いわき市議会 > 2023-12-13 >
12月13日-04号

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  1. いわき市議会 2023-12-13
    12月13日-04号


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    令和 5年 12月 定例会            令和5年12月13日(水曜日)議事日程第4号 令和5年12月13日(水曜日)午前10時開議  日程第1 市政一般に対する質問---------------------------------------本日の会議に付した事件          〔議事日程第4号記載事件のとおり〕---------------------------------------出席議員(34名)     1番  川崎憲正君      2番  木田都城子君     3番  山守章二君      5番  小野潤三君     6番  長谷川貴士君     7番  吉田雅人君     8番  小菅 悟君      9番  高橋明子君     10番  菅野宗長君      11番  鈴木さおり君     12番  狩野光昭君      13番  永山宏恵君     14番  西山一美君      15番  塩沢昭広君     16番  柴野美佳君      17番  大友康夫君     19番  平子善一君      20番  遠藤崇広君     21番  鈴木 演君      22番  馬上卓也君     23番  福嶋あずさ君     24番  坂本 稔君     25番  蛭田源治君      26番  菅波 健君     27番  小野 茂君      28番  塩田美枝子君     29番  田頭弘毅君      30番  赤津一夫君     31番  小野邦弘君      32番  佐藤和美君     33番  石井敏郎君      34番  上壁 充君     35番  佐藤和良君      37番  大峯英之君欠席議員(1名)     36番  樫村 弘君---------------------------------------説明のため出席した者 市長         内田広之君   副市長        下山田松人君 副市長        藤城良教君   教育長        服部樹理君 水道事業管理者    山田 誠君   病院事業管理者    新谷史明君 代表監査委員     増子裕昭君   農業委員会会長    草野庄一君 選挙管理委員会委員長 飯間香保子君  総合政策部長     津田一浩君 危機管理部長     大嶺常貴君   総務部長       小針正人君 財政部長       横張貴士君   市民協働部長     遠藤英子君 生活環境部長     渡邉一弘君   保健福祉部長     園部 衛君 感染症対策監     柴田光嗣君   こどもみらい部長   長谷川政宣君 農林水産部長     渡邊伸一郎君  産業振興部長     佐竹 望君 観光文化スポーツ部長 千葉伸一郎君  土木部長       草野光平君 都市建設部長     永井吉明君   会計管理者      中塚 均君 教育部長       松島良一君   消防長        谷野 真君 水道局長       則政康三君   医療センター事務局長 飯塚修一君 参事(兼)秘書課長   篠原 潤君   総務課長       中村 寛君---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長       久保木哲哉君  次長         阿部伸夫君 総務議事課長     金山慶司君   総務議事課課長補佐  鈴木 潤君 主任主査(兼)議事運営係長            志賀祐介君---------------------------------------          午前10時00分 開議 ○議長(大峯英之君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第4号をもって進めます。--------------------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問 △遠藤崇広君質問 ○議長(大峯英之君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。20番遠藤崇広君。          〔20番遠藤崇広君第二演壇に登壇〕 ◆20番(遠藤崇広君) (拍手)おはようございます。20番いわき市議会一誠会の遠藤崇広です。 初めに、9月8日に発生した台風第13号に伴う線状降水帯による大雨災害により、犠牲になられた方へ哀悼の誠をささげます。また、被害に遭われた皆様へ心よりお見舞いを申し上げます。被災された皆様は、被災後の非常に厳しい状況から生活再建という新たなフェーズを迎え、日々御苦労されていらっしゃることと存じます。被災された方々が生活再建を果たすまで、しっかりと見守り、寄り添ってまいります。 では、以下、通告順に従いまして一般質問をしてまいります。 大きな項目の1つ目は、台風第13号の対応についてです。 災害への対応の一丁目一番地は、被災された方々を中心に考え、支援の在り方や復旧・復興を考え、施策を講じることだと考えます。被災された方々の対応については、災害の種類や被災の規模などにより、都度その対応や支援のアプローチは変わっていくものであり、正解というよりはその時々の最適解を見つけていくことだと思います。 そこで、中項目1つ目として、被災された市民への支援についてお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 被災された市民の皆様の生活支援ニーズ把握のための対応としましては、発災翌日の9月9日から21日にかけて、市の保健師等が、浸水区域の延べ3,161世帯を訪問し、調査を行いました。 本調査では、被災された方々の健康状態や困り事のほか、支援の要否を確認することを目的としており、2,116世帯に対して聞き取りを行うことができました。 また、9月29日から10月26日にかけて、社会福祉協議会と共同で浸水区域の延べ5,187世帯を訪問し、調査を行いました。 本調査では、ボランティアニーズ等の把握や、被災者支援制度の活用に必要となる罹災証明書の申請を促すこと等を目的としており、2,489世帯に対して聞き取りを行うことができました。 さらに、避難所に避難している方々に対しては、地区保健福祉センターのケースワーカーが、自宅での生活が困難な避難者について住居の確保に係る相談のほか、各種手続の案内や手続時に同行するなど一日も早い生活再建に向けて寄り添った支援を行いました。 ◆20番(遠藤崇広君) ただいま、被災された市民の生活支援ニーズを把握するための対応について御答弁いただきました。 次に、被災された方々の現況や今後の生活再建へ向けた生の声、現場の声、すなわちニーズを知る上では、戸別訪問という方法は非常に有効であると考えます。非常に暑い中での戸別訪問は、大変だったかと思います。対応された皆様へ、改めて感謝したいと思います。 次に、2つ目として、戸別訪問により明らかになった、被災された市民の支援ニーズについて、お伺いいたします。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 訪問調査において把握した、主な支援ニーズは、住家等の片づけに対するボランティアニーズのほか、自動車や家電等の被災による、移動、買物及び入浴などの支援ニーズです。 また、支援者のいない高齢者のみ世帯においては、心身機能の低下や今後の生活不安から、支援機関との関わりや見守りなどの必要性のほか、生活再建に係る各種手続や介護保険制度利用などの福祉的ニーズを把握しました。 これらの把握したニーズについては、福祉分野の支援機関となる地域包括支援センター等につなぐほか、災害対策本部会議等を通じて、関係部署等で情報を共有しています。 ◆20番(遠藤崇広君) では、現場から拾い上げた支援ニーズをどのように生かすのか、そこで、3つ目として、被災された方々の生活再建へ向けて、被災された市民への今後の支援についてお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 被災された方々の支援ニーズに対しては、地域包括支援センターなどの支援機関につなぎ、各種手続の支援を行うほか、福祉的ニーズに対する支援を実施してきました。 特に被害の大きかった内郷・好間地区においては、これまでに94世帯に対して継続した支援を行い、今月6日時点で、全世帯への支援を終えています。 一方、被災された方々の生活再建については、被災した住居の再建が大きな課題です。住居の再建については、従来の住居を修繕して住まわれる方のほかにも浸水区域外に転居される方、また、一時提供住宅等に入居される方など、様々な方法があります。 こうした転居等に伴う生活環境の変化により、孤立化や心身機能の低下などが懸念されます。このため、必要な支援が途切れることがないよう、関係機関との連携を密にし、被災された方々の状況を把握しながら、ニーズに応じた切れ目のない支援を行っていきます。 ◆20番(遠藤崇広君) 今回の戸別訪問では、支援ニーズを把握して関係機関につなぐことで、実際の支援に結びつけたというのが特徴だったのかなと思います。私のような災害研究に携わる者にとって、災害を考える上で常に肝に銘じておくよう言われる言葉があります。それは、災害に向き合い、人に寄り添うという言葉です。人に寄り添うの人とは、様々な災害により被災された方はもちろん、災害想定による被災リスクを持っている方々も含まれます。 特に、今回の水害で被災された方々は、これから生活再建へ向けて幾つもの苦難を乗り越えなければなりません。その苦難を一人で乗り越えることはとても難しいものです。親類縁者によるサポートは当然ですが、親類縁者だからこそ相談し難いということもあります。被災された方々はそういったこともお持ちです。そのときには、行政や公的機関だからこそできる支援というものもあります。今後もフェーズが変われば、支援ニーズも変化していくことが容易に想定されます。被災された方々へ寄り添った支援、引き続き注力していただくことを要望し、次の質問に移ります。 次に、中項目2つ目は、被災企業への対応についてです。 今回の被害において、浸水被害あるいは土砂災害に見舞われた企業が点在しております。しかしながら、今回、被災された企業へフォーカスが当たることが少ないと、被災された企業の方々は口々におっしゃられます。その背景には、被災された企業が中小・零細企業が多く、企業の被災の全体像が見えにくい状況にあると考えるところから、そこで、1つ目として、被災企業の被害状況についてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 県が関係団体などに聞き取りし、整理した結果を国に報告した内容等に基づき、直近の被害状況を説明します。 工場や事務所などに浸水し、設備等が水没するなど、台風第13号による被災企業数は140件、被害金額は約14億4,600万円です。 ◆20番(遠藤崇広君) 被災された企業や団体等から、早期復旧・復興へ向けた支援について、本市へ要望があったかと思います。 そこで、2つ目に、被災企業からの要望についてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 被災企業からの要望として、10月3日に、いわき地区商工会連絡協議会から市にいただいた3点の要望内容を説明します。 1つ目は激甚災害指定を国等に働きかけること、2つ目は再建の支援と伴走型の支援を充実すること、3つ目は新たな支援策の実施を検討することです。 これを受け、市では県に対し、被災設備等の復旧を対象とした支援の実施など、被災企業の再建を支える財政的支援の充実などを要望したところです。 ◆20番(遠藤崇広君) 今の答弁にもありましたが、災害発生後にいわき地区商工会連絡協議会より、内郷地区を中心に被災した事業者への財政支援等を求める要望が市へありました。商工会に加盟する被災企業は80以上あり、被害金額は6億を超えています。商工会に加盟していない中小・零細企業を加えればそれ以上の被害であることは容易に想定されます。今回は比較的大規模な事業者も被災しており、機械等設備の処理、修理、買換えなどで経済的に非常に大きなダメージを受けております。比較的大規模な事業者でも復旧・復興へ向けては時間とお金がかかり、事業継続や従業員雇用という側面からも今後影響が出てくる可能性があるとの声が聞かれます。 零細・中小企業のダメージはなおさらであります。地域経済における影響は多大であり、また、コロナ禍による経営改善が図られていない中での被災ですので、言わばダブルパンチを食らったとの声もあります。コロナ禍プラス今回の水害被災で、金融機関からの融資にも、返済できる自信が持てないとのことで、二の足を踏んでいる事業者も多数おられます。このような状況下での今回の要望ですので、これは事業者にとっての悲痛の声であると受け止めていただきたいと思います。 次に、3つ目に、被災企業の早期復旧へ向けた取組についてお伺いいたします。 ◎市長(内田広之君) 被災企業に対する支援といたしまして、国は、発災直後から、災害救助法適用を踏まえた特別相談窓口の設置や災害復旧貸付などの金融支援を開始いたしました。 県においても、10月に豪雨災害特別資金を創設し、資金繰り支援を開始いたしました。 市といたしましても、国や県と歩調を合わせながら、被災企業の負担軽減を図るため、11月から2つの支援策を開始いたしました。1つ目は、県の豪雨災害特別資金を活用する際に必要となる信用保証料を50万円まで、利息は3年間で100万円までを補助するものです。2つ目といたしまして、被災企業の復旧に向けた前向きな取組を支援するため、コスト削減や事業再構築に取り組む被災企業を対象に支援金を支給するものです。 なお、県は、国の制度を活用し、被災設備等の復旧を対象とした被災中小企業等復旧支援事業を来年2月に開始する方向で検討を進めております。 そのため、市といたしましても、県の支援制度の事業効果を高められるような独自の支援策を検討いたします。今後も引き続き、被災企業の皆様に寄り添いながら、事業再建をしっかりと後押ししていきます。 ◆20番(遠藤崇広君) 市長の答弁もいただきましたけれども、市長も先頭になって、ぜひとも支援に向けてリードしていっていただきたいなと思います。 災害被災地の復興に必要なものは、地域住民の社会生活と環境を支えるインフラ整備は当然のことながら、地域住民の生活再建を図る上では、地域産業の再建は絶対に必要不可欠な要素であります。地域産業を根底で支えるのは、地域の事業者であります。地域の事業所で働く地域住民の生活再建においては、収入を得るための仕事が必要不可欠であります。つまり被災された方々の生活再建、そして地域経済の復興のためには、地域産業を支えている地域の事業者の経営と事業再建・復興を早急に進めなければなりません。ぜひとも今回の要望を強く受け止めていただき、今後の対応をお願いしたいと思います。 また、経営再建中の度重なる被災も避けなければなりません。つまり、事業者の皆さんへ、災害が発生する以前からの対応も働きかけていく必要もありますので、そこで、4つ目として、災害に強い企業育成へ向けた取組についてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 国においては、2019年版中小企業白書の中で、中小企業は自ら自然災害への事前対策に取り組み、周囲の関係者を巻き込んで、事業を継続するための体制を構築する必要があると述べています。損害保険加入や事業継続計画、いわゆるBCP策定などの具体的な対策が、被災時のみならず平時を含めた企業の事業継続力強化につながるとしています。 そのため、市としても、商工団体や金融機関と連携し、定期的なセミナー開催による意識醸成やBCP策定経費の一部補助を行っています。 こうした取組を通して、今後も、災害に対する備えの重要性がより一層理解され、具体的な対策を講じる企業が増加することを期待しております。 ◆20番(遠藤崇広君) 市内企業、特に中小・零細企業においては、このBCP計画策定が進んでいないというのが悲しい現状かと思います。日頃の業務や経営をしていくのが精いっぱいで、BCP計画策定に着手できないというのが実情であります。また、被災後も事業継続し、早期に復旧・復興できるよう、基金の創設等により、自立再建資金の調達がしやすくするなど、行政なり公的機関、あるいは官民連携により手を差し伸べて支援することが必要であると考えます。 市長が掲げる人づくりの最終的な受皿は、企業ではないかと思います。今般、本市が置かれている社会状況の中では、本市にある地元企業が人づくりの受皿になることが理想的であると考えます。であるならば、地元企業を存続させ、人材の受皿をつくることは非常に重要であります。このような観点からも、被災企業への支援が行き届くよう取り組んでいただくこと、改めて要望したいと思います。 次に、中項目3つ目は、被災した国宝・白水阿弥陀堂及び史跡白水阿弥陀堂境域の復旧への対応についてです。 今回の台風被災において、福島県唯一の国宝建造物である白水阿弥陀堂が被災したことは、広く報道されたところです。毎年秋の紅葉シーズンに合わせてライトアップイベントなどが行われ、市民や観光客などでにぎわう時期ではありますが、今年は残念ながら、ひっそりとした紅葉の季節を迎えました。 そこで、まず1つ目として、文化財の被災状況についてお伺いいたします。
    観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 今回の災害では、新川から越水したことにより、国宝白水阿弥陀堂や史跡白水阿弥陀堂境域が被害を受けました。 まず、国宝白水阿弥陀堂の被災状況について申し上げます。 阿弥陀堂では、お堂の床上20センチメートルまで浸水しました。 また、消火設備や防災設備についても、水没して破損いたしました。 次に、史跡白水阿弥陀堂境域の被災状況について申し上げます。 境域では、庭園内全体が冠水し、園路や池、芝生広場、側溝等に土砂やごみ等が流入し、大量の泥が堆積しました。 また、池付近では橋が浸水、州浜が流出し、生け垣やあずまやも破損いたしました。 さらには、池の水位が上がった際に使用する排水ポンプも、浸水により破損いたしました。 ◆20番(遠藤崇広君) 今、部長から答弁いただきまして、やはり改めて甚大な被災だったなと実感したところでございます。10月11日には、内田市長と大峯議長の連名で、福島県の内堀知事へ、令和5年台風第13号による大雨災害に係る要望書を提出され、その中には、被災した文化財についての要望もあったかと思いますので、2つ目に、復旧へ向けた県への要望内容についてお伺いいたします。 ◎観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 県へは、復旧事業を実施するに当たり、県の指定文化財保存活用事業補助金交付要綱の運用を変更した補助金交付を要望いたしました。 主な内容といたしましては、今回の復旧事業を災害復旧事業扱いとし、災害復旧事業費から国庫補助分を除いた2分の1の補助金の交付を要望いたしました。 ◆20番(遠藤崇広君) では、3つ目に、今後の取組についてお伺いいたします。 ◎観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) まず、白水阿弥陀堂の取組について申し上げます。 白水阿弥陀堂につきましては、被災直後から願成寺により、お堂の泥を洗い流す作業や境内地に堆積した泥の撤去作業が行われ、10月1日に拝観が再開されました。 今後は、お堂の基礎の部分である亀腹に付着した泥を洗い流し、しっくいを上塗りする作業、及び防災設備の改修について、次年度までの予定で実施することとなっております。 次に、史跡白水阿弥陀堂境域の取組について申し上げます。 境域につきましては、市が、被災後すぐに、排水作業を実施し、水が引いた後は、園路などに流入した土砂や廃棄物の撤去作業を実施いたしました。現在は、池に堆積した大量の土砂のしゅんせつ作業を実施しているところです。 今後は、次年度までの予定で、生け垣や芝生、あずまや、池の州浜や、しがらみ等を復旧する庭園の環境整備事業を実施してまいります。 ◆20番(遠藤崇広君) 被災する前からある程度、あずまやの損傷とか目立ったところがあったので、これを機に一気に改修等を進めていくのかなと思うところであります。本県唯一の国宝建造物である国宝白水阿弥陀堂は、本市や地域のアイデンティティーでもあり、重要な観光資源の1つでもあります。ぜひ水害からの本市の復興のシンボルとなるよう、復旧はじめ、にぎわいづくりの再興へ向けて、市民や地域とともに今後も注力していただくことを要望しまして、次の質問に移りたいと思います。 次に、中項目4つ目は、土砂災害についてです。 今回の災害において、あまり報道されていませんが、重大な災害としてクローズアップしなければならないのが、この土砂災害についてです。内郷地区の山間部などでは、土砂崩れにより家屋に土砂が流入するなどの被害が発生しており、この土砂災害についても見逃すことはできないことから、そこで、土砂災害についての質問をしていきます。 まず、1つ目として、土砂災害の被害状況についてお伺いいたします。 ◎土木部長(草野光平君) このたびの大雨に伴う土砂災害については、宅地裏の山やのり面の崩落など、11月22日時点で、110件を確認しています。 地区別に申し上げますと、平地区で6件、小名浜地区で4件、勿来地区で26件、常磐地区で11件、内郷地区で28件、遠野地区で8件、小川地区で1件、好間地区で19件、三和地区で4件、田人地区で3件となります。 ◆20番(遠藤崇広君) 今、数をお伺いしますと結構多いなと感じるところであります。 では、2つ目として、土砂災害発生箇所のうち、土砂災害警戒区域に指定されていた場所の数をお伺いいたします。 ◎土木部長(草野光平君) 土砂災害が発生した全110件のうち、土砂災害特別警戒区域で発生したものが21件、土砂災害警戒区域で発生したものが9件の合わせて30件で、その割合は約27%です。 ◆20番(遠藤崇広君) 今の答弁からも土砂災害警戒区域では、土砂災害が発生しているというように認識できるのかなと思うところであります。やはり同区域には土砂災害発生リスクが高いということですので、数だけ聞きますと、全体の27%で、要は警戒区域に入ってなかったところでも土砂災害が発生しているということを考えれば、このリスクについても市民生活においては市民の方々に常に認識してもらわなければいけないのかなと思うところであります。 では、3つ目として、土砂災害の今後の対応についてお伺いいたします。 ◎土木部長(草野光平君) 土砂災害の対応については、県において急傾斜地崩壊対策事業などにより対策を進めています。 市といたしましては、地元調整や地権者の同意取得など、県の事業が円滑に推進するための支援に取り組んでいます。 また、市民の皆様に土砂災害のリスクを知ってもらうため、ハザードマップ等に土砂災害警戒区域等を掲載し、防災意識の啓発と向上にも取り組んでいます。 今後におきましても、引き続き、県と連携し、市民生活の安全・安心の確保に努めます。 ◆20番(遠藤崇広君) ハザードマップの話も今ありますけれども、どちらかというと河川のハザードマップというのは結構みんな認知していたり見ていたりするのかなと思うんですけれども、土砂災害に関してはちょっとまだ認知とかというところに関してはこれからの課題なのかなと思いますので、土砂災害につきましても、今後広く市民にリスクを知ってもらうために取組をお願いしたいと思います。 今回の水害において、河川からの越水などによる浸水被害がフォーカスされましたが、実は河川増水に起因する災害として土砂災害の警戒と災害発生防止の対策も引き続き重視していかなければなりません。災害を局所的に見るのではなく、全体的に見て災害対策を考えていただきたいと思います。 続いて中項目の5つ目は、市街地における内水氾濫についてです。 この内水氾濫についても、今回の水害においては、軽視することのできない災害です。報道などから、今回の災害検証委員のお一人でもあり、現地調査をされた東北大学災害科学国際研究所の柴山明寛先生による現地調査などから、今回の災害では豪雨による内水氾濫が発生し、続いて河川の氾濫・越水を起こしているのではないかとの見解がなされております。今後の検証結果と報告が待たれるところではありますが、この内水氾濫も取り上げなければならない災害事象でありますので、質問してまいります。 まず、1つ目に、内水氾濫発生の認識についてお伺いいたします。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 内水氾濫は、市街地に降った大雨を、既設の排水施設で排除し切れなくなり、地表に雨水があふれることにより発生します。 台風第13号では、線状降水帯が観測されており、施設の排水能力を上回る降雨による内水氾濫により、各地区で道路冠水や床上浸水などの被害が発生いたしました。 ◆20番(遠藤崇広君) では、2つ目として、内水氾濫の発生防止へ向けた課題についてお伺いいたします。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 本市においては、国の方針に基づき、本年6月に、市雨水管理総合計画を見直し、施設の整備基準となる新たな計画降雨として、これまでの1時間当たり47.4ミリメートルを1.1倍した52.1ミリメートルを位置づけ、これに基づく施設整備を順次進めています。 