもよく分からなかった。 【意見 行財政改革課】  補助金等については、市の直営事業や委託事業と共通の事業評価シートではなく、 「補助金の見直し基準チェックシート」の視点と評価項目を踏まえた、独自の事業評 価ツールを作成して評価することが望ましい。  7.加入団体負担金の見直し 【事実関係】  平成23年度の包括外部監査において、基盤整備部と都市建設部の加入団体負担金に ついて、加入の意味と効果を検討することが望まれるとの意見が出された。これに対 する措置状況報告として、基盤整備部は、『加入の意味や効果を検討し、加入の必要性 を再度確認した』として措置済みとし、都市建設部は、『加入による効果を再検討し、 継続して加入することの効果が薄れている2つの団体から脱会した。今後も当初予算 作成時や年度の切換え時期等に見直しを行い、加入による効果や有効性について継続 的に検討する』として措置済みとしていた。  しかし、基盤整備部と都市建設部だけなく市全体でみると、加入団体負担金は、 414件もあり、その内、10年以上加入し続けているものが331件もあった。  決裁書類からは、加入により得られる効果は明らかになっておらず、加入の可否を 検討した形跡もなかった。ヒアリングによれば、加入により得られる効果として、情報 を得ることができるというものが多かった。  また、同じ団体に対し、複数の課が加入団体負担金を支払っているものがあった。 【指摘 行財政改革課】  加入団体負担金(市が構成員として会費を支払うもの)の全てについて、加入により 得られる効果を洗い出し、加入を継続することの可否について、各所管課と協議し、そ の過程を記録に残しておくべきある。  8.任意団体の実質 【事実関係】  補助金等の交付先には、○○実行委員会、○○協議会、○○協会等、個人でも法人格 のある団体や組合でもなく、国・県・市町村関連でもない任意団体に対するものが約 440件あった。  交付先の事務所が市の所管課内にある等、市の施設内にあるものは、184件もあった。 交付先団体の会計事務を行う等、市の職員が交付先(対象事業)に関与しているもの は、248件もあった。  また、団体の構成員名簿や規約の徴収をしておらず、市が交付先団体の構成員を正 確に把握していないものもあった。 【規範】  補助金等は市の貴重財源を交付するものあるから、補助金が補助目的に従って、 補助対象経費に充てられるよう管理・運用されることが必要ある。それゆえ、交付先 団体は補助金の管理能力がある団体なければならない。 【指摘 行財政改革課】  任意団体が交付先あるときには、補助金の管理担当者及びその能力の確認が必要 ある。所管課の職員が自ら補助金申請、実績報告を行い、補助金を管理し、しかもそ の審査もするというのは、市としてのチェック機能は働かず、実効性がない審査に なる。公金ある補助金を管理する能力を有しない団体に対する補助はすべきない。  各所管課に対し、交付先団体は、団体としての組織、多数決での運営決定等団体とし ての自立性が認められる「権利能力なき社団」として評価されるだけの実質を備えた 団体に限るよう、指導すべきある。  9.任意団体と職務専念義務 【事実関係】  上記のとおり、市の職員が補助金等の交付先の事務に関与していたものが248件も
    あった。当該職員について、職務専念義務免除の手続きはとられていなかった。  このことについて、市が、交付先の事務を市の職員の本来の職務と考えているのか、 そうはないので職務専念義務免除の手続きをとるべきと考えているのか、明らか はなかった。 【規範】  地方公務員法第35条は、職員は当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ 従事しなければならないと定めている。 【指摘 人事課】  各々の交付先(任意団体)の性質、事業の目的や内容、事務の内容等により、本来の 職務といえるのかそうないのかが異なり、統一的取扱いは困難あると思われる。  交付先毎に実態を適切に把握し、補助金等の交付先の事務が市の職員の本来の職務 といえるものについては、その理由を書面で明らかにしておくべきある。補助金等 の交付先の事務が市の職員の本来の職務といえないものについては、市の職員に従事 させることを止めるか、従事させるのあれば職務専念義務免除の手続をとらせるべ きある。  10.実行委員会・任意団体の調査把握及び公表 【事実関係】  上記のとおり、交付先について、事務所が市の施設にあるものは184件、市の職員 が会計事務を行う等により関与しているものは248件もあった。団体の実質や職務専 念義務との関係も曖昧あった。  また、実行委員会・任意団体の事業が実質的に市の事業といえるものありながら、 市の契約規則等の規制が及ばないことや、団体の財務規程を定めて市の規制を準用し ているとしても監視機能が働いていないことも懸念された。 【意見 行財政改革課】  市が事務局又は会計を担当している実行委員会・任意団体を調査把握し、一覧表を 作成し、ホームページで公表することが望ましい。岐阜県が実施しているので参考に されたい。  11.説明区分 【事実関係】  どの説明区分にも属さないものとして、諸補助金が49件・26億800万3,701円、諸 負担金が84件・12億1,495万7,115円、交付金が17件・15億8,311万5,562円もあ った。  補助金等は、本来、いずれかの区分の定義(これが交付の根拠や公益上の必要性を端 的に表す)に当てはまるべきものあり、どれにも当てはまらないものというのは、あ くまでも例外はずあるが、余りにも例外の数が多すぎる。また、団体事業補助金と 団体育成補助金と諸補助金、開催負担金と加入団体負担金と諸負担金は、区分の仕方 があいまいように見受けられた。  このよう例外が多く、曖昧区分をしているということは、補助金等の交付の根 拠や公益上の必要性の検証の不十分さを伺わせた。 【意見 行財政改革課】  原則として、その補助金等がどのようもののかを明確に区分するようにし、ど の区分にも属さないものというのはできる限り少なくするように指導することが望ま しい。  12.交付金及び負担金に関する規程 【事実関係】  平成23年度の包括外部監査において、交付金及び負担金に関する規程を整備すべき あるとの指摘がなされた。これに対する措置状況報告として、『「補助金等ガイドラ イン」の中で、交付金及び負担金についても記載する』とのこと、措置済みとされて おり、規程は設けられていなかった。  「補助金等ガイドライン」には、次の記載がある。   ・補助金の見直し基準    補助金を負担金と読み替えるものとする。   ・交付金の手続き    岐阜市補助金等交付規則及び岐阜市事務決裁規則に基づき適正に支出すること。   ・負担金の手続き    次の交付手順及び岐阜市事務決裁規則に基づき適正に支出すること。    1)県営事業負担金、建設負担金、維持補修負担金     支出時において、負担金の根拠となる法令、協定、覚書等を必ず添付する。    2)出席負担金     支出時において、負担金額が記載された会議等の案内文を支出負担行為書兼    支出命令書に添付する。    3)開催負担金     交付決定の際、予算書や事業計画書等を交付決定等伺書に添付する。     原則、相手方と負担金の精算を行う旨を協議し、開催後、速やかに収支報告を    徴し、必要に応じて、剰余金の返還を求める。    4)加入団体負担金     会費の支出にあたっては、当該団体の定款や規約又は会則、予算書、決算書、    事業計画書、構成団体又は役員名簿等を、必ず支出負担行為書に添付する。     負担金の算出根拠が、定額制によるものはなく、人口割や面積割又は事業    費割等による場合は、算出根拠が分かる資料を必ず添付する。   実際には、開催負担金で余剰金の返還を求めていないものがあったし、加入団体  負担金で予算書は添付されているものの決算書添付されていないものがあり、団体  の名簿が添付されていないものもあった。   また、岐阜市暴力団排除条例第7条は、市は、市の事務又は事業により暴力団を  利することとならないよう必要措置を講ずるものとされ、岐阜市補助金等交付規  則第5条の2では、補助金等の交付の除外条件として暴力団排除条項が設けられて  いるが、負担金及び交付金に関しては、岐阜市補助金等交付規則が適用されておら  ず、その他に規程もないため、暴力団排除条項が存在しない状態になっていた。 【指摘 行財政改革課】  平成23年度の包括外部監査の指摘内容は、個別の判断によるだけで規制がない状態 の改善を求めるために、規程を整備すべきとしているのあるから、「補助金等の見直 し基準」を充実させたものある「補助金等ガイドライン」に記載するのは、指摘に 対する措置をとったとはいえない。しかも、「補助金等ガイドライン」に記載している 交付手順が遵守されていない状態が存在している。  また、一般的に義務的あるとされ、法令や契約を根拠にするものある負担金の 中に、任意的ものや法令や契約を根拠にしていないもの等補助金と同じように規則 に従った手続をとるほうが適切はないかと思われるものもあった。  少なくとも負担金については、「補助金等ガイドライン」に記載するだけはなく、 根拠規程を設けるべきある。  他の自治体には、補助金交付規則に負担金の一部を適用するようにしているところ もある。  13.交付要綱の根拠規定 【事実関係】  個々の補助金でみると、交付要綱で定めている事項に大きなばらつきがあった。交 付目的の記載がないもの、補助対象事業や補助対象経費の定めがないものも複数あっ た。ある課においては、補助対象事業や補助対象経費を具体的に定めなくても問題 いと考えているよう意見もあった。
     それゆえに、何が補助対象事業で何が補助対象経費か不明確まま漫然と交付され ているものや、団体の経費のほとんどすべてを補助していて、団体維持のための既得 権となってしまっているものがあった。  岐阜市補助金等交付規則において、交付要綱に関する規定がなかった。 【意見 行財政改革課】  岐阜市補助金等交付規則において、交付金及び負担金を含め交付要綱を定めるべき こと及び交付要綱に定めるべき事項を定めた条項を設けることが望ましい。  14.交付要綱による手続の省略 【事実関係】  交付要綱の中には、岐阜市補助金等交付規則で定められた手続(交付申請書の提出、 審査及び調査、交付決定の通知、実績報告書の提出、履行の確認、確定後の交付、前金 払請求書の提出)の全部又は一部省略する定めを設けているものが複数あった。  確かに、同規則第26条は、別に定めることにより、これらの手続を統合し又は省 略することができる旨の規定がある。 【意見 行財政改革課】  事務の効率化、簡素化も必要性あるが、交付要綱により交付規則で定める手続を 自由に省略することができるというのが適切あるのか疑問が残る。  岐阜市補助金等交付規則において、各々の手続毎に省略することができるための要 件を定めることが望ましい。  15.前金払の理由 【事実関係】  補助金の多くは、前金払により支出されていた。補助事業者に岐阜市補助金等交付 規則で定められた「補助金等前金払請求書」を提出させてないものが複数あり、提出さ せていても請求理由に適切かつ具体的内容が記載されていないものもあった。  また、補助事業者ではなく市が理由書を作成しているものも複数あり、その理由書 に適切かつ具体的内容が記載されていないものもあった。  請求書も理由書もなく、決裁書類に「事業の円滑運営のため」という抽象的一言 のみが記載されているものもあった。 【規範】  岐阜市補助金等交付規則第18条第2項は、前金払を受けようとする者は、補助金 等前金払請求書を提出しなければならないとされている。  テーマ別マニュアルでは、資金交付があらかじめなされなければ、当該補助事業等 の遂行が適わず、補助金の交付目的を達成し得ないと認められる場合に限って、前金 払による支出が認められるとし、前金払請求理由は適切具体的ものなければな らないとされている。 【指摘 会計課】  各所管課に対し、補助事業者に適切で具体的請求理由の記載された前金払請求書 を提出させ、前金払の可否を審査することの徹底を指導監督すべきある。  16.余剰金の返還 【事実関係】  前金払による支出がなされた後、実績報告により余剰金が発生した場合、市に返還 させて戻入をしているものもあれば、市に返還させずに交付先の繰越金としているも のもあった。前金払で戻入がなかった補助金等は153件あり、これらの中には、余剰 があったものも少なからず存在した。 【規範】  テーマ別マニュアルによれば、補助金について、前金払としたものも、年度末や事 業終了後に、当該団体から実績報告を受けた結果、やむを得ない事情や精算により、そ の補助金等に余剰金が生じる事例もあり、このよう場合は、当初の支出負担行為額 を減額変更し、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。負担金についても、 前金払は例外的支出あるため、当該負担金がそのイベントの主たる準備資金とし て喫緊に必要のか、開催後の支出とできないのか、及び、その見積額は適切あるか 等を総合的に判断した上で取り扱うべきとされている。 【指摘 会計課】  各所管課に対し、前金払をした補助金等に余剰金が生じた場合は、戻入をすること の徹底を指導監督すべきある。  17.実績報告の実質化 【事実関係】  実績報告として、事業報告書と収支決算書の提出をさせているが、事業報告書にお いて、補助対象事業とそうない事業との区別、収支決算書において、補助対象経費と そうない経費と区別がなされていないものがあった。  例えば、事業報告書の中に、交付先団体の構成員が第三者の開催する大会に参加し たことが記載されているものがあったが、それは補助対象事業のか、補助対象事業 としてその公益上の必要性が認められるのか、よく分からなかった。 【規範】  実績報告は、補助金等が交付目的に従って補助対象事業のために適正に使用された のかを審査するとともに、補助対象事業によりどのよう効果が得られたのかを確認 及び評価し、次年度の予算作成、補助金等の見直しを実施するために極めて重要手 続ある。 【指摘 行財政改革課、会計課】  各所管課に対し、実績報告では、補助対象事業とそうない事業との区別のなされ た事業報告書と補助対象経費とそうない経費の区別のなされた収支決算書を提出さ せることの徹底を、指導監督すべきある。 第3部 各論(個別の補助金等の監査の結果) 第1 実行委員会(類似団体含む)  1.特別展「川端康成と東山魁夷 美と文学の森」開催負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 歴史博物館                 │ │    │※令和元年度は、教育委員会 歴史博物館              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │川端康成と東山魁夷展実行委員会                  │ │    │※構成員は、岐阜市教育委員会教育長、岐阜新聞社事業局長、岐阜市教 │ │交付先 │ 育委員会事務局長、岐阜新聞社総務局長、岐阜新聞社事業局事業部長 │ │    │ 待遇、岐阜市教育委員会事務局次長、岐阜市歴史博物館長ある。  │ │    │※事務局は、岐阜市歴史博物館にある。               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│特別展「川端康成と東山魁夷 美と文学の森」の開催         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │
    ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│特別展「川端康成と東山魁夷 美と文学の森」の開催(個別調査票の文 │ │    │言)                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成30年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  -  │  -  │  -  │ 3,040,000│16,960,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  -  │  -  │  -  │ 3,040,000│16,960,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)負担金の根拠 【事実関係】  実行委員会規約には、委員会の経費について、「負担金、協賛金、助成金及びその他 の収入をもってこれに充てる」旨の定めはあるものの(第9条第1項)、市から負担金 が拠出される旨の定めはない。同委員会の収支予算書に、収入として、岐阜市からの負 担金が計上されていることを根拠としているようある。  本実行委員会には、市と岐阜新聞社が負担金を出し合っている。予算書では、市が 16,960,000円、岐阜新聞社が2,544,000円とされているが、負担割合の決定方法が不 明あった。また、実行委員会から岐阜新聞社に対して広告料として2,050,000円が 支払われている。なお、市によれば、岐阜新聞社は、この展覧会が共催事業あるた め、この広告料に対する広報活動(新聞広告掲載やテレビCM放送等)を通常より多く 行ったとのことある。 【意見 歴史博物館】  交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること の根拠となる定め、市と岐阜新聞社との負担割合の決定方法に関する定めを置くよう にさせることが望ましい。 (2)前金払 【事実関係】  支出負担行為書に「なお、前金払とすることとしてよろしいか」と記載されている、前金払の必要性を明らかにした記載はなかった。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、前金払は例外的支出あるため、当該負担金がそ のイベントの主たる準備資金として喫緊に必要のか、開催後の支出とできないのか、 及び、その見積額は適切あるか等を総合的に判断した上で取り扱うべきとされてい る。 【指摘 歴史博物館】  前金払の必要性が明らかとなるよう具体的記載をすべきある。 (3)実行委員会の収入の取扱い 【事実関係】  予算書では、次のようになっていた。                  (円) ┌──────────────────┬──────────────────┐ │収入                │支出                │ ├─────────┬────────┼─────────┬────────┤ │岐阜市負担金   │   16,960,000│委託料      │   16,956,000│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │岐阜新聞社負担金 │    2,544,000│その他費用    │    2,711,000│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │観覧料収入    │   10,480,000│岐阜市配分金   │    9,169,565│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │雑入       │     65,000│岐阜新聞社配分金 │    1,375,435│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │繰越金      │     163,712│         │        │ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │合計       │   30,212,712│合計       │   30,212,000│ └─────────┴────────┴─────────┴────────┘  実行委員会の観覧料収入と雑入の合計額10,545,000円(網掛け部分)を、岐阜市と 岐阜新聞社の負担金の割合で按分して算出し、これを、実行委員会の支出(配分金)、 市の歳入、として取り扱っていた。  実行委員会規約第9条は、委員会の経費について、以下のとおり規定されている。 ┌──────────────────────────────────────┐ │第9条 委員会の経費は、負担金、協賛金、助成金及びその他の収入をもってこれに│ │   充てる。                               │ │  4 委員会の経費に不足が生じた場合は、委員会の承認を得て、その他の収入を│ │   これに充てることができる。                      │ └──────────────────────────────────────┘ 【規範】  地方自治法第232条の2「寄附又は補助」には、地方公共団体が特定の事業の遂行 を目的とする任意の団体の構成員となり、当該団体の必要経費に充てるために構成員 間の取り決めに従って支払う負担金も含まれると解するのが相当あるから、負担金 等の支出にあたっても、公益上の必要性が客観的に認められなければならない。 【指摘 歴史博物館】  実行委員会の会計と負担金拠出者の会計とは別あるから、実行委員会が事業によ り得る収入を、負担金拠出者の歳入(収入)とみなすことは、適切さに疑問が残る。  市によれば、規約第9条第4項をもって、実行委員会の事業により得る収入は、負担 金等を先に充てたものの不足した場合に経費に充てるものと考えているとのことあ る。しかし、規約の文言解釈から、そうは解釈できないし、事業により得られる収入よ りも負担金を先に経費に充当するというのは、負担金が公金から拠出されていること からすれば適切とは言い難い。  他の実行委員会をみても、同じく岐阜新聞社と共催の「キラキラの昆虫展2019実行 委員会」を除き、そのよう取扱いはしていなかった。  他の実行委員会と同様、実行委員会の収入を適切に取り扱えば、次のよう予算に なったと考えられ、市の負担金は減少する。                (円) ┌──────────────────┬──────────────────┐ │収入                │支出                │ ├─────────┬────────┼─────────┬────────┤ │岐阜市負担金   │    7,789,815│委託料      │   16,956,000│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │岐阜新聞社負担金 │    1,168,473│その他費用    │    2,711,000│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │観覧料収入    │   10,480,000│         │        │ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │雑入       │     65,000│         │        │ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │繰越金      │     163,712│         │        │
    ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │合計       │   19,667,000│合計       │   19,667,000│ └─────────┴────────┴─────────┴────────┘  もっとも、実行委員会の予算では、観覧料収入の見込みが10,480,000円と大幅に過 剰あった(決算では5,379,400円)ため、このよう負担金の予算では費用に不足 する結果となる。観覧料収入の見込みが甘かったと言わざるを得ない。  実行委員会が事業により得る収入を的確に見積らせた上で、その収入を市の歳入と みなす処理(実行委員会の配分金支出とする処理)をさせず、適切に負担金の額を算出 すべきある。  例えば、観覧料収入を500万円と見積もると、次のよう予算になる。   (円) ┌──────────────────┬──────────────────┐ │収入                │支出                │ ├─────────┬────────┼─────────┬────────┤ │岐阜市負担金   │   12,555,535│委託料      │   16,956,000│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │岐阜新聞社負担金 │    1,882,753│その他費用    │    2,711,000│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │観覧料収入    │    5,000,000│         │        │ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │雑入       │     65,000│         │        │ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │繰越金      │     163,712│         │        │ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │合計       │   19,667,000│合計       │   19,667,000│ └─────────┴────────┴─────────┴────────┘ (4)予算と決算の不整合 【事実関係】  岐阜市配分金について、予算書では、上記のとおり、観覧料収入と雑入の合計額(網 掛け部分)を按分していた。  これに対し、決算書では、次のように、収入合計から経費を控除した残額(余剰金) 5,949,020円(網掛け部分)を按分していた。               (円) ┌──────────────────┬──────────────────┐ │収入                │支出                │ ├─────────┬────────┼─────────┬────────┤ │岐阜市負担金   │   16,960,000│委託料      │   16,956,000│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │岐阜新聞社負担金 │    2,544,000│その他費用    │    2,381,845│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │観覧料収入    │    5,379,400│岐阜市配分金   │    5,173,268│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │雑入       │     239,753│岐阜新聞社配分金 │     775,752│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │繰越金      │     163,712│         │        │ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │合計       │   25,286,865│合計       │   25,286,865│ └─────────┴────────┴─────────┴────────┘ 【意見 歴史博物館】  予算の段階では、実行委員会の収入を市の歳入(収入)とみなす処理で配分金を算定 しつつ、決算の段階では、このよう処理ではなく、実行委員会の余剰金の返還という 処理で配分金を算定させていた。  予算と決算の処理方法は整合させるようにすることが望ましい。 (5)事業評価 【事実関係】  本負担金は、特別展の開催が単年度毎あることを理由として、効果測定がなされ ていなかった。 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方において、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【指摘 歴史博物館】  個別の特別展は単年度の開催あるものの、展示会自体は、毎年テーマを変えて開 催されているものあるため、一連の事業あると評価できる。  事業評価シートを作成して効果測定を行うべきある。  事業評価シートにおいては、観覧者数等具体的評価指標を定め、翌年以降の特別 展開催に参考とすべきある。  なお、ヒアリングにおいて、令和2年度からは事業評価シートを作成する予定との ことあった。  2.特別展「キラキラの昆虫展2019」開催負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 科学館                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │キラキラの昆虫展2019実行委員会                  │ │    │※構成員は、岐阜市教育長、岐阜新聞社執行役員事業局長、岐阜市教育委│ │交付先 │ 員会事務局長、岐阜新聞社事業局事業部部長待遇、岐阜市科学館長で │ │    │ ある。                             │ │    │※事務局は、岐阜市科学館にある。                 │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│特別展の開催                           │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│特別展「キラキラの昆虫展2019」開催に関する協約書         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│市民の科学する好奇心を高める(開催要項、協約書の文言)      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成10年度(特別展)                       │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
    │(円) │予算 │15,000,000│20,000,000│12,000,000│12,000,000│12,000,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │14,735,871│19,890,975│11,993,319│11,169,037│11,363,966│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1) 協約書の締結 【参考報告】  市は、岐阜新聞社との間で、特別展「キラキラの昆虫展2019」開催に関する協約書 を締結しており、その中で、負担金の額を定めていた。他の実行委員会のほとんど は、このよう負担金の根拠がなかったため、参考報告とする。 【意見 科学館】  負担金を受け取るのは実行委員会あるし、協約書には実行委員会の予算や業務も 定めているため、実行委員会を交えた三者間の協約書にすることが望ましい。 (2)実行委員会の収入の取扱い 【事実関係】  実行委員会の予算と決算は、以下のとおりあった。 (収入) ┌─────────┬──────┬──────┬────────────────────┐ │   科目    │予算額(円)│決算額(円)│       内訳(円)        │ ├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤ │分担金収入    │ 24,000,000│ 24,000,000│・岐阜市   12,000,000        │ │         │      │      │・岐阜新聞社 12,000,000        │ │観覧料収入    │ 23,410,000│ 14,307,440│・観覧料収入              │ │雑入       │   590,000│   800,511│・物販販売等              │ │利息       │     -│     79│・預金利息               │ ├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤ │計        │ 48,000,000│ 39,108,030│                    │ └─────────┴──────┴──────┴────────────────────┘ (支出) ┌─────────┬──────┬──────┬────────────────────┐ │  節(細節)  │予算額(円)│決算額(円)│       内訳(円)        │ ├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤ │報償費      │   100,000│   86,211│                    │ ├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤ │旅費       │   30,000│     300│                    │ ├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤ │需用費      │  1,752,000│  1,672,866│                    │ │   (消耗品費)│  1,040,000│   966,318│・事務用品等              │ │    (食糧費)│   10,000│    4,548│・打合会等               │ │  (印刷製本費)│   702,000│   702,000│・ポスター、観覧券製作等        │ ├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤ │役務費      │  3,113,986│  3,042,024│                    │ │  (通信運搬費)│   120,000│   48,038│・案内状、ポスター等郵送料等      │ │    (広告料)│  2,945,040│  2,945,040│・新聞ラジオテレビ゛等広告料      │ │    (手数料)│   48,946│   48,946│・両替手数料等             │ ├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤ │委託料      │ 18,900,000│ 17,895,142│・企画制作会場構成等業務 13,765,600  │ │         │      │      │・受付案内駐車場整理業務  4,129,542  │ ├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤ │使用料及び賃借料 │   10,000│      0│                    │ ├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤ │公課費      │   31,389│   31,389│・契約書収入印紙            │ ├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤ │予備費      │   62,625│      0│                    │ ├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤ │小計       │ 24,000,000│ 22,727,932│差額 1,272,068(余剰金)        │ ├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤ │配分金      │ 24,000,000│ 16,380,098│・岐阜市      8,190,050      │ │         │      │      │・岐阜新聞社    8,190,048      │ ├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤ │計        │ 48,000,000│ 39,108,030│                    │ └─────────┴──────┴──────┴────────────────────┘  決算額の配分金の内訳は、以下のとおりあった。 ┌──────┬──────┬───────┬───────┬─────────────┐ │      │岐阜市(円)│岐阜新聞(円)│合計(円)  │     備考      │ ├──────┼──────┼───────┼───────┼─────────────┤ │1)余剰金  │   636,034│    636,034│   1,272,068│             │ ├──────┼──────┼───────┼───────┼─────────────┤ │2)観覧料収入│  7,153,720│   7,153,720│  14,307,440│チケット売上金      │ ├──────┼──────┼───────┼───────┼─────────────┤ │3)雑入   │   400,250│    400,255│    800,511│             │ ├──────┼──────┼───────┼───────┼─────────────┤ │4)利息   │     40│      39│      79│             │ ├──────┼──────┼───────┼───────┼─────────────┤ │合計    │  8,190,050│   8,190,048│  16,380,098│             │ └──────┴──────┴───────┴───────┴─────────────┘  市は、「開催負担金余剰金」として636,034円(1))のみを戻入し、その余は「特別 展観覧料配分金」として7,153,720円(2))、「特別展雑入配分金」として400,256円 (3))、「特別展雑入配分金(預金利息)」として40円(4))、歳入(雑入)としていた。  規約第9条は、委員会の経費について、以下のとおり規定されている。 ┌──────────────────────────────────────┐ │第9条 実行委員会の経費は、負担金収入及び助成金をもってこれに充てる。   │ │  2 実行委員会の経費に不足が生じた場合は、実行委員会の了承を得て、本展覧│ │   会の観覧料収入、関連商品の販売手数料、預金利息及びその他収入をこれに充│ │   てることができる。                          │ └──────────────────────────────────────┘ 【規範】  地方自治法第232条の2の「寄附又は補助」には、地方公共団体が特定の事業の遂 行を目的とする任意の団体の構成員となり、当該団体の必要経費に充てるために構成 員間の取り決めに従って支払う負担金も含まれると解するのが相当あるから、負担 金等の支出にあたっても、公益上の必要性が客観的に認められなければならない。 【指摘 科学館】  実行委員会の会計と負担金拠出者の会計とは別あるから、実行委員会が事業によ り得る収入を、負担金拠出者の歳入(収入)とみなすことは、適切さに疑問が残る。  実行委員会規約第9条は、経費には負担金を先に充当するように定めているが、事 業により得られる収入よりも負担金を先に経費に充当するというのは、負担金が公金 から拠出されていることからすれば適切とは言い難い。
     他の実行委員会をみても、同じく岐阜新聞社と共催の「川端康成と東山魁夷展実行 委員会」を除き、そのよう取扱いはしていなかった。  他の実行委員会と同様、実行委員会の収入を適切に取り扱えば、次のよう予算に なったと考えられる。                          (円) ┌──────────────────┬──────────────────┐ │収入                │支出                │ ├─────────┬────────┼─────────┬────────┤ │岐阜市負担金   │        0│委託料      │   18,900,000│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │岐阜新聞社負担金 │        0│その他費用    │    5,100,000│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │観覧料収入    │   23,410,000│         │        │ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │雑入       │     590,000│         │        │ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │合計       │   24,000,000│合計       │   24,000,000│ └─────────┴────────┴─────────┴────────┘  もっとも、観覧料収入の見込みが23,410,000円と大幅に過剰あった(決算 14,307,440円)ため、これでは負担金が発生しないという予算になってしまう。観覧 料収入の見込みが甘かったと言わざるを得ない。  実行委員会が事業により得る収入を的確に見積らせた上で、その収入を市の歳入と みなす処理(実行委員会の配分金支出とする処理)をさせず、適切に負担金の額を算出 すべきある。  例えば、観覧料収入を1,400万円と見積もると、次のよう予算になる。   (円) ┌──────────────────┬──────────────────┐ │収入                │支出                │ ├─────────┬────────┼─────────┬────────┤ │岐阜市負担金   │    4,705,000│委託料      │   18,900,000│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │岐阜新聞社負担金 │    4,705,000│その他費用    │    5,100,000│ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │観覧料収入    │   14,000,000│         │        │ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │雑入       │     590,000│         │        │ ├─────────┼────────┼─────────┼────────┤ │合計       │   24,000,000│合計       │   24,000,000│ └─────────┴────────┴─────────┴────────┘  3.ぎふサイエンスフェスティバル2019開催負担金 <概要> ┌────┬──────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 科学館                         │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                             │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │ぎふサイエンスフェスティバル2019実行委員会             │ │    │※構成員は、岐阜市教育長、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団理事 │ │    │ 長、NPO法人サイセンスものづくり塾エジソンの会理事、岐阜市教育 │ │    │ 委員会事務局長、岐阜大学教育学部准教授、岐阜聖徳学園大学教育学部 │ │交付先 │ 教授、岐阜工業高等専門学校学科長、岐山高等学校校長、岐南工業高等 │ │    │ 学校校長、岐阜農林高等学校、小学校理科研究部会(西郷小学校校長)、│ │    │ NPO法人サイセンスものづくり塾エジソンの会代表、岐阜市科学館長 │ │    │ ある。                             │ │    │※事務局は、岐阜市科学館にある。                  │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │対象事業│ぎふサイエンスフェスティバルの開催                 │ │    │※開催場所は、岐阜市文化センターある。              │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                                │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │交付目的│科学教育の振興を図る(実行委員会規約、開催要項の文言)       │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │開始年度│平成23年度                             │ ├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │ 予算 │ 2,200,000│ 2,100,000│ 2,100,000│ 2,100,000│ 2,100,000│ │    ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │ 決算 │ 2,197,047│ 2,083,874│ 2,084,955│ 2,078,634│ 2,068,911│ └────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)負担金の根拠 【事実関係】  実行委員会規約には、委員会の経費について、「負担金、協賛金、助成金及びその他 の収入をもってこれに充てる」旨の定めはあるものの(第10条第1項)、市から負担 金が拠出される旨の定めはない。同委員会の収支予算書に、収入として、岐阜市からの 負担金が計上されていることを根拠としているようある。  実行委員会には、市と岐阜市教育文化振興事業団が負担金を出し合っており、予算 書では、市が2,100,000円、岐阜市教育文化振興事業団が200,000円とされているが、 負担割合の決定方法が不明あった。 【意見 科学館】  交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること の根拠となる定め、市と岐阜市教育文化振興事業団との負担割合の決定方法に関する 定めを置くようにさせることが望ましい。 (2)実行委員会の収入の取扱い 【参考報告】  実行委員会の予算と決算は、次のとおりあった。実行委員会の雑入を、市の歳入と みなす処理(実行委員会の配分金支出とする処理)をしていなかったので、参考報告と する。                              (円) ┌──┬───────────┬─────────┬─────────┐ │  │           │   予算    │   決算    │ ├──┼───────────┼─────────┼─────────┤ │収入│岐阜市負担金     │     2,100,000│     2,100,000│ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │岐阜市教育文化振興事業│      200,000│      200,000│ │  │団負担金       │         │         │ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤
    │  │雑入         │      100,000│      58,203│ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │合計         │     2,400,000│     2,358,203│ ├──┼───────────┼─────────┼─────────┤ │支出│報償費        │      880,000│      602,540│ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │需用費        │      830,000│     1,009,107│ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │その他        │      680,000│      712,506│ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │予備費        │      10,000│         0│ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │合計         │     2,400,000│     2,324,153│ └──┴───────────┴─────────┴─────────┘ (3)事業評価 【事実関係】  本負担金は、事業評価シート「科学館教育活動」の中の一事業として効果測定をして いるため、単独での効果測定がなされていなかった。 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【指摘 科学館】  個々の事業毎に事業評価シートを作成して効果測定を行うべきある。  他の開催負担金の多くは、事業評価シートを作成していた。  4.イングリッシュ・キャンプ in GIFU開催負担金 ┌────┬──────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 学校指導課                       │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                             │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │イングリッシュ・キャンプin GIFU               │ │    │※構成員は、岐阜市教育長、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団理  │ │交付先 │ 事長、岐阜市教育委員会事務局長、公益財団法人岐阜市教育文化振興  │ │    │ 事業団事務局次長、岐阜市教育委員会学校教育審議監兼学校指導課長、 │ │    │ 公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団総務課長ある。       │ │    │※事務局は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団にある。      │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │イングリッシュ・キャンプin GIFUの実施            │ │対象事業│※小中学生がALTや大学生と共に英語を用いながら岐阜市少年自然の  │ │    │ 家で5日間活動する事業ある。                  │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                                │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │児童生徒が、実生活の中で英語を活用する経験を積むことにより、英語  │ │交付目的│や英語の学習、国際社会への興味・関心を高めるとともに、実践的英  │ │    │語運用能力の向上に向け、積極的かつ粘り強い学習姿勢を身に付ける(事 │ │    │業評価シートの文言)                        │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │開始年度│平成27年度                             │ ├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │ 予算 │ 2,900,000│ 2,900,000│ 3,800,000│ 3,775,000│ 3,775,000│ │小学校分├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │ 決算 │ 2,900,000│ 2,775,744│ 3,719,543│ 3,745,566│ 3,740,228│ ├────┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │ 予算 │ 2,900,000│ 2,900,000│ 3,800,000│ 3,775,000│ 3,775,000│ │中学校分├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │ 決算 │ 2,900,000│ 2,775,743│ 3,719,544│ 3,745,567│ 3,740,229│ └────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)負担金の根拠 【事実関係】  実行委員会規約には、委員会の経費について、「負担金その他の収入をもって充てる」 旨の定めはあるものの(第8条第1項)、市から負担金が拠出される旨の定めはない。 同委員会の収支予算書に、収入として、岐阜市からの負担金が計上されていることを 根拠としているようある。  実行委員会には、市と岐阜市教育文化振興事業団が負担金を出し合っており、予算 書では、市が7,550,000円、岐阜市教育文化振興事業団が250,000円とされているが、 負担割合の決定方法が不明あった。 【意見 学校指導課】  交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること の根拠となる定め、市と岐阜市教育文化振興事業団との負担割合の決定方法に関する 定めを置くようにさせることが望ましい。 (2)実行委員会の収入の取扱い 【参考報告】  実行委員会の予算と決算は次のとおりあった。実行委員会の参加料収入を、市の 歳入とみなす処理(実行委員会の配分金支出とする処理)をしていなかったので、参考 報告とする。                           (円) ┌──┬───────────┬─────────┬─────────┐ │  │           │   予算    │   決算    │ ├──┼───────────┼─────────┼─────────┤ │収入│岐阜市負担金     │     7,550,000│     7,550,000│ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │岐阜市教育文化振興事業│      250,000│      250,000│ │  │団負担金       │         │         │
    │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │参加料        │     1,920,000│     1,884,000│ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │雑入         │         │        16│ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │合計         │     9,720,000│     9,684,016│ ├──┼───────────┼─────────┼─────────┤ │支出│報償費        │     1,035,000│     1,009,410│ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │需用費        │     2,755,000│     2,728,986│ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │委託料        │     5,554,000│     5,529,000│ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │その他        │      376,000│      344,774│ │  ├───────────┼─────────┼─────────┤ │  │合計         │     9,720,000│     9,612,170│ └──┴───────────┴─────────┴─────────┘ (3)事業評価 【参考報告】  事業評価シートにおいて、評価指標として「最終日アンケート」を利用していた。  交付目的に合致する評価指標と思われるため、参考報告とする。  5.アートライブ・ウェルカム!アーティスト開催負担金 <概要> ┌────┬──────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課                  │ │    │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課               │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                             │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │アートライブ・ウェルカム!アーティスト実行委員会          │ │    │※構成員(実行委員)は、弁護士、前岐阜大学教育学部教授、中部学院大 │ │    │ 学講師、岐阜女子大学教授、装賀きもの学院院長、岐阜県書作家協会  │ │    │ 常任顧問、岐阜市芸術文化協会副会長、加藤栄三・東一記念美術館名  │ │交付先 │ 誉館長、劇作家、染色工芸家、読み聞かせサークル会員、岐阜商工会  │ │    │ 議所常議員、前柳津町教育委員、岐阜市市民参画部次長、岐阜市市民  │ │    │ 参画政策課長ある。                       │ │    │※事務局は、文化芸術課にある。                   │ │    │※事務局長は、文化芸術課長ある。                 │ │    │※事務局員は、文化芸術課職員ある。                │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │アートライブ・ウェルカム!アーティストの開催            │ │対象事業│※小・中学校へ音楽家・落語家等を派遣する事業ある。        │ │    │※市が主催ある。                         │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                                │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │交付目的│子どもたちが文化芸術を体感できる機会の充実と文化芸術を担う人材の  │ │    │育成を図る(事業評価シートの文言)                 │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │平成29年度                             │ │開始年度│※アートライブは平成19年度から、ウェルカム!アーティストは平成24  │ │    │ 年度から開始しており、平成29年度から事業を統合して実施してい   │ │    │ る。                               │ ├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │ 予算 │  -  │  -  │ 3,220,000│ 3,220,000│ 2,820,000│ │    ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │ 決算 │  -  │  -  │ 2,377,077│ 2,192,509│ 2,200,293│ └────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)余剰金の返還 【参考報告】  実行委員会において、令和元年度の決算時に619,707円の余剰金が発生し、市に返 還させていたので、参考報告とする。  6.笑いと感動のまちづくり事業負担金 <概要> ┌────┬──────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 観光コンベンション課             │ │    │※令和元年度は、商工観光部 観光コンベンション課          │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │説明区分│諸負担金                              │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市笑いと感動のまちづくり実行委員会               │ │    │※構成員は、各種団体の役員等27名ある。              │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │対象事業│全日本学生落語選手権の開催(予選会と決勝大会の2日間)、有料落語会 │ │    │の開催(1回)、市内小学校対象の落語講座の開催(1校)等      │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                                │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │落語の祖・安楽庵策伝ゆかりの岐阜市を拠り所に、日本一元気県都・  │ │    │岐阜市の実現を目指す。町の活性化及び人の健康のため「笑いと感動」  │ │    │を切り口として、まちづくりの観点からも本事業を推進する(事業評価  │ │交付目的│シートの文言)                           │ │    │観光産業の振興、教育文化の振興、伝統文化の普及と後継者の育成及び  │ │    │中心市街地の活性化等を目的とし、笑いや感動により、健康的魅力と  │ │    │活力溢れる「日本一元気県都 岐阜市」の実現(実行委員会規約の文  │ │    │言)                                │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │開始年度│平成15年度                             │ ├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
    │    │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │ 予算 │13,000,000│13,000,000│13,000,000│13,000,000│13,000,000│ │    ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │ 決算 │11,609,023│12,016,090│12,991,953│12,961,047│12,676,571│ └────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)負担金の根拠 【事実関係】  実行委員会規約には、委員会の経費について、「負担金、補助金、協賛金及びその他 の収入をもって充てる」旨の定めはあるものの(第8条第1項)、市から負担金が拠出 される旨の定めはない。同委員会の収支予算書に、収入として、岐阜市からの負担金が 計上されていることを根拠としているようある。  実行委員会には、市、岐阜市公共ホール管理財団、岐阜商工会議所が負担金を出し合 っているが、負担割合の決定方法が不明あった。 【意見 観光コンベンション課】  交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること の根拠となる定め、市と他の団体との間における負担割合の決定方法に関する定めを 置くようにさせることが望ましい。 (2)実行委員会の収入の取扱い 【参考報告】  実行委員会のチケット代等の収入7,915,012円を、市の歳入とみなす処理(実行委 員会の配分金支出とする処理)をしていなかったので、参考報告とする。 (3)余剰金の返還 【参考報告】  実行委員会において、令和元年度の決算時に323,429円の余剰金が発生し、市に返 還させていたので、参考報告とする。 (4)効果・経済性 【事実関係】  実行委員会の収入の内訳は、有料落語会のチケット代等7,915,012円、協賛金 980,000円、一般財団法人岐阜市公共ホール管理財団の負担金600,000円、岐阜商工会 議所の負担金500,000円、市の負担金13,000,000円ある。  実行委員会の支出合計額22,671,583円のうち、NHK関連会社への委託料 19,745,385円が大半を占めている。これにより、市の負担金が多額になっている。N HK関連会社への委託は一者随意契約あるが、これは、落語選手権をNHKで全国 放映してもらうためある。NHK放送の視聴率は、把握されていない。  落語選手権の出場者数は、50の大学・大学院の学生211名、観覧者数は、予選会が 741名、決勝大会が1,108名ある。  アウトカム指標設定シートによれば、落語選手権の実施により、落語の祖・安楽庵策 伝ゆかりの岐阜市として認知され、出場者・観覧者が増加し、観光客が増加し、落語の 聖地として確立すること、観光関連産業の活性化が図れるという考えで、本負担金 の成果を次の指標で評価している。  直接アウトカム=観覧者数  中間アウトカム=観光客の増加=岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観                 覧船乗船者数  最終アウトカム=観光地ブランドの確立=県庁所在地認知度ランキング 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【指摘 観光コンベンション課】  出場者は、落語選手権に出場すること、策伝大賞を受賞することが目的ある。観覧 者の目的は、観覧することあるし、その中には出場者の関係者が相当数いるものと 推察されるし、リピーターも多いようある。出場者や観覧者が、落語選手権のために 市に訪れた機会を利用して、市の観光施設を訪れることもあるとは思うが、本来的に は、出場すること、観覧することを目的として市に訪れている。出場者や観覧者が増加 すること、観光客が増加するというロジックが成り立つのかは幾ばくかの疑問が残 る。  また、出場者数・観覧者数は、おおむね横ばいあり、増加する見込みは低い。市は、 NHKで全国放送されることを重視している。確かに、全国放送により「岐阜市が落語 の祖・安楽庵策伝ゆかりの地あること」の認知は広がるかもしれない。しかし、それ は、平成15年から継続していることによって一定程度は達成されていると思える。ま た、そのことを知ったから岐阜市に観光に行くという行動原理が成り立つのか疑問 ある。  落語選手権を開催すること自体に意義はあると思うが、開催することによって市が 所期する目的がどれだけ達成されるのか、13,000,000円もの多額の公金を支出するこ との費用対効果は適切といえるのか、NHK全国放映を継続する必要があるのか(費 用の削減を図ることはできないのか)、民間からの協賛金を増やすことはできないのか、 種々の点から、本負担金の在り方を見直すべきある。  7.やないづ境川ふれあい夏祭り2019事業負担金 <概要> ┌────┬──────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 観光コンベンション課             │ │    │※令和元年度は、商工観光部 観光コンベンション課          │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                             │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │やないづ境川ふれあい夏祭り実行委員会                │ │交付先 │※構成員は、柳津町商工会、自治会連合会、消防団、交通安全協会等で  │ │    │ ある。                              │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │対象事業│境川緑道公園での花火大会の開催、郷土芸能「天保宮下太鼓」「うずら  │ │    │太鼓」「高桑太鼓」の披露、盆踊り大会の開催(年1回)        │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                                │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │多くの人々がともにふれあい、交流を深め地域の連帯感を醸成し、活力  │ │交付目的│とにぎわいあふれる地域づくりに寄与し、地域振興を図るイベントとし  │
    │    │て、柳津地域のみならず市南部最大のイベントとして位置付けるととも  │ │    │に岐阜圏域の最後の花火大会を飾る(事業評価シートの文言)      │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │開始年度│平成18年度                             │ ├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │ 予算 │ 6,500,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ │    ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │ 決算 │ 6,500,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ └────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)負担金の根拠 【事実関係】  実行委員会規約には、委員会の経費について、「負担金、補助金、事業収入及びその 他の収入をもって充てる」旨の定めはあるものの(第8条第2項)、市から負担金が拠 出される旨の定めはない。同委員会の収支予算書に、収入として、岐阜市からの負担金 が計上されていることを根拠としているようある。  実行委員会には、市、柳津町商工会、柳津町自治会連合会、日置江自治会連合会が負 担金を出し合っているが、負担割合の決定方法が不明あった。 【意見 観光コンベンション課】  交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること の根拠となる定め、市と他の団体との負担割合の決定方法に関する定めを置くように させることが望ましい。 (2)前金払の理由 【事実関係】  市は本負担金の前金払をしているが、前金払の決裁文中で「事業実施にあたり支障 をきたさないよう」と記載しているだけあった。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、前金払は例外的支出あるため、当該負担金がそ のイベントの主たる準備資金として喫緊に必要のか、開催後の支出とできないのか、 及び、その見積額は適切あるか等を総合的に判断した上で取り扱うべきとされてい る。 【指摘 観光コンベンション課】  前金払の必要性が明らかとなるよう具体的記載をすべきある。 (3)余剰金の返還 【事実関係】  実行委員会において、令和元年度の決算時に25,564円の余剰金が発生していたが、 繰越金として返還させていなかった。 【規範】  テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担 金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め るのが真のあり方あるとされている。 【指摘 観光コンベンション課】  当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきある。  市によれば、「当該年度の負担金を入金するための運転資金(1回実行委員会経費等) が必要となるため」というのが理由あるとのことあるが、返還しないことが相当 ある理由とは受け取れなかった。 (4)公平性、効果・経済性 【事実関係】  市は、平成18年度の開始当初の680万円から若干負担金額を減らしているものの、 直近4年間は毎年600万円を負担し続けている。  支出のほとんどは、打上花火にかかる委託料(8,371,520円)ある。  来場者数は、毎年2万人(現場目視)で一定ある。  市は、来場者数がはるかに多い長良川の花火大会に補助金を支出している。「中日新 聞社」35万人・135万円、「岐阜新聞社」35万人・225万円と比較して、市の負担金額 がかなり多い。  また、市は、本事業と同じく地域の祭りに対して補助金を支出している。「長良川ま つり補助金」(25万円)、「岐阜祭補助金」(50万円)、「池ノ上裸祭り補助金」(9万円)、 「ぎふ梅まつり補助金」(9万円)、「岐阜手力火祭補助金」(90万円)等と比較して、 はるかに高額支出となっている。  アウトカム指標設定シートによれば、事業の実施により、人と人が交流し、賑わいが 創出され、観光地・旅行先として認知され、観光客が増加し、観光地ブランドが確立す ること、観光関連産業の活性化が図れるという考えで、本負担金の成果を次の指標 で評価している。  直接アウトカム=夏祭り来場者数  中間アウトカム=観光客の増加=岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観                 覧船乗船者数  最終アウトカム=観光地ブランドの確立=県庁所在地認知度ランキング 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【指摘 観光コンベンション課】  柳津の夏祭りに参加する人の多くは、柳津町及び周辺の住民あると思われるし、 たとえ県外からの来場者が存在したとしても、柳津の夏祭りを訪れたことによって、 岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観覧船乗船者数が増加するという考え は疑問ある。  賑わいという面でみても、祭りの開催によって賑わいが創出されるのは、その日ある。会場となっている公園の存在をアピールすることによって公園が賑わうと の市の意見もあったが、休日の大きな公園は大抵、家族連れで賑わっており、祭りをき っかけにして公園を再訪したとは思えない。  地域の開催あり十分資金がないことから、新聞社との共催の花火大会よりも多 くの援助が必要となることは分かるが、そうあれば、他の地域の祭りと違って、多額 になる打上花火の費用を公金で負担することが公平適切といえるのか疑問ある。  祭りを実施すること自体の意義はあると思うが、実施することによって市が所期す る目的がどれだけ達成されるのか、6,000,000円もの多額の公金を支出することの費用 対効果は適切といえるのか、打上花火の縮小又は廃止等により費用の削減を図ること はできないのか、民間からの協賛金を増やすことはできないのか、種々の点から、本負 担金の在り方を見直すべきある。他の地域の祭りとの比較、来場者数と実際の成果 に鑑みれば、「岐阜市観光事業補助金交付要綱」に基づく補助金に変更するか、負担金 の形で続けるとしても公平を失しない適切負担額に留めるべきある。
     8.GIFUナイトビュー事業実行委員会負担金 <概要> ┌────┬──────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 観光コンベンション課             │ │    │※令和元年度は、商工観光部 観光コンベンション課          │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                             │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │GIFUナイトビュー事業実行委員会                 │ │交付先 │※構成員は、岐阜長良川温泉旅館協同組合、観光コンベンション協会、  │ │    │ 近隣自治会連合会(4会)、岐阜市、岐阜観光策道(株)、岐阜森林管理署│ │    │ ある。                             │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │対象事業│手力の火祭・夏の開催、岐阜城パノラマ夜景の開催           │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                                │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │本市の貴重観光資源ある金華山・長良川を活用した事業を実施する  │ │交付目的│ことにより、全国から幅広く観光客の誘致を図り、地域の活性化に寄与  │ │    │する(事業評価シート・規約の文言)                 │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │開始年度│平成16年度(実行委員会負担金の開始)                │ ├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │ 予算 │16,000,000│16,000,000│16,000,000│16,000,000│16,000,000│ │    ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │ 決算 │16,000,000│16,000,000│16,000,000│16,000,000│16,000,000│ └────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)負担金の根拠 【事実関係】  実行委員会規約には、委員会の経費について、「負担金、寄附金及びその他の収入を もって充てる」旨の定めはあるものの(第7条第2項)、市から負担金が拠出される旨 の定めはない。同委員会の収支予算書に、収入として、岐阜市からの負担金が計上され ていることを根拠としているようある。  実行委員会には、市、岐阜観光コンベンション協会、岐阜長良川温泉旅館協同組合、 岐阜観光索道株式会社、岐阜治水会が負担金又は協賛金を出し合っているが、負担割 合の決定方法が不明あった。 【意見 観光コンベンション課】  交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること の根拠となる定め、市と他の団体との負担割合の決定方法に関する定めを置くように させることが望ましい。 (2)余剰金の返還 【事実関係】  実行委員会において、令和元年度の決算時に146,101円の余剰金が発生していたが、 繰越金として返還させていなかった。 【規範】  テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担 金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め るのが真のあり方あるとされている。 【指摘 観光コンベンション課】  当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきある。  市によれば、「当該年度の負担金を入金するための運転資金(1回実行委員会経費等) が必要となるため」というのが理由あるとのことあるが、返還しないことが相当 ある理由とは受け取れなかった。 (3)事業評価 【事実関係】  手力の火祭・夏は、年に1回、手力雄神社で行われる手力の火祭りを、長良川におい て再演するものある。事業としては、平成元年度から開始している。  岐阜城パノラマ夜景は、年に76日間(令和元年度実績)、岐阜城の夜間開放を行う ものある。事業としては、平成13年度から開始している。  いずれも、岐阜市の観光資源ある長良川と岐阜城に夜の観光客を増加させること を目的としているとのことあるが、前者は、1回限りの火祭りの観覧、後者は、夜景 の鑑賞という、異なる手法によるものある。しかし、事業評価シートは、両事業でま とめて作成されていた。  費用の面で見ても、支出合計17,474,029円のうち、前者のためには14,000,000円 以上が費やされていた。ただし、実行委員会の予算書・決算書からは、いずれも事業の 経費のかが明確に判別できなかった。 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【指摘 観光コンベンション課】  手力の火祭・夏と岐阜城パノラマ夜景は、別々に事業評価シートを作成すべきあ る。 【意見 観光コンベンション課】  手力の火祭・夏と岐阜城パノラマ夜景、各々のためにいくら支出したのかが明確に 判別できるよう予算書・決算書を作成させることが望ましい。たとえ、広告費等の共 通経費あっても、割り振ることは可能であると考える。 (4)効果・経済性 【事実関係】  手力の火祭・夏の観覧者数は、令和元年度は25,000人ある。平成28年度から平 成30年度までは、20,000人ある。  岐阜城パノラマ夜景の入場者数は、令和元年度は通算10,082人(一日当たり平均132 人)で、毎年10,000人前後で変わっていない。  アウトカム指標設定シートによれば、事業の実施により、夜間における観光客が増
    加し、観光地・旅行先として認知され、観光客が増加し、観光地ブランドが確立するこ とで、観光関連産業の活性化が図れるという考えで、成果を次の指標で評価している。  直接アウトカム=各イベントにおける参加者数  中間アウトカム=観光客の増加=岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観                 覧船乗船者数  最終アウトカム=観光地ブランドの確立=県庁所在地認知度ランキング  手力の火祭・夏は30年以上、岐阜城パノラマ夜景も17年以上、いずれも長期にわ たっているが、岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観覧船乗船者数は、平成 28年度から平成30年度まででほぼ横ばいあり、観光客の増加という成果がどれほ ど出ているのか不明ある。  市は、少なくとも直近5年間は、16,000,000円を支出し続けている。手力の火祭・ 夏には、14,000,000円以上が費やされており、事業評価シートにおいても、「「手力の 火祭・夏」については、1日のみのイベントで、……予算の大部分を使っている現状が ある。」との理由で、効率性の評価としては「低」としている。 【指摘 観光コンベンション課】  長良川と岐阜城が観光地・旅行地あることの認知は既になされていると思われる。  夜間に訪れたことによって、認知され、また別の機会(手力祭り・夏又は岐阜城パノ ラマ夜景の鑑賞以外の目的で)に観光に訪れる人が増えるといえるのか疑問ある。  岐阜城パノラマ夜景については、それほど費用が使われていないが、手力の火祭・夏 については、一日限りのイベントに多額の費用が使われている。  いずれの事業も実施すること自体の意義はあると思うが、実施することによって市 が所期する目的がどれだけ達成されるのか、16,000,000円もの多額の公金を支出する ことの費用対効果は適切といえるのか、規模の縮小等により費用の削減を図ることは できないのか、民間からの協賛金を増やすことはできないのか、種々の点から、各々の 事業毎に、本負担金の在り方を見直すべきある。  9.長良川薪能開催負担金 <概要> ┌────┬──────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課                  │ │    │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課               │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                             │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │長良川薪能実行委員会                        │ │    │※構成員(実行委員)は、みなもと会相談役、岐阜市芸術文化協会会長、 │ │    │ みなもと会会長、岐阜青年会議所理事長、岐阜長良川温泉旅館協同組  │ │    │ 合理事長、岐阜市教育委員会委員、岐阜青年会議所会員、NHK岐阜  │ │    │ 放送局放送部長、特定非営利活動法人花の会理事長、長良東自治会連  │ │交付先 │ 合会会長、中日新聞岐阜支社報道部長、長良川薪能サポーター代表、  │ │    │ 岐阜市国際交流協会会長、岐阜新聞・岐阜放送事業部長、鵜匠代表、元 │ │    │ 岐阜青年会議所会員、岐阜市市民参画部部長ある。         │ │    │※会長は、岐阜市長ある。                     │ │    │※事務局は、文化芸術課にある。                   │ │    │※事務局長は、文化芸術課長ある。                 │ │    │※事務局員は、文化芸術課職員ある。                │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │長良川薪能の開催(1回)、講演・公演会の開催(1回)、サポーターの研│ │対象事業│修(5回)、子どもによる連調(太鼓)の練習(3回)・披露(1回)  │ │    │※市は主催ある。                         │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                                │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │優れた芸術を鑑賞することにより、市民の芸術文化に対する関心を高め、 │ │交付目的│市民とともに文化創造の活性化を図る(事業評価シートの文言)     │ │    │伝統文化の継承と地域文化の振興を図る(個別調査票の文言)      │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │開始年度│平成元年度                             │ ├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │ 予算 │12,300,000│12,300,000│12,300,000│12,300,000│12,000,000│ │    ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │ 決算 │12,300,000│12,300,000│12,300,000│12,300,000│12,000,000│ └────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)余剰金の返還 【事実関係】  実行委員会において、令和元年度の決算時に1,288,930円の余剰金が発生していた が、繰越金として返還させていなかった。  市によれば、第1回の実行委員会を開催し、予算の承認を得るまでは予算がなく、第 1回実行委員会開催に向けての事務局費がないと、開催ができないため、事務局費に かかる必要経費の繰越は必要あるとのことある。 【規範】  会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに 充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)  テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担 金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め るのが真のあり方あるとされている。 【指摘 文化芸術課】  同じ実行委員会形式の負担金で、余剰金を返還させている例はいくつもある。第1 回の実行委員会に関する経費が必要というのあれば、本来は、実行委員会の自己資 金で支弁すべきあると考える。それがどうしてもできないということあれば、次 年度の第1回実行委員会開催に向けての準備費用として必要費用を当年度の予算書 において支出として計上しておくべきある。  当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきある。 (2)運営方法 【参考報告】  多くの実行委員会が、各団体の役員の集まりに過ぎず、市の職員が実際の運営を行 っているところ、本実行委員会は、ボランティアのサポーターを募って、事前勉強会等 も実施しつつ運営しており、市民協働の点、事業の成果をより高めるという点、参考 報告とする。 (3)効果・経済性 【事実関係】  実行委員会の収入合計13,333,540円のうち12,000,000円が市の負担金ある。
     支出の主ものは、出演者謝金や司会料等の報償費3,311,780円、舞台設営、会場 整備等の委託料5,986,874円ある。  薪能当日の観覧者数は、平成29年度は3,500人、平成30年度と令和元年度は雨天 のため1,000人あり、講演・公演会の観覧者は、平成29年度と平成30年度は500 人、令和元年度は450人あった。体験した子どもは、平成29年度13人、平成30年 度と令和元年度は8人あった。サポーター参加者は、平成29年度は73人、平成30 年度は53人、令和元年度は50人あった。  アウトカム指標設定シートによれば、事業の実施により、伝統文化を身近に感じる きっかけを提供し、「文化芸術を楽しみ創造する都市・ぎふ」を実現し、文化芸術の推 進によるシビックプライドの醸成を図るという考えで、本負担金の成果を次の指標で 評価している。  直接アウトカム=観覧者数・体験者数・参加者数の増加  中間アウトカム=文化・芸術活動に取り組む環境の整備         =市民意識調査(文化・芸術活動に取り組みやすいまちと思う人の          割合)  最終アウトカム=岐阜市民あることに誇りを感じる人の増加         =市民意識調査(岐阜市民あることに誇りを感じる人の割合) 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【指摘 文化芸術課】  長良川薪能は立派イベントあるが、それがゆえに多額の費用を要し、市は、 12,000,000円もの負担金を支出している。この金額との費用対効果でみると、観覧者 数が多いとはいえない印象を受ける。  「文化・芸術活動に取り組む環境の整備」というが、そのよう抽象的ものはな く、「能楽」という具体的文化・芸術で成果を図らなければ、これだけの費用のかか る事業の効果測定とは言い難い。  例えば、市内で開催された能楽の公演の参加者数や、能楽に関するカルチャースク ールの受講者数等、能楽に対する市民の関心度が高まっているかどうか、市内におい て能楽文化が盛んになっているかどうかという指標で事業評価した上で、事業を実施 することによって市が所期する目的がどれだけ達成されるのか、12,000,000円もの多 額の公金を支出することの費用対効果は適切といえるのか、規模の縮小等により費用 の削減を図ることはできないのか、民間からの協賛金を増やすことはできないのか、 種々の点から、本負担金の在り方を見直すべきある。  10.こよみのよぶね実行委員会負担金 <概要> ┌────┬──────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課                  │ │    │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課               │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │説明区分│諸負担金                              │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │こよみのよぶね実行委員会                      │ │    │※構成員(実行委員)は、日比野克彦氏、岐阜長良川温泉旅館協同組合  │ │交付先 │ 理事、市民ボランティア、秋田屋本店代表取締役社長、NPO法人森  │ │    │ と水辺の技術研究会理事長、岐阜県地域振興課課長、岐阜市文化芸術  │ │    │ 課長ある。                           │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │対象事業│こよみのよぶねの開催                        │ │    │※市は後援ある。                         │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                                │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │自然や歴史文化、伝統の技を再発見し、過行く時を振り返り、また来る  │ │    │時に思いを馳せる冬の風物詩ある(個別調査票の文言)        │ │    │本事業はNPO・市民・企業・市の協働によって実施され、市民主体の協働  │ │交付目的│のまちづくりの推進に資する事業ある(事業評価シートの文言)    │ │    │岐阜の自然や歴史文化、伝統の技を再発見し、冬の風物詩としての定着  │ │    │を目指すとともに、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会を契機とする地域の絆  │ │    │づくりの発展につなげていく(実行委員会規約の文言)         │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │開始年度│平成18年度                             │ ├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │ 予算 │  500,000│  500,000│  500,000│  500,000│  500,000│ │    ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │ 決算 │  500,000│  500,000│  500,000│  500,000│  500,000│ └────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)負担金の根拠 【事実関係】  実行委員会規約には、実行委員会の経費は負担金を充てる旨の定めはあるものの、 市から負担金が拠出される旨の定めはない。  実行委員会には、市、岐阜県、岐阜長良川温泉旅館協同組合、株式会社ヒビノスペシ ャルが負担金又は支援金を出し合っているが、負担割合の決定方法が不明あった。 【意見 文化芸術課】  交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること の根拠となる定め、市と他の団体との負担割合の決定方法に関する定めを置くように させることが望ましい。 (2)負担金の額 【参考報告】  実行委員会の支出2,440,000円に対し、市の負担金は500,000円ある。  民間からの支援金・協賛金が1,340,000円もある。  観覧者数は、平成29年度は3,500人、平成30年度は3,000人ある。  民間からの協賛金を集め、費用対効果が適切あると考えるので、参考報告とする。  11.長良川ツーデーウオーク開催負担金
    <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │健康部 健康増進課                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │長良川ツーデーウオーク実行委員会                 │ │    │※構成員は、岐阜市長、岐阜県ウオーキング協会会長、公益財団法人岐阜│ │    │ 観光コンベンション協会専務理事、大垣歩こう会会長、岐阜市健康部 │ │    │ 長、岐阜県ウオーキング協会副会長、大垣歩こう会副会長、岐阜市商工│ │交付先 │ 観光部長、岐阜市教育委員会事務局長、岐阜県ウオーキング協会副会 │ │    │ 長、岐阜市保健所長、一般社団法人日本ウオーキング協会会長ある。│ │    │※事務局は、岐阜市健康部にある。                 │ │    │※事務局長は岐阜市健康部健康増進課長、事務局次長は岐阜市健康部健 │ │    │ 康政策課長ある。                       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │長良川ツーデーウオークの開催                   │ │対象事業│※岐阜市の歴史や自然に触れながら、2日間5~30kmのコースから自分 │ │    │ の歩きたいコースを選んで歩くイベント              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市の観光資源等のPR、市民の健康づくり啓発(事業評価シートの文│ │    │言)                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成14年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  500,000│  500,000│  800,000│  500,000│  600,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  500,000│  500,000│  800,000│  500,000│  600,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)余剰金の返還 【事実関係】  実行委員会において、令和元年度の決算時において、余剰金831,165円が発生して いるが、繰越金とし返還させていない。  市によれば、6月開催(年度当初)のため、前年後半(12月~3月)に次年度開催 準備の支出をするための財源となるものあるとのことある。 【規範】  会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに 充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)  テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担 金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め るのが真のあり方あるとされている。 【指摘 健康増進課】  長良川ツーデーウオークは、毎年度継続して開催することが決まっているわけは なく、年度毎に開催の可否を検討すべきものある。負担金も、当年度のツーデーウオ ーク開催のために支出されているものあるから、当年度のツーデーウオークのため に支出されなければならない。  実行委員会形式ある以上、次年度開催準備は、次年度の市の予算が議決される前 に実行委員会の判断で行っているものあるから、そのための支出となる財源を当然 に市が負担することはできない。もし、実行委員会が次年度の開催に向けた準備を当 年度に行う予定があり、そのための経費が必要あれば、まずは自己資金により 工面する努力をさせ、それでもなお当年度の負担金収入からしか工面できないという ことあれば、次年度開催の必要性、有効性を説明させ、市として次年度開催(次年度 の負担金支出)の可否を検討した上で、当年度の予算書において、次年度開催のための 準備費用を支出に計上しておくようにさせることが必要と考える。  当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきある。 (2)効果・経済性 【事実関係】  令和元年度は1,550人、平成30年度は1,644人が参加し、岐阜市民の参加者は3割 程度、7割は市外からの参加で、宿泊を伴い来訪している。  本事業の目的の一つとして市民の健康づくり啓発があるが、参加者のうち岐阜市民 の参加者は約3割程度あり、事業評価シートでも「市民の健康啓発という意味では 有効性が低い」との評価を行っている。 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【意見 健康増進課】  本事業は異なる目的が2つ掲げられている。目的の一つある岐阜市の観光資源等 のPRという意味では参加者に占める市外参加者の割合が7割という数字からみて、 一定の効果が上がっていると思われるし、支出2,624,874円に対し、参加費1,771,300 円で、負担金600,000円あるので、費用対効果も適切と考える。  もっとも、市民の健康づくり啓発という目的については効果が低い。年1回のウオ ーキングで健康効果を測定することは現実的はないという市の意見はもっともあ る。市民の健康づくり啓発という目的を外し、岐阜市の観光資源等のPRという目的 に絞った効果測定を十分に行うことが望ましい。  12.高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン大会開催負担金 <概要> ┌────┬──────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課                │ │    │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課               │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                             │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン実行委員会             │
    │交付先 │※構成員は、岐阜県知事、岐阜市長、中日新聞社代表取締役社長、一般  │ │    │ 財団法人岐阜陸上競技会会長ほかある。              │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │対象事業│高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソンの開催               │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                                │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │競技力の向上及び市民のスポーツ振興に寄与する(事業評価シートの文  │ │交付目的│言)                                │ │    │「清流の国ぎふ」づくりを進めるとともに、ふるさと岐阜を国内外へ広く発│ │    │信する(実行委員会会則の文言)                   │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │開始年度│平成23年度                             │ ├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │ 予算 │ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ │    ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │ 決算 │ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ └────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)負担金の根拠 【事実関係】  会則には、本会の経費は、「主催者負担金、参加料、協賛金及びその他の収入をもって 充てる」旨の定めはあるものの(第15条)、市から負担金が拠出される旨の定めはな い。  実行委員会には、市、岐阜県、中日新聞社が負担金又は協賛金を出し合っているが、 負担割合の決定方法が不明あった。ヒアリングによれば、主催者あるため、市、 県、中日新聞社が均等割にしているとのことあったが、2019年の大会ポスターには、 主催者として岐阜陸上競技協会、岐阜県体育協会が名を連ねているところ、いずれの 協会も負担金を拠出していない。 【意見 市民スポーツ課】  交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること の根拠となる定め、負担割合の決定方法の定めを置くようにさせることが望ましい。 (2)前金払の理由 【事実関係】  前金払の理由として、支出負担行為書には、「大会を円滑に実施するため」としか記 載されていなかった。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、前金払は例外的支出あるため、当該負担金がそ のイベントの主たる準備資金として喫緊に必要のか、開催後の支出とできないのか、 及び、その見積額は適切あるか等を総合的に判断したうえで取り扱うべきとされて いる。 【指摘 市民スポーツ課】  前金払の必要性が明らかとなるよう具体的記載をすべきある。 (3)必要性、効果・経済性 【事実関係】  実行委員会の目的は、対外的もののようある。これに対し、事業評価シートの目 的は、「競技力の向上及び市民のスポーツ振興に寄与する」とあり、実行委員会と同様 に対外的もののか、市民のスポーツ振興のか、曖昧あった。ヒアリングによれ ば、大会の知名度が高いことを重視しているようあるから、対外的目的のよう あった。しかし、事業評価シートの成果指標に用いられているのは、沿道の応援人数で あった。  本負担金は、平成23年度に開始されて以降、6,000,000円で固定されており、明確 算定根拠はなく、前年踏襲ある。  実行委員会の支出額は223,697,633円あるが、119,100,000円の協賛金、 82,300,000円の参加料があり、市の負担割合は3%未満ある。  ヒアリングによれば、毎年、収支状況は赤字とのことあったが、開始から9年が経 過し、平成28年には、国際陸上競技連盟(IAAF)ロードレースラベルの最高ランクで あるゴールドラベルに認定され、全国での認知度は十分とのことあった。 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【指摘 市民スポーツ課】  既に大会自体の知名度は相応に上がっており、実行委員会が自立して実施していく べき大会になっていると思われる。実行委員会の会計が毎年赤字になっている点につ いては、実行委員会において大会運営の方法を改善すべきものある。大会が岐阜市 のアピールの場になる一面は否定し得ないものの、それが直ちに6,000,000円の負担 金を支出する根拠とはならない。市としては、大会開催にあたって、コースとなる市道 を提供していることで十分協力といえるのはないかとも思う。  交付目的が岐阜市の認知度向上や観光客の増加にあるのあれば、その成果指標と して、市外の参加者へのアンケート結果を用いることが考えられる。交付目的が市民 のスポーツ振興あるのあれば、その成果指標として、マラソン大会に参加した市 民の人数、市民の入賞者数を用いることが考えられる。  目的に即した適切成果指標により効果測定をした上で、事業を実施することによ って市が所期する目的がどれだけ達成されるのか、6,000,000円もの多額の公金を支出 することの費用対効果は適切といえるのか、民間からの協賛金の増加や費用の削減等 により自主運営をすることはできないのか、種々の点から、本負担金の在り方を見直 すべきある。  13.国際インラインスケート岐阜長良川大会開催負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課               │ │    │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課              │ ├────┼─────────────────────────────────┤
    │説明区分│開催負担金                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │インラインスケート岐阜長良川大会実行委員会            │ │    │※構成員は、岐阜県インラインスケート協会会長、岐阜市議会議長、岐 │ │交付先 │ 阜市教育長、岐阜青年会議所副理事長、長良自治会連合会会長、長良 │ │    │ 西自治会連合会会長、岐阜市スポーツ推進委員連絡協議会会長、岐阜 │ │    │ 市スポーツ指導員連絡協議会会長、岐阜市長ほかある。      │ │    │※事務局は、市民体育課にある。                  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│国際インラインスケート岐阜長良川大会の開催            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市の観光資源を全国にアピールし、ヤングファミリー等新しいタイ │ │    │プの観光客誘致を図る(事業評価シートの文言)           │ │交付目的│国際コンベンション都市岐阜を全国にアピールすると同時に、このスポ │ │    │ーツを通じ、人と人が集い交流し、活力のある街づくりを目指す(実行 │ │    │委員会規約の文言)                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成6年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 3,300,000│ 3,220,000│ 2,800,000│ 2,500,000│ 2,000,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 2,608,784│ 2,735,847│ 2,796,513│ 2,345,334│ 1,991,136│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)効果・経済性 【事実関係】  本負担金は、平成6年度に開始されて以降、継続して交付されている。  ヒアリングでは、大会開催の必要性について、全国大会あり遠方からの参加もあ るため有意義あるとの回答があったが、大会参加者は、平成29年度は210人、平成 30年度は216人、令和元年度は207人ある。  本負担金は令和2年度で終了し、令和3年度からは岐阜県インラインスケート協会 に移管され、同協会が大会を主催し、全国大会開催のための補助金として申請を受け る予定となっているとのことある。 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【意見 市民スポーツ課】  今後、補助金として交付するとしても、交付目的を的確に設定し、そのために補助す る公益上の必要があるのかどうかを吟味し、その効果に照らして適切補助金の額を 算定することが望ましい。  14.MAG-CUP少年サッカー交流大会開催負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課               │ │    │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │MAG-CUP少年サッカー交流大会実行委員会           │ │    │※構成員は、豊田市副市長、同市建設部長、岐阜市副市長、同市基盤整 │ │交付先 │ 備部長、大垣市副市長、同市建設部道路課長兼東海環状推進室次長、 │ │    │ 可児市副市長、いなべ市副市長、同市建設部長、八百津町建設課長ほ │ │    │ かある。                           │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│MAG-CUP少年サッカー交流大会の開催             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│東海環状自動車沿線地域の連携交流強化(ヒアリング)        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成9年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  50,000│  50,000│  50,000│  50,000│  50,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  50,000│  50,000│  50,000│  50,000│  50,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)負担金の目的 【事実関係】  規約では、本負担金の目的について、「大会を円滑に開催するため、必要事業を行 うことを目的とする」(第3条)とのみ定められており、大会開催の目的は定められて いない。事業評価シートが作成されておらず、個別調査票でも大会の開催に必要とし か書かれていなかった。ヒアリングによれば、東海環状自動車沿線地域の連携交流強 化が目的あるとのことあった。 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
    (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【指摘 市民スポーツ課】  負担金の交付目的を明確に設定して、交付目的に沿った効果の検証を実施すべき ある。  なお、「東海環状自動車沿線地域の連携交流強化」が目的あるとすれば、市民スポ ーツ課の予算から支出されることには疑問がある。ヒアリングによれば、同様の視点 から、今後は基盤整備部において予算編成することも検討するとのことあった。  15.市民スポーツ・レクリエーション活動推進事業開催負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課               │ │    │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市スポーツ・レクリエーション祭実行委員会           │ │    │※構成員は、岐阜市教育委員会、岐阜市スポーツ推進委員連絡協議会、 │ │交付先 │ 岐阜市スポーツ指導員連絡協議会、岐阜市レクリエーション協会、ス │ │    │ ポーツ関係団体ほかある。                   │ │    │※事務局は、市民体育課にある。                  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市スポーツ・レクリエーション祭の開催             │ │対象事業│※グラウンドゴルフ、インラインスケート、バレーボール、ミニテニス、│ │    │ ゲートボール、ジョギング・ウォーキング等の大会開催       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│軽スポーツの啓発・普及促進(事業評価シートの文言)        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成25年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 1,530,000│ 2,000,000│ 1,630,000│ 1,630,000│ 1,527,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 1,285,594│ 1,688,535│ 1,413,587│ 1,100,340│ 1,317,291│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)効果・経済性 【事実関係】  本負担金は、平成25年度に開始されて以降、継続して交付されている。  本事業にかかる経費は、市の負担金のみで賄われている。  参加者数は、平成29年度は2,109人、平成30年度は2,075人、令和元年度は1,797 人あった。 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【指摘 市民スポーツ課】  「軽スポーツの啓発・普及促進」という目的に即した適切成果指標により効果測 定をした上で、事業を実施することによって市が所期する目的がどれだけ達成される のか、費用対効果は適切といえるのか、少しでも参加料を徴収したり、民間からの協賛 金を得たりする等により負担額を減らすことはできないのか、種々の点から、本負担 金の在り方を見直すべきある。  16.岐阜市民文化祭岐阜市美術展覧会開催負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課                 │ │    │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市民文化祭岐阜市美術展覧会実行委員会             │ │    │※振込先は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団ある。     │ │    │※構成員(実行委員)は、個人、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業 │ │交付先 │ 団理事長、岐阜市市民参画部長、岐阜市文化芸術課長、岐阜市教育委 │ │    │ 員会事務次長等ある。                     │ │    │※事務局は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団にある。     │ │    │※事務局員は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団の職員ある。 │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市民文化祭岐阜市美術展覧会の開催               │ │対象事業│※日本画・洋画・彫刻・工芸・書・写真・グラフィックデザインの作品募│ │    │ 集・表彰・展覧                         │ │    │※市は主催ある。                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │美術を愛好する市民に広く発表の機会と場を提供するとともに、良い作 │ │交付目的│品を鑑賞することを通して市民の美術文化への関心と情操豊か市民性 │ │    │を育てる(事業評価シートの文言)                 │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和23年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 8,500,000│ 8,500,000│ 6,649,000│ 7,400,000│ 7,400,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
    │    │決算 │ 7,804,317│ 7,134,232│ 6,649,000│ 7,400,000│ 5,536,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)余剰金の返還 【事実関係】  実行委員会において、令和元年度の決算時において、余剰金47,649円が発生してい るが、繰越金とし返還させていない。 【規範】  会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに 充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)  テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担 金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め るのが真のあり方あるとされている。 【指摘 文化芸術課】  同じ実行委員会形式の負担金で、余剰金を返還させている例はいくつもある。  第1回の実行委員会に関する経費が必要というのあれば、実行委員会の自己資金 で支弁すべきある。  当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきある。 (2)効果・経済性 【事実関係】  出品者から出品料を得ているが、719,000円あるし、広告料収入も380,000円あ り、収入のほとんどは、市の負担金ある。  支出合計6,587,351円のうち、主ものは、会場設営・審査飾付業務の委託料 2,805,000円、賞金、審査謝金の諸謝金2,072,000円ある。  応募者数は、平成29年度は489人、平成30年度は450人、令和元年度は410人で あり、観覧者数は、平成29年度は5,411人、平成30年度は9,417人、令和元年度は 3,542人ある。 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)、5年を超えている負担金は形式的・習慣的に負担されていると 判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【意見 文化芸術課】  形式的・習慣的あるとは思うが、市民が応募する展覧会の公益性は認められるし、 美術展覧会を継続することに意味があると思う。しかし、だからといって公金を支出 続けてよいということにはならない。毎年同じよう内容の事業で、効果が変わらな いものに、公金から同じ額の負担金を支出し続ける必要があるのかは、検証する必要 がある。  美術展覧会において新規の応募者は増加しているのか、美術展覧会により美術に対 する市民の関心度が高まっているかどうか、市内において美術が広まっているかどう かという指標で事業評価した上で、費用対効果が適切ものとなるよう、入場料の獲 得、出品料の引上げ、広告収入の増加、賞金や謝金の減少、委託料の削減等により負担 金額を減らすことに向けた努力をすることが望ましい。  17.岐阜市民文化祭岐阜市文芸祭開催負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課                 │ │    │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市民文化祭岐阜市文芸祭実行委員会               │ │    │※振込先は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団ある。     │ │    │※構成員(実行委員)は、個人、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業 │ │交付先 │ 団理事長、岐阜市市民参画部長、岐阜市文化芸術課長、岐阜市教育委 │ │    │ 員会事務次長ある。                      │ │    │※事務局は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団にある。     │ │    │※事務局員は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団の職員ある。 │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市民文化祭岐阜市文芸祭の開催                 │ │    │※一般の部:短編・児童文学・現代詩・歌詞・短歌・俳句・川柳・連句・│ │対象事業│ 狂俳、小・中学生の部:創作・誌・短歌・俳句・川柳の作品募集・表 │ │    │ 彰・展示                            │ │    │※市は主催ある。                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│市民の創作意欲を高め、文芸創作活動の振興と地域文化の向上を図る(事│ │    │業評価シートの文言)                       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和40年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 1,703,000│ 1,703,000│ 1,703,000│ 1,703,000│ 1,703,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 1,703,000│ 1,703,000│ 1,703,000│ 1,703,000│ 1,703,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)余剰金の返還 【事実関係】  実行委員会において、令和元年度の決算時において、余剰金40,959円が発生してい るが、繰越金とし返還させていなかった。 【規範】  会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに 充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)  テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担 金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め るのが真のあり方あるとされている。
