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  1. 岐阜市議会 2019-03-01
    平成31年第1回(3月)定例会(第1日目) 本文


    取得元: 岐阜市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-06
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成31年第1回(3月)定例会(第1日目) 本文 2019-02-28 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 17 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言の表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(信田朝次君) 9頁 選択 2 : ◯議長(信田朝次君) 9頁 選択 3 : ◯議長(信田朝次君) 296頁 選択 4 : ◯議長(信田朝次君) 296頁 選択 5 : ◯議長(信田朝次君) 296頁 選択 6 : ◯議長(信田朝次君) 296頁 選択 7 : ◯議長(信田朝次君) 296頁 選択 8 : ◯議長(信田朝次君) 296頁 選択 9 : ◯議長(信田朝次君) 296頁 選択 10 : ◯市長(柴橋正直君) 296頁 選択 11 : ◯議長(信田朝次君) 316頁 選択 12 : ◯議長(信田朝次君) 320頁 選択 13 : ◯38番(堀田信夫君) 320頁 選択 14 : ◯議長(信田朝次君) 322頁 選択 15 : ◯議長(信田朝次君) 322頁 選択 16 : ◯議長(信田朝次君) 322頁 選択 17 : ◯議長(信田朝次君) 323頁 ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 開  会   午前10時 開  会 ◯議長(信田朝次君) ただいまから平成31年第1回岐阜市議会定例会を開会します。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一 諸般の報告 2: ◯議長(信田朝次君) 日程に入るに先立って諸般の報告を行います。  監査結果報告書及び岐阜市包括外部監査報告書並びに報第2号及び報第3号専決処分事項の報告については、お手元に配付しました報告書によって御承知を願います。            ───────────────────         監査結果報告書及び岐阜市包括外部監査報告書提出一覧                     平成31年第1回(3月)岐阜市議会定例会 例月現金出納検査結果報告書(平成30年9月分~平成30年11月分) 監査結果報告書 ・定期監査及び行政監査   (平成30年度4月~8月分 必要に応じて平成29年度分)  ・まちづくり推進部  ・健康部  ・消防本部  ・都市防災部  ・商工観光部
    ・定期監査及び行政監査   (平成30年度4月~10月分 必要に応じて平成29年度分)  ・市民生活部 ・定期監査及び行政監査(学校施設監査)   (平成30年度4月~11月分 必要に応じて平成29年度分)  ・市立小学校46校、市立中学校22校、市立幼稚園2園及び市立特別支援学校1校の   うち、以下の小学校5校及び中学校3校   ┌───┬──────────────────┐   │小学校│華陽、本荘、市橋、長良東、岩野田北 │   ├───┼──────────────────┤   │中学校│梅林、精華、藍川          │   └───┴──────────────────┘ 工事監査結果報告書(平成30年度分)  ・東部クリーンセンター造成工事(その1)  ・東部クリーンセンター斜面安定化対策工事 岐阜市包括外部監査報告書(平成30年度)  ・岐阜市の防災に関する事業について            ───────────────────  1 監査等の種類   例月現金出納検査  2 検査の対象    一般会計、特別会計、基金及び企業会計               (平成30年9月出納事務)  3 検査の日程    平成30年10月26日~平成30年11月19日  4 検査の結果  (1) 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確で     あることを認めた。  (2) 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確     であることを認めた。  (3) その他証拠書類等を検査したところ、適正に処理されているものと認めた。            ───────────────────  1 監査等の種類   例月現金出納検査  2 検査の対象    一般会計、特別会計、基金及び企業会計                  (平成30年10月出納事務)  3 検査の日程    平成30年12月3日~平成31年1月16日  4 検査の結果  (1) 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確で     あることを認めた。  (2) 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確     であることを認めた。  (3) その他証拠書類等を検査したところ、1件の臨時雇用職員への給料の支払遅延     を除き、適正に処理されているものと認めた。            ───────────────────  1 監査等の種類   例月現金出納検査  2 検査の対象    一般会計、特別会計、基金及び企業会計                  (平成30年11月出納事務)  3 検査の日程    平成31年1月8日~平成31年1月30日  4 検査の結果  (1) 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確で     あることを認めた。  (2) 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確     であることを認めた。  (3) その他証拠書類等を検査したところ、適正に処理されているものと認めた。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    まちづくり推進部             平成30年度4月~8月分 必要に応じて平成29年度分  3 監査の着眼点   平成30年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    平成30年10月2日~平成30年11月7日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改   善に努めるとともに、検討されたい。    なお、軽微な事項については、別途指示した。  [指摘事項]  (1)適正な財務会計事務の執行について    ア 岐阜市会計規則第37条は、収入命令者が、調定をしたときは、直ちに納付に     関し必要な事項を明らかにした納入通知書を作成し、納入者に送付しなければな     らず、それによらないときは会計管理者との協議が必要な旨規定している。      しかしながら、住宅使用料については、年度当初(4月)に12か月分の調定     が行なわれ、4月及び10月にそれぞれ以降の6か月分の納入通知書がまとめて     納入者に送付されているが、この取扱いについて会計管理者との協議は行なわれ     ていなかった。      今後は、岐阜市会計規則を遵守し、適正な財務会計事務の執行に努められたい。    イ 地方自治法施行令第158条第2項では、歳入の収納事務を私人に委託したと     きは、その旨を告示し、かつ、当該歳入の納入義務者の見やすい方法により公表     しなければならないと規定されている。      しかしながら、告示及び当該歳入の納入義務者の見やすい方法による公表をし
        ていなかった。      また、岐阜市会計規則第53条第1項は、現金出納員が歳入の収納の事務を委     託しようとするときは、あらかじめ会計管理者との協議が必要な旨規定し、同条     第2項は、収納の事務を私人に委託したときは、当該私人に収入事務受託者であ     る旨を証する書類等を交付しなければならない旨規定している。      しかしながら、会計管理者との協議及び収入事務受託者である旨を証する書類     等の交付を行っていなかった。      今後は、地方自治法施行令及び岐阜市会計規則を遵守し、適正な財務会計事務     の執行に努められたい。  (2)未収金の回収について     住宅使用料の収入未済額は、平成29年度末で61,914,972円である。    平成30年8月末現在では、過年度未収金が58,166,672円である。     今後とも、過年度未収金の早期回収に努めることはもとより、現年度分の回収に    ついても、滞納繰越が生じないように努力されたい。  [意見]  (1)市営住宅入居者の連帯保証人について     市営住宅の入居にあたっては、岐阜市営住宅管理条例施行規則第8条に定める条    件を具備した連帯保証人が必要とされているが、その確認は入居決定者が入居時に    提出する書面により行われているのみであり、それ以降、行われていない。     一方、平成29年11月の市営住宅家賃滞納に対する事務処理要綱の一部改正に    より、未収金回収の強化策として、連帯保証人への催告書の送付等、連帯保証人か    らの回収にも取り組んでいる。     市営住宅の入居には期間を定めていないことから、入居期間が長期化した場合、    連帯保証人の保証能力の変動も考えられるため、入居期間中の連帯保証人の調査の    実施について検討されたい。     併せて岐阜市営住宅管理条例施行規則に定める連帯保証人の資格の規定について    も実態を踏まえ、見直しを検討されたい。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    健康部             平成30年度4月~8月分 必要に応じて平成29年度分  3 監査の着眼点   平成30年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    平成30年10月1日~平成30年11月7日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。    なお、軽微な事項については、別途指示した。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    消防本部             平成30年度4月~8月分 必要に応じて平成29年度分  3 監査の着眼点   平成30年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    平成30年9月28日~平成30年11月19日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改   善に努められたい。    なお、軽微な事項については、別途指示した。  [指摘事項]  (1)事故の防止について     消防本部が策定した車両誘導マニュアルにおいて、運転者は、誘導員の警笛等が    途切れたときは、直ちに車両を停止し状況を確認する旨定められている。     しかしながら、平成30年7月16日に岐阜市中消防署西側駐車場において車庫    の中に救急自動車を駐車させようとしていたところ、運転者は誘導員の警笛がない    にもかかわらず、後退を続けたことから、左後方で誘導していた職員は、車両が支    柱にぶつかると思い手を出し、支柱と車両の間に指がはさまり、負傷するという事    故が発生した。     今後は、職員に対し、車両誘導マニュアルの徹底を図られたい。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    都市防災部             平成30年度4月~8月分 必要に応じて平成29年度分  3 監査の着眼点   平成30年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    平成30年9月28日~平成30年11月19日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。    なお、軽微な事項については、別途指示した。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    商工観光部             平成30年度4月~8月分 必要に応じて平成29年度分  3 監査の着眼点   平成30年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による
     4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    平成30年10月1日~平成30年11月19日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改   善に努めるとともに、検討されたい。    なお、軽微な事項については、別途指示した。  [指摘事項]  (1)事故の防止について     平成30年7月29日、鵜飼観覧船事務所前の灯篭が強風のため飛ばされ、公用    自動車が損傷する事故が1件発生した。     天候等に留意し、鵜飼観覧船事務所の外に設置している物品について、安全管理    を徹底されたい。  [意見]  (1)鵜飼観覧船乗船料の減免について     岐阜市観覧船に関する条例第3条第2項は、市長は、特別の事由があると認めた    ときは、乗船料の額を減免することができる旨規定し、同条例施行規則第4条第1    項は、その事由を公共性を有し、かつ、観光宣伝に寄与する事由としたうえで、減    免の基準及び額は別に定めると規定している。この規定を受け、商工観光部は、観    覧船乗船料の減免に関する取扱い基準を定めており、鵜飼の誘客促進のため発行さ    れた割引券等を持参した者が乗船する場合300円を減免するとしている。     この減免の対象となる割引券等は、昨年度まで、うかいミュージアムとの相互割    引券、昇竜道ウェルカムカード、日本自動車連盟が発行する割引券及び自動車安全    運転センターが発行するSDカードの4種類であった。そして、岐阜市事務決裁規    則別表第1が、使用料の減免について部長の専決事項としていることから、毎年度、    あらかじめ部長決裁を受け、減免の対象としていた。     しかし、今年度については、新たに減免の対象としたぎふっこカードについての    み部長決裁を受け、4種類については決裁を受けないまま減免の対象としていた。     今後は、事務手続を複雑にすることなく、適正に事務を執行できるよう検討され    たい。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査  2 監査の対象    市民生活部             平成30年度4月~10月分 必要に応じて平成29年度分  3 監査の着眼点   平成30年度 一般・特別会計定期監査及び行政監査実施計画             (以下「実施計画」という。)に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    平成30年11月30日~平成31年1月30日  6 監査の結果    証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ   れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改   善に努められたい。    なお、軽微な事項については、別途指示した。  [指摘事項]  (1)国民健康保険料及び国民健康保険税の収納率の向上について     国民健康保険料及び国民健康保険税の収納率は、平成29年度決算において、前    年度比0.05ポイント増の74.16%であった。     また、平成30年10月末現在の滞納繰越分に係る収入未済額は2,283,0    49,563円である。     平成30年度から国民健康保険は、都道府県が財政運営の責任を担い、市町村は    保険料の賦課・徴収業務などを行うこととなった。     市町村は、都道府県に対し、国民健康保険事業費納付金を納めることとされてお    り、その主な財源は保険料である。市町村は、保険料の収納率にかかわらず都道府    県が算定した額を納めることとされており、収納率は被保険者に賦課する保険料に    影響を及ぼす可能性もあるため、今後とも、滞納繰越分の早期回収に努めることは    もとより、現年賦課分の回収についても、滞納繰越が生じないように努力し、収納    率の向上を図られたい。  (2)適正な財務会計事務の執行について     岐阜市会計規則第39条第2項は、「調定を変更又は取消しをした歳入で、既に    納入通知書を発したもののうち収納未済のものについては、直ちに納入者に対し変    更又は取消しがあった旨を通知するとともに変更の場合における変更後の納付額を    記載した納入通知書を送付しなければならない」と規定している。     しかしながら、収入未済の歳入について、納付額を無にする調定の変更をしたに    もかかわらず納入者に対し変更した旨の通知を送付していなかった。     今後は、岐阜市会計規則を遵守し、適正な財務会計事務の執行に努められたい。     昨年度の定期監査においても同様の指摘をしているが、変更した旨の通知を納入    者に対して送付していないため再度指摘するものである。しっかりと対応されたい。            ───────────────────  1 監査等の種類   定期監査及び行政監査(学校施設監査)  2 監査の対象    市立小学校46校、市立中学校22校、市立幼稚園2園及び市             立特別支援学校1校のうち、以下の小学校5校及び中学校3校             ┌───┬──────────────────┐             │小学校│華陽、本荘、市橋、長良東、岩野田北 │             ├───┼──────────────────┤             │中学校│梅林、精華、藍川          │             └───┴──────────────────┘             平成30年度4月~11月分             必要に応じて平成29年度分  3 監査の着眼点   平成30年度 現地監査等実施計画(以下「実施計画」という。)            に定める着眼点による  4 監査の実施場所  実施計画に定める実施場所  5 監査の日程    平成30年12月3日~平成31年1月16日  6 監査の結果
       証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合し、監査の対象校において現地監査   を実施したところ、おおむね適正に処理されているものと認められた。    なお、軽微な事項については、別途指示した。            ───────────────────             平成30年度 工事監査結果報告書 1 監査の対象   (1)東部クリーンセンター造成工事(その1)   (2)東部クリーンセンター斜面安定化対策工事     ※工事の概要は別紙のとおり 2 監査の期間   平成30年12月3日から平成31年2月14日まで 3 監査の方法   平成30年度において施工中の工事のうち、土木工事2件を抽出して、工事の計画、  調査、設計、仕様、積算、契約、施工管理、監理(監督)、試験、検査等が適正かつ効  率的に執行されているかについて調査するため、書類調査を行い、平成31年1月16  日に現地調査を行うとともに、関係職員に対して説明を求めた。   なお、工事技術面の調査については、公益社団法人 大阪技術振興協会との工事技術  調査業務委託契約に基づき、技術士の派遣を求め、書類調査及び現地調査を行った。 4 技術士の「総評」「所見」の概要 (1)総評    本工事における計画、設計、積算・契約、施工管理・品質管理・安全管理及び施工   監理等の各段階における技術的実施状況について、重点的に調査した。調査は、提示   された書類を確認し、必要確認事項は直接担当者に質問し、施工現場の確認も行った。    調査結果は、現段階における書類の整備、監督の適切さにおいて、概ね良好に遂行   されており、特に指摘すべき重要な問題点はなかった。 (2)所見   ア 事業目的    本事業は、火災により被害を受けた東部クリーンセンター粗大ごみ処理施設の復旧   工事であり、事業年度は平成29年度から平成33年度、総事業費は約41億円であ   る。    a 東部クリーンセンター造成工事(その1)      施設の復旧に伴う建設用地を造成する工事であり、盛土工・法面工・排水構造     物工等が含まれる。    b 東部クリーンセンター斜面安定化対策工事      施設の復旧に必要な建設用地を盛土造成するにあたり、調整池に至る斜面強度     の向上を図る工事である。   イ 書類調査   (ア)設計図書に関係する書類について     a 東部クリーンセンター造成工事(その1)       設計基準・仕様書は、「東部クリーンセンター粗大ごみ処理施設造成工事実      施設計等業務委託」において、「宅地開発等申請の手引き 岐阜市」(平成2      4年4月)等に基づき、的確に作成されている。       特記仕様書には工事名等の記載がなかった。特記仕様書の内容の充実に留意      されたい。       コスト削減対策として、造成に必要な盛土材について、新庁舎建設主体工事      で発生する土砂を再利用している。また、使用できる門扉は、既存の門扉を再      利用している。     b 東部クリーンセンター斜面安定化対策工事       設計基準・仕様書は、「東部クリーンセンター粗大ごみ処理施設造成工事実      施設計等業務委託」において、「宅地防災マニュアルの解説 第2次改訂版」      (平成19年12月)等に基づき、的確に作成されている。       特記仕様書には工事名等の記載がなかった。特記仕様書の内容の充実に留意      されたい。       コスト削減対策として、抑止杭の工法選定にあたり3工法の施工性・経済性      を比較検討し、最適な工法を決定している。また、工事施工箇所の地形に合わ      せた杭配置とすることで、杭長さの低減・杭間隔の拡大を検討している。   (イ)積算に関係する書類について     a 東部クリーンセンター造成工事(その1)       積算は、「岐阜県 積算基準及び歩掛表」(平成30年4月)、「岐阜県      実施設計に使用する単価表」(平成30年4月)に基づき、適正に実施されて      いる。       工事数量は、図面及び設計内訳書、数量計算書において正確に算出されてい      る。       諸経費は、設計書で適切に算出されている。     b 東部クリーンセンター斜面安定化対策工事       積算は、「岐阜県 積算基準及び歩掛表」(平成30年4月)、「岐阜県      実施設計に使用する単価表」(平成30年4月)に基づき、適正に実施されて      いる。       工事数量は、図面及び設計内訳書、数量計算書において正確に算出されてい      る。       諸経費は、設計書で適切に算出されている。   (ウ)施工管理に関係する書類について     a 東部クリーンセンター造成工事(その1)     (a)工事施工計画        施工計画書について、「岐阜県建設工事共通仕様書」(平成29年10月       改訂)、「岐阜県建設工事施工管理基準」(平成29年10月)に基づき、       適切に作成されている。        工程管理について、計画工程表は適切に作成し、提出されている。        品質管理について、「岐阜県建設工事施工管理基準」に基づき、試験項目       ・方法・基準等が適切に記載されている。        出来形管理について、「岐阜県建設工事施工管理基準」に定める測定項目       ・規格値・測定基準が記載されており、適切に計画されている。        安全管理について、安全管理組織を定め、安全管理活動計画も明記されて       いる。施工時においても、日々の安全巡視、危険予知活動が実施されている。        環境管理について、再生資源利用計画、再生資源利用促進計画が適切に作       成されている。また、産業廃棄物管理票(マニフェスト)も適正に使用され       ている。        交通管理について、施工計画時に具体的な過積載防止計画を立て記載され       たい。        事前調査(測量結果)については受注者から報告されているが、設計図書       の照査の報告書も提出させることが望ましい。     (b)各種承諾図書、工事記録写真等の請負人提出書類
           施工承諾として、現場打ち水路斜路部の配筋の施工性を考え、鉄筋長の分       割(10mから5m)についての図書が提出され、承諾されている。        写真管理は、「岐阜県建設工事施工管理基準」に基づき計画され、撮影さ       れている。     b 東部クリーンセンター斜面安定化対策工事     (a)工事施工計画        施工計画書について、「岐阜県建設工事共通仕様書」(平成29年10月       改訂)、「岐阜県建設工事施工管理基準」(平成29年10月)に基づき、       適切に作成されている。        工程管理について、計画工程表は適切に作成し、提出されている。        品質管理について、「岐阜県建設工事施工管理基準」に基づき、試験項目       ・方法・規格値・試験基準等が適切に記載されている。        出来形管理について、「岐阜県建設工事施工管理基準」に定める測定項目       ・規格値・測定基準・測定箇所が記載されており、適切に計画されている。        安全管理について、安全管理組織を定め、安全管理活動計画も明記されて       いる。施工時においても、日々の安全巡視、危険予知活動が実施されている。        環境管理について、再生資源利用計画、再生資源利用促進計画が適切に作       成されている。また、産業廃棄物管理票(マニフェスト)も適正に使用され       ている。        交通管理について、施工計画時に具体的な過積載防止計画を立て記載され       たい。        事前調査(測量結果)については受注者から報告されているが、設計図書       の照査の報告書も提出させることが望ましい。     (b)各種承諾図書、工事記録写真等の請負人提出書類        鋼管杭の外周モルタル・中詰コンクリートをセメントミルクへ変更する図       書が提出され、承諾されている。        写真管理は、「岐阜県建設工事施工管理基準」に基づき計画され、撮影さ       れている。   (エ)使用材料承認及び試験検査等に関係する書類について     a 東部クリーンセンター造成工事(その1)       使用材料承諾は、品質証明等を添付し、確認を受けた後使用している。       これまでの施工において、各種立会検査、材料試験及び品質管理試験等は計      画どおり行われており、試験成績表・検査結果報告書の記録も残されている。      また、監督員が立会し、適切に行われている。     b 東部クリーンセンター斜面安定化対策工事       使用材料承諾は、品質証明等を添付し、提出されている。       各種立会検査、材料試験及び品質管理試験等はこれから実施される予定であ      る。   (オ) 施工管理(監督)に関係する書類について     a 東部クリーンセンター造成工事(その1)       契約時の関係書類(工事請負契約書、履行保証関係書類、現場代理人・監理      技術者届、工事着工届、全体工程表、建設業退職金共済証紙掛金収納書、施工      体系図)を受領し整備されている。工事カルテも確認されている。現場での各      種検査の立会等も実施されており適切な施工管理(監督)が行われている。     b 東部クリーンセンター斜面安定化対策工事       契約時の関係書類(工事請負契約書、履行保証関係書類、現場代理人・監理      技術者届、工事着工届、全体工程表、建設業退職金共済証紙掛金収納書、施工      体系図)を受領し整備されている。工事カルテも確認されている。現場での各      種検査の立会等は今後実施される予定である。   ウ 現場調査   (ア)工事施工状況について     a 東部クリーンセンター造成工事(その1)       盛土工は設計図どおりに施工されている。構造物工等はこれから施工される。     b 東部クリーンセンター斜面安定化対策工事       主たる工事は、これから施工される。   (イ)法令等の遵守について     a 東部クリーンセンター造成工事(その1)       施工体制台帳、施工体系図は適切に提出されている。社会保険の加入も行っ      ており特段の問題点はない。日々の安全管理も確実に実施され、記録も整備さ      れている。     b 東部クリーンセンター斜面安定化対策工事       施工体制台帳、施工体系図は適切に提出されている。社会保険の加入も行っ      ており特段の問題点はない。日々の安全管理も確実に実施され、記録も整備さ      れている。   (ウ)諸材料の保管について     a 東部クリーンセンター造成工事(その1)       ボックスカルバート・U字溝は、敷鉄板の上で保管し、土砂等の付着がない      ように管理されている。     b 東部クリーンセンター斜面安定化対策工事       鋼管杭の保管は、リン木を敷き、転がり防止も施されている。   (エ)安全管理状況について     a 東部クリーンセンター造成工事(その1)       工事看板、安全看板は適切に配置され、施工箇所への立入禁止措置等も施さ      れている。また、建設業許可票などの現場に必要な掲示物も適切に掲示されて      いる。       日常の安全管理である安全朝礼、危険予知活動が実施され、記録も残されて      いる。     b 東部クリーンセンター斜面安定化対策工事       工事看板、安全看板は適切に配置され、施工箇所への立入禁止措置等も施さ      れている。また、建設業許可票などの現場に必要な掲示物も適切に掲示されて      いる。       日常の安全管理である安全朝礼、危険予知活動が実施され、記録も残されて      いる。   (オ)現場周辺住民等への工事災害防止対策等について     a 東部クリーンセンター造成工事(その1)       騒音、振動等の環境対策として、排出ガス対応型建設機械の導入、低騒音型      建設機械の導入を実施している。また、地元住民との協議会が年2回開催され      ている。     b 東部クリーンセンター斜面安定化対策工事       騒音、振動等の環境対策として、排出ガス対応型建設機械の導入、低騒音型      建設機械の導入を実施している。また、地元住民との協議会が年2回開催され      ている。
    5 本工事に係る契約事務 (1)契約の方法    本工事に係る契約は、一般競争入札により締結されている。本工事の設計金額から   すると、岐阜市一般競争入札等実施要綱第2条により、本工事に係る契約は、一般競   争入札によることとされており、契約の方法は適正と認められる。 (2)契約の締結    契約書には契約金額に応じた収入印紙が貼付され、消印されていた。その他関係書   類も整備されていると認められる。 6 監査の結果   書類調査、現地調査並びに技術士の総評及び所見を踏まえ、監査を実施した結果、本  工事は、適正に執行されているものと認められた。 工事の概要 1 工事名  東部クリーンセンター造成工事(その1) (1)工事場所  岐阜市芥見6丁目地内 (2)工事内容  土工      盛土工           V=8,600m3          法面工     法面整形工         A=1,030m2                  張芝工           A=620m2          排水構造物工  函渠工 1000×900  L=27m                  PU3 側溝工300×300~400 L=51m                  集水桝工          N=5基          園路広場整備工 再生密粒度As(13)   A=1,180m2          管理施設整備工 門扉工           N=1式                  ガードパイプ        L=70m (3)設計業務  大同コンサルタンツ株式会社 (4)施工監理  直営 (5)工事費   請負金額 70,116,840円(消費税及び地方消費税を含む。) (6)入  札  平成30年8月10日          一般競争入札(総合評価落札方式、特別簡易型)          (入札参加数 9者、うち辞退3者、入札回数 1回) (7)工  期  平成30年9月20日~平成31年3月15日 (8)受注者   株式会社国井秋建設          現場代理人、監理技術者:國井 文人(資格:1級土木施工管理技士) (9)工事進捗率 計画出来高 35.3% 実施出来高 29.7%          (平成30年12月末現在) (10)工事監督員 総括監督職員 環境事業部環境施設課                 主査  栗田 繁実          一般監督職員 環境事業部環境施設課                 副主査 清水 剛 2 工事名  東部クリーンセンター斜面安定化対策工事 (1)工事場所  岐阜市芥見6丁目地内 (2)工事内容  抑止杭工 鋼管杭 L=7.0~11.0m      N=65本          復旧工  底部コンクリート工            N=1式               坂路張りコンクリート工          N=1式               護床工(1)               N=1式               護床工(2)               N=1式               重力式擁壁工               N=1式 (3)設計業務  大同コンサルタンツ株式会社 (4)施工監理  直営 (5)工事費   請負金額 91,044,000円(消費税及び地方消費税を含む。) (6)入  札  平成30年8月10日          一般競争入札(総合評価落札方式、簡易型)           (入札参加数 9者、うち3者辞退、入札回数 1回) (7)工  期  平成30年9月20日~平成31年5月27日 (8)受注者   永井建設株式会社          現場代理人、監理技術者:福井 嘉一(資格:1級土木施工管理技士) (9)工事進捗率 計画出来高 8.3% 実施出来高 8.1%           (平成30年12月末現在) (10)工事監督員 総括監督職員 環境事業部環境施設課                 主査  栗田 繁実          一般監督職員 環境事業部環境施設課                 副主査 清水 剛            ───────────────────                  平成30年度               岐阜市包括外部監査報告書                 平成31年2月                岐阜市包括外部監査人                  諏訪 直樹 《  目  次  》  第1 監査の概要…………………………………………………………………………… 1   1.外部監査の種類……………………………………………………………………… 1   2.監査の対象とした事件名…………………………………………………………… 1   3.事件の選定理由……………………………………………………………………… 1   4.監査の対象期間……………………………………………………………………… 1   5.監査従事者…………………………………………………………………………… 2   6.監査を実施した期間………………………………………………………………… 2   7.外部監査人の独立性(利害関係)………………………………………………… 2   8.監査の対象機関……………………………………………………………………… 2   9.監査の着眼点………………………………………………………………………… 2   10.監査の方法………………………………………………………………………… 3
      11.監査意見…………………………………………………………………………… 3  第2 監査対象の概要……………………………………………………………………… 4   1.岐阜市の防災に関する概要………………………………………………………… 4   2.監査の対象とした部署……………………………………………………………… 7  第3 都市防災部…………………………………………………………………………… 8   1.避難所・帰宅困難者備蓄品整備事業……………………………………………… 8   (1) 概要………………………………………………………………………………… 8   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………11   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………12   2.自主防災組織運営・資機材整備等助成……………………………………………46   (1) 概要…………………………………………………………………………………46   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………50   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………50   3.防災士育成支援事業…………………………………………………………………56   (1) 概要…………………………………………………………………………………56   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………58   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………58   4.避難所表示看板設置更新事業………………………………………………………64   (1) 概要…………………………………………………………………………………64   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………67   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………68   5.市民消火隊用小型動力ポンプ更新事業……………………………………………78   (1) 概要…………………………………………………………………………………78   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………80   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………80   6.岐阜市地域防災計画の修正…………………………………………………………81   (1) 概要…………………………………………………………………………………81   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………89   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………89   7.岐阜市総合防災安心読本の取り扱い状況…………………………………………91   (1) 概要…………………………………………………………………………………91   (2) 監査の着眼点並びに監査手続……………………………………………………93   (3) 監査の結果…………………………………………………………………………93  第4 基盤整備部……………………………………………………………………………97   1.河川改修事業…………………………………………………………………………97   (1) 概要…………………………………………………………………………………97   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 101   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 101   2.水防団員報酬……………………………………………………………………… 103   (1) 概要……………………………………………………………………………… 103   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 108   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 108   3.水防倉庫及び格納資器材………………………………………………………… 112   (1) 概要……………………………………………………………………………… 112   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 113   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 113   4.水防監視…………………………………………………………………………… 117   (1) 概要……………………………………………………………………………… 117   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 119   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 119   5.水防団との操作業務委託契約等………………………………………………… 120   (1) 概要……………………………………………………………………………… 120   (2) 監査の着眼点並び監査手続…………………………………………………… 122   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 122   6.道路災害対策……………………………………………………………………… 125   (1) 概要……………………………………………………………………………… 125   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 128   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 128   7.砂防急傾斜地の整備事業………………………………………………………… 130   (1) 概要……………………………………………………………………………… 130   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 133   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 133   8.橋梁の耐震補強…………………………………………………………………… 135   (1) 概要……………………………………………………………………………… 135   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 139   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 140   9.トンネルの長寿命化……………………………………………………………… 142   (1) 概要……………………………………………………………………………… 142   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 147   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 148   10.横断歩道橋の長寿命化………………………………………………………… 149   (1) 概要……………………………………………………………………………… 149   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 158   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 158   11.長良川防災・健康ステーション……………………………………………… 159   (1) 概要……………………………………………………………………………… 159   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 161   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 161  第5 まちづくり推進部………………………………………………………………… 163   1.耐震診断等補助金………………………………………………………………… 163   (1) 概要……………………………………………………………………………… 163   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 170   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 171   2.耐震シェルター等設置事業……………………………………………………… 173   (1) 概要……………………………………………………………………………… 173   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 176   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 176  第6 消防本部…………………………………………………………………………… 177   1.街頭消火器維持管理……………………………………………………………… 177   (1) 概要……………………………………………………………………………… 177   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 178   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 178   2.岐阜市消防団拠点整備事業……………………………………………………… 180   (1) 概要……………………………………………………………………………… 180   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 181   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 182   3.消防団員報酬……………………………………………………………………… 183   (1) 概要……………………………………………………………………………… 183   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 187   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 187
      4.耐震性貯水槽整備事業…………………………………………………………… 189   (1) 概要……………………………………………………………………………… 189   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 190   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 191  第7 上下水道事業部…………………………………………………………………… 194   1.上下水道事業部の概要…………………………………………………………… 194   (1) 上下水道事業部の組織………………………………………………………… 194   (2) 岐阜市の水道区域図…………………………………………………………… 197   (3) 水道関連施設の説明…………………………………………………………… 198   (4) 下水道区域図…………………………………………………………………… 199   2.配水管の耐震化事業……………………………………………………………… 200   (1) 概要……………………………………………………………………………… 200   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 204   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 205   3.下水道管の耐震化事業…………………………………………………………… 207   (1) 概要……………………………………………………………………………… 207   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 214   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 214   4.水源施設・配水池の耐震化対策………………………………………………… 216   (1) 概要……………………………………………………………………………… 216   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 223   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 223   5.災害発生時の協定………………………………………………………………… 225   (1) 概要……………………………………………………………………………… 225   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 227   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 228  第8 各部の防災事業関連契約………………………………………………………… 231   1.岐阜市の契約形態………………………………………………………………… 231   (1) 契約の種類……………………………………………………………………… 231   (2) 契約形態………………………………………………………………………… 233   2.基盤整備部の防災事業関連契約………………………………………………… 234   (1) 概要……………………………………………………………………………… 234   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 235   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 235   3.都市防災部の防災事業関連契約………………………………………………… 238   (1) 概要……………………………………………………………………………… 238   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 239   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 240   4.消防本部の防災事業関連契約…………………………………………………… 251   (1) 概要……………………………………………………………………………… 251   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 252   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 252   5.教育委員会の防災事業関連契約………………………………………………… 255   (1) 概要……………………………………………………………………………… 255   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 256   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 256   6.上下水道事業部の防災事業関連契約…………………………………………… 260   (1) 概要……………………………………………………………………………… 260   (2) 監査の着眼点並びに監査手続………………………………………………… 261   (3) 監査の結果……………………………………………………………………… 261  第9 指摘及び意見一覧表……………………………………………………………… 262 事件(テーマ):「岐阜市の防災に関する事業について」 第1 監査の概要  1.外部監査の種類    地方自治法第252条の37第1項に基づく包括外部監査  2.監査の対象とした事件名    岐阜市の防災に関する事業について  3.事件の選定理由    平成23年の東日本大震災、平成28年の熊本地震の発生を受け、   防災・危機管理に対する関心は社会的に高まっているといえる。岐阜   市では、南海トラフ地震などにより被害が予測されている。また、全   国的にも台風、異常気象による集中豪雨などの風水害が多く発生して   いる。こうした中、市では、市民の生命・財産を守ることを目標とし   て「岐阜市地域防災計画」を策定した。この「岐阜市地域防災計画」   は「一般対策計画」と「地震対策計画」の両計画から構成されており、   市内の地震災害及び風水害全般に関しての総合的な指針及び対策計画   を定めたものである。市民の生命、身体及び財産を災害から保護し、   被害を最小限に軽減するためには、この計画に定められた災害予防、   災害応急対策及び災害復旧に関する事項を効果的に実施することが重   要となる。    このような状況において、防災に関する事業について、本年度の監   査の対象の事件として選定し、今後の事務の改善に資するような現場   に関する指摘または意見を提言することは、必要かつ有用な包括外部   監査になるものと判断した。  4.監査の対象期間    平成29年度に執行したものとする。ただし、必要があると認めた   ものについては、過年度及び平成30年度分も対象とした。  5.監査従事者    包括外部監査人     諏訪 直樹(公認会計士)    包括外部監査人補助者     山田 晋也(公認会計士)     乾 美恵子(弁護士)     高井 正樹(税理士)     岩井 由紀子(税理士)     若原 幸秋(公認会計士)  6.監査を実施した期間    平成30年6月11日から平成31年2月8日まで  7.外部監査人の独立性(利害関係)    岐阜市と包括外部監査人及び包括外部監査人補助者との関係には、
      地方自治法252条の29の規定により記載すべき利害関係はない。  8.監査の対象機関    防災に関する事業に係る事務を所管する部署、当該事務に関連する   部署等  9.監査の着眼点    防災に関する事業に係る事務について、関係法令、条例及び諸規程   に準拠して行われているか、あるいは、社会通念上著しく適正を欠き   不当と判断される事項はないか、また、事業の成果が十分に発揮され   ているかどうかについて検証を行う。    人命に関係するという防災の性質上、有効性が最も重視されるもの   ではあるが、地方公共団体は最小の経費で最大の効果を挙げなければ   ならないとする観点(地方自治法第2条第14項)も踏まえ、いわゆ   る3E(経済性、効率性、有効性)にかなうものかどうかの視点も持   ちつつ監査を実施する。  10.監査の方法   (1) 監査の実施対象について、関係法令、条例及び諸規程等の確認   (2) 所管部署の担当者に対するヒアリング   (3) 行政計画、予算の執行状況の調査、確認   (4) 関係帳簿及び証拠書類との突合、内部管理資料、契約書等の文     書の閲覧  11.監査意見 ┌──────────┬──────────┬──────────┐ │    指摘    │    意見    │    合計    │ ├──────────┼──────────┼──────────┤ │    6件    │   30件    │   36件    │ └──────────┴──────────┴──────────┘     本報告書において指摘または意見という場合、以下のように区分    している。     指摘:関係法令、条例及び諸規程等の形式的な違反、裁量権の逸        脱などの実質的な違反がある場合、もしくは、実質的な違        反とまでは言えないが、社会通念上、適切でないものであ        り是正すべきもの、またはそれに準じるもの     意見:是正を必ずしも要するものではないが、事業の執行につい        て参考にすべき事項として監査人が市に対して提言するも        の 第2 監査対象の概要  1.岐阜市の防災に関する概要    岐阜市では、明治24年の濃尾地震や、昭和51年の9.12水害   をはじめ、大きな災害にたびたび見舞われた。近年においては、局地   的な豪雨による被害が全国で多発し、また30年以内には、南海トラ   フ巨大地震が70%~80%の確率で発生すると言われている。こうした   中、岐阜市では、「岐阜市地域防災計画」を策定し、災害対策に取り   組んでいる。   (1) 岐阜市地域防災計画      岐阜市地域防災計画は、災害対策基本法第42条の規定に基づき、     岐阜市防災会議が岐阜市の地域に係る災害対策に関し、市の処理     すべき事務又は業務を中心に、防災関係機関と市民の積極的な協     力を含めた総合的な計画を定めたものである。      災害の予防、災害の応急対策及び災害復旧の諸活動の円滑な実     施を図り、市民の生命・身体及び財産を災害から保護するととも     に、災害による被害を軽減し、市民の安全と公共福祉を確保する     ことを目的としている。   (2) 岐阜市の防災組織    ア 岐阜市防災会議      災害対策基本法第16条の規定により、岐阜市の地域に係る地     域 防災計画の作成及びその実施のため、岐阜市防災会議を設置     している。    イ 岐阜市災害対策本部      災害発生時には、災害対策基本法第23条に基づく災害対策本     部 が組織される。    ウ 自主防災組織      大規模な災害が発生したときには、市役所や消防署の力だけで     は、十分な防災活動が行えない。      阪神・淡路大震災のときには、地域の人たちによる救助活動が     非常に大きな役割を果たした。「自分たちの生命・財産は自分で     守る」という地域の人々の連帯意識に基づく自主的な防災活動が     不可欠である。岐阜市には、50の自主防災隊・団が組織されて     いる。    エ コミュニティ防災センター      自主防災組織のリーダーをはじめ、市民に対して、コミュニテ     ィ防災センターの利用を促進することにより、自主防災組織を育     成し、又市民の防災知識の向上に努めている。      なお、地域の実情に応じて、コミュニティ防災センターに自主     防災組織に必要な災害応急対策用資機材を備蓄している。   (3) 岐阜市の災害対策経費  2.監査の対象とした部署    岐阜市の防災に関する事業について、特に関連するであろう以下の   部署を対象として選択した。   (1) 都市防災部   (2) 基盤整備部   (3) まちづくり推進部   (4) 消防本部   (5) 上下水道事業部   (6) 教育委員会 第3 都市防災部  1.避難所・帰宅困難者備蓄品整備事業   (1) 概要      避難所・帰宅困難者備蓄品整備事業については、「岐阜市地域     防災計画(一般対策計画)」第2章第2節防災体制の整備において、
