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03月05日-02号

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  1. 相馬市議会 2020-03-05
    03月05日-02号


    取得元: 相馬市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-28
    令和 2年  3月 定例会---------------------------------------日時  令和2年3月5日場所  相馬市議事堂---------------------------------------出席議員(18名)  1番  獺庭大輔君      2番  横山和雄君  3番  畑中昌子君      4番  山中宣明君  5番  門馬優子君      6番  高橋利宗君  7番  高玉良一君      8番  石橋浩人君  9番  只野敬三君     10番  浦島勇一君 11番  立谷耕一君     12番  根岸利宗君 13番  波多野広文君    14番  河内幸夫君 15番  佐藤 満君     16番  村松恵美子君 17番  杉本智美君     18番  菊地清次君---------------------------------------欠席議員(なし)---------------------------------------出席した事務局職員の職氏名 事務局長       佐藤栄喜君    次長兼庶務係長    谷津田吉弘君 議事係長       鈴木脩史君    主査         大河原康平君---------------------------------------説明のため出席した者の職氏名 市長         立谷秀清君    教育長        堀川利夫君 副市長        佐藤憲男君    総務部長       宮崎富由君 企画政策部長     宇佐見 清君   民生部長       加藤一男君 保健福祉部長     原 史朗君    産業部長       中野俊一君 建設部長       柏 宏樹君    総務課長       阿部勝弘君 教育部長       神戸伸一君    生涯学習部長     赤石澤珍夫君------------------------------------------------------------------------------議事日程第2号  令和2年3月5日(木)午前10時開議   +議案第25号 令和元年度相馬市一般会計補正予算(第8号)   |議案第26号 令和元年度相馬市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)   |議案第27号 令和元年度相馬市後期高齢者医療特別会計補正予算(第3号)   |議案第28号 令和元年度相馬市介護保険特別会計補正予算(第5号) 第1|議案第29号 令和元年度相馬市公共下水道事業特別会計補正予算(第5号)   |議案第30号 令和元年度相馬市農業集落排水事業特別会計補正予算(第2   |       号)   +議案第31号 令和元年度相馬市光陽地区造成事業特別会計補正予算(第3           号)           (予算決算常任委員会委員長報告・質疑・討論・採決) 第2 報告第1号 専決処分の承認を求めることについて          (質疑・討論・採決) 第3 議案第1号から議案第24号まで及び議案第32号から議案第37号まで           (質疑・委員会付託) 第4 陳情第1 福島県最低賃金の引き上げと早期発効を求める意見書の提出を         求める陳情         (委員会付託) 第5 一般質問(代表質問)---------------------------------------本日の会議に付した事件議事日程に同じ--------------------------------------- △開議の宣告 ○議長(菊地清次君) おはようございます。 ただいま出席議員が定足数に達しております。 これより直ちに本日の会議を開きます。                             (午前10時00分)--------------------------------------- △議事日程の報告 ○議長(菊地清次君) 本日の日程につきましては、別紙議事日程第2号をもってお手元に配付してありますので、この順序に従い議事を進めることにいたします。--------------------------------------- △日程第1 議案第25号から同第31号まで ○議長(菊地清次君) 日程第1、議案第25号から同第31号までの以上7件を一括議題といたします。 以上7件に関し予算決算常任委員会委員長の報告を求めます。 予算決算常任委員長。     (予算決算常任委員会委員長 佐藤 満君 登壇) ◆予算決算常任委員会委員長(佐藤満君) おはようございます。 予算決算常任委員会は、3月3日に委員会を開催し、3月2日に当委員会へ付託されました議案7件について当委員会にて一括審査が終了いたしましたので、ご報告申し上げます。 最初に、議案第25号、令和元年度相馬市一般会計補正予算(第8号)について主な内容を報告いたします。 初めに、歳入款13、項2、目2、節1社会福祉費補助金中2,761万7,000円の減額、低所得者・子育て世帯プレミアム付商品券事業費補助金2,556万9,000円の減額について、執行部より、令和元年10月から行われた子育て世帯・低所得者へのプレミアム付商品券を販売する事業で、当初7,100名を予定していたが1,997名の販売となり、額を減額するものとの説明がありました。 それに対し委員より、他市町村の状況と次年度以降の実施について問う質疑があり、それに対し執行部より、本年1月10日現在で、福島県が出した県内59市町村の平均で39.7%の販売率となっている。県内13市のうち、一番売れたのが須賀川市で52.4%、一番低かったのは25%の本宮市である。相馬市は29.1%となっている。次年度以降について国の見解を待っているところであるとの答弁がありました。 款14、項2、目2、節1社会福祉費補助金中、地域医療介護総合確保基金事業補助金7,840万円の減額について、執行部より、今年度着工予定であった認知症対応型グループホームの建設予定地が台風19号で被災し、今年度、建設計画を辞退したことによる減額との説明がありました。 それに対し委員より、今後のグループホーム建設の計画について問う質疑があり、それに対し、執行部より、今回手を挙げた事業所については今のところ未定であると聞き及んでいる。来年度改めて公募する予定であるとの答弁がありました。 款14、項2、目7、節1学校教育費補助金中、公立学校情報機器整備費補助金2,852万9,000円について、執行部より、本年度、642台のタブレット端末を整備する費用であるとの説明がありました。 それに対し委員より、導入の詳細を問う質疑があり、それに対し執行部より、タブレット端末642台はこれから整備するものであり、令和2年度から小学校において、令和3年度から中学校においてプログラミング教育が始まるということで、小学校5年生と6年生、中学校1年生を先行導入するとの答弁がありました。 歳入については以上です。 続きまして、歳出款4、項1、目1、節19負担金、補助及び交付金、相馬方部衛生組合病院事業負担金3億6,800万円の増額について、執行部より、公立相馬総合病院の入院患者数及び外来患者数が当初の見込みからの減少に伴う減額による負担金の増額となっており、資金不足比率20%を超え、地域の医療機関である公立相馬総合病院が国の管理下に入り規模縮小されないよう、資金不足比率を19.3%に設定し、算出される額4億6,000万円を相馬市8割、新地町2割で案分し、今回計上するものである。また、現在、公立相馬総合病院にて経費、手当の削減に取り組んでいる。さらに、コンサルタントによる経営診断を行い、経費削減に取り組んでいるとの説明がありました。 それに対し委員より、詳細について問う質疑があり、それに対し執行部より、経費削減として公立相馬総合病院が取り組んでいる令和元年度での内容は、電力契約の見直し、緊急出動時の自家用自動車の借上料の見直し、人工透析診療手当、また診療材料や薬剤等の見直しでコストカットをしており、その他、医師、他の職員の手当のカット、その他、経営コンサルタントが現在細かな調整を各施策で取り組んでいる。昨年度の負担金と比較して1,200万円の減となっているとの答弁がありました。 款6、項1、目3、節19負担金、補助及び交付金のうち、被災農家等営農再開緊急対策補助金554万6,000円について、執行部より、台風被害等により収穫後に保管していた主食用米が浸水で出荷不能となった農業者を支援する補助金であるとの説明がありました。 それに対し委員より、詳細を問う質疑があり、それに対し執行部より、取組の内容については、被災農地の土づくり、土壌診断の実施、耕起及び整地の取組、種苗の購入、肥料の購入、農薬の購入、農機具の燃料の購入、育苗資材等、その他、営農再開に必要な材料の購入という取組項目が8項目あり、項目ごとに単価設定されている。営農再開される方がどのメニューに取り組むかで補助額が変わり、これらの組合せで最大7万円の補助となっているとの答弁がありました。 款10、項3、目3学校建設費、節15工事請負費4,220万円の増額について、執行部より、向陽中学校、磯部中学校のトイレ洋式化工事の事業費及び中村第一中学校のバルコニー手すり改修工事の費用となっているとの説明がありました。 それに対し委員より、中学校のトイレ洋式化の進捗状況について問う質疑があり、それに対し執行部より、平成29年度の中村第一中学校を皮切りに、今回の3月補正に計上した向陽中学校、磯部中学校のトイレ洋式化事業で中学校のトイレ洋式化事業は終了する。中村第二中学校のトイレの洋式化は、中村第二中学校改築事業において完了しているとの答弁がありました。 本件について、討議、討論はなく、採決の結果、内容適切なるものと認め、全員異議なく原案のとおり可決すべきものと決せられました。 次に、議案第26号、令和元年度相馬市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)について主な内容を報告いたします。 款1、項1、目1一般被保険者国民健康保険税、補正額合計1,510万5,000円の減額について、執行部より、1月末の調定額及びこれまでの納入状況から決算見込額を算定し計上しており、減収の主な要因は、令和元年東日本台風等の災害に伴い、半壊以上の方の国民健康保険税減免を実施したことによるものであるとの説明がありました。 それに対し委員より、現在の加入世帯数と人数、現時点の収納率の見込みについて問う質疑があり、それに対し執行部より、今年1月末時点で4,730世帯、被保険者数については7,646名となっており、世帯数、被保険者数ともに減少傾向となっている。収納率について、現在、昨年度同期で若干上回っているとの答弁がありました。 さらに、委員より、加入者の年齢層の傾向について問う質疑があり、それに対し執行部より、年齢構成については、ゼロ歳児から64歳までの方については減少傾向である。65歳から74歳までの方についてはほぼ横ばいとなっているとの答弁がありました。 さらに、委員より、若い方、働いている方は国保から社保に移って、定年になった方が国保に加入しているかを問う質疑があり、執行部より、そのとおりであるとの答弁がありました。 本件について、討議、討論はなく、採決の結果、内容適切なるものと認め、全員異議なく原案のとおり可決すべきものと決せられました。 次に、議案第27号、令和元年度相馬市後期高齢者医療特別会計補正予算(第3号)について主な内容を報告いたします。 歳入款1、項1、目1特別徴収保険料、補正額490万4,000円の減、同じく目2普通徴収保険料、補正額587万5,000円について、執行部より、1月末時点での調定額から収入見込額を算定し、計上するものであるとの説明がありました。 本件について、質疑、討議、討論はなく、採決の結果、内容適切なるものと認め、全員異議なく原案のとおり可決すべきものと決せられました。 次に、議案第28号、令和元年度相馬市介護保険特別会計補正予算(第5号)について主な内容を報告いたします。 歳入款1、項1、目1、節1現年度分特別徴収分保険料2,001万5,000円の減額について、執行部より、台風19号の被災者に対する介護保険料の減免措置等に伴い、保険料分を減額補正するものであるとの説明がありました。 歳出款1、項3、目2、節12役務費330万円の減額について、執行部より、介護認定に必要となる主治医意見書作成手数料で、実績322件に基づく減額であるとの説明がありました。 委員より、歳入歳出の補正とも減額になっている理由について問う質疑があり、それに対し執行部より、ヘルパーなどの介護人材不足等の要因で増えなかったと思われる。また、要支援者、軽度の要介護者の数が前年度比で8%増え、軽度の方は限度額があるためそれほど給付費が伸びなかった、また、医療と介護の連携のシステムである退院調整ルールが今年度から稼働し、退院して自宅でより適切な介護を受けられるという体制がここ1年で取られていることが功を奏して、重度の方よりも軽度の方の数が増え、重度化が抑えられたためと考えているとの答弁がありました。 本件について、討議、討論はなく、採決の結果、内容適切なるものと認め、全員異議なく原案のとおり可決すべきものと決せられました。 次に、議案第29号、令和元年度相馬市公共下水道事業特別会計補正予算(第5号)について主な内容を報告いたします。 歳入款1、項2、目1、節1現年賦課分771万8,000円について、執行部より、下水道受益者負担金の本年度歳入を増額するものであり、主なものは、(仮称)復興市民市場の受益者負担金で355万9,000円との説明がありました。 款2、項1、目1公共下水道使用料、節1現年分、減額900万円について、執行部より、下水道使用料の減少について減額するものであり、要因として、復興需要の減少により建設作業員の減少、節水型機器の普及によるものと考えているとの説明がありました。 それに対し委員より、減額の要因について、台風19号、10月25日の大雨の影響はなかったかを問う質疑があり、それに対し執行部より、減免については中間報告で、上水道は水道企業団のほうで156万円の減免がされている。下水道料金については73万円の減免である。期限が3月いっぱいとなっており、もう少し増える状況であるが、台風による減免が減収の主な原因ではないとの答弁がありました。 本件について、討議、討論はなく、採決の結果、内容適切なるものと認め、全員異議なく原案のとおり可決すべきものと決せられました。 次に、議案第30号、令和元年度相馬市農業集落排水事業特別会計補正予算(第2号)について主な内容を報告いたします。 歳入款2、項1、目1、節1、減額4万円について、執行部より、使用水量の若干減少による減収が見込まれるため減額するものとの説明がありました。 それに対し委員より、農業集落排水を利用している加入世帯数を問う質疑があり、それに対し執行部より、70世帯であるとの答弁がありました。 本件について、討議、討論はなく、採決の結果、内容適切なるものと認め、全員異議なく原案のとおり可決すべきものと決せられました。 次に、議案第31号、令和元年度相馬市光陽地区造成事業特別会計補正予算(第3号)について主な内容を報告します。 歳入款1、項1、目1埋立処分手数料、補正額1,119万1,000円の増額の主な理由について、執行部より、今年度の石炭灰等の埋立量を12万トンと見込んでいたが、最終的には約1,400トン増える見込みで、処分手数料を増額するものであるとの説明がありました。 繰越明許費、款1、項2、埋立処分場管理運営事業、金額500万円について、執行部より、産業廃棄物埋立処分場の増量に係る環境影響評価調査業務であり、年度内に事業完了することが見込めないことから、繰越しを行うものであるとの説明がありました。 それに対し委員より、次年度に繰越しということだが、事務手続上問題ないかを問う質疑があり、それに対し執行部より、問題はないとの答弁がありました。 本件について、討議、討論はなく、採決の結果、内容適切なるものと認め、全員異議なく原案のとおり可決すべきものと決せられました。 以上、報告いたします。 ○議長(菊地清次君) ただいまの予算決算常任委員会委員長報告に対し質疑を行います。 質疑の通告がありませんでした。 これにて質疑を終結いたします。 これより討論に入ります。     (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(菊地清次君) これにて討論を終結いたします。 これより採決いたします。 議案第25号から同第31号までの以上7件については、予算決算常任委員会委員長報告のとおり決するにご異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(菊地清次君) 異議なしと認めます。 よって、以上7件については予算決算常任委員会委員長報告のとおり決せられました。--------------------------------------- △日程第2 報告第1号 ○議長(菊地清次君) 次に、日程第2、報告第1号、専決処分の承認を求めることについてを議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑の通告がありませんでした。 これにて質疑を終結いたします。 お諮りいたします。ただいま議題となっております報告第1号については、会議規則第37条第3項の規定により委員会付託を省略したいと思いますが、これにご異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(菊地清次君) ご異議なしと認めます。 よって、報告第1号については委員会付託を省略することに決しました。 これより討論に入ります。     (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(菊地清次君) これにて討論を終結いたします。 これより採決いたします。 報告第1号については承認することにご異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(菊地清次君) ご異議なしと認めます。 よって、報告第1号については承認することに決しました。--------------------------------------- △日程第3 議案第1号から同第24号まで及び議案第32号から同第37号まで ○議長(菊地清次君) 次に、日程第3、議案第1号から同第24号まで及び議案第32号から同第37号までの以上30件を一括議題といたします。 以上30件に関し質疑を行います。 質疑の通告がありませんでした。 これにて質疑を終結いたします。 ただいま議題となっております議案30件については、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれの常任委員会に付託いたします。--------------------------------------- △日程第4 陳情第1 ○議長(菊地清次君) 次に、日程第4、陳情を議題といたします。 ただいま議題となっております陳情第1については、お手元に配付してあります陳情付託表のとおり、産業建設常任委員会に付託いたします。---------------------------------------
