岐阜市議会 2021-03-01
令和3年第1回(3月)定例会(第1日目) 本文
トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和3年第1回(3月)定例会(第1日目) 本文 2021-03-03 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正
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午前10時 開 会
[ 11頁]◯議長(大野一生君) ただいまから令和3年第1回
岐阜市議会定例会を開会します。
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一 諸般の報告
2: [ 11頁]◯議長(大野一生君) 日程に入るに先立って諸般の報告を行います。
監査結果報告書及び岐阜市
包括外部監査報告書並びに報第4号及び報第5号専決処分事項の報告については、お手元に配付しました報告書によって御承知を願います。
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監査結果報告書及び岐阜市
包括外部監査報告書提出一覧
令和3年第1回(3月)
岐阜市議会定例会
例月現金出納検査結果報告書(令和2年9月分~令和2年11月分)
監査結果報告書
・定期監査及び行政監査
(令和2年度4月~8月分 必要に応じて令和元年度分)
・都市防災部
・消防本部
・
まちづくり推進部
・定期監査及び行政監査
(令和2年度4月~10月分 必要に応じて令和元年度分)
・市民生活部
・都市建設部
・定期監査及び行政監査(学校施設監査)
(令和2年度4月~11月分 必要に応じて令和元年度分)
・市立小学校46校、市立中学校22校、市立幼稚園2園及び
市立特別支援学校1校の
うち、以下の小学校5校及び中学校3校
┌───┬────────────────┐
│小学校│岐阜、岩野田、方県、七郷、西郷 │
├───┼────────────────┤
│中学校│岐阜中央、岐北、藍川北 │
└───┴────────────────┘
・随時監査(時間外勤務に係る報酬の支給遅延)
・市民病院
岐阜市
包括外部監査報告書(令和2年度)
・岐阜市の補助金、負担金及び交付金
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1 監査等の種類
例月現金出納検査
2 検査の対象 一般会計、特別会計、基金及び企業会計
(令和2年9月出納事務)
3 検査の日程 令和2年10月22日~令和2年11月25日
4 検査の結果
(1) 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確で
あることを認めた。
(2) 月末現金預金現在高を
預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確
であることを認めた。
(3) その他証拠書類等を検査したところ、歳入歳出外現金の源泉所得税の未整理金
及び軽微な事項を除き、適正に処理されているものと認めた。
なお、軽微な事項については、別途指示した。
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1 監査等の種類
例月現金出納検査
2 検査の対象 一般会計、特別会計、基金及び企業会計
(令和2年10月出納事務)
3 検査の日程 令和2年11月27日~令和2年12月25日
4 検査の結果
(1) 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確で
あることを認めた。
(2) 月末現金預金現在高を
預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確
であることを認めた。
(3) その他証拠書類等を検査したところ、歳入歳出外現金の源泉所得税の未整理金
及び特別徴収住民税の過徴収、立替払並びに軽微な事項を除き、適正に処理され
ているものと認めた。
なお、軽微な事項については、別途指示した。
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1 監査等の種類
例月現金出納検査
2 検査の対象 一般会計、特別会計、基金及び企業会計
(令和2年11月出納事務)
3 検査の日程 令和2年12月28日~令和3年1月25日
4 検査の結果
(1) 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確で
あることを認めた。
(2) 一般会計及び特別会計に係る歳計現金及び歳入歳出外現金の保管状況は、歳計
現金等保管状況の表と一致していることを確認した。
(3) 基金の月末残高を金融機関等の残高証明書と照合したところ、正確であること
を認めた。
(4) 各企業会計について、月末現金預金現在高を
預け入れ金融機関の残高証明書と
照合したところ、正確であることを認めた。
(5) その他証拠書類等を検査したところ、市民病院の時間外勤務に係る報酬の支給
遅延及び軽微な事項を除き、適正に処理されているものと認めた。
なお、軽微な事項については、別途指示した。
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1 監査等の種類 定期監査及び行政監査
2 監査の対象 都市防災部
令和2年度4月~8月分 必要に応じて令和元年度分
3 監査の着眼点 令和2年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画
(以下「実施計画」という。)に定める着眼点による
4 監査の実施場所 実施計画に定める実施場所
5 監査の日程 令和2年9月28日~令和2年11月11日
6 監査の結果
証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ
れているものと認められた。
なお、軽微な事項については、別途指示した。
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1 監査等の種類 定期監査及び行政監査
2 監査の対象 消防本部
令和2年度4月~8月分 必要に応じて令和元年度分
3 監査の着眼点 令和2年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画
(以下「実施計画」という。)に定める着眼点による
4 監査の実施場所 実施計画に定める実施場所
5 監査の日程 令和2年9月25日~令和2年11月11日
6 監査の結果
証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ
れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改
善に努められたい。
なお、軽微な事項については、別途指示した。
[指摘事項]
(1)交通事故の防止について
消防本部が策定した車両誘導マニュアルは、次のように定めている。
・ 誘導は、原則、乗組員全員で実施する。
・ 後退時の誘導は、斜め後方で行うこととし、2人の場合は、車両左右斜め後方を
誘導位置とし、前方確認が必要な場合は、1人を前部に配置する。3人の場合は、
主となる誘導員を決め、後部に2人、前部に1人の3箇所誘導を行う。
・ 誘導は、警笛等により行う。警笛等は、主となる誘導員が使用し、危険があると
きのみ他の誘導員が使用する。
・ 誘導は、車両の移動する方向及び位置の確認とともに、障害物等の状況を全員で
共有して行う。
しかしながら、令和元年7月10日に、岐阜市民病院敷地内において、消防車両を
指定された位置に駐車するため後退させた際、運転手のほか2人の同乗者全員が降車
のうえ、車両誘導マニュアルに定める誘導位置で誘導していたが、運転手、誘導員と
もに消防車両が柵に接近していることが分からず、柵に接触する事故が発生した。
また、令和元年7月20日に、JR東海道本線鉄橋下堤外道路において、消防車両
を方向転換するため後退させた際、運転手のほか3人の同乗者全員が降車のうえ、後
退場所全体を見通せる位置で誘導していた。しかし、誘導員の一人は消防車両が鉄製
ポールに接近し危険があることに気付きながらも警笛等により運転手や主となる誘導
員に知らせなかったため、運転手が消防車両と鉄製ポールの位置関係を把握できず、
これに接触する事故が発生した。
今後は、車両誘導マニュアルの内容が事故防止に有効か点検するとともに、職員に
対し、その遵守の徹底を図られたい。
(2)適正な財務会計事務の執行について
岐阜市物品管理規則第14条は、「物品取扱員は、物品の納入があったときは、そ
の契約条件の充足等につき検査のうえ受領し、支出命令書又は注文書兼請求内訳書の
検収欄に認印を押さなければならない。」と規定している。
しかしながら、消防本部では、物品の納入があったとき物品取扱員に任命されてい
ない職員が検収し、検収欄に認印を押しているものがあった。
今後は、岐阜市物品管理規則を遵守し、適正な財務会計事務の執行に努められたい。
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1 監査等の種類 定期監査及び行政監査
2 監査の対象
まちづくり推進部
令和2年度4月~8月分 必要に応じて令和元年度分
3 監査の着眼点 令和2年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画
(以下「実施計画」という。)に定める着眼点による
4 監査の実施場所 実施計画に定める実施場所
5 監査の日程 令和2年10月1日~令和2年11月25日
6 監査の結果
証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ
れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改
善に努められたい。
なお、軽微な事項については、別途指示した。
[指摘事項]
(1)未収金の回収について
住宅使用料の収入未済額は、令和元年度末で54,375,531円である。令
和2年8月末現在では、過年度未収金が50,661,931円である。
今後とも、過年度未収金の早期回収に努めることはもとより、現年度未収金の早
期回収を図ることで過年度未収金の発生を抑制するように努力されたい。
(2)適正な財務会計事務の執行について
ア 地方自治法施行令第168条の5は、「指定金融機関を定めている普通地方公
共団体において、会計管理者が現金を直接収納したときは、速やかに、これを指
定金融機関、指定代理金融機関又は収納代理金融機関に払い込まなければならな
い。」と規定するが、本市においては、「速やかに」を「原則としてその日中」
と解して運用している。
しかしながら、建築指導課の公文書複写代について、例外的事由が認められな
いにもかかわらず、収納したその日に払込みをしていない事例が見受けられた。
イ 岐阜市物品管理規則第14条は、「物品取扱員は、物品の納入があったときは、
その契約条件の充足等につき検査のうえ受領し、支出命令書又は注文書兼請求内
訳書の検収欄に認印を押さなければならない。」と規定している。
しかしながら、公共建築整備課及び公共建築保全課では、物品の納入があった
とき物品取扱員に任命されていない職員が検収し、検収欄に認印を押しているも
のがあった。
今後は、地方自治法施行令及び岐阜市物品管理規則を遵守し、適正な財務会計事務
の執行に努められたい。
(3)適正な事務執行について
公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律(以下「派遣法」と
いう。)第6条は、派遣職員には給与は支給しないものの、同条第2項で一定の場
合には条例で定めるところにより給与を支給することができる旨規定している。こ
の規定を受け、岐阜市公益的法人等への職員の派遣等に関する条例第4条は、派遣
職員の給与のうち、給料、扶養手当、地域手当、住居手当及び期末手当については、
市が支給することができる旨規定している。
また、派遣法第6条の解釈について、裁判例は、派遣職員に対する給与の支給に
ついて、派遣法第6条第2項以外の方法による派遣元の給与支給は許されないと解
するのが相当であり、派遣先の法人に対して派遣職員の人件費に充てるために補助
金又は委託料を交付することは派遣法第6条第2項の趣旨を潜脱するものとしてい
る。(最高裁H24.4.20判決、大阪高裁H21.11.27判決)
しかしながら、令和元年度に岐阜市にぎわいまち公社と締結していた、中心市街
地活性化推進事業、リノベーションスクール事業及びぎふ信長楽市運営にかかる委
託契約については、その委託料に派遣職員の人件費として具体的な金額が積算され
ており、その金額で契約が締結されていた。
したがって、派遣法の趣旨を遵守し、適正な事務執行に努められたい。
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1 監査等の種類 定期監査及び行政監査
2 監査の対象 市民生活部
令和2年度4月~10月分 必要に応じて令和元年度分
3 監査の着眼点 令和2年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画
(以下「実施計画」という。)に定める着眼点による
4 監査の実施場所 実施計画に定める実施場所
5 監査の日程 令和2年12月1日~令和3年1月25日
6 監査の結果
証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ
れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改
善に努められたい。
なお、軽微な事項については、別途指示した。
[指摘事項]
(1)国民健康保険料及び国民健康保険税の収納率の向上について
国民健康保険料及び国民健康保険税の収納率は、令和元年度決算において、前年度
比1.06ポイント増の75.79%であった。
また、令和2年10月末現在の滞納繰越分に係る収入未済額は1,925,928,
220円である。
今後とも、滞納繰越分の早期回収に努めることはもとより、現年賦課分の早期回収
を図ることで滞納繰越の発生を抑制するように努力されたい。
(2)適正な財務会計事務の執行について
岐阜市物品管理規則第14条は、「物品取扱員は、物品の納入があったときは、そ
の契約条件の充足等につき検査のうえ受領し、支出命令書又は注文書兼請求内訳書の
検収欄に認印を押さなければならない。」と規定している。
しかしながら、防犯・交通安全課、柳津地域事務所、市民課、西部事務所、東部事
務所、南部東事務所、南部西事務所、日光事務所、国保・年金課及び斎苑では、物品
の納入があったとき物品取扱員に任命されていない職員が検収し、検収欄に認印を押
しているものがあった。
今後は、岐阜市物品管理規則を遵守し、適正な財務会計事務の執行に努められたい。
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1 監査等の種類 定期監査及び行政監査
2 監査の対象 都市建設部
令和2年度4月~10月分 必要に応じて令和元年度分
3 監査の着眼点 令和2年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画
(以下「実施計画」という。)に定める着眼点による
4 監査の実施場所 実施計画に定める実施場所
5 監査の日程 令和2年12月1日~令和3年1月25日
6 監査の結果
証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ
れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改
善に努められたい。
なお、軽微な事項については、別途指示した。
[指摘事項]
(1)適正な財務会計事務の執行について
岐阜市物品管理規則第14条は、「物品取扱員は、物品の納入があったときは、
その契約条件の充足等につき検査のうえ受領し、支出命令書又は注文書兼請求内訳
書の検収欄に認印を押さなければならない。」と規定している。
しかしながら、交通政策課、市街地再開発課、駅周辺事業推進課及び公園整備課
において、物品の納入があったとき物品取扱員に任命されていない職員が検収し、
検収欄に認印を押しているものがあった。
今後は、岐阜市物品管理規則を遵守し、適正な財務会計事務の執行に努められた
い。
(2)適正な事務執行について
印紙税法第5条は、別表第1の課税物件の欄に掲げる文書のうち非課税物件の欄
に掲げるものは、印紙税を課さない旨規定し、同法別表第1は、契約金額が1万円
未満の請負に関する契約書を非課税物件としている。
しかしながら、平成23年度から令和元年度までに締結した、岐阜市まちなか歩
きガイド、岐阜市自転車散策マップぎふポタ及び三輪の歴史文化散策マップへの広
告掲載にかかる契約書については、印紙税法上の請負に関する契約書に該当し、契
約金額から非課税物件であるにもかかわらず、収入印紙を貼付するよう依頼したた
め、総額13,800円の誤納を発生させた。
今後は、印紙税法を遵守し、適正な事務執行に努められたい。
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1 監査等の種類 定期監査及び行政監査(学校施設監査)
2 監査の対象 市立小学校46校、市立中学校22校、市立幼稚園2園及び市
立特別支援学校1校のうち、以下の小学校5校及び中学校3校
┌───┬────────────────┐
│小学校│岐阜、岩野田、方県、七郷、西郷 │
├───┼────────────────┤
│中学校│岐阜中央、岐北、藍川北 │
└───┴────────────────┘
令和2年度4月~11月分 必要に応じて令和元年度分
3 監査の着眼点 令和2年度 現地監査等実施計画(以下「実施計画」という。)
に定める着眼点による
4 監査の実施場所 実施計画に定める実施場所
5 監査の日程 令和2年12月1日~令和3年1月15日
6 監査の結果
証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合し、監査の対象校において現地監査
を実施したところ、おおむね適正に処理されているものと認められた。しかしながら、
次のような事項が見受けられたので、検討されたい。
なお、軽微な事項については、別途指示した。
[意見]
(1)学校等における安全管理の実施状況の確認について
教育委員会は、平成28年7月27日付けで「幼児児童生徒の安全確保及び安全
管理の一層の徹底について」を各学校等へ通知している。
その中で、「幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理についてのチェックリ
スト」を提示し、チェックリストの作成と計画的な点検の実施、不十分なところの
早急な改善を求めるなど、学校等の安全管理の一層の徹底を図ることを依頼してい
る。
しかし、今年度に学校施設監査を実施した8校については、いずれの学校もチェ
ックリストを作成していなかった。
したがって、教育委員会事務局において、学校等の安全管理が適切に実施されて
いるか確認することについて検討されたい。
(2)消防計画に定められた消防訓練の実施について
学校施設監査において、消防法施行令第3条の2第2項に基づく消防訓練の実施
状況を調査したところ、岐北中学校から消火訓練は実施していないと書面で回答が
あり、現地監査の際、この回答内容について岐北中学校に確認したところ、内容に
誤りはないとのことであった。
しかし、学校施設監査の結果について、弁明、見解等を教育委員会事務局に求め
たところ、岐北中学校は消火訓練については既に6月に実施していたと報告がなさ
れた。
今後は、教育委員会事務局が主体となり、学校が消防訓練を実施する場合、訓練
の内容が消防法施行令第3条の2第2項に規定する訓練(消火、通報及び避難訓練)
に該当するのか所轄の消防署に確認の上、消防訓練を実施し、適法に消防訓練が実
施されたかを確認することを検討されたい。
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1 監査等の種類 随時監査
2 監査の対象 市民病院
時間外勤務に係る報酬の支給遅延
3 監査の実施場所 岐阜市役所南庁舎 4階 監査室
4 監査の日程 令和3年1月19日~令和3年1月25日
5 監査の結果
次のような事項が見受けられたので、改善に努められたい。
[指摘事項]
(1)時間外勤務に係る報酬の支給について
令和2年3月31日に廃止された岐阜市病院事業非常勤の特別職職員の報酬及び
費用弁償に関する規程第4条第2項は、正規の勤務時間を超えて勤務した場合のそ
の勤務時間に対し増額して支給する報酬は、次の月の報酬の支給日に支給する旨規
定している。
しかしながら、令和2年3月31日付けで退職した非常勤職員が令和2年3月に
正規の勤務時間を超えて勤務した勤務時間に対し増額して支給すべき報酬について
は、次の月の報酬の支給日である令和2年4月22日に支給すべきところ、令和2
年12月2日に支給されていた。
また、給与、報酬等の名称にかかわらず、賃金が支払期日から遅れて支払われた
ときは、損害賠償として遅延利息が発生する。
さらに、退職した者については、賃金の支払の確保等に関する法律第6条第1項
が、「事業主は、その事業を退職した労働者に係る賃金(退職手当を除く。以下こ
の条において同じ。)の全部又は一部をその退職の日(退職の日後に支払期日が到
来する賃金にあっては、当該支払期日。以下この条において同じ。)までに支払わ
なかった場合には、当該労働者に対し、当該退職の日の翌日からその支払をする日
までの期間について、その日数に応じ、当該退職の日の経過後まだ支払われていな
い賃金の額に年14.6%を超えない範囲内で政令で定める率を乗じて得た金額を
遅延利息として支払わなければならない。」と規定している。
しかしながら、令和2年12月2日に支給した際、遅延利息は、支払われていな
かった。
今後は、非常勤職員及び常勤職員を問わず、超過勤務手当の支給について、岐阜
市病院事業の企業職員の給与の種類及び基準に関する条例、岐阜市病院事業の企業
職員の給与の種類及び基準に関する条例施行規程及び岐阜市病院事業会計年度任用
企業職員の給与に関する規程を遵守し、適正な事務執行に努められたい。
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令和2年度
岐阜市
包括外部監査報告書
岐阜市包括外部監査人
弁護士 竹 中 雅 史
目 次
第1部 包括外部監査の概要………………………………………………………………… 1
1.外部監査の種類……………………………………………………………………… 1
2.監査の対象年度……………………………………………………………………… 1
3.包括外部監査人及び補助者………………………………………………………… 1
4.選定した特定の事件(監査のテーマ)…………………………………………… 1
5.選定した理由………………………………………………………………………… 1
6.利害関係……………………………………………………………………………… 2
7.監査の期間…………………………………………………………………………… 2
8.監査の手続…………………………………………………………………………… 2
9.監査の視点…………………………………………………………………………… 4
第2部 総論…………………………………………………………………………………… 9
第1 岐阜市の補助金等の状況…………………………………………………………… 9
1.定義…………………………………………………………………………………… 9
2.全体の金額…………………………………………………………………………… 9
3.説明区分による分類………………………………………………………………… 9
4.「岐阜市の補助金、負担金及び交付金一覧表」の作成…………………………12
第2 岐阜市の補助金等への取組み………………………………………………………12
1.これまでの経過………………………………………………………………………12
2.現在の見直し方法……………………………………………………………………13
3.参考資料………………………………………………………………………………13
第3 監査の結果(全体について)………………………………………………………14
1.全体管理………………………………………………………………………………14
2.透明化…………………………………………………………………………………15
3.終期の設定……………………………………………………………………………15
4.見直しシステム………………………………………………………………………15
5.事業評価のあり方……………………………………………………………………16
6.事業評価ツール………………………………………………………………………17
7.加入団体負担金の見直し……………………………………………………………17
8.任意団体の実質………………………………………………………………………18
9.任意団体と職務専念義務……………………………………………………………18
10.実行委員会・任意団体の調査把握及び公表………………………………………19
11.説明区分………………………………………………………………………………19
12.交付金及び負担金に関する規程……………………………………………………20
13.交付要綱の根拠規定…………………………………………………………………21
14.交付要綱による手続の省略…………………………………………………………21
15.前金払の理由…………………………………………………………………………22
16.余剰金の返還…………………………………………………………………………22
17.実績報告の実質化……………………………………………………………………23
第3部 各論(個別の補助金等の監査の結果)……………………………………………24
第1 実行委員会(類似団体含む)………………………………………………………24
1.特別展「川端康成と東山魁夷 美と文学の森」開催負担金……………………24
2.特別展「キラキラの昆虫展2019」開催負担金……………………………………28
3.ぎふサイエンスフェスティバル2019開催負担金…………………………………31
4.イングリッシュ・キャンプ in GIFU開催負担金……………………… 33
5.アートライブ・ウェルカム!アーティスト開催負担金…………………………34
6.笑いと感動のまちづくり事業負担金………………………………………………35
7.やないづ境川ふれあい夏祭り2019事業負担金……………………………………38
8.GIFUナイトビュー事業実行委員会負担金……………………………………41
9.長良川薪能開催負担金………………………………………………………………44
10.こよみのよぶね実行委員会負担金…………………………………………………47
11.長良川ツーデーウオーク開催負担金………………………………………………48
12.高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン大会開催負担金……………………………50
13.国際インラインスケート岐阜長良川大会開催負担金……………………………52
14.MAG-CUP少年サッカー交流大会開催負担金………………………………54
15.市民スポーツ・レクリエーション活動推進事業開催負担金……………………55
16.岐阜市民文化祭岐阜市美術展覧会開催負担金……………………………………56
17.岐阜市民文化祭岐阜市文芸祭開催負担金…………………………………………58
18.岐阜市民文化祭岐阜市民芸術祭開催負担金………………………………………60
19.ぎふ長良川勝手おどり実行委員会負担金…………………………………………61
20.岐阜文化再発見~市民協働による民話ライブ~開催負担金……………………64
21.さんぽde野外ライブ開催負担金…………………………………………………66
22.フローラリー岐阜開催負担金………………………………………………………68
23.エコフェスタ開催負担金……………………………………………………………70
24.岐阜市地球温暖化対策推進委員会負担金…………………………………………71
25.友好都市等産業交流推進委員会負担金……………………………………………73
第2 外郭団体………………………………………………………………………………74
26.岐阜市シルバー人材センター補助金………………………………………………74
27.岐阜市社会福祉協議会運営費補助金………………………………………………75
28.岐阜市学校給食会運営費補助金……………………………………………………78
29.岐阜観光コンベンション協会運営負担金…………………………………………81
30.外国人のための日本語講座補助金…………………………………………………86
31.中心市街地まちづくり活動事業補助金……………………………………………90
第3 薬科大学・女子短期大学……………………………………………………………94
32.受託研究交付金・共同研究交付金…………………………………………………94
33.奨学寄附金交付金・寄附講座等交付金……………………………………………96
34.間接経費交付金(薬科大学)………………………………………………………99
35.間接経費交付金(女子短期大学)……………………………………………… 100
第4 政務活動費・職員互助会………………………………………………………… 103
36.政務活動費………………………………………………………………………… 103
37.岐阜市職員互助会助成金………………………………………………………… 109
第5 岐阜県・関係市町村……………………………………………………………… 115
38.木曽川右岸地帯水防事務組合負担金…………………………………………… 115
39.大野町1アンダーパス維持管理負担金………………………………………… 116
40.名鉄高架事業県営工事負担金…………………………………………………… 117
第6 地域………………………………………………………………………………… 118
41.自治会連合会運営費補助金……………………………………………………… 118
42.地区敬老会運営補助金…………………………………………………………… 123
43.新成人を祝い励ます会運営費補助金…………………………………………… 127
44.都市美化推進事業補助金………………………………………………………… 130
45.自主防災組織強化対策補助金…………………………………………………… 133
46.地域体育振興事業補助金………………………………………………………… 138
47.交通安全活動推進団体補助金…………………………………………………… 140
48.消防関係補助金…………………………………………………………………… 145
49.消防団維持運営費負担金………………………………………………………… 149
50.消防団分団維持運営費負担金…………………………………………………… 152
51.地域力創生事業補助金…………………………………………………………… 154
52.岐阜市青少年育成市民会議運営費補助金……………………………………… 157
53.民生委員候補者推薦準備会補助金……………………………………………… 159
54.岐阜市民生委員・児童委員協議会運営費補助金……………………………… 160
55.自治会連絡協議会運営補助金…………………………………………………… 164
56.岐阜市公民館連絡協議会補助金………………………………………………… 167
57.岐阜治水会負担金………………………………………………………………… 169
58.岐阜市防犯協会運営補助金……………………………………………………… 171
59.岐阜市まちづくりサポートセンター負担金…………………………………… 174
60.単位老人クラブ運営補助金……………………………………………………… 176
61.岐阜市老人クラブ連合会補助金………………………………………………… 179
62.自治公民館補助金………………………………………………………………… 180
63.コミュニティ助成事業補助金…………………………………………………… 181
64.羽島用水土地改良区排水費負担金……………………………………………… 182
65.逆川、正木、蘇西、東野田排水機場維持管理費負担金……………………… 183
第7 教育・保育………………………………………………………………………… 184
66.岐阜市PTA連合会補助金……………………………………………………… 184
67.岐阜市立岐阜商業高等学校部活動振興補助金………………………………… 185
68.ふるさと大好き鵜飼事業補助金………………………………………………… 188
69.学校支援推進委員会負担金……………………………………………………… 190
70.岐阜市学校保健会補助金………………………………………………………… 190
71.岐阜
市立特別支援学校生徒指導対策行動費補助金…………………………… 193
72.岐阜市中学校及び岐阜特別支援学校進路指導対策行動費補助金…………… 195
73.私学振興補助金…………………………………………………………………… 196
74.岐阜市私立幼稚園連合会教育研究費補助金…………………………………… 199
75.私立教育・保育施設補助金……………………………………………………… 201
76.私立小規模保育事業等補助金…………………………………………………… 205
77.保育士確保サポート奨励金……………………………………………………… 207
78.夜間保育室事業補助金…………………………………………………………… 208
第8 任意団体・社団法人・財団法人等……………………………………………… 210
79.岐阜市スポーツ少年団本部運営補助金………………………………………… 210
80.岐阜市スポーツ指導員連絡協議会運営費補助金……………………………… 211
81.岐阜市スポーツ推進委員連絡協議会運営費補助金…………………………… 213
82.岐阜市体育協会運営費補助金…………………………………………………… 215
83.母子家庭及び寡婦支援団体運営費補助金……………………………………… 219
84.文化団体補助金…………………………………………………………………… 221
85.文化財関連団体補助金…………………………………………………………… 224
86.観光事業補助金…………………………………………………………………… 232
87.青少年各種団体運営費補助金…………………………………………………… 236
88.日本ボーイスカウト岐阜市協議会運営費補助金……………………………… 242
89.障害児・者団体運営費補助金…………………………………………………… 244
90.岐阜県身体障害者岐阜地区体育大会補助金…………………………………… 250
91.保健医療関係団体補助金………………………………………………………… 253
92.平和啓発推進補助金……………………………………………………………… 262
93.岐阜市遺族連合会運営費補助金………………………………………………… 264
94.勤労者福祉事業補助金…………………………………………………………… 266
95.人権推進事業補助金……………………………………………………………… 269
96.地域ぐるみ学校人権教育推進委員会補助金…………………………………… 272
97.岐阜市読書サークル協議会活動推進事業補助金……………………………… 274
98.岐阜市視聴覚教育連絡協議会補助金…………………………………………… 277
99.岐阜天文台天文教育振興補助金………………………………………………… 279
100.日本貿易振興機構岐阜貿易情報センター事業運営負担金……………………280
101.岐阜県発明協会事業負担金………………………………………………………281
第9 事業・個人………………………………………………………………………… 283
102.コミュニティバス運行補助金……………………………………………………283
103.BRTシステム導入事業費補助金………………………………………………284
104.中小企業振興補助金………………………………………………………………285
105.農林水産関係振興補助金…………………………………………………………295
106.公衆浴場設備改善対策事業等補助金(経営安定化)…………………………297
107.被災農業施設復旧等支援事業補助金……………………………………………298
108.市民活動支援補助金………………………………………………………………299
109.家庭用次世代自動車充給電設備(V2H)普及促進補助金…………………302
110.地中熱ヒートポンプシステム普及促進補助金…………………………………302
111.ゼロエネルギー住宅普及促進補助金……………………………………………303
112.家庭用燃料電池普及促進補助金…………………………………………………304
113.ダンボールコンポスト普及促進補助金…………………………………………306
114.みんなでつくる“ホッとタウン”プロジェクト
街角トワイライト整備事業補助金………………………………………………307
115.ブロック塀等撤去補助金…………………………………………………………308
116.建築物等耐震化促進事業費補助金………………………………………………309
117.耐震シェルター等設置事業費補助金……………………………………………310
118.空き家改修費補助金………………………………………………………………311
119.はじめての就職定住支援金………………………………………………………312
120.中心市街地新築住宅取得助成金…………………………………………………313
121.中心市街地活性化空き店舗活用事業補助金……………………………………315
第1部 包括外部監査の概要
1.外部監査の種類
地方自治法第252条の37第1項に基づく包括外部監査
2.監査の対象年度
原則として、令和元年度。但し、必要に応じて他年度。
3.包括外部監査人及び補助者
包括外部監査人 竹中 雅史(弁護士)
同補助者 平松 卓也(弁護士)
同補助者 中西 敏夫(弁護士)
同補助者 磯谷 太一(弁護士)
同補助者 後藤 聡(税理士)
同補助者 小林 和実(税理士)
同補助者 片山映理子(税理士)
4.選定した特定の事件(監査のテーマ)
岐阜市の補助金、負担金及び交付金
5.選定した理由
岐阜市は、いわゆる給付行政の一環として、補助金を交付している。また、補助金と
類似するものとして、負担金及び交付金が存在する(以下、補助金、負担金及び交付金
を総称して「補助金等」という)。
補助金等は、岐阜市の会計では、19節「負担金補助及び交付金」に区分されている
ところ、令和元年度の一般会計の予算でみると、合計額が233億9,160万円に達して
おり、歳出合計額(1,762億5,635万5,000円)の約13%を占めている。補助金等は、
様々な支出項目の中に含まれており、多数の所管課において、広範囲の事務事業に関
わっている。
補助金は、対価のない無償譲渡であり、これを規律する法令も僅かであることから、
従前から、既得権化されやすく、見直しがなされないまま継続する傾向が指摘されて
いる。負担金や交付金においても、補助金と同様の傾向になるものもある。
人口減少・少子高齢化に加え、近年の大型災害や感染症拡大等を原因として、収入が
減少する一方で、対策、補償、補助、生活保護費等の支出が大幅に増加することが起こ
っており、そのための財源を確保しておかなければならない。その意味でも、真に必要
性のある補助金等であるか否かを吟味して、残すべきものは残す、失くすべきものは
失くすという措置が求められると考える。
以上から、岐阜市の補助金等について、横断的に監査する必要性は極めて高いと考
えた。岐阜市では、平成23年度の包括外部監査のテーマに補助金等が取り上げられて
いる。この監査報告書で指摘された事項について、その後、どのように改善等がなされ
たかについても監査の必要があるとともに、すでに8年近く経過しているため、改め
て補助金等を監査する必要性は高いと考えた。また、平成26年度の包括外部監査(「岐
阜市の外郭団体」)の中でも、外郭団体に対する補助金等が取り上げられており、この
監査報告書で指摘された事項についても、その後、どのように改善等がなされたかに
ついても監査の必要があると考えた。
6.利害関係
選定した特定の事件につき、地方自治法第252条の29の規定により記載すべき利害
関係はない。
7.監査の期間
令和2年6月1日~令和3年2月12日
8.監査の手続
┌──────────┐
│概要調査票による調査│
└──────────┘
岐阜市では、補助金等を全庁的に管理することはしていなかった。そこでまず、補助
金等の全体像を早期に把握するため、全ての部に対し、令和元年度に支出した補助金
等についての概要調査票の提出を求めた。
┌──────────┐
│個別調査票による調査│
└──────────┘
次に、補助金等の内容を知るとともに、監査対象を選定するため、各補助金等(旅費
補助金及び出席負担金を除く。)についての個別調査票の提出を求めた。併せて、根拠
となる要綱や定款等の提出も求めた。
┌───────┐
│監査対象の選定│
└───────┘
個別調査票、交付要綱等を検討し、次の観点から、書類監査の対象を選定した。
ア 金額が500万円以上の補助金等は、原則として対象とする(但し、観光事業以
外の特別会計及び企業会計におけるもの、企業会計補助金・企業会計負担金は除
く。)。
イ 金額が500万円未満のものから、交付要綱等の内容、過去5年間における金額
の変動の有無、開始年度の古さ、交付先等を勘案し、任意に抽出する。
ウ 平成23年度の岐阜市包括外部監査において取り上げられた補助金等は、原則と
して対象とする。
┌────┐
│書類監査│
└────┘
選定した補助金等の一連の関係書類について、書類監査を行った。
書類監査の対象とした補助金等は、概要版の「岐阜市の補助金、負担金及び交付金一
覧表」で印をつけたものであり、その数は、442件である。
┌─────┐
│ヒアリング│
└─────┘
書類監査を行った後、事実の聴取、疑問点等の質問をするため、次のとおり所管課の
ヒアリングを行った。
┌───────┬─────────────────────────────────────┐
│8月28日 │行財政改革課 │
│15:00~15:30 │ │
├───────┼─────────────────────────────────────┤
│9月28日 │議会事務局、衛生試験所、健康増進課、保健医療課、地域保健課、食品衛生課、生│
│13:30~17:10 │活衛生課、健康政策課、秘書課、監査課、選挙管理委員会事務局、会計課 │
├───────┼─────────────────────────────────────┤
│9月30日 │歴史博物館、文化芸術課、市民スポーツ課、文化財保護課 │
│13:30~17:30 │ │
├───────┼─────────────────────────────────────┤
│10月5日 │まちづくり事業課、住宅課、まちづくり推進政策課、開発指導景観課、建築指導 │
│10:00~15:50 │課、道路維持課、道路建設課、水防対策課、広域事業推進課、河川課、基盤整備政│
│ │策課 │
├───────┼─────────────────────────────────────┤
│10月8日 │介護保険課、高齢福祉課、障がい福祉課、福祉政策課、福祉医療課、惠光学園 │
│10:00~18:10 │ │
├───────┼─────────────────────────────────────┤
│10月9日 │政策調整課、総合政策課、職員厚生課、管財課、人事課、職員育成課、行政課、女│
│10:00~17:00 │子短期大学総務管理課、都市防災政策課、消防総務課 │
├───────┼─────────────────────────────────────┤
│10月12日 │都市建設政策課、市街地再開発課、駅周辺事業推進課、都市計画課、公園整備課、│
│13:30~18:20 │交通政策課、観光コンベンション課 │
├───────┼─────────────────────────────────────┤
│10月14日 │消費生活課、市民課、防犯・交通安全課、環境政策課、低炭素・資源循環課、環境│
│10:00~12:30 │保全課 │
├───────┼─────────────────────────────────────┤
│10月16日 │岐阜商業高等学校、科学館、幼児教育課、教育政策課、教育施設課、学校保健課、│
│10:00~17:50 │学校指導課、社会・青少年教育課 │
├───────┼─────────────────────────────────────┤
│10月20日 │畜産課、農業委員会事務局、農林園芸課、労政・経営支援課、産業振興・企業誘致│
│9:30~18:00 │課、経済政策課 │
├───────┼─────────────────────────────────────┤
│10月21日 │財政課、資産税課、税制課、薬科大学教務厚生課、薬科大学庶務会計課 │
│10:00~12:00 │ │
├───────┼─────────────────────────────────────┤
│10月23日 │子ども・若者総合支援センター、子ども支援課、子ども保育課 │
│13:00~16:30 │ │
├───────┼─────────────────────────────────────┤
│10月26日 │ぎふメディアコスモス事業課、市民活動交流センター、人権啓発センター、男女共│
│13:30~17:30 │生・生きがい推進課、社会教育課、図書館、国際課 │
├───────┼─────────────────────────────────────┤
│10月27日 │農地整備課、経済政策課 │
│13:30~18:00 │ │
└───────┴─────────────────────────────────────┘
┌────────┐
│監査報告書の作成│
└────────┘
監査の結果として、【指摘】又は【意見】を記載した。
【指摘】とは、合規性、公平性、公益性、必要性、有効性、効率性の観点から、適法
性又は妥当性に問題があり、是正措置が必要であると考えるものである。
【意見】とは、直ちに是正措置が必要であるとまでは考えないが、是正を検討するこ
とが自治体の組織及び運営の合理化に資すると考えるものである。
【事実関係】及び【規範】は、【指摘】又は【意見】の前提又は根拠となるものであ
る。
また、他の補助金等において参考にして欲しい事項があった場合は、【参考報告】と
した。
9.監査の視点
┌─────┐
│基本的視点│
└─────┘
(1)合規性・手続きの適正
法律による行政の原理という言葉があるが、自治体は法令に従って事務執行をする
ことが必要である。地方自治法第2条第16項は、「地方公共団体は、法令に違反して
その事務を処理してはならない」と規定する。
法律、政令に限らず、広く、自治体制定の条例、規則や内部規定である要綱等を含め
て、根拠に従って事務執行をする必要がある。監査人が観点として記載する「合規性・
手続きの適正」は、かかる考えのもと、狭い意味の法令違反に限らず、根拠違反と広く
捉えて表現したものである。
根拠に基づく事務執行は、結果として最善の結果につながるものである。また、逆に
根拠に基づかない事務執行をした場合、住民監査請求や住民訴訟、国家賠償請求訴訟
の対象となる可能性がある。消極的な意味合いではあるが、そうならないためにも根
拠に基づく事務執行が必要である。
(2)公益上の必要性
地方自治法第232条の2は、「普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合にお
いては、寄附又は補助をすることができる。」と規定する。
地方自治法第232条の2は、公益上の必要性が客観的に認められる場合でなければ、
個人又は団体から相当の反対給付を受けることなく、当該個人又は団体に対し、金銭
等の供与又は供与の約束をすることはできない旨を規定するものである。したがって、
「寄附又は補助」には、地方公共団体が特定の事業の遂行を目的とする任意の団体の
構成員となり、当該団体の必要経費に充てるために構成員間の取り決めに従って支払
う負担金も含まれると解するのが相当であるから、負担金等の支出にあたっても、公
益上の必要性が客観的に認められなければならない(徳島地判平成6年5月13日参
照)。
また、岐阜市補助金等交付規則第3条が規定するように、補助金等に係る予算の執
行は、「補助金等が市税その他の貴重な財源で賄われるものであることに特に留意し、
補助金等の交付の目的に従って公正かつ効率的に行われなければならない」。
「公益上必要がある」か否かは、全くの自由裁量行為ではなく、客観的に公益上必要
であると認められなければならないとされる。
特定の事業活動への補助が公益上必要であるかの判断基準について、安本典夫教授
は、次のように述べられている(判例時報1433号)。
補助金は、一般的には公財政資金の負担を伴い、受ける者とそうでない者との公平
が問題となり、しかも私企業の自己責任にもとづく公正かつ自由な競争秩序と何らか
の程度において対立関係に立つ。したがって、そのような犠牲を償うに足りるもので
なければならない。
このような視点からは、特定の事業活動への補助が公益上必要であるかの判断基準
として、さしあたり次のようなものが考えられよう。
1) 補助金支出の目的、趣旨
2) 他の行政支出目的との関連での当該補助金の目的の重要性・緊急性
3) 補助が公益目的に適切かつ有効な効果を期待できるか
4) 補助金を受ける個人又は団体の性格(団体の場合には、目的・構成員・役員等の状
況)、活動状況
5) 他の用途に流用される危険がないか
6) 支出手続、事後の検査体制等がきちんとしているか
7) 目的違反、動機の不正、平等原則違反、比例原則(当該目的と補助の程度、補助を
受けた者に期待する行動と補助の程度)違反等、裁量権の濫用・逸脱にならないか
┌─────┐
│具体的視点│
└─────┘
上記の基本的視点に基づき、補助金等の事務執行手続に即し、次の点を念頭に置い
た。(規則は岐阜市補助金等交付規則の略)
<補助金>
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│交付要綱 │交付目的は具体的に規定されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助対象事業の内容は明確に規定されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助対象経費の範囲は定められているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助金の割合・上限は定められているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助金の算定基準は明確に規定されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │暴力団排除条項はあるか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│交付の目的 │公益に寄与するもので、正当なものか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │形式的な定めと実質的な目的に乖離はないか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│手続全体 │手続きは補助金等交付規則、要綱等の法規の定めに反してないか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│申請 │申請書は適切な時期(申請期限まで)に提出されているか │
│(規則第4条) ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助事業の目的及び内容は明確かつ具体的に記載されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │必要な書類は添付されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │申請者と双方代理になっていないか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│交付決定 │「負担金・補助金」の審査基準により審査されているか │
│(規則第5条) ├─────────────────────────────────────┤
│ │必要に応じて現地調査等は行われているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │申請者(交付先)の把握(目的、構成員、役員、活動状況)はなされているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助事業の目的が交付の目的に適合していることを確認しているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │経済性・効率性の見地からみて補助事業の具体的計画が適正であるか審査してい │
│ │るか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助金の算定方法・金額は事業の性質・規模に対して適切か │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │収支予算書に予備費や雑費が過大に計上されていないか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │予備費や雑費の具体的使途や見込みは明確にされているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助対象経費は個別具体的に定められているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助対象経費の詳細が分かる内訳等を記載した書面は作成されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │一定の補助率や補助上限額は定められているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │支出の効果は検討されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │交付先の繰越金の確認はなされているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │何をもって補助事業の完了とみなすのか明らかにされているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │交付決定は適切な時期になされているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │交付決定前に事業着手されていないか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │申請者に決定通知は送付されているか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│交付(前金払又は │概算払(前金払)請求書の請求理由は適切で具体的なものが記載されているか │
│概算払) ├─────────────────────────────────────┤
│ │あらかじめ交付されなければ、補助事業の遂行が適わず交付目的を達成し得ない │
│(規則第18条第1 │と認められるか │
│項但書、第2項) ├─────────────────────────────────────┤
│ │概算払(前金払)より前に事業着手されていないか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│補助事業の遂行 │補助団体等への指導監督はなされているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│(規則第10条~第 │補助事業の計画変更に対して適切な手続きがとられているか │
│14条) │ │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│実績報告 │実績報告書は適切な時期(提出期限まで)に提出されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│(規則第15条) │補助事業の完了年月日は客観的にふさわしいものであるか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │必要な書類は添付されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │実績報告書の正確性(交付要綱、交付申請書との整合等)の検証はなされている │
│ │か │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助事業が交付決定どおりに遂行されているかの調査確認はなされているか │
├─────────┼─────────────────────────────────────┤
│額の確定(履行の │補助事業の成果が交付目的達成の見地からみて交付決定の内容及び条件に適合 │
│確認) │するか調査されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│(規則第16条) │補助対象経費と実績が符合するか調査確認されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助金が補助対象経費以外に使用されていないか確認しているか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│交付(通常払) │履行の確認は交付決定のなされた年度内に行われているか │
│(規則第18条第1 │ │
│項本文) │ │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│戻入又は精算 │ │
├─────────┼─────────────────────────────────────┤
│ 通常払の場合 │履行の確認によって交付決定額の戻入が生じるべきではないか │
├─────────┼─────────────────────────────────────┤
│ 前金払の場合 │履行の確認によって交付決定額の戻入が生じるべきではないか │
├─────────┼─────────────────────────────────────┤
│ 概算払の場合 │たとえゼロ精算であっても精算処理はなされているか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│その他 │必要な書類はすべて保存されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │関係書類は時系列に基づいて整理されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │市と交付先団体との人的関係は適切か(職務専念義務との関係) │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│見直し │成果の達成度を分析する事務事業評価がされているか(施策評価シート、事業評 │
│ │価シートは適切に作成されているか) │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │毎年の「補助金の見直し基準」による見直しは適切に行われているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │「補助金検討チーム」による再評価を行っているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │「補助金検証委員会」での審議がなされたことはあるか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │交付先に多額の繰越金はないか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │交付先は自立可能な団体ではないか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助を受けた団体が他の団体又は他人に再補助をしていないか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助割合の低い補助金等についても、その効果はあるか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │少額の補助金について、補助効果は期待でき、補助金を支給する意味はあるか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │運営費補助→事業費補助、定額補助→定率補助に移行すべきものはないか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │目標値や経過年数等から、交付目的がすでに達成されていないか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │市の政策上、緊急性はあるか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │同じ目的の補助金等や、補助対象が類似している補助金等が他にないか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │いつまでに目標を達成したいか(補助金の終了予定はあるか) │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │当初の前提条件が変化していないか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │補助金ではなく委託料その他の交付が適切ではないか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
<負担金>
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│支出の根拠 │明確になっているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │法令又は契約等に基づく義務か、任意か │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│支出の必要性 │具体的に把握されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │団体の構成員となっているか(開催負担金、加入団体負担金) │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │事業から利益を受けることに対する経費負担となっているか │
├─────────┼─────────────────────────────────────┐
│決裁手続 │根拠となる法令、協定、定款等は添付されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │団体の予算措置が確定承認されていることを確認しているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │予算書、決算書、事業計画書、名簿、総会議事録等は添付されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │支出の必要性は明確かつ具体的に記載されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │算出根拠の分かる資料は添付されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │支出先と双方代理になっていないか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│前金払又は概算払 │概算払(前金払)の理由は適切で具体的なものか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │喫緊に必要なのか、開催後の支出とできないのか、見積額は適切か等を総合的判 │
│ │断しているか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│戻入又は精算 │ │
├─────────┼─────────────────────────────────────┤
│ 通常払の場合 │履行の確認によって支出額の戻入が生じるべきではないか │
├─────────┼─────────────────────────────────────┤
│ 前金払の場合 │履行の確認によって支出額の戻入が生じるべきではないか │
├─────────┼─────────────────────────────────────┤
│ 概算払の場合 │たとえゼロ精算であっても精算処理はなされているか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│その他 │補助金と同様 │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│見直し │補助金と同様 │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
<交付金>
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│支出の根拠 │明確になっているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │法令又は契約等に基づく義務か、任意か │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│支出の必要性 │具体的に把握されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │事務の委託に対する報償となっているか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│決裁手続 │根拠となる法令、規則等は添付されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │支出の必要性は明確かつ具体的に記載されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │算出根拠の分かる資料は添付されているか │
│ ├─────────────────────────────────────┤
│ │支出先と双方代理になっていないか │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
┌─────────┬─────────────────────────────────────┐
│その他 │補助金と同様 │
└─────────┴─────────────────────────────────────┘
第2部 総論
第1 岐阜市の補助金等の状況
1.定義
補助金等は、市が作成している「テーマ別研修マニュアル(負担金及び補助金)」(以
下「テーマ別マニュアル」という。)では、次のように定義されている。
┌─────┬────────────────────────────────┐
│ 補助金 │特定の事業、研究等を育成、助長するために、地方公共団体が、公益 │
│ │上必要が有ると認めた場合に対価なくして支出する経費 │
├─────┼────────────────────────────────┤
│ 負担金 │法令又は契約等によって、地方公共団体が負担することになる経費 │
├─────┼────────────────────────────────┤
│ │法令又は条例、規則等により、団体又は組合等に対して地方公共団体 │
│ 交付金 │の事務を委託している場合において、当該事務処理に対する報償とし │
│ │て支出するもの │
└─────┴────────────────────────────────┘
2.全体の金額
補助金等の全体の金額(令和元年度の決算額)は、次のとおりである。
なお、市において、補助金、負担金、交付金に区別した金額は把握されていなかった
ので、本監査において実施した概要調査票及び個別調査票の結果から、監査人が把握
した件数と金額である。件数には、旅費補助金及び出席負担金は含まない。
(円)(千円単位省略のため合計金額は概数)
┌─────┬───────┬───────┬──────┬──────┐
│ │ 全体 │ 一般会計 │ 特別会計 │ 企業会計 │
├─────┼───────┼───────┼──────┼──────┤
│ 補助金 │ (300件)│ (291件)│ (8件)│ (1件)│
│ │ 103億3,264万│ 93億3,008万│ 10億256万│ 1,167円│
├─────┼───────┼───────┼──────┼──────┤
│ 負担金 │ (586件)│ (514件)│ (49件)│ (23件)│
│ │ 909億5,451万│ 56億5,892万│843億8,500万│ 9億1,058万│
├─────┼───────┼───────┼──────┼──────┤
│ 交付金 │ (36件)│ (32件)│ (1件)│ (3件)│
│ │ 65億2,851万│ 62億8,186万│ 2億4,069万│ 595万│
├─────┼───────┼───────┼──────┼──────┤
│ 合計 │ (922件)│ (837件)│ (58件)│ (27件)│
│ │1,078億1,568万│ 212億7,072万│856億2,826万│ 9億1,653万│
└─────┴───────┴───────┴──────┴──────┘
3.説明区分による分類
テーマ別マニュアルでは、予算計上時に用いる説明区分により補助金等が分類して
いるが、概要調査票では、テーマ別マニュアルに記載のない説明区分の回答もあった
(▲印のもの)。概要調査票の結果によれば、補助金等の数及び金額(令和元年度の決
算額)は、次のとおりであった。
<補助金>
┌─────────────────────────────┬──┬──────────┐
│説明区分 │ 数│ 合計金額 │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│開催補助金 │ 7│ 207万9,000円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│公益又は政策上の必要から各種団体が開催する行事等に対する │ │ │
