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  1. 岐阜市議会 2015-03-01
    平成27年第1回(3月)定例会(第1日目) 本文


    取得元: 岐阜市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-06
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成27年第1回(3月)定例会(第1日目) 本文 2015-03-05 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 24 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(國井忠男君) 9頁 選択 2 : ◯議長(國井忠男君) 9頁 選択 3 : ◯議長(國井忠男君) 459頁 選択 4 : ◯議長(國井忠男君) 459頁 選択 5 : ◯議長(國井忠男君) 459頁 選択 6 : ◯議長(國井忠男君) 459頁 選択 7 : ◯議長(國井忠男君) 459頁 選択 8 : ◯議長(國井忠男君) 459頁 選択 9 : ◯議長(國井忠男君) 459頁 選択 10 : ◯市長(細江茂光君) 459頁 選択 11 : ◯議長(國井忠男君) 481頁 選択 12 : ◯議長(國井忠男君) 482頁 選択 13 : ◯21番(井深正美君) 482頁 選択 14 : ◯議長(國井忠男君) 484頁 選択 15 : ◯議長(國井忠男君) 484頁 選択 16 : ◯議長(國井忠男君) 484頁 選択 17 : ◯議長(國井忠男君) 485頁 選択 18 : ◯議長(國井忠男君) 487頁 選択 19 : ◯14番(須田 眞君) 487頁 選択 20 : ◯議長(國井忠男君) 488頁 選択 21 : ◯41番(堀田信夫君) 488頁 選択 22 : ◯議長(國井忠男君) 491頁 選択 23 : ◯議長(國井忠男君) 491頁 選択 24 : ◯議長(國井忠男君) 491頁 ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 開  会  午前10時2分 開  会 ◯議長(國井忠男君) ただいまから平成27年第1回岐阜市議会定例会を開会します。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一 諸般の報告 2: ◯議長(國井忠男君) 日程に入るに先立って諸般の報告を行います。  監査結果報告書及び岐阜市包括外部監査報告書並びに報第2号及び報第3号専決処分事項の報告については、お手元に配付しました報告書によって御承知を願います。            ───────────────────         監査結果報告書及び岐阜市包括外部監査報告書提出一覧                     平成27年第1回(3月)岐阜市議会定例会 例月現金出納検査結果報告書(平成26年10月分~平成26年12月分) 監査結果報告書 ・定期監査及び行政監査   (平成26年度4月~10月分 必要に応じて平成25年度分)  ・市民生活部  ・都市建設部  ・基盤整備部 ・定期監査及び行政監査   (平成26年度4月~11月分 必要に応じて平成25年度分)  ・柳津地域振興事務所
     ・子ども・若者総合支援センター  ・教育委員会  ・農林部  ・農業委員会事務局  ・福祉部 工事監査結果報告書(平成26年度分)  ・橋梁耐震補強工事(吐樋口橋) 岐阜市包括外部監査報告書(平成26年度)  ・岐阜市の外郭団体            ───────────────────  検査の種類  例月現金出納検査  検査の対象  一般会計、特別会計、基金及び企業会計         (平成26年10月出納事務)  検査の期間  平成26年12月3日~平成27年1月14日 1 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確であるこ  とを認めた。 2 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確である  ことを認めた。 3 その他証拠書類等を検査したところ、おおむね適正に処理されているものと認めた。   なお、軽微な事項については、別途指示した。            ───────────────────  検査の種類  例月現金出納検査  検査の対象  一般会計、特別会計、基金及び企業会計         (平成26年11月出納事務)  検査の期間  平成27年1月5日~平成27年1月23日 1 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確であるこ  とを認めた。 2 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確である  ことを認めた。 3 その他証拠書類等を検査したところ、適正に処理されているものと認めた。            ───────────────────  検査の種類  例月現金出納検査  検査の対象  一般会計、特別会計、基金及び企業会計         (平成26年12月出納事務)  検査の期間  平成27年1月27日~平成27年2月9日 1 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確であるこ  とを認めた。 2 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確である  ことを認めた。 3 その他証拠書類等を検査したところ、おおむね適正に処理されているものと認めた。   なお、軽微な事項については、別途指示した。            ───────────────────  監査の種類  定期監査及び行政監査  監査の対象  市民生活部         (平成26年度4月~10月分 必要に応じて平成25年度分)  監査の期間  平成26年12月1日~平成27年1月14日  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理されて いるものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改善に努め られたい。  なお、軽微な事項については、別途指示した。 [指摘事項] 1 国民健康保険料及び国民健康保険税の収納率の向上について   国民健康保険料及び国民健康保険税の収納率は、平成25年度決算において、71.  58%で前年度比1.22ポイントの減であった。   また、平成26年10月末現在の滞納繰越分に係る収入未済額は2,851,278,  454円である。   今後とも、過年度未収金の早期回収に努めることはもとより、現年度分の回収につい  ても、滞納繰越が生じないように努力し、収納率の向上を図られたい。 2 交通事故の防止について   平成25年11月から平成26年10月までの間に、公用自動車による事故が1件発  生した。   職員の交通事故防止について、一層の指導徹底を図られたい。            ───────────────────  監査の種類  定期監査及び行政監査  監査の対象  都市建設部         (平成26年度4月~10月分 必要に応じて平成25年度分)  監査の期間  平成26年12月1日~平成27年1月23日  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理されて いるものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改善に努め られたい。  なお、軽微な事項については、別途指示した。 [指摘事項] 1 交通事故の防止について   平成25年11月から平成26年10月までの間に、公用自動車による事故が2件発  生した。   職員の交通事故防止について、一層の指導徹底を図られたい。
               ───────────────────  監査の種類  定期監査及び行政監査  監査の対象  基盤整備部         (平成26年度4月~10月分 必要に応じて平成25年度分)  監査の期間  平成26年12月1日~平成27年1月23日  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理されて いるものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改善に努め られたい。  なお、軽微な事項については、別途指示した。 [指摘事項] 1 未収金の回収について   道路占用料の収入未済額は、平成25年度末で980,705円である。平成26年  10月末現在では、過年度未収金が811,435円であり、11月末現在も同額であ  る。   また、水路占用料の収入未済額は、平成25年度末で1,368,891円である。  平成26年10月末現在では、過年度未収金が1,259,915円であり、11月末  現在では、1,256,715円となっている。   今後とも、過年度未収金の回収に努めることはもとより、現年度分の回収についても、  滞納繰越が生じないように努力されたい。   また、未徴収となっていた合併前の旧柳津町から引き継いだ道路占用料及び水路占用  料についても、早期の回収に努められたい。 2 交通事故の防止について   平成25年11月から平成26年10月までの間に、公用自動車による事故が3件発  生した。   交通法規を遵守し、職員の交通事故防止について、一層の指導徹底を図られたい。            ───────────────────  監査の種類  定期監査及び行政監査  監査の対象  柳津地域振興事務所         (平成26年度4月~11月分 必要に応じて平成25年度分)  監査の期間  平成27年1月5日~平成27年2月9日  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理されて いるものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改善に努め られたい。  なお、軽微な事項については、別途指示した。 [指摘事項] 1 適正な財務会計事務の執行について  岐阜市予算規則第13条第1項では、負担金、補助及び交付金にかかる支出負担行為と して整理する時期は「指令をするとき」と規定されている。  しかしながら、高桑太鼓保存会に対する柳津地域伝統文化継承事業補助金については、 平成26年8月4日付けで指令が発出されているにもかかわらず、平成26年12月7日 に至るまで支出負担行為書が起案されていなかった。  今後は、岐阜市予算規則を遵守し、適正な財務会計事務の執行に努められたい。 2 施設の安全管理について  平成26年12月5日、柳津地域振興事務所北側駐車場の時計台が強風のため倒壊し、 駐車中の自動車に接触して破損する事故が1件発生した。  施設の安全管理には、万全を期されたい。            ───────────────────  監査の種類  定期監査及び行政監査  監査の対象  子ども・若者総合支援センター         (平成26年度4月~11月分 必要に応じて平成25年度分)  監査の期間  平成26年8月20日及び         平成27年1月5日~平成27年2月9日  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理されて いるものと認められた。  なお、軽微な事項については、別途指示した。            ───────────────────  監査の種類  定期監査及び行政監査  監査の対象  教育委員会         (平成26年度4月~11月分 必要に応じて平成25年度分)  監査の期間  平成26年12月4日~平成26年12月18日及び         平成26年12月26日~平成27年2月9日  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理されて いるものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改善に努め られたい。  なお、軽微な事項については、別途指示した。 [指摘事項] 1 未収金の回収について   留守家庭児童会事業について、実費負担額の収入未済額は、平成25年度末で336,  000円である。平成26年11月末現在では、過年度未収金が303,500円であ  り、12月末現在も同額である。   また、育英資金貸付事業について、奨学貸付金及び入学準備貸付金の収入未済額は、  平成25年度末で30,547,694円である。平成26年11月末現在では、過年  度未収金が28,975,540円であり、12月末現在では28,124,640円  であった。   過年度未収金の回収に努めることはもとより、現年度分の回収についても、滞納繰越  が生じないように努力されたい。 2 適正な財務会計事務の執行について (1)公金の払込みについて、岐阜市会計規則第41条第2項では、「会計管理者、現金   出納員又は現金取扱員において納入者より直接徴収金等を収納したときは、納入通知   書に領収済通知書等を添え、即日(即日の払込みを困難とするものにあっては、指定   金融機関又は収納代理金融機関等の翌営業日)指定金融機関又は収納代理金融機関に   払込みしなければならない。」と規定されている。
       しかしながら、平成26年4月から11月の間に収納した学校体育施設開放電気料   について、最長で1か月以上経過した後に払込みをしている事例が見受けられた。 (2)岐阜市予算規則第13条第1項では、「委託料」、「負担金、補助及び交付金」に   係る支出負担行為として整理する時期は、委託料においては「契約を締結するとき」、   負担金、補助及び交付金においては「指令をするとき」とそれぞれ規定されている。    しかしながら、給食調理等業務委託に係る8件の契約について、平成26年7月1   日に締結されているにもかかわらず、平成26年10月6日に至るまで支出負担行為   書が起案されていなかった。    また、地域体育振興事業に係る2件の補助金について、平成26年5月29日及び   平成26年6月2日に指令が発出されているにもかかわらず、平成26年9月1日に   至るまで支出負担行為書が起案されていなかった。    今後は、岐阜市会計規則及び岐阜市予算規則を遵守し、適正な財務会計事務の執行   に努められたい。 3 交通事故の防止について   平成25年12月から平成26年11月までの間に、公用自動車による事故が3件発  生した。   職員の交通事故防止について、一層の指導徹底を図られたい。 4 事故の防止について (1)平成25年12月から平成26年11月までの間に、学校施設内に駐車していた車   両に対する塗料の付着など物損事故が3件発生した。このうち2件が作業中の事故で   あった。 (2)平成26年8月10日、公民館屋根材の一部が強風のため飛散し、隣地市民宅に駐   車していた車両に対する物損事故が発生した。 (3)平成27年1月16日、学校施設において火災事故が発生した。   施設の再点検及び作業前点検の周知など、安全管理を徹底されたい。   また、学校施設の防火管理には、万全の注意を払われたい。            ───────────────────  監査の種類  定期監査及び行政監査  監査の対象  農林部         (平成26年度4月~11月分 必要に応じて平成25年度分)  監査の期間  平成27年1月6日~平成27年2月17日  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理されて いるものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改善に努め られたい。  なお、軽微な事項については、別途指示した。 [指摘事項] 1 交通事故の防止について   平成25年12月から平成26年11月までの間に、公用自動車による事故が2件発  生した。   職員の交通事故防止について、一層の指導徹底を図られたい。            ───────────────────  監査の種類  定期監査及び行政監査  監査の対象  農業委員会事務局         (平成26年度4月~11月分 必要に応じて平成25年度分)  監査の期間  平成27年1月6日~平成27年2月17日  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、適正に処理されているもの と認められた。            ───────────────────  監査の種類  定期監査及び行政監査  監査の対象  福祉部         (平成26年度4月~11月分 必要に応じて平成25年度分)  監査の期間  平成26年12月26日~平成27年2月17日  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理されて いるものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改善に努め られたい。  なお、軽微な事項については、別途指示した。 [指摘事項] 1 未収金の回収について   保育所運営費負担金の収入未済額は、平成25年度末で42,507,440円であ  る。平成26年11月末現在では、過年度未収金が38,098,080円であり、1  2月末現在も同額であった。   母子寡婦福祉資金貸付金の収入未済額は、平成25年度末で97,096,182円  である。平成26年11月末現在では、過年度未収金が91,190,053円であり、  12月末現在では90,107,429円であった。   介護保険料の収入未済額は、平成25年度末で191,433,030円である。平  成26年11月末現在では、滞納繰越分に係る収入未済額が186,852,100円  であり、12月末現在では184,575,000円であった。   後期高齢者医療保険料の収入未済額は、平成25年度末で41,754,200円で  ある。平成26年11月末現在では、滞納繰越分に係る収入未済額が35,176,2  00円であり、12月末現在では34,527,100円であった。   今後とも、未収金の早期回収に努めることはもとより、現年度分についても、滞納繰  越が生じないように努力されたい。 2 適正な財務会計事務の執行について   老人福祉センター(三楽園)敷地賃貸借契約について、平成25年4月1日に複数年  契約にて締結されている。   これについては、平成26年度分の支出負担行為を速やかに平成26年4月1日にて  整理すべきところ、平成26年12月3日に至るまで支出負担行為書が起案されていな  かった。   今後は、適正な財務会計事務の執行に努められたい。 3 交通事故の防止について
      平成25年12月から平成26年11月までの間に、公用自動車による事故が2件発  生した。   職員の交通事故防止について、一層の指導徹底を図られたい。            ───────────────────             平成26年度 工事監査結果報告書 1 監査の対象   橋梁耐震補強工事(吐樋口橋)(基盤整備部所管) 2 監査の期間   平成26年10月2日から平成27年2月17日まで 3 監査の方法   平成26年度において施工中の工事のうち、土木工事1件を抽出して、工事の計画、  調査、設計、仕様、積算、契約、施工管理、監理(監督)、試験、検査等が適正かつ効  率的に執行されているかについて調査するため、平成27年1月14日に現地で監査を  執行するとともに、関係職員に対して説明を求めた。   なお、工事技術面の調査については、協同組合 総合技術士連合との工事技術調査業  務委託契約に基づき、技術士の派遣を求め、書類調査及び現場施工状況調査を行った。 4 技術士の「総評」「所見」の概要 (1)総評    工事の関係書類の提示を求め、工事の計画・調査・設計・仕様・積算・契約・施工   管理・監理(監督)・試験・検査等の各段階における技術的事項の実施態様について   関係者に質疑し、回答を求め、検分・吟味を行った。    岐阜市の工事関係書類は、請負業者の工事関係書類も含めて、工事の進捗に合わせ   て良く整理が出来ている。 (2)所見   ア 書類調査における所見   (ア)保険関係等      付保には1)作業関係者の労働災害、2)第三者災害・損害、3)目的物損害等があ     り、そのいずれに付保していても、市の監督者はその複写を保持し、また、付保     へ導く姿勢が望まれる。      前払金及び履行保証の保険証券、建設業退職金共済制度掛金収納書は提出され     ている。      建設業退職金共済制度の証紙管理について、掛金額収納に伴い元請業者に受け     渡される証紙は、それを必要としている末端作業者の所持手帳に添付されねばな     らない。市は、元請業者を介し、上記手帳の複写の提出を受けて、その数量を適     時に確認していることが望まれる。      また、下請業者から上記共済制度の証紙に係る辞退届が出ている場合は、その     理由の根拠となる保証会社の加入証、社員の給与明細等の同時提出を受けての確     認が望まれる。   (イ)工程計画      計画工程表は当初作成された工種別計画工程のパートチャートを不変として、     その下段に、毎月末の実績工程チャートを記入して評価しているようであり、現     段階の工程について適切に管理されている。      計画工程は毎月末の実績に応じて急遽変化している場合もあるので、その場合     は計画チャートの修正も必要となる。      また、チャートで管理する場合、管理の精度を上げるには管理工種の細分化、     同工種での繰り返し作業単位(日進量等)ごとの表示をチャート内に記入するな     どの工夫も検討されたい。   (ウ)段階確認・出来形管理      写真管理記録の留意点を挙げるので、参考にされたい。      各施工段階での撮影写真は、施工後に見えなくなる部位の施工の良否判断根拠     ともなる。必要とされるのは1)対象部位の全体状況写真、2)詳細部分確認のため     のアップ写真であり、以下が求められる。     ・撮影した部位の位置、方角が現物と照合して直ぐ確認できること     ・構造材料寸法の設計値と実測値対比の状況が容易に判読できること     ・最初のページで目次及び各写真の見方の説明をしておくこと   イ 現場施工状況調査による所見     右岸の桟橋付近から調査した。締切構内の小型ショベルが堆積土砂を掘り起し、    桁下で手動ダンプにて小運搬したものを桟橋上からのローディングショベルが構内    床堀面までパケットを伸ばし、土砂を受け桟橋上のダンプトラックに積み込んでい    る。狭い空間を巧みに操作している。     次に橋の上から調査した。矢板からの漏水は上流及び下流側に1台ずつ配した水    中ポンプで十分用を足している。     現状は上記の単純作業であるが、特にローディングショベルの安全操作に配慮さ    れたい。     床堀が完了後に橋脚フーチングの清掃・チッピング(粗面化)後に、配筋前の鉄    筋探査をするが、当該設計は当初の施工図面からの推測設計であるので、探知を正    確に実施して、既設配筋を損傷しないように留意されたい。 5 監査の結果   現地監査並びに技術士の総評及び所見を踏まえ、監査を実施した結果、対象とした工  事は、適正に執行されているものと認められた。  対象とした工事の概要  (1)工事名   橋梁耐震補強工事(吐樋口橋)  (2)工事場所  岐阜市西河渡2丁目ほか1地内  (3)工事内容     吐樋口橋の耐震化を図るため、橋脚部にRC(※)巻立て工を施工し、耐震強化    を行う。(※)Reinforced Concrete:鉄筋コンクリート    ア 耐震補強工:RC巻立て工一式    イ 仮 設 工:仮桟橋工一式、仮締切工一式     ・吐樋口橋:橋長33.2m、有効幅員8.5m、           上部工:単純プレテンション方式中空床版橋2連           下部工:(両  岸)杭基礎・逆T式RC橋台 N=2基               (河川中央)杭基礎・小判型RC橋脚 N=1基  (4)設計委託  大同コンサルタンツ株式会社  (5)施工監理  岐阜市基盤整備部道路建設課  (6)工事費   請負金額 66,744,000円(消費税及び地方消費税を含む。)  (7)入  札  平成26年9月8日           一般競争入札(総合評価落札方式 特別簡易型)           (入札参加数 2者、入札回数 1回)  (8)工  期  平成26年9月17日~平成27年3月13日
     (9)受注者   株式会社国井秋建設           現場代理人、主任技術者:國井 文人(資格:一級土木施工管理技士)  (10)工事進捗率 計画出来高65.0% 実施出来高45.0%           (平成27年1月14日現在)  (11)工事監督員 総括監督職員 基盤整備部道路建設課橋梁係長 野々山 泰光           一般監督職員 基盤整備部道路建設課橋梁係 山上 泰史            ───────────────────                  平成26年度               岐阜市包括外部監査報告書                 平成27年2月                岐阜市包括外部監査人                弁護士 芝  英 則                  目   次 序章………………………………………………………………………………………………1  第1 包括外部監査の概要…………………………………………………………………1   1 外部監査の種類………………………………………………………………………1   2 選定した特定の事件…………………………………………………………………1   3 事件を選定した理由…………………………………………………………………1   4 包括外部監査の方法…………………………………………………………………3   5 外部監査の期間………………………………………………………………………5   6 外部監査人及び外部監査人補助者…………………………………………………5   7 利害関係………………………………………………………………………………5  第2 報告書の構成…………………………………………………………………………5 第1章 指摘及び意見一覧表…………………………………………………………………7  第1 はじめに………………………………………………………………………………7  第2 一覧表 ………………………………………………………………………………7 第2章 総論……………………………………………………………………………………32  第1 市の財政状況…………………………………………………………………………32   1 はじめに………………………………………………………………………………32   2 主な財政指標の推移…………………………………………………………………32   3 財政健全化法に基づく判断比率……………………………………………………34   4 近隣同規模中核市との比較…………………………………………………………35   5 総合計画と行財政改革プランにおける取組との関係……………………………36  第2 市の外郭団体に対する関与状況について…………………………………………37   1 市の外郭団体の概要…………………………………………………………………37   2 市における外郭団体の位置付け……………………………………………………40   3 市の外郭団体に関する指針等の策定及び取組の経過について…………………46   4 外郭団体の所管根拠について………………………………………………………51   5 人的関与について……………………………………………………………………53   6 財政支出について……………………………………………………………………58   7 指定管理について……………………………………………………………………63   8 補助金・負担金について……………………………………………………………83   9 委託契約について……………………………………………………………………86   10 事業評価シートについて……………………………………………………………92   11 本部事務所の利用関係について……………………………………………………94   12 暴力団排除の取組について…………………………………………………………97   13 市の外郭団体に対する情報公開について…………………………………………107   14 文書の保管・管理について…………………………………………………………109  第3 外郭団体の問題について……………………………………………………………109   1 本監査の方針と総論の記載について………………………………………………109   2 経営改善指針について………………………………………………………………110   3 法人登記について……………………………………………………………………111  第4 過去の包括外部監査の措置状況について…………………………………………112   1 指摘・意見と措置状況について……………………………………………………112   2 措置状況の経過について……………………………………………………………113 第3章 特別法人岐阜市土地開発公社………………………………………………………114  第1 概要……………………………………………………………………………………114   1 基本情報………………………………………………………………………………114   2 沿革……………………………………………………………………………………116  第2 事実関係及び指摘・意見……………………………………………………………117   1 はじめに………………………………………………………………………………117   2 土地の取得について…………………………………………………………………117   3 土地の管理について…………………………………………………………………122   4 土地の処分について…………………………………………………………………127   5 組織の存続について…………………………………………………………………129 第4章 特殊法人岐阜市信用保証協会………………………………………………………132  第1 概要……………………………………………………………………………………132   1 基本情報………………………………………………………………………………132   2 沿革……………………………………………………………………………………133   3 組織・機構……………………………………………………………………………134  第2 事実関係及び指摘・意見……………………………………………………………135   1 人事関係について……………………………………………………………………135   2 基本財産について……………………………………………………………………136   3 信用補完制度と信用保証協会について……………………………………………137   4 事業内容について……………………………………………………………………141   5 市との関係について…………………………………………………………………153   6 岐阜県信用保証協会との関係について……………………………………………155 第5章 社会福祉法人岐阜市社会福祉協議会………………………………………………157  第1 概要……………………………………………………………………………………157   1 基本情報………………………………………………………………………………157   2 沿革……………………………………………………………………………………161
     第2 事実関係及び指摘・意見……………………………………………………………162   1 理事について…………………………………………………………………………162   2 出資割合と基本財産について………………………………………………………162   3 指定管理について……………………………………………………………………164   4 補助金について………………………………………………………………………168   5 委託事業について……………………………………………………………………174   6 自主事業について……………………………………………………………………183   7 使用貸借について……………………………………………………………………186   8 市の監査について……………………………………………………………………187   9 決算上の確認について………………………………………………………………188 第6章 社会福祉法人岐阜市社会福祉事業団………………………………………………190  第1 概要……………………………………………………………………………………190   1 基本情報………………………………………………………………………………190   2 沿革……………………………………………………………………………………194  第2 事実関係及び指摘・意見……………………………………………………………196   1 役員及び評議員について……………………………………………………………196   2 出資割合と基本財産について………………………………………………………196   3 指定管理について……………………………………………………………………198   4 委託事業について……………………………………………………………………210   5 自主事業等について…………………………………………………………………213   6 使用貸借について……………………………………………………………………221   7 市の監査について……………………………………………………………………223   8 賞与引当金について…………………………………………………………………224   9 存在意義について……………………………………………………………………225 第7章 一般財団法人岐阜市にぎわいまち公社……………………………………………226  第1 概要……………………………………………………………………………………226  第2 事実関係及び指摘・意見……………………………………………………………228   1 指定管理について……………………………………………………………………228   2 委託について…………………………………………………………………………231   3 補助金について………………………………………………………………………252 第8章 一般財団法人岐阜産業会館…………………………………………………………255  第1 概要……………………………………………………………………………………255   1 基本情報………………………………………………………………………………255   2 沿革……………………………………………………………………………………257   3 表記について…………………………………………………………………………257  第2 事実関係及び指摘・意見……………………………………………………………257   1 岐阜産業会館運営管理協議会について……………………………………………257   2 役員について…………………………………………………………………………258   3 所管課の関与について………………………………………………………………259   4 定款の目的について…………………………………………………………………259   5 事業の必要性・事業の目的と事業評価シートについて…………………………260   6 給与体系について……………………………………………………………………263   7 負担金について………………………………………………………………………263   8 指定管理について……………………………………………………………………264   9 情報公開について……………………………………………………………………267   10 組織のあり方について………………………………………………………………268   11 施設のあり方について………………………………………………………………268 第9章 公益財団法人岐阜市学校給食会……………………………………………………271  第1 概要……………………………………………………………………………………271   1 基本情報………………………………………………………………………………271   2 沿革……………………………………………………………………………………273  第2 事実関係及び指摘・意見……………………………………………………………273   1 学校給食の流れについて……………………………………………………………273   2 補助金について………………………………………………………………………279   3 貸付金について………………………………………………………………………281   4 学校給食費の徴収について…………………………………………………………282   5 検収について…………………………………………………………………………286   6 実際に提供される給食の確認について……………………………………………287   7 各種規程の整備について……………………………………………………………287   8 当座借越の貸借対照表の表示について……………………………………………288   9 担保提供資産の注記について………………………………………………………289   10 定期預金と当座借越について………………………………………………………289   11 職員の立替金について………………………………………………………………290   12 情報公開について……………………………………………………………………290 第10章 一般財団法人岐阜市みどりのまち推進財団………………………………………292  第1 概要……………………………………………………………………………………292  第2 事実関係及び指摘・意見……………………………………………………………294   1 所管課としての業務について………………………………………………………294   2 市の出資額(経営基本情報調査票)について……………………………………295   3 補助金について………………………………………………………………………295   4 委託について…………………………………………………………………………298   5 指定管理について……………………………………………………………………311   6 自主事業について……………………………………………………………………315   7 存続について…………………………………………………………………………315 第11章 公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団…………………………………………317  第1 概要……………………………………………………………………………………317   1 基本情報………………………………………………………………………………317   2 沿革……………………………………………………………………………………320  第2 事実関係及び指摘・意見……………………………………………………………321   1 存在意義について……………………………………………………………………321   2 出資による権利について……………………………………………………………322   3 指定管理について……………………………………………………………………323   4 委託について…………………………………………………………………………340 第12章 公益財団法人岐阜市国際交流協会…………………………………………………342  第1 概要……………………………………………………………………………………342   1 基本情報………………………………………………………………………………342   2 沿革……………………………………………………………………………………343  第2 事実関係及び指摘・意見……………………………………………………………344   1 定款記載事項について………………………………………………………………344   2 出資について…………………………………………………………………………344   3 補助金について………………………………………………………………………345   4 委託について…………………………………………………………………………347   5 他組織との連携について……………………………………………………………350
      6 組織体制について……………………………………………………………………351   7 自主事業について……………………………………………………………………353   8 広報について…………………………………………………………………………354 第13章 一般財団法人岐阜市公共ホール管理財団…………………………………………357  第1 概要……………………………………………………………………………………357   1 基本情報………………………………………………………………………………357   2 沿革……………………………………………………………………………………360  第2 事実関係及び指摘・意見……………………………………………………………360   1 存在意義について……………………………………………………………………360   2 給与について…………………………………………………………………………363   3 指定管理について……………………………………………………………………363   4 文化会館における受託事業について………………………………………………374   5 長良川鵜飼伝承館について…………………………………………………………374 第14章 公益社団法人岐阜市シルバー人材センター………………………………………376  第1 概要……………………………………………………………………………………376   1 基本情報………………………………………………………………………………376   2 沿革……………………………………………………………………………………380  第2 事実関係及び指摘・意見……………………………………………………………380   1 役員等について………………………………………………………………………380   2 指定管理について……………………………………………………………………384   3 補助金について………………………………………………………………………394   4 委託事業について……………………………………………………………………396   5 独自事業等について…………………………………………………………………406   6 その他の事業について………………………………………………………………407   7 使用貸借について……………………………………………………………………408   8 指定管理者管理運営状況シートについて…………………………………………410   9 市の監査について……………………………………………………………………410 第15章 公益財団法人岐阜観光コンベンション協会………………………………………414  第1 概要……………………………………………………………………………………414   1 基本情報………………………………………………………………………………414   2 沿革……………………………………………………………………………………416  第2 事実関係及び指摘・意見……………………………………………………………416   1 他との連携について…………………………………………………………………416   2 基本財産・特定資産の管理・運用について………………………………………417   3 委託契約について……………………………………………………………………419   4 岐阜観光コンベンション協会運営負担金について………………………………421   5 連携団体への補助金、負担金の支出について……………………………………423   6 パンフレットやノベルティグッズの管理及び会計上の表示について…………423   7 賛助会員と発注業者について………………………………………………………424 終章………………………………………………………………………………………………426  第1 はじめに………………………………………………………………………………426  第2 現状の課題……………………………………………………………………………426  第3 提言……………………………………………………………………………………426  第4 最後に…………………………………………………………………………………427 巻末資料 1)経営基本情報調査票(フォーマット) 2)外郭団体の見直し状況調査票(フォーマット) 序章 第1 包括外部監査の概要 1 外部監査の種類  地方自治法第252条の37第1項及び同第4項に基づく包括外部監査 2 選定した特定の事件 (1)外部監査のテーマ  岐阜市の外郭団体 (2)外部監査の対象期間  原則として、平成25年度。ただし、必要に応じて、他年度。 3 事件を選定した理由 (1)岐阜市と外郭団体の関係  岐阜市(以下「市」という)では、平成25年度現在、13の団体を、市の外 郭団体等(以下「外郭団体」という)として位置づけている。  ここでいう外郭団体とは、市が、基本財産、資本金等を出資又は出えんし、 あるいは、市の事務事業と密接に関係がある団体を指している。  外郭団体は、多様な市民サービスに効果的・効率的に対応し、市の政策執行 の補完・代替を行うことを目的として設立された組織である。  行政組織ではないが、民間組織でもない点に、その特殊性がある。  市と外郭団体との関わりは、次のとおりである。  全ての外郭団体には、市の所管課が存在する。そして、各所管課が行う外郭 団体の経営改善に関する所管課として、行財政改革課が存在する。  そして、市は、外郭団体に対し、いわゆる「ヒト」・「モノ」・「カネ」という 貴重な資源を提供している。  まず、市は、外郭団体に対して、現職職員を併任・派遣している。退職職員 については、外郭団体の求めに応じ、再就職の紹介をしている(「ヒト」)。  次に、市は、外郭団体13団体中11団体について、その本部事務所を無償 で使用させている(「モノ」)。  さらに、市は、外郭団体に対して、出資による権利(出資金の出資、基金の 出えん)を有し、公の施設の指定管理、補助金・負担金の交付、業務の委託等 の財政支出を行う(「カネ」)。  以上のような市と外郭団体との関わりにより、市民は、外郭団体と様々な場 面で接点を持つこととなるため、外郭団体に対する市民の関心や生活への影響 は、決して低くはないと思われる。  このようなことから、市と外郭団体の関わり及び外郭団体そのものを、外部 の視点から検証することの必要性・意義があると考えた。 (2)外郭団体に関する市の取組  市では、外郭団体に関し、平成16年10月29日には、「外郭団体の経営改 善指針」(以下、「経営改善指針」という)を、平成20年3月には、「外郭団
    体の見直しの方向性」(以下「見直しの方向性」という)をそれぞれ策定した。 自治体の厳しい財政状況や指定管理者制度導入など、民間活動を活発化させる 国の政策といった社会経済環境の変化に伴い、外郭団体のありかたそのものが 問われる時代となり、市は、これらの指針・方向性を策定したものである。  その後、平成22年2月、市は、行財政改革大綱2010を策定し(平成26年 度までの5か年)、重点改革項目の一つとして、「行政サービスの選択と集中」 を掲げ、その中に、「外郭団体の経営の健全化、公益法人制度改革」への対応 を位置付けた。それを受け、市は、平成22年12月に外郭団体との意見交換 会を実施し、また、毎年度、外郭団体の経営状況や見直し状況を確認するなど している。  そして、平成26年4月1日までに、市の外郭団体は、特殊法人、特別法人、 社会福祉法人を除き、その全てが、公益財団法人、公益社団法人、あるいは、 一般財団法人に移行した。これらの移行完了により、公益法人制度改革の一つ の区切りを迎えたともいえる。  しかしながら、監査テーマを設定するにあたり実施した予備調査において、 監査人は、次のような事実を認識した。  そもそも、市には、外郭団体を定義づける根拠規定及び市の外郭団体に対す る関与について定められた根拠規定がなかった。  経営改善指針は、平成16年度に策定されて以降、平成25年度に至るまで 変更がなく、指針策定の結果、外郭団体において、どのような措置が講じられ たかも、明らかではなかった。  見直しの方向性についても、外郭団体の統廃合などが考えられていたが、外 郭団体の数に着目すると、策定時と平成25年度現在とでは、13と同一であり、 結果において、何ら変化はなかった。  さらに、情報共有の重要な機会であるはずの外郭団体と所管課の全体の意見 交換会も、平成22年度に1度開催されただけであった。  加えて、市は、外郭団体全体につき、外部委員会を設置するなどして、外部 の視点から検証することがなかった。  監査人が、予備監査において認識したこれらの事実からすると、これまでの 市の外郭団体への対応、市と外郭団体間の連携などといった点に、課題がある のではないかと考えた。全国をみれば、外郭団体と随意契約の問題、外郭団体 の影響による市の財政破綻等の問題、また、外郭団体の不適切な事務処理の問 題など、課題が表面化し、報道されることがある。外郭団体の課題が表面化し た場合に、そのことが、市に与える影響は小さくない。  そのような意味において、これまでの市の外郭団体に対する取組を、外部の 視点から検証することは必要であると考えた。 (3)市の財務事務の横断的検証  包括外部監査においては、指定管理、補助金、委託などを個別のテーマとし て、監査する場合があるが、外郭団体という組織を軸にすれば、市の様々な財 務事務の執行を横断的に検証することが可能である。そのような視点によって、 何らかの問題点が発見されるのではないかと考えた。 (4)過去の包括外部監査との関係性  市は、平成11年度より包括外部監査を実施している。  かつて、外郭団体が正面からテーマとして取り上げられたことがあった(平 成11年、平成12年など)。また、監査テーマに関連して、取り上げられたこ ともあった(平成15年、平成18年、平成19年、平成23年、平成24年等)。 しかしながら、これまでの包括外部監査においては、外郭団体全体を1つのテ ーマとして取り上げて、横断的に検証されたことはない。  外郭団体全体という切り口から、市の外郭団体に対する財務事務の執行及び 外郭団体自体の財務事務の執行を検証することは、これまで実施された包括外 部監査とは、異なる視点からの監査である。全ての団体を横並びに見ることで、 組織の特徴、組織間の連携など、見えてくる問題点があるのではないかと考え た。  また、過年度に取り上げられた部分については、監査人が述べた指摘・意見 に対する市の措置状況について、適切になされているかを検証する意義がある と考えた。 (5)結語  以上より、本年度は、「岐阜市の外郭団体」を監査テーマとした。  なお、監査テーマ名について、地方自治法第252条の37第1項及び同第4 項の記載にそって正確に示そうとすると、長くなる。市民に向けた報告という ことから、判りやすさを重視したテーマ名とした。 4 包括外部監査の方法 (1)監査の対象  外郭団体並びに外郭団体の所管課、行財政改革課及びその他外郭団体に対す る財務事務の執行に関与している部署を対象とした。  市の外郭団体に対する財務に関する事務の執行を監査の対象としたことか ら、対象部署は多くなった。 (2)監査の要点 1)市の外郭団体に対する財務事務の執行は、適法性、有効性、経済性、効率性  の他、公平性、透明性、説明責任の各観点に照らし、適切か。 2)外郭団体の財務事務の執行は、適法性、有効性、経済性、効率性の他、公平  性、透明性、説明責任の各観点に照らし、適切か。 3)過去の包括外部監査における指摘・意見事項について、適切に措置が講じら  れているか。  本監査は、地方自治法第252条の37第1項(1)、3))及び同第4項、(2)) に基づく監査である。上記1)から3)の要点中、本監査においては、特に、1)の 市の外郭団体に対する関与状況を重点に置いた。総論においては1)を中心に記 載している。 (3)監査の手続 1)関係資料の収集 2)市の外郭団体所管課、行財政改革課及びその他外郭団体の財務に関する事務  の執行に関与している部署に対するヒアリング 3)市より提出された書類の監査 4)外郭団体に対するヒアリング 5)外郭団体より提出された書類の監査 6)外郭団体の事務所及び外郭団体が指定管理者もしくは指定管理者の構成員  となっている指定管理施設の現地視察、必要に応じて書類の監査 (4)監査の考え方  本監査は、「市の外郭団体に対する財務事務の執行」と「外郭団体自身の財 務事務の執行」の双方を対象としている。  市において予算を伴わない事務はないといってよく、市の外郭団体に対する 財務事務の執行については、予算執行の当否の観点からすれば、事務事業の当
    否も含めて、幅広く監査の対象となるものと考える。  また、外郭団体自身の財務事務の執行は、地方自治法第252条の37第4項 の規定に基づく監査であるが、それのみならず、市の外郭団体に対する経営改 善指針に沿って経営しているか否かの検証といった観点では、市の外郭団体に 対する財務事務の執行が問題になるものともいえる。  地方自治法第252条の37第1項によれば、包括外部監査人は、地方自治法 第2条第14項及び第15項の規定の趣旨を達成するため必要と認める特定の 事件について監査するものとするとされている。  この条項からすれば、包括外部監査は、究極的には、市民の利益のために実 施するものであり、監査人は、その観点から、監査の範囲を広く捉えて、本監 査を実施した。 5 外部監査の期間  平成26年6月2日~平成27年2月20日 6 外部監査人及び外部監査人補助者  本監査において、監査人は、監査の事務に際し、監査人補助者による補助を 受けている(地方自治法第252条の32第1項)。 包括外部監査人 芝英則(弁護士) 同補助者    堀雅博(弁護士) 同補助者    後藤久貴(公認会計士) 同補助者    竹中雅史(弁護士) 同補助者    和田恵(弁護士) 同補助者    木田まり子(弁護士) 同補助者    後藤聡(税理士) 同補助者    米津覚登(税理士) 同補助者    花村昌和(税理士) 7 利害関係  選定した特定の事件につき、地方自治法第252条の29の規定により記載す べき利害関係はない。 第2 報告書の構成 1 本報告書の構成は、次のとおりである。   序章   第1章  指摘及び意見一覧表   第2章  総論   第3章  特別法人岐阜市土地開発公社   第4章  特殊法人岐阜市信用保証協会   第5章  社会福祉法人岐阜市社会福祉協議会   第6章  社会福祉法人岐阜市社会福祉事業団   第7章  一般財団法人岐阜市にぎわいまち公社   第8章  一般財団法人岐阜産業会館   第9章  公益財団法人岐阜市学校給食会   第10章  一般財団法人岐阜市みどりのまち推進財団   第11章  公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団   第12章  公益財団法人岐阜市国際交流協会   第13章  一般財団法人岐阜市公共ホール管理財団   第14章  公益社団法人岐阜市シルバー人材センター   第15章  公益財団法人岐阜観光コンベンション協会   終章 2 第1章は、本監査における指摘及び意見の一覧表であり、監査人の事実に  基づく判断部分の結論を一覧にしたものである。第2章は、総論であり、外  郭団体全体に係る事実関係を、市の関与という観点を中心に、整理し、指摘・  意見をまとめたものである。第3章から第15章においては、市にある13  の外郭団体ごとに、事実関係を整理し、指摘・意見を述べている。   本報告書においては、問題となる事項について、事実紹介、指摘・意見を  するだけではなく、情報提供という点も、監査の重要な要素であると考える  ことから、市民にとって有益と思われる事実や、取組において、評価すべき  点についても記載している。   最後の終章にて、本監査を踏まえた監査人の提言を述べる。 3 外郭団体の略称  本報告においては、外郭団体を略して表記する場合、基本的には、順に、土 地開発公社、信用保証協会、社会福祉協議会、社会福祉事業団、にぎわいまち 公社、産業会館、学校給食会、みどりのまち推進財団、教育文化振興事業団、 国際交流協会、公共ホール管理財団、シルバー人材センター、観光コンベンシ ョン協会とする。 4 本報告書の事実関係及びデータの数値については、市及び外郭団体の確認  を受けている。 第1章 指摘及び意見一覧表 第1 はじめに  本監査における指摘及び意見の一覧は、「第2」記載のとおりである。  市に対するものと外郭団体に対するものがあり、指摘は合計197個、意見 は合計121個である。  本監査においては、市民に対する報告という観点から、判りやすさを重視し、 「指摘」は「すべきである。」、意見は「望ましい。」という意味で用いている。  また、第2章 総論において、指摘及び意見を述べた部分につき、各論にお いても、必要に応じて、指摘及び意見を述べている部分があるので、その点ご 留意いただきたい。 第2 一覧表 ┌──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┐ │番号│対象(課・団体) │指摘│意見│         内      容         │頁数│ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第2章 総論                                          │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │1 │外郭団体所管課、監│○ │  │出資割合について、早急に正しい解釈に統一すべきで  │43 │ │  │査課       │  │  │ある。全ての所管課は、法解釈に照らし、出資割合を  │  │
    │  │         │  │  │正しく把握しているかを確認すべきである。      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │2 │市民参画政策課  │○ │  │早急に、岐阜市住民自治基本条例施行規則第2条(2) │44 │ │  │         │  │  │記載の「別に定めるもの」を定めるべきである。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │3 │行財政改革課   │○ │  │外郭団体等と表現するのではなく、13団体が外郭団   │44 │ │  │         │  │  │体であると明確に記載すべきである。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │4 │外郭団体所管課  │○ │  │経営改善指針に基づき、毎年度、外郭団体の現状を把  │47 │ │  │         │  │  │握し、指針に基づき経営するように指導すべきであ   │  │ │  │         │  │  │る。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │5 │行財政改革課   │  │○ │時代の変化に応じて、経営改善指針自体を改定する必  │47 │ │  │         │  │  │要がないか検証をすることが望ましい。        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │6 │該当外郭団体所管 │○ │  │経営基本情報調査票は、所管課の責任において、正確  │48 │ │  │課        │  │  │な情報を記載すべきである。             │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │7 │行財政改革課   │○ │  │正確な情報が提供されるような経営基本情報調査票   │48 │ │  │         │  │  │を作成すべきである。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │8 │行財政改革課   │○ │  │見直しの方向性が、経営改善指針との関係、団体の現  │49 │ │  │         │  │  │状や意向に照らし、有効に検討・実施される体制を構  │  │ │  │         │  │  │築すべきである。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │9 │行財政改革課   │  │○ │時代の変化に応じて、見直しの方向性自体を改定する  │49 │ │  │         │  │  │必要がないか検証をすることが望ましい。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │10 │行財政改革課   │○ │  │所管課と外郭団体全体の意見交換会は、定期的に実施  │50 │ │  │         │  │  │すべきである。そして、意見交換会でフォローが必要  │  │ │  │         │  │  │なことは、必ずフォローを実施すべきである。     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │11 │人事課      │○ │  │早急に、外郭団体の所管根拠(行財政改革課も含む)  │52 │ │  │         │  │  │を、岐阜市処務規則第3条及び岐阜市教育委員会事務  │  │ │  │         │  │  │局及び教育機関処務規則第2条に、全て明確に規定す  │  │ │  │         │  │  │べきである。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │12 │産業拠点運営課、男│○ │  │公共ホール管理財団においては、産業拠点運営課及び  │53 │ │  │女共同参画・文化課│  │  │男女共同参画・文化課にて協議の上、所管にふさわし  │  │ │  │         │  │  │い課を1つ選択すべきである。            │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │13 │人事課      │  │○ │免除条例第2条第3号の「任命権者が定める場合」を  │55 │ │  │         │  │  │具体化すべく、施行規則を設けることが望ましい。   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │14 │観光コンベンショ │○ │  │派遣の適法性を担保するため、その根拠を記した資料  │56 │ │  │ン課、まちづくり推│  │  │を残しておくべきである。また、市が派遣職員の給与  │  │ │  │進政策課     │  │  │を支給することの適法性を担保するため、その根拠を  │  │ │  │         │  │  │記した資料を残しておくべきである。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │15 │人事課      │  │○ │派遣の手続きを規定した規則や要綱などを定め、適正  │56 │ │  │         │  │  │な手続きを履践したことを記した資料を作成するこ   │  │ │  │         │  │  │とが望ましい。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │16 │指定管理施設所管 │○ │  │現在導入の各施設については、指定管理者制度の導入  │70 │ │  │課        │  │  │効果を検証した上で、指定管理者制度導入によって、  │  │ │  │         │  │  │本施設の設置目的が効果的に達成できているかを判   │  │ │  │         │  │  │断すべきである。                  │  │ │  │         │  │  │導入前の施設においては、これまでの市の直営の状況  │  │ │  │         │  │  │との比較において、指定管理者制度導入によって、本  │  │ │  │         │  │  │施設の設置目的が効果的に達成できるかを判断すべ   │  │ │  │         │  │  │きである。                     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │17 │指定管理施設所管 │○ │  │次期指定の際には、あくまで、公募で指定管理者を選  │71 │ │  │課        │  │  │定する方向で検討し、非公募にするのであれば、その  │  │ │  │         │  │  │要件の充足性を厳格に解釈すべきである。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │18 │行財政改革課、指定│  │○ │非公募で選定することを決定した場合、その理由の詳  │72 │ │  │管理施設所管課  │  │  │細を、ホームページ上に公開することが望ましい。   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │19 │指定管理施設所管 │○ │  │一施設一指定管理者を原則であることを明確に意識   │72 │ │  │課        │  │  │し、一括募集をする際には、「かえって市民サービス  │  │ │  │         │  │  │の低下につながるなどの合理的な理由がある場合」と  │  │ │  │         │  │  │いえるかどうかを厳格に解釈すべきである。      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │20 │指定管理施設所管 │  │○ │一括募集することを決定した場合については、その理  │72 │ │  │課        │  │  │由の詳細について、ホームページ上に公開することを  │  │ │  │         │  │  │検討することが望ましい。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │21 │該当指定管理施設 │  │○ │本施設の指定管理者制度において利用料金制度を導   │73 │ │  │所管課      │  │  │入しない理由があるのか検討し、利用料金制度の導入  │  │ │  │         │  │  │を積極的に検討することが望ましい。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │22 │指定管理施設所管 │○ │  │次期指定管理者募集の際には、適切な算定となるよう  │73 │ │  │課        │  │  │な算定手順を作成し、それに従って算定し、その過程  │  │ │  │         │  │  │を記録し、明示しておくべきである。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │23 │行財政改革課   │  │○ │選定委員会要綱の収集・検証程度はすることが望まし  │75 │ │  │         │  │  │い。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │24 │行財政改革課   │  │○ │利害関係に疑問が生じる立場の委員は、議事に加わら  │76 │ │  │         │  │  │ないように、その旨、基本方針に明記することが望ま  │  │ │  │         │  │  │しい。                       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │25 │行財政改革課   │  │○ │選定委員会における発言内容の概要を含む議事録を、  │76 │ │  │         │  │  │ホームページ上で公開し、透明性の高い評価手続を検  │  │ │  │         │  │  │討することが望ましい。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │26 │行財政改革課   │  │○ │評価項目ごと及び全体において、最低点を設定するこ  │76 │ │  │         │  │  │とが望ましい。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤
    │27 │行財政改革課、指 │  │○ │募集段階では、5つの選定基準の配点だけでなく、評  │76 │ │  │定管理施設所管課 │  │  │価項目ごとの配点を明示しておき、選定段階では、5  │  │ │  │         │  │  │つの選定基準の採点だけでなく、評価項目ごとの採点  │  │ │  │         │  │  │結果及び採点根拠を明らかにしておくことが望まし   │  │ │  │         │  │  │い。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │28 │行財政改革課、該 │  │○ │行財政改革課主導のもと、該当所管課において、外郭  │77 │ │  │当指定管理施設所 │  │  │団体以外の団体が応募しなかったことについて原因   │  │ │  │管課       │  │  │分析をし、原因に応じた対応を検討することが望まし  │  │ │  │         │  │  │い。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │29 │行財政改革課   │  │○ │「市と容易にかつ緊密に連携が可能な団体」という応  │77 │ │  │         │  │  │募資格ではなく、「緊急時の速やかな対応など安定し  │  │ │  │         │  │  │た管理運営が可能な団体」など、業者が応募に躊躇し  │  │ │  │         │  │  │ないような応募資格とすることが望ましい。      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │30 │該当外郭団体   │○ │  │再委託中の契約において、市による書面承諾を得てい  │78 │ │  │         │  │  │ないものについては、書面による再委託の承認を得る  │  │ │  │         │  │  │べきである。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │31 │該当指定管理施設 │○ │  │今後、再委託契約を締結する場合については、市によ  │78 │ │  │所管課      │  │  │る予めの書面承諾を徹底すべきである。        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │32 │行財政改革課   │○ │  │再委託においては、委託契約書を添付させるなどし   │78 │ │  │         │  │  │て、属性・内容を確認の上、書面承諾をすることを検  │  │ │  │         │  │  │討すべきである。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │33 │行財政改革課   │  │○ │予めの書面承諾について、事務取扱要領において、書  │79 │ │  │         │  │  │面承諾書の様式を作成するなどして、所管による判断  │  │ │  │         │  │  │のばらつきが生じないよう指導することが望ましい。  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │34 │行財政改革課   │  │○ │評価委員会規則・教育委員会評価委員会規則において  │80 │ │  │         │  │  │も、利害関係人の除外についての規定を設けることが  │  │ │  │         │  │  │望ましい。また、選定委員会と同様に、評価委員に、  │  │ │  │         │  │  │利害関係がないことの誓約書を提出させ、利害関係の  │  │ │  │         │  │  │有無について、強く意識を持たせることが望ましい。  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │35 │行財政改革課   │  │○ │利害関係に疑問が生じる立場の委員は、評価委員会の  │80 │ │  │         │  │  │議事に加わらないように、その旨、基本方針に明記す  │  │ │  │         │  │  │ることが望ましい。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │36 │行財政改革課   │  │○ │評価委員会における発言内容の概要を含む議事録を、  │80 │ │  │         │  │  │ホームページ上で公開し、透明性の高い評価手続を検  │  │ │  │         │  │  │討することが望ましい。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │37 │指定管理施設所管 │○ │  │所管課は、定期的に施設の現地調査に行くべきであ   │81 │ │  │課        │  │  │る。現場を訪問した際には、モニタリング指針の様式  │  │ │  │         │  │  │にある指定管理業務実地調査票などを利用して、モニ  │  │ │  │         │  │  │タリングをした内容を確実に記録すべきである。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │38 │指定管理施設所管 │○ │  │評価委員会においても、年2回開催という問題がある  │81 │ │  │課        │  │  │が、1年間に最低1度は現場を見るべきである。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │39 │行財政改革課   │○ │  │評価順序、評価方法に問題がないかを分析し、より効  │82 │ │  │         │  │  │果的な評価方法がないか検討すべきである。      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │40 │指定管理施設所管 │  │○ │所管課の評価を評価委員会が適正に検討できるに足   │82 │ │  │課        │  │  │りるだけの評価根拠を記載することが望ましい。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │41 │指定管理施設所管 │  │○ │評価の結果だけでなく、評価の根拠もホームページ上  │83 │ │  │課        │  │  │で公開することが望ましい。             │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │42 │該当指定管理施設 │  │○ │業務日誌において、誰がどんな業務に従事していたの  │83 │ │  │所管課      │  │  │かということについても記載させることが望ましい。  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │43 │該当補助金交付所 │○ │  │補助金交付を継続的あるいは一般的に行う必要のな   │85 │ │  │管課       │  │  │い場合を除き、早急に補助金交付要綱を策定すべきで  │  │ │  │         │  │  │ある。                       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │44 │該当補助金交付所 │  │○ │要綱を定める必要がないと判断する場合には、行財政  │85 │ │  │管課       │  │  │改革課に対し、その合理的な理由を、客観的資料をも  │  │ │  │         │  │  │って示すことが望ましい。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │45 │行財政改革課   │  │○ │補助金交付要綱を収集し、検証程度はすることが望ま  │85 │ │  │         │  │  │しい。                       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │46 │行財政改革課   │  │○ │負担金においても、補助金類似の性質のものは、規則  │85 │ │  │         │  │  │など何らかのルールを策定することが望ましい。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │47 │該当委託契約所管 │○ │  │設計伺を必ず作成すべきである。           │89 │ │  │課        │  │  │                          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │48 │契約課      │○ │  │契約事務の流れを遵守するように、所管課に徹底させ  │89 │ │  │         │  │  │るべきである。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │49 │契約課      │  │○ │随意契約ガイドラインの適用については、所管課にお  │89 │ │  │         │  │  │いて判断が区々にならないように、判断基準を統一さ  │  │ │  │         │  │  │せることが望ましい。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │50 │契約課      │  │○ │ホームページ上で随意契約ガイドラインについて、公  │90 │ │  │         │  │  │開することが望ましい。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │51 │契約課      │  │○ │契約規則第29条第2項を、「・・・いずれかに該当す  │90 │ │  │         │  │  │る場合においては、この限りではない」と改定するこ  │  │ │  │         │  │  │とが望ましい。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │52 │契約課      │○ │  │見積書には、内訳明細を付記させるべきである。    │90 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │53 │該当委託契約所管 │○ │  │再委託契約締結の際には、事前承認を得るよう外郭団  │91 │ │  │課        │  │  │体に対し、徹底させるべきである。          │  │
    ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │54 │該当外郭団体   │○ │  │外郭団体としても、市と密接に関連する団体であるこ  │91 │ │  │         │  │  │とから、契約違反をしないように徹底すべきである。  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │55 │契約課      │○ │  │再委託の禁止という条項を設けるのであれば、再委託  │92 │ │  │         │  │  │が原則として禁止されている、例外として再委託する  │  │ │  │         │  │  │場合は、再委託の承認書類を予め市に提出し、書面に  │  │ │  │         │  │  │よる市の事前承諾を必要とする旨の条項とすべきで   │  │ │  │         │  │  │ある。指定管理者制度においては、事務取扱要領にて、 │  │ │  │         │  │  │協定書の様式を定めているが、契約についても、事務  │  │ │  │         │  │  │取扱要領を作成するなどして、適切な契約書の書式を  │  │ │  │         │  │  │定めるべきである。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │56 │該当所管課    │○ │  │事業評価シートについては、必要かつ正確な情報を記  │93 │ │  │         │  │  │載すべきである。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │57 │行財政改革課   │○ │  │事業評価シートについては、可能な限り正確に作成さ  │94 │ │  │         │  │  │れるように研修を実施すべきである。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │58 │行財政改革課   │○ │  │適正な評価をして予算に反映できるように、事業評価  │94 │ │  │         │  │  │シートの作成を要求する際には、何をもって一事業と  │  │ │  │         │  │  │捉えるか、その見直しを検討することも併せて、契約  │  │ │  │         │  │  │所管課に働きかけるべきである。           │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │59 │該当使用許可所管 │○ │  │行政財産の目的外使用の許可申請について正しい手   │97 │ │  │課(みどりのまち推│  │  │続きをとるべきである。               │  │ │  │進財団については │  │  │                          │  │ │  │公園整備課)   │  │  │                          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │60 │管財課      │○ │  │管財課は、該当所管課に対し、適正な手続きをとるよ  │97 │ │  │         │  │  │うに指導すべきである。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │61 │管財課      │○ │  │公有財産規則を改定し、交付規則と同様、使用許可の  │100 │ │  │         │  │  │基準や使用許可取消の要件として、暴力団排除条項を  │  │ │  │         │  │  │明記すべきである。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │62 │使用許可所管課  │○ │  │使用許可の条件として、暴力団関係者ではないことを  │100 │ │  │         │  │  │示す誓約書を提出させるべきである。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │63 │使用貸借所管課  │○ │  │使用貸借契約の相手方に対して(外郭団体を含む)、  │100 │ │  │         │  │  │暴力団排除条項を明記すべきである。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │64 │補助金交付所管課 │○ │  │暴力団排除条項を導入した補助金交付申請書を用い   │101 │ │  │         │  │  │るべきである。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │65 │委託契約所管課  │○ │  │外郭団体との委託契約を含めて、委託契約全般に、暴  │102 │ │  │         │  │  │力団排除条項を導入するよう徹底すべきである。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │66 │外郭団体     │○ │  │再委託契約においても、委託契約書に、暴力団排除条  │103 │ │  │         │  │  │項を導入すべきである。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │67 │指定管理施設所管 │○ │  │再委託業者による暴力団等ではないことの誓約(暴力  │103 │ │  │課        │  │  │団排除条項を導入した契約書への署名押印)があるこ  │  │ │  │         │  │  │とを、再委託承認の条件とすべきである。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │68 │指定管理施設所管 │○ │  │指定管理施設所管課と外郭団体は、暴力団排除条項を  │104 │ │  │課、外郭団体   │  │  │明記した利用申請書を作成し、利用すべきである。   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │69 │外郭団体     │  │○ │暴力団等の反社会的勢力との関係遮断をホームペー   │105 │ │  │         │  │  │ジに明記することが望ましい。            │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │70 │外郭団体     │○ │  │補助事業のために契約する契約書等には、暴力団排除  │105 │ │  │         │  │  │条項を導入することを徹底すべきである。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │71 │外郭団体     │○ │  │外郭団体が交付している補助金の申請については、補  │105 │ │  │         │  │  │助金交付申請書に、暴力団排除条項を明記すべきであ  │  │ │  │         │  │  │る。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │72 │外郭団体     │○ │  │再委託契約においても、委託契約書に、暴力団排除条  │106 │ │  │         │  │  │項を導入すべきである。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │73 │委託契約所管課  │○ │  │再委託業者による暴力団等ではないことの誓約(暴力  │106 │ │  │         │  │  │団排除条項を導入した契約書への署名押印)があるこ  │  │ │  │         │  │  │とを、再委託承認の条件とすべきである。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │74 │該当外郭団体   │○ │  │賛助会員については、賛助会員規程に暴力団排除条項  │106 │ │  │         │  │  │を設けるとともに、加入申込書に暴力団でないことを  │  │ │  │         │  │  │表明させる条項を挿入するなど徹底すべきである。   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │75 │該当外郭団体所管 │○ │  │外郭団体に対し、賛助会員については、賛助会員規程  │107 │ │  │課        │  │  │に暴力団排除条項を設けるとともに、加入申込書に暴  │  │ │  │         │  │  │力団でないことを表明させる条項を挿入することを   │  │ │  │         │  │  │指導すべきである。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │76 │行財政改革課   │○ │  │市の外郭団体に対する関与が判る情報をホームペー   │108 │ │  │         │  │  │ジ上で積極的に公開すべきである。          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │77 │該当指定管理施設 │○ │  │指定管理施設の情報は、平成18年度の選定時からの   │108 │ │  │所管課      │  │  │情報を掲載すべきである。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │78 │外郭団体所管課、行│○ │  │外郭団体の情報公開が積極的になされているか、適切  │108 │ │  │財政改革課    │  │  │な時期になされているかなど、外郭団体所管課及び行  │  │ │  │         │  │  │財政改革課において、適切に関与すべきである。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │79 │行政課      │○ │  │文書取扱規則第37条に基づき、必要なときに必要な   │109 │ │  │         │  │  │文書が素早く取り出せるように、適切に文書分類を行  │  │ │  │         │  │  │い、保管するよう指導・徹底すべきである。      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │80 │該当外郭団体   │○ │  │外郭団体は、経営改善指針に従って経営すべきであ   │110 │ │  │         │  │  │る。経営改善指針を遵守すべきであるのに遵守されて  │  │
    │  │         │  │  │いない事項があった該当外郭団体については、その原  │  │ │  │         │  │  │因を分析し、改善を図るべきである。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │81 │該当外郭団体   │  │○ │会計基準の変更があったとしても、できる限り遡及し  │111 │ │  │         │  │  │て修正し、最低でも過去3年分の事業報告や決算書を  │  │ │  │         │  │  │掲載することが望ましい。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │82 │該当外郭団体   │○ │  │変更登記が遅延した原因を分析した上で、今後は、法  │112 │ │  │         │  │  │律に適合する形で変更登記をすべきである。      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │83 │措置実施所管課、行│○ │  │措置状況については、指摘・意見との対応において記  │112 │ │  │政課       │  │  │載が適切か、記載のとおり措置を講じているかを、措  │  │ │  │         │  │  │置実施所管課だけではなく、行政課において、必ず検  │  │ │  │         │  │  │証すべきである。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │84 │措置実施所管課  │○ │  │外部監査人からの指摘・意見を最大限に活かす体制を  │113 │ │  │         │  │  │構築すべきである。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │85 │行政課      │○ │  │ホームページ上で、措置状況の経過まで公開すべきで  │113 │ │  │         │  │  │ある。                       │  │ │  │         │  │  │                          │  │ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第3章 特別法人岐阜市土地開発公社                               │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │86 │財政課      │  │○ │岐阜市土地開発基金条例に公社への貸付根拠の追加   │121 │ │  │         │  │  │を検討することが望ましい。             │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │87 │土地開発公社   │○ │  │今後も土地を使用させるのであれば、契約関係を書類  │124 │ │  │         │  │  │上で明確にすべきである。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │88 │土地開発公社   │  │○ │植木が植えられている土地につき、現状のまま使用さ  │125 │ │  │         │  │  │せてよいかを検討することが望ましい。        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │89 │土地開発公社   │○ │  │公社が保有する土地で貸付可能な土地については、借  │125 │ │  │         │  │  │り手を見つける努力をすべきである。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │90 │ぎふメディアコス │○ │  │市が公社から借り受け使用している土地につき、無償  │126 │ │  │モス開設準備課、管│  │  │とすべきである。                  │  │ │  │財課、土地開発公社│  │  │                          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │91 │管財課、土地開発公│○ │  │公社の存続を前提に考えるのであれば、プロパー職員  │130 │ │  │社        │  │  │を廃止するなどし、公社の支出の大半を占める人件費  │  │ │  │         │  │  │の抑制・削減を早急に実施すべきである。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │92 │管財課、土地開発公│  │○ │県の土地開発公社の利用、市としての独自の動きがで  │131 │ │  │社        │  │  │きる公社のメリットも考慮し、総合的に公社の存廃に  │  │ │  │         │  │  │ついて再検討することが望ましい。          │  │ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第4章 特殊法人岐阜市信用保証協会                               │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │93 │信用保証協会   │  │○ │定款の定めるとおり理事に学識経験者を選任するこ   │135 │ │  │         │  │  │とが望ましい。定款に再任の上限設定を検討すること  │  │ │  │         │  │  │が望ましい。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │94 │信用保証協会   │  │○ │基金準備金の増加により基本財産を増加することが   │137 │ │  │         │  │  │できるよう、健全な経営による利益確保に努めること  │  │ │  │         │  │  │が望ましい。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │95 │信用保証協会   │  │○ │人件費・業務費の削減や代位弁済の発生率の削減によ  │146 │ │  │         │  │  │る収益性向上に取り組むことが望ましい。       │  │ │  │         │  │  │また、新事務所を有効利用し、営業力強化に努めるこ  │  │ │  │         │  │  │とが望ましい。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │96 │産業雇用課、信用保│○ │  │より効果的な新規申込先の開拓を行うべきである。   │147 │ │  │証協会      │  │  │                          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │97 │信用保証協会   │  │○ │保証債務残高に対して代位弁済発生率の高い保証制   │150 │ │  │         │  │  │度の見直しをすることが望ましい。          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │98 │信用保証協会   │  │○ │「倒産関連保証」等において高い代位弁済率となって  │150 │ │  │         │  │  │いるため、その理由について事業報告書等に記載する  │  │ │  │         │  │  │ことが望ましい。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │99 │信用保証協会   │  │○ │CRD区分下位の保証申込における、より慎重な審査  │151 │ │  │         │  │  │を行うことが望ましい。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │100 │信用保証協会   │  │○ │より効率的な求償権の回収に努めることが望ましい。  │153 │ │  │         │  │  │サービサーの回収率向上のため指導・監督を強化する  │  │ │  │         │  │  │ことが望ましい。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │101 │産業雇用課    │○ │  │出えん金を削減すべきである。            │155 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │102 │産業雇用課    │  │○ │預託金制度の有用性について再検討することが望ま   │155 │ │  │         │  │  │しい。                       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │103 │産業雇用課、信用保│  │○ │市信用保証協会の経営状況を毎年確認することに加   │156 │ │  │証協会      │  │  │え、市信用保証協会と県信用保証協会を比較検討する  │  │ │  │         │  │  │客観的な指標を作成して、双方の実績を定期的に比   │  │ │  │         │  │  │較・検討することが望ましい。            │  │ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第5章 社会福祉法人岐阜市社会福祉協議会                            │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │104 │福祉政策課、社会福│○ │  │理事長が常勤でないことは、経営改善指針に反してい  │162 │ │  │祉協議会     │  │  │ないのかを検討すべきである。            │  │ │  │         │  │  │整合性が取れないのであれば、福祉政策課は、協議会  │  │ │  │         │  │  │に対し、常任の会長を選任するように指導をすべきで  │  │ │  │         │  │  │ある。                       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │105 │福祉政策課、監査課│  │○ │社会福祉推進基金及び福祉ボランティア基金が、「出  │164 │ │  │         │  │  │資」に該当しないかを検討することが望ましい。    │  │
    ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │106 │福祉政策課    │  │○ │岐阜市民生委員・児童委員協議会副会長及び岐阜市老  │165 │ │  │         │  │  │人クラブ連合会副会長は、指定管理者選定委員会の議  │  │ │  │         │  │  │事に加わらないことが望ましい。           │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │107 │福祉政策課    │○ │  │指定管理者施設所管課も、現場視察によるモニタリン  │166 │ │  │         │  │  │グを徹底すべきである。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │108 │福祉政策課    │○ │  │評価委員会も、少なくとも1年に1回は、現場で、会  │167 │ │  │         │  │  │議を開くなどして、現場におけるモニタリングを重視  │  │ │  │         │  │  │すべきである。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │109 │福祉政策課    │  │○ │岐阜市民生委員・児童委員協議会副会長及び老人クラ  │168 │ │  │         │  │  │ブ連合会副会長は、指定管理者評価委員会の議事に加  │  │ │  │         │  │  │わらないことが望ましい。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │110 │福祉政策課    │○ │  │補助対象や人件費及び運営費の算定方法について、補  │169 │ │  │         │  │  │助金要綱において、明確に規定すべきである。     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │111 │福祉政策課    │○ │  │本当に補助金が必要なのか、収支計算書などの資料を  │170 │ │  │         │  │  │もとに検討すべきである。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │112 │社会福祉協議会  │○ │  │明確な基準もなく、繰越金を移動させて、介護サービ  │171 │ │  │         │  │  │ス事業運営積立金とするようなことは、避けるべきで  │  │ │  │         │  │  │ある。                       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │113 │福祉政策課    │○ │  │事業報告書の提出日を遡らせるべきではない。仮に、  │171 │ │  │         │  │  │受付印の日付の誤りであるならば、訂正についても、  │  │ │  │         │  │  │誤った受付印を二重線で削除し、正しい受付印を押す  │  │ │  │         │  │  │べきである。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │114 │福祉政策課    │○ │  │補助金要綱を定めて、人件費を対象とすること、人件  │173 │ │  │         │  │  │費の算定方法について、明確に規定すべきである。   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │115 │高齢福祉課    │○ │  │高齢福祉課において、記載方法を正しく統一すべきで  │173 │ │  │         │  │  │ある。事業評価シートの作成に関する指導・研修を行  │  │ │  │         │  │  │い、人件費など正確な記載方法を周知すべきである。  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │116 │高齢福祉課    │  │○ │現在の業務日報について、業務の具体的内容や活動時  │174 │ │  │         │  │  │間について、より詳細にすることが望ましい。     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │117 │高齢福祉課    │○ │  │アンケート等により、イベント内容に対する地域住民  │174 │ │  │         │  │  │の感想を把握すべきである。             │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │118 │障がい福祉課   │○ │  │社会福祉協議会の福祉の店と社会福祉事業団の福祉   │181 │ │  │         │  │  │ショップが、委託主体及び対象や目的の一部異なる事  │  │ │  │         │  │  │業であることから、事業評価シートは別々に作成すべ  │  │ │  │         │  │  │きである。                     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │119 │社会福祉協議会  │○ │  │貸付金について、貸し倒れ等の処理ができるよう、債  │185 │ │  │         │  │  │権管理規程などを設けるべきである。また、規定どお  │  │ │  │         │  │  │りに一括返済させるか、支障があるのであれば規定を  │  │ │  │         │  │  │変更すべきである。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │120 │社会福祉協議会  │  │○ │被後見人の財産等から報酬が見込めない案件を中心   │185 │ │  │         │  │  │に、法人後見業務の積極化を図ることが望ましい。成  │  │ │  │         │  │  │年後見利用支援事業など、市町村からの援助を受ける  │  │ │  │         │  │  │制度を利用することが望ましい。           │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │121 │福祉政策課、健康政│○ │  │具体的に無償貸付の要件を満たしている事情が判明   │186 │ │  │策課、柳津地域振興│  │  │しない限り、賃料を徴収する(有償にする)ことを検  │  │ │  │事務所地域振興総 │  │  │討すべきである。                  │  │ │  │務課       │  │  │                          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │122 │健康政策課    │○ │  │協議会南部センターについては、公有財産台帳上、行  │187 │ │  │         │  │  │政財産から普通財産に登録を変更すべきである。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │123 │指導監査課    │○ │  │チェックリストを用いて、監査結果報告書等に添付   │188 │ │  │         │  │  │し、残すような使い方を検討し、どの点が適切、不適  │  │ │  │         │  │  │切だったのかを確認して指摘したのか、確実に記録に  │  │ │  │         │  │  │残すように課内で徹底するべきである。        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │124 │指導監査課、社会福│○ │  │協議会は、経理規程に基づき、貸借関係の元帳(紙ベ  │188 │ │  │祉協議会     │  │  │ース)を作成すべきである。指導監査課も、紙ベース  │  │ │  │         │  │  │による元帳の作成を指導すべきである。        │  │ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第6章 社会福祉法人岐阜市社会福祉事業団                            │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │125 │社会福祉事業団  │  │○ │今後、事業団は、理事等と評議員を兼ねるような人事  │196 │ │  │         │  │  │は避けることが望ましい。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │126 │福祉政策課、監査課│○ │  │福祉政策課と監査課との間で、出資割合について、統  │197 │ │  │         │  │  │一的な見解を出すべきである。            │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │127 │福祉政策課、子ども│  │○ │サンフレンドうずら(児童センター)、サンフレンド  │203 │ │  │家庭課      │  │  │みわ(児童センター)について、今後は、公募による  │  │ │  │         │  │  │選定をすることが望ましい。             │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │128 │福祉政策課    │  │○ │岐阜市民生委員・児童委員協議会副会長及び岐阜市老  │204 │ │  │         │  │  │人クラブ連合会副会長は、指定管理者選定委員会の議  │  │ │  │         │  │  │事に加わらないことが望ましい。           │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │129 │高齢福祉課    │○ │  │指定管理施設所管課も、現場視察によるモニタリング  │206 │ │  │         │  │  │を徹底すべきである。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │130 │福祉政策課、高齢福│○ │  │評価委員会も、少なくとも1年に1回は、現場で、会  │206 │ │  │祉課       │  │  │議を開くなどして、現場におけるモニタリングを重視  │  │ │  │         │  │  │すべきである。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │131 │子ども家庭課   │○ │  │指定管理施設所管課自身(子ども家庭課)も、モニタ  │207 │
    │  │         │  │  │リングに専念した指定管理の現場を訪問(調査)する  │  │ │  │         │  │  │機会を設けた上で、モニタリングを徹底すべきであ   │  │ │  │         │  │  │る。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │132 │福祉政策課、子ども│○ │  │評価委員会も、現場で、少なくとも、1年に1回は、  │209 │ │  │家庭課      │  │  │評価会議を開くなどして、現場のモニタリングを重視  │  │ │  │         │  │  │するべきである。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │133 │福祉政策課    │  │○ │岐阜市民生委員・児童委員協議会副会長及び老人クラ  │209 │ │  │         │  │  │ブ連合会副会長は、評価委員会の議事に加わらないこ  │  │ │  │         │  │  │とが望ましい。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │134 │障がい福祉課   │○ │  │社会福祉協議会の福祉の店と社会福祉事業団の福祉   │211 │ │  │         │  │  │ショップについて、事業評価シートは別々に作成する  │  │ │  │         │  │  │べきである。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │135 │福祉政策課    │○ │  │具体的に無償貸付の要件を満たしている事情が判明   │222 │ │  │         │  │  │しない限り、賃料を徴収する(有償にする)ことを検  │  │ │  │         │  │  │討すべきである。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │136 │指導監査課    │○ │  │チェックリストを用いて、監査結果報告書等に添付   │224 │ │  │         │  │  │し、残すような使い方を検討し、どの点が適切、不適  │  │ │  │         │  │  │切だったのかを確認して指摘したのか、確実に記録に  │  │ │  │         │  │  │残すように課内で徹底するべきである。        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │137 │社会福祉事業団  │  │○ │決算賞与として夏期冬期の賞与に上乗せして支払わ   │224 │ │  │         │  │  │れる金額のみを賞与引当金として計上する方法は、見  │  │ │  │         │  │  │直しをすることが望ましい。             │  │ │  │         │  │  │決算賞与を支払うこと自体に問題がないかについて   │  │ │  │         │  │  │も、検討することが望ましい。            │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │138 │福祉政策課、社会福│  │○ │将来的には、合併等で整理することが望ましい。    │225 │ │  │祉事業団     │  │  │                          │  │ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第7章 一般財団法人岐阜市にぎわいまち公社                           │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │139 │都市計画課    │○ │  │本施設の指定管理者制度において利用料金制度を導   │230 │ │  │         │  │  │入しない理由について、基本方針に従った理由で説明  │  │ │  │         │  │  │すべきである。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │140 │都市計画課    │  │○ │市直営と指定管理者制度のいずれが本施設の設置目   │230 │ │  │         │  │  │的を達成できるかということについて、検討すること  │  │ │  │         │  │  │が望ましい。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │141 │まちづくり景観課 │○ │  │その業務を市が行うことの是非、業務を市が自ら行う  │233 │ │  │         │  │  │のか委託に出すのかの選択、委託先の選定方法、委託  │  │ │  │         │  │  │する業務内容を検討するためにも、仕様書を作成すべ  │  │ │  │         │  │  │きである。                     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │142 │まちづくり景観課 │○ │  │公社が景観整備機構であることを一者随意契約の理   │233 │ │  │         │  │  │由にするのであれば、それが理由として成り立つ業務  │  │ │  │         │  │  │のみを委託すべきである。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │143 │まちづくり景観課 │  │○ │委託の目的を明確にし、その目的と業務内容との関係  │234 │ │  │         │  │  │性を厳密に検討した上で、委託の発注を決めることが  │  │ │  │         │  │  │望ましい。                     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │144 │まちづくり景観課 │○ │  │措置状況報告書に記載した事実は、その存在が確認で  │235 │ │  │         │  │  │きるだけの資料を作成すべきである。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │145 │まちづくり景観課 │○ │  │一者随意契約理由書を正確に記載すべきである。    │236 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │146 │まちづくり景観課 │○ │  │本委託業務の遂行に必要となる人件費のみ、委託料と  │236 │ │  │         │  │  │して支出すべきである。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │147 │まちづくり景観課 │  │○ │精算の結果を踏まえて、適正な契約金額を算定するこ  │236 │ │  │         │  │  │とが望ましい。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │148 │まちづくり景観課 │○ │  │委託の目的と委託内容を明確にした上で、事業評価シ  │237 │ │  │         │  │  │ートに記載すべきことを適切に記載すべきである。   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │149 │まちづくり推進政 │○ │  │仕様書に添付された資料に委託先を記載すべきでは   │238 │ │  │策課       │  │  │ない。                       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │150 │まちづくり推進政 │○ │  │公社に一者随意契約理由で委託する理由が不十分で   │238 │ │  │策課       │  │  │ある。一者随意契約理由として成り立つ理由を記載す  │  │ │  │         │  │  │べきである。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │151 │まちづくり推進政 │○ │  │予定よりも事業経費が減ったにもかかわらず法人会   │240 │ │  │策課       │  │  │計が増えたことについて、その内訳や理由が分かる資  │  │ │  │         │  │  │料を添付させた上で精算をすべきである。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │152 │まちづくり推進政 │○ │  │中心市街地活性化推進業務と柳ヶ瀬にぎわい創出業   │241 │ │  │策課       │  │  │務とは、別々の事業と捉え、事業評価シートもそれぞ  │  │ │  │         │  │  │れ作成すべきである。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │153 │まちづくり推進政 │○ │  │中心市街地活性化推進業務の中にも、性格の異なる業  │241 │ │  │策課       │  │  │務内容が3つあることから、事業評価シートは、1つ  │  │ │  │         │  │  │であるとしても、それぞれの業務内容の詳細な分析を  │  │ │  │         │  │  │行った上で作成すべきである。            │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │154 │まちづくり推進政 │○ │  │事業評価シートを記載するにあたっては、委託の目的  │241 │ │  │策課       │  │  │に照らしながら、具体的な根拠を示して記載すべきで  │  │ │  │         │  │  │ある。                       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │155 │まちづくり推進政 │○ │  │公社に一者随意契約理由で委託する理由が不十分で   │242 │ │  │策課       │  │  │ある。一者随意契約理由として成り立つ理由を記載す  │  │ │  │         │  │  │べきである。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │156 │まちづくり推進政 │○ │  │予定よりも事業経費が減ったにもかかわらず法人会   │244 │
    │  │策課       │  │  │計が増えたことについて、その内訳や理由が分かる資  │  │ │  │         │  │  │料を添付させた上で精算をすべきである。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │157 │区画整理課    │  │○ │仕様書の記載は、より具体的に記載することが望まし  │245 │ │  │         │  │  │い。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │158 │区画整理課    │  │○ │一者随意契約が適正であることの理由とまではなっ   │245 │ │  │         │  │  │ていない。もう少し説得的な理由を記載することが望  │  │ │  │         │  │  │ましい。                      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │159 │区画整理課    │  │○ │どのような根拠をもって積算が適正であるとしたの   │246 │ │  │         │  │  │かの説明になるような記載をすることが望ましい。   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │160 │区画整理課    │○ │  │契約締結時の委託料の内訳と整合する予算執行計画   │246 │ │  │         │  │  │書と予算執行状況報告書を作成し、その内訳や理由が  │  │ │  │         │  │  │確認できる資料を添付させた上で精算をすべきであ   │  │ │  │         │  │  │る。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │161 │歴史まちづくり課 │○ │  │委託の是非などを検討するためにも仕様書を作成す   │247 │ │  │         │  │  │べきである。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │162 │歴史まちづくり課 │○ │  │公社に一者随意契約理由で委託する理由が不十分で   │247 │ │  │         │  │  │ある。一者随意契約理由として成り立つ理由を記載す  │  │ │  │         │  │  │べきである。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │163 │歴史まちづくり課 │○ │  │平成16年度の包括外部監査の結果報告書における指   │247 │ │  │         │  │  │摘事項に留意した対応がなされているとはいえない。  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │164 │歴史まちづくり課 │○ │  │事業の目的がどれだけ達成されたのかが評価の対象   │248 │ │  │         │  │  │であることを意識して、事業評価の重要性を再認識   │  │ │  │         │  │  │し、適切に事業評価すべきである。          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │165 │歴史まちづくり課 │○ │  │公社に一者随意契約理由で委託する理由が不十分で   │249 │ │  │         │  │  │ある。一者随意契約理由として成り立つ理由を記載す  │  │ │  │         │  │  │べきである。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │166 │歴史まちづくり課 │○ │  │利用件数と事業の目的がどれだけ達成されたのかは   │250 │ │  │         │  │  │別の問題であることを意識して、事業評価の重要性を  │  │ │  │         │  │  │再認識し、適切に事業評価すべきである。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │167 │公園整備課    │○ │  │公社に一者随意契約理由で委託する理由が不十分で   │251 │ │  │         │  │  │ある。一者随意契約理由として成り立つ理由を記載す  │  │ │  │         │  │  │べきである。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │168 │公園整備課、にぎわ│  │○ │常に2名以上を岐阜公園総合案内所に配置する必要   │252 │ │  │いまち公社    │  │  │性を検証することが望ましい。            │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │169 │産業雇用課    │○ │  │当該補助金の目的に適った補助金交付要綱を策定す   │253 │ │  │         │  │  │るなどすべきである。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │170 │産業雇用課    │  │○ │補助金交付要綱に補助金の上限を定めることが望ま   │254 │ │  │         │  │  │しい。                       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │171 │産業雇用課    │  │○ │「柳ケ瀬あい愛ステーション」の存在意義から遡っ   │254 │ │  │         │  │  │て、今後、所管を商工観光部のままにするのか、まち  │  │ │  │         │  │  │づくり推進部に移すのか、公社の自主運営のままにす  │  │ │  │         │  │  │るのか、運営を委託するのかなどといった運営のあり  │  │ │  │         │  │  │方を検討することが望ましい。            │  │ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第8章 一般財団法人岐阜産業会館                                │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │172 │産業雇用課    │  │○ │岐阜産業会館運営管理協議会の組織構成・決議方法に  │258 │ │  │         │  │  │つき、県とも協議の上、組織に外部委員を加えること  │  │ │  │         │  │  │や、重要事項については議決要件の加重をするなど、  │  │ │  │         │  │  │具体的な対応を検討することが望ましい。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │173 │産業雇用課、産業会│  │○ │産業会館の理事長を副市長とする運用の変更を検討   │259 │ │  │館        │  │  │することが望ましい。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │174 │産業雇用課    │  │○ │市民に対して、疑義を生じさせないように、あり方検  │259 │ │  │         │  │  │討会の協議の経過を書面に残しておくことが望まし   │  │ │  │         │  │  │い。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │175 │産業会館     │  │○ │定款の目的を、「岐阜県及び岐阜市の産業の振興・・・」│260 │ │  │         │  │  │とすることを検討することが望ましい。        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │176 │産業雇用課    │○ │  │事業評価シートには、正確な情報を記載すべきであ   │261 │ │  │         │  │  │る。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │177 │産業雇用課    │  │○ │施設を存続させる場合、文化ホールを改修せずに休止  │262 │ │  │         │  │  │した状態のままでよいとは思われれず、今後の方向性  │  │ │  │         │  │  │について再検討することが望ましい。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │178 │産業雇用課、産業会│  │○ │産業会館は、独自の給与体系を導入することが望まし  │263 │ │  │館        │  │  │い。産業雇用課としても、県及び産業会館に対し、独  │  │ │  │         │  │  │自の給与体系導入についての理解を求めていくこと   │  │ │  │         │  │  │が望ましい。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │179 │産業雇用課    │  │○ │施設存続を決定し、施設の大改修工事を行うこととな  │265 │ │  │         │  │  │った場合には、公募による選定を検討することが望ま  │  │ │  │         │  │  │しい。                       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │180 │産業雇用課    │○ │  │評価員会議の評価につき、評価根拠の記載を求めるな  │266 │ │  │         │  │  │ど、評価方法を改善すべきである。          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │181 │産業雇用課、産業会│  │○ │再委託について、県と産業会館の三者で協議し、少し  │267 │ │  │館        │  │  │でも削減効果が現れるような契約方法を考えること   │  │ │  │         │  │  │が望ましい。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │182 │産業雇用課、産業会│○ │  │産業会館は、適時の情報発信を徹底すべきである。産  │267 │
    │  │館        │  │  │業雇用課は、適時の情報発信を徹底するよう指導すべ  │  │ │  │         │  │  │きである。                     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │183 │産業雇用課、産業会│  │○ │次期指定期間(平成29年度)までに、産業会館の組   │268 │ │  │館        │  │  │織としての在り方につき、解散も視野に入れて、県と  │  │ │  │         │  │  │協議し、検討することが望ましい。          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │184 │産業雇用課、産業会│  │○ │施設のあり方について、県と協議の上、可能な限り早  │270 │ │  │館        │  │  │期に最終的な結論を出すことが望ましい。       │  │ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第9章 公益財団法人岐阜市学校給食会                              │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │185 │学校保健課    │○ │  │補助金対象経費の算定の内規を給食会に周知すべき   │279 │ │  │         │  │  │である。                      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │186 │学校保健課    │  │○ │学校給食費に含まれる委託事務費と補助金との関係   │279 │ │  │         │  │  │を認識し、補助金の算定方法が妥当であるか検討する  │  │ │  │         │  │  │ことが望ましい。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │187 │学校給食会    │  │○ │組織として必要と考える補助金交付申請額を決める   │280 │ │  │         │  │  │ことが望ましい。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │188 │学校保健課    │○ │  │監査意見の措置状況については、意見に対応した正確  │280 │ │  │         │  │  │な事実記載をすべきである。             │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │189 │学校保健課    │  │○ │給食会の貸付金の運営状況の実態を把握し、岐阜市学  │282 │ │  │         │  │  │校給食用物資購入資金貸付規則の改正も含め、改善策  │  │ │  │         │  │  │の検討をすることが望ましい。            │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │190 │学校給食会    │  │○ │組織として必要と考える貸付額で貸付申請すること   │282 │ │  │         │  │  │が望ましい。規則上の上限額でも対応できないという  │  │ │  │         │  │  │事実があるのであれば、その実態を学校保険課に伝   │  │ │  │         │  │  │え、今後の貸付について、協議することが望ましい。  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │191 │学校保健課    │○ │  │学校給食費の公会計導入を検討すべきである。     │285 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │192 │学校給食会    │○ │  │検収に関する規程を整備するなどして制度的な検収   │286 │ │  │         │  │  │にすべきである。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │193 │学校保健課    │○ │  │学校保健課は、学校給食会の制度的な検収に向けて、  │287 │ │  │         │  │  │積極的に指導すべきである。             │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │194 │学校保健課、学校給│  │○ │完成した給食を試食し、児童・生徒の反応を聞く機会  │287 │ │  │食会       │  │  │を持つことができる体制を構築することが望ましい。  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │195 │学校給食会    │○ │  │早急に実態に即した諸規程を整備すべきである。    │288 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │196 │学校保健課    │○ │  │所管課として、給食会の諸規程整備について指導すべ  │288 │ │  │         │  │  │きである。                     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │197 │学校給食会    │○ │  │当座借越を現金預金と相殺せず、短期借入金として計  │289 │ │  │         │  │  │上すべきである。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │198 │学校給食会    │○ │  │担保提供資産の注記をするべきである。        │289 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │199 │学校給食会    │○ │  │当座借越の借入利息の発生額を抑えるような資金繰   │290 │ │  │         │  │  │りを行うべきである。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │200 │学校給食会    │○ │  │小口現金の管理規程を定めるなどして、適切に管理し  │290 │ │  │         │  │  │ていく体制を早急に構築すべきである。        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │201 │学校給食会    │○ │  │ホームページによる情報開示の重要性を認識し、事務  │290 │ │  │         │  │  │分掌担当者を定め、正しい情報を適時・適切に更新し、 │  │ │  │         │  │  │市民に公開すべきである。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │202 │学校保健課    │○ │  │給食会の情報公開について検証を継続し、不適切であ  │291 │ │  │         │  │  │れば指導をすべきである。              │  │ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第10章 一般財団法人岐阜市みどりのまち推進財団                         │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │203 │公園整備課    │○ │  │所管課の業務としてなすべき管理事項を定め、それに  │294 │ │  │         │  │  │基づいて管理業務を遂行すべきである。また、その記  │  │ │  │         │  │  │録をしておくべきである。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │204 │公園整備課    │○ │  │民有地緑化助成補助事業補助金は廃止すべきである。  │296 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │205 │公園整備課    │○ │  │交付申請書に記載がないものに対し、補助金を交付す  │297 │ │  │         │  │  │べきではない。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │206 │公園整備課    │○ │  │補助金交付の対象である補助金についてのみ、補助金  │298 │ │  │         │  │  │の確定をすべきである。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │207 │公園整備課    │○ │  │仕様書に委託先を記載すべきではない。        │299 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │208 │公園整備課    │○ │  │一つ一つの業務に分けて委託すべきである。      │300 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │209 │公園整備課    │○ │  │一者随意契約で委託する理由が不十分である。一つ一  │300 │ │  │         │  │  │つの業務の性質や目的に照らし、一者随意契約の理由  │  │ │  │         │  │  │として成り立つ理由を記載すべきである。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │210 │公園整備課    │○ │  │各業務につき、委託料を払ってまで委託する必要があ  │300 │ │  │         │  │  │るのか、市が行えば足りるのではないか、委託するこ  │  │ │  │         │  │  │とによって無駄な経費がかかっているのではないか   │  │ │  │         │  │  │といった委託の必要性・相当性を吟味した上で、委託  │  │ │  │         │  │  │すべきかどうかを検討すべきである。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │211 │公園整備課    │○ │  │前年の委託料が適切であったのかどうかを検証しつ   │301 │ │  │         │  │  │つ積算するとともに、精査できるに足りるだけの内訳  │  │ │  │         │  │  │の記載された見積書を提出させ、毎年、適正な金額を  │  │ │  │         │  │  │委託料として定めるべきである。           │  │
    ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │212 │公園整備課    │○ │  │委託業務ごとに、事業計画・予算書、事業実績報告・  │302 │ │  │         │  │  │決算書を作成させ、委託契約書で定められた義務を履  │  │ │  │         │  │  │行させるべきである。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │213 │公園整備課    │○ │  │委託契約書に従って、委託料の精算手続を行うべきで  │303 │ │  │         │  │  │ある。                       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │214 │公園整備課    │○ │  │事業評価シート作成の目的の実現に寄与する内容を   │303 │ │  │         │  │  │記載すべきである。                 │  │ │  │         │  │  │事業評価できるような形で分けて業務を委託するか、  │  │ │  │         │  │  │個別具体的な業務ごとに事業評価すべきである。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │215 │公園整備課    │  │○ │一つ一つの業務をできる限り分けて委託することが   │305 │ │  │         │  │  │望ましい。                     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │216 │公園整備課    │○ │  │財団に一者随意契約で委託する理由が不十分である。  │305 │ │  │         │  │  │一つ一つの業務の性質や目的に照らし、一者随意契約  │  │ │  │         │  │  │の理由として成り立つ理由を記載すべきである。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │217 │公園整備課    │○ │  │市が臨時職員やアルバイトを使用して業務を遂行す   │305 │ │  │         │  │  │る場合と外部に業務委託する場合における有効性、効  │  │ │  │         │  │  │率性、経済性について検証し、委託すべきかどうかを  │  │ │  │         │  │  │検討すべきである。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │218 │公園整備課    │○ │  │梅林公園の管理業務の委託の仕方(仕様書の記載の仕  │306 │ │  │         │  │  │方)と委託料の算定方法を検討すべきである。     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │219 │公園整備課    │○ │  │財団に対して、岐阜公園来園者休憩所使用許可の手続  │307 │ │  │         │  │  │をとらせるべきである。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │220 │みどりのまち推進 │○ │  │財団は、市に対し、岐阜公園来園者休憩所使用許可の  │307 │ │  │財団       │  │  │手続をとるべきである。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │221 │公園整備課    │○ │  │財団が自主事業として抹茶とお菓子の提供を営んで   │308 │ │  │         │  │  │いる立礼茶席(華松軒)の部分については、使用料を  │  │ │  │         │  │  │徴収すべきである。財団が事務所として使用している  │  │ │  │         │  │  │2階部分については、使用料を徴収するのか免除する  │  │ │  │         │  │  │のか、いずれが正当であるかということについて十分  │  │ │  │         │  │  │に検討し、明確な手続きをとるべきである。      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │222 │公園整備課    │○ │  │使用料を徴収すべきとの監査意見(平成19年度包括   │308 │ │  │         │  │  │外部監査報告書)に対する措置状況報告書において、  │  │ │  │         │  │  │使用料を徴収しないという結論を維持していること   │  │ │  │         │  │  │についての明確な回答をせず、その理由も明らかにし  │  │ │  │         │  │  │ていない。明確な回答をすべきである。        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │223 │公園整備課    │○ │  │前年の委託料が適切であったのかどうかを検証しつ   │308 │ │  │         │  │  │つ積算するとともに、精査できるに足りるだけの内訳  │  │ │  │         │  │  │の記載された見積書を提出させ、毎年、適正な積算を  │  │ │  │         │  │  │すべきである。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │224 │公園整備課    │○ │  │委託業務ごとに、事業計画・予算書、事業実績報告・  │309 │ │  │         │  │  │決算書を作成させ、委託契約書で定められた義務を履  │  │ │  │         │  │  │行させるべきである。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │225 │公園整備課    │○ │  │精算手続を行うべきである。             │309 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │226 │公園整備課    │○ │  │事業評価シートを使用せずに評価する事務事業に該   │309 │ │  │         │  │  │当しない。事業評価シートを作成すべきである。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │227 │公園整備課    │○ │  │委託の所管でないとしても、岐阜薬科大学薬草園施設  │310 │ │  │         │  │  │管理業務についても内容を把握しておくべきである。  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │228 │薬科大学事務局庶 │○ │  │財団へ一者随意契約で委託する理由が不十分である。  │310 │ │  │務会計課     │  │  │一者随意契約の理由として成り立つ理由を記載すべ   │  │ │  │         │  │  │きである。                     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │229 │薬科大学事務局庶 │○ │  │前年の委託料が適切であったのかどうかを検証しつ   │310 │ │  │務会計課     │  │  │つ積算するとともに、精査できるに足りるだけの内訳  │  │ │  │         │  │  │の記載された見積書を提出させ、毎年、適正な金額を  │  │ │  │         │  │  │委託料として定めるべきである。           │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │230 │薬科大学事務局庶 │○ │  │委託契約書に精算、返還条項を入れ、実行すべきであ  │311 │ │  │務会計課     │  │  │る。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │231 │薬科大学事務局庶 │○ │  │事業評価シートを使用せずに評価する事務事業に該   │311 │ │  │務会計課     │  │  │当しない。事業評価シートを作成すべきである。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │232 │公園整備課    │○ │  │一施設ごとに指定管理者を募集すべきである。     │314 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │233 │公園整備課    │○ │  │所管課として、自主事業が適正に行われているかどう  │315 │ │  │         │  │  │かもチェックすべきである。             │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │234 │公園整備課    │  │○ │指定管理の期間を終える平成29年度以降においても   │315 │ │  │         │  │  │財団を存続させるのか否か、市にとっての財団の組織  │  │ │  │         │  │  │としてのあり方をどうしていくのかなどといったこ   │  │ │  │         │  │  │とについて、遅くとも平成27年度までには検討する   │  │ │  │         │  │  │ことが望ましい。                  │  │ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第11章 公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団                          │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │235 │教育政策課、教育文│○ │  │公共ホール管理財団の意向も踏まえつつ、財団の所管  │321 │ │  │化振興事業団   │  │  │課である産業拠点運営課及び男女共同参画・文化課と  │  │ │  │         │  │  │の間で、合併協議を再開すべきである。        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │236 │教育文化振興事業 │  │○ │指定管理者の応募を市以外の県内公共団体に広げて   │322 │ │  │団        │  │  │いく経営努力を継続・発展することが望ましい。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │237 │教育文化振興事業 │  │○ │市民芸術文化・スポーツ基金は、「スポーツ基金」で  │323 │
    │  │団        │  │  │もあるので、今後は、市民の健康増進などにも活用を  │  │ │  │         │  │  │検討することが望ましい。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │238 │市民協働推進課、男│  │○ │生涯学習センターのみでなく、女性センターの事業評  │327 │ │  │女共同参画・文化課│  │  │価シートにおいても、施設の老朽化・大規模な修繕の  │  │ │  │         │  │  │必要性といった課題・問題点を記載し、両課の共通の  │  │ │  │         │  │  │認識であることを示しておくことが望ましい。     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │239 │青少年教育課   │  │○ │一括募集は例外であることを明確に認識した上で、そ  │329 │ │  │         │  │  │の可否を慎重に検討することが望ましい。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │240 │青少年教育課   │○ │  │青少年会館条例の目的、事業に沿う利用状況になるよ  │331 │ │  │         │  │  │う、具体的対策を講じるべきである。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │241 │教育文化振興事業 │○ │  │個人利用者向けのアンケートの周知方法を工夫する   │334 │ │  │団        │  │  │などして、個人利用者の声を聞くようにすべきであ   │  │ │  │         │  │  │る。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │242 │市民体育課    │○ │  │体育ルームの次期指定管理者募集の際は、公募とすべ  │336 │ │  │         │  │  │きである。                     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │243 │市民体育課    │  │○ │体育館・プールの次期指定管理者募集の際は、一括募  │339 │ │  │         │  │  │集の可否・範囲について変更を検討することが望まし  │  │ │  │         │  │  │い。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │244 │教育政策課、青少年│○ │  │青少年会館4館と体育館8館及びプール3カ所のそ   │339 │ │  │教育課、市民体育課│  │  │れぞれについて、一施設ごとに指定管理運営状況シー  │  │ │  │         │  │  │トを作成すべきである。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │245 │青少年教育課、市民│  │○ │定期的に、異動した備品のみでなく、全体をチェック  │340 │ │  │体育課      │  │  │することが望ましい。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │246 │教育文化振興事業 │  │○ │再委託先との一者随意契約理由に記載漏れがないよ   │340 │ │  │団        │  │  │う、チェック体制を強化することが望ましい。     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │247 │社会教育課    │○ │  │容易に判明する誤りを訂正できるよう、決裁の手続を  │341 │ │  │         │  │  │徹底し、チェック体制を強化すべきである。      │  │ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第12章 公益財団法人岐阜市国際交流協会                             │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │248 │国際交流協会   │  │○ │定款第4条第2項を「岐阜県内及び岐阜市との間で交  │344 │ │  │         │  │  │流を行っている海外の地域で行うものとする」に変更  │  │ │  │         │  │  │することが望ましい。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │249 │国際交流協会   │○ │  │定款と各規程等との整合性を十分検討するべきであ   │345 │ │  │         │  │  │る。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │250 │国際課      │○ │  │要綱等における語句の定義付け、使い方の整理をし、  │346 │ │  │         │  │  │必要があれば、要綱を改正すべきである。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │251 │国際課      │  │○ │補助金の算定根拠を明確にし、補助の必要性、補助限  │347 │ │  │         │  │  │度額を検討することが望ましい。           │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │252 │国際課、国際交流協│  │○ │友好姉妹都市側と情報を密に交わしていくことが望   │348 │ │  │会        │  │  │ましい。                      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │253 │国際課、国際交流協│  │○ │事業間流用など、委託料の有効活用を進めることが望  │349 │ │  │会        │  │  │ましい。                      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │254 │国際課      │  │○ │一括ではなく、分けて委託できるものがあるかを検討  │349 │ │  │         │  │  │することが望ましい。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │255 │国際課      │○ │  │随意契約の理由について、検討過程を正確に残すべき  │349 │ │  │         │  │  │である。                      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │256 │国際課      │○ │  │ガイドブックの印刷が、協会に委託すべき業務内容か  │350 │ │  │         │  │  │を十分に検討すべきである。             │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │257 │国際交流協会   │  │○ │類似団体の参加する協議会など、情報収集の機会を積  │351 │ │  │         │  │  │極的に利用し、より効果的な事業実施を検討すること  │  │ │  │         │  │  │が望ましい。                    │  │ │  │         │  │  │                          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │258 │国際課      │  │○ │国際課においても、市内部の施設や所管部署などとの  │351 │ │  │         │  │  │より効果的な連携を検討することが望ましい。     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │259 │国際課、国際交流協│  │○ │岐阜市外国人市民会議との効果的な連携を検討する   │351 │ │  │会        │  │  │ことが望ましい。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │260 │国際交流協会   │○ │  │早急に、常勤の経営責任者を置くべきである。     │351 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │261 │国際交流協会   │○ │  │早急に、自立した組織運営体制を確立すべきである。  │352 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │262 │国際交流協会   │  │○ │積極的に自主事業を展開することが望ましい。     │354 │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │263 │国際交流協会   │  │○ │国際交流ニュースGIFUの配布先の開拓など、広報の   │354 │ │  │         │  │  │充実を図ることが望ましい。             │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │264 │国際交流協会   │  │○ │賛助会員が増加するよう、具体的対策を講じることが  │355 │ │  │         │  │  │望ましい。                     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │265 │国際交流協会   │  │○ │ホームページを、日本語、中国語、英語だけではなく、 │356 │ │  │         │  │  │他の言語での掲載をすることが望ましい。       │  │ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第13章 一般財団法人岐阜市公共ホール管理財団                          │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │266 │産業拠点運営課、男│○ │  │教育文化振興事業団の意向も踏まえつつ、事業団の所  │362 │ │  │女共同参画・文化 │  │  │管課である教育政策課との間で、合併協議を再開すべ  │  │ │  │課、公共ホール管理│  │  │きである。                     │  │ │  │財団       │  │  │                          │  │
    ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │267 │産業拠点運営課、男│  │○ │財団と類似業務を目的とする市の他の外郭団体との   │362 │ │  │女共同参画・文化 │  │  │連携や所管課間の更なる連携の検討をすることが望   │  │ │  │課、公共ホール管理│  │  │ましい。                      │  │ │  │財団       │  │  │                          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │268 │産業拠点運営課、男│○ │  │次期指定管理者募集前に、岐阜市長良川国際会議場条  │362 │ │  │女共同参画・文化課│  │  │例と岐阜市文化会館条例間の事業内容の調整をすべ   │  │ │  │         │  │  │きである。                     │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │269 │産業拠点運営課、男│○ │  │所管課と財団において速やかに協議を開始し、独自の  │363 │ │  │女共同参画・文化 │  │  │給与制度を導入すべきである。            │  │ │  │課、公共ホール管理│  │  │                          │  │ │  │財団       │  │  │                          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │270 │男女共同参画・文化│  │○ │次期も指定管理とするのであれば、公募も視野に入れ  │364 │ │  │課        │  │  │て検討することが望ましい。             │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │271 │男女共同参画・文化│  │○ │次期も指定管理とするのであれば、利用料金制導入を  │365 │ │  │課        │  │  │検討することが望ましい。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │272 │市民参画政策課  │○ │  │ホームページに評価委員会の検討結果を適切に情報   │368 │ │  │         │  │  │開示すべきである。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │273 │産業拠点運営課  │○ │  │事業評価シートの指標を指定管理者管理運営状況シ   │369 │ │  │         │  │  │ートの「料金稼働率」に統一すべきである。      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │274 │公共ホール管理財 │  │○ │文化センターの録音室のあり方を検討することが望   │371 │ │  │団        │  │  │ましい。                      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │275 │公共ホール管理財 │  │○ │施設全体の稼働率を上げる方策を検討することが望   │371 │ │  │団        │  │  │ましい。                      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │276 │男女共同参画・文化│○ │  │作成要領に基づき、事業評価シートの人件費を正確に  │371 │ │  │課        │  │  │記載すべきである。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │277 │公共ホール管理財 │  │○ │少なくとも同じ公共団体との共催事業の場合は、収支  │372 │ │  │団        │  │  │情報もまとめて報告することが望ましい。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │278 │公共ホール管理財 │  │○ │再委託契約金額がより削減できないかを検討するこ   │373 │ │  │団        │  │  │とが望ましい。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │279 │男女共同参画・文化│  │○ │文化センターの備品につき、設置場所を加えたデータ  │373 │ │  │課、公共ホール管理│  │  │管理を検討することが望ましい。           │  │ │  │財団       │  │  │市民会館の備品につき、年度終了ごとに備品データを  │  │ │  │         │  │  │取得して、実際の備品の状況と相違がないかを確認す  │  │ │  │         │  │  │ることが望ましい。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │280 │公共ホール管理財 │  │○ │展示スペースの清掃や展示物についてのアンケート   │374 │ │  │団        │  │  │の実施などを検討することが望ましい。        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │281 │公共ホール管理財 │  │○ │事業計画書に記載した事業については、事業報告書に  │374 │ │  │団        │  │  │も記載することが望ましい。             │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │282 │産業拠点運営課、公│  │○ │長良川鵜飼伝承館をより多くの人に利用してもらえ   │375 │ │  │共ホール管理財団 │  │  │るように、協力し、様々な角度から試みを検討し、実  │  │ │  │         │  │  │施していくことが望ましい。             │  │ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第14章 公益社団法人岐阜市シルバー人材センター                         │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │283 │シルバー人材セン │○ │  │理事長が非常勤であれば、常勤の役員とすべきであ   │381 │ │  │ター       │  │  │る。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │284 │産業雇用課    │○ │  │理事長が非常勤であれば、常勤の役員とするよう指導  │381 │ │  │         │  │  │すべきである。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │285 │シルバー人材セン │○ │  │理事長が常勤であれば、経営基本情報調査票において  │381 │ │  │ター、産業雇用課 │  │  │常勤役員として記載すべきである。          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │286 │シルバー人材セン │○ │  │招集通知の発送を省略することの全員の同意を得た   │381 │ │  │ター       │  │  │というのであれば、その旨、議事録に明記すべきであ  │  │ │  │         │  │  │る。全員の同意を得ていないのであれば、招集通知を  │  │ │  │         │  │  │発送すべきである。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │287 │シルバー人材セン │  │○ │招集通知を発送することが望ましい。招集通知には、  │381 │ │  │ター       │  │  │日時・場所の連絡だけでなく、議事事項について、資  │  │ │  │         │  │  │料の添付などを図ることが望ましい。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │288 │産業雇用課    │  │○ │法人登記という基本的資料は、毎年、取得して、確認  │382 │ │  │         │  │  │することが望ましい。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │289 │シルバー人材セン │  │○ │退任した理事と面談して、理事の責任等を述べるとと  │382 │ │  │ター       │  │  │もに、できる限り任期を満了するよう説明することが  │  │ │  │         │  │  │望ましい。退任した理事とのやり取りについて、記録  │  │ │  │         │  │  │を残すことが望ましい。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │290 │シルバー人材セン │  │○ │出前入会説明会や就業開拓委員会、女性委員会等の活  │383 │ │  │ター       │  │  │動を継続するとともに、会員や仕事の拡大につながっ  │  │ │  │         │  │  │ているのかどうかの検証をすることが望ましい。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │291 │福祉政策課、産業雇│  │○ │センターの所管課については、産業雇用課ではなく、  │383 │ │  │用課       │  │  │福祉政策課が担当することが望ましい。        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │292 │福祉政策課、産業雇│  │○ │センターの総会に、福祉政策課、高齢福祉課、産業雇  │384 │ │  │用課、高齢福祉課 │  │  │用課も出席するようにしたり、指定管理のモニタリン  │  │ │  │         │  │  │グや監査委員監査において、福祉政策課、高齢福祉課  │  │ │  │         │  │  │も指定管理や委託契約の所管課が立ち会ったりする   │  │ │  │         │  │  │など情報共有することが望ましい。          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │293 │高齢福祉課    │○ │  │指定管理施設所管課も、現場視察によるモニタリング  │387 │
    │  │         │  │  │を徹底すべきである。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │294 │福祉政策課、高齢福│○ │  │評価委員会も、少なくとも1年に1回は、現場で、評  │388 │ │  │祉課       │  │  │価会議を開くなどして、現場におけるモニタリングを  │  │ │  │         │  │  │重視するべきである。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │295 │シルバー人材セン │○ │  │収支計算書において、事務経費の具体的な内訳を正確  │389 │ │  │ター       │  │  │に記載すべきである。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │296 │高齢福祉課    │○ │  │高齢福祉課においても、事務経費の具体的な内訳を正  │389 │ │  │         │  │  │確に記載するよう指導すべきである。         │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │297 │土木管理課    │  │○ │非公募で選定する合理的理由、非公募とする必要性や  │390 │ │  │         │  │  │他への影響、選定しようとする団体の施設管理運営能  │  │ │  │         │  │  │力等を十分に検証することが望ましい。        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │298 │土木管理課    │○ │  │指定管理者施設所管課も、現場視察によるモニタリン  │392 │ │  │         │  │  │グを徹底すべきである。               │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │299 │土木管理課    │○ │  │評価委員会も、少なくとも1年に1回は、現場で、評  │393 │ │  │         │  │  │価会議を開くなどして、現場におけるモニタリングを  │  │ │  │         │  │  │重視するべきである。                │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │300 │産業雇用課    │○ │  │本当に必要な補助金額だったのか検討した結果を、検  │395 │ │  │         │  │  │討資料を添付した記録に残すべきである。       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │301 │委託契約所管課、産│○ │  │センターに対する委託契約(特定随意契約を含む。)  │404 │ │  │業雇用課     │  │  │を産業雇用課が全て把握できるよう、各委託契約所管  │  │ │  │         │  │  │課との連携をとるべきである。財務会計システムの検  │  │ │  │         │  │  │索機能を利用するなどして、特定随意契約の把握に努  │  │ │  │         │  │  │めるべきである。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │302 │委託契約所管課、産│○ │  │相互のやりとりについて記録化するよう、連絡シート  │405 │ │  │業雇用課、シルバー│  │  │などを設けるべきである。              │  │ │  │人材センター   │  │  │                          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │303 │委託契約所管課、シ│○ │  │契約書や仕様書の条項に基づいて、抜き打ち検査を含  │405 │ │  │ルバー人材センタ │  │  │め、随時の検査や調査を実施し、その状況を具体的に  │  │ │  │ー        │  │  │記録すべきである。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │304 │委託契約所管課、シ│  │○ │業務日報については、業務内容や業務の実施において  │406 │ │  │ルバー人材センタ │  │  │気になった点を具体的に記載できる書式にすること   │  │ │  │ー        │  │  │が望ましい。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │305 │福祉政策課    │○ │  │速やかに、賃貸借契約(有償)に切り替える方向で検  │408 │ │  │         │  │  │討すべきである。また、部内、課内等で議論した経過  │  │ │  │         │  │  │について資料も添付した上で、議事録を作成すべきで  │  │ │  │         │  │  │ある。                       │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │306 │福祉政策課    │○ │  │指定管理の選定、使用貸借契約など、契約行為等をす  │409 │ │  │         │  │  │る際には、対象となる物件についての不動産登記簿謄  │  │ │  │         │  │  │本などの基本資料を確認すべきである、また、ふれあ  │  │ │  │         │  │  │いの館白山という建物についても、建物の滅失登記手  │  │ │  │         │  │  │続をすべきである。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │307 │福祉政策課    │○ │  │速やかに、ふれあいの館白山という建物についても登  │409 │ │  │         │  │  │記手続をするべきである。              │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │308 │土木管理課    │○ │  │他の自転車駐車場の指定管理委託料を記載すること   │410 │ │  │         │  │  │なく、指定管理者管理運営状況シートを正確に記載す  │  │ │  │         │  │  │べきである。                    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │309 │産業雇用課、指定管│  │○ │シルバー人材センターの補助金や指定管理、契約につ  │412 │ │  │理施設所管課、委託│  │  │いての調査の結果を、共有できるような体制を設ける  │  │ │  │契約所管課    │  │  │べきである。                    │  │ ├──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┤ │第15章 公益財団法人岐阜観光コンベンション協会                         │ ├──┬─────────┬──┬──┬──────────────────────────┬──┤ │310 │観光コンベンショ │  │○ │協会と類似業務を目的とする市の他の外郭団体や所   │417 │ │  │ン課       │  │  │管課間の更なる連携を検討することが望ましい。    │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │311 │観光コンベンショ │○ │  │基本財産の効率的運用をすべきである。        │418 │ │  │ン協会      │  │  │                          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │312 │観光コンベンショ │○ │  │観光コンベンション課としても、基本財産の効率的な  │418 │ │  │ン課       │  │  │運用をするよう指導すべきである。          │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │313 │観光コンベンショ │○ │  │「市内の唯一の団体」であるとして、随意契約とする  │420 │ │  │ン課       │  │  │ことにつき、民間ではできないのか、他の自治体の類  │  │ │  │         │  │  │似業務の状況など、様々な角度から、適切に検証を行  │  │ │  │         │  │  │うべきである。                   │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │314 │観光コンベンショ │○ │  │委託料の積算につき、他の自治体における同種業務と  │421 │ │  │ン課       │  │  │の比較をするなど、他の角度からも、検証すべきであ  │  │ │  │         │  │  │る。                        │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │315 │観光コンベンショ │○ │  │平成23年度包括外部監査の指摘に対して、1)どのよ   │422 │ │  │ン課       │  │  │うに判断したのか、2)現在の負担金決定方法が適切で  │  │ │  │         │  │  │あるとするのであれば、その理由について、明確に回  │  │ │  │         │  │  │答すべきである。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │316 │観光コンベンショ │  │○ │補助金交付手続については、実態に照らして、適切な  │423 │ │  │ン協会      │  │  │取り扱いを検討することが望ましい。また、事業負担  │  │ │  │         │  │  │金の支出については、算出の明確性の観点から、負担  │  │ │  │         │  │  │金支出の根拠規定を独自に策定することを検討する   │  │ │  │         │  │  │ことが望ましい。                  │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │317 │観光コンベンショ │  │○ │ノベルティグッズにつき、「貯蔵品」として扱うもの  │424 │ │  │ン協会      │  │  │の金額を設定し、該当するものは数量のみならず金額  │  │ │  │         │  │  │でも管理し、貸借対照表上にも計上することを検討す  │  │
    │  │         │  │  │ることが望ましい。                 │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │318 │観光コンベンショ │  │○ │契約事務ガイドラインに沿って、適切な執行をするこ  │425 │ │  │ン協会      │  │  │とを今後継続して意識することが望ましい。      │  │ ├──┼─────────┼──┼──┼──────────────────────────┼──┤ │合計│         │197 │121 │                          │  │ └──┴─────────┴──┴──┴──────────────────────────┴──┘ 第2章 総論 第1 市の財政状況について 1 はじめに  市の財政状況は、監査における指摘・意見の前提事実となる部分であり、こ こに記載する。なお、本監査において、以降、数値を記載する場合は、単位: 千円とある部分は、千円未満の額を切り捨てている。 2 主な財政指標の推移について                               (単位:千円、%) ┌───────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │       │平成21年度│平成22年度│平成23年度│平成24年度│平成25年度│ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │1)基準財政収入│53,582,904│48,354,165│50,123,638│50,087,062│51,447,951│ │額      │     │     │     │     │     │ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │2)基準財政需要│61,820,590│60,830,467│61,848,761│61,903,069│61,840,278│ │額      │     │     │     │     │     │ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │3)標準税収入額│69,798,277│62,844,003│65,071,909│65,244,785│67,221,533│ │等      │     │     │     │     │     │ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │4)標準財政規模│83,116,865│84,060,295│84,677,869│85,608,784│86,621,687│ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │5)実質収支比率│    9.3│    9.9│   10.4│   10.6│   10.7│ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │6)経常収支比率│   91.6│   85.3│   89.4│   87.7│   88.3│ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │7)財政力指数 │   0.87│   0.84│   0.82│   0.80│   0.82│ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │8)実質公債費比│    7.3│    6.3│    5.2│    4.5│    4.0│ │率      │     │     │     │     │     │ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │9)公債費負担比│   14.9│   13.4│   13.6│   13.0│   12.4│ │率      │     │     │     │     │     │ └───────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ <財政指標の内容> 1)基準財政収入額とは、地方交付税(普通交付税)の算定に用いるもので、各 地方公共団体の財政力を合理的に測定するために標準的な状態において徴収 が見込まれる税収入を一定の方法によって算定した額をいう。実際の税収入で はなく、あくまで通常であれば徴収できるであろう税収入の見込額により算定 した額である。  ┌──────────────┐   ┌──────┐  │標準的な地方税収入 × 75%│ + │地方譲与税等│  └──────────────┘   └──────┘ 2)基準財政需要額とは、地方交付税(普通交付税)の算定に用いるもので、各 地方公共団体が合理的かつ妥当な水準における行政を行い、または施設を維持 する等のための財政需要を一定の方法によって算定した額をいう。 ┌───────────────────────────────────┐ │行政項目毎の基準財政需要額(単位費用×(測定単位の数値×補正係数))の│ │合算額                                │ └───────────────────────────────────┘  基準財政需要額は、実際の支出額ではなく、自然的・地理的・社会的諸条件 に対応して、合理的でかつ妥当な水準における財政需要を表すもので、所定の 測定単位数に単位当たり費用を乗じて計算される。現状を前提として、標準的 に必要と想定される支出額である。 3)標準税収入額等とは、地方税法における法定普通税を、標準税率をもって、 地方交付税法で定める方法により算定した収入見込額である標準税収入額に、 地方譲与税と交通安全対策特別交付金額を加えた額をいう。 4)標準財政規模とは、地方公共団体の一般財源の標準規模を示すものである。 ┌──────┐   ┌──────┐   ┌──────┐ │標準税収入額│ + │普通交付税額│ + │地方譲与税額│ + └──────┘   └──────┘   └──────┘ ┌────────────┐   ┌────────────┐ │交通安全対策特別交付金額│ + │臨時財政対策債発行可能額│ └────────────┘   └────────────┘ 5)実質収支比率とは、4)の標準財政規模に対する、「歳入決算額-歳出決算額 -翌年度繰越財源」である実質収支額の割合をいう。 6)経常収支比率とは、経常一般財源総額に対する経常経費充当一般財源の割合 をいう。財政構造の弾力性を判断する指標であり、比率が低い方が、臨時の財 政需要や自治体独自の施策に充当できる財源が大きい。 7)財政力指数とは、地方交付税法の規定により算定した基準財政収入額を基準 財政需要額で除して得た過去3カ年の平均値をいう。地方公共団体の財政力を 示す指数であり、一般的には大きい方がより財政力が強いと考えられ、1.0を 上回ると普通交付税が交付されない。  ┌───────┐   ┌───────┐
     │基準財政収入額│ ÷ │基準財政需要額│ (過去3年間の平均値)  └───────┘   └───────┘ 8)実質公債費比率とは、標準財政規模に対する、公債費や公営企業債償還に対 する繰出金など公債費に準ずるものを含めた実質的な公債費の割合をいう。  一般的に高くなればなるほど財政運営が硬直化していると考えられ、18%以 上だと新たな地方債の発行に許可が必要となり、25%以上だと地方債の発行を 制限される。 9)公債費負担比率とは、公債費充当一般財源(地方債の元利償還金等の公債費 に充当された一般財源)が一般財源総額に対し、どの程度の割合になっている かを示す指標であり、公債費がどの程度一般財源の使途の自由度を制約してい るかをみることにより、財政構造の弾力性を表している。 《コメント》  5年間の推移を見ると、基準財政需要額はほぼ横ばいであるが、リーマンシ ョックに伴う不況の影響により平成22年度の基準財政収入額が大幅に減少し た。その後、基準財政収入額は回復傾向にあるものの、5年前に比べ財政力指 数は低下している。一方で、実質公債費比率や公債費負担比率は下落しており、 財政運営的には良くなっている。  全国的に見れば、財政的な問題はないと考えられるが、収入の増加につなが る政策展開が今後ますます重要になってくると思われる。 3 財政健全化法に基づく判断比率について 【平成25年度】                      (単位:%) ┌───────────┬──────┬──────────────┐ │判断比率       │岐阜市の比率│国の定める基準       │ ├───────────┼──────┼───────┬──────┤ │人口(平成26年4月1日│  415,113人│早期健全化基準│財政再生基準│ │現在)        │      │       │      │ ├───────────┼──────┼───────┼──────┤ │1)実質赤字比率    │  -(-)│     11.25│    20.0│ ├───────────┼──────┼───────┼──────┤ │2)連結実質赤字比率  │  -(-)│     16.25│    30.0│ ├───────────┼──────┼───────┼──────┤ │3)実質公債費比率   │ 4.0(4.5)│     25.0│    35.0│ ├───────────┼──────┼───────┼──────┤ │4)将来負担比率    │ 1.0(5.8)│     350.0│     -│ └───────────┴──────┴───────┴──────┘ (注)かっこ内は前年度数値である。 〈健全化判断比率について〉(以下、総務省ホームページより引用)  健全化判断比率とは、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率及 び将来負担比率の4つの財政指標の総称である。  地方公共団体は、この健全化判断比率のいずれかが一定基準以上となった場 合には、財政健全化計画または財政再生計画を策定し、財政の健全化を図らな ければならない。  健全化判断比率は、財政の早期健全化や再生の必要性を判断するものである とともに、他団体と比較することなどにより、当該団体の財政状況を客観的に 表す意義を持つ。 1)実質赤字比率とは、当該地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額 の標準財政規模に対する比率。 2)連結実質赤字比率とは、当該地方公共団体の全会計を対象とした実質赤字額 または資金の不足額の標準財政規模に対する比率。 3)実質公債費比率については18)を参照。 4)将来負担比率とは、地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るもの も含め、当該地方公共団体の一般会計等が将来負担すべき実質的な負債の標準 財政規模(※)に対する比率。 ※標準財政規模から元利償還金等に係る基準財政需要額算入額を控除した額 《コメント》  健全化判断比率については全て基準値以下であり、現状は特に問題ない。 4 近隣同規模中核市との比較について 【平成25年度】                                 (単位:人、千円、%) ┌──────────┬─────┬─────┬─────┬─────┬──────┐ │          │岐阜市  │豊橋市  │岡崎市  │豊田市  │中核市平均※│ ├──────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼──────┤ │人口(26年4月1日)│  415,113│  378,530│  379,264│  421,633│   404,152│ ├──────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼──────┤ │1)基準財政収入額  │51,447,951│49,738,404│50,474,585│65,143,711│ 47,063,826│ ├──────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼──────┤ │2)基準財政需要額  │61,840,278│52,936,443│51,407,157│63,662,231│ 62,362,813│ ├──────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼──────┤ │3)標準税収入額等  │67,221,533│64,617,688│65,785,304│84,842,260│     -│ ├──────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼──────┤ │4)標準財政規模   │86,621,687│73,151,571│70,028,610│92,949,659│ 84,993,340│ ├──────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼──────┤ │5)実質収支比率   │   10.7│    6.3│    7.3│    8.3│     3.6│ ├──────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼──────┤ │6)経常収支比率   │   88.3│   86.9│   87.3│   83.8│    90.7│ ├──────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼──────┤ │7)財政力指数    │   0.82│   0.94│   0.98│   1.06│    0.76│ ├──────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼──────┤ │8)実質公債費比率  │    4.0│    7.4│   △1.3│    4.1│     8.8│ ├──────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼──────┤ │9)将来負担比率   │    1.0│   49.3│    -│    -│     -│ └──────────┴─────┴─────┴─────┴─────┴──────┘ ※中核都市の平均値については平成24年度の数値を用いている。  (中核市市長会ホームページの決算資料を参照) 《コメント》  近隣の中核市や全国の中核市の平均値と比べても、特に大きな問題となるよ うな比率はない。  ただし、自動車をはじめとする産業基盤が強固であり、税収が豊かな愛知県 の中核市と比較すると、財政の強さを表す財政力指数が若干低く、また、財政 構造の弾力性を表す経常収支比率は逆に若干高くなっている。
     一方、中核市平均と比較すると、財政力指数は高く、経常収支比率は低い状 況である。経常収支比率が高くなるということは、経常的で固定的な経費の割 合が大きく、収入がそれを負担しなければならず、柔軟な財政政策が行いにく い状況にあることになるため、引続き財政の健全化に取組んで頂きたい。 5 総合計画と行財政改革プランにおける取組との関係について (1)岐阜市総合計画「ぎふ躍動プラン・21」の取組と成果  岐阜市総合計画「ぎふ躍動プラン・21」の基本計画の中で、自立した都市経 営の確立を取組として掲げており、成果の指標としては、財政力指数を用いて いる。平成23年度の0.82から上昇することを目標としているが、平成24年 度が0.80、平成25年度が0.82とわずかではあるが低下している。 (2)岐阜市行財政改革プランの取組と成果  岐阜市行財政改革プランの中では二つの取組が掲げられている。 1)財源留保資金の確保  財源不足を起こさないための短期的視点から、財政調整基金(年度間の財源 の不均衡感を調整する基金)と前年度繰越金の合計額について、80億円を超 える額を維持することとしている。  平成23年度が224億円、平成24年度が251億円、平成25年度が243億円 と取組目標は達成されている。 2)実質公債費比率の抑制  財政の硬直化を起こさないための中長期視点から、実質公債費比率を9%未 満の水準に保つこととしている。  平成23年度が5.2%、平成24年度が4.5%、平成25年度が4.0%と取組目 標は達成されている。 第2 市の外郭団体に対する関与状況について 1 市の外郭団体の概要について  平成26年6月1日現在、市には13の外郭団体が存在する。特別法人1、特 殊法人1、一般財団法人4、公益財団法人4、公益社団法人1、社会福祉法人 2の合計13団体である。平成16年度以降、数の増減はない。団体名、設立目 的、業務内容及び市の所管課は、それぞれ、次表記載のとおりである。なお、 本監査は、原則、平成25年度を対象としているが、本部分は情報提供が目的 であることから、平成26年度現在の最新のもので記載している。 ┌─────────┐ │外郭団体概要一覧表│ └─────────┘                                           平成26年6月1日現在 ┌─┬───────┬───────────────┬─────────────────┬──────┐ │N│  団体名  │     設立目的      │      業務内容       │所管課名  │ │o│       │               │                 │      │ ├─┼───────┼───────────────┼─────────────────┼──────┤ │ │       │公共用地、公用地等の取得、管 │街路事業、公園緑地事業、地区計画 │      │ │ │特別法人   │理、処分等を行うこと等により、│整備事業、住宅用地の造成事業など │行政部   │ │ 1│岐阜市土地開発│地域の秩序ある整備と市民福祉 │の公有地取得事業の先行取得事業、 │管財課   │ │ │公社     │の増進に寄与することを目的と │造成その他の管理及び処分ほか   │      │ │ │       │する。            │                 │      │ ├─┼───────┼───────────────┼─────────────────┼──────┤ │ │       │中小企業者等のために信用保証 │中小企業者等が銀行等、金融機関か │      │ │ │特殊法人   │の業務を行い、これらの者に対 │ら資金の貸付、手形の割引、給付を │商工観光部 │ │ 2│岐阜市信用保証│する金融の円滑化を図ることを │受ける場合の金融機関等に対する  │産業雇用課 │ │ │協会     │目的とする。         │債務の保証及び中小企業者の借入  │      │ │ │       │               │手続などの金融相談        │      │ ├─┼───────┼───────────────┼─────────────────┼──────┤ │ │       │岐阜市における社会福祉事業や │社会福祉を目的とする事業に関す  │      │ │ │社会福祉法人 │その他の社会福祉を目的とする │る調査研究企画、連絡調整、助成な │      │ │ 3│岐阜市社会福祉│事業の健全な発達及び社会福祉 │どのほか、ボランティアセンターの │福祉部   │ │ │協議会    │に関する活動の活性化により、 │設置運営、ホームヘルプサービス事 │福祉政策課 │ │ │       │地域福祉の推進を図ることを目 │業など福祉事業の実施       │      │ │ │       │的とする。          │                 │      │ ├─┼───────┼───────────────┼─────────────────┼──────┤ │ │社会福祉法人 │岐阜市と一体になって社会福祉 │第1種社会福祉事業、第2種社会福  │      │ │ 4│岐阜市社会福祉│事業の推進を図り、広く市民福 │祉事業及び心身障害者福祉施設の  │福祉部   │ │ │事業団    │祉の向上と増進に寄与すること │管理運営ほか           │福祉政策課 │ │ │       │を目的とする。        │                 │      │ ├─┼───────┼───────────────┼─────────────────┼──────┤ │ │       │岐阜市における都市整備事業を │                 │      │ │ │       │効率化ならしめるための事業及 │まちづくりに関する調査研究・情報 │まちづくり推│ │ │一般財団法人 │び地球環境の保全のための事業 │の提供、市民のまちづくり活動の育 │進部    │ │ 5│岐阜市にぎわい│を実施することにより、豊かな │成・支援、中心市街地活性化、岐阜 │まちづくり推│ │ │まち公社   │個性あるまちづくりの実現及び │市駐車場条例に規定する駐車場等  │進政策課  │ │ │       │市政の発展と市民の福祉増進に │管理ほか             │      │ │ │       │寄与することを目的とする。  │                 │      │ ├─┼───────┼───────────────┼─────────────────┼──────┤ │ │       │岐阜産業会館の運営管理をし、 │岐阜産業会館の運営管理(岐阜県及 │      │ │ 6│一般財団法人 │及び岐阜県の産業の振興と文化 │び岐阜市からの委託)及び県民文化 │商工観光部 │ │ │岐阜産業会館 │の向上に寄与することを目的と │の向上に必要な事業と付帯事業   │産業雇用課 │ │ │       │する。            │                 │      │ ├─┼───────┼───────────────┼─────────────────┼──────┤ │ │       │岐阜市内の市立小中学校(市立 │                 │      │ │ │       │幼稚園を含む。)等で学校教育活│                 │      │ │ │       │動の一環として行われている学 │学校給食の安定供給及び安全安心、 │      │ │ │公益財団法人 │校給食の円滑な実施及びその充 │学校給食の充実及び食育支援、学校 │教育委員会事│ │ 7│岐阜市学校給食│実発展に努め、学校等における │給食の情報及び資料の提供、その他 │務局    │ │ │会      │食育の推進を支援することによ │目的を達成するための事業     │学校保健課 │ │ │       │り、児童生徒の心身の健全な発 │                 │      │ │ │       │達及び広く市民の健全な食生活 │                 │      │ │ │       │に寄与することを目的とする。 │                 │      │ ├─┼───────┼───────────────┼─────────────────┼──────┤ │ │       │岐阜市の都市緑化推進のため、 │                 │      │ │ │       │都市緑化事業を進めるととも  │公園緑地事業及び緑化推進事業の  │      │ │ │一般財団法人 │に、都市緑化、公園緑地に関す │協力、民有地緑化事業、緑化基金の │都市建設部公│ │ 8│岐阜市みどりの│る知識と愛護思想の普及を図る │造成運用等、公園緑地及び都市緑化 │園整備課  │ │ │まち推進財団 │ほか、公園緑地の利用増進を図 │に関する調査研究並びに普及啓蒙、 │      │ │ │       │り、もって良好な生活環境づく │公園緑地の管理ほか        │      │ │ │       │りに寄与する事を目的とする。 │                 │      │ ├─┼───────┼───────────────┼─────────────────┼──────┤ │ │       │教育、文化、スポーツ、生涯学 │                 │      │
    │ │       │習等の振興に資する事業を行  │教育・芸術文化・体育の振興に資す │      │ │ │公益財団法人 │い、地域と未来の活力を支える │る行事の実施及び援助、教育、文化、│教育委員会事│ │ 9│岐阜市教育文化│人づくりを推進し、もって生き │体育施設等の運営管理、埋蔵文化財 │務局    │ │ │振興事業団  │がいとうるおいに満ちた創造性 │の調査研究等           │教育政策課 │ │ │       │あふれるまちづくりに寄与する │                 │      │ │ │       │ことを目的とする。      │                 │      │ ├─┼───────┼───────────────┼─────────────────┼──────┤ │ │       │産業、経済、教育、文化振興等 │                 │      │ │ │       │幅広い分野での多文化共生社会 │                 │      │ │ │公益財団法人 │の推進と、国際交流(国際協力 │国際交流事業の実施、助成、国際交 │市民参画部 │ │10│岐阜市国際交流│を含む。)活動の促進を行い、も│流に関する情報収集、研究及び啓  │国際課   │ │ │協会     │ってわが国の国際化に対応した │発、国際交流活動への協力ほか   │      │ │ │       │まちづくりと国際親善に寄与す │                 │      │ │ │       │ることを目的とする。     │                 │      │ ├─┼───────┼───────────────┼─────────────────┼──────┤ │ │       │岐阜市から委託された長良川国 │                 │      │ │ │       │際会議場、岐阜市文化センター │                 │商工観光部 │ │ │       │及び岐阜市民会館の施設管理及 │長良川国際会議場、岐阜市文化セン │産業拠点運営│ │ │一般財団法人 │びこれらの施設を活用して各種 │ター及び市民会館等の管理運営、イ │課     │ │11│岐阜市公共ホー│イベント・コンベンションを実 │ベント・コンベンションの企画、誘 │      │ │ │ル管理財団  │施することにより、「国際コンベ│致及び実施、事業に関する情報及び │市民参画部 │ │ │       │ンション都市岐阜」及び「文化 │資料の収集並びに提供       │男女共同参 │ │ │       │都市岐阜」の実現に寄与するこ │                 │画・文化課 │ │ │       │とを目的とする。       │                 │      │ ├─┼───────┼───────────────┼─────────────────┼──────┤ │ │       │定年退職者等の高齢者の希望に │                 │      │ │ │       │応じた臨時的かつ短期的な就業 │                 │      │ │ │       │又はその他の軽易な業務(当該 │                 │      │ │ │       │業務に係る労働力の需給の状  │                 │      │ │ │       │況、当該業務の処理の実情等を │                 │      │ │ │       │考慮して厚生労働大臣が定める │臨時的かつ短期的な就業(雇用を除 │      │ │ │公益社団法人 │ものに限る。)に係る就業の機会│く。)を希望する高齢退職者等に対 │      │ │12│岐阜市シルバー│を確保し、及びこれらの者に対 │する機会確保及び提供、職業紹介、 │商工観光部 │ │ │人材センター │して組織的に提供することなど │高齢退職者への知識と技能を付与  │産業雇用課 │ │ │       │により、その能力を生かした就 │する講習会開催ほか        │      │ │ │       │業その他の多様な社会参加活動 │                 │      │ │ │       │を援助して、これらの者の生き │                 │      │ │ │       │がいの充実と福祉の増進を図る │                 │      │ │ │       │とともに、活力ある地域社会づ │                 │      │ │ │       │くりに寄与することを目的とす │                 │      │ │ │       │る。             │                 │      │ ├─┼───────┼───────────────┼─────────────────┼──────┤ │ │       │岐阜市及び周辺の産業、技術及 │                 │      │ │ │       │び文化、歴史などの資源を活用 │                 │      │ │ │       │し、コンベンションの誘致、開 │                 │      │ │ │       │催支援、及び国際会議観光都市 │コンベンションの誘致、開催に係る │商工観光部 │ │ │公益財団法人 │岐阜の広報、宣伝等の事業を行 │支援とコンベンション都市岐阜の  │      │ │13│岐阜観光コンベ│うことにより、岐阜市における │広報及び宣伝のほか、観光振興事業 │観光コンベン│ │ │ンション協会 │コンベンション並びに観光の振 │及び情報提供に関すること。    │ション課  │ │ │       │興を図り、もって国際相互理解 │                 │      │ │ │       │の増進並びに地域経済の活性化 │                 │      │ │ │       │及び文化の向上に資することを │                 │      │ │ │       │目的とする。         │                 │      │ └─┴───────┴───────────────┴─────────────────┴──────┘ 2 市における外郭団体の位置付けについて (1)はじめに  市では、外郭団体という文言が使用される条例、規則は存在しない。  市が外郭団体と位置づけている団体の大半に、市は出資をしており、団体に 出資している割合により、法令及び市の条例の適用関係が変わる。まず、以下 で、市の外郭団体所管課において、各団体の出資割合をどのように認識してい るかを記載し、法令及び条例を整理する。 (2)出資割合  市の外郭団体所管課においては、平成26年3月31日現在、外郭団体に対す る市の出資割合について、次のとおり把握している。なお、「基本財産等」と いう表現は、所管課が作成する外郭団体の経営基本情報調査票(巻末資料1)) に記載のものである。                       (単位:千円・%) ┌───────────┬─────┬──────┬────┐ │団体名        │基本財産等│うち市出資額│出資割合│ ├───────────┼─────┼──────┼────┤ │土地開発公社     │  10,000│   10,000│   100│ ├───────────┼─────┼──────┼────┤ │信用保証協会     │ 6,447,768│  2,377,713│  36.88│ ├───────────┼─────┼──────┼────┤ │社会福祉協議会    │   4,000│      0│    0│ ├───────────┼─────┼──────┼────┤ │社会福祉事業団    │  351,748│    3,000│  0.85│ ├───────────┼─────┼──────┼────┤ │にぎわいまち公社   │   2,000│    2,000│   100│ ├───────────┼─────┼──────┼────┤ │産業会館       │   3,000│    1,500│   50│ ├───────────┼─────┼──────┼────┤ │学校給食会      │   3,000│    1,000│  33.33│ ├───────────┼─────┼──────┼────┤ │みどりのまち推進財団 │  20,000│   20,000│   100│ ├───────────┼─────┼──────┼────┤ │教育文化振興事業団  │  10,000│   10,000│   100│ ├───────────┼─────┼──────┼────┤ │国際交流協会     │  212,494│   211,010│  99.3│ ├───────────┼─────┼──────┼────┤ │公共ホール管理財団  │  30,000│   30,000│   100│ ├───────────┼─────┼──────┼────┤ │シルバー人材センター │     0│      0│    0│ ├───────────┼─────┼──────┼────┤ │観光コンベンション協会│  115,000│   50,000│  43.48│ └───────────┴─────┴──────┴────┘
    (3)位置付けの整理  市が外郭団体と位置づけている団体につき、地方自治法・同施行令及び市の 条例・施行規則の規定に照らして整理すると、次のとおりとなる。 1)財政状況について議会への報告義務対象団体 ┌───────────────────────────┐ │地方自治法第243条の3第2項(財政状況の議会報告義務) │ └───────────────────────────┘  長(市長)は、法第221条第3項の法人について、毎事業年度、政令(地方 自治法施行令第173条)で定めるその経営状況を説明する書類を作成し、議会 に提出する義務がある。 ┌────────────────────────────┐ │地方自治法第221条第3項(予算執行に関する長の調査権等) │ └────────────────────────────┘  普通地方公共団体が出資している法人で政令(地方自治法施行令第152条) で定めるもの ┌──────────────────────────────┐ │地方自治法施行令第152条第1項(法第221条第3項の法人の範囲)│ └──────────────────────────────┘ 第1号  当該普通地方公共団体が設立した地方住宅供給公社、地方道路公社、土地開 発公社及び地方独立行政法人 第2号  当該普通地方公共団体が資本金、基本金その他これらに準ずるものの2分の 1以上を出資している一般社団法人及び一般財団法人並びに株式会社 2)監査委員監査対象団体 ┌───────────────────────┐ │地方自治法第199条第7項(監査委員監査の対象) │ └───────────────────────┘ 前段 当該普通地方公共団体が補助金、交付金、負担金、貸付金、損失補償、  利子補給、その他の財政的援助を与えているものの出納その他の事務の執  行で当該財政的援助に係るものを監査することができる。 後段 当該普通地方公共団体が出資しているもので政令(地方自治法施行令  第140条の7)で定めるもの ┌────────────────────────────────┐ │地方自治法施行令第140条の7第1項(法第199条第7項の法人の範囲)│ └────────────────────────────────┘  地方自治法第199条第7項後段に規定する当該普通地方公共団体が出資し ているもので政令で定めるものは、当該普通地方公共団体が資本金、基本金そ の他これらに準ずるものの4分の1以上を出資している法人とする。 3)包括外部監査対象団体 ┌─────────────────────────┐ │地方自治法第252条の37第4項(包括外部監査の対象) │ └─────────────────────────┘  当該包括外部監査対象団体が第199条第7項に規定する財政的援助を与え ているものの出納その他の事務の執行で当該財政的援助に係るもの、当該包括 外部監査対象団体が出資しているもので同項の政令で定めるものの出納その 他の事務の執行で当該出資に係るもの ┌────────────────────────┐ │岐阜市外部監査契約に基づく監査に関する条例第2条│ └────────────────────────┘ (1)市が法第199条第7項に規定する財政的援助を与えているものの出納  その他の事務の執行で当該財政的援助に係るもの (2)市が出資しているもので法第199条第7項の政令で定めるものの出納そ  の他の事務の執行で当該出資に係るもの 4)岐阜市住民自治基本条例(以下、「住民自治基本条例」という)対象団体 ┌──────────────┐ │住民自治基本条例第8条第2項│ └──────────────┘  市が出資その他の財政上の援助等を行う法人であって規則で定めるものは、 まちづくりに関し前項に規定する趣旨に沿い活動するよう努めるものとする。 ┌─────────────────────────┐ │住民自治基本条例施行規則第2条(出資法人等の範囲)│ └─────────────────────────┘ (1)市の出資する法人で地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第140  条の7第1項に規定する法人 (2)前号に掲げる法人のほか、市が財政的援助を与えている法人のうち市の  施策及び住民自治の充実に深く関与しているもので別に定めるもの                          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 5)岐阜市情報公開条例(以下、「情報公開条例」という)対象団体 ┌────────────┐ │情報公開条例第17条第1項│ └────────────┘  市が出資その他の財政上の援助等を行う法人等であって市長が定めるもの (以下「出資法人」という。)は、経営状況に関する情報その他その保有する 文書の公開に努めるものとする。 ┌─────────────┐ │情報公開条例施行規則第8条│ └─────────────┘  条例第17条第1項に規定する市長の定めるものは、市の出資する法人で地 方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第140条の7第1項に規定する法人 とする。 6)岐阜市個人情報保護条例(以下、「個人情報保護条例」という)対象団体 ┌───────────┐ │個人情報保護条例第37条│ └───────────┘  市が出資その他の財政的援助等を行う法人等で市長が定めるものは、個人情 報の処理を行うに当たっては、個人情報の適切な取扱いを確保するため必要な 措置を講ずるよう努めなければならない ┌───────────────┐ │個人情報保護条例施行規則第16条│ └───────────────┘  条例第第37条の市長の定めるものは、市の出資する法人で地方自治法施行 令(昭和22年政令第16号)第140条の7第1項の規定に該当する法人とする。
    7)岐阜市公益法人等への職員の派遣等に関する条例(以下、「派遣条例」と いう)対象団体 ┌─────────────┐ │派遣条例第2条第1項第1号│ └─────────────┘  岐阜市が基本金又はこれに準ずるものの2分の1以上を出資しているもの 【事実関係1)】  市が出資割合を算出する意味は、出資割合が、上記1)から7)の団体に該当す るか否かの基準となることにある。主に、地方自治法施行令第152条第1項第 2号及び同施行令第140条の7第1項に該当するか否かが問題となる。  この点、外郭団体の所管課については、上記のとおり、出資割合を把握して いるが、監査課においては、市が、外郭団体と位置づけている団体について、 地方自治法第199条第7項後段に基づく監査委員監査対象団体として11団体 と把握している。具体的には、社会福祉事業団について、福祉政策課と監査課 との間で出資割合の解釈が異なっている。福祉政策課は0.85%、監査課は、 100%である。 【指摘 外郭団体所管課、監査課】  出資割合の解釈は、市において統一されていなければならない。しかしなが ら、出資割合の算定について解釈が異なっている事実がある。  出資割合を算出するためには、地方自治法施行令第152条第1項第2号及び 同第140条の7における、1)「資本金、基本金その他これらに準ずるもの」と、 2)「出資」の解釈、そして、3)出資割合の基準時が問題となる。  この点、2)「出資」については、法第221条第3項の出資は、法第238条第 1項第7号の出資と同じ意義であり、通知・昭和38年12月19日自治丁行発 93により、出えん金は該当すると考えられている。  次に、3)出資割合算出時であるが、法人の資本金における地方公共団体の出 資金の比率は、各事業年度の書類を提出すべきときの比率をいう(実例昭和 38年5月21日自治丁行発第42号 名古屋市総務部長宛 行政課長回答)。  1)「資本金、基本金、その他これらに準ずるもの」については、「その他こ れらに準ずるもの」という文言であることから、その範囲は必ずしも明確では ない。所管課においては、1)につき、経営基本情報調査票において、「基本財 産等」という文言で整理しており、各所管課において、適切に解釈されている か不明である。社会福祉事業団につき、福祉政策課は、1)に該当するものとし て「基本財産等」を351,748千円とするが、監査課は、1)に該当するものとし て3,000千円とする。いわゆる「1)資本金、基本金、その他これらに準ずるも の」の捉え方に違いがある。  出資割合は、法令や条例が適用されるか否かという点で極めて重要な指標で ある。  そこで、出資割合について、福祉政策課と監査課で解釈が異なっていること の原因を分析した上で、早急に、正しい解釈に統一すべきである。  また、全ての所管課においても、法解釈に照らし、出資割合が正しく把握さ れているかを確認すべきである。 【事実関係2)】  住民自治基本条例対象団体は、施行規則第2条(1)により、法第199条第 7項後段の団体である。しかし、同(2)については、「別に定める」ものが 規定されておらず不明である。 【指摘 市民参画政策課】  住民自治基本条例が適用される団体か否かということは、極めて重要なこと であるところ、(2)により、適用団体が不明確である。  早急に、「別に定めるもの」を定めるべきである。 【事実関係3)】  行財政改革課においては、ホームページ上、13団体を外郭団体等と記載し ている。                          ̄ 【指摘 行財政改革課】  「等」という文言がある場合、外郭団体ではない団体も含まれていると読み 取れる。上述したとおり、「外郭団体」という文言は、地方自治法、同施行令 上、あるいは、市の条例、同施行規則上に規定されている文言ではない。  その意味では、外郭団体の対象範囲が必ずしも明確ではないが、「等」を入 れると更に曖昧となる。対象が不明確ということは、的確な対応を阻害する原 因となりかねない。13団体が外郭団体であると明確に記載すべきである。 (4)出資による権利  財政課では、地方自治法第238条第1項第7号に定める「出資による権利」 につき、地方自治法第233条、同施行令第166条、同施行規則第16条の2に 基づき、決算附属書類に記載している。  平成25年度においては、市の出資団体24団体中、外郭団体は12団体(シ ルバー人材センターは除く)であった。  また、岐阜市公有財産規則第54条(6)においては、公有財産を新たに台 帳に登録する場合において、その登録すべき価格は、出資による権利は出資金 額とされている。  したがって、以下の表に記載の額は、市が過去に外郭団体に対して、出資し た額であって、現在の実際の残高を示すものではない。外郭団体に対する出え ん金については、団体において、使用されることにより、実際の残高は、少な いものがある。  平成25年度において、出資による権利が増加したのは、信用保証協会の1 団体のみである。  平成25年度末現在高において、出資による権利として整理されている金額 は、外郭団体合計で47億5162万3000円である。 ┌──────────┐ │出資による権利一覧表│ └──────────┘                            (単位:千円) ┌──────────────┬─────┬─────┬─────┐ │区分            │前年度末 │決算年度中│決算年度末│ │              │現在高  │増減高  │現在高  │ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │岐阜県住宅供給公社     │    500│     │    500│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │にぎわいまち公社      │   2,000│     │   2,000│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │産業会館          │   1,500│     │   1,500│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │岐阜県市町村行政情報センター│  12,945│     │  12,945│
    ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │学校給食会         │   1,000│     │   1,000│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │岐阜県野菜価格安定基金協会 │    100│     │    100│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │岐阜県畜産協会       │    560│     │    560│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │社会福祉事業団       │   3,000│     │   3,000│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │岐阜県森林公社       │    20│     │    20│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │岐阜中央森林組合      │   4,680│     │   4,680│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │みどりのまち推進財団    │  170,000│     │  170,000│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │信用保証協会        │ 3,311,713│  10,000│ 3,321,713│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │岐阜県信用保証協会     │   4,993│     │   4,993│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │岐阜県共助会        │   6,270│     │   6,270│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │社会福祉協議会       │  451,000│     │  451,000│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │リバーフロント研究所    │   2,500│     │   2,500│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │教育文化振興事業団     │  155,400│     │  155,400│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │観光コンベンション協会   │  355,000│     │  355,000│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │国際交流協会        │  251,010│     │  251,010│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │岐阜県教育文化財団     │   2,582│     │   2,582│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │洗心之家          │   1,439│     │   1,439│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │土地開発公社        │  10,000│     │  10,000│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │公共ホール管理財団     │  30,000│     │  30,000│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │地方公共団体金融機構    │  29,000│     │  29,000│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │合 計           │ 4,807,212│  10,000│ 4,817,212│ └──────────────┴─────┴─────┴─────┘                   (出典:平成25年度決算附属書類) 3 市の外郭団体に関する指針等の策定及び取組の経過について (1)はじめに  本監査で外郭団体個別の検証をする前提として、これまで市が外郭団体に関 して、どのような指針をもって、どのような取組をしてきたかを明らかにする。 (2)経過  市は、平成16年10月29日付けで経営改善指針を策定した。外郭団体の人 事給与制度、業務執行体制、自主的・自立的な経営、情報公開の推進という4 つの軸から構成される。  その後、平成20年3月、市は、外郭団体の見直しの方向性を策定した。そ こでは、13団体を次のとおり6つに分類した。 1)合併により組織体制の強化を図り、一体的かつ効果的・効率的な運営を行う 団体  「公共ホール管理財団」「教育文化振興事業団」 2)指定管理者の選考の結果により、あり方を判断する団体  「みどりのまち推進財団」 3)管理している公の施設の大規模修繕工事が終了するまでの当面は存続する 団体  「産業会館」 4)類似かつ競合する団体が他に存在するため、あり方を検討する団体  「信用保証協会」 5)自立した組織運営体制に見直して存続する団体  「国際交流協会」 6)経営改善を図り存続する団体  「にぎわいまち公社」、「観光コンベンション協会」、「学校給食会」、「シルバ ー人材センター」、「社会福祉協議会」、「社会福祉事業団」、「土地開発公社」  見直しの方向性策定を踏まえ、平成20年度、各所管課において、行動見直 し計画が策定された。  その後、平成22年2月に、平成26年度までを計画期間とする「行財政改革 大綱2010」が策定され、「行政サービスの選択と集中」の中で、外郭団体に関 しては、外郭団体の経営の健全化、公益法人制度改革への対応が挙げられた。  平成22年12月17日、市と外郭団体との間で、意見交換会が開催された。 これまでの取組状況の確認、更なる見直し、公益法人制度改革等の意見交換が 主な議題であった。  毎年度、所管課において、経営基本情報調査票(巻末資料1)のフォーマット) 及び見直し状況調査票(巻末資料2)のフォーマット)を作成し、行財政改革課 に提出している。 (3)事実関係及び指摘・意見 ア 経営改善指針の進捗状況 【事実関係】  経営改善指針に策定されている事項について、策定から10年ほど経った平 成25年度の段階で実施未了・不十分の事例が複数見受けられた。  例えば、次のものである。 1)人事給与制度では、団体独自の給与制度が掲げられているが、市職員の人事 給与制度に準じている。 2)業務執行体制では、経営責任者は原則常勤とあるも、非常勤役員しかいない。 また、役員について、任期が長期とならないようにするとあるも、任期が長期 である。 3)自主・自立的な経営では、数値目標を設定した経営改善計画を策定し、積極
    的な経営改善に取り組むとあるが、かかる計画が策定されていない。 4)情報公開の推進では、情報公開条例対象団体は、インターネットを活用する など、経営状況等の積極的な公開に努めることとあるが、インターネットの活 用状況は必ずしも十分とはいえない。 【指摘 外郭団体所管課】  市が経営改善指針を策定した以上、外郭団体が指針に従って経営をしている か否かを適時に検証すべきは当然である。その検証なき限り、指針策定の効果 は期待できない。  外郭団体所管課において、まずは、経営改善指針の存在を認識し、指針に基 づき、毎年度、外郭団体の現状を把握する、その上で、外郭団体が指針に従わ ないことに合理的な理由がない場合には、指針に基づき経営するように指導す べきである。 【意見 行財政改革課】  行財政改革課においては、時代の変化に応じて、経営改善指針自体を改定す る必要がないか、所管課及び外郭団体の意見も聞きながら、検証をすることが 望ましい。例えば、公益法人制度改革による法人の自主性が尊重される方向性 を踏まえることであるとか、経営改善指針の例外事由を明確化することなどが 考えられる。 イ 経営基本情報調査票 【事実関係】  所管課においては、毎年度、外郭団体の経営基本情報調査票を作成し、行財 政改革課に提出している。行財政改革課が外郭団体の基本情報を把握するため に作成するものとのことである。本監査が対象としている平成25年度決算分 のものは、平成26年6月1日現在の情報で作成されている。かかる経営基本 情報調査票は、ホームページ上で公開されていない。情報は、本報告書巻末資 料1)のフォーマットで整理されている。  本監査においては、かかる経営基本情報調査票の情報が正しいことを前提と して、監査を実施することを考えていたが、例えば、次のような問題が見受け られた。 1)内容が不正確 ・事業内容につき、定款の変更が反映されていないものがあった。 ・負担金の記載があったが、実施主体は別組織であり、本来記載すべきではな  かった。 ・数値に誤りがあった。 ・金融機関への返済額を債務保証という項目名の欄に記載していた。 2)情報集約の不徹底 ・委託の記載があるところ、所管課において、団体との委託契約のすべてが把  握されていなかった。 3)作成主体 ・所管課が作成すべきところ、外郭団体が作成していたケースがあった。 【指摘 該当外郭団体所管課】  経営基本情報調査票は、公表が前提の資料ではないが、行財政改革を進める にあたって、必要となることから作成する資料である。  経営基本情報調査票は、所管課の責任において、正確な情報を記載すべきで ある。 【指摘 行財政改革課】  行財政改革課は、外郭団体の所管課に対し、正確な情報を提供してもらう必 要がある。そのためには、「基本財産等」といった不明確な文言を使わないで あるとか、常勤・非常勤の区別など、外郭団体が用いる意味と異なる基準を使 わないであるとかなど、フォーマットの改善が必要である。  正確な情報が提供されるように、経営基本情報調査票を作成すべきである。 ウ 見直し状況調査票 【事実関係】  市は、平成19年度、見直しの方向性を策定し、所管課は、翌平成20年度、 見直し行動計画を策定した。そして、行財政改革課は、毎年度、所管課から、 外郭団体の見直しの状況を、見直し状況調査票という形式で提出させて確認し ている。かかる見直し状況調査票は、ホームページ上で公開されていない。情 報は、本報告書巻末資料2)のフォーマットで整理されている。しかしながら、 各団体の見直し状況調査票では、例えば、次のとおりの問題が見受けられた。 1)経営改善指針との関係  見直しを進めるに際しては、経営改善指針を意識すべきである。  しかしながら、見直し状況調査票においては、経営改善指針の記載がなく、 指針自体が平成16年度策定のものであるため、時が経過すればするほど、所 管において、指針の意識付けがなされにくいものとなっている。 2)団体との関係  見直し状況調査票は、市の観点から作成されるものではあるが、見直しをす る主体は、あくまで団体である。したがって、団体の現状や意向が重要である。  しかし、見直し状況調査票においては、団体の現状や意向について、特に記 載する欄がない。 【指摘 行財政改革課】  見直しの方向性が、経営改善指針との関係、団体の現状や意向に照らし、有 効に検討・実施される体制を構築すべきである。 【意見 行財政改革課】  行財政改革課においては、時代の変化に応じて、見直しの方向性自体を改定 する必要がないか、所管課、外郭団体の意見も聞きながら、検証をすることが 望ましい。 エ 外郭団体との意見交換の機会 【事実関係】  平成22年12月17日、行財政改革課は、市側と外郭団体側との意見交換会 を実施して、外郭団体側の意見を汲み上げる機会を設けた。  行財政改革課において、これまでの市の取り組みや、見直しの方向性を説明 した上で、各団体より意見交換があった。この際には、可能な限り公益法人を 目指すという方向性、派遣、合併協議などが議題となった。  そして、意見交換会後のフォローがなされていない事実があった。意見交換 会の際に合併協議について議題となったが、そこでの争点は公益目的事業比率 であった。この点、外郭団体側より資料提供することとなっていたが、提供さ
    れないままであった。  所管課、外郭団体との意見交換会の実施は、これまでこの一度である。 【指摘 行財政改革課】  意見交換会は、団体の意見を汲み取る、そして他の団体の情報・意見を知る ことができる貴重な機会となる。所管課と団体間、行財政改革課と所管課間だ けではなく、外郭団体全体が集まって、情報を共有し、課題を共通認識するこ とは、大変重要である。  そこで、所管課と外郭団体全体の意見交換会は、定期的に実施すべきである。  そして、意見交換会でフォローが必要なことは、必ずフォローを実施すべき である。 4 外郭団体の所管根拠について (1)一覧  岐阜市処務規則第3条及び岐阜市教育委員会事務局及び教育機関処務規則 第2条において、それぞれ、外郭団体の所管根拠を探索したところ、次のとお りであった。 ┌───────────┬───────┬──────────────────┬───┐ │   外郭団体名   │  所管課  │     分掌事務の記載      │明確 │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │全体         │行財政改革課 │(1)行財政改革の推進及び進行管理に│   │ │           │       │関すること             │   │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │土地開発公社     │管財課    │(1)財産(基金を除く)の取得、管理│   │ │           │       │及び処分並びに市有財産評価委員会に │   │ │           │       │関すること             │   │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │信用保証協会     │産業雇用課  │(12)中小企業者及び組合の融資に関す│   │ │           │       │ること               │   │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │社会福祉協議会    │福祉政策課  │(8)部内の他課の所管に属さない事項│   │ │           │       │に関すること            │   │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │社会福祉事業団    │福祉政策課  │(8)部内の他課の所管に属さない事項│   │ │           │       │に関すること            │   │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │にぎわいまち公社   │まちづくり推進│(2)まちづくりに係る施策の企画、調│   │ │           │政策課    │査及び総合調整に関すること     │   │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │産業会館       │産業雇用課  │(1)商工業の振興に関すること   │   │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │学校給食会      │学校保健課  │(5)学校給食に関すること     │   │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │みどりのまち推進財団 │公園整備課  │(4)みどりのまち推進財団に関するこ│ ○ │ │           │       │と                 │   │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │教育文化振興事業団  │教育政策課  │(16)教育文化振興事業団に関すること│ ○ │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │国際交流協会     │国際課    │(1)国際交流に関すること     │   │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │公共ホール管理財団  │産業拠点運営課│(1)商工観光施設の管理、運営及び整│   │ │           │       │備に関すること           │   │ │           ├───────┼──────────────────┼───┤ │           │男女共同参画・│(5)文化及び芸術に係る事業の企画及│   │ │           │文化課    │び調査並びに諸施策の推進に関するこ │   │ │           │       │と                 │   │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │シルバー人材センター │産業雇用課  │(10)雇用促進及び雇用対策に関するこ│   │ │           │       │と                 │   │ ├───────────┼───────┼──────────────────┼───┤ │観光コンベンション協会│観光コンベンシ│(4)観光コンベンション協会に関する│ ○ │ │           │ョン課    │こと                │   │ └───────────┴───────┴──────────────────┴───┘ (2)所管根拠の明確性 【事実関係】  上記表のとおり、規則上、所管の根拠が明確である団体は、13団体中3団 体、明確ではない団体は、10団体であった。  各所管課は、どこまで責任と権限を持って、当該外郭団体と関与すべきかに ついて、不明確であった。それゆえ、外郭団体への対応が消極的となっている 事実が窺われた。例えば、公益財団法人の監督行政庁が市ではないことを理由 に、所管課ではなく担当課にすぎないと自らを位置づけ、単なる外郭団体の窓 口的な役割しか持たないと解釈している所管課があった。  また、行財政改革課においては、外郭団体の関わりについては、あくまでも、 行財政改革の推進及び進行管理に関することという業務に関わる点にあり、外 郭団体に対して直接関与する根拠はないことから、行財政改革課自らが、各外 郭団体へ関与することができず、結局、各所管課に任せざるを得ないところも ある。その結果、所管課から提出させた書類を用いた分析や改善策の提案など が必ずしも適切にできない状態にあった。 【指摘 人事課】  所管とは、管理または管轄することをいう。  しかしながら、そもそも、処務規則上、所管根拠が明確となっている団体は、 3団体にすぎない。所管根拠が明確でなければ、所管課において、外郭団体を 適切に管理または管轄することの意識付けが困難となる。  市の条例・規則上、外郭団体の位置付けが明確ではないが、そのことに加え、 所管の不明確さが、本監査で、見受けられた問題点の大きな原因となっている と考えられる。  まずは、最低限のことであるが、早急に、外郭団体の所管根拠(行財政改革 課も含む)を、岐阜市処務規則第3条並びに岐阜市教育委員会事務局及び教育 機関処務規則第2条に、全て明確に規定すべきである。 (3)所管課が複数であること 【事実関係】  公共ホール管理財団は、所管課が2課あり、かつ、その2課は、商工観光部、 市民参画部にそれぞれ属し、機構図上、全く別の組織に位置づけられているも
    のである。この点、本監査においては、産業拠点運営課が所管課ということを 述べており、そのような認識であるがゆえ、外郭団体という組織を軸とみた場 合、所管課間の連携が図れていない実態があった。 【指摘 産業拠点運営課、男女共同参画・文化課】  責任所在の明確化の観点から、所管課は、1団体につき1つとすべきである。  公共ホール管理財団においては、産業拠点運営課及び男女共同参画・文化課 にて協議の上、所管にふさわしい課を1つ選択すべきである。 5 人的関与について (1)はじめに  市は、人的には、外郭団体に対して、現職職員を役職員、あるいは、常議員 として派遣・併任させたり、市の退職職員(以下、「OB」と表現する)を、 役職員として紹介したりしている。平成26年3月31日における、外郭団体に 対する人的関与の一覧は、次のとおりである。  なお、OBは、市が団体に紹介していない者も含む。  数値は市から提供されたものである。 ┌───────┐ │人的関与一覧表│ └───────┘                          (平成26年3月31日現在) ┌───────────┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │団体名        │職員   │理事   │監事   │評議員  │ │           ├──┬──┼──┬──┼──┬──┼──┬──┤ │           │現職│OB│現職│OB│現職│OB│現職│OB│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │土地開発公社     │  3│  1│ 10│  1│  1│  0│ -│ -│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │信用保証協会     │  0│  1│  1│  1│  0│  0│ -│ -│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │社会福祉協議会    │  0│  1│  1│  1│  1│  0│  3│  0│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │社会福祉事業団    │  0│ 12│  0│  2│  0│  2│  0│  4│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │にぎわいまち公社   │  4│  3│  0│  1│  0│  1│  1│  0│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │産業会館       │  0│  0│  2│  1│  1│  0│  0│  1│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │学校給食会      │  0│  1│  1│  0│  0│  0│  1│  1│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │みどりのまち推進財団 │  0│  3│  2│  3│  1│  0│  0│  0│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │教育文化振興事業団  │  0│ 35│  2│  2│  0│  1│  2│  1│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │国際交流協会     │ 12│  0│  2│  0│  2│  0│  0│  0│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │公共ホール管理財団  │  0│  9│  0│  4│  1│  0│  0│  0│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │シルバー人材センター │  0│  0│  0│  3│  0│  0│ -│ -│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │観光コンベンション協会│  3│  1│  1│  1│  1│  0│  1│  0│ ├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │合計         │ 22│ 67│ 22│ 20│  8│  4│  8│  7│ └───────────┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┘ (2)現職職員  地方公共団体の職員には、法律又は条例に特別の定めがある場合を除く外、 その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該 地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならないとし て(地方公務員法第35条)、地方公共団体の本来の業務に専念する義務、いわ ゆる、職務専念義務がある。  市の現職職員が外郭団体の業務に従事する形態は、退職や休職などを除き、 以下のものがある。 ┌─┬────┬─────────────────────────┬──────┐ │ │従事区分│従事根拠                     │給与の支給 │ │ │    │                         │      │ ├─┼────┼─────────────────────────┼──────┤ │1)│併任  │「職務に専念する義務の特例に関する条例」(以下「免│市     │ │ │    │除条例」という)に基づく免除           │      │ ├─┼────┼─────────────────────────┼──────┤ │2)│派遣  │「公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に  │派遣先   │ │ │    │関する法律」(以下「派遣法」という)に基づく派遣 │例外的に市 │ └─┴────┴─────────────────────────┴──────┘ ア 免除条例に基づく場合(1)) 【事実関係】  免除条例(第2条)は、職務専念義務を免除することができる事由として、 以下の3つを規定している。 ┌─────────────────────────────┐ │1)研修を受ける場合(1号)                │ │2)厚生に関する計画の実施に参加する場合(2号)      │ │3)前各号に規定する場合を除く外任命権者が定める場合(3号)│ │                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    │ └─────────────────────────────┘  他の地方公共団体では、免除条例の施行規則を設け、同条例第2条第3号の 規定により職務に専念する義務を免除される場合を具体的に規定することが ある。  職務専念義務が免除された職員に対し、その勤務しなかった時間について給 与を支給するかどうかは、法律等に規定がある場合を除いて、条例の定めると ころにより(地方公務員法第24条第6項)、「岐阜市職員の給与に関する条例」 (第16条)は、職員が勤務しないときは、勤務しないことにつき特に承認が                     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ あった場合を除き、給与額を減額するものとしている。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  すなわち、免除条例に基づいて、市の職員を外郭団体の業務に従事させるた
    めには、職務専念義務の免除及び勤務しないことについての承認が必要となる。 【意見 人事課】  免除は、地方公務員法第35条の例外であり、例外規定は明確にした方がよ い。そこで、免除条例第2条第3号の「任命権者が定める場合」を具体化すべ く、施行規則を設けることが望ましい。 イ 派遣法に基づく職員派遣の場合(2))  派遣法は、一般財団法人等の団体のうち、その業務の全部又は一部が地方公                      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 共団体の事務又は事業と密接な関連を有するものであり、かつ、地方公共団体  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ がその施策の推進を図るため人的援助を行うことが必要であるものとして条  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 例で定めるもの(以下「公益的法人等」という。)との間の取決めに基づき、  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 当該公益的法人等の業務にその役職員として専ら従事させるため、条例で定め るところにより、職員(条例で定める職員を除く。)を派遣することができる としている(第2条第1項)。これを受けて、派遣条例は、市が基本金等の2 分の1以上を出資している等の公益的法人等のうち規則で定めるものに職員 を派遣することができるとしており(第2条第1項)、「派遣規則は、職員を派 遣することができる公益的法人等として、観光コンベンション協会、にぎわい まち公社、一般財団法人救急振興財団の3法人を規定している。  また、派遣法は、当該地方公共団体は、派遣職員に対して、その職員派遣の 期間中、給与を支給しないことを原則とし(第6条第1項)、派遣職員が派遣                              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 先団体において従事する業務が地方公共団体の委託を受けて行う業務、地方公  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 共団体と共同して行う業務若しくは地方公共団体の事務若しくは事業を補完  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ し若しくは支援すると認められる業務であってその実施により地方公共団体  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ の事務若しくは事業の効率的若しくは効果的な実施が図られると認められる  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ものである場合又はこれらの業務が派遣先団体の主たる業務である場合には、  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 派遣職員に対して、その職員派遣の期間中、条例で定めるところにより、給与 を支給することができるとしている(同条第2項)。これを受けて、派遣条例 は、同法第6条第2項に規定する業務に従事する職員に対して、その職員の派 遣の期間中、給料、扶養手当、地域手当、住居手当及び期末手当のそれぞれ 100分の100以内を支給することができるとしている(第4条)。 【事実関係1)】  平成25年度、市は、まちづくり推進政策課の4名の職員を、1年間の派遣 期間で、にぎわいまち公社に派遣している。また、観光コンベンション課の3 名の職員を、1年間の派遣期間で、観光コンベンション協会に派遣している。  しかし、職員を派遣することができる公益的法人等の要件として法が定めて いる、その業務の全部又は一部が市の事務又は事業と密接な関連を有するもの であり、かつ、市がその施策の推進を図るため人的援助を行うことが必要であ るものに、にぎわいまち公社及び観光コンベンション協会が該当することにつ いては、その根拠を記した資料を作成していない。  また、市は、当該派遣職員に対して給料等を支給している。しかし、派遣職 員に市が給与を支給することができる例外要件として法が定めている、派遣職 員がにぎわいまち公社及び観光コンベンション協会において従事する業務が 市の委託を受けて行う業務、市と共同して行う業務若しくは市の事務若しくは 事業を補完し若しくは支援すると認められる業務であってその実施により市 の事務若しくは事業の効率的若しくは効果的な実施が図られると認められる ものである場合又はこれらの業務がにぎわいまち公社及び観光コンベンショ ン協会の主たる業務である場合に該当することについて、その根拠を記した資 料を作成していない。 【指摘 観光コンベンション課、まちづくり推進政策課】 職員の派遣は、地方自治法第35条の職務専念義務に対する例外である。  派遣の適法性を担保するため、その根拠を記した資料を残しておくべきであ る。また、市が派遣職員の給与を支給するのは、あくまで例外であることから、 支給の適法性を担保するため、その根拠を記した資料を残しておくべきである。  特に、にぎわいまち公社は、一般財団法人であることから、公益財団法人で ある観光コンベンション協会と比較しても必要性の高い検証作業である。 【事実関係2)】  ヒアリングによれば、派遣の手続きとしては、にぎわいまち公社及び観光コ ンベンション協会が市に対して派遣を依頼し、まちづくり推進政策課及び観光 コンベンション課が人選の上、人事課が人事異動の一環として決定するとのこ とであったが、その手続きを定めた規程は作成されておらず、その過程を記し た資料もない。 【意見 人事課】  法や条例の定める要件を充足することの確認をするため、派遣の手続きを規 定した規則や要綱などを定め、適正な手続きを履践したことを記した資料を作 成することが望ましい。 (3)職員OB  外郭団体は、市職員OBを役員・評議員とし、あるいは、職員として雇用して いる。  雇用の流れは、2通りある。市が関与する場合と市が関与しない場合(団体 と職員OBの直接のやりとり)である。平成25年度において、市が雇用に関 与する場合の流れは、次のとおりである。 ┌────────────────────────────────────────┐ │ 市より、外郭団体の長宛てに再就職に関する調査依頼を実施(平成25年9月27日)  │ │  ↓                                     │ │ 外郭団体より、回答。調査票の来年度配置欄において、新規及び入替とした職員の後任│ │の紹介依頼。                                  │ │  ↓                                     │ │ 市より、外郭団体の長宛てに、職員の紹介(通知)。               │ │ 市は、再就職を希望する者を紹介する。期限は最高3年までとされており、離職等する│ │場合は、人事課長まで報告することを求めている。                 │ └────────────────────────────────────────┘  市が再就職に関与する場合については、平成24年度退職職員分より、氏名、
    退職時所属及び役職、再就職先(外郭団体以外も含む)、役職・配属先等、再 就職年月日が公表されている。  人事課によれば、平成28年4月1日の改正地方公務員法の施行に伴い、退 職管理の適正の確保について、元職員による働きかけの禁止、退職管理の適正 を確保するための措置、再就職情報の届出などに対応していくとのことである。 6 財政支出について (1)一覧  市は、財源的には、外郭団体に対し、出資金の出資や基金の出えんをしてい るほか、毎年度、指定管理料や委託料、補助金・負担金等の支出をしている。  平成25年度決算より、市の外郭団体に対する財政支出の一覧は、次のとお りである。指定管理などの財政支出を検証する前提の数値として紹介する。 ┌────────────┐ │平成25年度財政支出一覧表│ └────────────┘                                  (単位:千円) ┌───────────┬─────┬────┬────┬────┬─────┐ │    団体名    │指定管理料│ 委託 │補助金・│その他 │ 合計  │ │           │     │    │負担金 │    │     │ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │土地開発公社     │    -│   -│   -│ 12,258│  12,258│ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │信用保証協会     │    -│   -│   -│ 10,000│  10,000│ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │社会福祉協議会    │  13,595│ 84,892│ 95,013│ 24,196│  217,696│ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │社会福祉事業団    │  296,303│ 68,182│   -│ 70,056│  434,541│ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │にぎわいまち公社   │  115,332│ 77,165│ 13,000│   -│  205,497│ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │産業会館       │  62,151│   -│  1,377│   -│  63,528│ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │学校給食会      │    -│   -│  7,150│ 20,000│  27,150│ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │みどりのまち推進財団 │  118,321│ 55,991│  2,273│   100│  176,685│ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │教育文化振興事業団  │  700,506│ 108,480│   -│   -│  808,986│ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │国際交流協会     │    -│  4,437│   240│   -│   4,677│ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │公共ホール管理財団  │  374,748│  1,400│   -│   -│  376,148│ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │シルバー人材センター │  54,839│ 132,462│ 10,945│  2,248│  200,494│ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │観光コンベンション協会│    -│  7,956│ 54,300│   -│  62,256│ ├───────────┼─────┼────┼────┼────┼─────┤ │合計         │ 1,735,795│ 540,965│ 184,298│ 138,858│ 2,599,916│ └───────────┴─────┴────┴────┴────┴─────┘ (注)合計は、項目ごとに千円未満を切り捨てた額の合計額 (2)財務分析  市の各外郭団体について、1)市からの収入依存度、2)人件費比率、3)自己資 本比率、4)流動比率の4つの指標を用いて分析する。 1)市からの収入依存度(自立性の指標)  外郭団体はそれぞれ独立した一つの法人であり、本来であれば当然自立的な 経営を求められるのであるが、その事業内容から自治体との結びつきが強く、 経営上は、少なからず補助金、負担金、委託費などに頼らざるを得ないという のも現実である。一方で、外郭団体を取り巻く社会的状況が変化し、市をはじ め、全国の各自治体において、その自立性、自主性の強化に取り組んでおり、 その成果を判断する一つの指標として用いられるのが、この収入依存度という 指標である。 市からの収入依存度(%)=市の補助金、負担金、委託費などの合計÷収入合計×100 ┌─────┐ │上位5団体│ └─────┘ 1)教育文化振興事業団、2)にぎわいまち公社、3)みどりのまち推進財団、4)観 光コンベンション協会、5)公共ホール管理財団 ※2)にぎわいまち公社と3)みどりのまち推進財団は、グラフ上91.0%で同率 であるが、小数点以下を比較すると2)にぎわいまち公社の方が高いので、上記 順位とした。  上位の団体は基本的に市の事業の指定管理者となっており、その指定管理料 収入が収入合計に占める割合が大きくなっている。  本来指定管理者制度は、広く民間事業者のノウハウを活かし、効率化を図る とともにサービスを向上せることが目的となっているが、反面、事業内容の特 殊性や不採算性から、結果的に外郭団体が指定管理者になっている場合も少な くなく、市も同様である。なお、観光コンベンション協会は、指定管理者では ないが、市からの観光事業に対する負担金の割合が大きくなっている。 2)人件費比率(効率性の指標)  外郭団体は自治体からの天下り先ではないかと見られることがあり、そこで どれだけの人件費が支払われているかは、市民の行政に対する関心事の一つと 考えられる。そのため、市においても、各団体における給与制度の適正化を図 るため、規程の整備や改定を進めており、その成果を判断する一つの指標とし て用いられるのが、この人件費比率という指標である。 人件費比率(%)=給与、法定福利費、福利厚生費などの人件費合計÷支出合計×100 ┌─────┐ │上位5団体│ └─────┘ 1)社会福祉協議会、2)社会福祉事業団、3)みどりのまち推進財団、4)教育文化
    振興事業団、5)にぎわいまち公社  上位の外郭団体については、人に依存しなければならない事業を行っている ため、人件費の割合が大きくなっている。やむを得ない部分もあるが、今後も 業務改善を継続的に実施するとともに、社会環境や経営状況に合った給与規程 を整備し、運用していくことで、人件費の適正化に努めて頂きたい。 (注)公共ホール管理財団は、決算書上支出科目が事業ごとにまとめられて細 分化されていないため、人件費が集計できず、人件費比率が算出できない。 3)自己資本比率、4)流動比率(ともに財務安全性の指標)  地方公共団体の財政の健全化に関する法律(「財政健全化法」)においては、 自治体の財政の健全化判断に際し、外郭団体の負債額等のうち実質的に自治体 が負担することが見込まれるものも計算に入れることとされており、外郭団体 の財務状況も健全でなければならない。その判断指標として考えられるのが、 自己資本比率及び流動比率である。  自己資本比率(%)=正味財産合計÷総資産×100 ┌───────────┐ │自己資本比率上位5団体│ └───────────┘ 1)国際交流協会、2)観光コンベンション協会、3)みどりのまち推進財団、4)社 会福祉協議会、5)にぎわいまち公社  自己資本比率が高い外郭団体の特徴は、事業規模に比べ市からの出資額が大 きいことである。確かに、それを運用した結果得られる運用益等で支出を賄う という考え方も間違ってはいないが、リスクをとらないとリターンが見込めな い現在の日本経済においては、そのような経営は期待できない。今回の包括外 部監査の結果を受け、再度、外郭団体への出資額の見直しを行うことが必要で あると考える。  流動比率(%)=流動資産合計÷流動負債合計×100 ┌─────────┐ │流動比率上位5団体│ └─────────┘ 1)土地開発公社、2)社会福祉事業団、3)社会福祉協議会、4)国際交流協会、5) 観光コンベンション協会  上位の外郭団体のうち、土地開発公社は流動比率が高くなっているが、これ は公有用地が流動資産に計上されている一方で、取得資金は固定負債の長期借 入金で計上されているためである。公有用地は流動資産に区分されるが、流動 性は決して高くないため、実質的には流動性比率は低く、むしろ借入金の依存 度が高いため、市の援助なしには経営が成り立たないと考えられる。  その他の外郭団体は、普通預金残高が未払金等流動負債に比べ大きくなって いる。自助努力による結果と考えられるが、一方で市からは補助金、負担金、 委託料なども支払われているため、その支払額が妥当でないのではと誤解され る可能性もある。普通預金が毎年膨れ上がることを避けるためにも、例えば、 資金繰り上問題のない程度で普通預金を定期預金や債券といった安全資産に よる運用で有効に活用するなど、流動資産の規模について検討することが望ま れる。 (注)土地開発公社については、流動比率が402,514.6%となっている。     また、信用保証協会は、会計上、流動固定分類がないため、流動比率    の算出はできない。 7 指定管理について (1)平成25年度の指定管理施設と外郭団体  平成25年度現在、市においては、100の指定管理施設が存在するが、この 内、53施設は、外郭団体が単独で、あるいは、コンソーシアム(複数の法人・ 団体により構成する企業連合等)により、指定管理者となっている。市の指定 管理施設の半数以上は、外郭団体が指定管理者ということになる。13団体中 8団体が指定管理料を受領しており、指定管理料の合計は、年間17億円を超 える ┌──────────────┐ │平成25年度指定管理施設一覧表│ └──────────────┘                                 (出典:行財政改革課) ┌──┬────────────┬────────────┬────────┬───┐ │番 │施設名称        │指定管理者       │所管部課名   │公  │ │号 │            │(平成25年度時点)   │        │募・非│ │  │            │            │        │公募 │ │  │            │            │        │の別 │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │1  │岐阜産業会館      │産業会館        │商工観光部   │非公 │ │  │            │            │産業雇用課   │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │2  │サンライフ岐阜(岐阜市 │株式会社技研サービス  │商工観光部   │公募 │ │  │勤労者ふれあいセンタ  │            │産業拠点運営課 │   │ │  │ー)          │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │3  │岐阜市勤労会館     │岐阜地区労働組合協議会 │商工観光部   │公募 │ │  │            │            │産業拠点運営課 │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │4  │長良川国際会議場    │トリニティぎふ(代表構成│商工観光部   │公募 │ │  │            │員:公共ホール管理財団)│産業拠点運営課 │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │5  │じゅうろくプラザ(岐阜 │T・H・Bファシリティズ│商工観光部   │公募 │ │  │市文化産業交流センタ  │(代表構成員 ハヤック │産業拠点運営課 │   │ │  │ー)          │ス株式会社)      │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │6  │長良川うかいミュージア │トリニティうかいミュー │        │公募 │ │  │ム(岐阜市長良川鵜飼伝 │ジアム(代表構成員:株式│商工観光部   │   │
    │  │承館)         │会社コングレ 構成員:公│産業拠点運営課 │   │ │  │            │共ホール管理財団)   │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │7  │岐阜市道の駅柳津交流セ │有限会社アミカル柳津  │商工観光部   │公募 │ │  │ンター         │            │産業拠点運営課 │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │8  │ながら川ふれあいの森  │株式会社遠藤造林    │農林部     │公募 │ │  │            │            │農林園芸課   │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │9  │岐阜市健康ふれあい農園 │ぎふ農業協同組合    │農林部     │公募 │ │  │            │            │農林園芸課   │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │10 │岐阜市民福祉活動センタ │社会福祉協議会     │福祉部     │公募 │ │  │ー(会議室)      │            │福祉政策課   │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │11 │みやこ園        │社会福祉事業団     │福祉部     │非公 │ │  │            │            │障がい福祉課  │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │12 │白杖園         │一般社団法人 岐阜県視 │福祉部     │非公 │ │  │            │覚障害者福祉協会    │障がい福祉課  │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │13 │障害者生活支援センター │岐阜市身体障害者福祉協 │福祉部     │非公 │ │  │            │会           │障害福祉課   │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │14 │みやこ老人センター   │社会福祉事業団     │福祉部     │公募 │ ├──┼────────────┤            │高齢福祉課   │   │ │15 │みやこ老人センター(会 │            │        │   │ │  │議室)         │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │16 │ふれあいの館「白山」(高│シルバー人材センター  │福祉部     │公募 │ │  │齢者交流センター)   │            │高齢福祉課   │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │17 │ふれあいの館「白山」(会│            │        │   │ │  │議室)         │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │18 │三田洞神仏温泉     │株式会社三和サービス  │福祉部     │公募 │ │  │            │            │高齢福祉課   │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │19 │三楽園(老人福祉センタ │社会福祉事業団     │福祉部     │公募 │ │  │ー)          │            │高齢福祉課   │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │20 │西部福祉会館(老人福祉 │社会福祉事業団     │福祉部     │公募 │ │  │センター)       │            │高齢福祉課   │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │21 │友楽園(老人福祉センタ │特定非営利活動法人わい │福祉部     │公募 │ │  │ー)          │わいハウス金華     │高齢福祉課   │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │22 │和楽園(老人福祉センタ │社会福祉事業団     │福祉部     │公募 │ │  │ー)          │            │高齢福祉課   │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │23 │柳津高齢者福祉センター │社会福祉事業団     │福祉部     │公募 │ │  │            │            │高齢福祉課   │   │ ├──┼────────────┤            ├────────┤   │ │24 │柳津児童館       │            │福祉部     │   │ │  │            │            │子ども家庭課  │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │25 │加納児童センター    │社会福祉法人和光会   │福祉部     │公募 │ │  │            │            │子ども家庭課  │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │26 │黒野児童館       │社会福祉事業団     │福祉部     │公募 │ │  │            │            │子ども家庭課  │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │27 │西児童センター     │社会福祉事業団     │福祉部     │公募 │ │  │            │            │子ども家庭課  │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │28 │日光児童センター    │社会福祉事業団     │福祉部     │公募 │ │  │            │            │子ども家庭課  │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │29 │梅林児童館       │社会福祉法人和光会   │福祉部     │公募 │ │  │            │            │子ども家庭課  │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │30 │東児童センター     │社会福祉事業団     │福祉部     │公募 │ │  │            │            │子ども家庭課  │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │31 │本郷児童センター    │社会福祉事業団     │福祉部     │公募 │ │  │            │            │子ども家庭課  │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │32 │岩野田児童センター   │社会福祉法人中部学院福 │福祉部     │公募 │ │  │            │祉会          │子ども家庭課  │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │33 │長森児童センター    │社会福祉事業団     │福祉部     │公募 │ │  │            │            │子ども家庭課  │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │34 │長良児童センター    │社会福祉法人日本児童育 │福祉部     │公募 │ │  │            │成園          │子ども家庭課  │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │35 │サンフレンド・うずら児 │社会福祉事業団     │福祉部     │非公 │ │  │童センター       │            │子ども家庭課  │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │36 │サンフレンド・みわ児童 │社会福祉事業団     │福祉部     │非公 │ │  │センター        │            │子ども家庭課  │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │37 │リフレ芥見       │株式会社三和サービス  │環境事業部   │公募 │ │  │            │            │東部クリーンセン│   │ │  │            │            │ター      │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │38 │プラザ掛洞(余熱利用施 │株式会社技研サービス  │環境事業部   │公募 │ │  │設)          │            │掛洞プラント  │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │39 │岐阜市金公園地下駐車場 │岐阜コニックス株式会社 │都市建設部   │公募 │
    │  │            │            │都市計画課   │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │40 │岐阜市駅西駐車場    │にぎわいまち公社    │        │公募 │ ├──┼────────────┤            │都市建設部   │   │ │41 │岐阜シティ・タワー43地 │            │都市計画課   │   │ │  │下駐車場        │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │42 │長良公園        │長良公園ホールディング │都市建設部   │公募 │ │  │            │ス(代表構成員:株式会社│公園整備課   │   │ │  │            │岐阜造園)       │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │43 │岐阜ファミリーパーク  │みどりのまち推進財団  │都市建設部   │公募 │ │  │            │            │公園整備課   │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │44 │福光中央公園      │昭和コンクリート工業株 │都市建設部   │公募 │ ├──┼────────────┤式会社         │公園整備課   │   │ │45 │八ツ草公園       │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │46 │早田西公園       │みどりのまち推進財団  │        │公募 │ ├──┼────────────┤            │都市建設部   │   │ │47 │木ノ下公園       │            │公園整備課   │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │48 │野一色公園       │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │49 │境川緑道公園      │境川緑道公園管理運営企 │都市建設部   │公募 │ │  │            │業体(代表構成員:吉村造│公園整備課   │   │ │  │            │園土木株式会社)    │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │50 │北西部運動公園     │昭和造園土木株式会社  │都市建設部   │公募 │ │  │            │            │公園整備課   │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │51 │畜産センター公園    │昭和造園土木株式会社  │都市建設部   │公募 │ │  │            │            │公園整備課   │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │52 │岐阜駅西自転車駐車場  │岐阜コニックス株式会社 │基盤整備部   │公募 │ ├──┼────────────┤            │土木管理課   │   │ │53 │岐阜駅東自転車駐車場  │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │54 │清住町自転車駐車場   │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │55 │新岐阜駅自転車駐車場  │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │56 │名鉄岐阜駅東自転車駐車 │            │        │   │ │  │場           │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │57 │西岐阜駅北1自転車駐車  │シルバー人材センター  │        │公募 │ │  │場           │            │        │(平 │ ├──┼────────────┤            │        │成26 │ │58 │西岐阜駅北2自転車駐車  │            │        │年度 │ │  │場           │            │基盤整備部   │から │ ├──┼────────────┤            │土木管理課   │は非 │ │59 │西岐阜駅南1自転車駐車  │            │        │公募)│ │  │場           │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │60 │西岐阜駅南2自転車駐車  │            │        │   │ │  │場           │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │61 │岐阜市市橋コミュニティ │岐阜市市橋コミュニティ │市民参画部   │非公 │ │  │センター        │センター運営委員会   │市民協働推進課 │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │62 │岐阜市西部コミュニティ │岐阜市西部コミュニティ │        │非公 │ │  │センター        │センター運営委員会   │市民参画部   │募  │ ├──┼────────────┤            │市民協働推進課 │   │ │63 │交楽園(老人福祉センタ │            │        │   │ │  │ー)          │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │64 │岐阜市東部コミュニティ │岐阜市東部コミュニティ │市民参画部   │非公 │ │  │センター        │センター運営委員会   │市民協働推進課 │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │65 │岐阜市長森コミュニティ │岐阜市長森コミュニティ │市民参画部   │非公 │ │  │センター        │センター運営委員会   │市民協働推進課 │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │66 │岐阜市南部コミュニティ │岐阜市南部コミュニティ │        │非公 │ │  │センター        │センター運営委員会   │市民参画部   │募  │ ├──┼────────────┤            │市民協働推進課 │   │ │67 │陽楽園(老人福祉センタ │            │        │   │ │  │ー)          │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │68 │岐阜市日光コミュニティ │岐阜市日光コミュニティ │市民参画部   │非公 │ │  │センター        │センター運営委員会   │市民協働推進課 │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │69 │岐阜市北部コミュニティ │岐阜市北部コミュニティ │        │非公 │ │  │センター        │センター運営委員会   │市民参画部   │募  │ ├──┼────────────┤            │市民協働推進課 │   │ │70 │長寿園(老人福祉センタ │            │        │   │ │  │ー)          │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │71 │岐阜市北東部コミュニテ │岐阜市北東部コミュニテ │市民参画部   │非公 │ │  │ィセンター       │ィセンター運営委員会  │市民協働推進課 │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │72 │岐阜市生涯学習/女性   │教育文化振興事業団   │市民参画部   │非公 │ │  │センター        │            │市民協働推進課 │募  │ │  │            │            ├────────┤   │ │  │            │            │市民参画部   │   │ │  │            │            │男女共同参画・文│   │ │  │            │            │化課      │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │73 │岐阜市文化センター   │公共ホール管理財団   │市民参画部   │非公 │ ├──┼────────────┤            │男女共同参画・文│募  │ │74 │岐阜市民会館      │            │化課      │   │
    │  │            │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │75 │岐阜市少年自然の家   │教育文化振興事業団   │教育委員会事務局│非公 │ │  │            │            │青少年教育課  │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │76 │岐阜市体育ルーム    │教育文化振興事業団   │教育委員会事務局│非公 │ │  │            │            │市民体育課   │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │77 │厚八運動場       │岐阜県羽島郡岐南町   │教育委員会事務局│非公 │ │  │            │            │市民体育課   │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │78 │岐阜市北青少年会館   │教育文化振興事業団   │教育委員会事務局│公募 │ ├──┼────────────┤            │青少年教育課  │   │ │79 │岐阜市西部福祉会館青少 │            │        │   │ │  │年ルーム        │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │80 │岐阜市東青少年会館   │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │81 │岐阜市青山青少年会館  │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │82 │ドリームシアター岐阜  │教育文化振興事業団   │教育委員会事務局│非公 │ │  │            │            │青少年教育課  │募  │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │83 │南部市民プール     │教育文化振興事業団   │教育委員会事務局│公募 │ ├──┼────────────┤            │市民体育課   │   │ │84 │北部市民プール     │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │85 │本荘市民プール     │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │86 │岐阜市民総合体育館   │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │87 │岐阜市岐陽体育館    │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │88 │岐阜市北西部体育館   │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │89 │岐阜市西部体育館    │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │90 │岐阜市東部体育館    │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │91 │岐阜市南部スポーツセン │            │        │   │ │  │ター          │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │92 │岐阜ファミリーパーク体 │            │        │   │ │  │育館          │            │        │   │ ├──┼────────────┤            │        │   │ │93 │岐阜市北部体育館    │            │        │   │ ├──┼────────────┼────────────┼────────┼───┤ │94 │北塚会館        │北塚会館管理運営委員会 │柳津地域振興事務│非公 │ │  │            │            │所       │募  │ ├──┼────────────┼────────────┤地域振興総務課 ├───┤ │95 │本郷会館        │本郷会館管理運営委員会 │        │非公 │ │  │            │            │        │募  │ ├──┼────────────┼────────────┤        ├───┤ │96 │南塚会館        │南塚会館管理運営委員会 │        │非公 │ │  │            │            │        │募  │ ├──┼────────────┼────────────┤        ├───┤ │97 │東栄会館        │東栄会館管理運営委員会 │        │非公 │ │  │            │            │        │募  │ ├──┼────────────┼────────────┤        ├───┤ │98 │宮下コミュニティ会館  │宮下コミュニティ会館管 │        │非公 │ │  │            │理運営委員会      │        │募  │ ├──┼────────────┼────────────┤        ├───┤ │99 │宮上ふれあい会館    │宮上ふれあい会館管理運 │        │非公 │ │  │            │営委員会        │        │募  │ ├──┼────────────┼────────────┤        ├───┤ │100 │高桑コミュニティ会館  │高桑コミュニティ会館管 │        │非公 │ │  │            │理運営委員会      │        │募  │ └──┴────────────┴────────────┴────────┴───┘ (2)市の指定管理に関する指針等の策定及び取組の経過  指定管理者制度は、平成15年改正地方自治法第244条の2において制定さ れた制度である。公の施設の管理主体を民間事業者まで拡げることで住民サー ビスの向上、行政コストの削減を図ることを目的とする。行政コストの削減が 着目されがちであるが、住民サービスの向上という目的との両立が必要である。 市においては、平成17年3月に岐阜市指定管理者制度基本方針(以下、「基本 方針」という)を策定し、平成18年4月より、市が直接管理していた公の施 設や管理委託を行っていた公の施設につき、指定管理者制度に本格的に移行し た。  平成24年4月には、岐阜市指定管理者制度事務取扱要領(以下「事務取扱 要領」という)及び指定管理者制度導入施設のモニタリング指針(以下「モニ タリング指針」という)を制定した。  市は、指定管理者制度導入施設を所管する部において、指定管理者制度に関 する部内での指導や調整等を行う指定管理者制度推進リーダーを選任すると ともに、各部のリーダーと行財政改革課による会議を適宜開催し連携を図るこ とで、制度の適切な運用に努めているとのことである。 (3)指定管理者制度に係る事務の流れ  基本方針によれば、次のとおりである。 ┌───────────────────┐ │1)設置条例の制定及び改正       │ │2)指定管理者の募集          │ │3)指定管理者申請の受付        │ │4)審査・選定             │ │5)選定結果の通知           │ │6)指定議案及び債務負担行為予算案の議決│ │7)指定の通知・告示・協定書の締結   │ │8)事務引継              │ │9)管理運営開始後のモニタリング    │ └───────────────────┘ (4)本監査の視点
     指定管理者制度制定の経緯からすれば、外郭団体と指定管理者制度は密接に 関連する。すなわち、制度制定前の管理委託を担っていたのが外郭団体である が、指定管理者制度は、従前、外郭団体に委ねられていた公の施設の管理につ いて、民間事業者まで拡げることで、住民サービスの向上と行政コストの削減 を図るという目的で導入された制度である。しかしながら、現在でも、市にお いては、半数以上の施設にて、外郭団体が指定管理者である。特に、外郭団体 が指定管理者である場合、かかる制度の導入経過・目的に照らして、適切なも のといえるかの検証が必要である。そこで、外郭団体が指定管理者となってい る施設に係る書類確認をするほか、施設の現地調査を実施した。 (5)事実関係及び指摘・意見 ア 導入について 【事実関係】  地方自治法第244条の2第3項によれば、指定管理者制度は、「公の施設の 設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるとき」に、条例を定め るところにより、導入できる。ここに、「公の施設の設置の目的を効果的に達 成するため必要があると認めるとき」とは、地方公共団体が自ら管理するより も一層向上したサービスを住民が享受することとなり、ひいては住民の福祉が さらに増進されることとなる場合をいう(新版 逐条自治法第7次改訂版 松 本英昭著 学陽書房 1041頁)。  この点、市は、指定管理者制度を導入した施設につき、導入効果の検証を行 ったことを示す資料を残していなかった。 【指摘 指定管理施設所管課】  導入効果の検証が十分になされなければ、市直営と指定管理者制度のいずれ が施設の設置目的を達成できるかということを判断することはできないはず である。導入効果の検証は極めて重要である。  しかしながら、市において、資料がなく、資料が残されていなければ、客観 的にみて、導入効果の検証を行ったかどうかも分からない。  現在導入の各施設については、指定管理者制度導入前に要した経費と導入後 の指定管理料を含む経費の比較など経費削減の効果や、アンケートや業者提案 など利用者サービスが向上しているかという観点から、指定管理者制度の導入 効果を検証した上で、指定管理者制度導入によって、本施設の設置目的が効果 的に達成できているかを判断すべきである。  導入前の施設においては、これまでの市の直営の状況との比較において、指 定管理者制度導入によって、本施設の設置目的が効果的に達成できるかを判断 すべきである。 イ 募集について (ア)公募・非公募 【事実関係】  基本方針(平成25年4月改訂)では、公募・非公募の考え方について、以 下のとおり、記載されている。 ┌──────────────────────────────────────────┐ │ 指定管理者の選定に関しては、「民間のノウハウの導入により住民ニーズの効率的かつ効 │ │果的な実現が期待できる施設については、その円滑な管理運営を行うことができる団体を  │ │公募のうえ選定」を原則としますが、下記項目のいずれかに該当する場合にあっては、例  │ │外的措置として公募によらないことができます。                    │ │(ア)次に掲げる施設に該当する場合                         │ │(a)地域コミュニティの醸成、市民活動の促進等を図るために、主に地域の住民で構成  │ │  される団体により管理運営することが適当であると認められる施設          │ │(b)管理運営にあたり、「高度な専門性」、「ノウハウ」の観点から特定の団体が継続又は│ │  当面行う必要がある施設                             │ │(c)複合施設等で、公募しない他の施設と一体的管理をすることが合理的な施設     │ │(d)岐阜市域外に設置されている施設で、施設がある地元の地方公共団体を指定管理者  │ │  とする施設                                   │ │(e)公募により募集をしたが応募者が無かった場合、又は応募者が募集要項に定める水  │ │  準に達していないと認められた場合、指定の取消しがあった場合等、緊急に指定管理  │ │  者を指定する必要がある場合                           │ │(f)施設の老朽化その他特段の事情により公募することが相応しくない施設       │ │(イ)特定の団体を指定していることについて、市の政策的な方針に照らし合理的理由が  │ │  ある場合                                    │ │*ただし、公募によらない場合においても、以下の点について留意するものとする。    │ │  1)民間事業者等他の団体の参加を制限することから、非公募とする必要性や他への影  │ │   響等について十分に検証すること                        │ │  2)指定管理者制度の導入の目的である住民サービスの向上を妨げないよう、指定管理  │ │   者に指定しようとする団体の施設管理運営能力等を十分に検証すること       │ └──────────────────────────────────────────┘  また、ホームページ上では、非公募となっている理由として、以下のとおり、 記載されている。 ┌────────┐ │非公募の判断基準│ └────────┘ ┌──────────────────────────────────────────┐ │非公募※1                                     │ │ 特定の団体以外に実施主体があり得ない施設                     │ │非公募※2                                     │ │ 管理運営にあたり、「高度な専門性」、「ノウハウ」の観点から特定の団体が継続または当│ │面行う必要がある施設                                │ │非公募※3                                     │ │ 複合施設等で、公募しない他の施設と一体的管理をすることが合理的な施設       │ │非公募※4                                     │ │ 岐阜市域外に設置されている施設で、施設がある地元の地方公共団体の施設と一体的に  │ │設置されており、相手方の地方公共団体を指定管理者とする施設             │ │非公募※5                                     │ │ 公募により募集をしたが応募が無かった場合、又は応募者が募集要項に定める水準に達  │ │していないと認められた場合、指定の取消しがあった場合等、緊急に指定管理者を指定す  │ │る必要がある施設                                  │ │非公募※6                                     │ │ 施設の老朽化その他特段の事情により公募することが相応しくない施設         │ │非公募※7                                     │ │ 特定の団体を指定することについて、市の政策的な方針に照らし合理的理由がある場合  │ └──────────────────────────────────────────┘ 【指摘 指定管理施設所管課】
     基本方針によれば、指定管理者の選定に関して、非公募とすることは、原則 の例外となるものであるから、非公募で選定する合理的理由が求められること はもちろんのこと、非公募とする必要性や他への影響、選定しようとする団体 の施設管理運営能力等を十分に検証することが必要である。  次期指定の際には、あくまで、公募で指定管理者を選定する方向で検討し、 非公募にするのであれば、その要件の充足性を厳格に解釈すべきである。 【意見 行財政改革課、指定管理施設所管課】  単に、「非公募※2 管理運営にあたり、「高度な専門性」、「ノウハウ」の観 点から特定の団体が継続または当面行う必要がある施設」、「非公募※3 複合 施設等で、公募しない他の施設と一体的管理をすることが合理的な施設」、「非 公募※7 特定の団体を指定することについて、市の政策的な方針に照らし合 理的理由がある場合」という抽象的な理由だけでは情報として不十分であると 考える。  仮に、非公募で選定することを決定した場合については、市民に対する説明 責任の観点から、その理由の詳細について、ホームページ上に公開することが 望ましい。  この点、北海道帯広市や大阪府堺市、長崎県平戸市など、少なくない地方公 共団体において、非公募の理由を、A4半ページから1枚程度、具体的な記載 をして、ホームページ上に記載をし、市民に説明責任を果たそうとしているこ とが参考になる。 (イ)一括募集 【事実関係】  平成24年4月策定の事務取扱要領によれば、一施設一指定管理者が原則で あり、一施設に一指定管理者を募集することにより、かえって市民サービスの 低下につながるなどの合理的な理由がある場合を除き、類似施設を束ねて一つ の指定管理者を募集することは、新規参入者を排除する可能性があることに留 意するよう求められている。  大半の施設は、事務取扱要領選定前の平成23年の募集であるが、複数の施 設を一括で募集している事例があった。この中で、外郭団体のみが応募してい る場合があった。一括募集の理由としては、1)類似施設であること、2)市が設 置する公共の施設として、同じ品質管理を行い、市民に対して同一レベルのサ ービスを提供すること、3)経費の削減が見込まれることも一括募集の理由であ るとの意見があった。 【指摘 指定管理施設所管課】  事務取扱要領においては、新規参入者排除可能性があることから、一括募集 は消極的であるべきとの考えが記載されている。  次期選定の際には、かかる事務取扱要領の趣旨に則り、今後は、一施設一指 定管理者を原則であることを明確に意識し、一括募集をする際には、「かえっ て市民サービスの低下につながるなどの合理的な理由がある場合」といえるか どうかを厳格に解釈すべきである。 【意見 指定管理施設所管課】  一括募集することを決定した場合については、市民に対する説明責任の観点 から、その理由の詳細について、ホームページ上に公開することが望ましい。 (ウ)利用料金制度 【事実関係】  地方自治法第244条の2第8項は、「普通地方公共団体は、適当と認めると きは、指定管理者にその管理する公の施設の利用に係る料金を当該指定管理者 の収入として収受させることができる。」と規定している。  そして、市の基本方針によれば、利用料金制度は、指定管理者制度を有効に 活用するための重要なツールであるとされ、導入することにより指定管理者自 らの収入アップに向けた経営努力へのインセンティブが働くため、指定管理者 (民間等)の能力・ノウハウ等を活用して、施設の稼働率アップや利用者に対 するサービスアップなどの効果が得られることが予想されるものには導入し、 他方、「法令により導入できない施設」、「指定管理者の経営努力とは関係なく 稼働率が増減する施設」、「収益性が低く指定管理者の経営努力へのインセンテ ィブが働き難い施設」、「現在の稼働率が限界に達しておりこれ以上の収益アッ プが見込めない施設」については導入しないとされている。市の指定管理施設 については、7施設において、利用料金制度を導入している。 【意見 該当指定管理施設所管課】  利用料金制度についてはメリットもあることから、利用料金制度を導入して いない指定管理施設所管課は、本施設の指定管理者制度において利用料金制度 を導入しないことに合理的理由なき場合には、利用料金制度の導入を積極的に 検討することが望ましい。 (エ)指定管理料 【事実関係】  指定管理料につき、「指定管理者募集要項」には、「過去3年間の決算及び平 成○○年度の当初予算のうち、平成○○年度の予算額(○○○円)を上限」と すると記載され、その積算内訳が明示されていないものがあった。 【指摘 指定管理施設所管課】  事務取扱要領によれば、指定管理料は、「過去3年間の決算及び募集年度の 当初予算のうち、その標準額を目安に」、上限額を明示することとされ、「新規 参入者を排除することにならないよう委託料の積算内訳をできるだけ詳細に 明示する」こととされている。  利用料金制と指定管理料を併用する指定管理者制度では、指定管理者に応募 する側が収入と管理経費を算定して応募し、市が算定する指定管理料は管理経 費の補助的な役割にとどまる。他方、利用料金制を導入しない指定管理者制度 では、市が管理経費を全額負担する指定管理者制度であるから、指定管理者を 募集する側である市のほうで、より一層適切に指定管理料を算定しなければな らない。指定管理料が過大であれば、経費削減という指定管理者制度の目的を 失うし、指定管理料が過小であれば、サービスの低下を招くことになる。  指定管理施設所管課は、次期指定管理者募集の際には、適切な算定になるよ うな算定手順を作成し、それに従って算定し、その過程を記録し、明示してお くべきである。 ウ 審査・選定について 【事実関係1)】  岐阜市附属機関設置条例(平成25年3月27日 岐阜市条例第7号 以下、 「附属機関設置条例」という)及び岐阜市指定管理者選定委員会規則(平成
    25年3月27日 岐阜市規則第14号 以下、「選定委員会規則」という)にお いて、岐阜市指定管理者選定委員会(以下、「選定委員会」という)が設置さ れている。選定委員会規則第2条において、選定委員会は、公の施設又は岐阜 市事務分掌条例第1条に規定する施設所管部ごとに設置することとなってい る。  同規則第3条において、委員は6人以内で組織するとされ(平成25年度ま では5人)(第1項)、税理士、中小企業診断士等、経営分析について専門的知 識を有する者(第2項(1))、公の施設の設置目的を効率的かつ効果的に達成 することに関し、優れた経験及び知識を有する者(第2項(2))、前2号に掲 げる者のほか、市長が適当と認める者(第2項(3)とされている。  選定委員会規則第10条に基づき、施設所管部ごとに選定委員会要綱が策定 されている。  教育委員会事務局所管の指定管理施設については、附属機関設置条例及び岐 阜市教育委員会指定管理者選定委員会規則(平成25年3月28日 教育委員会 規則第4号 以下、「教育委員会選定委員会規則」という)において、岐阜市 教育委員会指定管理者選定委員会(以下、「教育委員会選定委員会」という) が設置されている。教育委員会選定委員会規則第2条において、委員は5人以 内で組織するとされ(第1項)、税理士、中小企業診断士等経営分析について 専門的知識を有する者(第2項(1))、公の施設の設置目的を効率的かつ効果 的に達成することに関し、優れた経験及び知識を有する者(第2項(2))、前 2号に掲げる者のほか、市長が適当と認める者(第2項(3))とされている。 岐阜市教育委員会指定管理者選定委員会要綱が策定されていたが、岐阜市附属 機関設置条例の制定に伴い、平成25年4月1日廃止された。 【意見 行財政改革課】  行財政改革課においては、選定委員会に関する不測の事態等が起きた場合な どに備えて、選定委員会要綱の収集・検証程度はすることが望ましい。 【事実関係2)】  指定を受けようとする者と指定管理者選定委員会の選定委員の利害関係を 確認する必要がある(基本方針(平成23年4月改訂))。利害関係については、 以下のとおり、選定委員会規則第8条及び教育委員会選定委員会規則第7条の ほか、基本方針(平成25年4月改訂)における「利害関係とは」(9頁)を参 照することになる。 選定委員会規則第8条及び教育委員会選定規則第7条 (委員の除斥) ┌────────────────────────────────────────┐ │ 委員は、指定管理者の指定を受けようとする団体又は指定管理者と利害関係を有する場│ │合は、議事に加わることができない。                       │ └────────────────────────────────────────┘ 基本方針(平成25年4月改訂)(9頁) ┌─────────────────────────────────────────┐ │「利害関係」とは、                                │ │ 委員と応募者(コンソーシアムにおいては、その構成員である法人その他の団体。)との│ │間において、次のいずれかの事実が認められることをいいます。            │ │・委員等又は委員等が名称の如何を問わず支配力を有する地位にある団体と応募者との資 │ │本、人的、取引・営業関係等の経済的関係につき、指定管理者の公正な選定を妨げる事情 │ │があると認められること                              │ │                                         │ │「指定管理者の公正な選定を妨げる事情」とは、次に掲げる場合に該当するものをいいま │ │す。                                       │ │・応募者が、委員等又は委員等が支配力を有する地位にある団体の主要な取引先と認めら │ │れる場合                                     │ └─────────────────────────────────────────┘  本監査において、委員が所属している団体における地位と、応募者の理事が 所属している団体における地位とを考慮すると、「応募者が、委員等又は委員 等が支配力を有する地位にある団体の主要な取引先と認められる場合」に準ず るような事態であるにもかかわらず、議事に加わっている場合が見受けられた。 【意見 行財政改革課】  公平性・中立性の観点からも、利害関係に疑問が生じる立場の委員は、議事 に加わらないように、その旨を、基本方針に明記することが望ましい。 【意見 行財政改革課】  仮に、上記のように、利害関係に疑問が生じる立場の委員が議事に加わると すれば、その評点について、適正になされているか、市民において、確認する ことも必要と思われる。  かかる観点からは、選定委員会における発言内容の概要を含む議事録を、ホ ームページ上で公開し、透明性の高い評価手続を検討することが望ましい。 【事実関係3)】  指定管理者の選定においては、選定委員が評価項目ごとに採点をしているが、 最低点を設けることはしていない。 【意見 行財政改革課】  一団体しか応募がなかった場合や非公募の場合には、最低点がなければ、採 点内容からは選定の是非が明確とならない。  適正な指定管理者を選定したことを採点内容からも明確にするべく、評価項 目ごと及び全体において、最低点を設定することが望ましい。 【事実関係4)】  指定管理者募集要項では、選定基準及び選定基準ごとの配点、選定基準の中 の評価項目の記載はあるが、評価項目ごとの配点は記載されていない。  選定委員会の審査結果には、団体の選定基準ごとの採点結果と提案された指 定管理料は記載されているが、選定基準の中の評価項目ごとの採点結果は記載 されていない。同審査結果の別表には、「選定基準・採点基準」との記載があ るが、採点基準は記載されていない。  他に、選定委員会による評価項目ごとの採点結果及び採点根拠を記載した資 料はない。 【意見 行財政改革課 指定管理施設所管課】  事務取扱要領によれば、指定管理者の選定基準につき、「5つの選定基準に 沿った評価項目を参考として、審査内容・選定理由などの説明責任を確保でき るよう、各施設の性格等に応じて作成し明示する」こととされ、「採点基準に ついては、どの評価項目に重点配分するかは、施設の設置目的、特性等により 考え方が相違するため、各部の判断により設定」することとされている。すな わち、重要なのは選定基準の中の評価項目である。実際にも、選定委員会の審