    △日程第5 一般質問(代表質問) ○議長(菊地清次君) 次に、日程第5、一般質問を行います。 会議規則第61条第2項の規定により質問通告がありますので、順次これを許可します。 初めに、会派の代表質問を行います。 会派、新政会代表、立谷耕一君。 立谷耕一君。     (11番 立谷耕一君 登壇) ◆11番(立谷耕一君) おはようございます。11番、会派新政会の立谷耕一であります。 会派を代表いたしまして質問をいたします。 早いもので、あの3.11の東日本大震災から9年目を迎えようとしております。大津波により瓦礫の山と化した被災地も、用途に応じて居住制限地域にはソーラーパネルが設置され、高台移転や災害公営住宅への入居も進み、また、相馬市の基幹産業の一つでもある漁業の復興のための市場や漁協、仲買などの諸施設の建設などもほぼ完了いたしました。一昨年からは原釜尾浜海水浴場も再開され、アサリやノリの出荷など、原発の風評被害さえなければ、ほぼ震災前に戻りつつあると感じられます。 発災以来の全国からのご支援と、これまで復興に取り組んできた相馬市に敬意を表して、質問に入ります。 相馬市の基本理念であります、誰もが安全・安心を実感でき、子供たちが希望を持って成長し、青壮年が生きがいを持ち、高齢者が安心して暮らせる相馬市の実現のために、相馬市総合計画マスタープラン2017に沿った形で、毎年、新たな事業が進められているところであります。 令和2年度も新たな事業が計画されておりますが、その中から4点についてを、また、先日の市長の挨拶の中で、昨年の台風と10月25日の集中豪雨による災害復旧事業への対応について、主な状況についての報告がありましたが、その復旧状況と支援策について3点ほどお伺いいたします。 最初に、相馬市復興計画の改定の中で新たに示された、札ノ沢地区の住民や松川浦環境公園の来訪者の徒歩避難道路の整備についてお伺いいたします。 被災地区の避難道路については、毎年計画的に整備され、現在進められている磯部地区の避難道路の開通を見て、終了と思っておりました。特に東部地区の避難道路については、地区の第一の避難場所である東部公民館への避難道路は、安全でスムーズに避難できるよう整備され、中でも、震災のときに多くの地区住民が避難したホテル栄荘から平前地区を通り菊寿司の前に出る避難道路については、当時のことを思い起こすと、津波の翌日から瓦礫で埋まった浦沿いの道が開通するまで、松川浦地区からの唯一のルートであった。当時は、片方が崖で樹木が生い茂り、軽トラックがやっと通れるぐらいの道で、ポンプ車を無理やり通し平前に備え、応援に来た自衛隊とともに隊列をつくって避難されたことが思い出される、そのようなルートでした。 今回予算化される避難道路に関しても、環境公園の立地が松川浦沿いでもあり、松川浦側から浦沿いに細長い道の奥にある民家にとっても必要な道路と思いますが、その整備状況についてお伺いいたします。 次に、ICT教育の充実についてですが、相馬市では、今までも各学校に順次パソコンを導入し、コンピュータールームも整備し、電子黒板やモニターなどを利用しての同様の教育に取り組んできたものと思われますが、新年度の事業として、児童・生徒1人1台のタブレットの整備と、各学校の高速大容量の高速ネットワークの整備を進めるとありますが、今の情報化社会にあっては必要不可欠な事業とは思います。この件につきましては、予算審議の中でも一部説明がありましたけれども、今までの経緯と今後の取組方についてお伺いいたします。 次に、マスタープランの中で、「地域の文化を守り心豊かに生き抜くひとづくり」で取り上げられている史跡中村城跡の整備についてであります。 震災で崩落した本丸石垣の復旧に向けての取組について、今までの調査を踏まえて、県や専門家と検討を進めていくということで予算化されましたが、この石垣に関しては、史跡中村城跡保存管理計画により今までも整備を進めてきたものと思いますが、これまでの経過と現在の進捗状況、令和2年度の取組内容についてお伺いいたします。 次に、「健やかで安心して暮らせる地域づくり」の中で、JR相馬駅のエレベーター設置についてお伺いいたします。 JR相馬駅へのエレベーター設置については、駅を利用する相馬市民にとって長年にわたっての要望でもあり、過去の相馬駅の橋上化構想のときから、エレベーター設置の必要性が叫ばれてきました。 高齢化社会が進む中で、特に足の不自由な人にとって必要不可欠なものであります。また、JR常磐線の全線開通もあり利用者の増加が見込まれる中、一日も早い設置が望まれているところであります。昨年の設計の予算化を経て建設工事の予算化がされるわけですが、その具体的内容と今後の見通しについてお伺いいたします。 次に、昨年発生した台風19号と10月25日の集中豪雨による大雨洪水被害に対する支援等についてお伺いいたします。 市長の挨拶の中にもありましたように、被害状況は、道路、河川、橋梁などの公共土木施設は85か所、林道14か所、農地や農道が494か所で、総額でざっと90億円と莫大な被害を被りました。また、この連続した大雨被害は、市街地を含めた宇多川と小泉川一帯に広がるもので、建物、家財、車などの被害を含めると莫大な金額になろうと思われます。市内の商業者の中には、再建を断念して廃業を決めた方もいるやに聞いております。 このような中、相馬市は、瓦礫の集積所の設置や家屋の公費での解体など、復旧に向けた様々な支援措置を取ってまいりましたが、その中でも特に、この春、作付を予定している稲作農家に対する、被害発生時から現在までの農地や水路の復旧状況及び被災農家への支援状況についてお伺いいたします。 予算審査の中で、被災農家に対しては、各農家によって違いがあるが、いろいろ合わせると10アール当たり最大7万円くらいの支援になるというようなことで聞いておりますが、その件も含めて答弁をお願いいたします。 次に、被災地域の状況ですが、いまだに泥をかぶっている田畑や、田んぼの真ん中に大きな溝ができているところが見られ、用水路が泥で詰まって手がつけられていない状態であるとの話を聞き及びますが、今後の農道、水路などの復旧計画をお伺いいたします。 最後に、被災者に対しての税制面での支援についてお伺いいたします。 東日本大震災の後、被災者に対して税制面での支援がありましたが、今回の被災者に対する支援の状況についてお伺いして、壇上からの質問を終わります。 ○議長(菊地清次君) 市長。     (市長 立谷秀清君 登壇) ◎市長(立谷秀清君) 新政会代表、立谷耕一議員のJR相馬駅のエレベーターの整備についてのご質問にお答え申し上げます。 市は、JR相馬駅内のエレベーターの設置について、市民の皆様からの強いご要望をいただき、平成29年度からJR東日本と鋭意協議を重ねるとともに、また、国土交通省に対して支援を要望してきたところでございます。 昨年の7月ですが、国土交通省においてこれら整備のための補助金を採択したことから、JR東日本は、上りホームと下りホームにそれぞれ1基ずつ、すなわち合計2基のエレベーターを設置することとし、その費用を、国、JR東日本、相馬市でそれぞれ3分の1ずつ負担することといたしました。したがいまして、本事業に関する所要の経費を本会議に提案しているところでございます。 JR東日本からの報告によりますと、設計につきましては計画どおりに進捗しており、今年度中に完了いたすこと、また、令和2年度に設計工事に着手し、年度内の供用開始を目指しているとのご報告でございます。 その他の質問は担当部長に答弁いたさせます。 ○議長(菊地清次君) 建設部長。 ◎建設部長(柏宏樹君) 新政会代表、立谷耕一議員の札ノ沢地区の避難路についての質問にお答えいたします。 市は、平成31年4月、市内居住の方などが共有する尾浜字札ノ沢地内の8,090平方メートルの土地の寄附を受けました。この寄附された土地は、東日本大震災の際に津波被害を受けた尾浜字札ノ沢地区及び松川浦環境公園に隣接していながら、津波の被害がなかった高台の土地でありました。 市は、札ノ沢地区の住民や松川浦環境公園の利用者等が、津波等の万が一の際、速やかに高台へ避難し、身の安全を確保することが可能になるように、寄附された土地内に避難路を整備することとし、復興庁及び国土交通省へ避難路整備を復興事業として申請した結果、令和元年11月に復興事業の採択を受けたところです。 市は、避難路として、平地部に幅員3メートル、延長170メートルのアスファルト舗装及び森林部に幅員3メートル、延長150メートルの階段を整備する予定です。 市といたしましては、令和元年12月に実施設計に着手しており、本年度中に設計が完了する予定であることから、令和2年度中の避難路完成を目指してまいりたいと考えています。 私からの答弁は以上です。 ○議長(菊地清次君) 教育部長。 ◎教育部長(神戸伸一君) 新政会代表、立谷耕一議員のICT教育の充実について、今までの経過と今後の取組についての質問にお答えいたします。 市は、これまでハード面として、タブレット端末を、平成24年度に、被災した学校の学力向上を目的として、中村第二中学校と磯部中学校及び磯部小学校に先行的に導入しました。また、平成29年度には相馬市ICT機器選定・活用検討委員会を立ち上げ、タブレット整備3年計画を定め、令和元年8月までに、市内小・中学校13校全てに各学年一クラス分のタブレット端末を整備しました。電子黒板については、平成27年度から平成29年度に各校各階1台を目安に配置し、合計33台を整備しました。そのほか、液晶プロジェクターや実物投影機、デジタル教科書等を各学校の実情に応じて整備しております。 国は、平成30年度から令和4年度の5か年で、教育のICT化に向けた環境整備計画を策定し、その中で、3人に1台の教育用コンピューター配置の目標を掲げました。本市においては、令和元年にその目標を達成することができました。また、高速インターネット接続率、教員の校務用コンピューター整備率も100%となっております。 ソフト面においては、平成24年度以降、外部委託によるICT支援員4名を各中学校を拠点校として配置し、ソフトウエア更新等のメンテナンスやシステム障害への対応に加え、ICTを活用する授業、デジタル教材作成等の支援など、児童・生徒への学習支援、教員への授業支援を日常的に行っております。 国は、令和時代のスタンダードな学校像として、全学年の児童・生徒一人一人が端末を持ち、十分活躍できる環境の実現を目指すこととし、事業を実施する地方公共団体に対して必要な補助を講ずることとしています。 市は、この補助を活用し、市内小・中学生に1人1台の端末を持つ環境を実現するための4か年整備計画、及び無線LANを使ったデータ通信端末台数の増加や十分な端末充電設備が必要となることから、これらの強化策を策定し、事業費の総額として1億5,618万8,000円、国からの補助として1億601万6,000円を見込んでおります。 国が掲げたGIGAスクール構想に基づき策定した整備計画は、令和2年度から令和5年度の4か年として、各年度の事業内容と事業費は次のとおりです。 1年目は、令和2年度からプログラミング教育が始まる小学校5年生、6年生、中学1年生のタブレット端末642台を優先して整備します。また、115か所の無線LANアクセスポイントの追加及び電源キャビネットの整備を行います。事業費として7,298万3,000円、国からの補助として5,057万6,000円、市の負担として2,240万7,000円を見込んでいます。 2年目は、中学2年生、3年生のタブレット端末633台の整備に、事業費として2,848万5,000円、国からの補助として1,899万円、市の負担として949万5,000円を見込んでいます。 3年目は、小学校3年生、4年生のタブレット端末615台の整備に、事業費として2,767万5,000円、国の補助として1,845万円、市の負担として922万5,000円を見込んでいます。 4年目は、小学1年生、2年生のタブレット端末601台を整備し、事業費として2,704万5,000円、国の補助として1,800万円、市の負担として904万5,000円を見込んでいます。 市の負担総額は5,017万2,000円となりますが、国から補填される額は、そのうち市債額2,200万円の60%の交付税措置額1,320万円と、タブレット端末の地方財政措置分の2,817万2,000円を合わせて、総額4,137万2,000円を見込んでおります。最終的な市の負担は、市負担総額より国から補填される額を差し引いた880万円を見込んだ財政計画で進める予定であります。 この新たな取組によって、児童・生徒に個別最適化された学びや、創造性を育む学びを提供できるものと考えております。 答弁は以上でございます。 ○議長(菊地清次君) 生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(赤石澤珍夫君) 新政会代表、立谷耕一議員の史跡中村城跡の令和2年度における整備方針についての質問にお答えいたします。 市は、東日本大震災により、中村城跡において石垣が崩落するなどの被害があったため、平成27年度に史跡中村城跡保存管理計画を全面改定の上、短期、中期、長期ごとの整備計画を策定しました。さらに、市は、平成28年度に有識者で構成する史跡中村城跡調査・保存・整備指導委員会を立ち上げ、中村城跡の復旧整備等について、専門的な見地からの指導や助言をいただく体制を整備しました。 市は、これまで保存管理計画に基づき、県及び整備指導委員会と協議しながら各種調査を進めてきたところであります。具体的な内容は、平成28年度に、本丸赤橋から黒橋までの石垣の確認調査のために樹木を伐採し、平成29年度及び平成30年度には、石垣の詳細な形状を把握するための赤外線測量調査やドローンによる空撮を実施しました。 さらに、市は、平成30年度に、石垣崩落部分の状況を確認し、復旧修理のための基礎資料作成を目的とした発掘調査を実施し、令和元年度は、整備指導委員会から、黒橋たもとの石垣部分の早急な復旧を提案されたことから、市は、復旧の支障となる樹木を伐採しました。 今後は、令和2年度に石垣復旧の工法決定のための基礎資料調査を行い、令和3年度から石垣復旧工事に着手したいと考えております。 市といたしましては、これからも中村城跡の適切な保存整備について、県及び整備指導委員会の指導・助言を参考に計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。 私からは以上です。 ○議長(菊地清次君) 産業部長。 ◎産業部長(中野俊一君) 新政会代表、立谷耕一議員の台風19号などの大雨被害に対する農地、水路等の復旧及び被災農家への支援状況についての質問にお答えいたします。 令和元年東日本台風と10月25日の大雨による市内農地等の被害件数は約560件となっており、その内訳は、農地が約210件、水路などの農業用施設が約320件、そのほか、ため池などが約30件となっています。 市は、これらの被害のうち大規模な被害90件について、昨年12月5日から本年1月24日まで国の災害査定を受けたところです。市は、この90件のうち49件の工事を2月までに発注し、さらに今月17日には28件の工事を入札する予定です。残りの13件のうち、既に自力復旧された1件を除く12件は、ため池決壊による堤体復旧などのため、今後、詳細な調査設計等が必要であり、来年度の発注となる見込みです。 また、復旧金額が40万円未満の小規模な災害、約470件は、1件当たりの工事費が少額なため、被災地区ごとにまとめて、随時、復旧工事を発注する予定です。 次に、被災した農地及び農業用施設の復旧工事に伴う受益者負担金について、市は、今回の災害が数十年に一度の激甚災害であることや、営農者の意欲を低下させないことを目的に、軽減することといたしました。軽減した受益者負担金の内容は、工事費40万円以上の大規模農地復旧が通常の50%から0.2%に、工事費40万円未満の小規模農地復旧が通常の50%から10%に、さらに水路等の農業用施設復旧が、その公共性に鑑み通常の35%からゼロ%にするものです。 さらに、市は、被災農家への支援策として、1つ、流出した稲わら等の農業系廃棄物の撤去、収集、運搬の実施、2つ、浸水した農機具等の修理や再取得の補助、3つ、水田が大規模浸水した農家への地力回復に関する補助、4つ、収穫後の米が浸水した農家への営農再開に対する補助について、チラシ等により農家へ周知しました。 市は、これの支援に対する農家からの申請等を取りまとめた結果を踏まえて、かかる経費約1億7,000万円を、本定例会に提出している令和元年度一般会計補正予算に計上しているところです。 答弁は以上です。 ○議長(菊地清次君) 総務部長。 ◎総務部長(宮崎富由君) 新政会代表、立谷耕一議員の税制面における被災者への支援状況についての質問にお答えをいたします。 市は、昨年12月の令和元年第5回相馬市議会定例会においてご議決いただきました、令和元年台風第十九号及び十月二十五日の大雨による被災者に対する市税等の減免に関する条例に基づき、被災者の被災状況に応じて、市民税、固定資産税、国民健康保険税、介護保険料の減免を行っております。 令和2年2月25日現在の各税目等の減免対象人数、世帯数及び減免額は、市民税964人、2,300万4,600円、固定資産税1,069人、981万7,200円、国民健康保険税346世帯、1,265万2,500円、介護保険料695人、1,225万3,760円となっております。 なお、令和2年度以降の市税等の減免について、市は、国及び他自治体での対応状況等を見極めた上で、その方針を決定してまいりたいと考えております。 答弁は以上です。 ○議長(菊地清次君) 立谷耕一君。 ◆11番(立谷耕一君) それでは再質問をさせていただきます。 まず、避難道路について説明があったわけですけれども、避難道路が接続する道路についてお伺いいたします。 接続する道路については市道になると思われますが、現在見ても道幅が狭く舗装されておりません。スムーズな避難のために併せて改良できたらと思いますが、計画はあるのでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 建設部長。 ◎建設部長(柏宏樹君) ただいまの再質問に関しましてお答えいたします。 現在、札ノ沢地区の避難道路につきまして整備計画のほうを申し上げましたけれども、高台へ接続しております市道に関してのご質問だったと認識しているところでございます。 当該接続している市道につきましては、今回整備を予定している札ノ沢の避難路自体が、車も1台ほどは通行できる幅で整備はいたしますが、基本的には徒歩での避難を想定しているというところもございまして、現在のところ、拡幅の予定はしていないところでございます。ただ、今後、地元からの要望等、様々な状況を鑑みながら、適宜、検討のほうはしてまいりたいと考えているところでございます。 私からの答弁は以上です。 ○議長(菊地清次君) 立谷耕一君。 ◆11番(立谷耕一君) それでは、避難道路に関しては今回のものでほぼ終了したものと思われますが、今後、避難道路に関しての計画等あればお伺いしたいと思います。 ○議長(菊地清次君) 建設部長。 ◎建設部長(柏宏樹君) ただいまの再質問に関しましてお答えいたします。 現在、市で計画しております避難道路につきましては、全て数えますと23路線ございます。この23路線のうち、全てにおいて事業着手をしている状況でございます。このうち、現在、事業進捗している途中のもの、事業中のものに関しましては、東部328号、東部462号、また、今回ご質問のありました札ノ沢の避難路及び県で施工中の百間橋の4つとなっておるところでございます。 