しかしながら、市内には多くのポンプ施設等があり、新たな計画降雨に対応した施設の整備には時間を要すること、また、計画降雨を上回る強度の降雨に対しては、雨水を排除し切れず、冠水・浸水が発生する可能性があることが課題として認識しています。 ◆20番(遠藤崇広君) 国の方針に従って計画降雨を引き上げて本市としても対応しているということなんですけれども、現実的には計画降雨以上の雨が降ってしまって、対応し切れてないというのが本市の実情かと思います。 では、3つ目に、内水対策の今後の取組についてお伺いいたします。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 新たな計画降雨に対応した施設整備を順次進める一方、既存の排水施設の適切な維持管理により、通水断面を確保するための取組を継続します。 また、計画を上回る降雨に対しては、下水道施設の耐水化や想定最大規模降雨を対象とした内水ハザードマップの作成・公表による市民への雨水リスクの周知等を行い、関係各所との連携を図りつつ、減災対策を進めていきます。 ◆20番(遠藤崇広君) 確かにハード面での対応は難しいので、ソフト面での対応が大切だというのはおっしゃるとおりかなと思うんですけれど、しかしながら、計画降雨を引き上げてからのハード面での整備が、これから本格的に動き出すというところでこれだけの水害が発生しているわけですから、まずは早急に予算措置するなど、計画降雨に合わせたハード整備に着手するべきだと考えます。 また、現在のところ、内水氾濫に対して画期的かつ早急な対応ができないとするならば、内水の排水先となるのは河川です。特に内郷地区においては、宮川の水が合流する新川の流下能力を向上させることが有効と考えます。県いわき建設事務所のホームページには、今回の台風第13号による夏井川流域における水害が少なかったのは、河道掘削工事の進捗による効果だと公表しております。現在、新川における河道掘削工事が進んでおりますが、流域住民の不安を早期に払拭させるためにも、この新川での取組の推進を、管理者である県へさらに働きかけをしていただきたいと思います。 9月8日、高齢者等避難が15時に発令された後、30分後には宮川に近い内郷二中などの避難所や周辺地域を巡回していました。その際、学校における児童・生徒の保護者への引渡しの様子を見ておりましたが、引渡訓練を以前に実施しているにもかかわらず、学校側が手間取っていて、保護者が校舎近くにいるのに引渡しが進まない様子を目にしました。その後、学校の先生に話を聞いたところ、いざとなると、どう対応してよいのか分からないという話でした。これでは、引渡訓練は学校現場における訓練のための訓練になってしまっているということではないかと考えます。 また、同日21時30分頃、新川と宮川の合流地点での水量を確認したところ、本流である新川の流量が多く、宮川の水が新川へ注がずバックウオーター現象により、宮川の水位が増していたとも推測できました。思い起こすと、令和元年東日本台風の際も支流河川と合流部付近でバックウオーター現象による河川水位の上昇によって越水し、浸水被害が発生しております。過去の水害を検証しますと、夏井川と新川の合流部である平白土地区では、河川氾濫による浸水被災が多かったことから、納屋などの天井に舟を常備し、水害避難に備えていたことがありました。今回についても、過去の水害から学び、河川の合流部の危険性とバックウオーター現象が発生するという想像性を発揮できなかったなど、過去の経験と教訓、そして日頃からの訓練が十分に発揮されなかった側面も見られます。 いずれにしても、本市における防災行政のハード・ソフト面の対応は、災害発生前の早期避難が進まないなど、本市においてはまだ課題が残されているのが現状だと考えます。また、災害対応は人の復興というフェーズもあり、非常に長い道のりであります。災害対策本部は解消されましたが、長期戦であるという認識を持っていただき、執行部の皆様には今後も御対応に御尽力いただくことを要望し、次の質問に移りたいと思います。 大きな項目の2つ目は、次世代に対する防災啓発についてです 東日本大震災が発生して12年9か月が経過し、震災の記憶の風化や震災当時の記憶がない、また震災後に生まれたなど中学生以下の世代は震災を知らない世代となっています。震災や災害による被災経験は、間違いなく防災意識を醸成し、自分自身の災害対策に生かされるものです。この震災を知らない世代が年々増加し、また震災後12年もの間に、度重なる災害を経験した本市だからこそ、次世代への防災・減災への意識づけは大切であり、本市でも様々な取組が行われていることから、以下質問してまいります。 中項目1つ目は、今年度実施されたおやこ防災キャンプについてです。 そこで、1つ目として、事業の概要についてお伺いいたします。 ◎危機管理部長(大嶺常貴君) 本年10月21、22日、市内で初めておやこ防災キャンプを実施しました。その目的は、避難所での不自由な生活体験を通じて、各家庭が防災について興味関心を持ち、日頃の備え等について話し合うきっかけとするなど、自助の力を高めようとするものです。 事業では、市内の小・中学生を持つ親子20組、57名が参加し、大雨による避難指示発令を想定して、市の指定避難所で一晩過ごす体験活動を行いました。 具体的には、停電により薄暗い中での受付や、パーテーションの組立てなど居住空間の整備、家庭から持参した非常用持出品の点検、非常食の試食、新聞を活用したスリッパづくり、さらには、火災により煙が充満した状況を想定した歩行体験などを行いました。 また、地域の防災リーダーに求められる企画力や指導力の習得など共助の力を高める観点から、登録防災士15名にも参加いただきました。 その主な活動としては、企画会議への参加、事業当日の運営支援、さらには、参加者に対する被災体験や家庭内備蓄についての説明などを行っていただいたところです。 ◆20番(遠藤崇広君) 震災を知らない世代への防災意識づけを図る上で、親子で楽しみながら体験するという取組は有効かと考えます。また、登録防災士の方々も参加され、行政主導ではなく、登録防災士の方々が今回の取組の企画や運営に携わり、訓練を実施できたことは、災害時の登録防災士の活動を考える上でも大きな一歩になったのではないかと考えます。 では、次に、参加された方の反響についてお伺いいたします。 ◎危機管理部長(大嶺常貴君) 参加者に対するアンケート結果によりますと、今回の体験を通じて、日頃からの非常用持出品の準備や家庭内備蓄の重要性等が理解でき、災害の備えに対する意識が高まったことや、今後も同様の事業に参加したいなど、多くの方から好意的な回答をいただきました。 一方、非常食を使ったアレンジ料理づくりを実際に体験したかった、ハザードマップの見方等に対する説明の時間が短かった、などの意見も寄せられました。 また、事業に参加した登録防災士からは、実際の災害時にも起こり得る想定の中での避難所運営を体験できたことにより、自分のスキルアップにつながったなど、肯定的な意見をいただきました。 一方で、受付方法における改善点や、保護者への説明等における子供たちへの対応などについても提案をいただいたところです。 ◆20番(遠藤崇広君) 初めての取組だったので、様々な意見があったのかと思いますが、今の答弁からお伺いしてもおおむね好評だったということかなと思います。実は私も登録防災士の一人として、登録防災士の皆さんと一緒に参加させていただきました。登録防災士の方とのお話の中では、災害時はもちろん、ふだんの活動からどんな取組や考え方・心構えを持っていればいいのかなど、防災士の資格を所有しながらも、この資格取得した意義や活用について疑問を持っている、また、基本的な知識の解釈などに不安を持っている方が多いと実感しております。 今回は親子対象での訓練ではありましたが、一方で、登録防災士の皆さんが訓練サポートの取組を行いながら、また登録防災士の方々同士で話し合うなどのコミュニケーションを図れる機会ができたことも、本市の登録防災士制度を進捗させていく上では、有意義な取組であったとも考えます。 では、3つ目に、今回の取組を受けて今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 ◎危機管理部長(大嶺常貴君) 今回の事業実施に当たりましては、54組、138名もの応募があったところであります。参加者からの声も踏まえ、より多くの方の参加機会を確保し、自助の力を高める取組を進めていく必要があると考えております。 このことから、共助の担い手である自主防災組織や登録防災士との間で今回の取組内容を共有し、各地域が主体となった事業展開が図られるよう、体制づくりを進めていきます。 また、地域主体の事業実施に当たって、地域の防災リーダーである防災士の企画力や指導力を高めていくことも必要です。 このことから、避難所開設から運営までの様々な場面を想定した実践的な研修を継続して実施するとともに、自主防災組織や消防団などと意見交換や情報交換の場を設け、地域の防災活動に参加しやすい環境づくりにも取り組んでいきます。 ◆20番(遠藤崇広君) 今後、多分、関係各所連携しての様々な取組が進んでいくのかなと思います。今後の取組に期待しております。 次に、中項目2つ目は、防災標語コンテストについてです。 毎年11月にイオンモールいわき小名浜やアクアマリンパークを会場に開催されるいわき防災EXPOにて、コンテストの表彰が行われ、こちらも多くの親子連れが来場され、防災意識の啓蒙を図る上で、有意義な取組であると考えます。 そこで、1つ目として、コンテストの趣旨についてお伺いいたします。 ◎危機管理部長(大嶺常貴君) 本市は、東日本大震災や令和元年東日本台風により甚大な被害を受け、多くの尊い命が奪われました。 こうした過去の災害を教訓として、平時から、地域の災害リスクを認識し、災害時に命を守る行動が取れるよう、防災教育の充実に努めているところです。 その取組の一環として、令和3年度から防災標語コンテストを実施しています。 その目的は、将来の地域防災力の担い手となる小学生、中学生に自然災害から身を守る大切さを考えてもらう機会を創出することです。 また、標語を通して、家族や学校をはじめ市民の皆様の防災意識の高揚を図ることです。 ◆20番(遠藤崇広君) 私も毎年コンテストの表彰式には足を運んで作品を見ておりますけれども、年々クオリティーが上がっているように感じております。お子さんが考えたというよりも、学校の先生とか、親子あるいは家族で考えたのかなと考えられる作品もあるのかなと思います。それはそれで意義のあることかなと考えるところであります。 そこで、次に、コンテストへの応募状況についてお伺いいたします。 ◎危機管理部長(大嶺常貴君) 令和3年度からの応募者数を申し上げますと、令和3年度が、小学生403人、中学生361人、計764人、令和4年度が、小学生472人、中学生297人、計769人、令和5年度が、小学生501人、中学生523人、計1,024人、となっています。 ◆20番(遠藤崇広君) 応募数も年々増加傾向のようで、防災意識の高まりを感じるところでもあります。 では、3つ目に、入賞作品の活用についてお伺いいたします。 ◎危機管理部長(大嶺常貴君) 防災標語コンテストの入賞作品については、早めの避難の呼びかけや、命を最優先とする作品が多く見られます。 これらの作品を広く知っていただくために、市では、広報紙や公式ホームページ、SNS等への掲載や、報道機関への情報提供などにより周知を図っているところです。 また、標語を活用した防災啓発ポスターを作成し、多くの方々が訪れる公共施設や商業施設へ掲示しているほか、市内小・中学生全員に配布されるフリーペーパーであります、いわきはまっこ新聞への掲載なども行っています。 さらには、今年度の新たな取組として、受賞者の方々に副賞の1つとして、御自身の入賞作品を掲載した名刺をお渡ししています。この名刺を友人や親族などにお渡しすることで、自らの作品を生かし、防災を啓発していただくことを期待しています。 今後につきましても、様々な機会を捉え、入賞された作品の周知・活用を図りながら、市民の皆様の防災意識の向上等に努めてまいります。 ◆20番(遠藤崇広君) ぜひとも有意義に活用していただき、地域防災の啓蒙・啓発に生かしていただきたいと思います。 また、新しい防災の考え方として、フェーズフリーというキーワードが広がりつつあります。簡単に言いますと、日常時と非常時の区切りをなくす、つまり、いつもの暮らし、日常時と災害が起きたとき、非常時を分けるのではなく、常日頃から備えておくということです。家庭でできるローリングストックという取組もこれに含まれますし、例えば、道の駅などの公共スペースや施設に防災や避難所機能を持つ設備の整備を進めたり、民間企業との連携の取組として、宿泊施設を災害避難所にしたり、トラックなどで移動可能なコンテナを宿泊可能な長期避難所にするなども、フェーズフリーの取組として進んでおります。 今回の質問は防災教育にも関連していることから言及しますと、学校教育の現場でも、フェーズフリーの視点が盛り込まれた各教科の授業が、南海トラフ地震への備えとして、徳島県鳴門市で行われており、災害時に主体的に判断できる子供を育てることを目的に、様々な取組が進んでいるそうです。これ実際授業もやっています。 今回は、次世代への防災啓発という視点から質問しましたが、やはりふだんから無理なく災害に備えるという観点からも、震災を知らない世代へ防災・減災の大切さを伝えていくことは日常からの取組が重要でありますので、ぜひこのフェーズフリーという考え方をもって、ソフト・ハード両面から本市の防災・減災への今後の施策が展開されますことを要望し、次の質問に移りたいと思います。 次に、大項目3つ目は、中心市街地の活性化についてです。 まず、中項目1つ目は、いわき駅周辺地域に住む市民の皆様が地域活性化の1つとして期待し、整備の進捗状況などの問合せをいただいております、(仮称)磐城平城・城跡公園ガイダンス施設についてです。 そこで、どんな施設になるのかお伺いいたします。 初めに、1つ目は、施設はどのような機能を有するのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(永井吉明君) (仮称)磐城平城・城跡公園は、磐城平城の歴史や、城下町として発展してきた本市の文化に触れることができる特色ある公園として整備を進めています。 主要施設であるガイダンス施設には、多様なニーズに対応するため、展示・交流スペースのほか、学校行事や地域活動等で利用可能な和室や、休憩スペースなどを設けます。 具体的な機能としては、1つとして、地域の歴史を伝承する場、2つとして、日本伝統文化の活動の場、3つとして、市民や来訪者の交流の場としての機能を有しております。 ◆20番(遠藤崇広君) では、次に、2つ目として、施設の整備状況はどのようになっているのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 本体施設の建築については、本年3月に着手し、10月に竣工したところです。一方、施設内の展示については、公募型プロポーザル方式により、9月に事業者を選定し、現在、制作・整備を進めています。 その内容については、磐城平藩の歴代藩主に関するパネルや当時の平城を復元した模型、さらには、戊辰戦争をバーチャルリアリティー映像で体験できるシアターなどのソフトコンテンツ制作となっております。 今後は、展示物、アプローチ階段及び園路広場などの整備を進めまして、令和6年度の供用開始を目指します。 ◆20番(遠藤崇広君) まだまだこれからいろんなところの整備も残ってるんだなというのを改めて感じたところです。 では、3つ目に、施設の今後の具体的な活用についてお伺いいたします。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 本施設は、本市の歴史・文化に触れる機会を創出する場として活用することに加えまして、中心市街地内に位置する立地特性を生かし、来園者が気軽に立ち寄れる休憩・休息の場として活用することとしています。 施設内の展示・交流スペースにおいては、磐城平城やいわき駅周辺の文化財などについて幅広く発信することとしています。 さらには、市内観光情報を提供することにより、町なかへの回遊性の向上も図ります。 また、和室については、茶道や華道等の各種イベントや学校行事等による体験学習の場、地域交流の場となる文化体験室として活用を図ります。 ◆20番(遠藤崇広君) 様々な活用方法を想定してやっているようで、少し期待が持てたかなと思うところであります。具体的な施設の活用についても、少しずつ見えてくれば、地域の方や市民への関心や期待もさらに高まってくるのではないかと思います。 当該ガイダンス施設においては、磐城平城に関する資料などが展示物として活用されるとのことですので、関連して中項目2つ目として、磐城平城を中心市街地の地域文化とする取組について質問いたします。 昨年度まで、磐城平城を史跡とし、その城下町を巡るまち歩きや講演会などが行われていたと記憶しております。 そこで、質問の1つ目は、今年度はどのような取組を行ったのかお伺いいたします。 ◎観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 磐城平城について関心を持っていただき、郷土愛の醸成を図るため、磐城平城に関する講演会及びまち歩きを令和4年度から実施しております。 今年度は、小宅幸一氏を講師として、講演会及び講演で取り上げた場所を巡るまち歩きをそれぞれ2回ずつ実施いたしました。 1回目は、主に江戸時代以降の平について、政治的な面から取り上げた講演と、磐城平城跡地などを巡るまち歩きを実施いたしました。 2回目は、平の城下町や商業的な面からの講演と、平本町通りを巡るまち歩きを実施いたしました。 ◆20番(遠藤崇広君) では、次に、2つ目として、取組に対して市民からどのような反響があったのかお伺いいたします。 ◎観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 講演会の際に行ったアンケートでは、2回とも、参加者の9割以上の方々から講演に満足したという回答をいただいております。 今後聞いてみたい講演会テーマを尋ねたところ、安藤信正公や江戸時代のいわき、祭礼、産業、人物、近代史など、様々なテーマが挙げられました。 また、もっと平城に関する講座をお願いしたい、郷土の歴史を知ることは大変有意義なので今後も継続してほしい、という意見も寄せられました。 ◆20番(遠藤崇広君) 今の部長の答弁で、参加者の9割の方が満足したと答えていて、これからもまた続けてほしいという非常にニーズの高さというのを改めて感じたなと思うところであります。私も実際に講演会とかまち歩きに参加しましたが、非常に興味深い内容で、新たな発見とか、気づきもあり、非常に有意義な機会になったと感じましたので、この反響についてもほんとに理解できるところであります。 では、3つ目に、磐城平城を中心市街地の地域文化として、今後どのように中心市街地の活性化へ結びつけていくのかお伺いいたします。 ◎観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 中心市街地の活性化のためには、市民がまちの歴史を理解し、郷土愛を持つことが重要であると認識しております。このため、磐城平城文献等調査報告書の成果を生かしながら、継続して講座やまち歩きを実施し、幅広い世代の方へ学びの機会を提供してまいります。 また、(仮称)磐城平城・城跡公園ガイダンス施設やいわき名物ガイドツアーなどのまち歩き事業を実施しているいわき観光まちづくりビューローと連携・協力を図ってまいります。 このことにより、郷土愛を醸成し、中心市街地の活性化へ結びつけていきたいと考えております。 ◆20番(遠藤崇広君) 先ほど質問しました(仮称)磐城平城・城跡公園ガイダンス施設との連携によって、中心市街地の魅力は向上していくと考えますし、また中心市街地の活性化へ必ずや寄与するものと考えます。いわき観光コンベンションビューローの名物ガイドツアーにて、磐城平城散策コースを設置するなどの取組などから、いわき駅周辺への観光交流人口増加をもたらすとも考えますので、城跡公園やガイダンス施設、そして磐城平城という中心市街地の地域文化との相乗効果により、活性化を図っていただくことを要望して、次の質問に移りたいと思います。 次に取り上げる中項目3つ目は、歩行者利便増進道路、通称ほこみち制度についてです。 今年度、本市でも中心市街地活性化ヘ向け様々な取組が行われましたので、まず1つ目に、令和5年度に実施した公共空間活用の取組についてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 中心市街地の公共空間活用に向けた官民連携による取組のうち、主なものを3つ紹介します。 1つ目は、いわき駅前サンシャインマルシェです。7月と11月、いわき駅南口駅前広場で、高校生なども参画した物販やステージイベントなどを実施しており、来年2月にも実施する予定です。 2つ目は、いわき駅南口のタクシープール脇の多目的広場でのエリア価値向上のための実証実験です。8月から、キッチンカー出店や路上ライブの開催、個性豊かなコーヒーやお菓子が楽しめるイベント、組立て式のケージを活用したサッカーを実施しました。 3つ目は、歩行者利便増進道路制度、いわゆるほこみち制度活用に向けた社会実験です。 11月、いわき駅前大通りの歩道で、いわき駅前公園化計画というコンセプトを掲げ、道路空間の利活用に向けた課題把握などを行いました。 ◆20番(遠藤崇広君) 全然何もやらないよりは、こういった取組をやったことによっていわき駅前周辺地域、やはりにぎわったなと私自身も感じたところであります。 ただいまの答弁の中に、ほこみち制度活用に向けた社会実験がありました。11月に行われた社会実験には、私も何度か足を運び、様々な取組を視察、参加させていただきましたので、このほこみちについて、掘り下げていきたいと思います。 まず、ほこみちの概要についてお伺いいたします。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 近年、地域のにぎわい創出のためのイベントの場やオープンカフェによる、道路空間の利用などにより、居心地がよく歩きたくなる町なかの創出、いわゆるウオーカブルなまちづくりへの期待が高まっております。 これを踏まえ、国では、令和2年5月に道路法の一部を改正し、新たに歩行者利便増進道路制度、通称ほこみち制度を創設しました。 ほこみち制度は、地域を豊かにする歩行者中心の道路空間の構築を目指すため、道路管理者が指定を行うもので、令和4年度末時点で、全国で40都市、109路線が指定されております。 具体的には、道路占用が柔軟に認められ、道路区域内にカフェやベンチ等を設置しやすくなることで、多様な道路空間の活用が可能となります。 また、公募により占用者を選定することで、占用期間が最長5年間から20年間に延長されます。 さらに、占用者が道路清掃などに協力することで、道路占用料の90%が減額になるなど、地域による道路の利活用を促進しやすい制度となっています。 ◆20番(遠藤崇広君) 今の部長の答弁で、かなり有益的な制度なのかなと思うところであります。 では、次に、ほこみち制度活用に向けた国道399号での社会実験の概要についてお伺いいたします。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 社会実験は、いわき駅前のにぎわい創出を目的として、本年11月3日から19日までの17日間、駅前から平十五町目方面、約250メートルの区間の両側歩道で実施しました。 実施に当たり、近隣商業者や沿道事業者、地域住民に加え、高校生などをメンバーとするワークショップを開催し、道路空間の利活用に関する様々なアイデアや具体的な取組などについて、意見交換を行いました。 また、いわき市中心市街地活性化協議会に地域の関係者や行政機関で組織する分科会を設置しまして、地域の合意形成も併せて進めてきたところでございます。 ワークショップ等では、道路空間を公園のように日常的に使いたいとの意見を多くいただいたことから、コンセプトをいわき駅前公園化計画とし、歩道に人工芝やテーブル、椅子、パラソル等を設置しました。 また、出店者やイベント利用者については、公募により募集を行ったところです。 期間中は、人工芝で遊ぶ子供たちや、椅子に座って休憩している買物客、オープンテラスのようにカフェを楽しんでいる若者の姿などが見られました。 また、飲食や物販のほか、ほこみちをテーマとした中学生による生徒会サミットやたき火を囲んでのユーチューブ配信、ヨガ教室など、様々な催しが日替わりで行われ、関連イベントも多数行われていたことから、多くの来訪者によりましてにぎわいを見せておりました。 ◆20番(遠藤崇広君) 様々な方々がステークホルダーとして関与して様々な取組が行われ、私自身もワークショップに参加させてもらって地域の方ともいろいろお話をして、やはりこのほこみちに対する期待感はすごく高いのかなと思ったところなんですね。でも実際やってみて、確かに開始初日辺りというのは結構人が出てたのかなと思うんですけれど、その後天候不良等もあって、なかなか苦戦した時期もあったのかなと思っているんですけれども、やり続けていって定着していけば、ほこみち制度はやはり地域の方々が支えていくような取組になるのかなと思うんですけれども、そういう関係者、あるいはステークホルダーが増えていけば、やりようによっては成功していくのかなと感じたところであります。 そこで、最後に、ほこみち制度活用に向けた今後の動きについてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 現在、社会実験で得られたデータの整理や分析等を実施しています。 