        以下の方針及び実施内容が定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │ 災害応急対策を効率的に実施する際に必要な事前対策を推進するた│ │めに、平常時から防災に関する組織及び活動体制の整備に努める。 │ │〈実施内容〉                         │ │ 2 防災施設、設備等の整備                 │ │   市は、災害応急対策を実施するために必要な施設、設備、資機│ │  材の整備及び備蓄品の充実を図るとともに、その運用が適切に行│ │  えるよう維持管理に努める。                │ │  (8) その他資機材、物資の調達              │ │     市は、災害により損壊した道路河川等の復旧等に必要な資│ │    機材及び業務の継続に必要な食料、飲料水、その他生活必需│ │    物資等の備蓄に努めるとともに、不足する場合の調達を迅速│ │    に行うため、民間との協定の締結を推進するとともに、随時│ │    協定締結者に確認を行うなど調達体制の充実を図る。   │ └───────────────────────────────┘      大規模災害時には、一時的に経済活動(流通)が停止することが     予想され、また、建物被害などによる避難者が多数発生すること     となる。その際、避難生活を良好に保つことは、市の復旧・復興     の力につながる重要な施策であるため、災害用備蓄品の整備をし、     管理・更新している。      また、東日本大震災の教訓から、岐阜市においては南海トラフ     巨大地震により帰宅困難者が多数発生すると予想されている。帰     宅困難者が発生した場合に必要な支援を実施するため、駅周辺施     設に帰宅困難者用備蓄およびそれらの更新を行っている。    ア 方針      公共備蓄、流通在庫の確保等が図られている場合においても、     大規模災害発生時には、調達先の被災、搬送の遅れ等で被災直後     の需要に対応できないことが予想されるため、個人、地域での備     蓄や広域的な応援が必要である。また、被災者の種別、時間の経     過によりニーズは異なり、それぞれに適合する物資の確保が必要     である。そのため、家庭・地域・事業所等での自主的備蓄を推進     するとともに、他市との相互応援協定や関係機関及び保有業者と     の協力体制を整備し、外部支援の時期を想定した最小限の公共備     蓄を行う等により、円滑な食料、物資等の確保を図る。なお、必     要に応じ、緊急輸送に係る調整業務等への運送事業者等の参加、     物資の輸送拠点における運送事業者等を主体とした業務の実施、     物資の輸送拠点として運送事業者等の施設を活用するための体制     整備について準備を進める。    イ 実施内容     (ア) 公共備蓄        市は、公共備蓄の充実を図るとともに、その保管場所とし       て指定拠点避難所及び中学校等に防災資機材倉庫の設置を進       める。     a 食料、飲料水、生活必需品等      (a) 食料、飲料水         被害想定を上回る避難者が発生することも想定し、指        定拠点避難所、中学校等に食料(約41万2千食)、飲料        水(約10万4千リットル)等を備蓄しており、更にその        充実を図るとともに、アレルギー体質などにも考慮した        食料の備蓄に努める。      (b) 生活必需品等         生活必需品として紙おむつ、おしりふき、生理用品等        を備蓄しており、更に女性、乳児、障がいのある人等に        配慮した、生活必需品等の備蓄に努める。     b 防災資機材       指定拠点避難所、中学校、コミュニティ防災センター、消      防署、分署等に救助に必要な防災資機材等を配備しており、      災害時に使用できるよう点検整備を行う。     c テント       コミュニティ防災センター、学校等にテントを備蓄してお      り、災害時に使用できるよう維持管理する。     d 安定ヨウ素剤       原子力災害が発生した際に、市民の内部被ばく抑制に効果      のある安定ヨウ素剤(約17万3千人分)を岐阜市保健所に備      蓄しており、原子力災害時に使用できるよう、管理更新を行      う。     (イ) 物資確保体制の整備        市は、各関係機関や民間事業者と生活物資の確保等に関す       る応援協定を締結するなど、調達から避難所までの輸送体制       の構築及び体制の整備充実に努める。        また、災害時相互応援協定締結都市、各関係機関及び民間       事業者からの円滑な物資支援が受けられるよう、総合防災訓       練への相互参加や意見交換、支援要請訓練の実施などにより、       連携の強化を図る。  (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬────────────────┐ │      着眼点      │      監査手続      │ ├───────────────┼────────────────┤ │ア 災害発生時の必需物資の確保│・災害発生時の必需物資の購入にあ│ │ は計画的に実施されているか │ たり、計画が策定されているか │ │               │・計画が策定されている場合、当該│ │               │ 計画に沿って購入が進められてい│ │               │ るか             │ │               │・策定されている計画は他の自治体│ │               │ で起きた災害等を踏まえたものに│ │               │ なっているか         │ │               │・関係者へのヒアリングの実施  │ ├───────────────┼────────────────┤ │イ 災害発生時の必需物資の備蓄│・災害発生時の必需物資の備蓄管理│ │ 管理は適切におこなわれている│ に基準が設けられているか   │ │ か             │・設けられている基準は必需物資の│ │               │ 品質等を勘案した合理的なものと│
    │               │ なっているか         │ │               │・備蓄される災害用必需物資は他の│ │               │ 自治体で起きた災害等を踏まえた│ │               │ ものとなっているか      │ │               │・備蓄される災害用必需物資の災害│ │               │ 時の配布マニュアルは適切なもの│ │               │ になっているか        │ │               │・期限のある備蓄品の管理処理は適│ │               │ 切なものになっているか    │ │               │・関係者へのヒアリングの実施  │ └───────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果     《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 災害発生時の必需物資の確保は計│ ○  │    │    │ │ 画的に実施されているか     │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 災害発生時の必需物資の備蓄管理│    │    │ ○  │ │ は適切におこなわれているか   │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 災害用備蓄食糧更新計画について      平成29年度に岐阜市が購入した災害備蓄用食糧は以下のとお     りである。      また、平成30年度以降の備蓄食料更新計画は、下記のとおり     である。なお、平成31年度10月以降購入予定分には消費税等     10%を見込んで監査人が算定している。      購入予定数と購入数量に差が生じているが、備蓄食糧更新計画     は全体の備蓄数(食糧)を保存期間の年数で更新数量を算出すると     ともに、1ダース単位等で購入するため誤差が出るという回答で     あり問題無い。      平成29年度以降の更新計画についてであるが、保存飲料水に     ついて平成29年度の購入単価が150円であったが、その後の更     新計画の単価が270円で計算されており、50%以上の差がある      これは、平成29年度の落札業者の誤入札によるものであった。     平成30年度以降の更新計画は各社からの見積金額や納入実績を     参考に算定しているとのことであり、岐阜市の対応に問題はない。    イ 備蓄倉庫等の視察結果      都市防災部では、災害時に備えて、主に小学校単位となる50     の指定拠点避難所に、食料や避難所となる資機材を学校の空き教     室や防災倉庫に備蓄しているほか、南海トラフ巨大地震などの大     規模災害に備え、21か所の中学校にも同様に備蓄している。      また、広域的な災害時に備え、市内8カ所に設置されているコ     ミュニティセンターにも集中的な備蓄として救助資機材等が備蓄     されている。      また、帰宅困難者用の備蓄として、JR岐阜駅の北口駅前広場に     も仮設トイレ等の資機材が保管されている。      それぞれの施設は都市防災部とは所管が異なり、小中学校は教     育委員会、コミュニティセンターは市民参画部、北口駅前広場は     都市建設部であるため、都市防災部ではそれぞれ占用許可を受け     て保管をしている。      災害発生時の必要物資の備蓄管理・保管が適切におこなわれて     いるか確認するため、備蓄品倉庫等を抽出し市役所の担当者同伴     のもと視察をおこなった。      視察対象施設は以下である。      また、視察の際に確認した事項及び結果(○問題なし、△懸念     あり、×問題あり)は以下である。      以下、備蓄倉庫等の視察結果の詳細を記載する。      a  西部コミュニティ防災センターの入口付近には、災害応急       対策用資機材の保管場所である旨の表示がなかった。災害発       生時には、迅速な対応が必要になるため、より多くの人に災       害応急対策用資機材の保管場所を周知していてもらう必要が       ある。扉の外側または、扉付近の外壁付近に標識等を設ける       ことが望ましい(参照写真:(a))。      b  西部コミュニティ防災センターの内部は全体的に整頓され       ており、整然と保管されていた(参照写真:(c))。ただ、一       部岐阜市の管理ではないものが置いてあった(参照写真:       (b))。棚一番上の右に保管されている黄色貯水槽は岐阜市の       管理するものではない)また、棚に置いてあるものが何なの       かを見上げた時に分かりにくいものがあった(参照写真:       (d))。水色のケースには投光器が入っていて側面には内容表       示がされていたが、正面からは分かりづらかった。混乱時に       も素早い判断ができるように、誰にでも分かる内容かつ表示       方法で明記しておくことが望ましい。【意見1】        そして、スコップ・バール等の道具には防災センター保管       のものであることが明記されていなかった。視察をおこなっ       た現場以外の災害用資機材について、市へ確認したところ、       収納するバック、箱等には岐阜市の災害用資機材である旨の       表記がしてあるが、資機材すべてには明記していないとの回       答であった。資機材には、所有者名をはっきりと明記したほ       うがよい(参照写真:(e))。        また、テントが10個保管されていたが、テントの組立て       方の資料が1つ(厚紙にA4用紙貼り付けのもの)しか置いて       なかった(参照写真:(f))。岐阜市の担当者によると平常時       から運動会や訓練等で設置に慣れているとのことであったが、
          災害時には不特定多数の市民が使用することも考えられるた       め、組立て方の順序も記載した資料の数を増やすのが望まし       い。      c  防災センター入口を入ったところに、西部コミュニティ防       災センターの管理物(ごみを含む)が保管されてあった。災害       応急対策用資機材一覧表に記載の無いものを保管していると       混乱が生じる可能性がある。当該センターは比較的面積が広       く、物資保管容量に余裕があったが、やはり災害時に使用す       る資機材の保管場所であるため、災害応急対策用資機材一覧       表に記載の無いもの、緊急時に必要が無いものは置かないほ       うが望ましい(参照写真:(g)(h))。      d  人命救助用人形が2体保管されてあった。災害応急対策用       資機材一覧表にも記載されているものである。これは、災害       救助訓練用のものであり、災害時には使用しないとのことで       あった。すでに年数の経過により使用に適さないものであれ       ば、子供の防災意識啓発のための企画・ゲーム等に活用する       ことを検討することも考えられる(参照写真:(i))。      e  災害応急対策用資機材一覧表に記載されていないコードリ       ールが保管されてあった。以前の備蓄品一覧表を見ると、発       電機に付いていたものと推測される。現在の一覧表にもコー       ドリールが存在することを明記することが望ましい。また、       このコードリールは実際に引き出して点検したことがなく、       実際に使用できるか点検したことがないとのことだった。外       観は使用に差し支えないように見えたが、やはり実際に使用       できるものなのか、問題なく使用できるかを確認しておくこ       とが望ましい(参照写真:(j))。【意見2】      f  当施設には、災害応急対策用資機材として電池式ハンドマ       イク20個を備蓄している。施設内に電池は置いてあったが、       その使用推奨期限が2007年・2008年等とかなり古い       ものであった。別の施設に使用推奨期限内の電池を備蓄して       いるとのことであるが、電池式ハンドマイクを備蓄している       のであれば、同施設内に使用推奨期限内の電池を備蓄するこ       とが望ましい(参照写真:(k)(l))。【意見3】      a  消防本部防災センター(以下、「防災センター」という。)       には、3階・1階・1階倉庫の3か所の備蓄場所がある。3       階には、栄養機能食品・アルファ米・おかゆ、帰宅困難者用       備蓄品の寝袋が保管されてあった。栄養機能食品等について       は食品ということを考え、建物内の温度湿度が比較的保てる       場所に、買換えのことも考慮して種類・購入年ごとに積んで       あり、保管方法に特に問題はなかった(参照写真:(a)(b))。      b  防災センター1階の備蓄品保管場所入口付近は、古い資料       が床に積み上げられていたり、消防本部の管理する災害救助       応援用物資が置かれていたりと、かなり雑然とした状態だっ       た。都市防災部が管理する災害用備蓄品は部屋の奥に積み上       げられており、物資がどこにあるのか一目瞭然とは言えなか       った。災害用備蓄品保管場所に緊急に必要と思われない古い       資料が置かれていることは運搬の妨げになるため、必要な書       類であれば移動することが望ましく、必要のない書類であれ       ば廃棄し、空間を大切にする必要がある。市役所内の部署が       違うと管理も異なり、管理が異なる物資が同じ空間に保管さ       れていると備蓄品の適正な管理や災害時の対応が遅れるなど       弊害が生じる可能性があるため、消防本部が管理する物資と       は明確に区分し、それぞれの部署がお互いに配慮し分かり易       く保管することが望ましい(参照写真:(d)(e))。【意見4】      c  防災センター1階には、以前、防災関連展示施設であった       場所に、保存飲料水・粉ミルク・哺乳瓶が保管されてあった。       保存飲料水は、熊本地震の教訓をふまえ購入した影響で、備       蓄品一覧表記載数量より多く保管されているとのことだった。       今年度中には、一覧表記載数量と一致するとのことだが、一       覧表には正確な数量を記載する必要がある。また、アレルギ       ー対応のものを含む粉ミルクと哺乳瓶も保管されていた。粉       ミルクと哺乳瓶が一緒に保管されていたことは適切な保管・       管理といえる。ただ、哺乳瓶については納入年月日が平成2       4年3月のものであり、業者によると、開封していなければ       消毒し使用可能との回答があったとのことだが、使用保証期       限が5年である以上、安全・衛生的な使用が可能とは考えに       くい。災害発生時には、より弱いものほど極度のストレスを       受けることになる。安心して使用できるものを備え、最大限       の配慮をすることが望ましい(参照写真:(f)(g)(h))。      d  防災センター倉庫には主に資機材が保管されてあった。こ       の場所も消防本部の物資と混在していて、分かり易い保管で       はなかった。(参照写真:(i))また、保管棚の側面には保管       物資の名称が貼られていたが、例えば救急医療セットとの貼       り紙の上部には毛布が保管されていて実際の救急医療セット       には救急箱との貼り紙がされており、貼り紙と実際の置き場       所・備蓄品一覧表記載品目名と貼り紙の名称が一致していな       いものがあったため、置き場所・備蓄品一覧表記載品目名等       の名称の統一を図ることが望ましい(参照写真:(j)(k))。そ       して、備蓄品一覧表によると41個のマイクがあるはずだが、       40個と記載された貼り紙がされていた(参照写真:(j))。       施設全体としては41個あるとのことだが、個数の記載のず       れは紛らわしいため記載事項は統一することが望ましい。      e  防災センター倉庫を入って正面の上方の壁には、かなり昔       の防災センター資機材一覧表が掛けてあった。数字はテープ       隠されていて、現在の数量を表示しようとしていないことは       分かったが、誰にでも分かり易く適切な保管・管理がし易い       ため、現在の保管状況も以前のように上部の分かり易い場所       に品目・数量を掲示することが望ましい(参照写真:(l))。
         a  岐阜駅北口駅前広場には、A階段下倉庫とD階段下倉庫に       帰宅困難者用の備蓄品が保管されてある。A階段下倉庫には、       エアーマットと簡易トイレ用処理袋、D階段下倉庫にはアル       ミブランケットと簡易トイレ・簡易トイレ用テントがそれぞ       れ整然と置かれてあった。物資ごとにまとめて保管されてお       り、それぞれ青いビニールシートにくるみ周りを紐で縛って       あった。物資の箱の底にはブロックが挟んであり通気性等も       考慮されていて、保管・管理方法に問題はなかった。ただ、       借用申請により、既存施設の空間を活用しているため、外側       に帰宅困難者用備蓄品の保管場所である旨の表示は無かった。       外観上備蓄品の場所を明記することで、非常時により迅速な       対応が可能になり、また日常的に備蓄品の文字を目にするこ       とで市民の防災意識を高めることにもつながると考えられる       (参照写真:(a)(b)(c)(d))。      a  長森南小学校には、防災倉庫(コンテナ)・体育館2階階段       を上がった踊り場・東舎1階の3か所に災害用備蓄品が保管       されてある。屋外に設置されている防災倉庫には、投光機や       炊飯装置、リヤカー等の資機材が主に保管されてあった。炊       飯装置は訓練時等に使用していることもあり、清潔な状態で       あり使用可能かどうかも定期的に確認できていて問題なかっ       た。また、平成28年4月に発生した熊本地震の教訓を踏ま       え追加配備した、災害時に重要な情報収集ツールの携帯電話       充電器・車中泊によるエコノミークラス症候群対策として弾       性ストッキング・避難所の口腔ケア対策として歯ブラシが保       管されてあった。他市町村の教訓をもとに対応ができていた       (参照写真:(a)(b)(c)(d))。      b  長森南小学校の体育館2階階段付近保管場所は、階段を上       がった左側に備蓄品が積まれていた。階段を上がった右側は卓       球場になっている。小学校の生徒たちが自由に往来する場所に、       段ボールの箱等を積み上げて備蓄品を置くことは、子供の日常       的な生活に安全ではなく、また災害時には物の置き場が分かり       づらく適切な保管方法とは言えない。同じ場所には管理者不明       のビニール袋や、管理者が異なる災害時分娩セットが置いてあ       った(参照写真:(e)(f)(g))。        体育館2階階段付近に保管されてある簡易トイレは製造年月       日が平成16年・平成21年のものがあった。買い替えは災害       時で使用した場合ということである。使用保証期限は、メーカ       ー側が修理等を保証する期限という意味であり期限が経過して       も使用には問題はないとのことであるが、使用保証期限が10       年という基準があるため無期限に問題なく使用できるとは考え       にくい。一定の期間経過後は買い替えを検討し、更新計画等を       明確にすることが望ましい(参照写真:(h))。      c  東舎1階倉庫は、両側の壁に沿ってかなりの量の物資が積       まれており、中央を人一人がやっと通れるといった状況であ       った。地震が発生した場合は両サイドの箱が倒れ、備蓄品を       運び出すのが困難になる可能性が高い(参照写真:(i))。        東舎倉庫保管の毛布の製造年は平成7年・保証期限は平成       12年となっていた。毛布は暖を取るにも、固い場所で過ご       す際のクッションの役割にも重要なもので、人の肌に直接触       れることになる。真空パックされ、未開封であれば、長期間       使用可能とのことだが、長期間倉庫で段ボールの中に保管さ       れたままのため、衛生面の懸念がある(参照写真:(j))。ま       た、納入年月が平成24年のおむつ、平成26年の生理用品       が備蓄されていた。いずれも使用保証期限は3年であるが、       買い替えは災害等で使用した場合ということである。衛生用       品はあればいいというものではない。衛生的に安全に使えて       こそ備えになる(参照写真:(k)(l))。        当倉庫保管の救急医療セットについては、中に残されてい       たメモによると以前には期限の切れている医薬品が保管され       ている時もあった。定期的に更新を行っているとのことであ       るが、薬品・衛生用品であることを考えると、細心の注意を       必要がある。また、避難所開設セットがあったが、中に入っ       ているマジックが1本で数が少なく、災害時に使用する際、       混乱が生じる可能性があるため適切に配備することが望まし       い(参照写真:(m)(n))。        東舎倉庫の入口付近には、期限切れのアルファ米や消費期       限間近の栄養補助食品が置いてあった。これは、消費期限が       迫ったものを配布用として渡したところ受け取った側が配布       の際余ったため、備蓄品倉庫に置いたものだということであ       った。3か月に一度の点検の際にこのようなものが置いてあ       る場合はやめてもらうように言っているとのことである。備       蓄品だったものを備蓄品倉庫に置くことは安易に考えてしま       いがちだが、配布用とした物資はもはや災害用備蓄品ではな       いため、全く違う管理をされる必要がある。災害時に使用す       る際、混乱が生じる可能性があるため、配布時の周知や点検       等を確実に行うことが望ましい(参照写真:(o))。        当該倉庫は物資であふれていて行き来すらしづらい状況で       あるなか、東舎倉庫の中心付近には60センチほどもある発       電機があった。かなり場所をとっており、移動するにも重さ       があるものであった。これは岐阜市の管理するものではない       とのことであった。食品ではないことを考えると、東舎倉庫       で保管する必要はなく、もし別の組織が災害用資機材として       保管しているのであれば、別の場所で保管してもらうほうが       望ましい(参照写真:(p))。      a  本荘中学校では、中舎2階視聴覚準備室と防災倉庫(コン       テナ)の2カ所に備蓄品が保管されてあった。中舎2階の入       り口の外には、災害用備蓄物資備蓄庫と表示されており、廊       下の壁には災害についての資料が貼ってあった。日常的に防       災意識啓発につながるため、他の小中学校でも実施するとよ       い。備蓄品保管の部屋の鍵の管理者が不在で、鍵がどこにあ       るのかすぐに分からず、開錠するのに時間を要した。分かり       易く管理することが望ましい。室内には、アルファ米・水・       毛布が種類別に積んであり保管状況に問題はなかった。ただ、       広さにはかなりの余裕があり、長森南小学校の物資が詰め込
          まれた状況を考えると、備蓄物資と保管場所の広さと備蓄物       資の保管必要面積の全体的なバランスを再検討することも望       ましい(参照写真:(a)(b))。      b  防災倉庫は、長森南小学校に設置されている防災倉庫とほ       ぼ同じであるが、一部、地元地域の自主防災組織の備蓄品が       保管されてあった(参照写真:(c)(d))。      a  柳津中部防災倉庫は軽量鉄骨造2階建ての倉庫である。内       部には管理者の異なる物資が混在しており、また毛布はかな       り古く衛生上問題がある。防災計画の災害用備蓄品一覧表に       は柳津中部防災施設として備蓄場所が備蓄倉庫・防災倉庫で       備蓄数量が書いてあるが、防災倉庫は柳津中部防災倉庫とは       離れた柳津小学校に置いてあるとのことだった。災害用備蓄       品一覧表・資機材一覧表に備蓄場所の離れたところをまとめ       て一括記載すると混乱が生じるため、詳細に区別して一覧表       を作成することが望ましい(参照写真:(a)(b)(c)(d))。    ウ 食糧品を除く災害用備蓄品の更新について      岐阜市が把握している食糧品を除く備蓄品の使用保証期限・品     質保持期限とその物資の買い替え基準を確認したところ、使用保     証期限があるにもかかわらず、買い替え基準が災害等で使用した     場合となっているものが多数あった。使用保証期限は、メーカー     の保証期限という意味であり、使用できなくなるわけではないと     のことであるが、災害時に確実に使用できるように点検や使用保     証期限・品質保持期限等を参考に更新等を検討することが望まし     い。【意見5】    エ 災害用備蓄品の定期的な点検とその報告に対する対応について      備蓄品点検は嘱託職員により実施されており、その結果を下記     の平成29年度の点検実施結果報告書により確認した。      1事業年度に4回点検が実施されているが、3か所の場所にお     いて1回目の異常内容が4回連続で異常内容として報告されてい     るが、異常を確認しながらも何ら対応がされていない。さらに、     1カ所(芥見小)においては異常内容が増えている。      コミュニティセンターについての点検実施報告書については、     2回目に発電機の異常を確認しているにもかかわらず、その後     も修理がされることなく同じ報告が続けられていた。代替機が     あり実質的には問題無いが、異常を認識したら、早急に対応す     ることが望ましい。    オ 防災用資機材の入出庫管理について      防災用資機材は下記条件において借りることができる。     (ア) 借用は、市内在住で営利を目的としない地域活動の団体と        する。     (イ) 借用可能な防災資機材は、原則としてテント、リヤカー及        びハンドマイクとする。ただし、防災訓練にて使用の場合は、        全ての資機材が借用可能とする。     (ウ) 借用の期間は、原則として3日以内とする。     (エ) 借用後は、元の場所へ返却すること。テントが濡れた場合        は、乾燥後に返却すること。     (オ) 万一、破損等が生じた時は、遅滞なくその旨を都市防災部        へ報告し、申請者の責任で修理・修繕を行い、元の状態にし        て返却すること。       借りる場合は、防災用資機材の借用申請書に必要事項を記載し      て提出するのであるが、過去の書類を確認してみたところ、申請      受付日や返却確認日の記載がないものがあった。適正に管理する      ことが望ましい。    カ 備蓄品更新日程について      市は、消費期限の迫った備蓄物資は各連合会・各小中学校等へ     防災訓練用として配布している。災害用備蓄品のうち消費期限の     迫った粉ミルクの更新についてであるが、防災用備蓄粉ミルクの     配布は平成30年3月8日・9日であり、仕様書によると新たな     購入の納入期限は平成30年3月16日となっている。3月8日     から15日までに災害が発生した場合、粉ミルクが不足する可能     性を考えたが、市によると仕様書については納入期限であるため     納入が行われる日時ではなく、落札業者と納入日を調整後に各保     育所・保育園と調整を行うため一時的にも備蓄が不足することは     ないとのことである。    キ 備蓄品のメーカー・種類選定について      岐阜市では災害用備蓄品として乳幼児用粉ミルクを備蓄してい     る。各メーカーの粉ミルクの成分は似ているものの、それぞれ特     徴があり、乳幼児によって体に合わないものがある。災害時にお     いてもできるだけ飲み慣れたミルクで授乳できることが最善であ     る。アレルギー対応のものとそうでないものという区分だけでは     なく、通常のミルクについても1つのメーカーに固定することな     く、数種のメーカーの粉ミルクを備蓄しておくことが望ましい。      そして、岐阜市では缶入りミルクのみ備蓄しているが、キュー     ブ状・スティック状の粉ミルクのほうが、ミルクを作るときに計     量する必要がなく、普段ミルク作りに慣れていない者も簡単に調     乳することができるため、缶入りミルクだけではなく個別包装さ     れたキューブ状・スティック状のミルクも備蓄することが望まし     い。      また、乳児用液体ミルクの国内の製造・販売は2018年に解     禁になったばかりであるが、2011年の東日本大震災、201     6年の熊本地震や2018年の西日本豪雨の際に支援物資として     海外製液体ミルクが送られ、被災地の人たちに非常に喜ばれたよ     うである。粉ミルクは調乳用の白湯や哺乳瓶を用意する必要があ     るが、液体ミルクはその必要がない。今後は液体ミルクの備蓄も     考えていくことが望ましい。      また、帰宅困難者用備蓄品には乳幼児用ミルクは含まれていな     い。市によると帰宅困難者用備蓄品は一時的な滞在を目的に備蓄     しているものであり、乳幼児など配慮が必要な場合は避難所に行     くことになっているとともに、必要な場合は集中備蓄のミルクで     対応するとのことである。粉ミルクの備蓄を考えると、白湯や哺     乳瓶の用意も考えないといけなくなるため、国内の液体ミルクの
        製造販売の普及を待つことなく、液体ミルクを最低限数準備して     おくことが望ましい。    ク 備蓄品のデータ管理の必要性      災害用備蓄食糧、資機材点検記録簿を確認したところ、保存飲     料水が平成30年4月1日現在528本あるはずが、記録簿には     44箱(8本/箱)352本となっていた。平成29年度には購入     による納入記録はないため、平成30年4月1日までに購入によ     り増えることは無い。記録簿の8本/箱は誤りであり、12本/箱     の記載が正しい。記録簿の内容を確認するとともに、ミスのない     入力を行う体制づくりが必要である。      さらに、現時点の防災情報システムには、災害時に各避難所か     ら支援物資の要請をする機能はあるが、備蓄品の管理機能はない     とのことである。備蓄品管理機能を防災情報システムに統合して     一元管理することにより、より効率的な管理が行えると考える。    ケ 期限の迫った災害用備蓄食糧品の有効活用について      賞味期限の迫った食糧については、概ね賞味期限が1年を下回     る時期に更新することとしており、更新する備蓄品の納入時に旧     水道庁舎に移動し、小中学校の防災教育や50地区の防災訓練等     に提供していて期限切れ備蓄物資の処分廃棄は無いとのことであ     る。      自主防災隊へはあらかじめ数量を決め送付するという方法によ     り災害用備蓄食糧等の提供がおこなわれている。その提供を案内     する文書であるが、「提供品の中に不要なものがありましたら、     担当まで御連絡ください」となっている。一部の自主防災隊は数     量より多く提供を受けているが、これはすべての隊長が集まる協     議会や地域防災訓練の計画時に担当職員が調整しているため不平     等は生じていないとのことであるが、場合によっては記載数量よ     り多く送付可能である旨を文書に記載することが望ましい。      ここで、フードバンク(市場に流通させることができない余剰     食品を蓄え分配することから、食べ物の銀行)と呼ばれる、食品     企業の製造工程で発生する規格外品などを引き取り、福祉施設等     へ無料で提供する団体・活動がある。自主防災隊及びフードバン     クへの提供数は次項の表のとおりである。      フードバンクへの提供数の全体に占める割合が、おかゆ16%・     クラッカー45%・栄養補助食品6%・飲料水22%となっていた。     自主防災隊への配布は一部数量に差があるもののほぼ平均的にな     っているが、小中学校については17校とかなり利用校が少ない。     他市町村では、下記のような試みがされている。     (ア) 防災の日の給食は、アルファ米と炊き出し用の鍋を想定し        た豚汁、シロップ漬けのみかん、飲み物は保存水。そして、        おやつは防災用の乾パン。(参照:太陽の子保育園HP)     (イ) 防災の日に合わせ、給食で災害時用のレトルトカレーを出        した。カレーは学校給食センターに備蓄されているもの。各        家庭での保存食の備蓄のやり方などを学んだ後、生徒たちが        カレーの封を開けてご飯と味わった。(参照:毎日新聞)      フードバンクへの提供は食糧品の廃棄を避けられるため認容で     きることではあるが、備蓄品は市民の税金で購入した物資である     ことから、フードバンクへの提供を安易に選択すべきではなく最     終手段と考えることが望ましい。防災に関する授業や給食に取り     入れる等、防災教育への活用と防災意識向上のために、災害用備     蓄食糧品の有効利用を考えていくことが望ましい。      また、平成27年度から平成29年度の災害用備蓄品粉ミルク     配布状況は次項の通りである。      平成27年度から平成29年度の災害用備蓄品粉ミルク配布状     況を確認したところ、1歳未満を受け入れている保育所を対象に     各保育所に調査を実施し配布数を調整しているとのことであり問     題はなかった。    コ 各地域の相互協力体制について      災害発生時、被災地へ被災していない別の市内地域から資機材     を移動して使用すること(各地域の相互協力体制の有無)について、     市へ確認したところ、水害、土砂災害、地震などの災害種別や地     域性などに応じて移動させて有効に使用することとしているとの     回答を得た。しかし、マニュアル等は整備されていないとのこと     である。岐阜市内のすべての地域が同時に被災する確率は低く、     それぞれの地域(自主防災隊等を含む)が発電機等の資機材を備蓄     していることを考えると、市内の備蓄資機材の相互有効活用方法     を確立しておくことは、岐阜市の防災力を向上させる。利用規約     やマニュアルなどを整備しておくことが望ましい。    サ 物資確保等に関する協定内容の定期的な確認について      物資確保等に関する協定について市に確認したところ、協定先     と実際におこなわれた協議の実施年月日とその内容は下記のとお     りである(平成29年度以前実施のもの直近より5件)。定期的な     協議は行っていないが、年度当初に人事異動による連絡先の交換     や、総合防災訓練の合同説明会、訓練内容の協議、訓練の実施な     どにより、顔の見える関係を構築しており、連絡先や担当者等に     変更があった場合は、随時通知を受け毎年10月に実施している     総合防災訓練の合同説明会の際に確認している。物資確保等に関     する協定内容(品目の適切性・協定先等)の見直し等の検討の実施     については、総合防災訓練に参加してもらい実行性を確保し、必     要に応じて見直しを行うこととしているとの回答を得た。      また、上記協定のほか物資に関する協定には下記がある。      上記のうち、ぎふ農業協同組合(岐阜市農業協同組合)・生活協     同組合コープぎふ・イオン株式会社中部カンパニー(締結当時の     名称)については、覚書・協定・協定書において円滑な推進のた     めに定期的に協議を行うものとするとしている。しかし、市によ     ると定期的な協議は行われていない。ただし、毎年の総合防災訓     練に協定先として参加していただいており、その際に意見交換を
        行っているため、実質的には問題がないとのことであるが、覚     書・協定・協定書にうたってある定期協議も織り交ぜ、より連携     を図っていただきたい。  2.自主防災組織運営・資機材整備等助成   (1) 概要       自主防災組織運営・資機材整備等助成については、「岐阜市地      域防災計画(一般対策計画)」第2章第5節自主防災組織の育成と      強化において、以下の方針及び実施内容が定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │ 大規模災害が発生した場合には、防災関係機関の活動の遅延、阻害│ │が予想されるため、「みんなの地域はみんなで守る」という地域の │ │人々のコミュニティ連携意識に基づく、自主的な防災活動が実施され│ │るよう、自主防災組織の重要性について認識を広め、自主防災組織の│ │育成強化を促進する。                     │ │〈実施内容〉                         │ │ 7 防災資機材の整備                    │ │   市は、自主防災活動に必要な資機材を、各コミュニティ防災セ│ │  ンター等に配備している。                 │ │   なお、一部資機材については、各地域の小学校等指定拠点避難│ │  所に分散配備している。                  │ └───────────────────────────────┘      岐阜市では、自主防災組織による自主的な防災活動を行うこと     により、地震その他の災害に対する対応能力を養成し、応急対策     に万全を期し、地域の秩序と住民福祉の確保を図るため、岐阜市     自主防災組織連絡協議会および各地域の自主防災組織に対し補助     金を交付している。    ア 方針     大規模災害が発生した場合には、防災関係機関の活動の遅延、     阻害が予想されるため、「みんなの地域はみんなで守る」という     地域の人々のコミュニティ連携意識に基づく、自主的な防災活動     が実施されるよう、自主防災組織の重要性について認識を広め、     自主防災組織の育成強化を促進する。    イ 実施内容     (ア) 自主防災組織づくり        現在、50の自主防災隊(団)が組織されている。市は、防       災計画、地域防災コミュニティ計画の作成支援及び防災訓練       等の指導を行い、その育成強化を推進するとともに、地域の       実情に応じた防災資機材等の整備に努める。また、自治会加       入を促進し、組織の強化を図るとともに、多様な世代が参加       できるような環境を整備するよう努める。      a  組織の規模        組織的な活動を円滑に行うため、市民生活の基礎的な地域       として一体性を有する自治会連合会等を単位とする。      b  災害時の組織の編成及び分担任務       (a) 総括情報班 情報の収集及び伝達、災害広報       (b) 消・水防班 消・水防活動、出火防止の広報       (c) 救助救護班 負傷者の救助、救護       (d) 避難誘導班 避難誘導、危機箇所等の把握       (e) 避難行動要支援者支援班 避難行動要支援者の安否          確認、その他支援       (f) 給食給水班 炊出し、給食救援物資の配分の協力       (g) 市民消火班(隊) 初期消火、避難路の確保、延焼防止、          生活用水の確保      c  平常時の役割       (a) 防災意識の向上及び防災知識の普及に関すること       (b) 災害予防に関すること       (c) 防災訓練、防災研究会等の実施に関すること       (d) 消火、水防資機材、避難誘導用具の整備に関すること       (e) 非常食等の備蓄指導、防災資機材の取扱いに関すること       (f) 高齢者、障がい者、負傷者などの避難行動要支援者の          把握に関すること       (g) その他防災上必要な事項     (イ) 各自主防災組織の防災計画等の策定        各自主防災組織は、災害時の活動を迅速、的確に行うため、       防災計画及び地域防災コミュニティ計画を策定し、随時見直       しを図る。なお、当該計画が、災害対策基本法第42条第3       項における「地区防災計画」としての性格を併せ持つ場合、       当該計画を地区防災計画として市に提案することができる。        市は、地区防災計画の提案を受け、必要があると認めると       きは、本計画に地区防災計画を記載する。        また、災害時に避難行動要支援者の支援を円滑に実施する       ため、各地域で協議会等を設置し、避難行動要支援者の支援       行動マニュアルを策定する。     (ウ) 防災リーダーの育成        市は、自主防災組織のリーダーを中心に、地域防災指導員       研修会や防災士育成支援事業を実施し、防災知識及び技術の       向上をはかることにより、自主防災組織の活動を充実させ、       地域防災力の向上を図る。その際、避難所の運営にも男女の       視点を取り入れ、避難者一人ひとりのニーズを把握し細やか       な支援を行うため、女性のリーダーの育成にも努めるものと       する。また、災害奉仕団に対して、その構成員が自主防災組       織のリーダーとして活動できるよう、地域防災指導員研修会       等への参加を促進する。     (エ) 自主防災組織の現況        岐阜市における自主防災組織の編成状況は以下である。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌──────────────┬────────────────┐ │     着眼点      │      監査手続      │ ├──────────────┼────────────────┤
    │ア 自主防災組織への助成は計│・自主防災組織への助成にあたり、│ │ 画的に実施されているか  │ 計画が策定されているか    │ │              │・計画が策定されている場合、当該│ │              │ 計画に沿って進められているか │ │              │・関係者へのヒアリングの実施  │ ├──────────────┼────────────────┤ │イ 自主防災組織への助成の実│・自主防災組織への助成に基準が設│ │ 態把握は適切におこなわれて│ けられているか        │ │ いるか          │・設けられている基準は合理的なも│ │              │ のとなっているか       │ │              │・自主防災組織への助成の成果は把│ │              │ 握できているか        │ │              │・関係者へのヒアリングの実施  │ └──────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 自主防災組織への助成は計画的に│    │    │ ○  │ │ 実施されているか        │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 自主防災組織への助成の実態把握│    │    │ ○  │ │ は適切におこなわれているか   │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 近年、多くの災害が起きており、災害対応に重要な自助・共助     を強化するには、自主防災組織の人材・組織が取り扱う資機材を     充実させることが重要であり、そのためには補助金の交付継続が     必要なため、市は今後も自主防災組織への助成に予算を確保して     いく方針である。自主防災組織への補助はおこなわれてきている。     岐阜市の防災力を強固にするには、共助の底力となる自主防災組     織への助成は不可欠であり、今後も継続する必要があると考える。      補助金の交付金額は、国勢調査による世帯数をもとに算出する     方法によるもので、地域ごとに補助金額に差が生じている。平成     29年度の補助金実績では、最も高い地域が428,000円で低い地     域が155,000円であり、273,000円の差があった。補助金交付要     綱によると、補助金で防災資機材や収納庫の整備等が可能となっ     ているが、世帯数の地域差で補助金額に差が生じるため、補助金     の金額が少なくなる地域では一定額以上の高額になる資機材につ     いて購入しづらい。一定額以上の資機材の購入については、防災     活動に関する補助金とは区別して、地域格差が広がらないように     補助を考えることが望ましい。【意見6】      補助金の交付は、岐阜市自主防災組織強化対策補助金要綱に基     づき交付されている。前金払により、交付金額を下回った場合は     補助金との差額を返納することになっているが、過去に返納した     事例は無い。すべての組織が毎年、補助金交付金額を上回る支出     をしていることになる。各地区への補助金は次項のとおりである。      補助金の使い方を考える際、必要なものは何かを考えることは     重要ではあるが、予算消化ありきで、必要のないものを購入する     といったような無駄な支出をしないよう指導することが望ましい。     【意見7】    イ 自主防災組織が市へ提出した補助事業等実績報告書をみると、    購入金額が高額の以下の資機材がある。      岐阜市としては、補助金交付要綱に基づいて適正な内容かどう     か確認を行い、交付対象団体から事前相談(補助金の使用内容や     書類の作成方法等)を受けつけているほか、申請書提出時に適正     な使用内容かどうかチェックしているとのことだが、自主防災隊     が購入した物資について、岐阜市はその後どのような管理をされ     ているのか把握していない。      また、自主防災組織が購入した資機材は、購入した自主防災組     織が管理すること、購入した自主防災組織の所管である旨の記載     をすることの義務付けはされていない。これでは補助金で購入し     たものが、実際に補助金を受けている自主防災組織の防災活動に     使用されているのか明確ではない。各防災隊が作成している備品     管理表等の提出を求め、また自主防災隊がどのような管理をして     いるのかを、毎年、何隊かの自主防災隊を無作為に選び、市が実     際に確認を行うことが望ましい。市のそのような不定期のチェッ     クがあることで、自主防災隊の備品管理に緊張感が生まれ、補助     金の適正かつ有効活用につながる。【意見8】      補助金を受けた自主防災組織連絡協議会・自主防災隊は、補助     事業等実績報告書を市へ提出する。市はこの報告書の内容を確認     する際、領収書等の提出は求めていない。たしかに、岐阜市自主     防災組織強化対策補助金交付要綱によると、領収書等の確認まで     求められていない。しかし、報告書の記載事項に誤りがないかは     報告書の記載金額を見ただけでは確証が得られるものではなく、     補助金の適正な使用を見届けるには、一定額以上の用途について     は領収書の写しの提出または領収書の確認を行うことが望ましい。     【意見9】      なお、岐阜市自主防災組織強化対策補助金交付要綱(一部抜粋)、     及び岐阜市補助金等交付規則(平成10年岐阜市規則第55     号)(一部抜粋)は以下の通りである。     (ア) 岐阜市自主防災組織強化対策補助金交付要綱(一部抜粋)       (第5条)        規則第15条の規定による実績報告は、事業の完了後遅滞       なく提出するものとする。       (第7条)        補助金の交付に係る手続については、規則第16条及び第       18条第2項の規定は、適用しない。     (イ) 岐阜市補助金等交付規則(平成10年岐阜市規則第55
          号)(一部抜粋)       (第12条)        補助事業者は、補助事業に係る経費の収支の状況を明らか       にした書類、帳簿等を常に整備しておくとともに、補助事業       等が完了した年度の翌年度以後5年間保存しておかなければ       ならない。       (第16条)        市長は、補助事業等の完了又は廃止に係る補助事業等の成       果の報告を受けた場合においては、報告書等の書類の審査及       び必要に応じて行う現地調査等により、その報告に係る補助       事業等の成果が補助金等の交付の決定の内容及びこれに付し       た条件に適合するものであるかどうかを調査し、適合すると       認めたときは、交付すべき補助金等の額を確定し、補助金等       確定通知書(様式第5号)により当該補助事業者に通知しなけ       ればならない。      自主防災組織連絡協議会も自主防災隊も補助事業等実績報告書     を提出する。自主防災隊は自主防災組織連絡協議会負担金を自主     防災組織連絡協議会へ支払う。ここで、自主防災隊が作成する補     助事業等報告書について確認したところ、記入すべき箇所に必要     な記載がされていない項目があった。今後、市は自主防災体から     提出された補助事業等実績報告書を確認し、適切に作成するよう     指導することが望ましい。【意見10】  3.防災士育成支援事業   (1) 概要      防災士育成支援事業については、「岐阜市地域防災計画(一般     対策計画)」第2章第5節自主防災組織の育成と強化において、     以下の方針及び実施内容が定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │ 大規模災害が発生した場合には、防災関係機関の活動の遅延、阻害│ │が予想されるため、「みんなの地域はみんなで守る」という地域の │ │人々のコミュニティ連携意識に基づく、自主的な防災活動が実施され│ │るよう、自主防災組織の重要性について認識を広め、自主防災組織の│ │育成強化を促進する。                     │ │〈実施内容〉                         │ │ 3 防災リーダーの育成                   │ │   市は、自主防災組織のリーダーを中心に、地域防災指導員研修│ │  会や防災士育成支援事業を実施し、防災知識及び技術の向上を図│ │  ることにより、自主防災組織の活動を充実させ、地域防災力の向│ │  上を図る。その際、避難所の運営にも男女の視点を取り入れ、避│ │  難者一人ひとりのニーズを把握し細やかな支援を行うため、女性│ │  の防災リーダーの育成に努めるものとする。         │ │   また、災害奉仕団に対して、その構成員が自主防災組織のリー│ │  ダーとして活動できるよう、地域防災指導員研修会等への参加を│ │  促進する。                        │ └───────────────────────────────┘      岐阜市では、熊本地震で発生した課題等を踏まえ、地域がより     主体的に避難所運営や救護活動等を円滑かつ迅速に実施できるよ     う、地域の防災リーダーとして必要な知識や技術を身につけた防     災士を、各地域で育成支援する取組みを進めている。      防災士は、阪神・淡路大震災の教訓の伝承と市民による新しい     防災への取り組みを推進することを目的として、日本防災士機構     が主催し、平成15年に誕生した。平成29年には、およそ13     万人が防災士となっており、関心・注目を集めている資格である。     多くの自治体が住民個人に対して防災士資格取得費用・防災士教     本代・受験料・認定手続料について助成・負担している。      一方、現状では防災士の資格は民間資格であり、防災関係の仕     事で必要条件とされるものでなく、就職・転職等で大きい評価を     受けられることもそれほど期待できるものでもない。地域の防災     組織として消防団等が存在するところ、なぜ防災士の資格取得を     支援するのか、防災士に期待するのはどのようなことであり、そ     の活躍を市としてどのように導いていこうとしているのかを監査     する。(参照:日本防災士機構HP等)    ア 目的      岐阜市では、災害時に、「行政」が迅速に応急・復旧対応に従     事できるよう、各地域の自主防災組織による主体的行動を推進す     るため、防災についての専門的な知識を持つ「防災士」の育成に     努めている。    イ 実施内容      防災士資格の取得に必須となる、研修会(座学・グループワー     ク・救命救急講習)及び資格取得試験を実施する。      研修会の運営、資格取得試験の開催手配については、専門事業     者へ委託している。      会場の提供、受講者の募集については、岐阜市でおこなってい     る。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │ア 防災士育成支援は計画的に実施│・防災士育成支援にあたり、計画が│ │ されているか         │ 策定されているか       │ │                │・計画が策定されている場合、当該│ │                │ 計画に沿って進められているか │ │                │・関係者へのヒアリングの実施  │ ├────────────────┼────────────────┤ │イ 防災士育成支援は実効性を考え│・防災士育成支援に基準が設けられ│ │ ておこなわれているか     │ ているか           │ │                │・設けられている基準は合理的なも│ │                │ のとなっているか       │ │                │・防災士育成支援事業の成果は把握│ │                │ できているか         │ │                │・関係者へのヒアリングの実施  │ └────────────────┴────────────────┘
      (3) 監査の結果      《監査結果の概要》 ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 防災士育成支援は計画的に実施さ│ ○  │    │    │ │ れているか           │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 防災士育成支援は実効性を考えて│    │    │ ○  │ │ おこなわれているか       │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 岐阜市は、市内の各地域において地域災害対策の要となる防災     士の育成を支援することとし、その防災士育成支援事業は業務委     託によりおこなわれている。委託を受けた者は、講師を派遣し、     特定非営利活動法人日本防災士機構が実施する「防災士資格取得     試験」の受験のために必要な講座を開催することになる。平成2     9年度は、計画通り実施され、防災士育成研修会の受講者は50     名、防災士資格合格者も50名(男性49名・女性1名)であった。     なお、平成30年度は、防災士育成研修会の受講者は47名、防     災士資格合格者は46名(男性38名・女性8名)である。      防災士育成支援事業の実施状況は計画通りに進められており、     問題ない。     (ア) 防災士育成支援事業      a 防災士育成支援の対象者       各地域の自主防災組織(50組織)から推薦を受けた者とする。      b 支援内容       (a) 資格取得に必須となる2日間の専門研修会を委託して         実施       (b) 資格取得試験の開催を手配      c 平成29年度実施内容       (a) 7月29日 会場研修9:00~18:30          1時限目~7時限目 講習       (b) 7月30日 会場研修及び試験9:00~18:10          1時限目~6時限目 講習          7時限目 防災士資格取得試験    イ 防災士育成支援事業への参加を性別でみると、以下となってい     る。      女性の比率が平成29年度は2%、平成30年度は増えている     ものの16%と低くなっている。所属団体、役職別では、自主防災     組織顧問・公民館主事・婦人会会長・女性防火クラブ会長・幼稚     園園長等であり、男性の所属団体等より多岐にわたっている。地     域がより主体的に避難所運営や救護活動等を円滑かつ迅速に実施     できるよう、地域の防災リーダーとして必要な知識や技術を身に     つけた防災士の育成を支援することを目的としていることを考え     ると、性別・職種への配慮が望ましい。    ウ 所属団体等のなかに消防団である者が96名中19名(約     19%)、水防団という者が2名(約2%)含まれている。以前から     地域の防災組織として消防団・水防団が存在するうえに、あえて     平成29年度から防災士育成支援事業を開始したのである。とい     うことは、防災士が消防団員や水防団員と違う役割を担うことを     期待していなければならないはずである。消防団・水防団は災害     発生時・発生危険時に防災減災の役割を担う非常勤の特別職公務     員である。ゆえに、消防団や水防団は行政にあたることになる。     岐阜市では、災害時に、「行政」が迅速に応急・復旧対応に従事     できるよう、各地域の自主防災組織による主体的行動を推進する     ため、防災についての専門的な知識を持つ「防災士」の育成に努     めているのであるが、防災士は「行政」が迅速に応急・復旧対応     に従事できるように育成支援されるものであるから、消防団員・     水防団員を支援対象者とすることは「行政」を支援することにな     り、自主防災組織による主体的行動を推進することにならず、目     的を達成しにくくなる。多くの市民が防災へ関心を持ちやすくす     るため、防災士育成支援対象者は、各地域の自主防災組織(50     組織)から推薦を受ける者とされているが、できる限り幅広い分     野の市民が推薦されるような配慮が望まれる。    エ 防災士育成支援事業で資格を取得した者の年齢及び性別は以下     となっている。      現時点の人数は、平成29年度50名・平成30年度46名の     計96名であり、資格取得者の登録年齢は14歳から75歳とな     っており、その平均年齢は60歳である。防災士の資格取得には     年齢制限はない。日本防災機構では、研修内容が基本的に成人を     想定していること、試験があること、救命救急講習があること、     防災士に期待される一般的な社会的役割等を考えると中学生以上     が望ましいとしている。14歳では若すぎるのではないかとも考     えられるが、幅広い年齢層が防災についての専門的な知識を持つ     ことは緊急時により柔軟な対応が期待できること、若い年齢の者     に意識喚起をすることは周囲に与える影響がより大きいことを考     えると、14歳でも支援対象にする意味は十分ある。自主防災組     織からの推薦者という枠組みとは別に、少年消防クラブ等へも積     極的に防災士資格取得支援を広げることも検討することが望まし     い。    オ 岐阜市では平成30年12月まで防災士育成支援事業により資     格取得した者に対し、資格取得後の定期的な研修等は行っていな     かった。平成29年度に資格取得した者は1年以上、岐阜市の支     援を受け資格取得したものの何も研修等を受けることなく過ごし     ていたことになる。岐阜市が何を期待して防災士の資格取得支援     をしたのかを、しっかりと定期的に伝えていかなければ、ただ資     格を取得しただけにとどまってしまう可能性がある。せっかく防     災士適任の保証を受けた人材の活躍を岐阜市として活用していく     機会を逃さないためにも、支援後の積極的な研修等の開催を行う
