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  1. 岐阜市議会 2020-03-01
    令和2年第1回(3月)定例会(第1日目) 本文


    取得元: 岐阜市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-06
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和2年第1回(3月)定例会(第1日目) 本文 2020-03-03 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 22 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長大野一生君) 9頁 選択 2 : ◯議長大野一生君) 9頁 選択 3 : ◯議長大野一生君) 184頁 選択 4 : ◯議長大野一生君) 184頁 選択 5 : ◯議長大野一生君) 184頁 選択 6 : ◯議長大野一生君) 184頁 選択 7 : ◯議長大野一生君) 184頁 選択 8 : ◯議長大野一生君) 184頁 選択 9 : ◯議長大野一生君) 184頁 選択 10 : ◯市長柴橋正直君) 184頁 選択 11 : ◯議長大野一生君) 204頁 選択 12 : ◯議長大野一生君) 204頁 選択 13 : ◯議長大野一生君) 209頁 選択 14 : ◯19番(高橋和江君) 209頁 選択 15 : ◯議長大野一生君) 210頁 選択 16 : ◯35番(松原徳和君) 210頁 選択 17 : ◯議長大野一生君) 212頁 選択 18 : ◯38番(堀田信夫君) 212頁 選択 19 : ◯議長大野一生君) 214頁 選択 20 : ◯議長大野一生君) 215頁 選択 21 : ◯議長大野一生君) 215頁 選択 22 : ◯議長大野一生君) 215頁 ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 開  会   午前10時1分 開  会 ◯議長大野一生君) ただいまから令和2年第1回岐阜市議会定例会を開会します。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一 諸般の報告 2: ◯議長大野一生君) 日程に入るに先立って諸般の報告を行います。  監査結果報告書及び岐阜市包括外部監査報告書並びに報第1号専決処分事項の報告については、お手元に配付しました報告書によって御承知を願います。            ───────────────────         監査結果報告書及び岐阜市包括外部監査報告書提出一覧                     令和2年第1回(3月)岐阜市議会定例会  例月現金出納検査結果報告書(令和元年9月分~令和元年12月分) 監査結果報告書 ・定期監査及び行政監査   (令和元年度4月~8月分 必要に応じて平成30年度分)  ・女子短期大学  ・監査委員事務局  ・会計課  ・環境部 ・定期監査及び行政監査
      (令和元年度4月~10月分 必要に応じて平成30年度分)  ・市民参画部  ・基盤整備部 工事監査結果報告書(令和元年度分)  ・岐阜市民病院重症患者管理病床整備第I期建築主体工事 岐阜市包括外部監査報告書(令和元年度)  ・小中学校における教育に関する事業について            ───────────────────  1 監査等の種類   例月現金出納検査  2 検査の対象    一般会計、特別会計、基金及び企業会計               (令和元年9月出納事務)  3 検査の日程    令和元年10月25日~令和元年11月20日  4 検査の結果  (1) 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確で     あることを認めた。  (2) 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確     であることを認めた。  (3) その他証拠書類等を検査したところ、一般会計における1件の誤払いとその処     理誤り及び1件の支払遅延を除き、適正に処理されているものと認めた。            ───────────────────  1 監査等の種類   例月現金出納検査  2 検査の対象    一般会計、特別会計、基金及び企業会計                  (令和元年10月出納事務)  3 検査の日程    令和元年11月27日~令和2年1月15日  4 検査の結果  (1) 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確で     あることを認めた。  (2) 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確     であることを認めた。  (3) その他証拠書類等を検査したところ、適正に処理されているものと認めた。            ───────────────────  1 監査等の種類   例月現金出納検査  2 検査の対象    一般会計、特別会計、基金及び企業会計                  (令和元年11月出納事務)  3 検査の日程    令和元年12月26日~令和2年1月29日  4 検査の結果  (1) 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確で     あることを認めた。  (2) 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確     であることを認めた。  (3) その他証拠書類等を検査したところ、適正に処理されているものと認めた。            ───────────────────  1 監査等の種類   例月現金出納検査  2 検査の対象    一般会計、特別会計、基金及び企業会計                  (令和元年12月出納事務)  3 検査の日程    令和2年1月28日~令和2年2月21日  4 検査の結果  (1) 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確で     あることを認めた。  (2) 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確     であることを認めた。  (3) その他証拠書類等を検査したところ、適正に処理されているものと認めた。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    女子短期大学             令和元年度4月~8月分 必要に応じて平成30年度分  3 監査の着眼点   令和元年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程   令和元年9月24日~令和元年11月11日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。    なお、軽微な事項については、別途指示した。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    監査委員事務局             令和元年度4月~8月分 必要に応じて平成30年度分  3 監査の着眼点   令和元年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画              (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所
     5 監査の日程    令和元年10月2日~令和元年11月11日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、適正に処理されている   ものと認められた。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    会計課             令和元年度4月~8月分 必要に応じて平成30年度分  3 監査の着眼点   令和元年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    令和元年9月30日~令和元年11月20日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。     なお、軽微な事項については、別途指示した。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    環境部             令和元年度4月~8月分 必要に応じて平成30年度分  3 監査の着眼点   令和元年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画            (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    令和元年10月2日~令和元年11月20日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改   善に努めるとともに、検討されたい。    なお、軽微な事項については、別途指示した。  [指摘事項]  (1)未収金の回収について    ア し尿処理手数料の収入未済額は、平成30年度末で1,291,492円である。     令和元年8月末現在では、過年度未収金が966,972円である。      今後とも、過年度未収金の早期回収に努めることはもとより、現年度分の回収に     ついても、滞納繰越が生じないように努力されたい。    イ 産業廃棄物不法投棄弁償金の収入未済額は、平成30年度末で6,960,27     3,513円である。令和元年8月末現在では、過年度未収金が6,959,49     3,513円である。      未収金の回収に努められたい。  (2)交通事故の防止について     平成30年4月から令和元年8月までの監査対象期間中に、公用車の後退時におけ    る事故が4件発生した。そのうち3件は、職員が同乗していたにもかかわらず、降車    して誘導しなかった。また、職員の不注意の度合いが高いわき見運転による交通事故    が2件発生した。     後退時の安全確認の励行について指導するとともに、職員の交通事故防止について、    一層の指導徹底を図られたい。  (3)事故の防止について     平成30年4月から令和元年8月までの監査対象期間中に、バキューム車のホース    巻き取り作業中の物損事故が2件発生した。     作業手順の周知を図るなど、安全管理を徹底されたい。  [意見]  (1)適切な事務執行について     広報ぎふに利用した画像について、著作権者に利用の許諾を受けていないものがあ    った。     今後は著作権についての理解を深め、適切な事務執行に努められたい。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    市民参画部             令和元年度4月~10月分 必要に応じて平成30年度分  3 監査の着眼点   令和元年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画            (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    令和元年12月2日~令和2年1月29日  6 監査の結果     証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改   善に努められたい。    なお、軽微な事項については、別途指示した。  [指摘事項]  (1)未収金の回収について     現在は回収業務のみとなっている住宅建築資金の貸付金に係る市民参画費貸付金元    利収入の収入未済額は、平成30年度末で12,873,444円である。令和元年    10月末現在では、過年度未収金が10,869,614円である。     今後とも過年度未収金の早期回収に努められたい。  (2)交通事故の防止について     平成30年4月から令和元年10月までの監査対象期間中に、公用車の後退時にお    ける事故が3件発生した。そのうち1件は、職員が同乗していたにもかかわらず、降    車して誘導しなかった。
        後退時の安全確認の励行について指導されたい。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    基盤整備部           令和元年度4月~10月分 必要に応じて平成30年度分  3 監査の着眼点   令和元年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    令和元年12月2日~令和2年1月29日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改   善に努められたい。    なお、軽微な事項については、別途指示した。  [指摘事項]  (1)未収金の回収について     道路占用料の収入未済額は、平成30年度末で89,570円であった。令和元年    10月末現在では、同額の89,570円が過年度未収金となっている。     水路占用料の収入未済額は、平成30年度末で568,828円であった。令和元    年10月末現在では、過年度未収金が501,628円である。     今後とも、過年度未収金の回収に努めることはもとより、現年度分の回収について    も、滞納繰越が生じないように努力されたい。            ───────────────────             令和元年度 工事監査結果報告書 1 監査の対象   岐阜市民病院重症患者管理病床整備第I期建築主体工事    ※工事の概要は別紙のとおり 2 監査の期間   令和元年11月25日から令和2年2月12日まで 3 監査の方法   令和元年度において施工中の工事のうち、建築工事1件を抽出して、工事の計画、調  査、設計、仕様、積算、契約、施工管理、監理(監督)、試験、検査等が適正かつ効率  的に執行されているかについて調査するため、書類調査を行い、令和2年1月15日に  現地調査を行うとともに、関係職員に対して説明を求めた。   なお、工事技術面の調査については、公益社団法人大阪技術振興協会との工事技術調  査業務委託契約に基づき、技術士の派遣を求め、書類調査及び現地調査を行った。 4 技術士の「総評」「所見」の概要 (1)総評    書類調査では、工事請負契約、建設計画全般、施工監理、管理について調査を行っ   た結果、問題はなかった。品質書類についてもよく整理されていた。    現地調査では、軽微な改善点があったが、特に大きな問題はなかった。 (2)所見   ア 工事の目的     集中治療室(ICU)での治療に近似したレベルの高度医療が必要な重症患者管    理病床(HCU:高度治療室ともいう)の必要性が注目されており、岐阜市民病院    でもその充実を計画していた。     ベッド数についての計画根拠を質問したところ、岐阜市民病院の平成30年度新    規入院患者数は13,434人、今回整備するHCUへ入室する延入院患者数は4,    629人・日を想定しており、病床全体の稼働率を約60%と見込んだ場合に20    床程度が必要となることから、20床を新規に整備するもので、過不足ない計画と    いうことであった。     なお、うち4床は感染症患者に対応可能な個室である。   イ 書類調査   (ア)設計図書に関する書類について     仕様については、他病棟や5階HCUの仕様も照合し、標準仕様書、特記仕様書、    設計図への所要事項の記載や詳細図などの図面の不足はなかった。シックハウス対    策についての材料の仕様や、VOCの検査測定方法も特記仕様書に詳細に記述され    ていた。     設計図に、工事エリア、区画、避難経路などの仮設計画が図示されており、患者    や医療関係者への配慮を明示していた。     設計図書、数量積算書とも照査がなされており、別途工事である電気設備工事、    機械設備工事(今回調査対象外)との照合も行っている。     建物の残存利用可能期間を考慮し、外部に面する金属製建具やガラスの取り換え    は行わないこととしていた。     空調の費用について、5階のHCU病棟が同等の仕様であるため、ランニングコ    ストを事前調査しており、維持管理コストも事前検討していた。   (イ)積算に関する書類について     積算基準、準拠図書、積算者(建築積算士)、発注者による照査手順及びチェッ    ク体制が事前に定められており、数量についても正確であった。     値入の方法について、刊行物、岐阜市単価、メーカー見積りなどの適用基準が定    められており、適正に実施されていた。     医療機器などの価格についても、実勢価格を確認していた。     直接工事費に対する共通仮設費、経費についても、積算基準による工事価格に対    する比率(%)となっていた。   (ウ)施工管理に関する書類について     施工計画書、工程表を適正に整備していた。     請負者から発注者に提出すべき書類、現場代理人から監督員に承諾を求める書類    ・図書、工事中の隠蔽部の記録や監督員立会い状況の写真記録が適正に整備されて    いた。   (エ)使用材料承認及び試験検査等に関する書類について     工事材料の確認は、使用材料承認手続及び施工計画書の承諾手続により適正に行    われていた。     検査記録が整備され、工事打合せ会議事録に検査指摘事項及び是正の確認が記録    されていた。     監理業務受託者である「株式会社 デザインボックス」の委託監督員の立会い確
       認記録の写真が整備されていた。     少量ではあるが、鉄筋、コンクリートの材料証明書、ミルシート、試験成績書や、    塗料、防水材、ボードなどの証明書、認定書などが適正に整備されていた。   (オ)契約に関する書類について     公告から入札までの見積期間、質疑書の提出及び回答状況、電子入札及び開札、    高落札調査などの所定の手続が適正になされていた。     契約書、前払金保証証券、履行保証証券、監理技術者届、収入印紙、証書など、    契約関係書類が適正に整備されていた。   ウ 現場調査   (ア)工事施工状況について     仕様のとおり施工されていた。     スタッフ控室の一部に仮眠室を設けること、スタッフステーション前の廊下にあ    る既存防火扉が防火区画変更の結果不要となるので、設計変更図を作成中であるこ    となど、微細な変更を現在手続中であるが、その部分を除き設計図どおり施工され    ていた。     建築基準法、消防法に基づく避難、不燃、排煙、防火区画など、法令に定められ    た設計書による施工を行い、区画などの写真も整備していた。     手動排煙設備である排煙窓オペレータを作動させてみたが、適正に排煙窓が作動    した。     塗料などの保管場所を屋外とし、シンナーなどの溶剤は使用当日持ち込み持ち帰    りとするなど配慮していた。   (イ)安全管理状況について     建築内装工事がおおむね完了していたが、医療関係者、患者の動線と工事関係者    の動線は完全に区画されていた。     工事エリアへの入口は1か所とし、靴を上履きに履き替えることにより、入場を    管理していた。     現場には請負者の担当係が常駐し、作業内容を確認していた。     材料搬入時の誘導員の配置が計画されており、搬入車両の経路も適正に計画され    ていた(当日の搬入はなかった)。 5 本工事に係る契約事務 (1)契約の方法    本工事に係る契約は、一般競争入札により締結されている。本工事の設計金額から   すると、岐阜市一般競争入札等実施要綱第2条により、本工事に係る契約は、一般競   争入札によることとされており、契約の方法は適正と認められる。 (2)契約の締結    契約書には契約金額に応じた収入印紙が貼付され、消印されていた。その他関係書   類も整備されていると認められる。 6 監査の結果   書類調査、現地調査並びに技術士の総評及び所見を踏まえ、監査を実施した結果、本  工事は、適正に執行されているものと認められた。 工事の概要 1 工事名   岐阜市民病院重症患者管理病床整備第I期建築主体工事 2 工事場所  岐阜市鹿島町7丁目1番地 3 工事内容   改修工事  既設鉄筋コンクリート造11階建の3階の一部 延862.0m2 4 設計委託  株式会社 デザインボックス 5 施工監理  株式会社 デザインボックス 6 工事費   請負金額 151,800,000円(消費税及び地方消費税を含む。) 7 入  札  令和元年5月15日          一般競争入札(総合評価落札方式 簡易型)          (入札参加数 2者、うち辞退1者、入札回数 1回) 8 工  期  令和元年6月11日~令和2年2月17日 9 受注者   株式会社 丸泰          現場代理人:吉田 元樹          監理技術者:吉田 元樹 10 工事進捗率 計画出来高63.9% 実施出来高75%(令和2年1月15日現在) 11 工事監督員 総括監督職員 岐阜市民病院事務局病院施設課                副主幹 柴田 博成         一般監督職員 岐阜市民病院事務局病院施設課                主 査 江崎 久朗            ───────────────────                  令和元年度               岐阜市包括外部監査報告書                  令和2年2月                岐阜市包括外部監査人                  諏訪 直樹 《  目  次  》  第1 監査の概要…………………………………………………………………………… 1   1.外部監査の種類……………………………………………………………………… 1   2.監査の対象とした事件名…………………………………………………………… 1   3.事件の選定理由……………………………………………………………………… 1   4.監査の対象期間……………………………………………………………………… 2   5.監査従事者…………………………………………………………………………… 2   6.監査を実施した期間………………………………………………………………… 2   7.外部監査人の独立性(利害関係)………………………………………………… 2   8.監査の対象機関……………………………………………………………………… 2   9.監査の着眼点………………………………………………………………………… 3
      10.監査の方法…………………………………………………………………………… 3   11.監査意見……………………………………………………………………………… 4  第2 監査対象の概要……………………………………………………………………… 5   1.市の小中学校における教育に関する概要………………………………………… 5   2.監査の対象とした部署………………………………………………………………14  第3 監査の結果及び意見…………………………………………………………………15   1.学校評価………………………………………………………………………………15   (1) 概要…………………………………………………………………………………15   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………20   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………21   2.教育事務………………………………………………………………………………22   (1) 概要…………………………………………………………………………………22   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………25   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………26   3.土曜日の教育活動推進事業…………………………………………………………28   (1) 概要…………………………………………………………………………………28   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………28   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………29   4.理科授業魅力アップ事業……………………………………………………………31   (1) 概要…………………………………………………………………………………31   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………31   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………31   5.ALT 外国語指導助手……………………………………………………………33   (1) 概要…………………………………………………………………………………33   (2) 監査の着眼点並び監査手続………………………………………………………33   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………33   6.「4技能のバランスを重視した英語教育」研究推進事業………………………35   (1) 概要…………………………………………………………………………………35   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………35   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………35   7.イングリッシュ・キャンプ in GIFU…………………………………………… 37   (1) 概要…………………………………………………………………………………37   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………37   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………37   8.子どものための消費者教育推進事業………………………………………………39   (1) 概要…………………………………………………………………………………39   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………39   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………39   9.ハートフルサポーター・ハートフルティーチャー・特別支援教育   介助員………………………………………………………………………………………41   (1) 概要…………………………………………………………………………………41   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………41   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………42   10.教育相談員(ほほえみ相談員)……………………………………………………43   (1) 概要…………………………………………………………………………………43   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………43   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………44   11.ジュニアアーティスト・トップランナー支援事業………………………………45   (1) 概要…………………………………………………………………………………45   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………45   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………45   12.地域ぐるみ学校人権教育推進委員会補助金………………………………………46   (1) 概要…………………………………………………………………………………46   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………46   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………46   13.教育PCの整備………………………………………………………………………48   (1) 概要…………………………………………………………………………………48   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………48   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………48   14.外国籍生徒等対応指導………………………………………………………………49   (1) 概要…………………………………………………………………………………49   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………49   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………49   15.生徒指導サポーター…………………………………………………………………51   (1) 概要…………………………………………………………………………………51   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………51   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………51   16.「スクールロイヤー」事業…………………………………………………………53   (1) 概要…………………………………………………………………………………53   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………53   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………53   17.スクール・サポート・スタッフ……………………………………………………55   (1) 概要…………………………………………………………………………………55   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………55   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………55   18.部活動指導員…………………………………………………………………………57   (1) 概要…………………………………………………………………………………57   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………57   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………57   19.ぎふ サイエンス・キャンプ………………………………………………………58   (1) 概要…………………………………………………………………………………58   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………58   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………58   20.岐阜市型STEM教育推進事業……………………………………………………60   (1) 概要…………………………………………………………………………………60   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………60   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………61   21.英語教育 岐阜発「英語でふるさと自慢」………………………………………62   (1) 概要…………………………………………………………………………………62   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………62   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………62   22.「主体的・対話的な学びの在り方」推進事業……………………………………64   (1) 概要…………………………………………………………………………………64   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………64   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………65   23.「危険から自分を守ろう」事業……………………………………………………67   (1) 概要…………………………………………………………………………………67   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………67   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………67   24.不登校児童・生徒……………………………………………………………………69
      (1) 概要…………………………………………………………………………………69   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………72   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………72   25.いじめ対策……………………………………………………………………………75   (1) 概要…………………………………………………………………………………75   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………79   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………79   26.教員研修の充実………………………………………………………………………82   (1) 概要…………………………………………………………………………………82   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………83   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………84   27.教員免許更新制度におけるサポート体制…………………………………………86   (1) 概要…………………………………………………………………………………86   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………87   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………87   28.職員の労務管理………………………………………………………………………89   (1) 概要…………………………………………………………………………………89   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………90   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………90   29.教職員の休暇申請の管理……………………………………………………………92   (1) 概要…………………………………………………………………………………92   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………92   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………92   30.教職員の時間外勤務…………………………………………………………………94   (1) 概要…………………………………………………………………………………94   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………97   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………97   31.教職員の健康管理………………………………………………………………… 101   (1) 概要……………………………………………………………………………… 101   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 102   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 102   32.私費会計…………………………………………………………………………… 103   (1) 概要……………………………………………………………………………… 103   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 105   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 106   33.教材費……………………………………………………………………………… 109   (1) 概要……………………………………………………………………………… 109   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 110   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 110   34.学校給食…………………………………………………………………………… 112   (1) 概要……………………………………………………………………………… 112   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 115   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 117   35.備品整備…………………………………………………………………………… 122   (1) 概要……………………………………………………………………………… 122   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 124   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 124   36.学校保健…………………………………………………………………………… 127   (1) 概要……………………………………………………………………………… 127   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 130   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 130   37.学校規模適正化…………………………………………………………………… 133   (1) 概要……………………………………………………………………………… 133   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 145   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 145   38.契約事務…………………………………………………………………………… 147   (1) 契約の種類……………………………………………………………………… 147   (2) 契約形態………………………………………………………………………… 149   (3) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 150   (4) 監査の結果……………………………………………………………………… 150  第4 指摘及び意見一覧表……………………………………………………………… 152 事件(テーマ):「小中学校における教育に関する事業について」 第1 監査の概要  1.外部監査の種類    地方自治法第252条の37第1項に基づく包括外部監査  2.監査の対象とした事件名    小中学校における教育に関する事業について  3.事件の選定理由    岐阜市(以下、「市」とする。)は、平成30年度に都市づくりの   総合的な方針として『ぎふし未来地図』を策定した。この中で、今後   取り組まなければならない課題である人口減少・少子高齢化・グロー   バル化に向け、市政運営の理念を、   ┌────────────────────────────┐   │(1) 人生100年時代の未来を創り、都市を支えるひとづくり │   │                        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄│   │(2) 魅力とにぎわいを生み、成長を引き出す活力づくり  │   │                      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  │   │(3) つながり、安らぎを感じる持続可能な街づくり    │   │                     ̄ ̄ ̄ ̄    │   │(4) 成長都市を支える行財政運営の最適化        │   │            ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄        │   └────────────────────────────┘   の4つにとりまとめているが、その中でも、市の特徴として「ひとづ   くり」を第一に捉えており、これに必要なものを「子どもたちへの教   育」であるとしている。    一方で、市では平成11年度から包括外部監査制度が導入された   が、過去において、学校教育がテーマとして選定されたことがなかっ   た。    さらに、市の教育費の一般会計当初予算に占める割合は、9.7%と   大きく、社会福祉などに支出される民生費(35.3%)に次ぐ規模とな   っている。    このような状況において、市が担う教育の中心である、小中学校に   おける教育に関する事業について、本年度の監査対象テーマとして選   定し、今後の事務の改善に資するような指摘または意見を提言するこ   とは、必要かつ有用な包括外部監査になるものと判断した。