    【指摘 文化芸術課】  同じ実行委員会形式の負担金で、余剰金を返還させている例はいくつもある。  第1回の実行委員会に関する経費が必要というのあれば、実行委員会の自己資金 で支弁すべきある。  当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきある。 (2)効果・経済性 【事実関係】  作品集頒布収入を得ているが、184,900円あり、収入のほとんどは、市の負担金で ある。  支出合計1,846,941円のうち、主ものは、募集要項や作品集等の印刷製本費 910,463円、審査・講評謝金等の諸謝金648,800円ある。  応募者数は、平成29年度は一般984人小中5,005人、平成30年度は一般970人小 中6,347人、令和元年度は一般1,152人小中4,852人あり、観覧者数は、平成29年 度は3,500人、平成30年度は2,800人、令和元年度は2,600人ある。 【意見 文化芸術課】  上記の美術展覧会と同様、文芸祭において新規の応募者は増加しているのか、文芸 祭により文芸に対する市民の関心度が高まっているかどうか、市内において文芸が広 まっているかどうかという指標で事業評価した上で、費用対効果が適切ものとなる よう、出品料や入場料の獲得、作品集頒布料金の引上げ、賞金や謝金の減少、委託料の 削減等により負担金額を減らすことに向けた努力をすることが望ましい。  18.岐阜市民文化祭岐阜市民芸術祭開催負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課                 │ │    │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市民文化祭岐阜市民芸術祭実行委員会              │ │    │※振込先は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団ある。     │ │    │※構成員(実行委員)は、個人、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業 │ │交付先 │ 団理事長、岐阜市市民参画部長、岐阜市文化芸術課長、岐阜市教育委 │ │    │ 員会事務次長等ある。                     │ │    │※事務局は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団にある。     │ │    │※事務局員は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団の職員ある。 │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市民文化祭岐阜市民芸術祭の開催                │ │対象事業│※邦楽・邦舞・洋楽・洋舞・演劇の公演               │ │    │※市は主催ある。                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市で活躍する芸術文化団体又は個人の優れた活動及び伝統芸能を多 │ │交付目的│くの市民が鑑賞できる機会を作り、岐阜市の芸術文化の高揚を図る(事 │ │    │業評価シートの文言)                       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和63年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 6,389,000│ 6,389,000│ 7,389,000│ 6,389,000│ 6,389,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 6,389,000│ 6,389,000│ 7,389,000│ 6,389,000│ 6,389,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)余剰金の返還 【事実関係】  実行委員会において、令和元年度の決算時において、余剰金138,107円が発生して いるが、繰越金とし返還させていなかった。 【規範】  会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに 充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)  テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担 金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め るのが真のあり方あるとされている。 【指摘 文化芸術課】  同じ実行委員会形式の負担金で、余剰金を返還させている例はいくつもある。  第1回の実行委員会に関する経費が必要というのあれば、実行委員会の自己資金 で支弁すべきある。  当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきある。 (2)効果・経済性 【事実関係】  邦楽・邦舞・洋楽・洋舞・演劇の各部会において、チケット売上金及び参加者負担金 として、合計12,389,415円の収入があり、各部会の事業費の合計19,141,911円に充 てられている。  出演者数は、平成29年度は656人、平成30年度は687人、令和元年度486人あ り、観覧者数は、平成29年度は5,901人、平成30年度は5,641人、令和元年度5,320 人ある。 【意見 文化芸術課】  上記の美術展覧会と同様、芸術祭において新規に演じる団体は増加しているのか、 芸術祭により各々の舞台芸術に対する市民の関心度が高まっているかどうか、市内に おいて各々の舞台芸術が広まっているかどうかという指標で事業評価した上で、費用 対効果が適切ものとなるよう、チケット代金や参加者負担金の引上げ、経費の削減 等により負担金額を減らすことに向けた努力をすることが望ましい。  19.ぎふ長良川勝手おどり実行委員会負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課                 │ │    │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│諸負担金                             │
    ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │ぎふ長良川勝手おどり実行委員会                  │ │    │※構成員(実行委員)は、9名(内1名は岐阜市文化芸術課長)ある。│ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │ぎふ長良川勝手おどりフェスティバルの開催             │ │対象事業│※これとは別に、ぎふ信長まつり実行委員会から、ぎふ信長まつりにおけ│ │    │ る市民勝手おどりパレードの運営を受託している。         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │多くの市民がそれぞれの踊りを発表し、踊り文化の振興を図る(事業評価│ │交付目的│シートの文言)                          │ │    │気軽に市民が参加できるおどりを創造し、普及する(実行委員会会則の文│ │    │言)                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成7年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  350,000│  350,000│  350,000│  350,000│  350,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  350,000│  350,000│  350,000│  350,000│  350,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)費目の内訳 【事実関係】  収支予算書では、支出の部において、次のようにしか書かれておらず、内訳の金額は 書かれていなかった。  しかも、本実行委員会は、本負担金とは別に、ぎふ信長まつりにおける市民勝手おど りパレードの運営受託収入1,900,000円があり、これに対応する支出が、事業費の「パ レード参加費」にあたるが、内訳に書かれている費目が、「普及活動費」のもののか 「パレード参加費」のもののか、区別されて書かれていなかった。 ┌────────────┬──────┬─────────────┐ │項目          │金額(千円)│内訳           │ ├────────────┼──────┼─────────────┤ │事務局費        │     30│実行委員会、郵送費等   │ ├────────────┼──────┼─────────────┤ │事業費         │    2,301│会場設営費、小道具製作費、│ │    ┌───────┼──────┤             │ │    │普及活動費  │     401│印刷製本費、控室使用料、衣│ │    ├───────┼──────┤             │ │    │パレード参加費│    1,900│装代、消耗品費等     │ ├────┴───────┼──────┼─────────────┤ │合計          │    2,331│             │ └────────────┴──────┴─────────────┘ 【意見 文化芸術課】  負担金の支出が適切あるか判断するため、負担金の根拠となる費目毎の内訳を明 確に記載した収支予算書を提出させることが望ましい。 (2)余剰金の返還 【事実関係】  実行委員会において、令和元年度の決算時に余剰金82,592円が発生しているが、繰 越金としており、返還させていなかった。 【規範】  会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに 充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)  テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担 金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め るのが真のあり方あるとされている。 【指摘 文化芸術課】  同じ実行委員会形式の負担金で、余剰金を返還させている例はいくつもある。  第1回の実行委員会に関する経費が必要というのあれば、実行委員会の自己資金 で支弁すべきある。  当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきある。 (3)効果・経済性 【事実関係】  本実行委員会の事業は、各種団体に対し、踊りの発表の場を、年に2回提供する事業 ある。ぎふ信長まつりのパレード、岐阜市文化センターの2回ある。2回とも同じ 団体が参加している。参加団体数は、平成29年度は13団体、平成30年度は10団体、 令和元年度は11団体あり、参加者数は、500人で一定ある。  本事業は、平成7年度の開始あり、長期にわたっている。  少なくとも直近5年間は負担金の額に変動がない。  事業の目的は、「踊り文化の振興」あるとしているが、事業評価シートでは、「地域 の賑わいの創出に貢献」しているとか、「信長まつりのにぎわいに貢献」しているとい う視点でも評価をしている。  アウトカム指標設定シートによれば、事業の実施により、パレードやフェスティバ ルへの参加者数が増加し、おどり文化の振興と継承を図り、「文化芸術を楽しみ創造す る都市・ぎふ」を実現し、文化芸術活動に取り組みやすいまちづくりを図るという考え で、本負担金の成果を次の指標で評価している。  直接アウトカム=参加者数の増加  中間アウトカム=文化芸術活動を行う人の増加         =市民意識調査(日々の生活の中で何らかの生涯学習に取り組んでい          る人の割合)  最終アウトカム=文化・芸術活動に取り組む環境の整備         =市民意識調査(文化・芸術活動に取り組みやすいまちと思う人          の割合) 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)、5年を超えている負担金は形式的・習慣的に負担されていると 判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
    (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【指摘 文化芸術課】  同じことを繰り返しているとの印象は否めない。参加者数も増加していない。  信長まつりパレードを盛り上げることは、受託事業として行われているから、本負 担金とは別の話ある。  「文化・芸術活動に取り組む環境の整備」というが、そのよう抽象的ものはな く、「踊り」という具体的文化・芸術で成果を図らなければ、これだけの費用のかか る事業の効果測定とは言い難い。  踊りに対する市民の関心度が高まっているかどうか、市内において踊りが広まって いるかどうかという指標で事業評価した上で、事業を実施することによって市が所期 する目的がどれだけ達成されるのか、費用対効果は適切といえるのか、少しでも参加 料を徴収したり、民間からの協賛金を得たりする等により負担金の削減を図ることは できないのか、種々の点から、本負担金の在り方を見直すべきある。  20.岐阜文化再発見~市民協働による民話ライブ~開催負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課                 │ │    │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜文化再発見実行委員会                     │ │    │※構成員(実行委員)は、岐阜市芸術文化協会会長、同協会副会長、同協│ │    │ 会理事、劇作家、岐阜市市民参画部次長、岐阜市市民参画政策課長で │ │交付先 │ ある。                             │ │    │※事務局は、文化芸術課にある。                  │ │    │※事務局長は、文化芸術課長ある。                │ │    │※事務局員は、文化芸術課職員ある。               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜文化再発見~市民協働による民話ライブ~            │ │対象事業│※伝統的建造物等における民話の朗読・コンサート等の開催(8回)  │ │    │※市は主催ある。                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市に残る伝統的建造物や文化財を会場として地域に伝わる民話を市 │ │    │民に紹介し、地域文化を再発見してもらう(事業評価シートの文言)  │ │交付目的│子孫に残さなくてはならない伝統的建造物や文化財を会場として、そこ │ │    │にまつわる民話の紹介を実施し、市民の地域文化への理解を深めること │ │    │を図る(個別調査票の文言)                    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成17年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 1,850,000│ 1,850,000│ 1,850,000│ 1,850,000│ 1,650,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 1,607,831│ 1,585,513│ 1,630,501│ 1,368,125│ 1,337,931│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)余剰金の返還 【参考報告】  実行委員会において、令和元年度の決算時に余剰金312,069円が発生し、返還させ ているので、参考報告とする。 (2)効果・経済性 【事実関係】  本事業は、平成17年度から続いている。事業内容は、基本的には変わっていない。  参加者数は、平成29年度は489人、平成30年度は563人、令和元年度は466人で ある。参加者の中には、繰り返し参加する人もいるとのことある。参加者にアンケー トは実施していない。  令和元年度に200,000円予算を減らしたものの、それ以前の4年間は同額の 1,850,000円ある。  アウトカム指標設定シートによれば、事業の実施により、地域に伝わる文化を広め るとともに継承し、「文化芸術を楽しみ創造する都市・ぎふ」を実現し、文化芸術の推 進によるシビックプライドの醸成を図るという考えで、本負担金の成果を次の指標で 評価している。  直接アウトカム=参加者数の増加  中間アウトカム=文化・芸術活動に取り組む環境の整備         =市民意識調査(文化・芸術活動に取り組みやすいまちと思う人の          割合)  最終アウトカム=岐阜市民あることに誇りを感じる人の増加         =市民意識調査(岐阜市民あることに誇りを感じる人の割合) 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)、5年を超えている負担金は形式的・習慣的に負担されていると 判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【指摘 文化芸術課】  同じことを繰り返しているとの印象は否めない。参加者数も増加していない。  「文化・芸術活動に取り組む環境の整備」というが、そのよう抽象的ものはな く、「民話」という具体的文化・芸術で成果を図らなければ、これだけの費用のかか る事業の効果測定とは言い難い。  民話に対する市民の関心度が高まっているかどうか、市内において民話が広まって いるかどうか、地域文化に関する関心が深まっているかどうかという指標で事業評価 した上で、事業を実施することによって市が所期する目的がどれだけ達成されるのか、 費用対効果は適切といえるのか、少しでも参加料を徴収したり、民間からの協賛金を 得たりする等により負担金の削減を図ることはできないのか、種々の点から、本負担 金の在り方を見直すべきある。
     21.さんぽde野外ライブ開催負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課                 │ │    │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │さんぽde野外ライブ実行委員会                  │ │    │※構成員(実行委員)は、岐阜市芸術文化協会会長、音楽家、演出家、岐│ │    │ 阜青年会議所副理事長、ハートフルスクエアG館長、岐阜市民会館館 │ │交付先 │ 長、岐阜市市民参画部次長、岐阜市市民参画政策課長ある。    │ │    │※事務局は、文化芸術課にある。                  │ │    │※事務局長は、文化芸術課長ある。                │ │    │※事務局員は、文化芸術課職員ある。               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │さんぽde野外ライブの開催                    │ │対象事業│※ぎふメディアコスモスでの音楽コンサート(3日間)、ぎふメディアコ│ │    │ スモス等複数会場での音楽ライブ(1日)             │ │    │※市は主催ある。                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │誰もが気軽に音楽と触れ合う機会を提供するとともに、「みんなの森 ぎ│ │交付目的│ふメディアコスモス」を中心とした文化によるにぎわい創出を図る(事 │ │    │業評価シートの文言)                       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成26年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 5,500,000│ 8,000,000│ 6,000,000│ 5,500,000│ 3,500,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 4,601,219│ 4,517,853│ 4,907,522│ 5,333,819│ 3,100,354│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)公益性、効果・経済性 【事実関係】  支出の大半は、会場・音響設営、警備等の委託料2,250,270円ある。  野外ライブの参加者数は、平成29年度は212人、平成30年度は173人、令和元年 度は224人あった。観客数は、平成29年度は3,920人、平成30年度は1,970人、 令和元年度は2,930人あった。  アウトカム指標設定シートによれば、事業の実施により、野外ライブへの参加者と 観客数が増加し、市民の文化芸術への関心が向上し、「文化芸術を楽しみ創造する都市・ ぎふ」を実現するとともに、音楽によるにぎわいの創出を図るという考えで、成果を次 の指標で評価している。  直接アウトカム=参加者数の増加、観客数の増加  中間アウトカム=文化芸術活動を行う人の増加         =市民意識調査(日々の生活の中で何らかの生涯学習に取り組んでい          る人の割合)  最終アウトカム=文化・芸術活動に取り組む環境の整備          =市民意識調査(文化・芸術活動に取り組みやすいまちと思う人           の割合)         =中心市街地のにぎわいの創出          =市民意識調査(岐阜駅周辺や柳ケ瀬等の中心市街地のにぎわい           が高まっていると思う人の割合) 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)、5年を超えている負担金は形式的・習慣的に負担されていると 判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【意見 文化芸術課】  音楽に触れる機会は、世の中に多数あり、公金で開催する必要のあるものかどうか、 検証する必要がある。  「文化・芸術活動に取り組む環境の整備」というが、そのよう抽象的ものはな く、「音楽」という具体的文化・芸術で成果を図らなければ、これだけの費用のかか る事業の効果測定とは言い難い。  野外ライブの時に人が集まったからといって、その時限りあるのが通常あり、 中心市街地に賑わいが創出できることになるのか疑問ある。  音楽に対する市民の関心度が高まっているかどうか、市内において音楽が広まって いるかどうかという指標で事業評価した上で、文化の振興という公益性が認められる のか、事業を実施することによって市が所期する目的がどれだけ達成されるのか、費 用対効果は適切といえるのか、少しでも出演者から費用を徴収したり、民間からの協 賛金を得たりする等により負担金の削減を図ることはできないのか、種々の点から、 本負担金の在り方を見直すことが望ましい。  22.フローラリー岐阜開催負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │都市建設部 公園整備課                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │フローラリー岐阜実行委員会                    │ │交付先 │※構成員は、一般財団法人岐阜市みどりのまち推進財団、岐阜市他6団 │ │    │ 体ある。                           │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │鉢花(はちばな)や苗等の販売、樹木やガーデニングについての相談会、│ │対象事業│小品盆栽(しょうひんぼんさい:手のひらサイズの盆栽)の展示、スカ │ │    │ットボール等レクリエーション                   │ ├────┼─────────────────────────────────┤
    │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│市民に緑化に対する関心や愛着をより一層深める(事業評価シートの文 │ │    │言)                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成4年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  840,000│  840,000│  840,000│  840,000│  840,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  840,000│  840,000│  840,000│  840,000│  840,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)効果の検証 【事実関係】  岐阜市が、フローラリー岐阜実行委員会に対して、毎年84万円を支出しているもの ある。  平成23年度の包括外部監査では、「フローラリー岐阜は、20年近く継続した事業で あり、平成21年度までは事務事業評価を行っているが、その有効性の評価が必ずしも 十分あるとはいえない」との意見を受け、岐阜市としては、参加者へのアンケート調 査や関係者への意見聴取を行ったとのことあった。 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)、5年を超えている負担金は形式的・習慣的に負担されていると 判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【意見 公園整備課】  参加者や関係者へのアンケート・意見聴取としては、どのよう事実を聞き取って いるか不明確部分があるが、効果検証のあり方としては、単に「参加して良かったか どうか」というものあっては意味が十分はない。来場者は、そもそも緑化等に興味 のある人あるのが大半あると思われるので、その人たちに「どうでしたか?」とい うだけのアンケートは効果の検証として不十分ある。  長年継続して実施されているイベントあり、漫然と支出しているのはないかと の誹りを受けないためにも、その目的に十分寄与した内容となっているか、ひいては 岐阜市が毎年84万円の負担金支出をしている意義が十分となっているのかを改めて検 証し、そもそもの事業目的ある「緑化啓発につながるイベントといえるか」の観点か らのアンケート調査等を行うことが望ましい。  23.エコフェスタ開催負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │環境部 低炭素・資源循環課                    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│開催負担金                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市エコフェスタ実行委員会                   │ │    │※構成員は、岐阜市長、達目洞自然の会会長、岐阜市女性の会連絡協議 │ │    │ 会、岐阜大学流域圏科学研究センター、DREAM★Solarぎふ │ │交付先 │ 太陽の恵みプロジェクト、岐阜大学ESDクオリア、岐阜市環境部で │ │    │ ある。                             │ │    │※事務局は、環境部にある。                    │ │    │※事務局長は、環境部長、事務局次長は、環境部自然共生参与、事務局 │ │    │ 員は、環境部職員ある。                    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市エコフェスタの開催                     │ │対象事業│※講演会、各団体や企業の展示・体験ブース、フードドライブ、リユー │ │    │ ス・フリーマーケット、アースレンジャー子ども会議等       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│市民の環境意識の向上と活動を促し、環境活動を行う人材を育成する(事│ │    │業評価シートの文言)                       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成14年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 6,800,000│ 6,800,000│ 6,800,000│ 6,800,000│ 6,400,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 6,799,771│ 6,799,615│ 6,799,869│ 6,799,969│ 6,275,909│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)見直し 【参考報告】  担当課において、ここ数年は平成24年、26年、28年、令和元年と、2~3年毎 に内容や名称を見直している。見直しの内容は下記のとおりある。 ┌───────┬────────────────────────────┐ │平成24年度から│実行委員会に企画運営部会を置き、市民団体等による企画立案│ │       │体制をつくる。                     │ ├───────┼────────────────────────────┤ │平成26年度  │フェア当日、市内一斉に環境活動を行う企画を組み入れる。 │ ├───────┼────────────────────────────┤ │平成28年度から│出展者の一部を公募し、参加体験型のブースの増に努める。 │ ├───────┼────────────────────────────┤
    │令和元年度から│実行委員会の人数をコンパクトにするとともに企画運営部会を│ │       │廃止し、意思決定の迅速化に努める。           │ └───────┴────────────────────────────┘  令和元年度事業評価シートにおいても、目標とする新規来場者数の割合が達成でき ていない等とし、総合評価では、「一日集中型のイベントから分散型のイベントへと移 行し、各個人の多様環境意識の高揚と保全活動の実施につなげていく」として、改善 が予定されている。また、アンケートも実施し、分析を改善に生かしている。見直しの 実例として、参考報告とする。  24.岐阜市地球温暖化対策推進委員会負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │環境部 低炭素・資源循環課                    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│諸負担金                             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市地球温暖化対策推進委員会                  │ │    │※構成員は、一般社団法人岐阜県トラック協会、岐阜県電器商業組合、 │ │    │ 中部電力株式会社岐阜営業所、岐阜市自治会連絡協議会、生活協同組 │ │    │ 合コープぎふ、東邦ガス株式会社岐阜支社、岐阜大学教育推進・学生 │ │交付先 │ 支援機構、岐阜市女性の会連絡協議会、岐阜乗合自動車株式会社、一 │ │    │ 般社団法人日本自動車販売協会連合会岐阜県支部、岐阜県プラスチッ │ │    │ ク工業組合、一般財団法人岐阜市みどりのまち推進財団、金華まちづ │ │    │ くり研究会、一般社団法人岐阜県LPガス協会岐阜支部ある。   │ │    │※事務局は、低炭素・資源循環課にある。              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市地球温暖化対策推進事業                   │ │対象事業│※ぎふ減CO2ポイント制度、省エネ講座、タイヤ空気圧点検イベント、│ │    │ 事業者向け省エネセミナー(施設・設備の見学、無料省エネ診断の紹 │ │    │ 介等)、エコスクールレポート事業(学校の取組みを紹介)等    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │地球温暖化防止に関する具体的取り組みを企画、立案及び実践するこ │ │交付目的│とで岐阜市の地球温暖化対策をより一層推進し、温室効果ガスを削減す │ │    │る                                │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成20年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │10,245,000│ 6,913,000│ 6,707,000│ 6,707,000│ 6,630,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 9,201,881│ 6,091,483│ 6,572,675│ 6,540,782│ 6,431,134│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)余剰金の返還 【参考報告】  委員会において、令和元年度の決算時に余剰金198,866円が発生し、返還させてい るので、参考報告とする。 (2)効果・経済性 【事実関係】  委員会の収入としては、企業・団体からの協賛金があるが、協賛金は下記のとおりで あり、ほぼ市の負担金で賄われているのが現状ある。 ┌───┬────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │金額 │年度  │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │(円)├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │   │協賛金額│  20,000│  20,000│  20,000│  40,000│  150,000│ └───┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘  支出の内訳としては、令和元年度の予算額でみると、ぎふ減CO2ポイント制度に かかる啓発品・PR印刷物費用、委託料(WEB応募システム)等の合計4,911,000円 が大半を占めており、その他の事業にかかる費用も、啓発品・チラシ費用がほとんど ある。  事業評価シートでは、成果指標として、ぎふ減CO2ポイント制度の参加者数を用 いており、平成29年度は2,279人、平成30年度は3,519人、令和元年度は3,362人 ある。  また、事業評価シートには、新規事業の創設、既存事業の見直しや廃止等を行いが ら、より市民、事業者等の温暖化防止意識の向上に寄与する事業を展開していくと記 載されている。しかし、令和元年度、令和2年度のいずれについても、継続事業で予算 立てをしており、負担額はほとんど変わっていない。 【規範】  補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直 し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、 その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効 果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効 果と負担金額の比較)、5年を超えている負担金は形式的・習慣的に負担されていると 判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【指摘 低炭素・資源循環課】  ぎふ減CO2ポイント制度でいえば、かけている費用に対して、参加者数が少ない。  他の事業についても、啓発の効果がどのように上がっているのかが不明ある。  個々の事業を実施することによって市が所期する目的がどれだけ達成されるのか、 費用対効果は適切といえるのか、協賛金を増やす等により負担額を減らすことはでき ないのか等の種々の点から、市として、個々の事業について検証し、その結果を書面に 残しておくべきある。  25.友好都市等産業交流推進委員会負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                   │ │    │※令和元年度は、商工観光部 産業雇用課              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│加入団体負担金                          │
    ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │友好都市等産業交流推進委員会                   │ │    │※構成員は、岐阜市、一般社団法人岐阜ファッション産業連合会、岐阜 │ │交付先 │ 婦人子供服工業組合、公益財団法人岐阜市国際交流協会、岐阜市産業 │ │    │ 貿易協会、岐阜商工会議所、公益財団法人岐阜観光コンベンション協 │ │    │ 会、JETROある。                     │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│在スロバキア日本国大使館主催「日本夏祭り」への出展        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市と友好都市等の関係にある海外の都市との間におけるアパレル産 │ │交付目的│業をはじめとする各種産業文化交流と調査研究の実施(事業評価シート │ │    │の文言)                             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成15年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  200,000│  200,000│ 5,590,000│ 4,429,000│ 4,010,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  25,497│  13,083│ 2,358,470│ 2,936,876│ 2,616,520│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)支出の必要性 【事実関係】  令和元年度は、スロバキアの日本国大使館主催の「日本夏祭り」への出展として、岐 阜市職員ら数名が参加している。参加することにより、市にどのよう効用がもたら されているのかが明らかなかった。 【意見 産業振興・企業誘致課】  負担金の支出により、いかなる効果がもたらされているのか、検証をし、その結果を 記録に残しておくことが望ましい。 第2 外郭団体  26.岐阜市シルバー人材センター補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 労政・経営支援課                     │ │    │※令和元年度は、商工観光部 産業雇用課              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │公益社団法人岐阜市シルバー人材センター              │ │    │※岐阜市の外郭団体ある。                    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│公益社団法人岐阜市シルバー人材センターの運営           │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│公益社団法人岐阜市シルバー人材センター補助金交付要綱       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│公益社団法人岐阜市シルバー人材センターの円滑運営を促進し、もって│ │    │高年齢者の職業生活の充実その他福祉の増進に資する(要綱の文言)  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和56年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │12,280,000│10,888,000│15,888,000│19,518,000│21,366,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │12,240,000│10,888,000│15,778,000│19,516,000│21,366,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)平成26年度の包括外部監査に対する措置状況 【事実関係】  平成26年度の包括外部監査において、市が公益社団法人岐阜市シルバー人材センタ ーへ補助金を出していることについて、「本当に必要補助金額だったのか検討した結 果を、検討資料を添付した記録に残すべきある。」との指摘を受けていた。  これに対して、岐阜市では、「検討結果を記録に残す。」として措置状況の報告をして いた。  本監査においても、補助金額の検討結果が記録されている書類の提出を求めたが、 資料として明確ものは存在しなかった。 【指摘 労政・経営支援課】  自らが表明した措置内容を実施すべく、市において補助金支出の必要性及び相当性 を検討して補助金額を決定したプロセスについて、記録に残すべきある。  なお、こうした措置の実施状況が明確にできない原因としては、当時の問題意識が、 時の経過、人員の異動を原因とする情報共有・引継ぎの不十分さにも起因すると思わ れる。かかる観点から、包括外部監査で指摘意見された事項については、その場限りの 対応とせずに、継続的問題意識をもって対処することが望ましい。 (2)補助の見直し 【事実関係】  市が昭和56年度から岐阜市シルバー人材センターへ支出し続けている補助金の性質 は、団体育成補助金とされている。  市では、シルバー人材センターから説明を受けたままの人件費算出をもとに、シル バー人材センター全体にかかる人件費をベースにした補助金額を支出している。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 労政・経営支援課】  「団体育成」補助金としての性質は、その名称のとおり、当該団体の「育成」のため
    に支出されるものあり、補助金として支出するのあれば、当該団体の「育成」の必 要があるかを、毎回、検証する必要がある。昭和56年から継続して支出されていると すれば、既に「育成」段階を終えたことを推認させる事情となる。  漫然と「団体育成」補助金として支出し続けることは改め、事業補助に切り替えるべ きある。  27.岐阜市社会福祉協議会運営費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │福祉部 福祉政策課                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │社会福祉法人岐阜市社会福祉協議会(以下「市社協」という。)    │ │    │※岐阜市の外郭団体ある。                    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │(人件費補助)                          │ │    │各支部への助成金・補助金の交付、福祉団体への助成金の交付、研修会・│ │対象事業│連絡会の開催、フォーラム・講座の開催、相談事業等         │ │    │(運営費補助)                          │ │    │中央センター、南部センター、北部センター及び柳津支所の運営    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市社会福祉協議会運営費等補助金交付要綱            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│地域福祉の推進を図る                       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和60年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │57,496,000│56,723,000│55,304,000│55,201,000│55,125,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │57,443,036│55,640,133│55,207,597│55,082,844│55,073,801│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助金の算定 【事実関係】  補助金の種類として、人件費補助と運営費補助がある。  人件費補助は、市社協の事務局の職員のうち、地域福祉活動(岐阜市地域支え合い活 動コーディネート事業に係るものを除く。)に携わる職員に係る経費を補助対象経費と している。職員に係る経費とは、報酬、給料、職員手当等、賃金、共済費、退職共済掛 金、法定福利費及び福利厚生費をいう。  運営費補助は、中央センター、南部センター、北部センター及び柳津支所に係る管理 経費を補助対象経費としている。管理経費とは、光熱水費その他需用費及び委託料を いう。  人件費補助の補助金の額は、「要綱別表」により、以下の算定方法となっている。 ┌─────────────────────────────────────┐ │ 補助金の基準額は次の各号に掲げる社協の事務局の職員の種類に応じ、当該各号│ │に定める額とする。                            │ │  (1)正規職員                             │ │    職員数(職員が社協の自主事業に係る事務等を兼務している場合にあって│ │   は、兼任割合を乗じて得た職員の数)に地方交付税の単位費用の福祉活動専│ │   門員設置事業費を乗じて得た額                    │ │  (2)常勤嘱託員及び非常勤嘱託員並びに臨時雇用員(以下、「嘱託員等」とい│ │   う。)                               │ │    社協の補助対象経費に係る実支給額                 │ │ 補助金の額は、次の各号に掲げる社協の事務局の職員の種類に応じ、当該各号に│ │定める額とする。                             │ │  (1)正規職員                             │ │    正規職員の基準額と社協の実支給額(職員が社協の自主事業に係る事務等│ │   を兼務している場合にあっては、兼任割合を該当職員に係る実支給額に乗じ│ │   て得た額)を比較していずれか少ない額                │ │  (2)嘱託員                              │ │    嘱託員の基準額                          │ └─────────────────────────────────────┘  これによると、補助金の額は、正規職員は、基準額と実支給額を比較して低い額、嘱 託員は、実支給額(=基準額)となっている。  一方、「平成31年度社会福祉協議会運営費補助金所要額調書」によると、当初予算 で、地域福祉活動に携わる職員は、正規職員9人(うち兼任2人)、嘱託員2人、市 補助所要額は、以下のように計算されている。 ┌─────────────────────────────────────┐ │ ・基準額 正規職員 ※6,814,000×0.5(兼任割合)×2人+6,814,000×7人  │ │      嘱託員   6,845,273(2人の実支給額合計)           │ │     ─────────────────────────────── │ │      合計   61,357,273円                    │ │                                     │ │ ・実支給額 正規職員 47,733,286 (兼任割合考慮後)          │ │       嘱託員   6,845,273                    │ │      ─────────────────────          │ │       合計   54,578,559円                   │ │                                     │ │ ・市補助所要額   54,578,559円(少ない方)→ 54,578,000円      │ │                                     │ │ ※(参考)福祉活動専門員設置事業費 6,814,000円             │ └─────────────────────────────────────┘  しかし、正規職員の内訳をみると、兼任している2人(事務局長、総務課職員)につ いては、兼任割合考慮後の実支給額が基準額を上回っている。それ以外の正規職員に ついては、いずれも実支給額が基準額を下回っているため、合計で見ると実支給額が 少ない結果となる。     (表 兼任割合考慮後の実支給額と基準額の比較) ┌─────┬──────┬──┬──────┐ │所属   │ 実支給額 │比較│ 基準額  │ ├─────┼──────┼──┼──────┤ │事務局長 │ 5,436,993円│> │ 3,407,000円│ ├─────┼──────┼──┼──────┤ │総務課職員│ 4,770,676円│> │ 3,407,000円│ ├─────┼──────┼──┼──────┤
    │ 小計  │10,207,669円│> │ 6,814,000円│ ├─────┼──────┼──┼──────┤ │その他職員│44,370,890円│< │54,543,273円│ ├─────┼──────┼──┼──────┤ │ 合計  │54,578,559円│< │61,357,273円│ └─────┴──────┴──┴──────┘ 【指摘 福祉政策課】  上記「要綱別表」において、補助金を算定する際の基準額と実支給額の比較におい て、合計で判断するという記載はどこにもない。むしろ、個々の職員毎に基準額と実支 給額を比較して算定する方法となっている。  現状の算定方法は誤っていることになるため、実支給額が基準額を上回っている職 員については、基準額を適用すべきある。  これによると、当初予算の市補助所要額は、51,184,000円となり(前表の網掛部分 の合計、千円未満切捨)、現状の算定方法よりも3,394,000円、減少する結果となる。 (2)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は、昭和60年度か ら続いており、長期にわたっている。  市社協は、昭和33年の発足あり、令和2年3月末期における地域福祉事業に関す る基金が621,925千円、積立金が92,861千円も計上されている。  市社協の運営費補助金については、以前の包括外部監査においても度々取り上げら れている。交付の目的についてもその都度説明されているが、再度、簡略に表すと以下 のとおりとなる。 (目的)  「市社協は、地域福祉の推進を図るため設立された団体あり、昭和33年の発足以 来、現在では市内全域に50の支部を設置し地域福祉活動を展開している。地域住民や 社会福祉関係団体等で構成され、自主性と公共性を併せもった団体あり、地域のボ ランティアと協力しながら創意工夫を凝らした事業を行っている。そのよう中で、 地域福祉推進の中核的役割を果たすため「地域福祉推進計画」を実行し、各種福祉サ ービス事業の充実を図り、誰もが住み慣れた地域でいきいきと生活ができる社会福祉 の実現を目的として、市社協実施事業のうち地域福祉推進事業に関わる人件費及び各 事務所の管理経費の補助を行うものある。」 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 福祉政策課】  事業補助に切り替えるべきある。そして、交付目的と補助の必要性を吟味した上 で、それを踏まえた補助対象事業、補助対象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的 に設定し、市社協の収支や財産状況に照らして補助の必要のある額を交付するように すべきある。  28.岐阜市学校給食会運営費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 学校保健課                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                          │ │    │※概要調査票では、団体育成補助金となっていた。          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │公益財団法人岐阜市学校給食会                   │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│学校給食用物資の調達及び供給並びに学校給食の普及充実及び食育支援 │ │    │に係る人件費の支出                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│公益財団法人岐阜市学校給食会補助金交付要綱            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市の学校給食の円滑実施及び充実向上(要綱の文言)      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和31年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 7,150,000│ 7,150,000│ 7,150,000│ 7,150,000│ 7,150,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 7,150,000│ 7,150,000│ 7,150,000│ 7,150,000│ 7,150,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助金の額 【事実関係】  平成26年度包括外部監査の措置状況について、「人件費の算定方法を見直した」と されていた。市によれば、「人件費を、業務量及び業務に係る時間等で公益目的事業会 計と法人会計費用で按分(8:2)し、公益目的事業会計の人件費に2分の1を乗じた 額」としているとのことあった。  しかし、交付要綱では、補助金の額について、予算の範囲内で、学校給食用物資の調 達及び供給に係る人件費及び学校給食の普及充実及び食育支援に係る人件費の2分の 1以内とすると定められている(第3条)だけあり、上記の算定方法の記載はない。  学校給食会では、業務会計と物資会計があり、本補助金は業務会計の歳入とされて いる。物資会計から21,772,000円が業務会計に繰り出されている。業務会計にかかる 令和元年度の収支状況は、以下のとおりある。 (歳入) ┌────────┬───────┬───────────┐ │   科目   │収入済額(円)│    説明     │ ├────────┼───────┼───────────┤ │物資会計繰越金 │  21,7772,000│物資会計より     │ │基本財産受取利息│     2,269│基本財産受取利息   │ │岐阜市補助金収入│   7,150,000│市より補助金(人件費)│ │預金利息    │      21│普通預金利息     │ │繰越金     │    674,660│前年度繰越金     │ ├────────┼───────┼───────────┤ │合計      │  29,598,950│           │ └────────┴───────┴───────────┘
    (歳出) ┌──────┬───────┬──────┐ │  科目  │支出済額(円)│不用額(円)│ ├──────┼───────┼──────┤ │役員報酬  │   3,206,590│   54,410│ │給料手当  │  16,045,542│   132,458│ │雑給    │       0│   88,000│ │退職給付費用│    970,000│      0│ │法定福利費 │   3,211,215│   41,785│ │福利厚生費 │    50,069│     931│ │旅費交通費 │    892,936│   97,064│ │消耗品費  │    140,680│      0│ │燃料費   │    14,758│    4,242│ │食料費   │     3,974│    2,026│ │印刷製本費 │    181,130│   25,190│ │光熱用水費 │    82,751│   32,249│ │修繕費   │       0│   76,000│ │通信運搬費 │    252,792│   27,208│ │支払手数料 │    529,658│   77,342│ │保険料   │    56,810│     190│ │委託料   │   1,132,512│     488│ │リース料  │    412,859│   16,141│ │備品購入費 │       0│   50,000│ │負担金   │    60,028│   29,972│ │公租公課  │   1,598,900│     100│ ├──────┼───────┼──────┤ │合計    │  28,843,204│   755,796│ └──────┴───────┴──────┘  補助金7,150,000円の算定過程が明らかとなる書類の提出はなかった。  本補助金は、昭和31年度から開始しており、長期にわたっている。  少なくとも平成18年以降は、変わることなく7,150,000円を交付している。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインによれば、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補 助目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助 効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効果の程度の評価結果を踏ま え、交付されている補助金額の妥当性を判断する(負担効果と負担金額の比較)、5年 を超えている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形 式的、習慣的)と示されている。 【指摘 学校保健課】  市が見直したとする人件費の算定方法が明らかになる資料を残した上で、補助目的 を踏まえた費用対効果を検証し、その検証結果に基づき補助効果が高いと判断できる かどうか、その効果の程度を評価し、現在の補助金額の妥当性を判断し、その記録を残 すべきある。  29.岐阜観光コンベンション協会運営負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 観光コンベンション課            │ │    │※令和元年度は、商工観光部 観光コンベンション課         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│諸負担金                             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │公益財団法人岐阜観光コンベンション協会              │ │    │※昭和25年度    岐阜市観光協会設立              │ │交付先 │ 平成元年5月24日 岐阜コンベンション・ビューロー設立      │ │    │ 平成14年4月1日 岐阜コンベンション・ビューローと岐阜市観光協 │ │    │          会が組織統合                 │ │    │ 平成25年4月1日 公益財団法人に組織変更            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │(コンベンション振興事業)                    │ │    │ 国内外コンベンション主催者への誘致活動、コンベンション支援事業 │ │    │等                                │ │    │(環境基盤整備事業)                       │ │対象事業│ ホスピタリティ講座・観光セミナー・MICEセミナーの開催等   │ │    │(観光振興事業)                         │ │    │ 国内外観光客の誘致、観光パンフレットの作成、各種キャンペーンの │ │    │実施、各種イベント行事への助成等                 │ │    │(鵜飼観覧船支援事業)                      │ │    │ おまかせパック、風流屋形船の実施                │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│本市におけるコンベンション及び観光客の誘致(事業評価シートの文言)│ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和25年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │55,434,000│57,334,000│57,334,000│56,214,000│56,744,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │55,434,000│57,334,000│57,334,000│56,214,000│56,744,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)平成23年度及び平成26年度の包括外部監査の措置状況 【事実関係】  本負担金については、平成23年度の包括外部監査において、負担金額の決定につい て、下記の指摘と措置状況報告がなされていた。 ┌──────────────────────────────────────┐ │             平成23年度の包括外部監査             │ ├───────────────────┬──────────────────┤ │        指摘         │      措置状況報告      │ ├───────────────────┼──────────────────┤ │ 様々事業の積み上げで算定された金 │ 検討中(平成24年度)       │ │額あるため、本来は、各事業内容を精査│ 負担金額の決定にあたっては、事業内│ │した上で、負担金額を決定すべきある │容のみならずスタッフの配置を含め、今│
    │                   │後も協会と連携を図りながら協議を継 │ │                   │続する。              │ └───────────────────┴──────────────────┘  これに対し、平成26年度の包括外部監査において、依然として適切措置対応がな されていないと判断され、下記の指摘がなされ、市は、下記の措置状況報告をした。 ┌──────────────────────────────────────┐ │             平成23年度の包括外部監査             │ ├───────────────────┬──────────────────┤ │        指摘         │      措置状況報告      │ ├───────────────────┼──────────────────┤ │                   │ 措置済み(平成27年度)      │ │                   │ 協会の設立時に、行政と民間の協議に│ │                   │より、協会が担うべき業務やそれに必要│ │                   │となる予算を精査して負担金額を決定 │ │                   │した。以降、これをベースとして事業の│ │                   │改廃状況による事業費の増減を加味し │ │                   │た上で負担金額を決定している。今年度│ │                   │から定期的協議の場を設け、従来より│ │                   │密連携を図ることにより、事業内容の│ │                   │把握に努めている。         │ └───────────────────┴──────────────────┘ ┌──────────────────────────────────────┐ │             平成26年度の包括外部監査             │ ├───────────────────┬──────────────────┤ │        指摘         │      措置状況報告      │ ├───────────────────┼──────────────────┤ │ 平成23年度の監査指摘に対して、措置 │措置済み(平成27年度)       │ │状況は、適切に回答すべきある。具体的│1) 負担金の積算方法にかかる指摘で │ │には、1)平成23年度監査の指摘に対し  │ あると認識した。         │ │て、観光コンベンション課としては、どの│2) 負担金のベースは、協会設立時にお│ │ように判断したのか、2)現在の負担金決 │ いて協議した負担金額あるが、定期│ │定方法が適切あるとするのあれば、 │ 的協議により事業内容の把握を行 │ │その理由について、明確に回答すべき │ っており、事業の改廃を加味して負担│ │ある。                │ 金額を決定しているため、決定方法は│ │                   │ 適切あると考えている。     │ └───────────────────┴──────────────────┘  本監査において、負担金額について、どのように決定しているのかについてヒアリ ングをしたところ、協会が作成した事業毎の予算の内訳を詳細に記載した資料を基に、 事業の必要性・相当性について担当者間で多数回の協議を経た上で決定しているとの 回答あった。  しかし、具体的協議内容が分かる資料は存在せず、市が予算作成時に作成する付 表3や支出負担行為の決裁資料に添付されている予算書では、コンベンション事業負 担金と観光事業負担金に分けて記載されているだけ、内訳は明らかにされていなか った。  平成27年度からのコンベンション事業負担金と観光事業負担金の金額は下記のとお りある。                           (単位:千円) ┌───────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │       │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │コンベンション│  18,376│  20,276│  20,276│  20,276│  20,393│ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │観光振興   │  37,058│  37,058│  37,058│  37,058│  35,938│ └───────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ 【指摘 観光コンベンション課】  観光協会の設立は昭和25年度あり、コンベンション・ビューローと統合したのは 平成14年ある。「設立時に合意した金額をベースにする」ことが適切あるとは言 い難い。  「事業費の増減を加味して決定している」というが、平成27年度から令和元年度ま での5年間、それほど変動がない。協会から事業計画と予算の説明があり、それに対 して、市のほうから事業内容や経費の額について修正を求める意見を出したというよ うな交渉をした形跡は確認できなかった。コンベンション事業と観光振興事業は手法 が異なるものあり、各々の事業において個別の事業があるが、個別の事業毎に効果 を検証し、効果から見て費用の妥当性を検討した形跡もなかった。「事業の改廃状況に よる事業費の増減を加味した上で負担金額を決定している」というためには、協会が 経費を積算して作成した資料を確認しただけは足りない。  これでは、協会が説明するままの負担金額となっているようにも見受けられ、「各事 業内容を精査した上で」との指摘に対する措置をとったとは言い難い。  協会からの説明を踏まえて、市が、何を検討し、どのように考えて負担金額を決定し たのかのプロセスが明確になる資料を作成すべきある。  なお、措置の実施状況が適切ない原因としては、時の経過、人員の異動を原因とし て、問題意識の情報共有・引継ぎの不十分さがあると思われる。かかる観点から、包括 外部監査で指摘意見された事項については、その場限りの対応とせずに、問題意識の 情報共有・引継ぎを徹底することが望ましい。 (2)事業評価 【事実関係】  本負担金で作成されている事業評価シートでは「アウトカム評価(アウトプットに よりもたらされた成果)」として、「市内コンベンション開催件数」とされている(目標 値300件、実績値275件)。  アウトカム指標設定シートでは、次の指標を用いている。  直接アウトカム=コンベンション開催増=コンベンション開催件数  中間アウトカム=観光客の増加=岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観                 覧船乗船者数  最終アウトカム=観光地ブランドの確立=県庁所在地認知度ランキング 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインによれば、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補 助目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助 効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、 交付されている補助金額の妥当性を判断する(負担効果と負担金額の比較)と示され ている。 【指摘 観光コンベンション課】  観光振興事業の事業評価がなされていない。  コンベンション事業と観光振興事業は、手法が異なるので、別々に事業評価すべき ある。 【意見 観光コンベンション課】  岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観覧船乗船者数のいずれも、岐阜市民 が多分に含まれていると思われる。市民の利用も観光と評価できるのかは見解が分か
    れるとは思うが、観光振興事業の成果という意味では、市民以外の人の利用数を把握 する必要はあると考える。  利用者に対するアンケート調査や車両ナンバー確認の結果等、観光振興により市民 以外の人の利用や訪問が増加したかどうかを判断できる指標を用いることが望ましい。 【意見 観光コンベンション課】  観光振興の最終的成果として、市の認知度向上が適切とは言い難い。協会の定款 にあるように、「国際相互理解の増進」「地域経済の活性化」「文化の向上」が観光振興 の目的あると思う。  観光振興の目的に即し、市民以外の認識ではなく、市民の認識や市の状況に基づい た指標を用いることが望ましい。 (3)見直し 【事実関係】  協会の予算書によれば、本負担金がどの経費に充てられたのかは明らかはなく、 実質的には公益事業全体の負担金となっている。  市は、本負担金のほかに、協会に対し、観光案内所の委託をしている(令和元年度の 委託料は12,396,000円)し、令和元年度からは、協会が鵜飼のオフシーズンにおける 観覧船の民間活用推進のための補助金交付事業を始め、市は、協会に対し、そのための 負担金(間接補助)を交付している。  市は、外郭団体ある観光コンベンション協会に対する負担金及び委託とは別に、 観光振興を目的としたイベント行事の主催者(実行委員会等)に対する負担金・補助金 の交付、「岐阜市観光事業補助金交付要綱」に基づく補助金の交付等、観光政策のため の様々支出をしている。  令和元年度の決算額でみると、商工観光部所管のもの、大河ドラマ関係 259,300,000円は特殊あるが、協会に対する負担金・委託料58,121,500円のほかに、 その他合計で49,549,629円を支出している。  また、これらの負担金・補助金が交付されている団体の中には、協会からも別途助成 を受けているものもある(具体的には、「タクシー運営協議会」「道三まつり」「信長ま つり」「GIFUナイトビュー」の事業等)。市は、団体直接と協会を通じての間接と重 複して同一の団体に補助をしている結果となっているように見受けられる。 【規範】  補助金等ガイドラインによれば、「必要性」の見直し基準の考え方として、社会経済 情勢の変化による必要性(行政目的達成の支援度合、社会的需要の有無)が示されてい る。また、「効果・経済性」の見直し基準を挙げ、その考え方として、5年を超えてい る補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習慣 的)、同種類似の補助事業の実施状況と示されている。 【指摘 観光コンベンション課】  ウィズコロナの時代になり、観光客は激減し、ここ数年多かった外国人観光客の戻 りも見通しが立たず、観光そのものが今後も厳しい状況が続くと予想される。市は、観 光振興というものを一から見直すべき状況にある。従前の観光振興事業は果たして効 果があるのか、継続する必要があるのか、観光振興の目的で公金をどれだけ使うこと が適切あるのか、見直さなければならない。その上で、他の補助金・負担金と同時並 行的に、観光振興事業を全体的に捉え、効率的かつ実効性のあるものとするためにど うすべきかを検討することが急務ある。  事業補助の補助金に切り替え、「岐阜市観光事業補助金交付要綱」を根拠にすべき ある。  市によれば、定款の目的を達成するにあたり、協会の自主性・独自性の確保の観点か ら、事業補助ではなく運営負担の給付の形がふさわしいのはないかと考えていると のことあるが、事業補助と自主性・独自性が損なわれるとは思えないし、上記の観 覧船の民間活用推進のための補助金のように、市が必要としている事業にのみ補助金 を出す形の方が協会の自主性・独自性をより尊重できるのはないかと考える。  もし、協会の運営費の一部を負担する必要性及び相当性を吟味した上で、必要性及 び相当性が認められ、現状の負担金という形で継続するのあれば、これまでの経緯 を取っ払ったゼロベースで、負担金額を決定するとともに、一定割合の負担率等を定 めた負担金の根拠規程を設けるべきある。 【意見 観光コンベンション課】  補助金に移行するにしても、負担金額を見直すとしても、協会の行う事業、市が行う 事業、双方の内容と公益性・必要性・有効性等を洗い出すとともに、他の観光振興に関 連する補助金・負担金と同時並行的に検討して、重複の解消、効率化、有効化を図る 等、前年踏襲的に観光振興事業を行うのはなく、市民のために本当に必要ものと なるよう、事業の改廃・統合を検討することが望ましい。  30.外国人のための日本語講座補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 国際課                   │ │    │※令和元年度は、市民参画部 国際課                │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │公益財団法人岐阜市国際交流協会                  │ │    │※市が基本財産の9割以上を拠出している市の外郭団体ある。    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│外国人のための日本語講座                     │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市外国人のための日本語講座補助金交付要綱           │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│外国人市民のために実施する日本語講座の充実を図る(要綱の文言)  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成17年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)交付目的 【事実関係】  交付要綱では、交付の趣旨(目的)として、「外国人市民のために実施する日本語講 座の充実を図る」と記載されている(第1条)。個別調査票においても、同様の回答で あった。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、「補助金等の交付の目 的に従って」公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
    【指摘 国際課】  「日本語講座の充実を図る」というのは、補助金を交付することと同義あり、手段 あって目的ではない。「ある目的」があり、そのための手段が、外国人市民のための 日本語講座事業に補助金を交付するということある。そして、その目的を前提とし て、その補助金に公益上の必要があるといえるか否かが問われることになる。  補助金を交付する目的を正しく設定した上で、交付要綱に記載すべきある。 (2)補助金交付対象団体 【事実関係】  交付要綱では、補助目的は「外国人市民のために実施する日本語講座の充実を図る」 とされ(第1条)、補助対象事業は「岐阜市内で実施される出席者の過半数が外国人市 民ある日本語講座」とされ(第3条)ており、広く日本語講座の実施を補助するもの あると受け取ることができる。  しかし、補助金交付対象団体について、市は、交付要綱において、「公益財団法人岐 阜市国際交流協会」に特定している(第4条)。  この点につき、市の説明は、ボランティア等が実施する日本語講座については、公益 財団法人岐阜市国際交流協会が民間の団体又は個人に対して行う草の根交流助成金の 対象となること、同法人の実施する日本語講座は、優良講師の講座ありながら受 講料が民間の講座よりも低いということが、その理由あるとのことあった。 【指摘 国際課】  交付要綱だけをみれば、なぜ公益財団法人岐阜市国際交流協会の実施する日本語講 座のみを補助するのかが分からず、補助の必要性、公平性に疑念を持たざるを得ない。  交付要綱において、公益財団法人岐阜市国際交流協会の実施する日本語講座のみを 補助することの必要性、合理性が明らかとなるよう記載をすべきある。 (3)補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、補助対象経費は「日本語講座に係る経費」「市長が必要と認める経費」 とされている(第5条)。 【規範】  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目あるとさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。  交付要綱は、上記の要請を達成するために重要規範となるものある。交付要綱 の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手続きの公正さが確保で きない。 【指摘 国際課】  上記の定めは、補助対象経費を定めていないのと同じある。  補助対象経費を具体的に定めた上で、交付要綱に記載すべきある。 (4)補助金等交付申請書 【事実関係】  補助金等交付申請書の「補助事業等の目的及び内容」欄には、「外国人市民に対し、 ・・・日本語を習得できる場の提供を目的に、日本語講座を開設する」と記載されてい る。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、補助事業等の目的及び内容の欄は出来るだけ明確か つ具体的に記載させることとされている。 【指摘 国際課】  「日本語を習得できる場を提供する」というのは、「日本語講座を開設する」ことを 言い換えているにすぎず、目的ではない。  補助金等交付申請書には、補助事業等の目的を正しくかつ明確に記載させるべき ある。 (5)補助対象事業の確認 【事実関係】  交付要綱では、補助対象事業は、岐阜市内で実施される「出席者の過半数が外国人市 民ある」日本語講座とされている(第3条)。同要綱では、「外国人市民」とは、外国 籍を有する者か、日本語を母語としない日本国籍を有する者あって、日本で生活す る上で一定の支援が必要あって、岐阜市に在住し、在勤し、又は在学する者とさ れている(第2条)。  補助事業等実績報告書を見る限り、公益財団法人岐阜市国際交流協会の実施した日 本語講座の受講生の過半数が交付要綱の定める外国人市民に該当しているのかどうか を確認できない。 【規範】  岐阜市補助金等交付規則では、報告書等の審査等により、その報告に係る補助事業 等の成果が補助金等の交付の決定及び内容等に適合するものあるかを調査しなけれ ばならないとされている(第16条)。 【指摘 国際課】  実施した日本語講座の受講生の過半数が交付要綱の定める外国人市民に該当してい るのかどうかを確認できる資料を提出させるべきある。 (6)必要性、効果・経済性 【事実関係】  令和元年度の収支決算書によると、公益財団法人岐阜市国際交流協会の実施した日 本語講座は、事業の経費が合計1,816,113円(内、講師賃金が1,680,000円)あり、 これに対し、市からの補助金240,000円のほかに、公益財団法人岐阜県国際交流セン ターからの助成金435,000円を受け取り、受講料等619,820円を受領し、不足する部 分521,293円を、公益財団法人岐阜市国際交流協会の自己資金で補っている。  公益財団法人岐阜市国際交流協会の財産状況は、令和2年3月31日現在において、 流動資産9,667,573円、固定資産224,906,907円を有し、正味財産230,640,392円を 有している。  本補助金は、平成17年から続いており、直近5年間の予算額及び決算額は24万円 で変動していない。  平成26年度の岐阜市包括外部監査報告書では、監査の結果として、この24万円の
    算定根拠を明確にすることが望ましいとの意見がなされ、これに対する「措置状況報 告書」では、要綱を改正し、補助事業とする要件を追加したほか、補助金の算出方法を 明確化したとされているが、24万円の算定根拠は明確にされていない。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインによれば、「必要性」の見直し基準の考え方として、補助金額 を上回る繰越金がある団体や事業については、自主的運営に委ねることができる可能 性が高いものと判断できる(機能分担の妥当性)が示されている。また、「効果・経済 性」の見直しの考え方として、補助目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することが でき、その検証結果に基づき補助効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、そ の効果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている補助金額の妥当性を判断する(補 助効果と補助金額の比較)、5年を超えている補助金は形式的・習慣的に補助されてい ると判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。 【指摘 国際課】  先に述べた交付目的の正しい設定、同法人の実施する日本語講座事業のみを補助す る必要性、合理性を明らかにした上で、同法人の実施する日本語講座の規模や内容、講 師賃金や受講料の額の妥当性を検討するとともに、市が補助しなければ同法人が事業 を実施できないのかどうかを検討し、それらの検討結果に基づいて、本補助金を継続 する公益上の必要性があるといえるのか見直しを行い、その結果を書面で明らかにす べきある。  31.中心市街地まちづくり活動事業補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │まちづくり推進部 まちづくり事業課                │ │    │※令和元年度は、まちづくり推進政策課               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │一般財団法人岐阜市にぎわいまち公社                │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市中心市街地まちづくり活動事業補助金交付要綱         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│中心市街地の価値の向上に寄与する(要綱の文言)          │ └────┴─────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────┐ │対象事業│柳ケ瀬あい愛ステーションの運営                  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成20年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │12,500,000│12,000,000│12,000,000│12,000,000│12,000,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │12,500,000│12,000,000│12,000,000│12,000,000│12,000,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ┌────┬─────────────────────────────────┐ │対象事業│柳ヶ瀬プレイスメイキング事業                   │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│令和元年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  -  │  -  │  -  │  -  │ 4,322,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  -  │  -  │  -  │  -  │ 4,322,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助事業の実施主体 【事実関係】  「柳ヶ瀬プレイスメイキング事業」について、補助事業者あるにぎわいまち公社 は、株式会社Aに対し、業務を委託している。委託契約書によると、委託している業務 内容は、次のとおりあった。   (1)プレイスメイキング事業      ・出店者の誘致と調整      ・パブリックファニチャーのレイアウト及び配置      ・道路空間活用の運営      ・出店者へのアンケート調査      ・商店街との調整   (2)報告書の作成      ・出店者へのアンケートに基づく検証      ・報告書の作成   委託費は2,090,000円あり、支出額合計4,653,880円の約45%を占めている。  また、支出の残りのほとんどは消耗品費2,243,340円ある。   市に提出されている実績報告書は、株式会社Aの作成した報告書あった。   委託契約書では、にぎわいまち公社が株式会社Aの業務の遂行に協力するとの  定めがあった。 【規範】  補助事業者は、善良管理者の注意をもって補助事業を行わなければならない(岐 阜市補助金等交付規則第10条)。  テーマ別マニュアルによれば、補助金の交付決定をするための審査基準として、補 助事業者が補助事業等を遂行する能力を具えているかというものが挙げられている。 【指摘 まちづくり事業課】  補助事業者が事業及びその会計の事務全般を第三者に委託している場合、その事務 処理が補助事業者の指揮命令に基づくことが必要あり、そうなければ適法ではな い。事務処理が補助事業者の指揮命令に基づいてなされているといえるためには、補 助事業者自らが、事業計画書、事業実施工程表を作成し、事業計画実施に必要業務及 び会計を整理分類し、これに基づいて事業実施に必要となる事務の内容、事業との関 係、事務処理の時期を記載した指示書を作成し、これらの書類を事務の受託をしてい る第三者に示して説明して理解させ、その後は、現場に赴き、あるいはメールや電話で 指揮監督し、報告書や業務日誌を提出させる等がなされていることが必要あるが、 そのよう事実は確認できなかった。  上記の契約内容、業務内容、支出内容からしても、補助事業者あるにぎわいまち公
    社が補助事業を行っているとは認め難い。  補助事業を行っていると認め難い補助事業者に対する補助金の交付は止めるべき ある。 (2)措置状況 【事実関係】  交付要綱では、補助対象事業を、「基本方針の実現に著しく寄与する事業又は先導的 に中心市街地の魅力を高める事業」としたうえで、「ハード事業」と「ソフト事業」の 二つに分けている。  平成26年度の包括外部監査にて、「本来、補助金は、補助するために支給するもの あり、経費のすべてを支給するのは補助金とはいえない。・・・要綱に補助金の上限 を定めることが望ましい。」との意見がなされている。  これに対して、市では、当該意見に対する措置として、「平成28年度から要綱を改 正して、補助金の限度額を設ける。」と表明している。  しかし、「岐阜市中心市街地まちづくり活動事業補助金交付要綱」は、平成26年以 後も、随時、一部改正がなされているものの、「ソフト事業」に対する補助金額の上限 設定はなされていない。 【指摘 まちづくり事業課】  岐阜市としては、自ら「補助金の限度額を設ける。」と表明した以上、当該要綱の「ソ フト事業」に対する補助金額の上限設定を設けるべきある。 (3)補助対象事業 【事実関係】  交付要綱第1条は、この要綱は、「岐阜市の中心市街地の価値の向上に寄与する事 業」を実施する団体に対して本補助金を交付するものと規定し、補助対象事業を実質 的に規定している。他方、交付要綱第3条は、補助対象事業を「基本方針の実現に著 しく寄与する事業又は先導的に中心市街地の魅力を高める事業」として規定しており、 両者が同じことを指しているのかどうか判然としない。また、「ハード事業」と「ソフ ト事業」の定義がない。 【指摘 まちづくり事業課】  交付要綱において、補助対象事業を明確かつ具体的に定めるべきある。 (4)効果の検証 【事実関係】  「柳ケ瀬あい愛ステーション」は、主に、「交流拠点機能(休憩場所、ギャラリース ペース等)」「情報発信機能(ラジオ放送、セミナー等)」「公益的機能(相談窓口、トイ レ等)」を提供するものある。  「柳ケ瀬あい愛ステーション」の運営については、平成20年度に整備された当初は、 商工観光部が、中小企業振興補助金交付要綱に基づいて、「商店街情報拠点整備事業」 補助金を交付していた。平成26年度の包括外部監査において、交付要綱の目的と事業 の目的が異なるとの指摘や、まちづくり推進部への移管の意見がなされ、現在の形に なっている。  「柳ケ瀬あい愛ステーション」の運営経費については、平成20年度から平成22年 度までの3年間は、国からの補助金があったため、市の補助金は500万円程度あっ たが、国からの補助金が終了した後は、ほぼ全額が市の補助金で賄われている。  なお、「柳ケ瀬あい愛ステーション」は令和2年3月末をもって閉館となっている。 令和2年度からは、別拠点で、まちなか活性化活動拠点運営支援事業として補助を行 うとのことある。 【規範】  岐阜市中心市街地まちづくり活動事業補助金交付要綱第1条「この要綱は、岐阜市 の中心市街地の価値の向上に寄与する事業を実施する団体に対し予算の範囲内で交付 する岐阜市中心市街地まちづくり活動事業補助金に関し、岐阜市補助金等交付規則に 定めるもののほか、必要事項を定めるものとする。」  同第3条「補助金の交付の対象となる事業(以下「補助対象事業」という。)は、岐 阜市中心市街地活性化基本計画に掲げる基本方針の実現に著しく寄与する事業又は先 導的に中心市街地の魅力を高める事業とする。」 【意見 まちづくり事業課】  市によれば、開館から延べ約77万人の方に利用され、中心市街地のにぎわいの創出に 寄与したとのことあるが、「柳ケ瀬あい愛ステーション」の利用者によって柳ケ瀬のに ぎわいが創出されたことのエビデンスがない。11年間にわたって、毎年1,200万円もの 金額が支出されてきたという費用対効果の面からしても、当該支出に見合うだけの「中 心市街地の価値の向上に寄与」されたかどうかは疑問が残る。  本事業は令和元年度で終了しているが、十分効果検証した上、令和2年度以降の 事業に生かされることが望ましい。 第3 薬科大学・女子短期大学  32.受託研究交付金・共同研究交付金 <概要(受託研究交付金)> ┌────┬──────────────────────────────────┐ │所管  │薬科大学 庶務会計課                        │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │説明区分│交付金                               │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜薬科大学において受託研究を担当する教員             │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │受託研究                              │ │対象事業│※岐阜薬科大学において外部の団体等から委託を受けて公務として行う  │ │    │ 研究でその費用を委託者が負担するものをいう。           │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜薬科大学受託研究取扱規程、岐阜薬科大学受託研究取扱規程実施細  │ │    │目、岐阜薬科大学研究交付金交付要綱                 │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜薬科大学における研究を奨励し、学術の振興に寄与する       │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │開始年度│不明                                │ ├────┼──┬─────┬─────┬─────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼─────┼─────┼─────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│33,538,462│33,540,000│33,540,000│ 58,693,000│ 150,923,000│ │    ├──┼─────┼─────┼─────┼──────┼──────┤ │    │決算│20,282,512│36,962,402│68,241,311│ 109,532,375│ 127,822,687│ └────┴──┴─────┴─────┴─────┴──────┴──────┘ ※受託研究費の流れ  委託者→岐阜薬科大学の学長 受託研究の申込み  岐阜薬科大学の学長     申込みの承認  委託者⇔市         受託研究契約の締結  委託者→市         受託研究費の納付(市の歳入)
     岐阜薬科大学の教員→市長  受託研究交付金の申請(使途計画書の提出)  市長→岐阜薬科大学の教員  交付決定、交付(市の歳出)  岐阜薬科大学の教員→市長  使途報告書の提出 ※直接経費と間接経費  受託研究費は、直接経費(研究遂行に直接必要経費)と間接経費(本来の教育研究 活動のために有する組織や設備等を利用するための経費)に分かれる。間接経費は、原 則として直接経費の30%に相当する額とされている。また、間接経費は、岐阜市にお ける間接経費と岐阜薬科大学における間接経費に分かれる。  例えば、直接経費及び間接経費の合計1,300,000円の受託研究費を岐阜市が受け入 れた場合、原則として次のように取り扱われる。  直接経費 1,000,000円  間接経費  300,000円 うち210,000円 岐阜市の間接経費              うち90,000円 岐阜薬科大学の間接経費 <概要(共同研究交付金)> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │薬科大学 庶務会計課                       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│交付金                              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜薬科大学において共同研究を担当する教員            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │共同研究                             │ │対象事業│※岐阜薬科大学において民間機関等(共同研究機関)から研究員及び研 │ │    │ 究経費又はそのいずれかを受け入れて、岐阜薬科大学の教員と民間機 │ │    │ 関等が共通の課題について共同して行う研究をいう。        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜薬科大学共同研究取扱規程、岐阜薬科大学研究交付金交付要綱   │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜薬科大学における研究を奨励し、学術の振興に寄与する      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│不明                               │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │63,636,364│72,728,000│72,728,000│72,728,000│72,728,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │63,144,551│59,728,383│53,035,516│76,286,884│69,397,668│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘  ※研究費の流れは、受託研究と同様ある。 <監査の結果> (1)平成23年度包括外部監査の措置状況 【事実関係】  平成23年度包括外部監査報告における指摘・意見及びこれに対する措置状況報告は、 以下のとおりある。 ┌───────────────────┬───────────────────┐ │   平成23年度包括外部監査報告   │      措置状況報告       │ ├───────────────────┼───────────────────┤ │他の研究に研究交付金が流用されないよう│研究費の経理に関する学内説明会を毎年開│ │に、庶務会計課は研究者に対し注意を喚起│催し、研究費の不正使用等について注意喚│ │することが望ましい。(意見)     │起をしている。            │ ├───────────────────┼───────────────────┤ │研究費を財源として物品等の発注を行った│購入した備品の一部について、備品台帳と│ │場合に、その検収を研究室に配置された事│現物の確認を実施した。備品の数が多いた│ │務職員が行っているが、時には庶務会計課│め、定期的、循環的に実施していく。  │ │を通じた検収を行うことを検討することが│                   │ │望ましい。(意見)          │                   │ ├───────────────────┼───────────────────┤ │備品の現物確認を定期的に行い、備品台帳│研究費で購入した備品の一部について、備│ │に記載されている備品が紛失していないか│品台帳と現物の確認を実施した。備品の数│ │現物実査を行うべきある。(指摘)  │が多いため、定期的、循環的に実施してい│ │                   │く。                 │ └───────────────────┴───────────────────┘  上記のうち、研究費の流用に対しては、「岐阜薬科大学研究費執行マニュアル」が作 成されており、説明会においてその解説がなされている。上記指摘・意見に対しては、 概ね適切に対応がなされていた。 (2)余剰金の返還 【事実関係】  岐阜薬科大学研究交付金交付要綱には、受託研究交付金や共同研究交付金に余剰が 生じた場合の返還規定は存在しない。  市によれば、実態として、研究交付金に余剰が生じて返還を行うことになった事案 は(消費税の関係で返還した例を除き)過去に存在しないとのことある。また、「学 長は、前条の規定により決定のあった金額の変更を受けようとするときは、市長の承 認を受けなければならない。この場合の手続については、第3条の規定を準用する。」 という決定額の変更規定があるから不要あると考えているとのことある。 【規範】  岐阜薬科大学研究交付金交付要綱では、「研究交付金は、交付決定を受けた研究に必 要経費以外に使用してはならない。」(第7条)と定められている。  受託研究契約や共同研究契約の条項には、返還規定が設けられているのが一般的 ある。 【意見 庶務会計課】  交付された研究交付金の全額が研究に使用しきれず、余剰が生じることはありうる ものと思われる。  決定額の変更規定は、事情変更により申請額に変更があった場合にそれを申請して 市長の承認を得るという手続を規定するものあり、余剰金の返還手続とは異なる手 続きあるし、「市長の承認を得なければならない」という文言からすれば、申請額で は不足することが判明した場合に増額を申請することが想定されているように読める。  一般的受託研究契約や共同研究契約の条項に設けられているように、余剰金の返 還規定を設けておくことが望ましい。  なお、このよう規定は、交付金の不正使用防止の機能を持たせることも期待でき る。  33.奨学寄附金交付金・寄附講座等交付金 <概要(奨学寄附金交付金)> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │薬科大学 庶務会計課                       │ ├────┼─────────────────────────────────┤
    │説明区分│交付金                              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜薬科大学の学長                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│学術研究、図書、機械等の購入等                  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市立大学奨学寄附金取扱要綱、岐阜薬科大学奨学寄附金交付金取扱 │ │    │規程                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜薬科大学における学術及び教育研究の奨励、充実及び強化を図る  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│不明                               │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │66,500,000│66,500,000│66,500,000│66,500,000│66,500,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │39,174,140│49,174,156│47,625,700│48,975,000│64,328,892│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ※奨学寄附金の流れ  寄附申込者→(岐阜薬科大学の学長)→市長  奨学寄附金の申込み  市長→寄附申込者              受入れの決定  寄附申込者→市長              奨学寄附金の納付(市の歳入)  岐阜薬科大学の学長→市長          奨学寄附金交付金の交付申請  市長→岐阜薬科大学の学長          交付決定、交付(市の歳出)  岐阜薬科大学の学長→研究担当教員      交付金の配分  岐阜薬科大学の学長→市長          使途、受払状況等の報告 ※管理経費  奨学寄附金受入額の5%に相当する額は市長が施設管理経費として徴収するとして いるが、特別の事情がある場合等の免除規定が置かれている。また、奨学寄附金の10% に相当する額は、学長が奨学寄附金管理費に充てるとしているが、特別の事情がある 場合等の免除規定が置かれている。 <概要(寄附講座等交付金)> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │薬科大学 庶務会計課                       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│交付金                              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜薬科大学の学長                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │寄附講座及び寄附研究部門                     │ │    │※講座において行われる教育研究で、民間等からの寄附金等により教員 │ │対象事業│ 給与、研究費等が賄われるものを寄附講座という。         │ │    │※研究部門において行われる研究で、民間等からの寄附金により教員給 │ │    │ 与、研究費等が賄われるものを寄附研究部門という。        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜薬科大学寄附講座等交付金交付要綱、岐阜薬科大学寄附講座及び寄 │ │    │附研究部門規程                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜薬科大学における教育研究の進展及び充実を図る         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│不明                               │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │27,610,730│17,040,960│26,076,081│36,591,000│64,139,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │20,893,730│21,691,120│21,691,120│33,909,328│39,270,428│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ※寄附講座等交付金の流れ  寄附申込者→(岐阜薬科大学の学長)→市長  寄附の申込み  市長→寄附申込者              受入れの決定  寄附申込者→市長              寄附金の納付(市の歳入)  岐阜薬科大学の学長→市長          寄附講座等交付金の交付申請(使                        途計画書の提出)  市長→岐阜薬科大学の学長          交付決定、交付(市の歳出)  岐阜薬科大学の学長→市長          使途報告書の提出 <監査の結果> (1)余剰金の処理 【事実関係】  岐阜市立大学奨学寄附金取扱要綱にも、岐阜薬科大学寄附講座等交付金交付要綱に も、交付金に余剰が生じた場合の処理を定めた規定がない。  市によれば、奨学寄附金の目的の範囲内の経費は幅広く、余剰が生じることはない、 寄附講座等交付金については、存続期間が原則として2年以上5年以下の期間とされ、 各年度で寄附金に余剰が生じた場合、「元気ぎふ応援基金」に組み入れ、翌年度に執 行を行うとのことある。また、余剰金が多い場合は、寄附者からの翌年度の寄附金を 減額することにより調整を図ることもありうるとのことある。 【規範】  岐阜市立大学奨学寄附金取扱要綱では、「学長は、奨学寄附金交付金をその原資とな る奨学寄附金の目的に従って、使用しなければならない。」(第10条)と定められてい る。  岐阜薬科大学寄附講座等交付金交付要綱では、「寄附講座等交付金は、交付決定を受 けた寄附講座及び寄附研究部門に必要経費以外に使用してはならない。」(第7条) と定められている。 【意見 庶務会計課】  奨学寄附金交付金も、寄附講座等交付金も、余剰金が生じる可能性が無いわけは ない。その場合に備え、余剰金の処理方法に関する定めを設けておくことが望ましい。  なお、このよう規定は、交付金の不正使用防止の機能を持たせることも期待でき る。  34.間接経費交付金(薬科大学) <概要> ┌─────┬────────────────────────────────┐ │所管   │薬科大学 庶務会計課                      │ ├─────┼────────────────────────────────┤ │説明区分 │交付金                             │ ├─────┼────────────────────────────────┤
    │交付先  │岐阜薬科大学の学長                       │ ├─────┼────────────────────────────────┤ │対象事業 │科学研究にかかる間接経費の支出                 │ ├─────┼────────────────────────────────┤ │根拠規定 │岐阜薬科大学科学研究費間接経費に関する取扱要綱、間接経費の取扱い│ │     │要領                              │ ├─────┼────────────────────────────────┤ │交付目的 │本学の研究開発環境の改善及び本学全体の機能の向上        │ ├─────┼────────────────────────────────┤ │開始年度 │不明                              │ ├─────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │金額(円)│年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ ├─────┴──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │   予算   │21,000,000│21,000,000│21,000,000│21,000,000│21,000,000│ ├────────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┤ │                  決算                  │ ├────────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │ 科学研究費  │13,212,000│12,465,000│14,205,000│11,925,000│13,152,484│ │   基金   │     │     │     │     │     │ ├────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │ 科学研究費  │  465,000│  690,000│  645,000│  579,000│  672,000│ │ 基金分担金  │     │     │     │     │     │ ├────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │ 科学研究費  │ 3,780,000│ 8,490,000│ 5,400,000│ 8,388,000│12,102,000│ │  補助金   │     │     │     │     │     │ ├────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │ 科学研究費  │  240,000│  180,000│  120,000│  30,000│ 1,244,652│ │ 補助金分担金 │     │     │     │     │     │ └────────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ※科学研究費の流れ 国、日本学術振興会等→岐阜薬科大学の教員 科学研究費補助金の交付 岐阜薬科大学の学長→市長         科学研究費補助金のうち間接経費の納                      付申し出 市長→岐阜薬科大学の学長         申し出の承認 岐阜薬科大学の学長→市長         科学研究費補助金のうち間接経費の納                      付(市の歳入) 岐阜薬科大学の学長→市長         間接経費の交付申請(使途計画書の提                      出) 市長→岐阜薬科大学の学長         間接経費の交付決定、交付(市の歳出) 岐阜薬科大学の学長→岐阜薬科大学の教員  間接経費の配分(20%) 岐阜薬科大学の学長→市長         使途報告書の提出 <監査の結果> (1)平成23年度包括外部監査の措置状況  平成23年度包括外部監査報告における指摘・意見及びこれに対する措置状況報告は 以下のとおりある。 ┌────────────────────┬───────────────────┐ │    平成23年度包括外部監査報告   │      措置状況報告       │ ├────────────────────┼───────────────────┤ │ 考えられる不正の危険に対し、何らかの内│ 不正防止については、「岐阜薬科大学研│ │部統制を構築し、不正を防止する環境を作る│究活動不正行為等防止規程」を制定して、│ │ことが望ましい。            │不正行為に関する通報窓口の設置をしてい│ │ 庶務会計課で作成されている会計帳簿と研│る。その他にも研究費の管理・監査に係る│ │究室で作成されている帳簿との整合性のチェ│責任者の責任範囲、権限等を定めて、責 │ │ック、購入した備品の実査を行っているが、│任・管理体制を明確にし、不正防止に努め│ │これに限定することなく、監査の幅を広げる│ている。               │ │ことが望ましい。(意見)        │ 不正リスクについては、「岐阜薬科大学│ │                    │研究活動不正行為等防止計画」で不正発生│ │                    │要因を想定し、対応する不正防止計画を策│ │                    │定している。             │ │                    │ 監査体制を強化するために、備品台帳と│ │                    │現物の確認を定期的、循環的に実施する。│ └────────────────────┴───────────────────┘  上記のうち、通報窓口は庶務会計課に置かれており、通報方法等が岐阜薬科大学 ホームページ上で公表されている。通報者は、原則として氏名等を明らかにしたうえ で通報を行うこととされているが、その後の手続きにおいて匿名を希望できるとされ ているほか、匿名による通報があった場合にも、通報に準じた取扱いがなされるもの とされている。通報があった場合の予備調査及び本調査について、「岐阜薬科大学研究 活動等の調査に関する規程」、「岐阜薬科大学研究活動不正行為等に関する予備調査細 則」が定められており、その方法が詳細に定められている。  不正防止に関する制度設計はなされているものと評価できるため、当該制度が常時 機能するように努めることが必要ある。  35.間接経費交付金(女子短期大学) <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │女子短期大学 総務管理課                     │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│交付金                              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市立女子短期大学の学長                    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│科学研究費補助金を獲得した研究者の研究開発環境の改善や研究機関全 │ │    │体の機能の向上に活用するための間接経費の支出           │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市立女子短期大学における科学研究費補助金取扱規程、科学研究費 │ │    │補助金に係る間接経費に関する取扱い要綱、研究交付金執行要領    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │科学研究費補助金による研究の実施に伴う研究機関の管理等に必要経 │ │    │費を、直接経費に対する一定比率で手当することにより、科学研究費補 │ │交付目的│助金をより効果的・効率的に活用する。               │ │    │間接経費を、科学研究費補助金を獲得した研究者の研究開発環境の改善 │ │    │や研究機関全体の機能の向上に活用することにより、研究機関間の競争 │ │    │を促し、研究の質を高める。                    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和61年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
    │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 2,304,000│ 1,540,000│ 1,206,000│ 1,306,000│ 1,659,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 1,419,000│  735,000│  249,000│ 1,101,000│ 1,662,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)使途計画表の詳細 【事実関係】  交付申請書に添付された使途計画書(内訳)は、下記のとおりあり、詳細の記載は ない。 ┌────────┬──────┐ │   使途   │ 金額(円)│ ├────────┼──────┤ │研究関連備品費 │  1,350,000│ ├────────┼──────┤ │研究関連図書費 │   12,000│ ├────────┼──────┤ │研究関連消耗品費│   300,000│ ├────────┼──────┤ │   合計   │  1,662,000│ └────────┴──────┘  この使途計画書の詳細については、学長、副学長等で構成される「執行部会議」にお いて使用目的に合致するか審議されているとのことある。 【規範】  科学研究費補助金に係る間接経費に関する取扱い要綱では、「学長は、市長から間接 経費の交付を受けようとする時は、間接経費交付申請書に間接経費使途計画書を添付 して市長に申請しなければならない。」(第4条)とされ、「間接経費は、本学の研究開 発環境の改善や本学全体の機能の向上に活用するために必要となる経費以外に使用し てはならない。」(第8条)とされている。 【意見 総務管理課】  間接経費交付金は、市が、学長に対し、交付するものある。学長等が詳細を審議す るのは、交付を受ける側のことあり、交付をする側ある市として、使用目的に合致 するかどうかを判断できる程度の具体的計画を添付させる等詳細を審査したことの 分かる資料を残しておくことが望ましい。 (2)使用に関する方針 【事実関係】  間接経費交付金は、文部科学省の外郭団体ある日本学術振興会から交付される科 学研究費補助金の直接経費の30%に当たる間接経費が交付されるもの、競争的資金 の交付を受けた研究者等が所属する研究機関の管理等に必要経費として交付される ものある。  流れとしては、研究機関の代表者(学長)が、日本学術振興会から補助金(直接経費 +間接経費)の交付を受け(代理受領)、研究者に全額を納付し、その後、研究者から 学長に対し、間接経費が納付され、研究機関の管理等の経費に充てられることになる のあるが、間接経費は市の会計を通す必要があるため、手続きとしては、学長から市 へ納付され、市から学長に納付する(本負担金)ということになっている。  間接経費の使途については研究機関の長の責任の下決められ、一部を研究者、一部 を研究機関と配分する大学等もあるが、女子短期大学の場合、間接経費は全て大学に 譲渡され、間接経費管理用の学長口座にて管理、使用されている(岐阜市立女子短期大 学における科学研究費補助金取扱規程第7条)。  また、使用用途について、研究者への説明は特になされていないが、研究を所管する 教育・科学研究委員会の委員長を兼任する附属図書館長を構成員とする執行部会議で、 審議されているとのことある。 【規範】  文部科学省が公開している「競争的資金の間接経費の執行に係る共通指針」4.間接 経費運用の基本指針(2)は、「被配分機関にあっては、間接経費の使用に当たり、被 配分機関の長の責任の下、使用に関する方針等を作成し、それに則り計画的かつ適 正に執行するとともに、使途の透明性を確保すること。」としている。  また、同指針6.間接経費の使途として、「間接経費は、競争的資金を獲得した研究 者の研究開発環境の改善や研究機関全体の機能の向上に活用するために必要となる経 費に充当する。」としている。 【意見 総務管理課】  間接経費の使用に関する方針を定めることが望ましい。  間接経費は研究機関に配布されるもの、管理費等に利用できるものあるが、「競 争的資金を獲得した研究者の研究開発環境の改善」、「研究機関全体の機能の向上」の ために交付されるものある。直接経費を獲得した研究者らに使用方針を示し又は使 用した結果を示すことにより、大学側の研究者らに対するサポート内容が具体化する と思われる。ただし、文部科学省のホームページの間接経費の使用結果に関する報告 の様式例によれば、方針の作成は必須はないようあるため、意見とする。 第4 政務活動費・職員互助会  36.政務活動費 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │議会事務局 議会総務課                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│交付金                              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │会派又は議員                           │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│議員の調査研究活動等                       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市議会政務活動費の交付に関する条例              │ │    │岐阜市議会政務活動費の交付に関する規則              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市議会議員の調査研究その他の活動に資するため(条例の文言)  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成13年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │73,500,000│68,400,000│68,400,000│68,400,000│68,400,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │54,711,230│42,568,950│40,508,392│44,428,699│41,303,752│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘  岐阜市では、政務活動費として、議員1人につき月15万円(会派の場合、1人あた