        ことが望ましい。【意見11】      平成30年12月2日には、はじめて意見交換会が開催される     ということであるが、合格者96名中参加申込があったのは29     名であった。現在の参加率は30%であるが、今後はより参加率が     上がっていくことが望ましい。  4.避難所表示看板設置更新事業   (1) 概要       避難所については、「岐阜市地域防災計画」第2章第6節 避      難対策において、以下の方針及び実施内容が定められている。 ┌────────────────────────────────┐ │〈方針〉                            │ │ 災害が発生し、又は発生するおそれがある場合、市民は、速やかに │ │安全な場所に避難することが必要であるため、避難路の安全を確保  │ │し、避難誘導体制の整備を図る。その際、屋内待避(上階への移動を │ │含む)の考え方等、避難行動に関する留意点の周知を併せて行う。ま │ │た、住宅の倒壊等により、長期にわたり避難生活を余儀なくされる事 │ │態が予測されるため、避難所における良好な生活環境の確保に努め  │ │る。                              │ │〈実施内容〉                          │ │ 5 指定緊急避難場所                     │ │   市は、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合における │ │  住民等の安全な避難先を確保するため、災害種別ごとに安全性等 │ │  の一定の基準を満たす施設又は場所を、指定緊急避難場所として │ │  指定し、図記号を用いた看板の設置等により地域住民への周知徹 │ │  底を図る。                         │ │   また、防災公園の整備等、指定緊急避難場所の充実を図るとと │ │  もに、災害時の施設開放責任者をあらかじめ定めるなど、管理体 │ │  制を整備する。                       │ │   自主防災組織や単位自治会は、避難所への組織的な移動を円滑 │ │  に行うため、あらかじめ、指定緊急避難場所等の中から、集合場 │ │  所を定めておくよう努める。                 │ │   なお、状況によっては、指定緊急避難場所への立ち退き避難は │ │  かえって命に危険を及ぼしかねない場合もあるため、必要に応  │ │  じ、近隣の安全な場所への避難や、少しでも命が助かる可能性の │ │  高い避難行動として屋内安全確保を行う必要があることに留意す │ │  る。                            │ └────────────────────────────────┘ ┌────────────────────────────────┐ │ 6 広域避難場所                       │ │   災害により地域全体が危険になった場合に避難する場所をい  │ │  い、概ね次の基準による。                  │ │  ア 面積は、概ね10ヘクタール以上の空地等であること。     │ │  イ 大火輻射熱を考慮し、周囲の木造密集度に応じて木造地域から │ │   適当な間隔があること。                  │ │  ウ 広域避難場所内の木造建築物の割合は、総面積の2%未満であ │ │   り、かつ散在していること。また、多量の危険物等が貯蔵され │ │   ていないこと。                      │ │  エ 大規模ながけ崩れや浸水等の危険がないこと。        │ │  オ 大火輻射熱を考慮し、純木造密集市街地から300メートル以  │ │   上、建ぺい率5%程度の疎開地では200メートル以上、耐火建築物 │ │   からは50メートル以上離れていること。           │ │  カ 避難者の安全を図るために消防用水、飲料水等の整備及び応急 │ │   救護所として利用できる建築物の確保が図れること。     │ │ 7 指定避難所等                       │ │   市は、公共施設の中から被災者が一定期間避難生活を送るため │ │  の指定避難所を指定し、看板の設置等により地域住民に周知徹底 │ │  を図るとともに、良好な避難所生活を過ごせるよう、環境の整備 │ │  に努める。指定避難所は、指定緊急避難場所と兼ねることができ │ │  ることとし、その指定について、一定の基準を設けるとともに、 │ │  避難所施設の管理について、指定管理者制度を導入している場合 │ │  は、迅速に避難所を開設できるよう契約する。         │ │   市は、避難所に指定する公共施設等のバリアフリー化、マンホ │ │  ールトイレ等災害用トイレの整備、トイレの洋式化など避難所施 │ │  設の充実を進めるうえにおいて、要配慮者にも配慮した避難所施 │ │  設の整備を図る。                      │ └────────────────────────────────┘ ┌────────────────────────────────┐ │  (1) 指定避難所                      │ │    被災者の滞在のために必要となる規模、速やかな被災者の受 │ │   け入れ及び生活物資の配布、想定する災害の影響、災害救援物 │ │   資の輸送等を考慮の上策定した指定基準に基づき、指定避難所 │ │   を指定する。                       │ │  (2) 指定拠点避難所                    │ │    指定避難所のうち、被災者の受け入れ及び支援の拠点となる │ │   施設を各地域において1箇所選定し、災害用備蓄食料、簡易ト │ │   イレ、発電機、携帯電話の充電器等避難生活に必要な物資の備 │ │   蓄を進める。                       │ │  (3) その他の避難可能施設                 │ │    市は、指定避難所以外に、災害時に被災者の受け入れが可能 │ │   な民間施設の確保に努める。                │ │    確保する施設は、指定避難所の指定基準を準用し選定する。 │ │  (4) 福祉避難所                       │ │    一般的な指定避難所では生活に支障をきたす要配慮者のため │ │   に、円滑な利用を確保するための措置が講じられ、相談等の支 │ │   援を受けることができる体制が整備されている社会福祉施設等 │ │   を、地域や障がいの特性にも配慮のうえ、覚書を締結し指定す │ │   る。                           │ │    なお、市は、福祉避難所への円滑な避難者の受け入れを図る │ │   ため、福祉避難所の開設訓練及び運営マニュアルの策定、必要 │ │   な物資の備蓄を行う。                   │ │    また、福祉施設に限らず、宿泊施設等の要配慮者を受け入れ │ │   可能な施設の確保に努めるものとする。           │ └────────────────────────────────┘   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │                │・避難所等の指定に必要な条件を定│
    │ア 避難所等の指定に必要な条件が│ めているかを確認       │ │ 適切に設定されているか    │・避難所等の指定条件を定めた文書│ │                │ を閲覧            │ ├────────────────┼────────────────┤ │イ 指定された避難所等が必要な条│・避難所等の指定に際し、必要な条│ │ 件を満たしているか      │ 件を満たしていることを確認した│ │                │ 文書を閲覧          │ ├────────────────┼────────────────┤ │ウ 想定される災害に対し必要な避│・被害想定による避難者数を確保で│ │ 難所等が確保されているか   │ きるよう避難所を指定できている│ │                │ かを確認           │ ├────────────────┼────────────────┤ │エ 避難所表示看板の表示ルールは│・市の避難所表示看板の表示ルール│ │ 国等の基準に従っているか   │ が国等の基準と整合しているかを│ │                │ 確認             │ ├────────────────┼────────────────┤ │オ 避難所表示看板の維持管理は適│・避難所表示看板の維持管理方法を│ │ 切に行われているか      │ 確認             │ ├────────────────┼────────────────┤ │カ 避難所表示看板設置更新に係る│・契約事務に関連する資料を閲覧 │ │ 契約等が、入札ルールに従い実施│・入札ルールに従い実施されている│ │ されているか         │ かを確認           │ ├────────────────┼────────────────┤ │キ 今後の避難所表示看板の修繕・│・作成された修繕・更新計画を閲覧│ │ 更新が適切な時期に実施される計│・修繕・更新計画について、現状把│ │ 画を作成しているか      │ 握している実績等から変更の必要│ │                │ がないかを確認        │ └────────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌────────────────────────────────┐ │4.避難所表示看板設置更新事業                 │ ├─────────────────┬──────────────┤ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 避難所等の指定に必要な条件が適│ ○  │    │    │ │ 切に設定されているか      │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 指定された避難所等が必要な条件│    │    │ ○  │ │ を満たしているか        │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ 想定される災害に対し必要な避難│    │ ○  │ ○  │ │ 所等が確保されているか     │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │エ 避難所表示看板の表示ルールは国│ ○  │    │    │ │ 等の基準に従っているか     │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │オ 避難所表示看板の維持管理は適切│ ○  │    │    │ │ に行われているか        │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │カ 避難所表示看板設置更新に係る契│    │    │    │ │ 約等が、入札ルールに従い実施され│ ○  │    │    │ │ ているか            │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │キ 今後の避難所表示看板の修繕・更│    │    │    │ │ 新が適切な時期に実施される計画を│    │    │ ○  │ │ 作成しているか         │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 指定避難所の指定条件の判定      指定避難所を指定するにあたり、岐阜市において定めた「岐阜     市避難所指定基準」により、「規模」「構造」「設備」「災害対     応」「輸送」の5項目ごとに基準を満たしているかを判定してい     る。      ここで、直近に指定したスポーツ交流センター(岐阜市曽我屋     1丁目145-1)及び岐阜市もえぎの里多目的体育館(岐阜市     柳津町下佐波西1丁目41番地)について、上記5項目を判定し     た資料を閲覧、及び「地域防災計画(一般対策計画)」の指定避難     所一覧にある各施設の災害種別ごとの影響結果、次項のとおりで     あった。     (ア) スポーツ交流センターについては、*1のとおり、指定        基準の判定において火災による延焼の危険性が低いか否か        の検討が行われていないにもかかわらず、災害種別ごとの        影響については、火災災害の場合に避難可能な施設として        いる。     (イ) もえぎの里多目的体育館については、まず*2の輸送に        関する項目について、判定がなされていないにもかかわら        ず、避難所に指定している。さらに、*3については(ア)        と同様、火災による延焼の危険性が低いか否かの検討が行        われていないにもかかわらず、災害種別ごとの影響につい        ては、火災災害の場合に避難可能な施設としている。         これについて市に確認したところ、市では各施設の判定        項目について、地域防災計画の指定避難所一覧に掲載する        にあたり、上記(ア)及び(イ)を別途資料にて検証している        とのことであり、当該資料にて、判定項目を満たしている        ことが検証できた。しかし、市として判定項目を最終的に        満たしていることをとりまとめた資料はないとのことであ        った。         避難所は被災者が一定期間避難生活を送るためのもので        あり、安全に過ごせる場所を提供するものであるから、指        定にあたっての判定過程は、様式を定めたうえで判断根拠        となる資料とともに、整理して保管されるよう検討された        い。【意見12】
       イ 岐阜市地域防災計画(一般対策計画)における災害想定      岐阜市地域防災計画(地震対策計画)では、平成28年度におい     て岐阜市として「災害被害想定調査」を行い、南海トラフの巨大     地震及び岐阜県において調査されている内陸直下型の地震で、岐     阜市に最も影響が大きい養老─桑名─四日市断層帯地震について     被害想定を実施し反映されている。      一方、岐阜市地域防災計画(一般対策計画)において想定する災     害は、台風、集中豪雨等異常降雨、航空機事故、鉄道事故、道路     事故、原子力災害及び放射性物質漏洩、危険物の爆発等、可燃性     ガスの拡散、有毒ガスの拡散、林野火災、大規模な火災等、各種     想定されているが、被害想定は台風及び水害のみを想定している。     そして、台風については昭和34年の伊勢湾台風、水害について     は昭和51年の9.12豪雨といった過去に経験した災害に基づ     き被害想定している。      風水害については、特に家屋の被害が多いが、住宅等の状況は     想定する災害発生時に比べ変化していることが十分考えられるこ     とから、風水害についても今後発生しうる災害に基づく被害想定     を調査すべきである。【指摘1】    ウ 避難所の収容人員の不足      岐阜市が平成29年度において指定する避難所等について、岐     阜市地域防災計画(一般対策計画)では収容人員は以下となってい     る。      岐阜市地域防災計画(一般対策計画)では避難所生活者数の記載     がないものの、岐阜市地域防災計画(地震対策計画)が想定する     「災害被害想定調査」における避難者予測の結果によると、以下     となっている。     (ア) 建物被害による避難者         避難者の予測は、地震によって家屋が全半壊あるいはその        後の火災によって焼失した世帯の人口を対象とした。室崎ら        (1996)による神戸市内震度7地域の住民へのアンケート        調査より、翌日避難する人は前回住宅で100%、半壊住宅で        50.3%、軽微または被害なし住宅で36.2%との調査結果をもと        にした内閣府(2003)の手法を参考に、以下のように設定        した。     (イ) 断水による避難者         兵庫県南部地震をはじめとする過去の被害地震では、ライ        フラインの停止や余震等による住家被害を避けるため、住家        の損壊が著しくない場合でも避難所へ集まる人が多かった。        阪神・淡路大震災以降の都市住民の意識調査より、断水が続        いた場合、発災4日後で約91%の住民が限界と感じ、避難所        へ避難する人は65%、避難所以外へ避難・疎開する人は35%で        あるとして避難所生活者数を予測した内閣府の手法に従い、        4日後の避難所生活者を予測した。         ライフラインは発災後、復旧活動が行われ断水率は低下し        ていくが、本調査ではこれを見込まず、発災直後と同じ条件        として算定した。     (ウ) 各避難者予測結果         (ア)(イ)による市全体の断水による避難者数は以下となる。     (エ) 避難所収容人員の過不足状況         避難者数と、避難所等の収容人員との比較した結果は以        下である。      ここで、上記に関して市の方針を確認したところ、南海トラフ     の巨大地震に伴う建物被害による避難者数を基礎として防災政策     を実施しており、さらにその過程で、建物被害による避難者数を     上回る避難者数の発生も念頭におき、避難所を確保しているとの     ことであった。また、断水による避難者については、既存の避難     所で可能な限り受け入れ、それでも不足する部分は、住民等への     啓発等によりできるだけ避難所生活者を減らすように努めている     とのことであった。      しかし、避難所生活者として、断水による避難者が上記予測の     とおり発生する可能性は十分に考えられることから、住民等への     啓発等だけでなく、避難所等の指定をさらに増やすことにより避     難所収容人数の増加に努めるべきである。【指摘2】    エ 防災事業に係る情報管理      防災事業に係る主な情報について、岐阜市における管理部局は     以下のとおりである。 ┌──────────┬──────────┐ │  防災関連情報  │  情報所管部署  │ ├──────────┼──────────┤ │人口情報      │企画部       │ ├──────────┼──────────┤ │建築物情報     │まちづくり推進部  │ ├──────────┼──────────┤ │指定避難所等    │都市防災部     │ ├──────────┼──────────┤ │道路        │基盤整備部     │ ├──────────┼──────────┤ │河川        │基盤整備部     │ ├──────────┼──────────┤ │急傾斜地崩壊危険区域│基盤整備部     │ ├──────────┼──────────┤ │橋梁        │基盤整備部     │ ├──────────┼──────────┤ │歩道橋       │基盤整備部     │ ├──────────┼──────────┤ │トンネル      │基盤整備部     │ ├──────────┼──────────┤
    │消防署       │消防本部      │ ├──────────┼──────────┤ │上下水道      │上下水道事業部   │ └──────────┴──────────┘      このように、防災事業に関連する情報は多岐にわたり、また所     管部署も複数に分かれており情報管理も個別に行われている。      しかし、これらは、防災事業を検討するうえではすべて地図上     での検討が欠かせない情報であり、さらに言えば、地図上での一     元的な管理を行うことができるものである。      ここで、全国的にも先進的な岐阜県の取り組みとして、「岐阜     県地域統合型GIS(地理情報システム)」がある。GISとは、     デジタル化された地図上で、種々の情報と地図とを座標をキーと     して結び付け、コンピュータ上でそれらを統合的に処理すること     により様々な形態で表現し、解析・集計を容易にする情報システ     ムである。岐阜県はこのようなシステムを「岐阜県地域統合型G     IS」として、県のみならず市町村も統合した県域レベルで実現     しようとするものであり、県及び県内各市町村が利用するデータ     のうち、複数の部署が利用するデータを県及び各市町村が共有で     きる形で整備し、利用していく県域横断的なシステムを目指した     ものである。      岐阜県では、この「岐阜県地域統合型GIS」の利用は、特に     防災、災害対策の業務においては次の分野での効率化・高度化が     期待されるとしている。その期待される内容は以下であり、岐阜     市においてもこのシステムを活用することを検討されたい。     【意見13】    オ 避難所表示看板の更新計画      岐阜市は、平成27年度より避難所表示看板を順次更新してお     り、担当者にヒアリングしたところ、平成32年度(2020年     度)までに市内全ての更新が完了する予定であるとのことであっ     た。      一方、避難所表示看板については、平成28年3月23日にお     ける内閣府事務連絡「災害種別図記号による避難場所表示の標準     化の取組について」により、耐用年数は4年~10年程度とあり、     現在の更新後も、新たな更新に伴うコストが必要となる。      現状、更新計画の策定は予定されていないが、将来にわたり一     定のコストが継続的に発生することから、他の事業と同様コスト     意識を持つよう更新計画の策定が望まれる。【意見14】  5.市民消火隊用小型動力ポンプ更新事業   (1) 概要    ア 市民消火隊      市民消火隊については、「岐阜市地域防災計画」第2章第5節     自主防災組織の育成と強化において、以下の方針及び実施内容が     定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │ 大規模災害が発生した場合には、防災関係機関の活動の遅延、阻害│ │が予想されるため、「みんなの地域はみんなで守る」という地域の │ │人々のコミュニティ連携意識に基づく、自主的な防災活動が実施され│ │るよう、自主防災組織の重要性について認識を広め、自主防災組織の│ │育成強化を促進する。                     │ │〈実施内容〉                         │ │ 1 自主防災組織づくり                   │ │   現在、50の自主防災隊(団)が組織されている。市は、防災│ │  計画、地域防災コミュニティ計画の作成支援及び防災訓練等の指│ │  導を行い、その育成強化を推進するとともに、地域の実情に応じ│ │  た防災資機材等の整備に努める。また、自治会加入を促進し、組│ │  織の強化を図るとともに、多様な世代が参加できるような環境を│ │  整備するよう努める。                   │ │  (1) 組織の規模                     │ │     組織的な活動を円滑に行うため、市民生活の基礎的な地域│ │    として一体性を有する自治会連合会等を単位とする。   │ │  (2) 災害時の組織の編成及び分担任務           │ │                               │ └───────────────────────────────┘      上記、〈実施内容〉1自主防災組織づくり(2)における市民消     火班を、岐阜市の「市民消火隊運営要綱」において、地域住民に     より結成された自主防災組織の市民消火班を『市民消火隊』と称     し、その運営について定めている。    イ 市民消火隊の役割      市民消火隊の役割については、「市民消火隊運営要綱」におい     て、以下のように定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │(役割)                           │ │ 2 市民消火隊は、消防水利及び小型動力ポンプを使用し、大規模│ │  地震発生時の初期消火活動、避難路の確保及び延焼防止並びに生│ │  活用水の確保にあたるものとする。             │ └───────────────────────────────┘    ウ 小型動力ポンプの運用      市民消火隊が地域に配備された小型動力ポンプ等の運用に関す     る事項については、「市民消火隊小型動力ポンプ等運用要領」に     以下のように定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │ 3 市民消火隊は、大規模地震発生時に地域内で火災が発生し、消│ │  防機関の到着が遅れると予想される場合及び避難所等における生│ │  活用水が不足する場合には、配備された小型動力ポンプ等を運用│ │  して初期消火活動、避難路の確保及び延焼防止並びに生活用水の│ │  確保にあたるものとする。                 │ └───────────────────────────────┘    エ 市民消火隊用小型動力ポンプ更新事業      上記(1)概要のとおり、岐阜市は自主的な防災活動が実施さ     れるよう、市内65の市民消火隊に対して各1台の小型動力ポ     ンプを配備している。      岐阜市は、過去より小型動力ポンプの更新を行っており、以
        下の方針のもと今後も更新事業を予定している。 (方針)     ア 更新期間:15年     イ 更新単価:1,000千円(税込)/1台     ウ 更新計画   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │ア 小型動力ポンプの更新に係る │・契約事務に関連する資料を閲覧 │ │ 契約等が、入札ルールに従い実 │・入札ルールに従い実施されてい │ │ 施されているか        │ るかを確認          │ ├────────────────┼────────────────┤ │イ 今後の小型動力ポンプの更新 │・作成された更新計画を閲覧   │ │ が適切な時期に実施される計画 │・更新計画について、現状把握し │ │ を作成しているか       │ ている実績等から変更の必要が │ │                │ ないかを確認         │ └────────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌──────────────────┬──────────────┐ │                  │     監査結果     │ │       着眼点        ├────┬────┬────┤ │                  │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 小型動力ポンプの更新に係る契約等│    │    │    │ │ が、入札ルールに従い実施されている│ ○  │    │    │ │ か                │    │    │    │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 今後の小型動力ポンプの更新が適切│    │    │    │ │ な時期に実施される計画を作成してい│ ○  │    │    │ │ るか               │    │    │    │ └──────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     監査手続を実施した結果、特に問題となる事項はなかった。  6.岐阜市地域防災計画の修正   (1) 概要       岐阜市地域防災計画の修正については、「岐阜市地域防災計画      (一般対策計画)」第1章第1節計画の目的・性質等において、以      下のように定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │第4項 計画の修正                       │ │ 岐阜市防災会議は、災害対策基本法第42条第1項の規定に基づ   │ │き毎年検討を加え、同法第34条の規定により、中央防災会議が定め │ │る「防災基本計画」及び原災法第6条の2第1項の規定により、    │ │原子力規制委員会が定める「原子力災害対策指針(平成24年10月  │ │31日制定)」、国、県の助言、又は、市の体制、組織等の見直し等に│ │より修正の必要があると認めるときは、これを修正し、効果的かつ効│ │率的な防災対策が実施されるよう努める。            │ └───────────────────────────────┘    ア 計画の目的      岐阜市地域防災計画は、災害対策基本法(昭和36年法律第2     23号)及び原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第15     6号)に基づき、岐阜市防災会議が岐阜市の地域に係る災害の対     策に関し、市の処理すべき事務又は業務を中心にして、防災関係     機関と市民の積極的な協力を含めた総合的な計画を定め、災害の     予防、災害の応急対策及び災害復旧の諸活動の円滑な実施を図り、     市民の生命、身体及び財産を災害から保護するとともに災害によ     る被害を軽減し、もって社会秩序の維持と公共福祉の確保を図る     ことを目的としている。      災害は、時として人知を超えた猛威をふるい、多くの人命を奪     うとともに、地域及び市民の財産に甚大な被害を与えてきた。災     害の発生を完全に防ぐことは不可能であるが、計画を上回る災害     が発生しても、その効果が粘り強く発揮できるよう、衆知を集め     て効果的な災害対策を講じるとともに、市民一人ひとりの自覚及     び努力を促すことにより、できる限りその被害の軽減を図ること     を目的としている。    イ 計画の性質      岐阜市地域防災計画は、「一般対策計画」編と「地震対策計画」     編の両計画をもって構成するものとし、「水防法(昭和24年法     律193号)に基づく「岐阜市水防計画」とも十分な調整を図る     としている。      この計画の国土強靭化に関する部分は、強くしなやかな国民生     活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法     (平成25年法律第95号)に基づき作成する、国土強靭化地域     計画を指針とするものとする。このため、国土強靭化に関する部     分については、国土強靭化地域計画の基本目標を踏まえ、防災対     策の推進を図る。      「一般対策計画」は、風水害等災害に対し、岐阜市及び防災関     係機関の防災業務の実施責任を明確にし、かつ、関係機関相互の     緊密な連絡調整を図るため必要な基本的大綱を示すものであり、     災害発生時に講ずべき対策等を体系的に整理したその実施細目     (マニュアル)等については、更に関係機関において別途具体的     に定める。      「一般対策計画」は、関係機関がそれぞれの立場において実施     責任を有するものであり、関係機関は、平素から研究、訓練、そ     の他の方法によりこの計画の習熟に努めるとともに、市民に対し     この計画の周知を図り、計画の効果的な運用に努める。    ウ 計画の構成      「一般対策計画」は、災害対策基本法第42条第2項各号に掲     げる事項について、次の構成により定める。      第1章 総則
         第2章 災害予防      第3章 災害応急対策      第4章 災害復旧    エ 計画の修正      岐阜市防災会議は、災害対策基本法第42条第1項の規定に基     づき毎年検討を加え、同法第34条の規定により、中央防災会議     が定める「防災基本計画」及び原子力災害対策特別措置法第6条     の2第1項の規定により、原子力規制委員会が定める「原子力災     害対策指針(平成24年10月31日制定)」、国、県の助言、     又は、市の体制、組織等の見直し等により修正の必要があると認     めるときは、これを修正し、効果的かつ効率的な防災対策が実施     されるよう努める。      このような計画のもと、災害対策基本法の規定に基づいて毎年     見直しを行うために、防災関係機関に対して修正箇所等について     意見を求める依頼を発信し、岐阜県県土整備部・危機管理部・環     境生活部・県警察本部からの意見や、岐阜地方気象台の意見など     を取り入れて、岐阜市防災会議にて岐阜市地域防災計画の改正に     ついて議論している。      平成29年度の岐阜市防災会議において議論された結果、市が     推進しようする防災対策を位置づけるもの、国計画等を反映する     もの、県計画と整合を図るもののとして大きく10項目について     改正された。      改正された内容は次のとおりである。     (ア) 防災体制の整備      a 関係機関と連携強化関係(追記)      b 庁舎等の非構造部材等の耐震対策(新規)      c 災害対策本部の一元的な情報把握、共有(新規)      d 南海トラフ地震に関連する情報発表時の対応(新規)      e 復旧職員のストレス対策(新規)     (イ) 防災思想・知識の普及      a 普及啓発を図る具体的事項(追記)      b 水害に係るリスク及び知識を周知する際の留意点(新規)     (ウ) 物資等確保対策      a 物資輸送に係る体制の整備充実(修正)      b 応援配水の実施(追記)     (エ) 情報の伝達・収集      a 防災行政無線の落雷対策(追記)      b MCA無線の配置箇所の追加(修正)      c 特に正確な情報収集に努めるべき情報(追記)     (オ) 避難対策      a 避難勧告等の実施体制の全庁的な確保(追記)      b 関係機関からの助言を受ける体制の整備(追記)      c 要配慮者利用施設における避難対策強化(修正)      d 避難確保計画策定推進に係る市の体制(新規)      e 避難勧告等の発令時の留意点(追記)     (カ) 要配慮者・避難行動要支援者対策      a 避難行動要支援者名簿情報の適切な管理(追記)      b 食料供給時の配慮(新規)     (キ) 危険箇所対策      a 流木対策(新規)      b 立地適正化計画による土地利用の誘導及び規制(追記)      c 大規模盛土造成地の調査(新規)     (ク) 建築物及び宅地対策      a 耐震化促進事業の追加(追記)      b 宅地危険度判定体制(追記)      c 各種調査の違いに関する説明(新規)     (ケ) 廃棄物処理      a 協定による体制の確保(新規)      b 国、県による処理の代行(新規)     (コ) 被災者支援      a 被災者支援制度をまとめた冊子の事前作成(新規)      b 被災者台帳の積極的な作成(修正)    オ 関連法令等      災害対策基本法(抜粋)      第34条(防災基本計画の作成及び公表等)       中央防災会議は、防災基本計画を作成するとともに災害及び      災害の防止に関する科学的研究の成果並びに発生した災害の状      況及びこれに対して行なわれた災害応急対策の成果を勘案して      毎年防災基本計画に検討を加え、必要があると認めるときは、      これを修正しなければならない。     2 中央防災会議は、前項の規定により防災基本計画を作成し、      又は修正したときは、すみやかにこれを内閣総理大臣に報告し、      並びに指定行政機関の長、都道府県知事及び指定公共機関に通      知するとともに、その要旨を公表しなければならない。      第42条(市町村地域防災計画)       市町村防災会議(市町村防災会議を設置しない市町村にあっ      ては、当該市町村の市町村長。以下この条において同じ。)は、      防災基本計画に基づき、当該市町村の地域に係る市町村地域防      災計画を作成し、及び毎年市町村地域防災計画に検討を加え、      必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。      この場合において、当該市町村地域防災計画は防災業務計画又      は当該市町村を包括する都道府県の都道府県地域防災計画に抵      触するものであってはならない。     2 市町村地域防災計画は、おおむね次に掲げる事項について定      めるものとする。      (1) 当該市町村の地域に係る防災に関し、当該市町村及び当        該市町村の区域内の公共的団体その他防災上重要な施設の        管理者の処理すべき事務又は業務の大綱      (2) 当該市町村の地域に係る防災施設の新設又は改良、防災        のための調査研究、教育及び訓練その他の災害予防、情報        の収集及び伝達、災害に関する予報又は警報の発令及び伝        達、避難、消火、水防、救難、救助、衛生その他の災害応        急対策並びに災害復旧に関する事項別の計画      (3) 当該市町村の地域に係る災害に関する前号に掲げる措置        に要する労務、施設、設備、物資、資金等の整備、備蓄、        調達、配分、輸送、通信等に関する計画
         岐阜市防災会議条例(抜粋)      第2条(所掌事項)       防災会議は、次に掲げる事務をつかさどる。      (1) 岐阜市地域防災会議を作成し、及びその実施を推進する        こと。      (2) 市長の諮問に応じて市の地域に係る防災に関する重要事        項を審議すること。      (3) 前号に規定する重要事項に関し、市長に意見を述べるこ        と。      (4) 前3号に掲げるもののほか、法律又はこれに基づく政令        によりその権限に属する事務      第3条(会長及び委員)       防災会議は、会長及び委員をもって組織する。     2 会長は、市長をもって充てる。     3 会長は、会務を総理する。     4 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員がそ      の職務を代理する。     5 委員は、59人以内とし、次に掲げる者をもって充てる。      (1) 指定地方行政機関の職員のうちから市長が任命する者      (2) 岐阜県の知事の部内の職員のうちから市長が任命する者      (3) 岐阜県警察の警察官のうちから市長が任命する者      (4) 市長がその部内の職員のうちから市長が任命する者      (5) 教育長      (6) 消防長      (7) 指定公共機関又は指定地方公共機関の職員のうちから市        長が任命する者      (8) 自主防災組織を構成する者又は学識経験のある者のうち        から市長が任命する者      第5条(幹事)       防災会議に幹事若干人を置く。     2 幹事は、防災会議の委員の属する機関の職員のうちから市長      が任命する。     3 幹事は、防災会議の所掌する事務について、委員及び専門委      員を補佐するものとする。      岐阜市防災会議委員及び幹事      a  会長        岐阜市長      b  1号委員        中部地方整備局木曽川上流河川事務所長、防災情報課長       (幹事)、中部地方整備局岐阜国道事務所長、管理第一課保全       対策官(幹事)、岐阜森林管理署長、地域統括森林官(幹事)、       中部運輸局岐阜運輸支局長、運輸企画専門官(幹事)、岐阜地       方気象台長、防災管理官(幹事)      c  2号委員        岐阜県危機管理部岐阜地域危機管理監、岐阜地域防災対策       監(幹事)、岐阜土木事務所長、副所長(幹事)、      d  3号委員        岐阜中警察署長、警備課長(幹事)、岐阜南警察署長、岐阜       北警察署長、岐阜羽島警察署長      e  4号委員        岐阜市副市長、岐阜市市長公室長、広報広聴課長(幹事)、       岐阜市企画部長、総合政策課長(幹事)、岐阜市財政部長、       岐阜市行政部長、行政課長(幹事)、岐阜市工事検査室長、岐       阜市商工観光部長、商工観光政策課長、岐阜市農林部長、農       林政策課長、岐阜市市民生活部長、岐阜市福祉部長、福祉政       策課長(幹事)、岐阜市子ども未来部長、岐阜市健康部長、       岐阜市市民病院事業局長、岐阜市自然共生部長、岐阜市環境       事業部長、岐阜市都市防災部長、都市防災政策課長(幹事)、       岐阜市まちづくり推進部長、まちづくり推進政策課長(幹事)、       岐阜市都市建設部長、都市建設政策課長(幹事)、岐阜市基盤       整備部長、基盤整備政策課長(幹事)、岐阜市上下水道事業部       長、上下水道事業政策課長(幹事)、岐阜市市民参画部長、市       民参画政策課長(幹事)、岐阜市薬科大学事務局長、岐阜市女       子短期大学事務局長、岐阜市議会事務局長      f  5号委員       岐阜市教育長、教育政策課長(幹事)      g  6号委員       岐阜市消防長、消防総務課長(幹事)      h  7号委員       日本赤十字社岐阜県支部事務局長、事業推進課長(幹事)、      東海旅客鉄道株式会社岐阜駅長、西日本電信電話株式会社岐阜      支店長、設備部長(幹事)、東邦ガス株式会社岐阜営業所長、岐      阜導管課長(幹事)、中部電力株式会社岐阜営業所長、配電運営      課長(幹事)      i  8号委員       陸上自衛隊第35普通科連隊長、第3科長(幹事)、岐阜市水      防協会長、岐阜市消防協会長、岐阜市医師会長・副会長(幹事)、      岐阜市歯科医師会長・理事(幹事)、岐阜市薬剤師会理事・常務      理事(幹事)、一般社団法人岐阜県LPガス協会岐阜支部長、防      災部会長(幹事)、一般社団法人岐阜土木工業会理事長・理事      (幹事)、一般社団法人岐阜県建築工業会副会長、一般社団法人      岐阜県石油商業組合理事長・常務理事(幹事)、ぎふ農業協同組      合代表理事・組合長・総務課長(幹事)、岐阜市自主防災組織連      絡協議会長、女性防火クラブ運営協議会会長、岐阜市社会福祉      協議会常務理事・副主幹(幹事)、岐阜市赤十字奉仕団委員長   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │ア 岐阜市地域防災計画の修正はど│・防災会議議事録の確認     │ │ のように実施されているか   │・修正内容の確認        │ │                │・関係者へのヒアリングの実施  │ └────────────────┴────────────────┘
      (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌──────────────────┬──────────────┐ │                  │     監査結果     │ │       着眼点        ├────┬────┬────┤ │                  │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 岐阜市地域防災計画の修正はど  │    │    │ ○  │ │ のように実施されているか     │    │    │    │ └──────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】      岐阜市地域防災計画は、平成30年2月27日の岐阜市防災会     議幹事会、同年3月27日の岐阜市防災会議を経て改正されたが、     会議録によると、2月27日の幹事会においても、3月27日の     岐阜市防災会議においても、事務局からの説明のみで、その他出     席者からの意見もなく30分程度で終了している。事前に意見の     取りまとめをしているから当日の会議において意見が出ないかも     しれないが、上記に示したように各方面での専門家が日々の業務     に忙しいなか参加している場において何も発言がないことから判     断すると、防災会議そのものが充実した会議になっているのかを     検討する余地がある。      また、会議の時間においては、長ければそれだけで良い会議と     は言えないものの、30分程度で事務局からの説明のみで終了し     ているとなると、それは単なる説明会であって会議ではないとい     われてもおかしくない。各方面から発言できる会議の雰囲気づく     りも検討しながらより一層充実した防災会議の運営を期待したい。      近年における東日本大震災、九州北部豪雨などの大規模災害を     通して、行政として災害時に何ができたかということよりも、何     ができなかったのかという体験(職員の人員配置計画、避難所の     あり方、ボランティアの受け入れ体制の整備、テレビ・新聞等で     は報道されていない行政内での対応等)を、これまで以上に情報     収集することで、災害後のシミュレーションをイメージした岐阜     市地域防災計画につなげることが必要である。南海トラフ地震な     どの将来の災害について予測することは困難なことであるが、災     害が発生したときにいかにして市民を守るのかについての議論は、     近隣の地域で災害が起きた時だけでなく、常日頃から続ける必要     がある。      また、岐阜市地域防災計画については岐阜市のホームページ上     でも公開されているためいつでも市民の目に触れることができる。     一般市民の中にも地域環境や災害に対して詳しい市民もいると思     われるので、岐阜市地域防災計画の修正項目についての意見も積     極的に受け付けて、それらも勘案しながら岐阜市防災会議を開催     し、より活発的な会議と市民目線も考慮した岐阜市地域防災計画     を策定するほうが望ましい。【意見15】  7.岐阜市総合防災安心読本の取り扱い状況   (1) 概要       岐阜市総合防災安心読本の取り扱い状況については、「岐阜市      地域防災計画(一般対策計画)」第2章第3節防災思想・防災知識      の普及において、以下の方針及び実施内容が定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │ 災害による被害を最小限に食い止めるためには、市民一人ひとり │ │が、日頃から「自らの生命は自ら守る」、「みんなの地域はみんなで│ │守る」という基本理念と正しい防災知識を身につけ、食料、飲料水の│ │備蓄など、平素から災害に対する備えを心掛けることが必要であるた│ │め、あらゆる機会を通じて市民の防災意識の向上を図る。また、超広│ │域災害や、複数の災害の同時発生の可能性があり、これに備える必要│ │性があることについても啓発する。市は、防災対策に係る地域の合意│ │形成の促進のため、防災に関する様々な情報や各種データを分かりや│ │すく配信する。なお、外国人に対しては、言語の違いに配慮するとと│ │もに、地域において乳幼児、重病者、障がい者、高齢者、妊婦等の要│ │配慮者を支援する体制が整備されるよう普及啓発を図る。     │ │〈実施内容〉                         │ │ 1 地域住民に対する普及                  │ │   市民が、正しい知識と判断を持って行動できるよう、パンフレ│ │  ット、各種ハザードマップ、チラシ等の配布、防災センターの展│ │  示教育設備の利用、地震体験車の利用、防災に関する講習会、展│ │  示会、研修等の開催、ラジオ(コミュニティFM等)、テレビ、│ │  新聞、広報誌、ホームページ掲載等を通じた広報や災害図上訓練│ │  (DIG)の普及促進等により、災害予防、災害応急対策等の知│ │  識の普及啓発に努める。                  │ │   なお、洪水ハザードマップ、地震ハザードマップ、内水ハザー│ │  ドマップ、土砂災害ハザードマップを統合した防災読本を作成、│ │  配布し、市民の防災意識の向上に努める。          │ └───────────────────────────────┘      これまでは、地震ハザードマップ、洪水ハザードマップ、内水     ハザードマップ、土砂災害ハザードマップを修正のたびに作成・     配布してきたが、各家庭での保管に繋がっていない現状や、サイ     ズ、縮尺、体裁が異なっており自分の地域の特徴が把握しにくい     との問題があったため、各種ハザードマップを統合して冊子化し     て、各家庭での保管、活用につなげてもらう目的で平成27年度     に作成し、平成28年3月に全戸配布された。      読本の構成としては、災害対策編(災害発生時の、各災害(地震     災害対策、台風・大雨対策、土砂災害対策、その他災害対策)ご     との注意点、取るべき行動を記載)、日常の対策編(日ごろからで     きる防災対策(情報の入手方法、避難の準備、家庭でできる防災     対策、地域防災、応急手当、災害時の生活術、被災者支援制度コ     ラム)について記載)、ハザードマップ(地域ごとに想定される被     害やそれぞれの地域の避難施設を記載)となっている。これらの     地震ハザードマップ(建物倒壊危険度マップ・液状化危険度マッ     プ)、洪水ハザードマップ、内水ハザードマップ、土砂災害ハザ     ードマップ)については、各地域の河川等の状況にあわせて記載     されている。      作成数量については、次項の図の通り世帯数、事業所数に転入     者及び予備を勘案した部数を印刷している。
      (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │ア 岐阜市総合防災安心読本のPR│・当初印刷部数と在庫の確認   │ │ ができているか        │・防災意識のPR方法の確認   │ │                │・関係者へのヒアリングの実施  │ └────────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 岐阜市総合防災安心読本のPR │    │    │ ○  │ │ ができているか         │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】      作成された岐阜市総合防災安心読本の在庫について確認したと     ころ次項の図のようになった。業務委託契約により全戸配布を行     った後は、都市防災部、市民課、各事務所窓口において、希望者、     転入者等へ配布したり、出前講座において配布し講座に活用した     り、防災関係企画展示時に会場(メディアコスモス、ハートフル     スクエアG)に設置するなどして随時配布してきた。平成30年     4月の時点で約44,000冊の在庫がある(次項の図参照)が、     これらの今後の利用については、市民の防災意識を高めるような     PR法を検討しなければならない。      近年増えつつある外国人に災害の危険や避難の必要性を伝える     ときや、外国人が日本人市民に災害状況を尋ねるときにスムーズ     な意思疎通が必要となるため、外国語表記をどうすべきかが今後     の検討課題となる。岐阜市総合防災安心読本には、資料末尾に災     害時用の外国語指さし会話集が、英語・中国語・韓国朝鮮語・タ     ガログ語・ポルトガル語で表記されており、緊急の時は役立つも     のと思われる。他の言語に対応しなくて良いのかといった問題も     あるが、表記がありすぎると冊子のページ数が増えることでの予     算的な問題が懸念され、多すぎて何が書いてあるのかわからない、     といったことにもなりかねないから慎重に判断しなければならな     い。現在、岐阜市総合防災安心読本は岐阜市のホームページ上で     公開されているので、このホームページのさらなる有効活用を検     討して、最大の効果ができるような周知を検討すべきである。      この冊子の中には、災害時の我が家のルールといったシートも     入っている。いざという時のために、各家庭のルールづくりをし     て日頃から話し合うことを大事にしてもらうことを促し、各方面     からの防災知識の普及に対して役立つ情報が掲載されていること     は確認できる。      しかしながら、岐阜市が市政モニターを対象に行ったアンケー     ト(次項の図参照)によると、配布された後、記事や地図に目を通     し、今も保管している43%と、配布された後、読んだことは無い     が、家に保管している17%を加えて60%ある。一方で、配布された     覚えがない、見たことがない16%をはじめとした、配布された後、     記事や地図に目を通したが、手元には残っていない18%、配布さ     れたことは覚えているが、読んだことは無く、手元にも残ってい     ない5%という関心がない状況が約40%もあることについては改善     の余地がある。      被害を軽減するためには、「自助、共助、公助」が重要と言わ     れているが、まずは自分の身を守るための知識を身につけること     が一番である。岐阜市総合防災安心読本を活用して、その家族の     身も守れるようにさらなる周知をしていくことが望ましい。    【意見16】      市政モニターアンケート(岐阜市ホームページより)     質問7 岐阜市では、各災害のハザードマップを統合した、        「岐阜市総合防災安心読本」を作成し平成28年3月に        市内全戸に配布しました。あなたは、「岐阜市総合防災        安心読本」を見たことがありますか。 第4 基盤整備部  1.河川改修事業   (1) 概要       河川改修事業については、「岐阜市地域防災計画(一般対策計      画)」第2章第17節河川防災対策において、以下の方針及び実      施内容が定められている。 ┌────────────────────────────────┐ │〈方針〉                            │ │ 市の洪水に対する安全度を高めるため、河川改修、流域対策等の総 │ │合的な治水対策を図る。                     │ │〈実施内容〉                          │ │ 1 河川改修事業                       │ │  (1) 国管理河川の改修                   │ │    ア 長良川は、岐阜市大字日野字船伏(左岸)、岐阜市大字長│ │     良古津字小島山(右岸)から下流が国管理区域であり、築 │ │     堤、護岸及び河道掘削等を実施する。          │ │    イ 伊自良川は、繰舟橋から下流長良川合流点までが国管理 │ │     区域であり、築堤、護岸及び河道掘削等を実施する。   │ │  (2) 県及び市管理河川の改修                │ │    ア 総合治水対策特定河川事業として、境川の改修を進め  │ │     る。                         │ │    イ 総合流域防災事業(準用河川改修)として、西出川、戸 │ │     石川の改修を進める。                 │ │    ウ 都市基盤河川改修事業として、新荒田川、正木川の改修 │ │     を進める。                      │ └────────────────────────────────┘ ┌────────────────────────────────┐ │  (3) その他の改修等                    │ │     直轄工事に係る改修要望箇所は、次のとおりである。   │ │    ア 長良川本堤の漏水防止対策              │ │     左岸 金華橋下流部~茶屋新田              │
    │     右岸 忠節橋下流部~東島地先              │ │    イ 長良川堤防の強化                  │ │    ウ 堤防護岸強化                    │ │     左岸 日野、日置江、高河原               │ │     右岸 志段見、忠節橋下流部~東島            │ │    エ 防災拠点の整備                   │ └────────────────────────────────┘      岐阜市が河川法に基づいて管理、整備しているものとして準用     河川と都市基盤河川がある。      準用河川とは、一級河川及び二級河川以外で、市町村長が指定     した河川のことであり、河川法第100条の規定を準用して市が     管理している。      河川法第100条      一級河川及び二級河川以外の河川で市町村長が指定したものに     ついては、この法律中二級河川に関する規定(政令で定める規定     を除く。)を準用する。この場合において、これらの規定中「都     道府県知事」とあるのは「市町村長」と、「都道府県」とあるの     は「市町村」と、「国土交通大臣」とあるのは「都道府県知事」     と、第十三条第二項中「政令」とあるのは「政令で定める基準を     参酌して市町村の条例」と読み替えるものとする。      準用河川改修事業は、地域の生活河川である準用河川について、     河道を拡幅、護岸を設置する等によって、流下能力を増加させる     事業であり、現在は、3河川の事業を実施している。      都市基盤河川改修事業は、市街地で治水安全度が低く、緊急に     都市的基盤整備が必要な県管理の一級河川について、河道を拡幅、     護岸を設置する等によって、流下能力を増加させる事業で、市が     施行主体となり、事業完了後は、管理者である県に管理を引き継     ぐものである。      平成15年度末までに2河川の事業完了し、現在は新荒田川と     正木川の2河川の事業を実施している。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │                │ ・計画が策定されている場合、 │ │                │  当該計画に沿って事業が進めら│ │ア 河川整備が計画通り実施されて│  れているか         │ │ いるか            │ ・当該計画は定期的に更新されて│ │                │  いるか           │ │                │ ・関係者へのヒアリングの実施 │ ├────────────────┼────────────────┤ │イ 一般競争入札によって落札され│・入札手続関連書類の閲覧    │ │ た契約が適切に行われているか │・関係者へのヒアリングの実施  │ └────────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果     ≪監査結果の概要≫ ┌────────────────┬──────────────┐ │                │     監査結果     │ │      着眼点       ├────┬────┬────┤ │                │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 河川整備が計画通り実施されて│ ○  │    │    │ │ いるか            │    │    │    │ ├────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 一般競争入札によって落札され│ ○  │    │    │ │ た契約が適切に行われているか │    │    │    │ └────────────────┴────┴────┴────┘    【監査意見】      河川整備に係る一般競争入札における手続関連書類を確認した     ところ、契約業者については入札書比較価格以下、かつ基準比較     価格以上の条件について順守し、入札金額が同額の場合は電子く     じの実施、最低価格入札者の資格審査後、契約業者を決定してい     ることを確認した。      契約後に工期が延長する変更契約を締結していたが、当初契約     段階における見積判断が困難である事情によるものであったため     特に問題はないと判断した。      これまでの河川整備については、概要にも示したように実施し     てきており、今後の河川整備計画も策定している。その計画には     河川ごとに、委託事業における詳細設計、改修工事、用地買収、     物件補償等の時期及び予算についての概略が示されており、向こ     う約7年にわたる計画表となっており、特に問題はないと判断し     た。今後も計画に沿って整備が行われることが望まれる。  2.水防団員報酬   (1) 概要      岐阜市水防団については、「岐阜市地域防災計画(一般対策計     画)」第2章第2節防災体制の整備において、以下の方針及び実     施内容が定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │ 災害応急対策を効率的に実施する際に必要な事前対策を推進するた│ │めに、平常時から防災に関する組織及び活動体制の整備に努める。 │ │〈実施内容〉                         │ │ 2 防災施設、設備等の整備                 │ │  (5) 水防団の強化                    │ │     市は、重要水防区域、危険箇所等について把握し、水防団│ │    の研修、訓練や災害時における水防活動拠点となる施設の整│ │    備を図り、水防資機材の充実を図るとともに、幅広い層の団│ │    員の入団促進等水防団の活性化を推進し、その育成、強化を│ │    図る。また、市は、水防団との情報伝達機器等、安全管理上│ │    必要な機器の充実に努める。              │ └───────────────────────────────┘      岐阜市は、伊勢湾台風など古くから多くの洪水被害に悩まされ