     4.監査の対象期間    平成30年度に執行したものとする。ただし、必要があると認めた   ものについては、過年度分も対象とした。  5.監査従事者    包括外部監査人     諏訪 直樹(公認会計士)    包括外部監査人補助者     若原 幸秋(公認会計士)     乾 美恵子(弁護士)     高井 正樹(税理士)     岩井 由紀子(税理士)     石田 裕志(公認会計士)  6.監査を実施した期間    令和元年6月10日から令和2年2月7日まで  7.外部監査人の独立性(利害関係)    市と包括外部監査人及び包括外部監査人補助者との関係には、地   方自治法252条の29の規定により記載すべき利害関係はない。  8.監査の対象機関    小中学校における教育に関する事業に係る事務を所管する部署、当   該事務に関連する部署等  9.監査の着眼点    小中学校における教育に関する事業に係る事務について、関係法   令、条例及び諸規程に準拠して行われているか、あるいは、社会通念   上著しく適正を欠き不当と判断される事項はないか、また、事業の成   果が十分に発揮されているかどうかについて検証を行う。    なお、地方公共団体は最小の経費で最大の効果を挙げなければなら   ないとする観点(地方自治法第2条第14項)も踏まえ、いわゆる3E   (経済性、効率性、有効性)にかなうものかどうかの視点を持ち監査   を実施する。  10.監査の方法   (1) 監査の実施対象について、関係法令、条例及び諸規程等の確認   (2) 所管部署の担当者に対するヒアリング   (3) 行政計画、予算の執行状況の調査、確認   (4) 関係帳簿及び証拠書類との突合、内部管理資料、契約書等の文     書の閲覧   (5) 学校視察の実施(市立小中学校が68校のうち、学校規模を勘     案して11校(生徒数は平成30年度末を記載))  (小学校) ┌─┬───────┬──────┐ │ │  学校名  │児童数(人)│ ├─┼───────┼──────┤ │1│梅林小学校  │   207  │ ├─┼───────┼──────┤ │2│華陽小学校  │   253  │ ├─┼───────┼──────┤ │3│長良小学校  │   330  │ ├─┼───────┼──────┤ │4│長森南小学校 │   775  │ ├─┼───────┼──────┤ │5│鶉小学校   │   815  │ ├─┼───────┼──────┤ │6│黒野小学校  │   485  │ ├─┼───────┼──────┤ │7│藍川小学校  │   252  │ ├─┼───────┼──────┤ │8│長森西小学校 │   453  │ └─┴───────┴──────┘  (中学校) ┌─┬───────┬──────┐ │ │  学校名  │生徒数(人)│ ├─┼───────┼──────┤ │9│長森中学校  │   776  │ ├─┼───────┼──────┤ │10│岐阜西中学校 │   525  │ ├─┼───────┼──────┤ │11│境川中学校  │   901  │ └─┴───────┴──────┘ 11.監査意見 ┌──────────┬──────────┬──────────┐ │    指摘    │    意見    │    合計    │ ├──────────┼──────────┼──────────┤ │    12件    │    56件    │    68件    │ └──────────┴──────────┴──────────┘     本報告書において指摘または意見という場合、次のように区分し    ている。     指摘:関係法令、条例及び諸規程等の形式的な違反、裁量権の逸        脱などの実質的な違反がある場合、もしくは、実質的な違        反とまでは言えないが、社会通念上、適切でないものであ        り是正すべきもの、またはそれに準じるもの     意見:是正を必ずしも要するものではないが、事業の執行につい        て参考にすべき事項として監査人が市に対して提言するも        の 第2 監査対象の概要  1.市の小中学校における教育に関する概要   (1) 市の小中学校      市には、小学校が46校、中学校が22校あり、長良川を境     に、川北地区と川南地区がありそれぞれに学校が配置されてい
        る。   (2) 児童数・生徒数の推移      市の児童数・生徒数は、昭和55年から60年ごろがピークと     なり、それ以降急速に減少が進み、令和元年では、児童数が     19,978人、生徒数が9,993人となっている。また、市では、令     和2年以降の児童数・生徒数の推計も行っており、やはり減少     傾向は変わらないと考えている。   (3) 「岐阜市教育大綱」      「岐阜市教育大綱」は、地方教育行政の組織及び運営に関す     る法律の規定に基づき、「教育、学術及び文化の振興に関する     総合的な施策の大綱」として、市長が策定する、市の教育に関     する施策の目標や根本となるべき方針を示すものである。   (4) 「岐阜市教育振興基本計画」      教育基本法は、日本の教育の理念と原則を定める法律で、同     法第17条では、この理念の実現に向けて、国に対して、教育振     興施策を総合的に推進するための基本方針を定めた教育振興基     本計画を策定する義務を課すとともに、地方公共団体に対し     て、地域の実情に応じて、教育振興基本計画の策定に努める義     務を課している。      市では、「岐阜市教育大綱」にもとづき、第1期(平成20年     度から平成24年度)に「岐阜市の教育基本方針」、第2期(平     成25年度から平成29年度)に「岐阜市教育振興基本計画」を     策定し、次のような教育に関する取組みを実施した。      そして、平成30年度から5年を計画期間とする「第3期岐阜     市教育振興基本計画」を策定し、現在実行している。   (5) 教育委員会      地方公共団体は教育に関する事務を処理するにあたっては、     次の4点が求められている。 ┌─────────────────────────────┐ │ア. 地方自治が尊重されること              │ │イ. 国、都道府県、市町村がそれぞれの役割分担を果たし、連│ │  携協力すること                    │ │ウ. 政治的中立を維持し、教育の安定性を確保すること   │ │エ. 住民の意思が反映されること             │ └─────────────────────────────┘    そこで、政治的中立を維持するとともに、地域に根差した教   育・文化の振興の実現を図るため、市長から独立した行政委員   会、教育に関する事務を管理執行する合議制の執行機関とし   て、教育委員会が設置されている。    教育委員会は、教育長と複数の委員から構成し、委員の有す   る様々な知見を活用することで効果的かつ適正な事務の執行を   行っている。法令の定めにより、教育長の任命には、人格が高   潔で教育行政に関し識見を有する者のうちから、市長が議会の   同意を得て任命することとし、任期は3年とされている。    また、委員の任命については、人格が高潔で、教育・学術及   び文化に関し識見を有する者のうちから、年齢・性別・職業等   に著しい偏りが生じないよう配慮し、市長が議会の同意を得て   任命することとし、任期は4年、定数は5人としている。   (6) 教育委員会事務局   (7) 市教育費予算      平成30年度の教育費予算の総額は、151億9,959万2千円で     あり、前年度予算152億832万2千円と比較すると、873万円の     減額であった。また、教育費の一般会計に占める割合は、9.7%     であった。  2.監査の対象とした部署    市の小中学校における教育に関する事業について、特に関連する   であろう次の部署を対象として選択した。   (1) 教育委員会 第3 監査の結果及び意見  1.学校評価   (1) 概要      学校評価は、それぞれの学校が自らの教育活動その他の学校     運営について、自律的・継続的に改善を行っていくために必要     なものである。また、学校が保護者や地域住民に対して説明責     任を果たし、保護者、地域住民などと情報や課題を共有しなが     ら学校運営を進めていく上でも重要なものである。このような     考えに基づいて、文部科学省は、平成18年3月27日に、「義     務教育諸学校における学校評価ガイドライン」を策定し、学校     評価の目的や方法、結果の公表方法等を示した。また、平成19     年6月に学校教育法、同年10月に学校教育施行規則の改正によ     り、自己評価・学校関係者評価の実施・公表、評価結果の設置     者への報告に関する規定が新たに設けられた。これを受けて、     平成22年7月20日に、「学校評価ガイドライン」が改訂され     た。      これらを踏まえ、教育委員会においても、「岐阜市・学校評     価ガイドライン」を作成した。    ア. 学校評価の目的      学校評価の目的として、(ア)教育活動・学校運営の組織的・
        継続的改善、(イ)学校・家庭・地域の連携協力による学校づく     り、(ウ)教育の質の保証と向上の3つがあるといわれている。     (ア) 教育活動・学校運営の組織的・継続的改善        各学校が、自らの教育活動その他の学校運営について、目       指すべき目標を設定し、その達成状況や達成に向けた取組の       適切さ等について評価することにより、学校として組織的・       継続的な改善を図ること。     (イ) 学校・家庭・地域の連携強化による学校づくり        各学校が、自己評価及び保護者など学校関係者等による評       価の実施とその結果の公表・説明により、適切に説明責任を       果たすとともに、保護者、地域住民等から理解を得て、学       校・家庭・地域の連携協力による学校づくりを進めること。     (ウ) 教育の質の保証と向上        各学校の設置者等が、学校評価の結果に応じて、学校に対       する支援や条件整備等の改善措置を講じることにより、一定       水準の教育の質を保証し、その向上を図ること。    イ. 市の考える学校評価      学校が、教育活動その他の学校運営について、目標(Pla     n)-実行(Do)-評価(Check)-改善(Actio     n)というPDCAサイクルに基づき、継続的に改善を進めて     いく。この自己評価活動を機能させるためには、目標を適切に     設定することが重要であり、各学校は、学校全体の教育目標と     ともに、目指すべき具体的実践目標やそれに向けた取組を具体     的に設定する必要がある。「学校評価」をより学校づくりに生     かしていくために、市では、次の5つのポイントを大切にして     いる。     (ア) 評価項目の明確化と具体化       ・教職員、児童生徒、保護者等が目指す方向を明確にし、共        有する       ・評価項目を具体化し、適確な評価を実現する       ・小中一貫教育推進のための中学校区の重点目標を設定する       ・学校の教育活動に基づいた評価計画を作成する     (イ) 全教職員の共通理解による改善活動を推進       ・学校評価の意義、評価項目について、共通理解をする       ・共通理解に基づき、PDCAサイクルによる教育活動・学        校運営を改善する     (ウ) 自己評価を重視       ・学校評価の基本は、自己評価である       ・自己評価を通して、教職員が学校運営の状況を把握し、主        体的に改善に取り組む       ・児童生徒、保護者等の視点からの外部アンケート結果を積        極的に取り入れる     (エ) 学校関係者評価を実施       ・学校評議員を基本に、保護者の代表を含めた組織をつくる       ・学校の現状と取組への理解を深め、ともに学校を良くして        いくための活動に、前向きに取り組む態勢づくりをする       ・教職員の自己評価や外部アンケートの結果をもとに学校の        取組を評価する     (オ) 学校情報を積極的に発信       ・自己評価及び学校関係者評価の結果並びに今後の改善策を        とりまとめた学校評価書を作成し、教育委員会へ提出す        る       ・「学校評価の結果」については、改善の方向を含め、保護        者や地域の方々に積極的に発信する       ・「学校評価の結果」については、文書にて公表する    ウ. 文部科学省が考える学校評価により期待される取組と効果       学校評価の結果を踏まえ、各学校が自らその改善に取り組む      とともに、評価の結果を学校の設置者等に報告することにより      課題意識を共有することが重要である。これを踏まえ、設置者      等は予算・人事上の措置や指導主事の派遣を行うなどの適切な      支援を行うことが必要である。       学校関係者評価の取組を通じて、教職員や保護者、地域住民      等が学校運営について意見交換し、学校の現状や取組を知り課      題意識を共有することにより、相互理解を深めることが重要で      ある。学校評価を学校・家庭・地域間のコミュニケーション・      ツールとして活用することにより、保護者・地域住民の学校運      営への参画を促進し、共通理解に立ち家庭や地域に支えられる      開かれた学校づくりを進めていくことが期待される。さらに、      学校評価を軸とした情報の共有と連携協力の促進を通じて、学      校・家庭・地域それぞれの教育力が高められていくことが期待      できる。       また、第三者評価の取組を通じて、学校が自らの状況を客観      的に見ることができるようになるとともに、専門的な分析や助      言によって学校の優れた取組や、学校の課題とこれに対する改      善方策が明確となる。さらに、学校運営が適切になされている      かどうかが確認される。これらの結果、学校の活性化や信頼さ      れる魅力ある学校づくりにつながることが期待される。       学校評価は、限られた時間や人員を、必要度・緊急度の高い      活動や教育効果の高い活動に集中するといった、学校の教育活      動の精選・重点化を進める上で重要な役割を果たすものであ      る。学校評価の取組を通じて、学校として組織的に、今、重点      的に取り組むべきことは何かを把握し、その伸長・改善に取り      組むことになることが期待される。       学校評価は、あくまでも学校運営の改善による教育水準の向      上を図るための手段であり、それ自体が目的ではない。学校評      価の実践そのものが自己目的化してしまわないよう、地域の実      情も踏まえた実効性のある学校評価を実施していくことが何よ      りも重要である。    エ.学校評価に関する学校教育法・学校教育法施行規則       学校教育法      第42条       小学校は、文部科学大臣の定めるところにより当該小学校の      教育活動その他の学校運営の状況について評価を行い、その結      果に基づき学校運営の改善を図るため必要な措置を講ずること      により、その教育水準の向上に努めなければならない。      第43条
          小学校は、当該小学校に関する保護者及び地域住民その他の      関係者の理解を深めるとともに、これらの者との連携及び協力      の推進に資するため、当該小学校の教育活動その他の学校運営      の状況に関する情報を積極的に提供するものとする。      ※これらの規定は、幼稚園(第28条)、中学校(第49条)、      高等学校(第62条)、中等教育学校(第70条)、特別支援学      校(第82条)、専修学校(第133条)及び各種学校(第134      条第2項)に、それぞれ準用する。       学校教育法施行規則      第66条       小学校は、当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況に      ついて、自ら評価を行い、その結果を公表するものとする。     2 前項の評価を行うに当たっては、小学校は、その実情に応      じ、適切な項目を設定して行うものとする。      第67条       小学校は、前条第1項の規定による評価の結果を踏まえた当      該小学校の児童の保護者その他の当該小学校の関係者(当該小      学校の職員を除く。)による評価を行い、その結果を公表する      よう努めるものとする。      第68条       小学校は、第66条第1項の規定による評価の結果及び前条      の規定により評価を行った場合はその結果を、当該小学校の設      置者に報告するものとする。      ※これらの規定は、幼稚園(第39条)、中学校(第79条)、      高等学校(第104条)、中等教育学校(第113条)、特別支援      学校(第135条)、専修学校(第189条)、各種学校(第190      条)に、それぞれ準用する。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬────────────────┐ │      着眼点      │      監査手続      │ ├───────────────┼────────────────┤ │ア. 学校評価に係る運用が適切│・学校が作成した学校評価書を閲 │ │  に実施されているか。   │ 覧              │ │               │・情報発信の状況を教育委員会が │ │               │ どのように確認しているかにつ │ │               │ いてヒアリング        │ ├───────────────┼────────────────┤ │イ. 学校評価実施における教育│・学校評価書のまとめを閲覧   │ │  委員会の支援体制は構築され│・学校評価における教育委員会の │ │  ているか。        │ 支援体制についてヒアリング  │ └───────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │       着眼点       │     監査結果     │ │                 ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 学校評価に係る運用が適切に実│    │    │ 1)  │ │  施されているか        │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 学校評価実施における教育委員│ ○  │    │    │ │  会の支援体制は構築されているか│    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    1) 学校評価の情報公開      年度当初に、市の重点項目をもとに、学校として重点項目を     記載して教育委員会に提出する。また、年度末に、学校として     の重点項目に対し、自己評価、達成状況、学校関係者評価委員     会からの所見、改善の方向を記入して提出していることを確認     した。      これらの学校評価書は、文書による保護者への公表ととも     に、PTA総会・懇談会での保護者への説明、地域の集会等で     の説明、学校ホームページでの情報公開が求められている。      これについて、ヒアリングを実施した結果、教育委員会は、     実際に各学校から情報公開が行われたかまで確認していないと     回答を得た。      今後は、教育委員会が学校を指導する立場にあることから、     情報公開が実際に実施されたかどうかまで確認することが望ま     しい。【意見1】  2.教育事務   (1) 概要      教育事務の主なものとして、小中一貫教育研究事業、岐阜市     型コミュニティ・スクール推進事業、スーパーシニア「ぎふっ     子応援」事業などを行っている。    ア. 小中一貫教育研究事業       中学校区の実態に合わせためざす子どもの姿(9年間を貫く      指導目標)を設定し、指導内容と方法を系統化することで、学      校間・校種間の枠を越えて、9年間の成長を見通し一貫した教      育の研究を行っている。       市で重点としているものとしては、a.中学校区の実情に合わ      せて、「めざす子どもの姿(9年間を貫く指導目標)を設定す      る、b.「めざす子どもの姿」の具現に向けて指導内容と方法を      系統化し、全職員の共通理解のもと、9年間一貫した指導を行      うとしている。       「学校・校種が替わっても、めざすものは変わらない」を合      言葉に、小中学校の全職員が共通理解した指導を行うものであ      る。       具体的な実践例としては、小中で合同の学校運営協議会が設      置されており、小中が一体となって地域とのさまざまな協働活
         動を展開している。またPTAの広報誌も小中合同で発行され      ているところもある。また、9年間を見通した「学習姿勢系統      表」を作成することで、9年間の学習指導を通しての「めざす      姿」が明確にされ、具体的な手立てが「学習準備」「言語環境      の充実」「家庭での学習習慣」の観点からまとめられ、実際の      学び方や学習内容の定着を見届けるために、互いの全校研究会      を参観することなどを通して、検証が行われている。    イ. 岐阜市型コミュニティ・スクール推進事業       教育委員会及び校長の権限と責任の下、保護者や地域住民、      有識者等から構成される「学校運営協議会」を設置し、学校運      営への参画の促進や連携強化を進めることにより「地域に開か      れ、地域に支えられるよりよい学校づくり」を行っている。       市では、これまでにも保護者や地域の方々のご協力を得て、      ゲストティーチャーとしての授業参加、登下校時の見守り活動      の実施、学校内外の環境整備など、各小・中学校、特別支援学      校、幼稚園等の教育活動の充実や子どもたちの安全・安心につ      ながる取組を進めてきており、この取組を基盤として、地域に      ある豊かな社会資本の活用を進め、今ある活動をより組織的・      断続的に取り組む体制を整えようと、平成20年度より学校運      営協議会制度(コミュニティ・スクール)を活用し指定を進め      てきている。平成27年度には市立の全ての小・中学校、特別      支援学校が、平成30年度には、市立幼稚園(加納幼稚園・岐      阜東幼稚園)と市立高等学校(市立岐阜商業高等学校)が学校      運営協議会を立ち上げることにより、市立の全ての幼小中高の      学校・園がコミュニティ・スクールとなった。       コミュニティ・スクールとは、学校と保護者や地域の皆さん      がともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させること      で、一緒に協働しながら子供たちの豊かな成長を支え「地域と      ともにある学校づくり」を進める仕組みである。コミュニテ      ィ・スクールには保護者や地域住民などから構成される「学校      運営協議会」が設けられ、学校運営の基本方針を承認したり、      教育活動などについて意見を述べたりといった取組が行われる      ものである。    ウ. スーパーシニア「ぎふっ子応援」事業       子どもへの教授スキル向上を図る教育学講座を27名のシニ      アが修了し、自らの知識や経験を子どもの学びに活かしなが      ら、学校現場で活躍している。また、東京大学牧野研究室とと      もにモデル校区において、地域と学校の連携・協働に係る取組      の研究を推進している。       本事業は、少子高齢化を課題ではなくチャンスと捉え、高齢      者の学びと活躍の場を創出し、その意欲と力を学校現場や子ど      もたちへの教育に活かす取り組みを推進する。シニアが子ども      たちに自らの知識や経験を伝えることで、シニア自身の生きが      い増進はもとより、子どもたちが夢や目標、地域や社会に関心      を持つとともに、地域と学校が連携・協働しながら将来の担い      手を育成していく仕組みを構築すること目的としている。       平成30年度においては、ぎふスーパーシニア教育学講座と      して年3回開催した。第1回は、ぎふスーパーシニアの授業参      観と子どもたちと一緒に給食体験、第2回は、「3,600人の調      査から見えたシニアと子どもの相乗効果」と「今の子どもは?      実態や発達障がい・人権を踏まえた接し方・伝え方」の講義、      第3回は、「楽しいベースの<ちいさな社会>と人々の<学び      >-人生100年時代を生きる・みんなが主役のまちをつくる      ー」の講義を実施した。これらの講座修了者のうち「ぎふスー      パーシニア教育人材リスト」登録を希望してから実際に活動す      ることとなる。       東京大学牧野研究室の知見やノウハウを活用し、「教育を通      じて高齢者の生きがいづくりや活力増進を図る」とともに、      「高齢者の知識・経験を子どもたちへの教育に活かす」仕組み      を調査・研究している。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │      監査手続     │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 小中一貫教育推進事業の目│・実践事例を閲覧       │ │  的がどのように達成されてい│               │ │  るか。          │               │ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. コミュニティ・スクールの│・学校視察時における会議録の閲│ │  運営は適切に実行されている│ 覧             │ │  か。           │・予算執行における通達を閲覧 │ │               │・事業内容のヒアリング    │ ├───────────────┼───────────────┤ │ウ. コミュニティ・スクールの│・予算執行における通達を閲覧 │ │  決算報告は適切になされてい│・学校別決算報告書一覧の中から│ │  るか。          │ 科目に偏りがみられた報告書の│ │               │ 内容を閲覧         │ ├───────────────┼───────────────┤ │エ. スーパーシニア「ぎふっ子│・事業内容のヒアリング    │ │  応援」事業の目的がどのよう│               │ │  に達成されているか。   │               │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │       着眼点       │     監査結果     │ │                 ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 小中一貫教育推進事業の目的が│ ○  │    │    │ │  どのように達成されているか  │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. コミュニティ・スクールの運営│    │    │ 1)2) │ │  は適切に実行されているか   │    │    │    │
    ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. コミュニティ・スクールの決算│    │    │ 3)  │ │  報告は適切になされているか  │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │エ. スーパーシニア「ぎふっ子応 │    │    │    │ │  援」事業の目的がどのように達成│ ○  │    │    │ │  されているか         │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) コミュニティ・スクールの経費の支払時期       予算の申請書を6月末日までに教育委員会宛に提出してい      る。その際には、コミュニティ・スクール組織図、年間活動計      画、予算案、支援推進委員会規程、支援推進委員会名簿などを      提出したのちに予算が支払われる仕組みとなっているため、予      算の振込が7月下旬から9月頃となっている。       また、予算執行後の残金については、市に戻す仕組みとなっ      ているため、年度当初の残金は0円となっている。そうしたこ      とから、4月から入金時までに使用した費用については、担当      者が立て替えることは好ましくないため、業者に支払いを待っ      てもらっている状態である。業者のほうも慣例となっているた      め理解を示しているとのことであるが、予算承認後速やかな支      払いを行うことが望ましい。【意見2】     2) コミュニティ・スクールの運営       各種会議や事業内容については、学校ごとで回数も内容も大      きく異なっている。これは地域の特性などを考慮して実施して      いるものであるから、異なっていることに対して異論はない。      しかしながら、会議を行った際には、どのような発言があった      のか、反省点はあったのかなどを記録する習慣にしておいたほ      うが、今後の会議においても有意義なものになる。個人のメモ      で残している記録もあったが、そのような場合、個人の人事異      動とともに消失する恐れも否定できない。したがって、現在会      議録を残していないコミュニティ・スクールは将来のためと思      って会議録を残すことが望ましい。【意見3】     3) コミュニティ・スクールにおける購入方針       学校視察時に、会計綴りを閲覧している中において、インタ      ーネットで購入した物品を確認した。購入した判断としては、      近隣の店舗より安かったというのが購入の動機であったが、こ      れについて市から指摘があった。       その理由は、背景として市の業者を利用してもらいたいとい      った事情もあると回答を得た。       確かに、市の地域として実施しているコミュニティ・スクー      ルであるので、市全体として盛り上げていこうという趣旨はよ      くわかる。しかしながら、限りある予算がある中での経済性と      いう観点から考えると、少しでも安くて使い勝手がいい物品で      あれば、現場としてはそちらで構わないといえる。       市の業者という観点を重視していくのであれば、その方針を      周知するよう検討されたい。【意見4】  3.土曜日の教育活動推進事業   (1) 概要      学力補充・体験学習・地域とのコラボ・部活動・体力作りを     方針とし、子どもたちの個性的な才能を開花させるきっかけづ     くりとして、希望する中学生に対し、高校の学習内容等の発展     的な学びや、ダンスや薬学など様々な分野の学びの機会を提供     する。      具体的な実施内容は次である。    ア. 学校課題に応じた授業:土曜日午前授業、年間10回、全員      参加する。指定校においては年間5回、学生サポーターを派遣      し授業等を支援する。    イ. 土曜日の才能開花教育:希望する中学生各回30名程度を対      象に、年間10回の授業を実施している。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │      着眼点     │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 学校課題に応じた授業は│・実施実績について確認   │ │  計画とおり実施されている│              │ │  か           │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 実施テーマの選定は適切│・分野選定方法について確認 │ │  か           │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │ウ. 定員超過の場合の参加者│・選定方法について確認   │ │  の選定方法は適切か   │              │ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │      着眼点     ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 学校課題に応じた授業は│    │    │    │ │  計画とおり実施されている│ ○  │    │    │ │  か           │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 実施テーマの選定は適切│    │    │ 1)  │ │  か           │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 定員超過の場合の参加者│ ○  │    │    │ │  の選定方法は適切か   │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 実施テーマの選定
          MI理論(※)に示された8つの知能を参考に、担当者が選      定案を策定し、課内会議を経て決定しているとのことである。      平成30年度の実施実績は次のとおりである。       (※)MI理論とは、ハーバード大学教授のハワード・ガー      ドナー氏が提唱する「多重知能(Multiple Intelligences)」      理論であり、言語的知能、論理数学的知能、音楽的知能、身体      運動的知能、空間的知能、対人的知能、内省的知能、博物的知      能の8つの知能のうち、人によってある知能が強い傾向、また      は、ある知能が弱い傾向があるという考え方である。       定員に対し申込者数が多いあるいは少ないテーマがあるが、      事業の性質上、狭い分野に特化したテーマを選定している以      上、仕方がないものと考えられる。今後もテーマ数を増やすこ      とで全体の参加者数を増加するよう検討することが望ましい。      【意見5】  4.理科授業魅力アップ事業   (1) 概要      理科を専門としない5,6年の担任の教諭に対して理科の実     験や観察の実施をサポートし、子どもたちに自然や科学に対す     る興味や関心を高められるように、理科支援員を配置する。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │      着眼点     │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 助成は適切に行われてい│・助成書類の確認      │ │   るか         │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 事業の目的に実施内容は│・実施書類の確認      │ │  合致しているか     │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │ウ. 理科支援員の募集方法・│・関係書類の確認      │ │  選定方法・配置基準は適切│・関係者へのヒアリングの実施│ │  か           │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │エ. 理科支援員の出退勤の管│・関係書類の確認      │ │  理は適切か       │              │ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 助成は適切に行われてい   │ ○  │    │    │ │  るか             │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 事業の目的に実施内容は   │ ○  │    │    │ │  合致しているか        │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 理科支援員の募集方法・   │    │    │    │ │  選定方法・配置基準は適切   │    │    │ 1)  │ │  か              │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │エ. 理科支援員の出退勤の管   │    │    │ 2)  │ │  理は適切か          │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 理科支援員の配置基準       募集方法:広報「ぎふ」とHP       選定方法:面接試験       平成30年度配置実績:小学校13名       費用負担:国が理科支援員に係る費用の1/3を補助       配置は、学級数が多い学校、理科免許を保有している職員が      いない、もしくは少ない学校に行っているとのことであった。       全小学校46校中13校であり28%と配置率が低い。理科の観      察・実験活動に係る準備、調整、片付け等のサポートがある      と、教員の時間外労働の縮減につながるため積極的に配置して      いくことが望ましい。【意見6】     2) 理科支援員の出退勤管理       理科支援員は出勤表に勤務時間を手書きで記入している。理      科の授業のサポートということで、比較的事後的に確認しやす      いが、客観性を保つためタイムカードの導入が望ましい。      【意見7】  5.ALT 外国語指導助手   (1) 概要      コミュニケーションの基礎的な能力を身に付けることを目指     すことを方針とし、市内全中学校において、年間53時間(週     1.5時間)以上ALTによる英語指導を受けることができる環境を     整えるとともに、市内全小学校の5、6年生に、同一校区の中     学校で勤務するALTの派遣(年間18時間)を行う。   (2) 監査の着眼点並び監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 計画通りに実施されてい│・関係書類の確認      │ │  るか          │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 配置が委託のみであるこ│・関係書類の確認      │ │  とは適切か       │・関係者へのヒアリングの実施│
    └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │      着眼点     ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 計画通りに実施されてい│ ○  │    │    │ │  るか          │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 配置が委託のみであるこ│    │    │ 1)  │ │  とは適切か       │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) ALTの直接雇用       個人がALTを希望する場合、委託元への登録のうえ派遣とい      う形式のみになるとのことであるが、直接交渉の場合、より低      い費用で雇用できる可能性も考えられることから、一律に委託      のみとはせず、市の直接雇用枠も設けることが望ましい。      【意見8】  6.「4技能のバランスを重視した英語教育」研究推進事業   (1) 概要      英語教育における「読む・聞く・書く・話す」の4技能をバ     ランスよく育むことを方針とし、ベネッセ教育総合研究所へ職     員1名を派遣する。また、ベネッセグループの英会話講師によ     る英語授業を研究校と同一校区の小学校において実施する。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 契約とおりに実施されて│・実施書類の確認      │ │  いるか         │・関係者へのヒアリングの実施│ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 出向職員の選定方法は適│・関係者へのヒアリングの実施│ │  切か          │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │ウ. 出向職員の管理は適切か│・関係書類の確認      │ ├──────────────┼──────────────┤ │エ. 市とベネッセ教育総合研│              │ │  究所との取り組みに客観性│・関係書類の確認      │ │  は保たれているか    │              │ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │     着眼点      ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 契約とおりに実施されて│ ○  │    │    │ │  いるか         │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 出向職員の選定方法は適│    │    │ 1)  │ │  切か          │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 出向職員の管理は適切か│ ○  │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │エ. 市とベネッセ教育総合研│    │    │    │ │  究所との取り組みに客観性│    │    │ 2)  │ │  は保たれているか    │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 出向職員の選定方法       公募による面接試験により選定している。平成28年~平成      30年度の公募応募者数は平成29年度の1名のみであった。部      内協議で出向者を決定しているとのことであるが、選定時の資      料が残っていなかった。客観性を保つためには議事録を残すこ      とが望ましい。【意見9】     2) 事業の客観性確保       当事業はベネッセ教育研究所との協定に基づいて遂行されて      いる。包括的研究推進を進めるにあたり、1対1の関係を継続      するのではなく、一層の効果を獲得しかつ客観性を保つため      に、他の英語教育機関からも意見を聞く機会を設けることが望      ましい。【意見10】  7.イングリッシュ・キャンプ in GIFU   (1) 概要      児童生徒が、外国人と主体的に英語でコミュニケーションを     とろうとする姿勢を育むとともに、英語力、英語での自己表現     力の向上を目指し、市在住の小中学生(小学校5年生以上)を     対象に、ALTや大学生サポーターと野外炊事や川遊び、ウォーク     ラリーなどの体験を全て英語で行う4泊5日のキャンプを実施     する。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 市の負担金額は適切か │・実施書類の確認      │ │              │・契約書の確認       │ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 参加の機会は平等か  │・関係者へのヒアリングの実施│