いずれの路線につきましても令和2年度中の完成を目指しまして、鋭意、施工のほうは進めてまいりたいと考えているところでございます。 私からの答弁は以上です。 ○議長(菊地清次君) 立谷耕一君。 ◆11番(立谷耕一君) それでは続きまして、ICT教育についてお伺いしたいと思います。 タブレットが順次整備されていくというようなことで説明がありましたけれども、この利用方法について、また、これらを活用することにより、今後、子供たちへのそういう期待などがありましたらお伺いしたいと思います。 ○議長(菊地清次君) 教育部長。 ◎教育部長(神戸伸一君) 立谷議員のICT機器の利活用方法及び今後の期待されることについての再質問にお答えいたします。 市教育委員会は、従来のような教師から児童・生徒への一方向的な授業ではなく、双方向型の授業やアクティブラーニングの教育も大切であると考えております。 最初に、ICTの利用・活用についてお答えいたします。 タブレット端末は、児童・生徒が作った発表資料をクラスの全員のタブレット端末上で共有しながら意見を交換する授業等で活用し、電子黒板は、デジタル教材の図表や画像を拡大投影しながら分かりやすく説明したり、計算問題を掲示して書き込みながら解き方を教える授業等で活用し、視覚や聴覚に訴えかける学びを実践することができます。 次に、ICT教育を充実させて期待されることについてお答えいたします。 ICT教育は、教育の質の向上やプログラミング教育等の新しい学びの実現に有効であると捉えていることから、AI時代、第5世代移動通信システム時代が搭載する社会において、必要な情報を適切に収集し、活用できる情報活用能力や創造力を育成する教育を目指します。ICT機器を活用した授業では、一人一人個性や能力に応じた学習を展開することで、興味・関心の高まり、学習意欲の向上、思考力・理解力の定着などの効果が現れることを期待しております。 市教育委員会といたしましては、ICT機器を効果的に利活用し、子供たちの確かな学力の育成に役立ててほしいと考えております。 答弁は以上になります。 ○議長(菊地清次君) 立谷耕一君。 ◆11番(立谷耕一君) それでは、中村城跡の件についてお伺いいたします。 初めに、黒橋付近の工事から進めるということでございますが、現在、赤橋の下にも石垣の崩落状況があるようでございますけれども、その辺の今後の計画等あればお伺いしたいと思います。 ○議長(菊地清次君) 生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(赤石澤珍夫君) ただいまの再質問についてお答えいたします。 議員おただしの赤橋たもとの石垣崩落部分につきましては、平成29年度、平成30年度の2か年にわたり測量調査を行ったところです。また、平成30年度には崩落部分の発掘調査を実施しました。その調査成果を踏まえまして、県の文化財課及び指導委員会の助言などをいただきながら、石垣崩落箇所の復旧に向けた検討に入りたいと考えてございます。 私からは以上です。 ○議長(菊地清次君) 立谷耕一君。 ◆11番(立谷耕一君) それでは、今回、復旧が間に合わず作付を断念しました被災農家に対して、何らかの救済措置とかが考えられていないのか、また国・県などの救済措置等あっせんできないのかということをお伺いして、最後の質問といたします。 ○議長(菊地清次君) 産業部長。 ◎産業部長(中野俊一君) ただいまの再質問にお答えいたします。 現在、国・県、農業共済組合等で、作付不能による減収分を補填するような制度はございません。市といたしましては、災害復旧工事の進捗等により、本年の稲の作付ができない農家に対する支援策につきましては、今後、国・県などと協議してまいりたいと考えております。 答弁は以上です。 ○議長(菊地清次君) ここで暫時休憩いたします。                             (午前11時02分)--------------------------------------- ○議長(菊地清次君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                             (午前11時15分)--------------------------------------- ○議長(菊地清次君) 日程第5の議事を継続します。 次に、会派にじ代表、門馬優子君の質問を許可します。 門馬優子君。     (5番 門馬優子君 登壇) ◆5番(門馬優子君) 議席番号5番、会派にじの門馬優子でございます。 昨年は東日本台風豪雨災害、今年に入り新型コロナウイルスと、市民の皆様の生活を脅かす出来事が続いておりますが、私たち会派にじでは、市民の皆様の安心・安全を最優先と考え、日々全力で活動していることをご報告申し上げまして、質問に入らせていただきます。 それでは、会派を代表いたしまして3件6点について質問をいたします。 まず1件目として、令和2年度の施策についてお伺いいたします。 その1点目として、相馬市地方創生総合戦略の成果と今後についてお伺いいたします。 相馬市地方創生総合戦略は、「相馬市が相馬市であり続けるために、魅力あふれる相馬市づくりを目指す」ことを基本理念とし、平成27年から5か年における戦略を策定しております。今年度がその5年目に当たるわけでございます。産業・雇用、観光・交流、子育て・教育、高齢社会対策・健康増進、歴史・文化・郷土愛の5つの分野で事業を実施した成果はどうだったのでしょうか。目標値の達成度を基準に、結果の検証、原因追及は行われているのでしょうか。 少子高齢化が加速している中で、市民の皆様が安定した生活を続けることができるように進めていくことが重要であると考えることから、そのお考えをお尋ねいたします。 次に2点目として、国土強靭化地域計画策定の内容と実施時期についてお伺いいたします。 2月20日付の福島民報新聞に、国土強靭化地域計画策定中ということで相馬市が記載されておりました。しかも、その記事の中に、国土強靭化地域計画は、住民の生命や財産を守るため、市町村が防災・減災、インフラ対策などをソフト、ハード両面で定める計画であるとありました。まさに昨年の台風豪雨災害において被災した河川の整備、家屋の浸水対策、断水対策などに活用すべきであると思いました。 先日、早急な河川改修の整備の要望を国に提出するに当たり、市民の皆様への署名活動を行っております。署名していただいた市民の皆様の声に応えるため、一日でも早く整備の見通しをつけ、着工することを強く求めていただきたいと考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。 続いて2件目として、交流人口の拡大についてお伺いいたします。 その1点目として、イベント開催計画についてお伺いいたします。 来年度、市民にとって念願の尾浜地区復興交流広場、復興市民市場がオープンいたします。市内だけでなく、県内や近隣自治体からの多くの来場者を期待できるものと予想されます。まさに相馬市の交流人口拡大に向けての絶好のチャンスと言えるでしょう。このチャンスを最高に生かすために一番力を入れなければならないことは、やはりイベントの開催であり、そこで大切になってくるのは、情報の発信力を高めること、どれだけ広く魅力あふれる周知ができるかということだと思います。 さらに、来年度は、スポーツアリーナそうま第二体育館の使用も開始され、原釜尾浜海水浴場地内にビーチバレーボールコートも整備されることとなっております。スポーツアリーナそうま第二体育館においては新たな大会の開催が可能となり、またビーチバレーボールのコートにおいても、近隣自治体に同種の施設がないことから様々な期待が考えられます。大会の開催、合宿の誘致などにかかわらず、海水浴場のイベントなどとコラボして工夫を凝らし、交流人口拡大に向けて全力で挑んでほしいと思います。 次に2点目として、風評被害払拭の対策についてお伺いいたします。 本定例会の初日の市長の挨拶で、相馬市の第1次産業の風評被害払拭と、観光復興の拠点として復興市民市場を位置づけているというお話がありました。今もなお根強く残っている風評被害の払拭対策を真剣に考えていかなければ、復興市民市場を観光復興の拠点として考えることができなくなるのではないかと思います。 継続は力なりというように、最初だけではなく、ずっと購買力が続くような知恵を絞っていく必要があります。幸いなことに、先日、全ての魚種の出荷制限が解除されたばかりです。まず最初に、市民の台所という位置づけとなり、おいしさと安全性をアピールすることが重要かと思います。 私たちの会派ではそのように考えておりますが、市はどのように考え、どのような対策を計画しているのでしょうか。 最後に3件目として、公共施設の利用促進についてお伺いいたします。 1点目として、体育館施設照明のLED化の考えについてお伺いいたします。 このたび、相馬市体育協会からの要望により、市内屋内体育施設の照明使用料金の無料化についての議案が本定例会に提出されました。それに伴い、電気料無料化に見合う財源確保と二酸化炭素排出量の削減を目的とし、来年度から照明をLED化していくお考えを示しました。 市内には屋内体育館が3つ存在し、それを全てLED化するにはかなりの財源が必要とされ、工事を実行するにしても工期もかかるものと思います。工事で使用できない期間も想定されることから、利用者への対応についても考えなければならないのではないでしょうか。市内3つの屋内体育館のLED化に向けた計画についてお伺いいたします。 最後に2点目として、公共施設予約システムの導入についてお伺いいたします。 先日、昨年の災害での断水時に給水車の支援をいただきました和歌山県海南市に、御礼を兼ねて行政視察に行ってまいりました。そのとき、公共施設予約システムについて調査をいたしました。 海南市では、平成19年からインターネットを利用した予約システムを導入しており、現在は、屋内体育館施設を初め、テニスコートや市民会館、市民交流センターに至るまで、予約システムのサービスを行っております。空き状況の確認は24時間、予約可能時間は9時から21時までとなっており、料金の支払いは窓口で現金のみということです。 導入した効果について聞いてみると、以前は窓口や電話で問い合わせる方法しかできなかったが、スマホやパソコンからの確認や予約が可能となり、窓口業務の大幅な軽減につながっている。市民からも、空いた時間に確認、予約ができることが便利という声があり、利用率も年々上がっているという回答でした。また、導入に当たってかかった費用、維持費についても莫大な金額ではないようです。 現在、ネット社会と言われている中で、相馬市も時代の流れに沿った予約システムをそろそろ導入すべきではないでしょうか。その考えについてお伺いし、壇上からの質問を終わります。 ○議長(菊地清次君) 市長。     (市長 立谷秀清君 登壇) ◎市長(立谷秀清君) 会派にじ代表、門馬優子議員の相馬市地方創生総合戦略についてのご質問にお答え申し上げます。 市は、平成27年に、「人口減少による消滅の危機に陥ることなく、将来的にも安定した発展を続ける」ことを目的とした相馬市地方創生総合戦略を策定し、5年間、市民とともに施策を推進してまいりました。 この計画では、各種施策の進捗・達成状況を明確にするための46項目の数値目標を設定いたしました。その数値目標の達成状況は、平成30年度末において達成している項目が20項目、未達成が26項目となっております。 数値目標を達成した主な項目は、工業団地内における新規雇用者数が年間90人の目標に対して137人、工業団地内におけるインターンシップの受入れ事業所数が目標と同じ年間13件、広域的なサッカー大会の開催数が年間35回の目標に対して38回、子ども公民館の整備数が目標と同じ2か所、骨太けんこう体操の参加人数が250人の目標に対して512人などとなっております。 一方、未達成となった主な項目は、観光客入り込み数が年間70万人の目標に対して約61万人、市内の出生数が年間300人の目標に対して262人、放課後児童クラブの利用定員が500人の目標に対して480人、声かけ訪問サービスのボランティア人数が626人の目標に対して569人、相馬民謡全国大会の参加者数が155人の目標に対して146人などという結果でございます。 次に、第1次地方創生期間における市の人口推移は、自然増減が平成27年154人の減、平成28年171人の減、平成29年207人の減、平成30年200人の減であります。一方、社会的増減、こちらのほうは平成27年111人のプラス、平成28年31人のプラス、平成29年79人のマイナス、平成30年12人のマイナスとなっております。自然増減、いわゆる死亡者と出生者の数の比較では減少が続いているものの、社会増減、すなわち成人の方が相馬に社会的に引っ越してお住まいになるという現象ですが、こちらのほうは若干の増加となっております。 次に、市内の産業について、令和元年6月に民間のシンクタンクが東京都民1,000人を対象に実施したアンケートによると、福島県産の食品を食べることを「放射線が気になるのでためらう」との回答が2割を超えるなど、原発事故による風評が依然として残っており、その払拭が第1次産業の大きな課題となっております。 また、第2次産業では、企業の進出や増設により工業団地内での年間約100人以上の新たな雇用が創出され、人口に一定の押し上げがあったものと考えられるものの、今後、さらなる企業誘致を進めるに当たって働き手の確保が課題となります。 さらに、観光業などの第3次産業では、平成30年に再開した原釜尾浜海水浴場の年間入り込み数は、震災前は約5万人であったものの、再開後の令和元年には約2万人となっております。 このようなことから、市はスポーツツーリズムを推進し交流人口の拡大を図ってまいりましたが、沿岸部の飲食店や宿泊施設などのにぎわいはいまだに戻っていない状況と考えられます。 これらを踏まえ、市は引き続き、魅力あふれる相馬市づくりを進め、人口減少による消滅の危機に陥ることなく、将来的にも安定した発展を続けることを目指して、限りなくそのことを実現するよう努力をいたしまして、次期戦略の策定を現在、鋭意進めているところでございます。 具体的には、去る2月21日、市民代表や各種団体の代表者47名の方による相馬市地方創生総合戦略会議を開催いたしまして、今後は、5つの専門部会で実務者による協議を進め、改善すべき指標の見直しや施策を新たに取り入れる考えであります。 その他の質問は担当部長に答弁いたさせます。 ○議長(菊地清次君) 総務部長。 ◎総務部長(宮崎富由君) 会派にじ代表、門馬優子議員の国土強靭化地域計画策定の計画内容と実施時期についての質問にお答えをいたします。 我が国は、地理的及び自然的な特性からこれまで幾度も大規模自然災害に襲われ、近年でも、大地震、大型台風、記録的な集中豪雨などによりまして全国各地で甚大な被害が発生しております。このため、国は、平成25年12月に国土強靭化基本法を制定し、都道府県、市町村も国土強靭化のための地域計画を定めることとなりました。 このことから、市は、国の基本計画や県の地域計画も踏まえて、本年度から本市の国土強靭化地域計画の策定に着手し、基本方針、基本目標、必要な施策や事業等について策定を進めているところです。 このような中、昨年10月、令和元年東日本台風と10月25日の大雨は、宇多川、小泉川の氾濫、市街地や低地における大規模な浸水、さらには水道水、工業用水の全域断水など甚大な被害を発生させ、市民生活に大きな影響をもたらしました。 このため、市は、現在策定中の国土強靭化地域計画の中に、今回の台風、大雨災害を踏まえた市街地等の浸水時に対応する排水ポンプ車の配備や、小泉川ポンプ場の耐震・浸水対策工事の実施、断水時対応としての給水車の配備を具体的に盛り込むことといたしております。 さらに、宇多川及び小泉川の抜本的な河川改修や水道導水管の複線化の推進について、国や県等と連携して取り組むこととし、併せて、災害時の緊急輸送路に位置づける道路や橋梁等の強靭化、老朽化対策、その他、民間一般住宅の耐震化率の向上、無電柱化等についても計画に盛り込む考えであります。 市といたしましては、これらの事業のうち、国からの支援が可能となった事業を優先して実施するため、本年度3月補正予算に給水車の購入費を、令和2年度当初予算に排水ポンプ車の購入費、小泉川ポンプ場の耐震・耐浸水設計費を計上しているところであります。なお、それぞれの車両については令和2年度内の配備を予定しております。 また、市は、宇多川及び小泉川の抜本的な河川改修や水道導水管の複線化について、国と県等に対し、早期に実施されるよう強く要望しているところであります。 一方で、道路や橋梁等の強靭化、老朽化対策などの実施については、国からの補助金等の採択状況によるため、実施時期を明確に申し上げることは困難でございますが、市といたしましては、国からの補助金等の採択状況等を踏まえ実施してまいりたいと考えております。 なお、国は、平成30年度から令和2年度までの3年間、総額約7兆円規模の国土強靭化予算により、地方が実施する防災、減災、国土強靭化の事業を財政面から支援しておりますが、この緊急対策は令和2年度までとなっていることから、市長が全国市長会として、国と地方の協議の場や全国市長会など様々な機会を捉えて、国に対して国土強靭化予算の拡充継続を要請しているところでございます。 答弁は以上です。 ○議長(菊地清次君) 企画政策部長。 ◎企画政策部長(宇佐見清君) にじ代表、門馬優子議員のイベント開催計画についての質問にお答えいたします。 市は、震災で松川浦の風光明媚な景観を失い、新たな交流人口拡大の施策の一つとして相馬光陽サッカー場やソフトボール場などを整備し、スポーツツーリズムを推進してきました。さらに、市は、令和2年度に整備される復興市民市場や尾浜地区復興交流広場などの施設も交流人口拡大の拠点として、様々なイベント等を実施していきたいと考えております。 初めに、復興市民市場について、市は、交流人口の拡大はもとより、市民の台所、本市農水産物の風評払拭のための拠点施設として整備しており、完成後は定期的なイベントを毎月開催すべく、現在、その費用の支援について国と協議しているところでございます。また、これまでも実施されてきました県主催のおさかなフェスティバル、こちらの継続開催についても県と協議を進めております。 次に、尾浜地区復興交流広場について、市は、市内で子供が遊ぶ場所を設置してほしいという子育て世代からの要望を受け、整備するものでございます。原釜尾浜海水浴場や復興市民市場に隣接し、夏の時期はもとより、冬期間の寒い時期や降雨の際にも遊ぶことができる室内施設を設置しております。また、1万2,200平方メートルの芝生広場と隣接した屋外ステージがあり、様々なイベントに活用できる施設となっており、今後、民間の方がいろいろなイベントを実施するようPRに努めてまいりたいと考えております。 次に、ビーチバレーコートは、福島県内において只見町に設置されているだけで、浜辺に整備されるのは初めてであることから、多くのプレーヤーが利用するものと考えております。なお、ビーチバレーコートでのイベントの開催については、コート整備を監修する国内トッププレーヤーの西村晃一氏等の協力をいただきながら開催してまいりたいと考えております。 次に、スポーツアリーナ第二体育館は、既存のスポーツアリーナそうま体育館と合わせて活用することにより、バドミントン、卓球、バスケットボール、バレーボールなどの室内競技の県大会等を誘致し、交流人口の拡大に寄与してまいりたいと考えています。 昨年12月、東北中央道相馬福島道路が常磐自動車道と接続し、さらに今月14日にはJR常磐線が全線再開通することにより、本市を訪れる方々の交通の利便性が向上します。