例えば、歩行者通行量や来訪者の位置情報を把握して、人の往来の変化や滞留時間、滞留場所の広がりの効果などを分析しています。 また、利用者、沿道関係者、出店者に対するアンケート調査により、満足度や改善点、社会実験の影響などの分析を行っています。 これらの結果は、今年度内に、地域の方々とのワークショップやいわき市中心市街地活性化協議会の分科会で報告される予定です。 その上で、ほこみち制度の活用も含め、エリア価値の向上に向けた取組、その役割分担について、官民連携で検討を進める予定です。 いわき駅前では、民間事業者などによる開発が着実に進められています。 また、様々なイベントやワークショップなどへの参画を通し、高校生をはじめとした若い世代のいわき駅前に対する関心も高まりつつあります。 こうした状況も生かしながら、引き続き、ハード事業と歩調を合わせてソフト事業を展開し、まちの魅力を高め、人の流れを創出していきます。 ◆20番(遠藤崇広君) 今、部長から答弁いただきまして、やはり若い世代の人たちがこのまちに対する興味を持ってもらうというのが非常に大きいのかなと、私個人的には思います。 今回のほこみち社会実験には、たくさんの市民及び市街地活性化に取り組んでいらっしゃる関係者の方々が、工夫を凝らした様々な取組や、中心市街地のにぎわい創出とともに、参加者自身が公共空間で過ごす時間や人との交流を楽しむという側面もあったと考えます。今後、今回の社会実験を踏まえてワークショップも開催され、ほこみち制度活用へ向けた取組が本格的に動き出すかと思います。 今回は国道399号でしたが、平商店街からは国道399号ですと道路に接する商店が少ないことから、商店が立ち並ぶ商店街を走る市道にもほこみち制度活用を望む声が聞かれますので、本市でも市道におけるほこみち制度活用の検討を要望いたしまして、私の一般質問を終わりたいと思います。御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手) ○議長(大峯英之君) ここで、午前11時10分まで休憩いたします。          午前11時00分 休憩---------------------------------------          午前11時10分 再開 △菅波健君質問 ○議長(大峯英之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。26番菅波健君。          〔26番菅波 健君第二演壇に登壇〕 ◆26番(菅波健君) (拍手)26番いわき市議会志帥会、菅波健です。通告順に従い質問いたします。 内田市政になって初めて、そして8年ぶりの質問です。よろしくお願いいたします。市長答弁あるときには、本音で、素直にお話しいただければと思います。 さて、日本人でインド仏教最高指導者の佐々井秀嶺という88歳の方がいます。昭和10年、鳥取の山村で生まれ、30歳になるまで様々な苦悩と幾度も生死をさまよい、心ある恩師との出会いから救われ、仏教の布教に専念します。間もなくタイからインドに渡り、インド国境のヒンドゥー教の逆境体制下で仏教復興運動に情熱と闘争心を燃やし、インド首相からインド国籍を認められ、布教活動を継続しています。その佐々井上人が44年ぶりに日本の地を踏んで、日本には人間がいない、すなわち、日本人らしい日本人はどこに。さらには、美しい緑に満ちた山野や田畑、日本の原風景は、肉眼でなく法眼で見れば人々に心の和やかさといったものが見当たらない。そしてそのことに日本人自身が気づいていない。それが日本の一番の危機。日本から離れているからこそよく見えるとのことです。日本の美しい原風景の荒廃は、農業の衰退からとの憂いもあり、質問いたします。 大きな質問の1番、本市の農業における地域計画についてですが、全国的に農業が直面しているのは、営農者が高齢化する中で、後継者や担い手を確保できず、営農が困難となり耕作放棄地や作付が困難となっている荒廃地が増え、営農者ばかりでなく地域的にも影響が及び、生活環境やコミュニティー機能低下などで大きな問題となっています。 また、WFP、世界食糧計画では、異常気象による気候変動と国際社会の紛争や肥料の価格高騰が重なり、かつてないほどの前例のない食糧危機が生じています。さらに世界の飢餓人口が約8億人、世界人口81億人の約1割となっている現状と2080年には100億人を超える人口予測などから、世界的な食糧危機と農地や水の争奪戦は既に大分前から各国の社会問題になっています。ちなみに、2030年を目標としてのSDGsの17目標の2つ目に、飢餓をゼロにとありますが、その達成はなかなか厳しい状況のようです。 日本政府も農林水産業を中心とした食料安全保障の観点から、令和6年には、食料・農業・農村基本法改正案が提出されることになっています。実際に、ウクライナ戦争や中東の紛争などのほか、中国やロシアの政策による影響で輸入食料品や輸入飼料価格高騰で国民生活に深刻な影響を及ぼしています。 さらに、農水省によれば1965年には73%であった食料自給率も低下の一途をたどり、2021年には38%となりました。 このようなことから、国力の基である農地の維持保全と、令和12年には現在の自給率を45%にするという国が目指す食料自給率の向上は食糧安全保障や国家戦略上も最重要の課題であり、営農者だけではなく、いわき市民生活にも影響し関係する問題と考えます。 まずは、身近な農地保全、圃場整備事業による農地の集約・農業生産性の向上、担い手や新規就農者の確保といった地域農業の喫緊の諸課題の解決を図ることが国内の農業問題の解決につながるものと考えます。 本市でも地域農業に係る大きな問題として、地域計画の策定に現在取り組んでいることから、地域計画についてですが、地域農業の将来の在り方について地域での話合いによる人・農地プランが平成24年から始まり、徹底した話合いにより、圃場整備、機械・施設の導入、地域の共同活動などに取り組み、地域の農業・農地を守り、何とか農業の維持発展が行われてきました。 一方、こうした方たちが高齢化する中で、次世代の営農者が効率的な農地利用やスマート農業を行うための農地の集積・集約化を進め、さらには経営主体となる大規模営農者や営農法人・団体を明確にする人・農地プランの実質化の取組がなされてきました。 そして、そのような取組をさらに加速させるため令和5年4月から、人・農地プランを土台とした地域計画の取組に移行しました。地域計画は地方自治体の行政において目標地図作成や地域計画策定を令和6年度中に責任を持って成し遂げなければなりません。 そこで、以下質問いたします。 初めに、本年4月から国が定めた地域計画の具体的内容について伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 地域計画の具体的な内容としましては、1つとして、地域における農業の将来の在り方及び農用地等の効率的かつ総合的な利用に関する目標を定めること。 2つとして、農業者及び区域内の関係者が、その目標を達成するため取るべき必要な措置を定めること。 3つとして、農地利用の姿を記した目標地図を作成することなどであります。 ◆26番(菅波健君) 次に、地域計画策定においては、市街化区域を除いた全ての農用地において行政が地区との協議を重ね計画を策定し、公告しなければなりません。 そこで、地域計画策定に向けての現状について幾つか質問いたします。 まず、いわき市内には地域計画の策定が必要な大字が約200地区あり、その中で複数の大字で圃場整備事業に取り組む地域があるなど、計画数の変動はあるものの地域計画数はかなりの数になると思います。さらに、今年4月からの地域計画策定については、まだまだ認識されていない地区が多いことと思います。 当該制度周知の説明会開催の取組状況について伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 説明会につきましては、より多くの方々が参加できるよう土曜・日曜や夜間も含めて地元側と日程を調整した上で開催し、今年1月以降、11月末現在で、延べ53回、614人に参加いただいています。 そのうち、制度周知を目的とした説明会については、平地区及び各支所単位の13地区で延べ113人に参加いただきました。また、計画策定単位となる地域ごとのきめ細かい説明会については、37地区で、延べ40回、501人に参加いただいています。 ◆26番(菅波健君) 次に、農業経営基盤強化促進法に規定する地域計画において、市が策定する工程表に、目標地図の素案を区域ごとに農業委員会が作成し提出することとなっているようですが、その提出状況について伺います。 ◎農業委員会会長(草野庄一君) 農業委員会では、市が令和6年度末までに地域計画の策定を見込んでいる約200地区のうち、今年度は、既に、人・農地プランを策定した地区と、日本型直接支払制度を活用している地区の、合わせて74地区について、先行して目標地図の素案作成に取り組むこととしております。 これまで、50地区において、農業者及び農地所有者等との話合いや、農業経営に関するアンケート調査等を行い、素案の作成を進めてきたところであります。12月1日現在、22地区の素案を市に提出しております。 今後につきましても、農業委員、農地利用最適化推進委員及び事務局職員が一丸となり、素案の提出に向けて、より一層精力的に取り組んでまいります。 ◆26番(菅波健君) 今年度の74地区予定目標の中で、既に22地区、素案が提出とのことであります。ですが、1つの地区に何回行くことで素案作成に至るのか考えると、延べ数百回から職員が地区に入る必要があると思います。前の制度周知の質問でもありましたが、多くの時間を要し大変根気の要る取組と思います。 次に、事業実施体制の強化についてですが、地域説明会の実施、協議の場の設置、素案作成も含めた目標地図作成など、地域計画策定を進めるためには、現体制では困難なのは明白です。当該事業を成し遂げるためには多くのマンパワーが不可欠です。 それには、増員を図るなどの体制強化が必要と思いますが、どのように考えているのか伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 地域計画は、令和4年5月に改正された農業経営基盤強化促進法に基づき、令和6年度末までに法定計画として市が策定するものです。 計画の策定に当たりましては、一体として地域の農業の発展を図ることが適当であると認められる区域ごとに計画が必要となるため、現時点においては、大字単位で取りまとめることを想定しています。 その場合、市内で約200地区、約200の計画が必要となりますので、相応のマンパワーが求められます。 そのため、これまで、事務事業の改善・統廃合による業務の効率化や部内での応援体制の実施、さらには、国県事業の活用による人員の確保に努めてきたところです。 加えて、来年度の組織体制の見直しに併せて、人員の補充を見据えるなど、事業実施体制の強化に向けた検討を進めているところです。 ◆26番(菅波健君) ただいま、部長から答弁をいただきましたが、体制強化については農林水産部の当該事業所管の生産振興課だけではなく、重要な連携を要する農業委員会事務局も同様に必要と考えます。 そこで、さらに重要なポイントがあります。日本政府もさることながら、内田市長も農業問題にはしっかりと取り組むと公約に掲げています。そのようなことから、人員の効率・スリム化には反しますが、必要なところには重点的に増員を果断に行うことも機構改革の一環と考えます。 部内の調整を図ることなく、真水の増員による体制強化をするべきと考えます。 市長の考えを伺います。 ◎市長(内田広之君) 来年度に向けまして、全庁的に機構改革を今、検討しております。今、議員おっしゃられたように、やはり重要な部分についての投資は必要であります。財政状況や人の張りつけもなかなか厳しい状況が年々続いてございますけれども、やはり投資すべきところにはしっかり投資できるように、また見直すべきところはしっかり見直して、そこから削減をしたものを新しい組織体制をつくるなり、人を充てるなりということで、御指摘のような農業問題も非常に重要な課題でございますので、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。 ◆26番(菅波健君) 体制強化は本当に市長のトップダウンでやれるかやれないか、結果を見守っております。 次に、圃場整備事業と地域計画についてですが、人・農地プラン制度以前から圃場整備事業は取り組まれており、さらに国により地方自治体行政が責任を持って取り組む地域計画が本年4月からスタートしましたが、その関連性がどのようなものか営農者にはあまり正確には伝わっていないように思います。 そこで、その関連性について伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 近年実施されている圃場整備事業は、農地中間管理機構関連農地整備事業が主流となっています。本事業は、農地中間管理権の設定や事業実施後の地域内の収益性向上が採択要件とされています。 現在、圃場整備事業を要望する場合は、従来の人・農地プランに替わり、地域計画において、農地中間管理機構の活用方法や担い手に対する農用地の集積に関する目標などを設定する必要があります。 また、地域内の収益性向上に資する高収益作物の導入目標についても、担い手の確保と一体的に設定する必要があります。 このように、圃場整備事業を実施するに当たっては、地域計画の策定が実質的な採択要件の1つとなっている状況から、地域計画と圃場整備事業とは、密接な関係を有していると捉えています。 今後、こうした関連性についても、十分に周知していきたいと考えております。 ◆26番(菅波健君) ただいま、答弁に高収益作物というワードがありましたが、ここが1つ私は問題と思っております。圃場整備説明会に水稲専門で大規模営農している青年農業者に参加を促したところ、水田を畑にして収益2割アップの高収益作物の作付が必要ということが分かっており、担い手を頼まれても稲作と畑作の両方はできないので、参加を見合わせるとのことでした。確かに当該事業には、稲作と畑作でそれぞれに専門の農業者が必要になります。ですが、10町歩ほどの耕地面積であれば、効率上で一人の担い手ぐらいが適当との考えもあるようです。ここに意欲のある若い農業者が事業に参入できない課題があるように思います。 また、ほかの稲作専門の営農者に圃場整備での畑作の話をすると、やはり関心を示しませんでした。当該事業を包含している地域計画を推進するためにも、何らかの対策が必要ですので、よろしくお願いいたします。 その高収益作物の栽培についてですが、圃場整備事業にはネギやトマトやイチゴといった高収益作物栽培の取組が必要ですが、これらを初めて栽培する農家の方々や地域がまとまって取り組むには技術的にも心理的にもハードルが高く、新たに高収益作物の栽培の取組に対する支援が必要と思いますが、どのように考えているのか伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 本市のブランド作目であるネギ、トマト、イチゴ、梨の4品目をはじめ、主食用米と比べて面積当たりの収益性が高い野菜・花卉・果樹等が高収益作物とされています。 これらの栽培に新たに取り組む農業者に対しましては、JA生産部会等の生産団体・組織への加入を促し、JAの営農指導員や県の普及指導員による技術指導のほか、生産者間での相互扶助や情報交換・共有が円滑に行われるよう誘導しております。 また、新規で必要となる機械等の導入支援に当たりましては、本市独自の農業振興策である市農業生産振興ブランド戦略プランや、国・県事業の活用等も含め、高収益作物の産地育成に資する取組を支援しています。 今後もこうした支援を継続的に行っていきたいと考えております。 ◆26番(菅波健君) るる答弁がありましたが、さらに踏み込んでその地区の作付に適した作物品種や栽培方法の情報提供や福島大学の食農学部と連携して実際に地区に関わってもらうとか、葉物野菜を大量に必要とするスーパーマーケットなどとのマッチングなど、当該生産者が希望と意欲を持てる支援が必要と思いますが、改めて伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 再質問にお答えいたします。高収益作物を含めた本市農産物の生産者の方々が希望と意欲を持って農業に従事していただくことは、本市の農業を振興する上で大変重要なことであります。 本市では、生産のみならず、加工、流通、販売、消費までを一体的に捉えた施策展開を進めておりますが、議員が御指摘された各種生産情報や販売店との連携などについて、学の知見も取り入れながら、現在の施策をより充実させていきたいと考えます。 加えまして、これまで作物のおいしさや魅力の発信に併せまして、生産に携わる農家の方々の姿を紹介し、顔の見える農業を推進してきています。こうした取組も継続しながら、生産者が希望と意欲を持てるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆26番(菅波健君) よろしくお願いいたします。地域計画策定にも圃場整備事業を実施するにも、地域の課題は担い手の確保と支援が必要です。その観点から幾つか伺います。 まず、本市には営農や新規就農などで多くの様々な就農相談があると思いますが、その現状について伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 本年度においては、4月から11月までの8か月間で、個人及び法人の合わせて32者に対し、対面やリモートによる相談を延べ38回行っています。 相談内容としましては、新規就農に関する相談が23件と最も多く、次に経営の改善に関する相談が4件、地域の農業の担い手として活躍が期待される認定農業者への認定に係る相談が4件、その他、経営規模拡大に向けた相談が1件、寄せられています。 ◆26番(菅波健君) それでは、次に、それらの様々な就農相談者への現在の対応について伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 市においては、令和3年7月に開設したいわき地域就農支援センターをワンストップ型の相談窓口としまして、新規就農希望者等からの相談に応じています。 相談内容に応じ、県、市農業委員会、JAと連携し、就農直後の農業経営の確立に向けて、農地の確保や栽培技術の指導、販路の確保・拡大等に対する伴走型の支援を行っております。 ◆26番(菅波健君) 営農者や農業者にとって、どの窓口に行っていいか複数の窓口があり戸惑うことがあります。私が一番心配することは、タイムリーに必要な情報が得られないことや、書類申請の煩雑さなどから営農や就農意欲がそがれ断念に至るケースが生じることです。決して、その最悪の状況は避けなければなりません。 実際に、ある部署で、果樹栽培での新規就農を目指す若者が認定農業者の申請を相談に行ったら、親から土地の相続継承がなされていないので、それを済ませてくださいとのことでした。その時点で何回も相談に行っており事業計画も進んでいる中で、スケジュールが遅れることから、何で早く教えてくれなかったのかなと落胆していました。幸いにも、その若者は心折れることなく現在も懸命に準備を進めています。 ワンストップサービスには以前からしっかりと取り組むとの議場での答弁もありました。 以上から、ワンストップサービスの取組状況について伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 本市では、いわき地域就農支援センターを設置し、ワンストップ型の相談窓口として運営しています。しかしながら、新規就農などの最初の相談は、県、市、市農業委員会、JAなど、様々な窓口に寄せられているのが実情です。そのため、各窓口においては、共通の就農相談カードにより対応し、その後の進捗状況等も含めて情報を管理・共有してございます。 また、遠隔地の方や複数の機関が関わる相談内容の場合、当センターにおいて関係機関・団体が一堂に会するオンライン相談の場を設けるなどの対応も行っています。 こうした中、本年4月に改正農業経営基盤強化促進法が施行され、各都道府県に農業経営・就農支援センターの設置が義務づけられました。 そのため、現在、窓口の集約化や役割分担等について県と協議を進めており、より丁寧で相談者が利用しやすいワンストップ型の相談窓口の機能充実に向け、取り組んでまいりたいと考えております。 ◆26番(菅波健君) どうか継続してタイムリーにサービスを提供できる取組をお願いいたします。 それでは、就農後における伴走型支援の取組状況について伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 新規就農者が地域に定着するためには、就農直後から農業経営確立までの伴走型の支援が必要不可欠な取組となるものです。 そのため、関係機関・団体が連携し、定期的な圃場の巡回や面談等を重ねながら、各種研修の紹介、栽培技術や農業経営の指導、経営診断などの支援を行っています。 また、機械類の導入に向けては、新規就農者が作成した営農計画の内容を踏まえた各種補助事業等の情報提供、手続に係る助言・指導なども行っています。 就農直後から農業経営が確立するまでの期間は、特に重要でありますので、関係機関・団体と連携しながら、新規就農者に寄り添った伴走型の支援に意を用いてまいります。 ◆26番(菅波健君) どうか途中で心折れることのないような継続的な伴走型支援をお願いいたします。 これまで本市農業が抱える様々な課題やその解決に向けた取組を伺ってまいりましたが、これまでにない重責を行政が担います。すなわち、真の農業再生を果たせるか否か極めて重要な政策への取組です。決して失敗は許されません。 そこで、本市が当該事業にどのような考えをもって取り組むのか伺います。 ◎市長(内田広之君) 農業は、私たちの生活に必要不可欠な食糧を供給するとともに、国土保全等を図っていく上での国の礎となるものです。 また、中山間地域をはじめとした農村は、農業の持続的な発展の基盤としての役割を果たしています。 こうした中、本市の農業・農村を次世代にしっかりと引き継いでいくため、本市では、いわき版骨太の方針におきまして、持続と自立が可能となる、稼げる一次産業の推進を掲げまして、各種施策に取り組んでおります。 今般の法改正に伴いまして、全市的に地域計画を策定することで、各地域における農業の将来の在り方や農用地等の効率的かつ総合的な利用に関する目標など、地域の特性に応じたきめ細やかな目指すべき将来像が明確になってきます。 そして、その将来像の実現に向けた取組によって、市全体の農業振興に大きく寄与することが期待されます。そのため、限られた策定期間の中で、実行性のある計画を策定していくため、各地域の農業者の皆様と迅速かつ丁寧に協議を進めていきます。 また、計画の策定に当たりましては、市農業委員会、県、JAなどの関係機関・団体との密接な連携はもとよりですが、特に、農業に関心のある高校生や大学生、若者など、次世代を担う方々の視点も、可能な限り取り入れながら、鋭意、取り組んでいく考えでございます。 ◆26番(菅波健君) 国の肝煎りで始めた地域計画の成否が、国の行く末やいわき市の未来を左右するということだと思います。決して大げさではありません。それほど重要な取組と思います。どんな困難があろうとも、農業の未来そして日本の未来のために、石にかじりついてでも必ず成し遂げるという覚悟と気概を持って挑むことを切に願います。 次に、本市におけるカーボンニュートラルの実現に向けた取組について伺います。 市では本年11月26日、カーボンニュートラルの実現に向け、いわき市脱炭素社会実現プランを策定・公表しました。 同プランについては、産学官金などの多様な団体で構成されるいわき市脱炭素社会推進パートナーシップ会議を中心に検討を進めてきたと伺っています。カーボンニュートラルの実現には、行政だけではなく、市民や事業者など、オールいわきで取り組んでいく必要があることから、産学官金で構成される同会議の中で、本市における脱炭素の取組が議論され、プランとして策定されたことには、大きな意義があるものと認識しています。 そこで、いわき市脱炭素社会実現プランの概要について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) いわき市脱炭素社会実現プランは、環境と社会・経済の好循環を、発展的に創出する未来を構築し、ふるさと・いわきを将来世代につないでいくことを基本的な考え方として策定しました。 本プランでは、2030年までに温室効果ガスの排出量を2013年度比で50%削減し、2050年までに実質ゼロとすることを目標としています。 また、その達成に向けた取組の視点として、4つの視点を設定しました。 1点目は、再生可能エネルギー等の導入拡大や新たな産業を創出する、つくるという視点です。 2点目は、エネルギーを効率的に使う省エネ、3点目は、温暖化対策の普及啓発・人づくり、4点目は、温室効果ガスの吸収源対策です。これらの視点を基に、温暖化対策の取組を2050年までのロードマップとして整理しています。 また、温暖化対策は、行政のみならず、市民や事業者など、あらゆる主体の行動変容が求められます。このため、あらゆる主体が、温暖化対策に積極的に取り組む合い言葉として、今日から、できることから、自分からの3KARAアクションとして掲げました。 本プランの策定を契機に、本市のカーボンニュートラルの実現に向け、オールいわきで取組を加速していきます。 ◆26番(菅波健君) 本年11月30日にアラブ首長国連邦でCOP28が開催され、そこで岸田首相は世界の脱炭素化に貢献すると明言しました。