    ├──────────────┼──────────────┤ │ウ. 市の英語教育は他市町村│              │ │  と比較して充分対応できて│・関係者へのヒアリングの実施│ │  いるか         │              │ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │     着眼点      ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 市の負担金額は適切か │ ○  │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 参加の機会は平等か  │    │    │ 1)  │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 市の英語教育は他市町村│    │    │    │ │  と比較して充分対応できて│    │    │ 2)  │ │  いるか         │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 参加機会の公平性       平成30年度の参加希望者数は243名で参加者は160名であ      った。選考方法は抽選により、全ての希望者が一度は参加でき      るよう、未経験者を優先しているとのことである。選考方法に      問題は無い。       また、抽選に漏れた者が今後も英語を学ぶ意欲や国際交流に      対する関心を維持,向上させられるようにイングリッシュ・キ      ャンプとは別日にALTと活動するサポートプロジェクトを行      っている。細かいところまで配慮がなされていた。       一方、キャンプ参加者の負担額は12,000円であり、低所得      家庭への補助・免除等は無い。低所得者家庭については、非日      常的な経験の機会は通常より少ないと想定されること、英語塾      等に通う機会も少ないと想定される。行事を特定し免除するこ      とで、参加への意欲・学習への意欲・保護者の理解につながる      ため、低所得家庭への参加費免除を検討することが望ましい。      【意見11】     2) 派遣事業の実施       岐阜県内の多くの市町村において、中学生を対象に英語圏へ      の派遣事業を実施しているが、市においては同様の事業は無      い。令和2年度より開始を検討中とのことである。当事業終了      後の児童生徒のアンケートでは、「早く本当に外国に行きたい      と思った」との回答もある。       市は、英語圏についてはアメリカ・シンシナティシティ(昭      和62年提携)・カナダ・サンダーベイシティ(平成19年提携)と      姉妹都市を提携している。より多くの生徒に学びのチャンスを      設けることは教育者の使命であるため、早急に派遣事業を開始      することが望ましい。【意見12】  8.子どものための消費者教育推進事業   (1) 概要      有効なお金の使い方を学ぶとともに、消費者被害に遭わない     ために、騙される心理を理解し自分の頭でしっかりと考えて行     動することの大切さを学ぶために、講師を招き、「私のライフ     &マネープラン」と題した授業を実施する。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌─────────────┬──────────────┐ │     着眼点     │     監査手続     │ ├─────────────┼──────────────┤ │ア. 実施状況は適切か  │・実施書類の確認      │ └─────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────┬──────────────┐ │             │     監査結果     │ │     着眼点     ├────┬────┬────┤ │             │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 実施状況は適切か  │    │    │ 1)  │ └─────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 事業の実施状況       平成30年度の実施状況は次のとおりである。       中学校:8校 実施率36%(全中学校22校)       小学校:8校 実施率17%(全小学校46校)       在学中に1度講習を受ける程度の実施率の低さである。成長      に伴い考え方・受け取り方も変化していくため、実施の仕方を      再検討することが望ましい。       小学校に関する委託料については、タレントへの講演依頼に      よるものである。過去3年間も次の契約金額により同一のタレ      ントとの一者随意契約によっている。       平成27年度 4,631,000円 (10校で実施)       平成28年度 3,704,540円 (8校で実施)       平成29年度 3,805,000円 (8校で実施)       当事業の目的は自分の頭でしっかり考えて行動することであ      り、市内小学校46校中8校での実施になっていることも考慮      すると、毎年同一の著名人に依頼しなければいけない必然性は      低く、全小中学校で同様の講演が実施できるように工夫される      ことが望ましい。【意見13】  9.ハートフルサポーター・ハートフルティーチャー・特別支援教育介    助員   (1) 概要
       ア. ハートフルサポーター       ハートフルサポーターとは、通常学級に在籍しているが、学      習や生活に配慮を要する児童生徒に対してきめ細やかな指導を      行う人員で、各小中学校に配置している。また、ハートフルサ      ポーターに対しては、年間5回程度研修を行い、指導方法や各      学校における状況を共有するなどして指導力向上を図ってい      る。    イ. ハートフルティーチャー       ハートフルティーチャーとは、通常学級で配慮を要する児童      生徒への対応する人員で、通常学級で配慮を要する児童生徒が      在籍する学級に配置し、取り出し指導の授業などを実施してい      る。    ウ.特別支援教育介助員      特別支援教育介助員は、落ち着いた学校生活と確かな学力お     よび生活力の定着を目指し、特別支援学級等に配置することに     より、様々な様相をもった児童生徒に対して個別の指導を行っ     ている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 募集方法・選定方法は適│・関係者へのヒアリングの実施│ │  切か          │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 出退勤の管理は適切か │・関係資料の確認      │ │              │・関係者へのヒアリングの実施│ ├──────────────┼──────────────┤ │ウ. 適切な人員数と今後の検│・関係者へのヒアリングの実施│ │  討はなされているか   │              │ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │     着眼点      ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 募集方法・選定方法は適│ ○  │    │    │ │  切か          │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 出退勤の管理は適切か │    │    │ 1)  │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 適切な人員数と今後の検│ ○  │    │    │ │  討はなされているか   │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 出退勤の管理       ハートフルサポーター、ハートフルティーチャー及び特別支      援教育介助員は、出勤表に勤務時間を手書きで記入している。      出勤時退勤時は他の教職員が目視で確認をしているとのことだ      が、確認する職員も特定で決まっているわけではないため、そ      の正確性を裏付けるものが無い。一カ月分の時間数を教育委員      会がサポーター自身に確認をとり賃金の支払い計算をしている      とのことである。正確性・客観性を担保するため、「確認者を      決める」・「タイムカードを導入する」等管理方法を改善する      ことが望ましい。【意見14】  10.教育相談員(ほほえみ相談員)   (1) 概要      不登校やいじめ問題の解決を図るため、家庭訪問を中心とし     たふれあい活動を行いながら不登校児童生徒の登校改善を目指     し、ほほえみ相談員を全中学校区に配置し、いじめ等の早期発     見、早期対応にあたる。中学校を本務校として、22名配置し、     それぞれの校区の小学校も担当している。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 募集方法・選定方法は適│・関係者へのヒアリングの実施│ │  切か          │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 計画とおり実施されてい│・勤務実績資料の確認    │ │  るか          │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │ウ. 賃金の計算方法・支払方│・関係書類の確認      │ │  法は適切か       │・関係者へのヒアリングの実施│ ├──────────────┼──────────────┤ │エ. 書類の管理方法は適切か│・関係者へのヒアリングの実施│ ├──────────────┼──────────────┤ │オ. 適切な人員数と今後の検│・関係者へのヒアリングの実施│ │  討はなされているか   │              │ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果    《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │     着眼点      ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 募集方法・選定方法は適│ ○  │    │    │ │  切か          │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 計画とおり実施されてい│ ○  │    │    │
    │  るか          │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 賃金の計算方法・支払方│ ○  │    │    │ │  法は適切か       │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │エ. 書類の管理方法は適切か│    │    │ 1)  │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │オ. 適切な人員数と今後の検│ ○  │    │    │ │  討はなされているか   │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 書類の管理方法       ほほえみ相談員は中学校を本務校としてそれぞれの校区の小      学校も担当している。視察を行った小学校においては、ほほえ      み相談員の活動実績に関する書類が保管されていなかった。関      係者に確認したところ、ほほえみ相談員が保管管理していて、      相談員に問い合わせれば資料は確認できるということであっ      た。不登校やいじめ問題は些細なことで状況が大きく変化する      問題であることから、学校で活動実績報告書を保管する等、常      に全教職員で情報共有できる状態にすることが望ましい。      【意見15】  11.ジュニアアーティスト・トップランナー支援事業   (1) 概要      生徒が文化・芸術に関する才能をより伸ばすことができる環     境を整備するとともに、当該生徒の活躍を広報し、市民の文化     芸術に関する興味関心を高めることを目的に、文化・芸術分野     において、国際大会、全国大会及びそれらに準じる大会におい     て活躍する市の中学校生徒について、市として支援する。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 支援対象基準は客観的に│・関係資料の確認      │ │  判断し易いものとなってい│・関係者へのヒアリングの実施│ │  るか          │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 選定経緯は客観的に確認│・関係者へのヒアリングの実施│ │  できるものとなっているか│              │ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬────┬────┬────┐ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 支援対象基準は客観的に│    │    │    │ │  判断し易いものとなってい│ ○  │    │    │ │  るか          │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 選定経緯は客観的に確認│    │    │ 1)  │ │  できるものとなっているか│    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 選定過程の客観性       学校長からの推薦書の提出を受け、アドバイザーからの意見      聴取を経て認定を行うが、選考委員会の議事録は無かった。今      後の参考かつ客観性を保つため、意見聴取時の記録を残すこと      が望ましい。【意見16】  12.地域ぐるみ学校人権教育推進委員会補助金   (1) 概要      地域ぐるみ学校人権教育推進委員会を組織し、地域の児童生     徒の教育諸条件整備し学力の向上を図るため、地域ぐるみ学校     人権教育推進委員会への補助金を交付する。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 補助は適切に行われてい│・実施書類の確認      │ │  るか          │・関係者へのヒアリングの実施│ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │     着眼点      ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 補助は適切に行われてい│    │    │ 1)  │ │  るか          │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 補助事業の適切性      当委員会の決算報告は次のとおりである。     消耗品費が大幅に予算超過している。消耗品費の予算は用    紙・インク代と記載されていたが、決算では記念品代も含まれ    ていた。この補助金は前払いされるものであることから、予算    は正確に算出するよう指導を徹底することが望ましい。    【意見17】  13.教育PCの整備
      (1) 概要      教育用PCの整備率、児童生徒3.6人に1台(国の第2期教育     振興基本計画目標)の達成のため、校務用PCやパソコン室用P     C等の整備・更新を行う。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬─────────────┐ │     着眼点      │    監査手続     │ ├──────────────┼─────────────┤ │ア. PC借上げに係る契約は│・契約書を閲覧      │ │  適切になされているか  │・契約書の内容の確認   │ ├──────────────┼─────────────┤ │イ. PC借上げの更新計画は│・計画の有無を確認    │ │  作成されているか    │・作成された更新計画を閲覧│ └──────────────┴─────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │     着眼点      ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. PC借上げに係る契約は│    │    │ 1)  │ │  適切になされているか  │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │イ. PC借上げの更新計画は│ ○  │    │    │ │  作成されているか    │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 契約書の作成       契約資料を確認したところ、日通商事株式会社との契約書に      おいて5カ月の賃借料と記載するところ年額という整合性の無      い記載があった。契約書は正確に作成することが望まれる。      【意見18】  14.外国籍生徒等対応指導   (1) 概要      日本語指導や適応指導を必要とする外国籍児童生徒等のため     に、対応指導員を巡回派遣・適応指導し、教育の充実を図るこ     とを目的として、日本語の指導が必要な外国籍および日本国籍     の児童生徒が在籍する小中学校に指導員を派遣し、授業サポー     トや文書の翻訳、保護者との懇談時の通訳などを行う。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 適切な手続きがなされて│・関係書類の確認      │ │  いるか         │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 派遣実施内容は適切か │・関係書類の確認      │ │              │・関係者へのヒアリングの実施│ ├──────────────┼──────────────┤ │ウ. 報償費の支払いは適切に│・関係書類の確認      │ │  なされているか     │              │ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │     着眼点      ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 適切な手続きがなされて│ ○  │    │    │ │  いるか         │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 派遣実施内容は適切か │    │    │ 1)  │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 報償費の支払いは適切に│ ○  │    │    │ │  なされているか     │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 派遣実施内容の適切性       4月と8月には派遣実績が無い。指導員の職務に、児童生徒      の情緒開放、悩み相談という項目がある。派遣希望小中学校長      が訪問不都合日報告書を提出し、それに基づき教育委員会が各      月の訪問計画を作成し、関係小中学校へ派遣日等を連絡してい      る。年度変わり(4月)、夏休み(8月)という児童生徒が不      安定になりやすい時期も配慮し派遣することが望ましい。      【意見19】  15.生徒指導サポーター   (1) 概要      生徒指導サポーターは、児童生徒の問題行動への対応や立ち直     りのために、児童生徒及び保護者への具体的援助を学校内外で     行うための人材であり、問題行動を起こす児童生徒や保護者へ     の指導及び支援や校内を徘徊する児童生徒への別室指導等個別     的指導、いじめた児童生徒への指導やいじめられた児童生徒へ     の支援などいじめや問題行動に関しての学校への指導援助並び     に緊急時の対応を行う。また、市民からのいじめや問題行動等     の相談の対応をしている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤
    │ア. 募集方法・選定方法は適│・関係者へのヒアリングの実施│ │  切か          │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 勤務管理は適切か   │・関係書類の確認      │ ├──────────────┼──────────────┤ │ウ. 適切な人員数・今後の方│・関係者へのヒアリングの実施│ │  針は検討されているか  │              │ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │     着眼点      ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 募集方法・選定方法は適│    │    │ 1)  │ │  切か          │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 勤務管理は適切か   │    │    │ 2)  │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 適切な人員数・今後の方│ ○  │    │    │ │  針は検討されているか  │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 募集方法・選定方法       各学校で人選し、教育委員会へ推薦という流れで採用してい      るとのことであった。各学校で、生徒指導サポーターが必要な      状況であっても、適任者が見つけられなければ派遣を受けられ      ないことになる。市が人材を確保して、各学校の人材確保の負      担を軽減し、必要な学校には確実に派遣を行える体制を整える      ことが望ましい。【意見20】     2) 勤務管理       生徒指導サポーターには、時給計算で謝金の支払いをしてい      る。勤務記録(様式2号)を提出することになっているが、その      書類を確認したところ、勤務時間の記載があるがその管理につ      いては、客観性が確保できていない。正確性・客観性を担保す      るため、「確認者を決める」・「タイムカードを導入する」等      管理方法を改善することが望まれる。【意見21】  16.「スクールロイヤー」事業   (1) 概要      平成30年度より、保護者や地域の方との信頼関係を築きつ     つ、子供たちを取り巻く問題の解決に当たるため、弁護士の支     援を受ける「スクールロイヤー」事業を導入し、市内全域を5     つのブロックに区分し、1ブロック1人の担当弁護士が区域内     の学校を対象に、研修、訪問面談、電話・メール相談を行う。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 契約とおりに実施されて│・実施書類の確認      │ │  いるか         │・関係者へのヒアリングの実施│ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │     着眼点      ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 契約とおりに実施されて│    │ 1)  │    │ │  いるか         │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 仕様書に沿った事業の実施       各ブロックの担当弁護士の契約による業務内容は次のとおり      である。     (ア) 法務研修 年間3回     (イ) 学校訪問 定期 年2回程度     (ウ) 相談 電話・メール・直接面談       ここで、平成30年度の各ブロック担当弁護士の活動実績を      確認したところ、次のとおりであった。 ┌───────────┬─────┬─────┬─────┐ │研修実施日      │2019.1.24 │2018.11.30│2018.11.13│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┤ │第1ブロック担当者  │  ○  │     │     │ ├───────────┼─────┼─────┼─────┤ │第2ブロック担当者  │  ○  │  ○  │     │ ├───────────┼─────┼─────┼─────┤ │第3ブロック担当者  │  ○  │     │  ○  │ ├───────────┼─────┼─────┼─────┤ │第4ブロック担当者  │  ○  │  ○  │  ○  │ ├───────────┼─────┼─────┼─────┤ │第5ブロック担当者  │  ○  │  ○  │  ○  │ └───────────┴─────┴─────┴─────┘                    (市提供資料より作成)      第1~3ブロックについては、各ブロック担当弁護士以外の     弁護士により、仕様書の年3回の開催を満たしているが、教育     委員会は、各ブロック担当弁護士から他の弁護士に変更する旨     の書面による申請を受けていなかった。      教育委員会はブロック単位で各担当弁護士と契約を締結して
        いることから、原則的には各担当弁護士が研修を実施するべき     であり、変更がある場合には、その申請を書面で受ける必要が     ある。【指摘1】  17.スクール・サポート・スタッフ   (1) 概要      平成30年度より実施しており、教職員の負担軽減を図ること     を目的に、教職員の事務作業をサポートするスタッフを配置し     ている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 出退勤の管理は適切か │・関係書類の確認      │ │              │・関係者へのヒアリングの実施│ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 人員数及び配置状況は適│・関係者へのヒアリングの実施│ │  切か          │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │ウ. サポート体制は適切か │・関係者へのヒアリングの実施│ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │     着眼点      ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 出退勤の管理は適切か │    │    │ 1)  │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 人員数及び配置状況は適│    │    │ 2)  │ │  切か          │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. サポート体制は適切か │    │    │ 3)  │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 出退勤の管理       スクール・サポート・スタッフの出勤状況管理についての教      育委員会の指示書等は作成されていない。ハートフルサポータ      ー等の場合と同様、正確性・客観性を担保するため、「確認者      を決める」・「タイムカードを導入する」等管理方法を改善す      ることが望まれる。【意見22】     2) 人員数及び配置状況       配置については各学校の校長がスタッフ候補者を挙げ、配置      希望書の学校指導課への提出をもって申請となる。小学校16      校・中学校11校が希望したが、実際は小学校12校・中学校6      校に2校兼務で9名配置、中学校1校に単独配置で、計10名      配置した。全希望校に配置できていない。また、希望しない学      校がある理由を確認したところ、人選が難しいとのことであっ      た。校長が候補者を挙げられなければ配置できない。平成29      年度の調査では、配置により教職員一人あたりの時間外労働が      平均50分減少している。このような効果が早々に現れている      ことから、市で適任者を確保し全学校に配置できる体制を早急      に整えることが望ましい。【意見23】     3) サポート体制       教職員がどのように仕事を依頼できるのかの具体的な指示書      は無い。初めて担任を持つ・受験の学年を担当する教職員の時      間外労働時間が多くなっていることから、このような教職員を      優先的にサポートするように明確な指示をすることが望まし      い。【意見24】  18.部活動指導員   (1) 概要      平成30年より実施している事業で、担当する教員の部活動指     導に係る負担を軽減し、教職員の働き方改革を推進するととも     に、専門的知識および指導方法のもとで生徒が指導を受ける環     境を整備し、部活動の充実と適正化を推進することを目的に、     顧問教員に替わって単独で指導・引率が可能な部活動指導員の     配置している。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 募集方法・選定方法は適│・関係書類の確認      │ │  切か          │・関係者へのヒアリングの実施│ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │     着眼点      ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 募集方法・選定方法は適│    │    │ 1)  │ │  切か          │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 募集方法・選定方法       各中学校長から推薦のあった者の中から、教育委員会がふさ      わしいと認めるものを採用している。部活動指導員配置事業実      施要項での配置人員は22人であったが、実際の配置は18人だ      った。4校について配置が無かった理由は人選が難しいためと
         のことである。登録制にする、あるいは市が公募する等人員確      保の対策を整えることが望ましい。【意見25】  19.ぎふ サイエンス・キャンプ   (1) 概要      児童の主体性や多様性、協働性、創造力を高め、より科学へ     の興味・関心を高めるため、仲間と対話しながらピタゴラ装置     の製作やサイエンスショーなどの科学体験を行う3日間のプロ     グラムを実施する。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 参加の機会は平等か  │・実施書類の確認      │ │              │・関係者へのヒアリングの実施│ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 参加者増員の検討と今後│・関係書類の確認      │ │  の方針は適切か     │・関係者へのヒアリングの実施│ ├──────────────┼──────────────┤ │ウ. 委託契約は適切に遂行さ│・関係書類の確認      │ │  れているか       │              │ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │     着眼点      ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 参加の機会は平等か  │ ○  │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 参加者増員の検討と今後│    │    │ 1)  │ │  の方針は適切か     │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 委託契約は適切に遂行さ│ ○  │    │    │ │  れているか       │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 事業の実施状況       定員80名のところ306名の応募があった。会場の収容人数      の関係で80名が限界で定員を増やせないとのことであるが、      7割超の児童の期待に応えられていないことを考えると、実施      日の回数を増やすことが望ましい。       また、この事業は科学への興味・関心を高めることが主な目      的であるため、宿泊を伴わなければいけない必然性は無い。宿      泊を伴わなければ経費も抑えられ、スタッフの負担を軽減で      き、本来の目的達成に集中できる。事業の最大の効果を生むた      めには、科学体験に特化した実施内容への見直しが望ましい。      【意見26】  20.岐阜市型STEM教育推進事業   (1) 概要     科学に興味を有する児童の才能伸長、科学技術への理解増進、     科学技術リテラシーの普及・向上を目的として、STEM教育     (※)を推進することを目的に小学校に配置している。     (※)STEM教育とは、「Science,Technology,     Engineering and Mathematics」の頭文字で、科学・技術・工     学・数学の教育分野を総称したものである。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 募集方法・選定方法は適│・関係者へのヒアリングの実施│ │  切か          │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 勤怠管理は適切か   │・関係書類の確認      │ │              │・関係者へのヒアリングの実施│ ├──────────────┼──────────────┤ │ウ. 適切な人員数・今後の方│・関係者へのヒアリングの実施│ │  針は検討されているか  │              │ ├──────────────┼──────────────┤ │エ. 事業費のうち消耗品は各│・関係書類の確認      │ │  学校に適切に配分されてい│              │ │  るか          │              │ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌───────────────┬──────────────┐ │               │     監査結果     │ │      着眼点      ├────┬────┬────┤ │               │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├───────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 募集方法・選定方法は適 │ ○  │    │    │ │  切か           │    │    │    │ ├───────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 勤怠管理は適切か    │    │    │ 1)  │ ├───────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 適切な人員数・今後の方 │ ○  │    │    │ │  針は検討されているか   │    │    │    │ ├───────────────┼────┼────┼────┤ │エ. 事業費のうち消耗品は各 │    │    │    │ │  学校に適切に配分されている│    │    │ 2)  │ │  か            │    │    │    │ └───────────────┴────┴────┴────┘
        【監査意見】     1) 勤怠管理       各学校の管理職や事務職員と確認しながら休暇整理簿等を用      いて管理している。客観性と確認作業の効率化のためにタイム      カードを導入することが望ましい。【意見27】     2) 学校間格差       平成30年度のSTEM教員用の消耗品費は2,319,000円      で、その内容は、理科実験器具・理科実験用試薬であった。各      学校別金額の学校別一覧は無いとの回答であった。上限5万円      として各学校の実態に合わせて購入しているとのことである。      学校別一覧を作成することで各学校の実態を把握でき、適切に      配分されているか確認できる。連年通して偏りが生じていない      か確認し、学校ごとに教育格差が生じないように管理すること      が望ましい。【意見28】  21.英語教育 岐阜発「英語でふるさと自慢」   (1) 概要      英語を使って簡単な会話やふるさと自慢ができる児童の育成     を目的に、地域在住の外国人をEF(英語指導協力員)として全     小学校の1~4年生の各学級に派遣(年間18時間)する。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬──────────────┐ │     着眼点      │     監査手続     │ ├──────────────┼──────────────┤ │ア. 募集方法・選定方法は適│・関係書類の確認      │ │  切か          │・関係者へのヒアリングの実施│ ├──────────────┼──────────────┤ │イ. 出退勤時間の管理は適切│・関係書類の確認      │ │  か           │・関係者へのヒアリングの実施│ ├──────────────┼──────────────┤ │ウ. EFとALTの比較検証│・関係書類の確認      │ │  は適切になされているか │              │ └──────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌──────────────┬──────────────┐ │              │     監査結果     │ │     着眼点      ├────┬────┬────┤ │              │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 募集方法・選定方法は適│ ○  │    │    │ │  切か          │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 出退勤時間の管理は適切│    │    │ 1)  │ │  か           │    │    │    │ ├──────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. EFとALTの比較検証│    │    │ 2)  │ │  は適切になされているか │    │    │    │ └──────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 出退勤管理       視察した学校で確認したところ、タイムカードが導入されて      いなかった。客観性と確認作業の効率化のためにタイムカード      を導入することが望ましい。【意見29】     2) EFとALTの比較検証       当事業についてはEFを起用し、前述の外国語指導助手事業      についてはALTを起用している。       厚見小学校では、ALTの派遣による効果との比較検証する      ためEFの代わりにALTを1~4年生の各学級に派遣(年間      18時間)している。その効果検証として活用しているのは英検      Jr.とのことであるが、平成29年度と平成30年度でグレー      ドの異なる試験を受けたため比較ができていない。比較検証を      行っているのに、比較できない検証手段を実施している。手段      の選択は的確に行うことが望ましい。【意見30】  22.「主体的・対話的な学びの在り方」推進事業   (1) 概要      主体的・対話的で深い学びの実践の場として、各学校の「ア     ゴラ」の整備と活用を進め、継続的な授業改善に取組むため、     平成28年度に全中学校、平成30年度に全小学校に、通常の教     室と異なる自由なレイアウトに組み合わせることができる可動     式テーブル、椅子、ホワイトボード等を設置した。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬────────────────┐ │      着眼点      │      監査手続      │ ├───────────────┼────────────────┤ │ア. 実施成果の把握は適切か │・実施後の結果分析についての確認│ ├───────────────┼────────────────┤ │イ. 計画的に実施されている │・アゴラ現地視察の実施     │ │  か            │                │ ├───────────────┼────────────────┤ │ウ. 備品の設置と事業目的の │・関係書類の確認        │ │  関係性を客観的に証明できる│・アゴラ現地視察の実施     │ │  のか           │                │ ├───────────────┼────────────────┤ │エ. 新規事業導入の経緯把握 │・関係資料の確認        │ │  は適切か         │・関係者へのヒアリングの実施  │ ├───────────────┼────────────────┤ │オ. 全小中学校に同一の環境 │・アゴラ現地視察の実施     │ │  が導入されているか    │                │ └───────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》