│補助金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│団体事業補助金 │ 127│ 11億1,670万6,284円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│公益の増進を図ることを目的とする団体の事業等に対する補助 │ │ │
│金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│団体育成補助金 │ 65│ 3億211万5,068円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│公益性の高い事業を実施する団体の育成を主たる目的とした補 │ │ │
│助金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│諸補助金 │ 49│ 26億800万3,701円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│他の分類に該当しないその他の補助金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│建設補助金 │ 16│ 14億8,031万9,100円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│公共性の高い施設等の建設経費に対する補助金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│維持補修補助金 │ 12│ 6,418万6,179円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│公共性の高い施設等の維持補修に係る経費に対する補助金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│医療費補助金 │ 8│ 1億352万3,967円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│公益又は政策上の必要から特定疾患等の医療費に対する補助金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│扶助的補助金 │ 7│ 3億6,584万7,636円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│社会保障給付的な補助金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│利子補給金 │ 4│ 163万9,274円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│資金の融通を受けて行う事務事業の助成・育成のために、当該融│ │ │
│通資金に係る利息の全部又は一部に相当する額を、相当の反対 │ │ │
│給付を受けないで給付するもの │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│互助会補助金 │ 1│ 1,277万7,871円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│地方公共団体で任意に設置している職員互助会に対する補助金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│企業会計補助金 │ 4│ 42億6,903万5,251円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│地方公営企業に対し、災害の復旧その他特別の理由により地方 │ │ │
│公共団体の一般会計又は他の特別会計から支出する補助金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│旅費補助金 │ ※│ 641万5,179円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│公益又は政策上、必要な活動のため、それに要する旅費に対する│ │ │
│補助金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│合計 │ 300│ 103億3,264万8,510円│
└─────────────────────────────┴──┴──────────┘
※合計数に含めない。
<負担金>
┌─────────────────────────────┬──┬──────────┐
│種類 │ 数│ 合計金額 │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│開催負担金 │ 43│ 1億9,291万4,200円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│地方公共団体がその構成員として、加入している団体が開催す │ │ │
│る行事等に対する負担金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│加入団体負担金 │ 414│ 5億3,690万314円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│地方公共団体がその構成員として、加入している団体の運営等 │ │ │
│に対する負担金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│諸負担金 │ 84│ 12億1,495万7,115円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│他の分類に該当しないその他の負担金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│事業負担金(▲) │ 1│ 2万8,543円│
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│負担金(▲) │ 1│ 1,186万6,144円│
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│建設負担金 │ 1│ 55万9,625円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│公共施設の設置等により著しく利益を受ける場合等、その建設 │ │ │
│経費に対する負担金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│工事負担金(▲) │ 1│ 53万5,200円│
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│維持補修負担金 │ 7│ 658万9,909円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│公共施設等の維持補修に係る経費に対する負担金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│流域下水道維持管理負担金(▲) │ 1│ 6億7,170万7,736円│
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│流域下水道負担金(▲) │ 1│ 1億7,881万0,354円│
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│医療費負担金 │ 7│ 43億507万4,849円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│関係法令に基づいて医療保険や公費負担医療に係る事務に対す │ │ │
│る負担金・特定疾患等の医療費に対する負担金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│保険給付費 │ 9│ 660億660万6,340円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│公的保険において、利用者負担額が超過した場合等に支給され │ │ │
│る保険給付金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│扶助的負担金 │ 0│ │
├─────────────────────────────┤ │ │
│その他社会保障給付的な負担金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│拠出金 │ 7│ 132億360万15円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│特定の事務事業や保険給付等のために、その運営組織として、相│ │ │
│互扶助的に拠出するもの │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│県営事業負担金 │ 3│ 1億6,693万6,701円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│都道府県の実施する事業の必要経費について、その「受益の限 │ │ │
│度」において支出する負担金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│事務組合負担金 │ 5│ 43億9,202万2,124円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│地方公共団体が設置する一部事務組合に対する負担金 │ │ │
└─────────────────────────────┴──┴──────────┘
┌─────────────────────────────┬──┬──────────┐
│企業会計負担金 │ 1│ 3,228万3,438円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│地方公営企業に対し、受益者負担の原則になじまない経費につ │ │ │
│いて地方公共団体の一般会計又は他の特別会計から支出する負 │ │ │
│担金(地方公営企業法第17条の2) │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│出席負担金 │ ※│ 3,312万3,515円│
├─────────────────────────────┤ │ │
│各種研修や会合等への出席に対する負担金 │ │ │
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│合計 │ 586│ 909億5,451万6,122│
└─────────────────────────────┴──┴──────────┘
※合計数に含めない。
<交付金>
┌─────────────────────────────┬──┬──────────┐
│種類(説明区分又は概要調査票の回答) │ 数│ 合計金額 │
├────────┬────────────────────┼──┼──────────┤
│支援費交付金 │各法律により定められた措置施設の運営等 │ 0│ │
├────────┤ ├──┼──────────┤
│医療費交付金 │に対して、措置権者である都道府県又は市 │ 0│ │
├────────┤ ├──┼──────────┤
│措置費交付金 │町村が交付するもの等 │ 2│ 3億1,333万7,997円│
├────────┤ ├──┼──────────┤
│運営費交付金 │ │ 14│ 46億2,611万2,804円│
├────────┼────────────────────┼──┼──────────┤
│交付金 │上記の分類に該当しないその他の交付金・ │ 17│ 15億8,311万5,562円│
├────────┤ ├──┼──────────┤
│納付金 │納付金 │ 0│ │
├────────┴────────────────────┼──┼──────────┤
│補助交付金(▲) │ 3│ 595万円│
├─────────────────────────────┼──┼──────────┤
│合計 │ 36│ 65億2,851万6,363円│
└─────────────────────────────┴──┴──────────┘
4.「岐阜市の補助金、負担金及び交付金一覧表」の作成
監査の結果に基づき、「岐阜市の補助金、負担金及び交付金一覧表」を作成し、概要
版に添付する。
岐阜市の補助金、負担金及び交付金の全体像や特徴が分かるよう、部や課を超えて
の横断的な整理を行い、上記の説明区分、交付目的、交付の根拠、交付先が個人や事業
者か、実行委員会や協議会等の任意団体か、外郭団体かといった交付先の性質等によ
り分類して並べている。
第2 岐阜市の補助金等への取組み
1.これまでの経過
┌───────┬───────────────────────────────┐
│平成13年度 │包括外部監査のテーマとされた │
├───────┼───────────────────────────────┤
│平成14年4月 │岐阜市行財政改革推進会議から「補助金の見直しに関する意見書」 │
│ │が提出された │
├───────┼───────────────────────────────┤
│平成14年度 │岐阜市補助金検討委員会を設置した(~平成15年度) │
├───────┼───────────────────────────────┤
│平成14年度 │「補助金の見直し基準」を作成した │
├───────┼───────────────────────────────┤
│平成15年2月 │岐阜市補助金検討委員会から「岐阜市における補助金のあり方につ │
│ │いて中間提言」が提出された │
├───────┼───────────────────────────────┤
│平成15年11月 │岐阜市補助金検討委員会から「岐阜市における補助金のあり方につ │
│ │いて最終提言」が提出された │
├───────┼───────────────────────────────┤
│平成16年度~ │補助金の見直しを開始した │
├───────┼───────────────────────────────┤
│平成17年度 │「補助金の見直し基準の『評価指針』」を補足した │
├───────┼───────────────────────────────┤
│平成22年4月 │「岐阜市版事業仕分け」がスタートした │
├───────┼───────────────────────────────┤
│平成22年8月 │「テーマ別研修マニュアル(負担金及び補助金)」を作成した │
├───────┼───────────────────────────────┤
│平成23年度 │包括外部監査のテーマとされた │
├───────┼───────────────────────────────┤
│平成23年5月 │「事業評価シート」を作成した │
├───────┼───────────────────────────────┤
│平成26年4月 │「補助金等ガイドライン」を作成した │
│ │「補助金等の見直し基準チェックシート」を作成した │
├───────┼───────────────────────────────┤
│平成26年度 │包括外部監査において外郭団体に対する補助金等が取り上げられ │
│ │た │
└───────┴───────────────────────────────┘
2.現在の見直し方法
1) 新設から3年経過した補助金等
┌─────────┬─────────────────────────────┐
│各所管部 │「補助金等の見直し基準チェックシート」に基づく評価 │
│ │その結果を踏まえ、「事業評価シート」に基づく評価 │
│ │「補助金等の見直し基準チェックシート」と「事業評価シート」│
│ │を行財政改革課に提出 │
└─────────┴─────────────────────────────┘
↓
┌─────────┬─────────────────────────────┐
│補助金検討チーム │再評価 │
│(係長級) │ │
└─────────┴─────────────────────────────┘
↓
┌─────────┬─────────────────────────────┐
│補助金評価委員会 │各所管部と補助金検討チームの評価結果が異なる場合、調査、 │
│(副市長、部長級)│検討し、各所管部へ意見書を提出 │
└─────────┴─────────────────────────────┘
↓
┌─────────┬─────────────────────────────┐
│各所管部 │予算書に反映 │
└─────────┴─────────────────────────────┘
2) 新設から1~2年又は4年以上経過したもの
┌─────────┬─────────────────────────────┐
│各所管部 │「補助金等の見直し基準チェックシート」に基づく評価 │
│ │その結果を踏まえ、「事業評価シート」に基づく評価 │
│ │「事業評価シート」を行財政改革課に提出 │
└─────────┴─────────────────────────────┘
↓
┌─────────┬─────────────────────────────┐
│各所管部 │予算書に反映 │
└─────────┴─────────────────────────────┘
3.参考資料
「補助金等の見直し基準チェックシート」及び「事業評価シート」を参考資料として、
巻末に添付する。
第3 監査の結果(全体について)
本報告書では、まず、岐阜市の補助金、負担金及び交付金の全体に関する監査の結果
を記載し、次に、書類監査及びヒアリングを行った補助金等のうち、記載すべきと考え
た補助金等についての監査の結果を各論として個別に記載する。
各論について、一覧表と同様、部や課を超えての横断的な整理を行い、補助金等の特
徴、それぞれの違いが分かるよう、交付目的、交付先が団体か個人か、交付先の団体の
性質等により分類して並べた。
なお、「指摘及び意見一覧表」を概要版に添付するが、こちらについては、措置をと
る所管課の便宜のため、部、課毎に並べている。
1.全体管理
【事実関係】
市は、補助金、負担金及び交付金の内容を全体として把握管理していなかった。
補助金、負担金及び交付金は、性質が異なり、義務的なものや任意的なもの等多種多
様ではあるが、一般的に義務的であるとされる負担金の中には任意的なものが多くみ
られる等、区別があいまいであるように見受けられた。
【規範】
「補助金の見直しに関する意見書」では、『補助金は特定の事業や研究等公益上必要
がある場合に支出し、団体の自立化を促進することを趣旨としているが、ともすると
補助金を受ける側では既得権化しやすく、市としても惰性的に支出されやすいことか
ら、例外なく全ての補助金についてゼロベースを基準として見直し、廃止、縮小等を図
るべきである。』、『全体として総枠を抑える「総量規制」が必要であり、新規補助金に
ついてはスクラップ・アンド・ビルドの方式で行う』とされている。
「岐阜市における補助金のあり方について最終提言」では、『優先すべき補助事業を
選別していくことが重要であり、戦略を持って補助金を見直していく必要がある』、『社
会情勢の変化を的確に捉え、迅速かつ効果的に補助することが必要である』、『補助金
の見直しにより削減した財源を、新規の補助事業等に有効に活用することが望ましい』
とされている。
「補助金等の見直し基準チェックシート」では、見直しの視点として、『他の同種類
似の団体事業に対する補助金の交付』、『他部署における補助事業との補助事業の目的
の重複』が設けられている。
【指摘 行財政改革課】
新型コロナウイルス関連で、市民を補助する必要性が急速に高まっており、今後も
その必要性は継続すると思われる。まさに、優先すべき補助事業を選別すること、補助
金等の見直しにより削減した財源を優先すべきものに活用することの重要性が、これ
までになく強く求められている状況である。そのために、補助金等の全体を把握する
ことが大前提となる。
補助金、負担金及び交付金の内容を全体として把握管理すべきである。
2.透明化
【事実関係】
市のホームページには、「補助金一覧」としつつ、「一般対象」として63件(令和2
年4月20日時点)の補助金等が掲載されているだけであった。市の補助金、負担金及
び交付金の内容全体について、公表がなされていない。
【規範】
「補助金の見直しに関する意見書」では、『各補助金の内容を広く市民に知らせると
ともに、市民の意見を求め、その意見を公開していくことが必要である。このことによ
り、使途、内容等について、市民の目が届き、不正も無駄もなくなるであろう』とされ
ている。
「岐阜市における補助金のあり方について中間提言」では、『補助金の多くは市民の
税金を財源としており、その使われ方については広く市民に周知すべきであり、広報
誌やホームページ等により補助金の内容や金額について公表すべきである』とされて
いる。
【指摘 行財政改革課】
岐阜市の補助金、負担金及び交付金の内容全体をホームページにより公表すべきで
ある。
3.終期の設定
【事実関係】
交付要綱等により終期を設定している補助金、負担金は、ほとんど見当たらなかっ
た。
【規範】
「補助金の見直しに関する意見書」では、『補助金の既得権化を防ぐ意味からも、終
期を設け、時期が来たら終わりとするか、改めて見直す機会とすることが必要である』
とされている。
「岐阜市における補助金のあり方について中間提言」では、『補助金には、長期間継
続して交付され、既得権化しているものが多く見受けられる。既得権化は、財政の効率
的運営を阻害し、財政硬直化をまねく要因であり、昨今の逼迫した財政の健全化を図
るため、補助目的に応じた補助の終期設定が必要である。』とされている。
【指摘 行財政改革課】
定期的に補助金、負担金を見直す仕組みを構築する一つの方法として、各所管課に
対し、交付要綱に補助金、負担金の終期を設定することを指導すべきである。
4.見直しシステム
【事実関係】
上記のとおり、市は、「新設から3年」を経過した補助金については、補助金検討チ
ームで再評価するという見直しをしているが、4年目以降の補助金について、3年毎
に見直すという方法はとっていなかった。
毎年、「補助金等の見直し基準チェックシート」と「事業評価シート」に基づく評価
をして見直しているというのかもしれないが、シートをどのように活用しているのか
が不明であった。平成16年度から平成22年度で68件・1億6,700万円の補助金を廃
止したようであるが、補助金等合計922件(出席負担金及び旅費補助金を除く)の内、
開始から10年以上経過している補助金等が649件にも上り、直近3年の予算額に変動
がないものが473件にも上るという事実からは、見直しが十分に行なわれているとは
言い難い。
【規範】
「岐阜市における補助金のあり方について中間提言」では、『補助金は元来、年度を
単位として申請されるものであり、補助期間は原則として単年度であるが、その補助
目的に応じて継続が必要となる場合においても、社会状況の変化を踏まえ、改めて見
直していくことが必要である。そのためには、補助期間を例えば最長でも3年と設定
し、全ての補助金をその期間内に一旦廃止すべきである。なお、更に継続が求められる
ものについては新規補助事業として改めて審査すべきである。』とされている。
「岐阜市における補助金のあり方について最終提言」では、『3年を1サイクルとし
て見直していくシステムとし、初年度に全ての補助金についてゼロベースから見直し、
引き続き検討が必要な補助金については、次年度以降も内部組織により各担当室の対
応状況や検討状況を踏まえた審査を実施することが望ましい。』『3年毎に市民等の外
部委員で組織された委員会等により、見直しシステムの有効性等について検証するこ
とが必要である。』とされている。
【指摘 行財政改革課】
中間提言、最終提言では、「新設から3年」ではなく、「3年毎に」見直す必要がある
としている。長期化し、前年踏襲で既得権化している補助金こそ見直すべきであるは
ずなのに、市は、提言に従わず、補助金検討チームによる評価をするのを、「新設から
3年」に限ってしまっていた。
上記のとおり、今、優先すべき補助事業を選別すること、補助金等の見直しにより削
減した財源を優先すべきものに活用することの重要性が、これまでになく高まってい
る。
3年毎に全ての補助金等を廃止し、ゼロベースで見直すシステムを策定し、実行す
べきである。
5.事業評価のあり方
【事実関係】
各所管課が行財政改革課に事業評価シートを提出することになっているが、行財政
改革課としては、各所管課の総合評価において、改善又は廃止とされたものを中心に
評価の対象としている。但し、外部の有識者や市民から見直しの意見が出されたもの
も評価の対象としている。
【意見 行財政改革課】
各所管課の自己評価を尊重することも分かるが、各所管課が厳格に評価しないと、
事業評価として機能しないおそれがある。各所管課としては、交付先団体との関わり
やこれまで経緯から、厳格に評価しきれないことも想定される。
負担が大きくなることは承知の上であるが、上記のとおり見直しの重要性に鑑み、
各所管課の自己評価に関わりなく、全ての補助金等について第三者的に評価する方法
に改めることが望ましい。
6.事業評価ツール
【事実関係】
現在、各事業共通の「事業評価シート」で補助金等を事業評価している。「補助金等
の見直し基準チェックシート」が用意されているが、新設から4年を経過した補助金
等については、行財政改革課への提出はなされていない。
「事業評価シート」の項目は、市の直営事業や委託事業では書きやすいが、補助金等
では書きにくいと思われる。例えば、支出、収入、収支、コストバランスというのは補
助金等にはそぐわないし、資源投入により算出した活動(アウトプット)、アウトプッ
トによりもたらされた成果(アウトカム)の指標設定も、補助金等では容易ではない。
その結果、補助金等の事業評価シートでは、補助金等の額や数を資源投入により算出
した活動(アウトプット)に書いているものがあったりする等、不統一である上に、理
解に苦しむものが多かった。
「補助金等の見直し基準チェックシート」は、見直し視点と評価項目毎に点数を記入
することになっているが、その点数を記入した根拠がよく分からなかった。合計点数
が低いものもあったが、その結果どうしたのかもよく分からなかった。
【意見 行財政改革課】
補助金等については、市の直営事業や委託事業と共通の事業評価シートではなく、
「補助金の見直し基準チェックシート」の視点と評価項目を踏まえた、独自の事業評
価ツールを作成して評価することが望ましい。
7.加入団体負担金の見直し
【事実関係】
平成23年度の包括外部監査において、基盤整備部と都市建設部の加入団体負担金に
ついて、加入の意味と効果を検討することが望まれるとの意見が出された。これに対
する措置状況報告として、基盤整備部は、『加入の意味や効果を検討し、加入の必要性
を再度確認した』として措置済みとし、都市建設部は、『加入による効果を再検討し、
継続して加入することの効果が薄れている2つの団体から脱会した。今後も当初予算
作成時や年度の切換え時期等に見直しを行い、加入による効果や有効性について継続
的に検討する』として措置済みとしていた。
しかし、基盤整備部と都市建設部だけでなく市全体でみると、加入団体負担金は、
414件もあり、その内、10年以上加入し続けているものが331件もあった。
決裁書類からは、加入により得られる効果は明らかになっておらず、加入の可否を
検討した形跡もなかった。ヒアリングによれば、加入により得られる効果として、情報
を得ることができるというものが多かった。
また、同じ団体に対し、複数の課が加入団体負担金を支払っているものがあった。
【指摘 行財政改革課】
加入団体負担金(市が構成員として会費を支払うもの)の全てについて、加入により
得られる効果を洗い出し、加入を継続することの可否について、各所管課と協議し、そ
の過程を記録に残しておくべきである。
8.任意団体の実質
【事実関係】
補助金等の交付先には、○○実行委員会、○○協議会、○○協会等、個人でも法人格
のある団体や組合でもなく、国・県・市町村関連でもない任意団体に対するものが約
440件あった。
交付先の事務所が市の所管課内にある等、市の施設内にあるものは、184件もあった。
交付先団体の会計事務を行う等、市の職員が交付先(対象事業)に関与しているもの
は、248件もあった。
また、団体の構成員名簿や規約の徴収をしておらず、市が交付先団体の構成員を正
確に把握していないものもあった。
【規範】
補助金等は市の貴重な財源を交付するものであるから、補助金が補助目的に従って、
補助対象経費に充てられるよう管理・運用されることが必要である。それゆえ、交付先
団体は補助金の管理能力がある団体でなければならない。
【指摘 行財政改革課】
任意団体が交付先であるときには、補助金の管理担当者及びその能力の確認が必要
である。所管課の職員が自ら補助金申請、実績報告を行い、補助金を管理し、しかもそ
の審査もするというのでは、市としてのチェック機能は働かず、実効性がない審査に
なる。公金である補助金を管理する能力を有しない団体に対する補助はすべきでない。
各所管課に対し、交付先団体は、団体としての組織、多数決での運営決定等団体とし
ての自立性が認められる「権利能力なき社団」として評価されるだけの実質を備えた
団体に限るよう、指導すべきである。
9.任意団体と職務専念義務
【事実関係】
上記のとおり、市の職員が補助金等の交付先の事務に関与していたものが248件も
あった。当該職員について、職務専念義務免除の手続きはとられていなかった。
このことについて、市が、交付先の事務を市の職員の本来の職務と考えているのか、
そうではないので職務専念義務免除の手続きをとるべきと考えているのか、明らかで
はなかった。
【規範】
地方公務員法第35条は、職員は当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ
従事しなければならないと定めている。
【指摘 人事課】
各々の交付先(任意団体)の性質、事業の目的や内容、事務の内容等により、本来の
職務といえるのかそうでないのかが異なり、統一的な取扱いは困難であると思われる。
交付先毎に実態を適切に把握し、補助金等の交付先の事務が市の職員の本来の職務
といえるものについては、その理由を書面で明らかにしておくべきである。補助金等
の交付先の事務が市の職員の本来の職務といえないものについては、市の職員に従事
させることを止めるか、従事させるのであれば職務専念義務免除の手続をとらせるべ
きである。
10.実行委員会・任意団体の調査把握及び公表
【事実関係】
上記のとおり、交付先について、事務所が市の施設にあるものは184件、市の職員
が会計事務を行う等により関与しているものは248件もあった。団体の実質や職務専
念義務との関係も曖昧であった。
また、実行委員会・任意団体の事業が実質的に市の事業といえるものでありながら、
市の契約規則等の規制が及ばないことや、団体の財務規程を定めて市の規制を準用し
ているとしても監視機能が働いていないことも懸念された。
【意見 行財政改革課】
市が事務局又は会計を担当している実行委員会・任意団体を調査把握し、一覧表を
作成し、ホームページで公表することが望ましい。岐阜県が実施しているので参考に
されたい。
11.説明区分
【事実関係】
どの説明区分にも属さないものとして、諸補助金が49件・26億800万3,701円、諸
負担金が84件・12億1,495万7,115円、交付金が17件・15億8,311万5,562円もあ
った。
補助金等は、本来、いずれかの区分の定義(これが交付の根拠や公益上の必要性を端
的に表す)に当てはまるべきものであり、どれにも当てはまらないものというのは、あ
くまでも例外なはずであるが、余りにも例外の数が多すぎる。また、団体事業補助金と
団体育成補助金と諸補助金、開催負担金と加入団体負担金と諸負担金は、区分の仕方
があいまいなように見受けられた。
このような例外が多く、曖昧な区分をしているということは、補助金等の交付の根
拠や公益上の必要性の検証の不十分さを伺わせた。
【意見 行財政改革課】
原則として、その補助金等がどのようなものなのかを明確に区分するようにし、ど
の区分にも属さないものというのはできる限り少なくするように指導することが望ま
しい。
12.交付金及び負担金に関する規程
【事実関係】
平成23年度の包括外部監査において、交付金及び負担金に関する規程を整備すべき
であるとの指摘がなされた。これに対する措置状況報告として、『「補助金等ガイドラ
イン」の中で、交付金及び負担金についても記載する』とのことで、措置済みとされて
おり、規程は設けられていなかった。
「補助金等ガイドライン」には、次の記載がある。
・補助金の見直し基準
補助金を負担金と読み替えるものとする。
・交付金の手続き
岐阜市補助金等交付規則及び岐阜市事務決裁規則に基づき適正に支出すること。
・負担金の手続き
次の交付手順及び岐阜市事務決裁規則に基づき適正に支出すること。
1)県営事業負担金、建設負担金、維持補修負担金
支出時において、負担金の根拠となる法令、協定、覚書等を必ず添付する。
2)出席負担金
支出時において、負担金額が記載された会議等の案内文を支出負担行為書兼
支出命令書に添付する。
3)開催負担金
交付決定の際、予算書や事業計画書等を交付決定等伺書に添付する。
原則、相手方と負担金の精算を行う旨を協議し、開催後、速やかに収支報告を
徴し、必要に応じて、剰余金の返還を求める。
4)加入団体負担金
会費の支出にあたっては、当該団体の定款や規約又は会則、予算書、決算書、
事業計画書、構成団体又は役員名簿等を、必ず支出負担行為書に添付する。
負担金の算出根拠が、定額制によるものではなく、人口割や面積割又は事業
費割等による場合は、算出根拠が分かる資料を必ず添付する。
実際には、開催負担金で余剰金の返還を求めていないものがあったし、加入団体
負担金で予算書は添付されているものの決算書添付されていないものがあり、団体
の名簿が添付されていないものもあった。
また、岐阜市暴力団排除条例第7条では、市は、市の事務又は事業により暴力団を
利することとならないよう必要な措置を講ずるものとされ、岐阜市補助金等交付規
則第5条の2では、補助金等の交付の除外条件として暴力団排除条項が設けられて
いるが、負担金及び交付金に関しては、岐阜市補助金等交付規則が適用されておら
ず、その他に規程もないため、暴力団排除条項が存在しない状態になっていた。
【指摘 行財政改革課】
平成23年度の包括外部監査の指摘内容は、個別の判断によるだけで規制がない状態
の改善を求めるために、規程を整備すべきとしているのであるから、「補助金等の見直
し基準」を充実させたものである「補助金等ガイドライン」に記載するのでは、指摘に
対する措置をとったとはいえない。しかも、「補助金等ガイドライン」に記載している
交付手順が遵守されていない状態が存在している。
また、一般的に義務的であるとされ、法令や契約を根拠にするものである負担金の
中に、任意的なものや法令や契約を根拠にしていないもの等補助金と同じように規則
に従った手続をとるほうが適切ではないかと思われるものもあった。
少なくとも負担金については、「補助金等ガイドライン」に記載するだけではなく、
根拠規程を設けるべきである。
他の自治体には、補助金交付規則に負担金の一部を適用するようにしているところ
もある。
13.交付要綱の根拠規定
【事実関係】
個々の補助金でみると、交付要綱で定めている事項に大きなばらつきがあった。交
付目的の記載がないもの、補助対象事業や補助対象経費の定めがないものも複数あっ
た。ある課においては、補助対象事業や補助対象経費を具体的に定めなくても問題な
いと考えているような意見もあった。
それゆえに、何が補助対象事業で何が補助対象経費か不明確なまま漫然と交付され
ているものや、団体の経費のほとんどすべてを補助していて、団体維持のための既得
権となってしまっているものがあった。
岐阜市補助金等交付規則において、交付要綱に関する規定がなかった。
【意見 行財政改革課】
岐阜市補助金等交付規則において、交付金及び負担金を含め交付要綱を定めるべき
こと及び交付要綱に定めるべき事項を定めた条項を設けることが望ましい。
14.交付要綱による手続の省略
【事実関係】
交付要綱の中には、岐阜市補助金等交付規則で定められた手続(交付申請書の提出、
審査及び調査、交付決定の通知、実績報告書の提出、履行の確認、確定後の交付、前金
払請求書の提出)の全部又は一部省略する定めを設けているものが複数あった。
確かに、同規則第26条では、別に定めることにより、これらの手続を統合し又は省
略することができる旨の規定がある。
【意見 行財政改革課】
事務の効率化、簡素化も必要性であるが、交付要綱により交付規則で定める手続を
自由に省略することができるというのが適切であるのか疑問が残る。
岐阜市補助金等交付規則において、各々の手続毎に省略することができるための要
件を定めることが望ましい。
15.前金払の理由
【事実関係】
補助金の多くは、前金払により支出されていた。補助事業者に岐阜市補助金等交付
規則で定められた「補助金等前金払請求書」を提出させてないものが複数あり、提出さ
せていても請求理由に適切かつ具体的な内容が記載されていないものもあった。
また、補助事業者ではなく市が理由書を作成しているものも複数あり、その理由書
に適切かつ具体的な内容が記載されていないものもあった。
請求書も理由書もなく、決裁書類に「事業の円滑な運営のため」という抽象的な一言
のみが記載されているものもあった。
【規範】
岐阜市補助金等交付規則第18条第2項では、前金払を受けようとする者は、補助金
等前金払請求書を提出しなければならないとされている。
テーマ別マニュアルでは、資金交付があらかじめなされなければ、当該補助事業等
の遂行が適わず、補助金の交付目的を達成し得ないと認められる場合に限って、前金
払による支出が認められるとし、前金払請求理由は適切で具体的なものでなければな
らないとされている。
【指摘 会計課】
各所管課に対し、補助事業者に適切で具体的な請求理由の記載された前金払請求書
を提出させ、前金払の可否を審査することの徹底を指導監督すべきである。
16.余剰金の返還
【事実関係】
前金払による支出がなされた後、実績報告により余剰金が発生した場合、市に返還
させて戻入をしているものもあれば、市に返還させずに交付先の繰越金としているも
のもあった。前金払で戻入がなかった補助金等は153件あり、これらの中には、余剰
があったものも少なからず存在した。
【規範】
テーマ別マニュアルによれば、補助金について、前金払としたものでも、年度末や事
業終了後に、当該団体から実績報告を受けた結果、やむを得ない事情や精算により、そ
の補助金等に余剰金が生じる事例もあり、このような場合は、当初の支出負担行為額
を減額変更し、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。負担金についても、
前金払は例外的な支出であるため、当該負担金がそのイベントの主たる準備資金とし
て喫緊に必要なのか、開催後の支出とできないのか、及び、その見積額は適切であるか
等を総合的に判断した上で取り扱うべきとされている。
【指摘 会計課】
各所管課に対し、前金払をした補助金等に余剰金が生じた場合は、戻入をすること
の徹底を指導監督すべきである。
17.実績報告の実質化
【事実関係】
実績報告として、事業報告書と収支決算書の提出をさせているが、事業報告書にお
いて、補助対象事業とそうでない事業との区別、収支決算書において、補助対象経費と
そうでない経費と区別がなされていないものがあった。
例えば、事業報告書の中に、交付先団体の構成員が第三者の開催する大会に参加し
たことが記載されているものがあったが、それは補助対象事業なのか、補助対象事業
だとしてその公益上の必要性が認められるのか、よく分からなかった。
【規範】
実績報告は、補助金等が交付目的に従って補助対象事業のために適正に使用された
のかを審査するとともに、補助対象事業によりどのような効果が得られたのかを確認
及び評価し、次年度の予算作成、補助金等の見直しを実施するために極めて重要な手
続である。
【指摘 行財政改革課、会計課】
各所管課に対し、実績報告では、補助対象事業とそうでない事業との区別のなされ
た事業報告書と補助対象経費とそうでない経費の区別のなされた収支決算書を提出さ
せることの徹底を、指導監督すべきである。
第3部 各論(個別の補助金等の監査の結果)
第1 実行委員会(類似団体含む)
1.特別展「川端康成と東山魁夷 美と文学の森」開催負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 歴史博物館 │
│ │※令和元年度は、教育委員会 歴史博物館 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │川端康成と東山魁夷展実行委員会 │
│ │※構成員は、岐阜市教育委員会教育長、岐阜新聞社事業局長、岐阜市教 │
│交付先 │ 育委員会事務局長、岐阜新聞社総務局長、岐阜新聞社事業局事業部長 │
│ │ 待遇、岐阜市教育委員会事務局次長、岐阜市歴史博物館長である。 │
│ │※事務局は、岐阜市歴史博物館にある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│特別展「川端康成と東山魁夷 美と文学の森」の開催 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│特別展「川端康成と東山魁夷 美と文学の森」の開催(個別調査票の文 │
│ │言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成30年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ - │ - │ - │ 3,040,000│16,960,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ - │ - │ - │ 3,040,000│16,960,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)負担金の根拠
【事実関係】
実行委員会規約には、委員会の経費について、「負担金、協賛金、助成金及びその他
の収入をもってこれに充てる」旨の定めはあるものの(第9条第1項)、市から負担金
が拠出される旨の定めはない。同委員会の収支予算書に、収入として、岐阜市からの負
担金が計上されていることを根拠としているようである。
本実行委員会には、市と岐阜新聞社が負担金を出し合っている。予算書では、市が
16,960,000円、岐阜新聞社が2,544,000円とされているが、負担割合の決定方法が不
明であった。また、実行委員会から岐阜新聞社に対して広告料として2,050,000円が
支払われている。なお、市によれば、岐阜新聞社は、この展覧会が共催事業であるた
め、この広告料に対する広報活動(新聞広告掲載やテレビCM放送等)を通常より多く
行ったとのことである。
【意見 歴史博物館】
交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること
の根拠となる定め、市と岐阜新聞社との負担割合の決定方法に関する定めを置くよう
にさせることが望ましい。
(2)前金払
【事実関係】
支出負担行為書に「なお、前金払とすることとしてよろしいか」と記載されているだ
けで、前金払の必要性を明らかにした記載はなかった。
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、前金払は例外的な支出であるため、当該負担金がそ
のイベントの主たる準備資金として喫緊に必要なのか、開催後の支出とできないのか、
及び、その見積額は適切であるか等を総合的に判断した上で取り扱うべきとされてい
る。
【指摘 歴史博物館】
前金払の必要性が明らかとなるような具体的な記載をすべきである。
(3)実行委員会の収入の取扱い
【事実関係】
予算書では、次のようになっていた。 (円)
┌──────────────────┬──────────────────┐
│収入 │支出 │
├─────────┬────────┼─────────┬────────┤
│岐阜市負担金 │ 16,960,000│委託料 │ 16,956,000│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│岐阜新聞社負担金 │ 2,544,000│その他費用 │ 2,711,000│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│観覧料収入 │ 10,480,000│岐阜市配分金 │ 9,169,565│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│雑入 │ 65,000│岐阜新聞社配分金 │ 1,375,435│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│繰越金 │ 163,712│ │ │
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│合計 │ 30,212,712│合計 │ 30,212,000│
└─────────┴────────┴─────────┴────────┘
実行委員会の観覧料収入と雑入の合計額10,545,000円(網掛け部分)を、岐阜市と
岐阜新聞社の負担金の割合で按分して算出し、これを、実行委員会の支出(配分金)、
市の歳入、として取り扱っていた。
実行委員会規約第9条では、委員会の経費について、以下のとおり規定されている。
┌──────────────────────────────────────┐
│第9条 委員会の経費は、負担金、協賛金、助成金及びその他の収入をもってこれに│
│ 充てる。 │
│ 4 委員会の経費に不足が生じた場合は、委員会の承認を得て、その他の収入を│
│ これに充てることができる。 │
└──────────────────────────────────────┘
【規範】
地方自治法第232条の2「寄附又は補助」には、地方公共団体が特定の事業の遂行
を目的とする任意の団体の構成員となり、当該団体の必要経費に充てるために構成員
間の取り決めに従って支払う負担金も含まれると解するのが相当であるから、負担金
等の支出にあたっても、公益上の必要性が客観的に認められなければならない。
【指摘 歴史博物館】
実行委員会の会計と負担金拠出者の会計とは別であるから、実行委員会が事業によ
り得る収入を、負担金拠出者の歳入(収入)とみなすことは、適切さに疑問が残る。
市によれば、規約第9条第4項をもって、実行委員会の事業により得る収入は、負担
金等を先に充てたものの不足した場合に経費に充てるものと考えているとのことであ
る。しかし、規約の文言解釈から、そうは解釈できないし、事業により得られる収入よ
りも負担金を先に経費に充当するというのは、負担金が公金から拠出されていること
からすれば適切とは言い難い。
他の実行委員会をみても、同じく岐阜新聞社と共催の「キラキラの昆虫展2019実行
委員会」を除き、そのような取扱いはしていなかった。
他の実行委員会と同様、実行委員会の収入を適切に取り扱えば、次のような予算に
なったと考えられ、市の負担金は減少する。 (円)
┌──────────────────┬──────────────────┐
│収入 │支出 │
├─────────┬────────┼─────────┬────────┤
│岐阜市負担金 │ 7,789,815│委託料 │ 16,956,000│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│岐阜新聞社負担金 │ 1,168,473│その他費用 │ 2,711,000│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│観覧料収入 │ 10,480,000│ │ │
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│雑入 │ 65,000│ │ │
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│繰越金 │ 163,712│ │ │
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│合計 │ 19,667,000│合計 │ 19,667,000│
└─────────┴────────┴─────────┴────────┘
もっとも、実行委員会の予算では、観覧料収入の見込みが10,480,000円と大幅に過
剰であった(決算では5,379,400円)ため、このような負担金の予算では費用に不足
する結果となる。観覧料収入の見込みが甘かったと言わざるを得ない。
実行委員会が事業により得る収入を的確に見積らせた上で、その収入を市の歳入と
みなす処理(実行委員会の配分金支出とする処理)をさせず、適切に負担金の額を算出
すべきである。
例えば、観覧料収入を500万円と見積もると、次のような予算になる。 (円)
┌──────────────────┬──────────────────┐
│収入 │支出 │
├─────────┬────────┼─────────┬────────┤
│岐阜市負担金 │ 12,555,535│委託料 │ 16,956,000│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│岐阜新聞社負担金 │ 1,882,753│その他費用 │ 2,711,000│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│観覧料収入 │ 5,000,000│ │ │
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│雑入 │ 65,000│ │ │
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│繰越金 │ 163,712│ │ │
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│合計 │ 19,667,000│合計 │ 19,667,000│
└─────────┴────────┴─────────┴────────┘
(4)予算と決算の不整合
【事実関係】
岐阜市配分金について、予算書では、上記のとおり、観覧料収入と雑入の合計額(網
掛け部分)を按分していた。
これに対し、決算書では、次のように、収入合計から経費を控除した残額(余剰金)
5,949,020円(網掛け部分)を按分していた。 (円)
┌──────────────────┬──────────────────┐
│収入 │支出 │
├─────────┬────────┼─────────┬────────┤
│岐阜市負担金 │ 16,960,000│委託料 │ 16,956,000│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│岐阜新聞社負担金 │ 2,544,000│その他費用 │ 2,381,845│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│観覧料収入 │ 5,379,400│岐阜市配分金 │ 5,173,268│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│雑入 │ 239,753│岐阜新聞社配分金 │ 775,752│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│繰越金 │ 163,712│ │ │
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│合計 │ 25,286,865│合計 │ 25,286,865│
└─────────┴────────┴─────────┴────────┘
【意見 歴史博物館】
予算の段階では、実行委員会の収入を市の歳入(収入)とみなす処理で配分金を算定
しつつ、決算の段階では、このような処理ではなく、実行委員会の余剰金の返還という
処理で配分金を算定させていた。
予算と決算の処理方法は整合させるようにすることが望ましい。
(5)事業評価
【事実関係】
本負担金は、特別展の開催が単年度毎であることを理由として、効果測定がなされ
ていなかった。
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方において、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【指摘 歴史博物館】
個別の特別展は単年度の開催であるものの、展示会自体は、毎年テーマを変えて開
催されているものであるため、一連の事業であると評価できる。
事業評価シートを作成して効果測定を行うべきである。
事業評価シートにおいては、観覧者数等具体的な評価指標を定め、翌年以降の特別
展開催に参考とすべきである。
なお、ヒアリングにおいて、令和2年度からは事業評価シートを作成する予定との
ことであった。
2.特別展「キラキラの昆虫展2019」開催負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │教育委員会 科学館 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │キラキラの昆虫展2019実行委員会 │
│ │※構成員は、岐阜市教育長、岐阜新聞社執行役員事業局長、岐阜市教育委│
│交付先 │ 員会事務局長、岐阜新聞社事業局事業部部長待遇、岐阜市科学館長で │
│ │ ある。 │
│ │※事務局は、岐阜市科学館にある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│特別展の開催 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│特別展「キラキラの昆虫展2019」開催に関する協約書 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│市民の科学する好奇心を高める(開催要項、協約書の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成10年度(特別展) │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │15,000,000│20,000,000│12,000,000│12,000,000│12,000,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │14,735,871│19,890,975│11,993,319│11,169,037│11,363,966│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1) 協約書の締結
【参考報告】
市は、岐阜新聞社との間で、特別展「キラキラの昆虫展2019」開催に関する協約書
を締結しており、その中で、負担金の額を定めていた。他の実行委員会のほとんどで
は、このような負担金の根拠がなかったため、参考報告とする。
【意見 科学館】
負担金を受け取るのは実行委員会であるし、協約書には実行委員会の予算や業務も
定めているため、実行委員会を交えた三者間の協約書にすることが望ましい。
(2)実行委員会の収入の取扱い
【事実関係】
実行委員会の予算と決算は、以下のとおりであった。
(収入)
┌─────────┬──────┬──────┬────────────────────┐
│ 科目 │予算額(円)│決算額(円)│ 内訳(円) │
├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤
│分担金収入 │ 24,000,000│ 24,000,000│・岐阜市 12,000,000 │
│ │ │ │・岐阜新聞社 12,000,000 │
│観覧料収入 │ 23,410,000│ 14,307,440│・観覧料収入 │
│雑入 │ 590,000│ 800,511│・物販販売等 │
│利息 │ -│ 79│・預金利息 │
├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤
│計 │ 48,000,000│ 39,108,030│ │
└─────────┴──────┴──────┴────────────────────┘
(支出)
┌─────────┬──────┬──────┬────────────────────┐
│ 節(細節) │予算額(円)│決算額(円)│ 内訳(円) │
├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤
│報償費 │ 100,000│ 86,211│ │
├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤
│旅費 │ 30,000│ 300│ │
├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤
│需用費 │ 1,752,000│ 1,672,866│ │
│ (消耗品費)│ 1,040,000│ 966,318│・事務用品等 │
│ (食糧費)│ 10,000│ 4,548│・打合会等 │
│ (印刷製本費)│ 702,000│ 702,000│・ポスター、観覧券製作等 │
├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤
│役務費 │ 3,113,986│ 3,042,024│ │
│ (通信運搬費)│ 120,000│ 48,038│・案内状、ポスター等郵送料等 │
│ (広告料)│ 2,945,040│ 2,945,040│・新聞ラジオテレビ゛等広告料 │
│ (手数料)│ 48,946│ 48,946│・両替手数料等 │
├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤
│委託料 │ 18,900,000│ 17,895,142│・企画制作会場構成等業務 13,765,600 │
│ │ │ │・受付案内駐車場整理業務 4,129,542 │
├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤
│使用料及び賃借料 │ 10,000│ 0│ │
├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤
│公課費 │ 31,389│ 31,389│・契約書収入印紙 │
├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤
│予備費 │ 62,625│ 0│ │
├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤
│小計 │ 24,000,000│ 22,727,932│差額 1,272,068(余剰金) │
├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤
│配分金 │ 24,000,000│ 16,380,098│・岐阜市 8,190,050 │
│ │ │ │・岐阜新聞社 8,190,048 │
├─────────┼──────┼──────┼────────────────────┤
│計 │ 48,000,000│ 39,108,030│ │
└─────────┴──────┴──────┴────────────────────┘
決算額の配分金の内訳は、以下のとおりであった。
┌──────┬──────┬───────┬───────┬─────────────┐
│ │岐阜市(円)│岐阜新聞(円)│合計(円) │ 備考 │
├──────┼──────┼───────┼───────┼─────────────┤
│1)余剰金 │ 636,034│ 636,034│ 1,272,068│ │
├──────┼──────┼───────┼───────┼─────────────┤
│2)観覧料収入│ 7,153,720│ 7,153,720│ 14,307,440│チケット売上金 │
├──────┼──────┼───────┼───────┼─────────────┤
│3)雑入 │ 400,250│ 400,255│ 800,511│ │
├──────┼──────┼───────┼───────┼─────────────┤
│4)利息 │ 40│ 39│ 79│ │
├──────┼──────┼───────┼───────┼─────────────┤
│合計 │ 8,190,050│ 8,190,048│ 16,380,098│ │
└──────┴──────┴───────┴───────┴─────────────┘
市は、「開催負担金余剰金」として636,034円(1))のみを戻入し、その余は「特別
展観覧料配分金」として7,153,720円(2))、「特別展雑入配分金」として400,256円
(3))、「特別展雑入配分金(預金利息)」として40円(4))、歳入(雑入)としていた。
規約第9条では、委員会の経費について、以下のとおり規定されている。
┌──────────────────────────────────────┐
│第9条 実行委員会の経費は、負担金収入及び助成金をもってこれに充てる。 │
│ 2 実行委員会の経費に不足が生じた場合は、実行委員会の了承を得て、本展覧│
│ 会の観覧料収入、関連商品の販売手数料、預金利息及びその他収入をこれに充│
│ てることができる。 │
└──────────────────────────────────────┘
【規範】
地方自治法第232条の2の「寄附又は補助」には、地方公共団体が特定の事業の遂
行を目的とする任意の団体の構成員となり、当該団体の必要経費に充てるために構成
員間の取り決めに従って支払う負担金も含まれると解するのが相当であるから、負担
金等の支出にあたっても、公益上の必要性が客観的に認められなければならない。
【指摘 科学館】
実行委員会の会計と負担金拠出者の会計とは別であるから、実行委員会が事業によ
り得る収入を、負担金拠出者の歳入(収入)とみなすことは、適切さに疑問が残る。
実行委員会規約第9条は、経費には負担金を先に充当するように定めているが、事
業により得られる収入よりも負担金を先に経費に充当するというのは、負担金が公金
から拠出されていることからすれば適切とは言い難い。
他の実行委員会をみても、同じく岐阜新聞社と共催の「川端康成と東山魁夷展実行
委員会」を除き、そのような取扱いはしていなかった。
他の実行委員会と同様、実行委員会の収入を適切に取り扱えば、次のような予算に
なったと考えられる。 (円)
┌──────────────────┬──────────────────┐
│収入 │支出 │
├─────────┬────────┼─────────┬────────┤
│岐阜市負担金 │ 0│委託料 │ 18,900,000│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│岐阜新聞社負担金 │ 0│その他費用 │ 5,100,000│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│観覧料収入 │ 23,410,000│ │ │
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│雑入 │ 590,000│ │ │
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│合計 │ 24,000,000│合計 │ 24,000,000│
└─────────┴────────┴─────────┴────────┘
もっとも、観覧料収入の見込みが23,410,000円と大幅に過剰であった(決算
14,307,440円)ため、これでは負担金が発生しないという予算になってしまう。観覧
料収入の見込みが甘かったと言わざるを得ない。
実行委員会が事業により得る収入を的確に見積らせた上で、その収入を市の歳入と
みなす処理(実行委員会の配分金支出とする処理)をさせず、適切に負担金の額を算出
すべきである。
例えば、観覧料収入を1,400万円と見積もると、次のような予算になる。 (円)
┌──────────────────┬──────────────────┐
│収入 │支出 │
├─────────┬────────┼─────────┬────────┤
│岐阜市負担金 │ 4,705,000│委託料 │ 18,900,000│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│岐阜新聞社負担金 │ 4,705,000│その他費用 │ 5,100,000│
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│観覧料収入 │ 14,000,000│ │ │
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│雑入 │ 590,000│ │ │
├─────────┼────────┼─────────┼────────┤
│合計 │ 24,000,000│合計 │ 24,000,000│
└─────────┴────────┴─────────┴────────┘
3.ぎふサイエンスフェスティバル2019開催負担金
<概要>
┌────┬──────────────────────────────────┐
│所管 │教育委員会 科学館 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │ぎふサイエンスフェスティバル2019実行委員会 │
│ │※構成員は、岐阜市教育長、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団理事 │
│ │ 長、NPO法人サイセンスものづくり塾エジソンの会理事、岐阜市教育 │
│ │ 委員会事務局長、岐阜大学教育学部准教授、岐阜聖徳学園大学教育学部 │
│交付先 │ 教授、岐阜工業高等専門学校学科長、岐山高等学校校長、岐南工業高等 │
│ │ 学校校長、岐阜農林高等学校、小学校理科研究部会(西郷小学校校長)、│
│ │ NPO法人サイセンスものづくり塾エジソンの会代表、岐阜市科学館長 │
│ │ である。 │
│ │※事務局は、岐阜市科学館にある。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│対象事業│ぎふサイエンスフェスティバルの開催 │
│ │※開催場所は、岐阜市文化センターである。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼──────────────────────────────────┤
│交付目的│科学教育の振興を図る(実行委員会規約、開催要項の文言) │
├────┼──────────────────────────────────┤
│開始年度│平成23年度 │
├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │ 予算 │ 2,200,000│ 2,100,000│ 2,100,000│ 2,100,000│ 2,100,000│
│ ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ 決算 │ 2,197,047│ 2,083,874│ 2,084,955│ 2,078,634│ 2,068,911│
└────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)負担金の根拠
【事実関係】
実行委員会規約には、委員会の経費について、「負担金、協賛金、助成金及びその他
の収入をもってこれに充てる」旨の定めはあるものの(第10条第1項)、市から負担
金が拠出される旨の定めはない。同委員会の収支予算書に、収入として、岐阜市からの
負担金が計上されていることを根拠としているようである。
実行委員会には、市と岐阜市教育文化振興事業団が負担金を出し合っており、予算
書では、市が2,100,000円、岐阜市教育文化振興事業団が200,000円とされているが、
負担割合の決定方法が不明であった。
【意見 科学館】
交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること
の根拠となる定め、市と岐阜市教育文化振興事業団との負担割合の決定方法に関する
定めを置くようにさせることが望ましい。
(2)実行委員会の収入の取扱い
【参考報告】
実行委員会の予算と決算は、次のとおりであった。実行委員会の雑入を、市の歳入と
みなす処理(実行委員会の配分金支出とする処理)をしていなかったので、参考報告と
する。 (円)
┌──┬───────────┬─────────┬─────────┐
│ │ │ 予算 │ 決算 │
├──┼───────────┼─────────┼─────────┤
│収入│岐阜市負担金 │ 2,100,000│ 2,100,000│
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │岐阜市教育文化振興事業│ 200,000│ 200,000│
│ │団負担金 │ │ │
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │雑入 │ 100,000│ 58,203│
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │合計 │ 2,400,000│ 2,358,203│
├──┼───────────┼─────────┼─────────┤
│支出│報償費 │ 880,000│ 602,540│
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │需用費 │ 830,000│ 1,009,107│
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │その他 │ 680,000│ 712,506│
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │予備費 │ 10,000│ 0│
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │合計 │ 2,400,000│ 2,324,153│
└──┴───────────┴─────────┴─────────┘
(3)事業評価
【事実関係】
本負担金は、事業評価シート「科学館教育活動」の中の一事業として効果測定をして
いるため、単独での効果測定がなされていなかった。
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【指摘 科学館】