このことについては全国の各自治体が地球温暖化対策の目標に向かって確実に突き進まなければなりません。しっかりとした取組をお願いいたします。 次に、公共施設におけるカーボンニュートラルへの取組についてですが、市内の事業者や市民等への行動変容を促す上で、隗より始めよということわざのとおり、まずは市役所が率先して、公共施設における照明のLED化や太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入などの取組を推進していくという姿勢を見せていくことが極めて重要と考えます。 そこで、公共施設におけるカーボンニュートラルへの取組について何点か伺います。 初めに、照明をLED化した場合の効果について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) LED照明は、一般的な蛍光灯に比べ、設置費用は高額となるものの、寿命が長く、電気使用量を含めたトータルコストは安価とされています。 環境省によりますと、LED化の効果は、機種によって異なるものの、従来の電気使用量の6割から8割程度の削減が見込まれています。また、電気使用量の削減に伴い、温室効果ガスの大幅な削減にもつながるため、LED照明の導入は、温暖化対策の有効な取組の1つであると認識しています。 ◆26番(菅波健君) それでは、本市の公共施設におけるLED照明の導入状況について伺います。 ◎財政部長(横張貴士君) 本市の公共施設等、1,302施設のうち、LED照明を導入している施設は、329施設で全体の約25%となります。 そのうち、施設内全ての照明に導入している施設は61施設で全体の約5%、一部の照明のみに導入している施設は268施設で全体の約20%となります。 ◆26番(菅波健君) ただいま答弁ありましたが、公共施設のLED化を推進していくべきと考えます。 今後の取組について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 今般、策定しました市脱炭素社会実現プランでは、あらゆる主体が、自主的かつ連携して取り組むこととしており、市役所も一事業者として、温室効果ガスの削減に積極的に取り組んでいく必要があります。 当該プランとの整合を図るため、一事業者として策定が義務づけされている地球温暖化対策実行計画、事務事業編の見直しを、来年度から行うこととしています。 その中で、エネルギーの効率的な利用の観点から、公共施設のLED化をはじめとした省エネルギー機器の導入などについて、コスト等も勘案しながら、全庁的な検討を進めます。 ◆26番(菅波健君) 本市では公共施設の屋上等に太陽光パネルを設置する屋根貸し事業を実施していますが、再生可能エネルギーの導入拡大の観点から有効な事業と考えますが、市の考えについて伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 公共施設の屋根を太陽光発電設備の設置場所として貸し付け、使用料を得る屋根貸付け事業は、平成26年度から実施しています。 現在、小・中学校や、災害公営住宅など、16施設において、合計842.7キロワットの設備が設置されています。 平成29年度以降は、設備の設置に係る耐荷重の問題や、公共施設の統廃合の検討などにより、現時点では設置対象となる施設がない状況であります。 また、近年、国においては、再生可能エネルギー由来の電力を、売電から、蓄電池を活用した自家消費へ転換することを推進しています。 これらのことを踏まえ、本事業については、制度の見直しについて、今後、検討していきます。 ◆26番(菅波健君) 当局においては責任ある一事業者として積極的な温暖化対策の取組を着実に進めることを強く要望いたします。 次に、本市の風力発電についてですが、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、脱炭素に向けた取組が加速し様々な技術革新やライフスタイルの変革が進んでいますが、こうした変革や成長の機会を捉え、地域の稼ぐ力の向上につなげていくことは、極めて重要と考えます。 また、市の脱炭素社会実現プランでも本市の脱炭素の実現には、再生可能エネルギーや次世代エネルギーの積極的な導入に加え、産学官金の連携による脱炭素に向けた産業構造の変革など、産業部門の取組が大きな鍵を握っていると考えます。 このような中、市は再生可能エネルギーの1つである風力発電の導入拡大を見据え、風力メンテナンスを糸口とした市内企業の事業参入や関連産業の集積に取り組んでいますが、その実現には様々な課題もあると認識していると思います。 そこで、これまでの取組状況や今後の課題などを確認しながら、本市が掲げる、環境と社会・経済の好循環の実現に向け、市の取組をさらに加速するべきと思いますので質問します。 初めに、風力発電について、産業政策の観点から、市はどのように認識しているのか伺います。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 風力発電は、部品点数が多く、部品製造や建設工事、メンテナンス業務など、幅広い業種への経済波及効果が期待できる分野であると考えています。 また、脱炭素化に向けた風力発電の導入拡大や、老朽化した風力発電施設の建て替え需要等により、市場拡大が見込まれるなど、今後、さらなる成長が期待できる分野です。 このため、風力発電産業を本市の中核的産業として根づかせることで、市内企業のレベルアップや、稼ぐ力の向上にも寄与するものと考えています。 ◆26番(菅波健君) ただいま答弁ありました中核産業として根づかせ、稼ぐ力の向上につなげるということは、大いに期待するところですので、よろしくお願いいたします。 次に、風力発電産業の創出に向けた、市の取組状況について伺います。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 市では、風力発電産業の創出に向け、3つのステップで取組を進めてきました。まず1つ目、推進体制の確立のステップについては、主に、4つの取組を行っています。 1つ目は、中核的企業の誘致で、国内有数の風力発電メンテナンス企業である株式会社北拓を本市に誘致しました。 2つ目は、教育・研究機関との連携で、東京大学先端科学技術研究センターと連携協定を締結し、人財育成、共同研究開発の取組を実施しています。 3つ目は、地域共生モデルの構築で、市内で風力発電事業を計画する事業者と、風車が立地する地区、行政との三者協定の仕組みを構築しました。 4つ目は、域内企業の連携体制の構築で、市内企業が、いわきウインドバレー推進協議会を設立し、事業参入に向けた取組を展開しております。 次に、2つ目のステップ、メンテナンス産業の育成については、学生や社会人を対象とした人財育成、独自の認証制度構築などを進めています。 最後に、3つ目の産業集積のステップでは、市内企業の参入促進や、浜通り地域への風力発電導入拡大につながる市場形成に向けた取組を開始しております。 ◆26番(菅波健君) 次に、推進体制の確立に向けた取組のうち、中核企業として本市に誘致した株式会社北拓とどのような取組を行っていくのか伺います。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 風力発電所を安全かつ安定的に運営していくためには、長期にわたるメンテナンスが必要となります。いわき市では、この点に着目し、市内企業によるメンテナンス分野への参入に力点を置き、取り組んでまいりました。 そのためには、専門的な知見やトレーニング施設、世界的ネットワークを持つ株式会社北拓に市内企業を牽引いただくことが有効な手段と考えております。 こうした資源を持つ同社の協力を仰ぎながら、人財育成、技術開発、受発注機会の創出などを支援し、市内企業が参入しやすい環境を整備していきます。 ◆26番(菅波健君) 市内企業の事業参入の環境整備はまさしく当局の腕の見せどころです。大いに期待いたします。 次に、推進体制の確立に向けて、東大先端研や福島高専などの教育・研究機関とは、どのような取組を行っていくのか伺います。 ◎産業振興部長(佐竹望君) いわき市では、いわゆる東大先端研と、平成30年3月に連携協定を締結しました。 本協定は、先端研の専門的知見やネットワークと、いわき市のものづくり力とを融合し、学術振興と産業発展、浜通り地域の活性化を目的としています。 本協定に基づき、風力発電関連産業の創出に向け、連携している取組は、5つです。 1つ目は、産学官連携による市内企業との共同研究開発。 2つ目は、市内小・中学校や福島高専と連携した人財育成。 3つ目は、市内企業が風力産業界へ参入するための助言。 4つ目は、風力発電の重要性や安全性に関する地域の理解促進。 5つ目は、いわき市の風力産業推進事業に対する提案や助言です。 ◆26番(菅波健君) 教育・学術機関との連携は、様々な創出と無限の可能性につながり重要な肝の部分ですので、丁寧な取組をお願いいたします。 次に、風力関連産業が、本市の産業と親和性の高い分野であるとはいえ、初めから部品供給などを担うことは難しく、設備のメンテナンスなどから段階的に参入していくことが近道と考えます。 そこで、市はこれまでどのように人材育成に取り組んできたのか伺います。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 人財育成については、社会人を対象とした即戦力人財の育成と、学生など若者を対象とした将来人財の育成の両面から取り組んでいます。 まず、即戦力人財の育成については、市内企業を対象に、風力発電に関する適切な知識の習得を目的とした講演会や相談会などを実施しています。 加えて、より実践的な知識と技術を有する人財の育成を進めるため、国内初となる、風力発電メンテナンス人材認証制度の構築に取り組んでいます。 次に、将来人財の育成については、福島高専と本市独自の教育・体験プログラムを構築したほか、市内小・中学校で出前講座やワークショップ等を行っています。 特に、福島高専においては、学年に応じた段階的かつ実践的な人財育成を実施しています。 具体的には、3年生には企業等見学バスツアーを、4年生には、メンテナンスに関する、実践的な知識技術を学ぶインターンシップを、さらに、専攻科1年生には、より高度な風力発電の専門知識を学んでもらうため、東大先端研の教員による風力発電講義を実施しております。 ◆26番(菅波健君) 人づくり日本一は市長公約です。どうかよろしくお願いいたします。 次に、本市が人材育成に取り組む上で、市独自のメンテナンス人材認証制度を構築することとした理由を伺います。
    ◎産業振興部長(佐竹望君) 風力発電産業に係る市場は拡大が期待できるものの、既にサプライチェーンが構築されているなど、市内企業の事業参入には課題もあります。 そのため、市内企業の参入を実現する手法として、メンテナンスを糸口に、人財の育成や評価の仕組みを独自に構築して、競争力を高めることとしました。 具体的には、風力発電のメンテナンス作業には、風車メーカーによる研修と国際風力機関が定める安全研修の受講が求められています。 一方で、国内の風力発電設備の定期事業者検査に必要なメンテナンスの知識や技術については、研修制度や評価基準が明確に標準化されておりません。 こうした状況を踏まえ、電気事業法に基づく安全性を担保する知識と技術を習得・評価できる仕組みを、令和6年中の制度構築を目指して取り組んでおります。 ◆26番(菅波健君) 当該制度は国内唯一ということですので、いわきが先駆けて道筋をつけるということですから、しっかりといわきモデルの認証制度を構築し、いわきを中核として様々な新規事業創出や国内外に向けた情報発信できる取組をお願いいたします。 それでは、風力発電メンテナンス人材認証制度の概要について伺います。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 本制度は、電気事業法が定める定期事業者検査を対象とし、風車の点検作業に必要となる知識や技術を第三者機関が評価・確認するものです。 指定された施設で、テキストによる講習や実技研修を受け、筆記試験に合格することで認証を得られます。 この制度の運用は、風力発電の保安力や保全力向上のほか、市内企業の技術力の見える化によって競争力強化や信頼性の確保にもつなげていくものです。 ◆26番(菅波健君) 市はこれまでの取組を踏まえ、今後、風力発電事業を創出していく上で、どのような課題があると認識しているのか伺います。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 推進体制の確立や、メンテナンス産業育成の取組を産業集積につなげていくために、主に、2つの課題があると考えております。 1つ目は、既に部品供給等が始まりつつある陸上風力発電において、地域でしっかりと受注を確保できるよう、体制を強化することです。 2つ目は、国・県の政策や市場動向等を見据え、陸上風力発電のリプレースや洋上風力発電の市場など切れ目なく販路を確保していくことです。 ◆26番(菅波健君) 先月、11月21日に田人風力発電施設を会派で視察に行きました。その際、タワーやナセル・ブレードなど海上輸送された部品を、小名浜港に陸揚げし、設置場所まで陸上輸送したとの説明を受けましたが、一方で、小名浜港のヤードが狭く、混雑していたため、荷揚げに時間を要するなど大変だったとのお話もいただきました。 小名浜港は、産業や港湾の競争力強化と脱炭素社会の実現のため、小名浜カーボンニュートラルポートの検討がなされています。つまり、次世代エネルギーやバイオマス燃料の受入れ、活用と風力発電大型部品の荷揚げ、仮置きなどから、新たな港湾整備・充実も喫緊の課題と考えます。県の事業と考えますが、小名浜港利用促進期成同盟会と小名浜港整備促進期成同盟会会長はどちらもいわき市長であります。 本市において今後どのような考えを持って取り組むのか伺います。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 県によりますと、混雑により船が沖で待機する、いわゆる滞船が生じないように、荷主や荷役事業者などとの間で情報共有や調整を行っているとのことです。 市といたしましても小名浜港整備促進期成同盟会などとともに、風力発電の建設計画を踏まえた港湾の利用調整、埠頭の円滑な運用等を県に働きかけていきます。 こうした取組により、港湾を利用する企業からは、現在、滞船状況が若干改善していると伺っております。引き続き、港湾の利便性向上に努めていきます。 ◆26番(菅波健君) 小名浜港は、当該事業にとって、これから展開される事業にとって重要なハブですので、気を引き締めての取組をお願いいたします。 次に、風力関連産業への参入を目指す市内企業により、いわきウインドバレー推進協議会が設立されたとのことですが、事業参入に向けた本協議会の具体的な取組状況について伺います。 ◎産業振興部長(佐竹望君) いわきウインドバレー推進協議会は、平成30年、風力発電関連産業への参入を目指す企業が設立した協議会で、現在は39社が参画しています。 協議会では、情報収集に加え、専門家や教育機関等との連携した技術力の向上、展示会への参画などによる販路開拓に取り組んでいます。 また、本年10月には、洋上風力発電の先進地である台湾で、現地企業とのビジネスマッチングを行うなど、海外市場の販路開拓にも取り組んでいます。 ◆26番(菅波健君) 当該協議会が10社から39社となり、台湾で欧州風力メーカーとビジネスマッチングの実績につながるまでの取組がなされていることに敬意を表します。さらなる進展が図られるよう、連携やマッチングに当局が尽力することをお願いいたします。 次に、風力関連産業の創出に向けては、F-REIとの連携も効果的と思われます。 本市産業界との連携はどのような状況か伺います。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 市では、F-REIへの市内企業のガイドブックの配布や、F-REIに関心を持つ企業を訪問するなど、F-REIと産業界の相互理解に努めています。 こうした活動の成果もあり、F-REIと関係性を有する企業も見られるようになってきました。 具体的には、F-REIが産業技術総合研究所を通して実施する、再生可能エネルギー技術に関する公募事業に市内企業が採択されています。 また、F-REIが直接、実施する委託事業の公募に、市内企業が挑戦している状況も把握しております。 市としては、引き続き、F-REIと産業界の連携をより深め、風力発電をはじめ、エネルギー分野の関連産業を本市の中核産業として根づかせていきます。 ◆26番(菅波健君) ビジネスマッチングにおいて、実際に様々な実績が表れているようですので、継続して当局のサポートもよろしくお願いいたします。 それらの課題を踏まえ、市は今後どのように取り組んでいくのか伺います。 ◎産業振興部長(佐竹望君) 市としては、市内企業の受注体制の強化に向け、産業界と連携し、価格交渉から発注、納品まで、一元的に対応できるような体制を検討していきます。 また、独自の認証制度やF-REIとの連携強化等による技術力の向上や、即戦力人財・将来人財の育成にも注力していきます。 これらの取組に加え、国や県の政策、市場動向を踏まえた取組を、適時適切に展開し、市内企業の参入をしっかりと後押ししていきます。 ◆26番(菅波健君) 市内では、様々な地域で風力発電設備の建築が計画され、田人地区では風力発電事業で4.2メガワット、5基の運転開始が始まり、既に川前地区でも13基が稼働し、今後も5つの地区で風力発電事業が展開される見込みで、それらが全て稼働すると、いわき市内で約90基の風力発電が稼働するようになり、総発電出力が約35万キロワット、大体原発1基が100万キロワットですから、大きな発電量になります。 さらに当該事業は、産業経済に貢献するばかりでなく、各地域においては搬入路の整備に伴い、道路の拡幅や地域課題支援にも寄与し歓迎されているようです。加えて、本市では昨年、中山間地域支援基金が創設されましたが、その基金には発電事業からの寄附もあり、今後も事業稼働に伴い寄附が見込めるようです。 また、風力発電設備の建築資材を受け入れる小名浜港では、エネルギー転換や次世代エネルギー供給網の構築など、港湾地域の脱炭素化が検討されています。 今後、市においては、こうした脱炭素の動きを最大限に生かし、市内企業が風力発電をはじめ、関連する周辺産業での受注機会を拡大できるよう支援し、地域に根づいた新産業創出を実現していただきたいと思います。 さらに、風力発電においては、国内での新たな陸上事業が少し困難な状況になりつつあることから、洋上風力発電にシフトする傾向もあるようですから、洋上風力発電も視野に入れながらの取組をお願いいたします。 今まで、何度も答弁の後に当局の支援をお願いしましたが、当然、我々議会・議員は考えは同じだと、議会も一緒になって取り組む責務があります。議場の皆さんの了解は得ておりませんが、考えは同じだと思いますので、しっかりとオールいわきで、取り組んでまいりたいと思います。 そして、創出された新産業がいわき市にとどまることなく、日本国内、さらには世界に向けて風力発電部品やメンテナンス人材のサプライ拠点となり、本市の経済と産業を牽引できるリーディング産業の核になるような取組、まさしく産・学・官・金の総力をもって、オールいわきでその目標に突き進むことを切に願います。 冒頭申し上げました、佐々井上人は、若い人がしっかりした家庭を築けるような環境を整え、少子化に歯止めをかけて国力を充実させ、再び人々に希望と活力があふれた国になることを願います。私も日本男児として世界の人々の幸福のために力の限りを尽くしますと言って日本を離れました。私も肝に銘じて今後とも活動してまいりたいと思います。 これで質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(大峯英之君) ここで、午後1時10分まで休憩いたします。          午後0時08分 休憩---------------------------------------          午後1時10分 再開 △福嶋あずさ君質問 ○副議長(坂本稔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。23番福嶋あずさ君。          〔23番福嶋あずさ君第二演壇に登壇〕 ◆23番(福嶋あずさ君) (拍手)23番いわき市議会創世会の福嶋あずさです。 毎年11月12日から女性に対する暴力撤廃国際日の25日までの2週間は、女性に対する暴力をなくす運動の実施期間であります。暴力はその対象の性別や加害者、被害者の間柄を問わず、決して許されるものではありませんが、特に配偶者等の暴力、性犯罪、ストーカー、セクシャルハラスメントなど女性に対する暴力は、女性の人権を著しく侵害するものであり、男女共同社会を参画する上で克服すべき重要な課題となっています。 この運動は、地方公共団体、女性団体そのほかの関係団体との連携・協力の下、社会意識啓発など、女性に対する暴力の問題に関する取組を一層強化することを目的としています。また、女性に対する暴力の根底には、女性の人権の軽視があることから、女性の人権尊重のため意識啓発や教育の充実を図ることとされています。運動実施期間ではないときもこのことは大切なことです。以下、通告順に従い、一般質問を行います。 大きな項目の1つ目は、DVの根絶と被害者支援についてです。 初めに、DV被害者支援の充実について。 DV相談件数の過去5年の推移について伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 過去5年間の相談件数につきましては、平成30年度が233件、令和元年度が259件、令和2年度が373件、令和3年度が283件、令和4年度が313件でございます。 ◆23番(福嶋あずさ君) 相談件数が増えているということなんですが、相談についてはいわき市では主に女性相談員の方が相談を受けるものと思います。女性相談員の負担は重いものと感じます。 それでは、令和4年3月策定第四次いわき市男女共同参画プランに位置づけもされたDV防止基本計画の1つ、安心して相談できる体制の充実には、これまでどのように取り組んできたのか伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 本市では、北部地区と南部地区を担当する女性相談員を、それぞれ1名配置し、DV被害者からの相談受付や支援を行っております。相談・支援に当たりましては、よりきめ細やかな対応ができるよう、平成29年度より相談員の勤務体制を非常勤から常勤に見直しを図っています。 また、研修派遣により相談員の資質向上に努め、利用者が置かれている状況に十分配慮し、利用者本位の傾聴の姿勢で対応を行うよう努めるとともに、窓口となる地区保健福祉センターで相談対応を行う場合には、個室で安心して面談できる空間の確保を図っています。 今後も、DVなど様々な困難を抱える方々に、安心して相談いただけるよう、相談体制の充実に努めてまいります。 ◆23番(福嶋あずさ君) ここでも今の答弁のとおり、女性相談員の方の負担というのはすごく大きなものと感じました。 それでは、次に、誰でもすぐに相談できるよう広報周知など、どのように取り組んできたのか伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 市の公式ホームページや広報紙にDV被害に関する相談先を掲載するとともに、市の公共施設等にポスターやチラシを配置するなど、市民の皆様に広く周知を図っています。 また、国が主唱する、11月12日から25日までの女性に対する暴力をなくす運動の実施期間には、市医療センターをはじめとした市内5か所の施設でパープルライトアップを実施し、女性への暴力根絶の機運醸成を図っています。 さらに、実施期間に合わせた市独自の取組として、市総合保健福祉センター内へのDV防止啓発コーナーの設置や、FMいわきによるDV根絶の呼びかけを行うなど、広報・周知に取り組んでいるところです。 ◆23番(福嶋あずさ君) ある調査によると4割程度の方が相談しなくてもよい案件かなと思って相談しないケースもあるということです。引き続きすぐに相談できるような広報・周知をお願いします。 次に、男女共同参画プランの重要施策3にも位置づけられたDV防止基本計画の1つ、被害者の自立支援する環境の整備です。そこには、DV被害を受けたりそのおそれがある場合などに、被害者の安全確保を図るため、市内で活動している団体と連携し、避難の場となるシェルター機能の充実・強化に努めます、とあります。 そこで、議場でも何度も何度も質問していますが、改めていわき市で緊急一時保護民間シェルターを担う市民団体の活動内容について伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 本市において緊急一時保護民間シェルター活動を行っている、市内で唯一の団体として、NPO法人いわきふれあいサポートがございます。 平成14年に発足以来、これまで、被害者に対する柔軟できめ細やかな相談対応や、シェルターでの緊急一時保護を行っているほか、生活物資の援助などの生活支援も行っております。 ◆23番(福嶋あずさ君) それでは、この市民団体に対するいわき市からの支援や連携など、どのようになっているのか伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 当該団体に対する市独自の支援として、緊急一時保護のためのシェルターの家賃、光熱水費、及び一時避難先として利用するホテル代を補助しているほか、国の交付金を活用し、シェルター退所後の同行支援や研修に係る費用などを補助しております。 