    ┌───────────────┬──────────────┐ │               │     監査結果     │ │      着眼点      ├────┬────┬────┤ │               │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├───────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 実施成果の把握は適切か │    │    │ 1)  │ ├───────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 計画的に実施されている │    │    │ 2)  │ │  か            │    │    │    │ ├───────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 備品の設置と事業目的の │    │    │    │ │  関係性を客観的に証明できる│    │    │ 3)  │ │  のか           │    │    │    │ ├───────────────┼────┼────┼────┤ │エ. 新規事業導入の経緯把握 │    │    │ 4)  │ │  は適切か         │    │    │    │ ├───────────────┼────┼────┼────┤ │オ. 全小中学校に同一の環境 │ ○  │    │    │ │  が導入されているか    │    │    │    │ └───────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 実施成果の把握       中学校での実施結果を受けて小学校に同事業を実施してい      る。      調査では年間のアゴラ使用回数が0回の教員が42%である。     一方、生徒への調査では「どちらかと言えば良い効果がある」     との回答が多かったが、使用回数が少ない中での調査では正確     な検証ができない。教員の使用回数がこのような状況になる原     因を追究解消したうえで、小学校への導入をするべきであっ     た。信憑性の高い裏付けをもって事業を実施することが望まし     い。【意見31】     2) 利用環境の整備       視察先の中学校にはアゴラにエアコンが設置されておらず、      夏季には利用し難いとのことであった。エアコン設置には電気      使用量の制限により物理的に難しいとのことで、当分はエアコ      ンの無い状況が続くと予測される。利用し難い部屋に備品を設      置しても効果は期待できない。利用環境の整備を正確に検討・      実施したうえで、事業を開始することが望ましい。【意見32】     3) 備品の設置       アゴラ使用に関する意識調査も確認したが、曲線の机を設置      することが主体的・対話的な学びにつながるということについ      て客観的に証明できるものが無い。小中合わせて89,954千円      の事業費を投じているのであるが、教室・体育館・運動場・体      育館・図書室等の利用でも可能ではなかったかと考えられる。      STEM教育推進事業等、効果を把握できていながら予算に制限が      あり人員を増やせていない事業もある。すでにある環境・備品      を工夫して利用していくことが望ましい。【意見33】     4) 新規事業導入に至る経緯の客観性       当事業導入の際の議事録等の閲覧を申し出たところ、事業導      入の際の具体的な経緯が分かる資料の提出を受けることができ      なかった。導入経緯が具体的に確認できないと、当事業の正確      な効果の把握と今後の新規事業導入の参考にもできない。新規      事業導入については、その経緯を明確に残し確認できる議事録      等の資料を整えておくことが望ましい。【意見34】  23.「危険から自分を守ろう」事業   (1) 概要      児童の危機対応能力を高めるため、児童自らが地域を回り、     防犯、交通安全、防災の観点から危険箇所を発見し、「地域安全     マップ」を作成する取組みを進める。また、不審者対策とし     て、警察等の協力により、児童生徒や教職員を対象とする不審     者対応訓練を実施する。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌─────────────────┬──────────────┐ │       着眼点       │     監査手続     │ ├─────────────────┼──────────────┤ │ア. 「地域安全マップ」を作   │・実施書類の確認      │ │  成できているか        │              │ ├─────────────────┼──────────────┤ │イ. 児童が子ども110番の家    │・関係者へのヒアリングの実施│ │  を認識できているか      │              │ ├─────────────────┼──────────────┤ │ウ. 子ども110番の家に対し    │              │ │  登録後の管理指導はできて   │・関係者へのヒアリングの実施│ │  いるか            │              │ └─────────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 「地域安全マップ」を作成  │    │    │ 1)  │ │  できているか         │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 児童が子ども110番の家    │ ○  │    │    │ │  を認識できているか      │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 子ども110番の家に対し    │    │    │    │ │  登録後の管理指導はできて   │ ○  │    │    │ │  いるか            │    │    │    │
    └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 「地域安全マップ」       地域安全マップ実施報告書を確認したところ、46小学校中      21校の資料を確認できた。21校については、安全マップが作      成されていることが確認できたが24校については確認できな      かった。全小学校について確認・保管することが望ましい。      【意見35】  24.不登校児童・生徒     文部科学省においては、「何らかの心理的、情緒的、身体的ある    いは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくてもでき    ない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経    済的な理由による者を除いたもの」を不登校児童・生徒と定義して    いる。     そこで、市における不登校児童・生徒の調査状況が適切か、そし    て不登校児童・生徒への取り組みが適切かを監査した。   (1) 概要    ア. 不登校児童・生徒の数      市における不登校児童及び生徒の認知件数は次の通りであ     る。    イ. 不登校の理由       不登校児童、生徒の不登校の理由は、次のように区分されて      いる。    ウ. 市における不登校に対する取り組み     (ア) 市においては、ほほえみ相談員の配置している。        ほほえみ相談員は、各中学校区に配置され、校区内の小       中学校で活動している。        ほほえみ相談員は小学校・中学校における不登校への対       応を目的とし,不登校児童生徒の学校復帰を支援するため       に,訪問型支援を中心としながら,ふれあい活動を通して       次の業務を行っている。     a. 家庭訪問による教育相談     b. 相談室,保健室等における教育相談     c. 各学校及び関係機関との連携     d. 休み時間等のふれあい活動を通したいじめ・不登校傾向       の早期発見     e. 教育委員会より指示する業務     f. 相談の記録,報告     (イ) スクールカウンセラーの配置        平成30年度においては、市は市費(教育委員会関係予       算)では配置していない。しかしながら、市子ども・若者       総合支援センター「エールぎふ」においてカウンセラーを       非常勤職員として6名配置しており、エールぎふと連携を       取りながら活用している、とのことである。また、今後は       市内で5名のスクールカウンセラーを配置できるよう検討       している。     (ウ) 具体的な取り組みの方法         不登校に対する取組については、学校長の指導の下、        個々のケースによって必要な対応が分かれているが、基本        的な流れとしては、次のとおりである。       ・未然防止として、2日休んだら家庭訪問をして、児童生徒        の状況を確認する。       ・保護者面談等を行い、不登校の原因の調査を行う。       ・学年会、教育相談員会を開き、対応を検討し、職員会議で        全職員の共通理解を図る。       ・担任やほほえみ相談員が、状況に併せて家庭訪問をし、学        習に意欲がある場合は学習支援を行い、不安の解消を目指        す。       ・不登校であることへの不安やストレスを解消するために、        必要に応じてスクールカウンセラーとの面談を設定する。       ・学校復帰に可能性が出てきた児童生徒には、放課後登校        や、校内の別室への登校を促す。       ・学校復帰が難しい生徒には、「エールぎふ」と連携し、自        立支援教室への通級を紹介したり、民間のフリースクール        の存在も紹介したりすることで、社会とのつながりが持て        る支援を続ける。     (エ) 不登校対策に関するマニュアルの策定        市では、毎年4月に実施する「教育相談担当者研修会」       において、不登校に対するマニュアルとして「不登校対策       の手引き 心のキャッチボール 改訂版 平成19年3月」       を活用しているということである。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 不登校児童・生徒の数を適│・出席簿を閲覧        │ │  切に把握しているか    │・7日以上欠席児童生徒の個別状│ │               │ 況報告書を閲覧       │ │               │・30日以上欠席児童生徒の個別状│ │               │ 況報告書を閲覧       │ │               │・不登校児童生徒の把握について│ │               │ ヒアリング         │ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 不登校児童生徒に適切に対│・7日以上欠席児童生徒の個別状│ │  応しているか       │ 況報告書を閲覧       │ │               │・30日以上欠席児童生徒の個別状│ │               │ 況報告書を閲覧       │ │               │・不登校対策の手引きを閲覧  │
    │               │・不登校児童生徒への対応につい│ │               │ てヒアリング        │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 不登校児童・生徒の数を適切に│ ○  │    │    │ │  把握しているか        │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 不登校児童・生徒に適切に対応│    │    │ 1)  │ │  しているか          │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘  【監査意見】     1) 不登校児童・生徒への対応       市の不登校児童・生徒の数は、少子化により児童数・生徒数      が減少しているにも関わらず、横ばいもしくは微増している。       これに対し、市はほほえみ相談員を配置しており、また、今      後は市費でスクールカウンセラーの配置も検討している。これ      らのことは不登校児童・生徒へ手厚い対応が実現できるため、      評価することができる。       ところで、現地視察をした学校においては、児童によっては      保護者が児童を学校に行かせないようにしている事例、保護者      に問題があり児童相談所が介入している事例など、学校のみで      は対応できない問題も確認できた。また、不登校児童・生徒      は、市内もしくは市外の学校に転校をする例が多く、転校先学      校へ情報をどの程度の申し送りをしているかが不明確など、学      校が不登校児童・生徒へ関与する程度及び方法の判断が難しい      事案も確認できた。       このように、不登校児童・生徒の状況が複雑化し、新たな問      題が発生してきていると考えられる。しかし、市は不登校対策      のマニュアルとして「不登校対策の手引き 心のキャッチボー      ル 改訂版 平成19年3月」を活用しているのみで、平成19      年3月以降にマニュアルの改訂が行われている様子はなかっ      た。       たしかに、当該マニュアルは説明が丁寧であり、不登校児      童・生徒に対する接し方についても詳細に分析、対応が記載さ      れた優れたマニュアルである。しかし、当該マニュアルが平成      19年3月以降更新を行っていないことで、新たな事例への対      応が遅れてしまうことや、対応が不適切になる可能性がある。      そのため、市においては、昨今の不登校児童・生徒の問題点に      ついて、情報を刷新したマニュアルの改訂版を作成することが      望ましい。【意見36】       なお、当該マニュアルにも多少記載があるが、不登校児童・      生徒が通学することが困難であれば、学習が遅滞しないよう      に、当該児童・生徒達に対してIT等を活用した授業や課外活      動を行うことも方法として考えられる。IT技術が発展し、各家      庭においてIT環境が整ってきていることや、教師や親よりも      児童・生徒達の方がITに触れる機会が多い傾向にあることか      らも、不登校児童・生徒に対するITを活用した授業や課外活      動を検討することも有益であると考える。  25.いじめ対策   (1) 概要      いじめとは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に     在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等     が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネット     を通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象と     なった児童等が心身の苦痛を感じているものと定義されている     (いじめ防止対策推進法第2条第1項)。      また、いじめの重大事態とは、ア.いじめにより当該学校に     在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑     いがあると認めるとき。イ.いじめにより当該学校に在籍する     児童等が相当の期間(年間30日を目安としている)学校を欠席     することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき、と定     義されている(同法第28条第1項)。      市立の小中学校において、いじめ問題に適切に対応をしてい     るかを監査した。    ア. 市におけるいじめの認知件数       市におけるいじめの認知件数は次のとおりである。   【いじめ認知件数】   平成28年度 小学校549件  中学校267件  合計816件   平成29年度 小学校627件  中学校226件  合計853件   平成30年度 小学校1,098件 中学校278件  合計1,376件    イ. いじめ問題対策のために設置されている機関       市は市内の小中学校におけるいじめ問題に対応するため、下      記の機関を設けている。     (ア) 市いじめ問題対策連絡協議会       【構成員】       岐阜県中央子ども相談センター 家庭支援課長       岐阜県弁護士会子どもの人権センター 委員       岐阜中警察署 少年補導官       岐阜地方法務局人権擁護課 人権擁護課長       市小中学校校長会代表 陽南中学校校長       市教育委員会学校教育審議官兼学校指導課長       【任期】       平成30年6月1日 から 平成31年3月31日       【活動内容】        ・年2回実施の市いじめ問題対策連絡協議会への参加        ・市のいじめの状況やいじめ防止対策に関する意見交換・情         報交流     (イ) 市教育委員会いじめ問題対策委員会
          【構成員】       岐阜大学教授       岐阜県弁護士会子どもの人権センター 委員       岐阜県臨床心理士会 理事会協力委員       市PTA連合会 教育部会員       有識者       【任期】       平成30年5月24日 から 令和2年5月23日       【活動内容】        ・年2回実施の市教育委員会いじめ問題対策委員会への参加        ・市のいじめの状況や未然防止の取り組み、重大事態対応等         の検討     (ウ) 市いじめ問題調査委員会        市長が、学校から教育委員会を通じて報告があった重大事       態への対処又は重大事態と同種の事態の発生の防止のため必       要があると認めるときに設ける附属機関       【構成員】       有識者(弁護士、大学教授)       医師       【任期】       平成30年9月30日から令和2年9月29日    ウ. いじめを認知した際の対応      市によると、いじめを認知した場合、「複数教員による情報     共有→指導の方向性の検討→事実確認(加害被害の双方、見て     いる者への聞き取り)→事実認定→保護者連絡・報告→加害か     ら被害への謝罪・学校としての指導の方向の確認→学校(家     庭)による見届けの継続」という方法をとっているということ     である。      市は、いじめ事案の対応マニュアルは策定をしていないとい     うことであるが、教育委員会では、いじめ事案の指導の流れと     して、次のページのフローチャートを用いて対応をしている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. いじめの認知件数を適切に│・いじめ実態調査の報告書を閲覧│ │  把握しているか      │               │ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 認知されたいじめに適切に│・いじめ実態調査を閲覧    │ │  対応しているか      │・いじめ事案対応フローチャート│ │               │ を閲覧           │ │               │・いじめへの対応についてヒアリ│ │               │ ング            │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. いじめの認知件数を適切に把握│    │    │ 1)  │ │  しているか          │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 認知されたいじめに適切に対応│    │    │ 2)  │ │  しているか          │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) いじめの認知件数の把握       市は、各学校に対して、各期末にどのようないじめがあり、      どのように対応しているかを、所定の報告書様式を使用して報      告、提出することを義務付けている。そして、市は、各学校か      ら提出された報告書に基づき、いじめの認知件数を把握してい      るということである。       今回、現地視察をしたすべての小中学校において、上記書類      は完備されており提出をしていた。また、教育委員会において      もすべての学校からいじめ実態調査が提出されていることを確      認している。       一方、市では、令和元年7月に、市立中学校に在籍する3年      生の男子生徒(以下、「本生徒」とする)が転落死をした事案      が発生した。本事案はいじめが強く疑われることから、いじめ      防止対策推進法に規定する重大事態として、「岐阜市教育委員      会いじめ問題対策委員会(以下、「第三者委員会」とする。)」      が教育委員会の諮問に応じ調査を行った結果、本生徒へ明確に      いじめと認定した事案が34件報告されている。       このことから、市では所定の報告書様式を整備し、報告及び      提出することを義務付けていたものの、十分には機能していな      かったと言わざるを得ず、今後、第三者委員会の調査報告書に      したがい、適切に運用するよう指導を徹底されたい。      【意見37】     2) 認知されたいじめへの対応       市は、いじめが認知された場合に参照する文書はあるもの      の、マニュアルとして策定されていない状況である。       なお、現地視察した学校では、学校独自のフロー図を作成し      ていた場合があったが、マニュアルまでは策定していなかっ      た。       ところで、いじめ防止対策推進法では、「いじめ」は「当該      行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」と      定義している。すなわち、いじめられた児童・生徒の立場に立      って判断をすれば足りると考えられるが、実際の学校現場で      は、加害側が被害側になったり、被害側が加害側になったりと      立場が目まぐるしく変わることがある。そのため、当該行為を
         「いじめ」と認定してよいのか、また「いじめ」として対応を      した方がよいのか、現場の教員が迷うケースが考えられる。       さらに、いじめと認知されたとしても、教育委員会のフロー      チャートに従えば、情報共有段階の時点で、「必要に応じて校      長まで各自報告」としか書かれておらず、どのような事案で、      だれが主体となって校長に報告をするかが書かれていない。そ      うすると、いじめが認知されたとしても、放置される可能性が      ある。       上記でも述べた本案件のような重大事態の発生を予防するた      めにも、教育委員会は、第三者委員会の調査報告書の提言にし      たがい、認知されたいじめにどのように対処すればよいかなど      を具体的に検討するとともに、教職員へ周知徹底するためにも      マニュアルとして再整備するよう検討されたい。【意見38】  26.教員研修の充実   (1) 概要      市の学校教育指針における学校教育の目標の一つに、教師と     しての資質能力を高めるために学び続け、高い指導力を身に付     ける研修を行うことが目標として記載されている。教育委員会     では、岐阜市教育研究所を中心に教員研修を実施している。教     員研修は、教育委員会が各校から受講者を指定する「指定研     修」、教員の希望で受講できる「希望研修」、教育委員会指導     主事が講師として学校で出かけて行う「出前講座」で構成され     ている。平成30年度は「指定研修」38講座、「希望研修」27     講座、「出前講座」5講座、計70講座を開設した。      「指定研修」では、法定研修である初任者研修と12年目研修     のほかに、2年目研修、3年目研修、4年目研修、6年目研修     など経験年数に応じた研修と、校長研修、教頭研修、教務主任     研修など職務に応じた研修も実施している。      「希望研修」では、各教科の指導力を高める講座、生徒指導     に関する講座、学校保健などを学ぶ講座、タブレット端末活用     に関する講座など、指導力アップをめざす研修のほか、命に関     する講座など、人間性を豊かにする研修を実施している。      「出前講座」では、情報モラルやICT活用に関する講座や     講師のためのパワーアップ講座などを実施している。      このような教員研修実施体系であり、教員としてのライフス     テージを意識し、今後のキャリア設計の見通しがもてるよう体     系的な教員研修の充実を目指している。      岐阜市教育研究所は、「学び続ける教員」を育てる研修の充     実ということで、自ら学び続け、時代の変化やライフステージ     に応じた高い指導力を身に付けることを研修の方針として、時     代に即した研修の充実を図っている。研修の重点としては、若     手教員を支える経年研修、OJTにつなぐミドルリーダーおよ     び「ネクスト・ミドル」を育てる職務研修、組織的な学校経営     を推進する力を高める管理職研修、自ら求めて学ぶ研修の推     進、子どもの居場所と絆づくりの研修を挙げている。毎年実施     される研修内容については運営委員会を開催して、研修の質の     向上を図り講座を厳選するなど研修講座の企画運営を実施して     いる。      市では、平成17年度より、教員の研修履歴を岐阜市研修講座     管理システムにより一括管理している。      各教員はこのシステムにログインして、受講したい研修の出     欠入力をすることで、それぞれが希望する研修を受講すること     ができる。また、過去の研修履歴を参照することで、これまで     受講してきた研修内容について確認し、近年受講していない分     野の研修について把握しながら、幅広い知識を身に付けるため     の確認することができる。      一方、システムのセンター管理者としては、どの研修にどの     教員が出席しているか、また学校別申込状況などを把握するこ     とができるため、参加が少ない学校への連絡などの対応をする     ことは可能な状況にある。  (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 研修内容について、教員の│・研修講座一覧表を閲覧    │ │  ニーズに合わせた内容になっ│・研修内容を決定する会議の議事│ │  ているか         │ 録を閲覧          │ │               │・研修内容についてのヒアリング│ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 教員の資質の向上になるた│・研修講座一覧表を閲覧    │ │  めの工夫がなされているか │・研修内容についてのヒアリング│ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌────────────────┬──────────────┐ │                │     監査結果     │ │      着眼点       ├────┬────┬────┤ │                │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 研修内容について、教員のニ│    │    │    │ │  ーズに合わせた内容になってい│ ○  │    │    │ │  るか            │    │    │    │ ├────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 教員の資質の向上になるため│    │    │ 1)  │ │  の工夫がなされているか   │    │    │    │ └────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 研修受講管理システムの有効利用       教員と児童・生徒の接点の大部分は教科指導と考えられる。      特に全教科を指導する立場にある小学校の教員にとっては重大      な問題と思われる。そういったことをフォローするために市で      は、夏期希望研修講座として、これでばっちりシリーズの研修      (国語、社会、算数、生活、音楽、図工、家庭、英語、道徳)      を企画することによって、現役の教員が講師となって苦手意識      を払拭させるための運営を行っている。       その他の研修としては、いのちの授業(性感染症の予防につ
         いて、感染者や関係者の立場に立って考えることを通して、性      感染症を予防する知識および技能を身に付けるとともに、自他      を尊重する態度を養う授業の展開方法を学ぶ)や、人権教育入      門(学校における人権教育、個別の人権課題を取り上げた授業      づくりのポイントなどについて実践例をもとに研修)、生徒指      導関係としては、少年法の改正、いじめ防止対策推進法などの      教員の資質向上に努めた研修を実施している。       このように最新情報を得るために様々な角度から研修の機会      が与えられている一方、教員によっては受講する研修に偏りが      生じるような疑念ないよう、受講履歴を管理する研修講座受講      管理システムを用い、各教員の受け持つ業務に応じて、様々な      分野の研修も促すことでより幅広い教養を身に付け、結果的に      市全体として教員の資質の向上に結び付くことにつなげる取組      を検討されたい。【意見39】  27.教員免許更新制度におけるサポート体制   (1) 概要      平成21年4月1日から教員免許更新制が導入された。これ     は、その時々で求められる教員として必要な資質能力が保持さ     れるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員     が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得るこ     とを目的としている。基本的な制度設計としては、新免許状     (平成21年4月1日以降に初めて授与された免許状)には10     年間の有効期間が付される。有効期間を更新して免許状の有効     性を維持するには、2年間で30時間以上の免許状更新講習の受     講・終了が必要となる。旧免許状(平成21年3月31日以前に     初めて授与された免許状)については、有効期間は付されない     ものの、生年月日によって最初の修了確認期限が認定される。     教員免許状を有効な状態で保持するためには、有効期間満了日     又は修了確認期限の2年2か月前から2か月前までの2年間     に、大学などが開設する30時間以上の免許状更新講習を受講・     修了した後、免許管理者(都道府県教育委員会)に申請する必     要がある。      教育委員会には、教員免許更新制を円滑に実施するために、     所管教員等への修了確認期限、受講期間、受講できる講習等に     ついての連絡・周知、問い合わせ対応、所管教員の受講状況等     の確認、受講漏れの防止、執行状況確認等の取組を行うことを     期待されている。当然各学校法人等の長や学校長に対しても、     教員免許更新制についての理解促進、上記のような各教員に対     するフォローを期待されている。      市では、教員免許更新制における更新状況や受講状況を把握     するために、各小・中学校長宛に該当の教員等に対する調査依頼     を実施している。それを受け、各学校では受講対象者と思わ     れる教員等に調査票を記入してもらい、その後、各学校で免許     状更新状況および受講状況調査集計表を取りまとめたものの提     出を受け、教育委員会として記載漏れがないかを確認するとい     ったことを行なっている。      上記の集計表に記載される主な内容としては、学校名、職員     番号、職名等、氏名、生年月日、修了確認期限、所属学校種お     よび所持する免許状の確認、職名、対象期間、手続状況などが     ある。      これらの記載内容については毎年誤りや記載漏れも多く、各     学校へ問い合わせ、再確認して再提出依頼という確認作業に多     くの時間を費やしている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 免許更新制度に対する教員│・各教員に対する案内文書の閲覧│ │  等へのサポートはどのように│・研修受講履歴の管理についての│ │  なっているか       │ ヒアリング         │ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 更新漏れがないような仕組│・更新手続きの確認についてのヒ│ │  みになっているか     │ アリング          │ │               │・次回更新時に向けた管理体制の│ │               │ 整備についてのヒアリング  │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌────────────────┬──────────────┐ │                │     監査結果     │ │      着眼点       ├────┬────┬────┤ │                │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 免許更新制度に対する教員等│    │    │    │ │  へのサポートはどのようになっ│ ○  │    │    │ │  ているか          │    │    │    │ ├────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 更新漏れがないような管理体│    │    │ 1)  │ │  制になっているか      │    │    │    │ └────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 免許更新制度の更新管理       教員免許更新制度における教員免許状更新講習についてはあ      くまでも自己責任での受講が求められているものであるが、教      育委員会からの免許状更新状況および受講状況調査依頼を受      け、各学校の所属長等から確認を促されることによって自己の      更新のタイミングを再確認できる仕組みになっている。       教育委員会は、更新漏れがないよう、各学校等へ免許状更新      状況および受講状況調査の依頼をして各学校等で取りまとめた      集計表を確認している。       免許状更新状況の調査対象者については、抽出を各校に任せ      ているが、集計表にあらかじめ教員等の情報を記載し、各学校      等へ調査依頼すれば、各校が効率的に回答できるようになると      考えられるため、検討されたい。【意見40】  28.職員の労務管理
      (1) 概要    ア. 労務管理者       学校の設置者は、その設置する学校の職員の心身の健康の保      持増進を図るため、当該学校の施設および設備並びに管理運営      体制の整備充実その他の必要な措置を講ずるよう努めなければ      ならない(学校保健安全法第4条)。       すなわち、市は、市立の小中学校の教職員の労務管理を行      い、労務環境が不適切な状態であれば、不適切な状態を是正す      る義務を負っている。    イ. 勤怠管理の現状       上記の通り、市は教職員の労務管理義務を負っていることか      ら、教職員の勤怠管理を適切に行う義務がある。       市は、平成30年5月以前は、小学校職員(事務職員含む)      および中学校職員(事務職員含む)の勤怠管理を統一的には行      っておらず、各学校の判断でエクセルファイルへのデータ入力      や独自のタイムカードなどの方法で行っていた。       しかし、平成30年6月以降は、市内全校(市立小学校、中      学校)の教員および事務職員に、タイムカード(ICチップ内蔵      の個人カード)を配布し、各学校に「さっと勤怠」という名称      のソフトウェアを導入して、タイムカードを所定の機械にかざ      すことにより、出勤および退勤時間を記録することができるよ      うになった。そして、各学校において出勤および退勤時間をデ      ータにて管理し、毎月末、データをプリントアウトして市教委      に提出をしている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. タイムカードおよび勤怠管│・タイムカード、週報月報(出 │ │  理ソフトが適切に利用されて│ 勤・退勤時間)、さっと勤怠 │ │  いるか          │ (システム)、毎月の勤務状況│ │               │ 確認シートを閲覧      │ │               │・タイムカードの利用状況につい│ │               │ てヒアリング        │ │               │・警備システムチェック表を閲覧│ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 勤怠管理の記録が市教委に│・出勤簿を閲覧        │ │  提出されているか     │・週報月報の提出についてヒアリ│ │               │ ング            │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. タイムカードおよび勤怠管理ソ│    │ 1)  │    │ │  フトが適切に利用されているか │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 勤怠管理の記録が市教委に提出│ ○  │    │    │ │  されているか         │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) タイムカードおよび勤怠管理ソフトの利用状況について       前述のとおり、市では、平成30年6月以降から、「さっと      勤怠」という管理ソフトを使用して、タイムカード(ICカー      ド)を所定の機械にかざして勤怠管理を行うようになってい      る。       しかし、「さっと勤怠」のシステム上、タイムカードの記録      忘れがあった場合には、後で入力もしくは修正をすることがで      きるようになっている。       監査人が学校視察の際に「さっと勤怠」のデータ画面を確認      したところ、タイムカードの記録忘れの教職員がおり、職員に      よってはほぼタイムカードによる記録をしていない者がいた。      また、人によっては、データで記録せずに、手書きで時刻を記      入している者がおり、出退勤時刻の正確性に問題があると考え      られた。       市立の小中学校において「さっと勤怠」のシステムを導入し      たことは評価できるが、現場の教職員がタイムカードを利用し      ていないのであれば、出退勤時間の正確性が保てない。       したがって、市においては正確な勤怠管理を行うためにも、      タイムカードを記録する場所を出入り口近くに設置するなどの      工夫や、教職員に対してタイムカードを利用して出勤および退      勤時間を記録するよう指導を徹底する必要がある。場合によっ      ては、出退勤管理の重要性を教職員に認識してもらうため、研      修等を行うことも検討すべきである。【指摘2】       なお、タイムカードの時刻と退勤時間が異なっていないかを      確認するため、警備システムチェック表などを確認したとこ      ろ、最終退校職員の退校時間とタイムカードでの退勤時間との      差は数分程度であり、問題はなかった。  29.教職員の休暇申請の管理   (1) 概要     市の教職員が適切に休暇を取得しているかを監査対象とした。    ア. 教職員の休暇の種類       市の教職員は、岐阜県の条例により、年次休暇と特別休暇等      の休暇制度が定められている(岐阜県職員の給与、勤務時間そ      の他の勤務条件に関する条例第2条、第41条)。    イ. 本監査の目的       本監査においては、小中学校の現場視察を踏まえ、各学校の      教職員が年次休暇および特別休暇を適切に取得しているかを監      査した。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐
    │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 職員の特別休暇が取得され│・休暇承認申請書を閲覧    │ │  ているか         │・特別休暇申請についてヒアリン│ │               │ グ             │ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 職員の年次休暇が適切に取│・年次休暇簿を閲覧      │ │  得されているか      │・年次休暇についてヒアリング │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 職員の特別休暇が取得されてい│ ○  │    │    │ │  るか             │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 職員の年次休暇が適切に取得さ│    │    │ 1)  │ │  れているか          │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 職員の年次休暇の取得状況       教職員は、中途採用や特別職の公務員を除き、年次休暇とし      て原則年間20日の有給休暇を付与される(岐阜県職員の給      与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例第42条第1      項)。       年次休暇簿を確認したところ、年次休暇は1年間に10日間      ほど取得している教職員が多かった。しかし、1年間に20日      間を消化している教員は皆無であった。       年次休暇は、年度における年次休暇の残日数が20日を超え      ていない教職員については当該残日数が次年度に繰り越される      ことになっており、年次休暇の残日数が20日を超える教職員      にあっては20日が繰り越されるとされているが(同条第2      項)、次年度に20日を繰り越している教職員が多数であっ      た。また、年次休暇の取得日数は、個人差が大きく、年次休暇      を1日や3日しか取得していない者が存在した。       小中学校の教職員は、前述のとおり特別休暇制度があること      から、年次休暇を20日消化せずとも、ある程度休暇をとって      いるとも考えられる。しかし、年次休暇の20日を超えた年次      休暇は次年度には持ち越せないことや、年次休暇をほとんど取      得していない職員もいることから、積極的に年次休暇を取得す      るように、職員に呼びかけていく必要性は高い。年次休暇の取      得は、職員間の調整が必要となると考えられるが、市において      は年次休暇の取得率を上昇させるよう努力をするのが望まし      い。【意見41】  30.教職員の時間外勤務   (1) 概要      市は、前述の通り、教職員の労務管理を行う義務を負ってい     る(学校保健安全法第4条)。      しかし、市の教職員はいわゆる県費負担教職員であることか     ら、給与負担者は岐阜県となる。つまり、労務管理と給与負担     を異なる行政がそれぞれ担当している状態である。このような     状態から、教職員の労働問題を一元的に管理することは難し     く、労務管理が適切に行われない可能性がある。      ところで、平成25年5月に発生した岐阜県郡上市特別支援学     校講師の自死事案においては、当該講師が質量ともに過重な業     務を担当していたことが要因の一つとされて、公務災害と認定     された(平成29年3月31日付認定 地方公務員災害補償基金     岐阜県支部)。また、これを受けて教育長など11名が監督責任     を怠ったとして懲戒処分となった。当該講師は、死亡の3ヶ月     前までの月平均残業時間は約73時間であったが、その他早朝、     深夜の自宅作業があったことが認定されている。      岐阜県教育委員会では、県立学校の教職員の長時間勤務など     の問題に対応するため、平成29年度から「教職員の働き方改革     プラン」を策定し、教職員の勤務の適正化に向けて取り組んで     きている。      このように岐阜県では教職員の働き方改革を進めているが、     市においても市内の小中学校で勤務する教職員の勤務の適正化     が図られているかを確認するため、教職員の時間外勤務の実態     を監査した。    ア. 教職員の時間外勤務の規定       市の教職員の勤務条件、勤務時間、給与については、岐阜県      の条例で定められている(岐阜県職員の給与、勤務時間その他      の勤務条件に関する条例第2条、岐阜県教育職員の給与その他      の勤務条件の特例に関する条例第2条)。       岐阜県の条例によれば教職員の勤務時間および時間外勤務に      関する事項は次のように定められている。      ○岐阜県職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例       (1週間の勤務時間)       第31条 職員の勤務時間は、休憩時間を除き、4週間を超       えない期間につき1週間当たり38時間45分とする。      ○岐阜県教育職員の給与その他の勤務条件の特例に関する条例       (教育職員の正規の勤務時間を超える勤務等)       第6条 教育職員については、正規の勤務時間(給与条例第       31条から第34条までに規定する勤務時間をいう。以下同       じ。)の割振りを適正に行い、原則として、正規の勤務時間       を超える勤務および次に掲げる日における正規の勤務時間中       の勤務(次項において「時間外勤務」という。)は、命じな       いものとする。       一 給与条例第15条に規定する祝日法による休日等および       年末年始の休日等       二 給与条例第15条の規定により休日勤務手当が一般の職