    査結果に記載された選定理由によると、5つの選定基準ではなく、評価項目ご との採点(優劣)で選定されている。  そうであれば、市は、選定理由について、市民への説明責任を果たすため、 募集段階では、5つの選定基準の配点だけでなく、評価項目ごとの配点を明示 しておき、選定段階では、5つの選定基準の採点だけでなく、評価項目ごとの 採点結果及び採点根拠を明らかにしておくことが望ましい。 エ 応募状況について 【事実関係1)】  指定管理者制度を導入して、公募による指定管理者の募集が行われたが、応 募をしたのは、指定管理者制度導入前から管理委託していた外郭団体1団体の みであるという例もあった。このことについての原因分析・対応は、特になさ れていないとのことであった。 【意見 行財政改革課、該当指定管理施設所管課】  公の施設の管理については、従来管理委託を受けてきた外郭団体が指定管理 者へスライドすることがある。形としては公募であるものの、上記の結果にな っている場合、外郭団体以外の民間事業者が応募することが困難または応募を 躊躇するような指定管理者制度の内容になっていることが考えられ、事実上、 非公募と同じ状況になってしまっている。  まずは、行財政改革課主導のもと、該当指定管理施設所管課において、外郭 団体以外の団体が応募しなかったことについて原因分析をし、原因に応じた対 応を検討することが望ましい。 【事実関係2)】  指定管理者の募集要項において、「市と容易にかつ緊密に連携が可能な団体 及び岐阜市民のサービス提供に精通している団体で、岐阜市内に主たる事務所 (本店機能)を有すること」(「2 応募資格(2)参照」となっている。 【意見 行財政改革課】  この点、行財政改革課によると、同要件が存在する理由は、緊急時の速やか な対応など、安定した管理運営を確保することにあると述べている。  しかし、そうであるならば、「市と容易にかつ緊密に連携が可能な団体」と いう応募資格ではなく、「緊急時の速やかな対応など安定した管理運営が可能 な団体」など、業者が応募に躊躇しないような応募資格とすることが望ましい。 オ 再委託について 【事実関係】  事務取扱要領(平成24年4月制定)の資料13 70頁に記載の協定書第9条 は、「乙(指定管理者)は、管理業務を他に委託し、又は請け負わせてはなら ない。ただし、あらかじめ甲の書面による承諾を得た場合は、この限りではな い。」と規定している。再委託はあくまで例外である。  しかし、かかる規定が遵守されていない事例があった。  ある所管課においては、指定管理者が条例に定める指定管理業務を外部委託 しようとする場合に限り、「再委託」に該当すると限定的に解釈していた。  また、応募の時点で、市に対し、再委託をする予定である旨を報告している ことから、再委託の申請をしていると考えている所管課もあった。  さらに、再委託の事前承認について、所管課において、指定管理者である外 郭団体に対し、事前承認を得るように指導をしていない事例が見られた。 【指摘 該当外郭団体】  外郭団体が、再委託について、市から予めの書面による事前承認を得ていな い点、そして、市が、再委託の事前承認を確認し、指導をしていない点は、協 定書に違反していると評価される。  上記事実関係で述べた所管課の考え方については、いずれも誤りであると考 える。再委託に該当する場合を限定的に解釈する合理的な理由はないと考えら れるし、応募の時点では、どの業者に、どのような内容の再委託契約で、再委 託するのかどうか不明であり、応募時点と指定管理についての協定書締結後の 再委託の事前承認は、時点も異なることから、協定書締結後、別途、再委託に ついての事前承認は必要となる。  したがって、指定管理者である外郭団体は、市に対して債務不履行責任を負 う可能性がある。  現在、再委託中の契約において、市による書面承諾を得ていないものについ ては、書面による再委託の承認を得るべきである。 【指摘 該当指定管理施設所管課】  今後、外郭団体において、再委託契約を締結する場合については、市による 予めの書面承諾を徹底すべきである。 【指摘 行財政改革課】  再委託においては、委託契約書を添付させるなどして、属性・内容を確認の 上、書面承諾をすることを検討すべきである。 【意見 行財政改革課】  行財政改革課は、予めの書面承諾について、事務取扱要領において書面承諾 書の様式を作成するなどして、所管による判断のばらつきが生じないよう指導 することが望ましい。 カ モニタリングについて (ア)指定管理者評価委員会  附属機関設置条例及び岐阜市指定管理者評価委員会規則(平成25年3月27 日 岐阜市規則第15号 以下、「評価委員会規則」という)において、岐阜市 指定管理者評価委員会(以下、「評価委員会」という)が設置されている。評 価委員会規則第2条において、評価委員会は、公の施設又は岐阜市事務分掌条 例第1条に規定する施設所管部ごとに設置することとなっている。  同規則第3条において、委員は5人以内で組織するとされ(第1項)、税理 士、中小企業診断士等、経営分析について専門的知識を有する者(第2項(1))、 公の施設の設置目的を効率的かつ効果的に達成することに関し、優れた経験及 び知識を有する者(第2項(2))、前2号に掲げる者のほか、市長が適当と認 める者(第2項(3))とされている。  評価委員会規則第9条に基づき、施設所管部ごとに評価委員会要綱が策定さ れている。  教育委員会事務局所管の指定管理施設については、附属機関設置条例及び、 岐阜市教育委員会指定管理者評価委員会規則(平成25年3月28日 教育委員 会規則第5号 以下、「教育委員会評価委員会規則」という)において、岐阜 市教育委員会指定管理者評価委員会(以下、「教育委員会評価委員会」という) が設置されている。教育委員会評価委員会規則第2条において、委員は5人以
    内で組織するとされ(第1項)、税理士、中小企業診断士等経営分析について 専門的知識を有する者(第2項(1))、公の施設の設置目的を効率的かつ効果 的に達成することに関し、優れた経験及び知識を有する者(第2項(2))、前 2号に掲げる者のほか、市長が適当と認める者(第2項(3))とされている。 岐阜市教育委員会指定管理者評価委員会要綱が策定されていたが、岐阜市附属 機関設置条例の制定に伴い、平成25年4月1日廃止された。 【事実関係】  選定委員会規則・教育委員会選定委員会規則には利害関係人の除外規定があ る。しかし、評価委員会規則・教育委員会評価委員会規則には、利害関係人の 除外規定がない。なお、選定委員会及び評価委員会のいずれも、規則上、委員 の属性構成は同一である。 【意見 行財政改革課】  評価委員会委員と選定委員会委員とでは、委員の属性が同一であることから、 利害関係人を除外するか否か区別する合理的な理由はないと考える。  評価委員会規則・教育委員会評価委員会規則においても、利害関係人の除外 についての規定を設けることが望ましい。また、選定委員会と同様に、評価委 員に、利害関係がないことの誓約書を提出させ、利害関係の有無について、強 く意識を持たせることが望ましい。 【意見 行財政改革課】  評価委員会の委員が所属している団体における地位と、応募者の理事が所属 している団体における地位とを考慮すると、「応募者が、委員等又は委員等が 支配力を有する地位にある団体の主要な取引先と認められる場合」に準ずるよ うな事態であるにもかかわらず、議事に加わっていると評価される場合が見受 けられた。  公平性・中立性の観点からも、利害関係に疑問が生じる立場の委員は、評価 委員会の議事に加わらないように、その旨、基本方針に明記することが望まし い。 【意見 行財政改革課】  仮に、「公の施設の設置目的を効率的かつ効果的に達成することに関し、優 れた経験及び知識を有する者」(評価委員会規則第3条第2項第2号)として、 議事に加えるとしても、その議事について、適正になされているかの確認を、 市民において、確認することも必要と思われる。  かかる観点からは、評価委員会における発言内容の概要を含む議事録を、ホ ームページ上で公開し、透明性の高い評価手続を検討することが望ましい。  なお、利害関係に疑問が生じる立場の委員が加わる委員会に限定するのでは なく、全ての委員会において実施することの検討と捉えている。 (イ)モニタリング方法 【事実関係1)】  市がモニタリングすることの目的は、「指定管理者の管理する公の施設の管 理の適正を期するため」(地方自治法第244条の2第10項)であり、「良好な 管理状況を確保するため」(指定管理者募集要項)である。  モニタリングは、PDCAサイクルを運用することにより、管理運営業務の 継続的な改善に結びつけていくものである(モニタリング指針)。  そのため、市には、指定管理者に対して、報告を求め、実地調査し、必要な 指示をする権限、及び管理を継続することが適当でないと認めるときはその指 定を取り消したり管理業務の停止を命じたりする権限が与えられているので ある(同条同項、11項)。また、実地調査は、定期・不定期に実施することと し、不定期には抜き打ち調査も含むとされている(モニタリング指針」)。  モニタリング指針において、モニタリングの目的、モニタリングの基本的枠 組み、実施主体別のモニタリング事項、モニタリングの実施方針が定められて いる。  具体的には、「2 モニタリングの基本的枠組み」2頁募集要項(参考)の (8)「モニタリングの実施」イ2)「状況確認」において、「市は、随時指定管 理業務の実施状況について、現地での確認等を行います。」と記載されている ところである。しかし、必ずしも規定どおりの実施はなされていない事実が複 数見受けられた。また、市所管課が、現地調査をしていない施設も複数存在し た。  モニタリング指針の様式にある指定管理業務実地調査票は作成しておらず、 いつ、何のために調査し、何を調査したのかは不明である施設もあった。  また、評価委員会が、一度も、現場に行かずに、アンケート結果や利用客数 で、評価をしているものもあった。所管課や評価委員会のコメントが、毎回、 似たような内容となっているものもあった。指定管理者、所管課、評価委員会 の評価が、全ての評価項目において、同一であるという施設もあった。 【指摘 指定管理施設所管課】  本監査において、外郭団体の指定管理施設について現地調査をした。時間的 には、各施設、長くて数時間程度の調査であるが、様々な問題点が発見された。  協定書や指針では、現地調査につき、不定期にあるいは必要に応じてとある が、地方自治法第244条の2第10項においては、「指定管理者の管理する公の 施設の管理の適正を帰すため、指定管理者に対して、当該管理の業務又は経理 の状況に関し報告を求め、実地について調査し・・」と規定されている。注目 すべきは、実地調査については、報告同様制限を設けていないことである。  本監査の経験及び地方自治法第244条の2第10項の規定を踏まえれば、指 定管理施設所管課は、定期的に施設の現地調査に行くべきである。また、所管 課は、現場を訪問した際には、モニタリング指針の様式にある指定管理業務実 地調査票などを利用して、モニタリングをした内容を確実に記録すべきである。 【指摘 指定管理施設所管課】  評価委員会においても、年2回の開催という問題はあるが、1年間に最低1 度は現場を見るべきである。  この点に関し、所管課及び評価委員会において、現場を見ることの困難性を 主張する意見もあった。しかし、指定管理者の管理に落ち度があったため、利 用者に損害が生じた場合、市が賠償責任(国家賠償法第2条)を負う可能性を 考慮すると、実地調査によるモニタリングを決してないがしろにすることはで きないと考える。 【指摘 行財政改革課】  所管課と評価委員会の評価が同じ内容となっていることが多い。評価委員会 は外部の委員から構成されるもので、本来、その評価は、尊重されるべきもの である。  しかしながら、実際は、議事録を見ると委員から活発な意見が出ていたとし ても、ホームページ上で見ることのできる結果だけ捉えると、評価委員の評価 が真に実効的なものか疑問が生じる事態となっている。  評価の順序としては、指定管理者の自己評価、所管課の評価、そして最後が
    評価委員会の評価となっており、評価の際には、それぞれの評価を事前に見る こととなる。  このような評価順序、評価方法に問題がないかを分析し、評価委員会による、 より効果的な評価方法がないかを検討すべきである。 【事実関係2)】  市は、モニタリング評価の資料として、管理運営状況の評価結果(平成23 年度まで)、指定管理者管理運営状況シート(平成24年度から)を作成してい る。  管理運営状況の評価結果の「総合評価」の欄、指定管理者管理運営状況シー トの「所管課の意見」の欄には、全体のまとめとして評価の理由が記載されて いるものの、事実の記載が不十分であり、評価を繰り返しているだけの部分が 見受けられた。  評価委員会で使用される指定管理者管理運営状況シートには、項目ごとの所 管課評価根拠の記載はあるが、やはり事実の記載が不十分であり、評価を繰り 返しているだけの記載もあった。  公開されている指定管理者管理運営状況シートには、項目ごとの所管課評価 根拠欄がない。 【意見 指定管理施設所管課】  モニタリングの評価は、指定管理者が評価基準に基づいて自己評価を行い、 市の所管課が評価基準に基づいて評価を行い、その上で、評価委員会を開催し、 各委員からの評価や意見をまとめるという手順である。A評価の評価基準は、 「協定書、要求水準の内容どおりの業務を履行している」ことである(モニタ リング指針)。  指定管理者の自己評価、所管課の評価においては、どのような事実に基づい て、協定書、要求水準の内容どおりであると評価したのかを記載しなければ、 本当に協定書、要求水準の内容どおりであるのかどうかが評価委員会には分か らない。市は、所管課の評価を評価委員会が適正に検討できるに足りるだけの、 評価根拠を記載することが望ましい。 【意見 指定管理施設所管課】  指定管理者管理運営状況シートを公開する趣旨は、指定管理者制度の公平 性・透明性を高めることにあることから、評価の結果だけでなく、評価の根拠 もホームページ上で公開することが望ましい。 【事実関係3)】  報告書には、点検、修繕、清掃、その他維持管理作業、窓口運営等について、 チェック方式で記載されているが、各職員の業務内容は記載されていない。業 務日誌も作成されているが、特別なことがあったら書くということで、「特に なし」と書いてあるものがあった。 【意見 該当指定管理施設所管課】  仕様書によれば、一日の業務内容(点検、修繕、清掃、その他維持管理作業、 窓口運営等)や市民対応など特記事項を記した日報等を作成することとされて いる。外郭団体が適切に管理運営業務を履行しているかどうかを確認するため だけでなく、人件費が適正かどうかを検証し、適正な指定管理料を積算するた めにも、業務日誌には、特別なできごとだけを記載させるのではなく、日常の 業務内容を記載することが重要である。  市は、業務日誌において、誰がどんな業務に従事していたのかということに ついても記載させることが望ましい。 8 補助金・負担金について (1)平成25年度の補助金・負担金と外郭団体  平成25年度、13の外郭団体中7団体は、その事業運営や個別の事業に関し、 市から、補助金・負担金が支出されている。平成25年度において、金額の合 計は2億円近くである。 (2)補助金・負担金  地方自治法第232条の2において、普通地方公共団体は、その公益上必要が ある場合においては、寄附又は補助をすることができるとされている。  補助金の交付は、あくまで公益上の必要性がある場合にできる例外的な支出 である。  これを受け、市は、岐阜市補助金等交付規則(平成10年11月19日規則第 55号 以下、「交付規則」という)を制定し、同規則第28条に基づき、施行 に関して必要な事項は、要綱に定められる。  同規則の対象となる「補助金等」とは、本市が交付する補助金、利子補給金 その他相当の反対給付を受けない給付金をいうとされている(第2条(1))。  かかる文言からすれば、負担金は、同規則の対象外となる。 (3)市の補助金・負担金に関する指針等の策定経過、取組状況  補助金については、既得権益化、前例踏襲という問題が発生しがちというこ とから、平成14年度、外部有識者や公募から構成される岐阜市補助金検討委 員会が設置された。  そして、同委員会の提言を受け、「補助金の見直し基準」が作成された。補 助金を所管する部署と庁内の補助金等検討チームが評価を実施し、評価結果が 異なる場合には、補助金評価委員会において調整・検討した後、意見を補助金 所管部署にフィードバックし、各部署がその意見をもとに再検討した。平成 17年には、「補助金の見直し基準の『評価指針』」が補足された。  平成26年4月25日には、基準の充実化、評価結果に応じた見直し方法等を 明確にし、より一層の効率的効果的な補助制度の運用を図るため岐阜市補助金 等ガイドライン(以下「補助金等ガイドライン」という)が策定された。  同ガイドラインにおいては、負担金に関する言及もある。 (4)本監査の視点  外郭団体は、市の出資や事業に対する密接関連性から、一般的には、公益性 を有している団体といえる。補助金・負担金の交付には、大前提として公益性 が必要であるが、外郭団体が公益性を有している団体であるからこそ、市民に とっては、補助金・負担金が前例踏襲主義によって安易に支給されているので はないか、既得権益化しているのではないかという疑問が生じやすい。  本監査においては、かかる視点に基づき、過年度からの比較をするなどして、 補助金・負担金を検証することとした。 (5)事実関係及び指摘・意見 ア 補助金交付要綱 【事実関係】  補助金交付に関しては、交付規則があるが、個別の補助金交付に際して、補
    助金交付要綱がないものが見受けられた。  補助金等ガイドラインは、平成26年度以降の適用ではあるが、行財政改革 課は、補助金等ガイドラインにおいて、原則、補助目的・補助対象・補助金額・ 補助率・交付手続(交付規則と異なる方法の場合)等を記載した要綱を定める こととしている。 【指摘 該当補助金交付所管課】  交付規則は、基本的事項の記載であり、施行に関して必要な事項は、要綱に 定める必要がある。例えば、要綱がないと、補助金額の算定基準等が不明確と なってしまう。  補助金交付を継続的あるいは一般的に行う必要のない場合を除き、該当所管 課において、早急に補助金交付要綱を策定すべきである。 【意見 該当補助金交付所管課】  要綱が策定されていない所管課において、要綱を定める必要がないと判断す る場合には、行財政改革課に対し、その合理的な理由を、客観的資料をもって 示すことが望ましい。 【意見 行財政改革課】  行財政改革課においては、補助金交付に関して適正さの疑義が生じた場合な ど、不足の事態に備えて、補助金交付要綱を収集し、検証程度はすることが望 ましい。 イ 負担金 【事実関係】  市においては、負担金は、交付規則の対象とならない。よって、要綱も存在 しない。負担金といっても、法令又は契約に基づき国又は地方公共団体に対し て負担しなければならない経費から、地方公共団体が構成又は加入している各 種団体(例 全国市長会)に対する会費など様々な種類がある。  負担金の中には、その性質において、補助金類似のものもある。 【意見 行財政改革課】  負担金においても、補助金類似の性質をもつものについては、市民に対する 説明責任、適正さ担保の観点から、規則など何らかのルールを策定することが 望ましい。 9 委託契約について (1)平成25年度の委託契約と外郭団体  平成25年度において、13の外郭団体中8団体において、市と委託契約が締 結されている。合計では、5億5000万円ほどである。 (2)地方自治法上の随意契約の位置付け  地方自治法では、契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり 売りの方法によるものとされ(第234条第1項)、指名競争入札、随意契約又 はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限りすることができるとさ れており(同条第2項)、地方自治法施行令では、随意契約によることができ る場合が定められている(第167条の2第1項)。  市の契約規則第29条によれば、随意契約によるときは、なるべく2人以上 の者から見積もりを徴さなければならないとされ、地方自治法施行令第167 条の2第1項第2号から第9号までのいずれか該当する場合には1人の者と 随意契約をすることができるとされている。  しかしながら、平成25年度の市と外郭団体との委託契約は、その全てが随 意契約である。地方自治法上、あくまで随意契約は例外であるところ、市と外 郭団体との委託契約においては、原則と例外が逆転している。 (3)市が外郭団体と随意契約ができる場合  随意契約ができる場合は、地方自治法施行令第167条の2第1項第1号から 第9号に記載がある。  市においては、主に、第2号、第3号に該当する場合に、外郭団体との間で、 随意契約を締結していることとなる。岐阜市随意契約ガイドラインに(以下「随 意契約ガイドライン」という)よれば、地方自治法施行令第167条の2第1項 第2号、第3号の対象となりうる主な態様が次のとおり例示されている。 ┌────────────────────────────────────────┐ │1)契約の性質又は目的が競争入札に適さない場合(第2号)             │ │(1)特定の者と契約しなければ、契約の目的を達成することができない下記に掲げる契│ │約をする場合                                  │ │・埋蔵文化材の調査、発掘、移転等で、特殊な技術又は、手法等を用いる必要があるとき│ │※教育文化振興事業団の遺跡発掘調査がこれに該当する。              │ │・コンペ、プロポーザル方式等の競争ないし比較協議により契約の相手方を予め特定して│ │いるとき                                    │ │※プロポーザル方式の随意契約については、岐阜市プロポーザル方式ガイドラインが平成│ │25年4月に改定されている。なお、岐阜市地域包括支援センター運営業務委託(18施設)│ │がこれに該当する。                               │ │(2)経験又は知識を特に必要とする場合又は現場の状況等に精通した者と契約するとき│ │(3)市場価格が一定している場合で競争に付す必要がないと物品を購入するとき   │ │(4)国及び地方公共団体又は営利を目的としない法人と契約をするとき       │ │※外郭団体との委託契約においては、ここに該当するとしていたものが多くあった。  │ │(5)前各号に掲げるもののほか、特定の者と契約をしなければ契約の目的を達成するこ│ │とができないとき                                │ │※外郭団体との委託契約においては、ここに該当するとしていたものが多くあった。  │ │2)障害のある方に対する就労に必要な訓練や生産活動などの機会を提供する施設(以下、│ │「障害者支援施設等」という)において製作された物品を地方公共団体の規則で定める手│ │続により買い入れる場合又は障害者支援施設等又は高年齢者若しくは母子家庭の母及び寡│ │婦の就業支援を行う団体から地方公共団体の規則で定める手続により役務の提供を受ける│ │場合(第3号)                                 │ │※シルバー人材センターとの特定随意契約がこれに該当する。            │ └────────────────────────────────────────┘  もっとも、随意契約ガイドラインに該当するものは直ちに一者随意契約にす ることができるわけではない。同号の例示として、「国及び地方公共団体又は 営利を目的としない法人と契約するとき」が挙げられているが、営利を目的と しない法人と契約するときは常に一者随意契約をすることができるわけでは ない。契約の公正及び価格の有利性を図ることを目的として普通地方公共団体 の契約締結方法に制限を加えている法令の趣旨からすれば、不特定多数の者の 参加を求め競争原理に基づいて契約の相手方を決定することが必ずしも適当 でなく、当該契約の目的、内容に照らし、それに対応する資力、信用、技術、 経験等を有する相手方を選定し、その者との間で契約を締結するという方法を
    とるのが当該契約の性質に照らし又はその目的を究極的に達成する上でより      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 妥当であり、ひいては当該普通地方公共団体の利益の増進につながると合理的  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ に判断されることが必要であると解される(最高裁判決昭和62年3月20日参  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 照)。 (4)随意契約の流れ  岐阜市契約規則(以下、「契約規則」という)及び市の契約事務の手引きか らは、所管課で契約を行う場合は、次の流れとされている。 ┌───────────────────────────────────────┐ │所管は「設計書・仕様書」を作成(契約規則第2条(1))            │ │→所管は「設計伺」を作成し、専決区分に応じ決裁を受ける            │ │→随意契約                                  │ │→業者選定                                  │ │→予定価格書作成(予定価格の決定につき、契約規則第28条の2、同第20条(設計書・│ │仕様書等によって予定))                           │ │→指名通知                                  │ │→見積徴収(契約規則第29条第1項、同第2項)                 │ │→相手方決定                                 │ │→契約書の作成(契約規則第8条)                       │ │→契約保証金(契約規則第11条。ただし、免除可能である)            │ │→委託先の完了報告                              │ │→所管による履行確認(完成検査・納入検査)                  │ │→委託先の請求書の提出                            │ │→支出命令                                  │ └───────────────────────────────────────┘ (5)本監査の視点  随意契約を締結することは、法律上の例外であるところ、市と外郭団体との 間においては、全て随意契約となっている。  外郭団体ということだけで安易に随意契約とされていないか、金額の算出は 適正になされているかなどを検証することは、民間との公平性といった観点か ら、重要なことであると考え、本監査において検証した。 (6)事実関係及び指摘・意見 ア 設計伺 【事実関係】  外郭団体との委託契約書類を監査したところ、委託契約において設計伺がな かった(一部例外あり)。  契約規則第28条の2においては、随意契約によるときは、予め第20条の規 定に準じて予定価格を定めなければならないとされているが、第20条におい ては、価格を当該事項に関する仕様書、設計書等によって予定し、その予定価 格を記載した書面(契約規則第2条(3))を封書にし、開札の際これを開札 場所におかなければならないとされている。 【指摘 該当委託契約所管課】  事務の流れ及び契約規則第28条の2の記載からすると、設計伺の作成が必 要である。作成主体が市であること、そして、設計伺があることにより、その 決裁時点での設計書・仕様書で承認を得ていることが明らかとなる。  しかしながら、本監査においては、設計伺がないことにより、そもそも、設 計書・仕様書がいつ作成されたのかが不明であった。実際は、契約締結伺書類 の中に、設計書・仕様書が存在していた。そして、見積もりは、随意契約締結 者一者からの提出であった。文書の綴じ方は、基本的には、時系列で古いもの から新しいものの順であるがが、見積書の次に設計書・仕様書が来ているもの もあった。かかる書面の状態では、設計及び金額算出が独自積算されているの か明らかではない。  今後は、契約所管課で締結する随意契約において、設計伺を必ず作成すべき である。 【指摘 契約課】  契約課においては、契約事務の流れについて、現在でも研修等を実施してい るとのことであるが、結果からみれば、不十分と評価せざるを得ない。  今後は、契約事務の流れを遵守するように、所管課に徹底させるべきである。 イ 随意契約ガイドライン 【事実関係】  随意ガイドラインにおいては、地方自治法施行令第167条の2第1項第2号 に該当する場合として、(4)「営利を目的としない団体」を挙げているが、外 郭団体であるということでこれに該当するとしていたものがあった。  逆に(5)「前各号に掲げるもののほか、特定の者と契約をしなければ契約 の目的を達成することができないとき」という条項に該当するとしたものもあ った。 【意見 契約課】  所管課担当の契約について、契約課は、随意契約の理由につき、各所管課作 成の随意契約理由書にて確認をしている。  しかしながら、随意契約ガイドラインの適用については、所管課において判 断が区々となっていることから、そうならないように、判断基準を統一させる ことが望ましい。 【意見 契約課】  契約課のホームページ上、随意契約ガイドラインの掲載はない。  随意契約があくまで法律上の例外である以上、どのような場合に例外とする かは、契約の公平性、透明性、説明責任といった観点から、市民に示す必要が あると考える。  したがって、ホームページ上で随意契約ガイドラインについて、公開するこ とが望ましい。なお、随意契約ガイドラインをホームページ上に掲載している 自治体は多く存在する。 ウ 契約規則の規定 【事実関係1)】  契約規則第29条は、見積書の徴収等の規定であるが、規定は、次のとおり である。 ┌────────────────────────────────────────┐
    │第29条 随意契約によるときは、なるべく2人以上の者から見積書を徴さなければならな│ │い。                                      │ │2 前項の規定にかかわらず、政令第167条の2第1項第2号から第9号までのいずれか │ │に該当する場合において、1人の者と随意契約することができる。          │ └────────────────────────────────────────┘ 【意見 契約課】  契約規則第29条第2項の規定が明確ではないと考える。市は、第2項につ いて、見積書を1人でよいとする意味であると述べるが、監査人は、そのよう に読み取ることができなかった。規則は、可能な限り明確にする必要がある。 そこで、端的に、契約規則第29条第2項を「・・・いずれかに該当する場合 においては、この限りではない」と改定することが望ましい。 【事実関係2)】  契約締結伺書類として添付されている見積書には、金額の記載はあるが、内 訳明細が付記されていなかったものがあった。 【指摘 契約課】  金額のみの見積書では、見積金額がどのように積算されたかが不明である。  例えば、市が作成する仕様書と照合した結果、適正に見積がなされているか という確認をすることができない。設計伺のない市の委託契約においては尚更 であった。  見積書には、内訳明細を付記させるべきである。  具体的には、契約規則に、見積の内訳明細を付記する旨の規定を付加すると か、第1項の見積書に様式を挿入し、様式では、内訳明細の判る見積書を添付 するなどして、見積内訳が判るようにすることが考えられる。 エ 再委託の事前承諾 【事実関係】  市と外郭団体の契約書上、再委託の禁止条項を設け、再委託をする場合は、 市の書面による事前承諾を要求したりするものがある。しかし、随意契約の相 手方となった外郭団体が、市の事前承諾なく、他の業者に再委託するケースが 見られた。 【指摘 該当委託契約所管課】  委託契約は、契約(合意)であり、契約書に、再委託に予め市の承認が必要 とされている場合に、市の承認を経ずに再委託することは明確な契約違反とな る。今後、再委託契約締結の際には、事前承認を得るよう外郭団体に対し、徹 底させるべきである。 【指摘 該当外郭団体】  外郭団体としても、市と密接に関連する団体であることから、再委託につい て、契約違反をしないように徹底すべきである。 オ 再委託の条項 【事実関係】  再委託に関する規定は契約書によって統一されてはいない。契約に関しては 約款の様式が契約課から提示されているとのことであるが、指定管理者制度に おける指定管理者制度事務取扱要領のように書面の様式を定めた契約事務取 扱要領はない。それゆえ、各所管課の締結する契約書において、再委託禁止条 項は、統一されておらず、あるいは、再委託の禁止は契約書に定められず、仕 様書中に定められているにすぎないものあった。  また、今回、委託契約を見る中で、再委託の禁止の解釈が困難なものがあっ った。一例を挙げると、市と社会福祉事業団の高齢者住宅等安心確保事業に関 する委託契約である。 (再委託の禁止) ┌────────────────────────────────────────┐ │第10条 受注者は、委託事業の処理を自ら行うものとし、他の者にその処理のすべてを再│ │委託することができない。                            │ │2 本契約に係る業務の一部を第三者に委託するときは、私的独占の禁止及び公正取引の│ │確保に関する法律(独占禁止法)及び下請代金支払遅延等防止法などの関係法令を遵守す│ │ること                                     │ └────────────────────────────────────────┘ 【指摘 契約課】  上記事例においては、再委託を原則禁止にしているのか否か必ずしも明確で はない。「すべて」を再委託することはできないことは判るが、これとの対比 で「一部」というと、例えば、95%委託する場合についても「一部」として許 されると解釈することにもなりかねない。  そもそも、契約の条項は、できる限り明確にすべきであるところ、第10条 第2項では、再委託につき、委託者である市の承諾が必要か否かも不明である。  再委託の禁止という条項を設けるのであれば、1)再委託は原則禁止、2)例外 として再委託する場合は、再委託の承認書類を予め市に提出し、3)書面による 市の事前承諾を必要とする旨の条項とすべきである。  指定管理者制度においては、事務取扱要領にて、協定書の様式を定めている が、契約についても、事務取扱要領を作成するなどして、適切な契約書の書式 を定めるべきである。なお、個別事情により、契約書の条項が異なることはあ ろうが、まずは、基本的な形態を適切な様式で指し示すことが重要である。 10 事業評価シートについて 【事実関係】  市では、平成14年度から事業評価システムを運用していたが、平成23年度 からは事業評価システムを廃止し、事業評価シートによる事業評価を行ってい る。  これは、事業評価に事業仕分けの視点・判断基準を取り入れ、受益者負担や 費用対効果のコストバランスが分かる内容とし、より適切な評価や効果的な見 直しを行うことを目的として、修正したものとのことである。  補助金・負担金、指定管理、委託契約については、事業評価シートが作成さ れ、市のホームページ上で公表されている。なお、指定管理については、事業 評価シートの他に、指定管理者管理運営状況シートも作成されている。  事業評価は、行政活動の目的を明確にしながら、その成果を数値など客観的 な指標で評価し、評価結果を行財政改革などに活用することで、効率的で質の 高い行財政運営の実現を図るための手段であるとし、1)行財政改革の推進(簡 素で効率的・効果的な行政システムの構築)、2)職員の意識改革(政策形成能 力・経営感覚の養成)、3)説明責任の確保(公正・透明性の確保)の3つの目 的があるとしている。そして、この3つの目的を実現するために、1)事業の成 果に基づき、必要性・有効性・費用対効果・妥当性・公共性の観点やコストバ
    ランスの視点から、事務事業の実施の是非や実施手法などについて検討が必要 なものについては、検討・見直しを行う、2)成果重視の観点に基づき、よりよ いサービスを効率的・効果的に市民に提供するため、事務事業を実施する職員 の目的意識やコスト意識を高め、意識改革を図る、3)事務事業の内容、目的・ 目標とその進捗状況や結果を分かりやすく公表し、その成果について市民に対 し説明責任を果たすとともに、市政への市民参画や市民と行政との連携・協働 を推進する、としている。  事業評価シートについては、所管課で作成し、行財政改革課に提出すること となっている。今回、監査の対象となる事業に関し、事業評価シートを検証し たが、修正が必要と思われる点が見受けられた。 1)記載が不正確 ・事実関係について不正確な情報が掲載されているものがあった。 2)評価の仕方 ・複数施設を一括して事業評価シートに掲載しているものがあった。 3)内部事業 ・市は、事業評価シートの作成要領にて、事業評価シートを使用せず評価する  事務事業として、次の事業を挙げている。しかし、ここに該当しないと思わ  れる事業について、事業評価シートが作成されていないものがあった。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │1 単年度で完結する事務事業                           │ │2 内部管理的な事務事業                             │ │(1)総務、人事、出納、庁舎管理、システムの維持管理(事業実施に伴うものは除く)、│ │  契約、秘書に関する事務                            │ │(2)統計事務、選挙事務、監査事務、議会事務、工事検査事務、税務事務等      │ │(3)報告書、申請書、資料等作成、照会・回答事務                 │ │(4)情報収集、研究、研修開催・参加事務(職員育成課を除く)           │ │(5)関係機関との連絡・調整事務                         │ │(6)苦情処理等対応事務、訴訟・紛争対応、法規事務                │ │(7)協議会、委員会、協会等運営、各種会議、打ち合わせ事務            │ │(8)各施設の修繕、維持補修工事(設備更新工事は除く)              │ │(9)事業を伴わない顕彰事務                           │ │3 事業実施に関して市に裁量の余地のない事務事業                 │ │(1)国や県が実施主体の事業で市に裁量の余地のないもの              │ │(2)法令や国等が定めた処理基準通りに実施しなければならない事務事業など     │ │4 10万円未満の加入団体負担金                          │ └─────────────────────────────────────────┘ 【指摘 該当所管課】  事業評価シートは、市民に対して公開されるものである。かかる観点からす れば、上記1)から3)のような点は、改められるべきである。  事業評価シートについては、必要かつ正確な情報を記載すべきである。 【指摘 行財政改革課】  事業評価シートの記載に修正点が生じた場合、一時的には、該当所管課の責 任ではある。  しかし、事業評価シートの作成を要求する行財政改革課においても、事業評 価シートが、可能な限り正確に作成されるように、所管課に対し、研修を実施 するなど、具体的な予防措置を講じるべきである。 【指摘 行財政改革課】  現在作成されている事業評価シートの中には、事業の捉え方を見直し、より 細分化したものを個々の事業として捉え、評価すべきと思われるものが見受け られた。  適正な評価をして予算に反映できるように、事業評価シートの作成を要求す る際は、何をもって一事業と捉えるのか、その見直しを検討することも併せて、 契約所管課に働きかけるべきである。 11 本部事務所の利用関係について (1)市と平成25年度における外郭団体の本部事務所利用  市は、外郭団体13団体中11団体について、その所有する公有財産(地方自 治法第238条第1項第1号)を本部事務所として使用させ、10団体について は、結果として無償で使用させている。なお、公有財産は、行政財産と普通財 産に分類される(同法第238条第3項)。行政財産とは、普通地方公共団体に おいて公用又は公共用に供し、又は供することと決定した財産をいい、普通財 産とは、行政財産以外の一切の公有財産をいう(同条第4項)。行政財産と普 通財産では、法令等により、規律が異なる。平成25年度においては、次のとお り整理される。 ┌─────────────────┐ │平成25年度外郭団体本部事務所一覧表│ └─────────────────┘ ┌───────────┬─────────────────┬────────┬──────┐ │団体名        │財産の区分            │使用根拠(岐阜市│使用料・賃料│ │           │                 │公有財産規則第 │(地方自治 │ │           ├───────────┬─────┤21条 財産の交 │法第225条、 │ │           │公有財産(地方自治法第│ そ   │換、譲与、無償貸│岐阜市使用 │ │           │238条の4第7項)   │ の   │付等に関する条 │料徴収条例 │ │           ├─────┬─────┤ 他   │例第4条)   │第4条   │ │           │行政財産 │普通財産 │     │        │      │ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤ │土地開発公社     │    ○│     │     │  第21条第5号│    免除│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤ │信用保証協会     │     │     │○(所有)│       ─│     ─│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤ │社会福祉協議会    │     │    ○│     │ 第4条第1項(1)│    無償│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤ │社会福祉事業団    │     │    ○│     │ 第4条第1項(1)│    無償│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤ │にぎわいまち公社   │    ○│     │     │  第21条第7号│    免除│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤ │産業会館       │    ○│     │     │  第21条第5号│    有償│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤ │学校給食会      │    ○│     │     │  第21条第7号│    免除│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤ │みどりのまち推進財団 │    ○│     │     │     無許可│  結果無償│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤ │教育文化振興事業団  │    ○│     │     │  第21条第5号│    免除│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤
    │国際交流協会     │    ○│     │     │     無許可│  結果無償│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤ │公共ホール管理財団  │    ○│     │     │  第21条第1号│    免除│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤ │シルバー人材センター │     │    ○│     │ 第4条第1項(1)│    無償│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤ │観光コンベンション協会│     │     │○(賃貸)│       ─│     ─│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┼────────┼──────┤ │合計         │    9│    2│    2│       ─│     10│ └───────────┴─────┴─────┴─────┴────────┴──────┘ (2)行政財産 【事実関係】  行政財産の使用許可の基準については、岐阜市公有財産規則(以下、「公有 財産規則」という)第21条で、次のとおり記載されている。 (使用許可の基準) ┌──────────────────────────────────────────┐ │第21条 法第238条の4第7項の規定による行政財産の使用許可は、次の各号のいずれか    │ │に該当する場合に限り行うものとする。             ̄ ̄ ̄ ̄         │ │(1)当該行政財産を利用する者の利便を図るため、食堂、売店その他の施設を設置するとき。 │ │(2)公の学術調査若しくは研究又は公共目的のために行われる講演会、研究会等の用に一時  │ │ 的に使用させるとき。                               │ │(3)水道事業、電気事業、ガス事業その他公益事業の用に供するため、やむを得ないと認め  │ │ られるとき。                                   │ │(4)災害その他緊急事態の発生により、応急施設として短期間使用させるとき。       │ │(5)国、地方公共団体その他の公共的団体において公用若しくは公共用又は公益事業に供す  │ │ るため、やむを得ないと認められるとき。                      │ │(6)市の事務若しくは事業又は市の企業の遂行上やむを得ないと認められるとき。      │ │(7)前各号に掲げるもののほか、市長が当該行政財産の用途又は目的を妨げないと認めると  │ │   ̄ ̄ ̄                                      │ │ き。                                       │ └──────────────────────────────────────────┘  公有規則第21条の何号に該当するかは、第23条に規定される使用許可の期 間との関係で問題となる。 (使用許可の期間等) ┌────────────────────────────────────────┐ │第23条 使用許可の期間は別表に定めるとおりとする。               │ │2 使用許可は、更新することができる。この場合において、前項の規定は、更新する使│ │用許可の期間について準用する。                         │ │3 前項により使用許可の更新を受けようとする者は、許可期間満了の日の30日前まで │ │に行政財産使用許可更新申請書(様式第7号)を市長に提出しなければならない。   │ │4 前条の規定は、前項の更新手続について準用する。               │ │                                        │ │別表 1号 1年以内                              │ │   5号 3年以内                              │ │   7号 1年以内                              │ └────────────────────────────────────────┘  行政財産の使用料免除の根拠は、岐阜市使用料徴収条例第4条である。県と の共有である産業会館以外は、この規定が適用されて、使用料が免除とされて いる。 (減免) ┌────────────────────────────────────────┐ │第4条 市長は、前条の規定にかかわらず必要と認めるときは、使用料の額を減額し、又 │ │は使用料の徴収を免除することができる。                     │ └────────────────────────────────────────┘  外郭団体において、行政財産を本部事務所として使用しているものについて、 次のとおりの問題点が見られた。 1)許可がないこと  国際交流協会とみどりのまち推進財団については、そもそも、行政財産の目 的外使用許可が得られていなかった。 2)根拠違い  学校給食会と教育文化振興事業団事務所は、同一建物内1階にあるところ、 使用許可の根拠が異なっていた(5号と7号)。両団体は、公益財団法人とい うことでは同一であるところ、5号と7号では、使用許可の期間が3年と1年 で異なることから違いがある。  平成25年度、公共ホール管理財団の根拠は1号となっていた。1号は、不 特定多数人の出入りする施設を想定し、特定団体の事務所使用は想定されてい ない。なお、平成26年度においては、許可伺いにて、1号と印字されていた ものが、手書きで7号に訂正されていた。 3)許可申請先と許可権者が異なること  学校給食会の平成26年度においては、許可申請の宛先が市長、許可権者が 教育長ということで主体が異なっていた。 4)更新の問題  公有財産規則によれば、行政財産を継続して使用するいずれの本部事務所も 更新許可申請が必要になるはずのところ、平成25年度は、本部事務所につい て許可申請で行っていた。なお、学校給食会においては、平成26年度、更新 許可申請が行われていたが、申請期間が30日以内であり、公有財産規則第23 条第3号違反の状態となっていた。 【指摘 該当使用許可所管課(みどりのまち推進財団は公園整備課)】  行政財産の目的外使用許可申請は、正しく行う必要がある。  次年度以降は、該当所管課(みどりのまち推進財団については公園整備課) において、許可申請につき、公有規則の規定に則り、正しい手続きをとるべき である。 【指摘 管財課】  処務規則上、財産の管理関係は、管財課の管轄である。管財課は、該当所管 課に対し、適正な手続きをとるように指導すべきである。 (3)普通財産  社会福祉協議会、社会福祉事業団、シルバー人材センターの3団体は、本部 事務所について、普通財産の使用貸借として契約している。これらはいずれも、 行政財産から普通財産へ切替した上で、使用貸借契約を締結したものである。
     貸付及び無償は、公有財産規則第32条、第33条及び財産の交換、譲与、無 償貸付等に関する条例第4条に基づいている。詳細は各論で述べる。 12 暴力団排除の取組について (1)はじめに  市は、平成24年4月1日、岐阜市暴力団排除条例(以下、「市暴排条例」と いう)を施行した。市内には、指定暴力団事務所が複数存在する現状があり、 県内の自治体の中でも、市は、特に、暴力団排除が積極的になされなければな らない地域である。市暴排条例第4条第1項にあるとおり、市は自ら率先して 暴力団排除を実施する責務がある。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │ 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、市民及び事業者│ │の協力を得るとともに、県、警察等及び暴力団の排除のための活動に取り組む団体との連 │ │携及び協力を図りながら、暴力団の排除に関する施策を総合的に推進するものとする。  │ └─────────────────────────────────────────┘  市は、平成22年10月22日、管轄警察署長らとの間で、「岐阜市が行う事務 事業からの暴力団排除に関する合意書」(以下、「暴排合意書」という)を締結 している。 ┌──────────────────────────────────────────┐ │ 第1条(趣旨)                                  │ │ この合意書は、岐阜市が行う契約その他の事務事業により暴力団を利することとならない │ │よう、暴力団関係者(第4条各号に掲げるものをいう。以下同じ。)をその相手方としないた│ │めの必要な措置(以下「排除措置」という。)を実施するに当たり、法令等に特別の定めがあ│ │る場合のほか、市長と警察署長が緊密に連携するために必要な事項を定めるものとする。  │ └──────────────────────────────────────────┘  市及び外郭団体による暴力団排除の場面として、整理すると、以下のとおり となる。なお、外郭団体においても、役職員の構成員や取引先等に暴力団員や 暴力団関係者が入ってくる可能性があり、その場合は、外郭団体も排除措置の 対象となりうる。 ┌──────────┐ │暴力団排除場面一覧表│ └──────────┘ ┌───────┬──────────┬───────────┬───────────┐ │項目     │細目        │市⇔外郭団体     │外郭団体⇔事業者等  │ ├──┬────┼──────────┼───────────┼───────────┤ │  │    │1)指定管理者    │○(市暴排条例第7条)│           │ │  │    ├──────────┼───────────┼───────────┤ │  │    │2)再委託先     │○(事前の書面承諾) │○(市暴排条例第12  │ │  │指定管理│          │           │条)         │ │  │    ├──────────┼───────────┼───────────┤ │公の│    │3)施設利用者    │           │○(市暴排条例第8条)│ │施設│    ├──────────┼───────────┼───────────┤ │  │    │4)目的外使用許可  │○(市暴排条例第8条)│           │ │  │    ├──────────┼───────────┼───────────┤ │  │    │行政財産(目的外使 │○(市暴排条例第8条)│           │ │  │使用許可│用許可)      │           │           │ │  │ 貸付 ├──────────┼───────────┼───────────┤ │  │    │普通財産(使用貸借)│○(市暴排条例第8条)│           │ ├──┴────┼──────────┼───────────┼───────────┤ │補助金・負担金│交付先       │○(市暴排条例第12  │○(市暴排条例第12  │ │       │          │条)         │条)         │ ├───────┼──────────┼───────────┼───────────┤ │       │1)契約先      │○(市暴排条例第7条)│           │ │ 委託契約  ├──────────┼───────────┼───────────┤ │       │2)再委託先     │○(事前の書面承諾) │○(市暴排条例第12  │ │       │          │           │条)         │ ├───────┼──────────┼───────────┼───────────┤ │ 賛助会員  │          │           │○(市暴排条例第5条 │ │       │          │           │第3項、第12条)   │ └───────┴──────────┴───────────┴───────────┘ (2)市と外郭団体の関わりにおいて ア 公の施設について (ア)指定管理者からの暴力団排除 【事実関係】  市暴排条例では、以下の規定を設けている。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │第7条(市の事務及び事業における措置)                      │ │ 市は、公共工事その他の市の事務又は事業により暴力団を利することとならないよう、暴│ │力団員等を市が実施する入札に参加させない等の必要な措置を講ずるものとする。    │ └─────────────────────────────────────────┘  また、事務取扱要領(平成25年4月改正)の資料3「岐阜市○○施設指定 管理者指定申請にかかる誓約書」において、「6『岐阜市が行う事務事業から の暴力団排除に関する合意書』の第4条に規定する排除措置の対象ではないこ と」と記載されており、暴力団関係者ではないことを誓約することが、指定管 理者に応募するための前提条件となっている。  排除措置の対象としては、以下のとおりである。 ┌─────┐ │暴排合意書│ └─────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │第4条(排除措置の対象)                             │ │ 排除措置の対象となる者は、次に掲げるものとする。                │ │(1)暴力団及び暴力団員                             │ │(2)役員等が暴力団員であるなど、暴力団がその経営又は運営に実質的に関与している個│ │  人又は法人等                                 │ │(3)役員等が、暴力団員であることを知りながらこれを使用し、又は雇用している個人又│ │  は法人等                                   │ │(4)役員等がその属する法人等若しくは第三者の不正な利益を図る目的又は第三者に損害│ │  を加える目的をもって、暴力団又は暴力団員等を利用している個人又は法人等    │ │(5)役員等が暴力団又は暴力団員等に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなど、│ │  直接的若しくは積極的に暴力団の維持運営に協力し、又は関与している個人又は法人等│
    │(6)役員等が、その理由を問わず、暴力団又は暴力団員等と社会的に非難されるべき関係│ │  を有している個人又は法人等                          │ │(7)役員等が、暴力団又は暴力団員等がその経営又は運営に実質的に関与している業者で│ │  あることを知りながら、下請契約、業務の再委託契約、資材等の購入契約等を締結し、│ │  これを利用している個人又は法人等                       │ └─────────────────────────────────────────┘ (イ)目的外使用許可からの暴力団排除  下記行政財産の使用許可で述べる。 (ウ)施設使用(事務所使用)からの暴力団排除 a 行政財産について 【事実関係】  外郭団体13団体のうち、8団体は、本部事務所について、市から行政財産 としての使用許可を得ている。そして、使用料は、免除されている。  しかし、公有財産規則には、暴力団関係者を排除するための暴力団排除条項 は、導入されていない。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │第8条(公の施設の使用における措置)                       │ │ 市長若しくは教育委員会又は地方自治法(昭和22年法津第67号)第244条の2第3項に規 │ │定する指定管理者は、市が設置した公の施設が暴力団の活動の用に供され、又はその活動を│ │助長すると認めるときは、当該公の施設の使用を許可せず、又は当該使用の許可を取り消す│ │ことができる。                                  │ └─────────────────────────────────────────┘ 【指摘 管財課】  仮に、暴力団関係者が無償で行政財産を使用する場合、当該暴力団関係者は、 「市が設定した公の施設が暴力団の活動の用に供される」危険性や暴力団の 「活動を助長する」可能性がある。  したがって、そのような事態を防ぐためにも、管財課は、公有財産規則を改 定し、交付規則と同様、使用許可の基準や使用許可取消の要件として、暴力団 排除条項を明記すべきである。 【指摘 使用許可所管課】  所管課は、使用許可の条件として、暴力団関係者ではないことを示す誓約書 を提出させるべきである。 b 普通財産について 【事実関係】  外郭団体13団体中3団体は、本部事務所について、市から普通財産として 無償貸付を受けられるよう、使用貸借契約を締結している。  しかし、市や外郭団体から提供された使用貸借契約には、暴力団排除条項が 導入されていない。 【指摘 使用貸借所管課】  仮に、暴力団関係者が無償で普通財産を使用する場合、当該暴力団関係者は、 「市が設定した公の施設が暴力団の活動の用に供される」危険性や暴力団の 「活動を助長する」可能性がある。  したがって、そのような事態を防ぐためにも、使用貸借契約の相手方に対し て(外郭団体を含む)、暴力団排除条項を明記すべきである。 イ 補助金・負担金について 【事実関係】  市暴排条例の施行に伴い、交付規則において、以下の規定が設けられている。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │第5条の2(補助金等の交付の除外条件)                      │ │ 市長は、補助金等の交付の申請をした者が次の各号のいずれかに該当する場合は、交付の│ │決定を行わないものとする。ただし、市長が必要と認める場合は、この限りでない。   │ │ (1) 暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。次│ │号において「法」という。)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)     │ │ (2) 暴力団員(法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。)             │ │ (3) 岐阜市暴力団排除条例(平成24年岐阜市条例第13号)第6条に規定する暴力団若しく│ │は暴力団員と密接な関係を有する者                         │ └─────────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │第19条(決定の取消し)                              │ │ 市長は、補助事業者が補助事業等に関して次の各号の一に該当すると認めるときは、補助│ │金等の交付の決定の全部又は一部を取り消すことができる。              │ │(1) 補助金等を他の用途に使用したとき。                      │ │(2) 補助金等の交付の決定の内容又はこれに付した条件その他法令等又は市長の命令若し │ │  くは指示に違反したとき。                            │ │(3) 虚偽その他不正の手段により補助金等の交付を受けたとき。            │ │(4) 第5条の2各号のいずれかに該当することが判明したとき。             │ └─────────────────────────────────────────┘  しかし、補助金交付申請書において、暴力団排除条項の記載はない。  また、「岐阜市の交付する補助金等に係る契約事務実施基準」(平成10年11月 19日決裁)においても、補助事業者が締結する契約に関し必要な事項を定めてい るが、暴力団排除についての記載がない。 【指摘 補助金交付所管課】  交付規則第5条の2を遵守するためには、暴力団排除条項を導入した補助金交 付申請書を用いるべきである。 ウ 委託契約について 【事実関係】  市暴排条例では、第7条において、市の事務及び事業における措置から、暴 力団等を排除する規定を設けている。したがって、市の委託事業から、暴力団 等を排除する必要がある。しかし、市と外郭団体との業務委託契約書には、暴 力団排除条項を導入していないものもあった。 【指摘 委託契約所管課】  外郭団体との委託契約を含めて、委託契約全般に、暴力団排除条項を導入す るよう、徹底すべきである。
    (3)外郭団体と事業者等との関わりにおいて  外郭団体は、市と出資等で密接に関連する以上、民間以上に、暴力団排除に は積極的な姿勢が求められる。  ア 外郭団体が指定管理者の場合 (ア)再委託先からの暴力団排除  市暴排条例は、以下のとおり、「利益の供与の禁止」として、以下の条項を 設けている。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │第12条(利益の供与の禁止)                            │ │ 市民及び事業者は、暴力団の威力を利用する目的又は暴力団の活動若しくは運営に協力す│ │る目的で、暴力団員等又は暴力団員等が指定した者に対し、金品その他の財産上の利益の供│ │与をしてはならない。                               │ └─────────────────────────────────────────┘  また、岐阜県暴力団排除条例(平成23年4月1日施行 以下、「県暴排条例」 という)は、以下のとおり、「利益の供与の禁止」、「契約時における措置」に ついて規定している。 ┌──────────────────────────────────────────┐ │第15条(利益の供与の禁止)                             │ │1 事業者は、その行う事業に関し、暴力団員等又は暴力団員等が指定した者に対し、次に │ │  掲げる行為をしてはならない。                          │ │一 暴力団の威力を利用する目的で、金品その他の財産上の利益の供与(以下「利益の供与」│ │  という。)をすること。                             │ │二 暴力団の威力を利用したことに関し、利益の供与をすること。            │ │2 事業者は、前項に定めるもののほか、その行う事業に関し、暴力団員等又は暴力団員等 │ │が指定した者に対し、情を知って、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資すること │ │となる利益の供与をしてはならない。ただし、法令上の義務又は情を知らないでした契約に │ │係る債務の履行として利益の供与をする場合その他正当な理由がある場合は、この限りでな │ │い。                                        │ │第16条(契約時における措置)                            │ │1 事業者は、その行う事業に関し、契約を締結する場合において、当該契約が暴力団の活 │ │動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなるものである疑いがあると認めるときは、 │ │当該契約の相手方が暴力団員等でないことを確認するよう努めなければならない。     │ │2 事業者は、その行う事業に関し、書面による契約を締結するときは、当該契約が暴力団 │ │の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなるものであると認められるときは催告 │ │をすることなく当該契約を解除することができる旨を定めるよう努めなければならない。  │ └──────────────────────────────────────────┘ 【事実関係1)】  市の外郭団体は、事業者として、再委託契約などの契約において、暴力団排 除条項を導入するよう努める義務が生じている。また、行政の政策執行の補完、 代替を行っており、市の事務事業と密接に関係があることから、外郭団体とし ては、民間事業者と比較しても、より一層、市暴排条例を遵守するよう努める 義務を負っているといえる。  しかし、外郭団体は、再委託先との契約において、暴力団排除条項を導入す ることを徹底していない。 【指摘 外郭団体】  外郭団体は、再委託契約を締結する場合においても、委託契約書に、暴力団 排除条項を導入すべきである。 【事実関係2)】  外郭団体は、指定管理施設所管課から、再委託契約書に暴力団排除条項を導 入するよう、指導を受けていない。 【指摘 指定管理施設所管課】  指定管理施設所管課は、再委託業者による暴力団等ではないことの誓約(暴 力団排除条項を導入した契約書への署名押印)があることを、再委託承認の条 件とすべきである。 (イ)施設利用者からの暴力団排除 【事実関係】  上記のとおり、市暴排条例第8条において、指定管理者は、「市が設置した 公の施設が暴力団の活動の用に供され、又はその活動を助長すると認めるとき は、当該公の施設の使用を許可せず、又は当該使用の許可を取り消すことがで きる。」とされている。  また、従前より、指定管理施設について規定する条例の中には、「集団的又 は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織」が利用することがないよ うな措置をとる必要を求めているものも存在する。  暴力団関係者が、地方公共団体から施設管理の委託を受けた管理者に対して、 施設利用を拒否したことに対する損害賠償請求を提訴したが、施設利用承認取 消を認めて、棄却した判例も存在する(東京高判平成14年7月16日)。  暴力団排除条例による公の施設の利用拒否は、地方自治法第244条第2項の 「正当な理由」がある。 ┌──────────────────────────────────────────┐ │第244条(公の施設)                                 │ │2 普通地方公共団体(次条第三項に規定する指定管理者を含む。次項において同じ。)は、│ │正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。       │ └──────────────────────────────────────────┘  外郭団体は、施設の利用について、利用申請書などに、暴力団排除条項を明 記するなどの排除措置を取っていない。 【指摘 指定管理施設所管課、外郭団体】  市と出資等で密接に関連する以上、外郭団体は、施設の利用については、民 間業者よりも、一層、暴力団等の「集団的又は常習的に暴力的不法行為を行う おそれがある組織」が利用することがないような措置をとる必要が生じている。  暴力団排除条例が全国的に施行されている中、暴力団の属性を隠す傾向が顕 著になっている以上、暴力団だと思われるという担当者の主観的な判断で、属 性をチェックするだけでは、足りない。  また、口頭だけで、施設利用者に注意をするだけでは足りない。  仮に、暴力団排除条項を導入していない利用申請書を使用した結果、暴力団 関係者が施設を利用して、その暴力団の運営等の利益となった場合、市及び外 郭団体は、市民に対して、説明責任を果たすことができない事態となるであろ う。  施設の利用については、利用申請書などに暴力団排除条項を明記することで、
    予防的効果が生じるとともに、施設使用許可の取消事由が明確となる。  したがって、外郭団体と指定管理施設所管課は、暴力団排除条項を明記した 利用申請書を作成し、利用するべきである。 【意見 外郭団体】  外郭団体のホームページに、暴力団及び暴力団関係者との関係遮断を明記す ることで、より一層の予防効果や暴力団排除条項により取消効果が大きくなる ことから、暴力団等の反社会的勢力との関係遮断をホームページに明記するこ とが望ましい。 イ 外郭団体が補助事業者の場合 【事実関係1)】  補助事業者が締結する契約に関して、暴力団排除条項を導入することが、市 暴排条例第12条、県暴排条例第15条、同16条にかなう。  しかし、補助事業者が外郭団体である場合、外郭団体が、補助事業のために 契約する契約書等に、暴力団排除条項が導入されていないことがあった。 【指摘 外郭団体】  補助金の交付という公金の交付を受ける場面であるから、通常の委託契約よ りも、一層、暴力団排除が求められている。  したがって、補助事業のために契約する契約書等には、暴力団排除条項を導 入することを徹底すべきである。 【事実関係2)】  外郭団体自体が、補助金を交付しているが、その補助金の申請にあたり、暴 力団排除条項を、交付申請書に明記していないことがあった。 【指摘 外郭団体】  市と出資等で密接に関連する以上、外郭団体は、民間業者よりも、いっそう、 暴力団関係者を利することのないよう注意しなければならない。  したがって、外郭団体が交付している補助金の申請については、補助金交付 申請書に、暴力団排除条項を明記すべきである。 ウ 外郭団体が受託者(委託契約)の場合 【事実関係1)】  市の外郭団体は、事業者として、再委託契約などの契約において、暴力団排 除条項を導入するよう努める義務が生じている。また、行政の政策執行の補完、 代替を行っており、岐阜市の事務事業と密接に関係があることから、外郭団体 としては、民間事業者よりも、より一層、市暴排条例を遵守するよう努める義 務を負っているといえる。しかし、外郭団体は、再委託先との契約において、 暴力団排除条項を導入することを徹底していない。 【指摘 外郭団体】  外郭団体は、再委託契約においても、委託契約書に、暴力団排除条項を導入 すべきである。 【事実関係2)】  外郭団体は、市の所管課や委託契約所管課から、再委託契約書に暴力団排除 条項を導入するよう、指導を受けていないことがあった。 【指摘 委託契約所管課】  委託契約所管課も、再委託業者による暴力団等ではないことの誓約(暴力団 排除条項を導入した契約書への署名押印)があることを、再委託承認の条件と すべきである。 エ 賛助会員からの暴力団排除 【事実関係1)】  市は、市暴排条例第5条第2項及び第3項において、以下のとおり、規定して いる。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │2 事業者は、基本理念にのっとり、その行う事業(事業の準備を含む。以下同じ。)によ│ │ り暴力団を利することとならないようにするとともに、市が実施する暴力団の排除に関 │ │ する施策に協力するものとする。                         │ │3 市民及び事業者は、基本理念にのっとり、暴力団員と社会的に非難されるべき関係を │ │ 持つことがないよう努めるものとする。                      │ └─────────────────────────────────────────┘  外郭団体によっては、賛助会員が存在する。しかしながら、入会資格の制限 規定はなく、資格喪失条項においても、暴力団排除条項はない。入会申込書に おいても暴力団排除条項はない。 【指摘 該当外郭団体】  市は、市暴排条例を施行して、暴力団排除を市の責務としている以上、市の 外郭団体の賛助会員に反社会的勢力が入ることは許されない。  また、賛助会員に反社会的勢力が入ることは、「暴力団員と社会的に非難され るべき関係を持つ」ことにもなりかねず、市暴排条例第5条第2項、同条第3 項及び第12条に反するおそれが強い。  外郭団体は、賛助会員については、賛助会員規程に暴力団排除条項を設ける とともに、加入申込書に暴力団でないことを表明させる条項を挿入するなど徹 底すべきである。 【事実関係2)】  外郭団体の所管課において、外郭団体が賛助会員に関して、暴力団排除条項 を導入するような指導が徹底されていない。 【指摘 該当外郭団体所管課】  市は、市暴排条例を施行して、暴力団排除を市の責務としている以上、市の 外郭団体の賛助会員に反社会的勢力が入ることは許されない。  外郭団体の所管課は、外郭団体に対し、賛助会員については、賛助会員規程 に暴力団排除条項を設けるとともに、加入申込書に暴力団でないことを表明さ せる条項を挿入することを指導すべきである。 (4)まとめ  市暴排条例第8条及び第12条の遵守の徹底を求めるのは、1)市の公の施設 という財産を、暴力団関係者に利用・管理させることが、違法な状態だからで ある。  また、2)市が自ら民間事業者や市民に対して、市暴排条例により要求してい る事項を、市政の政策執行の補完、代替を行っており、市の事務事業と密接に
    関係がある外郭団体に守らせていない状態は、市民に対して説明がつかない。  さらに、3)市は、市暴排条例を平成24年4月1日から施行しているが、2 年以上の期間が経過しているにもかかわらず、同条例の遵守を外郭団体に守ら せることができていない。したがって、以上の3つの点からも、市暴排条例の 規定に従い、各契約書や誓約書や利用申請書、加入申込書において、暴力団排 除条項の導入を強く求めるものである。 13 市の外郭団体に対する情報公開について 【事実関係】  市においては、住民自治基本条例第4条にて、市民はまちづくりの主権者で あると基本理念を述べ、第5条(3)において情報を共有することを基本とし てまちづくりを進めるとしている。  市は、外郭団体を重要な存在として認識しながらも、市のホームページ上、 外郭団体に関する情報を独自に載せてはいない。行財政改革課のホームページ における外郭団体等一覧表において、団体ごとのリンク先を貼っているだけで ある。上述した、外郭団体の情報を整理した経営基本情報調査票及び見直し状 況調査票は、ホームページ上見ることはできない。  外郭団体が半数以上を占める指定管理に関する選定結果やモニタリング結 果等は、ホームページ上に掲載されているが、所管課によっては、過去からの ものをすべて載せていないところもあった。 【指摘 行財政改革課】  市は、市の外郭団体に対する関与についての情報公開が十分であるとはいえ ない。情報公開は、市民の判断の前提となる重要事項であり、その中でも、ホ ームページは、簡便な情報公開手段である。  市民の立場に立てば、行財政改革課のホームページにおいて、市の側からみ た外郭団体の必要な情報を一覧できることに意味がある。  そもそも、経営基本情報調査票を作成しているのは、一覧性の高い情報を集 約して、外郭団体の全容を把握し、行財政改革の観点から、指導・改善に活か すためのものであるが、それは、必ずしも、市内部や外郭団体に関する情報に 精通していない市民にとって、より強い要請が働くものである。  市は、市の外郭団体に対する関与が判る情報をホームページ上で積極的に公 開すべきである。  公開する情報であるが、例えば、本監査において、閲覧することができた外 郭団体ごとの経営基本情報調査票と外郭団体の見直し状況調査票を組み合わ せた形の情報を公開することが考えられる。  例えば、神奈川県相模原市では、市と外郭団体との関わりのほか、市の経営 基本方針や経営計画、自己改革・改善の実績を記載するなど、外郭団体に関す る有益な情報を網羅的に公開している。この基本調書を見れば、相模原市が外 郭団体にどのような関与をしているかということが明確である。是非、参考に されたい。 【指摘 該当指定管理施設所管課】  指定管理施設の情報は、ホームページに掲載する期間が統一されていない。  現在の掲載の大勢に合わせること、導入当初からの流れを追って情報を見る ことは導入の目的が達成されているといえるかの判断に有益であることから すれば、平成18年度の選定時からの情報を掲載するべきである。 【指摘 外郭団体所管課、行財政改革課】  経営改善指針において、インターネットなどを活用した外郭団体の情報公開 の推進が掲げられている。  そうである以上、外郭団体の情報公開が積極的になされているか、適切な時 期になされているかなど、外郭団体所管課及び行財政改革課において適切に管 理すべきである。 14 文書の管理・保管について 【事実関係】  岐阜市文書取扱規則(以下、「文書取扱規則」という)第37条においては、 次のとおり記載されている。 (文書の整理) ┌────────────────────────────────────────┐ │第37条 文書は、常に整理してその所在及び処理状況等を明確にし、あらゆる事態に対処│ │して臨機の処置がとれるよう整備しておかなければならない。            │ │2 文書の整理は、ファイリング・システムで行う。                │ │3 未処理の文書又は懸案中の文書は、懸案フォルダに収納する等の方法により一定の箇│ │所に整理し、文書の所在を明らかにしておかなければならない。           │ └────────────────────────────────────────┘  今回、監査に際して、当初、監査人は、外郭団体所管課に対して、所管する 団体の委託契約書類一式であるとか指定管理施設書類一式という形で資料提 出を求めたところ、例えば、次のような状況があった。 ・指定管理の申請の際に、応募者である外郭団体が添付していたはずの予算書 等が書類の中になかった。 ・指定管理の設定(条例や選定)や当該施設の所管課とモニタリングの所管課 が分かれており、指定管理一式という意味では流れが一元化されていなかった。 ・書類や情報の管理方法は、所管課ごとにばらばらであった。書類の綴じ方方 も時系列になっていないものがあった。 【指摘 行政課】  市の書類整理・保管状況においては、あらゆる事態に対処して臨機の処置が とれるような整備状態にないと思われる状況があったと考える。  文書の整理・保管は、手続の適正担保という側面があり、重要な事項である。  今後は、文書取扱規則第37条に基づき、必要なときに必要な文書が素早く 取り出せるように、適切に文書分類を行い、保管するよう指導・徹底すべきで ある。 第3 外郭団体の問題について 1 本監査の方針と総論の記載について  本監査においては、市の外郭団体に対する関与状況に重点を置いている。  外郭団体独自の問題は各論にて述べるが、現在も有効とされている市の外郭 団体の経営改善指針が遵守されているかも検証することとした。  総論においては、経営改善指針の具体的内容を明示し、その点についての全 般に係る問題点と、外郭団体において複数に見られた法人登記の問題点につい て述べる。 2 経営改善指針について (1)人事給与制度
    1)能力・実績主義の徹底  民間事業者との競争原理の上に立ち、団体の経営状況や業績を反映した団体 独自の人事給与制度の導入等 2)職員の人材育成  団体間での共同研修の実施など、職員に幅広い研修の機会を設定  積極的な人材の育成 (2)業務執行体制 1)責任体制の明確化  役員は民間経営のノウハウを有する人材活用、経営責任者は原則常勤、再 任にあたっては業績を適切に評価 2)簡素効率的な執行体制の確立  民間事業者との競争原理の上に立ち、業務量に応じて常に弾力的に見直す。 (3)自主的・自律的な運営 1)経営課題の把握・経営改善計画の策定  外郭団体所管室及び団体自らが経営状況、業務全般を継続的に点検評価し、 経営課題を的確に把握 2)事業の効率的・効果的な運営  市職員の派遣は最小限、厳しく経費の節減を行うなど事業運営の改善、利用 者満足度調査を実施するなどして点検、施設稼働率や利用者数など適切な成果 目標の設置 3)外郭団体の統廃合  積極的に統廃合の検討を行う。 (4)情報公開の推進  情報公開条例に基づき、情報公開の対象となっている団体については、イン ターネットを活用するなど、経営状況等の積極的な公開に努めること。 【事実関係1)】  経営改善指針と外郭団体の実際を照らし合わせると、指針が徹底されている とはいえないケースが見受けられた。常勤役員がいない団体であるとか、団体 独自の給与制度が導入されていない団体であるとか、インターネットが更新さ れていない団体などである。経営改善指針は、平成16年度策定のもので古く、 外郭団体関係者によっては、その存在を明確に認識していないことがあった。 【指摘 該当外郭団体】  行財政改革課によれば、経営改善指針に記載されていることは、現在におい ても、有効とのことである。市と外郭団体の関係性からすれば、外郭団体は、 基本的には、かかる指針に従って経営をすべきである。  外額団体は、改めて、市の経営改善指針が有効であることを認識した上で、 指針を遵守すべきであるのに遵守していない事項があった該当外郭団体にお いては、その原因を分析し、改善を図るべきである。 【事実関係2)】  経営改善指針においては、積極的な情報公開の推進が掲げられている。  また、外郭団体については、第8条第2項において、まちづくりに関し、市 長及び他の執行機関と同様に住民自治を充実させる努力義務が課せられてい る。しかしながら、複数の外郭団体において、一般法人法において、電子公告 の公告期間は評議委員会終結の日後5年と定められているところ、財団は公益 及び一般に移行して2年目であり、決算が1年分しかないことから法的には1 年分掲載することに問題はないという意見を述べるところが複数団体あった。 【意見 該当外郭団体】  法律で求められていることをしたから問題がないという意見は、市が策定し た経営改善指針を忘れた見解であると言わざるを得ない。  情報公開の推進は、外郭団体であるからこそ、求められているものである。  1年間の事業報告や決算書を開示するのみでは、利用者が財政状態や収支状 況を適正に把握することは通常困難と思われる。準拠すべき会計基準が変わっ たとしても、過去の情報を現行の会計基準に修正して開示することはできるで あろうし、少なくとも概要だけでも修正して開示すれば、情報の利用者たる市 民にとっては有用な情報となる。  一般事業会社においても、平成24年3月期より、企業会計基準第24号「会 計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」が適用され、会計方針の変更等 を行った場合には過去に遡って財務諸表を修正することとなっている。遡及修 正して同じ会計基準に準拠した数値にすることで、財務諸表の比較可能性を確 保し、投資家に対する情報の有用性を高めている。  経営改善指針の情報公開の推進という観点からは、会計基準の変更があった としても、できる限り遡及して修正し、最低でも過去3年分の事業報告や決算 書を掲載することが望ましい。 3 法人登記について 【事実関係】  一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第303条においては、一般社 団法人等において第301条第2項各号又は前条第2項各号に掲げる事項に変 更が生じたときは、2週間以内に、その主たる事務所の所在地において、変更 の登記をしなければならないと規定されている。  第301条第2項各号は、一般社団法人の設立登記事項、第302条第2項各 号は、一般財団法人の設立登記事項である。  それぞれの第5号において、理事の氏名(社団法人)、評議員、理事及び監 事の氏名(財団法人)が登記事項とされている。  これらの者に変更が生じたときは、2週間以内に変更登記をする必要がある。  ここでいう2週間以内とは、民法第140条の規定により初日は参入せず、 民法第142条の規定により、末日が休日に当たるときはその翌日が期間満了 日とされる。  法第303条違反の効果としては、法第342条第1項において、理事、監事、 評議員等は、100万円以下の過料の制裁の可能性がある。  しかしながら、市の外郭団体の登記情報を確認したところ、複数の団体につ いては、役員等の変更登記が期間内になされていなかった。 【指摘 該当外郭団体】  期間の経過期間や遅滞の範囲まで態様は一律ではない。しかし、法律に反す る事態が発生しているということでは同じである。遅滞が常態化すると、変更 登記がなされない役員等が第三者に法的責任を負うリスクもありうる。  該当外郭団体においては、まずは、変更登記が遅延した原因を分析した上で、 今後は、法律に適合する形で変更登記をすべきである。  なお、観光コンベンション協会は、定款第24条第5号において、「役員に異 動があったときは、2週間以内に登記し、遅滞なくその旨を岐阜県知事に届け 出なければならない」と明記して、意識付けを図っていることは、参考になる。 第4 過去の包括外部監査の措置状況について
    1 指摘・意見と措置状況について 【事実関係】  過去、市で実施された包括外部監査においては、外郭団体そのものがテーマ とされたもののほかに、契約、補助金・負担金、指定管理などで外郭団体に関 連する指摘・意見が出され、行政課において、指摘意見とその部分に対応する 措置状況を公開している。  しかしながら、本監査において、関係する過去の措置状況を確認したところ、 検討中とありながら、実際には検討されているとは評価できなかったり、措置 済みとありながら、指摘・意見に対応する形で措置がなされていなかったり、 あるいは、そもそも、指摘や意見に対する回答として適切でなかった事例が複 数見られた。 【指摘 措置実施所管課、行政課】  市民にとっては、包括外部監査の指摘・意見に対する市の措置状況は重要で ある。  膨大な監査報告書を逐一見るということは、必ずしも現実的ではなく、措置 状況の結果一覧をホームページ上で確認する市民が多くいると思われるから である。  措置状況については、指摘・意見との対応において所管課における措置状況 の記載が適切か、記載のとおり措置を講じているか、措置実施所管課だけでは なく、行政課においても、必ず検証すべきである。 【指摘 措置実施所管課】  外部監査人からの指摘・意見は、本来、行財政改革のために有効なもののは ずであり、これを最大限に活かす体制を作るべきである。 2 措置状況の経過について 【事実関係】  過去の措置状況については、措置状況がなされるとそれ以前の年度の措置状 況に上書きされていくため、措置状況の経過が判らない。 【指摘 行政課】  市民に対する説明責任や措置実施所管課における意識付けの観点からも、ホ ームページ上で、措置状況の経過まで公開すべきである。 第3章 特別法人岐阜市土地開発公社 第1 概要  1 基本情報 ┌─┬───────┬──────────────────────────────┐ │ │設立年月日  │平成7年4月3日                        │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │所在地    │岐阜市神田町1丁目11番地 岐阜市役所南庁舎1階        │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │所管課    │行政部 管財課                       │ │ ├───────┼───────────┬──────┬───────────┤ │ │基本財産   │      10,000千円│うち市出資額│      10,000千円│ │ │       │           │(割合)  │       (100%)│ │ ├───────┼───────────┴──────┴───────────┤ │ │沿革     │平成7年4月3日                        │ │ │       │公有地の拡大の推進に関する法律に基づき設立         │ │ │       │財団法人岐阜市開発公社(現在のにぎわいまち公社)より土地の先│ │ │       │行取得事業を引き継ぐ                    │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │設立目的   │公共用地、公用地等の取得、管理、処分等を行うこと等により、地│ │ │(定款第1条) │域の秩序ある整備と市民福祉の増進に寄与すること       │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │事業内容   │1 上記目的を達成するため、次の業務を行う。         │ │ │(定款第18条)│(1)次に掲げる土地の取得、造成その他の管理及び処分を行うこ │ │基│       │  と。                          │ │本│       │イ 公有地の拡大の推進に関する法律第4条第1項又は第5条第1  │ │事│       │  項に規定する土地                    │ │項│       │ロ 道路、公園、緑地その他の公共施設又は公用施設の用に供する│ │ │       │  土地                          │ │ │       │ハ 公営企業の用に供する土地                │ │ │       │ニ 都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第7項に規定す   │ │ │       │  る市街地開発事業の用に供する土地            │ │ │       │ホ 観光施設事業の用に供する土地              │ │ │       │ヘ 当該地域の自然環境を保全することが特に必要な土地    │ │ │       │ト 史跡、名勝又は天然記念物の保護又は管理のために必要な土地│ │ │       │(2)住宅用地の造成事業並びに地域開発のためにする内陸工業用 │ │ │       │  地、流通業務団地及び事務所、店舗等の用に供する一団の土 │ │ │       │  地の造成事業を行うこと。                │ │ │       │(3)前2号の業務に附帯する業務を行うこと。         │ │ │       │2 前項の業務のほか、当該業務の遂行に支障のない範囲内におい │ │ │       │ て、次に掲げる業務を行う。                │ │ │       │(1)前項1号の土地の造成(一団の土地に係るものに限る。)又 │ │ │       │  は同項2号の事業の実施と併せて整備されるべき公共施設又  │ │ │       │  は公用施設の整備で地方公共団体の委託に基づくもの及び当 │ │ │       │  該業務に附帯する業務を行うこと。            │ │ │       │(2)国、地方公共団体その他公共的団体の委託に基づき、土地の │ │ │       │  取得のあっせん、調査、測量その他これらに類する業務を行う│ │ │       │  こと。                         │ └─┴───────┴──────────────────────────────┘        (平成26年3月31日現在) ┌─┬───┬───┬───┬───┐ │ │区分 │役員 │評議員│職員 │ │組├───┼───┼───┼───┤ │織│常勤 │  1名│  -│  2名│ │状├───┼───┼───┼───┤ │況│非常勤│ 12名│  -│  5名│ │ ├───┼───┼───┼───┤ │ │合計 │ 13名│  -│  7名│ └─┴───┴───┴───┴───┘
                          (単位:千円) ┌─┬───────┬─────┬─────┬─────┐ │ │  区分   │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総収入額   │  107,785│  107,375│  471,943│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総支出額   │  112,462│  109,523│  465,340│ │財├───────┼─────┼─────┼─────┤ │務│(うち人件費)│ (5,928)│ (5,891)│ (6,098)│ │の├───────┼─────┼─────┼─────┤ │状│差引収支額  │  -4,676│  -2,147│   6,602│ │況├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総資産額   │ 2,643,233│ 2,540,031│ 2,088,961│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総負債額   │ 2,601,896│ 2,500,842│ 2,043,170│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │正味財産額  │  41,336│  39,189│  45,791│ └─┴───────┴─────┴─────┴─────┘                        (単位:千円) ┌─┬────────┬─────┬─────┬─────┐ │ │   区分   │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │市├────────┼─────┼─────┼─────┤ │の│賃借料     │     -│     -│   7,682│ │財├────────┼─────┼─────┼─────┤ │政│金融機関への返済│   3,851│   2,122│   2,722│ │支├────────┼─────┼─────┼─────┤ │出│事務費     │     -│     -│   1,854│ │ ├────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │合計      │   3,851│   2,122│  12,259│ └─┴────────┴─────┴─────┴─────┘                                   (単位:千円) ┌─┬─────────────────────────────────────┐ │ │                平成25年度                │ │ ├─────────┬─────────────────────┬─────┤ │ │   事業名   │        事業内容         │ 事業費 │ │ ├─────────┼─────────────────────┼─────┤ │ │公有地取得事業(取│一般国道156号岐阜東バイパス改築工事用地取 │    672│ │ │得、管理業務)  │得事業の用に供する土地の管理       │※支払利息│ │ ├─────────┼─────────────────────┼─────┤ │ │公有地取得事業(処│岐阜大学医学部等跡地整備事業の用に供する土│  329,781│ │ │分業務)     │地3,300.00m2を岐阜市へ売却        │     │ │事├─────────┼─────────────────────┼─────┤ │業│公有地取得事業(処│一般国道156号岐阜東バイパス改築工事用地取 │  133,553│ │の│分業務)     │得事業の用に供する土地5,074.98m2を国へ売 │     │ │概│         │却                    │     │ │要├─────────┼─────────────────────┼─────┤ │ │附帯等事業    │保有土地の暫定利用として、岐阜大学医学部等│   7,682│ │ │         │跡地整備事業の用に供する土地(岐阜市司町40│     │ │ │         │番1)を資材置き場として貸付        │     │ │ ├─────────┼─────────────────────┼─────┤ │ │附帯等事業    │保有土地の暫定利用として、都市計画道路岐阜│    909│ │ │         │駅那加線事業の用に供する土地(高砂町2丁目 │     │ │ │         │50番4ほか1筆)を駐車場として貸付     │     │ │ ├─────────┼─────────────────────┼─────┤ │ │附帯等事業    │その他(受取利息)            │    17│ └─┴─────────┴─────────────────────┴─────┘ 2 沿革   平成7年、公有地の拡大の推進に関する法律に基づき設立された。 第2 事実関係及び指摘・意見 1 はじめに   土地開発公社の業務及びその執行については、法令及び定款の定めると  ころによるほか、「岐阜市土地開発公社業務方法書」(以下「方法書」とい  う。)の定めるところによるとされている。   方法書第2条では、「公社は、1)岐阜市の開発計画の秩序ある実現に積極                   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  的に協力するため、その必要とする公共用地等の取得、造成、処分等の業   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  務を行い、合わせて2)国及び他の地方公共団体が必要とする公共用地等の先   ̄          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  行取得に協力するものとする。」と定められている。   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   都市計画道路岐阜駅那加線事業(以下「岐阜駅那加線事業」という。)及  び岐阜大学医学部等跡地整備事業(以下「岐大跡地整備事業」という。)の  用に供する土地の取得、管理及び処分が、下線部1)に関する業務である。   一般国道156号岐阜東バイパス改築工事用地取得事業(以下「岐阜東バ  イパス事業」という。)の用に供する土地の取得、管理及び処分が、下線部  2)に関する業務である。なお、かかる業務は、平成25年度で終了した。   下線部1)と2)の業務では、協力先にこそ違いはあるが、どちらの業務も、  土地の取得、土地の管理、土地の処分という3つの段階を経て完了するこ  とでは同一である。そこで、以下では、土地開発公社の業務を、3つのカ  テゴリー(土地の取得、土地の管理、土地の処分)に分けて、それぞれ、  事実関係を説明し、指摘及び意見を述べる。 2 土地の取得について (1)手続きの流れ  先行取得事業を行う場合、以下の手続きによる。                                   (「方法書」より) ┌────────────────────┬────────────────────┐ │  公共用地等先行取得事業委託申込書  │  随時申込書(緊急を要するもの)   │ └────────────────────┴────────────────────┘                      ↓
    ┌─────────────────────────────────────────┐ │                 土地開発公社                  │ └─────────────────────────────────────────┘                      ↓ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                理事長と市と協議                 │ └─────────────────────────────────────────┘                      ↓ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                事業受託契約を締結                │ └─────────────────────────────────────────┘                      ↓ ┌─────────────────────────────────────────┐ │理事長は、委託を受けた取得事業等が完了したときは、市長にその旨通知する。委託を受 │ │けた事業が2年以上にわたるものについては、年度末における執行状況を市長に通知する。 │ └─────────────────────────────────────────┘ (2)土地の取得・保有状況について  平成26年3月31日現在、公社が保有する土地は、以下のとおりである。 <岐阜駅那加線事業> ┌────────┬─────┬─────┬───────┐ │  所在地   │地積(m2)│取得年月日│取得価額(円)│ ├────────┼─────┼─────┼───────┤ │高砂町4丁目50-5 │ 1,369.06│ H10.11.26│  342,265,000│ ├────────┼─────┼─────┼───────┤ │高砂町2丁目50-4 │ 1,691.86│ H11.09.30│  414,505,700│ ├────────┼─────┼─────┼───────┤ │高砂町3丁目50-4 │  924.29│ H11.09.30│  197,798,060│ ├────────┼─────┼─────┼───────┤ │高砂町3丁目51-6 │  772.87│ H13.03.30│  133,706,510│ ├────────┼─────┼─────┼───────┤ │   計    │ 4,758.08│     │ 1,088,275,270│ └────────┴─────┴─────┴───────┘ <岐大跡地整備事業> ┌────────┬─────┬─────┬───────┐ │  所在地   │地積(m2)│取得年月日│取得価額(円)│ ├────────┼─────┼─────┼───────┤ │司町40-1    │ 7,193.60│ H22.9.30│  714,845,000│ └────────┴─────┴─────┴───────┘                       (公社資料より)  岐阜駅那加線事業においては、平成10年5月29日付け事業用地の先行取得 に関する契約書において、そして、岐大跡地整備事業においては、平成22年 8月2日付け事業用地の先行取得に関する契約書において、それぞれ、先行取 得した土地を市が将来買い取ることが約束されている。 (3)土地の先行取得方法  市が、公用若しくは公共用に供する土地又は公共の利益のために、土地を先 行取得する場合、概ね、次の3とおりの方法がある。 (4)岐阜駅那加線事業及び岐大跡地整備事業における先行取得 ア 岐阜駅那加線事業  土地開発公社は、平成10年から平成13年にかけて取得した土地について、 当初、金融機関からの借入金により先行取得した。  しかし、平成20年11月28日、市は、土地開発公社に対し、「岐阜市土地開 発基金」から無利息で貸し付け、これをもって、土地開発公社は、金融機関か らの借入金を返済した。なお、同基金からの貸付金額は、平成26年3月31 日現在、1,324,273,271円、基金の残高は、同日現在、2,228,634,529円であ る。  これは、土地開発公社が金融機関に支払う利息が、将来、市が土地開発公社 より土地を買い取る際の負担となるため(下記「4」土地の処分参照)、それ を軽減するためにとられた措置である。  図で示すと、次のとおりである。 イ 岐大跡地整備事業  土地開発公社は、「岐阜大学医学部跡地整備基金」からの無利息の借入金に より、先行取得した。同基金からの貸付金額は、平成26年3月31日現在、 714,845,000円である。同基金の残高は、同日現在、4,452,104,000円である。 ウ 基金からの貸付けについて 【事実関係】  岐阜市土地開発基金及び岐阜大学医学部跡地整備基金は、基金について定め る地方自治法第241条の基金である。  岐阜市土地開発基金は、岐阜市土地開発基金条例(昭和44年10月22日条 例第26号)を根拠とし、「公用若しくは公共用に供する土地又は公共の利益の ために取得する必要のある土地をあらかじめ取得することにより、事業の円滑 な執行を図るため」(第1条)に設置された。  同条例には、土地開発公社への貸付けを可能とする明文の根拠規定はない。  もっとも、岐阜市土地開発基金貸付要綱(平成14年9月4日施行)が作成 されており、これには貸付けに必要な事項が定められている。  他方、岐阜大学医学部跡地整備基金は、岐阜市基金条例(昭和39年3月31 日条例第9号)を根拠とし、「岐阜大学医学部跡地の総合的整備に充てるため」 (第2条)に設置された。  同条例第5条第2項には、「市長は、基金の目的に応じ、必要があると認め るときは、岐阜市土地開発公社へ貸し付けることができる。」と規定されてい る。それを受けて、岐阜市基金条例に定める基金の貸付要綱が作成されている (平成21年4月1日施行)。  市が土地開発公社に基金を貸し付ける場合、以下の手続きによる。 ┌─────────────────────────────────────┐ │        公社は、事業計画書を市長に提出(第3条)         │ └─────────────────────────────────────┘                    ↓
    ┌─────────────────────────────────────┐ │  市長は、承認通知書により、公社に通知(貸付限度額の決定)(第4条)  │ └─────────────────────────────────────┘                    ↓ ┌─────────────────────────────────────┐ │     公社は、市と書面により貸付に関する契約を締結(第5条)     │ └─────────────────────────────────────┘                    ↓ ┌─────────────────────────────────────┐ │  公社は、借入申込書を市長に提出(限度額の範囲内で申込み)(第6条)  │ └─────────────────────────────────────┘                    ↓ ┌─────────────────────────────────────┐ │     市長は、貸付額決定通知書により、公社に通知(第7条)      │ └─────────────────────────────────────┘                    ↓ ┌─────────────────────────────────────┐ │         公社は、借用証書を市長に提出(第8条)         │ └─────────────────────────────────────┘ (「岐阜市基金条例に定める基金の貸付要綱」・「岐阜市土地開発基金貸付要綱より) 【意見 財政課】  岐阜市土地開発基金条例第3条では、「市長は、基金の設置の目的に応じ、 基金の確実かつ効率的な運用に努めなければならない」と定められている。  同条例の設置目的が、「公用若しくは公共用に供する土地又は公共の利益の ために取得する必要のある土地をあらかじめ取得することにより、事業の円滑 な執行を図る」(第1条)ことにあることからすると、本来は、上記(3)B の方法(土地開発基金で先行取得する方法)が想定されており、上記第3条は、 土地開発基金で先行取得する前提で、そのために基金を確実かつ効率的に運用 することを指していると考えられる。土地開発基金を貸し付けることも「運用」 という文言に含まれると解釈することは可能ではあるが、土地開発公社への貸 付けは無利息であり、効率的な運用という意味からすれば、例外とも解釈しう る。他方において、岐阜市基金条例においては、第5条第2項において、土地 開発公社への貸付けの根拠を明文化している。  したがって、岐阜市土地開発基金条例においても、土地開発公社への貸付け の根拠となる条項の追加を検討することが望ましい。なお、市においては、土 地開発基金を公社へ貸し付ける要綱はあるが、要綱は、あくまで内規にすぎず、 それがあれば足りると考えるべきではない。  ちなみに、岐阜市同様、中核市である岡崎市においては、岡崎市土地開発基 金条例第3条において、岡崎市土地開発公社に対する貸付金の運用及び無利息 での貸付けを明文化していることは参考になる。 3 土地の管理について (1)はじめに  土地開発公社が先行取得した土地については、本来の用途に供するまでの間、 適正な管理が図られ、必要な措置が講じられることになる。方法書第8条第3 項では、「公社は、第1項の土地を、その用途に供するまでの間、岐阜市長と 協議してその用途に供する場合に支障のない範囲内で、貸付その他の方法によ り有効に利用することができる」と定められている。 (2)岐阜駅那加線事業 【事実関係】  土地開発公社は、下記図のA、B、C、Dで囲まれた部分の土地を保有して いる。  このうち、貸し付けている土地(1)、2)、3)の部分)の状況は、以下のとお りである。                          (平成26年3月31日現在) ┌────────┬─────┬─────┬──────┬───────┐ │  所在地   │地積(m2)│取得年月日│貸付料(円)│貸付面積(m2)│ ├────────┼─────┼─────┼──────┼───────┤ │高砂町4丁目50-5 │ 1,369.06│ H10.11.26│      -│       -│ ├────────┼─────┼─────┼──────┼───────┤ │高砂町2丁目50-4 │ 1,691.86│ H11.09.30│   600,000│    100.70│ ├────────┼─────┼─────┼──────┼───────┤ │高砂町3丁目50-4 │  924.29│ H11.09.30│      -│       -│ ├────────┼─────┼─────┼──────┼───────┤ │高砂町3丁目51-6 │  772.87│ H13.03.30│   300,000│     50.35│ ├────────┼─────┼─────┼──────┼───────┤ │   計    │ 4,758.08│     │   900,000│    151.05│ └────────┴─────┴─────┴──────┴───────┘                              (公社資料より)  このように、土地開発公社が保有している土地のうち、一部分しか貸し付け がなされていない。  貸し付けられていない土地の中には、駐車場の出入り口になるため貸付けす ることができない土地もあるが、貸付け自体は可能な土地も存在する。  樹木が植えられているという理由で、貸付けがなされていない土地(上記図 のA、B、C、D部分)も存在する。土地開発公社によれば、ある方が樹木を 植えたが、緑の景観を思い、道行く人を楽しませている心は大切にしたい、そ の方からは、いつでも樹は切ってもらって構わないと言われているとのことで あった。 【指摘 土地開発公社】  公社は、保有する土地について、本来の事業の用に供するまでの間、方法書 第8条第3項に定められている範囲内で、可能な限り有効に利用することがで きるようにすべきとされている。  方法書第8条第4項では、「前項の規定により土地を貸付ける場合は、原則 として時価による貸付料を徴収することとし、公社が必要と認めたときは、い つでも解約できる旨の条件を付するものとする」と定められている。なお、時 価については、市の「普通財産(土地及び建物)貸付料算定基準」に準拠して 算出される。  土地開発公社の述べるとおりであれば、樹木を植えられた方の考えを否定す るというものではないが、問題は、土地開発公社が契約関係書類もなく、無償
    で土地を使用させているという事実である。  無償使用に至る際の事実関係については、資料がないため明確ではないが、 法律上は、取得時効(民法第162条)が主張される可能性も否定できない。  土地利用が必要となった場合には、原状回復の上、明け渡しを確実にしても らえるように、樹木を植えた方との間で、契約関係を書類上で明確にすべきで ある。 【意見 土地開発公社】  樹木が植えられている状態のままでは、借りることができる土地であるとは 通常の人は考えない。土地開発公社が借り手を見つける努力をしたり、あるい は、事情を知る人がいたりしない限り、借り手が現れないため、この土地につ き、樹木が植えられている現状のままとしておいてよいか検討することが望ま しい。 【指摘 土地開発公社】  保有している土地が貸付可能であるのにもかかわらず、貸付けがなされてい ないのであれば、「可能な限り有効に利用されている」とは評価されない。こ の場合、方法書に反し、機会損失が発生する。  まず、貸付可能な土地については、土地開発公社において、借り手を見つけ る努力をすべきである。具体的には、「宅地建物取引業者に依頼する」、「土地 開発公社のホームページに掲載する」といった方法などが考えられる。 (3)岐大跡地整備事業 【事実関係】  土地開発公社は、市に対し、市の第1期整備事業施工に要する施設建設工事 の工事ヤードとして、下記の土地を平成25年7月1日より貸し付けている。 ┌─────┬─────┬─────┬──────┬───────┐ │ 所在地 │地積(m2)│取得年月日│貸付料(円)│貸付面積(m2)│ ├─────┼─────┼─────┼──────┼───────┤ │司町40-1 │ 7,193.60│ H22.9.30│  7,682,764│   7,193.60│ └─────┴─────┴─────┴──────┴───────┘                           (公社資料より)  平成25年度において、市は、土地開発公社に対し、7,682,764円の地代(平 成25年7月1日から平成26年3月31日までの地代)を支払っている。  上記のとおり、この土地は市が将来買い取ることを約束している土地であり、 かつ、市は基金を無利息で貸し付けている  また、土地開発公社は、市役所南庁舎1階に事務所を設置しており、市から 目的外使用許可を得て、市の建物を使用している状況にある。市は、岐阜市使 用料徴収条例第4条に該当するとして、土地開発公社から使用料を徴収してい ない。免除該当理由は、「岐阜市行政及び事業と密接に関連する業務に従事す る公共団体または職員に対する福利厚生事業を市と一体となって行う団体で あり、市がこれら団体に対する便宜供与として、行政財産の目的外使用におけ る使用料を免除することが適当と判断されるため」とされている。  このように、市は、土地開発公社から、事務所の使用料や貸付金利息を全く 徴収していないにもかかわらず、土地開発公社に対し、将来買い取ることを約 束している土地の地代を支払っている。 【指摘 ぎふメディアコスモス開設準備課、管財課、土地開発公社】  土地開発公社が金融機関からの借入金によって土地を取得する場合、金融機 関へは利息を支払うことになる。この場合において、市が土地開発公社から土 地を借り受けるにあたって、地代を支払うことは理解できる。下記表の1)のよ うな場合である。  これに対し、土地開発公社が金融機関からの借入金を市からの無利息の借入 金(基金)によって返済した場合において、市が土地開発公社から土地を借り 受けるにあたって、地代を支払えば、土地開発公社は、何の負担もなく地代収 入を得ることになる。下記表の2)のような場合である。 ┌─────┬──────┬──────┐ │     │  1)   │  2)   │ ├─────┼──────┼──────┤ │資金の貸付│ 金融機関 │  市   │ ├─────┼──────┼──────┤ │  |  │  ↑   │  ↑   │ │  |  │利息の支払 │ 無利息  │ │  ↓  │  |   │  |   │ ├─────┼──────┼──────┤ │土地の購入│土地開発公社│土地開発公社│ ├─────┼──────┼──────┤ │  |  │  ↑   │  ↑   │ │  |  │地代の支払 │地代の支払 │ │  ↓  │  |   │  |   │ ├─────┼──────┼──────┤ │土地の使用│  市   │  市   │ └─────┴──────┴──────┘  また、公社の定款第26条第2項に「この土地開発公社は、解散した場合に おいて、債務を弁済してなお残余財産があるときは、これを岐阜市に帰属させ る」と規定されている。このように、土地開発公社の財産は、解散により、最 終的に市に戻ってくることとなるが、地代として土地開発公社に支出された市 の貴重な資金は、土地開発公社の経費として使用されるもの以外は、土地開発 公社が解散するまでの間、土地開発公社の中で利用されないままの状態となる。  しかも、土地開発公社の事務所使用料については、上記のとおり免除されて いる。  市が土地開発公社から借り受け使用している土地について、土地開発公社に 地代を支払う合理的な理由があるとは考えがたく、両者協議の上、無償とすべ きである。 4 土地の処分について (1)処分価格について  方法書第9条では、「公社が土地を住宅用地、工業用地等として直接私人に 売却する場合は、処分方法、処分価格等についてあらかじめ理事会に諮った上 で、岐阜市長と協議する」と定められている。また、方法書第10条では、「公 社は、3)第2条に規定する土地を適正な価格で処分するものとする。ただし、      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 前条の規定により売却する場合又は本条の規定により算出した価格が時価に
    比して著しく低い場合は、時価を基準として定める額とすることができる」と 定められている。  上記のとおり、平成26年3月31日現在、土地開発公社が保有している土地 は、すべて下線部3)に相当する土地であり、方法書第9条によって土地を処分 することは現在行われていないので、適正な価格で処分されることになる。 (2)土地の取得価額と時価との差額について 【事実関係】  公社が先行取得した土地については、将来地方公共団体等に処分されること になる。特に、市の委託によって取得した土地については、将来市に処分され ることが確定している。  その処分価格は、岐阜駅那加線事業や岐大跡地整備事業では、1)用地費、補 償費、及びその他土地開発公社が事業用地の取得に要した費用、2)土地開発公 社が先行取得業務に要した事務費、3)1)及び2)の費用の支出に有利子の資金が 充てられた場合の当該利子支払額の合計額となっている。  例えば、平成22年8月2日付けで締結した「事業用地の先行取得に関する 契約書」に基づき、土地開発公社が先行取得した岐大跡地整備事業に必要な用 地の一部(司町40-1、30,853.84m2のうち3,300.00m2)を処分した場合の処 分価格は327,927,000円であった。  その算定方法は、以下のとおりである。 ┌───┬──────┬──────────┐ │項目 │  金額  │   算定方法   │ ├───┼──────┼──────────┤ │土地 │ 327,927,000│3,300.00m2×99,372円│ ├───┼──────┼──────────┤ │事務費│  1,854,000│3,300.00m2×562円  │ ├───┼──────┼──────────┤ │合計 │ 329,781,000│          │ └───┴──────┴──────────┘  土地の単価については、以下のとおり算出されている。 ┌───────────┬────────────┬─────────┐ │(A)土地取得費(円)│(B)先行取得面積(m2)│単価(A)/(B)│ ├───────────┼────────────┼─────────┤ │     3,066,000,000│        30,853.84│      99,372│ └───────────┴────────────┴─────────┘  事務費の単価については、以下のとおり算出されている。 ┌─────────┬────────────┬─────────┐ │(A)事務費(円)│(B)先行取得面積(m2)│単価(A)/(B)│ ├─────────┼────────────┼─────────┤ │    17,330,000│        30,853.84│        562│ └─────────┴────────────┴─────────┘  事務費については、事務比率が決められており、以下のとおり算出されてい る。なお、直接事業費とは、土地取得費や測量試験費などの直接事業のために 支出した費用を合計したものである。 ┌────┬───────────┬──────────┬──────────┐ │ 年度 │(A)直接事業費(円)│(B)事務比率(%)│事務費(A)×(B)│ ├────┼───────────┼──────────┼──────────┤ │平成22年│      50,000,000│        2.00│      1,000,000│ │度~平成├───────────┼──────────┼──────────┤ │    │      50,000,000│        1.50│       750,000│ ├────┼───────────┼──────────┼──────────┤ │32年度 │      100,000,000│        1.00│      1,000,000│ │    ├───────────┼──────────┼──────────┤ │    │      100,000,000│        0.75│       750,000│ │    ├───────────┼──────────┼──────────┤ │    │     2,766,338,483│        0.50│     13,831,692│ ├────┼───────────┼──────────┼──────────┤ │ 合計 │     3,066,338,483│          │     17,331,692│ └────┴───────────┴──────────┴──────────┘                                 (公社資料より)  このように土地の処分価格については、その取得費や取得面積を基に算定さ れるため、地方公共団体等と事業受託契約を締結した時点でほぼ決定しており、 契約締結以降、土地の価格がどれだけ上下しても、契約された価格で処分され ることになる。  土地は、価格が変動するため、取得価格と時価とに差額が発生する可能性が ある。例えば、平成26年8月4日、土地開発公社は、市に対し、保有する土 地の評価につき、平成26年相続税評価額を評価の条件として依頼しているが (土地評価依頼書)、その結果、評価された額は、取得価額を数%から50%程 度下回っている。  このように、土地開発公社が保有する土地について、取得価格と評価額とに 差額が発生している。 <岐阜駅那加線事業> ┌────────┬─────┬─────┬───────┬─────────┐ │  所在地   │地積(m2)│取得年月日│取得価額(円)│※時価相当額(円)│ ├────────┼─────┼─────┼───────┼─────────┤ │高砂町4丁目50-5 │ 1,369.06│ H10.11.26│  342,265,000│    162,726,472│ ├────────┼─────┼─────┼───────┼─────────┤ │高砂町2丁目50-4 │ 1,691.86│ H11.09.30│  414,505,700│    213,039,011│ ├────────┼─────┼─────┼───────┼─────────┤ │高砂町3丁目50-4 │  924.29│ H11.09.30│  197,798,060│    108,273,641│ ├────────┼─────┼─────┼───────┼─────────┤ │高砂町3丁目51-6 │  772.87│ H13.03.30│  133,706,510│    90,900,139│ ├────────┼─────┼─────┼───────┼─────────┤ │   計    │ 4,758.08│     │ 1,088,275,270│    574,939,263│ └────────┴─────┴─────┴───────┴─────────┘ <岐大跡地整備事業> ┌─────┬─────┬─────┬───────┬─────────┐ │ 所在地 │地積(m2)│取得年月日│取得価額(円)│※時価相当額(円)│ ├─────┼─────┼─────┼───────┼─────────┤ │司町40-1 │ 7,193.60│ H22.9.30│  714,845,000│    671,522,560│ └─────┴─────┴─────┴───────┴─────────┘                              (公社資料より)                  ※固定資産税評価額より算出した時価相当額
    5 組織の存続について 【事実関係】  市は、土地開発公社の今後について、存廃も含めて検討した結果、今後も存 続するという結論を導き出した。その理由として、経営は健全であり、市に与 える影響も極めて少ないこと、また、今後も土地開発公社が先行取得する事業 が予定されていることなどが挙げられている。  しかし、ここ数年、市が取得する土地のうち、土地開発公社を利用して先行 取得する土地の割合は数%であり、土地開発公社の利用頻度は低い。  平成25年度に市によって行われた「土地開発公社の運営に関する他都市調 査結果」(下記表参照)によれば、中核市42市のうち12市の中核市で土地開 発公社が存在しない。 <中核市42市(市を含む)における土地開発公社の有無> ┌─────────────────────┬─────────────────────┐ │          有          │          無          │ ├─────────────────────┼─────────────────────┤ │函館市、旭川市、青森市、盛岡市、秋田市、 │船橋市、横須賀市、大津市、豊中市、東大阪 │ │郡山市、いわき市、宇都宮市、前橋市、高崎 │市、姫路市、奈良市、高知市、久留米市、長 │ │市、川越市、柏市、富山市、金沢市、長野市、│崎市、大分市、那覇市           │ │岐阜市、豊橋市、岡崎市、豊田市、高槻市、 │                     │ │尼崎市、西宮市、和歌山市、倉敷市、福山市、│                     │ │下関市、高松市、松山市、宮崎市、鹿児島市 │                     │ ├─────────────────────┴─────────────────────┤ │          30          │          12          │ └─────────────────────┴─────────────────────┘  そこで、市にとって土地開発公社がなぜ必要なのか、土地開発公社が存在し ない市ではどのような方法をとっているのかを確認したところ、以下のような 回答があった。  大きな一団の土地を取得する場合、地権者が多数存在すると一事業年度です べての土地を取得することは難しいため、複数年に分けて取得することになる。 そのため、一事業年度で取得できる土地は、当該事業年度の予算の範囲内でし かできないことになる。しかし、土地開発公社を利用して土地を取得する場合 には、大きな一団の土地を取得するための総額を債務負担行為として契約する ことになるので、土地開発公社はその予算の範囲内で土地を取得できるように なる。すなわち、総額の予算の範囲内であれば、一事業年度ですべての土地を 取得することも可能となる。ここに土地開発公社の存在意義がある。  また、土地開発公社がない市では、そのような土地を取得する場合、県の土 地開発公社を利用するなどの方法によって対応しているようであるが、利息や 事務費が発生することから、市ではそのような方法をとることは考えていない。 【指摘 管財課、土地開発公社】  土地開発公社の存続を前提に考えるのであれば、支出の大半を占める人件費 を抑制・削減するべきであり、特に、土地開発公社の利用頻度が低下している 現在では、毎年度600万円程度の人件費を必要とする事業量があるとは思えな いことから、人件費の抑制・削減について早急に実施するべきである。なお、 市は、平成28年度より固有職員を配置することを廃止し、土地開発公社の組 織を市職員が兼務することによって運営することを検討している。 【意見 管財課、土地開発公社】  県の土地開発公社の利用、市として独自の動きができる市の土地開発公社の 活用のメリットも考慮し、総合的に土地開発公社の存廃について再検討するこ とが望ましい。 第4章 特殊法人岐阜市信用保証協会 第1 概要 1 基本情報 ┌─┬───────┬───────────────────────────────┐ │ │設立年月日  │昭和24年4月28日                        │ │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │ │所在地    │岐阜市吉野町6丁目31番地 岐阜スカイウイング37東棟3階     │ │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │ │所管課    │商工観光部 産業雇用課                    │ │ ├───────┼───────────┬───────┬───────────┤ │ │基本財産   │     6,447,768千円│うち市出資額 │     2,377,713千円│ │ │       │           │(割合)   │      (36.88%)│ │ ├───────┼───────────┴───────┴───────────┤ │ │設立目的   │中小企業・小規模事業者(以下、中小企業者等という。)のために │ │基│(定款第1条) │信用保証の業務を行い、もってこれらの者に対する金融の円滑化  │ │本│       │を図ること                          │ │事├───────┼───────────────────────────────┤ │項│事業内容   │(1)中小企業者等が金融機関から資金の貸付け又は手形の割引を  │ │ │(定款第6条) │  受けること等により金融機関に対して負担する債務の保証   │ │ │       │(2)中小企業者等の債務を金融機関が保証する場合における当該  │ │ │       │  保証債務の保証                      │ │ │       │(3)金融機関が(株)日本政策金融公庫の委託を受けて中小企業者等 │ │ │       │  に対する貸付けを行った場合、当該金融機関が中小企業者等  │ │ │       │  の当該借入れによる債務を保証することとなる場合における  │ │ │       │  その保証債務の保証                    │ │ │       │(4)中小企業者が発行する社債のうち金融機関が引き受けるもの  │ │ │       │  に係る債務の保証                     │ │ │       │(5)前各号に掲げる業務に付随し、信用保証協会の目的を達する  │ │ │       │  ために必要な業務                     │ └─┴───────┴───────────────────────────────┘                  (平成26年3月31日現在) ┌──┬────────────┬──────┬────┐ │  │    団体名     │ 出資額  │出資割合│ │出他├────────────┼──────┼────┤ │資か│金融機関(負担金)   │ 751,227千円│ 11.65%│ │状ら├────────────┼──────┼────┤ │況の│(財)日本共同証券財団他│  7,180千円│ 0.11%│ │  ├────────────┼──────┼────┤ │  │金融機関他(出えん金) │   970千円│ 0.02%│ └──┴────────────┴──────┴────┘
         (平成26年3月31日現在) ┌─┬───┬───┬───┬───┐ │ │区分 │役員 │評議員│職員 │ │組├───┼───┼───┼───┤ │織│常勤 │  3名│  -│ 21名│ │状├───┼───┼───┼───┤ │況│非常勤│  9名│  -│  8名│ │ ├───┼───┼───┼───┤ │ │合計 │ 12名│  -│ 29名│ └─┴───┴───┴───┴───┘                          (単位:千円) ┌─┬───────┬──────┬──────┬──────┐ │ │  区分   │平成23年度 │平成24年度 │平成25年度 │ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総収入額   │  4,423,275│  4,438,335│  4,264,350│ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総支出額   │  4,407,099│  4,489,861│  4,032,746│ │財├───────┼──────┼──────┼──────┤ │務│(うち人件費)│ (227,551)│ (209,930)│ (199,341)│ │の├───────┼──────┼──────┼──────┤ │状│差引収支額  │   16,176│  -51,526│   231,604│ │況├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総資産額   │ 115,377,792│ 112,474,402│ 105,306,501│ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総負債額   │ 108,258,396│ 105,353,250│ 97,954,395│ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │正味財産額  │  7,119,395│  7,121,152│  7,352,105│ └─┴───────┴──────┴──────┴──────┘                    (単位:千円) ┌─┬────┬─────┬─────┬─────┐ │ │ 区分 │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │市├────┼─────┼─────┼─────┤ │の│出えん金│  10,000│  10,000│  10,000│ │財├────┼─────┼─────┼─────┤ │政│委託料 │     │     │     │ │支├────┼─────┼─────┼─────┤ │出│補助金 │     │     │     │ │ ├────┼─────┼─────┼─────┤ │ │合計  │  10,000│  10,000│  10,000│ └─┴────┴─────┴─────┴─────┘ 2 沿革  信用保証協会は、昭和24年4月28日に「社団法人岐阜信用保証協会」とし て設立され、昭和28年8月10日公布の信用保証協会法により「特殊法人岐阜 市信用保証協会」に名称変更された。  事務所所在地は、昭和42年以降、岐阜市明徳町2番地であったが、平成24 年10月に、岐阜市吉野町6丁目31番地(岐阜スカイウイング37東棟3F) に移転した。  平成26年3月31日現在、基本財産は64億4,800万円、保証債務残高は936 億5,600万円である。 3 組織・機構 信用保証協会の組織機構図と主な業務は以下のとおりである。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │平成26年4月1日現在                               │ │               ┌─────┐                   │ │              ┌┤ 検査室 ├─内部の検査、日常業務の指導育成   │ │              │└─────┘                   │ │┌─────┐       │┌─────┐                   │ ││ 理事会 │       ├┤総務企画課├─庶務、人事、経理、広報、企画等   │ │└──┬──┘       │└─────┘                   │ │   │          │(情報統計室)─情報管理、O.A機器管理、諸統計等   │ │┌──┴──┐┌─────┐│┌─────┐                   │ ││ 会長  ├┤専務理事 ├┼┤ 保証課 ├─保証推進、審査委員会、保証審査(更新│ │└─────┘└─────┘│└─────┘ を含む)等             │ │┌─────┐       │                          │ ││常勤監事 │       │ (業務室) ─保証申込、保証書の発行、信用保証料の│ │└─────┘       │        算定・徴収等            │ │              │┌─────┐                   │ │              ├┤経営支援課├─経営支援・再生支援、求償権消滅保証を│ │              │└─────┘ 前提とした創業・再挑戦及び再生審査 │ │              │        会、条件変更及び再生支援先の保証審 │ │              │        査、大口先の管理、延滞先管理等   │ │              │┌─────┐                   │ │              └┤ 管理課 ├─求償権の管理・回収、信用保険金の納付│ │               └─────┘ 等                 │ │                                         │ │                (調整室) ─事故報告書の受付、事故報告先の条件変│ │                       更、代位弁済、信用保険金の請求・受領│ │                       等                 │ │(信用保証協会HPより)                             │ └─────────────────────────────────────────┘ 第2 事実関係及び指摘・意見 1 人事関係について 【事実関係】  信用保証協会の平成26年4月1日現在の役員及び各課の人員等の詳細は、 以下の表のとおりである。 ┌─┬─────┬──────┬──────┬────────────┐ │ │ 役職  │ 勤務形態 │  人数  │     参考     │ │ ├─────┼──────┼──────┼────────────┤ │ │会長   │常勤(市OB)│  1名  │┐           │ │ ├─────┼──────┼──────┤│           │ │役│専務理事 │  常勤  │  1名  │├ 理事会(9名)   │ │員├─────┼──────┼──────┤│           │ │ │理事   │ 非常勤  │  7名  │┘           │
    │ ├─────┼──────┼──────┼────────────┤ │ │     │  常勤  │  1名  │            │ │ │監事   ├──────┼──────┤            │ │ │     │ 非常勤  │  2名  │            │ ├─┴─────┼──────┴──────┴────────────┤ │  役員合計 │     12名       (常勤3名、非常勤9名)│ ├─┬─────┼──────┬──────┬─────┬──────┤ │ │ 担当課 │ 勤務形態 │  人数  │ 所属室 │  人数  │ │ ├─────┼──────┼──────┼─────┼──────┤ │ │検査室  │  嘱託  │  1名  │     │      │ │ ├─────┼──────┼──────┼─────┼──────┤ │ │     │  常勤  │  7名  │     │      │ │ │総務企画課├──────┼──────┤情報統計室│(兼務2名)│ │ │     │  嘱託  │  1名  │     │      │ │ ├─────┼──────┼──────┼─────┼──────┤ │職│     │  常勤  │  6名  │     │(兼務2名)│ │員│保証課  ├──────┼──────┤ 業務室 ├──────┤ │ │     │嘱託(市OB)│  1名  │     │ 嘱託3名 │ │ ├─────┼──────┼──────┼─────┼──────┤ │ │     │  常勤  │  4名  │     │      │ │ │経営支援課├──────┴──────┤     │      │ │ │     │   (出向者2名)   │     │      │ │ ├─────┼──────┬──────┼─────┼──────┤ │ │     │  常勤  │  5名  │     │  1名  │ │ │管理課  ├──────┼──────┤ 調整室 ├──────┤ │ │     │  嘱託  │  2名  │     │(兼務2名)│ ├─┴─────┼──────┴──────┴─────┴──────┤ │  職員合計 │29名(出向、兼務除く)    (常勤21名、嘱託8名)│ └───────┴──────────────────────────┘  役員12名のうち、常勤は、会長、専務理事、監事の3名で、残り9名は非 常勤で無報酬である。信用保証協会定款第11条において、理事及び監事は学 識経験者のうちから岐阜市長が任命するとあるが、現在の理事は、市OB、市 職員、協会職員OB、金融機関役員(3名)及び地元を代表する産業(アパレ ル、鋳造、運輸)の会社役員(3名)で構成されており、長年にわたり就任し ている理事もいる。 【意見 信用保証協会】  多くの市税が投入されて運営されている信用保証協会だけに、客観的視点で、 その客観的かつ公正な業務運営を確保することができる理事を置くことが必 要であり、そのためにも、定款の定める理事の要件が学識経験者となっている と思われる。  信用保証協会の事業内容と直接関連のある金融機関や地元企業から理事を 選出するのは、実務的である反面、それぞれが信用保証制度を利用する当事者 の立場にもあることから、客観性や公正さを確保できないのではないかという 目を向けられるおそれがある。  定款の定めるとおり、理事に学識経験者(利害関係のない金融の専門家など) を選任することが望ましい。  また、客観的かつ公正な業務運営を確保するという観点から、定款に再任の 上限を設定することが望ましい。 2 基本財産について 【事実関係】  信用保証協会の基本財産は、株式会社の資本金に相当するものといえる。  基本財産は、信用保証協会の信用の基礎となるもので、基金(1))と基金準 備金(2))から構成されている。  基金は、市、金融機関、業者団体からの信用保証協会に対する拠出金である 出えん金(3))、金融機関等から拠出される負担金(4))に分けられる。  基金準備金は、毎年の収支差額のうち、基本財産補填のために収支差額の 50%の範囲内で繰り入れられる収支差額変動準備金を差し引いた額を積み立 てたものである。                     (平成26年3月31日現在) ┌─────────────────┬───────┬────┐ │                 │  金額   │構成比 │ ├─────────────────┼───────┼────┤ │基本財産             │ 6,447,768千円│ 100.0%│ ├─┬─┬─────┬───────┼───────┼────┤ │ │ │3)出えん金│市単独分   │ 1,208,200千円│ 18.7%│ │ │ │     ├───────┼───────┼────┤ │ │ │     │基金補助金分 │ 1,169,513千円│ 18.1%│ │ │ │     ├───────┼───────┼────┤ │ │ │     │その他    │    970千円│  0.0%│ │内│ │     └───────┼───────┼────┤ │ │1)│      計      │ 2,378,683千円│ 36.9%│ │ │基├─────┬───────┼───────┼────┤ │ │金│4)負担金 │金融機関負担金│  751,227千円│ 11.7%│ │ │ │     ├───────┼───────┼────┤ │ │ │     │その他    │   7,180千円│  0.1%│ │訳│ │     └───────┼───────┼────┤ │ │ │      計      │  758,407千円│ 11.8%│ │ │ └─────────────┼───────┼────┤ │ │  中    計       │ 3,137,090千円│ 48.7%│ │ ├───────────────┼───────┼────┤ │ │2)基金準備金         │ 3,310,678千円│ 51.3%│ └─┴───────────────┴───────┴────┘        ※「平成26年度版岐阜市信用保証協会のあらまし」より  信用保証協会の保証債務額の最高限度は、定款第7条において基本財産の 37.5倍と定められており、これを基本財産倍率という。  基本財産倍率は、各信用保証協会の規模や財政事情等により若干異なってい るが、各信用保証協会が対外的な信用を維持し健全な経営を行う観点から、国 の指針において当分の間原則として60倍が最高限度とされている。ちなみに 平成25年度末の基本財産をもとに保証債務額の最高限度額を算出すると、 241,791,300千円となる(37.5倍)。3月末の保証債務残高は93,194,520千円 (金融安定化分除く)なので、消化率は38.5%となり、保証枠は十分にある 状況である。  また、基金準備金はこれまでの利益留保分の積立額であり、基本財産全体の 50%超を占めており、安定した基本財産の形成に大きな役割を果たしている。
    【意見 信用保証協会】  出えん金や負担金による基本財産の増加は、市または金融機関等からの拠出 により成されるものであり、市の財政や金融機関等の経営状況に左右されやす い。一方、基金準備金は信用保証協会の毎年の収支差額(収支差額変動準備金 差引後)が積み立てられるものであるため、健全な経営を継続すれば、基金準 備金は増加し、結果、基本財産も増加する。  基金準備金の増加による基本財産の増加をすべく、健全な経営による利益確 保に努めることが望ましい。 3 信用補完制度と信用保証協会について  信用補完制度は、「信用保証制度」と「信用保険制度」の二つの制度を総称 したものであり、信用保証協会を含む全国51の信用保証協会は、この制度の もとに成り立っている。 (1)信用保証制度のしくみ  信用保証制度とは、中小企業者等が金融機関から事業資金を借り入れる際、 信用保証協会が公的な保証人となることにより資金調達を容易にし、中小企業 金融の円滑化を図ることを目的とし、万一、何らかの事情により、中小企業者 等が借入金を返済できなくなったとき、信用保証協会が中小企業者等に代わっ て金融機関に代位弁済を行う制度である。  保証の申し込みから保証書発行、融資実行、代位弁済、回収に至る業務の流 れを図に示すと以下のようになる。 1) 中小企業者等が信用保証協会に保証の申し込みをする方法には、金融機関を経由する方  法と信用保証協会に直接申し込む方法がある。 2) 信用保証協会は、申し込み中小企業者等の信用調査を行う。 3) 信用保証協会が審査の結果、信用保証を適当と認めたときは、金融機関に対し信用保証  書を発行する。なお、信用保証協会に信用保証委託申込を行うとともに、信用保証付融資  の斡旋申込があったものは、信用保証書を発行後に金融機関に融資の依頼をする。 4) 金融機関は、信用保証書に基づいて中小企業者等に融資を行う。この際、中小企業者等  は信用保証協会に対して所定の信用保証料を支払う。 5) 中小企業者等は、返済条件に従って金融機関に返済を行う。 6) 中小企業者等が諸事情によって、借入金の返済期限にその全部または一部の返済ができ  なくなったとき、金融機関は信用保証協会に代位弁済の請求を行う。 7) 信用保証協会は、この請求に基づいて中小企業者等に代わってその金額を支払う。 8) 信用保証協会は、代位弁済によって、中小企業者等に対し求償権を取得する。 9) 信用保証協会は、中小企業者等の立ち直りを支援しつつ、中小企業者等から求償権に基  づく回収を行う。 (2)信用保険制度のしくみ  信用保証協会が中小企業者等の保証を承諾し、金融機関において融資が実行 されると、中小企業者等の資格、借入金の使途、保証金額等一定の要件を備え た保証については、すべて中小企業信用保険法に基づく信用保険に付保される しくみとなっている(包括保証保険制度)。この場合、信用保証協会は、保険 の種類ごとに定められた保険料を(株)日本政策金融公庫に支払うことになって いる。  保証承諾により融資を受けた中小企業者等が所定期限までに金融機関へ借 入金の返済を行わない場合、その事実が金融機関から信用保証協会に通知され、 信用保証協会は中小企業者等に代わって金融機関に弁済する。  この代位弁済が信用保険上の保険事故となり、代位弁済額の70~90%(保 険の填補率という。)を保険金として、(株)日本政策金融公庫から信用保証協会 が受領する。  信用保証協会は、保険金受領後、中小企業者等及びその連帯保証人等から弁 済の都度、その回収金を保険の填補率に応じて(株)日本政策金融公庫に納付する。 以上の制度を信用保険制度という。  信用保険制度の流れを図に示すと以下のようになる。 (3)信用補完制度  わが国の信用保証制度の特徴は、1)信用保証協会が金融機関に対して、中小 企業者等の債務を保証する「信用保証」機能と、2)これを国の出資による(株)日本 政策金融公庫が再保険する「信用保険」機能が連結した制度として運営されて いるところにある。この一体化された仕組みを「信用補完制度」と呼んでいる。 この制度を関係図に表すと次のようになる。 (4)一般社団法人全国信用保証協会連合会  全国信用保証協会連合会は、信用保証協会の健全な発展を図り、もって中小 企業者等に対する金融の円滑化に資することを目的として、次の事業等を行っ ている。また、平成20年11月、信用保証協会法に基づき保証業務支援機関の 指定を受けている。 1) 信用保証業務改善のため調査研究を行うこと。 2) 中小企業金融に関する調査研究を行うこと。 3) 中小企業者等の債務保証を行う信用保証協会に対し、財務基盤強化のための貸付  および出えんを行うとともに、その適切な管理を行うこと。 4) 責任共有制度に基づき、信用保証協会に対して金融機関が支払うべき負担金の計  算および受け払いを行うこと。 5) 保証業務支援機関に関する業務を行うこと。 6) 信用補完制度の円滑な運営の実施のため、信用保証協会、(株)日本政策金融公庫お  よび金融機関その他の関係機関との連絡調整並びに信用保証協会に対する指導助  言を行うこと。 7) 関係官庁その他に対する建議、答申を行うこと。 8) 金融、経済諸団体との連絡協調を図ること。 9) その他本連合会の目的を達成するため必要な事業。  信用保証協会は全国に51の協会が設立されており、その内訳は、各都道府 県を単位として47協会、市を単位として4協会(横浜市、川崎市、名古屋市、 岐阜市)である。なお、平成26年5月19日に大阪府と大阪市の信用保証協会 が合併され、現在の51協会となっている。  市を単位としている信用保証協会でみると、岐阜市以外の3市はいずれも政 令指定都市であり、政令指定都市以外の市に存在するのは岐阜市信用保証協会 だけである。 4 事業内容について (1)信用保証制度の内容
     信用保証協会が取扱う保証制度には、協会制度としての「一般保証」と、そ の保証制度の枠内において創設された「市の融資制度」がある。  主な保証制度の内訳については下表のとおりである。  なお、市の融資制度においては、信用保証料の一部または全部を市が補填し ている。「創業者支援資金」、「みらい戦略資金(重点施策枠)」、「経営環境変動 対策資金」、「ぎふし経営力強化資金」は、信用保証料の全額が補填されている。  これらの信用保証制度の実績について、直近3年間の指標をもとに検証する。 (2)基本的指標による検証 【事実関係】  直近3年間の協会の保証承諾数、保証残高、代位弁済は下表のとおりである。 ┌──────┬──────┬────┬──────┬────┬──────┬────┐ │  項目  │平成23年度 │前年比 │平成24年度 │前年比 │平成25年度 │前年比 │ ├──────┼──────┼────┼──────┼────┼──────┼────┤ │保証承諾  │    2,404│ 109.9%│    1,754│ 73.0%│    1,582│ 90.2%│ │件数(件) │      │    │      │    │      │    │ ├──────┼──────┼────┼──────┼────┼──────┼────┤ │保証承諾  │ 39,034,028│ 117.7%│ 33,479,385│ 85.8%│ 25,977,682│ 77.6%│ │金額(千円)│      │    │      │    │      │    │ ├──────┼──────┼────┼──────┼────┼──────┼────┤ │保証債務  │ 103,643,210│ 108.5%│ 100,623,222│ 97.1%│ 93,655,578│ 93.1%│ │残高(千円)│      │    │      │    │      │    │ ├──────┼──────┼────┼──────┼────┼──────┼────┤ │代位弁済  │  2,022,460│ 95.4%│  2,117,456│ 104.7%│  1,961,488│ 92.6%│ │金額(千円)│      │    │      │    │      │    │ └──────┴──────┴────┴──────┴────┴──────┴────┘  平成25年度において、信用保証協会の保証承諾件数・金額、保証債務残高 は全国52位、代位弁済金額は全国49位である。  信用保証協会独自の動きを見ると、平成23年度は東日本大震災復興緊急保 証等の融資が増加したため、保証承諾金額、保証債務残高とも増加したが、そ の後は中小企業者数の減少に伴い、減少傾向をたどっている。また、代位弁済 額については毎年度20億円前後の発生となっている。  次に、直近3年間の協会の収支額は下表のとおりである。                                    (単位:千円) ┌───────┬─────┬────┬─────┬────┬─────┬────┐ │  項目   │平成23年度│前年比 │平成24年度│前年比 │平成25年度│前年比 │ ├───────┼─────┼────┼─────┼────┼─────┼────┤ │経常収入   │ 1,103,465│ 101.1%│ 1,162,339│ 105.3%│ 1,128,697│ 97.1%│ │ うち保証料 │  976,847│ 105.7%│  984,283│ 100.8%│  965,430│ 98.1%│ ├───────┼─────┼────┼─────┼────┼─────┼────┤ │経常支出   │  764,681│ 100.4%│  862,157│ 112.7%│  805,158│ 93.4%│ ├───────┼─────┼────┼─────┼────┼─────┼────┤ │経常収支差額 │  338,783│ 102.9%│  300,182│ 88.6%│  323,539│ 107.8%│ ├───────┼─────┼────┼─────┼────┼─────┼────┤ │経常外収支差額│ △355,657│    -│ △390,697│    -│ △140,517│    -│ ├───────┼─────┼────┼─────┼────┼─────┼────┤ │当期収支差額 │  16,176│ 77.1%│     0│    -│  231,604│    -│ └───────┴─────┴────┴─────┴────┴─────┴────┘  収支については、平成23年度は経常収支差額が例年と比較して高額であっ たが、経常外支出における求償権償却額の増加が影響し、経常外収支のマイナ ス幅が膨らむこととなった。結果的には、制度改革促進基金の取崩しにより、 当期収支差額は16,176千円となった。また、平成24年度は、経常収支差額 300,182千円を計上したものの、旧事務所の除却損99,067千円と求償権償却 額の増加が影響し、経常外収支差額は390,697千円のマイナスとなり、その差 額については、制度改革促進基金38,989千円と収支差額変動準備金51,526 千円の取崩しで、当期収支差額は0となった。平成25年度は、代位弁済の減 少と回収金の増加により、経常外収支差額のマイナス幅が減少し、当期収支差 額は231,604千円となった。  以上の指標をもとに、市が作成している「信用保証協会台帳」によると、信 用保証協会の経営諸比率は、下表のとおりとなる。                                 (単位:%) ┌─────────┬────────┬────────┬────────┐ │         │ 平成23年度  │ 平成24年度  │ 平成25年度  │ │経営諸比率    ├──┬──┬──┼──┬──┬──┼──┬──┬──┤ │         │市 │全国│下位│市 │全国│下位│市 │全国│下位│ ├─────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │経費率(a)    │0.33│0.25│0.46│0.34│0.26│0.50│0.34│0.28│0.56│ ├─────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │保証平均料率(b) │0.96│0.96│0.95│0.97│0.96│0.95│1.01│0.97│0.96│ ├─────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │差率(b)-(a)  │0.63│0.71│0.49│0.62│0.70│0.45│0.67│0.70│0.40│ ├─────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │経常収支率    │69.3│54.9│68.8│74.1│62.0│78.0│71.3│64.3│81.4│ │         │  0│  4│  5│  7│  6│  4│  4│  1│  2│ ├─────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │固定比率     │1.58│3.22│2.40│6.26│3.10│2.31│6.05│2.91│3.55│ ├─────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │代位弁済率    │1.99│2.46│1.94│2.08│2.36│2.15│2.04│2.12│2.08│ ├─────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │回収率      │6.70│4.01│5.58│5.87│4.13│5.18│9.31│5.50│6.60│ └─────────┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┘   ※「全国」は全国の信用保証協会の平均値、「下位」は岐阜市を除く保証債務平均残高下位    5協会平均値(宮崎県、佐賀県、香川県、鳥取県、高知県)  信用保証協会は、経費率(経費/保証債務平均残高)と、経常収支率(経常 支出/経常収入)の両比率が全国平均よりも高いことから、人件費・業務費等 が保証債務残高及び保証料に対して高額となっていることがわかる。その結果、 差率((保証料-経費)/保証債務平均残高)についても、全国平均を下回っ ている。なお、下位5協会の平均値から、保証債務残高が少ない協会は同様の 傾向がある。  代位弁済率(代位弁済額/保証債務平均残高)については、全国平均よりも やや低く、回収率(回収額(元金)/(期首求償権額+期中代位弁済額))に