個々の事業毎に事業評価シートを作成して効果測定を行うべきである。
他の開催負担金の多くは、事業評価シートを作成していた。
4.イングリッシュ・キャンプ in GIFU開催負担金
┌────┬──────────────────────────────────┐
│所管 │教育委員会 学校指導課 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │イングリッシュ・キャンプin GIFU │
│ │※構成員は、岐阜市教育長、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団理 │
│交付先 │ 事長、岐阜市教育委員会事務局長、公益財団法人岐阜市教育文化振興 │
│ │ 事業団事務局次長、岐阜市教育委員会学校教育審議監兼学校指導課長、 │
│ │ 公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団総務課長である。 │
│ │※事務局は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団にある。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │イングリッシュ・キャンプin GIFUの実施 │
│対象事業│※小中学生がALTや大学生と共に英語を用いながら岐阜市少年自然の │
│ │ 家で5日間活動する事業である。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │児童生徒が、実生活の中で英語を活用する経験を積むことにより、英語 │
│交付目的│や英語の学習、国際社会への興味・関心を高めるとともに、実践的な英 │
│ │語運用能力の向上に向け、積極的かつ粘り強い学習姿勢を身に付ける(事 │
│ │業評価シートの文言) │
├────┼──────────────────────────────────┤
│開始年度│平成27年度 │
├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │ 予算 │ 2,900,000│ 2,900,000│ 3,800,000│ 3,775,000│ 3,775,000│
│小学校分├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ 決算 │ 2,900,000│ 2,775,744│ 3,719,543│ 3,745,566│ 3,740,228│
├────┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │ 予算 │ 2,900,000│ 2,900,000│ 3,800,000│ 3,775,000│ 3,775,000│
│中学校分├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ 決算 │ 2,900,000│ 2,775,743│ 3,719,544│ 3,745,567│ 3,740,229│
└────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)負担金の根拠
【事実関係】
実行委員会規約には、委員会の経費について、「負担金その他の収入をもって充てる」
旨の定めはあるものの(第8条第1項)、市から負担金が拠出される旨の定めはない。
同委員会の収支予算書に、収入として、岐阜市からの負担金が計上されていることを
根拠としているようである。
実行委員会には、市と岐阜市教育文化振興事業団が負担金を出し合っており、予算
書では、市が7,550,000円、岐阜市教育文化振興事業団が250,000円とされているが、
負担割合の決定方法が不明であった。
【意見 学校指導課】
交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること
の根拠となる定め、市と岐阜市教育文化振興事業団との負担割合の決定方法に関する
定めを置くようにさせることが望ましい。
(2)実行委員会の収入の取扱い
【参考報告】
実行委員会の予算と決算は次のとおりであった。実行委員会の参加料収入を、市の
歳入とみなす処理(実行委員会の配分金支出とする処理)をしていなかったので、参考
報告とする。 (円)
┌──┬───────────┬─────────┬─────────┐
│ │ │ 予算 │ 決算 │
├──┼───────────┼─────────┼─────────┤
│収入│岐阜市負担金 │ 7,550,000│ 7,550,000│
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │岐阜市教育文化振興事業│ 250,000│ 250,000│
│ │団負担金 │ │ │
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │参加料 │ 1,920,000│ 1,884,000│
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │雑入 │ │ 16│
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │合計 │ 9,720,000│ 9,684,016│
├──┼───────────┼─────────┼─────────┤
│支出│報償費 │ 1,035,000│ 1,009,410│
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │需用費 │ 2,755,000│ 2,728,986│
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │委託料 │ 5,554,000│ 5,529,000│
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │その他 │ 376,000│ 344,774│
│ ├───────────┼─────────┼─────────┤
│ │合計 │ 9,720,000│ 9,612,170│
└──┴───────────┴─────────┴─────────┘
(3)事業評価
【参考報告】
事業評価シートにおいて、評価指標として「最終日アンケート」を利用していた。
交付目的に合致する評価指標と思われるため、参考報告とする。
5.アートライブ・ウェルカム!アーティスト開催負担金
<概要>
┌────┬──────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課 │
│ │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │アートライブ・ウェルカム!アーティスト実行委員会 │
│ │※構成員(実行委員)は、弁護士、前岐阜大学教育学部教授、中部学院大 │
│ │ 学講師、岐阜女子大学教授、装賀きもの学院院長、岐阜県書作家協会 │
│ │ 常任顧問、岐阜市芸術文化協会副会長、加藤栄三・東一記念美術館名 │
│交付先 │ 誉館長、劇作家、染色工芸家、読み聞かせサークル会員、岐阜商工会 │
│ │ 議所常議員、前柳津町教育委員、岐阜市市民参画部次長、岐阜市市民 │
│ │ 参画政策課長である。 │
│ │※事務局は、文化芸術課にある。 │
│ │※事務局長は、文化芸術課長である。 │
│ │※事務局員は、文化芸術課職員である。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │アートライブ・ウェルカム!アーティストの開催 │
│対象事業│※小・中学校へ音楽家・落語家等を派遣する事業である。 │
│ │※市が主催である。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼──────────────────────────────────┤
│交付目的│子どもたちが文化芸術を体感できる機会の充実と文化芸術を担う人材の │
│ │育成を図る(事業評価シートの文言) │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │平成29年度 │
│開始年度│※アートライブは平成19年度から、ウェルカム!アーティストは平成24 │
│ │ 年度から開始しており、平成29年度から事業を統合して実施してい │
│ │ る。 │
├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │ 予算 │ - │ - │ 3,220,000│ 3,220,000│ 2,820,000│
│ ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ 決算 │ - │ - │ 2,377,077│ 2,192,509│ 2,200,293│
└────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)余剰金の返還
【参考報告】
実行委員会において、令和元年度の決算時に619,707円の余剰金が発生し、市に返
還させていたので、参考報告とする。
6.笑いと感動のまちづくり事業負担金
<概要>
┌────┬──────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 観光コンベンション課 │
│ │※令和元年度は、商工観光部 観光コンベンション課 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│説明区分│諸負担金 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜市笑いと感動のまちづくり実行委員会 │
│ │※構成員は、各種団体の役員等27名である。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│対象事業│全日本学生落語選手権の開催(予選会と決勝大会の2日間)、有料落語会 │
│ │の開催(1回)、市内小学校対象の落語講座の開催(1校)等 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │落語の祖・安楽庵策伝ゆかりの岐阜市を拠り所に、日本一元気な県都・ │
│ │岐阜市の実現を目指す。町の活性化及び人の健康のため「笑いと感動」 │
│ │を切り口として、まちづくりの観点からも本事業を推進する(事業評価 │
│交付目的│シートの文言) │
│ │観光産業の振興、教育文化の振興、伝統文化の普及と後継者の育成及び │
│ │中心市街地の活性化等を目的とし、笑いや感動により、健康的で魅力と │
│ │活力溢れる「日本一元気な県都 岐阜市」の実現(実行委員会規約の文 │
│ │言) │
├────┼──────────────────────────────────┤
│開始年度│平成15年度 │
├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │ 予算 │13,000,000│13,000,000│13,000,000│13,000,000│13,000,000│
│ ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ 決算 │11,609,023│12,016,090│12,991,953│12,961,047│12,676,571│
└────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)負担金の根拠
【事実関係】
実行委員会規約には、委員会の経費について、「負担金、補助金、協賛金及びその他
の収入をもって充てる」旨の定めはあるものの(第8条第1項)、市から負担金が拠出
される旨の定めはない。同委員会の収支予算書に、収入として、岐阜市からの負担金が
計上されていることを根拠としているようである。
実行委員会には、市、岐阜市公共ホール管理財団、岐阜商工会議所が負担金を出し合
っているが、負担割合の決定方法が不明であった。
【意見 観光コンベンション課】
交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること
の根拠となる定め、市と他の団体との間における負担割合の決定方法に関する定めを
置くようにさせることが望ましい。
(2)実行委員会の収入の取扱い
【参考報告】
実行委員会のチケット代等の収入7,915,012円を、市の歳入とみなす処理(実行委
員会の配分金支出とする処理)をしていなかったので、参考報告とする。
(3)余剰金の返還
【参考報告】
実行委員会において、令和元年度の決算時に323,429円の余剰金が発生し、市に返
還させていたので、参考報告とする。
(4)効果・経済性
【事実関係】
実行委員会の収入の内訳は、有料落語会のチケット代等7,915,012円、協賛金
980,000円、一般財団法人岐阜市公共ホール管理財団の負担金600,000円、岐阜商工会
議所の負担金500,000円、市の負担金13,000,000円である。
実行委員会の支出合計額22,671,583円のうち、NHK関連会社への委託料
19,745,385円が大半を占めている。これにより、市の負担金が多額になっている。N
HK関連会社への委託は一者随意契約であるが、これは、落語選手権をNHKで全国
放映してもらうためである。NHK放送の視聴率は、把握されていない。
落語選手権の出場者数は、50の大学・大学院の学生211名、観覧者数は、予選会が
741名、決勝大会が1,108名である。
アウトカム指標設定シートによれば、落語選手権の実施により、落語の祖・安楽庵策
伝ゆかりの岐阜市として認知され、出場者・観覧者が増加し、観光客が増加し、落語の
聖地として確立することで、観光関連産業の活性化が図れるという考えで、本負担金
の成果を次の指標で評価している。
直接アウトカム=観覧者数
中間アウトカム=観光客の増加=岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観
覧船乗船者数
最終アウトカム=観光地ブランドの確立=県庁所在地認知度ランキング
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【指摘 観光コンベンション課】
出場者は、落語選手権に出場すること、策伝大賞を受賞することが目的である。観覧
者の目的は、観覧することであるし、その中には出場者の関係者が相当数いるものと
推察されるし、リピーターも多いようである。出場者や観覧者が、落語選手権のために
市に訪れた機会を利用して、市の観光施設を訪れることもあるとは思うが、本来的に
は、出場すること、観覧することを目的として市に訪れている。出場者や観覧者が増加
することで、観光客が増加するというロジックが成り立つのかは幾ばくかの疑問が残
る。
また、出場者数・観覧者数は、おおむね横ばいであり、増加する見込みは低い。市は、
NHKで全国放送されることを重視している。確かに、全国放送により「岐阜市が落語
の祖・安楽庵策伝ゆかりの地であること」の認知は広がるかもしれない。しかし、それ
は、平成15年から継続していることによって一定程度は達成されていると思える。ま
た、そのことを知ったから岐阜市に観光に行くという行動原理が成り立つのか疑問で
ある。
落語選手権を開催すること自体に意義はあると思うが、開催することによって市が
所期する目的がどれだけ達成されるのか、13,000,000円もの多額の公金を支出するこ
との費用対効果は適切といえるのか、NHK全国放映を継続する必要があるのか(費
用の削減を図ることはできないのか)、民間からの協賛金を増やすことはできないのか、
種々の点から、本負担金の在り方を見直すべきである。
7.やないづ境川ふれあい夏祭り2019事業負担金
<概要>
┌────┬──────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 観光コンベンション課 │
│ │※令和元年度は、商工観光部 観光コンベンション課 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │やないづ境川ふれあい夏祭り実行委員会 │
│交付先 │※構成員は、柳津町商工会、自治会連合会、消防団、交通安全協会等で │
│ │ ある。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│対象事業│境川緑道公園での花火大会の開催、郷土芸能「天保宮下太鼓」「うずら │
│ │太鼓」「高桑太鼓」の披露、盆踊り大会の開催(年1回) │
├────┼──────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │多くの人々がともにふれあい、交流を深め地域の連帯感を醸成し、活力 │
│交付目的│とにぎわいあふれる地域づくりに寄与し、地域振興を図るイベントとし │
│ │て、柳津地域のみならず市南部最大のイベントとして位置付けるととも │
│ │に岐阜圏域の最後の花火大会を飾る(事業評価シートの文言) │
├────┼──────────────────────────────────┤
│開始年度│平成18年度 │
├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │ 予算 │ 6,500,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│
│ ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ 決算 │ 6,500,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│
└────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)負担金の根拠
【事実関係】
実行委員会規約には、委員会の経費について、「負担金、補助金、事業収入及びその
他の収入をもって充てる」旨の定めはあるものの(第8条第2項)、市から負担金が拠
出される旨の定めはない。同委員会の収支予算書に、収入として、岐阜市からの負担金
が計上されていることを根拠としているようである。
実行委員会には、市、柳津町商工会、柳津町自治会連合会、日置江自治会連合会が負
担金を出し合っているが、負担割合の決定方法が不明であった。
【意見 観光コンベンション課】
交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること
の根拠となる定め、市と他の団体との負担割合の決定方法に関する定めを置くように
させることが望ましい。
(2)前金払の理由
【事実関係】
市は本負担金の前金払をしているが、前金払の決裁文中で「事業実施にあたり支障
をきたさないよう」と記載しているだけであった。
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、前金払は例外的な支出であるため、当該負担金がそ
のイベントの主たる準備資金として喫緊に必要なのか、開催後の支出とできないのか、
及び、その見積額は適切であるか等を総合的に判断した上で取り扱うべきとされてい
る。
【指摘 観光コンベンション課】
前金払の必要性が明らかとなるような具体的な記載をすべきである。
(3)余剰金の返還
【事実関係】
実行委員会において、令和元年度の決算時に25,564円の余剰金が発生していたが、
繰越金として返還させていなかった。
【規範】
テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担
金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め
るのが真のあり方であるとされている。
【指摘 観光コンベンション課】
当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきである。
市によれば、「当該年度の負担金を入金するための運転資金(1回実行委員会経費等)
が必要となるため」というのが理由であるとのことであるが、返還しないことが相当
である理由とは受け取れなかった。
(4)公平性、効果・経済性
【事実関係】
市は、平成18年度の開始当初の680万円から若干負担金額を減らしているものの、
直近4年間は毎年600万円を負担し続けている。
支出のほとんどは、打上花火にかかる委託料(8,371,520円)である。
来場者数は、毎年2万人(現場目視)で一定である。
市は、来場者数がはるかに多い長良川の花火大会に補助金を支出している。「中日新
聞社」35万人・135万円、「岐阜新聞社」35万人・225万円と比較して、市の負担金額
がかなり多い。
また、市は、本事業と同じく地域の祭りに対して補助金を支出している。「長良川ま
つり補助金」(25万円)、「岐阜祭補助金」(50万円)、「池ノ上裸祭り補助金」(9万円)、
「ぎふ梅まつり補助金」(9万円)、「岐阜手力火祭補助金」(90万円)等と比較して、
はるかに高額な支出となっている。
アウトカム指標設定シートによれば、事業の実施により、人と人が交流し、賑わいが
創出され、観光地・旅行先として認知され、観光客が増加し、観光地ブランドが確立す
ることで、観光関連産業の活性化が図れるという考えで、本負担金の成果を次の指標
で評価している。
直接アウトカム=夏祭り来場者数
中間アウトカム=観光客の増加=岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観
覧船乗船者数
最終アウトカム=観光地ブランドの確立=県庁所在地認知度ランキング
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【指摘 観光コンベンション課】
柳津の夏祭りに参加する人の多くは、柳津町及び周辺の住民であると思われるし、
たとえ県外からの来場者が存在したとしても、柳津の夏祭りを訪れたことによって、
岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観覧船乗船者数が増加するという考え
は疑問である。
賑わいという面でみても、祭りの開催によって賑わいが創出されるのは、その日だ
けである。会場となっている公園の存在をアピールすることによって公園が賑わうと
の市の意見もあったが、休日の大きな公園は大抵、家族連れで賑わっており、祭りをき
っかけにして公園を再訪したとは思えない。
地域の開催であり十分な資金がないことから、新聞社との共催の花火大会よりも多
くの援助が必要となることは分かるが、そうであれば、他の地域の祭りと違って、多額
になる打上花火の費用を公金で負担することが公平適切といえるのか疑問である。
祭りを実施すること自体の意義はあると思うが、実施することによって市が所期す
る目的がどれだけ達成されるのか、6,000,000円もの多額の公金を支出することの費用
対効果は適切といえるのか、打上花火の縮小又は廃止等により費用の削減を図ること
はできないのか、民間からの協賛金を増やすことはできないのか、種々の点から、本負
担金の在り方を見直すべきである。他の地域の祭りとの比較、来場者数と実際の成果
に鑑みれば、「岐阜市観光事業補助金交付要綱」に基づく補助金に変更するか、負担金
の形で続けるとしても公平を失しない適切な負担額に留めるべきである。
8.GIFUナイトビュー事業実行委員会負担金
<概要>
┌────┬──────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 観光コンベンション課 │
│ │※令和元年度は、商工観光部 観光コンベンション課 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │GIFUナイトビュー事業実行委員会 │
│交付先 │※構成員は、岐阜長良川温泉旅館協同組合、観光コンベンション協会、 │
│ │ 近隣自治会連合会(4会)、岐阜市、岐阜観光策道(株)、岐阜森林管理署│
│ │ である。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│対象事業│手力の火祭・夏の開催、岐阜城パノラマ夜景の開催 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │本市の貴重な観光資源である金華山・長良川を活用した事業を実施する │
│交付目的│ことにより、全国から幅広く観光客の誘致を図り、地域の活性化に寄与 │
│ │する(事業評価シート・規約の文言) │
├────┼──────────────────────────────────┤
│開始年度│平成16年度(実行委員会負担金の開始) │
├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │ 予算 │16,000,000│16,000,000│16,000,000│16,000,000│16,000,000│
│ ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ 決算 │16,000,000│16,000,000│16,000,000│16,000,000│16,000,000│
└────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)負担金の根拠
【事実関係】
実行委員会規約には、委員会の経費について、「負担金、寄附金及びその他の収入を
もって充てる」旨の定めはあるものの(第7条第2項)、市から負担金が拠出される旨
の定めはない。同委員会の収支予算書に、収入として、岐阜市からの負担金が計上され
ていることを根拠としているようである。
実行委員会には、市、岐阜観光コンベンション協会、岐阜長良川温泉旅館協同組合、
岐阜観光索道株式会社、岐阜治水会が負担金又は協賛金を出し合っているが、負担割
合の決定方法が不明であった。
【意見 観光コンベンション課】
交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること
の根拠となる定め、市と他の団体との負担割合の決定方法に関する定めを置くように
させることが望ましい。
(2)余剰金の返還
【事実関係】
実行委員会において、令和元年度の決算時に146,101円の余剰金が発生していたが、
繰越金として返還させていなかった。
【規範】
テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担
金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め
るのが真のあり方であるとされている。
【指摘 観光コンベンション課】
当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきである。
市によれば、「当該年度の負担金を入金するための運転資金(1回実行委員会経費等)
が必要となるため」というのが理由であるとのことであるが、返還しないことが相当
である理由とは受け取れなかった。
(3)事業評価
【事実関係】
手力の火祭・夏は、年に1回、手力雄神社で行われる手力の火祭りを、長良川におい
て再演するものである。事業としては、平成元年度から開始している。
岐阜城パノラマ夜景は、年に76日間(令和元年度実績)、岐阜城の夜間開放を行う
ものである。事業としては、平成13年度から開始している。
いずれも、岐阜市の観光資源である長良川と岐阜城に夜の観光客を増加させること
を目的としているとのことであるが、前者は、1回限りの火祭りの観覧、後者は、夜景
の鑑賞という、異なる手法によるものである。しかし、事業評価シートは、両事業でま
とめて作成されていた。
費用の面で見ても、支出合計17,474,029円のうち、前者のためには14,000,000円
以上が費やされていた。ただし、実行委員会の予算書・決算書からは、いずれも事業の
経費なのかが明確に判別できなかった。
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【指摘 観光コンベンション課】
手力の火祭・夏と岐阜城パノラマ夜景は、別々に事業評価シートを作成すべきであ
る。
【意見 観光コンベンション課】
手力の火祭・夏と岐阜城パノラマ夜景、各々のためにいくら支出したのかが明確に
判別できるような予算書・決算書を作成させることが望ましい。たとえ、広告費等の共
通経費であっても、割り振ることは可能であると考える。
(4)効果・経済性
【事実関係】
手力の火祭・夏の観覧者数は、令和元年度は25,000人である。平成28年度から平
成30年度までは、20,000人である。
岐阜城パノラマ夜景の入場者数は、令和元年度は通算10,082人(一日当たり平均132
人)で、毎年10,000人前後で変わっていない。
アウトカム指標設定シートによれば、事業の実施により、夜間における観光客が増
加し、観光地・旅行先として認知され、観光客が増加し、観光地ブランドが確立するこ
とで、観光関連産業の活性化が図れるという考えで、成果を次の指標で評価している。
直接アウトカム=各イベントにおける参加者数
中間アウトカム=観光客の増加=岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観
覧船乗船者数
最終アウトカム=観光地ブランドの確立=県庁所在地認知度ランキング
手力の火祭・夏は30年以上、岐阜城パノラマ夜景も17年以上、いずれも長期にわ
たっているが、岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観覧船乗船者数は、平成
28年度から平成30年度まででほぼ横ばいであり、観光客の増加という成果がどれほ
ど出ているのか不明である。
市は、少なくとも直近5年間は、16,000,000円を支出し続けている。手力の火祭・
夏には、14,000,000円以上が費やされており、事業評価シートにおいても、「「手力の
火祭・夏」については、1日のみのイベントで、……予算の大部分を使っている現状が
ある。」との理由で、効率性の評価としては「低」としている。
【指摘 観光コンベンション課】
長良川と岐阜城が観光地・旅行地であることの認知は既になされていると思われる。
夜間に訪れたことによって、認知され、また別の機会(手力祭り・夏又は岐阜城パノ
ラマ夜景の鑑賞以外の目的で)に観光に訪れる人が増えるといえるのか疑問である。
岐阜城パノラマ夜景については、それほど費用が使われていないが、手力の火祭・夏
については、一日限りのイベントに多額の費用が使われている。
いずれの事業も実施すること自体の意義はあると思うが、実施することによって市
が所期する目的がどれだけ達成されるのか、16,000,000円もの多額の公金を支出する
ことの費用対効果は適切といえるのか、規模の縮小等により費用の削減を図ることは
できないのか、民間からの協賛金を増やすことはできないのか、種々の点から、各々の
事業毎に、本負担金の在り方を見直すべきである。
9.長良川薪能開催負担金
<概要>
┌────┬──────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課 │
│ │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │長良川薪能実行委員会 │
│ │※構成員(実行委員)は、みなもと会相談役、岐阜市芸術文化協会会長、 │
│ │ みなもと会会長、岐阜青年会議所理事長、岐阜長良川温泉旅館協同組 │
│ │ 合理事長、岐阜市教育委員会委員、岐阜青年会議所会員、NHK岐阜 │
│ │ 放送局放送部長、特定非営利活動法人花の会理事長、長良東自治会連 │
│交付先 │ 合会会長、中日新聞岐阜支社報道部長、長良川薪能サポーター代表、 │
│ │ 岐阜市国際交流協会会長、岐阜新聞・岐阜放送事業部長、鵜匠代表、元 │
│ │ 岐阜青年会議所会員、岐阜市市民参画部部長である。 │
│ │※会長は、岐阜市長である。 │
│ │※事務局は、文化芸術課にある。 │
│ │※事務局長は、文化芸術課長である。 │
│ │※事務局員は、文化芸術課職員である。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │長良川薪能の開催(1回)、講演・公演会の開催(1回)、サポーターの研│
│対象事業│修(5回)、子どもによる連調(太鼓)の練習(3回)・披露(1回) │
│ │※市は主催である。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │優れた芸術を鑑賞することにより、市民の芸術文化に対する関心を高め、 │
│交付目的│市民とともに文化創造の活性化を図る(事業評価シートの文言) │
│ │伝統文化の継承と地域文化の振興を図る(個別調査票の文言) │
├────┼──────────────────────────────────┤
│開始年度│平成元年度 │
├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │ 予算 │12,300,000│12,300,000│12,300,000│12,300,000│12,000,000│
│ ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ 決算 │12,300,000│12,300,000│12,300,000│12,300,000│12,000,000│
└────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)余剰金の返還
【事実関係】
実行委員会において、令和元年度の決算時に1,288,930円の余剰金が発生していた
が、繰越金として返還させていなかった。
市によれば、第1回の実行委員会を開催し、予算の承認を得るまでは予算がなく、第
1回実行委員会開催に向けての事務局費がないと、開催ができないため、事務局費に
かかる必要経費の繰越は必要であるとのことである。
【規範】
会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに
充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)
テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担
金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め
るのが真のあり方であるとされている。
【指摘 文化芸術課】
同じ実行委員会形式の負担金で、余剰金を返還させている例はいくつもある。第1
回の実行委員会に関する経費が必要というのであれば、本来は、実行委員会の自己資
金で支弁すべきであると考える。それがどうしてもできないということであれば、次
年度の第1回実行委員会開催に向けての準備費用として必要な費用を当年度の予算書
において支出として計上しておくべきである。
当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきである。
(2)運営方法
【参考報告】
多くの実行委員会が、各団体の役員の集まりに過ぎず、市の職員が実際の運営を行
っているところ、本実行委員会は、ボランティアのサポーターを募って、事前勉強会等
も実施しつつ運営しており、市民協働の点、事業の成果をより高めるという点で、参考
報告とする。
(3)効果・経済性
【事実関係】
実行委員会の収入合計13,333,540円のうち12,000,000円が市の負担金である。
支出の主なものは、出演者謝金や司会料等の報償費3,311,780円、舞台設営、会場
整備等の委託料5,986,874円である。
薪能当日の観覧者数は、平成29年度は3,500人、平成30年度と令和元年度は雨天
のため1,000人であり、講演・公演会の観覧者は、平成29年度と平成30年度は500
人、令和元年度は450人であった。体験した子どもは、平成29年度13人、平成30年
度と令和元年度は8人であった。サポーター参加者は、平成29年度は73人、平成30
年度は53人、令和元年度は50人であった。
アウトカム指標設定シートによれば、事業の実施により、伝統文化を身近に感じる
きっかけを提供し、「文化芸術を楽しみ創造する都市・ぎふ」を実現し、文化芸術の推
進によるシビックプライドの醸成を図るという考えで、本負担金の成果を次の指標で
評価している。
直接アウトカム=観覧者数・体験者数・参加者数の増加
中間アウトカム=文化・芸術活動に取り組む環境の整備
=市民意識調査(文化・芸術活動に取り組みやすいまちだと思う人の
割合)
最終アウトカム=岐阜市民であることに誇りを感じる人の増加
=市民意識調査(岐阜市民であることに誇りを感じる人の割合)
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【指摘 文化芸術課】
長良川薪能は立派なイベントであるが、それがゆえに多額の費用を要し、市は、
12,000,000円もの負担金を支出している。この金額との費用対効果でみると、観覧者
数が多いとはいえない印象を受ける。
「文化・芸術活動に取り組む環境の整備」というが、そのような抽象的なものではな
く、「能楽」という具体的な文化・芸術で成果を図らなければ、これだけの費用のかか
る事業の効果測定とは言い難い。
例えば、市内で開催された能楽の公演の参加者数や、能楽に関するカルチャースク
ールの受講者数等、能楽に対する市民の関心度が高まっているかどうか、市内におい
て能楽文化が盛んになっているかどうかという指標で事業評価した上で、事業を実施
することによって市が所期する目的がどれだけ達成されるのか、12,000,000円もの多
額の公金を支出することの費用対効果は適切といえるのか、規模の縮小等により費用
の削減を図ることはできないのか、民間からの協賛金を増やすことはできないのか、
種々の点から、本負担金の在り方を見直すべきである。
10.こよみのよぶね実行委員会負担金
<概要>
┌────┬──────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課 │
│ │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│説明区分│諸負担金 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │こよみのよぶね実行委員会 │
│ │※構成員(実行委員)は、日比野克彦氏、岐阜長良川温泉旅館協同組合 │
│交付先 │ 理事、市民ボランティア、秋田屋本店代表取締役社長、NPO法人森 │
│ │ と水辺の技術研究会理事長、岐阜県地域振興課課長、岐阜市文化芸術 │
│ │ 課長である。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│対象事業│こよみのよぶねの開催 │
│ │※市は後援である。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │自然や歴史文化、伝統の技を再発見し、過行く時を振り返り、また来る │
│ │時に思いを馳せる冬の風物詩である(個別調査票の文言) │
│ │本事業はNPO・市民・企業・市の協働によって実施され、市民主体の協働 │
│交付目的│のまちづくりの推進に資する事業である(事業評価シートの文言) │
│ │岐阜の自然や歴史文化、伝統の技を再発見し、冬の風物詩としての定着 │
│ │を目指すとともに、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会を契機とする地域の絆 │
│ │づくりの発展につなげていく(実行委員会規約の文言) │
├────┼──────────────────────────────────┤
│開始年度│平成18年度 │
├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │ 予算 │ 500,000│ 500,000│ 500,000│ 500,000│ 500,000│
│ ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ 決算 │ 500,000│ 500,000│ 500,000│ 500,000│ 500,000│
└────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)負担金の根拠
【事実関係】
実行委員会規約には、実行委員会の経費は負担金を充てる旨の定めはあるものの、
市から負担金が拠出される旨の定めはない。
実行委員会には、市、岐阜県、岐阜長良川温泉旅館協同組合、株式会社ヒビノスペシ
ャルが負担金又は支援金を出し合っているが、負担割合の決定方法が不明であった。
【意見 文化芸術課】
交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること
の根拠となる定め、市と他の団体との負担割合の決定方法に関する定めを置くように
させることが望ましい。
(2)負担金の額
【参考報告】
実行委員会の支出2,440,000円に対し、市の負担金は500,000円である。
民間からの支援金・協賛金が1,340,000円もある。
観覧者数は、平成29年度は3,500人、平成30年度は3,000人である。
民間からの協賛金を集め、費用対効果が適切であると考えるので、参考報告とする。
11.長良川ツーデーウオーク開催負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │健康部 健康増進課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │長良川ツーデーウオーク実行委員会 │
│ │※構成員は、岐阜市長、岐阜県ウオーキング協会会長、公益財団法人岐阜│
│ │ 観光コンベンション協会専務理事、大垣歩こう会会長、岐阜市健康部 │
│ │ 長、岐阜県ウオーキング協会副会長、大垣歩こう会副会長、岐阜市商工│
│交付先 │ 観光部長、岐阜市教育委員会事務局長、岐阜県ウオーキング協会副会 │
│ │ 長、岐阜市保健所長、一般社団法人日本ウオーキング協会会長である。│
│ │※事務局は、岐阜市健康部にある。 │
│ │※事務局長は岐阜市健康部健康増進課長、事務局次長は岐阜市健康部健 │
│ │ 康政策課長である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │長良川ツーデーウオークの開催 │
│対象事業│※岐阜市の歴史や自然に触れながら、2日間5~30kmのコースから自分 │
│ │ の歩きたいコースを選んで歩くイベント │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│岐阜市の観光資源等のPR、市民の健康づくり啓発(事業評価シートの文│
│ │言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成14年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 500,000│ 500,000│ 800,000│ 500,000│ 600,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 500,000│ 500,000│ 800,000│ 500,000│ 600,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)余剰金の返還
【事実関係】
実行委員会において、令和元年度の決算時において、余剰金831,165円が発生して
いるが、繰越金とし返還させていない。
市によれば、6月開催(年度当初)のため、前年後半(12月~3月)に次年度開催
準備の支出をするための財源となるものであるとのことである。
【規範】
会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに
充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)
テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担
金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め
るのが真のあり方であるとされている。
【指摘 健康増進課】
長良川ツーデーウオークは、毎年度継続して開催することが決まっているわけでは
なく、年度毎に開催の可否を検討すべきものである。負担金も、当年度のツーデーウオ
ーク開催のために支出されているものであるから、当年度のツーデーウオークのため
に支出されなければならない。
実行委員会形式である以上、次年度開催準備は、次年度の市の予算が議決される前
に実行委員会の判断で行っているものであるから、そのための支出となる財源を当然
に市が負担することはできない。もし、実行委員会が次年度の開催に向けた準備を当
年度に行う予定があり、そのための経費が必要なのであれば、まずは自己資金により
工面する努力をさせ、それでもなお当年度の負担金収入からしか工面できないという
ことであれば、次年度開催の必要性、有効性を説明させ、市として次年度開催(次年度
の負担金支出)の可否を検討した上で、当年度の予算書において、次年度開催のための
準備費用を支出に計上しておくようにさせることが必要と考える。
当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきである。
(2)効果・経済性
【事実関係】
令和元年度は1,550人、平成30年度は1,644人が参加し、岐阜市民の参加者は3割
程度、7割は市外からの参加で、宿泊を伴い来訪している。
本事業の目的の一つとして市民の健康づくり啓発があるが、参加者のうち岐阜市民
の参加者は約3割程度であり、事業評価シートでも「市民の健康啓発という意味では
有効性が低い」との評価を行っている。
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【意見 健康増進課】
本事業は異なる目的が2つ掲げられている。目的の一つである岐阜市の観光資源等
のPRという意味では参加者に占める市外参加者の割合が7割という数字からみて、
一定の効果が上がっていると思われるし、支出2,624,874円に対し、参加費1,771,300
円で、負担金600,000円であるので、費用対効果も適切と考える。
もっとも、市民の健康づくり啓発という目的については効果が低い。年1回のウオ
ーキングで健康効果を測定することは現実的ではないという市の意見はもっともであ
る。市民の健康づくり啓発という目的を外し、岐阜市の観光資源等のPRという目的
に絞った効果測定を十分に行うことが望ましい。
12.高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン大会開催負担金
<概要>
┌────┬──────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課 │
│ │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン実行委員会 │
│交付先 │※構成員は、岐阜県知事、岐阜市長、中日新聞社代表取締役社長、一般 │
│ │ 財団法人岐阜陸上競技会会長ほかである。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│対象事業│高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソンの開催 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │競技力の向上及び市民のスポーツ振興に寄与する(事業評価シートの文 │
│交付目的│言) │
│ │「清流の国ぎふ」づくりを進めるとともに、ふるさと岐阜を国内外へ広く発│
│ │信する(実行委員会会則の文言) │
├────┼──────────────────────────────────┤
│開始年度│平成23年度 │
├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │ 予算 │ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│
│ ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ 決算 │ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│ 6,000,000│
└────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)負担金の根拠
【事実関係】
会則には、本会の経費は、「主催者負担金、参加料、協賛金及びその他の収入をもって
充てる」旨の定めはあるものの(第15条)、市から負担金が拠出される旨の定めはな
い。
実行委員会には、市、岐阜県、中日新聞社が負担金又は協賛金を出し合っているが、
負担割合の決定方法が不明であった。ヒアリングによれば、主催者であるため、市、
県、中日新聞社が均等割にしているとのことであったが、2019年の大会ポスターには、
主催者として岐阜陸上競技協会、岐阜県体育協会が名を連ねているところ、いずれの
協会も負担金を拠出していない。
【意見 市民スポーツ課】
交付先団体の規約又は交付先団体との協定等において、市が負担金を拠出すること
の根拠となる定め、負担割合の決定方法の定めを置くようにさせることが望ましい。
(2)前金払の理由
【事実関係】
前金払の理由として、支出負担行為書には、「大会を円滑に実施するため」としか記
載されていなかった。
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、前金払は例外的な支出であるため、当該負担金がそ
のイベントの主たる準備資金として喫緊に必要なのか、開催後の支出とできないのか、
及び、その見積額は適切であるか等を総合的に判断したうえで取り扱うべきとされて
いる。
【指摘 市民スポーツ課】
前金払の必要性が明らかとなるような具体的な記載をすべきである。
(3)必要性、効果・経済性
【事実関係】
実行委員会の目的は、対外的なもののようである。これに対し、事業評価シートの目
的は、「競技力の向上及び市民のスポーツ振興に寄与する」とあり、実行委員会と同様
に対外的なものなのか、市民のスポーツ振興なのか、曖昧であった。ヒアリングによれ
ば、大会の知名度が高いことを重視しているようであるから、対外的な目的のようで
あった。しかし、事業評価シートの成果指標に用いられているのは、沿道の応援人数で
あった。
本負担金は、平成23年度に開始されて以降、6,000,000円で固定されており、明確
な算定根拠はなく、前年踏襲である。
実行委員会の支出額は223,697,633円であるが、119,100,000円の協賛金、
82,300,000円の参加料があり、市の負担割合は3%未満である。
ヒアリングによれば、毎年、収支状況は赤字とのことであったが、開始から9年が経
過し、平成28年には、国際陸上競技連盟(IAAF)ロードレースラベルの最高ランクで
あるゴールドラベルに認定され、全国での認知度は十分とのことであった。
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【指摘 市民スポーツ課】
既に大会自体の知名度は相応に上がっており、実行委員会が自立して実施していく
べき大会になっていると思われる。実行委員会の会計が毎年赤字になっている点につ
いては、実行委員会において大会運営の方法を改善すべきものである。大会が岐阜市
のアピールの場になる一面は否定し得ないものの、それが直ちに6,000,000円の負担
金を支出する根拠とはならない。市としては、大会開催にあたって、コースとなる市道
を提供していることで十分な協力といえるのではないかとも思う。
交付目的が岐阜市の認知度向上や観光客の増加にあるのであれば、その成果指標と
して、市外の参加者へのアンケート結果を用いることが考えられる。交付目的が市民
のスポーツ振興であるのであれば、その成果指標として、マラソン大会に参加した市
民の人数、市民の入賞者数を用いることが考えられる。
目的に即した適切な成果指標により効果測定をした上で、事業を実施することによ
って市が所期する目的がどれだけ達成されるのか、6,000,000円もの多額の公金を支出
することの費用対効果は適切といえるのか、民間からの協賛金の増加や費用の削減等
により自主運営をすることはできないのか、種々の点から、本負担金の在り方を見直
すべきである。
13.国際インラインスケート岐阜長良川大会開催負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課 │
│ │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │インラインスケート岐阜長良川大会実行委員会 │
│ │※構成員は、岐阜県インラインスケート協会会長、岐阜市議会議長、岐 │
│交付先 │ 阜市教育長、岐阜青年会議所副理事長、長良自治会連合会会長、長良 │
│ │ 西自治会連合会会長、岐阜市スポーツ推進委員連絡協議会会長、岐阜 │
│ │ 市スポーツ指導員連絡協議会会長、岐阜市長ほかである。 │
│ │※事務局は、市民体育課にある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│国際インラインスケート岐阜長良川大会の開催 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市の観光資源を全国にアピールし、ヤングファミリー等新しいタイ │
│ │プの観光客誘致を図る(事業評価シートの文言) │
│交付目的│国際コンベンション都市岐阜を全国にアピールすると同時に、このスポ │
│ │ーツを通じ、人と人が集い交流し、活力のある街づくりを目指す(実行 │
│ │委員会規約の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成6年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 3,300,000│ 3,220,000│ 2,800,000│ 2,500,000│ 2,000,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 2,608,784│ 2,735,847│ 2,796,513│ 2,345,334│ 1,991,136│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)効果・経済性
【事実関係】
本負担金は、平成6年度に開始されて以降、継続して交付されている。
ヒアリングでは、大会開催の必要性について、全国大会であり遠方からの参加もあ
るため有意義であるとの回答があったが、大会参加者は、平成29年度は210人、平成
30年度は216人、令和元年度は207人である。
本負担金は令和2年度で終了し、令和3年度からは岐阜県インラインスケート協会
に移管され、同協会が大会を主催し、全国大会開催のための補助金として申請を受け
る予定となっているとのことである。
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【意見 市民スポーツ課】
今後、補助金として交付するとしても、交付目的を的確に設定し、そのために補助す
る公益上の必要があるのかどうかを吟味し、その効果に照らして適切な補助金の額を
算定することが望ましい。
14.MAG-CUP少年サッカー交流大会開催負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課 │
│ │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │MAG-CUP少年サッカー交流大会実行委員会 │
│ │※構成員は、豊田市副市長、同市建設部長、岐阜市副市長、同市基盤整 │
│交付先 │ 備部長、大垣市副市長、同市建設部道路課長兼東海環状推進室次長、 │
│ │ 可児市副市長、いなべ市副市長、同市建設部長、八百津町建設課長ほ │
│ │ かである。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│MAG-CUP少年サッカー交流大会の開催 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│東海環状自動車沿線地域の連携交流強化(ヒアリング) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成9年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 50,000│ 50,000│ 50,000│ 50,000│ 50,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 50,000│ 50,000│ 50,000│ 50,000│ 50,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)負担金の目的
【事実関係】
規約では、本負担金の目的について、「大会を円滑に開催するため、必要な事業を行
うことを目的とする」(第3条)とのみ定められており、大会開催の目的は定められて
いない。事業評価シートが作成されておらず、個別調査票でも大会の開催に必要とし
か書かれていなかった。ヒアリングによれば、東海環状自動車沿線地域の連携交流強
化が目的であるとのことであった。
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【指摘 市民スポーツ課】
負担金の交付目的を明確に設定して、交付目的に沿った効果の検証を実施すべきで
ある。
なお、「東海環状自動車沿線地域の連携交流強化」が目的であるとすれば、市民スポ
ーツ課の予算から支出されることには疑問がある。ヒアリングによれば、同様の視点
から、今後は基盤整備部において予算編成することも検討するとのことであった。
15.市民スポーツ・レクリエーション活動推進事業開催負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課 │
│ │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市スポーツ・レクリエーション祭実行委員会 │
│ │※構成員は、岐阜市教育委員会、岐阜市スポーツ推進委員連絡協議会、 │
│交付先 │ 岐阜市スポーツ指導員連絡協議会、岐阜市レクリエーション協会、ス │
│ │ ポーツ関係団体ほかである。 │
│ │※事務局は、市民体育課にある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市スポーツ・レクリエーション祭の開催 │
│対象事業│※グラウンドゴルフ、インラインスケート、バレーボール、ミニテニス、│
│ │ ゲートボール、ジョギング・ウォーキング等の大会開催 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│軽スポーツの啓発・普及促進(事業評価シートの文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成25年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 1,530,000│ 2,000,000│ 1,630,000│ 1,630,000│ 1,527,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 1,285,594│ 1,688,535│ 1,413,587│ 1,100,340│ 1,317,291│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)効果・経済性
【事実関係】
本負担金は、平成25年度に開始されて以降、継続して交付されている。
本事業にかかる経費は、市の負担金のみで賄われている。
参加者数は、平成29年度は2,109人、平成30年度は2,075人、令和元年度は1,797
人であった。
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【指摘 市民スポーツ課】
「軽スポーツの啓発・普及促進」という目的に即した適切な成果指標により効果測
定をした上で、事業を実施することによって市が所期する目的がどれだけ達成される
のか、費用対効果は適切といえるのか、少しでも参加料を徴収したり、民間からの協賛
金を得たりする等により負担額を減らすことはできないのか、種々の点から、本負担
金の在り方を見直すべきである。
16.岐阜市民文化祭岐阜市美術展覧会開催負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課 │
│ │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市民文化祭岐阜市美術展覧会実行委員会 │
│ │※振込先は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団である。 │
│ │※構成員(実行委員)は、個人、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業 │
│交付先 │ 団理事長、岐阜市市民参画部長、岐阜市文化芸術課長、岐阜市教育委 │
│ │ 員会事務次長等である。 │
│ │※事務局は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団にある。 │
│ │※事務局員は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団の職員である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市民文化祭岐阜市美術展覧会の開催 │
│対象事業│※日本画・洋画・彫刻・工芸・書・写真・グラフィックデザインの作品募│
│ │ 集・表彰・展覧 │
│ │※市は主催である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │美術を愛好する市民に広く発表の機会と場を提供するとともに、良い作 │
│交付目的│品を鑑賞することを通して市民の美術文化への関心と情操豊かな市民性 │
│ │を育てる(事業評価シートの文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和23年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 8,500,000│ 8,500,000│ 6,649,000│ 7,400,000│ 7,400,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 7,804,317│ 7,134,232│ 6,649,000│ 7,400,000│ 5,536,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)余剰金の返還
【事実関係】
実行委員会において、令和元年度の決算時において、余剰金47,649円が発生してい
るが、繰越金とし返還させていない。
【規範】
会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに
充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)
テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担
金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め
るのが真のあり方であるとされている。
【指摘 文化芸術課】
同じ実行委員会形式の負担金で、余剰金を返還させている例はいくつもある。
第1回の実行委員会に関する経費が必要というのであれば、実行委員会の自己資金
で支弁すべきである。
当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきである。
(2)効果・経済性
【事実関係】
出品者から出品料を得ているが、719,000円であるし、広告料収入も380,000円であ
り、収入のほとんどは、市の負担金である。
支出合計6,587,351円のうち、主なものは、会場設営・審査飾付業務の委託料
2,805,000円、賞金、審査謝金の諸謝金2,072,000円である。
応募者数は、平成29年度は489人、平成30年度は450人、令和元年度は410人で
あり、観覧者数は、平成29年度は5,411人、平成30年度は9,417人、令和元年度は
3,542人である。
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)、5年を超えている負担金は形式的・習慣的に負担されていると
判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【意見 文化芸術課】
形式的・習慣的であるとは思うが、市民が応募する展覧会の公益性は認められるし、
美術展覧会を継続することに意味があると思う。しかし、だからといって公金を支出
続けてよいということにはならない。毎年同じような内容の事業で、効果が変わらな
いものに、公金から同じ額の負担金を支出し続ける必要があるのかは、検証する必要
がある。
美術展覧会において新規の応募者は増加しているのか、美術展覧会により美術に対
する市民の関心度が高まっているかどうか、市内において美術が広まっているかどう
かという指標で事業評価した上で、費用対効果が適切なものとなるよう、入場料の獲
得、出品料の引上げ、広告収入の増加、賞金や謝金の減少、委託料の削減等により負担
金額を減らすことに向けた努力をすることが望ましい。
17.岐阜市民文化祭岐阜市文芸祭開催負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課 │
│ │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市民文化祭岐阜市文芸祭実行委員会 │
│ │※振込先は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団である。 │
│ │※構成員(実行委員)は、個人、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業 │
│交付先 │ 団理事長、岐阜市市民参画部長、岐阜市文化芸術課長、岐阜市教育委 │
│ │ 員会事務次長である。 │
│ │※事務局は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団にある。 │
│ │※事務局員は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団の職員である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市民文化祭岐阜市文芸祭の開催 │
│ │※一般の部:短編・児童文学・現代詩・歌詞・短歌・俳句・川柳・連句・│
│対象事業│ 狂俳、小・中学生の部:創作・誌・短歌・俳句・川柳の作品募集・表 │
│ │ 彰・展示 │
│ │※市は主催である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│市民の創作意欲を高め、文芸創作活動の振興と地域文化の向上を図る(事│
│ │業評価シートの文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和40年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 1,703,000│ 1,703,000│ 1,703,000│ 1,703,000│ 1,703,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 1,703,000│ 1,703,000│ 1,703,000│ 1,703,000│ 1,703,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)余剰金の返還
【事実関係】
実行委員会において、令和元年度の決算時において、余剰金40,959円が発生してい
るが、繰越金とし返還させていなかった。
【規範】
会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに
充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)
テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担
金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め
るのが真のあり方であるとされている。
【指摘 文化芸術課】
同じ実行委員会形式の負担金で、余剰金を返還させている例はいくつもある。
第1回の実行委員会に関する経費が必要というのであれば、実行委員会の自己資金
で支弁すべきである。
当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきである。
(2)効果・経済性
【事実関係】
作品集頒布収入を得ているが、184,900円であり、収入のほとんどは、市の負担金で
ある。
支出合計1,846,941円のうち、主なものは、募集要項や作品集等の印刷製本費
910,463円、審査・講評謝金等の諸謝金648,800円である。
応募者数は、平成29年度は一般984人小中5,005人、平成30年度は一般970人小
中6,347人、令和元年度は一般1,152人小中4,852人であり、観覧者数は、平成29年
度は3,500人、平成30年度は2,800人、令和元年度は2,600人である。
【意見 文化芸術課】
上記の美術展覧会と同様、文芸祭において新規の応募者は増加しているのか、文芸
祭により文芸に対する市民の関心度が高まっているかどうか、市内において文芸が広
まっているかどうかという指標で事業評価した上で、費用対効果が適切なものとなる
よう、出品料や入場料の獲得、作品集頒布料金の引上げ、賞金や謝金の減少、委託料の
削減等により負担金額を減らすことに向けた努力をすることが望ましい。
18.岐阜市民文化祭岐阜市民芸術祭開催負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課 │
│ │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市民文化祭岐阜市民芸術祭実行委員会 │
│ │※振込先は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団である。 │
│ │※構成員(実行委員)は、個人、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業 │