また、当該団体とは、日々の支援に当たり、連携・協力を図っているほか、毎月1回、団体の職員と、市の女性相談員及びこどもの権利相談室の職員による懇談会を開催して情報共有や意見交換などを行っております。 ◆23番(福嶋あずさ君) 紹介にありましたNPO法人ふれあいサポートさんの令和4年度支援状況は、一時保護件数が24組、保護日数が157日、電話相談件数が242件で保護期間の買物支援、自立の際などの同行支援、シェルター退所者や生活困窮女性たちへの生活支援、自立への生活資金貸付、ほかにストーカー被害女性への医療機関・ハローワークへの同行支援、引っ越し作業支援など多岐にわたります。 これまでは、この団体の皆さんはほぼボランティアで活動していること、昼夜問わずの支援要請にも対応していることなどを踏まえて、補助金の増額や支援者養成などを求めていました。しかし、ずっと団体の中枢として専門的に支援していた方の突然の逝去、支援者の高齢化や支援者不足などにより、今後の活動が厳しい状況になっているのが現状です。法人としての事業を終了することも検討しています。 そこで、今後のDV被害者支援についてどう考えるか伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 当該団体は、市内で唯一、DV被害者への支援を行う団体であり、女性保護において、大変重要な役割を担っております。 しかしながら、当該団体からは、今ほど議員からお話ございましたように、諸般の事情から今年度末をもって法人としての事業の終了を検討している旨の報告を受けたところです。 こうした状況を踏まえ、市としましては、緊急一時保護を含めた女性保護の今後の在り方について、当該団体と緊密に協議を行うなど検討を進めております。 ◆23番(福嶋あずさ君) 検討しているということなんですけれども、やはり今後、市として事業を担っていかなければならないと私は感じているんですけれども、その辺の今できる答弁をよろしくお願いします。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 再質問にお答えいたします。やはり担える組織というものが重要だと思いますので、急に今、当該団体が担ってきたことがそのまま担えるという団体が現時点ではございませんので、そういった人権・福祉に類する団体が今行っている当該団体の支援の活動を担えるかどうか、そういったことも含めて関係団体とも、今、協議を進めておりまして、重要なこれまで取り組んできたこのふれあいサポートの業務を途絶つことなく継続的にできるように努めてまいりたいと思っております。 ◆23番(福嶋あずさ君) ぜひよろしくお願いいたします。 ずっと話しているように支援者不足が顕著です。 DV支援は誰にでもすぐできるわけではなく、また今までの活動がボランティアということもあると思いますが完全に不足しています。この状況では救える方も救えなくなってしまいます。 これまでの支援者養成の答弁では、担い手養成講座開催等について、引き続き県に要望するとともに、市としても県と協働しながら取り組んでまいりたいと考えております、とありますが、DV支援者養成について伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) DV被害者の支援におきましては、当該団体との意見交換の中でも、今後の活動を担う支援者の確保が重要とされています。 また、民間団体による緊急一時保護事業の継続が不透明な中、市としましても、支援者の確保が、喫緊の課題であると考えております。 さらには、DV被害者を含めた、困難な問題を抱える女性支援の根拠法となる、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が来年4月から施行されることを踏まえ、支援者の養成について関係団体と協議してまいりたいと考えております。 ◆23番(福嶋あずさ君) 喫緊の課題であると思いますので早急にお願いいたします。 被害者の中には、経済的な暴力を受けている方も多く、保護前にも生活のために本人名義の借金をせざる得ない方もおります。 また、以前の生活で既に母子貸付や社会福祉協議会の貸付けを受けている方もおり、本人名義の借金の増加はその後の自立を阻むだけではなく、シェルター滞在中に必要な生活費のほか、保護命令など申請費用、医療費もかかってくるのが現状ということです。 市民団体の活動の1つに生活準備資金、緊急保護時支援金貸付などがあります。野田市では、シェルターに入所しているDV被害者に対して自立に向けた関係機関への相談、申請及び自立に向けた必要経費に充当できる助成制度、緊急生活支援資金助成制度があります。 いわき市も緊急一時保護中の被害者への生活資金助成制度の創設をどのように考えているのか伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 本市における緊急一時保護中のDV被害者に対しまして、当面の生活支援については、社会福祉協議会が実施している生活資金貸付制度を紹介するとともに、その後の生活安定に向けましては、被害者の家庭状況等に応じ、独り親家庭への支援制度や生活保護制度など既存の制度の活用を促しているところです。 ◆23番(福嶋あずさ君) 冒頭言ったように、社会福祉協議会の貸付けはもう受けている人もいるとか、あとは本当に緊急に欲しいときに申請するための助成とかそういうのが必要だということを私は言っているので、その辺も含めて、引き続き検討というか早急に創設していただきたいなというのが私の要望です。 次に、自立に向けた住宅支援についてです。 自立に向けては住む場所が必要です。経済的にも不安な中で市として住宅支援は必要です。 市営住宅におけるDV被害者への住宅支援について伺います。 ◎土木部長(草野光平君) 市営住宅におきましては、DV被害者の居住の安定や自立を支援するため、配偶者暴力相談支援センターに一時保護された方等を対象に、事前に選定した住戸に空きが生じた場合にのみ、優先入居の募集を行ってきました。 しかしながら、当該住戸に空きが生じることが少ないため、令和4年4月からは、これまでの選定住戸に加え、空きが生じている住戸を新たに選定し、定期募集を行っています。 また、国からの要請を踏まえ、本年3月からは、これまでの対象者に加え、配偶者暴力対応機関や行政機関等においてDV被害の確認を受けた方も優先的に入居可能としました。 ◆23番(福嶋あずさ君) 引き続きよろしくお願いいたします。 次に、DVが起きている家庭では、子供に対する暴力が同時に行われている場合があります。子供自身が直接暴力を受けている場合は当然ですが、子供の見ている前で夫婦間で暴力を振るうことの面前DVは、子供への心理的虐待に当たります。 それでは、いわき市の面前DVの現状について伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 子供の見ている前で、夫婦間で暴力を振るう、いわゆる面前DVについて、本市の現状を令和4年度の相談件数で申し上げますと、DVの相談件数は313件のうちで、面前DVの件数は56件です。 ◆23番(福嶋あずさ君) 56件もあるということなんですけれども、それでは面前DVを受けた子供たちへのケアはどのように取り組んでいるのか伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 面前DVを受けた子供たちへのケアにつきましては、学校や児童相談所など関係機関で構成される市要保護児童対策地域協議会に登録し、情報を共有しています。 また、女性相談員やケースワーカーが、こども家庭課に配置している心理判定員などの専門職と連携を図りながら対応しています。 なお、直接、浜児童相談所が通告を受け、相談支援を行っている場合で、心理的なケアの必要性があると判断した子供には、児童相談所に配置している心理判定員がカウンセリングを行っております。 ◆23番(福嶋あずさ君) 心の傷をきちんと癒やしていただいて、負の連鎖を起こさないようにお願いします。また、子供たちが面前DVをすぐに相談することができ、支援する仕組みの充実も行っていただくことを強く要望いたします。 次に、DV加害者に対するカウンセリングや更生プログラムなど、対応はどのようになっているのか伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) DV加害者に対する対応につきましては、国が、試行実施を含む調査研究の成果として、本年5月に公表した、配偶者暴力加害者プログラム実施のための留意事項によりますと、今後、被害者支援のための加害者対応の1つの手段として、プログラムの実施体制や受講の在り方など、引き続き検討を行う必要があるとされています。 市としましては、こうした状況を踏まえ、DV加害者に対するカウンセリングや更生プログラムなどの対応について、情報収集に努めながら、調査研究してまいります。 ◆23番(福嶋あずさ君) ぜひこれ以上被害者をつくらないためにも、加害者に対する更生プログラムというのは必要かと思いますので、よろしくお願いいたします。 DV防止計画の策定もされました。この計画の施策を具体的に確実に実施していくためにも、また、市としてDV被害者支援をしっかりと実行していくためにも、配偶者暴力相談支援センターの設置は必要と考えます。 配偶者暴力相談支援センターの設置について伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 本市では、2名の女性相談員が、県の女性相談員も兼務しており、実質的に配偶者暴力相談支援センターとしての機能は担っているという形になっております。 また、来年4月からは、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行に伴い、配偶者からの暴力以外の、性犯罪被害や家族関係の破綻など、様々な相談にも包括的に対応する必要が見込まれるところです。 配偶者暴力相談支援センターの設置につきましては、こうした点を踏まえながら、その必要性について検討してまいります。 ◆23番(福嶋あずさ君) いつも同じ答弁をいただいているのですが、センター機能がもうあるのであれば看板という形で掲げればいいのではないかなと思うんです。逆にセンターとして看板を掲げないのはなぜか教えていただけますか。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 議員の御指摘も踏まえまして、この配偶者暴力相談支援センターは機能であると法律としては位置づけられていますので、福島県においては看板としては掲げず、機能として女性のための相談支援センターを、二本松の男女共生センターの相談室においても配偶者暴力相談支援センターの機能を担っているということで、そういった今の県内の状況、また、郡山市は明確に配偶者暴力相談支援センターという名称を使って看板を掲げて担っております。そういった状況を踏まえまして、検討してまいりたいと思います。 ◆23番(福嶋あずさ君) 機能があるので、今、配偶者暴力相談支援センターは市町村は努力義務ということですけれども、各地で設置の促進が図られていると思います。意義として言ったように、今、女性相談員さんがやっているとか、ふれあいサポートさんがやっている事業があるということですけれども、1つは法に基づき、通報、保護命令への関与または証明書発行の業務を自ら行えるようになって、被害者支援を迅速かつ的確に行うことができるということで、今は県を通してやっていることも市ができるということでスムーズに手続とかもできるようになると思いますので、ぜひ前向きな検討をよろしくお願いいたします。 先ほどから答弁にもありました、来年度、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が施行されることもあります。 来年のこの新法で支援の必要性のある困難女性へどう対応していくのか、今の組織や人員だけで女性相談員への負担が増すだけではないのかという御意見も頂戴いたしました。 そこで、包括的な支援体制の整備をどのように考えるか伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が施行されることにより、女性支援に関しては、DV被害者をはじめ、年齢、障がい、国籍を問わず、困難な問題を抱える女性全般を支援することとなります。 そのため、女性相談員への研修機会を十分に確保し、様々な相談に対応できるよう、資質の向上に努めてまいります。 また、女性相談は生活困窮や児童虐待など問題が複合化している場合が多いことから、関係機関と連携し、包括的な支援を提供してまいります。 ◆23番(福嶋あずさ君) 先ほど女性相談員さんの負担についてちょっとお話をさせていただいたんですけれども、来年度に向けて、部長なかなか答弁は厳しいかと思いますけれども、女性相談員の増員というのも検討していただけないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 再質問にお答えいたします。実は私自身も女性相談員お二人と、この年度当初に懇談をさせていただきまして、大変な御負担の中で業務を担っているという状況を承知しております。 そういったことも踏まえ、今後、この女性相談の支援の充実には努めていきたいと思います。 ◆23番(福嶋あずさ君) 非常勤が常勤になったということで、本人がすごく負担になっていることもあります。以前は二人二人体制でやっていた時期もありますので、その辺も含めて相談件数も増えていますし、ぜひ前向きに検討していただければと思います。 次に、DV防止などの啓発・広報について伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) DV防止などの啓発や広報につきましては、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行に併せ、DV以外の様々な相談が寄せられることが想定されることから、市の公式ホームページや公式SNSなどを活用し、広く周知を図ることで、女性相談の窓口の周知に努めてまいります。 ◆23番(福嶋あずさ君) ぜひよろしくお願いいたします。 先ほどから紹介しているNPO法人ふれあいサポートさんは、いわき市のDVなど相談を受ける女性相談員さんを助けたい、サポートしたいと緊急一時保護民間シェルター活動事業などを、先ほど部長も答弁されていました2002年11月28日に立ち上げ、昨年20周年を迎えました。団体さんの頑張りや優しさでここまで、民間のほぼボランティアでDVというとても深刻な問題に対して活動してくださっています。 しかし今、活動の存続危機を迎えています。人の命を救うため、今、市がしっかりと予算を計上し担っていくときとなっていますので、よろしくお願いいたします。 大きな項目の2つ目は、子供たちのためにできることについてです。 1つ目は、都市公園について。 昔々、私が小学生だった頃、学校から帰宅すると近所の公園からカンカンカンカンと拍子木の音が聞こえ、行くと紙芝居のおじさんがいて紙芝居を見てみんなで練りあめなどを食べたり、遊具で遊んだり、そして隣りのグラウンドでソフトボールやフットベースボールの練習をしたりと大いに公園を活用していました。今でも楽しかった思い出です。時が過ぎ、遊びも多様化、習い事も増え、少子化もあり、公園で遊ぶ子供が減ってしまったことは仕方がないことと思います。 しかし、せっかくある公園がより魅力的な公園となって、たくさんの遊ぶ人、年齢や性別関係なく集う人が増えることを願って、以下、質問していきます。 まずは、公園設置の目的について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 都市公園の設置目的としては、その1つとして、多様な余暇活動や健康増進活動を支えるレクリエーション空間を確保すること、2つとして、四季の変化が織りなす、美しい潤いのある景観を形成すること、3つとして、今ほど議員からもございましたが、子供たちの健全な育成や地域コミュニティー活動の場を創出すること、4つとして、災害時の避難場所や火災時の延焼防止により防災性の向上を図ることなどが挙げられます。 ◆23番(福嶋あずさ君) 様々な機能がありますが、公園設置の際に、地区や場所などを踏まえ留意していることはあるのか伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 都市公園には、近隣住民による身近な公園である街区公園をはじめ、徒歩圏内にお住まいの多くの方々が利用する地区公園や、運動、散策、レクリエーション等幅広い機能を有する総合公園など様々な種別がございます。 これらの公園を設置する際は、それぞれの公園の特質や規模に応じて分布の均衡を図るなど適正な配置に留意いたします。 また、公園整備に際しましては、防火、避難等災害の防止に資するように考慮するなど、公園としての機能を十分発揮することができるように留意いたします。 ◆23番(福嶋あずさ君) 次に、公園の遊具などの補修はどのように行われているのか伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 遊具などの公園施設については、都市公園施設長寿命化計画に基づき、予防保全を中心とした計画的な補修・更新に取り組んでいます。 また、計画に基づく補修等以外にも、定期点検等により不具合が確認された施設につきましては、状況に応じて利用制限し補修を行うなど、所要の措置を講じております。 ◆23番(福嶋あずさ君) 子供たち遊具で遊びたいのかなという声も、歩いていて私も見かけますので、ぜひ公園の遊具など定期点検をお願いいたします。 1つの例を挙げますが、中央台の吉野谷公園は遊具もあり、テニスコートもあり、グラウンドもあります。隣には小学校。いつの日からか子供たちだけでは遊んではいけないという公園になっています。 地域の方々というか、学校で決めたということになっているんですけれども、遊んではいけないというのは死角の問題や不審者情報が多いなど安全性を考えてのことです。テニスコートは日中頻繁に使われていますが、グラウンドは親子連れがサッカーや野球をやっている姿を見かけることもある程度。せっかくの公園だからもっと利活用したいよねと定期的に地域の方やPTAの方々が集まり、意見交換をしている状況です。今度、市も様々関わってくださることも伺いました。吉野谷公園は、大きな公園だけに駐車場の問題もあります。 そこで、中央台は一例ですが、地域の要望にはどのように対応しているのか伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 地域からの要望につきましては、遊具などの補修や樹木の剪定・伐採などのほか、近年では、利用者マナーに関する苦情が増えるなど多様化する傾向にございます。 これらの要望につきましては、現地状況の確認を行いまして、その要因や緊急性等を総合的に判断し、順次対応しています。 ◆23番(福嶋あずさ君) 前にも公園のことで議場でも紹介しましたが、東京都板橋区の小学生たちが公園でサッカーが禁止になったことについて、ボールが使える遊び場を求めて、区議会に陳情をして提出したということがありました。そのときにある方が、子供たちがゲームをやって外で遊ばなくなっただけではなく、大人が遊べなくしているという指摘をしていました。 たくさんの方々が集える魅力ある公園にするための取組について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 公園は、多くの市民にとって身近な施設、交流の場としても活用されることから、居心地のよい空間となるよう、公園愛護会の皆様などと連携して適切な管理に努めます。 また、多様化するニーズに応えることも求められることから、地域の代表者や行政などで構成されます公園協議会制度を活用したルールづくりにも取り組んでおります。 さらには、こうした取組に加えまして、より魅力ある公園とするため、Park-PFIなどの民間活力の導入に向け検討を進めるなど、多くの方々が集い、安らぎと潤いを感じられるような公園づくりに努めていきます。 ◆23番(福嶋あずさ君) ぜひ地域の方々と共に、魅力ある公園づくりをこれからもよろしくお願いいたします。 2つ目は、防犯のまちづくりです。 学校などから不審者情報メールが送られてくるたびに、子を持つ母として不快ととても不安な気持ちになります。 先ほども公園の死角であったり不審者の話もしました。いわき市としても様々な取組を行っていますが、より充実するために質問していきます。 まずは、防犯のための取組について伺います。 ◎市民協働部長(遠藤英子君) 本市においては、自らの安全は自らで守るとともに、地域の安全は地域で守るという市防犯まちづくり推進条例の基本理念に基づき、市、市民及び事業者がそれぞれの役割を担い、相互に緊密な連携及び協力を図りながら、防犯のまちづくりを推進しています。 市の主な取組としましては、夜間における犯罪の防止等のため、自治会等への防犯灯の設置補助や、防犯啓発物品を貸与し、市民が散歩などの際、身につけていただくエンジョイ・パトロール等を実施しています。 また、新たな取組として、本年7月から、公用車のドライブレコーダーを活用した地域の見守り活動を開始したところです。 ◆23番(福嶋あずさ君) それでは、まずは防犯灯について聞いていきます。 防犯灯の過去3年の新規設置要望数について伺います。 ◎市民協働部長(遠藤英子君) 防犯灯の過去3年の新規設置要望数につきまして、令和2年度は417件、令和3年度は506件、令和4年度は431件となっています。 ◆23番(福嶋あずさ君) それでは、防犯灯の過去3年の設置補助件数について伺います。 ◎市民協働部長(遠藤英子君) 防犯灯の新規設置につきましては、自治会等からの要望数のうち、電力柱からの引込みなど物理的な設置の可否を判断し、予算の範囲内で設置しています。 過去3年の設置件数では、令和2年度が373件、令和3年度が435件、令和4年度が421件となっています。 ◆23番(福嶋あずさ君) 様々な設置場所とかもあるんですけれども、大体は補助されているということの認識でいいのかなと思います。 昨年、中央台40周年記念式典で自分たちの未来のまちについて、どんなまちにしたいのかのプレゼンを北中・南中の代表の生徒さんがそれぞれ行いました。中央台未来計画の中に日本一安全なまちを挙げ、街灯は増やせますかなどの質問も出ていました。子供たちは道の暗さを感じているようです。そして両校とも明るい光のあるまちを望んでいました。 子供たちの声を受け、その後、地域の方々と通学路の街灯チェックをし、ここに街灯があったほうがいいよねなんていう確認もさせていただきました。 そこで、ここも中央台だけのことではないと思います。地域の要望に対する対応について伺います。 ◎市民協働部長(遠藤英子君) 防犯灯設置補助事業につきましては、毎年度一定程度の予算を確保し、自治会等からの要望を踏まえ設置しています。 今年度は、おおむね要望どおり設置できる見込みとなっています。 ◆23番(福嶋あずさ君) 中学生の子供たちは、部活を終えて帰っている途中とかに暗いなと思いながら帰っているんだなと思うと、子供たちが夜も明るいまちだと思ってもらえるような取組をお願いいたします。 次に、光も大事ですが防犯には目も大事となっています。先ほど防犯のまちづくりについての取組にもありましたエンジョイ・パトロールについて伺います。 ◎市民協働部長(遠藤英子君) エンジョイ・パトロールにつきましては、市民の防犯意識の高揚と犯罪の抑止を図ることを目的に実施しています。 具体的には、市民が日頃、趣味や健康のために行っている散歩やジョギングに併せて防犯パトロールを行えるよう、市から帽子や腕章、蛍光ベストなどの防犯啓発物品を貸与しています。 ◆23番(福嶋あずさ君) 周知広報について伺います。 ◎市民協働部長(遠藤英子君) 周知につきましては、市公式ホームページにおいて、常時広報しているほか、毎年5月に、広報いわきにおいて募集のお知らせをしています。 ◆23番(福嶋あずさ君) それでは、登録者を増やすための取組について伺います。 ◎市民協働部長(遠藤英子君) エンジョイ・パトロールは、市民が散歩やジョギングに併せて気軽に行え、犯罪の抑止にもつながる取組です。 このため、現在実施している広報をはじめ、警察や防犯関係団体と連携した募集チラシの配布など、継続的に周知を行い、市民の皆様に登録を促してまいります。 ◆23番(福嶋あずさ君) 先ほど吉野谷公園の話もしましたが、犬の散歩をしている方もたくさんいますのでその辺も含めてぜひよろしくお願いいたします。 最後に、防犯まちづくり推進のための取組強化について伺います。 ◎市長(内田広之君) これまでの取組に関しましては、ただいま部長が答弁申し上げたとおりでございますが、今後のさらなる取組に関しましては、地域団体、警察署及び防犯関係機関等で組織しております市の防犯まちづくり推進協議会におきまして、情報共有をしっかり図りながら、また議員からも御意見をいただいたことなども踏まえながら、必要な施策等をしっかり検討していきたいと思います。 ◆23番(福嶋あずさ君) ぜひ、光で明るくて人の目がたくさんあるような、そんな取組をよろしくお願いいたします。 3つ目は、部活動の地域移行についてです。 様々な部活で合同チームでの大会出場も目にするようになりました。学校内でも部活を減らす話も耳にします。しかし、いろんな選択がないと困る子供たちもいます。 