    ついては全国平均より高くなっている。  また、平成24年度に3億9,860万円で新事務所を購入したため、固定比率 は、全国平均の約2倍と大きく上回っている。新事務所への移転は駅前地区発 展への地域貢献と利便性確保のため行われたとのことである。ちなみに、新事 務所は岐阜スカイウイング37の東棟3Fの全フロアを使用しており、床面積 は994.78m2(保証協会債権回収(株)岐阜市営業所使用分を除く)で常勤役職員 一人当たりの床面積は31.08m2(執務室に係る床面積は一人当たり14.45m2) である。これは、一般に公表されている事務所一人当たり床面積の2.2~2.5 倍である(日本ビルヂング協会連合会 2011年調査 全国平均12.5m2、森ト ラスト 2010年調査 全国平均13.8m2等)。実際には、相談室、会議室、研 修室の設置、及び書類保管スペースの確保にも大きく面積が割かれているが、 上記指標もこれらの面積を含めたものである。なお、新事務所の管理費(清掃 費を含む)は年間約900万円となっている。  岐阜スカイウイング37東棟のその他のテナントは全て賃貸借契約である。 賃貸ではなく購入した経緯については、信用保証協会と市で協議を重ねた結果、 賃貸よりも購入が有利であるとの見解に至ったとのことであった。  平成25年度における常勤役職員一人当り承諾件数、同一人当り保証債務平 均残高、同一人当り収支差額について、岐阜県信用保証協会、全国平均と比較 したものを下表に示す。 ┌────────┬─────────┬─────────┬──────┐ │   項目   │岐阜市信用保証協会│岐阜県信用保証協会│ 全国平均 │ ├────────┼─────────┼─────────┼──────┤ │一人当り承諾件数│       49件│       91件│    118件│ ├────────┼─────────┼─────────┼──────┤ │一人当り保証債務│    2,998百万円│    4,414百万円│ 4,954百万円│ │平均残高    │         │         │      │ ├────────┼─────────┼─────────┼──────┤ │一人当り収支差額│     7,238千円│    21,301千円│ 19,564千円│ └────────┴─────────┴─────────┴──────┘ 【意見 信用保証協会】  信用保証協会は、規模が最も小さく、保証債務平均残高が全国平均の約1/ 6程度であるため、経費に関する比率が全国平均より高めになるのは、ある程 度理解できる。しかし、平成24年3月に発表された「岐阜市信用保証協会の あり方について 報告書」にある指標において、常勤役職員を分母にした一人 当たり収支差額(平成22年度)は、全国平均の3.8%しかなく、岐阜県信用保 証協会の2.2%しかなかった。平成25年度には、経常外収支差額の改善によ り、一人当り収支差額は、全国平均の37.0%、岐阜県信用保証協会の34.0% まで上昇しているが、保証承諾件数・保証承諾金額は、ここ数年減少傾向にあ る。  引き続き人件費・業務費の削減や代位弁済の発生率の削減による収益性向上 に取り組むことが望ましい。  また、新事務所の購入については、これだけの面積が必要であったかについ ての疑問は残るが、相談室、研修室等が充実したため、これらを有効利用し、 営業力強化に努めることが望ましい。 (3)リピート率 【事実関係】  次に、信用保証協会の保証制度を利用している中小企業者等を、新規申込(新 規)とこれまでに1回以上申込をした(継続)ものに分け、これらの保証承諾 及び保証債務残高について検討する。  直近3年間の保証承諾件数と保証金額は、下表のとおりである。  新規の件数は、各年度とも全体の約12%で、保証金額で見ると平成25年度 では6.2%しかない。ここ3年間でも新規申込の保証金額が減少していること が分かる。  また、同様に、直近3年間の保証債務残高は、下表のとおりである。上記の 保証承諾件数と保証金額の状況がそのまま影響して、新規の比率が年々減少し ている。  なお、新規獲得に向けて市と信用保証協会は、金融機関に対し新規保証キャン ペーンや金融機関との勉強会や相談会を行っている。 【指摘 産業雇用課、信用保証協会】  岐阜市内の中小企業者数も年々減少傾向にある中、継続の比率が年々増加す ることが一概に悪いとはいえないが、新規申込が減少しているということは限 られた事業者にしか制度が利用されていない傾向が強まっているといえる。  また、継続事業者が後述する市の保証制度を利用している場合、これによる 事業者への実質的な寄付行為である預託金制度による借入利率の軽減と保証 料補填を、同一の事業者が重複して受けることになる。その結果として、保証 制度を利用しない他の事業者と比較して、より多くの市からの援助を受けるこ とになる。  市内の多くの中小企業に幅広く利用していただくためにも、信用保証協会と 市は、より効果的な新規申込先の開拓を行うべきである。 (4)代位弁済 【事実関係】  次に代位弁済の発生について、様々な指標から考察する。  信用保証協会では、保証承諾時の審査において、CRD評点(定性点数なら びに財務点数から総合点数を算出)を基に一次格付けを行い、その格付け先の イベント情報(事故報告等)の有無により信用格付(二次格付)がなされる。 ただし、ここでいう信用格付は金融機関が融資先に行っているものとは異なり、 あくまでCRD評点による一次格付けを補足するものである。  信用保証協会は、信用格付ごとの代位弁済に関する指標は作成しておらず、 代わりにCRD区分別の代位弁済に関する統計資料を作成している。  ここでは、保証制度別に、保証債務残高に対する代位弁済額の割合を比較し て、どの制度に多く代位弁済が発生しているかを検討した後、CRD区分別の 代位弁済について検討する。 ※比率は保証債務残高に対する代位弁済額の割合(代位弁済額/(保証債務残高+代
    位弁済額))  上記表より、岐阜市制度に関しては代位弁済率が相対的に低く、協会制度の うち、「倒産関連保証」、「ロングG(Long-Growth)保証」、「緊急保証」、「SS パワフル」の比率または金額が高いことがわかる。なお、前述4制度の取扱期 間は終了しており、平成23年5月以降、新規保証承諾は行っていない。  次にCRD区分による代位弁済率について下表に示す。(下表は保証時点で のCRD区分ではなく、代位弁済前までに取得した決算情報の最新数値により 更新されたCRD区分を示す。) ※比率は保証債務残高に対する代位弁済額の割合(代位弁済額/(保証債務残高+代  位弁済額))  CRD区分の1~3で代位弁済率が高く、特にCRD区分1では15%前後 となっている。  比較的規模が近い他の地域の信用保証協会における平成25年度の代位弁済 額と比較する。 【意見 信用保証協会】  金額的には、普通保証、無担保保証に関するものが無視できないが、保証債 務残高に対して代位弁済発生率の高いものについては、保証制度自体の見直し を含めて検討することが望ましい。 【意見 信用保証協会】  特に前述した「倒産関連保証」等は、事業報告書を含めた対外的な報告書に その事実が明確に記載されていないため、制度の内容と代位弁済が多く発生し た原因が不明であった。これらの制度は取扱期間が終了しているものが多いと のことであったが、高い代位弁済率となっているため、その理由について事業 報告書等に記載することが望ましい。 【意見 信用保証協会】  CRD区分下位の保証申込について、より慎重な審査を行うことが望ましい。 (5)求償権の回収 【事実関係】  最後に、代位弁済により生じた求償権の回収状況について検討する。  直近3年間の求償権の回収状況は下表のとおりである。  求償権の回収については、前述の回収率にも示すとおり、全国平均よりも高 い数値を示している。特に平成25年度については、高い回収率(9.3%)を実 現し、求償権残高も前年比75.5%まで下がっている。  ただし、求償権は期末において協会の「求償権償却基準」によって毎期償却 されている。償却額の期首求償権残高と代位弁済額の合計に対する割合は、平 成23年度は54.1%、平成24年度は57.1%、平成25年度は60.1%となって いる。  求償権の回収については、一部債権についてサービサー(保証協会債権回収 (株))に委託しており、委託する債権は主に無担保債権である。  サービサー委託分については、契約に基づき、信用保証協会が委託手数料を 支払う状況にある。サービサーは、協会と同フロアに所在し、人員も所長は協 会の管理課課長が兼務しており、他の職員は2名のみである。なお、サービサ ーは信用保証協会との使用貸借契約により、賃借料の支払いはない。  委託手数料は基本委託手数料と回収実績手数料から成り、中小企業金融安定 化特別保証制度に係る案件とそれ以外の案件で金額が異なる。前者については、 基本委託手数料は一件につき4,000円/半年、回収実績手数料は回収金額の 12%、後者については、同様に2,500円/半年、6%となっている。  また、サービサーによる一人当たりの担当企業数は、340件程度であり、管 理課担当の240件の約1.4倍である。  サービサーによる直近3年間の回収状況は、下表のとおりである。なお、下 表の回収額には償却済の求償権の回収額も含まれる。                     (単位 回収額:千円、回収率:%) ┌────────┬────────┬────────┬────────┐ │        │ 平成23年度  │ 平成24年度  │ 平成25年度  │ │回収原因内訳  ├────┬───┼────┬───┼────┬───┤ │        │回収額 │回収率│回収額 │回収率│回収額 │回収率│ ├────────┼────┼───┼────┼───┼────┼───┤ │通常督促(定期)│ 55,205│   │ 54,613│   │ 55,238│   │ ├────────┼────┼───┼────┼───┼────┼───┤ │任意処分(担保)│  6,918│   │   300│   │  1,700│   │ ├────────┼────┼───┼────┼───┼────┼───┤ │競売配当(担保)│    0│   │  1,056│   │  8,811│   │ ├────────┼────┼───┼────┼───┼────┼───┤ │破産配分等   │  5,347│   │  3,492│   │  3,231│   │ ├────────┼────┼───┼────┼───┼────┼───┤ │その他(不定期)│ 34,090│   │ 12,389│   │ 30,962│   │ ├────────┼────┼───┼────┼───┼────┼───┤ │合計      │ 101,560│ 1.22│ 71,851│ 0.72│ 99,943│ 0.99│ ├────────┼────┴───┼────┴───┼────┴───┤ │計画達成状況  │    112.84%│     79.83%│    111.05%│ └────────┴────────┴────────┴────────┘ ※合計の回収率は(回収額合計/(回収額合計+期末受託求償権))  サービサー回収率については、下表の全国平均と比較して、やや減少傾向に ある。                     (単位:%) ┌──────┬─────┬─────┬─────┐ │      │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ ├──────┼─────┼─────┼─────┤ │岐阜市営業所│   1.22│   0.72│   0.99│ ├──────┼─────┼─────┼─────┤ │全国平均  │   1.15│   1.14│   1.13│
    └──────┴─────┴─────┴─────┘  計画達成状況については、ここ3年とも計画額が90,000千円となっており、 結果としては変動がある。なお、計画額については、サービサーが利益を出す ために必要な手数料収入をもとに、どれだけの回収額が必要になるかを逆算し て定めている。  回収原因ごとの回収率について、回収原因別の求償権残高または委託残高が 不明なため、信用保証協会ではデータが存在しない。  なお、サービサーに対する委託手数料と回収額に対する比率は、下表のとお りである。 ┌──────┬──────┬──────┬──────┐ │  項目  │平成23年度 │平成24年度 │平成25年度 │ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │委託手数料 │ 14,686千円│ 14,043千円│ 15,772千円│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │回収額   │ 101,560千円│ 71,851千円│ 99,943千円│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │委託手数料率│   14.5%│   19.5%│   15.8%│ └──────┴──────┴──────┴──────┘  また、平成25年12月に発覚した、栃木県信用保証協会嘱託職員がサービサ ーに出向期間中に起こした不祥事事件について、当該事件が債務者からの回収 額を入金処理していない状況であったため、信用保証協会においても同様な事 件に対する対応策として、次のことを行っている。 1) 集金による回収を原則禁止とし、サービサーが現金回収を行う場合は信   用保証協会の職員が同行する。 2) サービサー委託案件について、不動産担保の任意処分を行う場合は、信   用保証協会の職員が同行し、契約書や現金の受渡は同職員が行う。 【意見 信用保証協会】  求償権の回収状況については、回収率が全国平均を上回っており、償却率も 全国で5番目に低いことから、概ね良好に見える。ただし、保険料の収入等に より毎期50%以上の求償権償却を行っており、他の協会と求償権残高、代位 弁済額等の規模も異なるため、一概に回収率の良し悪しを判断することは難し い。  よって、回収原因別の回収率を算定する等、回収状況を詳細に分析して、よ り効率的な求償権の回収に努めることが望ましい。  サービサー委託分については、直近では回収率が減少傾向にある一方で、委 託手数料の負担も少なくなく、使用貸借のため賃貸料の負担も求めていない。 結果、現状では費用面から見てサービサーに委託するメリットが見出せない状 況にある。  サービサーの回収率向上のため指導・監督を強化することが望ましい。 5 市との関係について 【事実関係】  市は、信用保証協会に対して経営基盤の強化を目的として、毎年出えん金を 支出している。  また、信用保証協会の保証制度の枠内において市独自の融資制度を設け、預 託金を金融機関に預けることにより保証利用者の借入金利を低下させる預託 金制度や、信用保証料の補填を行う保証料補填制度を設けている。  市から支出される上記金額の直近3年間の推移は、下表のとおりである。                   (単位:千円) ┌─────┬─────┬─────┬─────┐ │ 項目  │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │出えん金 │  10,000│  10,000│  10,000│ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │預託金  │11,380,000│10,200,000│ 8,900,000│ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │保証料補填│  728,487│  209,152│  416,257│ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ 合計  │12,118,487│10,419,152│ 9,326,257│ └─────┴─────┴─────┴─────┘ (1)出えん金  出えん金は、金融対策費のうち商工業融資事業として予算化されている。 市内中小企業者等の金融円滑化を確保するために協会の経営基盤の強化を 目的として毎年予算化されているが、出えん金の支出に係る明確な規定はな く、信用保証協会設立以来毎年支出されており、平成17年度以降支出額は 10,000千円となっている。  出えん金は、基金を構成し、基金と基金準備金の合計が基本財産となる。 基本財産の充実が経営基盤の充実につながるが、基本財産を保証平均残高で 除した財産比率を見ると、ここ数年ほぼ6%台で推移しており、平成25年 度は6.72%であった。同様に岐阜県や川崎市の財産比率は直近では4%台で 推移している。  平成25年度の基本財産額は6,447,768千円であり、保証最高限度額は 241,791,300千円となる(37.5倍)。3月末の保証債務残高は93,194,520千 円(金融安定化分除く)なので、消化率は38.7%となり、保証枠は十分にあ る状況である。 (2)預託金  預託金制度は、市が金融機関に融資の原資の一部を預託し、金融機関は預 託金の5倍以上に相当する自己資金を加えて融資をしなければならない制 度である。預託金部分は無利息なので、結果的に、金融機関は、全体の貸出 金利を低く設定することができ、保証利用者は、低い利息で利用できること になる。  預託金は、基本的には前年度末融資残高と新規融資見込額を合算した金額 を6で除した金額となる。預託金は年度当初に各金融機関に配分され、7月 末の新規融資額等を考慮して10月頃に予算残額が配分される。一方、これ らの預託金は年度末にその全額が戻される。  この3年間、預託金は減少傾向にあり、平成25年度においては「ぎふし 経営力強化資金」制度が創設されたものの、他の制度については過年度残高 が減少しているため、合計では13億円減少した。  ただし、平成25年度において一般会計予算(当初予算額)に占める預託 金額の割合は5.8%、予算全体(当初予算額)に占める割合は3.0%と大き な数値となっている。 (3)保証料補填
     市の融資制度において、市の保証料補填要綱に基づき保証利用者が協会へ 支払う保証料の全部または一部が補填される。  平成23年度は、東日本大震災復興緊急支援枠による「経営環境変動対策 資金」制度の利用が大きく影響し補填額が増加したが、平成24年度は、そ の反動により補填額は大きく減少し、平成25年度は、「ぎふし経営力強化資 金」制度が創設され、その利用件数も多かったため補填額は持ち直した状況 となっている。  保証料補填は、平成25年度において全国52の信用保証協会のうち、48の 信用保証協会が採用している。 【指摘 産業雇用課】  信用保証協会は、財産比率も特に低いわけではなく、消化率にも余裕があ ることから、協会の財務体質は安定しているといえる。  また、経営の効率化を図り収支差額を計上すれば、基金準備金として基本 財産を増額できる。  市は、信用保証協会に対する出えん金のほか、預託金、保証料補填と多額 の支出をしているが、これらは、信用保証協会に対する直接の支出ではない が、市融資制度の活用により結果的には信用保証協会に保証料が入ることに なるので、間接的には、信用保証協会を支援していることになる。  市は、出えん金の削減をすべきである。 【意見 産業雇用課】  預託金は、上記のとおり支出と収入が繰り返されるため、収支差額は毎年 0となり、市の負担はないように見える。しかし、融資残高に対する一定の 預託金を絶えず金融機関に預け入れることになるので、実質的には、預託金 額が拘束されることになる。市の予算全体に占める預託金額の割合も3.0% (89億円)と無視できない。  預託金制度の有用性について再検討することが望ましい。 6 岐阜県信用保証協会との関係について 【事実関係】  平成22年2月に策定された行財政改革プランの外郭団体見直し行動計画や、 平成24年3月に報告された「岐阜市信用保証協会のあり方について」におい て、市信用保証協会の廃止又は県信用保証協会との統合が検討されている。  前者においては、廃止又は統合が必要であるとされた時に主務官庁、岐阜県、 県信用保証協会と協議を行うこととされ、後者においては、併存協会であるこ との異議は見当たらないとしながらも、経営基盤の強化を望んでいる。  大阪府と大阪市の保証協会が統合したため、現在では市の保証協会としては、 横浜市、川崎市、名古屋市と岐阜市に存在するのみである。  設立当初から、地場産業である繊維業、製造業を営む中小企業者等の育成・ 支援に大きく貢献してきたが、長引く国内景気低迷により信用保証協会の利用 者数も減少傾向にある。 【意見 産業雇用課、信用保証協会】  二重行政の撤廃を目的とした信用保証協会の統合は、大阪府と大阪市におい て実現された。ただし、両者の統合においては、懸案事項が多数あり、まず両 者を客観的に比較する指標が不足していた。  岐阜県と岐阜市においては、当面のところ差し迫った問題ではないが、必要 性が提示されてから検討するのは後手に回ることになるので、両者を比較検討 する指標を作成し、事前に検討することが不可欠である。  事実、大阪の場合は、「社会コスト(協会・国・地方負担の合計)/保証料」 等の指標をもとに府と市の実績を比較検討して、どちらのしくみを基準とする かを決定している。  市は、岐阜市信用保証協会の経営状況を毎年確認することに加え、岐阜市信 用保証協会と岐阜県信用保証協会を比較検討する客観的な指標を作成して、双 方の実績を定期的に比較・検討することが望ましい。 第5章 社会福祉法人岐阜市社会福祉協議会 第1 概要 1 基本情報 ┌─┬───────┬───────────────────────────────┐ │ │設立年月日  │昭和42年3月28日                       │ │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │ │所在地    │◎本所                            │ │ │       │ 岐阜市都通2丁目2番地 岐阜市民福祉活動センター内     │ │ │       │○中央センター                        │ │ │       │ 岐阜市都通2丁目2番地 岐阜市民福祉活動センター1階    │ │ │       │○柳津支所・柳津センター                   │ │ │       │ 岐阜市柳津町下佐波1丁目8番地               │ │ │       │○南部センター                        │ │ │       │ 岐阜市茜部菱野1丁目75番2 岐阜市南市民健康センター2階  │ │ │       │○北部センター                        │ │ │       │ 岐阜市長良東2丁目140番地 岐阜市北市民健康センター1階   │ │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │ │所管課    │福祉部 福祉政策課                      │ │ ├───────┼──────────┬──────────┬─────────┤ │ │基本財産   │ 4,000 千円    │市出資額(割合)  │     0  円│ │ │       │          │          │     (0%)│ │ ├───────┼──────────┼──────────┼─────────┤ │ │純資産    │1,399,327千円    │市出資額(割合)  │451,000   千 円│ │ │       │          │          │     (32%)│ │ ├───────┼──────────┴──────────┴─────────┤ │ │設立目的   │ 岐阜市における社会福祉事業その他の社会福祉を目的とする健  │ │ │(定款第1条)│全な発達及び社会福祉に関する活動の活性化により、地域福祉の  │ │ │       │増進を図ることを目的とする。                 │ │ ├───────┼───────────────────────────────┤ │ │事業内容   │                               │ │ │(定款第2条)│1)社会福祉を目的とする事業の企画及び実施。          │ │ │       │2)社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助       │ │ │       │3)社会福祉を目的とする事業に関する調査、普及、宣伝、連絡、  │ │ │       │調整及び助成                         │ │基│       │4)1)から3)のほか、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図  │ │本│       │るために必要な事業                      │ │事│       │5)保健医療、教育その他の社会福祉と関連する事業との連絡    │ │項│       │6)共同募金事業への協力                    │
    │ │       │7)ボランティアセンターの設置運営               │ │ │       │8)ふれあい福祉センターの設置運営               │ │ │       │9)老人居宅介護等事業の経営                  │ │ │       │10)障害福祉サービス事業(居宅介護事業)の経営         │ │ │       │11)移動支援事業の経営                     │ │ │       │12)特定相談支援事業の経営                   │ │ │       │13)岐阜市高齢者介護予防・家族介護教室事業           │ │ │       │14)福祉サービス援助支援事業                  │ │ │       │15)生活福祉資金貸付事業                    │ │ │       │16)その他この法人の目的達成のため必要な事業          │ │ │       │                               │ │ │(定款第31条)│この法人は社会福祉法第26条の規定により、次の事業を行う。   │ │ │       │1)岐阜市民福祉活動センターの経営               │ │ │       │2)岐阜市福祉の店事業                     │ │ │       │3)訪問入浴サービス事業の経営                 │ │ │       │4)居宅介護支援事業の経営                   │ │ │       │5)岐阜市地域包括支援センター中央北事業            │ │ │       │6)指定市町村事務受託法人事業(要介護認定調査事務)      │ │ │       │                               │ │ │       │* 社会福祉法第26条(公益事業及び収益事業)         │ │ │       │1 社会福祉法人は、その経営する社会福祉事業に支障がない限  │ │ │       │り、公益を目的とする事業(以下「公益事業」という。)又はその │ │ │       │収益を社会福祉事業若しくは公益事業(第2条第4項第4号に掲  │ │ │       │                   ̄ ̄ ̄          │ │ │       │げる事業その他の政令で定めるものに限る。第57条第2号におい  │ │ │       │                     ̄ ̄ ̄        │ │ │       │て同じ。)の経営に充てることを目的とする事業(以下「収益事業」│ │ │       │という。)を行うことができる。                │ │ │       │2 公益事業又は収益事業に関する会計は、それぞれ当該社会福  │ │ │       │祉法人の行う社会福祉事業に関する会計から区分し、特別の会計  │ │ │       │として経理しなければならない。                │ └─┴───────┴───────────────────────────────┘ *出資額について、基本財産と基本金で考慮する場合と、純資産と基金及び基  本金で考慮する場合と、2つの考え方を記載した。 *岐阜市からの基金(451,000千円)は、社会福祉推進基金(400,000千円)  と福祉ボランティア基金(51,000千円)である。        (平成26年3月31日現在) ┌─┬───┬───┬───┬───┐ │組│   │役員 │評議員│職員 │ │ ├───┼───┼───┼───┤ │織│ 常勤│ 1名│ 0名│ 56名│ │ ├───┼───┼───┼───┤ │状│非常勤│ 20名│ 62名│ 214名│ │ ├───┼───┼───┼───┤ │況│ 合計│ 21名│ 62名│ 270名│ └─┴───┴───┴───┴───┘ 理事会 理事21名 任期2年 (平成26年6月1日現在)       (島支部長、芥見南支部長、民生委員・児童委員協議会会長、柳        津支部長、本郷支部長、鷺山支部長、日置江支部長、三輪南支        部長、藍川支部長、白山支部長、華陽支部長、加納東支部長、        市身体障害者福祉協会会長、日本児童育成園理事長、市老人ク        ラブ連合会会長、市ボランティア連絡協議会会長、岐阜市福祉        部長、市職員OB(常務理事))       会長1名(非常勤) 副会長2名(非常勤) 監事3名 任期2年         (民生委員・児童委員協議会理事、岐阜市福祉施設民営化統括         審議監、学識経験者) 評議員会 評議員62名 任期2年      (金華支部長、京町支部長、明徳支部長、徹明支部長、梅林支部長、       木之本支部長、本荘支部長、日野支部長、長良支部長、長良西支       部長、長良東支部長、早田支部長、城西支部長、三里支部長、加       納西支部長、則武支部長、常磐支部長、長森南支部長、長森北支       部長、長森西支部長、長森東支部長、木田支部長、岩野田支部長、       岩野田北支部長、黒野支部長、方県支部長、茜部支部長、鶉支部       長、西郷支部長、七郷支部長、市橋支部長、岩支部長、鏡島支部       長、厚見支部長、芥見支部長、芥見東支部長、合渡支部長、三輪       北支部長、網代支部長、柳津地区自治会連合会会長、岐阜市民生       委員児童委員協議会副会長、岐阜市民生委員児童委員協議会副会       長、岐阜市民生委員児童委員協議会副会長、岐阜市民生委員児童       委員協議会副会長、岐阜市民生委員児童委員協議会理事、岐阜市       民生委員児童委員協議会理事、岐阜市民生委員児童委員協議会理       事、岐阜市民生委員児童委員協議会理事、岐阜市民生委員児童委       員協議会監事、岐阜市民生委員児童委員協議会監事、社会福祉法       人豊寿会理事長、岐阜地区知的障害者育成会会長、岐阜市母子寡       婦福祉連合会会長、岐阜市赤十字奉仕団委員長、岐阜市女性の会       連絡協議会、青少年育成市民会議推進員会会長、岐阜市公民館連       絡協議会副会長、岐阜市福祉事務所長兼少子化対策審議監、岐阜       市福祉部次長兼福祉政策課課長、岐阜市健康部健康増進課長、岐       阜商工会議所議員、ぎふ農業協同組合常務理事)                     (単位:千円) ┌─┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │ │ 区分  │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総収入額 │  706,007│  715,424│  687,623│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総支出額 │  660,657│  688,567│  668,652│ │財├─────┼─────┼─────┼─────┤ │務│(人件費)│  460,625│  477,007│  468,411│ │の├─────┼─────┼─────┼─────┤ │状│差引収支額│  45,350│  26,856│  18,970│ │況├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総資産額 │ 1,627,852│ 1,692,125│ 1,658,552│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総負債額 │  272,135│  295,418│  259,225│
    │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │正味財産額│ 1,355,716│ 1,396,706│ 1,399,327│ └─┴─────┴─────┴─────┴─────┘                       (単位:千円) ┌─┬───────┬─────┬─────┬─────┐ │ │  区分   │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │指定管理料  │  14,190│  13,595│  13,595│ │市├───────┼─────┼─────┼─────┤ │の│委託料    │  76,517│  83,612│  84,892│ │財├───────┼─────┼─────┼─────┤ │政│補助金    │  99,384│  99,985│  94,961│ │支├───────┼─────┼─────┼─────┤ │出│負担金・寄付金│    50│    52│    52│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │その他    │  26,104│  19,981│  24,196│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │合計     │  216,245│  217,225│  217,696│ └─┴───────┴─────┴─────┴─────┘ *【その他】については、障害福祉サービスの地域生活支援事業である移動支  援事業や訪問入浴サービス事業の報酬である。                                  (単位:千円) ┌─┬───────────┬───────────────────┬────┐ │No│    事業名    │       事業概要        │事業費 │ ├─┼───────────┼───────────────────┼────┤ │1│法人運営事業     │法人の目的である地域福祉推進達成のため│ 138,727│ │ │           │の運営事業、貸付事業等        │    │ ├─┼───────────┼───────────────────┼────┤ │2│ホームヘルプサービス事│介護保険法・障害者自立支援法における訪│ 165,851│ │ │業          │問介護員の派遣            │    │ ├─┼───────────┼───────────────────┼────┤ │3│居宅介護支援事業   │介護保険制度における居宅サービス計画の│ 110,597│ │ │           │作成                 │    │ ├─┼───────────┼───────────────────┼────┤ │4│ふれあいのまちづくり事│地域活動コーディネーターによる社協支部│ 49,058│ │ │業          │事業の支援やふれあい福祉センターの設置│    │ ├─┼───────────┼───────────────────┼────┤ │5│訪問入浴サービス事業 │介護保険制度や地域生活支援事業における│ 46,279│ │ │           │移動入浴車両によるサービスの提供   │    │ ├─┼───────────┼───────────────────┼────┤ │6│岐阜市地域包括支援セン│要支援高齢者に対する総合相談や介護予防│ 39,196│ │ │ター中央北事業    │ケアマネジメントの実施        │    │ ├─┼───────────┼───────────────────┼────┤ │7│共同募金配分金事業  │ふれあい・いきいきサロンを中心とした各│ 38,052│ │ │           │種の社協支部活動やボランティアの育成援│    │ │ │           │助事業                │    │ ├─┼───────────┼───────────────────┼────┤ │8│その他        │                   │ 99,860│ └─┴───────────┴───────────────────┴────┘ 2 沿革  昭和33年1月    任意団体として発足  昭和42年3月    社会福祉法人の認可  昭和47年4月    会員制の実施  昭和48年11月    入浴サービス事業(受託事業)の実施  昭和50年4月    ボランティアセンターの開設  昭和60~61年    「福祉ボランティアのまちづくり事業」の指定  昭和62年      福祉ボランティア基金の設置  昭和63年1月    岐阜市福祉の店「友&愛」開設  平成3年11月    社会福祉推進基金の設置  平成3年~平成7年 「ふれあいのまちづくり事業」の指定を受ける。  平成9年4月    ホームヘルプサービス事業(受託事業)の実施  平成11年10月    地域福祉権利擁護事業(受託事業)の実施            要介護認定訪問調査(受託事業)の実施  平成12年4月    介護保険事業の実施            基幹型在宅介護支援センターの開設            社協北部センターの開設  平成13年4月    社協南部センターの開設  平成18年3月    柳津町社会福祉協議会と合併            社協柳津支所・柳津センターの開設  平成18年4月    岐阜市地域包括支援センター中央北の開設 第2 事実関係及び指摘・意見 1 理事について 【事実関係】  社会福祉協議会においては、常勤役員である常務理事を1人置いているが、 代表者である会長は、非常勤である。  平成16年10月29日策定の「外郭団体の経営改善指針」では、「業務執行体 制」「1) 責任体制の明確化」の項目において、「理事長や会長など団体の経営 責任者は、原則として、常勤とする。」とある。  しかしながら、これまで「理事長や会長など団体の経営責任者は、原則とし て、常勤とする。」という経営改善指針との整合性について、検討していない。  なお、指導監査課によると、岐阜県内の社会福祉協議会の会長は非常勤であ り、常勤の役員として常務理事を置く体制、若しくは、常勤の事務局長が常務 理事を兼務する体制になっており、岐阜市社会福祉協議会の体制が特異という わけではないようである。 【指摘 福祉政策課、社会福祉協議会】  社会福祉協議会において、常勤の常務理事がいることで、「理事長や会長な ど団体の経営責任者が常勤である」としているが、平成16年10月29日策定 の「外郭団体の経営改善指針」に反していないのかを検討すべきである。また、 例外に該当すると判断して良いかを検討すべきである。  福祉政策課においても、「理事長や会長など団体の経営責任者が常勤である」 という経営改善指針に反していないのかを検討すべきである。また、例外に該 当すると判断して良いか検討すべきである。  その上で、整合性が取れないのであれば、福祉政策課は、社会福祉協議会に
    対して、常任の会長を選任するように指導をすべきである。 2 出資割合と基本財産について 【事実関係】  地方自治法第243条の3第2項において、同法第221条第3項の「法人」に ついては、経営状況を説明する書類を作成し、議会への報告を義務づけられて いる。そして、同法第221条第3項の「法人」とは、「普通地方公共団体が出 資している法人で政令で定めるもの」すなわち「当該普通地方公共団体が資本 金、基本金その他これらに準ずるものの2分の1以上を出資している一般社団 法人及び一般財団法人並びに株式会社」(地方自治法施行令第152条第1項) とあり、社会福祉法人は、「一般社団法人及び一般財団法人並びに株式会社」 に該当しないとされている。  しかし、「普通地方公共団体が出資しているもので政令で定めるもの」、す なわち、「普通地方公共団体が資本金、基本金その他これらに準ずるものの四 分の一以上を出資している法人」については、監査委員による監査が認められ る(地方自治法第199条第7項、地方自治法施行令第140条の7)。岐阜市か ら、1/4以上の出資割合が認められる場合、監査委員の監査が認められると いうことになる。  岐阜市社会福祉協議会は、任意団体であった時の300万円の寄附金をもとに、 基本金としている。平成18年に、柳津町社会福祉協議会(基本金100万円) と合併したことから、400万円の基本金となっていることから、基本財産は、 400万円となっている。  平成3年、社会福祉推進基金積立資産設置要綱(岐阜市社会福祉協議会)に 基づいて、社会福祉推進基金が設置され、岐阜市から4億円が出えんされてい る。  また、岐阜市福祉ボランティア基金積立資産設置要綱(岐阜市社会福祉協議 会)に基づいて、昭和62年度から平成3年度にかけて毎年10,000千円、平成 17年度には1,000千円の合計51,000千円が、ボランティア基金として、市か ら、社会福祉協議会に出えんされている。平成17年度の1,000千円について は、柳津町社会福祉協議会における出えん金であり、岐阜市と柳津町との合併 により、ボランティア基金に組み込まれた。  社会福祉推進基金及び岐阜市福祉ボランティア基金についての要綱や決裁 について、市には、現時点において存在しない(廃止されたのか、元々存在し ないのかは不明である。)。  福祉政策課の申告のもとに、財政課において作成している出資による権利等 一覧表によると、社会福祉協議会は、451,000千円の出資等による権利が存在 している。しかし、これらについては、基本財産に計上していないことから、 市の出資金として、取り扱われていないため、社会福祉協議会の資本金等に対 する出資割合は、0%となっている。  監査課においても、社会福祉推進基金及び岐阜市福祉ボランティア基金は、 「資本金、基本金その他これらに準ずるもの」に該当しない以上、出資割合に 影響しないため、社会福祉協議会に対する岐阜市の出資額は、0円であるとい う考え方を取っている。 【意見 福祉政策課、監査課】  基本財産及び運用財産という区分けは、社会福祉法人としての財産の区分に 過ぎず、出資割合における出資と同一の概念ではない。上記の社会福祉推進基 金及び岐阜市福祉ボランティア基金が、「資本金、基本金その他これらに準ず るもの」(地方自治法施行令第152条、第140条の7)に該当するかが問題と なる。  この点、「出資による権利」(地方自治法第238条1項7号)にある「出資」 については、地方自治法第221条の「出資」と同意義である。そして、地方自 治法第221条の「出資」は、地方自治法第199条第7項に規定する「出資」と 同じであって、株式会社の出資の外、一般社団・財団法人法の規定による一般 社団法人に対する基金の拠出(同法第131条)及び一般財団法人に対する財産 の拠出(同法第157条)も含まれるとされている(「新版逐条地方自治法第7 次改訂版(松本英昭著)」769頁参照)。よって、一般社団法人、一般財団法人 と同様に、社会福祉法人に対する基金の拠出も、「出資」に該当する可能性が ある。したがって、社会福祉法人である社会福祉協議会においても、社会福祉 推進基金及び福祉ボランティア基金が、「出資」に該当する可能性がある。  その場合、社会福祉協議会における市の出資割合は、1/4を超えることか ら、監査委員監査の対象となる。この点、「資本金、基本金その他これらに準 ずるもの」に該当しないのかを検討することが望ましい。 3 指定管理について 岐阜市民福祉活動センター(会議室) ┌─┬────────┬──────────────────┐ │ │所在地     │岐阜市都通2丁目2番地       │ │ ├────────┼──────────────────┤ │ │所管課     │福祉部福祉政策課          │ │ ├────────┼──────────────────┤ │ │根拠条例    │岐阜市民福祉活動センター条例    │ │ ├────────┼──────────────────┤ │基│指定期間    │1)平成18年4月1日~平成21年3月31日│ │本│        │2)平成21年4月1日~平成24年3月31日│ │事│        │3)平成24年4月1日~平成29年3月31日│ │項├────────┼──────────────────┤ │ │指定管理料   │3)13,595千円(平成25年度)     │ │ ├────────┼──────────────────┤ │ │利用料金制の採用│無                 │ │ ├────────┼──────────────────┤ │ │利用者数    │14,997人(平成25年度)       │ │ ├────────┼──────────────────┤ │ │公募・非公募  │公募                │ └─┴────────┴──────────────────┘ * 監査人補助者は、上記施設について、現場視察をした。 (1)指定管理者の選定について 【事実関係】  選定委員会のメンバーには、5人のうち、岐阜市福祉部長、岐阜市福祉事務 所長のほか、岐阜市民生委員・児童委員協議会副会長、岐阜市老人クラブ連合 会副会長が入っている。  指定管理者である社会福祉協議会の理事としては、岐阜市民生委員・児童委 員協議会の会長、岐阜市老人クラブ連合会会長が入っており、監事には、岐阜 市民生委員・児童委員協議会の副会長が入っている。 【意見 福祉政策課】
     岐阜市民生委員・児童委員協議会副会長が指定管理者選定委員会委員となっ ている。他方、岐阜市民生委員・児童委員協議会会長が社会福祉協議会の理事 となっている。  また、岐阜市老人クラブ連合会副会長が指定管理者選定委員会委員となって いる。他方、岐阜市老人クラブ連合会会長が社会福祉協議会の理事となってい る。  このような状況を考慮すると、「応募者が、委員等又は委員等が支配力を有 する地位にある団体の主要な取引先と認められる場合」に準ずるような事態で あるといえる。  よって、公平性・中立性の観点からも、岐阜市民生委員・児童委員協議会副 会長及び岐阜市老人クラブ連合会副会長は、議事に加わらないことが望ましい。 (2)事業の評価(モニタリング)について 【事実関係1)】  指定管理施設所管課である福祉政策課は、社会福祉協議会で行われる会議等 の際に、ついでに見聞きしたことをもって、指定管理の評価をしている。指定 管理施設所管課(福祉政策課)は、モニタリングに専念した現場訪問を徹底し ていない。  また、福祉政策課の指定管理者管理運営状況シートにおける「所管課の意見」 は、以下のとおり、毎回似た内容となっている。また、指定管理者、指定管理 施設所管課、評価委員会の評価が、全ての項目において、「A」となっている。 ┌───────────────┐ │平成24年度上半期 所管課の意見│ └───────────────┘  指定管理者のホームページにおいて施設の案内を行い、また、チラシを配布 することで、施設及び駐車場の周知を図っている。利用者の利便性向上のため、 施設名称を記した看板を新たに設置し、駐車場案内看板の改修を行った。アン ケート結果からも施設の場所の分かりやすさは改善されていることが伺える。 施設稼働率は前指定期間の平均と比べて同程度であり、概ね良好である。以上 から、平成24年度上半期の管理運営状況は良好と認められる。 ┌───────────────┐ │平成24年度下半期 所管課の意見│ └───────────────┘  指定管理者のホームページにおいて施設の案内を行い、また、社協だよりに 掲載することで、施設の周知を図っている。会場案内用のホワイトボードの設 置や、ワイヤレスマイクの整備など、利用者の要望に対応した。施設稼働率は 前指定期間の平均と比べ、93.3%(対前指定期間比)とやや減少傾向であるが、 利用者の相談に応じながら地域福祉の増進にも努めている。以上から、平成 24年度下半期の管理運営状況は良好と認められる。 ┌───────────────┐ │平成25年度上半期 所管課の意見│ └───────────────┘  指定管理者のホームページにおいて施設の案内や、社協だよりへの掲載を継 続することで、施設の周知を図っている。今期は利便性を向上するため、駐車 場の案内看板を改修するなど、利用者への配慮を行っている。施設稼働率は前 指定期間の平均と比べ、100.9%(対前指定期間比)とやや増加傾向であり、 利用者の相談に応じながら地域福祉の増進にも努めている。以上から、平成 25年度上半期の管理運営状況は良好と認められる。 ┌───────────────┐ │平成25年度下半期 所管課の意見│ └───────────────┘  指定管理者のホームページ、ちらしにおいて施設の案内や、社協だよりへの 掲載を継続することで、施設の周知を図っている。利用者に対し、丁寧な対応 と利用後の整理整頓の徹底により利用者に気持ち良く使っていただく努力を している。施設稼働率は対直近3年平均比98.3%とわずかに減少したが、通 年ではほぼ同水準であり、今期、新たに利用した団体があり、利用者の開拓も 行っている。また、利用者の相談に応じながら地域福祉の増進にも努めている。 以上から、平成25年度下半期の管理運営状況は良好と認められる。 【指摘 福祉政策課】  指定管理施設所管課も、現場視察によるモニタリングを徹底すべきである。 監査人補助者が、現場を一度訪問しただけでも、施設の設備、運営状況等、気 づくことが多々あった。  モニタリングとして、現場を訪問する機会を設けることで、気づくことが増 え、「所管課の意見」欄についても、似た内容とはならないはずである。 【事実関係2)】  評価委員会は、平成24年度までは、一度も、現場にいかずに、アンケート 結果や利用客数で、評価をしていた。平成25年度からは、評価委員会も、指 定管理の現場を見るようになったが、毎年開催するわけではなく、モニタリン グとしては、不十分である。その結果、評価委員会のコメントが、以下のとお り、毎回、似た内容となっている。また、指定管理者、指定管理施設所管課、 評価委員会の評価が、全ての項目において、「A」となっている。 ┌──────────────────────┐ │平成24年度上半期 指定管理者評価委員会の意見│ └──────────────────────┘  事業計画書のとおり適正に管理運営されている。  会議室使用後には使用者が必ず清掃を行うなど、会議室使用者の当然の責務 を徹底させていただきたい。 ┌──────────────────────┐ │平成24年度下半期 指定管理者評価委員会の意見│ └──────────────────────┘  事業計画書のとおり適正に管理運営されている。  今後も利用者のニーズに応えながら管理運営に努めていただきたい。 ┌──────────────────────┐ │平成25年度上半期 指定管理者評価委員会の意見│
    └──────────────────────┘  事業計画書のとおり適正に管理運営されている。  今後も利用者のニーズに応えながら管理運営していただき、稼働率がさらに 向上するよう、駐車場の確保など利用しやすい施設を目指していただきたい。 ┌──────────────────────┐ │平成25年度下半期 指定管理者評価委員会の意見│ └──────────────────────┘  事業計画書のとおり適正に管理運営されている。  今後も利用者のニーズに応えながら、利用率の向上、管理運営に努めていた だきたい。 【指摘 福祉政策課】  監査人補助者が、現場を一度訪問しただけでも、施設の設備、運営状況等、 気づくことが多々あった。  評価委員会も、平成25年度に実施したように、少なくとも1年に1回、現 場で、会議を開くなどして、現場のモニタリングを重視すべきである。 【事実関係3)】  評価委員会のメンバーには、5人のうち、岐阜市民生委員・児童委員協議会 副会長、岐阜市老人クラブ連合会副会長が入っている。  社会福祉協議会の理事としては、岐阜市民生委員・児童委員協議会の会長や、 岐阜市老人クラブ連合会の会長が入っている。 【意見 福祉政策課】  評価委員会の委員と社会福祉協議会の役員との関係性を考慮すると、「応募 者が、委員等又は委員等が支配力を有する地位にある団体の主要な取引先と認 められる場合」に準ずるような事態である。  よって、公平性・中立性の観点からも、岐阜市民生委員・児童委員協議会副 会長及び老人クラブ連合会副会長は、評価委員会の議事に加わらないことが望 ましい。 4 補助金について (1)岐阜市社会福祉協議会運営補助金 ┌────────┬───────────────────────────────┐ │  補助金名  │社会福祉協議会運営補助金                   │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │  要綱名   │なし                             │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │ 補助金の目的 │地域の実情に応じたきめ細やかなサービス提供や制度の谷間などに │ │        │ある福祉ニーズに対応しながら福祉コミュニティの構築を推進する │ │        │ための地域福祉推進事業を、岐阜市社会福祉協議会が円滑に行える │ │        │ようにする。                         │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │  交付先   │岐阜市社会福祉協議会                     │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │  事業概要  │岐阜市社会福祉協議会の運営に係る人件費及び管理運営費の一部を │ │        │助成する。                          │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │補助金の対象経費│1)地域福祉推進事業に関わる職員の人件費(職員9名、常勤嘱託員 │ │        │1名、非常勤嘱託員1名の計11名のうち、職員9名(0.5人分の補  │ │        │助対象とされている者が2人いる。)、常勤嘱託員1名、非常勤嘱 │ │        │託員1名を補助対象とする。)。                │ │        │2)運営費補助(社協、各センター・支所における管理経費)    │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │補助金の算定方法│1)職員については、各施設の社協負担分を地域福祉推進事業に関わ │ │        │る人員(配置人数)により按分したもの。職種により法人事業のほ │ │        │かに地域福祉事業に関わるものについて兼任割合で按分を行う(0.5 │ │        │人相当)。また、嘱託員については人件費全額を補助対象としてい │ │        │る。                             │ │        │2)地域福祉推進事業に従事する職員のいる事業所の管理経費    │ │        │                               │ │        │算定金額(平成25年度)                    │ │        │ 補助対象人件費 54,444千円                 │ │        │ 補助対象運営費   728千円                 │ ├────────┼─────────┬──────────┬──────────┤ │ 補助開始年度 │昭和60年度    │経過年数      │  29年      │ ├────────┼─────────┼──────────┼──────────┤ │  補助金額  │平成23年度    │平成24年度     │平成25年度     │ ├────────┼─────────┼──────────┼──────────┤ │   予算   │      60,922│       61,317│       60,628│ ├────────┼─────────┼──────────┼──────────┤ │   決算   │      60,593│       60,657│       55,172│ └────────┴─────────┴──────────┴──────────┘                                    (単位:千円) 【事実関係1)】  社会福祉協議会とは、地域福祉推進の中核的団体として、すべての都道府県、 市町村に設置されている全国組織の民間団体であり、地域の福祉問題をみんな で考え、話しあい、協力して解決することを目的に、市民や社会福祉に関連す る団体・機関によって構成されている。  市町村社会福祉協議会は、社会福祉法第109条に基づき地域福祉の推進を図 るため設立された団体であり、社会福祉協議会においては、昭和33年の発足 以来、現在では、市内全域に50の支部を設置し、地域福祉活動を展開してい る。少子・高齢社会の進展や核家族化、児童虐待やDV等の社会問題など、福 祉を取り巻く環境は大きく変化しており、当事者や行政だけでは解決できない 課題が増加している。そのため、社会福祉協議会に対する運営費補助事業は、 地域の実情に応じたきめ細かなサービス提供や制度の谷間などにある福祉ニ ーズに対応しながら福祉コミュニティの構築を推進することを目的として、社 会福祉協議会の実施事業のうち、地域福祉推進事業に関わる人件費及び各事務 所の管理経費の補助を行っている。 【指摘 福祉政策課】  補助金要綱がないことから、補助対象金額が曖昧なものとなっており、本来 補助すべきでない支出項目までも補助対象とされてしまう可能性がある。補助 金交付申請において補助対象は確認されているようであるが、人件費や運営費 を補助対象とするならば、補助金要綱を定めて、その旨明確に規定すべきであ
    る。人件費や運営費の算定方法についても、補助金要綱において、明確に規定 すべきである。  補助金要綱の策定は、平成23年度包括外部監査報告書において指摘されて おり、平成25年度監査委員定期監査においても指示されていることから、再 度、指摘事項とした。  この点、補助金交付所管課である福祉政策課によると、現在は、補助金要綱 を策定することとし、平成27年度から、新たに策定した補助金要綱が運用で きるよう、要綱を策定しているとのことである。 【事実関係2)】  平成26年3月31日時点において、貸借対照表を見ると、繰越金が1億2,000 万円以上あり、純資産額が合計13億円以上ある。  平成24年3月31日時点において、貸借対照表を見ると、繰越金が2億9,800 万円以上あった。そのため、平成24年度第4回行財政改革推進会議(平成24 年9月24日開催)で、「岐阜市社会福祉協議会運営費補助金について」という 議題において、  「福祉やボランティアはメスを入れにくい部分だが資産がこれだけあるの なら、他の福祉事業等に補助金を振り分けたらどうかという思いがある。」  「13億円の積立金、特に次期繰越として計上されている3億円近いお金の 使途がわからない。社会福祉法人の本来の姿としてはどうか。  介護事業の黒字は、構造的な黒字体質ができたと考えられる。  地域福祉事業限定で補助金を受けているが、補助金を受けている団体という ことが、介護事業や受託事業で競争優位な立場に立っているので、しっかりと した資料を用いて説明する必要がある。  積み立てているお金は、福祉に回るお金が全体として足りない中、他の福祉 事業へ回すようなことも考える必要がある。  これらを考慮して、岐阜市は対処してもらいたい。」と意見が出ていた。  しかし、その後、平成25年2月6日において、「平成24年度 岐阜市社会 福祉協議会一般会計及び公益事業特別会計資金収支補正予算(案)」について、 理事会及び評議員会において、議決された結果、平成24年度当初の予算では、 「介護サービス事業運営積立預金積立支出」について、「7,565,000」円とされ ていたが、平成24年度決算時点での補正予算では、「227,292,786」円とされ、 決算額が、「223,937,000」円となった。その結果、介護サービス事業運営積立 預金積立支出として、2億2,000万円以上の金員が、介護サービス事業運営積 立金として支出され、繰越金の金額が1億8,000万円以上減少していた。  なお、平成23年度の介護サービス事業運営積立預金積立支出は、 「16,200,000」円、平成25年度の介護サービス事業運営積立預金積立支出は、 「6,500,000」円となっている。 【指摘 福祉政策課)  平成26年3月31日時点において、決算書類上、繰越金が1億2,000万円以 上あり、積立金が合計13億円以上あることから(ただし、取り崩しを予定し ていない、「社会福祉推進基金400,000,000円」、「ボランティア推進基金 204,303,722円」、「福祉サービス利用支援基金16,979,526円」を含んでいる。)、 所管課である福祉政策課において、本当に補助金が必要なのか、収支計算書な どの資料をもとに、検討すべきである。  平成24年度第4回行財政改革推進会議における補助金に対する意見を踏ま えて、補助金の必要性について、慎重に検討すべきである。 【指摘 社会福祉協議会】  平成24年度第4回行財政改革推進会議の後、平成24年度の当初予算と異な り、介護サービス事業運営積立預金積立支出として、2億2,000万円以上の金 員が、積立金として支出され、繰越金の金額が1億8,000円以上減少していた。 社会福祉協議会によると、漫然と整理していた基金・積立金を規律的に経理し たとのことである。しかし、繰越金から、なぜ、2億2,200万円以上という金 額を積立金に移動させたのか、その移動の基準及びその移動金額の基準は明ら かとなっていない。  この点、社会福祉協議会は、目的額に達するまでは、法人運営上必要な繰越 金を除いて積立することから、法人運営上必要な繰越金を除いて、介護サービ ス事業運営預金積立支出として支出したと述べている。  しかし、これでは、必要なだけ繰越金を積立支出とすることで、繰越金の金 額を調整しているに等しい。繰越金、積立金という費目の操作によって、補助 金の必要性があるように見せかけているといわれても仕方のない状態である。 明確な基準もなく、繰越金を移動させて、介護サービス事業運営積立金とする ようなことは、避けるべきである。 【事実関係3)】  補助金の事業報告書について、平成26年4月2日付(明確に読みにくい。) による受付印を押印したが、その後、その受付印を日付ごと塗りつぶし、×印 を記載して、新たに、平成26年3月31日の日付による押印をしている。 【指摘 福祉政策課】  平成26年3月31日に押印したのであれば、平成26年3月31日に初めて押 印する書類を除き、平成26年3月31日の日に受付印をセットしたまま、押印 するはずである。その日に初めて押印する書類でもない限り、受付印を間違え ることは考えにくい。特に、平成26年3月31日と平成26年4月1日以降で は、月ばかりでなく、年度もまたぐことから、受付日については、特に注意を 払うはずである。平成26年4月2日に提出された事業報告書について、提出 日を遡らせていると認められるが、日付を遡らせるべきではない。  また、受付印の日付を押しつぶす形で、青色のマーカーで塗りつぶし、その 上に、バツ印を記載して訂正するという方法を取っている。このような日付や 訂正方法からは、外形上、補助金の事業報告書の提出日を遡らせて押印したの ではないかと思われても仕方のない状態である。  仮に、受付印の日付の誤りであるならば、訂正についても、上記のような訂 正方法ではなく、誤った受付印を二重線で削除し、正しい受付印を押すべきで ある。以上のような訂正方法では、文書の改ざんと疑われても仕方のないとこ ろである。 (2)ふれあいのまちづくり推進助成事業補助金 ┌────────┬──────────────────────────────┐ │  補助金名  │ふれあいのまちづくり推進助成事業補助金           │ ├────────┼──────────────────────────────┤ │  要綱名   │なし                            │ ├────────┼──────────────────────────────┤ │ 補助金の目的 │福祉ニーズの多様化・高度化が進む中、住民が主体となった地域福│ │        │祉事業の充実を図り、住民ひとりひとりが住み慣れた地域でいきい│ │        │きと暮らすことができるふれあいのまちづくりを目指す。    │ ├────────┼──────────────────────────────┤ │  交付先   │岐阜市社会福祉協議会                    │
    ├────────┼──────────────────────────────┤ │  事業概要  │地域活動コーディテーターの配置、ふれあい福祉センター事業、ふ│ │        │れあいネットワーク事業                   │ ├────────┼──────────────────────────────┤ │補助金の対象経費│人件費相当分                        │ ├────────┼──────────────────────────────┤ │補助金の算定方法│下記の1)、2)で算出した額のうち、低い方を補助金とする。   │ │        │1)基準額:人数(専任者以外は兼任割合を補助割合とする。)に、│ │        │地方交付税単位費用の福祉活動専門員設置事業費(6,683,000円) │ │        │を乗じた額                         │ │        │2)対象経費支出予定額:実人件費(専任者以外の人件費は1)と同様│ │        │兼任割合を補助割合とする)                 │ │        │1)6,683,000円×3人+6,683,000円×0.5×6人=40,098,000 │ │        │円                             │ │        │2)事務局20,471,189円+コーディネーター19,293,548円=    │ │        │39,764,737円                        │ │        │2)39,764,737円が補助金となる。               │ ├────────┼─────────┬──────────┬─────────┤ │ 補助開始年度 │平成3年度    │   経過年数   │  23年     │ ├────────┼─────────┼──────────┼─────────┤ │  補助金額  │平成23年度    │平成24年度     │平成25年度    │ ├────────┼─────────┼──────────┼─────────┤ │   予算   │      38,792│       39,675│      39,764│ ├────────┼─────────┼──────────┼─────────┤ │   決算   │      38,792│       39,329│      39,764│ └────────┴─────────┴──────────┴─────────┘                                   (単位:千円) 【事実関係1)】  岐阜市においては、福祉ニーズの多様化・高齢化に応じ、住民が主体となっ た地域福祉事業の充実を図るため、社会福祉協議会の実施するふれあいのまち づくりの事業(ふれあい福祉センター相談事業、ふれあいネットワーク事業) に対して、補助金を交付している。  現在、当該補助金は、主に岐阜市地域福祉計画に基づいており、根拠となる 補助金要綱については該当するものがない。そのため、補助金額の算定にいて も明文化された規程は存在しない。補助金額については、人件費を中心に事業 費として補助するとされているだけであり、補助対象支出項目の具体的な範囲 は不明確である。実際に補助金として支給されている金額は、人件費相当分の みである。 【指摘 高齢福祉課】  補助金要綱がないことから、補助対象金額が曖昧なものとなり、本来補助す べきでない支出項目までも補助対象とされてしまう可能性がある。補助金交付 申請において補助対象は確認されているとはいえ、人件費のみを補助対象とす るならば、補助金要綱を定めて、その旨明確に規定すべきである。また、人件 費の算定方法についても、補助金要綱において、明確に規定すべきである。  補助金要綱の策定は、平成23年度包括外部監査報告書において指摘されて おり、平成25年度監査委員定期監査においても指示されていることから、再 度、指摘事項とした。  この点、補助金交付所管課である高齢福祉課によると、現在は、補助金要綱 を策定することとし、平成27年度から、新たに策定した補助金要綱が運用で きるよう、要綱を策定しているとのことである。 【事実関係2)】  当該事業については、事業評価シートにおいて、市職員の人件費を記載して いる。 【指摘 高齢福祉課】  事業評価シートによると、運営費補助金の人件費は、社会福祉協議会の人件 費を記載されているが、ふれあいのまちづくり補助金については、岐阜市の人 件費を記載していた。  公開されている事業評価シートの記載について、担当者ごとに記載方法が統 一されていない。  高齢福祉課において、記載方法を正しく統一すべきである。  この点は、行財政改革課において、事業評価シート作成の手引きを策定して いることから、今後、事業評価シートの作成を継続するのであれば、行財政改 革課が行っている事業評価シートの作成に関する指導・研修を行い、記載方法 を周知すべきである。 【事実関係3)】  岐阜市から、ふれあいのまちづくり事業補助金など、実績の報告や業務内容 についての報告が細かく求められるようになってきている。人ごとに主たる業 務内容などの報告を求めていることから、地域活動コーディネーターなどに、 業務日報を提出させるようにしている。現状では、10日間でA4の1枚程度 の業務日報を個々のコーディネーターより提出させている。 【意見 高齢福祉課】  福祉の分野については、業務内容と結果の関係性が見えにくいことから、業 務の具体的内容などを細かくチェックする方法により、補助金の有効利用等を 検証する必要がある。そのため、業務日報についても、業務の具体的内容や活 動時間について、より詳細に記載することが望ましい。 【事実関係4)】  コーディネーターの配置によるネットワーク作り、各種イベントを実施して いるが、岐阜市では実施結果報告を受けるのみで、補助金支給に対する効果の 測定をしていない。 【指摘 高齢福祉課】  社会福祉協議会と協力し、例えば、効果の測定を実施するため、アンケート 等により、イベント内容に対する地域住民の感想を把握すべきである。この点 は、平成18年度岐阜市包括外部監査報告書において指摘されていることであ るが(同報告書36頁)、再度、指摘する。 5 委託事業について (平成25年度)                                   (単位:千円) ┌─┬───────────────┬───────┬───────┬─────┐ │No│     委託業務名     │委託契約所管課│ 選定方法  │確定委託料│ ├─┼───────────────┼───────┼───────┼─────┤ │1│要介護認定調査事業      │介護保険課  │ 一者随意  │  35,430│
    ├─┼───────────────┼───────┼───────┼─────┤ │2│地域包括支援センター中央北事 │介護保険課  │プロポーザル │  18,743│ │ │業              │       │       │     │ ├─┼───────────────┼───────┼───────┼─────┤ │3│高齢者介護予防事業・家族介護教│高齢福祉課  │ 一者随意  │  12,000│ │ │室事業            │       │       │     │ ├─┼───────────────┼───────┼───────┼─────┤ │4│介護相談員派遣事業      │介護保険課  │ 一者随意  │   7,972│ ├─┼───────────────┼───────┼───────┼─────┤ │5│福祉の店事業         │障がい福祉課 │ 一者随意  │   5,861│ ├─┼───────────────┼───────┼───────┼─────┤ │6│生活・介護支援サポーター養成事│高齢福祉課  │ 一者随意  │   3,967│ │ │業              │       │       │     │ ├─┼───────────────┼───────┼───────┼─────┤ │7│高齢者等実態調査(施設入所者 │介護保険課  │ 一者随意  │    724│ │ │分)事業           │       │       │     │ └─┴───────────────┴───────┴───────┴─────┘ (1)要介護認定調査業務 【概要】 ア 指定市町村事務受託法人事業  岐阜市内では社会福祉協議会のみが指定されており、市からの委託を受け て、岐阜市民の新規申請者について介護認定の際の訪問調査を行う。 【事実関係】(一者随意契約の理由について)  地方自治法施行令第167条の2第1項第2号では、「契約の性質又は目的が 競争入札に適さない場合」と規定されている。そして、岐阜市随意契約ガイド ラインにおいて、具体的例示として、「(5)前各号に掲げるもののほか、特定 の者と契約をしなければ契約の目的を達成することができないとき」が掲げら れている。  本件契約の一者随意契約理由書には、「平成18年4月施行の改正介護保険法 において、平成20年度以降、要介護・要支援認定申請における新規認定調査 は、直営か、介護保険法第24条の2に規定する指定市町村事務受託法人しか できなくなった。直営は人員の確保ができないため、平成20年度から県の指 定を受けた岐阜市で唯一の指定市町村事務受託法人である社会福祉法人岐阜 市社会福祉協議会に委託している。他に指定を受けた事業所がないことから、 平成25年度も引き続き、社会福祉法人岐阜市社会福祉協議会に委託を希望す る。」と記載されており、社会福祉協議会が、上記ガイドライン2(5)に該 当することを理由としている。  なお、競争性への切換えの可否について、「新規認定調査は県知事から指定 を受けた指定市町村事務受託法人しか委託することができない。」として、将 来競争に切り替えることができないとしている。 イ 介護認定調査業務  岐阜市からの委託により、市内の施設に入所している岐阜市民の更新時の 調査、岐阜市からの委託により、金華、京町、長良東地区に在宅している岐阜 市民の更新時の訪問調査、他市町村からの委託により、市内に居住している、 他の市町村に住民登録のある者の新規または更新時の訪問調査を行っている。 【事実関係】(随意契約の理由について)  地方自治法施行令第167条の2第1項第2号では、「契約の性質又は目的が 競争入札に適さない場合」と規定されている。そして、岐阜市随意契約ガイド ラインにおいて、具体的例示として、「(5)前各号に掲げるもののほか、特定 の者と契約をしなければ契約の目的を達成することができないとき」が掲げら れている。  本件契約の一者随意契約理由書には、「平成18年4月施行の改正介護保険法 において、平成20年度以降、要介護・要支援認定申請における更新・変更認 定調査は、介護保険法第28条の5、29条の2により、指定居宅事業者、地域 密着型介護老人福祉施設、介護保険施設、介護支援専門員に委託することがで きると規定された。また、認定調査員は介護支援専門員の資格を持ち、なおか つ岐阜県認定調査員新規者研修を受講した者に限られる。岐阜市では、年間 16,000件ほどの更新を予定しているが、その場合、月1,300件ほどの調査が 必要となるが岐阜市内に単独で対応できる事業者はなく、現在、調査を引き受 けてくれる全ての居宅支援事業者で対応可能なため、調査ができる全事業者 (57事業者)への委託を希望する。」と記載されており、社会福祉協議会が、 上記ガイドライン2(5)に該当することを理由としている。  なお、競争性への切換えの可否について、「一事業者では必要とする調査件 数に対応することが困難と思われるため。」として、将来競争に切り替えるこ とができないとしている。 (2)岐阜市地域包括支援センター中央北 【概要】  岐阜市から委託を受け、「岐阜市地域包括支援センター中央北」を設置し、 高齢者が住み慣れた地域で安心して過ごすことができるように、介護保険サー ビスのみならず、地域の保健・医療・福祉サービスやボランティア活動、支え 合いなどの多様な社会資源を有機的に結び付け、また高齢者の心身の状態の変 化に応じて、生活の質の確保をめざし総合的に支援し、ワンストップサービス の拠点として事業を実施している。 以下、主な業務内容である。 ア 包括的支援業務 ・総合相談支援業務 ・権利擁護業務 ・包括的・継続的ケアマネジメント業務 ・介護予防ケアマネジメント業務(介護予防・日常生活支援総合事業を含む) イ 多職種協働による地域ケア会議の開催 ウ 指定介護予防支援事業 エ 訪問型介護予防事業 1) 介護予防・日常生活支援総合事業ケアマネジメント事業 【事実関係】(随意契約理由、プロポーザル方式)  一者随意契約理由書には、「介護予防・日常生活支援総合事業の業務委託に ついては介護保険法第115条の47「実施の委託」第5項に規定されており、 この条項でケアマネジメント事業の委託先は「地域包括支援センター設置者に
    限る」とされているため、平成25年度から包括的支援事業を委託している岐 阜市地域包括支援センター18か所とします。」「平成25年度及び平成26年度 については公募による選定結果を基に、委託する地域包括支援センターを決定 している。」(岐阜市随意契約ガイドライン2(1)ア「コンペ、プロポーザル 方式等の競争ないし比較協議により契約の相手方を予め特定しているとき」、 2(5)「前各号に掲げるもののほか、特定の者と契約をしなければ契約の目 的を達成することができないとき」)と記載されている。  また、「介護予防・日常生活支援総合事業の委託については介護保険法第115 条の47「実施の委託」第5項に規定されており、この条項でケアマネジメン ト事業の委託先は「地域包括支援センター設置者に限る」とされているため、 競争に切り替えることはできない。」と記載されている。 2) 介護予防・日常生活支援総合事業ホームヘルプ事業 【事実関係】(随意契約理由)  業務委託契約伺書には、随意契約理由として、「ホームヘルプ事業の委託先 は、岐阜市介護予防・日常生活支援総合事業実施要項第5条第2項において、 事業を実施するための知識や技術について熟知している職員が配置されてい る指定介護予防サービス事業者とすることが規定されている。また、岐阜市内 の事業者に委託することにより対象者がより身近な場所で利用することが可 能となる。このため、本事業の実施が可能であると申し出のあった岐阜市内の 事業者への委託とする。今年度41か所と契約しているが、今回新たに事業を 行える事業所ができたため、介護予防訪問介護を行っている上記の事業所との 契約を希望する。」と記載されている。 3) 訪問型介護予防事業 【事実関係】(随意契約理由)  業務委託契約伺書には、随意契約理由として、「当事業の対象となる、うつ、 閉じこもり、認知症の傾向があり、通所型介護予防事業への参加が困難な二次 予防事業対象者は要支援状態となる可能性が高い。これらの方に対し介護予防 を理解し、適切な支援を行うためには、地域保健等の知識があり在宅者への指 導・教育の経験が必要である。岐阜市地域包括支援センターは介護保険法第 115条の46の包括的支援事業を通じて本人や家族と面識があり、対象者が抱 える課題を把握している。さらに、平成18年度より委託を受け訪問指導を行 い、継続的な支援を行い十分な経験を有している。これらのことから、岐阜市 地域包括支援センターを運営する法人に業務委託を希望する。」と記載されて いる。 (3)高齢者介護予防事業・家族介護教室事業 ア 高齢者介護予防事業 【概要】  高齢者ができる限り要介護状態に陥ることなく健康で生き生きとした老後 の生活を送ることができるよう、関係機関と連携し介護予防教室等を開催する。 【事実関係】(一者随意契約の理由について)  地方自治法施行令第167条の2第1項第2号では、「契約の性質又は目的が 競争入札に適さない場合」と規定されている。そして、岐阜市随意契約ガイド ラインにおいて、具体的例示として、「(5)前各号に掲げるもののほか、特定 の者と契約をしなければ契約の目的を達成することができないとき」が掲げら れている。  本件契約の一者随意契約理由書には、「事業参加者が、できる限り要介護状 態に陥ることなく、健康でいきいきとした生活を送れるよう支援するものであ り、転倒予防、栄養改善、運動指導等多岐に渡る事業を実施するには、介護予 防のための具体的な知識や取組方法を取り入れた的確なプランの立案や指導 が必要である。そのため、健康診断や生活指導、家事訓練、運動機能訓練等、 豊富なメニューでの講座を開催することが可能であり、併せて介護事業に精通 していることが必要になる。さらに、営利を目的とした参加者の囲い込みを行 うこともなく、従来から実施している実績がある団体でなくてはならない。岐 阜市社会福祉協議会は、上記条件を満たしている唯一の団体であり、さらに、 社会福祉法に基づき設置されている社会福祉活動の推進を目的とし、営利を目 的とはしない。また、住民自らの福祉の向上を図るため、活発に活動しており、 住民主体による地域福祉を醸成するうえで唯一の団体であり、各地区に支部を 持っており市内全域において地域と協働で事業を推進できる。」と記載されて おり、社会福祉協議会が、上記ガイドライン2(5)に該当することを理由と している。  なお、競争性への切換えの可否について、「社会福祉法に基づき設置された、 営利を目的としない団体であり、住民自らの福祉の向上を図るために活発に活 動しており、地域福祉を醸成するうえで唯一の団体である。」として、将来競 争に切り替えることができないとしている。 イ 家族介護教室事業 【概要】  要介護者の介護にあたっている家族及び近隣の援助者等に対し、介護の方法、 介護予防、介護者の健康づくりについての講話、介護技術の習得、相談等の教 室を開催する。 【事実関係】(一者随意契約の理由について)  地方自治法施行令第167条の2第1項第2号では、「契約の性質又は目的が 競争入札に適さない場合」と規定されている。そして、岐阜市随意契約ガイド ラインにおいて、具体的例示として、「(5)前各号に掲げるもののほか、特定 の者と契約をしなければ契約の目的を達成することができないとき」が掲げら れている。  本件契約の一者随意契約理由書には、「要介護者の介護にあたっている家族 及び近隣の援助者等に対し、介護の方法、介護予防、介護者の健康づくりにつ いての講話、介護技術の習得、相談等の教室を開催するなど多岐に渡る事業を 実施するには、介護予防のための具体的な知識や取組方法を取り入れた的確な プランの立案や指導が必要である。そのため、健康診断や生活指導、家事訓練、 運動機能訓練等、豊富なメニューでの講座を開催することが可能であり、併せ て介護事業に精通していることが必要になる。さらに、営利を目的とした参加 者の囲い込みを行うこともなく、従来から実施している実績がある団体でなく てはならない。岐阜市社会福祉協議会は、上記条件を満たしている唯一の団体 であり、さらに、社会福祉法に基づき設置されている社会福祉活動の推進を目 的とし、営利を目的とはしない。また、住民自らの福祉の向上を図るため、活 発に活動しており、住民主体による地域福祉を醸成するうえで唯一の団体であ り、各地区に支部を持っており市内全域において地域と協働で事業を推進でき る。」と記載されており、社会福祉協議会が、上記ガイドライン2(5)に該
    当することを理由としている。  なお、競争性への切換えの可否について、「社会福祉法に基づき設置された、 営利を目的としない団体であり、住民自らの福祉の向上を図るために活発に活 動しており、地域福祉を醸成するうえで唯一の団体である。」として、将来競 争に切り替えることができないとしている。 (4)介護相談員派遣事業 【概要】  介護老人福祉施設、介護老人保健施設及び通所介護施設等の利用者に対し、 介護相談員を派遣し、相談に応じるととともに、介護サービス事業者と介護サ ービス利用者との橋渡しとなって、介護サービスの質の向上を図る。 (1)介護相談員連絡会議の開催 (2)介護相談員研修会へ参加 【事実関係】(一者随意契約の理由について)  地方自治法施行令第167条の2第1項第2号では、「契約の性質又は目的が 競争入札に適さない場合」と規定されている。そして、岐阜市随意契約ガイド ラインにおいて、具体的例示として、「(5)前各号に掲げるもののほか、特定 の者と契約をしなければ契約の目的を達成することができないとき」が掲げら れている。  本件契約の一者随意契約理由書には、「本業務は介護相談員を介護サービス の提供現場に派遣し、利用者等の話を聞き、利用者の疑問や不満、不安の解消 をするために、利用者から聞いた話を事業者に伝える等により、利用者と事業 者の橋渡しをするものである。その活動を通し知り得た利用者の個人情報、ま た、事業者のサービスの内容等については当然介護相談員及び受注者に守秘義 務が求められる。しかし、その内容が高齢者虐待等重大な場合は行政への報告 も必要である。そのため、受注者については公益性の高く、介護サービスにつ いて精通している社会福祉法人がふさわしい。しかし、派遣先である特別養護 老人ホーム、介護老人保健施設及び老人デイサービスセンターを運営している 社会福祉法人では中立性が担保できない。よって、本市内で介護サービスを提 供する社会福祉法人の中で、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設及び老人 デイサービスセンターを運営しておらず、中立性が確保できる岐阜市社会福祉 協議会を希望する。」と記載されており、社会福祉協議会が、上記ガイドライ ン(5)に該当することを理由としている。  なお、競争性への切換えの可否について、「本市内に他に高齢者福祉を実施 して十分な実績があり、老人福祉施設を運営しない社会福祉法人が参入したと き」と記載して、将来競争に切り替えることができるとしている。 (5)福祉の店 【概要】  岐阜市から委託を受け、岐阜市内の障がい者施設の自主生産品の販路を確保 すると共に、障がい者及び母子寡婦の手作り作品の展示販売の場として、マー サ21の3階に「岐阜市福祉の店 友&愛」を常設し、福祉の増進を図ってい るとの事である(平成26年度事業計画書)。 【事実関係1)】(一者随意契約の理由について)  地方自治法施行令第167条の2第1項第2号では、「契約の性質又は目的が 競争入札に適さない場合」と規定されている。そして、岐阜市随意契約ガイド ラインにおいて、具体的例示として、「2(5)前各号に掲げるもののほか、 特定の者と契約をしなければ契約の目的を達成することができないとき」が掲 げられている。  本件契約の一者随意契約理由書には、「障がい者施設だけでなく、母子寡婦 等の団体も出品しており、出品する各施設・団体との連絡調整や取りまとめが 業務の中心となる。そのため、出品施設及び団体が単独で出品することは困難 であり、社会福祉全般に精通し中立的立場で行える福祉団体でないと出来ない。 該当するのは社会福祉協議会だけである。」と記載されており、社会福祉協議 会が、上記ガイドライン2(5)に該当することを理由としている。  なお、競争性への切換えの可否について、「各障がい者施設及び団体が単独 で出品することは困難であり、各施設間の調整等が業務であり競争入札は適さ ない」という理由で、将来的にも、競争に切り替えることはできないとしてい る。 【事実関係2)】(事業評価シートについて)  事業評価シートが、社会福祉協議会の「福祉の店友&愛」と社会福祉事業団 「福祉ショップWA」が、同じシート(事業概要や委託料については分けて記 載している。)で作成されている。 【指摘 障がい福祉課】  社会福祉協議会の福祉の店と社会福祉事業団の福祉ショップは、委託先及び 対象や目的の一部異なる事業であることから、事業評価シートは別々に作成す べきである。 (6)生活・介護支援サポーター養成事業 【概要】  高齢者等の個別の生活ニーズに応えるために、地域住民の主体性に基づき運 営される、安定的・継続的住民参加サービス等の仕組みを作るため、新たな担 い手を養成して関係機関と協働し、地域における見守り、支援活動の体制を構 築する 【事実関係】(一者随意契約の理由について)  地方自治法施行令第167条の2第1項第2号では、「契約の性質又は目的が 競争入札に適さない場合」と規定されている。そして、岐阜市随意契約ガイド ラインにおいて、具体的例示として、「2(5)前各号に掲げるもののほか、 特定の者と契約をしなければ契約の目的を達成することができないとき」が掲 げられている。  本件契約の一者随意契約理由書には、「岐阜市社会福祉協議会は、社会福祉 法に基づき設置されており、社会福祉に関する活動に対し住民参加のための援 助を行うことにより、地域福祉の推進を図ることを目的とする団体である。ま た、各地区に支部を持っており、市内全域において地域と密接な関係を築いて おり、本事業を遂行できる唯一の団体である。」と記載されており、岐阜市社 会福祉協議会が、上記ガイドライン2(5)に該当することを理由としている。  なお、競争性への切換えの可否について、「地域住民の主体性に基づく新た な住民参加サービスの担い手のリーダーを養成するため福祉全般に係る幅広 い研修を実施するとともに、その活動の場づくり等を支援するため、他に適当 な事業者がない。」という理由で、「競争に切り替えることができない」として いる。
    (7)高齢者等実態調査(施設入所者分)事業  【概要】  高齢者の日常生活の実態や健康状態、介護保険制度に対する意見・要望等を 把握し、平成26年度中に見直しを行う「岐阜市高齢者福祉計画(計画期間: 平成27年度~平成29年度)」策定の基礎資料とすることを目的としている。 調査の種類は、1)一般高齢者、2)要介護・要支援認定者で介護サービスを受け ていない人及びその介護者、3)介護予防サービスを受けている人及びその介護 者、4)居宅で介護サービスを受けている人及びその介護者、5)小規模多機能型 居宅介護利用者、6)定期巡回・随時対応型訪問介護看護利用者、7)グループホ ーム入居者、8)介護保険施設入所者、9)介護支援専門員、10)介護予防サービス 計画を作成している地域包括支援センター職員を対象とした10種類であり、 対象者に対して、アンケートを配布・回収することで調査している。  社会福祉協議会は、岐阜市から委託を受け、介護支援専門員が8)施設入所者 の実態調査を行った。 【事実関係】(一者随意契約の理由について)  本件契約の一者随意契約理由書には、「この業務は、市内の介護老人福祉施 設、介護老人保健施設及び介護療養型医療施設(以下、「介護保険施設」とい う。)の入所者に対し、実態調査を実施するもので、重度の介護が必要な入所 者本人に面接し、状態や意向についての聞き取り調査を行うため、専門的な知 識や経験が必要である。岐阜市社会福祉協議会は社会福祉法により地域福祉の 推進を図る団体として位置づけられ、社会福祉士など専門的な知識を持つ人材 を有しており、介護保険施設の運営を行っていないため、公正中立な立場が確 保できる唯一の団体である。」と記載されており、社会福祉協議会が、上記ガ イドライン2(5)に該当することを理由としている。  なお、競争性への切換えの可否について、「社会福祉法に基づき設置された 営利を目的としない地域福祉の推進を図ることを目的とした団体であり、入所 施設を持っておらず、施設運営の利害関係を考慮せず、公平中立な調査を行う ことができる唯一の団体である。」という理由で、将来的にも、競争に切り替 えることはできないとしている。 6 自主事業について (1)貸付事業(岐阜県社会福祉協議会からの委託事業を含む。)について 【事実関係】  社会福祉協議会の貸付事業として、以下の4つがある。 1)貸付事業相談体制  岐阜県社会福祉協議会からの補助により、多くの貸付相談者に対応するた めに、貸付事業相談をしている。相談件数は、651件(平成25年度)であっ た。 2)生活福祉資金の貸付  岐阜県社会福祉協議会から委託を受け、低所得世帯及び障がい者世帯等に対 し、総合支援・福祉・教育支援及び不動産担保型生活資金を無利子又は低利で 貸し付け、民生委員・児童委員の指導と協力を得て、その世帯の経済的自立と 生活意欲の助長を図り、安定した生活が営めるよう援助している。                          (単位:千円) ┌─┬──────────┬─────┬─────┬─────┐ │ │    区分    │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │更生資金(件数)  │     0│     0│     0│ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │    (金額)  │     0│     0│     0│ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │福祉資金(件数)  │     5│     6│    16│ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │    (金額)  │   2,469│   3,792│   6,626│ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │教育支援資金(件数)│     6│     1│     3│ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │    (金額)  │   3,743│   1,062│   1,536│ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総合支援資金(件数)│    36│    19│     5│ │貸├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │付│    (金額)  │  10,167│   3,926│    998│ │状├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │況│緊急小口資金(件数)│    58│    37│    37│ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │    (金額)  │   4,860│   3,146│   3,132│ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │不動産担保型生活資 │     1│     0│     0│ │ │金・一般(件数)  │     │     │     │ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │    (金額)  │   9,675│   6,975│   5,909│ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │不動産担保型生活資 │     2│     1│     0│ │ │金・要保護(件数) │     │     │     │ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │    (金額)  │    612│   5,373│   3,824│ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │合計(件数)    │    108│    64│    61│ │ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │ │    (金額)  │  22,819│  24,275│  22,025│ └─┴──────────┴─────┴─────┴─────┘ *平成24年度からは、貸付を決定した方に送金した金額を記載している。 3)臨時特例つなぎ資金の貸付  岐阜県社会福祉協議会から委託を受け、公的給付制度又は公的貸付制度を申 請中の住居のない離職者に対し、交付を受けるまでの当面の生活費を無利子又 は低利で貸し付け、民生委員・児童委員の指導と協力を得て、その世帯の経済 的自立と生活意欲の助長を図り、安定した生活が営めるよう援助している。                    (単位:千円) ┌─┬────┬─────┬─────┬─────┐ │貸│ 区分 │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │付├────┼─────┼─────┼─────┤ │状│貸付件数│    1│    1│     0│
    │況├────┼─────┼─────┼─────┤ │ │貸付金額│    100│    33│     0│ └─┴────┴─────┴─────┴─────┘ 4)生活つなぎ資金の貸付  生活保護決定世帯へ保護費支給日までの生活つなぎ資金を貸し付け、生活保 護世帯の生活安定を図っている。  このうち、4)生活つなぎ資金の貸付については、要保護世帯の保護決定後、 保護費支給日までのつなぎ資金を貸付ける事業である。この貸付事業において、 回収の可能性が極めて低くなった貸付金が存在しているが、今日まで貸し倒れ 等の処理がされることもなく貸付金として残高が残ったままになっている。                    (単位:千円) ┌─┬────┬─────┬─────┬─────┐ │貸│ 区分 │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │付├────┼─────┼─────┼─────┤ │状│貸付件数│    298│    205│    230│ │況├────┼─────┼─────┼─────┤ │ │貸付金額│   4,682│   2,899│   2,968│ └─┴────┴─────┴─────┴─────┘ 【指摘 社会福祉協議会】  回収の可能性が極めて低くなった貸付金をそのまま表示しておくことは、資 産を過大に評価してしまうことになる。しかし、生活つなぎ資金規定(以下「規 定」とする。)には、回収の可能性が極めて低くなった貸付金についてどのよ うに処理するかの規定がない。そこで、こうした貸付金について貸し倒れ等の 処理ができるよう、債権管理規程などを設けるべきである。  また、規定第4条では、「この資金の償還は、保護費支給日に本人より担当 員を通じて本会へ一括償還するものとする」と定められており、返済方法は一 括返済となっているが、金額が多い場合には分割返済としている場合もあり、 規定にしたがっていない。社会福祉協議会は、規定どおりに一括返済させるか、 支障があるのであれば規定を変更すべきである。 (2)法人後見業務について 【事実関係】  法人後見業務が、年間数件行われている。法人後見業務とは、「認知症高齢 者、知的障がい者及び精神障がい者など判断能力が不十分なために、意思決定 が困難な者の判断能力を補うため、社会福祉協議会が成年後見人、保佐人若し くは補助人となることにより、本人の財産管理、身上監護を行い、高齢者、障 がい者等が安心して日常生活を送ることができるように支援を行うものであ る。法人後見事業運営委員会と法人後見支援員研修会が開催されている。 【意見 社会福祉協議会】  社会福祉協議会は、被後見人の財産等から報酬が見込めない案件を中心に、 法人後見業務の積極化を図ることが望ましい。  その上で、成年後見利用支援事業など、市町村からの援助を受ける制度を利 用することが望ましい。 7 使用貸借について 【事実関係1)】  社会福祉協議会事務局、中央センター、北部センター、南部センター、柳津 センター(柳津支所)は、普通財産の使用貸借として契約している。これらの 公有財産は、行政財産から普通財産へ切替し、使用貸借契約を締結したもので ある。  また、平成18年度の包括外部監査報告書においても、使用貸借は問題であ り賃料を取るべきであると指摘されていたが、現状でも、変化はない。  平成18年度の包括外部監査においても指摘されている点ではあるが、改め られていない。措置結果においては、「他の地方公共団体の状況を見ながら、 外郭団体と合意形成を図る」と回答しているものの、協議をした形跡はない。 ┌───────────────────────────────────────┐ │財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例第4条                │ │                                       │ │ 普通財産は、次の各号の一に該当するときは、これを無償又は時価よりも低い価額 │ │で貸し付けることができる。                          │ │ (1) 他の地方公共団体その他公共団体又は公共的団体において、公用若しくは公共 │ │  用又は公益事業の用に供するとき。                     │ │ (2) 普通財産の貸付けを受けた者が当該財産につき、地震、火災、水害等の災害を │ │  受け使用の目的に供しがたいと認めるとき。                 │ │ (3) その他特別の事情があると認めるとき。                  │ └───────────────────────────────────────┘  平成18年の包括外部監査報告書の指摘に対しては、社会福祉協議会は、「公共 的団体の公用に供するとき」に該当すると考えているようであるが、社会福祉 協議会が事務局として使用することがどうして「公共的団体の公用に供すると き」の要件を満たしているのか具体的に再検討した形跡もない。 【指摘 福祉政策課、健康政策課、柳津地域振興事務所地域振興総務課】  平成18年の包括外部監査報告書の指摘(賃料を取ること)について、所管部・ 所管課において、組織的に、資料等をもとに検討したのでなければ、PDCA サイクルを機能させているということはできない。  福祉政策課、健康政策課、柳津地域振興事務所総務課において、無償貸付の 条件を満たしていない可能性が高いことから、上記(1)~(3)の要件のう ち、具体的に要件を満たしている事情が判明しない限り、賃料を徴収する(有 償にする)ことを検討すべきである。 【事実関係2)】  社会福祉協議会の北部センター(ヘルパーステーション)、社会福祉協議会 事務局、南部センター、柳津センター(柳津支所)については、行政財産から 普通財産へ転換されていることが、決裁資料や公有財産台帳から、明らかとな っている。  しかし、南部センターについては、行政財産から普通財産に転換された決済 資料があるにもかかわらず、平成27年2月2日時点まで、行政財産として登 録されていた。 【指摘 健康政策課】  南部センターが普通財産に転換されているにもかかわらず、公有財産台帳に、 行政財産として登録されている点は、誤りである。ただちに、公有財産台帳上、
    普通財産に登録を変更すべきである。また、今後は、公有財産について変更等 があれば、速やかに、公有財産台帳に変更等の登録をすべきである。 ┌────────────────────────────────────────┐ │岐阜市公有財産規則(用途の変更又は廃止)                    │ │                                        │ │第13条 部長(教育長を除く。以下この条において同じ。)は、その所管に属する行政財│ │                 ̄ ̄ ̄                     │ │  産の用途を変更し、又は廃止しようとするときは、次に掲げる事項を記載した書類 │ │  を作成し、市長の決裁を受けなければならない。                │ │ (1) 用途を変更し、又は廃止しようとする行政財産の明細             │ │ (2) 用途を変更し、又は廃止しようとする理由                  │ │ (3) 前2号に掲げるもののほか、必要と認められる事項              │ │     ̄ ̄                                   │ └────────────────────────────────────────┘ 8 市の監査について 【事実関係】  岐阜市では、平成9年4月1日の社会福祉法改正により、社会福祉法人の認 可及び法人監査実施が中核市の権限となり、社会福祉法人を監査する部署とし て指導監査部門が設けられた。その後、同部署が係から室、室から課への変遷 等を経る中、現在、指導監査課が、社会福祉協議会や社会福祉事業団を含む社 会福祉法人や事業所を監査している。社会福祉協議会は、岐阜市からの出資割 合が0%とされ、かつ、平成11年を最後に、監査委員監査が行われていない ことから、指導監査課による監査が唯一の法人監査といえる。  指導監査課によると、社会福祉法人の監査について、チェックリストに基づ き監査をしたとのことである。  しかし、チェックリストが保存されていないことから、チェックリストによ り、監査されたのかどうか不明である。 【指摘 指導監査課】  指導監査課が作成したチェックリストを用いて、監査結果報告書等に添付し、 残すような使い方を検討し、どの点が適切、不適切だったのかを確認して指摘 したのか、確実に記録に残すように課内で徹底すべきである。  この点、指導監査課は、監査人補助者の指摘に伴い、直ちに、チェックリス トを用いた指導監査の記録を残すように、他の社会福祉法人の指導監査に置い て徹底したことは、評価することができる。 9 決算上の確認について 【事実関係】  岐阜市社会福祉協議会経理規程(以下「経理規程」という。)第10条では、 作成すべき会計帳簿について、定められているが、総勘定元帳のうち貸借関係 の元帳が作成されていない。国税庁のホームページ上においても、「タックス アンサー」、「法人税」、「帳簿書類等の保存期間及び保存方法」において、「帳               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 簿書類の保存方法は、紙による保存が原則となります。したがって、電子計算 機で作成した帳簿書類についても、原則として電子計算機からアウトプットし た紙により保存する必要があります。」と記載されているところである。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │岐阜市社会福祉協議会経理規程                           │ │                                         │ │第10条 前条の会計伝票に基づき、次の会計帳簿を作成しなければならない。ただし、補助│ │簿については、必要に応じて設けることができる。                  │ │   (1)主要簿                                │ │    ア 仕訳日記帳                              │ │    イ 総勘定元帳                              │ │   (2)補助簿                                │ │    ア 小口現金出納帳                            │ │    イ 固定資産管理台帳                           │ │    ウ 寄附物品台帳                             │ └─────────────────────────────────────────┘  この点、社会福祉協議会は、紙ベースで保存していなかったと説明している。 【指摘 指導監査課、社会福祉協議会】  紙ベースで保存しなければ、改ざんの危険性もあるし、誰でも閲覧出来る状 態とはならない。仮に、データで貸借関係の元帳を作成しているのであれば、 紙ベースでも保存すべきである。  経理規程第10条に定められている会計帳簿が整っていない状態は、社会福 祉法人の会計事務としては適切でない。岐阜市社会福祉協議会は経理規程に基 づき、貸借関係の元帳(紙ベース)を作成すべきである。  指導監査課も、紙ベースによる元帳の作成を指導すべきである。 第6章 社会福祉法人岐阜市社会福祉事業団 第1 概要 1 基本情報 ┌─┬───────┬───────────────────────────┐ │ │設立年月日  │昭和56年9月28日                   │ │ ├───────┼───────────────────────────┤ │ │所在地    │岐阜市都通2丁目23番地                │ │ ├───────┼───────────────────────────┤ │ │所管課    │福祉部福祉政策課                   │ │ ├───────┼────────┬──────────┬───────┤ │ │基本財産   │   351,748千円│市出資額(割合)  │   3,000千円│ │ │       │        │          │  (0.85%)│ │ ├───────┼────────┼──────────┼───────┤ │ │基本金    │    3,000千円│市出資額(割合)  │   3,000千円│ │ │       │        │          │   (100%)│ │基├───────┼────────┴──────────┴───────┤ │本│設立目的   │ この社会福祉法人は、市と一体となって岐阜市社会福祉事│ │事│(定款第1条)│業の推進を図り、広く市民福祉の向上と増進に寄与すること│ │項│       │を目的とする。                    │ │ ├───────┼───────────────────────────┤
    │ │事業内容   │(1)第1種社会福祉事業               │ │ │       │ (イ)養護老人ホームの経営             │ │ │       │(2)第2種社会福祉事業               │ │ │       │ (イ)老人福祉センターの管理運営          │ │ │       │ (ロ)老人デイサービスセンターの経営        │ │ │       │ (ハ)児童厚生施設の管理運営            │ │ │       │ (ニ)地域活動支援センターの経営          │ │ │       │ (ホ)障害福祉サービス事業の経営          │ │ │       │ (へ)障害児通所支援事業所の運営          │ │ │       │ (ト)障害児相談支援事業所の運営          │ │ │       │ (チ)特定相談支援事業の経営            │ └─┴───────┴───────────────────────────┘ * 基本財産には、社会福祉事業団が購入した不動産の価格を含めている。 * 基本金には、社会福祉事業団が購入した不動産の価格を含めていない。        (平成26年3月31日現在) ┌─┬───┬───┬───┬───┐ │ │   │役員 │評議員│職員 │ │組├───┼───┼───┼───┤ │織│常勤 │ 3名│ 7名│ 67名│ │状├───┼───┼───┼───┤ │況│非常勤│ 10名│ 15名│ 166名│ │ ├───┼───┼───┼───┤ │ │合計 │ 13名│ 22名│ 233名│ └─┴───┴───┴───┴───┘ * OBについては、社会福祉事業団の役職員就任直前の職である。 * 常勤役員の内1名については、職員と兼務している。 * 評議員の定数は、23名であるが、1名欠員である。 * 非常勤評議員について、事業団役職員との併任は、7名である。 * 理事・監事・評議員の任期は、2年である。  理事会 理事11名 任期2年       (岐阜地区知的障がい者育成会会長、        市社会福祉協議会会長、市医師会副会長、        市赤十字奉仕団委員長、市民生委員児童委員協議会理事、        市身体障害者福祉協会会長、市老人クラブ連合会会長、        常磐自治会連合会長、みやこ障害者センター所長)        理事長1名 副理事長1名(事務局長兼任)  監事2名 任期2年      (元岐阜市会計管理者、元社会福祉事業団理事長)  評議員会 評議員22名 任期2年      (市社会福祉協議会代表、市身体障害者福祉協会代表、白山デイサ       ービスセンターボランティア、みやこ園利用者の保護者、みやこ       老人センター利用者、みわ障害者センター利用者、南デイサービ       スセンターボランティア、ワークサポートあすなろ利用者の保護       者、ワークサポートひの利用者の保護者、ワークサポートみやこ       利用者の保護者、寿松苑利用者の家族、ワークサポートあおやぎ       利用者の保護者、本郷児童センターボランティア、みやこ障害者       センターボランティア、みわ障害者センターボランティア、事業       団理事長、ワークサポートあおやぎ所長、寿松苑所長、柳津高齢       者福祉センター、児童館所長、南デイサービスセンター所長、和       楽園、三楽園所長、サンフレンドうずら障害者センター、児童セン       ター所長)                     (単位:千円) ┌─┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │ │ 区分  │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総収入額 │ 1,590,173│ 1,289,597│ 1,224,855│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総支出額 │ 1,557,408│ 1,230,209│ 1,207,207│ │財├─────┼─────┼─────┼─────┤ │務│(人件費)│  780,303│  737,042│  749,371│ │の├─────┼─────┼─────┼─────┤ │状│差引収支額│  32,764│  59,387│  17,647│ │況├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総資産額 │ 1,718,990│ 1,758,414│ 1,796,550│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総負債額 │  415,321│  391,668│  400,316│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │正味財産額│ 1,303,668│ 1,366,745│ 1,396,234│ └─┴─────┴─────┴─────┴─────┘                     (単位:千円) ┌─┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │ │  区分 │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │指定管理料│  310.375│  296,392│  296,303│ │市├─────┼─────┼─────┼─────┤ │の│委託料  │  76,348│  75,861│  68,182│ │財├─────┼─────┼─────┼─────┤ │政│補助金  │     0│     0│     0│ │支├─────┼─────┼─────┼─────┤ │出│負担金  │     0│     0│     0│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │その他  │  79,147│  76,470│  70,056│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │合計   │  465,870│  448,723│  434,541│ └─┴─────┴─────┴─────┴─────┘ * その他は、地域活動支援センター事業給付費である。                                 (単位:千円) ┌─┬───────────┬──────────────────┬────┐ │ │    事業名    │       事業概要       │事業費 │ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │老人デイサービス事業運│介護保険法に基づく通所介護事業   │ 281,620│
    │ │営業務        │                  │    │ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │寿松苑運営業務    │老人福祉法に基づく養護老人ホームの運│ 155,547│ │ │           │営業務               │    │ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │就労支援施設運営業務 │障害者総合支援法に基づく就労支援施設│ 142,696│ │ │           │の運営業務             │    │ │事├───────────┼──────────────────┼────┤ │業│児童厚生施設管理運営業│指定管理者制度に基づく児童館・児童セ│ 130,765│ │概│務          │ンターの管理運営業務        │    │ │要├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │みやこ園管理運営業務 │指定管理者制度に基づく児童発達支援 │ 77,264│ │ │           │センターの管理運営業務       │    │ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │身体障害者センター運営│障害者総合支援法に基づく身体    │ 75,279│ │ │業務         │障害者施設の運営業務        │    │ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │老人福祉センター管理運│指定管理者制度に基づく老人福祉   │ 61,781│ │ │営業務        │センターの管理運営業務       │    │ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │その他事業      │                  │ 137,068│ └─┴───────────┴──────────────────┴────┘ 2 沿革  昭和56年3月6日  社会福祉法人社会福祉事業団設立発起人会開催  昭和56年7月12日  市議会で岐阜市福祉健康センター条例議決  昭和56年9月28日  事業団設立認可 定款  昭和56年10月1日  岐阜市福祉健康センター開館            社会福祉事業団発足            以下の施設について、運営受託            「みやこ障害者センター」「みやこ授産所」            「みやこ通勤寮」「みやこ園」            「みやこ園ことばの教室」            「みやこ老人センター」「和楽園」「友楽園」            「西部福祉会館」「天満ホーム」「梅林児童館」            「黒野児童館」「東児童センター」  昭和57年4月1日  運営受託「三田洞神仏温泉」「清泉荘」  昭和58年4月1日  運営受託「日野母子寮」(松風荘)            「知的障害者就労促進事業」  昭和59年4月1日  運営受託            「加納児童センター」「三楽園」「老人保健事業」  昭和60年4月1日  運営受託「西児童センター」  昭和61年4月1日  運営受託「日光児童センター」  昭和62年4月1日  運営受託「厚生館」(ワークサポートひの)  昭和63年4月1日  運営受託「本郷児童センター」「あおやぎ授産所」  平成元年4月1日  運営受託「長良児童センター」  平成2年4月1日  運営受託「長森児童センター」  平成3年4月1日  運営受託「岩野田児童センター」                「白山デイサービスセンター」  平成4年4月1日  運営受託「サンフレンドみわ・児童センター」                「サンフレンドみわ・障害者センター」  平成5年4月1日  運営受託「南デイサービスセンター」  平成6年4月1日  運営受託「サンフレンドうずら・児童センター」                「サンフレンドうずら・障害者センター」  平成7年4月1日  運営開始「知的障害者グループホーム」                (共同生活介護・援助事業)  平成9年4月1日  運営受託「市橋デイサービスセンター」  平成10年4月1日  運営受託「岐阜市自立援助ホーム事業」  平成12年4月1日  設置経営開始「寿松苑デイサービスセンター」                  「北デイサービスセンター」            運営受託「生活援助員派遣事業」                (高齢者住宅等安心確保事業)            直営事業へ移行「白山デイサービスセンター」                   「南デイサービスセンター」                   「市橋デイサービスセンター」  平成14年5月7日  運営受託「障害者就業・生活支援センター事業」  平成15年2月1日  設置経営開始「居宅介護支援事業所」  平成15年4月1日  運営受託            知的障害者就労促進事業「屋内清掃班」  平成16年3月31日  「老人保健事業」廃止  平成16年4月1日  直営事業へ移行            「みやこ授産所」「みやこ授産所ひの分場」            「あおやぎ授産所」「みやこ通勤寮」            「みやこ障害者センター」            「サンフレンドみわ・障害者センター」            「サンフレンドうずら・障害者センター」            運営受託「岐阜市福祉ショップ事業」  平成18年1月1日  設置経営開始「やないづ授産所」  平成18年3月1日  運営受託「柳津高齢者福祉センター」                「柳津児童館」  平成18年4月1日  運営から外れる「友楽園」「長良児童センター」                   「岩野田児童センター」            運営受託「岐阜市子どもの居場所づくり事業」  平成19年3月31日  「松風荘」廃止  平成21年4月1日  設置経営開始「寿松苑」            運営から外れる「加納児童センター」            「三田洞神仏温泉」「清泉荘」「天満ホーム」  平成21年6月1日  設置経営開始「外部サービス利用型(介護予防)            特定施設入居者生活介護事業」  平成23年3月31日  廃止「みやこ通勤寮」  平成24年4月1日  運営から外れる「梅林児童館」  平成25年3月25日  「岐阜障がい者就業・生活支援センター」と「障がい            者共同生活支援センター」を統合            「障がい者自立支援合同事務所」として設置運営  平成25年3月31日  廃止「岐阜市自立援助ホーム事業」  平成25年4月1日  設置経営開始「特定相談支援事業」  平成26年3月31日  廃止「岐阜市知的障害者就労促進事業」  平成26年4月1日  設置経営開始「就労継続支援B型・就労移行支援事            業所ワークサポートあすなろ」
    第2 事実関係及び指摘・意見 1 役員及び評議員について 【事実関係】  評議員に理事長が加わっている。これは、人材の確保困難を理由としている とのことである。 【意見 社会福祉事業団】  評議員に理事長等の役員が名を連ねることは、評議員会が役員を牽制する機 能を果たしていることを考慮すると、適切な人事ではない。特に、理事長が評 議員を兼任することは、評議員会の存在意義からして疑問である。上記のよう な取扱については、第2回社会保障審議会福祉部会(平成26年9月4日開催) の資料2の24頁によると、部会の課題として、「評議員と理事等の兼職が認め られているため、理事会と評議員会の適切な牽制関係が期待できないのではな いか。」と記載されており、考え方として、「評議員と理事等の兼職は禁止して はどうか。」と記載されている。このように、理事と評議員の兼職について見 直しが検討されていることも考慮すると、今後、社会福祉事業団は、理事等と 評議員を兼ねるような人事は避けることが望ましい。 2 出資割合と基本財産について 【事実関係】  地方自治法第243条の3第2項において、同法第221条3項の「法人」につ いては、経営状況を説明する書類を作成し、議会への報告が義務づけられてい る。そして、同法第221条第3項の「法人」とは、「普通地方公共団体が出資 している法人で政令で定めるもの」すなわち「当該普通地方公共団体が資本金、 基本金その他これらに準ずるものの2分の1以上を出資している一般社団法 人及び一般財団法人並びに株式会社」(地方自治法施行令第152条第1項)と あり、社会福祉法人は、「一般社団法人及び一般財団法人並びに株式会社」に 該当しないとされている。  しかし、「普通地方公共団体が出資しているもので政令で定めるもの」、す なわち、「普通地方公共団体が資本金、基本金その他これらに準ずるものの四 分の一以上を出資している法人」については、監査委員による監査が認められ る(地方自治第199条第7項、地方自治法施行令第140条の7)。市から1/ 4以上の出資割合が認められる場合、監査委員の監査が認められるということ になる。  社会福祉事業団については、市からの出資金3,000千円をもとに、基本金と している。  しかし、平成18年の「萱場」の不動産取得から始まり、寿松苑や日野など の不動産も取得(譲渡を含む。)していった。当初は、「萱場」の不動産につい ては運用財産としていたが、後に、基本財産とした。その後に取得した寿松苑 や日野などの不動産についても、基本財産としたため、基本財産額は、増大し ている。社会福祉事業の用に供することから、取得した不動産は運用財産では なく、基本財産としたが、出資割合を考慮する上での出資に含めてしまってい ることから、市の出資割合は、経営基本情報調査票によると、1%を切る状態 となってしまった。  福祉政策課において、上記不動産は、基本財産であることから、出資割合に 影響するという考え方を取っている。 【指摘 福祉政策課、監査課】  基本財産及び運用財産という区分けは、社会福祉法人としての財産の区分に 過ぎず、基本財産であることから、直ちに、出資割合に影響するとはいえない。 上記の社会福祉事業団が自ら取得した不動産が、「資本金、基本金その他これ らに準ずるもの」(地方自治法施行令第152条、第140条の7)に該当するか が問題となる。この点、株式会社を含め、法人が不動産を取得しても、株主等 の出資者や出資変動に変化がないことを考慮すると、上記不動産は、仮に、基 本財産に該当するとしても、「資本金、基本金その他これらに準ずるもの」に 該当しないと考えられる。  また、大阪府障害者福祉事業団は、社会福祉法人会計基準(以下「基準」と いう。)第31条第4号基本金(定款の規定により、当期末繰越活動収支差額の 一部又は全部に相当する額の運用財産を基本財産に組み入れた場合における その組入額)を増額する決定をして、大阪府の出資割合が低下するという事態 が生じた。この事例では、純資産の部にある基本金の金額を増額しているが、 社会福祉事業団の場合は、純資産の部にある基本金を増額させていない。  このような状況を考慮すると、社会福祉事業団における市の出資割合は、1 /4を超えることから、地方自治法第199条第7項後段により、監査委員監査 の対象となるとも考えられる。  この点、監査課は、出資割合については、100%であると認識しており、監 査委員監査の対象団体であると認識している。  したがって、監査課と福祉政策課との間で、出資割合の認識が食い違ってい ることから、監査課と福祉政策課において協議し、出資割合について、統一的 な見解を出すべきである。 3 指定管理について                               (単位:千円) ┌─┬────────────┬─────────┬────┬─────┐ │No│    対象施設    │指定管理施設所管課│選定方法│平成25年度│ │ │            │         │    │指定管理料│ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │1│みやこ園        │障がい福祉課   │非公募 │  93,193│ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │2│黒野児童館       │子ども家庭課   │ 公募 │  15,212│ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │3│東児童センター     │子ども家庭課   │ 公募 │  14,433│ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │4│西児童センター     │子ども家庭課   │ 公募 │  14,505│ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │5│日光児童センター    │子ども家庭課   │ 公募 │  13,132│ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │6│本郷児童センター    │子ども家庭課   │ 公募 │  14,449│ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │7│長森児童センター    │子ども家庭課   │ 公募 │  14,198│ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │8│サンフレンドみわ・   │子ども家庭課   │非公募 │  16,862│ │ │児童センター      │         │    │     │ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │9│サンフレンドうずら・児童│子ども家庭課   │非公募 │  16,625│ │ │センター        │         │    │     │ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤
    │10│柳津児童館       │子ども家庭課   │ 公募 │  16,350│ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │11│みやこ老人センター   │高齢福祉課    │ 公募 │  21,646│ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │12│和楽園         │高齢福祉課    │ 公募 │  10,804│ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │13│西部福祉会館      │高齢福祉課    │ 公募 │  10,557│ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │14│三楽園         │高齢福祉課    │ 公募 │   4,146│ ├─┼────────────┼─────────┼────┼─────┤ │15│柳津高齢者福祉センター │高齢福祉課    │ 公募 │  20,191│ └─┴────────────┴─────────┴────┴─────┘ * 監査人補助者は、上記施設等について、現場視察をした。 【概要】 (1)みやこ園(児童発達支援センター)(障がい福祉課)  所在地:岐阜市都通2丁目23番地(岐阜市福祉健康センター3階)  児童発達支援センターでは、0歳から就学前までの聴覚障がい乳幼児の療育 や養育者支援を行っている。聞こえにくさを早期に発見し、早期に療育を開始 することにより、聴覚を最大限に利用し、より望ましいことばの発達を目指し ている。また、地域支援として、保育所等訪問支援や相談支援も行っている。 そのほか、聴覚障がい乳幼児の早期発見、耳鼻科的管理を目的とした診療部門 を併設している。 (2)児童厚生施設(子ども家庭課)  児童福祉法に基づき、18歳未満の児童に健全な遊びを与え、その健康を増 進し、または情操を豊かにすることを目的として設置された施設で、保護者が 同伴する乳幼児には、親と子だけでなく他の親子との交流も含めた「子育て支 援」、小中高生の方々には、遊びの指導や相談を行う「健全育成」、地域の方々 と連携し、地域の子育て力を高める「地域組織支援」の3分野を中心にサービ スを提供している。利用料は、無料である(ただし、講座・教室により材料費 等の実費あり。)。 ア 黒野児童館   所在地:岐阜市古市場20番地1 岐阜市立黒野保育所との併設施設。   親子で遊んだり、保護者の方同士の交流を行ったり、楽しい集いの場と  なるよう、利用者サービスに心がけている。   幼児室には、おもちゃや絵本があり、いつでも遊べる。また、ボールあ  そびや一輪車で遊べる体育室、各種ボードゲーム、卓球ができるプレイル  ームなどが整備されている。 イ 東児童センター   所在地:岐阜市大洞桜台1丁目33番地2   岐阜市の東部にある児童センターで、緑色の三角屋根が特徴的である。   ドッジボールやバドミントン、レゴブロックなど各種おもちゃで遊ぶこ  とができるほか、季節の遊びや運動、工作など、様々な行事を計画してい  る。   幼児と保護者を対象としたクラブや食育講座なども行っている。 ウ 西児童センター   所在地:岐阜市鏡島南2丁目8番40号   岐阜市立岐阜商業高校のすぐ南にある児童センターで、岐阜市西部体育  館が併設されている。   午前中は0、1歳児の親子を対象とした「こあら」「ぱんだ」クラブを自  由参加の形式で週2回(各1回)行っている。   また、幼児と父親(自由参加)、2~3歳児の登録制クラブ、母親たちで  自主運営するクラブ等が活動している。   小学生以上については、卓球・ドッヂボール・おもしろ記録会・クッキ  ング・簡単工作など、誰でも利用できるイベントを用意している。 エ 日光児童センター   所在地:岐阜市日光町9丁目1番地3   遊具やおもちゃで遊びながら体を動かしたり、工夫しながら考えたり、  遊びを通して友だちと関わりながら楽しいひとときを過ごしてもらうこと  を目標としており、プリキュアなど幼児が好むアニメの衣装が、多数、置  かれている。 オ 本郷児童センター   所在地:岐阜市青柳町5丁目24番地1   乳幼児とその保護者を対象とした年齢別の子育て支援事業(幼児クラブ)  や小学生や中学生、高校生を対象とした卓球大会などのイベントをはじめ  とするさまざまな事業を開催している。地元の文化祭に母親クラブの協力  を得て参加している。 カ 長森児童センター   所在地:岐阜市野一色4丁目11番4号   岐阜市中心部よりやや東にあり、国道22号、21号、156号にもすぐにア  クセスできる交通の便が良い場所にある。   また、施設のすぐ東側には緑あふれる野一色公園があり、自然豊かな恵  まれた環境にある。   工作や調理といった創作活動を実施しているほか、卓球大会などの体育  活動やハロウィンなどの季節的行事を行っている。 キ サンフレンドみわ・児童センター   所在地:岐阜市門屋字野崎95番地   のどかな田園風景が広がる岐阜市北部の三輪地区にある児童センターで  あり、併設する障害者センターとの合同行事を催し、温かい思いやりの心  の育成に取り組んでいる。   幼児の保護者には、幼児クラブや、地域の対象行事などのお役立ち情報  を提供し、小学生には毎日工作行事を行うなど、いつでも楽しめる遊びの  充実を図っている。 ク サンフレンドうずら・児童センター   所在地:岐阜市中鶉7丁目58番地   岐阜市の南部、鶉小学校の近くにある児童センターで、遊具などの遊び  環境の充実を図っているほか、0歳~3歳までの親子教室の開催、月に8  回~10回の児童対象行事の開催などの事業を実施しており、子どもたち  が積極的に児童センターの運営に参加している。   平成26年度からは留守家庭児童会(岐阜市直営)も行なわれている。
    ケ 柳津児童館   所在地:岐阜市柳津町丸野1丁目34番地 老人福祉センターと併設   日常の活動をとおして身体と心の健康増進をはかり、知的、社会的適応  能力を高め、さらに情緒を豊かにすることで、すべての子どもの生活の保  全と情緒の安定を図り、一人ひとりの個性と発達段階に応じて、バランス  よく全人格的に穏やかに育てることを目的に活動している。   また、子育て家庭に対する相談・援助を行い、子育ての交流の場を提供  し、地域における子育て家庭を支援している。留守家庭児童会(岐阜市直  営)も行なわれている。  高齢者福祉センターが併設されており、高齢者との交流を行っている。 (3)老人福祉センター(高齢福祉課)  老人福祉センターは、地域の満60歳以上の方々に、各種の相談、健康の増 進、教養の向上及びレクリエーション等の便宜を総合的に提供し、福祉増進を 図ることを目的としている。  開講している講座やサークル等は、施設ごとに異なっている。  A型は、地域老人福祉活動の拠点となるもので、「生活相談」「健康相談」「生 業及び就労の指導」「機能回復訓練の実施」「教養講座等の実施」「老人クラブ に対する援助等」を行う。  B型は、比較的小規模で事業内容も限られ、「生活相談」「健康相談」「教養 講座等の実施」「老人クラブに対する援助等」を行う。 ア みやこ老人センター:老人福祉センター(A型)   所在地:岐阜市都通2丁目23番地   岐阜市福祉健康センター4階にある。高齢者が健康で心豊かに生きがいの  ある生活が営めるよう、生涯学習・交流の場として、生活や健康相談・教  養講座の開講・サークル活動の支援を行っている。   満60歳以上の方は誰でも利用でき、約30種の定期講座を開講、35を超  える団体のサークル活動を支援している。   また、施設内通路壁面・陳列棚には、講座・サークルで作った作品を展  示している。 イ 西部福祉会館:老人福祉センター(B型)   所在地:岐阜市西荘2丁目11-23   JR西岐阜駅の北200mに位置し、1階は老人福祉センター、2階は青少  年ルームからなる複合施設として、利用されている。   昭和49年5月開設以来、高齢者の「生きがいづくり」「仲間づくり」「生  涯学習の場」として各種事業を行っている。また、毎年10月には高齢者・  青少年・地域住民との交流を深めるため「西部祭」を開催している。 ウ 柳津高齢者センター:老人福祉センター(A型)   所在地:岐阜市柳津町丸野1丁目34番地   総大理石のお風呂があり、入浴して頂ける月・水・金曜日には看護師によ  る健康相談を行っている。施設内には囲碁盤やマッサージ機等が備えられ  ている。   講座は、英会話・歌謡・フラダンス・華道・書道・楽らく体操の6種を開講し、  受講生の募集は岐阜市の広報紙でお知らせしている。   その他にボランティアの方(岐阜聖徳学園の学生など)や幼稚園児との  交流会、併設の児童館との合同行事も行っている。 エ 和楽園:老人福祉センター(A型)   所在地:岐阜市金竜町5丁目10‐3   昭和46年4月に、浴室、機能回復訓練室、舞台付大広間、図書室、集会  室などの機能を備えた岐阜市最初の老人福祉センターとして、梅林地区に  開設され、高齢者の拠点施設として利用されてきた。その後、時代の流れ  の中で浴室や機能回復訓練室は廃止されたが、現在も講座やサークル活動、  囲碁・将棋の愛好者に利用されている。 オ 三楽園:老人福祉センター(B型)   所在地:岐阜市北野東827番地   昭和59年4月に、岐阜市で5館目の老人福祉センターとして、岐阜市の  北東部三輪地区の里山の麓、市天然記念物「北野神社の大杉」(樹高25m)  で有名な北野神社の隣接地に開設された。   施設名の三楽園は、江戸時代に儒学者、本草(漢方)学者として活躍し  た貝原益軒(かいばらえきけん)が長生きの秘訣として養生訓(ようじょう  くん)の中で唱えた「三楽」に由来している。 【事実関係及び指摘・意見】 (1)指定管理者の選定について 【事実関係1)】  老人福祉センター5か所、児童館7か所については、公募とされているが、 みやこ園、サンフレンドうずら(児童センター)、サンフレンドみわ(児童セ ンター)については、非公募とされており、社会福祉事業団が選定されている。  この点、福祉政策課は、サンフレンドうずらとサンフレンドみわが、非公募 となっている理由として、以下のように説明している。「サンフレンドうずら、 サンフレンドみわが存在している建物には、すでに、社会福祉事業団の直営事 業である障害者センターが入っている。当該建物には事務所が一つしかなく、 指定管理者専用の事務スペースを新たに見出すこと又は社会福祉事業団と指 定管理者が事務スペースを共有することは困難である。また、サンフレンドみ わ及びサンフレンドうずらの場合は、障がい者を支援する施設でもあり、事務 所内にて支援対象の障がい者個人の通常知られたくない書類や会話等の情報 がある。このような状況から、同一団体により指定管理を行わせるのが望まし いため、社会福祉事業団を指定管理者として非公募により選定した。」という 説明があった。市のホームページでは、「非公募*3 複合施設等で、公募し ない他の施設と一体的管理をすることが合理的な施設」に該当するとされてい る。 【意見 福祉政策課、子ども家庭課】  一つの事務所スペースしかないことから、既に別の事業で利用している団体 に対して、非公募で指定管理者として選定することは、非公募とする理由には、 直ちにならない。西部福祉会館・青少年ルームにおいては、岐阜市教育文化振 興事業団の青少年ルーム(2階)と社会福祉事業団の西部福祉会館(1階)が 入っており、1階において、一つの事務所スペースを共有する形で行っている (むしろ、1階の部屋と2階の部屋を互いに貸し借りするなど協調的な運営が 図られている。)。  したがって、2つの団体が1つの事務スペースを使うことは難しいとして非 公募の理由にしているが、西部福祉会館の例からも分かるように、2つの団体
    が1つの事務スペースを使うことは可能であるとも考えられる。そのため、理 由として直ちに成り立たない。後ほど、使用貸借の項目でも述べるが、そもそ も、地域活動支援センター(障害者センター)については、市の施設であるサ ンフレンドうずら、サンフレンドみわを、社会福祉事業団が無償で借りていて、 自主事業を営んでいるものであり、この時点において、すでに、民間との公平 性を欠く事態となっている。また、無償で貸すことについての明確な理由も見 当たらない。このような状態で、すでに、障害者センターとして、社会福祉事 業団が、障害者センターを運営していることから、同じ場所の指定管理につい ても、非公募で、社会福祉事業団を選定するというのは、さらに、民間との公 平性を欠く状態となる。サンフレンドうずら(児童センター)、サンフレンド みわ(児童センター)についても、プライバシー保護等の問題を検討した上で、 公募により選定することが望ましい。 【事実関係2)】  障がい福祉課の説明及びホームページ上の記載によると、みやこ園が、非公 募となっている理由は、難聴幼児に特化した児童発達支援センターであり、「高 度な専門性」、「ノウハウ」の観点から特定の団体が継続または当面行う必要が ある施設に該当するためであるとのことであった。 【事実関係3)】  みやこ園(障がい福祉課)、サンフレンドみわ、サンフレンドうずら・児童 センター(子ども家庭課)は、非公募とされているが、その他の児童館・児童 センター(子ども家庭課)、老人福祉センター(高齢福祉課)については、公 募とされている。しかし、公募施設のうち、みやこ老人センター、柳津高齢者 福祉センター、西部福祉会館、黒野児童館、日光児童センター、柳津児童館、 などの施設については、社会福祉事業団しか応募団体がなかったこともあり、 応募者一者である社会福祉事業団が選定されている。 【事実関係4)】  三楽園(老人福祉センター)、和楽園(老人福祉センター)は、公募として、 社会福祉事業団を含む2団体が応募している。そして、指定管理料として応募 した金額が同額又は社会福祉事業団ではない団体が低い金額であったにもか かわらず、選定委員会における評価項目の点数により、社会福祉事業団が選定 されている。選定委員会のメンバー5人のうち、市福祉部長、市福祉事務所長 のほか、市民生委員・児童委員協議会副会長、市老人クラブ連合会副会長が入 っている。社会福祉事業団の理事としては、民生委員・児童委員協議会の会長 や、市老人クラブ連合会の会長が入っている。 【意見 福祉政策課】  岐阜市民生委員・児童委員協議会副会長が指定管理者選定委員会委員となっ ている。他方、岐阜市民生委員・児童委員協議会会長が社会福祉事業団の理事 となっている。  また、岐阜市老人クラブ連合会副会長が指定管理者選定委員会委員となって いる。他方、岐阜市老人クラブ連合会会長が社会福祉事業団の理事となってい る。  このような状況を考慮すると、「応募者が、委員等又は委員等が支配力を有 する地位にある団体の主要な取引先と認められる場合」に準ずるような事態で あるといえる。  よって、公平性・中立性の観点からも、岐阜市民生委員・児童委員協議会副 会長及び岐阜市老人クラブ連合会副会長は、議事に加わらないことが望ましい。 (2)事業の評価(モニタリング)について 【事実関係1)】  指定管理施設所管課(高齢福祉課)は、モニタリングに専念した現場訪問 を徹底していない。  また、高齢福祉課の指定管理者管理運営状況シートにおける「所管課の意 見」は、毎回似た内容となっている。  例えば、西部福祉会館の「所管課(高齢福祉課)の意見」は、以下のとお りである。 ┌───────────────┐ │平成24年度上半期 所管課の意見│ └───────────────┘  開催する講座や施設自体のPRのために、市発行の「広報ぎふ」への掲載は もとより、地元周辺公民館、コミュニティセンター等へチラシを配布し、広く 広報活動を行っている。  ご意見箱やアンケートの実施並びにサークル代表者との懇談会を通じて幅 広いニーズの把握、サービスの向上に努めている。また、本年度から講座の申 し込みは当館以外の老人福祉センター(社会福祉事業団が運営)でも受付でき るようにして、利用者の便宜を図った。  会館周囲の清掃を毎週実施しており、地域の環境美化に積極的に貢献してい る。  アサガオやふうせんかずら等による緑のカーテンなど節電に努めた結果、電 力使用量が前年比2%削減できた。 ┌───────────────┐ │平成24年度下半期 所管課の意見│ └───────────────┘  開催する講座や施設自体のPRのために、市発行の「広報ぎふ」への掲載は もとより、地元周辺公民館、コミュニティセンター等へチラシを配布し、広く 広報活動を行っている。また、市社会福祉事業団受託の老人福祉センター5階 では、情報の共有化を図るとともに、講座受講者のための共同受付の実施など、 利用者の便宜を図った。  金融機関の協力により、水墨画等の各作品を展示し、講座受講者の創作意欲 を高めるとともに、当施設の活動内容をPRして利用者増加の呼び水に努めた。 また、当施設が老人福祉センターと青少年ルームとの併設である特色を生かし、 高齢者、青少年及び地域住民の交流を深めるために日頃の講座とサークル活動 の成果を発表する場として「西部祭」を10月に開催し、地域の活性化に努め た。 ┌───────────────┐ │平成25年度上半期 所管課の意見│ └───────────────┘  開催する講座のPRのために、市発行の「広報ぎふ」に掲載するとともに、 館内の掲示板、コミュニティセンター等へチラシを配布し、広く広報活動を行 っている。また、昨年度から市社会福祉事業団受託の老人福祉センター5階で
    は情報の共有化を図るとともに、講座受講者のための共同受付の実施など、利 用者の便宜を図っている。  今年度より金融機関で開催する作品展示会を年1回から2回(8月はサーク ル会員、2月は講座受講者)にして、当施設の活動内容を周知する機会を増や した。  多くの方が受講できるように、歌謡講座や書道講座は定員以上の人数を受け 入れたり、さわやか体操では90分の講座を45分の2交代としたりするなど工 夫を行った。  また、アサガオやふうせんかずら等による緑のカーテンなど節電に努めた結 果、電力使用量が前年度同期比で10%削減できた。 ┌───────────────┐ │平成25年度下半期 所管課の意見│ └───────────────┘  開催する講座のPRのために、市発行の「広報ぎふ」に掲載するとともに、 館内の掲示板、コミュニティセンター等へチラシを配布し、広く広報活動を行 っている。また、利用促進に向け新規講座や新規サークルを開設し、利用者の 増加に努めている。  金融機関の協力により、受講者の作品展を開催し、講座受講者の創作意欲を 高めるとともに、当施設の活動内容をPRして利用者増加の呼び水に努めた。 また、当施設が老人福祉センターと青少年ルームとの併設である特色を生かし、 高齢者、青少年及び地域住民の交流を深めるために日頃の講座とサークル活動 の成果を発表する場として「西部祭」を10月に開催し、地域の活性化に努め た。  囲碁サークルの会員が地域小学校に出向き指導するなど、小学生との交流を 図っている。 【指摘 高齢福祉課】  指定管理施設所管課も、現場視察によるモニタリングを徹底すべきである。 監査人補助者が、現場を一度訪問しただけでも、施設の設備、運営状況等、気 づくことが多々あった。  モニタリングとして、現場を訪問する機会を設けることで、気づくことが増 え、「所管課の意見」欄についても、似た内容とはならないはずである。 【事実関係2)】  評価委員会は、平成24年度までは、一度も、現場に行かずに、アンケート 結果や利用客数で、評価をしている。平成25年度からは、評価委員からの要 望もあり、福祉部における評価委員会も、指定管理の現場を見るようになった ようである。しかし、数年に1度くらいの頻度であり、モニタリングとしては、 不十分な内容である。他団体が指定管理者である友楽園を除いて、老人福祉セ ンターには、評価委員会は訪れていない。  西部福祉会館における平成24年度上半期から平成25年度下半期にかけて の指定管理者、高齢福祉課(指定管理施設所管課)、評価委員会の評価が、平 成25年度下半期の2項目を除いて、三者とも全て同一の評価となっている。  和楽園における平成25年度上半期の指定管理者、高齢福祉課(指定管理施 設所管課)、評価委員会の評価が、三者とも全て同一の評価となっている。ま た、平成24年度上半期、同下半期、平成25年度下半期の指定管理者、高齢福 祉課(指定管理施設所管課)、評価委員会の評価も、1項目を除いて、三者と も全て同一の評価となっている。  三楽園における平成24年度上半期から平成25年度下半期にかけての指定 管理者、高齢福祉課(指定管理施設所管課)、評価委員会の評価が、平成24 年度下半期の1項目及び平成25年度の下半期の1項目を除いて、三者とも全 て同一の評価となっている。  柳津高齢者センターにおける平成24年度上半期から平成25年度下半期に かけての指定管理者、高齢福祉課(指定管理施設所管課)、評価委員会の評価 が、1~2項目を除いて、三者とも全て同一の評価となっている。 【指摘 福祉政策課、高齢福祉課】  評価委員会についても、少なくとも1年に1回は、現場で会議を開くなどし て、現場のモニタリングを重視すべきである。少なくとも、評価委員会の評価 が、指定管理者及び指定管理施設所管課の評価とほぼ全ての項目で同一の評価 とはならないはずである。 【事実関係3)】  児童館については、補助者による現場ヒアリングでは、指定管理施設所管課 (子ども家庭課)が現場に顔を出していないという声が聞かれた。子ども家庭 課は、修繕箇所等の確認に現場に行き、その時に併せてモニタリングをしてい ると述べているが、現場でモニタリングをしたという記録は残していない。さ らに、長森児童センターの館長(施設長)が長期休職している状態であるが、 社会福祉事業団に対して、館長代行を置くよう求め、館長代行がいることの確 認など、体制整備のための指示や確認をしていない。子ども家庭課は、仕様書 に記載されている人数を満たしているため、特に、指示などはしなかったとの ことである。 【指摘 子ども家庭課】  指定管理施設所管課自身(子ども家庭課)も、モニタリングに専念した、指 定管理の現場を訪問(調査)する機会を設けるべきである。包括外部監査人補 助者が、現場を1度訪問しただけでも、施設長の状況(休職状況等)や施設の 設備、運営状況等、気づくことが多々あった。モニタリングに専念した現場訪 問(現場調査)の機会を設けることで、気づくことが増え、施設長代行を求め るなど適切な指示などができるはずである。なお、仕様書の職員数を満たして いても、児童センターの館長と(施設長)がいない状態に対しては、施設長代 行を求めるなどを指示すべきであった。 【事実関係4)】  評価委員会は、平成24年度までは、一度も、現場に行かずに、指定管理者 管理運営状況シート(指定管理者評価委員会の意見を除く。)や利用客数で、 評価をしていた。平成25年度からは、評価委員会も、指定管理の現場を見る ようになったが、数年に1度の頻度であり、不十分である。評価委員会の意見 についても、毎回、似たものとなっている。  また、平成24年度上半期から平成25年度下半期にかけて、9つの児童館・ 児童センター(子ども家庭課)における「指定管理者評価委員会の意見」が、 以下の文章の内容で、それぞれの評価時期において、(幼稚園・小中学校・高 等学校・ボランティア・NPO)の部分を除いて、ほぼ同一の文章であった。 ┌───────────────────────┐ │平成24年度上半期「指定管理者評価委員会の意見」│ └───────────────────────┘
     事業計画書どおり適正に管理運営されており、良好と認められる。なお、広 報の方策として、岐阜市の子育て支援サイトである「ぶりあネット」の活用も 検討していただきたい。 ┌───────────────────────┐ │平成24年度下半期「指定管理者評価委員会の意見」│ └───────────────────────┘  事業計画書どおり適正に管理運営されており、良好と認められる。事業の実 施においても利用者のニーズを取り入れた方策が取られていると見受けられ る。各施設でノウハウを共有するなどして今後も充実した活動をしていただき たい。 ┌───────────────────────┐ │平成25年度上半期「指定管理者評価委員会の意見」│ └───────────────────────┘  事業運営は活性化されており、施設間での競争意識も働いて良い結果が出て いる。今後も他施設との情報の共有・交換を積極的に行っていただきたい。子 育て支援に対する社会の要望をきちんと把握し、うまく活動に入れている。ブ ログ等のインターネットを利用した広報は大変効果があり、引き続き活用して いくと良い。適正に管理運営されており、良好と認められる。 ┌───────────────────────┐ │平成25年度下半期「指定管理者評価委員会の意見」│ └───────────────────────┘  今日の児童館の役割をよく理解し、積極的に事業に取り組んでいる。(幼稚 園・小中学校・高等学校・ボランティア・NPO)との連携ができている。適 正に管理運営されており、良好であると認められる。 【指摘 福祉政策課、子ども家庭課】  評価委員会も、現場で、少なくとも、1年に1回は、評価会議を開くなどし て、現場のモニタリングを重視すべきである。少なくとも、9つの児童館・児 童センターで、全て同一のコメントにはならないはずである。 【事実関係5)】(障がい福祉課)  みやこ園(障がい福祉課)については、毎回、所管課の意見、指定管理者評 価委員会の意見が同一であるということはなかった。また、利用者アンケート の概要と対応をホームページに掲載するなどしており、具体的な情報を掲載し ていた。 【事実関係6)】  評価委員会のメンバーには、5人のうち、岐阜市民生委員・児童委員協議会 副会長、岐阜市老人クラブ連合会副会長が入っている。  社会福祉事業団の理事としては、岐阜市民生委員・児童委員協議会の理事や、 岐阜市老人クラブ連合会の会長が入っている。 【意見 福祉政策課】  評価委員会の委員と社会福祉事業団の役員との関係性を考慮すると、「応募 者が、委員等又は委員等が支配力を有する地位にある団体の主要な取引先と認 められる場合」に準ずるような事態である。  よって、公平性・中立性の観点からも、岐阜市民生委員・児童委員協議会理 事及び老人クラブ連合会副会長は、評価委員会の議事に加わらないことが望ま しい。 4 委託事業について (平成25年度)                           (単位:千円) ┌─┬────────────┬───────┬──┬─────┐ │No│   委託業務名    │委託契約所管課│選定│確定委託料│ ├─┼────────────┼───────┼──┼─────┤ │1│福祉ショップ事業    │障がい福祉課 │随意│   5,144│ ├─┼────────────┼───────┼──┼─────┤ │2│高齢者住宅等安心確保事業│高齢福祉課  │随意│   3,413│ ├─┼────────────┼───────┼──┼─────┤ │3│子どもの居場所づくり事業│子ども家庭課 │随意│   4,289│ ├─┼────────────┼───────┼──┼─────┤ │4│就労促進事業      │障がい福祉課 │随意│  55,233│ └─┴────────────┴───────┴──┴─────┘ * 監査人補助者は、上記施設等について、現場視察をした。 (1)福祉ショップ事業 【概要】(障がい福祉課)  市内の障がい者施設の自主生産品の販売場所を提供している。  また、障がい者施策の重点項目の一つである就労の促進を図るため、障がい 者を雇用し、一般就労に結び付けられるようにしたり、就労体験の場としても 活用したりしている。 【事実関係1)】(一者随意契約の理由について)  地方自治法施行令第167条の2第1項第2号では、「契約の性質又は目的が 競争入札に適さない場合」と規定されている。そして、岐阜市随意契約ガイド ラインにおいて、具体的例示として、「(5)前各号に掲げるもののほか、特定 の者と契約をしなければ契約の目的を達成することができないとき」が掲げら れている。  本件契約の一者随意契約理由書には、「岐阜市社会福祉事業団は、岐阜圏域 で唯一、厚生労働省職業安定局長から障害者就業・生活支援センター事業の業 務委託を受け、就業及びそれに伴う生活上の支援を行っている。また、  事業団が運営する「ワークサポートみやこ」は、長年にわたり自主製品の販 売実績も高く福祉ショップにも地理的に近いことから、運営、商品の補充、機 動性の面からも期待できる。販路拡大及び障がい者の働く場の提供の両立され ることが期待されるため、当該事業団に委託することが適当である。」と記載 されており、社会福祉事業団が、上記ガイドライン(5)に該当することを理 由としている。  なお、競争性への切換えの可否について、「柳ケ瀬周辺地域に開設が見込ま れる就労継続支援B型の事業所等と協議し、平成25年度中にこの事業の業務 委託の方向性のあり方を検討する。」として、将来競争に切り替えることがで きるとしている。
    【事実関係2)】(事業評価シートについて)  事業評価シートが、社会福祉事業団「福祉ショップWA」と社会福祉協議会 の「福祉の店友&愛」が、同じシート(事業概要や委託料については分けて記 載している。)で作成されている。 【指摘 障がい福祉課】  社会福祉事業団の福祉ショップと社会福祉協議会の福祉の店は、委託先及び 対象や目的の一部異なる事業であることから、事業評価シートは別々に作成す べきである。 (2)高齢者住宅等安心確保事業 【概要】(高齢福祉課)  高齢者世話付住宅(市営住宅「ふれあいハウス白山」)に居住する高齢者に 対して、併設する白山デイサービスセンターから派遣された生活援助員が、自 立し安全でかつ快適な生活を営むことができるよう、在宅生活を支援する。 【事実関係1)】(一者随意契約の理由について)  本件契約の一者随意契約理由書には、「シルバーハウジングプロジェクト事 業により建設された高齢者世話付住宅(市営住宅ふれあいハウス白山)は、デ イサービスセンター、シルバー人材センター、高齢者情報センターが併設され、 そのデイサービスセンターから派遣された生活援助員が当該住宅に居住する 高齢者の在宅生活を支援するために建設された住宅であり、そのデイサービス センターの運営主体と契約する。」と記載されており、社会福祉事業団が、上 記ガイドライン2(5)に該当することを理由としている。  なお、競争性への切換えの可否について、「デイサービスセンター等を併設 し、同センターから生活援助員を派遣することを目的に建設された高齢者世話 付住宅であり、同センターの運営主体であるため。」として、将来競争に切り 替えることができないとしている。 (3)子どもの居場所づくり事業(茜部) 【概要】(子ども家庭課) 1)利用者が平等に施設を利用できるための基本的な考え方  茜部校区全域に子どもの居場所作り事業の活動が周知できるよう、公民館等 を通じて広報する。 2)施設の設置目的を最大限発揮するための考え方  子ども達の居場所となるよう、できる限りオープンな雰囲気をつくり、健全 な遊び場の提供、自主的な学習に対する支援、ボランティアの指導による子ど もの体験活動、及び子どもの健全な育成上必要な生活指導を行う。 3)運営を安定して行う人的・物的能力  近隣のサンフレンドうずら・児童センターから職員を派遣し、児童センター のノウハウのうち、子どもの居場所づくり事業で活用できるものを導入する。 4)地域との連携  自治会、小学校との連携を密にし、子どもの姿を共有する。  地域ボランティアの募集を自治会等の協力を得て実施し、地域住民の参加を 促す。 【事実関係】(事業者選定理由について)  本件契約の事業者一覧及び事業者選定理由書には、「選定対象者については、 本事業が児童館に類する機能を持つため、当事業の受託実績のある社会福祉法 人及び特定非営利活動法人と、岐阜市の児童館・児童センターの管理運営を受 託している指定管理者を選定した。」と記載されており、社会福祉事業団のほ か、社会福祉法人日本児童育成園(平成18~24年度長良児童センター)、社会 福祉法人中部学院福祉会(平成18~24年度岩野田児童センター)、社会福祉法 人和光会(平成21~24年度加納児童センター、平成24年度梅林児童館)、特 定非営利活動法人グッドライフ・サポートセンター(平成21~24年度子ども の居場所づくり事業(鷺山)業務受託、ぎふファミリー・サポート・センター 事業受託者)が選定されている。 (4)知的障害者就労促進事業 【概要】(障がい福祉課)  民間企業等に雇用されることが難しい知的障害者に対して、岐阜市の公共作 業の中から軽作業の提供を受け、作業指導を通じて勤労意欲を高めると同時に、 自立更生を図ることを目的とする。  また、知的障害者の社会的就労(企業就労)が進みにくい中、その受け皿と して、「公園清掃班」20名、「施設清掃班」12名で就労作業を実施する。  なお、本件事業は、平成25年度で、終了している。 【事実関係】(一者随意契約の理由について)  本件契約の一者随意契約理由書には、「岐阜市社会福祉事業団は、岐阜県圏 域で唯一厚生労働省職業安定局長から障害者就業・生活支援センター事業の業 務委託を受け、雇用・保健福祉・教育等の各関係機関との連携の下、就業及び それに伴う生活上の支援を一体的に行っている市内唯一の法人であるため。」 と記載されており、岐阜市社会福祉事業団が、上記ガイドライン2(4)「国 及び地方公共団体又は営利を目的としない法人と契約するとき」に該当するこ とを理由としている。  なお、競争性への切換えの可否について、「岐阜市社会福祉事業団は、岐阜 県圏域で唯一厚生労働省職業安定局長から障害者就業・生活支援センター事業 の業務委託を受け、雇用・保健福祉・教育等の各関係機関との連携の下、就業 及びそれに伴う生活上の支援を一体的に行っている市内唯一の法人であるた め。」として、将来競争に切り替えることができないとしている。 5 自主事業等について (平成25年度)                                 (単位:千円) ┌─┬──────────┬───────────┬───────┬────┐ │No│  委託業務名   │    種類     │  所管課  │確定額 │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │1│障がい者共同生活支援│共同生活援助事業   │障がい福祉課 │ 43,673│ │ │センター      │           │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │2│寿松苑       │養護老人施設     │高齢福祉課  │ 167,212│ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤
    │3│みやこ障害者センター│地域活動支援センター │障がい福祉課 │ 37,747│ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │4│サンフレンドみわ・障│地域活動支援センター │障がい福祉課 │ 16,907│ │ │害者センター    │           │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │5│サンフレンドうずら・│地域活動支援センター │障がい福祉課 │ 26,975│ │ │障害者センター   │           │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │6│白山デイサービスセン│老人デイサービスセン │介護保険課  │ 59,408│ │ │ター        │ター         │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │7│南デイサービスセンタ│老人デイサービスセン │介護保険課  │ 52,167│ │ │ー         │ター         │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │8│市橋デイサービスセン│老人デイサービスセン │介護保険課  │ 66,377│ │ │ター        │ター         │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │9│寿松苑デイサービスセ│老人デイサービスセン │介護保険課  │ 44,465│ │ │ンター       │ター         │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │10│北デイサービスセンタ│老人デイサービスセン │介護保険課  │ 62,259│ │ │ー         │ター         │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │11│ワークサポートみやこ│就労継続支援B型事業 │障がい福祉課 │ 69,649│ │ │          │所(知的障がい者)  │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │12│ワークサポートあおや│就労継続支援B型事業 │障がい福祉課 │ 45,455│ │ │ぎ         │所(知的障がい者)  │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │13│ワークサポートやない│就労継続支援B型事業 │障がい福祉課 │ 32,112│ │ │づ         │所(知的障がい者)  │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │14│ワークサポートひの │就労継続支援B型事業 │障がい福祉課 │ 37,707│ │ │          │所(知的障がい者)  │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │15│居宅介護支援センター│居宅介護支援事業   │介護保険課  │ 14,998│ │ │かやば       │           │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │16│外部サービス利用型 │           │高齢福祉課・介│ 10,192│ │ │(介護予防)特定施設│           │護保険課   │    │ │ │入居者生活介護事業 │           │       │    │ ├─┼──────────┼───────────┼───────┼────┤ │17│岐阜障害者就業・生活│障害者就業・生活支援セ│障害福祉課・国│ 17,847│ │ │支援センター事業  │ンター事業      │と県からの受託│    │ │ │          │           │事業     │    │ └─┴──────────┴───────────┴───────┴────┘ * 指定管理とは区別されるものであり、事業団の収入となるものである。 * 監査人補助者は、上記施設等について、現場視察をした。 【概要】 (1)障がい者共同生活援助事業  事務所所在地:岐阜市鍵屋西町2丁目20番地 多恵第2ビル1F  就労または就労継続支援などの日中活動を利用している15歳以上の障がい 者の共同生活を営むべき住居であるグループホーム(岐阜市内7か所)を援助 している。  地域において自立した日常生活を営めるよう、排泄又は食事の介護、金銭管 理、会社や施設との連絡・調整、健康管理、安全管理や余暇活動などの日常生 活を援助している。  行事は年1回の1泊旅行、クリスマス会の他に、ボウリングやプール、カラ オケ、食事会等がある。  また、月1回、各ホームで職員や世話人を交えての座談会を設けており、困 っていることや悩み事の相談にも応じている。 ┌──────────────────────────┐ │       <グループホーム一覧>        │ ├────────────┬──────────┬──┤ │グループホーム     │住所        │定員│ ├────────────┼──────────┼──┤ │あったかハウス(世話人宿│岐阜市塩町2-46   │4名 │ │泊型)         │          │  │ ├────────────┼──────────┼──┤ │めろでいハウス     │岐阜市北一色10-6-4│4名 │ │            │メゾン徳NO.3    │  │ ├────────────┼──────────┼──┤ │りずむハウス      │岐阜市鍵屋西町2-20 │4名 │ │            │多恵第二ビル    │  │ ├────────────┼──────────┼──┤ │しんほにいハウス    │岐阜市菅生6-1-9  │4名 │ │            │メゾンドール    │  │ ├────────────┼──────────┼──┤ │はあもにいハウス    │岐阜市萱場南1-4-2 │4名 │ ├────────────┼──────────┼──┤ │わいわいホーム     │岐阜市明神町2-42  │4名 │ │            │ブルメンガーデンB │  │ ├────────────┼──────────┼──┤ │にぎやかハウス     │岐阜市旦島中1-9-18│4名 │ └────────────┴──────────┴──┘ (2)寿松苑(養護老人ホーム)  所在地:岐阜市椿洞1089番地1  65歳以上の環境上の理由及び経済的理由により、居宅において養護の困難 な高齢者を受け入れる福祉施設としての「養護老人ホ-ム」事業と、岐阜市か ら委託を受けて「岐阜市生活管理指導短期宿泊事業」を行う施設である。  平成21年に岐阜市から当事業団に移管され、敷地面積6,774.07m2、80人 を超える高齢者が暮らしており、24時間365日を通して生活支援や健康管理 を行う等、事業団の中核を担う施設として運営している。 (3)地域活動支援センター  身体等に障がいをもつため、家の中に閉じこもりがちな人や家族に対して、
    社会とふれあう場を提供し、自立と社会参加を目的として、切り絵、組みひも、 木目込み等の創作活動およびカラオケ、書道、絵画、水墨画、読書等のサーク ル活動等に取り組むとともに、「仲間づくり」のためのサービスを提供してい る。 ア みやこ障害者センター  所在地:岐阜市都通2丁目23番地(岐阜市福祉健康センター1F)  身体等に障がいを抱えているため家の中に閉じこもりがちな人や家族に対 して、社会とふれあう場を提供し、自立と社会参加を目的とした便宜を供与し ている。事業内容としては、充実した毎日を送るために、機能訓練(トレーニ ング器具の活用)、創作的活動(組みひも、切り絵等)、サークル活動(書道、水 墨画、カラオケ等)、レクリェーション(遠足、買い物、美術館鑑賞等)等があ る。 イ サンフレンドみわ・障害者センター  所在地:岐阜市門屋字野崎95番地  岐阜市北東部にお住まいの障がい者が、主な利用者である。  自立した日常生活を更に豊かにもっと楽しく過ごすことができるよう、利用 者の希望に合わせた創作活動(革細工・木目込み・切り絵など)やサークル活 動(書道・絵手紙など)を通じて身体機能の維持を図っている。 ウ サンフレンドうずら・障害者センター  所在地:岐阜市中鶉7丁目58番地  岐阜市が行っている「地域生活支援事業」の「障害者デイサービス事業」を 提供する施設で、岐阜市の南部の鶉小学校区にある。  事業内容は主に創作活動を通し、生きがいや仲間作りを支援すると共に、買 物や食事会等の社会との交流の機会も多く設けている。また、ボランティアの 協力を得て、俳句、絵画、フラワーアレンジメント、書道講座も開いている。  送迎サービスも提供している。 (4)老人デイサービスセンター  要介護状態あるいは要支援状態にある高齢者に対し、適切な通所介護及び介 護予防通所介護を提供する施設である。介護を必要とする方を支え、介護その 他生活全般にわたる援助及び機能訓練を行い、利用者の社会的孤立感の解消及 び利用者の家族の身体的、精神的負担を軽減できるようサポートしている。  また、要支援状態になるおそれのある高齢者に対しては、岐阜市から委託を 受け「岐阜市介護予防・日常生活支援総合事業デイサービス事業」を行ってい る。要支援状態となることの予防として、介護だけでなく、身体機能の向上、 口腔機能の向上のための支援をしている。 ア 白山デイサービスセンター  所在地:岐阜市鶴田町3丁目7-4 「ふれあいの館白山」1階  JR岐阜駅から1.3km程東方の岐阜市の中心部に位置しており、平成3年に 開所した。  平成25年度からは、岐阜市介護予防・日常生活支援総合事業(要介護認定 結果が「要支援」と認定された方や、65歳以上の高齢者で心身の状態から要 介護状態や要支援状態となるおそれの高い方が、住み慣れた地域でできるだけ 自立した生活を送ることができるようにすることを目的とした事業)のメニュ ーの中から、「デイサービス事業」を、岐阜市から委託を受け行っている。 イ 南デイサービスセンター  所在地:岐阜市茜部菱野1丁目75‐2  南市民健康センターとの複合施設で、健康・衛生行政の職員と福祉の関係者 が協働して、高齢者や障がいを抱えている方などを支えている。  施設の目的は、要介護状態または、要支援状態にある高齢者に対し、通所介 護サービスを提供することにあり、職員は、利用者が自立した日常生活を営む ことができるよう、必要に応じたサービスを提供している。  また、岐阜市介護予防・日常生活支援総合事業(要介護認定結果が「要支援」 と認定された方や、65歳以上の高齢者で心身の状態から要介護状態や要支援 状態となるおそれの高い方が、住み慣れた地域でできるだけ自立した生活を送 ることができるようにすることを目的とした事業)のメニューの中から、「転 ばぬ先の運動教室」「デイサービス事業」を、岐阜市から委託を受け行ってい る。 ウ 市橋デイサービスセンター  所在地:岐阜市市橋6丁目13‐25  岐阜県庁前JR西岐阜駅近くに位置する地域密着型の通所介護施設である。 市橋コミュニティセンターと併設になっており、この利点を活かして、ここを 拠点に様々なサークル活動をしているボランティアとの交流を深めている。出 会いの場を持つことで、利用者の社会的孤立感の解消を図り、積極的に社会参 加ができる環境づくりに努めている。  また、岐阜市介護予防・日常生活支援総合事業(要介護認定結果が「要支援」 と認定された方や、65歳以上の高齢者で心身の状態から要介護状態や要支援 状態となるおそれの高い方が、住み慣れた地域でできるだけ自立した生活を送 ることができるようにすることを目的とした事業)のメニューの中から、「転 ばぬ先の運動教室」「デイサービス事業」を、岐阜市から委託を受け行ってい る。 エ 寿松苑デイサービスセンター  所在地:岐阜市椿洞1089番地1 養護老人ホーム寿松苑内  季節の移り変わりを肌で感じ、新鮮な空気を十分に満喫できる自然の山々に 囲まれた場所にある。  岐阜市介護予防・日常生活支援総合事業(要介護認定結果が「要支援」と認 定された方や、65歳以上の高齢者で心身の状態から要介護状態や要支援状態 となるおそれの高い方が、住み慣れた地域でできるだけ自立した生活を送るこ とができるようにすることを目的とした事業)のメニューの中から、「転ばぬ 先の運動教室」「デイサービス事業」を、岐阜市から委託を受け行っている。 オ 北デイサービスセンター  所在地:岐阜市長良東2丁目140番地  北市民健康センターとの複合施設で、健康・衛生行政の職員と福祉の関係者 が協働して、高齢者や障がいを抱えている方などを支えている。  岐阜市介護予防・日常生活支援総合事業(要介護認定結果が「要支援」と認 定された方や、65歳以上の高齢者で心身の状態から要介護状態や要支援状態 となるおそれの高い方が、住み慣れた地域でできるだけ自立した生活を送るこ とができるようにすることを目的とした事業)のメニューの中から、「転ばぬ 先の運動教室」「デイサービス事業」を、岐阜市から委託を受け行っている。 (5)就労継続支援B型事業所・就労移行支援事業所(知的障がい者)
     就労継続支援B型事業所は、働く能力を備えながら、社会にうまく適応でき ないため、雇用されることが困難な障がい者を対象とし、生活や作業を通じて、 自立できるように支援している。  作業内容としては、受託作業の紙箱組立、紙袋加工、ハンガー加工や自主生 産作業の縫製品や食廃油石鹸、野菜の販売などをしている。  就労移行支援事業所(ワークサポートあすなろ)では、実際の職場を想定し、 タイムカードで出退勤の管理を行ったり、身だしなみチェックやマナー学習、 模擬面接等を実施したりして、本人の希望に即した就職先へ就職できるよう支 援している。 ア ワークサポートみやこ  所在地:岐阜市都通2丁目23番地(岐阜市福祉健康センター2階)  障がい者で、社会生活に順応できないなど、一般企業等への就職が困難な方 を対象に、生産活動を通じて工賃を受け取ることによって、自分で働き、生活 していく力を身につけ、自立できるよう、支援を行っている事業所である(就 労継続支援B型)。また、集団の中で仲間と過ごすことや役割を持つことで、 協調性を身につけることができるよう、支援することも心掛けている。 イ ワークサポートあおやぎ  所在地:岐阜市青柳町5丁目24‐1  障がいを抱え、一般就労が困難な方が通所する施設である(就労継続支援B 型)。必要な訓練や生産活動の場を提供して雇用への移行や社会参加、自立す ることを支援している。  岐阜市中心部に位置し、本郷児童センターと隣接している。生産活動は、箱 折、ハンガーのウレタン掛け、紙袋の取っ手付けなどが中心となり、一人ひと りの特性、能力を把握しながらサポートに心掛けている。また、社会性を身に つけるため、地域交流やボランティアの方の援助を得てレクリエーション等を 行っている。 ウ ワークサポートやないづ  所在地:岐阜市柳津町下佐波西1丁目15  岐阜市の南部に位置し、旧柳津町時代の小規模授産所以来の家族的な雰囲気 のある事業所(就労継続支援B型)としての特色を引き継いでおり、柳津出身 の利用者が多い。  利用者の自立と社会参加を推進するため、利用者の意思や人格、プライバシ ーを尊重し、利用者一人ひとりの特性や能力に応じて、作業、生活、健康など 総合的に支援している。  生産活動として、受託作業では紙箱組立や紙袋加工、ハンガー加工、自主生 産作業では、アクリルたわしや香り袋、食事エプロン、竹炭袋である。  余暇活動としてカラオケや音楽活動、社会体験としてボウリングや日帰り旅 行などを実施している。また、やないづふれあいフェスティバルでの出店、参 加など地域との交流も図っている。 エ ワークサポートひの  所在地:岐阜市日野南4丁目2-3  岐阜市東部の日野地区にあり、就労継続支援B型事業所として、通所する利 用者に、就労や生産活動の機会を提供すると共に、一般就労等への移行に向け て支援している。また、日帰り旅行や音楽活動などの行事も行っている。 オ ワークサポートあすなろ  所在地:岐阜市都通2丁目23番地(岐阜市福祉健康センター別棟)  平成26年度から、32年間続いた「岐阜市知的障害者就労促進事業」から「ワ ークサポートあすなろ」へと新たなスタートを切った。多機能型施設であり、 就労継続支援B型・就労移行支援を行っている。  就労継続支援B型では、岐阜市の公共業務の中から、公園清掃や公共施設清 掃の軽作業を受託し、その中で職員が作業指導、生活指導を行い、一人ひとり の就労意欲を高めるとともに、一般就労に結びつくよう支援している。  また、就労移行支援では、実際の職場を想定し、タイムカードで出退勤の管 理を行ったり、身だしなみチェックやマナー学習、面接練習等を実施したりし て、本人の希望に即した就職先へ就職できるよう支援している。 (6)居宅介護支援事業(居宅介護支援センターかやば)  居宅介護支援事業は、要介護状態又は要支援状態にある利用者に対し、適切 な居宅介護支援を提供している。  介護保険に関する相談を受けてから自宅を訪問し、住環境や本人・家族から の情報、主治医からの情報・助言をもとに、適切な介護サービスや社会資源を 提案して介護サービスの利用につなげたり、専門の窓口を紹介し自宅で生活を 送るための支援を行ったりしている。  要介護状態等となった場合においても、可能な限り自宅で暮し続けられるよ うに、福祉サービスや保健医療サービス、社会資源等を活用していただくため の支援として、相談業務、居宅介護サービス計画書(ケアプラン)の作成を行 っている。  また、特定事業所加算IIの指定を受け、24時間対応を行っている。 (7)外部サービス利用型(介護予防)特定施設入居者生活介護事業  養護老人ホーム寿松苑入所者が、要支援・要介護状態になった場合でも、利 用者の有する能力に応じて、自立した日常生活を営むことができるよう、利用 者の心身機能、生活機能の維持・回復を目指し、介護支援専門員が特定施設サ ービス計画、又は介護予防特定施設サービス計画を作成し、生活相談、安否の 確認、社会生活上の便宜の供与、その他日常生活上の世話及び緊急時の対応を 行う。  また、居宅介護サービス事業者と契約し、利用者の身体機能の低下や日々の 生活に支障をきたした場合でも、通所介護や福祉用具のサービスを受け、自立 した生活が送れるように努める。 (8)障害者就業・生活支援センター事業(国・県からの受託事業)  事務所所在地:岐阜市鍵屋西町2丁目20番地 多恵第2ビル1F  離職や離職のおそれなど、職場定着が困難な障がい者の方々に対し、就業や 日常生活、社会生活への支援を行い、就業生活の自立を図るために面談、相談 等のサービスを提供している。  また、就職を希望される障がい者に対し、就職活動の支援、就職後の定着支 援も行っている。就職希望あるいは、在職中の障がいがある方の課題に応じて、 雇用及び福祉の関係機関との連携の下、就業面及び生活面の一体的な支援を行 っている。安定して仕事が継続できるよう、必要に応じて職場訪問を行い、仕 事や生活に関する悩みなどの相談に応じている。  さらに、平成26年度から障がい者雇用拡大支援事業も受託し、職場実習や 就職先の開拓、特別支援学校の生徒・卒業生の就労・定着支援も行っている。 6 使用貸借について
    【事実関係】  岐阜市社会福祉事業団事務局、ワークサポートみやこ、みやこ障害者センタ ー、サンフレンドうずら(地域活動支援センター)、サンフレンドみわ(地域 活動支援センター)のほか、老人デイサービスセンター(北・南・白山・市橋) は、岐阜市公有財産規則第32、第33条及び財産の交換、譲与、無償貸付等に 関する条例第4条に基づき、使用貸借(無償)となっている。また、寿松苑の 敷地(デイサービスセンターを含む。)についても、岐阜市公有財産規則第32、 第33条及び財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例第4条に基づき、使 用貸借(無償)となっている。平成18年度の包括外部監査報告書においても、 事務所について、無償の使用貸借は問題であり賃料を取るべきであると指摘さ れていたが、現状においても、変化はない。そして、使用貸借契約書によると、 無償となる根拠として、財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例第4条第 1号が挙げられている。 ┌────────────────────────────────────────┐ │公有財産規則                                  │ │                                        │ │第32条 普通財産の貸付けを受けようとする者は、一般競争入札の方法による場合を除 │ │き、普通財産貸付申請書(様式第8号)を市長に提出しなければならない。       │ │             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                       │ │                                        │ │第33条(貸付けの手続)                             │ │ 1 部長は、前条の規定により申請書を受理したときは、次に掲げる事項を記載した書│ │  類を作成し、市長の決裁を受けなければならない。ただし、財産の種類又は貸付の │ │  方法により、その一部を省略することができる。                │ │  (1) 貸し付けようとする理由                         │ │  (2) 所在地、種類、地目又は構造及び数量                   │ │  (3) 貸付料予定額、単価その他価格算出の根拠                 │ │  (4) 貸付料納付の時期及び方法                        │ │  (5) 貸付料の歳入科目及び予算額                       │ │  (6) 貸付期間                                │ │  (7) 相手方の住所及び氏名                          │ │  (8) 無償又は減額して貸し付ける場合は、その根拠及び理由           │ │  (9) 前各号に掲げるもののほか、貸付けについて参考となる事項         │ │      ̄ ̄ ̄                                 │ └────────────────────────────────────────┘ ┌────────────────────────────────────────┐ │財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例                    │ │                                        │ │第4条 普通財産は、次の各号の一に該当するときは、これを無償又は時価よりも低い価│ │           ̄ ̄ ̄ ̄                          │ │   額で貸し付けることができる。                       │ │  (1) 他の地方公共団体その他公共団体又は公共的団体において、公用若しくは公共 │ │   用又は公益事業の用に供するとき。                     │ │  (2) 普通財産の貸付けを受けた者が当該財産につき、地震、火災、水害等の災害を │ │   受け使用の目的に供しがたいと認めるとき。                 │ │  (3) その他特別の事情があると認めるとき。                  │ └────────────────────────────────────────┘ 【指摘 福祉政策課】  従前、社会福祉事業団においては、市から人的物的に負担となる福祉業務の 公的責任を委託され実施する者という立場で事業に当っており、本部事務局の ほか、サンフレンドみわ、サンフレンドうずら、みやこ障害者センターなどは、 使用貸借にして欲しいという意識が存在するようである。市との過去の経緯に ついての事実関係は不明であるが、少なくとも、対市民との関係で通用する議 論かどうかを再度検討する必要があると思われる。また、他の地方公共団体に おいて、利用料金制度の指定管理として、地域活動支援センターや老人デイサ ービスセンターが公募されていることからすると、公的責任を過度に負担して おり、社会福祉事業団が経済的に犠牲となっているとはいえない。  平成18年度の包括外部監査においても指摘されている点ではあるが、改め られていない。措置結果においては、「他の地方公共団体の状況を見ながら、 外郭団体と合意形成を図る」と回答しているものの、協議をした形跡はない。  また、使用貸借契約書には、無償となる根拠として、財産の交換、譲与、無 償貸付等に関する条例第4条第1号とあるものの、どうして、「他の地方公共 団体その他公共団体又は公共的団体において、公用若しくは公共用又は公益事 業の用に供するとき」に該当するのか、不明である。  平成18年度において、社会福祉事業団が、市の100%出資であることを理 由としているものの、その理由が、上記要件とどのように関連するのか、他の 社会福祉法人と差異を設けて良いのか、本当に、上記要件に該当するのか、再 検討した形跡もない(なお、福祉政策課においては、現状、100%とは捉えて いないようである。)。指摘事項について、所管部・所管課において、組織的に、 資料等をもとに検討したのでなければ、PDCAサイクルを機能させていると いうことはできない。  平成26年3月31日の貸借対照表によると、国庫補助金等特別積立金として 252,000千円、その他の積立金(施設整備積立金、福祉事業対策積立金、器具 備品購入積立金)として290,000千円の積立金が社会福祉事業団に存在する。 このような多額の積立金が存在しており、必ずしも財政的に困窮しているわけ ではない。  以上の点を考慮すると、上記(1)~(3)の要件のうち、具体的に要件を 満たしている事情が判明しない限り、賃料を徴収する(有償にする)ことを検 討すべきである。 7 市の監査について 【事実関係】  平成9年4月1日、社会福祉法が改正されたことにより、市は、社会福祉法 人を監査するために、指導監査部門を設けた。社会福祉事業団についても、指 導監査課が一社会福祉法人としての運営体制や一事業所としての運用状況等 について、定期又は随時に、監査を実施している。市監査委員監査が、平成9 年度以降実施されていないことを考慮すると、事実上、社会福祉事業団を監査 する唯一の場面と言って良い。指導監査課は、平成25年8月6日、同年10 月8日に監査を実施し、研修や第三者委員の活用、障がい者虐待防止チェック リストについて施設長のみならず法人としても関与することなど指導等をし ている。しかし、指導監査課による監査においては、法人監査用のチェックリ ストを用いて、どの点が適切、不適切だったのかを確認して指摘したのかが、 記録上残っていないため不明である。 【指摘 指導監査課】  指導監査課が作成したチェックリストを用いて、監査結果報告書等に添付し、
    残すような使い方を検討し、どの点が適切、不適切だったのかを確認して指摘 したのか、確実に記録に残すように課内で徹底すべきである。  この点、指導監査課は、監査人補助者の指摘に伴い、直ちに、チェックリス トを用いた指導監査の記録を残すように、他の社会福祉法人の指導監査におい て徹底したことは、評価することができる。 8 賞与引当金について 【事実関係】  平成25年度の決算書に過年度賞与引当金1,830千円が計上されており、そ の内容及び算出方法について確認したところ、以下のような回答を得た。  社会福祉事業団の賞与の支給時期については、社会福祉法人社会福祉事業団 職員賃金規程(以下「賃金規程」という。)第32条において、「賞与は、事業 団業績並びに各人の役割期待及び業績に応じて、原則として、年2回、夏期及 び冬期に支給する」と定められ、また同条2項において「賞与は、原則として、 夏期は7月10日及び冬期は12月10日に支給する。ただし、支給日が休日に 当たるときは、順次その日より前の日に繰り上げて支給する。」と定められて いる。そのため、決算賞与を3月に支給したいと思っても支払うことができな いので、決算賞与として支払いしたい金額を過年度賞与引当金として計上し、 翌事業年度の夏期及び冬期に支払われる賞与に過年度賞与引当金として計上 された金額を上乗せして支払っている。 【意見 社会福祉事業団】  事業団の賞与の算定期間については、賃金規程第35条において「賞与算定 期間は、夏期は前年12月1日から5月31日まで、冬期は6月1日から11月 30日までとする」と定められており、年度決算において計上すべき賞与引当 金は、夏期に支給される賞与の見積金額のうち12月1日から3月31日に対応 する部分である。そこで、平成27年4月から社会福祉法人新会計基準に移行 することになるため、これを機に、決算賞与として夏期冬期の賞与に上乗せし て支払われる金額のみを賞与引当金として計上する方法は、見直しをすること が望ましい。  また、社会福祉事業団は、決算賞与を支払うこと自体に問題がないかについ ても、検討することが望ましい。 9 存在意義について 【事実関係】  以前は、社会福祉事業団は、民間で対応できなかった、老人・児童・障害者 の福祉施設について専門的に対応してきた。  しかし、指定管理者制度を導入したところ、民間事業者(社会福祉法人やN PO法人)が指定管理者となる例が増えてきたように、老人・児童・障がい者 の福祉施設についても、市の外郭団体が引き受ける必要性が小さくなってきて いる。福祉政策課も、社会福祉事業団を、外郭団体というよりは、一社会福祉 法人と捉えているようである。 【意見 福祉政策課、社会福祉事業団】  指定管理等についても、みやこ園など障がい者の部門も含め、公募とするこ とを検討すべきである。美濃加茂市、敦賀市など他の地方公共団体において、 利用料金制度による指定管理者制度が採用されている。  年々、児童厚生施設や老人福祉センター、障害者施設についても、民間業者 が行うようになっている。そのため、設立当初から考えると、社会福祉事業団 について、市の外郭団体として、あえて存続させる意義は大きいとはいえない。 また、使用貸借により無償で市の不動産を使用しているが、それも有償とする ことを検討すべきであることや、社会福祉事業団が大きく経営を依存している 指定管理者制度において、友楽園、長良児童センター、岩野田児童センター、 加納児童センター、三田洞神仏温泉、梅林児童館などのように、指定管理者の 選定から漏れる可能性もあることを考慮すると、社会福祉事業団の経営状況は 難しくなってくる。このような状況を考慮すると、合併によるスケールメリッ トを活かして、経営改善等を図るためにも、社会福祉協議会との合併を検討す べきである。このような合併は、札幌市や宮城県でも行われているし、社会福 祉協議会のみ存在する他の地方公共団体も少なからず存在する。このような合 併は、外郭団体の経営改善指針の「外郭団体との統廃合」には、「他の団体と 類似の業務を行っているもの、既に目的を達成したと思われるもの、民間事業 者との競合により存続が困難と思われるものについては、積極的に統廃合の検 討を行う。」とある。まさに、社会福祉事業団については、外郭団体の経営改 善指針の「外郭団体との統廃合」にかなうものである。  社会福祉協議会も、社会福祉事業団の所有・管理している施設を利用して、 社会福祉協議会の地域福祉活動の拠点の一つとするとともに、広報効果も期待 することができる。  将来的には、合併等で整理することが望ましい。 第7章 一般財団法人岐阜市にぎわいまち公社 第1 概要 ┌─┬────────┬─────────────────────────────┐ │ │設立年月日   │昭和43年4月1日                      │ │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │ │所在地     │岐阜市神田町1丁目11番地 岐阜市役所南庁舎内       │ │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │ │所管課     │まちづくり推進部 まちづくり推進課            │ │ ├────────┼────────┬─────────┬──────────┤ │ │基本財産    │    2,000千円│うち市出資額   │      2,000千円│ │ │        │        │(割合)     │      (100%)│ │ ├────────┼────────┴─────────┴──────────┤ │ │沿革      │昭和43年 財団法人岐阜市開発公社として設立        │ │ │        │平成7年 財団法人岐阜市都市整備公社に名称変更・改組   │ │ │        │平成15年 財団法人岐阜市にぎわいまち公社に名称変更・改組 │ │基│        │平成24年 一般財団法人岐阜市にぎわいまち公社に名称変更  │ │本├────────┼─────────────────────────────┤ │事│設立目的    │岐阜市における都市整備事業を効率化ならしめるための事業及 │ │項│(定款第3条)  │び地球環境の保全のための事業を実施することにより、豊かな個│ │ │        │性あるまちづくりの実現及び市政の発展と市民の福祉増進に寄 │ │ │        │与すること                        │ │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │ │事業内容    │(1)まちづくりに関する調査研究及び情報の提供       │ │ │(定款第4条)  │(2)市民のまちづくり活動の育成と支援及び助成       │ │ │        │(3)中心市街地活性化に関する事業             │ │ │        │(4)中心市街地整備推進機構に関する事業          │
    │ │        │(5)景観整備機構に関する事業               │ │ │        │(6)低炭素型まちづくり活動の支援・啓発事業        │ │ │        │(7)岐阜市駐車場条例(昭和43年岐阜市条例第9号)に規定す │ │ │        │   る駐車場及び公共施設に設置されている駐車場等の管理  │ │ │        │(8)その他この法人の目的達成のために必要な事業      │ └─┴────────┴─────────────────────────────┘        (平成26年3月31日現在) ┌─┬───┬───┬───┬───┐ │ │区分 │役員 │評議員│職員 │ │組├───┼───┼───┼───┤ │織│常勤 │  1名│  0名│ 28名│ │状├───┼───┼───┼───┤ │況│非常勤│  6名│  5名│ 12名│ │ ├───┼───┼───┼───┤ │ │合計 │  7名│  5名│ 40名│ └─┴───┴───┴───┴───┘                           (平成26年3月31日現在) ┌─┬──────────────┬─────────────┬─────┐ │評│     評議員会     │     理事会     │ 監事  │ │議│     (5名)      │     (5名)     │ (2名) │ │員├─────┬────────┼──────┬──────┼─────┤ │会│評議員会長│岐阜観光コンベン│ 代表理事 │岐阜女子大学│ 市職員 │ │・│  1名  │ション協会常務理│   1名  │教授    │市職員OB│ │理│     │事       │      │      │     │ │事├─────┼────────┼──────┼──────┼─────┤ │会│ 評議員 │        │業務執行理事│市職員OB │     │ │の│  4名  │        │   1名  │      │     │ │構├─────┼────────┼──────┼──────┼─────┤ │成│     │        │  理事  │      │     │ │員│     │        │   3名  │      │     │ └─┴─────┴────────┴──────┴──────┴─────┘  平成26年3月31日現在の職員配置図は、以下のとおりである。               総務課              ┌────┐ ┌─────┬──┐              │ 課長 │ │嘱託職員 │18名│            ┌─┤    ├─┼─────┼──┤            │ │(嘱託)│ │アルバイト│ 7名│ ┌────────┐ │ └────┘ └─────┴──┘ │  事務局長  │ │ │        ├─┤ │  (嘱託)  │ │  まちづくり推進課 └────────┘ │ ┌────┐ ┌─────┬──┐            │ │ 課長 │ │固有職員 │ 2名│            └─┤    ├─┼─────┼──┤              │(嘱託)│ │市職員派遣│ 4名│              └────┘ ├─────┼──┤                     │嘱託職員 │ 1名│                     ├─────┼──┤                     │アルバイト│ 5名│                     └─────┴──┘                 (まちづくり推進政策課の回答による)                          (単位:千円) ┌─┬───────┬──────┬──────┬──────┐ │ │  区分   │平成23年度 │平成24年度 │平成25年度 │ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総収入額   │   272,207│   221,204│   225,911│ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総支出額   │   269,855│   224,247│   225,572│ │財├───────┼──────┼──────┼──────┤ │務│(うち人件費)│ (126,911)│ (106,828)│ (99,554)│ │の├───────┼──────┼──────┼──────┤ │状│差引収支額  │    2,352│   ‐3,043│     338│ │況├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総資産額   │   166,776│   142,153│   146,548│ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総負債額   │   36,485│   21,072│   28,461│ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │正味財産額  │   130,291│   121,081│   118,087│ └─┴───────┴──────┴──────┴──────┘                     (単位:千円) ┌─┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │ │ 区分  │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │市├─────┼─────┼─────┼─────┤ │の│指定管理料│  152,320│  115,332│  115,332│ │財├─────┼─────┼─────┼─────┤ │政│委託料  │  81,391│  79,263│  77,165│ │支├─────┼─────┼─────┼─────┤ │出│補助金  │  13,000│  13,000│  13,000│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │合計   │  246,711│  207,595│  205,497│ └─┴─────┴─────┴─────┴─────┘ 第2 事実関係及び指摘・意見 1 指定管理について  にぎわいまち公社が指定管理者となっている施設の概要は、次のとおりであ る。                                 (単位:千円) ┌────────────────────┬─────┬────┬─────┐ │        対象施設        │ 担当課 │選定方法│平成25年度│ │                    │     │    │指定管理料│ ├────────────────────┼─────┼────┼─────┤ │岐阜市駅西駐車場及び岐阜シティ・タワー43│都市計画課│ 公募 │  115,332│ │地下駐車場               │     │    │     │ └────────────────────┴─────┴────┴─────┘ ┌─┬────┬────────────────┬───────────────┐
    │施│名称  │岐阜市駅西駐車場        │岐阜シティ・タワー43地下駐車場│ │設├────┼────────────────┼───────────────┤ │の│所在地 │橋本町2丁目16番地        │橋本町2丁目52番地       │ │概├────┼────────────────┼───────────────┤ │要│建物概要│地下1階地上6階         │地下1階            │ │ ├────┼────────────────┼───────────────┤ │ │建築年 │平成11年11月1日        │平成19年10月1日       │ │ ├────┼────────────────┼───────────────┤ │ │施設概要│自走機械併用式駐車場      │自走式駐車場         │ │ │    │供用台数623台          │供用台数56台         │ │ │    │(自走263台、機械360台)    │               │ ├─┼────┼────────────────┼───────────────┤ │設│法的位置│道路法第2条第2項第6号に該当す  │駐車場法第2条第2項に該当する │ │置│づけ  │る道路付属物の自動車駐車場   │路外駐車場          │ │目│    │                │               │ │的│    │                │               │ ├─┼────┼────────────────┼───────────────┤ │導│導入年度│平成18年            │平成19年度          │ │入├────┼────────────────┴───────────────┤ │ │根拠条例│岐阜市駐車場条例                        │ │ ├────┼────────────────────────────────┤ │ │指定期間│平成24年4月1日から平成29年3月31日                │ │ ├────┼────────────────────────────────┤ │ │施設種別│駐車場                             │ │ ├────┼────────────────────────────────┤ │ │所管課 │都市計画課                           │ │ ├────┼────────────────────────────────┤ │ │選定方法│公募                              │ │ ├────┼────────────────────────────────┤ │ │経費負担│利用料金制非導入                        │ ├─┼────┼────────────────────────────────┤ │指│施設の管│・法定点検、定期点検、日常点検、始業前点検等による駐車場施設・設│ │定│理に関す│備の維持管理                          │ │管│る業務 │・保守点検施設・設備の年間計画書及び報告書の提出        │ │理│    │・機械警備設備による警備                    │ │者├────┼────────────────────────────────┤ │の│駐車場の│・24時間営業・年中無休                     │ │行│供用に関│・施設利用者の対応                       │ │う│する業務│・駐車機械への入出庫操作                    │ │業│    │・案内及び誘導                         │ │務│    │・施設内の巡回                         │ │の├────┼────────────────────────────────┤ │範│駐車料金│・4時間まで30分毎150円、4時間超24時間まで1200円         │ │囲│の徴収及│・駐車料金の徴収及び領収書の発行                │ │ │び減免に│・駐車券の印刷、発行及び回収                  │ │ │関する業│・つり銭の準備及び保管                     │ │ │務   │・回数駐車券、定期駐車券の作成、販売及び領収書の発行      │ │ │    │・駐車料金の全部又は一部の免除                 │ │ │    │・徴収した駐車料金の払込み                   │ │ ├────┼────────────────────────────────┤ │ │その他の│・モニタリング                         │ │ │業務  │・アンケート調査                        │ │ │    │・施設及び設備の補修、修繕(1件につき20万円未満は指定管理料にお │ │ │    │いて実施)                           │ └─┴────┴────────────────────────────────┘ (1)導入について 【事実関係】  岐阜市駅西駐車場は、平成11年から供用されている。  市は、岐阜市駅西駐車場の管理につき、従前は、にぎわいまち公社に委託し ていたが、平成18年から、指定管理者制度を導入した。この際に指定管理者 制度の導入効果の検証を行ったことを示す資料は残されていない。  岐阜シティ・タワー43地下駐車場(以下、駅西駐車場と併せて「本施設」 という。)は、供用開始と同時に指定管理者制度が導入されているが、指定管 理者制度の導入効果の検証を行ったことを示す資料は残されていない。 (2)利用料金制の非導入について 【事実関係】  本施設では、利用料金制を導入していない。  市のヒアリングによれば、その理由は、1)施設の建設資金のため市が国の無 利子貸付けを受けており、利用料収入をその返済に充てる計画になっているこ と、2)収入が安定しないこと、とのことであった。  平成20年度から平成22年度までの3年間の収入と経費は、次のとおりであ る。                               (千円) ┌──┬─────────┬─────────┬─────────┐ │  │  平成20年度  │  平成21年度  │  平成22年度  │ ├──┼────┬────┼────┬────┼────┬────┤ │  │ 駅西 │シティ │ 駅西 │シティ │ 駅西 │シティ │ ├──┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤ │収入│ 172,478│ 25,462│ 136,393│ 22,350│ 149,461│ 23,710│ ├──┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤ │経費│ 99,746│  7,218│ 103,046│ 21,134│ 106,024│ 21,134│ └──┴────┴────┴────┴────┴────┴────┘ 【指摘 都市計画課】  上記の市が述べた理由のうち、1)建設資金のため市が国の無利子貸付けを受 けているとの理由については、基本方針の定める利用料金制度非導入の理由の いずれにも該当しない。2)収入が安定しないとの理由についても、収益性が低 いということとは意味合いが異なるものであり、基本方針の定める「収益性が 低く指定管理者の経営努力へのインセンティブが働き難い施設」に該当するも のではない。  市は、本施設において利用料金制度を導入しない理由について、基本方針に 従った理由で説明すべきである。 【意見 都市計画課】  上記の収入と経費の経過をみると、収入が減っても市の経費(指定管理料) が減っておらず、利用料金制を導入しないことにより、かえって経費が削減で
    きていないことになっているようにも思える。  また、建設資金のため市が貸付けを受けていることを理由にして利用料金制 度を導入しないというのであれば、むしろ指定管理者制度ではなく市直営にす べきという方向に行くのではないだろうか。  本施設に利用料金制度を導入すべきかどうかについて、市直営と指定管理者 制度のいずれが本施設の設置目的を達成できるかということと合わせて、基本 指針に従って、検討することが望ましい。 (3)応募状況について 【事実関係】  本施設の指定管理者制度では、平成18年度から平成20年度まで、平成21 年度から平成23年度まで、平成24年度から平成29年度までの3回とも、公 募による指定管理者の募集が行われたが、いずれも応募をしたのは、にぎわい まち公社のみであった。  市のヒアリングでは、このことについての検討は特になされていないとのこ とであった。 2 委託について  にぎわいまち公社が市から委託を受けた業務の概要は、次のとおりである。 (平成25年度)                           (単位:千円) ┌─┬────────┬───────────────┬─────┬──┬───┐ │ │ 委託業務名  │     事業の概要     │ 担当課 │選定│確定 │ │ │        │               │     │方法│委託料│ ├─┼────────┼───────────────┼─────┼──┼───┤ │1│景観まちづくり活│・まちづくり組織への補助金交 │まちづくり│随意│27,035│ │ │動支援業務   │付              │景観課  │  │   │ │ │        │・まちづくり組織へのアドバイ │     │  │   │ │ │        │ザー派遣           │     │  │   │ │ │        │・「公社だより」の発行    │     │  │   │ │ │        │・「ぎふまちづくりコーディネー│     │  │   │ │ │        │ター養成講座」の実施     │     │  │   │ │ │        │・「わがまち探検マップコンクー│     │  │   │ │ │        │ル」の実施          │     │  │   │ │ │        │・「ぎふ景観まちづくりファン │     │  │   │ │ │        │ド」の運営          │     │  │   │ ├─┼────────┼───────────────┼─────┼──┼───┤ │2│中心市街地活性化│・建て替え促進        │まちづくり│随意│ 5,900│ │ │推進業務    │・まちの魅力PR(七夕まつり・│推進政策課│  │   │ │ │        │岐阜まち物語・クリスマス飾り)│     │  │   │ │ │        │・柳ヶ瀬プロデュース(まちな │     │  │   │ │ │        │か写真館)          │     │  │   │ ├─┼────────┼───────────────┼─────┼──┼───┤ │3│柳ケ瀬にぎわい創│・柳ケ瀬商店街探検隊     │まちづくり│随意│ 3,500│ │ │出業務     │               │推進政策課│  │   │ ├─┼────────┼───────────────┼─────┼──┼───┤ │4│中心商店街活性化│・中心商店街活性化プロデュー │産業雇用課│随意│ 9,950│ │ │総合対策事業  │ス              │     │  │   │ │ │        │・空き店舗活用        │     │  │   │ ├─┼────────┼───────────────┼─────┼──┼───┤ │5│中心市街地都市開│・協議会等設立支援、活動支援 │区画整理課│随意│ 1,458│ │ │発まちづくり支援│・権利者勉強会の開催支援   │     │  │   │ │ │業務      │・戸別訪問説明の実施支援   │     │  │   │ ├─┼────────┼───────────────┼─────┼──┼───┤ │6│まちなか歩き回廊│・歩行者交通量調査      │歴史まちづ│随意│ 5,600│ │ │推進業務    │・「瑞龍寺山歴史ウォーク」の実│くり課  │  │   │ │ │        │施              │     │  │   │ │ │        │・「まちなか看板しりとり」の実│     │  │   │ │ │        │施              │     │  │   │ │ │        │・「ぎふ・いざナビ」の再構築検│     │  │   │ │ │        │討              │     │  │   │ ├─┼────────┼───────────────┼─────┼──┼───┤ │7│レンタサイクル業│・レンタサイクル及びレンタサ │歴史まちづ│随意│13,005│ │ │務       │イクル施設の管理運営     │くり課  │  │   │ ├─┼────────┼───────────────┼─────┼──┼───┤ │8│岐阜公園総合案内│・岐阜公園施設等に関する情報 │公園整備課│随意│ 9,746│ │ │所運営業務   │提供             │     │  │   │ │ │        │・岐阜公園施設に関する問い合 │     │  │   │ │ │        │わせ等への対応        │     │  │   │ ├─┼────────┼───────────────┼─────┼──┼───┤ │9│岐阜駅北口団体バ│・利用者からのインターホン連 │駅周辺事業│随意│  30│ │ │ス乗降場管理(緊│絡等への対応         │推進課  │  │   │ │ │急時対応等)業務│・自動警報装置からの信号受信 │     │  │   │ │ │        │への対応           │     │  │   │ ├─┼────────┼───────────────┼─────┼──┼───┤ │10│急速充電器運営管│駅西駐車場内に一般開放された │地球環境課│随意│  941│ │ │理業務     │急速充電器の管理運営     │     │  │   │ ├─┼────────┼───────────────┼─────┴──┼───┤ │ │        │               │   合計   │77,165│ └─┴────────┴───────────────┴────────┴───┘ (1)景観まちづくり活動支援業務について ア 委託発注について 【事実関係】  市は、委託業務名を景観まちづくり活動支援業務とし、委託契約書の記載に よれば、1)景観まちづくり活動の支援及び育成に関すること(まちづくり組織 への補助金交付に関すること、まちづくり組織へのアドバイザーの派遣に関す ること、まちづくりの相談に関すること)、2)景観まちづくりの推進、啓発及 び情報の提供に関すること(パンフレット等まちづくり啓発資料の作成に関す ること、まちづくり事業に関すること、まちづくりの情報の提供に関すること)、 3)景観まちづくりの調査研究に関すること(他都市事例等まちづくりに関する 資料収集に関すること、まちづくり事業の制度・手法の調査研究に関すること)、 4)ぎふ景観まちづくりファンドに関すること(ファンド運営委員会に関するこ と、ファンド助成に関すること、ファンド資産運用に関すること)、5)その他 景観まちづくりに関すること(その他前各号の業務を行うために必要な事務等 に関すること)を業務内容として委託している。  市は、委託契約書において上記の業務内容を記載しているものの、仕様書を
    作成していない。  市は、平成15年度から毎年、本業務を一者随意契約でにぎわいまち公社に 委託している。  一者随意契約理由書によれば、岐阜市随意契約ガイドラインの「国及び地方 公共団体又は営利を目的としない法人と契約をするとき」(2-(4))に該当 することから、「契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」(地方自 治法施行令第167条の2第1項第2号)に該当するとされ、「一者随意契約理 由」欄には、住民参加、住民主体のまちづくりを推進するにあたっては、岐阜 市の特性に精通し、豊富な知識や技術、経験等を持った者が、住民との信頼関 係を築き、それぞれに応じたまちづくりの相談、指導、支援等を行うことが重 要である。このような条件を満たす団体等は、景観法で認められた岐阜市景観 整備機構を取得したにぎわいまち公社しかないという理由が記載されている。 【指摘 まちづくり景観課】  市が業務を委託する際には仕様書を作成しなければならず、「業務委託契約 における仕様書作成について」によれば、仕様書は、業務内容を詳細に把握し たうえで、業者に委託したい内容を遺漏なく盛り込むことが大切であり、具体 的でわかりやすい表現で記載するとともに、特定の業者しか履行できないよう な内容にならないようにしなければならないとされている。  このような仕様書を作成することを通じて、その業務を市が行うことの是非、 業務を市が自ら行うのか委託に出すのかの選択、委託先の選定方法、委託する 業務内容の検討などをすることになる。  本委託について仕様書を作成していないということは、前年踏襲で何の検討 もすることなく委託に出していると受け取られるおそれがある。この点につき、 市からは、契約書案に仕様が記載されているとの意見があったが、契約書に記 載されているのは、抽象的な業務内容にすぎず、具体性が求められる仕様書を 代替しうるものではない。  市は、上記のことを検討するためにも、仕様書を作成すべきである。 【指摘 まちづくり景観課】  景観法の定める景観整備機構の業務は、1)良好な景観の形成に関する事業を 行う者に対し、当該事業に関する知識を有する者の派遣、情報の提供、相談そ の他の援助を行うこと、2)管理協定に基づき景観重要建造物又は景観重要樹木 の管理を行うこと、3)景観重要建造物と一体となって良好な景観を形成する広 場その他の公共施設に関する事業若しくは景観計画に定められた景観重要公 共施設に関する事業を行うこと又はこれらの事業に参加すること、4)前号の事 業に有効に利用できる土地で政令で定めるものの取得、管理及び譲渡を行うこ と、5)第55条第2項第1号の区域内にある土地を景観農業振興地域整備計画 に従って利用するため、委託に基づき農作業を行い、並びに当該土地について の権利を取得し、及びその土地の管理を行うこと、6)良好な景観の形成に関す る調査研究を行うこと、7)前各号に掲げるもののほか、良好な景観の形成を促 進するために必要な業務を行うことである(第93条)。  にぎわいまち公社が本委託により実際に行っている業務のうち、「景観形成 市民団体への支援」、「ぎふ景観まちづくりファンドの運営」、「景観アドバイザ ー派遣」については、このような景観整備機構の業務に関連するものといえる。  しかし、「ぎふまちづくりコーディネーター養成講座」は、「まちづくり活動 を行う中で、進め方が分からなかったり、話がまとまらなかったり、色々な課 題が出てきます。この講座では、そのような時の取り組み方や発想の仕方を学 び、参加された方がそれぞれのフィールドで実践していただくこと」(にぎわ いまち公社のHP)を目的としているものであり、「わがまち探検マップコン クール」は、「自分たちの住んでいるまちの絵地図を描く過程を通じて、子供 たちが自分の目でまちを見、まちを知り、まちを表現し、まちの一員であると いう意識を抱くきっかけとなること」(にぎわいまち公社のHP)を目的とし ているものであり、どちらも良好な景観の形成だけではなく、広くまちづくり のための業務である。これらの業務は、景観整備機構でしかなしえない業務と はいえない。  また、公社だよりの発行は、にぎわいまち公社という団体のパンフレットを 発行する業務であり、そもそも市が委託すべき業務ではない。  したがって、本委託業務のすべてについて景観整備機構を取得したにぎわい まち公社しか業務をなしえないとする理由は適切ではない。  しかも、本委託を担当するのは、まちづくり景観課であり、同課の処務規則 に定められた分掌事務は、都市景観の形成に関することである。  市は、にぎわいまち公社が景観整備機構であることを一者随意契約の理由に するのであれば、それが理由として成り立つ業務のみを委託すべきである。 【意見 まちづくり景観課】  本委託業務の担当課は、都市景観の形成の推進に関すること等を分掌事務と する、まちづくり景観課であり、本委託の目的は、良好な景観の形成のはずで ある。しかし、本委託では、上記のとおり、まちづくりということにまで委託 の目的と業務内容が広げられている。このように、委託の目的と業務内容が抽 象的になると、委託の是非、業務内容、委託料の額、業務遂行の評価の検証が あいまいなものとなる。  市は、委託の目的を明確にし、その目的と業務内容との関係性を厳密に検討 した上で、委託の発注を決めることが望ましい。 【指摘 まちづくり景観課】  平成16年度の包括外部監査の結果報告書において、本委託と類似のまちづ くり業務委託について、市とにぎわいまち公社の役割を明確にする必要性や委 託業務の効果測定を継続的に行う必要性について監査意見があった。  市は、措置状況報告書において、「他の民間業者への委託の可能性を十分に 検討の上で実施しております」「実績の数値化が可能なものについては、逐次 報告を求め、継続して事業効果の検証に努めている」と記載していた。  しかし、そのような事業効果の検証を行い、事業を継続するか否か、市自ら 事業を行うか委託するか、にぎわいまち公社以外の団体へ委託するかといった ことを検討したことの分かる資料はない。  市は、措置状況報告書に記載した事実につき、その存在が確認できるだけの 資料を作成すべきである。 イ 委託料について 【事実関係】  市が本委託の発注を決定する際に作成したと思われる設計書は見当たらな かった。  にぎわいまち公社が作成した見積書に記載された合計金額は、消費税込で 36,500,000円となっている。  にぎわいまち公社から見積書の提出があった後の業務委託契約伺書には、見 積書と同様の設計書が添付されているが、これが、にぎわいまち公社から見積 書の提出がある前に作成されたものなのかどうかは不明である。  一者随意契約理由書には、独自積算をしたとの記載がある。  契約金額は、にぎわいまち公社の見積書に記載された合計金額と同額である。
     にぎわいまち公社の見積書及び業務委託契約伺添付の設計書には、人件費と して、にぎわいまち公社3人・市派遣職員2人・嘱託職員1人の給料手当 15,872,307円、その福利厚生費4,374,144円、その旅費交通費(通勤手当) 634,104円、アルバイト1人の賃金656,250円の合計21,536,805円の記載は あるが、これらの内訳の記載はない。  委託契約書添付の内訳書には、人件費として、にぎわいまち公社の固有職員 3人の1年分の給料・期末勤勉手当・通勤手当・扶養手当・超過勤務手当・住 宅手当・地域手当、市派遣職員2人の昇給差額分・期末勤勉手当・通勤手当・ 扶養手当・超過勤務手当・住宅手当・地域手当、嘱託職員の1年分の給料・期 末勤勉手当・通勤手当・超過勤務手当、アルバイト104日分の賃金・交通費、 にぎわいまち公社3人・市派遣職員2人・嘱託職員1人の福利厚生費の記載は あるが、これらの金額の記載はない。  平成23年度から平成25年度までの契約金額と精算金額の経過は、次のとお りである。                   (千円) ┌─────┬────┬────┬────┐ │     │契約金額│返還金額│確定金額│ ├─────┼────┼────┼────┤ │平成23年度│ 37,400│  3,496│ 33,904│ ├─────┼────┼────┼────┤ │平成24年度│ 35,000│  2,404│ 32,596│ ├─────┼────┼────┼────┤ │平成25年度│ 36,500│  9,465│ 27,035│ └─────┴────┴────┴────┘  なお、平成26年度は、37,500,000円で契約している。 【指摘 まちづくり景観課】  市が設計書を作成していないということは、独自積算をしていないというこ とになる。一者随意契約理由書は、随意契約の適法性を担保するための重要な 書類であり、市は、これを正確に記載すべきである。 【指摘 まちづくり景観課】  本委託の委託料には、にぎわいまち公社の固有職員全員(3人)分の人件費 が含まれている。  にぎわいまち公社は、本委託以外にも、市から様々な業務委託を受けており、 にぎわいまち公社の固有職員の全員が本委託にのみ従事していることは考え られない。  市は、本委託業務の遂行に必要となる人件費のみ、委託料として支出すべき である。 【意見 まちづくり景観課】  平成23年度からの経過でみると、精算により多額の余剰があったにもかか わらず、毎年ほぼ同額の金額で契約している。  必要のない金額を支出すれば、精算後に戻ってくるとしても、その間、資源 の有効活用がなされていないことになる。  市は、精算の結果を踏まえて、適正な契約金額を算定することが望ましい。 ウ 事業評価について 【事実関係】  平成25年度の事業評価シートにおいては、「事業名」が「景観まちづくり活 動支援事業」とされているが、平成24年度及び平成23年度では、「まちづく り活動支援事業」とされている。  「事業の必要性」には、「岐阜らしさあふれる、賑わいのあるまちなみ空間 の創造や自然と調和し、歴史・文化資源を生かしたまちなみを保全、継承する ために市民、企業、行政が協働して個性豊かなまちづくりを行っていくため」 と記載されている。「事業の目的」には、「個性ある魅力的なまちなみの形成を 目指して、住民主体のまちづくり活動を支援する」と記載されている。  「指標」の欄は、空欄である。「問題点・課題」の欄も、空欄である。  「項目別評価」の欄では、必要性の項目で、「市民と行政による協働による まちづくりをしていることから必要である」と記載され、「有効性」の項目で、 「市民の景観形成やまちづくりに関わる意識啓発が図られている」と記載され、 「費用対効果」の項目で、「大変有益な事業である」と記載され、「公共性」の 項目で、「公共性が強く、民間主導の事業では困難である」と記載されている。 「総合評価」の欄では、「住民主体のまちづくり活動ができる様に継続支援を していく必要がある」とだけ記載されている。  平成24年度及び平成23年度の事業評価シートにおいても、平成25年度と ほとんど同じ文言で記載されている。 【指摘 まちづくり景観課】  事業評価の目的からすれば、まずもって、委託の目的(何のために)と委託 内容(何を)を明確にすべきである。  ところが、平成24年度までの事業名の記載、事業の必要性や事業の目的の 記載からすると、委託の目的が、本来の目的であるはずの良好な景観形成から まちづくりへと、委託内容が、景観形成に関するものからまちづくり活動に対 する支援へと広げられている。なお、「事業の目的」に「まちづくり活動を支 援する」と記載しているのは、目的ではなく内容を記載しているものであり、 誤りである。  評価の記載の仕方についても、「指標」の欄や「問題点・課題」の欄が空欄 であるのは、事業評価の重要性に対する意識が欠落していると言わざるを得な い。「項目別評価」の欄において、「必要性」の項目の記載は、なぜその事業が 必要なのかということの記載になっていない。「有効性」の項目において、市 民の意識啓発が図られているとあるが、その根拠を記した資料は見当たらない。 「費用対効果」の項目の記載は、有益であることを記載しただけで、書くべき こととずれている。「公共性」の項目で、民間主導の事業では困難というので あるならば、にぎわいまち公社に一者随意契約で委託していることが適切でな いことになる。「総合評価」の欄は、必要であることを記載しただけで、評価 としての体をなしていない。  市は、委託の目的と委託内容を明確にした上で、事業評価シートに記載すべ きことを適切に記載すべきである。 (2)中心市街地活性化推進業務について ア 委託発注について 【事実関係】  市は、委託業務名を中心市街地活性化推進業務とし、1)中心市街地建替え促 進事業の推進(アンケート調査、情報提供)、2)まちの魅力PR事業の推進(3 回のイベント開催)、3)柳ケ瀬プロデュース事業の推進(「柳ケ瀬プロデュース チーム」の活動記録の作成、「柳ケ瀬まちなか写真館」の展示物の維持管理)
    を委託している。  市は、平成18年度から毎年、本業務を一者随意契約でにぎわいまち公社に 委託している。  仕様書に添付された資料には、にぎわいまち公社へ委託する旨の記載がなさ れている。  一者随意契約理由書によれば、岐阜市随意契約ガイドラインの「国及び地方 公共団体又は営利を目的としない法人と契約をするとき」(2-(4))に該当 することから、「契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」(地方自 治法施行令第167条の2第1項第2号)に該当するとされ、「一者随意契約理 由」欄には、中心市街地整備推進機構は、岐阜市においてにぎわいまち公社以 外に指定されていないこと、にぎわいまち公社は、委託する中心市街地活性化 推進業務に関連する事業を既に数多く実施しており、経験、知識及び関係者と のネットワークを有していることが記載されている。 【指摘 まちづくり推進政策課】  仕様書に添付された資料に、にぎわいまち公社に委託する旨の記載をしてい るということは、特定の業者しか履行できないような内容になっているどころ か、特定の業者に履行させることが前提となった仕様書になっていることにな る。市が業務を委託する手続として、公平性・公正さを欠くものである。  仕様書にも、仕様書に添付する資料にも、委託先を記載すべきではない。 【指摘 まちづくり推進政策課】  中心市街地整備推進機構は、中心市街地の活性化に関する法律により、市町 村長が指定するものであり(第61条)、その業務は、1)中心市街地の整備改善 に関する事業を行う者に対し、情報の提供、相談その他の援助を行うこと、2) 中心市街地の整備改善に資する建築物その他の施設であって国土交通省令で 定めるものを認定基本計画の内容に即して整備する事業を行うこと又は当該 事業に参加すること、3)中心市街地の整備改善を図るために有効に利用できる 土地で政令で定めるものの取得、管理及び譲渡を行うこと、4)中心市街地公共 空地等の設置及び管理を行うこと、5)中心市街地の整備改善に関する調査研究 を行うこと、6)前各号に掲げるもののほか、中心市街地の整備改善を推進する ために必要な業務を行うことである(第62条)。国土交通省の中心市街地活性 化に関するホームページによれば、中心市街地整備推進機構は、いわゆるまち づくり会社と同様、地域密着型のディベロッパーとして、公益性と企業性を併 せ持ち、行政や民間企業だけでは実施が難しい「開発」に取り組むことが期待 されているものである。  本委託の業務内容のうち、「中心市街地建替え促進事業の推進業務」につい ては、このような中心市街地整備推進機構に求められる業務との関わりが強い といえるが、「まちの魅力PR事業の推進業務」と「柳ヶ瀬プロデュース事業 の推進業務」については、まちのPRのためのイベント開催業務であり、中心 市街地整備推進機構に求められる業務との関わりは強くはなく、同機構に指定 された団体でなければできない業務では決してない。  にぎわいまち公社が中心市街地整備推進機構に指定されていることは、一者 随意契約理由としては不十分である。  また、にぎわいまち公社がこれまでに中心市街地活性化に関する事業を行っ た経験があることを一者随意契約の理由にしているが、この理由が一者随意契 約の理由になれば、最初に委託に出したところに委託し続ければいいことにな り、法が一般競争入札を原則とし、随意契約は一定の要件を満たす場合に限り 例外的に認められるものであるとしていることに反する。過去の経験も一つの 要素ではあるが、経験があることと、経験がある者しか本委託業務を遂行でき ないこととは別の問題であって、経験があることのみをもってしては、一者随 意契約の理由にならない。  このように市が記載している一者随意契約理由は不十分である。一者随意契 約理由として成り立つ理由を記載すべきである。 イ 委託料について 【事実関係】  市は、本委託を発注するに際し、設計書を作成しておらず、仕様書に添付さ れた資料に予算案5,900,000円と記載しているだけである。  市は、にぎわいまち公社に見積書の提出を依頼しているが、市が依頼をした のが平成25年3月22日で、にぎわいまち公社から提出された見積書の日付も 同じ3月22日となっている。  にぎわいまち公社の見積書記載の合計金額は、消費税込で5,900,000円とな っている。  契約金額は、にぎわいまち公社の見積書記載の合計金額と同額である。  にぎわいまち公社の見積書では、人件費として、1)中心市街地建替え促進事 業の推進(アンケート調査、情報提供)につき、職員1人×2ヶ月、2)まちの 魅力PR事業の推進(3回のイベント開催)につき、職員1人×2ヶ月、アル バイト1人×2ヶ月、3)柳ケ瀬プロデュース事業の推進(「柳ケ瀬プロデュー スチーム」の活動記録の作成、「柳ケ瀬まちなか写真館」の展示物の維持管理) につき、職員1人×1ヶ月の合計額が算定されているが、その根拠資料はない。  市とにぎわいまち公社の委託契約書には、内訳書が添付されていない。  平成23年度から平成25年度までの契約金額と確定金額の経過は、次のとお りである。                           (単位:千円) ┌─────────────────────┬────┬────┐ │                     │契約金額│確定金額│ ├─────────────────────┼────┼────┤ │平成23年度                │  5,199│  5,430│ ├─────────────────────┼────┼────┤ │平成24年度(柳ケ瀬にぎわい創出業務と一括)│  7,699│  7,986│ ├─────────────────────┼────┼────┤ │平成25年度                │  5,900│  5,993│ └─────────────────────┴────┴────┘ ウ 精算手続について 【事実関係】  精算書において、事業経費は、契約金額よりも1,580,723円減ったが、法人 会計は、契約金額よりも1,699,833円増えている。その結果、合計額は、契約 金額よりも93,156円増え、委託料の返納はなされていない。 【指摘 まちづくり推進政策課】  契約金額において、法人会計は、事業経費4,682,540円に20%を乗じた金 額として、936,508円が計上されている。このような計上方法からすれば、通 常、法人会計は、事業経費が減れば、それに伴って減るものと考えられる。  予定よりも事業経費が減ったにもかかわらず法人会計が増えたという通常 想定されていない事態になったことにつき、市からは、総務課職員の人件費及 びその諸経費のうち、「まちの魅力PR事業」に対して多く発生した費用を法
    人会計に計上したとの説明があったが、精算書にはその内訳は記載されていな い。このことと、結果として契約金額よりも僅か93,156円多い金額で精算し ていることとを合わせてみると、返納をしなくてもいいように法人会計を調整 したのではないかと疑いを持たれるおそれがある。  市は、予定よりも事業経費が減ったにもかかわらず法人会計が増えたことに ついて、その内訳や理由が分かる資料を添付させた上で精算をすべきである。 エ 事業評価について 【事実関係】  本委託と下記の柳ケ瀬にぎわい創出業務とを一括して、一つの事業評価シー トを作成している。  平成25年度の事業評価シートにおいて、「指標」の欄では、成果指標名が「歩 行者・自転車通行量」とされ、その人数が実績値とされている。平成24年度 及び平成23年度の事業評価シートにおいては、「指標」の欄では、成果指標名 が「岐阜まち物語の来場者数」とされ、その人数が実績値とされていた。  平成25年度の事業評価シートにおいて、「項目別評価」の欄では、「必要性」 の項目で、「中心市街地活性化」の「一助となる本事業は必要」と記載され、 「有効性」の項目で、「イベント参加者からもよい評価をもらっている」と記 載され、「費用対効果」の項目で、「イベントは低予算で最大の効果を発揮する よう工夫を凝らしている」と記載されている。「総合評価」の欄では、「本事業 は、中心市街地活性化に大きく寄与しており」と記載されている。  平成24年度及び平成23年度の事業評価シートにおいても、評価に関する記 載は、平成25年度とほとんど同じ文言で記載されている。 【指摘 まちづくり推進政策課】  中心市街地活性化推進業務と柳ケ瀬にぎわい創出業務とは、目的は中心市街 地の活性化という点で共通しているものの、それを実現するための手段は異な るのであるから、別々の事業と捉え、事業評価シートもそれぞれ作成すべきで ある。 【指摘 まちづくり推進政策課】  中心市街地活性化推進業務のなかにも、性格の異なる業務内容が3つあるこ とから、事業評価シートは一つであるとしても、それぞれの業務内容の詳細な 分析を行ったうえで作成すべきである。 【指摘 まちづくり推進政策課】  事業評価の目的からすれば、イベント開催業務の評価は、イベント自体の成 果を評価することではなく、そのイベントが委託目的の実現にどれだけ寄与で きているかという効果の評価を行わなければならない。  必要性の項目で、本事業が中心市街地活性化の一助となっている、総合評価 の欄で、本事業は中心市街地活性化に大きく寄与しており、と記載されている が、ここが重要である。どのようにして一助となっているのか、どのようにし て大きく寄与しているのか、ということについて根拠をもって説明すべきであ る。  平成24年度及び平成23年度の事業評価シートでは、イベントの来場者数を 成果指標としていたことからも、委託の目的に照らして事業評価がなされてい なかったといえる。平成25年度の事業評価シートからは、歩行者・自転車通 行量を成果指標に変えており、委託の目的に対する意識が出てきたようにも受 け取れるが、項目別評価や総合評価の欄の記載の仕方が平成23年度から変わ っておらず、事業評価の姿勢が変わったとは思えない。  柳ケ瀬にぎわい創出業務として小学生の商店街見学を実施しているが、前年 より多くの小学生が見学にきたというイベントそのものの実績を検証するだ けでは事業効果を検証できているとはいえない。小学生が商店街を知ることに より商店街を訪れる人が増えるということを企図しているようであるが、そう であれば、商店街を訪れる人が増えているのかどうか、増えているとしたら社 会見学の影響なのかどうかといったことを検証すべきである。  市は、事業評価シートを記載するにあたっては、委託の目的に照らしながら、 具体的な根拠を示して記載すべきである。 (3)柳ケ瀬にぎわい創出業務について ア 委託発注について 【事実関係】  市は、委託業務名を柳ケ瀬にぎわい創出業務とし、小学生が商店街について 学習する社会見学等の受け皿として、柳ケ瀬ファンづくり事業(柳ケ瀬商店街 探検隊)を商店街と協働して実施することを委託している。  市は、平成22年度から毎年、上記の中心市街地活性化推進業務と併せて、 本業務を一者随意契約でにぎわいまち公社に委託している。ただし、平成24 年度は、中心市街地活性化推進業務の中に組み込んで委託している。  仕様書に添付された資料には、にぎわいまち公社へ委託する旨の記載がなさ れている。  一者随意契約理由書によれば、岐阜市随意契約ガイドラインの「国及び地方 公共団体又は営利を目的としない法人と契約をするとき」(2-(4))に該当 することから、「契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」(地方自 治法施行令第167条の2第1項第2号)に該当するとされ、「一者随意契約理 由」欄には、中心市街地整備推進機構は、岐阜市においてにぎわいまち公社以 外に指定されていないこと、にぎわいまち公社は、委託する中心市街地活性化 推進業務に関連する事業を既に数多く実施しており、経験、知識及び関係者と のネットワークを有していることが記載されている。 【指摘 まちづくり推進政策課】  本委託の業務内容は、まちのPRのためのイベント開催業務であり、中心市 街地整備推進機構に求められる業務との関連性が強くなく、同機構に指定され た団体でなければ遂行できないものでもない。  にぎわいまち公社が中心市街地整備推進機構に指定されていることは、一者 随意契約によりにぎわいまち公社に委託することが相当であることの理由と して不十分である。  にぎわいまち公社がこれまでに中心市街地活性化に関する事業を行った経 験があることだけでは、一者随意契約の理由として不十分である。一者随意契 約理由として成り立つ理由を記載すべきである。 イ 委託料について 【事実関係】  市は、本委託を発注するに際し、設計書を作成しておらず、仕様書に添付さ れた資料に予算案3,500,000円と記載しているだけである。  市は、にぎわいまち公社に見積書の提出を依頼しているが、市が依頼をした のが平成25年3月22日で、にぎわいまち公社から提出された見積書の日付も
    同じ3月22日となっている。  見積書の金額は、消費税込で3,500,000円となっている。  契約金額は、にぎわいまち公社が作成した見積書記載の合計金額と同額であ る。  にぎわいまち公社の見積書では、人件費(給料手当)として、職員1人×7 ヶ月が算定されているが、その根拠資料はない。  市とにぎわいまち公社の委託契約書に内訳書が添付されていない。  平成23年度から平成25年度までの経過は、次のとおりである。                             (千円) ┌────────────────────┬────┬────┐ │                    │契約金額│確定金額│ ├────────────────────┼────┼────┤ │平成23年度               │  3,759│  3,794│ │(中心市街地におけるまちづくり推進事業)│    │    │ ├────────────────────┼────┼────┤ │平成24年度               │  7,699│  7,986│ │(中心市街地活性化推進業務と一括)   │    │    │ ├────────────────────┼────┼────┤ │平成25年度               │  3,500│  3,502│ └────────────────────┴────┴────┘ ウ 精算手続について 【事実関係】  精算書において、事業経費は、契約金額よりも172,075円減ったが、法人会 計は、契約金額よりも180,070円増えている。その結果、合計額は、契約金額 よりも2,000円増えており、委託料の返納はなされていない。 【指摘 まちづくり推進政策課】  契約金額において、法人会計は、事業経費2,777,779円に20%を乗じた金 額として、555,555円が計上されている。このような計上方法からすれば、通 常、法人会計は、事業経費が減れば、それに伴って減るものと考えられる。  予定よりも事業経費が減ったにもかかわらず法人会計が増えたという通常 想定されていない事態になったことにつき、精算時において、何の説明もなさ れておらず、精算書にその内訳は記載されていない。このことと、結果として 契約金額よりも僅か2,000円多い金額で精算していることとを合わせてみる と、返納をしなくてもいいように法人会計を調整したのではないかと疑いを持 たれるおそれがある。  市は、予定よりも事業経費が減ったにもかかわらず法人会計が増えたことに ついて、その内訳や理由が分かる資料を添付させた上で精算をすべきである。 (4)中心市街地都市開発まちづくり支援業務について ア 委託発注について 【事実関係】  委託契約書によれば、委託の目的は、岐阜市中心市街地活性化基本計画区域 地内の玉宮地区内(約6.4ha)において点在する低・未利用地(空家、駐 車場等)を区画整理手法により集約し、都心居住建築物等を建設する都市開発 事業の立ち上げに向け、玉宮地区内の権利者のまちづくり機運の醸成を図るこ ととされ、委託業務の内容は、1)まちづくり協議会等設立支援及び活動支援(各 権利者への事業勉強会の周知・参加依頼、土地、建物活用等の相談体制の確立)、 2)権利者勉強会の開催支援(事業想定地区内の権利者を対象にした勉強会(年 4回開催)の事務局として開催支援を行う)、3)個別訪問説明の実施支援(勉 強会に欠席した権利者を対象に個別に訪問し説明を行う)、4)課題整理とされ ている。  市は、仕様書を作成し、にぎわいまち公社から参考見積書(1,810,499円) を徴収している。この参考見積書は、内訳が添付されており、単価表により算 定した人件費に基づき算定されていることが分かるものである。  その後、市は、委託契約書(案)、設計書、一者随意契約理由書(案)を添 付資料とする業務委託設計伺を決裁している。  一者随意契約理由書(案)によれば、岐阜市随意契約ガイドラインの「国及 び地方公共団体又は営利を目的としない法人と契約をするとき」(2-(4)) に該当することから、「契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」 (地方自治法施行令第167条の2第1項第2号)に該当するとされ、「一者随 意契約理由」欄には、受注者は、権利者、民間事業者、市とのパイプ役となる こと、市民活動のノウハウがあり、継続的に運営が可能であること、市内で前 例のない新しい土地区画整理手法を用いた中心市街地の整備事業や中心市街 地活性化に係る補助制度等を権利者へ提案が可能であること、将来、事業調整 役となるコーディネーター等を育成することが可能であることがポイントと され、本委託業務は、中心市街地整備推進機構の業務である「中心市街地の整 備改善に関する事業を行うものに対し、情報の提供、相談その他の援助を行う こと」に合致すること、にぎわいまち公社の業務である「中心市街地の整備改 善に関する調査研究を行うこと」に合致すること、にぎわいまち公社は、中心 市街地活性化に係る事業支援を受注していることから幅広い知識の中から権 利者へ補助制度等の提案が可能であること、まちづくり活動家の育成と支援及 び助成を事業内容とし、収支バランスを重視したコミュニティビジネスの概念 に基づく積極的なまちづくり活動支援を進めていることとされている。 【意見 区画整理課】  仕様書の記載は、委託契約書の記載とほとんど同じで抽象的であり、より具 体的に記載することが望ましい。 【意見 区画整理課】  一者随意契約理由は、にぎわいまち公社が委託先として適当であることまで は理解できるが、一者随意契約が適正であることの理由とまではなっていない。 もう少し説得的な理由を記載することが望ましい。 イ 委託料について 【事実関係】  設計書によれば、単価表に基づき、1)まちづくり協議会等設立支援及び活動 支援128,000円、2)権利者勉強会の開催支援192,000円、3)個別訪問説明の実 施支援230,000円、4)課題整理34,000円が算定され、これに、5)電子成果品 作成費80,000円、6)間接原価314,000円(1)~4)の合計額(584,000円)× 53.85%)、7)一般管理費419,000円(1)~6)の合計(978,000円)×42.86%) を加えた合計1,397,000円に消費税を加えた額1,466,850円が設計金額とされ ている。  一者随意契約理由書の「積算の根拠」欄には、「積算が適正であるという理 由」として、にぎわいまち公社は市がまちづくり活動の主体として出資してい
    る法人であり、これまでの委託業務及び事業実績を考慮して算出したためと記 載されている。  市は、にぎわいまち公社に対し、同年8月1日付けの指名通知書を出し、に ぎわいまち公社は、市に対し、同月5日付けの見積書を提出している。  にぎわいまち公社の見積書は、1,389,010円(消費税込み1,458,460円)と 記載されているが、その内訳は添付されていない。  契約金額は、1,458,460円(消費税込み)である。 【意見 区画整理課】  単価表に基づいて算出している一方で、にぎわいまち公社のこれまでの委託 業務及び事業実績を考慮して算出したとも記載しており、何をもって積算が適 正であるとしているのかが不明である。  一者随意契約においては、委託料の積算が特に重要であるから、どのような 根拠をもって適正としたのかの説明になるような記載をすることが望ましい。 ウ 精算について 【事実関係】  精算書添付の予算執行状況報告書によれば、契約額として、事業費660,000 円、管理費729,010円(内訳は空欄)、公租公課69,450円とされ、執行額とし て、事業費682,245円、管理費752,190円、公租公課53,345円とされ、結果 として、契約額よりも29,320円多い金額となり、返納がなされていない。 【指摘 区画整理課】  予算執行計画書や予算執行状況報告書の記載方法と設計書の記載方法が整 合しておらず、にぎわいまち公社が提出した見積書の内訳も不明であることか ら、精算時において、予算執行状況報告書の内容の確認ができていないように 思える。  このような報告書では、結果として契約金額よりも僅か29,320円多い金額 で精算していることと合わせてみると、返納をしなくてもいいように管理費を 調整したのではないかと疑いを持たれるおそれがある。  市は、契約締結時の委託料の内訳と整合する計画書と報告書を作成させ、そ の内訳や理由が確認できる資料を添付させた上で、精算をすべきである。 (5)まちなか歩き回廊推進業務について ア 委託発注について 【事実関係】  市は、委託業務名をまちなか歩き回廊推進業務とし、設計内訳書では、まち なか歩き回廊の調査研究に関すること、まちなか歩き回廊の情報の収集及び提 供に関すること、地域住民と協働でまちなか歩き及び健康に関する検討を行う こと、その他まちなか歩き、健康に関することを業務内容とし、実際には、ウ ォーキングイベントの開催、歩行者交通量調査、まちなか歩きに関する調査や 情報整理を委託している。  市は、平成19年度から毎年、本業務を一者随意契約でにぎわいまち公社に 委託している。  市は、仕様書を作成していない。  一者随意契約理由書によれば、岐阜市随意契約ガイドラインの「国及び地方 公共団体又は営利を目的としない法人と契約をするとき」(2-(4))に該当 することから、「契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」(地方自 治法施行令第167条の2第1項第2号)に該当するとされ、「一者随意契約理 由」欄には、にぎわいまち公社が岐阜市のまちづくりに精通し、豊富な知識や 技術、経験を兼ね備えた団体であることが記載されている。 【指摘 歴史まちづくり課】  上記指摘のとおり、市は、委託の是非などを検討するためにも、仕様書を作 成すべきである。なお、契約書や設計内訳書に抽象的な業務内容の記載がある が、実際に委託する具体的な業務内容は記載されておらず、仕様書の代替とは ならない。 【指摘 歴史まちづくり課】  にぎわいまち公社が一者随意契約理由書に記載されるような団体であると して、そのこととにぎわいまち公社にウォーキングイベント開催や歩行量調査 などの業務を委託することの関連性が記載されていない。  まちなか歩き構想の目的にまちづくりがあるとしても、ウォーキングイベン ト開催と歩行量調査の業務にまちづくりの経験や知識がどのように必要であ るのかが不明であるし、にぎわいまち公社に委託しなければ契約の目的が達成 できないという事情もない。  一者随意契約の理由として不十分である。一者随意契約理由として成り立つ 理由を記載すべきである。 【指摘 歴史まちづくり課】  平成16年度の包括外部監査の結果報告書において、本委託とは別の業務で はあるが、市がにぎわいまち公社に委託していた業務について、「一者随意契 約の理由が不十分である」との指摘がなされ、市は、措置状況報告書において、 「今後、指摘事項に留意し、対応に心がけて参ります」と記載していた。  しかし、上記の一者随意契約理由をみる限り、指摘事項に留意した対応がな されているとはいえない。 イ 委託料について 【事実関係】  市は、本委託を発注するに際し、設計書を作成し、にぎわいまち公社に見積 書の提出を依頼しているが、市が設計をしたのが平成25年3月22日で、にぎ わいまち公社から提出された見積書の日付は3月25日となっている。  市が設計した金額は、消費税込みで5,642,700円であり、契約金額は、にぎ わいまち公社が作成した見積書の金額は、これと同額である。見積書の金額は、 消費税込で5,600,000円となっている。  設計書にも、にぎわいまち公社の見積書にも、人件費(給料手当)の総額の 記載はあるが、その内訳や根拠が記載された資料はない。  平成23年度から平成25年度までの経過は、次のとおりである。              (千円) ┌─────┬────┬────┐ │     │契約金額│確定金額│ ├─────┼────┼────┤ │平成23年度│  4,000│  3,889│ ├─────┼────┼────┤ │平成24年度│  5,000│  5,099│ ├─────┼────┼────┤ │平成25年度│  5,600│  5,600│
    └─────┴────┴────┘ ウ 事業評価について 【事実関係】  平成24年度の事業評価シートにおいて、「事業の必要性」欄には、「まちな か歩きの定着を図り、その魅力を広く周知・啓発すること」と記載され、「事 業の目的」欄には、「岐阜の新たな魅力を掘り起こし、磨きをかけ、人々に語 りかけ、魅了する空間、まちなか歩き回廊の周知を図る」と記載されている。  「指標」の欄では、活動指標名が「歩行者交通量」とされ、その人数が実績 値とされている。「項目別評価」の欄では、「有効性」の項目で、「イベント参 加者のアンケートや定点観測による歩行者交通量の増加により有効性が高い」 と記載され、「費用対効果」の項目で、「まちなかを歩くことにつながる」と記 載されている。「総合評価」の欄では、「今後は地域住民の健幸を踏まえたまち なか歩きを推進していく必要があり、本業務だけでなく他部署の事業と連携し て行っていく」と記載されている。  歩行者交通量調査は、年1回(平日と休日の2日間・12地点)行われてい るだけであり、そのほかにウォーキングイベントの効果の検証はしていない。 【指摘 歴史まちづくり課】  ウォーキングイベントにより、事業の目的がどれだけ達成されているのかを 評価しなければならないが、その評価は事業評価シートに記載されていない。  歩行者交通量を活動指標に記載しているが(むしろ成果指標ではないかと思 われる)、たった年1回の歩行者交通量調査の結果によって、上記のような事 業の目的がどれだけ達成されたのかが分かるのであろうか。  イベントのアンケートから有効性が高いとしているが、どのような点で有効 性が高いとしているのかが不明である。ウォーキングイベントの参加者が増え たことやイベント自体の満足度が高いことは、評価の対象ではない。  総合評価の記載内容は、今後の課題であって、総合評価の記載になっていな い。  市は、事業評価の重要性を再認識し、適切に事業評価すべきである。 (6)レンタサイクル業務について ア 委託発注について 【事実関係】  市は、委託業務名をレンタサイクル業務とし、レンタサイクル施設(JR岐 阜駅南口・市役所南庁舎・岐阜公園)の運営管理、レンタサイクル施設(JR 岐阜駅南口・市役所南庁舎・岐阜公園・鵜飼観覧船のりば・長良川うかいミュ ージアム)の総括一般管理を委託している。  市は、平成17年度から毎年、本業務を一者随意契約でにぎわいまち公社に 委託している。  市は、仕様書を作成していない。  一者随意契約理由書によれば、岐阜市随意契約ガイドラインの「国及び地方 公共団体又は営利を目的としない法人と契約をするとき」(2-(4))に該当 することから、「契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」(地方自 治法施行令第167条の2第1項第2号)に該当するとされ、「一者随意契約理 由」欄には、にぎわいまち公社が、岐阜市職員の派遣を受けていること、中心 市街地活性化事業を行っていること、コミュニティビジネスの概念に基づくま ちづくり活動支援を進めていること、行政にはない蓄積されたノウハウを生か しながらすきま産業的な新規事業の開発提案を行っていること、行政と市民団 体の調整機能を持つまちづくり支援機関としての役割を担っていることが記 載されている。 【指摘 歴史まちづくり課】  にぎわいまち公社が一者随意契約理由書に記載されるような団体であると して、そのこととにぎわいまち公社にレンタサイクルの管理運営を委託するこ との関連性がよく分からない。  レンタサイクル事業の目的にまちづくりがあるとしても、レンタサイクルの 管理運営業務にまちづくりの経験や知識が特に必要であるとは思えないし、に ぎわいまち公社に委託しなければ契約の目的が達成できないという事情もな い。  一者随意契約の理由として不十分である。一者随意契約理由として成り立つ 理由を記載すべきである。 イ 委託料について 【事実関係】  市は、本委託を発注するに際し、設計書を作成し、にぎわいまち公社に見積 書の提出を依頼しているが、市が設計をしたのが平成25年3月22日で、にぎ わいまち公社から提出された見積書の日付は3月25日となっている。  市が設計した金額は、消費税込みで14,209,650円であり、契約金額は、に ぎわいまち公社が作成した見積書記載の金額と同額である。見積書の金額は、 消費税込で14,200,000円となっている。 ウ 事業評価について 【事実関係】  平成24年度の事業評価シートにおいて、「事業の必要性」欄には、「レンタ サイクルにより、まちなかの回遊性の向上とにぎわいの創出が見込め、中心市 街地の活性化につながる」と記載され、「事業の目的」欄には、「レンタサイク ル条例の目的である、市民の健康増進、まちのにぎわいの促進、観光の促進」 と記載されている。  「指標」の欄では、活動指標名が「レンタサイクルの利用件数」とされ、そ の人数が実績値とされている。  「項目別評価」の欄では、「必要性」の項目で、「年間14,000件を超える利 用、観光地区である岐阜公園レンタサイクルポートの利用件数の増加から必要」 と記載され、「有効性」の項目で、「毎年実施している利用者アンケートの結果 から、満足度は高い」と記載され、「費用対効果」の項目で、「使用料100円が 安いとの指摘があるかもしれないが、公共のサービスと考えたとき、妥当」と 記載されている。 【指摘 歴史まちづくり課】  レンタサイクル事業により、事業の目的がどれだけ達成されているのかを評 価しなければならないが、その評価は事業評価シートに記載されていない。  利用件数を活動指標に記載しているが(むしろ成果指標ではないかと思われ る)、利用件数と事業の目的がどれだけ達成されたのかは別の問題である。ア ンケートの結果から有効性が高いとしているが、レンタサイクルの満足度と事 業の目的が達成されているかは別の問題である。
     費用対効果は、使用料の問題ではなく、1400万円という委託料と効果の問 題である。  市は、事業評価の重要性を再認識し、適切に事業評価すべきである。 (7)岐阜公園総合案内所運営について ア 委託発注について 【事実関係】  市は、委託業務名を岐阜公園総合案内所運営業務とし、仕様書には、岐阜公 園施設に関する情報提供、岐阜公園施設に関する問い合わせ等への対応、岐阜 公園周辺地区を中心とするまちなか歩きに関する情報提供、岐阜公園周辺地区 を中心とするイベントや店舗等に関する情報提供、市の行政情報等の提供、ま ちなか歩きの普及・啓発に関すること、ポスター・パンフレット類等の収集、 配置及び配布を委託する旨の記載をしている。  市は、平成21年度から毎年、本業務を一者随意契約でにぎわいまち公社に 委託している。  一者随意契約理由書によれば、岐阜市随意契約ガイドラインの「国及び地方 公共団体又は営利を目的としない法人と契約をするとき」(2-(4))に該当 することから、「契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」(地方自 治法施行令第167条の2第1項第2号)に該当するとされ、「一者随意契約理 由」欄には、案内所は、公園施設の情報提供のほかに、まちなか歩きの拠点と しての機能があることから、運営にあたっては高い公共性・信頼性が求められ るところ、にぎわいまち公社は、まちなか歩きに関する事業を主業務として行 い、まちなか情報交流拠点(柳ケ瀬あい愛ステーション)の運営実績もあるこ とが記載されている。  なお、案内所の管理は、市が直営で行っており、岐阜公園の管理は、市とみ どりのまち推進財団が行っている。 【指摘 公園整備課】  公園施設の情報提供にはにぎわいまち公社の経験や知識が特に必要である とは思えない。  案内所にはまちなか歩きの拠点としての機能もあるということであるが、そ の内容は不明であるし、仮にそうであるとして、そのために高い公共性・信頼 性が求められるのであれば、市が直営で行うべきではないだろうか。  また、にぎわいまち公社は、まちなか歩きに関する事業を主業務として行っ ているわけではなく、市からウォーキングイベント開催業務等の委託を受けて いるだけであるから、まちなか歩きの拠点としての機能を発揮するためににぎ わいまち公社の経験や知識が特に必要であるとは思えない。  にぎわいまち公社に委託しなければ契約の目的が達成できないという事情 はない。  一者随意契約の理由として不十分である。一者随意契約理由として成り立つ 理由を記載すべきである。 イ 委託料について 【事実関係】  市は、本委託を発注するに際し、設計書を作成し、にぎわいまち公社に見積 書の提出を依頼している。  市が設計した金額は、消費税込みで10,407,600円であり、契約金額は、に ぎわいまち公社が作成した見積書記載金額(9,746,100円)と同額である。  見積書では、職員2名×12か月の給料手当、アルバイト2名×5時間×180 日の賃金が算定されている。  仕様書において、開館時間内において2名以上を常に配置することとされ、 実際にも、一人が案内スペースに座り、一人が事務所内にいる体制をとってい る。従事する業務は、情報提供(案内所を訪れた人からの質問に答える)であ り、そのほかは案内所内の飲食スペースの運営管理者と分担して共用区域の清 掃・整理である。 【意見 にぎわいまち公社、公園整備課】  にぎわいまち公社のヒアリングでは、一人が事務所内にいる必要性について、 明確な回答は無かった。  市からは、観光バスで来場する大勢の観光客が一度に来館するような場合に は情報提供を一人で対応することができない、電話対応や緊急事態の対応のた めにも常時2人以上の配置が必要との意見があったが、観光客には添乗員がつ いていることが多いであろうし、大勢の観光客が一斉に質問をするという事態 は想定しにくいこと、公園の案内所に電話が頻繁にかかってくることも想定し にくいこと、緊急事態といっても公園の案内所で事故等が起こる可能性は低い し、起こるとすれば別に運営管理者がいる飲食スペースのほうである。  市も、にぎわいまち公社も、常に2名以上を配置する必要性を検証すること が望ましい。 3 補助金について  にぎわいまち公社が市から交付を受けた補助金の概要は、次のとおりである。 (平成25年度)                         (単位:千円) ┌─────────┬─────────┬─────┬───────┬───┐ │  対象事業   │  事業の概要  │ 担当課 │ 交付要綱  │確定 │ │         │         │     │       │補助金│ ├─────────┼─────────┼─────┼───────┼───┤ │商店街情報発信拠点│「柳ケ瀬あい愛ステ│産業雇用課│岐阜市中小企業│13,000│ │整備事業     │ーション」の運営 │     │振興補助金交付│   │ │         │         │     │要綱     │   │ └─────────┴─────────┴─────┴───────┴───┘ ┌────────┬───────────────────────────────┐ │  補助金名  │商店街情報拠点整備事業補助金                 │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │  要綱名   │中小企業振興補助金交付要綱・同取扱要領            │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │ 補助金の目的 │中小企業団体の経営の近代化及び合理化等を促進する(要綱第1   │ │        │条)                             │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │  交付先   │一定の条件をみたす中小企業、一般社団法人等(要綱第2条)    │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │  事業概要  │団体が実施する商店街の情報発信及びサロン、休憩所等の拠点を整 │ │        │備・運営する事業(要綱第3条・別表)              │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │補助金の対象経費│人件費(謝金及び賃金)、旅費、消耗品費、印刷製本費、広告・宣 │ │        │伝費、使用料及び賃借料、通信運搬費、会議に係る食糧費、委託料、│ │        │その他市長が必要と認める経費(取扱要領第1条第4項)      │ ├────────┼───────────────────────────────┤
    │補助金の算定方法│補助対象経費から国の補助金を除いた額以内であり、上限なし(要 │ │        │綱第3条・別表)                        │ ├────────┼──────────┬──────────┬─────────┤ │ 補助開始年度 │  平成20年度   │   経過年数   │   5年     │ ├────────┼──────────┼──────────┼─────────┤ │  補助金額  │  平成25年度   │  平成24年度   │  平成23年度  │ ├────────┼──────────┼──────────┼─────────┤ │   予算   │     13,000,000│     13,000,000│    13,000,000│ ├────────┼──────────┼──────────┼─────────┤ │   決算   │     13,000,000│     13,000,000│    12,744,424│ └────────┴──────────┴──────────┴─────────┘ 【事実関係】  市(商工観光部)は、中小企業振興補助金交付要綱及び同取扱要領に基づい て、にぎわいまち公社が「柳ケ瀬あい愛ステーション」を運営する経費につい て、本補助金を交付している。  同要綱及び要領では、補助金額は、補助対象経費から国の補助金を除いた額 以内とされ、上限は設定されていない。  実際には、市は、総事業費21,470,839円から、職員の給料手当及び福利費 と消費税分を除いた額の14,697,548円を補助対象経費として、その内、予算 額13,000,000円を交付している。  他方、にぎわいまち公社の「柳ケ瀬あい愛ステーション」の運営に関わる固 有職員1名分の給料手当及び福利費は、にぎわいまち公社が負担している。 【指摘 産業雇用課】  中小企業振興補助金の目的は、中小企業団体の経営の近代化及び合理化等を 促進することである(同交付要綱第1条)。  一方、補助金等交付申請書によれば、補助事業等の目的及び内容は、「柳ケ 瀬あい愛ステーション」を運営することにより、商店街や地域住民の活動の場 とするとともに、商店主などと連携する事業を展開することによって、まちに にぎわいを創出することである。  このように補助金を交付する根拠となる要綱の目的(補助金の本来の目的) と実際に補助金を交付する目的が異なっている。これでは、補助金の必要性や 補助金額の相当性を検証することができない。当該補助金の目的に適った要綱 を策定するなどすべきである。 【意見 産業雇用課】  本来、補助金は、補助するために支給するものであり、経費のすべてを支給 するのは補助金とはいえない。補助金の算定方法としては、通常、要綱におい て、補助対象経費の何%以内と上限が定められる。  臨機応変の対応の必要性も理解できるが、補助金の交付を受ける側に対し、 どれだけの経費を自己負担しなければならないかということについて予測可 能性をもたせるとともに、市に対し、補助金額の算定に対する意識をもたせる ためにも、要綱に補助金の上限を定めることが望ましい。 【意見 産業雇用課】  「柳ケ瀬あい愛ステーション」の運営に要する経費については、固有職員1 名分の給料手当及び福利費以外の経費の約88%が、市からの補助金で賄われ、 固有職員1名分の給料手当及び福利費が、市からにぎわいまち公社に対する別 の業務委託における委託料で、そのほとんどが賄われている。  これは、市がにぎわいまち公社に対し、「柳ケ瀬あい愛ステーション」の運 営を委託している状態と考えられる。補助金という形を取ったのは、平成20 年度から平成22年度まで国からの補助金があったからである。国の補助金が あったころは、市のにぎわいまち公社に対する補助金額は500万円程度であっ たが、国からの補助金が終了した後もなお補助金の形を維持し、補助金額が 1300万円になっている。  「柳ケ瀬あい愛ステーション」について、その存在意義から遡って、今後、 所管を商工観光部のままにするのか、まちづくり推進部に移すのか、にぎわい まち公社の自主運営のままにするのか、運営を委託するのかなどといった運営 のあり方を検討することが望ましい。 第8章 一般財団法人岐阜産業会館 第1 概要 1 基本情報 ┌─┬───────┬─────────────────────────────┐ │ │設立年月日  │昭和45年4月1日                     │ │ ├───────┼─────────────────────────────┤ │ │設置者名   │岐阜市・岐阜県                      │ │ ├───────┼─────────────────────────────┤ │ │所在地    │岐阜市六条南二丁目11番1号                │ │ ├───────┼─────────────────────────────┤ │ │所管課    │商工観光部産業雇用課(岐阜県においては、岐阜県商工労働部商│ │ │       │工政策課。ただし、平成25年度は商業流通課。)       │ │ ├───────┼────────┬─────────┬──────────┤ │基│基本財産   │    3,000千円│うち市出資額   │      1,500千円│ │本│       │        │    (割合) │      (50%)│ │事├───────┼────────┴─────────┴──────────┤ │項│設立目的   │岐阜産業会館の運営管理をし、及び岐阜県の産業振興と文化の向│ │ │(定款第3条)│上に寄与すること                     │ │ ├───────┼─────────────────────────────┤ │ │事業     │(1)岐阜産業会館の設置及び管理に関する条例(昭和45年岐 │ │ │(定款第4条)│阜県条例第13号及び昭和45年岐阜市条例第8号)に規定する  │ │ │       │岐阜産業会館の指定管理業務                │ │ │       │(2)岐阜産業会館の利用者の利便を図るための事業     │ │ │       │(3)前各号に掲げるもののほか、前条の目的達成のために必要│ │ │       │な事業                          │ └─┴───────┴─────────────────────────────┘         (平成26年3月31日現在) ┌──┬────┬─────┬────┐ │出他│団体名 │ 出資額 │出資割合│ │資か├────┼─────┼────┤ │状ら│岐阜県 │ 1,500千円│  50%│ │況の│    │     │    │ └──┴────┴─────┴────┘
           (平成26年3月31日現在) ┌─┬───┬───┬───┬───┐ │ │区分 │役員 │評議員│職員 │ │組├───┼───┼───┼───┤ │織│常勤 │  1名│  0名│  3名│ │状├───┼───┼───┼───┤ │況│非常勤│  5名│  5名│  2名│ │ ├───┼───┼───┼───┤ │ │合計 │  6名│  5名│  5名│ └─┴───┴───┴───┴───┘                       (単位:千円) ┌─┬───────┬─────┬─────┬─────┐ │ │  区分   │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総収入額   │  130,955│  132,453│  130,802│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総支出額   │  130,955│  132,453│  130,802│ │財├───────┼─────┼─────┼─────┤ │務│(うち人件費)│(36,562)│(37,822)│(37,730)│ │の├───────┼─────┼─────┼─────┤ │状│差引収支額  │     0│     0│     0│ │況├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総資産額   │  70,296│  71,197│  71,429│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総負債額   │  67,296│  68,197│  68,429│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │正味財産額  │   3,000│   3,000│   3,000│ └─┴───────┴─────┴─────┴─────┘                     (単位:千円) ┌─┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │市│ 区分  │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │の├─────┼─────┼─────┼─────┤ │財│指定管理料│  60,610│  61,566│  62,151│ │政├─────┼─────┼─────┼─────┤ │支│負担金  │   1,141│   1,572│   1,377│ │出├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │合計   │  61,751│  63,139│  63,528│ └─┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ┌─┬───────────────────────────────────┐ │ │               平成25年度               │ │ ├───────────┬──────────────────┬────┤ │ │    事業名    │       事業内容       │事業費 │ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │事│岐阜産業会館の運営管理│岐阜産業会館の管理業務及び使用料徴 │ 120,731│ │業│           │収事務               │    │ │の│           │                  │    │ │概├───────────┼──────────────────┼────┤ │要│駐車場管理事業    │入居団体職員用駐車場の管理事業   │  8,170│ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │臨時電話等付設工事  │岐阜産業会館内の臨時電話付設・貸出事│   304│ │ │           │業                 │    │ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │その他事業      │事務手数料             │  1,105│ └─┴───────────┴──────────────────┴────┘ 2 沿革  昭和45年4月1日 財団法人岐阜産業会館として設立。市と県が150万           円ずつ出資して設立された。  平成25年4月1日 一般財団法人岐阜産業会館へ移行 3 表記について  本章においては、一般財団法人岐阜産業会館を「(一財)産業会館」と、 施設としての岐阜産業会館を「産業会館」と表記する。 第2 事実関係及び指摘・意見 1 岐阜産業会館運営管理協議会について 【事実関係】  産業会館については、昭和45年の法人設立当初より、岐阜産業会館運営管 理協議会(以下、「協議会」という)が設置されている。かかる協議会は、岐 阜産業会館運営管理協議会規約(昭和45年3月26日 市議会議決/以下、「規 約」という)に基づくものである。  協議会は、市及び県が設置しており(規約第3条)、産業会館に関する事務 を共同して管理し、執行することを目的とする(規約第1条)。  事務内容は、規約第4条に記載があり、 (1)会館の運営の基本的事項に関する事務 (2)会館の使用許可に関する事務 (3)会館の維持管理及び使用料徴収の委託に関する事務 (4)その他会館の運営に関し必要な事務 がある。  規約第4条においては、市と県との役割分担までは明記されていないが、県 が、協議会に係る事務を、市が、施設管理及び法人に係る事務をそれぞれ担当 し、産業会館の運営に係る事項については、市と県が協議することとなってい るとのことである。  (一財)産業会館は、会長、副会長及び委員若干人(規約上の表現)をもっ てこれを組織するとされている(規約第6条)。  会長及び副会長は、知事及び市長が協議して定めた者をもって、これに充て るとされており(規約第8条)、これまで、会長は、副知事が、そして、副会 長は、副市長が、それぞれ就任してきている。  委員は、市及び県の職員から同数で、それぞれ2名が選任されている。  協議会の会議の議事は、出席者の過半数で決し、可否同数のときは、議長の 決するところによるとされている(規約第10条第4項)。
     平成25年度中、協議会は、4回開催された。 【意見 産業雇用課】  規約によれば、仮に、市と県の意見が対立した場合、議長である会長が副知 事である以上、市が反対したとしても、県の意見が通ることが想像できる。  また、議長である会長が協議会に欠席した場合は、副会長が議長を務めるこ とがあるが(平成25年度の協議会にも例があった)、この際、議事決定する 場合は、逆に、副会長が市の副市長である以上、市の意見が通ることも可能性 としてはある。  このような協議会の組織構成・決議方法の是非については、市単独で決めら れるものではないが、県とも協議の上、協議会の組織に外部委員を加えること や、重要事項については、議決要件の加重をするなど、具体的な対応を検討す ることが望ましい。 2 役員について 【事実関係】  定款上、理事及び監事は、評議員会の決議によって選任され((一財)産業 会館の定款第21条第1項)、理事長、副理事長及び常務理事は、理事の互選 による決議によって理事の中から選定することとなっているところ(同第2 項)、実際の運用は、(一財)産業会館が、協議会に推薦依頼をして、協議会が 指名したものを選任する形式になっている。(一財)産業会館理事長は、副市 長である。  一方、上記「1」で述べたとおり、協議会の会長及び副会長は、知事及び市 長が協議して定めた者をもって、これに充てるとされており(規約第8条)、 会長は、副知事、副会長は、副市長となっている。  協議会と(一財)産業会館は、産業会館の管理運営に係る基本協定を締結す る契約当事者である。 【意見 産業雇用課、(一財)産業会館】  協議会を代表するのは会長(副知事)であり、通常は、直接の利益相反とは ならないが、協議会において、副会長は会長が欠けたとき等は、その職務を代 理することとなっており、その場合、双方の組織の代表がいずれも副市長とな り、利益相反が顕在化する。  このような事態を避けるため、(一財)産業会館を存続するのであれば、理 事長を副市長とする運用の変更を検討することが望ましい。 3 所管課の関与について 【事実関係】  産業会館のあり方検討会(以下、「あり方検討会」という)が年3回開催さ れている。あり方検討会は、産業会館の運営に関する事務担当者の会議であり、 協議会の議事及び報告事項について、協議されている。  市と県との意見が合わないときはどうするのかという問いかけをしたとこ ろ、市の担当者によれば、市及び県の担当者間の綿密な協議により、摺り合わ せを行い、担当者レベルで話がつかなければ、その上司同士で協議しており、 今まで県との間で意見が食い違ったことはないとのことである。  市の担当者によれば、あり方検討会以外に、担当者レベルでは、電話あるい は面会により、ほぼ毎日打合せを行っているとのことであった。 【意見 産業雇用課】  これまでは、市及び県の担当者間において、意見合致に向けて相当な努力が なされていたことが伺われ、意見対立が生じなかったのは、これら担当者の努 力の成果ともいえる。  しかしながら、職員の人件費、指定管理の期間、モニタリング方法等、様々 な場面で、それぞれの方針の違いにより、意見がどうしても合致しない可能性 は出てくる。市は、市民の利益を図るために必要がある場合には、県に譲歩す べきでない場合も出てくる可能性がある。  後に、市民に対して、疑義を生じさせないように、あり方検討会での協議の 経過を書面に残しておくことが望ましい。 4 定款の目的について 【事実関係】  県の岐阜産業会館設置及び管理に関する条例第1条では、「岐阜県の産業の 発展と県民の文化向上に寄与するため、岐阜市に岐阜産業会館を設置する。」 と規定されている。そして、同条例第9条第3項第1号では、指定管理者選定 の基準の一つとして、「県民が会館を平等に利用するために必要な措置が講じ られていること。」が挙げられている。  他方、市の岐阜産業会館設置及び管理に関する条例第1条では、「岐阜市の 産業の発展と市民の文化向上に寄与するため、…岐阜産業会館を設置する。」 と規定されている。そして、同条例第4条第2項第1号では、指定管理者の選 定基準の一つとして、「市民が会館を平等に利用するために必要な措置が講じ られていること。」が挙げられている。  しかしながら、(一財)産業会館の定款第3条では、「会館は、岐阜産業会館 の運営管理をし、及び岐阜県の産業の振興と文化の向上に寄与することを目的            ̄ ̄ ̄ とする。」と定められ、(一財)産業会館の登記の目的においても同様の記載と なっている。 【意見 (一財)産業会館】  市の条例は、「岐阜市」の産業の発展等を目的と定めているのに対し、定款 では、「岐阜県」の産業等の振興を目的としている。  確かに、県の産業が発展することが、市の産業の発展につながる面があるこ とは否定しない。また、市民が産業会館を平等に利用することと、県民が産業 会館を平等に利用することも、両立する。  ただし、市は、(一財)産業会館に対し、県と同様、半分の出資をし、応分 の指定管理料及び負担金を支出している自治体である。  それにもかかわらず、あくまで、定款の文言上、県内他の自治体と同等の扱 いとなるのは、不合理ではないかと考える。  あくまでも、市条例が定める目的は、「岐阜市の産業の発展」であることか らすれば、(一財)産業会館は、定款の目的を、「岐阜県及び岐阜市の産業の振 興・・・」とすることを検討することが望ましい。 5 事業の必要性・事業の目的と事業評価シートについて 【事実関係】  市のホームページ上(行財政改革課)で公表されている平成22年度から平 成25年度における岐阜産業会館運営管理にかかる事業評価シート(平成22 年、23年当時の担当は商工観光部産業振興課)では、「事業の必要性」・「事業
    の目的」について、それぞれ、次のとおり記載されている。 【平成22年度、平成23年度(産業振興課)】 ┌──────────────────────────────────────────┐ │(事業の必要性)                                  │ │岐阜産業会館の大展示場は、県内唯一重量車両が会場に乗り入れできる施設で、販路拡張に │ │つながる見本市、展示会等の開催に展示場等を提供することは、産業振興には不可欠であり、│ │また、文化の向上に関する行事への文化ホールの提供は、文化振興に寄与するために必要で │ │    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │ │ある。                                       │ │ ̄ ̄ ̄                                       │ │(事業の目的)                                   │ │産業の発展と市民の文化向上に寄与するため。                     │ │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                             │ └──────────────────────────────────────────┘ 【平成24年度(産業雇用課)】 ┌──────────────────────────────────────────┐ │(事業の必要性)                                  │ │岐阜産業会館の大展示場は、県内唯一重量車両が会場に乗り入れできる施設で、販路拡張に │ │つながる見本市、展示会等の開催に展示場等を提供することは、産業振興に不可欠である。 │ │(事業の目的)                       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     │ │産業の発展に寄与するため。                             │ │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                                    │ └──────────────────────────────────────────┘ 【平成25年度(産業雇用課)】 ┌──────────────────────────────────────────┐ │(事業の必要性)                                  │ │岐阜産業会館の大展示場は、県内唯一重量車両が会場に乗り入れできる施設で、販路拡張に │ │つながる見本市、展示会等の開催に展示場等を提供することは、産業振興に不可欠である。 │ │(事業の目的)                       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     │ │産業の発展と市民の文化向上に寄与するため。                     │ │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                             │ └──────────────────────────────────────────┘  ちなみに、同じくホームページ上で公表されている平成22年度の岐阜産業 会館施設整備事業における事業の必要性では、次のとおり記載されている。 ┌──────────────────────────────────────────┐ │岐阜産業会館は、本市唯一の産業拠点施設であり、・・・                │ └──────────────────────────────────────────┘  ところで、平成22年、23年の事業の必要性に記載のある文化ホールについ て述べると、最大収容542名、面積で2,170m2(約657坪)ある大規模施設 であるが、雨漏り等のため、平成15年度から使用休止となっており、再開の 目途は経っていない。 【指摘 産業雇用課】  平成22年、23年の事業の必要性では、文化振興に寄与する目的であるもの として、文化ホールの提供があるが、実際は、この時期には提供がなされてい なかった。  そうである以上、かような記載はできなかったはずである。  平成24年度は、所管課がかかる過ちに気づき、事業の必要性から文化ホー ルの提供を削除したが、これに併せて、事業の目的・必要性から、市民の文化 向上の寄与を完全に削除してしまった。文化振興の寄与については、産業会館 の会議室や大展示場で、文化的な講演会などが開催されており、かかる削除も 実態と合わないものであった。  平成25年度は、事業の目的には、産業の発展と市民の文化向上への寄与を 掲げ正しいものとされたが、事業の必要性においては、文化向上の記載は一切 なかった。これも平成24年度同様、実態と合わないものであった。  また、平成25年度の事業の必要性において、「岐阜産業会館の大展示場は、 県内唯一の重量車輛が会場に乗入れできる施設」で、「産業振興に不可欠であ る」とある。確かに、重量車輛が会場に乗入れできる施設は便利ではあるが、 産業振興に「不可欠」であるかと言われれば、それは疑問である。  さらに、平成22年度の岐阜産業会館施設整備事業における事業評価シート においては、「岐阜産業会館を本市唯一の産業拠点施設」としている。  ところで、JR岐阜駅北口に、産業拠点運営課が担当する指定管理施設じゅ うろくプラザ(岐阜市文化産業交流センター)があるが、この施設は、「地域 交流、文化活動及び産業活動の拠点」(岐阜市文化産業交流センター条例第1 条)として設置されている。産業雇用課の説明によれば、産業に特化した施設 としては産業会館が市内唯一であることから記載に誤りはないとのことであ る。しかしながら、事業評価シートの文言だけを見ると、市民に誤解を生じさ せる可能性がある。  事業評価シートは、市民に公表される以上、正確な情報提供がなされるべき である。それがなされていなかったことは、指摘となる。  今後は、事業評価シートにおいて、正確な情報提供をすべきである。 【意見 産業雇用課】  文化ホールは、文化に寄与することをも目的とする産業会館において、その 目的からは、本来的には核となる施設である。  しかし、10年以上も稼働していない。  平成21年度予算要求の検討の際、市公共建築課から、文化ホールの改修概 算額として、簡易的な改修費用は約90,000千円、本格的な改修を行う場合、 その想定額は約200,000千円以上が必要とされたようであるが、結局、県と の協議において、改修をしないことを決定し、現在に至っている。  施設を存続させる場合には、文化ホールを改修せずに休止した状態のままで よいとは思われず、今後の方向性について再検討することが望ましい。 6 給与体系について 【事実関係】  (一財)産業会館においては、人件費を市職員の人事制度に準拠して支給し ている。  市が平成16年度に策定した経営改善指針においては、団体の経営状況や業 績を反映した団体独自の人事給与制度を導入するとされているので、指針に反 する状態となっている。  所管課である産業雇用課においては、経営改善指針を認識し、県及び(一財) 産業会館と協議をしているが、(一財)産業会館が市と県の共同出資団体であ
    り、市単独で決定できないとしている。 【意見 産業雇用課、(一財)産業会館】  市としては、民間業者との競争原理の観点から、外郭団体に対して、業績等 の評価を反映した独自の給与体系を設けることを求めているものである。  独自の給与体系は、職員の勤労意欲を高めることに繋がるものでもある。  (一財)産業会館は、独自の給与体系を導入することが望ましい。  (一財)産業会館が市と県の共同出資団体であり、独自に決定することがで きないという問題点はあるが、市の立場としては、経営改善指針を策定してい る以上、今後、(一財)産業会館が法人として存続するのであれば、県及び(一 財)産業会館に対し、独自の給与体系導入についての理解を求めていくことが 望ましい。 7 負担金について 【事実関係】  「6」で述べたとおり、職員の給与は、市職員の人事制度に準拠して支給さ れているが、県の支給基準との差額を市が毎年負担金としている。ここ3年間 では、次のとおりである。   平成23年度:1,141,215円   平成24年度:1,572,990円   平成25年度:1,377,422円  市と県の出資比率がそれぞれ50%であり、使用料収入も市と県がそれぞれ 2分の1ずつを取得しているところ、平成25年度において、市負担金額が 1,377千円であるのに対し、県負担金額は、327千円となっている。  担当者によると、平成14年まで、退職給与引当金は、その大部分は決算余 剰金の積立てにより賄い、具体的な支払時に不足額を県及び市が予算対応して きたところ、平成13、14年度に実施された岐阜県財政的援助団体に対する監 査において、「退職給与引当金は年度末に自己都合退職所要額の100%を計上 するべき」との指摘を受けたため、平成16年度から退職手当引当金の積み立 てに要する経費(自己都合退職の要支給額)を市・県が負担し積み立てること となった(財団監事からも同様の指摘がなされた)。  市と県の負担の不均衡については、平成15年、(一財)産業会館にて、雇 用することとなったプロパー職員1名について、当時県が「プロパー職員不補 充、嘱託職員採用」の方針を堅持したため、協議会において、市が嘱託職員と プロパー職員の給与差額を負担することとなり、退職手当についても同様の取 扱いとなったことによる。  なお、該当プロパー職員1名は今年度末で退職する予定であり、平成27年 度以降は、負担金の不均衡の問題は発生しないとのことである。  そこで、ここでは事実の紹介に留める。 8 指定管理について (1)概要 ┌────────┬───────────────────────────────┐ │根拠条例    │岐阜産業会館の設置及び管理に関する条例(市条例第8号)    │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │指定管理期間  │1期目 平成18年4月1日~平成21年3月31日          │ │        │2期目 平成21年4月1日~平成24年3月31日          │ │        │3期目 平成24年4月1日~平成27年3月31日          │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │事業内容    │(1)岐阜産業会館の設置及び管理に関する条例に規定する岐阜産業│ │        │  会館の指定管理業務                    │ │        │(2)岐阜産業会館の利用者の利便を図るための事業       │ │        │(3)その他、目的達成の為に必要な事業            │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │指定管理料   │62,151千円(平成25年度実績)                 │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │利用料金制の採用│無                              │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │利用者数    │200,235人(平成25年度実績)                  │ ├────────┼───────────────────────────────┤ │公募・非公募  │非公募                            │ └────────┴───────────────────────────────┘ (2)指定管理期間について 【事実関係】  市の指定管理者制度基本方針においては、平成24年度から標準的な指定管 理期間を3年から5年へと変更している。しかしながら、(一財)産業会館に ついては、3年の指定管理期間が維持されている。産業雇用課によれば、指定 管理期間は、事前に担当者同士の協議や市行財政改革課に相談したうえ、協議 会の議決で決定されたとのことである。  このように、産業会館は、市の指定管理施設ではあるものの、指定管理期間 については、例外的な扱いとなっている。 (3)公募・非公募について 【事実関係】  市の指定管理者制度基本方針では、「民間のノウハウの導入により住民ニー ズの効率的かつ効果的な実現が期待できる施設については、その円滑な管理運 営を行うことができる団体を公募のうえ選定」することを原則としている。し かしながら、産業会館は、施設の老朽化その他特段の事情により公募すること が相応しくない施設であるとして、例外的に、非公募とされている。 【意見 産業雇用課】  産業会館は、建物老朽化により、文化ホールが休止状態であり、また毎年、 補修工事が行われるなど施設として完全ではないから、老朽化した施設の管理 のノウハウを持っている法人として、(一財)産業会館を特定者指名すること もやむを得ないと考える。  平成27年4月1日から同30年3月31日を指定管理期間とする指定管理者 の募集が行われることが決定しているが、上述したとおり、この間に、これま で先延ばしにしてきた施設のあり方を検討することも必要である。  施設存続を決定し、施設の大改修工事を行うこととなった場合には、公募に よる選定を検討することが望ましい。 (4)評価主体及び評価基準について 【事実関係】
     市のモニタリング指針によれば、指定管理者管理運営状況シートにより上半 期、下半期の年2回、自己評価を行い、指定管理者の選定基準に基づく評価と 指定管理者の取組みに対する自己評価を行うこととなっている。  指定管理者の選定基準に基づく評価は、1)公平性・透明性、2)効果性、3)効 率性、4)安定性・安全性、5)貢献性の5つに区分し、各施設に応じた項目が設 けられている。評価基準としては、SS、S、A、B、C、Dの6段階評価と し、Aを標準としている。評価主体は、指定管理者による自己評価、所管課、 評価委員会の三者がそれぞれ行っている。  指定管理者の取組みに対する自己評価は、「今期の取組みに対する評価」「前 回までの意見を踏まえた取組み状況」「今後の取組みについて」を各々記入す る様式となっている。  市では、部単位で評価委員会が設置されている。  これに対し、(一財)産業会館については、市のモニタリング指針に沿った モニタリングはなされていない。岐阜産業会館評価員会議が設置され、同会議 が、1)経営状況に対する評価、2)運営管理に対する評価、3)施設設置目的達成 状況に対する評価の3つに区分し、10項目について評価している。評価基準 は、1点から5点までの採点方式であり、3点を標準としている。指定管理者 の取組みに対する自己評価については、記載がない。  これも、市の指定管理施設の評価方法としては、唯一の例外である。 (5)評価員会議の評価 【事実関係】  平成23年度以降、全ての項目について、総評は「優」であった。平成25 年度第2回岐阜産業会館評価員会議の評価結果において、評価委員4名のうち、 1名は、全ての項目について「5」と評価し、特記事項に何らの記載もしてい なかった(同委員は、第1回評価員会議においても特記事項に記載がなかった)。  特記事項記載欄の記載は、1)経営状況に対する評価については3名が、2)運 営管理に対する評価については0名が、3)施設設置目的達成状況に対する評価 については1名が記載していた。なお、特記事項欄の中には、解読困難な文字 が見受けられた。  しかしながら、特記事項には、毎年のように、「施設の老朽化と厳しい経済 環境下において、指定管理業務の努力がなされている」との評価がなされてい る。 【指摘 産業雇用課】  「稼働率の向上が図られているか」という項目について、3点「普通」と評 価した委員と5点「よく努力している」と評価した委員がいるが、特記事項に 何ら記載がないため、その評価の根拠が不明である。それゆえ、評価を活かし て、今後の改善に向けた対策を立てることが困難となる。  改善のための指針となる評価がなされるように、評価員会議の評価につき、 評価根拠の記載を求めるなど、評価方法を改善すべきである。 (6)再委託について 【事実関係】  1,000千円を超える再委託契約の過去3年間の契約額の推移は、次のとおり となっている。                            (単位:千円) ┌────────────┬─┬─────┬─────┬─────┐ │            │区│     │     │     │ │            │分│平成23年度│平成24年度│平成25年度│ ├────────────┼─┼─────┼─────┼─────┤ │清掃警備委託      │入│   8,400│   8,400│   8,400│ ├────────────┼─┼─────┼─────┼─────┤ │エレベータ保守点検委託 │随│   3,024│   3,024│   3,024│ ├────────────┼─┼─────┼─────┼─────┤ │自家用電気設備点検委託 │入│   1,291│   1,249│   1,249│ ├────────────┼─┼─────┼─────┼─────┤ │防災設備保守管理業務委託│入│   1,795│   1,816│   1,806│ ├────────────┼─┼─────┼─────┼─────┤ │舞台管理操作業務委託  │入│   4,378│   4,365│   4,365│ ├────────────┼─┼─────┼─────┼─────┤ │電気設備等管理操作及び │入│     │     │     │ │環境管理業務委託    │ │  17,955│  17,902│  17,850│ └────────────┴─┴─────┴─────┴─────┘                (入:指名競争入札、随:一者随意契約) 【意見 産業雇用課、(一財)産業会館】  一者随意契約は、1契約であり、残り5契約は、指名競争入札となっている。  にもかかわらず、契約額は、指名競争入札においても、ほぼ横ばいとなって おり、金額面からみれば、入札の効果が表れていないのが現状である。  市は、県と(一財)産業会館の三者で協議し、少しでも削減効果が現れるよ うな契約方法を考えることが望ましい。 9 情報公開について 【事実関係】  平成26年12月16日現在、産業会館のホームページを見ると、その段階で、 平成25年度の事業報告書、決算資料がアップされていなかった。 【指摘 産業雇用課、(一財)産業会館】  平成25年度も3/4ほどの期間が経過した12月16日の時点で、平成25 年度の事業報告書、決算資料のアップがなされていなかったことは問題であっ た。  指摘後すぐに資料がアップされた。そして、産業雇用課は(一財)産業会館 に対し、今後は毎年6月末までにホームページ上でアップするよう指導したと のことである。  速やかな対応は、評価できるが、(一財)産業会館は、適時の情報発信を徹 底すべきである。  また、産業雇用課は、適時の情報発信を徹底するよう指導すべきである。 10 組織のあり方について 【事実関係】  (一財)産業会館に対する出資は、市及び県ともに150万円ずつであり、 出資割合は50%ずつとなっている。これは、そもそも、市が、市政80周年記 念事業として、産業会館開設を企画したところ、県から共同事業運営の提案が あり、これを市が受け入れたことによる。
     (一財)産業会館においては、平成26年、同28年、同30年と、職員が立 て続けに退職することになる予定であるとのことだが、担当者によれば、(一 財)産業会館のあり方が決まらないため、新規採用はしにくい状況にあるとの ことである(指定管理期間が3年であるため、新規採用しても指定されなけれ ば直ぐに解雇せざるを得ない。)。  県も、「プロパー職員不補充、嘱託職員採用」の方針をとっていることから、 新規採用に消極的であるようである。  そうすると、(一財)産業会館の職員数は5名から2名となる可能性があり、 組織としての存続が現実的な問題となる事態が数年内に発生することとなる。 【意見 産業雇用課、(一財)産業会館】  市と県が半分ずつという出資割合により、どちらにも決定的な支配力が無い 状態となっている。全国的に見ても、市と県が半分ずつ出資して設立された財 団法人は珍しいのではないかと思われる。  このような出資形態が、物事が進みにくい要因になっている可能性がある。 例えば、上述したとおり、給与体系に関する市の指針が実現しないなどである。 指定管理についても、選定から評価に至るまで、市の指針からすれば、例外的 な扱いとなっている。また、最終的な責任の所在も必ずしも明確とならない。  産業会館の土地・建物については、市と県が2分の1ずつ共有している。  かかる問題もあり、(一財)産業会館の出資割合に優劣を付けること、ある いは、市と県のどちらかが100%出資とすることは、いずれも困難であろう。 これまで長年勤務してきた職員の定年問題が数年内に予定されており、次期指 定管理期間も平成29年度までであることからも、市は、この期間内に、(一 財)産業会館のあり方につき、解散も視野に入れて、県と協議し、検討するこ とが望ましい。 11 施設のあり方について 【事実関係】  産業会館は、登記簿上、昭和45年8月6日に新築された施設であり(敷地 及び建物いずれも、市と県の1/2ずつの共有)、既に築44年以上が経過し ている。老朽化のため、緊急性の高い箇所から毎年工事がなされている。平成 21年度には、大規模な耐震補強工事が行われた。  10年ほど前から、施設の老朽化は問題となっており、平成21年3月に国土 交通省が策定した「公営住宅等長寿命化計画策定指針」を受け、協議会におい て、産業会館の維持管理及び建替えに関する検討がなされている。平成25年 度、開館から60年使用(残る期間17年)のための工事を行うことや建替え 等、それぞれの場合の費用を算出の上、方針を検討しているとのことである。  市の産業会館に対する支出は決して少なくない。  市が公表している平成23年度から平成25年度の岐阜産業会館運営管理に かかる事業評価シートによれば、市の負担は、次のとおりで整理されている。                         (単位:千円) ┌───────────┬─────┬─────┬─────┐ │           │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┤ │総コスト       │  98,040│  98,984│  99,562│ ├……………………………┼……………┼……………┼……………┤ │ 人にかかるコスト  │    656│    644│    636│ │ 物にかかるコスト  │  97,384│  98,340│  98,926│ │    (指定管理料)│(60,610)│(61,566)│(62,152)│ │    (減価償却費)│(36,774)│(36,774)│(36,774)│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┤ │収入         │  60,010│  57,539│  59,595│ ├───────────┼─────┼─────┼─────┤ │収支(市負担額)   │  38,030│  41,445│  39,967│ └───────────┴─────┴─────┴─────┘  かかるシートによれば、毎年、市は、40,000千円ほどを負担していること となる。  産業会館のあり方について、これまで、どのような検討経過をたどっている かは、市のホームページ、行財政改革課の平成25年度岐阜市行財政改革プラ ンの進捗状況(平成25年度のものでは10頁)に詳しい。次のとおりである。 ┌────┐ │進捗状況│ └────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │┌──┐                                     │ ││H22 │                                     │ │└──┘                                     │ │ H21年度の岐阜産業会館運営管理協議会における以下の確認事項を踏まえ、共同管理者で │ │ある岐阜県と、岐阜産業会館のあり方について検討を行っている。今年度は連絡会議を3  │ │回実施。現在、協議会では下記の内容で考え方を整理している。            │ │・耐用年数を迎える10年後まで、岐阜市と県の共同管理施設として運営する。      │ │・施設改修は最低限度にとどめ、文化ホールの改修は行わない。            │ │・H24年以降の指定管理者は(財)岐阜産業会館の特定者指名を継続する。        │ │・新たな産業振興施設について岐阜産業会館の諸問題に関する連絡会議で検討する。   │ │┌──┐                                     │ ││H23 │                                     │ │└──┘                                     │ │ H21年度の確認事項を踏まえ、岐阜県と岐阜産業会館のあり方について検討を行ってい  │ │る。今年度も連絡会議を実施。                           │ │┌──┐                                     │ ││H24 │                                     │ │└──┘                                     │ │ 今年度は2回の連絡会議を県と実施した。検討事項の調査及び取りまとめを行い、岐阜  │ │産業会館運営管理協議会に報告した。来年度以降も県と協議を継続する。        │ │┌──┐                                     │ ││H25 │                                     │ │└──┘                                     │ │ 岐阜産業会館のあり方について県と検討事項の調査及び課題の整理を行っている。今年 │ │度は、連絡会議を4回実施。                            │ └─────────────────────────────────────────┘  平成26年4月22日付けで、総務省より、「公共施設等総合管理計画の策定 にあたっての指針の策定について」の通知があり、これに基づき市と県におい て、それぞれ公共施設の指針を作成中である。その指針の策定を待って、施設 の方向性を協議会で協議する予定であるとのことである。 【意見 産業雇用課、(一財)産業会館】
     毎年、産業会館には、多大なコストがかかっている。  また、産業会館の老朽化は、かなり以前から問題となっていたが、施設の存 続についての最終的な結論が決まらないことから、必要最小限の工事を行うこ とで対処してきた。  さらに、市民文化の向上に寄与する(定款の2つの目的の1つ)核となるべ きはずの文化ホールは休止したままであるなど、施設全体の有効活用がなされ てきたとは必ずしも評価できない状態が何年も継続されていた。  現状のコスト及び産業会館の活用状況双方の観点からは、市は、産業会館の あり方について、県と協議の上、可能な限り早期に最終的な結論を決めること が望ましい。具体的には、産業会館の存続意義に遡り、存続させるべきか否か を検討し、存続させるのであれば、有効活用をする必要がある。そのために、 いつ、どれだけのコストをかけて必要な工事を行うか、そして、どんな事業を 行っていくのかを考えることが望ましい。  そして、仮に、設置目的に合った事業ができない、あるいは、そこまでの工 事費用はかけられないとなれば、存在意義や維持及び改修コストも考慮し、県 と協議して、施設を取り壊すことも現実的な選択肢(更地になれば、民間に売 却することも可能となる)として検討することが望ましい。 第9章 公益財団法人岐阜市学校給食会 第1 概要 1 基本情報 ┌─┬────────┬─────────────────────────────┐ │ │設立年月日   │昭和47年12月12日                     │ │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │ │所在地     │岐阜市上川手735番地2                   │ │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │ │所管課     │岐阜市教育委員会事務局 学校保健課            │ │ ├────────┼────────┬─────────┬──────────┤ │ │基本財産    │    3,000千円│うち、市出資額  │      1,000千円│ │ │        │        │(割合)     │     (33.3%)│ │ ├────────┼────────┴─────────┴──────────┤ │ │設立目的    │この法人は、岐阜市内の市立小中学校(市立幼稚園を含む。)等│ │基│(定款第3条)  │で学校教育活動の一環として行われている学校給食の円滑な実 │ │ │(平成26年4月  │施及びその充実発展に努め、学校等における食育の推進を支援す│ │本│1日~)     │ることにより、児童生徒の心身の健全な発達及び広く市民の健全│ │ │        │な食生活の実現に寄与することを目的とする。        │ │事├────────┼─────────────────────────────┤ │ │事業内容    │(1)学校給食の安定供給及び安全安心に関する事業      │ │項│(定款第4条)  │(2)学校給食の充実及び食育支援に関する事業        │ │ │(平成26年4月  │(3)学校給食の情報及び資料の提供に関する事業       │ │ │1日~)     │(4)その他この法人の目的を達成するために必要な事業    │ │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │ │事業内容(寄附行│(1)学校給食用物資の調達及び配給に関する事業       │ │ │為第4条)    │(2)学校給食用物資代金の徴収及び支払い          │ │ │(~平成26年3  │(3)学校給食実施上必要な講習会、研究会等の開催      │ │ │月31日)    │(4)学校給食の普及奨励に必要な事業            │ │ │        │(5)前各号のほか、この法人の目的達成に必要な事業     │ └─┴────────┴─────────────────────────────┘ (注)基本財産は、「定款別表」にて、以下のように管理されている。    国債 2,000千円 定期預金 990千円 出資金 10千円 ┌─┬────────────┬─────┬────┐ │他│    団体名     │ 出資額 │出資割合│ │か├────────────┼─────┼────┤ │ら│岐阜食品青果協同組合  │ 1,200千円│  40%│ │の├────────────┼─────┼────┤ │出│(株)十六銀行     │  100千円│   3%│ │資├────────────┼─────┼────┤ │状│岐阜信用金庫      │  100千円│   3%│ │況├────────────┼─────┼────┤ │ │(公財)岐阜市学校給食会│  600千円│  20%│ └─┴────────────┴─────┴────┘ (注)学校給食会の出資額のうち580千円は、公益財団法人に移行するに際して、増資した 分である。        (平成26年3月31日現在) ┌─┬───┬───┬───┬───┐ │ │区分 │役員 │評議員│職員 │ │組├───┼───┼───┼───┤ │織│常勤 │  1名│  0名│  3名│ │状├───┼───┼───┼───┤ │況│非常勤│ 11名│  9名│  1名│ │ ├───┼───┼───┼───┤ │ │合計 │ 12名│  9名│  4名│ └─┴───┴───┴───┴───┘ (注)常勤役員は、学校給食会の職員(事務局長)も兼ねているが、上記常勤職員数には含 めていない。                                  (平成26年3月31日) ┌─┬───────────────────────────────────────┐ │ │会長 → 評議員会(9名)   →市立小学校48校(市立特別支援学校小学部含む) │ │組│                 +岐大附属小学校               │ │織│     理事会(9名)     市立中学校23校(市立特別支援中学部高等部   │ │関│                 含む)+岐大附属中学校            │ │係│     監事(3名)      市立幼稚園(3園)              │ │ │     給食会事務局(5名)                         │ │ │      (うち1名は理事兼任)                       │ └─┴───────────────────────────────────────┘  (注)会長は、平成26年4月1日から「理事長」と呼称                       (単位:千円) ┌─┬───────┬─────┬─────┬─────┐ │ │  区分   │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総収入額   │ 1,727,592│ 1,737,549│ 1,726,526│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総支出額   │ 1,727,337│ 1,737,689│ 1,725,230│
    │財├───────┼─────┼─────┼─────┤ │務│(うち人件費)│(25,677)│(26,959)│(26,229)│ │の├───────┼─────┼─────┼─────┤ │状│差引収支額  │    254│   -139│   1,295│ │況├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総資産額   │  156,655│  152,754│  148,605│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総負債額   │  153,727│  149,966│  144,521│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │正味財産額  │   2,927│   2,788│   4,083│ └─┴───────┴─────┴─────┴─────┘                   (単位:千円) ┌─┬───┬─────┬─────┬─────┐ │市│区分 │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │の├───┼─────┼─────┼─────┤ │財│補助金│   7,150│   7,150│   7,150│ │政├───┼─────┼─────┼─────┤ │支│貸付金│  20,000│  20,000│  20,000│ │出├───┼─────┼─────┼─────┤ │ │合計 │  27,150│  27,150│  27,150│ └─┴───┴─────┴─────┴─────┘                                (単位:千円) ┌─┬──────────────────────────────────┐ │ │              平成25年度               │ │ ├──────┬──────────────┬────────────┤ │事│ 事業名  │     事業内容     │    食材費     │ │業├──────┼──────────────┼────────────┤ │の│学校給食事業│学校給食の統一献立に基づいた│        1,719,031│ │概│      │給食物資の一括購入及び支払業│主食・副食購入費    │ │要│      │務             │        1,693,298│ │ │      │              │委託事務費       │ │ │      │              │         25,733│ └─┴──────┴──────────────┴────────────┘ 2 沿革 昭和30年    岐阜市学校給食会(任意団体)設立         市立学校の給食物資の共同購入機関として 昭和45年    岐阜市内の全小中学校が岐阜市学校給食会に加入 昭和47年12月  財団法人岐阜市学校給食会となる 昭和55年    主食・副食すべてを一括購入 平成26年4月  公益財団法人へ移行 第2 事実関係及び指摘・意見 1 学校給食の流れについて (1)全体像  市における学校給食の流れ(全体像)は、以下のとおりである。教育委員会 と学校給食会の役割分担により、提供されている。  なお、以下の記載で示す根拠規定は、平成26年度のものである。 1)学校給食費の算定:教育委員会 ┌─────────────────────────────────────────┐ │ 教育委員会が、岐阜市学校給食研究委員会(岐阜市学校給食研究委員会規則 平成25年 │ │3月28日 教育委員会規則第10条)に諮問し、その答申を受けて、学校給食費を決定す  │ │る。平成26年度に改定された。                           │ └─────────────────────────────────────────┘                   ↓ 2)献立作成:教育委員会 ┌─────────────────────────────────────────┐ │ 献立作成委員会(岐阜市学校給食献立作成委員会規則 平成25年3月28日 教育委員  │ │会規則第11号) 翌々月の献立原案の内容を決定する。なお、献立については、市内を北、│ │中、南地区の3地区に分けて、決められている(循環実施)。             │ └─────────────────────────────────────────┘                   ↓ 3)給食用物資の決定:学校給食会 ┌─────────────────────────────────────────┐ │ 物資調達委員会(公益財団法人岐阜市学校給食会専門委員会規程)年11回開催される(8│ │月を除く)。翌月の献立内容に合う食材を選定、納入業者を選定する。         │ └─────────────────────────────────────────┘                   ↓ 4)給食用物資の調達:学校給食会 ┌─────────────────────────────────────────┐ │ 各学校長の委任に基づき、業者に物資を発注する(公益財団法人岐阜市学校給食会業務方│ │法書第4条、委任状)。                              │ │【年契約】                                    │ │1)公益財団法人岐阜県学校給食会(公益財団法人岐阜市学校給食会業務方法書第2条第1項│ │(1))                                     │ │→米飯、パン、ソフト麺、牛乳など                         │ │2)物資協力会(岐阜市学校給食用物資協力会に関する要領)              │ │→豆腐・油揚げ、牛・豚肉、味噌・醤油、鶏肉、蒟蒻、角麩、麺類           │ │3)岐阜食品青果協同組合(随意契約)                        │ │→青果物など                                   │ │【月契約】                                    │ │登録業者(競争入札)                               │ │(公益財団法人岐阜市学校給食会業務方法書第2条第1項(2))           │ │→油脂、乾物、缶詰、魚介類など                          │ └─────────────────────────────────────────┘                   ↓ 5)入荷物資の検収及び納入:学校給食会 ┌─────────────────────────────────────────┐ │入荷物資の検収(規定なし)                            │ │3)で決定した物資が納入される。この物資の食材の量・質等を検査して各学校に納入する。│