│交付先 │ 団理事長、岐阜市市民参画部長、岐阜市文化芸術課長、岐阜市教育委 │
│ │ 員会事務次長等である。 │
│ │※事務局は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団にある。 │
│ │※事務局員は、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団の職員である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市民文化祭岐阜市民芸術祭の開催 │
│対象事業│※邦楽・邦舞・洋楽・洋舞・演劇の公演 │
│ │※市は主催である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市で活躍する芸術文化団体又は個人の優れた活動及び伝統芸能を多 │
│交付目的│くの市民が鑑賞できる機会を作り、岐阜市の芸術文化の高揚を図る(事 │
│ │業評価シートの文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和63年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 6,389,000│ 6,389,000│ 7,389,000│ 6,389,000│ 6,389,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 6,389,000│ 6,389,000│ 7,389,000│ 6,389,000│ 6,389,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)余剰金の返還
【事実関係】
実行委員会において、令和元年度の決算時において、余剰金138,107円が発生して
いるが、繰越金とし返還させていなかった。
【規範】
会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに
充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)
テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担
金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め
るのが真のあり方であるとされている。
【指摘 文化芸術課】
同じ実行委員会形式の負担金で、余剰金を返還させている例はいくつもある。
第1回の実行委員会に関する経費が必要というのであれば、実行委員会の自己資金
で支弁すべきである。
当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきである。
(2)効果・経済性
【事実関係】
邦楽・邦舞・洋楽・洋舞・演劇の各部会において、チケット売上金及び参加者負担金
として、合計12,389,415円の収入があり、各部会の事業費の合計19,141,911円に充
てられている。
出演者数は、平成29年度は656人、平成30年度は687人、令和元年度486人であ
り、観覧者数は、平成29年度は5,901人、平成30年度は5,641人、令和元年度5,320
人である。
【意見 文化芸術課】
上記の美術展覧会と同様、芸術祭において新規に演じる団体は増加しているのか、
芸術祭により各々の舞台芸術に対する市民の関心度が高まっているかどうか、市内に
おいて各々の舞台芸術が広まっているかどうかという指標で事業評価した上で、費用
対効果が適切なものとなるよう、チケット代金や参加者負担金の引上げ、経費の削減
等により負担金額を減らすことに向けた努力をすることが望ましい。
19.ぎふ長良川勝手おどり実行委員会負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課 │
│ │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│諸負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │ぎふ長良川勝手おどり実行委員会 │
│ │※構成員(実行委員)は、9名(内1名は岐阜市文化芸術課長)である。│
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │ぎふ長良川勝手おどりフェスティバルの開催 │
│対象事業│※これとは別に、ぎふ信長まつり実行委員会から、ぎふ信長まつりにおけ│
│ │ る市民勝手おどりパレードの運営を受託している。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │多くの市民がそれぞれの踊りを発表し、踊り文化の振興を図る(事業評価│
│交付目的│シートの文言) │
│ │気軽に市民が参加できるおどりを創造し、普及する(実行委員会会則の文│
│ │言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成7年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 350,000│ 350,000│ 350,000│ 350,000│ 350,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 350,000│ 350,000│ 350,000│ 350,000│ 350,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)費目の内訳
【事実関係】
収支予算書では、支出の部において、次のようにしか書かれておらず、内訳の金額は
書かれていなかった。
しかも、本実行委員会は、本負担金とは別に、ぎふ信長まつりにおける市民勝手おど
りパレードの運営受託収入1,900,000円があり、これに対応する支出が、事業費の「パ
レード参加費」にあたるが、内訳に書かれている費目が、「普及活動費」のものなのか
「パレード参加費」のものなのか、区別されて書かれていなかった。
┌────────────┬──────┬─────────────┐
│項目 │金額(千円)│内訳 │
├────────────┼──────┼─────────────┤
│事務局費 │ 30│実行委員会、郵送費等 │
├────────────┼──────┼─────────────┤
│事業費 │ 2,301│会場設営費、小道具製作費、│
│ ┌───────┼──────┤ │
│ │普及活動費 │ 401│印刷製本費、控室使用料、衣│
│ ├───────┼──────┤ │
│ │パレード参加費│ 1,900│装代、消耗品費等 │
├────┴───────┼──────┼─────────────┤
│合計 │ 2,331│ │
└────────────┴──────┴─────────────┘
【意見 文化芸術課】
負担金の支出が適切であるか判断するため、負担金の根拠となる費目毎の内訳を明
確に記載した収支予算書を提出させることが望ましい。
(2)余剰金の返還
【事実関係】
実行委員会において、令和元年度の決算時に余剰金82,592円が発生しているが、繰
越金としており、返還させていなかった。
【規範】
会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに
充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)
テーマ別会計マニュアルによれば、開催負担金について、あらかじめ、相手方と負担
金の精算を行う旨を協議し、開催後、すみやかに収支報告を徴し、余剰金の返還を求め
るのが真のあり方であるとされている。
【指摘 文化芸術課】
同じ実行委員会形式の負担金で、余剰金を返還させている例はいくつもある。
第1回の実行委員会に関する経費が必要というのであれば、実行委員会の自己資金
で支弁すべきである。
当年度の収支決算時の余剰金は返還させるべきである。
(3)効果・経済性
【事実関係】
本実行委員会の事業は、各種団体に対し、踊りの発表の場を、年に2回提供する事業
である。ぎふ信長まつりのパレード、岐阜市文化センターの2回である。2回とも同じ
団体が参加している。参加団体数は、平成29年度は13団体、平成30年度は10団体、
令和元年度は11団体であり、参加者数は、500人で一定である。
本事業は、平成7年度の開始であり、長期にわたっている。
少なくとも直近5年間は負担金の額に変動がない。
事業の目的は、「踊り文化の振興」であるとしているが、事業評価シートでは、「地域
の賑わいの創出に貢献」しているとか、「信長まつりのにぎわいに貢献」しているとい
う視点でも評価をしている。
アウトカム指標設定シートによれば、事業の実施により、パレードやフェスティバ
ルへの参加者数が増加し、おどり文化の振興と継承を図り、「文化芸術を楽しみ創造す
る都市・ぎふ」を実現し、文化芸術活動に取り組みやすいまちづくりを図るという考え
で、本負担金の成果を次の指標で評価している。
直接アウトカム=参加者数の増加
中間アウトカム=文化芸術活動を行う人の増加
=市民意識調査(日々の生活の中で何らかの生涯学習に取り組んでい
る人の割合)
最終アウトカム=文化・芸術活動に取り組む環境の整備
=市民意識調査(文化・芸術活動に取り組みやすいまちだと思う人
の割合)
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)、5年を超えている負担金は形式的・習慣的に負担されていると
判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【指摘 文化芸術課】
同じことを繰り返しているとの印象は否めない。参加者数も増加していない。
信長まつりパレードを盛り上げることは、受託事業として行われているから、本負
担金とは別の話である。
「文化・芸術活動に取り組む環境の整備」というが、そのような抽象的なものではな
く、「踊り」という具体的な文化・芸術で成果を図らなければ、これだけの費用のかか
る事業の効果測定とは言い難い。
踊りに対する市民の関心度が高まっているかどうか、市内において踊りが広まって
いるかどうかという指標で事業評価した上で、事業を実施することによって市が所期
する目的がどれだけ達成されるのか、費用対効果は適切といえるのか、少しでも参加
料を徴収したり、民間からの協賛金を得たりする等により負担金の削減を図ることは
できないのか、種々の点から、本負担金の在り方を見直すべきである。
20.岐阜文化再発見~市民協働による民話ライブ~開催負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課 │
│ │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜文化再発見実行委員会 │
│ │※構成員(実行委員)は、岐阜市芸術文化協会会長、同協会副会長、同協│
│ │ 会理事、劇作家、岐阜市市民参画部次長、岐阜市市民参画政策課長で │
│交付先 │ ある。 │
│ │※事務局は、文化芸術課にある。 │
│ │※事務局長は、文化芸術課長である。 │
│ │※事務局員は、文化芸術課職員である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜文化再発見~市民協働による民話ライブ~ │
│対象事業│※伝統的建造物等における民話の朗読・コンサート等の開催(8回) │
│ │※市は主催である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市に残る伝統的建造物や文化財を会場として地域に伝わる民話を市 │
│ │民に紹介し、地域文化を再発見してもらう(事業評価シートの文言) │
│交付目的│子孫に残さなくてはならない伝統的建造物や文化財を会場として、そこ │
│ │にまつわる民話の紹介を実施し、市民の地域文化への理解を深めること │
│ │を図る(個別調査票の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成17年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 1,850,000│ 1,850,000│ 1,850,000│ 1,850,000│ 1,650,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 1,607,831│ 1,585,513│ 1,630,501│ 1,368,125│ 1,337,931│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)余剰金の返還
【参考報告】
実行委員会において、令和元年度の決算時に余剰金312,069円が発生し、返還させ
ているので、参考報告とする。
(2)効果・経済性
【事実関係】
本事業は、平成17年度から続いている。事業内容は、基本的には変わっていない。
参加者数は、平成29年度は489人、平成30年度は563人、令和元年度は466人で
ある。参加者の中には、繰り返し参加する人もいるとのことである。参加者にアンケー
トは実施していない。
令和元年度に200,000円予算を減らしたものの、それ以前の4年間は同額の
1,850,000円である。
アウトカム指標設定シートによれば、事業の実施により、地域に伝わる文化を広め
るとともに継承し、「文化芸術を楽しみ創造する都市・ぎふ」を実現し、文化芸術の推
進によるシビックプライドの醸成を図るという考えで、本負担金の成果を次の指標で
評価している。
直接アウトカム=参加者数の増加
中間アウトカム=文化・芸術活動に取り組む環境の整備
=市民意識調査(文化・芸術活動に取り組みやすいまちだと思う人の
割合)
最終アウトカム=岐阜市民であることに誇りを感じる人の増加
=市民意識調査(岐阜市民であることに誇りを感じる人の割合)
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)、5年を超えている負担金は形式的・習慣的に負担されていると
判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【指摘 文化芸術課】
同じことを繰り返しているとの印象は否めない。参加者数も増加していない。
「文化・芸術活動に取り組む環境の整備」というが、そのような抽象的なものではな
く、「民話」という具体的な文化・芸術で成果を図らなければ、これだけの費用のかか
る事業の効果測定とは言い難い。
民話に対する市民の関心度が高まっているかどうか、市内において民話が広まって
いるかどうか、地域文化に関する関心が深まっているかどうかという指標で事業評価
した上で、事業を実施することによって市が所期する目的がどれだけ達成されるのか、
費用対効果は適切といえるのか、少しでも参加料を徴収したり、民間からの協賛金を
得たりする等により負担金の削減を図ることはできないのか、種々の点から、本負担
金の在り方を見直すべきである。
21.さんぽde野外ライブ開催負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 文化芸術課 │
│ │※令和元年度は、市民参画部 文化芸術課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │さんぽde野外ライブ実行委員会 │
│ │※構成員(実行委員)は、岐阜市芸術文化協会会長、音楽家、演出家、岐│
│ │ 阜青年会議所副理事長、ハートフルスクエアG館長、岐阜市民会館館 │
│交付先 │ 長、岐阜市市民参画部次長、岐阜市市民参画政策課長である。 │
│ │※事務局は、文化芸術課にある。 │
│ │※事務局長は、文化芸術課長である。 │
│ │※事務局員は、文化芸術課職員である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │さんぽde野外ライブの開催 │
│対象事業│※ぎふメディアコスモスでの音楽コンサート(3日間)、ぎふメディアコ│
│ │ スモス等複数会場での音楽ライブ(1日) │
│ │※市は主催である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │誰もが気軽に音楽と触れ合う機会を提供するとともに、「みんなの森 ぎ│
│交付目的│ふメディアコスモス」を中心とした文化によるにぎわい創出を図る(事 │
│ │業評価シートの文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成26年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 5,500,000│ 8,000,000│ 6,000,000│ 5,500,000│ 3,500,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 4,601,219│ 4,517,853│ 4,907,522│ 5,333,819│ 3,100,354│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)公益性、効果・経済性
【事実関係】
支出の大半は、会場・音響設営、警備等の委託料2,250,270円である。
野外ライブの参加者数は、平成29年度は212人、平成30年度は173人、令和元年
度は224人であった。観客数は、平成29年度は3,920人、平成30年度は1,970人、
令和元年度は2,930人であった。
アウトカム指標設定シートによれば、事業の実施により、野外ライブへの参加者と
観客数が増加し、市民の文化芸術への関心が向上し、「文化芸術を楽しみ創造する都市・
ぎふ」を実現するとともに、音楽によるにぎわいの創出を図るという考えで、成果を次
の指標で評価している。
直接アウトカム=参加者数の増加、観客数の増加
中間アウトカム=文化芸術活動を行う人の増加
=市民意識調査(日々の生活の中で何らかの生涯学習に取り組んでい
る人の割合)
最終アウトカム=文化・芸術活動に取り組む環境の整備
=市民意識調査(文化・芸術活動に取り組みやすいまちだと思う人
の割合)
=中心市街地のにぎわいの創出
=市民意識調査(岐阜駅周辺や柳ケ瀬等の中心市街地のにぎわい
が高まっていると思う人の割合)
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)、5年を超えている負担金は形式的・習慣的に負担されていると
判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【意見 文化芸術課】
音楽に触れる機会は、世の中に多数あり、公金で開催する必要のあるものかどうか、
検証する必要がある。
「文化・芸術活動に取り組む環境の整備」というが、そのような抽象的なものではな
く、「音楽」という具体的な文化・芸術で成果を図らなければ、これだけの費用のかか
る事業の効果測定とは言い難い。
野外ライブの時に人が集まったからといって、その時限りであるのが通常であり、
中心市街地に賑わいが創出できることになるのか疑問である。
音楽に対する市民の関心度が高まっているかどうか、市内において音楽が広まって
いるかどうかという指標で事業評価した上で、文化の振興という公益性が認められる
のか、事業を実施することによって市が所期する目的がどれだけ達成されるのか、費
用対効果は適切といえるのか、少しでも出演者から費用を徴収したり、民間からの協
賛金を得たりする等により負担金の削減を図ることはできないのか、種々の点から、
本負担金の在り方を見直すことが望ましい。
22.フローラリー岐阜開催負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │都市建設部 公園整備課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │フローラリー岐阜実行委員会 │
│交付先 │※構成員は、一般財団法人岐阜市みどりのまち推進財団、岐阜市他6団 │
│ │ 体である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │鉢花(はちばな)や苗等の販売、樹木やガーデニングについての相談会、│
│対象事業│小品盆栽(しょうひんぼんさい:手のひらサイズの盆栽)の展示、スカ │
│ │ットボール等レクリエーション │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│市民に緑化に対する関心や愛着をより一層深める(事業評価シートの文 │
│ │言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成4年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 840,000│ 840,000│ 840,000│ 840,000│ 840,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 840,000│ 840,000│ 840,000│ 840,000│ 840,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)効果の検証
【事実関係】
岐阜市が、フローラリー岐阜実行委員会に対して、毎年84万円を支出しているもの
である。
平成23年度の包括外部監査では、「フローラリー岐阜は、20年近く継続した事業で
あり、平成21年度までは事務事業評価を行っているが、その有効性の評価が必ずしも
十分であるとはいえない」との意見を受け、岐阜市としては、参加者へのアンケート調
査や関係者への意見聴取を行ったとのことであった。
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)、5年を超えている負担金は形式的・習慣的に負担されていると
判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【意見 公園整備課】
参加者や関係者へのアンケート・意見聴取としては、どのような事実を聞き取って
いるか不明確な部分があるが、効果検証のあり方としては、単に「参加して良かったか
どうか」というものであっては意味が十分ではない。来場者は、そもそも緑化等に興味
のある人であるのが大半であると思われるので、その人たちに「どうでしたか?」とい
うだけのアンケートは効果の検証として不十分である。
長年継続して実施されているイベントであり、漫然と支出しているのではないかと
の誹りを受けないためにも、その目的に十分寄与した内容となっているか、ひいては
岐阜市が毎年84万円の負担金支出をしている意義が十分となっているのかを改めて検
証し、そもそもの事業目的である「緑化啓発につながるイベントといえるか」の観点か
らのアンケート調査等を行うことが望ましい。
23.エコフェスタ開催負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │環境部 低炭素・資源循環課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│開催負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市エコフェスタ実行委員会 │
│ │※構成員は、岐阜市長、達目洞自然の会会長、岐阜市女性の会連絡協議 │
│ │ 会、岐阜大学流域圏科学研究センター、DREAM★Solarぎふ │
│交付先 │ 太陽の恵みプロジェクト、岐阜大学ESDクオリア、岐阜市環境部で │
│ │ ある。 │
│ │※事務局は、環境部にある。 │
│ │※事務局長は、環境部長、事務局次長は、環境部自然共生参与、事務局 │
│ │ 員は、環境部職員である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市エコフェスタの開催 │
│対象事業│※講演会、各団体や企業の展示・体験ブース、フードドライブ、リユー │
│ │ ス・フリーマーケット、アースレンジャー子ども会議等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│市民の環境意識の向上と活動を促し、環境活動を行う人材を育成する(事│
│ │業評価シートの文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成14年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 6,800,000│ 6,800,000│ 6,800,000│ 6,800,000│ 6,400,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 6,799,771│ 6,799,615│ 6,799,869│ 6,799,969│ 6,275,909│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)見直し
【参考報告】
担当課において、ここ数年では平成24年、26年、28年、令和元年と、2~3年毎
に内容や名称を見直している。見直しの内容は下記のとおりである。
┌───────┬────────────────────────────┐
│平成24年度から│実行委員会に企画運営部会を置き、市民団体等による企画立案│
│ │体制をつくる。 │
├───────┼────────────────────────────┤
│平成26年度 │フェア当日、市内一斉に環境活動を行う企画を組み入れる。 │
├───────┼────────────────────────────┤
│平成28年度から│出展者の一部を公募し、参加体験型のブースの増に努める。 │
├───────┼────────────────────────────┤
│令和元年度から│実行委員会の人数をコンパクトにするとともに企画運営部会を│
│ │廃止し、意思決定の迅速化に努める。 │
└───────┴────────────────────────────┘
令和元年度事業評価シートにおいても、目標とする新規来場者数の割合が達成でき
ていない等とし、総合評価では、「一日集中型のイベントから分散型のイベントへと移
行し、各個人の多様な環境意識の高揚と保全活動の実施につなげていく」として、改善
が予定されている。また、アンケートも実施し、分析を改善に生かしている。見直しの
実例として、参考報告とする。
24.岐阜市地球温暖化対策推進委員会負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │環境部 低炭素・資源循環課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│諸負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市地球温暖化対策推進委員会 │
│ │※構成員は、一般社団法人岐阜県トラック協会、岐阜県電器商業組合、 │
│ │ 中部電力株式会社岐阜営業所、岐阜市自治会連絡協議会、生活協同組 │
│ │ 合コープぎふ、東邦ガス株式会社岐阜支社、岐阜大学教育推進・学生 │
│交付先 │ 支援機構、岐阜市女性の会連絡協議会、岐阜乗合自動車株式会社、一 │
│ │ 般社団法人日本自動車販売協会連合会岐阜県支部、岐阜県プラスチッ │
│ │ ク工業組合、一般財団法人岐阜市みどりのまち推進財団、金華まちづ │
│ │ くり研究会、一般社団法人岐阜県LPガス協会岐阜支部である。 │
│ │※事務局は、低炭素・資源循環課にある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市地球温暖化対策推進事業 │
│対象事業│※ぎふ減CO2ポイント制度、省エネ講座、タイヤ空気圧点検イベント、│
│ │ 事業者向け省エネセミナー(施設・設備の見学、無料省エネ診断の紹 │
│ │ 介等)、エコスクールレポート事業(学校の取組みを紹介)等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │地球温暖化防止に関する具体的な取り組みを企画、立案及び実践するこ │
│交付目的│とで岐阜市の地球温暖化対策をより一層推進し、温室効果ガスを削減す │
│ │る │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成20年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │10,245,000│ 6,913,000│ 6,707,000│ 6,707,000│ 6,630,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 9,201,881│ 6,091,483│ 6,572,675│ 6,540,782│ 6,431,134│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)余剰金の返還
【参考報告】
委員会において、令和元年度の決算時に余剰金198,866円が発生し、返還させてい
るので、参考報告とする。
(2)効果・経済性
【事実関係】
委員会の収入としては、企業・団体からの協賛金があるが、協賛金は下記のとおりで
あり、ほぼ市の負担金で賄われているのが現状である。
┌───┬────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐
│金額 │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│(円)├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │協賛金額│ 20,000│ 20,000│ 20,000│ 40,000│ 150,000│
└───┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
支出の内訳としては、令和元年度の予算額でみると、ぎふ減CO2ポイント制度に
かかる啓発品・PR印刷物費用、委託料(WEB応募システム)等の合計4,911,000円
が大半を占めており、その他の事業にかかる費用も、啓発品・チラシ費用がほとんどで
ある。
事業評価シートでは、成果指標として、ぎふ減CO2ポイント制度の参加者数を用
いており、平成29年度は2,279人、平成30年度は3,519人、令和元年度は3,362人
である。
また、事業評価シートには、新規事業の創設、既存事業の見直しや廃止等を行いなが
ら、より市民、事業者等の温暖化防止意識の向上に寄与する事業を展開していくと記
載されている。しかし、令和元年度、令和2年度のいずれについても、継続事業で予算
立てをしており、負担額はほとんど変わっていない。
【規範】
補助金等ガイドライン(負担金にも適用される)によれば、「効果・経済性」の見直
し基準の考え方として、負担目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、
その検証結果に基づき負担効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効
果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている負担金額の妥当性を判断する(負担効
果と負担金額の比較)、5年を超えている負担金は形式的・習慣的に負担されていると
判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【指摘 低炭素・資源循環課】
ぎふ減CO2ポイント制度でいえば、かけている費用に対して、参加者数が少ない。
他の事業についても、啓発の効果がどのように上がっているのかが不明である。
個々の事業を実施することによって市が所期する目的がどれだけ達成されるのか、
費用対効果は適切といえるのか、協賛金を増やす等により負担額を減らすことはでき
ないのか等の種々の点から、市として、個々の事業について検証し、その結果を書面に
残しておくべきである。
25.友好都市等産業交流推進委員会負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │経済部 産業振興・企業誘致課 │
│ │※令和元年度は、商工観光部 産業雇用課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│加入団体負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │友好都市等産業交流推進委員会 │
│ │※構成員は、岐阜市、一般社団法人岐阜ファッション産業連合会、岐阜 │
│交付先 │ 婦人子供服工業組合、公益財団法人岐阜市国際交流協会、岐阜市産業 │
│ │ 貿易協会、岐阜商工会議所、公益財団法人岐阜観光コンベンション協 │
│ │ 会、JETROである。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│在スロバキア日本国大使館主催「日本夏祭り」への出展 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市と友好都市等の関係にある海外の都市との間におけるアパレル産 │
│交付目的│業をはじめとする各種産業文化交流と調査研究の実施(事業評価シート │
│ │の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成15年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 200,000│ 200,000│ 5,590,000│ 4,429,000│ 4,010,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 25,497│ 13,083│ 2,358,470│ 2,936,876│ 2,616,520│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)支出の必要性
【事実関係】
令和元年度は、スロバキアの日本国大使館主催の「日本夏祭り」への出展として、岐
阜市職員ら数名が参加している。参加することにより、市にどのような効用がもたら
されているのかが明らかでなかった。
【意見 産業振興・企業誘致課】
負担金の支出により、いかなる効果がもたらされているのか、検証をし、その結果を
記録に残しておくことが望ましい。
第2 外郭団体
26.岐阜市シルバー人材センター補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │経済部 労政・経営支援課 │
│ │※令和元年度は、商工観光部 産業雇用課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │公益社団法人岐阜市シルバー人材センター │
│ │※岐阜市の外郭団体である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│公益社団法人岐阜市シルバー人材センターの運営 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│公益社団法人岐阜市シルバー人材センター補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│公益社団法人岐阜市シルバー人材センターの円滑な運営を促進し、もって│
│ │高年齢者の職業生活の充実その他福祉の増進に資する(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和56年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │12,280,000│10,888,000│15,888,000│19,518,000│21,366,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │12,240,000│10,888,000│15,778,000│19,516,000│21,366,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)平成26年度の包括外部監査に対する措置状況
【事実関係】
平成26年度の包括外部監査において、市が公益社団法人岐阜市シルバー人材センタ
ーへ補助金を出していることについて、「本当に必要な補助金額だったのか検討した結
果を、検討資料を添付した記録に残すべきである。」との指摘を受けていた。
これに対して、岐阜市では、「検討結果を記録に残す。」として措置状況の報告をして
いた。
本監査においても、補助金額の検討結果が記録されている書類の提出を求めたが、
資料として明確なものは存在しなかった。
【指摘 労政・経営支援課】
自らが表明した措置内容を実施すべく、市において補助金支出の必要性及び相当性
を検討して補助金額を決定したプロセスについて、記録に残すべきである。
なお、こうした措置の実施状況が明確にできない原因としては、当時の問題意識が、
時の経過、人員の異動を原因とする情報共有・引継ぎの不十分さにも起因すると思わ
れる。かかる観点から、包括外部監査で指摘意見された事項については、その場限りの
対応とせずに、継続的な問題意識をもって対処することが望ましい。
(2)補助の見直し
【事実関係】
市が昭和56年度から岐阜市シルバー人材センターへ支出し続けている補助金の性質
は、団体育成補助金とされている。
市では、シルバー人材センターから説明を受けたままの人件費算出をもとに、シル
バー人材センター全体にかかる人件費をベースにした補助金額を支出している。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助
金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運
営に向けた見直しが必要であり、育成補助としての終期は到来しているものとして判
断できると示されている。
【指摘 労政・経営支援課】
「団体育成」補助金としての性質は、その名称のとおり、当該団体の「育成」のため
に支出されるものであり、補助金として支出するのであれば、当該団体の「育成」の必
要があるかを、毎回、検証する必要がある。昭和56年から継続して支出されていると
すれば、既に「育成」段階を終えたことを推認させる事情となる。
漫然と「団体育成」補助金として支出し続けることは改め、事業補助に切り替えるべ
きである。
27.岐阜市社会福祉協議会運営費補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │福祉部 福祉政策課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │社会福祉法人岐阜市社会福祉協議会(以下「市社協」という。) │
│ │※岐阜市の外郭団体である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │(人件費補助) │
│ │各支部への助成金・補助金の交付、福祉団体への助成金の交付、研修会・│
│対象事業│連絡会の開催、フォーラム・講座の開催、相談事業等 │
│ │(運営費補助) │
│ │中央センター、南部センター、北部センター及び柳津支所の運営 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市社会福祉協議会運営費等補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│地域福祉の推進を図る │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和60年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │57,496,000│56,723,000│55,304,000│55,201,000│55,125,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │57,443,036│55,640,133│55,207,597│55,082,844│55,073,801│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助金の算定
【事実関係】
補助金の種類として、人件費補助と運営費補助がある。
人件費補助は、市社協の事務局の職員のうち、地域福祉活動(岐阜市地域支え合い活
動コーディネート事業に係るものを除く。)に携わる職員に係る経費を補助対象経費と
している。職員に係る経費とは、報酬、給料、職員手当等、賃金、共済費、退職共済掛
金、法定福利費及び福利厚生費をいう。
運営費補助は、中央センター、南部センター、北部センター及び柳津支所に係る管理
経費を補助対象経費としている。管理経費とは、光熱水費その他需用費及び委託料を
いう。
人件費補助の補助金の額は、「要綱別表」により、以下の算定方法となっている。
┌─────────────────────────────────────┐
│ 補助金の基準額は次の各号に掲げる社協の事務局の職員の種類に応じ、当該各号│
│に定める額とする。 │
│ (1)正規職員 │
│ 職員数(職員が社協の自主事業に係る事務等を兼務している場合にあって│
│ は、兼任割合を乗じて得た職員の数)に地方交付税の単位費用の福祉活動専│
│ 門員設置事業費を乗じて得た額 │
│ (2)常勤嘱託員及び非常勤嘱託員並びに臨時雇用員(以下、「嘱託員等」とい│
│ う。) │
│ 社協の補助対象経費に係る実支給額 │
│ 補助金の額は、次の各号に掲げる社協の事務局の職員の種類に応じ、当該各号に│
│定める額とする。 │
│ (1)正規職員 │
│ 正規職員の基準額と社協の実支給額(職員が社協の自主事業に係る事務等│
│ を兼務している場合にあっては、兼任割合を該当職員に係る実支給額に乗じ│
│ て得た額)を比較していずれか少ない額 │
│ (2)嘱託員 │
│ 嘱託員の基準額 │
└─────────────────────────────────────┘
これによると、補助金の額は、正規職員は、基準額と実支給額を比較して低い額、嘱
託員は、実支給額(=基準額)となっている。
一方、「平成31年度社会福祉協議会運営費補助金所要額調書」によると、当初予算
で、地域福祉活動に携わる職員は、正規職員9人(うち兼任2人)、嘱託員2人で、市
補助所要額は、以下のように計算されている。
┌─────────────────────────────────────┐
│ ・基準額 正規職員 ※6,814,000×0.5(兼任割合)×2人+6,814,000×7人 │
│ 嘱託員 6,845,273(2人の実支給額合計) │
│ ─────────────────────────────── │
│ 合計 61,357,273円 │
│ │
│ ・実支給額 正規職員 47,733,286 (兼任割合考慮後) │
│ 嘱託員 6,845,273 │
│ ───────────────────── │
│ 合計 54,578,559円 │
│ │
│ ・市補助所要額 54,578,559円(少ない方)→ 54,578,000円 │
│ │
│ ※(参考)福祉活動専門員設置事業費 6,814,000円 │
└─────────────────────────────────────┘
しかし、正規職員の内訳をみると、兼任している2人(事務局長、総務課職員)につ
いては、兼任割合考慮後の実支給額が基準額を上回っている。それ以外の正規職員に
ついては、いずれも実支給額が基準額を下回っているため、合計で見ると実支給額が
少ない結果となる。
(表 兼任割合考慮後の実支給額と基準額の比較)
┌─────┬──────┬──┬──────┐
│所属 │ 実支給額 │比較│ 基準額 │
├─────┼──────┼──┼──────┤
│事務局長 │ 5,436,993円│> │ 3,407,000円│
├─────┼──────┼──┼──────┤
│総務課職員│ 4,770,676円│> │ 3,407,000円│
├─────┼──────┼──┼──────┤
│ 小計 │10,207,669円│> │ 6,814,000円│
├─────┼──────┼──┼──────┤
│その他職員│44,370,890円│< │54,543,273円│
├─────┼──────┼──┼──────┤
│ 合計 │54,578,559円│< │61,357,273円│
└─────┴──────┴──┴──────┘
【指摘 福祉政策課】
上記「要綱別表」において、補助金を算定する際の基準額と実支給額の比較におい
て、合計で判断するという記載はどこにもない。むしろ、個々の職員毎に基準額と実支
給額を比較して算定する方法となっている。
現状の算定方法は誤っていることになるため、実支給額が基準額を上回っている職
員については、基準額を適用すべきである。
これによると、当初予算の市補助所要額は、51,184,000円となり(前表の網掛部分
の合計、千円未満切捨)、現状の算定方法よりも3,394,000円、減少する結果となる。
(2)補助の見直し
【事実関係】
市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は、昭和60年度か
ら続いており、長期にわたっている。
市社協は、昭和33年の発足であり、令和2年3月末期における地域福祉事業に関す
る基金が621,925千円、積立金が92,861千円も計上されている。
市社協の運営費補助金については、以前の包括外部監査においても度々取り上げら
れている。交付の目的についてもその都度説明されているが、再度、簡略に表すと以下
のとおりとなる。
(目的)
「市社協は、地域福祉の推進を図るため設立された団体であり、昭和33年の発足以
来、現在では市内全域に50の支部を設置し地域福祉活動を展開している。地域住民や
社会福祉関係団体等で構成され、自主性と公共性を併せもった団体であり、地域のボ
ランティアと協力しながら創意工夫を凝らした事業を行っている。そのような中で、
地域福祉推進の中核的な役割を果たすため「地域福祉推進計画」を実行し、各種福祉サ
ービス事業の充実を図り、誰もが住み慣れた地域でいきいきと生活ができる社会福祉
の実現を目的として、市社協実施事業のうち地域福祉推進事業に関わる人件費及び各
事務所の管理経費の補助を行うものである。」
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助
金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運
営に向けた見直しが必要であり、育成補助としての終期は到来しているものとして判
断できると示されている。
【指摘 福祉政策課】
事業補助に切り替えるべきである。そして、交付目的と補助の必要性を吟味した上
で、それを踏まえた補助対象事業、補助対象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的
に設定し、市社協の収支や財産状況に照らして補助の必要のある額を交付するように
すべきである。
28.岐阜市学校給食会運営費補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │教育委員会 学校保健課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
│ │※概要調査票では、団体育成補助金となっていた。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │公益財団法人岐阜市学校給食会 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│学校給食用物資の調達及び供給並びに学校給食の普及充実及び食育支援 │
│ │に係る人件費の支出 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│公益財団法人岐阜市学校給食会補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│岐阜市の学校給食の円滑な実施及び充実向上(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和31年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 7,150,000│ 7,150,000│ 7,150,000│ 7,150,000│ 7,150,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 7,150,000│ 7,150,000│ 7,150,000│ 7,150,000│ 7,150,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助金の額
【事実関係】
平成26年度包括外部監査の措置状況について、「人件費の算定方法を見直した」と
されていた。市によれば、「人件費を、業務量及び業務に係る時間等で公益目的事業会
計と法人会計費用で按分(8:2)し、公益目的事業会計の人件費に2分の1を乗じた
額」としているとのことであった。
しかし、交付要綱では、補助金の額について、予算の範囲内で、学校給食用物資の調
達及び供給に係る人件費及び学校給食の普及充実及び食育支援に係る人件費の2分の
1以内とすると定められている(第3条)だけであり、上記の算定方法の記載はない。
学校給食会では、業務会計と物資会計があり、本補助金は業務会計の歳入とされて
いる。物資会計から21,772,000円が業務会計に繰り出されている。業務会計にかかる
令和元年度の収支状況は、以下のとおりである。
(歳入)
┌────────┬───────┬───────────┐
│ 科目 │収入済額(円)│ 説明 │
├────────┼───────┼───────────┤
│物資会計繰越金 │ 21,7772,000│物資会計より │
│基本財産受取利息│ 2,269│基本財産受取利息 │
│岐阜市補助金収入│ 7,150,000│市より補助金(人件費)│
│預金利息 │ 21│普通預金利息 │
│繰越金 │ 674,660│前年度繰越金 │
├────────┼───────┼───────────┤
│合計 │ 29,598,950│ │
└────────┴───────┴───────────┘
(歳出)
┌──────┬───────┬──────┐
│ 科目 │支出済額(円)│不用額(円)│
├──────┼───────┼──────┤
│役員報酬 │ 3,206,590│ 54,410│
│給料手当 │ 16,045,542│ 132,458│
│雑給 │ 0│ 88,000│
│退職給付費用│ 970,000│ 0│
│法定福利費 │ 3,211,215│ 41,785│
│福利厚生費 │ 50,069│ 931│
│旅費交通費 │ 892,936│ 97,064│
│消耗品費 │ 140,680│ 0│
│燃料費 │ 14,758│ 4,242│
│食料費 │ 3,974│ 2,026│
│印刷製本費 │ 181,130│ 25,190│
│光熱用水費 │ 82,751│ 32,249│
│修繕費 │ 0│ 76,000│
│通信運搬費 │ 252,792│ 27,208│
│支払手数料 │ 529,658│ 77,342│
│保険料 │ 56,810│ 190│
│委託料 │ 1,132,512│ 488│
│リース料 │ 412,859│ 16,141│
│備品購入費 │ 0│ 50,000│
│負担金 │ 60,028│ 29,972│
│公租公課 │ 1,598,900│ 100│
├──────┼───────┼──────┤
│合計 │ 28,843,204│ 755,796│
└──────┴───────┴──────┘
補助金7,150,000円の算定過程が明らかとなる書類の提出はなかった。
本補助金は、昭和31年度から開始しており、長期にわたっている。
少なくとも平成18年以降は、変わることなく7,150,000円を交付している。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
補助金等ガイドラインによれば、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補
助目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助
効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)と、その効果の程度の評価結果を踏ま
え、交付されている補助金額の妥当性を判断する(負担効果と負担金額の比較)、5年
を超えている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形
式的、習慣的)と示されている。
【指摘 学校保健課】
市が見直したとする人件費の算定方法が明らかになる資料を残した上で、補助目的
を踏まえた費用対効果を検証し、その検証結果に基づき補助効果が高いと判断できる
かどうか、その効果の程度を評価し、現在の補助金額の妥当性を判断し、その記録を残
すべきである。
29.岐阜観光コンベンション協会運営負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 観光コンベンション課 │
│ │※令和元年度は、商工観光部 観光コンベンション課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│諸負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │公益財団法人岐阜観光コンベンション協会 │
│ │※昭和25年度 岐阜市観光協会設立 │
│交付先 │ 平成元年5月24日 岐阜コンベンション・ビューロー設立 │
│ │ 平成14年4月1日 岐阜コンベンション・ビューローと岐阜市観光協 │
│ │ 会が組織統合 │
│ │ 平成25年4月1日 公益財団法人に組織変更 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │(コンベンション振興事業) │
│ │ 国内外コンベンション主催者への誘致活動、コンベンション支援事業 │
│ │等 │
│ │(環境基盤整備事業) │
│対象事業│ ホスピタリティ講座・観光セミナー・MICEセミナーの開催等 │
│ │(観光振興事業) │
│ │ 国内外観光客の誘致、観光パンフレットの作成、各種キャンペーンの │
│ │実施、各種イベント行事への助成等 │
│ │(鵜飼観覧船支援事業) │
│ │ おまかせパック、風流屋形船の実施 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│本市におけるコンベンション及び観光客の誘致(事業評価シートの文言)│
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和25年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │55,434,000│57,334,000│57,334,000│56,214,000│56,744,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │55,434,000│57,334,000│57,334,000│56,214,000│56,744,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)平成23年度及び平成26年度の包括外部監査の措置状況
【事実関係】
本負担金については、平成23年度の包括外部監査において、負担金額の決定につい
て、下記の指摘と措置状況報告がなされていた。
┌──────────────────────────────────────┐
│ 平成23年度の包括外部監査 │
├───────────────────┬──────────────────┤
│ 指摘 │ 措置状況報告 │
├───────────────────┼──────────────────┤
│ 様々な事業の積み上げで算定された金 │ 検討中(平成24年度) │
│額であるため、本来は、各事業内容を精査│ 負担金額の決定にあたっては、事業内│
│した上で、負担金額を決定すべきである │容のみならずスタッフの配置を含め、今│
│ │後も協会と連携を図りながら協議を継 │
│ │続する。 │
└───────────────────┴──────────────────┘
これに対し、平成26年度の包括外部監査において、依然として適切な措置対応がな
されていないと判断され、下記の指摘がなされ、市は、下記の措置状況報告をした。
┌──────────────────────────────────────┐
│ 平成23年度の包括外部監査 │
├───────────────────┬──────────────────┤
│ 指摘 │ 措置状況報告 │
├───────────────────┼──────────────────┤
│ │ 措置済み(平成27年度) │
│ │ 協会の設立時に、行政と民間の協議に│
│ │より、協会が担うべき業務やそれに必要│
│ │となる予算を精査して負担金額を決定 │
│ │した。以降、これをベースとして事業の│
│ │改廃状況による事業費の増減を加味し │
│ │た上で負担金額を決定している。今年度│
│ │から定期的な協議の場を設け、従来より│
│ │密な連携を図ることにより、事業内容の│
│ │把握に努めている。 │
└───────────────────┴──────────────────┘
┌──────────────────────────────────────┐
│ 平成26年度の包括外部監査 │
├───────────────────┬──────────────────┤
│ 指摘 │ 措置状況報告 │
├───────────────────┼──────────────────┤
│ 平成23年度の監査指摘に対して、措置 │措置済み(平成27年度) │
│状況は、適切に回答すべきである。具体的│1) 負担金の積算方法にかかる指摘で │
│には、1)平成23年度監査の指摘に対し │ あると認識した。 │
│て、観光コンベンション課としては、どの│2) 負担金のベースは、協会設立時にお│
│ように判断したのか、2)現在の負担金決 │ いて協議した負担金額であるが、定期│
│定方法が適切であるとするのであれば、 │ 的な協議により事業内容の把握を行 │
│その理由について、明確に回答すべきで │ っており、事業の改廃を加味して負担│
│ある。 │ 金額を決定しているため、決定方法は│
│ │ 適切であると考えている。 │
└───────────────────┴──────────────────┘
本監査において、負担金額について、どのように決定しているのかについてヒアリ
ングをしたところ、協会が作成した事業毎の予算の内訳を詳細に記載した資料を基に、
事業の必要性・相当性について担当者間で多数回の協議を経た上で決定しているとの
回答であった。
しかし、具体的な協議内容が分かる資料は存在せず、市が予算作成時に作成する付
表3や支出負担行為の決裁資料に添付されている予算書では、コンベンション事業負
担金と観光事業負担金に分けて記載されているだけで、内訳は明らかにされていなか
った。
平成27年度からのコンベンション事業負担金と観光事業負担金の金額は下記のとお
りである。 (単位:千円)
┌───────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐
│ │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│コンベンション│ 18,376│ 20,276│ 20,276│ 20,276│ 20,393│
├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│観光振興 │ 37,058│ 37,058│ 37,058│ 37,058│ 35,938│
└───────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
【指摘 観光コンベンション課】
観光協会の設立は昭和25年度であり、コンベンション・ビューローと統合したのは
平成14年である。「設立時に合意した金額をベースにする」ことが適切であるとは言
い難い。
「事業費の増減を加味して決定している」というが、平成27年度から令和元年度ま
での5年間で、それほど変動がない。協会から事業計画と予算の説明があり、それに対
して、市のほうから事業内容や経費の額について修正を求める意見を出したというよ
うな交渉をした形跡は確認できなかった。コンベンション事業と観光振興事業は手法
が異なるものであり、各々の事業において個別の事業があるが、個別の事業毎に効果
を検証し、効果から見て費用の妥当性を検討した形跡もなかった。「事業の改廃状況に
よる事業費の増減を加味した上で負担金額を決定している」というためには、協会が
経費を積算して作成した資料を確認しただけでは足りない。
これでは、協会が説明するままの負担金額となっているようにも見受けられ、「各事
業内容を精査した上で」との指摘に対する措置をとったとは言い難い。
協会からの説明を踏まえて、市が、何を検討し、どのように考えて負担金額を決定し
たのかのプロセスが明確になる資料を作成すべきである。
なお、措置の実施状況が適切でない原因としては、時の経過、人員の異動を原因とし
て、問題意識の情報共有・引継ぎの不十分さがあると思われる。かかる観点から、包括
外部監査で指摘意見された事項については、その場限りの対応とせずに、問題意識の
情報共有・引継ぎを徹底することが望ましい。
(2)事業評価
【事実関係】
本負担金で作成されている事業評価シートでは「アウトカム評価(アウトプットに
よりもたらされた成果)」として、「市内コンベンション開催件数」とされている(目標
値300件、実績値275件)。
アウトカム指標設定シートでは、次の指標を用いている。
直接アウトカム=コンベンション開催増=コンベンション開催件数
中間アウトカム=観光客の増加=岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観
覧船乗船者数
最終アウトカム=観光地ブランドの確立=県庁所在地認知度ランキング
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
補助金等ガイドラインによれば、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補
助目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助
効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、
交付されている補助金額の妥当性を判断する(負担効果と負担金額の比較)と示され
ている。
【指摘 観光コンベンション課】
観光振興事業の事業評価がなされていない。
コンベンション事業と観光振興事業は、手法が異なるので、別々に事業評価すべき
である。
【意見 観光コンベンション課】
岐阜城入場者数・長良川温泉旅館宿泊数・鵜飼観覧船乗船者数のいずれも、岐阜市民
が多分に含まれていると思われる。市民の利用も観光と評価できるのかは見解が分か
れるとは思うが、観光振興事業の成果という意味では、市民以外の人の利用数を把握
する必要はあると考える。
利用者に対するアンケート調査や車両ナンバー確認の結果等、観光振興により市民
以外の人の利用や訪問が増加したかどうかを判断できる指標を用いることが望ましい。
【意見 観光コンベンション課】
観光振興の最終的な成果として、市の認知度向上が適切とは言い難い。協会の定款
にあるように、「国際相互理解の増進」「地域経済の活性化」「文化の向上」が観光振興
の目的であると思う。
観光振興の目的に即し、市民以外の認識ではなく、市民の認識や市の状況に基づい
た指標を用いることが望ましい。
(3)見直し
【事実関係】
協会の予算書によれば、本負担金がどの経費に充てられたのかは明らかではなく、
実質的には公益事業全体の負担金となっている。
市は、本負担金のほかに、協会に対し、観光案内所の委託をしている(令和元年度の
委託料は12,396,000円)し、令和元年度からは、協会が鵜飼のオフシーズンにおける
観覧船の民間活用推進のための補助金交付事業を始め、市は、協会に対し、そのための
負担金(間接補助)を交付している。
市は、外郭団体である観光コンベンション協会に対する負担金及び委託とは別に、
観光振興を目的としたイベント行事の主催者(実行委員会等)に対する負担金・補助金
の交付、「岐阜市観光事業補助金交付要綱」に基づく補助金の交付等、観光政策のため
の様々な支出をしている。
令和元年度の決算額でみると、商工観光部所管のもので、大河ドラマ関係
259,300,000円は特殊であるが、協会に対する負担金・委託料58,121,500円のほかに、
その他合計で49,549,629円を支出している。
また、これらの負担金・補助金が交付されている団体の中には、協会からも別途助成
を受けているものもある(具体的には、「タクシー運営協議会」「道三まつり」「信長ま
つり」「GIFUナイトビュー」の事業等)。市は、団体直接と協会を通じての間接と重
複して同一の団体に補助をしている結果となっているように見受けられる。
【規範】
補助金等ガイドラインによれば、「必要性」の見直し基準の考え方として、社会経済
情勢の変化による必要性(行政目的達成の支援度合、社会的需要の有無)が示されてい
る。また、「効果・経済性」の見直し基準を挙げ、その考え方として、5年を超えてい
る補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習慣
的)、同種類似の補助事業の実施状況と示されている。
【指摘 観光コンベンション課】
ウィズコロナの時代になり、観光客は激減し、ここ数年多かった外国人観光客の戻
りも見通しが立たず、観光そのものが今後も厳しい状況が続くと予想される。市は、観
光振興というものを一から見直すべき状況にある。従前の観光振興事業は果たして効
果があるのか、継続する必要があるのか、観光振興の目的で公金をどれだけ使うこと
が適切であるのか、見直さなければならない。その上で、他の補助金・負担金と同時並
行的に、観光振興事業を全体的に捉え、効率的かつ実効性のあるものとするためにど
うすべきかを検討することが急務である。
事業補助の補助金に切り替え、「岐阜市観光事業補助金交付要綱」を根拠にすべきで
ある。
市によれば、定款の目的を達成するにあたり、協会の自主性・独自性の確保の観点か
ら、事業補助ではなく運営負担の給付の形がふさわしいのではないかと考えていると
のことであるが、事業補助だと自主性・独自性が損なわれるとは思えないし、上記の観
覧船の民間活用推進のための補助金のように、市が必要としている事業にのみ補助金
を出す形の方が協会の自主性・独自性をより尊重できるのではないかと考える。
もし、協会の運営費の一部を負担する必要性及び相当性を吟味した上で、必要性及
び相当性が認められ、現状の負担金という形で継続するのであれば、これまでの経緯
を取っ払ったゼロベースで、負担金額を決定するとともに、一定割合の負担率等を定
めた負担金の根拠規程を設けるべきである。
【意見 観光コンベンション課】
補助金に移行するにしても、負担金額を見直すとしても、協会の行う事業、市が行う
事業、双方の内容と公益性・必要性・有効性等を洗い出すとともに、他の観光振興に関
連する補助金・負担金と同時並行的に検討して、重複の解消、効率化、有効化を図る
等、前年踏襲的に観光振興事業を行うのではなく、市民のために本当に必要なものと
なるよう、事業の改廃・統合を検討することが望ましい。
30.外国人のための日本語講座補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 国際課 │
│ │※令和元年度は、市民参画部 国際課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │公益財団法人岐阜市国際交流協会 │
│ │※市が基本財産の9割以上を拠出している市の外郭団体である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│外国人のための日本語講座 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市外国人のための日本語講座補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│外国人市民のために実施する日本語講座の充実を図る(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成17年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 240,000│ 240,000│ 240,000│ 240,000│ 240,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 240,000│ 240,000│ 240,000│ 240,000│ 240,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)交付目的
【事実関係】
交付要綱では、交付の趣旨(目的)として、「外国人市民のために実施する日本語講
座の充実を図る」と記載されている(第1条)。個別調査票においても、同様の回答で
あった。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、「補助金等の交付の目
的に従って」公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
【指摘 国際課】
「日本語講座の充実を図る」というのは、補助金を交付することと同義であり、手段
であって目的ではない。「ある目的」があり、そのための手段が、外国人市民のための
日本語講座事業に補助金を交付するということである。そして、その目的を前提とし
て、その補助金に公益上の必要があるといえるか否かが問われることになる。
補助金を交付する目的を正しく設定した上で、交付要綱に記載すべきである。
(2)補助金交付対象団体
【事実関係】
交付要綱では、補助目的は「外国人市民のために実施する日本語講座の充実を図る」
とされ(第1条)、補助対象事業は「岐阜市内で実施される出席者の過半数が外国人市
民である日本語講座」とされ(第3条)ており、広く日本語講座の実施を補助するもの
であると受け取ることができる。
しかし、補助金交付対象団体について、市は、交付要綱において、「公益財団法人岐
阜市国際交流協会」に特定している(第4条)。
この点につき、市の説明は、ボランティア等が実施する日本語講座については、公益
財団法人岐阜市国際交流協会が民間の団体又は個人に対して行う草の根交流助成金の
対象となること、同法人の実施する日本語講座は、優良な講師の講座でありながら受
講料が民間の講座よりも低いということが、その理由であるとのことであった。
【指摘 国際課】