        てきた歴史があるため、水害から市民の生命・財産を守るため、     水防活動を強化している。岐阜市水防団設置条例において29の     水防団が設置されており、団員数1,605名(平成29年4月     1日現在)にて組織されている。主な業務内容としては、平常時     は、日々の訓練により水防工法の習得に努め、堤防、樋管等を巡     視し、異常箇所がないかを確認、報告している。また非常時にお     いては、水防警報が発せられたとき、水位が水防団待機水位に達     したとき、その他水防上必要があると認められる場合は、状況に     応じ、待機、準備、出動し水防活動を行っている。下図のような     これまでの水害の経験を生かし、水害を最小限に抑えて市民の安     心・安全な暮らしを守るための水防活動を行っている。    ア 水防団員に対する手当等      水防団の活動において、岐阜市水防団設置条例に基づいて各種     手当を支給している。出動手当、訓練警戒手当については各水防     団から提出される報告書に基づいて支給している。      岐阜市水防団設置条例(抜粋)      第20条(給与)       団長等には、別表第2の手当を支給する。    イ 水防団員に対する退職報償金      水防団を退職した場合においては勤務年数及び階級に応じて退     職報償金を支給している。入団においては、年度末で退団する団     員の代わりに入団することが多いため、年度の末日(3月31日)     の翌日である4月1日が入団日になっていることが多い。ただし、     年度途中に団員の死亡等により入団する場合は、随時入団するこ     ともある。      「一定期間勤務をしなかったこと」については特に定められて     はいないが、訓練などへの参加ができない団員については、原則     その年度末で退団しているため退職報償金の支給対象となる勤続     年数5年以上には該当しないとされている。      岐阜市水防団設置条例(抜粋)      第4条(任命等)     4 第2項又は前項の規定により任命された者が次の各号に掲げ      る年齢に達したときは、その日の属する年度の末日をもってそ      の任を解くものとする。     (1) 団長 年齢70歳     (2) 副団長、分団長、副分団長、部長、班長 年齢65歳     (3) 団員(班長より下位の階級にある者) 年齢60歳      第6条(退職)       団長等が退職しようとするときは、あらかじめ文書をもって      任命権者に願い出てその許可を受けなければならない。      岐阜市非常勤水防団員に係る退職報償金の支給に関する条例     (抜粋)      第2条(退職報償金の支給額)       退職報償金は、非常勤水防団員として5年以上勤務して退職      した者に、その者の勤務年数及び階級に応じて別表に掲げる額      を支給する。      第3条(退職報償金の支給基礎となる階級)       階級は、退職した日にその者が属していた階級とする。ただ      し、その階級及びその階級より上位の階級に属していた期間が      1年に満たないときは、その階級(団員を除く。)の直近下位      の階級とし、退職した日にその者が属していた階級より上位の      階級に属していた期間が1年以上あるときは、当該上位の階級      とする。      第4条(勤務年数の算定)       勤務年数については、その者が非常勤水防団員として勤務し      ていた期間を合算するものとする。ただし、既に退職報償金の      支給を受けた場合におけるその基礎とされた期間及び再び非常      勤水防団員となった日の属する月から退職した日の属する月ま      での期間が1年に満たない場合における当該期間については、      この限りでない。     2 前項の勤務年数の計算は、非常勤水防団員となった日の属す     る月から退職した日の属する月までの月数による。ただし、退職     した日の属する月と再び非常勤水防団員となった日の属する月が     同じ月である場合には、その月は、後の就職に係る勤務年数には     算入しない。      第5条       非常勤水防団員が、一定期間勤務しなかったことが明白であ      る場合には、その期間を勤務年数に算入しない。      第9条(退職報償金支給の時期)       退職報償金は、非常勤水防団員が退職したとき支給する。た      だし、特別な事情があるときは、これによらないことができる。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬──────────────┐ │      着眼点      │     監査手続     │ ├───────────────┼──────────────┤ │ア 水防団員の報酬は規定に基づ│・水防団員の報酬計算資料を閲│ │ いて支給されているか    │ 覧及び計算チェック    │ │               │・関係者へのヒアリングの実施│ ├───────────────┼──────────────┤ │               │・水防団員の報酬が本人の口座│ │イ 水防団員の報酬は本人の口座│ に振り込まれているかについ│ │ に振り込まれているか    │ て関連資料を閲覧     │ │               │・関係者へのヒアリングの実施│ ├───────────────┼──────────────┤ │ウ 水防団員の退職報償金は規定│・退職報償金の計算資料を閲覧│ │ に基づいて支給されているか │ 及び計算チェック     │ │               │・関係者へのヒアリングの実施│ ├───────────────┼──────────────┤
    │               │・水防団員の退職報償金が本人│ │エ 水防団員の退職報償金は本人│ の口座に振り込まれているか│ │ の口座に振り込まれているか │ について関連資料を閲覧  │ │               │・関係者へのヒアリングの実施│ └───────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌──────────────────┬──────────────┐ │                  │     監査結果     │ │       着眼点        ├────┬────┬────┤ │                  │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 水防団員の報酬は規定に基づいて支│ ○  │    │    │ │ 給されているか          │    │    │    │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 水防団員の報酬は本人の口座に振り│    │ ○  │    │ │ 込まれているか          │    │    │    │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ 水防団員の退職報償金は規定に基づ│ ○  │    │    │ │ いて支給されているか       │    │    │    │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │エ 水防団員の退職報償金は本人の口座│ ○  │    │    │ │ に振り込まれているか       │    │    │    │ └──────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 水防団員に対する年手当等の取り扱いについて      各種手当の支給金額は、各水防団から水防実施状況報告書記載     の出動人員数及び各種支給規程に基づいて支給されており適切で     あるが、支払状況を記載している年手当、訓練・警戒手当明細書     には、本人と団の支給割合が記入されており、団員個人の預金口     座ではなく水防団が管理している預金口座に支払いがなされてい     るケースもあった。この点について岐阜市の担当者に確認したと     ころ、各水防団が作成している親睦会規約等に基づいて、各水防     団員の委任により水防団が管理している預金口座に支払いがなさ     れているとの回答を得た。これは各水防団員から報酬のうち親睦     会費相当額については水防団が管理している預金口座に振り込む     旨の委任状の提出を受けているため、そのような支払いをしたと     のことであった。      この回答を受け、各水防団の年手当、訓練・警戒出動手当、規     約を確認したところ、各水防団員が水防団への会費という名目や     自発的意思による寄付という扱いなどさまざまな方式で、本来は     水防団員が受け取るべき報酬を水防団に拠出していることが確認     できた。      具体的には、年手当については29ある水防団のうち23の水     防団で全額が水防団管理口座へ、6水防団は割合こそ違うものの     個人口座と水防団管理口座へ振り込まれることとされていた。      また、訓練・警戒出動手当については20の水防団で全額が水     防団管理口座へ、8水防団は全額が個人口座へ、1水防団は10%     が個人口座で90%を水防団管理口座へ振り込まれる規約となって     いた。      水防団への入団時点において手当の一部が団員自身の口座では     なく、水防団管理口座に振り込まれることについての説明を受け     ているとのことであるが、仮にそのことを疑問に思う団員がいた     としても、これまでの慣習でといわれたら説明された支給割合に     同意し振込先委任書を提出せざるを得ない雰囲気が存在する可能     性がある。      さらに、親睦会の活動に参加できない場合にも費用を負担して     いることがありえるため、団員別の公平性を欠く状況となってし     まうおそれがある。      したがって、ほとんどの水防団において、本来、水防団員個人     に支払われるべき手当等が、結果として水防団の活動費や互助会     費として賄われており、それらの規約等は問題である。      そして、多数の水防団員の年手当等を一括管理するとなると金     額も多額となることから、金銭管理や外部のチェック体制などが     不十分な場合には、横領につながるおそれを否定できない。      水防団と同様の防災組織である消防団では実際に報酬などの私     的流用事件が多数発生している。      このような不祥事の発生を受け、消防庁次長は各都道府県知事     及び各指定都市市長宛に平成29年7月28日付「消防団への加     入促進に向けた取組について」の中で、報酬等の支給方法の箇所     に、「報酬、出動手当等は、その性格上本人に支給されるべきも     のであるため、適正に支給すること。」と記載した内容の通知が     出されている(これまでも同様の内容が再三出されている)。      本通知は消防団に向けて発出されたものであるが、消防団と同     じ防災組織に所属する水防団員の労苦に報いるため報酬及び出動     した場合の費用弁償としての出動手当として支出されている以上、     水防団と消防団の報酬の取扱いに違いを設けることに合理性はな     い。      確かに水防団活動は、地域住民への社会貢献活動的性格を有し     ていることに違いないが、入団当初より水防団員のボランティア     精神に期待して、年手当等を水防団に拠出させるような規約等に     ついては社会通念上、適切でないため、是正を検討する必要があ     る。      全国で団員不足が問題となっている中、肉体的負担だけでなく     経済的負担まで負わされるとなると、将来の団員不足問題に拍車     をかけることにもつながりかねない。      このような問題を防ぐためにも、岐阜市水防団設置条例第20     条に規定されている各種手当については、確実に水防団員個人に     支払うようにしていく必要がある。【指摘3】    イ 水防団員の退職報償金の取り扱いについて     水防団を退職する際には、団長は岐阜市長へ、団員は各水防団長    へ退職願を提出し、原則その年度の末日(3月31日)付で退職扱い    となっている。その後水防団員ごとに作成している水防団員カード    (団員歴、表彰履歴等が記載)に基づいて退職報償金が計算され、退    職後約一月後に本人の預金口座に支払いがなされていた。  3.水防倉庫及び格納資器材
      (1) 概要       水防倉庫及び格納資器材については、「岐阜市地域防災計画      (一般対策計画)」第2章第16節水害予防対策 において、以下      の方針及び実施内容が定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │ 水害の発生を未然に防止し、又は被害の軽減を図るための水害予防│ │対策は、次による。なお、洪水等による水害を防止するために必要な│ │水防組織、施設等の整備及び運用は、別に定める「岐阜市水防計画」│ │による。                           │ │〈実施内容〉                         │ │ 4 水防資機材の充実                    │ │   市は、水防活動に必要な水防資機材の充実を図る。     │ └───────────────────────────────┘      岐阜市水防計画に各水防倉庫及び格納資器材の一覧表がある。     管理している水防団等、水防倉庫の面積、計画上の資器材等が記     載されており、それに基づいて岐阜市が管理している。      各水防団から使用後に補充要請があり、それらの報告に基づい     て随時補充しており、それぞれが保有している資器材等について     は、各年度末(3月末)時点の数量を4月末までに、格納資器材明     細書にて水防対策課に報告することになっている。水防団によっ     てはそれ以外に年3回独自に実地棚卸をしているところもあり、     このあたりは水防団に任せている。      資器材の現物確認と動作確認等については、各訓練、出動後及     び年度末に水防団にて使用資器材などの点検を行っている。具体     的には、毎年5月に実施している「岐阜市水防連合演習」におい     て、資料の搬入及び片づけ等を行う上で適切な数量が格納されて     いることを確認し、岐阜市水防連合演習資器材表を作成している。     そして、市倉庫にて年度末に不足する資器材を把握し、適宜補充     を行っている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │ア 水防倉庫に格納されている資器│・資器材棚卸状況の確認     │ │ 材の管理状況はどうか     │・水防倉庫の現地調査による確認 │ │                │・関係者へのヒアリングの実施  │ └────────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌────────────────┬──────────────┐ │                │     監査結果     │ │      着眼点       ├────┬────┬────┤ │                │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 水防倉庫に格納されている資器│    │    │ ○  │ │ 材の管理状況はどうか     │    │    │    │ └────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】      水防倉庫内にどのような資器材が管理されているか、またどの     ように配置されているかについて数か所の水防倉庫を現地調査し     た。     水防計画上は格納されているはずの資器材が、計画上の倉庫に配    置されていなかったものが確認できた。島水防団が管理している早    田岩倉水防倉庫にタタミが34枚配置されている予定だったが、配    置を確認できなかった。配置されていない理由について確認したと    ころ、平成30年7月豪雨の際に使用する恐れがあったため、同じ    く島水防団が管理している他の水防倉庫(菅生・東島)に移動させて    保管していたとの回答を得た。     水防団長からは、非常時のときは移動させて使用する予定である    と市側は説明を受けていたようだが、市も人事異動があり、水防団    長も交代があるため、口頭のみでは情報共有や引継が十分に行われ    ているとは言えない。     さらに、タタミなどの大きな物品を非常時に他の場所へ運ぶこと    が困難であることは想像に難くない。     一方で、岐阜市水防計画に掲載されている格納資器材一覧表には    記載されていないものが配置されていることを確認した。これは、    各水防団が独自で所有しているものであった。これらについて毎期    の実地棚卸時に報告されているものは、市は把握できるが、報告さ    れていなければ把握することは不可能ということになる。このよう    な状態だと、各水防団員の過去の経験等のみで独自に準備すること    となり、岐阜市としての統一した見解を伝えていくことが困難とな    る事態が生ずるおそれがある。市の予算も考えながら、現場でのそ    のような意見を汲み取って、水防計画上の格納資器材一覧表を見直    すことも検討することが望ましい。それにより実態に近い計画数値    となり、経験則だけでなく誰がみてもわかりやすい一覧表になると    考える。     その他、乾電池の管理についても明確にすべきである。水防倉庫    内に保管する乾電池については自動放電してしまうので、平常時に    使用できるか確認することが重要である。     また、乾電池の受払記録がないことから、乾電池の残数が減って    いたとしても使途が不明であり、私的に流用される可能性がある。    そのため、受払記録の整備を検討することが望まれる。     発動発電機を使用するためのガソリン携行缶があった。訓練終了    後で少量とはいえ残っている可能性も否定できない。普段は誰もい    ない水防倉庫に保管しておくのは安全上問題があるので、中身の処    分について管理することが望まれる。     水防倉庫の周辺において雑草が生い茂り、非常時の使用に支障を    きたすと思われる箇所があった。平常時には余裕があるので大丈夫    だと思うが、非常時にそのような余裕はないため、普段から河川管    理者と情報交換しながら整備しておく必要がある。     なお、上記の雑草については、現地調査5日後に除草作業がされ    整備されていたことが確認できた。     水防活動をスムーズに実施するための環境整備も防災上重要なこ
       とと考えられるので、平常時に市は長良川を管理する岐阜県と意見    交換するなど、非常時に向けていかに準備すべきか、市内に68あ    る水防倉庫をどのように管理整備していくかが今後の課題になる。    【意見17】  4.水防監視   (1) 概要       水防監視については、「岐阜市地域防災計画(一般対策計画)」      第2章第17節河川防災対策において、以下の方針及び実施内容      が定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │ 市の洪水に対する安全度を高めるため、河川改修、流域対策等の総│ │合的な治水対策を図る。                    │ │〈実施内容〉                         │ │ 4 警戒、避難体制の整備                  │ │  (1) 情報収集体制の確立                 │ │     木曽川上流河川事務所や岐阜県ポータルサイトを活用し │ │    て、河川水位の情報を収集するとともに、XバンドMPレー│ │    ダー等により雨量情報を収集する。また、河川水位の上昇に│ │    伴い、現地へ職員を派遣し情報収集するとともに、水防団、│ │    消防団からの情報入手など、情報収集体制の確立を図る。 │ └───────────────────────────────┘      また、岐阜市水防計画には、水防上必要な、河川の氾濫に関す     る警戒、監視の要領を定められている。      基盤整備部長が堤防巡視・樋管管理責任者及び水位収集責任者     とされており、水位の収集と堤防巡視及び樋管監視要領を定めて     いる。      堤防巡視及び樋管監視要領    ア 平時の巡視      水防団員は、随時自己担当区域の堤防又は樋管等を巡視して水     防上危険であると認められる個所があるときは、その状況を基盤     整備部長を経て水防管理者に報告する。    イ 重要水防箇所の合同点検      水防団員は、河川管理者が実施する重要水防箇所の合同点検に、     自ら業務等に照らし可能な範囲で立会又は共同で行うよう協力す     る。    ウ 非常時の監視      水防団は、基盤整備部長又は水防団長の命により堤防及び樋管     等を監視する。      水防団員は、異常を発見した場合は直ちに水防団長及び市本部     に報告するとともに時宜を失わざるよう適切な措置をとるものと     する。      気象庁の地震情報の「岐阜市」地域において震度4以上の地震     が発生した場合も、ア・イと同様とする。      樋門管理人の樋門・樋管操作は、本編資料「8.水防上重要な     関係を有する樋門等の操作基準」によるものとする。     この計画に基づいて、平時の巡視については、各訓練及び出動時    などに水防団が堤防又は樋管等を巡視し、水防上危険である場合は    任意の方法で報告を受けることとなっている。     また、非常時の監視については、異常がない場合は、平時の時と    同様に取り扱い、異常があった場合は、水防団からの「水防実施状    況報告書」にて報告を受けることとなっている。     重要水防箇所の合同点検においては、河川管理者(国土交通省又    は岐阜県)、地元水防団、自治会連合会等と合同で巡視して、各水    防団が担当する河川についてのヒアリングをすることで、水防体制    の万全を期すことを目的として春と秋に実施している。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │                │・巡視、監視状況の確認     │ │ア 水防監視について報告が適切に│・重要水防箇所の合同点検の予定 │ │ 行われているか        │ 確認             │ │                │・関係者へのヒアリングの実施  │ └────────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌────────────────┬──────────────┐ │                │     監査結果     │ │      着眼点       ├────┬────┬────┤ │                │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 水防監視について報告が適切に│ ○  │    │    │ │ 行われているか        │    │    │    │ └────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】      平成29年度においては、平時の巡視及び非常時の監視におけ     る異常に伴う報告はなかった。そのため平成30年度の水防実施     状況報告書を確認したところ、水防実施箇所、参加人数、出動内     容、使用資材等の記述に加え、現況の写真が添付された水防実施     状況報告書が提出されていることが確認できた。      春と秋に行われる重要水防箇所の水防団等との合同巡視につい     ては、水防団等から現場の意見を取り入れることや、岐阜県岐阜     土木事務所からの説明を受けることなどは、これからの水防活動     にとっていい機会となるので、引き続き実施してもらい後世につ     なげていってもらいたい。  5.水防団との操作業務委託契約等   (1) 概要       水防団との操作業務委託契約等については、「岐阜市地域防災      計画(一般対策計画)」第2章第17節河川防災対策において、以      下の方針及び実施内容が定められている。 ┌────────────────────────────────┐
    │〈方針〉                            │ │ 市の洪水に対する安全度を高めるため、河川改修、流域対策等の総 │ │合的な治水対策を図る。                     │ │〈実施内容〉                          │ │ 5 警戒重点箇所及び災害防止対策               │ │   水防管理者は、異常降雨、異常出水に備え、警戒を要すると認 │ │  められる箇所(重要水防箇所)の地域水防活動、避難活動が、それ│ │  ぞれ現地の実情に即して行われるよう、水防計画に基づく地区水 │ │  防隊又は自治会等と協力して行動計画を策定し、地域住民に周知 │ │  徹底を図る。                        │ └────────────────────────────────┘      また、国土交通省から岐阜市が受託している陸閘及び岐阜市が     管理している陸閘における管理及び操作業務について、水防活動     との関連性及び操作の緊急性を考慮し、地元水防団が望ましいと     のことで、地元水防団と管理及び操作業務委託(操作、操作訓練、     除塵除草業務委託)を随意契約により実施している。      その管理及び操作業務委託仕様書には次のように記載されてい     る。     第3条(委託業務の内容)      受注者は、発注者の指示にもとづき、次の各号に掲げる内容の     業務を行なうものとする。     (1) 受注者は、陸閘の管理、点検及び整備、並びに洪水時に        おける陸閘の操作を行なうものとし、事故防止に努め、施        設に異常を認めたときは直ちに、その状況を発注者に報告        するものとする。     (2) 受注者は、操作に必要な人員を確保し、陸閘を操作する        事態が発生したときは、直ちに操作要員を配置し、陸閘を        適切に操作することができる体制を確保し、事故防止に努        め、万全を期するものとする。         また、緊急な事態により操作体制を実施したときは、直        ちに発注者に報告することとし、発注者の指示に従うもの        とする。     (3) 受注者、陸閘の管理及び操作に必要な気象、水象及びそ        の他必要な情報収集を密にするものとする。     (4) 受注者は、陸閘を操作したときは、操作状況の記録のほ        か必要事項を操作日報に記録し、毎正時の水位のほか必要        事項を水位観測表に記録するものとする。     (5) 受注者は、毎月1回、操作に必要な機械器具等の点検及        び整備を行ない、常に正常に操作できる状態にしておくと        ともに、その結果を点検表に記録するものとする。     (6) 受注者は、除塵、除草等を行った場合は、点検簿または        その他様式に人員・時間がわかるように記載するものとす        る。     (7) 受注者は、月毎に整理した点検表、並びに操作体制を実        施した場合は水位観測表、操作日報および操作月報、翌月        7日までに発注者に提出し、また、操作年報を業務終了時        に提出するものとする。     (8) 受注者は、業務上必要な情報収集、並びに関係機関との        連絡及び業務打ち合わせ等を密にし、発注者の打ち合わせ        に応ずるものとする。     (9) その他、陸閘の管理及び操作上必要な措置を講ずるもの        とし、発注者の指示に従うものとする。   (2) 監査の着眼点並び監査手続 ┌───────────────┬────────────────┐ │      着眼点      │      監査手続      │ ├───────────────┼────────────────┤ │ア 水防団に委託している操作業│・契約内容の確認        │ │ 務委託契約は適切に行われてい│・委託業務における報告書等の確認│ │ るか            │・関係者へのヒアリングの実施  │ └───────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌────────────────┬──────────────┐ │                │     監査結果     │ │      着眼点       ├────┬────┬────┤ │                │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 水防団に委託している操作業務│ ○  │    │    │ │ 委託契約は適切に行われているか│    │    │    │ └────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】      国土交通省から市が受託している長良陸閘ほか32陸閘及び市     が管理している雄総陸閘における管理及び操作業務について、一     者随意契約を締結しており、その理由としては、次の通り記載さ     れている。      岐阜市長良西水防団をはじめとする岐阜市水防団は、河川増水     時に河川巡視・水防工法等を実施している。      陸閘の操作は河川増水の状況に応じて迅速に行う必要があり、     また、操作には修練を要する事から地元にて日頃から水防訓練を     実施している長良西水防団、長良水防団、金華水防団及び木田水     防団と契約する必要がある。積算の根拠としては国土交通省との     受託契約による歩掛り及び単価で計算され、水防活動と連動した     円滑な管理及び操作が必要であるため競争性への切り替えはでき     ないとしている。      また、操作業務委託契約仕様書第3条に記載されている業務報     告については次のように確認できた。     ア 異常時の報告など       点検等において施設の異常を確認した場合の対応は、急を要      する場合は電話等にて報告のうえ点検簿に記載し、それ以外の      ものについては点検簿に記載し報告している。よって、異常が      ある場合は、全て点検簿に記載して報告することになっている。     イ 操作要員の体制整備等をあらわしたもの       当該業務仕様書に記載の「体制」は、操作要員の配置等の体      制を表した書類を提出することを求めているものではなく、操      作を行う際には操作が支障なく行えるよう人員を配置し適切な      「体制」を取ることを示したものになる。なお、「体制」を統
         括する者は水防団長となるため、水防団長を業務主任者とする      届は提出させており、操作体制における操作要員は各水防団の      団員となる。     ウ 情報収集先一覧       特別に情報収集先一覧のようなものは作成していない。当該      業務仕様書の「情報収集」は、気象庁、国土交通省や岐阜県の      川の防災情報等、マスコミ等から得られる気象や水象の情報で      あり、業務主任者である水防団長を中心として必要な情報を密      に得るようにするために記載されたものである。なお、岐阜市      水防計画第5章第2節に気象予報等の情報収集先のホームペー      ジアドレスの記載(気象庁、国土交通省と岐阜県の川の防災情      報と浸水想定区域想定区域、岐阜市の防災情報)がある。     エ 操作日報       洪水における操作は実施されていないので、操作日報(月報、      年報)はないが、訓練における操作日報等は作成されている。     オ 点検表       毎月、箇所別、点検項目別に現況及び措置事項を記載した点      検表の作成している。この点検表は、箇所としては構造物(は      らみ出し、亀裂、劣化、沈下)、ゲート(鉄部腐蝕、塗装、水密      ゴム、引出状況、戸当り、レール、昇降装置、横行装置)、そ      の他(機側操作盤、予備発電装置、本堤取付部、照明及び器具      等、騒音防止目地、その他)と特記事項、処理状況についての      記載がある。     カ 除塵、除草等の点検簿       除塵、除草の実施状況は点検簿の下部(特記事項欄)に記載      されている。     キ 操作日報、操作月報、操作年報       上記エのとおり     ク 打ち合わせ記録簿など       特になし     ケ その他指示された書類       その他指示による書類はなし      以上のように、契約過程及び委託業務については適正に実施さ     れている。  6.道路災害対策   (1) 概要       道路災害対策については、「岐阜市地域防災計画(一般対策計      画)」第2章第26節道路災害対策において、以下の方針及び実      施内容が定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │ トンネル、橋梁等の道路構造物の崩壊等による多数の死者等の発生│ │する道路災害に対応するため、安全情報の充実、道路施設等の整備、│ │必要な情報の収集、応急体制の整備、応急対策資機材の確保、防災訓│ │練を行うとともに、老朽化した橋梁等の社会資本について、長寿延命│ │化を図り、適切な維持管理に努める。              │ │〈実施内容〉                         │ │ 2 道路施設等の整備                     │ │  (1) 道路施設の整備等                  │ │     道路管理者は、道路施設等の点検を通じ、道路施設等の現│ │    況の把握に努め、必要な施設の整備を図る。特に橋梁につい│ │    ては、災害時の緊急輸送対策を円滑に実施するため、緊急輸│ │    送道路や幹線道路等、優先度に応じた耐震補強工事を実施す│ │    る。                         │ │  (2) 道路ネットワーク事業                │ │     道路管理者は、道路防災対策事業等を通じ、安全性、信頼│ │    性の高い道路ネットワーク整備を計画的かつ総合的に図る。│ │                               │ │   1 道路交通の安全のための情報の充実          │ │    (2) 道路管理者は、迅速に道路施設等の異常を発見し、速│ │      やかに応急対策を実施するため、情報の収集、連絡体制│ │      の整備を図る。また、異常が発見され、災害が発生する│ │      おそれがある場合には、道路利用者にその情報を迅速に│ │      提供する体制の整備を図る。            │ └───────────────────────────────┘ ┌───────────────────────────────┐ │    (b) 緊急輸送活動関係                │ │       市、県、警察及び道路管理者は、信号機、情報板等の│ │      道路交通関連施設について、災害時の道路交通管理体制│ │      の整備に努める。また、発災後の道路の障害物除去、応│ │      急復旧等に必要な人員、資機材の確保について民間団体│ │      との協定の締結に努める。             │ └───────────────────────────────┘    ア 岐阜市の幹線道路整備プログラム     (ア) プログラムの目的         岐阜市では、都市の骨格となる都市計画道路や幹線1・2        級市道が計画されているが、現在、未整備の幹線道路はいま        だ多く残っている。幹線道路の整備は地区内住環境の向上や        商業活動の利便性向上、他都市との連携などの整備効果が期        待できることから、効果的かつ効率的に道路整備を実施でき        るよう、幹線道路整備プログラムを策定した。     (イ) 計画対象路線      a  計画対象路線の抽出         幹線道路整備プログラムの整備計画対象路線は、都市計画        道路と幹線1級市道とする。      b  都市計画道路、幹線1級市道の整備状況         延長約204.4km、整備延長123.8km、整備率約60%     (ウ) 整備優先順位の考え方      a 現在事業中の路線及び国・県・市の関連事業により整備が必        要な路線       (a) 事業中路線       (b) 東海環状自動車道アクセス道路関連、名鉄高架事業関連、         区画整理事業関連      b 評価指標による路線点数の上位路線
            下記要素から評価指標を設定し、路線に点数付け       (a) 上位計画に関する路線         ぎふ躍動プラン・21、岐阜市都市計画マスタープラン、        岐阜市総合交通戦略、新市建設計画       (b) 骨格的なネットワーク形成に関する路線         広域的な連絡軸、都市の骨格道路       (c) 災害に強いまちづくりに関する路線         防災対策       (d) 安心できる生活環境の確保に関する路線         医療・福祉対策、交通事故対策、環境保全       (e) 道路交通円滑化に関する路線         公共交通支援、主要施設アクセス、渋滞対策      これらを基にして、平成28年から平成47年までの20年間の     幹線道路整備計画を策定した。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │ア 道路整備計画が策定されている│・整備計画の確認        │ │ か              │・関係者へのヒアリングの実施  │ ├────────────────┼────────────────┤ │イ どのような情報収集を実施して│・情報収集方法の確認      │ │ いるか            │・関係者へのヒアリングの実施  │ └────────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 道路整備計画は策定されているか│ ○  │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ どのような情報収集を実施してい│ ○  │    │    │ │ るか              │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】      幹線道路整備プログラムは、5年をめどに見直しを図り、国・     県・市の関連事業の進捗により整備が必要となった場合には見直     しを実施するものである。      また、社会資本総合整備計画として、道路ストック老朽化対策、     防災・減災対策、生活空間の安全確保対策の推進に向けた計画や     地域の自立や活力の強化、にぎわいや個性あふれる地域活性化や     観光振興の推進、住民の生命・財産を守る安全安心の確保などを     目的とした計画も策定し実施している。      道路のパトロールにおいては、道路パトロール支援サービスを     導入して道路全体の路面状況や作業・異常履歴が明瞭になってい     る。車のダッシュボードに固定したスマートフォンによりデータ     を取得するため、普段の業務で道路情報を収集して、劣化状態を     自動的に推定し、補修計画の立案に役立てている。何よりも普段     の業務中に情報収集できることが業務の効率化を図る観点では最     適である。例えば、道路情報を調べるためだけの業務を他の業務     に向けることができるため、より詳細な補修計画が策定できる。     現在は業者が提供されているサービスの一部のみの利用となって     いるが、他のサービスも利用することで、パトロール中の作業内     容を記録して報告書作成や集計業務を効率化することや、住民要     望・クレーム案件の管理をすることで、住民サービスの向上など     へも役立つことになる。しかしながら、これらのサービスの提供     を受けるためには追加費用が必要となるため予算計画が必要であ     るが、業務の効率化を目指すのであれば検討の余地はある。  7.砂防急傾斜地の整備事業   (1) 概要       砂防急傾斜地の整備事業については、「岐阜市地域防災計画      (一般対策計画)」第2章第18節砂防対策において、以下の方針      及び実施内容が定められている。 ┌─────────────────────────────────┐ │〈方針〉                             │ │ 集中豪雨等により発生する荒廃した山地、渓流からの土石流、土砂  │ │流出、急傾斜地の崩壊等による災害から生命、身体及び財産を守るた  │ │め、土砂災害が発生した箇所や土砂災害の危険性が極めて高い地域、  │ │要配慮者利用施設が立地する箇所及び指定避難所や避難路が立地する  │ │箇所における対策を重点的に実施する。               │ │〈実施内容〉                           │ │ 1 砂防対策                          │ │  (3) 急傾斜地崩壊危険区域対策                │ │     急傾斜地(傾斜角30度以上、がけ高5m以上)の崩壊による被 │ │    害を軽減するため、「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関  │ │    する法律(昭和44年法律第57号)」に基づき指定されている、 │ │    市内67箇所の急傾斜地崩壊危険区域については、必要な箇所  │ │    については崩壊防止施設等対策工事を促進する。       │ └─────────────────────────────────┘      なお、本来は、急傾斜地の崩壊による災害を防止するため、急     傾斜地の土地所有者や借地者が保全や対策工事を自ら行い、被害     を受ける恐れのあるものは必要な措置を取るよう努めることが大     原則である。しかし、「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関す     る法律」により、当該急傾斜地所有者等や被害を受ける恐れのあ     る者等が施工することが不適当と認められる場合に、県知事は、     防止工事を施工することができる。      また、法の目的を達成するため、県知事は一定の要件を満たす     地域を「急傾斜地崩壊危険区域」として指定する必要がある。し     かし、指定箇所のすべてを整備していくには多額の費用と時間を     要する。このため、県が国の補助採択条件を満たすことができな     いもので、一定の要件を満たすものは、県の補助を受け、県に代
        わって市が対策工事を施工できるようになっている。    ア 岐阜市内にある急傾斜地崩壊危険区域      岐阜市には、岐阜県知事が指定した急傾斜地崩壊危険区域が平     成29年4月1日現在67箇所あるが、そのうち、整備済は61     箇所、施工中は5箇所、未施工は1箇所となっている。急傾斜地     崩壊危険区域について対策を行った箇所は急傾斜地崩壊防止施設     (以下、「施設」とする。)として管理するが、施設管理者は、岐     阜県、岐阜県及び岐阜市、岐阜市の者に分かれており、岐阜市と     しては岐阜県が施設管理者である以外の32箇所を管理している。    イ 施設の維持管理      岐阜市は、岐阜県が作成した「急傾斜地崩壊防止施設点検実施     要領」を使用し、対象施設の点検を行っている。点検の結果につ     いては、各施設につき「急傾斜地崩壊防止施設点検カルテ 点検     シート」を作成しており、その内容は岐阜県と同内容である。    ウ 将来の施工方針      岐阜市内には、現在施工中が5箇所、未施工が1箇所あるが、     今後のスケジュールとしては、岐阜県あるいは岐阜市が施工主と     して下記のように予定している。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │ア 砂防急傾斜地として整備し  │・管理台帳を作成しているかを確認│ │ た箇所を適切に把握している  │・作成している管理台帳を閲覧し、│ │ か              │ 記載された情報が十分かを確認 │ ├────────────────┼────────────────┤ │イ 砂防急傾斜地として整備し  │・砂防急傾斜地として整備した箇所│ │ た箇所の維持管理は適切に行  │ の維持管理方法を確認     │ │ われているか         │                │ ├────────────────┼────────────────┤ │ウ 砂防急傾斜地として整備し  │・契約事務に関連する資料を閲覧 │ │ た箇所に係る工事契約等が、  │・入札ルールに従い実施されている│ │ 入札ルールに従い実施され完  │ かを確認           │ │ 了しているか         │                │ ├────────────────┼────────────────┤ │エ 今後の砂防急傾斜地として  │・作成された事業計画を閲覧   │ │ 整備する箇所について、スケ  │                │ │ ジュールや事業費に関する計  │                │ │ 画を作成しているか      │                │ └────────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 砂防急傾斜地として整備した箇所│    │    │ ○  │ │ を適切に把握しているか     │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 砂防急傾斜地として整備した箇所│ ○  │    │    │ │ の維持管理は適切に行われているか│    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ 砂防急傾斜地として整備した箇所│    │    │    │ │ に係る工事契約等が、入札ルールに│ ○  │    │    │ │ 従い実施され完了しているか   │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │エ 今後の砂防急傾斜地として整備す│    │    │    │ │ る箇所について、スケジュールや事│    │    │ ○  │ │ 業費に関する計画を作成しているか│    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 施設情報の管理      岐阜市では、対策を行った施設に関する情報について、表計算     ソフトを用いて、「岐阜市急傾斜地崩壊危険区域情報 一覧表     (以下、「区域情報」という。)」及び「急傾斜地崩壊危険箇所     設備台帳一覧表(以下、「設備台帳」という。)」を作成し管理し     ており、それぞれ以下の情報が記載されている。      また、維持管理に使用する「急傾斜地崩壊防止施設点検カルテ     点検シート」についても、別途管理されている。      これについて、施設は全体で67件であり、現状の表計算ソフ     トにより管理することも可能と考えられるが、岐阜市全体での防     災計画を考えるうえで、別途記載したGISを活用した情報の集     約を検討されたい。【意見18】    イ 将来の整備計画      上述したように、岐阜市は、施設の整備スケジュールを定めて     いるが、これらの施設について岐阜市が今後負担する事業費につ     いては検討されたうえで全体計画として記載しているものの、年     度ごとの事業費の検討はされていない。      これに関して担当者にヒアリングしたところ、補助金の交付額     や岐阜県施工部分の進捗状況により現状の整備スケジュールから     変更することが考えられるため、事業全体の事業費だけでなく、     年度ごとの事業費も変化する可能性があるとのことであった。      しかし、施設整備には多額の事業費が発生することから、整備     スケジュールに合わせて年度ごとにどの程度、岐阜市の負担が必     要かを見積もるとともに、状況の変化に応じて見直すよう検討さ     れたい。【意見19】  8.橋梁の耐震補強   (1) 概要
          橋梁の耐震補強については、「岐阜市地域防災計画(一般対策      計画)」第2章第26節 道路災害対策において、以下の方針及      び実施内容が定められている。 ┌────────────────────────────────┐ │〈方針〉                            │ │ トンネル、橋梁等の道路構造物の崩壊等による多数の死者等の発生 │ │する道路災害に対応するため、安全情報の充実、道路施設等の整備、 │ │必要な情報の収集、応急体制の整備、応急対策資機材の確保、防災訓 │ │練を行うとともに、老朽化した橋梁等の社会資本について、長寿延命 │ │化を図り、適切な維持管理に努める。               │ │〈実施内容〉                          │ │ 2 道路施設等の整備                     │ │  (1) 道路施設の整備等                   │ │     道路管理者は、道路施設等の点検を通じ、道路施設等の現況│ │    の把握に努め、必要な施設の整備を図る。特に橋梁について │ │    は、災害時の緊急輸送対策を円滑に実施するため、緊急輸送道│ │    路や幹線道路等、優先度に応じた耐震補強工事を実施する。 │ └────────────────────────────────┘      また、「岐阜市地域防災計画(地震対策計画)」第2章第15節     緊急輸送網の整備、及び第17節 まちの不燃化・耐震化におい     ても、以下の方針及び実施内容が定められている。 「岐阜市地域防災計画(地震対策計画)」第2章第15節 緊急輸送網の 整備 ┌────────────────────────────────┐ │〈方針〉                            │ │ 大規模地震災害発生時には、道路、橋梁等の損壊、障害物、交通渋 │ │滞等により、道路交通に支障が生じる場合が多く、災害応急対策を迅 │ │速に実施するためには、要員、物資等の緊急輸送を円滑に行う必要が │ │あり、そのルートの確保が重要であるため、あらゆる交通手段を活用 │ │した緊急輸送のネットワーク化を図る。              │ │〈実施内容〉                          │ │ 1 緊急輸送道路                       │ │  (1) 緊急輸送道路の指定                  │ │     県は、県内の道路を地震災害発生後の緊急輸送の確保の観点│ │    から、広域的な役割を果たすもの、地区内の地震災害応急対策│ │    の輸送の役割を果たすもの等、その役割により区分して緊急輸│ │    送道路に指定しネットワークを構築する。緊急輸送道路は、代│ │    替性を考慮したネットワークを構築するとともに、河川敷道 │ │    路、広域農道等を含め、道路種別に関係なく有効なネットワー│ │    クを指定する。                     │ │   ア 第1次緊急輸送道路                  │ │     岐阜市及び地方生活圏の中心都市等の重要都市を連絡し、広│ │    域の緊急輸送を担う道路                 │ │   イ 第2次緊急輸送道路                  │ │     第1次緊急輸送道路と防災拠点を相互に連絡し、地域内の緊│ │    急輸送を担う道路                    │ │   ウ 第3次緊急輸送道路                  │ │     第1次、第2次緊急輸送道路と防災拠点を相互に連絡し、地│ │    区内の緊急輸送を担う道路                │ └────────────────────────────────┘ 「岐阜市地域防災計画(地震対策計画)」第2章第17節 まちの不燃化 化・耐震化 ┌────────────────────────────────┐ │〈方針〉                            │ │ 阪神・淡路大震災では、木造家屋のみならず比較的安全とされてい │ │た堅牢建築物も倒壊し、また、地震に伴い二次災害としての火災も各 │ │地で発生した。このため、建築物の耐震化、不燃化の推進、都市公園 │ │の整備等による防災空間の確保、市街地の開発等による密集市街地の │ │整備等を推進するとともに、老朽化した橋梁等の社会資本について、 │ │長寿延命化を図り、適切な維持管理に努め、災害廃棄物の発生を抑制 │ │する意味でも、想定を超える地震災害が発生した場合において、被害 │ │を一定のレベルに食い止められるような「地震に強いまちづくり」  │ │を目指す。                           │ │〈実施内容〉                          │ │ 3 道路、河川施設等の防災対策                │ │  (1) 道路施設の整備                    │ │     地震災害発生後の緊急輸送を確保等するため、道路、橋梁 │ │    等の耐震性の向上、落石危険箇所等の防災対策等の推進を図 │ │    る。                          │ │    イ 橋梁の整備                     │ │      道路防災総点検等の結果緊急性が高いと判断した橋梁  │ │     や、地震災害時の緊急輸送の観点から優先度が高い緊急輸 │ │     送道路や幹線道路などの橋梁について、順次、耐震補強を │ │     実施する。                      │ └────────────────────────────────┘    ア 岐阜市が管理する橋梁      岐阜市が管理する橋梁は現在2,478橋あるが、幹線1級市     道、幹線2級市道及びその他に分けた場合以下のようになってい     る。      なお、幹線1級市道、幹線2級市道は以下となっている。    イ 健全度把握等の基本的な方針      岐阜市は、「橋梁長寿命化修繕計画」を平成24年度に策定し     ている。      これに基づき、健全度把握については、岐阜県が作成した「岐     阜県橋梁点検マニュアル」に基づいて定期的な点検を実施し、橋     梁の架設年度や立地条件なども考慮した上で橋梁の劣化損傷状況     から健全度を把握する。      また、日常的な維持管理については、橋梁を良好な状態に保つ     ため、日常的な維持管理としてパトロールを実施し、劣化損傷の     把握に努める。    ウ 今後の耐震補強計画
        橋梁の耐震補強については、監査実施時点では「第4期橋梁耐    震補強事業計画」を策定し、この計画に基づき耐震化を進めてい    るが、平成31年度において耐震補強も含めた橋梁長寿命化修繕    計画の見直しを予定している。     これは、平成25年度に改正され、平成26年度に施行された    道路法により、橋梁及びトンネル等については、国が定める統一    的な基準により、5年に1回の頻度で、近接目視により点検を行    うことを基本とすること等が定められたことから、岐阜市におい    ては平成26年度から平成30年度の5年間で岐阜市内全橋梁を    点検し、その結果を踏まえて策定する予定である。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │ア 所管する橋梁を適切に把握し │・管理台帳を作成しているかを確認│ │ ているか           │・作成している管理台帳を閲覧し、│ │                │ 記載された情報が十分かを確認 │ ├────────────────┼────────────────┤ │イ 所管する橋梁の維持管理は適 │・橋梁の維持管理方法を確認   │ │ 切に行われているか      │                │ ├────────────────┼────────────────┤ │ウ 所管する橋梁に係る工事契約 │・契約事務に関連する資料を閲覧 │ │ 等が、入札ルールに従い実施さ │・入札ルールに従い実施されている│ │ れ完了しているか       │ かを確認           │ ├────────────────┼────────────────┤ │エ 所管する橋梁の修繕・更新切 │・作成された修繕・更新計画を閲覧│ │ な時期に実施される計画を作成 │・修繕・更新計画について、現状把│ │ しているか          │ 握している実績等から変更の必要│ │                │ がないかを確認        │ └────────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌───────────────┬──────────────┐ │               │     監査結果     │ │      着眼点      ├────┬────┬────┤ │               │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├───────────────┼────┼────┼────┤ │ア 所管する橋梁を適切に把握 │    │    │ ○  │ │ しているか         │    │    │    │ ├───────────────┼────┼────┼────┤ │イ 所管する橋梁の維持管理は │ ○  │    │    │ │ 適切に行われているか    │    │    │    │ ├───────────────┼────┼────┼────┤ │ウ 所管する橋梁に係る工事契 │    │    │    │ │ 約等が、入札ルールに従い、 │ ○  │    │    │ │ 実施され完了しているか   │    │    │    │ ├───────────────┼────┼────┼────┤ │エ 所管する橋梁の修繕・更新 │    │    │    │ │ が適切な時期に実施される計 │    │    │ ○  │ │ 画を作成しているか     │    │    │    │ └───────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 橋梁に関する情報管理      岐阜市は、管理対象の橋梁について「WEBマップぎふ」とい     う個別の管理台帳を地理情報システム(GIS)として構築し、工     事情報や点検情報を随時入力している。      これについて、担当者にヒアリングしたところ、架設時期が古     い橋梁については、工事台帳が保存されていないということで入     力できていない情報があるとのことであった。      今後、橋梁の耐震化等を進めるうえで構造等の情報は、優先順     位及び耐震化費用の積算に欠かせないものと考えられるため、平     成31年度に策定予定の耐震補強も含めた橋梁長寿命化修繕計画     策定に向け、調査等を行うよう検討されたい。【意見20】    イ 橋梁の修繕費用      岐阜市では、平成24年度に「橋梁長寿命化修繕計画」を策定     しているが、その際に各橋梁の修繕に必要な概算費用は、遠望目     視による点検結果をもとに行っているとのことであった。      ここで、平成29年度に行った修繕工事について、修繕計画に     おける工事予定額と実績額は下記の通り大きく乖離している状況     にある。      修繕計画を策定する目的の一つとして、今後増大が見込まれる     橋梁の修繕等に要する経費に対し、コスト縮減を行うことがある     が、計画策定時に予定額が過少に見込まれた場合、将来の投資意     思決定に重大な影響があると考えられる。      したがって、平成31年度に策定予定の橋梁長寿命化修繕計画     については、この点に留意し、策定時点で考えうる最善の見積も     り等の情報を用いて策定することが望まれる。【意見21】  9.トンネルの長寿命化   (1) 概要       トンネルの長寿命化については、「岐阜市地域防災計画(一般      対策計画)」第2章第26節 道路災害対策において、以下の方      針及び実施内容が定められている。 ┌────────────────────────────────┐ │〈方針〉                            │ │ トンネル、橋梁等の道路構造物の崩壊等による多数の死者等の発生 │ │する道路災害に対応するため、安全情報の充実、道路施設等の整備、 │ │必要な情報の収集、応急体制の整備、応急対策資機材の確保、防災訓 │ │練を行うとともに、老朽化した橋梁等の社会資本について、長寿延命 │ │化を図り、適切な維持管理に努める。               │ │〈実施内容〉                          │ │ 2 道路施設等の整備                     │ │  (1) 道路施設の整備等                   │