    り月15万円)を交付している。  年度毎に精算、戻入を行っており、令和元年度は27,096,248円の戻入がされている。 各人毎の令和元年度の交付額、決算額、戻入額、執行率は下記のとおりある。                                (単位:円) ┌──────┬─────┬─────┬─────┬─────┬────┐ │      │ 氏名  │ 交付額 │ 決算額 │ 戻入額 │執行率 │ ├──────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │郷 英明 │  150,000│  13,818│  136,182│  9.21%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │須賀敦士 │  150,000│  98,147│  51,853│ 65.43%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │丸山慎一 │  150,000│  86,410│  63,590│ 57.61%│ │ 4月のみ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │ (※)  │信田朝次 │  150,000│  150,000│     0│ 100.00%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │國井忠男 │  150,000│     0│  150,000│  0.00%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │渡辺 要 │  150,000│  36,816│  113,184│ 24.54%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │浅井武司 │  150,000│  84,767│  65,233│ 56.51%│ ├──────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │共産党  │ 5,250,000│ 3,304,991│ 1,945,009│ 62.95%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │4月~令和2│渡辺貴郎 │ 1,800,000│ 1,664,948│  135,052│ 92.50%│ │ 年3月  ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │(1年分) │長屋千歳 │ 1,800,000│  755,325│ 1,044,675│ 41.96%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │黒田育宏 │ 1,800,000│ 1,631,596│  168,404│ 90.64%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │原菜穂子 │ 1,800,000│ 1,310,159│  489,841│ 72.79%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │富田耕二 │ 1,800,000│  358,424│ 1,441,576│ 19.91%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │鷲見守昭 │ 1,800,000│ 1,784,075│  15,925│ 99.12%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │石川宗一郎│ 1,800,000│  735,584│ 1,064,416│ 40.87%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │若山貴嗣 │ 1,800,000│ 1,249,013│  550,987│ 69.39%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │石井浩二 │ 1,800,000│ 1,800,000│     0│ 100.00%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │谷藤錦司 │ 1,800,000│ 1,591,378│  208,622│ 88.41%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │大野一生 │ 1,800,000│  160,899│ 1,639,101│  8.94%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │小堀将大 │ 1,800,000│  995,827│  804,173│ 55.32%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │江崎洋子 │ 1,800,000│  456,174│ 1,343,826│ 25.34%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │高橋和江 │ 1,800,000│ 1,641,058│  158,942│ 91.17%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │和田直也 │ 1,800,000│ 1,742,309│  57,691│ 96.79%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │須田 眞 │ 1,800,000│  777,779│ 1,022,221│ 43.21%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │浅野裕司 │ 1,800,000│  802,787│  997,213│ 44.60%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │竹市 勲 │ 1,800,000│ 1,224,061│  575,939│ 68.00%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │杉山利夫 │ 1,800,000│  174,534│ 1,625,466│  9.70%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │西垣信康 │ 1,800,000│  627,061│ 1,172,939│ 34.84%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │辻 孝子 │ 1,800,000│  335,658│ 1,464,342│ 18.65%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │山口力也 │ 1,800,000│  743,208│ 1,056,792│ 41.29%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │松原和生 │ 1,800,000│ 1,700,952│  99,048│ 94.50%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │柳原 覚 │ 1,800,000│ 1,800,000│     0│ 100.00%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │西川 弘 │ 1,800,000│  242,032│ 1,557,968│ 13.45%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │松岡文夫 │ 1,800,000│  340,962│ 1,459,038│ 18.94%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │松原徳和 │ 1,800,000│ 1,800,000│     0│ 100.00%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │田中成佳 │ 1,800,000│ 1,031,132│  768,868│ 57.29%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │服部勝弘 │ 1,800,000│ 1,440,862│  359,138│ 80.05%│ ├──────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │石原宏基 │ 1,650,000│  349,567│ 1,300,433│ 21.19%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │小森忠良 │ 1,650,000│ 1,643,008│   6,992│ 99.58%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │ 5月~  │浅野雅樹 │ 1,650,000│ 1,540,450│  109,550│ 93.36%│ │令和2年3月├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │箕輪光顕 │ 1,650,000│ 1,313,194│  336,806│ 79.59%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │道家康生 │ 1,650,000│ 1,222,120│  427,880│ 74.07%│ │      ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │高橋 正 │ 1,650,000│  542,667│ 1,107,333│ 32.89%│ ├──────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │      │ 合計  │68,400,000│41,303,752│27,096,248│ 60.39%│ └──────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┘  岐阜市議会では、平成13年3月30日に岐阜市議会政務調査費に関する条例、規則、 の制定及び要綱、申し合わせを作成し、その後必要に応じ下記のとおり改定している。 ┌────────┬─────────────────────────────┐ │平成25年2月28日│地方自治法の一部改正法公布(平成24年9月5日)      │
    │        │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      │ │        │ 1) 「政務調査費」から「政務活動費」に名称変更     │ │        │ 2) 交付目的に「その他の活動」が追加され、「議員の調査研│ │        │  究その他の活動に資するため」に変更          │ │        │ 3) 議長に、政務活動費についての使途の透明性の確保の努 │ │        │  力義務を課す旨の規定                 │ │        │以上を踏まえて、条例、規則を改正             │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │平成25年6月7日│各会派幹事長会議決定                   │ │        │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                   │ │        │1) 上記、法改正の内容を反映              │ │        │ ・ 「政務調査費」を「政務活動費」に修正        │ │        │ ・ 「その他の活動に資する」活動を追記し、旅費の支出対 │ │        │  象となる活動区分を拡大                │ │        │2) 収支報告書等について追記              │ │        │ ・ すべての領収書を提出する(提出書類の議長の保管)  │ │        │ ・ 政務活動費として使用したものは、交付額を超える場合 │ │        │  もすべて報告する                   │ │        │3) 「4.情報公開について」を新設(改正前の「申し合わ │ │        │  せ」内の要点を整理)                 │ │        │以上を踏まえて、申し合わせを改正             │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │平成26年2月12日│各会派幹事長会議決定                   │ │        │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                   │ │        │ 岐阜市議会政務活動費収支報告書等の閲覧等に関する要綱  │ │        │を作成                          │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │平成29年2月27日│各会派幹事長会議決定                   │ │        │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                   │ │        │1) 領収書(原本)の添付(領収書に準ずる書類の定義を追 │ │        │  記)(平成28年度交付分から運用開始)         │ │        │2) 人件費の廃止、事務所賃借料の廃止(平成29年度交付  │ │        │  分から運用開始)                   │ │        │3) 平成29年度交付分から、収支報告書、実績報告書、領収 │ │        │  書等をホームページで公開することを決定        │ │        │以上を踏まえて、要綱、申し合わせを改正          │ └────────┴─────────────────────────────┘ <監査の結果> (1)平成23年度包括外部監査の措置状況 【事実関係】  平成23年度包括外部監査報告における指摘・意見及びこれに対する措置状況報告は 以下のとおりある。 ┌────────────────┬─────────────┬────────────┐ │ 平成23年度包括外部監査報告  │   措置状況報告    │    確認等     │ ├────────────────┼─────────────┼────────────┤ │ 議長に提出された収支報告書  │ 各議員の主たる担当者が │確認できた。      │ │等は、権限はないものの議会事務 │収支報告書等の点検を行っ │            │ │局により点検がなされているが、 │た後、担当者以外の職員によ│            │ │収支報告書及び添付資料を閲覧  │る複数回の点検を実施する │            │ │すると、単純形式面の不備が見 │こと、点検漏れの防止と、│            │ │受けられる。より注意を払って点 │点検精度の均質化を図った。│            │ │検を実施すべきある。(指摘) │ また、在職年数等による職│            │ │                │員間の制度に対する理解度 │            │ │                │の差異を低減し、点検精度と│            │ │                │点検速度の向上を図るため、│            │ │                │職員用に「政務調査費の手引│            │ │                │き」を作成し、その内容につ│            │ │                │いて職員研修を複数回実施 │            │ │                │した。          │            │ ├────────────────┼─────────────┼────────────┤ │ 現在、政務調査費について、調 │ 調査権限の法定化の有無 │確認できた。      │ │査権限の規程がなく、点検として │に関わらず、いずれの地方自│            │ │議会事務局が不備の修正を依頼  │治体においても、議会事務局│            │ │するに留まっている。政務調査費 │が政務調査費の点検調査に │            │ │の調査権限を有するものがチェ  │おける中心的役割を担って │            │ │ックを行い、目的外の支出が存在 │いる。          │            │ │した場合、これを是正できるよう │ 地方自治法第100条第15  │            │ │にすることが望まれる。(意見) │項で収支報告書の提出先が │            │ │                │首長ではなく議長とされて │            │ │                │いる理由の一つは、議会の自│            │ │                │律性や独立性を担保するた │            │ │                │めあると言われている。 │            │ │                │ そうした中、議会事務局に│            │ │                │よる点検体制の更なる充実 │            │ │                │を図るとともに、適切情報│            │ │                │提供等を通じて各議員の意 │            │ │                │識の向上を進めていくこと │            │ │                │によって、引き続き、議会と│            │ │                │して自律的かつ適正に政務 │            │ │                │調査費の執行に努めていく │            │ │                │方針ある。       │            │ ├────────────────┼─────────────┼────────────┤ │ 政務調査費の範囲の問題や収  │ 平成24年3月22日付け岐 │ 新任議員研修会にて、 │ │支報告書及び添付資料の不備の  │市議第597号議長通知「平成 │解説書をもとに政務活動 │ │多くは、議員が収支報告書の作成 │23年度包括外部監査結果等 │費に関する研修を開催し │ │方法を含めた政務調査費の取扱  │を踏まえた今後の政務調査 │ている。更に、解説書の変│ │いについて、必ずしも十分理解 │費の支出に当たっての留意 │更(最新では平成29年3 │ │がされていないことも一因であ  │点について」により、全議員│月)の都度、全議員に配布│ │ると考えられる。手引き等を配布 │に制度の理解を深めるよう │している。       │ │し、政務調査費の制度が十分理解 │周知徹底した。新任議員を対│            │ │されることが望まれる。(意見) │象に、平成23年中に2回に │            │ │                │わたり政務調査費に関する │            │ │                │研修を開催し、また、全議員│            │ │                │に、議会事務局が点検事務の│            │ │                │際に用いる手引きを一部改 │            │ │                │変したものを参考資料とし │            │ │                │て配布する等、制度や報告書│            │ │                │類の作成方法等に関する周 │            │ │                │知に努めている。     │            │
    ├────────────────┼─────────────┼────────────┤ │ 調査研究活動と政党活動やそ  │ 平成24年3月22日付け岐 │ 令和元年度の収支報告 │ │の他議員活動等で共通して発生  │市議第597号議長通知「平成 │書を抽出確認したとこ  │ │する経費等の按分率は、合理的 │23年度包括外部監査結果等 │ろ、議員各人がそれぞれ │ │根拠を持って説明できないもの  │を踏まえた今後の政務調査 │の按分率にて按分を行っ │ │については、他都市の判例等を参 │費の支出に当たっての留意 │ていた。例えば、事務費に│ │考に定めることが望まれる。(意 │点について」により、全議員│ついて、最も低い議員で │ │見)              │に合理的に説明しうる比率 │50%、最も高い議員で  │ │                │を用いるとともに、その根拠│100%の按分率あった。 │ │                │を報告書類に記述したり、資│            │ │                │料等を添付したりする等、報│            │ │                │告書類の作成において適正 │            │ │                │比率あることの証明に │            │ │                │努めるよう周知徹底した。 │            │ ├────────────────┼─────────────┼────────────┤ │ 多くの議員が市政報告を行い、 │ 平成24年3月22日付け岐 │ 市政報告の印刷物の写 │ │その印刷代、郵送代を広報広聴費 │市議第597号議長通知「平成 │しが添付資料とされてい │ │として支出しているが、按分率の │23年度包括外部監査結果等 │た。また、これに関する按│ │妥当性をチェックするためには、 │を踏まえた今後の政務調査 │分率も、最も低い議員で │ │市政報告の印刷物は必要ある  │費の支出に当たっての留意 │50%、最も高い議員で  │ │と考えられる。今後は市政報告の │点について」により、成果物│100%の按分率あった。 │ │印刷物も収支報告書への添付資  │や証拠書類を添付したりす │            │ │料とすることが望ましい。(意見)│る等して、政務調査費として│            │ │                │合理性、必要性を備えた支出│            │ │                │あることの証明に努める │            │ │                │よう周知徹底した。    │            │ ├────────────────┼─────────────┼────────────┤ │ 政務調査費運用指針の最終の  │ 当該運用指針は、岐阜市議│ 運用指針は、その基と │ │改正が平成20年3月あるが、  │会各会派幹事長会議におい │なる申し合わせに合わ  │ │その後、政務調査に関わる多数の │て決定されたものあり、同│せ、改定された。政務活動│ │判例が出ており、これらを運用指 │様に改定についても同会議 │費に関する申し合わせの │ │針に反映させることが適切と考  │で決定するものある。議会│主改定内容は、上記の │ │える。また、今後も新しい判例に │事務局においては、現行の政│とおりある。     │ │より、一般に政務調査費として認 │務調査費運用指針との比較・│            │ │められるものが明確化していく  │検証のため、判例や裁判例、│            │ │と考えられるため、定期的見直 │他の地方議会における運用 │            │ │しを行うことが望ましい。(意見)│指針の策定・改定状況等に関│            │ │                │する情報の収集を進めると │            │ │                │ともに、各議員への情報提供│            │ │                │に努めた。        │            │ ├────────────────┼─────────────┼────────────┤ │ 政務調査費は、情報公開請求の │ 平成24年3月22日付け岐 │ 以下のとおり改定さ  │ │対象あり、市民により内容のチ │市議第597号議長通知「平成 │れ、現状においては市民 │ │ェックをされるうるものある。 │23年度包括外部監査結果等 │の目による確認ができる │ │常に、市民の目を意識して、政務 │を踏まえた今後の政務調査 │状態となっている。   │ │調査費の使用及び報告を行うこ  │費の支出に当たっての留意 │・平成26年2月「岐阜市 │ │とが望ましい。(意見)     │点について」により、成果物│議会政務活動費収支報告 │ │                │や証拠書類を添付したりす │書等の閲覧等に関する要 │ │                │る等して、政務調査費として│綱」が作成され、平成25 │ │                │合理性、必要性を備えた支出│年度以降の収支報告書等 │ │                │あることの証明に努める │につき閲覧が可能(過去 │ │                │よう周知徹底した。    │5年度分)になっている。│ │                │             │・平成29年度交付分以降 │ │                │             │の収支報告書等がホーム │ │                │             │ページで公開されてい  │ │                │             │る。          │ └────────────────┴─────────────┴────────────┘ 【意見 議会事務局】  「政務活動費に関する解説書」に記載の判例によれば、「議員事務所で使用するもの については、政務調査活動以外の政治活動も行われていると推認される」(平成25年 3月21日広島高裁)、「議員活動においても、調査活動に費やす時間に比べて一般的 政党活動、選挙活動、後援会活動及び私的活動に費やす時間の方が圧倒的に多く」(平 成25年3月21日名古屋高裁)とされている。つまり、政務活動費としての按分比率 は、議員活動か私的活動かの按分ではなく、議員活動、政務活動、私的活動等の全体の うち、政務活動の占める比率ある。  按分率が適正比率あることについて(100%の按分率とされているよう場合は 特に)、個別に検証をした形跡を残すことが望ましい。 (2)図書・備品台帳 【事実関係】  令和元年度の収支報告書において、パソコン及び図書購入者の支払伝票等を確認し たところ、「図書・備品台帳」は報告書類に含まれておらず、耐用年数内の購入かどう かの確認ができなかった。 【規範】  政務活動費に関する申し合わせでは、収支報告書等について、「購入した備品及び図 書は、それぞれ備品台帳及び図書台帳に記載し、収支報告書を議長に提出する際に提 示する。」とされている。  また、「政務活動費に関する解説書」の留意事項では、「備品とみなすものは、備品 台帳に記載し管理します。耐用年数内に同一種別の備品を再び購入した場合、当該経費 に充てることはできません。」とされている。 【意見 議会総務課】  「備品購入は、議員退職後の所有権や備品管理等複雑問題が多いので、慎重に判 断する必要があります」と同解説書にもある。  購入に対する自律的判断を促し、また、耐用年数内に備品を購入したかどうかの 確認を促すため、図書・備品台帳を報告書類に含めることが望ましい。  37.岐阜市職員互助会助成金 <概要> ┌────┬────────────────────────────────┐ │所管  │行政部 職員厚生課                       │ ├────┼────────────────────────────────┤ │説明区分│互助会補助金                          │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市職員互助会                        │ ├────┼────────────────────────────────┤ │対象事業│職員の福利厚生事業                       │ ├────┼────────────────────────────────┤
    │根拠規定│なし                              │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付目的│職員の福利厚生事業の充実を図る                 │ ├────┼────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和37年12月                          │ ├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算│11,954,000│12,149,000│12,500,000│12,679,000│12,790,000│ │    ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算│11,858,226│12,015,753│12,199,597│12,662,032│12,777,871│ └────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘  岐阜市職員互助会は、市の補助金及び職員の掛金を主収入源としており、その補 助率等の経緯は下記のとおりある。 ┌───────────┬─────┬─────┐ │           │ 補助率 │ 掛金  │ ├───────────┼─────┼─────┤ │~平成18年度     │ 3.5/1000│ 3.5/1000│ ├───────────┼─────┼─────┤ │平成19年度~平成21年度│  2/1000│  4/1000│ ├───────────┼─────┼─────┤ │平成22年度~     │  1/1000│  4/1000│ └───────────┴─────┴─────┘  平成22年度からの補助率は、平成21年度岐阜市職員互助会への公費負担のあり方 検討委員会で決定されたものある。 <監査の結果> (1)根拠規程 【事実関係】  本補助金に交付要綱はない。  ただし、次のよう根拠はある。 1)地方公務員法第42条「地方公共団体は、職員の保健、元気回復その他厚生に関する  事項について計画を樹立し、これを実施しなければならない。」 2)平成28年8月22日付の岐阜市決裁「岐阜市職員互助会助成金の支出について」  1)上記平成21年度岐阜市職員互助会への公費負担のあり方検討委員会の審議結果    を踏まえ、会員の給料月額の総額に1,000分の1を乗じた額を市が助成するこ          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    と、この助成は岐阜市職員互助会規約第8条の規定に基づき同額を支払う  2)岐阜市職員互助会規約に定める助成額の変更にあたっては、所属団体と職員互    助会が協議の上、組合会の議決をもってこれを変更することができるものとす    る  3)助成金の支払いにあたっては、岐阜市補助金等交付規則第26条の規定に基づき、    同規則第4条(交付申請)、第5条(交付決定)、第7条(決定通知)、第15条     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    (実績報告)、第16条(交付額の決定)及び第18条(前金払等)の各条に定め     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    る手続きは省略する     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「原則、補助金交付を継続的あるいは一般的に行う必要 のない場合を除き、補助目的・補助対象・補助金額・補助率・交付手続(岐阜市補助金 等交付規則と異なる方法の場合)等を記載した要綱を定めること」とされている(4. 補助要綱の整備)。 【指摘 職員厚生課】  本補助金の交付要綱を設けるべきある。 (2)補助対象事業 【事実関係】  予算書添付資料によれば、本補助は、「職員の福利厚生事業の充実を図るための福利 事業を実施するため」補助するとあるが、補助対象事業の定めはい。  岐阜市職員互助会規約第6章には、福利事業として次のとおり規定されている。 第6章 福利事業 (福利事業) 第23条 本会は、会員の福祉を増進するため、次の事業を行う。     (1)文化、教養に関すること。     (2)保健体育に関すること。     (3)その他必要と認めたもの (融資事業) 第23条の2 本会は、会員の生活安定を図るため、次の事業を行う。     (1)生活資金貸付に関すること。     (2)その他必要と認めたもの (厚生事業) 第23条の3 本会は、会員の生活、文化の向上を図るため、次の事業を行う。     (1)生活必需品の購入、あっせん等購買に関すること。     (2)食堂、喫茶の運営に関すること。     (3)委託に関すること。     (4)その他必要と認めたもの  岐阜市職員互助会の会計は、一般会計、給付会計、生活資金貸付会計、厚生事業部会 計に区分されており、本補助金は、一般会計に充てられて、執行されている。  一般会計の内容は下記のとおりとなっている。              (円) ┌────┬──────┬─────┬───────────────────┐ │歳入  │会費    │35,196,140│職員掛金               │ │    ├──────┼─────┼───────────────────┤ │    │助成金   │17,579,602│市助成金 特別会計等の分含む     │ │    ├──────┼─────┼───────────────────┤ │    │財産運用収入│  14,601│利息・配当              │ │    ├──────┼─────┼───────────────────┤ │    │繰入金   │ 9,500,000│別途積立金取崩            │ │    ├──────┼─────┼───────────────────┤ │    │雑入    │  854,860│福利事業参加費等           │ │    ├──────┼─────┼───────────────────┤ │    │歳入合計  │63,145,203│                   │ ├────┼──────┼─────┼───────────────────┤ │歳出  │事務費   │  632,201│事務所費               │ │    ├──────┼─────┼───────────────────┤ │    │福利事業費 │49,206,935│※内訳は下記のとおり         │ │    ├──────┼─────┼───────────────────┤ │    │繰出金   │ 9,500,000│厚生事業会計赤字補てん        │ │    ├──────┼─────┼───────────────────┤ │    │積立金   │  14,601│別途積立金積立            │
    │    ├──────┼─────┼───────────────────┤ │    │歳出合計  │59,353,737│                   │ └────┴──────┴─────┴───────────────────┘ (※)福利事業費の内訳                         (円) ┌───────┬─────┬───────────────────────┐ │       │     │1)テーマパークチケット補助          │ │慰安行事費  │10,187,800│ チケット数4,508枚(ディズニーリゾート、U  │ │       │     │ SJ、レゴランド、ナガシマスパーランド)  │ │       │     │2)鵜飼観覧 参加数213人            │ ├───────┼─────┼───────────────────────┤ │       │     │1)指定旅館 計724部屋分            │ │施設利用補助金│19,696,120│2)定額補助施設 計154人            │ │       │     │3)通年利用施設(リゾートトラスト割引)計278件 │ ├───────┼─────┼───────────────────────┤ │       │     │1)観劇会(名古屋四季劇場)3日間計110人参加  │ │文化事業費  │ 2,219,580│2)映画鑑賞補助 参加者計 744人        │ │       │     │3)FC岐阜観戦 前売り券1/2補助 計412人   │ │       │     │4)大河ドラマ館 計805人            │ ├───────┼─────┼───────────────────────┤ │教養事業費  │  637,816│1)通信教育、カルチャーセンター受講補助 43人 │ │       │     │2)退職準備説明会 参加者98人         │ ├───────┼─────┼───────────────────────┤ │       │     │1)ソフトボール大会 参加者390人        │ │体育費    │ 2,943,361│2)バレーボール大会 参加者315人        │ │       │     │3)ウオーキング補助              │ │       │     │ JR東海主催事業交通費補助 参加者1,212人  │ ├───────┼─────┼───────────────────────┤ │厚生助成金  │   1,420│ボランティア助成 2人             │ ├───────┼─────┼───────────────────────┤ │       │     │1)退職者ガイドブック印刷 130部        │ │広報費    │  365,312│2)福利厚生ニュース印刷 5,800部        │ │       │     │            +(特集号)5,500部  │ ├───────┼─────┼───────────────────────┤ │負担金補助及び│ 1,917,281│1)職員みこしパレード             │ │交付金    │     │2)体育会運営補助(運営費、遠征費補助)    │ ├───────┼─────┼───────────────────────┤ │       │     │1)人間ドック補助(@6,700) 213人      │ │       │     │2)インフルエンザ予防接種補助(@2,000上限)  │ │保健事業費  │11,238,245│               2,944人     │ │       │     │3)オプション検査受診補助(@3,000上限)    │ │       │     │               1,135人     │ │       │     │4)精密検査受診補助(@3,000上限) 590人   │ └───────┴─────┴───────────────────────┘  市によれば、テーマパークのチケット助成には、補助金が充てられていないとのこ とあるが、書類上は、そう認識することができなかったし、「職員の福利厚生事業の 充実を図る」とする補助金で、「福利事業費」の中にテーマパークのチケット助成が含 まれている以上、補助金が充てられていると受け取られても仕方がない状況ある。 【指摘 職員厚生課】  補助対象事業・経費を具体的に規定すること、補助金が充てられるべき経費が明 確になり、補助金の残余金の有無が明確になるのみならず、テーマパークのチケット 助成のように公金から補助する公益上の必要性を認め難い経費と補助対象経費の区別 が明確になったり、補助金額を他事業、例えば給付事業に充てていないため各職員の 源泉税の対象とならないことが明確になったりする。支出側、互助会双方にとって必 要ことあると考える。  具体的補助対象事業、補助対象経費、補助率、補助の上限を定めるべきある。 (3)実績報告 【事実関係】  本補助金は実績報告がなされていない。  岐阜市補助金等交付規則第26条は、市長は、第4条、第5条、第7条、第15条、 第16条又は第18条の規定にかかわらず、「別に定めるところにより、」当該各条の手 続を統合し、又は省略して補助金等を交付することができるとされており、上記の平 成28年8月22日付の岐阜市決裁「岐阜市職員互助会助成金の支出について」により、 補助金等交付規則の各手続きが省略されているためある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 職員厚生課】  単なる決裁では規則の適用を除外する別の定めとはならない。  交付要綱で定めるまでは、補助金等交付規則に従った手続をとるべきある。特に、 実績報告を求め、使用実績が補助目的に合致しているか、補助対象事業以外に使用さ れていないかを確認すべきある。 (4)余剰金の返還 【事実関係】  互助会において、令和元年度の一般会計決算書では、本補助金を含めた助成金額収 入合計が27,113,462円、助成金支出額合計が26,774,908円あり、残高338,554円 は、市に返還されることなく、積立金に繰り入れられていた。  市によれば、「厚生事業部会計の赤字補填として、過去の補助金の積立金から 9,500,000円を取り崩して一般会計に繰り入れて、厚生事業部会計に繰り出している。 そのため、実質的には9,161,446円の補助金が不足している。単年度で補助金を精算 した場合、約9百万円の追加補助が必要となる。互助会事業は年度末まで実施してい るため、年度内に不足額を確定し、補助金を追加で支出することは事実上困難ある。 このため、決裁により補助金の額は給料の1/1000とし、剰余金が生じた場合は積立金 とすることにより、不足時の対応に充当せざるを得ない状況ある。」とのことある。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、前金払をしたものも、実績報告を受けた結果、補 助金等に余剰が生じた場合は、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。 【指摘 職員厚生課】  市の見解は、互助会側に立ったものある。補助金を交付する側の市としては、補助 金は単年度使用が原則あり、補助金の積立金あるとか、追加補助が必要になると いう考えは適切はない。互助会の積立金(繰越金)は、補助金ではなく掛金で構成さ れていると扱うべきある。  補助金の余剰金があれば返還させるべきある。 第5 岐阜県・関係市町村
     38.木曽川右岸地帯水防事務組合負担金 <概要> ┌────┬──────────────────────────────────┐ │所管  │基盤整備部 水防対策課                       │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │説明区分│事務組合負担金                           │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │交付先 │木曽川右岸地帯水防事務組合                     │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │対象事業│水防に関する事務の処理                       │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │根拠規定│木曽川右岸地帯水防事務組合規約第13条                │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │水防に関する事務を共同処理する(岐阜市厚見、長森南、長森北、長森  │ │交付目的│西、長森東及び茜部並びに旧柳津町の境川以東の区域、羽島郡笠松町、  │ │    │同郡岐南町、各務原市(旧蘇原町、旧鵜沼町及び旧川島町を除く))(規約│ │    │の文言)                              │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和37年度                             │ ├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │ 予算 │16,598,000│16,115,000│16,559,000│16,164,000│16,816,000│ │    ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │ 決算 │16,598,000│16,115,000│16,559,000│16,164,000│16,816,000│ └────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)負担金額の適否 【事実関係】  市は、平成31年4月1日付け負担金請求書を同月2日に受領し、同日、支出負担行 為書を決裁している。  支出負担行為書には、事務組合の平成31年2月5日に開催された定例会の議案書及 び令和元年度の予算書が添付されているが、平成30年度の決算に関する資料は添付さ れていない。 【規範】  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【意見 水防対策課】  負担金額の必要性及び相当性を判断するためには、事務組合から提出された予算書 の内容が適切あるかを確認する必要があり、そのためには、前年度の決算内容を確 認する必要がある。年度開始後の定例会において承認された決算書の提出を受けた後 に、本年度の負担金を支出するのが最も望ましい。事務組合の決算承認よりも前に負 担金による収入が必要不可欠あるよう場合あっても、年度開始時に決算見込み を提出することはできるはずあるので、決算見込書を提出させて、前年度の決算内 容及び本年度の予算内容の確認をした上で、負担金を支出することが望ましい。  市によれば、2月の定例会前に開催される市町協議会において、当該年度の決算見 込みについての資料配布及び説明を受け、翌年度の予算案の内容が適切あるかを確 認しているとのことあるが、記録上、それが確認できなかった。  支出負担行為書には、前年度の決算書(決算見込書)を添付することが望ましい。  39.大野町1アンダーパス維持管理負担金 <概要> ┌────┬────────────────────────────────┐ │所管  │基盤整備部 道路維持課                     │ ├────┼────────────────────────────────┤ │説明区分│維持補修負担金                         │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付先 │各務原市                            │ ├────┼────────────────────────────────┤ │対象事業│大野町1アンダーパスの管理                   │ ├────┼────────────────────────────────┤ │根拠規定│大野町1アンダーパスの管理に関する協定書第3条         │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付目的│行政区画の境界にかかる大野町1アンダーパスの管理(協定書の文言)│ ├────┼────────────────────────────────┤ │開始年度│令和元年度                           │ ├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算│  -  │  -  │  -  │  -  │    0│ │    ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算│  -  │  -  │  -  │  -  │  95,195│ └────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)予算計上 【事実関係】  平成30年度に協定締結となったため、平成30年度の予算計上はなかったが、令和 元年度及び2年度の予算計上もなされていない。 【指摘 道路維持課】  協定書に基づき、毎年度恒常的に支払が必要となる負担金あることから、予算を 立てるべきある。 (2)裏付け資料の確認 【事実関係】  岐阜市が支出する金額は、各務原市の計算によるものとなっているが、各務原市の 計算の裏付け資料(委託契約書等)が支出負担行為書に添付されていない。 【規範】  テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果 (受益)」の適否が判断されるべきあり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手 方と協議の上、常に適切見直しを図っていくべきあるとされている。 【意見 道路維持課】  各務原市の計算が適正ものか、市において独自に検討判断したことが分かるよう、 委託契約書等の裏付け資料を支出負担行為書に添付することが望ましい。
     40.名鉄高架事業県営工事負担金 <概要> ┌────┬────────────────────────────────┐ │所管  │都市建設部 駅周辺事業推進課                  │ ├────┼────────────────────────────────┤ │説明区分│県営事業負担金                         │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜県岐阜駅周辺鉄道高架工事事務所長              │ ├────┼────────────────────────────────┤ │対象事業│名鉄名古屋本線鉄道高架化事業                  │ ├────┼────────────────────────────────┤ │根拠規定│県の行う建設事業に対する市町村の負担金について(岐阜県議決)  │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付目的│名鉄名古屋本線鉄道高架化のため(個別調査票の文言)       │ ├────┼────────────────────────────────┤ │開始年度│平成25年度                           │ ├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算│22,725,000│29,475,000│22,725,000│12,750,000│12,750,000│ │    ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算│22,502,189│28,751,431│18,500,012│12,500,190│ 8,681,930│ └────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)金額の根拠 【事実関係】  市が、鉄道沿線現地測量業務、踏切部測量業務、名鉄高架事業協議資料作成支援等業 務、交差排水路予備検討業務に対する支出しているものあるが、測量費用等は、岐南 町部分の区間も含んものとして金額設定されていた。なぜ岐南町部分まで市が負担 するのかは、書類上明らかなかった。 【意見 駅周辺事業推進課】  岐南町部分の測量費用等についても市が負担する理由を書類上明らかにしておくこ とが望ましい。 第6 地域  41.自治会連合会運営費補助金 <概要> ┌────┬────────────────────────────────┐ │所管  │市民協働推進部 市民活動交流センター              │ │    │※令和元年度は、市民参画部 市民活動交流センター        │ ├────┼────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                         │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付先 │各自治会連合会(50地区)                    │ ├────┼────────────────────────────────┤ │対象事業│各自治会連合会の運営                      │ ├────┼────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市自治会連合会運営費補助金交付要綱             │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付目的│自治会連合会の健全運営を図る(要綱の文言)          │ ├────┼────────────────────────────────┤ │開始年度│平成11年度                           │ ├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算│30,837,000│30,837,000│30,837,000│30,837,000│30,837,000│ │    ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算│30,834,700│30,834,900│30,834,400│30,835,000│30,834,500│ └────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)交付目的の設定 【事実関係】  交付要綱では、交付の趣旨(目的)として、「自治会連合会の健全運営を図る」と 記載されている(第1条)。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、「補助金等の交付の目 的に従って」公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 市民活動交流センター】  交付要綱において、交付目的として、健全運営を図ることによって何を目的とし ているのかを定めるべきある。 (2)他の補助金との整合性 【事実関係】  自治会連合会に対しては、本補助金のほか、「地区敬老会運営補助金」(高齢福祉課)、 「新成人を祝い励ます会運営費補助金」(社会・青少年教育課)を交付している。  本補助金の実績報告書に添付されている収支決算書には、収入として、本補助金なく、これらの補助金も計上され、これらの補助対象事業に関する支出が計上さ れていた。他方において、これらの補助金の実績報告書に添付されている収支決算書 には、自治会連合会からの負担金収入が計上されているものがあった。  例えば、金華自治連合会の提出した収支決算書によれば、次のとおりあった。同一 の団体の中で、金額が異なっていた(下線部分)。 「地区敬老会運営」 ┌──┬─────────────┬─────────┬──────────┐ │  │             │自治会連合会補助金│ 地区敬老会補助金 │ │  │             │  の決算書   │   の決算書   │ ├──┼─────────────┼─────────┼──────────┤ │収入│  補助金(市から)   │      763,000│       763,000│ │  ├─────────────┼─────────┼──────────┤ │  │負担金(自治会連合会から)│         │         0│ ├──┼─────────────┼─────────┼──────────┤
    │支出│             │      695,453│       763,000│ │  │             │      ̄ ̄ ̄ ̄│       ̄ ̄ ̄ ̄│ └──┴─────────────┴─────────┴──────────┘ 「新成人を祝い励ます会運営」 ┌──┬─────────────┬─────────┬──────────┐ │  │             │自治会連合会補助金│新成人を祝い励ます会│ │  │             │  の決算書   │ 補助金の決算書  │ ├──┼─────────────┼─────────┼──────────┤ │収入│  補助金(市から)   │      91,500│       91,500│ │  ├─────────────┼─────────┼──────────┤ │  │負担金(自治会連合会から)│         │       219,895│ │  │             │         │       ̄ ̄ ̄ ̄│ ├──┼─────────────┼─────────┼──────────┤ │支出│             │      321,000│       311,395│ │  │             │      ̄ ̄ ̄ ̄│       ̄ ̄ ̄ ̄│ └──┴─────────────┴─────────┴──────────┘ 【指摘 市民活動交流センター、高齢福祉課、社会・青少年教育課】  補助金の交付先から提出される収支決算書が正確ものあるかを確認すべきある。 【事実関係】  本補助金と同じく、市が自治会連合会の世帯数に応じて算出した額を交付するもの として、都市美化推進連絡協議会各支部に対する「都市美化推進事業補助金」(低炭素・ 資源循環課)、各自主防災隊に対する「自主防災組織活動事業補助金」(都市防災政策 課)、各地域体育振興会に対する「地域体育振興事業補助金」(市民スポーツ課)が存在 する。なお、各自主防災隊に対しては、一律の金額で「自主防災組織訓練事業補助金」 も交付している。また、団員の数に応じて算出した額を交付するものあるが、各消防 分団に対する「岐阜市消防団分団維持運営費負担金」(消防総務課)も交付している。  本補助金の実績報告書に添付されている収支決算書には、自治会連合会の収入とし て、これらの補助金が計上されているものや、これらの補助(負担)対象事業に関する 支出が計上されているものがあった。他方において、これらの補助金・負担金の実績報 告書に添付されている収支決算書には、自治会連合会からの負担金収入が計上されて いるものがあった。  例えば、金華自治連合会、都市美化推進連絡協議会金華支部、金華自主防災隊、金華 体育振興会、中消防団金華分団の収支決算書によれば、次のとおりあった。自治会連 合会と各団体との間で、同一あるはずの金額が異なっていた(下線部分)。  また、別の団体ある都市美化推進連絡協議会各支部や各自主防災隊の収入が、自 治会連合会の収入にも計上されていた(網掛け部分) 「都市美化推進事業」 ┌──┬─────────────┬──────────┬──────────┐ │  │             │自治会連合会補助金の│ 都市美化推進事業 │ │  │             │   決算書    │ 補助金の決算書  │ ├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤ │収入│  補助金(市から)   │       59,784│       59,784│ │  ├─────────────┼──────────┼──────────┤ │  │負担金(自治会連合会から)│          │       34,216│ │  │             │          │        ̄ ̄ ̄│ ├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤ │支出│             │      記載なし│       94,000│ │  │             │       ̄ ̄ ̄ ̄│          │ └──┴─────────────┴──────────┴──────────┘ 「自主防災組織活動事業」 ┌──┬─────────────┬──────────┬──────────┐ │  │             │自治会連合会補助金 │自主防災組織活動事業│ │  │             │   の決算書   │ 補助金の決算書  │ ├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤ │収入│  補助金(市から)   │          │       214,000│ │  ├─────────────┼──────────┼──────────┤ │  │負担金(自治会連合会から)│          │        8,000│ │  │             │          │        ̄ ̄ ̄│ ├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤ │支出│             │      記載なし│       222,000│ │  │             │       ̄ ̄ ̄ ̄│          │ └──┴─────────────┴──────────┴──────────┘ 「自主防災訓練事業」 ┌──┬─────────────┬──────────┬──────────┐ │  │             │自治会連合会補助金 │ 自主防災訓練事業 │ │  │             │   の決算書   │ 補助金の決算書  │ ├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤ │収入│  補助金(市から)   │       60,000│       60,000│ │  ├─────────────┼──────────┼──────────┤ │  │負担金(自治会連合会から)│          │       11,429│ │  │             │          │        ̄ ̄ ̄│ ├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤ │支出│             │       68,647│       71,429│ │  │             │        ̄ ̄ ̄│        ̄ ̄ ̄│ └──┴─────────────┴──────────┴──────────┘ 「地域体育振興事業」 ┌──┬─────────────┬──────────┬──────────┐ │  │             │自治会連合会補助金 │地域体育振興事業  │ │  │             │   の決算書   │ 補助金の決算書  │ ├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤ │収入│  補助金(市から)   │          │       36,300│ │  ├─────────────┼──────────┼──────────┤ │  │負担金(自治会連合会から)│          │       222,700│ │  │             │          │       ̄ ̄ ̄ ̄│ ├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤ │支出│             │       350,000│       259,000│ │  │             │       ̄ ̄ ̄ ̄│          │ └──┴─────────────┴──────────┴──────────┘ 「消防団分団維持運営費負担金」 ┌──┬─────────────┬──────────┬──────────┐ │  │             │自治会連合会補助金 │消防団分団維持運営費│ │  │             │   の決算書   │ 負担金の決算書  │ ├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤ │収入│  負担金(市から)   │          │       191,000│ │  ├─────────────┼──────────┼──────────┤ │  │負担金(自治会連合会から)│          │       ※1,996│ │  │     ※1      │          │       ̄ ̄ ̄ ̄│ ├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤
    │支出│     ※2      │       400,000│       192,996│ │  │             │       ̄ ̄ ̄ ̄│          │ └──┴─────────────┴──────────┴──────────┘ ※1 中消防団金華分団の収支決算書には、「自治会連合会」からと記載されていたが、   実際は、「中消防団金華支部」からの収入とのことあった。「中消防団金華支部」   とは、「中消防団金華分団」と構成員は同じあるが、それとは別の親睦会とのこ   とあった。 ※2 自治会連合会の収支決算書には、「中消防団金華支部」への支出と記載されてい   た。 【指摘 市民活動交流センター、低炭素・資源循環課、都市防災政策課、市民スポーツ 課、消防総務課】  補助金・負担金の交付先から提出される収支決算書が正確ものあるかを確認す べきある。 【指摘 市民活動交流センター】  別の団体ある都市美化推進連絡協議会各支部や各自主防災隊の収入が、自治会連 合会の収入にも計上されているのは、誤りあるので正すようにすべきある。 (3)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は平成11年度から 開始しており、長期にわたっている。  補助金の額は、「均等割456,000円+世帯割8,937,000円×当該自治会連合会の世帯 数/総自治体連合会の世帯数」により算出される額として世帯数によって機械的に決 められている。均等割の456,000円も、世帯割の8,937,000円も、少なくとも直近5 年間は変動しておらず、その算定根拠は明らかはなく、ヒアリングによれば前年踏 襲とのことあった。  補助対象経費は、「自治会連合会の運営に係る費用の一部」とされているだけ、具 体的に定められていない。  他の補助金には見られない事務がなされている。岐阜市補助金等交付規則で要求さ れている、交付申請書に収支予算書を添付する義務、前金払請求書を提出する義務、補 助金の額の確定手続を、交付要綱により除外している。交付申請書の「補助事業等の目 的及び内容」の欄の記載は全ての自治会連合会が同一文言あった。  自治会連合会に対しては、本補助金のほか、「地区敬老会運営補助金」、「新成人を祝 い励ます会運営費補助金」を交付しているが、上記のとおり、自治会連合会において、 これらの補助金と本補助金が混同して扱われており、各々の補助金における補助対象 経費が明確に区別されていない。  自治会連合会は、会費収入がある上、広報ぎふ配布手数料、資源分別回収事業等の収 入もある。自治会連合会により金額の差異はあるものの、相当額の繰越金を有してい る。これらの収入や繰越金について、把握はしているものの、補助金の額の算定におい て考慮していない。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 市民活動交流センター】  世帯数により機械的に算定し、補助対象団体が得ている収入や財産状況を考慮する ことなく補助金の額を定めるのは、市から定額の金銭の交付を受けられることを前 提にして、それで不足する分を自己資金で補うという形になってしまい、自己資金で は不足するので補助を受けるという補助金の本来の在り方と異なる。岐阜市住民自治 基本条例では、「市長等は、自治会の重要性を認識し、地域住民の自治会への加入及び 自治会の活動への参加がしやすい環境づくり等必要に応じて支援を行う」(第15条第 2項)との定めはあるが、これは、抽象的に自治会連合会の運営を支援することとは異 なるものある。  自治会の重要性や特殊性は理解できるが、現状のように、補助金として維持するの あれば、団体の運営補助ではなく事業補助に切り替えるべきあると言わざるを得 ない。そして、補助金の額を世帯数により機械的に算定するのはなく、交付要綱にお いて、具体的補助対象事業を定め、補助対象事業毎に補助対象経費を具体的に定め、 一定の補助率と補助上限額を具体的に設定すべきあると言わざるを得ない。もし、 世帯数により機械的に算定した額を交付し、補助対象事業や補助対象経費を具体的に 定めないのあれば、もはや補助金として維持することはできないので、負担金又は 交付金に変更すべきある。負担金又は交付金に変更したとしても、均等割の金額及 び世帯割の母数の金額について、公金の適切支出あると市民に説明できるよう、 毎年度、検証した過程及び当該金額の必要性や有効性が認められる根拠が明らかにな るよう書面を作成しておくべきある。  自治会連合会又は関連する団体に対する補助金等を整理すると、次のものがある。 負担金又は交付金に変更するにあたっては、全体として検討されたい。 ┌──────────┬──────────────┬──────────┐ │各自治会連合会   │自治会連合会運営費補助金  │市民活動交流センター│ ├──────────┼──────────────┼──────────┤ │各自治会連合会   │地区敬老会運営費補助金   │高齢福祉課     │ ├──────────┼──────────────┼──────────┤ │各自治会連合会   │「新成人を励ます会」運営費補│社会・青少年教育課 │ │          │助金            │          │ ├──────────┼──────────────┼──────────┤ │都市美化推進連絡協議│都市美化推進事業補助金   │低炭素・資源循環課 │ │会各支部      │              │          │ ├──────────┼──────────────┼──────────┤ │各自主防災隊    │自主防災組織活動事業補助金 │都市防災政策課   │ │          │自主防災組織訓練事業補助金 │          │ ├──────────┼──────────────┼──────────┤ │各地域体育振興会  │地域体育振興事業補助金   │市民スポーツ課   │ ├──────────┼──────────────┼──────────┤ │交通安全協会各支部 │交通安全活動推進団体補助金 │防犯・交通安全課  │ ├──────────┼──────────────┼──────────┤ │各女性防火クラブ  │消防関係補助金       │予防課       │ ├──────────┼──────────────┼──────────┤ │各少年消防クラブ  │消防関係補助金       │予防課       │ ├──────────┼──────────────┼──────────┤ │各消防団分団    │消防団分団維持運営費補助金 │消防総務課     │ ├──────────┼──────────────┼──────────┤ │各まちづくり協議会 │地域力創生事業補助金    │市民活動交流センター│ ├──────────┼──────────────┼──────────┤ │各青少年育成市民会議│岐阜市青少年育成市民会議運営│社会・青少年教育課 │ │          │費補助金          │          │ ├──────────┼──────────────┼──────────┤ │各地区民生委員候補者│民生委員候補者推薦準備会補助│福祉政策課     │ │推薦準備会     │金             │          │ ├──────────┼──────────────┼──────────┤
    │各民生委員・児童委員│岐阜市民生委員・児童委員協議│福祉政策課     │ │協議会       │会運営費補助金       │          │ └──────────┴──────────────┴──────────┘  42.地区敬老会運営補助金 <概要> ┌────┬────────────────────────────────┐ │所管  │福祉部 高齢福祉課                       │ ├────┼────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                         │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付先 │各自治会連合会(50地区)                    │ ├────┼────────────────────────────────┤ │対象事業│地区敬老会の運営                        │ ├────┼────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市地区敬老会運営費補助金交付要綱              │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付目的│地区敬老会の健全運営を図る(要綱の文言)           │ ├────┼────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和45年度                           │ ├────┬──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算│50,202,000│51,807,000│53,706,000│55,280,000│45,701,000│ │    ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算│48,314,656│49,774,980│51,585,115│53,196,700│43,368,643│ └────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象経費 【事実関係】  補助対象事業は、各地区の敬老会の開催そのものある。  補助対象経費は、地区敬老会の運営に要する費用とあるのみ、無限定ある。  実際の支出額は、主に祝品費あり、他には、ホテル等の会場費、飲食費、反省会等 ある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目あるとさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。  交付要綱(本補助金では実施要綱)は、上記の要請を達成するために重要規範とな るものある。交付要綱の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手 続きの公正さが確保できない。 【指摘 高齢福祉課】  交付要綱において、補助対象経費を個別具体的に定めるべきある。なお、飲食費 は、受益者負担とし、補助対象経費から除くべきある。  市によれば、具体的に定めると独自性を阻害するとのことあるが、そうは思えな い。補助対象経費を個別具体的に定めるのは、補助金の在り方として法令の要請にこ たえるための基本あると考える。 (2)補助金の額 【事実関係】  補助金の額は、補助対象事業(地区敬老会)の内容や経費に関係なく、固定的に算定 されている。すなわち、交付要綱において、補助金の限度額は、予算の範囲内で以下に 掲げる額を合算した額とされ(要綱第3条)、交付申請額及び交付決定額は、限度額と 同じ額あった。  (1)10万円  (2)補助金の交付を受けようとする年度(以下「交付年度」という。)の12月30    日現在において満80歳以上ある者(交付年度の6月1日現在において、本市    の住民基本台帳に記録されている者(当該自治会連合会の区域に住所を有する    者に限る。)に限る。)の数に1,000円を乗じて得た額  各自治会連合会の提出する予算書は、この限度額の収入ありき作られており、支 出額の合計額に比して不足する分を、自治会連合会の負担金(自己資金)で賄ってい た。このよう予算書の作り方あるから、決算書において支出額が減少した場合で あっても、自治会連合会の負担金(自己資金)を減らすことによって収支を合わせて いた。  本補助金については、平成23年度の包括外部監査でも取り上げられており、地区敬 老会への参加者が少なく、補助金の大部分が祝品費に充てられていることから、敬老 会のあり方について再考するよう意見が述べられていた。  なお、平成23年度と令和元年度の対象者、出席者、出席率の合計を比較すると以下 のとおりある。 ┌─────┬────┬────┬───┐ │ 年度  │対象者 │出席者 │出席率│ ├─────┼────┼────┼───┤ │平成23年度│42,725人│15,629人│36.58%│ ├─────┼────┼────┼───┤ │令和元年度│38,441人│ 8,491人│22.09%│ └─────┴────┴────┴───┘  対象者の減少は前述のとおり、対象年齢を引き上げたためと推察できるが、出席者 数は大幅に減少しており、出席率は約14.5%も減少している。  さらに、令和元年度について、各地区の対象者数に対する招待者数、出席者数及び出 席率をまとめると以下の表となる。該当者数は令和元年6月1日現在のため、若干の 招待者数の変動はあるものの、明らかに該当者に対して招待者数が少ない自治会が10 地区以上あった。また、自治会によっては従来どおり76歳以上を招待者としていると ころもあれば、80歳、88歳のみを招待者としているところもあり、招待者数について は各自治会の運用に任せている状況あった。また、出席率を見ると、分母を招待者数 としても全体で25.6%しかなかった。       (表 令和元年度 各地区敬老会開催結果) ┌──┬───────┬────┬────┬────┬───┐
    │No. │自治会連合会名│該当者数│招待者数│出席者数│出席率│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │1  │金華     │   663│   663│   165│ 24.9%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │2  │京町     │   626│   626│   145│ 23.2%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │3  │明徳     │   521│   85│   25│ 29.4%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │4  │徹明     │   684│   684│   214│ 31.3%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │5  │白山     │   751│   751│   203│ 27.0%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │6  │梅林     │   932│   932│   208│ 22.3%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │7  │本郷     │   969│   132│   97│ 73.5%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │8  │華陽     │   864│  1,133│   506│ 44.7%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │9  │木之本    │   806│   806│   197│ 24.4%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │10 │本荘     │  1,268│  1808│   352│ 19.5%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │11 │日野     │   587│   88│   28│ 31.8%│ ├──┼───────┼────┼────┴────┴───┤ │12 │長良     │   841│(該当者に記念品を贈呈) │ ├──┼───────┼────┼────┬────┬───┤ │13 │長良西    │  1,226│   121│   33│ 27.3%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │14 │長良東    │  1,080│  1,080│   367│ 34.0%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │15 │島      │   825│   115│   46│ 40.0%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │16 │早田     │   995│   129│   38│ 29.5%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │17 │城西     │   876│   876│   182│ 20.8%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │18 │三里     │   883│   883│   163│ 18.5%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │19 │鷺山     │  1,153│  1,153│   485│ 42.1%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │20 │加納東    │   905│   871│   195│ 22.4%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │21 │加納西    │   983│   983│   188│ 19.1%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │22 │則武     │   833│   827│   259│ 31.3%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │23 │常磐     │   618│   618│   135│ 21.8%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │24 │長森南    │  1,217│  1,217│   230│ 18.9%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │25 │長森北    │   678│   678│   180│ 26.5%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │26 │長森西    │   736│   525│   78│ 14.9%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │27 │長森東    │   565│   565│   123│ 21.8%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │28 │木田     │   286│   298│   70│ 23.5%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │29 │岩野田    │   977│   977│   246│ 25.2%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │30 │岩野田北   │   551│   451│   248│ 55.0%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │31 │黒野     │  1,226│  1,226│   206│ 16.8%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │32 │方県     │   306│   306│   81│ 26.5%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │33 │茜部     │   842│   842│   229│ 27.2%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │34 │鶉      │   619│   633│   228│ 36.0%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │35 │西郷     │   545│   430│   103│ 24.0%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │36 │七郷     │   801│   801│   99│ 12.4%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │37 │市橋     │   783│   783│   202│ 25.8%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │38 │岩      │   525│   525│   127│ 24.2%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │39 │鏡島     │  1,170│  1,170│   221│ 18.9%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │40 │厚見     │  1,316│  1,316│   314│ 23.9%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │41 │日置江    │   321│   321│   52│ 16.2%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │42 │芥見     │   794│   794│   138│ 17.4%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │43 │芥見東    │   729│   729│   181│ 24.8%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │44 │芥見南    │   368│   370│   102│ 27.6%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │45 │藍川     │   581│   581│   154│ 26.5%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │46 │合渡     │   409│   138│   47│ 34.1%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │47 │三輪南    │   668│   718│   167│ 23.2%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │48 │三輪北    │   319│   319│   101│ 31.7%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤ │49 │網代     │   316│   216│   100│ 46.3%│ ├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
    │50 │柳津町    │   904│   904│   233│ 25.8%│ ├──┴───────┼────┼────┼────┼───┤ │    合計    │38,411人│33,197人│ 8,491人│ 25.6%│ └──────────┴────┴────┴────┴───┘ 【指摘 高齢福祉課】  補助対象事業を地区敬老会の開催として補助金を交付するのあれば、各自治会の 対象者の数を基に一律に補助金を算出するのはなく、出席者数を見込ん敬老会の 開催に要する費用を積算させた予算書に基づき、補助対象経費の該当性を審査し、補 助金の額を算定すべきある。 【意見 高齢福祉課】  長良地区では記念品の贈呈のみ行っており、地区敬老会開催の健全運営という交 付の目的には従っていない。  新型コロナウイルスの影響が今後も一定期間継続し、また高齢者にとっては更にそ の影響が大きいことが予想されること、地区敬老会の参加者が年々減少していること も考慮しなければならない。  高齢者に対して敬意を表して、その長寿を祝福することの意義は否定しないが、そ れを地区敬老会の開催によって達成しようとするのか、祝い品の贈呈によって達成し ようとするのか、その他の方法によって達成しようとするのか、その手段に対して公 金から補助金を支出する公益上の必要性はあるのか、目的達成のための手段の在り方 について再考することが望ましい。  43.新成人を祝い励ます会運営費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 社会・青少年教育課                  │ │    │※令和元年度は、教育委員会 青少年教育課             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │各自治会連合会(50地区)                     │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│新成人を祝い励ます会の開催                    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市新成人を祝い励ます会運営費補助金交付要綱          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│新成人となる成年を地域社会で励まし大人としての自覚を促す(個別調査│ │    │票の文言)                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和56年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 8,250,000│ 8,250,000│ 8,250,000│ 8,250,000│ 8,250,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 7,725,000│ 8,208,000│ 7,808,000│ 8,049,000│ 8,095,500│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象経費 【事実関係】  補助対象事業は、各地区の新成人を祝い励ます会の開催そのものある。  補助対象経費は、「新成人を祝い励ます会の運営に要する費用」とあるのみ、無限定 ある。  支出額は、主に祝品費あり、他には、ホテル等の会場費、事務費等ある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目あるとさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。  交付要綱は、上記の要請を達成するために重要規範となるものある。交付要綱 の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手続きの公正さが確保で きない。 【指摘 社会・青少年教育課】  交付要綱において、具体的補助対象経費を定めるべきある。  市から、「交付規則には、具体的補助事業を定めなければならないとは記述してい ないため、【指摘】となる重大誤りではない。」との意見があったが、ここで述べてい ることは、地方自治法第232条の2の定める「公益上の必要性」の問題あり、公益 上の必要性というのが単なる必要性や重要性だけはないことは、第1部の9で述べ たとおりある。また、岐阜市補助金等交付規則第3条の定める「公正かつ効率的」を 担保する必要もある。交付要綱において、補助対象事業が抽象的は、補助対象経費も 抽象的に把握されるし、当該経費の必要性の判断も職員の判断にゆだねられることに なってしまい、「公益上の必要性」や「公正かつ効率的」を担保することができない。 これらを【規範】として、第1部で述べたとおり、合規性、公平性、公益性、必要性、 有効性、効率性の観点から、適法性又は妥当性に問題があり、是正措置が必要あると 考えるものを【指摘】としている。規則に書いてないからということで単純に判断する ものはない。 (2)補助対象事業及び補助金の額 【事実関係】  補助対象経費は、「新成人を祝い励ます会の運営に要する費用」とあるにもかかわ らず、補助金の額は、補助対象事業(新成人を祝い励ます会)の内容や経費に関係な く、固定的に算定されている。すなわち、交付要綱において、補助金の交付額は、以下 に掲げる額を合算した額とされている(要綱第3条)。   (1)自治会連合会毎の均等割20,000円   (2)自治会連合会毎の事務費10,000円   (3)新成人となる青年で市長が認めるものの数に1,500円を乗じた金額  各自治会連合会の提出する予算書は、この交付額の収入ありき作られており、支 出額の合計額に比して不足する分を、自治会連合会の負担金(自己資金)で賄っている 形となっている。
     令和元年度について、各地区の対象者数、出席率、自治会が負担する額(補助金を除 いた額)、及び欠席者に対する記念品の取扱いをまとめると以下の表となる。出席率 には自治会によって最大41.3ポイントの差(長良東と加納東)、自治会連合会が負担 する額には最大389,087円の差(鶉と城西)が生じており、欠席者に対する記念品の 取扱いも各自治会の運用に任せている状況あった。       (表 令和元年度 各地区新成人を祝い励ます会開催結果) ┌──┬───────┬────┬───┬───────┬───────────┐ │No. │自治会連合会名│該当者数│出席率│自治会連合会の│欠席者に対する取扱い │ │  │       │(人) │(%)│負担金(円) │(記念品)      │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │1  │金華     │   41│ 82.9│    219,895│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │2  │京町     │   36│ 77.8│    188,170│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │3  │明徳     │   22│ 72.7│    17,067│対応なし       │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │4  │徹明     │   23│ 95.7│    32,228│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │5  │白山     │   47│ 68.1│    54,357│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │6  │梅林     │   60│ 74.3│    134,321│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │7  │本郷     │   62│ 91.9│    132,788│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │8  │華陽     │   85│ 68.2│    19,040│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │9  │木之本    │   64│ 59.4│    29,062│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │10 │本荘     │   120│ 66.9│    87,200│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │11 │日野     │   97│ 66.0│    550,617│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │12 │長良     │   85│ 89.4│    123,470│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │13 │長良西    │   144│ 76.8│    236,670│交付(但し、自治会未加│ │  │       │    │   │       │入者世帯には対応なし)│ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │14 │長良東    │   133│ 100.0│    149,415│欠席者なし      │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │15 │島      │   154│ 74.5│    91,949│対応なし       │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │16 │早田     │   110│ 70.9│    253,456│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │17 │城西     │   87│ 88.8│     5,087│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │18 │三里     │   186│ 71.0│    121,000│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │19 │鷺山     │   114│ 79.3│    160,817│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │20 │加納東    │   77│ 58.7│    19,220│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │21 │加納西    │   65│ 67.7│     6,329│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │22 │則武     │   90│ 76.9│    135,000│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │23 │常磐     │   88│ 85.6│    160,679│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │24 │長森南    │   158│ 71.5│    11,833│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │25 │長森北    │   61│ 83.6│    118,404│交付(可能な限り)  │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │26 │長森西    │   85│ 69.4│    103,422│対応なし       │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │27 │長森東    │   74│ 85.1│    19,064│対応なし       │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │28 │木田     │   41│ 59.5│    61,378│対応なし       │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │29 │岩野田    │   67│ 70.1│    35,881│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │30 │岩野田北   │   106│ 83.0│    95,310│対応なし       │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │31 │黒野     │   149│ 61.7│    107,566│対応なし       │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │32 │方県     │   18│ 88.9│    76,931│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │33 │茜部     │   129│ 71.9│    28,500│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │34 │鶉      │   123│ 63.7│    394,174│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │35 │西郷     │   93│ 73.1│    171,700│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │36 │七郷     │   140│ 83.6│    300,000│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │37 │市橋     │   153│ 65.4│    347,722│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │38 │岩      │   39│ 87.2│    40,998│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │39 │鏡島     │   119│ 71.4│    107,099│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │40 │厚見     │   124│ 75.8│    162,380│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │41 │日置江    │   54│ 81.5│    30,287│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │42 │芥見     │   97│ 79.4│    137,048│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │43 │芥見東    │   78│ 88.5│    43,459│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │44 │芥見南    │   24│ 83.3│    23,503│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
    │45 │藍川     │   62│ 84.1│    163,808│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │46 │合渡     │   79│ 88.6│    84,776│不明         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │47 │三輪南    │   108│ 78.7│    116,642│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │48 │三輪北    │   30│ 86.7│    27,038│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │49 │網代     │   18│ 94.4│    55,862│交付         │ ├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │50 │柳津町    │   178│ 72.1│    35,098│対応なし       │ ├──┴───────┼────┼───┼───────┼───────────┤ │合計        │  4,397│ 75.8│       │           │ └──────────┴────┴───┴───────┴───────────┘ 【指摘 社会・青少年教育課】  補助対象事業を新成人を祝い励ます会の開催として補助金を交付するのあれば、 各自治会の対象者の数を基に一律に補助金を算出するのはなく、開催に要する費用 を積算させた予算書に基づき、補助対象経費の該当性を審査し、補助金の額を算定す べきある。  44.都市美化推進事業補助金 <概要> ┌────┬────────────────────────────────┐ │所管  │環境部 低炭素・資源循環課                   │ ├────┼────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                         │ ├────┼────────────────────────────────┤ │    │岐阜市都市美化推進連絡協議会の各支部(50地区)         │ │    │※岐阜市都市美化推進連絡協議会は、主に各小学校区単位で50支部存 │ │交付先 │ 在し、岐阜市自治会百科事典2020によると、昭和62年、地域の実情 │ │    │ に応じた美化活動を実践するため、各地区に設けられた。     │ │    │※各自治会連合会長が、都市美化推進連絡協議会の各支部長を兼任して│ │    │ いる。                            │ ├────┼────────────────────────────────┤ │対象事業│「5・3・0(ごみゼロ)運動」(5月)、「クリーンシティぎふの日│ │    │運動」(11月)等の地域清掃活動                 │ ├────┼────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市都市美化推進事業補助金交付要綱              │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付目的│市民の手による美しく明るいまちづくりを実現する(要綱の文言)  │ ├────┼────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和61年度                           │ ├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算│ 3,667,612│ 3,653,836│ 3,633,340│ 3,618,164│ 3,595,176│ │    ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算│ 3,667,612│ 3,653,836│ 3,633,340│ 3,618,164│ 3,595,176│ └────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助金の額 【事実関係】  交付要綱では、補助対象事業は、「各支部が行う都市美化活動」あるとしている。  他方、補助金の額は、基本額10,700円に、調整額28円に前年度の支部の区域の世 帯数を乗じて得た額を加えた額としている。  基本額、調整額に明確設定根拠はないが、市としては、基本額は、支部全体として の器具更新費や会議費等、調整費は、当日参加世帯へ支給するゴミ袋等消耗品費相当 と考えているとのことある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目ある」とさ れ、「補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例と して挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められ ている。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に 確認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとさ れている。  交付要綱(本補助金では実施要綱)は、上記の要請を達成するために重要規範とな るものある。交付要綱の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手 続きの公正さが確保できない。 【指摘 低炭素・資源循環課】  世帯数に応じた額を交付するのはなく、交付要綱において、「市民の手による美し く明るいまちづくりを実現する」という交付目的を達成するために必要かつ有効補 助対象事業を具体的に定め、補助対象事業毎に補助対象経費を具体的に定めるべき ある。  市によれば、花壇の整備から住民の活動促進まで幅広い事業となることから、具体 的事業や経費を定めることは困難あると考えているようあるが、実績報告書を 見る限り、幅広いとは見受けられなかったし、幅広いことが上記のよう要請を回避 することの理由とはならない。 (2)会計の混同 【事実関係】  各支部から、年度末に実績報告書(事業報告書、決算書又はこれに代わる書類、他) が市に提出されているため、令和元年分の各支部の実績報告書を確認した。併せて、各 自治会連合会の決算書も確認したところ、次の2通りの異なる処理がなされていた。 50支部のうち、1)が37支部、2)が13支部あった(決算書項目上、明確に計上が確 認されなかったものもあるが、連合会決算書の収入、支出いずれかに計上されている ものは1)に区分した。)。 1) 自治会連合会の決算書に本補助金にかかる収入又は支出が計上されていたもの。   この場合、自治会連合会の決算書に本補助金による収入のみが計上されていたり、  都市美化推進連絡協議会各支部の決算書に自治会連合会からの負担金による収入が  計上されているにもかかわらず、自治会連合会の決算書にはその支出が計上されて
     いなかったりした。 2) 自治会連合会の決算書に本補助金にかかる収入及び支出が計上されていなかった  もの。   この場合、都市美化推進連絡協議会各支部の会計を別に管理して報告がされてい  たが、やはり、自治会連合会からの負担金による収入が計上されているにもかかわ  らず、自治会連合会の決算書にはその支出が計上されていないことがあった。 【指摘 低炭素・資源循環課】  自治会連合会と都市美化連絡協議会各支部を別々の団体として取り扱っているので あれば、このよう会計の混同や不整合がないよう、指導をすべきある。 【意見 低炭素・資源循環課】  都市美化連絡協議会各支部の自治会連合会への統合等、自治会連合会の経理・報告 事務の負担軽減を検討することが望ましい。 (3)余剰金の返還 【事実関係】  上記1)の場合、各支部の決算書では、期末繰越金は認められなかったが、各自治会連 合会の決算書では、期末繰越金が生じている支部は多くあった。上記2)のうち期末繰 越金が生じていた支部が4支部確認された。 【規範】  テーマ別マニュアルによれば、前金払としたものも、年度末や事業終了後に、当該 団体から実績報告を受けた結果、やむを得ない事情や精算により、その補助金等に余 剰金が生じる事例もあり、このよう場合は、当初の支出負担行為額を減額変更し、余 剰金を戻入してもらうことになるとされている。 【指摘 低炭素・資源循環課】  補助金額の妥当性、精算については、平成23年包括外部監査においても意見があっ たところある。補助金額が基本額+世帯数に応じた額となっており、支出見積もり 等に基づいていない以上、余剰金が生じることはあり得る。都市美化連絡協議会各支 部は、自治会連合会長が各支部長を兼任しており、役員も1年又は2年で交代してい く性質の団体で、毎年度の都市美化活動を行うためのみの団体あることから、繰越 金を必要とする団体ではない。不必要に繰越金を有すれば会計担当者の負担を増し、 不正使用のリスクも生じることとなる。  市によれば、自治会連合会からの支援を受ける等により本補助金としての余剰金は 発生していないと考えているようあるが、そもそも、上記のように会計の混同が生 じていることが問題ある。  会計の混同を解消した上で、余剰金が発生した場合は返還させるべきある。 (4)実績報告 【事実関係】  各支部に補助金が交付され、各支部から校区内の各自治会に補助金が交付され、清 掃活動等が行われている。  令和元年度の実績報告書を確認したところ、各自治会への支出という内容の項目の み又は報告項目が1項目(「環境推進奨励費」)のみの決算書が散見された。なお、他支 部は使用科目毎の集計がされており、美化活動消耗品の購入等が確認できた。 【指摘 低炭素・資源循環課】  報告項目が1項目のみは、交付目的に合致した補助事業の遂行がされているかの 確認ができない。職員が確認をしていたとしても、報告書として提出を受けなければ、 客観的に真に確認をしたのかどうかがわからず、手続きの適正さが確保できない。  各支部が行う都市美化活動事業の内容、各自治会への支出が行われた場合は各自治 会での具体的活動内容及びその収支が分かる報告書を提出させるべきある。  45.自主防災組織強化対策補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │都市防災部 都市防災政策課                    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │各自主防災隊(団)(50地区)                   │ │交付先 │※自治会連合会を単位として組織された防災団体ある。       │ │    │※隊(団)長(代表者)は自治会連合会会長ある。         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市自主防災組織強化対策補助金交付要綱             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│防災体制の確立及び強化(要綱の文言)               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成25年度                            │ └────┴─────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────┐ │    │各自主防災隊(団)(50地区)                   │ │交付先 │※自治会連合会を単位として組織された防災団体ある。       │ │    │※隊(団)長(代表者)は自治会連合会会長ある。         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│防災資機材の購入、自主防災組織連絡協議会負担金の支出、防災士の受 │ │    │験料等の支出等(「自主防災組織活動事業」と称している)      │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │16,110,000│16,110,000│13,192,000│13,192,000│13,192,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │16,110,000│16,110,000│13,192,000│13,192,000│13,192,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ┌────┬─────────────────────────────────┐ │    │各自主防災隊(団)(50地区)                   │ │交付先 │※自治会連合会を単位として組織された防災団体ある。       │ │    │※隊(団)長(代表者)は自治会連合会会長ある。         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│防災訓練の実施(「自主防災組織防災訓練事業」と称している)    │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 3,000,000│ 3,000,000│ 3,000,000│ 3,000,000│ 3,000,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 3,000,000│ 3,000,000│ 3,000,000│ 3,000,000│ 3,000,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ┌────┬─────────────────────────────────┐
    │    │岐阜市自主防災組織連絡協議会                   │ │交付先 │※構成員は、各自主防災隊(団)の隊(団)長、自治会連合会毎に選任さ│ │    │ れた者ある。                         │ │    │※事務局は、都市防災部にある。                  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│研修会、会議等(「岐阜市自主防災組織連絡協議会活動」と称している)│ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  827,000│  827,000│  814,000│  814,000│  814,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  827,000│  827,000│  814,000│  814,000│  814,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助金交付対象団体(自主防災隊(団)) 【事実関係】  市は、各自主防災隊(団)には誰が加入しているのか把握していなかった。各自主防 災隊(団)の隊(団)長(代表者)が自治会連合会の会長あるためあると思われる。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」において は、補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 都市防災政策課】  任意団体は、構成員、規約等により団体の実態を把握しなければ、補助金等交付規則 第5条の2で定められた補助金等交付の除外条件(暴力団排除条項)の存否の確認が できない等、補助金交付の公正性、必要性等が判断できない。  各自主防災隊(団)の構成員名簿、規約を作成、提出させるべきある。 (2)補助対象事業(自主防災隊(団)) 【参考報告】  交付要綱では、自主防災隊(団)が実施する事業に対して補助金を交付するものとさ れ、補助対象事業の内容が以下のように定められている(なお、令和2年度以降は、「自 主防災組織防災訓練事業」が「自主防災組織活動事業」の一つとして規定されるように なった)。 ┌──────┬─────────────────────┬─────────────┐ │ 交付対象 │      交付対象事業の内容      │    補助限度額    │ │  事業  │                     │             │ ├──────┼─────────────────────┼─────────────┤ │自主防災組織│(1)防災知識の普及啓発に関すること。  │次に掲げる額の合計額。但 │ │活動事業  │(2)地域防災リーダーの育成に関すること。│し、当該額に1,000円未満の │ │      │(3)次に掲げる目的に資する防災資機材(備│端数があるときは、これを切│ │      │ 蓄用の非常食、非常用飲料水等を除く。)の│り捨てた額とする。    │ │      │ 購入又は維持管理            │(1)均等割 132,000円  │ │      │ ア 情報収集伝達            │(2)世帯割       │ │      │ イ 初期消火              │  次に掲げる算式により │ │      │ ウ 救出                │  算出した額      │ │      │ エ 救護                │  6,617,000円×(当該自 │ │      │ オ 給食給水              │  治会連合会地区の世帯 │ │      │ カ 避難                │  数/市の総世帯数)(世│ │      │ キ 安全管理              │  帯数は、国勢調査の結果│ │      │ ク アからキまでに掲げるもののほか、市 │  による。)      │ │      │  長が必要と認めるもの         │             │ │      │(4)次に掲げる施設の整備又は維持管理  │             │ │      │ ア 収納庫               │             │ │      │ イ 防災倉庫              │             │ ├──────┼─────────────────────┼─────────────┤ │自主防災組織│自主防災組織が、当該地区内で実施する集合 │60,000円         │ │防災訓練事業│型、発災対応型、DIG(災害図上訓練)、部分 │             │ │      │詳細訓練等の防災訓練           │             │ └──────┴─────────────────────┴─────────────┘  これに対応する内容の「事業費支出内訳表」という書式を用意して、決算書とともに 提出させており、単に「事業費」とするのみはなく、事業費(目)の下に訓練費、研修 費、防災物品費という節を設け、その内容も付記させている。補助対象事業の具体的 定め、事業費の内訳の報告をしているので、参考報告とする。 【事実関係】  交付要綱において、補助対象事業の一つとして、「防災知識の普及啓発に関すること」 を定めている。  他方において、決算書の事業費支出内訳表では、この事業の具体的内容として、 「防災研修会、防災士育成費助成、自主防災組織連絡協議会負担金、地域防災訓練、そ の他」と印字されており、ほとんどの自主防災隊(団)では、防災士育成費助成と自主 防災組織連絡協議会負担金に支出していた。 【意見 都市防災政策課】  「防災知識の普及啓発」というのは、自主防災隊(団)が、地域住民に対し、行うこ とあると思われる。自主防災隊(団)が誰かの防災士の受験料等を支出することや自 主防災組織連絡協議会の負担金を支出することが、地域住民に対する防災知識の普及 啓発事業とはいえないと考える。自主防災隊(団)の構成員が防災に関する知識を得る ことと地域住民に対する防災知識の普及啓発は別のことある。他の補助金において も、研修費と広告啓発費は区別されている。  交付要綱の補助対象事業と決算書とは整合するようにさせることが望ましい。 (3)補助対象経費(岐阜市自主防災組織連絡協議会) 【事実関係】  岐阜市自主防災組織連絡協議会に対する補助金は、次のように定められているが、 補助対象経費の定めはない。 ┌──────┬──────────────────────┬─────┐ │ 交付対象 │       交付対象事業の内容      │補助限度額│ │  事業  │                      │     │ ├──────┼──────────────────────┼─────┤ │岐阜市自主防│(1)自主防災組織の育成強化に関すること。 │ 814,000円│ │災組織連絡協│(2)防災対策に関する調査研究に関すること。│     │ │議会活動事業│(3)防災意識の普及高揚に関すること。   │     │ │      │(4)前3号に掲げるもののほか、岐阜市自主防│     │ │      │ 災組織連絡協議会の活動のため市長が必要と │     │ │      │ 認める事業                │     │ └──────┴──────────────────────┴─────┘  同協議会の決算書の支出の部では、次のようになっていた。開催経費というのは、会