交付要綱だけをみれば、なぜ公益財団法人岐阜市国際交流協会の実施する日本語講
座のみを補助するのかが分からず、補助の必要性、公平性に疑念を持たざるを得ない。
交付要綱において、公益財団法人岐阜市国際交流協会の実施する日本語講座のみを
補助することの必要性、合理性が明らかとなるような記載をすべきである。
(3)補助対象経費
【事実関係】
交付要綱では、補助対象経費は「日本語講座に係る経費」「市長が必要と認める経費」
とされている(第5条)。
【規範】
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず
れもあらゆる補助事業等について、その適正な執行を確保するために必要不可欠なも
のであるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振
った具体的な『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要な審査項目であるとさ
れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし
て挙げられている交付要綱では、個別具体的な費用が補助対象経費として定められて
いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確
認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ
ている。
交付要綱は、上記の要請を達成するために重要な規範となるものである。交付要綱
の記載が抽象的では、個々の職員の判断によることになり、手続きの公正さが確保で
きない。
【指摘 国際課】
上記の定めは、補助対象経費を定めていないのと同じである。
補助対象経費を具体的に定めた上で、交付要綱に記載すべきである。
(4)補助金等交付申請書
【事実関係】
補助金等交付申請書の「補助事業等の目的及び内容」欄には、「外国人市民に対し、
・・・日本語を習得できる場の提供を目的に、日本語講座を開設する」と記載されてい
る。
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、補助事業等の目的及び内容の欄は出来るだけ明確か
つ具体的に記載させることとされている。
【指摘 国際課】
「日本語を習得できる場を提供する」というのは、「日本語講座を開設する」ことを
言い換えているにすぎず、目的ではない。
補助金等交付申請書には、補助事業等の目的を正しくかつ明確に記載させるべきで
ある。
(5)補助対象事業の確認
【事実関係】
交付要綱では、補助対象事業は、岐阜市内で実施される「出席者の過半数が外国人市
民である」日本語講座とされている(第3条)。同要綱では、「外国人市民」とは、外国
籍を有する者か、日本語を母語としない日本国籍を有する者であって、日本で生活す
る上で一定の支援が必要な者であって、岐阜市に在住し、在勤し、又は在学する者とさ
れている(第2条)。
補助事業等実績報告書を見る限り、公益財団法人岐阜市国際交流協会の実施した日
本語講座の受講生の過半数が交付要綱の定める外国人市民に該当しているのかどうか
を確認できない。
【規範】
岐阜市補助金等交付規則では、報告書等の審査等により、その報告に係る補助事業
等の成果が補助金等の交付の決定及び内容等に適合するものであるかを調査しなけれ
ばならないとされている(第16条)。
【指摘 国際課】
実施した日本語講座の受講生の過半数が交付要綱の定める外国人市民に該当してい
るのかどうかを確認できる資料を提出させるべきである。
(6)必要性、効果・経済性
【事実関係】
令和元年度の収支決算書によると、公益財団法人岐阜市国際交流協会の実施した日
本語講座は、事業の経費が合計1,816,113円(内、講師賃金が1,680,000円)であり、
これに対し、市からの補助金240,000円のほかに、公益財団法人岐阜県国際交流セン
ターからの助成金435,000円を受け取り、受講料等619,820円を受領し、不足する部
分521,293円を、公益財団法人岐阜市国際交流協会の自己資金で補っている。
公益財団法人岐阜市国際交流協会の財産状況は、令和2年3月31日現在において、
流動資産9,667,573円、固定資産224,906,907円を有し、正味財産230,640,392円を
有している。
本補助金は、平成17年から続いており、直近5年間の予算額及び決算額は24万円
で変動していない。
平成26年度の岐阜市
包括外部監査報告書では、監査の結果として、この24万円の
算定根拠を明確にすることが望ましいとの意見がなされ、これに対する「措置状況報
告書」では、要綱を改正し、補助事業とする要件を追加したほか、補助金の算出方法を
明確化したとされているが、24万円の算定根拠は明確にされていない。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
補助金等ガイドラインによれば、「必要性」の見直し基準の考え方として、補助金額
を上回る繰越金がある団体や事業については、自主的運営に委ねることができる可能
性が高いものと判断できる(機能分担の妥当性)が示されている。また、「効果・経済
性」の見直しの考え方として、補助目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することが
でき、その検証結果に基づき補助効果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、そ
の効果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている補助金額の妥当性を判断する(補
助効果と補助金額の比較)、5年を超えている補助金は形式的・習慣的に補助されてい
ると判断することができる(形式的、習慣的)と示されている。
【指摘 国際課】
先に述べた交付目的の正しい設定、同法人の実施する日本語講座事業のみを補助す
る必要性、合理性を明らかにした上で、同法人の実施する日本語講座の規模や内容、講
師賃金や受講料の額の妥当性を検討するとともに、市が補助しなければ同法人が事業
を実施できないのかどうかを検討し、それらの検討結果に基づいて、本補助金を継続
する公益上の必要性があるといえるのか見直しを行い、その結果を書面で明らかにす
べきである。
31.中心市街地まちづくり活動事業補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │
まちづくり推進部 まちづくり事業課 │
│ │※令和元年度は、まちづくり推進政策課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │一般財団法人岐阜市にぎわいまち公社 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市中心市街地まちづくり活動事業補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│中心市街地の価値の向上に寄与する(要綱の文言) │
└────┴─────────────────────────────────┘
┌────┬─────────────────────────────────┐
│対象事業│柳ケ瀬あい愛ステーションの運営 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成20年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │12,500,000│12,000,000│12,000,000│12,000,000│12,000,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │12,500,000│12,000,000│12,000,000│12,000,000│12,000,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
┌────┬─────────────────────────────────┐
│対象事業│柳ヶ瀬プレイスメイキング事業 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│令和元年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ - │ - │ - │ - │ 4,322,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ - │ - │ - │ - │ 4,322,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助事業の実施主体
【事実関係】
「柳ヶ瀬プレイスメイキング事業」について、補助事業者であるにぎわいまち公社
は、株式会社Aに対し、業務を委託している。委託契約書によると、委託している業務
内容は、次のとおりであった。
(1)プレイスメイキング事業
・出店者の誘致と調整
・パブリックファニチャーのレイアウト及び配置
・道路空間活用の運営
・出店者へのアンケート調査
・商店街との調整
(2)報告書の作成
・出店者へのアンケートに基づく検証
・報告書の作成
委託費は2,090,000円であり、支出額合計4,653,880円の約45%を占めている。
また、支出の残りのほとんどは消耗品費2,243,340円である。
市に提出されている実績報告書は、株式会社Aの作成した報告書であった。
委託契約書では、にぎわいまち公社が株式会社Aの業務の遂行に協力するとの
定めがあった。
【規範】
補助事業者は、善良な管理者の注意をもって補助事業を行わなければならない(岐
阜市補助金等交付規則第10条)。
テーマ別マニュアルによれば、補助金の交付決定をするための審査基準として、補
助事業者が補助事業等を遂行する能力を具えているかというものが挙げられている。
【指摘 まちづくり事業課】
補助事業者が事業及びその会計の事務全般を第三者に委託している場合、その事務
処理が補助事業者の指揮命令に基づくことが必要であり、そうでなければ適法ではな
い。事務処理が補助事業者の指揮命令に基づいてなされているといえるためには、補
助事業者自らが、事業計画書、事業実施工程表を作成し、事業計画実施に必要な業務及
び会計を整理分類し、これに基づいて事業実施に必要となる事務の内容、事業との関
係、事務処理の時期を記載した指示書を作成し、これらの書類を事務の受託をしてい
る第三者に示して説明して理解させ、その後は、現場に赴き、あるいはメールや電話で
指揮監督し、報告書や業務日誌を提出させる等がなされていることが必要であるが、
そのような事実は確認できなかった。
上記の契約内容、業務内容、支出内容からしても、補助事業者であるにぎわいまち公
社が補助事業を行っているとは認め難い。
補助事業を行っていると認め難い補助事業者に対する補助金の交付は止めるべきで
ある。
(2)措置状況
【事実関係】
交付要綱では、補助対象事業を、「基本方針の実現に著しく寄与する事業又は先導的
に中心市街地の魅力を高める事業」としたうえで、「ハード事業」と「ソフト事業」の
二つに分けている。
平成26年度の包括外部監査にて、「本来、補助金は、補助するために支給するもの
であり、経費のすべてを支給するのは補助金とはいえない。・・・要綱に補助金の上限
を定めることが望ましい。」との意見がなされている。
これに対して、市では、当該意見に対する措置として、「平成28年度から要綱を改
正して、補助金の限度額を設ける。」と表明している。
しかし、「岐阜市中心市街地まちづくり活動事業補助金交付要綱」は、平成26年以
後も、随時、一部改正がなされているものの、「ソフト事業」に対する補助金額の上限
設定はなされていない。
【指摘 まちづくり事業課】
岐阜市としては、自ら「補助金の限度額を設ける。」と表明した以上、当該要綱の「ソ
フト事業」に対する補助金額の上限設定を設けるべきである。
(3)補助対象事業
【事実関係】
交付要綱第1条では、この要綱は、「岐阜市の中心市街地の価値の向上に寄与する事
業」を実施する団体に対して本補助金を交付するものと規定し、補助対象事業を実質
的に規定している。他方、交付要綱第3条では、補助対象事業を「基本方針の実現に著
しく寄与する事業又は先導的に中心市街地の魅力を高める事業」として規定しており、
両者が同じことを指しているのかどうか判然としない。また、「ハード事業」と「ソフ
ト事業」の定義がない。
【指摘 まちづくり事業課】
交付要綱において、補助対象事業を明確かつ具体的に定めるべきである。
(4)効果の検証
【事実関係】
「柳ケ瀬あい愛ステーション」は、主に、「交流拠点機能(休憩場所、ギャラリース
ペース等)」「情報発信機能(ラジオ放送、セミナー等)」「公益的機能(相談窓口、トイ
レ等)」を提供するものである。
「柳ケ瀬あい愛ステーション」の運営については、平成20年度に整備された当初は、
商工観光部が、中小企業振興補助金交付要綱に基づいて、「商店街情報拠点整備事業」
補助金を交付していた。平成26年度の包括外部監査において、交付要綱の目的と事業
の目的が異なるとの指摘や、
まちづくり推進部への移管の意見がなされ、現在の形に
なっている。
「柳ケ瀬あい愛ステーション」の運営経費については、平成20年度から平成22年
度までの3年間は、国からの補助金があったため、市の補助金は500万円程度であっ
たが、国からの補助金が終了した後は、ほぼ全額が市の補助金で賄われている。
なお、「柳ケ瀬あい愛ステーション」は令和2年3月末をもって閉館となっている。
令和2年度からは、別拠点で、まちなか活性化活動拠点運営支援事業として補助を行
うとのことである。
【規範】
岐阜市中心市街地まちづくり活動事業補助金交付要綱第1条「この要綱は、岐阜市
の中心市街地の価値の向上に寄与する事業を実施する団体に対し予算の範囲内で交付
する岐阜市中心市街地まちづくり活動事業補助金に関し、岐阜市補助金等交付規則に
定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。」
同第3条「補助金の交付の対象となる事業(以下「補助対象事業」という。)は、岐
阜市中心市街地活性化基本計画に掲げる基本方針の実現に著しく寄与する事業又は先
導的に中心市街地の魅力を高める事業とする。」
【意見 まちづくり事業課】
市によれば、開館から延べ約77万人の方に利用され、中心市街地のにぎわいの創出に
寄与したとのことであるが、「柳ケ瀬あい愛ステーション」の利用者によって柳ケ瀬のに
ぎわいが創出されたことのエビデンスがない。11年間にわたって、毎年1,200万円もの
金額が支出されてきたという費用対効果の面からしても、当該支出に見合うだけの「中
心市街地の価値の向上に寄与」されたかどうかは疑問が残る。
本事業は令和元年度で終了しているが、十分な効果検証した上、令和2年度以降の
事業に生かされることが望ましい。
第3 薬科大学・女子短期大学
32.受託研究交付金・共同研究交付金
<概要(受託研究交付金)>
┌────┬──────────────────────────────────┐
│所管 │薬科大学 庶務会計課 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│説明区分│交付金 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜薬科大学において受託研究を担当する教員 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │受託研究 │
│対象事業│※岐阜薬科大学において外部の団体等から委託を受けて公務として行う │
│ │ 研究でその費用を委託者が負担するものをいう。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜薬科大学受託研究取扱規程、岐阜薬科大学受託研究取扱規程実施細 │
│ │目、岐阜薬科大学研究交付金交付要綱 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│交付目的│岐阜薬科大学における研究を奨励し、学術の振興に寄与する │
├────┼──────────────────────────────────┤
│開始年度│不明 │
├────┼──┬─────┬─────┬─────┬──────┬──────┤
│ │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度 │令和元年度 │
│金額 ├──┼─────┼─────┼─────┼──────┼──────┤
│(円) │予算│33,538,462│33,540,000│33,540,000│ 58,693,000│ 150,923,000│
│ ├──┼─────┼─────┼─────┼──────┼──────┤
│ │決算│20,282,512│36,962,402│68,241,311│ 109,532,375│ 127,822,687│
└────┴──┴─────┴─────┴─────┴──────┴──────┘
※受託研究費の流れ
委託者→岐阜薬科大学の学長 受託研究の申込み
岐阜薬科大学の学長 申込みの承認
委託者⇔市 受託研究契約の締結
委託者→市 受託研究費の納付(市の歳入)
岐阜薬科大学の教員→市長 受託研究交付金の申請(使途計画書の提出)
市長→岐阜薬科大学の教員 交付決定、交付(市の歳出)
岐阜薬科大学の教員→市長 使途報告書の提出
※直接経費と間接経費
受託研究費は、直接経費(研究遂行に直接必要な経費)と間接経費(本来の教育研究
活動のために有する組織や設備等を利用するための経費)に分かれる。間接経費は、原
則として直接経費の30%に相当する額とされている。また、間接経費は、岐阜市にお
ける間接経費と岐阜薬科大学における間接経費に分かれる。
例えば、直接経費及び間接経費の合計1,300,000円の受託研究費を岐阜市が受け入
れた場合、原則として次のように取り扱われる。
直接経費 1,000,000円
間接経費 300,000円 うち210,000円 岐阜市の間接経費
うち90,000円 岐阜薬科大学の間接経費
<概要(共同研究交付金)>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │薬科大学 庶務会計課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│交付金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜薬科大学において共同研究を担当する教員 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │共同研究 │
│対象事業│※岐阜薬科大学において民間機関等(共同研究機関)から研究員及び研 │
│ │ 究経費又はそのいずれかを受け入れて、岐阜薬科大学の教員と民間機 │
│ │ 関等が共通の課題について共同して行う研究をいう。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜薬科大学共同研究取扱規程、岐阜薬科大学研究交付金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│岐阜薬科大学における研究を奨励し、学術の振興に寄与する │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│不明 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │63,636,364│72,728,000│72,728,000│72,728,000│72,728,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │63,144,551│59,728,383│53,035,516│76,286,884│69,397,668│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
※研究費の流れは、受託研究と同様である。
<監査の結果>
(1)平成23年度包括外部監査の措置状況
【事実関係】
平成23年度包括外部監査報告における指摘・意見及びこれに対する措置状況報告は、
以下のとおりである。
┌───────────────────┬───────────────────┐
│ 平成23年度包括外部監査報告 │ 措置状況報告 │
├───────────────────┼───────────────────┤
│他の研究に研究交付金が流用されないよう│研究費の経理に関する学内説明会を毎年開│
│に、庶務会計課は研究者に対し注意を喚起│催し、研究費の不正使用等について注意喚│
│することが望ましい。(意見) │起をしている。 │
├───────────────────┼───────────────────┤
│研究費を財源として物品等の発注を行った│購入した備品の一部について、備品台帳と│
│場合に、その検収を研究室に配置された事│現物の確認を実施した。備品の数が多いた│
│務職員が行っているが、時には庶務会計課│め、定期的、循環的に実施していく。 │
│を通じた検収を行うことを検討することが│ │
│望ましい。(意見) │ │
├───────────────────┼───────────────────┤
│備品の現物確認を定期的に行い、備品台帳│研究費で購入した備品の一部について、備│
│に記載されている備品が紛失していないか│品台帳と現物の確認を実施した。備品の数│
│現物実査を行うべきである。(指摘) │が多いため、定期的、循環的に実施してい│
│ │く。 │
└───────────────────┴───────────────────┘
上記のうち、研究費の流用に対しては、「岐阜薬科大学研究費執行マニュアル」が作
成されており、説明会においてその解説がなされている。上記指摘・意見に対しては、
概ね適切に対応がなされていた。
(2)余剰金の返還
【事実関係】
岐阜薬科大学研究交付金交付要綱には、受託研究交付金や共同研究交付金に余剰が
生じた場合の返還規定は存在しない。
市によれば、実態として、研究交付金に余剰が生じて返還を行うことになった事案
は(消費税の関係で返還した例を除き)過去に存在しないとのことである。また、「学
長は、前条の規定により決定のあった金額の変更を受けようとするときは、市長の承
認を受けなければならない。この場合の手続については、第3条の規定を準用する。」
という決定額の変更規定があるから不要であると考えているとのことである。
【規範】
岐阜薬科大学研究交付金交付要綱では、「研究交付金は、交付決定を受けた研究に必
要な経費以外に使用してはならない。」(第7条)と定められている。
受託研究契約や共同研究契約の条項には、返還規定が設けられているのが一般的で
ある。
【意見 庶務会計課】
交付された研究交付金の全額が研究に使用しきれず、余剰が生じることはありうる
ものと思われる。
決定額の変更規定は、事情変更により申請額に変更があった場合にそれを申請して
市長の承認を得るという手続を規定するものであり、余剰金の返還手続とは異なる手
続きであるし、「市長の承認を得なければならない」という文言からすれば、申請額で
は不足することが判明した場合に増額を申請することが想定されているように読める。
一般的な受託研究契約や共同研究契約の条項に設けられているように、余剰金の返
還規定を設けておくことが望ましい。
なお、このような規定は、交付金の不正使用防止の機能を持たせることも期待でき
る。
33.奨学寄附金交付金・寄附講座等交付金
<概要(奨学寄附金交付金)>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │薬科大学 庶務会計課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│交付金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜薬科大学の学長 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│学術研究、図書、機械等の購入等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市立大学奨学寄附金取扱要綱、岐阜薬科大学奨学寄附金交付金取扱 │
│ │規程 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│岐阜薬科大学における学術及び教育研究の奨励、充実及び強化を図る │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│不明 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │66,500,000│66,500,000│66,500,000│66,500,000│66,500,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │39,174,140│49,174,156│47,625,700│48,975,000│64,328,892│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
※奨学寄附金の流れ
寄附申込者→(岐阜薬科大学の学長)→市長 奨学寄附金の申込み
市長→寄附申込者 受入れの決定
寄附申込者→市長 奨学寄附金の納付(市の歳入)
岐阜薬科大学の学長→市長 奨学寄附金交付金の交付申請
市長→岐阜薬科大学の学長 交付決定、交付(市の歳出)
岐阜薬科大学の学長→研究担当教員 交付金の配分
岐阜薬科大学の学長→市長 使途、受払状況等の報告
※管理経費
奨学寄附金受入額の5%に相当する額は市長が施設管理経費として徴収するとして
いるが、特別の事情がある場合等の免除規定が置かれている。また、奨学寄附金の10%
に相当する額は、学長が奨学寄附金管理費に充てるとしているが、特別の事情がある
場合等の免除規定が置かれている。
<概要(寄附講座等交付金)>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │薬科大学 庶務会計課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│交付金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜薬科大学の学長 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │寄附講座及び寄附研究部門 │
│ │※講座において行われる教育研究で、民間等からの寄附金等により教員 │
│対象事業│ 給与、研究費等が賄われるものを寄附講座という。 │
│ │※研究部門において行われる研究で、民間等からの寄附金により教員給 │
│ │ 与、研究費等が賄われるものを寄附研究部門という。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜薬科大学寄附講座等交付金交付要綱、岐阜薬科大学寄附講座及び寄 │
│ │附研究部門規程 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│岐阜薬科大学における教育研究の進展及び充実を図る │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│不明 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │27,610,730│17,040,960│26,076,081│36,591,000│64,139,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │20,893,730│21,691,120│21,691,120│33,909,328│39,270,428│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
※寄附講座等交付金の流れ
寄附申込者→(岐阜薬科大学の学長)→市長 寄附の申込み
市長→寄附申込者 受入れの決定
寄附申込者→市長 寄附金の納付(市の歳入)
岐阜薬科大学の学長→市長 寄附講座等交付金の交付申請(使
途計画書の提出)
市長→岐阜薬科大学の学長 交付決定、交付(市の歳出)
岐阜薬科大学の学長→市長 使途報告書の提出
<監査の結果>
(1)余剰金の処理
【事実関係】
岐阜市立大学奨学寄附金取扱要綱にも、岐阜薬科大学寄附講座等交付金交付要綱に
も、交付金に余剰が生じた場合の処理を定めた規定がない。
市によれば、奨学寄附金の目的の範囲内の経費は幅広く、余剰が生じることはない、
寄附講座等交付金については、存続期間が原則として2年以上5年以下の期間とされ、
各年度で寄附金に余剰が生じた場合、「元気なぎふ応援基金」に組み入れ、翌年度に執
行を行うとのことである。また、余剰金が多い場合は、寄附者からの翌年度の寄附金を
減額することにより調整を図ることもありうるとのことである。
【規範】
岐阜市立大学奨学寄附金取扱要綱では、「学長は、奨学寄附金交付金をその原資とな
る奨学寄附金の目的に従って、使用しなければならない。」(第10条)と定められてい
る。
岐阜薬科大学寄附講座等交付金交付要綱では、「寄附講座等交付金は、交付決定を受
けた寄附講座及び寄附研究部門に必要な経費以外に使用してはならない。」(第7条)
と定められている。
【意見 庶務会計課】
奨学寄附金交付金も、寄附講座等交付金も、余剰金が生じる可能性が無いわけでは
ない。その場合に備え、余剰金の処理方法に関する定めを設けておくことが望ましい。
なお、このような規定は、交付金の不正使用防止の機能を持たせることも期待でき
る。
34.間接経費交付金(薬科大学)
<概要>
┌─────┬────────────────────────────────┐
│所管 │薬科大学 庶務会計課 │
├─────┼────────────────────────────────┤
│説明区分 │交付金 │
├─────┼────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜薬科大学の学長 │
├─────┼────────────────────────────────┤
│対象事業 │科学研究にかかる間接経費の支出 │
├─────┼────────────────────────────────┤
│根拠規定 │岐阜薬科大学科学研究費間接経費に関する取扱要綱、間接経費の取扱い│
│ │要領 │
├─────┼────────────────────────────────┤
│交付目的 │本学の研究開発環境の改善及び本学全体の機能の向上 │
├─────┼────────────────────────────────┤
│開始年度 │不明 │
├─────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│金額(円)│年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
├─────┴──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ 予算 │21,000,000│21,000,000│21,000,000│21,000,000│21,000,000│
├────────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┤
│ 決算 │
├────────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ 科学研究費 │13,212,000│12,465,000│14,205,000│11,925,000│13,152,484│
│ 基金 │ │ │ │ │ │
├────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ 科学研究費 │ 465,000│ 690,000│ 645,000│ 579,000│ 672,000│
│ 基金分担金 │ │ │ │ │ │
├────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ 科学研究費 │ 3,780,000│ 8,490,000│ 5,400,000│ 8,388,000│12,102,000│
│ 補助金 │ │ │ │ │ │
├────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ 科学研究費 │ 240,000│ 180,000│ 120,000│ 30,000│ 1,244,652│
│ 補助金分担金 │ │ │ │ │ │
└────────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
※科学研究費の流れ
国、日本学術振興会等→岐阜薬科大学の教員 科学研究費補助金の交付
岐阜薬科大学の学長→市長 科学研究費補助金のうち間接経費の納
付申し出
市長→岐阜薬科大学の学長 申し出の承認
岐阜薬科大学の学長→市長 科学研究費補助金のうち間接経費の納
付(市の歳入)
岐阜薬科大学の学長→市長 間接経費の交付申請(使途計画書の提
出)
市長→岐阜薬科大学の学長 間接経費の交付決定、交付(市の歳出)
岐阜薬科大学の学長→岐阜薬科大学の教員 間接経費の配分(20%)
岐阜薬科大学の学長→市長 使途報告書の提出
<監査の結果>
(1)平成23年度包括外部監査の措置状況
平成23年度包括外部監査報告における指摘・意見及びこれに対する措置状況報告は
以下のとおりである。
┌────────────────────┬───────────────────┐
│ 平成23年度包括外部監査報告 │ 措置状況報告 │
├────────────────────┼───────────────────┤
│ 考えられる不正の危険に対し、何らかの内│ 不正防止については、「岐阜薬科大学研│
│部統制を構築し、不正を防止する環境を作る│究活動不正行為等防止規程」を制定して、│
│ことが望ましい。 │不正行為に関する通報窓口の設置をしてい│
│ 庶務会計課で作成されている会計帳簿と研│る。その他にも研究費の管理・監査に係る│
│究室で作成されている帳簿との整合性のチェ│責任者の責任範囲、権限等を定めて、責 │
│ック、購入した備品の実査を行っているが、│任・管理体制を明確にし、不正防止に努め│
│これに限定することなく、監査の幅を広げる│ている。 │
│ことが望ましい。(意見) │ 不正リスクについては、「岐阜薬科大学│
│ │研究活動不正行為等防止計画」で不正発生│
│ │要因を想定し、対応する不正防止計画を策│
│ │定している。 │
│ │ 監査体制を強化するために、備品台帳と│
│ │現物の確認を定期的、循環的に実施する。│
└────────────────────┴───────────────────┘
上記のうち、通報窓口は庶務会計課に置かれており、通報方法等が岐阜薬科大学
ホームページ上で公表されている。通報者は、原則として氏名等を明らかにしたうえ
で通報を行うこととされているが、その後の手続きにおいて匿名を希望できるとされ
ているほか、匿名による通報があった場合にも、通報に準じた取扱いがなされるもの
とされている。通報があった場合の予備調査及び本調査について、「岐阜薬科大学研究
活動等の調査に関する規程」、「岐阜薬科大学研究活動不正行為等に関する予備調査細
則」が定められており、その方法が詳細に定められている。
不正防止に関する制度設計はなされているものと評価できるため、当該制度が常時
機能するように努めることが必要である。
35.間接経費交付金(女子短期大学)
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │女子短期大学 総務管理課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│交付金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜市立女子短期大学の学長 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│科学研究費補助金を獲得した研究者の研究開発環境の改善や研究機関全 │
│ │体の機能の向上に活用するための間接経費の支出 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市立女子短期大学における科学研究費補助金取扱規程、科学研究費 │
│ │補助金に係る間接経費に関する取扱い要綱、研究交付金執行要領 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │科学研究費補助金による研究の実施に伴う研究機関の管理等に必要な経 │
│ │費を、直接経費に対する一定比率で手当することにより、科学研究費補 │
│交付目的│助金をより効果的・効率的に活用する。 │
│ │間接経費を、科学研究費補助金を獲得した研究者の研究開発環境の改善 │
│ │や研究機関全体の機能の向上に活用することにより、研究機関間の競争 │
│ │を促し、研究の質を高める。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和61年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 2,304,000│ 1,540,000│ 1,206,000│ 1,306,000│ 1,659,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 1,419,000│ 735,000│ 249,000│ 1,101,000│ 1,662,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)使途計画表の詳細
【事実関係】
交付申請書に添付された使途計画書(内訳)は、下記のとおりであり、詳細の記載は
ない。
┌────────┬──────┐
│ 使途 │ 金額(円)│
├────────┼──────┤
│研究関連備品費 │ 1,350,000│
├────────┼──────┤
│研究関連図書費 │ 12,000│
├────────┼──────┤
│研究関連消耗品費│ 300,000│
├────────┼──────┤
│ 合計 │ 1,662,000│
└────────┴──────┘
この使途計画書の詳細については、学長、副学長等で構成される「執行部会議」にお
いて使用目的に合致するか審議されているとのことである。
【規範】
科学研究費補助金に係る間接経費に関する取扱い要綱では、「学長は、市長から間接
経費の交付を受けようとする時は、間接経費交付申請書に間接経費使途計画書を添付
して市長に申請しなければならない。」(第4条)とされ、「間接経費は、本学の研究開
発環境の改善や本学全体の機能の向上に活用するために必要となる経費以外に使用し
てはならない。」(第8条)とされている。
【意見 総務管理課】
間接経費交付金は、市が、学長に対し、交付するものである。学長等が詳細を審議す
るのは、交付を受ける側のことであり、交付をする側である市として、使用目的に合致
するかどうかを判断できる程度の具体的な計画を添付させる等詳細を審査したことの
分かる資料を残しておくことが望ましい。
(2)使用に関する方針
【事実関係】
間接経費交付金は、文部科学省の外郭団体である日本学術振興会から交付される科
学研究費補助金の直接経費の30%に当たる間接経費が交付されるもので、競争的資金
の交付を受けた研究者等が所属する研究機関の管理等に必要な経費として交付される
ものである。
流れとしては、研究機関の代表者(学長)が、日本学術振興会から補助金(直接経費
+間接経費)の交付を受け(代理受領)、研究者に全額を納付し、その後、研究者から
学長に対し、間接経費が納付され、研究機関の管理等の経費に充てられることになる
のであるが、間接経費は市の会計を通す必要があるため、手続きとしては、学長から市
へ納付され、市から学長に納付する(本負担金)ということになっている。
間接経費の使途については研究機関の長の責任の下決められ、一部を研究者、一部
を研究機関と配分する大学等もあるが、女子短期大学の場合、間接経費は全て大学に
譲渡され、間接経費管理用の学長口座にて管理、使用されている(岐阜市立女子短期大
学における科学研究費補助金取扱規程第7条)。
また、使用用途について、研究者への説明は特になされていないが、研究を所管する
教育・科学研究委員会の委員長を兼任する附属図書館長を構成員とする執行部会議で、
審議されているとのことである。
【規範】
文部科学省が公開している「競争的資金の間接経費の執行に係る共通指針」4.間接
経費運用の基本指針(2)は、「被配分機関にあっては、間接経費の使用に当たり、被
配分機関の長の責任の下で、使用に関する方針等を作成し、それに則り計画的かつ適
正に執行するとともに、使途の透明性を確保すること。」としている。
また、同指針6.間接経費の使途として、「間接経費は、競争的資金を獲得した研究
者の研究開発環境の改善や研究機関全体の機能の向上に活用するために必要となる経
費に充当する。」としている。
【意見 総務管理課】
間接経費の使用に関する方針を定めることが望ましい。
間接経費は研究機関に配布されるもので、管理費等に利用できるものであるが、「競
争的資金を獲得した研究者の研究開発環境の改善」、「研究機関全体の機能の向上」の
ために交付されるものである。直接経費を獲得した研究者らに使用方針を示し又は使
用した結果を示すことにより、大学側の研究者らに対するサポート内容が具体化する
と思われる。ただし、文部科学省のホームページの間接経費の使用結果に関する報告
の様式例によれば、方針の作成は必須ではないようであるため、意見とする。
第4 政務活動費・職員互助会
36.政務活動費
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │議会事務局 議会総務課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│交付金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │会派又は議員 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│議員の調査研究活動等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市議会政務活動費の交付に関する条例 │
│ │岐阜市議会政務活動費の交付に関する規則 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│岐阜市議会議員の調査研究その他の活動に資するため(条例の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成13年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │73,500,000│68,400,000│68,400,000│68,400,000│68,400,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │54,711,230│42,568,950│40,508,392│44,428,699│41,303,752│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
岐阜市では、政務活動費として、議員1人につき月15万円(会派の場合、1人あた
り月15万円)を交付している。
年度毎に精算、戻入を行っており、令和元年度は27,096,248円の戻入がされている。
各人毎の令和元年度の交付額、決算額、戻入額、執行率は下記のとおりである。
(単位:円)
┌──────┬─────┬─────┬─────┬─────┬────┐
│ │ 氏名 │ 交付額 │ 決算額 │ 戻入額 │執行率 │
├──────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │郷 英明 │ 150,000│ 13,818│ 136,182│ 9.21%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │須賀敦士 │ 150,000│ 98,147│ 51,853│ 65.43%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │丸山慎一 │ 150,000│ 86,410│ 63,590│ 57.61%│
│ 4月のみ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ (※) │信田朝次 │ 150,000│ 150,000│ 0│ 100.00%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │國井忠男 │ 150,000│ 0│ 150,000│ 0.00%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │渡辺 要 │ 150,000│ 36,816│ 113,184│ 24.54%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │浅井武司 │ 150,000│ 84,767│ 65,233│ 56.51%│
├──────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │共産党 │ 5,250,000│ 3,304,991│ 1,945,009│ 62.95%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│4月~令和2│渡辺貴郎 │ 1,800,000│ 1,664,948│ 135,052│ 92.50%│
│ 年3月 ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│(1年分) │長屋千歳 │ 1,800,000│ 755,325│ 1,044,675│ 41.96%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │黒田育宏 │ 1,800,000│ 1,631,596│ 168,404│ 90.64%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │原菜穂子 │ 1,800,000│ 1,310,159│ 489,841│ 72.79%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │富田耕二 │ 1,800,000│ 358,424│ 1,441,576│ 19.91%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │鷲見守昭 │ 1,800,000│ 1,784,075│ 15,925│ 99.12%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │石川宗一郎│ 1,800,000│ 735,584│ 1,064,416│ 40.87%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │若山貴嗣 │ 1,800,000│ 1,249,013│ 550,987│ 69.39%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │石井浩二 │ 1,800,000│ 1,800,000│ 0│ 100.00%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │谷藤錦司 │ 1,800,000│ 1,591,378│ 208,622│ 88.41%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │大野一生 │ 1,800,000│ 160,899│ 1,639,101│ 8.94%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │小堀将大 │ 1,800,000│ 995,827│ 804,173│ 55.32%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │江崎洋子 │ 1,800,000│ 456,174│ 1,343,826│ 25.34%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │高橋和江 │ 1,800,000│ 1,641,058│ 158,942│ 91.17%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │和田直也 │ 1,800,000│ 1,742,309│ 57,691│ 96.79%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │須田 眞 │ 1,800,000│ 777,779│ 1,022,221│ 43.21%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │浅野裕司 │ 1,800,000│ 802,787│ 997,213│ 44.60%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │竹市 勲 │ 1,800,000│ 1,224,061│ 575,939│ 68.00%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │杉山利夫 │ 1,800,000│ 174,534│ 1,625,466│ 9.70%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │西垣信康 │ 1,800,000│ 627,061│ 1,172,939│ 34.84%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │辻 孝子 │ 1,800,000│ 335,658│ 1,464,342│ 18.65%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │山口力也 │ 1,800,000│ 743,208│ 1,056,792│ 41.29%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │松原和生 │ 1,800,000│ 1,700,952│ 99,048│ 94.50%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │柳原 覚 │ 1,800,000│ 1,800,000│ 0│ 100.00%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │西川 弘 │ 1,800,000│ 242,032│ 1,557,968│ 13.45%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │松岡文夫 │ 1,800,000│ 340,962│ 1,459,038│ 18.94%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │松原徳和 │ 1,800,000│ 1,800,000│ 0│ 100.00%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │田中成佳 │ 1,800,000│ 1,031,132│ 768,868│ 57.29%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │服部勝弘 │ 1,800,000│ 1,440,862│ 359,138│ 80.05%│
├──────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │石原宏基 │ 1,650,000│ 349,567│ 1,300,433│ 21.19%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │小森忠良 │ 1,650,000│ 1,643,008│ 6,992│ 99.58%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ 5月~ │浅野雅樹 │ 1,650,000│ 1,540,450│ 109,550│ 93.36%│
│令和2年3月├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │箕輪光顕 │ 1,650,000│ 1,313,194│ 336,806│ 79.59%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │道家康生 │ 1,650,000│ 1,222,120│ 427,880│ 74.07%│
│ ├─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │高橋 正 │ 1,650,000│ 542,667│ 1,107,333│ 32.89%│
├──────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤
│ │ 合計 │68,400,000│41,303,752│27,096,248│ 60.39%│
└──────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┘
岐阜市議会では、平成13年3月30日に岐阜市議会政務調査費に関する条例、規則、
の制定及び要綱、申し合わせを作成し、その後必要に応じ下記のとおり改定している。
┌────────┬─────────────────────────────┐
│平成25年2月28日│地方自治法の一部改正法公布(平成24年9月5日) │
│ │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │
│ │ 1) 「政務調査費」から「政務活動費」に名称変更 │
│ │ 2) 交付目的に「その他の活動」が追加され、「議員の調査研│
│ │ 究その他の活動に資するため」に変更 │
│ │ 3) 議長に、政務活動費についての使途の透明性の確保の努 │
│ │ 力義務を課す旨の規定 │
│ │以上を踏まえて、条例、規則を改正 │
├────────┼─────────────────────────────┤
│平成25年6月7日│各会派幹事長会議決定 │
│ │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │
│ │1) 上記、法改正の内容を反映 │
│ │ ・ 「政務調査費」を「政務活動費」に修正 │
│ │ ・ 「その他の活動に資する」活動を追記し、旅費の支出対 │
│ │ 象となる活動区分を拡大 │
│ │2) 収支報告書等について追記 │
│ │ ・ すべての領収書を提出する(提出書類の議長の保管) │
│ │ ・ 政務活動費として使用したものは、交付額を超える場合 │
│ │ もすべて報告する │
│ │3) 「4.情報公開について」を新設(改正前の「申し合わ │
│ │ せ」内の要点を整理) │
│ │以上を踏まえて、申し合わせを改正 │
├────────┼─────────────────────────────┤
│平成26年2月12日│各会派幹事長会議決定 │
│ │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │
│ │ 岐阜市議会政務活動費収支報告書等の閲覧等に関する要綱 │
│ │を作成 │
├────────┼─────────────────────────────┤
│平成29年2月27日│各会派幹事長会議決定 │
│ │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │
│ │1) 領収書(原本)の添付(領収書に準ずる書類の定義を追 │
│ │ 記)(平成28年度交付分から運用開始) │
│ │2) 人件費の廃止、事務所賃借料の廃止(平成29年度交付 │
│ │ 分から運用開始) │
│ │3) 平成29年度交付分から、収支報告書、実績報告書、領収 │
│ │ 書等をホームページで公開することを決定 │
│ │以上を踏まえて、要綱、申し合わせを改正 │
└────────┴─────────────────────────────┘
<監査の結果>
(1)平成23年度包括外部監査の措置状況
【事実関係】
平成23年度包括外部監査報告における指摘・意見及びこれに対する措置状況報告は
以下のとおりである。
┌────────────────┬─────────────┬────────────┐
│ 平成23年度包括外部監査報告 │ 措置状況報告 │ 確認等 │
├────────────────┼─────────────┼────────────┤
│ 議長に提出された収支報告書 │ 各議員の主たる担当者が │確認できた。 │
│等は、権限はないものの議会事務 │収支報告書等の点検を行っ │ │
│局により点検がなされているが、 │た後、担当者以外の職員によ│ │
│収支報告書及び添付資料を閲覧 │る複数回の点検を実施する │ │
│すると、単純な形式面の不備が見 │ことで、点検漏れの防止と、│ │
│受けられる。より注意を払って点 │点検精度の均質化を図った。│ │
│検を実施すべきである。(指摘) │ また、在職年数等による職│ │
│ │員間の制度に対する理解度 │ │
│ │の差異を低減し、点検精度と│ │
│ │点検速度の向上を図るため、│ │
│ │職員用に「政務調査費の手引│ │
│ │き」を作成し、その内容につ│ │
│ │いて職員研修を複数回実施 │ │
│ │した。 │ │
├────────────────┼─────────────┼────────────┤
│ 現在、政務調査費について、調 │ 調査権限の法定化の有無 │確認できた。 │
│査権限の規程がなく、点検として │に関わらず、いずれの地方自│ │
│議会事務局が不備の修正を依頼 │治体においても、議会事務局│ │
│するに留まっている。政務調査費 │が政務調査費の点検調査に │ │
│の調査権限を有するものがチェ │おける中心的役割を担って │ │
│ックを行い、目的外の支出が存在 │いる。 │ │
│した場合、これを是正できるよう │ 地方自治法第100条第15 │ │
│にすることが望まれる。(意見) │項で収支報告書の提出先が │ │
│ │首長ではなく議長とされて │ │
│ │いる理由の一つは、議会の自│ │
│ │律性や独立性を担保するた │ │
│ │めであると言われている。 │ │
│ │ そうした中、議会事務局に│ │
│ │よる点検体制の更なる充実 │ │
│ │を図るとともに、適切な情報│ │
│ │提供等を通じて各議員の意 │ │
│ │識の向上を進めていくこと │ │
│ │によって、引き続き、議会と│ │
│ │して自律的かつ適正に政務 │ │
│ │調査費の執行に努めていく │ │
│ │方針である。 │ │
├────────────────┼─────────────┼────────────┤
│ 政務調査費の範囲の問題や収 │ 平成24年3月22日付け岐 │ 新任議員研修会にて、 │
│支報告書及び添付資料の不備の │市議第597号議長通知「平成 │解説書をもとに政務活動 │
│多くは、議員が収支報告書の作成 │23年度包括外部監査結果等 │費に関する研修を開催し │
│方法を含めた政務調査費の取扱 │を踏まえた今後の政務調査 │ている。更に、解説書の変│
│いについて、必ずしも十分な理解 │費の支出に当たっての留意 │更(最新では平成29年3 │
│がされていないことも一因であ │点について」により、全議員│月)の都度、全議員に配布│
│ると考えられる。手引き等を配布 │に制度の理解を深めるよう │している。 │
│し、政務調査費の制度が十分理解 │周知徹底した。新任議員を対│ │
│されることが望まれる。(意見) │象に、平成23年中に2回に │ │
│ │わたり政務調査費に関する │ │
│ │研修を開催し、また、全議員│ │
│ │に、議会事務局が点検事務の│ │
│ │際に用いる手引きを一部改 │ │
│ │変したものを参考資料とし │ │
│ │て配布する等、制度や報告書│ │
│ │類の作成方法等に関する周 │ │
│ │知に努めている。 │ │
├────────────────┼─────────────┼────────────┤
│ 調査研究活動と政党活動やそ │ 平成24年3月22日付け岐 │ 令和元年度の収支報告 │
│の他議員活動等で共通して発生 │市議第597号議長通知「平成 │書を抽出確認したとこ │
│する経費等の按分率は、合理的な │23年度包括外部監査結果等 │ろ、議員各人がそれぞれ │
│根拠を持って説明できないもの │を踏まえた今後の政務調査 │の按分率にて按分を行っ │
│については、他都市の判例等を参 │費の支出に当たっての留意 │ていた。例えば、事務費に│
│考に定めることが望まれる。(意 │点について」により、全議員│ついて、最も低い議員で │
│見) │に合理的に説明しうる比率 │50%、最も高い議員で │
│ │を用いるとともに、その根拠│100%の按分率であった。 │
│ │を報告書類に記述したり、資│ │
│ │料等を添付したりする等、報│ │
│ │告書類の作成において適正 │ │
│ │な比率であることの証明に │ │
│ │努めるよう周知徹底した。 │ │
├────────────────┼─────────────┼────────────┤
│ 多くの議員が市政報告を行い、 │ 平成24年3月22日付け岐 │ 市政報告の印刷物の写 │
│その印刷代、郵送代を広報広聴費 │市議第597号議長通知「平成 │しが添付資料とされてい │
│として支出しているが、按分率の │23年度包括外部監査結果等 │た。また、これに関する按│
│妥当性をチェックするためには、 │を踏まえた今後の政務調査 │分率も、最も低い議員で │
│市政報告の印刷物は必要である │費の支出に当たっての留意 │50%、最も高い議員で │
│と考えられる。今後は市政報告の │点について」により、成果物│100%の按分率であった。 │
│印刷物も収支報告書への添付資 │や証拠書類を添付したりす │ │
│料とすることが望ましい。(意見)│る等して、政務調査費として│ │
│ │合理性、必要性を備えた支出│ │
│ │であることの証明に努める │ │
│ │よう周知徹底した。 │ │
├────────────────┼─────────────┼────────────┤
│ 政務調査費運用指針の最終の │ 当該運用指針は、岐阜市議│ 運用指針は、その基と │
│改正が平成20年3月であるが、 │会各会派幹事長会議におい │なる申し合わせに合わ │
│その後、政務調査に関わる多数の │て決定されたものであり、同│せ、改定された。政務活動│
│判例が出ており、これらを運用指 │様に改定についても同会議 │費に関する申し合わせの │
│針に反映させることが適切と考 │で決定するものである。議会│主な改定内容は、上記の │
│える。また、今後も新しい判例に │事務局においては、現行の政│とおりである。 │
│より、一般に政務調査費として認 │務調査費運用指針との比較・│ │
│められるものが明確化していく │検証のため、判例や裁判例、│ │
│と考えられるため、定期的な見直 │他の地方議会における運用 │ │
│しを行うことが望ましい。(意見)│指針の策定・改定状況等に関│ │
│ │する情報の収集を進めると │ │
│ │ともに、各議員への情報提供│ │
│ │に努めた。 │ │
├────────────────┼─────────────┼────────────┤
│ 政務調査費は、情報公開請求の │ 平成24年3月22日付け岐 │ 以下のとおり改定さ │
│対象であり、市民により内容のチ │市議第597号議長通知「平成 │れ、現状においては市民 │
│ェックをされるうるものである。 │23年度包括外部監査結果等 │の目による確認ができる │
│常に、市民の目を意識して、政務 │を踏まえた今後の政務調査 │状態となっている。 │
│調査費の使用及び報告を行うこ │費の支出に当たっての留意 │・平成26年2月「岐阜市 │
│とが望ましい。(意見) │点について」により、成果物│議会政務活動費収支報告 │
│ │や証拠書類を添付したりす │書等の閲覧等に関する要 │
│ │る等して、政務調査費として│綱」が作成され、平成25 │
│ │合理性、必要性を備えた支出│年度以降の収支報告書等 │
│ │であることの証明に努める │につき閲覧が可能(過去 │
│ │よう周知徹底した。 │5年度分)になっている。│
│ │ │・平成29年度交付分以降 │
│ │ │の収支報告書等がホーム │
│ │ │ページで公開されてい │
│ │ │る。 │
└────────────────┴─────────────┴────────────┘
【意見 議会事務局】
「政務活動費に関する解説書」に記載の判例によれば、「議員事務所で使用するもの
については、政務調査活動以外の政治活動も行われていると推認される」(平成25年
3月21日広島高裁)、「議員活動においても、調査活動に費やす時間に比べて一般的な
政党活動、選挙活動、後援会活動及び私的活動に費やす時間の方が圧倒的に多く」(平
成25年3月21日名古屋高裁)とされている。つまり、政務活動費としての按分比率
は、議員活動か私的活動かの按分ではなく、議員活動、政務活動、私的活動等の全体の
うち、政務活動の占める比率である。
按分率が適正な比率であることについて(100%の按分率とされているような場合は
特に)、個別に検証をした形跡を残すことが望ましい。
(2)図書・備品台帳
【事実関係】
令和元年度の収支報告書において、パソコン及び図書購入者の支払伝票等を確認し
たところ、「図書・備品台帳」は報告書類に含まれておらず、耐用年数内の購入かどう
かの確認ができなかった。
【規範】
政務活動費に関する申し合わせでは、収支報告書等について、「購入した備品及び図
書は、それぞれ備品台帳及び図書台帳に記載し、収支報告書を議長に提出する際に提
示する。」とされている。
また、「政務活動費に関する解説書」の留意事項では、「備品とみなすものは、備品
台帳に記載し管理します。耐用年数内に同一種別の備品を再び購入した場合、当該経費
に充てることはできません。」とされている。
【意見 議会総務課】
「備品購入は、議員退職後の所有権や備品管理等複雑な問題が多いので、慎重に判
断する必要があります」と同解説書にもある。
購入に対する自律的な判断を促し、また、耐用年数内に備品を購入したかどうかの
確認を促すため、図書・備品台帳を報告書類に含めることが望ましい。
37.岐阜市職員互助会助成金
<概要>
┌────┬────────────────────────────────┐
│所管 │行政部 職員厚生課 │
├────┼────────────────────────────────┤
│説明区分│互助会補助金 │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜市職員互助会 │
├────┼────────────────────────────────┤
│対象事業│職員の福利厚生事業 │
├────┼────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付目的│職員の福利厚生事業の充実を図る │
├────┼────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和37年12月 │
├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算│11,954,000│12,149,000│12,500,000│12,679,000│12,790,000│
│ ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算│11,858,226│12,015,753│12,199,597│12,662,032│12,777,871│
└────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
岐阜市職員互助会は、市の補助金及び職員の掛金を主な収入源としており、その補
助率等の経緯は下記のとおりである。
┌───────────┬─────┬─────┐
│ │ 補助率 │ 掛金 │
├───────────┼─────┼─────┤
│~平成18年度 │ 3.5/1000│ 3.5/1000│
├───────────┼─────┼─────┤
│平成19年度~平成21年度│ 2/1000│ 4/1000│
├───────────┼─────┼─────┤
│平成22年度~ │ 1/1000│ 4/1000│
└───────────┴─────┴─────┘
平成22年度からの補助率は、平成21年度岐阜市職員互助会への公費負担のあり方
検討委員会で決定されたものである。
<監査の結果>
(1)根拠規程
【事実関係】
本補助金に交付要綱はない。
ただし、次のような根拠はある。
1)地方公務員法第42条「地方公共団体は、職員の保健、元気回復その他厚生に関する
事項について計画を樹立し、これを実施しなければならない。」
2)平成28年8月22日付の岐阜市決裁「岐阜市職員互助会助成金の支出について」
1)上記平成21年度岐阜市職員互助会への公費負担のあり方検討委員会の審議結果
を踏まえ、会員の給料月額の総額に1,000分の1を乗じた額を市が助成するこ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
と、この助成は岐阜市職員互助会規約第8条の規定に基づき同額を支払う
2)岐阜市職員互助会規約に定める助成額の変更にあたっては、所属団体と職員互
助会が協議の上、組合会の議決をもってこれを変更することができるものとす
る
3)助成金の支払いにあたっては、岐阜市補助金等交付規則第26条の規定に基づき、
同規則第4条(交付申請)、第5条(交付決定)、第7条(決定通知)、第15条
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(実績報告)、第16条(交付額の決定)及び第18条(前金払等)の各条に定め
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
る手続きは省略する
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【規範】
補助金等ガイドラインでは、「原則、補助金交付を継続的あるいは一般的に行う必要
のない場合を除き、補助目的・補助対象・補助金額・補助率・交付手続(岐阜市補助金
等交付規則と異なる方法の場合)等を記載した要綱を定めること」とされている(4.