    │     道路管理者は、道路施設等の点検を通じ、道路施設等の現 │ │    況の把握に努め、必要な施設の整備を図る。特に橋梁につい │ │    ては、災害時の緊急輸送対策を円滑に実施するため、緊急輸 │ │    送道路や幹線道路等、優先度に応じた耐震補強工事を実施す │ │    る。                          │ └────────────────────────────────┘    ア 岐阜市が管理する対象トンネル      岐阜市が所管する対象トンネルは、以下の5トンネルである。    イ トンネルの維持管理方針     (ア) 維持管理の基本方針       高度経済成長期に整備されたトンネル・橋梁等の道路施設       の老朽化が進行しており、施設を効率的に維持管理していく       ことが求められる。このため、持続的な維持管理体制を確立       し、予防保全型の修繕に転換し、トンネルの安全性を確保す       るとともに、トンネル寿命の延命を図る。     (イ) 維持管理体制の確立        岐阜市は、2017年(平成29年)11月に「岐阜市トン       ネル長寿命化修繕計画」を策定しており、この計画の中でト       ンネルの点検頻度や点検方法などを明確に定め、継続的にト       ンネルの健全度(損傷状況)を把握し、必要な対策を構築する。     (ウ) 予防保全への転換        従来の対処療法的な修繕からトンネルの定期点検と適切な       時期に適切な対策を効果的・効率的に行う予防保全型の修繕       に転換することによって、安全・安心な道路サービスの提供       を行う。        また、予防的な修繕や計画的な更新により、将来のライフ       サイクルコスト(以下、「LCC」)の低減を図るようにする。     (エ) 計画的な維持・更新        トンネルの計画的な維持・更新については、以下の具体的な計       画によるものとする。        以上を実施することにより、トンネルについて将来にわたって、       計画的な維持・更新のマネジメントを行い、P(計画:補修設計)       ⇒D(実行:修繕工事)⇒C(評価:定期点検等)⇒A(改善:必要に応       じて修繕計画の見直し)サイクルを構築する。    ウ トンネルの修繕計画     (ア) 修繕の優先順位        修繕の優先順位は、特に、大災害時において指定主要防災       拠点に速やかにアクセスする必要があることから、路線の重       要度(緊急輸送道路、緊急輸送道路補助ネットワーク、市道       1,2級、交通量など)と定期点検による損傷状況を勘案し       決定する。      a  トンネルの損傷状況        2017年(平成29年)の定期点検結果から、判定IIIの       早期措置段階が観察されるトンネルは、福富トンネルのみで       あり、次に判定IIaが観察されたトンネルは、宇田坂トンネ       ル、常磐トンネル、老洞トンネルの順となる。      b  路線の重要度        路線の重要度からなる優先度については、岐阜市の管理す       る5トンネルは、いずれも緊急輸送道路、緊急輸送道路補助       ネットワークに指定されていないため、市道1,2級、交通       量が優先順位を決定する要素となる。      c  優先順位の設定        修繕の優先順位の設定については、前項のトンネルの損傷       状況と路線の重要度を勘案して、以下の順とする。     (イ) トンネルの維持・更新方針         定期的にトンネル点検を行い、変状規模が小さい段階から        計画的に対策(予防保全)を実施することで、結果的に対象規        模を必要最小限に抑えて、中長期的なコスト縮減を図る。         早期に措置を講ずべき状態(事後保全)に陥ると大規模な修        繕費用が必要となるため、大規模な修繕費用が必要となる前        の時点で対策を実施していくものとし、修繕等にかかるLLC        の低減を図る。 ┌────────────────────────────────┐ │判定IIaより損傷の大きい箇所を修繕し、併せて近接するIIbの箇所も │ │可能な範囲で補修していくことで、IIa箇所の増加の進行を遅らせ、供 │ │用期間内の修繕コストの縮減を図る。               │ └────────────────────────────────┘    エ 年次計画・概算事業費      現状での維持管理に必要な概算事業費は、以下を予定する。      福富トンネルは、すでに判定III(事後保全)の箇所があり、早期     に健全性を回復する修繕を実施し、他のトンネルは、判定II(予     防保全)であり、判定IIaから判定IIIに進むのを防ぐための修繕を     実施する。ときわ歩道トンネルは、判定IIaはなくIIbの箇所のみ     であり継続監視をしていく。      今回、判定IIaのものについては、次回の定期点検までに修繕     を実施し、次回の点検で、予防保全段階と診断されたトンネルに     ついては、優先順位を考慮しつつ、事後保全段階に進まないよう     に継続監視を行い、必要に応じ小規模な修繕を行いながら健全性     を良好な状態で維持し、トンネルの長寿命化を図っていく。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │                │・管理台帳を作成しているかを  │ │ア 所管するトンネルを適切に把握│ 確認             │ │ しているか          │・作成している管理台帳を閲覧  │ │                │ し、記載された情報が十分か  │
    │                │ を確認            │ ├────────────────┼────────────────┤ │イ 所管するトンネルの維持管理は│・トンネルの維持管理方法を確  │ │ 適切に行われているか     │ 認              │ ├────────────────┼────────────────┤ │                │・作成された修繕・更新計画を  │ │ウ 所管するトンネルの修繕・更新│ 閲覧             │ │ が適切な時期に実施される計画を│・修繕・更新計画について、現  │ │ 作成しているか        │ 状把握している実績等から変  │ │                │ 更の必要がないかを確認    │ └────────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 所管するトンネルを適切に把握し│ ○  │    │    │ │ ているか            │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 所管するトンネルの維持管理は適│ ○  │    │    │ │ 切に行われているか       │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ 所管するトンネルの修繕・更新が│    │    │    │ │ 適切な時期に実施される計画を作成│ ○  │    │    │ │ しているか           │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】      監査手続を実施した結果、特に問題となる事項はなかった。  10.横断歩道橋の長寿命化   (1) 概要       横断歩道橋は道路構造物を構成することから、トンネル、橋梁      等とともに「岐阜市地域防災計画(一般対策計画)」第2章第2      6節 道路災害対策において、以下の方針及び実施内容が定めら      れている。 ┌───────────────────────────────────┐ │〈方針〉                               │ │ トンネル、橋梁等の道路構造物の崩壊等による多数の死者等の発生する道 │ │路災害に対応するため、安全情報の充実、道路施設等の整備、必要な情報の │ │収集、応急体制の整備、応急対策資機材の確保、防災訓練を行うとともに、 │ │老朽化した橋梁等の社会資本について、長寿延命化を図り、適切な維持管理 │ │に努める。                              │ │〈実施内容〉                             │ │ 2 道路施設等の整備                        │ │ (1) 道路施設の整備等                      │ │     道路管理者は、道路施設等の点検を通じ、道路施設等の現況の把 │ │    握に努め、必要な施設の整備を図る。特に橋梁については、災害時 │ │    の緊急輸送対策を円滑に実施するため、緊急輸送道路や幹線道路  │ │    等、優先度に応じた耐震補強工事を実施する。          │ └───────────────────────────────────┘    ア 岐阜市が管理する対象横断歩道橋      岐阜市が管理する対象横断歩道橋は、以下の38橋である。    イ 横断歩道橋の維持管理方針     (ア) 維持管理の基本方針         高度経済成長期に整備された橋梁・横断歩道橋等の道路施        設の老朽化が進行しており、施設を効率的に維持管理してい        くことが求められる。このため、計画期間の20年間は、横        断歩道橋を保持させることとし、持続的な維持管理体制を確        立し、予防保全型の修繕に転換し、横断歩道橋の安全性を確        保するとともに、横断歩道橋寿命の延命を図る。ただし、点        検結果等を踏まえ計画を見直すものとする。     (イ) 維持管理体制の確立         岐阜市は、2018年(平成30年)3月に「岐阜市横断歩        道橋長寿命化修繕計画」を策定しており、この計画の中で横        断歩道橋の点検頻度や点検方法などを明確に定め、継続的に        横断歩道橋の健全度(損傷状況)を把握し、必要な対策を講じ        る。     (ウ) 予防保全への転換         従来の対処療法的な修繕から、横断歩道橋の定期点検と適        切な時期に適切な対策を効果的・効率的に行う予防保全型の        修繕に転換することによって、安全・安心な道路サービスの        提供を行う。         また、予防的な修繕や計画的な更新により、将来のライフ        サイクルコスト(以下、「LCC」)の低減を図るようにする。     (エ) 計画的な維持・更新         横断歩道橋の計画的な維持・更新については、以下の具体        的な計画によるものとする。      以上を実施することにより、横断歩道橋について、将来にわた     って計画的な維持・更新のマネジメントを行い、P(長寿命化計画     の策定)⇒D(長寿命化の実践)⇒C(長寿命化の評価・検証)⇒A(長     寿命化計画の見直し)サイクルを構築する。    ウ 横断歩道橋の点検状況      以下に2017年度(平成29年度)の点検結果を示す。    エ 横断歩道橋の修繕計画     (ア) 修繕の優先順位の考え方         修繕の優先順位は、定期点検結果による健全性(IV,III,        II,I)を優先し、これに加えて横断歩道橋下の路線の重要        度(道路種別、緊急輸送道路の指定、交通量(車線数)、通学
           路の指定、その他生活・産業等への影響大なる要因の有無)        を勘案して決定する。         なお、優先順位は上記による点数制とし、点数の多い横断        歩道橋ほど優先順位は高くなる。        a  健全度による点数          部材ごとに配点(上部構造80点、下部構造50点、階段部40         点、その他30点)を行い、上部構造はさらに主桁、横桁、床         版またはデッキプレート、地覆の各部位に20点ずつ割り振         る。          これに点数結果による健全性の係数(IVは1.0、IIIは0.7、         IIは0.3、Iまたは該当なしは0)を乗じて合計点数を算出し         た。        b  路線の重要度による点数          路線の重要度に関わる各要素の種別・有無によって下記の         ように配点し、各横断歩道橋の合計点数を算出した。        c  優先順位の決定          上記のi健全度による点数と、ii路線の重要度による点数         の合計点数が大きい横断歩道橋を優先順位が高いものとした。     (イ) 横断歩道橋の維持管理方針         定期的に横断歩道橋点検を行い、変状規模が小さい段階か        ら計画的に対策(予防保全)を実施することで、結果的に対象        規模を必要最小限に抑えて、中長期的なコスト縮減を図る。         早期に措置を講ずべき状態(事後保全)に陥ると大規模な修        繕費用が必要となるため、大規模な修繕費用が必要となる前        の時点で対策を実施していくものとし、修繕等にかかるLCC        の低減を図る。    オ 年次計画・概算事業費      現状での維持管理に必要な概算事業費は以下を予定する。      概算事業費は、点検結果に基づき劣化・損傷箇所の概算数量を     算出したものに、各種積算基準書や過去の実績等から導いた単価     を乗じて算出したものである。      今回、健全度IIIのものについては、次回の定期点検までに平準     化を図りつつ修繕を実施し、健全度II及びIと診断された横断歩     道橋については、優先順位を考慮しつつ、事後保全段階に進まな     いように継続監視を行い、必要に応じ小規模な修繕を行いながら     健全度を良好な状態で維持し、横断歩道橋の長寿命化とLCCの低     減を図っていく。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │ア 所管する横断歩道橋を適切に把│・管理台帳を作成しているかを確認│ │ 握しているか         │・作成している管理台帳を閲覧し、│ │                │ 記載された情報が十分かを確認 │ ├────────────────┼────────────────┤ │イ 所管する横断歩道橋の維持管理│・横断歩道橋の維持管理方法を確認│ │ は適切に行われているか    │                │ ├────────────────┼────────────────┤ │ウ 所管する横断歩道橋の修繕・更│・作成された修繕・更新計画を閲覧│ │ 新が適切な時期に実施される計画│・修繕・更新計画について、現状把│ │ を作成しているか       │ 握している実績等から変更の必要│ │                │ がないかを確認        │ └────────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌──────────────────┬──────────────┐ │                  │     監査結果     │ │       着眼点        ├────┬────┬────┤ │                  │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 所管する横断歩道橋を適切に把握し│ ○  │    │    │ │ ているか             │    │    │    │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 所管する横断歩道橋の維持管理は適│ ○  │    │    │ │ 切に行われているか        │    │    │    │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ 所管する横断歩道橋の修繕・更新が│    │    │    │ │  適切な時期に実施される計画を作 │ ○  │    │    │ │  成しているか          │    │    │    │ └──────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】      監査手続を実施した結果、特に問題となる事項はなかった。  11.長良川防災・健康ステーション   (1) 概要       長良川防災・健康ステーションについては、「岐阜市地域防災      計画(一般対策計画)」第2章第3節防災思想・防災知識の普及に      おいて、以下の方針及び実施内容が定められている。 ┌────────────────────────────────┐ │〈方針〉                            │ │ 災害による被害を最小限に食い止めるためには、市民一人ひとり  │ │が、日頃から「自らの生命は自ら守る」、「みんなの地域はみんなで │ │守る」という基本理念と正しい防災知識を身につけ、食料、飲料水の │ │備蓄など、平素から災害に対する備えを心掛けることが必要であるた │ │め、あらゆる機会を通じて市民の防災意識の向上を図る。また、超広 │ │域災害や、複数の災害の同時発生の可能性があり、これに備える必要 │ │性があることについても啓発する。市は、防災対策に係る地域の合意 │ │形成の促進のため、防災に関する様々な情報や各種データを分かりや │ │すく配信する。なお、外国人に対しては、言語の違いに配慮するとと │ │もに、地域において乳幼児、重病者、障がい者、高齢者、妊婦等の要 │ │配慮者を支援する体制が整備されるよう普及啓発を図る。      │ │〈実施内容〉                          │
    │ 1 地域住民に対する普及                   │ │   市民が、正しい知識と判断を持って行動できるよう、パンフレ │ │  ット、各種ハザードマップ、チラシ等の配布、防災センターの展 │ │  示教育設備の利用、地震体験車の利用、防災に関する講習会、展 │ │  示会、研修等の開催、ラジオ(コミュニティFM等)、テレビ、新│ │  聞、広報誌、ホームページ掲載等を通じた広報や災害図上訓練(D│ │  IG)の普及促進等により、災害予防、災害応急対策等の知識の普│ │  及啓発に努める。                      │ └────────────────────────────────┘       長良川防災・健康ステーションの、着工式典時の概要につい      ては次の目的が記載されている。       長良川は、岐阜県郡上市より濃尾平野を南下し伊勢湾に注ぐ      一級河川であり、流域の産業、経済、文化の発展に大きく貢献      してきた。       一方で、普段は穏やかな長良川もひとたび洪水となれば猛威      を振るい、古来より幾多の災害をもたらし、多くの生命と財産      が奪われてきた。       また、近年は地球温暖化に伴う気候変動により、台風の巨大      化や局地的な集中豪雨が多発しており、洪水による被害の拡大      が懸念されている。       さらに、南海トラフ巨大地震の発生が危惧される中、想定を      上回るあらゆる事態に対応可能な防災力の強化を図ることが必      要であり、治水対策の推進とともに、洪水時の水防活動や災害      時における緊急復旧活動のための防災拠点等の整備といった危      機管理対策など、防災・減災対策の推進が強く求められている。       このようなことから、危機管理対策の一般として、災害が発      生した場合の円滑かつ効果的な復旧活動の拠点となる河川防災      ステーションの整備を行うものである。       このような目的から、国においては、水防作業ヤードや土砂      などの緊急復旧活動に必要な資材の備蓄を行い、岐阜市におい      ては、洪水時には水防活動の拠点、平常時には市民の健康増進      の拠点となる整備が行われ、平成28年4月1日に開館した。    ア 開館時間      午前7時30分~午後9時まで    イ 休館日      毎週木曜日(祝日の場合は振替)、年末年始(12月29日~1     月3日)、    ウ 主な施設      1階 岐阜市長良川健康ステーション      2階 会議室、防災展示ホール、展望サロン      なお、これらの開館時間、休館日などについては、岐阜市長良     川防災・健康ステーション条例に定めてある。      岐阜市長良川防災・健康ステーションにおいては、貸会議室が     設けられている。3か月前(使用開始日の3か月前の日の属する     月の初日から使用開始日の3日前まで)から受付を行っている。     会議室の規模と使用料は次のとおりである。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬────────────────┐ │      着眼点       │      監査手続      │ ├────────────────┼────────────────┤ │ア 長良川防災・健康ステーション│・当初計画と実績の確認     │ │ の運営状況はどうか      │・施設のPR方法についての確認 │ │                │・関係者へのヒアリングの実施  │ └────────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 長良川防災・健康ステーション │    │    │ ○  │ │ の運営状況はどうか       │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】      岐阜市長良川防災・健康ステーションにおける開館当初の利用     見込み額について確認したところ次の回答を得た。      毎年7月の最終土曜日と8月の第一土曜日に実施される長良川     花火大会の観賞者を募集している。事前申し込みによるものであ     り、観賞無料で花火観賞には絶好の場所となっている。近年にお     ける募集数、応募数等は次項の図のとおりである。      このように、市民の安全で安心な生活を守るとともに、心身の     健康の保持及び増進に寄与し、心安らかに暮らせる社会を実現す     るため整備された長良川防災・健康ステーションを、当初の利用     計画を早く上回るような周知を引き続き実施してもらいたい。      現在における施設の周知活動としては、地元商店街等に対し施     設の説明会を開催、花火観賞にて施設パンフレットを配布、地元     小学校及び関係団体等の施設見学受け入れ、民間広報誌等への掲     載を行っている。      花火大会の無料観賞については倍率も上がり、市民の注目を浴     びていることはうかがえるが、貸会議室の稼働率は、平成28年     度は18%、平成29年度は32%と開館前の計画に比較して大幅に     低いのが現状であるため、開館して間もないこともあるが、引き     続き稼働率を高めるため周知活動を実施してもらいたい。      施設の維持費を賄うためにも、貸会議室のさらなる稼働率の増     加つまり利用料の増加につながるような施策を検討されたい。     【意見22】 第5 まちづくり推進部  1.耐震診断等補助金   (1) 概要
        耐震診断等補助金については、「岐阜市地域防災計画(地震対    策計画)」第2章第17節 まちの不燃化・耐震化において、以 ┌─────────────────────────────────┐ │〈方針〉                             │ │ 阪神・淡路大震災では、木造家屋のみならず比較的安全とされてい  │ │た堅牢建築物も倒壊し、また、地震に伴い二次災害としての火災も各  │ │地で発生した。このため、建築物の耐震化、不燃化の推進、都市公園  │ │の整備等による防災空間の確保、市街地の開発等による密集市街地の  │ │整備等を推進するとともに、老朽化した橋梁等の社会資本について、  │ │長寿命化延命化を図り、適切な維持管理に努め、災害廃棄物の発生を  │ │抑制する意味でも、想定を超える地震災害が発生した場合において、  │ │被害を一定のレベルに食い止められるような「地震に強いまちづく   │ │り」を目指す。                          │ │〈実施内容〉                           │ │ 1 建築物の防災対策                      │ │ (2) 一般建築物の耐震化                    │ │    建築物の所有者又は管理者に対し、耐震工法及び耐震補強等の │ │   重要性について啓発を行い、一般建築物の耐震化の推進を図る。 │ │   特に大規模地震時に倒壊のおそれのある木造住宅の耐震診断、耐 │ │   震改修については、重点的にこれを推進する。         │ └─────────────────────────────────┘     下の方針及び実施内容が定められている。 ┌────────────────────────────────┐ │   イ 建築物等耐震化促進事業の実施             │ │     建築物等耐震化促進事業については、一定の条件により、次│ │    のとおり補助金を支給し促進を図る。           │ │    (ア) 木造住宅耐震診断(無料耐震診断)         │ │    (イ) 木造住宅に係る住宅耐震補強工事費補助金      │ │    (ウ) 建築物耐震診断補助金               │ │    (エ) 分譲マンションに係る住宅耐震補強工事費補助金   │ │    (オ) 特定建築物耐震補強工事費補助金          │ │    (カ) 緊急輸送道路沿道建築物耐震補強工事費補助金    │ └────────────────────────────────┘    ア 岐阜市建築物耐震改修促進計画      岐阜市では、平成28年4月に「岐阜市建築物耐震改修促進計     画」改正しており、その位置づけとしては、以下である。 ┌────────────────────────────────┐ │ 本計画は、建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第1│ │23号。以下「法」という。)第6条の規定に基づき、市内における建│ │築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るため、平成20年度から平 │ │成27年度までの8年間を計画期間とする「岐阜市建築物耐震改修促 │ │進計画」として平成20年3月に策定した。            │ │ 平成28年3月に国の「建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図 │ │るための基本的な方針」が改正されたこと、引き続き耐震改修の促進 │ │を行う必要があることから、国の基本方針及び「岐阜県耐震改修促進 │ │計画」に基づき、「岐阜市建築物耐震改修促進計画」について、平成 │ │32年度まで5年間の計画期間とする改正を行い、耐震改修の促進を │ │進めるものである。                       │ │ なお、岐阜市における地震防災については、処理すべき事務等につ │ │いて広く定めた国の「防災基本計画」に基づく「岐阜市地域防災計  │ │画」のうち「地震対策計画」に基づき、その対策を進めており、その │ │地震災害予防の減災対策の一環としても「岐阜市建築物耐震改修促進 │ │計画」が機能している体系となっている。             │ │                                │ └────────────────────────────────┘    イ 耐震化の現状      建築基準法の耐震基準に関する改正が昭和56年6月1日から     施行され、新耐震設計法が導入されたことから、これ以降に着工     された建築物を「新基準建築物」、これより前に着工された建築     物を「旧基準建築物」という。      「建築物の耐震化」とは、建築物の地震に対する安全性を確保     することであり、「耐震化されている建築物」とは、新基準建築     物、旧基準建築物のうち耐震診断結果により耐震性を満たす建築     物及び耐震改修した建築物をいう。      この「耐震化されている建築物」の「建築物の全数」に対する     割合を「耐震化率」という。      「耐震性が不十分な建築物」とは旧基準建築物のうち、耐震診     断の結果、耐震性が不十分であり、かつ耐震改修が行われていな     いものをいう。     (ア) 耐震化の状況(平成27年度推計)      a  住宅の耐震化の現状        岐阜市内の居住世帯のある住宅の耐震化率の現状は以下で       ある。      b  1号特定建築物の耐震化の現状        一定の用途及び規模要件に該当する建築物を「特定建築物」       と定めており、そのうち学校、体育館、病院、劇場、観覧場、       展示場、百貨店、事務所、老人ホームその他多数の者が利用       する建築物を「1号特定建築物」と分類しており、その耐震       化率の現状は以下である。    ウ 耐震化の目標      岐阜市は、住宅及び多数利用の建築物(1号特定建築物)の耐震     化の現状、これまでの岐阜市の耐震診断等補助金の実施といった     取組み、国の基本方針、岐阜県の耐震改修促進計画を踏まえ、住     宅及び1号特定建築物の耐震化率を平成32年度(2020年度)     までに95%にすることを目標としている。      住宅及び1号特定建築物の目標達成のために、建替え・耐震改     修による耐震化を促進する必要がある。    エ 補助実績      耐震診断等補助金のうち、平成29年度において実施した補助
        金は以下である。 それぞれの補助実績は以下である。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌─────────────────┬──────────────┐ │       着眼点       │     監査手続     │ ├─────────────────┼──────────────┤ │                 │・住民への周知方法について │ │ア 各種補助金制度が住民に周知され│ ヒアリング        │ │ ているか            │・実際の周知方法について文 │ │                 │ 書等を閲覧        │ ├─────────────────┼──────────────┤ │イ 補助金対象となる交付条件が適切│・交付条件を確認し、他自治 │ │ に設定されているか       │ 体と比較して不合理な条件 │ │                 │ でないかを確認      │ ├─────────────────┼──────────────┤ │                 │・補助金を交付した事案につ │ │ウ 補助金が交付条件に合致した対象│ いて交付条件を満たしてい │ │ 者に実施されているか      │ るかについて、市作成資料 │ │                 │ を確認          │ ├─────────────────┼──────────────┤ │                 │・補助金交付による目的の達 │ │エ 補助金の効果を図る指標が適切に│ 成状況を計測可能な指標が │ │ 設定されているか        │ 設定されているかを確認  │ │                 │・設定された指標が国等と整 │ │                 │ 合しているかを確認    │ ├─────────────────┼──────────────┤ │オ 補助金の効果を図るために設定さ│・設定された指標が国等と整 │ │ れた指標の達成状況は良好か   │ 合しているかを確認    │ └─────────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 各種補助金制度が住民に周知さ │ ○  │    │    │ │ れているか           │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 補助金対象となる交付条件が適 │ ○  │    │    │ │ 切に設定されているか      │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ 補助金が交付条件に合致した対 │ ○  │    │    │ │ 象者に実施されているか     │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │エ 補助金の効果を図る指標が適切 │ ○  │    │    │ │ に設定されているか       │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │オ 補助金の効果を図るために設定 │    │    │ ○  │ │ された指標の達成状況は良好か  │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】      岐阜市は、「岐阜市建築物耐震改修促進計画」において、平成     32年度(2020年度)の耐震化率を目標値95%と設定している。      しかし、平成27年度において住宅の耐震化率は80%、1号特     定建築物の耐震化率は86%となっており、目標達成のために建替     え・耐震改修による耐震化が必要な件数は、計画以降5年間で住     宅については、25,750戸(年平均5,150戸程度)、1     号特定建築物については171棟(年平均35棟程度)としている。      一方、耐震化を促進する補助金の実績は、平成27年度以降住     宅に対する補助実績のみであり、その件数も目標達成のために必     要な耐震化件数とは程遠いものである。      耐震化率の向上は、補助金のみによるものではなく、住民及び     事業者自身による地震に対する安全性の確保が求められるもので     はあるが、岐阜市も国及び岐阜県と足並みをそろえた目標耐震化     率を掲げている以上、住民への耐震化への啓蒙のみならず補助金     等の件数の拡大も検討するなど目標達成に努められたい。      【意見23】  2.耐震シェルター等設置事業   (1) 概要      耐震シェルター等設置事業については、「岐阜市地域防災計画     (地震対策計画)」第2章第17節 まちの不燃化・耐震化において、     以下の方針及び実施内容が定められている。 ┌─────────────────────────────────┐ │〈方針〉                             │ │ 阪神・淡路大震災では、木造家屋のみならず比較的安全とされてい  │ │た堅牢建築物も倒壊し、また、地震に伴い二次災害としての火災も各  │ │地で発生した。このため、建築物の耐震化、不燃化の推進、都市公園  │ │の整備等による防災空間の確保、市街地の開発等による密集市街地の  │ │整備等を推進するとともに、老朽化した橋梁等の社会資本について、  │ │長寿命化延命化を図り、適切な維持管理に努め、災害廃棄物の発生を  │ │抑制する意味でも、想定を超える地震災害が発生した場合において、  │ │被害を一定のレベルに食い止められるような「地震に強いまちづく   │ │り」を目指す。                          │ │〈実施内容〉                           │ │ 1 建築物の防災対策                      │ │  (8) 耐震シェルター等の設置促進               │ │     市は、地震発生時に自力で迅速に避難することが困難であ  │ │    る高齢者等の生命、身体の安全を確保するため、一定の条件  │ │    により耐震シェルター等の設置に対し補助金を支給し、設置  │ │    促進を図る。                       │ └─────────────────────────────────┘
        耐震シェルター等の設置について,岐阜市から補助金が交付され    るが,補助対象住宅,世帯の要件が定められており,補助対象とな    るシェルター,防災ベッドが定められている。     耐震シェルター補助対象住宅,世帯要件は次項のとおりである。 ┌──┬─┬───────────────────────────────────┐ │  │ │               要  件                │ ├──┼─┼───────────────────────────────────┤ │  │ │昭和56年5月31日以前に着工された2階建て以下の一戸建て木造住宅(店 │ │  │ 1│舗等の用途を兼ねるものは、店舗等の用に供する部分の床面積が延べ床面積 │ │  │ │の2分の1未満の場合に限る。)(国、地方公共団体その他公の機関が所有 │ │  │ │するものを除く。)                          │ │  ├─┼───────────────────────────────────┤ │住宅│ │一般財団法人日本建築防災協会が発行する「木造住宅の耐震診断と補強方  │ │  │ 2│法」に定める一般診断法に基づいて相談士が実施した耐震診断の結果、上部 │ │  │ │構造評点が0.7未満とされた住宅                   │ │  ├─┼───────────────────────────────────┤ │  │ │高齢者(65歳以上の者をいい、事業実施年度内に65歳以上に達する者を │ │  │ 3│含む。)又は障がい者等を含む世帯が居住する住宅            │ │  │ │                                   │ ├──┼─┼───────────────────────────────────┤ │  │ │                                   │ │  │ 1│対象住宅に居住している                        │ │  │ │                                   │ │  ├─┼───────────────────────────────────┤ │  │ │                                   │ │世帯│ 2│世帯全員の所得の合計額が550万円以下                │ │  │ │                                   │ │  ├─┼───────────────────────────────────┤ │  │ │                                   │ │  │ 3│世帯全員が岐阜市税を滞納していない                  │ │  │ │                                   │ └──┴─┴───────────────────────────────────┘ 対象となる耐震シェルター及び防災ベッドは次のとおりである。  また、補助金の額は次のとおりである。 ┌────────────────┬────┬───────┐ │補助対象となる事業費の限度額  │補助率 │補助金限度額 │ ├────────────────┼────┼───────┤ │30万円/件           │9/10  │27万円    │ └────────────────┴────┴───────┘  補助対象戸数は次のとおりである。  5件(平成29年度)   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌─────────────────┬───────────────┐ │       着眼点       │     監査手続      │ ├─────────────────┼───────────────┤ │                 │・住民への周知方法についてヒア│ │ア 各種補助金制度が住民に周知  │ リング           │ │ されているか          │・実際の周知方法について文書等│ │                 │ を閲覧           │ ├─────────────────┼───────────────┤ │イ 補助金対象となる交付条件が  │・交付条件を確認し、他自治体と│ │ 適切に設定されているか     │ 比較して不合理な条件でないか│ │                 │ を確認           │ ├─────────────────┼───────────────┤ │ウ 補助金が交付条件に合致した  │・補助金を交付した事案について│ │ 対象者に実施されているか    │ 交付条件を満たしているかにつ│ │                 │ いて、市作成資料を確認   │ └─────────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 各種補助金制度が住民に周知さ │ ○  │    │    │ │ れているか           │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 補助金対象となる交付条件が適 │ ○  │    │    │ │ 切に設定されているか      │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ 補助金が交付条件に合致した対 │ ○  │    │    │ │ 象者に実施されているか     │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】      監査手続を実施した結果、特に問題となる事項はなかった。 第6 消防本部  1.街頭消火器維持管理   (1) 概要       街頭消火器については、「岐阜市地域防災計画(一般対策計画)」      第2第27節火災予防対策において、以下の方針及び実施内容が      定められている。 ┌────────────────────────────────┐ │〈方針〉                            │ │ 大規模災害が発生した場合、同時多発火災や時間、季節、風速等に │ │よっては大火災となるおそれがあるため、地域及び事業所等の火災予 │ │防の徹底を図るとともに、迅速に消火活動を行う体制を整備する。  │ │〈実施内容〉                          │
    │ 2 初期消火体制等の確立                   │ │  (1) 初期消火体制の確立を図るため、防災訓練等において初期 │ │    消火訓練を実施するとともに、初期消火対策として整備して │ │    いる街頭消火器の設置箇所について、市民へ周知を図る。  │ └────────────────────────────────┘      岐阜市では日常的に発生する火災、また、南海トラフ巨大地震     等、大震災が発生した場合等において岐阜市内では同時多発的に     火災の発生が危惧されている。      火災発生時には公設消防隊の消火活動が重要なのは言うまでも     ないが、道路や水路が寸断された場合などにおいては、市民及び     地域が有する「自助」力や「共助」力もまた重要である。      そこで地域住民による初期消火活動自体の重要性に鑑み、岐阜     市内には街頭消火器を設置しているが、いついかなる場合に火災     が発生しても確実に機能を発揮するものとするため、街頭消火器     を適正に維持管理する事業である。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌─────────────────┬───────────────┐ │       着眼点       │     監査手続      │ ├─────────────────┼───────────────┤ │                 │・街頭消火器の定期点検が行わ │ │                 │ れているかについて、点検記 │ │                 │ 録等を確認         │ │ア 街頭消火器の維持管理は計画  │・大規模災害時に街頭消火器以 │ │ 的に実施されているか      │ 外の有効な消防設備を検討し │ │                 │ ているかについてのヒアリン │ │                 │ グ             │ │                 │・関係者へのヒアリングの実施 │ └─────────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌──────────────────┬──────────────┐ │                  │     監査結果     │ │       着眼点        ├────┬────┬────┤ │                  │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 街頭消火器の維持管理は計画的に実│ ○  │    │ ○  │ │ 施されているか          │    │    │    │ └──────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     岐阜市内に街頭消火器は6,633本設置されているが、街頭消火器    の点検頻度、点検の状況について担当者へのヒアリング及び必要な    資料の閲覧を行った。     その結果、街頭消火器の定期点検は、3つの消防署の管轄内で分    担し、2カ月に1回ずつ、年に6回の点検を行っていることを街頭    消火器巡回点検報告書(以下、報告書という)の閲覧により確認し    た。     また、街頭消火器は連番管理がなされており、報告書には点検を    行った街頭消火器の番号が詳細に記載され、また、巡回点検にあた    っては街頭消火器調査巡回コース(地図)を定めることにより、効    率かつ漏れなく街頭消火器の巡回点検ができるように配慮がなされ    ていた。     さらに、街頭消火器調査巡回コースには街頭消火器の位置、番号    が記載され、点検が終わった街頭消火器の番号に“×”を付すこと    で点検が終了していることを明確にする等の工夫をすることにより、    街頭消火器の巡回点検が網羅的に行われることを担保されていた。     そして、街頭消火器の巡回点検では“街頭消火器の盗難”“街頭    消火器が噴射されたままとなっている”等、万が一の時に街頭消火    器が使用できない旨の記載が報告書の閲覧により確認された。     このような場合には、設置場所、事故等の状況、措置結果等が記    載された街頭消火器事故等報告書が点検実施後すみやかに作成され、    各消防署長から消防長に報告され、巡回点検の結果が適時にフィー    ドバックされていることが確認できた。     以上より、街頭消火器は計画的に維持管理されていた。     このように、岐阜市の街頭消火器は適切に維持管理されており、    消防力が確保されているといえるが、一方で他の自治体では街頭消    火器の他により高い消防力をもつ消防設備等への切り替えを行って    いる自治体もある。例えば、地域住民による初期消火活動自体の重    要性の高さから、「自助」力や「共助」力に対する働きかけの強化、    防災力を向上させることを目的として、すべての避難所に「消火ホ    ースキット」を配備した他市町村がある。     消火器は薬剤がなくなった時点で消火活動が行えなくなるが、消    火ホースキットは消火栓の給水能力がある限りは、消火活動を実施    することが可能であり、操作性もよいことから、高齢者や女性、中    学生等でも消火活動を行うことができるものとして、消防力の向上    が期待されている。     そこで、防災事業の有効性をより高めるために、消防庁の諮問機    関からの答申、他市町村の動向等を踏まえ、より充実した消防力を    確保することを検討することが望ましい。【意見24】  2.岐阜市消防団拠点整備事業   (1) 概要       消防団については、「岐阜市地域防災計画(一般対策計画)」第      2章第2節防災体制の整備において、以下の方針及び実施内容が      定められている。 ┌────────────────────────────────┐ │〈方針〉                            │ │ 災害応急対策を効率的に実施する際に必要な事前対策を推進するた │ │めに、平常時から防災に関する組織及び活動体制の整備に努める。  │ │〈実施内容〉                          │ │ 2 防災施設、設備等の整備                  │ │   市は、災害応急対策を実施するために必要な施設、設備、資機 │ │  材の整備及び備蓄品の充実を図るとともに、その運用が適切に行 │ │  えるよう維持管理に努める。                 │ │  (3) 消防団の強化                     │
    │     市は、地域における消防防災の中核として重要な役割を果 │ │    たす消防団の施設、装備、処遇の改善、教育訓練体制の充  │ │    実、青年層、女性層を始めとした団員の入団促進等消防団の │ │    活性化を推進し、その育成、強化を図る。また、市は、消防 │ │    団との情報伝達機器等、安全管理上必要な機器の充実に努め │ │    る。                          │ └────────────────────────────────┘      岐阜市内にある現在の消防分団本部庁舎は、築35年以上経過     したものもあり老朽化が著しく、また災害対応拠点施設として面     積規模が小さいものが多い。      そこで、岐阜市の災害対応に対し常備消防と両輪をなし、岐阜     市の「自助」「共助」の担い手である消防団員の士気高揚を図る     とともに、大規模災害発生時の最前線基地として大きな被害軽減     が見込まれるため、消防団拠点整備を行うものである。      岐阜市は、地域の災害対応拠点である消防分団本部について     「岐阜市耐震化整備計画」と経過年数を基に「消防団拠点整備計     画」を策定し、耐震性が高く既定の面積を有したものに順次建て     替えを行っている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬───────────────┐ │      着眼点       │     監査手続      │ ├────────────────┼───────────────┤ │                │・消防本部で必要な施設整備を行│ │ア 岐阜市消防団拠点整備事業は │ うための計画が策定されている│ │ 計画的に実施されているか   │ かどうかを確認       │ │                │・関係者へのヒアリングの実施 │ ├────────────────┼───────────────┤ │                │・整備する消防団施設は消防活動│ │                │ に必要な施設としているかどう│ │                │ かについて関連資料を閲覧  │ │                │・整備する消防団施設は消防団の│ │イ 消防団拠点整備は必要性を十 │ 規模等を勘案して必要十分とな│ │ 分に考慮して網羅的に整備され │ っているか関連資料を閲覧  │ │ ているか           │・設置される消防団施設は他の自│ │                │ 治体で起きた災害等を踏まえた│ │                │ 仕様となっているかについて関│ │                │ 連資料を閲覧        │ │                │・関係者へのヒアリングの実施 │ └────────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 岐阜市消防団拠点整備事業は計画│ ○  │    │    │ │ 的に実施されているか      │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 消防団拠点整備は必要性を十分に│    │    │ ○  │ │ 考慮して網羅的に整備されているか│    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     消防団拠点整備計画は経過年数(老朽度)、耐震診断結果等を考慮    し、平成22年6月30日に策定されている。     当該計画に基づき本事業が実施されていることを、当初計画と実    施結果を突合することにより確認した。     一方で、分団本部は平成8年の消防団検討委員会により、分団本    部庁舎の規模に関して検討が行われ、これを基準として整備が行わ    れている。     また、分団器具庫については「岐阜市消防団器具庫設置基準」に    基づき、順次建て替えを行っているが、当該基準は平成28年に見    直しが行われて以降、改訂されていない。     近年、マグニチュード7を超える地震は東日本大震災(平成23    年)、宮城県沖地震(平成23年)、福島県浜通り地震(平成23年)、    熊本地震(平成28年)など、計13回発生し、甚大な被害をもたら    している。消防団の拠点整備に求められている仕様はこれらの災害    を踏まえ、適時に見直しが行われなければ本事業の効果が十分に発    揮されない。     したがって、消防団拠点整備にあたり求められる拠点の仕様につ    いては適時に見直しを行うことが望ましい。【意見25】  3.消防団員報酬   (1) 概要       消防団員については、「岐阜市地域防災計画(一般対策計画)」      第2章第2節防災体制の整備において、以下の方針及び実施内容      が定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │ 災害応急対策を効率的に実施する際に必要な事前対策を推進するた│ │めに、平常時から防災に関する組織及び活動体制の整備に努める。 │ │〈実施内容〉                         │ │ 2 防災施設、設備等の整備                 │ │  市は、災害応急対策を実施するために必要な施設、設備、資機 │ │ 材の整備及び備蓄品の充実を図るとともに、その運用が適切に行 │ │ えるよう維持管理に努める。                 │ │ (3) 消防団の強化                     │ │    市は、地域における消防防災の中核として重要な役割を果 │ │   たす消防団の施設、装備、処遇の改善、教育訓練体制の充  │ │   実、青年層、女性層を始めとした団員の入団促進等消防団の │ │   活性化を推進し、その育成、強化を図る。また、市は、消防 │ │   団との情報伝達機器等、安全管理上必要な機器の充実に努め │ │   る。                          │ └───────────────────────────────┘
        消防団は、消防組織法(昭和22年法律第226号。以下「法」    という。)第18条第1項の規定に基づき「岐阜市消防団の設置    等に関する条例」により設置されている。     消防団員は非常勤の特別職公務員であり、消防団長は分団長以    上で構成される推薦委員会にて3分の2以上の同意を得て推薦す    ることとされ、その推薦に基づき市長が、その他の消防団員は、    団長が次の各号の資格を有する者のうちから市長の承認を得て、    任命することとされている(岐阜市消防団員の定員、任免、給与、    服務等に関する条例第3条第1項、第2項)。     消防団員は、団長の招集によって出動し、職務に従事するもの    とされ、招集を受けない場合であっても、水火災その他の災害の    発生を知ったときは、あらかじめ指定するところに従い、直ちに    出動し、職務に従事しなければならないとされている(岐阜市消    防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例第8条)。     そして、岐阜市では法第9条第3号の規定に基づいて岐阜市中    消防団、岐阜市南消防団、岐阜市北消防団が設置され、3消防団    とその分団で構成されている。     平成30年11月1日現在の人員は全市で1,176人であり、    条例定員1,251人に対し充足率は94.0%となっている。     この点、公益財団法人日本消防協会の調査によれば、充足率の    全国平均は平成29年10月1日現在92.2%であり、平成28年    は92.5%であり、全国平均をやや上回る結果となっている。     また岐阜市では消防団員に対し、その労苦に報いるため報酬及    び出動した場合の費用弁償としての出動手当を岐阜市消防団員の    定員、任免、給与、服務等に関する条例第12条及び第13条に    基づき支給している。     消防団員に対する金銭の支払は、消防団員としての活動に対す    る報酬の性格を有することから、本人に直接支払わなければなら    ず、消防団の口座に振り込まれることがあってはならない。     報酬を本人に支払うことに関し、消防庁次長名で「消防団員に    対する報酬等の支給方法については、消防組織法第23条の規定    に基づき、各市町村の条例で定められているところ、報酬、出動    手当等は、その性格上本人に直接支給されるべきものであるため、    適正に支給すること。」との通知(消防地第250号)が、平成2    9年7月28日に各都道府県知事及び各指定都市市長に向けて発    出されている。     なお、この旨の消防庁からの通知は、平成17年から平成30    年の間に、5回にわたり全国に通知が発出されている。     消防団員には岐阜市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関す    る条例第12条及び第13条に基づき報酬が支払われる。また、退    職報償金についても、岐阜市消防団員の定員、任免、給与、服務等    に関する条例第15条及び岐阜市非常勤消防団員に係る退職報償金    の支給に関する条例に基づいて支給される。なお、支給額の詳細は    以下のとおりである。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬──────────────┐ │      着眼点       │     監査手続     │ ├────────────────┼──────────────┤ │ア 消防団員の報酬は規定に基づ │・消防団員の報酬計算資料を閲│ │ いて支給されているか     │ 覧及び計算チェック    │ │                │・関係者へのヒアリングの実施│ ├────────────────┼──────────────┤ │                │・消防団員の報酬が本人の口座│ │イ 消防団員の報酬は本人の口座 │ に振り込まれているかについ│ │ に振り込まれているか     │ て関連資料を閲覧     │ │                │・関係者へのヒアリングの実施│ ├────────────────┼──────────────┤ │ウ 消防団員の退職報償金は規定 │・退職報償金の計算資料を閲覧│ │ に基づいて支給されているか  │ 及び計算チェック     │ │                │・関係者へのヒアリングの実施│ ├────────────────┼──────────────┤ │                │・消防団員の退職報償金が本人│ │エ 消防団員の退職報償金は本人 │ の口座に振り込まれているか│ │ の口座に振り込まれているか  │ について関連資料を閲覧  │ │                │・関係者へのヒアリングの実施│ └────────────────┴──────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 消防団員の報酬は規定に基づい │ ○  │    │    │ │ て支給されているか       │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 消防団員の報酬は本人の口座に │    │ ○  │    │ │ 振り込まれているか       │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ 消防団員の退職報償金は規定に │ ○  │    │    │ │ 基づいて支給されているか    │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │エ 消防団員の退職報償金は本人の │ ○  │    │    │ │ 口座に振り込まれているか    │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     消防団員の報酬及び費用弁償は消防団員の階級、出動記録を閲覧    したが、計算根拠資料には多数の照合証跡も見られ計算誤りが発生    しないように最善の注意を払って計算がなされていることが確認さ    れた。     一方で、消防団員の報酬の支払については本人口座への振込がな    されていることを金融機関への口座振込依頼書兼明細書にて確認で    きたが、その金額は報酬額から所属する消防分団の親睦会費を控除    された金額であった。