市といたしましては、ただいま申し上げました施設等を市ホームページやSNS、パンフレット配布等で広く周知し、イベントの開催や大会の誘致によりさらに交流人口が拡大するよう、また、宿泊施設等の観光関連産業など市内経済の活性化につながるよう取り組んでまいりたいと考えています。 以上でございます。 ○議長(菊地清次君) 産業部長。 ◎産業部長(中野俊一君) 会派にじ代表、門馬優子議員の風評被害の払拭についての質問にお答えいたします。 市は、風評被害の払拭が復興の総仕上げであるという考えの下、その拠点として復興市民市場の整備を進めているところであります。市は、市内の農水産物の品質や安全性が正しく評価され、流通することが風評被害の払拭になるものと考えており、復興市民市場が完成した暁には、市民はもとより、県内や県外から本市においでいただいた方々に、新鮮で味わいのある本市の海産物や農産物等を購入し食していただき、加えて、本市の農水産物がすばらしいものであることを発信していただくことが重要であると考えています。 これまでも、市は、県の復興PR事業の補助金を活用し、姉妹都市や各種協定締結都市等で開催されるイベントに出店し、相馬産農水産物の安全性をPRしてまいりました。現在、市は、復興市民市場において相馬産農水産物の安全性をPRするイベントを定期的に開催するため、経済産業省と協議しており、施設完成後は、あらゆる広報媒体を使って復興市民市場のPRに努め、風評払拭につなげてまいりたいと考えております。 答弁は以上です。 ○議長(菊地清次君) 生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(赤石澤珍夫君) 会派にじ代表、門馬優子議員の体育館施設照明のLED化の考えについての質問にお答えいたします。 市は、去る1月31日に、相馬市体育協会から、市内屋内体育施設の照明使用料金の軽減について要望をいただき、検討の結果、軽減により各種大会等の誘致に有利になり交流人口の拡大に資すること、市民がこれまで以上に利用しやすくなることで健康づくり等に寄与することが期待できると判断し、市内屋内体育施設の照明使用料金を無料とすることとし、相馬市スポーツ施設条例の改正について本定例会に提案しております。 また、市は、照明使用料金無料化に見合う財源確保と二酸化炭素排出量の削減を目的に、無料化する施設の照明をLED化して電気料金の大幅な削減を図ることとし、令和2年度予算に関係経費を計上したところであります。 具体的な計画は、令和2年度にスポーツアリーナそうま2階の体育館の工事に着手し、令和3年度以降にスポーツアリーナそうま柔剣道場や弓道場、事務所、松川浦スポーツセンター体育館について、計画的に実施してまいりたいと考えております。 令和2年度の工事期間中の利用につきましては、第二体育館を利用することとし、その他の施設の工事は、利用できない期間を事前に周知することで、利用者にご理解とご協力をいただきたいと考えております。 次に、公共施設予約システムの導入についてお答えいたします。 現在、市の公共施設の利用予約に当たりましては、利用者が直接、施設の受付窓口で利用許可申請書を提出し、使用料の納付をもって正式な受け付けとなってございます。 議員ご提案の公共施設予約システムを導入した場合には、施設予約日と利用料金の納入日にずれが生じ、仮予約となり、キャンセルや予約施設の一部しか利用しないケースが発生することが想定されるため、現時点におきましては、当該システムを導入することは難しいものと考えてございます。 私からは以上です。 ○議長(菊地清次君) 門馬優子君。 ◆5番(門馬優子君) それでは順次再質問をいたします。 まず1番目の1点目で、相馬市地方創生総合戦略の結果と今後について問うの中で、こちら分野ごとにちょっと掘り下げて質問をいたします。 まず最初に、先ほど答弁のほうにも出ていました産業、雇用の分野なのですが、今の課題が働き手の確保ということを言っていたかと思うのですけれども、この働き手の確保を行うために今後どのような対策を行っていくのでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 極めて難しい課題だと思います。 働き手の確保のためには、相馬市内の人材育成が一つ、それから、育成して勉強のために外に出ていった皆さんが戻ってきてくれることが一つ、それから、他の地域から相馬市に移住していただくことが一つ、その次は、ほかの地域から相馬市に通っていただくことが一つ、いろいろな方法がありますが、それは、募集する企業の条件がよくなければということになるわけです。 したがいまして、市といたしましては、これは企業誘致の基本的な理念でありますけれども、優良企業、国際的な優良企業ですね、ちなみに、工場の移転なんかが外国に起こらないというような、ある程度ノウハウが日本国内で蓄積されて、それを害させないという、そういうような意味での国際的な優良企業ということになります。そのような該当する企業の企業誘致に現在努めているところでございます。現在でも相馬市の保有する土地について数社と交渉中でございますが、公表できる段階ではありませんので、そのような努力を、国の力を得ながら、県にも関わっていただきながら鋭意やっているところもございますということです。 人手不足については、その際は、先ほど申し上げたような基本的な理念にのっとって、あらゆる努力をしてまいりたいと考えております。 ○議長(菊地清次君) 門馬優子君。 ◆5番(門馬優子君) それでは、そちらについては企業誘致のほうをしっかり進めていただきたいと思います。 続いて、先ほどの答弁の中に出ていましたが、高齢者のことなのですが、声かけ訪問サービスの結果を答弁なさったかと思うのですが、高齢者がこれから安心して暮らせるように今後どのような施策をお考えかお伺いいたします。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) これは、いろいろな方策があろうかと思いますし、一概になかなか言えないこともございます。今まで市として、よそでやっていないようなことを随分やってまいりました。例えばNPO法人ライフネットそうまを市が支援することによって声かけ訪問サービスをすると、あるいは、お昼ご飯をご希望によっては届けて差し上げることができるように給食の配達サービスもすると、そのようなことは相馬市独自の政策でございます。 しかしながら、それだけでなかなか済む問題ではありませんので、さらに突っ込んで、高齢者の方々が特に山間部にお住みになっている場合、今後は免許返納の問題等々が出てまいりますから、それらに対応していくためにも、チャルメラカーですね、移動販売車を市内に動かしているというようなこともございまして、これらの様々な努力が必要になってまいるかと思います。 また、高齢化社会の社会現象として、これは、高齢化社会で運転免許返納だけではなくて、山間部はガソリンスタンドがだんだん閉鎖になってきていますから、ガソリンスタンド不足によってなかなかガソリンそのものを入れられないというような事態も起きているわけです。様々な要因がございます。 そのような中で、これは地方創生の、ある意味で子供たちのほうにばかり目が行きますが、高齢者の方々も安心してお住まいいただけるように、今までの政策をさらにリファインすると同時に、今後につきましても鋭意知恵を絞っていって、年を取っても安心なまちですよということが、特に社会的増減で何とか稼いでいるところがありますから、相馬市に働きにおいでになる方に一つのサービスというかアピールになるように努めてまいりたいと考えております。 ○議長(菊地清次君) 門馬優子君。 ◆5番(門馬優子君) 高齢者に対しても、対策に対しても、市内全域の方々の現状を把握しまして進めていただければと思います。 続きまして、答弁のほうの中ではあまり触れなかった部分なんですけれども、子育て、教育分野について、達成度の度合いが、評価がちょっと気になったのでお伺いしたいと思うのですが、やはり安全な子育ての環境づくり、また心豊かな人を育てるというのが基本かと考えますが、これらの課題についてはどうお考えでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 安全に子供を育てられる環境ということで、前回の策定時には、子ども公民館を造ってということを考えてまいりました。それから、放課後児童クラブ等々で子供さんたちを預かる体制をできるだけスムーズにやっていきたいということを考えてまいって、ただこれは、実態が完全ということはなかなか難しいわけです。事業者の方々にご協力いただくという部分もありますし、そういった意味では、今回の議会に提出しております、市内の事業者の方が施設をリニューアルすることによってキャパを増やしていただけるというようなことがありました。市としても前代未聞のご支援をさせていただくことになるんですが、それに見合った財源をどうやって確保するかということで、スクラップ・アンド・ビルドの精神でもって、この子育ての環境をよくするためにいろいろと汗をかいてまいりたいというふうに思っています。 そんな中で、現在、新型コロナウイルスで、大人も含めて、子供たちを中心に市民の健康を守らなくてはいけない状況にありますので、これは、地方創生の中の大きな柱でもありますし、その応用問題でもあろうかと思っています。学校が休校になった場合に子供さんたちをどうやって守るか。ちなみに、休校が急に出てきた方針であったために、相馬市としては、政府の考え方より2日遅らせて休んでいる間の準備をさせていただいたんですけれども、それでも、1週間はいいとして2週間目に入ったらどうなるか。 そういった意味では、これは昨日、文部科学省とも調整したんですが、ドリルを買って郵送しようと考えております。そのような対策を、これは、相馬市の対策は全国から注目されておりますから、今この時間に市長会の代表が協議をしているはずですけれども、そのようなことも踏まえながら、さらにまたこのコロナに関して言えば、3週間目も恐らく再開は困難であろうかと思っています。 そうなると、その間の態勢もどうするかという問題になってまいりますから、私としては、学校の教室を低学年については開けなさいとか、体育館も使いなさいとか、そのようなことで指示をしてまいりましたけれども、なお実情に応じて子供たちの健康を守るように、これは総合戦略に直接書いてあることではないですが、相馬市の精神が表れる一つの事象というふうに考えて鋭意対応してまいりたいと思っております。 ○議長(菊地清次君) 門馬優子君。 ◆5番(門馬優子君) 新型コロナウイルスの対応、しっかり対策していただきまして、今後なんですけれども、これからの相馬市を担う子供たちに対して人材育成という形を取る、新たな人材育成という形がとても重要かと考えます。それについての今後の展望についてはどのようにお考えでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) やっぱり子供たちの場合は教育ということになるんですね。私は、必要なのはキャリア教育ではないかと思っています。将来を見越して、やっぱり現実に応じた足元のしっかりした成長をしていただきたいと思うのです。足元のしっかりした成長をして、子供たちが相馬で暮らすということを前提に考えた場合、どういう未来が提供できるかということは、これは企業誘致とか地域づくり等々にかかっているわけです。それは我々大人の責任ではありますけれども、子供たちがそのことを踏まえてしっかりと学習して成長できる環境をつくっていくこと。例えばICT教育もその一環ということになります。報徳仕法の非常に堅実な地域性を持っているわけでありますから、その堅実さを子供たちの人生設計の中に生かして考えてもらえるように、そのことも必要だと思いますし、そのことを踏まえた上での学習ということも必要になってこようかと思っております。 これは小・中学校教育だけではありませんから、高校の卒業生たちが専門学校にばかり行く子供が多いというような、そういう現実もあるわけです。専門学校も実のあった専門学校だったらいいんですが、そこのところはやっぱりしっかりとした人生設計ができるような、そういうキャリア教育を子供のうちからやっておく必要があるだろうと。その上で我々はその教育の機会を提供する、例えばICT教育についても市としてできる限りの支援をしながら、子供たちの教育環境を整えながら成長を見守っていきたいと、そのためにあらゆる努力をしてまいりたいと、そのように考えております。 ○議長(菊地清次君) 門馬優子君。 ◆5番(門馬優子君) これからの時代、やっぱり生き抜く力というのが必要かと考えられます。教育長と一緒に進めていただけたらと思います。 続いて、2点目の国土強靭化地域計画策定の内容と実施時期についてなのですが、こちらは市民の安心・安全な生活を最優先に考え、早急に進めていただければとお願い申し上げて、次に移りたいと思います。 2件目の交流人口拡大について、1点目、イベント開催計画についてなのですが、イベントを1か月に1回開催ということで計画しているのは了解しました。周知もしっかりとして取り組んでいただければと思います。 そして、私たちの会派でちょっと話し合って、もう一つ問題があるということが考えられることが分かりました。というのが、復興交流広場と復興市民市場はどちらも相馬駅からかなり距離があると思うのです。それで、先ほど答弁にもあったように、JRが全線開通するようなので、市民だけじゃなく観光客が電車で来る場合もあるかと考えられます。そのときのアクセス方法についてはどのようにお考えでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) これは、状況に応じて判断せざるを得ないと思うのです。非常に乗降者がイベントなんかで多い場合は、状況によってはピストン輸送するようなことも考えてもいいかもしれません。しかしながら、非常に広い駐車場を有しておりますので、私は恐らく、これは車で来場される方が多いのではないか。特に、子供さんを連れた利用者の方々は車で来られることが多いのではないかと思います。 そこで、駐車場も満杯になって、JRを利用してください、JRの相馬駅からの移動については配慮させていただきますというぐらい繁盛できたらいいなと思っているところなのですが、その際はその際なりに考慮してまいりたいと思っております。 ○議長(菊地清次君) 門馬優子君。 ◆5番(門馬優子君) いらっしゃる人の数というのは分かるのですが、どこの観光地を見ても、無料もしくは安い単価で巡回バスなどが走っているのが見受けられます。また、今、2次交通の確保や整備、またグルメが観光客を誘致する重要なポイントと言われております。市民市場と広場をセットにして相乗効果を上げる対策の一つになるかとは考えるのですが、その辺はどうお考えでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 復興市民市場と子ども公園だけで人が呼べるとは考えておりません。 これは、伊達、福島、米沢と我々が一緒に考えているのですけれども、あくまでもその観光圏、あまり今いい言葉ではないのですけれども、クラスターという言葉があります。一つの圏域として、観光圏として、相馬にだけ来るという人はなかなかいないと。福島の飯坂温泉に泊まりながら相馬の市場に行きましょう、あるいは米沢で肉を食べましょう、そういう観光の仕方が今の主流なのです。 そう考えると、先ほど申しましたように、公共交通だけで移動される方が何%いらっしゃるかということなんです。その需要が多い場合はもちろん考えてまいりたいと思いますけれども、今の動きとしては、観光圏を連携する中で周遊観光を一つ考えたい。その周遊観光の中に、相馬の子ども公園なり復興市民市場なりが、そこにはまりながら風評払拭につながっていっていただければありがたいと、そのように考えているところでございます。相馬市内の周遊観光の手段だけだとなかなか難しい。 もしそういう事態になれば、需要が増えてくれば、実は千客万来館はそういうことも想定してつくったところではありますが、そのために交通を専属につけるほど繁盛してはいないということでもありますので、特別な視察に来るような方々であればまた別ですけれども、一般的な観光客となった場合はちょっとその観点を変えて、もうちょっと広域的に考えていく必要があるのではないかと思っています。 ○議長(菊地清次君) 門馬優子君。 ◆5番(門馬優子君) その周遊観光という点でいえばよく理解できました。 ちょっとここでご提案したいことがあるんですけれども、その周遊観光の中に、例えば、今、IHIと共同研究しています水素を燃料にしたバスを走行させるとか、または国土交通省の自動運転モデル事業などを取り入れて、2次交通を観光の一環として取り入れるなんというのも一つの展開だと思うのですが、その件についてはどのようにお考えでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 水素動力のバスについては実は検討したことがございます。その際は、やはり水素の供給ステーションに相当な投資がかかる。IHIの現在の水素発生の研究が実はまだそこまで進んでいないということもございます。太陽光発電でもってつくったエネルギーで下水処理の一部を燃料化するということについては成功いたしました。これは十分実用化できると思いますが、水素はまだ研究途上の段階でございますので、今、そこまではなかなかいかない。ただ、あの施設での電力発生等の電力の処理等々によって、災害時の助けになるような形では考えてございます。ですが、交通手段の動力とするまでは、なかなか今そこまでいっていない。 さらに、議員が今おっしゃいました無人運転のモデルということですが、相馬市の現在の状況を考えますと、かなり先進的なことにはなりますが、今、震災からの復興の仕上げ、あるいは台風に備えての強靭化等々考えている中で、なかなかそこまで手が伸ばせないということでございます。局地的に、ローカル的に、工業団地の中だけでもそうしようかとか、そういう話があれば歓迎ではございますが、ちょっとそこは社会の情勢を見ながら、そのようなオファーがあった場合は考えてみたいと思いますが、相馬市のほうから今、手を挙げて積極的にするには多難過ぎるというか、多忙過ぎるというか、そういう状況ではないかと思います。 ○議長(菊地清次君) 門馬優子君。 ◆5番(門馬優子君) ただいまのことについては、それでは頭の片隅に入れていただければと思います。 続きまして、2点目の風評被害払拭の対策についてなのですが、こちらは今の相馬市にとってやっぱり一番の課題と考えられます。ピンチをチャンスに変えて全力で取り組み、成果が出ることを期待しております。 次に、3件目の公共施設の利用促進について、これの2件目で、公共施設予約システム導入についてなんですが、導入について困難という答弁をいただいたわけでございますが、市民の利便性を重視した上で再度ご検討をお願い申し上げて、質問を終わります。 ○議長(菊地清次君) ここで13時まで喫飯休憩をいたします。                              (午後0時07分)--------------------------------------- ○議長(菊地清次君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                              (午後1時00分)--------------------------------------- ○議長(菊地清次君) 日程第5の議事を継続いたします。 次に、会派そうま市民の会代表、根岸利宗君の質問を許可します。 根岸利宗君。     (12番 根岸利宗君 登壇) ◆12番(根岸利宗君) 12番議員、会派そうま市民の会の根岸利宗です。 