    └─────────────────────────────────────────┘                   ↓ 6)調理:教育委員会 ┌─────────────────────────────────────────┐ │各学校給食室                                   │ │物資点検(岐阜市学校給食衛生管理マニュアルおよび岐阜市学校給食調理作業マニュアルに│ │従って作業)                                   │ │調理                                       │ │検食(味見)                                   │ │配缶                                       │ └─────────────────────────────────────────┘                   ↓ 7)喫食 ┌─────────────────────────────────────────┐ │教室の児童・生徒、職員等が食事をとる。                      │ └─────────────────────────────────────────┘                   ↓ 8)食材費(委託事務費も含む)の徴収:各学校長 ┌─────────────────────────────────────────┐ │学校ごとに、保護者から口座振替の形式で徴収する。                 │ │毎月23日をめどに、各校より、学校給食会に振込入金する。              │ │なお、学校行事による全校・学年の欠食、学級閉鎖の欠食を、全て3月分で精算する。  │ └─────────────────────────────────────────┘                   ↓ 9)業者への物資代金支払:学校給食会 ┌─────────────────────────────────────────┐ │学校給食会が各学校長の委任を受け、物資業者へ物資代金を支払う。          │ └─────────────────────────────────────────┘ (2)詳細  本監査は、学校給食会に関するものであるので、以下、学校給食会関与部分 について、詳細を記載する。 ア 「4)給食用物資の調達」 ┌────────┐ │調達方法の3類型│ └────────┘  学校給食用物資の調達方法は、食材の種類により、3類型に分かれる。  岐阜県教育委員会規格基本物資、年契約物資、月契約物資の3類型である。 ┌──────────────┐ │岐阜県教育委員会規格基本物資│ └──────────────┘  物資業者:公益財団法人岐阜県学校給食会  食材の種類:米飯、パン、ソフト麺、うどん、牛乳などの基本的な食材。  「給食実施学校長の委託を受けて、給食会が公益財団法人岐阜県学校給食会 から購入する」と、定められている(公益財団法人岐阜市学校給食会業務方法 書第3条)。  年契約であり、県下の全市町村は同一額である。これらの物資は、直通で、 各学校へ運ばれる。 ┌────────────┐ │年契約物資及び月契約物資│ └────────────┘  年契約物資び月契約物資については、3年に1度、業者を公募し(直近は、 平成26年1月)、「学校給食用物資指定登録業者」として、登録している業者 (岐阜市学校給食用物資納入業者の指定に関する規程第4条第3項、第5条)。 業者は、物資調達委員会において、施設及び設備、資力及び信用程度、従業員 及び輸送力、衛生状態等を審査し、決定される(岐阜市学校給食用物資納入業 者の指定に関する規程第3条)。  市における学校給食用物資指定登録業者数は、次のとおりである。 ┌───────────────┐ │年契約物資 7業種の登録業者数│ └───────────────┘ ┌───────────────┬──────┬──────┐ │ 物資別           │指定業者数 │指定業者数 │ │               │(H23~25)│(H26~28) │ ├───────────────┼──────┼──────┤ │牛肉・豚肉          │     16│     16│ ├───────────────┼──────┼──────┤ │鶏肉             │      5│      4│ ├───────────────┼──────┼──────┤ │こんにゃく          │      3│      3│ ├───────────────┼──────┼──────┤ │角麩             │      2│      2│ ├───────────────┼──────┼──────┤ │豆腐・油揚          │      8│      7│ ├───────────────┼──────┼──────┤ │乾麺             │      2│      1│ ├───────────────┼──────┼──────┤ │味噌・醤油・塩・調味料    │      5│      4│ ├───────────────┼──────┼──────┤ │青果物(岐阜食品青果協同組合)│      1│      1│ ├───────────────┼──────┼──────┤ │ 計             │     42│     38│ └───────────────┴──────┴──────┘ ┌───────────┐ │年契約物資(随意契約)│ └───────────┘  岐阜市学校給食用物資納入業者として指定を受けた7業種(豆腐・油揚げ、 牛・豚肉、鶏肉、味噌・醤油、蒟蒻、角麩、麺類)の業者は、業種別に岐阜市 学校給食用物資協力会を組織する(岐阜市学校給食用物資協力会に関する要領 第1条)。年契約物資については、いずれも、随意契約であり、価格は、年間 契約物資価格検討会(平成25年度は、3月6日、7日に実施)で検討される。  これらの物資は、直通で、各学校へ運ばれる。
    ┌──────────┐ │月契約物資の登録業者│ └──────────┘ ┌─────────┬──────┬─────────┐ │物資別      │指定業者数 │指定業者数(H26~ │ │         │(H23~25)│28)       │ ├─────────┼──────┼─────────┤ │乾物・缶詰・添加物│      7│         8│ ├─────────┼──────┼─────────┤ │食用油      │      6│         6│ ├─────────┼──────┼─────────┤ │砂糖・粉類    │      6│         6│ ├─────────┼──────┼─────────┤ │魚介類及び冷凍食品│      9│         8│ ├─────────┼──────┼─────────┤ │調味料      │      6│         7│ ├─────────┼──────┼─────────┤ │雑穀       │      6│         5│ ├─────────┼──────┼─────────┤ │乳酸菌及び発酵乳 │     10│         9│ ├─────────┼──────┼─────────┤ │計        │     50│        49│ └─────────┴──────┴─────────┘ ┌─────────┐ │月契約物資(入札)│ └─────────┘  物資調達委員会を年11回開催し、翌月の献立に必要な食材について、個別 品目ごとに競争入札を行っている(公益財団法人岐阜市学校給食会業務方法書 5条、岐阜市学校給食用物資調達に関する細則第3条)。  入札方法は、品目ごとに(1)規格および銘柄が決まっていて、価格のみを 入札する物資と、(2)規格のみが決まっていて価格を入札する物資がある。  これらの物資は、原則として、学校給食会事務所へ運ばれた後、学校給食会 職員が検収する。その後、各学校へ運ばれる。 イ 【8)9)学校給食費に関する資金の流れ】  学校給食に関する経費の負担は、学校給食の実施に必要な施設及び設備に要 する経費並びに学校給食の運営に関する経費のうち政令で定めるものは、義務 教育諸学校の設置者(自治体)による負担となっている。  それ以外の経費(学校給食費)は保護者負担とされている(学校給食法第 11条第1項、同第2項)。  学校給食費には、物資購入代金の他、学校給食会への委託事務費が含まれて いる。学校給食会への委託事務費が学校給食費に含まれるのは、それが、食材 を調達するための費用だからである。  物資購入代金と委託事務費の割合は、平成25年度実績では、約98.5%:約 1.5%である。  公益財団法人岐阜市学校給食会業務方法書第13条にて、受給学校が所定の 金額を負担する(第1項)、負担金の額並びに徴収方法は別に定める(第2項) とある。  市における学校給食費は、次のとおりである。 【平成25年度】 ┌─────┬──┬───┬───┬───┬───┬──────┬────────┐ │ 学校  │  │主食 │牛乳 │副食 │ 計 │基準給食日数│   備考   │ │     │  │   │   │   │   ├──┬───┤        │ │     │  │   │   │   │   │年間│月平均│        │ ├─────┼──┼───┼───┼───┼───┼──┼───┼────────┤ │ 小学校 │日額│ 55.71│ 47.89│124.73│228.33│ 198│  18│牛乳1本200cc │ │     ├──┼───┼───┼───┼───┤  │   │        │ │     │月額│ 1,003│  862│ 2,245│ 4,110│  │   │        │ ├─────┼──┼───┼───┼───┼───┼──┼───┼────────┤ │ 中学校 │日額│ 64.67│ 47.89│160.21│272.22│ 198│  18│牛乳1本200cc │ │     ├──┼───┼───┼───┼───┤  │   │        │ │     │月額│ 1,164│  862│ 2,884│ 4,910│  │   │        │ ├─────┼──┼───┼───┼───┼───┼──┼───┼────────┤ │ 幼稚園 │日額│ 49.45│ 47.25│124.73│221.43│ 185│ 16.8│牛乳1本200cc │ │     ├──┼───┼───┼───┼───┤  │   │        │ │     │月額│  831│  794│ 2,095│ 3,720│  │   │        │ ├─────┼──┼───┼───┼───┼───┼──┼───┼────────┤ │ 幼稚園 │日額│ 45.67│ 35.44│132.68│213.79│ 160│ 14.5│牛乳1本150cc │ │     ├──┼───┼───┼───┼───┤  │   │        │ │(3歳児)│月額│  662│  514│ 1,924│ 3,100│  │   │        │ └─────┴──┴───┴───┴───┴───┴──┴───┴────────┘ 【平成26年度】 ┌─────┬──┬───┬───┬───┬───┬──┬───┬────────┐ │ 小学校 │日額│ 53.32│ 47.84│133.84│  235│ 198│  18│牛乳1本200cc │ │     ├──┼───┼───┼───┼───┤  │   │        │ │     │月額│  960│  861│ 2,409│ 4,230│  │   │        │ ├─────┼──┼───┼───┼───┼───┼──┼───┼────────┤ │ 中学校 │日額│ 61.74│ 47.84│170.97│280.55│ 198│  18│牛乳1本200cc │ │     ├──┼───┼───┼───┼───┤  │   │        │ │     │月額│ 1,111│  861│ 3,078│ 5,050│  │   │        │ ├─────┼──┼───┼───┼───┼───┼──┼───┼────────┤ │ 幼稚園 │日額│ 49.51│ 46.6│131.86│227.97│ 185│ 16.8│牛乳1本200cc │ │     ├──┼───┼───┼───┼───┤  │   │        │ │     │月額│  832│  783│ 2,215│ 3,830│  │   │        │ ├─────┼──┼───┼───┼───┼───┼──┼───┼────────┤ │ 幼稚園 │日額│ 46.9│ 34.5│135.84│217.24│ 160│ 14.5│牛乳1本150cc │ │     ├──┼───┼───┼───┼───┤  │   │        │ │(3歳児)│月額│  680│  500│ 1,970│ 3,150│  │   │        │ └─────┴──┴───┴───┴───┴───┴──┴───┴────────┘  平成10年度から平成25年度まで、学校給食費は据え置きされており、小学 校が日額228.33円、月額4,110円、中学校が日額272.22円、月額4,910円、 幼稚園が日額221.43円、月額3,720円(3歳児は、日額213.79円、月額3,100 円)であった。  しかし、平成26年度の学校給食費は、小学校が日額235円、月額4,230円、 中学校が日額280.55円、5,050円、幼稚園が日額227.97円、月額3,830円 (3歳児は、日額217.24円、月額3,150円)といずれも値上げされた。  値上げは、いずれも消費税増税分3%分である。
     実際には、物資代金の値上がり及び文部科学省が定める栄養価を満たすため に、学校給食費は、更に6.5%の値上げになり、消費税増税分3%との合計で は、9.5%の値上げとなっている。  ただし、保護者に対する急激な負担増加を避けるため、市は、学校給食クオ リティアップサポート事業により、直接、学校給食会に値上げ分を払い込むこ とで、保護者に対し、実質的に補助金を支出していることと同様の効果となる。 平成26年度は、小学生は月額270円、中学生は330円が支払われている。  したがって、平成26年度の実際の学校給食費は、小学生月額4,500円(4,230 円+270円)、中学生月額5,380円(5,050円+330円)となる。  平成27年度以降、毎年月額90円~120円、平成30年度までに実際の月額 に達するよう、段階的に保護者負担に転嫁していく予定とのことである。  学校給食費は、学校ごとに保護者から集め、毎月23日をめどに振込期限と して学校給食会に振り込む。  学校給食用物資の購入方法としては、「給食実施学校長の委託を受けて、給 食会が購入」することとなっており((公財)岐阜市学校給食会業務方法書第 3条、第4条)、学校給食会は、各学校から振り込まれた学校給食費で、物資 代金を支払う。 2 補助金について (1)補助金額について 【事実関係】  岐阜市補助金等交付規則(平成10年岐阜市規則第55号)及び財団法人岐阜 市学校給食会補助金交付要綱(平成25年3月29日決裁)に基づき、市から学 校給食会に補助金が交付されている。  交付の対象は、要綱第2条において、学校給食用物資の調達及び供給に関す る事業、学校給食の普及充実及び食育支援に関する事業にかかる学校給食会職 員の人件費とされている。  そして、交付額は、要綱第3条において、「補助金の額は、当該年度の予算 の範囲内で、前条に規定する経費の2分の1以内とする」と定められている。  平成3年度から平成17年度までは9,800千円、平成18年度以降は、7,150 千円となっている。ヒアリングによれば、平成18年以降、補助金額が減少し たのは、嘱託職員1名を削減したことによるとのことである。  平成25年度においては、学校給食会から市に対して、7,150千円の交付申 請があり、次のとおりの算定により、申請どおり、7,150千円の交付がなされ た。 1)補助金対象経費 25,269,000円  (内訳)  職員給:15,771,000円、諸手当:6,066,000円、共済費:3,432,000円 2)補助金対象経費の1/2 12,634,500円 3)補助金交付申請額7,150,000円は、2)より少ない。 【指摘 学校保健課】  補助金交付要綱第2条によれば、補助金対象経費は、学校給食会職員の人件 費とされているが、上記で算出された補助金対象経費は、人件費の一部である。 学校保健課においては、内規(平成14年4月1日施行)第2条で職員給、諸 手当、厚生費を補助対象経費とするとしているが、現在の学校給食会担当者は、 その内規の存在を知らなかった。内規を知らなければ、人件費といっても限定 がなされていることが不明である。  これまでは、補助金額7,150千円で推移していたことから、補助金対象経費 の額は特に問題とならなかったが、今後、学校保健課は、補助金対象経費の算 定の内規を学校給食会に周知すべきである。 【意見 学校保健課】  そもそも、補助金対象経費は、学校給食会職員の人件費であるところ、職員 の人件費は、委託事務費として、保護者が支払う学校給食費から支払われてい る(平成25年度実績にて、物資購入代金約98.5%、委託事務費約1.5%)。  この点、市の補助金の増減により、学校給食費に含まれる委託事務費に影響 が生じる可能性がある。すなわち、市が補助金を増やせば、学校給食費から支 払われる委託事務費は少なくなる方向となり、逆に、市が補助金を減らせば、 学校給食費から支払われる委託事務費は多くなる方向となる。学校給食費に関 しては、単に補助金を減らせばよいという問題ではないと考える。  学校給食に対する市の考え方にも関わるが、学校保健課においては、少なく とも、委託事務費と補助金の関係性を認識し、現在の補助金算定方法が妥当で あるかを検討することが望ましい。 【意見 学校給食会】  補助金は、7,150,000円に定まっているということではない。学校給食会の 立場からすれば、要綱の算出方法により、補助金が支給されることを認識し、 今後、組織として必要と考える補助金交付申請額を決めることが望ましい。 (2)過去の包括外部監査の措置状況 【事実関係】  補助金の額については、平成22年度の包括外部監査で、監査人より、次の とおり、意見が出されている。 ┌────────────────────────────────────────┐ │ 補助金の対象となる職員の人件費に対して、補助の根拠となる計算式が明確になってお│ │らず、また、これまでの補助金額が一定金額で推移してきたことから、見直しが十分に行│ │われてきたとはいえなかった。                          │ └────────────────────────────────────────┘  これに対し、学校保健課は、「措置済み」として、以下のとおりを措置状況 としている。 ┌────────────────────────────────────────┐ │ 当該補助金は、(財)岐阜市学校給食会運営費補助金交付に係る取扱い内規第3条にお│ │いて、補助対象経費の1/2を補助限度としているものの、岐阜市給食会の経営状況も良│ │好であることを財務諸表等により確認したため、補助限度を下回る1/3程度の補助金額│ │としている。上記の検討結果により、補助金額は適正であると判断した。なお、同様の検│ │討は毎年度行うこととする。                           │ └────────────────────────────────────────┘ 【指摘 学校保健課】  措置状況の回答を見ると、監査人の意見に対し、学校保健課は、補助の根拠 規定はあること、そして、それが補助対象経費の1/2を限度としていること を示しつつ、学校保健課が主体となって、補助限度を下回る1/3程度の補助 金額を決定したかのように読めるが、それは事実ではない。  補助金については、補助金交付申請があって初めて支出されるところ、平成
    18年度以降、学校給食会側が、市に対して、7,150千円で申請し続けてきてい た。その金額が、補助対象経費の1/2以下であることから、結果として、補 助金額が7,150千円になっていたに過ぎないのが事実である。  学校保健課としては、内規あるいは要綱に従い、申請額どおりを支給してい たに過ぎない。  今後、監査意見の措置状況については、意見に対応した正確な事実記載をす べきである。 3 貸付金について 【事実関係】  岐阜市学校給食用物資購入資金貸付規則に基づき、市は、毎年度、学校給食 会に対し、20,000千円を無利息で貸し付けている。同規則では、30,000千円 が貸付額の上限であるが、昭和60年度以降、20,000千円で金額に変化はない。 かかる貸付は、市に一括で返還される。  平成25年度においては、平成25年4月1日付けで、岐阜市学校給食用物資 購入資金貸付契約書が締結されている。かかる契約に基づき、平成25年4月 19日、市から学校給食会の口座(学校給食費が振り込まれる口座 貸付金に 関する専用口座ではない)に20,000千円が振り込まれ、同年6月28日、学校 給食会から市に対し、20,000千円全額が返還されている。  貸付の必要性について、学校給食会は、次のとおり述べる。  毎年度、4月と5月には、事務処理の都合上、各学校から学校給食費が振り 込まれない。しかし、業者への支払については、業者との契約に基づき、支払 う必要性があることから、市からお金を借り入れる必要があるとのことである。  一学校の例を挙げる。  4月分は、全学年において銀行の事務処理上4月27日にしか引き落としが できない。その1週間後の5月上旬ころに、銀行から学校に情報が入り、その 後に、学校において、事務職員が学校給食費・教材費・積立金に仕分けし、学 校の中のそれぞれの通帳へ振り分けるという作業がある。  その作業後に、学校給食会へ学校給食費が振り込まれるため、4月分につい ては、最短で5月10日前後の振り込みとなる。5月分は、早い学校で7日に 引き落としされるが(銀行によって引き落とし日が違うため15日に引き落と しという学校もある)、4月と同様の日数を必要とするため23日には間に合 わないとのことである。 【意見 学校保健課】  各学校から学校給食会への振込は、当月23日がめどとされているものの、 学校給食会の説明によれば、事務処理手続上、毎年度4、5月には、学校給食 費の振込が間に合わないために、市からの貸付が必要であるとのことである。  学校給食会によれば、20,000千円の貸付を受けても、業者に対する支払が 約定どおりできず、業者に支払期日を猶予してもらう事態が恒常的に発生して いるようである。このような事態の発生は、厳に避けなければならない。  この点、毎年度、学校給食会が20,000千円の借り入れ申請をしているため に、市としては、20,000千円を貸し付けること自体は、規則に何ら違反する ものではない。  しかし、貸付金額が足りない、その結果、業者に対して支払の猶予を受けて いるという実態が発生しているのであれば、市としても、それを避ける対策を 検討すべきである。  市には、規則及び契約書において、学校給食会に対し、貸付の運営状況の報 告を要求したり、関係帳簿等を検査したりする権限があることから、それを積 極的に利用するなどして、学校給食会の貸付金の運営状況の実態を把握し、現 状のままでよいか、仮に、現状に不都合があるのであれば、規則の改正も含め、 改善策を検討することが望ましい。 【意見 学校給食会】  学校給食会は、20,000千円の貸付で足りないことを認識しているのであれ ば、学校給食会の立場からは、組織として、必要な貸付額で貸付申請すること が望ましい。  規則上の上限額でも対応できないという事実があるのであれば、その実態を、 学校保健課に伝え、今後の貸付について、協議することが望ましい。 4 学校給食費の徴収について (1)市の学校給食費徴収の流れ(問題の所在) 【事実関係】  市の学校給食費は、平成25年度実績で合計1,719,079千円であり、年間17 億円を超える。  市における学校給食費の徴収の流れは、現状、次のとおりである。 ┌────────────────────────────────────────┐ │1)学校給食会は、毎年度末に各学校長宛てに、委任状の提出を依頼し、各学校長は毎年度│ │初めに、委任状を学校給食会に提出する。委任状においては、公益財団法人岐阜県学校給│ │食会理事長との学校給食用物資売買契約に関する一切の権限、牛乳業者との学校給食用牛│ │乳供給契約に関する一切の権限、その他給食用物資購入に関する一切の権限が記載されて│ │いる。                                     │ │ ↓                                      │ │2)学校給食会は、各学校長より、委任状の提出を受ける。              │ │ ↓                                      │ │3)これを受けて、学校給食会は、業者より、給食用物資を購入する。         │ │ ↓                                      │ │4)各学校長が、保護者から学校給食費を徴収して、毎月23日をめどに、集めた学校給食費│ │を学校給食会に振り込む(4、5月は除く)。                   │ └────────────────────────────────────────┘  学校給食費を支払う義務のある者が保護者であることは、学校給食法第11 条第2項において明らかである。  では、市における学校給食費の徴収責任者は誰か。  地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条では、教育委員会の職務 権限として、「教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務 で、次に掲げるものを管理し、及び執行する」として、第11号で、「学校給食 に関すること」を掲げている。そして、学校給食法では、「義務教育諸学校の 設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなけ ればならない」(第4条)と定められている。  このように、法律上、学校給食に関する管理執行権限が教育委員会にあるこ とは明らかであるが、保護者が支払う学校給食費の徴収責任者があるのが、学 校長という個人であるのか、教育委員会(市)であるのか、法律上は明確では ない。  市の会計に学校給食費が含まれていれば、徴収責任者が市であることは明白 である。いわゆる公会計であるが、この場合、学校給食費は、「保護者→市」 という流れで納入される。しかしながら、市では、流れで述べたとおり、公会 計は採用されていない。
     市では、各学校長の責任の下、保護者から学校給食費を徴収し、各学校長は、 徴収した学校給食費を学校給食会に振り込んでいる。  したがって、市の学校給食費については、公会計ではなく、私会計での処理 ということになる。  このように、学校給食費について、私会計を採用している場合において、保 護者が学校給食費を支払わない場合に、誰が、保護者に対し、未払学校給食費 を請求する主体となるのかということで、学校給食費の徴収責任者の問題が顕 在化する。 (2)学校給食費の未納問題の現状と対応 【事実関係】  市の小学校・中学校に対する学校給食費の徴収状況について、過去4年の推 移は、次表のとおりである。                                   (単位:千円、%) ┌─┬────────────┬────────────┬─────────────┐ │年│    小学校     │    中学校     │     合計      │ │ ├────┬───┬───┼────┬───┬───┼─────┬───┬───┤ │度│必要額 │未納額│未納率│必要額 │未納額│未納率│ 必要額 │未納額│未納率│ ├─┼────┼───┼───┼────┼───┼───┼─────┼───┼───┤ │22│ 996,038│ 4,345│ 0.44│ 552,481│ 5,371│ 0.97│ 1,548,520│ 9,716│ 0.63│ ├─┼────┼───┼───┼────┼───┼───┼─────┼───┼───┤ │23│ 938,516│ 3,848│ 0.41│ 519,549│ 5,399│ 1.04│ 1,458,066│ 9,247│ 0.63│ ├─┼────┼───┼───┼────┼───┼───┼─────┼───┼───┤ │24│ 949,234│ 3,953│ 0.42│ 518,805│ 5,549│ 1.07│ 1,468,040│ 9,502│ 0.65│ ├─┼────┼───┼───┼────┼───┼───┼─────┼───┼───┤ │25│ 912,122│ 3,979│ 0.44│ 526,545│ 5,505│ 1.05│ 1,438,668│ 9,484│ 0.66│ └─┴────┴───┴───┴────┴───┴───┴─────┴───┴───┘                                (岐阜市教育研究所調べ)  金額的には、毎年、小学校、中学校の合計で9,000千円から10,000千円の 間で推移している。未納率は、合計で0.6%台となっている。  平成26年1月23日付けの文部科学省の「学校給食費の徴収状況に関する調 査の結果について」によると、全国の学校給食(完全給食)を実施している公 立小・中学校約29,000校中(岩手県、宮城県、福島県は除く)583校の抽出 検査において、未納額の割合は、平成24年度で約0.5%であるが、市はそれ を上回る。未納額につき、小学校に比べ中学校の数値が高く、平成23年度以 降は、実に1%を超えていることが判る。  ところで、平成25年度(10月8日~18日)、学校保健課は、小中学校、特 別支援学校全保護者に対し、学校給食費に関するアンケート調査を実施した。  学校給食費未納の問題については、「値上げよりも、まずは学校給食費未納 の対策を。増額すると払わない人が増えるのでは。不公平感をなくして欲しい」 との意見が寄せられており、保護者の関心も高いところと思われる。  学校保健課によれば、学校給食費の未納問題対策については、教育委員会と 学校長と連名で、保護者宛に学校給食費について理解してもらえるように通知 文を作成し、配付しているとのことである。  しかしながら、未納がある場合でも、法的に徴収する手続はとられていない。 したがって、残念ながら、未払のままで、児童・生徒が卒業していくという保 護者が一定数存在することとなる。  このようなことにより、実際は、支払をした保護者からの学校給食費分で、 提供した食材費(委託事務費を含む)が賄われることとなる。  すなわち、学校給食費を支払っている児童・生徒の保護者が、未納児童・生 徒の学校給食費の分を負担していると評価される事態となっている。  なお、市では、学校給食費が未払であっても、児童・生徒に学校給食を提供 しないという対応はなされていない。子どもの権利の観点からすればかかる対 応は当然ではある。 (3)学校保健課及び学校給食会の認識  学校保健課及び学校給食会は、各学校長が学校給食費の徴収責任者であり、 未納金対策について、学校給食会は、実施主体ではないと述べている。 【指摘 学校保健課】  私会計である以上、学校給食費の徴収責任者は、各学校長であると考える。  学校給食費未納分の督促業務を各学校長に委ねるのは、本来的な教育的職務 とは異なる負担をさせるともいえ酷である。すなわち、通常の学校給食費の支 払は、口座引き落としであるが、口座引き落としができない場合には、各学校 長の責任の下での現金回収になる。支払われない場合には、粘り強く督促をす ることになる。そのため、各学校長の負担が大きいと思われるものである。  また、各学校長が、学校給食費の未納状況を知る立場にあり、学校保健課も 学校給食会もその詳細は把握していないとのことであるが、現金回収をするこ とで、あくまで一般論であるが、不正や過誤などの可能性が生じうる。  さらに、督促業務が煩雑であると、未払がある場合に、自ら立て替えてしま った方が楽であるなどといった考えが生じることもありうる。そのようなこと を個人にさせるようなことがあっては絶対にならない。  さらにいえば、学校給食費の支払は保護者の責任であるとして、その徴収責 任者が各学校であるとすれば、学校給食費の未払があった場合、どうするとい うのであろうか。  各学校長は、保護者に対して、法的手段に訴えて、未納金を回収することな ど、事実上想定できない。未払部分については、強制に訴える手段がなかった というのがこれまでの実態であった。  なお、保護者の経済事情等やむを得ない事情があれば、市が学校給食費を負 担する制度があることから、かかる制度の存在を前提とすると、学校給食費の 未納者の中には、支払うことができるのに支払わない保護者がいることが推測 される。そのような保護者に対して、法的手段を講じることは、決して不当な ことではない。  また、保護者からは、未払者との不公平感をなくして欲しいとの意見が現実 に寄せられている。  学校給食費について、私会計を採用することは、違法とまではいえないと考 えるが(横浜地方裁判所平成26年1月30日判決においては、学校給食法は、 会計制度につき公会計、私会計のいずれかを採るかは地方公共団体の裁量に委 ねていることから市が私会計を採用することは違法ではないと述べる)。また、 公会計導入にはコストの問題もあろう。しかしながら、各学校長の負担、未払 学校給食費の強制的徴収が事実上できないといった観点からは、私会計のデメ リットは大きいと考える。  公会計にすれば、市は、学校給食費の徴収責任主体として、必要な措置を講 じなければならず(地方自治法第240条第2項参照)、法的措置も視野に入れ ることで、保護者間の不公平感をなくす対策を実際に講じることが可能となる。 昨今、公会計を導入したり、あるいは、導入に向けて動いたりしている自治体 が多く見られるところでもある。  以上より、市は、学校給食費の公会計導入を検討すべきである。
    5 検収について 【事実関係】  学校給食会によれば、検収は、月契約物資については、競争入札によるすべ ての食材が対象であり、学校給食会が、各食材について、対象となる学校を指 定して、抽出検査を行っている。業者は、どの学校が検収の対象となるのか検 収時まで判らない状態である。  学校給食会職員は、複数体制で、規格や色等の検査をする。監査人は、実際 に検収状況を見せてもらった。  具体的には、消毒、ビニールの手袋をした上で、指定した学校の食材の入っ た箱を開封し、中身が規格にあっているか、色などは大丈夫であるかを目で確 認する。検収が終わると、検収した日時を記載したシールを箱に貼る。検収し 終わると、給食物資調査表に、調査日時、納入業者名、物資名、メーカー名、 確認数、品質、包装状態、配送状況、摘要欄にそれぞれ記載し、記載者及び決 裁者の印が押される。  一方、年契約物資については、業者が、各学校に直接納入するため、原則と して、学校給食会で検収は行っていない。随時、学校給食会職員が、学校に抜 き打ち的に食材を確認しに行くことはあるが、制度的な検収ではない。 【指摘 学校給食会】  物資の検収は、食の安全という意味から極めて重要な業務である。  平成25年度、学校保健課において実施した学校給食費に関する保護者アン ケートにおいても、保護者からは、「安全が一番」、「異物混入が心配」など、 食の安全に対する意見が数多く寄せられている。  競争入札物資については、アットランダムな抽出検査であり、実際の検査方 法としては、かなり厳密なものだといえ評価はできる。  市において、食の安全に関し、岐阜市学校給食衛生管理マニュアル・岐阜市 学校給食衛生管理マニュアル(共同調理場)が策定され、ホームページ上で公 開されているが、学校給食会の検収がなされていることは、このマニュアルか らは明らかではない。競争入札物資について、学校給食会が、学校の調理場に 届けられる前に、検収していることは、知られていないのではないだろうか。  このように、学校給食会では、食材の検収が行われているが、学校給食会の 定款、学校給食会内部規程において、検収についての規程は無い。  学校給食会においては、検収の規程を整備するなどして、制度的な検収にす べきである。 【指摘 学校保健課】  学校保健課においては、調理場における検査や保健所の検査等と学校給食会 の役割分担の必要性もあることから、学校給食会の制度的な検収に向けて、積 極的に指導すべきである。 6 実際に提供される給食の確認について 【事実関係】  学校給食会職員には、学校現場で実際に提供される調理後の給食を確認する 機会がない。それゆえ、学校給食会の職員は、自らが購入、配給に携わった食 材が、どのように調理され、最終的に、学校現場でどのように提供されている か、また、それを食べている子供たちの反応を知る機会がない。 【意見 学校保健課、学校給食会】  実際に提供された給食の最終の形を知ることは、物資の選択を行ったり、物 資業者への指導を含め、トラブルに適切に対応したりすることに、資するもの といえる。  学校給食会へのヒアリングによれば、学校給食会の職員は、試食の機会、実 際に給食を食べる児童生徒の実際の反応を知ることを望んでいるが、給食の調 理段階は、市の管轄であるため、実現できていないとのことである。今後、学 校給食会と学校保健課は、協議の上、完成した給食を試食し、実際に児童・生 徒の反応を聞く機会(例 各小・中学校での試食など)を持つことができる体 制を構築することが望ましい。 7 各種規程の整備について 【事実関係】  学校給食会は、平成26年4月1日に公益財団法人岐阜市学校給食会となっ た。  それに従い、諸規程を変更したが、それまで、整備が十分でない部分があっ た。また、現状も定款変更にあったものとなっていない条項もある。  具体的には、次のとおりである。 1)公益財団法人岐阜市学校給食会事務局規則  平成23年11月25日に寄附行為の変更によって、専務理事から常務理事へ の変更がなされたが、本規則第3条においては、平成25年度まで、「事務局 長は給食会の専務理事をもって充てる」とされたままであった。平成26年度 に、常務理事に変更された。  また、第6条では、職員の服務・給料についての定めがあるが、岐阜市職員 の例によるとされていた。現実は、平成21年度より、財団法人岐阜市学校給 食会給与規程により、独自の給与体系となっており、本来は削除すべき規定で あったが、平成25年度までそのままであった。 2)公益財団法人岐阜市学校給食会会計規則  平成26年度に、それまでの寄附行為から定款へ変更するに際し、事業内容 の記載に変更があったが、第4条の経理の内容においては、寄附行為の事業を 前提としたままとなっている。 【指摘 学校給食会】  職員は、常務理事を兼ねる事務局長を含めて、5名程度と小さな組織ではあ るが、公益財団法人であり、諸規程が整備されている必要がある。  職員に問題意識はあるが、早急に全体を見直し、実態に即した諸規程を整備 すべきである。 【指摘 学校保健課】  学校保健課においても、所管課として、学校給食会の諸規程整備について指 導をすべきである。  例えば、外郭団体の見直しの方向性において、独自の給与体系を採るよう指 導したこととなっており、平成21年度より実際にそうなっている。しかしな がら、平成25年度までの財団法人岐阜市学校給食会事務局規則第6条では、 岐阜市職員の例によるとされたままであった。  指導する際においては、そのあたりまで意識する必要がある。 8 当座借越の貸借対照表の表示について
    【事実関係】  会計上、当座借越、つまり当座預金がマイナスの残高になった場合、短期借 入金として計上すべきであるが、現状現金預金と相殺されて計上されている。 【指摘 学校給食会】  当座借越が存在することを貸借対照表上正しく表示するため、現金預金と相 殺せず、短期借入金として計上すべきである。  ちなみに、平成26年3月期の貸借対照表の現金預金及び短期借入金を修正 すると次のようになる。                (単位:円) ┌─────┬──────┬──────┐ │     │修正前   │修正後   │ ├─────┼──────┼──────┤ │現金預金 │ 124,898,381│ 212,448,358│ ├─────┼──────┼──────┤ │短期借入金│     -│ 87,549,977│ └─────┴──────┴──────┘ 9 担保提供資産の注記について 【事実関係】  財務諸表に関する注記において、担保に提供されている資産の注記が必要と されているが、定期預金130,000千円が当座借越契約の担保として提供されて いるにもかかわらず、注記がされていない。 【指摘 学校給食会】  担保提供資産の注記は、仮に債務が不履行となった場合に担保提供資産が優 先的に弁済に充てられる資産であることを明らかにするための重要な注記で ある。  財務諸表及びそれに対する注記は、利害関係者に対して財政状態及び経営成 績を正しく伝えるものでなくてはならない。  今後は、必ず、担保提供資産の注記をする必要がある。 10 定期預金と当座借越について 【事実関係】  定期預金が130,000千円ある一方で、当座借越が87,549千円ある。定期預 金の利率より、当座借越の利率の方が0.5%上回っている状況である。なお、 当座借越は、当座貸越を借主側からいうことである。当座貸越とは、銀行貸し 付けの一で、銀行が当座預金の取引のある者に対して、あらかじめ約定した限 度額・期間の範囲内で当座預金の残額以上に小切手の振出を許すことをいう。 【指摘 学校給食会】  平成25年度決算書上、預金利息が256千円であるのに対し、借入利息が759 千円となっている。借入利息には手数料も40千円程度含まれているものの、 金利差を考えれば、定期預金を取崩して当座借越の返済に充てる方が有利であ る。  学校給食費の中に、借入利息も含まれていることからすれば、当座借越の枠 自体をなくす必要はないものの、少しでも借入利息の発生額を抑えるような資 金繰りを行うべきである。仮に、定期預金を担保に供することが当座借越の条 件であるならば、学校給食会は、条件の緩和を金融機関と交渉すべきである。 11 職員の立替金について 【事実関係】  現状では、学校給食会において、小口現金を所持しておらず、理事会・評議 員会・物資調達委員会の役員報酬と旅費等については、急な人数の変更がある ため、職員が立替えて支払うこともあるとのことであった。 【指摘 学校給食会】  小口現金を持つと、横領といった不正のリスクもあり、基本的には持たない 方が好ましい。  しかし、反面、想定外の事態が発生した場合には、小口現金を持たないと、 職員が立替えて支払わなければならないというデメリットもあり、職員個人の 負担を発生させるような事態は避けなければならない。  そこで、学校給食会において、例えば、小口現金の管理規程を定めるなどし て、適切に管理していく体制を早急に構築すべきである。 12 情報公開について 【事実関係】  平成26年4月時点において、学校給食会のホームページに掲げられていた 情報は、「平成21年度事業計画」「平成20年度(財)岐阜市学校給食会事業 報告」「平成21年度物資会計予算書」「「平成21年度業務会計予算書」「平 成20年度業務会計決算書」「平成20年度物資会計決算書」など、平成21年 度に関するものだった。学校給食会では、平成21年4月にホームページを開 設しているが、結局、何年も、更新がなかったこととなる。  学校給食会へのヒアリングによると、更新できなかった理由は、人手不足及 び予算の問題とのことである。 【指摘 学校給食会】  学校給食は、市民生活に関連する事柄ではある。保護者であれば、学校を通 じるなどして、ある程度の情報が手に入るとしても、市民にとっては、ホーム ページが重要な情報源である。  また、食の安全性について関心が高まっている昨今、例えば、他の自治体か ら市への転居を考えている保護者の中には、子どもの健康のため、学校給食に ついての情報を求める者もあろう。地産地消など、よい事業を行っていても、 情報を発信しないと、そのような保護者には届かない。  何年間も更新していなかったという事実は問題であり、情報公開に積極的で なかったと指摘されても仕方がない。  平成26年7月には、ホームページのリニューアルがなされた。しかし、市 の他の外郭団体のホームページと比較しても、情報開示として十分であるとは いえない。具体例で示すと、学校給食会には、財団法人岐阜市学校給食会情報 公開規程が存在し、情報公開について一定のルールが定められているが、ホー ムページに記載がなければ、一般の市民が情報公開を求める前提を欠くことに なり、大きな問題である。  また、財団法人岐阜市学校給食会事務局規則第5条で定められる事務分掌、 平成26年4月1日現在の学校給食会事務分掌担当者一覧の事務内容にホーム ページ等、情報公開に関するものがない。
     学校給食会は、ホームページによる情報開示の重要性を認識し、事務分掌担 当者を定め、正しい情報を適時・適切に更新し、市民に公開すべきである。 【指摘 学校保健課】  学校給食会においては、上述のとおり、何年も更新がなされておらず、十分 であったとはいえない。学校保健課としては、この事実をまずは、明確に認識 した上で、今後、学校給食会のホームページによる情報公開について、検証を 継続し、不適切であれば、指導をすべきである。 第10章 一般財団法人岐阜市みどりのまち推進財団 第1 概要 ┌─┬───────┬──────────────────────────────┐ │ │設立年月日  │昭和61年4月1日                       │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │所在地    │岐阜市大宮町1丁目 岐阜公園内                │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │所管課    │都市建設部 公園整備課                   │ │ ├───────┼────────┬─────────┬───────────┤ │ │基本財産   │   20,000千円│うち市出資額   │      20,000千円│ │ │       │        │(割合)     │       (100%)│ │ ├───────┼────────┴─────────┴───────────┤ │ │沿革     │昭和61年4月1日 財団法人岐阜市公園協会設立         │ │ │       │平成17年4月1日 財団法人岐阜市みどりのまち推進財団に名称  │ │ │       │        変更                    │ │ │       │平成25年4月1日 一般財団法人岐阜市みどりのまち推進財団に  │ │ │       │        名称変更                  │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │設立目的   │活力ある緑豊かなまちづくりや地域社会づくりを目指し、緑化事 │ │ │(定款第3条) │業の推進に関わる知識の向上と愛護思想の普及を図るほか、都市 │ │基│       │公園緑地の維持・保全や多目的な利用促進、学術の振興に係る緑 │ │本│       │地の保全、心身の健全な発達に寄与するスポーツ環境の維持・提 │ │事│       │供等の事業を行い、自然環境の保全並びに地域社会の健全な発展 │ │項│       │に寄与すること                       │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │事業内容   │(1)都市公園緑地の管理・保全及び循環型社会形成に寄与する堆 │ │ │(定款第4条) │   肥化事業                        │ │ │       │(2)市民等の心身の健全な発達に寄与し、スポーツライフが楽し │ │ │       │   めるスポーツ環境の維持・提供等の事業          │ │ │       │(3)岐阜薬科大学薬草園の管理・保全による学術研究支援及び市 │ │ │       │   民への薬草に関する正しい知識の普及支援事業       │ │ │       │(4)市民協働による民有地緑化事業の推進及び助成事業     │ │ │       │(5)緑化推進及び普及啓発に関する講習会、展示会、その他催し │ │ │       │   物の開催                        │ │ │       │(6)緑や自然の大切さの普及啓発及び地域活性化を目指した都市 │ │ │       │   公園緑地での各種イベントの実施及び市民の環境保全活動等 │ │ │       │   に対する支援事業                    │ │ │       │(7)岐阜市緑化基金の造成、管理及び運用事業         │ │ │       │(8)茶道の普及啓発事業による観光振興支援事業        │ │ │       │(9)機関誌その他印刷物の刊行                │ │ │       │(10)その他この法人の目的を達成するために必要な事業    │ └─┴───────┴──────────────────────────────┘ (注)基本財産の部分は経営基本情報調査票の記載        (平成26年3月31日現在) ┌─┬───┬───┬───┬───┐ │ │区分 │役員 │評議員│職員 │ │組├───┼───┼───┼───┤ │織│常勤 │  1名│  0名│  3名│ │状├───┼───┼───┼───┤ │況│非常勤│ 10名│  7名│ 84名│ │ ├───┼───┼───┼───┤ │ │合計 │ 11名│  7名│ 87名│ └─┴───┴───┴───┴───┘                       (平成26年3月31日現在) ┌─┬──────────────┬──────────┬────┐ │評│     評議員会     │   理事会    │ 監事 │ │議│              │          │    │ │員│     (8名)      │   (8名)    │(2名) │ │会├─────┬────────┼────┬─────┼────┤ │・│評議員会長│岐阜薬科大学名誉│理事長 │市職員OB│    │ │理│  1名  │教授      │  1名 │     │    │ │事├─────┼────────┼────┼─────┼────┤ │会│ 評議員 │        │常務理事│市職員OB│    │ │の│  7名  │        │  1名 │     │    │ │構├─────┼────────┼────┼─────┼────┤ │成│     │        │ 理事 │     │    │ │員│     │        │  6名 │     │    │ └─┴─────┴────────┴────┴─────┴────┘  平成26年3月31日現在の職員配置図は、以下のとおりである。              総務課(岐阜公園・駐車場)             ┌────────┐ ┌─────┬──┐             │        │ │嘱託職員 │ 1名│           ┌─┤   課長   ├─┼─────┼──┤           │ │        │ │臨時職員 │ 3名│           │ └────────┘ ├─────┼──┤           │            │アルバイト│19名│ ┌───────┐ │            └─────┴──┘ │ 事務局長  │ │ │(兼常務理事)├─┤ │       │ │  ファミリーパーク └───────┘ │ ┌────────┐ ┌─────┬──┐           │ │   所長   │ │臨時職員 │21名│           ├─┤(兼事務局次長)├─┼─────┼──┤           │ │        │ │アルバイト│22名│           │ └────────┘ └─────┴──┘
              │           │  企画緑化課(梅林公園・薬草園・早田西公園等)           │ ┌────────┐ ┌─────┬──┐           │ │   課長   │ │嘱託職員 │ 1名│           └─┤(兼事務局次長)├─┼─────┼──┤             │        │ │臨時職員 │ 9名│             └────────┘ ├─────┼──┤                        │アルバイト│ 8名│                        └─────┴──┘                         (単位:千円) ┌─┬───────┬─────┬──────┬──────┐ │ │  区分   │平成23年度│平成24年度 │平成25年度 │ │ ├───────┼─────┼──────┼──────┤ │ │総収入額   │  94,654│   197,967│   194,388│ │ ├───────┼─────┼──────┼──────┤ │ │総支出額   │  93,324│   186,475│   193,388│ │財├───────┼─────┼──────┼──────┤ │務│(うち人件費)│(51,665)│ (111,303)│ (119,490)│ │の├───────┼─────┼──────┼──────┤ │状│差引収支額  │   1,330│   11,492│    1,000│ │況├───────┼─────┼──────┼──────┤ │ │総資産額   │  344,856│   362,416│   369,758│ │ ├───────┼─────┼──────┼──────┤ │ │総負債額   │   9,906│   15,931│   18,798│ │ ├───────┼─────┼──────┼──────┤ │ │正味財産額  │  334,950│   346,484│   350,959│ └─┴───────┴─────┴──────┴──────┘                     (単位:千円) ┌─┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │ │ 区分  │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │市├─────┼─────┼─────┼─────┤ │の│指定管理料│  38,013│  118,321│  118,321│ │財├─────┼─────┼─────┼─────┤ │政│委託料  │  62,019│  55,991│  55,991│ │支├─────┼─────┼─────┼─────┤ │出│補助金  │   3,189│   2,361│   2,273│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │合計   │  103,221│  176,673│  176,585│ └─┴─────┴─────┴─────┴─────┘ 第2 事実関係及び指摘・意見 1 所管課としての業務について 【事実関係】  岐阜市処務規則によれば、公園整備課の分掌事務として、みどりのまち推進 財団に関することが定められており、市も、公園整備課がみどりのまち推進財 団の所管課であるとしている。  公園整備課のヒアリングによれば、みどりのまち推進財団に対する委託や補 助金の担当課としての業務以外には、所管課として日常のコミュニケーション をとる程度のことはしているとのことであった。  所管課としての業務に関する記録は作成されていない。 【指摘 公園整備課】  所管課として何をすべきかが明確にされていない。市は、所管課の業務とし てなすべき管理事項を定め、それに基づいて管理業務を遂行すべきである。ま た、その記録をしておくべきである。 2 市の出資額(経営基本情報調査票)について 【事実関係】  市は、平成24年度の決算附属書類において、市のみどりのまち推進財団に 対する出資による権利として、「170,000,000円」と記載している。市は、み どりのまち推進財団に対し、緑化基金として、昭和63年度から平成14年度に かけて毎年10,000,000円ずつ合計150,000,000円の出えんをした。市は、み どりのまち推進財団設立時の出資額20,000,000円に、この緑化基金の出えん 額150,000,000円を加えたものを出資による権利としている。  みどりのまち推進財団も、平成25年度の貸借対照表において、基本財産 20,000,000円、緑化基金297,357,924円、基本財産等合計317,357,924円と 記載している。なお、民有地緑化事業概要(平成26年4月1日)においては、 平成25年度の緑化基金299,557,924円と記載されている。  ところが、市の経営基本情報調査票(平成25年6月1日現在)においては、 「基本財産等20,000,000円、うち市出資額20,000,000円」と記載されている。 3 補助金について  みどりのまち推進財団が市から交付を受けた補助金の概要は、次のとおりで ある。 (平成25年度)                        (単位:千円) ┌───────────────────┬─────┬────┬─────┐ │       対象事業        │ 担当課 │交付要綱│確定補助金│ ├───────────────────┼─────┼────┼─────┤ │事業ではなく、民有地緑化助成補助金その│公園整備課│ なし │   2,273│ │ものに対して交付           │     │    │     │ └───────────────────┴─────┴────┴─────┘ ┌────────┬───────────────────┐ │  補助金名  │民有地緑化助成(補助金交付)事業補助金│ ├────────┼───────────────────┤ │  要綱名   │なし                 │ ├────────┼───────────────────┤ │ 補助金の目的 │不明                 │ ├────────┼───────────────────┤ │  交付先   │不明                 │ ├────────┼───────────────────┤ │  事業概要  │不明                 │ ├────────┼───────────────────┤ │補助金の対象経費│不明                 │
    ├────────┼───────────────────┤ │補助金の算定方法│不明                 │ ├────────┼──────┬──────┬─────┤ │ 補助開始年度 │平成13年度 │ 経過年数 │ 12年  │ ├────────┼──────┼──────┼─────┤ │  補助金額  │平成25年度 │平成24年度 │平成23年度│ ├────────┼──────┼──────┼─────┤ │   予算   │  3,189,000│  3,189,000│ 3,189,000│ ├────────┼──────┼──────┼─────┤ │   決算   │  2,273,628│  2,361,659│ 3,189,000│ └────────┴──────┴──────┴─────┘ (1)補助金の必要性(緑化基金との関係)について 【事実関係1)】  市が補助金を交付するための要綱・要領がなく、補助金を交付する目的も不 明である。 【事実関係2)】  みどりのまち推進財団が発行している「民有地緑化事業概要」(平成26年4 月1日)には、緑化基金の運用利息及び市からの補助金で民有地緑化助成補助 金交付事業を行っている旨の記載がある。  平成25年度の実績でみると、みどりのまち推進財団の民有地緑化助成補助 金交付事業により市民に交付された補助金額は2,273,628円であるところ、緑 化基金の運用利息は4,104,736円(民有地緑化事業概要(平成26年4月1日) の記載)であり、これだけで補助金額を賄えている。 【指摘 公園整備課】  そもそも補助金とは、ある公益目的のためになされる事業の経費を補助する ものである。ところが、民有地緑化助成補助金交付事業においては、市がみど りのまち推進財団に対し、民有地緑化助成補助金交付事務を委託して事務経費 を委託料として支払い、市民に交付する民有地緑化助成補助金のために補助金 を支払う仕組みとなっている。補助金のために補助金を出すというのは、本来 の意味での補助金とはいえない。このような性質の補助金であるから、市が補 助金を交付するための要綱・要領がないものと思われる。  民有地緑化の助成というのは、市民に交付する補助金の目的であって、市が みどりのまち推進財団に交付する補助金の目的ではない。  みどりのまち推進財団の業務方法書によれば、緑化基金の運用利息は、民有 地緑化助成補助金だけでなく、民有地緑化推進事業に要する経費にあてるもの とされており、結局、みどりのまち推進財団の民有地緑化推進事業の経費のた めに、市が拠出した緑化基金の運用利息、市からの委託料が使用されている。  しかし、みどりのまち推進財団が市民に交付する民有地緑化助成補助金は、 本来的には、緑化基金の運用利益から支弁することが予定されているものであ るし、現実に運用利益の金額で補助金の交付額が賄えている。それにもかかわ らず、民有地緑化助成補助金の全額につき、みどりのまち推進財団に補助金を 交付している。なお、市が緑化基金を拠出した際の資料が提出されないため、 市が緑化基金を拠出した根拠や目的は不明である。  このように、緑化基金の運用利息で補助金を交付するという形が本来の形で あること、実際にも運用利息の範囲内で補助金の交付ができているという現実、 補助金のための補助金といういびつな実態からすれば、市のみどりのまち推進 財団に対する補助金は廃止すべきである。 (2)交付手続きについて 【事実関係】  補助金等交付申請書には、補助事業等の目的及び内容として、1)保存樹等補 助金交付要綱、2)屋上緑化奨励補助金交付要綱、3)環境(地域)緑化奨励補助 金交付要綱、4)生け垣づくり奨励補助金交付要綱に基づき補助金を交付すると 記載されている。  これに対し、交付決定の決裁書には、この1)ないし4)だけでなく、5)張芝奨 励補助金交付要綱、6)壁面緑化奨励苗木配布要綱、7)わが家のシンボルツリー 記念樹配布要綱といった申請書にない補助金の要綱が付け加えられている。 【指摘 公園整備課】  岐阜市補助金交付規則では、まず、補助金交付の申請をしなければならず、 市は、当該申請のあった補助金について、交付決定をすることとされている(第 4条・第5条)。  交付申請書にない事業に対する補助金を出せば、規則違反となるし、交付対 象でないものに対して交付する決定をすれば、それは無効となる。  この点につき、市からは、補助事業の軽微な計画変更であり、交付申請には 含まれているが計画変更申請書の提出という手続がなされていないだけのこ とであるとの意見があった。しかし、市は、交付決定の決裁書において、事業 内容として、「岐阜市からの補助金と岐阜市緑化基金の果実をもって・・・補 助金の交付を行う」と記載され、保存樹等補助金交付要綱・屋上緑化奨励補助 金交付要綱・環境緑化奨励補助金交付要綱・地域緑化奨励補助金交付要綱・生 け垣づくり奨励補助金交付要綱をまとめて「市の補助金」と手書きで記載し、 張芝奨励補助金交付要綱・壁面緑化奨励苗木配布要綱・わが家のシンボルツリ ー記念樹配布要綱をまとめて「みどりのまち推進財団」と手書きで記載してい る。このことからも、交付申請書にない後者3つの補助金については、緑化基 金の運用利息から交付するものであって、補助金交付の対象ではないものと認 識していたはずである。みどりのまち推進財団からすれば、市からの補助金と 運用利息の全体の予算で考えているのかもしれないが、市からすれば、何に対 して補助金を出すのかを明確にしておかなければならないはずである。  交付申請書に記載がないものに対し、補助金を交付すべきではない。 (3)確定手続きについて 【事実関係】  上記のとおり、張芝奨励補助金は、補助金交付の対象ではなかった。  しかし、事業実績書には、申請書にない張芝奨励補助金が記載され、収支計 算書には、張芝奨励補助金668,100円が計上されており、これに基づいて補助 金の確定が行われている。 【指摘 公園整備課】  補助金交付の対象ではなかった補助金についても補助金を交付した結果に なってしまっている。  補助金交付の対象である補助金についてのみ、補助金の確定をすべきである。 4 委託について
     みどりのまち推進財団が市から委託を受けた業務の概要は、次のとおりであ る。 (平成25年度)                           (単位:千円) ┌─┬───────┬─────────────────┬────┬──┬───┐ │ │ 委託業務名 │      事業の概要      │担当課 │選定│確定 │ │ │       │                 │    │方法│委託料│ ├─┼───────┼─────────────────┼────┼──┼───┤ │1│民有地緑化推進│・民有地緑化助成補助金交付事業  │公園整備│随意│11,140│ │ │業務及び緑化啓│・「フローラリー岐阜」の事務局  │課   │  │   │ │ │発業務    │・「花飾り講習会」の開催     │    │  │   │ │ │       │・「緑化フェア」の開催      │    │  │   │ │ │       │・「ふれあい花壇事業」の業務補助 │    │  │   │ │ │       │・梅林公園の梅園の管理      │    │  │   │ ├─┼───────┼─────────────────┼────┼──┼───┤ │2│公園管理業務及│・岐阜公園来園者休憩所等の管理及び│公園整備│随意│38,460│ │ │び使用料収納事│使用料収納事務          │課   │  │   │ │ │務業務    │・岐阜公園来園者駐車場の管理及び使│    │  │   │ │ │       │用料収納事務           │    │  │   │ │ │       │・岐阜公園駐車場の案内及び周辺整理│    │  │   │ │ │       │・岐阜公園の維持管理       │    │  │   │ │ │       │・川原町広場施設の開閉      │    │  │   │ │ │       │・梅林公園の管理         │    │  │   │ ├─┼───────┼─────────────────┼────┼──┼───┤ │3│岐阜薬科大学薬│・園内の薬草栽培、除草、清掃   │薬科大学│随意│ 6,391│ │ │草園施設管理業│・温室、管理舎等の管理      │事務局庶│  │   │ │ │務      │                 │務会計課│  │   │ ├─┼───────┼─────────────────┼────┴──┼───┤ │ │       │                 │  合計   │55,991│ └─┴───────┴─────────────────┴───────┴───┘ (1)民有地緑化推進業務及び緑化啓発業務について ア 委託発注について 【事実関係】  市は、委託業務名を民有地緑化推進業務及び緑化啓発業務とし、都市の美観 風致を維持するための樹木の保存に関する業務(保存樹所有者への補助金交付 事務・研修会実施、樹木医診断受付)、民有地緑化推進業務(民有地緑化助成 補助金交付事務)、緑化啓発に関する業務(フローラリー岐阜の事務局、花飾 り講習会の開催、緑化フェアの業務)、花による緑化啓発業務(ふれあい花壇 事業の業務補助、梅林公園の梅園の管理)といった複数の業務をまとめて委託 している。  市は、みどりのまち推進財団に対し、平成13年度から毎年、一者随意契約 により本委託を行っている。  仕様書は、契約書に添付されているもののみが存在し、委託を発注する前の ものかどうかは不明である。  また、仕様書には、委託先としてみどりのまち推進財団名が既に記載されて いる。  一者随意契約理由書によれば、岐阜市随意契約ガイドラインの「国及び地方 公共団体又は営利を目的としない法人と契約をするとき」に該当することから、 「契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」(地方自治法施行令第 167条の2第1項第2号)に該当するとされ、「一者随意契約理由」欄には、 業務の内容が行政目的なもので委託できる相手が限られること、みどりのまち 推進財団が、民有地緑化推進のため、昭和61年の設立以来、従来岐阜市が行 ってきた事業を実施してきたこと、また、市の独自事業にも協力し連携を図っ ていることが記載されている。 【指摘 公園整備課】  市が業務を委託する際には、仕様書を作成しなければならず、「業務委託契 約における仕様書作成について」によれば、仕様書を作成するにあたっては、 特定の業者しか履行できないような内容にならないようにしなければならな いとされている。  仕様書に委託先が記載されているというのは、特定の業者に委託することが 既定事実となっているのではないかと誤解を招くおそれがある。委託の必要 性・相当性の検討をしていないことの表れでもある。  市は、仕様書に委託先を記載すべきではない。 【指摘 公園整備課】  このように複数の業務をまとめてしまうと、これまで委託されてきたみどり のまち推進財団以外の者が委託を受けることは困難になる。後に述べる事業評 価を適正に行うという観点からも、一つ一つの業務に分けて委託すべきである。  この点につき、市は、複数の業務を総合して進めることにより効果を発揮す ることから、一つ一つの業務に分けて委託することは現実的ではないとの意見 を述べた。しかし、複数の業務を総合して進めているということも、それによ って効果を発揮しているということも、その根拠は見当たらない。後述のよう に、一つ一つの業務が緑化啓発や緑化推進の目的実現に寄与しているかどうか の検証すら十分になされていないのに、総合して進めることにより効果を発揮 するといえるはずがないと考える。 【指摘 公園整備課】  一者随意契約の理由に記載されている「業務の内容が行政目的なもので委託 できる相手が限られる」という点は、理由として不十分である。市が委託する 業務の目的はすべて公益的なものであるはずである。そのために委託できる相 手が限られるのであれば、すべての委託について一者随意契約にできることに なってしまう。民有地緑化推進・啓発という業務の目的から、委託できる相手 がみどりのまち推進財団に限られるとの意図であると思われるが、民有地緑化 推進・啓発業務はみどりのまち推進財団にしか遂行しえないということの根拠 は見当たらない。  また、今までやってきた団体だからということのみを理由にすると、最初に 委託した先の既得権益になるだけである。今までやってきたということから、 直ちにその団体しか遂行できないということにはならない。これも理由として 不十分である。  市は、一つ一つの業務の性質や目的に照らし、一者随意契約の理由として成 り立つ理由を記載すべきである。 【指摘 公園整備課】  この業務委託は、一者随意契約理由書にも記載されているとおり、市が行っ てきたこと又は市が行うべきことをみどりのまち推進財団に行わせ続けてい るものである。  業務内容をみても、事務的なことばかりであり、市の職員以外の者でなけれ
    ばできないような専門性が必要とされるものではない。フローラリー岐阜の事 務局、花飾り講習会の開催、緑化フェアに関する業務、いずれも緑化啓発との 関連性が不明である。ふれあい花壇事業に関する業務補助や梅園の管理が緑化 啓発といえるのかも不明である。梅園の管理には専門性が求められるとはいえ るが、それを行うのは嘱託・臨時職員であり、みどりのまち推進財団自体に専 門性があるわけではない。  補助金交付事務も、市のヒアリングによれば、もともと市が行うもので、実 際に昔は市が行っていたところ、みどりのまち推進財団に委託している理由は、 市の職員だと対応が遅くなるし、人件費がかからない(市の職員を増やすより は委託料を払ったほうが安いとの意味)とのことであった。しかし、補助金の 交付件数や交付事務の内容からすれば、市の職員が行ったとしてもそれほどの 負担になるとは思えず、市の職員を増やさなければ迅速な対応をすることがで きないといえるような根拠は見当たらない。  委託料を払ってまで委託する必要があるのか、市が行えば足りるのではない か、委託することによって無駄な経費がかかっているのではないかといった委 託の必要性・相当性の検討はなされていない。  このような業務について、委託の必要性・相当性を何ら検討することなく委 託し続けているのは、みどりのまち推進財団に委託料を払うために委託してい るのではないかと受け取らざるを得ない。  市は、上記の業務の一つ一つについて、委託の必要性・相当性を吟味した上 で、委託すべきか、委託すべきでないかを検討すべきである。 イ 委託料について 【事実関係】  発注段階で、設計書は作成されておらず、市の予算書の写しが添付されてい るだけである。市のヒアリングによれば、予算書を作成する際に積算を行った とのことであった。  一者随意契約理由書の「積算の根拠」欄には、「見積徴収し、その金額と事 業予算額を比較し妥当性を精査」との記載があるが、その精査をした形跡はな い。市のヒアリングにおいても、市は見積書を詳細に検討することはしていな いとのことであった。  みどりのまち推進財団の見積書には、上記の複数の業務をまとめての金額し か記載がなく、一つ一つの業務に要する経費の内訳の記載はない。 【指摘 公園整備課】  見積書の精査をしていないにもかかわらず、「精査」と記載するのは不適切 である。そもそも、見積書には内訳が記載されていないのだから、精査しよう もないはずである。  このような委託の仕方を見ると、予算額を決めて、それに合わせた見積書を みどりのまち推進財団に出させていると受け取らざるを得ない。  市は、前年の委託料が適切であったのかどうかを検証しつつ積算するととも に、精査できるに足りるだけの内訳の記載された見積書を提出させ、毎年、適 正な金額を委託料として定めるべきである。 ウ 手続について 【事実関係】  みどりのまち推進財団は、本委託の事業計画・予算を作成していない。市の ヒアリングでは、みどりのまち推進財団全体の事業計画書と予算書で代替して いるとのことであった。  みどりのまち推進財団は、本委託の事業実績報告・決算書を作成していない。 市のヒアリングでは、みどりのまち推進財団が発行している冊子(民有地緑化 事業概要)とみどりのまち推進財団全体の決算書で代替しているとのことであ った。 【指摘 公園整備課】  委託契約書では、みどりのまち推進財団は、「発注者が示す方針に基づき、 事業計画及び予算を作成し、これに基づいて受託事業を行うものとする」とさ れ(第7条第1項)、「前項の事業計画及び予算の作成については、あらかじめ 書面をもって発注者の承認を得、執行しなければならない」とされている(第 7条第2項)。  このように定められている目的は、市が委託する当該業務について、どのよ うにして業務を履行するのか、どのように経費を支出するのかということを明 確にしておくことにより、当該委託の目的に従って当該業務が履行されるかど うかを事前に確認すること、及び、業務終了後に計画・予算どおりに履行され たのかどうかを検証できるようにしておくことにある。そのため、事業計画・ 予算書は、当該委託ごとに作成しなければならないものであり、みどりのまち 推進財団全体のものでは作成の目的が実現しえない。  委託契約書では、みどりのまち推進財団は、「事業完了後速やかに事業実績 報告及び決算書を発注者に提出しなければならない」とされている(第7条第 3項)。  このように定められている目的は、市が委託する当該業務について、どのよ うにして業務を履行したか、どのように経費を支出したかということを明確に しておくことにより、当該委託の目的に従って当該業務が履行されるかどうか、 計画・予算どおりに履行されたのかどうかを検証することにある。そのため、 事業実績報告・決算書は、当該委託ごとに作成しなければならないものであり、 みどりのまち推進財団全体のものでは作成の目的が実現しえない。  市は、みどりのまち推進財団に対し、当該委託ごとに、事業計画・予算書、 事業実績報告・決算書を作成させ、委託契約書で定められた義務を履行させる べきである。 エ 精算について 【事実関係】  市は、契約代金を2分し、4月と10月に前金払で支払っているが、その精 算手続を行っていない。 【指摘 公園整備課】  委託契約書において、「事業実績の結果、委託料に残額が生じたときは、直 ちに残額を市に返還しなければならない」(第7条第4項)と定められており、 精算手続を行うことが義務とされている。  市は、精算手続を行うべきである。 オ 事業評価について 【事実関係】  事業評価シートには、事業名「岐阜市みどりのまち推進みどりのまち推進財 団事業委託」、事業の必要性「環境の保全、緑化には市内の多くの範囲を占め る民有地の緑化を促進する必要がある。花飾り講習会は市民が花飾りの方法を
    学ぶことにより、家庭での緑化に貢献している。」、事業の対象「花飾り講習会 を市民に年6回開催する」と記載されている。  人にかかるコスト「0円」、物にかかるコスト「民有地緑化推進事業及び緑 化啓発業務委託・11,148,000円」と記載されている。  また、活動指標名「民有地緑化の支援件数」、問題点・課題「まちにみどり は必要であり、現在みどりのまち推進財団が対応している」と記載されている。  項目別評価では、必要性「特に助成事業は重要」、有効性「市民からの要望 が多い」、費用対効果「あると考える」、妥当性「みどりのまち推進財団で対応 することは妥当である」、公共性「非常に高い」、総合評価では、「民有地緑化 の推進は必要なことであり、現状維持が望ましいと考えている」と記載されて いる。 【指摘 公園整備課】  事業評価シートは、そもそも事業名に団体名しか記載されていないうえ、事 業の必要性、事業の対象の欄には花飾り講習会のことしか記載されておらず、 対象の記載として不適切である。  コストとしては、民有地緑化推進事業及び緑化啓発業務委託事業の全体の委 託料を記載していながら、活動指標としては、民有地の緑化の支援件数(補助 金の件数のことと思われる)しか記載されていない。  課題・問題点は、的外れな記載となっているし、項目別評価の説明も、結論 を言葉にしただけで何の説明にもなっておらず、総合評価は、事業の目的の正 当性を述べているだけで、事業の評価になっていない。  このような事業評価シートは、上記の作成の目的の実現に全く寄与しておら ず、無意味なものといわざるを得ない。  市は、事業評価シート作成の目的を十分に考慮し、意識改革を行い、目的の 実現に寄与する内容を記載すべきである。  また、民有地緑化推進業務及び緑化啓発業務委託業務という、具体的な業務 そのものではなく抽象的な業務の目的をそのまま委託業務名にして、複数の業 務をまとめて委託していることも、このような事業評価シート作成をすること になった一因であるものと考える。  市は、事業評価できるような形で分けて業務を委託するか、個別具体的な業 務ごとに事業評価すべきである。 (2)公園管理業務及び使用料収納事務業務について ア 委託発注について 【事実関係】  市は、委託業務名を公園管理業務及び使用料収納事務業務とし、岐阜公園来 園者休憩所等管理業務並びに使用料収納事務、岐阜公園来園者用駐車場管理業 務並びに使用料収納事務、岐阜公園駐車場案内及び周辺整理業務、岐阜公園維 持管理業務、川原町広場施設開閉業務、梅林公園管理業務をまとめて委託して いる。  市は、みどりのまち推進財団に対し、平成7年度から毎年、一者随意契約に より本委託を行っている。  市のヒアリングでは、このようにまとめて委託している理由は分からないと のことであった。  一者随意契約理由書によれば、岐阜市随意契約ガイドラインの「国及び地方 公共団体又は営利を目的としない法人と契約をするとき」に該当することから、 「契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」(地方自治法施行令第 167条の2第1項第2号)に該当するとされ、一者随意契約理由欄には、次の ような理由が記載されている。岐阜公園の管理には、岐阜城などとの連絡や業 務の調整が必要であり、円滑な業務の遂行を行っていくためには、長年の経験 による効率的・効果的な運営が求められる。梅林公園の管理には、高度な剪定 技術、地元ボランティアへの指導など熟練した経験を有する能力が求められる。 みどりのまち推進財団に従事する職員は都市緑化に関する豊富な知識と経験 があり、みどりのまち推進財団は、公園管理に長けているだけでなく、来園者 に緑化をPRできる。みどりのまち推進財団の事業目的と能力・経験は他の団 体では補えない。 【意見 公園整備課】  複数の業務をまとめて一つの委託としていることにつき、市は、一括発注す ることで経費の削減が見込まれるとの意見を述べたが、その内容と理由は不明 である。仮に、そうだとしても、経費の削減の観点でいうならば、むしろみど りのまち推進財団に委託をしないという方向を検討することになるのではな いだろうか。  本委託のように、複数の業務をまとめて委託してしまうと、これまで委託さ れてきたみどりのまち推進財団以外の者が委託を受けることは困難になる。先 に述べた、事業評価の観点(本委託は内部事務であるとして事業評価シートの 作成は必要とされていないとしても、委託料を支出する以上は事業評価をしな ければならない。)からしても、一つ一つ分けて委託することが望ましい。  なお、本委託は、上記の民有地緑化推進業務及び緑化啓発業務とは異なり、 一つ一つの委託業務間に関連性があり、各々の業務量が少ないため、まとめて 委託することに合理性があることも否定できないことから、指摘ではなく意見 とした。 【指摘 公園整備課】  一者随意契約理由にある岐阜城などとの連絡や業務の調整とは具体的にど のようなことを指しているのかは不明であるが、業務内容をみる限り、それが できなければ業務を遂行できないとは思えない。  また、どの業務も特に専門的な能力が必要とされる業務ではない。この点に つき、市は、樹木の選定や公園管理、使用料を扱う事務などは誰でもできる業 務であるとは考えないとの意見を述べた。しかし、樹木の剪定は、アルバイト や臨時職員にノウハウがあるだけであり、みどりのまち推進財団に専門性があ るわけではないし、公園管理や使用料を扱う事務は専門性が要求される業務で はない。  結局は、これまでみどりのまち推進財団がやっていきているからみどりのま ち推進財団に委託するという理由であると解さざるを得ない。  市は、一つ一つの業務の内容・目的に照らし、一者随意契約の理由として成 り立つ理由を記載すべきである。 【指摘 公園整備課】  この委託業務は、どれも、臨時職員とアルバイトにより遂行されているもの であり、みどりのまち推進財団としての特殊性により遂行されているものでは ない。  また、後述するように、市の解釈によれば、この委託業務では事業評価シー トを作成しなくてもよいと解釈しており、それは、内部管理的な事務であるこ とを理由としている。そうであるならば、みどりのまち推進財団にまとめて委 託せずとも、市が臨時職員とアルバイトを使用して業務を遂行すれば足り、そ のほうが効率性・経済性が高いとも考えられる。この点につき、市は、現在の
    市の体制では、業務や労務を管理する職員の配置が困難であり、通常業務に支 障をきたすことは明らかであるとの意見を述べた。しかし、臨時職員やアルバ イトを使用するのにさほど労力を要するとは思えない。  市は、市が臨時職員やアルバイトを使用して業務を遂行する場合と外部にそ れを委託する場合における有効性、効率性、経済性について検証し、委託の是 非を検討すべきである。 イ 委託業務の内容について 【事実関係】  上記の民有地緑化推進業務及び緑化啓発業務の委託には、「梅林公園の管理 業務」が含まれており、仕様書には、その内容として、「梅園の管理(剪定、 施肥、品種の名札付け等)と開花状況の報告、ぎふ梅まつりでの緑化啓発」と 記載されている。  ところが、本委託にも、「梅林公園の管理業務」が含まれており、仕様書に は、その内容として、「民有地緑化事業(ぎふ梅まつりの開催)、公園管理事務 所の管理、園内の維持管理、公園内の除草、清掃など」と記載されている。  市のヒアリングでは、前者は、梅の木の管理で、後者は、公園の管理である から、本委託には、梅の木の管理は含まれていないとのことであった。 【指摘 公園整備課】  市のヒアリングによれば、梅の木の管理は本委託には含まれていないとのこ とであるが、本委託の一者随意契約理由において、「みどりのまち推進財団に 梅の木の剪定技術があること」が記載されており、明らかに矛盾している。し かも、本委託の業務内容において、民有地緑化推進業務及び緑化啓発業務の一 つである民有地緑化事業が含まれており、ぎふ梅まつりが双方の委託にまたが っている。  このようなことからすると、民有地緑化推進業務及び緑化啓発業務と本委託 の双方において、梅林公園の管理業務に対する委託料を支出しているのは、同 じ業務に対して二重に支出しているか、過剰に支出しているのではないかとの 誤解を招くおそれがある。  市は、委託の仕方(仕様書の記載の仕方)と委託料の算定方法を検討すべき である。 ウ 岐阜公園来園者休憩所の使用について 【事実関係】  みどりのまち推進財団は、岐阜公園来園者休憩所において、2階は、みどり のまち推進財団の事務所として使用し、1階は、立礼茶席(華松軒)において 抹茶とお菓子の提供を自主事業として営み、本委託業務の一つとして茶室(青 翠庵)・和室・水屋の貸出事業を運営している。茶室等の貸出事業については、 岐阜市都市公園条例に基づく使用許可、使用料の徴収又は減免申請の受付を行 っている。  市は、市の施設である岐阜公園来園者休憩所をみどりのまち推進財団に使用 させているが、これに係る書類は作成されていない。  市は、みどりのまち推進財団から、岐阜公園来園者休憩所の使用に対する対 価は徴収しておらず、これに係る書類は作成されていない。なお、市は、同様 に岐阜公園内で飲食店を営む民間事業者からは市の施設の使用料を徴収して いる。 【指摘 公園整備課】  岐阜公園来園者休憩所は、市民が共同利用する不動産であり、行政財産に該 当する。行政財産は、地方自治法第238条の4第2項から第4項までに定める とき以外は、これを貸し付けることはできず、その用途又は目的を妨げない限 度においてのみその使用を許可することができるにとどまる(同条第7項)。  岐阜市公有財産規則では、行政財産の使用許可は、同規則第21条各号に定 められた場合にのみ許可でき、そのためには使用許可申請書の提出などの手続 きをとらなければならないとされている。  また、岐阜公園来園者休憩所は、岐阜市都市公園条例において、有料公園施 設に定められ、有料公園施設を使用しようとする者は、市長の許可を受けなけ ればならず(第6条第1項及び第2項)、そのためには使用許可申請書の提出 などの手続きをとらなければならないとされている(第6条第4項・第3条第 2項ないし第5項)。  しかし、市は、使用許可の手続をとることなく、みどりのまち推進財団に岐 阜公園来園者休憩所を使用させている。  市は、みどりのまち推進財団に対し、使用許可の手続をとらせるべきである。 【指摘 みどりのまち推進財団】  みどりのまち推進財団は、市に対し、岐阜公園来園者休憩所について使用許 可をとるべきである。 【指摘 公園整備課】  市は、許可を受けてする行政財産の使用について使用料を徴収することがで き(地方自治法第225条)、岐阜市使用料徴収条例では、行政財産を使用する 者は、使用料を納付しなければならないとされ(同第3条)、必要と認めると きは使用料の額の減額又は徴収の免除をすることができるとされている(同第 4条)。  市は、少なくともみどりのまち推進財団が自主事業として抹茶とお菓子の提 供を営んでいる立礼茶席(華松軒)の部分については、他の民間事業者と同様 に使用料を徴収すべきである。  みどりのまち推進財団が事務所として使用している2階部分については、他 の外郭団体の事務所が市の施設を使用している例も併せ考え、使用料を徴収す るのか免除するのか、いずれが正当であるかということについて十分に検討し、 明確な手続きをとるべきである。 【指摘 公園整備課】  市がみどりのまち推進財団から使用料を徴収していないことについては、平 成19年度の包括外部監査報告書において、使用料を徴収すべきとの監査意見 がなされている。これに対する措置状況報告書において、市は、「当施設は収 益を目的としているものではなく、茶道の伝統文化を継承するものであること から、引き続きみどりのまち推進財団による運営を継続する」と記載している だけであり、使用料を徴収しないという結論を維持していることについての明 確な回答はしていないし、その理由も明らかにしていない。  市は、明確な回答をすべきである。 エ 委託料について 【事実関係】  一者随意契約理由書及び実施設計書によれば、それぞれの委託業務ごとに、 人工に岐阜県公表の平成24年度単価表に基づく単価を乗じて人件費を積算し
    ている。  みどりのまち推進財団から提出を受けた見積書は、委託業務ごとの内訳がな く、平成24年度の契約額と全く同じ金額であり、これと同額が契約額となっ ている。 【指摘 公園整備課】  前年の委託料が適切であったのかどうかを検証しつつ積算するとともに、精 査できるに足りるだけの内訳の記載された見積書を提出させ、毎年、適正な積 算をすべきである。 オ 手続について 【事実関係】  上記委託と同様、本委託の事業計画・予算を作成しておらず、事業実績報告・ 決算を作成してない。 【指摘 公園整備課】  市は、みどりのまち推進財団に対し、当該委託ごとに、事業計画・予算書、 事業実績報告・決算書を作成させ、委託契約書で定められた義務を履行させる べきである。 カ 精算について 【事実関係】  上記委託と同様、精算がなされていない。 【指摘 公園整備課】  市は、精算手続を行うべきである。 キ 事業評価について 【事実関係】  本委託については、事業評価シートが作成されていない。  公園整備課のヒアリングによれば、事業評価シートの「作成要領」にある「事 業評価シートを使用せずに評価する事務事業」のうち、「内部管理的な事務事 業」に該当することが理由であるとのことである。 【指摘 公園整備課】  本委託の各業務は、いずれも「内部管理的な事務事業」として挙げられてい る事務事業には該当しない。事業評価シートを作成すべきである。 (3)岐阜薬科大学薬草園施設管理業務について ア 所管課について 【事実関係】  公園整備課のヒアリングでは、本委託は、薬科大学事務局庶務会計課が担当 なので分からないとのことであった。 【指摘 公園整備課】  上記のとおり、みどりのまち推進財団に関することが公園整備課の分掌事務 であるとして岐阜市処務規則に定められている。委託の所管が異なるからとい って分からないというのは、分掌事務を適切に履行していないことになる。  公園整備課は、委託の所管でないとしても、みどりのまち推進財団が受託し ている業務について、把握をしておくべきである。 イ 委託発注について 【事実関係】  仕様書によれば、本委託の業務内容は、園内の薬草栽培、除草、清掃等、温 室・管理舎の管理(清掃を含む)とされている。  一者随意契約理由書によれば、岐阜市随意契約ガイドラインの「特定の者と 契約をしなければ契約の目的を達成することができないとき」に該当すること から、「契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」(地方自治法施行 令第167条の2第1項第2号)に該当するとされ、一者随意契約理由欄には、 植物栽培の専門知識と組織的人的能力が不可欠であり、専門的業務はみどりの まち推進財団だけが行いうるとの記載がある。 【指摘 薬科大学事務局庶務会計課】  みどりのまち推進財団のヒアリングによれば、本委託の業務内容は、大学教 授の指示に従って作業をすることである。そうであれば、専門性は大学教授に あるのであって、みどりのまち推進財団に専門性があるわけではない。みどり のまち推進財団でなければならないとはいえない。  みどりのまち推進財団に一者随意契約で委託する理由が不十分である。一者 随意契約の理由として成り立つ理由を記載すべきである。 ウ 委託料について 【事実関係】  一者随意契約理由書には、独自積算をしたとの記載があるが、予算書がある のみで積算したことを示した書類はない。  平成22年度から平成24年度まで同じ金額であり、平成25年度の見積書及 び契約額も前年と全く同じ金額である。 【指摘 薬科大学事務局庶務会計課】  書類がなく、毎年同じ金額であること、精算手続をしていないことからすれ ば、積算をしておらず、前年踏襲で委託料を決定しているにすぎないと受け取 らざるを得ない。  市は、適正な積算をすべきである。 エ 委託契約書について 【事実関係】  委託契約書には、精算をして返還をする条項がない。 【指摘 薬科大学事務局庶務会計課】  報告をさせて精算をさせなければ、委託料が適正であったのかどうかの判断 ができず、前年踏襲になってしまう。  市は、精算、返還条項を入れ、実行すべきである。
    オ 事業評価について 【事実関係】  本委託については、事業評価シートが作成されていない。  薬科大学事務局の書面による回答によれば、事業評価シートの「作成要領」 にある「事業評価シートを使用せずに評価する事務事業」のうち、「内部管理 的な事務事業」に該当することが理由であるとのことである。 【指摘 薬科大学事務局庶務会計課】  本委託業務は、「内部管理的な事務事業」には該当しない。  市は、事業評価シートを作成させるべきである。 5 指定管理について  みどりのまち推進財団が指定管理者となっている施設の概要は、次のとおり である。                              (単位:千円) ┌─┬─────────────────┬─────┬──┬─────┐ │ │      対象施設       │ 担当課 │選定│平成25年度│ │ │                 │     │方法│指定管理料│ ├─┼─────────────────┼─────┼──┼─────┤ │1│岐阜ファミリーパーク       │公園整備課│公募│  92,042│ ├─┼─────────────────┼─────┼──┼─────┤ │2│早田西公園・木ノ下公園・野一色公園│公園整備課│公募│  26,279│ ├─┼─────────────────┼─────┴──┼─────┤ │ │                 │   合計   │  118,321│ └─┴─────────────────┴────────┴─────┘ 岐阜ファミリーパーク ┌─┬───────┬──────────────────────────────┐ │施│名称     │岐阜ファミリーパーク                    │ │設├───────┼──────────────────────────────┤ │の│所在地    │北野北                           │ │概├───────┼──────────────────────────────┤ │要│面積     │556,000m2                          │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │開設年    │昭和57年3月29日                       │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │施設概要   │・有料公園施設                       │ │ │       │野球場(1面)、サッカー兼ラグビー場(1面),庭球場(10面)、│ │ │       │遊戯施設8基(サイクルモノレール、スーパーモービル、ボブス  │ │ │       │レー、ゴーカート、バッテリーカー、ボート、パターゴルフ、イ │ │ │       │ンラインスケート)                     │ │ │       │・ミワクル広場                       │ │ │       │遊具11基(ジャンピングボム、ボルケーノスライド、ハッピーク │ │ │       │ラウド、バランスファイト、スカラベトンネル、モンスターウォ │ │ │       │ール、スネイクロード、グレートフォール、レインボーピラミッ │ │ │       │ド、ホーンテッドマウンテン、フローティングケイブ)     │ │ │       │・管理棟                          │ │ │       │・徳山の家                         │ │ │       │・駐車場                          │ │ │       │・芝生広場                         │ │ │       │・渓流及び池                        │ ├─┼───────┼──────────────────────────────┤ │導│導入年度   │平成18年                          │ │入├───────┼──────────────────────────────┤ │ │根拠条例   │都市公園条例、同施行規則                  │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │指定期間   │平成24年4月1日から平成29年3月31日              │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │施設種別   │総合公園                          │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │所管課    │公園整備課                         │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │選定方法   │公募                            │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │経費負担   │利用料金制非導入                      │ ├─┼───────┼──────────────────────────────┤ │指│施設の運営に関│・利用者の対応                       │ │定│する業務   │・利用促進活動                       │ │管│       │・災害、事故への対応                    │ │理│       │・取得物、残置物の処理                   │ │者│       │・市や園内施設の指定管理者との連絡調整           │ │の│       │・管理報告書の作成                     │ │行│       │・施設貸付、利用受付及び使用料収納             │ │う│       │・巡回                           │ │業├───────┼──────────────────────────────┤ │務│施設の維持管理│・日常点検、法定点検、定期点検等の実施           │ │の│に関する業務 │・部品の交換や施設の補修、修繕(1件あたり50万円未満は指定 │ │範│       │管理料で負担)                       │ │囲│       │・グラウンド整備                      │ │ │       │・保安警備                         │ │ │       │・園内清掃、便所清掃                    │ │ │       │・芝生管理                         │ │ │       │・除草、草刈                        │ │ │       │・樹木管理                         │ │ │       │・花壇等管理                        │ │ │       │・動物飼育                         │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │その他の業務 │・フードコート                       │ └─┴───────┴──────────────────────────────┘ 早田西公園・木ノ下公園・野一色公園 ┌─┬───────┬──────────┬────────────┬────────┐ │施│名称     │早田西公園     │木ノ下公園       │野一色公園   │ │設├───────┼──────────┼────────────┼────────┤ │の│所在地    │学園長1丁目93    │木ノ下7丁目       │野一色4丁目530 │ │概│       │          │            │-1       │ │要├───────┼──────────┼────────────┼────────┤ │ │面積     │10,382m2      │11,745m2        │30,615m2    │ │ ├───────┼──────────┼────────────┼────────┤
    │ │開設年    │昭和40年8月5日   │昭和40年12月1日     │昭和33年4月1  │ │ │       │          │            │日       │ │ ├───────┼──────────┼────────────┼────────┤ │ │施設概要   │テニスコート(4面) │テニスコート(7面)(全 │テニスコート(4 │ │ │       │(全天候型)    │天候型,クレイ)    │面)(全天候型)│ ├─┼───────┼──────────┼────────────┼────────┤ │導│導入年度   │平成24年度     │平成24年度       │平成24年度   │ │入├───────┼──────────┴────────────┴────────┤ │ │根拠条例   │都市公園条例,同施行規則                    │ │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │ │指定期間   │平成24年4月1日から平成29年3月31日                │ │ ├───────┼──────────┬────────────┬────────┤ │ │施設種別   │近隣公園      │近隣公園        │地区公園    │ │ ├───────┼──────────┴────────────┴────────┤ │ │所管課    │公園整備課                           │ │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │ │選定方法   │公募                              │ │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │ │経費負担   │利用料金制非導入                        │ ├─┼───────┼────────────────────────────────┤ │指│施設の運営に関│・利用者の対応                         │ │定│する業務   │・利用促進活動                         │ │管│       │・災害、事故への対応                      │ │理│       │・取得物、残置物の処理                     │ │者│       │・市や総合体育館指定管理者との連絡調整             │ │の│       │・管理報告書の作成                       │ │行│       │・施設貸付、利用受付及び使用料収納               │ │う├───────┼────────────────────────────────┤ │業│施設の維持管理│・日常点検、法定点検、定期点検等の実施             │ │務│に関する業務 │・部品の交換や施設の補修、修繕(1件あたり50万円未満は指定   │ │の│       │管理料で負担)                         │ │範│       │・保安警備                           │ │囲│       │・園内清掃、便所清掃                      │ │ │       │・遊具点検                           │ │ │       │・芝生管理                           │ │ │       │・除草、草刈                          │ │ │       │・樹木管理                           │ │ │       │・庭球場管理                          │ │ │       │・徒渉池管理                          │ │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │ │その他の業務 │                                │ └─┴───────┴────────────────────────────────┘ (1)岐阜ファミリーパークについて 【事実関係】  本施設の指定管理者募集要項には、「過去3年間の決算及び平成23年度の当 初予算のうち、平成23年度の予算額(95,033,000円)を上限」とすると記載 されているが、その積算内訳は明示されていない。  積算した内容が記載された資料はない。金額としては、前年を踏襲したもの と思われるが、前年の経費を検証したことが記載された資料もない。 (2)早田西公園外2公園について 【事実関係】  早田西公園、木ノ下公園、野一色公園の3つの施設を一括で募集している。  公園整備課のヒアリングによれば、一括募集の理由は、いずれもテニスコー トという点で類似施設であるからとのことである。その後、市から、市が設置 する公共のテニスコートとして、同じ品質管理を行い、市民に対して同一レベ ルのサービスを提供すること、経費の削減が見込まれることも一括募集の理由 であるとの意見があった。 【指摘 公園整備課】  上記3施設は、それぞれ独立した施設であり、他の公の施設と併設されてい るとか、同じ敷地内にあるといったこともない。  テニスコートは、民間事業者が運営するものが数多くあり、民間事業者が運 営することによってサービスが低下するとか施設の設置目的が達せられない といったことはない。それぞれに指定管理者を募集することによりかえって市 民サービスの低下につながることはない。  市が一括募集の理由として述べる、公共のテニスコートとして同一レベルの サービスを提供するというのは、公の施設に係る管理主体の範囲を民間事業者 まで広げることにより、民間事業者の能力やノウハウを幅広く活用することに よる住民サービスの向上という指定管理者制度導入の目的と相反しかねない し、市が指定管理者のモニタリングをするのであるから、それぞれ募集をした としても、一定程度レベル以上のサービスを維持することは可能である。  他方において、地理的に離れた位置にあり、設備の関連性もない上記3つの 施設を一括募集することにより、民間事業者が指定管理者に応募しにくくなっ ていることが容易に推測される。現に、平成24年度の募集ではみどりのまち 推進財団しか応募をしていない。  一施設ごとに指定管理者を募集すべきである。 6 自主事業について 【事実関係】  みどりのまち推進財団は、自動販売機の経営などの自主事業を行っているが、 公園整備課のヒアリングによれば、市の関与は決算書を見る程度であるとのこ とである。 【指摘 公園整備課】  公園整備課は、所管課として、自主事業が適正に行われているかどうかもチ ェックすべきである。 7 存続について 【事実関係】  平成20年3月に策定された「外郭団体の見直しの方向性」では、指定管理 者の選考の結果により、あり方を判断する団体と位置付けられていたところ、 平成21年度から岐阜ファミリーパークの指定管理者となったことにより、存 続することとなっている。  平成22年に開催された「岐阜市外郭団体意見交換会」でも、存続に関する
    意見交換が行われた。ここで、みどりのまち推進財団は、平成20年の見直し には反対である、みどりのまち推進財団は公益法人になれる、公園は指定管理 になじまないと述べている。  みどりのまち推進財団は、指定管理者の事業費割合が高いために公益法人に なれないでいる。 【意見 公園整備課】  みどりのまち推進財団は、常勤の役員1名と職員3名の指揮監督下において、 嘱託職員・臨時職員・アルバイトが業務を行うという組織である。固有職員は 3名のみであり、常勤の役職員の全員が市職員のOBである。  みどりのまち推進財団の業務は、市からの受託と指定管理だけといっていい 状態であり、自主的に行っている公益事業はない。  市から委託されている民有地緑化の推進・啓発・助成業務は、もともと市が 行うべき業務であるし、その内容は事務作業がほとんどであって、みどりのま ち推進財団の専門性や創造性が発揮されているわけではない。つまり、その実 質は市の事務の外注であり、市が嘱託職員・臨時職員・アルバイトの管理をみ どりのまち推進財団にさせているものといえる。  市の公園の管理も、指定管理者制度の導入が進んでおり、指定管理者制度を 導入している公園7つのうちみどりのまち推進財団が指定管理者となってい る2つ以外はすべて民間事業者が指定管理者となっている。  指定管理者制度を導入していない直営の公園のうち、みどりのまち推進財団 が管理委託を受けているのは、岐阜公園と梅林公園のみである。岐阜公園にお いては、市の職員も直接管理している。公園の管理もまた、みどりのまち推進 財団の専門性や創造性が発揮されているわけではない。  この点につき、市からは、専門職員の育成やノウハウの引継ぎなどの面から みどりのまち推進財団は存続する必要があるとの意見があった。しかし、みど りのまち推進財団の固有職員は市職員OB3名のみであり、現場の業務を遂行 しているのは、嘱託・臨時職員やアルバイトであるから、みどりのまち推進財 団において、専門職員が育成されているとか、ノウハウが蓄積されているとは 思えなかった。  その一方で、市は、みどりのまち推進財団に委託しなければ実施しえないと は決していえない委託業務を一者随意契約でみどりのまち推進財団に発注し、 委託料の見直しも十分になされないまま毎年支払い続けている。むしろ、市が 直接アルバイト等を使いながら事務を行うほうが、みどりのまち推進財団の役 職員の人件費や備品などの経費を削減できるのではないだろうか。  この点につき、市からは、組織体系や事務手続きの複雑化などにより市民の ニーズに柔軟に対応することが困難となっており、みどりのまち推進財団に委 託したほうが柔軟に対応できるとか、職員を増やす必要があるとの意見があっ た。しかし、そのようにいえることの根拠は見当たらない。  指定管理の期間を終える平成29年度以降においても、みどりのまち推進財 団を存続させるのか否か、みどりのまち推進財団の組織としてのあり方をどう していくのかなどといったことについて、遅くとも平成27年度までには検討 することが望ましい。 第11章 公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団 第1 概要 1 基本情報 ┌─┬───────┬──────────────────────────────┐ │ │設立年月日  │昭和63年3月23日                       │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │所在地    │岐阜市上川手735番地2(岐阜市岐陽体育館内)         │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │所管課    │教育委員会事務局 教育政策課                │ │ ├───────┼────────┬─────────┬───────────┤ │ │基本財産   │   10,000千円│うち市出資額   │      10,000千円│ │ │       │        │(割合)     │       (100%)│ │基├───────┼────────┴─────────┴───────────┤ │本│設立目的   │この法人は、教育、文化、スポーツ、生涯学習等の振興に資する │ │事│(定款第3条) │事業を行い、地域と未来の活力を支える人づくりを推進し、もっ │ │項│       │て生きがいとうるおいに満ちた創造性あふれるまちづくりに寄与 │ │ │       │することを目的とする。                   │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │事業内容   │(1)青少年の健全な育成を図り、市民の教養の向上に資する事業 │ │ │(定款第4条) │(2)スポーツを振興し、市民の心身の健全な発達に資する事業  │ │ │       │(3)市民の生涯学習及び芸術文化活動の振興に資する事業    │ │ │       │(4)女性の自立及び男女共同参画社会の実現に資する事業    │ │ │       │(5)埋蔵文化財の調査・研究等に関する事業          │ │ │       │(6)その他この法人の目的を達成するために必要な事業     │ └─┴───────┴──────────────────────────────┘        (平成26年3月31日現在) ┌─┬───┬───┬───┬───┐ │ │区分 │役員 │評議員│職員 │ │組├───┼───┼───┼───┤ │織│常勤 │  2名│  0名│ 121名│ │状├───┼───┼───┼───┤ │況│非常勤│ 12名│  7名│  0名│ │ ├───┼───┼───┼───┤ │ │合計 │ 14名│  7名│ 121名│ └─┴───┴───┴───┴───┘ 【組織図】                            (平成26年3月31日現在) ┌─────┐   ┌────────────────┬───────┬──┐ │理事長兼体│   │事務局総務課          │固有職員   │ 3名│ │育館統括監│ ┌─┤(4名)             ├───────┼──┤ │     │ │ │                │嘱託・臨時職員│ 1名│ └─────┘ │ └────────────────┴───────┴──┘         │ ┌────────────────┬───────┬──┐         │ │岐阜市少年自然の家       │固有職員   │ 8名│         ├─┤(15名)            ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 7名│         │ ├────────────────┼───────┼──┤         │ │ドリームシアター岐阜      │固有職員   │ 5名│ ┌─────┐ ├─┤(15名)            ├───────┼──┤ │常務理事兼│ │ │                │嘱託・臨時職員│10名│
    │事務局長 ├─┤ ├────────────────┼───────┼──┤ │     │ │ │北青少年会館          │固有職員   │ 0名│ └─────┘ ├─┤(4名)             ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 4名│         │ ├────────────────┼───────┼──┤         │ │東青少年会館          │固有職員   │ 0名│         ├─┤(4名)             ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 4名│         │ ├────────────────┼───────┼──┤         │ │青山青少年会館         │固有職員   │ 0名│         ├─┤(4名)             ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 4名│         │ ├────────────────┼───────┼──┤         │ │青少年ルーム          │固有職員   │ 0名│         ├─┤(4名)             ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 4名│         │ └────────────────┴───────┴──┘         │ ┌────────────────┬───────┬──┐         │ │市民総合体育館         │固有職員   │ 2名│         ├─┤(8名)             ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 6名│         │ ├────────────────┼───────┴──┘         │ │岐陽体育館           │         ├─┤(0名)             │         │ │                │         │ ├────────────────┼───────┬──┐         │ │南部スポーツセンター・南部市民プ│固有職員   │ 0名│         ├─┤ール(4名)           ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 4名│         │ ├────────────────┼───────┼──┤         │ │北部体育館・北部市民プール   │固有職員   │ 0名│         ├─┤(4名)             ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 4名│         │ ├────────────────┼───────┼──┤         │ │東部体育館           │固有職員   │ 0名│         ├─┤(4名)             ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 4名│         │ ├────────────────┼───────┼──┤         │ │西部体育館・本荘市民プール   │固有職員   │ 0名│         ├─┤(4名)             ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 4名│         │ ├────────────────┼───────┼──┤         │ │ファミリーパーク体育館     │固有職員   │ 0名│         ├─┤(5名)             ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 5名│         │ ├────────────────┼───────┼──┤         │ │北西部体育館          │固有職員   │ 0名│         ├─┤(4名)             ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 4名│         │ ├────────────────┼───────┼──┤         │ │体育ルーム           │固有職員   │ 0名│         ├─┤(4名)             ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 4名│         │ └────────────────┴───────┴──┘         │ ┌────────────────┬───────┬──┐         │ │生涯学習センター        │固有職員   │ 7名│         ├─┤(18名)            ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│11名│         │ ├────────────────┼───────┼──┤         │ │女性センター          │固有職員   │ 2名│         ├─┤(6名)             ├───────┼──┤         │ │                │嘱託・臨時職員│ 4名│         │ ├────────────────┼───────┼──┤         │ │埋蔵文化財調査事務所      │固有職員   │ 2名│         └─┤(8名)             ├───────┼──┤           │                │嘱託・臨時職員│ 6名│           └────────────────┴───────┴──┘                          (単位:千円) ┌─┬───────┬──────┬──────┬──────┐ │ │  区分   │平成23年度 │平成24年度 │平成25年度 │ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総収入額   │   822,606│   804,408│   833,549│ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総支出額   │   816,370│   795,932│   823,235│ │財├───────┼──────┼──────┼──────┤ │務│(うち人件費)│ (406,628)│ (403,399)│ (406,874)│ │の├───────┼──────┼──────┼──────┤ │状│差引収支額  │    6,236│    8,475│   10,313│ │況├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総資産額   │   412,773│   416,713│   443,072│ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総負債額   │   150,008│   145,855│   162,274│ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │正味財産額  │   262,764│   270,858│   280,798│ └─┴───────┴──────┴──────┴──────┘                     (単位:千円) ┌─┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │市│ 区分  │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │の├─────┼─────┼─────┼─────┤ │財│指定管理料│  699,310│  693,709│  700,506│ │政├─────┼─────┼─────┼─────┤ │支│委託料  │  96,569│  86,683│  108,480│ │出├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │合計   │  795,892│  780,392│  808,986│ └─┴─────┴─────┴─────┴─────┘                                   (単位:千円) ┌─┬─────────────────────────────────────┐
    │ │                平成25年度                │ │ ├─────────────┬──────────────────┬────┤ │ │     事業名     │       事業内容       │事業費 │ │ ├─────────────┼──────────────────┼────┤ │ │市民健康増進事業     │岐阜市体育館、体育ルーム及び岐阜市民│ 218,544│ │ │             │プールの管理・運営         │    │ │ ├─────────────┼──────────────────┼────┤ │ │生涯学習・芸術文化振興事業│岐阜市生涯学習センターの管理・運営及│ 169,827│ │ │             │び岐阜市民文化祭・岐阜市芸術文化奨励│    │ │ │             │事業の実施             │    │ │事├─────────────┼──────────────────┼────┤ │業│青少年自然体験活動事業  │岐阜市少年自然の家の管理・運営   │ 119,135│ │の├─────────────┼──────────────────┼────┤ │概│埋蔵文化財調査事業    │遺跡の発掘調査、記録作成及び発掘調査│ 101,582│ │要│             │の成果報告             │    │ │ ├─────────────┼──────────────────┼────┤ │ │青少年・市民文化活動事業 │ドリームシアター岐阜の管理・運営  │ 71,385│ │ ├─────────────┼──────────────────┼────┤ │ │施設の貸与事業      │生涯学習センター・ドリームシアター岐│ 33,206│ │ │             │阜及び青少年会館での株式会社等への部│    │ │ │             │屋の貸与にかかる費用        │    │ │ ├─────────────┼──────────────────┼────┤ │ │青少年健全育成事業    │岐阜市青少年会館(中央青少年会館を除│ 27,648│ │ │             │く)の管理・運営          │    │ │ ├─────────────┼──────────────────┼────┤ │ │男女共同参画推進事業   │岐阜市女性センターでの事業運営   │ 22,807│ └─┴─────────────┴──────────────────┴────┘ 2 沿革 昭和63年  財団法人岐阜市教育文化振興事業団として設立       岐阜市少年自然の家の管理運営を受託開始 平成元年  体育館8館、プール4プールの管理運営を受託開始 平成2年  岐阜市北西部体育館の管理運営を受託開始 平成6年  ドリームシアター岐阜の管理運営を受託開始       岐阜市民文化祭の事務局移管 平成7年  岐阜市芸術文化・スポーツ基金による文化事業助成事業を開始 平成8年  埋蔵文化財発掘調査業務を開始 平成11年  埋蔵文化財調査事業において、新たに市内遺跡発掘調査事業、史       跡整備事業を受託 平成12年  岐阜市青少年会館(中央青少年会館を除く)、岐阜市岐陽体育館       の管理運営を受託開始 平成14年  岐阜市体育ルームの管理運営を受託開始       ハートフルスクエアーG(岐阜生涯学習センター/女性センター)       の管理運営を受託開始 平成18年4月1日 岐阜市少年自然の家、岐阜市体育館/岐阜市民プール、          岐阜市体育ルーム、ドリームシアター岐阜、岐阜市青少年          会館(中央青少年会館を除く)、ハートフルスクエアーG          (生涯学習センター/女性センター)につき、指定管理業          務開始(指定管理1期目) 平成21年4月1日 岐阜市少年自然の家、岐阜市体育館/岐阜市民プール、          岐阜市体育ルーム、ドリームシアター岐阜、岐阜市青少年          会館(中央青少年会館を除く)、ハートフルスクエアーG          (生涯学習センター/女性センター)につき、指定管理業          務開始(指定管理2期目) 平成23年4月1日 公益財団法人へ移行 平成24年4月1日 岐阜市少年自然の家、岐阜市体育館/岐阜市民プール、          岐阜市体育ルーム、ドリームシアター岐阜、岐阜市青少年          会館(中央青少年会館を除く)、ハートフルスクエアーG          (生涯学習センター/女性センター)につき、指定管理業          務開始(指定管理3期目) 第2 事実関係及び指摘・意見 1 存在意義について (1)今後のあり方について 【事実関係】  市が平成19年度に策定した外郭団体の見直しの方向性によれば、事業団は、 合併により組織体制の強化を図り、一体的かつ効果的・効率的な運営を行う団 体として、財団法人岐阜市公共ホール管理財団(当時の名称 現在、一般財団 法人岐阜市公共ホール管理財団(以下、「財団」という)との合併の必要性が あるとされていた。  しかしながら、両組織が合併すると、公益目的事業比率が50%を下回る懸 念があるとのことで、公益法人制度改革による両組織の公益法人への移行が完 了するまで、合併協議は休止された状態であった。  平成26年度に入り、行財政改革課より、教育政策課と産業拠点運営課に対 し、協議を再開するようにとの話が出ているとのことである。 【指摘 教育政策課、教育文化振興事業団】  外郭団体は、民間ではできない公共的な事務や、異動が前提の市職員では対 応しにくい専門的な事務を受託等するという点に、その存在意義がある。  ただし、自治体内に、類似・同種団体、類似・同種の事業を行う外郭団体が あれば、これらを統合することで、組織体制の強化を図り、事業目的達成に向 けて、より効果的・効率的な運用を目指すことが必要である。それが、市が策 定した外郭団体の見直しの方向性に合致する。  この点、事業団と財団とでは、その収益の大半が市からの指定管理料である という意味では、同種の団体であり、芸術文化施策の推進の観点からは、同一 の方向性を持つ。  市の見直しの方向性は維持されているのであるから、教育政策課及び事業団 は、財団の意向も踏まえつつ、財団の所管課である産業拠点運営課及び男女共 同参画・文化課との間で、合併協議を再開すべきである。 (2)事業の範囲(市との関係性より) 【事実関係】  平成25年度決算において、事業団の市からの指定管理事業収益は、700,506 千円である。その他、市からの委託事業収益は、108,480千円であり、この合 計808,986千円は、事業団の事業収益809,587千円の約99.9%、経常収益
    833,549千円の約97.0%を占めている。ちなみに、平成24年度決算において、 事業団の市からの指定管理事業収益は、693,709千円である。その他、市から の委託事業収益は、86,683千円である。この合計780,392千円は、事業団の 事業収益781,103千円の約99.9%、経常収益804,408千円の約97.0%を占め ている。 【意見 教育文化振興事業団】  数値的に見れば、事業団は、市に依存する組織であることは明らかである。  特に、収益の大半は、市の施設の指定管理料であり、市の指定管理者となる ことができるか否かが事業団の存続に直結する。  ところで、定款第3条の事業団の目的及び定款第4条第2項からすれば、事 業団は、広く県内において活動することが可能な団体であり、指定管理の受託 先が、市に限定される訳ではない。  事業団は、多数の職員がいることもあり、これらの者の雇用を守るためには、 組織としてのリスクを分散し、安定した経営基盤を得る必要がある。  また、事業団は、内部規程の整備状況などからして、市の他の外郭団体と比 べても、評価できる組織であり、かかる組織風土やこれまで蓄積したノウハウ の維持・活用は、市民にとっては勿論、他の自治体の住民にも有効と思われる。  これまでも、事業団は、安定した経営基盤を得るため、岐阜県内他市町村の 指定管理者に応募しているところであるが、今後も引き続き、指定管理の受託 先を、市以外の県内公共団体に広げていく経営努力を継続・発展することが望 ましい。 2 出資による権利について 【事実関係】  平成25年度、市の決算附属書類の事業団に対する「出資による権利」は、 155,400千円である。  10,000千円は、事業団の目的である事業を行うために不可欠な基本財産で ある(定款第5条第1項)。国債として、管理・運用されている。  残り145,400千円は、市民文化の振興並びに市民の健康増進を図るため、事 業団が設置した市民芸術文化・スポーツ基金に充てるために、市が出資したも のである(公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団市民芸術文化・スポーツ基 金規程第1条)。 【意見 教育文化振興事業団】  基金については、現在、その運用益を、市の芸術文化の継承及び創造に寄与 すると認められる個人、団体に対して、必要経費の一部を助成する「文化事業 助成」制度を設けて活用されており、平成7年度から平成25年度までの間、 221件、21,516千円の助成を行うなど、市の芸術文化の振興に寄与している。 しかし、スポーツ基金としての利用がなされていない。  基金額は少なくなく、元々、かかる基金の内、145,400千円は、市が事業団 に支出したものである。  本基金は、「スポーツ基金」でもあるので、今後は、市民の健康増進などに も活用を検討することが望ましい。 3 指定管理について (1)施設の位置関係  事業団が、市の施設において、指定管理業務を行っている施設の位置関係は 次のとおりである。施設の数は19と多いことから、まず、位置関係を載せる。 事業団が指定管理業務を行う指定管理施設の所管部は、市民参画部と教育委員 会の2つである。選定及び評価は、所管部単位で行うため、大きく所管部2つ に分けて報告する。                         【事業団ホームページより抜粋】 (2)市民参画部 I 岐阜市生涯学習・女性センター(開設 平成14年) ┌─┬────────┬──────────────────────┐ │ │所在地     │岐阜市橋本町1丁目10番地23         │ │ ├────────┼──────────────────────┤ │ │所管課     │生涯学習センター:市民参画部市民協働推進課 │ │ │        │女性センター:市民参画部男女共同参画・文化課│ │ ├────────┼──────────────────────┤ │ │根拠条例    │岐阜市/生涯学習/女性/センター条例    │ │ │        │岐阜市/生涯学習/女性/センター条例施行規則│ │基├────────┼──────────────────────┤ │本│指定期間    │1期目 平成18年4月1日~平成21年3月31日 │ │事│        │2期目 平成21年4月1日~平成24年3月31日 │ │項│        │3期目 平成24年4月1日~平成29年3月31日 │ │ ├────────┼──────────────────────┤ │ │指定管理料   │213,445千円(平成25年度)         │ │ ├────────┼──────────────────────┤ │ │利用料金制の採用│無                     │ │ ├────────┼──────────────────────┤ │ │利用者数    │206,193人(平成25年度)          │ │ ├────────┼──────────────────────┤ │ │公募・非公募  │非公募                   │ └─┴────────┴──────────────────────┘ ア 概要  生涯学習センター・女性センターは、JR岐阜駅ハートフルスクエアーG内に ある。ハートフルスクエアーGは、平成14年に総工費約2,765,000千円で完 成した市所有の施設である。3階建てで、延床面積11,555m2、1階部分には、 体育ルーム(指定管理者 事業団)、岐阜市図書館分館(市直営)および岐阜 市消費生活センター(市直営)が入り、2階部分には、生涯学習・女性センタ ー(指定管理者 事業団)が入っている。  3階は駐車場(53台)である。  生涯学習センターは、市民の生涯学習を推進するための拠点施設である(条 例第1条参照)。交流サロン、情報コーナー、パソコンルーム、音楽スタジオ、 クラフト室などが設置され、また、ボランティア活動を支援・促進する市民活 動ルームが設置されている。  女性センターは、男女共同参画社会の実現を図るための施設である(条例第 1条参照)。託児および休憩用として、遊具や絵本を備えた「こどもの部屋」
    が設置されている。 イ 事業評価シート 【事実関係】  生涯学習センター及び女性センターについては、事業評価シートが作成され、 ホームページ上で公開されている。  生涯学習センター(所管 市民協働推進課)の問題点・課題においては、「施 設の老朽化、大規模な修繕の必要性も出てきている、予算的な問題も考慮した 上で、優先順位を付けて、対応せざるを得ない状況である」との記載がある(平 成24年度、平成25年度同じ)。しかしながら、女性センター(所管 男女共 同参画・文化課)の問題点・課題においては、このような記載は一切ない。  両センターとも同一の場所にあり、施設の老朽化、大規模な修繕の必要性は、 同一の課題・問題点となる。  月次報告などで、課題・問題点は共通認識しているとのことであるが、生涯 学習・女性センターの施設管理は生涯学習センターが行うことから、同センタ ーの事業評価シートに記載し、女性センターには記載がないとのことである。 【意見 市民協働推進課、男女共同参画・文化課】  事業評価シートは、市民に公表されるものである。内部的な事情から、上記 のとおりの記載となっていることは理解したが、市民からすると、その内部事 情は判らない。  それゆえ、同一施設内の課題・問題点については、女性センターの事業評価 シートにおいても記載し、共通の認識であることを示しておくことが望ましい。 (3)教育委員会 I 岐阜市少年自然の家(開設 昭和63年) ┌─┬────────┬─────────────────────┐ │ │所在地     │岐阜市山県北野2081番地          │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │所管課     │教育委員会 青少年教育課         │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │根拠条例    │岐阜市少年自然の家条例          │ │ │        │岐阜市少年自然の家条例施行規則      │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │基│指定期間    │1期目 平成18年4月1日~平成21年3月31日│ │本│        │2期目 平成21年4月1日~平成24年3月31日│ │事│        │3期目 平成24年4月1日~平成29年3月31日│ │項├────────┼─────────────────────┤ │ │指定管理料   │127,172千円(平成25年度)         │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │利用料金制の採用│無                    │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │利用者数    │27,411人(平成25年度)          │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │公募・非公募  │非公募                  │ └─┴────────┴─────────────────────┘ ア 概要  少年が自然に親しみ、自然の中で情操、社会性をはぐくみ心身を鍛練するた めの施設である。岐阜ファミリーパーク(指定管理者 みどりのまち推進財団)、 岐阜ファミリーパーク体育館(指定管理者 事業団)に隣接している。  岐阜市内の小中学校や子ども会をはじめ、多くの青少年団体に利用されてい る。集団宿泊活動、自然観察、スポーツ、レクリエーションおよび野外活動な どに関する事業を行っている。  また、主催事業として、キャンプ、ファミリーDAYなどを行ったり、研修 事業として、学校指導者研修会、青少年団体指導者研修会などを行ったりして いる。 II 岐阜市青少年会館(4館) ┌─┬────────┬────────────────────────────┐ │基│施設・所在地  │1)岐阜市北青少年会館(開設 昭和44年)         │ │本│        │ 岐阜市福光東三丁目19番18号              │ │事│        │2)岐阜市東青少年会館(開設昭和45年 平成3年現在地移転)│ │項│        │ 岐阜市前一色一丁目2番1号              │ │ │        │3)岐阜市青山青少年会館(開設 昭和47年)        │ │ │        │ 岐阜市小西郷一丁目56番地2              │ │ │        │4)岐阜市西部福祉会館青少年ルーム(開設 昭和49年)   │ │ │        │ 岐阜市西荘二丁目11番23号               │ │ ├────────┼────────────────────────────┤ │ │所管課     │教育委員会 青少年教育課                │ │ ├────────┼────────────────────────────┤ │ │根拠条例    │岐阜市青少年会館条例                  │ │ │        │岐阜市青少年会館条例施行規則              │ │ ├────────┼────────────────────────────┤ │ │指定期間    │1期目 平成18年4月1日~平成21年3月31日       │ │ │        │2期目 平成21年4月1日~平成24年3月31日       │ │ │        │3期目 平成24年4月1日~平成29年3月31日       │ │ ├────────┼────────────────────────────┤ │ │指定管理料   │35,196千円(平成25年度)                │ │ ├────────┼────────────────────────────┤ │ │利用料金制の採用│無                           │ │ ├────────┼────────────────────────────┤ │ │利用者数    │岐阜市北青少年会館       20,507人        │ │ │        │岐阜市東青少年会館       23,200人        │ │ │        │岐阜市青山青少年会館      14,202人        │ │ │        │岐阜市西部福祉会館青少年ルーム 12,135人        │ │ │        │(いずれも平成25年度)                 │ │ ├────────┼────────────────────────────┤ │ │公募・非公募  │公募                          │ └─┴────────┴────────────────────────────┘ ア 概要  青少年の健全な育成を図り、市民の教養の向上に資することを目的として設 置された施設である(岐阜市青少年会館条例(昭和42年4月1日 条例第19 号)第1条)。
     講座事業、相談事業、学習拠点支援事業、活動拠点支援事業等を行っている。  岐阜市東青少年会館は、岐阜市長森コミュニティーセンター(指定管理者 岐阜市長森コミュニティーセンター運営委員会)、長森図書室との複合施設で ある。料理室、スポーツ室、大集会室などのコミセン施設を利用し、東青少年 会館だけではできない多様な少年講座を実施できるとのことである。  岐阜市西部福祉会館青少年ルームは、西部福祉会館との複合施設である。1 階事務室は、西部福祉会館の指定管理者である社会福祉法人岐阜市社会福祉事 業団と共用している。  岐阜市東青少年会館は、コミセンフェスティバルに協力参加をしている。岐 阜市青少年ルームは、西部福祉会館とともに、西部祭(活動発表会)を行って いる。  岐阜市北青少年会館は、照明設備つきのテニスコートを併設している、岐阜 市青少年ルームは料理実習室が充実している、岐阜市青山青少年会館は、広い 和室があるので琴サークルの利用があり、また、テニスコートを併設している など、施設ごとの特徴がある。  岐阜市東青少年会館を除き、昭和40年代の開設であり、施設の老朽化が進 んでいる。  青少年会館では、相談事業、学習拠点支援事業なども行っていることから、 職員は、ほとんどが教員免許を有する教員OBである。 イ 選定について(指定管理者の一括募集について) 【事実関係】  青少年会館4館(中央青少年会館を除く)は、公募ではあるが、一括募集さ れている。ヒアリングによれば、青少年会館4館を一括募集している理由は、 横のつながりにより、施設の統一性、事業の統一性を生かした管理運営ができ るというものである。  平成24年度から平成28年度の指定期間の募集に対し、応募団体は、事業団 1団体だった。 【意見 青少年教育課】  岐阜市指定管理者制度事務取扱要領では、募集の方法として、一施設に一指 定管理者を原則とするとされている。そして、「一施設に一指定管理者を募集 することにより、かえって市民サービスの低下につながるなどの合理的な理由 がある場合を除き、類似施設を束ねて一つの指定管理者を募集することは、新 規参入者を排除する可能性があることに留意してください」とされている。  例外要件は、かえって、市民サービスの低下につながるなどの合理的な理由 がある場合とされている。  この点、青少年会館4館は、地理的には、それぞれ別個の立地であるという 観点からは(上記3(1)の位置関係参照)、施設管理面では、同一団体であ ることによる効率化が必ずしも望める訳ではない。  また、運営面においては、現在、月1回、館長会議を開いて、事業内容や問 題点について情報交換が行われているが、同一の指定管理者でなくても、館長 会を開催するなどして、統一した理念を持ち、連携して事業に当たることは可 能であると考えられる。  他方で、一施設に一指定管理者を募集することにより、かえって市民サービ スの低下につながるなどの合理的な理由は見当たらない。  類似施設を束ねて一つの指定管理者を募集することは、新規参入者を排除す る可能性が高まることとなることから、次期公募の際には、青少年会館の一括 募集は例外であることを明確に認識した上で、一括募集の可否を慎重に検討す ることが望ましい。 ウ 指定管理の仕様について 【事実関係】  青少年会館の開館時間は、原則として午前9時から午後9時までとなってい る。  そして、上記の開館時間に対応して、職員の勤務時間は、午前8時45分か ら午後9時15分となっており、嘱託職員1名(勤務時間6時間45分、休憩 45分)、臨時職員3名(勤務時間5時間)が、早番、中番、遅番の3つの時間 帯でローテーション勤務を組んでいる。  ヒアリングによれば、青少年会館の利用状況は、平日の昼間は、一般の利用 者が卓球などに使用することが多く、青少年の利用は、ほとんど見られないと のことだった。青少年が主として来館するのは、平日の夕方、土日、夏休みと のことであった。実際、4館については、平日に現地調査に出向いたが、利用 者は、一般の卓球や部屋の団体利用であった。  青少年会館4館の平日・休日別利用者の構成、および、平成25年、平成26 年の利用者区分利用者数は、以下のとおりである。「少年」は~15歳、「青年」 は16歳~35歳、「一般」は36歳~である。  一般の利用者が占める割合が多くなっている(約50%強)ことは読み取れ る。  時間帯別、利用者構成別の統計はとっていないとのことである。 【青少年会館4館 平日・休日別利用者の構成(人)】 ┌─────┬───┬──┬───┬───┬────────┐ │     │少年 │青年│一般 │合計 │開館日数    │ ├──┬──┼───┼──┼───┼───┼────────┤ │4月│平日│ 1,267│ 328│ 2,459│ 4,054│       17│ │  ├──┼───┼──┼───┼───┼────────┤ │  │休日│ 1,105│ 261│ 1,229│ 2,595│ 7(東青少年会館│ │  │  │   │  │   │   │     のみ9)│ ├──┼──┼───┼──┼───┼───┼────────┤ │5月│平日│ 1,033│ 220│ 2,079│ 3,332│       16│ │  ├──┼───┼──┼───┼───┼────────┤ │  │休日│  865│ 287│ 1,000│ 2,152│ 6(東青少年会館│ │  │  │   │  │   │   │    のみ11)│ ├──┼──┼───┼──┼───┼───┼────────┤ │6月│平日│  914│ 243│ 2,149│ 3,306│       16│ │  ├──┼───┼──┼───┼───┼────────┤ │  │休日│  918│ 259│  821│ 1,998│ 8(東青少年会館│ │  │  │   │  │   │   │     のみ9)│ ├──┼──┼───┼──┼───┼───┼────────┤ │7月│平日│ 2,437│ 347│ 2,921│ 5,705│       18│ │  ├──┼───┼──┼───┼───┼────────┤ │  │休日│ 1,067│ 269│  971│ 2,307│ 7(東青少年会館│ │  │  │   │  │   │   │     のみ9)│ ├──┼──┼───┼──┼───┼───┼────────┤ │8月│平日│ 2,075│ 272│ 1,870│ 4,217│       17│ │  ├──┼───┼──┼───┼───┼────────┤ │  │休日│ 1,015│ 276│  922│ 2,213│ 9(東青少年会館│
    │  │  │   │  │   │   │    のみ10)│ ├──┼──┼───┼──┼───┼───┼────────┤ │9月│平日│  973│ 270│ 1,908│ 3,151│       15│ │  ├──┼───┼──┼───┼───┼────────┤ │  │休日│ 1,104│ 243│  932│ 2,279│ 7(東青少年会館│ │  │  │   │  │   │   │    のみ10)│ └──┴──┴───┴──┴───┴───┴────────┘ 【青少年会館4館利用者区分(%) 平成26年度は、4月から9月】 ┌─────┬──┬──┬──┐ │     │少年│青年│一般│ ├─────┼──┼──┼──┤ │平成25年度│35.5│11.3│53.2│ ├─────┼──┼──┼──┤ │平成26年度│39.6│ 8.8│51.6│ └─────┴──┴──┴──┘  岐阜市青少年会館条例(昭和42年4月1日条例第19号)第1条においては、 青少年の健全な育成を図り、市民の教養の向上に資するために、青少年会館は 設置されている。  また、同条例第6条においては、会館は、次の事業を行うとされている。 (1)青少年のための講演会、講習会、研究会、鑑賞会、展示会等の開催に関    すること (2)青少年の集団活動の育成指導に関すること (3)青少年に対する余暇活動と自習の指導に関すること (4)青少年の集会のための場の提供に関すること (5)青少年の体育、レクリエーションのための場の提供に関すること (6)青少年に対する相談室の開設に関すること (7)前各号に掲げるもののほか、教育委員会が必要と認める事業 【指摘 青少年教育課】  岐阜市青少年会館条例の青少年の健全育成、市民の教養の向上という青少年 会館の設置目的からすれば、対象は、青少年のみならず、市民も含まれること となっている。  岐阜市青少年会館条例第6条の事業内容の文言からは、第1号から第6号ま でが、青少年に向けられており、第7号の「教育委員会が必要と認める事業」 という規定により一般利用が認められる。  青少年会館の現状は、一般利用が半数を超える。そして、一般利用の内容は、 団体利用においては、英会話や書道、生け花など教養の向上に繋がる利用が多 くあるが、卓球利用など、必ずしも市民の教養の向上につながるとはいえない 利用もある。  確かに、青少年においては、学校などの関係から、平日の昼間などの利用が 困難な側面があることは認めるが、一般利用が半分を超える状況というのは、 事業内容(第6条)からすれば、問題がないとは言えない状態と考える。  青少年会館条例の目的、事業に沿った利用形態とするには、更に青少年の利 用を増強する方策を講じることが必要である。  今後は、時間帯別の利用状況を調査し、あるいは、他自治体の類似施設を検 証するなどして、青少年会館利用の現状を検証・分析し、その上で、具体的対 策を講じるべきである。 III ドリームシアター岐阜(開設 平成6年) ┌─┬────────┬─────────────────────┐ │ │所在地     │岐阜市明徳町6番地            │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │所管課     │教育委員会 青少年教育課         │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │根拠条例    │岐阜市ドリームシアター岐阜条例      │ │ │        │岐阜市ドリームシアター岐阜条例施行規則  │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │基│指定期間    │第1期 平成18年4月1日~平成21年3月31日│ │本│        │第2期 平成21年4月1日~平成24年3月31日│ │事│        │第3期 平成24年4月1日~平成29年3月31日│ │項├────────┼─────────────────────┤ │ │指定管理料   │94,331千円(平成25年度)         │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │利用料金制の採用│無                    │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │利用者数    │62,388人(平成25年度)          │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │公募・非公募  │非公募                  │ └─┴────────┴─────────────────────┘ ア 概要  文化的体験や創造的活動を通して、心身ともに健全な青少年を育成し、また、 生涯学習施設の拠点として、市民へのサービスを提供するための施設である。 平成6年5月5日に開館し、8階建の建物である。  平成25年度においては、子ども土曜セミナー(30回)、子ども土曜ドリー ムクラブ(45回)、夏休み子どもセミナー(40回)、日曜親子セミナー(26回)、 一般セミナー(86回)、ドリームイベント(6回)など、多くの主催事業を行 っている。  パソコンルーム、クッキングルーム、音楽スタジオ、メインホールなどを備 えており、団体利用のほか、2階のパソコンルーム及び4階、5階の子どもの フロア(4階:プレイルーム、なかよしルーム、幼児ルーム、ふれあいルーム 5階:まんがコーナー、クラフトルーム、わくわく工作コーナー、大道芸コー ナー)は、個人利用もできることとなっている。 イ 個人利用について 【事実関係】  2階のパソコンルーム及び4階、5階は個人使用が可能である。4階、5階 については、次のとおりである。  個人使用については、原則として、使用料がかかる(岐阜市ドリームシアタ ー岐阜条例第4条第3項 別表2)。平成26年度現在、小人(小・中学生)200 円(市内在住は無料)、大人(高校生以上)510円である。  ただし、条例第6条において、使用料の減免制度があり、岐阜ドリームシア ター岐阜条例施行規則第7条にて、減免事由が具体的に記載されている。
     例えば、幼児は免除、家庭の日(第3日曜日)は、小中学生及び中学生以下 の子どもを連れた家族は免除となる。  例えば、次のような事態が発生する。  5階クラフトルームでセミナーを受講する、あるいは、7階において人形劇 を観覧する。その場合、受講料や観覧料がかかる。施設には、4階には幼児ル ームが、5階にはまんがコーナーなど、子どもが楽しめる施設があるが、別途、 使用料がかかる。  幼児及び市内小・中学生が無料であっても、保護者は原則有料であることか ら、使用に躊躇する場面が生じる可能性がある。  監査人は、実際に、このような意見を、小学生の子を持つ市民から聞いた。  そこで、監査人は、個人有料利用状況につき、検証すべく、担当者に資料提 出を求めた。  結果としては、平成25年度において、施設の個人利用26,806人中、2階の パソコンルーム使用は577名、4・5階利用は26,229名以上(2階利用者が 利用する場合もあるため)、そして、個人使用の使用料金2,025,950円(4,939 名)中、2階使用分8,000円(500円×16人)を差し引くと、2,017,950円(4,923 人)であるとの利用状況表の提出を受けた。4・5階の個人有料利用は、個人 全体利用の4,923人÷26,229×100≒18.7%となる。  そこで、監査人は、個人利用者のアンケートの閲覧を求めたところ、その時 点では、個人利用者向けのアンケートは実施しておらず、団体利用者代表者向 けのアンケートを実施していたとのことであった。 【指摘 教育文化振興事業団】  個人利用者数が施設全体利用者数に占める割合は少なくない(平成25年度 施設使用者62,388人の約47%)。個人利用者の声を聞くことは、施設のサー ビス改善につながるよい機会となる。  監査人は、本監査実施に際し、市民から個人有料利用についての生の声を聞 いたが、これまで施設では、個人利用者向けアンケートを実施しておらず、施 設側に、これら個人利用者の声が十分に届いていなかった可能性がある。  事業団において、早速、平成27年1月から、個人利用者向けアンケートを 実施したということは大変評価できるが、今後、個人利用者向けアンケートの 周知方法を工夫するなどして、個人利用者の声を聞くようにすべきである。 IV 岐阜市体育ルーム(開設 平成14年) ┌─┬────────┬─────────────────────┐ │ │所在地     │岐阜市橋本町一丁目10番地23        │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │所管課     │教育委員会事務局 市民体育課       │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │根拠条例    │岐阜市体育館条例             │ │ │        │岐阜市体育館条例施行規則         │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │基│指定期間    │1期目 平成18年4月1日~平成21年3月31日│ │本│        │2期目 平成21年4月1日~平成24年3月31日│ │事│        │3期目 平成24年4月1日~平成29年3月31日│ │項├────────┼─────────────────────┤ │ │指定管理料   │19,889千円(平成25年度)         │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │利用料金制の採用│無                    │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │利用者数    │57,998人(平成25年度)          │ │ ├────────┼─────────────────────┤ │ │公募・非公募  │非公募                  │ └─┴────────┴─────────────────────┘ ア 概要  スポーツを振興し、市民の心身の健全な発達を図るための施設である。ハー トフルスクエアーG内1階にある。  多目的体育室の北側壁面には、幅6メートル、高さ7メートルのクライミン グウォールを備え、フリークライミングのトレーニングができることが特徴で ある。 イ 指定管理者の選定について(指定管理者の非公募の理由について) 【事実関係】  岐阜市体育ルームの非公募の理由は、岐阜市指定管理者制度基本方針の公 募・非公募の考え方により、非公募の例外的措置をとれる施設のうち、「(c) 複合施設等で、公募しない他の施設と一体的管理をすることが合理的な施設」 に該当するというものである。  具体的には、生涯学習センター、女性センター等と一体的管理のもと連携を 図りながら、運営していくことが効率的、効果的であるとされている。  この経緯は次のとおりとのことである。  平成10年代前半に、JR岐阜駅高架下において、JR、岐阜県、岐阜市が 共同して開発を実施した際に、市部分の生涯学習拠点施設(生涯学習センター、 女性センター、図書館分室、体育ルームの当時の総称)について、市による一 体的な運営で市民サービスの充実を図る方針が表明され、実際にその方針に基 づく運営がなされた。  その後、生涯学習センター、女性センター、体育ルームについては、事業団 が管理を受託した(平成15年改正前の地方自治法第244条の2)。  平成15年改正地方自治法により、指定管理者制度が法定され、生涯学習セ ンター、女性センター、体育ルームについては、平成18年度より、指定管理 者制度導入施設とされ、その際、円滑な運営の継続を目的として、非公募にて 事業団が選定されたものである。 【指摘 市民体育課】  体育ルーム設置時には、岐阜市による一体的な運営で市民サービスの充実を 図る必要性があったとしても、現在までに、10年以上が経過している。  岐阜市体育ルームは、ハートフルスクエアーG内1階に位置する。1階には、 岐阜市立図書館分館、岐阜市消費生活センターがあり、生涯学習センターと女 性センターは2階である。1階にある岐阜市立図書館分館、岐阜市消費生活セ ンターは、岐阜市直営であって、同一の管理者ではない。  同一管理者であれば、管理運営面で効率化できるが、必ずしも同一の団体で なくても、他施設との連携をとることにより一体管理することは可能である。  また、市の他の体育館は、公募である。  岐阜市体育ルームについては、非公募の理由はないと考え、次期、選定の際 には、原則どおり、公募とすべきである。
    V 岐阜市体育館・岐阜市民プール ┌─┬────────┬───────────────────────────┐ │ │施設・所在地  │<体育館>                      │ │ │        │1)岐阜市民総合体育館(開設 昭和45年)        │ │ │        │ 岐阜市九重町四丁目24番地              │ │ │        │2)岐阜市岐陽体育館(開設 平成12年 前身は岐陽中学校体│ │ │        │          育館)              │ │ │        │ 岐阜市上川手735番地2                │ │ │        │3)岐阜市南部スポーツセンター(開設 昭和54年)    │ │ │        │ 岐阜市南鶉五丁目86番地               │ │ │        │4)岐阜市北部体育館(開設 昭和56年)         │ │ │        │ 岐阜市正木1020番地2                │ │ │        │5)岐阜市東部体育館(開設 昭和59年)         │ │ │        │ 岐阜市芥見四丁目68番地               │ │ │        │6)岐阜市西部体育館(開設 昭和60年)         │ │ │        │ 岐阜市鏡島南二丁目8番40号             │ │ │        │7)岐阜ファミリーパーク体育館(開設 昭和62年)    │ │ │        │ 岐阜市山県北野2078番地1              │ │ │        │8)岐阜市北西部体育館(開設 平成2年)        │ │ │        │ 岐阜市則松二丁目65番地2              │ │ │        │<プール>                      │ │ │        │1)岐阜市南部市民プール(開設 昭和55年)       │ │ │        │ 岐阜市南鶉四丁目120番地               │ │ │        │2)岐阜市北部市民プール(開設 昭和61年)       │ │ │        │ 岐阜市正木1020番地2                │ │ │        │3)岐阜市本荘市民プール(開設 昭和55年)       │ │ │        │ 岐阜市寿町二丁目13番地               │ │ ├────────┼───────────────────────────┤ │基│所管課     │教育委員会事務局 市民体育課             │ │本├────────┼───────────────────────────┤ │事│根拠条例    │体育館:岐阜市体育館条例               │ │項│        │    岐阜市体育館条例施行規則           │ │ │        │プール:岐阜市民プール条例              │ │ │        │    岐阜市民プール条例施行規則          │ │ ├────────┼───────────────────────────┤ │ │指定期間    │1期目 平成18年4月1日~平成21年3月31日      │ │ │        │2期目 平成21年4月1日~平成24年3月31日      │ │ │        │3期目 平成24年4月1日~平成29年3月31日      │ │ ├────────┼───────────────────────────┤ │ │指定管理料   │210,473千円(平成25年度)               │ │ ├────────┼───────────────────────────┤ │ │利用料金制の採用│無                          │ │ ├────────┼───────────────────────────┤ │ │利用者数    │<体育館>                      │ │ │        │1)岐阜市民総合体育館      126,466人       │ │ │        │(2)岐陽体育館含む)                 │ │ │        │3)岐阜市南部スポーツセンター  61,249人       │ │ │        │4)岐阜市北部体育館       73,654人       │ │ │        │5)岐阜市東部体育館       62,344人       │ │ │        │6)岐阜市西部体育館       80,488人       │ │ │        │7)岐阜ファミリーパーク体育館  48,628人       │ │ │        │8)岐阜市北西部体育館      42,887人       │ │ │        │<プール>                      │ │ │        │1)岐阜市南部市民プール     11,798人       │ │ │        │2)岐阜市北部市民プール      9,113人       │ │ │        │3)岐阜市本荘市民プール      5,940人       │ │ │        │(いずれも平成25年度)                │ │ ├────────┼───────────────────────────┤ │ │公募・非公募  │公募                         │ └─┴────────┴───────────────────────────┘ ア 概要  スポーツを振興し、市民の心身の健全な発達を図るための施設である。  施設ごとに特徴がある。  総合体育館は、岐阜市体育館8館及びプール3施設を統轄している。岐阜市 の体育館としては、唯一、弓道場、相撲場、射撃場がある。視覚障害者用サウ ンドテーブルテニス用卓球台がある。平成25年度から、月曜開館を実施して いる。平成24年9月から平成25年3月まで耐震工事を行った。職員には、上 級体育管理士、水泳指導管理士などの資格を持つ職員がいる。  東部体育館は、東部地区のスポーツ活動の中心的施設であり、隣接する各務 原市、関市の利用者も多い。  南部スポーツセンターは、プールを併設している。トレーニングルームの利 用は、女性、高齢者が多い。  西部体育館は、西児童センターが併設されており、普段は別々だが、体育館 デーでは連携している。卓球利用者が多い。また、高齢者の生涯スポーツ講座 を開設している。  北西部体育館は、本格的な器械体操ができる岐阜市唯一の体育館である。地 元の人に利用してもらうための和室を備えている。 イ 選定について(指定管理者の一括募集について) 【事実関係】  岐阜市体育館8館および岐阜市民プール3施設は、公募であるが、一括募集 されている。  一括募集している理由は、横のつながりにより、施設の統一性、事業の統一 性を生かした管理運営ができるというものである。  平成24年度から平成28年度の指定期間の募集に対し、応募団体は、事業団 を含む3団体だった。 【意見 市民体育課】  岐阜市指定管理制度事務取扱要領においては、募集の方法は一施設に一指定 管理者が原則であり、一施設に一指定管理者を募集することにより、かえって 市民サービスの低下につながるなどの合理的な理由がある場合を除き、類似施 設を束ねて一つの指定管理者を募集することは、新規参入者を排除する可能性 があることに留意すべきとされている。  岐阜市体育館8館および岐阜市民プール3施設は、地理的には、岐阜市北部 体育館と北部市民プールが同一敷地内にあり、南部スポーツセンターと南部市 民プールが併設されているほかは、それぞれ別個の立地であるから、立地とい