    場費、講師料、資料代、お茶代等があると思われるが、内訳が不明ある。 ┌───┬─────┬──────┬─────────┐ │ 項 │  目  │ 支出済額 │    備考   │ ├───┼─────┼──────┼─────────┤ │事業費│指導育成費│ 1,128,849円│理事会、常設委員 │ ├───┼─────┼──────┤会、総会、各種研修│ │会議費│会議費  │  71,948円│会の開催経費   │ ├───┼─────┼──────┼─────────┤ │事務費│消耗品費 │  251,276円│         │ │   ├─────┼──────┼─────────┤ │   │通信運搬費│  40,263円│         │ └───┴─────┴──────┴─────────┘ 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」において は、補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。 【指摘 都市防災政策課】  交付要綱において、補助対象経費を具体的に定めるべきある。 【指摘 都市防災政策課】  支出の明細内訳を提出させ、補助対象経費とするかどうかの審査をした上で、交付 すべきある。 (4)事業評価 【事実関係】  市は、各自主防災隊(団)に対する補助金と岐阜市自主防災組織連絡協議会に対する 補助金を一つの事業評価シートにまとめており、評価指標として、アウトプット評価 「補助金交付件数」、アウトカム評価「地域防災訓練参加者」を用いている。 【指摘 都市防災政策課】  各自主防災隊(団)と岐阜市自主防災組織連絡協議会とは、補助対象事業が異なるの あるから、別々に事業評価シートを作成すべきある。 【意見 都市防災政策課】  アウトプットは、補助対象事業により算出された活動あるから、補助金交付件数 (=自主防災隊の数)を指標にするのは不適切ある。適切指標を用いることが望 ましい。 (5)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金としているが、団体の構成員や規約も、団体として の収支状況や財産状況も把握していない。  各自主防災隊(団)に対する補助金の額は、自主防災組織活動事業については、均等 割の132,000円に、世帯割として6,617,000円×(当該自治会連合会地区の世帯数/市の 総世帯数)により算出される額を加えて算定した額を交付し、自主防災訓練事業につい ては、一律で60,000円を交付しており、交付要綱で限度額としている額をそのまま交付 している。均等割の132,000円や世帯割の6,617,000、一律60,000円に根拠はない。  各自主防災隊(団)は、この補助金ありきで予算を組み、不足する分を自治会連合会 からの負担金とし、当該事業の収支を合わせている。  岐阜市自主防災組織連絡協議会に対する補助金の額は、限度額の814,000円をそのまま 交付している。金額の根拠はない。 【指摘 都市防災政策課】  事業補助に切り替えるべきある。そして、補助金の額を根拠のない固定額と世帯 数により機械的に算定するのはなく、交付要綱において、交付目的と補助の必要性 に即した具体的補助対象事業と補助対象経費を定め、一定の補助率と補助上限額を 具体的に設定した上で、各自主防災隊(団)及び岐阜市自主防災組織連絡協議会から、補 助対象事業に必要額を積算した予算書を提出させ、補助の必要のある額を交付する ようにすべきある。  市によれば、自主防災組織は住民の隣保協同の精神に基づく自発的防災組織であ り、地域に応じた取り組みと自主的活動を重んじて、団体育成補助金として交付し ている。補助対象事業は、地域によってどこに力を入れたいかは異なるため、それぞれ の事業に上限額等の具体的設定を行うことで地域の自主性を損なう可能性があると のことある。しかし、その考えでは、もはや補助金として維持することが困難あ る。そもそも構成員が不明確あるし、実績報告書を見る限り、どの自主防災隊(団) の事業内容もそれほど大きな差異はないものと見受けられた。公金を支出する以上、 どのよう事業を補助するのかを市において定めなければならないし、予算上も、他 の補助金との関係からも、上限の設定は必要ある。その中で、各団体が、補助対象事 業を実際にどのように行うのかを考え、交付申請をするのあるから、自主性を損 うことにはならない。  46.地域体育振興事業補助金 <概要> ┌────┬────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課              │ │    │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課             │ ├────┼────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                         │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付先 │各地域体育振興会(50地区)                   │ ├────┼────────────────────────────────┤ │対象事業│地域運動会等の開催                       │ ├────┼────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市体育振興補助金交付要綱                  │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付目的│市民の体育振興を図る(要綱の文言)               │ ├────┼────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和40年度                           │ ├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算│ 1,869,000│ 1,869,000│ 1,884,000│ 1,875,000│ 1,875,000│ │    ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算│ 1,724,000│ 1,802,000│ 1,768,000│ 1,762,000│ 1,657,000│ └────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助の見直し 【事実関係】
     市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は昭和40年度から 開始しており、長期にわたっている。  補助金の額は、「自治会連合会毎に均等割+世帯割」で算出される額によって決めら れている。補助金の額の算定根拠ある均等割及び世帯割も変動しておらず、前年踏 襲ある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 市民スポーツ課】  事業補助に切り替えるべきある。そして、補助金の額を均等割及び世帯数によっ て機械的に算定するのはなく、交付目的と補助の必要性を吟味した上で、それを踏 まえた補助対象事業、補助対象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定し、各 地域体育振興会の収支や財産状況に照らして補助の必要のある額を交付するようにす べきある。 (2)交付目的と事業評価 【事実関係】  交付要綱には、本補助金の目的は、「市民の体育振興を図る」(第7条)と記載されて いるが、事業評価シートには、成果指標(アウトプット評価)として「補助対象の地域 の数」が用いられており、交付目的との関連性は不明ある。 【意見 市民スポーツ課】  交付目的に即した成果指標によって事業評価をすることが望ましい。  本補助金の目的が「市民のスポーツ振興を図る」あるとすれば、その評価指標は、 実際に地域運動会等に参加した人数等(住民に対する参加率)を用いることが考えら れる。  47.交通安全活動推進団体補助金 <概要> ┌────┬────────────────────────────────┐ │所管  │市民生活部  防犯・交通安全課                 │ ├────┼────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                         │ ├────┼────────────────────────────────┤ │根拠規定│交通安全活動推進団体補助金交付要綱               │ ├────┼────────────────────────────────┤ │交付目的│交通安全の推進(要綱の文言)                  │ └────┴────────────────────────────────┘ ┌────┬────────────────────────────────┐ │    │岐阜中地区交通安全協会                     │ │交付先 │※構成員は、入会を希望した市民ある。             │ │    │※自治会連合会と類似の地域に応じて20の支部がある。       │ │    │※事務局は、岐阜中警察署にある。                │ ├────┼────────────────────────────────┤ │対象事業│各支部への補助金の交付                     │ ├────┼────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和52年度                           │ ├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算│ 3,587,616│ 3,590,064│ 3,601,361│ 3,616,080│ 3,622,128│ │    ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算│ 3,587,616│ 3,590,064│ 3,601,361│ 3,616,080│ 3,622,128│ └────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ┌────┬────────────────────────────────┐ │    │岐阜南地区交通安全協会                     │ │交付先 │※構成員は、入会を希望した市民ある。             │ │    │※自治会連合会と類似の地域に応じて11の支部がある。       │ │    │※事務局は、岐阜南警察署にある。                │ ├────┼────────────────────────────────┤ │対象事業│各支部への補助金の交付                     │ ├────┼────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和52年度                           │ ├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算│ 2,576,856│ 2,606,760│ 2,635,303│ 2,668,584│ 2,698,488│ │    ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算│ 2,576,856│ 2,606,760│ 2,635,303│ 2,668,584│ 2,698,488│ └────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ┌────┬────────────────────────────────┐ │    │岐阜北地区交通安全協会                     │ │交付先 │※構成員は、入会を希望した市民ある。             │ │    │※自治会連合会と類似の地域に応じて21の支部がある。       │ │    │※事務局は、岐阜北警察署にある。                │ ├────┼────────────────────────────────┤ │対象事業│各支部への補助金の交付                     │ ├────┼────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和52年度                           │ ├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算│ 4,296,312│ 4,313,064│ 4,327,848│ 4,351,848│ 4,371,624│ │    ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算│ 4,296,312│ 4,313,064│ 4,327,848│ 4,351,848│ 4,371,624│ └────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ┌────┬────────────────────────────────┐ │    │岐阜羽島地区交通安全協会柳津町支部               │ │交付先 │※構成員は、入会を希望した市民ある。             │ │    │※事務局は、岐阜羽島警察署にある。               │ ├────┼────────────────────────────────┤
    │対象事業│街頭指導等                           │ ├────┼────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和52年度                           │ ├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算│  279,576│  283,368│  288,264│  293,064│  296,664│ │    ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算│  279,576│  283,368│  288,264│  293,064│  296,664│ └────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ┌────┬────────────────────────────────┐ │    │岐阜市交通安全女性連絡協議会                  │ │    │※構成員は、各自治会連合会が推薦し、市が委嘱した「交通安全女性」│ │交付先 │ ある。                           │ │    │※各自治会連合会と同じ50の地区に分かれている。         │ │    │※事務局は、防犯・交通安全課にある。              │ ├────┼────────────────────────────────┤ │対象事業│街頭啓発、調査研修(東近江市社会福祉協議会、クレフィール湖東こど│ │    │も交通公園)等                         │ ├────┼────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和43年度                           │ ├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算│  706,900│  706,900│  700,300│  707,200│  707,200│ │    ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算│  701,800│  700,300│  699,100│  697,600│  697,600│ └────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象団体 【事実関係】  交付要綱において、交付目的を「交通安全の推進」とし、「交通安全意識の高揚及び 啓発を主たる目的とする団体の運営を助成する」のが本補助金あるとし、補助対象 団体として、岐阜中地区交通安全協会、岐阜南地区交通安全協会、岐阜北地区交通安全 協会、岐阜羽島地区交通安全協会柳津町支部、岐阜市交通安全女性連絡協議会の5団 体にあらかじめ限定している。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 防犯・交通安全課】  交通安全意識の高揚及び啓発を主たる目的とする団体は、上記5団体に限られない。 あらかじめ限定した補助対象団体に補助金を交付することが説明可能な交付目的を交 付要綱に設定すべきある。 (2)補助対象事業及び補助対象経費 【事実関係】  市は、本補助金を団体事業補助金と位置付けているが、交付要綱には、補助対象事業 が定められていない。  補助対象経費も設定されておらず、補助金の額は、次のように定められている。 ┌──────────────────┬──────────────────┐ │岐阜中地区交通安全協会、岐阜南地区交│[45,000円×支部数]+[48円×世帯数] │ │通安全協会、岐阜北地区交通安全協会 │                  │ ├──────────────────┼──────────────────┤ │岐阜羽島地区交通安全協会柳津町支部 │45,000円+[48円×世帯数]      │ ├──────────────────┼──────────────────┤ │岐阜市交通安全女性連絡協議会    │[7,000円×地区数]+[300円×交通安全 │ │                  │女性の定数(岐阜市交通安全女性設置基│ │                  │準第3条に規定)(但し、定数を満たさ│ │                  │ない地区がある場合は1人の欠員につき│ │                  │300円を減ずる)]          │ └──────────────────┴──────────────────┘  交通安全協会に対する補助金は、以前は、各地区交通安全協会の各支部に対して、本 補助金を交付していたが、令和元年度から、各地区交通全協会に交付するようになり、 各地区交通安全協会は、各支部に対し、均等割額45,000円に世帯割額(48円×世帯 数)を交付している。形式的補助対象事業は、各地区交通安全協会の各支部に対する 補助金の交付事業、実質的補助対象事業は、各支部の事業ある。 【指摘 防犯・交通安全課】  交通安全協会に対する補助金について、交付要綱において、各支部の行う事業の中 の具体的補助対象事業及び各支部の支出する経費の中の具体的補助対象経費を定 めるべきある。 【事実関係】  岐阜市交通安全女性連絡協議会の支出は次の内容ある。 ┌────────────┬────┬────┬─────────┐ │項目          │ 予算 │ 決算 │   備考    │ ├───┬────────┼────┼────┼─────────┤ │事務費│消耗品費    │ 65,000│ 48,384│啓発物品等    │ │   ├────────┼────┼────┼─────────┤ │   │印刷製本費   │ 10,000│   0│         │ │   ├────────┼────┼────┼─────────┤ │   │通信運搬費   │ 40,000│ 29,822│切手代      │ │   ├────────┼────┼────┼─────────┤ │   │食糧費     │ 72,200│ 91,428│飲物代等     │ ├───┼────────┼────┼────┼─────────┤ │事業費│講習会費    │  5,000│   0│         │ │   ├────────┼────┼────┼─────────┤ │   │使用料及び賃借料│ 180,000│ 102,863│調査研修バス代等 │ │   ├────────┼────┼────┼─────────┤ │   │地区活動費   │ 507,200│ 490,856│各地区活動費   │ │   ├────────┼────┼────┼─────────┤ │   │保険料     │ 21,200│ 100,000│傷害・賠償責任保険│ ├───┼────────┼────┼────┼─────────┤ │合計 │        │ 900,600│ 863,353│         │ └───┴────────┴────┴────┴─────────┘ 【指摘 防犯・交通安全課】  「食糧費91,428円(飲物代)」について、昼食に関しては本人から費用を徴収して
    いるので補助金は使用されていないとのことあるが、補助対象経費が具体的に定め られておらず、決算でも区別されていない以上、すべて補助対象経費になっていると 受け取られてしまう。  岐阜市交通安全女性連絡協議会に対する補助金について、交付要綱において、各地 区の行う事業も含め、具体的補助対象事業及び補助対象経費を定めるべきある。 (2)実績報告 【事実関係】  交通安全協会に対する補助金については、令和元年度からは、各支部の事業内容及 び収支決算は、各地区交通安全協会が行うのみ、市は行っていない。 【指摘 防犯・交通安全課】  交通安全協会に対する補助金について、実質的には市が補助金の審査をしていない といわざるを得ない。各支部の実績報告書(事業報告書及び収支決算書)を提出させ て、確認すべきある。 【事実関係】  岐阜市交通安全女性連絡協議会に対する補助金については、市が事務局をしている ことから、個別の支出の内容や、各地区の行う事業内容及び収支決算の把握はしてい るようが、実績報告書上は、それが明らかにされていない。 【指摘 防犯・交通安全課】  岐阜市交通安全女性連絡協議会に対する補助金について、個別の支出の内訳、各地 区の行う事業内容及び収支決算の分かる資料を実績報告書に添付させるべきある。 (3)補助の見直し(交通安全協会に対する補助金) 【事実関係】  交通安全協会に対する補助金は、昭和52年度から開始しており、長期にわたってい る。  市は、交通安全協会に対する補助金を団体事業補助金と位置付けているにもかかわ らず、補助対象事業も定めず、実質的補助金交付先ある各支部の事業報告書の確 認もしていない。  補助金の額も、補助対象事業に要する経費に基づくのはなく、固定額と世帯数に 応じた額で一定の金額を機械的に交付している。固定額や世帯数に乗じる額を変更し たことはあるようあるが、少なくとも直近5年間は変動がない。 【指摘 防犯・交通安全課】  上記のとおり、具体的補助対象事業及び補助対象経費を設定し、補助率、補助金の 上限も設けた上で、固定額や世帯数によるのはなく、各支部からの予算書及び事業 計画書に基づき、交通安全協会としての活動及び各支部としての活動が要する経費を 把握し、その経費毎に必要性と効果が認められる額を積算して算定すべきある。  市によれば、交通安全協会による交通安全推進活動は、その規模、回数、人員が、当 該地区の人口の多寡により変動するため、世帯数により算定するのが妥当あるとの ことあるが、世帯数により活動の内容(労力)が変わることはあり得るとしても、活 動に要する経費が当然に変わるわけはない。活動する人に対する報償金ではなく、 団体に対する補助金等の制度としては、固定額や人数によることが適切とはいい難い。 このことは、第6の地域関係における他の補助金等と共通するところある。 (4)補助の見直し(岐阜市交通安全女性連絡協議会に対する補助金) 【事実関係】  岐阜市交通安全女性連絡協議会に対する補助金は、昭和43年度から開始しており、 長期にわたっている。  市は、岐阜市交通安全女性連絡協議会に対する補助金を団体事業補助金と位置付け ているにもかかわらず、補助対象事業も定めず、補助金の額も、補助対象事業に要する 経費に基づくのはなく、固定額と人数に応じた額で一定の金額を機械的に交付して いる。固定額や人数に乗じる額を変更したことはあるようあるが、少なくとも直近 5年間は変動がない。 【指摘 防犯・交通安全課】  上記のとおり、具体的補助対象事業及び補助対象経費を設定し、補助率、補助金の 上限も設けた上で、固定額や人数によるのはなく、予算書及び事業計画書に基づき、 岐阜市交通安全女性連絡協議会としての活動及び各地区としての活動が要する経費を 把握し、その経費毎に必要性と効果が認められる額を積算して算定すべきある。  市によれば、岐阜市交通安全女性連絡協議会による交通安全推進活動は、その規模、 回数、人員が、当該地区の人口の多寡により変動するため、世帯数により算定するのが 妥当あるとのことあるが、世帯数により活動の内容(労力)が変わることはあり得 るとしても、活動に要する経費が当然に変わるわけはない。活動する人に対する報 償金ではなく、団体に対する補助金等の制度としては、固定額や人数によることが適 切とはいい難い。このことは、第6の地域関係における他の補助金等と共通するとこ ろある。  48.消防関係補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │消防本部 予防課                         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市消防関係補助金交付要綱                   │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│消防体制の確立及びその強化(要綱の文言)             │ └────┴─────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────┐ │交付先 │各女性防火クラブ(50地区)                    │ │    │※構成員は、入会を希望した女性ある。              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│「女性防火より」の配布、防災訓練の参加、出初式の参加等     │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和53年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 1,650,000│ 1,650,000│ 1,650,000│ 1,650,000│ 1,650,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 1,650,000│ 1,650,000│ 1,650,000│ 1,650,000│ 1,650,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ┌────┬─────────────────────────────────┐ │交付先 │各少年消防クラブ(49地区)                    │
    │    │※構成員は、入会を希望した児童ある。              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│防火パレードの参加、出初式の参加等                │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和53年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  576,000│  588,000│  588,000│  588,000│  588,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  576,000│  588,000│  588,000│  588,000│  588,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ┌────┬─────────────────────────────────┐ │交付先 │岐阜市女性防火クラブ運営協議会                  │ │    │※構成員は、各女性防火クラブある。               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│各クラブの指導員に対する講習会の開催、「女性防火より」の発行等 │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和51年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  376,000│  376,000│  376,000│  376,000│  376,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  376,000│  376,000│  376,000│  376,000│  376,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ┌────┬─────────────────────────────────┐ │交付先 │岐阜市少年消防クラブ運営協議会                  │ │    │※構成員は、各少年消防クラブある。               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│各クラブ員用クリアファイルの配布、火災予防に関するポスターの募集・│ │    │表彰等                              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和56年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  177,000│  177,000│  177,000│  177,000│  177,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  177,000│  177,000│  177,000│  177,000│  177,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象団体 【事実関係】  交付要綱において、交付目的を「消防体制の確立及びその強化」とし、補助対象団体 として、各自治会連合会50地区に設置されている女性防火クラブと少年防火クラブ、 各女性防火クラブにより構成される岐阜市女性防火クラブ運営協議会、各少年防火ク ラブにより構成される岐阜市少年防火クラブ運営協議会の4団体にあらかじめ限定し ている。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 予防課】  交付目的と補助対象団体を限定することのつながりが不明確ある。  あらかじめ限定した補助対象団体に補助金を交付することが説明可能な交付目的を 交付要綱に設定すべきある。 (2)補助対象事業 【事実関係】  交付要綱では、「補助の対象となる事業は、前項各号に掲げる団体が、年間を通して 行う事業全般」としかされておらず、具体的補助対象事業は設定されていない。  各団体の事業内容からみても、「消防体制の確立及びその強化」という交付目的達成 のために、具体的にどのよう事業を補助しようとしているのかが不明確ある。 【指摘 予防課】  交付要綱で具体的補助対象事業を設定すべきある。 (3)補助対象経費及び補助金の額 【事実関係】  交付要綱では、補助金の交付限度額を次のように定めているだけ、具体的補助 対象経費は設定されていない。 ┌───────────────┬────────────────────┐ │各女性防火クラブ       │33,000円                │ ├───────────────┼────────────────────┤ │各少年防火クラブ       │12,000円                │ ├───────────────┼────────────────────┤ │岐阜市女性防火クラブ運営協議会│226,000 円に1クラブにつき3,000 円を加算│ │               │した額                 │ ├───────────────┼────────────────────┤ │岐阜市少年防火クラブ運営協議会│103,500 円に1クラブにつき1,500 円を加算│ │               │した額                 │ └───────────────┴────────────────────┘ 【指摘 予防課】  交付要綱で具体的補助対象経費を設定すべきある。 (4)実績報告 【事実関係】  各女性防火クラブ及び各少年防火クラブから提出されている実績報告書(決算書) では、各費目における支出の内訳(何に使ったのか)は不明ある。例えば、岩野田女 性防火クラブ、徹明少年防火クラブの決算書は、次のようになっていた。 (岩野田女性防火クラブ) ┌───┬───┬───┬────┬──────────────┐ │ 項 │ 目 │予算額│歳出済額│      備考      │ ├───┼───┼───┼────┼──────────────┤ │事業費│事業費│23,000│ 23,000│指導員講習会、出初式    │
    │   ├───┼───┼────┼──────────────┤ │   │会議費│ 5,000│  3,930│会議費           │ ├───┼───┼───┼────┼──────────────┤ │事務費│事務費│ 5,000│  6,070│郵送代、コピー代      │ ├───┼───┼───┼────┼──────────────┤ │合計 │   │33,000│ 33,000│              │ └───┴───┴───┴────┴──────────────┘ (徹明少年防火クラブ) ┌───┬───┬───┬────┬──────────────┐ │ 項 │ 目 │予算額│歳出済額│      備考      │ ├───┼───┼───┼────┼──────────────┤ │事業費│事業費│24,991│ 28,092│消防団活動協力費、出初式、火│ │   │   │   │    │災予防啓発活動費      │ │   ├───┼───┼────┼──────────────┤ │   │会議費│10,000│   0│              │ ├───┼───┼───┼────┼──────────────┤ │事務費│事務費│ 1,000│  1,241│事務用品購入費       │ ├───┼───┼───┼────┼──────────────┤ │合計 │   │35,991│ 29,333│※             │ └───┴───┴───┴────┴──────────────┘ ※補助金12,000円で不足する分は、徹明自治会連合会からの負担金20,000円と前年 度繰越金3,991円で補填する予算あり、決算後の余剰金6,658円は次年度繰越金と されている。  なお、平成23年度包括外部監査の指摘意見を受け、領収書等の証憑により支出の事 実の確認はしているとのことあった。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。 【指摘 予防課】  具体的補助対象事業及び補助対象経費を設定した上で、実績報告において、個別 の支出の内訳を決算書に記載ないし添付させ、補助対象事業及び補助対象経費の該当 性及びその適否の判断をすべきある。 (5)余剰金の返還 【事実関係】  岐阜市女性防火クラブ運営協議会の支出は次のとおりある。 ┌───┬─────┬─────┬──────┬───────────┐ │ 項 │  目  │ 予算額 │ 支出済額 │    備考     │ ├───┼─────┼─────┼──────┼───────────┤ │事業費│ 表彰費 │   5,000│    7,700│運営協議会表彰    │ │   ├─────┼─────┼──────┼───────────┤ │   │啓発宣伝費│  78,000│   98,495│防火・住警器啓発用品 │ │   ├─────┼─────┼──────┼───────────┤ │   │育成指導費│  155,000│   177,470│指導員講習会、女性防火│ │   │     │     │      │より        │ │   ├─────┼─────┼──────┼───────────┤ │   │ 研修費 │  200,000│   73,185│県女性防火クラブ指導者│ │   │     │     │      │研修会        │ ├───┼─────┼─────┼──────┼───────────┤ │会議費│ 会議費 │  25,000│   22,560│役員会・評議員会・支部│ │   │     │     │      │会議         │ ├───┼─────┼─────┼──────┼───────────┤ │負担金│ 負担金 │   5,000│    4,120│県女性防火クラブ運営協│ │   │     │     │      │議会費        │ ├───┼─────┼─────┼──────┼───────────┤ │事務費│消耗品費 │   5,000│   10,507│事務用品等      │ │   ├─────┼─────┼──────┼───────────┤ │   │通信運搬費│  30,000│   26,430│会議開催通知郵送代  │ │   ├─────┼─────┼──────┼───────────┤ │   │印刷製本費│   5,000│   28,292│封筒代        │ ├───┼─────┼─────┼──────┼───────────┤ │予備費│ 予備費 │   1,328│     0│           │ ├───┼─────┼─────┼──────┼───────────┤ │合計 │     │  509,328│   448,759│           │ └───┴─────┴─────┴──────┴───────────┘  収入は、予算額509,328円、決算額448,759円あり、余剰金60,570円が発生した が、繰越金としている。研修費が予算よりも大幅に少なくなったが、印刷製本費が予算 の5倍以上になる等、費目間流用により、上記の支出額となっている。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、前金払をしたものも、実績報告を受けた結果、補助 金等に余剰が生じた場合は、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。 【指摘 予防課】  余剰金は返還させるべきある。 (6)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、昭和51年度、53年度、56年 度の開始と、いずれも長期にわたっている。  市は、交付要綱の交付限度額をそのまま補助金の額として交付しており、少なくと も直近5年間は同一の金額ある。交付限度額に算定根拠はなく、前年踏襲ある。  いずれの団体も、構成員から会費を徴収していない。  各女性防火クラブや各少年防火クラブは、ほとんど市からの補助金収入のみで経費 を賄っている(自治会連合会からの負担金で補填をしているが、自治会連合会にも市 からの補助金が出ている。)。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 予防課】  各女性防火クラブ及び各少年防火クラブは、そもそも自主運営することのない団体 あり、市の支出は、補助金という性質に合致していない。  運営費は会費で賄い、事業費を補助する事業補助に切り替えるか、自治会連合会と 統合して一部門とするか、負担金とするか、見直すべきある。 【指摘 予防課】  岐阜市女性防火クラブ運営協議会及び岐阜市少年防火クラブ運営協議会は、岐阜市 防火協会からの助成金等助成金収入があるものの、構成員ある各女性防火クラブ及 び各少年防火クラブが上記のよう状態あるので、助成金以外に自己財源を得る見 込みはない。
     事業補助に切り替えるべきある。そして、補助金の額をクラブ数によって機械的 に算定するのはなく、交付目的と補助の必要性を吟味し、それを踏まえた補助対象 事業、補助対象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定した上で、各々の収支 や財産状況に照らして補助の必要のある額を交付するようにすべきある。  49.消防団維持運営費負担金 <概要> ┌────┬──────────────────────────────────┐ │所管  │消防本部 消防総務課                        │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │説明区分│諸負担金                              │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │岐阜市中消防団、岐阜市南消防団、岐阜市北消防団           │ │    │※市町村は、その消防事務を処理するため、消防団を設けなければなら  │ │    │ ず(消防組織法第9条第3号)、その設置、名称及び区域は条例で定め │ │交付先 │ ることとされている(同法第18条第1項)。市は、「岐阜市消防団の設 │ │    │ 置等に関する条例」により、上記の消防団の設置をしている。     │ │    │※消防団の組織は、市町村の規則で定めるとされており(同法第18条第  │ │    │ 2項)、市は、「岐阜市消防団の組織等に関する規則」により、各消防団│ │    │ に本部及び分団を設置している。                  │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │対象事業│消防団の活動                            │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │なし                                │ │根拠規定│※消防組織法第8条は、市町村の消防に要する費用は当該市町村がこれ  │ │    │ を負担しなければならないとしているが、これは、市町村消防の原則  │ │    │ を経費負担の面から規定したものある。              │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │    │国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地  │ │交付目的│震等の災害を防除し、及びこれらの災害に因る被害を軽減する(消防組  │ │    │織法第1条)                            │ ├────┼──────────────────────────────────┤ │開始年度│平成6年度                             │ ├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │ 予算 │ 6,990,600│ 6,990,600│ 6,990,600│ 6,990,600│ 6,990,600│ │    ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │ 決算 │ 6,914,100│ 6,894,600│ 6,903,600│ 6,878,100│ 6,866,100│ └────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)負担金の算定 【事実関係】  市が消防団に負担金を支出することを定めた根拠規定はない。市は、「団維持運営費 算定基準」という資料に負担金の額の算定方法を記している。その内容は次のとおり ある。 ┌─────────┬────────────────────────────┐ │費目       │1団当たりの金額の算定方法               │ ├───┬─────┼────────────────────────────┤ │事業費│研修費  │250円×実団員数×1回                  │ ├───┼─────┼────────────────────────────┤ │   │事務費  │125,000円                        │ ├───┼─────┼────────────────────────────┤ │   │訓練費  │125,000円+(250円×実団員数×1回)          │ ├───┼─────┼────────────────────────────┤ │   │啓発宣伝費│250円×実団員数×4回                  │ ├───┼─────┼────────────────────────────┤ │   │会議費  │250円×実団員数×12回                  │ ├───┼─────┼────────────────────────────┤ │   │消防協会費│各団の岐阜市消防協会費                 │ ├───┼─────┼────────────────────────────┤ │事務費│印刷製本費│2,500円×団本部と分団の数の合計             │ ├───┼─────┼────────────────────────────┤ │   │消耗品費 │25,000円                        │ └───┴─────┴────────────────────────────┘  この算定方法は、他の負担金のように、支出先の予算書に基づいて、要する経費を積 算したものはなく、固定した金額あるいは固定した額に実団員数を乗じた額による ものある。  啓発宣伝費も含め、実団員一人当たり250円として算定している根拠はない。ヒア リングによれば、お茶代も含んでいるとのことある。  平成23年度の包括外部監査においても、人員数に応じて発生するよう費用項目で ないのあれば、現在の算定根拠に代わり、より適切算定根拠を導入するよう検討 することが望まれるとの意見がなされていた。しかし、結局、啓発宣伝費のように人員 数に応じて発生するよう費用項目ないものについて、人員数で算定しており、措 置済みとはいえない。  各団の決算書は、その内訳はほぼ書かれていなかったが、実際に支出した経費が計 上されている。例えば、中消防団の決算書の内容は次のとおりある。啓発宣伝費が0 円ある等算定額よりも低い支出ある費目が複数あるが、その分、事務費が算定額 の3倍以上の支出ある等、費目間流用により、算定額と決算額が一致する結果とな っていた。 ┌─────────┬─────┬─────┬────────────────┐ │   費目    │ 算定額 │ 決算額 │       備考       │ ├───┬─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │事業費│ 研修費 │  78,750│  40,590│団長研修費           │ │   │     │     │     │消防学校入校費         │ ├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │   │ 事務費 │  125,000│  381,937│事務用品費等          │ ├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │   │ 訓練費 │  203,750│  365,118│特別点検等           │ ├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │   │啓発宣伝費│  315,000│    0│火災予防広報活動費       │ ├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │   │ 会議費 │  78,000│  34,584│お茶代等            │ ├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │   │消防協会費│ 1,207,100│ 1,207,100│岐阜市消防協会費        │
    ├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │事務費│印刷製本費│  40,000│  18,700│                │ ├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │   │消耗品費 │  25,000│  24,574│                │ ├───┴─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │合計       │ 2,072,600│ 2,072,603│                │ └─────────┴─────┴─────┴────────────────┘ 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、個々事業毎に判断されるべき「必要性」や「効果(受 益)」の適否の判断がないがしろにならないよう、予算編成の際等に十分に検討を加え て、常に適切見直しを図っていくべきあり、漠然と一定の負担金を義務的経費の ごとく支出し続けることは適切公金の支出とはいえないとされている。 【指摘 消防総務課】  啓発宣伝費を人員数で算定するのが適切はない。お茶代だけなく啓発チラシや 啓発粗品等の購入費も含まれるとのことあったが、上記のとおり、啓発宣伝費の支 出は0円ある。また、「消防団」の団員というのは、「本部及び分団」の団員の合計で あるから、「消防団」と「本部及び分団」の両方において人員数で算定することは重複 はないかとも思える。研修費、会議費、訓練費も、人員数で算定することが適切あ るとは思えない。なお、消防団員には、岐阜市消防団員の定員、任免、給与、服務等に 関する条例等に従い、報酬又は費用弁償が支給される。  現状の算定方法では、まさに漠然と一定の額を支出し続け、それありき各消防団 が経費を支出しており、しかも、費目間流用をすることにより、全体ですべてを使い切 るという実態となっている。  負担金の額は、各消防団から提出される予算書に基づいて、各「消防団」としての活 動が要する経費を把握し、その経費毎に必要性と効果が認められる額を積算して算定 すべきある。 【意見 消防総務課】  「消防団」に負担金を支出する根拠となり、かつ、負担金を支出する費目や上限等を 定めた規定又は消防団との協約を定めることが望ましい。 【指摘 消防総務課】  適切公金の支出といえるためには、原則として、費目間流用は認めるべきはな い。上記の決算書を見る限り、余剰金を事務費等に支出して全てを使い切ろうとして いると受け取らざるを得ない。  費目毎に支出の適否を判断し、余剰金があれば、費目間流用ではなく、返還させるべ きある。  50.消防団分団維持運営費負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │消防本部 消防総務課                       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│諸負担金                             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │各消防団の本部及び分団                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│本部及び分団の活動                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │なし                               │ │    │※消防組織法第8条は、市町村の消防に要する費用は当該市町村がこれ │ │根拠規定│ を負担しなければならないとしているが、これは、市町村消防の原則 │ │    │ を経費負担の面から規定したものある。市が各消防団の本部及び分 │ │    │ 団に負担金を支出することを定めた根拠規定はない。        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地 │ │交付目的│震等の災害を防除し、及びこれらの災害に因る被害を軽減する(消防組 │ │    │織法第1条)                           │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成6年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │13,227,000│ 9,951,000│ 9,951,000│ 9,951,000│ 9,944,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │12,982,000│ 9,651,000│ 9,681,000│ 9,586,000│ 9,539,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)負担金の額 【事実関係】  市が本部及び分団に負担金を支出することを定めた根拠規定はなく、負担金の額を 算定する根拠となる規定もない。市は、「分団維持運営費算定基準」という資料を作成 しており、負担金の額の算定方法を記している。その内容は次のとおりある。 ┌─────────┬────────────────────────────┐ │費目       │1分団当たりの金額の算定方法              │ ├───┬─────┼────────────────────────────┤ │事業費│研修費  │250円×実団員数×6回                  │ ├───┼─────┼────────────────────────────┤ │   │事務費  │70,000円                        │ ├───┼─────┼────────────────────────────┤ │   │啓発宣伝費│火災予防運動 250円×実団員数×5回           │ │   │     │年末夜警 250円×実団員数×(6日+3回)        │ ├───┼─────┼────────────────────────────┤ │管理費│消耗品費 │21,000円+器具庫のある分団は7,000円×器具庫数      │ └───┴─────┴────────────────────────────┘  この算定方法は、他の負担金のように、支出先の予算書に基づいて、要する経費を積 算したものはなく、固定した金額あるいは固定した額に実団員数を乗じた額による ものある。  啓発宣伝費も含め、実団員一人当たり250円として算定しているが、その実情は、 上記の「消防団」と同様ある。  各団の決算書は、その内訳はほぼ書かれていなかったが、実際に支出した経費が計 上されている。例えば、中消防団金華分団の決算書の内容は次のとおりある。研修費 が0円、事務費が0円ある等算定額よりも低い支出ある費目が複数あるが、その 分、啓発宣伝費が算定額の2倍以上の支出ある等、費目間流用により、算定額と決算 額が一致する結果となっていた。 ┌─────────┬─────┬─────┬────────────────┐ │   費目    │ 算定額 │ 決算額 │       備考       │ ├───┬─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │事業費│ 研修費 │  30,000│    0│各種研修会費用         │ ├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤
    │   │ 事務費 │  70,000│    0│事務用品購入費用        │ ├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │   │啓発宣伝費│  70,000│  187,715│火災予防広報活動費       │ ├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │管理費│消耗品費 │  21,000│   5,281│                │ ├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │予備費│ 予備費 │   1,000│    0│                │ ├───┴─────┼─────┼─────┼────────────────┤ │合計       │  192,000│  192,996│                │ └─────────┴─────┴─────┴────────────────┘ 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、個々事業毎に判断されるべき「必要性」や「効果(受 益)」の適否の判断がないがしろにならないよう、予算編成の際等に十分に検討を加え て、常に適切見直しを図っていくべきあり、漠然と一定の負担金を義務的経費の ごとく支出し続けることは適切公金の支出とはいえないとされている。 【指摘 消防総務課】  上記の「消防団」と同様の状態ある。  負担金の額は、各々の「本部及び分団」から提出される予算書に基づいて各「本部及 び分団」としての活動が要する経費を把握し、その経費毎に必要性と効果が認められ る額を積算して算定すべきある。 【意見 消防総務課】  「本部及び分団」に負担金を支出する根拠となり、かつ、負担金を支出する費目や上 限等を定めた規定又は消防団との協約を定めることが望ましい。 【指摘 消防総務課】  上記の「消防団」と同様の状態ある。  費目毎に支出の適否を判断し、余剰金があれば、費目間流用ではなく、返還させるべ きある。  51.地域力創生事業補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │市民協働推進部 市民活動交流センター               │ │    │※令和元年度は、市民参画部 市民活動交流センター         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │各まちづくり協議会(令和元年度は43地区)             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│夏まつり等の各種イベントの開催、広報誌の発行等          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市地域力創生事業実施要綱                   │ │根拠規定│※岐阜市住民自治基本条例第7条第7項に規定される「まちづくり協議 │ │    │ 会」の認定と「まちづくり協議会」への支援(同条例第15条第3項) │ │    │ に関する要綱                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │「まちづくり協議会」への支援(本補助金の交付)の目的は明確に定め │ │交付目的│られていないが、「まちづくり協議会」を設置する目的は、地域住民が主│ │    │体となり地域のまちづくりを展開することある(同条例第7条第7  │ │    │項)。                              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成20年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 8,543,000│10,343,000│11,840,000│12,740,000│13,040,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 8,460,322│ 9,800,000│10,722,706│11,341,000│12,415,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象経費 【事実関係】  実施要綱では、補助対象経費は、「総会等に要する経費」、「情報発信に要する経費」、 「協約によって定められた事業に要する経費」、「運営に要する経費で市長が必要と認 めたもの」とされているだけ(なお、単なる飲食を目的として経費は除外されている) で、例えば、「図書購入費」「印刷代」「事務用消耗品」といった個別具体的費用が設 定されていない。  また、実績報告書に添付されている決算書では、「事業費」とされているだけ、そ の費用の内訳が明記されていないものがあった。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って「公正かつ効率的に」行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目ある」とさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。  交付要綱(本補助金では実施要綱)は、上記の要請を達成するために重要規範とな るものある。交付要綱の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手 続きの公正さが確保できない。 【指摘 市民活動交流センター】  実施要綱において、補助対象経費として、例えば、「図書購入費」「印刷代」「事務用 消耗品」といった個別具体的費用を設定すべきある。  なお、単なる飲食費以外は使ってよいという定めは具体的設定とはいえない。た とえ、地域の特性を生かしたまちづくりを進めるために地域の状況に合わせて経費の 内容が異なるとしても、公金を支出する補助金の交付手続としては、補助対象経費を 個別具体的に定めるべきある。 【意見 市民活動交流センター】  「事業費」とあるだけは何に使ったのかが全く分からない。職員が領収書等を見て いるようあるが、実績報告書という極めて重要書類において内訳が分からなけれ ば、市が真に内訳を確認し審査したのかが分からない。  個別具体的費用の内訳が分かる決算書を提出させるか、決算書に添付させること
    が望ましい。 (2)補助金の額 【事実関係】  実施要綱では、補助対象経費の3分の2以内の額とし、まちづくり協議会を設立し た年度は10万円、翌年度以降は30万円を上限とされている。なお、地域まちづくり ビジョンを策定し、その内容を定めた協約を締結したまちづくり協議会は補助対象経 費の5分の4以内の額で、50万円を上限とされている。  市は、交付決定の際に、予算書から補助対象経費を取り上げ、その3分の2の額が 30万円を超えるということ、30万円を交付決定しているのがほとんどある。  まちづくり協議会には、本補助金の他、自治会連合会からの負担金、バザー売上、協 賛金等の収入、繰越金があるが、補助金の額の算定の際に、これらの収入や繰越金は考 慮されていない。例えば、岩まちづくり協議会の予算書では、本補助金300,000円以 外の収入として、自治会連合会負担金500,000円、雑収入3円があり、繰越金9,949円 があるところ、これを考慮することなく、支出合計809,952円のうち補助対象経費 800,000円の3分の2ある533,333円が300,000円を超えるとして、補助金300,000 円の交付決定をしていた。実績報告後、決算書では、収入が繰越金9,949円、自治会 連合会負担金500,000円、雑収入2円、本補助金300,000円の合計809,951円、支出 が合計684,872円、余剰金が125,079円あったところ、支出合計684,872円の3分 の2ある456,581円が300,000円を超えるとして、300,000円で確定していた。 【意見 市民活動交流センター】  補助対象団体が得ている収入や財産状況を考慮することなく補助金の額を定めるの では、市から定額(補助対象経費の3分の2を上限額以上にすればそうなる)の金銭の 交付を受けられることを前提にして、それで不足する分を自己資金で補うという形に なってしまい、自己資金では不足するので補助を受けるという補助金の本来の在り方 はない。本補助金は、実態としても、そうなっている。  補助金として維持するのあれば、実施要綱において、補助金の額を、補助対象経費 から負担金、協賛金その他の収入を除いた額を基準にして算定する定めを設けること が望ましい。それがどうしても無理というのあれば、もはや補助金として維持す ることはできないので、負担金又は交付金に変更することが望ましい。負担金又は交 付金に変更したとしても、公金の適切支出となるよう制度及び手続にし、審査し なければならないことは言うまでもない。 (3)事業評価 【事実関係】  事業評価シートでは、アウトプット評価(資源投入により算出した活動)を「まちづ くりのためのワークショップ実施数」を指標とし、アウトカム評価(アウトプットによ りもたらされた成果)を「まちづくり協議会の数」を指標としている。 【意見 市民活動交流センター】  これはまちづくり協議会の設立支援の評価あり、本補助金の評価になっていない。 本補助金の交付目的と補助対象事業に即して適切に評価することが望ましい。  52.岐阜市青少年育成市民会議運営費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 社会・青少年教育課                  │ │    │※令和元年度は、教育委員会 青少年教育課             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市青少年育成市民会議                     │ │    │※各自治会連合会区域に各青少年育成市民会議があり、各ブロックに各 │ │    │ ブロック青少年育成市民会議がある。               │ │    │※岐阜市青少年育成市民会議は、会長会、専門部会、推進員会、運営委 │ │交付先 │ 員会、総会からなる。会長会は、各青少年育成市民会議の会長から │ │    │ る。専門部会は、各青少年育成市民会議の専門部会長からなる。推進 │ │    │ 員会は、青少年推進員からなる。運営委員会は、各会の代表、青少年 │ │    │ 育成推進指導員、自治会、PTAの代表等からなる。        │ │    │※事務局は、社会・青少年教育課にある。              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市青少年育成市民会議の事業としては、少年の主張大会、「青少年育│ │対象事業│成活動の手引き」作成、各青少年育成市民会議・各ブロック青少年育成 │ │    │市民会議への再委託等ある。                   │ │    │各青少年育成市民会議は、街頭啓発等の事業を行っている。      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市青少年育成市民会議運営費補助金交付要綱           │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│青少年の健全育成及び非行防止(要綱の文言)            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成11年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  300,000│  300,000│  300,000│  300,000│  300,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  300,000│  300,000│  300,000│  300,000│  300,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、平成11年度の開始から、長 期間経過している。  交付要綱では、補助金の額は、予算の範囲内とあるのみある。少なくとも直近5年 間は金額が変動しておらず、金額の算定根拠は明らかない。  本団体は、各青少年育成市民会議から会費1,250,000円(25,000円×50地域)、各 ブロック青少年育成市民会議から街頭啓発物品費100,000円(20,000円×5ブロック) の収入がある。  本団体は、令和元年度、市から、1)各青少年育成事業、2)ブロック活動事業、3)学校 と地域の夢づくり・ふれあい事業、4)50周年記念事業、5)岐阜市青年の主張大会の委 託を受け(委託料合計17,224,000円)、1)~4)については、再委託をして、1)各青少年 育成事業9,750,000円、2)ブロック活動事業2,230,000円、3)学校と地域の夢づくり・ ふれあい事業4,000,000円、4)50周年記念事業1,500,000円の合計17,480,000円を 支出している。  「岐阜市青少年育成市民会議の運営に要する経費」(報償費、需用費、役務費、負担 金、使用料及び賃借料、市長が必要と認める経費)が補助対象経費とされているとこ ろ、市は、運営費の200,000円だけなく、事業費のうち、少年の主張大会等にかかる
    需用費903,000円、賃借料49,000円を補助対象経費としている。  運営費のうち180,000円は県民会議の会費あり、残りは、需用費10,000円(門札 代等)、役務費10,000円(振込手数料等)となっている。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目あるとさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。  交付要綱は、上記の要請を達成するために重要規範となるものある。交付要綱 の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手続きの公正さが確保で きない。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。また、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助 目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効 果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、 交付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超 えている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、 習慣的)と示されている。 【指摘 社会・青少年教育課】  事業補助に切り替えるべきある。そして、交付要綱において、交付目的と補助の必 要性に即した補助対象事業と補助対象経費を具体的に定め、一定の補助率と補助上限 額を具体的に設定すべきある。  市から、「交付規則には、具体的補助事業を定めなければならないとは記述してい ないため、【指摘】となる重大誤りではない。」との意見があったが、ここで述べてい ることは、地方自治法第232条の2の定める「公益上の必要性」の問題あり、公益 上の必要性というのが単なる必要性や重要性だけはないことは、第1部の9で述べ たとおりある。また、岐阜市補助金等交付規則第3条の定める「公正かつ効率的」を 担保する必要もある。交付要綱において、補助対象事業が抽象的は、補助対象経費も 抽象的に把握されるし、当該経費の必要性の判断も職員の判断にゆだねられることに なってしまい、「公益上の必要性」や「公正かつ効率的」を担保することができない。 これらを【規範】として、第1部で述べたとおり、合規性、公平性、公益性、必要性、 有効性、効率性の観点から、適法性又は妥当性に問題があり、是正措置が必要あると 考えるものを【指摘】としている。規則に書いてないからということで単純に判断する ものはない。  53.民生委員候補者推薦準備会補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │福祉部 福祉政策課                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│諸補助金                             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │各民生委員候補者推薦準備会(50地区)               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│各自治会連合会における民生委員・児童委員の適格者を岐阜市民生委員 │ │    │推薦会に上申する                         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市民生委員候補者推薦準備会要綱                │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│推薦会が候補者の推薦を円滑に行うとともに、地域の実情に即した適格 │ │    │者を得る(要綱の文言)                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和55年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  150,000│  900,000│  150,000│  150,000│  900,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  42,000│  720,000│  135,000│  15,000│  719,536│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象経費 【事実関係】  要綱では、推薦準備会に対し、「その活動に要する費用を15,000円の範囲で助成す る」としか定められておらず、補助対象経費は定められていない。  各推薦準備会の実績報告書をみても、会議費、報償費、事務通信費等様々費目化計 上されているが、その内容は明らかない。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 福祉政策課】  要綱において、補助対象経費を具体的に定めるべきある。  54.岐阜市民生委員・児童委員協議会運営費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │福祉部 福祉政策課                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                          │
    ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市民生委員・児童委員協議会                  │ │    │※各自治会連合会区域に各地区民生委員・児童委員協議会があり、各地 │ │交付先 │ 区民生委員・児童委員協議会は5ブロックに分けられている。    │ │    │※岐阜市民生委員・児童委員協議会は、規約がなく、はっきりしないが │ │    │ 民生委員・児童委員か、各地区民生委員・児童委員協議会のいずれか │ │    │ ある。                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│各地区民生委員・児童委員協議会及び各ブロックへ補助金の交付、岐阜 │ │    │県の大会の参加、市の大会の開催、研修会への参加等         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市民生委員・児童委員協議会運営費補助金交付要綱        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│各地区民生委員・児童委員協議会の連携並びに民生委員・児童委員の活 │ │    │動の充実及び連携に関する事業を支援する(要綱の文言)       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成4年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │21,295,000│21,295,000│21,585,000│21,585,000│21,585,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │21,295,000│21,295,000│21,585,000│21,585,000│21,585,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象経費 【事実関係】  令和元年度の岐阜市民生委員・児童委員協議会の予算・決算は次のとおりある。 (収入の部)                          (単位:円) ┌───────┬──────┬──────┬────────────────┐ │  科目   │ 予算現額 │ 決算額  │       備考       │ ├───────┼──────┼──────┼────────────────┤ │会費     │  1,788,000│  1,788,000│2,000円×894人         │ ├───────┼──────┼──────┼────────────────┤ │本補助金   │ 21,585,000│ 21,585,000│                │ ├───────┼──────┼──────┼────────────────┤ │市社協補助金 │   95,000│   85,000│岐阜市社会福祉協議会      │ ├───────┼──────┼──────┼────────────────┤ │県民児協補助金│   150,000│   150,000│3,000円×50地区         │ ├───────┼──────┼──────┼────────────────┤ │繰越金    │  1,455,044│  1,455,044│                │ ├───────┼──────┼──────┼────────────────┤ │雑収入    │     956│     39│                │ ├───────┼──────┼──────┼────────────────┤ │合計     │ 25,074,000│ 25,063,083│                │ └───────┴──────┴──────┴────────────────┘ (支出の部)                              (単位:円) ┌────┬──────┬──────┬─────┬────────────────┐ │ 科目 │ 予算現額 │ 決算額  │ 差引額 │       備考       │ ├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤ │会議費 │   309,000│   217,686│ ‐91,314│                │ ├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤ │研修活動│  9,034,000│  8,694,430│ -384,570│全民児連及び県民児協会費等   │ │費   │  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄│  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄│  ̄ ̄ ̄ ̄│          6,348,000円 │ │    │      │      │     │市の民生委員・児童委員大会   │ │    │      │      │     │           854,000円 │ │    │      │      │     │県の民生委員・児童委員大会   │ │    │      │      │     │           835,000円 │ │    │      │      │     │研修委託費      658,000円 │ │    │      │      │     │主任児童委員活動費  186,000円 │ │    │      │      │     │PR活動等      153,000円 │ ├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤ │調査研究│   73,354│   73,354│    0│                │ │費   │      │      │     │                │ ├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤ │旅費  │   83,000│   52,640│  -30,360│                │ ├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤ │補助金 │ 13,010,000│ 12,972,000│  -38,000│地区民児協活動補助金10,401,000円│ │    │      │      │     │ブロック別活動補助金2,609,000円 │ ├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤ │事務諸費│   278,196│   278,196│    0│                │ ├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤ │慶弔費 │   200,000│   159,944│  -40,056│                │ ├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤ │負担金 │  1,962,000│  1,297,300│ -664,700│全国の民生委員・児童委員大会参加│ │    │      │      │     │負担金、県単位民児協会長研修会参│ │    │      │      │     │加負担金等           │ ├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤ │手数料 │   80,000│   66,476│  -13,524│                │ ├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤ │予備費 │   44,450│      0│  -44,450│                │ ├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤ │合計  │ 25,074,000│ 23,767,026│-1,306,974│                │ └────┴──────┴──────┴─────┴────────────────┘  ※下線部分は、令和元年度の収支予算・決算書を転記したが、計算が誤っていた。  交付要綱で、補助対象経費は、次に掲げる経費に相当する額となっている(第3条)。 ┌──────────────────────────────────────┐ │(1)地区民生委員・児童委員協議会(以下、「地区民児協」という。)を指導し、│ │   及び地区民児協相互の連絡調整を図るために開催する会議等に関する経費  │ │(2)民生委員・児童委員の知識の向上のために開催する大会及び研修に関する経 │ │   費                                  │ │(3)地区民児協における会議、研修その他の地域福祉活動に関する経費     │ │(4)民生委員・児童委員の活動の広報に関する経費              │ │(5)社会福祉を目的とする事業を経営する者又は社会福祉に関する活動を行う者 │ │   との連携並びに当該事業及び活動の支援に関する経費           │ │(6)前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める経費           │ └──────────────────────────────────────┘  市は、上記支出のうち下線部のものを補助対象経費としており、交付要綱の(1)~ (5)に対応すると思われる形で、「岐阜市民生委員・児童委員協議会運営費補助金内
    訳」と題する資料を作成している。  以下の表にその内訳を示す。                   (単位:円) ┌────────┬────────────────────┬────────┐ │   区分   │         内訳         │   金額   │ ├────────┴────────────────────┼────────┤ │(1)会議費・運営費                   │    3,104,000│ ├────────┬────────────────────┼────────┤ │        │会議費                 │     309,000│ │        ├────────────────────┼────────┤ │        │ブロック別活動費            │    2,609,000│ │        │ @200,000円×5ブロック=1,000,000円 │        │ │        │ @1,800円×894人=1,609,200円     │(千円未満切捨) │ │        ├────────────────────┼────────┤ │        │主任児童委員活動費           │     186,000│ ├────────┴────────────────────┼────────┤ │(2)民生委員大会・ 研修費               │    3,364,000│ ├────────┬────────────────────┼────────┤ │        │民生委員大会              │     854,000│ │        ├────────────────────┼────────┤ │        │研修委託費 @736円×894人=657,894円  │     658,000│ │        ├────────────────────┼────────┤ │        │研修負担金               │    1,386,000│ │        │ @1,550円×894人=1,385,700円     │        │ │        ├────────────────────┼────────┤ │        │全国大会参加費             │     420,000│ │        ├────────────────────┼────────┤ │        │主任児童委員研修費           │     46,000│ ├────────┴────────────────────┼────────┤ │(3)地区民生委員協議会活動推進費            │   10,401,000│ ├────────┬────────────────────┼────────┤ │        │@80,000円×50民児協=4,000,000円    │        │ ├────────┼────────────────────┼────────┤ │        │@7,160円×894人=6,401,040円      │        │ ├────────┴────────────────────┼────────┤ │(4)広報活動費                     │     153,000│ ├─────────────────────────────┼────────┤ │(5)関係団体連携推進費                 │    4,563,000│ ├────────┬────────────────────┼────────┤ │        │@5,104円×894人=4,562,976円      │        │ ├────────┴────────────────────┼────────┤ │             合計              │   21,585,000│ └─────────────────────────────┴────────┘ 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。 【指摘 福祉政策課】  市は、研修負担金として、一人当たり1,550円で計算した額を基にした額、全国大 会参加費として420,000円、主任児童委員研修費として46,000円を補助対象経費とし ているが、何の費用のか明らかないし、協議会の予算書には、そのよう経費はな い。協議会の予算書には、負担金として、複数の研修会や大会の参加負担金が計上され ているが、何の費用のか明らかない。  市は、関係団体連携推進費として、一人当たり5,104円で計算した額を基にした額 (4,563,000円)を補助対象経費としているが、何の費用のか明らかないし、協議 会の予算書には、そのよう経費はない。  市は、協議会の予算書の「ブロック別活動費補助金」を「会議費・運営費」として、 交付要綱の第3条(1)に該当すると扱っているようあるが、該当しないと思われ る。  主任児童委員活動費、広報活動費も、何の費用のか明らかない。  協議会の予算書自体、何の費用のか明らかないし、市は、協議会の予算書とは離 れて補助対象経費を積算している点が見受けられる上、何の費用を積算しているのか、 その根拠は何のか明らかない。  協議会には、個別具体的費用の内訳を明らかにした予算書を提出させるべきあ る。その上で、その協議会の予算書に基づいて、補助対象経費を審査し、補助金の額を 算定した過程を記録に残すべきある。 (2)補助対象事業 【事実関係】  補助金の額の半分以上にあたるのが、協議会の予算書でいうところの、地区民児協 活動補助金10,401,000円とブロック別活動費補助金2,609,000円ある。  ところが、事業計画書でも実績報告書でも、地区民児協の活動やブロック別の活動 の内容は、よく分からなかったし、補助金を何に使うのか(使ったのか)は分からなか った。 【指摘 福祉政策課】  自ら事業を行わない協議会に補助金を交付するのは避けるべきあるし、いったん 協議会に交付するとしても、補助金を使用して事業を行う地区民児協やブロックの個 別の活動内容及び収支予算・決算の分かる書類を提出させるべきある。 (3)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は平成4年度から 開始しており、長期にわたっている。  上記のように、補助金の額は、民生委員・児童委員の数に一定の単価を乗じた額で予 算額を積算しているものの、少なくとも直近5年間において、予算額にほとんど変動 がない。  民生委員・児童委員は、地域社会の福祉を増進するため、無報酬の公務員あり、要 援護者の相談対応、自立支援等を行うものある。地域毎に設置された協議会(50地 区)に参加している。令和元年度の市内の民生委員・児童委員は894人となっており、 市内を5ブロックに分け、ブロック毎でも地域福祉の問題分析や担当世帯への援助方 法検討、研修等を行っている。岐阜市民生委員・児童委員協議会は市内の協議会を総括 する組織として、毎月1回定例会長会を開催し、全国民生委員大会等に参加している。 本補助金は協議会のこれらの事業を支援するため交付されている。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助
    金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 福祉政策課】  各地区・各ブロック協議会の連携、民生委員・児童委員の活動の充実及び連携という 目的に照らし、岐阜市民生委員・児童委員協議会の行う事業に対する補助の必要性と 効果の検証は、個別具体的にしなければならない。目的達成のために必要かつ有効 事業に補助金を交付するほうが、むしろその活動を的確に推進できると考える。  事業補助に切り替えるべきある。そして、交付要綱において、交付目的と補助の必 要性に即した補助対象事業と補助対象経費を具体的に定め、一定の補助率と補助上限 額を具体的に設定すべきある。  55.自治会連絡協議会運営補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │市民協働推進部 市民活動交流センター               │ │    │※令和元年度は、市民参画部 市民活動交流センター         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市自治会連絡協議会                      │ │交付先 │※構成員は、自治会連合会会長ある。               │ │    │※事務局は、市民活動交流センターにある。             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│会議、住民自治推進大会の開催、岐阜市自治会百科事典・自治会加入促 │ │    │進チラシの作成、視察研修                     │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市自治会連絡協議会運営補助金交付要綱             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│住民自治組織及び市が連携し、市民との協働のまちづくりを推進する(要│ │    │綱の文言)                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成11年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 5,476,000│ 5,476,000│ 5,476,000│ 5,476,000│ 5,476,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 5,476,000│ 5,476,000│ 5,476,000│ 5,476,000│ 5,476,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、補助対象経費は、「市との連携を図るために開催する会議等に関する 経費、住民自治推進のため開催する大会及び研修会に関する経費、住民自治推進のた めの啓発事業等に関する経費、市長が必要と認める経費」とされているだけ、例え ば、「図書購入費」「印刷代」「事務用消耗品」といった個別具体的費用が設定されて いない。  実績報告書に添付されている収支決算書では、「研修費」として1,136,356円、「自 治会長大会費」として967,475円が計上されているが、その内訳は明記されておらず、 ヒアリングによれば、「研修費」は視察の交通費等、「自治会長大会費」は表彰記念品費 等が含まれているとのことある。  また、実績報告書に添付されている収支決算書では、「会議費」として、「連絡協議会 費」826,100円、「理事会費」22,700円と計上されているが、その内訳は明記されてお らず、ヒアリングによれば、この「会議費」には飲み物代や昼食代が含まれているとの ことある。記録上は、それらも含め「会議費」すべてが補助対象経費とされていた。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って「公正かつ効率的に」行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目あるとさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。  交付要綱(本補助金では実施要綱)は、上記の要請を達成するために重要規範とな るものある。交付要綱の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手 続きの公正さが確保できない。 【指摘 市民活動交流センター】  交付要綱において、補助対象経費として、例えば、「図書購入費」「印刷代」「事務用 消耗品」といった個別具体的費用を設定すべきある。 【意見 市民活動交流センター】  個別具体的費用の内訳が分かる決算書を提出させるか、決算書に添付させること が望ましい。 【意見 市民活動交流センター】  昼食代を補助対象経費にしないことが望ましい。  市によれば、会議が昼をまたぐ際に昼食が提供されており、このことは問題ないと 考えているようあるが、昼食時間中は会議時間ではないし、昼食の提供は会議出席 者が受益者となるだけあるから、公益上の必要性は認められない。会費が充てられ ていると考えているようあるが、記録上は、そうは読めなかった。 (2)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は平成11年度から 開始しており、長期にわたっている。  交付要綱では、補助金の額は予算の範囲内としか定められていない。少なくとも直 近5年間は、変わることなく5,476,000円を交付しているが、その算定根拠はない。  事業評価シートでは、活動指標を「定例会・理事会の開催数」とし、「各部署から自 治会連合会への依頼事項が滞りなく実施されるために、また地域の課題や有益情報 について共有化され、各連合会の一定の方向性を纏めていくために現状維持は必要。」 との総合評価がなされている。
    【規範】  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。  岐阜市における補助金のあり方について最終提言では、本補助金に対する意見とし て、『協議会の支出経費の必要性及び削減可能性についての検討が必要ある。また、 自治会関連の補助金を整理し直し、再構築する必要がある。』とされている。 【指摘 市民活動交流センター】  金額が変わっていないということは、事業内容もさほど変わっていないのはない かと推察される。市は、本団体は永続的活動をするものある、持続的に活動してい くために補助するものあると考えているが、そのよう活動に補助金を交付し続け るのは、補助金の在り方として適切はない。事業評価シートの記載からすると、市と 自治会連合会との間及び各自治会連合会の間の情報共有が主たる必要性のようある が、そのために5,476,000円もの多額の補助金を交付することが必要あるとは容易 には受け入れ難い。  公金で補助金を交付する以上、自治会連合会会長が協議をすること、自治会連合会 会長が視察に行くこと、住民自治推進大会(表彰や講演会)を開催すること、自治会百 科事典を作成すること、各々の事業に対する補助の必要性と効果の検証を、個別具体 的にしなければ、公金の適切支出あることの説明がつかないのはないだろうか。  団体の運営補助から事業補助に切り替えるべきある。交付要綱において、「住民自 治組織及び市が連携し、市民との協働のまちづくりを推進する」という交付目的を達 成するために必要かつ有効補助対象事業を具体的に定め、補助対象事業毎に具体的 補助対象経費を定め、一定の補助率と補助上限額を具体的に設定すべきある。  56.岐阜市公民館連絡協議会補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │市民協働推進部 市民活動交流センター               │ │    │※令和元年度は、教育委員会 社会教育課              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市公民館連絡協議会                      │ │交付先 │※構成員は、公民館の館長及び主事ある。             │ │    │※事務局は、市民活動交流センターにある。             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│岐阜市公民館研修大会の開催、ブロック研修会の開催、館長主事合同研 │ │    │修会の開催、大会等への派遣、公民館ぎふの発行           │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠  │岐阜市公民館連絡協議会補助金交付要綱               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│公民館活動の振興及び公民館職員の資質の向上(要綱の文言)     │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│不明 ※協議会の規約は昭和27年制定                │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 1,167,000│ 1,167,000│ 1,167,000│ 1,167,000│ 1,167,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 1,167,000│ 1,167,000│ 1,167,000│ 1,167,000│ 1,167,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、補助対象経費は、「公民館活動の振興を目的とする研修及び大会に要 する経費」、「公民館活動の振興を目的とする広報及び啓発に要する経費」、「公民館職 員の資質向上を目的とする会議及び研修に要する経費」とされているだけ、例えば、 「図書購入費」「印刷代」「事務用消耗品」といった個別具体的費用が設定されていな い。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って「公正かつ効率的に」行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目あるとさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。  交付要綱は、上記の要請を達成するために重要規範となるものある。交付要綱 の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手続きの公正さが確保で きない。  また、実績報告書に添付されている収支決算書では、「研修費」として296,392円、 「研修大会費」として750,304円と計上されているが、その内訳は明記されていない。 【指摘 市民活動交流センター】  交付要綱において、補助対象経費として、例えば、「図書購入費」「印刷代」「事務用 消耗品」といった個別具体的費用を設定すべきある。 【意見 市民活動交流センター】  「研修費」や「研修大会費」とあるだけは、何に使ったのか全く分からない。職員 が内訳の分かる書類を見ているようあるが、書類監査ではそのよう書類はなかっ たし、収支決算書上は、内訳は分からない。  個別具体的費用の内訳が分かる決算書を提出させるか、決算書に添付させること が望ましい。 (2)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は少なくとも10年 以上前から開始しており、長期にわたっている。  交付要綱では、補助金の額は予算の範囲内とあるのみある。少なくとも直近5年
    間は金額が変動していない。金額の算定根拠は明らかない。  交付目的は、公民館活動の振興と公民館職員の資質の向上という二つの目的がある。  ブロック研修会は、「研修」という名のとおり、公民館職員の資質の向上を目的とす るものあるが、コンサートが行われているブロックがあった。研修大会費の約半分 は講演会の講師謝金あるところ、令和元年度は元NHKアナウンサーによる講演で あった。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 市民活動交流センター】  団体の運営補助から事業補助に切り替えるべきある。そして、交付要綱において、 公民館活動の振興という目的達成のために必要かつ有効補助対象事業と、公民館職 員の資質の向上という目的達成のために必要かつ有効補助対象事業を明確に区別し、 それぞれについて、具体的事業を定め、補助対象事業毎に補助対象経費を具体的に 定め、一定の補助率と補助上限額を具体的に設定すべきある。  57.岐阜治水会負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │基盤整備部 広域事業推進課                    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│加入団体負担金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜治水会                            │ │    │※構成員は、自治会連合会ある。                 │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│要望活動、協賛(手力の火祭・夏、川と海のクリーン大作戦)等    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│地域住民と連携して治水事業を促進する(個別調査票)        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成5年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 2,700,000│ 2,700,000│ 2,700,000│ 2,700,000│ 2,700,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 2,700,000│ 2,700,000│ 2,700,000│ 2,700,000│ 2,700,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)多額の繰越金 【事実関係】  市は、岐阜治水会の構成員として、平成5年から毎年270万円を支出している。  岐阜治水会の平成30年度の決算書は、次のとおりある。 ┌──────────────────┬───────────────────┐ │収入                │支出                 │ ├─────────┬────────┼─────────┬─────────┤ │会費       │   1,396,000円│会議費      │    1,116,180円│ ├─────────┼────────┼─────────┼─────────┤ │本負担金     │   2,700,000円│事務所費     │     515,106円│ ├─────────┼────────┼─────────┼─────────┤ │雑収入      │      29円│事業振興費    │    1,549,812円│ ├─────────┼────────┼─────────┼─────────┤ │繰越金※     │   2,380,928円│記念事業積立金※ │     500,000円│ ├─────────┼────────┼─────────┼─────────┤ │         │        │負担金補助金交付金│     20,000円│ ├─────────┼────────┼─────────┼─────────┤ │合計       │   6,476,957円│合計       │    3,681,098円│ └─────────┴────────┴─────────┴─────────┘ ※決算後の繰越金は2,795,859円となり、前年比で414,931円増加している。 ※記念事業積立金の平成31年4月1日現在額は2,000,042円ある。  上記のよう決算内容あるにもかかわらず、市は、令和元年度も2,700,000円の 負担金を支出している。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、個々事業毎に判断されるべき「必要性」や「効果(受 益)」の適否の判断がないがしろにならないよう、予算編成の際等に十分に検討を加え て、常に適切見直しを図っていくべきあり、漠然と一定の負担金を義務的経費の ごとく支出し続けることは適切公金の支出とはいえないとされている。 【指摘 広域事業推進課】  繰越金が年々増加しており、支出額の6割以上にも達している。市によれば、これで も繰越金は多額とはいえないと考えているとのことあるが、一般的に受け入れ難い 考えある。また、市によれば、令和6年度の記念事業のために支出の増加が見込まれ ることも理由としているとのことあるが、記念事業のためには積立金をしている。 270万円を支出する必要性・相当性がなされていないと言わざるを得ない。  団体の収支内容及び繰越金、積立金を考慮し、負担金額を見直すべきある。  58.岐阜市防犯協会運営補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │市民生活部 防犯・交通安全課                   │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市防犯協会                          │ │交付先 │※構成員は、岐阜中地区防犯協会連合会会長、岐阜南地区防犯協会連合 │ │    │ 会会長、岐阜北地区防犯協会連合会会長等各種団体の長ある。   │ │    │※事務局は、岐阜中警察署にある。                 │ ├────┼─────────────────────────────────┤
    │対象事業│「子ども110番の家」看板配布、新小学1年生に対する啓発文字入り鉛  │ │    │筆2本組配布、岐阜バス車内放送等                 │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市防犯協会運営補助金交付要綱                 │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│市民の安全平穏生活を確保する(要綱の文言)          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成9年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 5,000,000│ 5,400,000│ 5,400,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 5,000,000│ 5,400,000│ 5,400,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象事業 【事実関係】  交付要綱は、運営補助金と称し、補助対象経費として、会議費、事務費、人件費を挙 げているが、事業費も補助対象経費に挙げており、市は、本補助金を団体事業補助金と 位置付けている。しかし、交付要綱に補助対象事業は定められていない。  岐阜市防犯協会の決算書の収支は次の内容ある。 ┌──────────┬────────────────────────────┐ │収入        │支出                          │ ├────┬─────┼───┬────────┬─────┬─────────┤ │補助金 │ 6,000,000│事業費│地域安全対策費 │  845,660│         │ ├────┼─────┤   ├────────┼─────┼─────────┤ │賛助団体│  420,000│   │広報啓発費   │  191,540│         │ ├────┼─────┤   ├────────┼─────┼─────────┤ │雑収入 │    15│   │中地区防    │  181,000│岐阜中地区防犯連絡│ │    │     │   │        │     │協議会      │ ├────┼─────┤   ├────────┼─────┼─────────┤ │繰越金 │  294,067│   │南地区防    │  91,000│岐阜南地区防犯連絡│ │    │     │   │        │     │協議会      │ ├────┼─────┤   ├────────┼─────┼─────────┤ │    │     │   │北地区防    │  199,000│岐阜北地区防犯連絡│ │    │     │   │        │     │協議会      │ ├────┼─────┤   ├────────┼─────┼─────────┤ │    │     │   │駅防犯モデル地区│  72,000│岐阜駅周辺防犯モデ│ │    │     │   │        │     │ル地区推進委員会 │ ├────┼─────┤   ├────────┼─────┼─────────┤ │    │     │   │柳ケ瀬防犯モデル│  180,000│柳ケ瀬防犯モデル地│ │    │     │   │地区      │     │区推進委員会   │ ├────┼─────┤   ├────────┼─────┼─────────┤ │    │     │   │安全活動費   │  450,000│岐阜中、南、北地区│ │    │     │   │        │     │防犯協会連合会  │ ├────┼─────┤   ├────────┼─────┼─────────┤ │    │     │   │防犯カメラ設置費│  400,000│         │ ├────┼─────┼───┼────────┼─────┼─────────┤ │    │     │管理費│給与手当    │ 3,701,212│         │ ├────┼─────┤   ├────────┼─────┼─────────┤ │    │     │   │雇用保険等   │  97,661│         │ ├────┼─────┼───┼────────┼─────┼─────────┤ │    │     │備品費│備品費     │    0│         │ ├────┼─────┼───┼────────┼─────┼─────────┤ │    │     │事務費│消耗品費    │   7,030│         │ ├────┼─────┤   ├────────┼─────┼─────────┤ │    │     │   │通信費     │   2,720│         │ ├────┼─────┼───┼────────┼─────┼─────────┤ │    │     │会議費│会議費     │    907│         │ ├────┼─────┼───┴────────┼─────┼─────────┤ │合計  │ 6,714,082│合計          │ 6,419,730│         │ └────┴─────┴────────────┴─────┴─────────┘ 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 防犯・交通安全課】  交付要綱において具体的補助対象事業を定めるべきある。 (2)補助対象経費 【事実関係】  補助対象経費として「事業費」としか定められていない。 【指摘 防犯・交通安全課】  交付要綱において、事業費という漠然としたものはなく、個別具体的補助対象 経費を定めるべきある。 (3)実績報告書及び補助金の確定 【事実関係】  決算書によれば、岐阜市防犯協会の自主事業にかかる経費は、「地域安全対策費」、 「広報啓発費」、「防犯カメラ設置費」ある。事業報告において様々活動が記載され ているが、どれが自主事業のか判別できないし、決算書では、個別の具体的支出の 内訳が明らかない。  残りの事業費(上記の網掛け部分)は、各団体への助成金ある。市の職員が、各々 の団体の総会に出席し、事業内容や収支決算を確認しているとのことあるが、本補 助金の実績報告書からは、各団体へ交付した助成金が何に使われたのかが明らかな い。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。 【指摘 防犯・交通安全課】  実績報告書には、自主事業にかかる個別具体的支出の内訳、各団体へ交付した助 成金による個別具体的支出の内訳が明らかになるよう資料を提出させるべきあ る。 【事実関係】  自主事業にかかる経費のうち「防犯カメラ設置費」400,000円の内容は、電気代38,000 円及び保険料48,660円を除き、将来の防犯カメラの交換、修繕等のために必要資金
    を内部留保としているものある。 【指摘 防犯・交通安全課】  防犯カメラの交換時に必要補助金を申請させ、交付するのが本来のあり方ある。 将来の防犯カメラの交換、修繕等が必要あることと、そのための補助金を内部留保 してよいこととは別問題ある。市によれば、決算書に「設置費」と記載されている が、実質は「管理費」あり、将来の防犯カメラの交換、修繕等のための費用が含まれ るとのことある。そうとしても、それが必要時に補助金申請するのが筋あり、 内部留保することは管理費とはいえない。  内部留保のための支出に対して補助金を交付すべきはない。 (4)平成23年度包括外部監査の措置状況 【事実関係】  平成23年度の包括外部監査において、次の指摘がなされ、市は、次の措置状況報告 をしている。 ┌──────────────────┬───────────────────┐ │指摘                │措置状況報告             │ ├──────────────────┼───────────────────┤ │ 交付要綱が定められておらず、補助対│ 毎年必要となる補助金額を算定できる │ │象経費や交付金額について明確基準は│よう、補助金の算定根拠を作成し、補助 │ │存在しない。交付要綱に補助対象経費及│対象経費を明示した要綱を作成した。  │ │び補助金の算定根拠を明示し、毎年度必│ 啓発物品等を補助対象として算定した │ │要となる補助金額を算定すべきある。│事業補助を含む運営補助ある。    │ │ また、協会の独自性を保つように、運│                   │ │営費補助から補助対象事業を明示した事│                   │ │業補助に切り替えていくべきある。 │                   │ └──────────────────┴───────────────────┘ 【指摘 防犯・交通安全課】  補助金の算定根拠を作成し、補助対象経費を明示した要綱を作成したとはいい難く、 毎年必要となる補助金額を算定できるようにはなっていない。措置状況報告は正確に 行うべきある。 (5)補助の見直し 【事実関係】  市は、事業補助を含む運営補助と捉えているようあるが、本補助金は、平成9年か ら開始しており、長期にわたっている。  交付要綱では、上記のとおり、補助対象事業が定められず、補助対象経費も漠然とし ている上、補助金の額は600万円を限度とすると定めている。そして、結局、この限 度額が補助金の額となっている。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 防犯・交通安全課】  長期にわたる運営補助は、事業補助のみに切り替えるべきある。啓発物品の作成 配布、防犯カメラの管理運営という自主事業に、上記のよう人件費が必要のかど うかの検証もすべきあるし、会費収入や寄附金等の収入を得る努力も促すべきあ る。  59.岐阜市まちづくりサポートセンター負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │市民協働推進部 市民活動交流センター               │ │    │※令和元年度は、市民参画部 市民活動交流センター         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│諸負担金                             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市まちづくりサポートセンター                 │ │    │※構成員は、岐阜大学教授、特定非営利活動法人ぎふNPOセンター理 │ │    │ 事長、十六銀行法人営業部長、岐阜信用金庫業務推進部次長、公益社 │ │交付先 │ 団法人岐阜青年会議所副理事長、岐阜市市民参画部長、岐阜市信用保 │ │    │ 証協会専務理事、岐阜市市民参画部参与ある。          │ │    │※事務局は、みんなの森ぎふメディアコスモス内にある。       │ │    │※事務局長と事務局員は、雇用している。              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│まちづくり協議会カルテの制作、まちづくり協議会活動パネル展・まち │ │    │サポトークの開催等                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │負担金の根拠規定がないので負担金を支出することの目的は明確はな │ │    │いが、岐阜市まちづくりサポートセンターは、市民活動交流センターと │ │交付目的│連携を図り、まちづくり協議会等の設立支援、まちづくりに関する協議 │ │    │会等に対する情報の提供及び活動支援を行うとともに、地域コミュニテ │ │    │ィの活性化に寄与することを目的とする組織ある(規約第3条)。  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成28年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  -  │ 4,000,000│ 4,000,000│ 4,000,000│ 3,900,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  -  │ 3,000,000│ 3,500,000│ 4,000,000│ 3,800,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)効果の検証 【事実関係】  本団体の令和元年度の収支決算書によると、支出が、まちサポトーク講師等の報償 費599,860円、事務局長及び事務員の賃金2,045,060円等合計3,960,180円、収入が、 十六銀行、岐阜信用金庫、岐阜市信用保証協会からの協賛金合計500,000円、市の負 担金3,800,000円、繰越金939,990円の合計5,308,990円ある。  まちづくり協議会カルテの制作、まちづくり協議会活動パネル展は、まちづくり協 議会に対する活動支援あるが、岐阜市住民自治基本条例では、市長等は、まちづくり 協議会に対し、支援を行うものとされている。本団体は、市と市民の間における中間支