会派を代表して市長と教育長に対して質問いたします。 最初に、市長の政治姿勢について何点か質問いたします。 一昨年、立谷市長は全国市長会会長に就任されました。任期は2年で、今年の6月3日までの任期とのことであります。東日本大震災により甚大な被害を受けた被災地を代表して、また基礎自治体として、地方政府としてのあるべき姿を中央に向け、あるいは他の自治体に向け発信いただいているものと考えます。このことを踏まえ、全国市長会会長就任2年間の総括を伺います。 次に、災害対応に関わる問題について3点伺います。 まず、人口密集地に係る堤防の強化に対する考え方についてであります。 昨年の台風19号とそれに続く豪雨によって、様々な場所で、また様々な分野において被害が発生をいたしました。中でも人口密集地における被害は甚大なものとなりました。今後も局所豪雨の発生する可能性は高いものと考えます。人口密集地を守るために堤防の強化は最優先事項で実現すべきと考えますが、市長の所見を伺います。 次に、災害時の避難所の在り方について伺います。 2月16日付福島民報新聞に、災害時の避難所の生活環境について、共同通信社の全国自治体アンケートが掲載されておりました。それによりますと、全国の自治体の95%が「改善の必要あり」と回答しており、福島県内59市町村においては、53市町村が「改善の必要あり」と回答したとのことであります。一方、相馬市は「改善の必要なし」と回答したようであります。本当に全く問題がないと言えるのでしょうか。市長の所見をお伺いいたします。 次に、中橋の改修について考えをお伺いいたします。 町場の方々を中心に、私が一番質問されるといいますか、そういうことが中橋のことであります。向陽中への通学路でもあり、市民の多くが関心を持ってどうなるか推移を心配しております。中橋の改修に関する市長の所見を伺います。 次に、風評払拭にかける市長の決意をお伺いします。 議会を初め様々な場所における市長の発言を聞いていて、風評払拭にかける思いは並々ならぬものがあると感じております。改めて、市長の風評払拭にかける思いを披瀝いただければと思います。まず、新年度において重点的にどのような取組を考えているのかお示しいただきたいと思います。 次に、東京電力福島第一原発事故に伴う汚染水の処理問題について伺います。 政府の専門家会議が、過日、トリチウムを含んだ処理水の海洋放出を容認する答申を提出いたしました。当地方にとって重大な局面であり、極めて遺憾なことであると考えます。この件に関する市長の所見を伺います。 次に、教育行政について教育長に質問いたします。予算を伴う点などについては市長にも答弁いただくこともあるかと思います。 まず、新年度の重点施策について伺います。 新年度、教育委員会としてどのような点に力を入れて取り組もうとしているのか。また、ここに来て重大な問題となっている新型コロナウイルス対策等も含め答弁願いたいと思います。 次に、放課後児童クラブにおける待機児童問題について伺います。 昨年、新たに飯豊小に放課後児童クラブの施設が建設されましたが、新学期早々、満杯で入れないという状況が発生しました。当初から、施設の規模をもっと大きくすべきではなかったかなという思いも持ちました。昨年の市議会議員選挙におきましても、待機児童解消を訴えるお母さんからの切実な要望も受け取りました。放課後児童クラブにおける待機児童問題の現状と課題について所見を伺います。 次に、小・中学校生に対してゲーム時間を制限することについて伺います。 ゲームのやり過ぎによって様々な問題が発生しているとの報告が専門家から挙げられております。学業に対する影響、生活習慣の乱れ、視力や脳に対する悪影響などが挙げられております。条例によってゲーム時間を制限することを決めた自治体も現れたようであります。教育委員会としてどのように考え取り組んでいるのか、教育長の所見をお伺いします。     (「議長」と呼ぶ者あり) ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 一つ確認しますが、議員からの質問で全国市長会長とおっしゃって総括を伺うということでしたけれども、まだ任期は終わっていませんので、総括という言葉がなじむかどうか。できればこの1年数か月の間の感想を述べるということにとどめたいと思いますが、よろしいでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 市長の気持ちで結構です。     (市長 立谷秀清君 登壇) ◎市長(立谷秀清君) それでは、ご許可をいただきましたので、全国市長会会長としての1年8か月の感想、所見を述べさせていただきたいと思います。 会長に就任して以来、副会長を初め多くの市区長たちの支えの下、災害支援や幼児教育・保育の無償化などの課題に対応してまいりました。支えていただいている多くの市区長さんに感謝をいたしております。 平成30年6月の就任直後から、大阪府北部地震や西日本豪雨、北海道胆振東部地震など大規模災害が各地で発生し、そのたびに、東日本大震災の経験を踏まえながら、会長として被災地への支援を行ってまいりました。また、全国市長会に防災対策特別委員会を設置し、全国の市区長と各地方整備局長とのホットラインの構築を初め、全国市長会としての災害支援体制のシステム化に取り組んでまいりました。 そのような中、令和元年東日本台風及び10月25日の大雨災害の際には、私が会長として支援した多くの自治体から、給水車や応援職員、飲料水などのご支援をいただいたわけであります。ちなみに、その際、私の要請に応じて、全国から15万9,000本の2リットルのペットボトルの飲料水が集まりました。これを市民に配給するだけではなく、2万4,000本の保有状況だった南相馬市に1万本、また2万5,000本の保有状況だった新地町に8,000本、それぞれ支援することができました。南相馬市長はこのことに大変義理をお感じになり、南相馬市の入浴施設を相馬市民に無料で利用させる等、お互いの結びつきを強めたところであります。 また、共に災害対応策を協議してきた東北地方整備局長からは、排水ポンプ車をご手配いただきました。全国市長会会長として関わってきた皆様から多くのご支援をいただいたことは、感慨無量の思いでございます。 その他の質問は担当部長に答弁いたさせます。 ○議長(菊地清次君) 建設部長。 ◎建設部長(柏宏樹君) そうま市民の会代表、根岸利宗議員の宇多川、小泉川の市街地における堤防強化についての質問にお答えいたします。 宇多川、小泉川の管理者である県は、市街地部分も含む両河川の全体的な改修計画について、現在、国と協議を進めているところであり、事業が認められ次第、その事業内容を公表することとしています。 市といたしましては、引き続き安全・安心なまちづくりのため、河川から市街地への浸水被害が発生しないよう、早期の抜本的な河川改修、国土強靭化の取組の拡充・継続、予算の確保について県に強く要望するとともに、国に対しても直接、国土交通省水管理・国土保全局に強く要望してまいりたいと考えています。 次に、中橋の復旧に関してお答えいたします。 議員おただしの中橋について、市は、河川流水の阻害を防止し災害に強い構造とするため、単に原形復旧とするにとどまらず次の台風災害に備えて強靭な構造とするため、市長をして、国と地方の協議の場において強く要望してきたところであります。その結果、橋脚本数を9本から2本に減らした内容で、本年2月5日に国の災害査定を受けました。現在、市は、この災害査定の内容で中橋が災害復旧事業として採択されるよう国と協議しています。 市といたしましては、令和2年度中に、河川管理者である県と中橋の改良復旧工事の内容及び工程について協議する予定のため、被害を受けた橋の撤去工事は令和3年度内の着手、復旧工事完了は令和5年度中となるものと見込んでいます。 私からの答弁は以上です。 ○議長(菊地清次君) 産業部長。 ◎産業部長(中野俊一君) そうま市民の会代表、根岸利宗議員の風評払拭についての質問にお答えいたします。 市は、風評被害の払拭において一番優先されるべき事項は、将来にわたって相馬市の子供たちが偏見による差別を受けないこと、その次に、市内の農水産物の品質や安全性が正しく評価され、流通することであり、これらを実現するためには、市民はもとより国民全体が放射能を正しく理解した上で、相馬市民が自信を持って暮らすことだと考えております。 次に、トリチウムを含んだ処理水の放出についてお答えいたします。 福島第一原子力発電所におけるトリチウムなどを含む水の処分方法について、経済産業省の小委員会は、基準以下に薄めて海か大気中に放出する方法などを盛り込んだ報告書を、2月10日に政府に提出したところであります。 今後、政府は、この報告書を踏まえ、地元を初め幅広い関係者の意見を聞きながら、処分方法と併せて、講ずるべき風評対策を検討していくこととしておりますが、市といたしましては、十分なエビデンス、科学的根拠に基づいた分析や判断の下で、風評による被害が想定される漁業者を初めとする関係者の理解を得ることを前提に、国が適切に対応をしていただきたいと考えております。 答弁は以上です。 ○議長(菊地清次君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(原史朗君) そうま市民の会代表、根岸利宗議員の災害時の避難所の在り方についての質問にお答えいたします。 市は、10月12日の台風19号に際し、スポーツアリーナそうまを含む7つの施設を一般避難所として、馬場野山田の井戸端長屋を含む4つの施設を福祉避難所として開設し、1,219人が避難しました。翌13日には、大部分の市民が自宅へ戻られたことから、市は一般避難所をスポーツアリーナそうま1か所に集約し、自宅が大きな被害を受けた60名の方々を収容しました。市は、この60名の方々が新たな生活の目途がつくまで避難所に収容することとし、災害から1か月後の11月13日まで避難所開設を継続しました。 市は、避難所の開設に当たって担当職員2名を配置し、その後、県から派遣された県職員とともに、国の「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」に基づいて避難所を運営してきました。 その避難所運営での具体的内容は、1、避難者名簿の作成と避難者の状況把握、2、10月13日からの食事提供と食事の質の確保、3、寒さ対策としての施設暖房及び石油ファンヒーター2台の設置、4、間仕切り用パーテーションによるプライバシー確保及び障害者の個室対応、5、衛生管理、感染症対策としての玄関外での下足の消毒と室内入り口への吸着マット設置、さらには細菌やウイルスを除去するスプレーや手指消毒剤の配備及び加湿器の設置、6、10月14日からの医師及び保健師による巡回健康相談の実施、7、NPO法人による健康管理支援活動の実施、8、企業や個人、団体等から寄せられた支援物資のうち、避難者が使用する日用品や衛生用品、下着類、食品等の配付、9、各種被災者支援に関する情報の提供などを行ってまいりました。 市といたしましては、東日本大震災における避難所運営管理の経験を踏まえ、被災者の困窮状態に対して、必要に応じて適切な措置を講じてきたものと考えております。 また、このたびの台風被害の避難所運営については、その都度、被災者のご意見を聞きながら、PDCAサイクルを基に対策を講じており、この1か月間の避難所開設において、60名の方々の避難所生活に支障を来すような事案は生じなかったことから、避難所運営はスムーズに行えたものと考えています。 次に、放課後児童クラブの現在の待機児童の現状と対策についてお答えいたします。 令和2年2月1日現在の放課後児童クラブの利用者数は488名で、待機児童数は43名となっています。待機児童数の内訳は、東部子ども公民館が21名、西部子ども公民館が11名、川原町児童センターが5名、大野小学校が2名、八幡小学校が2名、中央児童センターが1名、飯豊小学校が1名です。 また、市は令和2年4月1日からの放課後児童クラブの登録を現在受け付け中でありますが、3月3日現在で28名の待機児童となっています。その内訳は、川原町児童センターが27名、中央児童センターが1名でありますが、川原町児童センターは、昨年10月の台風被害の修繕が完了し、さらに児童支援員が確保された段階で27名全員を受け入れ、中央児童センターも、支援員が確保された段階で1名を受け入れる予定となっています。 以上です。 ○議長(菊地清次君) 教育長。 ◎教育長(堀川利夫君) そうま市民の会代表、根岸利宗議員の新年度の重点課題についての考え方の質問にお答えいたします。 最初に、新型コロナウイルス感染症対策についての学校での対応についてお答えいたします。 2月4日に開催しました校長会において、新型コロナウイルス感染症対策として、児童・生徒にマスクの着用、手洗い、うがいの励行、トイレのドアノブなどの消毒、教室の換気をすることについて確実に取り組むことを指示しました。 また、向陽中学校で2月26日から28日に予定しておりました修学旅行を延期するよう要請しました。 2月25日に臨時校長会を開き、児童・生徒の指導事項に加えて、帰宅後の手洗いの習慣化、朝晩の食事を十分に取ること、睡眠を十分に取ること、検温の実施を保護者にお願いすることにしました。 また、向陽中学校以外の3校の修学旅行についても、保護者の同意を得て延期することを改めて要請しました。 同日、国の新型コロナウイルス感染症対策の基本方針が示されたのに加え、文部科学省から、「学校の卒業式・入学式等の開催に関する考え方」及び「児童生徒等に新型コロナウイルス感染症が発生した場合の当面の間の出席停止及び学校の臨時休業の措置に関する方針等」が示されたことから、本市でもこれに従い感染症対策を実施することにしました。 しかし、2月27日夕方、安倍内閣総理大臣が、全国の小・中・高等学校及び特別支援学校などに、3月2日から春休みまでの期間、臨時休業とするよう要請するとの考えを表明したことから、市は2月28日の午前中、市長の参加の下、緊急の臨時教育会議を開き、次のことを決めました。 1つ、休校に向けての準備や調整に時間を要することから、3月4日から23日までの期間を臨時休校とする。 2、3月3日は、各教室で仮の修了式を行うこととする。 3、卒業式の日は予定どおりとして、式典は卒業生と教職員だけで行うこととする。 4、夫婦共働きの世帯、ひとり親家庭などを考慮し、放課後児童クラブは引き続き開所すること。 5つ、保護者が子供の面倒を見ることができない家庭については、学校施設を使い可能な限り対応をすること。 6つ、公立幼稚園については、夫婦共働きの世帯、ひとり親家庭などを考慮し通常どおりの対応とすること。 7つ、児童・生徒が関わる音楽、スポーツ行事については中止または延期をすること。 以上の7項目を決め、同日、市内小・中学校長に、「新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う臨時休校措置による対応について」の通知をしたところです。 相馬市の子供が新型コロナウイルスに感染したときの対応については、ある1つの学校で1人の感染者が出たときは該当校を休校とします。また、市内の2校に感染者が出たときには市内全校を休校にすることにしています。感染児童・生徒は出席停止としますが、濃厚接触者等をどの範囲までとするかなどについては、国・県の指導を受け対応してまいりたいと考えております。 なお、対応の詳細については市のホームページにも掲載してあります。 次に、令和2年度の教育委員会の重点課題について引き続きお答えします。 重点事項については、基本的には今まで取り組んできました重点施策を継承、実践してまいります。特に令和2年度は、小学校において新たな学習指導要領による教育が完全スタートすることになりますので、ICT教育の充実、加えてプログラミング教育について力を入れてまいります。 次に、ゲーム時間の制限についてお答えします。 市教育委員会は、ゲーム機だけでなく、携帯電話やスマートフォン等を使用してゲームを行う児童・生徒が多いことを把握していることから、午後9時以降にスマートフォン等を使用させないよう、保護者に通知等を出して協力をいただいているところです。 また、市PTA連絡協議会や相馬地区学校警察連絡協議会等からも、携帯電話やスマートフォン等の使用について提言されており、保護者に周知しております。各学校においても、ノーメディア週間等を実施して、ゲーム機やスマートフォン等の利用について家庭で考える機会としております。 それに加え、そうま教育だよりや各学校での保護者会、保護者向けケイタイ教室等を通して、根気強く指導と協力の呼びかけを行っているところです。しかしながら、使用のルールが決められていない家庭や子供の利用実態を知らない家庭、フィルタリングをかけていない家庭などがあることを各学校より報告されております。 市教育委員会といたしましては、ゲーム時間の条例化等、制限まで踏み込んだ取組については、その対応が各家庭の考え方によるところが大きく、使用制限等の管理も困難であり、形骸化してしまうことが考えられるため、今後も、各学校において、ゲームの長時間使用による脳への影響等を含めて保護者向け講演会等を積極的に実施するなど、保護者へも働きかけてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(菊地清次君) 12番、根岸利宗君。 ◆12番(根岸利宗君) 再質問いたします。 まず、全国市長会会長就任においての今までの感想ということで、市長からお伺いをいたしました。相当頑張ってやっていただいているなと思いますし、我が市からそういう市長を輩出しているということは、非常に誇らしいことであるなと思うところがございます。 この間、先ほどもお話ししましたし、1年前にも同様の質問をさせていただいたところがありますが、市長が考えている地方政府なり、自立した地方自治体がまず基本なんだと、こういうような考え方、全国の自治体各市もおのおのの市長、独特といいますか、いろいろな方がいらっしゃるわけでしょうが、そういうような市長の基本的な考え方は、この1年数か月の間に相当共有は進んでいるというようなご認識はお持たれになりますでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) これは市議会で答えることが適切かどうか分かりませんが、地方政府としての意識が強くなってきた、特に、災害を通してそれぞれの市長たちが学習してきたことがございました。やはり基礎自治体として、住民生活の直接の責任を負うのは市長であると、あるいは市町村長まで含めるということになりますが、そのことは、例えば台風15号の千葉県の対応、あるいは千葉県の市の対応、それを支援した市長会の対応、さらには、これも昨年ございましたけれども、鶴岡地震の際の鶴岡市と国土交通省東北地方整備局との対応、さらに山形県市長会の対応、私どもも支援させていただきましたけれども東北市長会の対応、そういった意味で、市長が地方政府の長としてしっかりした意識を持つことによって、そこに共感する仲間の市長たちから大いなる支援を得ることができる。 もちろんそれだけではありませんが、急性期においては国の支援が来るのに時間がかかりますから、県の支援がどこまであるかこれは話は別として、この前の台風19号についても、国からの支援が来るまで1週間かかりました。 しかし、ちなみに我々と防災協定を結んでいる鹿児島県日置市は、相馬の洪水のニュースと同時に、トラックに2リットルのペットボトルを積めるだけ積んで、24時間走り続けて相馬市に届けてくれたんです。私、大変感激いたしましたけれども、こういう日頃の、どういう意識を持ってどういうお付き合いをしていくか、どういう気持ちで地方自治をやるかということについて私も大いに学習いたしましたし、市長会全体がそのような学習をしたものと思っています。 今、それが試されているのが新型コロナウイルスに対する対策でありまして、これは状況が各市ともみんな違いますから。そういう中で、安倍首相がおっしゃった3月2日一律ということにはならなかったんですね。皆さんやっぱり、自分の市の状況に応じてそれなりに適切な対応をしてきたものと思っております。相馬市は、3月4日からという対応にいたしましたけれども、3月2日でやれば、これは、病院で働いている非正規労働者の方々の確保ができない、医療崩壊につながる、あるいは教育の現場としての準備ができない等々の理由で、そのように踏み切ったところであります。 しかしながら、相馬市に感染者が出たとなれば、これはまた話が全然変わってまいりますから、その際は市民総力を挙げて新型コロナウイルスと闘う。今、防御するということで精いっぱいですが、その場合はもう闘うという気持ちで取り組むべきと思っていますが、これも自治体の責任においてなされるべきことと思っています。 そのような意識の醸成につきましては、私はこの2年間、2年ではないですが、1年数か月の間、各自治体の長としての気持ちは大いに自覚が進んだものというふうに考えています。 ○議長(菊地清次君) 根岸利宗君。