          員に対して支給される日(前号に掲げる日を除く。)       2 教育職員に対し時間外勤務を命ずる場合は、次に掲げる       業務に従事する場合で臨時又は緊急にやむを得ない必要があ       るときに限るものとする。       一 校外実習その他生徒の実習に関する業務       二 修学旅行その他学校の行事に関する業務       三 職員会議(学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第       11号)第48条第1項(同令第79条、第104条第1項およ       び第135条第1項において準用する場合を含む。)に規定す       る職員会議をいう。)に関する業務       四 非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措       置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務        上記、岐阜県教育職員の給与その他の勤務条件の特例に関す       る条例によれば、教職員は原則として時間外勤務は命じられな       いが、超勤4項目(同条例第6条第2項)については、時間外       勤務を命じることができる。        そして、現行制度上では、超勤4項目以外の業務について       は、時間外勤務を命じられることはないが、他方として、超勤       4項目以外の業務を勤務時間外に行った場合は、業務の内容に       関わらず、教員の自発的行為になると解釈され、時間外勤務時       間とは別に「勤務時間外在校時間」にあたると整理されてい       る。    イ. 教職員の時間外労働の問題点     (ア) 制度上時間外勤務手当が支給されないこと        教職員は、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に       関する特別措置法(以下「給特法」という)が適用されるこ       とから、時間外勤務手当および休日勤務手当は支給されず       (給特法第3条第2項)、代わりに教職調整額が支給される       (同法第3条第1項)。市の教職員も教職員調整手当が支給       されている(岐阜県教育職員の給与その他の勤務条件の特例       に関する条例第3条)。     (イ) 長時間勤務が常態化すること        教職員については、時間外勤務に応じた賃金を支払う必要       がないため、事実上、時間外勤務に上限を設けられていない       状態になる。つまり、際限なくサービス残業をしてしまう環       境にあり、長時間勤務になりやすい。        したがって、教職員については、労務管理者が積極的かつ       常に指導・監督をしないと、教職員の長時間労働が常態化し       てしまう可能性が高い。     (ウ) 市における取り組み        市は、各学校の校長に対し、教職員の時間外勤務時間につ       いて、月に45時間の範囲を超えないように指導をしていると       いうことである。    ウ. 教職員の部活動による拘束       中学校の場合は、部活動があり、顧問という形で教職員が引      率、監督をしている。しかし、部活動は、土日や授業外での活      動となるため、教職員の拘束時間が長時間になっている可能性      がある。教職員が部活動の引率等をした場合は、特殊勤務手当      が支給されることになっている。       なお、部活動は前述の超勤4項目には該当しないため、部活      動を理由とした時間外勤務を命じることはできないことから、      部活動を理由に休日出勤をした場合は、自発的な休日出勤とい      う扱いになる。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 勤務時間外在校時間が、長│・タイムカード、週報月報(出 │ │  時間となっていないか   │ 勤・退勤時間)、さっと勤怠 │ │               │ (システム)、毎月の勤務状況│ │               │ 確認シートを閲覧      │ │               │・時間外勤務時間について担当者│ │               │ へヒアリング        │ │               │・警備システムチェック表を閲覧│ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 部活動従事時間および日数│・特殊勤務手当実績簿を閲覧  │ │  に問題はないか(中学校の │・部活動承認申請書、部活動実施│ │  み)           │ 報告書を閲覧        │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 勤務時間外在校時間が、長時間│    │ 1)  │    │ │  となっていないか       │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 部活動従事時間および日数に問│    │    │ 2)  │ │  題はないか(中学校のみ)   │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 勤務時間外在校時間       下記は市内のある小学校の教職員の勤務時間外在校時間を一      覧表にしたものである。       上記小学校は、市内でも勤務時間外在校時間が長い傾向にあ      る小学校であるが、複数の教職員が毎月ではないものの100時      間を超えて時間外勤務をしていることが確認できる。       そして、現地視察に訪れた小中学校において、労働時間集計      一覧表を確認したところ、半数以上の教職員がほぼ毎月45時      間を超えて時間外勤務をしていた。そして、時間外勤務時間が      毎月80時間を超えている教職員も複数人いた。なかには、勤      務時間外在校時間が1ヶ月に160時間を超えている教職員も存
         在した。もちろん、現場視察に訪れた小学校、中学校におい      て、学校ごとで時間外勤務の時間に差がみられた。また、学校      内部においても、時間外労働が多い教職員と、少ない教職員の      差があった。教職員間に差が生じている理由を教頭などに確認      をしたところ、教職員の中でも独身の教職員など、比較的時間      が自由になる教職員が残って仕事をしていることが多いという      ことであった。また、時間外勤務の業務内容をヒアリングした      ところ、研究授業の準備、授業課題の準備、児童・生徒への対      応など、超勤4項目に該当しない業務であった。       上記のとおり、現地視察に訪れた小中学校だけでも、半数以      上の教職員が毎月45時間を超える時間外勤務を常習的に行っ      ている。そして、ほとんどの時間外勤務の業務は超勤4項目以      外の業務と考えられる。       一般的に過労死ラインは1ヶ月80時間と言われているが、      時間外勤務時間が160時間の者については、過労死ラインを大      きく上回っており、長時間労働が継続すれば過労死の危険もあ      る。また、警備システムチェック表の記載から、早朝4時に出      勤をした者や、午前2時退勤をした者が確認された。       もっとも、時間外勤務が少ない学校においては、ノー残業デ      ーを設けるなど、時間外勤務時間が45時間を超えた教職員に      対して、個別で声がけをするなどの取り組みをしている。しか      し、それでも、教職員の不適切な長時間労働はなくなっていな      い。       教職員の長時間勤務は、もはや常態化しており、すぐにでも      対応をしなければならない危険な状態にあるといえる。もし、      教職員の過労死や過労自死が発生すれば、労務管理者である市      や学校長の責任が問われることになる。そして、この状況を放      置すれば、長時間労働による過労死や過労自死の問題がいつ発      生しても不思議ではない。       教育委員会は、勤務時間外在校時間を精査しその内容を把握      したうえで、不適当な勤務時間外在校時間について削減するよ      うに指導監督を徹底する必要がある。【指摘3】     2) 部活動従事時間および日数       中学校の部活動について、部活動承認申請書、部活動実施報      告書および特殊勤務手当実績簿を確認したところ、現地視察し      た中学校すべてについて特に問題はなかった。       しかし、現地視察した中学校の中には、月に5日以上、部活      動に従事している教職員が9名いた。そして、部活動に従事し      た休日を平日へ振り替えている様子はなかった。そうすると、      平日は学校の通常勤務をして、休日5日間を部活動に従事する      という生活になっており、1ヶ月の間、ほとんど休日を取るこ      とができていない状態になってしまっている。       もちろん、中学校教職員の部活動への関与は必要なことでは      あるが、休日に部活動に従事した教職員に対し、休暇が不足し      ていないかなど配慮することが望ましい。【意見42】  31.教職員の健康管理   (1) 概要      市は、教職員の健康管理を行う義務がある(学校保健安全法     第4条)ことから、教職員の健康管理について、その方法が適     正化を監査した。    ア. 教職員の健康管理の方法       健康管理は、身体的な健康に対する健康診断と、精神的な      健康に対するストレスチェックの方法があり、市において      は、健康診断を年に1回は受診するように義務付けている。       また、ストレスチェックについては、教職員の任意ではある      が、公立学校共済組合により年に1回行われている。    イ. 病気休職中の教職員       市の平成28年度~平成30年度中の教職員(事務職を含む)      の病気休職者数は次のとおりとなっている。      平成28年度…87名(内精神疾患18名 約20%)      平成29年度…90名(内精神疾患14名 約16%)      平成30年度…81名(内精神疾患21名 約26%)       市の小中学校の職員数は、平成28年2,026名、平成29年      1,998名、平成30年1,979名であることから、約5%が病気休      職をしており、約1%が精神疾患で休職をしていることにな      る。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 教職員の健康診断が定期的│・職員の健康診断票を閲覧   │ │  に行われているか     │・健康診断および人間ドックにつ│ │               │ いてヒアリング       │ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. ストレスチェックの有効利│・ストレスチェックの結果の閲覧│ │  用がされているか     │・ストレスチェックの利用につい│ │               │ てヒアリング        │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 教職員の健康診断が定期的に行│    │    │ 1)  │ │  われているか         │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. ストレスチェックの有効利用が│ ○  │    │    │ │  されているか         │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 教職員の健康診断の受診管理
          現場視察に訪れた学校において、健康診断書に健康診断年月      日が記載されていない教職員が複数人いた。健康診断日の未記      入者は、本人もしくは養護教諭が書き入れる必要があるが、平      成30年度分が監査の段階で未記入となっている者もいた。不      記載の理由を聞いたところ、特に理由はないということであっ      た。       健康診断については、定期的に行われていることは確認がで      き問題はなかったが、労務管理を行う義務のある校長が、健康      診断の受診日が未記入となっている場合は、確認して記載して      おくよう指導することが望ましい。【意見43】  32.私費会計   (1) 概要      岐阜県教育委員会より公表されている『~県立学校の運営に     かかる経費~その適正執行と使途区分』によると、私費の定義     は次のとおりである。      学校運営において公費とは別に、生徒個人に直接還元される     経費を保護者から一時預りする性質の会計(以下「学校預り     金」)という。)及び、PTAや育友会など学校関係団体の会計(以     下「団体徴収金」という。)」とある。    ア. 学校預り金       学校預り金とは、本来生徒や保護者(以下「保護者等とい      う。」が個々に購入等準備するべき教材等の経費削減や調達の      利便性を図ったり、修学旅行積立金など一度に集金するには保      護者等の負担が大きいものなどについて、学校においてまとめ      て支払いを行ったりするために、一時お預かりするものであ      り、当該会計事務は公務として携わるものである。    イ. 団体徴収金       団体徴収金とは、より質の高い教育展開や学校特性を向上さ      れるためなどに、保護者や教職員等会員により構成される、学      校の運営支援等を行う関係団体の会計である。活動は会員総意      によって決定され、学校長はその会計事務についてのみ関係団      体から負託を受けて担うものであり、携わる職員は職務専念義      務の免除を受けて従事するものである。    ウ. 監査期間中での横領事件の発生     (ア) 事件の概要        令和元年8月23日に、市立岩小学校の給食費が公益財団       法人岐阜市学校給食会(以下、「学校給食会」という。)       に振り込まれていないことが発覚したことから、学校納入       金(私費)の使途不明金があることが疑われた。        その後、学校及び教育委員会による事務職員への聞き取       りにより、当該事務職員が横領していたことが発覚した。     (イ) 横領の手法        当学校では、他の市立学校と同様、保護者から学校への       納入金は、一旦すべて親口座と呼ばれる1つの口座へ振り       込まれ、その後、事務職員が各会計へ預金を振り分けてい       る。当該事務職員は、振り分ける金額を、親口座からの払       戻請求書と、各口座への入金申込書を校長へ渡し、払戻請       求書へ校長印をもらったあと、入金申込書をすり替えて低       い金額のもので金融機関に提出し、差額を着服していた。     (ウ) 監査上の対応        当該事案が監査実施時点で発覚したことから、私費会計       に関して、内部管理上の問題点がないかを教育委員会への       ヒアリング及び学校視察を行い確認する。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 私費は適切に管理されてい│・学校ごとに、私費の事務取扱要│ │  るか           │ 領が定められているかを確認 │ │               │               │ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 私費の収入金が、各会計に│・親口座から各会計への振替(親│ │  適切に振り分けされ、入金さ│ 口座からの引出額と各会計への│ │  れているか        │ 振り分けられた額の一致を確認│ │               │・収入金調書に、会計担当、事務│ │               │ 主任、教頭、校長の押印がある│ │               │ かを確認          │ ├───────────────┼───────────────┤ │ウ. 私費の支出金が適切に計上│・支出金調書に、会計担当、事務│ │  されているか       │ 主任、教頭、校長の押印がある│ │               │ かを確認          │ ├───────────────┼───────────────┤ │エ. 私費の決算報告が適切に行│・決算報告の計上額と、収入金調│ │  われているか       │ 書あるいは支出金調書が一致し│ │               │ ているか確認        │ │               │・決算報告に、会計担当者及び監│ │               │ 査担当者の記名押印等があるか│ │               │ を確認           │ ├───────────────┼───────────────┤ │オ. 給食費は適切に徴収されて│・平成30年度末時点で未納となっ│ │  いるか          │ ている児童生徒数、及び未納額│ │               │ を確認           │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 私費は適切に管理されているか│    │1)2)5)6)│    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 私費の収入金が、各会計に適切│    │    │    │ │  に振り分けされ、入金されている│ ○  │    │    │
    │  か              │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 私費の支出金が適切に計上され│ ○  │    │    │ │  ているか           │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │エ. 私費の決算報告が適切に行われ│    │3)7)8) │    │ │  ているか           │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │オ. 給食費は適切に徴収されている│    │ 4)  │    │ │  か              │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 横領事件について       監査実施の中で、学校給食会の平成31年3月31日現在の財      産目録を入手したところ、横領事件のあった岩小学校のみに対      する給食費の未収金2,017千円が計上されていた。       一方で、他の学校については、学校給食会から通知される      「3月分必要額」に基づき、各学校で3月分の給食費を調整し      て、校長の決裁を以って徴収し、期日までに支払っている。       学校による給食費の調整は事務職員による手作業による部分      が多く、不正や誤り又は遅延が生じることもあることから、現      行の方法においては3月分の給食費を調整する際に、校長が内      容の確認を確実にすべきであった。【指摘4】     2) 給食費会計の取扱い       各学校では、教育委員会からのサンプルをもとに、学校納入      金事務取扱要領を定めているが、当該要領の中で、学校納入金      会計の定義に給食費会計を定めていない学校があった。       給食費は、典型的な私費であることから、当該要領を見      直すべきである。【指摘5】     3) 給食費会計の会計資料       2)に関連して、給食費の収入金調書及び決算報告書を作成し      ていない学校があった。       これについても、給食費が私費であることを改めて認識し、      収入金調書及び決算報告書を作成すべきである。【指摘6】     4) 給食費会計の運用       1)でも触れたが、給食費は、学校給食会から通知される「3      月分必要額」に基づき、各学校で3月分の給食費を調整して、      余剰金が発生しないように運用されているが、市場価格の変動      により生じる差額は、学校給食会に前受金として計上されてい      る。       なお、欠席や学級閉鎖等による給食カットや未納者からの徴      収状況等により給食費の調整方法は各学校の裁量にある。       給食費会計については、学校における調整等の業務負担や不      正や誤りまたは遅延を防ぐために、市において新たな運用方法      を検討するとともに体制を整えるべきである。【指摘7】     5) 金庫の運用       会計上は、児童へ返還したとして支出金として処理されてい      る現金が、学校の金庫に保管されていた。理由は、決算を行う      ため支出金としたものの、当該児童の保護者に受取を拒否され      たため、金庫で保管していたとのことであった。       支払の事実がない場合には、支出金とせず、会計上も繰越額      として決算報告書に明記すればよく、上記運用には問題があっ      た。【指摘8】     6) 物販販売による売上金の管理       特定の学校では、児童がデザインしたTシャツ等や、飲み物      を学校行事に合わせて販売しているが、その売上代金や仕入代      金について、監査実施時に受払記録もなく、現金のみを金庫で      保管していた。       受払記録なく現金のみを保管していると、当該販売に関係の      ない支出に使用したとしても検証することができず、横領等の      温床となる可能性がある。       したがって、通帳等を作成するとともに、入手金の受払管理      を行う必要がある。【指摘9】     7) 決算報告書の作成時期       学校視察を行った際に決算報告書と通帳の照合を行った結      果、決算報告書に未記載の入金があった。決算報告書には、年      度の全ての入出金の記録を反映すべきであり、決算報告を行っ      たあとであっても修正して、再度報告すべきであった。      【指摘10】     8) 監査実施日と決算報告書日の関係       決算報告書を閲覧した結果、監査実施日が、決算報告を行っ      た日付のあとになった報告書があった。決算報告は、監査を受      けたうえで適正に処理されていることを確認したあとに行うも      のであるから、監査実施日は、決算報告を実施する前に行うよ      う運用を見直す必要がある。【指摘11】  33.教材費   (1) 概要      義務教育ということで教科書や授業料については税金で賄わ     れているため個人負担はないが、それぞれの学校で使う教材に     ついては個人負担が発生している。各学校は、「岐阜市小中学     校管理規則」第12条に基づいて教材使用届を作成し、教育委員     会へ提出している。    ア. 「岐阜市小中学校管理規則」      第12条       校長は、学校若しくは、学級の全員又は特定の集団全員の      教材として計画的かつ継続的に次に掲げるものを使用する場      合は、教材使用届(様式第2号)により、教育委員会に届け      出なければならない。     (ア) 教科書又は準教科書と合わせて使用する副読本、解説書       その他の参考書
        (イ) 練習帳、日記帳その他の学習書    イ. 小学校における教材使用届金額一覧       平成30年度の各学校における教材使用届記載の金額につい      ての平均額、最高額、最低額は次の通りである。 ┌────┬─────┬─────┬─────┐ │ 学年 │ 平均額 │ 最高額 │ 最低額 │ ├────┼─────┼─────┼─────┤ │ 1年 │ 4,739円 │ 6,380円 │ 3,310円 │ ├────┼─────┼─────┼─────┤ │ 2年 │ 4,862円 │ 6,110円 │ 3,780円 │ ├────┼─────┼─────┼─────┤ │ 3年 │ 6,896円 │ 8,390円 │ 4,650円 │ ├────┼─────┼─────┼─────┤ │ 4年 │ 6,434円 │ 7,950円 │ 5,156円 │ ├────┼─────┼─────┼─────┤ │ 5年 │ 6,427円 │ 7,520円 │ 4,980円 │ ├────┼─────┼─────┼─────┤ │ 6年 │ 6,486円 │ 7,750円 │ 5,766円 │ └────┴─────┴─────┴─────┘    ウ. 中学校における教材使用届金額一覧       平成30年度の各学校における教材使用届記載の金額につい      ての平均額、最高額、最低額は次の通りである。 ┌────┬─────┬─────┬─────┐ │ 学年 │ 平均額 │ 最高額 │ 最低額 │ ├────┼─────┼─────┼─────┤ │ 1年 │11,378円 │14,590円 │ 6,770円 │ ├────┼─────┼─────┼─────┤ │ 2年 │ 6,491円 │ 8,500円 │ 4,290円 │ ├────┼─────┼─────┼─────┤ │ 3年 │ 7,097円 │12,640円 │ 3,700円 │ └────┴─────┴─────┴─────┘   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 各学校において教材使用届│・教材使用届提出前の決定会議に│ │  を提出前にどのような会議が│ おける過程(議事録)などのヒ│ │  開催されているか     │ アリング          │ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 教材使用届を提出された後│・各学校から提出された一覧表に│ │  にどのような管理をしている│ ついて閲覧         │ │  か            │・管理後の対応についてヒアリン│ │               │ グ             │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 各学校において教材使用届を提│    │    │    │ │  出前にどのような会議が開催され│    │    │ 1)  │ │  ているか           │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 教材使用届を提出された後にど│    │    │ 2)  │ │  のような管理をしているか   │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 議事録の作成       毎年度、教材使用届を提出する前に、各学校においては教材      選定の会議を開催しているが、学校視察時にその議事録等を確      認したところ、メモ書き等では残されてはいたが、議事録とし      て残している学校はなかった。そのため、次年度に同じ会議を      したときに、変更箇所はわかるものの、なぜそのような変更が      あったかを記録していないため不明という回答があった。この      ようなことを防ぐためにも、変更した理由については記録する      ほうが次年度の教育体制に生きるものと考えられるし、特に人      事異動がある職場においては、次年度のことを考えて、誰にで      もわかるように記録を残すことが望ましい。【意見44】     2) 使用教材の学校間格差       各学校から教育委員会へ提出された教材使用届に記載されて      いた金額の一覧表に基づき、最高額と最低額では差があり、大      きなもので7,000円以上の差がある。       学校現場としては、教職員が知恵を絞って、より児童・生徒      のためと思って考えて教材を選定してもらっているはずであ      る。そのためある程度の個人負担についてはやむを得ないこと      である。       個人負担を多くすればより良い教材が手に入るかもしれない      が、同じ市に住む児童・生徒に不公平感がないようにすること      を検討されたい。【意見45】  34.学校給食   (1) 概要      学校給食は、学校給食法に基づき実施され、児童および生徒     の心身の健全な発達に資するものであり、かつ、食に関する正     しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすもので     ある。      市では、すべての小中学校において、単独校調理方式または     共同調理場方式によって、完全給食、統一献立を実施してい     る。    ア. 学校給食調理等業務の委託       市は、民間事業者の高い技術力等を活用するため、給食調
         理・配送・配膳等の業務を民間事業者に委託している。       委託する民間事業者の選定にあたっては、学校給食の質の保      持と調理業務等の安全性、効率性および継続性を確保するた      め、提案書に基づく公募型プロポーザル方式を採用している。      また、契約期間満了となった際は改めて民間事業者の選定を行      うこととしている。       平成30年度においては、継続契約が完了した学校給食室9      校および共同調理場1場の契約更改をプロポーザルにより実施      している。    イ. 学校給食会に対する補助・貸付       市は、学校給食の安定供給および安全安心に関する事業等を      行う学校給食会に対して、事務・人件費等運営費として補助金      を交付している。また、毎年度はじめの4月および5月の各学      校から学校給食会への給食費の振込が仕入れ業者への支払いに      間に合わないため、市から学校給食会に対して貸付を実施して      いる。    ウ. 食物アレルギー対策、宗教的配慮       市における食物アレルギーを有する児童生徒は年々増加する      傾向にある。また、特定宗教の教徒には戒律で食べられないも      のがある。       こうした中、食物アレルギーを有する児童生徒に対しては、      「岐阜市食物アレルギー給食対応の手引書」に従って、除去食      の提供や弁当持参等によって対応を行っているほか、当該対応      のために、IH調理器、冷凍冷蔵庫、電子レンジ等の給食調理      器具を支給している。       また、宗教的配慮の必要な児童生徒に対しても、給食を提供      しない等の対応を行っている。    エ. 衛生管理対策       市は、「岐阜市学校給食衛生管理マニュアル」を策定し、学      校給食衛生管理体制を整備するなど、調理現場における衛生管      理対策を行っている。       こうした中、市は、調理現場のみならず学校における、異物      混入と食中毒及び災害時の対応を重点的に捉え、「学校給食に      おける危機管理マニュアル」を策定し、安心安全な学校給食の      提供に努めている。     (ア) 食中毒        食中毒の可能性が確認された場合、1)学校運営に対する       対応、2)児童生徒・保護者への対応、3)職員等関係者への       対応、4)学校給食関係職員への対応、5)教育委員会学校保       健課への対応について、それぞれ「学校給食における危機       管理マニュアル」に定められている。     (イ) 異物混入        異物混入が発見された場合、まずは異物の種類(危険物       か否か、大量混入か否か)によって、それぞれ対応方法が       「学校給食における危機管理マニュアル」に定められてい       る。    オ. 給食費       市は、月額の給食費として、小学校では4,500円、中学校で      は5,380円を徴収している。なお、給食費の会計処理は、各学      校での私会計として公費扱いはしていない。       各学校で徴収した給食費は、給食物資の一括購入を行ってい      る学校給食会へ、月次で納入している。    カ. 残食率       環境省が平成25年度に実施した調査「学校給食から発生す      る食品ロス等の状況に関する調査」における残食率の全国平均      は約6.9%であり、これは出席した人数分の学校給食の提供量に      対する、食べられずに残された給食の量の割合と定義されてい      る。    キ. 資産管理(消耗品)       市内の各小中学校は、給食室の衛生消耗品について、品目ご      とに月次単位で受払を行い、これを給食用消耗品受払簿に記録      することとしている。    ク. 学校給食費の会計制度       市の小中学校における学校給食費は、各学校が会計単位とな      る私会計の制度を採用している。       具体的には、各校長が学校給食会に、給食用物資購入の権限      を委任しており、各学校は事前に報告する給食数分の物資調達      に必要な額を学校給食会へ支払っている。       このため、未納金の徴収は学校の責務となっており、未納問      題等各家庭の実態に合わせた個別の対応がしやすい。       こうした中、市は、1)教職員による徴収管理による負担、2)      未納があっても、集まった給食費の中で処理されるという不透      明感、3)各学校が督促しても給食費を納めてもらえない家庭が      あるという不公平感等を現状の課題として認識しており、将来      的に市が学校給食費を徴収する公会計化への移行を検討してい      る。       なお、令和元年7月に、文部科学省より「学校給食費の徴収      に関する公会計化等の推進について(通知)」が発出されてお      り、学校給食費の公会計化の取組を一層推進することが期待さ      れている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 学校給食会に対する補助・│・岐阜市補助金等交付規則、公益│ │  貸付について、金額が適正に│ 財団法人岐阜市学校給食会補助│ │  算出されているか     │ 金交付要領、補助金交付申請 │ │               │ 書、補助金交付に係る決裁書を│ │               │ 閲覧            │ │               │・岐阜市学校給食用物資購入資金│ │               │ 貸付規則、学校給食用物資購入│
    │               │ 資金借入申請書、貸付金に係る│ │               │ 決裁書、岐阜市学校給食用物資│ │               │ 購入貸付契約書を閲覧    │ │               │・学校給食会に対する補助金、貸│ │               │ 付金のあり方についてヒアリン│ │               │ グ             │ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 食物アレルギー対策、宗教│・岐阜市食物アレルギー調査のま│ │  的配慮について、必要十分な│ とめ、単独校調理場設置状況、│ │  対策が取られているか   │ 岐阜市学校給食における食物ア│ │               │ レルギー対応の手引、アレルギ│ │               │ ー用備品等の学校保健課購入 │ │               │ 数・購入履歴を閲覧     │ │               │・食物アレルギー対策、宗教的配│ │               │ 慮の概要についてヒアリング │ ├───────────────┼───────────────┤ │ウ. 衛生管理対策について、食│・平成30年度学校給食における異│ │  中毒や異物混入が発生しない│ 物混入を閲覧        │ │  仕組みが整備され、発生した│・これまでの食中毒発生状況につ│ │  場合には適切に対応している│ いてヒアリング       │ │  か            │               │ ├───────────────┼───────────────┤ │エ. 給食費について、不足なく│・市学校給食費未納の状況を閲覧│ │  収納されているか     │・給食費の未納状況についてヒア│ │               │ リング           │ ├───────────────┼───────────────┤ │オ. 残食率について、実態を把│・残食率調査票を閲覧     │ │  握し改善をおこなっているか│・残食量、残食率の把握について│ │               │ ヒアリング         │ ├───────────────┼───────────────┤ │カ. 資産管理(消耗品)につい│・給食用消耗品受払簿を閲覧  │ │  て、給食用消耗品受払簿が適│・給食用消耗品の受払についてヒ│ │  正に作成されているか   │ アリング          │ ├───────────────┼───────────────┤ │キ. 学校給食費の公会計化につ│・校長会特別審議委員会資料、給│ │  いて、適切な議論が行われて│ 食会計等に関わる状況把握調査│ │  いるか          │ 結果、中核市実態調査資料、訪│ │               │ 問調査資料、内閣府・文部科学│ │               │ 省へ提出したアンケート結果を│ │               │ 閲覧            │ │               │・公会計化に係る検討の進捗につ│ │               │ いてヒアリング       │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │       着眼点       │     監査結果     │ │                 ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 学校給食会に対する補助・貸付│    │    │    │ │  について、金額が適正に算出され│ ○  │    │    │ │  ているか           │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 食物アレルギー対策、宗教的配│    │    │    │ │  慮について、必要十分な対策が取│ ○  │    │    │ │  られているか         │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 衛生管理対策について、食中毒│    │    │    │ │  や異物混入が発生しない仕組みが│ ○  │    │    │ │  整備され、発生した場合には適切│    │    │    │ │  に対応しているか       │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │エ. 給食費について、不足なく収納│    │    │ 1)  │ │  されているか         │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │オ. 残食率について、実態を把握し│ ○  │    │    │ │  改善をおこなっているか    │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │カ. 資産管理(消耗品)について、│    │    │    │ │  給食用消耗品受払簿が適正に作成│ ○  │    │    │ │  されているか         │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │キ. 学校給食費の公会計化につい │    │    │ 2)  │ │  て、適切な議論が行われているか│    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 給食費の未納状況       平成30年度末における給食費総額と収納額を比較すると、      下表のとおり収納率は99.64%となっている。       こうした中、減少傾向にあるものの、毎期未納額が一定の割      合で発生している。ただし、給食費は私会計であるため、市      は、小中学校の給食費未納状況を把握するのみである。       しかしながら、未納が発生すると、対応のために教職員の作      業が増大するほか、適正に給食費を納めている者とそうでない      者との間に不公平感が生じ、ひいては学校給食全体の適正な運      営に影響を及ぼす可能性がある。       したがって、市は、各小中学校と協力して直接的または間接      的に未納問題に取り組むことが望ましい。なお、私会計である      ことによって対応が困難であるのであれば、後述する公会計化      によって解消させることも考えられる。【意見46】     2) 学校給食費の公会計化       市内の小中学校は、現在、私会計にて給食費を徴収してい      る。なお、文部科学省からは、先述のとおり「学校給食費の徴      収に関する公会計化等の推進について(通知)」が発出され、