    援組織といえる。あえて中間支援組織を設置して事業を行うことの必要性、有効性、経 済性の判断が必要不可欠ある。  しかし、本負担金について、事業評価シートが作成されていない。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、見直し基準の考え方として、補助目的を踏まえた費用 対効果がおおむね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果が高いと判断 できるかどうか、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている補助金の妥当 性を判断するという「効果・経済性」が挙げられている。 【指摘 市民活動交流センター】  事業評価シートを作成し、負担金の必要性、効果を検証すべきある。  60.単位老人クラブ運営補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │福祉部 高齢福祉課                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市老人クラブ連合会                          │ │    │※連合会は、補助金の交付を受けたときは、各単位老人クラブに対し、     │ │    │ それぞれ単位老人クラブ当たりの補助金の額を支給しなければなら     │ │    │ いとされている(要綱第3条、第5条2項)。               │ │    │※単位老人クラブとは、市内の各地域において組織される老人クラブで     │ │    │ あって、次の項目のいずれにも該当するものとされている(要綱第2     │ │    │ 条)。                                 │ │    │┌─┬───────────────────────────────┐  │ │交付先 ││ │老人クラブの会員に、60歳以上の者が30人以上(過去にこの要綱に基│  │ │    ││1)│づき交付された補助金の対象となった老人クラブにあっては、25人以│  │ │    ││ │上)あること。                        │  │ │    │├─┼───────────────────────────────┤  │ │    ││2)│自治会の活動する区域その他老人クラブの活動を円滑に行うことがで│  │ │    ││ │きる程度の区域内に居住する会員で構成されていること。     │  │ │    │├─┼───────────────────────────────┤  │ │    ││3)│岐阜市老人クラブ連合会に加入していること。          │  │ │    │└─┴───────────────────────────────┘  │ │    │※令和元年6月20日現在のクラブ数は406クラブ、会員数は22,526人       │ │    │ となっている。                             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│健康体操、コーラス、清掃等                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市単位老人クラブ運営費補助金交付要綱、老人福祉法第13条2項      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │単位老人クラブの活動を推進する(要綱の文言)               │ │    │※国の在宅福祉事業の一環として、「地方公共団体は老人の福祉を増進     │ │交付目的│ することを目的とする事業の振興を図るとともに、老人クラブその他     │ │    │ 当該事業を行う者に対して、適当援助をするように努めなければな     │ │    │ らない」とされている(老人福祉法第13条2項)。             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和38年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 26,698,000│ 26,827,000│ 25,718,000│ 25,445,000│ 24,322,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 25,185,600│ 24,922,800│ 24,408,000│ 23,284,800│ 22,075,200│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ※本補助金は国の在宅福祉事業補助金の対象とされており、市が行う助成事業費の1  /3を国が補助している。 <監査の結果> (1)補助対象経費 【事実関係】  補助金の交付の対象となる経費は、以下のように定められている(要綱第4条)。  各単位老人クラブが実施する社会奉仕活動、教養講座開催事業、健康増進事業、友                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 愛・三世代交流事業等に係る経費のうち当該事業の円滑運営のために必要経費と  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ する。但し、交際費(慶弔費を含む。)、酒類等奢侈にわたる食糧費、単位老人クラブの 活動に要する経費として不適当と認められる経費を除く。  一方、連合会から提出された、406単位老人クラブの合算の収支決算書及び各地区の 内訳書に記載されている対象経費は、「会議費、活動費、事務諸費、地区老連負担金」                    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ となっている。  地区老連負担金が0円となっている単位老人クラブが複数存在したが、ヒアリング によると、活動費等他の経費項目に計上されているとのことあった。 【規範】  国の「在宅福祉事業費補助金交付要綱」第4条の表によると、補助金の対象経費は 「老人クラブ事業の実施に必要報償費、賃金、旅費、需用費、備品購入費、役務費、                 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 委託料、使用料及び賃借料」となっている。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【意見 高齢福祉課】  市によれば、会議費は需用費等、地区老連負担金は需用費、備品購入費等に当たると 認識しているとのことあるが、直ちには理解し難いため、国の通達等その正当性を 裏付ける資料を残しておくことが望ましい。 【指摘 高齢福祉課】  地区老連負担金に相当する経費を含めて、単位老人クラブの収支決算書は、補助対 象経費を正しい費用科目で計上させるべきある。 (2)補助金の額 【事実関係】  補助金の額は、交付を受けようとする年度の4月1日(交付年度内に組織された単 位老人クラブにあっては、その組織された日)現在の会員数に応じて、以下の表に定め
    る金額(当年度内に組織された単位老人クラブにあっては、当該金額を12で除して得 た額(以下、「月額」という。)にその組織された日の属する月から交付年度の3月まで の月数を乗じて得た額、解散した単位老人クラブにあっては、月額に交付年度の4月 からその解散した日の属する月までの月数を乗じて得た額)を合算して得た額とされ ている(要綱第5条)。  市によれば、下記の金額については、他都市の平均補助額を参考に算定していると のことあるが、その過程は明らかはなかった。 ┌──────────────────┬───────────────────┐ │       会員数        │        金額         │ ├──────────────────┼───────────────────┤ │49人以下              │               43,200円│ ├──────────────────┼───────────────────┤ │50人以上99人以下          │               57,600円│ ├──────────────────┼───────────────────┤ │100人以上              │               72,000円│ └──────────────────┴───────────────────┘  令和元年度の補助金の予算と決算額は以下の表のとおりある。 ┌─────┬────────────┬───────────────────┐ │     │     予算     │        決算         │ ├─────┼─────┬──────┼─────────┬─────────┤ │49人以下 │ 114クラブ│ 4,924,800円│   112クラブ  │    4,838,400円│ ├─────┼─────┼──────┼─────────┼─────────┤ │50人以上 │ 308クラブ│17,740,800円│   273クラブ  │   15,724,800円│ │99人以下 │     │      │         │         │ ├─────┼─────┼──────┼─────────┼─────────┤ │100人以上 │ 23クラブ│ 1,656,000円│   21クラブ  │    1,512,000円│ ├─────┼─────┼──────┼─────────┼─────────┤ │合計   │ 445クラブ│24,321,600円│   406クラブ  │   22,075,200円│ └─────┴─────┴──────┴─────────┴─────────┘ 【指摘 高齢福祉課】  補助金の算定の基礎となる金額を決定した根拠や過程を書面に残しておくべきあ る。 (3)実績報告 【事実関係】  各単位老人クラブの事業報告書及び収支決算書は、平成30年度までは各単位老人ク ラブから市に直接提出されていたが、令和元年度からは提出されなくなっている。な お、各単位老人クラブの収支決算書は連合会が保存しているとのことある。  事業報告については、連合会からは、「単位老人クラブ毎に随時行う事業・活動」と して、抽象的にいくつかの活動を列挙しただけの事業報告書が提出されているに留ま っている。  収支決算についても、406単位老人クラブ合算の収支決算書と単位老人クラブ毎の補 助対象経費と補助金額及び返還額が記載された表があるのみあった。 【規範】  岐阜市補助金等交付規則第15条、補助事業者は補助事業が完了したときは、補助 事業等実績報告書(様式第4号)に次に掲げる書類を添えて市長に対して、その定める 時期までに提出しなければならない。  1) 補助事業等に係る事業実績書  2) 補助事業等に係る収支決算書又はこれに代わる書類  3) その他市長が必要と認める書類 【指摘 高齢福祉課】  交付先は連合会にされているが、本補助金は、各単位老人クラブに対して交付する 補助金あり、「補助事業者」は、各単位老人クラブある。市としては、各単位老人 クラブが、それぞれ具体的にどのよう活動を行い、どのよう収支あったかを審 査しなければならない。市によれば、連合会が審査しているとのことあるが、補助金 を交付している以上、第三者に審査を委ねるわけにはいかないし、連合会に対する監 査だけは、補助金等交付規則で求められている実績報告書の審査の代替にはならな い。  各単位老人クラブの事業報告書及び収支決算書の提出を受けるべきある。  61.岐阜市老人クラブ連合会補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │福祉部 高齢福祉課                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市老人クラブ連合会                      │ │    │※各地区老人クラブ連合会により構成されている。          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│老人クラブ連合会の運営                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市単位老人クラブ運営費補助金交付要綱             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│老人の福祉の増進を図る(要綱の文言)               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和38年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 5,851,000│ 5,862,000│ 5,984,000│ 6,459,000│ 6,392,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 5,744,000│ 5,744,000│ 5,983,000│ 6,459,000│ 6,392,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ※本補助金は国の在宅福祉事業補助金の対象とされており、市が行う助成事業費の1  /3を国が補助している。 【参考】  「岐阜市老人クラブ連合会運営費補助金交付要綱」第4条によると、補助金の額は、 1)補助対象経費の合計額と2)総事業費から他の補助金、会費等の自主財源を控除した 額を比較して、いずれか少ない額とし、予算の範囲内で交付するとある。  また、令和元年度の補助金の算定方法が以下のように図解されており、これによる と、会議費、負担金は補助対象外経費として除外されている。
        図 岐阜市老人クラブ連合会運営費補助金 算定根拠     A 岐阜市老人クラブ連合会総事業費 15,156千円      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     補助対象経費 (千円)        補助対象外経費  (千円) ┌─┬──────┬────┐     ┌─────┬────┬────┐ │ │給料    │ 2,468 │     │活動推進費│会議費 │  321 │ │ ├──────┼────┤     ├─────┼────┼────┤ │ │職員手当等 │  684 │     │     │事業費 │ 6,349 │ │ ├──────┼────┤     ├─────┼────┼────┤ │事│共済費   │  482 │     │その他  │慶弔費 │  130 │ │ ├──────┼────┤     ├─────┼────┼────┤ │務│賃金    │ 1,407 │  +  │     │負担金 │ 1,803 │ │ ├──────┼────┤     ├─────┼────┼────┤ │局│旅費    │  70 │     │     │助成金 │  1 │ │ ├──────┼────┤     ├─────┼────┼────┤ │運│需用費   │  775 │     │     │予備費 │  10 │ │ ├──────┼────┤     ├─────┴────┼────┤ │営│役務費   │  150 │     │     計    │ 8,614 │ │ ├──────┼────┤     └──────────┴────┘ │費│使用料   │  165 │ │ ├──────┼────┤ │ │備品購入費 │  341 │ │ ├──────┼────┤ │ │  計   │ 6,542 │ └─┴──────┴────┘ ┌────────────────┐ │1) 補助対象経費合計 6,542千円 │ └────────────────┘                     他の補助金、会費等の自主財源(千円)                     ┌─────┬─────┬───┐                     │     │会費   │ 2,401│                     │     ├─────┼───┤                     │     │他の補助金│  90│                     │     ├─────┼───┤                     │     │活動費  │ 3,866│                     │自主財源等├─────┼───┤                     │     │  ・  │ ・ │                     │     │  ・  │ ・ │                     │     │  ・  │ ・ │                     │     ├─────┼───┤                     │     │繰越金  │   1│                     ├─────┴─────┼───┤                     │     計     │ 8,764│ ┌───────────┐       └───────────┴───┘ │2) A-B 6,392千円 │       B 他の補助金、自主財源等 8,764千円 └───────────┘        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ┌────────────────────┐ │1)と2)を比べて少ない額は、2)の6,392千円 │ └────────────────────┘  62.自治公民館補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │市民協働推進部 市民活動交流センター               │ │    │※令和元年度は、教育委員会 社会教育課              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│維持補修補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │自治公民館の館長                         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│公民館の新築、増築、改築又は建物購入に係る事業、修繕又は施設改良 │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市自治公民館補助金交付要綱                  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│地域文化の発展及び社会教育活動の振興(要綱の文言)        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和43年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 6,608,000│16,449,000│15,449,000│25,158,000│10,351,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 5,934,000│15,665,000│14,856,000│24,146,000│ 7,272,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ (1)交付要綱のあり方 【参考報告】  交付要綱において、補助対象事業、補助対象経費、補助金の額を個別具体的に記載し ていたので、参考報告とする。  63.コミュニティ助成事業補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │市民協働推進部 市民活動交流センター               │ │    │※令和元年度は、市民参画部 市民活動交流センター         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │金華自治会連合会、柳津町自治会連合会               │
    ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│安宅車の緞帳の修繕・袢纏の購入、長胴太鼓等の購入・修繕      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│市が定めたものはない                       │ │    │一般財団法人自治総合センターの定めるコミュニティ助成事業実施要綱 │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│住民が自主的に行うコミュニティ活動の促進を図り、地域の連帯感に基 │ │    │づく自治意識を盛り上げる(要綱の文言)              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成19年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 2,500,000│ 2,500,000│ 2,500,000│ 2,400,000│ 3,200,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 2,500,000│ 2,500,000│ 2,500,000│ 2,400,000│ 3,200,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ (1)交付要綱 【事実関係】  本補助金の交付要綱は作成されていない。  本補助金は、市が認めるコミュニティ組織が実施するコミュニティ助成事業に対し、 一般財団法人自治総合センターが市に助成金を交付し、市が事業実施主体に補助金を 交付するものある。 【意見 市民活動交流センター】  他にも、市が助成金を受けて補助金を交付する形の補助金はあるが、交付要綱が作 成されていた。  根拠に則った交付手続の適正さを担保するためにも、本補助金の交付要綱を作成す ることが望ましい。  64.羽島用水土地改良区排水費負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │基盤整備部 基盤整備政策課                    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│加入団体負担金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │羽島用水土地改良区                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│かんがい用排水施設の維持管理                   │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│契約書第1項                           │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│羽島用水に伴う施設の適切維持管理(個別調査票)         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和54年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 4,680,000│ 4,680,000│ 4,680,000│ 4,680,000│ 4,680,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 4,674,000│ 4,674,000│ 4,674,000│ 4,674,000│ 4,674,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)負担金額の見直し 【事実関係】  負担金額は、羽島用水土地改良区との間で交わされている契約書にて、その負担額 が年間4,674,000円として定められており、これに基づき、毎年確定した金額を支出 している。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、個々事業毎に判断されるべき「必要性」や「効果(受 益)」の適否の判断がないがしろにならないよう、予算編成の際等に十分に検討を加え て、常に適切見直しを図っていくべきあり、漠然と一定の負担金を義務的経費の ごとく支出し続けることは適切公金の支出とはいえないとされている。 【意見 基盤整備政策課】  契約に基づき毎年定額とすることは、金額確定のために要する事務処理の労力等を 省略できることを意味するとともに、予算見通しが立てやすい等のメリットがある。 他方で、岐阜市が支出する額が、適正に使われているのか等見直しの契機が乏しくな る部分も生じる。  以上の観点を総合考慮し、毎年、負担金額の検討をすることが望ましい。  65.逆川、正木、蘇西、東野田排水機場維持管理費負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │基盤整備部 河川課                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│維持補修負担金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │羽島用水土地改良区                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│逆川、正木、蘇西、東野田排水機場の維持管理            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│契約書第1項                            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│河川施設の適切維持管理のため(個別調査票)           │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和54年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 1,376,000│ 1,306,000│ 1,245,000│ 1,212,000│ 1,969,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  706,600│  697,600│  669,400│  655,800│  979,200│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
    <監査の結果> (1)契約当事者の見直し 【事実関係】  支出の根拠となっている協定書(昭和42年締結)について、岐阜市と合併前の旧柳 津町が当事者のままとなったまま、更新がなされていない。 【意見 河川課】  旧柳津町が消滅し、岐阜市に合併されたことから、旧柳津町の分を岐阜市が引き継 ぐことになったと思われるが、協定の内容の明確化のため、協定書の更新をすること が望ましい。 第7 教育・保育  66.岐阜市PTA連合会補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 社会・青少年教育課                  │ │    │※令和元年度は、教育委員会 青少年教育課             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市PTA連合会                        │ │    │※構成員は、岐阜市小中学校の各単位PTAある。         │ │    │※事務局は、社会・青少年教育課にある。              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│役員会、PTA大会、実践発表会の開催               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市PTA連合会補助金交付要綱                 │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│PTA活動の促進(要綱の文言)                  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和23年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は昭和23年度から 開始しており、長期にわたっている。  令和元年度決算によれば、収入及び支出が約14,890,000円あるのに対し、補助金 額は240,000円あり、補助率は約1.6%と極めて低い。  連合会には会費収入(令和元年度においては6,682,900円)があり、補助金額を超 える繰越金(令和元年度においては904,387円)がある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。また、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助 目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効 果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、 交付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超 えている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、 習慣的)と示されている。 【指摘 社会・青少年教育課】  事業補助に切り替えるべきある。そして、交付要綱において、交付目的と補助の必 要性に即した補助対象事業、補助対象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定 すべきある。  市によれば、「子どもたちの健全育成のため、保護者と学校が連携、協働し、情報共 有、学び合うために必要不可欠組織あり、PTAが持続的に活動していくために 必要補助しており、特定の事業に対する補助は適さないと考える。地域との繋がり が希薄になってきている現代からこそ、保護者同士の交流も活発になるPTA活動 は、岐阜市にとって重要役割があると考える。」とのことある。しかし、事業補助 に切り替えるからといって、その重要性が変わるものはない。そもそも、PTAを持 続的に活動させることは、目的ではなく手段あって、真の目的は、子どもたちの健全 育成ある。組織の活動というのは、つまり個々の事業あり、その必要性を検証する というのがまさに事業補助ある。漠然と団体に補助金を交付するよりも、目的達成 のために必要かつ有効事業に補助金を交付するほうが、むしろその活動を的確に推 進できると考える。そうすることにより、補助の必要性と効果の検証が個別具体的に なされることになり、市が公金ある補助金を特定の組織に対して既得権的に交付し ていないことを示すことができる  なお、市から、「交付規則には、具体的補助事業を定めなければならないとは記述 していないため、【指摘】となる重大誤りではない」との意見があったが、ここで述 べていることは、地方自治法第232条の2の定める公益上の必要性の問題あり、公 益上の必要性というのが単なる必要性や重要性だけはないことは、第1部の9で述 べたとおりある。また、補助金等ガイドラインは、この公益上の必要性を判断の指針 を示すものある。これらを【規範】として、第1部で述べたとおり、合規性、公平性、 公益性、必要性、有効性、効率性の観点から、適法性又は妥当性に問題があり、是正措 置が必要あると考えるものを【指摘】としている。規則に反するかどうかというだけ で判断するものはない。  67.岐阜市立岐阜商業高等学校部活動振興補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 岐阜商業高等学校                   │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                          │ │    │※概要調査票では団体育成補助金とあった。             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市立岐阜商業高等学校部活動振興会               │
    │交付先 │※構成員は、岐阜市立岐阜商業高等学校生徒の保護者(正会員)、教職員│ │    │ (特別会員)、本会の趣旨に賛同する者(賛助会員)ある。    │ │    │※事務局は岐阜市立岐阜商業高等学校にある。            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│各種大会出場費、遠征・合宿・器具代、生徒引率旅費等を支出すること │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市立岐阜商業高等学校部活動振興補助金交付要綱         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市立岐阜商業高等学校の生徒の健全育成(要綱の文言)     │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和55年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  520,000│  520,000│  520,000│  520,000│  520,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  520,000│  520,000│  520,000│  520,000│  520,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、補助対象経費は、「大会の出場に必要参加料、交通費、車両借上料 及び宿泊料」、「競技力の向上に必要部活動に要する報償費(指導者に対するものに 限る。)、交通費、宿泊料及び用具の購入費」、「前2号に掲げるもののほか、市長が必要 と認めた経費」とされている。  実績報告書に添付されている決算書には、支出の部として、「総務費(部活指導費、 会議費、生徒奨励費)」、「振興会費(生徒引率費、大会参加料、大会出場費、設備整備 費、強化費、強化指定費、助成金)」、「予備費」が挙げられているが、各部活動や大会 毎の内訳は不明あり、どれが補助対象経費に該当するのか不明あった。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。 【指摘 岐阜商業高等学校】  実績報告書では、各部活動、大会毎の支出の内訳を提出させるべきある。 (2)実績報告 【事実関係】  本補助金にかかる実績報告書は、決算書のほかに「部活動の記録」として全国・中 部・東海大会の出場、入賞及び県大会入賞一覧が添付されているのみある。 【規範】  補助金等交付規則では、補助事業者は補助事業等が完了したときには、市長に対し て実績報告(成果の報告)を行わなければならず(第15条)、成果の報告を受けた市 長は、補助金等の交付の決定の内容及びこれに付した条件に適合しないと認めるとき は、補助事業者に対して必要措置を講じるよう命ずることができるとされている(第 17条)。 【指摘 岐阜商業高等学校】  生徒の成績が記載された部活動の記録のみは、実績報告として不十分ある。  交付目的ある「岐阜市立岐阜商業高等学校の生徒の健全育成」に適合する成果が 上がっているのかを検証できる実績報告書を作成・提出させるべきある。例えば、部 活動の成績だけはなく、部活動を通じて生徒の心身がどのように成長しているのか が分かる記載を含めるべきある。 (3)余剰金の返還 【事実関係】  令和元年度決算書によれば、118,752円の次年度繰越金が生じているものの、戻入さ れていない。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、前金払をしたものも、実績報告を受けた結果、補助 金等に余剰が生じた場合は、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。 【指摘 岐阜商業高等学校】  補助金の余剰金があれば返還させるべきある。  市からは、「『補助金等ガイドライン』のP6『機能分担(民間と行政)の妥当性』に、 『ただし、団体の運営上、繰越金の性質が翌年度以降の事業計画での準備金ある等、 その必要性が認められるよう場合を除く。』とあるため、その記述に基づき問題はな いと考える。」との意見があったが、これは、補助の見直しにおける必要性の判断にお いて、「補助金額が上回る繰越金がある団体や事業については自主的運営に委ねること ができるか可能性が高いものと判断できる」という指針の但書あるから、補助金の 余剰金の返還とは別の話ある。 (4)効果・経済性 【事実関係】  本補助金は、昭和55年度に開始され、長期にわたっている。  平成17年度以降は定額の520,000円を交付しているが、明確算定根拠はなく、前 年踏襲ある。  令和元年度決算書によれば、会費、入会金等の収入があり、収入決算額12,404,137 円に対して補助金額は520,000円あり、補助率は約4%と低い。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインでは、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助目 的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果 が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交 付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超え ている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習 慣的)と示されている。 【指摘 岐阜商業高等学校】  補助目的を踏まえた費用対効果を検証し、その検証結果に基づき補助効果が高いと 判断できるかどうか、その効果の程度を評価し、現在の補助金額の妥当性を判断し、そ の過程を記録に残すべきある。  68.ふるさと大好き鵜飼事業補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐
    │所管  │教育委員会 学校指導課                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │各小学校鵜飼児童の会                       │ │交付先 │※構成員は、その時の対象児童及び教職員とのことあり、毎年度入れ │ │    │ 替わる。会長は校長ある。                   │ │    │※事務局は、当該学校内にあるとのことある。           │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│鵜飼観覧                             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市ふるさと大好き鵜飼事業補助金交付要綱            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│鵜飼観覧の体験を通して、ふるさとを理解し、愛する心を養う(要綱の文│ │    │言)                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成13年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 3,489,000│ 3,570,000│ 3,565,000│ 3,513,000│ 3,501,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 2,657,400│ 2,748,950│ 2,721,300│ 1,966,650│ 2,474,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助金交付対象団体 【事実関係】  各小学校鵜飼児童の会は、その年に鵜飼観覧の対象となる児童と教職員で構成され ているとのことあるので、毎年度、構成員が入れ替わる組織ある。児童(保護者) による加入脱退の手続がとられた記録はなかった。団体の規約は存在せず、意思決定 手続の定めもなく、意思決定手続をとった記録もなかった。 【規範】  補助金等は市の貴重財源を交付するものあるから、補助金が補助目的に従って、 補助対象経費に充てられるよう管理・運用されることが必要ある。それゆえ、交付先 団体は補助金の管理能力がある団体なければならない。 【指摘 学校指導課】  交付先団体は、団体としての組織、多数決での運営決定等団体としての自立性が認 められる「権利能力なき社団」として評価されるだけの実質を備えた団体に限るべき ある。各小学校鵜飼児童の会に補助金を交付するのあれば、「権利能力なき社団」 として評価されるだけの実質を備えるようにすべきある。 (2)効果・経済性 【事実関係】  補助対象事業は、市内小学校の主に5年生が鵜飼観覧をすることあり、児童につ いては通常乗合料金1,700円の半額補助、引率者(教師や保護者)については各学級 2名まで全額補助している。  鵜飼観覧は平日夜間に開催され、令和元年度における参加割合は約81%あった。  本補助金の対象事業ある鵜飼観覧体験事業は、市内の全小学校で実施されており、 実態としては各学校の恒例行事となっている。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインでは、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助目 的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果 が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交 付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超え ている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習 慣的)と示されている。 【指摘 学校指導課】  「小学生に鵜飼観覧を体験させる」という手段と「ふるさとを理解し、愛する心を養 う」という交付目的に照らし、補助目的を踏まえた費用対効果を検証し、その検証結果 に基づき補助効果が高いと判断できるかどうか、その効果の程度を評価し、現在の補 助金の妥当性を判断し、その過程を記録に残すべきある。  69.学校支援推進委員会負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 学校指導課                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│諸負担金                             │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │各学校支援推進委員会                       │ │交付先 │※構成員は、各学校PTA関係者、学校教員等ある。        │ │    │※事務局は、各学校内にある。                   │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│学校運営協議会の内部組織                     │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│学校の運営及び当該運営への必要支援(地方教育行政の組織及び運営 │ │    │に関する法律第47条の5)                     │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成20年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │30,700,000│31,800,000│35,300,000│37,200,000│28,800,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │31,200,000│32,500,000│32,764,227│33,876,023│27,228,532│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)余剰金の返還 【参考報告】  余剰金を返還させて戻入をしていたので、参考報告とする。
    (2)実績報告 【参考報告】  実績報告書に年間行事及び参加人数等のまとめが記載しており事業評価に資する内 容あったため、参考報告とする。  70.岐阜市学校保健会補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 学校保健課                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市学校保健会                         │ │交付先 │※構成員は、岐阜市立学校の学校保健委員会委員、学校保健関係者であ │ │    │ る。                              │ │    │※事務局は、学校保健課にある。                  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│歯の優良児童表彰、学校保健研究大会、機関誌「学校保健会より」の │ │    │発行等                              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市学校保健会補助金交付要綱                  │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市が設置する学校(園)の幼児、児童、生徒及び職員の健康の保持 │ │    │増進及び安全環境確保(要綱の文言)               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│不明 ※交付要綱は平成25年に作成                 │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  950,000│  950,000│  950,000│  950,000│  950,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  950,000│  950,000│  950,000│  950,000│  950,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象事業及び補助対象経費 【事実関係】  本補助金は、団体事業補助金とされているが、交付要綱には、交付の対象として、 「(1)学校保健思想の普及及び啓発、(2)学校保健関係者に関する研修、(3)学校 保健に関する調査研究及び活動の助成、(4)学校保健に関する広報の企画及び普及」 とのみ規定されており(第2条)、具体的補助対象事業が定められていない。  また、補助対象経費も、上記事業に要する経費としか規定されておらず、具体的補 助対象経費が定められていない。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目あるとさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。  交付要綱(本補助金では実施要綱)は、上記の要請を達成するために重要規範とな るものある。交付要綱の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手 続きの公正さが確保できない。 【指摘 学校保健課】  交付要綱において、具体的補助対象事業及び補助対象経費を定めるべきある。  市から、「交付規則には、具体的補助事業を定めなければならないとは記述してい ないため、【指摘】となる重大誤りではない。」との意見があったが、ここで述べてい ることは、地方自治法第232条の2の定める「公益上の必要性」の問題あり、公益 上の必要性というのが単なる必要性や重要性だけはないことは、第1部の9で述べ たとおりある。また、岐阜市補助金等交付規則第3条の定める「公正かつ効率的」を 担保する必要もある。交付要綱において、補助対象事業が抽象的は、補助対象経費も 抽象的に把握されるし、当該経費の必要性の判断も職員の判断にゆだねられることに なってしまい、「公益上の必要性」や「公正かつ効率的」を担保することができない。 これらを【規範】として、第1部で述べたとおり、合規性、公平性、公益性、必要性、 有効性、効率性の観点から、適法性又は妥当性に問題があり、是正措置が必要あると 考えるものを【指摘】としている。規則に書いてないからというもので単純に判断する ものはない。 (2)実績報告 【事実関係】  実績報告書に添付されている収支決算書には、「事業費」の摘要として、「歯の優良児 童表彰」、「全国学校保健研究大会」、「通信『学校保健より』」等に要した個々の総額 の記載があるが、それらの内訳は不明あり、何の費用で、どれが補助対象経費に該当 するのか不明ある。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。 【指摘 学校保健課】  補助対象事業毎の支出の内訳を作成・提出させるべきある。 (3)余剰金の返還 【事実関係】  令和元年度決算書によれば、49,329円の次年度繰越金が生じているものの、戻入さ れていない。 【規範】  会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに 充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)  テーマ別会計マニュアルでは、前金払をしたものも、実績報告を受けた結果、補助 金等に余剰が生じた場合は、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。 【指摘 学校保健課】
     補助金に余剰金があれば返還させるべきある。  次年度当初に経費が必要ことは、公金から支出される補助金の余剰金を繰り越さ せる正当理由とはならない。  市からは、「『補助金等ガイドライン』のP6『機能分担(民間と行政)の妥当性』に、 『ただし、団体の運営上、繰越金の性質が翌年度以降の事業計画での準備金ある等、 その必要性が認められるよう場合を除く。』とあるため、その記述に基づき問題はな いと考える。」との意見があったが、これは、補助の見直しにおける必要性の判断にお いて、「補助金額が上回る繰越金がある団体や事業については自主的運営に委ねること ができる可能性が高いものと判断できる」という指針の但書あるから、補助金の余 剰金の返還とは別の話ある。 (4)効果・経済性 【事実関係】  本補助金の開始時期は不明あるが、要綱は平成25年度に作成されており、少なく とも5年間は950,000円が交付されている。  950,000円の算定根拠は不明あり、補助金の申請額が予算額と同額となっている。  効果の検証が十分になされていたことも確認できなかった、 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助目 的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果 が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交 付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超え ている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習 慣的)と示されている。 【指摘 学校保健課】  補助目的を踏まえた費用対効果を検証し、その検証結果に基づき補助効果が高いと 判断できるかどうか、その効果の程度を評価し、現在の補助金額の妥当性を判断し、そ の過程を記録に残すべきある。  71.岐阜市立特別支援学校生徒指導対策行動費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 学校指導課                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市小中学校長会                        │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│岐阜市立岐阜特別支援学校の教員が家庭訪問等をした際の交通費を支給 │ │    │する                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市立岐阜特別支援学校への生徒指導対策行動費補助金交付要綱   │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│特別支援学校に在学する児童生徒の非行防止及び健全育成(要綱の文言)│ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成21年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  205,000│  205,000│  205,000│  205,000│  205,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  204,462│  204,943│  204,980│  204,980│  204,943│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助金の対象 【事実関係】  交付要綱では、補助対象は、「児童生徒の非行に関して関係者に対し行う指導及び支 援並びに関係機関と行う連絡及び協議」とされ、「配分と処理について」と題する書類 では、補助金の対象行動は、「問題行動の処理行動に対する補助」「問題行動の防止行動 に対する補助」とされている。  記録によれば、「オンリーワン芸術祭の下見」という行動内容が記載されていた。  市によれば、特別支援の必要生徒たちにとって、些細ことあっても突発的 行動、行為に至ることがあり、そうした不測の事態を未然に防ぐために、会場の配置 や対応場所等を綿密に確認する必要があるとのことある。会場の配置や対応場所等 を確認することが問題行動の防止行動といえるということが即座に理解することは困 難あった。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【意見 学校指導課】  補助金の対象行動といえることが明らかになるよう記載をすることが望ましい。 (2)補助金の額 【事実関係】  交付要綱では、「交通費等」に対し補助金を交付するとされ、「配分と処理について」 と題する書類において、支出金は、1kmにつき37円を基準とされている。  記録によれば、交通費の負担のない「スクールバスの添乗」も計上されていた。  市によれば、スクールバスを利用して登校する生徒に対して、早朝、各乗車場所に自 家用車で赴いて、スクールバスの乗車指導を実施しており、それを指しているとのこ とあった。 【指摘 学校指導課】  記録は正確に記載すべきある。  72.岐阜市中学校及び岐阜特別支援学校進路指導対策行動費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 学校指導課                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市中学校長会                         │ │    │※岐阜市中学校校長会会長が交付を受け、各学校に配分している。   │ ├────┼─────────────────────────────────┤
    │対象事業│公共職業安定所との連絡打ち合わせ会、各高等学校説明会及び打ち合せ │ │    │会等の引率・付き添い                       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市中学校及び特別支援学校進路指導対策行動費補助金交付要綱   │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市が設置する中学校生徒及び特別支援学校中学部生徒の就職及び進 │ │    │学に関する指導及び支援業務の推進(要綱の文言)          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和61年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │ 3,236,000│ 3,236,000│ 3,236,000│ 3,236,000│ 3,236,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │ 3,236,000│ 3,236,000│ 3,236,000│ 3,236,000│ 3,236,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、補助対象経費を「岐阜市中学校長会会長が行う次に掲げる事業に要 する経費」としており、個別具体的定めはない。 (1)業務に関して関係機関と行う連絡及び協議 (2)業務に関して行う生徒引率、巡回指導 (3)その他業務に付随して行う事務 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 学校指導課】  補助対象経費を個別具体的に定めるべきある。  市によれば、県立及び私立(県外含む)高等学校受検(受験)に関する入試事務に関 する旅費、職場体験先との打合せ等に関する旅費、通信費及び消耗品費が該当すると のことあるので、そのように具体的に定めるべきある。 (2)補助金の額 【事実関係】  上記のとおり、交付要綱では、補助対象経費を「岐阜市中学校長会会長が行う次に掲 げる事業に要する経費」としている。  ところが、市は、中学校については、各学校に、均等額82,845円に、在籍生徒数に 342円を乗じた額を加えた額を加えた額を配分し、特別支援学校には、266,000円とし、 その合計3,236,000円を補助金の額としている。  これらの金額に根拠はなく、少なくとも直近5年間は同額あり、前年踏襲ある。 【指摘 学校指導課】  交付要綱に「岐阜市中学校長会会長が行う次に掲げる事業に要する経費」とある以 上、均等額と生徒数に基づくのはなく、実際に要する経費を基にして、補助金の額を 算定すべきある。  市によれば、毎年生徒の受験先や職場体験先が異なるので、補助金の額(概算)を算 定するのは難しいとのことあるが、前年度の実績等から概算を算定することはでき るはずある。なお、今後、高等学校とデータ連携が可能になるため、令和3年度につ いては、令和2年度の補助金額の8割(入学が決まった高等学校へ書類を持参してい た旅費分を削減可能)を予算化しているとのことある。  73.私学振興補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │説明区分│団体事業補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市私学振興補助金交付要綱                   │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│国及び地方公共団体以外のものによる多様学校教育の振興(要綱の文 │ │    │言)                               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成16年度                            │ └────┴─────────────────────────────────┘ 幼稚園・幼保連携認定こども園 ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 幼児教育課                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市内に私立幼稚園・幼保連携認定こども園を設置する学校法人   │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│水泳指導、東山動物園への遠足等                  │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │35,150,000│38,850,000│38,850,000│38,850,000│29,500,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │17,951,744│19,838,887│19,276,581│19,307,792│19,029,572│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ 小学校・中学校・高等学校 ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 教育政策課                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市内に私立学校を設置する学校法人               │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │特色ある学校づくり事業(学校教育、部活動)            │ │対象事業│(図書館システム及び機器更新代、衛生看護科の備品代、テニスコート │ │    │の修繕代、陸上部の専門コーチ代等の補助)             │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │29,850,000│29,850,000│29,850,000│32,650,000│32,650,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
    │    │決算 │25,909,812│26,385,643│27,810,838│30,732,090│27,388,319│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象事業 【事実関係】  交付要綱では、補助金等交付申請書及び補助事業等実績報告書には、「特色ある学校 (園)づくり事業」にかかる事業計画書又は事業実績書を添付しなければならないと されている(第4条、第5条)。  幼稚園・幼保連携認定こども園では、「絵画造形教室、サッカー教室の開催」や「学 研講師による学習指導、体育講師による運動指導、スイミングクラブでの水泳指導」等 を実施した園があったほか、「図書備品の充実」、「防災用品の充実」、「東山動物園への 遠足」を事業とした園があった。  小学校・中学校・高等学校では、「図書館システム及び機器の更新」、「衛生看護科の 備品充実」等、また部活動について、「テニスコートの修繕」、「陸上部の専門コーチ招 聘」等を事業とした学校があった。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  交付要綱(本補助金では実施要綱)は、上記の要請を達成するために重要規範とな るものある。交付要綱の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手 続きの公正さが確保できない。 【意見 幼児教育課、教育政策課】  「特色ある学校(園)づくり事業」に該当するといえるのか疑問事業がいくつもあ った。  公金から補助金を支出する市は、「私学の独自の建学精神に則り行う特色ある教育活 動を支援することにより、市民の多様学習ニーズに応える」という目的を達成する 事業かどうかを判断する責任を有しており、市の側で「特色ある学校(園)づくり事 業」に該当することの根拠を示す責任がある。  実施要綱において、「特色ある学校(園)づくり事業」の定義、判断基準を設けるこ とが望ましい。 (2)補助事業者 【事実関係】  同じ幼保連携認定こども園を運営する法人あるにもかかわらず、学校法人は補助 対象事業者としているが、社会福祉法人は補助対象事業者にしていない。 【意見 幼児教育課】  本補助金は、学校教育の振興を目的に設置された補助金あることから、対象者を 幼稚園に限定していた経緯があるが、幼保連携型認定こども園というものができ、社 会福祉法人が運営する園と学校法人が運営する園の2種類が存在し、どちらが運営し ているかで幼保連携型認定こども園が区別されていない以上、実態に即して変えてい くべきはないだろうか。  交付目的及び実際に補助されている事業内容に照らし、補助対象事業者の見直しを 図ることが望ましい。 (3)事業評価 【事実関係】  小学校・中学校・高等学校のほうは、事業評価シートが作成されていない。 【指摘 教育政策課】  事業評価シートを作成して、補助金の必要性等を検証すべきある。  なお、ヒアリングによれば、来年度から作成予定とのことあった。  74.岐阜市私立幼稚園連合会教育研究費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 幼児教育課                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                          │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │岐阜市私立幼稚園連合会                      │ │    │※構成員は、私立幼稚園を運営する学校法人ある。幼保連携認定こども│ │交付先 │ 園を運営する社会福祉法人は構成員になっていない。        │ │    │※事務局は、県民ふれあい会館内にある(一般社団法人岐阜県私立幼稚園│ │    │ 連合会に事務委託)。                      │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │対象事業│ラジオ番組の制作、教職員向け研修会の開催等            │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市私立幼稚園連合会に対する助成要綱              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│加盟する私立幼稚園の教育内容の充実(要綱の文言)         │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │開始年度│平成元年度                            │ ├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤ │    │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│ │金額  ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │(円) │予算 │  300,000│  300,000│  300,000│  300,000│  300,000│ │    ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    │決算 │  300,000│  300,000│  300,000│  300,000│  300,000│ └────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <監査の結果> (1)補助対象事業及び補助対象経費 【事実関係】  本補助金は、団体事業補助金とされている。  しかし、助成要綱には、補助対象事業として、「申請者が幼児教育の振興を図る目的 で実施する事業」としか定められておらず、具体的補助対象事業が定められていな い。補助対象経費も、かかる事業の「事業費」としか定められておらず、個別具体的 補助対象経費が定められていない。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず
    れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目あるとさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。  交付要綱(本補助金では助成要綱)は、上記の要請を達成するために重要規範とな るものある。交付要綱の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手 続きの公正さが確保できない。 【指摘 幼児教育課】  助成要綱において、具体的補助対象事業及び補助対象経費を定めるべきある。  市から、「交付規則には、具体的補助事業を定めなければならないとは記述してい ないため、【指摘】となる重大誤りではない。」との意見があったが、ここで述べてい ることは、地方自治法第232条の2の定める「公益上の必要性」の問題あり、公益 上の必要性というのが単なる必要性や重要性だけはないことは、第1部の9で述べ たとおりある。また、岐阜市補助金等交付規則第3条の定める「公正かつ効率的」を 担保する必要もある。交付要綱において、補助対象事業が抽象的は、補助対象経費も 抽象的に把握されるし、当該経費の必要性の判断も職員の判断にゆだねられることに なってしまい、「公益上の必要性」や「公正かつ効率的」を担保することができない。 これらを【規範】として、第1部で述べたとおり、合規性、公平性、公益性、必要性、 有効性、効率性の観点から、適法性又は妥当性に問題があり、是正措置が必要あると 考えるものを【指摘】としている。規則に反してないからというもので単純に判断する ものはない。 (2)効果・経済性 【事実関係】  令和元年度の「補助事業に係る収支決算書」によれば、支出として、ラジオ放送番組 制作費324,550円、研究指定園補助50,660円、教職員研修会講師料・交通費450,180 円、同会場費等152,260円とあり、全てを補助対象経費としている。  ラジオ番組については、一般社団法人岐阜県私立幼稚園連合会から保護者に対して 案内がなされており、その案内では、「パーソナリティと幼稚園の先生が毎回様々テ ーマについて話をしながら子どもたちの幼稚園での様子を伝えていきます。また、子 育てについて参考になるお話も聞くことができます。」となっている。  本補助金は平成元年度から開始しており、長期にわたっている。  交付要綱では、補助金の額について、「補助金は、300,000円とする。」と定められ(第 3条)、金額が固定されている。300,000円の算定根拠は不明ある。  「一般会計収支予算書」によれば、連合会には、会費収入等の収入があり、補助金額 以上の繰越金900,000円がある。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助目 的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果 が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交 付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超え ている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習 慣的)と示されている。 【指摘 幼児教育課】  ラジオ番組は保護者向けに放送されているものあり、交付目的ある「加盟する 私立幼稚園の教育内容の充実を図る」とする本補助金の交付目的に合致しているとい えるのか、疑問が残る。  補助目的を踏まえた費用対効果を検証し、その検証結果に基づき補助効果が高いと 判断できるかどうか、その効果の程度を評価し、現在の補助金額の妥当性を判断し、そ の過程を記録に残すべきある。  75.私立教育・保育施設補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────┐ │所管  │子ども未来部 子ども保育課                    │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付先 │市内に所在する私立教育・保育施設又は市内に在住する児童を入所させ │ │    │る私立教育・保育施設                       │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市私立教育・保育施設補助金交付要綱              │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │交付目的│小学校就学前子どもに対する教育及び保育の推進を図る(要綱の文言) │ ├────┼─────────────────────────────────┤ │    │(1)延長保育接続事業                      │ │    │(2)障害児保育事業                       │ │補助対象│(3)低年齢児保育対策                      │ │事業  │(4)運営費                           │ │    │(5)延長保育事業                        │ │    │(6)一時預かり事業(一般型、幼稚園型I、幼稚園型II)      │ └────┴─────────────────────────────────┘ 延長保育接続事業 ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│開所時間が11時間以上ある施設の人件費                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和54年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 156,710,947│ 168,694,217│ 172,175,051│ 172,181,000│ 171,390,267│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 163,338,089│ 164,702,368│ 174,675,906│ 164,400,608│ 168,620,415│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ 障害児保育事業 ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│障害児を保育する施設の人件費                       │
    ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和54年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 95,590,080│ 94,220,160│ 96,698,280│ 90,371,000│ 78,322,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 84,857,410│ 78,963,690│ 72,556,380│ 70,555,640│ 68,380,160│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ 低年齢児保育対策費 ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│0歳児から2歳児までのいずれかの保育を行う施設の人件費          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和54年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 110,500,000│ 100,662,000│ 89,172,000│ 80,844,000│ 81,346,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 74,915,500│ 71,337,600│ 69,554,160│ 72,307,200│ 59,653,440│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ 運営費 ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │(1)眼科及び耳鼻咽喉科検診                       │ │    │(2)看護師配置割                            │ │対象事業│(3)環境衛生検査                            │ │    │(4)腸管出血性大腸菌等対策                       │ │    │(5)長期勤続職場割                           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和54年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 23,872,088│ 23,344,204│ 17,430,642│ 13,081,002│ 14,020,300│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 10,837,948│ 10,457,498│ 10,720,008│ 11,100,288│ 11,016,927│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ 延長保育事業 ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│延長保育                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成12年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 39,189,000│ 49,318,400│ 43,831,800│ 45,572,000│ 45,196,900│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 32,672,300│ 35,783,600│ 34,642,050│ 34.538,900│ 38,561,200│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ 一時預かり事業(一般型、幼稚園型I、幼稚園型II) ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│一時預かり                                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成2年度(一般型)、平成27年度(幼稚園I型)、令和元年度(幼稚園    │ │    │II型)                                  │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 69,371,420│ 56,683,360│ 55,140,180│ 57,068,000│ 72,699,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 41,014,090│ 48,591,140│ 48,161,850│ 51,089,440│ 62,398,900│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助対象事業 【事実関係】  交付要綱には、補助金の対象等について、「補助金の交付の対象は、次に掲げる事業 等とし、補助要件、補助対象経費、算定基準及び交付申請時期は、それぞれ別表に定め るとおりとする。」と規定し、補助対象事業の1つとして「(4)運営費」を挙げている。 運営費にかかる別表は、次のとおりある。 ┌──────┬──────────────────────────────┐ │補助要件  │市内に所在する私立教育・保育施設(看護師配置割、環境衛生検査│ │      │割及び長期勤続職場割にあたっては、保育所に限る。)     │ ├──────┼──────────────────────────────┤ │補助対象経費│眼科及び耳鼻咽喉科検診、環境衛生検査、調理員検便、保育士等処│ │      │遇改善等に係る経費                     │ ├──────┼──────────────────────────────┤ │      │次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める基準      │ │      │(1)眼科及び耳鼻咽喉科検診費 別に定める額        │ │      │(2)看護師配置割 別に定める額(当該年度の4月1日(事業の│ │算定基準(年│  開始が年度途中になる場合は、事業を開始する月の初日)現在│ │額)    │  で0歳児が9人以上の場合を除く。)           │ │      │(3)環境衛生検査費 実費(別に定める額を限度とする。)  │ │      │(4)腸管出血性大腸菌等対策費 別に定める額×(調理員数+1│ │      │  人)                          │
    │      │(5)長期勤続職場割 別に定める額×実施月数        │ ├──────┼──────────────────────────────┤ │交付申請時期│1月又は事業を完了する月のいずれか早い時期         │ └──────┴──────────────────────────────┘ 【規範】  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 子ども保育課】  眼科及び耳鼻咽喉科検診、環境衛生検査費、腸管出血性大腸菌等対策費を補助対象 事業としているのに、運営費としているのは不適当あり、個別の事業とするよう改 めるべきある。 (2)補助金の額 【事実関係】  補助金算定基準の別に定める額は、次のとおりある(岐阜市私立教育・保育施設補 助金交付要綱別表に規定する別に定める額について定める要領) ┌────────────────┬────────────────────┐ │眼科及び耳鼻咽喉科検診費(年額)│                176,420円│ ├────────────────┼────────────────────┤ │看護師配置割(年額)      │                401,280円│ ├────────────────┼────────────────────┤ │環境衛生検査費(年額)     │                149,488円│ ├────────────────┼────────────────────┤ │腸管出血性大腸菌等対策費(年額)│                16,180円│ ├────────────────┼────────────────────┤ │長期勤続職場割(月額)     │施設型給付費の処遇改善加算率の1%で算定│ │                │された額                │ └────────────────┴────────────────────┘  ヒアリングによれば、同金額は、公立保育所の検診費に合わせているとのことあ った。  しかし、実際には、眼科及び耳鼻咽喉科との嘱託医業務委託契約によって176,420円 以下の支払いに抑えられているにもかかわらず、176,420円の実績報告書が作成され、 同額の交付を受けている園があった。例えば、眼科について年額50,000円(税込)、 耳鼻咽喉科について年額75,000円(税込)の合計125,000円の支払いあったにもか かわらず、176,420円の実績報告書あり、同額が交付されていた園があった。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 子ども保育課】  実際に園が支払った金額に基づいて補助金を交付すべきある。  76.私立小規模保育事業等補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │子ども未来部 子ども保育課                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │市内において私立小規模保育事業等を行うもの                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市私立小規模保育事業等補助金交付要綱                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│小学校就学前子どもに対する保育の推進を図る(要綱の文言)         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│(1)運営費                               │ │    │(2)延長保育事業                            │ └────┴─────────────────────────────────────┘ 運営費 ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │(1)眼科及び耳鼻咽喉科検診                       │ │対象事業│(2)環境衛生検査                            │ │    │(3)腸管出血性大腸菌等対策                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和54年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│     0│  3,429,580│  2,957,880│  2,074,136│  2,202,120│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   482,564│   929,508│  1,410,112│  1,725,268│  2,580,540│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ 延長保育事業 ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│事業に要する経費補助                           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成12年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│     0│  2,432,000│  4,126,000│  2,352,000│  1,776,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   300,000│   600,000│   900,000│  1,200,000│  1,500,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助対象事業 【事実関係】  交付要綱には、補助金の対象等について、「補助金の交付の対象は、運営費及び延長 保育事業とし、補助の要件、補助対象経費、算定基準及び交付申請時期は、それぞれ別 表に定めるとおりとする。」(同条第1項)と規定し、補助対象事業の1つとして「運 営費」を挙げている。運営費にかかる別表は、次のとおりある。
    ┌──────┬──────────────────────────────┐ │補助要件  │私立小規模保育事業等を行う施設が市内に所在すること。    │ ├──────┼──────────────────────────────┤ │補助対象経費│眼科及び耳鼻咽喉科検診、環境衛生検査、調理員検便等に係る経費│ ├──────┼──────────────────────────────┤ │      │次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める基準      │ │算定基準(年│(1)眼科及び耳鼻咽喉科検診費 別に定める額        │ │額)    │(2)環境衛生検査費 実費(別に定める額を限度とする。)  │ │      │(3)腸管出血性大腸菌等対策費 別に定める額×(調理員数+1│ │      │  人)                          │ ├──────┼──────────────────────────────┤ │交付申請時期│1月又は事業を完了する月のいずれか早い時期         │ └──────┴──────────────────────────────┘ 【規範】  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 子ども保育課】  眼科及び耳鼻咽喉科検診等を補助対象事業としているのに、運営費としているのは 不適当あり、個別の事業とするよう改めるべきある。 (2)補助金の額 【事実関係】  補助金算定基準の別に定める額は、次のとおりある(岐阜市私立小規模保育事業 等補助金交付要綱別表に規定する別に定める額について定める要領) ┌────────────────┬────────────────────┐ │眼科及び耳鼻咽喉科検診費(年額)│                176,420円│ ├────────────────┼────────────────────┤ │環境衛生検査費(年額)     │                149,488円│ ├────────────────┼────────────────────┤ │腸管出血性大腸菌等対策費(年額)│                16,180円│ └────────────────┴────────────────────┘  ヒアリングによれば、同金額は、公立保育所の検診費に合わせているとのことあ った。  しかし、実際には、眼科及び耳鼻咽喉科との嘱託医業務委託契約によって、176,420 円以下の支払いに抑えられていると思われるにもかかわらず、176,420円の実績報告書 が作成され、同額の交付を受けている園があった。例えば、眼科について年間顧問料 20,000円(税込)及び眼科検診料100円/1名(税込)、耳鼻咽喉科について年間顧問 料25,000円(税込)及び耳鼻咽喉科検診料100円/1名(税込)の業務委託契約が締 結されている園があった。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 子ども保育課】  実際に園が支払った金額に基づいて補助金を交付すべきある。  77.保育士確保サポート奨励金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │子ども未来部 子ども保育課                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │私立保育園等の設置者                           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│常用保育士等を6か月以上雇用し、交付申請をする日の属する年度の3     │ │    │月初日まで引き続き雇用すること                      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市保育士サポート奨励金交付要綱                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│私立保育園等における保育士等の確保(要綱の文言)             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成29年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  -   │  -   │  6,300,000│  7,500,000│  8,100,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  -   │  -   │  7,200,000│  5,700,000│  7,200,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助対象事業及び補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、交付の趣旨(目的)として、「私立保育園等における保育士等の確保」 と記載されている。ヒアリングにおいても、私立保育園等における保育士等の確保が 困難となっていることを解消するための補助金あるとの説明がされた。  本補助金は、新規に保育士を雇い入れ、半年以上かつ年度末に雇用していることを 要件として、奨励金として100,000円を交付するものある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、「補助金等の交付の目 的に従って」公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 子ども保育課】  保育士等を雇用したことに対して奨励金を出すのは、保育士等の就職難の解消とい う目的(買い手市場)のための手段なら分かるが、保育士等の確保という目的(売り手 市場)のための手段にはならないと思われる。後者の目的あれば、保育士等を募集す るための行動費や広告費の補助、保育士等の人材育成のための費用の補助となるはず ある。市によれば、通常の独自募集等では保育士の確保が極めて困難あるため、民 間の人材紹介会社を利用しており、その際の紹介料として、当該保育士の年収の約30% 相当額以上を人材紹介会社に支払うことが相場となっており、保育園運営の大きな負 担になっているとのことある。まさに、そういった人材確保のための費用を補助す るようにすべきある。  補助の目的に沿った補助対象事業、補助対象経費を設定すべきある。
     78.夜間保育室事業補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │子ども未来部 子ども保育課                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │夜間保育室の責任者                            │ │交付先 │※夜間保育室とは、児童福祉法の規定による認可を受けていない施設で     │ │    │ あって、市長が認定したものをいう。                   │ │    │※岐阜市が補助金を交付しているのは2施設ある。             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│乳幼児保育及び延長保育                          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市夜間保育室事業補助金交付要綱                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│夜間保育室の管理運営に寄与し、児童福祉の推進を図る(要綱の文言)     │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和42年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 22,278,000│ 21,593,000│ 20,946,000│ 18,153,000│ 12,014,448│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 20,366,548│ 15,581,558│ 13,780,708│ 11,355,198│ 10,718,468│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助金の額 【事実関係】  交付要綱には、補助金の額について、補助の対象、補助の要件、算定基準等は、別表 第2に定めるとおりとし、同表算定基準により算定された額を「補助金の交付限度額 とする。」と定められている。  補助の対象及び算定基準にかかる別表第2の定めは、次のとおりある。 ┌───────┬──────────────────────────────────┐ │ 補助の対象 │               算定基準               │ ├───────┼──────────────────────────────────┤ │       │補助金額(月額)                          │ │乳幼児保育補助│ 0歳児    1人当たり 35,130円                │ │       │ 1歳児以上児 1人当たり 17,980円                │ ├───────┼──────────────────────────────────┤ │延長保育補助 │補助金額(月額)                          │ │       │ 午前2時まで 1施設あたり101,000円                │ └───────┴──────────────────────────────────┘  乳幼児保育及び延長保育補助の交付申請書には、在籍児童数に関する記載のみがさ れ、これに機械的に算定基準額を乗じて申請額を算出した額を交付している。施設の 収支予算書も決算書も添付されていない。  市は、本補助金を団体育成補助金としているが、昭和42年度から続いている。  別表第2の算定基準により算定された額は、補助金の交付限度額に過ぎないが、交 付限度額が交付され続けている。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、「補助金等の交付の目 的に従って」公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 子ども保育課】  補助金の額の算定にあたっては、各施設から提出される予算・決算書類を検討し、個 別に補助の必要性を判断した過程を記録に残すべきある。 第8 任意団体・社団法人・財団法人等  79.岐阜市スポーツ少年団本部運営補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課                   │ │    │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市スポーツ少年団本部                         │ │交付先 │※構成員は、日本スポーツ少年団に登録した単位団ある。          │ │    │※事務局は、市民スポーツ課にある。                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│総会・懇親会、認定員養成講習会、リーダー研修会、ブロック交流大会     │ │    │の開催等                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市スポーツ少年団本部運営補助金交付要綱                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│スポーツを通した青少年の健全育成を図るとともに、スポーツ少年団     │ │    │を支援する(要綱の文言)                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和41年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  1,375,000│  1,375,000│  1,375,000│  1,375,000│  1,375,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  1,375,000│  1,375,000│  1,375,000│  1,375,000│  1,375,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助対象事業
    【事実関係】  交付要綱では、「団本部が行う次の事業に要する経費」に対し、予算の範囲内で、補 助金を交付するとされている。 ┌──────────────────────────────────────┐ │(1)団が主催する大会及び指導者又は団員を大会に派遣する事業        │ │(2)リーダーの養成及び指導者の研修に関する事業              │ │(3)ジュニアリーダー会の育成に関する事業                 │ │(4)指導者を対象とした体力テストの実施                  │ │(5)団員及び指導者の顕彰に関する事業                   │ │(6)前各号に掲げるもののほか、市長が青少年の健全育成及びスポーツ少年団 │ │  の支援のため必要と認めたもの                      │ └──────────────────────────────────────┘ 【意見 市民スポーツ課】  交付要綱に定められた補助対象事業の内容が一義的に分かる規定に改めることが望 ましい。特に、1号(「団が主催する大会及び指導者又は団員を大会に派遣する事業」) は、複数の事業が記載されているため、個々の事業毎に定めることが望ましい。 (2)補助対象経費 【事実関係】  実績報告書に添付された収支決算書では、費目毎の金額が分かるのみ、内訳や詳 細は不明ある。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。 【指摘 市民スポーツ課】  個別の補助対象事業毎の収支の内訳や詳細の分かる資料を作成・提出させるべき ある。  80.岐阜市スポーツ指導員連絡協議会運営費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課                   │ │    │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市スポーツ指導員連絡協議会                      │ │交付先 │※構成員は、岐阜市教育委員会認定のスポーツ指導員ある。         │ │    │※事務局は、市民スポーツ課にある。                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│研修会(年2回)                             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市スポーツ指導員連絡協議会運営補助金交付要綱             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市民のスポーツの振興並びに健康増進及び体力向上(要綱の文言)     │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和55年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   52,000│   52,000│   52,000│   52,000│   52,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   52,000│   52,000│   52,000│   52,000│   52,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助対象経費  交付要綱では、「協議会が行う次の事業に要する経費」を補助対象経費としている。 ┌──────────────────────────────────────┐ │(1)スポーツ指導員向けの研修会の開催                   │ │(2)各種スポーツ教室における指導及び助言                 │ │(3)地域におけるスポーツ行事及び地域のスポーツ団体に対する指導及び助言  │ │(4)前3号に掲げるもののほか、市長が市民のスポーツ振興並びに健康増進及び │ │  体力向上のため必要と認めたもの                     │ └──────────────────────────────────────┘  実績報告書に添付された決算書では、「研修費46,520円」とあるだけ、内訳が不 明ある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。 【指摘 市民スポーツ課】  個別の補助対象事業毎の収支の内訳の分かる資料を作成・提出させるべきある。 (2)余剰金の返還 【事実関係】  実績報告書に添付されている決算書では88,061円の余剰金が次年度繰越金とされて いる。 【規範】  会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに 充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)  テーマ別会計マニュアルでは、前金払をしたものも、実績報告を受けた結果、補助 金等に余剰が生じた場合は、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。 【指摘 市民スポーツ課】  補助金の余剰金があれば返還させるべきある。  公金で支出される補助金よりも会費収入を先に経費に充当すべきあるし、団体の 運転資金のためという理由で補助金を繰り越すことは認められないと考える。 (3)補助の見直し 【事実関係】  本補助金は、昭和55年度から開始しており、長期にわたっている。  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、交付要綱は、事業補助として いる。  協議会の収支は、収入「会費収入108,000円(1,000円×108名)、繰越金24,867円、 本補助金52,000円」、支出「事務局費47,133円、研修費46,520円、消耗品費3,153円 (尚子マラソンお茶代)」ある。
    【規範】  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 市民スポーツ課】  事業補助として正しく扱い、交付目的と補助の必要性を吟味した上で、それを踏ま えた補助対象事業、補助対象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定し、協議 会の収支や財産状況に照らして補助の必要のある額を交付するようにすべきある。  81.岐阜市スポーツ推進委員連絡協議会運営費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課                   │ │    │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市スポーツ推進委員連絡協議会                     │ │交付先 │※構成員は、岐阜市スポーツ推進委員ある。                │ │    │※事務局は、市民スポーツ課にある。                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│スポーツ・レクリエーション祭、スポーツ推進委員研修会、ブロック交流    │ │    │会(ソフティバレーボール、グラウンドゴルフ)等の開催           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市スポーツ推進委員連絡協議会運営補助金交付要綱            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市民のスポーツ振興(要綱の文言)                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和42年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   450,000│   450,000│   450,000│   450,000│   450,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   450,000│   450,000│   450,000│   450,000│   450,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、「協議会が行う次の事業に要する経費」を補助対象経費としている。 ┌──────────────────────────────────────┐ │(1)スポーツ振興に関する研修会の開催及び講師の派遣            │ │(2)協議会会員の研修                           │ │(3)前2号に掲げるもののほか、市長が市民のスポーツ振興のために必要と認め │ │  たもの                                 │ └──────────────────────────────────────┘  市は、「研修費530,786円(ブロック・専門活動費、全体研修会費用等)」(第2条(1) に該当)と「派遣費1,084,300円(全国・東四・地区研修会派遣費等)」(第2条(2) に該当)を補助対象経費として扱っているが、何のための経費のか明らかない。 「ブロック・専門活動費」というのは、「スポーツ振興に関する研修会の開催及び講師 の派遣」にかかる経費のかも疑問ある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。 【指摘 市民スポーツ課】  個別の補助対象事業毎の収支の内訳や詳細の分かる資料を作成・提出させるべき ある。 (2)余剰金の返還 【事実関係】  令和元年度決算によれば、419,786円の余剰金が次年度繰越金とされている。 【規範】  会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに 充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)  テーマ別会計マニュアルでは、前金払をしたものも、実績報告を受けた結果、補助 金等に余剰が生じた場合は、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。 【指摘 市民スポーツ課】  補助金の余剰金があれば返還させるべきある。  公金で支出される補助金よりも会費収入を先に経費に充当すべきあるし、団体の 運転資金のためという理由で補助金を繰り越すことは認められないと考える。 (3)補助の見直し 【事実関係】  本補助金は、昭和42年度から開始しており、長期にわたっている。  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、交付要綱は、事業補助として いる。  協議会の収支は、収入「会費収入2,050,000円(20,000円×100名、500円×100名)、 繰越金232,222円、岐阜地区スポ連補助金65,000円、雑収入12円、本補助金450,000 円」、支出「事務費169,112円、研修費530,786円(ブロック・専門活動費、全体研修 会費用等)、派遣費1,084,300円(全国・東四・地区研修会派遣費等)、大会運営費30,000 円、保険費177,950円、消耗品費71,700円、分担金313,600円」ある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 市民スポーツ課】  事業補助として正しく扱い、交付目的と補助の必要性を吟味した上で、それを踏ま
    えた補助対象事業、補助対象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定し、協議 会の収支や財産状況に照らして補助の必要のある額を交付するようにすべきある。  82.岐阜市体育協会運営費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課                   │ │    │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市体育協会                              │ │交付先 │※構成員は、各種競技団体等ある。                    │ │    │※事務局は、市民スポーツ課にある。                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│市民スポーツ大会(ソフトボール、ソフトテニス、ライフル射撃、柔道     │ │    │等)、スポレク祭、市民総合体育大会等の開催                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市体育協会運営補助金交付要綱                     │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市民のスポーツの振興及び市民の体力向上を図る(要綱の文言)      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和22年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  5,200,000│  5,200,000│  5,200,000│  5,200,000│  5,200,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  5,200,000│  5,200,000│  5,200,000│  5,200,000│  5,200,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)交付目的の設定 【事実関係】  交付要綱には、交付の趣旨(目的)として、「岐阜市民のスポーツの振興及び市民の 体力向上を図る」と記載されている(第1条)。  個別調査票では、交付の目的について「スポーツ競技力向上及び市民のスポーツ振 興に資するため」と回答し、補助事業等の目的及び内容について「トップ選手育成の競 技力向上と…幅広く市民への生涯スポーツの普及を図る」と回答している。 【意見 市民スポーツ課】  「市民のスポーツの振興」と「(トップ選手育成の」競技力の向上」は、同義はな い。  補助金を交付する目的を正確に設定することが望ましい。 (2)補助対象事業 【事実関係】  交付要綱では、「協会が行う次の事業」を補助対象事業としている(第2条)。 ┌──────────────────────────────────────┐ │(1)体育大会の開催及び岐阜県等が開催する体育大会への選手派遣       │ │(2)体育に関する講習会及び講演会の開催                  │ │(3)体育に関する調査研究並びに資料及び情報の収集             │ │(4)その他市長が市民のスポーツの振興及び市民の体力向上のために必要と認め │ │  たもの                                 │ └──────────────────────────────────────┘  市は、岐阜市体育協会に対し、本補助金のほか、県スポ派遣のための旅費補助金 937,000円を交付している。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 市民スポーツ課】  交付要綱第2条(1)の「岐阜県等が開催する体育大会への選手派遣」事業は、旅費 補助金の対象事業ある。  補助対象事業を正確に設定すべきある。 (3)補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、協会が行う上記の事業に要する経費を補助対象経費としている(第 2条)。  一方、市は、決算書の下記の費用の合計5,240,538円を補助対象経費としている。 ┌────┬────────┬──────┬───────────────────┐ │項   │目       │金額(円) │備考                 │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │事務局費│賃金      │   484,910│アルバイト賃金            │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │印刷製本費   │   117,180│総会議案等              │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │会議費     │   11,380│総会                 │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │消耗品費    │   34,463│事務局消耗品             │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │通信費     │   46,235│郵送料、ハガキ等           │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │交際費     │   44,000│観光コンベンション協会賛助会費等   │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │手数料     │   66,760│ユニホームクリーニング代・振込手数料 │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │旅費      │    8,120│                   │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │合計      │   813,048│                   │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │事業費 │協会運営費   │   760,000│20,000円×38団体           │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │大会費     │  2,038,010│市民体育大会運営費等         │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │消耗品費    │   36,175│                   │
    ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │強化費     │   945,500│県スポ455人・地区251人・副賞365,000円 │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │表彰費     │   547,805│表彰用メダル等            │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │スポーツ少年団費│   100,000│                   │ ├────┼────────┼──────┼───────────────────┤ │    │合計      │  4,427,490│                   │ └────┴────────┴──────┴───────────────────┘ 【指摘 市民スポーツ課】  事務局費813,048円は、「協会の運営に要する経費」あり、補助対象経費に該当し ない。交付要綱第2条(4)も、「協会の行う事業」あることが前提あるので、該 当しない。  協会運営費760,000円は、各競技団体の数に応じた費用のようあるが、交付要綱 第2条(1)~(3)には該当せず、(4)に該当するのかどうかは明確にはされてい ない。  強化費945,500円は、出場者の数に応じた費用のようあるが、交付要綱第2条(1) ~(3)には該当せず、(4)に該当するのかどうかは明確にはされていない。  スポーツ少年団費100,000円も、交付要綱第2条(1)~(3)には該当せず、(4) に該当するのかどうかは明確にはされていない。  表彰費547,805円は、協会の表彰規程に基づく表彰にかかる費用あると思われる が、交付要綱第2条(1)~(3)には該当せず、(4)に該当するのかどうかは明確 にはされていない。  交付要綱で補助対象経費とされた費用に対してのみ、補助金を交付すべきある。 【事実関係】  大会費2,038,010円、消耗品費36,175円の内訳が、決算書においては明らかになっ ていない。本補助金は、実質は個々の競技のスポーツ大会の費用を補助するものあ るが、その個々の大会の収支も、決算書においては明らかになっていない。  協会は、市から、市民総合体育大会等委託料として、10,447,800円の委託料を受け 取っているが、決算書の支出の部を見る限りにおいては、本補助金の補助対象経費と 受託事業の経費とが区別されていないように見受けられた。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。 【指摘 市民スポーツ課】  補助対象経費となる可能性のある費用については、内訳や詳細の分かる資料を作成・ 提出させるべきある。 (4)余剰金の返還 【事実関係】  令和元年度決算書によれば、347,281円の余剰金が次年度繰越金とされている。 【規範】  会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに 充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)  テーマ別会計マニュアルでは、前金払をしたものも、実績報告を受けた結果、補助 金等に余剰が生じた場合は、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。 【指摘 市民スポーツ課】  補助金の余剰金があれば返還させるべきある。  公金で支出される補助金よりも会費収入を先に経費に充当すべきあるし、団体の 運転資金のためという理由で補助金を繰り越すことは認められないものある。 (5)補助の見直し 【事実関係】  本補助金は、昭和22年度から開始されており、長期にわたっている。  交付要綱は事業補助あるが、市は団体育成補助金と扱っている。なお、交付要綱が 作成されたのは、平成27年ある。  補助金の額を「予算の範囲内」としか定めておらず、協会からの交付申請額が予算額 と一致しており、少なくとも直近5年間は、同じ5,200,000円を交付し続けているが、 明確算定根拠はなく、前年踏襲ある。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 市民スポーツ課】  事業補助として正しく扱い、補助対象事業、補助対象経費、一定の補助率、補助上限 額を具体的に設定した上で、交付目的達成のために必要事業を明確に補助金を交付 するようにすべきある。  83.母子家庭及び寡婦支援団体運営費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │子ども未来部 子ども支援課                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市母子寡婦福祉連合会                         │ │交付先 │※構成員は、母子家庭の母及び寡婦ある。                 │ │    │※事務局は、岐阜市民福祉活動センター内にある。              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│福祉大会、総会、親子の集い、クリスマス会、お母さん憩い旅行等       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市母子家庭及び寡婦支援団体運営費補助金交付要綱            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│母子家庭及び寡婦の福祉の増進を図る(要綱の文言)             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成11年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   600,000│   600,000│   600,000│   600,000│   600,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   600,000│   600,000│   600,000│   600,000│   600,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助金交付対象団体 【事実関係】