    ◆12番(根岸利宗君) 市長の頑張りでそういうふうなことが醸成されるということは、非常に喜ばしいことであるなと私も思います。 相馬市が20万、30万人の市であればますます頑張ってねというように言いたいところでありますが、残念ながら相馬は3万6,000、7,000人という人口で、この規模でございます。この小さなところから全国市長会長を輩出しているという部分は非常にすばらしいことであるなと思う一方で、市長には、相馬市に張りついて頑張っていただきたいなと思うところもあるわけでございます。 またこの豪雨で応援職員派遣をお願いするような形になっておりますが、全国市長会に市職員を派遣しているわけでございますが、向こうから派遣をお願いしてきて、また来年も来てくださいという中で、全国市長会に要請されているから、あるいは会長市だからということで派遣をしているというのはどうなのかなと私は思いますが、市長、その辺については見解はいかがでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 副市長。 ◎副市長(佐藤憲男君) 全国市長会へ相馬市の職員を派遣していることについての質問というふうに思います。 今、質問の中で来年もという言い方をされているのですが、今行っている職員は平成31年4月から行っていまして、その際に全国市長会の事務局のほうからも2年というお願いがされていましたので、来年も引き続き、その方を全国市長会の事務局のほうに派遣する予定であります。 その後についてどうなるかは市長の関係もあって不明でありますが、今行っている1名については、平成30年6月に立谷市長が全国市長会会長になられました。それを経て、全国市長会の事務局から、平成30年9月に相馬市職員の派遣の要請があったわけです。その際には、我々として、相馬市の復興の状況とか、ほかから応援職員をいただいて仕事を進めている、そういうものも総合的に勘案して適切かどうか庁内で検討をさせていただきました。 その中で一番の理由は、当時、全国の自治体から来ていただいていた応援職員が、平成31年3月末で皆さん元の所属先に戻るという一つの状況がありました。そういうことで、復旧・復興も一応形は出来上がりつつあるなと、そういう一つの捉え方があったわけです。 あともう一つは、今まで全国市長会という事務局に職員を派遣したことがないわけでありますが、ご案内のとおり、全国の市の実態等を把握するわけであります。しかも、その把握の上においていろいろな課題等が、当然、各自治体、あるいは共通の課題等があるわけでして、それらを知るいい機会になるなと。そのことによって、当然、全国市長会というのは国に提言するような仕事もしていますから、提言のための政策とか制度について自分たちで勉強しなければいけない、そういう職員のスキルアップにもつながるだろうと。 それに加えて、全国市長会の事務局には、今現在も十数名の各自治体から来ている職員の方がいらっしゃいますので、そうした他の自治体から派遣されている職員との交流にもつながると。そういうことで、彼が将来、相馬市を担っていく際に大変有意義な効果といいますか、彼にとって、そして相馬市にとって大きな財産になるだろうと、そういうふうに認識をいたしまして、平成31年4月から2年間、全国市長会のほうに派遣することに決めたわけです。 全国市長会と同時期に、福島県のふくしま自治研修センターに講師1名を私どもは派遣しています。これも任期は2年なのですが、実は、ふくしま自治研修センターからは震災直後から我々のところに派遣要請がありました。しかし、多大な被害を受けた相馬市において、ほかから応援職員をもらって復旧・復興に当たっているときに、ほかに人を出すほどの余裕はないということでずっと断り続けたわけです。同じように応援職員の方が引き揚げるということもあって、平成31年4月からふくしま自治研修センターのほうにも1名を派遣したと。これは、とにもかくにも相馬市がこれから先、生き残っていく上で一番中心になるのは職員でありますから、職員の資質を向上させる、そしてほかとつながりを持って交流をして発展させる、そういうことで派遣をさせていただいたということであります。 以上であります。 ○議長(菊地清次君) 根岸利宗君。 ◆12番(根岸利宗君) 回答といいますか、答弁についてはそういうことなんだなと。私としては違う考えといいますか感情を持ちますが、答弁としてはそういうことだと理解をいたします。 先ほど壇上でも申し上げましたように、今年の6月3日までが全国市長会長の任期ということでございますが、次期全国市長会会長立候補についてのお考えは、市長、いかがでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) これは、全国市長会長というのは自分から手を挙げてなるのではないのです。     (「違うの」と呼ぶ者あり) ◎市長(立谷秀清君) ええ。全国市長会長に立候補するのは、例えば東北市長会とか近畿市長会とか、それぞれの地方から推薦されて初めて立候補になるんですね。今日現在のところで、私のところに東北市長会からそのような話は来ておりません、これからどうなるか分かりませんが。 それともう一つ、全国市長会の会長を決定するのは、各地方からの推薦を受けて、会長選考委員会という、これは幹部の市長たちによるそういう組織があるんですね。その組織で検討することになっています。その組織で検討した結果、調整がつかない場合は最終的には選挙をすると。2年前はそういうことで選挙になったという経過がございます。 したがいまして、私が被選挙人かどうかも分からないところで、私のほうからそのような大それたことを申し上げる立場にはないと思います。もしもそのような推薦があった場合には、全国市長会の副会長たちあるいは副市長と相談して決定したいと考えております。 ○議長(菊地清次君) 根岸利宗君。 ◆12番(根岸利宗君) 全国市長会長の選任の仕組みを教えていただきまして、ありがとうございます。何とも、そういうことだということですが、近々そういうような選定の過程が行われるんでしょうから、見守っていきたいなとこう思っております。 災害対応についてお伺いをいたします。 人口密集地に係る堤防強化ということで建設部長のほうから答弁いただきました。様々な部分で、全力でといいますか、やっておられるという状況は分かりますが、市長の先ほどの答弁といいますか、前の質問に対する答弁でも、国が3か年で7兆円の国土強靭化予算というようなことで、これは当然、相馬市の状況に当てはまるんだろうなと思うところがあります。様々なやらねばならないことが今回の災害に対してあるわけですけれども、特にこの人口密集地に係る部分については最優先にお願いをしたい、また予算も使っていただきたいと思うわけですが、市長、その辺いかがでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) これは、今回被災を受けた部分、中橋も結局そういうことなんですが、原状復旧するだけでは駄目なんです。したがって改良復旧が必要になる。これは宇多川、小泉川だけではなくて、その支流、あるいは小さな河川、地蔵川等のような河川も含めて、全体的に相当な災害対応の改良復旧をしないといけないんですね。宇多川、小泉川の改良については、ある程度めどが立っています。ですが、ある程度なんですね。 大規模ということになりますと、国土強靭化の予算がついたのは令和2年度までですから、令和3年度以降は、いろいろな意味での大規模改修のめどは立っていないわけです。先ほど計画の話がありましたけれども、財務省のほうからは、計画をきちんと立てないものにそんな、強靭化と言われても困るという意見があるそうです。 したがって、我々としては、これは全国に呼びかけているのですが、自分の地域の強靭化のための一つの大きなベクトルをつくっていきたいと。それが令和3年度以降の国土強靭化の予算につながっていくというか、そういう特別な予算措置がなければ、私は、通常の予算で防災、防災と言ったところでこれはしようのない、ざるで水をすくっているような話になると思います。ですから、そのことは全国市長会長として、あるいは道全協という組織がありますが、そちらのほうでも強く申し上げてきたところであります。 このことについては、道路予算もそうだし、社会整備の予算もそうだし、我々相馬市全体として取り組んでまいりましたけれども、これは全国的な運動として実を結んでいくことが、ひいては相馬市の安全な生活につながっていくだろうと。 しかしながら、ついでに申し上げれば、これは河川だけではないんですね。相馬市の内水の問題については、これは相馬市の構造的な問題ですから。昭和の初め頃の都市計画と、例えばその頃あった田んぼが今、住宅地になっているんですね。条件が全然変わっている。そういう中でどうやって対応するかということです。 今回、排水ポンプ車の予算を上程していますけれども、この予算も、ざっくり3億何千万円出すなんというのは大変な話になりますので、2億何千万円か3億円前後のお金を出すというのは大変な話になりますので、国土交通省の補助金を半分、総務省のほうからの支援もいただく等々で、いろいろと財源的な確保ということも含めて、安全・安心の確立のために全力を挙げると。特に台風の被害というのは甚大なものでありましたから、東日本大震災の対策をやっているときに傷口に塩を塗られたような気分でしたけれども、だからといって手を抜くわけにはいかないのです。これは、全身全霊を挙げて、私の全国的な立場もありますし、あらゆる力を振り絞って対応してまいりたいと、そのように考えています。 ○議長(菊地清次君) 根岸利宗君。 ◆12番(根岸利宗君) 答弁は本当にそのとおりだなと思いますし、一生懸命やっていただいているなと。持ち時間が気になりながら答弁を聞いているところでありますが、中橋の改修についても具体的に、おおむねの見込みとしてきちっと査定、また完成も令和5年度あたりと若干の前後があるにしてもそういう見通しが立てられたということは何よりであったなと思うところがございます。 災害時の避難所の在り方として先ほど保健福祉部長から答弁いただきましたが、いろいろやられているのは当然理解いたしますけれども、プライバシー確保の問題であったり、バリアフリー化対応の問題であったり、緊急時だからそれはぜいたくといいますか、日常とは違うと。これは理解するんですけれども、本当に相馬の今のところで完璧といいますか、そういうような形だということで理解していいんでしょうか。市長、その辺どうでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) それは、絶対的な環境のよさといったら切りがないです。ただ、あのとき我々ができることとして最大限のことをやったと思っています。あれ以上のことはできないだけやったと思っています。これは、市役所の力だけではなくて、市内の病院に頼んで医者を派遣して、医者の巡回もやりましたし、とにかく考えつくあらゆることをやったと思っています。そのあらゆることをやったことに対して会議の中でいろいろご意見を聞いて、被災者の皆さんからのご意見も聞いて、その上でPDCAサイクルを回してやったということなんですね。被災者の方々から大きな不満はなかったと聞いております。それは、快適さということを求めたら切りがないです。ですが、我々はあの災害のさなかの相馬市としてできる限りのことはやったと、そのように私は自負しているところでございます。 ○議長(菊地清次君) 根岸利宗君。 ◆12番(根岸利宗君) 市長のお言葉を否定するものではありません。皆さんの頑張りを否定するものではありませんが、やはり様々な部分で、PDCAと言っているのですからレベルアップは日々図られているということだというふうに思いますけれども、改善・改良は言うまでもなく、今後もお願いをしたいと、こういうふうに思います。 風評払拭の問題でございますが、新年度の重点施策というようなことではお話はございませんでしたが、先ほど門馬議員、また立谷議員に対しての答弁という中にもあったかなと思うところがあるのですが、今般の新しく新設される原釜の復興交流広場なり復興市民市場なりという部分が中心というような理解でいいのかなと、こう思うところもあるんです。 あと、トリチウムですね、先ほど答弁ありましたけれども、これはやっぱり非常に大きな問題で、現状の中では当然容認できないと。先ほどの答弁もそういうことであったかなと思うんですが、市長、改めて見解をお願いします。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) これは私、相馬市としての立場というのは非常に難しいものがあるのです。ですから、エビデンス、科学的な実証に基づいた適切な対応というのが一つ。それからもう一つ、住民の立場に立った適切な対応。これは相馬市がこうしろと決める立場ではありませんから、私としては、最終的に決定するのは政府なり地元の方々だと思っています。特に政府の判断ということになってまいりましょうが、その際にこの2点、科学的に害がないということをまずしっかりと立証すること、その上で社会的・経済的に害が及ばないような対策を取ること。 その対策は何を目安にするか、やはり関係者の方々です。漁業者とか、その方々がどこまでご納得いただけるかというところにかかっているのではないかと思うのです。経済的な問題から何から、設備の問題からいろいろ出てきましょう。そういう細かいところまで私は言及する立場にはない。ただ、国に対しては、関係者の方々、住民の方々、特に生産者の方々ですね、合意を前提にして進んでもらいたいということを申し上げておりますし、その立場はこれからも変わるものではないということでございます。 ○議長(菊地清次君) 根岸利宗君。 ◆12番(根岸利宗君) ぜひ市長には、政府の立場ではなく、住民の立場を代表してしっかりと物を申していただきたいと思います。 教育行政、新年度の重点課題というような中で、放課後児童クラブ、新型コロナウイルスの問題、急なことで教育長を初め教育委員会の皆さん本当に大変だなと。大変なのは子供たちであり、またその保護者でありというところもあるわけですが、対応方、ご苦労さまでございます。 学校を休んで放課後児童クラブなりのところにぎゅうぎゅう押し詰めるというのは本末転倒という思いがしております。相馬市としてもその辺考えながら対策を取っているかと思いますが、その辺に対してはいかがでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 教育長。 ◎教育長(堀川利夫君) それでは再質問にお答えします。 大人数で1つのところにいるというのはリスクが高いわけですから、そのことは重々分かっています。そういう意味で、自分たちの学校で希望を取って、小学1年生から3年生まで、あるいは特別支援学級に行っている子供とか、親がどうしても預けたいという希望を取ってその子を受け入れます。そして、さらに加えて、放課後児童クラブで何名が学校に預かってもらいたいかということを調査しまして、現在、2つが一緒になって動いています。合計227名となっています。14%くらいなんですが、でも実際は動いてみないとまだ分からないのですが、お兄ちゃんとかお姉ちゃんがいるために1・2年生が一緒に留守番しているという家庭もあるので、最初に希望したよりはちょっと下がっているような気がします。 そういう意味で、教職員の勤務時間は午後4時30分までですが、放課後児童クラブでは午後6時15分まで預かりますので、基本的には学校は午後6時15分、そして午後6時半には閉めて退校という形を取りました。そのために教職員には平常の出勤と遅出をつくって、シフトを組んで今やっているところです。今後どうなるか分かりませんので、いいほうを模索して頑張っていきたいと思っています。 ○議長(菊地清次君) 根岸利宗君。 ◆12番(根岸利宗君) 昨日、今日の市長答弁の中でも対策の一端が語られていたかなと思います。不確定要素が多い中での対応ということで非常に大変だと思いますが、よろしくお願いをしたいと思います。 重要課題についても質問したいところですが、時間がありません。ICT教育等々はほかの議員も質問されているかと思うので、そちらにお任せをしたいと思います。 放課後児童クラブの待機児童問題で、現在、来年の待機が川原町児童センターと中央児童センターですか、あと支援員の確保がつけばというようなお話でしたけれども、その辺の支援員確保の見通しがあるという理解でよろしいでしょうか。 ○議長(菊地清次君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(原史朗君) 再質問にお答えいたします。 支援員につきましては、保育所の保育士などよりも非常に取りやすい資格でございます。ある程度の児童福祉上の教育を受けて、1週間、県の研修を受ければ得られる資格であると。また今般、国の法律が変わりまして、資格取得の要件が緩和されました。5年間従事すれば児童支援員の資格を得られるといった形で、割と確保はしやすいのかなと考えています。現在のところまだ不確定でございますけれども、割と保育士よりは容易に確保はできるのかなという考えではいるところであります。 以上です。 ○議長(菊地清次君) 根岸利宗君。 ◆12番(根岸利宗君) 何かよく分かったか分からないような答弁で、見通しは立っていないということですよね、今現状では。今ここで私が立てろと言ってもしようがないでしょうから、しっかりと見通しを立てるように頑張ってください。 最後に、ゲーム時間の制限というようなところで教育長のほうから答弁いただきました。現状そういうことかなと思いますが、私も、これは新聞で他自治体で条例化したというようなのを見て、ああと思って質問に挙げたところがあるんですけれども、相馬市においては、例えばそういう条例化とか、強制力を一歩、二歩と進める形で対応しなくても現状においてはよいというようなご判断なのかどうか、その辺伺います。 ○議長(菊地清次君) 教育長。 ◎教育長(堀川利夫君) それでは再質問にお答えいたします。 それでまだ大丈夫なのかという答えはノーです。しかし、これは条例化して罰則規定を設けることはできません。そうするとやはり実効性が担保できません。ですから、今まで連合PTAで行ったもの、学警連で行ったもの、教育委員会で行ったもの、これも罰則規定はありませんので、粘り強くこれを繰り返すしかないなと現段階では考えています。