         学校給食費の公会計化の取組を一層推進することが期待されて      いる。       こうした中、市は、私会計による諸問題(教職員による徴収      業務負担、横領事件の発生等)や、他の地方公共団体で公会計      化及びその検討が進み出している実態を勘案し、給食費会計の      公会計化についてさまざまな協議を行っている。       なお、学校給食費の公会計化には、次のように現状の私会計      による問題点を解消する効果があるとともに、公会計化に伴っ      て検討すべき課題もある。       ・公会計化により期待される主な効果        a.  教職員の負担軽減           徴収や入出金業務、滞納管理等の給食費に係る業務          が軽減されることにより、教職員が児童生徒一人ひと          りと向き合う時間が確保でき、教育力の向上に資す          る。        b.  給食費会計の透明性向上           給食費に関する法律等によって適正な管理運営を行          うことで、給食費に関する事故を防止することができ          る。特に、本年度に発覚した事務職員による給食費等          の横領についても、公会計化によって防ぐことができ          る。        c.  給食費負担の公平性向上           保護者からの事前の相談や督促の経過に応じた法的          措置等、未納への対応を市が一元的に管理してより確          実に徴収することで、給食費を適正に納めている者と          そうでない者との不公平感を解消できる。       ・公会計化に伴い検討すべき課題        a.  市職員の業務量増加への対応           給食費に関わる徴収金管理や未納対応等の業務を市          が行うことで、専任・併任者を確保する必要がある。          また、会計を円滑に進めるために新たなシステムの導          入や既存のシステムの変更及びその維持管理を実施す          るため、関係部門との連携等が必要となる。        b.  納付方法           給食費の納付方法の多様化(口座振替を行う金融機          関を複数から選択可能にする、コンビニエンスストア          での納付を可能にする等)を検討することで、保護者          の利便性を向上させ、徴収率の維持向上を図る。       このような点を踏まえると、学校給食費の公会計化につい      て、十分に時間をかけて議論を行い、必要に応じて教育現場や      他の地方公共団体の実態を調査する等、より慎重に検討を行っ      ている市の姿勢は評価できる。他方、文部科学省のガイドライ      ンで学校給食費の公会計化等の推進が強く期待されていること      から、公会計化導入について検討する体制を整備していくこと      が望まれる。【意見47】  35.備品整備   (1) 概要      備品整備として、小学校運営や中学校運営に必要な学校図書備     品等の整備をしているほか、備品管理簿で各種資産の管理をして     いる。    ア. 学校図書館ガイドライン       学校図書館をめぐる現状と課題を踏まえ、さらなる学校図書      館の整備充実を図るため、教育委員会や学校等にとって参考と      なるよう、学校図書館の運営上の重要な事項についてその望ま      しい在り方を示す、「学校図書館ガイドライン」が定められて      いる。       以下、その「学校図書館ガイドライン」から一部抜粋する。     (ア) 学校図書館の目的        学校図書館は、学校図書館法に規定されているように、       学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であ       り、図書館資料を収集・整理・保存し、児童生徒および教       職員の利用に供することによって、学校の教育課程の展開       に寄与するとともに児童生徒の健全な教養を育成すること       を目的としている。     (イ) 図書館資料の選定・提供        学校は、特色ある学校図書館づくりを推進するととも       に、図書館資料の選定が適切に行われるよう、各学校にお       いて、明文化された選定の基準を定めるとともに、基準に       沿った選定を組織的・計画的に行うよう努めることが望ま       しい。        図書館資料の選定等は学校の教育活動の一部として行わ       れるものであり、基準に沿った図書選定を行うための校内       組織を整備し、学校組織として選定等を行うよう努めるこ       とが望ましい。     (ウ) 図書館資料の廃棄・更新        学校図書館には、刊行後時間の経過とともに誤った情報       を記載していることが明白になった図書や、汚損や破損に       より修理が不可能となり利用できなくなった図書等が配架       されている例もあるが、学校は、児童生徒にとって正しい       情報や図書館資料に触れる環境整備の観点や読書衛生の観       点から適切な廃棄・更新に努めることが望ましい。        図書館資料の廃棄と更新が行われるよう、各学校におい       て、明文化された廃棄の基準を定めるとともに、基準に沿       った廃棄・更新を組織的・計画的に行うよう努めることが       望ましい。    イ. 学校図書館蔵書の廃棄手続き       学校図書館蔵書について各学校の図書館蔵書の実態を把握す      るため、蔵書の廃棄手続きを定めている。
          提出書類として、「図書備品廃棄処分承認申請書」、LIB      @SCHOOLを活用し、所蔵一覧の除籍区分を指定したもの      を印刷した「別紙一覧」、「学校図書館蔵書報告書」を教育委      員会へ提出し、廃棄を承認した旨の書類が各学校へ届くように      なっている。       各学校においては図書廃棄委員会を設置し、これらの規準に      基づいて、学校図書館担当教員と学校司書が廃棄図書リストを      作成し、各教科担当が確認した後、学校図書館長である学校長      が廃棄図書を決定する。    ウ. 各種備品の管理および廃棄手続き       各種備品については、教育委員会発行の備品管理マニュアル      を参考にして管理している。各学校において備品台帳を整備し      定期的に現物確認を行い、廃棄時においては教育委員会へ備品      廃棄処分承認申請書を提出し、備品台帳兼異動連絡票に承認印      を押印されてから廃棄手続き行っている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 図書の選定が適切に行われ│・図書の選定基準及び選定過程の│ │  ているか         │ 会議録を閲覧        │ │               │・選定会議についてヒアリング │ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 図書の廃棄・更新が適切に│・図書の廃棄・更新マニュアルを│ │  行われているか      │ 閲覧            │ │               │・図書の廃棄・更新過程について│ │               │ ヒアリング         │ ├───────────────┼───────────────┤ │ウ. 備品の管理が適切であるか│・備品台帳の閲覧       │ │               │・備品の現物確認       │ ├───────────────┼───────────────┤ │エ. 備品の廃棄が適切であるか│・備品台帳の閲覧       │ │               │・廃棄確認方法のヒアリング  │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │       着眼点       │     監査結果     │ │                 ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 図書の選定が適切に行われてい│    │    │ 1)  │ │  るか             │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 図書の廃棄・更新が適切に行わ│    │    │ 2)  │ │  れているか          │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 備品の管理が適切であるか  │    │    │ 3)  │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │エ. 備品の廃棄が適切であるか  │    │    │ 4)  │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 図書選定の過程       図書の購入業者においては市から特に指定されていないの      で、各学校の近隣の事業所などに注文している。注文の前に      は、学校図書館担当教員と学校司書が中心となって購入図書リ      ストを作成した後、学校長が決定している。購入図書リスト作      成に当たっては、分類(歴史・自然科学・芸術・文学など)の      偏りがないように選定し、課題図書などの話題になっている図      書を含めるなど、多くの学校が学校教員や児童生徒の希望など      の聞き取りを行うことで各方面から情報収集することに留意し      ている。その後、購入図書選定会議などを経て、最終的に購入      が決定されているが、その選定会議でどのような意見交換がな      されているのかは、会議録を作成していないため、確認するこ      とはできなかった。       購入図書リストを情報収集しながら作成することは、実態に      合わせるため好ましいことであるが、選定会議における意見交      換を会議録として残すことが望ましい。【意見48】     2) 図書の廃棄・更新       廃棄図書の選定は、各学校に委ねられている。各学校におけ      る図書廃棄委員会等が「全国学校図書館協議会制定 学校図書      館廃棄規準」に基づいて、学校図書館担当教員と学校司書が廃      棄リストを作成し、各教科担当の確認後、学校長が廃棄図書を      決定し、図書備品廃棄処分承認申請書を提出することについて      は適切に行われている。しかしながら、廃棄リストを作成する      までの過程や最終的な意見交換等の廃棄決定過程の記録が乏し      いため、どのような判断で廃棄に至ったかを会議録として残す      ことが望ましい。【意見49】     3) 備品の管理       備品については複数年使用することが多いため、人事異動が      頻繁に行われる職場においては、より慎重に行わなければなら      ない。学校視察時に備品台帳を確認したところ、購入当初に備      品台帳へ登録した場所から移動しているものも認められた。そ      の理由としては、児童・生徒数の増減や教室の配置換え等の理      由が主たるところであるが、移動時に備品台帳の修正まで管理      されていないということである。       現物確認については、学校によっては毎年長期休暇時に点検      をしている学校もあったが、全く定期点検を実施していない学      校もあった。       このように、購入した物品の所在がわからなくなる理由とし      ては、先にも述べたが、購入時から使用を経て廃棄に至るまで      に様々な人を介するためであり、時間が経てば誰もわからなく      なるというところにある。そのため、現実に現物確認できない      物品もあると推測される。
          そこで、教育委員会が主導になって、備品台帳の一斉点検を      するなど、どのくらいの物品が所在不明なのかを把握すること      が望ましい。【意見50】     4) 備品の廃棄       備品廃棄処分承認申請書を提出し、備品台帳兼移動連絡票に      承認印を押印された後に、廃棄処分するが、備品台帳を閲覧し      たところ、承認印が押印されていることは確認できたものの、      どのように処分されたかが、はっきりしていないものが多かっ      た。購入契約に基づいて古い物品を業者が引き取る場合もある      が、それ以外の場合においてどこの業者が引き取っているか確      認できなかった。また、どのように廃棄したかがわかる廃棄証      明書等の入手も確認できなかった。       古い物品であるため換金価値はない物が多いと思われるが、      場合によっては使用あるいは転売される可能性もある。これら      を防ぐためにも、備品廃棄減免申請書などの控えを各学校に保      管することで、廃棄した事実を確認できるよう資料を保管する      ことが望ましい。【意見51】  36.学校保健   (1) 概要      学校保健とは、学校において、児童生徒等の健康の保持増進     を図ること、集団教育としての学校教育活動に必要な健康や安     全への配慮を行うこと、自己や他者の健康の保持増進を図るこ     とができるような能力を育成することなどである。      市では、学校医、学校歯科医による児童生徒及び教職員等の     定期健康診断、健康相談を通じて健康管理に留意するととも     に、学校薬剤師の協力を得て、校舎内の空気環境調査、騒音調     査、照度調査、飲料水検査等を実施している。また、学校保     健、学校安全の管理、指導の充実を図るために、保健主事、養     護教諭の研修を定期的に行っている。    ア. 検査・健康診断等       市は、児童及び生徒に対して、健康診断や各種検査を実施し      ている。     (ア) 定期健康診断等        市は、学校保健法及び同法施行規則に従い、定められた健       康診断及び各種検査を実施し、児童・生徒の健康管理を行っ       ている。     (イ) 小児生活習慣病予防対策        現代、子どもを取り巻く社会環境や生活様式の変化が子ど       もたちの心身の健康に大きな影響を及ぼしており、小児生活       習慣病も課題の一つになっている。        こうした中、市は、全小学校の5年生の希望者に対して血       液検査を実施し、その結果をもとにして家庭・学校・学校医       が協力して小児における生活習慣病予防対策を推進してい       る。    イ. 健康教育推進事業       市は、所管の学校からの健康教育推進に関する講話の要請を      受けて、各専門医を講師として派遣することとしている。       平成30年度は、小学校1件、中学校1件、特別支援学校2      件(高等部生徒対象1件、教職員対象1件)の要請があり、全      件について専門医による講話が実施されている。    ウ. 通学路交通安全プログラム       市は、岐阜市通学路交通安全プログラムに従い、全小学校及      び岐阜特別支援学校について、3グループに分けて3年サイク      ルで通学路における合同点検と対策を実施している。       具体的には、各学校より通学路の危険箇所が抽出された後、      学校、教育委員会、道路管理者、地元警察署等により合同点検      の実施と対策案の検討がなされ、必要に応じて対策が実施され      る。       なお、決定された対策案については、市のホームページで公      表されるほか、教育委員会は、岐阜市通学路安全推進会議にお      いて、対策箇所の進捗状況の確認を行っている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 検査・健康診断等につい │・小学5年生血液検査の手引き、│ │  て、法令等で定められた事項│ 小児生活習慣病予防のための採│ │  が漏れなく実施され、結果を│ 血検査結果、生活習慣病予防の│ │  もとに適切な改善活動が行わ│ ための冊子を閲覧      │ │  れているか        │・各学年において実施されている│ │               │ 健康診断、検査等の内容につい│ │               │ てヒアリング        │ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 健康教育推進事業につい │・健康教育推進事業申込書、健康│ │  て、有効に活用されているか│ 教育推進事業報告書を閲覧  │ │               │・健康教育推進事業の概要につい│ │               │ てヒアリング        │ ├───────────────┼───────────────┤ │ウ. 通学路交通安全プログラム│・岐阜市通学路安全推進会議資 │ │  について、対策メニューが適│ 料、合同点検実施校予定表、合│ │  切に実施されているか   │ 同点検必要箇所一覧表を閲覧 │ │               │・通学路交通安全プログラムにお│ │               │ ける業務の流れについてヒアリ│ │               │ ング            │ └───────────────┴───────────────┘
      (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │       着眼点       │     監査結果     │ │                 ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 検査・健康診断等について、法│    │    │    │ │  令等で定められた事項が漏れなく│    │    │ 1)  │ │  実施され、結果をもとに適切な改│    │    │    │ │  善活動が行われているか    │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 健康教育推進事業について、有│ ○  │    │    │ │  効に活用されているか     │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ. 通学路交通安全プログラムにつ│    │    │    │ │  いて、対策メニューが適切に実施│ ○  │    │    │ │  されているか         │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 小児生活習慣病予防対策       定期健康診断等については、下表のとおり学校保健安全法及      び同施行規則に定められたものが漏れなく行われている。ま      た、小児生活習慣病予防対策(後述)、および色覚検査につい      ては、法令等で必須とはされていないものの、市が必要と判断      して実施しており、前者は小学5年生の希望者、後者は小学1      年生および中学1年生の希望者を対象に行われている。       このように、必要な健康診断・検査が漏れなく実施されてい      るだけでなく、児童生徒の健康の保持増進を目的として追加で      検査が行われている点は評価できる。       他方、小児生活習慣病予防対策については、総コレステロー      ル、中性脂肪、尿酸の3項目の検査結果のうち、1項目でも基      準値を超える児童の割合を30%以下とすることを目標としてい      る中、上表のとおり30%前後で推移している状況にある。       こうした中、市は、児童の生涯にわたる健康づくりと自己管      理能力の育成を図るためには、継続した取組みが必要であると      し、生活習慣病に対する保護者への啓発、児童の運動への取組      み、食の重要性に関する指導・啓発等、学校・家庭・地域と連      携し、学校医による指導をはじめとして健康づくりを推進する      としている。       しかしながら、対象児童の割合が減少していない現状を勘案      すると、既述の活動を今後より強めていくことが望ましい。      【意見52】  37.学校規模適正化   (1) 概要    ア. 学校規模適正化事業       市では、市の中心市街地(旧市内)にある学校は、ドーナツ      化現象による居住人口の減少や出生率の低下による児童・生徒      数の減少により、小規模化傾向が著しく認められるようになっ      た。       市は、これらの学校の小規模化を解消するため、通学区域審      議会により「旧市内における岐阜市立小学校及び中学校の通学      区域の在り方について」の答申を平成14年5月に受けた。       答申の概要は次のとおりである。       旧市内における市立小学校及び中学校は急激な児童・生徒数      の減少や人口分布と学校配置の不均衡、校区を離れた中学校の      設置等改善すべき現状にあり、次のように統合並びに再配置を      実施することが急務である。     (ア) 金華小学校、京町小学校、明徳小学校、本郷小学校の各       校区の生徒が通学する中学校を川南地区に設置する。その       場所は岐阜大学医学部跡地の活用も含め、公共施設の再配       置の観点から早急に検討すべきである。早田小学校及び則       武小学校区の全生徒が通学する中学校を現伊奈波中学校又       は現明郷中学校のいずれかにする。     (イ) 金華小学校と京町小学校、明徳小学校と本郷小学校、徹       明小学校と木之本小学校及び白山小学校と梅林小学校の各       2校を統合し、適正規模化を図る。華陽小学校は将来にわ       たって相当の期間、適正規模を維持できることが予想でき       るため現状のままとする。     (ウ) 統合再配置の実施にあたっては、新しい学習内容や少人       数指導に対応できる特色ある校舎施設とする新・増・改築       のほか、教職員の配置等、他のモデルとなる学校の設置を       目指すべきである。     (エ) 該当の校区においては、児童・生徒の保護者や学校のみ       ならず、広く住民相互による話し合いの場が持たれ、理解       が深められなければならない。       この答申を踏まえ、教育委員会では最終的に、平成17年8      月30日に「旧市内小中学校の適正規模化・適正配置の方針」      を次のように決定した。     (A) 小学校の統合について      a.  金華小学校と京町小学校を平成20年4月に統合し、京        町小学校を仮校舎とする。      b.  金華小学校と京町小学校の統合校は、金華小学校の場        所に新築する。      c.  明徳小学校と本郷小学校、徹明小学校と木之本小学校        及び白山小学校と梅林小学校の統合については、学校再        編問題協議会の専門部会としてそれぞれに統合推進部会        を設置し、統合小学校の位置、時期についての話し合い        を積極的に進める。      d.  華陽小学校は、将来にわたって相当の期間、適正規模
           を指示できることが予想されることから現状のままと        し、将来、必要に応じて検討を行う。     (B) 中学校の再編について      a.  島中学校の通学区域(島小、城西小、木田小、則武小        の一部)を通学区域(島小、城西小、木田小)に再編す        る。      b.  (仮称)北中学校の通学区域を(早田小、則武小)と        し、伊奈波中学校または明郷中学校の校舎を利用する。      c.  (仮称)南中学校の通学区域を(金華小、京町小、明徳        小、本郷小)とし、京町小学校跡地に(仮称)南中学校        を新設する。     (C) (仮称)南中学校について      a.  (仮称)南中学校の建設において、京町小学校跡地だけ        では狭隘であるため、隣接する県立盲学校跡地を活用す        ることを県教育委員会と速やかに協議する。なお、校地        内にある中央青少年会館や公民館の配置についても検討        する      b.  (仮称)南中学校の新設には年月がかかることから、島        中学校の大規模校化と則武小学校の分離入学及び明郷中        学校の小規模校化という課題を解決するするため、現在        の島中学校、伊奈波中学校及び明郷中学校の中で、通学        区域を暫定的に見直すことを検討する。     (D) 小中学校の統合・再編にかかる建設計画について      a.  金華小学校の場所に新築する金華・京町統合小学校        は、平成22年4月開校を目標とする。      b.  京町小学校跡地に新設する(仮称)南中学校は、平成24        年4月開校を目標とする。    イ. 公共施設等総合管理計画における検討状況       平成26年4月に総務省から地方公共団体に対し、公共施設      等の総合的かつ計画的な管理を推進するための「公共施設等総      合管理計画」の策定要請があった。そこで、市では、公共施設      等の全体の状況を把握し、長期的な視点をもってこれらの課題      に対応するため、「岐阜市公共施設等総合管理計画」を平成29      年3月に策定し、公共施設等の総合的かつ計画的なマネジメン      トを推進していくとしている。       この公共施設等には、小中学校も含まれている。     (ア) 小学校に関する検討        小学校については、次のように検討されている。     (イ) 中学校に関する検討        中学校については、次のように検討されている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 小中学校の適正規模化・適│・進捗状況についてヒアリングを│ │  正配置の方針が実行されてい│ 実施            │ │  るか           │               │ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 学校施設の老朽化への対策│・老朽化への対策のための計画等│ │  として計画等が策定されてい│ の有無を確認        │ │  るか           │・計画等があれば内容を閲覧し検│ │               │ 討状況を確認        │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │       着眼点       │     監査結果     │ │                 ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 小中学校の適正規模化・適正配│    │    │ 1)2) │ │  置の方針が実行されているか  │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 学校施設の老朽化への対策とし│    │    │ 3)  │ │  て計画等が策定されているか  │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 学校再編の再検討       平成17年8月30日に策定した「旧市内小中学校の適正規模      化・適正配置の方針」において定めた事項について、順次小中      学校の統合・再編が行われている。       ただし、梅林小学校と白山小学校については、答申を受けて      から17年が経過し、当時の状況と大きく変化していることか      ら、小中一貫校や義務教育学校など義務教育学校のあり方を含      めた市全域の学校再編も今後検討されたい。【意見53】     2) 学校規模の適正化・適正配置の検討       市では、学校規模の適正化・適正配置の検討については、平      成17年8月以来、追加的な検討はなされていない。       一方、公共施設等総合管理計画において、平成29年から30      年間における小中学校の施設の更新及び修繕等に係る費用は合
         計約2,152億円と試算しているが、これは単年の一般会計予算      額を大きく超えるものである。       学校規模の適正化・適正配置は、教育の質をどう高めるかと      いう視点で検討されるものであるが、市の将来の財政面の検討      も考慮した形で検討されたい。【意見54】     3) 「岐阜市学校施設長寿命化計画」の策定状況       小中学校については、公共施設等総合管理計画にも掲記され      ているが、経過年数が40年を超える学校施設も珍しくなく、      中には、60年を過ぎた建物もある。今後の維持管理に向けた修      繕計画については、監査実施時点では計画策定のための調査を      行っており、令和2年3月に岐阜市学校施設長寿命化計画とし      て策定する予定であるとのことであった。       学校施設は、児童・生徒が多く集まる施設であり、また災害      時には避難所にもなる重要拠点であることから、具体的にどの      学校にどの時期にどの程度費用がかかるのかが明確になった計      画として策定されたい。【意見55】  38.契約事務   (1) 契約の種類      地方公共団体が締結する請負、売買契約は、一般競争入札、     指名競争入札、随意契約、せり売りの4つの方法で締結される     ものとされている(地方自治法第234条第1項)。      そのうち、市の契約締結方法としては、主に一般競争入札、     指名競争入札、随意契約の3つの方法で行われている。      競争入札参加者の選定方法については、岐阜市競争入札参加     者選定要綱(平成13年6月1日決裁)によって定められる。      競争入札又は随意契約に参加させることができる者は、原則     として本要綱による審査に合格し、岐阜市競争入札参加資格者     名簿に登録された者である(同要綱第2条)。      資格審査の項目としては、次の各号に掲げる契約の種類に応     じ、当該各号に掲げる事項並びに申請書及び添付書類を審査す     るものと定められている(同要綱第4条)。    ア. 建設工事の請負 建設業法第27条の23第3項の経営事項審      査の項目及び基準を定める件(平成20年国土交通省告示第85      号)に定める項目    イ. 測量・建設コンサルタント等の請負 次の(ア)から(ウ)まで      に掲げる事項     (ア) 種類別年間平均実績高     (イ) 自己資本額     (ウ) 業種区分別有資格者    ウ. 物件の製造、買入れその他の契約 次の(ア)から(ウ)までに      掲げる事項     (ア) 直前2年の営業年度における年間平均生産高又は年間平       均販売高     (イ) 経営規模      a. 自己資本額      b. 従業員数     (ウ) 経営状況      a. 流動比率      b. 営業年数      そして、審査に合格した者は、資格者名簿に登録される(同要     綱第5条)。      指名競争入札及び随意契約の見積もりに参加する者について     は、原則資格者名簿に登録された者の中から、次に掲げる事項     に留意するとともに、当該年度における指名及び受注の状況を     勘案し、特定の者に偏ることのないように均衡ある指名をする     ものとすると定められている(同要綱第7条第1項)。     ア. 不誠実な行為の有無     イ. 経営状況     ウ. 工事成績等     エ. 当該工事に対する地理的条件     オ. 手持ち工事の状況     カ. 当該工事施工についての技術的特性     キ. 安全管理の状況     ク. 労働福祉の状況     ケ. 健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の加入状況      指名の優先順位については、次に掲げる順序となっている     (同条第2項)。     ア. 市内に本店を有し、当該本店の所在地が資格者名簿の所在       地として登録されている者(以下「市内業者」という)     イ. 市内に支店、営業所等を有し、当該支店、営業所等の所在       地が資格者名簿の所在地として登録されている者(以下「準市       内業者」という)     ウ. 市内業者及び準市内業者以外の者で、資格者名簿に登録さ       れている者   (2) 契約形態      一般競争入札とは、原則として、広く誰にでも入札に参加で     きる機会を与え、また、契約手続を公開して不正の行われるこ     とを防ぎ、できるだけ市に有利な条件で申し込みをした者と契     約を締結する方法である。      指名競争入札とは、市が資力、信用その他について適当であ     ると認める特定多数の参加者を選んで入札の方法によって競争     させ、その中から相手方を決定し、その者と契約を締結する方     法をいう。      この方法では、業者が特定されていることから、一般競争入     札に比べ不信用、不誠実の者が排除でき、さらに、手続き的に     も簡単とされているが、特定の者の決定に当たり、それが一部     の者に固定化したり、偏重するといった短所もあると言われて     いる。      随意契約とは、競争の方法によらず、地方公共団体が任意に     特定の相手方を選択し、契約を締結するもので、入札を原則と     する契約締結の特例的な方法とされている(地方自治法第234     条第2項)。この方法は、他に比べて手続が非常に簡略で、経     費負担も少なく、さらに、相手方の資力、信用、技術、経験等     の能力を熟知したうえで選定することができるといったメリッ     トがある。しかし、反面、相手方の固定化や地方自治体にとっ
        て不利な価格での契約締結といった、地方公共団体の契約事務     に求められる公正性、機会均等性、経済性といったものが損な     われるというおそれもある。市においては、市契約規則にて、     契約金額の限度額の規定(同規則第28条)及び原則2者以上か     ら見積書を徴収すること(同規則第29条)によって公正性、機     会均等性、経済性の調整を図っている。   (3) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │     監査手続      │ ├───────────────┼───────────────┤ │ア. 随意契約が適切に契約締結│・契約一覧を閲覧       │ │  されているか       │・契約に関連する書類の整備状況│ │               │ を確認           │ │               │・関係者へのヒアリングの実施 │ ├───────────────┼───────────────┤ │イ. 競争入札手続きが適切に締│・契約一覧を閲覧       │ │  結及び履行されているか  │・契約に関連する書類の整備状況│ │               │ を確認           │ │               │・関係者へのヒアリングの実施 │ └───────────────┴───────────────┘   (4) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │       着眼点       │     監査結果     │ │                 ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア. 随意契約が適切に契約締結され│    │ 1)  │    │ │  ているか           │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ. 競争入札手続きが適切に締結及│    │    │ 2)  │ │  び履行されているか      │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     1) 随意契約理由書の作成       契約事務について検証した際に、次の随意契約による工事の      関係資料を閲覧した。     (ア) 梅林中学校プールブロック塀撤去工事       ・契約金額 313,200円       ・工事期間 平成30年6月25日~7月12日     (イ) 境川中学校ブロック壁撤去工事       ・契約金額 498,960円       ・工事期間 平成30年6月25日~7月3日       これらの工事は、少額の契約であることから随意契約による      ことができるものの、その根拠が明らかであるとの判断により      随意契約の理由書が作成されていなかった。       これについて、市契約規則第2条第1項第7号では、指名競      争入札又は随意契約による場合には、その理由書が必要である      旨定められていることから、本来は随意契約の理由書を作成す      べきであった。【指摘12】     2) 工事の発注規模       契約事務について検証した際に、次の工事の関係資料を閲覧      した。     (ア) 長良小学校校舎及び体育館建築主体工事       ・契約金額 1,869,480,000円       ・工事期間 平成30年9月27日~令和2年1月31日       この工事は、小学校校舎と体育館が一体での工事として発注      しており、入札結果を確認すると、1社のみによる応札とな      り、落札率も99.95%とほぼ100%に近い金額での落札となっ      ていた。       この工事について、小学校校舎と体育館が一体での工事とし      て発注した理由を確認したところ、市より次の回答があった。       「校舎と体育館が近接しており、別々に発注を行うと、お互      いの工事ヤードを確保する必要性が生じ、児童の利用可能場所      (仮設校舎・グラウンド)が減少し、児童の安心安全や学校運      営に支障が生じるため、一体での工事発注とした。」       しかし、他の入札関係書類を閲覧した結果、別個の工事とす      ることも次のことから可能であると考えられる。      a.  設計内訳書でも、上記工事全て、校舎と体育館は積算自       体が分かれている。      b.  施工監理業務を委託しているので、工事業者間の調整も       容易である。       したがって、経済性の観点からは、広く入札者を募り、競争      性を発揮することが望ましかったと考えられる。【意見56】 第4 指摘及び意見一覧表    なお、下記一覧表における指摘あるいは意見の欄の数値は、本編及び   概要版の【指摘】あるいは【意見】に付した番号を指している。 3: ◯議長大野一生君) 以上で諸般の報告を終わります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 開  議 4: ◯議長大野一生君) これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、さきに御通知申し上げたとおりであります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第1 会議録署名議員の指名 5: ◯議長大野一生君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において5番渡辺貴郎君、6番長屋千歳君の両君を指名します。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━