補助要綱の整備)。
【指摘 職員厚生課】
本補助金の交付要綱を設けるべきである。
(2)補助対象事業
【事実関係】
予算書添付資料によれば、本補助は、「職員の福利厚生事業の充実を図るための福利
事業を実施するため」補助するとあるが、補助対象事業の定めはい。
岐阜市職員互助会規約第6章には、福利事業として次のとおり規定されている。
第6章 福利事業
(福利事業)
第23条 本会は、会員の福祉を増進するため、次の事業を行う。
(1)文化、教養に関すること。
(2)保健体育に関すること。
(3)その他必要と認めたもの
(融資事業)
第23条の2 本会は、会員の生活安定を図るため、次の事業を行う。
(1)生活資金貸付に関すること。
(2)その他必要と認めたもの
(厚生事業)
第23条の3 本会は、会員の生活、文化の向上を図るため、次の事業を行う。
(1)生活必需品の購入、あっせん等購買に関すること。
(2)食堂、喫茶の運営に関すること。
(3)委託に関すること。
(4)その他必要と認めたもの
岐阜市職員互助会の会計は、一般会計、給付会計、生活資金貸付会計、厚生事業部会
計に区分されており、本補助金は、一般会計に充てられて、執行されている。
一般会計の内容は下記のとおりとなっている。 (円)
┌────┬──────┬─────┬───────────────────┐
│歳入 │会費 │35,196,140│職員掛金 │
│ ├──────┼─────┼───────────────────┤
│ │助成金 │17,579,602│市助成金 特別会計等の分含む │
│ ├──────┼─────┼───────────────────┤
│ │財産運用収入│ 14,601│利息・配当 │
│ ├──────┼─────┼───────────────────┤
│ │繰入金 │ 9,500,000│別途積立金取崩 │
│ ├──────┼─────┼───────────────────┤
│ │雑入 │ 854,860│福利事業参加費等 │
│ ├──────┼─────┼───────────────────┤
│ │歳入合計 │63,145,203│ │
├────┼──────┼─────┼───────────────────┤
│歳出 │事務費 │ 632,201│事務所費 │
│ ├──────┼─────┼───────────────────┤
│ │福利事業費 │49,206,935│※内訳は下記のとおり │
│ ├──────┼─────┼───────────────────┤
│ │繰出金 │ 9,500,000│厚生事業会計赤字補てん │
│ ├──────┼─────┼───────────────────┤
│ │積立金 │ 14,601│別途積立金積立 │
│ ├──────┼─────┼───────────────────┤
│ │歳出合計 │59,353,737│ │
└────┴──────┴─────┴───────────────────┘
(※)福利事業費の内訳 (円)
┌───────┬─────┬───────────────────────┐
│ │ │1)テーマパークチケット補助 │
│慰安行事費 │10,187,800│ チケット数4,508枚(ディズニーリゾート、U │
│ │ │ SJ、レゴランド、ナガシマスパーランド) │
│ │ │2)鵜飼観覧 参加数213人 │
├───────┼─────┼───────────────────────┤
│ │ │1)指定旅館 計724部屋分 │
│施設利用補助金│19,696,120│2)定額補助施設 計154人 │
│ │ │3)通年利用施設(リゾートトラスト割引)計278件 │
├───────┼─────┼───────────────────────┤
│ │ │1)観劇会(名古屋四季劇場)3日間計110人参加 │
│文化事業費 │ 2,219,580│2)映画鑑賞補助 参加者計 744人 │
│ │ │3)FC岐阜観戦 前売り券1/2補助 計412人 │
│ │ │4)大河ドラマ館 計805人 │
├───────┼─────┼───────────────────────┤
│教養事業費 │ 637,816│1)通信教育、カルチャーセンター受講補助 43人 │
│ │ │2)退職準備説明会 参加者98人 │
├───────┼─────┼───────────────────────┤
│ │ │1)ソフトボール大会 参加者390人 │
│体育費 │ 2,943,361│2)バレーボール大会 参加者315人 │
│ │ │3)ウオーキング補助 │
│ │ │ JR東海主催事業交通費補助 参加者1,212人 │
├───────┼─────┼───────────────────────┤
│厚生助成金 │ 1,420│ボランティア助成 2人 │
├───────┼─────┼───────────────────────┤
│ │ │1)退職者ガイドブック印刷 130部 │
│広報費 │ 365,312│2)福利厚生ニュース印刷 5,800部 │
│ │ │ +(特集号)5,500部 │
├───────┼─────┼───────────────────────┤
│負担金補助及び│ 1,917,281│1)職員みこしパレード │
│交付金 │ │2)体育会運営補助(運営費、遠征費補助) │
├───────┼─────┼───────────────────────┤
│ │ │1)人間ドック補助(@6,700) 213人 │
│ │ │2)インフルエンザ予防接種補助(@2,000上限) │
│保健事業費 │11,238,245│ 2,944人 │
│ │ │3)オプション検査受診補助(@3,000上限) │
│ │ │ 1,135人 │
│ │ │4)精密検査受診補助(@3,000上限) 590人 │
└───────┴─────┴───────────────────────┘
市によれば、テーマパークのチケット助成には、補助金が充てられていないとのこ
とであるが、書類上は、そう認識することができなかったし、「職員の福利厚生事業の
充実を図る」とする補助金で、「福利事業費」の中にテーマパークのチケット助成が含
まれている以上、補助金が充てられていると受け取られても仕方がない状況である。
【指摘 職員厚生課】
補助対象事業・経費を具体的に規定することで、補助金が充てられるべき経費が明
確になり、補助金の残余金の有無が明確になるのみならず、テーマパークのチケット
助成のように公金から補助する公益上の必要性を認め難い経費と補助対象経費の区別
が明確になったり、補助金額を他事業、例えば給付事業に充てていないため各職員の
源泉税の対象とならないことが明確になったりする。支出側、互助会双方にとって必
要なことであると考える。
具体的な補助対象事業、補助対象経費、補助率、補助の上限を定めるべきである。
(3)実績報告
【事実関係】
本補助金は実績報告がなされていない。
岐阜市補助金等交付規則第26条では、市長は、第4条、第5条、第7条、第15条、
第16条又は第18条の規定にかかわらず、「別に定めるところにより、」当該各条の手
続を統合し、又は省略して補助金等を交付することができるとされており、上記の平
成28年8月22日付の岐阜市決裁「岐阜市職員互助会助成金の支出について」により、
補助金等交付規則の各手続きが省略されているためである。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
【指摘 職員厚生課】
単なる決裁では規則の適用を除外する別の定めとはならない。
交付要綱で定めるまでは、補助金等交付規則に従った手続をとるべきである。特に、
実績報告を求め、使用実績が補助目的に合致しているか、補助対象事業以外に使用さ
れていないかを確認すべきである。
(4)余剰金の返還
【事実関係】
互助会において、令和元年度の一般会計決算書では、本補助金を含めた助成金額収
入合計が27,113,462円、助成金支出額合計が26,774,908円であり、残高338,554円
は、市に返還されることなく、積立金に繰り入れられていた。
市によれば、「厚生事業部会計の赤字補填として、過去の補助金の積立金から
9,500,000円を取り崩して一般会計に繰り入れて、厚生事業部会計に繰り出している。
そのため、実質的には9,161,446円の補助金が不足している。単年度で補助金を精算
した場合、約9百万円の追加補助が必要となる。互助会事業は年度末まで実施してい
るため、年度内に不足額を確定し、補助金を追加で支出することは事実上困難である。
このため、決裁により補助金の額は給料の1/1000とし、剰余金が生じた場合は積立金
とすることにより、不足時の対応に充当せざるを得ない状況である。」とのことである。
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、前金払をしたものでも、実績報告を受けた結果、補
助金等に余剰が生じた場合は、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。
【指摘 職員厚生課】
市の見解は、互助会側に立ったものである。補助金を交付する側の市としては、補助
金は単年度使用が原則であり、補助金の積立金であるとか、追加補助が必要になると
いう考えは適切ではない。互助会の積立金(繰越金)は、補助金ではなく掛金で構成さ
れていると扱うべきである。
補助金の余剰金があれば返還させるべきである。
第5 岐阜県・関係市町村
38.木曽川右岸地帯水防事務組合負担金
<概要>
┌────┬──────────────────────────────────┐
│所管 │基盤整備部 水防対策課 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│説明区分│事務組合負担金 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│交付先 │木曽川右岸地帯水防事務組合 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│対象事業│水防に関する事務の処理 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│根拠規定│木曽川右岸地帯水防事務組合規約第13条 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │水防に関する事務を共同処理する(岐阜市厚見、長森南、長森北、長森 │
│交付目的│西、長森東及び茜部並びに旧柳津町の境川以東の区域、羽島郡笠松町、 │
│ │同郡岐南町、各務原市(旧蘇原町、旧鵜沼町及び旧川島町を除く))(規約│
│ │の文言) │
├────┼──────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和37年度 │
├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │ 予算 │16,598,000│16,115,000│16,559,000│16,164,000│16,816,000│
│ ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ 決算 │16,598,000│16,115,000│16,559,000│16,164,000│16,816,000│
└────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)負担金額の適否
【事実関係】
市は、平成31年4月1日付け負担金請求書を同月2日に受領し、同日、支出負担行
為書を決裁している。
支出負担行為書には、事務組合の平成31年2月5日に開催された定例会の議案書及
び令和元年度の予算書が添付されているが、平成30年度の決算に関する資料は添付さ
れていない。
【規範】
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【意見 水防対策課】
負担金額の必要性及び相当性を判断するためには、事務組合から提出された予算書
の内容が適切であるかを確認する必要があり、そのためには、前年度の決算内容を確
認する必要がある。年度開始後の定例会において承認された決算書の提出を受けた後
に、本年度の負担金を支出するのが最も望ましい。事務組合の決算承認よりも前に負
担金による収入が必要不可欠であるような場合であっても、年度開始時に決算見込み
を提出することはできるはずであるので、決算見込書を提出させて、前年度の決算内
容及び本年度の予算内容の確認をした上で、負担金を支出することが望ましい。
市によれば、2月の定例会前に開催される市町協議会において、当該年度の決算見
込みについての資料配布及び説明を受け、翌年度の予算案の内容が適切であるかを確
認しているとのことであるが、記録上、それが確認できなかった。
支出負担行為書には、前年度の決算書(決算見込書)を添付することが望ましい。
39.大野町1アンダーパス維持管理負担金
<概要>
┌────┬────────────────────────────────┐
│所管 │基盤整備部 道路維持課 │
├────┼────────────────────────────────┤
│説明区分│維持補修負担金 │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付先 │各務原市 │
├────┼────────────────────────────────┤
│対象事業│大野町1アンダーパスの管理 │
├────┼────────────────────────────────┤
│根拠規定│大野町1アンダーパスの管理に関する協定書第3条 │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付目的│行政区画の境界にかかる大野町1アンダーパスの管理(協定書の文言)│
├────┼────────────────────────────────┤
│開始年度│令和元年度 │
├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算│ - │ - │ - │ - │ 0│
│ ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算│ - │ - │ - │ - │ 95,195│
└────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)予算計上
【事実関係】
平成30年度に協定締結となったため、平成30年度の予算計上はなかったが、令和
元年度及び2年度の予算計上もなされていない。
【指摘 道路維持課】
協定書に基づき、毎年度恒常的に支払が必要となる負担金であることから、予算を
立てるべきである。
(2)裏付け資料の確認
【事実関係】
岐阜市が支出する金額は、各務原市の計算によるものとなっているが、各務原市の
計算の裏付け資料(委託契約書等)が支出負担行為書に添付されていない。
【規範】
テーマ別マニュアルによれば、負担金についても、個々事業毎に「必要性」や「効果
(受益)」の適否が判断されるべきであり、予算編成の際等に十分検討を加えて、相手
方と協議の上、常に適切な見直しを図っていくべきであるとされている。
【意見 道路維持課】
各務原市の計算が適正なものか、市において独自に検討判断したことが分かるよう、
委託契約書等の裏付け資料を支出負担行為書に添付することが望ましい。
40.名鉄高架事業県営工事負担金
<概要>
┌────┬────────────────────────────────┐
│所管 │都市建設部 駅周辺事業推進課 │
├────┼────────────────────────────────┤
│説明区分│県営事業負担金 │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜県岐阜駅周辺鉄道高架工事事務所長 │
├────┼────────────────────────────────┤
│対象事業│名鉄名古屋本線鉄道高架化事業 │
├────┼────────────────────────────────┤
│根拠規定│県の行う建設事業に対する市町村の負担金について(岐阜県議決) │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付目的│名鉄名古屋本線鉄道高架化のため(個別調査票の文言) │
├────┼────────────────────────────────┤
│開始年度│平成25年度 │
├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算│22,725,000│29,475,000│22,725,000│12,750,000│12,750,000│
│ ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算│22,502,189│28,751,431│18,500,012│12,500,190│ 8,681,930│
└────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)金額の根拠
【事実関係】
市が、鉄道沿線現地測量業務、踏切部測量業務、名鉄高架事業協議資料作成支援等業
務、交差排水路予備検討業務に対する支出しているものであるが、測量費用等は、岐南
町部分の区間も含んだものとして金額設定されていた。なぜ岐南町部分まで市が負担
するのかは、書類上明らかでなかった。
【意見 駅周辺事業推進課】
岐南町部分の測量費用等についても市が負担する理由を書類上明らかにしておくこ
とが望ましい。
第6 地域
41.自治会連合会運営費補助金
<概要>
┌────┬────────────────────────────────┐
│所管 │市民協働推進部 市民活動交流センター │
│ │※令和元年度は、市民参画部 市民活動交流センター │
├────┼────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付先 │各自治会連合会(50地区) │
├────┼────────────────────────────────┤
│対象事業│各自治会連合会の運営 │
├────┼────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市自治会連合会運営費補助金交付要綱 │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付目的│自治会連合会の健全な運営を図る(要綱の文言) │
├────┼────────────────────────────────┤
│開始年度│平成11年度 │
├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算│30,837,000│30,837,000│30,837,000│30,837,000│30,837,000│
│ ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算│30,834,700│30,834,900│30,834,400│30,835,000│30,834,500│
└────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)交付目的の設定
【事実関係】
交付要綱では、交付の趣旨(目的)として、「自治会連合会の健全な運営を図る」と
記載されている(第1条)。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、「補助金等の交付の目
的に従って」公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
【指摘 市民活動交流センター】
交付要綱において、交付目的として、健全な運営を図ることによって何を目的とし
ているのかを定めるべきである。
(2)他の補助金との整合性
【事実関係】
自治会連合会に対しては、本補助金のほか、「地区敬老会運営補助金」(高齢福祉課)、
「新成人を祝い励ます会運営費補助金」(社会・青少年教育課)を交付している。
本補助金の実績報告書に添付されている収支決算書には、収入として、本補助金だ
けでなく、これらの補助金も計上され、これらの補助対象事業に関する支出が計上さ
れていた。他方において、これらの補助金の実績報告書に添付されている収支決算書
には、自治会連合会からの負担金収入が計上されているものがあった。
例えば、金華自治連合会の提出した収支決算書によれば、次のとおりであった。同一
の団体の中で、金額が異なっていた(下線部分)。
「地区敬老会運営」
┌──┬─────────────┬─────────┬──────────┐
│ │ │自治会連合会補助金│ 地区敬老会補助金 │
│ │ │ の決算書 │ の決算書 │
├──┼─────────────┼─────────┼──────────┤
│収入│ 補助金(市から) │ 763,000│ 763,000│
│ ├─────────────┼─────────┼──────────┤
│ │負担金(自治会連合会から)│ │ 0│
├──┼─────────────┼─────────┼──────────┤
│支出│ │ 695,453│ 763,000│
│ │ │  ̄ ̄ ̄ ̄│  ̄ ̄ ̄ ̄│
└──┴─────────────┴─────────┴──────────┘
「新成人を祝い励ます会運営」
┌──┬─────────────┬─────────┬──────────┐
│ │ │自治会連合会補助金│新成人を祝い励ます会│
│ │ │ の決算書 │ 補助金の決算書 │
├──┼─────────────┼─────────┼──────────┤
│収入│ 補助金(市から) │ 91,500│ 91,500│
│ ├─────────────┼─────────┼──────────┤
│ │負担金(自治会連合会から)│ │ 219,895│
│ │ │ │  ̄ ̄ ̄ ̄│
├──┼─────────────┼─────────┼──────────┤
│支出│ │ 321,000│ 311,395│
│ │ │  ̄ ̄ ̄ ̄│  ̄ ̄ ̄ ̄│
└──┴─────────────┴─────────┴──────────┘
【指摘 市民活動交流センター、高齢福祉課、社会・青少年教育課】
補助金の交付先から提出される収支決算書が正確なものであるかを確認すべきである。
【事実関係】
本補助金と同じく、市が自治会連合会の世帯数に応じて算出した額を交付するもの
として、都市美化推進連絡協議会各支部に対する「都市美化推進事業補助金」(低炭素・
資源循環課)、各自主防災隊に対する「自主防災組織活動事業補助金」(都市防災政策
課)、各地域体育振興会に対する「地域体育振興事業補助金」(市民スポーツ課)が存在
する。なお、各自主防災隊に対しては、一律の金額で「自主防災組織訓練事業補助金」
も交付している。また、団員の数に応じて算出した額を交付するものであるが、各消防
分団に対する「岐阜市消防団分団維持運営費負担金」(消防総務課)も交付している。
本補助金の実績報告書に添付されている収支決算書には、自治会連合会の収入とし
て、これらの補助金が計上されているものや、これらの補助(負担)対象事業に関する
支出が計上されているものがあった。他方において、これらの補助金・負担金の実績報
告書に添付されている収支決算書には、自治会連合会からの負担金収入が計上されて
いるものがあった。
例えば、金華自治連合会、都市美化推進連絡協議会金華支部、金華自主防災隊、金華
体育振興会、中消防団金華分団の収支決算書によれば、次のとおりであった。自治会連
合会と各団体との間で、同一であるはずの金額が異なっていた(下線部分)。
また、別の団体である都市美化推進連絡協議会各支部や各自主防災隊の収入が、自
治会連合会の収入にも計上されていた(網掛け部分)
「都市美化推進事業」
┌──┬─────────────┬──────────┬──────────┐
│ │ │自治会連合会補助金の│ 都市美化推進事業 │
│ │ │ 決算書 │ 補助金の決算書 │
├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤
│収入│ 補助金(市から) │ 59,784│ 59,784│
│ ├─────────────┼──────────┼──────────┤
│ │負担金(自治会連合会から)│ │ 34,216│
│ │ │ │  ̄ ̄ ̄│
├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤
│支出│ │ 記載なし│ 94,000│
│ │ │  ̄ ̄ ̄ ̄│ │
└──┴─────────────┴──────────┴──────────┘
「自主防災組織活動事業」
┌──┬─────────────┬──────────┬──────────┐
│ │ │自治会連合会補助金 │自主防災組織活動事業│
│ │ │ の決算書 │ 補助金の決算書 │
├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤
│収入│ 補助金(市から) │ │ 214,000│
│ ├─────────────┼──────────┼──────────┤
│ │負担金(自治会連合会から)│ │ 8,000│
│ │ │ │  ̄ ̄ ̄│
├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤
│支出│ │ 記載なし│ 222,000│
│ │ │  ̄ ̄ ̄ ̄│ │
└──┴─────────────┴──────────┴──────────┘
「自主防災訓練事業」
┌──┬─────────────┬──────────┬──────────┐
│ │ │自治会連合会補助金 │ 自主防災訓練事業 │
│ │ │ の決算書 │ 補助金の決算書 │
├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤
│収入│ 補助金(市から) │ 60,000│ 60,000│
│ ├─────────────┼──────────┼──────────┤
│ │負担金(自治会連合会から)│ │ 11,429│
│ │ │ │  ̄ ̄ ̄│
├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤
│支出│ │ 68,647│ 71,429│
│ │ │  ̄ ̄ ̄│  ̄ ̄ ̄│
└──┴─────────────┴──────────┴──────────┘
「地域体育振興事業」
┌──┬─────────────┬──────────┬──────────┐
│ │ │自治会連合会補助金 │地域体育振興事業 │
│ │ │ の決算書 │ 補助金の決算書 │
├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤
│収入│ 補助金(市から) │ │ 36,300│
│ ├─────────────┼──────────┼──────────┤
│ │負担金(自治会連合会から)│ │ 222,700│
│ │ │ │  ̄ ̄ ̄ ̄│
├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤
│支出│ │ 350,000│ 259,000│
│ │ │  ̄ ̄ ̄ ̄│ │
└──┴─────────────┴──────────┴──────────┘
「消防団分団維持運営費負担金」
┌──┬─────────────┬──────────┬──────────┐
│ │ │自治会連合会補助金 │消防団分団維持運営費│
│ │ │ の決算書 │ 負担金の決算書 │
├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤
│収入│ 負担金(市から) │ │ 191,000│
│ ├─────────────┼──────────┼──────────┤
│ │負担金(自治会連合会から)│ │ ※1,996│
│ │ ※1 │ │  ̄ ̄ ̄ ̄│
├──┼─────────────┼──────────┼──────────┤
│支出│ ※2 │ 400,000│ 192,996│
│ │ │  ̄ ̄ ̄ ̄│ │
└──┴─────────────┴──────────┴──────────┘
※1 中消防団金華分団の収支決算書には、「自治会連合会」からと記載されていたが、
実際は、「中消防団金華支部」からの収入とのことであった。「中消防団金華支部」
とは、「中消防団金華分団」と構成員は同じであるが、それとは別の親睦会とのこ
とであった。
※2 自治会連合会の収支決算書には、「中消防団金華支部」への支出と記載されてい
た。
【指摘 市民活動交流センター、低炭素・資源循環課、都市防災政策課、市民スポーツ
課、消防総務課】
補助金・負担金の交付先から提出される収支決算書が正確なものであるかを確認す
べきである。
【指摘 市民活動交流センター】
別の団体である都市美化推進連絡協議会各支部や各自主防災隊の収入が、自治会連
合会の収入にも計上されているのは、誤りであるので正すようにすべきである。
(3)補助の見直し
【事実関係】
市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は平成11年度から
開始しており、長期にわたっている。
補助金の額は、「均等割456,000円+世帯割8,937,000円×当該自治会連合会の世帯
数/総自治体連合会の世帯数」により算出される額として世帯数によって機械的に決
められている。均等割の456,000円も、世帯割の8,937,000円も、少なくとも直近5
年間は変動しておらず、その算定根拠は明らかではなく、ヒアリングによれば前年踏
襲とのことであった。
補助対象経費は、「自治会連合会の運営に係る費用の一部」とされているだけで、具
体的に定められていない。
他の補助金には見られない事務がなされている。岐阜市補助金等交付規則で要求さ
れている、交付申請書に収支予算書を添付する義務、前金払請求書を提出する義務、補
助金の額の確定手続を、交付要綱により除外している。交付申請書の「補助事業等の目
的及び内容」の欄の記載は全ての自治会連合会が同一文言であった。
自治会連合会に対しては、本補助金のほか、「地区敬老会運営補助金」、「新成人を祝
い励ます会運営費補助金」を交付しているが、上記のとおり、自治会連合会において、
これらの補助金と本補助金が混同して扱われており、各々の補助金における補助対象
経費が明確に区別されていない。
自治会連合会は、会費収入がある上、広報ぎふ配布手数料、資源分別回収事業等の収
入もある。自治会連合会により金額の差異はあるものの、相当額の繰越金を有してい
る。これらの収入や繰越金について、把握はしているものの、補助金の額の算定におい
て考慮していない。
【規範】
補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助
金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運
営に向けた見直しが必要であり、育成補助としての終期は到来しているものとして判
断できると示されている。
【指摘 市民活動交流センター】
世帯数により機械的に算定し、補助対象団体が得ている収入や財産状況を考慮する
ことなく補助金の額を定めるのでは、市から定額の金銭の交付を受けられることを前
提にして、それで不足する分を自己資金で補うという形になってしまい、自己資金で
は不足するので補助を受けるという補助金の本来の在り方と異なる。岐阜市住民自治
基本条例では、「市長等は、自治会の重要性を認識し、地域住民の自治会への加入及び
自治会の活動への参加がしやすい環境づくり等必要に応じて支援を行う」(第15条第
2項)との定めはあるが、これは、抽象的に自治会連合会の運営を支援することとは異
なるものである。
自治会の重要性や特殊性は理解できるが、現状のように、補助金として維持するの
であれば、団体の運営補助ではなく事業補助に切り替えるべきであると言わざるを得
ない。そして、補助金の額を世帯数により機械的に算定するのではなく、交付要綱にお
いて、具体的な補助対象事業を定め、補助対象事業毎に補助対象経費を具体的に定め、
一定の補助率と補助上限額を具体的に設定すべきであると言わざるを得ない。もし、
世帯数により機械的に算定した額を交付し、補助対象事業や補助対象経費を具体的に
定めないのであれば、もはや補助金として維持することはできないので、負担金又は
交付金に変更すべきである。負担金又は交付金に変更したとしても、均等割の金額及
び世帯割の母数の金額について、公金の適切な支出であると市民に説明できるよう、
毎年度、検証した過程及び当該金額の必要性や有効性が認められる根拠が明らかにな
るような書面を作成しておくべきである。
自治会連合会又は関連する団体に対する補助金等を整理すると、次のものがある。
負担金又は交付金に変更するにあたっては、全体として検討されたい。
┌──────────┬──────────────┬──────────┐
│各自治会連合会 │自治会連合会運営費補助金 │市民活動交流センター│
├──────────┼──────────────┼──────────┤
│各自治会連合会 │地区敬老会運営費補助金 │高齢福祉課 │
├──────────┼──────────────┼──────────┤
│各自治会連合会 │「新成人を励ます会」運営費補│社会・青少年教育課 │
│ │助金 │ │
├──────────┼──────────────┼──────────┤
│都市美化推進連絡協議│都市美化推進事業補助金 │低炭素・資源循環課 │
│会各支部 │ │ │
├──────────┼──────────────┼──────────┤
│各自主防災隊 │自主防災組織活動事業補助金 │都市防災政策課 │
│ │自主防災組織訓練事業補助金 │ │
├──────────┼──────────────┼──────────┤
│各地域体育振興会 │地域体育振興事業補助金 │市民スポーツ課 │
├──────────┼──────────────┼──────────┤
│交通安全協会各支部 │交通安全活動推進団体補助金 │防犯・交通安全課 │
├──────────┼──────────────┼──────────┤
│各女性防火クラブ │消防関係補助金 │予防課 │
├──────────┼──────────────┼──────────┤
│各少年消防クラブ │消防関係補助金 │予防課 │
├──────────┼──────────────┼──────────┤
│各消防団分団 │消防団分団維持運営費補助金 │消防総務課 │
├──────────┼──────────────┼──────────┤
│各まちづくり協議会 │地域力創生事業補助金 │市民活動交流センター│
├──────────┼──────────────┼──────────┤
│各青少年育成市民会議│岐阜市青少年育成市民会議運営│社会・青少年教育課 │
│ │費補助金 │ │
├──────────┼──────────────┼──────────┤
│各地区民生委員候補者│民生委員候補者推薦準備会補助│福祉政策課 │
│推薦準備会 │金 │ │
├──────────┼──────────────┼──────────┤
│各民生委員・児童委員│岐阜市民生委員・児童委員協議│福祉政策課 │
│協議会 │会運営費補助金 │ │
└──────────┴──────────────┴──────────┘
42.地区敬老会運営補助金
<概要>
┌────┬────────────────────────────────┐
│所管 │福祉部 高齢福祉課 │
├────┼────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付先 │各自治会連合会(50地区) │
├────┼────────────────────────────────┤
│対象事業│地区敬老会の運営 │
├────┼────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市地区敬老会運営費補助金交付要綱 │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付目的│地区敬老会の健全な運営を図る(要綱の文言) │
├────┼────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和45年度 │
├────┬──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算│50,202,000│51,807,000│53,706,000│55,280,000│45,701,000│
│ ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算│48,314,656│49,774,980│51,585,115│53,196,700│43,368,643│
└────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助対象経費
【事実関係】
補助対象事業は、各地区の敬老会の開催そのものである。
補助対象経費は、地区敬老会の運営に要する費用とあるのみで、無限定である。
実際の支出額は、主に祝品費であり、他には、ホテル等の会場費、飲食費、反省会等
である。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず
れもあらゆる補助事業等について、その適正な執行を確保するために必要不可欠なも
のであるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振
った具体的な『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要な審査項目であるとさ
れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし
て挙げられている交付要綱では、個別具体的な費用が補助対象経費として定められて
いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確
認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ
ている。
交付要綱(本補助金では実施要綱)は、上記の要請を達成するために重要な規範とな
るものである。交付要綱の記載が抽象的では、個々の職員の判断によることになり、手
続きの公正さが確保できない。
【指摘 高齢福祉課】
交付要綱において、補助対象経費を個別具体的に定めるべきである。なお、飲食費
は、受益者負担とし、補助対象経費から除くべきである。
市によれば、具体的に定めると独自性を阻害するとのことであるが、そうは思えな
い。補助対象経費を個別具体的に定めるのは、補助金の在り方として法令の要請にこ
たえるための基本であると考える。
(2)補助金の額
【事実関係】
補助金の額は、補助対象事業(地区敬老会)の内容や経費に関係なく、固定的に算定
されている。すなわち、交付要綱において、補助金の限度額は、予算の範囲内で以下に
掲げる額を合算した額とされ(要綱第3条)、交付申請額及び交付決定額は、限度額と
同じ額であった。
(1)10万円
(2)補助金の交付を受けようとする年度(以下「交付年度」という。)の12月30
日現在において満80歳以上である者(交付年度の6月1日現在において、本市
の住民基本台帳に記録されている者(当該自治会連合会の区域に住所を有する
者に限る。)に限る。)の数に1,000円を乗じて得た額
各自治会連合会の提出する予算書は、この限度額の収入ありきで作られており、支
出額の合計額に比して不足する分を、自治会連合会の負担金(自己資金)で賄ってい
た。このような予算書の作り方であるから、決算書において支出額が減少した場合で
あっても、自治会連合会の負担金(自己資金)を減らすことによって収支を合わせて
いた。
本補助金については、平成23年度の包括外部監査でも取り上げられており、地区敬
老会への参加者が少なく、補助金の大部分が祝品費に充てられていることから、敬老
会のあり方について再考するよう意見が述べられていた。
なお、平成23年度と令和元年度の対象者、出席者、出席率の合計を比較すると以下
のとおりである。
┌─────┬────┬────┬───┐
│ 年度 │対象者 │出席者 │出席率│
├─────┼────┼────┼───┤
│平成23年度│42,725人│15,629人│36.58%│
├─────┼────┼────┼───┤
│令和元年度│38,441人│ 8,491人│22.09%│
└─────┴────┴────┴───┘
対象者の減少は前述のとおり、対象年齢を引き上げたためと推察できるが、出席者
数は大幅に減少しており、出席率は約14.5%も減少している。
さらに、令和元年度について、各地区の対象者数に対する招待者数、出席者数及び出
席率をまとめると以下の表となる。該当者数は令和元年6月1日現在のため、若干の
招待者数の変動はあるものの、明らかに該当者に対して招待者数が少ない自治会が10
地区以上あった。また、自治会によっては従来どおり76歳以上を招待者としていると
ころもあれば、80歳、88歳のみを招待者としているところもあり、招待者数について
は各自治会の運用に任せている状況であった。また、出席率を見ると、分母を招待者数
としても全体で25.6%しかなかった。
(表 令和元年度 各地区敬老会開催結果)
┌──┬───────┬────┬────┬────┬───┐
│No. │自治会連合会名│該当者数│招待者数│出席者数│出席率│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│1 │金華 │ 663│ 663│ 165│ 24.9%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│2 │京町 │ 626│ 626│ 145│ 23.2%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│3 │明徳 │ 521│ 85│ 25│ 29.4%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│4 │徹明 │ 684│ 684│ 214│ 31.3%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│5 │白山 │ 751│ 751│ 203│ 27.0%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│6 │梅林 │ 932│ 932│ 208│ 22.3%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│7 │本郷 │ 969│ 132│ 97│ 73.5%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│8 │華陽 │ 864│ 1,133│ 506│ 44.7%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│9 │木之本 │ 806│ 806│ 197│ 24.4%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│10 │本荘 │ 1,268│ 1808│ 352│ 19.5%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│11 │日野 │ 587│ 88│ 28│ 31.8%│
├──┼───────┼────┼────┴────┴───┤
│12 │長良 │ 841│(該当者に記念品を贈呈) │
├──┼───────┼────┼────┬────┬───┤
│13 │長良西 │ 1,226│ 121│ 33│ 27.3%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│14 │長良東 │ 1,080│ 1,080│ 367│ 34.0%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│15 │島 │ 825│ 115│ 46│ 40.0%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│16 │早田 │ 995│ 129│ 38│ 29.5%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│17 │城西 │ 876│ 876│ 182│ 20.8%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│18 │三里 │ 883│ 883│ 163│ 18.5%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│19 │鷺山 │ 1,153│ 1,153│ 485│ 42.1%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│20 │加納東 │ 905│ 871│ 195│ 22.4%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│21 │加納西 │ 983│ 983│ 188│ 19.1%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│22 │則武 │ 833│ 827│ 259│ 31.3%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│23 │常磐 │ 618│ 618│ 135│ 21.8%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│24 │長森南 │ 1,217│ 1,217│ 230│ 18.9%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│25 │長森北 │ 678│ 678│ 180│ 26.5%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│26 │長森西 │ 736│ 525│ 78│ 14.9%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│27 │長森東 │ 565│ 565│ 123│ 21.8%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│28 │木田 │ 286│ 298│ 70│ 23.5%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│29 │岩野田 │ 977│ 977│ 246│ 25.2%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│30 │岩野田北 │ 551│ 451│ 248│ 55.0%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│31 │黒野 │ 1,226│ 1,226│ 206│ 16.8%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│32 │方県 │ 306│ 306│ 81│ 26.5%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│33 │茜部 │ 842│ 842│ 229│ 27.2%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│34 │鶉 │ 619│ 633│ 228│ 36.0%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│35 │西郷 │ 545│ 430│ 103│ 24.0%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│36 │七郷 │ 801│ 801│ 99│ 12.4%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│37 │市橋 │ 783│ 783│ 202│ 25.8%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│38 │岩 │ 525│ 525│ 127│ 24.2%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│39 │鏡島 │ 1,170│ 1,170│ 221│ 18.9%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│40 │厚見 │ 1,316│ 1,316│ 314│ 23.9%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│41 │日置江 │ 321│ 321│ 52│ 16.2%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│42 │芥見 │ 794│ 794│ 138│ 17.4%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│43 │芥見東 │ 729│ 729│ 181│ 24.8%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│44 │芥見南 │ 368│ 370│ 102│ 27.6%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│45 │藍川 │ 581│ 581│ 154│ 26.5%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│46 │合渡 │ 409│ 138│ 47│ 34.1%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│47 │三輪南 │ 668│ 718│ 167│ 23.2%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│48 │三輪北 │ 319│ 319│ 101│ 31.7%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│49 │網代 │ 316│ 216│ 100│ 46.3%│
├──┼───────┼────┼────┼────┼───┤
│50 │柳津町 │ 904│ 904│ 233│ 25.8%│
├──┴───────┼────┼────┼────┼───┤
│ 合計 │38,411人│33,197人│ 8,491人│ 25.6%│
└──────────┴────┴────┴────┴───┘
【指摘 高齢福祉課】
補助対象事業を地区敬老会の開催として補助金を交付するのであれば、各自治会の
対象者の数を基に一律に補助金を算出するのではなく、出席者数を見込んだ敬老会の
開催に要する費用を積算させた予算書に基づき、補助対象経費の該当性を審査し、補
助金の額を算定すべきである。
【意見 高齢福祉課】
長良地区では記念品の贈呈のみ行っており、地区敬老会開催の健全な運営という交
付の目的には従っていない。
新型コロナウイルスの影響が今後も一定期間継続し、また高齢者にとっては更にそ
の影響が大きいことが予想されること、地区敬老会の参加者が年々減少していること
も考慮しなければならない。
高齢者に対して敬意を表して、その長寿を祝福することの意義は否定しないが、そ
れを地区敬老会の開催によって達成しようとするのか、祝い品の贈呈によって達成し
ようとするのか、その他の方法によって達成しようとするのか、その手段に対して公
金から補助金を支出する公益上の必要性はあるのか、目的達成のための手段の在り方
について再考することが望ましい。
43.新成人を祝い励ます会運営費補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │教育委員会 社会・青少年教育課 │
│ │※令和元年度は、教育委員会 青少年教育課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │各自治会連合会(50地区) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│新成人を祝い励ます会の開催 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市新成人を祝い励ます会運営費補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│新成人となる成年を地域社会で励まし大人としての自覚を促す(個別調査│
│ │票の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和56年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 8,250,000│ 8,250,000│ 8,250,000│ 8,250,000│ 8,250,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 7,725,000│ 8,208,000│ 7,808,000│ 8,049,000│ 8,095,500│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助対象経費
【事実関係】
補助対象事業は、各地区の新成人を祝い励ます会の開催そのものである。
補助対象経費は、「新成人を祝い励ます会の運営に要する費用」とあるのみで、無限定
である。
支出額は、主に祝品費であり、他には、ホテル等の会場費、事務費等である。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず
れもあらゆる補助事業等について、その適正な執行を確保するために必要不可欠なも
のであるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振
った具体的な『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要な審査項目であるとさ
れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし
て挙げられている交付要綱では、個別具体的な費用が補助対象経費として定められて
いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確
認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ
ている。
交付要綱は、上記の要請を達成するために重要な規範となるものである。交付要綱
の記載が抽象的では、個々の職員の判断によることになり、手続きの公正さが確保で
きない。
【指摘 社会・青少年教育課】
交付要綱において、具体的な補助対象経費を定めるべきである。
市から、「交付規則には、具体的な補助事業を定めなければならないとは記述してい
ないため、【指摘】となる重大な誤りではない。」との意見があったが、ここで述べてい
ることは、地方自治法第232条の2の定める「公益上の必要性」の問題であり、公益
上の必要性というのが単なる必要性や重要性だけではないことは、第1部の9で述べ
たとおりである。また、岐阜市補助金等交付規則第3条の定める「公正かつ効率的」を
担保する必要もある。交付要綱において、補助対象事業が抽象的では、補助対象経費も
抽象的に把握されるし、当該経費の必要性の判断も職員の判断にゆだねられることに
なってしまい、「公益上の必要性」や「公正かつ効率的」を担保することができない。
これらを【規範】として、第1部で述べたとおり、合規性、公平性、公益性、必要性、
有効性、効率性の観点から、適法性又は妥当性に問題があり、是正措置が必要であると
考えるものを【指摘】としている。規則に書いてないからということで単純に判断する
ものではない。
(2)補助対象事業及び補助金の額
【事実関係】
補助対象経費は、「新成人を祝い励ます会の運営に要する費用」とあるにもかかわ
らず、補助金の額は、補助対象事業(新成人を祝い励ます会)の内容や経費に関係な
く、固定的に算定されている。すなわち、交付要綱において、補助金の交付額は、以下
に掲げる額を合算した額とされている(要綱第3条)。
(1)自治会連合会毎の均等割20,000円
(2)自治会連合会毎の事務費10,000円
(3)新成人となる青年で市長が認めるものの数に1,500円を乗じた金額
各自治会連合会の提出する予算書は、この交付額の収入ありきで作られており、支
出額の合計額に比して不足する分を、自治会連合会の負担金(自己資金)で賄っている
形となっている。
令和元年度について、各地区の対象者数、出席率、自治会が負担する額(補助金を除
いた額)、及び欠席者に対する記念品の取扱いをまとめると以下の表となる。出席率
には自治会によって最大41.3ポイントの差(長良東と加納東)、自治会連合会が負担
する額には最大389,087円の差(鶉と城西)が生じており、欠席者に対する記念品の
取扱いも各自治会の運用に任せている状況であった。
(表 令和元年度 各地区新成人を祝い励ます会開催結果)
┌──┬───────┬────┬───┬───────┬───────────┐
│No. │自治会連合会名│該当者数│出席率│自治会連合会の│欠席者に対する取扱い │
│ │ │(人) │(%)│負担金(円) │(記念品) │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│1 │金華 │ 41│ 82.9│ 219,895│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│2 │京町 │ 36│ 77.8│ 188,170│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│3 │明徳 │ 22│ 72.7│ 17,067│対応なし │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│4 │徹明 │ 23│ 95.7│ 32,228│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│5 │白山 │ 47│ 68.1│ 54,357│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│6 │梅林 │ 60│ 74.3│ 134,321│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│7 │本郷 │ 62│ 91.9│ 132,788│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│8 │華陽 │ 85│ 68.2│ 19,040│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│9 │木之本 │ 64│ 59.4│ 29,062│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│10 │本荘 │ 120│ 66.9│ 87,200│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│11 │日野 │ 97│ 66.0│ 550,617│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│12 │長良 │ 85│ 89.4│ 123,470│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│13 │長良西 │ 144│ 76.8│ 236,670│交付(但し、自治会未加│
│ │ │ │ │ │入者世帯には対応なし)│
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│14 │長良東 │ 133│ 100.0│ 149,415│欠席者なし │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│15 │島 │ 154│ 74.5│ 91,949│対応なし │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│16 │早田 │ 110│ 70.9│ 253,456│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│17 │城西 │ 87│ 88.8│ 5,087│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│18 │三里 │ 186│ 71.0│ 121,000│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│19 │鷺山 │ 114│ 79.3│ 160,817│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│20 │加納東 │ 77│ 58.7│ 19,220│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│21 │加納西 │ 65│ 67.7│ 6,329│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│22 │則武 │ 90│ 76.9│ 135,000│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│23 │常磐 │ 88│ 85.6│ 160,679│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│24 │長森南 │ 158│ 71.5│ 11,833│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│25 │長森北 │ 61│ 83.6│ 118,404│交付(可能な限り) │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│26 │長森西 │ 85│ 69.4│ 103,422│対応なし │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│27 │長森東 │ 74│ 85.1│ 19,064│対応なし │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│28 │木田 │ 41│ 59.5│ 61,378│対応なし │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│29 │岩野田 │ 67│ 70.1│ 35,881│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│30 │岩野田北 │ 106│ 83.0│ 95,310│対応なし │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│31 │黒野 │ 149│ 61.7│ 107,566│対応なし │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│32 │方県 │ 18│ 88.9│ 76,931│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│33 │茜部 │ 129│ 71.9│ 28,500│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│34 │鶉 │ 123│ 63.7│ 394,174│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│35 │西郷 │ 93│ 73.1│ 171,700│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│36 │七郷 │ 140│ 83.6│ 300,000│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│37 │市橋 │ 153│ 65.4│ 347,722│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│38 │岩 │ 39│ 87.2│ 40,998│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│39 │鏡島 │ 119│ 71.4│ 107,099│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│40 │厚見 │ 124│ 75.8│ 162,380│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│41 │日置江 │ 54│ 81.5│ 30,287│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│42 │芥見 │ 97│ 79.4│ 137,048│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│43 │芥見東 │ 78│ 88.5│ 43,459│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│44 │芥見南 │ 24│ 83.3│ 23,503│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│45 │藍川 │ 62│ 84.1│ 163,808│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│46 │合渡 │ 79│ 88.6│ 84,776│不明 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│47 │三輪南 │ 108│ 78.7│ 116,642│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│48 │三輪北 │ 30│ 86.7│ 27,038│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│49 │網代 │ 18│ 94.4│ 55,862│交付 │
├──┼───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│50 │柳津町 │ 178│ 72.1│ 35,098│対応なし │
├──┴───────┼────┼───┼───────┼───────────┤
│合計 │ 4,397│ 75.8│ │ │
└──────────┴────┴───┴───────┴───────────┘
【指摘 社会・青少年教育課】
補助対象事業を新成人を祝い励ます会の開催として補助金を交付するのであれば、
各自治会の対象者の数を基に一律に補助金を算出するのではなく、開催に要する費用
を積算させた予算書に基づき、補助対象経費の該当性を審査し、補助金の額を算定す
べきである。
44.都市美化推進事業補助金
<概要>
┌────┬────────────────────────────────┐
│所管 │環境部 低炭素・資源循環課 │
├────┼────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
├────┼────────────────────────────────┤
│ │岐阜市都市美化推進連絡協議会の各支部(50地区) │
│ │※岐阜市都市美化推進連絡協議会は、主に各小学校区単位で50支部存 │
│交付先 │ 在し、岐阜市自治会百科事典2020によると、昭和62年、地域の実情 │
│ │ に応じた美化活動を実践するため、各地区に設けられた。 │
│ │※各自治会連合会長が、都市美化推進連絡協議会の各支部長を兼任して│
│ │ いる。 │
├────┼────────────────────────────────┤
│対象事業│「5・3・0(ごみゼロ)運動」(5月)、「クリーンシティぎふの日│
│ │運動」(11月)等の地域清掃活動 │
├────┼────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市都市美化推進事業補助金交付要綱 │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付目的│市民の手による美しく明るいまちづくりを実現する(要綱の文言) │
├────┼────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和61年度 │
├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算│ 3,667,612│ 3,653,836│ 3,633,340│ 3,618,164│ 3,595,176│
│ ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算│ 3,667,612│ 3,653,836│ 3,633,340│ 3,618,164│ 3,595,176│
└────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助金の額
【事実関係】
交付要綱では、補助対象事業は、「各支部が行う都市美化活動」であるとしている。
他方、補助金の額は、基本額10,700円に、調整額28円に前年度の支部の区域の世
帯数を乗じて得た額を加えた額としている。
基本額、調整額に明確な設定根拠はないが、市としては、基本額は、支部全体として
の器具更新費や会議費等、調整費は、当日参加世帯へ支給するゴミ袋等消耗品費相当
と考えているとのことである。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず
れもあらゆる補助事業等について、その適正な執行を確保するために必要不可欠なも
のであるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振
った具体的な『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要な審査項目である」とさ
れ、「補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例と
して挙げられている交付要綱では、個別具体的な費用が補助対象経費として定められ
ている。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に
確認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとさ
れている。
交付要綱(本補助金では実施要綱)は、上記の要請を達成するために重要な規範とな
るものである。交付要綱の記載が抽象的では、個々の職員の判断によることになり、手
続きの公正さが確保できない。
【指摘 低炭素・資源循環課】
世帯数に応じた額を交付するのではなく、交付要綱において、「市民の手による美し
く明るいまちづくりを実現する」という交付目的を達成するために必要かつ有効な補
助対象事業を具体的に定め、補助対象事業毎に補助対象経費を具体的に定めるべきで
ある。
市によれば、花壇の整備から住民の活動促進まで幅広い事業となることから、具体
的な事業や経費を定めることは困難であると考えているようであるが、実績報告書を
見る限り、幅広いとは見受けられなかったし、幅広いことが上記のような要請を回避
することの理由とはならない。
(2)会計の混同
【事実関係】
各支部から、年度末に実績報告書(事業報告書、決算書又はこれに代わる書類、他)
が市に提出されているため、令和元年分の各支部の実績報告書を確認した。併せて、各
自治会連合会の決算書も確認したところ、次の2通りの異なる処理がなされていた。
50支部のうち、1)が37支部、2)が13支部であった(決算書項目上、明確に計上が確
認されなかったものもあるが、連合会決算書の収入、支出いずれかに計上されている
ものは1)に区分した。)。
1) 自治会連合会の決算書に本補助金にかかる収入又は支出が計上されていたもの。
この場合、自治会連合会の決算書に本補助金による収入のみが計上されていたり、
都市美化推進連絡協議会各支部の決算書に自治会連合会からの負担金による収入が
計上されているにもかかわらず、自治会連合会の決算書にはその支出が計上されて
いなかったりした。
2) 自治会連合会の決算書に本補助金にかかる収入及び支出が計上されていなかった
もの。
この場合、都市美化推進連絡協議会各支部の会計を別に管理して報告がされてい
たが、やはり、自治会連合会からの負担金による収入が計上されているにもかかわ
らず、自治会連合会の決算書にはその支出が計上されていないことがあった。
【指摘 低炭素・資源循環課】
自治会連合会と都市美化連絡協議会各支部を別々の団体として取り扱っているので
あれば、このような会計の混同や不整合がないよう、指導をすべきである。
【意見 低炭素・資源循環課】
都市美化連絡協議会各支部の自治会連合会への統合等、自治会連合会の経理・報告
事務の負担軽減を検討することが望ましい。
(3)余剰金の返還
【事実関係】
上記1)の場合、各支部の決算書では、期末繰越金は認められなかったが、各自治会連
合会の決算書では、期末繰越金が生じている支部は多くあった。上記2)のうち期末繰
越金が生じていた支部が4支部確認された。
【規範】
テーマ別マニュアルによれば、前金払としたものでも、年度末や事業終了後に、当該
団体から実績報告を受けた結果、やむを得ない事情や精算により、その補助金等に余
剰金が生じる事例もあり、このような場合は、当初の支出負担行為額を減額変更し、余
剰金を戻入してもらうことになるとされている。
【指摘 低炭素・資源循環課】
補助金額の妥当性、精算については、平成23年包括外部監査においても意見があっ
たところである。補助金額が基本額+世帯数に応じた額となっており、支出見積もり
等に基づいていない以上、余剰金が生じることはあり得る。都市美化連絡協議会各支
部は、自治会連合会長が各支部長を兼任しており、役員も1年又は2年で交代してい
く性質の団体で、毎年度の都市美化活動を行うためのみの団体であることから、繰越
金を必要とする団体ではない。不必要に繰越金を有すれば会計担当者の負担を増し、
不正使用のリスクも生じることとなる。
市によれば、自治会連合会からの支援を受ける等により本補助金としての余剰金は
発生していないと考えているようであるが、そもそも、上記のように会計の混同が生
じていることが問題である。
会計の混同を解消した上で、余剰金が発生した場合は返還させるべきである。
(4)実績報告
【事実関係】
各支部に補助金が交付され、各支部から校区内の各自治会に補助金が交付され、清
掃活動等が行われている。
令和元年度の実績報告書を確認したところ、各自治会への支出という内容の項目の
み又は報告項目が1項目(「環境推進奨励費」)のみの決算書が散見された。なお、他支
部は使用科目毎の集計がされており、美化活動消耗品の購入等が確認できた。
【指摘 低炭素・資源循環課】
報告項目が1項目のみでは、交付目的に合致した補助事業の遂行がされているかの
確認ができない。職員が確認をしていたとしても、報告書として提出を受けなければ、
客観的に真に確認をしたのかどうかがわからず、手続きの適正さが確保できない。
各支部が行う都市美化活動事業の内容、各自治会への支出が行われた場合は各自治
会での具体的な活動内容及びその収支が分かる報告書を提出させるべきである。
45.自主防災組織強化対策補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │都市防災部 都市防災政策課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │各自主防災隊(団)(50地区) │
│交付先 │※自治会連合会を単位として組織された防災団体である。 │
│ │※隊(団)長(代表者)は自治会連合会会長である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市自主防災組織強化対策補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│防災体制の確立及び強化(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成25年度 │
└────┴─────────────────────────────────┘
┌────┬─────────────────────────────────┐
│ │各自主防災隊(団)(50地区) │
│交付先 │※自治会連合会を単位として組織された防災団体である。 │
│ │※隊(団)長(代表者)は自治会連合会会長である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│防災資機材の購入、自主防災組織連絡協議会負担金の支出、防災士の受 │
│ │験料等の支出等(「自主防災組織活動事業」と称している) │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │16,110,000│16,110,000│13,192,000│13,192,000│13,192,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │16,110,000│16,110,000│13,192,000│13,192,000│13,192,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
┌────┬─────────────────────────────────┐
│ │各自主防災隊(団)(50地区) │
│交付先 │※自治会連合会を単位として組織された防災団体である。 │
│ │※隊(団)長(代表者)は自治会連合会会長である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│防災訓練の実施(「自主防災組織防災訓練事業」と称している) │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 3,000,000│ 3,000,000│ 3,000,000│ 3,000,000│ 3,000,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 3,000,000│ 3,000,000│ 3,000,000│ 3,000,000│ 3,000,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
┌────┬─────────────────────────────────┐
│ │岐阜市自主防災組織連絡協議会 │
│交付先 │※構成員は、各自主防災隊(団)の隊(団)長、自治会連合会毎に選任さ│
│ │ れた者である。 │
│ │※事務局は、都市防災部にある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│研修会、会議等(「岐阜市自主防災組織連絡協議会活動」と称している)│
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 827,000│ 827,000│ 814,000│ 814,000│ 814,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 827,000│ 827,000│ 814,000│ 814,000│ 814,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助金交付対象団体(自主防災隊(団))
【事実関係】
市は、各自主防災隊(団)には誰が加入しているのか把握していなかった。各自主防
災隊(団)の隊(団)長(代表者)が自治会連合会の会長であるためであると思われる。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」において
は、補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
【指摘 都市防災政策課】
任意団体は、構成員、規約等により団体の実態を把握しなければ、補助金等交付規則
第5条の2で定められた補助金等交付の除外条件(暴力団排除条項)の存否の確認が
できない等、補助金交付の公正性、必要性等が判断できない。
各自主防災隊(団)の構成員名簿、規約を作成、提出させるべきである。
(2)補助対象事業(自主防災隊(団))
【参考報告】
交付要綱では、自主防災隊(団)が実施する事業に対して補助金を交付するものとさ
れ、補助対象事業の内容が以下のように定められている(なお、令和2年度以降は、「自
主防災組織防災訓練事業」が「自主防災組織活動事業」の一つとして規定されるように
なった)。
┌──────┬─────────────────────┬─────────────┐
│ 交付対象 │ 交付対象事業の内容 │ 補助限度額 │
│ 事業 │ │ │
├──────┼─────────────────────┼─────────────┤
│自主防災組織│(1)防災知識の普及啓発に関すること。 │次に掲げる額の合計額。但 │
│活動事業 │(2)地域防災リーダーの育成に関すること。│し、当該額に1,000円未満の │
│ │(3)次に掲げる目的に資する防災資機材(備│端数があるときは、これを切│
│ │ 蓄用の非常食、非常用飲料水等を除く。)の│り捨てた額とする。 │
│ │ 購入又は維持管理 │(1)均等割 132,000円 │
│ │ ア 情報収集伝達 │(2)世帯割 │
│ │ イ 初期消火 │ 次に掲げる算式により │
│ │ ウ 救出 │ 算出した額 │
│ │ エ 救護 │ 6,617,000円×(当該自 │
│ │ オ 給食給水 │ 治会連合会地区の世帯 │
│ │ カ 避難 │ 数/市の総世帯数)(世│
│ │ キ 安全管理 │ 帯数は、国勢調査の結果│
│ │ ク アからキまでに掲げるもののほか、市 │ による。) │
│ │ 長が必要と認めるもの │ │
│ │(4)次に掲げる施設の整備又は維持管理 │ │
│ │ ア 収納庫 │ │
│ │ イ 防災倉庫 │ │
├──────┼─────────────────────┼─────────────┤
│自主防災組織│自主防災組織が、当該地区内で実施する集合 │60,000円 │
│防災訓練事業│型、発災対応型、DIG(災害図上訓練)、部分 │ │
│ │詳細訓練等の防災訓練 │ │
└──────┴─────────────────────┴─────────────┘
これに対応する内容の「事業費支出内訳表」という書式を用意して、決算書とともに
提出させており、単に「事業費」とするのみではなく、事業費(目)の下に訓練費、研修
費、防災物品費という節を設け、その内容も付記させている。補助対象事業の具体的な
定め、事業費の内訳の報告をしているので、参考報告とする。
【事実関係】
交付要綱において、補助対象事業の一つとして、「防災知識の普及啓発に関すること」
を定めている。
他方において、決算書の事業費支出内訳表では、この事業の具体的な内容として、
「防災研修会、防災士育成費助成、自主防災組織連絡協議会負担金、地域防災訓練、そ
の他」と印字されており、ほとんどの自主防災隊(団)では、防災士育成費助成と自主
防災組織連絡協議会負担金に支出していた。
【意見 都市防災政策課】
「防災知識の普及啓発」というのは、自主防災隊(団)が、地域住民に対し、行うこ
とであると思われる。自主防災隊(団)が誰かの防災士の受験料等を支出することや自
主防災組織連絡協議会の負担金を支出することが、地域住民に対する防災知識の普及
啓発事業とはいえないと考える。自主防災隊(団)の構成員が防災に関する知識を得る
ことと地域住民に対する防災知識の普及啓発は別のことである。他の補助金において
も、研修費と広告啓発費は区別されている。
交付要綱の補助対象事業と決算書とは整合するようにさせることが望ましい。
(3)補助対象経費(岐阜市自主防災組織連絡協議会)
【事実関係】
岐阜市自主防災組織連絡協議会に対する補助金は、次のように定められているが、
補助対象経費の定めはない。
┌──────┬──────────────────────┬─────┐
│ 交付対象 │ 交付対象事業の内容 │補助限度額│
│ 事業 │ │ │
├──────┼──────────────────────┼─────┤
│岐阜市自主防│(1)自主防災組織の育成強化に関すること。 │ 814,000円│
│災組織連絡協│(2)防災対策に関する調査研究に関すること。│ │
│議会活動事業│(3)防災意識の普及高揚に関すること。 │ │
│ │(4)前3号に掲げるもののほか、岐阜市自主防│ │
│ │ 災組織連絡協議会の活動のため市長が必要と │ │
│ │ 認める事業 │ │
└──────┴──────────────────────┴─────┘
同協議会の決算書の支出の部では、次のようになっていた。開催経費というのは、会
場費、講師料、資料代、お茶代等があると思われるが、内訳が不明である。
┌───┬─────┬──────┬─────────┐
│ 項 │ 目 │ 支出済額 │ 備考 │
├───┼─────┼──────┼─────────┤
│事業費│指導育成費│ 1,128,849円│理事会、常設委員 │
├───┼─────┼──────┤会、総会、各種研修│
│会議費│会議費 │ 71,948円│会の開催経費 │
├───┼─────┼──────┼─────────┤
│事務費│消耗品費 │ 251,276円│ │