        各分団の親睦会規約を閲覧したところ、親睦会への入会を強制す    る規定はなく、団員の自由意思に基づく入会であり、親睦会費を報    酬から控除して振り込むことについても団員からの委任状を入手し    ており問題はないものの、親睦会費を報酬額から一定割合を徴収    (3団本部39分団のうち3団本部34分団は報酬の90%以上を徴    収している。)していること、及び、親睦会の活動に参加できない    場合にも費用を負担していることから、団員別の公平性を欠く状況    となっている。     また、消防庁は消防団員を確保するための施策の一つとして年額    報酬の引き上げを行うよう要請しているが、現状の運用では年額報    酬が増えたとしても、親睦会費として90%以上を徴収されている現    状において、消防団員の処遇を改善できるとは考えにくい。     以上より報酬額より親睦会費を控除する運用ではなく、報酬全額    を団員の個人口座に振り込み、団員は負担すべき親睦会費を個別に    支払う方法に変更する必要がある。【指摘4】     退職報償金については、支給された消防団員を任意抽出し、退職    報償金の計算根拠が記載された個人別調書(任免及び勤務年数等が    記載されている。)を閲覧し、当該調書に記載された退職報償金の    金額が条例に定める金額と一致していることを確認した。     また、退職報償金が消防団員本人に対して支払われていることを    金融機関への口座振込依頼書兼明細書を閲覧することにより確認し    た。     以上より、消防団員の退職報償金は規定に基づき、本人に支払わ    れており適切であった。  4.耐震性貯水槽整備事業   (1) 概要       耐震性貯水槽整備事業については、「岐阜市地域防災計画(一般      対策計画)」第2章第30節大規模な火災災害対策において、以下      の方針及び実施内容が定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │ 多数の死傷者の発生を伴う大規模な火事災害(林野火災を除く。)│ │に対応するため、災害に強いまちづくり、必要な情報の収集、連絡体│ │制、応急体制の整備、応急対策資機材の確保、防災訓練等を実施す │ │る。                             │ │〈実施内容〉                         │ │ 1 災害に強いまちづくり                  │ │  (1) 災害に強いまちの形成                │ │   ア 市は、避難路、避難場所、延焼遮断帯、防災活動拠点と結│ │    ぶ幹線道路、都市公園、河川など骨格的な都市整備施設の整│ │    備、老朽木造住宅密集市街地の解消等を図るための土地区画│ │    整理事業、市街地再開発事業等による市街地の面的な整備、│ │    建築物や公共施設の耐震及び不燃化、水面、緑地帯の計画的│ │    確保、耐震性貯水槽や備蓄倉庫、河川水、下水処理水等を消│ │    防水利として活用するための施設の整備等を図るとともに、│ │    防火地域及び準防火地域の的確な指定による防災に配慮した│ │    土地利用への誘導等により、災害に強い都市構造の形成を図│ │    る。                         │ └───────────────────────────────┘   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌────────────────┬───────────────┐ │      着眼点       │     監査手続      │ ├────────────────┼───────────────┤ │                │・耐震性貯水槽・防火水槽の設置│ │                │ にあたり、計画が策定されてい│ │                │ るかについて関連資料を閲覧 │ │                │・計画が策定されている場合、当│ │                │ 該計画に沿って設置が進められ│ │ア 耐震性貯水槽・防火水槽の  │ ているかについて関連資料を閲│ │ 設置は計画的に実施されてい  │ 覧             │ │ るか             │・当該計画は定期的に見直されて│ │                │ いるかについて関連資料を閲覧│ │                │・策定されている計画はほかの自│ │                │ 治体で起きた災害等を踏まえた│ │                │ ものとなっているかについて関│ │                │ 連資料を閲覧        │ │                │・関係者へのヒアリングの実施 │ ├────────────────┼───────────────┤ │                │・耐水性貯水槽・防火水槽の設置│ │                │ に基準が設けられているかにつ│ │                │ いて関連資料を閲覧     │ │                │ ・設けられている基準は消防設│ │                │ 備の能力等を勘案した合理的な│ │                │ ものとなっているかについて関│ │                │ 連資料を閲覧        │ │イ 耐震性貯水槽・防火水槽は  │ ・設置される耐震性貯水槽・防│ │ 必要十分に設置されているか  │ 火水槽は対象となる世帯数等を│ │                │ 勘案して、必要十分な防災に資│ │                │ するものとなっているかについ│ │                │ て関連資料を閲覧      │ │                │・設置される耐震性貯水槽・防火│ │                │ 水槽は他の自治体で起きた災害│ │                │ 等を踏まえた仕様となっている│ │                │ かについて関連資料を閲覧  │ │                │・関係者へのヒアリングの実施 │ └────────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 耐震性貯水槽・防火水槽は必  │ ○  │    │    │
    │ 要十分に設置されているか    │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 耐震性貯水槽・防火水槽の設  │ ○  │    │    │ │ 置は計画的に実施されているか  │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】       岐阜市では下記の通り、昭和50年から耐震性貯水槽の整備      に着手してきた。(以下、耐震性貯水槽第三次整備計画より抜      粋) ┌───────────────────────────────┐ │ 「岐阜市では、地域対策施設整備事業として耐震性貯水槽の整備 │ │を、昭和50年から平成8年にかけ中心市街地における住民の避難路│ │確保並びに延焼拡大防止を目的とした、第一次整備計画(昭和50年│ │~平成8年)として34基を設置した。             │ │ また、第二次整備計画(平成11年~20年)として、阪神淡路大│ │震災後の平成7年度から9年度に実施した「岐阜市防災アセスメント│ │調査」に基づき、木造建築物密集地域、液状化による建物倒壊率が高│ │い地域及び人口が集中する地域を基本に10基の設置を計画し、市内│ │に第一次、第二次整備計画合わせて44基の整備を完了した。   │ │ 更に、平成15年7月に岐阜県が公表した「岐阜県東海地震被害想│ │定調査」に基づき、地震動、液状化による木造建物倒壊率が高いと予│ │測される5地域を選定し、第三次整備計画(平成21年~25年)と│ │して、5基の設置計画を樹立したが、平成19年度に岐阜市が実施し│ │た「岐阜市地震被害想定調査」を基に未整備地域を考慮し、これまで│ │の策定基準による整備地域とを総合的に比較したところ、若干の不足│ │を生じると考えられることから、第三次整備計画の見直しを行い8基│ │とし、現在この計画により推進しているところである。      │ │ しかし、平成23年3月の東日本大震災における市街地等で同時多│ │発的に発生した広域街区火災等の教訓、また、広域的な避難所の運用│ │に伴いすべての避難所において生活用水等の確保が必要であることか│ │ら、耐震性貯水槽の未整備地域への早急な設置が必要と考えられるこ│ │とから計画の更なる見直しを行うものである。」         │ └───────────────────────────────┘     上記の通り、岐阜市では耐震性貯水槽の整備にあたり、昭和50    年より計画的に実施しており、また、阪神大震災後に行ったアセス    メントの結果や東日本大震災教訓を活かすために、計画に適時に織    り込んでいることがわかる。     また、平成17年10月18日に策定された耐震性貯水槽第三次    整備計画は平成21年5月8日、平成23年8月25日に見直しが    行われ、直近では、監査対象年度である平成29年度の同事業の実    施にあたり再度見直しをしている。これは、南海トラフの巨大地震    の被害想定調査結果により、上下水道管が578箇所で被害が発生    することが予想されており、避難所においては生活用水及び初期消    火用水の代替施設等がないこと、また、未整備地域が市周辺部に多    いため、消防隊の現着が遅延することにより被害が拡大する恐れが    あることが判明したためである。     さらに、地域別人口、建物棟数、避難者人口、全壊・半壊棟数と    いった客観的に測定可能な項目を整備基準の項目として設定し、こ    れに基づき整備順位を設定している。また、このほかに耐震性貯水    槽整備予算の平準化も考慮し、特定の地域に整備予算が偏らない配    慮がなされ、耐震性貯水槽・防火水槽の設置が計画的に実施されて    いる。     以上より、岐阜市では耐震性貯水槽の整備は計画的に実施され、    当該計画は各種アセスメント、巨大地震の想定調査結果、大規模震    災の教訓等を踏まえ適時に見直しが行われており、耐震性貯水槽整    備事業は適切に実施されていた。 第7 上下水道事業部  1.上下水道事業部の概要   (1) 上下水道事業部の組織       岐阜市の上下水道事業部の組織等については,岐阜市上下水道      事業部の組織等に関する規程第3条に次のように定められている。 ┌──────┬──────────────────────────┐ │  課名  │           分掌事務           │ ├──────┼──────────────────────────┤ │上下水道事業│ア 企業合理化に関すること。            │ │政策課   │イ 水道及び下水道の拡張及び改良の計画に関すること。│ │      │ウ 条例及び規程に関すること。           │ │      │エ 市議会に関すること。              │ │      │オ 広報及び宣伝に関すること。           │ │      │カ 部内の総合調整に関すること。          │ │      │キ 文書及び公印に関すること。           │ │      │ク 部内の情報の公開及び個人情報の保護に関すること。│ │      │ケ 儀式及び褒賞に関すること。           │ │      │コ 職員の服務及び福利厚生に関すること。      │ │      │サ 財産及び車両の取得、管理及び処分に関すること。 │ │      │シ 物品の購入、工事の請負等の契約に関すること。  │ │      │ス 水道会計及び下水道会計の予算及び財務に関するこ │ │      │ と。                       │ │      │セ 水道会計及び下水道会計の決算に関すること。   │ │      │ソ 水道会計及び下水道会計の出納に関すること。   │ │      │タ 上下水道事業部本庁舎の維持管理に関すること。  │ │      │チ 部内の他課の所管に属さない事項に関すること。  │ ├──────┼──────────────────────────┤ │営業課   │ア 水道料金及び下水料金の調定及び収納に関すること。│ │      │イ 受益者負担金の賦課及び徴収に関すること。    │ │      │ウ 滞納整理及び滞納処分に関すること。       │ │      │エ 欠損処分に関すること。             │ │      │オ 給水装置及び排水設備の工事に関すること。    │ │      │カ 指定給水装置工事事業者及び下水道排水設備指定工事│ │      │ 店に関すること。                 │ │      │キ 水洗便所改造等工事、水道水切替工事等に係る助成金│ │      │ 並びに給水装置及び排水設備に係る工事費の融資あっ旋│ │      │ に関すること。                  │ │      │ク 水道及び下水道の普及促進に関すること。     │ │      │ケ 水道メーターの開閉栓及び管理に関すること。   │ │      │コ 下水計測器の設置及び管理に関すること。     │
    ├──────┼──────────────────────────┤ │上水道事業課│ 水道の拡張並びに改良工事の設計及び施工に関するこ │ │      │と。                        │ ├──────┼──────────────────────────┤ │下水道事業課│ 下水道の拡張並びに改良工事の設計及び施工に関するこ│ │      │と。                        │ ├──────┼──────────────────────────┤ │施設課   │ア 水道の水源地等並びにプラント及びポンプ場の拡張並│ │      │ びに改良工事の設計及び施工に関すること。     │ │      │イ 水道の水源地等並びにプラント及びポンプ場の維持管│ │      │ 理に関すること。                 │ │      │ウ 下水処理に関すること。             │ │      │エ 焼成れんがの販売に関すること。         │ │      │オ りんの回収及び販売に関すること。        │ ├──────┼──────────────────────────┤ │水質管理課 │ア 水道の水質に関すること。            │ │      │イ 下水道の水質に関すること。           │ ├──────┼──────────────────────────┤ │維持管理課 │ア 配水管及び下水管渠の維持管理に関すること。   │ │      │イ 公道内の給水装置及び排水設備の修繕に関すること。│ │      │ウ 応急給水に関すること。             │ │      │エ 漏水防止対策に関すること。           │ │      │オ 貯蔵品の出納及び保管に関すること。       │ └──────┴──────────────────────────┘       岐阜市上下水道事業部の組織等に関する規程によれば,防災対      策に関する事務分掌は定められていない。       ただ,岐阜市水道給水条例第4条第1項において,「管理者は、      災害等による給水装置の損傷を防止するとともに、給水装置の損      傷の復旧を迅速かつ適切に行えるようにするため必要があると認      めるときは、配水管への取付口から水道メーターまでの間の給水      装置に用いようとする給水管及び給水用具について、その構造及      び材質を指定することができる。」と定めており,管理者(水道      事業及び下水道事業管理者)が災害時における対処をすることは      定められている。       上下水道を含むライフライン施設は,日常生活及び産業活動に      欠くことができないものであり,災害発生時における各施設の被      害を最小限にとどめるための諸施策を実施し,万全な予防措置を      講ずる必要がある。       特に,上下水道事業は,ライフライン施設の要であり災害発生      時においても速やかに安定した供給を求められる。   (2) 岐阜市の水道区域図       岐阜市は清流長良川河畔に発展した都市で、地下水は良質で豊      富である。水源地にも恵まれていることもあり、岐阜市は給水ブ      ロックを6つに分けている。       岐阜市の水道区域図は下記の通りである。   (3) 水道関連施設の説明       岐阜市の水道は下記の図のような仕組みで配水されている。   (4) 下水道区域図       岐阜市の下水道の区域図は下記の通りである。  2.配水管の耐震化事業   (1) 概要       配水管の耐震化事業については、「岐阜市地域防災計画(地震      対策計画)」第2章第20節ライフライン施設対策において、以      下の方針及び実施内容が定められている。 ┌────────────────────────────────┐ │〈方針〉                            │ │ 電気、ガス、上下水道等のライフラインの寸断は、都市生活の基本 │ │的な部分での麻痺を生じ、二次災害の発生、安否確認、住民の避難、 │ │救命救助等の応急対策活動などに支障を与えるとともに、避難生活環 │ │境の悪化等をもたらすなど、その影響は極めて広範に及ぶため、施設 │ │の耐震性の確保及び電線類の無電柱化に努めるとともに、応急供給体 │ │制の確保(バックアップ体制等)及び応急復旧体制(広域応援体制  │ │等)の確保を図る。                       │ │〈実施内容〉                          │ │ 1 上水道施設対策(上下水道事業部)             │ │   水道事業者は、地震災害発生時の上水道施設の被害を未然に防 │ │  止するとともに、被害が発生した場合においても水道の安定供給 │ │  を行うため、次により水道施設の整備を行う。         │ │  (1) 上水道の確保                     │ │     取水、配水施設等の耐震化の強化を図るとともに、配水池 │ │    に圧力調整機能を持った弁類を設置し、二次災害の防止及び │ │    応急用飲料水等を確保する。               │ └────────────────────────────────┘      配水管とは、配水施設から各家庭へ配水している管路のことを     いう。      岐阜市は、平常時に安全・安心な水を安定して供給することは     もとより災害時においても安定した水の供給を行うため、老朽管     の更新とともに、耐震管の使用により震災時にも安定した水の供     給を図ることを目的としている。      岐阜市における配水管の耐震化は,既設の配水管に耐震対策を     加えるというものではなく,既設の配水管のうち,老朽化が進ん     だ配水管を耐震性配水管(以下「耐震管」)という)に布設替工事を     することで実現している。      岐阜市の過去5年の管路(配水管、送水管、導水管を含む)総延     長及び管路更新率の推移は以下の通りである。      全国の管路更新率は,約0.76%(厚生労働省調べ 平成26年     度)である。全国の管路更新率と岐阜市の管路更新率を比較する     と,岐阜市は0.25%ほど高くなっている。      なお,岐阜市の管路更新率は1.1%であり、単純計算をすると,
        100年をかけて岐阜市管轄のすべての管路交換が完了すること     になる。地方公営企業法施行規則別表第2号により、管路の法定     耐用年数は40年とされているが、現在岐阜市が布設している耐     震管は,法定耐用年数を超える耐用年数100年といわれるもの     を使用しているとのことであり,仮に40年を超えて使用をした     としても耐用年数に問題はないとの回答であった。      ところで、耐震管とは、継手に離脱防止機構を有する管路であ     り、岐阜市において、現在使用している耐震管は次項のとおりで     ある。      平成29年度に行われた管路の布設替工事の集計表は次項のと     おりである。      また、岐阜市は、全国平均より管路更新率が高いことも有り、     基幹管路(配水管、送水管、導水管を含む)の耐震適合率は全国     平均値の38.7%より高くなっている。      下記は岐阜県内の他市町村の基幹管路の耐震化適合率及び耐震     化率の比較の表である。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬────────────────┐ │      着眼点      │      監査手続      │ ├───────────────┼────────────────┤ │               │・岐阜市配水区域図の閲覧    │ │ア 配水管の耐震化計画は適切か│・平成29年度の配水管工事一  │ │               │ 覧表の提出          │ │               │・関係者へのヒアリングの実施  │ ├───────────────┼────────────────┤ │               │・平成29年度の配水管工事一  │ │イ 配水管の耐震化工事が進めら│ 覧表の提出          │ │ れているか         │・岐阜市配水区域図の閲覧    │ │               │・関係者へのヒアリングの実施  │ └───────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 配水管の耐震化計画は適切か  │ ○  │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 配水管の耐震化工事が計画と  │ ○  │    │    │ │ おりに進められているか     │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 配水管の耐震化計画は適切か      担当者からのヒアリング及び提出された資料からすると、岐阜     市は、配水管の耐震化について、「上水道管路耐震更新計画」に     基づき、老朽化した配水管を更新する際、耐震管に布設替をする     ことで耐震化を図っている。      配水管については、経年劣化が日々進み、老朽化した配水管を     その都度替えていく必要があることからすると、老朽化した配水     管を順次、耐震管に交換していくという新陳代謝を行うことが合     理的であると考えられる。      したがって、岐阜市においては、現在の岐阜市の方針通り、老     朽化した配水管を順番に耐震管に布設替工事をしていく方法が適     切な耐震化計画であると考える。    イ 配水管の耐震化工事が進められているか      岐阜市は管路更新率が全国平均値より0.25%高く、岐阜市にお     ける管路の耐震化は他市町村と比較して進んでいるといえる。      また、管路の耐震化適合率についても、全国平均値より7.8%高     くなっていることから、岐阜市の耐震化は進んでいると考えられ     る。      もっとも、岐阜県内の他市と比較すると、耐震化適合率は決し     て高いわけではない。ただ、岐阜県内の耐震適合率が高い市は小     規模都市であり、管路延長も長くなく、耐震化を進めやすい環境     であると言える。すなわち、岐阜市の基幹管路総延長の規模や予     算の限度からして、耐震化適合率の高い市と比較して、耐震化適     合率が低くなることは致し方ないと考えられる。      したがって、岐阜市においては、管路更新率、耐震化適合率、     耐震化率がいずれも全国平均より高く、配水管を含む管路の耐震     化が進んでいると評価できると考えられる。      そして、岐阜市では、配水管の布設替工事がなされると、岐阜     市配水区域図に、布設された管の種類、管のサイズ、年度を記録     することになっている。つまり、配水管区域図を確認すれば、ど     のような配水管が使用されていて、いつ布設されたものかを確認     することができる。提出を受けた配水区域図は平成28年度まで     に布設をした配水管を記録したものであったが、網の目のように     張り巡られた配水管一つずつに、種類、サイズ、年度が記録され     ていた。      このように、岐阜市では配水管の種類、布設年度を記録してお     り、記録をしていること自体も災害時に役立つことになることか     ら、耐震化は適切に進められていると言ってよいと考える。  3.下水道管の耐震化事業   (1) 概要       下水道管の耐震化事業については、「岐阜市地域防災計画(地      震対策計画)」第2章第20節ライフライン施設対策において、      以下の方針及び実施内容が定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │ 電気、ガス、上下水道等のライフラインの寸断は、都市生活の基本│ │的な部分での麻痺を生じ、二次災害の発生、安否確認、住民の避難、│ │救命救助等の応急対策活動などに支障を与えるとともに、避難生活環│ │境の悪化等をもたらすなど、その影響は極めて広範に及ぶため、施設│
    │の耐震性の確保及び電線類の無電柱化に努めるとともに、応急供給体│ │制の確保(バックアップ体制等)及び応急復旧体制(広域応援体制 │ │等)の確保を図る。                      │ │〈実施内容〉                         │ │ 2 下水道施設対策(上下水道事業部)            │ │   下水道施設管理者は、地震災害発生時の下水道施設の被害を未│ │  然に防止するとともに、被害が発生した場合においても各施設の│ │  機能を維持するために、次の対策を行う。          │ │  (3) 下水道施設が損傷した場合に最低限の処理機能を確保でき│ │    るような施設の耐震化                 │ └───────────────────────────────┘      岐阜市は下水管等の耐震化事業として,5カ年計画で下水バイ     パス管を通す工事やマンホールの耐震化工事を行っている。      具体的な下水道管の耐震化計画としては,下水バイパス管を通     して,既存の下水管の流量を減らし,その後、老朽化した下水管     を布設替する計画である。      また,岐阜市は下水管の布設替工事は、個別の下水管に対して     は行っていないが,道路工事等の一部として,下水管を移動させ     る必要がある場合に,新しく耐震性がある下水管に布設替してい     る。そして,岐阜市は下水管の耐震化だけでなく,今後,マンホ     ールの耐震化工事を行う予定であり,平成32年度もしくは平成     33年度に,岐阜市内の重要幹線を中心にレンガ積みの古いマン     ホールを、耐震化したマンホールに作り変える予定である。      以下は、岐阜市下水道総合地震対策計画書のまえがきより抜粋    したものである。 ┌────────────────────────────────┐ │ 岐阜市公共下水道では、地震時における下水道施設の防災、減災を │ │目的として、平成20年度に「下水道地震対策緊急整備計画」を、平 │ │成24年度に「下水道総合地震対策計画(以下、「前計画」とい   │ │う。)」を策定し、重要な施設の耐震化や下水道台帳の電子化等の整備│ │を図ってきている。                       │ │ 管路においては、二次災害を防止することを目的に、緊急輸送道路 │ │や河川横断部に布設された重要な幹線等の防災対策を、また処理施  │ │設・ポンプ施設については、被災時の汚水排除機能、ならびに処理機 │ │能を確保することを目的に、流下機能、一次処理機能、消毒機能を担 │ │う施設の耐震化、及び管路や構造物の継ぎ手の可とう化を進めてき  │ │た。                              │ │ 今回の「下水道総合地震対策計画(以下、「本計画」という。)」 │ │は、前計画の計画期間が平成29年度で満了するにあたり、引き続き │ │地震対策事業を進めていくために策定するものである。       │ │ 本計画は、前計画に引き続いて地震時において下水道が有すべき機 │ │能の確保を目指しているが、主に下記の事項を踏まえて時間軸を考慮 │ │した総合的な地震対応について検討し、その結果を踏まえた下水道総 │ │合地震対策計画(5ヵ年計画)と、中長期的な地震対策計画を策定する│ │ものである。                          │ │・緊急輸送道路や防災拠点の見直し                │ │・中部処理区幹線管渠の改築事業について防災対策として位置づけ  │ │・実質的に補強が困難である施設に関する防災対策の見直し     │ │・防災対策が十分整わない状況下における減災対策の拡充      │ │・人命の確保の観点から、管理棟や機械棟などの建築物の防災対策の │ │ 拡充                             │ │・その他、前計画で明らかとなった課題等を踏まえた対策内容の見直 │ │ し                              │ └────────────────────────────────┘      そして、岐阜市下水道総合地震対策計画は以下のとおり、計画     策定及び事業実施がされている。      岐阜市下水道総合対策計画による下水バイパス工事は下記の     「下水道事業中部処理区 平面図」のとおりである。      岐阜市が調査した下水道管渠の耐震化率は以下の表のとおりで     ある。岐阜市においては、重要な幹線等の耐震化を進めており、     耐震化率は98.3%となっている。一方、重要な幹線でない部分に     ついては、耐震化率は31.8%であり、重要な幹線等との差がはっ     きりと出ている。      なお、下水道管渠の耐震化率の判断については、下記図のフロ     ーにしたがって判断されている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬────────────────┐ │      着眼点      │      監査手続      │ ├───────────────┼────────────────┤ │               │・下水道総合地震対策計画書の  │ │               │ 提出             │ │ア 下水道管等耐震化計画は適切│・平成29年度の下水道管工事  │ │ か             │ 一覧表の提出         │ │               │・耐震化検討資料等の提出    │ │               │・関係者へのヒアリングの実施  │ ├───────────────┼────────────────┤ │               │・平成29年度の下水道管工事  │ │イ 下水道管等耐震化工事が進め│ 一覧表の提出         │ │ られているか        │・既設管強度試験実施結果等の  │ │               │ 資料の提出          │ │               │・関係者へのヒアリングの実施  │ └───────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌────────────────┬──────────────┐ │                │     監査結果     │ │      着眼点       ├────┬────┬────┤ │                │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 下水道管耐震化計画は適切か │ ○  │    │    │ ├────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 下水道管の耐震化工事が計画と│ ○  │    │    │ │ おりに進められているか    │    │    │    │
    └────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 下水管耐震化計画は適切か      岐阜市は下水道総合地震対策計画書を策定し、平成24年から     5年計画で地震対策を進めてきた。そして平成29年に前回の計     画を引き継ぐ形でさらなる5年計画を策定し、平成33年には工     事計画は完了する予定となっている。      提出を受けた岐阜市下水道総合対策計画書の内容を確認したが、     岐阜市における対象地震動の分析、耐震化対象施設・対象地区の     割り出し、耐震化施設の優先度、概算事業費の算定などが分析的     に記載されており、工事計画表は適切に作成されていた。    イ 下水管の耐震化工事が計画とおりに進められているか      工事計画書及び現在の工事状況を確認したところ、特に問題は     なく順調に進行をしていることがわかった。      平成24年から行われている、下水道管のバイパス工事につい     ては、市内中心部を通る計画であることから交通整理の問題等も     あると考えられるが、計画書とおりに進行している。      また、岐阜市は重要幹線等を中心に下水管の耐震化を進めてい     るおかげで、重要幹線における耐震化率はかなり高くなっている。     今後は、予算の関係もあるが、重要な幹線等以外の下水管につい     ても、順次耐震化を図り、市内全体の下水管の耐震化率の増加を     図っていってもらいたい。  4.水源施設・配水池の耐震化対策   (1) 概要       水源施設・配水池の耐震化対策については、「岐阜市地域防災      計画(地震対策計画)」第2章第20節ライフライン施設対策にお      いて、以下の方針及び実施内容が定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │ 電気、ガス、上下水道等のライフラインの寸断は、都市生活の基本│ │的な部分での麻痺を生じ、二次災害の発生、安否確認、住民の避難、│ │救命救助等の応急対策活動などに支障を与えるとともに、避難生活環│ │境の悪化等をもたらすなど、その影響は極めて広範に及ぶため、施設│ │の耐震性の確保及び電線類の無電柱化に努めるとともに、応急供給体│ │制の確保(バックアップ体制等)及び応急復旧体制(広域応援体制 │ │等)の確保を図る。                      │ │〈実施内容〉                         │ │ 1 上水道施設対策(上下水道事業部)            │ │   水道事業者は、地震災害発生時の上水道施設の被害を未然に防│ │  止するとともに、被害が発生した場合においても水道の安定供給│ │  を行うため、次により水道施設の整備を行う。        │ │  (1) 上水道の確保                    │ │     取水、配水施設等の耐震化の強化を図るとともに、配水池│ │    に圧力調整機能を持った弁類を設置し、二次災害の防止及び│ │    応急用飲料水等を確保する。              │ └───────────────────────────────┘      岐阜市は長良川の伏流水が流れていることから水量も豊富で,     鏡岩水源地をはじめ17か所の水源地が稼働している(平成29     年度末現在。予備水源を除く)。水源地から送り出された水は、     水道管によって運ばれ、その途中には配水池や加圧施設が設置さ     れている。      岐阜市上下水道事業部は、持続的な水道事業の運営・継続的な     安定給水の確保に向け、岐阜市が保有する取水施設、送水施設、     配水施設、管路施設等を計画的に更新及び耐震化するために必要     となる「岐阜市水道 施設耐震化計画」の策定を行いこれに基づ     き水源施設及び配水池の老朽化対策、耐震化対策を行っている。      「岐阜市水道施設耐震化計画」の策定にあたり、基幹施設の選     定を行っている。基幹施設の選定は以下の項目から選定される。    ア 対象区域  6ブロック全域    イ 対象施設  90施設(取水施設、送水施設、配水施設)    ウ 対象管路  ファイ300mm以上(ファイ300mm未満でも、水道シ            ステム上重要な管路は対象とする)    エ 選定基準  地域特性、施設の被害が給水に与える影響、応急            復旧の即応性、二次被害の影響度、災害時におい            て重要な拠点となる施設等    オ 岐阜市の給水ブロックは以下の通り。 ┌───────────────────────┐ │ 岐阜市給水ブロック一覧           │ ├─────┬─────┬─────┬─────┤ │ 鏡岩  │ 雄総  │ 芥見  │ 三輪  │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ 木田  │ 柳津  │     │     │ └─────┴─────┴─────┴─────┘    カ 施設の重要度ランク評価結果及び基幹施設は以下の通り。      「岐阜市水道施設耐震化計画」によると、耐震性が高いと評価     され、耐震設計基準(土木構造物:H9「水道施設耐震性工法指     針・解説 改定」、建築構造物:昭和56「建築基準法改正(新     耐震設計法の施工)」)を満たしているものについては、耐震対策     済みと判断している。そして、耐震化未対策の施設については、     優先順位等を行い、耐震化の検討を行うこととしている。    岐阜市水道施設及び配水池の耐震診断の状況は以下のとおりである。      平成16年度(平成17年3月報告書提出)、平成21年度(平成     22年3月報告書提出)、平成23年度(平成24年1月報告書提     出)、平成27年度(平成28年3月報告書提出)に耐震診断がされ     ている。      なお、水道施設及び配水池の耐震診断は、基幹施設から優先的     に行われ、原則として昭和56年より前に建築された建物に対し     て行うようにしている。      耐震診断結果がNGとなった基幹施設については、耐震化もし     くは建て替えを行う事業計画を策定している。      上水道施設の耐震化等事業計画案は次のとおりである。
         まとめとして、岐阜市の水源施設の耐震診断、耐震対策に関す     る「水道施設一覧表」は次項のとおりである。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬────────────────┐ │      着眼点      │      監査手続      │ ├───────────────┼────────────────┤ │               │・岐阜市建築物耐震改修促進計画 │ │ア 水源施設及び配水池の施設の│ 関連資料(参考資料)の提出  │ │ 耐震診断は実施されているか │・耐震化検討資料等の提出    │ │               │・事業計画案の提出       │ │               │・関係者へのヒアリングの実施  │ ├───────────────┼────────────────┤ │イ 水源施設及び配水池の耐震化│・耐震化工事実施資料の提出   │ │ 工事は実施されているか   │・事業計画案の提出       │ │               │・関係者へのヒアリングの実施  │ └───────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌──────────────────┬──────────────┐ │                  │     監査結果     │ │       着眼点        ├────┬────┬────┤ │                  │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 水源施設及び配水池の施設の耐震診│    │    │ ○  │ │ 断は実施されているか       │    │    │    │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 水源施設及び配水池の耐震化工事は│ ○  │    │    │ │ 施されているか          │    │    │    │ └──────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】     ア 水源施設及び配水池の施設の耐震診断は実施されているか。      岐阜市においては、平成16年度から水源施設等の耐震診断を行     われている。基幹施設について、耐震診断はほぼ終了しているが     (未実施の基幹施設も存在するが、いずれも昭和56年以後に建設     された施設である)、上記の「水道施設一覧表」記載のとおり、昭     和56年以前建設の水道施設において耐震診断が未実施の施設も散     見される。耐震診断未実施の施設のうち、一部は、廃止予定のもの     もあるが、今後継続的に使用される施設も存在する。      岐阜市のような中核都市の場合、基幹施設を優先して、基幹施設     以外は後回しになってしまうことは予算や人口分布の関係上、致し     方ない面もある。      しかし、基幹施設以外の水源施設等、いわゆる利用人口が少ない     水源施設においても、利用者がいる限り、災害時に備えて、耐震診     断を進めることが望ましい。【意見26】     イ 水源施設及び配水池の耐震化工事は実施されているか。       岐阜市は、岐阜市水道施設耐震化計画をもとに、水源施設等の      耐震診断を行い、NGとの診断が出た施設については、事業計画案      通りの耐震化工事を進めている。       特に、岐阜市中心部の水源施設である鏡岩水源地の工事計画は、      古い施設を可動させながら、建て替えを行うという大規模な工事      である。この点、岐阜市は、鏡岩水源地については工事設計から      旧施設の撤去を含めて、工事完了まで7年計画で進めていくよう      慎重に計画が策定している。本計画は、市民生活に影響を及ぼさ      ないように配慮しつつ、耐震化工事を進めるという難しい工事で      あるが、現在の計画で工事は可能であると考えられる。       鏡岩水源地以外の基幹施設における耐震化工事についても、予      算との兼ね合いを検討して、建て替えが必要か耐震化工事のみで      良いのかを熟考しており、バランスの取れた耐震化が進められて      いる印象を受けた。       耐震化には多額の予算が必要であるが、岐阜市は計画的に年数      をかけて基幹施設から耐震化を行っており、災害に強い地方都市      を実現できるものと考える。  5.災害発生時の協定   (1) 概要      災害発生時の協定については、「岐阜市地域防災計画(地震対     策計画)」第2章第20節ライフライン施設対策において、以下     の方針及び実施内容が定められている。 ┌───────────────────────────────┐ │〈方針〉                           │ │電気、ガス、上下水道等のライフラインの寸断は、都市生活の基本的│ │な部分での麻痺を生じ、二次災害の発生、安否確認、住民の避難、救│ │命救助等の応急対策活動などに支障を与えるとともに、避難生活環境│ │の悪化等をもたらすなど、その影響は極めて広範に及ぶため、施設の│ │耐震性の確保及び電線類の無電柱化に努めるとともに、応急供給体制│ │の確保(バックアップ体制等)及び応急復旧体制(広域応援体制等)│ │の確保を図る。                        │ │〈実施内容〉                         │ │1 上水道施設対策(上下水道事業部)              │ │水道事業者は、地震災害発生時の上水道施設の被害を未然に防止する│ │とともに、被害が発生した場合においても水道の安定供給を行うた │ │め、次により水道施設の整備を行う。              │ │(7) 応援要請                         │ │ア 岐阜県の相互応援協定に基づき、県を通じて隣接水道事業者に応 │ │援を要請する。                        │ │イ 災害時における応急復旧に関する協定に基づき、岐阜市指定管工 │ │事協同組合に応急給水及び水道施設の応急復旧等の応援を要請する。│ │                               │ └───────────────────────────────┘      岐阜市は、立地的に隣接市町村に囲まれており、災害発生時に     はこれらの隣接市町村や民間団体との連携が重要になってくると     考えられる。
         そのため、岐阜市は上下水道事業に関し、以下の市町村、岐阜     県、民間団体と災害発生時の協定を締結している。  (市町村) ┌──────────────┬──────────────┐ │羽島市、岐南町、笠松町   │上水道相互連絡管設置に関する│ │              │協定書           │ ├──────────────┼──────────────┤ │関市            │上水道相互連絡管設置に関する│ │              │協定書           │ ├──────────────┼──────────────┤ │県・県内水道事業者     │岐阜県水道災害相互応援協定 │ └──────────────┴──────────────┘  (民 間) ┌───────────────┬──────────────┐ │岐阜市公認水道工事店協同組合 │災害時における応急復旧に関す│ │               │る協定書          │ ├───────────────┼──────────────┤ │岐阜市指定管工事協同組合   │災害時における応急復旧に関す│ │               │る協定書の一部を変更する協定│ │               │書             │ ├───────────────┼──────────────┤ │ヴェオリア・ジェネッツ株式会 │水道施設の災害に伴う応援協定│ │社              │書             │ │旧商号 株式会社ジェネッツ  │              │ ├───────────────┼──────────────┤ │株式会社クボタ中部支社    │災害時における水道資材の供給│ │               │に関する協定書       │ ├───────────────┼──────────────┤ │株式会社クボタケミックス中日 │災害時における水道資材の供給│ │本支社            │に関する協定書       │ ├───────────────┼──────────────┤ │住友重機械エンバイロメント株 │災害時における下水道施設に係│ │式会社中部支店        │る応急措置の協力に関する協定│ │               │書             │ └───────────────┴──────────────┘      また、岐阜市は、上下水道事業部業務継続計画(BCP)を策定     しており、現在のBCPは、第4版となっている。BCPのこれまで     の改定履歴は、以下のとおり。    第2版 平成25年12月改定    第3版 平成28年2月改定    第4版 平成29年12月改定    なお、岐阜市は、BCP第5版の策定に向け、現在準備を進めている。   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬───────────────┐ │      着眼点      │      監査手続     │ ├───────────────┼───────────────┤ │               │・災害時応急マニュアルの提出 │ │               │・応援要請応援受け入れマニュ │ │               │ アルの提出         │ │ア 隣接市町村との協定が適切に│・水道施設事故対応マニュアル │ │ 締結されているか      │ の確認           │ │               │・協定書の確認        │ │               │・岐阜市上下水道事業部業務継 │ │               │ 続計画(BCP)の提出     │ │               │・関係者へのヒアリングの実施 │ ├───────────────┼───────────────┤ │               │・協定書の提出        │ │イ 民間団体との協定が適切に締│・岐阜市上下水道事業部災害時 │ │ 結されているか       │ 応援協定締結基準の提出   │ │               │・関係者へのヒアリングの実施 │ ├───────────────┼───────────────┤ │ウ 協定にしたがって適切に実行│・上下水道相互連絡管の訓練に │ │ 可能か           │ 係る実施要領の提出     │ │               │・関係者へのヒアリングの実施 │ └───────────────┴───────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌──────────────────┬──────────────┐ │                  │     監査結果     │ │       着眼点        ├────┬────┬────┤ │                  │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 隣接市町村との協定が適切に締結 │ ○  │    │    │ │ されているか           │    │    │    │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 民間団体との協定が適切に締結さ │ ○  │    │    │ │ れているか            │    │    │    │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ 協定にしたがって適切に実行可能 │    │    │ ○  │ │ か                │    │    │    │ └──────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 隣接市町村との協定が適切に締結されているか      岐阜市は、羽島市、岐南町、笠松町、関市と上水道相互連絡管     設置に関する協定を締結しているが、協定書の内容は、災害時や     事故時における緊急支援のための配水連絡管を設置するというも     のである。そして、岐南町、笠松町、関市とは本協定に基づき、     配水連絡管を設置している。      協定内容は、連絡管設置の費用の負担の取り決めもなされてお     り、協定期間も1年毎の自動更新となっており、不足はないと考     えられる。      なお、担当者からのヒアリングによると、本協定における岐阜     市と羽島市との応援配水に係る関係は、笠松町を通じて支援を行
        うというものであり、羽島市との間に直接連絡管を設置する予定     はないとのことである。    イ 民間団体との協定が適切に締結されているか      岐阜市は、災害発生時における応援協定を民間団体とも締結し     ている。特に、ヴェオリア・ジェネッツ株式会社(旧商号株式会     社ジェネッツ)(以下「ジェネッツ社」という)との応援協定につ     いては、岐阜市と株式会社の初めての応援協定であり、その協定     が適切に締結されているかどうかを監査の対象とした。      担当者からのヒアリングによると、ジェネッツ社とは平成21     年1月から岐阜市上下水道営業関連業務委託を受託しており、窓     口業務等を行う同社から災害時において電話対応等に係る応援を     受けることは、災害時復旧活動や市民サービスの向上に寄与する     と判断されたとのことであった。ちなみに、ジェネッツ社は、岐     阜市以外の市町村の水道営業関連業務委託の受注及び災害時の協     定を多数締結している実績からしても、災害発生時の応援団体と     して適格性を有すると考えられる。      さらに、ジェネッツ社との本協定については、金銭の支払い等     の債権債務関係は何も発生しておらず、協定を締結したのみに過     ぎない。そうすると、ジェネッツ社との協定は、岐阜市にとって     は利益になることだけであり、また他社と不平等な扱いをしてい     る事実もないことから、適切な協定であると言える。      なお、岐阜市は、平成30年9月1日に株式会社クボタ中部支     社、株式会社クボタケミックス中日本支社及び住友重機械エンバ     イロメント株式会社中部支社と上下水道事業に関する災害時の応     援協定を締結しており、災害発生時の協力体制が強化されている     と考えられる。    ウ 協定に従って実行可能か      岐阜市は、平成30年2月28日に連絡管を接続している関市、     岐南町及び笠松町との訓練を初めて実施した。なお、羽島市は、     岐阜市と連絡管を接続していないため、この訓練には参加してい     ない。      訓練においては、i)連絡体制の確認、ii)接続仕切弁の現地     確認及び点検、iii)接続仕切弁の操作手順の確認などを行った。      実施要項を確認したところ、参加者名簿の記載がなされており、     詳細なタイムスケジュールも組まれて、万全な体制で訓練が行わ     れたことが確認できた。      本協定による訓練は、平成30年が初めてということであった     が、隣接市町村との協力なくして、市民に対する安全な水の供給     は成り立たないと言えることから、今後も訓練を実施していって     いただきたい。      また、岐阜市と羽島市は、連絡管を直接接続する予定はないと     のことではあるが、協定を締結していることもあるので、協定を     締結している関市、岐南町、笠松町、羽島市及び岐阜市の5市町     が協力して連絡管の訓練を実施するように努めていただきたい。     【意見27】 第8 各部の防災事業関連契約  1.岐阜市の契約形態   (1) 契約の種類      地方公共団体が締結する請負、売買契約は、一般競争入札、指     名競争入札、随意契約、せり売りの4つの方法で締結されるもの     とされている(地方自治法234条第1項)。      そのうち、岐阜市の契約締結方法としては、主に一般競争入札、     指名競争入札、随意契約の3つの方法で行われている。      岐阜市競争入札参加者は、岐阜市競争入札参加者選定要綱(平     成13年6月1日決裁)によって定められる。      競争入札又は随意契約に参加させることができる者は、原則と     して本要綱による審査に合格し、岐阜市競争入札参加資格者名簿     に登録された者である(同要綱第2条)。      資格審査の項目としては、次の各号に掲げる契約の種類に応じ、     当該各号に掲げる事項並びに申請書及び添付書類を審査するもの     と定められている(同要綱第4条)。    ア 建設工事の請負 建設業法第27条の23第3項の経営事項審     査の項目及び基準を定める件(平成20年国土交通省告示第85     号)に定める項目    イ 測量・建設コンサルタント等の請負 次の(ア)から(ウ)までに     掲げる事項     (ア) 種類別年間平均実績高     (イ) 自己資本額     (ウ) 業種区分別有資格者    ウ 物件の製造、買入れその他の契約 次の(ア)から(ウ)までに掲    げる事項     (ア) 直前2年の営業年度における年間平均生産高又は年間平均       販売高     (イ) 経営規模      a  自己資本額      b  従業員数     (ウ) 経営状況      a  流動比率      b  営業年数      そして、審査に合格した者は、資格者名簿に登録される(同要     綱第5条)。      指名競争入札及び随意契約の見積もりに参加する者については、     原則資格者名簿に登録された者の中から、次に掲げる事項に留意     するとともに、当該年度における指名及び受注の状況を勘案し、     特定の者に偏ることのないように均衡ある指名をするものとする     と定められている(同要綱第7条1項)。     ア 不誠実な行為の有無     イ 経営状況     ウ 工事成績等     エ 当該工事に対する地理的条件     オ 手持ち工事の状況     カ 当該工事施工についての技術的特性     キ 安全管理の状況     ク 労働福祉の状況     ケ 健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の加入状況
         指名の優先順位については、次に掲げる順序となっている(同     条第2項)。     ア 市内に本店を有し、当該本店の所在地が資格者名簿の所在地      として登録されている者(以下「市内業者」という)     イ 市内に支店、営業所等を有し、当該支店、営業所等の所在地      が資格者名簿の所在地として登録されている者(以下「準市内      業者」という)     ウ 市内業者及び準市内業者以外の者で、資格者名簿に登録され      ている者   (2) 契約形態       一般競争入札とは、原則として、広く誰にでも入札に参加でき      る機会を与え、また、契約手続を公開して不正の行われることを      防ぎ、できるだけ岐阜市に有利な条件で申し込みをした者と契約      を締結する方法である。       指名競争入札とは、岐阜市が資力、信用その他について適当で      あると認める特定多数の参加者を選んで入札の方法によって競争      させ、その中から相手方を決定し、その者と契約を締結する方法      をいう。       この方法では、業者が特定されていることから、一般競争入札      に比べ不信用、不誠実の者が排除でき、さらに、手続き的にも簡      単とされているが、特定の者の決定に当たり、それが一部の者に      固定化したり、偏重するといった短所もあると言われている。       随意契約とは、競争の方法によらず、地方公共団体が任意に特      定の相手方を選択し、契約を締結するもので、入札を原則とする      契約締結の特例的な方法とされている(地方自治法234条第2      項)。この方法は、他に比べて手続が非常に簡略で、経費負担も      少なく、さらに、相手方の資力、信用、技術、経験等の能力を熟      知したうえで選定することができるといったメリットがある。し      かし、反面、相手方の固定化や地方自治体にとって不利な価格で      の契約締結といった、地方公共団体の契約事務に求められる公正      性、機会均等性、経済性といったものが損なわれるというおそれ      もある。岐阜市においては、岐阜市契約規則にて、契約金額の限      度額の規定(同規則第28条)及び原則2者以上から見積書を徴      収すること(同規則第29条)によって公正性、機会均等性、経      済性の調整を図っている。  2.基盤整備部の防災事業関連契約   (1) 概要      基盤整備部は、平成29年度は随意契約、競争入札のいずれの契     約形態でも契約が実施されている。      基盤整備部における工事請負契約及び業務委託契約は数が多いた     め、防災関連契約のうち、以下の2つの契約を取り上げて、監査を     実施した。     ア 工事名 橋梁耐震補強工事(江口橋)      工事場所   西中島1丁目ほか1地内      受注者    丸成林建設株式会社      当初契約額  39,150,000円      変更契約額  金額については変更なし      工事期間   平成29年9月8日~平成30年3月13日      契約方法   一般競争入札     イ 契約名 橋梁耐震補強詳細設計(福光東橋ほか1橋)業務委託      対象場所   岐阜市福光東一丁目ほか3地内      受注者    株式会社興栄コンサルタント      当初契約額  4,860,000円      変更契約額  変更なし      作成期間   平成29年6月9日~平成29年8月31日      契約方法   指名競争入札   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬────────────────┐ │      着眼点      │      監査手続      │ ├───────────────┼────────────────┤ │ア 競争入札手続きが適切にされ│・競争入札契約書類等の閲覧   │ │ ているか          │・関係者へのヒアリングの実施  │ ├───────────────┼────────────────┤ │イ 締結した契約が適切に履行さ│・契約書類等の閲覧       │ │ れているか         │・関係者へのヒアリングの実施  │ ├───────────────┼────────────────┤ │ウ 入札金額が同金額となる入札│・入札状況登録書類、内訳書の  │ │ が頻発している問題     │ 提出             │ │               │・関係者へのヒアリングの実施  │ └───────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果     ≪監査結果の概要≫ ┌──────────────────┬──────────────┐ │                  │     監査結果     │ │       着眼点        ├────┬────┬────┤ │                  │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 競争入札手続きが適切にされてい │ ○  │    │    │ │ るか               │    │    │    │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 締結した契約が適切に履行されて │ ○  │    │    │ │ いるか              │    │    │    │ ├──────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ 入札金額が同金額となる入札が頻 │    │    │ ○  │ │ 発している問題          │    │    │    │ └──────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 競争入札手続きが適切にされているか      1つ目の橋梁耐震補強工事(江口橋)については、入札関連資     料を提出いただき確認した。本工事の入札手続きについて、不適     切なものは確認できなかった。      2つ目の橋梁耐震補強詳細設計(福光東橋ほか1橋)業務委託