    第2 会期の決定 6: ◯議長大野一生君) 日程第2、会期の決定を議題とします。  お諮りします。今期定例会の会期は、本日から3月26日までの24日間と定めたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 7: ◯議長大野一生君) 御異議なしと認めます。よって、今期定例会の会期は、本日から3月26日までの24日間と決しました。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第3 第1号議案から第66 第64号議案まで 8: ◯議長大野一生君) 日程第3、第1号議案から日程第66、第64号議案まで、以上64件を一括して議題とします。            ───────────────────              〔議 案 等 掲 載 省 略〕            ─────────────────── 9: ◯議長大野一生君) これら64件に対する提出者の説明を求めます。市長、柴橋正直君。    〔柴橋正直君登壇〕 10: ◯市長柴橋正直君) おはようございます。    〔「おはようございます」と呼ぶ者あり〕  提案説明に先立ち、一言申し上げます。  現在、国内外において猛威を振るっております新型コロナウイルス感染症は、県内においても感染者が発生するなど、日々刻々と感染が拡大しており、市民生活にも大きな不安と懸念が広がっております。  本市では、保健所等に4か所相談窓口を設置し、市民の皆様からの問合せ等に対応するとともに、1月28日に私を本部長とする警戒本部を立ち上げ、その後、国内で感染拡大を受け、去る2月21日に対策本部に切り替え、全庁体制により、対策に当たっているところです。  このような中、政府の要請も重く受け止め、昨日から小中学校等を臨時休業とするとともに、本市が主催するイベント等については、3月15日までの間、原則延期もしくは中止または縮小としたところであります。あわせて、スポーツ施設や児童館などの市有施設についても、一部休止または休館としたところであります。市民の皆様には御迷惑をおかけしますが、御理解、御協力のほどよろしくお願いします。  終息も見えず、日々刻々と状況が変わる中、市民生活や企業活動等におけるさらなる影響も懸念されることから、今後とも国の動きを注視し、情報収集に当たるとともに、県と連携し、感染拡大の防止、状況に応じた素早い対応に努めてまいります。  本日、令和2年第1回岐阜市議会定例会が開催され、新年度の予算案を中心に諸議案の御審議をお願いするに当たり、市政に臨む所信の一端と施策の大要を申し上げます。  私が市民の皆様の信任を賜り、岐阜市長に就任してから2年が経過しました。この間、オール岐阜のまちづくりを市政運営の基本方針として掲げ、1年勝負という強い気持ちを持って職員一丸となり、「岐阜を動かす」政策の立案や新たな事業の実施に注力するとともに、これまで懸案となっていた事業の着手に取り組んでまいりました。  あわせて、市民の皆様との積極的な対話の実施や広報の工夫などを通じ、本市の取組について見える化を図るとともに、市政運営のパートナーとなる市民の皆様に丁寧に情報を届け、ビジョンの共有を心がけてきた結果、共感や事業に参加したいとの声をいただく機会も増え、少しずつ手応えを実感しているところであります。  さて、新年度は、本市にとって全国から注目が集まり、さらなる飛躍が期待できる特別な年を迎えます。  いよいよこの3月20日には、東海環状自動車道岐阜三輪スマートインターチェンジが開通するとともに、開館中の「麒麟がくる 岐阜 大河ドラマ館」をはじめ、エンジン01in岐阜、日本食文化会議2020岐阜、全国健康福祉祭ねんりんピック岐阜2020といった大きなイベントの開催が予定されております。さらには、東京オリンピック・パラリンピックの開催やそれに伴う聖火リレーの開催なども控えております。  このような特別な機会を通じ、市民の皆様とともに岐阜を一層輝かせていくとともに、本市への愛着や誇り、いわゆるシビックプライドのさらなる醸成にもつなげてまいります。  それでは、最初に、本市を取り巻く環境について申し上げます。  国の経済状況は、直近のGDPの速報値において大幅なマイナス成長が発表されるなど、減速感が漂う中、人口減少、少子高齢化による超高齢社会への突入や東京一極集中の加速、大規模自然災害の頻発、エネルギー・環境制約の高まり、さらには、新型コロナウイルスの感染拡大など、多くの直面する喫緊の課題を抱え、大きな時代の転換期を迎えております。  また、国の財政状況は、社会保障費の増加などの影響により、いわゆる国の借金は過去最高を更新する1,100兆円を超え、国と地方の長期債務残高はGDPの2倍程度に膨らむなど、今後も先行きは予断を許さない状況が続いております。  こうした中、国は、全世代型社会保障への改革と財政健全化を両立させるべく、昨年10月に消費税率を10%に引き上げるとともに、幼児教育・保育無償化などの新たな施策が実施され、直近では大規模な追加経済対策も打ち出されております。  また、Society5.0時代に向けた人材、技術などへの投資やイノベーションの促進、次世代型行政サービス等の抜本強化といった生産性の向上に向けた取組も進められております。  我々地方自治体としましても、こうした社会経済情勢や国の動向を的確に把握し、柔軟かつ迅速に対応していく必要があります。  本市の人口動態は、自然動態、社会動態とも減少が続いており、総人口は41万人を下回る状況となっております。人口減少、少子高齢化は、地域経済の縮小や地域社会の担い手不足の進行、コミュニティーの維持、ひいてはまちの維持への影響など、様々な問題の顕在化につながるものと懸念されることから、喫緊に取り組むべき最大の課題であると考えております。  これらの課題に立ち向かうには、変化を恐れず、新たな思考でチャレンジすることが必要であり、持続可能な岐阜市の実現に向け、果敢に「岐阜を動かす」ことが、私たちの使命であると考えております。  その視点の1つとなるのは、2015年の国連サミットにおいて採択されました、誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のための国際目標であるSDGsの推進であり、SDGs達成に向けた取組は、持続可能なまちづくり、地方創生の実現に資するものであります。  本市としても、市政運営にSDGsの考え方を取り入れるとともに、SDGs達成に向け、市民の皆様や様々な関係者と連携した取組を推進していくことが重要であると考えております。  こうした認識の下、新年度におきましては、特に重点を置いて取り組む政策の方向性として、子どもファースト、観光振興、中心市街地活性化と都市基盤整備、都市内分権推進、寄り添う福祉と市民の健幸づくりの5つの政策のベクトルを掲げ、市民の皆様とともに全力で取り組んでまいります。  それでは、これら政策のベクトルについて順次申し上げます。  まず1つ目のベクトルは、子どもファーストであります。  次代の岐阜市を担う子どもへの投資は、持続可能な岐阜市づくりの最優先事項であり、不変であります。  本市の出生数は減少傾向にあり、令和元年の出生数も3年連続で3,000人を下回る見込みであります。  また、本市の中学校における不登校出現率は3.81%と、全国平均より高い状態にあるほか、生活や子育てに困難を抱える独り親家庭も数多い状況にあります。  こうした現状を踏まえ、切れ目のない子育て支援や教育立市の着実な深化を図るため、多胎児家庭や独り親家庭への支援を強化するとともに、次代を担う子どもたちが安心して生き生きと学び、心身ともに健やかに育つ環境を整えてまいります。  2つ目は、観光振興であります。  現在、岐阜にゆかりの深い戦国武将、明智光秀公を主人公とした大河ドラマ「麒麟がくる」が放送され、本市の宝であります岐阜城を中心に、本市に注目が集まる貴重な機会が訪れております。  また、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催により、本市が誇る地域資源を国内外へ広くアピールする絶好の機会が訪れます。  この好機を逃すことなく、本市の魅力を高め、本物志向の観光まちづくりを一層加速させるとともに、地域資源を活用したクアオルト健康ウオーキングやロケツーリズムの推進などの新たな取組により、交流人口のさらなる増加や本市の知名度向上を目指してまいります。  3つ目は、中心市街地活性化と都市基盤整備であります。  本市の中心市街地は、岐阜都市圏の中心として、本市のみならず、岐阜都市圏の発展を推進するエンジンであるとともに、人口のダム機能を果たす重要なエリアであります。  あわせて、利便性や快適性の向上に資する都市基盤整備は、市民生活を将来にわたり豊かにする未来への投資であり、これらの活性化は、岐阜が動いているという変化を実感できる本市の発展に必要不可欠なものであります。  そのため、官民一体となり、再開発事業やリノベーションまちづくりなどを進めることにより、働き、住む場所の創出を図るとともに、都市公園の整備など公共空間を生かした魅力あるまちづくりを図り、都市の顔となるセンターゾーンのさらなるにぎわい創出、中心市街地の活性化に向けて取り組んでまいります。  また、リニアインパクトや東海環状自動車道(仮称)岐阜インターチェンジの開通などを見据え、社会インフラ整備や学術研究拠点づくりを進めるとともに、市民の皆様の交通手段としての公共交通の利便性向上も図ってまいります。  4つ目のベクトルは、都市内分権推進であります。  市内の各地域では、防災、福祉、子どもたちの安全、安心など、それぞれに多様な課題を抱えており、これらの解決を図るためには、まずは地域の皆様がお互いに支え合い、助け合えるコミュニティーの形成を図ることが重要であります。  さらにその上で、地域が持続的に発展していくためには、地域におけるビジョンを地域の皆様が共有し、行政との協働の中で住民主体のまちづくりを進めていくこと、いわゆる都市内分権の推進が特に重要であります。  そのため、まちづくり協議会を中心とした地域づくりへのサポートを継続していくとともに、地域の事務所の機能拡充や支援などを行い、住民サービスのさらなる向上、住民主体のまちづくりの促進による満足度の高い地域づくりを図ってまいります。  最後に、5つ目は、寄り添う福祉と市民の健幸づくりであります。  少子高齢化が進展する中で、社会の多様化や複雑化も相まって、家庭や生活に様々な課題を抱えている方が増えてきております。このような課題を抱えられた市民の皆様にしっかりと寄り添い、誰もが安心して暮らせるまちづくりに取り組むことは、我々地方自治体の責務であるとの認識の下、きめ細やかな支援を図ってまいります。  あわせて、その暮らしの安心を支えるためには、いつまでも元気で楽しく過ごせる健康づくりが重要となってまいります。  医療や福祉の充実とともに、スポーツとの連携や生涯学習などの充実も図り、健やかで幸せを実感しながら暮らせるまちづくりを目指してまいります。  以上、これら5つのベクトルに加え、これまでも推進しております広域連携やシティプロモーション、災害に対する備えにも引き続き取り組んでまいります。  一方、これらの施策を機動的、効果的に推進していくため、地域にさらなるにぎわいを創出し、交流人口の拡大に向け施策を推進する、ぎふ魅力づくり推進部の新設、地域産業の一体的振興に向け、農林部と商工観光部を統合した経済部の新設、社会教育のさらなる振興、地域コミュニティーの持続的発展による協働のまちづくりの促進に向け、公民館、図書館など社会教育施設の市長部局への移管など、組織再編を行ってまいります。  続きまして、新年度予算案について申し上げます。  まず、市税収入などの歳入についてであります。  歳入の根幹である市税収入につきましては、固定資産税及び都市計画税が家屋の新増築などの増加により6億円の増、個人市民税が個人所得の増加などにより4億円の増となる一方で、法人市民税が法人収益の減少及び税率の引下げの影響などにより14億円の減となる結果、全体で、前年度と比較し3億円、率にして0.4%減の666億円を見込んでおります。  また、税外収入につきましては、地方消費税交付金が昨年の消費税率の引上げなどの影響により16億円の増、新設された法人事業税交付金6億円などを見込む一方で、財政調整基金の繰入金を5億円減とするなど、これらを合わせた一般財源は、前年度に比べ11億円の増となる見込みであります。  一方、歳出につきましては、プレミアム付商品券事業の終了や公債費における借換債が減となる一方、扶助費において、幼児教育・保育無償化の通年化の影響による増加などに加え、投資的経費における新庁舎建設や東部クリーンセンター粗大ごみ処理施設の建設などにより大きく増加いたします。  この結果、令和2年度の予算規模は、     一般会計             1,790億1,000万円     特別会計             1,119億  520万円     企業会計          512億4,524万3,000円     総計          3,421億6,044万3,000円  となり、  これを令和元年度当初予算と比較いたしますと、     一般会計で       69億6,000万円  4.0%の増     特別会計で       27億5,050万円  2.5%の増     企業会計で     3,068万3,000円 0.06%の減     全体では   96億7,981万7,000円  2.9%の増  となったところであります。  それでは、当初予算案の主要な施策の大要につきまして、ぎふし未来地図に掲げる都市づくりの方向性に沿って順次御説明いたします。  最初に、教育や子育てが充実し、人々が育まれるまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、子育て支援の充実についてであります。  本市におきましては、子どもファーストの理念に基づき、安心して子どもを産み育て、子どもが自ら健やかに育つことができるよう、本年度策定した子ども・子育て支援プランの着実な推進を図り、様々な子育て支援の充実に努めてまいります。  保育環境の充実につきましては、病気中や病気の回復期における児童を医療機関で保育する病児・病後児保育施設について、現在の5施設に加え、新たに2施設開設することとし、安心して子どもを預けることができる環境整備を図ることで、保護者の仕事と育児の両立支援に努めてまいります。  また、私立保育園等における業務のICT化を推進し、保育士の業務負担の軽減を図るとともに、保育士が働きやすい環境を整備してまいります。  さらには、多様な保育サービスに対応し、将来に向け良質な保育環境を整備、確保していくため、第3次となる公立保育所民営化に着手してまいります。  一方、双子等の多胎児を抱える家庭や独り親家庭における子育ては大きな社会問題となっており、新年度は支援のさらなる充実を図ってまいります。  多胎児を抱える家庭への支援につきましては、本年度から始めております多胎児家庭サポート事業による相談事業を引き続き実施していくとともに、ファミリー・サポート・センターを利用する際の助成制度を新たに創設することにより、外出困難による孤立防止や育児負担の軽減に努めてまいります。  また、独り親家庭の支援につきましては、医療費助成や給付型奨学金などの経済的支援を引き続き実施していくとともに、一人一人に寄り添ったきめ細やかな相談支援を行うため、ひとり親家庭等総合相談会を開催するほか、ひとり親家庭等就業・自立支援センターにおいて、看護学校受験支援事業、就職面接用スーツ貸出事業を新たに実施してまいります。  加えて、心身ともに不安定に陥りやすい妊産婦へのサポートの充実も重要であることから、母子健康包括支援センターにおいて、引き続き様々な相談に対応していくとともに、出産後間もない時期の産婦への支援として、産後鬱の予防や新生児への虐待予防を図るための産婦健康診査や、産婦の歯科健診の機会を確保し、歯周疾患等の改善を図るための産婦歯科健康診査を新たに実施するとともに、新生児聴覚検査の助成制度の創設により、より多くの新生児が検査を受けることができるよう環境整備を図ってまいります。  また、全小学校に開設しております放課後児童クラブにつきましては、市内全46か所で対象学年を6年生まで拡充するとともに、38か所において利用時間を午後7時まで延長するなど、放課後の安全、安心な居場所づくりに努めてまいります。  これらの取組を含め、今後も切れ目のない子育て支援を実施してまいります。  次に、学校教育の充実について申し上げます。  本市におきましては、未来を担う人材を育む教育を重要施策に位置づけ、複雑化していく現代社会に的確に対応し、予測が困難と言われる新しい時代においても、夢や希望の実現に向けて果敢に挑戦できる子どもたちを育むことに努めてまいりましたが、昨年7月、いじめによって将来ある貴い命が失われる痛ましい事案が起こりました。  このような悲しい事案を二度と起こしてはならないという決意の下、可能なことから直ちに再発防止策を実行しておりますが、新年度においても、いじめの未然防止や早期対応のための施策に引き続き全力で取り組んでまいります。  その大きな柱として、市立の全学校70校にいじめ等の危機管理対策に傾注し、中核的な役割として従事するいじめ対策監を配置することとし、その人的サポートとして常勤講師を配置し、教科授業等をサポートしてまいります。  加えて、悩みを抱える子どもや保護者のカウンセリングの実施、教職員のカウンセリングマインドのさらなる醸成を図るため、臨床心理士によるスクールカウンセラーを市単独により5名追加配置し、サポート体制の充実を図ってまいります。  また、タブレットの活用により、子どもの内面を分析し、エビデンスに基づいた解決方法が提案されるシステムの運用や、教職員間の情報共有を適切かつ素早く図ることを目的とした実証実験なども実施してまいります。  このほか、岐阜県と連携協力しながら学校の管理職に対して組織マネジメント力を高める研修や、管理職以外の教職員に対していじめ関連法令や教育相談等に関する研修や演習を体系的に実施してまいります。  また、不登校生徒を対象に多様な個性を受け入れ、一人一人に個別最適化された新たな学びの場としての特例校、草潤中学校につきましては、令和3年度の開校を目指し、施設の整備に着手してまいります。
     以上の取組に併せて、子どもたちが安心して生き生きと学び、健やかに育つ教育の実現に向けて、岐阜市公教育検討会議を引き続き開催するとともに、私と教育委員会で構成する総合教育会議において議論を深めてまいります。  一方、幼児期における学びの充実につきましては、本年度策定した幼児教育の総合的な方針、幼児教育推進プランの推進を図るとともに、小学校との円滑な接続を目指した教員、保育士の研修や、実践公開の実施、さらには、保護者等の家庭教育などの相談を行うカウンセラーの派遣など、子どもたちの学びに向かう力の芽生えや育ちを支えてまいります。  一方、体育館の空調設備の整備をはじめとする学習環境の改善などにも取り組んでまいります。  次に、高等教育機関の充実について申し上げます。  岐阜薬科大学につきましては、建学以来、人の健康と福祉に貢献できる人材の育成に努めるとともに、基礎研究を通じて産業の発展に貢献してきました。  現在、本部キャンパス近接地へのキャンパス統合整備に向け、基本構想、基本計画の策定を進めており、新年度はこの計画を踏まえ、PPP/PFI導入可能性調査を実施してまいります。  今後も、東海環状自動車道(仮称)岐阜インターチェンジの開通も見据えながら着実な整備の推進とともに、学術研究拠点の中核としてのさらなる発展に向け、教育、研究の質の向上に取り組んでまいります。  一方、新年度からは、高等教育の修学支援新制度、いわゆる高等教育無償化が始まることから、岐阜薬科大学をはじめ、岐阜市立女子短期大学、岐阜市立看護専門学校において、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生に対し入学料及び授業料の減免を行うことにより、学びの機会を応援するとともに、子育て家庭の経済的負担軽減を図ってまいります。  次に、生涯を通じた生きがいづくりの推進について申し上げます。  人生の各ステージにおいて、どんなことにも常に関心を持ち、学びを続け、またそれを活動につなげていくことや文化・芸術に親しみ楽しむことは、人生100年時代とも言われる超長寿社会が到来する中、生涯にわたり豊かな人生を送る上で重要であります。  市民の皆様の学びを支える知の拠点である中央図書館におきましては、市民に身近な滞在型図書館として図書館サービスのさらなる向上に努め、楽しさあふれる読書環境を提供するとともに、著名な文化人が選書した本や岐阜の過去の生活文化、記憶を集積した貴重な書籍を集めたシビックプライドの醸成にフォーカスした空間を整備し、ワークショップなどを開催してまいります。  また、第3次生涯学習基本計画に基づき、長良川大学のさらなる活用を促進するとともに、地域づくり、まちづくり活動に参画、活躍する人々の拡大にもつなげてまいります。  一方、文化・芸術の推進につきましては、岐阜市文化芸術指針に掲げる目指す都市像、文化芸術を楽しみ創造する都市・ぎふの実現に向け、総合的な推進計画の策定に着手するとともに、引き続き市民文化祭や長良川薪能など市民の皆様誰もが楽しみ参加することができる事業を推進してまいります。  また、歴史に育まれ受け継がれてきた本市固有の文化・芸術は、岐阜というまちの個性、岐阜らしさを形づくるとともに、市民の皆様のまちに対する誇り、いわゆるシビックプライドの醸成に寄与するものであり、今後も本市独自の文化・芸術や伝統の継承を図ってまいります。  次に、福祉や医療が充実し、生涯を健康に暮らせるまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、高齢者や障がいのある方、生活に困窮している方への支援についてであります。  本市においても、人口に占める65歳以上の高齢者の割合、いわゆる高齢化率は年々上昇しており、昨年10月1日現在において28.5%と、4人に1人以上が高齢者となっております。  こうした中、認知症である高齢者の方も増加しており、厚生労働省の推計では、2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になるとも言われており、認知症の方及びその家族への対策は喫緊の課題となっております。  新年度は、認知症の方の行方が分からなくなった際の迅速な発見のため、家族の方と連絡を取ることのできるQRコードのついた見守りシールの配付を新たに実施するとともに、認知症の方が偶然の事故によりほかの方へ損害を与えた際に、その損害を賠償する保険に本市が加入し、万一の際に備える制度も併せて創設してまいります。  また、令和元年版高齢社会白書によりますと、平成29年度において、65歳以上の方がみえる世帯のうち、26.4%が単身世帯となっており、独り暮らし高齢者の方が増加していることについても対策が必要であります。  独り暮らしの高齢者の方は、相談相手がいないなど不安を抱える方が多く、情報の収集手段も限定されるなどの課題もあることから、新年度は、独り暮らし高齢者の方が相談、利用できる窓口やサービスを紹介するガイドブックを民間の協力を得て、予算をかけることなく作成、発行してまいります。  また、高齢者の方が自分らしくどう生き、また人生の終わりをどう過ごしたいかなどを身近な人と考えるきっかけとし、治療、介護、葬祭など、御自身の希望を記しておく岐阜市エンディングノートも同様に民間の協力を得て作成、発行いたします。  次に、障がいのある方に対する施策については、第4次岐阜市障害者計画の基本理念に掲げる「誰もが自立してともに暮らすまち」を目指し、障がいのある人が参画するまちづくり、障がいのある人が自ら望む場所で生活するためのまちづくりといった基本目標に基づいた施策を展開するとともに、障害福祉サービスの提供や相談体制の強化を図ってまいりました。  新年度は、新たに重度訪問介護利用者の大学修学支援として、その方の通学や大学敷地内での身体介護等の支援を行うほか、令和3年度から3年間の障害福祉サービスの事業量を定める障害福祉計画並びに障害児福祉計画を策定いたします。  一方、緊急時の119番通報では、聴覚や言語に障がいのある方の不便を解消するため、スマートフォンなどを活用したNet119システムの導入を図ってまいります。  続いて、生活に困窮する方への施策であります。  生活に困窮する方への自立相談支援については、平成27年度から生活・就労サポートセンターを中心に事業を展開しているところですが、それぞれの家庭における背景や取り巻く環境がますます複雑・深刻化しており、これらの課題も含め、より適切に対応していく必要性が高まっております。  そのため、様々な部署、機関に関わる対応が必要となることから、社会福祉士など専門性の高い相談支援包括化推進員をトータルコーディネーターとして新たに配置し、庁内庁外の関係機関による専門機関同士のネットワークづくりや連携を図るとともに、情報の一元化などによる総合的、包括的な支援体制を構築し、生活困窮からの早期自立の強化を図ってまいります。  次に、健康づくりの推進及び医療環境の充実について申し上げます。  本市におきましては、市民誰もが心も体も健康に暮らせるまちづくりを推進するため、「歩く」を基本とした健康づくりを中心に、超高齢社会における健康寿命の延伸を図る様々な取組を実施しております。  新年度は、都市型クアオルトとして評価を受け、昨年10月に公式認定を受けました「クアの道」において、定期的にクアオルト健康ウオーキング講座を開催するとともに、医療機関や保険会社、従業員の健康増進に取り組む企業と連携した取組を本格的に進めてまいります。  あわせて、ウオーキングコース周辺の自然や歴史、食、温泉などを生かしたクアオルト、健康保養地の魅力を体験型観光資源として発信するとともに、レクリエーションや保養のために本市に来訪する団体等の誘致などの取組を試行してまいります。  また、10月31日から11月3日まで、60歳以上の方々を中心としたスポーツ、文化、健康と福祉の総合的な祭典、第33回全国健康福祉祭ねんりんピック岐阜2020が県内で開催され、テニス、弓道、水泳など、7種目が市内で開催されます。  この開催を通じ、市民の皆様のスポーツ等による心身の健康づくりへの意識向上を改めて図っていくとともに、参加者の方々に対して本市の魅力を十分知っていただけるようPRや運営にも努めてまいります。  一方、心の健康づくりにおけるひきこもりに関する対策も喫緊の課題であることから、現在、ひきこもり総合相談窓口において各種取組を継続的に実施しておりますが、新年度は、御家族がひきこもりの方への理解を深め適切な対応を行えるよう、(仮称)ひきこもり親の会を新たに開催し、御家族の孤立防止を図るなど、支援の充実を図ってまいります。  次に、医療環境の充実についてであります。  本市におきましては、市内各医療機関での受診に加え、岐阜市民病院の小児夜間急病センター、休日急病センターなどにより、休日や夜間の時間帯においても安心して受診していただける体制を整えております。  また、岐阜市民病院においては、市民の皆様の命と健康を守る公的病院として、医療環境の変化に迅速かつ機動的に対応した、将来にわたり健全で安定した経営基盤の確立が必要不可欠であります。  こうした中、新年度は、高齢化に伴い増加する救急搬送患者などの重症患者の受入れ体制の強化や、がんゲノム医療など先進的な医療の提供、体制の整備を整え、さらなる地域の医療提供体制の向上にも努めてまいります。  次に、伝統や革新を生かした産業があり、働く場があるまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、産業の活性化及び雇用環境の充実についてであります。  本市経済を支えております企業の多くは中小企業であり、景気、雇用の面においても、依然として厳しい状況にあります。  そのため、岐阜市信用保証協会を設置している強みを生かし、信用保証料の補填などにより、継続して中小企業等の資金繰りの円滑化を支援するとともに、新たに女性の起業に特化したメニューを拡充するなど、制度の充実を図ってまいります。  また、雇用の面においては、生産年齢人口の減少などの影響に伴い、人手不足の状況が続いており、その解消は大きな課題となっております。  新年度は、引き続き求職者と求人企業等とのマッチングを図る合同企業説明会を継続していくとともに、女性、高齢者、障がい者、外国人、兼業・副業希望者など、多様な人材の確保をテーマとした経営者向けのセミナーを新たに開催してまいります。  あわせて、将来における人材育成や人材確保の視点も踏まえ、地域の企業の魅力を広く知るための機会として、小学生向け企業見学会を新たに開催してまいります。  一方、昨年12月にオープンした岐阜市リモートオフィス「Neo work─Gifu」では、新たなオフィス需要を開拓するとともに、多様な働き方のモデルを提示するほか、企業間交流の促進や経営上の相談に対応することにより、新たな事業やサービスの創出を目指してまいります。  次に、農林水産業の活性化について申し上げます。  全国的な農業従事者の高齢化や後継者不足、それに伴う耕作放棄地増大への懸念は、本市においても同様であり、地域営農の担い手となる農業生産者の育成、確保、農地の集積、集約化は喫緊の課題であります。  このような中、新年度は、本年度実施しました基礎調査の結果を踏まえ、市街化区域で盛んな園芸農業と郊外の市街化調整区域における水田農業など、様々な形での農業がバランスよく発展していくための指針となる農業振興ビジョンを策定してまいります。  また、本市の特産農産物の認知度向上を目指して取り組んでおります「ぎふベジ」のさらなるブランド化に向け、日本食文化会議2020岐阜の開催を契機とした連携事業を新たに実施してまいります。  あわせて、包括連携協定に基づくカラフルタウン岐阜におけるPRイベントなどにより、地産地消の継続を図るとともに、地産外商の強化として、首都圏の有名店を誘致したイチゴ「濃姫」の加工品の期間限定イベントや首都圏での「ぎふベジ」PRイベントの開催により、認知度向上に努めてまいります。  一方で、老朽化が進む用水路や揚水機場、ため池など農業用施設につきましては、継続的な改修を行い、良好な営農環境を整えることで、農地の集積、集約を図り、新たな農業の担い手確保に向けて、新規就農者支援を図るとともに、収益力向上や生産基盤となる農業用機械、施設の整備支援を実施いたします。  そのほか中央卸売市場においては、再整備事業の基本計画の策定を行うとともに、民間資金や経営能力、技術力を活用するPPP/PFI手法導入の可能性について調査検討を進めてまいります。  また、食肉地方卸売市場においては、食品衛生法等の一部改正に伴い、衛生管理対策のための改修工事を実施するとともに、CSF、いわゆる豚熱の防疫対策として、交差汚染防止を目的とした消毒作業を継続してまいります。  次に、観光交流の活性化について申し上げます。  冒頭にも申し上げましたが、今年は多くの特別なイベントの開催が予定されております。この機会を契機とし、市民の皆様のシビックプライドのさらなる醸成を図るとともに、本年度策定の観光ビジョンに基づき、地域の活性化を目指し、戦略的な取組を進めてまいります。  その核となります「麒麟がくる 岐阜 大河ドラマ館」では、ふるさと岐阜の魅力を再認識する絶好の機会として、中高校生のボランティアによる展示解説などを行う「われらも麒麟!!!」プロジェクトを推進するとともに、民間企業等の積極的な協力により新たに開発された土産品の販売や、市内飲食店における地元の特産物を食材とした戦国武将ゆかりの地・岐阜グルメメニュー「戦国ぎふ~ど」の提供など、オール岐阜により様々な取組を進めております。  今後も、さらなる誘客に努めるとともに、こうした官民一体の取組を観光振興の仕組みの1つとして、将来につなげていきたいと考えております。  また、大河ドラマ館への注目とともに、岐阜城にもさらなる注目が期待されるところです。  国史跡岐阜城跡におきましては、信長期の可能性がある天守台石垣を初めて発見するなど大きな成果がありました。これは安土城で完成したとされる天守の起源を考える上で重要な発見であり、全国的にも大きく報道されたところです。一般公開には、全国から見学に来ていただき、5日間で3,500人もの方に本物という最高の価値に触れていただきました。  成果が出るたびに岐阜城の価値は高まり続けます。新年度も引き続き、天守周辺も含めて調査を行うなど、道三公、信長公の城として岐阜城の全容解明に取り組むとともに、調査の過程も観光資源として活用することで、本物志向の観光まちづくりにもつなげてまいります。  一方、鵜飼観覧船事業につきましては、台風等の影響により2年連続で乗船客が10万人を下回る状況であり、天候等の影響を少しでも受けにくい船の係留方法やドックの形状など、今後も引き続き関係機関と連携し検討してまいります。  加えて、鵜飼観覧の方法につきましては、昨年、民間事業者が主体となり、桟敷からの観覧も試行されましたが、新年度もお客様に満足いただけるよう様々な手法を模索しながら、鵜飼のさらなる魅力向上に取り組んでまいりたいと考えています。  また、鵜飼のユネスコ無形文化遺産登録に向けた取組として、人と動物の無形文化遺産という新たな切り口で鵜飼の魅力を発信するフォーラムを開催し、人と動物の共存の未来と夢を市民の皆様とともに描くことで、さらなる機運の醸成を図ってまいります。  また、SNSを活用したフォトツーリズム事業の実施やロケツーリズムの推進により、新たな観光資源の掘り起こしや情報発信、さらには、映画等のロケ地に選定されるよう誘致活動にも積極的に取り組んでまいります。  次に、多くの人々が集まりにぎわう、活気に満ちたまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、中心市街地の活性化についてであります。  中心市街地を形成する岐阜駅周辺から柳ケ瀬、つかさのまちに至る区域につきましては、国の認定を受けた中心市街地活性化基本計画に基づき、様々な取組を進めてまいります。  新年度は、引き続き柳ケ瀬エリアにおいてリノベーションスクールを開催し、遊休不動産の利活用のための新たな担い手の創出につなげるとともに、岐阜市にぎわいまち公社が行うリノベーションまちづくりの拠点整備に対し支援を行ってまいります。  また、新たなにぎわいを創出し、次代の岐阜を牽引するまちづくりを目指す高島屋南地区の市街地再開発事業においては、昨年10月に起工式が行われ、本格的に再開発ビルの建築工事が開始されており、これらを両輪とした柳ケ瀬エリアの価値向上を図ってまいります。  あわせて、高島屋南地区公共施設整備における健康・運動施設、子育て支援施設につきましては、保留床の取得のほか、施設の管理運営に係る具体的な計画を策定してまいります。  一方、将来にわたりにぎわいを創出するためには、交流人口の拡大とともに定住人口の拡大も必須であります。  引き続き、子育て世帯や市外からの移住に重点を置いた新築住宅取得に対する支援や、初めて就職する若者の市内へのUターンや定住に対する支援を継続することで、地域コミュニティーの維持とともに、商店街の日常の消費の下支えにもつなげてまいります。  あわせて、商店街の魅力向上につながる支援や、集客に向けたイベント支援などを継続して実施していくとともに、トランジットモールによる新たな公共空間の活用検討や、市民の憩い、安らぎ空間づくりと新たなにぎわい創出の拠点として、金公園のリニューアルに着手するなど、さらなる魅力向上に向けた環境整備にも取り組んでまいります。  さらに、岐阜駅周辺エリアにつきましては、飲食店街として多くの市民や観光客でにぎわう玉宮町周辺において無電柱化を推進するとともに、2027年のリニア中央新幹線開業を見据え、岐阜都市圏の玄関口にふさわしい市街地再開発事業の実現を目指す準備組合の活動を支援してまいります。  一方、つかさのまちエリアにつきましては、知、絆、文化の拠点として多くの方に利用されております「みんなの森 ぎふメディアコスモス」とともに、令和3年春に開庁を控えた新庁舎により、さらなるにぎわい創出に期待が膨らむところであります。  新年度も魅力向上やにぎわい創出に寄与する様々な事業を展開し、施設の魅力をさらなる高みへ押し上げてまいります。  次に、市民参画と市民協働によるまちづくりの推進について申し上げます。  人口減少、少子高齢化の進展、さらには、人々の価値観の多様化などに伴い、社会課題や地域課題は複雑・多様化しております。こうした課題に柔軟かつきめ細やかに対応し、活力ある持続可能なまちづくりを進めていくためには、自治会やまちづくり協議会といった地域コミュニティーやNPO、ボランティア団体など、市民と行政がそれぞれの特性を生かして協働で取り組むことが必要であります。  新年度は、引き続きまちづくり協議会の機能強化による都市内分権の推進を図るため、地域住民が主体となり、まちづくりの方向性を示す地域まちづくりビジョンの策定に対する支援を推進するとともに、策定したビジョンに基づく活動に対しても支援を行い、地域の力を高めてまいります。  また、引き続き市民活動支援事業を実施していくとともに、クラウドファンディング型ふるさと納税を活用し、地域社会の課題解決を目的として活動するNPO法人等のプロジェクトを応援する制度を新たに創設するなど、市民の主体的な活動を支援してまいります。  次に、多文化共生と国際交流の推進について申し上げます。  本市の外国人住民数は、昨年11月、平成19年以来12年ぶりに過去最高を更新し、約9,900人の方が現在、本市に暮らしており、地域社会における外国人との共生は、今後のまちづくりの取組に欠かせないものとなっております。  このような中、本年度策定した岐阜市多文化共生推進基本計画に基づき、昨年4月に施行された改正入管法に対応した多文化共生の取組を拡充するとともに、外国人市民は共に地域のまちづくりを担う一員であるという意識啓発の一層の推進を図り、自治会をはじめとする地域コミュニティーや学校、企業などとの連携により、さらなる多文化共生社会の実現を図ってまいります。  また、56年ぶりとなる東京オリンピック・パラリンピックの開催に際して、昨年12月、パラリンピアンとの交流を行う共生社会ホストタウンにも登録をされ、いよいよホストタウン交流が佳境となってまいります。  本市におきましては、スロバキア共和国、カナダ、コートジボワール共和国の3か国の直前合宿の受入れや交流など、引き続き実施してまいります。多様な文化に直接触れる絶好の機会として、共生社会の一層の促進、さらには、心のバリアフリーが進む機会につなげてまいります。  次に、暮らしを守り支える、安全、安心なまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、防災、消防の充実についてであります。  国内においては、近年大規模な自然災害が頻発しており、昨年も台風第15号や台風第19号など、東日本の広範囲において記録的な被害を受けたことは記憶に新しいところであります。  本市では、速やかに岐阜市緊急支援本部を設置し、物資の提供とともに63人の職員を派遣するなど、全庁を挙げて被災地の支援を行ってまいりました。  今後は、これらの経験や教訓を本市の防災対策に生かし、将来発生が危惧される南海トラフ巨大地震や風水害、土砂災害など、あらゆる災害に備え、市民の皆様とともに災害に強いまちづくりを進めてまいります。  新年度は、市民の命を守るとりでとして、あらゆる災害を想定した防災拠点となる新庁舎整備において、災害対策本部を常設するための準備に着手するほか、防災業務を支援する防災情報システムの再構築を継続して行ってまいります。  さらには、市民の皆様に迅速かつ確実に情報を伝達する同報系防災行政無線などの重要な通信機器の移設、更新を進め、新庁舎における防災機能の強化を図ってまいります。  一方、災害から身を守るには、自助や共助が重要になります。  自助においては、市民一人一人の防災意識の向上を目指し、日頃から個人備蓄や積極的な避難行動のための情報収集などに心がけていただけるよう、あらゆる機会を捉えて意識啓発に努めるとともに、家具固定や耐震シェルターの設置、民間建築物の耐震化に対する支援を継続的に実施してまいります。  また、共助においては、その中心となる自主防災組織を支援するため、引き続き防災士の育成や資機材の購入、研修会、防災訓練などへの支援により、地域との顔の見える関係を築きながら地域防災力の強化を図るなど、自助、共助、公助が一体となった総合防災体制の充実強化に努めてまいります。  一方、社会インフラにつきましては、大規模地震等の災害発生時の交通確保に重要な施設である橋梁について、引き続き耐震化を図るとともに、法に基づく定期点検を着実に行い、計画的な補修、更新を進めてまいります。  また、内水対策としまして、これまでの浸水被害状況を踏まえ、引き続き水路改良などを推進するとともに、特に境川流域における公園内の雨水貯留施設の整備を計画的に進め、浸水実績のある小中学校においても、校庭への雨水貯留施設の整備に取り組んでまいります。  さらに、市内各所にある排水機場を計画的に補修、更新するほか、アンダーパスの冠水表示装置の改修など、水害に対する多面的な対策を進めてまいります。
     また、消防の充実といたしましては、無人航空機ドローンの導入により、上空から災害現場周辺の状況が把握できる体制を整え、効率的かつ効果的な活動につなげてまいります。  あわせて、高齢化の進展に伴い増加する救急需要に対応するため、医療機関との連携等により、引き続き救急車の適正利用の啓発に努めてまいります。  次に、防犯、交通安全の充実について申し上げます。  近年、犯罪の認知件数は減少傾向にありますが、市民の皆様が日常をより安全、安心に暮らせることは、市民生活の充実に欠かせないものであります。  そのため、犯罪防止策として防犯灯や防犯カメラの設置促進や通話録音装置の普及などを引き続き実施していくとともに、地域のパトロール活動など市民の自主的な防犯活動の支援にも継続して取り組んでまいります。  また、岐阜駅北地区においては、飲食店のにぎわいに伴い客引き行為によるトラブルも発生していることから、客引き行為等を規制する条例の制定を視野に検討を進め、地域や来街者の方々が安全で安心できるまちづくりを推進してまいります。  一方、交通安全につきましては、近年、高齢運転者の自動車の誤操作による交通事故が各地で発生しており、高齢者の交通安全対策の充実が喫緊の課題となっております。  新年度は、国による安全運転サポート車購入支援制度が創設されることに伴い、安全運転サポート車の体験会を開催するほか、県と協調し、安全装置等の取付けに係る費用の支援を新たに実施いたします。加えて、運転免許証の自主返納者への支援を引き続き行うなど、交通事故の防止に努めてまいります。  次に、快適な都市環境のある、住みやすいまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、良好な都市空間と持続可能な都市基盤づくりの推進についてであります。  人口減少、少子高齢化の進展に伴い、若者や子育て世帯、高齢者などが安心して暮らすことができる住環境の整備や空き家を含めた住宅ストックの有効活用が求められております。  こうした状況を踏まえ、本市におきましては、これまで空家等対策計画に基づき、空き家総合窓口の設置、管理不全な空き家に対し適切に対応する体制の整備のほか、空き家の所有者と利用希望者とのマッチングを行う空き家バンクを活用したモデル事業の実施や、市外からの転入者等が取得した空き家の改修費用に係る助成制度の創設などにより、空き家の適正管理や流通、活用を促進してまいりました。  新年度は、早期に危険性を解消し、市民の生命、財産を守るため、著しく危険な状態にある、いわゆる特定空家等や、そのまま放置すれば特定空家等となり得る家屋について、新たに除却費用に係る助成制度を創設するとともに、これらの危険な空き家に対し、所有者が必要な措置を履行しないときは、従来の空き家の緊急安全代行措置に加え、特定空家等に対する代執行を行ってまいります。  一方、都市の活力を維持し、持続的な成長を実現するためには、成長の礎となる都市の基盤の構築が重要であり、その根幹となるのが道路などの社会インフラであります。  東海環状自動車道岐阜三輪スマートインターチェンジが3月20日に、さらに、2024年度には(仮称)岐阜インターチェンジの開通が予定され、これにより様々な経済効果が期待されることから、引き続き事業進捗に合わせ、アクセス道路の整備を進めてまいります。  また、本市の中心市街地から各務原市を連絡する金町那加岩地線ほか1路線の整備を進めるとともに、加えて、本市と本巣市の広域連携に資する長良糸貫線の整備に着手するなど、周辺市町との連携強化や交流人口の拡大を図るため、広域ネットワークを形成する道路等の整備に着実に取り組んでまいります。  一方、都市に潤いや憩いをもたらす公園の整備につきましては、岐阜ファミリーパークにおいて、岐阜三輪スマートインターチェンジの開通に伴い、広域圏からの来園者の増加が見込まれることから、引き続き公園としての魅力を高める再整備を進め、併せて総合スポーツ公園化に向けた検討に取り組んでまいります。  また、岐阜公園につきましては、信長公居館等の歴史的価値を生かした本格的な歴史公園として再整備するため、引き続き用地取得等の進捗を図るとともに、公園機能の充実を図るための調査検討を進めてまいります。加えて、畜産センター公園につきましては、再整備に向けて検討を行ってまいります。  一方、市民生活に欠かせない上下水道事業につきましては、水を通じて当たり前の暮らしを未来まで支えるために、水道事業において、方県配水区の水源地を加圧施設化するなど施設の統廃合を進めるとともに、配水管の布設替えや施設の更新を行い、良質な水道水を安定的に供給してまいります。  また、下水道事業につきましても、ストックマネジメント計画に基づき、下水道管や施設の改築、更新を行い、衛生的で快適な生活環境の実現に努めてまいります。  次に、自然、地球環境保全の推進について申し上げます。  本年1月から地球温暖化対策の国際枠組みであるパリ協定の運用が開始され、温室効果ガスの排出削減に向けた行動がより一層強く求められております。  こうした状況を踏まえ、岐阜市地球温暖化対策実行計画に基づき、温室効果ガス削減対策を推進するため、ゼロエネルギー住宅、家庭用燃料電池などの省エネ設備の整備に係る支援を継続するとともに、新たに定置用リチウムイオン蓄電池の設置に係る支援を行うなど、地球温暖化対策に資する市民の取組を後押ししてまいります。  さらに、海洋プラスチックごみ問題についても、世界的に問題となっていることを受け、AIシステムを活用した、まちなかにおけるポイ捨てごみ状況マップの作成や監視カメラの設置による行動検証などを新たに実施し、さらなる啓発や対策につなげることで、まちなかからプラごみなどの河川、海洋への流出抑制に取り組んでまいります。  加えて、美しい生活環境や都市景観を次世代に継承していくため、ごみの発生抑制、資源を有効利用する循環型社会を構築することが重要であります。  本市におきましては、ごみ減量・資源化指針に基づき、「ごみ1/3減量大作戦」市民運動を展開しており、引き続き、雑紙の回収や手軽に生ごみの堆肥化が実践できる段ボールコンポストの普及促進に取り組むとともに、令和4年度から実施するプラスチック製容器包装の資源化につきまして、分別への理解を深める啓発や体験事業を拡大してまいります。あわせて、市民の衛生的で快適な暮らしを維持向上していくため、廃棄物の適正処理を着実に推進してまいります。  新年度は、今まで直営で実施してきた缶収集を委託化するなど、効率的かつ安定的なごみ、し尿の処理に努める一方で、将来にわたり持続可能な一般廃棄物処理体制を確保するため、瓶、缶、ペットボトルなど資源ごみの中間処理を行う新リサイクルセンター及び東部クリーンセンター粗大ごみ処理施設について、着実に建設工事の進捗を図ってまいります。  また、岐阜羽島衛生センター次期ごみ処理施設整備につきましても、引き続き組合構成市町と連携しながら着実に事業を推進し、ごみの広域処理体制の再構築にも努めてまいります。  次に、交通環境づくりの推進について申し上げます。  本市では、公共交通を軸にコンパクトにまとまった、いつまでも住み続けられるまちの実現に向け、急速な人口減少や深刻化する運転手不足など、公共交通を取り巻く新たな課題の中にあっても、持続可能で利便性の高い公共交通の実現を目指し、継続した取組に加え、ICTを活用したスマートシティぎふの推進に向けた取組を加速してまいります。  まず、日常生活の足となるコミュニティバスでございますが、新年度は市内19地区におけるコミュニティバスの運行に加えて、コミュニティバスサポート便の拡大、さらには、方県・網代地区において、新たにオンデマンドによる運行を導入することで、サービスの向上を図ってまいります。  スマートシティぎふ推進事業につきましては、産学官一体となったコンソーシアムにおいて、交通と健康を軸とした施策の展開の研究、協議を進めるとともに、公共交通への自動運転技術の導入を目指し、中心市街地の循環路線において小型バス車両を使用した自動運転の実証実験を行ってまいります。  そのほか、JR岐阜駅のバリアフリー化に対する支援や名鉄岐阜駅の南側に新たに自転車駐車場を整備するなど、鉄道利用者の利便性の向上を図ってまいります。  一方、名鉄名古屋本線鉄道高架化事業につきましては、13か所の踏切を除却し、渋滞を解消するとともに、鉄道沿線の一体的なまちづくりに資するものとして早期事業化への期待が高まる中、現在、都市計画決定に向けて手続を進めているところであり、引き続き、県、名古屋鉄道株式会社と連携し、早期事業化に向け鋭意取り組んでまいります。  最後に、都市づくりを支え推進する行財政運営について申し上げます。  まず、行政連携の推進と市政参画の促進についてであります。  少子高齢化と東京圏への一極集中による人口減少や経済の縮小が地方自治体にとって最大の課題となる中、スケールメリットを生かした基礎自治体同士の連携や、地域や地域の人々と多様に関わる関係人口の創出、さらには、地域住民による市政への参画促進により、地域全体の活力と持続性を高めることが必要となってきます。  本市では、近隣する3市3町と岐阜連携都市圏を構成し、岐阜連携都市圏ビジョンに基づく様々な連携事業を展開しており、新年度も圏域のさらなる深化を目指し、取組を促進してまいります。  また、本年度から実施しておりますふるさと岐阜市活躍人財バンクにおいては、本市にゆかりがあり3大都市圏で活躍している29名の方に登録をいただいており、それらの方の経験や能力を施策立案に生かしていくとともに、次世代を担う若い世代との交流を図るなど、本市で活躍いただくことで、本市へのさらなる愛着を醸成するとともに、本事業を契機とした兼業、副業の普及に努めてまいります。  一方、市民の市政への参画促進につきましては、まずは市民に開かれた行政運営により、互いに信頼し合い良好な関係をつくることが不可欠であり、新年度においても、市政の取組を直接伝えるとともに、地域への思いや課題を意見交換するための機会として地域との懇談会を開催してまいります。  また、教育委員会が所管する公民館を市長部局に移管し、これまでの公民館活動に加え、まちづくり協議会や自治会活動の拠点施設として活用することで、地域まちづくり活動の一層の促進を図ってまいります。  次に、時代に合わせた行財政運営の推進及び行政サービスの充実についてであります。  人口減少社会を迎え、将来の労働力不足の懸念が拡大する中、多様化、高度化する市民ニーズに対応し、将来にわたって持続可能な行財政運営を行うには、効率的な行政経営の推進や民間活力の活用など、これまでの取組を継続するとともに、新たにAIやRPAといったICTを活用したスマート自治体への転換、組織マネジメントの強化による働き方改革などに取り組む必要があります。  AIやRPAなどICTの活用につきましては、本年度の実証実験の結果を踏まえ、新年度において本格運用を開始するほか、新庁舎におけるワンストップ総合窓口の設置に向けたシステムの構築を進めるなど、本年度策定する岐阜市ICT活用推進計画を着実に推進し、市民の皆様の利便性の向上や事務処理の適正化、効率化につなげてまいります。  なお、ワンストップ総合窓口につきましては、窓口業務の委託事業者の選定や事前研修など万全に準備を進めてまいります。  