│ ├─────┼──────┼─────────┤
│ │通信運搬費│ 40,263円│ │
└───┴─────┴──────┴─────────┘
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」において
は、補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具
体的な費用の配分は、重要な審査項目であり、十分な精査が必要であるとされている。
【指摘 都市防災政策課】
交付要綱において、補助対象経費を具体的に定めるべきである。
【指摘 都市防災政策課】
支出の明細内訳を提出させ、補助対象経費とするかどうかの審査をした上で、交付
すべきである。
(4)事業評価
【事実関係】
市は、各自主防災隊(団)に対する補助金と岐阜市自主防災組織連絡協議会に対する
補助金を一つの事業評価シートにまとめており、評価指標として、アウトプット評価
「補助金交付件数」、アウトカム評価「地域防災訓練参加者」を用いている。
【指摘 都市防災政策課】
各自主防災隊(団)と岐阜市自主防災組織連絡協議会とは、補助対象事業が異なるの
であるから、別々に事業評価シートを作成すべきである。
【意見 都市防災政策課】
アウトプットは、補助対象事業により算出された活動であるから、補助金交付件数
(=自主防災隊の数)を指標にするのは不適切である。適切な指標を用いることが望
ましい。
(5)補助の見直し
【事実関係】
市は、本補助金を団体育成補助金としているが、団体の構成員や規約も、団体として
の収支状況や財産状況も把握していない。
各自主防災隊(団)に対する補助金の額は、自主防災組織活動事業については、均等
割の132,000円に、世帯割として6,617,000円×(当該自治会連合会地区の世帯数/市の
総世帯数)により算出される額を加えて算定した額を交付し、自主防災訓練事業につい
ては、一律で60,000円を交付しており、交付要綱で限度額としている額をそのまま交付
している。均等割の132,000円や世帯割の6,617,000、一律60,000円に根拠はない。
各自主防災隊(団)は、この補助金ありきで予算を組み、不足する分を自治会連合会
からの負担金とし、当該事業の収支を合わせている。
岐阜市自主防災組織連絡協議会に対する補助金の額は、限度額の814,000円をそのまま
交付している。金額の根拠はない。
【指摘 都市防災政策課】
事業補助に切り替えるべきである。そして、補助金の額を根拠のない固定額と世帯
数により機械的に算定するのではなく、交付要綱において、交付目的と補助の必要性
に即した具体的な補助対象事業と補助対象経費を定め、一定の補助率と補助上限額を
具体的に設定した上で、各自主防災隊(団)及び岐阜市自主防災組織連絡協議会から、補
助対象事業に必要な額を積算した予算書を提出させ、補助の必要のある額を交付する
ようにすべきである。
市によれば、自主防災組織は住民の隣保協同の精神に基づく自発的な防災組織であ
り、地域に応じた取り組みと自主的な活動を重んじて、団体育成補助金として交付し
ている。補助対象事業は、地域によってどこに力を入れたいかは異なるため、それぞれ
の事業に上限額等の具体的な設定を行うことで地域の自主性を損なう可能性があると
のことである。しかし、その考えでは、もはや補助金として維持することが困難であ
る。そもそも構成員が不明確であるし、実績報告書を見る限り、どの自主防災隊(団)
の事業内容もそれほど大きな差異はないものと見受けられた。公金を支出する以上、
どのような事業を補助するのかを市において定めなければならないし、予算上も、他
の補助金との関係からも、上限の設定は必要である。その中で、各団体が、補助対象事
業を実際にどのように行うのかを考え、交付申請をするのであるから、自主性を損な
うことにはならない。
46.地域体育振興事業補助金
<概要>
┌────┬────────────────────────────────┐
│所管 │ぎふ魅力づくり推進部 市民スポーツ課 │
│ │※令和元年度は、教育委員会 市民体育課 │
├────┼────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付先 │各地域体育振興会(50地区) │
├────┼────────────────────────────────┤
│対象事業│地域運動会等の開催 │
├────┼────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市体育振興補助金交付要綱 │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付目的│市民の体育振興を図る(要綱の文言) │
├────┼────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和40年度 │
├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算│ 1,869,000│ 1,869,000│ 1,884,000│ 1,875,000│ 1,875,000│
│ ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算│ 1,724,000│ 1,802,000│ 1,768,000│ 1,762,000│ 1,657,000│
└────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助の見直し
【事実関係】
市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は昭和40年度から
開始しており、長期にわたっている。
補助金の額は、「自治会連合会毎に均等割+世帯割」で算出される額によって決めら
れている。補助金の額の算定根拠である均等割及び世帯割も変動しておらず、前年踏
襲である。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助
金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運
営に向けた見直しが必要であり、育成補助としての終期は到来しているものとして判
断できると示されている。
【指摘 市民スポーツ課】
事業補助に切り替えるべきである。そして、補助金の額を均等割及び世帯数によっ
て機械的に算定するのではなく、交付目的と補助の必要性を吟味した上で、それを踏
まえた補助対象事業、補助対象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定し、各
地域体育振興会の収支や財産状況に照らして補助の必要のある額を交付するようにす
べきである。
(2)交付目的と事業評価
【事実関係】
交付要綱には、本補助金の目的は、「市民の体育振興を図る」(第7条)と記載されて
いるが、事業評価シートには、成果指標(アウトプット評価)として「補助対象の地域
の数」が用いられており、交付目的との関連性は不明である。
【意見 市民スポーツ課】
交付目的に即した成果指標によって事業評価をすることが望ましい。
本補助金の目的が「市民のスポーツ振興を図る」であるとすれば、その評価指標は、
実際に地域運動会等に参加した人数等(住民に対する参加率)を用いることが考えら
れる。
47.交通安全活動推進団体補助金
<概要>
┌────┬────────────────────────────────┐
│所管 │市民生活部 防犯・交通安全課 │
├────┼────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
├────┼────────────────────────────────┤
│根拠規定│交通安全活動推進団体補助金交付要綱 │
├────┼────────────────────────────────┤
│交付目的│交通安全の推進(要綱の文言) │
└────┴────────────────────────────────┘
┌────┬────────────────────────────────┐
│ │岐阜中地区交通安全協会 │
│交付先 │※構成員は、入会を希望した市民である。 │
│ │※自治会連合会と類似の地域に応じて20の支部がある。 │
│ │※事務局は、岐阜中警察署にある。 │
├────┼────────────────────────────────┤
│対象事業│各支部への補助金の交付 │
├────┼────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和52年度 │
├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算│ 3,587,616│ 3,590,064│ 3,601,361│ 3,616,080│ 3,622,128│
│ ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算│ 3,587,616│ 3,590,064│ 3,601,361│ 3,616,080│ 3,622,128│
└────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
┌────┬────────────────────────────────┐
│ │岐阜南地区交通安全協会 │
│交付先 │※構成員は、入会を希望した市民である。 │
│ │※自治会連合会と類似の地域に応じて11の支部がある。 │
│ │※事務局は、岐阜南警察署にある。 │
├────┼────────────────────────────────┤
│対象事業│各支部への補助金の交付 │
├────┼────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和52年度 │
├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算│ 2,576,856│ 2,606,760│ 2,635,303│ 2,668,584│ 2,698,488│
│ ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算│ 2,576,856│ 2,606,760│ 2,635,303│ 2,668,584│ 2,698,488│
└────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
┌────┬────────────────────────────────┐
│ │岐阜北地区交通安全協会 │
│交付先 │※構成員は、入会を希望した市民である。 │
│ │※自治会連合会と類似の地域に応じて21の支部がある。 │
│ │※事務局は、岐阜北警察署にある。 │
├────┼────────────────────────────────┤
│対象事業│各支部への補助金の交付 │
├────┼────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和52年度 │
├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算│ 4,296,312│ 4,313,064│ 4,327,848│ 4,351,848│ 4,371,624│
│ ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算│ 4,296,312│ 4,313,064│ 4,327,848│ 4,351,848│ 4,371,624│
└────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
┌────┬────────────────────────────────┐
│ │岐阜羽島地区交通安全協会柳津町支部 │
│交付先 │※構成員は、入会を希望した市民である。 │
│ │※事務局は、岐阜羽島警察署にある。 │
├────┼────────────────────────────────┤
│対象事業│街頭指導等 │
├────┼────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和52年度 │
├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算│ 279,576│ 283,368│ 288,264│ 293,064│ 296,664│
│ ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算│ 279,576│ 283,368│ 288,264│ 293,064│ 296,664│
└────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
┌────┬────────────────────────────────┐
│ │岐阜市交通安全女性連絡協議会 │
│ │※構成員は、各自治会連合会が推薦し、市が委嘱した「交通安全女性」│
│交付先 │ である。 │
│ │※各自治会連合会と同じ50の地区に分かれている。 │
│ │※事務局は、防犯・交通安全課にある。 │
├────┼────────────────────────────────┤
│対象事業│街頭啓発、調査研修(東近江市社会福祉協議会、クレフィール湖東こど│
│ │も交通公園)等 │
├────┼────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和43年度 │
├────┼──┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度│平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算│ 706,900│ 706,900│ 700,300│ 707,200│ 707,200│
│ ├──┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算│ 701,800│ 700,300│ 699,100│ 697,600│ 697,600│
└────┴──┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助対象団体
【事実関係】
交付要綱において、交付目的を「交通安全の推進」とし、「交通安全意識の高揚及び
啓発を主たる目的とする団体の運営を助成する」のが本補助金であるとし、補助対象
団体として、岐阜中地区交通安全協会、岐阜南地区交通安全協会、岐阜北地区交通安全
協会、岐阜羽島地区交通安全協会柳津町支部、岐阜市交通安全女性連絡協議会の5団
体にあらかじめ限定している。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
【指摘 防犯・交通安全課】
交通安全意識の高揚及び啓発を主たる目的とする団体は、上記5団体に限られない。
あらかじめ限定した補助対象団体に補助金を交付することが説明可能な交付目的を交
付要綱に設定すべきである。
(2)補助対象事業及び補助対象経費
【事実関係】
市は、本補助金を団体事業補助金と位置付けているが、交付要綱には、補助対象事業
が定められていない。
補助対象経費も設定されておらず、補助金の額は、次のように定められている。
┌──────────────────┬──────────────────┐
│岐阜中地区交通安全協会、岐阜南地区交│[45,000円×支部数]+[48円×世帯数] │
│通安全協会、岐阜北地区交通安全協会 │ │
├──────────────────┼──────────────────┤
│岐阜羽島地区交通安全協会柳津町支部 │45,000円+[48円×世帯数] │
├──────────────────┼──────────────────┤
│岐阜市交通安全女性連絡協議会 │[7,000円×地区数]+[300円×交通安全 │
│ │女性の定数(岐阜市交通安全女性設置基│
│ │準第3条に規定)(但し、定数を満たさ│
│ │ない地区がある場合は1人の欠員につき│
│ │300円を減ずる)] │
└──────────────────┴──────────────────┘
交通安全協会に対する補助金は、以前は、各地区交通安全協会の各支部に対して、本
補助金を交付していたが、令和元年度から、各地区交通全協会に交付するようになり、
各地区交通安全協会は、各支部に対し、均等割額45,000円に世帯割額(48円×世帯
数)を交付している。形式的な補助対象事業は、各地区交通安全協会の各支部に対する
補助金の交付事業、実質的な補助対象事業は、各支部の事業である。
【指摘 防犯・交通安全課】
交通安全協会に対する補助金について、交付要綱において、各支部の行う事業の中
の具体的な補助対象事業及び各支部の支出する経費の中の具体的な補助対象経費を定
めるべきである。
【事実関係】
岐阜市交通安全女性連絡協議会の支出は次の内容である。
┌────────────┬────┬────┬─────────┐
│項目 │ 予算 │ 決算 │ 備考 │
├───┬────────┼────┼────┼─────────┤
│事務費│消耗品費 │ 65,000│ 48,384│啓発物品等 │
│ ├────────┼────┼────┼─────────┤
│ │印刷製本費 │ 10,000│ 0│ │
│ ├────────┼────┼────┼─────────┤
│ │通信運搬費 │ 40,000│ 29,822│切手代 │
│ ├────────┼────┼────┼─────────┤
│ │食糧費 │ 72,200│ 91,428│飲物代等 │
├───┼────────┼────┼────┼─────────┤
│事業費│講習会費 │ 5,000│ 0│ │
│ ├────────┼────┼────┼─────────┤
│ │使用料及び賃借料│ 180,000│ 102,863│調査研修バス代等 │
│ ├────────┼────┼────┼─────────┤
│ │地区活動費 │ 507,200│ 490,856│各地区活動費 │
│ ├────────┼────┼────┼─────────┤
│ │保険料 │ 21,200│ 100,000│傷害・賠償責任保険│
├───┼────────┼────┼────┼─────────┤
│合計 │ │ 900,600│ 863,353│ │
└───┴────────┴────┴────┴─────────┘
【指摘 防犯・交通安全課】
「食糧費91,428円(飲物代)」について、昼食に関しては本人から費用を徴収して
いるので補助金は使用されていないとのことであるが、補助対象経費が具体的に定め
られておらず、決算でも区別されていない以上、すべて補助対象経費になっていると
受け取られてしまう。
岐阜市交通安全女性連絡協議会に対する補助金について、交付要綱において、各地
区の行う事業も含め、具体的な補助対象事業及び補助対象経費を定めるべきである。
(2)実績報告
【事実関係】
交通安全協会に対する補助金については、令和元年度からは、各支部の事業内容及
び収支決算は、各地区交通安全協会が行うのみで、市は行っていない。
【指摘 防犯・交通安全課】
交通安全協会に対する補助金について、実質的には市が補助金の審査をしていない
といわざるを得ない。各支部の実績報告書(事業報告書及び収支決算書)を提出させ
て、確認すべきである。
【事実関係】
岐阜市交通安全女性連絡協議会に対する補助金については、市が事務局をしている
ことから、個別の支出の内容や、各地区の行う事業内容及び収支決算の把握はしてい
るようだが、実績報告書上は、それが明らかにされていない。
【指摘 防犯・交通安全課】
岐阜市交通安全女性連絡協議会に対する補助金について、個別の支出の内訳、各地
区の行う事業内容及び収支決算の分かる資料を実績報告書に添付させるべきである。
(3)補助の見直し(交通安全協会に対する補助金)
【事実関係】
交通安全協会に対する補助金は、昭和52年度から開始しており、長期にわたってい
る。
市は、交通安全協会に対する補助金を団体事業補助金と位置付けているにもかかわ
らず、補助対象事業も定めず、実質的な補助金交付先である各支部の事業報告書の確
認もしていない。
補助金の額も、補助対象事業に要する経費に基づくのではなく、固定額と世帯数に
応じた額で一定の金額を機械的に交付している。固定額や世帯数に乗じる額を変更し
たことはあるようであるが、少なくとも直近5年間は変動がない。
【指摘 防犯・交通安全課】
上記のとおり、具体的な補助対象事業及び補助対象経費を設定し、補助率、補助金の
上限も設けた上で、固定額や世帯数によるのではなく、各支部からの予算書及び事業
計画書に基づき、交通安全協会としての活動及び各支部としての活動が要する経費を
把握し、その経費毎に必要性と効果が認められる額を積算して算定すべきである。
市によれば、交通安全協会による交通安全推進活動は、その規模、回数、人員が、当
該地区の人口の多寡により変動するため、世帯数により算定するのが妥当であるとの
ことであるが、世帯数により活動の内容(労力)が変わることはあり得るとしても、活
動に要する経費が当然に変わるわけではない。活動する人に対する報償金ではなく、
団体に対する補助金等の制度としては、固定額や人数によることが適切とはいい難い。
このことは、第6の地域関係における他の補助金等と共通するところである。
(4)補助の見直し(岐阜市交通安全女性連絡協議会に対する補助金)
【事実関係】
岐阜市交通安全女性連絡協議会に対する補助金は、昭和43年度から開始しており、
長期にわたっている。
市は、岐阜市交通安全女性連絡協議会に対する補助金を団体事業補助金と位置付け
ているにもかかわらず、補助対象事業も定めず、補助金の額も、補助対象事業に要する
経費に基づくのではなく、固定額と人数に応じた額で一定の金額を機械的に交付して
いる。固定額や人数に乗じる額を変更したことはあるようであるが、少なくとも直近
5年間は変動がない。
【指摘 防犯・交通安全課】
上記のとおり、具体的な補助対象事業及び補助対象経費を設定し、補助率、補助金の
上限も設けた上で、固定額や人数によるのではなく、予算書及び事業計画書に基づき、
岐阜市交通安全女性連絡協議会としての活動及び各地区としての活動が要する経費を
把握し、その経費毎に必要性と効果が認められる額を積算して算定すべきである。
市によれば、岐阜市交通安全女性連絡協議会による交通安全推進活動は、その規模、
回数、人員が、当該地区の人口の多寡により変動するため、世帯数により算定するのが
妥当であるとのことであるが、世帯数により活動の内容(労力)が変わることはあり得
るとしても、活動に要する経費が当然に変わるわけではない。活動する人に対する報
償金ではなく、団体に対する補助金等の制度としては、固定額や人数によることが適
切とはいい難い。このことは、第6の地域関係における他の補助金等と共通するとこ
ろである。
48.消防関係補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │消防本部 予防課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市消防関係補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│消防体制の確立及びその強化(要綱の文言) │
└────┴─────────────────────────────────┘
┌────┬─────────────────────────────────┐
│交付先 │各女性防火クラブ(50地区) │
│ │※構成員は、入会を希望した女性である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│「女性防火だより」の配布、防災訓練の参加、出初式の参加等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和53年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 1,650,000│ 1,650,000│ 1,650,000│ 1,650,000│ 1,650,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 1,650,000│ 1,650,000│ 1,650,000│ 1,650,000│ 1,650,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
┌────┬─────────────────────────────────┐
│交付先 │各少年消防クラブ(49地区) │
│ │※構成員は、入会を希望した児童である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│防火パレードの参加、出初式の参加等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和53年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 576,000│ 588,000│ 588,000│ 588,000│ 588,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 576,000│ 588,000│ 588,000│ 588,000│ 588,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
┌────┬─────────────────────────────────┐
│交付先 │岐阜市女性防火クラブ運営協議会 │
│ │※構成員は、各女性防火クラブである。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│各クラブの指導員に対する講習会の開催、「女性防火だより」の発行等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和51年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 376,000│ 376,000│ 376,000│ 376,000│ 376,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 376,000│ 376,000│ 376,000│ 376,000│ 376,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
┌────┬─────────────────────────────────┐
│交付先 │岐阜市少年消防クラブ運営協議会 │
│ │※構成員は、各少年消防クラブである。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│各クラブ員用クリアファイルの配布、火災予防に関するポスターの募集・│
│ │表彰等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和56年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 177,000│ 177,000│ 177,000│ 177,000│ 177,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 177,000│ 177,000│ 177,000│ 177,000│ 177,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助対象団体
【事実関係】
交付要綱において、交付目的を「消防体制の確立及びその強化」とし、補助対象団体
として、各自治会連合会50地区に設置されている女性防火クラブと少年防火クラブ、
各女性防火クラブにより構成される岐阜市女性防火クラブ運営協議会、各少年防火ク
ラブにより構成される岐阜市少年防火クラブ運営協議会の4団体にあらかじめ限定し
ている。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
【指摘 予防課】
交付目的と補助対象団体を限定することのつながりが不明確である。
あらかじめ限定した補助対象団体に補助金を交付することが説明可能な交付目的を
交付要綱に設定すべきである。
(2)補助対象事業
【事実関係】
交付要綱では、「補助の対象となる事業は、前項各号に掲げる団体が、年間を通して
行う事業全般」としかされておらず、具体的な補助対象事業は設定されていない。
各団体の事業内容からみても、「消防体制の確立及びその強化」という交付目的達成
のために、具体的にどのような事業を補助しようとしているのかが不明確である。
【指摘 予防課】
交付要綱で具体的な補助対象事業を設定すべきである。
(3)補助対象経費及び補助金の額
【事実関係】
交付要綱では、補助金の交付限度額を次のように定めているだけで、具体的な補助
対象経費は設定されていない。
┌───────────────┬────────────────────┐
│各女性防火クラブ │33,000円 │
├───────────────┼────────────────────┤
│各少年防火クラブ │12,000円 │
├───────────────┼────────────────────┤
│岐阜市女性防火クラブ運営協議会│226,000 円に1クラブにつき3,000 円を加算│
│ │した額 │
├───────────────┼────────────────────┤
│岐阜市少年防火クラブ運営協議会│103,500 円に1クラブにつき1,500 円を加算│
│ │した額 │
└───────────────┴────────────────────┘
【指摘 予防課】
交付要綱で具体的な補助対象経費を設定すべきである。
(4)実績報告
【事実関係】
各女性防火クラブ及び各少年防火クラブから提出されている実績報告書(決算書)
では、各費目における支出の内訳(何に使ったのか)は不明である。例えば、岩野田女
性防火クラブ、徹明少年防火クラブの決算書は、次のようになっていた。
(岩野田女性防火クラブ)
┌───┬───┬───┬────┬──────────────┐
│ 項 │ 目 │予算額│歳出済額│ 備考 │
├───┼───┼───┼────┼──────────────┤
│事業費│事業費│23,000│ 23,000│指導員講習会、出初式 │
│ ├───┼───┼────┼──────────────┤
│ │会議費│ 5,000│ 3,930│会議費 │
├───┼───┼───┼────┼──────────────┤
│事務費│事務費│ 5,000│ 6,070│郵送代、コピー代 │
├───┼───┼───┼────┼──────────────┤
│合計 │ │33,000│ 33,000│ │
└───┴───┴───┴────┴──────────────┘
(徹明少年防火クラブ)
┌───┬───┬───┬────┬──────────────┐
│ 項 │ 目 │予算額│歳出済額│ 備考 │
├───┼───┼───┼────┼──────────────┤
│事業費│事業費│24,991│ 28,092│消防団活動協力費、出初式、火│
│ │ │ │ │災予防啓発活動費 │
│ ├───┼───┼────┼──────────────┤
│ │会議費│10,000│ 0│ │
├───┼───┼───┼────┼──────────────┤
│事務費│事務費│ 1,000│ 1,241│事務用品購入費 │
├───┼───┼───┼────┼──────────────┤
│合計 │ │35,991│ 29,333│※ │
└───┴───┴───┴────┴──────────────┘
※補助金12,000円で不足する分は、徹明自治会連合会からの負担金20,000円と前年
度繰越金3,991円で補填する予算であり、決算後の余剰金6,658円は次年度繰越金と
されている。
なお、平成23年度包括外部監査の指摘意見を受け、領収書等の証憑により支出の事
実の確認はしているとのことであった。
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具
体的な費用の配分は、重要な審査項目であり、十分な精査が必要であるとされている。
【指摘 予防課】
具体的な補助対象事業及び補助対象経費を設定した上で、実績報告において、個別
の支出の内訳を決算書に記載ないし添付させ、補助対象事業及び補助対象経費の該当
性及びその適否の判断をすべきである。
(5)余剰金の返還
【事実関係】
岐阜市女性防火クラブ運営協議会の支出は次のとおりである。
┌───┬─────┬─────┬──────┬───────────┐
│ 項 │ 目 │ 予算額 │ 支出済額 │ 備考 │
├───┼─────┼─────┼──────┼───────────┤
│事業費│ 表彰費 │ 5,000│ 7,700│運営協議会表彰 │
│ ├─────┼─────┼──────┼───────────┤
│ │啓発宣伝費│ 78,000│ 98,495│防火・住警器啓発用品 │
│ ├─────┼─────┼──────┼───────────┤
│ │育成指導費│ 155,000│ 177,470│指導員講習会、女性防火│
│ │ │ │ │だより │
│ ├─────┼─────┼──────┼───────────┤
│ │ 研修費 │ 200,000│ 73,185│県女性防火クラブ指導者│
│ │ │ │ │研修会 │
├───┼─────┼─────┼──────┼───────────┤
│会議費│ 会議費 │ 25,000│ 22,560│役員会・評議員会・支部│
│ │ │ │ │会議 │
├───┼─────┼─────┼──────┼───────────┤
│負担金│ 負担金 │ 5,000│ 4,120│県女性防火クラブ運営協│
│ │ │ │ │議会費 │
├───┼─────┼─────┼──────┼───────────┤
│事務費│消耗品費 │ 5,000│ 10,507│事務用品等 │
│ ├─────┼─────┼──────┼───────────┤
│ │通信運搬費│ 30,000│ 26,430│会議開催通知郵送代 │
│ ├─────┼─────┼──────┼───────────┤
│ │印刷製本費│ 5,000│ 28,292│封筒代 │
├───┼─────┼─────┼──────┼───────────┤
│予備費│ 予備費 │ 1,328│ 0│ │
├───┼─────┼─────┼──────┼───────────┤
│合計 │ │ 509,328│ 448,759│ │
└───┴─────┴─────┴──────┴───────────┘
収入は、予算額509,328円、決算額448,759円であり、余剰金60,570円が発生した
が、繰越金としている。研修費が予算よりも大幅に少なくなったが、印刷製本費が予算
の5倍以上になる等、費目間流用により、上記の支出額となっている。
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、前金払をしたものでも、実績報告を受けた結果、補助
金等に余剰が生じた場合は、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。
【指摘 予防課】
余剰金は返還させるべきである。
(6)補助の見直し
【事実関係】
市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、昭和51年度、53年度、56年
度の開始と、いずれも長期にわたっている。
市は、交付要綱の交付限度額をそのまま補助金の額として交付しており、少なくと
も直近5年間は同一の金額である。交付限度額に算定根拠はなく、前年踏襲である。
いずれの団体も、構成員から会費を徴収していない。
各女性防火クラブや各少年防火クラブは、ほとんど市からの補助金収入のみで経費
を賄っている(自治会連合会からの負担金で補填をしているが、自治会連合会にも市
からの補助金が出ている。)。
【規範】
補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助
金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運
営に向けた見直しが必要であり、育成補助としての終期は到来しているものとして判
断できると示されている。
【指摘 予防課】
各女性防火クラブ及び各少年防火クラブは、そもそも自主運営することのない団体
であり、市の支出は、補助金という性質に合致していない。
運営費は会費で賄い、事業費を補助する事業補助に切り替えるか、自治会連合会と
統合して一部門とするか、負担金とするか、見直すべきである。
【指摘 予防課】
岐阜市女性防火クラブ運営協議会及び岐阜市少年防火クラブ運営協議会は、岐阜市
防火協会からの助成金等助成金収入があるものの、構成員である各女性防火クラブ及
び各少年防火クラブが上記のような状態であるので、助成金以外に自己財源を得る見
込みはない。
事業補助に切り替えるべきである。そして、補助金の額をクラブ数によって機械的
に算定するのではなく、交付目的と補助の必要性を吟味し、それを踏まえた補助対象
事業、補助対象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定した上で、各々の収支
や財産状況に照らして補助の必要のある額を交付するようにすべきである。
49.消防団維持運営費負担金
<概要>
┌────┬──────────────────────────────────┐
│所管 │消防本部 消防総務課 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│説明区分│諸負担金 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │岐阜市中消防団、岐阜市南消防団、岐阜市北消防団 │
│ │※市町村は、その消防事務を処理するため、消防団を設けなければなら │
│ │ ず(消防組織法第9条第3号)、その設置、名称及び区域は条例で定め │
│交付先 │ ることとされている(同法第18条第1項)。市は、「岐阜市消防団の設 │
│ │ 置等に関する条例」により、上記の消防団の設置をしている。 │
│ │※消防団の組織は、市町村の規則で定めるとされており(同法第18条第 │
│ │ 2項)、市は、「岐阜市消防団の組織等に関する規則」により、各消防団│
│ │ に本部及び分団を設置している。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│対象事業│消防団の活動 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │なし │
│根拠規定│※消防組織法第8条は、市町村の消防に要する費用は当該市町村がこれ │
│ │ を負担しなければならないとしているが、これは、市町村消防の原則 │
│ │ を経費負担の面から規定したものである。 │
├────┼──────────────────────────────────┤
│ │国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地 │
│交付目的│震等の災害を防除し、及びこれらの災害に因る被害を軽減する(消防組 │
│ │織法第1条) │
├────┼──────────────────────────────────┤
│開始年度│平成6年度 │
├────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │ 年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │ 予算 │ 6,990,600│ 6,990,600│ 6,990,600│ 6,990,600│ 6,990,600│
│ ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ 決算 │ 6,914,100│ 6,894,600│ 6,903,600│ 6,878,100│ 6,866,100│
└────┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)負担金の算定
【事実関係】
市が消防団に負担金を支出することを定めた根拠規定はない。市は、「団維持運営費
算定基準」という資料に負担金の額の算定方法を記している。その内容は次のとおり
である。
┌─────────┬────────────────────────────┐
│費目 │1団当たりの金額の算定方法 │
├───┬─────┼────────────────────────────┤
│事業費│研修費 │250円×実団員数×1回 │
├───┼─────┼────────────────────────────┤
│ │事務費 │125,000円 │
├───┼─────┼────────────────────────────┤
│ │訓練費 │125,000円+(250円×実団員数×1回) │
├───┼─────┼────────────────────────────┤
│ │啓発宣伝費│250円×実団員数×4回 │
├───┼─────┼────────────────────────────┤
│ │会議費 │250円×実団員数×12回 │
├───┼─────┼────────────────────────────┤
│ │消防協会費│各団の岐阜市消防協会費 │
├───┼─────┼────────────────────────────┤
│事務費│印刷製本費│2,500円×団本部と分団の数の合計 │
├───┼─────┼────────────────────────────┤
│ │消耗品費 │25,000円 │
└───┴─────┴────────────────────────────┘
この算定方法は、他の負担金のように、支出先の予算書に基づいて、要する経費を積
算したものではなく、固定した金額あるいは固定した額に実団員数を乗じた額による
ものである。
啓発宣伝費も含め、実団員一人当たり250円として算定している根拠はない。ヒア
リングによれば、お茶代も含んでいるとのことである。
平成23年度の包括外部監査においても、人員数に応じて発生するような費用項目で
ないのであれば、現在の算定根拠に代わり、より適切な算定根拠を導入するよう検討
することが望まれるとの意見がなされていた。しかし、結局、啓発宣伝費のように人員
数に応じて発生するような費用項目でないものについて、人員数で算定しており、措
置済みとはいえない。
各団の決算書は、その内訳はほぼ書かれていなかったが、実際に支出した経費が計
上されている。例えば、中消防団の決算書の内容は次のとおりである。啓発宣伝費が0
円である等算定額よりも低い支出である費目が複数あるが、その分、事務費が算定額
の3倍以上の支出である等、費目間流用により、算定額と決算額が一致する結果とな
っていた。
┌─────────┬─────┬─────┬────────────────┐
│ 費目 │ 算定額 │ 決算額 │ 備考 │
├───┬─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│事業費│ 研修費 │ 78,750│ 40,590│団長研修費 │
│ │ │ │ │消防学校入校費 │
├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│ │ 事務費 │ 125,000│ 381,937│事務用品費等 │
├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│ │ 訓練費 │ 203,750│ 365,118│特別点検等 │
├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│ │啓発宣伝費│ 315,000│ 0│火災予防広報活動費 │
├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│ │ 会議費 │ 78,000│ 34,584│お茶代等 │
├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│ │消防協会費│ 1,207,100│ 1,207,100│岐阜市消防協会費 │
├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│事務費│印刷製本費│ 40,000│ 18,700│ │
├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│ │消耗品費 │ 25,000│ 24,574│ │
├───┴─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│合計 │ 2,072,600│ 2,072,603│ │
└─────────┴─────┴─────┴────────────────┘
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、個々事業毎に判断されるべき「必要性」や「効果(受
益)」の適否の判断がないがしろにならないよう、予算編成の際等に十分に検討を加え
て、常に適切な見直しを図っていくべきであり、漠然と一定の負担金を義務的経費の
ごとく支出し続けることは適切な公金の支出とはいえないとされている。
【指摘 消防総務課】
啓発宣伝費を人員数で算定するのが適切ではない。お茶代だけでなく啓発チラシや
啓発粗品等の購入費も含まれるとのことであったが、上記のとおり、啓発宣伝費の支
出は0円である。また、「消防団」の団員というのは、「本部及び分団」の団員の合計で
あるから、「消防団」と「本部及び分団」の両方において人員数で算定することは重複
ではないかとも思える。研修費、会議費、訓練費も、人員数で算定することが適切であ
るとは思えない。なお、消防団員には、岐阜市消防団員の定員、任免、給与、服務等に
関する条例等に従い、報酬又は費用弁償が支給される。
現状の算定方法では、まさに漠然と一定の額を支出し続け、それありきで各消防団
が経費を支出しており、しかも、費目間流用をすることにより、全体ですべてを使い切
るという実態となっている。
負担金の額は、各消防団から提出される予算書に基づいて、各「消防団」としての活
動が要する経費を把握し、その経費毎に必要性と効果が認められる額を積算して算定
すべきである。
【意見 消防総務課】
「消防団」に負担金を支出する根拠となり、かつ、負担金を支出する費目や上限等を
定めた規定又は消防団との協約を定めることが望ましい。
【指摘 消防総務課】
適切な公金の支出といえるためには、原則として、費目間流用は認めるべきではな
い。上記の決算書を見る限り、余剰金を事務費等に支出して全てを使い切ろうとして
いると受け取らざるを得ない。
費目毎に支出の適否を判断し、余剰金があれば、費目間流用ではなく、返還させるべ
きである。
50.消防団分団維持運営費負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │消防本部 消防総務課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│諸負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │各消防団の本部及び分団 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│本部及び分団の活動 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │なし │
│ │※消防組織法第8条は、市町村の消防に要する費用は当該市町村がこれ │
│根拠規定│ を負担しなければならないとしているが、これは、市町村消防の原則 │
│ │ を経費負担の面から規定したものである。市が各消防団の本部及び分 │
│ │ 団に負担金を支出することを定めた根拠規定はない。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地 │
│交付目的│震等の災害を防除し、及びこれらの災害に因る被害を軽減する(消防組 │
│ │織法第1条) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成6年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │13,227,000│ 9,951,000│ 9,951,000│ 9,951,000│ 9,944,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │12,982,000│ 9,651,000│ 9,681,000│ 9,586,000│ 9,539,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)負担金の額
【事実関係】
市が本部及び分団に負担金を支出することを定めた根拠規定はなく、負担金の額を
算定する根拠となる規定もない。市は、「分団維持運営費算定基準」という資料を作成
しており、負担金の額の算定方法を記している。その内容は次のとおりである。
┌─────────┬────────────────────────────┐
│費目 │1分団当たりの金額の算定方法 │
├───┬─────┼────────────────────────────┤
│事業費│研修費 │250円×実団員数×6回 │
├───┼─────┼────────────────────────────┤
│ │事務費 │70,000円 │
├───┼─────┼────────────────────────────┤
│ │啓発宣伝費│火災予防運動 250円×実団員数×5回 │
│ │ │年末夜警 250円×実団員数×(6日+3回) │
├───┼─────┼────────────────────────────┤
│管理費│消耗品費 │21,000円+器具庫のある分団は7,000円×器具庫数 │
└───┴─────┴────────────────────────────┘
この算定方法は、他の負担金のように、支出先の予算書に基づいて、要する経費を積
算したものではなく、固定した金額あるいは固定した額に実団員数を乗じた額による
ものである。
啓発宣伝費も含め、実団員一人当たり250円として算定しているが、その実情は、
上記の「消防団」と同様である。
各団の決算書は、その内訳はほぼ書かれていなかったが、実際に支出した経費が計
上されている。例えば、中消防団金華分団の決算書の内容は次のとおりである。研修費
が0円、事務費が0円である等算定額よりも低い支出である費目が複数あるが、その
分、啓発宣伝費が算定額の2倍以上の支出である等、費目間流用により、算定額と決算
額が一致する結果となっていた。
┌─────────┬─────┬─────┬────────────────┐
│ 費目 │ 算定額 │ 決算額 │ 備考 │
├───┬─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│事業費│ 研修費 │ 30,000│ 0│各種研修会費用 │
├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│ │ 事務費 │ 70,000│ 0│事務用品購入費用 │
├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│ │啓発宣伝費│ 70,000│ 187,715│火災予防広報活動費 │
├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│管理費│消耗品費 │ 21,000│ 5,281│ │
├───┼─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│予備費│ 予備費 │ 1,000│ 0│ │
├───┴─────┼─────┼─────┼────────────────┤
│合計 │ 192,000│ 192,996│ │
└─────────┴─────┴─────┴────────────────┘
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、個々事業毎に判断されるべき「必要性」や「効果(受
益)」の適否の判断がないがしろにならないよう、予算編成の際等に十分に検討を加え
て、常に適切な見直しを図っていくべきであり、漠然と一定の負担金を義務的経費の
ごとく支出し続けることは適切な公金の支出とはいえないとされている。
【指摘 消防総務課】
上記の「消防団」と同様の状態である。
負担金の額は、各々の「本部及び分団」から提出される予算書に基づいて各「本部及
び分団」としての活動が要する経費を把握し、その経費毎に必要性と効果が認められ
る額を積算して算定すべきである。
【意見 消防総務課】
「本部及び分団」に負担金を支出する根拠となり、かつ、負担金を支出する費目や上
限等を定めた規定又は消防団との協約を定めることが望ましい。
【指摘 消防総務課】
上記の「消防団」と同様の状態である。
費目毎に支出の適否を判断し、余剰金があれば、費目間流用ではなく、返還させるべ
きである。
51.地域力創生事業補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │市民協働推進部 市民活動交流センター │
│ │※令和元年度は、市民参画部 市民活動交流センター │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │各まちづくり協議会(令和元年度は43地区) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│夏まつり等の各種イベントの開催、広報誌の発行等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市地域力創生事業実施要綱 │
│根拠規定│※岐阜市住民自治基本条例第7条第7項に規定される「まちづくり協議 │
│ │ 会」の認定と「まちづくり協議会」への支援(同条例第15条第3項) │
│ │ に関する要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │「まちづくり協議会」への支援(本補助金の交付)の目的は明確に定め │
│交付目的│られていないが、「まちづくり協議会」を設置する目的は、地域住民が主│
│ │体となり地域のまちづくりを展開することである(同条例第7条第7 │
│ │項)。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成20年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 8,543,000│10,343,000│11,840,000│12,740,000│13,040,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 8,460,322│ 9,800,000│10,722,706│11,341,000│12,415,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助対象経費
【事実関係】
実施要綱では、補助対象経費は、「総会等に要する経費」、「情報発信に要する経費」、
「協約によって定められた事業に要する経費」、「運営に要する経費で市長が必要と認
めたもの」とされているだけ(なお、単なる飲食を目的として経費は除外されている)
で、例えば、「図書購入費」「印刷代」「事務用消耗品」といった個別具体的な費用が設
定されていない。
また、実績報告書に添付されている決算書では、「事業費」とされているだけで、そ
の費用の内訳が明記されていないものがあった。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って「公正かつ効率的に」行わなければならないとされている(第3条)。
テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず
れもあらゆる補助事業等について、その適正な執行を確保するために必要不可欠なも
のであるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振
った具体的な『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要な審査項目である」とさ
れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし
て挙げられている交付要綱では、個別具体的な費用が補助対象経費として定められて
いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確
認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ
ている。
交付要綱(本補助金では実施要綱)は、上記の要請を達成するために重要な規範とな
るものである。交付要綱の記載が抽象的では、個々の職員の判断によることになり、手
続きの公正さが確保できない。
【指摘 市民活動交流センター】
実施要綱において、補助対象経費として、例えば、「図書購入費」「印刷代」「事務用
消耗品」といった個別具体的な費用を設定すべきである。
なお、単なる飲食費以外は使ってよいという定めは具体的な設定とはいえない。た
とえ、地域の特性を生かしたまちづくりを進めるために地域の状況に合わせて経費の
内容が異なるとしても、公金を支出する補助金の交付手続としては、補助対象経費を
個別具体的に定めるべきである。
【意見 市民活動交流センター】
「事業費」とあるだけでは何に使ったのかが全く分からない。職員が領収書等を見て
いるようであるが、実績報告書という極めて重要な書類において内訳が分からなけれ
ば、市が真に内訳を確認し審査したのかが分からない。
個別具体的な費用の内訳が分かる決算書を提出させるか、決算書に添付させること
が望ましい。
(2)補助金の額
【事実関係】
実施要綱では、補助対象経費の3分の2以内の額とし、まちづくり協議会を設立し
た年度は10万円、翌年度以降は30万円を上限とされている。なお、地域まちづくり
ビジョンを策定し、その内容を定めた協約を締結したまちづくり協議会は補助対象経
費の5分の4以内の額で、50万円を上限とされている。
市は、交付決定の際に、予算書から補助対象経費を取り上げ、その3分の2の額が
30万円を超えるということで、30万円を交付決定しているのがほとんどである。
まちづくり協議会には、本補助金の他、自治会連合会からの負担金、バザー売上、協
賛金等の収入、繰越金があるが、補助金の額の算定の際に、これらの収入や繰越金は考
慮されていない。例えば、岩まちづくり協議会の予算書では、本補助金300,000円以
外の収入として、自治会連合会負担金500,000円、雑収入3円があり、繰越金9,949円
があるところ、これを考慮することなく、支出合計809,952円のうち補助対象経費
800,000円の3分の2である533,333円が300,000円を超えるとして、補助金300,000
円の交付決定をしていた。実績報告後、決算書では、収入が繰越金9,949円、自治会
連合会負担金500,000円、雑収入2円、本補助金300,000円の合計809,951円、支出
が合計684,872円、余剰金が125,079円であったところ、支出合計684,872円の3分
の2である456,581円が300,000円を超えるとして、300,000円で確定していた。
【意見 市民活動交流センター】
補助対象団体が得ている収入や財産状況を考慮することなく補助金の額を定めるの
では、市から定額(補助対象経費の3分の2を上限額以上にすればそうなる)の金銭の
交付を受けられることを前提にして、それで不足する分を自己資金で補うという形に
なってしまい、自己資金では不足するので補助を受けるという補助金の本来の在り方
ではない。本補助金は、実態としても、そうなっている。
補助金として維持するのであれば、実施要綱において、補助金の額を、補助対象経費
から負担金、協賛金その他の収入を除いた額を基準にして算定する定めを設けること
が望ましい。それがどうしても無理だというのであれば、もはや補助金として維持す
ることはできないので、負担金又は交付金に変更することが望ましい。負担金又は交
付金に変更したとしても、公金の適切な支出となるような制度及び手続にし、審査し
なければならないことは言うまでもない。
(3)事業評価
【事実関係】
事業評価シートでは、アウトプット評価(資源投入により算出した活動)を「まちづ
くりのためのワークショップ実施数」を指標とし、アウトカム評価(アウトプットによ
りもたらされた成果)を「まちづくり協議会の数」を指標としている。
【意見 市民活動交流センター】
これはまちづくり協議会の設立支援の評価であり、本補助金の評価になっていない。
本補助金の交付目的と補助対象事業に即して適切に評価することが望ましい。
52.岐阜市青少年育成市民会議運営費補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │教育委員会 社会・青少年教育課 │
│ │※令和元年度は、教育委員会 青少年教育課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市青少年育成市民会議 │
│ │※各自治会連合会区域に各青少年育成市民会議があり、各ブロックに各 │
│ │ ブロック青少年育成市民会議がある。 │
│ │※岐阜市青少年育成市民会議は、会長会、専門部会、推進員会、運営委 │
│交付先 │ 員会、総会からなる。会長会は、各青少年育成市民会議の会長からな │
│ │ る。専門部会は、各青少年育成市民会議の専門部会長からなる。推進 │
│ │ 員会は、青少年推進員からなる。運営委員会は、各会の代表、青少年 │
│ │ 育成推進指導員、自治会、PTAの代表等からなる。 │
│ │※事務局は、社会・青少年教育課にある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市青少年育成市民会議の事業としては、少年の主張大会、「青少年育│
│対象事業│成活動の手引き」作成、各青少年育成市民会議・各ブロック青少年育成 │
│ │市民会議への再委託等である。 │
│ │各青少年育成市民会議は、街頭啓発等の事業を行っている。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市青少年育成市民会議運営費補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│青少年の健全育成及び非行防止(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成11年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 300,000│ 300,000│ 300,000│ 300,000│ 300,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 300,000│ 300,000│ 300,000│ 300,000│ 300,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助の見直し
【事実関係】
市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、平成11年度の開始から、長
期間経過している。
交付要綱では、補助金の額は、予算の範囲内とあるのみである。少なくとも直近5年
間は金額が変動しておらず、金額の算定根拠は明らかでない。
本団体は、各青少年育成市民会議から会費1,250,000円(25,000円×50地域)、各
ブロック青少年育成市民会議から街頭啓発物品費100,000円(20,000円×5ブロック)
の収入がある。
本団体は、令和元年度、市から、1)各青少年育成事業、2)ブロック活動事業、3)学校
と地域の夢づくり・ふれあい事業、4)50周年記念事業、5)岐阜市青年の主張大会の委
託を受け(委託料合計17,224,000円)、1)~4)については、再委託をして、1)各青少年
育成事業9,750,000円、2)ブロック活動事業2,230,000円、3)学校と地域の夢づくり・
ふれあい事業4,000,000円、4)50周年記念事業1,500,000円の合計17,480,000円を
支出している。
「岐阜市青少年育成市民会議の運営に要する経費」(報償費、需用費、役務費、負担
金、使用料及び賃借料、市長が必要と認める経費)が補助対象経費とされているとこ
ろ、市は、運営費の200,000円だけでなく、事業費のうち、少年の主張大会等にかかる
需用費903,000円、賃借料49,000円を補助対象経費としている。
運営費のうち180,000円は県民会議の会費であり、残りは、需用費10,000円(門札
代等)、役務費10,000円(振込手数料等)となっている。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず
れもあらゆる補助事業等について、その適正な執行を確保するために必要不可欠なも
のであるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振
った具体的な『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要な審査項目であるとさ
れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし
て挙げられている交付要綱では、個別具体的な費用が補助対象経費として定められて
いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確
認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ
ている。
交付要綱は、上記の要請を達成するために重要な規範となるものである。交付要綱
の記載が抽象的では、個々の職員の判断によることになり、手続きの公正さが確保で
きない。
補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助
金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運
営に向けた見直しが必要であり、育成補助としての終期は到来しているものとして判
断できると示されている。また、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助
目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効
果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、
交付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超
えている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、
習慣的)と示されている。
【指摘 社会・青少年教育課】
事業補助に切り替えるべきである。そして、交付要綱において、交付目的と補助の必
要性に即した補助対象事業と補助対象経費を具体的に定め、一定の補助率と補助上限
額を具体的に設定すべきである。
市から、「交付規則には、具体的な補助事業を定めなければならないとは記述してい
ないため、【指摘】となる重大な誤りではない。」との意見があったが、ここで述べてい
ることは、地方自治法第232条の2の定める「公益上の必要性」の問題であり、公益
上の必要性というのが単なる必要性や重要性だけではないことは、第1部の9で述べ
たとおりである。また、岐阜市補助金等交付規則第3条の定める「公正かつ効率的」を
担保する必要もある。交付要綱において、補助対象事業が抽象的では、補助対象経費も
抽象的に把握されるし、当該経費の必要性の判断も職員の判断にゆだねられることに
なってしまい、「公益上の必要性」や「公正かつ効率的」を担保することができない。
これらを【規範】として、第1部で述べたとおり、合規性、公平性、公益性、必要性、
有効性、効率性の観点から、適法性又は妥当性に問題があり、是正措置が必要であると
考えるものを【指摘】としている。規則に書いてないからということで単純に判断する
ものではない。
53.民生委員候補者推薦準備会補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │福祉部 福祉政策課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│諸補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │各民生委員候補者推薦準備会(50地区) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│各自治会連合会における民生委員・児童委員の適格者を岐阜市民生委員 │
│ │推薦会に上申する │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市民生委員候補者推薦準備会要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│推薦会が候補者の推薦を円滑に行うとともに、地域の実情に即した適格 │
│ │者を得る(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和55年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 150,000│ 900,000│ 150,000│ 150,000│ 900,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 42,000│ 720,000│ 135,000│ 15,000│ 719,536│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助対象経費
【事実関係】
要綱では、推薦準備会に対し、「その活動に要する費用を15,000円の範囲で助成す
る」としか定められておらず、補助対象経費は定められていない。
各推薦準備会の実績報告書をみても、会議費、報償費、事務通信費等様々な費目化計
上されているが、その内容は明らかでない。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
【指摘 福祉政策課】
要綱において、補助対象経費を具体的に定めるべきである。
54.岐阜市民生委員・児童委員協議会運営費補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │福祉部 福祉政策課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市民生委員・児童委員協議会 │
│ │※各自治会連合会区域に各地区民生委員・児童委員協議会があり、各地 │
│交付先 │ 区民生委員・児童委員協議会は5ブロックに分けられている。 │
│ │※岐阜市民生委員・児童委員協議会は、規約がなく、はっきりしないが │
│ │ 民生委員・児童委員か、各地区民生委員・児童委員協議会のいずれか │
│ │ である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│各地区民生委員・児童委員協議会及び各ブロックへ補助金の交付、岐阜 │
│ │県の大会の参加、市の大会の開催、研修会への参加等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市民生委員・児童委員協議会運営費補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│各地区民生委員・児童委員協議会の連携並びに民生委員・児童委員の活 │
│ │動の充実及び連携に関する事業を支援する(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成4年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │21,295,000│21,295,000│21,585,000│21,585,000│21,585,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │21,295,000│21,295,000│21,585,000│21,585,000│21,585,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助対象経費
【事実関係】
令和元年度の岐阜市民生委員・児童委員協議会の予算・決算は次のとおりである。
(収入の部) (単位:円)
┌───────┬──────┬──────┬────────────────┐
│ 科目 │ 予算現額 │ 決算額 │ 備考 │
├───────┼──────┼──────┼────────────────┤
│会費 │ 1,788,000│ 1,788,000│2,000円×894人 │
├───────┼──────┼──────┼────────────────┤
│本補助金 │ 21,585,000│ 21,585,000│ │
├───────┼──────┼──────┼────────────────┤
│市社協補助金 │ 95,000│ 85,000│岐阜市社会福祉協議会 │
├───────┼──────┼──────┼────────────────┤
│県民児協補助金│ 150,000│ 150,000│3,000円×50地区 │
├───────┼──────┼──────┼────────────────┤
│繰越金 │ 1,455,044│ 1,455,044│ │
├───────┼──────┼──────┼────────────────┤
│雑収入 │ 956│ 39│ │
├───────┼──────┼──────┼────────────────┤
│合計 │ 25,074,000│ 25,063,083│ │
└───────┴──────┴──────┴────────────────┘
(支出の部) (単位:円)
┌────┬──────┬──────┬─────┬────────────────┐
│ 科目 │ 予算現額 │ 決算額 │ 差引額 │ 備考 │
├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤
│会議費 │ 309,000│ 217,686│ ‐91,314│ │
├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤
│研修活動│ 9,034,000│ 8,694,430│ -384,570│全民児連及び県民児協会費等 │
│費 │  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄│  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄│  ̄ ̄ ̄ ̄│ 6,348,000円 │
│ │ │ │ │市の民生委員・児童委員大会 │
│ │ │ │ │ 854,000円 │
│ │ │ │ │県の民生委員・児童委員大会 │
│ │ │ │ │ 835,000円 │
│ │ │ │ │研修委託費 658,000円 │
│ │ │ │ │主任児童委員活動費 186,000円 │
│ │ │ │ │PR活動等 153,000円 │
├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤
│調査研究│ 73,354│ 73,354│ 0│ │
│費 │ │ │ │ │
├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤
│旅費 │ 83,000│ 52,640│ -30,360│ │
├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤
│補助金 │ 13,010,000│ 12,972,000│ -38,000│地区民児協活動補助金10,401,000円│
│ │ │ │ │ブロック別活動補助金2,609,000円 │
├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤
│事務諸費│ 278,196│ 278,196│ 0│ │
├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤
│慶弔費 │ 200,000│ 159,944│ -40,056│ │
├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤
│負担金 │ 1,962,000│ 1,297,300│ -664,700│全国の民生委員・児童委員大会参加│
│ │ │ │ │負担金、県単位民児協会長研修会参│
│ │ │ │ │加負担金等 │
├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤
│手数料 │ 80,000│ 66,476│ -13,524│ │
├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤
│予備費 │ 44,450│ 0│ -44,450│ │
├────┼──────┼──────┼─────┼────────────────┤
│合計 │ 25,074,000│ 23,767,026│-1,306,974│ │
└────┴──────┴──────┴─────┴────────────────┘
※下線部分は、令和元年度の収支予算・決算書を転記したが、計算が誤っていた。
交付要綱で、補助対象経費は、次に掲げる経費に相当する額となっている(第3条)。
┌──────────────────────────────────────┐
│(1)地区民生委員・児童委員協議会(以下、「地区民児協」という。)を指導し、│
│ 及び地区民児協相互の連絡調整を図るために開催する会議等に関する経費 │
│(2)民生委員・児童委員の知識の向上のために開催する大会及び研修に関する経 │
│ 費 │
│(3)地区民児協における会議、研修その他の地域福祉活動に関する経費 │
│(4)民生委員・児童委員の活動の広報に関する経費 │
│(5)社会福祉を目的とする事業を経営する者又は社会福祉に関する活動を行う者 │
│ との連携並びに当該事業及び活動の支援に関する経費 │
│(6)前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める経費 │
└──────────────────────────────────────┘
市は、上記支出のうち下線部のものを補助対象経費としており、交付要綱の(1)~
(5)に対応すると思われる形で、「岐阜市民生委員・児童委員協議会運営費補助金内
訳」と題する資料を作成している。
以下の表にその内訳を示す。 (単位:円)
┌────────┬────────────────────┬────────┐
│ 区分 │ 内訳 │ 金額 │
├────────┴────────────────────┼────────┤
│(1)会議費・運営費 │ 3,104,000│
├────────┬────────────────────┼────────┤
│ │会議費 │ 309,000│
│ ├────────────────────┼────────┤
│ │ブロック別活動費 │ 2,609,000│
│ │ @200,000円×5ブロック=1,000,000円 │ │
│ │ @1,800円×894人=1,609,200円 │(千円未満切捨) │
│ ├────────────────────┼────────┤
│ │主任児童委員活動費 │ 186,000│
├────────┴────────────────────┼────────┤
│(2)民生委員大会・ 研修費 │ 3,364,000│
├────────┬────────────────────┼────────┤
│ │民生委員大会 │ 854,000│
│ ├────────────────────┼────────┤
│ │研修委託費 @736円×894人=657,894円 │ 658,000│
│ ├────────────────────┼────────┤
│ │研修負担金 │ 1,386,000│
│ │ @1,550円×894人=1,385,700円 │ │
│ ├────────────────────┼────────┤
│ │全国大会参加費 │ 420,000│
│ ├────────────────────┼────────┤
│ │主任児童委員研修費 │ 46,000│
├────────┴────────────────────┼────────┤
│(3)地区民生委員協議会活動推進費 │ 10,401,000│
├────────┬────────────────────┼────────┤
│ │@80,000円×50民児協=4,000,000円 │ │
├────────┼────────────────────┼────────┤
│ │@7,160円×894人=6,401,040円 │ │
├────────┴────────────────────┼────────┤
│(4)広報活動費 │ 153,000│
├─────────────────────────────┼────────┤
│(5)関係団体連携推進費 │ 4,563,000│
├────────┬────────────────────┼────────┤
│ │@5,104円×894人=4,562,976円 │ │
├────────┴────────────────────┼────────┤
│ 合計 │ 21,585,000│
└─────────────────────────────┴────────┘
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具
体的な費用の配分は、重要な審査項目であり、十分な精査が必要であるとされている。
【指摘 福祉政策課】
市は、研修負担金として、一人当たり1,550円で計算した額を基にした額、全国大
会参加費として420,000円、主任児童委員研修費として46,000円を補助対象経費とし
ているが、何の費用なのか明らかでないし、協議会の予算書には、そのような経費はな
い。協議会の予算書には、負担金として、複数の研修会や大会の参加負担金が計上され
ているが、何の費用なのか明らかでない。
市は、関係団体連携推進費として、一人当たり5,104円で計算した額を基にした額
(4,563,000円)を補助対象経費としているが、何の費用なのか明らかでないし、協議
会の予算書には、そのような経費はない。
市は、協議会の予算書の「ブロック別活動費補助金」を「会議費・運営費」として、
交付要綱の第3条(1)に該当すると扱っているようであるが、該当しないと思われ
る。
主任児童委員活動費、広報活動費も、何の費用なのか明らかでない。
協議会の予算書自体、何の費用なのか明らかでないし、市は、協議会の予算書とは離
れて補助対象経費を積算している点が見受けられる上、何の費用を積算しているのか、
その根拠は何なのか明らかでない。
協議会には、個別具体的な費用の内訳を明らかにした予算書を提出させるべきであ
る。その上で、その協議会の予算書に基づいて、補助対象経費を審査し、補助金の額を
算定した過程を記録に残すべきである。
(2)補助対象事業
【事実関係】
補助金の額の半分以上にあたるのが、協議会の予算書でいうところの、地区民児協
活動補助金10,401,000円とブロック別活動費補助金2,609,000円である。
ところが、事業計画書でも実績報告書でも、地区民児協の活動やブロック別の活動
の内容は、よく分からなかったし、補助金を何に使うのか(使ったのか)は分からなか
った。
【指摘 福祉政策課】
自ら事業を行わない協議会に補助金を交付するのは避けるべきであるし、いったん
協議会に交付するとしても、補助金を使用して事業を行う地区民児協やブロックの個
別の活動内容及び収支予算・決算の分かる書類を提出させるべきである。
(3)補助の見直し
【事実関係】
市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は平成4年度から
開始しており、長期にわたっている。
上記のように、補助金の額は、民生委員・児童委員の数に一定の単価を乗じた額で予
算額を積算しているものの、少なくとも直近5年間において、予算額にほとんど変動
がない。
民生委員・児童委員は、地域社会の福祉を増進するため、無報酬の公務員であり、要
援護者の相談対応、自立支援等を行うものである。地域毎に設置された協議会(50地
区)に参加している。令和元年度の市内の民生委員・児童委員は894人となっており、
市内を5ブロックに分け、ブロック毎でも地域福祉の問題分析や担当世帯への援助方
法検討、研修等を行っている。岐阜市民生委員・児童委員協議会は市内の協議会を総括
する組織として、毎月1回定例会長会を開催し、全国民生委員大会等に参加している。
本補助金は協議会のこれらの事業を支援するため交付されている。
【規範】
補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助
金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運
営に向けた見直しが必要であり、育成補助としての終期は到来しているものとして判
断できると示されている。
【指摘 福祉政策課】
各地区・各ブロック協議会の連携、民生委員・児童委員の活動の充実及び連携という
目的に照らし、岐阜市民生委員・児童委員協議会の行う事業に対する補助の必要性と
効果の検証は、個別具体的にしなければならない。目的達成のために必要かつ有効な
事業に補助金を交付するほうが、むしろその活動を的確に推進できると考える。