改めて部活動地域移行の概要について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 部活動の地域移行の概要ですが、国のガイドラインによれば、少子化が進む中にあって、地域の子供たちは学校を含めた地域で育てるという意識の下、地域の実情に応じ、生徒が将来にわたりスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる機会の確保を目指すものとされています。 ◆23番(福嶋あずさ君) 子供たちの様々な課題であったり背景の中で進められていますが、メリット・デメリット両方があると感じています。 いわき市における課題について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 本市は非常に広域で、学校が置かれている状況や部活動の種目も様々です。 こうしたことから、市教育委員会としましては、学校と地域の連携・協働の担い手となる受皿の確保、すなわち地域人材の確保が大きな課題であると考えています。 ◆23番(福嶋あずさ君) それでは、結構早い段階から国からこういうようになっていくよということもありましたが、地域移行に向けた教育委員会・学校等のこれまでの取組について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 部活動に関する現状把握のため、本年3月に、中学1年生と2年生の全生徒、及び中学校の教員全員を対象としてアンケートを実施したところです。 また、これまで、県主催の、部活動の地域移行に関する情報交換会などに参加し、他自治体の事例の把握に努めるとともに、先行する自治体を視察しています。 今後は、庁内の関係課との情報共有を図り、部活動の地域移行を進めるための組織の設置を検討していきます。 ◆23番(福嶋あずさ君) それでは、地域移行に向けた学校以外のいわき市としてのこれまでの取組について伺います。 ◎観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 部活動の地域移行に向けましては、国のガイドラインを踏まえ、市教育委員会と協議を重ねているところであります。 また、昨年度、受皿と想定される団体等を対象として、現状把握のためのアンケートを実施したところです。 今後も、市教育委員会と情報共有を図りながら、各学校部活動の多種多様なニーズに対応可能な地域移行における受皿等について検討を進めてまいります。 ◆23番(福嶋あずさ君) それでは、検討組織の設置や活動事業の検討など今後の取組について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 市教育委員会としましては、庁内関係課と連携を図り、市体育協会をはじめとする市内関係機関と部活動の地域移行について検討を進めます。 現時点では、まずは、地域において運営組織が整備されている種目や指導者を安定して確保できる種目などから取組を進めていくことを考えています。 ◆23番(福嶋あずさ君) 先ほど部長答弁にもありましたが、いわき市は本当に広域なこととか、受皿の問題とか、多々課題も多くなるかと思いますが、これからということもありますし、どうなるか分からない状況でもあるとも思っています。貴重な3年間が部活動・スポーツ競技・文化活動などでも有意義なものになるように、当事者たちの声も含めて、みんなで真剣に考え議論していけたらと思います。よろしくお願いいたします。 最後に、不登校支援についてです。 毎年毎年不登校になった児童や生徒の数が過去最多となったと発表されています。子供の数は減っているのに不登校の数が増える、どうにか様々な対策充実が急務です。 それでは、まずは、現状を伺っていきます。いわき市の不登校児童・生徒数の過去5年の推移を伺います。 ◎教育長(服部樹理君) 本市における不登校児童・生徒の出現率の推移ですが、文部科学省の、児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますと、平成30年度は小学校で0.28%、中学校が3.11%、令和元年度は小学校が0.46%、中学校が3.29%、令和2年度は小学校が0.58%、中学校が3.58%、令和3年度は小学校が0.67%、中学校が3.79%、令和4年度は小学校0.81%、中学校4.3%になっております。 ◆23番(福嶋あずさ君) 大体小学生が今1万5,000人ぐらいですかね。中学生が7,700人ぐらいなのかなと思いますけれども、そこから計算して0.81%とか4.3%とか、なかなか人数が多くなっているのがいわき市の現状でもあると思います。 次に、不登校児童・生徒のうち、チャレンジホームに通級している過去5年の割合について伺います。 ◎教育長(服部樹理君) 不登校児童・生徒のうち、チャレンジホームに通級している児童・生徒の過去5年の割合は、平成30年度は19.1%、令和元年度は17.2%、令和2年度は11.8%、令和3年度は14.7%、直近の令和4年度は15.6%となっております。 ◆23番(福嶋あずさ君) 不登校児童・生徒のうち、チャレンジホームに通級している割合はやはり低いものと感じます。 次に、不登校児童・生徒の過去5年の復帰状況を伺います。 ◎教育長(服部樹理君) 本市の不登校児童・生徒の復帰状況ですが、これも文部科学省の、児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますが、平成30年度は、小学生で21.7%、中学生で15.5%、令和元年度は、小学生8.1%、中学生が11.1%、令和2年度は、小学生15.4%、中学生21.2%、令和3年度は、小学生17.1%、中学生20.6%、令和4年度は、小学生17.3%、中学生17.3%となっております。 ◆23番(福嶋あずさ君) 学校に復帰することだけが目的ではないと思いますが、やはりできれば学校に復帰できるほうがいいと思いますので、この数字も上げていければなと思います。 続きまして、不登校児童・生徒の支援について伺います。 ◎教育長(服部樹理君) 不登校児童・生徒の支援についてお答えいたします。市教育委員会としましては、登校への不安を抱える児童・生徒がカウンセリングを希望する場合に、学校に配置されたスクールカウンセラーや市総合教育センターのスクールカウンセラーを活用し、本人や保護者の相談支援を行っております。 さらに、学習支援の場として学校内にスペシャルサポートルーム等を設置し、学校外ではチャレンジホームを市内の4か所に設置しております。 また、不登校児童・生徒の保護者がお互いの悩みや不安を話し合ったり、スクールカウンセラーからのアドバイスを受けたりするThe暖会を開催し、自身の子育てに前向きに取り組めるよう、保護者の支援も行っております。 ◆23番(福嶋あずさ君) それでは、不登校の児童・生徒の中でもチャレンジホームに通級していない児童もかなりの数いると思いますが、チャレンジホームに通級していない児童・生徒の支援について伺います。 ◎教育長(服部樹理君) チャレンジホームに通級していない児童・生徒の支援については、各学校において、継続的な家庭訪問や電話連絡などを通して、家庭との連携を密に行っております。 また、別室による校内指導体制や相談体制を整えるなどして、不登校児童・生徒一人一人の状況に応じた、組織的な対応に努めております。 市の教育委員会としましては、今後も引き続き、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、子ども健康教育相談などの活用を促すとともに、専門機関等や、各学校等と連携の充実を図り、不登校児童・生徒一人一人に応じた、きめ細やかな支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆23番(福嶋あずさ君) 各学校でも先生達がいろいろと工夫されて支援をしてくださっていると思います。 それでは、いわき市でやっているチャレンジホームの取組について伺います。
    ◎教育長(服部樹理君) 市教育委員会では、現在、平、小名浜、磐崎、植田の4地区の公民館にチャレンジホームを設置し、教科学習や体験学習、ソーシャルスキルトレーニングなどの活動を通して、学校復帰への手助けを行っております。 また、合同学習会では、タブレット端末を用いて、基本的な操作方法について学び、学習ソフトを使って自分に合った学習に取り組めるようにしております。 ◆23番(福嶋あずさ君) 不登校児童・生徒が増加する中、文部科学省では、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策を取りまとめ、今年3月に通知しました。その中で教育委員会の方は知っているでしょうが、大臣メッセージがあるので紹介します。 小・中・高等学校の不登校の児童生徒が急増し約30万人となりました。 その背景には、長引く新型コロナウイルスの影響等が指摘されますが、より根底には、子供たち一人一人の人格の完成や社会的自立を目指すため、学校や学びの在り方が問われているのだと感じます。 また、90日以上の不登校であるのにもかかわらず、学校内外の専門機関等で相談・指導等を受けていない小・中学生が4万6,000人に上ります。 私は、不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすることを目指します。そして、子供たちに、大丈夫と思っていただけるよう、徹底的に寄り添っていきます。 このため、教育行政の責任者として、私は、1、不登校の児童・生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整える。2、心の小さなSOSを見逃さず、チーム学校で支援する。3、学校の風土の見える化を通して、学校をみんなが安心して学べる場所にすることにより、誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現していきます。 今回のプランを実現するためには、行政だけでなく、学校、地域社会、各御家庭、NPO、フリースクール関係者等が、相互に理解や連携をしながら、子供たちのためにそれぞれの持ち場で取組を進めることが必要です。 文部科学省では、支援が必要な子供たちが学びにつながれるようにすること、全ての学校を誰もが安心して学べる場に変えることを、今すぐできる取組から速やかに実行していきます。必要な支援は子供たち一人一人の状況によって異なるため、こども家庭庁や地方公共団体、学校等とも連携して、一人一人に応じた多様な支援を行っていきます。 不登校となっても学びを継続し社会で活躍できるよう、私自身が先頭に立ち、子供の学びに携わる全ての関係者と共に、取り組んでまいります。 まさにこのメッセージは人づくりだと思いました。 通知された不登校対策に基づき質問していきます。 主な取組の1つが、不登校の児童・生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整える。仮に不登校になったとしても、小・中・高などを通じて、学びたいと思ったときに多様な学びにつながるよう、個々のニーズに応じた受皿を整備とあります。その1つが、3月の通知の時点では不登校特例校の設置促進でした。それから不登校特例校というのは、いろいろな募集によって名称を変更して、学びの多様化学校となりました。 そこで、学びの多様化学校の設置促進についてどのように考えるか伺います。 ◎教育長(服部樹理君) 学びの多様化学校の設置につきましては、全国的な課題と認識しております。一方でこれは全県的な課題でもあるのですが、本市においても教員数が不足している現状にありまして、学校設置に係る人員配置や、多額の財源が必要なことから、直ちに設置することは困難であると考えております。 今後、他の自治体の取組や、成果と課題を調査研究し、本市の実情に合った対策を検討してまいりたいと考えております。 ◆23番(福嶋あずさ君) なかなか壁が高いのは分かるんですが、学校の先生に限らなくとも、学びの多様化学校、学校だから学校なんでしょうけれども、学校と限らなくても教員不足ということもありますが、いろんな人にお手伝いいただきながら、子供たちが学べる居場所づくりの学校を検討していただければなと思います。 次に、校内教育支援センター、先ほど答弁にもありましたスペシャルサポートルーム等の設置促進にはどのように取り組んでいるのか伺います。 ◎教育長(服部樹理君) 不登校児童・生徒の居場所づくりや、学習支援については、市内4校が県のスペシャルサポートルーム実践校に指定されておりまして、専任の加配教員が配置されております。 また、スペシャルサポートルーム指定校以外の学校でも、空き教室や保健室等を活用し、児童・生徒に寄り添った個別の対応を、限られた人員の中ではありますが、学校全体で組織的に進めているところです。 加えて、スペシャルサポートルーム実践校の成果を共有したり、教職員の指導力向上のための研修を開催したりすることを通して、不登校児童・生徒への多面的な支援ができるよう、今後も市内全域で不登校対策強化に努めてまいります。 ◆23番(福嶋あずさ君) 学校等とかで一生懸命皆さん頑張っているとは思いますが、やはり民間の団体さんとかともかなり連携していかないといけない対策なんじゃないかなと思います。 先ほどの誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策にも多様の学び場、居場所の確保としてこども家庭庁と書いてありますが、ここだとこどもみらい部になるんですかね、こどもみらい部との連携、学校・教育委員会等とNPO、フリースクールとの連携強化、夜間中学や公民館、図書館等の活用、自宅等での学習を成績に反映などと書いてあります。 それでは、不登校児童・生徒の居場所づくりや学習支援などの支援の充実とともに、それに取り組む団体や場所との連携や支援について伺います。 ◎教育長(服部樹理君) 市教育委員会としましては、不登校児童・生徒の居場所づくりや学習支援については、スペシャルサポートルームやチャレンジホームなどを活用し、学習や集団活動を促し、学校への復帰を支援しているところです。 そのほか、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、専門家による相談体制の充実も図っております。 また、医療創生大学などの高等教育機関や医療機関、市内のNPO法人等とも連携し、今後も不登校児童・生徒の支援体制の強化に努めてまいりたいと考えております。 ◆23番(福嶋あずさ君) なかなか減らない、どんどん増えていく現状ということは、今までやっていたことよりもさらに充実していかないと、このまま増える一方になっていく可能性もあります。ぜひ様々な方々と意見交換しながら充実をしていっていただければと思います。 国の動向ということで、文部科学省が先ほどから言っているように、不登校児童・生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整えるとしています。国の動向がそのように変わってきたということですので、ぜひいわき市もいろいろなアイデアを出しながら不登校生徒が学べる場をつくっていただければと思います。 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(坂本稔君) ここで、午後2時25分まで休憩いたします。          午後2時06分 休憩---------------------------------------          午後2時25分 再開 △平子善一君質問 ○副議長(坂本稔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。19番平子善一君。          〔19番平子善一君第二演壇に登壇〕 ◆19番(平子善一君) (拍手)19番いわき市議会一誠会、平子善一です。 以下、通告順に従い、質問を行ってまいります。 大きな質問の1つ目は、本市の公共交通についてです。 広大な面積を持ち、広域多核型の都市構造である本市においては、モータリゼーションの進展や道路網の整備などにより、自家用自動車が利便性の高い移動手段として定着する一方で、本市の公共交通の根幹をなす路線バスにおいては、人口減少や少子・高齢化などに伴って、利用者減少による採算性の悪化に伴い、これまでに便数の減少や路線の統廃合が行われてきている状況にありました。 その中で、運行事業者である新常磐交通株式会社では、先に述べてきた理由に加え、運転手の確保が困難であることなどから、来年度、大幅なダイヤ改正を予定していることを明らかにしました。私の地元でもある遠野地区においても、私が小学校時代6年間利用していた入遠野-上遠野間の路線が廃止されることとなり、小・中学校の再編を来春に控える地元では、保護者を中心に不安の声も上がってきております。 先述のとおり、車社会である本市では、従来から公共交通の利用者も多くはなく、交通事業者にとっては、厳しい状況にあることは十分理解できるところではありますが、子供たちの通学や高齢者の日常生活を支える公共交通の維持に対する行政の関与は、大変重要だと考えております。 そこで、本市の公共交通について、伺ってまいります。 初めに、先日、新常磐交通が発表した来年度からの市内路線バスのダイヤ改正の概要について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 新常磐交通では、運転手の確保が難航している上に、利用者がコロナ禍以前の水準まで回復せず、事業経営の改善が図られていない状況にあります。 さらに、働き方改革法令の施行に伴い、来年度から運転手の勤務時間に上限が設けられることなどから、現状路線の維持も限界に達しつつあるとしています。 このため、不採算路線や他系統への振替等が可能な73系統187便を廃止・減便する案を公表し、運転手不足への対応と経営改善を図ることとしたものです。 ◆19番(平子善一君) 新常磐交通が公表したダイヤ改正に対して、市はどのように捉えているのか伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 市では、これまで、生活路線の維持を図ることを目的に、一定の要件を満たす路線について補助を行ってきました。 また、一部の地域では、事業者に対し運行経費の一部を負担するなど、まさに、行政と地域が一体となって路線バスの維持に努めてきたところです。 さらに、新常磐交通においても、収益性の高い高速バスを減便し、生活路線バスの運転手を確保するなどの対応を取ってきたところです。 このような中、運転手不足や経営改善のために、今回の公表に至ったことは、バス事業の存続に向けてやむを得ない判断であり、苦渋の決断であったものと認識しております。 一方で、今後の超高齢社会への対応や児童・生徒の通学など、市民が安心して移動できる環境の確保は、不可欠であると強く認識しています。 このため、新常磐交通が示したダイヤ改正案の分析を行い、公共交通不便地域の解消へ向け、代替交通の導入も視野に入れながら、令和7年度までに実証実験等を行い、令和8年度の社会実装を目指します。 ◆19番(平子善一君) 広域である本市では、それぞれの地域の特性や実績や事情に応じた移動手段を構築していくことが重要であると考えます。 本市では、昨年、いわき市地域公共交通計画を制定し、都市づくりと連携し、誰もが乗りたくなる公共交通を実現することを基本方針としております。 そこで、ここでは都市部と中山間地域に分けて伺います。 まず、都市部における移動手段の確保に向けた方策について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 都市部では、中山間地域と比較して居住人口や移動需要が見込まれることから、現在策定中の利便増進実施計画において、路線バスの運行経路でありますとか、ダイヤの見直しを進めます。 併せまして、路線バスの利用拡大へ向け、来年から運用を開始するバスロケーションシステムやICキャッシュレス決済の周知・普及に努めます。 また、公共交通不便地域の解消へ向け、タクシーの活用が可能な地域では、事業者と協議を進めながら、既存のタクシーを活用した乗合デマンド交通など、タクシーを利用しやすい環境の整備を検討します。 加えまして、商業・医療・福祉における輸送など、他分野との連携を検討します。 ◆19番(平子善一君) 次に、中山間地域における移動手段の確保に向けた方策について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 市街地と比較して、人口減少・高齢化が進行する中山間地域については、これまでも、ニーズに即した移動手段の確保へ向けて、地域団体等と連携を深めてきたところです。 各地域における取組を申し上げますと、平成31年より住民ボランティア輸送を実施した三和・田人地区で、運転手の高齢化等の課題について、地域と協議を進めています。 また、川前地区についてはNPO法人が実施する自家用有償旅客運送の今年度運行開始へ向けて、協議・手続を進めています。 久之浜・大久、四倉地区については、今年度、既存のタクシー事業者と連携した、定額タクシーの実証運行に向けて準備を進めています。 最後に、遠野地区については、路線バスの廃止が、小・中学校の統廃合に伴う児童の通学に支障を来さないよう、スクールバスを運行するため、協議を進めています。 さらに同地区では、地域振興協議会内に公共交通部会を設置し、小・中学生以外の移動手段の確保へ向けた検討に着手しています。 その他の中山間地域についても、セーフティーネットとなる移動手段の確保へ向けて、順次、検討を進めていきます。 ◆19番(平子善一君) 全国的に公共交通の在り方については大きな課題となっており、本市においても令和2年度に実施したパーソントリップ調査や、これまでの実証実験や、社会実験を踏まえ、それぞれの地域の実情に合った公共交通を、早急に構築しなければならない状況に来ております。 既存のタクシーを利用したデマンド交通などの実証実験、さらに令和8年度の社会実装を目指した取組に期待しております。 大きな質問の2つ目は、遠野地区の公共施設の在り方についてです。 去る8月4日、福島県立いわき湯本高校遠野校舎を活用した複合型公共施設の整備について、遠野地区区長会、遠野町地域づくり振興協議会、遠野町商工会の皆様と共に、市に対して要望させていただきました。内容としては、来春からは入遠野、上遠野それぞれの小・中学校が再編され遠野小学校及び遠野中学校となりますが、両校について、小・中一貫校として遠野校舎へ移転整備すること。また、遠野支所も老朽化が著しいことから遠野校舎へ移転すること。さらには、上遠野公民館や保育所、駐在所、商工会など、その他の公共施設についても複合施設として、遠野校舎を活用することなどを要望させていただきました。 そこで、まず初めに、小・中学校の再編に関連して伺います。 遠野地区は、少子化が急速に進行する中、入遠野小・中学校、上遠野小・中学校のいずれも、児童・生徒数が減少しつつある状況にあり、遠野地区の子供たちが一緒に学ぶ環境が大切との住民合意の下、来年4月から、遠野小学校、遠野中学校として新たにスタートすることとなりました。当面は、現在の上遠野小学校、上遠野中学校の校舎を活用することとなりますが、それぞれの学校の現状を申し上げますと、上遠野小学校は1961年に建設され、築60年以上を経過し、老朽化が進んでいる施設であります。さらに、その場所は土砂災害警戒区域に立地しています。また、上遠野中学校は土砂災害特別警戒区域、俗に言うレッドゾーンに立地しております。こうした状況を踏まえると、遠野地区として新しい学校がスタートすることも併せ、施設のリニューアルが喫緊の課題だと考えます。 これまで、地区から遠野地区の学校施設について要望もなされておりますが、新たな学校の検討について市の所見を伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 現在、来年4月の学校再編に向けた対応を進めているところですが、まずは円滑な移行ができるよう、今後とも取り組んでいきます。 校舎の在り方については、再編後の学校の状況等も踏まえ、今後検討していきたいと考えています。 ◆19番(平子善一君) 当面は、現在の校舎を活用することとなりますが、先述のとおり、新常磐交通株式会社からのダイヤ改正により入遠野地区の路線バスが廃線となると公表しております。来年4月からの学校再編は、路線バスを前提として、通学費の助成等を行う予定でした。先ほどの答弁でスクールバスの運行を目指していただいているということですので、公共交通機関の空白区域となる入遠野地区にとっては、ほかに対応できる手段もありませんので、統合までにスクールバスの導入をぜひお願いいたします。 次に、統合後の学校においては、既に三和小・中学校などで実例がありますが、義務教育9年間全体を見通した、小・中一貫教育の推進が望ましいと考えます。 今後の遠野地区の学校についても同様に、義務教育9年間全体を見通した、小・中一貫教育の推進が望ましいと考えますが、市の所見を伺います。 ◎教育長(服部樹理君) 小・中一貫教育の推進につきましては、小・中学校間の円滑な接続や、小・中学校の枠を超えた授業や行事等の実施など、大きな教育的効果が見込まれるものと考えています。 今後の遠野地区におきましては、教育環境の充実に努めながら、新たな小・中一貫教育を地域の方々と連携して推進できるよう、体制づくりを進めていきたいと考えています。 ◆19番(平子善一君) 小・中一貫教育の推進のためにも、地域の子供たちはもちろんのこと、教員も含め、一体感を持ち、学校生活を送ることができる、小・中一体型の校舎の整備が望ましいと考えますが、今後どのように検討していくのかを伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 校舎のありようは、現在の施設の状況や地域の実情も踏まえ、総合的な見地から検討していく必要があります。 