一方、地域の事務所につきましては、福祉や健康に関する事務手続の拡充とともに、待合スペースの拡大、車椅子対応のカウンターの設置、照明のLED化といったリノベーションを行い、高齢者や障がい者、子育て世代にやさしい事務所として利便性や快適性の向上を図ってまいります。  また、組織マネジメントの強化につきましては、適材適所の人材配置と働きやすい職場づくりに向け、管理職を対象にした新たなマネジメント研修の実施やがんばる公務員表彰、GoodJobカードなどの推進により、職員のモチベーションの向上を図るとともに、職員同士が互いに助け合い、支え合う職場風土を醸成し、働きやすい職場づくりに努めてまいります。  また、法令遵守の徹底や不祥事の再発防止のため、引き続き職員の危機管理能力の向上を図るとともに、職員等の公益通報の外部窓口を設置するなど、組織内のガバナンスを強化いたします。  また、公共施設等の最適な管理及び運営につきましては、今後見込まれる公共施設等の更新等に係る膨大な財政需要や、人口減少など社会環境の変化に伴う利用動向に対応し、市民の皆様に将来にわたりよりよい公共サービスが提供できるよう、引き続き公共施設等マネジメントに取り組んでまいります。  新年度は、今年度実施した公共施設劣化度調査を踏まえ、建築物系施設全体の保全の在り方を示す(仮称)岐阜市公共施設保全計画の策定に取り組んでまいります。  シティプロモーションについてであります。  これまで新年度の主要な施策につきまして順次御説明を申し上げてきましたが、それぞれの目的を達成し、持続可能な住む人・来る人・働く人を増やす成長都市の実現を図るためには、市内外の方々から選ばれる都市となるための情報発信を併せて行っていくことが重要であります。  本市におきましては、本年度策定の岐阜市シティプロモーション戦略に基づき、交流人口、定住人口の増加及びシビックプライドの醸成を図るため、伝えたい対象の層に向け、本市への関心の度合いに応じた効果的な情報発信や、人から人へ共感の輪が広がる情報発信を多様な媒体を活用して展開してまいります。  新年度は、とりわけ名古屋都市圏へのプロモーションを引き続き推進することとし、新たに映画館などでプロモーション映像を放映するほか、フリーペーパーのさらなる活用を図ってまいります。  また、包括連携協定に基づき、カラフルタウン岐阜内において、本市での暮らしに関する細やかな相談ができる窓口を設置し、併せて本市の魅力発信にも努めてまいります。  さらには、市民の皆様や企業の皆様に加え、市外在住で本市と様々な関わりを持つ、いわゆる関係人口の方々との連携を推進するなど、オール岐阜による情報発信の取組を一層強化してまいります。  以上をもちまして、市政に対する所信の一端と令和2年度の主な施策の大要を申し述べました。  スピード感を持って全力で取り組んでまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、予算に関係いたします条例なども提案いたしておりますが、それぞれ提案理由が付記してありますので、よろしく御審議の上、御決定を賜りますようお願い申し上げます。  続きまして、同時に提案をいたしました令和元年度一般会計補正予算並びにその他の議案について御説明いたします。  最初に、第58号議案令和元年度一般会計補正予算についてであります。  今回の補正予算におきましては、経済対策を目的とした国の補正予算に係る補助内示等を受け、道路整備、河川改修などの基盤整備事業や市街地再開発事業などについて措置するほか、本年度中に完了が見込めない事業等について減額するなど所要の補正をいたしました。  初めに、国の補正予算に伴う事業につきまして順次御説明申し上げます。  まず、総務費の企画費には、本市のスマートシティモデル事業の提案が重点事業化促進プロジェクトに選定されたことを受け、実行計画策定のための調査経費として600万円を補正するものであります。  次に、民生費の障害者総合支援費は、障害者支援施設整備に対する助成金について補助内示を受けたものでございますが、補助事業者における整備費の精査により不用となる2,800余万円を減額するものであります。  また、戸籍住民基本台帳費には、社会保障・税番号制度の対応として、地方公共団体情報システム機構への交付金1,500余万円を補正するものでございます。  次に、土木費の交通安全対策費には、ゆとり・やすらぎ道空間整備などに2億400余万円を、道路橋梁維持費には、道路のり面対策に係る経費3,200万円を、道路橋梁新設改良費には、東海環状自動車道のアクセス道路となる折立9号線の整備などに2億2,100余万円を、街路新設改良費には、西部縦貫道線の整備などに1億2,600余万円を補正するとともに、河川水路新設改良費には、西出川の改修に3,000余万円を補正するものであります。  次に、市街地再開発事業費には、高島屋南地区市街地再開発事業への補助金1億1,100万円を補正するものであります。  以上が国の補正予算に伴うもので、合わせて7億2,000余万円の補正となります。  このほか、総務費の財産管理費につきましては、新庁舎建設に伴うテレビ電波障害対策におきまして、対象となる世帯のうち、本年度申込みがなかった世帯に係る対策費2,900余万円を減額し、新年度に改めて措置するものであります。  次に、土木費の道路改良維持費には、LED街路灯の整備に3,300万円を補正するものであります。  水防費につきましては、京郷水防団員詰所改築工事について、入札不調により年度内の完成が困難となったことから、工事の経費1,800余万円を減額し、新年度に改めて措置するものであります。  次に、教育費の小学校建設費、中学校建設費及び幼稚園管理費につきましては、国の追加内示に伴い、学校施設の環境整備を促進するため、各施設のトイレ改修に3億9,800万円をそれぞれの費目において補正するものであります。  また、市民体育施設費につきましては、北西部体育館改修工事について、入札不調により年度内の完成が困難となったことから、工事の経費4,200余万円を減額するものであります。  また、さきに申し上げました国の補正予算に伴う事業をはじめ、完了が次年度になる見込みの事業につきましては、繰越明許費として所要の措置を講ずるものであります。  以上、事業費の補正総額は10億6,080万3,000円となり、財源内訳といたしましては、     国 及 び 県 支 出 金     4億4,338万5,000円     市           債          5億7,510万円     繰     入     金       5,141万4,000円     諸     収     入              600万円  をもって充てる一方、     繰     越     金       1,509万6,000円  を減額するものであります。  あわせて、財政調整基金からの繰入金40億円につきまして、繰越金等の状況を勘案し19億円の繰戻しを行うなど、歳入の財源更正を行うものであります。  次に、第59号議案から第61号議案は、いずれも条例の改正でありまして、提案理由が付記してありますので、説明を省略させていただきます。  第62号議案は、開発などに伴い、市道路線の認定、廃止及び変更をしようとするものであります。  第63号議案病院事業会計補正予算は、がん治療薬等の薬品費の増加が見込まれることなどから、2億9,900余万円を補正するとともに、重症患者管理病床整備事業について、集中治療室改修に係る事業計画の変更に伴い、債務負担行為を廃止するものでございます。  第64号議案下水道事業会計補正予算は、国の経済対策に係る補正予算に伴うもので、南蔵前排水路の詳細設計に係る費用に1,300万円を補正するものであります。  以上、補正予算及び関係諸議案を御説明いたしました。  よろしく御審議の上、御決定を賜りますようお願い申し上げます。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一 監査委員及び教育委員会の意見聴取について 11: ◯議長大野一生君) この際、申し上げます。  ただいま議題となっております議案のうち、第13号議案については、「地方自治法等の一部を改正する法律」(平成29年法律第54号)附則第2条第7項の規定に基づき、監査委員に意見の聴取を行います。  また、第44号議案については、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第23条第2項の規定に基づき、教育委員会に意見の聴取を行います。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第67 請願第1号から第72 請願第6号まで 12: ◯議長大野一生君) 日程第67、請願第1号から日程第72、請願第6号まで、以上6件を一括して議題とします。            ───────────────────             請   願   文   書   表
                        令和2年第1回(3月)岐阜市議会定例会 ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第1号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│小、中、高校生のための放射線副読本の配付に関する請願      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │令和2年3月3日                        │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市菅生1-3-15                     │ │住所・氏名  │さよなら原発・ぎふ 代表 伊藤久司               │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│高橋和江、田中成佳、松原徳和、服部勝弘、井深正美、堀田信夫、  │ │       │森下満寿美、原 菜穂子                     │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │文教委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 平成30年に改訂された放射線副読本が、文部科学省から全国の小学校、中学校、高 │ │等学校等に送付されている。                           │ │ この放射線副読本の問題点として、いかに重大な事故であったのか、また、継続する │ │避難や廃炉作業の困難さなど、事実の記載や被害の記述がないこと。放射線の学習とい │ │う形を取り、東京電力福島第一原子力発電所の事故に少しは触れているものの、災害と │ │いう扱いで国や東電の責任を追及していないこと。高線量被曝は死につながることや放 │ │射能汚染の危険を避ける方策などに触れていないことが挙げられる。         │ │ 副読本をどのように扱うかは学校や教育委員会の判断に任されているものの、子ども │ │たちには、1世代では終わらない放射能汚染と被曝の危険性についての教育こそが必要 │ │である。                                    │ │ 以上のことから、指摘した問題点がある放射線副読本を子どもたちに配付しないよう │ │請願する。                                   │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第2号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│岐阜市立中学校学校給食費の半額の公費負担を求める請願      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │令和2年3月3日                        │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市黒野471-1                      │ │住所・氏名  │別処雅樹                            │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│松原徳和、田中成佳、服部勝弘、高橋和江、井深正美、堀田信夫、  │ │       │森下満寿美、原 菜穂子                     │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │文教委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 岐阜市教育委員会の調査によれば、山梨県富士吉田市は、2019年10月から小中 │ │学校の学校給食費を全額(総額1億6,800万円)無料化し、また、中核市である兵 │ │庫県明石市は、2020年4月から公立の中学校の学校給食費を無償化(総額3億5, │ │000万円)、東京都北区は、2020年10月から区立小中学校に通う第2子を半額、│ │第3子以降は無料(総額1億8,500万円)とすることをそれぞれ予定している。  │ │ 平成30年7月に発表された文部科学省の調査結果によれば、全国の1,740自治 │ │体中、何らかの公費負担のある自治体は506自治体を数えるまでになった。     │ │ また、岐阜県内では、高山市は2019年4月から小中学校の学校給食費の3分の1 │ │を補助しており、2018年4月から中学校の学校給食費の2分の1を補助している下 │ │呂市に続いている。さらに、本巣市、岐南町、神戸町、安八町、揖斐川町、池田町、美 │ │濃市、川辺町、七宗町、白川村など12自治体が学校給食費の公費負担を進めている。 │ │ 子どもファーストを掲げている岐阜市は、まだ半歩も進んでいない。教育費増大に苦 │ │しむ市民の声は、学校給食費の無償化を求めていることから、下記について請願する。 │ │                   記                    │ │1 岐阜市立中学校学校給食費の半額を公費負担とすること。            │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第3号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│関西電力株式会社幹部による3億2,000万円余の金品受領疑惑の │ │       │解明を求める意見書提出を求める請願               │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │令和2年3月3日                        │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市黒野471-1                      │ │住所・氏名  │別処雅樹                            │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│松原徳和、田中成佳、服部勝弘、高橋和江、井深正美、堀田信夫、  │ │       │森下満寿美、原 菜穂子                     │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │総務委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 昨年9月下旬、関西電力株式会社(以下、「関電」という。)の幹部ら20人が福井 │ │県高浜町元助役から3億2,000万円相当の金品を受け取っていたとの報道があった。│ │関電はこの問題を一昨年9月にまとめた内部報告書で把握しながら、税務調査で発覚す │ │るまでの約1年間公表していなかったとの報道もある。               │ │ 関電幹部らの金品受領疑惑は岐阜市と無関係ではない。昨年の9月現在、岐阜市は関 │ │電と3億2,993万円余の電力購入契約を結んでおり、電気料金は市全体の約22% │ │にもなる。また、報告書がまとめられた一昨年9月にこの問題が公表されていれば、電 │ │力購入に係る入札参加者としてふさわしいかの判断材料になったと思われる。     │ │ 関電八木会長は問題発覚から約2週間で辞任に追い込まれた。仮に、疑惑の金品が原 │ │発マネーであるならば、その金額は電力原価に含まれ、岐阜市が払う電気料金は本来さ │ │らに安くなるものと思われる。                          │ │ 関電幹部らの金品受領疑惑は、電力事業全体と市民、国民生活に深く関わる問題であ │ │ることから全容解明が求められるとともに、疑惑解明は国会及び政府の責任である。  │ │ よって、下記事項について、国会及び政府に対し意見書を提出されるよう請願する。 │ │                   記                    │ │1 関電幹部らの金品受領疑惑の解明を早急に行うこと。              │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第4号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│日本政府に核兵器禁止条約の署名と批准を求める意見書採択について │
    │       │の請願                             │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │令和2年3月3日                        │ └───────┴────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請願代表者  │岐阜市徹明通7-13 岐阜県教育会館302号          │ │住所・氏名  │新日本婦人の会岐阜支部 支部長 和田玲子            │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、堀田信夫、森下満寿美、田中成佳、松原徳和、服部勝弘、 │ │       │高橋和江、原 菜穂子                      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │文教委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 2017年7月の国連の会議において、国際法上初めて核兵器を違法なものとした核 │ │兵器禁止条約が国連加盟国の約3分の2に当たる122か国の賛成で採択された。現在 │ │では、81か国が署名、35か国が批准し、2020年の核兵器不拡散条約(NPT) │ │再検討会議に向けて、条約発効への各国の取り組みが進められている。        │ │ 昨年11月には、ローマ教皇が広島、長崎を訪れ、戦争のために原子力を使用するこ │ │とは、現代において犯罪以外の何物でもありません、核兵器を保有することもまた倫理 │ │に反しますと核兵器の使用も保有も否定された。                  │ │ 残念ながら日本政府は、核を保有するアメリカ政権に協力し、条約締結の国連会議を │ │欠席、条約批准に後ろ向きの姿勢を取っている。核兵器のない世界を望む国内外の広範 │ │な世論に応えて、唯一の戦争被爆国である日本は率先してこの条約の批准に取り組むべ │ │きである。                                   │ │ 平和首長会議は2017年8月の第9回総会で、人類の悲願である核兵器廃絶への大 │ │きな一歩となる核兵器禁止条約の採択を心から歓迎する旨の、核兵器禁止条約の早期発 │ │効を求める特別決議を可決した。                         │ │ 岐阜県内では、関市、多治見市、関ケ原町、神戸町、池田町、坂祝町の各議会で国へ │ │の意見書が採択され、全国では、441自治体(県では岩手、長野、三重、沖縄の4議 │ │会)が意見書を提出している。                          │ │ 以上のことから、下記事項について請願する。                  │ │                   記                    │ │1 日本政府が速やかに核兵器禁止条約に署名し批准することを求める意見書を提出す │ │ ること。                                   │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第5号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│日本政府に選択的夫婦別姓の導入など、一日も早い民法改正を求める │ │       │意見書採択についての請願                    │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │令和2年3月3日                        │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市徹明通7-13 岐阜県教育会館302号          │ │住所・氏名  │新日本婦人の会岐阜支部 支部長 和田玲子            │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、堀田信夫、森下満寿美、田中成佳、松原徳和、服部勝弘、 │ │       │高橋和江、原 菜穂子                      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │文教委員会                           │ └───────┴────────────────────────────────┘ ┌────────────────────────────────────────┐ │(請願要旨)                                  │ │ 現行の民法では夫婦別姓での婚姻が認められないため、望まぬ改姓、事実婚、通称使 │ │用などによる不利益、不都合を強いられている。婚姻の際、実際には96%が夫の姓に │ │なっているのは間接的な女性差別であり、夫婦同姓の強制は、両性の平等と基本的人権 │ │を掲げた憲法に違反する。別姓を望む人に、その選択を認める選択的夫婦別氏制度、い │ │わゆる選択的夫婦別姓制度の導入を求める声はますます切実である。女性のみに適用さ │ │れる再婚禁止期間の廃止も緊急の課題である。                   │ │ 国連の女性差別撤廃委員会を初めとする国際機関は、日本政府に対し民法の差別的規 │ │定の廃止を繰り返し勧告している。法制審議会は、1996年に選択的夫婦別姓の導入 │ │などを含む民法の一部を改正する法律案要綱を答申しているが、20年以上もたなざら │ │しのままである。                                │ │ 2015年12月、最高裁判所は「夫婦同姓の強制は合憲」という不当な判断を示し │ │たが、2016年3月、女性差別撤廃委員会は、最高裁判断にかかわらず、現行民法の │ │規定は差別的であるとして、改めて早急な是正を勧告している。最高裁判断後も、別姓 │ │制度を求める男性が提訴、世論調査でも賛成が反対を上回っている。最高裁は、制度の │ │在り方については国民の判断、国会に委ねるべきだと強調しており、一日も早い国会の │ │対応が求められる。                               │ │ 以上のことから、下記事項について請願する。                  │ │                   記                    │ │1 選択的夫婦別姓の導入など、直ちに民法を改正する意見書を国に提出すること。  │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第6号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書の採択を求める │ │       │請願                              │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │令和2年3月3日                        │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市徹明通7丁目13番 岐阜県教育会館402号        │ │住所・氏名  │岐阜県労働組合総連合 議長 森 正樹              │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、堀田信夫、森下満寿美、田中成佳、松原徳和、服部勝弘、 │ │       │高橋和江、原 菜穂子                      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │経済環境委員会                         │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 日本の最低賃金は、都道府県ごとに4つのランクに分けられ、令和元年度の地域別最 │ │低賃金の改定では、最も高い東京都は時給1,013円、岐阜県は851円、最も低い │ │県は790円である。これでは毎日フルタイムで働いても月11万円から14万円の手 │ │取りにしかならず、憲法が保障する健康で文化的な最低限度の生活はできない。    │ │ しかも、時間額で223円に広がった地域間格差(岐阜県と東京都の差は162円) │ │によって労働力が地方から都市部へ流出し、地方の人口減少を加速させ、高齢化と地域 │ │経済の疲弊を招き、全国の多くの自治体が人口減少に苦しんでいる。地域経済を再生さ │ │せる上で、最低賃金を全国一律制とすることと抜本的に引き上げることは、必要不可欠 │ │な経済対策である。                               │
    │ 全国労働組合総連合が行っている最低生計費試算調査により、健康で文化的な生活を │ │するために必要な生計費に、地域による差がないことが分かった。若者が自立した生活 │ │に必要な生計費は、どの地域でも月に22万円から24万円が必要との結果が出ている。│ │月間の労働時間を150時間で換算すると、時給1,500円前後が必要である。   │ │ また、世界各国の制度と比較すると、日本の最低賃金は、OECD諸国で最低水準で │ │ある。そして、そのほとんどの国では、地域別ではなく全国一律制となっている。   │ │ 最低賃金を引き上げるためには、中小零細企業への助成や融資、仕事起こしや単価改 │ │善につながる施策の拡充を併せて進めることが必要である。公正取引の観点からも、下 │ │請企業への単価削減や賃下げが押しつけられないように指導し、適正な契約で労働者が │ │生活できる賃金水準を保障することが必要である。最低賃金を引き上げることで中小企 │ │業に働く労働者の約4割の賃金を引き上げることができる。労働者や国民の生活を底上 │ │げし購買力を上げることで、地域の中小零細企業の経営も改善させる地域循環型経済の │ │確立が求められている。                             │ │ 労働基準法第1条第1項は「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための │ │必要を充たすべきものでなければならない。」とし、また、最低賃金法第9条第3項で、│ │労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるようとしている。     │ │ 最低賃金を大幅に引き上げ、地域間格差をなくして、中小企業支援策の拡充実現を求 │ │める意見書を国に提出されるよう請願する。                    │ │                              (意見書案文掲載略)│ └────────────────────────────────────────┘ 13: ◯議長大野一生君) 請願の紹介議員において発言の申出がありますので、順次これを許します。19番、高橋和江君。    〔高橋和江君登壇〕(拍手) 14: ◯19番(高橋和江君) それでは、紹介議員として請願の趣旨を説明させていただきます。  請願第1号小、中、高校生のための放射線副読本の配付に関する請願。  この副読本の配付を中止していただきたいとの請願者の趣旨説明です。  請願者は、岐阜市菅生、さよなら原発・ぎふ代表、伊藤久司さん。  紹介議員、田中成佳さん、松原徳和さん、服部勝弘さん、井深正美さん、堀田信夫さん、森下満寿美さん、原 菜穂子さん、そして、高橋和江です。  2011年3月11日の東京電力福島第一原発事故から間もなく9年になります。この原発事故に伴い、文部科学省がこの年10月14日に作成した放射線副読本は小学生用と中高校生用の2種類です。これまで2011年、2015年、2018年、2019年度と、全国の小中高校に文科省から直接各学校に送られています。  今年度、岐阜市には小中、特別支援学校、市岐商の生徒6,900人余りに、今から10日ほど前から発送されていると文科省と岐阜市の教育委員会から聞いています。  また、文科省によりますと、来年度・2020年度も全国に配付予定で予算が組まれているとのことです。  この副読本の配付を中止していただきたいというのが請願者の思いです。  その理由です。  この副読本は、例えば、最初の「はじめに」の部分では、福島原発事故に触れながらも、自然界の放射線と福島原発事故で放出された放射性物質による放射線を混同するような内容になっています。副読本を通じて、いかに重大な事故であったか、避難の困難さ、廃炉作業の困難さなど、事実の記載や被害の記述がありません。福島の事故から何を学び、1世代では終わらない放射能汚染と被曝の危険性についての教育こそ必要と思います。  文科省は発送に当たり、あらかじめ教育委員会に配付先の学校数と生徒数を尋ねています。今年度分については、岐阜市では昨年8月から9月にかけて尋ねられ準備したということで、副読本は一方的に文科省が送るものではなく、要らなければ、その旨伝えることができるとのことです。  文科省の問合せに対し、岐阜市はどのように対応されたのか、教育委員会の複数の方にお話を聞きました。各学校の意向は聞かれていないようです。  今後、この副読本の配付については、校長会に諮り、また内容を検討する機会をつくっていただき、配付中止の選択もしっかり視野に入れて取り組んでいただきたいと思います。  ほかの自治体の動きです。  滋賀県野洲市議会では、人工と自然界の放射性物質を同列のように扱い、放射性物質がありふれたものであり安全であるとの印象を操作しようとしているなどと指摘し、野洲市教育委員会は回収しました。  2019年、広島の教員らは、県の教育委員会に放射線副読本の回収を申し入れています。  大阪府茨木市でも、副読本の配付を行わずに学校で保管するとしています。  東京都小金井市議会では、放射線副読本の配付の見直しを求める意見書が原案可決されました。  愛知県安城市では、市議会で質問がされています。  この岐阜市議会の議場の議員の皆様、ぜひ岐阜市での放射線副読本配付中止を求める請願への賛同、ぜひよろしくお願いいたします。(拍手) 15: ◯議長大野一生君) 35番、松原徳和君。    〔松原徳和君登壇〕(拍手) 16: ◯35番(松原徳和君) 請願の第2号と第3号の紹介をさせていただきますが、その前に、全国で新型コロナウイルスによる肺炎により死亡された多くの皆様がおみえでございます。御冥福をお祈り申し上げます。また、ただいま闘病中の多くの皆さんの一日も早い健康の回復をお祈り申し上げます。  同時に、全国各地でこの対策に御尽力されております関係各位に敬意を表しながら、説明をさせていただきます。  紹介いたします。  まず、請願第2号でございます。  実は3月の1日に岐阜新聞が1面に載せておりますけど、「休職保護者へ新助成金」と。「首相、休校に理解要請」と。新型肺炎でございますけど、新型コロナウイルスによる感染の拡大を踏まえ、官邸で記者会見が行われたと。全小中高の臨時休校について『「万が一にも学校での子どもの集団感染を起こしてはならない」と国民に理解を要請した』と。「休職する保護者の所得減少対策で、新たな助成金の創設を表明」するとありました。  「世界経済の動向を注視し、必要かつ十分な経済対策を行う考えを示した」と。『財源には2019年度予算の予備費を活用する。新助成金については「正規、非正規を問わずしっかり手当てする」と明らかにした。』と、こう報道されております。『雇用や取引で悪影響が生じた企業に対し「雇用調整助成金を活用し、特例的に1月までさかのぼって支援する」』ということでございます。  首相自らがですね、この問題で不況に陥るということを表明したと同じかと思います。  今日の朝日新聞の1面では、最大8,330円の助成を行うとありました。  請願第2号は、岐阜市立中学校学校給食費の半額の公費負担を求める請願でございます。  請願者は、岐阜市黒野にお住まいの別処雅樹さんです。  紹介議員は田中成佳、服部勝弘、高橋和江、井深正美、堀田信夫、森下満寿美、原 菜穂子の各議員と私でございます。  さて、その本文でございますが、皆様も御存じのとおりですが、岐阜市教育委員会の調査によれば、2019年10月、山梨県富士吉田市は、小中学校の学校給食費を全額、総額1億6,800万円の無料化を実施し、2020年4月から──今年ですが──兵庫県明石市──これは中核市ですが──公立中学校学校給食費無料化、総額3億5,000万円を予定しております。また、2020年・本年10月からは、東京都北区は、区立小中学校の第2子半額、第3子以降無料、補助総額は1億8,500万円にも達しますが、予定を明らかにしております。  全国では、文部科学省の調査によれば、全国1,740自治体中、何らかの公費負担のある自治体は506自治体を数えるまでになりました。  また、岐阜県内では、高山市は2019年4月から小中学校の給食費の3分の1の補助を実施し、2018年4月からの下呂市の中学校給食費2分の1補助に続いております。本巣市、岐南町、神戸町、安八町、揖斐川町、池田町、美濃市、川辺町、七宗町、白川村など、県内12自治体が学校給食費の公費負担を進めています。  子どもファーストを掲げる岐阜市は、まだ半歩も歩んでいません。教育費増大に苦しむ市民の声は、学校給食費無償化を求めています。  御存じのとおり、大変厳しい状況でしたが、この消費税増、併せてこの新型のコロナウイルス問題で、さらに厳しい状況があります。株価は言うに及ばず連日下げておりましたが、ようやく昨日少し上がったというところです。  岐阜市立中学校学校給食費の半額を公費負担にするということが、この請願者の趣旨でございます。ぜひ皆様の御賛同をよろしくお願いいたします。  さて、請願第3号でございます。  これも皆さん御存じのとおりですが、ちょうど中日新聞ですが、本日「高浜町長ら18人元助役と金品」という見出しで、福井県高浜町が設置した第三者による調査委員会の報告が少し載りました。  2月の9日には、同じく中日新聞で、福井県会議員が空出張を繰り返しているという報道が載りました。この関西電力役員らに金品を送っていた福井県高浜町の元助役が顧問を務める同県敦賀市の建設会社の工事現場を視察していたということで、関連記事として出ております。  既に皆さんも御存じのとおりでございますけど、関西電力株式会社幹部による3億2,000万円余の金品受領疑惑の解明を求める意見書提出を求める請願でございます。  請願第3号は、請願者は同じ、紹介議員も同じでございます。  関西電力幹部20人が、福井県高浜町、高浜原発の立地でございますが、元助役から総額3億2,000万円相当の金品を受け取っていたとの報道がされました。関電はこの問題、3億2,000万円余の金品受領疑惑を一昨年9月にまとめた内部報告書で把握しながら、税務調査で発覚するまでの約1年間公表していなかったとの報道もあります。  関電金品受領疑惑は、岐阜市と無関係ではありません。岐阜市は、現在、関電と3億2,993万円余の契約をしています。電力料金は、市全体の約22%にもなります。1年前に公表されていれば、岐阜市の電力契約相手としてふさわしいか、判断材料に当然なりました。  関電八木会長は、問題発覚から約2週間で辞任に追い込まれました。もし疑惑の金品が原発マネーであるなら、その金額も電力原価に含まれ、岐阜市が払う電気料金は、本来さらに安くなるものと思われます。  関電金品受領疑惑は、電力事業全体と国民、市民生活に深く関わる問題であり、全容の解明は岐阜市民、国民から求められる重要な問題であります。そこで、疑惑解明は国会、政府の責任であります。  そこで、下記のとおり請願を申し上げます。  国会と政府に対し、関電金品受領疑惑の解明を早急に行うよう、岐阜市議会から意見書を出していただきたいという中身でございます。  ぜひ議員各位の御賛同をお願い申し上げまして請願紹介といたします。ありがとうございました。(拍手) 17: ◯議長大野一生君) 38番、堀田信夫君。    〔堀田信夫君登壇〕(拍手) 18: ◯38番(堀田信夫君) 上程いただいております請願第4号、第5号、第6号について紹介をさせていただきます。  3つの請願は、紹介議員は、いずれも田中成佳議員、松原徳和議員、服部勝弘議員、高橋和江議員、井深正美議員、森下満寿美議員、原 菜穂子議員、そして、私堀田です。3件とも同様です。私が、僭越ですが、代表して一言申し上げたいと思います。  まず初めに、請願第4号です。日本政府に核兵器禁止条約の署名と批准を求める意見書採択についての請願です。  申し上げるまでもありませんが、核兵器は熱線や爆風によって都市を一瞬にして破壊し、人々を無差別、大量に殺りくします。  広島、長崎に投下された原子爆弾は、現代から見れば旧式の小型のものでしたが、4か月余りのうちに21万人の命を奪いました。生き延びた人々も、放射線被害などによって長年苦しみ続けました。  被爆者が語る言語に絶する体験は、この核兵器が他に例を見ない非人道的な大量破壊兵器であることをはっきり示しています。いかなる理由であれ、いかなる地であれ、再び使われてはならない悪魔の兵器と言えます。  現存する核兵器のごく一部が都市で爆発しただけでも、舞い上がった粉じんによって地球全体の気候に変動が起き、20億人が危機に瀕すると予想する研究結果もアメリカの科学者連合などによって明らかにされています。  昨年11月、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が来日し、長崎と広島で行った発言が国内外に感動を広げています。核戦争の脅威による威嚇をちらつかせながら、どうして平和を提案できるでしょうか。さらに、核兵器禁止条約を含め、核軍縮と核不拡散に関する主要な国際的な法的原則にのっとり、たゆむことなく迅速に行動し訴えていきますと、核抑止論を正面から否定し、核兵器禁止条約を訴えました。  この訴えは、アメリカの核の傘に頼り、核兵器禁止条約に背を向けながらポーズだけの平和を唱える日本政府の立場に対する痛烈な批判でもありました。この訴えを受けての日本政府の反応は、相変わらず核抑止力は安全保障の基礎だとして核兵器禁止条約に背を向ける情けないものです。  ローマ教皇は、訪日を終えた後、バチカンのサンピエトロ広場で、原爆の消えることのない傷を負う日本は、全世界のために命と平和の基本的権利を告げ知らせる役割を担っていると語りました。これは、世界の多くの人々の声でもあります。  請願は、日本政府には、こうした声に応え、核兵器禁止条約にサインしてもらいたいというものです。よろしくお願いします。  次に、請願第5号です。日本政府に選択的夫婦別姓の導入など、一日も早い民法改正を求める意見書採択についての請願です。  夫婦同姓を法律で義務づけている国は、世界で日本だけです。今日、どちらの姓を選ぶことも可能ですが、女性が改姓する割合が96%と圧倒的です。  氏名は、個人の人格の象徴であり、強制的に変えさせられる現行法は憲法の定める個人の尊厳に反します。選択的夫婦別姓は、別姓を選びたい人は別姓にできる。同姓にしたい人はこれまでと変わらず同姓でいいというものです。  両親が別姓だと子どもがかわいそうなどの声も聞かれますが、現状でも別姓で子育ての方はおられます。そのせいで子どもが惨めな思いをしているなどはほとんど聞かれません。  選択的夫婦別姓について考える超党派有志勉強会が2月14日、東京永田町の衆議院第二議員会館で開かれています。与野党から約40人の国会議員が参加されました。  報道によれば、夫婦別姓を求める裁判を行っている方の報告、基調講演は、1996年当時に法務省民事局参事官として選択的夫婦別姓の民法改正法案を答申した法制審議会の幹事を務めていた小池信行弁護士がなさっておられます。  そして、この勉強会に出席された野田聖子元総務省は、取材に……。野田元総務相やね。取材に人権が政治の軸だということを学んだ議員が増えてきた。自民党もまともになってきたと変化を歓迎しておられます。  勉強会を企画された選択的夫婦別姓・全国陳情アクションは、地方からこういった声の上がることを期待されています。ぜひ応えたいものです。  最後に、請願第6号です。最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書の採択を求める請願であります。  徹明通の岐阜県労働組合総連合です、請願者。  深刻な貧困と格差を克服して日本経済を立て直すには、最低賃金の引上げが不可欠と考えます。法律で下回ってはならない額を決める最低賃金の引上げは、労働者全体の賃金底上げにつながる重要な課題です。  日弁連は、働いているのに貧困状態にある者の多くは、最低賃金付近での労働を余儀なくされている。貧困の解決に最賃引上げの必要性を指摘されておられます。  最低賃金は、地域別にA、B、C、D、4ランクに分けられて、都道府県ごとに差がつけられています。最高が東京、最低が宮崎、沖縄。最も高い東京都でも1,000円そこそことなっていますが、岐阜県は851円とされています。
     こうした地域格差は、最低賃金が高い地域に人口が流出する状況を生み出します。地域経済の基盤が弱まり、地方での労働力不足をも進行させてしまいます。  都市部は、家賃が高いことは確かです。けれども、地方は地方で交通費がかかるものです。総務省の家計調査でも、生計費には大きな差がないことが読み取れているデータがあります。  最低賃金は、どこで働き、どんな職業についても適用される全国一律の制度であるべきです。全国一律制度にする鍵は、中小企業が賃上げできるように支援策を抜本的に強化することだと思います。  政府の中小企業支援策もありますが、業務改善助成金しかありません。これは、賃金の一定額の引上げや設備投資を行った際に費用の一部を助成する制度で、実効性はありません。  日本商工会議所、東京商工会議所が行った最低賃金引上げに関する調査の結果概要によると──これは昨年5月です──最低賃金の引上げに対応するために必要と考える支援策として、税、社会保険料の軽減を挙げる回答が65.2%と最も多くなっています。  請願は、最低賃金の時間額1,500円を目指し大幅引上げ。最低賃金法を全国一律最低賃金制度に改正。最低賃金引上げを円滑にするため中小企業への支援策の拡充。以上、3項目について求めるものです。  請願3本についての紹介をさせていただきました。よろしくお願いいたします。(拍手) 19: ◯議長大野一生君) 以上で請願紹介を終わります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一 休  会 20: ◯議長大野一生君) お諮りします。明日から3月6日まで及び3月9日から3月12日までの7日間は、議案精読のため休会したいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 21: ◯議長大野一生君) 御異議なしと認めます。よって、明日から3月6日まで及び3月9日から3月12日までの7日間は休会することに決しました。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 散  会 22: ◯議長大野一生君) 以上で本日の日程は全部終了しました。本日はこれで散会します。   午前11時40分 散  会  岐阜市議会議長      大 野 一 生  岐阜市議会議員      渡 辺 貴 郎  岐阜市議会議員      長 屋 千 歳 発言が指定されていません。 Copyright © Gifu City Assembly. All Rights Reserved. ↑ 本文の先頭へ...