事業補助に切り替えるべきである。そして、交付要綱において、交付目的と補助の必
要性に即した補助対象事業と補助対象経費を具体的に定め、一定の補助率と補助上限
額を具体的に設定すべきである。
55.自治会連絡協議会運営補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │市民協働推進部 市民活動交流センター │
│ │※令和元年度は、市民参画部 市民活動交流センター │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市自治会連絡協議会 │
│交付先 │※構成員は、自治会連合会会長である。 │
│ │※事務局は、市民活動交流センターにある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│会議、住民自治推進大会の開催、岐阜市自治会百科事典・自治会加入促 │
│ │進チラシの作成、視察研修 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市自治会連絡協議会運営補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│住民自治組織及び市が連携し、市民との協働のまちづくりを推進する(要│
│ │綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成11年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 5,476,000│ 5,476,000│ 5,476,000│ 5,476,000│ 5,476,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 5,476,000│ 5,476,000│ 5,476,000│ 5,476,000│ 5,476,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助対象経費
【事実関係】
交付要綱では、補助対象経費は、「市との連携を図るために開催する会議等に関する
経費、住民自治推進のため開催する大会及び研修会に関する経費、住民自治推進のた
めの啓発事業等に関する経費、市長が必要と認める経費」とされているだけで、例え
ば、「図書購入費」「印刷代」「事務用消耗品」といった個別具体的な費用が設定されて
いない。
実績報告書に添付されている収支決算書では、「研修費」として1,136,356円、「自
治会長大会費」として967,475円が計上されているが、その内訳は明記されておらず、
ヒアリングによれば、「研修費」は視察の交通費等、「自治会長大会費」は表彰記念品費
等が含まれているとのことである。
また、実績報告書に添付されている収支決算書では、「会議費」として、「連絡協議会
費」826,100円、「理事会費」22,700円と計上されているが、その内訳は明記されてお
らず、ヒアリングによれば、この「会議費」には飲み物代や昼食代が含まれているとの
ことである。記録上は、それらも含め「会議費」すべてが補助対象経費とされていた。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って「公正かつ効率的に」行わなければならないとされている(第3条)。
テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず
れもあらゆる補助事業等について、その適正な執行を確保するために必要不可欠なも
のであるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振
った具体的な『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要な審査項目であるとさ
れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし
て挙げられている交付要綱では、個別具体的な費用が補助対象経費として定められて
いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確
認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ
ている。
交付要綱(本補助金では実施要綱)は、上記の要請を達成するために重要な規範とな
るものである。交付要綱の記載が抽象的では、個々の職員の判断によることになり、手
続きの公正さが確保できない。
【指摘 市民活動交流センター】
交付要綱において、補助対象経費として、例えば、「図書購入費」「印刷代」「事務用
消耗品」といった個別具体的な費用を設定すべきである。
【意見 市民活動交流センター】
個別具体的な費用の内訳が分かる決算書を提出させるか、決算書に添付させること
が望ましい。
【意見 市民活動交流センター】
昼食代を補助対象経費にしないことが望ましい。
市によれば、会議が昼をまたぐ際に昼食が提供されており、このことは問題ないと
考えているようであるが、昼食時間中は会議時間ではないし、昼食の提供は会議出席
者が受益者となるだけであるから、公益上の必要性は認められない。会費が充てられ
ていると考えているようであるが、記録上は、そうは読めなかった。
(2)補助の見直し
【事実関係】
市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は平成11年度から
開始しており、長期にわたっている。
交付要綱では、補助金の額は予算の範囲内としか定められていない。少なくとも直
近5年間は、変わることなく5,476,000円を交付しているが、その算定根拠はない。
事業評価シートでは、活動指標を「定例会・理事会の開催数」とし、「各部署から自
治会連合会への依頼事項が滞りなく実施されるために、また地域の課題や有益な情報
について共有化され、各連合会の一定の方向性を纏めていくために現状維持は必要。」
との総合評価がなされている。
【規範】
補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助
金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運
営に向けた見直しが必要であり、育成補助としての終期は到来しているものとして判
断できると示されている。
岐阜市における補助金のあり方について最終提言では、本補助金に対する意見とし
て、『協議会の支出経費の必要性及び削減可能性についての検討が必要である。また、
自治会関連の補助金を整理し直し、再構築する必要がある。』とされている。
【指摘 市民活動交流センター】
金額が変わっていないということは、事業内容もさほど変わっていないのではない
かと推察される。市は、本団体は永続的な活動をするものである、持続的に活動してい
くために補助するものであると考えているが、そのような活動に補助金を交付し続け
るのは、補助金の在り方として適切ではない。事業評価シートの記載からすると、市と
自治会連合会との間及び各自治会連合会の間の情報共有が主たる必要性のようである
が、そのために5,476,000円もの多額の補助金を交付することが必要であるとは容易
には受け入れ難い。
公金で補助金を交付する以上、自治会連合会会長が協議をすること、自治会連合会
会長が視察に行くこと、住民自治推進大会(表彰や講演会)を開催すること、自治会百
科事典を作成すること、各々の事業に対する補助の必要性と効果の検証を、個別具体
的にしなければ、公金の適切な支出であることの説明がつかないのではないだろうか。
団体の運営補助から事業補助に切り替えるべきである。交付要綱において、「住民自
治組織及び市が連携し、市民との協働のまちづくりを推進する」という交付目的を達
成するために必要かつ有効な補助対象事業を具体的に定め、補助対象事業毎に具体的
な補助対象経費を定め、一定の補助率と補助上限額を具体的に設定すべきである。
56.岐阜市公民館連絡協議会補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │市民協働推進部 市民活動交流センター │
│ │※令和元年度は、教育委員会 社会教育課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市公民館連絡協議会 │
│交付先 │※構成員は、公民館の館長及び主事である。 │
│ │※事務局は、市民活動交流センターにある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│岐阜市公民館研修大会の開催、ブロック研修会の開催、館長主事合同研 │
│ │修会の開催、大会等への派遣、公民館ぎふの発行 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠 │岐阜市公民館連絡協議会補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│公民館活動の振興及び公民館職員の資質の向上(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│不明 ※協議会の規約は昭和27年制定 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 1,167,000│ 1,167,000│ 1,167,000│ 1,167,000│ 1,167,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 1,167,000│ 1,167,000│ 1,167,000│ 1,167,000│ 1,167,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助対象経費
【事実関係】
交付要綱では、補助対象経費は、「公民館活動の振興を目的とする研修及び大会に要
する経費」、「公民館活動の振興を目的とする広報及び啓発に要する経費」、「公民館職
員の資質向上を目的とする会議及び研修に要する経費」とされているだけで、例えば、
「図書購入費」「印刷代」「事務用消耗品」といった個別具体的な費用が設定されていな
い。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って「公正かつ効率的に」行わなければならないとされている(第3条)。
テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず
れもあらゆる補助事業等について、その適正な執行を確保するために必要不可欠なも
のであるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振
った具体的な『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要な審査項目であるとさ
れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし
て挙げられている交付要綱では、個別具体的な費用が補助対象経費として定められて
いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確
認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ
ている。
交付要綱は、上記の要請を達成するために重要な規範となるものである。交付要綱
の記載が抽象的では、個々の職員の判断によることになり、手続きの公正さが確保で
きない。
また、実績報告書に添付されている収支決算書では、「研修費」として296,392円、
「研修大会費」として750,304円と計上されているが、その内訳は明記されていない。
【指摘 市民活動交流センター】
交付要綱において、補助対象経費として、例えば、「図書購入費」「印刷代」「事務用
消耗品」といった個別具体的な費用を設定すべきである。
【意見 市民活動交流センター】
「研修費」や「研修大会費」とあるだけでは、何に使ったのか全く分からない。職員
が内訳の分かる書類を見ているようであるが、書類監査ではそのような書類はなかっ
たし、収支決算書上では、内訳は分からない。
個別具体的な費用の内訳が分かる決算書を提出させるか、決算書に添付させること
が望ましい。
(2)補助の見直し
【事実関係】
市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は少なくとも10年
以上前から開始しており、長期にわたっている。
交付要綱では、補助金の額は予算の範囲内とあるのみである。少なくとも直近5年
間は金額が変動していない。金額の算定根拠は明らかでない。
交付目的は、公民館活動の振興と公民館職員の資質の向上という二つの目的がある。
ブロック研修会は、「研修」という名のとおり、公民館職員の資質の向上を目的とす
るものであるが、コンサートが行われているブロックがあった。研修大会費の約半分
は講演会の講師謝金であるところ、令和元年度は元NHKアナウンサーによる講演で
あった。
【規範】
補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助
金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運
営に向けた見直しが必要であり、育成補助としての終期は到来しているものとして判
断できると示されている。
【指摘 市民活動交流センター】
団体の運営補助から事業補助に切り替えるべきである。そして、交付要綱において、
公民館活動の振興という目的達成のために必要かつ有効な補助対象事業と、公民館職
員の資質の向上という目的達成のために必要かつ有効な補助対象事業を明確に区別し、
それぞれについて、具体的な事業を定め、補助対象事業毎に補助対象経費を具体的に
定め、一定の補助率と補助上限額を具体的に設定すべきである。
57.岐阜治水会負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │基盤整備部 広域事業推進課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│加入団体負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜治水会 │
│ │※構成員は、自治会連合会である。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│要望活動、協賛(手力の火祭・夏、川と海のクリーン大作戦)等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│地域住民と連携して治水事業を促進する(個別調査票) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成5年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 2,700,000│ 2,700,000│ 2,700,000│ 2,700,000│ 2,700,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 2,700,000│ 2,700,000│ 2,700,000│ 2,700,000│ 2,700,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)多額の繰越金
【事実関係】
市は、岐阜治水会の構成員として、平成5年から毎年270万円を支出している。
岐阜治水会の平成30年度の決算書は、次のとおりである。
┌──────────────────┬───────────────────┐
│収入 │支出 │
├─────────┬────────┼─────────┬─────────┤
│会費 │ 1,396,000円│会議費 │ 1,116,180円│
├─────────┼────────┼─────────┼─────────┤
│本負担金 │ 2,700,000円│事務所費 │ 515,106円│
├─────────┼────────┼─────────┼─────────┤
│雑収入 │ 29円│事業振興費 │ 1,549,812円│
├─────────┼────────┼─────────┼─────────┤
│繰越金※ │ 2,380,928円│記念事業積立金※ │ 500,000円│
├─────────┼────────┼─────────┼─────────┤
│ │ │負担金補助金交付金│ 20,000円│
├─────────┼────────┼─────────┼─────────┤
│合計 │ 6,476,957円│合計 │ 3,681,098円│
└─────────┴────────┴─────────┴─────────┘
※決算後の繰越金は2,795,859円となり、前年比で414,931円増加している。
※記念事業積立金の平成31年4月1日現在額は2,000,042円である。
上記のような決算内容であるにもかかわらず、市は、令和元年度も2,700,000円の
負担金を支出している。
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、個々事業毎に判断されるべき「必要性」や「効果(受
益)」の適否の判断がないがしろにならないよう、予算編成の際等に十分に検討を加え
て、常に適切な見直しを図っていくべきであり、漠然と一定の負担金を義務的経費の
ごとく支出し続けることは適切な公金の支出とはいえないとされている。
【指摘 広域事業推進課】
繰越金が年々増加しており、支出額の6割以上にも達している。市によれば、これで
も繰越金は多額とはいえないと考えているとのことであるが、一般的に受け入れ難い
考えである。また、市によれば、令和6年度の記念事業のために支出の増加が見込まれ
ることも理由としているとのことであるが、記念事業のためには積立金をしている。
270万円を支出する必要性・相当性がなされていないと言わざるを得ない。
団体の収支内容及び繰越金、積立金を考慮し、負担金額を見直すべきである。
58.岐阜市防犯協会運営補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │市民生活部 防犯・交通安全課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市防犯協会 │
│交付先 │※構成員は、岐阜中地区防犯協会連合会会長、岐阜南地区防犯協会連合 │
│ │ 会会長、岐阜北地区防犯協会連合会会長等各種団体の長である。 │
│ │※事務局は、岐阜中警察署にある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│「子ども110番の家」看板配布、新小学1年生に対する啓発文字入り鉛 │
│ │筆2本組配布、岐阜バス車内放送等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市防犯協会運営補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│市民の安全で平穏な生活を確保する(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成9年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 5,000,000│ 5,400,000│ 5,400,000│ 6,000,000│ 6,000,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 5,000,000│ 5,400,000│ 5,400,000│ 6,000,000│ 6,000,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助対象事業
【事実関係】
交付要綱は、運営補助金と称し、補助対象経費として、会議費、事務費、人件費を挙
げているが、事業費も補助対象経費に挙げており、市は、本補助金を団体事業補助金と
位置付けている。しかし、交付要綱に補助対象事業は定められていない。
岐阜市防犯協会の決算書の収支は次の内容である。
┌──────────┬────────────────────────────┐
│収入 │支出 │
├────┬─────┼───┬────────┬─────┬─────────┤
│補助金 │ 6,000,000│事業費│地域安全対策費 │ 845,660│ │
├────┼─────┤ ├────────┼─────┼─────────┤
│賛助団体│ 420,000│ │広報啓発費 │ 191,540│ │
├────┼─────┤ ├────────┼─────┼─────────┤
│雑収入 │ 15│ │中地区防 │ 181,000│岐阜中地区防犯連絡│
│ │ │ │ │ │協議会 │
├────┼─────┤ ├────────┼─────┼─────────┤
│繰越金 │ 294,067│ │南地区防 │ 91,000│岐阜南地区防犯連絡│
│ │ │ │ │ │協議会 │
├────┼─────┤ ├────────┼─────┼─────────┤
│ │ │ │北地区防 │ 199,000│岐阜北地区防犯連絡│
│ │ │ │ │ │協議会 │
├────┼─────┤ ├────────┼─────┼─────────┤
│ │ │ │駅防犯モデル地区│ 72,000│岐阜駅周辺防犯モデ│
│ │ │ │ │ │ル地区推進委員会 │
├────┼─────┤ ├────────┼─────┼─────────┤
│ │ │ │柳ケ瀬防犯モデル│ 180,000│柳ケ瀬防犯モデル地│
│ │ │ │地区 │ │区推進委員会 │
├────┼─────┤ ├────────┼─────┼─────────┤
│ │ │ │安全活動費 │ 450,000│岐阜中、南、北地区│
│ │ │ │ │ │防犯協会連合会 │
├────┼─────┤ ├────────┼─────┼─────────┤
│ │ │ │防犯カメラ設置費│ 400,000│ │
├────┼─────┼───┼────────┼─────┼─────────┤
│ │ │管理費│給与手当 │ 3,701,212│ │
├────┼─────┤ ├────────┼─────┼─────────┤
│ │ │ │雇用保険等 │ 97,661│ │
├────┼─────┼───┼────────┼─────┼─────────┤
│ │ │備品費│備品費 │ 0│ │
├────┼─────┼───┼────────┼─────┼─────────┤
│ │ │事務費│消耗品費 │ 7,030│ │
├────┼─────┤ ├────────┼─────┼─────────┤
│ │ │ │通信費 │ 2,720│ │
├────┼─────┼───┼────────┼─────┼─────────┤
│ │ │会議費│会議費 │ 907│ │
├────┼─────┼───┴────────┼─────┼─────────┤
│合計 │ 6,714,082│合計 │ 6,419,730│ │
└────┴─────┴────────────┴─────┴─────────┘
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
【指摘 防犯・交通安全課】
交付要綱において具体的な補助対象事業を定めるべきである。
(2)補助対象経費
【事実関係】
補助対象経費として「事業費」としか定められていない。
【指摘 防犯・交通安全課】
交付要綱において、事業費という漠然としたものではなく、個別具体的な補助対象
経費を定めるべきである。
(3)実績報告書及び補助金の確定
【事実関係】
決算書によれば、岐阜市防犯協会の自主事業にかかる経費は、「地域安全対策費」、
「広報啓発費」、「防犯カメラ設置費」である。事業報告において様々な活動が記載され
ているが、どれが自主事業なのか判別できないし、決算書では、個別の具体的な支出の
内訳が明らかでない。
残りの事業費(上記の網掛け部分)は、各団体への助成金である。市の職員が、各々
の団体の総会に出席し、事業内容や収支決算を確認しているとのことであるが、本補
助金の実績報告書からは、各団体へ交付した助成金が何に使われたのかが明らかでな
い。
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具
体的な費用の配分は、重要な審査項目であり、十分な精査が必要であるとされている。
【指摘 防犯・交通安全課】
実績報告書には、自主事業にかかる個別具体的な支出の内訳、各団体へ交付した助
成金による個別具体的な支出の内訳が明らかになるような資料を提出させるべきであ
る。
【事実関係】
自主事業にかかる経費のうち「防犯カメラ設置費」400,000円の内容は、電気代38,000
円及び保険料48,660円を除き、将来の防犯カメラの交換、修繕等のために必要な資金
を内部留保としているものである。
【指摘 防犯・交通安全課】
防犯カメラの交換時に必要な補助金を申請させ、交付するのが本来のあり方である。
将来の防犯カメラの交換、修繕等が必要であることと、そのための補助金を内部留保
してよいこととは別問題である。市によれば、決算書に「設置費」と記載されている
が、実質は「管理費」であり、将来の防犯カメラの交換、修繕等のための費用が含まれ
るとのことである。そうだとしても、それが必要な時に補助金申請するのが筋であり、
内部留保することは管理費とはいえない。
内部留保のための支出に対して補助金を交付すべきではない。
(4)平成23年度包括外部監査の措置状況
【事実関係】
平成23年度の包括外部監査において、次の指摘がなされ、市は、次の措置状況報告
をしている。
┌──────────────────┬───────────────────┐
│指摘 │措置状況報告 │
├──────────────────┼───────────────────┤
│ 交付要綱が定められておらず、補助対│ 毎年必要となる補助金額を算定できる │
│象経費や交付金額について明確な基準は│よう、補助金の算定根拠を作成し、補助 │
│存在しない。交付要綱に補助対象経費及│対象経費を明示した要綱を作成した。 │
│び補助金の算定根拠を明示し、毎年度必│ 啓発物品等を補助対象として算定した │
│要となる補助金額を算定すべきである。│事業補助を含む運営補助である。 │
│ また、協会の独自性を保つように、運│ │
│営費補助から補助対象事業を明示した事│ │
│業補助に切り替えていくべきである。 │ │
└──────────────────┴───────────────────┘
【指摘 防犯・交通安全課】
補助金の算定根拠を作成し、補助対象経費を明示した要綱を作成したとはいい難く、
毎年必要となる補助金額を算定できるようにはなっていない。措置状況報告は正確に
行うべきである。
(5)補助の見直し
【事実関係】
市は、事業補助を含む運営補助と捉えているようであるが、本補助金は、平成9年か
ら開始しており、長期にわたっている。
交付要綱では、上記のとおり、補助対象事業が定められず、補助対象経費も漠然とし
ている上、補助金の額は600万円を限度とすると定めている。そして、結局、この限
度額が補助金の額となっている。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助
金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運
営に向けた見直しが必要であり、育成補助としての終期は到来しているものとして判
断できると示されている。
【指摘 防犯・交通安全課】
長期にわたる運営補助は、事業補助のみに切り替えるべきである。啓発物品の作成
配布、防犯カメラの管理運営という自主事業に、上記のような人件費が必要なのかど
うかの検証もすべきであるし、会費収入や寄附金等の収入を得る努力も促すべきであ
る。
59.岐阜市まちづくりサポートセンター負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │市民協働推進部 市民活動交流センター │
│ │※令和元年度は、市民参画部 市民活動交流センター │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│諸負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市まちづくりサポートセンター │
│ │※構成員は、岐阜大学教授、特定非営利活動法人ぎふNPOセンター理 │
│ │ 事長、十六銀行法人営業部長、岐阜信用金庫業務推進部次長、公益社 │
│交付先 │ 団法人岐阜青年会議所副理事長、岐阜市市民参画部長、岐阜市信用保 │
│ │ 証協会専務理事、岐阜市市民参画部参与である。 │
│ │※事務局は、みんなの森ぎふメディアコスモス内にある。 │
│ │※事務局長と事務局員は、雇用している。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│まちづくり協議会カルテの制作、まちづくり協議会活動パネル展・まち │
│ │サポトークの開催等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │負担金の根拠規定がないので負担金を支出することの目的は明確ではな │
│ │いが、岐阜市まちづくりサポートセンターは、市民活動交流センターと │
│交付目的│連携を図り、まちづくり協議会等の設立支援、まちづくりに関する協議 │
│ │会等に対する情報の提供及び活動支援を行うとともに、地域コミュニテ │
│ │ィの活性化に寄与することを目的とする組織である(規約第3条)。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成28年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ - │ 4,000,000│ 4,000,000│ 4,000,000│ 3,900,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ - │ 3,000,000│ 3,500,000│ 4,000,000│ 3,800,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)効果の検証
【事実関係】
本団体の令和元年度の収支決算書によると、支出が、まちサポトーク講師等の報償
費599,860円、事務局長及び事務員の賃金2,045,060円等合計3,960,180円、収入が、
十六銀行、岐阜信用金庫、岐阜市信用保証協会からの協賛金合計500,000円、市の負
担金3,800,000円、繰越金939,990円の合計5,308,990円である。
まちづくり協議会カルテの制作、まちづくり協議会活動パネル展は、まちづくり協
議会に対する活動支援であるが、岐阜市住民自治基本条例では、市長等は、まちづくり
協議会に対し、支援を行うものとされている。本団体は、市と市民の間における中間支
援組織といえる。あえて中間支援組織を設置して事業を行うことの必要性、有効性、経
済性の判断が必要不可欠である。
しかし、本負担金について、事業評価シートが作成されていない。
【規範】
補助金等ガイドラインでは、見直し基準の考え方として、補助目的を踏まえた費用
対効果がおおむね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果が高いと判断
できるかどうか、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交付されている補助金の妥当
性を判断するという「効果・経済性」が挙げられている。
【指摘 市民活動交流センター】
事業評価シートを作成し、負担金の必要性、効果を検証すべきである。
60.単位老人クラブ運営補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────────┐
│所管 │福祉部 高齢福祉課 │
├────┼─────────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼─────────────────────────────────────┤
│ │岐阜市老人クラブ連合会 │
│ │※連合会は、補助金の交付を受けたときは、各単位老人クラブに対し、 │
│ │ それぞれ単位老人クラブ当たりの補助金の額を支給しなければならな │
│ │ いとされている(要綱第3条、第5条2項)。 │
│ │※単位老人クラブとは、市内の各地域において組織される老人クラブで │
│ │ あって、次の項目のいずれにも該当するものとされている(要綱第2 │
│ │ 条)。 │
│ │┌─┬───────────────────────────────┐ │
│交付先 ││ │老人クラブの会員に、60歳以上の者が30人以上(過去にこの要綱に基│ │
│ ││1)│づき交付された補助金の対象となった老人クラブにあっては、25人以│ │
│ ││ │上)あること。 │ │
│ │├─┼───────────────────────────────┤ │
│ ││2)│自治会の活動する区域その他老人クラブの活動を円滑に行うことがで│ │
│ ││ │きる程度の区域内に居住する会員で構成されていること。 │ │
│ │├─┼───────────────────────────────┤ │
│ ││3)│岐阜市老人クラブ連合会に加入していること。 │ │
│ │└─┴───────────────────────────────┘ │
│ │※令和元年6月20日現在のクラブ数は406クラブ、会員数は22,526人 │
│ │ となっている。 │
├────┼─────────────────────────────────────┤
│対象事業│健康体操、コーラス、清掃等 │
├────┼─────────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市単位老人クラブ運営費補助金交付要綱、老人福祉法第13条2項 │
├────┼─────────────────────────────────────┤
│ │単位老人クラブの活動を推進する(要綱の文言) │
│ │※国の在宅福祉事業の一環として、「地方公共団体は老人の福祉を増進 │
│交付目的│ することを目的とする事業の振興を図るとともに、老人クラブその他 │
│ │ 当該事業を行う者に対して、適当な援助をするように努めなければな │
│ │ らない」とされている(老人福祉法第13条2項)。 │
├────┼─────────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和38年度 │
├────┼──┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┤
│ │年度│平成27年度 │平成28年度 │平成29年度 │平成30年度 │令和元年度 │
│金額 ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤
│(円) │予算│ 26,698,000│ 26,827,000│ 25,718,000│ 25,445,000│ 24,322,000│
│ ├──┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤
│ │決算│ 25,185,600│ 24,922,800│ 24,408,000│ 23,284,800│ 22,075,200│
└────┴──┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘
※本補助金は国の在宅福祉事業補助金の対象とされており、市が行う助成事業費の1
/3を国が補助している。
<監査の結果>
(1)補助対象経費
【事実関係】
補助金の交付の対象となる経費は、以下のように定められている(要綱第4条)。
各単位老人クラブが実施する社会奉仕活動、教養講座開催事業、健康増進事業、友
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
愛・三世代交流事業等に係る経費のうち当該事業の円滑な運営のために必要な経費と
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
する。但し、交際費(慶弔費を含む。)、酒類等奢侈にわたる食糧費、単位老人クラブの
活動に要する経費として不適当と認められる経費を除く。
一方、連合会から提出された、406単位老人クラブの合算の収支決算書及び各地区の
内訳書に記載されている対象経費は、「会議費、活動費、事務諸費、地区老連負担金」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
となっている。
地区老連負担金が0円となっている単位老人クラブが複数存在したが、ヒアリング
によると、活動費等他の経費項目に計上されているとのことであった。
【規範】
国の「在宅福祉事業費補助金交付要綱」第4条の表によると、補助金の対象経費は
「老人クラブ事業の実施に必要な報償費、賃金、旅費、需用費、備品購入費、役務費、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
委託料、使用料及び賃借料」となっている。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【意見 高齢福祉課】
市によれば、会議費は需用費等、地区老連負担金は需用費、備品購入費等に当たると
認識しているとのことであるが、直ちには理解し難いため、国の通達等その正当性を
裏付ける資料を残しておくことが望ましい。
【指摘 高齢福祉課】
地区老連負担金に相当する経費を含めて、単位老人クラブの収支決算書は、補助対
象経費を正しい費用科目で計上させるべきである。
(2)補助金の額
【事実関係】
補助金の額は、交付を受けようとする年度の4月1日(交付年度内に組織された単
位老人クラブにあっては、その組織された日)現在の会員数に応じて、以下の表に定め
る金額(当年度内に組織された単位老人クラブにあっては、当該金額を12で除して得
た額(以下、「月額」という。)にその組織された日の属する月から交付年度の3月まで
の月数を乗じて得た額、解散した単位老人クラブにあっては、月額に交付年度の4月
からその解散した日の属する月までの月数を乗じて得た額)を合算して得た額とされ
ている(要綱第5条)。
市によれば、下記の金額については、他都市の平均補助額を参考に算定していると
のことであるが、その過程は明らかではなかった。
┌──────────────────┬───────────────────┐
│ 会員数 │ 金額 │
├──────────────────┼───────────────────┤
│49人以下 │ 43,200円│
├──────────────────┼───────────────────┤
│50人以上99人以下 │ 57,600円│
├──────────────────┼───────────────────┤
│100人以上 │ 72,000円│
└──────────────────┴───────────────────┘
令和元年度の補助金の予算と決算額は以下の表のとおりである。
┌─────┬────────────┬───────────────────┐
│ │ 予算 │ 決算 │
├─────┼─────┬──────┼─────────┬─────────┤
│49人以下 │ 114クラブ│ 4,924,800円│ 112クラブ │ 4,838,400円│
├─────┼─────┼──────┼─────────┼─────────┤
│50人以上 │ 308クラブ│17,740,800円│ 273クラブ │ 15,724,800円│
│99人以下 │ │ │ │ │
├─────┼─────┼──────┼─────────┼─────────┤
│100人以上 │ 23クラブ│ 1,656,000円│ 21クラブ │ 1,512,000円│
├─────┼─────┼──────┼─────────┼─────────┤
│合計 │ 445クラブ│24,321,600円│ 406クラブ │ 22,075,200円│
└─────┴─────┴──────┴─────────┴─────────┘
【指摘 高齢福祉課】
補助金の算定の基礎となる金額を決定した根拠や過程を書面に残しておくべきであ
る。
(3)実績報告
【事実関係】
各単位老人クラブの事業報告書及び収支決算書は、平成30年度までは各単位老人ク
ラブから市に直接提出されていたが、令和元年度からは提出されなくなっている。な
お、各単位老人クラブの収支決算書は連合会が保存しているとのことである。
事業報告については、連合会からは、「単位老人クラブ毎に随時行う事業・活動」と
して、抽象的にいくつかの活動を列挙しただけの事業報告書が提出されているに留ま
っている。
収支決算についても、406単位老人クラブ合算の収支決算書と単位老人クラブ毎の補
助対象経費と補助金額及び返還額が記載された表があるのみであった。
【規範】
岐阜市補助金等交付規則第15条で、補助事業者は補助事業が完了したときは、補助
事業等実績報告書(様式第4号)に次に掲げる書類を添えて市長に対して、その定める
時期までに提出しなければならない。
1) 補助事業等に係る事業実績書
2) 補助事業等に係る収支決算書又はこれに代わる書類
3) その他市長が必要と認める書類
【指摘 高齢福祉課】
交付先は連合会にされているが、本補助金は、各単位老人クラブに対して交付する
補助金であり、「補助事業者」は、各単位老人クラブである。市としては、各単位老人
クラブが、それぞれ具体的にどのような活動を行い、どのような収支であったかを審
査しなければならない。市によれば、連合会が審査しているとのことであるが、補助金
を交付している以上、第三者に審査を委ねるわけにはいかないし、連合会に対する監
査だけでは、補助金等交付規則で求められている実績報告書の審査の代替にはならな
い。
各単位老人クラブの事業報告書及び収支決算書の提出を受けるべきである。
61.岐阜市老人クラブ連合会補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │福祉部 高齢福祉課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜市老人クラブ連合会 │
│ │※各地区老人クラブ連合会により構成されている。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│老人クラブ連合会の運営 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市単位老人クラブ運営費補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│老人の福祉の増進を図る(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和38年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 5,851,000│ 5,862,000│ 5,984,000│ 6,459,000│ 6,392,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 5,744,000│ 5,744,000│ 5,983,000│ 6,459,000│ 6,392,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
※本補助金は国の在宅福祉事業補助金の対象とされており、市が行う助成事業費の1
/3を国が補助している。
【参考】
「岐阜市老人クラブ連合会運営費補助金交付要綱」第4条によると、補助金の額は、
1)補助対象経費の合計額と2)総事業費から他の補助金、会費等の自主財源を控除した
額を比較して、いずれか少ない額とし、予算の範囲内で交付するとある。
また、令和元年度の補助金の算定方法が以下のように図解されており、これによる
と、会議費、負担金は補助対象外経費として除外されている。
図 岐阜市老人クラブ連合会運営費補助金 算定根拠
A 岐阜市老人クラブ連合会総事業費 15,156千円
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
補助対象経費 (千円) 補助対象外経費 (千円)
┌─┬──────┬────┐ ┌─────┬────┬────┐
│ │給料 │ 2,468 │ │活動推進費│会議費 │ 321 │
│ ├──────┼────┤ ├─────┼────┼────┤
│ │職員手当等 │ 684 │ │ │事業費 │ 6,349 │
│ ├──────┼────┤ ├─────┼────┼────┤
│事│共済費 │ 482 │ │その他 │慶弔費 │ 130 │
│ ├──────┼────┤ ├─────┼────┼────┤
│務│賃金 │ 1,407 │ + │ │負担金 │ 1,803 │
│ ├──────┼────┤ ├─────┼────┼────┤
│局│旅費 │ 70 │ │ │助成金 │ 1 │
│ ├──────┼────┤ ├─────┼────┼────┤
│運│需用費 │ 775 │ │ │予備費 │ 10 │
│ ├──────┼────┤ ├─────┴────┼────┤
│営│役務費 │ 150 │ │ 計 │ 8,614 │
│ ├──────┼────┤ └──────────┴────┘
│費│使用料 │ 165 │
│ ├──────┼────┤
│ │備品購入費 │ 341 │
│ ├──────┼────┤
│ │ 計 │ 6,542 │
└─┴──────┴────┘
┌────────────────┐
│1) 補助対象経費合計 6,542千円 │
└────────────────┘
他の補助金、会費等の自主財源(千円)
┌─────┬─────┬───┐
│ │会費 │ 2,401│
│ ├─────┼───┤
│ │他の補助金│ 90│
│ ├─────┼───┤
│ │活動費 │ 3,866│
│自主財源等├─────┼───┤
│ │ ・ │ ・ │
│ │ ・ │ ・ │
│ │ ・ │ ・ │
│ ├─────┼───┤
│ │繰越金 │ 1│
├─────┴─────┼───┤
│ 計 │ 8,764│
┌───────────┐ └───────────┴───┘
│2) A-B 6,392千円 │ B 他の補助金、自主財源等 8,764千円
└───────────┘  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌────────────────────┐
│1)と2)を比べて少ない額は、2)の6,392千円 │
└────────────────────┘
62.自治公民館補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │市民協働推進部 市民活動交流センター │
│ │※令和元年度は、教育委員会 社会教育課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│維持補修補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │自治公民館の館長 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│公民館の新築、増築、改築又は建物購入に係る事業、修繕又は施設改良 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市自治公民館補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│地域文化の発展及び社会教育活動の振興(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和43年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 6,608,000│16,449,000│15,449,000│25,158,000│10,351,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 5,934,000│15,665,000│14,856,000│24,146,000│ 7,272,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
(1)交付要綱のあり方
【参考報告】
交付要綱において、補助対象事業、補助対象経費、補助金の額を個別具体的に記載し
ていたので、参考報告とする。
63.コミュニティ助成事業補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │市民協働推進部 市民活動交流センター │
│ │※令和元年度は、市民参画部 市民活動交流センター │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │金華自治会連合会、柳津町自治会連合会 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│安宅車の緞帳の修繕・袢纏の購入、長胴太鼓等の購入・修繕 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│市が定めたものはない │
│ │一般財団法人自治総合センターの定めるコミュニティ助成事業実施要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│住民が自主的に行うコミュニティ活動の促進を図り、地域の連帯感に基 │
│ │づく自治意識を盛り上げる(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成19年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 2,500,000│ 2,500,000│ 2,500,000│ 2,400,000│ 3,200,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 2,500,000│ 2,500,000│ 2,500,000│ 2,400,000│ 3,200,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
(1)交付要綱
【事実関係】
本補助金の交付要綱は作成されていない。
本補助金は、市が認めるコミュニティ組織が実施するコミュニティ助成事業に対し、
一般財団法人自治総合センターが市に助成金を交付し、市が事業実施主体に補助金を
交付するものである。
【意見 市民活動交流センター】
他にも、市が助成金を受けて補助金を交付する形の補助金はあるが、交付要綱が作
成されていた。
根拠に則った交付手続の適正さを担保するためにも、本補助金の交付要綱を作成す
ることが望ましい。
64.羽島用水土地改良区排水費負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │基盤整備部 基盤整備政策課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│加入団体負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │羽島用水土地改良区 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│かんがい用排水施設の維持管理 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│契約書第1項 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│羽島用水に伴う施設の適切な維持管理(個別調査票) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和54年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 4,680,000│ 4,680,000│ 4,680,000│ 4,680,000│ 4,680,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 4,674,000│ 4,674,000│ 4,674,000│ 4,674,000│ 4,674,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)負担金額の見直し
【事実関係】
負担金額は、羽島用水土地改良区との間で交わされている契約書にて、その負担額
が年間4,674,000円として定められており、これに基づき、毎年確定した金額を支出
している。
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、個々事業毎に判断されるべき「必要性」や「効果(受
益)」の適否の判断がないがしろにならないよう、予算編成の際等に十分に検討を加え
て、常に適切な見直しを図っていくべきであり、漠然と一定の負担金を義務的経費の
ごとく支出し続けることは適切な公金の支出とはいえないとされている。
【意見 基盤整備政策課】
契約に基づき毎年定額とすることは、金額確定のために要する事務処理の労力等を
省略できることを意味するとともに、予算見通しが立てやすい等のメリットがある。
他方で、岐阜市が支出する額が、適正に使われているのか等見直しの契機が乏しくな
る部分も生じる。
以上の観点を総合考慮し、毎年、負担金額の検討をすることが望ましい。
65.逆川、正木、蘇西、東野田排水機場維持管理費負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │基盤整備部 河川課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│維持補修負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │羽島用水土地改良区 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│逆川、正木、蘇西、東野田排水機場の維持管理 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│契約書第1項 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│河川施設の適切な維持管理のため(個別調査票) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和54年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 1,376,000│ 1,306,000│ 1,245,000│ 1,212,000│ 1,969,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 706,600│ 697,600│ 669,400│ 655,800│ 979,200│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)契約当事者の見直し
【事実関係】
支出の根拠となっている協定書(昭和42年締結)について、岐阜市と合併前の旧柳
津町が当事者のままとなったまま、更新がなされていない。
【意見 河川課】
旧柳津町が消滅し、岐阜市に合併されたことから、旧柳津町の分を岐阜市が引き継
ぐことになったと思われるが、協定の内容の明確化のため、協定書の更新をすること
が望ましい。
第7 教育・保育
66.岐阜市PTA連合会補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │教育委員会 社会・青少年教育課 │
│ │※令和元年度は、教育委員会 青少年教育課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体育成補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜市PTA連合会 │
│ │※構成員は、岐阜市小中学校の各単位PTAである。 │
│ │※事務局は、社会・青少年教育課にある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│役員会、PTA大会、実践発表会の開催 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市PTA連合会補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│PTA活動の促進(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和23年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 240,000│ 240,000│ 240,000│ 240,000│ 240,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 240,000│ 240,000│ 240,000│ 240,000│ 240,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助の見直し
【事実関係】
市は、本補助金を団体育成補助金と位置付けているが、本補助金は昭和23年度から
開始しており、長期にわたっている。
令和元年度決算によれば、収入及び支出が約14,890,000円であるのに対し、補助金
額は240,000円であり、補助率は約1.6%と極めて低い。
連合会には会費収入(令和元年度においては6,682,900円)があり、補助金額を超
える繰越金(令和元年度においては904,387円)がある。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
補助金等ガイドラインでは、「必要性」の見直し基準の考え方として、団体育成補助
金で3年以上継続して補助を受けているものは、事業補助に切り替えていく等自主運
営に向けた見直しが必要であり、育成補助としての終期は到来しているものとして判
断できると示されている。また、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助
目的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効
果が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、
交付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超
えている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、
習慣的)と示されている。
【指摘 社会・青少年教育課】
事業補助に切り替えるべきである。そして、交付要綱において、交付目的と補助の必
要性に即した補助対象事業、補助対象経費、一定の補助率、補助上限額を具体的に設定
すべきである。
市によれば、「子どもたちの健全育成のため、保護者と学校が連携、協働し、情報共
有、学び合うために必要不可欠な組織であり、PTAが持続的に活動していくために
必要な補助しており、特定の事業に対する補助は適さないと考える。地域との繋がり
が希薄になってきている現代だからこそ、保護者同士の交流も活発になるPTA活動
は、岐阜市にとって重要な役割があると考える。」とのことである。しかし、事業補助
に切り替えるからといって、その重要性が変わるものではない。そもそも、PTAを持
続的に活動させることは、目的ではなく手段であって、真の目的は、子どもたちの健全
育成である。組織の活動というのは、つまり個々の事業であり、その必要性を検証する
というのがまさに事業補助である。漠然と団体に補助金を交付するよりも、目的達成
のために必要かつ有効な事業に補助金を交付するほうが、むしろその活動を的確に推
進できると考える。そうすることにより、補助の必要性と効果の検証が個別具体的に
なされることになり、市が公金である補助金を特定の組織に対して既得権的に交付し
ていないことを示すことができる
なお、市から、「交付規則には、具体的な補助事業を定めなければならないとは記述
していないため、【指摘】となる重大な誤りではない」との意見があったが、ここで述
べていることは、地方自治法第232条の2の定める公益上の必要性の問題であり、公
益上の必要性というのが単なる必要性や重要性だけではないことは、第1部の9で述
べたとおりである。また、補助金等ガイドラインは、この公益上の必要性を判断の指針
を示すものである。これらを【規範】として、第1部で述べたとおり、合規性、公平性、
公益性、必要性、有効性、効率性の観点から、適法性又は妥当性に問題があり、是正措
置が必要であると考えるものを【指摘】としている。規則に反するかどうかというだけ
で判断するものではない。
67.岐阜市立岐阜商業高等学校部活動振興補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │教育委員会 岐阜商業高等学校 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
│ │※概要調査票では団体育成補助金とあった。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市立岐阜商業高等学校部活動振興会 │
│交付先 │※構成員は、岐阜市立岐阜商業高等学校生徒の保護者(正会員)、教職員│
│ │ (特別会員)、本会の趣旨に賛同する者(賛助会員)である。 │
│ │※事務局は岐阜市立岐阜商業高等学校にある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│各種大会出場費、遠征・合宿・器具代、生徒引率旅費等を支出すること │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市立岐阜商業高等学校部活動振興補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│岐阜市立岐阜商業高等学校の生徒の健全な育成(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│昭和55年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 520,000│ 520,000│ 520,000│ 520,000│ 520,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 520,000│ 520,000│ 520,000│ 520,000│ 520,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助対象経費
【事実関係】
交付要綱では、補助対象経費は、「大会の出場に必要な参加料、交通費、車両借上料
及び宿泊料」、「競技力の向上に必要な部活動に要する報償費(指導者に対するものに
限る。)、交通費、宿泊料及び用具の購入費」、「前2号に掲げるもののほか、市長が必要
と認めた経費」とされている。
実績報告書に添付されている決算書には、支出の部として、「総務費(部活指導費、
会議費、生徒奨励費)」、「振興会費(生徒引率費、大会参加料、大会出場費、設備整備
費、強化費、強化指定費、助成金)」、「予備費」が挙げられているが、各部活動や大会
毎の内訳は不明であり、どれが補助対象経費に該当するのか不明であった。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具
体的な費用の配分は、重要な審査項目であり、十分な精査が必要であるとされている。
【指摘 岐阜商業高等学校】
実績報告書では、各部活動、大会毎の支出の内訳を提出させるべきである。
(2)実績報告
【事実関係】
本補助金にかかる実績報告書は、決算書のほかに「部活動の記録」として全国・中
部・東海大会の出場、入賞及び県大会入賞一覧が添付されているのみである。
【規範】
補助金等交付規則では、補助事業者は補助事業等が完了したときには、市長に対し
て実績報告(成果の報告)を行わなければならず(第15条)、成果の報告を受けた市
長は、補助金等の交付の決定の内容及びこれに付した条件に適合しないと認めるとき
は、補助事業者に対して必要な措置を講じるよう命ずることができるとされている(第
17条)。
【指摘 岐阜商業高等学校】
生徒の成績が記載された部活動の記録のみでは、実績報告として不十分である。
交付目的である「岐阜市立岐阜商業高等学校の生徒の健全な育成」に適合する成果が
上がっているのかを検証できる実績報告書を作成・提出させるべきである。例えば、部
活動の成績だけではなく、部活動を通じて生徒の心身がどのように成長しているのか
が分かる記載を含めるべきである。
(3)余剰金の返還
【事実関係】
令和元年度決算書によれば、118,752円の次年度繰越金が生じているものの、戻入さ
れていない。
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、前金払をしたものでも、実績報告を受けた結果、補助
金等に余剰が生じた場合は、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。
【指摘 岐阜商業高等学校】
補助金の余剰金があれば返還させるべきである。
市からは、「『補助金等ガイドライン』のP6『機能分担(民間と行政)の妥当性』に、
『ただし、団体の運営上、繰越金の性質が翌年度以降の事業計画での準備金である等、
その必要性が認められるような場合を除く。』とあるため、その記述に基づき問題はな
いと考える。」との意見があったが、これは、補助の見直しにおける必要性の判断にお
いて、「補助金額が上回る繰越金がある団体や事業については自主的運営に委ねること
ができるか可能性が高いものと判断できる」という指針の但書であるから、補助金の
余剰金の返還とは別の話である。
(4)効果・経済性
【事実関係】
本補助金は、昭和55年度に開始され、長期にわたっている。
平成17年度以降は定額の520,000円を交付しているが、明確な算定根拠はなく、前
年踏襲である。
令和元年度決算書によれば、会費、入会金等の収入があり、収入決算額12,404,137
円に対して補助金額は520,000円であり、補助率は約4%と低い。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
補助金等ガイドラインでは、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助目
的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果
が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交
付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超え
ている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習
慣的)と示されている。
【指摘 岐阜商業高等学校】
補助目的を踏まえた費用対効果を検証し、その検証結果に基づき補助効果が高いと
判断できるかどうか、その効果の程度を評価し、現在の補助金額の妥当性を判断し、そ
の過程を記録に残すべきである。
68.ふるさと大好き鵜飼事業補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │教育委員会 学校指導課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │各小学校鵜飼児童の会 │
│交付先 │※構成員は、その時の対象児童及び教職員とのことであり、毎年度入れ │
│ │ 替わる。会長は校長である。 │
│ │※事務局は、当該学校内にあるとのことである。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│鵜飼観覧 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市ふるさと大好き鵜飼事業補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│鵜飼観覧の体験を通して、ふるさとを理解し、愛する心を養う(要綱の文│
│ │言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成13年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 3,489,000│ 3,570,000│ 3,565,000│ 3,513,000│ 3,501,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 2,657,400│ 2,748,950│ 2,721,300│ 1,966,650│ 2,474,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助金交付対象団体
【事実関係】
各小学校鵜飼児童の会は、その年に鵜飼観覧の対象となる児童と教職員で構成され
ているとのことであるので、毎年度、構成員が入れ替わる組織である。児童(保護者)
による加入脱退の手続がとられた記録はなかった。団体の規約は存在せず、意思決定
手続の定めもなく、意思決定手続をとった記録もなかった。
【規範】
補助金等は市の貴重な財源を交付するものであるから、補助金が補助目的に従って、
補助対象経費に充てられるよう管理・運用されることが必要である。それゆえ、交付先
団体は補助金の管理能力がある団体でなければならない。
【指摘 学校指導課】
交付先団体は、団体としての組織、多数決での運営決定等団体としての自立性が認
められる「権利能力なき社団」として評価されるだけの実質を備えた団体に限るべき
である。各小学校鵜飼児童の会に補助金を交付するのであれば、「権利能力なき社団」
として評価されるだけの実質を備えるようにすべきである。
(2)効果・経済性
【事実関係】
補助対象事業は、市内小学校の主に5年生が鵜飼観覧をすることであり、児童につ
いては通常乗合料金1,700円の半額補助、引率者(教師や保護者)については各学級
2名まで全額補助している。
鵜飼観覧は平日夜間に開催され、令和元年度における参加割合は約81%であった。
本補助金の対象事業である鵜飼観覧体験事業は、市内の全小学校で実施されており、
実態としては各学校の恒例行事となっている。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
補助金等ガイドラインでは、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助目
的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果
が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交
付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超え
ている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習
慣的)と示されている。
【指摘 学校指導課】
「小学生に鵜飼観覧を体験させる」という手段と「ふるさとを理解し、愛する心を養
う」という交付目的に照らし、補助目的を踏まえた費用対効果を検証し、その検証結果
に基づき補助効果が高いと判断できるかどうか、その効果の程度を評価し、現在の補
助金の妥当性を判断し、その過程を記録に残すべきである。
69.学校支援推進委員会負担金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │教育委員会 学校指導課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│諸負担金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │各学校支援推進委員会 │
│交付先 │※構成員は、各学校PTA関係者、学校教員等である。 │
│ │※事務局は、各学校内にある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│学校運営協議会の内部組織 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│なし │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│学校の運営及び当該運営への必要な支援(地方教育行政の組織及び運営 │
│ │に関する法律第47条の5) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成20年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │30,700,000│31,800,000│35,300,000│37,200,000│28,800,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │31,200,000│32,500,000│32,764,227│33,876,023│27,228,532│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)余剰金の返還
【参考報告】
余剰金を返還させて戻入をしていたので、参考報告とする。
(2)実績報告
【参考報告】
実績報告書に年間行事及び参加人数等のまとめが記載しており事業評価に資する内
容であったため、参考報告とする。
70.岐阜市学校保健会補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │教育委員会 学校保健課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│ │岐阜市学校保健会 │
│交付先 │※構成員は、岐阜市立学校の学校保健委員会委員、学校保健関係者であ │
│ │ る。 │
│ │※事務局は、学校保健課にある。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│歯の優良児童表彰、学校保健研究大会、機関誌「学校保健会だより」の │
│ │発行等 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市学校保健会補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│岐阜市が設置する学校(園)の幼児、児童、生徒及び職員の健康の保持 │
│ │増進及び安全な環境確保(要綱の文言) │
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│不明 ※交付要綱は平成25年に作成 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 950,000│ 950,000│ 950,000│ 950,000│ 950,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 950,000│ 950,000│ 950,000│ 950,000│ 950,000│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助対象事業及び補助対象経費
【事実関係】
本補助金は、団体事業補助金とされているが、交付要綱には、交付の対象として、
「(1)学校保健思想の普及及び啓発、(2)学校保健関係者に関する研修、(3)学校
保健に関する調査研究及び活動の助成、(4)学校保健に関する広報の企画及び普及」
とのみ規定されており(第2条)、具体的な補助対象事業が定められていない。
また、補助対象経費も、上記事業に要する経費としか規定されておらず、具体的な補
助対象経費が定められていない。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
テーマ別マニュアルでは、『補助事業等の内容』『経費の配分』『執行計画』は、いず
れもあらゆる補助事業等について、その適正な執行を確保するために必要不可欠なも
のであるとされ、特に『経費の配分』は、補助金等の使途明細として総事業費を割り振
った具体的な『費用の配分』をいい、交付決定にあたって重要な審査項目であるとさ
れ、補助対象とするものの要件を個別・具体的に定めることとされている。参考例とし
て挙げられている交付要綱では、個別具体的な費用が補助対象経費として定められて
いる。また、補助対象事業完了時に事業費に増減が生じた場合、補助確定額が明確に確
認できるよう、補助対象経費の詳細が分かる内訳等を添付することが望ましいとされ
ている。
交付要綱(本補助金では実施要綱)は、上記の要請を達成するために重要な規範とな
るものである。交付要綱の記載が抽象的では、個々の職員の判断によることになり、手
続きの公正さが確保できない。
【指摘 学校保健課】
交付要綱において、具体的な補助対象事業及び補助対象経費を定めるべきである。
市から、「交付規則には、具体的な補助事業を定めなければならないとは記述してい
ないため、【指摘】となる重大な誤りではない。」との意見があったが、ここで述べてい
ることは、地方自治法第232条の2の定める「公益上の必要性」の問題であり、公益
上の必要性というのが単なる必要性や重要性だけではないことは、第1部の9で述べ
たとおりである。また、岐阜市補助金等交付規則第3条の定める「公正かつ効率的」を
担保する必要もある。交付要綱において、補助対象事業が抽象的では、補助対象経費も
抽象的に把握されるし、当該経費の必要性の判断も職員の判断にゆだねられることに
なってしまい、「公益上の必要性」や「公正かつ効率的」を担保することができない。
これらを【規範】として、第1部で述べたとおり、合規性、公平性、公益性、必要性、
有効性、効率性の観点から、適法性又は妥当性に問題があり、是正措置が必要であると
考えるものを【指摘】としている。規則に書いてないからというもので単純に判断する
ものではない。
(2)実績報告
【事実関係】
実績報告書に添付されている収支決算書には、「事業費」の摘要として、「歯の優良児
童表彰」、「全国学校保健研究大会」、「通信『学校保健だより』」等に要した個々の総額
の記載があるが、それらの内訳は不明であり、何の費用で、どれが補助対象経費に該当
するのか不明である。
【規範】
テーマ別会計マニュアルでは、補助金等の使途明細として総事業費を割り振った具
体的な費用の配分は、重要な審査項目であり、十分な精査が必要であるとされている。
【指摘 学校保健課】
補助対象事業毎の支出の内訳を作成・提出させるべきである。
(3)余剰金の返還
【事実関係】
令和元年度決算書によれば、49,329円の次年度繰越金が生じているものの、戻入さ
れていない。
【規範】
会計年度独立の原則「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに
充てなければならない」(地方自治法第208条第2項)
テーマ別会計マニュアルでは、前金払をしたものでも、実績報告を受けた結果、補助
金等に余剰が生じた場合は、余剰金を戻入してもらうことになるとされている。
【指摘 学校保健課】
補助金に余剰金があれば返還させるべきである。
次年度当初に経費が必要なことは、公金から支出される補助金の余剰金を繰り越さ
せる正当な理由とはならない。
市からは、「『補助金等ガイドライン』のP6『機能分担(民間と行政)の妥当性』に、
『ただし、団体の運営上、繰越金の性質が翌年度以降の事業計画での準備金である等、
その必要性が認められるような場合を除く。』とあるため、その記述に基づき問題はな
いと考える。」との意見があったが、これは、補助の見直しにおける必要性の判断にお
いて、「補助金額が上回る繰越金がある団体や事業については自主的運営に委ねること
ができる可能性が高いものと判断できる」という指針の但書であるから、補助金の余
剰金の返還とは別の話である。
(4)効果・経済性
【事実関係】
本補助金の開始時期は不明であるが、要綱は平成25年度に作成されており、少なく
とも5年間は950,000円が交付されている。
950,000円の算定根拠は不明であり、補助金の申請額が予算額と同額となっている。
効果の検証が十分になされていたことも確認できなかった、
【規範】
補助金等ガイドラインでは、「効果・経済性」の見直し基準の考え方として、補助目
的を踏まえた費用対効果が概ね検証することができ、その検証結果に基づき補助効果
が高いと判断できるかどうか(効果の程度)、その効果の程度の評価結果を踏まえ、交
付されている補助金額の妥当性を判断する(補助効果と補助金額の比較)、5年を超え
ている補助金は形式的・習慣的に補助されていると判断することができる(形式的、習
慣的)と示されている。
【指摘 学校保健課】
補助目的を踏まえた費用対効果を検証し、その検証結果に基づき補助効果が高いと
判断できるかどうか、その効果の程度を評価し、現在の補助金額の妥当性を判断し、そ
の過程を記録に残すべきである。
71.岐阜
市立特別支援学校生徒指導対策行動費補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │教育委員会 学校指導課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜市小中学校長会 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│岐阜市立岐阜特別支援学校の教員が家庭訪問等をした際の交通費を支給 │
│ │する │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市立岐阜特別支援学校への生徒指導対策行動費補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│特別支援学校に在学する児童生徒の非行防止及び健全育成(要綱の文言)│
├────┼─────────────────────────────────┤
│開始年度│平成21年度 │
├────┼───┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┤
│ │年度 │平成27年度│平成28年度│平成29年度│平成30年度│令和元年度│
│金額 ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│(円) │予算 │ 205,000│ 205,000│ 205,000│ 205,000│ 205,000│
│ ├───┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │決算 │ 204,462│ 204,943│ 204,980│ 204,980│ 204,943│
└────┴───┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
<監査の結果>
(1)補助金の対象
【事実関係】
交付要綱では、補助対象は、「児童生徒の非行に関して関係者に対し行う指導及び支
援並びに関係機関と行う連絡及び協議」とされ、「配分と処理について」と題する書類
では、補助金の対象行動は、「問題行動の処理行動に対する補助」「問題行動の防止行動
に対する補助」とされている。
記録によれば、「オンリーワン芸術祭の下見」という行動内容が記載されていた。
市によれば、特別な支援の必要な生徒たちにとって、些細なことであっても突発的
な行動、行為に至ることがあり、そうした不測の事態を未然に防ぐために、会場の配置
や対応場所等を綿密に確認する必要があるとのことである。会場の配置や対応場所等
を確認することが問題行動の防止行動といえるということが即座に理解することは困
難であった。
【規範】
地方自治法では、普通地方公共団体は、「その公益上の必要がある場合」においては、
補助をすることができるとされている(第232条の2)。
岐阜市補助金等交付規則では、補助金等に係る予算の執行は、補助金等の交付の目
的に従って公正かつ効率的に行わなければならないとされている(第3条)。
【意見 学校指導課】
補助金の対象行動といえることが明らかになるような記載をすることが望ましい。
(2)補助金の額
【事実関係】
交付要綱では、「交通費等」に対し補助金を交付するとされ、「配分と処理について」
と題する書類において、支出金は、1kmにつき37円を基準とされている。
記録によれば、交通費の負担のない「スクールバスの添乗」も計上されていた。
市によれば、スクールバスを利用して登校する生徒に対して、早朝、各乗車場所に自
家用車で赴いて、スクールバスの乗車指導を実施しており、それを指しているとのこ
とであった。
【指摘 学校指導課】
記録は正確に記載すべきである。
72.岐阜市中学校及び岐阜特別支援学校進路指導対策行動費補助金
<概要>
┌────┬─────────────────────────────────┐
│所管 │教育委員会 学校指導課 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│説明区分│団体事業補助金 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付先 │岐阜市中学校長会 │
│ │※岐阜市中学校校長会会長が交付を受け、各学校に配分している。 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│対象事業│公共職業安定所との連絡打ち合わせ会、各高等学校説明会及び打ち合せ │
│ │会等の引率・付き添い │
├────┼─────────────────────────────────┤
│根拠規定│岐阜市中学校及び特別支援学校進路指導対策行動費補助金交付要綱 │
├────┼─────────────────────────────────┤
│交付目的│岐阜市が設置する中学校生