     本補助金は、「母子家庭及び寡婦の自立の促進を目的として事業を行う団体に対して」 補助金を交付するものあるにもかかわらず、岐阜市母子寡婦福祉連合会にのみ交付 されており、公募もされていない。  ヒアリングによれば、市の把握している母子寡婦の支援活動を行っている団体が同 会しかないことが理由あった。 【指摘 子ども支援課】  母子家庭及び寡婦の自立の促進を目的として事業を行う団体が本団体に限られない のあれば、公募すべきある。限られるのあれば、あらかじめ限定した補助対象団 体に補助金を交付することが説明可能な交付目的を交付要綱に設定すべきある。 【事実関係】  市は、岐阜市母子寡婦福祉連合会の構成員や規約を把握していなかった。 【指摘 子ども支援課】  任意団体は、構成員や規約等により団体の実態を把握しなければ、補助金等交付規 則で定められた補助金等交付の除外条件(暴排条項)の存否の確認ができないし、補助 の必要性も判断できない。  補助金交付対象団体の構成員名簿及び規約を作成・提出させるべきある。 (2)補助対象事業及び補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、「母子家庭及び寡婦の福祉の増進を図るため」、「母子家庭及び寡婦の 自立の促進を目的として事業を行う団体に対して」補助金を交付すると定められてい るのみあり、具体的補助対象事業は定められていない。  補助対象経費は、母子家庭及び寡婦の自立の促進を目的として事業にかかる経費とし て、「人件費、通信運搬費、消耗品費、使用料又は賃借料、市長が必要と認める経費」 とされている。  令和元年度収支決算書によれば、大会・総会講師及び各事業講師謝礼にかかる報償 費が115,000円あるのに対し、需用費(消耗品費及び印刷費)が1,052,574円に上 っており、そのうち消耗品費が999,064円ある。そして、消耗品費の説明欄には、 「事務用品、録音テープ、記念品(額・副賞)、写真、講師用茶菓・弁当・粗品記念品」 との記載がある。  また、事業毎の運営費にかかる決算書によれば、福祉大会の消耗品費が273,291円、 総会の消耗品費が59,342円あるのに対し、一日親子・若年母子の集いの消耗品費が 456,931円、一人親家庭1日親子の集いの消耗品費が172,330円、若年母子の集いクリ スマス会の消耗品費が246,567円、お母さん憩い旅行の消耗品費が38,034円となって いる。  決算書の記載のみは、本補助金が補助対象経費に使われたのか明らかなかった。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。 【指摘 子ども支援課】  親子の集い、クリスマス会、お母さん憩い旅行等親睦会の開催や記念品の授与が「母 子家庭及び寡婦の福祉の増進」(交付目的)に資するのか、疑問ある。補助対象事業 を具体的に定めなければ、本補助金に公益上の必要があるのか、また予算の執行が補 助金の交付の目的に従って公正かつ効率的に行われているのか検討・判断をすること ができない。  交付要綱において、交付目的に沿った補助対象事業を具体的に定めるべきある。 【指摘 子ども支援課】  記念品は消耗品費には該当しないと思われる。  支出の内訳について、詳細資料を作成・提出させるべきある。 (4)事業評価 【事実関係】  本補助金は、事業評価シートが作成されていない。 【指摘 子ども支援課】  事業評価シートを作成して補助金の効果測定を行うべきある。  84.文化団体補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課                     │ │    │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市文化団体補助金交付要綱                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市の文化団体の支援及び文化芸術の振興を図る(交付要綱より)      │ └────┴─────────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │    │岐阜市芸術文化協会                            │ │交付先 │※構成員は、個人、団体、企業あり、市長が名誉会長ある。        │ │    │※事務所は、ハートフルスクエアの公益財団法人岐阜市教育文化振興事     │ │    │ 業団にある。                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│リレートーク、まちかどコンサート、ワークショップ等の開催、広報誌の    │ │    │発行等                                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成2年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   576,000│   576,000│   576,000│   576,000│   576,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   576,000│   528,470│   576,000│   576,000│   576,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │    │小島信夫文学賞の会                            │ │交付先 │※構成員は、個人、団体、法人ある。                   │ │    │※事務局は、中部学院大学各務原キャンパス内にある。            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│文学賞、会報の発行                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤
    │開始年度│平成15年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   300,000│   120,000│   120,000│   180,000│   180,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   120,000│   120,000│   120,000│   180,000│   180,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │公益社団法人岐阜県交響楽団                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│演奏会、演奏活動、機関誌の発行等                     │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成5年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   400,000│   400,000│   400,000│   400,000│   400,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   400,000│   400,000│   400,000│   400,000│   400,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助金交付対象団体 【事実関係】  交付要綱において、補助金交付目的を、「岐阜市の文化団体の支援及び文化芸術の振 興を図る」としているが、補助金交付対象団体として、「岐阜市芸術文化協会」「岐阜県 芸術文化会議」「公益社団法人岐阜県交響楽団」「岐阜平和美術展実行委員会」「小島信 夫文学賞の会」の5団体にあらかじめ限定している。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 文化芸術課】  「文化団体」の定義が明らかにされていないが、文化芸術の振興を目的とする団体を 指すものと考えられ、交付要綱で特定されている団体以外にも多数存在するものと思 われる。岐阜市の文化芸術の振興を図るため、文化団体を支援するという補助金の性 質からすれば、補助金交付対象団体を限定すべき理由は見当たらない。  補助金交付対象団体を限定すべき理由がなければ、公募すべきある。理由がある のあれば、あらかじめ限定した団体に補助金を交付することが説明可能な交付目的 を交付要綱に設定すべきある。 (2)補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、補助対象経費は、「対象団体の運営に係る経費」あって、「文化芸術 の発展及び振興のための事業に係る経費」「文化団体の広報活動に係る経費」「市長が 必要と認める経費」とされている。 【指摘 文化芸術課】  補助対象経費は、個別具体的費用を設定すべきある。  なお、運営に係る経費といいながら、事業に係る経費というのは、整合性がない。 (3)補助金額の決定 【事実関係】  岐阜市芸術文化協会には、令和元年度予算書によれば、本補助金のほかに、会費収入 940,000円、交流会会費385,000円等合計1,326,000円の収入と繰越金538,000円が ある。  市は、支出合計2,440,000円のうち補助対象経費を1,695,000円とした上で、そこ から、繰越金538,000円から繰越金充当事業の支出として250,000円を控除した残額 を控除した残額1,407,000円の2分の1ある703,500円が予算額576,000円を超え るとして、補助金の額を576,000円に決定しており、収入は全く考慮していない。  小島信夫文学賞の会には、令和元年度予算書によれば、本補助金のほかに、会費収入 480,000円、応募料10,000円、各務原市からの補助金50,000円、岐阜県教育文化財団 からの助成金483,904円の合計1,352,164円の収入と繰越金328,260円がある。  市は、支出合計1,532,164円すべてを補助対象経費とした上で、その2分の1あ る766,082円が予算額180,000円を超えるとして、補助金の額を180,000円に決定し ており、これらの収入及び繰越金は全く考慮していない。  公益社団法人岐阜県交響楽団には、令和元年度予算書によれば、本補助金のほかに、 賃貸収入200,000円、会費収入7,464,000円、公演収入8,376,000円等合計19,136,000 円の収入と正味財産期末残高124,050,000円がある。  市は、支出合計18,613,000円のうち補助対象経費を6,048,000円とした上で、その 2分の1ある3,024,000円が予算額400,000円を超えるとして、補助金の額を 400,000円に決定しており、これらの収入及び正味財産期末残高は全く考慮していな い。 【指摘 文化芸術課】  補助対象団体が得ている収入や財産状況を考慮して補助金の額を定めるべきある。 (4)前金払 【事実関係】  上記のとおり、いずれの団体にも収入と繰越金(正味財産期末残高)があり、前金払 の必要性が直ちには認め難い。 【規範】  テーマ別マニュアルでは、概算払又は前金払による支出は、資金交付があらかじめ なされなければ、当該補助事業等の遂行が適わず、補助金の交付目的を達成し得ない と認められる場合に限って認められるものとされている。概算払又は前金払の請求理 由は、適切で具体的ものなければならないとされている。 【指摘 文化芸術課】  前金払で交付するのあれば、適切理由を具体的に記載した前金払請求書により、 前金払が認められることを適切に判断した上で、交付すべきある。 (5)補助の見直し 【事実関係】  交付要綱では、補助金の上限を予算の範囲内とし、交付申請額は、予算額となってい る。予算額の算定根拠はなく、基本的には前年踏襲ある。  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は15年~30年継続 して交付されており、長期にわたっている。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運
    営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 文化芸術課】  上記のとおり、補助金交付対象団体を最初から決め、各団体の収入や資産を考慮す ることなく、前年踏襲の予算額を補助金の額としていることから、まさに補助金の既 得権化あるいは固定化された負担金になっている。  事業補助に切り替え、岐阜市文化団体補助金としての総額を予算額とし、交付要綱 において、補助対象とする団体の数、補助対象事業、補助対象経費の範囲、補助対象経 費に対する補助率、1団体に対する補助金の上限を具体的に設定し、補助の必要のあ る額を交付するようにすべきある。  85.文化財関連団体補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 文化財保護課                    │ │    │※令和元年度は、教育委員会 社会教育課                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市文化財関連団体補助金交付要綱                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│本市における文化財の保護及び活用を図る(要綱の文言)           │ └────┴─────────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │中山道加納宿文化保存会                          │ │    │※構成員は、周辺住民、加納ロータリークラブ代表等ある。         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│会誌「中山道加納宿」の発行・配布、歴史講演会、神社例祭への協賛等     │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和54年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   80,000│   80,000│   80,000│   80,000│   80,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   80,000│   80,000│   80,000│   80,000│   80,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │    │中将姫誓願桜保存会                            │ │交付先 │※構成員は、周辺住民、芥見東自治会連合会長、芥見南自治会連合会長     │ │    │ 等ある。                               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│中将姫供養祭、観桜会の実施等                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和62年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   40,000│   40,000│   40,000│   40,000│   40,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   40,000│   40,000│   40,000│   40,000│   40,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │琴塚顕彰協会                               │ │    │※構成員は、周辺住民、新田自治会会長、神社総代等ある。         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│琴塚古墳の清掃活動等                           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和25年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   40,000│   40,000│   40,000│   40,000│   40,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   40,000│   40,000│   40,000│   40,000│   40,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │    │高桑太鼓保存会                              │ │交付先 │※構成員は、高桑コミュニティ協議会会長、高桑自治会会長、高桑太鼓     │ │    │ 伝承者代表、指導員長の推薦者、高桑子ども会会計等ある。        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│太鼓練習、祭りへの参加等                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和63年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   30,000│   30,000│   30,000│   30,000│   30,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   30,000│   30,000│   30,000│   30,000│   30,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │元町一丁目織田塚保存会                          │ │    │※構成員は、元町1丁目町内会の会員等ある。               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│織田塚の草取りや献花等                          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和32年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   10,000│   10,000│   10,000│   10,000│   10,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤
    │    │決算│   10,000│   10,000│   10,000│   10,000│   10,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助金交付対象団体 【事実関係】  交付要綱では、本補助金にかかる補助事業は、「市内にある指定を受け又は登録され た文化財の承継及び普及啓発にかかる事業」とされ、補助対象者は「補助金の交付の申 請をする日の属する年度前3年以上継続して、補助事業を実施した団体」とされてい る。  市内には278件(令和元年度時点)の文化財があるが、補助金交付対象団体の公募 はなされておらず、上記5つの団体が固定化している。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 文化財保護課】  市内に278件ある文化財(令和元年時点)の中で、補助対象者を非公募としながら、 特定の者に継続的に補助することは、たとえ補助対象事業を遂行する意欲と能力を備 えて継続する団体が数件に限られているのとしても、公平性の観点から疑問がある。 「本市における文化財の保護及び活用を図る」という目的の補助金ある以上、制度 としての公正・公平を確保するためには、補助対象者を公募せざるを得ない。  交付要綱を改定し、補助金交付対象団体の選定基準あるいは補助を受けることがで きるための詳細要件を設けた上で、公募すべきある。公募しないのあれば、「本 市における文化財の保護及び活用を図る」という目的による現在の交付要綱ではなく、 当該団体の事業を補助する公益上の必要性が認められるよう要綱を策定すべきあ る。 (2)補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、補助対象経費は、「公有地に所在する文化財の清掃活動に要する消耗 品費、文化財及び文化財にまつわる地域の歴史の伝承又は普及啓発に要する講師謝金、 交通費、消耗品費、印刷製本費、通信運搬費及び手数料、事業の目的達成のため市長が 必要と認める経費」とされている(第4条)。  中将姫誓願桜保存会の実績報告書に添付された会計報告では、費目毎の金額が分か るのみ、それらの内訳が不明ある。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。 【指摘 文化財保護課】  補助対象経費に該当する可能性のある費目については、内訳や詳細の分かる資料を 作成・提出させるべきある。 (3)余剰金の返還 【事実関係】  中山道加納宿文化保存会の実績報告書に添付されている決算書では、余剰金293,913 円が発生しているが、補助金は、前金払をした80,000円のままで確定させている。中 山道加納宿文化保存会には、会費や広告費、事業収入等の収入がある。  中将姫誓願桜保存会の実績報告書に添付されている会計報告では、余剰金38,981円 が発生しているが、補助金は、前金払をした40,000円のままで確定させている。中将 姫誓願桜保存会は、会費や寄附金、雑収入等の収入がある。  高桑太鼓保存会の実績報告書に添付されている会計報告書では、余剰金10,343円が 発生しているが、補助金は、前金払をした30,000円のままで確定させている。高桑太 鼓保存会は、助成金や会費、雑収入等の収入がある。  元町一丁目織田塚保存会の実績報告書に添付されている会計報告書では、余剰金2 円が発生しているが、補助金は、前金払をした10,000円のままで確定させている。元 町一丁目織田塚保存会は、町内会費収入がある。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、前金払をしたものも、実績報告を受けた結果、補助 金等に余剰が生じた場合は、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。 【指摘 文化財保護課】  補助金の余剰金があれば返還させるべきある。 (4)交付目的と事業評価 【事実関係】  交付要綱では、本補助金の目的は、「本市における文化財の保護及び活用を図る」とさ れているが(第1条)、いずれの補助金についても、事業評価シートには、成果指標と して「補助金額」、「団体総事業費に占める市補助金割合」が用いられている。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【意見 文化財保護課】  交付目的に即した適切成果指標によって事業評価をすることが望ましい。  本補助金の目的が「本市における文化財の保護及び活用を図る」ことあるとすれば、 その評価指標は、イベントや保存活動の開催回数や参加人数等を用いることが考えら れる。 (5)補助の見直し(中山道加納宿文化保存会) 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、中山道加納宿文化保存会 に対する補助金は昭和54年度から開始しており、長期にわたっている。  補助金の申請額が予算額と同額となっている。  令和元年度決算(一般会計)は、以下のとおりあり、293,913円の繰越金が生じて いる。 (収入の部) ┌─────┬──────┬──────┬─────┬──────────┐ │ 科目  │予算額(円)│決算額(円)│ 増減  │    摘要    │ ├─────┼──────┼──────┼─────┼──────────┤ │前期繰越金│   515,336│   515,336│    0│          │ │会費   │   283,000│   249,000│  -34,000│249名        │ │広告費  │   280,000│   210,000│  -70,000│22社        │ │助成金  │   80,000│   80,000│    0│岐阜市       │ │事業収入 │   31,000│   54,000│  23,000│          │ │雑収入  │     0│   45,003│  45,003│          │ ├─────┼──────┼──────┼─────┼──────────┤ │合計   │  1,189,336│  1,153,339│  -35,997│          │ └─────┴──────┴──────┴─────┴──────────┘
    (支出の部) ┌─────┬──────┬──────┬─────┬──────────┐ │ 科目  │予算額(円)│決算額(円)│ 増減  │    摘要    │ ├─────┼──────┼──────┼─────┼──────────┤ │事業費  │   800,000│   773,274│  -26,726│          │ │会議費  │   30,000│    6,300│  -23,700│役員会議      │ │事務通信費│   30,000│   33,452│   3,452│          │ │交通費  │   20,000│    6,900│  -13,100│出張交際費     │ │予備費  │   309,336│   39,500│ -269,836│新年交流会(会員制)│ │次期繰越金│      │   293,913│  293,913│          │ ├─────┼──────┼──────┼─────┼──────────┤ │合計   │  1,189,336│  1,153,339│  -35,997│          │ └─────┴──────┴──────┴─────┴──────────┘ 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 文化財保護課】  中山道加納宿文化保存会に対する補助金は事業補助に切り替えるべきある。そし て、交付目的と補助の必要性を吟味した上で、それを踏まえた補助対象事業、補助対象 経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定し、団体の収支や財産状況に照らして 補助の必要のある額を交付するようにすべきある。 (6)補助の見直し(中将姫誓願桜保存会) 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、中将姫誓願桜保存会に対す る補助金は昭和62年度から開始しており、長期にわたっている。  補助金の申請額が予算額と同額となっている。  令和元年度会計は、以下のとおりあり、38,981円の繰越金が生じている。 (収入の部) ┌───────┬───────┬────────────────┐ │  科目   │ 金額(円) │       摘要       │ ├───────┼───────┼────────────────┤ │繰越金    │    40,124│前期より            │ │新規会費   │    25,000│新規加入25名          │ │継続会費   │    495,000│継続495名            │ │補助金    │    40,000│岐阜市より           │ │寄附金    │    10,000│芥見東町づくり         │ │       │    10,000│個人              │ │       │    36,000│事業者             │ │雑収入    │    94,000│五平餅470枚           │ │       │    21,600│抹茶54人            │ │       │    36,000│のぼり旗12本          │ │       │    19,000│煎米38箱            │ │       │    10,000│テレホンカードほか       │ ├───────┼───────┼────────────────┤ │収入合計   │    836,724│                │ └───────┴───────┴────────────────┘ (支出の部) ┌───────┬───────┬────────────────┐ │  科目   │ 金額(円) │       摘要       │ ├───────┼───────┼────────────────┤ │会議費    │    36,976│本部・支部会議         │ │事務費    │    36,000│はがき、賞状等         │ │印刷費    │    132,594│会員名簿作成          │ │行事費    │    589,533│供養祭、観桜会運営費用     │ │まちづくり協議│     2,640│まちづくり協議会        │ │会      │       │                │ │繰越金    │    38,981│次期会計に繰越         │ ├───────┼───────┼────────────────┤ │支出合計   │    836,724│                │ └───────┴───────┴────────────────┘ 【指摘 文化財保護課】  中将姫誓願桜保存会に対する補助金は事業補助に切り替えるべきある。そして、 交付目的と補助の必要性を吟味した上で、それを踏まえた補助対象事業、補助対象経 費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定し、団体の収支や財産状況に照らして補 助の必要のある額を交付するようにすべきある。 (7)補助の見直し(琴塚顕彰協会) 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、琴塚顕彰協会に対する補助 金は昭和25年度から開始しており、長期にわたっている。  補助金の申請額が予算額と同額となっている。  令和元年度の会計報告は、以下のとおりある。 ┌────┬──────────┬─────┬───────┬─────────┐ │    │    科目    │ 決算額 │ 補助対象  │補助額(単位:円)│ ├────┼──────────┼─────┼───────┼─────────┤ │収入  │岐阜市補助金    │  40,000│   -   │    -    │ │    ├──────────┼─────┼───────┼─────────┤ │    │新田自治会補助金  │  30,000│   -   │    -    │ │    ├──────────┼─────┼───────┼─────────┤ │    │新田自治会追加補助 │   7,820│   -   │    -    │ │    ├──────────┼─────┼───────┼─────────┤ │    │計         │  77,820│   -   │    -    │ ├────┼──────────┼─────┼───────┼─────────┤ │支出  │清掃費       │  33,150│   ○   │      30,000│ │    ├──────────┼─────┼───────┼─────────┤ │    │顕彰費       │  44,670│○(印刷費等)│      10,000│ │    ├──────────┼─────┼───────┼─────────┤ │    │会議費       │     │       │         │ │    ├──────────┼─────┼───────┼─────────┤ │    │計         │  77,820│       │         │ └────┴──────────┴─────┴───────┴─────────┘ 【指摘 文化財保護課】  琴塚顕彰協会に対する補助金は事業補助に切り替えるべきある。そして、交付目
    的と補助の必要性を吟味した上で、それを踏まえた補助対象事業、補助対象経費、一定 の補助率、補助上限額を具体的に設定し、団体の収支や財産状況に照らして補助の必 要のある額を交付するようにすべきある。 (8)補助の見直し(高桑太鼓保存会) 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、高桑太鼓保存会に対する補 助金は昭和63年度から開始しており、長期にわたっている。  補助金の申請額が予算額と同額となっている。  令和元年度の会計報告書は、以下のとおりあり、10,343円の繰越金が生じている。 (収入の部)                             (単位:円) ┌────────┬──────┬───────────────────────┐ │   科目   │  金額  │          摘要           │ ├────────┼──────┼───────────────────────┤ │1.助成金    │   80,000│高桑共有財産区より              │ ├────────┼──────┼───────────────────────┤ │2.補助金    │   30,000│運営補助金(教育委員会)           │ ├────────┼──────┼───────────────────────┤ │3.会費     │    3,400│会員ばち・笛負担分              │ ├────────┼──────┼───────────────────────┤ │4.雑収入    │   10,000│イベント参加お礼               │ ├────────┼──────┼───────────────────────┤ │5.前年度繰越金 │   10,533│                       │ ├────────┼──────┼───────────────────────┤ │合計      │   133,933│                       │ └────────┴──────┴───────────────────────┘ (支出の部) ┌────────┬──────┬───────────────────────┐ │   科目   │  金額  │          摘要           │ ├────────┼──────┼───────────────────────┤ │1.事業費    │   119,794│イベント経費  40,794            │ │        │      │太鼓修繕積立費 79,000            │ ├────────┼──────┼───────────────────────┤ │2.事務費    │    3,796│インク・コピー代他              │ ├────────┼──────┼───────────────────────┤ │合計      │   123,590│                       │ └────────┴──────┴───────────────────────┘  収入133,933円-支出123,590円=差引残高10,343円(次期繰越金) 【指摘 文化財保護課】  高桑太鼓保存会に対する補助金は事業補助に切り替えるべきある。そして、交付 目的と補助の必要性を吟味した上で、それを踏まえた補助対象事業、補助対象経費、一 定の補助率、補助上限額を具体的に設定し、団体の収支や財産状況に照らして補助の 必要のある額を交付するようにすべきある。 (9)補助の見直し(元町一丁目織田塚保存会) 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、元町一丁目織田塚保存会に 対する補助金は昭和32年度から開始しており、長期にわたっている。  補助金の申請額が予算額と同額となっている。  補助金額は10,000円と少額ある。  令和元年度の収支決算書は、以下のとおりあり、2円の繰越金が生じている。 (収入) ┌───────┬─────┬─────────────────────────┐ │       │金額(円)│           備考            │ ├───────┼─────┼─────────────────────────┤ │前年度繰越金 │    6│                         │ ├───────┼─────┼─────────────────────────┤ │町内会費   │   8,400│                         │ ├───────┼─────┼─────────────────────────┤ │市補助金   │  10,000│                         │ ├───────┼─────┼─────────────────────────┤ │合計     │  18,406│                         │ └───────┴─────┴─────────────────────────┘ (支出) ┌───────┬─────┬─────────────────────────┐ │       │金額(円)│           備考            │ ├───────┼─────┼─────────────────────────┤ │行事費    │  13,404│                         │ ├───────┼─────┼─────────────────────────┤ │管理費    │   5,000│樹木剪定代等                   │ ├───────┼─────┼─────────────────────────┤ │次年度繰越金 │    2│                         │ ├───────┼─────┼─────────────────────────┤ │合計     │  18,406│                         │ └───────┴─────┴─────────────────────────┘ 【指摘 文化財保護課】  元町一丁目織田塚保存会に対する補助金は事業補助に切り替えるべきある。そし て、交付目的と補助の必要性を吟味した上で、それを踏まえた補助対象事業、補助対象 経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定し、団体の収支や財産状況に照らして 補助の必要のある額を交付するようにすべきある。  86.観光事業補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │ぎふ魅力づくり推進部 観光コンベンション課                │ │    │※令和元年度は、商工観光部 観光コンベンション課             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市観光事業補助金交付要綱                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │本市観光の振興と発展(要綱の文言)                    │ │    │岐阜を訪れる観光客が効率よく岐阜市内及び近郊を観光できるようにす     │ │交付目的│ること及び観光客の立場に立って、心のこもったサービスができる観光タ    │ │    │クシー事業の充実を図り、観光のイメージアップに寄与する事業を支援す    │ │    │ること(事業評価シートの文言)                      │ └────┴─────────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐
    │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市周辺観光タクシー運営協議会                     │ │交付先 │※構成員は、市内タクシー会社14社、協同組合3社、観光コンベンショ     │ │    │ ン協会ある。                             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│観光タクシーに乗務するガイド乗務員に対する研修              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜を訪れる観光客が効率よく岐阜市内及び近郊を観光できるようにす     │ │交付目的│ること及び観光客の立場に立って心のこもったサービスができる観光タ     │ │    │クシー事業の充実を図り、観光のイメージアップに寄与する事業を支援     │ │    │すること(事業評価シートの文言)                     │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成8年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   600,000│   600,000│   600,000│   600,000│   600,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   600,000│   600,000│   600,000│   600,000│   600,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │株式会社岐阜新聞社                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│第74回全国花火大会の開催                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │観光客誘致、地域の活性化、観光資源の保全育成、市特有の観光資源等     │ │交付目的│を広く宣伝することにより本市の観光の振興と発展を目的とする(事業     │ │    │評価シート)                               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和52年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  2,250,000│  2,250,000│  2,250,000│  2,250,000│  2,250,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  2,250,000│  2,250,000│  2,250,000│  2,250,000│  2,250,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │株式会社中日新聞社岐阜支社                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│第63回全国選抜長良川中日花火大会の開催                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │観光客誘致、地域の活性化、観光資源の保全育成、市特有の観光資源等     │ │交付目的│を広く宣伝することにより本市の観光の振興と発展を目的とする(事業     │ │    │評価シート)                               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和52年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  1,350,000│  1,350,000│  1,350,000│  1,350,000│  1,350,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  1,350,000│  1,350,000│  1,350,000│  1,350,000│  1,350,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助対象事業及び補助対象経費 【事実関係】  補助対象事業は、交付要綱で、次のように書かれている。  (1)観光客誘致に資する事業  (2)地域の活性化に資する事業  (3)市内の観光資源、自然等を広く宣伝できる事業  (4)観光資源の保全育成に関する事業  (5)その他市長が特に必要と認めた事業  補助対象経費は、上記事業の実施に要する経費としか定められていない。  市は、食糧費以外の経費の全て(合計1,868,259円)を補助対象経費としており、総 会の会場費も補助対象経費に加えているが、総会が上記の補助対象事業に該当するの か不明ある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目あるとさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。  交付要綱(本補助金では実施要綱)は、上記の要請を達成するために重要規範とな るものある。交付要綱の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手 続きの公正さが確保できない。 【指摘 観光コンベンション課】  補助対象事業及び補助対象経費を交付要綱において具体的に定めるべきある。  市によれば、補助団体が行う事業内容によって、補助経費が多岐にわたるため、交付 要綱で一律に定めるのはなく、決裁で個別具体的に判断する方が効率的とのこと ある。しかし、このよう考えこそが、まさに手続きの公正さが確保されない要因であ る。決裁されればよいというのは、法律による行政の原則に反するのはないかと考え る。また、交付要綱で具体的に定めたほうがむしろ効率性を高めることができる。
    (2)補助金の額(岐阜市周辺観光タクシー運営協議会) 【事実関係】  補助金の額は、交付要綱において、上記事業の実施に要する経費の2分の1以内と されている。  協議会の予算書によれば、支出の合計額が2,040,000円、収入として、岐阜県タ クシー協議会岐阜支部の負担金1,200,000円、岐阜観光コンベンション協会の負担金 100,000円、補助金600,000円、繰越金140,000円と計上されている。  市は、予算額600,000円が支出額合計2,040,000円の2分の1を超えないというこ とで、同金額を補助金の額としている。  市によれば、交付先の予算額に過不足を生じさせないよう、前年度に交付先から補 助申請予定額を聞き取っているとのことあったが、支出額の検討をした形跡はなか った。 【指摘 観光コンベンション課】  支出額のすべてが補助対象経費あるとした場合、支出額2,040,000円から補助金 以外の収入1,300,000円を控除した残額ある740,000円の2分の1以内(370,000 円)が補助金の額となるのはないだろうか。このようにして算定している補助金も あった。  交付先から提出された事業内容及び経費の適否を検討し、補助金以外の収入がどの 経費に充てられるべきかを検討し、その結果、補助金として支出する必要のある額を 算定した過程を記録に残すべきある。 (3)補助の見直し(岐阜市周辺観光タクシー運営協議会) 【事実関係】  市は、岐阜市周辺観光タクシー運営協議会に対する補助金を団体育成補助金と位置 付け、平成8年度から毎年60万円を支出しつづけている。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 観光コンベンション課】  岐阜市周辺観光タクシー運営協議会に対する補助金は事業補助に切り替えるべき ある。そして、交付目的と補助の必要性を吟味した上で、それを踏まえた補助対象事 業、補助対象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定し、団体の収支や財産状 況に照らして補助の必要のある額を交付するようにすべきある。 (4)効果・経済性(岐阜新聞社及び中日新聞社) 【事実関係】  本補助金は、昭和52年度から長期にわたって続いており、毎年、岐阜新聞社主催の 花火大会に対する補助金額は225万円、中日新聞社主催の花火大会の補助金額は135 万円で定例化されている。前年踏襲で金額設定されていると思われ、その都度、補助の 必要性と金額の妥当性を検証した形跡はない。  本来あれば、交付申請をする団体が、事業内容とそれに要する経費を出し、補助金 以外の収入と自己資金を充てても不足する分に対し、補助金の交付申請をするはず ある。しかし、実態は、市が予算額を決め、それを両新聞社が確認し、それありき、 不足する分を自己資金で補うという逆転現象になっているように見受けられる。  岐阜新聞主催の花火大会の総事業費は約7000万円あるところ、補助額は225万円 あり、補助率としては約3%ある。中日新聞主催の花火大会の総事業費は約8700 万円あるところ、補助額は135万円あり、補助率としては約1.5%ある。  交付目的も、事業評価シートの記載を見る限り、具体的に考えられていないよう あるし、効果測定も、来場者数でしか行っていないようある。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助目 的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果 が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交 付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超え ている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習 慣的)と示されている。 【指摘 観光コンベンション課】  補助金の既得権化、慣習化と言わざるを得ない。補助率が低いことは、そもそも当該 事業への補助の必要性が存するのかの疑問を生じさせることになる。  交付目的を具体的に定め、来場者数以外の指標により事業評価を行い、交付先の収 支や財産状況も考慮し、補助の必要性が認められるかどうか、慎重に検討し、その過程 を記録に残すべきある。  87.青少年各種団体運営費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 社会・青少年教育課                      │ │    │※令和元年度は、教育委員会 青少年教育課                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │(1)ガールスカウト岐阜市連絡協議会                   │ │    │(2)一般社団法人岐阜少年少女合唱団                   │ │対象団体│(3)岐阜ジュニア吹奏楽団                        │ │    │(4)岐阜市バトントワリング少年団育成連絡協議会             │ │    │(5)岐阜市シニアリーダークラブ                     │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市青少年各種団体運営費補助金交付要綱                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市の青少年の健全育成(要綱の文言)                  │ └────┴─────────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │ガールスカウト岐阜市連絡協議会                      │ │    │※構成員は、市内のガールスカウト団(2団)ある。            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│キャンプ、講習等                             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和40年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   58,000│   58,000│   58,000│   58,000│   58,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   58,000│   58,000│   58,000│   58,000│   58,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘
    ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │一般社団法人岐阜少年少女合唱団                      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│コンサートの開催等                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和43年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   174,000│   174,000│   174,000│   174,000│   174,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   174,000│   174,000│   174,000│   174,000│   174,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │岐阜ジュニア吹奏楽団                           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│演奏会等                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和57年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   87,000│   87,000│   87,000│   87,000│   87,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   87,000│   87,000│   87,000│   87,000│   87,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │岐阜市バトントワリング少年団育成連絡協議会                │ │    │※構成員は、市内のバトントワリング少年団(4団)ある。         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│合同練習会、技能講習会等                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成6年度                                 │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   30,000│   30,000│   30,000│   30,000│   30,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   30,000│   30,000│   30,000│   30,000│   30,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │岐阜市シニアリーダークラブ                        │ │    │※事務局は、ない。                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│インリーダー・ジュニアリーダーの定例会等への参加、研修事業の開催     │ │    │等                                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成2年度                                 │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   90,000│   90,000│   90,000│   90,000│   90,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   90,000│   90,000│   90,000│   70,000│   78,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助金交付対象団体 【参考報告】  交付要綱において、本補助金の補助金交付対象団体は、次の要件をすべてみたすも のとしている。 ┌───────────────────────────────────────┐ │(1)市内においてボランティア活動、地域貢献活動又は青少年の健全育成に寄与  │ │   する活動を行っていること。                       │ │(2)満35歳以下の市内に在住し、在勤し、又は在学する者が、当該団体の構成員の │ │   総数の過半数を占め、かつ、その数が10人以上あること。         │ │(3)規約を有し、当該団体による意思決定に基づき活動を行い、独立した経理及び │ │   監査の機能が確立していること。                     │ │(4)団体の活動の実績が客観的に認められること。               │ │(5)団体の事務局等の活動の拠点が、市内に置かれていること。         │ └───────────────────────────────────────┘  補助金交付対象団体をあらかじめ限定するのはなく、要件を設定して決定してい るので参考報告とする。 【参考報告】  交付要綱において、次の各号のいずれかに該当する団体は、補助金交付対象団体と はしないとしている。 ┌───────────────────────────────────────┐ │(1)専ら営利を目的として活動している団体                  │ │(2)特定の政党の利害に関する事業又は活動を行う団体             │ │(3)特定の宗教、教派、宗派若しくは教団を支持し、又は支援する団体      │ │(4)集団的又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある団体         │ │(5)国、県、市町村その他の公的機関から同種の補助金等の交付決定がされ、又は │ │   交付がなされた団体                           │ │(6)前各号に掲げるもののほか、補助対象団体として適当ないと認める団体   │ └───────────────────────────────────────┘  補助金の公益性、公正性、公平性に配慮した除外要件を設定しているので、参考報告 とする。 【事実関係】  平成23年度の包括外部監査の意見を受け、市は、本補助金の募集チラシを市のホー ムページに載せたが、その後、市への問い合わせが1件あったのみあり、毎年同じ団 体が補助金交付対象団体となっている。 【意見 社会・青少年教育課】  市のホームページにおいて公募しているにもかかわらず新た申請がないのは、補 助金交付対象団体の要件が実情に見合っていない可能性も考えられる。
     補助金交付対象団体の要件や広報の在り方について再検討することが望ましい。 (2)補助対象経費 【参考報告】  交付要綱において、補助対象経費は、団体の活動に係る経費で、次に掲げるものとす るとしている。 ┌───────────────────────────────────────┐ │ (1)講師等への謝金(講師等の旅費を含む。)                │ │ (2)印刷及び製本に係る経費並びにこれらに類する経費            │ │ (3)文具、事務用品費等活動に必要消耗品費及びこれらに類する経費     │ │ (4)切手代、はがき代等通信運搬に係る経費及びこれらに類する経費      │ │ (5)傷害保険料                              │ │ (6)会場使用料、賃借料その他これに類する経費               │ │ (7)写真現像代、焼き増し代その他これに類する経費             │ │ (8)前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める経費           │ └───────────────────────────────────────┘  補助対象経費を具体的に定めているので、参考報告とする。 【事実関係】  傷害保険料を補助対象経費としている。  ガールスカウト岐阜市連絡協議会の令和元年度収支決算書によれば、収入及び支出 の額202,591円のうち、傷害保険料が37,350円(450円×83人)ある。  岐阜ジュニア吹奏楽団の令和元年度収支決算書によれば、スポーツ安全保険42,400 円(800円×53人)が補助対象経費とされている。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【意見 社会・青少年教育課】  個人が契約者ある傷害保険料によって利益を受けるのは契約者個人あるから、 傷害保険料は補助対象経費から除外することが望ましい。 (3)補助の見直し(ガールスカウト岐阜市連絡協議会) 【事実関係】  市は、補助金を団体育成補助金と位置付けているが、ガールスカウト岐阜市連絡協 議会に対する補助金は昭和40年度から開始しており、長期にわたっている。  補助金額58,000円の算定根拠はなく前年踏襲となっており、補助金の申請額は予算 額と同額となっている。  令和元年度の収支決算書によれば、年間登録料、参加費、負担金の収入がある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目あるとさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。  交付要綱は、上記の要請を達成するために重要規範となるものある。交付要綱 の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手続きの公正さが確保で きない。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。また、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助 目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効 果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、 交付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超 えている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、 習慣的)と示されている。 【指摘 社会・青少年教育課】  ガールスカウト岐阜市連絡協議会に対する補助金は事業補助に切り替えるべきあ る。そして、交付要綱において、交付目的と補助の必要性に即した補助対象事業を具体 的に定めるべきある。  市から、「交付規則には、具体的補助事業を定めなければならないとは記述してい ないため、【指摘】となる重大誤りではない。」との意見があったが、ここで述べてい ることは、地方自治法第232条の2の定める「公益上の必要性」の問題あり、公益 上の必要性というのが単なる必要性や重要性だけはないことは、第1部の9で述べ たとおりある。また、岐阜市補助金等交付規則第3条の定める「公正かつ効率的」を 担保する必要もある。交付要綱において、補助対象事業が抽象的は、補助対象経費の 必要性の判断も職員の判断にゆだねられることになってしまい、「公益上の必要性」や 「公正かつ効率的」を担保することができない。また、補助金等ガイドラインは、この 公益上の必要性を判断の指針を示すものある。これらを【規範】として、第1部で述 べたとおり、合規性、公平性、公益性、必要性、有効性、効率性の観点から、適法性又 は妥当性に問題があり、是正措置が必要あると考えるものを【指摘】としている。規 則に反するかどうかというだけで判断するものはない。また、市によれば、「学校外 での青少年育成という性質に適った取組みにかかる費用に対して補助するものある から、事業補助に切り替えることは適合しない」とのことあるが、「学校外での青少 年育成という性質に適った取組みにかかる費用に対して補助する」というのがまさに 事業補助ある。 (4)補助の見直し(一般社団法人岐阜少年少女合唱団) 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、一般社団法人岐阜少年少女 合唱団に対する補助金は昭和43年度から開始しており、長期にわたっている。  補助金額174,000円の算定根拠はなく前年踏襲となっており、補助金の申請額は予 算額と同額となっている。  令和元年度の収支決算書によれば、会費収入がある。  令和元年度の収入及び支出の1,750,315円に比して、補助金額は174,000円あり、 補助率は約10%と低い。 【指摘 社会・青少年教育課】  一般社団法人岐阜少年少女合唱団に対する補助金は事業補助に切り替えるべきあ る。そして、交付要綱において、交付目的と補助の必要性に即した補助対象事業を具体 的に定めるべきある。
    (5)補助の見直し(岐阜ジュニア吹奏楽団) 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、岐阜ジュニア吹奏楽団に対 する補助金は昭和57年度から開始しており、長期にわたっている。  補助金額87,000円の算定根拠はなく前年踏襲となっており、補助金の申請額は予算 額と同額となっている。  令和元年度の収支決算書によれば、団費、入団費、謝礼金(依頼演奏)、団員負担金 等の収入がある。補助金額を超える357,526円の繰越金が生じている。  令和元年度の収入及び支出の2,386,345円に比して、補助金額は87,000円あり、 補助率は約4%と低い。 【指摘 社会・青少年教育課】  岐阜ジュニア吹奏楽団に対する補助金は事業補助に切り替えるべきある。そして、 交付要綱において、交付目的と補助の必要性に即した補助対象事業を具体的に定める べきある。 (6)補助の見直し(岐阜市バトントワリング少年団育成連絡協議会) 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、岐阜市バトントワリング少 年団育成連絡協議会に対する補助金は平成6年度から開始しており、長期にわたって いる。  補助金額30,000円の算定根拠はなく前年踏襲となっており、補助金の申請額は予算 額と同額となっている。  令和元年度の収支決算書によれば、会費、個人分担金の収入がある。  令和元年度の収入及び支出の額158,254円に比して補助金額は30,000円あり、補 助率は19%と高くない。 【指摘 社会・青少年教育課】  岐阜市バトントワリング少年団育成連絡協議会に対する補助金は事業補助に切り替 えるべきある。そして、交付要綱において、交付目的と補助の必要性に即した補助対 象事業を具体的に定めるべきある。 (7)補助の見直し(岐阜市シニアリーダークラブ) 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、岐阜市シニアリーダークラ ブに対する補助金は平成2年度から開始しており、長期にわたっている。  補助金額90,000円の算定根拠はなく前年踏襲となっており、補助金の申請額は予算 額と同額となっている。  令和元年度の収支決算書によれば、年会費、事業参加費の収入がある。 【指摘 社会・青少年教育課】  岐阜市シニアリーダークラブに対する補助金は事業補助に切り替えるべきある。 そして、交付目的と補助の必要性を吟味した上で、それを踏まえた補助対象事業を具 体的に設定し、シニアリーダークラブの収支や財産状況に照らして補助の必要のある 額を交付するようにすべきある。  88.日本ボーイスカウト岐阜市協議会運営費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 社会・青少年教育課                      │ │    │※令和元年度は、教育委員会 青少年教育課                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │日本ボーイスカウト岐阜市協議会                      │ │    │※構成員は、市内のボーイスカウト団(10団)ある。            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│救急法講習会の開催等                           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│日本ボーイスカウト岐阜市協議会運営費補助金交付要綱            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市の青少年の健全育成を目的とする(要綱の文言)            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和40年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   251,000│   251,000│   251,000│   251,000│   251,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   251,000│   251,000│   251,000│   251,000│   251,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助金交付対象団体の構成員 【参考報告】  団体名簿の提出を受けているので、参考報告とする。 (2)補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、補助対象経費に「傷害保険料」が含まれている。令和元年度収支決算 書によれば、収入及び支出の額504,000円のうち、傷害保険料が129,857円に上ってい る。傷害保険の契約者は、各団の団長とのことある。 【意見 社会・青少年教育課】  個人が契約者ある傷害保険料によって利益を受けるのは契約者個人あるから、 傷害保険料は補助対象経費から除外することが望ましい。 (3)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は昭和40年度から 開始しており、長期にわたっている。  補助金額251,000円の算定根拠はなく前年踏襲となっており、補助金の申請額は予 算額と同額となっている。  令和元年度の収支決算書によれば、協議会には助成金や団負担金の収入がある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず
    れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目あるとさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。  交付要綱は、上記の要請を達成するために重要規範となるものある。交付要綱 の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手続きの公正さが確保で きない。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。また、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助 目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効 果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、 交付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超 えている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、 習慣的)と示されている。 【指摘 社会・青少年教育課】  事業補助に切り替えるべきある。そして、交付要綱において、交付目的と補助の必 要性に即した補助対象事業と補助対象経費を具体的に定め、一定の補助率と補助上限 額を具体的に設定すべきある。  市から、「交付規則には、具体的補助事業を定めなければならないとは記述してい ないため、【指摘】となる重大誤りではない。」との意見があったが、ここで述べてい ることは、地方自治法第232条の2の定める「公益上の必要性」の問題あり、公益 上の必要性というのが単なる必要性や重要性だけはないことは、第1部の9で述べ たとおりある。また、岐阜市補助金等交付規則第3条の定める「公正かつ効率的」を 担保する必要もある。交付要綱において、補助対象事業が抽象的は、補助対象経費の 必要性の判断も職員の判断にゆだねられることになってしまい、「公益上の必要性」や 「公正かつ効率的」を担保することができない。また、補助金等ガイドラインは、この 公益上の必要性を判断の指針を示すものある。これらを【規範】として、第1部で述 べたとおり、合規性、公平性、公益性、必要性、有効性、効率性の観点から、適法性又 は妥当性に問題があり、是正措置が必要あると考えるものを【指摘】としている。規 則に反するかどうかというだけで判断するものはない。  89.障害児・者団体運営費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │福祉部 障がい福祉課                           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市障害児・者団体運営補助金交付要綱                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│障害児・者の福祉の増進を図る                       │ └────┴─────────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │一般財団法人岐阜市身体障害者福祉協会                   │ │    │※構成員は、小学校区を単位とした分会の会員ある。            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市身体障害者福祉大会の開催、機関紙・パンフレットの発行、研修     │ │対象事業│旅行、相談事業(障害者生活支援センターの指定管理)、自動販売機事業    │ │    │等                                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和46年度(平成20年度から24年度まで廃止)                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │    │岐阜市視覚障害者福祉協会                         │ │交付先 │※構成員は、岐阜市、山県市,本巣郡北方町及び瑞穂市に在住又は通勤     │ │    │ する視覚障害者ある。                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│体験学習、研修旅行、老人ホーム治療奉仕等                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和45年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   135,000│   135,000│   135,000│   135,000│   135,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   135,000│   135,000│   135,000│   135,000│   135,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │岐阜市聴覚障害者福祉協会                         │ │    │※構成員は、岐阜市及び近郊地域に在住する聴覚障害者ある。        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│講演会の開催、手話フェスティバルの開催等                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和45年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   135,000│   135,000│   135,000│   135,000│   135,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   135,000│   135,000│   135,000│   135,000│   135,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘
    ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │岐阜地区知的障がい者育成会                        │ │    │※構成員は、知的障がい児・者を持つ保護者又は本人ある。         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│会報誌の発行、研修会の開催等                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成11年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   450,000│   450,000│   450,000│   450,000│   450,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   450,000│   450,000│   450,000│   450,000│   450,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │    │岐阜市肢体不自由児者父母の会                       │ │交付先 │※構成員は、肢体不自由児者の保護者、肢体不自由児者の教育育成に協     │ │    │ 力、賛助する者ある。                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│社会見学、クリスマス会等                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成10年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   63,000│   63,000│   63,000│   63,000│   63,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   63,000│   63,000│   63,000│   63,000│   63,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助金交付対象団体 【事実関係】  本補助金は、「障害児・者の福祉の増進を図る」という交付目的により、「障害児・者 の自立及び社会参加を促進する事業を実施する団体」に補助金を交付することとして いるが、交付要綱において、交付対象団体を下記団体に特定している。 ┌──────────────────────────────────────┐ │ 一般財団法人岐阜市身体障害者福祉協会、岐阜市視覚障害者福祉協会、岐阜市聴 │ │覚障害者福祉協会、岐阜地区知的障がい者育成会、岐阜市肢体不自由児父母の会、 │ │岐阜県自閉症協会岐阜市ブロック                       │ └──────────────────────────────────────┘ 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 障がい福祉課】  「障害児・者の福祉の増進を図る」という交付目的で「障害児・者の自立及び社会参 加を促進する事業を実施する団体」に補助金を交付するという現在の交付要綱あれ ば、補助金交付対象団体を特定の団体に限定すべき理由が認められず、公募すべきと 言わざる得ないが、公募しないのあれば、「障害児・者の自立及び社会参加を促進す る事業を実施する団体」という現在の交付要綱ではなく、当該団体の事業を補助する 公益上の必要性が認められるよう要綱を策定すべきある。 (2)補助金の額(一般財団法人岐阜市身体障害者福祉協会) 【事実関係】  一般財団法人岐阜市身体障害者福祉協会(以下「市福祉協会」という)は、自動販売 機の管理による「収益事業」も営んでおり、令和元年度においては約1,200万円の収 入があった。  この「収益事業」から補助金の対象となっている「管理・支援事業」に900万円が振 替えられており、同事業費用の約6割を補填している形になっている。  市福祉協会の管理費・支援事業費に関する令和元年度収支決算書の概要は以下のと おりある。  令和元年度 収支決算書 管理費・支援事業の部              (単位:円) ┌───────────┬────────┬─────────────────────┐ │    科目     │  決算額   │         備考          │ ├───────────┼────────┼─────────────────────┤ │経常収益       │    6,518,777│                     │ ├───────────┼────────┼─────────────────────┤ │    運営助成金収入│    2,000,000│岐阜市運営助成金(補助金)        │ │    開催助成金収入│     781,800│なかよし運動会開催助成金他        │ ├……………………………┼……………………┼………………………………………………………┤ │      負担金収入│     300,000│相談員協議会事務負担金          │ │    参加負担金収入│    3,263,000│会員研修旅行、鵜飼を見る会他       │ ├……………………………┼……………………┼………………………………………………………┤ │       会費収入│     161,400│1,614人(△93人)             │ ├……………………………┼……………………┼………………………………………………………┤ │        その他│     12,577│基本財産利息等              │ ├───────────┼────────┼─────────────────────┤ │経常外収益      │    9,279,439│                     │ ├───────────┼────────┼─────────────────────┤ │      繰入金収入│    9,000,000│収益事業からの資金振替          │ ├……………………………┼……………………┼………………………………………………………┤ │     前年度繰越金│     279,439│前年度からの繰越金            │ ├───────────┼────────┼─────────────────────┤ │    収益計    │   15,798,216│                     │ ├───────────┼────────┼─────────────────────┤ │経常費用       │   15,261,415│                     │ ├───────────┼────────┼─────────────────────┤ │ 〔支援事業〕    │    9,594,191│                     │ ├……………………………┼……………………┼………………………………………………………┤ │       消耗品費│     53,483│福祉大会 6,036              │ │      資料印刷費│     665,092│福祉大会プログラム 53,946        │ │        使用料│    1,171,420│福祉大会会場使用料他 23,550       │ │     会議費用弁済│     94,500│福祉大会準備 4,600            │ │         雑費│    1,921,620│福祉大会 186,072             │ │        研修費│    4,343,712│会員、婦人の会研修旅行          │
    │        その他│    1,344,364│鵜飼・運動会弁当ほか           │ │ 〔管理費〕     │    5,667,224│                     │ │        人件費│    2,893,200│                     │ │      法定福利費│     758,054│                     │ │        使用料│     368,618│                     │ │        会議費│     727,734│                     │ │        その他│     919,618│交際費 120,000 慶弔費 75,000      │ ├───────────┼────────┼─────────────────────┤ │経常外費用      │       893│                     │ ├───────────┼────────┼─────────────────────┤ │    費用計    │   15,262,308│                     │ ├───────────┼────────┼─────────────────────┤ │   収支差引額   │     535,908│次年度繰越金               │ └───────────┴────────┴─────────────────────┘  具体的補助対象経費は、上記収支決算書の「支援事業」のうち、備考欄に記載した 福祉大会関連費274,204円と広報活動費523,200円、及び「管理費」から交際費・慶 弔費を除いた5,472,224円の合計額6,269,628円ある。  補助金の額は、前述の補助対象経費6,269,628円に補助率2分の1を乗じて算出し た補助対象限度額と市の予算2,000,000円を比較していずれか少ない金額となってい る。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 障がい福祉課】  運営費補助金は、補助対象経費に対して収益事業による収入や負担金等で賄えない 部分に対して交付する補助金ある。市福祉協会は、「収益事業」において、900万円 の振替を行ってもなお利益を出している。また、振替可能な最大額が900万円ある とする根拠は明らかなく、本補助金が200万円(少なくとも直近5年間は変動して いない)あることを前提にしていると思われる。  補助金として維持するのあれば、収益事業における利益部分を差引いた額を基に して、補助金の額を決定すべきある。そうしないのあれば、補助金ではなく委託事 業とすべきある。 (3)事業評価シート 【事実関係】  各交付先の行っている事業は、それぞれ具体的内容が異なっているが、事業評価 シートは、異なる交付先のものが一括して作成されている。  補助金等ガイドラインによる「補助金等の見直し基準チェックシート」については、 交付先毎に作成されているものの、一部評価しない視点が空欄になっている部分を除 くと、それ以外の評価はすべて同じとなっている。 【指摘 障がい福祉課】  たとえ要綱が同じあっても、交付先毎に事業の具体的内容が異なり、その公益 性や必要性、効果も異なるのあるから、個別に評価すべきある。  事業評価シートは交付先毎に作成すべきある。 (4)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は、古いもので昭和 45年度から、新しいものも平成11年度から開始しており、長期にわたっている。  交付要綱では、障害児・者の自立及び社会参加を促進する事業を実施する団体に補 助金を交付するとして、事業補助のようにも思えるが、補助対象事業の具体的定め はなく、補助対象経費は下記のとおり具体的には定められているものの、網羅的に定 められており、実質的に運営費補助となっている。 ┌────────────────────────────────────────┐ │人件費、講師謝礼金、旅費(来賓、ボランティアその他市長が認める者に対して支出  │ │するものに限る。)、消耗品費、燃料費、食糧費(会議の茶及び来賓の食事に係る費用 │ │に限る。)、印刷製本費、光熱水費、修繕料、通信運搬費、ボランティア保険料、会場 │ │借上料、リース料、負担金その他団体の運営又は事業の実施に必要と認められる経   │ │費                                       │ └────────────────────────────────────────┘  補助金の額は、すべて予算の範囲内で、補助対象経費の2分の1の額を限度とする とされているが、実際の交付額は、ほとんどが予算の金額となっているため、過去5年 間は同額で推移している。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 障がい福祉課】  事業補助に切り替えるべきある。そして、交付要綱において、交付目的と補助の必 要性に即した具体的補助対象事業及び個々の補助対象事業にかかる補助対象経費を 定め、一定の補助率と補助上限額を具体的に設定すべきある。  90.岐阜県身体障害者岐阜地区体育大会補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │福祉部 障がい福祉課                           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│開催補助金                                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │一般財団法人岐阜市身体障害者福祉協会                   │ │    │※市内を9地域に分けた支部が置かれている。                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │不明                                   │ │対象事業│※岐阜県身体障害者岐阜地区体育大会開催要綱によれば、同大会の主催     │ │    │ 者は、岐阜県、一般社団法人岐阜県障害者スポーツ協会、一般財団法     │ │    │ 人岐阜県身体障害者福祉協会ある。                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│交付要綱なし                               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│身体障害者が運動競技をとおして体力の維持増強を図る(個別調査票の     │ │    │文言)                                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤
    │開始年度│昭和57年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   90,000│   90,000│   90,000│   90,000│   90,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   90,000│   90,000│   90,000│   90,000│   90,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)交付要綱 【事実関係】  本補助金には交付要綱がなかった。他に、交付要綱のない補助金は、ほとんど存在し なかった。 【指摘 障がい福祉課】  交付要綱を設けるべきある。 (2)補助の見直し 【事実関係】  「一般財団法人岐阜市身体障害者福祉協会」が作成者ある補助金等交付申請書の 補助事業等の目的及び内容には、「体育大会を開催する」と記載されていたが、上記の とおり、岐阜県身体障害者岐阜地区体育大会開催要綱によれば、同大会の主催者は、 「岐阜県」、「一般社団法人岐阜県障害者スポーツ協会」、「一般財団法人岐阜県身体障 害者福祉協会」あり、「一般財団法人岐阜市身体障害者福祉協会」は記載されていな い。市が作成している内部資料には、「一般財団法人岐阜市身体障害者福祉協会」は、 主管として同大会の運営を実施していると記載されているが、同開催要綱によれば、 主管は、「岐阜県身体障害者福祉協会岐阜ブロック」と記載されており、これは「一般 財団法人岐阜市身体障害者福祉協会」のことのか判然としない。  補助金等交付申請書に添付されている収支予算書は、次の内容となっていた。 (収入の部) ┌───────────────┬───────┬─────────────┐ │科目             │金額     │内容           │ ├───────┬───────┼───────┼─────────────┤ │助成金    │運営助成金  │   90,000円│岐阜市補助金       │ ├───────┼───────┼───────┼─────────────┤ │繰入金    │繰入金    │   90,000円│協会会計より       │ ├───────┼───────┼───────┼─────────────┤ │収入合計額  │       │   180,000円│             │ └───────┴───────┴───────┴─────────────┘ (支出の部) ┌───────────────┬───────┬─────────────┐ │科目             │金額     │内容           │ ├───────┬───────┼───────┼─────────────┤ │事業費    │各種負担金  │   180,000円│地区大会各支部負担金   │ │       │       │       │1支部2万円×9     │ ├───────┼───────┼───────┼─────────────┤ │支出合計額  │       │   180,000円│             │ └───────┴───────┴───────┴─────────────┘  実績報告書に添付されている収支決算書は、次の内容となっていた。 (収入の部) ┌───────────────┬───────┬─────────────┐ │科目             │金額     │内容           │ ├───────┬───────┼───────┼─────────────┤ │助成金    │開催助成金  │   90,000円│岐阜市補助金       │ ├───────┼───────┼───────┼─────────────┤ │繰入金    │繰入金    │   90,000円│協会事業費より      │ ├───────┼───────┼───────┼─────────────┤ │収入合計額  │       │   180,000円│             │ └───────┴───────┴───────┴─────────────┘ (支出の部) ┌───────────────┬───────┬─────────────┐ │科目             │金額     │内容           │ ├───────┬───────┼───────┼─────────────┤ │支援費    │各種負担金  │   180,000円│各支部負担金       │ │       │       │       │1支部2万円×9支部   │ ├───────┼───────┼───────┼─────────────┤ │支出合計額  │       │   180,000円│             │ └───────┴───────┴───────┴─────────────┘  岐阜県身体障害者岐阜地区体育大会事業実施報告書の収支決算書における収入の部 は、次の内容となっており、市の補助金は記載されていなかった。なお、これが誰の (どの団体の)収支決算書のかは記載されていなかった。 ┌───────┬───────┬─────────────────────┐ │       │決算額    │摘要                   │ ├───────┼───────┼─────────────────────┤ │委託金    │   300,000円│県身障協会委託金(2ブロック)      │ ├───────┼───────┼─────────────────────┤ │負担金    │   320,000円│支部負担金20,000円×16支部        │ ├───────┼───────┼─────────────────────┤ │合計     │   620,000円│                     │ └───────┴───────┴─────────────────────┘  同大会の開催要綱、補助金等交付申請書の収支予算書、実績報告書の収支決算書、同 大会の収支決算書を見る限り、本補助金が対象としている補助対象事業は、「一般財団 法人岐阜市身体障害者福祉協会による支部負担金の支出」と解釈するほかない。  市は、「一般財団法人岐阜市身体障害者福祉協会による支部負担金の支出」に対して、 その半額を補助しているが、交付目的(個別調査票に記載されている交付目的は体育 大会の目的ある)、必要性、有効性は明らかはなかった。また、事業評価シートは、 「岐阜県障害者スポーツ協会/一般財団法人岐阜市身体障害者福祉協会/岐阜地区知的 障がい者育成会/岐阜市視覚障害者福祉協会/岐阜市聴覚障害者協会/岐阜市肢体不自 由児者父母の会/岐阜県自閉症協会岐阜市ブロック/岐阜県難病団体連絡協議会岐阜支 部/社会福祉法人岐阜アソシア」に対する補助金がひとまとめで作成されており、本補 助金としての事業評価はなされていないと言わざるを得なかった。  本補助金は、昭和57年度から続いており、金額の変動もない。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
    的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  補助金等ガイドラインでは、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助目 的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果 が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交 付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超え ている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習 慣的)と示されている。 【指摘 障がい福祉課】  「一般財団法人岐阜市身体障害者福祉協会による支部負担金の支出」に対して、その 半額を補助する公益上の必要性が明らかにされていない。同協会は、上記のとおり、収 益事業により利益を留保しており、同協会に補助する必要性があるのかも疑問ある。  補助の公益上の必要性が認められるのかどうかを慎重に吟味し、本補助金の継続の 是非を検討した上で、その過程を記録に残すべきある。  なお、市は、一般財団法人岐阜市身体障害者福祉協会による開催を補助していると 認識しているが、そうとしても、同じことある。  91.保健医療関係団体補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市保健医療関係団体補助金交付要綱                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│本市における保健及び医療の充実及び発展並びに市民の健康増進を図る     │ └────┴─────────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │健康部 保健医療課                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市献血推進協議会                           │ │    │※構成員は、一般社団法人岐阜市医師会、社会福祉法人岐阜市社会福祉     │ │    │ 協議会、日本労働組合総連合会岐阜県連合会、岐阜市自治会連絡協議     │ │交付先 │ 会、一般社団法人岐阜市薬剤師会、岐阜市赤十字奉仕団、岐阜市中央     │ │    │ 卸売市場協会、ぎふ農業協同組合、岐阜県高等学校長協会、岐阜薬科     │ │    │ 大学、岐阜市等ある。                         │ │    │※事務局は、保健医療課にある。                      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │高校2年生への献血リーフレット配布、成人式での献血啓発チラシの配     │ │対象事業│布、移動採血者における献血者へ啓発資材配布、広報ぎふ、岐阜市HP     │ │    │に献血PR掲載、ポスター掲示等                      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成8年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   180,000│   180,000│   180,000│   180,000│   180,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   180,000│   180,000│   178,404│   180,000│   180,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │健康部 健康政策課                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市公衆衛生協議会                           │ │    │※構成員は、公益社団法人岐阜県看護協会、岐阜県クリーニング業生活     │ │    │ 衛生同業組合、公益社団法人岐阜県獣医師会、岐阜県美容業生活衛生     │ │    │ 同業組合、公益社団法人岐阜県診療放射線技師会、岐阜県理容生活衛     │ │    │ 生同業組合、一般社団法人岐阜市医師会、一般社団法人岐阜市歯科医     │ │交付先 │ 師会、岐阜市食品衛生協会、岐阜市鍼灸マッサージ師会、一般社団法     │ │    │ 人岐阜市薬剤師会、岐阜市浴場協同組合、生活衛生同業組合岐阜県映     │ │    │ 画協会、一般社団法人岐阜県助産師会、一般社団法人岐阜県栄養士会、    │ │    │ 一般社団法人岐阜県歯科衛生士会、岐阜市食生活改善推進協議会、岐     │ │    │ 阜市女性の会連絡協議会等ある。                    │ │    │※事務局は、健康政策課にある。                      │ │    │※この会は、岐阜県公衆衛生協議会の岐阜市支部を兼ねる。          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│岐阜市公衆衛生事業功労者表彰、地区保健活動配布用啓発用品の配布、     │ │    │犬及び猫の慰霊式への協力(献花)等                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和54年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   50,000│   50,000│   50,000│   50,000│   50,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   50,000│   50,000│   50,000│   50,000│   50,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │健康部 健康増進課                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市食生活改善推進協議会                        │ │交付先 │※構成員は、食生活改善推進員ある。                   │ │    │※事務局は、健康増進課にある。                      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │男の料理教室、親子ふれあい教室での試食提供、公民館まつりでの骨密     │ │対象事業│度測定時の試食提供、子ども会インリーダー対象料理教室、公民館文化     │ │    │祭での活動紹介、減塩と野菜摂取の啓発、「今日から変える生活習慣」で    │ │    │リーフレットの配布と情報提供等                      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成18年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   216,000│   216,000│   216,000│   216,000│   216,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   216,000│   216,000│   216,000│   216,000│   216,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘
    ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │健康部 食品衛生課                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市食品衛生協会                            │ │交付先 │※構成員は、岐阜市内に営業所又は事業所を有し、食品、添加物、器具、    │ │    │ 容器包装等の採取、製造、輸入、加工、調理、貯蔵、運搬、陳列、販     │ │    │ 売等を行う者等                             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │食品衛生功労者表彰、食品衛生優良施設表彰、機関紙「ぎふ食協より」    │ │    │の発行、食品衛生責任者講習会の実施、食品営業従事者の検便実施、食     │ │対象事業│品の自主検査実施、食品衛生啓発活動(チラシ等配布、子ども一日食品     │ │    │衛生監視員事業)、食品営業使用井戸水の検査、食品衛生関連物資の斡旋    │ │    │(隔測温度計、石けん液等)等                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和49年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   270,000│   270,000│   270,000│   270,000│   270,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   270,000│   270,000│   270,000│   270,000│   270,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │健康部 健康政策課                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │一般社団法人岐阜県医師会                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│健康増進等を周知するためのラジオ番組の放送等               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和53年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   350,000│   350,000│   350,000│   350,000│   350,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   350,000│   350,000│   350,000│   350,000│   350,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │健康部 健康政策課                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │一般社団法人岐阜市医師会                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│岐阜市医師会准看護学校の運営                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成27年                                 │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │健康部 地域保健課                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市あけぼの会                             │ │    │※構成員は、精神障がい者及びその家族ある。               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│講演会、学習会等の開催、障がい者及びその家族のための相談活動、精     │ │    │神障がい者について、地域住民への啓発活動等                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和59年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   90,000│   90,000│   90,000│   90,000│   90,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   90,000│   90,000│   90,000│   90,000│   90,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助金交付対象団体 【事実関係】  本補助金は、「本市における保健及び医療の充実及び発展並びに市民の健康増進を 図る」という広い目的によるものあるが、交付要綱において、「補助事業、補助事業 者、補助対象経費及び補助金の額は、別表に定めるところによる。」として、あらかじ め補助金交付対象団体を限定している。  別表は次のとおりある。(下線は他項目と異なる表記につき加筆した)。 ┌─┬───────────┬────────┬──────────┬─────────┐ │ │  補助事業の内容  │ 補助事業者  │  補助対象経費  │  補助金の額  │ ├─┼───────────┼────────┼──────────┼─────────┤ │1│献血の普及及び啓発活 │岐阜市献血推進協│事業活動費、会議  │補助対象経費の額 │ │ │動、献血の会場となる事│議会      │費、研修費、事務費 │(ただし、180,000 │ │ │業所への協力の依頼等 │        │その他補助事業に  │円を上限とする。)│ │ │献血を推進する事業  │        │要する経費     │         │ ├─┼───────────┼────────┼──────────┼─────────┤ │2│健康文化的市民生 │岐阜市公衆衛生協│事業活動費、会議  │補助対象経費の額 │ │ │活を図るため、公衆衛生│議会      │費、研修費、事務費 │(ただし、50,000 │ │ │の向上を推進し、並びに│        │その他補助事業に  │円を上限とする。)│ │ │公衆衛生思想の普及及 │        │要する経費     │         │ │ │び啓発活動を行う事業 │        │          │         │ ├─┼───────────┼────────┼──────────┼─────────┤ │3│健全食生活を実践で │岐阜市食生活改善│事業活動費、会議  │補助対象経費の額 │ │ │きる者の育成等食を通 │推進協議会   │費、研修費、事務費 │(ただし、216,000 │
    │ │じた市民の健康増進を │        │その他補助事業に  │円を上限とする。)│ │ │図る事業       │        │要する経費     │         │ ├─┼───────────┼────────┼──────────┼─────────┤ │4│食品に起因する危害の │岐阜市食品衛生協│当該事業に係る   │補助対象経費の額 │ │ │発生防止及び食品衛生 │会       │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   │(ただし、270,000 │ │ │思想の普及を図るため │        │事業費、会議費、研 │円を上限とする。)│ │ │に啓発活動を行う事業 │        │ ̄ ̄ ̄       │         │ │ │           │        │修費、事務費その他 │         │ │ │           │        │補助事業に要する  │         │ │ │           │        │経費        │         │ ├─┼───────────┼────────┼──────────┼─────────┤ │5│一般社団法人岐阜県医 │一般社団法人岐阜│事業活動費、会議  │補助対象経費の額 │ │ │師会に属する医師等が、│県医師会    │費、研修費、事務費 │(ただし、350,000 │ │ │ラジオ等により市民の │        │その他補助事業に  │円を上限とする。)│ │ │健康の保持、疾病の予 │        │要する経費     │         │ │ │防、疾病の早期発見等に│        │          │         │ │ │ついての広報活動を行 │        │          │         │ │ │う事業        │        │          │         │ ├─┼───────────┼────────┼──────────┼─────────┤ │6│一般社団法人岐阜市医 │一般社団法人岐阜│管理費、事業運営  │補助対象経費の額 │ │ │師会准看護学校が岐阜 │市医師会准看護学│ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  │(ただし、    │ │ │市医師会准看護学校を │校       │費、会議費、研修費、│2,000,000円を上  │ │ │運営する事業     │        │ ̄         │限とする。)   │ │ │           │        │事務費その他補助  │         │ │ │           │        │事業に要する経費  │         │ ├─┼───────────┼────────┼──────────┼─────────┤ │7│精神障がい者の社会参 │岐阜市あけぼの会│事業活動費、会議  │補助対象経費の額 │ │ │加、社会復帰等に対する│        │費、研修費、事務費 │(ただし、90,000 │ │ │支援を行う事業    │        │その他補助事業に  │円を上限とする。)│ │ │           │        │要する経費     │         │ └─┴───────────┴────────┴──────────┴─────────┘ 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 保健医療課、健康政策課、健康増進課、食品衛生課、地域保健課】  「本市における保健及び医療の充実及び発展並びに市民の健康増進を図る」という 広い目的によるのあれば、補助金交付対象団体をあらかじめ限定しておく合理的 理由はないと思われる。市は、上記の団体がその事業を行う唯一の団体あることを もって公募に適さないと考えているようあるが、それは、当該団体の事業に対して 補助することの公益上の必要性を根拠づける一つの事実あって、「本市における保 健及び医療の充実及び発展並びに市民の健康増進を図る」という目的で補助金を交付 する団体を公募しない理由にはならない。補助金の既得権化といわれることのないよ う公金支出の公正・公平の確保をするため、毎年度、各団体の事業に対して補助するか 否かを評価検証していることの説明責任を果たすため、新た団体の発掘や育成によ り「本市における保健及び医療の充実及び発展並びに市民の健康増進を図る」という 目的をより達成するためにも、補助金交付対象団体を公募すべきある。公募しない のあれば、「本市における保健及び医療の充実及び発展並びに市民の健康増進を図る」 という現在の交付要綱ではなく、当該団体の事業を補助する公益上の必要性が認めら れるよう要綱を策定すべきある。 (2)補助対象事業及び補助対象経費 【事実関係】  上記のとおり、交付要綱において、補助対象事業は、抽象的にしか定められていな い。補助対象経費の「事業費」や「事業活動費」も抽象的ある。  各補助事業者の決算書上、ほとんどの経費が補助対象経費となっていた。実績報告 書等を確認したところ、補助金の使用実態としては、下記のとおりあった。 ┌─┬────────────┬──────────────────────┐ │ │   補助事業者    │補助金の使用実態(判断理由)        │ ├─┼────────────┼──────────────────────┤ │1│岐阜市献血推進協議会  │運営費補助                 │ │ │            │(事業評価シートに運営費を補助するとの記載)│ ├─┼────────────┼──────────────────────┤ │2│岐阜市公衆衛生協議会  │事業費補助                 │ │ │            │(会費収入あり)              │ ├─┼────────────┼──────────────────────┤ │3│岐阜市食生活改善推進協議│事業費補助                 │ │ │会           │(会費収入あり)              │ ├─┼────────────┼──────────────────────┤ │4│岐阜市食品衛生協会   │事業費補助                 │ │ │            │(会費・事業収入あり)           │ ├─┼────────────┼──────────────────────┤ │5│一般社団法人岐阜県医師会│事業費補助                 │ │ │            │(県補助金及び医師会負担金あり)      │ ├─┼────────────┼──────────────────────┤ │6│一般社団法人岐阜市医師会│事業費補助                 │ │ │            │                      │ ├─┼────────────┼──────────────────────┤ │7│特定非営利活動法人岐阜市│事業費補助                 │ │ │あけぼの会       │(会費収入あり)              │ └─┴────────────┴──────────────────────┘ 【指摘 保健医療課、健康政策課、健康増進課、食品衛生課、地域保健課】  補助対象事業が抽象的あると、当該団体の既得権益的補助金になりがちあり、 現に本補助金はそのように見受けられる。運営費補助と事業費補助では補助対象経費 の範囲が異なるものある。  補助対象事業及び補助対象経費を具体的に定めるべきある。 (3)補助金算定根拠 【事実関係】  いずれも要綱別表において上限金額が定められているが、少なくとも過去5年間は 上限金額が補助金として支出されている(なお、岐阜市献血推進協議会に対する平成 29年度の補助金は178,404円あり、上限180,000円未満あった。)。その算定根拠 は明らかはなかった。 【指摘 保健医療課、健康政策課、健康増進課、食品衛生課、地域保健課】  補助金の内容毎に補助金の算定根拠を作成すべきある。 (4)終期の設定 【事実関係】  交付要綱に終期に関する定めはなく、長期にわたって支出されている。