その際は、地域の皆様の声にも耳を傾けることが必要と考えております。その上で、今後検討していきたいと考えております。 ◆19番(平子善一君) 学校は、地域の未来を担う子供たちに必要不可欠なものです。地域の伝統や文化、そして地域そのものをつないでいく最も重要な基盤です。ぜひ、ただいま申し上げた点に十分な留意をされて、今後、新たな環境整備を検討していただきたいと思います。 続いて、遠野支所の耐震性について伺ってまいります。 要望書には、小・中学校だけでなく、遠野支所も老朽化が著しいことから、遠野校舎へ移転してほしいことを要望しております。遠野支所は現在、福祉協議会や消防署遠野分遣署も併設しており、1964年に建設され来年には築60年経過いたします。 そこで、本市の各支所の現状と、遠野支所への考え方について伺ってまいります。 まず、市内各支所の耐震改修の現状について伺います。 ◎総務部長(小針正人君) 支所庁舎につきましては、東日本大震災を契機に、庁舎利用者の安全確保や防災拠点としての機能の充実や強化を図るため、平成24年9月に庁舎耐震補強計画を策定しました。 本計画に基づき、勿来・常磐・内郷支所といった耐震性能の低い庁舎に対し、必要な耐震改修を行ってきました。 ◆19番(平子善一君) では、次に、遠野支所の現状について伺います。 ◎総務部長(小針正人君) 遠野支所につきましては、平成8年から平成9年にかけて実施した耐震診断において、建物の耐震性能を評価する指標であるIs値が庁舎の基準としている0.75を上回る1.05と判定されました。 しかし、令和元年度に改めて耐震診断を実施したところ、Is値が0.39と判定され、耐震性能に課題がある状況であります。 ◆19番(平子善一君) 令和元年度にいきなり数値が変わってしまったということで、現在の遠野支所のこれからの耐震対策について伺います。 ◎総務部長(小針正人君) 先に御答弁申し上げましたとおり、耐震性能の課題が指摘されております。 そのため、まずは利用される市民の皆様の安全確保や災害時の防災拠点機能の充実・強化を図ることを第一に考え、早急に耐震対策を実施することとしたところです。 一方で、遠野地区の皆様からいただきました、遠野支所整備を含めたいわき湯本高校遠野校舎の利活用に関する御要望に対しましては、遠野地区を含めた今後の市全体における公共施設の在り方検討の状況を踏まえながら、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆19番(平子善一君) 支所を利用する市民や職員の生命や安全を担保するため、これから早急に対応していかなければならないという状況でした。今後、公共複合施設を造る動きとなった際には、支所も同様に考えていっていただきたいと思います。 続いて、遠野地区の公共施設全般について伺ってまいります。 要望書の中には、遠野地区の小・中学校や遠野支所、さらには、上遠野公民館や保育所、駐在所、商工会など、その他の公共施設についても複合施設として移転することを要望しております。 そこで、上遠野公民館の現状について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 上遠野公民館は、昭和57年3月に竣工した鉄筋コンクリート造りの建築物で、現在も遠野地区の生涯学習の拠点として、地域住民の皆様に幅広く利用されています。 なお、上遠野公民館を含む周辺一帯は土砂災害警戒区域に指定されていますが、施設の構造上、耐震性と一定の堅牢性を有しています。 ◆19番(平子善一君) 上遠野公民館の今後の在り方について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 上遠野公民館については、現在の県立湯本高等学校遠野校舎及びその敷地に移転整備すること等を求める要望書が本年8月に遠野地区の皆様から提出されたところです。 御要望については、今後整理される市全体の公共施設の方向性と併せ、地域の皆様の御意見もお聞きしながら、その在り方について検討していきます。 ◆19番(平子善一君) 続いて、遠野保育所の現状について伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 遠野保育所は、昭和46年3月に竣工した木造部分と8年後に増築した鉄骨造部分からなる平屋建ての建物であり、令和2年度に耐震化工事を実施しております。 また、本年12月1日現在、32名の児童が利用しております。 ◆19番(平子善一君) 遠野保育所の今後の在り方について伺います。 ◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 平成30年9月に策定したいわき市教育・保育施設(公立)の整備のあり方に伴う実施方針において、安定的な運営が困難な中山間部の保育所は公立で継続させることを基本的な方向性としたところです。 今後の在り方につきましては、その実施方針や、いただいた要望の内容、地域の皆様の意見などを踏まえながら検討してまいります。 ◆19番(平子善一君) ここまで、遠野地区の公共施設全般について伺ってまいりました。 先日、今定例会中も他の議員への一般質問に対し、現在、公共施設等の在り方を見直しを通じて、エリアごとの施設の現状や地域での取組状況などを整理しており、複数機能の集約化や複合化を伴い、かつ施設の老朽化等により対応の緊急性が高いエリアなどを先行して、市民の皆様との対話を進めていきますとの答弁がなされました。 遠野地区の各施設についても例外ではなく、老朽化や地理的に問題を抱えている状況であり、さらには、対話を進めるという点についても、地区の民意もまとまっている状況であります。 そこで、ここまでの状況を鑑み、遠野地区の要望書に対する市長の考えについて伺います。 ◎市長(内田広之君) 公共施設等につきましては、人口減少などによる社会構造の変化の中で、全国的にも大きな課題を抱えております。 具体的には、施設の老朽化などにより維持管理や更新に係る経費が増大していく一方で、財政的な制約がさらに強まることも見込まれます。 その結果、施設の適切な維持管理及び運営に支障を来すことが懸念されております。 本市におきまして、他の類似自治体と比較いたしましても、非常に多くの公共施設等を抱えております。そのため、現在、市では、いかに市民サービスの質を落とすことなく、施設の量を最適なものにしていけるかといった視点で検討を進めております。 今回の遠野地区の皆様からの御要望につきましても、公共施設等の複合化や最適化につながる提案であると認識しております。 市としましては、時代の要請や各地域の特性などを踏まえながら、地域全体の価値を維持・向上させることができるよう、引き続き検討を進めていきます。 ◆19番(平子善一君) 現状を踏まえ民意が整っておりますので、ぜひ市長の英断でよろしくお願いいたします。 次に、大きな項目3つ目は市内小・中学校の整備と保全についてです。 市長が目指す人づくり日本一の実現に向けては、教育環境の整備・充実が非常に重要であると考えております。 子供たちが学校にいる時間は1日当たり約7.5時間と睡眠時間を除いた覚醒時間の半分以上を過ごしており、利用時間や延べ人数等を考えると、他の公共施設とは一線を画するものであります。子供たちの学習環境を整えること、これはすなわちいわきの未来を整えることと同等の意味を持ってくることであります。 そこで、以下、子供たちの学習環境を担保するため、質問してまいります。 今年の夏は記録的な猛暑となり、気象庁の発表では日本の平均気温は1898年以降で最も暑くなったとのことであり、学校においてもふだん学校生活を行うだけでも非常に厳しい状況であったというお話を聞いております。 そこで、まず、猛暑対策として行った市内小・中学校のエアコン設置について、その設置状況について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 市内小・中学校におけるエアコンの設置率は、令和4年9月1日現在で普通教室は100%、特別教室は12.4%となっています。 ◆19番(平子善一君) 先ほども述べましたが、今年の夏は特に暑く、特別教室内の気温が朝8時前から40度にも達し、先生方も特別教室を利用する授業や部活では生徒の安全を守るため、苦慮されたと聞いております。また、専科の先生によっては、その過酷な室内に何時間も滞在せねばならず、まさに命がけの環境でした。今まで我々が経験してきた気候とは違う状況です。だからこそ、特別教室においてもエアコンは必要であると考えております。 そこで、今後の特別教室へのエアコン設置について、市の考え方について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 普通教室については、令和2年度までに全小・中学校にエアコンを設置しました。 この際、児童・生徒が長時間過ごす普通教室への設置が最優先と考え、設置に係る設計期間や工期、財政需要を考慮し、特別教室は対象としなかったものです。 一方、特別教室についても、様々な活動に必須の教室であり、その環境整備は重要と考えています。 しかしながら、設置に多額の費用を要するほか、設置後においても、現在高騰を続ける電気料などの維持費も必要となること等、エアコンの設置に係る課題を整理した上で、対応していく必要があるものと考えています。 ◆19番(平子善一君) 今年の夏には、山形県米沢市で夏休みに部活動を途中で終えて帰っていた女子生徒が亡くなる事件も起きております。子供たちの命を守るため、そして教職員の労働環境整備のため、前向きな検討をお願いいたします。 続きまして、市内小・中学校の施設整備と保全についてです。 本市は、昭和41年に14市町村が対等合併した経緯もあり、学校数も多く、市内全域で老朽化が進んでいます。 整備後から相当の年数が経過している小・中学校が多いと思いますが、まず、本市の市立小・中学校の老朽化の現状について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 本市の学校施設ですが、校舎及び屋内運動場の総数は367棟で、うち、外壁改修など、予防保全的改修の目安とされている、築20年以上を経過している建物は、全体のおよそ9割です。 また、建物内部を含めた全体的な改修となる、長寿命化改修の目安とされている築40年以上を経過している建物は、全体の5割を超えている状況です。 ◆19番(平子善一君) 9割で20年、5割で40年経過しているという状況でした。 整備後の年数が経過している学校の中で、私個人的に、特に小名浜西小学校、錦小学校の校舎は老朽化が進行していると聞き及んでおります。 これらの学校への対応についての考え方を伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 今後とも、児童・生徒数の推移を見極めながら、公共施設等総合管理計画を踏まえ、適切に検討していきます。 また、日々の学校生活に支障を来さないよう、安全・安心な環境整備に必要な維持管理にも引き続き努めていきます。 ◆19番(平子善一君) 次に、老朽化とは別に、磐崎小学校などでは、軽量鉄骨造、俗に言うプレハブ校舎であるということもあり、一般的にはより温度変化等の影響を受けやすいとされている校舎でもあります。とりわけ、今年の気候のように、近年、夏場の気温の状況から室内温度の上昇が大きく、特にエアコンが稼働していない時間帯は、非常に高温状態となり、端末等への不具合も懸念されております。磐崎小学校に至っては、今年学校が休みの期間中、教頭先生が毎日登校しエアコンだけをつけて帰るという、お盆の期間中もずっとやられていたそうです。 こうした軽量鉄骨造を利用している校舎への対応についての考えを伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 校舎の整備手法の差異のみならず、地形や建設場所によっては、気温の影響をより多く受ける学校もございます。 また、近年の夏場の気温などから、これまで以上に様々な影響も懸念されるところでございます。 こうした状況も踏まえて、各学校の実情に応じ、費用対効果も勘案しながら、有効な対応について検討していきます。 ◆19番(平子善一君) 教育環境の改善のため、対応可能な方策について検討いただくとともに、磐崎小学校に至っては20年を超えて軽量鉄骨造、プレハブを使用している状況ですので、今後の改修の検討をお願いいたします。 次に、本市だけではなく、県内他市の小・中学校の老朽化の現状について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 現時点で状況が公表されている福島市と郡山市について申し上げます。 福島市は、令和2年に公表した福島市学校施設等個別計画によると、築30年以上の施設が8割を超えています。 また、郡山市は、平成30年に公表した郡山市公共施設等総合管理計画個別計画(学校編)によると、築30年以上の施設が6割近くとなっています。 ◆19番(平子善一君) こうした状況に対応するため、市内小・中学校の相当数の修繕等の対応が必要であると考えられます。 そこで、本市の市立小・中学校の施設の修繕等に係る過去5年間の当初予算額の推移について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 小・中学校の施設の修繕等に係る令和元年度から令和5年度までの当初予算額は、毎年およそ3億円で推移しています。 ◆19番(平子善一君) また、施設の修繕の実施に当たっては、早期で適切な修繕箇所の把握が必要かと思います。 学校施設の要修繕箇所の把握方法について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 教育委員会では、毎年、各学校からの修繕等の要望を取りまとめ、職員が現地調査の上、修繕箇所等を把握する営繕調査を実施しています。 また、これに加え、建築物等の安全性や適法性を確保するため、施設は3年に1回、設備は毎年、建築基準法第12条に基づく定期点検を実施しており、この中でも修繕箇所等を把握しています。 ◆19番(平子善一君) これまでの修繕等に係る予算額や、修繕箇所の把握方法について伺ってまいりました。 本市の小・中学校の施設の修繕等に係る過去5年間の予算の執行率の推移について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 小・中学校の施設の修繕等に係る予算の執行率は、平成30年度から令和4年度までの5年間において、全て99%以上となっています。 ◆19番(平子善一君) 修繕等の予算の執行率が100%に近いということは、やはり施設の老朽化が進んでいるということであり、また、老朽化が進めば進むほど、改築など抜本的な対策が必要になってくると思います。 学校施設設備の規模の目安となる、本市の教育費における普通建設事業費の過去5年間の合計額と、県内他市の状況について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 現在公表されている、地方財政状況調査の直近5年間の状況を申し上げます。 平成29年度から令和3年度までの教育費における普通建設事業費の合計額は、本市が約124億円、福島市が約209億円、郡山市が約143億円となっています。 ◆19番(平子善一君) 学校の当初建設年度の違いなど、置かれている施設の状況が異なるため、単純な比較はできないと思いますが、直近の過去5年間の実績で比較すると、本市の普通建設事業費の規模は、県内の主要都市と比べて少なくなっているように感じます。 しかし、大切なのは今後の対応であると思います。今定例会においても、内郷第一中学校の長寿命化改修工事が上程されておりますが、本市における今後の大規模改修工事等の実施予定について伺います。 ◎教育部長(松島良一君) 現在、構造改革推進本部内に設置している公共施設等の在り方検討分科会において、学校再編と併せ、小・中学校の在り方を協議しているところです。 これを踏まえ、今後の小・中学校の整備について整理していきたいと考えています。 ◆19番(平子善一君) 将来的な学校の在り方を検討する中でも、まずは今の子供たちが充実した学校生活を送るための環境を整えていくことが我々の責務であると考えます。 最後に、市長が公約として掲げる教育予算倍増に係って、小・中学校の施設整備に係る予算は、十分確保できているのか伺います。 ◎市長(内田広之君) いわき版骨太の方針におきまして、公共施設・公共インフラの集中保全を掲げております。 学校施設につきましても、学校再編を含めた学校の在り方を現在庁内において検討中であります。 なお、子供たちの安心・安全面から、緊急に対応する必要があるものに関しましては、最優先で取り組んでいるところでありまして、老朽化対策を含めた施設整備につきましても、必要な予算確保に努めていきます。 ◆19番(平子善一君) 本市では、他市に対して公共施設の数が多いという状況は理解しております。この中にあっても、先ほど述べたように、子供たちが1日の大半を過ごす学校、これは他の公共施設とはまた物が違うものであります。市長が目指す人づくり日本一の基盤である学校は非常に重要です。今後とも、その市長の人づくり日本一、学力日本一を目指す実現に向けた予算の確保をお願いして、次の質問に移ります。 次に、大きな項目4つ目、特色ある学校について伺います。 現在、少子・高齢化や地域のつながりの減少による地域の教育力の低下や、発達障がいや貧困といった福祉的な課題の増加などを背景に、学校が抱える課題が複雑化・多様化する中、学校だけではなく、社会全体での子供の育ちを支えていくことが求められています。 また、他方で、グローバル化、人工知能の進化などにより、変化が激しく予測困難な未来が来ることが予想されています。現在ある仕事の多くが十年後、二十年後には消滅し、子供たちの半数近くが現在存在していない職業に就くことになり、現在学校で教えていることが将来の社会で通用しないのではないかといった指摘がされています。 そこで、国では2020年からの新学習指導要領で、よりよい学校教育を通じてよりよい社会をつくる、という理念を学校と社会が共有し、社会と連携・協働しながら未来の創り手となるために必要な素質・能力を育む、社会に開かれた教育課程の実現を重視し、その理念を前文に明示しています。 そこで、学校と地域の連携について伺ってまいります。 多様化する社会において、教職員も多様化し、さらには情報化社会が進む現代においては、学校の教育は、前述のとおり学校内という限られた空間だけではなく地域全体で支えていかなければならないと考えます。 まず、初めに、市内の小・中学校では、地域との連携をどのように位置づけているのか伺います。 ◎教育長(服部樹理君) 本市の教育大綱では、地域の人財、団体等と連携・協働した地域学校協働活動の推進を図り、郷土への愛着と誇りを持って、地域社会に貢献できる自立した人間へと育てる仕組みづくりを目指しています。 学校では、地域と連携・協働していく際の学校側の窓口として、地域連携担当教職員を任命しています。そのまとめ役を中心にしながら、教職員全員が地域と連携する必要性を認識し、地域と連携した有意義な体験活動等が行われるよう、教育課程に明確に位置づけております。 ◆19番(平子善一君) 次に、学校と地域が連携することの効果について伺います。 ◎教育長(服部樹理君) 親や教員以外の大人との交流を通して、子供にコミュニケーション能力や規範意識等が育まれることが期待できます。また、子供たちが地域の活動に参加することで、地域におけるさらなる世代間交流も期待されるところです。さらに、学校が地域を学びのフィールドとした体験型・探究型の活動を行うことで、子供たちが地域に対する誇りを持ち、社会に対する当事者意識も芽生えるものと考えております。 教職員にとっては、地域の理解と協力を得た教育活動が可能になり、学校を中心とした地域のネットワークづくりの必要性、地域社会全体で子供たちを育てるという意識の醸成、協働の促進にもつながると考えています。 また、地域にとっても、学校との関わりにより、生きがいや自己有用感が高まり、地域全体の活性化につながると考えています。 ◆19番(平子善一君) 次に、他校や地域との情報共有について伺います。 ◎教育長(服部樹理君) 市内の各小・中学校では、学校と地域が連携して行った学習活動の様子や子供たちの成長の様子等を、ホームページや学校便りの地域回覧、保護者への配付等を通して、積極的に情報発信をしております。また、各小・中学校の地域連携担当教員と公民館職員が情報交換を行う場として、いわき地域学校協働活動研修会を年に2回開催しておりまして、そこで情報共有を図りながら、それぞれの立場における役割意識を高めることで、学校と地域の連携強化に努めているところです。 ◆19番(平子善一君) 今後の学校と地域の他団体との連携について伺います。 ◎教育長(服部樹理君) 現在、学校を取り巻く問題が複雑化・困難化しております。不登校の問題、学力向上、部活動の地域移行など様々課題がございまして、そういった中で社会総がかりで対応していくことが求められております。 本市の教育大綱では、地域全体で人を育て、誇れるまちいわきをつくるといった基本理念が掲げられております。今後とも、学校と地域が顔の見える関係で連携・協働活動を推進し、成果を共有できるよう努めていきたいと思います。 また、コミュニティ・スクールとして成果を上げています田人、三和地区の取組を、他の地域へ拡大していくことを検討しながら、地域づくり、人づくりと一体となった教育の充実に努めていきたいと考えております。 ◆19番(平子善一君) 学校と地域の連携については、自己肯定感の醸成や志の育成に加え、価値観が多様化する社会の中にあっても、主体的に生き抜く力が身につき、将来地域を担い活躍する人材の育成にもつながるなど、学校教育の充実と地域の振興に相乗効果をもたらすものと考えております。まずは、教職員一人一人がその必要性や教育効果について共通理解を深め、社会に貢献できる、郷土愛にあふれる子供たちの育成につながるように期待し、さらには、子供たちに誇れるいわきを創生し、残していただけるよう重ねてお願いいたしまして、一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(坂本稔君) ここで、午後3時20分まで休憩いたします。          午後3時10分 休憩---------------------------------------          午後3時20分 再開 △川崎憲正君質問 ○副議長(坂本稔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。1番川崎憲正君。          〔1番川崎憲正君第二演壇に登壇〕 ◆1番(川崎憲正君) (拍手)1番いわき市議会志帥会の川崎憲正であります。 先月の24日に、四倉地区行政嘱託員(区長)協議会、四倉ふれあい市民会議、四倉中学校、四倉小学校、大浦小学校のPTA会長の連名により、四倉地区教育環境の早期整備を求める要望書を内田市長に提出をしました。 要望書を提出に至るまでの過程として、四倉地区の市街地再生整備を図るに当たり、四倉地区の各種団体と行政とで、四倉まちづくり検討会を組織し、住民アンケートの調査結果等を踏まえ、今後の四倉地区のまちづくりのために協議を重ね、目指すべき市街地再生の目標や方針をまとめ、令和3年5月に四倉地区市街地再生整備基本方針を策定いたしました。 市街地再生の方針として、教育・文化・福祉機能を有する交流・防災拠点の整備。民間活力の導入によるにぎわい拠点の形成。商店街のにぎわい再生。安全な道路空間の整備が挙げられ、それらを四倉地区まちづくり検討会の中で協議を重ねてきました。 特に議論になったのは、主に四倉地区の小・中学校の在り方についてでありました。 四倉地区の学校の現状として、四倉小学校は築59年、四倉中学校は築50年と校舎が老朽化している上に、両校とも洪水と津波の浸水想定区域内に立地しております。大浦小学校は築34年でありますが、洪水の想定区域内に立地しています。 大野地区では、少子化の影響などで、令和2年3月に大野第一小学校が、翌年の令和3年3月には大野第二小学校が廃校になり、大浦小学校に再編されました。令和5年3月には大野中学校も廃校になり、四倉中学校に再編されました。四倉小学校と大浦小学校は、現在は両校とも児童数を約300人が在籍していますが、今後は児童数の減少が予想され、それに伴い、四倉小学校と大浦小学校の卒業生の多くが入学する、四倉中学校の生徒数の減少を予想することは容易なことであります。 一方で、津波や洪水の浸水想定区域外にある、JR四ツ倉駅の西側にある約4.6ヘクタールの工場跡地の利活用については震災前から議論がありました。四倉まちづくり検討会では、この工場跡地に四倉地区の学校を集約し、小・中一貫校として整備すること、やはり津波の浸水想定区域内にあり築53年と老朽化している四倉公民館と図書館も集約・複合化することで、教育・文化・福祉機能を有する交流・防災拠点の整備することと、工場跡地の一部を利便性の向上につながる民間施設の誘導を目指すことに意見が集約され、令和3年5月に四倉地区市街地再生整備基本方針の中の1つの方針として位置づけられました。 この教育・文化・福祉機能を有する交流・防災の拠点の整備を四倉地区では待ったなしの課題であり、市街化区域において学校が集約・複合化することは市内で初めてのことであると聞いております。 いわき市と工場跡地の所有者との間で、四倉地区交流・防災拠点の実現に向けた連携と協力に関する協定を締結したとのニュースを聞き、交流・防災拠点の整備に向けて、大きく一歩前進したと捉えましたが、四倉地区としては、さらにスピード感を持って取り組んでいただきたく、そこで冒頭で申し上げましたとおり、四倉地区教育環境の早期整備を求める要望書を内田市長に提出するに至りました。 