例えば9時以降、携帯電話等を使用しないということを教育委員会が出しまして、何人かの保護者から、うちではやっていますよという温かい返事が来まして、そのことのアンケートを取ると50%を超えています。ですから、やらないよりはやったほうがいいなと思っています。ただ、条例化については、法的な縛りを加えるということはなかなかできないことだなと、こう思っています。 以上です。 ○議長(菊地清次君) 根岸利宗君。 ◆12番(根岸利宗君) 教育長のお話のように、現状ではそれでよいという話ではないけれども、今すぐ条例化でもないというお話でございました。我々もまた様々に研究して、また提案をしたいと思います。 以上で終わります。 ○議長(菊地清次君) ここで暫時休憩いたします。                              (午後1時56分)--------------------------------------- ○議長(菊地清次君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                              (午後2時10分)--------------------------------------- ○議長(菊地清次君) 日程第5の議事を継続いたします。 次に、会派、新時代そうま代表、只野敬三君の質問を許可します。 9番、只野敬三君。     (9番 只野敬三君 登壇) ◆9番(只野敬三君) 議席番号9番、会派、新時代そうまの只野敬三でございます。 通告しておりました相馬市が目指す未来像へ向けての取組についてお伺いしてまいります。 「市民の誰もが相馬市民であることに誇りをもち、これからも住み続けたいと思う魅力あるまち。子どもたちが希望をもって成長し、青壮年が生きがいをもって働き、高齢者が安心して暮らしていける、そして一人ひとりが主体的に、積極的にまちづくりに関わっていただいている。」これがマスタープラン2017の理念であり、我が会派では、相馬市が目指している未来像と考えます。 マスタープラン2017策定以来、相馬市は、掲げた各種事業に全力で取り組んでまいりました。極めて大きな課題である東日本大震災からの復興事業も着実に進捗し、復興・創生期間も残すところあと僅かという状況でした。 ところが、昨年10月12日の台風19号と25日の低気圧による大雨が相馬市を襲い、市民生活に、東日本大震災に次ぐ大きな被害をもたらしたのであります。 あの日は、午後1時に災害対策本部を設置し、犠牲者を一人も出さないことを大きな目的として、大規模な停電なども想定しながら災害に備えておりました。 雨量はどんどん拡大し、午後7時には、宇多川が氾濫危険水位3.4メートルに達し、避難指示を午後7時15分に発令いたしました。さらに、午後8時には、小泉川も氾濫危険水位2.56メートルに達したのであります。避難所を開設しながら各河川の水位を監視する状況が続き、ついに午後11時に、それまで毎秒15トンから19トンの放流をしながら管理していた松ヶ房ダムが貯水率100%、これと同時に、毎秒200トンの水が流れ出したのであります。この時点での宇多川の水位は4.31メートル、避難所には約1,200人という状況でした。 市街地全域が水没、最大5,000人の避難者が出る最悪の事態を覚悟したのであります。このとき、深夜のリスクはあるものの、新たに清水地区住民の愛育園への避難誘導を決断し、消防団のご協力により行ってもらいました。 ところが、深夜12時、突然、宇多川の水位が50センチ下がり3.8メートルになりました。雨量を確認したが、そんなに変わっていない、ダムの放水量を確認したが、毎秒170トンという状態、このときは河川の水位が下がった理由が分かりませんでしたが、その後、徐々に水位は下がり出しました。 深夜3時の満潮時間まで監視を続け、朝の5時に、消防団第7分団長より南飯渕堤防決壊の報告を受け、このとき、河川水位が下がった理由が分かりました。恐らく深夜12時に堤防が決壊したものと思われます。 雨が収まり、朝から全職員による被害状況確認が行われ、北飯渕、沖ノ内、市街地を中心に広いエリアでの住宅浸水、農地被害等が発生した報告がございました。 さらに、2週間後、25日の低気圧による大雨で、2度目の浸水被害を経験したのであります。市街地では、駅前、荒井町を中心に前回より大きな被害となりました。 今回の大雨による災害は、市民生活に大きな影響を与え、多くの市民が今もなお不安を抱えながら暮らしております。残念ながら、今の相馬市は、マスタープランの理念とは程遠い状況になってしまいました。市民が納得する抜本的な対策は容易なものではなく、明確にその計画を示すには至っておりません。 我が会派、新時代そうまでは、この問題について議論を重ね、議員としての役割を果たすべく市民の声を聴取し考えている中で、今の市民の不安を払拭するためには、目に見えて安心できる大規模な河川改修が必要と考えました。しかし、それは相馬市単独でできるものではなく、国・県の支援が必要で、極めて大きな財源もかかることから、会派では、国の来年度の地方財政に関する計画と予算措置の勉強をするため、先日、多摩住民自治研究所により開催された議員の学校に参加してまいりました。 今回は、この研修会で提議されたものを含め、相馬市が目指す未来像へ向けての取組について、早急に取り組むべき問題と長期的に取り組むべき問題に分けて質問をいたしてまいります。 初めに、早急に取り組むべき問題について3点伺ってまいります。 1点目に、河川のしゅんせつ及び遊水池の整備についてであります。 これは、マスタープランの「これからも住み続けたいと思う魅力あるまち」という基本的な理念に関連して伺うものであります。 一日も早く市民の不安を払拭するための極めて重要な問題と考えます。市では、今後も来るであろう大雨に備え、給水車、ポンプ車の購入を計画しております。そのポンプ車や既存の排水機場、ポンプ場を活用するためには河川の水位を下げなければならず、そのための施策として伺うものであります。また、これらの事業については県が主体となるものと存じますが、その協議を具体的に進め、その進捗状況について市民にできるだけ早く報告すべきと考えます。 2点目に、幼児教育・保育の無償化にどう取り組むのかお伺いいたします。 これは、マスタープランでも重要課題として取り組んでいる子育て支援に関連して伺うものであります。 実は、先ほど申し上げました勉強会で取り上げられた問題ですが、他市においては、新年度より給食費・副食費の無償化を実施するところもあるようです。相馬市においては、幼稚園・保育園において給食の環境が整っていないことから、食費の無償化は困難と思うのですが、来年度以降、無償化以降、市の負担は以前と比べてどうなるのか、また、どのような影響が出ると考えられるのか伺うものでございます。 3点目に、高齢者サポカー補助事業の実施についてお伺いいたします。 これは、「高齢者が安心して暮らしていける」相馬市というテーマに関連して伺うものでございます。 高齢者による交通事故が年々増加しており、免許の返納制度などを創設し高齢者の交通事故防止に努める、これは全国的な動きであります。しかし、相馬市においては、車がないと医者や買物に行くのも不便になるので、なかなか免許証を返納できないとの声を聞きます。であれば、高齢運転者による誤動作防止のためのサポカー事業の推進が効果的ではないかと考えます。もし事故が起きれば、その犠牲となるのは子供かもしれません。 実は、国でも、民間団体を対象に高齢者サポカー補助事業の実施を決めました。しかし、予算の枠がそう多いものではなく十分活用できるか心配であります。そこで、国の事業を補うための市の独自の制度をつくれないか伺うものであります。 次に、長期的に取り組むべき問題について2点伺います。 1点目に、河川改修、排水路の整備についてであります。 1月に、自民党相馬支部・公明党相馬支部の有志により、河川改修等の早期実施に関する要望の署名運動を行いました。私たちの会派でも積極的に署名集めをし、直接、市民の声を聞いてまいりました。その中で、多くの市民から悲鳴にも近い切実な思いを聞かされてまいりました。駅前、荒井町の人からは、昭和34年の伊勢湾台風以来の浸水であった。当時は、JR常磐線の線路もえぐられ、その後、線路沿いに排水路が整備された。それ以来の水害になった。しかし、今の温暖化による気象状況の変化を考えると、これからはいつでも起こり得る。今年の夏も不安でしようがないとの話を数人から言われたのであります。 さらに、先ほど申し上げました河川のしゅんせつはもちろんであります。それだけでは安心できず、目に見える改修、具体的には河川幅を広げる、堤防の高さを上げる、排水路を増やすなどの抜本的な改修をしてほしいとのことであります。 この問題については、さきの12月議会においても多くの議員が取り上げてきた経過があり、市長から、相馬市のまちの構造的な問題があり、容易ではないとの答弁がございました。決して容易なことではないということは理解いたしますが、市民に対して、だから我慢してくださいとは言えません。この問題を解決しなければ、どんどん市民はこのまちから出ていってしまうでしょう。そうなると、相馬市が相馬市であり続けられなくなる、我々が目指してきた将来像とはかけ離れてしまいます。 過去を振り返れば、約40年前になりますが、我が相馬市は、松ヶ房ダムの大規模な治水事業をやり切った経験があります。当時のダムの事業費は約236億円、これはもちろん国費です。それに併せた県営かんがい排水事業は約155億円、うち相馬市債務負担行為負担額、約80億円という大事業です。 これからやろうとする事業は、ひょっとしたら50年に一度の大規模な事業かもしれません。しかし、今これに着手しなければ、50年後の人たちから、あのとき相馬市は何をしていたのかと言われるのではないでしょうか。時間はかかるかもしれませんが、我々の責任でこの問題に対して方向性を示していくべきと考えます。今こそ抜本的な河川の改修、排水路の整備をし、市内の構造的な問題を解消すべきと考えます。これについての市長の所見をお伺いいたします。 2点目に、市内小・中学校の再配置と公民館活動の充実についてお伺いいたします。 この問題は、非常にデリケートな問題であります。誰もが触れたくない問題であろうというふうに思っていますが、持続可能な相馬市の将来を考えたとき、現在の校舎、体育館を維持するための予算は非常に大きなものになってくるものと考えます。1つの学校の校舎と体育館を建て替えるのに合わせて約15億円かかります。現在13の学校がございますので、それをずっと維持するためには約200億円ということになります。新しい校舎も50年もたてば建て替えということになります。したがって、50年間でこれを平準化すると、実は毎年、施設整備に4億円が必要になります。 これまでの相馬市の教育予算では、何とか各学校の建て替え費用を確保し、計画的にこのハード事業を実施してまいりました。しかし一方で、部活動などで優秀な成績で上位大会に出場するときの費用は全額助成する予算がなく、一部、保護者負担となっております。その結果、経済的理由で出場できないという子もいました。 私たちの会派では、このような状況で子供たちの将来の可能性を駄目にしてよいのか議論しました。そこで、ソフトにかかる予算を確保する観点からハードにかかる予算を縮小する必要があり、将来的には学校の再配置を計画的に進めなければならないと考えます。 なお、進め方についてなのですが、これまで機会があれば、市民にこの問題について考えを聞いてまいりました。すると大体こういう答えです。その必要性は分かる。しかし俺の出た学校がなくなって他の学校が残るのは感情的に面白くない。当然だと思います。 そこで、統廃合ではなく再配置、つまり、どこかの学校がなくなってどこかが残るというのではなく、今使っている全ての学校名を改めて、これまでは学校名は地域名が使われております。この学校名を改めて、例えば相馬東第一小学校、東第二小学校、相馬西第一小学校、西第二小学校、相馬東中学校、西中学校というような考えはどうでしょうかと聞くと、それなら仕方ないかなという意見もいただいてまいりました。したがって、今回は、統廃合ではなく再配置という考えを提案するものでございます。 一方で、我々の会派では、この問題を進めると地域力が低下するのではないかという懸念も考えました。これまでの相馬市の学校施設は、各地域のコミュニティーの拠点としても機能してまいりました。防災の観点からも、相馬市が築いてきたこの地域力を衰退させるわけにはいきません。 そこで、地域力を維持するためには公民館活動の充実が重要と考えました。ですから、公民館については、これまでの配置を計画的に維持し、さらに活動の充実を図るべきというふうに考えます。 以上の理由で、我が会派では、市内小・中学校の再配置を計画的に行い、そして一方で公民館活動は充実させるべきと考えております。できれば今のままやっていきたい、誰でもそう言うでしょう。しかし、いつかは誰かが向き合わなければならない問題であります。市長の所見を伺うものであります。 以上です。 ○議長(菊地清次君) 市長。     (市長 立谷秀清君 登壇) ◎市長(立谷秀清君) 新時代そうま代表、只野敬三議員の宇多川、小泉川のしゅんせつ及び遊水池整備についてのご質問にお答えいたします。 県は、令和元年東日本台風及び10月25日の大雨以来、右支小泉川について、小泉川との合流部から笹川橋の約80メートル上流までの約370メートルの区間をしゅんせつし、先月、完了したところです。 さらに、県は、現在行われている2月県議会に各河川のしゅんせつを重点的に実施するための補正予算を提出していることから、市は、県議会での議決後、速やかに市内各地の河川のしゅんせつを実施するよう、現在、県に強く要望しているところであります。その答えといたしましては、前の台風及び大雨の被害を踏まえて一日も早く実施したい、そのような答えをいただいております。 次に、遊水池について、市は洪水対策の一つの方法と考えておりますが、その整備を行うのは、河川改修実施者である県が各河川の状況を調査・検討の上、判断することとなってございます。そのような中で、この遊水池の整備の調整過程において市が取り組むべき事例については、地元の皆様や県と協議の上、相応の努力はいたすべきものと考えておりますが、繰り返しますが、県が主体になって進める事業でございますので、調査・研究を優先させていただきたい。 しかしながら、そのような声が地元の皆さんに現実的にあることも事実でございますので、そのような議論についても強く要望してまいりたいと考えております。 その他の質問は担当部長に答弁いたさせます。 ○議長(菊地清次君) 教育部長。 ◎教育部長(神戸伸一君) 新時代そうま代表、只野敬三議員の幼児教育・保育の無償化にどう取り組むかについての質問にお答えいたします。 本制度は、少子高齢化という国難に正面から取り組むための制度として、特に、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからという最大の理由から、20代や30代の若い世代が理想の子供数を持たない現状を踏まえ、少子化対策の一つとして幼児教育・保育の無償化をすることにより、保護者の負担軽減と質の高い幼児教育の保障の措置を講じるものであります。 市教育委員会は、このような背景を踏まえて、幼稚園・保育所を初め保護者に対して制度の趣旨を周知するため、保護者を集めて説明会の開催や個人面談を行うなど、事務事業を滞りなく進めているところです。 市の私立幼稚園への補助金については、昨年10月からの幼児教育無償化に伴い、子育てのための施設等利用費として給付することになりました。 令和元年10月以降は、国が措置したことから市の負担はなかったものの、従来、3分の2を負担していたことを踏まえると、来年度からは市の負担が4分の1になることから、中長期的には負担が軽減されるものと考えます。しかしながら、私立幼稚園には値上げするところもあるので、軽減額については不透明なところもあります。 平成30年度当初予算と令和2年度当初予算で比較すると、平成30年度の5,100万円に対し令和2年度は4,600万円となり、約500万円の減額となります。市教育委員会といたしましては、今般、施設の大規模改修に伴い園児の受入れ人数を増やす施設もあり、建設費の一部を国・県とともに負担しなければならない状況もあるので、この財源に充てたいと考えております。 なお、中長期的には負担が軽減されることから、「安心な子育て環境の整備と心豊かなひとづくり」に向けて、市民からの意見を傾聴しながら教育支援策等を検討してまいりたいと考えております。 答弁は以上です。 ○議長(菊地清次君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(原史朗君) 新時代そうま代表、只野敬三議員の幼児教育・保育の無償化についての質問にお答えいたします。 保育料無償化に伴う保育園の市負担額を平成30年度当初予算と令和2年度当初予算で比較すると、平成30年度の1億8,100万円に対し令和2年度は1億7,000万円となり、約1,100万円の減額となります。 市といたしましては、この減少した市負担金について、令和2年度は、みどり幼稚園の認定こども園の負担金の一部として活用し、令和3年度以降は、施設整備等の負担がない場合は保育士確保のための予算に活用したいと考えています。 次に、高齢者サポカー補助事業についてお答えいたします。 国のサポカー補助金は、65歳以上の高齢運転者及び高齢運転者を雇用する事業者を対象に、安全運転サポート車の車両購入補助と、後づけのペダル踏み間違い急発進抑制装置導入補助の2種類あります。 この補助事業を執行する一般社団法人次世代自動車振興センターは、現在、サポカー補助金申請の受け付けを3月中に行うための準備を進めています。市といたしましては、国の補助事業が現段階で開始されておらず、その利用状況や効果が不明なことから、現段階において市の事業を展開する状況にはありませんが、今後、国の動向を見ながら市としても研究してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(菊地清次君) 建設部長。 ◎建設部長(柏宏樹君) 新時代そうま代表、只野敬三議員の宇多川、小泉川の改修及び都市下水路の整備についての質問にお答えいたします。 宇多川、小泉川の管理者である県は、両河川の改修計画について、現在、国と協議を進めているところであり、事業が認められ次第、その事業内容を公表することとしています。 市といたしましては、引き続き安全・安心なまちづくりのため、早期の河川改修、国土強靭化の取組の拡充・継続、予算の確保について県に強く要望するとともに、国に対しても直接、国土交通省水管理・国土保全局に強く要望してまいりたいと考えています。 次に、都市下水路について、現在、JR相馬駅の西側から線路をくぐる水路は3本で、しかも農業用水路の形状のため隘路であり、さらに、JR相馬駅の東側から旧国道6号の下を流れる都市下水路が1本しかない状況です。これらの水路を改修、つまり拡幅のためには、用地買収はもとより、JR東日本及び旧国道6号の管理者の県との調整に相当の時間を要することが考えられます。 したがいまして、市といたしましては、小泉川の改修後に小泉川ポンプ場の排水能力を強化し、さらに、購入予定の排水ポンプ車により、浸水が度々発生している地域の排水を実施し対応してまいりたいと考えています。 私からの答弁は以上です。 ○議長(菊地清次君) 教育長。 ◎教育長(堀川利夫君) 新時代そうま代表、只野敬三議員の市内小・中学校の計画的な再配置の質問にお答えいたします。 学校教育においては、児童・生徒が集団の中で多様な考えに触れ、認め合い、協力し合い、切磋琢磨することを通じて一人一人の資質や能力を伸ばしていくことが重要であり、小・中学校では一定の集団規模が確保されていることが望まれます。