    【規範】  補助金等ガイドラインでは、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助目 的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果 が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交 付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超え ている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習 慣的)と示されている。 【意見 保健医療課、健康政策課、健康増進課、食品衛生課、地域保健課】  補助対象者の現状把握、補助の継続、金額の妥当性、効果の把握等を行うべく、交付 要綱に終期を設定することが望ましい。 (5)指導監督 【事実関係】  岐阜市食品衛生協会に対する補助金の補助事業の内容は「食品に起因する危害の発 生防止及び食品衛生思想の普及を図るために啓発活動を行う事業」とされている。  一方、岐阜市食品衛生協会の平成30年度、令和元年度の決算書では、いずれも、岐 阜市からの補助金の説明は「岐阜市からの運営費補助金」とされており、補助金が何の 事業のために何の経費に使用されたのかが明らかなかった。 【指摘 食品衛生課】  要綱上は事業補助とされているが、補助団体では運営費補助として運用されている。  補助対象事業を具体的に規定した上で、当該事業の補助対象経費に補助金が使用さ れているかどうかの確認をしたことが分かる決算書を提出させるべきある。 (6)前金払 【事実関係】  岐阜市食品衛生協会の前金払請求書によれば、前金払申請の理由は「令和元年度事 業は年度当初から実施しているが、会費等の収入の多くは年度中旬以降の納入となる ことから、5月から開催の食品衛生責任者養成講習会や食品衛生責任者講習会等の諸 経費の支払い等運営費として必要ため」とされている。また、令和元年度決算報告の 添付文書には、本年度末「繰越金637千円について、総会の費用と、4~5月分人件 費の支出に必要となる」と記載されている。  一方、令和元年度末の財産目録の提出を求めたところ、財政調整基金(歳出の部「積 立金」の累積に該当)残高は、3,069,259円あった。6月14日以前の支出額は、上 記より、2,168,775円あり、積立金額と繰越金額を合計した額を下回る。 【規範】  岐阜市補助金等交付規則第18条第2項は、前金払を受けようとする者は、補助金 等前金払請求書を提出しなければならないとされている。  テーマ別マニュアルでは、資金交付があらかじめなされなければ、当該補助事業等 の遂行が適わず、補助金の交付目的を達成し得ないと認められる場合に限って、前金 払による支出が認められるとし、前金払請求理由は適切具体的ものなければな らないとされている。 【指摘 食品衛生課】  会費収入が入る前に支出があるというだけは補助金を前金払する必要性は認めら れない。積立金300万円以上、繰越金80万円以上を有する団体に対し、27万円の補助 金を前金払する必要性があるとは認め難い。  前金払の必要性が認められる場合にのみ前金払をすべきある。 (7)補助の見直し 【事実関係】  岐阜市食品衛生協会に対する補助金の額は、平成10年度以降毎年度27万円ある。  同協会の場合、収入金額のうち補助金の額の占める割合は約1.5%に過ぎない。  平成30年度、令和元年度の資料によれば、同協会の各年度歳入歳出決算書の概要は 下記のとおりある。 ┌─────────────────┬─────────┬─────────┐ │                 │平成30年度(円) │令和元年度(円) │ ├─────────────────┼─────────┼─────────┤ │歳入の部             │   18,398,750 │   19,610,477 │ │ (内、岐阜市補助金)      │    (270,000)│    (270,000)│ ├─────────────────┼─────────┼─────────┤ │歳出の部             │   17,761,314 │   18,741,074 │ │    (内、総会費)      │    (193,735)│    (207,255)│ │    (内、積立金)      │    ( 70,996)│    (600,000)│ ├─────────────────┼─────────┼─────────┤ │差引残額(翌期繰越金)      │     637,436 │     869,403 │ └─────────────────┴─────────┴─────────┘  上記のとおり、令和元年度末の財政調整基金(歳出の部「積立金」の累積に該当)残 高は、3,069,259円あった。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助目 的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果 が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交 付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超え ている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習 慣的)と示されている。 【指摘 食品衛生課】  対象団体の収支や財産状況も精査し、補助金の必要性を吟味した上で、補助の継続 の可否、補助金額の検討を行い、その過程を記録に残すべきある。 (8)平成23年度包括外部監査の措置状況(一般社団法人岐阜市医師会) 【事実関係】  一般社団法人岐阜市医師会に対する補助金については、平成23年度の包括外部監査 の対象となっており、その指摘・意見、市の措置状況、本監査での確認内容は次のとお りある。 ┌───────────┬────────────┬────────────┐ │平成23年外部監査   │措置状況        │ 措置状況の確認等   │ │   指摘・意見の内容│(平成26年報告措置状況)│            │ ├───────────┼────────────┼────────────┤ │(意見)補助金の見直し│ 平成24年より、収支決算│ 令和元年度は退職引当金│ │の必要性と実質的補助│書以外の資料として積立金│があったため、退職積立金│ │の必要性の検討について│にかかる資料を提出させ必│につき、退職者数の確認を│ │ 収支決算書以外の決算│要性について確認をしてい│行ったとのことあった。│ │書の入手の必要性と補助│る。平成26年度に准看護学│            │ │金の算定根拠を明確化す│校が移転するため、今後の│            │ │ることが望まれる。  │准看護学校の運営状況を確│            │ │           │認し、見直すこととする。│            │ └───────────┴────────────┴────────────┘ 【指摘 健康政策課】  退職者数を確認するのみならず、退職積立金の算定資料を求め、退職積立金残高が 適正あるか確認すべきある。
    【事実関係】 ┌───────────┬────────────┬────────────┐ │平成23年外部監査   │措置状況        │ 措置状況の確認等   │ │   指摘・意見の内容│(平成26年報告措置状況)│            │ ├───────────┼────────────┼────────────┤ │(意見)准看護学校へ補│ 現在の准看護学校への求│ 平成26年度以降の卒業 │ │助する必要性について │人状況は、卒業生の数を上│生の就職状況等につき、資│ │ 准看護師に対する社会│回り、卒業生の就業者のほ│料が提出された。    │ │的ニーズの減少が生じ│とんどが本市内に就職して│ 下表のとおり、就業者に│ │ていることから、准看護│いる状況あった。今後も│占める市内就職者の割合は│ │学校に対する補助の必要│求人状況、卒業後の進路状│過半数以上あった。  │ │性を見直すことが望まれ│況について、毎期確認を行│            │ │る。         │っていくこととした。  │            │ └───────────┴────────────┴────────────┘ ┌──────┬───┬────┬─────┬───┬───┬───┬───┐ │      │就業者│うち市内│ (B)/ │定時制│全日制│未就 │その │ │      │(A)│就職者数│ (A) │進学者│進学者│業者 │ 他 │ │      │   │(B) │     │   │   │   │   │ ├──────┼───┼────┼─────┼───┼───┼───┼───┤ │平成26年度 │ 29 │ 21  │ 72.41% │ 26 │ 21 │ 2 │ 1 │ ├──────┼───┼────┼─────┼───┼───┼───┼───┤ │平成27年度 │ 33 │ 17  │ 51.52% │ 27 │ 12 │ 4 │ 0 │ ├──────┼───┼────┼─────┼───┼───┼───┼───┤ │平成28年度 │ 35 │ 21  │ 60.00% │ 30 │ 9 │ 5 │ 0 │ ├──────┼───┼────┼─────┼───┼───┼───┼───┤ │平成29年度 │ 23 │ 16  │ 69.57% │ 24 │ 6 │ 5 │ 2 │ ├──────┼───┼────┼─────┼───┼───┼───┼───┤ │平成30年度 │ 16 │ 9  │ 56.25% │ 32 │ 8 │ 11 │ 2 │ ├──────┼───┼────┼─────┼───┼───┼───┼───┤ │令和元年度 │ 17 │ 12  │ 70.59% │ 21 │ 8 │ 2 │ 1 │ └──────┴───┴────┴─────┴───┴───┴───┴───┘ (9)前金払の検討(一般社団法人岐阜市医師会) 【事実関係】  一般社団法人岐阜市医師会の前金払請求書によれば、前金払申請の理由は「上半期 の運営資金に充当するため、(補助金の)前金払を要望します」と記載されているだけ で、具体的理由は記載されていない。 【規範】  岐阜市補助金等交付規則第18条第2項は、前金払を受けようとする者は、補助金 等前金払請求書を提出しなければならないとされている。  テーマ別マニュアルでは、資金交付があらかじめなされなければ、当該補助事業等 の遂行が適わず、補助金の交付目的を達成し得ないと認められる場合に限って、前金 払による支出が認められるとし、前金払請求理由は適切具体的ものなければな らないとされている。 【指摘 健康政策課】  抽象的記載では、前金払の必要があると認められることが確認できない。  具体的理由の記載がない場合は記載内容について指導した上で、前金払の必要性 が認められる場合にのみ前金払をすべきある。  92.平和啓発推進補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │市民協働推進部 男女共生・生涯学習推進課                 │ │    │※令和元年度は、市民参画部 男女共生・生きがい推進課           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市平和啓発推進補助金交付要綱                     │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市の平和に関する啓発活動の推進を図る(要綱の文言)          │ └────┴─────────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │    │原水爆禁止岐阜県協議会                          │ │    │※構成員は、新日本婦人の会岐阜県本部、岐阜県労働組合総連合、岐阜     │ │交付先 │ 県商工団体連合会、岐阜県教職員組合、岐阜県民主医療機関連合会、     │ │    │ 日本共産党岐阜県委員会、岐阜県平和委員会、自由法曹団岐阜支部、     │ │    │ 日本民主青年同盟岐阜県委員会ある。                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│原水爆禁止世界大会・長崎大会への派遣、原爆の絵の展示、原水爆禁止     │ │    │大行進等                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和55年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   50,000│   50,000│   50,000│   50,000│   50,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   50,000│   50,000│   50,000│   50,000│   50,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助金交付対象団体 【事実関係】  交付要綱では、交付対象団体は、市内に主たる事務所を有し、かつ、本市の平和に関 する啓発事業に寄与する活動を行っている団体とされている。  しかし、本補助金の交付団体の公募はなされておらず、原水爆禁止岐阜県協議会に のみ補助金を交付し続けている。上記のとおり、当該協議会の構成員には、特定の政党 や特定の思想に基づく団体が含まれている。  交付の決裁書では、当該団体が岐阜空襲関係資料の貸出や展示、戦争体験の聞き取 りを行うことを理由にしているが、実績報告書添付の事業報告書には、その記載がな い。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
    的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 男女共生・生涯学習推進課】 「岐阜市の平和に関する啓発活動の推進を図る」という交付目的、「市内に主たる事務 所を有し、かつ、本市の平和に関する啓発事業に寄与する活動を行っている団体」とい う交付対象団体の定めからしても、本団体に特定の政党や特定の思想に基づく団体が 含まれていることからしても、はじめから原水爆禁止岐阜県協議会に限定するのは公 正とはいえない。交付対象団体を公募すべきある。公募しないのあれば、「岐阜市 の平和に関する啓発活動の推進を図る」という現在の交付要綱ではなく、当該団体の 事業を補助する公益上の必要性が認められるよう要綱を策定すべきある。 (2)補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、補助対象経費は、平和に関する啓発事業に係る経費としか定められ ていない。市によれば、実績報告書添付の収支決算書でいえば、事業費101,007円(世 界大会等派遣費、講師料)、旅費88,260円(会議交通費)、会議費15,040円(会場費) が補助対象経費あるとのことあるが、それらの内訳は確認しておらず、平和に関 する啓発事業に係る経費に該当するのかどうかを審査したとは言い難い。 【指摘 男女共生・生涯学習推進課】  個別具体的費用の分かる予算書や決算書を提出させるべきある。 (3)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は40年近く継続し て原水爆禁止岐阜県協議会に交付されており、長期にわたっている。  交付要綱では、補助金の額は、予算の範囲内とあるのみある。少なくとも直近5年 間は金額が変動していない。金額の算定根拠は明らかない。  世界大会への派遣が岐阜市の平和に関する啓発活動といえるのか等補助対象経費と しているものが補助対象事業に係る経費といえるのか疑問がある。  同団体は、事業収入、分担金収入、会費収入等があり、収入かつ支出の合計755,131 円に対し、補助金50,000円あり、補助率は6.6%と低い。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 男女共生・生涯学習推進課】  団体の運営補助から事業補助に切り替えるべきある。そして、交付要綱において、 岐阜市の平和に関する啓発活動を行うという交付目的を達成するために必要かつ有効 といえる具体的補助対象事業を定め、補助対象事業毎に具体的補助対象経費を定 め、一定の補助率と補助上限額を具体的に設定すべきある。  93.岐阜市遺族連合会運営費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │福祉部 福祉政策課                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市遺族連合会                             │ │    │※構成員は市内の35地区にある遺族会ある(会員は約1,800名)。       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│靖国神社参拝、慰霊祭・追悼式の開催、全国戦没者追悼式等への参加、     │ │    │助成金の交付等                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市遺族連合会運営費補助金交付要綱                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市遺族連合会が行う戦没者遺族の福祉の増進その他の戦没者遺族の     │ │    │援護に係る事業を支援する(要綱の文言)                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和56年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  2,010,000│  2,010,000│  2,010,000│  2,010,000│  2,010,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  2,010,000│  2,010,000│  2,010,000│  2,010,000│  2,010,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助対象経費及び補助金の額 【事実関係】  補助対象経費は以下の事業に関する経費とされており、予算の範囲内でこれら経費 に相当する額を交付することとされている(要綱第3条)。  1) 戦没者遺族の福祉の増進に関する経費  2) 英霊の顕彰に関する経費  3) 遺族処遇改善運動に関する経費  4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める経費  なお、慶弔見舞金及び供物の要する経費と国、地方公共団体等からの補助金その他 の給付金の対象となった経費は対象としないものとなっている。  収支決算書によれば、「会議費307,195円」、「靖国団体参拝費1,165,383円」、「参加 負担金(全国戦没者追悼式、沖縄・南方諸地域戦没者追悼式)475,000円」とあるだけ で、何に使った経費のかが不明確ある。  また、「校区助成金385,000円」として各校区に交付されているようあるが、各校 区の何に使われたのかが不明ある。  全国追悼式の「参列者負担金50,000円」、沖縄追悼式の「参列者負担金10,000円」 も、何の費用か不明ある。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 福祉政策課】  個別具体的費用の分かる予算書や決算書を提出させるべきある。 (2)補助の公正性 【事実関係】
     実績報告書によれば、総理大臣が靖国神社へ参拝されるようチラシ配布を行ったと ある。 【意見 福祉政策課】  総理大臣の靖国神社参拝は、いわゆる靖国問題として、信教の自由や政教分離等様々 争点のある事項あるところ、それを推奨する活動をする団体に補助金を交付する ことが公正といえるのか、検討することが望ましい。 (3)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は、昭和56年度か ら開始しており、長期にわたっている。  交付要綱では、補助金の上限を予算の範囲内とし、交付申請額は、予算額となってい る。少なくとも直近5年間は金額が変動しておらず、金額の算定根拠はなく、前年踏襲 ある。  戦没者遺族の福祉の増進その他の戦没者遺族の援護という目的に照らして、個別具 体的経費について、補助の必要性を検討した形跡はない。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 福祉政策課】  事業補助に切り替えるべきある。交付目的と公益上の必要に照らして、補助対象 事業、補助対象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定した上で、交付目的達 成のために必要事業を明確にさせ、当該事業の経費を補助する必要のある補助金を 交付するようにすべきある。  市によれば、「組織の活動についてその必要性を継続的に検証する中で、これまで補 助する必要があるものとしてきており、構成員の高齢化も進展する中で、今なお育成 補助としての終期の到来には至っておらず、今後も組織を守っていくため、あらゆる 事業に対し個別及び相互間で継続的かつ全体で検証を行いながら育成を続けていく」 とのことあるが、組織の活動というのは、つまり個々の事業あり、その必要性を検 証するというのがまさに事業補助ある。目的達成のために必要かつ有効事業に補助 金を交付するほうが、むしろその活動を的確に推進できると考える。そうすることにより、 補助の必要性と効果の検証が個別具体的になされることになり、市が公金ある補助金 を特定の組織に対して既得権的に交付していないことを示すことができる。市が述べてい るように、事業を個別に検証されたい。  94.勤労者福祉事業補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 労政・経営支援課                         │ │    │※令和元年度は、商工観光部 産業雇用課                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜県労働者福祉協議会岐阜支部                      │ │交付先 │岐阜地区労働組合協議会                          │ │    │岐阜地区労働組合総連合                          │ │    │日本労働組合総連合会岐阜県連合会・岐阜地域協議会             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜県労働者福祉協議会岐阜支部                      │ │    │→ソフトボール大会、テニス大会、ボウリング大会、鯉釣大会等        │ │    │岐阜地区労働組合協議会                          │ │    │→定期大会、高齢者懇談会、岐阜県中央メーデー・原水爆禁止世界大会・    │ │対象事業│ 全国地区労交流会・護憲大会の参加等                   │ │    │岐阜地区労働組合総連合                          │ │    │→団体交渉の参加、研修会、岐阜県中央メーデー等の参加等          │ │    │日本労働組合総連合会岐阜県連合会・岐阜地域協議会             │ │    │→相談会、研修会、岐阜県中央メーデー等の参加等              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市勤労者福祉事業補助金交付要綱                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│勤労者の福祉の増進を図るため(要綱の文言)                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和63年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  1,500,000│  1,500,000│  1,400,000│  1,400,000│  1,200,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   938,618│  1,193,696│   931,803│  1,003,903│   785,043│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助金交付対象団体 【事実関係】  交付要綱において、補助金交付対象団体を上記の団体に特定し、労働福祉団体及び 労働団体が実施する各種事業に対して補助金を交付するとしている。  市は、市に存在する勤労者のうち、どの程度の労働者が上記団体に加入しているか は把握していない。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 労政・経営支援課】  労働組合は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進するこ とにより労働者の地位を向上させることを目的とするものあり、かかる目的は勤労 者の福祉の増進とは異なるものある。上記団体の事業に補助をすることと「勤労者 の福祉の増進」という目的にどれほどのつながりがあるのか疑問ある上、組合運動 をしている一部の者だけの事業に対する補助となっているともいいうる。  「勤労者の福祉の増進」という目的で補助金を交付するのあれば、補助対象団体を 見直すべきあるし、上記団体の事業に補助金を交付するのあれば、当該団体にの み補助金を交付する公益上の必要性が認められるかどうかを慎重に吟味した上で、適 切交付目的を設定すべきある。
    (2)補助対象事業及び補助対象経費 【事実関係】  交付要綱で、補助対象事業及び補助対象経費を次のように定めている。 ┌───────────────┬──────────────────────────┐ │    補助対象事業     │          補助対象経費          │ ├───────────────┼──────────────────────────┤ │1 作品展、学習会、相談会その│作品の回収、展示、撤去及び返却時の係員及び助務者の │ │ 他の教養・文化活動に関する │手当                        │ │ 事業            │会場要員手当 審査員、講師及び相談員の謝礼 参加賞・│ │               │賞品代 受賞者茶代 会場用事務用消耗品 審査員、講 │ │               │師及び相談者の食事代 ポスター、チラシ、要項、賞状 │ │               │等印刷代 案内状、要項等送料 審査員、講師、相談者 │ │               │の旅費及び日当 会場借上料 作品運搬用自動車借上料 │ │               │会場設営 作品の展示、撤去、運搬等に係る経費及び保 │ │               │険料 看板作成料 図録用写真撮影及び印刷代並びに配 │ │               │布送料 その他事業運営に必要と認められる経費    │ ├───────────────┼──────────────────────────┤ │2 健康の増進に関する事業  │審判員謝礼 参加賞・賞品代 大会用事務用消耗品 審 │ │               │判員の食事代 大会用ポスター、要項、賞状等印刷代 大│ │               │会開催案内状等送料 行事共済保険料 審判員の旅費及 │ │               │び日当 大会会場借上料 その他事業運営に必要と認め │ │               │られる経費                     │ ├───────────────┼──────────────────────────┤ │3 勤労者の祭典に関する事業 │メーデー実行委員会への分担金            │ ├───────────────┼──────────────────────────┤ │4 調査研究に関する事業   │参加費 旅費 図書購入費 その他事業運営に必要と認 │ │               │められる経費                    │ ├───────────────┼──────────────────────────┤ │5 諸会議等対外活動事業   │大会開催案内状等送料 議案書印刷代 大会会場借上料 │ │               │会場用事務用消耗品 来賓の食事代 他団体会議・大会 │ │               │の参加費及び旅費 その他事業運営に必要と認められる │ │               │経費                        │ ├───────────────┼──────────────────────────┤ │6 前各項に準ずる労働福祉事 │前各項に準じ市長が認めるもの            │ │ 業として市長が認めるもの  │                          │ ├───────────────┴──────────────────────────┤ │備考 参加賞、賞品代、食事代及び旅費が別に定める額を超える場合は、その超える額につ │ │ いて補助対象経費として認めない。                         │ └──────────────────────────────────────────┘  実際の補助対象事業の中には、護憲大会への参加(具体的には、「安倍政治NO」と 訴える大会への参加)や、出席者が著しく少ないものもあった。  個別具体的企業との団体交渉の参加の費用も補助対象経費とされていた。 【意見 労政・経営支援課】  護憲大会は、その活動内容として政治的性質が強くうかがわれるところあり、 当該大会への出席活動をも対象として補助金支出することについては、行政の政治的 中立性に反する疑いを持たれかねない。個別の団体交渉にかかる費用を補助すること に公益性が認められるのか疑問ある。  公正かつ有効補助金の交付となるよう、補助対象事業を精査することが望ましい。  95.人権推進事業補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │市民協働推進部 人権啓発センター                     │ │    │※令和元年度は、市民参画部 人権啓発センター               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市人権推進事業補助金交付要綱                     │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│人権の擁護及び人権啓発の推進(交付要綱より)               │ └────┴─────────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │部落解放同盟岐阜県連合会岐阜市内支部                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│集会、相談、研修会、交流会等                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成14年度(現要綱の制定年度)                      │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   563,000│   563,000│   563,000│   300,000│   300,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   563,000│   563,000│   300,000│   300,000│   300,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │自由同和会岐阜県本部岐阜支部                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│会議、学習会等                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成14年度(現要綱の制定年度)                      │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   463,000│   463,000│   463,000│   463,000│   463,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   463,000│   463,000│   463,000│   463,000│   463,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)交付目的と補助金交付対象団体 【事実関係】  交付要綱では、交付目的は「人権の擁護及び人権啓発の推進」とされ、補助対象団体 は、「同和問題の解決に向けた人権推進事業を実施する団体」、「人権擁護委員協議会」、 「法令に基づき人権推進事業を実施する団体」と規定されている。  実際に本補助金が交付されているのは、上記2団体ある。 【規範】
     地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 人権啓発センター】  実質的には上記2団体に対する補助金となっている。同和問題が重要人権問題で あることは理解するが、人権問題が同和問題に限られるわけはない。「人権の擁護及 び人権啓発の推進」という交付目的を維持するのあれば、「法令に基づき人権推進事 業を実施する団体」と限定した規定ではなく、広く「人権推進事業を実施する団体」と 規定した上で、交付対象団体を公募すべきある。公募しないのあれば、交付要綱に おいて、特定の団体に補助金を交付する必要性及び相当性が明らかとなるよう交付 目的及び補助対象団体を定めるべきある。 (2)補助対象経費 【事実関係】  交付要綱では、補助対象経費は、「地域住民による同和問題解決に向けての団体運営 事業、啓発活動及び調査研究事業に要する費用」としか定められていない。  部落解放同盟岐阜県連合会岐阜市内支部の実績報告書添付の決算書では、「基本法活 動費60,250円」や「全国女性集会87,500円」、自由同和会岐阜県本部岐阜支部の実績 報告書添付の決算書では、「役員活動費170,000円」や「啓発事業部226,584円(学習 会 栄同研新年の集い)」としか記載されておらず、その内訳は記載されていない。 【規範】  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目あるとさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。 【指摘 人権啓発センター】  交付要綱に、個別具体的補助対象経費を定めるべきある。 (3)補助金の額 【事実関係】  部落解放同盟岐阜県連合会岐阜市内支部に対する補助金では、同団体の支出合計 1,219,375円のうち646,875円を補助対象経費とし、その2分の1ある323,437円 が予算額300,000円を超えているとして、補助金の額を300,000円に確定している。 他方、同団体には、収入として、同盟費240,000円、闘争カンパ670,000円があり、 繰越金9,500円もある(合計919,500円)。しかし、補助金の額の確定にあたって、こ れらの収入や繰越金を考慮していない。  自由同和会岐阜県本部岐阜支部に対する補助金では、同団体の支出合計941,860円 のすべてを補助対象経費とし、その2分の1ある470,930円が予算額463,000円を 超えているとして、補助金の額を463,000円に確定している。他方、同団体には、収入 として、県本部ほかからの補助金230,000円、会費250,000円があり、繰越金2,100円 もある(合計482,100円)。しかし、補助金の額の確定にあたって、これらの収入や繰 越金を考慮していない。 【意見 人権啓発センター】  補助対象団体が得ている収入や財産状況を考慮することなく補助金の額を定めるの では、市から定額(補助対象経費の2分の1を予算額以上にすればそうなる)の金銭の 交付を受けられることを前提にして、それで不足する分を自己資金で補うという形に なってしまい、自己資金では不足するので補助を受けるという補助金の本来のあり方 はない。本補助金は、実態としても、そうなっている。  交付要綱において、補助金の額を、補助対象経費から負担金、協賛金その他の収入を 除いた額を基準にして算定する定めを設けることが望ましい。 (4)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は少なくとも20年 近く継続して上記2団体にのみ交付されており、長期にわたっている。  交付要綱では、補助対象事業を「地域住民による同和団体問題解決に向けての団体 運営事業、啓発活動及び調査研究事業」と包括的・抽象的にしか規定していない。  交付要綱では、補助金の上限を「予算の範囲内」としており、補助上限額の設定がな い。  交付申請額は、予算額と同額となっている。部落解放同盟岐阜県連合会岐阜市内支 部に対するものは平成30年度から予算額が変更されているものの、自由同和会岐阜県 本部岐阜支部に対するものは変動していない。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 人権啓発センター】  事業補助に切り替えるべきある。そして、人権の擁護及び人権啓発の推進という 交付目的又は特定の団体に補助金を交付する目的に照らして、補助対象事業を個別具 体的に定め、補助対象事業毎に個別具体的補助対象経費を定め、補助上限額も具体 的に設定した上で、必要のある補助金を交付するようにすべきある。  96.地域ぐるみ学校人権教育推進委員会補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 学校指導課                          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │地域ぐるみ学校人権教育推進委員会                     │ │    │※構成員は、学校長(4校)、人権教育担当教員(2校)、人権教育担当主    │ │交付先 │ 事(4校)、自治会関係者                         │ │    │                                     │ │    │                                     │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│学習会の開催、家庭訪問、就職相談等                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│地域ぐるみ学校人権教育推進委員会補助金交付要綱              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│小中学校における人権教育を地域ぐるみで推進する(要綱の文言)       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤
    │開始年度│平成26年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   870,000│   870,000│   870,000│   870,000│   870,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   870,000│   870,000│   870,000│   870,000│   870,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助の目的 【事実関係】  交付目的は「小中学校における人権教育を地域ぐるみで推進する」というものあ るが、補助対象事業者ある「地域ぐるみ学校人権教育推進委員会」は、構成員が特定 の地域の学校関係者と自治会関係者に限られており、その活動内容からしても、同和 問題に関する偏見・差別を解消することを目的としている団体ある。ヒアリングに おいても、そのよう回答あった。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 学校指導課】  交付要綱にある「小中学校における人権教育を地域ぐるみで推進する」という目的 で補助金を交付するのあれば、人権教育は同和問題に限られるものはないのであ るから、全ての学校と地域を対象とした、広く人権教育を推進する事業を補助する補 助金にすべきある。同和問題に関する偏見・差別を解消する目的で活動する団体の 事業を補助するのあれば、その必要性及び相当性を明らかにした補助金の名称や目 的を交付要綱に定めるべきある。 (2)補助対象事業 【事実関係】  交付要綱では、補助対象事業として、「(1)学校又は地域における人権教育に係る研 修会、人権に係る相談会等の開催、(2)学校に在籍する児童又は生徒を対象とする人 権に関する学習に関する指導」(第2条)と定めている。  実績報告書によれば、活動内容として、学習支援(定期テストの勉強)、ロシア音楽 コンサート、LGBTの講演会等が含まれていた。 【指摘 学校指導課】  学習支援(定期テストの勉強)、ロシア音楽コンサートは、上記の補助対象事業には 該当しないのはないかと思われる。LGBTの講演会は、一般的意味での人権教 育に該当するが、本補助金における人権教育は、上記のとおり、同和問題に関する偏 見・差別を解消することを目的としているため、やはり上記の補助対象事業には該当 しないと思われる。  交付要綱で定めた補助対象事業にのみ補助金を交付すべきある。 (3)実績報告 【事実関係】  交付要綱では、補助対象経費は、対象事業にかかる「講師謝金、消耗品その他の市長 が必要と認めた経費」とされている。  令和元年度決算報告書によれば、870,000円の補助金のうち、消耗品費が合計315,514 円あるところ、その内訳は「DVD、用紙代」、「信号変換コンバーター、ファイル 等」、「記録用ビデオ、記録用カメラ、SDHCカード」、「用紙、インク、記念品代等」 とされているのみ、使用目的の詳細が不明あった。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。 【意見 学校指導課】  支出の内訳と使用目的が明確になる報告書を提出させることが望ましい。 (4)補助の見直し 【事実関係】  交付要綱には、本補助金の目的は「小中学校における人権教育を地域ぐるみで推進 する」と記載されているが、事業評価シートには、成果指標として「地域ぐるみ学校人 権教育推進委員会の参加校数」、「参加者数」が用いられている。  本補助金は、平成26年度から開始されており、少なくとも5年間は870,000円が交 付されている。870,000円の算定根拠は不明あり、補助金の申請額が予算額と同額と なっている。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助目 的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果 が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交 付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超え ている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習 慣的)と示されている。 【指摘 学校指導課】  「参加校数」は当初より決まっているのあるから、それを成果指標とするのは明 らかに不適切ある。このよう指標で評価していることは、補助目的を踏まえた費 用対効果の検証がなされていないことを推認させるものある。  適切成果指標によって事業評価を行うとともに、上記(1)で述べたように補助の 目的と補助金の在り方を適切に設定した上で、それを踏まえた補助対象事業、補助対 象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定し、補助の必要のある額を交付する ように見直すべきある。  97.岐阜市読書サークル協議会活動推進事業補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │市民協働推進部 図書館                          │ │    │※令和元年度は、教育委員会 図書館                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市読書サークル協議会                         │ │    │※構成員は、読書サークル(46団体)の会員ある。             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│文学旅行、文学講座の開催、機関誌の発行等                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤
    │根拠規定│岐阜市読書サークル協議会活動推進事業補助金交付要綱            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市民の読書活動を推進することにより、生涯学習の機会を提供し、及    │ │    │び市民協働を推進する(要綱の文言)                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和50年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   103,000│   103,000│   103,000│   103,000│   103,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   103,000│   103,000│   103,000│   103,000│   103,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助対象事業 【事実関係】  本補助金の交付目的は、「岐阜市民の読書活動を推進することにより、生涯学習の機 会を提供し、及び市民協働を推進する」ことにある。  交付要綱では、補助対象事業は、次のとおり定められている。  「読書サークル相互の提携協力の促進に関する事業」  「読書を通じて地域の文化活動を推進する事業」  「市民の読書活動を支援する事業」  「その他市長が市民の読書活動を推進するため必要と認める事業」  実際に行われている事業は、文学旅行、文学講座の開催、機関誌の発行等ある。文 学旅行[御上神社・石山寺・建部大社(京都府大津市他)]は、各読書サークルの会員の みが参加している。文学講座は誰でも参加できるようにはなっているが、結果として は、ほとんどの参加者は各読書サークルの会員ある。機関誌も、各読書サークルの会 員に交付されている。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【意見 図書館】  市は、各読書サークル間の親睦・交流を図ることが、市民の読書活動を推進すること になると考えているようある。本団体は、文学旅行や文学講座のように読書サーク ルの会員が参加する事業のほかに、市民に向けた活動も行っているようあり、そう いった活動あれば、市民の読書活動を推進することになると理解できるが、各読書 サークル間の親睦・交流を図ることが市民の読書活動を推進することになるというの は、直ちには受け入れ難い。  「市民の読書活動を推進する」という交付目的で、「読書サークル相互の提携協力の 促進に関する事業」を補助対象事業とすることはやめることが望ましい。 (2)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は昭和50年度から 開始しており、長期にわたっている。  交付要綱では、補助金の上限を予算の範囲内としているだけ、具体的に設定され ていない。本団体からの交付申請額は予算額と同額ある。少なくとも直近5年間は 金額が変動していない。金額(予算額)の算定根拠はない。  同団体は、収入として、会費103,500円、受講料850,000円等があるが、補助対象 経費の算定において、これらの収入は考慮されていない。  支出合計1,015,746円に対し、補助金額103,000円と、補助率は10%と低い。  本団体の報告書や決算書を見る限り、その事業のほとんどは、各読書サークルに所 属する会員に向けられた事業ある。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【意見 図書館】  現状を見る限り、各読書サークルの会員となっている者しか補助事業の効果を得て いないと受け取らざるを得ない。「市民の読書活動を推進する」という目的のために、 「各読書サークルの会員の集合体ある任意団体」に対して公金ある補助金を交付 する公益上の必要性が認められるのか、市民に理解されるだけの合理的説明を書面 に残すことが望ましい。 【指摘 図書館】  公益上の必要性が認められるとしても、団体の運営補助ではなく事業補助に切り替 えるべきある。そして、交付要綱において、「市民の読書活動を推進する」という交 付目的を達成する手段として必要かつ有効といえる補助対象事業を具体的に定め、補 助対象事業毎に補助対象経費を具体的に定め、一定の補助率と補助上限額を具体的に 設定すべきある。  98.岐阜市視聴覚教育連絡協議会補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 社会・青少年教育課                      │ │    │※令和元年度は、教育委員会 青少年教育課                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市視聴覚教育連絡協議会                        │ │    │※構成員は、視聴覚機器等を利用して生涯学習活動や地域ボランティア     │ │交付先 │ 活動をしている各校区の団体、営利を目的としない一般視聴覚サーク     │ │    │ ル、クラブ等ある。                          │ │    │※事務局は、社会・青少年教育課にある。                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│映像コンクール、小中学生写真コンクール、子ども写真教室の開催、会     │ │    │報の発行等                                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市視聴覚教育連絡協議会補助金交付要綱                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│視聴覚教育の推進(要綱の文言)                      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和29年度                                │
    ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   100,000│   100,000│   100,000│   100,000│   100,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   100,000│   100,000│   100,000│   100,000│   100,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助対象事業 【事実関係】  交付要綱では、本補助金の目的は「視聴覚教育の推進」(第1条)とされ、交付の対 象は「(1)視聴覚教育に係る指導者及び協力員の育成、(2)視聴覚教育を実施する団 体間の連絡調整、(3)視聴覚教育の推進を目的とする会議及び研修、(4)視聴覚教育 に関する調査及び研究、(5)視聴覚教育に関する広報及び啓発、(6)市長が視聴覚教 育の推進に必要と認めた事業」(第2条)とされている。  子ども写真教室は年に1回のみの開催ある。映像コンクールは成人の応募者が多 い。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。  テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず れもあらゆる補助事業等について、その適正執行を確保するために必要不可欠も のあるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振 った具体的『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要審査項目あるとさ れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし て挙げられている交付要綱では、個別具体的費用が補助対象経費として定められて いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確 認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ ている。  交付要綱(本補助金では実施要綱)は、上記の要請を達成するために重要規範とな るものある。交付要綱の記載が抽象的は、個々の職員の判断によることになり、手 続きの公正さが確保できない。 【指摘 社会・青少年教育課】  対象事業は、(1)ないし(5)のいずれにも該当しないように思える。映像コンク ールの開催は、交付目的ある「視聴覚教育の推進」との繋がりが希薄ある。  交付要綱において、交付目的に沿った補助対象事業及び補助対象経費を具体的に定 めるべきある。 (2)補助の見直し 【事実関係】  交付要綱には、本補助金の目的は、「視聴覚教育の推進」と記載されているが、事業 評価シートには、成果指標として「補助金額」、「団体総事業費に占める市補助金割合」 が用いられている。  本補助金は昭和29年度から開始しており、長期にわたっている。  補助金の額は100,000円で固定化されており、算定根拠は不明ある。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助目 的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果 が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交 付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超え ている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習 慣的)と示されている。 【指摘 社会・青少年教育課】  上記の成果指標は明らかに不適切ある。このよう指標で評価していることは、 補助目的を踏まえた費用対効果の検証がなされていないことを推認させるものある。  適切成果指標によって事業評価を行うとともに、補助の目的と必要性に即した具 体的補助対象事業及び補助対象経費に対して補助の必要のある額を交付するように 見直すべきある。  99.岐阜天文台天文教育振興補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │教育委員会 科学館                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │公益財団法人岐阜天文台                          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│天文教室の開催、天文台の一般公開等                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜天文台天文教育振興補助金交付要綱                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│市民を対象とする天文教育の振興(要綱の文言)               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成9年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   230,000│   230,000│   230,000│   230,000│   230,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   230,000│   230,000│   230,000│   230,000│   230,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)実績報告 【事実関係】  交付要綱では、補助対象経費は、「器材費、教育教材費、広報費、印刷費、市長が必要 と認める経費」とされている。  実績報告書に添付されている収支計算書には、補助対象経費にかかる科目として「器 材費」、「教育教材費」、「広報費」、「印刷製本費」が挙げられているものの、それらの詳 細は不明ある。 【規範】  テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具 体的費用の配分は、重要審査項目あり、十分精査が必要あるとされている。  実績報告は、補助金等が交付目的に従って補助対象事業のために適正に使用された のかを審査するとともに、補助対象事業によりどのよう効果が得られたのかを確認
    及び評価し、次年度の予算作成、補助金等の見直しを実施するために極めて重要手 続ある。 【指摘 科学館】  上記の収支計算書のみは、本補助金が正しく補助対象経費に使われたのか明らか でない。  補助対象経費に該当する支出については、詳細内訳を作成・提出させるべきあ る。天文教室の開催に関する費用を補助対象事業とする場合には、開催された天文教 室毎の収支報告をさせるべきある。 (2)補助の見直し 【事実関係】  市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、平成9年度から開始してお り、長期にわたっている。  交付要綱では、補助金の額について、「予算の範囲内」と定められているのみあり、 金額の算定根拠はない。本補助金が開始された平成9年度以降、金額が変動しておら ず、前年踏襲ある。  令和元年度の収支計算書によれば、補助金額を超える756,185円の繰越金がある。  見直しチェックシートでは、「自主運営に委ねることが可能」とされている。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。また、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助 目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効 果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、 交付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超 えている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、 習慣的)と示されている。 【指摘 科学館】  補助の必要性を検討し、廃止も含めて見直すべきある。仮に、補助の必要性が認め られるとしても、事業補助に切り替えるべきある。そして、交付要綱において、「市 民を対象とする天文教育の振興」という交付目的のために必要補助対象事業を具体的 に定め、補助対象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定すべきある。天文 教室に参加料等の収入がある場合には、同収入も考慮して補助金の額を算定すべき ある。  100.日本貿易振興機構岐阜貿易情報センター事業運営負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                       │ │    │※令和元年度は、商工観光部 産業雇用課                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│諸負担金                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │独立行政法人日本貿易振興機構岐阜貿易情報センター             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│県内企業に対し輸出支援、海外展開支援、人材活用及び育成、活動成果の    │ │    │普及を行う                                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│市内地場産業が世界市場に積極的に進出できる環境を整えること、貿     │ │    │易振興を図る(事業評価シートの文言)                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成11年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  2,040,000│  2,040,000│  2,040,000│  2,040,000│  2,040,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  2,040,000│  2,040,000│  2,040,000│  2,040,000│  2,040,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)支出の必要性 【事実関係】  独立行政法人日本貿易振興機構(以下「JETRO」という。)岐阜貿易情報センタ ーに対して負担金を支出する意義としては、市によれば、設置当初は、全都道府県にJ ETROの支部の組織があるわけはなかったところ、市にJETROの支部組織と して「岐阜貿易情報センター」が設置されたことが大きかったとのことある。  負担金の額は、少なくとも上記5年間は204万円で変わっていない。 【意見 産業振興・企業誘致課】  市にJETROの支部組織があること自体は、有用性があると思われるが、その組 織維持のために、市が負担金を支出しつづけなければならない意義が問われる。決し て少なくはない負担金額ある。  市の負担割合の変更の協議を求める等も行い、毎年度、支出の必要性・相当性を検証 し、その過程を記録に残すことが望ましい。  101.岐阜県発明協会事業負担金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                       │ │    │※令和元年度は、商工観光部 産業雇用課                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│諸負担金                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │一般社団法人岐阜県発明協会                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │発明の奨励、先端技術の奨励、知的財産権の活用支援、特許情報の提供     │ │対象事業│等(発明奨励事業、発明普及事業、特許情報提供事業、支会における各     │ │    │種研修会等の開催)                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│なし                                   │
    ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│市内業者の競争力の強化、市内の未来を担う人材の育成(事業評価シー     │ │    │ト)                                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和62年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   150,000│   150,000│   150,000│   150,000│   150,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   150,000│   150,000│   150,000│   150,000│   150,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)支出の必要性 【事実関係】  市は、一般社団法人岐阜県発明協会に対して、昭和62年度から、負担金を支出し続 けている。少なくとも上記5年間は、金額に変動がない。 【意見 産業振興・企業誘致課】  市が、同協会に負担金を支出し続けている意義は、少なくとも現時点において明ら かない。おそらくは、毎年度支出し続けていることから、前年踏襲で支出が続けられ たものと思われる。  毎年度、支出の必要性・相当性を検証し、その過程を記録に残すことが望ましい。 第9 事業・個人  102.コミュニティバス運行補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │都市建設部 交通政策課                          │ │    │※令和元年度は、企画部 交通総合政策課                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │株式会社日本タクシー                           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│コミュニティバス運行事業                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市コミュニティバス運行補助金交付要綱                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │高齢者等交通弱者の日常生活の維持が困難ある状況にかんがみ、路線     │ │交付目的│バスによる公共交通サービスがなされていない地域内の移動手段の確保     │ │    │及び交通不便地域の改善策の一環(要綱の文言)               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成18年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 208,259,000│ 208,306,624│ 210,205,000│ 216,028,000│ 226,123,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 162,322,108│ 190,568,639│ 197,548,457│ 194,040,172│ 215,267,345│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助の見直し 【事実関係】  岐阜市では、平成17年4月に路面電車が廃止となり、市内交通の主役をバスが担う こととなった。これに伴い、岐阜市では高齢者等交通弱者のモビリティを確保するた め、コミュニティバスを整備することの必要性が高まっている。  こうした中、補助金の額は増加傾向にあり、令和元年度の補助額は2億円を超えて いる。補助対象経費は、人件費、ガソリン代、車両代、維持費ある。  交付要綱では、補助金交付を受けようとする運行事業者に対して、「経費削減及び増 収を図るための事項を記載した収益改善計画書」の提出を義務づけている(要綱第6 条第2号)。このため、運行事業者から収益改善計画の提出はあるが、毎回その内容が ほぼ同一のものとなっている。 【意見 交通政策課】  収益改善計画書の内容が毎回ほぼ同一あると、提出義務があるから提出している だけというように見られてしまう。収益改善計画には実効性のあるものとなるよう 記載を求め、これに対して実質的検討を行うことが望ましい。  なお、この事業の必要性は理解できるが、ただ年々補助額が上がってきていること は看過できることはなく、これまで通りの収支改善の取組みでは限界ではないかと も思える。他の市町村においても苦労している事業と聞き及んでいることから、他 の市町村の取組みも参考にして、収益向上のための実質的検討をされることを望む。  103.BRTシステム導入事業費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │都市建設部 交通政策課                          │ │    │※令和元年度は、企画部 交通総合政策課                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜乗合自動車株式会社                          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│路線バス利用環境整備事業                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市BRTシステム導入事業費補助金要綱                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │バス交通における幹線・支線・コミュニティバスが連携した公共交通ネ     │ │    │ットワークの確立に向け、幹線・支線へのバス路線再編の推進を目指す     │ │交付目的│中、幹線軸の強化策としてBRT(走行環境の改善による定時性・速     │ │    │達性の確保及び車両設備の高度化により、利便性・快適性を向上させた     │ │    │バスシステムをいう。)の導入の推進を図る(要綱の文言)          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成25年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤
    │(円) │予算│  1,537,500│  -   │  -   │  -   │  7,000,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  1,537,500│  -   │  -   │  -   │  5,763,900│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)相見積もり 【事実関係】  バス案内用システム導入費として、バス事業者に対する支出する補助金ある。  令和元年度においては、バス事業者が、1)バス案内表示設備新設工事と、2)既設案内 板撤去工事を外注したことに対し、補助金支出がなされているが、当該バス事業者と 受注工事業者との間では、一者随意契約となっており、相見積もりは取られていない。  この理由としては、1)バス案内表示設備新設工事に関しては、設置予定場所付近に は、すでに運行情報案内板が設置されており、その機器との間で表示内容に乖離があ ると不都合が生じることから、既設の運行情報案内板設置業者と同一業者が望ましい とされたこと、2)既設案内板撤去工事一式に関しては、設置業者と同一業者に依頼す ることが望ましいと判断されたことあった。 【意見 交通政策課】  補助金額の適正性を検討するためには、外注先へ支払う金額が適正あるのかが問 われなければならない。市としては、相見積もりをとって受注工事業者を選定するよ う働きかけることが望ましい。  104.中小企業振興補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市中小企業振興補助金交付要綱                     │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│本市の中小企業団体が中小企業者の振興を図る                │ └────┴─────────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │一般社団法人岐阜ファッション産業連合会                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │せんい祭りの開催                             │ │対象事業│※法人の会員企業が一般消費者を対象にお値打ち価格で商品を提供する     │ │    │ イベント(4日間)                           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│JR岐阜駅前繊維問屋街地区の賑わいの創出及び繊維問屋街の売上向上     │ │    │につなげる(事業評価シートの文言)                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成15年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  1,200,000│  1,200,000│  1,200,000│  1,200,000│  1,200,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  1,200,000│  1,200,000│  1,200,000│  1,200,000│  1,200,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │一般社団法人岐阜ファッション産業連合会                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│駅前セールの開催                             │ │    │※法人の会員企業によるセール事業(42日間)                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│JR岐阜駅前繊維問屋街の賑わいを創出し、問屋街の誘客力向上を図り、    │ │    │売上向上につなげる(事業評価シートの文言)                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成15年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  1,200,000│  1,000,000│   700,000│   500,000│   400,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   314,992│   268,864│   110,323│   104,004│   107,470│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │一般社団法人岐阜ファッション産業連合会                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │ア・ミューズ岐阜の開催                          │ │    │※法人の会員企業が製造した春夏の最新製品のファッションイベント      │ │対象事業│ (2日間)                               │ │    │※岐阜県が実施する中小企業販路開拓等支援事業費補助金の交付対象と     │ │    │ なっている。                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜アパレル業界の振興と活性化を図る(事業評価シートの文言)       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成15年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│  2,000,000│  1,863,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                       │
    ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │一般社団法人岐阜ファッション産業連合会                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │ギフコレウィークの開催                          │ │対象事業│※法人の会員企業が製造した秋冬の最新製品の展示会(5日間)        │ │    │※岐阜県が実施する中小企業販路開拓等支援事業費補助金の交付対象と     │ │    │ なっている。                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜アパレル業界の振興と活性化を図る(事業評価シートの文言)       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成23年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  1,500,000│  1,500,000│  1,500,000│  1,500,000│  1,500,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  1,500,000│  1,500,000│  1,500,000│  1,500,000│  1,416,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │一般社団法人岐阜ファッション産業連合会                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│ファッションセミナーの開催(4回)                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│付加価値の高い商品を企画・開発することにより、岐阜アパレル産業の     │ │    │活性化を図る(事業評価シートの文言)                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成15年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   400,000│   400,000│   400,000│   400,000│   400,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   340,817│   341,967│   342,126│   345,433│   249,514│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │一般社団法人岐阜ファッション産業連合会                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│学生のデザイン画の募集及び制作衣装の公開コンテストの開催         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜ファッション産業界の振興と人材育成(事業評価シートの文言)      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成21年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   250,000│   250,000│   250,000│   250,000│   250,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   193,981│   173,374│   250,000│   134,526│   250,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │岐阜市専門学校連盟                            │ │交付先 │※構成員は、飯原服装専門学校とコロムビア・ファッション・カレッジ     │ │    │ の2校ある。                             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│学生の作品の発表会及び展示会の開催                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜ファッション産業界の振興と人材育成(事業評価シートの文言)      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成21年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   500,000│   500,000│   300,000│   300,000│   250,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   134,639│   152,000│   177,000│   185,543│   167,797│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助金交付対象団体 【事実関係】  交付要綱では、補助金交付対象となる団体として、協業組合、事業協同組合、商店 街振興組合又は商店街振興組合連合会、商工会議所、商工会、中小企業者20人以上で組 織された中小企業体、地場産業の発展を目的とした中小企業団体、専修学校及び各種 学校で組織された団体、商店街振興組合連合会が共催する事業を実施するために組織 された団体、岐阜県中小企業団体中央会、一定の要件を満たした一般社団法人等とさ れており、その対象団体は広く、繊維産業に限定はしていない。  しかし、本補助金の公募はなされておらず、同じ業界の中小企業により構成される 団体で、補助金が交付されているのは、一般社団法人岐阜ファッション産業連合会と 岐阜提灯協同組合のみある。 【指摘 産業振興・企業誘致課】  伝統産業あることは間違いないが、公平性の見地からすれば、特定の産業に偏る ことなく、広く中小企業団体に本補助金の利用を周知し、中小企業の振興を図ること が求められる。  本補助金の補助金交付対象団体を公募すべきある。 (2)補助対象事業(せんい祭り) 【事実関係】  市は、せんい祭りに対する補助金を、交付要綱の補助対象事業のうち、「にぎわいを 図るために実施する事業」と取り扱っている。この場合、補助率は、補助対象経費の3 分の1以内となる。  駅前セールに対する補助金を、交付要綱の補助対象事業のうち、「団体が実施する振
    興事業、研修会、講演会等の事業」と取り扱っている。この場合、補助率は、補助対象 経費の5分の1以内となる。 【指摘 産業振興・企業誘致課】  いずれの事業も、繊維問屋街にある中小企業者の売上向上を目的とするものある が、補助対象事業の取扱いが異なっているし、にぎわいの創出は本補助金の交付目的 にそぐわない。  せんい祭りに対する補助金は、「団体が実施する振興事業、研修会、講演会等の事業」 とし、補助率は補助対象経費の5分の1以内とすべきある。 (3)補助対象経費(ファッションセミナー) 【参考報告】  せんい祭りに対する補助金及び駅前セールに対する補助金において、決算書の費目 の内訳を精査し、内訳毎に補助対象経費か補助対象外あるかを判断し、補助対象経 費を確定していた。費目毎にしか補助対象経費の該当性を確認していない補助金がほ とんどあったので、適切に補助対象経費の該当性を確認している例として、参考報 告とする。 【事実関係】  ファッションセミナーに対する補助金として、249,514円を支出しているが、その補 助対象経費とされたものの中には、講師謝礼3回分としての1,039,334円が含まれて いる。1回の出演につき34万円相当の講師を、1年に3回も招聘しているイベントと なる。 【意見 産業振興・企業誘致課】  有名デザイナー招聘のため、費用が高額となることはやむを得ない部分もあろうが、 市が公金として補助金を支出する以上、講師謝礼額として公益的見地からみて説明可 能相当額の範囲内なければならないと考える。  予算書で計上されている金額あっても、事業に目的、内容、効果に照らし、金額の 合理性、相当性を判断することが望ましい。 (4)事業中止の際の決裁(ア・ミューズ岐阜) 【事実関係】  ア・ミューズ岐阜は、令和元年度、コロナ渦対応のため、事業が中止となった。  当該補助金額確定の決裁書類上には、鉛筆書きで「事業中止による経費は本来認め ないが、今般の急激コロナ感染拡大防止の観点から急遽中止した為、今回は補助対 象経費として認めることとする」とのメモ書きが付されているだけ、そのメモ書き には署名や日付の記載がない。 【指摘 産業振興・企業誘致課】  誰の判断かも不明書類となってしまっている。特に、実施できなかった事業に対 する支払を決定するという「例外」判断あることから、その過程が分かるよう書類 として作成すべきある。 ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │柳ケ瀬ジュラシックアーケード実行委員会                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│柳ケ瀬ジュラシックアーケードの開催                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│商店街の来街者を増やし、賑わいを創出し、商店街と中心市街地の活性     │ │    │化を図る(事業評価シートの文言)                     │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成22年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  1,000,000│  1,000,000│  1,000,000│   900,000│   900,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  1,000,000│  1,000,000│  1,000,000│   900,000│   900,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │美濃中山道ふるさとまつり実行委員会                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│美濃中山道ふるさとまつりの開催                      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│東西加納地区及び岐阜駅周辺の賑わいの創出と活性化(事業評価シート     │ │    │の文言)                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成2年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   810,000│   810,000│   810,000│   810,000│   810,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   810,000│   810,000│   810,000│   810,000│   810,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)交付目的と事業評価(柳ケ瀬ジュラシックアーケード実行委員会・美濃中山道ふ   るさとまつり実行委員会) 【事実関係】  上記の補助金は、いずれもイベントを開催するものあり、賑わいの創出を目的と するものある。事業評価シートも、成果指標として、イベント当日の来街者数を用い ている。  交付要綱は、補助対象事業に、「商店街振興組合連合会が共催する事業を実施するた めに組織された団体がにぎわい創出を図るために実施する事業」、「市長が特に必要と 認めた事業」を定めており、柳ケ瀬ジュラシックアーケード実行委員会に対する補助 金が前者に、美濃中山道ふるさとまつり実行委員会に対する補助金が後者に該当する としている。  しかし、交付要綱は、本補助金の目的を「本市の中小企業団体が中小企業者の振興を 図る」としている。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 産業振興・企業誘致課】  補助金の交付目的が交付要綱の交付目的と整合していない。交付要綱において、「本
    市の中小企業団体が中小企業者の振興を図る」目的の補助金の補助対象事業として、 「にぎわい創出を図るために実施する事業」を加えること自体が適切はない。その 結果、交付目的に照らした事業評価もなされていない。  にぎわいの創出という補助金の交付目的に即した別の交付要綱を作成すべきある。 柳ケ瀬ジュラシックアーケードに対する補助金については、商店街の活性化に特化し た補助金交付要綱を作成することが考えられる。この場合、まちづくり事業課の所管す る岐阜市中心市街地まちづくり活動事業補助金交付要綱との調整を検討されたい。 【意見 産業振興・企業誘致課】  イベントの日限りの賑わいの創出では、補助金の有効性が低い。イベントを行なっ た結果、賑わいの創出がなされているかどうか、事後的に、継続的調査、検証をする ことが望ましい。 (2)補助の見直し(美濃中山道ふるさとまつり実行委員会) 【事実関係】  美濃中山道ふるさとまつり実行委員会に対する補助金は、平成2年度から継続して おり、長期にわたっている。  経緯としては、JR岐阜駅南口広場が完成した際に、市から地元に100万円を負担す るので何か盛り上げるイベントを行ってほしいと依頼したことにある。その後、90万 円、81万円と予算額を減らしているものの、少なくとも直近5年間、同一の金額を交 付しており、前年踏襲ある。  交付要綱における具体的根拠はなく、「市長が特に必要と認めた事業」としており、 補助限度額も補助率も定められていない。市と対象団体の協議により、補助率を支出 額の2分の1としている。他方、同じように、「にぎわい創出を図るために実施する事 業」の補助率は補助対象経費の3分の1以内とされている。 【指摘 産業振興・企業誘致課】  対象団体から交付申請を継続する意向があるのか、市として補助金を交付する公益 上の必要性が認められる事業のか、事業内容及び収支内容の見直し、適切事業評 価を行った上で、継続するのあれば、上記のとおり別の交付要綱を作成し、補助対象 経費、補助率、補助限度額を具体的に設定、補助の必要のある額を交付するようにすべ きある。なお、令和3年度から中止予定とのことある。 ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜商工会議所                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│商店街振興組合が先進商店街を視察する                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │商店街活性化のノウハウを学び、共有して計画を立案し取り組むこと、    │ │交付目的│商店街の魅力を向上させ、恒常的賑わいを創出する(事業評価シート     │ │    │の文言)                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成27年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   300,000│   100,000│   100,000│   100,000│   100,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   300,000│    6,189│   100,000│   100,000│     0│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)交付要綱(先進商店街視察) 【事実関係】  本補助金の交付要綱の交付目的は、「本市の中小企業団体が中小企業者の振興を図る」 ことにあるが、市は、本補助金の交付目的を、にぎわいの創出としている。  また、市は、本補助金の補助対象事業を、交付要綱で定められている「商店街活性化 研修支援事業」「商店街振興組合連合会が実施する研修事業」に該当するものとしてい る。 【指摘 産業振興・企業誘致課】  本補助金の交付目的が交付要綱の交付目的と整合していない。  「本市の中小企業団体が中小企業者の振興を図る」目的の交付要綱において、「商店 街活性化研修支援事業」が補助対象事業に加えられていることも疑問ある。  本補助金については、にぎわいの創出という補助金の交付目的に即した別の交付要 綱を作成すべきある。例えば、上記の柳ケ瀬ジュラシックアーケードに対する補助 金とともに、商店街の活性化に特化した補助金交付要綱を作成することが考えられる。 この場合、まちづくり事業課の所管する岐阜市中心市街地まちづくり活動事業補助金交 付要綱との調整を検討されたい。 (2)事業評価(先進商店街視察) 【事実関係】  事業評価シートでは、成果指標として、参加した商店街振興組合の数を用いている。  視察の結果について、報告書の提出は受けているが、視察の効果の検証がなされた 形跡はなかった。 【意見 産業振興・企業誘致課】  視察がなされた結果、その報告書の提出を受けるだけはなく、視察の効果の検証 を行うことが望ましい。 ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 労政・経営支援課                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜商工会議所                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│経営改善に関する相談・支援等                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│中小企業への相談・指導体制と創業・経営革新への支援体制の充実を図     │ │    │る(事業評価シートの文言)                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和62年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 14,000,000│ 14,000,000│ 14,000,000│ 14,000,000│ 14,000,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 14,000,000│ 14,000,000│ 14,000,000│ 14,000,000│ 14,000,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 労政・経営支援課                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤
    │交付先 │柳津町商工会                               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│経営改善に関する相談・支援等                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│中小企業への相談・指導体制と経営革新への支援体制の充実を図る(事     │ │    │業評価シートの文言)                           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成18年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 10,000,000│  9,000,000│  9,000,000│  9,000,000│  9,000,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 10,000,000│  8,880,000│  8,880,000│  8,880,000│  8,880,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)平成23年度包括外部監査の措置状況(岐阜商工会議所・柳津町商工会) 【事実関係】  平成23年度の包括外部監査にて、効果検証をすべきとの意見が付されていたところ、 市は、アンケートを実施し、結果を分析するとの措置を公表していた。  しかし、現在、アンケートが行われておらず、効果測定も行われていない。 【指摘 労政・経営支援課】  事業の有効性の確認のために、措置状況報告のとおり、アンケートを実施し、結果を 分析する効果測定を行うべきある。 (2)補助対象経費(柳津町商工会) 【事実関係】  補助対象経費は、経営改善普及事業に要する経費あり、管理費(職員人件費、事務 費)も、経営改善普及事業の管理にかかるものに限られる。  柳津町商工会の経営改善普及事業収支決算書によれば、管理費の職員人件費 3,687,189円、事務費2,342,606円とされており、市は、これを補助対象経費としてい るところ、柳津町商工会全体の収支決算書によっても、これと同額が計上されている。  ちなみに、岐阜商工会議所の経営改善普及事業収支決算書によれば、管理費の人件 費203,386円、事務費1,540,651円とされている。 【指摘 労政・経営支援課】  補助対象経費とすべきない管理費(職員人件費、事務費)を補助対象経費としてし まっている。岐阜商工会議所と比較しても、過大補助対象経費を認定していること になる。適切に補助対象経費の確認をすべきある。 (3)補助金の額(柳津町商工会) 【参考報告】  交付要綱で、補助額を「補助対象経費から手数料その他収入、国及び岐阜県の補助額 を除いた額以内の額」と定めており、実際にも、費目毎に、予算額から国、岐阜県の補 助額等を控除した残額を補助対象経費としていた。収入を考慮しないで補助金の額を 算定する補助金が多いので、参考報告とする。 【事実関係】  交付要綱で、補助限度額を岐阜商工会議所14,000,000円、柳津町商工会9,000,000 円と定めているが、補助率の定めはない。  岐阜市中小企業振興補助金交付要綱取扱要領では、「経営指導員に要する人件費と相 談・指導に要する経費を合算した額」を補助金の額とすると定め、前者は、経営指導員 等の人数に単価を乗じた額、後者は、会員数に基づく基準件数に応じて設定した額(相 談・指導実績件数が基準件数を下回った場合は減額)から算定することとしている。  市は、上記のとおり収入を控除した補助対象経費を算出しているものの、そこから 補助金の額を算定することはせず、取扱要領の算定額と交付要綱の限度額の低いほう として、岐阜商工会議所14,000,000円、柳津町商工会8,880,000円と決定している。 ┌─────────────┬───────────┬──────────┐ │             │  岐阜商工会議所  │  柳津町商工会  │ ├─────────────┼───────────┼──────────┤ │収入控除後の補助対象経費 │      24,516,967│      9,464,113│ ├─────────────┼───────────┼──────────┤ │取扱要領の算定額     │      23,280,000│      8,880,000│ ├─────────────┼───────────┼──────────┤ │交付要綱の補助限度額   │      14,000,000│      9,000,000│ ├─────────────┼───────────┼──────────┤ │補助金の額        │      14,000,000│      8,880,000│ └─────────────┴───────────┴──────────┘ 【指摘 労政・経営支援課】  上記のとおり、柳津町商工会の補助対象経費は、組織全体の人件費及び事務費が含 まれているので過大となっている。その額と取扱要領の算定額と差額が584,113円し かないことから、取扱要領の算定額が補助対象事業に要する実際の経費と乖離してい るものといえる。  事業内容、実際に要した経費、収支及び財産の状況等を考慮して、一定の補助率を定 め、補助対象経費を積算して、補助する必要のある額を交付するようにすべきある。 取扱要領の算定額を用いるのあれば、柳津町商工会については、基準額を見直すべ きある。 (4)補助の見直し(柳津町商工会) 【事実関係】  岐阜市と旧柳津町が合併したことに伴い、岐阜商工会議所と柳津町商工会という、 基本的機能を同じくする組織が二つ存在する。  市は、経営改善普及事業補助金として、岐阜商工会議所(構成員3,822名)に対し ては1400万円、柳津町商工会(構成員720名)に対しては888万円の支出をしている。 【指摘 労政・経営支援課】  旧柳津町との合併に伴って、商工会議所及び商工会の二つが存在することになった のはやむを得ないとして、同様の機能を有する団体に補助金をそれぞれに支出し続け ることは、大きな無駄が生じていると言わざるを得ない。実際に、構成員比において も、柳津町商工会には、岐阜商工会議所に比べ多大援助をしていると言わざるを得 ない。  市としては、両団体の機能の違い等も考慮しながら、その援助割合に合理的説明 がつく程度の援助額となるようにすべきある。  105.農林水産関係振興補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 農林園芸課                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤
    │説明区分│団体育成補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市農林水産関係振興補助金交付要綱                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│岐阜市の農林水産業の振興を図る(要綱の文言)               │ └────┴─────────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │岐阜市農業青年会議(構成員:市内で農業を営む青年)            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│交流会、イベント等への出展、視察研修                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │市内農業青年の自主的活動を通じて、農業知識の習得と農業者間の交     │ │    │流を深め、組織強化により、あらゆる情勢に対応できる農業づくりを進     │ │    │めると同時に地域農業の振興に寄与する(個別調査票の文言)         │ │交付目的│農業知識の習得、各団体との交流等により、昨今の社会情勢に対応しう     │ │    │る農業の実践等を目的とした、本市農業青年の自主的活動組織ある     │ │    │岐阜市農業青年会議について、その活動が円滑かつ効果的に行われるよ     │ │    │う支援すること(事業評価シートの文言)                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和63年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   111,000│   111,000│   111,000│   111,000│   111,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   111,000│   111,000│   111,000│   111,000│   111,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │岐阜市園芸振興会(構成員:市内農業者 のべ820戸)             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│岐阜市園芸振興会9部会(果樹・花卉・いちご・だいこん・ねぎ・たまね    │ │    │ぎ・施設・えだまめ・ほうれんそう)の連絡協調と生産活動          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │農業技術の高度化、生産の集団化若しくは生産性の向上を図る目的で結     │ │交付目的│成される農業者の研究集団又は農家経営の安定等を図る(事業評価シー     │ │    │トの文言)                                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和40年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  1,100,000│  1,100,000│  1,100,000│  1,100,000│  1,100,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  1,100,000│  1,100,000│  1,100,000│  1,100,000│  1,100,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助対象経費(岐阜市農業青年会議) 【事実関係】  岐阜市農業青年会議の収支決算書によれば、事業実施費として、35万円として計上 されているが、その詳細としては、「交流会・視察研修会開催等」として、具体的には 「居酒屋」の名称や、浜松への支出が記載されている。 【規範】  地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、 補助をすることができるとされている(第232条の2)。  岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目 的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。 【指摘 農林園芸課】  補助対象経費は、要綱上「団体等の活動及び運営に要する経費」とされているが、単 なる懇親会的場に支出されるべきはないことは当然ある。参加者から会費を徴 収しているとのことあるが、現状の収支決算書の記載では、そのよう場への補助 金支出がなされているのはないかと受け取られかねない。  補助対象経費の該当性を適切に判断したことが分かる書面を作成しておくべきあ る。 (2)実績報告(岐阜市園芸振興会) 【事実関係】  岐阜市園芸振興会は、9部会が分かれて活動している。各部会に交付されている部 会事業費の合計は3,085,061円あり、支出合計3,810,631円の8割を占めている。  しかし、収支決算書では、各部会の「直接事業費」として記載されているだけあ り、何の経費に使ったかは明らかなかった。事業報告書でも、各部会の事業内容の記 載はあるが、どの事業に何の経費を使ったのかが明らかなかった。 【指摘 農林園芸課】  各部会の事業毎の経費を把握できる実績報告を提出させるべきある。 (3)補助の見直し 【事実関係】  岐阜市農業青年会議という団体に対して、岐阜市が、昭和63年度から継続的に団体 育成補助金として、支出しつづけている。  岐阜市園芸振興会という団体に対して、岐阜市が、昭和40年度から継続的に「団体 育成」補助金として、支出しつづけている。 【規範】  補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助 金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運 営に向けた見直しが必要あり、育成補助としての終期は到来しているものとして判 断できると示されている。 【指摘 農林園芸課】  「団体育成」補助金としての性質は、その名称のとおり、当該団体の「育成」のため に支出されるものあり、補助金として支出するのあれば、当該団体の「育成」の必 要があるかを、毎回、検証する必要がある。昭和63年から継続して支出されていると すれば、既に「育成」段階を終えたことを推認させる事情となるが、少なくとも、「育 成」の必要性を何ら検証しないまま、漫然と「団体育成」補助金として支出し続けるこ とは改めるべきある。  いずれの補助金も事業補助に切り替えるべきある。そして、交付要綱において、交 付目的と補助の必要性に即して具体的補助対象事業及び補助対象経費を定め、一定 の補助率と補助上限額も具体的に設定すべきある。  106.公衆浴場設備改善対策事業等補助金(経営安定化)
    <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │健康部 生活衛生課                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│諸補助金                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │一般公衆浴場                               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│公衆浴場経営安定化対策事業                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市公衆浴場設備改善対策事業等補助金交付要綱              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│公衆浴場の経営の安定を図るため(要綱の文言)               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│昭和53年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   90,000│   90,000│   90,000│   90,000│   90,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   20,000│   20,000│   20,000│   30,000│   30,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)平成23年度包括外部監査の措置状況 【事実関係】 (H23意見)(補助の必要性)  補助金支出先は毎年同じあり、経営努力を行ってもなお経営状況が良くない場合 に限って、補助を行うことが望まれる。 (措置状況)  浴場営業者に対し経営努力を促すには、補助金交付申請時に、どのよう経営努力 を行ってきたか、また、どのよう経営改善を行っていくか確認することが有効あ ると考えられる。現在、確定申告書を提出させて、経営状況を確認しているが、今年度 から「経営努力の内容を示す書類」も提出させることとする。 (措置状況の確認)  経営努力の内容を示す書類の提出は確認したが、努力の内容が経営状況に反映され たかどうかは確認できなかった。担当課としては、申請時に状況確認は行っているが、 経営指導までは行っていないとのことあった。 【意見 生活衛生課】  長期にわたり行ってきている補助のため、経営努力についての改善を促し、自立へ の道筋をたてることが望ましい。  厚生労働省「浴場業の振興指針」にあるように、組合や県指導センター等の経営指導 機関による経営診断の積極的活用を促す他、地域の街づくりへの積極的参加や環境 負荷の少ない設備投資、災害時の被災者支援等の地域貢献策等、相談窓口としての役 割も果たすことが望ましい。  107.被災農業施設復旧等支援事業補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 農林園芸課                            │ │    │※令和元年度は、農林部 農林政策課                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│岐阜市被災農業用施設復旧等支援事業(被災農業者向け経営体育成支援     │ │    │事業)                                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │経営体育成支援実施要綱、県事業の運用、岐阜県補助金等交付規則、岐     │ │根拠規定│阜県農業振興事業補助金交付要綱、岐阜市補助金等交付規則、岐阜市被     │ │    │災農業吉節復旧等支援事業補助金交付要綱、岐阜市被災農業吉節復旧等     │ │    │支援事業補助金交付要領                          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │平成30年台風第21号による農業被害を受けた農業者又は当該農業者が      │ │交付目的│組織する団体の農業用機械、施設等の復旧等に要する費用を補助するこ     │ │    │とにより農業者等の農業経営の安定化を図る(要綱の文言)          │ └────┴─────────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │    │農産物の生産に必要農業用機械、施設等に関し平成30年台風第21号      │ │交付先 │による農業被害を受けた旨の証明を市長から受けた農業者等(5名)(園    │ │    │芸)                                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成30年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  -   │  -   │  -   │ 123,363,000│  7,194,963│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  -   │  -   │  -   │ 11,442,229│  7,194,963│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │    │農産物の生産に必要農業用機械、施設等に関し平成30年台風第21号      │ │交付先 │による農業被害を受けた旨の証明を市長から受けた農業者等(3名)(水    │ │    │田)                                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成30年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  -   │  -   │  -   │ 21,288,000│  5,332,290│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  -   │  -   │  -   │  2,215,392│  5,332,289│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)消費税課税事業者の確認
    【事実関係】  消費税の課税事業者か免税事業者かで取扱が異なるとされているが、その確認をど のようになしたのかの確認資料が存在しない。 【意見 農林園芸課】  判断資料として、青色(白色)決算書(課税、免税)、消費税申告書や届出書(原則、 簡易)等の提出を求めることが望ましい。  108.市民活動支援補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │市民協働推進部 市民活動交流センター                   │ │    │※令和元年度は、市民参画部 市民活動交流センター             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │市民活動団体(岐阜市内における地域社会の課題解決を目的とした事業     │ │交付先 │を実施する団体で、5人以上で組織され、その過半数が岐阜市内に在住、    │ │    │在勤又は在学をする者ある団体)(31団体)                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│下記のとおり                               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市市民活動支援補助金交付要綱                     │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │地域社会の課題解決を目的とした事業を実施する団体が実施する事業を     │ │交付目的│支援することによって、協働のまちづくりを推進し、市民が誇りを持て     │ │    │る個性豊か地域社会を実現する(要綱の文言)               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成16年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  4,000,000│  4,000,000│  4,320,000│  4,320,000│  4,400,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  4,000,000│  3,983,000│  4,320,000│  4,320,000│  4,400,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌──┬───────────────┬────────────────────┬────┐ │番 │    団体(会員数)    │        事業内容        │ 補助 │ │号 │               │                    │ 金額 │ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │1  │一般社団法人(11人)     │産後ケア講座(3回)          │ 200,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │2  │任意団体(10人)       │子育て講演会(1回)          │ 35,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │3  │任意団体(24人)       │離乳食講座(13回)           │ 200,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │4  │一般社団法人(7人)     │小児の皮膚に関する研修会        │ 70,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │5  │特定非営利活動法人(300人)  │親子スポーツ教室(3回)        │ 80,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │6  │特定非営利活動法人(10人)  │子ども減災教室(3日間)        │ 79,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │7  │特定非営利活動法人(20人)  │母親の防災に関する講座・交流会     │ 186,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │8  │任意団体(30人)       │家庭での教育に関する講座(3回)    │ 200,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │9  │特定非営利活動法人(2,947人) │絵本読み聞かせ会(16回)        │ 200,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │10 │任意団体(11人)       │チェス教室               │ 83,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │11 │任意団体(5人)       │子どもロボットプログラミング塾(1回) │ 80,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │12 │任意団体(5人)       │子どもプログラミング道場(8回)    │ 56,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │13 │任意団体(60人)       │子ども劇場の舞台の事前お楽しみ会    │ 80,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │14 │特定非営利活動法人(10人)  │ひきこもりに関するラジオ番組放送(5  │ 80,000│ │  │               │回)                  │    │ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │15 │特定非営利活動法人(10人)  │ひきこもりに関する交流会(3回)    │ 200,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │16 │任意団体(63人)       │若者によるラジオ番組制作        │ 200,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │17 │任意団体(10人)       │食育セミナー・食事会・コンサート(1回)│ 80,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │18 │特定非営利活動法人(20人)  │子ども・無業者・独居者の食堂      │ 200,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │19 │任意団体(68人)       │フードイベント(1回)         │ 200,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │20 │特定非営利活動法人(5人)  │婚活相談・マッチングイベント      │ 200,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │21 │任意団体(5人)       │LGBTに関する交流会(8回)     │ 43,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │22 │任意団体(5人)       │学校の働き方改革の事例共有会(1回)  │ 80,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │23 │任意団体(12人)       │コミュニケーション力育成セミナー(4  │ 200,000│ │  │               │回)                  │    │ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │24 │任意団体(8人)       │異業種交流会(1回)・企業説明会(1回)│ 200,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │25 │特定非営利活動法人(10人)  │起業講座(5回)            │ 164,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │26 │任意団体(60人)       │狂俳の発表会              │ 200,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │27 │特定非営利活動法人(28人)  │動物避難所開設訓練(2回)       │ 200,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │28 │任意団体(5人)       │犬猫に関するパネル展示(3回)     │ 80,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │29 │任意団体(60人)       │大仏殿境内での祭り(2日)       │ 164,000│
    ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │30 │特定非営利活動法人(150人)  │ゆかた祭りとスタンプラリー(1回)   │ 200,000│ ├──┼───────────────┼────────────────────┼────┤ │31 │任意団体(6人)       │まちづくりの改善方法の選考表彰     │ 160,000│ └──┴───────────────┴────────────────────┴────┘ <監査の結果> (1)補助対象事業及び補助の必要性 【事実関係】  交付要綱では、「地域社会の課題解決を目的とした事業」を補助対象事業としている。  具体的補助対象事業は、条例に基づいて設置されている市民活動支援事業審査委 員会において、書類審査及び企画コンペティションを経て決定されている。  令和元年度の補助対象事業は、上記のとおりある。  各々の補助対象事業の報告書を見る限り、1)当該補助対象事業において、「地域社会 の課題」は具体的にどのようもののか、2)どのようにして「解決」するのか、3)ど のようにして「協働のまちづくりを推進し、市民が誇りを持てる個性豊か地域社会 を実現する」という交付目的が達成されるのか、明らかなかった。  事業評価シートでは、資源投入により産出した活動の指標として「応募件数」、これ によってもたらされた成果の指標として「採択件数」が用いられており、上記番号31 の事業を400万円以上の公金を支出して補助する必要性や有効性は、明らかはなか った。 【意見 市民活動交流センター】  各々の事業内容が市民活動支援事業審査委員会において検討及び評価されているこ とは素晴らしいことあるが、補助金として交付する以上、交付要綱で定めた補助対 象事業に該当することの説明、交付目的に照らして補助の必要性のある事業あるこ との説明等補助金の交付手続としての適正さが明らかとなるよう記載を書面に残し ておくことが望ましい。  109.家庭用次世代自動車充給電設備(V2H)普及促進補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │環境部 低炭素・資源循環課                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│建設補助金                                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市家庭用次世代自動車充給電設備普及促進補助金対象者          │ │    │(個人又は個人事業主、法人、区分所有建物管理者)             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│(1)V2Hシステムを市内の住宅に新たに設置する事業           │ │    │(2)V2Hシステムを備えた市内の建売住宅を購入する事業         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市家庭用次世代自動車充給電設備(V2H)普及促進補助金交付要綱    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│本市における次世代自動車の普及の促進を図り、地球温暖化対策を推進する   │ │    │(要綱の文言)                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成29年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  -   │  -   │  2,000,000│   500,000│   500,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  -   │  -   │   200,000│     0│   200,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ※V2Hとは、家庭から車、車から家庭への双方向の充電ができる設備で、家庭用コン セントに比べ充電時間が短くて済む、停電の際車に蓄えた電力を蓄電池として使える こと等からメリットがあるが、機器購入・据付工事費用が高価ある等のため、普及が 進んでいない。令和元年度申請2件の例では、機器購入・据付工事費用(税抜)で88 万円、106万円程度あった。  岐阜市では平成29年度から補助制度を開始し、1件の上限10万円、平成29年度 2件、令和元年度2件の交付を行った。  110.地中熱ヒートポンプシステム普及促進補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │環境部 低炭素・資源循環課                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│建設補助金                                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市地中熱ヒートポンプシステム普及促進補助金対象者           │ │    │(個人又は個人事業主、法人、区分所有建物管理者)             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │(1)地中熱ヒートポンプを市内の建物(温室を含む)に新たに設置(ヒ    │ │対象事業│ートポンプ及び熱交換設備のみの設置を含む)する事業            │ │    │(2)地中熱ヒートポンプシステムを備えた市内の建売住宅を購入する事    │ │    │業                                    │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市地中熱ヒートポンプシステム普及促進補助金交付要綱          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │本市における地中熱ヒートポンプシステムの活用を促進し、もって低炭素    │ │交付目的│社会の実現及び地球温暖化の防止を推進する                 │ │    │(要綱の文言)                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成27年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  4,000,000│  4,000,000│  3,000,000│  1,500,000│  1,500,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   400,000│     0│   500,000│  1,000,000│   500,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ※令和元年度で終了 ※平成27年度、平成28年度は上限20万円で補助が行われたが、初期費用が多額た めか申請件数が伸び悩んため、平成29年度からは上限を50万円とした。交付件数 は、平成27年度2件、平成29年度1件、平成30年度2件、令和元年度1件あった。 件数等検討した結果、令和元年度で当該補助金制度は終了となった。  111.ゼロエネルギー住宅普及促進補助金
    <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │環境部 低炭素・資源循環課                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│建設補助金                                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市ゼロエネルギー住宅普及促進補助金対象者               │ │    │(個人又は個人事業主、法人)                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│(1)補助対象機器・設備を市内の住宅に新たに設置する事業         │ │    │(2)補助対象機器・設備を備えた市内の建売住宅を購入する事業       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市ゼロエネルギー住宅普及促進補助金交付要綱              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │高効率省エネルギー機器・設備を設置する者に対し、当該省エネルギー    │ │交付目的│機器・設備の設置に要する費用を補助することにより、家庭からの二酸化    │ │    │炭素の排出量の削減を図る                         │ │    │(岐阜市ゼロエネルギー住宅普及促進補助金交付要綱より)          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成29年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  -   │  -   │  6,125,000│  5,750,000│  8,536,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  -   │  -   │  2,859,000│  4,390,000│  3,487,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ※国の補助金額の1/10以内の額を(上乗せして)補助する補助金ある。  112.家庭用燃料電池普及促進補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │環境部 低炭素・資源循環課                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│建設補助金                                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │岐阜市家庭用燃料電池普及促進補助金対象者                 │ │    │(個人又は個人事業主、法人、区分所有建物管理者)             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│(1)補助対象システムを市内の住宅に新たに設置する事業          │ │    │(2)補助対象システムを備えた市内の建売住宅を購入する事業        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市家庭用燃料電池普及促進補助金交付要綱                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│地球温暖化の防止を推進し、持続可能な低炭素社会を構築する         │ │    │(要綱の文言)                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成26年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 20,000,000│ 20,000,000│  6,430,000│  1,500,000│  1,600,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 11,800,000│ 11,797,000│  3,161,000│   978,000│   727,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ※国の補助金額の1/10以内の額を(上乗せして)補助する補助金ある。 <監査の結果>(上記109~112の補助金共通) (1)補助金検討チームの活用 【事実関係】  「家庭用次世代自動車充給電設備(V2H)普及促進補助金」について、平成29年 度補助制度を開始し、1件の上限10万円、平成29年度2件、令和元年度2件の交 付を行った。  3年目となった補助金について補助金検討チームからのアドバイス等がなされたか 確認したが、特にコメント等はないとのことあった。 【規範】  平成26年4月25日決裁の補助金等ガイドラインによれば、新設から3年経過した 補助金は、各部における「補助金等の見直し基準チェックシート」に基づく評価及び事 業評価を実施した結果を踏まえ、補助金検討チームが補助事業の再評価を実施し、各 部と検討チームの評価結果が異なる場合、補助金評価委員会が調査・検討し、各部へ意 見書を提出、次年度予算に反映するとされている。 【意見 低炭素・資源循環課】  補助金等ガイドラインでは、各部と検討チームの評価結果が異なる場合、補助金評 価委員会が調査・検討するとの次のステップに進むこととなっている。各部と検討 チームとの評価結果が同じ場合、3年目を過ぎた補助金はその後毎年の各部での見直 しのみとなる。他部からのアドバイスや意見を聞く良い機会あり、結論は同じあ っても意見等を聞くことにより、更によい形での補助金活用が出来ることも考えられ る。  3年目の検討チームによる検討の機会を更に充実させ、改善につなげることが望ま しい。 (2)アンケート、状況報告の活用 【事実関係】  現在のところ、補助対象者へのアンケート、状況報告提出の求めの実施は行われて いない。 【規範】  岐阜市家庭用次世代自動車充給電設備(V2H)普及促進補助金交付要綱第9条(補助 金の交付の条件)では、補助金の交付の決定をするときは、次に掲げる条件を付するも のとされている。  ・市長が実施する消費電力、省エネルギー等に関するアンケートに回答すること。  ・市長からV2Hシステムの運転状況について報告を求められたときは、その状況   を報告すること  また、交付決定通知書(交付の条件)には、「必要に応じて行うアンケート調査その 他必要調査に協力しなければなりません。」と記載されている。  岐阜市地中熱ヒートポンプシステム普及促進補助金交付要綱第9条(補助金の交付の 条件)では、補助金の交付の決定をするときは、次に掲げる条件を付するものとされて いる。  ・市長が実施する消費電力、省エネルギー等に関するアンケートに回答すること
     ・市長から地中熱ヒートポンプシステムの運転状況について報告を求められたとき   は、その状況を報告すること  また、交付決定通知書(交付の条件)には、「必要に応じて行うアンケート調査その 他必要調査に協力しなければなりません。」と記載されている。  ゼロエネルギー住宅補助金の交付決定通知書(交付の条件)には、「補助事業者に対 して、必要に応じてエネルギー使用状況調査、アンケート調査その他必要調査の協 力を求めることがあります。」と記載されている。  家庭用燃料電池補助金の交付決定通知書(交付の条件)には、「補助事業者に対して、 必要に応じてエネルギー使用状況調査、アンケート調査その他必要調査の協力を求 めることがあります。」と記載されている。 【意見 低炭素・資源循環課】  補助事業開始から3年~6年が経過している補助金あり、補助対象者も複数とな ってきている。  補助対象者へのアンケートを実施したり、状況報告を求めたりして、個別の補助事 業の効果測定や今後の補助事業の形、新た補助金制度検討への材料として活かすこ とが望ましい。  113.ダンボールコンポスト普及促進補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │環境部 低炭素・資源循環課                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │次の各号のいずれにも該当する者                      │ │    │(1)市内に在住していること。                      │ │交付先 │(2)生ごみ減量カードを有すること。                   │ │    │(3)当該年度の4月1日から翌年2月末日までに、市登録販売者からダ    │ │    │   ンボールコンポスト消耗品を購入し、これを使用して生ごみの減量    │ │    │   を実践すること。                          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│ダンボールコンポスト消耗品を購入する事業                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│ダンボールコンポスト普及促進補助金交付要綱                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │本市におけるダンボールコンポストによる生ごみの肥料化を促進し、市内    │ │交付目的│の一般家庭から排出される生ごみの減量を図る                │ │    │(要綱の文言)                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成29年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  -   │  -   │  2,778,000│  2,842,000│  1,312,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  -   │  -   │   354,560│   416,710│   470,970│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)補助金検討チームの活用 【事実関係】  市民が、ダンボールコンポストを行うために必要消耗品を購入した際、市が定額 補助をする形で補助が行われており、平成29年度補助制度を開始し、令和元年度で3 年目となった。  3年目の補助金について補助金検討チームからのアドバイス等がなされたか確認し たが、特にコメント等はないとのことあった。 【規範】  補助金等ガイドラインによれば、新設から3年経過した補助金は、各部において「補 助金等の見直し基準チェックシート」に基づく評価及び事業評価を実施した結果を踏 まえ、補助金検討チーム補助事業の再評価を実施するとされている。 【意見 低炭素・資源循環課】  補助金等ガイドラインでは、各部と検討チームの評価結果が異なる場合、補助金評 価委員会が調査・検討するとの次のステップに進むこととなっている。各部と検討 チームとの評価結果が同じ場合、3年目を過ぎた補助金はその後毎年の各部での見直 しのみとなる。他部からのアドバイスや意見を聞く良い機会あり、結論は同じあ っても意見等を聞くことにより、更によい形での補助金活用が出来ることも考えられ る。  3年目の検討チームによる検討の機会を更に充実させ、改善につなげることが望ま しい。  114.みんなでつくる“ホッとタウン”プロジェクト     街角トワイライト整備事業補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │市民生活部 防犯・交通安全課                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│団体事業補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │個人、自治会                               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│防犯灯の設置                               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市民みんなでつくる“ホッとタウン”プロジェクト助成要綱        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│地域において積極的安全活動を行う市民と市との協働により、ホッと     │ │    │できる安全安心まちづくりを進める                   │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成15年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│   975,000│   975,000│  1,425,000│  1,425,000│  1,425,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│   933,500│   701,600│   836,400│   681,400│   648,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)平成23年度包括外部監査報告書の措置状況
    【事実関係】  平成23年度包括外部監査報告書における指摘・意見及びこれに対する措置状況報告 は以下のとおりある。 ┌───────────────────┬───────────────────┐ │平成23年度包括外部監査報告書     │措置状況報告             │ ├───────────────────┼───────────────────┤ │照明の設置の必要性について、設置予定箇│当事業の条件ある「民地内への設置」の│ │所の自治会長の承諾をえることとされてい│確認や、「公益性の高さ」等、夜間に現地│ │るが、原則、夜間に現地調査を行い、岐阜│調査を行い、防犯灯の必要性の有無を判断│ │市として防犯灯の必要性の有無を検討すべ│する。                │ │きある。(指摘)          │                   │ │補助対象となった照明のほとんどが、補助│平成24年度から、電柱等に設置する場合 │ │上限額ある10万円以内で設置されてお │の補助金額の上限を10万円から8万円に │ │り、設置費用の全額を岐阜市が負担してい│引き下げたが、上限額以内で設置可能であ│ │る案件が多かった。          │り、受益者負担が維持管理費のみとなって│ │受益者負担の原則に則り、補助金額の上限│いるケースが多い。中核市の補助金交付状│ │を引き下げることや、補助対象となる経費│況を調査し取りまとめた結果を参考に、補│ │の一定割合を補助することにより、設置費│助金額の上限や、受益者負担のあり方を再│ │用も一定の受益者負担を求めるべきあ │度検討していく。           │ │る。(指摘)             │───────────────────│ │                   │中核市における補助の状況について調査し│ │                   │た結果、回答があった37市のうち、7割 │ │                   │以上で電気代もしくは設置に係る補助が行│ │                   │われており、そのうち両方の補助制度があ│ │                   │る市は8割以上に上った。本市において │ │                   │は、電気代等の長期的に続く維持費は設置│ │                   │者が負担しており、これらを総合的に勘案│ │                   │すると、一定の受益者負担がなされている│ │                   │ものと考える。            │ └───────────────────┴───────────────────┘  上記のとおり、現在は、照明の設置にあたり夜間確認を行っているとのことある。 補助上限額についての見直しが行われたが、見直し後もなお設置費用の全額を岐阜市 が負担している案件がほとんどある。これについて、他の中核市との比較の結果、維 持費を設置者が負担することをもって、相応の受益者負担がなされているものと判断 したとのことある。  115.ブロック塀等撤去補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │まちづくり推進部 建築指導課                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│維持補修補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │ブロック塀等の所有者(223件)                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│道路に面する高さ60cm以上、長さ1m以上のブロック塀等の撤去        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市ブロック塀等撤去費補助金交付要綱                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│地震によるブロック塀等の倒壊により通行者等が被害を受け、又は道路     │ │    │の通行の妨げとなることを防止する(要綱の文言)              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成30年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  -   │  -   │  -   │ 37,600,000│ 41,700,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  -   │  -   │  -   │ 37,600,000│ 28,258,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)適法性確認作業 【事実関係】  大阪府高槻市で起きたブロック塀の倒壊による事故を受けて創設された補助制度で あり、交付要綱では、ブロック塀等の所有者、又は、「これらの者に準ずる者として市 長が適当と認める者」に対して、補助金を交付することとなっている(第4条)。 【意見 建築指導課】  相続発生事案等、当該ブロックの所有者を法的に正確に確定することには困難が伴 う事例も一定数存在すると思われる。その意味で、交付要綱第4条第2号の「これらの 者に準ずる者として市長が適当と認める者」に該当事案が一定数存在するはずある。 この場合には、「市長が適当と認める者」の判断過程を事後的に検証できる資料を残し ておくことが望ましい。  116.建築物等耐震化促進事業費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │まちづくり推進部 建築指導課                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│維持補修補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市建築物等耐震化促進事業費補助金交付要綱               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│既存建築物等の地震に対する安全性の向上を図り、地震に強いまちづく     │ │    │りを進める(要綱の文言)                         │ └────┴─────────────────────────────────────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │木造住宅の所有者                             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│木造住宅の耐震改修工事                          │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成17年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 57,500,000│ 35,385,000│ 30,330,000│ 25,275,000│ 15,606,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 20,274,000│ 21,796,000│ 15,845,000│ 11,241,000│ 12,619,000│
    └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │交付先 │特定建築物の所有者                            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│特定建築物の耐震診断                           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成18年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  -   │  4,800,000│  4,800,000│  6,800,000│  3,400,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  -   │  3,872,000│     0│     0│  2,484,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)効率性 【事実関係】  木造住宅耐震改修について、平成23年度包括外部監査において、工事件数が少なく、 当該補助金の効果が極めて限定的となっているため、その有効性を向上させることが 望ましいとの意見が述べられていた。  これに対しては、岐阜市としては、無料耐震診断を受けた市民に対してアンケート を実施し、耐震補強工事を実施できない理由を調査する方策を講じたとのことあった。  しかし、そのアンケートがどのようものあったか、現時点で確認できず、少なく とも課内で十分引継ぎがなされていない。 【意見 建築指導課】  耐震化率の向上を目指すべく、市負担の無料耐震診断を利用しながら、工事をしな い所有者に対してのアンケート(例えば、2、3年に1回)を実施することが望まし い。 【事実関係】  特定建築物の耐震診断について、具体的利用例として、診断のみで終了し、具体的 施策(改修計画や施工)まで直結していない例があった。 【意見 建築指導課】  耐震診断のみの補助となれば、その目的ある「耐震改修又は建替えの喚起」に必ず しも直結するものはない。「耐震改修又は建替えの喚起」に結びつけるべく、補助率 の改定や診断後のフォローアップ等を検討することが望ましい。  117.耐震シェルター等設置事業費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │まちづくり推進部 建築指導課                        │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│維持補修補助金                              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │木造住宅の所有者(1件)                         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │耐震診断の結果、「倒壊する可能性がある」と判定された昭和56年5月     │ │対象事業│31日以前着工の高齢者等が居住する木造住宅の所有者に対し、耐震シェ     │ │    │ルター又は防災ベッドを設置する費用の一部を補助する            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市耐震シェルター等設置事業費補助金交付要綱              │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│地震時に迅速自力避難が困難ある高齢者等の防災意識の向上を図      │ │    │り、生命の安全を確保する(要綱の文言)                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成26年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  1,350,000│  1,350,000│  1,350,000│  1,350,000│  1,350,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│     0│  3,204,000│   540,000│   270,000│   270,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)効率性 【事実関係】  木造住宅に耐震シェルター又は防災ベッドを設置するための費用の一部補助(上限 27万円)するものあるが、平成30年度、令和元年度ともに利用件数が1件のみあ る。 【意見 建築指導課】  現状の利用件数のままでは、その目的ある防災意識の向上、ひいては生命の安全 の確保が図られるよう利用とはなっていない。  より効果的補助金制度となるよう検討することが望ましい。  118.空き家改修費補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │まちづくり推進部 まちづくり事業課                    │ │    │※令和元年度は、まちづくり推進部 まちづくり景観課            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│諸補助金                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付先 │自ら定住するために購入した空き家の改修を行う者かつ2人以上の世帯     │ │    │に属する者、市外からの定住者、子育て、新婚世帯(5件)         │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│市内の空き家を購入し改修を行う                      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜県空き家総合整備事業費補助金交付要綱、岐阜市空き家改修費補助     │ │    │金交付要綱                                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│空き家の流通及び活用を促進し、もって本市の定住人口の増加及び人口     │ │    │流出の抑制を図る(要綱の文言)                      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│令和元年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │
    │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  -   │  -   │  -   │  -   │  6,000,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  -   │  -   │  -   │  -   │  3,000,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ 【監査の結果】 (1)公平性 【事実関係】  「岐阜市空き家改修費補助金交付要綱」では、その趣旨目的として、「空き家の流通 及び活用を促進し、もって本市の定住人口の増加及び人口流出の抑制を図る」ことが 掲げられている(要綱第1条)  しかし、補助対象事業としては、あくまで「自らが定住するために購入した空き家の 改修を行う事業」として、自己取得及び自己定住が前提とされている(要綱第3条)。  市によれば、自己定住を要件としているのは、営利目的(賃貸住宅)での補助利用を 除外するため、自己取得を要件としているのは、短期間での転居を除外するためとの ことある。 【意見 まちづくり事業課】  例えば、子が定住するのが子に資金がないために取得費を親が捻出するケース等 も想定されるが、要件を満たさずに対象外となってしまう。  令和元年度から開始した補助金ではあるが、「空き家の流通及び活用を促進し、もっ て本市の定住人口の増加及び人口流出の抑制を図る」という目的をより達成できるよ う、自己取得及び自己定住に限定する要綱の見直しを検討することが望ましい。  119.はじめての就職定住支援金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │まちづくり推進部 まちづくり事業課                    │ │    │※令和元年度は、まちづくり推進部 まちづくり景観課            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│諸補助金                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │学業を理由に市外に転出した後、はじめての就職のため本市にUターン     │ │交付先 │する者又ははじめての就職を機に本市の居住誘導区域外から内に転居す     │ │    │る者(34名)                               │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│学業を理由に市外に転出した後、はじめての就職のため本市にUターン     │ │    │する、はじめての就職を機に本市の居住誘導区域外から内に転居する      │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市はじめての就職定住支援金支給要綱                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │交付目的│Uターン者及び居住誘導区域転居者の増加を推進し、もって本市の定住     │ │    │人口の増加及び人口流出の抑制を図る(要綱の文言)             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成30年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│  -   │  -   │  -   │   590,000│  2,800,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  -   │  -   │  -   │   50,000│  1,700,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)事後確認 【事実関係】  「岐阜市はじめての就職定住支援金支給要綱」では、申請の日から2年以上、Uター ン者にあっては市内に、居住誘導区域転居者にあっては居住誘導区域に定住をしてい ない場合には、支給決定の取消しがありうることが明記されている(要綱第6条)。  しかし、事後確認が十分になされていない。 【意見 まちづくり事業課】  要綱に、事後取消し条項が定められている以上、その取消事由該当性の調査方法に ついて検討しておくことが望ましい。要綱に取消し条項があるからといって、平時か ら後追い確認を全件要求することは、当該確認調査へのマンパワーや事務費用を考え て現実的ない場合もあり得る。  この点も踏まえて、事後取消し条項を、どの場面で適用するものとして設けている のか、予め検討しておくことが望ましい。  120.中心市街地新築住宅取得助成金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │まちづくり推進部 まちづくり事業課                    │ │    │※令和元年度は、まちづくり推進部 まちづくり景観課            │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│諸補助金                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │中心市街地(3期中心市街地活性化基本計画区域)において、自ら居住     │ │交付先 │する住宅を建設又は取得するために金融機関と住宅ローンを契約した人     │ │    │(24名)                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│中心市街地において、金融機関の住宅ローンを利用して自ら居住する住     │ │    │宅を建設又は取得する                           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市中心市街地新築住宅取得助成金交付要綱                │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │中心市街地における良好住宅の建設及び流通を誘導し、並びに子育て     │ │交付目的│世帯の居住を促進することにより人口流入の促進及び人口流出の抑制を     │ │    │図り、もって中心市街地を活性化する(要綱の文言)             │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成23年度                                │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 17,750,000│  2,500,000│  2,500,000│  2,400,000│ 24,800,000│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│  7,500,000│  1,750,000│   500,000│  2,850,000│ 13,000,000│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘
    <監査の結果> (1)公平性 【事実関係】  「岐阜市中心市街地新築住宅取得助成金交付要綱」では、その趣旨目的として、「中 心市街地における良好住宅の建設及び流通を誘導し、並びに子育て世帯の居住を促 進することにより人口流入の促進及び人口流出の抑制を図り、もって中心市街地を活 性化すること」が掲げられている(要綱第1条)。  かかる観点から、岐阜市においては、「まちなか居住重点区域の新築住宅」を設定し て(要綱第4条別表第1)、当該区域内かつ新築住宅という制限を設けている。  しかしながら、実際の補助金受給者は、令和元年度でいえば、交付された全24件中 20件が当該区域内の新築高層マンション居住予定者あった。  この理由としては、1)まちなか居住重点区域内については、新築高層マンション建 設が増加している一方で、戸建て用土地の流通性が低い地域あるという傾向のため、 戸建て新築物件が少ないということ、2)新築高層マンションの場合、ディベロッパー が率先して当該補助金の利用を広告していることが挙げられる。 【意見 まちづくり事業課】  現状の制度設計では、実質、新築高層マンション居住予定者のための補助金となっ てしまっている。しかも、中心市街地のマンション価格は上昇傾向にあり、当該新築高 層マンション居住予定者には富裕層が多く含まれている可能性が高く、そういった購 入者にとって、本補助金がプラスの材料ではあることは否定しないが、本補助金が当 該マンションに居住しようという動機付けとまではなっていないと思われる。市によ れば、マンション建設が増えているから補助の目的が達成できていると考えていると のことあるが、本補助金があるからマンションディベロッパーがマンションを建設 したとは思えない。本補助金は、交付目的達成の手段として機能していないと考える。 マンション購入者を利する結果になっているだけ、公平さを欠くとも受け取られか ねない。  交付目的達成のための手段として機能する補助金の制度に改めることが望ましい。  121.中心市街地活性化空き店舗活用事業補助金 <概要> ┌────┬─────────────────────────────────────┐ │所管  │経済部 産業振興・企業誘致課                       │ │    │※令和元年度は、商工観光部 産業雇用課                  │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │説明区分│諸補助金                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │商店街団体、商店街振興組合に加入する者、商店街振興組合連合会に加     │ │    │入する商店街振興組合以外の団体に加入する者のいずれかに該当する出     │ │交付先 │店者あって、商店街団体から、その活動地区の賃借物件において補助     │ │    │事業を実施することが適当ある旨の推薦を受けたもの            │ │    │(平成28年度分3店(うち1店取消)、平成29年度分7店、平成30年      │ │    │度分9店、令和元年度分6店)                       │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │対象事業│小売業等を営む出店者による空き店舗の賃借                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │根拠規定│岐阜市中心市街地活性化空き店舗活用事業補助金交付要綱           │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │    │商店街の活性化及びにぎわいの創出を図り、もって中心市街地における     │ │    │都市機能の増進及び経済活力の向上を推進する(要綱の文言)         │ │交付目的│空き店舗の減少により商店街の連続性を保ち、モールとしての魅力を維     │ │    │持すること、活力と賑わいのある商店街づくりを推進する(事業評価     │ │    │シート)                                 │ ├────┼─────────────────────────────────────┤ │開始年度│平成9年                                 │ ├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤ │    │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │ │金額  ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │(円) │予算│ 26,304,300│ 24,559,174│ 30,825,526│ 29,263,000│ 22,215,950│ │    ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │決算│ 15,280,608│ 20,085,210│ 14,644,319│ 13,970,943│ 10,152,999│ └────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ <監査の結果> (1)経営相談の内実化 【事実関係】  岐阜市では、その運用において、補助金を支出した事業者に対して、2、3年目に経 営相談を受けさせ、その記録の提出をさせている。 【意見 産業振興・企業誘致課】  事業を続けてもらうことが前提あるため、方法としては理解できるが、記録を見 る限り、有用内容となっているとは言い難い事例が散見された。  経営相談について、より有用ものとなるよう、更なる検証を行うことが望ましい。 (2)事後管理 【事実関係】  家賃補助を受けた事業者の中で、事業実績報告の提出遅延している者があった。そ の遅延理由については、業務多忙とのことあった。 【規範】  報告は補助対象事業の完了した日から起算して30日を経過した日までに提出しなけ ればならない。 【指摘 産業振興・企業誘致課】  家賃の収支を出すだけの内容あり、期限内に提出することができないほどの「や むを得ない事由」はないものと思われる。  期限内の提出を徹底させるとともに、期限を徒過した場合は、補助金交付決定の取 消し等で対応すべきある。 3: [ 347頁]◯議長(大野一生君) 以上で諸般の報告を終わります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 開  議 4: [ 347頁]◯議長(大野一生君) これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、さきに御通知申し上げたとおりあります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第1 会議録署名議員の指名 5: [ 347頁]◯議長(大野一生君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において28番山口力也君、29番井深正美君の両君を指名します。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第2 会期の決定 6: [ 347頁]◯議長(大野一生君) 日程第2、会期の決定を議題とします。
     お諮りします。今期定例会の会期は、本日から3月25日までの23日間と定めたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 7: [ 347頁]◯議長(大野一生君) 御異議なしと認めます。よって、今期定例会の会期は、本日から3月25日までの23日間と決しました。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第3 報第1号から第82 第77号議案まで 8: [ 347頁]◯議長(大野一生君) 日程第3、報第1号から日程第82、第77号議案まで、以上80件を一括して議題とします。            ───────────────────              〔議 案 等 掲 載 省 略〕            ─────────────────── 9: [ 347頁]◯議長(大野一生君) これら80件に対する提出者の説明を求めます。市長、柴橋正直君。    〔柴橋正直君登壇〕 10: [ 347頁]◯市長(柴橋正直君) おはようございます。    〔「おはようございます」と呼ぶ者あり〕  本日、令和3年第1回岐阜市議会定例会が開催され、新年度の予算案を中心に諸議案の御審議をお願いするに当たり、市政に臨む所信の一端と施策の大要を申し上げます。  私が市民の皆様の信任を賜り、岐阜市長に就任してから3年が経過し、いよいよ1期目の集大成の年を迎えます。この間、オール岐阜のまちづくりを市政運営の基本方針として掲げ、1年勝負という強い気持ちを持って、積年の課題解決とともに、本市のさらなる発展に向け、全力で取り組んできました。  こうした中、発生から1年以上を経過してもなお、いまだ収束の兆しが見えない新型コロナウイルス感染症に係る対策においては、昨年春先の第1波以降、最優先事項として全庁一丸となって難局に立ち向かってきました。  11月からの第3波は、医療提供体制が逼迫する非常に深刻状態となり、二度目の緊急事態宣言が発令されるなど、市民生活にも大きな影響が生じましたが、不要不急の外出自粛や飲食店等の時短営業など、市民や事業者の皆様の御協力、さらには、最前線で対応していただいております医療機関等をはじめとする関係者の皆様の献身的御努力に対し、改めて感謝を申し上げます。  新型コロナワクチン接種という次のステージに踏み出したところありますが、新年度においても、最優先事項として対策に取り組むとともに、ポストコロナ社会を見据えた本市の新た総合的方針として未来都市構想の策定に取り組んでまいります。  さて、いよいよこの5月には、つかさのまちにおいて本市の新たシンボルとなる新庁舎が開庁します。  これまで8つの施設に分散しておりました機能の集約、ライフイベントに応じた各種手続をワンストップで扱う総合窓口の開設、各種窓口部署の低層階への集約などにより、市民の皆様の利便性の向上が大きく図られます。加えて、市民の皆様に開かれ、親しまれる庁舎として、市民交流スペースや展望スペースも皆様に御利用いただけるよう開放してまいります。今後、大規模移転作業に着手しますが、ワンストップ総合窓口の開設準備など、開庁に向け万全の対応を講じてまいります。  また、岐阜駅周辺においては、岐阜都市圏の玄関口にふさわしい都市機能の集積を目指した岐阜駅北中央東・西地区の再開発事業が動き出すとともに、公共空間の新た活用を図る社会実験やバスの自動運転実証実験など、本市のセンターゾーンを中心に未来へつながる事業にも着手しました。  一方、義務教育においては、東海地区で初めての公立の不登校特例校、草潤中学校もいよいよ来月開校します。  こうした取組を一つ一つ着実に進めてきた結果、令和2年の本市の人口動態における社会動態において、2年連続増加となる338人の転入増にもつながっているのはないかと実感しているところあります。  コロナ禍の困難状況にあっても、このように岐阜が動いている、変化をしていることを市民の皆様に実感していただきながら、これからも市民の皆様に寄り添い、希望をしっかり照らしていく1年にしてまいります。  それでは最初に、本市を取り巻く環境について申し上げます。  新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外における経済状況は依然として厳しい状況下にある中、国においては、これまで過去に例のない大型の補正予算を編成し対応しております。その結果、国の長期債務残高、いわゆる国の借金は、昨年度末より100兆円近く膨れ上がる1,000兆円を超え、国と地方の合計では、GDPの2倍以上となる1,200兆円を超える見込みとなっております。  加えて、人口減少や少子高齢化対策、大規模自然災害への対応など、喫緊の課題にも早急に取り組む必要があり、国の財政状況は、今後も予断を許さない状況が続くものと推測されます。  一方、新型コロナウイルス感染症対策の実施に際し、これまでの経済社会活動や環境が必ずしも持続可能なものはなかったこと、加えて、行政サービス等においても、デジタル化の遅れや脆弱性が表面化するなど、新た課題も見えてきたところあります。こうした中、国においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に対し、切れ目のない対策を講じるとともに、デジタル社会の実現や脱炭素社会に向けた改革を早急に進めるため、新年度予算と令和2年度3次補正予算が一体となった、いわゆる15か月予算が編成されました。  また、昨年12月、デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針が閣議決定され、自治体が重点的に取り組むべき事項や内容を具体化するとともに、関係省庁による支援策等を取りまとめた自治体DX推進計画が策定されたところあります。  我々地方自治体としましても、こうした社会経済情勢や国の動向を的確に捉え、柔軟かつ迅速に対応するとともに、多様課題を一つ一つ前に進め、あわせて、未来への投資も着実に進めることが重要あると考えております。こうした認識の下、新年度におきましては、新型コロナウイルス感染症対策を最重点事項とするとともに、特に重点を置いて取り組む政策の方向性として、こどもファースト、シビックプライド、中心市街地活性化と社会基盤整備、地域経済活性化、寄り添う福祉の5つのベクトルを掲げ、SDGsの理念の推進にも意を用い、持続可能な岐阜市の実現に向け、市民の皆様とともに全力で取り組んでまいります。  それでは、新型コロナウイルス感染症対策及び政策のベクトルについて申し上げます。  まず、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、保健所の体制強化を図り、ワクチン接種対応に万全を期すとともに、本市の総合対策としての4つの柱、市民、事業者及び市有施設等の感染拡大防止対策、医療、予防体制の充実強化、市民生活や事業者への社会経済活動支援、ポストコロナ社会に適応する新た日常の構築促進により、県とも連携しながら全庁一丸となって取り組んでまいります。  次に、政策のベクトルにつきまして順次申し上げます。  まず1つ目のベクトルは、岐阜市政における不変の方針と位置づけておりますこどもファーストあります。  少子化が進行する中、持続可能な岐阜市を実現するため、次世代を担う子どもたちへの投資は最優先に取り組むべき事項あります。  学校、家庭、地域の誰もが生命の尊厳を理解し、互いに心を開く対話を重ね、一人一人が価値ある大切存在として互いに認め合う教育を推進することを基本方針とする新しい教育大綱に基づき、誰一人取り残すことなく、全ての子どもたちが自らの選択と行動によって幸せ未来を創り出すための力を培う教育を推進し、教育立市のさらなる深化を図ってまいります。  あわせて、安心して子どもを産み育てることができ、さらには、子どもたちが安全に安心して暮らすことができるよう、切れ目のない支援の充実に取り組んでまいります。  2つ目は、シビックプライドあります。  コロナ禍において、地域における活動等も影響を受ける中、一層重要となってくるのは、市民の皆様が持つ地域に対する愛着や誇り、いわゆるシビックプライドあります。  市民の皆様に本市の魅力や地域の魅力を再認識いただくこと、さらには、一緒になってまちの魅力を高めていくことが愛着につながり、その地域の魅力が市外の皆様から評価を得ることにより、さらなる愛着の高まりにつながる好循環が生まれます。こうして育まれたシビックプライドは、地域を支えるための大きな力となるものあり、持続可能な岐阜市の実現に不可欠ものあります。そのため、本物志向の観光まちづくりやシティプロモーション、市民協働をキーワードに施策の推進に積極的に取り組み、シビックプライドのさらなる醸成を図ってまいります。  3つ目は、中心市街地活性化と社会基盤整備あります。  本市の中心市街地は、岐阜都市圏の中心として、本市のみならず、岐阜都市圏の発展を推進するエンジンあるとともに、人口のダム機能を果たす重要エリアあります。そのため、引き続き市街地再開発やリノベーションまちづくりを両輪として、魅力あふれる都市機能の創出を図るとともに、公園や道路などの公共空間を生かした魅力あるまちづくりを図り、都市の顔となるセンターゾーンにときめきと安らぎを提供する都市空間を実現し、未来を切り開いてまいります。  あわせて、利便性や快適性の向上に資する社会基盤整備は、市民生活を将来にわたり豊かにするとともに、都市の付加価値を高める未来への投資あり、今後も着実に進めていくとともに、次世代が担う社会を見据えた公共施設マネジメントの推進にも取り組んでまいります。  4つ目のベクトルは、地域経済活性化あります。  新型コロナウイルス感染症の長期化により、地域経済は大きな影響を受けており、景気や雇用の面においても厳しい状況が続いております。  このよう状況の中、地域の活力のエンジンとなる経済の立て直しを図ることは、市民生活を守り、持続可能な岐阜市の実現を目指す上でも急務あります。そのため、中小企業、小規模事業者の経営支援環境の整備、企業誘致なども含めた働く場の確保を図るとともに、起業者の創出を図るためのスタートアップ支援などに取り組んでまいります。  最後に、5つ目は、寄り添う福祉あります。  日々の生活の中で様々課題を抱えている市民の皆様に寄り添い支えていくことは、我々基礎自治体の重要責務あります。  特に本年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、市民の皆様の生活にも様々影響が出ております。そのため、生活に困難を抱えている皆様への支援を継続的に実施するとともに、ワークダイバーシティの推進による障がい者支援など様々取組により、市民一人一人が安心して暮らすことができるよう、きめ細やか支援を行ってまいります。  また、これら5つのベクトルに加え、デジタル技術を活用して人々の生活をよりよいものへと変革していく、いわゆるデジタルトランスフォーメーションの推進にも全庁を挙げて取り組んでまいります。  人口減少社会を迎え、将来の労働力不足の懸念が拡大する中、業務の効率化などを図るために、AIやRPAなどデジタル技術の活用を進めておりますが、コロナ禍において、テレワークやウェブ会議など場所を問わない働き方の急速広がりや、非対面によるオンライン申請など、社会生活の中でデジタル技術の活用ニーズがさらに高まってきております。  新年度は、新たにデジタル技術活用推進室を行政部に設置し、岐阜市ICT活用推進計画の積極的推進や、新たデジタル技術の活用を図るとともに、ポストコロナ社会に対応するデジタル・ガバメントへの転換を推進してまいります。  続きまして、新年度予算案について申し上げます。  まず、歳入についてあります。  歳入の根幹ある市税収入につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、市民税が給与所得や法人収益の減などにより22億円の減、固定資産税及び都市計画税が中小事業者等に対する特例軽減措置などにより9億円の減となる結果、全体で、前年度と比較し31億円、率にして4.7%減の634億円を見込んでおります。  また、税外収入につきましては、固定資産税等の特例軽減措置に伴う新型コロナウイルス感染症対策地方税減収補填特別交付金5億円、普通交付税の錯誤措置終了などにより17億円の増を見込むなど、これらを合わせた一般財源は、前年度に比べ7億円の減となる見込みあります。  一方、歳出につきましては、新型コロナウイルス感染症における各種感染防止対策や市民生活への支援、中小企業融資をはじめとする経済対策経費などで139億円の増となる一方、投資的経費における新庁舎や東部クリーンセンター粗大ごみ処理施設建設など大型事業の完了や、国の第3次補正に伴う本年度3月補正予算への事業の前倒しにより、前年度より減少しております。  この結果、令和3年度の予算規模は、     一般会計             1,773億3,000万円     特別会計             1,154億  230万円     企業会計          517億7,259万3,000円     総計          3,445億  489万3,000円 となり、  これを令和2年度当初予算と比較いたしますと、     一般会計で       16億8,000万円  0.9%の減     特別会計で       34億9,710万円  3.1%の増     企業会計で        5億2,735万円  1.0%の増     全体では        23億4,445万円  0.7%の増 となったところあります。  それでは、当初予算案の主要施策の大要につきまして、ぎふし未来地図に掲げる都市づくりの方向性に沿って順次御説明いたします。  最初に、教育や子育てが充実し、人々が育まれるまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、子育て世代が安心できる支援の充実についてあります。  本市におきましては、安心して子どもを産み育て、子ども自らが健やかに育つことができるよう、子ども・子育て支援プランに基づき、様々ライフステージにおける切れ目のない支援の充実に努めております。  安心して子どもを産み育てるための施策としましては、結婚新生活支援事業として、婚姻に伴い新生活に要する住居費等を助成し、経済的負担を軽減すること、結婚を考えるカップルの背中を後押ししてまいります。  また、特定不妊治療費助成において、助成額の増額や所得制限の撤廃などの要件緩和を図るとともに、妊娠しても流産、死産を繰り返す不育症の方の検査費用に対する新た助成制度を創設し、子どもを授かりたいという切実思いに応えてまいります。  あわせて、コロナ禍において、新たに妊婦の新型コロナウイルス検査に係る費用を助成するほか、同感染症に罹患した妊産婦に対し、助産師等による訪問や電話によるサポート体制を充実するとともに、出産等に関する情報提供や保健指導をオンラインで行うパパママ学級の実施、母子健康包括支援センターにおける相談などにより、母子の健康づくりを一層推進してまいります。  また、ぎふし共育都市プロジェクトにおけるパパ大学の講座などを引き続き実施すること、父親の意識の変革や実践的スキルの取得による男性の育児参画の推進を図ってまいります。  独り親家庭においては、経済的不安が大きい一方、子どもの重要権利ある養育費の支払いが履行されず、生活が困難となるケースがあるとされております。新年度には、公正証書等の作成に係る費用の助成など、養育費に係る債務名義取得を支援し、養育費の継続的履行につなげてまいります。  加えて、コロナ禍において子どもの見守り機会が減少する中、見守りを必要とする独り親家庭等の子どもに食材やお弁当を届ける子ども見守り宅食支援事業により、見守り機会を確保し、必要支援につなぐことができる体制を強化してまいります。  また、保育環境の充実につきましては、病気または病気の回復期における児童を医療機関で保育する病児・病後児保育施設について、引き続き安心して子どもを預けることができる環境整備を図ること、保護者の仕事と育児の両立支援に努めるとともに、新年度においては、多子世帯の減免の要件緩和を行い、保護者の経済的負担の軽減を図ってまいります。  さらに、多様保育ニーズに対応し、将来に向け良質保育環境を整備、確保していくため、公立保育所民営化に向けた準備を進めてまいります。  また、私立保育園等における業務のICT化を推進し、保育士の業務負担の軽減を図るとともに、保育士が働きやすい環境を整備してまいります。  一方、義務教育においては、貧困状況にある子どもが、生まれ育った環境によって就学等に影響することがないよう、経済的に困難を抱える保護者への支援として、就学援助の認定基準の見直しを実施してまいります。  次に、学校教育の充実についてあります。  一昨年7月に起きましたいじめ重大事態を受け、このよう悲しい事案を二度と起こしてはならないという強い決意の下、本年度、市立の学校全70校にいじめ対策監を配置するなど、いじめの未然防止や早期対応のための施策に全力で取り組んでおります。こうした中、専門家による公教育検討会議における本市教育の強みと課題の議論、さらには、コロナ禍で一層顕在化した本市の教育の課題を改めて見詰め直す中で、岐阜市教育大綱の改定の必要性を強く感じたところあり、昨年9月に岐阜市いじめ防止対策推進条例を大きく見直すとともに、岐阜市総合教育会議における協議を重ね、昨年12月、教育大綱を改定いたしました。  この大綱では、基本方針を、「学校・家庭・地域の誰もが生命の尊厳を理解し、互いに心を開く対話を重ね、一人ひとりが価値ある大切存在として互いに認め合う教育を推進する」とし、加えて、子ども、学校と教職員、家庭と地域、それぞれについて教育に携わる当事者として、その目指す姿を位置づけたところあります。  この教育大綱に基づき、新年度は、新たに総合的学習の時間を軸に、道徳と特別活動の一部の時間を合わせ、生き方の探求学習の時間として位置づけ、生命の尊厳の理解を深める学びを進めていくとともに、本年度導入した1人1台タブレットを活用し、個別最適化された学び、協働的学びを推進してまいります。  また、教職員がより深く子どもと向き合う時間を確保するためにスクール・サポート・スタッフを各学校に1名配置するとともに、多忙の原因等の可視化に取り組み、タブレットを活用した業務の軽減、効率化などにより教職員の多忙解消に努めてまいります。  地域との連携につきましては、学校と地域をつなぐコミュニティ・スクールにおいて、新たに総括的コーディネーターを設置するなど、さらなる深化を図ってまいります。  加えて、ハード面においては、体育館の空調設備整備や洋式トイレの充実など、さらなる学習環境の向上を進めてまいります。  一方、高等教育機関につきましては、岐阜薬科大学において、昨年、産学連携に関する基本協定を締結した民間企業と新た共同研究講座を設置するなど、民間企業の研究能力及び人材を活用し、研究・教育活動のさらなる拡充を図ってまいります。  また、女子短期大学においては、大学から提言書が提出されたことを踏まえ、学科編成などをはじめ、今後の大学の在り方について懇談会を開催し検討してまいります。  次に、生涯を通じた生きがいづくりの推進についてあります。  人生100年時代と言われる超長寿社会が到来する中、人生の各ステージにおいて、どんなことにも常に関心を持ち、学びを続け、活動につなげていくことや、文化・芸術に親しみ楽しむことは、生涯にわたり豊か人生を送る上で重要あります。  市民の皆様の学びを支える知の拠点ある中央図書館におきましては、市民に身近滞在型図書館として図書館サービスのさらなる向上に努めるとともに、電子書籍の充実を図ってまいります。  あわせて、岐阜で楽しく豊かに暮らしていくための道しるべとなる図書を集めたシビックプライド・ライブラリーにおいて、岐阜の魅力を伝える講座や展示、ワークショップを開催してまいります。  また、生涯学習「長良川大学」につきましては、地域の皆様が地域の魅力を発見し、まちづくりを進めていただくことを目指す市民大学化に向けた取組を進めてまいります。  一方、文化・芸術の推進につきましては、今後の文化・芸術施策のさらなる推進を図るため、本年度実施しました市民意識調査の結果を踏まえ、文化芸術推進基本計画を策定いたします。  また、引き続き市民文化祭や長良川薪能など、市民の皆様が楽しみ、参加することができる事業を推進することにより、シビックプライドの醸成にもつなげてまいります。  次に、福祉や医療が充実し、生涯を健康に暮らせるまちづくりに係る施策について申し上げます。
     まず、高齢者、障がいのある方及び生活に困窮している方への支援についてあります。  超高齢社会や核家族化が進展する中、8050問題をはじめ、地域社会が抱える課題は複雑化、複合化してきており、これまでの属性別の支援体制では対応が困難となってきております。そのため、第2期地域福祉推進計画に基づき、関係各機関を結ぶ総合的支援体制を構築するとともに、新たにその調整役を担う福祉まるごと支援員を3名配置し、相談体制の強化を図ってまいります。  また、認知症など判断能力に不安を抱える方々が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、身上監護や財産管理等を行う成年後見制度の利用促進を図るため、保健、福祉、医療、司法による地域連携ネットワークの中核機関として、成年後見センターを新庁舎内に開設いたします。  一方、ワークダイバーシティーの推進につきましては、障がいや難病を抱えるなど、長時間働くことが難しい方に対し、週20時間未満の超短時間雇用モデルの構築を図るため、東京大学との共同研究に取り組むほか、就労に困難を抱える長期離職者やひきこもり、精神疾患患者の方に対する一般就労に向けた取組として、新たに認定就労訓練助成事業を実施してまいります。  加えて、本年度から新たに配置しております相談支援包括化支援員による総合的、包括的支援体制の下、引き続き生活困窮からの早期自立の強化を図るとともに、住居確保給付金など、コロナ禍における支援も継続してまいります。  次に、健康づくりの推進についてあります。  本市におきましては、市民誰もが心も体も健康に暮らせるまちづくりを推進するため、「歩く」を基本とした健康づくりを中心に、超高齢社会における健康寿命の延伸を図る様々取組を実施しております。  新年度においても、引き続きクアオルト健康ウオーキング講座を開催するとともに、医療機関、保険者、企業等関係者と連携し、当該ウオーキングを活用した保健指導や運動効果の実践研究に取り組んでまいります。  また、新型コロナウイルス感染症の影響により延期となっておりました、60歳以上の方々を中心としたスポーツ、文化、健康と福祉の総合的祭典、第33回全国健康福祉祭ねんりんピック岐阜2021が10月30日から11月2日まで県内で開催され、本市を会場として、テニス、弓道、水泳など7種目が実施されます。  この開催を通じ、市民の皆様のスポーツ等による心身の健康づくりへの意識向上を改めて図っていくとともに、参加者の方々に対して本市の魅力を十分知っていただけるようPRや運営に努めてまいります。  また、高島屋南地区市街地再開発ビル内に整備する健康・運動施設及び中市民健康センターにつきましては、内装工事に着手するほか、利用者に親しみを持っていただけるよう施設の愛称募集を行ってまいります。  一方、こころの健康づくりにおいて、ひきこもりに関する対策は喫緊の課題あることから、親の会グループミーティングの開催とともに、リーフレットの配布などによる相談窓口の周知などに引き続き取り組んでまいります。  また、医療環境の充実については、市民病院において、市民の皆様の命と健康を守る公立病院として、将来にわたり健全安定した経営基盤の確立に努めるとともに、継続して先進的医療の提供、体制の整備を進めてまいります。  あわせて、休日や夜間の時間帯においても安心して受診していただける体制として、市内各医療機関での受診に加え、小児夜間急病センター、休日急病センターなど、引き続き実施してまいります。  次に、伝統や革新を生かした産業があり、働く場があるまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、産業の活性化及び雇用環境の充実についてあります。  本市経済を支えております企業の多くは中小企業あることから、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、経営、雇用の面において厳しい状況が増しております。そのため、資金面においては、信用保証協会を設置している強みを生かし、制度融資における信用保証料の補填も含め、引き続き中小企業等への円滑資金繰り支援に万全を期してまいります。  また、販路や顧客の拡大を図るための広告宣伝支援事業の実施や、ホテル、旅館の客室を活用したテレワークの推進、オンライン上の見本市への出展促進など、ポストコロナ社会に適応する新た取組も実施してまいります。  さらには、創業支援に向けた取組として、岐阜イーストライジング24に一昨年開設いたしましたリモートオフィスを核に商工会議所や地元金融機関などと連携し、起業に関する相談から企業間交流、経営相談等に至る伴走支援を行うぎふしスタートアップ支援事業を新たに実施してまいります。  また、雇用面においては、生産年齢人口の減少などに起因する人手不足傾向の解消も大きな課題となっております。  コロナ禍の現状を踏まえ、オンラインを活用した合同企業説明会を開催し、雇用と就労のマッチングを図るほか、従業員のスキルアップや、女性、高齢者、障がい者、外国人など、多様人材の活用をテーマとした経営者向けセミナー、企業に求められる人材育成を目的とした求職者向けセミナー等を実施してまいります。  次に、農林水産業の活性化についてあります。  全国的農業従事者の高齢化や後継者不足、それに端を発する耕作放棄地の増大など、地域営農の担い手となる農業生産者の育成、確保、農地の集積・集約化は喫緊の課題あります。このよう中、本年度策定した岐阜市農業振興ビジョンに基づき、市街化区域で盛ん園芸農業と郊外の市街化調整区域を中心に営まれる水田農業など、本市の多様農業がバランスよく発展していくため、必要施策を順次進めてまいります。  また、本市の特産農産物「ぎふベジ」のさらなるブランド化に向け、一般社団法人日本食文化会議との連携事業、日本食文化会議2021岐阜を10月に実施するとともに、ホームページにおけるレシピや生産者の動画配信、SNSでの広告発信、包装資材へのロゴマークの掲出など、認知度向上に努めてまいります。  一方、老朽化が進む用水路や揚水機場、ため池などの農業用施設につきましては、継続的改修を行い、良好営農環境を整えること、農業の持続性を担保し、農地の集積、集約につなげるとともに、新た担い手の確保に向けた新規就農者支援、収益力向上や生産基盤となる農業用機械・施設の整備支援も併せて進めてまいります。  そのほか、岐阜市中央卸売市場においては、再整備に向けた基本計画の策定を進めるとともに、民間資金や経営能力、技術力を活用したPPP/PFI手法導入の可能性について調査検討を進めてまいります。  次に、観光の活性化についてあります。  本市におきましては、市民と描く未来ツーリズムをコンセプトとする岐阜市観光ビジョンに基づき、市民の誇りにつながる本物志向の観光まちづくりの推進に取り組んでおります。  先月まで開館しておりました「麒麟がくる 岐阜 大河ドラマ館」を核とした官民一体となった取組を新年度以降も継承し、さらなる観光振興の推進に向けた機運の醸成を図るとともに、そのレガシーを引き継ぎ、戦国武将ゆかりのまちのブランドイメージをさらに発信してまいります。  歴史博物館では、中高生ボランティア「われらも麒麟!!!」プロジェクトの展示解説活動を継承し、新年度も特別展などにおける解説ボランティアの登録を行ってまいります。  また、国史跡岐阜城跡につきましては、本年度の調査において、巨石を使った一ノ門が道三公によって造られ、信長公により改修されたことが明らかになるなど、道三公の稲葉山城を受け継ぎながら発展させた信長公の城づくりが判明しつつあります。新年度も引き続き発掘調査を行うとともに、調査の過程を公開することで観光資源としても活用してまいります。  あわせて、岐阜公園につきましては、信長公居館跡等の歴史的価値を生かした本格的歴史公園として再整備するため、民間活力の導入も含め、引き続き公園機能の充実を図るための検討を進めてまいります。  一方、長良川の歴史、文化、景観も本市の貴重財産あり、これらの魅力を向上させることは、本物志向の観光まちづくりにもつながるものあります。そのため、本年度、官民連携によるぎふ長良川水辺空間活用協議会を設置し、その魅力的水辺空間の創出を図るため、ぎふ長良川鵜飼かわまちづくり計画を策定いたしました。  新年度においては、旧いとう旅館において、民間活力を生かした整備活用に着手し、新た観光資源の創出につなげるとともに、既存の観光資源との連動などにより、面的魅力を高めてまいります。  また、鵜飼観覧船事業につきましては、コロナ禍における乗船定員の削減も含めた対策を行うとともに、本年度実施しました民間事業者と連携した新た観覧形態の社会実験なども検証しながら、さらなる満足度の向上に努めてまいります。  あわせて、鵜飼文化を未来へ継承していくため、岐阜長良川鵜飼保存会と連携し、組織的伝統継承体制の強化にも取り組んでまいります。  一方、ポストコロナ社会への対応や利用者の利便性の向上を図るため、観光施設におけるキャッシュレス決済の導入を進めるとともに、レンタサイクル事業において、令和4年度からの導入に向け、ポートの無人化及びキャッシュレス化の準備を進めてまいります。  次に、多くの人々が集まりにぎわう、活気に満ちたまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、中心市街地の活性化についてあります。  中心市街地を形成する岐阜駅周辺から柳ケ瀬、つかさのまちに至る区域につきましては、国の認定を受けた中心市街地活性化基本計画に基づき、引き続き様々取組を進めてまいります。  柳ケ瀬エリアにおいては、リノベーションスクールの開催により、継続的にまちづくりの担い手の育成、創出につなげてまいります。  また、新たにぎわいを創出し、次代の岐阜を牽引するまちづくりを目指す高島屋南地区市街地再開発事業、柳ケ瀬グラッスル35においては、令和4年度の完成に向け、再開発ビルの建築工事を継続して推進するなど、これらを両輪として柳ケ瀬エリアの価値向上を図ってまいります。  一方、将来にわたりにぎわいを創出するためには、交流人口の拡大とともに定住人口の拡大を図る必要があります。  中心市街地に住宅の建設を誘導し、子育て世帯などの居住を促進する新築住宅取得助成の継続などにより、地域コミュニティーの維持とともに、日常の消費の下支えにもつなげてまいります。  あわせて、本市中心部に位置する金公園につきましては、様々活用の在り方を想定し、多くの市民が憩い、潤う空間となるよう再整備を進め、セントラルパークとしてさらなる魅力向上に取り組んでまいります。  岐阜駅周辺エリアにつきましては、現在、都市計画決定の手続を進めております岐阜駅北中央東地区及び中央西地区において、岐阜都市圏の玄関口として魅力ある都市機能が集積した市街地再開発事業の実現に向け、準備組合の活動を積極的に支援してまいります。  一方、つかさのまちエリアにおきましては、5月に開庁する新庁舎と、知、絆、文化の拠点として多くの方に利用されております「みんなの森 ぎふメディアコスモス」との相乗効果により、新たにぎわいが生まれることが期待されます。  新年度におきましても、ぎふメディアコスモスにおいて、にぎわいと交流の促進に寄与する様々事業に取り組むとともに、シビックプライドのさらなる醸成を図るため、小さな観光やまち歩きなどにつなげる情報発信、岐阜の魅力を伝える情報の集約など、市民協働でつくり上げていくシビックプライドの拠点となるシンボルエリア、シビックプライドプレイスを整備してまいります。  あわせて、センターゾーンのこれらのエリアをつなぐ連携軸上に位置する庁舎跡の活用につきましては、本年度末策定予定の岐阜市庁舎跡活用基本構想に基づき進めてまいります。  次に、市民協働によるまちづくりの推進についてあります。  市民協働によるまちづくりは、シビックプライドの醸成にもつながる重要取組あります。  人口減少、少子高齢化の進展、さらには人々の価値観の多様化などに伴い、社会や地域における課題が複雑・多様化しており、こうした課題に柔軟かつきめ細やかに対応し、活力ある持続可能なまちづくりを進めていくためには、自治会やまちづくり協議会、NPO、ボランティア団体など、市民と行政がそれぞれの特性を生かして協働で取り組むことが必要あります。そのため、引き続き市民活動支援事業を実施するとともに、本年度から実施しておりますクラウドファンディング型ふるさと納税を活用し、NPO法人等の地域社会の課題解決を目的としたプロジェクトを支援するなど、市民の皆様の主体的活動の活性化を図ってまいります。  また、自立型のまちづくり協議会への転換を図り、地域の力を高めていくため、地域住民が主体となり、まちづくりの方向性を示す地域まちづくりビジョンの策定及び策定したビジョンに基づく活動に対し、継続的支援を行ってまいります。  次に、多文化共生の推進について申し上げます。  本市には、約9,800人の外国人住民の方が暮らしており、地域社会における外国人との共生は、まちづくりの面において欠かせないものとなっていることから、今般の新型コロナウイルス感染症や災害時等の命に関わる情報なども含め、リアルタイムに情報をお届けする必要があります。そのため、必要情報を多言語で的確に得られるよう、外国人向け生活情報ホームページを新たに作成してまいります。  また、外国人市民と日本人市民が共に地域のまちづくりを担う一員として、一緒になって協議する場ある岐阜市多文化共生推進会議を新たに設置し、さらなる多文化共生社会の実現を図ってまいります。  次に、暮らしを守り支える安全、安心まちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、防災、消防の充実についてあります。  未曽有の大災害となりました東日本大震災の発生から、今年で10年の節目を迎えます。  本市では、速やかに緊急支援本部を設置し、これまで物資の提供とともに、延べ406人の職員を派遣するなど、全庁を挙げて被災地の支援を行ってまいりました。  東日本大震災発生以降も毎年のように全国各地で甚大被害をもたらす災害が発生する中、これまでの被災地支援で得られた経験や教訓を防災対策に生かし、近い将来発生が危惧される南海トラフ巨大地震や風水害、土砂災害など、あらゆる災害に備え、市民の皆様とともに災害に強いまちづくりを進めております。このよう中、新庁舎内には、あらゆる災害を想定した防災拠点として、災害対応の司令塔となる災害対策本部室を常設いたします。現庁舎と比べ、迅速に初動体制が整い、指揮系統が確立するほか、新た防災情報システムを導入すること、災害情報の的確収集、一元管理に加え、防災関係機関の様々情報を視覚的に共有することが容易になります。  この災害対策本部室などを最大限活用して、迅速かつ的確災害予防及び災害応急対策に万全を期してまいります。  一方、災害から身を守るには、自助や共助が重要になります。市民一人一人の防災意識の向上を目指し、日頃から個人備蓄や適切避難行動のための積極的情報収集、新型コロナウイルス感染症を踏まえた新しい避難対策としての基本的感染症対策の徹底などに心がけていただけるよう、岐阜市総合防災安心読本を改訂し、全戸配布を行うほか、あらゆる機会を捉えて意識啓発に努めるとともに、家具固定や民間建築物の耐震化に対する支援を継続的に実施してまいります。  さらに、共助の中心となる自主防災組織を通じた地域防災力の強化を図るなど、自助、共助、公助が一体となった総合防災体制の充実強化に努めてまいります。  一方、社会インフラにつきましては、大規模地震等の災害発生時の交通確保に重要施設ある橋梁の耐震化を引き続き図るとともに、定期点検を着実に行い、計画的長寿命化を進めてまいります。  また、内水対策としましては、これまでの浸水被害状況を踏まえ、引き続き水路改良などを推進するとともに、湛水被害防除を目的に災害復旧用排水ポンプ車を配備いたします。  さらに、市内各所にある排水機場の設備を計画的に整備、補修するほか、アンダーパスの冠水表示装置の改修や排水機場等の稼働状況の一元管理などICT化を進め、水害に対する多面的対策を進めてまいります。  また、消防においては、消防車両等の計画的点検、更新により、消防力を維持強化するとともに、大規模災害団員の導入により、大規模地震災害における消防団活動の強化を図ってまいります。  あわせて、医師、看護師からアドバイスを受けられる救急相談センター#7119を新たに導入し、市民の皆様からの相談体制の充実を図るとともに、救急体制の確保につなげてまいります。  次に、安全暮らしにつながる防犯の充実についてあります。  近年、犯罪の認知件数は減少傾向にありますが、市民の皆様が日常をより安全、安心に暮らせることは、市民生活の充実に欠かせないものあります。そのため、犯罪の未然防止を図るため、防犯灯や防犯カメラの設置促進、通話録音装置の普及などとともに、地域のパトロール活動など、市民の自主的防犯活動の支援にも継続して取り組んでまいります。  また、岐阜駅北地区においては、飲食店のにぎわいに伴い、客引き行為によるトラブルが発生していることから、客引き行為等を禁止する条例を制定し、指定した区域内において、市民や観光客の皆様が安全かつ快適に利用できる環境づくりに取り組んでまいります。  次に、快適都市環境のある、住みやすいまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、良好都市空間と持続可能な都市基盤づくりの推進についてあります。  良好都市空間づくりの推進に当たっては、誰もが住みたい、住み続けたいと思う魅力あるまちとして良好住環境の整備が求められております。こうした中、近年増加の一途をたどる空き家について、所有者による適切維持管理と流通、活用を促進するため、空家等対策計画に基づき、空き家総合窓口を設置し、各種補助事業など実施してまいりました。  これらの取組に加え、新年度は、空き家の所有者と利用希望者とのマッチングを行う空き家バンクについて、対象を全市域に広げて事業展開を図ってまいります。  一方、都市の活力を維持し、持続成長を実現するためには、成長の礎となる都市基盤の構築が重要あり、その根幹となるのが道路などの社会インフラあります。  現在、整備が進んでおります東海環状自動車道は、2024年度に(仮称)岐阜インターチェンジが開通する予定です。これにより、様々経済効果が期待されることから、引き続きアクセス道路の整備を進めてまいります。  また、周辺市町との連携強化や交流人口の拡大を図るため、本市の中心市街地から各務原市を連絡する金町那加岩地線ほか1路線など、広域ネットワークを形成する道路等の整備も促進してまいります。  一方、都市に潤いや憩いをもたらす公園の整備につきましては、岐阜ファミリーパークにおいて、岐阜三輪スマートインターチェンジの開通による広域圏からの来園者に対応し、公園としての魅力を高める再整備を引き続き進め、あわせて、総合スポーツ公園化に向けた検討に取り組んでまいります。  一方、市民生活に欠かせない上下水道事業につきましては、水を通じて当たり前の暮らしを未来まで支えるため、水道事業において、方県配水区の水源地の統廃合などにより水道施設の合理化を図るとともに、配水管の布設替えや鏡岩水源地管理棟の改築など水道施設の更新を行い、将来にわたる良質水道水の安定的供給に努めてまいります。  また、下水道事業につきましても、ストックマネジメント計画に基づき、適正かつ合理的施設管理を実施するため、下水道管や施設の改築、更新を行い、衛生的快適生活環境の維持に努めてまいります。  次に、自然・地球環境保全の推進についてあります。  国においては、2050年カーボンニュートラルを掲げ、経済と環境の好循環、グリーン社会の実現が打ち出される中、本市においては、岐阜市地球温暖化対策実行計画に基づき、温室効果ガス削減対策を推進するため、ゼロエネルギー住宅、家庭用燃料電池などの省エネ設備の整備に係る支援を継続するとともに、家庭用リチウムイオン蓄電池の設置に係る支援を拡充し、地球温暖化対策に資する市民の取組を後押ししてまいります。  加えて、ごみの発生抑制や再生利用など、資源を有効利用する循環型社会を構築するため、ごみ減量・資源化指針を改定するとともに、令和4年度から実施するプラスチック製容器包装の資源化につきまして、分別への理解を深める啓発活動を引き続き実施してまいります。  一方、施設整備につきましては、東部クリーンセンター粗大ごみ処理施設を今月末に稼働開始するとともに、瓶、缶、ペットボトル及びプラスチック製容器包装の中間処理を行う新リサイクルセンターについても、令和3年度末の完成に向け着実に進めるなど、廃棄物の適正処理を着実に推進してまいります。  また、岐阜羽島衛生施設組合次期ごみ処理施設整備につきましても、引き続き構成市町と連携しながら推進してまいります。  次に、交通環境づくりの推進についてあります。  本市では、岐阜市総合交通戦略及び本年度策定を進めております岐阜市地域公共交通計画に基づき、公共交通を軸にコンパクトにまとまった、いつまでも住み続けられるまちの実現に向け、人口減少や深刻化する運転手不足、さらには新型コロナウイルス感染症の影響など、公共交通を取り巻く様々課題の中にあっても、持続可能で利便性の高い公共交通の実現を目指し、デマンド型乗合タクシーを含めた市内20地区におけるコミュニティバスの運行により、地域における日常生活の移動手段を確保するとともに、ポストコロナ社会に適応するデジタル技術の活用も推進してまいります。  その代表的事業として、官民連携で進めるスマートシティぎふ推進事業の一環ある公共交通への自動運転技術の導入を目指し、本年度の小型バス車両を使用した自動運転の実証実験を踏まえ、本格実装に向け、さらなる検証を進めるための自動運転の実証実験を行ってまいります。  加えて、路線バスにおいては、新たに5月6日から9月30日までの予定で実施する平日昼間時間帯500円の定額制乗車券の販売に併せ、事業者とともに利用状況の調査及び検証を行い、公共交通の利用促進につなげてまいります。  一方、公共交通と連携した都市づくりを推進するため、鉄道駅周辺におけるまちづくりについて検討するとともに、名鉄名古屋本線鉄道高架化事業につきましては、現在、事業認可に向け調整を進めており、引き続き県、名古屋鉄道株式会社との連携の下、鋭意取り組んでまいります。  次に、都市づくりを支え推進する行財政運営について申し上げます。  少子高齢化と東京圏への一極集中による人口減少や労働力不足による地域経済の縮小に加え、新たにポストコロナ社会への転換など、大きな課題となる中、スケールメリットを生かした基礎自治体同士の連携や、地域や地域の人々と多様に関わる関係人口の創出などにより、地域全体の活力と持続性を高めるとともに、デジタルトランスフォーメーションの推進など時代に合わせた行財政運営が重要となってまいります。  本市では、隣接する3市3町と岐阜連携都市圏を構成し、岐阜連携都市圏ビジョンに基づく様々連携事業を展開しており、連携事業のさらなる拡大や深化を図り、将来世代に安定した活力ある社会を残せる圏域を目指し、引き続き連携市町とともに取り組んでまいります。  また、関係人口の創出においては、本市が実施する事業や会議など様々形で活躍いただいております、ふるさと岐阜市活躍人財バンクのさらなる活用を図るとともに、クラウドファンディングの活用など、本市と関わりを持ち応援いただける関係人口の拡大を図ってまいります。  一方、行財政運営につきましては、昨年度策定しました岐阜市ICT活用推進計画に沿って、RPAによる事務の効率化をはじめ、市民や事業者の皆様からの各種お問合せにAIが応答するAIチャット総合案内サービス、各種申請を24時間スマートフォンなどから行っていただけるオンライン申請総合窓口サイトを順次開設するなど、着実に取り組んできたところあります。  新年度は、これらに加え、新庁舎の各窓口におけるキャッシュレス決済の導入や新型コロナワクチン接種の予約におけるインターネット申込みをはじめとする各種オンライン申請の拡大など、行政サービスのさらなる充実を図り、市民の皆様の利便性の向上や事務処理の適正化、効率化につなげてまいります。  一方、地域の事務所につきましては、引き続き福祉や健康に関する事務手続の拡充とともに、待合スペースの拡大、車椅子対応のカウンターの設置といったリノベーションを行い、高齢者や障がい者、子育て世代にやさしい事務所として、利便性や快適性の向上を図ってまいります。  最後に、シティプロモーションについてあります。
     持続可能な岐阜市の実現に向け、多くの人に選ばれるまちとなるためには、これまで申し上げた未来を見据えた様々施策を着実に推進すると同時に、市内外に本市の魅力をしっかりと発信していくことが重要あります。  昨年度策定しました岐阜市シティプロモーション戦略に基づき、交流・定住人口の増加及びシビックプライドの醸成を図るため、引き続き多様媒体を活用し、名古屋都市圏を中心に効果的情報発信を展開するとともに、市内の企業やまちづくり団体との連携を図りながら、オール岐阜による情報発信の取組を強化してまいります。  あわせて、全国に向けた魅力発信として、女性に人気の電子雑誌を新たに活用してまいります。  また、大都市圏で地方移住への関心が高まる中、カラフルタウン岐阜内に本市の魅力やライフスタイルを発信するスペースを設置し、あわせて、オンラインを活用した移住相談を行うことなど、様々アプローチにより、選ばれるまち岐阜市を目指してまいります。  以上をもちまして、市政に対する所信の一端と令和3年度の主施策の大要を申し述べました。  スピード感を持って全力で取り組んでまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、予算に関係いたします条例なども提案いたしておりますが、それぞれ提案理由が付記してありますので、よろしく御審議の上、御決定賜りますようお願い申し上げます。  続きまして、同時に提案をいたしました令和2年度一般会計補正予算並びにその他の議案について御説明いたします。  最初に、第66号議案令和2年度一般会計補正予算についてあります。  今回の補正予算につきましては、国の第3次補正予算等に係る補助内示を受け、新型コロナウイルス感染症対策や国土強靱化に係る基盤整備事業などについて措置するほか、地方創生臨時交付金などの交付に係る財源更正及び本年度中に完了が見込めない事業等について減額するなど、所要の補正をいたしました。  初めに、国の補助内示に伴うもの及び新型コロナウイルス感染症対策に伴うものにつきまして御説明申し上げます。  まず、民生費の子ども支援費には、特定不妊治療費助成事業において、所得制限等の撤廃など制度の拡充がなされたことにより、対象者数が増えることなどから、2,600余万円を補正するものあります。  次に、土木費の道路橋梁維持費には、橋梁点検などに係る経費1億8,200余万円を補正するとともに、道路橋梁新設改良費には、東海環状自動車道のアクセス道路となる折立9号線の整備などに2億5,000余万円を、街路新設改良費には、水野町線の整備などに2億3,200余万円を、河川水路新設改良費には、戸石川の改修などに1億5,700万円を補正するものあります。  また、都市建設総務費には、岐阜市鷺山中洙土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業への助成及び路線バスに係る全国交通系ICカードシステム導入経費の助成費、合わせて1億5,100余万円を補正するとともに、公園整備事業費には、岐阜ファミリーパークの再整備、さらには市内各所の公園施設長寿命化対策などに、合わせて1億9,600余万円を補正するものあります。  次に、教育費につきましては、学校教育活動継続支援事業として、市立の小中学校、特別支援学校、市岐商における感染症対策経費9,200余万円を、それぞれの費目において補正するものあります。  なお、商工費の金融対策費につきましては、国が無利子無担保融資制度の保証申込み等の期限を延長したことに伴い、新型コロナウイルス感染症対応資金利子補給に係る債務負担行為について期間を令和6年度まで延長するとともに、限度額を11億4,494万4,000円増額しようとするものあります。  以上が国の補正予算及び新型コロナウイルス感染症対策に伴うもの、合わせて12億8,900余万円増額する一方、感染症の影響により延期等となったイベント経費及び対策経費に係る不用額など、それぞれの費目において合わせて15億8,400余万円を減額するものあります。  このほか、総務費の行政管理費につきましては、職員の退職手当について1億円を減額するものあります。  財産管理費につきましては、新庁舎建設に伴うテレビ電波障害対策におきまして、対象となる世帯のうち、本年度申込みがなかった世帯等に係る対策費2,400余万円を減額し、新年度に改めて措置するものあります。  次に、民生費の障害者総合支援費につきましては、グループホームの事業所数の増加に伴い、利用者に対する訓練等給付費が不足することから、5,900余万円を補正するものあります。  衛生費の感染症対策費につきましては、高齢者のインフルエンザ予防接種など接種件数の増加に伴い、接種委託料に不足が生じることから、8,400余万円を補正するものあります。  また、土木費の鉄道高架事業対策費につきましては、鉄道高架事業基金に積み立てるため、5億円を補正するものあります。  次に、教育費の事務局費につきましては、令和元年7月のいじめ重大事態について和解し、第74号議案において、その損害賠償の額を定めるとともに、1,100余万円を補正するものあります。  保健体育費は、準要保護及び特別支援学級児童生徒における給食費の援助等について、学校の臨時休業の影響により夏休みなどを短縮した結果、給食費の支給対象日数が増加したことに伴う不足分など、合わせて3,800余万円を補正するものあります。  また、さきに申し上げました国の補正予算に伴う事業をはじめ、完了が次年度になる見込みの事業につきましては、繰越明許費として所要の措置を講ずるものあります。  以上、事業費の補正総額は2億7,349万8,000円となり、財源内訳といたしましては、     国 及 び 県 支 出 金     6億1,203万1,000円     市           債          4億1,000万円     諸     収     入               20万円 をもって充てる一方、     繰     入     金            3,078万円     繰     越     金     7億1,795万3,000円 を減額するものあります。  あわせて、歳入において、新型コロナウイルス感染症対策事業に対する地方創生臨時交付金30億円余を充当するとともに、財政調整基金からの繰入金46億円につきまして、30億円の繰戻しを行うなど、財源更正を行うものあります。  次に、第67号議案から第71号議案は、いずれも条例の改正ありまして、提案理由が付記してありますので、説明を省略させていただきます。  第72号議案及び第73号議案は、いずれも工事請負契約の締結についてありまして、第72号議案は、長良小学校プール及び長良公民館建築主体工事について、第73号議案は、東部クリーンセンター旧粗大ごみ処理施設解体工事について、それぞれ請負契約を締結しようとするものあります。  第75号議案は、路線網の整備に伴い、市道路線の変更をしようとするものあります。  第76号議案、病院事業会計補正予算は、難病、がん治療薬等の薬品費の増加などにより、2億9,900余万円を補正するものあります。  第77号議案、下水道事業会計補正予算は、国の第3次補正予算の内示に伴うもの、柏木排水路の整備工事費やプラントの機械設備などの改築工事費のほか、下水道施設を浸水被害から守るため、耐水化に係る基本計画を作成する費用に、合わせて3億2,100万円を補正するものあります。  最後に、専決処分事項についてあります。  報第1号、報第2号及び報第3号は、新型コロナウイルス感染症対策事業に係る関連経費及び工事の入札不調への対応に係る繰越明許費を補正したものあります。  以上、補正予算及び関係諸議案を御説明いたしました。  よろしく御審議の上、御決定賜りますようお願い申し上げます。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第83 請願第1号から第86 請願第4号まで 11: [ 365頁]◯議長(大野一生君) 日程第83、請願第1号から日程第86、請願第4号まで、以上4件を一括して議題とします。            ───────────────────             請   願   文   書   表                        令和3年第1回(3月)岐阜市議会定例会 ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第1号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│75歳以上の医療費窓口負担2割化に反対する意見書の提出を求める │ │       │請願                              │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │令和3年3月3日                        │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市則武西2-1-17                    │ │住所・氏名  │岐阜市社会保障推進協議会 会長 小林明人 外1件        │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、森下満寿美、堀田信夫、田中成佳、服部勝弘、松原徳和、 │ │       │高橋和江、原 菜穂子                      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │厚生委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 75歳以上の医療費窓口負担の1割から2割への引上げについて、公益社団法人日本 │ │医師会の中川俊男会長は、新型コロナで特に高齢者は受診を控えている、今でも受診を │ │控えているのに自己負担を倍にするという感覚は到底理解し得ないと批判され、また、 │ │多くの医療関係団体からも高齢者の受診控えが深刻化するとの反対の声が上がっている。│ │ 国は、現役世代と負担を公平化することを名目に、75歳以上の医療費窓口負担2割 │ │化を提案している。しかし、そもそも1人当たりの医療費は、年齢とともに上昇するが、│ │逆に年収は低下するため、患者の年収に占める医療費の割合は増加していくことになる。│ │後期高齢者の患者一部負担金は、1割負担あっても現役世代との比較で1.7倍の負 │ │担となっており、現在でも重い負担となっている。1割負担の現在でも医療費の窓口負 │ │担が重いことを理由に、受診を控える高齢者は後を絶たない。このまま2割負担に引き │ │上げれば、高齢者の受診控えはさらに広がり、重篤化による医療費の増大を招くことは │ │明らかあるとともに、手後れによる死亡者を増大させかねない。          │ │ 今まで社会を支えてきた高齢者が医療を受けるとき、お金の心配をすることなく安心 │ │して治療が受けられるよう、下記事項について請願する。              │ │                   記                    │ │1 国会で審議予定の75歳以上の医療費窓口負担2割化に関する法案に対し、患者負 │ │ 担が多大ため、反対する意見書を国に提出すること。              │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第2号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│日本政府に核兵器禁止条約の署名と批准を求める意見書採択について │ │       │の請願                             │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │令和3年3月3日                        │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市徹明通7-13 岐阜県教育会館302号          │ │住所・氏名  │新日本婦人の会岐阜支部 支部長 和田玲子            │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、森下満寿美、堀田信夫、田中成佳、服部勝弘、松原徳和、 │ │       │高橋和江、原 菜穂子                      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │文教委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤
    │(請願要旨)                                  │ │ 2021年1月22日に核兵器禁止条約が発効された。この条約により、核兵器は違 │ │法化され、国際社会の規範として核兵器の開発、実験、製造、貯蔵、使用などあらゆる │ │活動が禁止されることになる。これは核兵器廃絶への歴史的一歩あるとともに、核 │ │兵器のない世界をつくるチャンスある。                     │ │ 今世界では、核兵器禁止条約の発効から核兵器廃絶へと進もうという声が広がってい │ │る。多くの国々が被爆者の声に耳を傾け、核兵器による安全はなく、核兵器のない世 │ │界による安全を選択し、核兵器禁止条約を支持し、参加しつつある。そして、多くの人 │ │々が核兵器の廃絶を求めている。                         │ │ しかし、唯一の戦争被爆国の日本政府は核兵器禁止条約に背を向けている。     │ │ 全国では、532自治体(県では岩手、長野、三重、沖縄、鳥取の5議会)が意見書 │ │を提出し、岐阜県内では、関市、多治見市、美濃市、関ケ原町、神戸町、池田町、坂祝 │ │町の7議会において国への意見書が採択されている。国内の世論調査でも、日本が核兵 │ │器禁止条約に参加すべきとの声は7割を超えている。                │ │ 禁止条約が発効された今、日本政府こそが被爆者と国民の声に誠実に応え、核兵器の │ │ない世界の先頭に立つべきはないのかと考える。                 │ │ 以上のことから、下記事項について請願する。                  │ │                   記                    │ │1 日本政府が速やかに核兵器禁止条約の署名と批准することを求める意見書を提出す │ │ ること。                                   │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第3号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│県の責任による少人数学級の前進を求める意見書採択についての請願 │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │令和3年3月3日                        │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市徹明通7-13 岐阜県教育会館302号          │ │住所・氏名  │新日本婦人の会岐阜支部 支部長 和田玲子            │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、森下満寿美、堀田信夫、田中成佳、服部勝弘、松原徳和、 │ │       │高橋和江、原 菜穂子                      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │文教委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 昨年、新型コロナウイルス感染症の拡大による長期の休業期間を経て学校が再開され │ │たが、感染拡大の収束がまだまだ見えない中、学校現場では子どもたちへの学びの保障 │ │と新型コロナウイルスの感染対策を同時に行わなければならないという大変局面に立 │ │たされている。また、身体的距離の確保、子どもの検温などの健康管理、個別の配慮が │ │必要子どもへの支援など、現在の40人学級では対応が非常に困難ことは明らか │ │あるため、子どもたち一人一人に寄り添った教育をするには人員の確保が不可欠ある。│ │ さらに、外国語の教科化による授業時数の増加、プログラミング教育の導入など、こ │ │れまでの問題は棚上げのまま、学習の遅れを取り戻そうと土曜授業や夏季休業期間の短 │ │縮を行ったこと、学校現場の多忙さは解消するどころか加速している。       │ │ コロナ禍において、子ども一人一人を大切にし、安全を保障するために社会が少人数 │ │学級の実現を求め、大きな世論が高まり署名運動が全国に広がった。         │ │ そうした中、令和3年度から7年度までに小学校を35人以下学級にする内容の法案 │ │が閣議決定された。それに応えて、自治体独自の少人数学級は全国で着実に前進すると │ │予想される。岐阜県では、現在、小学校1年生から4年生まで及び中学校1年生は35 │ │人以下学級になっているが、岐阜県独自のさらなる前進を求める。          │ │ よって、下記事項について、岐阜県に対し意見書を提出されるよう請願する。    │ │                   記                    │ │1 子どもたちの命と健康を守り、成長と発達を保障するために、少人数学級を前進さ │ │ せること。                                  │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第4号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│令和3年度の小学校英語指導協力員・EFの派遣及びSTEAM教員 │ │       │の配置の継続を求める請願                    │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │令和3年3月3日                        │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市徹明通7-13                      │ │住所・氏名  │岐阜県教職員組合 岐阜支部 支部長 片桐 豊 外10件     │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、堀田信夫、森下満寿美、田中成佳、服部勝弘、松原徳和、 │ │       │高橋和江、原 菜穂子                      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │文教委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 令和2年11月、令和3年度のSTEAM教員(小学校において、理数科授業の支援 │ │をする教員)の募集がないことが分かった。さらに、令和3年1月4日付で小学校英語 │ │教育推進事業における次年度の英語指導協力員の派遣終了が、当事者に対し何の説明も │ │なく、突然通知された。                             │ │ 岐阜市では、理科教育、英語教育の充実のために、様々施策がなされてきた。理科 │ │に関しては、STEM教員がSTEAM教員に改善されたばかりあり、小学校英語指 │ │導協力員・EFに関しては、平成12年度から先進的取組として市内全ての市立小学 │ │校において英語活動が開始されると同時に派遣された。また、平成27年度からは、小 │ │学校1年生から英語を教科として、授業を実施している。長年にわたって大切に行われ │ │てきた取組が、突然中止されることに大きな疑問と不安が強まっている。       │ │ 昨今、働き方改革が声高に叫ばれる中、現場からは、高学年の理科の実験準備に時間 │ │がかかり、さらに時間外勤務が増える、片づけにも手間や時間がかかる上にコロナ対策 │ │で消毒作業にも時間が取られる、EFの先生は8年間も子どもたちの授業に協力し子ど │ │もたちも英語を楽しみにしている、急に職がなくなることは生活に関わることのにあ │ │まりに急通知でひどい、現場で本人に伝えるのはとても辛いなどの悲鳴が上がってい │ │る。                                      │ │ そうした中、授業の支援をする人員の削減は、まさに改革に逆行するものあり、ま │ │た学習環境を悪化させることは、子どもと教職員の負担をさらに大きくすると言わざる │ │を得ない。                                   │ │ 以上のことから、下記事項について請願する。                  │ │                   記                    │ │1 令和3年度も小学校英語指導協力員・EFの派遣及びSTEAM教員の配置を継続 │ │ すること。                                  │ └────────────────────────────────────────┘ 12: [ 368頁]◯議長(大野一生君) 請願の紹介議員において発言の申出がありますので、これを許します。29番、井深正美君。    〔井深正美君登壇〕(拍手)
    13: [ 368頁]◯29番(井深正美君) おはようございます。    〔「おはようございます」と呼ぶ者あり〕  ただいま上程されました請願第1号から第4号について、紹介議員を代表して請願の要旨について紹介をさせていただきます。  最初に、請願第1号75歳以上の医療費窓口負担2割化に反対する意見書の提出を求める請願です。  請願代表者は、岐阜市則武西2-1-17、岐阜市社会保障推進協議会 会長 小林明人さん外1件です。  菅内閣は、2月5日、75歳以上で年収200万円以上の高齢者の医療費窓口負担を現行の1割から2割の2倍にする医療制度改定一括法案を閣議決定し、今国会で成立を図るとしています。  現在、75歳以上の高齢者は、後期高齢者医療制度の下、年収で383万円以上を現役並み所得ということで窓口負担を3割とし、それ以外の高齢者は1割負担となっています。  今回の一括法案では、新たに年収200万円以上の高齢者について窓口負担を2割にするというもの、負担増となる高齢者は、1、単身者の場合で年収200万円以上、2、75歳以上の夫妻の場合は年収320万円以上と、合わせて370万人が対象となり、75歳以上の高齢者1,815万人の約2割が対象となります。  岐阜市においては、75歳以上の高齢者6万708人のうち、推計で約18%、1万2,000人余りが2割負担の対象となります。  2020年12月2日に行われた第15回国民医療推進協議会において、日本医師会の中川俊男会長は、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中で、後期高齢者の患者負担割合を1割から倍にするという議論を行うこと自体、社会保障としてのやさしさが全く感じられない。私たちは、後期高齢者を含めた高齢者の医療を守っていかなければならないと訴えています。  同総会において、後期高齢者の患者一部負担割合引上げについて、慎重対応を求める決議が全会一致で採択されています。  高齢者の多くが年金収入だけで暮らしていて、年を重ねることで医者にかかることが多くなることから、窓口負担が2倍になれば、新型コロナウイルス感染症により受診控えが起きている中、さらなる追い打ちをかけることになります。  その上で、請願では、国会で審議予定の75歳以上の医療費窓口負担2割化に関する法案に対して、患者負担が多大ため、反対する意見書を国に提出することを求めています。  2つ目に、請願第2号日本政府に核兵器禁止条約の署名と批准を求める意見書採択についての請願です。  請願代表者は、岐阜市徹明通7-13、岐阜県教育会館302号、新日本婦人の会岐阜支部 支部長 和田玲子さんです。  2021年1月22日、核兵器禁止条約がオーストリアなど50か国の批准によって発効しました。  条約の発効によって、人類史上初めて核兵器は違法とする国際法が誕生したことになり、核兵器の使用はもとより、威嚇、開発、実験、製造、移転、貯蔵など、全てが禁止されること、核兵器の保有国や核兵器に依存する国を国際法上違法の国として、政治的、道義的に追い詰めていく大きな力となり、核兵器のない世界への始まりとも言えるものです。  この日、国連のグテーレス事務総長は、核兵器なき世界への重要一歩との声明を発表、発効を歓迎するとともに、核兵器の危険性は増大しており、世界は核兵器を確実に廃絶し、使用による人間や環境への壊滅的影響を防ぐために早急に行動しなければならないと訴えています。  昨年12月の国連総会において、条約参加を訴える決議に国連加盟国の3分の2を超える130か国が賛同、今年中に条約の締結国会議の開催が予定されており、思想、信条の違いを超え、条約に賛成する全ての人々が参加する中で、条約推進のプロセスが始まろうとしています。  その中で、世界で唯一の被爆国ある日本の態度は、世界の流れに背を向け、アメリカの核の傘の下、核抑止力の維持強化を主張し、核兵器禁止条約への参加を拒否し続ける態度が、日本国内ばかりか世界で失望と批判の的になっています。  条約が批准される中、全国の自治体では、日本政府に核兵器禁止条約への参加、署名、批准を求める声がさらに広がっており、全国532自治体で意見書決議が採択されており、全自治体の30%にも上っています。  その上で、請願では、日本政府が速やかに核兵器禁止条約の署名と批准することを求める意見書を提出することを求めています。  3つ目に、請願第3号県の責任による少人数学級の前進を求める意見書採択についての請願です。  請願代表者は、請願第2号と同じです。  新型コロナ禍の下、学校現場では感染防止策として、マスクの着用、手指の消毒をはじめとして、毎日の検温、3密を避けながら身体的距離の確保など、感染リスクを回避するための手だてが取られてきました。  しかし、現在の教育において、1クラス40人は、子どもたちの感染防止策としては限界があることから、保護者や教育、教職──ごめんなさい。──保護者や教職員からは、少人数学級を求める声が大きくなっていました。  そうした中、政府は、今年の2月2日、公立小学校の1学級当たりの上限人数を現在の40人から35人以下とする義務教育標準法改正案を閣議決定し、2021年度に小学校2年生を35人以下とし、2025年度までに順次拡大していくとしています。  既に全国では、岩手県をはじめとする11の県で、小中学校の全学年において、条件なし少人数学級が実施されており、国の新た方針に応えて独自に少人数学級の実施をする地方自治体が大きく広がっています。  現在、国において、小学校1、2年生は1クラスが35人以下の少人数学級になっており、岐阜県では来年度、国の方針を見越した上で、4年生まで少人数学級を予定しており、5、6年生についても段階的に拡大するとしていますが、県独自さらなる前進が求められています。  請願では、岐阜県に対して、中学校2、3年生を含め、独自に子どもたちの命と健康を守り、成長と発達を保障するために少人数学級を前進させることを求め、岐阜県に対して意見書を提出することを求めています。  最後に、請願第4号令和3年度の小学校英語指導協力員・EFの派遣及びSTEAM教員の配置の継続を求める請願です。  請願代表者は、岐阜市徹明通7-13、岐阜県教職員組合 岐阜支部 支部長 片桐 豊さん外10件です。  来年度、小学校英語指導協力員・EFの派遣及びSTEAM教員の配置が廃止をされることになりました。本人及び学校現場では、突然ことから驚きや戸惑いの声が聞こえてきます。  岐阜市では、平成16年度から小学校英語教育事業を小学校のうちから英語に慣れ親しんでコミュニケーションを図るとして、岐阜市及び近郊在住の外国人を英語指導協力員・EFとして、市内の小学校に派遣をしています。今年度は28人が採用されています。  また、岐阜市型STEAM教育推進事業は、未来を見据えた人づくりとして岐阜市の産業に貢献する人材育成を目指し、科学技術への理解増進などを目的として、教員と連携し、理科授業を補佐する役割をSTEAM教員が担ってきました。今年は26人が採用されています。  岐阜県教職員組合岐阜支部が、この2月、市内46小学校に対して行った令和3年度の小学校英語指導協力員・EFの派遣及びSTEAM教員の配置継続を求める緊急署名に、短期間で31校から700人の署名が寄せられました。  教員の働き方改革が叫ばれる中、学校現場からは、高学年の理科の準備に時間がかかり、さらに時間外勤務が増える。片づけに時間がかかる上、新型コロナ対策で消毒作業にも時間が取られる。急に職がなくなり、生活に関わることもあるので、あまりに急通知はひどいなどの声が寄せられています。  今回の教育委員会の突然方針転換は、教員の働き方改革が声高に叫ばれる中、授業を支援する教職員の削減は改革に逆行するものあるとともに、学習環境を悪化させることはもとより、子どもと教員の負担をさらに大きくすることになります。  その上で、令和3年度の小学校英語指導協力員・EFの派遣及びSTEAM教員の配置の継続をすることを求めています。  以上、4件の請願について、議員の皆さんの御理解をいただき、ぜひとも採択していただくことをお願いしまして、請願の紹介とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 14: [ 371頁]◯議長(大野一生君) 以上で請願紹介を終わります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一 休  会 15: [ 371頁]◯議長(大野一生君) お諮りします。3月4日、5日及び3月8日から3月12日までの7日間は、議案精読のため休会したいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 16: [ 371頁]◯議長(大野一生君) 御異議なしと認めます。よって、3月4日、5日及び3月8日から3月12日までの7日間は休会することに決しました。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 散  会 17: [ 371頁]◯議長(大野一生君) 以上で本日の日程は全部終了しました。本日はこれで散会します。   午前11時23分 散  会  岐阜市議会議長      大 野 一 生  岐阜市議会議員      山 口 力 也  岐阜市議会議員      井 深 正 美 発言が指定されていません。 Copyright © Gifu City Assembly. All Rights Reserved. ↑ 本文の先頭へ...