    う観点からは、必ずしも、施設の統一管理による効率化が望める訳ではない。  運用面では、体育館、プールでは、現在、月1回、館長会議を開いて事業内 容や問題点について情報交換が行われているが、同一の指定管理者でなくても、 館長会議に参加すること等により、統一した理念を持ち、連携して事業に当た ることは可能である。  また、一施設に一指定管理者を募集することにより、かえって、市民サービ スの低下につながるなどの合理的な理由は見当たらない。  岐阜市体育館8館および岐阜市民プール3施設もの多数の施設を一括募集 すると、実質的には、規模の大きい団体でなければ応募することが困難で、応 募できる団体が限定される方向となる。  応募者が実質的に限定される方向性は、競争を阻み、指定管理料の高止まり にもなり得ることから、次回選定の際には、一括募集の可否・範囲について、 変更を検討することが望ましい。 VI モニタリング(教育委員会事務局指定管理共通) 【事実関係】  平成24年度までは、青少年会館4館と体育館8館及びプール3施設のそれ ぞれについて、「指定管理者管理運営状況シート」が作成されていたが、平成 25年度は、青少年会館4館と体育館8館及びプール3施設それぞれが、一括 で、「指定管理者管理運営状況シート」が作成されている。 【指摘 教育政策課、青少年教育課、市民体育課】  効率性の観点から、共通化できるところは共通化するのは、妥当な考え方で ある。しかし、市民においては、公表される指定管理者管理運営状況シートか らの情報が重要であることから、かかる情報については、効率性の観点を用い ることなく、一施設ごとに作成すべきである。 VII 備品管理(教育文化振興事業団共通) 【事実関係】  指定管理施設の備品は、市の備品管理システムに登録されている。  指定管理施設の所管課によれば、備品に異動があった場合は、異動した備品 については、所管課により、施設を訪れた際にその都度、あるいは、年度末、 月1回の打ち合わせ時など、現地で確認しているとのことである。 【意見 青少年教育課、市民体育課】  備品は、市の所有物であるから、市は、定期的に、備品が登録どおりに備え られているか、異動した備品のみでなく、備品全体をチェックすることが望ま しい。 VIII 再委託(岐阜市少年自然の家、岐陽体育館分) 【事実関係】  事業団は、入札(指名入札)を原則とし、随意契約の場合は、理由を施行伺 に書くこととしている。岐阜市少年自然の家、岐陽体育館の非常通報装置(火 災報知設備)保守点検業務についての契約に、一者随意契約理由の記載漏れが あった。 【意見 教育文化振興事業団】  再委託料を適正に設定することは、事業団の経費の削減に資し、ひいては適 正な指定管理料に結びつく。そのため、再委託については、市の承認を必要と している。  事業団は、システムの製造元であるメーカーしか保守が行えないなど特殊な 事情がある場合を除いて、入札によることとし、随意契約の場合は、その理由 を記録として残すこととしており、この点は評価できる。  記録に残すことは重要であるから、記載漏れがないように留意し、チェック 体制を強化することが望ましい。 4 委託について (1)概要  平成25年度、市が事業団に委託した業務は、下記のとおりである。委託所 管課としては、教育委員会 社会教育課のほか、市民参画部 男女共同参画・ 文化課、同 市民協働推進課の3課である。                            (単位:千円) ┌──────────────┬─────┬─────┬─────┐ │社会教育課         │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │岐阜城千畳敷遺跡調査業務委託│  33,514│  43,163│  67,107│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │市内遺跡調査業務委託    │  18,760│  31,337│  31,165│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │加納城跡発掘調査業務委託  │   6,326│   7,552│   8,844│ ├──────────────┼─────┼─────┼─────┤ │ 合計           │  58,600│  82,052│  107,116│ └──────────────┴─────┴─────┴─────┘ ┌──────────┬─────┬─────┬─────┐ │男女共同参画・文化課│平成23年度│平成24年度│平成25年度│ ├──────────┼─────┼─────┼─────┤ │スローライフぎふ事業│   1,000│   1,200│    463│ └──────────┴─────┴─────┴─────┘ ┌────────────────┬─────┬─────┬─────┐ │市民協働推進課         │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ ├────────────────┼─────┼─────┼─────┤ │生涯学習によるまちづくり人材養成│   1,000│   1,000│    900│ │事業委託            │     │     │     │ └────────────────┴─────┴─────┴─────┘ (2)教育委員会 社会教育課分 【事実関係】  平成25年度は、遺跡に関する委託契約として、市内遺跡調査業務、岐阜城 千畳敷跡調査業務、加納城跡発掘調査業務の3本があった。  加納城跡発掘調査業務の資料の中に、「岐阜城千畳敷跡調査業務の平成25 年度の支出予定」(内容は加納城跡のものであった)という資料が訂正されな いまま、綴じられていた。
    【指摘 社会教育課】  問題は、そのままになっていた状況で、委託業務伺の決裁印が押されている ということである。容易に判明する誤りであり、これでは、チェック体制が十 分機能していなかったと評価せざるを得ない。  決裁の手続を徹底し、チェック体制を強化すべきである。 第12章 公益財団法人岐阜市国際交流協会 第1 概要 1 基本情報 ┌─┬───────┬──────────────────────────────┐ │ │設立年月日  │平成3年4月1日                        │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │所在地    │岐阜市今沢町18番地 岐阜市役所内              │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │所管課    │市民参画部 国際課                     │ │ ├───────┼─────────┬─────────┬──────────┤ │ │基本財産   │    212,494千円│うち市出資額   │     211,010千円│ │ │       │         │(割合)     │     (99.3%)│ │基├───────┼─────────┴─────────┴──────────┤ │本│設立目的   │この法人は、産業、経済、教育、文化等幅広い分野での多文化共 │ │事│(定款第3条)│生社会の推進と、国際交流(国際協力を含む。以下同じ)活動の │ │項│       │促進を行い、もって我が国の国際化に対応したまちづくりと国際 │ │ │       │親善の発展に寄与することを目的とする。           │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │事業内容   │(1)多文化共生推進事業及び国際交流事業の実施        │ │ │(定款第4条)│(2)多文化共生推進事業及び国際交流事業に関する情報収集、研 │ │ │       │   究及び啓発                       │ │ │       │(3)多文化共生推進事業及び国際交流事業に対する助成     │ │ │       │(4)多文化共生推進活動及び国際交流活動への協力       │ │ │       │(5)その他法人の目的を達成するために必要な事業       │ └─┴───────┴──────────────────────────────┘         (平成26年3月31現在) ┌─┬───┬───┬───┬───┐ │ │区分 │役員 │評議員│職員 │ │組├───┼───┼───┼───┤ │織│常勤 │  0名│  0名│  0名│ │状├───┼───┼───┼───┤ │況│非常勤│ 13名│  9名│ 12名│ │ ├───┼───┼───┼───┤ │ │合計 │ 13名│  9名│ 12名│ └─┴───┴───┴───┴───┘                       (単位:千円) ┌─┬───────┬─────┬─────┬─────┐ │ │  区分   │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総収入額   │  18,546│  17,875│  17,786│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総支出額   │  11,443│   9,901│  10,518│ │財├───────┼─────┼─────┼─────┤ │務│(うち人件費)│ (4,330)│ (2,380)│ (3,695)│ │の├───────┼─────┼─────┼─────┤ │状│差引収支額  │   7,102│   7,974│   7,268│ │況├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総資産額   │  241,575│  240,168│  240,186│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総負債額   │   2,962│   1,950│   2,649│ │ ├───────┼─────┼─────┼─────┤ │ │正味財産額  │  238,612│  238,218│  237,537│ └─┴───────┴─────┴─────┴─────┘                   (単位:千円) ┌─┬───┬─────┬─────┬─────┐ │市│区分 │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │の├───┼─────┼─────┼─────┤ │財│委託料│   1,452│   4,663│   4,437│ │政├───┼─────┼─────┼─────┤ │支│補助金│    240│    240│    240│ │出├───┼─────┼─────┼─────┤ │ │合計 │   1,692│   4,903│   4,677│ └─┴───┴─────┴─────┴─────┘                                (単位:千円) ┌─┬──────────────────────────────────┐ │ │              平成25年度               │ │ ├───────────┬──────────────────┬───┤ │ │    事業名    │       事業内容       │事業費│ │ ├───────────┼──────────────────┼───┤ │ │多文化共生推進事業  │外国人のための日本語講座、外国人市民│ 4,894│ │事│           │向け相談窓口の開設、ラジオ啓発事業 │   │ │業├───────────┼──────────────────┼───┤ │の│国際交流推進事業   │友好姉妹都市等一般交流事業、各国文化│ 1,727│ │概│           │の理解・習得事業          │   │ │要├───────────┼──────────────────┼───┤ │ │民間活動支援・連携事業│民間国際交流事業への助成      │ 1,247│ │ ├───────────┼──────────────────┼───┤ │ │情報提供・広報啓発事業│国際交流ニュースGIFU発行      │  372│ │ ├───────────┼──────────────────┼───┤ │ │その他        │                  │  938│ └─┴───────────┴──────────────────┴───┘ 2 沿革 平成元年 岐阜市国際交流推進懇話会
    平成3年 財団法人国際交流基金設立 平成11年 財団法人岐阜市国際交流協会に名称変更 平成24年 公益財団法人岐阜市国際交流協会に名称変更 第2 事実関係及び指摘・意見 1 定款記載事項について 【事実関係】  定款第4条第2項に国際交流協会の事業範囲の記載がある。  「前項の各事業は、岐阜県及び岐阜県との間で交流を行っている海外の地域 で行うものとする。」 【意見 国際交流協会】  定款第3条の目的からすれば、事業の範囲は、必ずしも、市内に限られるも のではなく、県内という範囲で行う点は否定されないと思われる。  しかし、海外の地域で行う事業に関しては、県との間で交流を行っている地 域は対象とはならないはずである。  市と県は、異なる自治体であり、協会は市の外郭団体であることからしても、 「岐阜市との間で交流を行っている海外の地域」とするのがあるべき形である と考える。  そこで、国際交流協会は、定款第4条第2項を「岐阜県内及び岐阜市との間 で交流を行っている海外の地域で行うものとする」に定款変更することが望ま しい。 2 出資について 【事実関係】  平成26年3月28日に議決された定款第5条第1項において、基本財産は評 議員会で定めたものとされた。基本財産としては、平成25年度決算において、 定期預金455千円及び投資有価証券212,039千円の合計212,494千円とされて いる。  それ以前の定款第5条第1項においては、基本財産は別表の財産として記載 されていた。別表は次のとおりである。  そこでは、定期預金455千円、国債212,000千円の合計212,455千円とされ ていた。 ┌──────┬────────┬───────┐ │財産種別  │場所・物量等  │  単位:千円│ ├──────┼────────┼──┬────┤ │定額貯金  │預託金額    │  │   455│ ├──────┼────────┼──┼────┤ │      │第137回利付国債 │額面│ 40,000│ │      ├────────┼──┼────┤ │      │第329回利付国債 │額面│ 100,000│ │投資有価証券├────────┼──┼────┤ │      │第83回利付国債 │額面│ 52,000│ │      ├────────┼──┼────┤ │      │第112回利付国債 │額面│ 20,000│ └──────┴────────┴──┴────┘  平成25年度決算における基本財産は、平成26年3月28日議決の定款第5 条第1項に基づくもので、212,494千円である。それ以前の定款第5条第1項 に基づく基本財産の数値212,455千円であり、39千円の差異がある。その差 異については、次のとおりである。  まず、定期預金455千円には違いがない。国債購入時において生じた差額(券 面額より安価に購入した際の差額)を別管理している部分である。  国債部分に違いが発生する。国債による運用益を基本財産に組み入れており、 償却原価法により算出された平成25年度末残高が現定款第5条第1項の基本 財産となる。  基本財産における市の出資額は、あくまで211,010千円であるところ、基本 財産は、上記(1)で述べたとおり、212,494千円であることから、「市出資 割合」は、99.30%となる。  平成26年3月28日、定款第5条第1項において、基本財産は「評議員会」 で定めたものと変更された。  しかしながら、公益財団法人岐阜市国際交流協会会計規程(平成26年5月 26日議決)第41条(1)では、基本財産とは、定款第5条で定める協会の目 的である事業を行うために不可欠な財産として「理事会」が定めた資産とされ ている。 【指摘 国際交流協会】  公益財団法人岐阜市国際交流協会会計規程は、決議主体につき、定款と相容 れないものとなっていた。国際交流協会は、同規程第41条(1)については、 既に、修正したとのことである。  定款や各規程等との整合性を十分検討するべきである。 3 補助金について 【事実関係】  市から国際交流協会へ毎年、補助金240千円が交付されている。これは「外 国人のための日本語講座」という事業に対する補助金であり、岐阜市補助金等 交付規則及び岐阜市外国人のための日本語講座補助金交付要綱(平成25年3 月27日決裁)に基づく交付である。  平成25年度の同講座受講者52名中、市外からの受講者(市内在勤者も含む) は16名とのことである。  平成21年度以降の同講座における補助金の推移、会計は次のとおりである。 平成21年度以降、補助金額に変化はない。 外国人のための日本語講座                                    (単位:円) ┌─────────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │         │H21    │H22    │H23    │H24    │H25    │ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │補助予算額    │  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │補助決算額    │  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │執行率(%)   │    100│    100│    100│    100│    100│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │【収入】     │     │     │     │     │     │ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │自己資金     │  94,057│  201,656│  375,181│  267,009│  229,932│
    ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │受講者負担金   │  744,210│  296,230│  360,770│  491,560│  767,970│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │岐阜市補助    │  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│  240,000│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │国際交流・多文化共│  830,000│  494,000│  500,000│  500,000│  459,000│ │生推進事業助成金 │     │     │     │     │     │ │(県センター)  │     │     │     │     │     │ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │合計       │ 1,908,267│ 1,231,886│ 1,475,951│ 1,498,569│ 1,696,902│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │【支出】     │     │     │     │     │     │ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │賃金       │     0│     0│ 1,040,000│ 1,060,000│ 1,150,000│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │報償費      │ 1,330,000│  880,000│     0│     0│  10,000│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │消耗品費     │  110,316│  55,448│  71,346│  49,349│  115,272│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │通信運搬費    │   2,560│    800│    525│    240│    560│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │使用料・賃借料  │  461,180│  292,860│  360,190│  385,380│  416,780│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │手数料      │    610│    450│    530│    240│    690│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │法定福利費    │     0│   2,328│   3,360│   3,360│   3,600│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │保険料      │   3,601│     0│     0│     0│     0│ ├─────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │合計       │ 1,908,267│ 1,231,886│ 1,475,951│1 ,498,569│ 1,696,902│ └─────────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ 【指摘 国際課】  補助金交付要綱の正式名称は、岐阜市外国人のための日本語講座補助金交付 要綱というものであり、同要綱第1条(趣旨)において、「岐阜市の多文化共 生推進に取り組む団体の支援及び外国人住民」を対象としている。                 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  国際課が作成し、市民に公表されている事業評価シートにおいては、事業の 必要性の箇所に「外国人市民が・・」とあり、事業の目的のところに「外国人 市民の・・」と記載されている。  ところが、国際交流協会においては、平成25年度外国人のための日本語講 座収支予算書における事業概要について、「市内及び近郊の外国人住民」を受                      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 講者の対象としている。  以上のとおり、対象者が不明確となっている。  国際課において、「岐阜市外国人」、「外国人住民」、「外国人市民」といった 語句の定義付け、使い方を整理すべきである。そして、国際交流協会の事業概 要に従って、市内及び近郊の外国人住民を対象とするのであれば、その旨、要 綱を改正すべきである。 【意見 国際課】  補助金額は240千円であり、過去5年間一定である。  補助金交付要綱には、240千円との金額の記載があるが、かかる金額の算定 根拠は不明である。補助事業の評価の際には、算定根拠も金額の妥当性を検討 する上で重要な要素であり、240千円と決して多額ではないものの、その金額 であることの合理的根拠を明確にする必要はある。  5年間の会計収支を見ても、補助対象事業の収支及びその内容は一定ではな く、かかる事業の位置づけ等から考えて補助金の支出の有無及び支出額が妥当 といえるかの検討が必要である。  この機会に、国際課としては、国際交流協会に対する補助金額の算定根拠を 明確にし、補助の必要性、補助限度額を検討することが望ましい。  具体的には、補助限度額の他、対象経費に占める割合を決めることなどが考 えられる。 4 委託について 【事実関係1)】  平成25年度、市は、岐阜市国際交流・多文化共生推進事業業務委託に対す る委託料として6,791千円を予算計上した。  地方自治法施行令第167条の2第1項第2号(契約の性質又は目的が競争入 札に適さない場合)、岐阜市随意ガイドライン(4)(国及び地方公共団体又は 営利を目的としない法人と契約するとき)の適用があるとして、国際交流協会 が受託者となる一者随意契約である。  平成12年度以降、本業務委託については、国際交流協会への一者随意契約 とされている。本契約において、国際交流協会から他業者への再委託はない。  また、委託料総額6,791千円については、契約書第1条及び仕様書上、委託 総額の範囲内での各事業間流用ができるものとされている。  委託内容は大きく2つに分かれる。  国際交流事業と多文化共生推進事業である。  前者は、市の友好姉妹都市等一般交流事業、代表団受入事業であり、後者は、 平成22年3月策定の岐阜市多文化共生推進等基本計画の基本目標である「こ とば」をつなげる(1)~3))、「制度」をつなげる(4))、「意識」をつなげる(5)) に対応した事業である。  平成25年度の実績は、4,437千円であり、2,353千円の未消化がある。  事業間流用はなく、国際交流協会は、契約書第18条に基づき、未消化分を 剰余金として、市に返還している。 平成25年度 岐阜市国際交流・多文化共生推進事業業務委託 ┌──────────────────────────┬───────┐ │1 収入の部                    │(単位:千円)│ ├──────────────────────┬───┼───────┤ │内容                    │予算 │  決算   │ ├──────────────────────┼───┼───────┤ │岐阜市国際交流・多文化共生推進事業委託料収入│ 6,791│     6,791│ ├──────────────────────┼───┼───────┤ │合計                    │ 6,791│     6,791│ ├──────────────────────┴───┴───────┤ │2 支出の部                            │ ├──────────────────────┬───┬───────┤ │友好姉妹都市等一般交流事業費支出      │ 1,000│      141│
    ├──────────────────────┼───┼───────┤ │シンシナティ市代表団受入事業費支出     │ 1,750│     1,457│ ├──────────────────────┼───┼───────┤ │杭州市代表訪日団受入事業費支出       │ 1,200│       0│ ├──────────────────────┼───┼───────┤ │多文化共生推進事業費支出          │ 2,841│     2,838│ ├──────────────────────┼───┼───────┤ │1)外国人市民向け相談窓口の開設       │   │     2,523│ ├──────────────────────┼───┼───────┤ │2)外国人向け資料の発行           │   │      21│ ├──────────────────────┼───┼───────┤ │3)日本語の教え方講座            │   │      52│ ├──────────────────────┼───┼───────┤ │4)防災啓発事業               │   │      15│ ├──────────────────────┼───┼───────┤ │5)ボランティア人材育成事業         │   │      156│ ├──────────────────────┼───┼───────┤ │6)「やさしい日本語」講座          │   │      46│ ├──────────────────────┼───┼───────┤ │7)外国人コミュニティとの協働事業      │   │      23│ ├──────────────────────┼───┼───────┤ │合計                    │ 6,791│     4,437│ └──────────────────────┴───┴───────┘ 【意見 国際課、国際交流協会】  市は、国際交流事業及び多文化共生推進事業を国際交流協会へ委託している。 この事業の内容は、「ぎふ躍動プラン・21」の政策の基本方針に含まれており、 様々な国籍、文化等への理解を深め、外国人と共生する社会を目指すというも のである。  この事業の中には、友好姉妹都市との交流が含まれており、友好姉妹都市か らの訪問が事業予算の中に含まれる時があるが、差異が大きくなる原因は、大 半がこの友好姉妹都市からの訪問が計画通り実施されないためとのことであ った。なお、市は、平成25年度現在、イタリア・フィレンツェ市、中国・杭 州市、ブラジル・カンピーナス市、アメリカ・シンシナティ市、オーストリア ウィーン市・マイドリング区、カナダ・サンダーベイ市の6つの市区と友好姉 妹都市を提携している。  市は、この友好姉妹都市からの訪問がある場合、滞在費や交流費を負担する が、国際情勢の影響などを受け、相手側が予定していた訪問を急に取りやめる こともあるとのことである。その結果、予算を取っていた事業が行われず、予 算が未消化となり、差額を返金することとなる。  今後は、少しでもより確実な訪問計画に基づく予算組みができるよう、友好 姉妹都市側と情報を密に交わしていくなどしていくことが望ましい。 【意見 国際課、国際交流協会】  仕様書においては、各種事業の内容、開始時期等については、市と協議して 進めることとし、委託料総額の範囲内で事業間流用が可能となっていた。  このように、本委託は、他の事業の充実のためにも委託料を活かすことがで きるようになっている。  今後は、さらに委託料の有効活用を進めることが望ましい。 【事実関係2)】  随意契約の理由においては、「国際交流・多文化共生推進全般にかかるコー ディネートや民間と行政のパイプ役を担う唯一無二の団体」と記載されている。 【意見 国際課】  一括での委託のメリットは、機動性がある、ノウハウを活用できる、事業同 士で連携できる、事業間で流動性等がある、などが考えられる。  しかし、国際交流事業と多文化共生推進事業は、分けて委託することが可能 であるところ、これを一括して委託すれば、実質上、両事業を設立目的に入れ ている国際交流協会しか受託できないことになってしまう可能性がある。  事業を分けることによって、より小規模な団体(NPOなど)でも、適切に実 施できるものもあるかもしれないし、随意契約をすることが本当に合理的なの かどうか、市民をはじめとする外部の第三者から疑念を抱かれるおそれもある。  よって、事業の内容を精査し、個々の事業の内容、規模から、一括ではなく 分けて委託できるものがあるか否かを再検討することが望ましい。  その結果、現状が合理的であるというのであれば、その旨、そう判断した理 由を明らかにすればよい。 【事実関係3)】  一者随意契約理由書においては、「必要経費を適正に積算している」、「ボラ ンティア、NPO、教育機関等の非営利団体との協働活動を前提にした積算で あり一般業者への支払と比べ安価である」との記載がある。 【指摘 国際課】  金額が他の団体と比べて安価か否かは、資料上は明らかではない。随意契約 は、あくまで、例外であるのだから、積算の適正さの担保及び手続の透明性と いう観点から、随意契約の理由についていかなる検討がなされたかは重要であ る。今後も随意契約をするのであれば、検討過程は正確に残すべきである。 【事実関係4)】  委託事業の中で、岐阜市外国人生活ガイドブック携帯版の発行がある(上記 表 多文化共生推進事業費支出 2)資料の発行)。  ところで、市においては、岐阜市外国人市民会議設置要綱を制定し、岐阜市 外国人市民会議を年3回ほど開催している。会議は、外国人市民への市政への 参画を推進し、誰もが住みやすいまちづくりを進めるため、外国人市民等から 意見を聴取し、市政に反映させるとともに、多文化共生社会の推進に寄与する ことを目的として設置されている。  平成25年度は、9月29日、11月24日、3月23日の計3回実施されてい る。岐阜市外国人生活ガイドブック概要版・携帯版や外国人市民生活実態調査 などの意見聴取をしている。 【指摘 国際課】  国際交流協会としては、岐阜市外国人市民会議に関わった形跡はない。  国際交流協会は、単にガイドブックを印刷するだけではなく、企画にも関わ ったとするが、市が直接発行せず、国際交流協会に委託するのか、委託の必要 性が明確ではない。  今後は、本事業が国際交流協会に委託すべき内容かを十分に検討すべきであ る。 5 他組織との連携について
    【事実関係1)】  国際交流協会に類似する団体として、岐阜県には、公益財団法人岐阜県国際 交流センターがあり、岐阜県内の市町村には、それぞれ、岐阜市国際交流協会 と類似の市町村国際交流協会などがある。また、岐阜市公共ホール管理財団と は、我が国の国際化に対応したまちづくりと国際親善の発展に寄与するという 点では、業務目的が同種である。  公益財団法人岐阜県国際交流センターは、岐阜市柳ヶ瀬通に事務所があり、 国際交流協会とは、至近距離にある。  国際交流協会は、平成25年度でいえば、ラジオ啓発事業において、岐阜県 国際交流センターとの共催に取り組んでいる。  また、国際交流協会は、類似団体のみならず、岐阜市生涯学習センター(所 在のハートフルスクエアーG内にロダン作 花子のマスクがある。これは国際 交流協会の特定資産であり、国際理解促進のために展示されている)との共催 事業にも取り組んでいるとのことである。 【意見 国際交流協会】  国際交流協会は、その目的において、広く、多文化共生社会の推進と国際交 流活動の促進を行うことを掲げている(定款第3条)。  この点、岐阜県及び県内各市町村の類似団体で、同様の目的等から、国際交 流に関わる各種事業が行われている。  利用者からすれば、自らの必要性に応じ、最も有効にこれらの組織を利用し たいはずである。市の外国人市民においていえば、最も身近な組織として、国 際交流協会が位置づけられるはずである。  その観点でいえば、より有益な事業を他団体で実施していれば、それを国際 交流協会が採り入れることで満足につながっていく。  また、国際交流協会と他団体が共に事業を開催していくことで利用者が幅広 い交流を実現するといったことが可能となる。  そのためには、まずは、類似団体が参加する協議会など、情報収集の機会を 積極的に利用すること、そして、その上で、より効果的な事業実施を検討する ことが望ましい。 【意見 国際課】  国際交流協会のみならず、所管課である国際課においても、市内部の施設や 所管部署などのより効果的な連携を検討することが望ましい。 【事実関係2)】  市は、岐阜市外国人市民会議を年3回程度開催し、意見聴取をしている。 【意見 国際課、国際交流協会】  国際交流協会は、上述したとおり、市委託事業として、岐阜市外国人生活ガ イドブック携帯版の発行を行っているが、これには、岐阜市外国人市民会議と の連携が有意義であると考えられる。効果的な連携を検討することが望ましい。 6 組織体制について 【事実関係1)】  会長を初め、役員、監事、評議員はすべて非常勤である。 【指摘 国際交流協会】  市が平成16年度に策定した外郭団体の経営改善指針においては、理事長や 会長など団体の経営責任者は常勤であることを原則とすべきとしている。  しかしながら、市職員としては、常時勤務しているものの、国際交流協会業 務に対しては、非常勤としていることから、国際交流協会に、常勤役員が一人 もいない状態である。  市自らが策定した経営改善指針を踏まえ、早急に、国際交流協会として常勤 の経営責任者を置くべきである。 【事実関係2)】  国際交流協会職員は、全て、市職員(正職員8名、嘱託職員4名)が、「協 会事務局職員として業務に従事させる」との決裁を受け、辞令を交付されて、 協会の業務を兼務している。協会の業務を行う上で、現在、マンパワーの不足 は生じておらず、市の業務の空いた時間に、こまめに協会の業務を行っており、 実務は、上手く回っているとのことである。  なお、国際交流協会は、平成27年7月にぎふメディアコスモスへの移転を 目指し、移転費用は、特定費用準備資金に計上済みとのことである。また、移 転後は、固有の職員を最低1名でも採用したいと考えている。それと同時に、 派遣法による人員の派遣も検討しており、組織作りに取り組んでいるとのこと である。 【指摘 国際交流協会】  市および国際交流協会ともに、現在の組織の在り方がよいかという問題意識 はある。既に、平成19年度策定の外郭団体の見直しの方向性においても、国 際交流協会は、自立した組織運営体制に見直して存続する団体とされており、 当時より、課題は認識されていた。しかしながら、国際交流協会固有の職員が 一人もいないという現状のままできている。国際課によれば、国際交流協会の 組織検討を担当部内で断続的に行ってきたと述べるが、結果からみれば、自立 した組織運営体制は実現していない。運営組織の自立化及び職員のプロパー化 の利点としては、機動性、ノウハウの蓄積、業務の連続性、継続性などが考え られる。  国際交流協会存続を前提とするようであるが、そうであれば、早急に、自立 した組織運営体制を確立すべきである。 7 自主事業について 【事実関係】  推移は、次のとおりとなる。                                      (単位:円) ┌────────────────────┬──────┬──────┬──────┐ │事業名称                │平成25年度 │平成24年度 │平成23年度 │ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │情報提供・広報啓発事業         │   371,009│   392,272│   315,455│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │インターナショナル・インフォメーション・│    9,839│   26,508│   20,475│ │スタンドの運営             │      │      │      │ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │ホームページによる国際交流・多文化共生推│   80,130│   77,324│      0│ │進イベント等の情報発信         │      │      │      │ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │国際交流ニュースGIFUの発行       │   281,040│   288,440│   294,980│
    ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │国際交流推進事業            │   127,480│   109,505│   180,997│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │外国文化理解講座の開催         │   97,097│   55,031│   48,861│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │外国人のための日本文化理解講座の開催  │    6,721│   19,614│   80,111│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │「英語を話したい人、集まれ!」の開催  │   23,662│   34,860│   47,045│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │「ハローギフ・ハローワールド」への参加 │      0│      0│    4,980│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │医療通訳サポーター研修         │未実施   0│実施    0│実施    0│ │                    │      │    ※1│    ※2│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │多文化共生推進事業           │  2,054,929│  2,519,856│  6,561,149│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │外国人のための日本語講座の開催     │  1,766,929│  1,570,966│  1,529,866│ │                    │    ※3│    ※3│    ※3│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │通訳補助員の設置(岐阜県国際交流センター│     ─│     ─│  2,587,187│ │「市長村国際交流協会等特別支援事業助成 │      │      │      │ │金」により実施)            │      │      │      │ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │ラジオ啓発事業             │   288,000│   948,890│  2,444,096│ │                    │    ※4│    ※5│    ※5│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │民間活動支援・連携事業         │  1,246,000│  1,430,000│  1,730,000│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │友好都市等産業交流推進委員会への負担金 │   30,000│   30,000│   30,000│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │草の根交流助成事業の実施(平成24年度以前│      │      │      │ │国際交流事業支援基金助成金事業)    │  1,216,000│  1,400,000│  1,700,000│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │各種会議                │   22,610│   27,050│   59,010│ ├────────────────────┼──────┼──────┼──────┤ │合計                  │  3,822,028│  4,478,683│  8,846,611│ └────────────────────┴──────┴──────┴──────┘  ※1 岐阜県国際交流センター主催  ※2 岐阜県国際交流センター、岐阜大学医学部との共催  ※3 岐阜県国際交流センター助成金および岐阜市補助金を受け実施  ※4 岐阜県国際交流センターとの共催  ※5 岐阜県国際交流センター助成金を受け実施 【意見 国際交流協会】  推移を見る限り、自主事業にかかる費用が減少している。公益財団法人に移 行し、組織としての自主性が要求されていることからも、今後は、積極的に自 主事業を展開することが望ましい。 8 広報について 【事実関係1)】  国際交流ニュースGIFUを年3回(5月、9月、11月)各2千部発行してい る。各事務所、コミセン等岐阜市の関係施設等25箇所に各30部(計750部)、 賛助会員(公益財団法人岐阜市国際交流協会賛助会員規程第4条において賛助 会員は配布を受けることができるものとされている。)、国際交流団体、役員等 に各1部(計700部)、国際課・本庁舎・南庁舎・ハートフルスクエアーGに 合計で550部配置している。  国際課・本庁舎・南庁舎・ハートフルスクエアーGに配置している分につい ては、残余が生じ、それらは、資料用の在庫として保存される。  その他、国際交流協会ホームページ上でも公開されている。 【意見 国際交流協会】  幅広い市民に、国際交流協会の情報をみてもらうことは重要である。  過剰な残余分が生じないように、国際交流協会は、配布先の開拓など、広報 の充実を図ることが望ましい。 【事実関係2)】  賛助会員による会費は、個人会員1口3千円、団体会員1口10千円であり、 国際交流協会にとっては、貴重な収入源となるはずのもので、増加すれば、よ り充実した事業を行うことが可能となる。  しかしながら、平成25年度の賛助会費は、団体150千円、個人87千円の合 計237千円であり、それぞれ、15団体、29人にすぎなかった。  市は、岐阜県内では、最も外国人住民数が多い自治体であるにもかかわらず、 賛助会員数は、他と比して少ない。  下記表は、平成26年3月末現在の外国人住民数県内トップ3である。  組織形態としては、大垣市は、本協会と同様、公益財団法人であり、可児市 は、NPO法人(特定非営利法人)である。  外国人住民数の数値は、岐阜県環境生活部環境生活政策課調べにより、可児 市、大垣市の賛助会員数は、それぞれの協会に問い合わせの上、記載した。 ┌──────┬──┬───┬─────┬───┐ │      │  │岐阜市│可児市  │大垣市│ ├──────┼──┼───┼─────┼───┤ │外国人住民数│  │ 8,272│   5,227│ 4,182│ ├──────┼──┼───┼─────┼───┤ │賛助会員数 │団体│  15│     0│  47│ │      ├──┼───┼─────┼───┤ │      │個人│  29│個人  171│  153│ │      │  │   │家族   9│   │ └──────┴──┴───┴─────┴───┘ ※可児市の賛助会員の数値は、平成26年5月1日現在。個人会員は一人の加入で会費2千円、 家族は会費3千円。大垣市の会費は、個人3千円、団体10千円。 【意見 国際交流協会】  他の自治体と上記の指標で比較すると、外国人住民数に比して、賛助会員数 は少ないと評価せざるを得ない。  原因としては、協会の組織が独立していないこと、広報が充実していないこ と、賛助会員になることのメリットが十分周知されていないこと、会費の額な ど様々なものが考えられる。  国際交流協会においては、原因を分析した上で、賛助会員が増加するように 具体的対策を講じることが望ましい。
    【事実関係3)】  外国人市民にとって、本協会へのアクセス手段として重要なものが、協会ホ ームページであるが、日本語、中国語、英語でしか見ることができない。  ところで、岐阜県環境生活部環境生活政策課の調べによると、市の外国人住 民数及び国籍の過去5年間の推移は、次のとおりである。 【岐阜市外国人住民数の推移】                                  岐阜県環境生活政策課調べ ┌───────┬───┬────┬───┬─────┬─────┬───┬───┬──┐ │       │総計 │ブラジル│中国 │フィリピン│韓国・朝鮮│ペルー│ベトナ│その│ │       │   │    │   │     │     │   │ム  │他 │ ├───────┼───┼────┼───┼─────┼─────┼───┼───┼──┤ │平成26年3月末│ 8,272│   223│ 3,534│   1,749│   1,442│  72│  271│ 981│ ├───────┼───┼────┼───┼─────┼─────┼───┼───┼──┤ │平成25年3月末│ 8,443│   232│ 3,841│   1,769│   1,480│  77│  166│ 878│ ├───────┼───┼────┼───┼─────┼─────┼───┼───┼──┤ │平成24年3月末│ 8,843│   268│ 4,047│   1,865│   1,540│  71│  123│ 929│ ├───────┼───┼────┼───┼─────┼─────┼───┼───┼──┤ │平成23年3月末│ 8,880│   269│ 4,164│   1,843│   1,546│  73│  109│ 876│ ├───────┼───┼────┼───┼─────┼─────┼───┼───┼──┤ │平成22年3月末│ 8,876│   252│ 4,150│   1,868│   1,578│  66│  109│ 853│ └───────┴───┴────┴───┴─────┴─────┴───┴───┴──┘  平成26年4月1日現在、市の人口は41万5113人であるところ、平成26 年3月末現在、外国人住民数は8,272人(県全体では42,942人)であり、人 口に占める外国人の割合は、約1.99%である。市内の約50人に1人が外国人 住民ということになる。中国人、フィリピン人、韓国・朝鮮人が多いのが特徴 で、全体の約81.3%を占める。5年の推移でみると、総計では、外国人住民 数が減少しているが、ベトナム人は5年間で倍以上増加し、ブラジル人を抜い て4位となった。 【意見 国際交流協会】  外国人市民の立場からすれば、協会ホームページにおいて、母国語での説明 があると便利である。  公益財団法人岐阜県国際交流センターは、ホームページ上で、タガログ語の 他ポルトガル語でも読むことができるようにしているし、また、各務原国際協 会はホームページ上で、韓国語も掲載している。  国際交流協会は、現在の日本語、中国語、英語のほか、市の在住外国人の実 態や、外国人の相談窓口での実績を踏まえ、他の言語での掲載をすることが望 ましい。 第13章 一般財団法人岐阜市公共ホール管理財団 第1 概要 1 基本情報 ┌─┬───────┬──────────────────────────────┐ │ │設立年月日  │平成7年4月1日                      │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │所在地    │岐阜市長良福光2695番地2                  │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │所管課    │商工観光部 産業拠点運営課                 │ │ │       │市民参画部 男女共同参画・文化課              │ │ ├───────┼────────┬──────────┬──────────┤ │ │基本財産   │   30,000千円│うち市出資額    │     30,000千円│ │ │       │        │(割合)      │      (100%)│ │基├───────┼────────┴──────────┴──────────┤ │本│設立目的   │岐阜市から委託された長良川国際会議場、岐阜市文化センター及び│ │事│(定款第3条)│岐阜市民会館等の施設管理及びこれらの施設を活用して各種イベ │ │項│       │ント・コンベンションを実施することにより、「国際コンベンショ│ │ │       │ン都市岐阜」及び「文化都市岐阜」の実現に寄与すること    │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │事業内容   │(1)長良川国際会議場、岐阜市文化センター及び岐       │ │ │(定款第4条)│阜市市民会館等の管理運営                  │ │ │       │(2)地域振興及び文化振興に関するイベント・コン       │ │ │       │ベンションの企画、誘致及び実施               │ │ │       │(3)上記(1)及び(2)の事業に関する情報及び資料の収集並│ │ │       │びに提供                          │ │ │       │(4)その他この法人の目的を達成するために必要な      │ │ │       │事業及び旅行業法に基づく旅行業               │ └─┴───────┴──────────────────────────────┘         (平成26年3月31現在) ┌─┬───┬───┬───┬───┐ │ │区分 │役員 │評議員│職員 │ │組├───┼───┼───┼───┤ │織│常勤 │  4名│  0名│ 42名│ │状├───┼───┼───┼───┤ │況│非常勤│  6名│  7名│  0名│ │ ├───┼───┼───┼───┤ │ │合計 │ 10名│  7名│ 42名│ └─┴───┴───┴───┴───┘                          (単位:千円) ┌─┬───────┬──────┬──────┬──────┐ │ │  区分   │平成23年度 │平成24年度 │平成25年度 │ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総収入額   │   588,335│   585,808│   549,390│ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総支出額   │   573,354│   581,255│   532,862│ │財├───────┼──────┼──────┼──────┤ │務│(うち人件費)│ (175,762)│ (166,818)│ (159,948)│ │の├───────┼──────┼──────┼──────┤ │状│差引収支額  │   14,980│    4,553│   16,528│ │況├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │総資産額   │   222,329│   253,125│   257,349│ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤
    │ │総負債額   │   98,446│   109,280│   100,996│ │ ├───────┼──────┼──────┼──────┤ │ │正味財産額  │   123,882│   143,844│   156,352│ └─┴───────┴──────┴──────┴──────┘                     (単位:千円) ┌─┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │市│ 区分  │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │の├─────┼─────┼─────┼─────┤ │財│指定管理料│  413,417│  415,322│  376,148│ │政│     │     │     │     │ │支├─────┼─────┼─────┼─────┤ │出│合計   │  413,417│  415,322│  376,148│ │ │     │     │     │     │ └─┴─────┴─────┴─────┴─────┘ ┌─┬───────────────────────────────────┐ │ │              平成25年度                │ │ ├───────────┬──────────────────┬────┤ │ │    事業名    │      事業内容        │事業費 │ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │長良川国際会議場施設管│長良川国際会議場の維持管理及び貸館 │ 220,743│ │ │理          │業務                │    │ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │事│文化会館施設管理事業 │岐阜市文化センターと岐阜市民会館の │ 215,033│ │業│           │維持管理及び貸館業務        │    │ │の├───────────┼──────────────────┼────┤ │概│文化会館自主事業   │「松竹大歌舞伎」ほか 11本の公演  │ 57,762│ │要├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │長良川国際会議場自主事│「しまじろうコンサート」ほか 9本の│ 19,359│ │ │業          │公演                │    │ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │法人管理       │財団共通事項の管理         │ 13,914│ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │その他事業      │岐阜市長良川鵜飼伝承館の維持管理  │  4,067│ │ ├───────────┼──────────────────┼────┤ │ │特定資産取得     │退職給付資産・自主事業運営資産繰入 │  1,981│ └─┴───────────┴──────────────────┴────┘ 2 沿革 平成7年4月1日 長良川国際会議場が建設され、その管理運営のため、          財団法人として設立 平成18年4月   長良川国際会議場、岐阜市文化センター及び岐阜市民          会館の指定管理者に選定 平成21年4月   長良川国際会議場の指定管理者に財団が代表構成員          であるトリニティぎふが選定 平成24年4月   鵜飼伝承館が建設され、その指定管理者に財団が構成員          であるトリニティうかいミュージアムが選定 平成25年4月1日 財団法人から、一般財団法人へ移行 3 表記について  本章において、公共ホール管理財団を「財団」、岐阜市文化センターを「文 化センター」、岐阜市民会館を「市民会館」、文化センター及び市民会館を「文 化会館」、岐阜市長良川国際会議場を「長良川国際会議場」、岐阜市長良川鵜飼 伝承館を「長良川鵜飼伝承館」という。 第2 事実関係及び指摘・意見 1 存在意義について (1)今後のあり方について ア 目的 【事実関係】  財団の目的は、「岐阜市から委託された長良川国際会議場、岐阜市文化セン ター及び岐阜市民会館等の施設管理及びこれらの施設を活用して各種イベン ト・コンベンションを実施することにより、『国際コンベンション都市岐阜』 及び『文化都市岐阜』の実現に寄与すること」である(定款第3条)。  公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団(以下、「教育文化振興事業団」と いう)の目的は、「この法人は、教育、文化、スポーツ、生涯学習等の振興に 資する事業を行い、地域と未来の活力を支える人作りを推進し、もって生きが いとうるおいに満ちた創造性あふれるまちづくりに寄与すること」である(定 款第3条)。  公益財団法人岐阜観光コンベンション協会(以下、「観光コンベンション協 会」という)の目的は、「この法人は、岐阜市及び周辺の産業、技術及び文化、 歴史などの資源を活用し、コンベンションの誘致、開催支援、及び国際会議観 光都市岐阜の広報、宣伝等の事業を行うことにより、岐阜市におけるコンベン ション並びに観光の振興を図り、もって国際相互理解の増進並びに地域経済の 活性化及び文化の向上に資すること」である(定款第3条)。  公益財団法人岐阜市国際交流協会(以下、「国際交流協会」という)の目的 は、「この法人は、産業、経済、文化等幅広い分野の多文化共生社会の推進と、 国際交流(国際協力を含む。以下同じ)活動の促進を行い、もって我が国の国 際化に対応したまちづくりと国際親善の発展に寄与することを目的とする(定 款第3条)。  上記で、財団を含めた岐阜市の外郭団体4団体の定款上の目的を並べた。  全く同じではないが、重複する部分が数多く見られる。  具体的には、財団と教育文化振興事業団とは、「文化・・・の振興に資する 事業を行う」ことでは、業務目的が同種である。  また、観光コンベンション協会とは、「コンベンションの誘致、開催支援」 「国際会議観光都市岐阜」の事業を行うという点では、業務目的が同種である。  さらに、国際交流協会とは、国際コンベンション都市岐阜の実現に寄与とい う点では、業務目的が同種である。  指定管理者制度導入後、「長良川国際会議場条例に指定管理者がコンベンシ ョン誘致能力を有すること」と加えられたため、専任の営業担当と協会が同行 営業するなど、従前以上に、観光コンベンション協会と協力し合って、イベン ト等に出席しているとのことである。  財団の評議員には、国際交流協会会長と観光コンベンション協会の専務理事
    が名を連ねている。 イ 見直しの方向性 【事実関係】  市が平成19年度に策定した「見直しの方向性」によれば、財団は、合併に より組織体制の強化を図り、一体的かつ効果的・効率的な運営を行う団体とし て、教育文化振興事業団との合併の必要性があるとされていた。  しかしながら、両組織が合併すると、公益目的事業比率が、50%を下回る懸 念があるとのことで、公益法人制度改革による両組織の公益法人への移行が完 了するまでは、合併協議は休止された状態であった。  平成26年度に入り、行財政改革課より、産業拠点運営課と教育政策課に対 し、合併協議を再開するようにとの話が出ているとのことである。 【指摘 産業拠点運営課、男女共同参画・文化課、公共ホール管理財団】  外郭団体は、民間ではできない公共的な事務や、異動が前提の市職員では対 応しにくい専門的な事務を委託等するという点に、その存在意義がある。  ただし、自治体内に、類似・同種団体、類似・同種の事業を行う外郭団体が あればこれを統合し、組織体制の強化を図り、効果的・効率的な運用を目指す ことが必要である。それが、市の策定した見直しの方向性にも合致する。  この点、財団と教育文化振興事業団とでは、その収益の大半が市からの指定 管理料であるという意味では、同種の団体であり、文化都市岐阜実現の観点か らは、同一の方向性を持つ。  市の見直しの方向性は維持されているのであるから、産業拠点運営課、男女 共同参画・文化課と財団は、事業団の意向も踏まえつつ、事業団の所管課であ る教育政策課との間で、合併協議を再開すべきである。 【意見 産業拠点運営課、男女共同参画・文化課、公共ホール管理財団】  財団が主たる業務としている貸館業務については、民間事業者等による管理 運営が適当であり、実際、貸館業務を実施する3施設中1施設は民間業者との コンソーシアム形態となっているが、その一方で、イベント・コンベンション の実施には、専門性が必要であり、観光コンベンション協会、国際交流協会と の協働が必要である。  財団と類似業務を目的とする市の他の外郭団体との連携や所管課間の更な る連携の検討をすることが望ましい。 (2)条例について 【事実関係】  岐阜市長良川国際会議場条例第6条第1項第3号は、指定管理者が行う業務 として、「岐阜市文化会館条例(昭和41年岐阜市条例第30号)に基づき設置 された文化会館と連携した事業に関する業務」を規定している。  他方、岐阜市文化会館条例(昭和41年12月26日条例第30号)第4条の 事業の項目には、これに対応する条項がない。 【指摘 産業拠点運営課、男女共同参画・文化課】  連携とは、連絡を密に取り合って、一つの目的のために一緒に物事をするこ とをいい、一方通行の関係はあり得ない。  現在は、長良川国際会議場、岐阜市文化会館の両施設ともに、財団が指定管 理者(正確には前者はトリニティぎふ)となっていることから、この条例でも 特段の不都合は生じない。  しかし、指定管理者が別となると(現在においても、長良川国際会議場は公 募であることからあり得る)、文化会館の指定管理者は、長良川国際会議場と 連携した業務をすることが条例上設けられておらず、一方通行の関係が現実的 に生じうる。  次期指定管理者選定前に、岐阜市長良川国際会議場条例と岐阜市文化会館条 例間の事業内容の調整をすべきである。 2 給与について 【事実関係】  財団職員の給与については、一部独自の給与体系を導入しているものの、岐 阜市職員に準拠した給与体制となっている。  平成16年度策定の「岐阜市の外郭団体に関する経営改善指針」によれば、 市職員の人事給与制度に準ずるのではなく、民間事業者との競争原理の上に立 ち、団体の経営状況や業績を踏まえ、団体独自の人事給与制度を導入すると規 定されている。  この点、産業拠点運営課においては、合併協議と連動するため、公益法人と 一般法人のどちらに移行するか確定するまでの間、協議休止としていた。 【指摘 産業拠点運営課、男女共同参画・文化課、公共ホール管理財団】  そもそも、経営改善指針は、市が策定したものである。  財団は、市の外郭団体の中でも、100%出資団体である。岐阜市の外郭団体 として、存続する以上は、指針に従い、所管課と財団において、速やかに協議 を開始し、独自の給与制度を導入すべきである。 3 指定管理について  財団が平成25年度現在で関与する指定管理施設は4施設である。文化セン ター、市民会館、長良川国際会議場、長良川鵜飼伝承館である。 ┌────────┬───────────────────────┐ │根拠条例    │岐阜市文化会館条例              │ │        │岐阜市長良川国際会議場条例          │ │        │岐阜市長良川鵜飼伝承館条例          │ ├────────┼───────────────────────┤ │指定期間    │1期目 平成18年4月1日~平成21年3月31日  │ │        │2期目 平成21年4月1日~平成24年3月31日  │ │        │3期目 平成24年4月1日~平成29年3月31日  │ ├────────┼───────────────────────┤ │指定管理料(平成│1)文化センター・市民会館:  278,131千円   │ │25年度)    │2)長良川国際会議場:      91,617千円   │ │        │3)長良川鵜飼伝承館:      5,000千円   │ ├────────┼───────────────────────┤ │利用料金制の採用│文化会館:無                 │ │        │長良川国際会議場・鵜飼伝承館:有       │ ├────────┼───────────────────────┤ │利用者数    │1)文化センター・市民会館:214,015人・36,668人 │ │(平成25年度実 │2)長良川国際会議場:324,737人         │ │績)      │3)長良川鵜飼伝承館:127,950人(来場者数)   │ │        │          47,944人(来館者数)   │
    ├────────┼───────────────────────┤ │公募・非公募  │文化センター・市民会館:非公募        │ │        │長良川国際会議場・長良川鵜飼伝承館:公募   │ └────────┴───────────────────────┘ (1)選定について 【事実関係】  財団が指定管理により管理4つの施設の指定管理施設導入初年度の平成18 年度以降の選定状況は、以下のとおりである。 ┌────────┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐ │  年 度   │18 │19 │20 │21 │22 │23 │24 │25 │26 │27 │28 │ ├────────┼──┴──┴──┼──┴──┴──┼──┴──┴──┴──┴──┤ │長良川国際会議場│財団(非公募) │トリニティぎふ │トリニティぎふ       │ │        │        │(公募)    │(公募)          │ ├────────┼────────┼────────┼──────────────┤ │文化センター  │財団(非公募) │財団      │財団            │ │市民会館    │        │(非公募)   │(非公募)         │ ├────────┼────────┼────────┼──────────────┤ │長良川鵜飼伝承館│        │        │トリニティうかいミュージアム│ │        │        │        │(公募)          │ └────────┴────────┴────────┴──────────────┘ 【意見 男女共同参画・文化課】  文化会館は、市民を巻き込んでの文化事業であり、専門性及び事業の継続性 を非公募の理由としている。  しかしながら、平成22年度公立文化施設における指定管理者制度導入状況 に関する調査報告書(平成23年3月社団法人全国公立文化施設協会)によれ ば、指定管理の対象となっている劇場、音楽堂等の施設の59.8%が公募によ り決定しており、その割合は年々上昇している(平成18年度は42.9%であっ た。)。  第3期は、市民会館は平成25年4月1日から同26年1月31日まで耐震補 強工事を行ったという事情はあるが、次期もまた指定管理とするのであれば、 公募も視野に入れて検討することが望ましい。 (2)利用料金制の導入について 【事実関係】  文化会館については、利用料金制は導入しておらず、料金は条例で制定され ている。長良川国際会議場、長良川鵜飼伝承館は利用料金制が採られている。 長良川国際会議場は、平成21年度に公募制を導入したことに伴い利用料金制 を導入した。 【意見 男女共同参画・文化課】  利用料金制は、指定管理者自らの収入を上げるというインセンティブを高め、 経営努力を促す結果、市民へのサービス向上へとつながる制度である。  担当者によれば、文化会館は使用料の減免があり(平成25年度は金額にし て3割程度、件数にして1割程度)、利用料金制には馴染まないとのことであ る。  しかし、まず使用料の減免については、「受益と負担の公平化」を考慮し、 施設の公共性の度合いや負担能力等から、使用料については、真にやむを得な い理由による免除に限定するよう改善すべきであるとの意見があるところで ある(平成25年度包括外部監査意見事項)。  また、先に挙げた平成22年度公立文化施設における指定管理者制度導入状 況に関する調査報告書によれば、指定管理の対象となっている劇場、音楽堂等 の施設の実に74.4%の施設において利用料金制が採用されていることから、 これは原則を覆す理由にならない。市民会館は平成25年4月1日から同26 年1月31日まで耐震補強工事を行ったという事情はあるが、その間について は、別途、取決めを行うことで不都合性は回避可能であったと思われる。  次期もまた指定管理とする場合には、利用料金制導入を検討することが望ま しい。  <文化センター・市民会館の減免の件数> ┌──────┬─────┬─────┬─────┐ │      │平成25年度│平成24年度│平成23年度│ ├──────┼─────┼─────┼─────┤ │文化センター│   179件│   150件│   144件│ ├──────┼─────┼─────┼─────┤ │市民会館  │   11件│   79件│   69件│ └──────┴─────┴─────┴─────┘ (3)選定条件について 【事実関係】  長良川国際会議場     平成18-21 非公募(財団)               平成21-24 応募3団体(トリニティぎふ)               平成25-29 応募1団体(トリニティぎふ)  文化センター・市民会館  平成18-21 非公募(財団)               平成21-24 非公募(財団)               平成25-29 非公募(財団) 長良川鵜飼伝承館      平成25-29 公募2団体(トリニティうかい                   ミュージアム)  長良川国際会議場の指定管理者は、第2期より、コンソーシアムのトリニテ ィぎふが選定された。代表構成員は財団であり、構成員は株式会社綜合舞台は ぐるま及び株式会社コングレである。  長良川鵜飼伝承館の指定管理者は、コンソーシアムのトリニティうかいミュ ージアムが選定された。代表構成員は株式会社コングレであり、構成員は財団 及び、株式会社乃村工藝社である。いずれも、コンソーシアムの構成は、財団 以外は民間の業者である。  トリニティ構成員間での契約については、他の構成員の了承を得る必要があ ることから、資料を確認することはできなかったが、担当者によれば、トリニ ティぎふにおいては、代表構成員が、年間指定管理料から、事業に係る費用を 構成員に支払い、リスク負担については、構成員間での契約に基づき負担する とのことである。  株式会社コングレは、国際会議・学術会議の企画・運営で業界をリードする 会社であり、コンベンション誘致での効果があったとのことである。確かに、 コンベンション事業は、広域的な視点で観光誘致する必要性が高く、株式会社 コングレのように、全国的に活動拠点を置く会社をその構成員とするのは有益
    である。  一方、岐阜市は外郭団体に対して、人的・物的資源を投入しており、外郭団 体に対して責任と権限をもって監理・指導すべきところ、外郭団体である財団 がコンソーシアムを形成することによって、その側面からは、監理・指導が間 接的になるという面も有する。  長良川国際会議場においては、その指定管理者の応募資格を、「市と容易か つ緊密に連携が可能な団体及び岐阜市民へのサービス提供に精通している団 体で、岐阜市内に主たる事務所(本店機能)を有する団体であること」として いる。結果としては、市内に主たる事務所を置く財団が代表構成員となるコン ソーシアムが指定管理者となった。  他方、長良川鵜飼伝承館においては、その指定管理者の応募資格を、「市と 容易かつ緊密に連携することが可能な団体であること」として、市内に主たる 事務所(本店機能)を有する団体であることを削除している。これは、同施設 が、長良川の鵜飼文化を全国に発信し、人々が集い交流する場を使命としてい ることから、文化振興と観光振興の両側面の能力を有する指定管理者を幅広く 募集する観点があったことが理由とのことである。結果として、市内に主たる 事務所を置かない民間業者が代表構成員となるコンソーシアムが指定管理者 となった。 (4)協定書の委託料の取決めについて 【事実関係】  総務省から、平成22年12月28日、指定管理者制度の運用について「指定 期間が複数年度にわたり、かつ、地方公共団体から指定管理者に対して委託料 を支出することが確実に見込まれる場合には、債務負担行為を設定すること。」 との助言がなされたことを受け、長良川国際会議場及び文化会館について、協 定において、指定管理期間5年間の各年度の委託料が決められている。一方、 長良川鵜飼伝承館については、指定管理期間5年間の各年度の委託料の上限が 定められている。同施設は、施設完成後すぐに指定管理者制度を導入したこと から、過去の実績によることができず、毎年協議により決定することとなった ものである。 (5)指定管理者評価委員会について 【事実関係】  指定管理者評価委員会の結果について記載された運営状況シート(平成25 年度下半期)において、その原本を確認した。そのところ、指定管理者評価委 員会の意見欄には、  文化会館について、 ┌────────────────────────────────────────┐ │・事故等はなく・・・                              │ │・文化会館利用者による・・・                          │ │・市民会館の駐車場不足・・・                          │ │・アンケートの満足度・・・                           │ └────────────────────────────────────────┘  というメモ程度の記載しかなされていなかった。  対応する部分に関して、ホームページ上は、  文化センターにつき、 ┌────────────────────────────────────────┐ │・事故等はなく、施設の安全な管理がなされていると考えられる。          │ │・文化会館利用者による柳ケ瀬のにぎわい創出についても、検討されたい。      │ │・アンケートの満足度が高いことは評価できる。                  │ └────────────────────────────────────────┘ と掲載されており、  市民会館については、 ┌────────────────────────────────────────┐ │・事故等はなく、施設の安全な管理がなされていると考えられる。          │ │・文化会館利用者による柳ケ瀬のにぎわい創出についても、検討されたい。      │ │・市民会館の駐車場不足を解消するため、他施設の駐車場を利用するなど検討されたい。│ │・アンケートの満足度が高いことは評価できる。                  │ └────────────────────────────────────────┘  と、文化センターとほぼ同様のコメントが掲載されていた。  担当者によれば、委員会で委員から活発な意見が出ているとのことであった。 【指摘 市民参画政策課】  外部の評価委員のコメントは、毎回のように同じものが載せられている。  この記載だけみると、評価委員会自体が形骸化していると評価されても仕方 がない。  また、評価委員会は年に2回開催されて、質疑応答の概要は記録されている が、議事録は存在していないとのことだった。  例外的に、指定管理者を非公募で選定しているのであるから、なお一層のこ と、厳格なモニタリングが必要である。  そして、市民は、その結果につき、通常は、ホームページ上で確認するので ある。今後は、情報開示の重要性を認識し、ホームページには、委員会の検討 結果を適切に情報開示すべきである。 (6)指標について 【事実関係】  指定管理者管理運営状況シートの「利用状況」につき、長良川国際会議場は、 施設の各室稼働状況を、平成24年度上半期より「料金稼働率」を採用してい る。  一方、事業評価シートにおいては(平成25年度)、長良川国際会議場の活 動指標を「施設稼働率」として、その目標値は78%となっている。  その結果、指定管理者管理運営状況シートの利用状況の平成25年度上半期 の数値は、以下のとおり、指定管理者管理運営状況シートとかけ離れている。 文化会館の成果指標は、入場者数である。  平成25年度上半期指定管理者管理運営シート(長良川国際会議場)記載の 各室稼働状況(%) ┌──────┬───┬─────┬────┬─────┬─────┐ │メインホール│練習室│国際会議室│大会議室│第1~5会│特別会議室│ │      │   │     │    │議室   │     │ ├──────┼───┼─────┼────┼─────┼─────┤ │63.2    │20.3 │33.8   │58.8  │31.3   │22.5   │ └──────┴───┴─────┴────┴─────┴─────┘ 【指摘 産業拠点運営課】  同じ施設の評価に、異なる基準を用いているが、そのことに合理性はない。  情報を得る市民の立場からすれば、混乱する。
     この点、産業拠点運営課によれば、長良川国際会議場は、事業評価シートは、 以前から継続して作成しており、考え方の継続性、統一性を図るため、その活 動指標として施設稼働率を維持しているとのことである。  しかし、市民の負担により指定管理料が支払われている以上、料金稼働率で の評価が望ましいと思われる。  そこで、事業評価シートの指標については、指定管理者管理運営状況シート における料金稼働率に変更し、指標を統一すべきである。 (7)文化会館の稼働率について 【事実関係】  稼動率は、利用日数/利用可能日数によるものと、利用区分(午前・午後・ 夜間)/利用可能区分数による指標がある。直近3年間では、文化センター においては、催し広場、展示室、和室の稼働率の低さが目立つ。また、各室ご との稼働率を見ると、平成25年度、録音室は利用日数が年間4日(稼働率1.2%) しかなく、和室舞台付も3年間で30%~40%程度の稼働率となっている。 市民会館の稼働率は、大規模修繕のあった平成25年度を除くと、利用区分に よる稼働率は全て50%未満であり、利用日数による稼働率も50%前後である。 【意見 公共ホール管理財団】  文化センターについては、録音室の稼働率が極端に低い。  音楽室と音楽スタジオに挟まれていること、機材が古いこと、ガラス張りで あることなど、録音室としての利用状況には制限があると思われる。  録音室として利用し続けるのであれば、何らかの対応を講じる必要はある。  防音等の特性を生かし他の利用方法がないかということも含めて、録音室の 在り方を検討することがのぞましい。 【意見 公共ホール管理財団】  市民会館については、稼働率が全体的に低くなっている。  耐震補強工事に伴い、会議室等が改装され、使い勝手が良くなった印象を受 けるが、休館による使用者離れを取り戻した上、施設全体の稼働率を上げる方 策を検討することが望ましい。 (8)事業評価シートの人件費欄について 【事実関係】  文化会館の運営委託に関する事業評価(仕分け)シートの人件費欄が、平成 23年度から同25年度に至るまで、0円と記載されている。 【指摘 男女共同参画・文化課】  男女共同参画・文化課によると、過去から事業評価の人件費を0で計上して おり、文化会館の管理運営費(指定管理費)のみの数字で評価を行っていたと のことであった。  事業評価シートは、作成要領に基づき作成されているところ、作成要領では、 「その年度に事業に携わった延べ人数(人数×日数)を正規職員・嘱託職員・ アルバイトに各々3カ年分記入してください。正規職員の1人あたりの年間労 働日数は260日で計算してください。(人件費や合計は自動計算されますので、 記入しないでください。)」となっている。  人件費は、事業評価のための重要な要素であり、また、市民にとって、正確 な情報を提供する必要があることからも、今後は、正確な記載をすべきである。 (9)共催事業のまとめについて 【事実関係】  共催事業については、事業ごとに参加者及び収支の両方がまとめられた報告 がなされていない。 【意見 公共ホール管理財団】  計画人数と実際の参加人数で事業の結果を判断するだけでなく、収支の面で もトータル的に判断することも重要である。特に、入場料などを取る場合は、 その設定金額の妥当性の検討材料となる。  この点、民間の事業会社との共催事業においては、採算が明らかになるため、 収支状況の報告は無理と考えられるが、少なくとも同じ公共団体との共催の場 合は、全体の取りまとめとして参加者等の情報だけでなく、収支情報もまとめ て報告をすることが望ましい。 (10) 再委託について 【事実関係】  再委託のうち、特に舞台装置等、長良川国際会議場独自の施設設備の保守点 検契約は、一者随意契約が多くなっている。  再委託のうち、一者随意契約で契約額1,000千円以上の契約の推移をまとめ ると、次のようになる。                                 (単位:千円) ┌─────────┬─────┬─────┬────┬─────┬────┐ │         │平成23年度│平成24年度│対前年比│平成25年度│対前年 │ │         │     │     │    │     │ 比  │ ├─────────┼─────┼─────┼────┼─────┼────┤ │舞台機構設備保守点│   5,092│   5,092│ 100.0%│   5,092│ 100.0%│ │検業務委託    │     │     │    │     │    │ ├─────────┼─────┼─────┼────┼─────┼────┤ │舞台音響設備保守点│   1,365│   1,333│ 97.7%│   1,312│ 98.4%│ │検業務委託    │     │     │    │     │    │ ├─────────┼─────┼─────┼────┼─────┼────┤ │昇降設備保守点検業│   4,277│   4,189│ 97.9%│   4,189│ 100.0%│ │務委託      │     │     │    │     │    │ ├─────────┼─────┼─────┼────┼─────┼────┤ │可動床設備保守点検│   3,003│   2,898│ 96.5%│   2,898│ 100.0%│ │業務委託     │     │     │    │     │    │
    ├─────────┼─────┼─────┼────┼─────┼────┤ │庭園維持管理業務委│   1,654│   1,617│ 97.8%│   1,627│ 100.6%│ │託        │     │     │    │     │    │ └─────────┴─────┴─────┴────┴─────┴────┘ 【意見 公共ホール管理財団】  大半が設置業者であり、設置業者しかできない又はその方が効率的という理 由から一者随意契約も止むを得ないというのが財団の意見である。  しかし、市民からすれば、そもそも、一者随意契約については、常に委託料 が高止まりしないか、癒着等が生じていないかといった疑念を少なからず残す ものであるところ、現に契約金額の推移を見てもそれほど大きな変化見られず、 金額が硬直化しているようにも感じられる。  仮に、一者随意契約が妥当であるとしても、金額の妥当性を検証するために、 見積合わせをするなど、コストがより削減できないかを検討することが望まし い。 (11) 文化会館の備品管理について 【事実関係】  備品の管理については、市が平成24年度に導入した備品管理システムによ り管理されている。  指定管理者は2万円以上の備品購入と備品の除却に関して、所管課に報告 し、所管課が備品管理システムに情報を入力している。  文化センターにおいては、備品データをエクセルで取得して実際の状況を確 認している。ただし、備品管理システムには、設置場所を入力する欄がないた め、2,100を超える備品の状況を、今後管理するのは難しい状況にある。  一方、市民会館は、設置場所を加えた独自の備品台帳を作成している。ただ し、直近の平成25年3月末の備品台帳は手元になく、所管課への備品に関す る報告により備品管理が終了している。 【意見 男女共同参画・文化課、公共ホール管理財団】  文化センターについては、備品数が多いことから、今後は設置場所を加えた データ管理を検討することが望ましい。  市民会館については、年度終了ごとに所管課から備品データを取得して、実 際の備品の状況と相違がないか、所管課において確認することが望ましい。 (12) 文化センターの街並みギャラリーについて 【事実関係】  文化センターの南側道路に面した展示スペース(街並みギャラリー)におい て、1ヵ月ごとにアートの展示を行っている。  文化センターの顔とも言える重要な役割であるが、現地視察の際に見たとこ ろ、展示スペースの汚れが目立ち、展示物の印象に影響を与えていた。  なお、このアート展示は外部委託されている。 【意見 公共ホール管理財団】  文化センターの利用率向上のためにも、街並みギャラリーは広告手段として 大きな役割を果たすので、展示スペースの清掃や展示物についてのアンケート の実施などを検討することが望ましい。 4 文化会館における受託事業について 【事実関係】 平成25年度に市からの受託事業として、アートパフォーマンスを開催した(委 託費140万円)。財団の市に対する平成25年度の事業計画書(経営状況報告 書)には記載されているが、平成25年度の事業報告書(経営状況報告書)に は記載がない。 【意見 公共ホール管理財団】  担当者によると、アートパフォーマンスは、市企画の事業であり、財団の定 性的な主催事業(指定事業である「市民の劇場」や主催事業である「市民ふれ あい事業」)とは異なっており、当財団は事業運営を受託し、別途、岐阜市へ 報告したとのことである。しかしながら、平成25年度事業計画書には、財団 の定性的な主催事業と共に記載されていた。  一覧的に事業を把握するためには、事業計画書で記載した事業については、 事業報告書にも記載することが望ましい。 5 長良川鵜飼伝承館について 【事実関係】  長良川鵜飼伝承館の指定管理者は、コンソーシアムであり代表構成員は民間 業者であるが、構成員に財団がいることからここで触れる。  一般に、有料施設のソフト、ハードを今後維持していくことは大変であり、 コストもかかる。  その点で、長良川鵜飼伝承館は、新しい施設として、市の指定管理施設の中 でも特に注目されている施設である。  平成23年12月12日、市議会より、長良川鵜飼伝承館における指定管理者 の指定に関する決議がなされた。これは、6月定例会の説明における管理経費 見込額と比較して、12月定例会で提案のあった第154号議案の指定管理料が 大幅に高い金額となった経過について、議会へ報告がなされていなかったこと、 運営実施計画の策定にかかわりがあった業者が、指定管理候補者の構成員とな っていることなど多くの問題点が指摘されていることを踏まえてのものであ った。  市議会はかかる決議で、4点の厳守を求めているが、これを以下のとおり、 抜粋する。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │1 指定管理料は平成24年度分も含め、年度ごとに岐阜市と指定管理者が協議を行い、決 │ │ 定すること                                   │ │2 岐阜市と指定管理者の間で締結する協定書には、指定管理料の縮減に向けて毎年見直す│ │ 旨の条文を明記すること                             │ │3 平成25年度以降の指定管理料の見直しに伴い、変更協定書を毎年締結すること    │ │4 指定期間の始まる平成24年4月以降は、原則、毎月モニタリングを実施すること   │ │5 以上の経過及び結果を定期的に議会に報告すること                │ └─────────────────────────────────────────┘ 【意見 産業拠点運営課、公共ホール管理財団】  ぎふ長良川の鵜飼は、岐阜が日本、そして、世界に誇る重要な文化である。  かかる文化を伝承するための文化施設の一面を持つことは理解できるが、定 期的に、新しい試みを実施していくなどしないとすぐに飽きられ、リピーター が来ない状況になるのではないかと思われる。
     岐阜市、岐阜県内、さらには全国の地方公共団体で似たような施設の扱いが 問題になっている昨今でありながら、施設を作ったということは、岐阜市は、 長良川の鵜飼の価値を評価し判断した結果と思われる。判断には責任を持つ、 すなわち、人で賑わう施設にする必要がある。  この点、長良川国際会議場及び長良川鵜飼伝承館の両施設の指定管理業務に 関与する財団は、平成26年度から独自に、長良川国際会議場と長良川鵜飼伝 承館が連携して、岐阜市長良川鵜飼伝承館送迎支援事業を開始した(岐阜市長 良川鵜飼伝承館送迎支援事業取扱要領)。条件を満たせば、両施設間をマイク ロバスにて無料送迎するというものである。また、両施設は連携してロビーコ ンサートを開催したりもしている。  長良川鵜飼伝承館をより多くの人に利用してもらえるように、所管課と財団 を含む指定管理者とが協力し、様々な角度から試みを検討し、実施していくこ とが望ましい。 第14章 公益社団法人岐阜市シルバー人材センター 第1 概要  1 基本情報 ┌─┬───────┬─────────────────────────────┐ │ │設立年月日  │昭和56年1月16日                     │ │ ├───────┼─────────────────────────────┤ │ │所在地    │○本所                          │ │ │       │ 岐阜市鶴田町3-7-4 ふれあいの館白山2階      │ │ │       │○シルバー柳ヶ瀬サロン                  │ │ │       │ 岐阜市神室町1-10 川合ビル1階            │ │ ├───────┼─────────────────────────────┤ │ │所管課    │商工観光部 産業雇用課                  │ │ ├───────┼───────┬──────────┬──────────┤ │ │基本財産等  │   0円   │うち市出資額(割合)│     0円(0%)│ │ ├───────┼───────┴──────────┴──────────┤ │ │設立目的   │ 定年退職者等の高齢者の希望に応じた臨時的かつ短期的な就 │ │ │(定款第3条)│業又はその他の軽易な業務に係る就業の機会を確保し、及びこれ│ │ │       │らの者に対して組織的に提供することなどにより、その能力を生│ │ │       │かした就業その他の多様な社会参加活動を援助して、これらの者│ │基│       │の生きがいの充実と福祉の増進を図るとともに、活力ある地域社│ │本│       │会づくりに寄与することを目的とする。           │ │事├───────┼─────────────────────────────┤ │項│事業内容   │1 臨時的かつ短期的な就業(雇用によるものを除く。)又はそ│ │ │(定款第4条)│の他の軽易な業務に係る就業(雇用によるものを除く。)を希望│ │ │       │する高齢者のために、これらの就業の機会を確保し、及び組織的│ │ │       │に提供すること                      │ │ │       │2 臨時的かつ短期的な雇用による就業又はその他の軽易な業 │ │ │       │務に係る就業(雇用によるものに限る。)を希望する高齢者のた│ │ │       │めに、職業紹介事業又は一般労働者派遣事業を行うこと    │ │ │       │3 高齢者に対し、臨時的かつ短期的な就業又はその他の軽易な│ │ │       │業務に係る就業に必要な知識及び技能の付与を目的とした講習 │ │ │       │を行うこと                        │ │ │       │4 高齢者のための臨時的かつ短期的な就業及びその他の軽易 │ │ │       │な業務に係る就業を通じて、高齢者の生きがいの充実及び社会参│ │ │       │加の推進を図るために必要な事業を行うこと         │ │ │       │5 前4号に掲げるもののほか、高齢者の多様な就業機会の確保│ │ │       │及び地域社会、企業等における高齢者の能力の活用を図るために│ │ │       │必要な事業を行うこと                   │ │ │       │6 その他目的を達成するために必要な事業を行うこと    │ └─┴───────┴─────────────────────────────┘  (平成26年3月31日現在) ┌─┬───┬──┬──┐ │ │   │役員│職員│ │組├───┼──┼──┤ │織│常勤 │1名│5名│ │状├───┼──┼──┤ │況│非常勤│17名│17名│ │ ├───┼──┼──┤ │ │合計 │18名│22名│ └─┴───┴──┴──┘ 理事会  理事16名  任期2年       市職員OB  3名       元会社員   7名       元銀行員   1名       元自営業   4名       元農協職員  1名       (理事長1名(非常勤) 副理事長1名(非常勤)        専務理事(常勤)事務局長兼任) 監事2名 任期2年       元銀行員   2名           公益社団法人 岐阜市シルバー人材センター              事  務  局  機  構                                 平成26年10月1日                                 現在             ┌─────────┐             │   理事長   │             └────┬────┘                  │             ┌────┴────┐             │  副理事長   │             └────┬────┘                  │             ┌────┴────┐             │専務理事・事務局長│             └────┬────┘                  │             ┌────┴────┐             │  総務課長   │
                └────┬────┘                  │   (総務係)        (業務係)        (介護保険事業)     ┌────────────┬──────────────┐     │            │              │ ┌───┴───┐ ┌──────┴───────┐ ┌────┴────┐ │主幹兼総務係長│ │業務係長 事務取扱 (課長)│ │福祉・家事係長  │ │       │ │              │ │(課長兼務)   │ └───┬───┘ └──────┬───────┘ └────┬────┘     │            │              │ ┌───┴───┐ ┌──────┴───────┐ ┌────┴────┐ │   係   │ │      係       │ │    係    │ ├───────┤ ├──────────────┤ ├─────────┤ │主 任    │ │副主幹           │ │介護支援専門嘱託 │ │       │ │              │ │員        │ │企画事業推進員│ │事務職員          │ │介護支援専門員(臨│ │(臨時)   │ │              │ │時)       │ │企画事業推進員│ │嘱託職員          │ │サービス提供責任嘱│ │(臨時)   │ │              │ │託員       │ │臨時職員   │ │嘱託職員          │ │サービス提供責任嘱│ │       │ │              │ │託員       │ │臨時職員   │ │植木担当(臨時)      │ │サービス提供責任嘱│ └───────┘ │              │ │託員       │           │地域ニーズ担当(臨時)   │ │サービス提供責任嘱│           │              │ │託員       │           │地域ニーズ担当(臨時)   │ └─────────┘           │              │           │臨時職員          │           └──────────────┘ 総会:正会員及び特別会員 会員:センターの会員は、次の3種とし、正会員及び特別会員をもって一般社    団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般社団・財団法人法」    という。)上の社員とする。 (1) 正会員 センターの目的に賛同し、その事業を理解している次のいずれ        にも該当する者であって、理事会の承認を得た者。  ア 岐阜市に居住する原則として60歳以上の者。  イ 健康な者であって、臨時的かつ短期的な就業又はその他の軽易な業務に   係る就業を通じて自己の労働能力を活用し、それによって自らの生きがい   の充実や社会参加等を希望する者。 (2) 特別会員 センターに功労があった者又はセンターの事業運営に必要な         学識経験を有する者で、理事会の承認を得た者。 (3) 賛助会員 岐阜市内に住所又は事務所がある個人又は団体であってセン   ターの目的に賛同し、事業に協力するもので理事会の承認を得たもの。 理事会:理事13名以上18名以内 監事2名以内      任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに     関する定時総会の終結の時までとし、再任を妨げない。     理事長(代表理事)1名 副理事長(代表理事)1名     専務理事(業務執行理事)1名                     (単位:千円) ┌─┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │ │ 区分  │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総収入額 │  665,917│  559,681│  569,517│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総支出額 │  655,023│  558,725│  580,214│ │財├─────┼─────┼─────┼─────┤ │務│(人件費)│  58,782│  55,828│  63,350│ │の├─────┼─────┼─────┼─────┤ │状│差引収支額│  10,893│    956│  -10,696│ │況├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総資産額 │  299,434│  292,406│  282,761│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総負債額 │  75,942│  67,962│  69,269│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │正味財産額│  223,491│  224,443│  213,491│ └─┴─────┴─────┴─────┴─────┘                     (単位:千円) ┌─┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │ │ 区分  │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │指定管理料│  117,932│  54,839│  54,839│ │市├─────┼─────┼─────┼─────┤ │の│委託料  │  151,746│  123,919│  132,462│ │財├─────┼─────┼─────┼─────┤ │政│補助金  │   9,992│   9,992│  10,945│ │支├─────┼─────┼─────┼─────┤ │出│負担金  │     0│     0│     0│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │その他  │   2,845│   2,762│   2,247│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │合計   │  282,515│  191,513│  200,494│ └─┴─────┴─────┴─────┴─────┘                                  (単位:千円) ┌─┬────────────┬──────────────────┬────┐ │ │    事業名     │       事業概要       │事業費 │ │ ├────────────┼──────────────────┼────┤ │ │高年齢者就業機会確保事業│臨時的かつ短期的な就業、又はその他の│ 493,681│ │ │            │軽易な業務に係る就業機会の確保、提供│    │ │ ├────────────┼──────────────────┼────┤ │事│介護保険事業      │訪問介護サービス事業        │ 39,780│ │業├────────────┼──────────────────┼────┤ │概│介護保険事業      │居宅介護支援事業          │  5,933│ │要├────────────┼──────────────────┼────┤ │ │シニアワークプログラム事│シニアワークプログラム事業     │  2,875│
    │ │業           │                  │    │ │ ├────────────┼──────────────────┼────┤ │ │一般労働者派遣事業   │臨時的かつ短期的な就業及びその他の │   191│ │ │            │軽易な業務に係る就業に関する一般労 │    │ │ │            │働者派遣事業            │    │ └─┴────────────┴──────────────────┴────┘ ┌─┬────────────┬──────────────────┐ │産│分掌事務        │(10)雇用促進及び雇用対策に関すること│ │業│(処務規則第3条 産業雇│                  │ │雇│用課)         │                  │ │用│            │                  │ │課│            │                  │ └─┴────────────┴──────────────────┘ 2 沿革  昭和56年2月4日 社団法人として設立(法人許可)  平成12年4月   指定訪問介護事業所開設。訪問介護事業を開始。  平成14年6月   居宅介護支援事業を開始。  平成18年5月   シルバー柳ヶ瀬サロンを設置。  平成25年4月1日 公益社団法人へと移行           愛称「シニアワークぎふ」  平成25年11月   介護予防・日常生活支援総合事業を開始。 第2 事実関係及び指摘・意見 1 役員等について (1)役員について 【事実関係】  平成16年10月29日策定の「外郭団体の経営改善指針」では、「業務執行体 制」「1) 責任体制の明確化」の項目において、「理事長や会長など団体の経営 責任者は、原則として、常勤とする。」とある。  ヒアリングによると、シルバー人材センター代表者である理事長は、常勤役 員であるとのことである。実際に、平成26年度理事長勤務表によると、1日 の勤務時間は不明であるが、少なくとも週3日以上、勤務している。また、役 員の報酬等及び費用に関する規程の第2条(2)において、「常勤役員とは、 総会で選任された理事のうち、センターを主たる勤務場所とし、週3日以上セ ンターの業務に従事する者をいう。」と規定されている。  しかし、産業雇用課とともに、シルバー人材センターが作成している経営基 本情報調査票(平成25年6月1日時点及び平成26年6月1日時点)には、理 事長は常勤の欄に記載すべきところ、非常勤の欄に非常勤の役員と記載されて いる。 【指摘 シルバー人材センター】  経営基本情報調査票どおりに、非常勤職員であるとすると、平成16年10 月29日策定の「外郭団体の経営改善指針」に反しているし、例外事情につい ても、特に、検討された形跡はない。理事長を常勤の役員とするよう検討すべ きである。 【指摘 産業雇用課】  産業雇用課は、理事長を常勤の役員とするよう指導すべきである。 【指摘 シルバー人材センター、産業雇用課】  規程どおり、理事長が、週3日以上センターの業務に従事していることから、 シルバー人材センター及び産業雇用課が、理事長を常勤役員と判断しているの であれば、産業雇用課及びシルバー人材センターは、経営基本情報調査票にお いて、常勤役員として記載すべきである。 (2)理事会について 【事実関係】  平成26年8月時点までにおいて、シルバー人材センターは、各理事に対し て、理事会の招集通知を発送していない。シルバー人材センターによると、全 員出席の時に、次回の開催日等を告げて事実上、招集通知省略の同意を得てい るとのことである。しかし、役員全員出席しているとは限らないので、省略通 知の同意を得ているとはいえない。また、全員出席している場合においても、 同意については、明確には得ていないし、少なくとも議事録に記載されていな い。 【指摘 シルバー人材センター】  招集通知の発送について省略することの同意を得たというのであれば(定款 第34条第5項)、その旨、議事録に明記すべきである。  全員の同意を得ていないのであれば、招集通知を発送すべきである(定款第 34条第3項)。  なお、シルバー人材センターによると、平成26年9月理事会において、理 事等全員出席の下、平成26年度中の理事会開催日程を理事会資料として配布 し、全員の同意を得て、議事録に明記しており、監査補助者の指摘に対して、 ただちに、改善に努めていることは評価できる。 【意見 シルバー人材センター】  出席率を上げるため、また、招集通知を発送することが原則であるから、招 集通知は、発送することが望ましい。また、議論の充実化を図るためにも、招 集通知を発送する際に、日時場所の連絡だけでなく、議事事項について資料の 添付などを図ることが望ましい。  なお、シルバー人材センターによると、平成27年1月から、招集通知を発 送する際に、議事事項について資料を送付するように対応するとのことである。 (3)登記情報について 【事実関係1)】  所管課である産業雇用課において、定期的に、シルバー人材センターの登記 簿謄本を取得する義務もないことから、登記簿謄本を取得していないとのこと である。 【意見 産業雇用課】  産業雇用課は所管課の立場から、シルバー人材センターの登記という基本的 な資料については、毎年、取得して、確認することが望ましい。 【事実関係2)】
     辞任した理事は、途中で引き抜きにあったようであるが、この点について、 シルバー人材センターは、退任した理事に対して、再三にわたり慰留をしたも のの、最終的には、シルバー人材センターの理念に基づき、自主自立を重んじ たと述べている。シルバー人材センターは、退任した理事について、再三にわ たり慰留したとのことであるが、慰留をした旨の記録はない。 【意見 シルバー人材センター】  理事であり、忠実義務(一般社団法人及び一般財団法人法第83条参照)を 負っていることから、自主自立の問題と考えて、辞任を認めるのは相当ではな い。この点については、当該理事と面談して、理事の責任等(競業避止義務等 の法的責任を含む。)を述べるとともに、できる限り、任期を満了するよう説 明することが望ましい。仮に、そのような説明や説得をしたのであれば、シル バー人材センターとして、競業避止義務等に留意して理事の退任しないよう説 得等した点を示すとともに、今後の引き抜き防止の参考にするためにも、退任 した理事とのやり取りについて、記録を残すことが望ましい。 (4)登録している会員、就労先について 【事実関係】  会員数は、以下のとおり、減少傾向である。 ┌────┬────────┬────────┬────────┬────────┐ │センター│平成22年度   │平成23年度   │平成24年度   │平成25年度   │ ├────┼────────┼────────┼────────┼────────┤ │全国  │男性  532,340人│男性  516,344人│男性  503,748人│男性  492,392人│ │    │女性  254,566人│女性  247,083人│女性  240,221人│女性  236,814人│ │    │合計  786,906人│合計  763,427人│合計  743,969人│合計  729,206人│ ├────┼────────┼────────┼────────┼────────┤ │岐阜県 │男性  11,211人│男性  10,420人│男性   9,874人│男性   9,493人│ │    │女性   5,827人│女性   5,431人│女性   5,075人│女性   4,887人│ │    │合計  17,038人│合計  15,851人│合計  14,949人│合計  14,380人│ ├────┼────────┼────────┼────────┼────────┤ │岐阜市 │男性   1,203人│男性   1,181人│男性   1,132人│男性   1,106人│ │    │女性    638人│女性    618人│女性    602人│女性    604人│ │    │合計   1,841人│合計   1,799人│合計   1,734人│合計   1,710人│ └────┴────────┴────────┴────────┴────────┘  そのため、平成26年度より、シルバー人材センターの広報活動として、出 前入会説明会や女性委員会の設置などにより、会員数の増加に努めている。受 託金額や就労先も減少傾向であり、就労先についても、外郭団体の施設(梅林 公園など)のほか、市からの特定随意契約が多い。  そのため、就業開拓委員会の設置や理事による企業へのあいさつ回りなどに より、受注する仕事の開拓に努めている。 【意見 シルバー人材センター】  広報の在り方や、仕事の拡大に向けての取り組みを、平成26年度より、本 格的に始めたことは評価できることである。今後、出前入会説明会や就業開拓 委員会、女性委員会等の活動を継続するとともに、会員や仕事の拡大につなが っているのかどうかの検証をすることが望ましい。 【意見 福祉政策課、産業雇用課】  現在、65歳が定年となっている上に、65歳以上の高齢者も、短期の臨時雇 用(時給)よりも、長期雇用(月給)を望んでいる場合も少なくない。そのた め、シルバー人材センターにおいて、雇用を求めるという需要は必ずしも多い とはいえない。シルバー人材センターによる雇用の提供は、労働という観点も あるが、産業や雇用という観点よりは、福祉の観点が強いのではないかと思わ れる。また、今から10年ほど前は、高齢福祉課がシルバー人材センターの所 管課であった。さらに、ふれあいの館白山の指定管理のモニタリング担当が高 齢福祉課であり、ふれあいの館白山という建物の管理が福祉政策課であること、 指定管理の要綱の管理も福祉政策課の所管であることを考慮すると、シルバー 人材センターの所管課については、産業雇用課ではなく、福祉政策課が所管す ることが望ましい。 【意見 福祉政策課、高齢福祉課、産業雇用課】  仮に、所管課が産業雇用課のままである場合、福祉政策課、産業雇用課ほか 指定管理や委託契約所管課は、シルバー人材センターの情報共有や意見交換な どの連携を強く意識する必要がある。具体的には、シルバー人材センターの総 会に、福祉政策課、高齢福祉課も出席するようにしたり、指定管理のモニタリ ングにおいて、福祉政策課、産業雇用課ほか指定管理や委託契約の所管課が立 ち会ったりすることなどを通じて情報共有を図ることが望ましい。 2 指定管理について                              (単位:千円) ┌─┬───────────┬─────────┬────┬─────┐ │No│   対象施設    │指定管理施設所管課│選定方法│平成25年度│ │ │           │         │    │指定管理料│ ├─┼───────────┼─────────┼────┼─────┤ │1│ふれあいの館白山管理業│高齢福祉課    │ 公募 │  14,995│ │ │務指定管理      │         │    │     │ ├─┼───────────┼─────────┼────┼─────┤ │2│自転車等駐車場管理業務│土木管理課    │ 公募 │  39,844│ │ │(西岐阜駅)指定管理 │         │    │     │ └─┴───────────┴─────────┴────┴─────┘ * 自転車等駐車場管理業務(西岐阜駅)指定管理については、平成26年度  からは、非公募である。 * 監査人補助者は、上記施設等について、現場視察をした。 (1)ふれあいの館白山について ┌─┬────────┬──────────────────┐ │ │所在地     │岐阜市鶴田町3-7-4       │ │ ├────────┼──────────────────┤ │ │所管課     │福祉部高齢福祉課          │ │ ├────────┼──────────────────┤ │ │根拠条例    │岐阜市高齢者福祉会館条例      │ │ ├────────┼──────────────────┤ │基│指定期間    │1)平成18年4月1日~平成21年3月31日│ │本│        │2)平成21年4月1日~平成24年3月31日│ │事│        │3)平成24年4月1日~平成29年3月31日│ │項├────────┼──────────────────┤ │ │指定管理料   │14,995千円(平成25年度)      │
    │ ├────────┼──────────────────┤ │ │利用料金制の採用│無                 │ │ ├────────┼──────────────────┤ │ │利用者数    │10,879人(平成25年度)       │ │ ├────────┼──────────────────┤ │ │公募・非公募  │公募                │ └─┴────────┴──────────────────┘ ア 岐阜市暴力団排除条例について 【事実関係】  岐阜市暴力団排除条例第8条において、「市が設置した公の施設が暴力団の 活動の用に供され、又はその活動を助長すると認めるときは、当該公の施設の 許可を使用せず、又は当該使用の許可を取り消すことができる。」とされてい る。  また、従前より、岐阜市高齢者福祉会館条例の第11条(2)において、「集 団的又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織の利益になると認 めるとき」と規定されている。  したがって、高齢福祉課及びシルバー人材センターは、岐阜市高齢者福祉会 館の会議室等の利用については、より、いっそう、暴力団等の「集団的又は常 習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織」が利用することがないような 措置をとる必要が生じている。  この点、シルバー人材センターにおいて、会議室の利用については、初めて 申請をしたり、不審に思われたりする団体については、市に問い合わせをする などして確認しているとのことである。しかし、会議室の利用申請書などに、 暴力団排除条項を明記していない。  その後、平成26年8月時点に実施した、シルバー人材センターに対するヒ アリングにおける上記監査人補助者の指摘に対して、シルバー人材センターは、 平成26年9月12日に利用申請書を変更し、利用申請書に暴力団排除条項を記 載して、速やかに対応している点は、評価することができる。また、同年12 月頃、ホームページ上にも、暴力団及びその関係者との関係遮断を明記してい る。指摘後、直ちに対応している点は、評価することができる。 イ 事業の評価(モニタリング)について 【事実関係1)】  指定管理施設所管課である高齢福祉課は、モニタリングに専念した現場訪問 を徹底していない。平成24年度上半期から平成25年度下半期における指定管 理者、高齢福祉課(指定管理施設所管課)、評価委員会の評価が、平成24年度 の1項目を除いて、三者とも全て同一の評価となっている。  また、指定管理施設所管課の意見が、平成24年度から平成25年度にかけて、 以下のとおり、ほとんど同じ内容となっている。 ┌───────────────┐ │平成24年度上半期 所管課の意見│ └───────────────┘  趣味の教室(講座)の開設にあたり、当センターに登録された1,800人を超 える会員の豊富な人材を活用し、その中から講師として指導できる方の募集を 行うとともに、受講してみたい講座の調査を行い、講座の開設・講師の選定を 行った。また、講座の案内にあたり、チラシをシルバー全会員に配布し、友人 にもPRするとともに、地元の自治会長を通じて班回覧でのPRチラシを行っ た。  施設内の他団体と連携を密にして、夏季の空調機器の温度設定制限、未使用 部分の消灯監視など館内の省エネを徹底して無駄の排除を行っている。  交流センターの管理、館内清掃の人員について、シルバー会員を配置して利 用者が使いやすいように管理運営を行った。  車両に防犯ステッカーを貼り、市内全域にわたり巡回パトロールを行うなど 地域の貢献度も高い。 ┌───────────────┐ │平成24年度下半期 所管課の意見│ └───────────────┘  趣味の教室(講座)の運営にあたり、当センターに登録された1,800人を超 える会員の豊富な人材を活用し、その中から講師として指導できる方の募集を 行うとともに、受講してみたい講座の調査を行い、講座の内容・講師の選定を 行った。また、講座の案内にあたり、チラシをシルバー全会員に配布し、当セ ンター会員による口コミのPRを行うとともに、地元の自治会長を通じて班回 覧でのPRを行った。  交流センターの管理、館内清掃の人員について、経験豊富なシルバー会員を 配置して利用者が使いやすいように管理運営を行った。  施設内の他団体と連携を密にして、未使用部分の消灯監視など館内の省エネ を徹底して無駄の排除を行っている。 ┌───────────────┐ │平成25年度上半期 所管課の意見│ └───────────────┘  昨年度から実施している趣味の教室(講座)の運営にあたり、当センターに 登録された1,700人を超える会員の豊富な人材を活用し、その中から講師とし て指導できる方の募集を行うとともに、受講してみたい講座の調査を行い、講 座の内容・講師の選定を行った。また、講座の案内にあたり、チラシをシルバ ー全会員に配布し、当センター会員による口コミのPRを行うとともに、地元 の自治会長を通じて班回覧でのPRを行った。さらに、老人クラブ連合会事務 局の協力のもと、中央地区の単位老人クラブに講座・会議室の利用チラシの配 布を行った。  交流センターの管理、館内清掃の人員について、経験豊富なシルバー会員を 配置して利用者が使いやすいように管理運営を行った。  施設内の他団体と連携を密にして、夏季の空調機器の温度設定制限や未使用 部分の消灯監視など館内の省エネを徹底して無駄の排除を行っている。 ┌───────────────┐ │平成25年度下半期 所管課の意見│ └───────────────┘  昨年度から実施している趣味の教室(講座)の運営にあたり、当センターに 登録された1,700人を超える会員の豊富な人材を活用し、その中から講師とし て指導できる方の募集を行うとともに、趣味や関心のある講座の調査も併せて 行い、講座の選定を行った。
     講座の案内にあたり、チラシをシルバー全会員に配布し、当センター会員に よる口コミのPRを行うとともに、地元の自治会長を通じて班回覧でのPRを 行った。さらに、柳ヶ瀬サロンでの交流センターの講座開催のチラシの設置な らびに配布、PR活動に努めた。  交流センターの管理、館内清掃の人員について、経験豊富なシルバー会員を 配置して利用者が使いやすいように管理運営を行った。  施設内の他団体と連携を密にして、未使用部分の消灯監視など館内の省エネ を徹底して無駄の排除を行っている。 【指摘 高齢福祉課】  包括外部監査人補助者が、現場を1度訪問しただけでも、施設の設備、運営 状況等、気づくことが多々あった。  指定管理施設所管課も、現場視察によるモニタリングを徹底すべきである。 【事実関係2)】  評価委員会は、平成24年度までは、一度も、現場にいかずに、アンケート 結果や利用客数で、評価をしている。平成25年度からは、評価委員からの要 望もあり、福祉部における評価委員会も、指定管理の現場を見るようになった ようである。しかし、5年に1度くらいの頻度であり、モニタリングとしては、 不十分な内容である。ふれあいの館白山には、まだ、評価委員会は訪れていな い。  平成24年度上半期から平成25年度下半期における指定管理者、高齢福祉課 (指定管理施設所管課)、評価委員会の評価が、平成24年度の1項目を除いて、 三者とも全て同一の評価となっている。  また、評価委員会の意見が、平成24年度から平成25年度にかけて、以下の とおり、記載の分量も少ない上に、ほぼ同じ内容となっている。 ┌──────────────────────┐ │平成24年度上半期 指定管理者評価委員会の意見│ └──────────────────────┘  管理運営状況シートのとおり適正に管理運営されており、良好である。 ┌──────────────────────┐ │平成24年度下半期 指定管理者評価委員会の意見│ └──────────────────────┘  事業計画書のとおり適正に管理運営されており、良好である。 ┌──────────────────────┐ │平成25年度上半期 指定管理者評価委員会の意見│ └──────────────────────┘  事業計画書のとおり適正に管理運営されており、良好である。  アンケート調査における満足度は高い。また、受講してみたい講座の調査を 行うなど高齢者ニーズの把握に努めている。  今後も高齢者の関心にマッチした、工夫した取組みを検討されたい。 ┌──────────────────────┐ │平成25年度下半期 指定管理者評価委員会の意見│ └──────────────────────┘  事業計画書のとおり適正に管理運営されており、良好である。  講座の運営にあたり、指定管理者の会員を活用するなど、工夫した取り組み がなされている。  今後も指定管理者のノウハウを活かした取り組みを進めてください。 【指摘 福祉政策課、高齢福祉課】  評価委員会も、少なくとも1年に1回は、現場で、評価会議を開くなどして、 現場におけるモニタリングを重視すべきである。 ウ 指定管理の収支決算書において 【事実関係】  指定管理料から、光熱費、委託料などの経費を控除した残額について、事務 経費として計上している。事務経費の内訳については、明らかにすることがで きていない。また、予算では、平成23年度:0円、平成24年度:350千円、 平成25年度:350千円であったが、決算では、平成23年度:140千円、平成 24年度:2,341千円、平成25年度:2,150千円となっており、1,900千円程 度、予算よりも大きい金額となっている。その結果、支出の部で、人件費など 支出が削減されていても、収支は、0円となっている。  シルバー人材センターによると、事務経費の金額の内訳や根拠は、明らかに できないとのことである。 【指摘 シルバー人材センター】  決算において収支を0円とするために事務経費の金額により、収支を調整し ているとうかがえる。事務経費の内訳には、利益も含まれているのではないか と考えざるを得ない。  指定管理の収支計算書において、不正確な記載となっているため、岐阜市に おいても、ふれあいの館白山の指定管理の経済的合理性について、正確な資料 に基づく検証をすることができない。シルバー人材センターは、消費税相当分 等の間接経費が含まれていると主張しているが、それならば、収支計算書にお いて、事務経費の具体的な内訳を正確に記載すべきである。 【指摘 高齢福祉課】  指定管理施設所管課である高齢福祉課においても、シルバー人材センターに 事務経費の具体的な内訳を記載するよう指導すべきである。 (2)自転車駐車場(西岐阜駅)の管理について ┌─┬───────┬──────────────────┐ │ │所在地    │岐阜市市橋4丁目11番地1(外3か所)│ │ ├───────┼──────────────────┤ │ │所管課    │基盤整備部土木管理課        │ │ ├───────┼──────────────────┤ │ │根拠条例   │岐阜市自転車等駐車場条例      │ │ ├───────┼──────────────────┤ │ │指定期間   │1)平成23年4月1日~平成26年3月31日│ │基│       │2)平成26年4月1日~平成29年3月31日│ │本├───────┼──────────────────┤ │事│指定管理料  │平成25年度:39,844千円       │
    │項├───────┼──────────────────┤ │ │利用料金制の採│無                 │ │ │用      │                  │ │ ├───────┼──────────────────┤ │ │利用者数   │2,062人/1日(平成25年度上半期)  │ │ │       │2,054人/1日(平成25年度下半期)  │ │ ├───────┼──────────────────┤ │ │公募・非公募 │1)公募、2)非公募          │ └─┴───────┴──────────────────┘ ア 選定について 【事実関係】  平成24年度、シルバー人材センターは、岐阜駅周辺自転車駐車場の管理に ついて指定管理者に選定されなかった。  平成25年度4月に、指定管理者制度基本方針が改定されたことにより、「特 定の団体を指定することについて、市の政策的な方針に照らし合理的理由があ る場合」という非公募事項を設けられた。  そして、平成26年度の西岐阜駅周辺自転車駐車場の指定管理については、 上記非公募の考え方に基づき、シルバー人材センターが非公募で選定されてい る。シルバー人材センターなど特定の団体に対して、非公募で選定されること の根拠となっている。 【意見 土木管理課】  シルバー人材センターという団体の性質から、指定管理を非公募で選定する ことは、他団体との公平性を欠くことになるし、競争原理が働かないことから、 指定管理料の削減効果が限定的になる。「指定管理者の選定に関しては、「民間 のノウハウの導入により住民サービスの効率的かつ効果的な実現が期待でき る施設については、その円滑な管理運営を行うことができる団体を公募のうえ 選定」を原則」とされている(指定管理者制度基本方針(平成25年4月改訂))。 したがって、シルバー人材センターを非公募で選定することについては、上記 原則の例外となるものであるから、非公募で選定する合理的理由が求められる ことはもちろんのこと、非公募とする必要性や他への影響、選定しようとする 団体の施設管理運営能力等を十分に検証することが望ましい。  なお、シルバー人材センターの見直し行動計画においても、見直しに伴う課 題として、「市がシルバーと委託契約を結ぶにあたって委託の対象とする業務 の範囲を示した指針を所管室が明確にする必要がある。」「契約手続きの公平 性・透明性の確保」と記載されているが、この趣旨は、指定管理者の選定にも 及ぶものである。 イ 事業の評価(モニタリング)について 【事実関係1)】  指定管理施設所管課である基盤整備部土木管理課は、モニタリングに専念し た現場訪問をしていない。現場における備品の確認や修繕の際に、合わせて見 聞きしたことをもって、指定管理の評価をしている。  その結果、以下のとおり、指定管理施設所管課の意見が、平成24年度から 平成25年度のものを見ても、あまり内容に変化がない状態となっている。4 つの自転車駐車場について、それぞれ指定管理者管理運営状況シートがあるが、 全て、同一内容の記載となっている。  また、平成24年度上半期から平成25年度下半期における指定管理者、土木 管理課(指定管理施設所管課)、評価委員会の評価が、三者とも同一の評価と なっている項目がほとんどである。 ┌───────────────┐ │平成24年度上半期 所管課の意見│ └───────────────┘  自転車等駐車場の目的、役割を理解し、利用者ニーズに応えようとする努力 がみられる。  スタッフの管理・監督、人材育成については、チーフとの会議で苦情などの 問題点を事務局が把握し、職場会議を通じて管理人への周知を図るなど適正に 行われ、指定管理者全体で取り組んでいる。  定期利用の状況を把握し、利用者を多く増やし、代車の配備や、空気ポンプ の設置等、利用者サービスへの積極的な取り組みは評価される。また、利用者 アンケートの結果から、職員全員が接客対応などで利用者サービスに努力され ていることが伺える。 ┌───────────────┐ │平成24年度下半期 所管課の意見│ └───────────────┘  自転車等駐車場の目的、役割を理解し、利用者ニーズに応えようとする努力 がみられる。  スタッフの管理・監督、人材育成については、チーフとの会議で苦情などの 問題点を事務局が把握し、職場会議を通じて管理人への周知を図るなど適正に 行われ、指定管理者全体で取り組んでいる。  定期利用の状況を把握し、利用者を多く増やし、代車の配備や、空気ポンプ や注意看板設置等、利用者サービスへの積極的な取り組みは評価される。また、 利用者アンケートの結果から、職員全員が接客対応などで利用者サービスに努 力されていることが伺える。 ┌───────────────┐ │平成25年度上半期 所管課の意見│ └───────────────┘  自転車等駐車場の目的、役割を理解し、利用者ニーズに応えようとする努力 が引き続きみられる。  各自転車駐車場チーフ会議で苦情などの問題点を事務局が把握し、職場会議 を通じて管理人への周知を図ることで、指定管理者全体で認識することを心が け、スタッフの管理・監督、人材の育成に努めることができている。  定期利用の状況を把握し、良好な稼動を保ちつつ、場内に白線や停止線を引 くことなど利用者に対する安全性の向上に努めていることが評価される。  また、引き続きヒヤリ・ハットマップの作成を初めとした利用者サービスに 努力されたい。 ┌───────────────┐ │平成25年度下半期 所管課の意見│ └───────────────┘
     自転車等駐車場の目的、役割を理解し、利用者ニーズに応えようとする努 力が引き続きみられ、特に、ヒヤリ・ハットマップの作成や、AEDの設 置など、利用者に対する安全性の向上が評価される。  また、自転車駐車場利用状況を的確に判断することで、より多くの利用 者を確保していることが評価される。  今後も、引き続き利用者サービスの向上に努められたい。 【指摘 土木管理課】  指定管理施設所管課である土木管理課も、修繕等の場面とは別に、現場視察 によるモニタリングを徹底すべきである。 【事実関係2)】  評価委員会は、平成24年11月20日開催分を除き、平成26年12月時点ま で、現場にいかずに、アンケート結果や利用者数などを示す書類資料により、 評価をしている。  その結果、以下のとおり、評価委員会の意見が、平成24年度から平成25 年度のものを見ても、あまり内容に変化がない状態となっている。また、4つ の自転車駐車場について、それぞれ指定管理者管理運営状況シートがあるが、 全て、同一内容の記載となっている。  また、平成24年度上半期から平成25年度下半期における指定管理者、土木 管理課(指定管理施設所管課)、評価委員会の評価が、三者とも同一の評価と なっている項目がほとんどである。 ┌──────────────────────┐ │平成24年度上半期 指定管理者評価委員会の意見│ └──────────────────────┘  協定書、要求水準の内容どおり業務を履行している。  利用者に対する従業員の対応は良く、施設も清掃等が強化され、きれいに管 理されている。  加えて利用者の視点に立ち代車の配備や空気ポンプを設置するなどの利用 者サービスへの積極的な取り組みは評価できる。定期利用待ちもなく利用者ニ ーズに応えている。引き続きサービスの向上に努力されたい。 ┌──────────────────────┐ │平成24年度下半期 指定管理者評価委員会の意見│ └──────────────────────┘  協定書、要求水準の内容どおり業務を履行している。  加えて、注意看板の設置や独自の交通安全啓発紙の配布を行うなど、利用者 の安全面に配慮した環境づくりや活動に工夫が見られる。  特に、周辺水路の清掃に積極的に取り組み、まちの景観保全に貢献している ことは評価できる。 ┌──────────────────────┐ │平成25年度上半期 指定管理者評価委員会の意見│ └──────────────────────┘  協定書、要求水準の内容どおり業務を概ね履行している。  新たに、白線を引いて駐車スペースを等間隔に仕切るなど、利用しやすい環 境づくりに取り組んでいることは評価できる。  その他、要求以外の地域の清掃活動などにも積極的に参加していることは評 価できる。  引き続き、サービスの向上に努められたい。 ┌──────────────────────┐ │平成25年度下半期 指定管理者評価委員会の意見│ └──────────────────────┘  協定書、要求水準の内容どおり業務を履行している。  加えて、管理棟にAEDを設置し、管理人に普通救命講習会を受講させるな ど、利用者にとって安心・安全な環境づくりに取り組んでいることは評価でき る。  引き続き、サービスの向上に努められたい。 【指摘 土木管理課】  包括外部監査人補助者が、現場を1度訪問しただけでも、施設の設備、運営 状況等、気づくことが多々あった。  評価委員会も、現場で、少なくとも1年に1回は、評価会議を開くなどして、 現場のモニタリングを重視すべきである。 3 補助金について 【事実関係】                      (単位:千円) ┌─┬────┬────────┬────┬─────┐ │No│対象事業│補助金交付所管課│交付要綱│確定補助金│ ├─┼────┼────────┼────┼─────┤ │ │補助金 │産業雇用課   │ あり │  10,945│ └─┴────┴────────┴────┴─────┘ ┌────────┬─────────────────────────────┐ │  補助金名  │(公社)岐阜市シルバー人材センター補助金         │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │  要綱名   │(公社)岐阜市シルバー人材センター補助金交付要綱     │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │ 補助金の目的 │岐阜市シルバー人材センターの円滑な運営を促進し、高齢者の職│ │        │業生活の充実その他福祉の増進に資することを目的とする。  │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │  交付先   │(公社)岐阜市シルバー人材センター            │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │  対象事業  │高年齢者就業機会確保事業費等補助金交付要綱(平成13年11月 │ │        │1日厚生労働省発職高第170号。以下、「国要綱」という。)  │ ├────────┼─────────────────────────────┤ │補助金の算定方法│予算の範囲内において、国要綱に規定する高年齢者就業機会確保│ │        │事業費等補助金の交付額以内。ただし、市長が必要と認めた場合│ │        │は、補助対象経費の2分の1以内の額。           │ ├────────┼──────────┬─────────┬────────┤ │ 補助開始年度 │昭和55年度     │  経過年数   │  34年    │ ├────────┼──────────┼─────────┼────────┤
    │  補助金額  │平成23年度     │平成24年度    │平成25年度   │ ├────────┼──────────┼─────────┼────────┤ │   予算   │        9,992│       9,992│     10,945│ ├────────┼──────────┼─────────┼────────┤ │   決算   │        9,992│       9,992│     10,945│ └────────┴──────────┴─────────┴────────┘  公益社団法人岐阜市シルバー人材センター補助金は、シルバー人材センター の円滑な運営を促進し、高齢者の職業生活の充実その他福祉の増進に資するこ とを目的として交付する補助金である。補助金の概要は上記のとおりである。  シルバー人材センターには、岐阜市の他に国からも補助金が拠出されている。 国からのシルバー人材センターに対する補助金の限度額は、国要綱に定められ た、シルバー人材センターの会員数及び1ヶ月あたりの就業延人日数(会員1 人が1日活動した場合を1日と考える)の直近3年度の平均値を基準にして算 定される。つまり、規模が大きい組織に対しては、多額の補助金が拠出される 仕組みであり、シルバー人材センターは、最大額である8,700,000円を限度額 として補助されることとなっている(運営費7,200,000円、機能強化推進事業 費1,500,000円)。また、企画提案方式による事業に対して3,000,000円(事 業費2,000,000円、事業設備費1,000,000円)を限度額として補助されること になっている。この企画提案事業に対する補助金は、初年度は3,000,000円を 限度額とし、2年目及び3年目は、運営費のみ2,000,000円を限度額とする。 平成25年度は、企画提案事業として、「ぎふ野菜とうたごえでシニアが元気に なれる街」として、柳ケ瀬サロンにおいて、「シルバー野菜市」や「シルバー うたごえサロン」を実施しており、国と岐阜市から、それぞれ2,245,000円の 補助金を受けているところである。  また、国の補助金には、もう1つの制限があり、地方公共団体の補助金の額 を限度とするというものである。したがって、岐阜市が補助金を拠出しなけれ ば、国からの補助金も同様に拠出されないこととなる。平成23年度の包括外 部監査報告書においても、現状の方法で補助金額を算定すると、補助金の支出 が機械的になり、補助金が既得権益化されて、シルバー人材センターの自立を 妨げる結果となるため、原則どおり、運営費補助金は交付団体の運営に必要な 補助金額を算定し交付することが望まれると意見を述べている。  そのため、岐阜市版事業仕分けにおいても、シルバー人材センター補助金の 見直しがあり、補助金額を国と同額に削減した。  また、毎年度、補助金が要綱で定める使途に従い使用されているかを実際に、 岐阜市の補助金交付所管課の担当者がシルバー人材センターへ出向き、質問や 帳簿の確認を行い調査しているとのことである(補助金等交付規則第16条)。 ┌────────────────────────────────────┐ │ 第16条(補助金等の額の確定等)                    │ │ 市長は、補助事業等の完了又は廃止に係る補助事業等の成果の報告を受けた │ │場合においては、報告書等の書類の審査及び必要に応じて行う現地調査等によ │ │り、その報告に係る補助事業等の成果が補助金等の交付の決定の内容及びこれ │ │に付した条件に適合するものであるかどうかを調査し、適合すると認めたとき │ │は、交付すべき補助金等の額を確定し、補助金等確定通知書(様式第5号)によ │ │り当該補助事業者に通知しなければならない。               │ └────────────────────────────────────┘  しかし、調査の内容が記載された記録が残っていない。 【指摘 産業雇用課】  本当に必要な補助金額だったのか検討した結果を、検討資料を添付した記録 に残すべきである。  また、シルバー人材センターの貸借対照表によると、財政運営積立資産が 113,000千円あり、そのうち、シルバー人材センター事業に関わるものが、 25,000千円も存在しており、補助金の2倍以上の金額となっている。  さらに、補助金のみならず、市から、特定随意契約や指定管理により、189,549 千円(平成25年度)も支出されている。これらの状況を考慮して、補助金の 金額設定を考えるべきである。また、補助金の使途状況についても、調査をし たのであれば、その調査結果について、文書化し、記録に残すべきであるが、 そのような記録は残っていない。担当者が異動すると、以前検討した結果が引 き継がれず、その後に、検討結果、調査結果を生かすことができないからであ る。この点は、平成23年度の包括外部監査報告書において、(意見)とされて いたが、改善等されていないため、【指摘事項】とする。  なお、本件指摘事項は、補助金の必要性や金額の妥当性について検討し、調 査した結果を記録に残すべきというものである。シルバー人材センターに対す る補助金を直ちに廃止すべきであるとまでは述べていない。 4 委託事業について  市とシルバー人材センターの委託契約等(手数料による業務を含む。)につ いては、以下の一覧表のとおりである。「平成26年11月末時点、ホームペー ジに記載」については、平成26年11月末時点において、ホームページに記載 されていた委託契約等である。  平成27年1月末現在においては、産業雇用課は、岐阜市からシルバー人材 センターに委託した全ての委託契約等を把握している。 平成25年度                                   (単位:円) ┌────────────────┬─────┬──┬───┬────────┐ │                │     │  │平成26│        │ │                │     │  │年11 │        │ │                │     │  │月末時│        │ │       内訳       │ 金額  │区分│点ホー│  所管課   │ │                │     │  │ムペー│        │ │                │     │  │ジに記│        │ │                │     │  │載  │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜市有料自転車駐車場(西岐阜 │39,844,330│公募│ ○ │土木管理課   │ │駅)の管理運営         │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜市高齢者福祉会館「ふれあいの│14,995,000│公募│ ○ │高齢福祉課   │ │館 白山」管理運営業務     │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │公園管理業務委託        │25,697,011│随意│   │公園整備課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │東部クリーンセンター計量・粗大ご│14,232,000│随意│   │東部クリーンセン│ │み選別等業務          │     │  │   │ター      │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜市営墓地清掃維持管理業務委 │13,234,110│随意│   │自然共生政策課 │
    │託               │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜市民病院第2駐車場等案内及 │12,265,024│随意│   │病院政策課   │ │び整理業務           │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜駅北口・南口駅前広場清掃管理│ 5,925,206│随意│ ○ │駅周辺事業推進課│ │業務              │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │柳津資源ステーション運営管理業 │ 5,556,066│随意│   │循環型社会推進課│ │務               │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │コミュニティ水路の清掃     │ 5,287,590│随意│ ○ │河川課     │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │無料自転車駐車場の指導整理及び │ 4,578,081│随意│ ○ │土木管理課   │ │清掃業務            │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │掛洞プラント計量・プラットホーム│ 4,368,016│随意│   │掛洞プラント  │ │等管理業務           │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │放置自転車の指導・整理業務   │ 4,211,439│随意│ ○ │土木管理課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │自転車保管所管理業務      │ 3,668,316│随意│ ○ │土木管理課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │留守家庭児童会事業運用支援業務 │ 3,113,665│随意│   │青少年教育課  │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │地域交流センター等管理業務   │ 2,868,250│随意│   │競輪事業課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜市大洞墓地管理事務所管理業 │ 2,685,900│随意│ ○ │自然共生政策課 │ │務委託             │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │長良川右岸河畔道路通行整理業務 │ 2,488,800│随意│ ○ │道路建設課   │ │委託              │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │鏡岩水源地ほか構内環境整備業務 │ 1,893,838│随意│   │上下水道事業部施│ │委託              │     │  │   │      設課│ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │保育所営繕業務         │ 1,854,720│随意│   │保育事業課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜市長選挙における投票事務業 │ 1,297,619│随意│   │選挙管理委員会 │ │務               │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │柳津生涯学習センター施設管理業 │ 1,292,850│随意│ ○ │地域振興総務課 │ │務               │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │参議院議員選挙における投票事務 │ 1,282,530│随意│   │選挙管理委員会 │ │業務              │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │鮎の駅・清水川清掃業務     │ 1,260,000│随意│ ○ │河川課     │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │佐波出張所施設管理業務     │ 1,106,700│随意│ ○ │地域振興総務課 │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜市民病院放射線科受付補助業 │ 1,055,415│随意│   │病院政策課   │ │務               │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │柳津公民館施設管理業務     │  921,270│随意│ ○ │社会教育課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │雄総水源地ほか構内環境整備業務 │  903,000│随意│   │上下水道事業部施│ │委託              │     │  │   │設課      │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │歩行者・自転車通行量調査業務  │  886,996│随意│   │まちづくり推進政│ │                │     │  │   │策課      │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │河川及び水路敷地の清掃業務   │  831,600│随意│ ○ │河川課     │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │スクールバス運行補助業務    │  731,000│随意│ ○ │地域振興総務課 │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │毛筆筆耕            │  706,440│随意│ ○ │行政課     │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │計量検査補助業務委託      │  668,201│随意│   │消費生活課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │寺田プラント場内清掃業務委託  │  657,921│随意│ ○ │寺田プラント  │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │柳津地区ものづくり産業集積地除 │  630,000│随意│ ○ │企業誘致課   │ │草業務委託           │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │荒田公園交通教室管理業務委託  │  530,004│随意│ ○ │防犯・交通安全課│ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │国史跡岐阜城跡見廻り及び監視業 │  504,000│随意│   │社会教育課   │ │務               │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │食肉地方卸売市場場内環境整備業 │  502,382│随意│ ○ │食肉地方卸売市場│ │務委託             │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜駅南口駅前広場の一部及び東 │  479,790│随意│ ○ │土木管理課   │ │西自由通路清掃管理業務     │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │期日前投票における投票立会人業 │  468,633│随意│   │選挙管理委員会 │ │務               │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜市中央卸売市場場内せん定業 │  447,825│随意│   │中央卸売市場  │ │務               │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │時鐘楼鐘撞業務委託       │  406,617│随意│ ○ │管財課     │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │寺田プラント樹木剪定      │  388,500│随意│ ○ │寺田プラント  │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │JR岐阜駅周辺指定喫煙場所灰皿 │  351,059│随意│   │循環型社会推進課│ │清掃業務            │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │窓口案内整理業務        │  335,265│随意│ ○ │市民課     │
    ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜市科学館剪定及び草刈    │  256,725│随意│ ○ │科学館     │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜市上加納山墓地等交通整理業 │  195,500│随意│ ○ │自然共生政策課 │ │務委託             │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜市上下水道事業部本庁舎日常 │  174,191│随意│   │上下水道事業政策│ │清掃等業務委託         │     │  │   │課       │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │横断地下道清掃業務委託     │  166,320│随意│   │道路維持課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │寺田プラント場内草刈業務    │  158,403│随意│ ○ │寺田プラント  │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │恵光学園環境整備業務      │  153,972│随意│ ○ │恵光学園    │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │国史跡琴塚古墳見廻り及び監視業 │  123,600│随意│   │社会教育課   │ │務               │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │柳津運動場夜間照明施設管理業務 │  120,600│随意│   │市民体育課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │岐阜市立図書館植木剪定     │  109,200│随意│   │図書館     │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │市有土地除草業務        │  92,860│随意│ ○ │市街地再開発課 │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │市有地除草業務         │  91,350│随意│   │産業雇用課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │梅林小 樹木の剪定手数料    │  68,000│随意│   │教育政策課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │庭木剪定            │  67,000│随意│   │日野恵光    │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │除草業務            │  63,674│随意│ ○ │区画整理課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │西柳ヶ瀬コミュニティー広場噴水 │  49,350│随意│   │道路維持課   │ │清掃業務委託          │     │  │   │        │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │学位記筆耕(宛名等)      │  49,290│随意│   │女子短期大学  │ │                │     │  │   │総務管理課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │北市民健康センターせん定業務  │  47,250│随意│ ○ │北市民健康センタ│ │                │     │  │   │ー       │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │南市民健康センター内剪定業務  │  33,600│随意│ ○ │南市民健康センタ│ │                │     │  │   │ー       │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │市有地除草・草処理業務     │  31,651│随意│ ○ │公共用地課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │剪定              │  30,000│随意│   │第二・第三恵光 │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │除草業務            │  18,900│随意│ ○ │健康政策課   │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │樹木剪定            │  18,000│随意│ ○ │恵光学園    │ ├────────────────┼─────┼──┼───┼────────┤ │納骨堂周辺の清掃と草刈業務   │  16,800│随意│   │生活福祉課   │ └────────────────┴─────┴──┴───┴────────┘ *岐阜市有料自転車駐車場(西岐阜駅)の管理運営(指定管理)は、平成26  年度から、非公募であり、シルバー人材センターが選定されている。 (1)公園管理業務(公園整備課) 【概要】  1)本荘公園管理業務  2)岩戸公園等管理業務  3)長良川公園等管理業務  4)西岐阜駅道路広場等管理業務  5)江崎運動場入口開閉業務  6)清水緑地便所清掃及び多目的便所扉の鍵開閉業務  7)加納公園門扉開閉業務  8)加納公園車止め開閉業務  9)島大橋河川公園管理業務  10)溝旗公園等管理業務  11)柳公園管理業務  12)金公園管理業務  公園管理業務の内容は、1)本荘公園管理業務を例にすると、以下のとおりで ある。  ・便所の清掃並びに身障者便所窓の鍵の開閉  ・園内の除草、清掃、かん水及び詰所の管理  ・樹木の手入れ  ・池噴水の水替え、清掃  ・園内での犬の放し飼い及び危険な遊びへの注意  ・公園管理事務所に電話が設置されているので、公私用の区別をつけ使用す   る。  ・その他公園管理上支障と思われることを発見した場合は、公園整備課及び   公園管理事務所長に報告すること  ・市民プール開設期間中(7月~8月)は来園者が多くなるので、特に管理   に万全を期し、プール管理者である公益財団法人岐阜市教育文化振興事業   団職員と連携を密にし、公園内の見回り等を強化すること  ・作業終了後、詰所等の火災の危険箇所の確認点検、及び施錠  ・排水路の浚渫業務  ・公園内遊具の目視点検を行い異常が見受けられた場合は早急に使用禁止措   置を取ると共に、公園整備課及び公園管理事務所長に報告をすること  入口開閉業務の内容は、5)江崎運動場開閉業務を例にすると、以下のとおり である。  ・江崎運動場入口(第1球場側及び第2球場側の2箇所)の開閉に関するこ   と。なお、閉錠の際には運動場内に残置する車両へ施錠する旨伝えること  ・万一、車両が閉じ込められた場合、発注者からの連絡等により、再度開閉   を行うこと