しかし、少子化の進展が中長期的に継続することが見込まれることを背景に、学校の小規模化に伴う教育上の諸課題がこれまで以上に顕在化することも懸念されています。 市といたしましては、現在、小・中学校を再配置することにより現在の地域から小・中学校が移転することは、児童・生徒、その保護者を初め、地域住民の故郷を思う意識に大きな影響を与えることから、できるだけ各地域の小・中学校は現状のままで存続させたいと考えております。 将来、児童・生徒の減少により子供の教育に大きな支障が出るというような考え方が特に保護者から強く示される場合や、要望があった場合は、地域住民と十分な協議の上、慎重に検討してまいりたいと思います。 その他の質問は担当部長に答弁いたさせます。 以上です。 ○議長(菊地清次君) 生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(赤石澤珍夫君) 会派、新時代そうま代表、只野敬三議員の公民館活動の充実についての質問にお答えいたします。 各地域に設置されている公民館は、社会教育、生涯学習の拠点として、公民館運営委員会等の意見を踏まえて、地域の特色等を生かした公民館活動を展開しております。 市教育委員会といたしましては、地域の結びつきを大切にする行事や講座等の開設に努め、地域の子供たちからお年寄りまで、誰もが気楽に立ち寄ることができるような公民館活動の充実を図ってまいりたいと考えております。 私からは以上です。 ○議長(菊地清次君) 只野敬三君。 ◆9番(只野敬三君) それでは再質問をいたします。 初めに、早急に取り組むべき問題ということで、河川のしゅんせつ、遊水池についての考え方を市長のほうから答弁をいただきました。 具体的に県の今、補正予算の状況等々の報告がございましたので、確認したいのですが、一番は、これまでやっぱり県もやりたいのだがお金がなくてなかなか進まないというふうなものが非常に不安だったのですが、今回、この河川しゅんせつの費用については、県のほうではその予算のめどがついたということでよろしいですか。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) めどが立つか立たないかは予想の段階のことですから、ただ、これは私はふんまんやる方ないのです。台風19号の場合、相双建設事務所から私のところに報告が来るのですね、あと何センチですと。私はかなり強い口調で抗議したのです、あなたに何回泥さらえと言ったと。この1年、2年間、何回言ってきたと。泥をさらわないからこういうことになるのだと随分言ってきました。それこそ罵倒しました。申し訳ないの一点張りだったのですが、私としてはふんまんやる方なかったのです。こうなることは目に見えていたことですから。 今回も、そういう意味では非常に強く県のほうを押しまして、河川局にも強くそのことを申し上げました。それは裏でどういうことになったかは分かりませんが、3月議会で補正予算が通り次第、着手すると、そのように言っていますので、これ以上、文句言ってもしようがない。 だけれども、今回、びじょびじょになったところがある。びじょびじょになったという表現なのですけれども、氾濫したところの原因の何割かは、何%かは、私はやっぱりしゅんせつがなされなかったというところに問題があったと、そのように考えていて、今でもふんまんやる方ないところでございます。 ○議長(菊地清次君) 9番、只野敬三君。 ◆9番(只野敬三君) さらに、この項目で、遊水池という整備についてご提案させていただいたのですが、先ほど、これについても市長のほうからは建設的なご答弁をいただいたものと思っています。 実は、この遊水池、ただ、現段階では多分、県のほうの計画では白紙の部分だと思います。そういう考えはないのだろうなと思うのです。これは、さっき壇上で時系列のお話をしたのですが、12時にずんずん水が下がり出した。結果としては多分、南飯渕の堤防の決壊、北飯渕の堤防の決壊の、言葉は悪いですけれども、おかげで西山地区から市全域の浸水は免れたのだなというふうには思うのです。だとすれば、今回このように南飯渕、ちょうど住宅地のカーブのところです。本当に人災がなくてよかったと思います。たまたまだと思います。 ですから、だとすればもう計画的に排水路を造って、いざというときには堤防は開けてやる、水を逃がしてやる。今回は、岩子地区から新田地区の田んぼがその犠牲になったのですが、災害の、そういうふうなしっかりした遊水エリアを計画的に確保する、これは非常に水位を下げるのには効果的なのではないかなと思うのです。なので、そういった方法も併せて県のほうに検討材料に挙げていただくようにお願いしたいのですが、いかがですか。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) この遊水池の問題も、これは明治時代からあるのです。相馬市の宇多川については、これは遊水池と考えられているところもあるのですね。そこの住民の皆さんから、実は私、県会議員の時代ですけれども、これを何とかしてくれと相当要望をいただいたことがございました。そのことを県当局と随分話し合ったこともございました。 これは、人々の権利意識と重なってまいりますから、非常に難しい問題なのです。ですが、宇多川に関しては、誰もが考える、ここのところはもうちょっと水がたまってもいいのではないかという箇所もあるのです。ただ、そこも権利があるわけです。したがいまして、うかつに口には出せない。やっぱり人々の権利との闘いに、闘いというか、調整になるのです。そういった意味では、市のほうから先に音頭を取ることはなかなか難しい。 ですが、そのような機運が地域の中で出てくる、それに呼応して河川管理者のほうもそういう方向で考えるということになれば、相馬市としても、相応の協力は当然いたすことになるだろうというのが私の答弁の趣旨でございます。 ですから、やっぱり住民、あるいはそれが農地であれば耕作者の権利というものがありますから、そこのところを十分配慮した上でないと、なかなかこの議論は難しいということでございます。 ○議長(菊地清次君) 9番、只野敬三君。 ◆9番(只野敬三君) それでは、次の幼児教育・保育の無償化への取組について、教育委員会、保健福祉部から、それぞれ幼稚園部門、保育所部門についてということでのご答弁だったのだろうと思います。 まず、順番が逆になってごめんなさい、保健福祉部長のほうから保育所の費用負担についても明確にしていただき、以前より1,100万円ほど財源としては浮いてくるということでございます。その使い道については、みどり幼稚園の認定こども園等々の支援に使いたい。いいですね。今回、無償化で浮いた財源というのはどこも一般財源化されるはずなのです。そうすると、ひょっとしたら違う目的に使う自治体も結構多いのです。ですから、この質問の趣旨は、やはり浮いた財源を子供の教育、幼児教育の無償化のために生かしてほしいという意味で挙げたのですが、まさにそちらのほうに使うことを考えているということでございますので、ありがたいと思います。 そこで、すみません、教育部長のほうに振りますが、教育委員会のほうでは500万円ほどのお金が浮くのだと。それで、受入れ人数を増やす方法で考えていきたいということです。そこで、であれば幼稚園の先生、職員の体制がどうなのかなと、私、若干懸念しております。今、相馬市立幼稚園の職員の体制、非常にタイトな状況でやっておられるはずです。ですから、まさにこれを充実するのであれば、と同時に増員というふうなものもしっかり考えていかなければならない。そこについてのご答弁をお願いします。 ○議長(菊地清次君) 教育長。 ◎教育長(堀川利夫君) 再質問にお答えします。 公立幼稚園の場合は私たちが採用ということはできるわけですが、私立までそれをやろうとすれば……     (「公立でいいです」と呼ぶ者あり) ◎教育長(堀川利夫君) 公立でいいですね。 公立は、現在、1名欠の状態で実践しております。募集しても臨時では来ないということです。ですから、今後、奨学資金制度もありましたし、それをうまく活用して応募してくれるといいなと、こんなふうに考えています。 増員するかどうかについては、園児が、去年から今年になって二十数名の減となっていますから、そのことも考慮しながら検討してまいりたいと考えております。 ○議長(菊地清次君) 9番、只野敬三君。 ◆9番(只野敬三君) 増員の前の段階で、とにかく人を雇うという考え方、今の人数よりは増やしたいという教育長の思いということで受け止めますので、今後、人材の確保、しっかりと努めていただきたい。若干前から言われている問題ですが、これ、ずっと募集かけているのですが来ないのです。ですから、一層の待遇改善、実はたくさんの人から南相馬市の幼稚園職員との差を言われております。そういったものもこの幼児教育無償化、充実という機会に再度検討されてもいいのかなと思うのですが、その辺についてご答弁求めます。 ○議長(菊地清次君) 教育長。 ◎教育長(堀川利夫君) お答えします。 待遇改善は、実は、3年前だったと思うのですが行いました。南相馬市よりも僅かですが高くしました。 以上です。 ○議長(菊地清次君) 9番、只野敬三君。 ◆9番(只野敬三君) よろしくお願いいたします。 それでは、次の高齢者サポカー補助事業についてですが、これについては国の動向を見ながら今後研究していくということでありますので、その需要等々を見ながら、不足する部分があれば実施等の検討も含めた中でご研究をしてください。お願いします。 それでは、長期的に取り組むべきことということで、これ非常に難しい問題提起、先ほど壇上で、覚悟を決めて、50年に一度の大事業になるかもしれないということで申し上げました。つまり、具体的に河川の全体の幅を広げていく、膨大な用地買収になるのだろうと思います。もしくは堤防の高さを上げる。ただ、物理的に現在の堤防の高さは上がらないです。なぜならば、あの高さに線路と百槻橋が乗っかっているのです。ですから、全体堤防を上げるというのは現段階では不可能。もし上げるとすれば線路を上げる、百槻橋を上げる、そういった大規模な話になるのだろうと思います。 したがって、決して簡単ではない。先ほど比較で二百数十億円というダムの事業の費用を申し上げましたが、ひょっとしたらそのぐらいの規模になる大事業かもしれません。ただ、私が今ここでこれを言っているのは、誰かがやっていかないと相馬市民は不安なのです。将来につながるなんということはない。 ですから、私ども会派では、できるのは立谷市長しかいないのです。そんな簡単にできる事業ではないのです。国との交渉、国の金を引っ張ってくる。松ヶ房ダムでは国のお金を230億円引っ張りました。これができるのは市長しかいないのです。ですから、そこについての県との協議、国との協議。その説明だけではみんな不安です。ですから、実際にそういった詳細の説明を、先ほどの県のほうの財源措置ではいろいろ推測しますよ。我々も勉強してきたので、総務省の緊急防災・減災事業を活用するのかなとか、緊急浚渫推進事業を活用するのかななんて思って聞いていましたが、そういったものを具体的に示してもらって、国土強靭化という一つの枠は示されています。だけれども、本当に何で進んでくれるのかなというのが不安なのです。 ですから、このことについては、最低でも今年中、12月までにしっかりしたその方向性、計画を、立谷市長、しっかりと示していただきたい。どうかその決意をお願いします。 ○議長(菊地清次君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 再質問にお答えします。 宇多川、小泉川の大規模な河川改修を前提におっしゃっているのだと思うのですが、河川改修が必要なのはこの2河川だけではないのです。その支流についても同様に考えないといけないのです。 今、議員は、堤防を上げるという考えをおっしゃいましたが、これは、堤防を上げるのも深掘りするのも効果は一緒です。ですから、この際、深掘りするという選択をするものだと思ってください。堤防を上げるということになると、これ、切りがないのです。深掘りしても上げたと同じ効果が出るということです。 ですが、その際やっぱり、今回の宇多川の氾濫でよく理解できるところだと思うのですが、要するに、堤防が決壊してそこから水が出るとすっと流れるのです。つまり、流れが悪いから水かさが上がってくるという考え方もできます。 それで、スムーズに流れるかどうか。スムーズに流れる量というのは断面積掛ける流速で表されます。1秒間に何メーター進むか、その断面積はどのぐらいあるか。ですから、その断面積を上げるために深掘りをする。それからもう一つ、流速を妨げるのは何か。当然、堆積土砂は流速を妨げるわけです。だから、土砂の堆積除去をしないといけないのです。それともう一つ、狭隘部分、狭隘部分があるとボトルネックですから当然流速は下がる。ところてんを思い出してください。ところてんというのはどこか狭くなったらまずいですね。やっぱり同じ太さで、つるんといかないといけない。それと同じように断面積掛ける流速です。 流速のための取組と断面積の取組と、これ、ずっとやらないといけないので、宇多川、小泉川に関しては、県は現行予算の中でその計画を立てています。ただ、私は、それだけで果たしてうまくいくのかと。まず、相馬市の安全性確保のためには、宇多川、小泉川がスムーズに流れるということは大前提になります。それがない限り、小泉川ポンプ場が幾ら頑張ってもしようがないです。例えば排水ポンプ車で町なかの水を宇多川に入れても、宇多川がたぽたぽであったのではしようがない。ですから、宇多川、小泉川がスムーズに流れるというのが大前提になります。 そのことのために、県の今の考え方できちんとやりますというふうに言っているのですが、問題は、宇多川、小泉川だけではなくて、支流から都市内水からいっぱいあるわけです。全体的なことを考えると地蔵川もあるし梅川もあるわけです。現行の計画だけでは、私は、なかなか市民の不安の解消まではいかないと思う。そういうことなので、それも令和2年で済むはずもありませんから、令和3年度以降ということになった場合に、やっぱり国土強靭化という考え方をしっかり出した上で、財源の確保をしてもらいたいということを国に対して言っているわけであります。 そういう活動と、もう一つは、今、議員がご理解いただいたような、要するに断面積掛ける流速でうまくいくように、あるいは水がたまるような場所があってもいいかもしれない。そこのところはやっぱり人々の権利というものがありますから、そこの中での皆さんの気持ちの問題。 いろいろ出てくると思いますので、そういうことも踏まえて私のほうとしては、要望するなり、あるいは国に対して申し上げるなり、いろいろと状況に応じて頑張りたいとは思っていますが、何百億円かけてこうしろという話よりも、やっぱり今置かれている状況で、今、県が考えているわけですし、国も考えているわけですし、それの状況を、私もそれしかないと思っていますので、その実現方に向けて一緒になって努力をしていきたいと、そういうふうに思っています。 ○議長(菊地清次君) 9番、只野敬三君。 ◆9番(只野敬三君) ただいま私が申し上げた以上に拡大して、各河川全てを含めて一つの市長の決意というふうに受け止めますので、その辺の経過報告について一日も早くできるようにお願いしたいと思います。 併せて、部長、都市下水路のお話ししていただきました。これはなかなか難しいというふうなご答弁に聞こえたのですが、実はこれも、川沼地区の土地区画整理事業と同時に、今の相馬市の都市下水は計算して造られているのだと思うのです。ところが、それから数十年たって宅地化が進んでいます。特に外並田、塚田地区を中心に、それまで保水地であった水田等々がなくなって水の量が増えているのだと思うのです。ですから、排水については、堤防に関係なくあふれるときがあるのです、大雨で。今言った川の問題とは関係なく大雨でもあふれてしまうということがあるので、ぜひ当時の状況と違いますのでその辺の再計算をして、やらないと言わないで今後どうすべきかを考えてほしい。 状況が違うはずです、昔の排水量と。物すごく開発が進んでいるので、そういう意味であふれているのだと思うのです。実際あふれているのですから。その問題について考えていただきたいと思いますが、部長、答えられますか。 ○議長(菊地清次君) 建設部長。 ◎建設部長(柏宏樹君) ただいまの議員の再質問にお答えいたします。 内水による氾濫のことを指されたと思うのですけれども、内水の氾濫自体も、市長がおっしゃったように河川と密接に関わるわけです。内水が氾濫する理由として、そもそも用水路のはける先がない。そのために水かさが上がっていってしまって、のみ込み切れなくなって氾濫してしまう、こういったメカニズムが主に考えられるわけでございます。相馬市内においても同様の状況でございまして、先ほどから出ております小泉川ポンプ場を通じて小泉川に排出すると、こういったメカニズムになっているわけでございます。 ただし、こういった内水だけの話ではなくて、外水と連携してやっていく話でございますので、まずは小泉川の河川改修の状況をきちんと経過を見つつ、またその効果も検証していきながら、併せてという形になっていくかとは思いますが、ただ、早急な実現というのは非常に困難かなと思うところが正直なところでございます。 以上です。 ○議長(菊地清次君) 9番、只野敬三君。 ◆9番(只野敬三君) 最後、小学校と公民館のほうに入ります。 小学校については、教育長のほうから現段階の問題意識は示されたとおりです。ただ、結果、結論、現状のまま維持していくというお考えを明確にしてもらいました。 そこで、財源のめどはどうなのですか。物すごくお金かかるのですが、その辺についての。そうだとすれば、ちゃんとした基金だとか積立てだとかそういうのをしていくべきだと思いますが、財源のめどについて。 ○議長(菊地清次君) 教育長。 ◎教育長(堀川利夫君) お答えします。 財源については、市当局と相談しながら、いろいろアドバイスを受けながら考えていかなければならないし、全体の問題だと思っています。     (発言する者あり) ○議長(菊地清次君) 9番、只野敬三君。 ◆9番(只野敬三君) ごめんなさい、意地悪な。 教育長からは方針が出ましたので、委員会等で財源等々についてはしっかり議論していきたいと思います。 併せて、公民館、最後になります。 先ほど活動の充実は当然図っていくということでありました。そうであれば、現行の公民館がしっかりと、これは、さっきの私の小学校とは全く別な感じに聞こえるかもしれませんが、地域の活動拠点として計画的にしっかり建て替えて維持して、住民活動の拠点として充実していきたい。そのことについて決意をよろしくお願いします。 ○議長(菊地清次君) 生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(赤石澤珍夫君) 議員のご意見も承りながら、公民館の活動の振興について努力してまいりたいと思います。     (「お願いします。以上です」と呼ぶ者あり)--------------------------------------- △延会の宣告 ○議長(菊地清次君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ延会したいと思います。これにご異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(菊地清次君) ご異議なしと認めます。 よって、本日はこれにて延会とすることに決しました。 明日6日は午前10時から本会議を開きます。 本日はこれにて延会いたします。                              (午後3時08分)...