        契約は、入札関連資料を提出いただき確認した。そうしたところ、     落札業者の入札額が予定価格の56.5%と低く、他社との差が200     万円以上あった。しかし、低入札基準価格(4,326,300円)を超     えているため、問題はないと判断した。    イ 締結した契約が適切に履行されているか      1つ目の橋梁耐震補強工事(江口橋)については、工事請負契     約書、工事請負変更契約書、完成届、設計図、協議書、その他工     事関係書類等を提出いただき確認した。本工事は、橋梁の耐震補     強のために行われた工事であるが、工期日程や施工体制把握表が     作成されており、工事完成写真も添付されて適切に履行されてい     た。      2つ目の橋梁耐震補強詳細設計(福光東橋ほか1橋)業務委託     契約は、業務委託契約書、業務計画書が作成されており、資格者     の資格証の写しも添付されていた。本契約も、適切に履行をされ     ていた。    ウ 入札金額が同金額となる入札が頻発している問題      基盤整備部の競争入札の一覧表を確認していたところ、複数の     業者が同金額で入札している工事が散見された。      基盤整備部の入札については、岐阜市契約課が担当しているこ     とから、岐阜市契約課に対し、同金額の入札件数を確認したとこ     ろ、基盤整備部発注工事で入札案件234件のうち123件にお     いて同金額での入札となり、抽選(くじ)を行っていることが判明     した(52.56%)。      そして、抽選(くじ)となる比率が異常に高いことから、同金     額での入札が増加している原因を契約課に尋ねたところ、「土木     一式工事や舗装工事の積算においては国などで公表されている資     材や労務の単価により、設計金額や最低制限価格を類推すること     が比較的容易と考えられ、受注意欲などにより最低制限価格を入     札価格とする業者が多いため」ではないかとの回答であった。      監査人の見解としては、最近、入札業者向けに、最低制限価格     を計算するためのソフト開発が進められており、インターネット     等でこのようなソフトが簡単に入手できるようになっていること     から、このようなソフトを使用した業者が同金額で入札をしてき     ているのではないかと推察される。      このようなソフトを使用した入札となると、工事内容を十分検     討していない業者が安易に入札して落札してしまう弊害が生じる。     そのため、岐阜市としては、十分工事内容を検討した業者を選定     するよう対策を取る必要がある。      この点、担当者からのヒアリングによると、平成27年8月か     ら、最低制限価格と同額の入札価格でくじにより落札決定するケ     ースが比較的多かった土木一式工事及び舗装工事における全ての     入札で予定価格の公表を事後公表として対応した、とのことであ     った。また現行、設計金額5,000万円以上の土木一式工事及び舗     装工事は、原則、総合評価落札方式の一般競争入札により実施し     ているとのことである。      もっとも、契約課によれば、予定価格を事前公表していなくて     も、公表されている資材等の単価により最低制限価格が類推でき     るため、最低制限価格と同額での入札に対して効果は見られず、     同額での入札の多発は事前公表による弊害ではないものと考えて     いるとのことである。そして、今後の予定価格の公表の時期につ     いては、同額での入札のほか入札不調の発生など、入札状況を注     視しつつ慎重に検討していくということである。      たしかに、予定価格を事後公表にしたとしても、資材等の単価     が公表されているため、今後も同金額での複数業者の入札が相次     ぐことが予想される。そのため、岐阜市の担当者において、工事     内容を十分に理解し適正な履行が可能な業者を選定すること及び     工事完了時の検査を厳格に行うことが重要となってくると考える。     そして、5,000万円未満の工事においても、重要な工事について     は、総合評価落札方式の競争入札を導入することも検討していた     だきたい。【意見28】  3.都市防災部の防災事業関連契約   (1) 概要       都市防災部は、平成29年度は随意契約、競争入札の契約形態      で契約及び工事等が実施されている。       平成29年度に行われた随意契約は以下のとおりである。       また、平成29年度に行われた防災事業(耐震化、災害対策)      に関連する競争入札は、以下の2件であった。     ア 工事名 避難場所看板設置工事       工事場所   岐阜市則武ほか62地内       受注者    (有)AKメンテナンス       当初契約額  12,515,482円       変更契約額  13,185,082円       工事期間   平成29年12月1日~平成30年3月13日       契約方法   指名競争入札     イ 工事名 避難場所看板設置工事       工事場所  岐阜市大縄場3丁目ほか58地内       受注者   東栄フェンス機鋼商会       当初契約額  13,151,667円       変更契約額  12,957,267円       工事期間   平成29年12月4日~平成30年3月14日       契約方法   指名競争入札   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬────────────────┐ │      着眼点      │      監査手続      │ ├───────────────┼────────────────┤ │ア 随意契約が適切に契約締結さ│・少額随意契約の一覧の確認   │ │ れているか         │・関係者へのヒアリングの実施  │ ├───────────────┼────────────────┤ │イ 公正取引委員会からの排除措│・公正取引員会からの排除措置  │ │ 置命令及び課徴金納付命令を受│ 命令、課徴金納付命令の資料  │ │ けた企業への随意契約の見積も│ 等の確認           │ │ り依頼は適切か       │・関係者へのヒアリングの実施  │
    ├───────────────┼────────────────┤ │ウ 防災行政無線対応ができる受│・関係者へのヒアリングの実施  │ │ 注業者の数は必要十分か   │                │ ├───────────────┼────────────────┤ │エ 競争入札手続きが適切に締結│・契約書等の確認        │ │ 及び履行されているか    │・関係者へのヒアリングの実施  │ └───────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 随意契約が適切に契約締結され │    │ ○  │    │ │ ているか            │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 公正取引委員会からの排除措置 │    │    │    │ │ 命令及び課徴金納付命令を受けた │    │    │ ○  │ │ 企業への随意契約の見積もり依頼 │    │    │    │ │ は適切か            │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ウ 防災行政無線対応ができる受注 │    │    │ ○  │ │ 業者の数は必要十分か      │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │エ 競争入札手続きが適切に締結及 │ ○  │    │    │ │ び履行されているか       │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 随意契約が適切に契約締結されているか      都市防災部は、中央電子光学株式会社との間で、平成29年7      月10日、同年9月7日、同月29日締結の防災行政無線屋外拡      声子局設置工事随意契約(以下「本件随意契約」という)を締結      した。本件随意契約は、合見積業者である沖電気工業株式会社が      見積もりを辞退したため、見積書が徴収されていない。       ところで、岐阜市契約規則第29条により、随意契約によると      きは、2人以上の者から見積書を徴さなければならない。       ただし、政令第167条の2第1項第2号から第9号までのいず      れかに該当する場合その他市長が契約の性質又は目的により必要      がないと認めたときは、この限りでない、と定められている。       本件随意契約については、沖電気工業株式会社へ見積書の打診      を行っているものの、見積書は提出されず、見積辞退届のみ提出      されている。岐阜市契約規則において、随意契約の公正性、機会      均等性、経済性の調整を図るために、見積書を2者以上から徴収      しなければならないと定められている趣旨からすると、見積書を      打診したのみで、徴収できていない場合は不適切な随意契約と言      える。       そうすると、本件随意契約が岐阜市契約規則第29条但し書き      に該当するかどうかが問題となる。       そこで、都市防災部から、本件随意契約の見積書、請負契約書、      完了届及び見積辞退届の提出を受けてこれらの書類を確認し、本      件随意契約について岐阜市契約規則第29条但書に該当する理由      があるかを担当部にヒアリングで調査した。       そうしたところ、「本件随意契約は、地権者の要望により、防      災行政無線屋外拡声子局を移設する工事を行ったものであり、本      市が導入している防災行政無線は、平成19年度から平成20年      度にかけて、沖電気工業株式会社が施工したものであり、独自の      システム運用の知識及び技術を習得したものでなければ実施する      ことができない、そして、同システム運用の業務を実施しうる業      者が沖電気工業株式会社と、沖電気工業株式会社の特約店となっ      ている中央電子光学株式会社であったとのことであった。岐阜市      は、沖電気工業株式会社に対して見積もりを打診したが、「配置      技術者が確保できないため」との理由で見積を辞退した。」との      回答であった。       沖電気工業株式会社もしくは中央電子光学株式会社でしか、防      災行政無線屋外拡声子局の工事を請け負えないとすれば、地方自      治法施行令第167条の2第1項第2号もしくは第6号に該当す      る可能性がある。そのため、その旨の質問を投げかけたが、都市      防災部防災対策課からのヒアリングによると、岐阜市契約規則第      29条但し書きに該当する理由はないとの回答であった。そして、      見積書を2者から徴収ができず結果として一者随意契約になった。       そうであれば、岐阜市外の業者への見積もり打診することも考      えられるが、ヒアリングによると、岐阜市外の業者へ打診をする      ことは検討をしておらず、今後も本件随意契約の当事者である中      央電子光学株式会社及び沖電気工業株式会社の2者へ見積書を徴      収する予定ということであった。       以上から、本件随意契約については、岐阜市契約規則第29条      の但し書きに該当する理由はなく、岐阜市契約規則第29条の趣      旨からすると、2者見積もりの要件を満たしておらず不適切な対      応であった可能性があると考えられる。       したがって、本件随意契約については、岐阜市外の業者の選定      を含めて、2者以上から見積書を徴収するか、若しくは一者随意      契約の正当性を証する理由を明らかにして契約の正当性を根拠付      けるようにすべきであったと考えられる。【指摘5】    イ 公正取引委員会からの排除措置命令及び課徴金納付命令を受け      た会社への随意契約見積もり依頼は適切か       上記随意契約(以下引き続き「本件随意契約」という)の見積      もり打診業者である沖電気工業株式会社は、公正取引委員会より      平成29年2月2日付けで平成29年(措)第1号排除命令及び      平成29年(納)第3号課徴金納付命令を受けた。そして、同社      と取引関係があった消防本部は、平成29年2月3日に同社から      排除措置命令と課徴金納付命令を受けたとの報告がなされた(平      成30年5月8日付 岐阜市職員措置請求に係る監査結果の公表      参照)。沖電気工業株式会社に対する排除措置命令及び課徴金納      付命令は、平成29年8月3日に確定している。       都市防災部に対するヒアリング調査によると、都市防災部は沖      電気工業株式会社に排除措置命令及び課徴金納付命令が出された
         ことは、平成29年2月3日の新聞報道により認識しており、消      防本部へも確認をとったということである。また、沖電気工業株      式会社に対し、平成29年3月1日から平成29年4月15日ま      で資格停止措置が行われたことを認識していたということである。       岐阜市競争入札参加者選定要綱において、随意契約の見積もり      に参加する者の留意事項を定めている。留意事項は以下の第7条      のとおりである。     (指名基準)     第7条      建設工事の請負に係る指名競争入札に参加する者又は随意契約     の見積りに参加する者を指名しようとするときは、第5条第1項     の規定により資格者名簿に登録された者の中から、次に掲げる事     項に留意するとともに、当該年度における指名及び受注の状況を     勘案し、特定の者に偏ることのないよう均衡ある指名をするもの     とする。ただし、第2条ただし書の規定に該当するときは、この     限りでない。     (1) 不誠実な行為の有無     (2) 経営状況     (3) 工事成績等     (4) 当該工事に対する地理的条件     (5) 手持ち工事の状況     (6) 当該工事施工についての技術的特性     (7) 安全管理の状況     (8) 労働福祉の状況     (9) 健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の加入状況    2 前項の場合において、指名の優先順位は、次に掲げる順序とす     る。ただし、指名業者数の不足、契約の内容の事情等により市長     が必要と認める場合は、この限りでない。     (1) 市内に本店を有し、当該本店の所在地が資格者名簿の所在        地として登録されている者(以下「市内業者」という。)     (2) 市内に支店、営業所等を有し、当該支店、営業所等の所在        地が資格者名簿の所在地として登録されている者(以下「準        市内業者」という。)     (3) 市内業者及び準市内業者以外の者で、資格者名簿に登録さ        れているもの    3 前2項(第1項第9号を除く。)の規定は、測量・建設コンサル     タント等の請負及び物件の製造、買入れその他の契約に係る指名     競争入札に参加する者及び随意契約の見積りに参加する者を指名     する場合に準用する。      また、岐阜市競争入札参加資格停止措置要領によると、競争入札参     加資格が停止される場合及び随意契約の当事者となりえない場合とし     て第4条、第8条、第9条の規定がある。     (独占禁止法違反等の不正行為に対する資格停止の期間の特例)     第4条      市長は、第2条第1項の規定により、情状に応じて別表第1又     は別表第2に定めるところにより資格停止を行う際に、登録業者     (その役員又は使用人を含む。以下この条において同じ。)が次の     各号のいずれかに該当するときは、当該各号に定める資格停止の     期間を加重するものとする。また、別表第2第9号の措置要件に     も該当することとなったときは、資格停止の期間を更に加重する     ものとする。     (1) 談合情報を得た場合又は本市の職員が談合があると疑うに        足りる事実を得た場合で、登録業者が談合を行っていないと        の誓約書を提出したにもかかわらず、当該事案について、別        表第2第4号、第6号又は第9号の規定に該当したとき そ        れぞれ当該別表第2各号に定める短期の2倍     (2) 別表第2第4号から第9号までの規定に該当する登録業者        について、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律        (昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)の違        反に係る確定判決、確定した排除措置命令、課徴金納付命令        若しくは審決又は競売等妨害若しくは談合に係る確定判決に        おいて、当該独占禁止法の違反又は競売等の妨害若しくは談        合の首謀者であることが明らかになったとき(前号に掲げる        場合を除く。) それぞれ当該別表第2各号に定める短期の2        倍     (3) 別表第2第4号、第5号又は第9号の規定に該当する登録        業者について、独占禁止法第7条の2第6項の規定の適用が        あったとき(前2号に掲げる場合を除く。) それぞれ当該別        表第2各号に定める短期の2倍     (4) 入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札        等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律(平成14年法律        第101号)第3条第4項の規定による市長の調査の結果、入        札談合等関与行為があり、又は当該関与行為があったことが        明らかとなった場合で、当該関与行為に関し、登録業者に別        表第2第4号、第5号又は第9号に規定する事由があるとき        (前各号の規定に該当する場合を除く。) それぞれ当該各号        に定める短期に1箇月を加算     (5) 本市の職員又は他の公共機関の職員が、競売入札妨害(刑        法(明治40年法律第45号)第96条の6第1項に規定する行        為をいう。以下同じ。)又は談合(同条第2項に規定する談合        をいう。以下同じ。)の容疑により逮捕され、又は逮捕を経        ないで公訴を提起されたときで、当該職員の容疑に関し、登        録業者に別表第2第6号から第9号に規定する事由があると        き(第1号又は第2号の規定に該当する場合を除く。) それ        ぞれ当該別表第2各号に定める短期に1箇月を加算     (随意契約の相手方の制限)     第8条      資格停止の期間中の登録業者を随意契約の相手方としてはなら     ない。     (随意契約の相手方の決定の特例)     第9条      前条の規定にかかわらず、市発注工事等を随意契約によろうと     する場合で、当該随意契約による理由が次の各号のいずれかに該     当するときは、選定委員会の審議を経て、市長の承認を受けて、     資格停止の期間中の登録業者を随意契約の相手方とすることがで     きる。
        (1) 工事又は製造が特許の施行方法を採用する場合で、その特        許権を有するとき。     (2) 工事、製造、設計、調査、測量及び役務の委託が特別の技        術を要する場合又は特殊な物品を買い入れる場合で、他に相        応する者がいないとき。     (3) 災害等緊急に市発注工事等を施行しなければならないとき。      不正行為等に基づく措置基準として資格停止の期間については、     岐阜市においては次項の表の通り定められている。      本件随意契約の場合、沖電気工業株式会社は、平成29年2月     2日付で公正取引委員会からの排除措置命令及び課徴金納付命令     が出され、排除措置命令及び課徴金納付命令は、平成29年8月     3日に確定している。そして、沖電気工業株式会社は、平成29     年3月1日から同年4月15日の間は入札資格停止措置を受けて     いた。      一方、都市防災部が同社に見積もりを依頼したのは、本件随意     契約の契約年月日である平成29年7月10日及び同年9月7日     頃だと考えられる。      そうすると、都市防災部は、沖電気工業株式会社が資格停止措     置は受けていないが、公正取引委員会から処分を出されているこ     とを認識している状態にありながら、防災行政無線屋外拡声子局     設置工事の見積もり打診をしたことになる。      たしかに、見積もり打診を受けた段階においては、沖電気工業     式会社は資格停止措置を受けておらず、岐阜市競争入札参加者選     定要綱には違反していない。また、岐阜市の一方的な判断で、沖     電気工業株式会社の随意契約の機会を奪うことは機会の均等性の     観点からすれば適切でない。      しかし、沖電気工業株式会社が公正取引委員会からの処分をさ     れて確定を待っている段階であったこと、独占禁止法違反を起こ     した重大な事実及び市民感情を鑑みると、見積もりの打診を控え     ることが望ましかったといえる。      【意見29】    ウ 防災行政無線対応ができる受注業者の数は十分か      本項ア記載のとおり、都市防災部の担当者からのヒアリングに     よると、防災行政無線屋外拡声子局のシステム運用を行うことが     できる会社が沖電気工業株式会社とその特約店である中央電子光     学株式会社のみということである。      そうすると、本項イで記載したとおり、沖電気工業株式会社が     岐阜市競争入札参加資格の停止措置をとられた場合、沖電気工業     株式会社が防災行政無線の請負工事等に対処できない可能性があ     る。また、沖電気工業株式会社の特約店である中央電子光学株式     会社も岐阜市競争入札参加資格の停止措置となる可能性もあり、     岐阜市内の防災行政無線に対応できる会社が皆無になるという事     態が想起される。      したがって、今後、岐阜市としては、沖電気工業株式会社が公     正取引委員会から処分を受けたという事実を重く受け止め、同社     もしくは同社の特約店である中央電子光学株式会社が工事を担当     することができないことも十分有りうるのであるから、入札参加     資格者を増やすよう検討するともに、防災行政無線のシステム運     用技術を職員に習得させるなどの対策に取り組んでいただきたい。     【意見30】    エ 競争入札手続きが適切に締結及び履行されているか      都市防災部の防災関連事業の平成29年度の競争入札は概要記     載の通り2件であった。      この2件に関し、入札関連資料の提出を受けて確認したが、い     ずれも問題はなかった。      契約の履行状況については、随意契約については、請書、完了     届、見積書及び見積辞退届を確認したが、本項ア及びイ記載のと     おり一部指摘事項があったものの、契約の履行自体には問題はな     かった。      また、競争入札2件については、当初請負契約書、変更契約書、     完成届等の工事関係書類を確認したが、工事期間、工事代金、変     更内容及び完成後の写真報告書の作成も適切であり、工事の履行     について何も問題はなかった。      なお、競争入札による工事は、いずれも避難場所看板設置工事     であったが、腐食及び古くなって使いづらい避難看板を撤去して、     より見やすい新しい避難看板を設置したものであった。      工事関係資料内に、古い避難場所看板と新しい避難場所看板を     撮影して写真による対比がなされていたが、看板の設置の高さや     向き、大きさ、色などが改善されており、災害発生時に安全な場     所へ避難しやすくなったと考えられる。  4.消防本部の防災事業関連契約   (1) 概要       消防本部の防災関連契約については、下記の3つの契約を抽出      して監査をした。     ア 業務名 消防救急デジタル無線電波伝搬調査業務委託      業務場所   岐阜市長が指定する場所      受注者    ビーム計画設計株式会社      当初契約額  2,052,000円      変更契約額  変更なし      履行期間   平成29年8月4日~平成29年9月29日      契約方法   随意契約     イ 工事名 耐震性貯水槽(40m3)設置工事      対象場所   岐阜市加納高柳町1丁目地内      受注者    和泉土建株式会社      当初契約額  6,446,520円      変更契約額  7,598,880円      作成期間   平成29年8月28日~平成29年12月15日      契約方法   指名競争入札     ウ 工事名 耐震性貯水槽(100m3)設置工事      対象場所   岐阜市芥見南山3丁目地内      受注者    有限会社澤田重機      当初契約額  12,603,459円      変更契約額  13,022,499円
         作成期間   平成29年9月22日~平成30年1月10日      契約方法   指名競争入札   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬────────────────┐ │      着眼点      │      監査手続      │ ├───────────────┼────────────────┤ │ア 随意契約が適切に締結及び履│・業務委託契約書類等の確認   │ │ 行されているか       │・完成図書等の確認       │ │               │・関係者へのヒアリングの実施  │ ├───────────────┼────────────────┤ │イ 競争入札手続きが適切に締結│・工事請負契約書等の確認    │ │ 及び履行されているか    │・完成図書等の確認       │ │               │・関係者へのヒアリングの実施  │ └───────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 随意契約が適切に締結及び履行 │ ○  │    │    │ │ されているか          │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 競争入札手続きが適切に締結及 │ ○  │    │    │ │ び履行されているか       │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 随意契約が適切に締結及び履行されているか      (1)アの消防救急デジタル無線電波伝搬調査業務委託契約につ     いては、業務委託契約書、プロジェクト契約書、一者随意契約理     由書などの契約関係書類の提出を受け、確認をした。業務委託契     約書に不備はなく、問題はなかった。また、契約金額については、     受注者に見積書を提出させて、金額及び業務内容を確認した上で、     当該見積り金額より多少減額した契約金額を価格調書において決     定しており、契約金額の決定についても問題はないと考えられる。      ところで、本件業務委託契約は一者随意契約となっているが、     その理由は、消防本部の消防救急デジタル無線基地局からの常送     波を利用して、消防本部と同仕様の実験局を使用し調査する必要     があり、平成22年度に国の実証試験で、消防救急デジタル無線     の整備における、実施設計者のビーム計画設計株式会社(本件業     務委託契約の受注者)のみが、消防本部と同仕様の実験局を保有     しているから、とするものである。監査人としては、デジタル無     線の整備は特殊業務であり、実施設計者である受注者のみでしか     調査業務を行いえないと考えられることから、本理由による一者     随意契約は適切であると考える。      そして、消防救急デジタル無線電波伝搬調査の結果については、     受注業者から報告書が提出されており、また報告書を電子データ     化したものも納品されていた。したがって、契約の履行も正常に     行われていると言える。    イ 競争入札手続きが適切に締結及び履行されているか      (1)イの耐震性貯水槽(40m3)設置工事については、工事請     負契約書、工事請負変更契約書等の契約関係書類の提出を受け、     確認をした。本請負工事については、変更契約額が比較的大きい     とも思えたが、変更内容を精査したところ、変更金額は適切であ     ると考えられるため、契約書に不備はなく、問題はなかった。入     札手続きに関しては、入札結果登録書を確認したが、入札をした     各社の入札金額は適正なばらつきがあり、入札金額や方法に問題     はなかった。      また、(1)イの耐震性貯水槽(40m3)の完成図書を確認した     が、工事過程及び工事完了後の記録が適切に残されており、工事     の履行状況に問題はなかった。      (1)ウの耐震性貯水槽(100m3)設置工事については、工事     請負契約書、工事請負変更契約書等の契約関係書類の提出を受け、     確認をした。本請負工事について、変更契約があったが、変更内     容及び金額は適切であった。入札手続きについては、価格調書及     び入札結果登録を確認したところ、2者が同金額で電子くじを実     施していたが、いずれの入札額も適正にばらついていることが確     認でき、自由競争に基づいた入札手続きが実施されていると判断     した。      また、(1)ウの耐震性貯水槽(100m3)設置工事の完成図書     を確認したが、工事過程及び工事完了の記録が適切に残されてい     ることが確認できた。したがって、工事の履行状況に問題はなか     った。      ところで、岐阜市は、断水想定して、耐震性貯水槽整備計画を     策定し、計画的に耐震性貯水槽を設置している。(1)イ及びウの     耐震性貯水槽の設置は本契約に基づいた工事である。今後も岐阜     市は耐震性貯水槽の設置工事を進めていくことになるが、現状の     入札手続きは適切に行われており、工事も適切に完了しているこ     とから、引き続き適切な耐震性貯水槽設置工事を進めていってい     ただきたい。  5.教育委員会の防災事業関連契約   (1) 概要       教育委員会の防災関連契約としては、主に、小中学校施設の外      壁落下防止工事及び非構造部材耐震補強工事であった。       教育委員会における請負工事契約は数が多いため、防災関連契      約のうち、以下の3つの契約を取り上げて、監査を実施した。     ア 工事名 加納中学校外壁等落下防止工事      工事場所   岐阜市加納舟田町9番地      受注者    村瀬建築株式会社      当初契約額  27,906,120円      変更契約額  27,959,040円      工事期間   平成29年6月22日~平成29年10月17日      契約方法   一般競争入札(制限付き)
        イ 工事名 藍川北中学校ほか1校屋内運動場等非構造部材耐震補          強工事      工事場所   岐阜市加野2丁目23番1号ほか1地内      受注者    大日本土木株式会社      当初契約額  40,386,600円      変更契約額  43,464,600円      工事期間   平成29年6月2日~平成29年9月27日      契約方法   一般競争入札(制限付き)     ウ 工事名 東長良中学校屋内運動場・武道場非構造部材耐震補強          工事      工事場所   岐阜市長良真生町3丁目27番地4      受注者    近松建設株式会社      当初契約額  33,504,840円      変更契約額  34,509,240円      工事期間   平成29年11月6日~平成30年3月2日      契約方法   一般競争入札(制限付き)   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬────────────────┐ │      着眼点      │      監査手続      │ ├───────────────┼────────────────┤ │               │・平成29年度契約一覧の提出  │ │ア 予定価格の事前公表は適切か│・関係者へのヒアリングの実施  │ │               │・工事請負契約書類の閲覧    │ ├───────────────┼────────────────┤ │イ 工事請負契約は適切に締結及│・工事請負契約書類の閲覧    │ │ び履行されているか     │・関係者へのヒアリング     │ └───────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │                 │    │    │    │ │ア 予定価格の事前公表は適切か  │    │ ○  │    │ │                 │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 工事請負契約は適切に締結及び履│ ○  │    │    │ │ 行されているか         │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】    ア 予定価格の事前公表は適切か      教育委員会発注の工事において、予定価格の事前公表により最     低制限価格が安易に予測されている事態となっていると考えられ     る。担当者に対するヒアリングによると、教育委員会は、最低制     限価格を予定価格の90%に設定している工事が多く(25件中1     9件)、入札業者は最低制限価格を認識した状態で入札を行って     いると考えられる。      最低制限価格が予想されてしまうと、自由競争に基づいた入札     が行われず、工事内容を理解していない業者が落札する危険性が     ある。そして、教育委員会の発注工事の場合は、最低制限価格を     予定価格の90%にしている工事が76%を占めており、入札価格     から最低制限価格を容易に予想できる状態になっていると考えら     れる。      今回、監査対象とした上記3つの契約の入札状況を確認したと     ころ、1つ目の契約については入札した12者中、9者が最低制     限価格で入札しており(2者は辞退)、2つ目の契約は入札した     8者中、7者が最低制限価格で入札しており(1者は辞退)、3     つ目の契約は入札した8者中、5者が最低制限価格となっていた     (2者は辞退)。      そうすると、監査対象とした契約について、競争入札制度を採     用する意味が形骸化して、90%で入札をした業者から抽選(くじ)     で受注業者を決定するという手続きとなっている可能性がある。      これに対し、岐阜市契約課は、「本市の最低制限価格は、国や     県の示す基準に基づいて算出しております。また、最低制限価格     は、適正な履行や品質確保を目的として設定しているものであり、     入札業者がそれを認知できたとしても問題はありません。」と、     監査人に対し回答している。岐阜市の考え方は、最低制限価格が     容易に予測できる状態で競争入札をすることを容認するものであ     るが、業者間で入札額の競争が行われる可能性がないにも関わら     ず競争入札を用いていることになる。そうであれば、競争入札手     続きを取る必要性がないのであり、なぜ教育委員会発注の工事を、     競争入札手続きにしているのか疑問が残る。      さらに、岐阜市契約課は、「入札価格は、参加業者が自社の判     断により決定されるものであり、その結果が多くの業者の入札価     格が最低制限価格に近似したもので、これは自由競争の結果であ     ってそのことに問題はありません。あくまで、最低制限価格での     入札が弊害ではなく、適切な積算を行わず工事内容を十分に検討     せずに入札に参加した業者が受注することが工事の適正履行に弊     害を生じさせる恐れがあるため、問題であると考えます。」と回     答をしているが、現状の教育委員会発注の工事の落札価格は、前     述のとおり、1つ目の契約については入札した12者中、9者が     最低制限価格で入札しており、2つ目の契約は入札した8者中、     7者が最低制限価格で入札しており、3つ目の契約は入札した8     者中、5者が最低制限価格での入札となっていた。つまり、「入     札価格が最低制限価格に近似したもの」ではなく、まさに入札価     格は最低制限価格なのである。そして、これは「自由競争の結果」     ではなく、予定価格の90%を最低制限価格に設定している弊害の     結果と考える方が自然である。      岐阜市は複数の工事の入札価格が最低制限価格になっているこ     とについて正当性を縷縷主張するが、予定価格を公表し、最低制     限価格を現状のまま予定価格の90%に設定していれば、いずれは     「適切な積算を行わず工事内容を十分に検討せずに入札に参加し     た業者が受注すること」が起きることは予想されるのであり、現
        状の危険性について認識を改めてもらいたい。      教育委員会発注の競争入札による契約はいずれも児童、生徒た     ちの生命身体を守るための工事であり、慎重に業者選定をすべき     と考えられる。      したがって、予定価格の事前公表は速やかに廃止すべきである。     仮に予定価格を事前公表し、最低制限価格を予定価格の90%と設     定するのであれば、総合評価方式での競争入札方式を選択するな     どして、業者の選定に力を入れるべきと考える。【指摘6】    ウ 工事請負契約は適切に締結及び履行されているか      監査対象とした3つの契約について、工事請負契約書、工事請     負変更契約書、工事仕様書、完成届、完成写真、完成検査写真等     を確認した。      いずれの契約についても、工事内容に問題はないと考えられ、     完成写真からも契約の履行がされていることが確認できた。      ただ、2つ目及び3つ目の契約については、変更契約の金額が     大きいと考えられたが、変更契約の仕様書を確認したところ、い     ずれも補修箇所の変更や必要な追加工事を行うためのものであり、     変更契約の内容にも問題はないと考えられる。      なお、2つ目の契約については、建築用仕上げ塗材が吹き付け     石綿に該当する懸念があるとして、平成29年8月1日から13     日まで一時的に工事が中止されていた。その後、建築用仕上げ塗     材が吹き付け石綿に該当しないとの検査結果が出たことで工事は     再開されている。      このような工事中止の経緯からすると、児童、生徒の健康のた     めに、有害な塗材が使用されていないかなどを慎重に検討し、工     事内容が精査されていることが窺える。      競争入札手続きにおいて、受注者がくじで決定してしまってい     る現状はあるが、受注者及び市においては、適切な工事、監督が     行われていると考えられる。  6.上下水道事業部の防災事業関連契約   (1) 概要      岐阜市の上下水道事業部においては、おおよそ下記のように防     災関連業務が分掌されている。      今回は、防災関連工事契約をそれぞれの課から一つずつ抽出し     て、監査手続きを行った。      抽出した防災関連工事契約は以下のとおりである。  ア (施設課)工事名 北部プラント管理棟2ほか耐震補強工事   工事場所   岐阜市西中島6丁目3番25号   当初契約額  32,281,200円   変更契約額  32,659,200円   工事期間   平成29年7月14日~平成30年1月19日  イ (上水道事業課)工事名 松風町1丁目ほか配水幹線布設替工事   工事場所   岐阜市松風町1丁目ほか7地内   当初契約額  70,200,000円   変更契約額  77,176,800円   工事期間   平成29年9月8日~平成30年3月26日  ウ (下水道事業課)工事名 第703工区中部第1幹線下水管渠布設               工事   工事場所   岐阜市金町4丁目ほか4地内   当初契約額  372,600,000円   変更契約額  398,226,240円   工事期間   平成29年9月1日~平成30年11月20日   (2) 監査の着眼点並びに監査手続 ┌───────────────┬────────────────┐ │      着眼点      │      監査手続      │ ├───────────────┼────────────────┤ │ア 競争入札手続きが適切にされ│・競争入札契約書類等の閲覧   │ │ ているか          │・関係者へのヒアリングの実施  │ ├───────────────┼────────────────┤ │イ 締結した契約が適切に履行さ│・契約書類等の閲覧       │ │ れているか         │・関係者へのヒアリングの実施  │ └───────────────┴────────────────┘   (3) 監査の結果      ≪監査結果の概要≫ ┌─────────────────┬──────────────┐ │                 │     監査結果     │ │       着眼点       ├────┬────┬────┤ │                 │問題なし│ 指摘 │ 意見 │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │ア 競争入札手続きが適切にされてい│ ○  │    │    │ │ るか              │    │    │    │ ├─────────────────┼────┼────┼────┤ │イ 締結した契約が適切に履行されて│ ○  │    │    │ │ いるか             │    │    │    │ └─────────────────┴────┴────┴────┘     【監査意見】      上下水道事業部における契約については、前述の通り、各課か     ら一つずつ契約を抜き出して監査手続をした。いずれの契約につ     いても、入札関連資料、変更契約書、内訳書、請負契約書、施工     体系図、施工体制台帳の工事関係資料を閲覧したが、不足書類等     はなく適切であった。      また、完成報告書等にて完成後の成果物を確認したが、不備は     確認されず適切であった。 第9 指摘及び意見一覧表    なお、下記一覧表における指摘あるいは意見の欄の数値は、本編及   び概要版の【指摘】あるいは【意見】に付した番号を指している。 3: ◯議長(信田朝次君) 以上で諸般の報告を終わります。
                ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 開  議 4: ◯議長(信田朝次君) これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、さきに御通知申し上げたとおりであります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第1 会議録署名議員の指名 5: ◯議長(信田朝次君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において17番杉山利夫君、18番西垣信康君の両君を指名します。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第2 会期の決定 6: ◯議長(信田朝次君) 日程第2、会期の決定を議題とします。  お諮りします。今期定例会の会期は、本日から3月22日までの23日間と定めたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 7: ◯議長(信田朝次君) 御異議なしと認めます。よって、今期定例会の会期は、本日から3月22日までの23日間と決しました。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第3 報第1号から第67 第64号議案まで 8: ◯議長(信田朝次君) 日程第3、報第1号から日程第67、第64号議案まで、以上65件を一括して議題とします。            ───────────────────              〔議 案 等 掲 載 省 略〕            ─────────────────── 9: ◯議長(信田朝次君) これら65件に対する提出者の説明を求めます。市長、柴橋正直君。    〔柴橋正直君登壇〕 10: ◯市長(柴橋正直君) おはようございます。    〔「おはようございます」と呼ぶ者あり〕  提案説明に先立ち、一言申し上げます。  今月20日、鵜飼観覧船事務所の職員が公金を詐取した容疑で逮捕されるという事案が発生いたしました。この1年間には、このほかにも市民の皆様からの信頼を失墜させる不祥事が発生しており、深くおわびを申し上げます。市政を預かる者としてこうした事態を大変重く受けとめており、今回の事案発覚後、私みずからが全職員に対し、一人一人が自分の問題として捉え信頼回復に努めるとともに、こうした事案が二度と起こらない組織をつくるため、職員同士がお互いに関心を持って支え合うよう訓示をいたしました。今後、私を初め、職員一人一人が真摯な姿勢で日々の職務を全うしていくことで、一日も早い市民の皆様の信頼回復に努めてまいります。  それでは、ただいま上程になりました議案につきまして御説明いたします。  本日、平成31年第1回岐阜市議会定例会が開催され、新年度の予算案を中心に諸議案の御審議をお願いするに当たり、市政に臨む所信の一端と施策の大要を申し上げます。  私が市民の皆様の御信任を賜り、岐阜市長に就任してから、はや1年が経過いたしました。就任当時、私はこの場で5つの市政運営の基本方針を申し上げました。改めて申し上げますと、オール岐阜のまちづくり、対話による合意形成、1年勝負、子どもファースト、働きがいのある職場づくりであります。  この市政運営の基本方針を土台とし、この間、政策総点検や「岐阜を動かす」若手職員プロジェクト会議、さらには、6月補正予算に計上しました未来への種まきとなる事業にスピード感を持って全力で取り組んでまいりました。加えて、直面するさまざまな課題に対しましては、一つ一つ丁寧に取り組み、今を生きる我々の責任として将来世代に先送りすることなく、解決の道を決断し、岐阜市政を前進させてまいりました。  こうした中、来る新年度は、改元という新時代の幕あけの年であると同時に、岐阜市におきましても市制130周年を迎えます。また、2020年には、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の放送や東京オリンピック・パラリンピックが開催されるなど、岐阜の躍動に向けた大きなチャンスが訪れます。さらに、東海環状自動車道西回りルートの開通やリニア中央新幹線の開業が予定されているなど、本市のまちづくりへの追い風となるインフラ整備が続いてまいります。  こうした本市を取り巻く大きな変化を捉え、新年度におきましては、5つの政策のベクトルを「岐阜を動かす」政策の柱に据え、住む人・来る人・働く人をふやす成長都市の実現に向け、岐阜が大きく躍動していくよう、市民の皆様とともに総力を挙げて取り組んでまいります。  それでは最初に、本市を取り巻く環境について申し上げます。  我が国経済は、息の長い緩やかな回復基調が続いており、景気回復期間は戦後最長を更新した可能性が高いと言われております。しかし、雇用・所得環境が改善した一方、依然として個人消費は力強さを欠いており、景気回復の実感が乏しく、世界経済の減速懸念が強まる中で、その先行きは楽観できない状況にあります。  一方、国の財政状況に目を向けますと、高齢化の進展に伴う社会保障費の増加などの影響で、いわゆる国の借金は昨年12月末現在で約1,100兆円と過去最高を更新しており、その先行きは予断を許さない状況が続いております。  こうした中、全世代型社会保障への改革と財政健全化を両立させるべく、本年10月に消費税率が10%に引き上げられ、景気に影響を及ぼさないよう、軽減税率の導入やプレミアム付商品券を初めとする経済対策のほか、全世代型社会保障の一環として、子育て家庭の負担を軽減する幼児教育・保育無償化などが実施されることとなっております。我々地方自治体といたしましても、こうした社会経済情勢や国の動向を的確に把握し、柔軟かつ迅速に対応していく必要があります。  また、2025年には団塊世代全員が75歳以上の後期高齢者となり、その後、2040年ごろには高齢者人口がピークを迎える一方で、現役世代の減少が加速するものと予測されております。こうした状況を受け、昨年12月、国において出入国管理及び難民認定法、いわゆる入管難民法が改正され、本年4月から新たな在留資格による外国人材の受け入れが始まります。  我々地方におきましても、岐阜県では、昨年の推計人口が35年ぶりに200万人を割り込み、本市でもこの1年間で約1,500人が減少し、このまま減少が続けば、2040年には現在の人口よりも約20%減の34万人程度になるものと推測しております。人口減少、少子・高齢化の急速な進展は、地域経済を縮小させ、地域社会の担い手不足、地方財政の圧迫など、さまざまな問題の顕在化につながるものと懸念されます。  さらに、こうした問題への対応のおくれは、まちの活力や都市機能の維持に深刻な影響を及ぼしかねず、全国の自治体と同様に本市にとりましても、喫緊に取り組むべき最大の課題であると考えております。  こうした認識のもと、人口減少、少子・高齢化という最大の課題に対し、速やかに対応を図るべく、本市では、特に重要な政策の方向性として、子どもファースト、観光振興、中心市街地活性化と都市基盤整備、広域連携、シティプロモーションの5つの政策のベクトルを掲げ、市民の皆様とともに全力で取り組んでまいります。  それでは、これら政策のベクトルについて、順次申し上げます。  まず、1つ目のベクトルは、子どもファーストであります。  日本国内における平成30年の推計出生数は、前年より約2万5,000人少ない約92万1,000人となり、3年連続で100万人を下回る見通しが示されております。本市におきましても、平成29年の出生数は、前年より約240人減の約2,900人となり、少子化対策は喫緊の課題となっております。  こうした状況を踏まえ、新年度は、子育て、教育を中心に、子どもが社会に羽ばたくまでの切れ目のない支援を充実させてまいります。さらに、深刻化する児童虐待や子どもが巻き込まれる痛ましい事件や事故を未然に防止するため、子どもたちの安全、安心を確保する取り組みを強化してまいります。  2つ目は、観光振興であります。  昨年の訪日外国人旅行者は3,000万人を超え、国が掲げる2020年に4,000万人の目標達成も視野に入ってまいりました。  こうした中、来る2020年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催に加え、岐阜にゆかりの深い戦国武将、明智光秀公を主人公とした大河ドラマ「麒麟がくる」が放送されるほか、県内でねんりんピック岐阜2020が開催されるなど、本市が誇る地域資源を国内外へ広くアピールする絶好の機会が訪れます。  本市といたしましては、この機会を逃すことなく、本物志向の観光まちづくりに総力を挙げて取り組み、交流人口のさらなる増加を目指してまいります。  3つ目は、中心市街地活性化と都市基盤整備であります。  新年度中に開通が予定されている東海環状自動車道の(仮称)岐阜三輪スマートインターチェンジに続き、(仮称)岐阜インターチェンジの開通、リニア中央新幹線の開業が予定されるなど、今後、本市を取り巻く環境は大きく変化してまいります。  本市におきましては、これを大きなチャンスと捉え、新たなインフラによる波及効果をまちの活力として取り込むべく、投資効果を重視しながら中心市街地の活性化や成長都市の基盤づくりに全力で取り組んでまいります。とりわけ本市の中心市街地は、岐阜都市圏の中心との認識のもと、その活性化を図ることで、本市のみならず、岐阜都市圏が発展するためのエンジンとしていく必要があります。  これまで本市におきましては、本年1月に完成した岐阜駅東地区の再開発ビル、岐阜イーストライジング24に続き、この2月に動き始めた高島屋南地区の市街地再開発事業など、民間活力を生かしたまちづくりを推進してまいりました。  新年度も引き続き、民間との連携を深めながら、岐阜駅周辺の市街地再開発事業やリノベーションによるまちづくりなど、民間が主体となった取り組みを促進し、活力ある中心市街地の実現を目指してまいります。  4つ目のベクトルは、広域連携であります。  人口減少、少子・高齢化が加速する中、基礎自治体としてさまざまな施策や事業を効率的かつ効果的に推進していくためには、圏域、あるいは個別の自治体間で連携し、互いの個性を尊重しながら都市経営を行っていくことが重要であります。  現在、国においては、首相の諮問機関である地方制度調査会におきまして、圏域における地方行政のあり方について議論が続けられております。また、本市は、昨年12月、国において、地域の経済や住民生活を支える拠点となる中枢中核都市に選定され、同月、閣議決定された国のまち・ひと・しごと創生総合戦略(2018改訂版)におきましては、その機能を強化する方針が示されております。  こうした国の動向を注視しつつ、岐阜連携都市圏のさらなる深化を図るとともに、岐阜県や近隣自治体とも緊密な連携を図ることで、岐阜都市圏全体の発展を目指してまいります。  最後に、5つ目は、シティプロモーションであります。  本市が将来にわたってまちの活力を維持し、安定した都市経営を行っていくためには、市内外の人々から選ばれる都市となる必要があります。  まず、市民の皆様に岐阜にずっと住み続けたいと思われるまちになるためには、本市への愛着や誇り、いわゆるシビックプライドの醸成が重要になると考えております。このため、市民の皆様に本市の魅力を理解し共感していただけるよう、全庁挙げて、伝える、伝わるシティプロモーションに力を注いでまいります。  さらに、市外に向けましては、定住・交流人口の増加に向け、ターゲットを絞った効果的なプロモーションを展開してまいります。また、こうした取り組みの結果、市外の方々から本市が高い評価を受けることで、市民の皆様のシビックプライドが一層高まるものと考えております。  これら5つのベクトルに沿って「岐阜を動かす」施策を推進し、人口減少社会にあっても持続可能な住む人・来る人・働く人をふやす成長都市を実現してまいります。  あわせて、新年度予算編成に当たりましては、若手職員の新たな発想で事業を立案する「岐阜を動かす」若手職員プロジェクト会議からの提案と、既存の事務事業の見直しを検討する政策総点検の結果を反映いたしました。  まず、「岐阜を動かす」若手職員プロジェクト会議につきましては、子どもファースト及び観光振興をテーマに検討された結果を受け、5施策8事業について予算化したところであります。  また、政策総点検におきましては、ニーズの変化に対応、予算の有効活用、職員の意識改革の観点から、成果を上げる方法を幅広く検討した結果、計160件の事務事業を見直すことといたしました。  さらに、新年度予算の編成過程におきましても、政策総点検の考え方を踏まえ、限られた財源を有効活用すべく成果を重視するとともに、対話による合意形成を積み重ねてまいりました。  こうして編成した新年度予算は、若手職員のフレッシュなアイデアを随所に取り入れるとともに、市民ニーズや社会の変化を踏まえ、より高い成果が得られるものにブラッシュアップできたと考えております。  続きまして、新年度予算案について申し上げます。  まず、市税収入などの歳入についてであります。  歳入の根幹である市税収入につきましては、法人市民税が法人収益の増加などにより7億円の増、固定資産税が家屋の新増築の増加により5億円の増となる結果、全体で前年度と比較し15億円、率にして2.3%増の669億円を見込んでおります。  また、地方交付税に臨時財政対策債を加えた実質的な地方交付税につきましては、本年度の決算見込み及び地方財政計画などを勘案し、本年度当初予算と比べ3億円の減を見込んでおります。  そのほか、財政調整基金からの繰入金が10億円の増となり、これらを合わせた一般財源は、前年度に比べ26億円の増となる見込みであります。  一方、歳出につきましては、社会保障費において、高齢化の進展等に伴う増加に加え、本年10月から実施される幼児教育・保育無償化に係る費用が増加いたします。  さらに、消費税率引き上げに伴う経済対策として、プレミアム付商品券事業の費用が増加することに加え、ハード整備費につきましても、新庁舎建設の本格化などにより大きく増加してまいります。  この結果、平成31年度の予算規模は、     一般会計は            1,720億5,000万円     特別会計は            1,091億5,470万円     企業会計は         512億7,592万6,000円     総計は         3,324億8,062万6,000円 となり、  これを骨格予算として編成しました平成30年度当初予算と比較いたしますと、     一般会計で      158億2,000万円 10.1%の増     特別会計で        2億8,920万円  0.3%の増     企業会計で   7億8,846万9,000円  1.6%の増     全体では  168億9,766万9,000円  5.4%の増 となったところであります。  本市財政を取り巻く環境は依然として厳しい状況にありますが、さきに申しました政策のベクトルに沿った投資効果の高い施策を展開し、一日も早く市民の皆様に、動き始めた岐阜を実感していただきたいとの思いで、新年度予算の編成に当たりました。  それでは、予算案の主要な施策の大要につきまして、ぎふし未来地図に掲げる都市づくりの方向性の体系別に順次御説明いたします。  最初に、教育や子育てが充実し、人々が育まれるまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、子育て支援の充実についてであります。  本市におきましては、子どもファーストの理念に基づき、安心して子どもを産み、育て、子どもがみずから健やかに育つことができるよう、さまざまな子育て支援の充実に努めております。  新年度は、総合的かつ効果的に施策を展開し、さらなる子育て支援の充実につなげるため、次世代育成支援対策行動計画及び子ども・子育て支援事業計画を統合した子ども・子育て支援プランを策定してまいります。  また、保育環境の充実につきましては、女性就業率の高まりに伴い、3歳未満児の保育ニーズが年々増加傾向にあることを受け、これに対応する新たな受け皿として、私立幼稚園における2歳児預かり事業を実施してまいります。  さらに、保育所や幼稚園等において、子どもが病気などで体調不良となり、保護者がすぐに迎えに行くことが困難な場合に、看護師による病児・病後児保育施設への送迎を行うなど、安心して子どもを預けることができる環境整備に全力で取り組んでまいります。  加えて、本年10月からの消費税率引き上げに合わせ実施される幼児教育・保育無償化につきましては、子育て家庭の負担軽減を図るべく、国の方針を踏まえ適切に対応してまいります。  一方、高島屋南地区市街地再開発ビル内に整備する子育て支援施設につきましては、子育て家庭にとって魅力にあふれ、かつ、にぎわいの創出につながる拠点施設として整備に着手してまいります。  また、近年、女性の社会進出が進む中、第2子の出産をためらう2人目の壁の一因として、子育てを母親だけで行うワンオペ育児の問題が指摘されております。このため、男性の育児参画に対する意識を変革し、実践的なスキルを習得するための総合的な取り組みとして、ぎふし共育都市プロジェクトを新たに実施してまいります。  一方、子育てや就労などにさまざまな悩みを抱えるひとり親家庭の支援につきましては、本年度、給付型奨学金や生活・学習支援事業など、さまざまな支援情報を集約したガイドブックを作成し、大変好評を得ております。新年度は、両親の離婚等により離れて暮らす親と子の面会交流に対する支援を新たに開始するなど、さらなる支援の充実を図ってまいります。  子ども・若者総合支援センター「エールぎふ」におきましては、全国的に児童虐待による痛ましい事件が後を絶たない中、虐待の通告を受けた場合には、職員が速やかに児童の安否確認を行うなど、虐待の根絶に向け、総力を挙げて取り組んでおります。新年度には、「エールぎふ」内に子ども家庭総合支援拠点を設置し、心理担当専門員等による専門的な支援を実施するなど、児童虐待に係る相談体制を強化してまいります。  また、全小学校に開設しております放課後児童クラブにつきましては、子育て世代のさらなる支援を行うため、新年度は、保護者の就労実態や利用希望に応じて、新たに16カ所、計45カ所で対象学年を6年生まで拡充するとともに、引き続き35カ所において利用時間を午後7時まで延長するなど、放課後の安全、安心な居場所づくりに努めてまいります。