     ・その公園管理上支障と思われることがある場合は、公園管理事務所長に報   告すること 【事実関係】(一者随意契約の理由について)  地方自治法施行令第167条の2第1項第3号では、「障がい者に対する職業 訓練や授産を行う施設(以下「障害者支援施設等」という。)において製作さ れた物品を地方公共団体の規則で定める手続により買い入れる場合又は障害 者支援施設等又は高年齢者若しくは母子家庭の母及び寡婦の就業支援を行う 団体から地方公共団体の規則で定める手続により役務の提供を受ける場合」と 規定されている。そして、岐阜市随意契約ガイドラインにおいて、具体的例示 として、「(2)障害者支援施設、地域活動支援センター、障害福祉サービス事 業(生活介護、就労移行支援、就労継続支援を行う事業に限る。)を行う施設、 小規模作業所、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第41条第1項に規定 するシルバー人材センター連合会若しくは同条第2項に規定するシルバー人 材センターから普通地方公共団体の規則で定める手続きにより役務の提供を 受ける契約」が掲げられている。  本件契約について、一者随意契約理由書には、「別紙」(A4で1枚)に、「少 子高齢化の進む中、特に高齢者人口は飛躍的にのびています。それに伴い高齢 者の就業率は、年齢階層が高くなるほど低下しています。シルバー人材センタ ーは、就業を希望する高年齢者に対して、地域社会に密着した臨時的かつ短期 的な仕事を確保、提供することにより、高年齢者の就業機会の増大を図り、健 康の維持、追加収入の喜び、社会参加、生きがいに対する誇りと喜びを実現し、 あわせて活力ある地域社会づくりに寄与することを目的とした公益性、公共性 の性格を併せ持つ非営利団体であり、「高齢者等(ママ。正確には、「高年齢者 等」)の雇用の安定等に関する法律(昭和61年法律第43号(ママ。正確には、 「昭和46年法律第68号」)において位置づけられています。また、本市では 健康で安心して暮らせる長寿社会の創造のため、「岐阜市老人保健福祉計画」 を作成し、高齢者の健康及び積極的な社会参加による生きがいのため、高齢者 の働く場を確保することを本市の重要な政策課題として位置づけています。こ の政策課題の推進の一つとして、従来からの委託業者で実績があり、業務内容 を熟知しているとともに、「高齢者等(ママ。正確には、「高年齢者等」)の雇 用の安定等に関する法律」に基づいて設立され、上記のような性格を持つ団体 である公益社団法人岐阜市シルバー人材センターと地方自治法施行令167条 の2第1項第3号により随意契約を締結します。」と記載されている。なお、 競争性への切換えの可否について、「当該都市公園管理全般を今般導入した指 定管理者制度によって指定管理者に管理の代行を行わせる。なお、切り替えの 時期については、現在検討中。」と記載されており、「将来競争に切り替えるこ とができる」としている。 (2)東部クリーンセンター計量・粗大ごみ選別等業務(東部クリーンセンタ ー) 1) 計量・プラットホーム管理  ・ごみ搬入受付  ・搬入受付システム及びデータ管理  ・計量システム及びデータ管理  ・プラットホームにおける監視、誘導及び搬入物監視  ・洗剤によるプラットホーム洗浄(随時)  ・業務に係わる場所(搬入路、退出路含む)の清掃  ・その他、計量・プラットホーム管理に係わる業務 2) 粗大ごみ選別・成形機操作  ・粗大ごみ選別(プラットホーム・手選別室)及び解体・投入に係わる業務  ・成形機操作に係わる業務  ・業務に係わる場所(敷地内道路植栽などを含む)の清掃、整備  ・その他粗大ごみ選別・成形機操作に係わる業務  ・ごみ焼却施設プラットホームの監視、清掃業務の支援 3) 再使用品選別修理  ・再使用品の選別・修理・展示に係わる業務  ・業務に係わる場所(敷地内道路植栽などを含む)の清掃、整備  ・その他、粗大ごみ再使用品選別修理展示・抽選に係わる業務 【事実関係】(一者随意契約の理由について)  本件契約の一者随意契約理由書には、「シルバー人材センターは、仕事に従 事することを希望する高年齢者に対して仕事を確保し、これを提供する団体で あり「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)」に より位置づけられている。」と記載されており、シルバー人材センターが、上 記ガイドライン3(2)に該当することを理由としている。  なお、競争性への切換えの可否について、「シルバー人材センターは、仕事 に従事することを希望する高年齢者に対して仕事を確保し、これを提供する団 体であり「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)」 により位置づけられている。」と記載され、「競争に切り替えることができない。」 としている。 (3)岐阜市営墓地清掃維持管理業務委託(自然共生政策課) 1) 大洞墓地 2) 上加納山墓地 3) 加納穴釜墓地 4) 柳津北宮浦墓地 5) 柳津宮東墓地  ・ごみ収集(ごみ籠、通路等。ごみ収集者によるごみ回収時前は、発注者の   指示に従い指定した場所にごみを集めておくこと)  ・雑草抜き、雑草刈り(墓地内の通路、広場、法面、山間地など全面的に行   い、繋茂時は発注者の指示に従うこと。やむをえず、除草剤を使用する場   合は、「岐阜市営墓地病害虫等防除マニュアル」を遵守するとともに、使   用状況を記録すること。)  ・軽微な樹木の枝打ち、及び剪定  ・側溝の清掃  ・墓地内通路等の軽微な補修作業  ・便所掃除(週1回程度)  ・その他施設の美化に関すること 【事実関係】(一者随意契約の理由について)  本件契約の一者随意契約理由書には、「1)労務単価と比較した場合に安価で
    ある(労務単価 軽作業員10,500円>契約額6,640円 ただし、8時間あた り)2)岐阜市の重要施策の一つである高齢者の生きがい対策、社会参加を推進 する上で、高齢者の雇用機会の積極的な提供を行える。3)過去の実績では、適 正に業務を行っており、また、業務内容を熟知しているため、円滑に業務を行 える。」と記載されており、シルバー人材センターが、上記ガイドライン3(2) に該当することを理由としている。  なお、競争性への切換えの可否について、「高齢者に働く場を確保するため。 また、シルバー人材センターは長年業務を実施してきた実績があり、業務内容 を熟知しているため。」と記載され、「競争に切り替えることができない。」と している。 (4)岐阜市民病院第2駐車場等案内及び整理業務(病院政策課) 1) 岐阜市鹿島町7丁目1番地 2) 岐阜市如月町6丁目24番1、27番、30番、32番、33番   岐阜市錦町6丁目35番地1(第2駐車場) 3) 岐阜市寿町6丁目30番地1、2、3、4(第3駐車場) 4) 岐阜市瑞穂町22(第5駐車場) 5) 岐阜市香取町2丁目12番地(第6駐車場) 6) 岐阜市豊岡町24番地1(第7駐車場)  ・第2駐車場及び第3、5、6、7駐車場への案内  ・第2駐車場及び第3、5、6、7駐車場における案内、整理(駐車場券の   配布)及び美化業務  ・身障者専用駐車場の整理(身障者マーク等を確認し、身障者や車イス利用   者、妊婦等歩行困難者を優先する。)  ・第2駐車場の草刈業務 5月、7月、10月の各月毎に1回行う。 【事実関係】(一者随意契約の理由について)  本件契約の一者随意契約理由書には、「当業務の趣旨である高齢者の雇用促 進及び地域社会との関わりという目的のため。」と記載されており、シルバー 人材センターが、上記ガイドライン3(2)に該当することを理由としている。  なお、競争性への切換えの可否について、「当業務の趣旨である高齢者の雇 用促進という目的を考慮した場合、他社では目的にそぐわない。」と記載され、 「競争に切り替えることができない。」としている。 (5)各契約共通について ア 特定随意契約の公表について 【事実関係1)】  産業雇用課は、特定随意契約について、公表する措置をとらなければいけな いにもかかわらず(契約規則第29条2(3)、特定随意契約の公表に関する要 綱)、岐阜市とシルバー人材センターとで締結した特定随意契約について把握 していないため、公表していない契約等もあった。シルバー人材センターにつ いて問い合わせが来ているが、その問い合わせが、産業雇用課が把握していな い特定随意契約に基づくものであることがある。 【指摘 委託契約所管課、産業雇用課】  公表するとされている特定随意契約においてすら、産業雇用課は把握しきれ ていないのであるから、産業雇用課が、シルバー人材センター全体の委託契約 等の業務を把握することが困難な状態となっている。これは、外郭団体の経営 改善指針にある「自主的・自立的な経営」、「1)経営課題の把握・経営改善計画 の策定」における「外郭団体所管室及び団体自らが経営状況、業務全般を継続 的に点検評価し、経営課題を的確に把握する」という点に反しており、産業雇 用課が、所管課として責任を果たせていない状態である。岐阜市のシルバー人 材センターに対する委託契約(特定随意契約を含む。)について、産業雇用課 が、その全て把握する必要がある。そのため、産業雇用課において、シルバー 人材センターに対する委託契約(特定随意契約を含む。)を産業雇用課が全て 把握できるよう、産業雇用課に報告するよう、各委託契約所管課との連携をと るべきである。  また、各課からの報告を徹底するについても限界があることから、財務会計 システムの検索機能を利用するなどして、特定随意契約の把握に努めるべきで ある。  なお、産業雇用課は、本件包括外部監査をきっかけに、委託契約等(平成 25年度を含む。手数料による業務を含む。)を全て調査して把握したことは、 評価することができる。 イ 苦情等の対応について 【事実関係2)】  苦情などの問題が生じた場合に、所管課である産業雇用課、指定管理や委託 契約所管課と連絡等については、特に、記録は取っていないとのことである。 そのため、事案の重大性や対応策など、後から振り返ることができない状態と なっている。 【指摘 委託契約所管課、産業雇用課、シルバー人材センター】  委託契約所管課、産業雇用課、シルバー人材センターは、苦情内容ととも に、シルバー人材センターや所管課や指定管理施設所管課、委託契約所管課 との相互のやりとりについて記録化するよう、連絡シートなどを設けるべき である。  なお、平成27年1月15日に、産業雇用課において、「岐阜市シルバー人材 センター連絡票」を作成し、速やかに、連絡シートを設けたことは、評価す ることができる。 ウ モニタリングについて 【事実関係3)】  委託契約において、「公園管理業務委託共通仕様書」第4項には、「発注者は、 委託業務の運営に関し疑義が生じた場合は、随時検査、立会等を行い、又は、 報告を求め、必要があるときは改善を求めることができる。また、改善結果等 について報告を求めることができる。」と規定されている。  「岐阜市営墓地清掃維持管理業務委託仕様書」第9項(4)には、「発注者 は、委託業務について随時その内容について検査を行い、仕様書に適合してい ない場合は、受注者に改善を命ずることができる。」と規定されている。  また、東部クリーンセンター計量・粗大ごみ選別等業務委託、岐阜市営墓地 清掃維持管理業務委託、岐阜市民病院第2駐車場等案内及び整理業務委託の業 務委託契約書では、業務委託契約書第4条「委託業務の調査等」において、「発 注者は、必要と認めるときは、委託業務の処理状況を調査し、若しくは受注者 から関係書類を提出させ、又は受注者に対し報告を求めることができる。」と
    規定している。  しかし、検査の実施状況については、記録上、不明である。 【指摘 委託契約所管課、シルバー人材センター】  シルバー人材センターの事務局のほか、各委託契約所管課においても、契 約書や仕様書の条項に基づいて、現場において、抜き打ち検査を含め、随時 の検査や調査を実施し、その状況を具体的に記録すべきである。この点につ いて、環境事業政策課によると、東部クリーンセンターにおいては、同一敷 地内の作業であるため、適時業務内容を確認しているとのことである。しか し、その確認状況を具体的に記録すべきことは、同様である。 エ 業務日報について 【事実関係4)】  業務日報についても、数文字だけ業務内容を記載し、勤務時間を記載してお り、必要最小限の記載となっている。  そのため、実際に、誰が、どのくらいの時間、どのような業務を行ったのか 具体的にたどることができず、「疑義」が生じるかどうかについて確認できな い状態である。また、業務内容を振り返って改善策を検討することができない 状態となっている。 【意見 委託契約所管課、シルバー人材センター】  業務日報については、業務内容や業務の実施において気になった点を具体的 に記載できる書式にすることが望ましい。 5 独自事業等について  シルバー人材センターでは、登録している会員の資格、技能を生かし、地域 社会の要望に応えるという目的で、独自事業を行っている。  事業運営は、会員の自主性を尊重して運営するとともに、技能の向上のため の定期的な研修も行っているとのことである(シルバー人材センターHPよ り)。 (1)観光ガイド事業  会員のガイド約25名が当番で岐阜公園の観光バス乗り場に待機して、観光 客に対して、金華山ロープウェイ・岐阜城を中心に案内する事業である。 (2)託児サービス事業  育児経験の豊富な会員が中心となり、幼児の母親が、講演会やイベントに安 心して参加できるよう、会場内での託児サービスをする。 (3)介護保険事業  訪問介護事業者及び居宅介護支援事業者として、岐阜市長の指定を受けた事 業所である。  訪問介護事業所では、利用者の特性を踏まえ、その有する能力に応じ自立し た日常生活を営むことができるよう、身体介護その他の生活全般にわたる援助 を行っている。  居宅介護支援事業所では、利用者の意思及び人格を尊重し、利用者との信頼 関係の確立を図る中で、介護保険の申請、ケアプランの作成、サービス事業者 との連絡調整、介護保険施設等の紹介、介護全般についての相談等を受けてい る。 (4)シルバー柳ケ瀬サロン  シルバーの情報の発信基地として、柳ケ瀬サロンを活用し、また、市民の憩 いの場として、多くの市民に利用してもらうよう、柳ケ瀬サロンの充実を図っ ているとのことである。  シルバー柳ケ瀬サロンでは、センター会員及び他都市の会員の手作り品の販 売、喫茶コーナー、手芸等趣味の講座、作品展等様々な事業を運営していると のことである。   売上高:6,274,750円(平成25年度)6,816,675円(平成24年度)   手作り品出品者:40人   来店者数:19,373人(1日平均64人)   販売品目:会員手作り品、他シルバー独自商品、コーヒー等   実施講座:俳句の会、刺繍、水彩画、ちぎり絵、小物づくり、        手まりづくり   相談業務:高齢者に対する就労支援 6 その他の事業について (1)企画提案事業について  平成25年度から、国や岐阜市の補助金により、新たな企画提案事業「ぎふ 野菜とうたごえでシニアが元気になれる街」を開始している。シルバー人材セ ンター補助金10,945,000円のうち、企画提案方式による事業としての補助金 2,245,000円である。  会員手作りの新鮮野菜を柳ヶ瀬サロンにおいて販売し、シルバー人材センタ ーのPRに努めているとのことである。  「シルバーうたごえサロン」では、「第二次ぎふ市民健康基本計画」に基づ き、多くの会員の参加を目指し、生活機能の低下予防に寄与することを目的と している。木曜日に、「うたごえサロン」を実施し、柳ケ瀬商店街の賑わいを 創出し、中心市街地の活性化にも努めているとのことである。 (2)シニアワークプログラム地域事業  岐阜労働局からの委託に基づく地域事業で、高齢者の雇用・就業機会の確保 を目的として、60歳代前半層を中心とする高齢者を対象に、地域の事業主団 体等の参画・協力のもとに雇用を前提とした技能講習(座学・実習)・合同面 接会等を実施するものである。 7 使用貸借について 【事実関係1)】  ふれあいの館白山における、シルバー人材センター事務局のある場所は、市 所有のものであるが、使用貸借であり、賃料は徴収されていない。  平成18年度の包括外部監査においても指摘されている点ではあるが、この 点については、協議等するなどして改められた形跡はない。措置結果において は、「他の地方公共団体の状況を見ながら、外郭団体と合意形成を図る」と回 答しているものの、協議をした形跡はない。  岐阜市公有財産規則の第33条第1項(8)、財産の交換、譲与、無償貸付等 に関する条例第4条第4項において、次のとおり、規定されている。
    ┌───────────────────────────────────┐ │ 普通財産は、次の各号の一に該当するときは、これを無償又は時価よりも低│ │        ̄ ̄ ̄ ̄                        │ │い価額で貸し付けることができる。                   │ │ (1) 他の地方公共団体その他公共団体又は公共的団体において、公用若し │ │くは公共用又は公益事業の用に供するとき。               │ │ (2) 普通財産の貸付けを受けた者が当該財産につき、地震、火災、水害等 │ │の災害を受け使用の目的に供しがたいと認めるとき。           │ │ (3) その他特別の事情があると認めるとき。              │ └───────────────────────────────────┘  しかし、シルバー人材センターは、「高齢者の福祉の増進を目的とする団体」 として、第4条第1号「公共的団体において、公用若しくは公共用又は公益事 業の用に供するとき」に該当すると考えているとのことである。しかし、「高 齢者の福祉の増進を目的とする団体」は、社会福祉法人を含めて、多数あるた め、どうして、シルバー人材センターが上記要件を満たしているのか具体的な 理由が不明である。また、上記要件を満たしているのかを具体的に再検討した 形跡もない。 【指摘 福祉政策課】  市として、速やかに、賃貸借契約(有償)に切り替える方向で検討すべきで ある。また、資料等に基づき検討した議事録が残っていない状況からも、PD CAサイクルが機能していないことがうかがわれる。検討する際には、後日、 指定管理施設所管者が異動となっても、検討結果を振り返るためにも、部内、 課内等で議論した経過について資料も添付した上で、議事録を作成すべきであ る。 【事実関係2)】  ふれあいの館白山についての不動産登記簿謄本が、現状とは異なる物となっ ている(既に取り壊しされている建物についての滅失登記がなされていない) 状態になっている。ふれあいの館白山を利用するシルバー人材センター及びふ れあいの館白山という建物を管理する福祉政策課、ふれあいの館白山の指定管 理についてモニタリング等をする高齢福祉課のいずれについても、指定管理の 選定や使用貸借契約をする際に、対象物件の公有財産台帳の確認は行っている が、登記簿謄本を確認するという作業を怠っている。 【指摘 福祉政策課】  シルバー人材センター、ふれあいの館白山の建物を管理する福祉政策課、指 定管理のモニタリングを指定管理施設所管する高齢福祉課は、指定管理の選定、 使用貸借契約など、契約行為等をする際には、対象となる物件についての不動 産登記簿謄本などの基本資料を確認すべきである。  ふれあいの館白山の前に建っていた建物について滅失登記がなされていな い状態は、過料の制裁を伴う違法な状態であったことから(不動産登記法第 164条、第57条第1項)、監査人補助者の指摘後、速やかに、滅失登記をした ようである。この点は、監査人補助者の指摘に対して、直ちに対応しているこ とから、評価することができる。 【指摘 福祉政策課】  公有財産規則第9条において、「部長は、登記又は登録ができる公有財産を 取得したときは、速やかに、その手続を行わなければならない。」と規定され ていることから、速やかに、ふれあいの館白山という建物についても登記手続 をすべきである。  この点、国又は地方公共団体が所有する土地又は建物についての表示に関す る登記の申請義務については、当分の間これを免除するとの従前の取扱いを継 続することとしている(不動産登記法附則第9条、不動産登記法の一部を改正 する等の法律(昭和35年法律第14号)附則第5条第1項)。  しかし、本件については、上記のとおり、誤解を招く滅失建物の登記を放置 していたのであるから、その誤解を解消するためにも、ふれあいの館白山につ いての登記が必要となる。 8 指定管理者管理運営状況シートについて 【事実関係】  自転車駐車場維持管理について、JR岐阜駅(名鉄岐阜駅)周辺の市営有料 自転車等駐車場の指定管理者は、民間業者である。自転車駐車場維持管理につ いて、西岐阜駅周辺の市営有料自転車等駐車場の指定管理者は、シルバー人材 センターである。  西岐阜駅自転車駐車場の平成25年度下半期指定管理者管理運営評価シート において、指定管理委託料(年額)が、59,630,000円となっており、岐阜駅 周辺の5箇所の自転車駐車場一括管理の委託料を記載している。  なお、指定管理者が異なるにもかかわらず、岐阜駅(名鉄岐阜駅)周辺及び 西岐阜駅周辺の市営有料自転車等駐車場(計9か所)の管理運営委託の評価を まとめて評価している。 【指摘 土木管理課】  岐阜駅周辺の指定管理委託料(年額)ではなく、西岐阜駅周辺の指定管理委 託料(年額)を記載すべきである。  このように、記載を誤っているのは、事業評価シートにおいて、岐阜駅周辺 の自転車駐車場と西岐阜駅周辺の自転車駐車場をまとめて記載するなどのよ うに、2つの指定管理施設について、区別していないことが原因であると思わ れるので、2つの施設については、明確に区別すべきである。  なお、土木管理課は、監査人補助者の指摘に対して、平成27年1月9日に、 西岐阜駅周辺の指定管理委託料(年額39,844,330円)を記載して修正した。 直ちに、修正したことは、評価することができる。 9 市の監査について 【事実関係】  シルバー人材センターに対する調査権限は、各課にまたがっている。また、 監査委員監査が行われている。  補助金については、監査委員監査や補助金交付所管課である産業雇用課、指 定管理については、監査委員監査、指定管理施設所管課(高齢福祉課、土木管 理課)が、調査を行う。各委託契約については、各委託契約所管課が、調査を 行う。介護保険事業については、介護保険課が、実地指導を行う。  他方、不正事案の恐れがあるときは、監査委員監査や所管課の調査が中心と なる。  例えば、平成25年度に、羽島市シルバー人材センターについて、不適正な 処理事件が発覚した後に、平成25年度に、監査委員の監査が行われた。補助 金等財政援助団体に対する監査委員監査として、緊急雇用補助金による委託事
    業についての金銭の流れを中心に監査を受けたようである。 ┏━━━━━━━━━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃  監査所管課  │監査委員                           ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃  根拠規定   │地方自治法第199条第7項                    ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃  監査の内容  │・財政援助団体の監査(岐阜市が補助金、交付金等を交付している ┃ ┃         │ 団体の中から監査委員が必要であると認めたときに監査するも  ┃ ┃         │ の)                            ┃ ┃         │・公の施設の指定管理者に対する監査(岐阜市の施設の管理を行わ ┃ ┃         │ せている法人その他の団体(公の施設の指定管理者)の中から監 ┃ ┃         │ 査委員が必要であると認めたときに監査する)         ┃ ┣━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ 指導監査所管課 │指導監査課                          ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃  根拠規定   │岐阜市処務規則第3条                     ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃ 指導監査の内容 │(3)介護保険法(平成9年法律第123号)に規定する市町村又は  ┃ ┃         │ 中核市の権限とされたものの指導監査に関すること       ┃ ┣━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ 指導監査所管課 │介護保険課                          ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃  根拠規定   │岐阜市処務規則第3条                     ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃ 指導監査の内容 │(1)介護保険に関すること                  ┃ ┣━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃   所管課   │産業雇用課(所管課)                     ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃  根拠規定   │岐阜市処務規則第3条                     ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃  調査の内容  │(10)「雇用促進及び雇用対策に関すること」として、外郭団体で ┃ ┃         │あるシルバー人材センターに対する監理・監督          ┃ ┣━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃   所管課   │福祉政策課                          ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃  根拠規定   │岐阜市処務規則第3条                     ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃  調査の内容  │(5)部内(介護保険課を除く。)の財務及び庶務に関すること(ふ┃ ┃         │れあいの館白山について)                   ┃ ┣━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃  調査所管課  │委託契約所管課                        ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃  根拠規定   │委託契約書、同仕様書                     ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃  調査の内容  │・公園管理業務委託共通仕様書第4条              ┃ ┃         │「発注者は、委託業務の運営に関し疑義が生じた場合は、随時検査、┃ ┃         │立会等を行い、又は、報告を求め、必要があるときは改善を求める ┃ ┃         │ことができる。また、改善結果等について報告を求めることができ ┃ ┃         │る。」                            ┃ ┃         │                               ┃ ┃         │・業務委託契約書第4条(委託業務の調査)           ┃ ┃         │「発注者は、必要と認めるときは、委託事務の処理状況を調査し、 ┃ ┃         │若しくは受注者から関係書類を提出又は受注者に対し報告を求め  ┃ ┃         │ることができる。」(東部クリーンセンター計量・粗大ごみ選別等 ┃ ┃         │業務委託、岐阜市営墓地清掃維持管理業務委託、岐阜市民病院第2 ┃ ┃         │駐車場等案内及び整理業委託)                 ┃ ┃         │                               ┃ ┃         │・岐阜市営墓地清掃維持管理業務委託仕様書第9項(4)     ┃ ┃         │「発注者は、委託業務について随時その内容について検査を行い、 ┃ ┃         │仕様書に適合していない場合は、受注者に改善を命ずることができ ┃ ┃         │る。」                            ┃ ┣━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃指定管理施設所管課│指定管理所管課                        ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃  根拠規定   │管理運営に関する協定書(岐阜市指定管理者制度事務取扱要領(平 ┃ ┃         │成25年4月改正)の資料13参照)                ┃ ┠─────────┼───────────────────────────────┨ ┃  調査の内容  │第14条第3項(高齢福祉課)                  ┃ ┃         │「甲は、必要があると認める場合には、乙に対し、前2項に掲げる ┃ ┃         │もののほか管理業務及び経理の状況に関し、必要に応じて報告を求 ┃ ┃         │め、実地に調査し、又は必要な指示をすることができる。」    ┃ ┃         │                               ┃ ┃         │第18条第3項(土木管理課)                  ┃ ┃         │「甲は、必要があると認める場合には、乙に対し、前2項に掲げる ┃ ┃         │もののほか管理業務及び経理の状況に関し、必要に応じて報告を求 ┃ ┃         │め、実地に調査し、又は必要な指示をすることができる。」    ┃ ┗━━━━━━━━━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  羽島市シルバー人材センターの不適正な処理事件が発覚した際に、所管課で ある産業雇用課は、各指定管理施設所管課がそれぞれ個別に締結した委託契約 書にある調査権限を意識して、シルバー人材センターに、羽島市シルバー人材 センターの不適正な処理事件に関連して、報告書を提出するよう指示している。 なお、産業雇用課は、特定随意契約の公表要綱に従い、特定随意契約を把握し て、公表する役割を負っている。  しかし、産業雇用課は、シルバー人材センターが、特定随意契約を含めて、 どのような契約を締結しているのかを把握し切れていない。そのため、シルバ ー人材センターの会員の仕事についての問い合わせが所管課である産業雇用 課に寄せられた際に、産業雇用課が把握していない特定随意契約であることも 散見される。 【意見 産業雇用課、指定管理施設所管課、委託契約所管課】  各調査権限が、所管課、各指定管理施設所管課、各委託契約所管課に、分散 しており、情報も分散する結果となっている。  そのため、各課の情報が集約しきれずに、調査が、課ごとに、ばらばらに行 われている可能性が高い。  シルバー人材センターの補助金や指定管理、委託契約についての調査や監査 などの結果を、共有できるような体制を設けることが望ましい。 第15章 公益財団法人岐阜観光コンベンション協会
    第1 概要 1 基本情報 ┌─┬───────┬──────────────────────────────┐ │ │設立年月日  │平成元年5月24日                      │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │所在地    │岐阜市神田町二丁目2番地(岐阜商工会議所1階)       │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │所管課    │商工観光部 観光コンベンション課              │ │ ├───────┼───────┬─────────┬────────────┤ │ │基本財産   │115,000千円  │うち市出資額   │    50,000千円   │ │ │       │       │(割合)     │    (43.48%)   │ │ ├───────┼───────┴─────────┴────────────┤ │基│設立目的   │岐阜市及び周辺の産業、技術及び文化、歴史などの資源を活用し、│ │本│(定款第3条)│コンベンションの誘致、開催支援、及び国際会議観光都市岐阜の │ │事│       │広報、宣伝等の事業を行うことにより、岐阜市におけるコンベン │ │項│       │ション並びに観光の振興を図り、もって国際相互理解の増進並び │ │ │       │に地域経済の活性化及び文化の向上に資すること        │ │ ├───────┼──────────────────────────────┤ │ │事業内容   │(1)コンベンション振興のための広報、宣伝、誘致      │ │ │(定款第4条)│及び受入                          │ │ │       │(2)コンベンションの開催に係る支援            │ │ │       │(3)観光及びコンベンションに係る環境基盤の整備      │ │ │       │(4)観光振興のための広報、宣伝、誘致及び受入       │ │ │       │(5)岐阜市の運営する観覧船事業の支援           │ │ │       │(6)その他この法人の目的を達成するために必要な事業    │ └─┴───────┴──────────────────────────────┘ ┌─┬───────────┬─────┬────┐ │他│    団体名    │ 出資額 │出資割合│ │か├───────────┼─────┼────┤ │ら│岐阜県        │10,000千円│ 8.70%│ │の├───────────┼─────┼────┤ │出│岐阜商工会議所    │10,000千円│ 8.70%│ │資├───────────┼─────┼────┤ │状│株式会社十六銀行   │17,000千円│ 14.78%│ │況├───────────┼─────┼────┤ │ │岐阜乗合自動車グループ│28,000千円│ 24.34%│ └─┴───────────┴─────┴────┘         平成26年3月31日現在 ┌─┬───┬───┬───┬───┐ │ │   │役員 │評議員│職員 │ │組├───┼───┼───┼───┤ │織│常勤 │  2名│  0名│  8名│ │状├───┼───┼───┼───┤ │況│非常勤│ 11名│ 11名│  2名│ │ ├───┼───┼───┼───┤ │ │合計 │ 13名│ 11名│ 10名│ └─┴───┴───┴───┴───┘                     (単位:千円) ┌─┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │ │ 区分  │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総収入額 │  106,327│  115,970│  104,272│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総支出額 │  88,794│  98,320│  87,692│ │財├─────┼─────┼─────┼─────┤ │務│(人件費)│(34,326)│(35,215)│(28,371)│ │の├─────┼─────┼─────┼─────┤ │状│差引収支額│  17,533│  17,650│  16,579│ │況├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総資産額 │  332,819│  329,100│  321,571│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │総負債額 │   5,723│   7,639│   6,434│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │正味財産額│  327,096│  321,461│  315,137│ └─┴─────┴─────┴─────┴─────┘                     (単位:千円) ┌─┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │ │ 区分  │平成23年度│平成24年度│平成25年度│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │市│指定管理料│     0│     0│     0│ │の├─────┼─────┼─────┼─────┤ │財│委託料  │  15,166│  17,250│   7,956│ │政├─────┼─────┼─────┼─────┤ │支│補助金  │     0│     0│     0│ │出├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │負担金  │  46,000│  54,300│  54,300│ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┤ │ │合計   │  61,166│  71,550│  62,256│ └─┴─────┴─────┴─────┴─────┘                            (単位:千円) ┌─┬──────────────────────────────┐ │ │            平成25年度             │ │ ├──────────┬───────────────┬───┤ │ │   事業名    │     事業概要      │事業費│ │ ├──────────┼───────────────┼───┤ │事│観光コンベンション振│観光及びコンベンション振興の │76,461│ │業│興事業       │ための広報、宣伝、誘致等   │   │ │概├──────────┼───────────────┼───┤ │要│観覧船支援事業   │おまかせパック・風流屋形船支援│ 1,689│ │ │          │事業             │   │
    │ ├──────────┼───────────────┼───┤ │ │賛助会員を対象とした│セミナー、講習会等開催 優良従 │ 2,429│ │ │事業        │業員表彰実施         │   │ └─┴──────────┴───────────────┴───┘ 2 沿革 平成元年5月 財団法人岐阜コンベンション・ビューローとして設立         岐阜市が運輸省(現国土交通省)の国際コンベンションシテ        ィの第1次指定を受けたことにより設立された。 平成14年4月 岐阜市観光協会と統合し、財団法人岐阜観光コンベンション       協会に名称変更 平成25年4月1日 公益財団法人に移行 第2 事実関係及び指摘・意見 1 他との連携について (1)所管課と観光コンベンション協会の連携  岐阜市処務規則第3条によれば、観光コンベンション課の分掌事務として、  (1)観光事業の企画及び振興に関すること  (2)観光案内及び観光宣伝に関すること  (3)コンベンションの推進に関すること  (4)観光コンベンション協会に関することが挙げられている。  他方、観光コンベンション協会の定款第4条によれば、協会の事業内容は、  (1)コンベンション振興のための広報、宣伝、誘致及び受入  (2)コンベンションの開催に係る支援  (3)観光及びコンベンションに係る環境基盤の整備  (4)観光振興のための広報、宣伝、誘致及び受入  (5)岐阜市の運営する観覧船事業の支援  (6)その他この法人の目的を達成するために必要な事業とされている。  このように、処務規則及び定款の文言において、観光コンベンション課と観 光コンベンション協会の業務は、一部重なる。市と観光コンベンション協会は、 観光とコンベンションという共通目的の達成に向けて、市からは職員を派遣し、 日常的な連携が図られているとのことである。 (2)他の外郭団体との連携 【事実関係】  市は、「国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等による国際観光の振興 に関する法律」に基づき、運輸省(平成6年当時)より、国際会議観光都市と して認定された都市である。県内では、市の他に、高山市が国際会議観光都市 として認定されている。認定の条件としては、国際会議の用に供する施設の存 在と国際会議等の誘致を実施する体制整備などがある。市でいえば、認定当時 建設中であった長良川国際会議場と財団法人岐阜コンベンション・ビューロー (現協会)の存在などが認定条件となっている。  協会の行う事業は、「コンベンションの誘致、開催支援」である。  長良川国際会議場の指定管理者は、公共ホール管理財団が代表構成員として 構成されるトリニティぎふであるが、同団体が、コンベンション誘致業務を行 っている。  国際交流協会は、市へのコンベンション誘致に向けた共通目的の下、トリニ ティぎふと協力し、イベント等に共同参加するなど協力関係にあるとのことで ある。協会においては,類似業務を目的とする公共ホール管理財団など、他の 外郭団体間の連携が図られているとのことである。 【意見 観光コンベンション課】  観光コンベンション課において、協会と類似業務を目的とする市の他の外郭 団体や所管課間の更なる連携を検討することが望ましい。 2 基本財産・特定資産の管理・運用について (1)基本財産 【事実関係】  協会は、平成26年3月31日現在、次のとおり、基本財産を管理している。 ┌────┐ │基本財産│ └────┘   普通預金 十六銀行今沢町支店      117,242,500円    (公益目的保有財産として50%、管理業務として50%使用)    (無利息決済型決済性預金)  基本財産については、全て普通預金にて管理している。平成25年度途中ま で、国債として管理している部分があったが、いずれも満期を迎えることとな った。当時、低金利で運用益も低い状況であったことから、暫定的措置として、 これらの部分は、普通預金の無利息型決済性預金に預けられることとなったと のことである。基本財産については、定款第5条第2項で、目的達成のために 善管注意義務をもった管理が義務づけられている。 【指摘 観光コンベンション協会】  基本財産の管理については、定款第5条第2項の定めがあるところ、無利息 型決済性預金であるので、ペイオフの問題は発生せず、安全確実な管理がなさ れているとはいえる。  しかし、協会の基本財産中、約43%は、市の出資金である。  安全確実な管理という側面から、無利息決済型決済性預金という暫定的な措 置をとることは理解できるが、かかる状態の継続は、基本財産からは運用益を 何ら生み出さず、効率的な運用面という観点からは、適切な状態とはいえない。  協会は、基本財産運用に関する規程を設け、基本財産の効率的運用をすべき である。 【指摘 観光コンベンション課】  観光コンベンション課は、基本財産は、市の出資金であることから、協会にお いて、効率的な運用をするよう指導すべきである。 (2)特定資産  協会は、平成26年3月31日現在、次のとおり、特定資産を管理している。 ┌────┐ │特定資産│ └────┘
    コンベンション振興基金 1)定期預金 十六銀行今沢町支店      10,000,000円 2)定期預金 岐阜信用金庫若宮町支店    10,000,000円 3)定期預金 大垣共立銀行岐阜支店     10,000,000円 4)定期預金 岐阜商工信用組合本店     10,000,000円 5)定期預金 大和ネクスト銀行(ビシャモン)10,000,000円 6)普通預金 十六銀行今沢町支店      75,315,000円        (無利息決済性預金) 7)普通預金 岐阜信用金庫若宮町支店    56,000,000円        (無利息型決済性預金)  特定資産中、50,000,000円については、定期預金で、そして、131,315,000 円については、普通預金にて管理している。この中には、市の出えん金(戻っ てこない性質のお金)が含まれている。  特定資産についても、基本財産同様、平成25年度途中まで、国債として管 理されている部分につき、暫定的措置として、普通預金の無利息型決済性預金 に預けられることとなったとのことである。  特定資産については、公益財団法人岐阜観光コンベンション協会岐阜市コン ベンション振興基金規程(以下、「振興基金規程」という)が設けられており、 その第3条にて、金融機関への預金その他最も安全確実かつ有利な方法による 保管の必要性が、そして、第4条にて、基金の運用から生ずる収益は、コンベ ンション開催支援に係る公益目的事業会計への繰入金に充てるものとされて いる。 3 委託契約について (1)概要  平成2年度から、市は、協会に対し、随意契約にて、JR岐阜駅構内岐阜市 観光案内所運営管理業務を委託している。平成23年度から平成25年度の3 年間の委託料は、7,956千円で同一金額である。 (2)契約者の選定について 【事実関係】  市は、地方自治法施行令第167条の2第1項第2号を随意契約とする根拠 とし、一者随意契約の理由を「当該財団が、観光事業とコンベンション事業を 一体的に推進している団体で、観光事業団体、観光事業関係者、報道機関など を会員として組織化されており、業界と連携して各種イベントに協賛するとと もに、観光宣伝・誘致活動を積極的に展開している。『岐阜市の顔』である観 光案内所では、観光客・来訪者に対し観光とコンベンション両方の最新の資 料・情報などを提供することが求められ、当該財団は、それができる市内唯一 の団体であるため」としている。 (地方自治法施行令第167条の2第1項第2号) ┌─────────────────────────────────────────┐ │不動産の買入れ又は借入れ、普通公共団体が必要とする物品の製造、修理、加工又は納入に│ │使用させるため必要な物品の売払いその他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しない│ │ものをするとき。                                 │ └─────────────────────────────────────────┘ (随意契約ガイドライン) ┌─────────────────────────────────────────┐ │2 契約の性質又は目的が競争入札に適さない場合                  │ │(5)前各号に掲げるもののほか、特定の者と契約をしなければ契約の目的を達成すること│ │  ができないとき。                               │ └─────────────────────────────────────────┘ 【指摘 観光コンベンション課】  確かに、協会は、観光事業とコンベンション事業を一体的に推進している団 体である。しかし、協会は、平成25年度において、委託業務料7,956千円中、 再委託料として合計7,624千円を1業者に支払っている。その数字は、約96% 強である。  この事実からすれば、協会が、「市内唯一」の団体ということを随意契約の 理由として、随意契約を締結してよいものか疑問が生じる。  市は、長年来、継続して協会と随意契約を締結してきたものであり、協会が 実績という意味のアドバンテージがあることは認める。しかし、随意契約はあ くまで地方自治法第234条第1項、第2項によれば、例外的なものである。  観光コンベンション課は、協会が、随意契約記載の「市内唯一」の団体であ るといえるのか、民間ではできないのかということを、他の自治体の類似業務 の状況など、様々な角度から、適切に検証を行うべきである。 (3)委託料について 【事実関係】  JR岐阜駅構内岐阜市観光案内所運営管理業務の委託料については、岐阜市 は独自の積算を行っているとのことである。しかし、平成23年度から平成25 年度の3年間で金額に変わりはない。  委託料7,956千円のうち7,308千円は人件費である。人件費の根拠は、仕様 書にある業務を行うには、3人分の人件費が必要であり、市役所のアルバイト の賃金である時給750円を単価(1人あたり176時間/月)とし、これに通 勤手当、保険(健康、労災、雇用)料、厚生年金、福利厚生費、賞与等を加え、 積算している。昨年度までの実績を元にその算出していることを、その積算が 適正であることの理由としている。 【指摘 観光コンベンション課】  本件のような積算方法において、「実績」を理由とするのであれば、実態に 変更がない限り、金額は、前年踏襲ということになりかねない。  そうではなく、積算をするに際しては、他の自治体の類似業務との比較をす るなど、様々な角度から、適切に検証を行うべきである。 4 岐阜観光コンベンション協会運営負担金について (1)金額の推移  市は、岐阜観光コンベンション協会運営負担金として、協会に負担金を支出 している。協会のコンベンション振興事業、環境基盤整備事業、観光振興事業 にかかる負担金である。  平成17年度より平成23年度は、46,000千円、平成24年度・平成25年度 は、54,300千円である。ただし、平成23年度は、実施主体が岐阜市観光宣伝 推進実行委員会(協会も関与)で、8,300千円の岐阜市観光宣伝実行委員会負 担金が支出されており、実質的は、54,300千円で3年間、金額に変更はない。
    (2)事業評価シート  観光コンベンション課作成の事業評価シートの総合評価においては、平成 24年度に、平成25年度以降も団体との協議を重ねるなかで負担金を見直して いくとの記載がある。 (3)過去の包括外部監査の指摘 【事実関係】  平成23年度包括外部監査では、補助金・負担金がテーマとされたが、観光 コンベンション課に対して、岐阜観光コンベンション協会運営負担金の交付事 務について、次のとおり指摘がなされている。 ┌─────────────────────────────────┐ │様々な事業の積み上げで算定された金額であるため、本来は、各事業内容│ │を精査した上で、負担金額を決定すべきである。           │ └─────────────────────────────────┘  これに対する、観光コンベンション課の措置状況の回答は、次のとおりであ った。 ┌───────────────────────────────────────┐ │平成24年度末現在措置状況                           │ │ 岐阜市の観光宣伝を担っている岐阜観光コンベンション協会への負担金は、不可欠 │ │である。引き続き、当協会と協議を行いながら、予算措置を検討していくが、国内外の│ │観光客の状況を考慮し、来年度も同様の事業を行う必要があるため、現状維持とした。│ └───────────────────────────────────────┘ ┌───────────────────────────────────────┐ │平成25年度末現在措置状況                           │ │協会は、本市の観光行政を進める上で重要な役割を担っており、その業務に対する  │ │負担金は不可欠である。負担金額の決定にあたっては、事業内容のみならず、スタッフ│ │の配置を含め、今後も協会との連携を図りながら協議を継続する。         │ └───────────────────────────────────────┘ ┌─────────┐ │本監査における回答│ └─────────┘  観光コンベンション課によれば、負担金額については、負担金実施当初に協 議の上で決定した金額をベースに、事業の改廃状況による総事業費の増減を加 味した上で負担金額を決定しているとのことである。  平成23年度から平成25年度においては、変更事情がないため、同金額と なったとのことであった。 【指摘 観光コンベンション課】  平成23年度包括外部監査の指摘とそれに対する平成24年度末現在の観光 コンベンション課の措置状況の回答を対比してみると、指摘に対応する回答と はなっていないと思われる。また、平成25年度末現在の措置状況の回答では、 事業内容の言及とスタッフの配置が出てくるが、本監査における回答と同様の 基準による算出であるのか不明である。  そもそも、平成23年度の監査の指摘では、事業内容を精査した上で、負担 金額を決定すべきとしている。負担金が不要などということを言っていない。  事業内容を精査して負担金額を決定するというプロセスをとることを妥当 と考えて措置を講じるのかどうか、妥当ではないとするのであれば、そのよう に判断した理由は何であるか、決定した負担金額の妥当性(結果)を回答すべ きであるのに明確な回答はない。  事実としては、負担金額は、平成23年度監査の指摘後も変更がないため、 明確な基準のもと、適正な手続を経て、負担金額が決定されているか不明であ る。  平成23年度の監査指摘に対して、措置状況は、適切に回答すべきである。  具体的には、1)平成23年度監査の指摘に対して、観光コンベンション課と しては、どのように判断したのか、2)現在の負担金決定方法が適切であるとす るのであれば、その理由について、明確に回答すべきである。 5 連携団体への補助金、負担金の支出について 【事実関係】  観光コンベンション協会から、関連団体や実行委員会へ補助金や負担金が毎 年支出されている。  補助金については、交付規則に準じた形で支出している。  支出金額にかかわらず、同様の手続が求められている。  負担金については、主なものが出席負担金や加入団体負担金である。「道三 まつり負担金」、「信長まつり負担金」、「GIFUナイトビュー負担金」、「国際旅 行客誘致協議会負担金」などの事業負担金については、平成26年度からは、 市の策定した「補助金等ガイドライン」の示す公益性、必要性、効果・経済性、 緊急性、岐阜らしさといった視点に立ち、関係団体との協議等を実施した上審 査を行っているとのことである。 【意見 観光コンベンション協会】  観光コンベンション協会が、交付規則に準じて補助金を支出していることは、 市の外郭団体という意味において適切であると評価できる。  ただし、協会は、公益財団法人であり、自主性が必要とされる組織であるこ とも事実であり、協会の立場から、合理的な理由がある限り、独自の取扱いを することは許容されるはずである。現状では、例えば、少額の補助金支出であ っても、補助金を受ける側は、補助金交付申請、実績報告の提出等の手続を経 て初めて補助金を受けられるとのことである。補助金を受ける以上はやむを得 ないとの考え方もあるが、他方、手続の簡素化が図れないかという問題意識も ありうる。  そこで、補助金については、交付規則に準ずる形を維持しつつも、観光コン ベンション協会の実態に照らした適切な取り扱いを検討することが望ましい。 また、事業負担金の支出については、算出の明確性の観点から、負担金支出の 根拠規定を独自に策定することを検討することが望ましい。 6 パンフレットやノベルティグッズの管理及び会計上の表示について 【事実関係】  協会では、その事業目的の遂行のため、油取り紙、うーたんのクリアファイ ルなど、様々なノベルティグッズを作成している。それらについては、数量の 管理はされているものの、金額では管理されておらず、決算書にも計上されて いない。
    【意見 観光コンベンション協会】  協会は、その事業の性質上、事業費に占める印刷製本費や広告宣伝費が大き くなっている。主に、パンフレットやノベルティグッズの作成に支出されるが、 単年度決算の公的機関の場合、一時の支出として処理されてしまうと、その後 の現物管理自体がおろそかになると一般的に考えられている。ただ、これらの 中には、単価が比較的高く、金額的にも無視できないものもあると思われ、そ れが一時的な支出として処理されるだけで、その後管理されないとなると、作 るだけ作り、後の責任は負わないという状況を招きかねない。  その点において、協会では、グッズ等の出入りを管理する表を作成して数量 自体の管理をしており、単なる一時の支出としてではなく、資産として意識さ れていることは、大変評価できる。  この管理状況やそれだけの資産を保有しているということを、市民ほか外部 関係者に情報提供するためには、決算書の貸借対照表に「貯蔵品」として計上 することが考えられる。企業会計では一般的な処理であり、企業会計に近づい てきている公益法人会計でも採用すべき処理方法と考えられる。  そこで、今後は、「貯蔵品」として扱うものの金額を設定し、該当するもの は、数量のみならず金額でも管理し、貸借対照表上にも計上することを検討す ることが望ましい。 7 賛助会員と発注業者について 【事実関係】  平成25年度の事業費のうち、人件費の次に支出割合の高い印刷製本費につ いて、発注業者を確認したところ、協会の賛助会員となっている業者が多かっ た。  印刷製本費のほとんどは、カタログやパンフレットやニュース等の印刷費で あるが、それらの大半が賛助会員で請け負っており、しかも一社集中ではなく、 数社に分散されている。  また、契約については、市の契約基準に準拠して行われているが【公益財団 法人 岐阜観光コンベンション協会契約事務ガイドライン】、増刷・改版につ いては版をもっている業者が随意契約により受注している。  賛助会員である業者に分散されていること、随意契約が多くなっていること から、市民の目線で見ると、本当に公正かつ公平な取引がなされているかどう かについて疑問に思われる可能性がある。  協会においては、平成26年3月11日に契約事務ガイドラインを策定した。  ガイドラインは、経済性、公正性、透明性を発揮して適正に執行する必要性 を認めた上で策定されたものとのことである。 【意見 観光コンベンション協会】  協会が問題意識を持って契約事務ガイドラインを策定したことは評価でき ることである。  策定した以上は、ガイドラインに沿って適切な執行をすることを今後継続し て意識することが望ましい。 終章 第1 はじめに  本監査を実施するにあたり、市の職員、外郭団体の関係者には、全面的に協 力をしていただいた。本報告書を完成させることができたのは、多忙であるに もかかわらず、市の職員、外郭団体の関係者が、ヒアリング、現地視察や、書 類監査など、快く応じていただいたことに尽きる。  心より、感謝を申し上げる。 第2 現状の課題  外郭団体は、市の貴重な資源である「ヒト」・「モノ」・「カネ」といった点で、 民間組織とは異なる例外的取扱がなされている。そうであるからこそ、その関 与については、慎重・適切になされるべきであるところ、これまでの市の外郭 団体に対する関与状況には、様々な課題が見られ、必ずしも適切といえるもの ではなかった。  監査人は、課題の発生原因は、主に次の3点にあると考える。  1)外郭団体という存在の曖昧さ  2)市内部間、市と外郭団体間、外郭団体間の連携不足  3)情報公開に対する意識の低さ 第3 提言  以上から、監査人は、次の3点につき、市に対する提言を述べる。 1)外郭団体という存在の曖昧さに対して  外郭団体において、何らかの問題が発生した場合、最終的に市が問題の責任 を負うリスク(法的責任や信用問題)がある。しかしながら、外郭団体という 存在の位置付けが市において曖昧なために、リスク管理が必ずしもできる体制 になっていないと思われた。  この点、住民自治基本条例第8条第2項において、市が外郭団体として位置 づけている団体は、市長等が住民自治を充実するために、基本とする事項の趣 旨に沿い活動することの努力義務が課せられているが、同条例には、市の外郭 団体に対する関与についての規定はない。  今後は、外郭団体の関与に関する条例を新規に策定するであるとか、住民自 治基本条例の中に、外郭団体に対する関与の条項を入れることなどにより、市 からみた外郭団体の位置づけを明確にすることが望ましい。 2)連携不足に対して  今回、外郭団体という組織を通じて、職員の併任・派遣、委託、指定管理、 補助金・負担金、財産の使用などを検証したが、それぞれのよい部分が取り入 れられていないと感じた。例えば、暴力団排除や再委託といった場面である。  この点、住民自治基本条例第8条第1項(1)においては、市長等は、「組 織の横断的な連携を図り、総合行政の推進を図ること」を基本として住民自治 を充実しなければならないとされていること、同第2項においては、外郭団体 にその努力義務が課せられていることからすれば、現状は、不十分であると評 価せざるを得ない。  今後は、横断的に連携することで、他において取り入れるべきものがあれば、 積極的に取り入れる組織体制を構築することが望ましい。 3)情報公開に対する意識の低さについて
     情報公開の手段は、ホームページのみではないが、現代社会において、ホー ムページが簡便重要な手段であることは否定できない事実である。しかしなが ら、市が、ホームページで公開した情報の誤りが少なからずあり、あるいは、 本来、ホームページで公開するような内容も公開されていない事例が見受けら れた。  この点、住民自治基本条例第5条(3)においては、市民及び市は、「情報 を共有すること」を基本としてまちづくりを進めるものとしている。また、同 条例第8条第1項(2)においては、市長等は、「政策の立案から実施を経て 評価に至るまでの過程について、透明性を高めるとともに市民に分かりやすく 説明する責任を果たすこと」を基本として住民自治を充実しなければならない とされている。  これらの基本からすれば、現状は、不適切であると評価せざるを得ない。  今後は、市の情報については、あくまで市民と共有するものであるという認 識のもと、まずは、ホームページ上で、積極的かつ正確な情報公開をすること が望ましい。 第4 最後に  監査人らは、本監査期間中に、ある地方公共団体の幹部の方に、地方公務員 の心構えについて聞いたことがあった。その時、その方が述べた2つの言葉を 記して、本報告書の結びとしたい。市役職員、外郭団体役職員をはじめ、また、 監査人らを含めて、市の事業や活動に関わる者にとって、今後の指針となる言 葉であると思われる。  「役場の人間にとって、最終的には、市民(町民)の利益につながる事業な のか、税金を使うべき事業なのか、そこが大事だ。その点だけはぶれてはいけ ない。」  「今まで、こうだったということを言い訳にしてはいけない。これからどう するかが大事だ。」 3: ◯議長(國井忠男君) 以上で諸般の報告を終わります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 開  議 4: ◯議長(國井忠男君) これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、さきに御通知申し上げたとおりであります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第1 会議録署名議員の指名 5: ◯議長(國井忠男君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において14番須田 眞君、15番竹市 勲君の両君を指名します。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第2 会期の決定 6: ◯議長(國井忠男君) 日程第2、会期の決定を議題とします。  お諮りします。今期定例会の会期は、本日から3月27日までの23日間と定めたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 7: ◯議長(國井忠男君) 御異議なしと認めます。よって、今期定例会の会期は、本日から3月27日までの23日間と決しました。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第3 報第1号から第66 第63号議案まで 8: ◯議長(國井忠男君) 日程第3、報第1号から日程第66、第63号議案まで、以上64件を一括して議題とします。            ───────────────────              〔議 案 等 掲 載 省 略〕            ─────────────────── 9: ◯議長(國井忠男君) これら64件に対する提出者の説明を求めます。市長、細江茂光君。    〔細江茂光君登壇〕 10: ◯市長(細江茂光君) どうも、おはようございます。    〔「おはようございます」と呼ぶ者あり〕  本日、平成27年第1回の岐阜市議会定例会が開催され、新年度の予算案を中心に諸議案の審議をお願いするに当たりまして、市政に臨む所信の一端と施策の大要を申し上げたいと思います。  まず初めに、平成18年の基本構想策定から10年近くの歳月を経て、いよいよ本年7月、岐阜大学医学部等跡地に、市民の皆様の夢が詰まった未来への礎となる複合施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」が開館をいたします。先月建設工事が完了いたしましたこの施設は、建築界のノーベル賞とも言われますプリツカー賞を受賞された世界的建築家、伊東豊雄氏の設計によるものであり、さらに名誉館長にはノーベル物理学賞を受賞された益川敏英様をお迎えすることから、今後、国内外からの多くの方々の訪問が期待され、本市の魅力をアピールする絶好のシンボルになるものと考えております。  「ぎふメディアコスモス」は、市民の皆様を主役とした知、絆、文化の3つの拠点をコンセプトに整備をいたしました。情報を求め人が集う知の拠点として、くつろぎながら多様な知的ニーズに応える滞在型の中央図書館、人と人を結ぶ絆の拠点として、さまざまな市民活動を支援し、地域力の底上げを図る市民活動交流センター、また、文化の拠点として身近に芸術に触れ合える展示ギャラリーや多目的ホールを備えており、年間100万人以上が訪れ、静かなるにぎわいが創出されることを期待しております。  さらに、この「ぎふメディアコスモス」の南側には岐阜市百年の大計とも言える新市庁舎の建設を進めてまいります。東日本大震災の際、被災地の自治体において庁舎が大きな被害を受け、災害対応や行政機能の維持に支障を来したことを教訓に、安全で安心して暮らせるまちづくりの本丸となる高度な防災拠点機能を備えた利便性の高い庁舎となるよう、引き続き市民の皆様の御意見を承りながら、事業の推進に努めてまいります。  こうした大事業の着実な実現を支えるのは、これまでたゆまぬ行財政改革を推進してきたことの成果であります。私は平成14年に市長に就任して以来、座右の銘としております「事前の一策は事後の百策に勝る」との理念に基づきまして、職員定数や給与の適正化、普通債残高の計画的縮減、さらには、市営バスや保育所の民営化など、不断の行財政改革に取り組み健全財政の堅持に心を砕いてまいりました。  このように財政規律を保ちながらも、これらの改革によって生み出された財源を本市の未来への礎となる事業に活用し、これまで岐阜駅周辺の都市基盤や長良川周辺を初めとする観光施設の整備、あるいは岐阜薬科大学新学舎建設や市民病院の改築などを着実に進めてまいりました。さらには、「ぎふメディアコスモス」や新市庁舎の建設など大型事業に必要な財源につきましては、計画的な基金の積み増しや、国の支援が受けられる本市にとって有利な合併特例債の活用などにより、将来世代の負担軽減にも意を用いてきたところであります。  一方で、今後、日本では世界に例を見ない急速なペースで少子・高齢化が進み、高齢者に対する医療、介護などの財政需要が高まる反面、これを支える現役世代が相対的に減少するため、都市経営が一層困難となってまいります。こうした中にありまして、本市が未来に希望あふれる持続可能な都市であり続けるためには、これまでの取り組みに加え、多様な魅力を積極的に創出するべく、さらなる一歩を踏み出す必要があります。  新年度におきましては、これまで取り組んでまいりました行財政改革などによる健全財政の堅持、すなわち出ずるを制することに加え、教育、健康を初めとする日々の生活環境のさらなる向上や、企業の集積による雇用創出などにより、定住人口や交流人口の増加を目指し、結果として税収の増加につなげていく、入りを図る施策に重点的に取り組んでまいります。こうした困難な時代にこそ、未来への明確なビジョンを持ち、市民の皆様とともにさらなる高みへ挑戦するべく、全力で都市経営に邁進をしてまいります。  それでは最初に、本市を取り巻く環境について申し上げたいと思います。  我が国の経済は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体的に推進する、いわゆるアベノミクスによる効果もあり、本年1月の雇用関係指標は、経済政策導入前の平成25年同期と比較し、完全失業率が4.2%から3.6%に、有効求人倍率は0.85倍から1.14倍へと、それぞれ改善をするとともに、企業倒産件数につきましても、1990年以来24年ぶりに1万件を割り込むなど、長期にわたるデフレ不況から脱却しつつあります。しかし、昨年4月の消費税率8%への引き上げに加え、増税前の駆け込み需要の反動減や夏場の天候不順も影響し、消費が急速に低迷したことから、国は景気の腰折れを防ぐことや、デフレからの脱却をより確かなものとするため、本年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを平成29年4月に延期することといたしました。  一方で、国の財政は借金残高が昨年12月末時点で1,029兆円となり、国内総生産の2倍を超え、先進7カ国、いわゆるG7中最悪の水準となっていることに加え、社会保障費が毎年1兆円規模で増加するなど、依然として非常に厳しい状況にあります。この消費税率引き上げの延期により、喫緊の課題であります持続可能な社会保障制度の確立や、あるいは充実を図るべき少子化対策費の財源確保に加え、国家財政再建のさらなるおくれが危惧をされております。また、高度経済成長期を中心に整備された老朽化が進む公共インフラなどの維持更新費用や、昨年広島で発生した土砂災害、さらには、御嶽山の噴火など大規模自然災害の増加に伴う防災対策費用も今後の財政需要を押し上げる要因となることが懸念をされております。  こうした課題を一気に解決することは容易ではありませんが、国においては東京圏への過度の人口集中を是正し、それぞれの地域において住みよい環境を確保することで人口減少に歯どめをかけ、将来にわたり活力ある地域社会を維持することを目的に、昨年の9月、まち・ひと・しごと創生本部を設置し、地方創生や地域経済の活性化に向けて本格的に取り組む姿勢が示されたところであります。  また、直近の課題であります消費回復への対策に加え、中・長期的視点に立った対策として、地方が元気を出し、人や物などを活発に動かし、地方経済の好循環を全国各地から興すことで、日本経済を再生するべく、この2月には3兆円規模の補正予算が成立し、重点的な取り組みを展開することとされております。  我々地方自治体、特にこの圏域の中心都市であります本市といたしましても、こうした国の動向に鑑み、社会情勢の変化に的確に対応した有効な施策をいかに構築していくか、その行政手腕がまさに問われる時代を迎えております。こうした中にあって、本市は日々の市民サービスを安定的に供給することに加え、時代の変化に対応した有効な施策を実現するためには、安定した財政基盤が不可欠との認識のもと、これまで一貫してたゆまぬ行財政改革を行ってまいりました。  職員定数につきましては、市民ニーズの変化に伴う業務増加に対応しながら、ピーク時である昭和56年の4,999人から、新年度は1,232人、25%を削減し、3,767人へと適正化を図るとともに、あわせて給与の適正化にも取り組んでまいりました。また、市の借金であります普通債残高につきましても、平成11年度1,362億円から本年度末には744億円と618億円、率にして45%を縮減しております。その結果、国から公表を求められております財政健全化指標の1つであります、借金などの将来にわたる実質的な債務を示す将来負担比率は、本市の平成25年度数値は1.0%であり、健全化計画の策定が義務づけられております基準の350%に対し、はるかに下回る健全な状況を保っております。  さらには、市営バス、保育所の民営化や給食調理業務の委託化など民間活力の活用にも意を用いることができ、健全財政を堅持してきた結果、これらの果実をさまざまな都市基盤整備、あるいは子育て・教育立市や医療・健康立市への取り組みなど、人を中心とする人間主義の考えに基づいた人への投資を行い、未来への礎を築くことができました。これらの行財政改革による出ずるを制する取り組みは、組織体制や財政運営など、市役所内部におけるものが中心であり、いわば内なる挑戦であります。しかしながら、今後は少子・高齢化の急速な進展に伴い、生産年齢人口が減少していく中で、社会保障費を初めとする財政需要の増加に対応していく必要があります。そのためには人々に岐阜市に住みたいと感じさせるさまざまな魅力を創出すること、さらには、企業や地域を活性化することなど、収入の根幹となる税収の増加につなげていく、入りを図る施策の展開、すなわち外への挑戦が重要となってまいります。  来る新年度におきましては、これまでの出ずるを制する取り組みに加え、定住人口や交流人口の増加を目指す、入りを図る攻めの行政を積極的に展開し、教育・子育て環境、あるいは、まちづくりや観光施策の充実、さらには、雇用を生み出す企業誘致の促進などにより、まちの魅力を高め、人々が住み、働き、行き交う都市の磁場を形成し、ひいては税収の増加につなげてまいります。  人口構造や経済情勢など、激しい変化の波が想定される新たな時代に向け、出ずるを制し、入りを図る取り組みに積極果敢に挑むべく、新年度の重点政策の基本的な考え方となるキーワードを「果敢なる挑戦」とし、副題を「~新次元のさらなる高みへ~」、また、これらを推進する重点政策を、教育、子育てについての「学びの場」、地域経済、まちの活性化を推進する「働きの場」、健康で心豊かに暮らせる「支えの場」、さらには、防災を中心とする「守りの場」の四本柱とし、その実現を通じ、未来に希望あふれる魅力あるまちづくりに向け全力で取り組んでまいります。  それでは、これら重点政策の柱について順次申し上げたいと思います。  まず最初に、「学びの場」、子育て・教育についてであります。  資源小国の我が国におきましては、人こそが最大の資源であり、新たな価値を創造する才能を見出し、その才能を教育によって磨き高めることが未来を切り開き、国を支える原動力となるものと考えております。アメリカの政治家ベンジャミン・フランクリンは、「知識への投資は、常に最高の利息がついてくる」と説いています。人々が成長する基本となる第一は、みずから主体的に学ぶ姿勢であります。さらに、学びを支えるすぐれた教育環境や子育て環境を提供することにより、より一層学びの意欲と成果を伸ばすことが可能となります。  本市におきましては、教育なら岐阜市、岐阜市といえば教育と、教育によって選ばれるまちを目指し、これまでもさまざまな政策を展開してまいりました。今後も教育立市の先駆的な取り組みを市の内外に発信するとともに、子どもたちを初め、地域を支える人々にも学びの楽しさや教育の喜びを実感できる、さらなる高みを目指してまいります。  教育立市の本丸となる義務教育につきましては、グローバル社会で能力を発揮できる人材を育成するため、ICTの活用など、さまざまな取り組みを推進し、また、小学校の英語教育につきましては、英会話の習熟に重要となる、いわゆる丸暗記能力が七、八歳でピークを迎えるとされていることを踏まえ、既に平成16年度から、構造改革特区及び教育課程特例校制度を活用して小学校3年生から英語を教科化するとともに、1、2年生に対しましても英語になれ親しむ活動を実施してまいりました。新年度にはさらに、1、2年生を加えた小学校全学年において英語の教科化を実施し、幼少期から行う、より効果的な英語教育を一層充実させてまいります。  この本市における取り組みは、平成32年度から小学校5年生以上で英語の教科化を検討しております文部科学省のみならず、報道等により広く取り上げられ全国から注目を集めております。今後とも英語教育のフロントランナーとして、子どもたちが国際社会で生き生きと活躍できるよう、さらなる質の向上を図ってまいります。  また、子育て環境の充実につきましては、昨年4月、究極の子育て・教育立市を目指し、全国に先駆け、子どもや若者のさまざまな相談や支援を行う中核的施設として子ども・若者総合支援センターを開設し、教育や福祉の垣根を越えた横断的組織による総合的、継続的な支援を行ってまいりました。新年度には、この組織をさらに進化させ、子どもや子育てにかかわる施策を包括し、少子化対策の総合的な企画立案及び戦略的な事業展開を図るため子ども未来部を創設し、本市の子育て環境の魅力に一層磨きをかけてまいります。  続きまして、2本目の柱であります産業・雇用の創出や地域の活力を高める「働きの場」についてであります。  将来にわたって活力ある持続性の高いまちづくりを進めるためには、定住人口及び交流人口の増加を図り、地域経済を活性化させることで生まれる税収を新たな行政需要に投資する好循環の創出が重要であります。このため若い世代を中心とした定住人口の増加につながる新たな雇用や産業の創出を促進するとともに、本市ならではの、かけがえのない地域資源を最大限活用した観光振興や、中心市街地活性化などを通じた交流人口の増加を一層進めてまいります。  まず、産業・雇用の創出につきましては、東海環状自動車道の全線開通を視野に入れ、本市の玄関口となる(仮称)岐阜インター及び(仮称)岐阜三輪スマートインターの開設に向け、交通アクセスや防災面でのメリットを生かした企業誘致を推進するほか、農業分野におきましても地産地消を進め、ぎふ野菜のブランド化を図るとともに、製薬業発祥の地として、薬科大学と連携した薬用作物の産地化に向けた取り組みなどを進めてまいります。  また、観光振興におきましては、本市の重要な観光資源であります「長良川の鵜飼漁の技術」について、長年の努力が実り、今月の2日、国の重要無形民俗文化財の指定を受けたところであります。今後、ユネスコの世界無形文化遺産登録を目指し、国内のみならず、この1年で観覧船に乗船された方が倍増いたしました外国人観光客などに向けて、幅広く鵜飼の魅力をアピールしてまいります。  さらに、中心市街地活性化につきましては、岐阜シティ・タワー43、岐阜スカイウイング37に続く、岐阜駅前第3のランドマークとなります岐阜駅東地区や、柳ケ瀬活性化の起爆剤としての機能が期待される高島屋南地区における市街地再開発事業を推進し、まちなか居住の促進や市街地の魅力向上に取り組んでまいります。  次に、3つ目の柱となる健康や医療など、市民の皆様の健やかな暮らしを守る「支えの場」についてであります。  人生80年時代と言われるようになり、幼少期から老年期までの長い人生を心豊かに生き生きと暮らし続ける健康長寿社会の実現が急務となっております。オランダの哲学者エラスムスが残した、「予防は治療にまさる」との言葉のとおり、病気になってから苦しい治療を受けるのではなく、常日ごろから病気にならない健康な体づくりに心がけることが実りある人生を送る上で大変重要であります。加えて、こうした健康づくりの推進により病気にかかる方が減少し、社会保障費、特に医療費の抑制を図ることが期待できます。市民の皆様のみならず、行政にとってもまさに事前の一策となる健康のまちづくりに引き続き全力で取り組んでまいります。  新年度は「歩く」を基本としたスマートウエルネスぎふの理念に基づき、健幸ウォークを初めとする市民総参加型の取り組みを促すとともに、健康づくりの拠点となる(仮称)長良川防災・健康ステーションを整備するほか、「ぎふメディアコスモス」に先立ち完成した「せせらぎの並木 テニテオ」や岐阜駅高富線梶川工区など、思わず歩きたくなるような道路の整備を一層推進し、健康寿命の延伸を図ってまいります。  さらに、今後、急速なペースで高齢化が進むことに伴い、社会保障費の増加そのものが避けられない状況であることから、福祉・健康・医療など市民の健やかな生活を安定的に支える事業の財源とすることを目的に、事前の一策として、新たに市民福祉健康医療基金を創設し、所要の積み立てを行ってまいります。  また、一方で、万一病気になった場合においても安心して医療を受けられる事後の一策といたしましては、市民の健康と命を守る最後のとりでである岐阜市民病院におきまして、早期のがん細胞の発見を可能とするPET-CTの導入に着手するほか、集中治療室・ICUから一般病棟に移る前の重症患者を看護する高度治療室・HCUを整備するなど、先進医療のさらなる充実に努めてまいります。  最後に、4つ目の柱となる災害を防ぐ「守りの場」についてであります。  自然災害の脅威を痛感させられた東日本大震災から4年を迎えようとしております。被災地の復興が徐々に進む中で年月の経過とともに、ややもすると震災の記憶が風化し、災害に対する意識が薄れてくることが懸念されます。昨年の夏に発生した広島市における大規模な土砂災害や福知山市での内水氾濫など、全国で自然災害が相次いで発生しており、公助のさらなる充実が求められております。また、去る11月に発生しました長野県北部での地震では最大震度6弱を記録し、多くの家屋が倒壊したにもかかわらず、住民同士の助け合いによる早期の救出により死者が出なかったことで、自助や共助がこれまで以上に重要であると認識させられたところであります。  こうしたことから、新年度は災害時の迅速、的確な情報発信はもとより、住宅や公共施設の耐震化、あるいは市街地の内水対策を推進するなど、さまざまな公助の施策を行ってまいります。また、洪水や地震などの災害に応じて市民が適切に避難できるよう災害種別につくられているハザードマップを各地域ごとに統合し全戸配布するなど、市民の命を守る施策を一層推進してまいります。  災害発生時はもとより、復旧・復興時の司令塔となり、いかなる場合においても市民の皆様の安全、安心を支える新庁舎の建設につきましては、昨年の11月議会において岐阜大学医学部等跡地への移転が可決されましたことを踏まえ、引き続きパブリックインボルブメントを重視しながら、新年度には設計を進めるなど、合併特例債の活用期限である平成32年度の完成を目指し、事業進捗を図ってまいります。  これら4本の柱から成る重点政策の推進を支え、複雑・多様化する行財政需要に着実に対応できるよう、これまで継続的に取り組んでまいりました職員定数や給与の適正化、普通債残高の一貫した縮減、さらには、民間活力の積極的な活用など、たゆまぬ行財政改革を引き続き進め、健全な財政運営に努めてまいります。  本年2月に策定いたしました行財政改革大綱2015及び今後5年間の改革の道筋を示す行財政改革プランにおきましては、繰越金等の留保資金及び市債の適正管理に係る財政規律の指標を新たに病院、市場及び上下水道の企業会計にも設定をし、一般会計のみならず、市全体の財政基盤強化に努めてまいります。  さらには、学校や道路など、さまざまな公共施設の老朽化につきましては、昨年度策定いたしました公共施設白書におきまして、今後50年間で約1兆円という莫大な更新費用が発生すると見込まれることから、新年度には施設の長寿命化、統廃合など、あらゆる対策を視野に入れ、今後の管理方針及びマネジメント体制を確立するため、公共施設等総合管理計画の策定に着手をしてまいります。  今後とも市民ニーズに即した行政のあるべき姿を絶えず考えるとともに、地方分権社会の中で職員みずからが創意工夫し、市民目線に立った施策構築を率先して行える組織風土の醸成に取り組み、みずからの権限と責任で規律を持った行財政経営に努めてまいります。
     続きまして、新年度予算案について申し上げます。  まず、市税収入などの歳入についてであります。  歳入の根幹であります市税収入につきましては、個人市民税が個人所得の増などにより3億円の増となる一方、法人市民税が法人税率の税率引き下げの影響で1億円の減、固定資産税が評価がえにより2億円の減となるなどの結果、全体で本年度と同額の648億円を見込んでおります。  また、地方消費税交付金につきましては、昨年4月の消費税率引き上げ影響の通年化によりまして15億円の増を見込む一方、地方交付税に臨時財政対策債を加えた実質的な地方交付税につきましては、本年度の決算見込み及び地方財政計画などから、本年度当初予算と比べ20億円の減を見込んでおり、これらを合わせた一般財源は前年度に比べ約2億円の減となる見込みであります。  一方、歳出につきましては、高齢化の進展等に伴い、福祉や医療などの社会保障費が大幅に増加しております。さらに、「ぎふメディアコスモス」の建設は完了したものの、小中学校の改修など教育施設の整備や、岐阜公園、ファミリーパークの再整備を初めとする都市公園、あるいは(仮称)長良川防災・健康ステーションの整備など、大規模な財政需要も見込まれております。  本市財政を取り巻く環境は依然として厳しい状況にある中、市民ニーズを的確に把握し、中・長期的な展望に立った大胆な選択と集中を行い、引き続き健全財政の維持に努めてまいります。  少子・高齢社会の進展、あるいは地方創生への対応などに当たり、これまでの内なる挑戦である、出ずるを制すから、外への挑戦である、入りを図る攻めの行政を展開し、未来に希望を持てる岐阜市をつくり上げるため、市民の皆様とともに果敢に挑戦するという思いで新年度予算の編成に当たりました。  この結果、平成27年度の予算規模は、     一般会計は、過去最大規模の前年度に次ぐ 1,568億6,000万円     特別会計は               1,114億7,290万円     企業会計は            483億6,419万6,000円     総計は            3,166億9,709万6,000円 となり、  平成26年度当初予算と比較いたしますと、     一般会計で      14億7,000万円 率にして、0.9%の減     特別会計で     110億5,190万円     11.0%の増     企業会計で 11億5,762万6,000円      2.5%の増とし、     全体では 107億3,952万6,000円      3.5%の増 となったところであります。  それでは、当初予算案の主要な施策の大要につきまして、「人・まち・自然 個性輝く市民協働都市ぎふ」づくりを目指す、ぎふ躍動プラン・21が掲げる4つの将来都市像に沿って、順次御説明をいたします。  最初に、少子・高齢化社会への対応や福祉・健康・医療の充実、防災対策など市民の安全、安心の確保、市民の支え合いによる福祉の増進などを通じ、誰もが安心して暮らせる都市を実現していくための施策について申し上げます。  まず、子育て支援についてであります。  民間の研究団体「日本創成会議」が、2040年までの30年間に20代、30代の若い女性が50%減少すると推計される全国896市町村を消滅可能性都市とし、そのリストを昨年5月に発表したことは大きな衝撃を持って受けとめられました。こうした人口減少に対する警鐘を踏まえ、これまでにも増して少子化対策の充実が求められております。  かかる施策を推進することは、若い世代の定住を促し、将来にわたって都市の活力を高めていく重要な要素となることから、本市におきましては、新年度に子育てで選ばれるまち岐阜を実現するための核となる子ども未来部を創設し、子どもや子育てにかかわる施策を一元的、かつ戦略的に推進する体制を構築してまいります。この新たな組織におきましては、少子化対策に係る総合的な施策の構築を初め、各種給付、ひとり親家庭の自立支援、質の高い幼児教育・保育の提供などのほか、若年層を取り巻くさまざまな悩みに対処する子ども・若者総合支援センターを所管し、これらを一体的に推し進めることで、さらなる子育て環境の充実を図ってまいります。  また、全小学校で開設しております留守家庭児童会につきましては、新年度から国に合わせ放課後児童クラブと改称し、受け入れ対象学年を現在の3年生から6年生まで順次拡大してまいります。さらには、利用時間につきましても全小学校において午後6時まで延長するとともに、保護者の就労実態や利用希望に応じ、22カ所において午後7時まで延長するなど、子育て世代のさらなる支援に努めてまいります。  次に、高齢者、障がい者の地域における生活支援について申し上げます。  いわゆる団塊世代が65歳を迎える中、本市におきましては人口に占める65歳以上の高齢者の割合である高齢化率が26%と、4人に1人以上が高齢者となっており、核家族化の進展なども相まって、高齢者のひとり暮らし世帯や老々世帯が増加しつつあります。加えて、地域の連帯感が希薄化する中で、多くの方々はできる限り長く住みなれた地域で生活することを望んでおられます。このような状況を踏まえ、近隣住民による日常の見守りと地域での見守り・助け合い活動をより一層推進するとともに、災害時の避難行動支援を一体的に進める活動を立ち上げるなど、新年度からの第3期地域福祉計画及び第6期高齢者福祉計画に基づき、高齢者の方々が住みなれた地域で安心して暮らせるよう総合的な生活支援を進めてまいります。  また、障がい児、障がい者に対する施策といたしましては、新年度からの第3次障害者計画に基づき、障がいの有無にかかわらず、誰もが自立して暮らせるまちを目指し、障がいや障がい者に対する理解を促す取り組みを充実し、障がい者に対する差別の解消を図るとともに、障がい者が抱える課題の解決や地域での暮らしをよりきめ細かく支援できる相談体制の強化を図ってまいります。  生活保護につきましては、リーマン・ショック以降急増した保護者数は現在その伸びが収束しつつあるものの、高齢化に伴い依然として増加傾向にあります。本市におきましては、これまでも生活保護受給世帯への就労・教育支援等に加え、生活保護に至らぬよう住宅手当の支給や「はたらき支援ルーム」による就労支援などを実施してまいりました。新年度には、生活保護に至る前の自立支援の強化を図る生活困窮者自立支援制度の運用が始まることに合わせ、多重債務の整理や住まい、就労、健康などに不安がある方の相談窓口を開設するなど、自立に向けたさらなる支援を展開してまいります。  次に、健康増進、医療の充実について申し上げます。  我が国は、平成25年の女性の平均寿命が87歳と2年連続世界1位となり、男性につきましても初めて80歳を超えるなど、世界有数の長寿国となっております。こうした中、本市におきましては、平均寿命を延ばすだけではなくて、糖尿病などの生活習慣病を予防し、認知症や寝たきりにならず、元気で健康に生活できる健康寿命の延伸を図るさまざまな施策に取り組み、市民誰もが心も体も健康(幸)で生きがいを持ち安心して暮らせるまち、また、住めば自然に元気で健康になれるまちを目指し、スマートウエルネスぎふを積極的に推進しております。  健康づくりの基本は体を動かすことであり、特に歩くことは最も身近で手軽な運動であります。この歩きを推進するきっかけとして、平成23年度からスマートウエルネスぎふ健幸ウォークを開催し、毎年約1万人の皆様に歩くことのすばらしさを体感していただいております。新年度は、これまでの市民健康まつりや岐阜市農業まつりに加え、新たに音楽に触れながら心地よく歩ける「さんぽde野外ライブ」を同日開催し、さらに多くの方々に楽しんで歩いていただけるよう取り組んでまいります。  また、歴史的な町並みや岐阜公園などの観光資源が集積する岐阜駅高富線梶川工区におきまして、歩行者と自転車を分離して歩行空間の安全性を確保することに合わせ、電柱の、──いや、失礼。──電線の地中化、植栽、せせらぎ水路の整備を進めるほか、「ぎふメディアコスモス」におきましては「せせらぎの並木 テニテオ」のカツラ並木の整備とあわせ、「みんなの広場 カオカオ」にミストやベンチを整備するなど、市内各所において誰もが歩きたくなる環境を創出してまいります。  健康づくりの拠点につきましては、柳ケ瀬ウエルネスエリアの拠点、柳ケ瀬健康ステーションに続き、長良川うかいミュージアムから金華橋かいわいを含む長良川ウエルネスエリアの拠点となる(仮称)長良川防災・健康ステーションの整備を進めてまいります。この施設は、洪水時は指令室や水防倉庫などを備えた水防活動の拠点となる一方、平常時には運動教室の実施や健康測定機器、シャワー室の利用などができる健康増進の拠点として市民の皆様に広く活用していただけるものとしてまいります。  また、口腔内の健康につきましては、さまざまな疾病の原因を早期に発見し治療につなげることが重要であることから、現在、30歳から70歳までの10歳刻みの節目年齢の方に対し実施をしております歯科検診の助成について、新年度からは対象をさらに広げ5歳刻みとするなど、予防医療の充実を図ってまいります。  国民皆保険を支える国民健康保険につきましては、保険財政運営の安定化を図るため、平成30年度から運営主体が都道府県へ移管されることとなっておりますが、高齢化の進展等による医療費の増加に対応しつつ、引き続き安定した事業が継続できるよう努めてまいります。  また、地域医療の拠点であります市民病院におきましては、重症患者を看護する集中治療室・ICUと一般病棟の中間に位置いたします高度治療室・HCUの整備を引き続き進めるとともに、がん診療の機能強化といたしまして、全身のがんの有無、また、がんがあった場合にはその正確な場所の特定や広がりを一度に検査可能な装置でありますPET-CTについて、平成28年度の導入に向けて準備を進めてまいります。昨年6月には、経営の健全性が確保されていることや地域医療に重要な役割を果たしていることが総合的に評価され、自治体立優良病院表彰の最高位となります総務大臣表彰を受賞いたしました。今後におきましても、より高度で質の高い医療の提供に努め、高度急性期病院としての使命を果たすべく、さらなる医療環境の充実を図ってまいります。  次に、市民生活の安全についてであります。  犯罪抑止や事件の早期解決に効果を発揮する防犯カメラの整備につきましては、暴力団排除条例に基づく中心市街地約100ヘクタールの特別強化地域のほか、乗降客が多い西岐阜駅周辺につきまして、地域住民等によるカメラの設置に対し支援を行ってまいります。  また、消費者被害への対策といたしましては、被害が多様化し複雑化する状況を踏まえ、消費者教育を体系的、かつ多様な主体が連携し推進することを目的として消費者教育推進計画を策定するとともに、特殊詐欺被害額が過去最悪を更新する中、詐欺の標的となりやすい高齢者世帯を中心に通話録音装置の無料貸し出しを行い、被害の未然防止を図ってまいります。  次に、総合防災体制の充実強化について申し上げます。  災害から市民の生命、財産、暮らしを守るため、災害に強いまちづくりを目指し、近年頻発する異常気象や大規模地震災害の発生を視野に入れた防災体制の充実強化及び被害を最小化する減災対策など各種施策を進めてまいります。  南海トラフ巨大地震等の大規模災害発生時に司令塔の役割を担う庁舎につきましては、発災時における迅速な初動や円滑な復旧、復興、市民生活に直結した行政サービスの継続を可能とするため、すぐれた耐震性を備えると同時に、市民の皆様の利便性を大きく向上させるワンストップサービスやユニバーサルデザイン等の機能をあわせ持つ施設となるよう取り組んでまいります。  災害避難者支援といたしましては、南海トラフ巨大地震の被害想定調査の結果を踏まえ、避難者の受け入れ体制を充実するため、市内の小学校に加え全中学校に防災倉庫を設置するとともに、さらなる防災資機材の増強を図ってまいります。  また、災害発生時の避難等に関する情報伝達の強化を図るため、引き続き防災行政無線子局の増設を進めてまいります。  さらに、市民一人一人が防災知識を身につけ、自発的に迅速かつ的確な防災・減災行動がとれるよう、これまでに作成した地震ハザードマップや土砂災害ハザードマップ等を統合した「防災安心読本」を作成し全戸配布をするなど、防災意識の向上に努めてまいります。  消防力の充実強化につきましては、老朽化が進んでおります岐阜南消防署について、新年度には実施設計及び移転予定地の造成工事を行い、平成29年度の完成に向け着実に整備を進めるとともに、119番通報を受信する消防指令システムの機能強化を図るため、機器更新に向けた実施設計に着手をしてまいります。  また、建築物の耐震化につきましては、耐震化整備計画に基づき、学校や保育所など市有施設について、新年度中の完了に向けた整備を進めるとともに、民間建築物につきましては、木造住宅の無料耐震診断及び耐震補強工事に対する助成などを継続してまいります。  さらに、災害時の交通確保に重要な役割を果たす橋梁につきましては、避難所や病院に近接した箇所などを対象に策定をいたしました第3期橋梁耐震補強事業計画に基づく耐震化を新年度中に完了し、今後のさらなる整備に向けた事業計画を策定するとともに、定期的に近接目視点検を行い、老朽度の実態を把握し、計画的な補修、更新を行ってまいります。  また、内水対策といたしましては、頻発する局地的な集中豪雨への備えとして、新たに浸水被害軽減整備計画を策定し、浸水の原因に応じた効果的な側溝、水路等の改修を進めるほか、市街地での排水機能を補完するため、本年度工事を完了した梶川町貯留槽に加え、明郷小学校の校庭に雨水を表面貯留できるよう整備を進めてまいります。加えて、老朽化した荒田論田排水機場を初め、市内各所の排水機場や貯留槽の設備更新を着実に進めるなど、水害に対する多面的な備えを図ってまいります。  次に、便利で快適な都市の実現のため、持続可能な低炭素社会、循環型社会の構築に努め、自然との共生を図るとともに、利便性の高い生活環境の充実に努めていくための施策について申し上げます。  最初に、地球環境保全対策の推進についてであります。  本市には、日照時間が長いことに加え、豊富な地下水を有するという大きな強みがあります。この強みを生かした太陽光や地中熱などの再生可能エネルギーを最大限に活用する省エネ都市・スマートシティ岐阜の確立に向けた諸施策を推進してまいります。  まず、市有施設における省エネの取り組みといたしましては、本年7月開館予定の「ぎふメディアコスモス」において、地下水と太陽熱を取り入れた空調システムや太陽光発電を導入するとともに、中央卸売市場におきましても照明のLED化及び太陽光発電導入に向けた改修工事に着手するなど、省電力化への取り組みを推進してまいります。  さらに、エネルギーの分散自立化を目指すスマートシティ岐阜実証事業につきましては、昨年9月に設備設置工事が完了した明郷小学校と本郷公民館において、LEDや地中熱を利用した空調システムなどによる省エネ、太陽光発電などによる創エネ、エネルギーを蓄電池に蓄える蓄エネ、さらには、エネルギーを効率よく融通し合う譲エネを実施し、災害時における電力確保策を初め、エネルギー利用率や電力自給率、二酸化炭素削減率など、さまざまな効果についての検証を進めてまいります。  また、スマートシティ岐阜構築支援事業として、新たに地中熱を利用した地中熱ヒートポンプ空調設備設置に対する助成制度を創設し、現在実施している家庭用燃料電池や蓄電池設置補助とあわせ、さらなる省エネを推進するとともに、再生可能エネルギーの普及拡大を図ってまいります。  次に、自然環境の保全について申し上げます。  長良川や金華山に代表される本市の豊かな自然環境は、多種多様な動植物の生息、生育の場として大変貴重なものであります。また、我々の暮らしは、こうした環境で育まれた多様な生物がかかわり合う生態系から得られる恵みによって支えられております。こうした認識を高め、日々の生活の中において本市の豊かな自然環境の保全に努め、これを確実に次の世代へ引き継いでいくことが重要であります。  このため本年度、貴重な動植物及び外来種の生息状況を明確にするため作成した岐阜市版レッドリスト・ブルーリストを活用しながら、新年度には、本市独自の生物多様性地域戦略を策定し、市民、事業者、行政が一体となった自然環境保全の取り組みを進めてまいります。  次に、ごみ減量・資源化の推進について申し上げます。  生態系の保全や美しい住環境及び都市景観を誇りを持って次の世代に継承するためには、ごみの発生抑制や資源の循環的利用、廃棄物の適正処理を図り、地球環境への負荷を減らし、日常的に資源を有効活用する循環型社会を構築していく必要があります。そのため引き続きごみ減量・資源化指針2011に基づき、ごみ減量の主役である市民や事業者と行政が一体となって取り組む「ごみ1/3減量大作戦」市民運動を進めてまいります。  とりわけ雑がみ回収につきましては、回収量が昨年に比べ倍増しており、取り組みの効果が確実にあらわれていることから、引き続き啓発を進めるとともに、資源分別回収や古紙回収用ボックスの設置などを通じた地域みずからの取り組みを支援し、ごみの減量化、資源化に努めてまいります。  さらに、清潔で快適な生活環境の実現のため、ごみ処理施設など環境施設の整備を着実に行ってまいります。ごみ処理施設につきましては、東部クリーンセンター、掛洞プラントにおいて一般廃棄物処理施設長寿命化計画に基づく基幹的設備の改良工事を進めてまいりました。また、し尿処理施設につきましても、寺田プラントの維持管理コストの縮減などを目的とした改造工事を実施しており、いずれも新年度には全ての工事が完了する予定であります。  さらに、下水道事業につきましては、中部プラントの改築を引き続き進めるとともに、新年度には北東部地域の管渠整備が完了することから、市街化調整区域につきましても地域特性等を勘案しながら整備に着手をしてまいります。引き続き施設の安定的な稼働を確保するとともに、快適な生活を享受できる環境づくりに努めてまいります。  産業廃棄物不法投棄事案につきましては、現場及び周辺のモニタリング調査を継続してきておりますが、本年度実施した止水壁改造工事後の状況を確認し、今後も引き続き環境への影響を監視していくとともに、行政代執行のため設置をした仮設構造物の撤去に向け準備を進めてまいります。なお、不法投棄行為者等への責任追及につきましては、引き続き専門家の助言を得ながら行政代執行等の費用回収に全力で取り組んでまいります。  次に、利便性の高い生活環境の充実について申し上げます。  交通政策につきましては、総合交通戦略に掲げる誰もが自由に移動できる交通環境社会、いわゆる交通ユビキタス社会の実現に向け、コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりを目指す諸施策を推進してまいります。  総合交通戦略の柱となりますバス交通に関しましては、路線バスとコミュニティバスとの連携を図るなど、公共交通のネットワーク化を進めてまいります。特にコミュニティバスにつきましては、新たに長森北・西・東地区及び日野地区の2地区において導入を予定しております。その結果、計18地区での運行となります。今後とも地域との連携を図りながら、さらなる導入を進めてまいります。  次に、中心市街地ににぎわいを取り戻し、まちなか居住の推進を図るとともに、本市の歴史や文化、自然を生かした観光や多様な産業の振興、雇用の確保などにより、活力あふれる都市を実現するための施策について申し上げます。  まず、にぎわいある中心市街地の創出についてであります。  中心市街地を形成する岐阜駅周辺から柳ケ瀬、岐阜大学医学部等跡地に至る区域につきましては、引き続き2期中心市街地活性化基本計画に基づき、にぎわいの創出やまちなか居住の推進を図るため、さまざまな取り組みを進めてまいります。  知、絆、文化の拠点として、本市の教育立市、市民協働のまちづくりの象徴となる「ぎふメディアコスモス」におきましては、中心市街地における新たな人や物の動きを創出する起爆剤として、多様なニーズに基づく幅広い世代の利用が期待されますことから、年間100万人を見込む来館者による新たなにぎわいが創出されるものと期待しております。また、あわせて整備をいたします「みんなの広場 カオカオ」につきましても、ミストやベンチなどを整備し、市民の皆様が集い、にぎわい、触れ合う空間を一体的に提供してまいります。  市街地再開発事業につきましては、岐阜シティ・タワー43と岐阜スカイウイング37のツインタワーが本市のシンボルとしてにぎわいの創出に貢献しておりますが、新年度には、岐阜駅東地区において平成29年度の完成を目指し建設工事が開始されるとともに、高島屋南地区におきましても設計や各種調査が進められる予定となっており、まちなか居住、商業の活性化が一層図られるものと期待しております。  また、名鉄高架事業につきましては、全体計画区間約2.9キロメートルの平成28年度中の都市計画決定に向け、県、名鉄と連携し事業計画を推進する一方、事業開始以降の高架化や統合駅周辺の区画整理事業などに要する財源として、新年度も引き続き鉄道高架事業基金に所要の積み立てを行ってまいります。  次に、観光の振興について申し上げます。  本市におきましては、これまでも金華山や長良川などの自然環境、さらには、織田信長公や長良川鵜飼などの歴史、文化を生かした観光振興に取り組んでまいりました。とりわけ織田信長公は1567年、「井ノ口」と呼ばれた地名を「岐阜」に改めるとともに、以降足かけ10年、岐阜を本拠地として天下平定を目指し、楽市楽座やおもてなし文化としての鵜飼の活用、保護に尽力するなど、本市の礎を築いた地域の宝であります。  2年後の平成29年・2017年は織田信長公が岐阜に入城して450年の節目の年を迎えることから、本市を広くアピールする絶好のチャンスと捉え、官民一体となったオール岐阜市として信長公450プロジェクトを始動し、信長公ゆかりの都市ブランドを広く国内外に発信してまいります。  新年度には、岐阜城跡並びに信長公居館のバーチャルリアリティー技術による映像作成に着手するとともに、周年事業の開催に向け実行委員会を立ち上げるほか、DVDやロゴマーク等を作成するなど積極的なプロモーションを行ってまいります。  また、1300年以上の歴史を有する長良川鵜飼につきましては、その舞台となる長良川中流域が昨年3月に東海地区で初となる国の重要文化的景観に選定をされました。これに引き続き長きにわたり、そのいにしえの姿をそのままに継承されてきたことから、このたび、「長良川の鵜飼漁の技術」が国の重要無形民俗文化財に指定されました。こうした悠久の歴史を持ち、高い文化的価値を有する長良川鵜飼文化の魅力を国内外へ積極的に発信をしてまいります。  さらに、多様な観光資源を創出し、まちの魅力を一層向上させるため、新年度で13回目を迎え、全国から若い世代が集い、腕を競う全日本学生落語選手権の開催や、長良川温泉旅館協同組合が川原町等で開催する長良川温泊──失礼。──長良川温泉泊覧会、いわゆる「おんぱく」への支援など、滞在型観光資源の充実に引き続き取り組んでまいります。  こうした中、国の観光立国実現に向けた取り組みにより、昨年、訪日外国人が初めて1,300万人を突破し、本市におきましても海外からの旅行者が年々増加していることから、さらなる誘客に向け、本市の豊富な観光資源を国内外へPRすることが重要であります。このため都市間交流を締結する富山市や、下呂市、郡上市との広域連携、あるいは観光関係団体との連携により、外国人観光客の誘致や特産品の販路拡大などを行う海外インバウンドを積極的に推進してまいります。  次に、産業の振興について申し上げます。  国の経済政策により大企業を中心に徐々に業績が回復しつつあるものの、その効果は地方経済に十分及んでおらず、本市経済を支える中小企業の経営はいまだ厳しい環境にあります。このため岐阜市信用保証協会を活用した融資制度の充実策として、信用保証料の補填拡大を継続し、企業の負担を軽減するなど、市内中小企業者の資金繰りの円滑化を支援するとともに、工場立地法に規定される緑地面積率の規制を緩和し、工場施設の拡張を容易にすることで、既存の市内企業の振興を図ってまいります。  また、新たに7月開館予定の中央図書館におきまして、創業及び経営に関する相談窓口の設置やセミナーの開催などによるビジネスチャレンジ支援事業を実施し、新産業の創出を促進することにより、市内産業の活性化を進めてまいります。  企業誘致につきましては、柳津地区に整備いたしましたものづくり産業集積地が昨年6月に完売し、さらなる雇用の創出や地域の活性化につながるものと期待をしております。今後は平成32年の東海環状自動車道全線開通に向け、インターチェンジが設置される三輪地域、黒野地域におきましても、ものづくり産業に限定せず多様な業種の集積を図るなど、全力で企業誘致に取り組んでまいります。  次に、農業の振興について申し上げます。  国では農林水産業を成長産業と捉え、農業・農村の所得倍増や食料自給率向上に向け、6次産業化の加速、多様な担い手の育成・確保及び農地の集積・集約化などの取り組みを積極的に推進しております。  本市におきましても、新規就農者の育成など担い手に対する支援として、農地中間管理事業の活用により農地集積を進めるとともに、生産性の向上に必要な施設整備や機械化のための支援を拡大するなど、農業経営の安定、強化を図り、これまで取り組んできた地産地消立市をさらに推進してまいります。  その一例といたしまして、本年度実施した薬用作物産地化調査の結果を踏まえ、新年度は薬用作物の栽培を通して栽培技術の習得や栽培面積の拡大を図るなど、新たな産地化の確立やブランド化に向けた取り組みを進めてまいります。さらに、本市の安全、安心な特産農産物を「ぎふベジ」と称し、「ぎふ野菜ブランド」として広く情報発信していくため、農業体験と観光資源の活用を融合させた岐阜市版グリーンツーリズムを展開していくほか、JR岐阜駅前で開催する岐阜市農業まつり、金公園で開催する農業楽市など各種イベント及び岐阜公園総合案内所付近で開かれる朝市などの場を活用し、積極的なPR活動を行ってまいります。  次に、本市の魅力の発信について申し上げます。  さきに申しましたように、本市は織田信長公や長良川鵜飼などの歴史、文化、金華山や長良川などの自然環境、さらには、充実した教育、医療環境など、魅力あふれる地域資源を豊富に有しております。これらをより生かすためには、国内外に本市の魅力を積極的に情報発信していくことが重要であります。2年後の平成29年には信長公入城450周年が、さらに5年後には東京オリンピック・パラリンピックの開催が迫っており、本市の都市ブランドイメージを広く定着させていくことが喫緊の課題であると認識しております。  新年度は引き続き外部委員による岐阜都市ブランド戦略会議を開催し、地域ブランド化のためのアイデアを集約するとともに、クールぎふプロデューサーを中心にビジネスや観光など市外からの来訪者をふやすため、「岐阜らしさ」、「岐阜ならでは」といった魅力ある情報をウエブサイト化し、インターネットを経由して全世界に発信するなど、さまざまな手法により岐阜市のブランドイメージの向上を図ってまいります。  次に、心の豊かさを実感でき、人生を楽しむことができる都市の実現のため、市民協働のまちづくり、学校教育、生涯学習の充実など、さまざまな人づくり施策を推進するとともに、文化の継承、創造に努めていくための施策について申し上げます。  地方分権の進展に加え、個人の価値観が複雑・多様化する中、我々地方自治体は画一的な行政経営から脱却するとともに、市民と行政が対等のパートナーとして地域の公共的課題の解決に向け、ともに考え、地域の特色を生かした個性豊かなまちづくりを行うことが求められております。その実現に向けては行政の重要なパートナーである自治会を初め、各種団体、NPOや企業など、新しい公共として積極的に公益サービスの担い手となることが重要であります。  そのため市民誰もが気軽に訪れ、さまざまな市民活動に接することで、人のつながりや交流が生まれる絆の拠点として、「ぎふメディアコスモス」に市民活動交流センターを設置し、市民と行政との協働のまちづくりを推進してまいります。この市民活動交流センターにおきましては、まちづくり協議会の設立支援を初め、市民の創意工夫による主体的な活動提案を支援する市民活動支援事業、公共空間の清掃活動を行う岐阜版アダプト・プログラムなどの取り組みを推進し、地域の活力をより一層引き出してまいります。  また、外国人、シニア世代などを含めた幅広い方々から、ボランティアや市民活動に関する相談を受ける窓口の設置のほか、市民活動団体に対する事務所スペースの貸し出し、人材の育成及び派遣、さらには、市民活動の企画立案など、さまざまな中間支援機能を集約してまいります。  また、外国人市民の持つ多様な文化を新たなまちの魅力とするため、外国文化を身近に感じ、外国人市民とも気軽に交流できる多文化交流プラザを展開し、新たな多文化共生、国際交流の推進に取り組んでまいります。  続いて、生涯学習の推進について申し上げます。  人が生きがいを持ち、心豊かで充実した人生を送るためには、身の回りにあるさまざまな事柄に関心を持ち、学び、その成果を生かしていくことが大切であります。そのため学んだ成果を地域づくりなどに生かす生涯学習を引き続き推進し、地域づくり活動を担う人材の養成に努めてまいります。  本市の知の拠点となる「ぎふメディアコスモス」の中央図書館におきましては、蔵書数を現在の20万冊から将来的に90万冊と大幅に充実させるとともに、デジタル資料や信長公コーナーの設置など地域の魅力的な歴史、文化を学ぶことができるさまざまな情報を提供してまいります。また、座席数は現在の7倍となる910席とし、閲覧席のほか、インターネット席、自習のできる学習席、テラス席、リーディングカフェなど、多様なニーズに応え得る読書環境を整備してまいります。さらに、開館時間を午前9時から午後8時までに拡大をし、休館日をおおむね月1回とするなど利便性の向上を図るほか、公募による図書館長を迎え、あらゆる知的ニーズを満たす多様な取り組みを進めてまいります。また、子どもからお年寄りまで楽しく学びながら交流が図れるよう、おはなし会や文学講座、さらには、おもしろい本を紹介し合う、知的書評合戦と言われるビブリオバトルといった図書館ならではの生涯学習事業も実施してまいります。
     生涯スポーツの充実につきましては、市民誰もがスポーツを通じて元気で健康な生活を営むことができるよう、ウオーキングや軽スポーツなどを気軽に楽しめる健幸エンジョイ・スポーツDAYを初めとするさまざまなイベントを開催してまいります。さらに、東京オリンピック・パラリンピックにおいて活躍が期待されるトップアスリートに対する競技力向上のための支援を初め、専門的な指導のもとで競技スポーツに取り組む機会を提供するジュニアスポーツクラブなどの開催や、小中学校などへ地域のスポーツリーダーを派遣するなど、スポーツ活動のさらなる振興を図ってまいります。  また、スポーツ施設の充実につきましては、(仮称)柳津体育館建設を着実に進めるとともに、北西部運動公園隣接地に市民の皆様やFC岐阜の選手を初め、多くの方々が利用でき、トレーニングルームなどの健康増進機能及び交流スペースや会議室などの市民交流機能をあわせ持つスポーツ交流施設を平成28年1月の完成に向け整備するなど、市民の皆様がスポーツにより、健康で豊かな暮らしを創出できる環境整備に取り組んでまいります。  次に、学校教育の充実について申し上げます。  本市におきましては、魅力ある都市岐阜をつくり上げる礎として、未来を切り開き、才能を発揮できる人材を育む教育を最重要施策に掲げ、ソフトとハードの両面から学びを支える良質な教育環境にさらに磨きをかけるとともに、複雑化していく現代社会に対応できるよう未来を担う子どもたちの生きる力を育んでまいります。  まず、ソフト面の施策でありますが、効率的、効果的に基礎学力の定着を図るICT教育の推進につきましては、これまで小中学校などの全教室に設置をいたしました電子黒板とあわせて活用しておりますデジタル教科書について、小学校で既に導入済みの国語、算数、理科、社会の4教科に加え、新たに視覚・聴覚面での効果が見込まれる音楽と書写について導入をいたします。また、モデル校及び岐阜市民病院における院内学級用に導入したタブレットパソコンを用いたICTのさらなる利活用を検証するなど、今後も「わかる、できる授業」の推進を図ってまいります。  理数教育の充実につきましては、子どもの興味、関心を高め、個性や能力をより効果的に引き出すため、昨年度から全小学校にSTEM教員を配置し、理科実験やクラブ指導の充実を図っております。新年度には科学教育の中核施設である科学館におきまして、サイエンスミュージアム整備事業として、学校では体験できない迫力あるサイエンスショーを行うスーパー理科室を整備するとともに、斬新でより魅力あふれる体験型へと進化させるため、常設展示の大幅な更新を行うなど、平成28年春のリニューアルオープンに向け改修を進めてまいります。  英語教育におきましては、さきに申し上げましたように、小学校1年生、2年生においても、新年度から小学校3年生以上と同様に英語科として正式な教科の授業と位置づけるほか、新たに子どもたちが英語で考え、英語でコミュニケーションを図ることを目的に、小学校5年生以上の市内小中学生を対象とした「イングリッシュ・キャンプ in GIFU」を実施し、少年自然の家で夏休み期間中6日間、見るもの、聞くこと、話す言葉、全て英語での生活を送る取り組みを実施いたします。  さらに、子どもたちの将来を見据えたキャリア教育や消費者教育などに引き続き取り組む一方、障がいやいじめなど、一人一人の子どもが抱えるさまざまな配慮すべき問題や諸課題に対しましては、ハートフルサポーターを増員するほか、特別支援教育介助員によるケアを実施し、さらにきめ細かな指導、支援を行ってまいります。  地域に開かれ、支えられる学校づくりを目指す岐阜市型コミュニティ・スクールにつきましては、現在の47校に加え、新たに23校に導入し、新年度には全小中学校と特別支援学校70校で運営をしてまいります。  また、家庭環境が多様化し、土曜日等における子どもの教育活動のニーズが高まっていることから、毎月第1土曜日に各学校の課題に応じた土曜授業を本年度に引き続き全小中学校で実施し、基礎学力の定着や体験活動の充実などを図ってまいります。加えて、新年度には数学や物理に興味を持つ中学生を対象とした高校教諭による高いレベルの授業や、デザイン、作曲などの特別講座を実施する「土曜日の才能教育~ギフティッド~」事業を展開し、さまざまな分野の才能をさらに開花させることができるよう取り組んでまいります。  防災教育といたしましては、新たに学校や地域と連携した防災教育推進事業を立ち上げ、全小中学校がコミュニティ・スクールの機能を生かし、地域と連携して災害図上訓練・DIGなどを実施するほか、小学校で児童や保護者、地域住民などが参加し、被災時を想定した宿泊を伴う防災キャンプをモデル的に実施し、今後の防災教育のあり方を検証してまいります。  次に、ハード面でありますが、快適な学習環境を創出するため整備を進めてまいりましたエアコンの設置につきましては、本年夏には市立の全小中学校においてエアコンが使用できる運びとなります。また、学校施設の耐震化につきましては、引き続き耐震化整備計画に基づき、体育館の耐震補強工事を進めるとともに、災害時に備え、全小学校へのマンホールトイレの整備を進め、地域の防災拠点としての機能強化にも努めてまいります。こうした環境整備に加え、昭和50年代に一斉に整備された校舎の老朽化に伴う建てかえや大規模改修、あるいは共同調理場の整備などに今後多額の財源が必要となる見込みでありますことから、引き続き計画的に教育施設整備基金への所要額を積み立ててまいります。  次に、歴史ある文化の継承について申し上げます。  さきに申しましたとおり、今月2日に伝統に裏づけされた「長良川の鵜飼漁の技術」が国重要無形民俗文化財に指定されたところでありますが、これは本市が目指す長良川鵜飼のユネスコ世界無形文化遺産登録に向けた重要な一歩となるものであります。今後は高い文化財的価値を持つ長良川鵜飼文化の魅力とそのすばらしさをさらに国内外へ発信していくとともに、将来にわたる鵜飼の継承に必要な調査を引き続き進めてまいります。  また、織田信長公居館の発掘調査では、昨年2月に岩盤を背にした広大な庭園が確認され、さらに本年度の調査により、谷川を挟んだ対岸の金箔瓦の建物があった平坦地と橋で結ばれていた可能性が高まり、これらが1つの空間として機能していたことがわかってまいりました。この居館跡を含む国史跡岐阜城跡につきましては、山麓居館の全容解明のため、引き続き発掘調査を進めるとともに、今後の整備に向けた保護と活用の方策を検討してまいります。  次に、新たな都市文化の創造についてであります。  「ぎふメディアコスモス」におきましては、市民の皆様の文化的活動の発表の場となる展示ギャラリーや多目的ホールにおいて、本市ゆかりの芸術家の作品を紹介するメディアコスモス新春美術館を新たに開催するほか、訪れた市民の皆様が気軽に芸術鑑賞できる機会を提供するなど、文化の拠点におけるにぎわいの創出を図ってまいります。  また、健幸ウォークと連携し実施する「さんぽde野外ライブ」では、「みんなの広場 カオカオ」や柳ケ瀬、金公園などの中心市街地を散策しながら、さまざまなジャンルの音楽に触れられる機会を提供するとともに、市民の発表の場の創出を図ってまいります。  さらに、多様な文化・芸術や今に残る伝統の楽しさを伝えるため、小中学校へ芸術家を派遣し、児童生徒の感性に響くライブを実施する「子どもの感性を育てるアートライブ」や「ウエルカム!アーティスト」を引き続き実施するなど、文化・芸術に触れる機会の充実を図ってまいります。  次に、行政の効率化について申し上げます。  社会経済情勢が大きく変化する中で、民間活力の導入、計画的な行財政運営など効率性、実効性を向上させるための不断の努力により、本市が持続的に発展し、あらゆる行政需要にも柔軟に対応できる自主自律の都市経営を確立する必要があります。そのため本年2月に策定いたしました新年度以降の改革の道筋を示す行財政改革大綱2015及び行財政改革プランに基づき、今後もたゆまぬ改革に努め、健全な財政運営を堅持してまいります。  職員定数につきましては、「ぎふメディアコスモス」の開設、子ども未来部の創設など、本市の政策の核となる事業を推進する体制を充実する一方、嘱託化の推進などにより行政サービスの低下を招くことなく、一層のスリム化を進めるとともに、職員の給与についてもさらなる適正化に努めてまいります。  また、職員育成につきましては、女性の活躍を促進する研修を行うほか、住民対応能力向上のため、接遇や英会話など市民サービスに直結する実践的な研修を実施し、職員の資質向上を図るとともに、法令遵守に関する研修などにより内部統制の取り組みを充実させてまいります。  情報システムの最適化につきましては、新年度中の稼働を予定しております福祉・介護保険システムなどの統一的かつ費用対効果の高いシステムへの再構築を進め、市民サービスの向上やコストの削減、業務の効率化をより一層図ってまいります。  さらに、国民の利便性の向上及び公平、公正な社会を実現するため、一人一人に個人番号が付番される社会保障・税番号制度につきましては、平成28年1月からの実施に向けシステム改修などの準備を進めるとともに、本市独自の取り組みとして、交付される個人番号カードにより、全国のコンビニエンスストアにおいて、住民票の写し等の各種証明書が取得できるコンビニ交付サービスを平成28年4月から開始することとし、そのための環境整備を進めてまいります。  以上をもちまして、平成27年度の主要な施策とその大要を申し述べました。  冒頭でも申しましたように、我が国は長引くデフレ不況からの脱却に向け、官民一体となって懸命な取り組みを進めておりますが、少子・高齢化のさらなる進展に伴う人口減少社会の到来により、今後、地域の持続可能性を模索する地方創生などのさまざまな激しい変化、改革の波が押し寄せることが想定されます。こうした中にあって、我々基礎自治体、特に圏域の中心である本市におきましては、かけがえのない自然環境や歴史、文化、さらには、先進的な教育、医療などの豊富な地域資源を磨き高めることにより、人や物が活発に行き交い、未来にわたり活力あふれる都市を目指すあらゆる施策を実行していくことが重要であります。新年度におきましては、これらの施策の実施に向けたさまざまな取り組みによる本市のさらなる魅力を創出するため、これまでの経験を生かしつつ、さらなる高みへ果敢に挑戦するべく、全力を傾注してまいる覚悟でありますので、議員各位及び市民の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。  なお、予算に関係いたします条例なども提案いたしておりますが、それぞれ提案理由が付記してありますので、よろしく御審議の上、適切なる御決定を賜りますようお願い申し上げます。  続きまして、同時に提案をいたしました平成26年度一般会計補正予算及びその他議案について御説明をいたします。  最初に、第55号議案、平成26年度一般会計補正予算についてであります。  さきに申し上げましたように、我が国の経済は緩やかな景気回復基調にあるものの、依然として個人消費には弱さが見られる状況にあります。このため去る2月に個人消費の早急な回復と地方経済の底上げを図るため、生活者支援や地方の活性化、災害・危機対応など、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策を柱とした国の補正予算が成立したところであります。こうした状況の中、本市におきましても、この経済対策に伴う消費喚起や地方創生に係る施策、あるいは防災・減災対策などを中心に所要の予算を計上いたしました。  初めに、国の経済対策に伴う事業につきまして順次御説明を申し上げます。  まず、地域における消費喚起といたしましては、商工費の商工業振興費に、岐阜商工会議所が実施するプレミアム付商品券発行にかかる助成費4億2,500余万円を補正いたします。  次に、地方創生に係る取り組みでありますが、地方版総合戦略の策定及びこれに関連して先行実施する事業について補正するものであります。地方版総合戦略の策定につきましては、昨年12月、国において、まち・ひと・しごと創生総合戦略が策定されたことを受け、国の戦略を勘案した上、各自治体においてそれぞれの地域特性を踏まえた戦略の策定が求められております。このため本市におきましても、魅力的で将来にわたり活力あふれる地域社会を構築するため、総務費の企画費に岐阜市版の総合戦略策定にかかる経費1,000万円を補正いたしました。  また、総合戦略に関連し実施する先行事業といたしましては、まず、本市の歴史ある地域資源を積極的に活用し都市ブランドを確立するため、長良川鵜飼のユネスコ世界無形文化遺産登録に向けた戦略策定やPR活動などの経費840余万円のほか、さきに申しました信長公450プロジェクトに係るプロモーションDVD及び情報発信サイトの作成費用などに400万円を補正いたします。  また、海外からの需要獲得により地域の活性化を促進するため、海外からの観光客を呼び込むプロモーション活動等の経費600万円のほか、外国人観光客の利便性向上のため、岐阜駅観光案内所のリニューアルに係る実施設計や多言語表記ガイドラインの作成、さらには、民間の宿泊・観光施設が行う無線LAN整備にかかる助成費用などに1,900余万円を補正いたします。  また、中心市街地のにぎわい創出等といたしましては、「ぎふメディアコスモス」において実施するイルミナード事業などの自主事業の運営経費2,800余万円及び商店街の空き店舗などを会場とした「まちなか楽市」開催にかかる経費400万円を補正するものであります。  さらに、若い世代の定住促進を図るため、若年層の雇用に対する支援などに1,800余万円を、保育環境の充実を図るため、市立保育所における総合遊具の整備に1億100万円を補正いたします。  また、新規創業や事業創出、さらには、販路拡大による産業の活性化を図るため、起業家発掘のためのセミナーを開催するほか、海外進出、販路開拓を目指す中小企業が行う現地における調査や企業マッチングなどの経費に対する助成などに980余万円を補正するものであります。  加えて、農産物のブランド化、地産地消、販路開拓の一体的な取り組みを推進するため、「ぎふ野菜・ぎふベジ」の認知度とブランド力向上に向け、地産地消推進の店「ぎふ~ど」を活用した販売促進などの取り組みのほか、新たな特産農産品の開発や販路拡大に係る助成などに520余万円を補正いたします。  これら総合戦略の先行事業につきましては、それぞれ所要の費目において措置するとともに、新年度予算に掲げる関連事業と一体的に推進し、効果的かつ効率的に実施をしてまいります。  このほか、防災・減災対策といたしまして、土木費の道路橋梁維持費には、道路のり面整備や橋梁修繕工事などに3,200余万円を補正し、緊急的な補正などの対策を講ずるとともに、道路橋梁新設改良費には、吐樋口橋ほか6橋の橋梁耐震補強工事などに1億1,200余万円を補正いたしました。  以上が国の経済対策に伴うもので、合わせて7億8,400余万円の補正となりますが、完了が次年度になる見込みであることから、繰越明許費として所要の措置を講ずるものであります。  このほか、総務費の行政管理費には、職員の退職手当を3億5,000万円減額補正するとともに、土木費の土木総務費には、道路及び街路に係る県営工事が当初見込みより進捗したことに伴い、その負担金4,200余万円を、水防費には、水防団員の退職予定者が見込みより増加したため、退職報償金790余万円を補正いたしました。  また、都市建設総務費には、「ぎふメディアコスモス」に整備予定でありましたレンタサイクルポートについて、設置場所の再検討を要することから、400万円を減額補正するとともに、平成27年度までの債務負担行為を廃止いたすものであります。  さらに、入札不調等により年度内の着手が困難となりました網代保育所及び三輪北保育所の耐震補強工事、保健所のトイレ改修工事及び岐阜中央中学校体育館の改修工事につきましては新年度に対応することとし、それぞれの費目において事業費計7,900余万円を減額するものであります。  諸支出金につきましては、介護保険事業特別会計への繰出金を補正するものであります。  このほか、完了が次年度になる見込みの事業につきましては、繰越明許費として所要の措置を講ずるものであります。  以上、事業費の補正総額は5億678万4,000円となり、財源内訳といたしまして、     国 庫 支 出 金    6億3,256万6,000円     市債その他特定財源           6,097万円 をもって充てる一方、     繰   越   金    1億8,675万2,000円 を減額するものであります。  あわせて本年度当初予算における財政調整基金からの繰入金45億円につきましては、繰越金等の状況を勘案し繰り戻しを行うなど、歳入の財源更正をするものであります。  さらに、第56号議案、競輪事業特別会計補正予算は、本年度、事業収益の増加が見込まれることから、今後の設備更新に必要となる費用に充てるため、競輪場施設整備基金へ1億円を積み立てるものであります。  第57号議案、国民健康保険事業特別会計補正予算は、平成25年度療養給付費負担金の確定に伴い、国への償還金など2億5,860万7,000円を補正いたすものであります。  第58号議案、介護保険事業特別会計補正予算は、介護サービス利用者の増加が当初見込みを上回るペースで推移していることから、不足が見込まれる介護サービス給付費等に8億4,559万7,000円を補正いたすものであります。  次に、第59号議案から第61号議案は、いずれも条例の改正でありまして、それぞれ提案理由が付記してありますので、説明を省略させていただきます。  第62号議案は、長良西小学校北舎建築主体工事請負契約につきまして、土壌汚染対策の実施による工事中断に伴う費用負担の発生及び資材、労務単価の急激な上昇に伴うインフレスライド条項の適用により契約金額を変更しようとするものであります。  第63号議案は、県道移管などに伴う市道路線の認定、廃止及び変更をしようとするものであります。  次に、報第1号の専決処分事項でありますが、昨年度に引き続き工事の入札不調への対応といたしまして、次年度にわたる執行により早期の事業完了が可能となるよう繰越明許費の補正をいたしたものであります。  以上、補正予算及び関係諸議案を御説明いたしました。よろしく御審議の上、適切なる御決定を賜りますようお願いを申し上げます。どうもありがとうございました。    〔私語する者あり〕             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第67 請願第1号及び第68 請願第2号 11: ◯議長(國井忠男君) 日程第67、請願第1号及び日程第68、請願第2号、以上2件を一括して議題とします。            ───────────────────             請   願   文   書   表                     平成27年第1回(3月)岐阜市議会定例会 ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第1号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│保険薬局への無料低額診療事業に関する請願            │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │平成27年3月5日                       │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市北山1丁目13番18号 すこやか透析センター2F     │ │住所・氏名  │岐阜民医連事務所内                       │ │       │岐阜県社会保障推進協議会 会長 高田一朗 外52件       │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、中川裕子、原 菜穂子、堀田信夫            │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │厚生委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 我が国は国民皆保険制度が確立されているにもかかわらず、経済的な理由で十分な医 │ │療を受けることができない方は少なくない。そのような方は社会福祉法第2条第3項第 │ │9号に規定する「生活困難者のために、無料又は低額な料金で診療を行う事業」、いわ │ │ゆる無料低額診療事業を実施している医療機関において診療を受けることができる。し │ │かし、医薬分業が進展する昨今において保険薬局で処方される薬は、無料低額診療事業 │ │の医療機関を受診した患者であっても当該事業の対象とならず、費用を負担する必要が │ │ある。                                     │ │ このような状況下において、高知市、旭川市及び青森市などでは、市の独自事業とし │ │て無料低額診療事業を受けた患者の保険薬局での薬代の助成を実施しており、私たちは │ │岐阜県下の自治体に赴き、担当部局と社会保障施策に関する交渉を行う自治体懇談会に │ │おいて、当該助成事業の実施を3年にわたり要請してきた。             │ │ ついては、院外処方箋を受け取った患者においても、安心して無料低額診療事業が受 │ │けられるよう下記事項について請願する。                     │ │                   記                    │
    │1 国に対して保険薬局も無料低額診療事業の対象となるよう働きかけること。    │ │2 保険薬局が無料低額診療事業の対象となるまでの期間、岐阜市において薬代の助成 │ │ 制度を設けること。                              │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第2号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│小・中学校の学校給食費についての請願              │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │平成27年3月5日                       │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市徹明通7-13 岐阜県教育会館302号          │ │住所・氏名  │新日本婦人の会岐阜支部 支部長 和田玲子 外73件       │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、中川裕子、原 菜穂子、堀田信夫            │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │文教委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 現在、岐阜市では全ての小中学校において学校給食が実施されている。学校給食は子 │ │どもの心身の健全な発達を助け、食育及び食の安全、安心の観点からも大きな役割を果 │ │たしており、厳しい予算の中、調理現場においては献立や食材の工夫によって対応され │ │ていることに感謝している。                           │ │ このような中、2014年4月の消費税増税に伴い給食費の値上げが実施された。若 │ │い子育て世代の暮らしは非常に厳しく、給食費の値上げにより経済的に困難な家庭ほど │ │負担は大きくなり、子どもが2人以上いる家庭ではなおさら負担が大きい。      │ │ 憲法第26条第2項には「義務教育は、これを無償とする。」と明記されており、ま │ │た、平成20年に改正された学校給食法には「学校における食育の推進」が新たに規定 │ │された。岐阜市においても給食を生きた教材として活用し食育に取り組んでいると思わ │ │れるため、食育という考え方からすれば給食費は無料とするべきである。       │ │ ついては、未来を担う子どもたちのため、下記事項について請願する。       │ │                   記                    │ │1 小中学校に通う子どもが2人以上いる世帯に対し、所得に関係なく第2子から給食 │ │ 費を無料にすること。                             │ └────────────────────────────────────────┘ 12: ◯議長(國井忠男君) 請願の紹介議員において発言の申し出がありますので、これを許します。21番、井深正美君。    〔井深正美君登壇〕(拍手) 13: ◯21番(井深正美君) おはようございます。    〔「おはようございます」と呼ぶ者あり〕  ただいま上程されました2件の請願につきまして、紹介議員を代表しまして、請願の内容について紹介をさせていただきます。  まず最初に、請願第1号保険薬局への無料低額診療事業に関する請願についてです。  提出者は、岐阜県社会保障推進協議会外52件です。  日本は国民皆保険制度ということで、全ての国民が何らかの医療保険に加入することになっており、サラリーマンの加入する協会けんぽなどの社会保険では3割、自営業などの加入する国民健康保険でも3割の自己負担で医療を受けることができる制度になっています。しかし、生活に困窮して保険料が払えず滞納し、資格証明書の交付をされている人、ホームレス状態の人、DV・配偶者間暴力から逃げている場合などでは保険証がないということで、医療を受ける場合には窓口負担が10割負担となります。  こうした状況にある人に対して、医療費を医療機関の持ち出しによって窓口負担を免除や減免を実施し受診してもらうことを無料低額診療と言います。例えば、資格証明書の交付をされている人の場合には、医療機関のケースワーカーが相談に乗り、保険証の交付を申請、自己負担の3割を医療機関が負担をして受診をしてもらうことになります。この制度は、医療機関が社会福祉法で定められた第二種社会福祉事業の1つとして、都道府県または政令市、中核市に届けを出して実施をされています。  全国では2012年で年間延べ706万人が利用し、2009年度より延べ90万人増加しています。無料低額診療を実施している病院、診療所は2012年度において全国で558施設となっていて、岐阜県下では公益社団法人岐阜病院を初め、勤労者医療協会みどり病院など5施設となっています。  しかし、これまで院内薬局によって薬が処方されていたものが、医薬分業が進み院外処方がふえる中、調剤薬局において処方される薬については無料低額診療の対象にはなっていないことから、自己負担を余儀なくされ、治療の中断や、医療を受けることをちゅうちょする原因となっています。例えば、糖尿病で治療を受けている患者の場合、インシュリン治療が必要となれば1回の薬代は1万円を超えることになり、重い負担から治療を中断するということになり、金の切れ目が命の切れ目になりかねません。  そうした中で高知市や旭川市、青森市、苫小牧市では無料低額診療の調剤薬局における薬代を助成する措置をしており、多くの患者からも喜ばれています。岐阜市において調剤薬局についても無料低額診療の対象になるよう国に働きかけるとともに、無料低額診療制度となるまでの期間については、岐阜市において助成制度を創設するよう求めています。  次に、請願第2号小・中学校の学校給食費についての請願です。  提出者は、新日本婦人の会岐阜支部外73件です。  現在の学校給食は学校給食法に基づいて実施され、その目的については、「学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、かつ、児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものであることにかんがみ、学校給食及び学校給食を活用した食に関する指導の実施に関し必要な事項を定め、もつて学校給食の普及充実及び学校における食育の推進を図ることを目的とする。」として、教育上重要な役割を果たしています。岐阜市においても全ての幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校で実施されてきました。  教育上、児童生徒にとってなくてはならないものとして学校給食が実施されてきましたが、最近では子どもの貧困が問題にされ、貧困状態にある子どもの割合は6人に1人とまで言われています。深刻なケースでは自宅で満足な食事をとることができず、食事が学校給食のみといった子どももいると言われ、学校給食だけが唯一まともな食事となっています。こうした中、岐阜市では今年度から5年間かけて給食費の値上げをすることを決め、今年度では小学校では年間4万6,530円に、中学校では5万5,550円となりました。つけ加えるならば、2,015年度からは小学校では年間4万7,630円に、中学校では5万6,870円となります。  給食費の値上げは子育て世代にとって新たな経済的な困難をもたらすことになり、とりわけ子どもが2人以上いる家庭では、負担がさらに増すことになります。憲法第26条第2項では、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」とされています。また、学校給食法の改正時においても学校における食育の推進が明記されるなど、ますますその役割が重要となっていて、岐阜市の未来を担う子どもたちの健やかな成長を願う立場から、学校給食の無償化を求めるものです。  既にお隣の岐南町では2013年度から給食の無償化を実施し、若い世代の定住に大きな役割を果たしています。そして、来年度も継続するとしています。昨年度のNHKの調べでも、給食の無償化をしている自治体は主なところだけでも50以上になっていると報道されており、来年度からは佐賀県太良町、京都府伊根町、青森県南部町、群馬県桐生市、群馬県安中市などで、小中学校の給食費の無償化を実施するとしています。  仮に岐阜市において第2子から給食費の無償化に踏み切った場合、予算ベースで約5億2,000万円が必要とのことでした。岐阜市の来年度の一般会計予算は約1,568億円であり、岐阜市の予算規模から見れば実施は十分可能であることをつけ加えておきたいと思います。  以上の理由から、岐阜市においても小中学校に通う子どもが2人以上いる世帯に対し、所得に関係なく第2子から給食費を無料にすることを求めています。  以上、2つの請願の趣旨に御理解いただき採択をお願いしまして、請願の紹介を終わります。(拍手) 14: ◯議長(國井忠男君) 以上で請願紹介を終わります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━             〔議 員 提 出 議 案 配 付〕 一 日程追加(市議第1号議案から市議第3号議案まで) 15: ◯議長(國井忠男君) 須田 眞君外4人から、成規の手続をもって市議第1号議案が、また、堀田信夫君外3人から、同じく成規の手続をもって市議第2号議案及び市議第3号議案がそれぞれ提出されております。  お諮りします。これら3件を本日の日程に追加し、直ちに議題としたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 16: ◯議長(國井忠男君) 御異議なしと認めます。よって、これら3件を本日の日程に追加し、直ちに議題とすることに決しました。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一 市議第1号議案から市議第3号議案まで 17: ◯議長(國井忠男君) 市議第1号議案から市議第3号議案まで、以上3件を一括して議題とします。  議案は、お手元に配付申し上げたとおりであります。            ───────────────────  市議第1号議案     岐阜市議会議員定数条例の一部を改正する条例制定について   岐阜市議会議員定数条例の一部を改正する条例を別紙のとおり制定するものとする。    平成27年3月5日提出            提出者  岐阜市議会議員  須   田       眞            同    同        大   野       通            同    同        大   野   一   生            賛成者  岐阜市議会議員  信   田   朝   次            同    同        西   垣   信   康            ───────────────────           岐阜市議会議員定数条例の一部を改正する条例  岐阜市議会議員定数条例(平成14年岐阜市条例第55号)の一部を次のように改正す る。  次の表の改正前の欄中下線が引かれた部分を同表の改正後の欄中下線が引かれた部分に 改める。 ┌───────────────────┬───────────────────┐ │        改正後        │        改正前        │ ├───────────────────┼───────────────────┤ │ 岐阜市議会議員の定数は、地方自治法 │ 岐阜市議会議員の定数は、地方自治法 │ │(昭和22年法律第67号)第91条第1│(昭和22年法律第67号)第91条第1│ │項の規定により38人とする。     │項の規定により41人とする。     │ │        ̄ ̄ ̄         │        ̄ ̄ ̄         │ └───────────────────┴───────────────────┘    附 則  この条例は、次の一般選挙から施行する。    提 案 理 由  議員定数を改めるため、この条例を定めようとする。            ───────────────────  市議第2号議案     市議会議員の議員報酬、費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例制定につ
        いて   市議会議員の議員報酬、費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例を別紙のとお  り制定するものとする。    平成27年3月5日提出            提出者  岐阜市議会議員  堀   田   信   夫            賛成者  岐阜市議会議員  原       菜 穂 子            同    同        井   深   正   美            同    同        中   川   裕   子            ───────────────────     市議会議員の議員報酬、費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例  市議会議員の議員報酬、費用弁償等に関する条例(昭和59年岐阜市条例第3号)の一 部を次のように改正する。  次の表の改正前の欄中下線が引かれた部分(以下「改正部分」という。)を当該改正部 分に対応する同表の改正後の欄中下線が引かれた部分に改める。 ┌───────────────────┬───────────────────┐ │        改正後        │        改正前        │ ├───────────────────┼───────────────────┤ │別表(第2条関係)          │別表(第2条関係)          │ │┌──────┬──────────┐│┌──────┬──────────┐│ ││  区分  │ 議員報酬(月額) │││  区分  │ 議員報酬(月額) ││ │├──────┼──────────┤│├──────┼──────────┤│ ││議長    │      693,000円│││議長    │      770,000円││ ││      │      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄│││      │      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄││ │├──────┼──────────┤│├──────┼──────────┤│ ││副議長   │      630,000円│││副議長   │      700,000円││ ││      │      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄│││      │      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄││ │├──────┼──────────┤│├──────┼──────────┤│ ││議員    │      585,000円│││議員    │      650,000円││ ││      │      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄│││      │      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄││ │└──────┴──────────┘│└──────┴──────────┘│ └───────────────────┴───────────────────┘    附 則  この条例は、平成27年4月1日から施行する。    提 案 理 由  市議会議員の議員報酬の額を改定するため、この条例を定めようとする。            ───────────────────  市議第3号議案     岐阜市議会政務活動費の交付に関する条例の一部を改正する条例制定について   岐阜市議会政務活動費の交付に関する条例の一部を改正する条例を別紙のとおり制定  するものとする。    平成27年3月5日提出            提出者  岐阜市議会議員  堀   田   信   夫            賛成者  岐阜市議会議員  原       菜 穂 子            同    同        井   深   正   美            同    同        中   川   裕   子            ───────────────────       岐阜市議会政務活動費の交付に関する条例の一部を改正する条例  岐阜市議会政務活動費の交付に関する条例(平成13年岐阜市条例第1号)の一部を次 のように改正する。  次の表の改正前の欄中下線が引かれた部分(以下「改正部分」という。)を当該改正部 分に対応する同表の改正後の欄中下線が引かれた部分に改める。 ┌────────────────────┬────────────────────┐ │        改正後         │        改正前         │ ├────────────────────┼────────────────────┤ │ (会派に対する政務活動費)      │ (会派に対する政務活動費)      │ │第4条 会派に対する政務活動費は、各月 │第4条 会派に対する政務活動費は、各月 │ │ 1日(以下「基準日」という。)におけ │ 1日(以下「基準日」という。)におけ │ │ る会派の所属議員数に応じ1人につき月 │ る会派の所属議員数に応じ1人につき月 │ │                   ̄ │                   ̄ │ │ 額13万円を乗じて得た額を当該会派に │ 額15万円を乗じて得た額を当該会派に │ │  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄              │  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄              │ │ 対し四半期に分けて交付する。     │ 対し四半期に分けて交付する。     │ │2~5 (略)             │2~5 (略)             │ │ (議員に対する政務活動費)      │ (議員に対する政務活動費)      │ │第5条 議員に対する政務活動費は、基準 │第5条 議員に対する政務活動費は、基準 │ │ 日に在職する議員に対し月額13万円を │ 日に在職する議員に対し月額15万円を │ │             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  │             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  │ │ 四半期に分けて交付する。       │ 四半期に分けて交付する。       │ │2~4 (略)             │2~4 (略)             │ │ (会派の所属議員数の異動等に伴う調整)│ (会派の所属議員数の異動等に伴う調整)│ │第6条 1四半期の途中において、政務活 │第6条 1四半期の途中において、政務活 │ │ 動費の交付を受けた会派の所属議員数に │ 動費の交付を受けた会派の所属議員数に │ │ 異動が生じたときは、当該異動の生じた │ 異動が生じたときは、当該異動の生じた │ │ 日の属する月の翌月分(その日が基準日 │ 日の属する月の翌月分(その日が基準日 │ │ に当たる場合は、当月分)以降の政務活 │ に当たる場合は、当月分)以降の政務活 │ │ 動費について、異動した所属議員数に応 │ 動費について、異動した所属議員数に応 │ │ じ1人につき月額13万円を追加して交 │ じ1人につき月額15万円を追加して交 │ │        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄       │        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄       │ │ 付し、又は当該会派は、異動した所属議 │ 付し、又は当該会派は、異動した所属議 │ │ 員数に応じ1人につき月額13万円を返 │ 員数に応じ1人につき月額15万円を返 │ │            ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   │            ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   │ │ 還しなければならない。        │ 還しなければならない。        │ │2~5 (略)             │2~5 (略)             │ └────────────────────┴────────────────────┘    附 則  この条例は、平成27年4月1日から施行する。    提 案 理 由  政務活動費の額を改定するため、この条例を定めようとする。            ─────────────────── 18: ◯議長(國井忠男君) これら3件に対する提出者の趣旨弁明を求めます。14番須田 眞君。    〔須田 眞君登壇〕 19: ◯14番(須田 眞君) 市議第1号議案岐阜市議会議員定数条例の一部を改正する条例制定について、提案の趣旨を申し述べさせていただきます。  今回御提出させていただく議案は、議員定数41人を38人にしようとするものであります。  国において国会議員の定数削減が取り沙汰されている中、岐阜市においては平成19年の統一地方選挙においての定数は44人でありましたが、先輩議員の皆様の御努力により、平成23年の選挙では41人に減員されました。これは景気低迷の中、議会もみずから身を切る努力をしなくてはならないとの意思表示でもありました。  平成23年の改選後も引き続き議会改革の議論はなされておりましたが、平成25年には岐阜市議会活性化検討協議会を議会内に立ち上げ、議会活性化あるいは議会改革のために熱心な議論がなされてまいりました。その中の1つが議員定数でありました。この協議会の中では、定数削減についての意見集約にまでは至らなかったものの、多数の会派が議員定数は削減すべきであるとの考え方であったと認識しております。それは議員各位がそれぞれ民意を受けてのことであったと推察いたします。我々は定数削減についての機は熟していると考え、議案の提出を決意したところであります。  議員定数を現行の41人から38人にする理由でありますが、中核市において、本市と同程度の人口35万人以上45万人未満の16市の平均が38.3人であること。また、現在、議員定数は41人のところ、欠員のため39人となっておりますが、著しい支障を来しているという状況にはないこと。さらに、定数は偶数のほうが望ましいという考え方もあることなどから、議員定数を38人とするものであります。なお、改正後の定数は、次の一般選挙から適用するものであります。  以上、市議第1号議案についての趣旨弁明とさせていただきます。議員各位の御賛同を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 20: ◯議長(國井忠男君) 41番、堀田信夫君。
       〔私語する者あり〕    〔堀田信夫君登壇〕    〔私語する者あり〕 21: ◯41番(堀田信夫君) それでは、市議第2号議案市議会議員の議員報酬、費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例制定について、市議第3号議案岐阜市議会政務活動費の交付に関する条例の一部を改正する条例制定について提出させていただきましたので、その趣旨を申し述べたいと思います。  まず、私どもがなぜこのたび、この上程に至ったかということであります。  ただいま説明にもありました議員定数削減案が上程されたことに対しての、対案としての意味合いを持っていることは御理解いただけると存じます。本市議会で、任意ではありますが、活性化に向けた協議会が設けられたのは平成25年10月21日でした。そこから本年の2月24日までの1年と4カ月、都合14回の会議が開かれてまいりました。この協議会は終始非公開でありました。さらに、定数について具体的な協議がなされたのは、第12回、1月20日、第13回、2月19日、そして、最終の第14回、2月24日でありました。  今回の提案の提出者に名を連ねておられる、あるいは賛同されておられる会派の代表も、第9回、第10回、第11回、「現状でいいのでは」、「協議はやぶさかでない」と表明し、その立場を年明けでも明確にしておられました。中には2月19日の場においても、賛成しておられる議員の会派は現状でいいと言明しておられます。ここに至ってどうしてというのが率直な思いです。あと一月そこそこで統一地方選の後半戦、市会議員選挙が始まります。数があれば何でもオーケー。分別が欲しいと私は思います。この段にあって、この上程はいかがなものか、適切ではないと私は考えますが、あえて上程となりましたので、それじゃあ不本意ですけれども、市民に開かれた場において住民の代表を選ぶ枠及びそこにかかる費用について議論しましょうというのが、私どもの提案に至ったわけであります。  定数削減を主張される皆さんの御意見、この間、聞かれた見解を拾ってみます。時代の流れ。4年前の選挙のときの一般新聞のアンケートに答えている。定数削減を求める陳情があった。身を切る改革が必要。けれども、これ、よくよく考えてみると、なぜ定数削減なのというところについて、はっきりしない。けれども、大体のところ改革。改革は無駄を省くことです。行政だけでなく議会費に無駄はないのか。ですから、活性協の場でも、定数削減の課題については議会費の関係の項目に整理されて、この間協議がされてきたところです。    〔私語する者あり〕  協議の場で    〔私語する者あり〕 財政は楽ではない、    〔私語する者あり〕 市民サービスを減らされている、職員も減っている、議会費もということです。つまりは財政上の理由かと思慮するわけです。ですけれども、私どもは財政上の問題で経費の削減、改革は大賛成という立場であります。ですけれども、行政がやっていることをチェックする、監視する目、これを減らしていいのか。市民の代表者としての市民の思いを受けとめて届ける声、これを減らしていいのか。議会の権能が低下しては元も子もない、本末転倒ではないのか。  「2人欠員で不都合はない、支障を来してない。」とおっしゃるけれども、およそ市長が提案する予算、条例について、さまざまな角度からチェックしてオーケーのサインを出す。「欠員があるけれども、俺がおるで大丈夫や。」というのは、おごりとしか言い様子がない。結局のところ、支障を来していない、不都合はないというのは当局にとって都合がよいということにほかならないと思います。議会の権能を下げないで改革できる方法がある。  さらに、ちまたには議員報酬の3割カットまで声高に言われる方も見受けられます。議会費への関心は今高まっています。ここが、私どもが提案に至ったもう一つの理由であります。  具体的に申し上げます。  市議第2号議案の市議会議員の議員報酬でありますが、現在、月額65万円、中核市比較で順位は10番目であります。中核市平均の61万3,941円、月額を3万7,000円上回っています。これを1割引き下げようということです。これによって、中核市の平均は61万2,430円、順位は1割カットによって平均のやや下、28位ぐらいになります。削減額は、期末手当も加味して1人年額103万3,500円、これに41人掛けますと、年額4,237万3,500円の経費の削減になります。年額です。  市議第3号議案の市議会議員の政務活動費ですが、現在、岐阜市は月額15万円、中核市の比較をいたしますと、──中核市の中には月額で把握できない部分もありますので、年額で比較しますと、順位が3番目です。3番目。中核市の平均は年額、これは116万7,488円ですから、中核市平均を年額で63万2,000円上回っていることになります。  提案ですが、月額2万円の削減、15万円を13万円にしよう、これによってそれでも順位は8番目です。月額13万円にすることによって、中核市の政務活動費の平均は116万1,906円、年額。それをなおまだ40万円上回っていることになります。削減額は1人年額で24万円、41人で984万円です。  今回少し勉強させていただいて、政務活動費の活用状況を拝見しました。大変ばらつきがありまして、私どもは会派として執行率77%、22%とか、50%以下の方もあります。22%、50%以下の方は、ちょっと名前は伏せといて、公の文書でいいんですけども、ここではちょっとやめときます。30%、37%、29%、これが平成24年度最終です。さらに、平成25年度も46%、39%、28%、36%、29%と、交付された金額を2割から3割でおさめている方もある。一方で、きっちりきっちりの100%っていう方もある。何やかんやでトータルで岐阜市議会に交付された金額の執行率は84%なんです。たまさかですけれども、私どもの提案はほぼ期せずして現在の執行状況に符合することになります。政務活動費のありようについて、少し落ちついて冷静に、議会費の改革と言うならば議論をする必要があるんではないか、市民に開かれた場でという思いです。  この2つの削減で、総額、年額にして5,221万3,500円の経費の削減です。1期4年にしますと、2億円を超えます。こうして削減できる財源を議会活性化に必要とする経費、あるいは市民福祉の向上に役立てることも可能であります。活性協では報酬の見直しを提案されたのは私どもだけではなくって、市政自民党の方も    〔私語する者あり〕 提案項目に課題として上げておられました。    〔私語する者あり〕 政務活動費の見直しについて、私どもと市政自民党の方も、これは提案を課題として上げておられるんです。  ほかの会派の皆さんも含めて、住民の代表機関である議会の権能を低下させないで経費の削減ができる、議会改革ができる、私どもの提案について忌憚のない御意見いただいて、審査願って、適切な御決定をいただきますようお願いをして提案といたします。よろしくお願いします。(拍手)             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一 休  会 22: ◯議長(國井忠男君) お諮りします。3月6日、3月9日から13日まで及び3月16日の7日間は、議案精読のため休会したいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 23: ◯議長(國井忠男君) 御異議なしと認めます。よって、3月6日、3月9日から13日まで及び3月16日の7日間は休会することに決しました。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 散  会 24: ◯議長(國井忠男君) 以上で本日の日程は全部終了しました。本日はこれで散会します。  午後0時6分 散  会  岐阜市議会議長      國 井 忠 男  岐阜市議会議員      須 田   眞  岐阜市議会議員      竹 市   勲 発言が指定されていません。 Copyright © Gifu City Assembly. All Rights Reserved. ↑ 本文の先頭へ...