     次に、学校教育の充実について申し上げます。  本市におきましては、まちの未来を担う人材を育む教育を重要施策に位置づけ、複雑化していく現代社会に的確に対応しつつ、予測が困難と言われる新しい時代においても、夢や希望の実現に向けて果敢に挑戦できる子どもたちを育んでまいります。  まず、英語教育につきましては、その質をさらに高めるため、民間の教育シンクタンクとの共同研究で得られた成果に基づき、新たに英語力アップ「岐阜モデル」推進事業に取り組んでまいります。  具体的には、中学校3年生を対象に読む、聞く、話す、書くの4技能が測定できる評価テストを実施し、その結果をもとに授業の改善を進めることで、英語運用能力と学習意欲を高めるとともに、教員の指導力向上を図ってまいります。さらに、小学校5、6年生への外国語指導助手・ALTの派遣時間数を年間18時間から35時間へと拡大するとともに、市立幼稚園にも新たにALTを派遣することで、幼児期から英語に親しめる環境を整備してまいります。  人型ロボット「ペッパー」を活用したプログラミング教育につきましては、論理的、創造的な思考を駆使して課題を解決する力を育むため、本年度から全小中学校で実施しております。また、その成果を発表するプログラミングコンテストにおきましては、子どもたちが身近な課題を解決するプログラムを考え、表現力豊かなプレゼンテーションを行うなど、成果が目に見える形であらわれてきており、引き続きさらなる取り組みの進化を図ってまいります。  さらに、これら学校教育で培った課題解決力を地域の現場で実践することで、学校での学びが地域社会でも生かされるとともに、得られた経験を通して子どもたち自身の自己肯定感が高まることが期待されます。  そこで、新年度は、中高生を対象に地域や身の回りにある課題や関心事をテーマに、それぞれがプロジェクトを立ち上げ実践する、「岐阜未来人財育成事業~マイプロジェクトin岐阜~」に取り組んでまいります。  また、新学習指導要領におきましては、学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力、人間性等が新しい時代に必要な資質、能力として位置づけられております。これらの基礎は幼児期の教育で育まれることから、幼稚園、保育所及び認定こども園における学びの充実が重要になります。  このため、新年度は、幼児期における学びの充実に向け、教育委員会に幼児教育課を新設するとともに、幼児教育の総合的な方針となる幼児教育推進プランを策定してまいります。幼児教育課におきましては、小学校との円滑な接続に係る取り組みや家庭教育の支援などを行い、子どもたちの学びに向かう力の芽生えや育ちを支えてまいります。  一方、特別支援教育におきましては、障がいのある人が差別されることなく、障がいのない人とともに生活し、学ぶインクルーシブ教育を一層推進してまいります。  新年度には、発達障がいの可能性のある子どもが抱えるさまざまな問題や課題に対し、きめ細かく対応していくため、医療関係者との連携を強化し、教育と医療が一体となった支援体制を整備してまいります。  加えて、包括連携協定を締結している高等教育機関の協力を得て、特別支援教育に係る教員免許法認定講習会を開催し、教職員の特別支援学校教諭免許保有率を高めることで、一人一人のニーズに応じた指導や支援を充実させてまいります。  また、昨年5月に新潟市で下校中の児童が被害に遭った痛ましい事件が発生したことを受け、全国的に子どもの安全、安心を守る取り組みの強化を求める声が高まっております。  このため、新たにGPS位置情報サービスを活用した子どもの見守りサービスを導入し、登下校時における子どもの安全、安心を確保するとともに、犯罪の抑止効果を高めてまいります。あわせて、学校や警察等と連携して通学路の安全点検を行い、きめ細やかな交通安全対策を実施してまいります。  一方、ハード面につきましては、長良小学校及び長良公民館改築を着実に進めるとともに、今後も快適な学習環境を創出するため、施設の老朽化対策やトイレ改修を初めとする環境改善などに取り組んでまいります。  次に、高等教育機関の充実について申し上げます。  岐阜薬科大学につきましては、昭和7年の岐阜薬学専門学校としての建学以来、人の健康と福祉に貢献できる人材の育成に努めてまいりました。しかしながら、現状において、本部キャンパス研究室の狭隘化や三田洞キャンパスの老朽化などの課題に直面しております。こうした課題の解決を図るため、本年度、岐阜大学に隣接する本部キャンパスの近接地にキャンパスを整備、統合する方針を固めたところであり、新年度には、基本構想、基本計画の策定に着手してまいります。  このキャンパス整備に伴い、東海環状自動車道の(仮称)岐阜インターチェンジに近い交通の要衝に、岐阜大学の医学、工学、獣医学と岐阜薬科大学の薬学が連携する全国屈指の学術研究拠点が形成されることとなります。こうした最先端の教育研究環境の中で、今後も地域産業の発展と地域医療に貢献できる高度な人材を輩出していくことで、公立大学としての使命を果たしてまいります。  次に、生涯を通じた生きがいづくりの推進について申し上げます。  まず、生涯学習の推進についてであります。  人生100年時代とも言われる超長寿社会が到来する中、引き続き、誰もが学びを通じて生きがいを持ち、活躍することができる生涯活躍社会の構築を目指し、地域におけるまちづくりや人づくりにつながる人材の養成に努めてまいります。  新年度は、昨年度策定いたしました第3次生涯学習基本計画に基づき、長良川大学のさらなる活用を促進し、人生の各ステージにおける学びを支援してまいります。  一方、市民の皆様の学びを支える知の拠点である中央図書館におきましては、市民に身近な滞在型図書館として、図書館サービスのさらなる向上に努め、楽しさあふれる読書環境を提供してまいります。  新年度は、市民の皆様が多様な活動を行うための新たな交流、対話の場として、集いのワークスペースを整備するなど、本を中心に人がつながる図書館の魅力を高めてまいります。また、引き続き、中央図書館が有する先進的イメージを全国に発信するため、魅力あるオリジナルグッズを作成するなど、図書館ブランディングを推進してまいります。  そのほか、2020年に日本を代表する文化人等で構成されるエンジン01文化戦略会議のオープンカレッジを岐阜市で開催すべく、岐阜県、岐阜大学、岐阜商工会議所等と共同して取り組んでまいります。オープンカレッジでは、当会議の会員約150名が講師となり、市民の皆様との知の交流を行う各種講座やシンポジウム等を実施してまいります。  次に、スポーツの推進につきましては、スポーツ推進計画に基づき、市民誰もが元気で健康な生活を営めるよう、スポーツに気軽に親しむことができる環境づくりを進めてまいります。  新年度は、生涯スポーツとして子どもから高齢者まで幅広く楽しめるグラウンドゴルフの専用コースを南部スポーツセンターに整備してまいります。  また、FC岐阜のクラブハウス機能を有するスポーツ交流センターにおきましては、施設を増築することで、市民に夢と感動を与え、シビックプライドの醸成にもつながるプロスポーツチームの活動を支え育むとともに、市民の皆様とのスポーツ交流を推進し、本市のスポーツ振興につなげてまいります。  次に、文化・芸術の推進についてであります。  歴史に育まれ、受け継がれてきたさまざまな本市固有の文化・芸術は、まちの個性を形成し、岐阜らしさを醸成します。昨年度策定いたしました文化芸術指針に掲げる文化芸術を楽しみ創造する都市・ぎふを実現するためには、まちづくり、教育などの多様な分野との連携を図りつつ、本市独自の文化・芸術や伝統を継承していくとともに、市民の皆様に楽しんでいただきながらシビックプライドを高めていくことが重要になります。  こうした観点から、引き続き、岐阜市の伝統文化を再発見する「岐阜文化再発見~民話ライブ~」、誰もが楽しめる市民文化祭や長良川薪能など、市民の皆様が愛着を感じる文化・芸術事業を推進してまいります。  次に、福祉や医療が充実し、生涯を健康に暮らせるまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、高齢者、障がいのある人の支援についてであります。  本市におきましては、人口に占める65歳以上の高齢者の割合である高齢化率が28%と、4人に1人以上が高齢者となっており、高齢者世帯が年々増加しております。  こうした中、高齢者の多くの方々は、できる限り住みなれた地域での生活を望んでおられることから、引き続き地域における総合相談窓口である地域包括支援センターが中心となり、高齢者やその家族に対する包括的な支援を推進してまいります。  さらに、判断能力に不安を抱えた場合にも、住みなれた地域で暮らし続けることができるよう、成年後見制度の利用促進体制を構築するため、2021年度に開設を予定している成年後見センターの設置準備に着手してまいります。  一方、2020年度には、60歳以上の方々を中心としたスポーツ、文化、健康と福祉の総合的な祭典である全国健康福祉祭、いわゆるねんりんピックが岐阜県内で開催されます。本市におきましては、テニス、弓道、水泳など7種目が実施されることから、新年度には実行委員会を組織し、競技運営が円滑に行えるよう準備を進めてまいります。  次に、障がいのある方に対する施策といたしましては、本年度からの第4次障害者計画に基づき、障がいの有無にかかわらず誰もが自立してともに暮らすまちを目指してまいります。とりわけ障害福祉サービスの提供や相談体制の強化を図ることで、地域での暮らしをきめ細かく支援するとともに、障がいや障がいのある方に対する理解や配慮を一層促す取り組みを推進してまいります。  次に、健康づくりの推進及び医療環境の充実について申し上げます。  本市におきましては、市民誰もが心も体も健康に暮らせるまちづくりを推進するため、「歩く」を基本とした健康づくりを中心に、健康寿命の延伸を図るさまざまな取り組みを実施しております。  こうした中、昨年11月、自然を活用した健康づくりなどに取り組む自治体を表彰するクアオルト健康ウオーキングアワード2018におきまして、本市が優秀賞を受賞いたしました。これを受け、新たな健康づくりの柱として、自然の冷気や風、傾斜地形などを活用して、安全で効果的に歩くクアオルト健康ウオーキングに取り組み、市民の皆様や本市を訪れる方々の健康づくりに寄与してまいりたいと考えております。新年度は、自然豊かな金華山や百々ケ峰を活用したウオーキングコースの整備や指導者の養成等を行うなど、クアオルト施策の立ち上げを行ってまいります。  また、高島屋南地区市街地再開発ビル内に整備する健康・運動施設につきましては、施設内に中市民健康センターを移設することで、体力づくりから健康相談、各種健診まで幅広いサービスを提供するとともに、にぎわいの創出につながる拠点施設として整備に着手してまいります。  一方、少子化、核家族化の進行や地域のつながりの希薄化などに伴い、子育てをめぐる地域や家庭の状況は大きく変化しております。  こうした状況を踏まえ、本年度設置した母子健康包括支援センターにおきまして、双子、三つ子などの多胎児を養育している家庭に対し、育児アドバイスや子育て相談などを行う多胎児家庭サポート事業を新たに実施してまいります。  また、安心して子どもを産み育てることができる環境整備を一層推進するため、引き続き妊産婦からの相談対応や産後の母親への産後ケアなどを実施し、母子の健康づくりを推進してまいります。  加えて、心の健康づくりにつきましては、ひきこもりへの理解を深め、適切な対応につなげるため、ひきこもり講習会を新たに開催するとともに、本年度中に策定いたします自殺対策計画に基づき、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞き、必要な支援につなげるゲートキーパーの育成を図るなど、心の健康の保持増進に取り組んでまいります。  次に、医療環境の充実についてであります。  本市におきましては、市内各医療機関での受診に加え、休日や夜間の時間帯においても、岐阜市民病院の小児夜間急病センター、休日急病センターなどで安心して受診していただける体制を整えております。  また、岐阜市民病院におきましては、新年度から、経営形態をこれまでの地方公営企業法の一部適用から、より自主・自律的な経営が可能となる全部適用へ移行いたします。このことに伴い、運営責任者となる事業管理者のもと、医療環境の変化に迅速かつ機動的に対応できる体制を構築し、将来にわたり健全で安定した経営基盤を確立してまいります。  さらに、高齢化に伴い増加する救急搬送患者などの重症患者の受け入れ体制を強化するため、引き続き重症患者管理病床の整備を進めてまいります。  今後におきましても、地域の医療提供体制の向上に努め、市民の命と健康を守る最後のとりでとして機能の強化を図ってまいります。  次に、伝統や革新を生かした産業があり、働く場があるまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、産業の活性化及び雇用環境の充実についてであります。  我が国経済は、息の長い景気回復局面が続いており、雇用・所得環境が着実に改善するなど、大企業を中心に経済の好循環が見られるものの、本市経済を支える中小企業や小規模事業者には、依然としてその効果が十分に及んでいない状況であります。  こうした中、市内中小企業者の資金繰りの円滑化を支援するため、新年度は、岐阜市信用保証協会を活用した融資制度を拡充するとともに、信用保証料の補填を継続してまいります。  一方、少子・高齢化の進展により生産年齢人口が減少する中、地方では若者を中心に東京圏への転出が続いており、本市も転出超過の状況にあります。  そこで、新年度から、東京一極集中の是正、地方の担い手不足への対処、移住の促進を図るため、国、県と連携し、市内に移住して就業または起業した方に対する支援金の給付を実施してまいります。  また、ICTの進化などに伴い、場所や時間にとらわれず、多様なライフスタイルに柔軟に対応できる労働環境の提供が望まれています。  このため、新年度には、本年1月に完成した岐阜イーストライジング24にリモートオフィスを設置いたします。名古屋まで約20分というポテンシャルを生かせる岐阜駅周辺に、こうしたオフィス形態を整備することで、市内外の新たなオフィス需要を開拓するとともに、雇用の創出や多様な働き方のモデルを提示してまいります。  さらに、コワーキングスペースを併設することにより、同種、異業種にかかわらず、市内外の企業間交流を促進し、新たな事業やサービスの創出を目指してまいります。  次に、農林水産業の活性化について申し上げます。  国においては、TPP協定やEUとの経済連携協定を中心に自由貿易を推進する中、本市におきましては、持続可能で力強い農業の実現に向け、攻めと守りの両面から農業振興に取り組んでまいります。  まず、攻めの施策といたしましては、引き続き薬用作物の生産拡大や販路開拓を進めるとともに、これまでの取り組みを総括し、産地化に向けた今後の展開について検討してまいります。また、「ぎふベジ」の認知度やブランド力を高め、販路拡大につなげるため、引き続き市内外へのプロモーションを戦略的に展開してまいります。加えて、市街化区域内に特産農産物の産地が形成されている本市農業の特徴を踏まえ、市域全域で営まれる農業がバランスよく発展していくことを目指す農業振興ビジョンを新たに策定してまいります。  一方、守りの施策といたしましては、新たな担い手確保のため、新規就農者への支援を継続するとともに、用水路など農業用基盤施設の整備を計画的に進めてまいります。さらに、新年度より国から新たに交付される森林環境譲与税を活用し、適正な森林整備を促進するため、行政を介して森林所有者と林業経営者をつなぐシステムを構築してまいります。そのほか、昨年9月に市内で発生した豚コレラを教訓に、職員一人一人が家畜伝染病などの防疫の必要性を認識し、緊急時に組織として適切な対応ができるよう、県など関係機関と連携のもと、防疫対応マニュアル等の整備を進めてまいります。  次に、観光交流の活性化について申し上げます。  国は、2020年に訪日外国人旅行者数4,000万人、消費額8兆円を目標に掲げ、県においても観光の基幹産業化を打ち出すなど、地方創生の柱としてさまざまな観光振興施策が進められております。  こうした中、本市におきましても、誇るべき歴史、自然を中心とした地域資源にさらに磨きをかけるとともに、戦略的な誘客を進めていく必要があります。このため、新年度には、市民、事業者、行政が一体となり、観光に取り組む必要性を示すとともに、本市の中・長期的な観光戦略の指針となる観光ビジョンを策定してまいります。  また、2020年は本市にビッグチャンスが到来する年であります。世界各国の方々が日本を訪れる東京オリンピック・パラリンピックが開催されるとともに、大河ドラマ「麒麟がくる」の放送が予定されております。  ドラマでは、主人公の明智光秀公とともに、本市ゆかりの武将、斎藤道三公や織田信長公が重要な登場人物として描かれると聞いております。この放送を契機とし、本市の魅力を市内外の方々に感じていただくとともに、さらなる観光振興を図るため、去る1月、官民連携による大河ドラマ「麒麟がくる」岐阜実行委員会を立ち上げました。  新年度には、歴史博物館内に大河ドラマ館を開設するとともに、岐阜公園、金華山一帯の整備を進め、誘客を図るほか、中学生、高校生を館内の案内ボランティアとして養成することでシビックプライドの醸成を図るなど、放送に向け機運を高めてまいります。さらに、県及び県内8市町で構成する協議会において、ドラマに関連した広域での地域活性化の取り組みを引き続き推進してまいります。  また、本市の観光の柱である鵜飼観覧船事業につきましては、昨年7月の豪雨に伴い、航路に大量の土砂が流入したことなどにより、過去最多となる42日間の中止を余儀なくされる大変残念なシーズンとなりました。  シーズン終了後、国土交通省などの関係機関の協力や専門家の調査なども踏まえ、航路のしゅんせつなどの対策を進めてきており、新年度には万全の体制で観覧客をお迎えできるよう、一層のサービス向上に努めてまいります。さらに、観覧船の有効活用として、従来ゴールデンウイークにのみ運航しておりました遊覧船事業を拡充し、来年3月に花見船として運航するとともに、オフシーズンの観覧船活用を民間事業者に促す取り組みを行ってまいります。  一方、国史跡岐阜城跡におきましては、本年度から石垣という本物に光を当て、山城としての岐阜城全体の価値を高める取り組みを進めております。昨年5月に金華山の中腹で巨大な石垣群が発見されたのに続き、10月からは山上部では初めてとなる本格的な発掘調査を行った結果、織田信長公が城主であった時代に築かれた石垣や岐阜城跡では初めてとなる鉄製の矢じりが発見されるなど、全国から大きな注目を集めました。新年度は調査箇所を拡大し、斎藤家三代、織田家三代の城であった岐阜城の実態解明に取り組むとともに、調査の過程も観光資源としてPRすることで、岐阜城の魅力を全国に発信してまいります。  次に、多くの人々が集まりにぎわう、活気に満ちたまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、中心市街地の活性化についてであります。  中心市街地を形成する岐阜駅周辺から柳ケ瀬、ぎふメディアコスモス周辺に至る区域につきましては、昨年3月に国の認定を受けた中心市街地活性化基本計画に基づき、さまざまな取り組みを進めてまいります。  新年度は、民間が主体になったリノベーションによるまちづくりをさらに加速させるため、柳ケ瀬エリアにおいて、新たにリノベーションスクールを開催し、遊休不動産の利活用と新たな担い手創出につなげるとともに、引き続きぎふ信長楽市を開催するなど、中心市街地エリアの価値向上を図ってまいります。  さらに、子育て世帯や市外からの移住に重点を置いた新築住宅取得に対する支援や、初めて就職する若者の市内へのUターンや定住に対する支援を継続し、日常の消費の下支えや地域コミュニティーの維持に資する居住者の流入を促進してまいります。  また、柳ケ瀬活性化の起爆剤としての期待が高まる高島屋南地区の市街地再開発事業につきましては、本年度、既存建物の除却に着手し、新年度には建設工事が本格化してまいります。  さらに、岐阜駅周辺につきましては、本年1月に完成した岐阜イーストライジング24を弾みとして、今後、岐阜駅周辺の市街地再開発事業が進展することを大いに期待しております。  本市といたしましては、リニア中央新幹線開業を見据え、本年度実施しました土地の高度利用方策に係る検討結果を活用し、市街地再開発事業の実現を目指す準備組合の活動を支援してまいります。  加えて、新年度は、岐阜市制130周年とあわせ、岐阜駅北口駅前広場の完成10周年を迎えることから、岐阜駅北口を中心とした記念イベントを実施するとともに、金公園の丸窓電車を駅前広場に移設し、さらなるにぎわいを創出してまいります。  そのほか、都市の顔とも言うべき本市の中心部の目指すべき姿をわかりやすい形で見える化し、市民や事業者の皆様と共有することで、民間活力や投資を促進してまいります。  一方、知、絆、文化の拠点である「みんなの森 ぎふメディアコスモス」につきましては、岐阜都市圏の中心部に位置するにぎわいの拠点として大きな役割を担っております。新年度におきましても、まちの魅力向上やにぎわい創出に寄与するさまざまな事業を展開するとともに、施設を利用する人や活動にフォーカスした情報発信に取り組むことで、施設の魅力をさらなる高みへと押し上げてまいります。  次に、市民参画と市民協働によるまちづくりの推進について申し上げます。  人口減少、少子・高齢化の進展、さらには、人々の価値観の多様化による人と人のつながりの希薄化などに伴い、地域コミュニティーを取り巻く環境は大きく変化しております。こうした中、活力ある持続可能なまちづくりを進めていくためには、まちづくり協議会や自治会を初め、NPO、企業など、地域社会を構成する多様な主体と行政が地域コミュニティーの役割を認識し、それぞれの立場に応じた協働の取り組みを進めていくことが重要になります。こうした観点から、今議会に改正案を提案しております岐阜市住民自治基本条例の趣旨を踏まえ、さらなる住民自治の充実に向けたさまざまな取り組みを推進してまいります。  新年度は、まちづくり協議会に対する支援を充実し、その機能強化を図るため、地域住民が主体となり、まちづくりの方向性を示す地域まちづくりビジョンの策定に対する支援に加え、策定したビジョンの実現に向けた取り組みに対しても支援を行い、地域の力を高めてまいります。  また、市民活動支援事業につきましては、子どもの健全育成に係る活動を促進するため、子どもファースト支援メニューを新たに設けるなど、市民の主体的な活動を支援してまいります。  次に、多文化共生と国際交流の推進について申し上げます。  いわゆる入管難民法の改正に伴い、本年4月から始まる新たな在留資格による外国人材の受け入れに向け、現在、国におきまして、適正、円滑な受け入れ促進に向けた取り組みと外国人との共生社会の実現に向けた環境整備が進められております。  こうした中、現在、本市には、約9,400人の外国人住民が暮らしており、新制度の導入に伴い増加が見込まれることから、岐阜県を初めとする関係機関と連携して、社会生活上の支援などの多文化共生施策の拡充が必要となってまいります。  このため、これまでの取り組みに加え、行政窓口への翻訳アプリの導入、生活・行政情報の多言語化のほか、今後さらなる増加が見込まれるベトナム人を対象とした相談窓口を開設し、外国人住民の暮らしを支えてまいります。  さらに、新年度策定する次期多文化共生推進基本計画におきましても、まちづくりの重要なパートナーである外国人住民との共生社会の実現に向け、幅広い施策を検討してまいります。  また、新年度は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、ホストタウン交流が本格化する年となります。  本市におきましては、既に交流を進めているスロバキア共和国に加え、昨年12月、新たにカナダとコートジボワール共和国を相手国としたホストタウンに登録されたことを受け、新年度は、ホストタウン相手国からの事前合宿の受け入れや選手団との交流事業を実施してまいります。これらのホストタウン相手国の特色を生かした交流を官民協働により推進することで、子どもたちを初め、多くの市民の皆様が多様な文化に触れる機会を創出してまいります。  次に、暮らしを守り支える、安全、安心なまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、防災、消防の充実についてであります。  本年度は、6月に発生した大阪北部地震、西日本を中心に大きな被害をもたらした7月豪雨に加え、相次ぐ大型台風の上陸、北海道胆振東部地震など、全国各地で大規模災害が頻発しました。  本市におきましても、14年ぶりとなる長良・大宮陸閘の閉鎖や市内全域への避難準備、高齢者等避難開始の発令などの対応が必要となりました。また、市内の一部で床上・床下浸水を初め、強風による住宅や農業施設等の破損などの被害も発生したところであり、災害の恐ろしさ、防災対策の重要性を再認識した1年となりました。  今後も過去の災害を教訓として、将来発生が危惧される南海トラフ巨大地震のほか、風水害や土砂災害などのあらゆる災害の発生を念頭に置き、市民の皆様とともに自助、共助、公助が一体となった防災・減災対策を進めてまいります。
     新年度は、自助による減災対策として、あらゆる機会を捉え、自分の命は自分で守るという意識啓発に力を入れるとともに、高齢者や障がい者などのいわゆる避難行動要支援者を対象とした家具固定支援のほか、耐震シェルターの設置や民間建築物の耐震化に対する助成を継続するなど、市民一人一人の自助力の向上を図ってまいります。  あわせて、通学路、避難路に面するブロック塀の撤去につきましても、新年度までの緊急措置として補助率の引き上げを継続し、安全、安心な環境整備を推進してまいります。  さらに、各地域における自主防災組織の核となる人材を育成する防災士資格の取得支援を行うなど、共助に欠かせない地域住民の防災活動を引き続き支援してまいります。  また、公助の対策として、災害対応の拠点となる新庁舎につきましては、常設の災害対策本部室を初め、あらゆる災害を想定した整備を図るとともに、隣接する立体駐車場につきましても、備蓄倉庫、大型車両の駐留スペースなど、新庁舎の拠点機能をサポートする防災施設として、引き続き整備を進めてまいります。同時に、大規模災害が発生した際の司令塔としての機能を強化するため、防災情報システムの再構築に着手してまいります。  また、消防の充実といたしましては、瑞穂市、山県市、本巣市及び北方町の4市1町による広域消防運営をより強固なものとするため、各市町の派遣職員を本市職員に身分統一するなど、都市間連携による消防力のさらなる強化を図ってまいります。  一方、災害発生時の交通確保に重要となる橋梁につきましても、着実に耐震化を図るとともに、法に基づく定期点検を行い、計画的な補修、更新を進めてまいります。  内水対策といたしましては、これまでの浸水被害状況を踏まえ、引き続き、水路改修などを推進するとともに、特に近年、浸水被害がたびたび発生している境川流域におきまして、公園内への雨水貯留施設の整備を計画的に進めてまいります。  さらに、市内各所にある排水機場の設備を計画的に更新するほか、アンダーパスの冠水表示装置の改修など水害に対する多面的な対策を進めてまいります。  次に、防犯、交通安全の充実について申し上げます。  近年、犯罪の認知件数は減少傾向にありますが、市民の皆様が日常をより安全、安心に暮らせるよう、防犯灯や防犯カメラの設置を促進するとともに、地域のパトロール活動など市民の自主的な防犯活動を支援してまいります。  一方で、不幸にも犯罪の被害に遭われた方やその御家族が、その後も平穏な生活を営んでいくためには、経済面や精神面への支援体制が必要となってまいります。このため、新年度は、犯罪被害者等支援条例の制定に向け検討を行うなど、総合的な支援制度の構築に取り組んでまいります。  一方、交通安全につきましては、高齢化の進展に伴い、高齢者が当事者となる交通事故の増加が見込まれることから、出前講座などによる交通安全指導を推進するとともに、運転免許証の自主返納者への支援を行うなど、引き続き高齢者の交通事故防止に注力してまいります。  次に、快適な都市環境のある住みやすいまちづくりに係る施策について申し上げます。  まず、良好な都市空間と持続可能な都市基盤づくりについてであります。  人口減少、少子・高齢化の急速な進展に伴い、若者や子育て世帯、高齢者などが安心して暮らすことができる住環境の整備や空き家を含めた住宅ストックの有効活用が求められております。こうした状況を踏まえ、本市におきましては、本年度5月に策定しました空家等対策計画に基づき、空き家総合窓口を設置するなど、管理不全な空き家に対し適切に対応する体制を整備してまいりました。  新年度は、空き家の適正管理や流通、活用を促進するため、新たに空き家の所有者と利用希望者とのマッチングを行う空き家バンクを活用したモデル事業を実施するほか、市外からの転入者等が取得した空き家の改修費用に係る助成制度を創設してまいります。  また、本年度整備に着手しました旧加納町役場跡地における景観まちづくり活動の拠点施設につきましては、加納町と岐阜市の合併80周年となる2020年の開設に向け、着実に進捗を図ってまいります。  一方、都市の活力を維持し、持続的な成長を実現するためには、成長の礎となる都市基盤を構築することが重要であり、その根幹となるのが道路等の社会インフラであります。とりわけ新年度には、本市へのさまざまな経済効果が期待される東海環状自動車道の(仮称)岐阜三輪スマートインターチェンジの開通が予定されており、さらに、2024年度には(仮称)岐阜インターチェンジの開通が予定されていることから、引き続き事業進捗に合わせ、アクセス道路の整備を進めてまいります。また、本市の中心市街地から各務原市へのアクセス性が向上する金町那加岩地線ほか1路線の整備に着手するなど、周辺市町との連携や交流促進を図るため、広域ネットワークを形成する道路等の整備に着実に取り組んでまいります。  岐阜ファミリーパークにつきましては、(仮称)岐阜三輪スマートインターチェンジの開通に伴い、広域圏からの来園者の増加が見込まれることから、引き続き公園としての魅力を高める再整備とあわせ、総合スポーツ公園化に向けた検討に取り組んでまいります。  また、岐阜公園につきましては、信長公居館跡等の歴史的価値を生かした歴史文化市民公園として再整備するため、引き続き用地取得等の進捗を図るほか、国内外からの来園者等の増加に備え、案内表示板等の多言語化、公衆トイレの洋式化などの環境整備とともに、三重塔周辺の修景整備を行い、観光地としての魅力を高めてまいります。  加えて、豚コレラの発生が確認された畜産センター公園につきましては、今後の公園のあり方等について検討を行ってまいります。  一方、水道事業につきましては、市民の皆様に安全で安心な水道水を安定的に給水していくため、災害及び老朽化への対策として配水管布設がえを計画的に推進するとともに、築45年以上が経過した鏡岩水源地管理棟の改築に着手してまいります。  また、下水道事業につきましては、管渠整備や昨年2月に策定したストックマネジメント計画に基づく施設の設備更新を行い、快適な生活を享受できる環境づくりに努めてまいります。  次に、自然、地球環境保全の推進について申し上げます。  昨年12月に地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定の運用ルールが採択され、温室効果ガスの排出抑制に向けた行動がより一層強く求められております。こうした状況を踏まえ、岐阜市地球温暖化対策実行計画に基づき、温室効果ガス削減対策を推進するため、ゼロエネルギー住宅、家庭用燃料電池などの省エネ整備に係る助成を継続し、地球温暖化対策に資する市民の取り組みを支援してまいります。  また、美しい住環境や都市景観を次世代に継承していくためには、ごみの発生抑制、資源の循環的利用を図り、地球環境への負荷を減らし、資源を有効利用する循環型社会を構築することが重要であります。  本市におきましては、ごみ減量・資源化指針に基づき、「ごみ1/3減量大作戦」市民運動を展開しております。新年度も引き続き、雑がみの回収や、手軽に生ごみの堆肥化が実践できる段ボールコンポストの普及促進に取り組み、紙ごみ、生ごみのさらなる排出抑制と資源化を推進してまいります。  加えて、プラスチック製容器包装の資源化につきましては、新リサイクルセンター整備に合わせた実施に向け、分別への理解を深める啓発や体験事業を行ってまいります。  さらに、市民の衛生的で快適な生活環境を維持向上していくため、廃棄物の適正処理を着実に推進してまいります。  新年度は、引き続き地元を初め市民の皆様の御理解を賜りながら、効率的かつ安定的なごみ、し尿の処理に努める一方で、将来にわたり持続可能な一般廃棄物処理体制を確保するため、缶、瓶など資源ごみの中間処理を行う新リサイクルセンター及び火災により焼損した東部クリーンセンター粗大ごみ処理施設について、着実に建設工事の進捗を図ってまいります。  また、岐阜羽島衛生センター次期ごみ処理施設整備につきましても、引き続き組合構成市町と連携しながら着実に事業を推進し、ごみの広域処理体制の再構築に努めてまいります。  次に、交通環境づくりの推進について申し上げます。  交通政策につきましては、本年度中に策定いたします第3次岐阜市総合交通戦略に基づき、公共交通を軸にコンパクトにまとまった、いつまでも住み続けられるまちの実現に向け、諸施策を推進してまいります。  新年度は、より利便性の高い路線バスの利用環境を実現するため、バス事業者が行うJR岐阜駅の総合的なバスロケーションシステムの設置に対し支援を行ってまいります。また、地域の日常生活の足となるコミュニティバスにつきましては、市内20地区目となる岩野田・岩野田北地区での試行運行を開始するとともに、新たに小型車両を活用して、これまで道路事情などで走行できなかったエリアを補完するサポート便を導入してまいります。  トランジットモールにつきましては、将来的な中心市街地の道路空間のあり方を見据え、これまでに得たノウハウを生かし、新年度は、本市の都市の軸となる金華橋通りで実施してまいります。  加えて、地域公共交通における自動運転技術の活用に向け、道路管理者や警察等の関係機関のほか、交通事業者などで構成する研究会を立ち上げ、近い将来の実装に向けた連携体制を確立してまいります。  本市におきましては、急速な人口減少や深刻化する運転手不足の中にあっても、持続可能な地域公共交通の構築を目指してまいります。  一方、名鉄高架事業につきましては、慢性的な踏切渋滞や市街地の分断などの諸問題を解消するとともに、鉄道沿線の一体的なまちづくりに資するものとして早期事業化への期待が年々高まっております。新年度は引き続き、県、名鉄と連携し、早期事業化に向けて進捗を図るとともに、高架化や加納・茶所統合駅周辺土地区画整理事業などに要する財源として、鉄道高架事業基金に所要の積み立てを行ってまいります。  最後に、都市づくりを支え推進する行財政運営について申し上げます。  職員定数及び組織機構につきましては、さきに申しましたように、岐阜市民病院の医療体制の充実や消防広域化に伴う派遣職員の身分統一など、市民目線に立った施策を機動的に実行できる体制強化を図る一方で、嘱託化などにより、一層のスリム化を進めてまいります。あわせて、障がいのある方を対象に在宅で勤務ができるテレワークを導入し、障がいの特性や程度に応じた働き方の可能性を広げ、障がい者雇用を促進してまいります。  さらに、より一層の業務の効率化を図るため、新たに市税の賦課徴収業務において、定型的な業務をロボット技術により自動化する、いわゆるRPAの導入に向けた実証実験を行ってまいります。  次に、行政サービスの充実でありますが、現在、建設を進めております新庁舎におきまして、各種届け出や証明書交付の窓口を集約し、ワンストップでサービスを提供する総合窓口の設置に向け、引き続きシステム構築などを進めてまいります。  さらに、2021年春の開庁に向け、新庁舎の運用や活用策を包括的、体系的にまとめた新庁舎運用計画を策定するとともに、移転準備に着手してまいります。  一方、現庁舎の市民課窓口におきましては、ICTの活用により、待ち時間の短縮が可能となる証明書申請受付システムや行政用語に対応した翻訳アプリを導入し、窓口の混雑緩和を図るとともに、今後増加が見込まれる外国人住民に対応してまいります。  また、公共施設等の最適な管理及び運営につきましては、今後見込まれる公共施設等の更新等に係る膨大な財政需要や人口減少など社会環境の変化に伴う利用動向に対応し、市民の皆様に将来にわたり、よりよい公共サービスが提供できるよう、引き続き公共施設等マネジメントに取り組んでまいります。  新年度は、建物の健全性を調査する公共施設劣化度調査を継続し、計画的な維持更新を行うための保全計画の策定に向けた状況把握に努めてまいります。  一方、少子・高齢化と東京圏への一極集中による人口減少が地方自治体にとって最大の課題となる中、基礎自治体同士が連携して人口流出に歯どめをかけ、地域全体の活力と持続性を高める取り組みが重要であります。  こうした中、本市におきましては、近隣3市3町と岐阜連携都市圏を形成し、昨年3月に策定した岐阜連携都市圏ビジョンに基づき、さまざまな連携事業を展開しております。新年度におきましても、連携事業のさらなる拡大を図り、未来を見据えた広域連携を推進してまいります。  さらに、岐阜市が市内外の人々から選ばれる都市となるため、市内外へのシティプロモーションを強化してまいります。とりわけ本市からの転出が最も多い名古屋都市圏に向けて、テレビ、ラジオ、フリーペーパーなど、多様な媒体を活用し、それぞれの特性を生かした効果的なプロモーションを展開することで、本市の認知度向上を図り、住む人・来る人・働く人の増加につなげてまいります。  さらに、最新技術を活用して、本市の魅力をストーリー性のある映像により紹介するプロモーション映像を制作し、首都圏のほか、駅、イベント会場などのPR効果の高い場所で活用してまいります。あわせて、目的に応じた効果的な情報発信を行うための具体的方策を示すシティプロモーション戦略を新たに策定し、全庁一丸となって取り組んでまいります。  以上をもちまして、市政に対する所信の一端と平成31年度の主な施策の大要を申し述べました。  冒頭でも申しましたように、住む人・来る人・働く人をふやす成長都市の実現に向け、岐阜市が大きく躍動していくよう全力を尽くしてまいる覚悟でありますので、議員各位を初め、市民の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、予算に関係いたします条例なども提案いたしておりますが、それぞれ提案理由が付記してありますので、よろしく御審議の上、御決定を賜りますようお願い申し上げます。  続きまして、同時に提案をいたしました平成30年度一般会計補正予算並びにその他の議案について御説明いたします。  最初に、第59号議案平成30年度一般会計補正予算についてであります。  今回の補正予算におきましては、防災・減災に向けた国土強靱化等を柱とする国の第2次補正予算に係る補助内示を受け、民間社会福祉施設に対する整備費助成や小中学校のトイレ改修などについて措置するほか、本年度中に完了が見込めない事業等について減額するなど、所要の補正をいたしました。  初めに、国の補正予算に伴う事業につきまして順次御説明申し上げます。  まず、民生費の障害者総合支援費には、障がい者の住まいの場であるグループホームの建設助成費7,100余万円を補正するものであります。  次に、土木費の道路橋梁維持費には、道路のり面整備に900万円を、公園整備事業費には、岐阜ファミリーパークのLED照明灯整備に2,500万円を補正するものであります。  教育費の小学校建設費及び中学校建設費につきましては、学校施設の環境整備を推進するため、小中学校校舎のトイレ改修に1億9,900余万円をそれぞれの費目において補正するものであります。  以上が国の補正予算に伴うもので、合わせて3億400余万円の補正となりますが、いずれも完了が次年度になる見込みであることから、繰越明許費として所要の措置を講ずるものであります。  このほか、総務費の諸費につきましては、過年度の国・県支出金の確定などに伴い、償還金に不足が生じますので、1億8,000万円を補正するものであります。  行政管理費につきましては、職員の退職手当について、3億円を減額するものであります。  また、財産管理費につきましては、新庁舎建設に伴うテレビ電波障害対策におきまして、対象となる世帯のうち、本年度申し込みがなかった世帯に係る対策費2,500余万円を減額し、新年度に改めて措置するものであります。  次に、民生費の老人福祉費につきましては、国費の追加内示に伴い、老朽化に伴う施設改修を行う認知症高齢者グループホームへの助成費5,200余万円を補正するものであります。  次に、土木費の市街地再開発事業費でありますが、高島屋南地区市街地再開発事業への補助金につきまして、事業の進捗に合わせ、9,500余万円を減額するものであります。  また、薬科大学管理費につきましては、篤志家からの薬科大学の整備に対する寄附金150万円を薬科大学整備基金に積み立てるものであります。  このほか、完了が次年度になる見込みの事業につきましては、繰越明許費として所要の措置を講ずるものであります。  以上、事業費の補正総額は、1億1,824万6,000円となり、財源内訳といたしましては、     市        税     6億4,050万3,000円     地方消費税交付金            4億3,000万円     地 方 交 付 税      5億1,501万7,000円     繰   入   金      1億4,684万6,000円     国 庫 支 出 金        7,635万4,000円     諸収入その他特定財源            3,990万円 をもって充てる一方、     繰   越   金     16億1,439万9,000円     市債その他特定財源      1億1,597万5,000円 を減額するものであります。  あわせて、財政調整基金からの繰入金42億円につきまして、繰越金等の状況を勘案し、全額繰り戻しを行うなど、歳入の財源更正を行うものであります。  次に、第60号議案国民健康保険事業特別会計補正予算は、平成29年度療養給付費負担金の確定に伴い、国への償還金など、4億5,100余万円を補正いたすものであります。  次に、第61号議案及び第62号議案は、いずれも条例の改正でありまして、提案理由が付記してありますので、説明を省略させていただきます。  第63号議案は、開発などに伴い、市道路線の認定及び変更をしようとするものであります。  第64号議案下水道事業会計補正予算は、国の補正予算に伴うもので、中部第4幹線下水管渠布設工事費など、2億4,100余万円を補正するものであります。  次に、報第1号の専決処分事項でありますが、工事の入札不調への対応といたしまして、次年度にわたる執行により早期の事業完了が可能となるよう、繰越明許費の補正をいたしたものであります。  以上、補正予算及び関係諸議案を御説明いたしました。  よろしく御審議の上、御決定賜りますようお願い申し上げます。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第68 請願第1号から第71 請願第4号まで 11: ◯議長(信田朝次君) 日程第68、請願第1号から日程第71、請願第4号まで、以上4件を一括して議題とします。            ───────────────────             請   願   文   書   表                     平成31年第1回(3月)岐阜市議会定例会 ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第1号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│平成31年度の国民健康保険料の引き上げを行わないことを求める請 │ │       │願                               │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │平成31年2月28日                      │
    ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市則武西2丁目1-17 岐阜北民主商工会気付        │ │住所・氏名  │岐阜市社会保障推進協議会 会長 小林明人 外1件        │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、堀田信夫、服部勝弘、松原徳和、田中成佳、高橋和江、  │ │       │原 菜穂子                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │厚生委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 平成30年度に国民健康保険制度の都道府県単位化が実施された。これにより岐阜市 │ │独自の判断で運営していた国民健康保険事業について、国や県の意向が大きく反映する │ │ものとなった。                                 │ │ 一方で、平成30年12月26日に行われた岐阜県社会保障推進協議会と県との懇談 │ │会や平成31年2月6日に行われた全国中小業者団体連絡会と厚生労働省との交渉の場 │ │において、県及び国の担当者は、地方自治体が保険料軽減のために行う一般会計から国 │ │民健康保険事業特別会計への繰り入れについて「解消することが望ましいが、自治体独 │ │自の判断で行われることについて口を挟む立場にない」と明言している。       │ │ 私たちの手元にある資料では、平成31年度の事業費納付金は平成30年度比で3. │ │95%の増、約5億100万円の上積みになる。この増加分をそのまま保険料に転嫁す │ │るとなると、現在、県内で下位にある国民健康保険料収納率が、さらに低下することが │ │懸念される。また、国民健康保険の加入世帯と全国健康保険協会、いわゆる協会けんぽ │ │の加入世帯との保険料負担における格差も一層拡大することになる。         │ │ 国民健康保険には、非正規雇用やパートで働く労働者、年金生活者及び無職の方など │ │他の医療保険の加入対象とならない社会的に立場の弱い方が、加入している。また、今 │ │は正規雇用で働いている労働者であっても、国民健康保険へ加入せざるを得ない状況に │ │なることも考えられる。こういったことから、国民皆保険制度の中で「医療保険の最後 │ │のとりで」の役割を果たす国民健康保険制度を社会全体で維持しなければならないと考 │ │える。                                     │ │ 以上のことから、下記事項について請願する。                  │ │                   記                    │ │1 平成31年度の国民健康保険料について、独自の財政措置を行い保険料の引き上げ │ │ を行わないこと。                               │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第2号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│2019年10月からの消費税増税延期を求める意見書の提出を求め │ │       │る請願                             │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │平成31年2月28日                      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市則武西2丁目1-17                   │ │住所・氏名  │岐阜北民主商工会 会長 伊藤次雄                │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、堀田信夫、服部勝弘、松原徳和、田中成佳、高橋和江、  │ │       │原 菜穂子                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │総務委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 安倍晋三首相は、現在開会中の国会において、リーマンショック級の経済危機でも起 │ │こらない限り本年10月からの消費税率10%への引き上げは実施する旨を表明してい │ │る。                                      │ │一方で、2014年4月に行った消費税率8%への引き上げによる消費不況が深刻であ │ │ったことから、今回の増税による経済への影響を抑えるための予算措置を進めており、 │ │これでは何のための消費税の増税なのか理解に苦しむところである。         │ │ 零細な法人や自営業者は、1989年の消費税3%の導入時やその後2回にわたる5 │ │%及び8%への引き上げ時において、増税分を売り上げに転嫁できなかったことや価格 │ │競争の中で価格を引き下げざるを得なかったことなどにより、廃業に追い込まれてきた │ │ところである。消費者に直接販売する小売業やサービス業にとどまらず、建設業や製造 │ │業の下請業者などにとっても、今回の10%への引き上げは大きな打撃になることは明 │ │らかである。                                  │ │ また、今回は複数税率制が初めて導入される。事業者は複数税率に対応した請求書や │ │領収書の発行が新たに求められるほか、帳簿の記帳など、実務の煩雑化にも対応しなけ │ │ればならない。しかしながら、7カ月後に増税及び複数税率制の実施が迫っている今日 │ │においても準備ができているとは言えない状況である。政府の経済対策であるキャッシ │ │ュレス化への対応一つを見ても、レジなどハード面の準備は進んでおらず、小規模な事 │ │業者にとっては、カード会社へ支払う手数料が新たな負担になるなど、このまま複数税 │ │率制が実施されれば混乱することは必至である。                  │ │ 消費税率10%への引き上げによって、自治会の活動を初め、地域の活動をさまざま │ │な形で支えている零細な法人や自営業者が廃業に追い込まれ、一段と地域社会が崩壊へ │ │向かうことは明らかであり、格差と貧困が広がる今日において、「逆進性が強い」とさ │ │れる消費税の増税は急ぐべきではない。また、毎月勤労統計に端を発し、政府が行う基 │ │幹統計調査において次々と不正処理が発覚しており、その対応にも疑問が投げかけられ │ │ている中、このように政府が発表する「数字」への信頼性は失墜しており、政府への信 │ │頼が低下している状況における消費税の増税は、社会の不安を招くものである。    │ │ 以上のことから、下記事項について請願する。                  │ │                   記                    │ │1 2019年10月からの消費税率10%への引き上げを当面見送るよう政府に意見 │ │ 書を提出すること。                              │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第3号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│国に対し消費税増税中止を求める意見書の提出を求める請願     │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │平成31年2月28日                      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市徹明通7-13 岐阜県教育会館302号          │ │住所・氏名  │新日本婦人の会岐阜支部 支部長 和田玲子            │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、堀田信夫、服部勝弘、松原徳和、田中成佳、高橋和江、  │ │       │原 菜穂子                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │総務委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 私たちの暮らしや地域経済は今、大変深刻な状況である。消費税の増税や物価上昇、 │ │年金カット、実質賃金の低下、また、医療・介護などの社会保障費の負担増のもとで、 │
    │「これ以上節約するところがない」といった悲鳴が上がっている。また、大規模な自然 │ │災害も相次いで発生しており、自治体の財政も消費税の増税によって大きく圧迫されて │ │いる。                                     │ │ しかしながら、政府は、あくまで2019年10月の消費税率10%への引き上げを │ │行う姿勢を繰り返し表明している。消費税率10%への引き上げにより5.6兆円の増 │ │税となり、軽減分を差し引いても4.6兆円、1世帯当たり8万円の増税となるという │ │試算も出ている。地域経済や地方財政が逼迫している、このような状況で消費税を引き │ │上げれば、税率が5%から8%に引き上げられたときと同様の大不況が再来すると考え │ │る。                                      │ │ 加えて、税率の引き上げと同時に適用される「軽減税率」において、飲食料品と週2 │ │回以上発行の新聞代が税率8%に据え置かれるが、この「軽減税率」には重大な問題が │ │ある。                                     │ │ また、キャッシュレス決済を行った場合のポイント還元、自動車税の減税、住宅借入 │ │金等特別控除、いわゆる住宅ローン減税の延長などの経済対策案が出されているが、そ │ │もそも消費税は、所得の少ない人ほど負担が重く、貧困と格差を拡大する根本的な欠陥 │ │を持つ税制である。                               │ │ 日本国憲法は応能負担の原則にのっとった税制の確立を要請しており、このことから │ │も消費税の増税ではなく、課税の対象や税金の使途を見直すことで大企業や富裕層を優 │ │遇する不公平な税制を正すべきである。                      │ │ また、軍事費や不要不急の大型公共事業への歳出を削減し、暮らしや社会保障、地域 │ │経済の振興に優先して税金を使うなど、内需主導で家計を温める経済政策をとるべきで │ │ある。そうすれば、社会保障制度の拡充も、財政再建の道も開けると考える。     │ │ これらのことから、私たちは、住民の暮らし、地域経済、地方自治体に深刻な打撃を │ │与える消費税の増税を中止することを強く求める。                 │ │ 以上のことから、下記事項について請願する。                  │ │                   記                    │ │1 2019年10月の消費税率10%への引き上げ中止を求める意見書を国に提出す │ │ ること。                                   │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第4号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│小・中学校の給食費の保護者負担軽減を求める請願         │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │平成31年2月28日                      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市徹明通7-13 岐阜県教育会館302号          │ │住所・氏名  │新日本婦人の会岐阜支部 支部長 和田玲子            │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、堀田信夫、服部勝弘、松原徳和、田中成佳、高橋和江、  │ │       │原 菜穂子                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │文教委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 現在、岐阜市では全ての小・中学校において学校給食が実施されている。学校給食は │ │子どもの心身の健全な発達を助け、食育及び食の安全、安心の観点からも大きな役割を │ │果たしている。厳しい予算の中、調理現場においては献立や食材の工夫によって対応さ │ │れており、子どもたちは、みんなと一緒に食べる学校給食を楽しみにしている。    │ │ 一方で、昨今、格差や貧困が広がっており、給食費の滞納を初め、日々の食事もまと │ │もにとれない子どもたちのために運営する「子ども食堂」への申し込みが年々ふえるな │ │ど、子どもの貧困が大きな社会問題となっている。                 │ │ そうした状況の中、学校給食の果たす役割はますます重要になっており、少子化対策 │ │及び子育て支援を目的として、給食費の引き下げや無償化を実施している自治体数は、 │ │無償化が82団体、一部補助等が424団体となり、年々ふえている。岐阜県内では、 │ │本巣市、岐南町、神戸町、安八町、揖斐川町、池田町、美濃市、川辺町、七宗町、白川 │ │村、下呂市の11市町村が無償化または一部補助等の助成を行っている。       │ │ 岐阜市においても、給食を生きた教材として活用しながら食育に取り組んでおり、家 │ │庭の経済的状況にかかわらず、安心して食事ができることは、子どもの情緒の安定にと │ │っても大切なことである。                            │ │ 「義務教育は、これを無償とする。」という憲法第26条第2項の原則からも、子ど │ │もの健やかな成長を保障する上でも、食育ということでも、給食は無償で提供されるべ │ │きである。                                   │ │ 子育て世代の経済的負担を軽減し、未来を担う子どもたちのため、下記事項を請願す │ │る。                                      │ │                   記                    │ │1 市内の小・中学校における学校給食費の無償化、または助成を行うこと。     │ └────────────────────────────────────────┘ 12: ◯議長(信田朝次君) 請願の紹介議員において発言の申し出がありますので、これを許します。38番、堀田信夫君。    〔堀田信夫君登壇〕(拍手) 13: ◯38番(堀田信夫君) おはようございます。    〔「おはようございます」と呼ぶ者あり〕  上程されました請願4件につきまして、その趣旨を紹介させていただきたいと思います。  請願第1号から第4号までの紹介議員は、いずれも服部勝弘議員、松原徳和議員、田中成佳議員、高橋和江議員、原 菜穂子議員、井深正美議員、そして、私、堀田の7名です。  代表して申し上げますことになりますが、若干私の思いも含めて発言をさせていただくこと、お許しをいただきたいと思います。  まず初めに、請願第1号です。平成31年度の国民健康保険料の引き上げを行わないことを求める請願であります。  請願者は、岐阜市社会保障推進協議会会長、小林明人さん、ほか1件です。  国保事業は、平成30年度から県単位化になりました。市は県から示される納付金を納めるわけですが、来年度の、来年度の額は前年度比3.95%増し、約5億100万円の負担増とのことです。これをそのまま市民に転嫁するとなれば、必然的に保険料の引き上げとなります。それでなくても生じている協会けんぽ加入世帯との保険料格差がさらに広がることになります。  参考までに申し上げますと、4人世帯で400万円の収入の世帯で国保料金は38万3,280円ですが、協会けんぽですと、これが23万4,192円。つまり、約15万円の差があるわけです。加入する保険によって料金が違う、給付も違う。公的な保険制度であるのにこんな違いがあっていいのか。この構造上の問題に踏み込んで、国の責任で協会けんぽ並みにしなさいという申し入れなどが全国の知事会、あるいは全国の市長会が行っておられ、現在も毎年毎年この見地で続いていますが、私どもも同様の立場であることを申し上げておきたいと思います。  請願は、ともあれ、ともあれ、とにもかくにも、これ以上の引き上げだけはしないでくださいと、ぐっと控え目の切実な願いであることを御理解いただければと思います。  次に、請願第2号2019年10月からの消費税増税延期を求める意見書の提出を求める請願。請願第3号国に対し消費税増税中止を求める意見書の提出を求める請願。  第2号のほうは、請願者は岐阜北民主商工会会長の伊藤次雄さん、第3号のほうは、新日本婦人の会岐阜支部の支部長、和田玲子さんであります。消費税の税率引き上げを見送ってほしい、あるいは、事業者の立場、消費者の立場での思いであります。  あわせて、その趣旨を申し上げたいと思います。  安倍首相は、戦後最長の景気回復と自慢しています。けれども、NHKの世論調査、つい先日行われた2月9日から11日までの分ですが、景気回復を「実感していない」が66%で、「実感している」の8%を大きく上回っています。政府の調査では、物価変動の影響を除いた実質家計消費支出は2014年の消費税8%への増税を契機に大きく落ち込み、増税前と比べて年額で25万円も減り、実質賃金もこの6年で年10万円以上減少していることが明らかになっています。  この状況で増税を強行したら、消費は冷え込み、暮らしも経済も壊れてしまいます。消費税増税は必要という方々にあっても、10月からの増税については、消費の減少、企業倒産の増加、失業率の上昇といった負の連鎖に直面する可能性もあるとセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文名誉顧問が警鐘を鳴らしています。  安倍首相は、今回いただいた消費税を全てお返しする形で対策を行うといって、ポイント還元、複数税率導入を大々的に宣伝していますが、ポイント還元は、買う商品、買う場所、買い方によって税率が極めて複雑になっておりますし、幾重にも分かれています。みりんは、お酒なので10%、けれども、みりん風の調味料になると、これが食料品扱いになって8%、新聞、これが各家庭に届けられますと8%ですが、コンビニエンスストアや駅売りなんかで買うとこれが10%となるわけです。ポイント還元の対象となる中小企業がどういう事業でやるのか、その基準もまだ明らかにされていません。  私の、大洞のほうの団地なんですけれども、東部のほうでは、全市的にあるかもわかりませんが、小さな小さな喫茶店で朝から1日モーニングというお店があります。1日といっても午後1時であったり午後3時、昼どきもモーニングでちょうどいいというので、近所のおじちゃんやおばちゃんたちの寄り合い所になっています。  忘れもしません。前回のときにも紹介したこともあるかもわかりませんが、8%になるときにこのお店が張り紙をいたしました。消費税の税率が8%になっても当店は値上げをしません。しかし、モーニングを残すならあらかじめ言ってね。トースト、あるいは卵、サラダ、きょうは卵、要らないよっていうんであるならば、あらかじめ言ってください。このお店の店主のやさしさ、そして、こういう地域のコミュニティーを守りたいという強い意思が感じられました。こういったお店が果たして税率引き上げになったときにやっていけるのか。税率引き上げは地域のコミュニティー、まちを破壊するものだと私は思います。  請願は10月からの消費税率引き上げについて、見送る、あるいは延期を求めた意見書を国に出してもらいたいという内容のものです。  最後に、請願第4号です。小・中学校の給食費の保護者負担軽減を求める請願であります。  請願者は、新日本婦人の会岐阜支部の支部長、和田玲子さんです。  格差と貧困の広がりが大変深刻です。学校給食費の支払いが重荷になっています。準要保護、つまり就学援助で救済しているとの御指摘もありますが、ボーダーラインの方々が難儀で、給食費の滞納、未払いというものが現にあります。給食費の保護者負担軽減は、子育て家庭の家計を温めることであり、ひいては、消費拡大につながる経済政策でもあると思います。  教育費は無償、憲法第26条の立場、あるいは子どもファーストを政策ベクトルの1番に掲げる柴橋市政にあって、意義ある施策と私どもは思います。  請願は、無償あるいは助成など、負担の軽減を求めた内容です。ぜひ御理解をいただいて、請願が採択をされますことをお願い申し上げ、紹介とさせていただきます。  以上です。(拍手) 14: ◯議長(信田朝次君) 以上で請願紹介を終わります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一 休  会 15: ◯議長(信田朝次君) お諮りします。明日及び3月4日から3月8日までの6日間は、議案精読のため休会したいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    16: ◯議長(信田朝次君) 御異議なしと認めます。よって、明日及び3月4日から3月8日までの6日間は休会することに決しました。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 散  会 17: ◯議長(信田朝次君) 以上で本日の日程は全部終了しました。本日はこれで散会します。   午前11時25分 散  会  岐阜市議会議長      信 田 朝 次  岐阜市議会議員      杉 山 利 夫  岐阜市議会議員      西 垣 信 康 発言が指定されていません。 Copyright © Gifu City Assembly. All Rights Reserved. ↑ 本文の先頭へ...