内田市長からは要望書を提出したときに、四倉地区の教育・文化・福祉機能を有する交流・防災の拠点の整備に向けて、スピード感を持って取り組むと力強いお話をいただき、さらに大きく前進したと感じました。 要望書が提出されたことで、年度内の四倉地区市街地整備基本計画の策定に向け、年が明けて1月には教育委員会から保護者をはじめとする学校関係者に、2月には地域の人たちへの説明会などを実施すると聞いております。 内田市長におかれましては、地域の声を聞きながらも、交流・防災拠点の整備に向けて、さらに加速をして取り組んでいただくことを要望しまして、以下、通告の順に従い、一般質問を行います。 まず、大きな質問の1番目は本市の下水道事業の経営についてであります。 本市の下水道事業は、昭和30年代に、合併前の旧平市と旧磐城市で始まり、約60年以上にわたって施設整備や維持管理を行い、現在では、おおむね市民の2人に1人が下水道を利用している状況となっております。 今後においても、多くの市民の暮らしを、支え続けている生活インフラである下水道事業については、安定的で、持続可能な経営を実現させる必要があると考えております。 経営の透明性の確保と経営基盤の強化を図る観点から、平成28年4月より特別会計から企業会計方式へ移行し、平成31年3月には下水道事業を取り巻く状況、人口減少社会の到来、節水型社会の進行により、下水道使用料の大きな伸びが期待できない、施設の老朽化に伴う更新需要の増大が見込まれることに的確に対応していくため、令和元年度から令和10年度までを計画期間として、いわき市下水道事業経営戦略を策定し、事業運営を行ってきております。 しかしながら、さらなる施設の老朽化と、それに加え人口減少による使用水量の減少も見込まれ、下水道事業を取り巻く経営環境は一層厳しさを増していく中、経営戦略の中間年である本年の10月19日に下水道事業等経営審議会から下水道事業の経営について、経営戦略に掲げた各種政策の取組については、令和元年度からの前期5年間の取組及び令和6年度からの後期5年間の取組計画とともに妥当なものと評価できるものの、下水道使用料については、令和6年度から平均23.23%引き上げる必要があると答申がありました。 それを受け、今定例会に下水道使用料を令和6年度から平均23.23%引き上げる条例改正案が提案されております。下水道使用料は公共料金としての性格を有すること、また雨水は公の費用を充てる雨水公費、生活雑排水などの汚水は下水道使用者が負担する汚水私費の考えから、下水道を利用している市民の方の生活に、大きく影響を与えることになりますので、以下、伺ってまいります。 1点目に、下水道事業の経営状況についてであります。 現在の下水道使用料は、経営戦略の策定に当たり、令和元年度に改定され、戦略期間の前期に当たる令和元年度から令和5年度に適用し、事業運営を行なっているところだと認識しております。 1つとして、現在の本市の下水道使用料金がどの程度の額であるのか、他市と比較した本市の下水道使用料の水準について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 下水道使用料について、国は1か月20立方メートル当たりの使用料で各市町村の比較分析を行っており、本市では税込額3,500円となっています。 この額は、令和5年10月現在で、県内13市中、上から2番目、中核市62市中、上から3番目の水準であります。 ◆1番(川崎憲正君) 本市の1か月の下水道使用料の水準は、県内他市や中核市と比較すると高いほうにあるとのことですが、2つとして、なぜ本市が他市と比較して、下水道使用料が高くなるのか、他市と比較した本市下水道事業の特徴について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 本市の下水道事業の特徴としては、広域多核型の都市構造であるため、管渠延長1キロメートル当たりに対する、下水道処理人口が163人であり、中核市平均値249人と比べ少ないこと、また、処理場を3か所有していることなどです。 このことから、市街地が集積している自治体や処理場が少ない自治体、近隣自治体と共同で1つの処理場を使用している自治体などと比較し、処理費用が高くなっています。 ◆1番(川崎憲正君) 本市は広域であることから、人口が分散していること、隣接している市町村と共同で事業を実施することが困難であるということなど、水道事業と同様に、やはり地理的要因が大きく影響しているとのことでありました。 それでは、本市の下水道事業の収支についてでありますが、令和元年度に下水道使用料を20立方メートル当たり3,500円に改定した後、今後の下水道使用料の収入がどのように推移するのか、本市としても見込んでいたと思いますが、3つとして、令和元年度から令和5年度までの前期5年間の下水道使用料収入の推移について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 下水道使用料収入額については、税抜き額で令和元年度は約34億4,000万円、令和2年度は約35億円、令和3年度は約34億4,000万円、令和4年度は約33億8,000万円となっています。 令和5年度については、約33億7,000万円と見込んでおり、使用料収入が減少傾向にあります。 減少している主な要因としましては、人口減少や節水型社会への移行などによる排水水量の減少によるものです。 ◆1番(川崎憲正君) 事業運営に当たり、収入となる下水道使用料収入は、人口減少などにより使用料が減少していることから、今後においても下水道使用料収入については、増加する要因は見受けられないと思います。 そのような状況の中で、4つとして、直近3か年の下水道事業の収支状況について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 下水道事業会計における現金の収支で申しますと、令和3年度は収入額が、約133億1,000万円に対し、支出額、約127億円で、約6億1,000万円の黒字です。 令和4年度は収入額、約123億8,000万円に対し、支出額、約124億8,000万円で、約1億円の赤字です。 令和5年度は収入額、約180億7,000万円に対し、支出額、約192億3,000万円で、約11億6,000万円の赤字を見込んでおります。 このことにより、令和3年度末の資金保有残高、約15億9,000万円が令和5年度末では、約3億3,000万円に減少すると見込んでいます。 ◆1番(川崎憲正君) 令和4年度から令和5年度にかけて、収支が大幅に悪化しておりますが、5つとして、収支が悪化する要因について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 令和4年度から令和5年度にかけて、収支が悪化する要因としましては、1つとして、世界的な燃料費の急騰による動力費の増に伴う維持管理費の増大です。 2つとしては、経営戦略に位置づけた下水汚泥等利活用事業などの建設費用が一時的に増加しているものです。 ◆1番(川崎憲正君) 施設の建設改良費は、一時的な投資としてやむを得ないものと考えます。もう1つの要因である電気代の高騰は、新型コロナウイルスの感染拡大やウクライナ情勢、急激な円安など世界情勢の影響によるものとの報道を目にしてきました。 このような社会情勢による経費の増は、経営努力で対応することは難しいと考えます。 そのような状況を踏まえ、6つとして、現行使用料を据え置いた場合の、収支の見通しについて伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 現行使用料金体系を据え置いた場合の収支見通しについては、毎年度赤字となり、年度末の資金保有残高に不足が生じるものと見込んでいます。 その不足額は、令和6年度は約5億9,000万円、令和7年度は約8億5,000万円、令和8年度は約8億9,000万円、令和9年度は約8億3,000万円、令和10年度は約6億7,000万円となります。 ◆1番(川崎憲正君) 今後は収支不足になるという見通しであり、下水道使用者が減少していく中、使用料収入を増やすことは難しい状況にあることは明確で、支出面で経費の削減を図る必要があると考えます。 そこで、下水道事業を戦略的に経営していく必要があると考えることから、2点目に、下水道事業経営戦略についてであります。 本市では下水道事業を取り巻く、ヒト(組織・人財)、モノ(資産・業務)、カネ(財務)の、いずれも減少傾向にあることで、経営課題が確実に深刻度を増し、事業の持続可能性に影響を及ぼしていることから、中・長期的な視点に立つことで、安定的な経営基盤の構築と戦略的な事業の展開を図るため、平成31年3月に下水道事業経営戦略が策定されました。経営戦略の中に経費削減も踏まえた各種施策を位置づけ、計画的に取り組んでいるものと思います。 そこで1つとして、経営戦略に位置づけられた、施策における経費削減の取組状況について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 主な取組としましては、供用開始後50年以上が経過し、老朽化が進んだ東部浄化センターを廃止し、中部浄化センターに処理機能を移し、処理区の再編を行いました。 また、中部浄化センターにおいては、汚泥焼却施設の老朽化や、下水道資源の有効活用を図るため、汚泥処理施設や固形燃料化施設を整備する下水汚泥等利活用事業を、PFI手法を活用して行っているところです。 これらの取組により、施設の更新費用や、維持管理費用の経費削減を図っています。 ◆1番(川崎憲正君) 経営戦略に位置づけられた各種施策を確実に実施することで、一時的には投資額が増えるものの、長期的には経費の削減につながり、経営審議会も妥当なものと評価したものだと思います。 また、令和6年度以降においても、引き続き経費の削減を図っていくものと思いますが、そこで2つとして、令和6年度から令和10年度までの後期5年間の経費削減の主な取組について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 主な取組としては、管路施設について、令和6年度から中・南部地区を対象に計画的な点検に基づきトラブルを防ぐ予防保全型維持管理を本格的に導入し、施設の長寿命化などを図ります。 併せて、管路施設に係る複数の業務をパッケージ化し、複数年契約で実施する管路施設包括的民間委託を導入しさらなる経費削減に努めます。 ◆1番(川崎憲正君) 国土交通省のホームページによりますと、全国的に下水道施設や設備の老朽化が、全国的に問題となっており、下水道管路施設の老朽化は、大きな課題であるとのことです。民間の実施体制や創意工夫が生かせる管路施設包括的民間委託は、経費縮小はもちろんのこと、管路施設の管理体制の確保や効率的な管理を実践するための有効な手段の1つであると考えます。 令和6年度からの導入により、管路管理の効率化や質の向上につながることが期待できる管路施設包括的民間委託でありますが、3つとして、管路施設包括的民間委託の今後のスケジュールについて伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 公募型プロポーザル方式により事業者の選定を行うこととし、本年8月に募集及びプロポーザル実施要領等の公告を行い、現在は12月18日まで技術提案書を受け付けています。 今後については、令和6年1月にプレゼンテーションとヒアリングを実施した後、優先交渉者の選定、契約交渉を経て、2月末を目途に契約締結を予定しており、令和6年度からの業務開始に向け、手続を進めていきます。 ◆1番(川崎憲正君) 令和6年度以降も、毎年度資金が不足すると見込んでいるとあり、収入の確保が必要であると考えます。 下水道事業は地方公営企業であることから、事業に係る経費をその事業の収入で賄わなければならない独立採算の原則と、サービスの提供に要する費用をその受益の程度に応じて、原価に見合った額を支払う受益者負担の法則の2つの基本的な考え方があり、これらの考え方に基づく使用料等の収入により事業を経営していることから、本市の下水道使用料について気になるところです。 3点目に、下水道使用料の改定についてであります。 収入の確保として、下水道の使用料を現行の1か月の使用水量20立方メートル当たり3,500円から、経営審議会の答申を踏まえ、下水道使用料の改定を行い、平均で23.23%引き上げることとされています。 そこで、1つとして、下水道使用料の改定の考え方について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 下水道使用料の改定に当たり、下水道事業等経営審議会から、次のような答申をいただきました。 1つとして、社会情勢の影響などによる経費の増大などに伴い収支不足が生じること。 2つとして、災害や施設の突発的なトラブルに対応できるよう、一定程度の資金を確保すること。 3つとして、経費回収率は全国平均値を目指すこと。 以上の点を踏まえ、現行の使用料体系から平均23.23%引き上げる必要があると判断する。 この答申内容を市といたしましては重く受け止め、下水道事業の経営基盤の安定化と使用者負担の適正化を図る観点から、令和6年度4月より、改定を行うこととしたものです。 この改定により、1か月使用水量20立方メートル当たりの使用料は税込額で4,309円となり、現行使用料と比較して、809円の増になります。 ◆1番(川崎憲正君) 2つとして、使用料を改定した場合の、収支見通しについて伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 使用料を改定した場合の収支見通しにつきましては、各年度末の資金保有残高で申しますと、令和6年度は約2億7,000万円、令和7年度は約2億8,000万円、令和8年度は約2億4,000万円、令和9年度は約2億7,000万円、令和10年度は約4億5,000万円、資金を保有することができるものと見込んでいます。 この改定により、安定的な事業運営が行えるものと考えています。 ◆1番(川崎憲正君) 改定後は、事前に想定することの難しい災害や、突発的なトラブルなどに対応するために必要である一定程度の資金の確保もでき、安定した事業運営が行える見通しであるとのことですが、今回の下水道使用料の改定に至った理由の大きな要因の1つが電気代の高騰であるとのことで、電気代の高騰といった動力費の増加は本市だけに限ったことではなく、他市においても同じ理由で、下水道使用料の引上げが必要な状況にあると思われます。 そこで、3つとして、県内のほか中核市や類似都市など、他市における改定の検討状況について伺います。
    ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 他市における改定の検討状況につきまして、県内12市、中核市及び本市と類似する都市の合計102市に対する調査結果によりますと、93市は、動力費の増加等が事業収支に影響すると回答しています。 そのうち、2市は使用料を引き上げる方針としており、令和6年度以降に使用料について検討する市は、70市となっています。 また、自己保有資金や一般会計からの繰入れで、使用料を据え置く、または使用料の検討をしないとした市は、16市となっています。 ◆1番(川崎憲正君) 多くの自治体が、動力費の増加等が事業収支に影響があると回答した一方で、動力費の増加等の影響があるにもかかわらず、内部資金や一般会計から繰入れで対応するなど、現時点では早急に使用料の改定を考えていない自治体もあるとのことでした。 使用料の負担軽減を図るためにも、内部資金から補填するとしても資金期末残高が不足している中、他市のように本市も一般会計からの補填で対応することの考えもあるかと思います。 4つとして、一般会計からの繰入れについて、本市の考えを伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 国において、下水道事業に係る経費の負担区分は、雨水公費・汚水私費の原則の下、汚水に要する経費は使用料で負担するものとされております。 一方、現状としては、汚水に要する経費を下水道使用料のほか、一般会計からの繰入れで賄っている状況であります。 下水道使用料の負担軽減のため、さらなる繰入れは下水道を使用していない方も含めた税金を投入すること。 また、下水道事業等経営審議会の答申において、汚水処理費を使用料でどの程度賄っているのかを示す、経営回収率については、令和4年度の76.5%から、全国平均値の86.9%の達成を目指す必要があると示されたこと。 これらを踏まえ、さらなる一般会計の繰入れは、難しいものと考えています。 ◆1番(川崎憲正君) 公共下水道は、道路や公園などの公営施設と異なり、整備される地域が限られ、利用者も市民全体ではなく、ある程度特定できる公共事業であること、そして汚水私費の原則から、使用者の負担軽減のために一般会計からの補填をすることは難しく、また、仮に一般会計から補填をすれば、公共下水道を利用できない地域の方との間に不公平が生じてしまいます。 また、企業債で賄ってはどうかとの意見もあるようですが、企業債はあくまで建設改良費のために借りるものであって、資金繰りのために企業債で賄うことは難しいとも聞いております。 そうなると、使用料を引き上げなければ事業自体が立ち行かない状況であることから、来年度からの使用料の引上げはやむを得ないものであると考えます。 しかしながら、今回の使用料の改定については、市民の方への理解を求めることが重要であると考えます。 そこで、5つとして、使用料の改定に当たって市民の周知について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 下水道使用料の改定に当たっては、必要な理由や改定後の料金などを記載したチラシを、令和6年1月以降の検針時から配布いたします。 さらに、市公式ホームページや広報紙、SNSを通して周知を行い、使用料改定について理解を得られますよう努めてまいります。 ◆1番(川崎憲正君) 今回の使用料の改定の算定期間は、令和6年度から令和10年度までとしておりますが、この先、社会情勢や経済状況など、また下水道事業の経営状況など大きく変化してくることが考えられます。 この質問の最後、6つとして、令和11年度以降の使用料改定について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 令和10年度に令和11年度から10年間の新たな経営戦略を策定することとしています。 下水道使用料についても、そのときの事業経営の状況や、社会経済情勢等を勘案しながら、適切に判断していきたいと考えています。 なお、現在の経営戦略の各種施策を着実に実施し、事業の効率化や経費削減を徹底しながら、事業運営を行っていく考えです。 ◆1番(川崎憲正君) 本市の下水道の状況について、いわき市下水道事業経営戦略に基づく事業運営から下水道事業等経営審議会の答申を受け、質問してまいりました。 下水道事業は、人口減少や下水道使用料の減少などが見込まれることから、ますます厳しい経営が求められます。経営戦略に位置づけられた施策を確実に実施するとともに、少しでも経費の削減を進める経営の努力を惜しまずに行っていただくことを要望いたします。 下水道使用料の改定は、市民の生活に直結する問題であります。 また、本市が市外の方から選ばれるまちを目指して、スタートアップ創業支援やUIJターン支援事業など、様々な支援事業を行っている中、下水道使用料などの公共料金が他市と比べて高いということは、市外の方にいわきをアピールする上で、大きなマイナスになることが考えられます。 今後におきましても、経営審議会での慎重な審議をはじめ、使用者に対して、丁寧な広報による周知、下水道使用者はもちろんのこと、市民の皆様に開かれた事業経営など、理解に向けた努力が求められます。 下水道事業の安定的で持続可能な経営の実現のため、長期的な視点に立つことで、安定的な経営基盤の構築と戦略的な事業展開をお願いいたしまして、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、本市の公共交通についてであります。 この質問については、今日含めて5人の議員の方が質問されまして、私が最後であります。気の利いた答弁をお願いしたいと思います。 本市の公共交通は、本年3月に地域公共交通計画を策定し、人口減少、超高齢化社会に対応した、持続可能な公共交通の維持・確保に向かって、大きく一歩を踏み出したものと考えます。 そのような中、通勤や通学など日常の移動手段として、重要な市民の足である路線バスについて、11月18日に、運行事業者である新常磐交通株式会社より、深刻な運転手不足と採算性の悪化を理由に、来年度から、路線廃止も含む、大幅な事業縮小を行うことが発表されました。 また路線バスと同様に、本市の基幹的な公共交通機関である鉄道についても、11月21日にJR東日本が34路線62区間の利用の少ない線区における、令和4年度の経営状況を公表し、赤字額の合計額は約648億円で、運行収入は約41億円、運行にかかった費用は約690億円であるとのことでした。 本市に関する線区では、昨年度の公表に続き、磐越東線のいわき駅から小野新町間で、年間約7億2,600万円の赤字であり、前年度と比べ赤字額が約3,600万円も広がったことが公表されました。 このように、公共交通事業者を取り巻く環境は、年々厳しさを増しており、加えて、そもそも運転手の不足が叫ばれている中、来年度からは働き方改革法案により、運転手の労働時間に上限が設けられることで、これまで以上に運転手の確保が難しくなる、いわゆる2024年問題も社会問題化しております。 公共交通は、今後も厳しい状況に置かれることは容易に想定されますが、市民が安心して移動できる環境とするためにも、公共交通の維持・確保は極めて重要であり、その実現に向けた行政が果たすべき役割は、ますます大きくなっていると考えています。 以上のことから、本市の公共交通に対する政策について、通告の順に従い、以下、伺ってまいります。 まず1点目に、路線バスについてであります。 本市のみならず、全国でも路線バスの事業撤退や路線廃止などが、連日のように報道されておりますが、1つとして、国内の路線バスの状況について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 鉄道と並び、代表的な公共交通機関である路線バスにつきましては、今、議員からも御紹介ありましたとおり、全国的に深刻な運転手不足に直面しており、各地で減便や廃止などが進んでいます。 これらを受け、帝国データバンクでは、全国主要路線バス運行状況調査を実施しまして、先月、その結果を公表したところです。 調査では、30以上の路線を保有する路線バス運行事業者127社の約8割に当たる98社が、今月中に減便・廃止を実施するとの結果になっています。 また、来年に予定・検討中の事業者を含めるとその数は、103社にも上ります。 減便・廃止の要因としては、コロナ禍による利用者の減少、昨今の燃料費高騰が、事業経営を圧迫していることが挙げられます。 加えて、他業種と比較して給与水準が低いことや、長時間労働が人材確保を困難にしていることなどが挙げられています。 ◆1番(川崎憲正君) 帝国データバンクの調査結果から、国内127のバス事業者の約8割で、今年ダイヤの減便・廃止が行われるということであり、全国的に路線バスの運行が厳しい状況であることが理解できます。 市内の路線バスにおきましても、これまでの運転手不足などを理由に、ダイヤ改正が行われるたびに減便が続いており、私の家の前のバス停を見ても、以前はいわき駅-四倉間も平日、土日祝日と運行しておりましたが、現在は土日祝日の運行が廃止となっております。 そこで、2つとして、市内の路線バスの状況について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 本市の路線バスは、市民の日常生活における移動手段の骨格をなす交通として、市内各地域と拠点を結ぶ交通ネットワークを形成しています。 現在の運行状況は、系統数で申し上げますと、市内で完結する127系統、市外に接続する2系統が運行しています。 しかしながら、本市の路線バスについても、全国状況と同様に、モータリゼーションの進展に加え、人口減少やコロナ禍における利用者の減少により、多くの系統で慢性的な赤字経営となっています。 さらに近年では、高齢化や離職等による運転手不足も加わっています。 このような状況にありながらも、事業者は、市民の日常の移動手段である生活路線バスの運行を優先するため、収益性が高い高速バスを減便し、運転手を生活路線に配置するなどの措置を講じてきました。 また、今年度は、3度にわたり、利用の少ないダイヤを中心としたダイヤ改正を実施し、事業の効率化を図り、路線バスの維持に努めてきたところです。 ◆1番(川崎憲正君) 市内の路線バスにおいても運転手の不足、利用者の減などの要因でダイヤの減便が多くなってきている状況であることが理解できました。 3つとして、運転手不足の解消に向けて、路線バス事業者はどのような対策を講じているのか、路線バス事業者の取組について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 新常磐交通株式会社では、福島県バス協会が主催する合同就職説明会への参加や、求人情報サイトの掲載等により、市内外からの人材確保に努めています。 また、路線バスの運行に必要となる大型二種免許を入社後に取得する場合、取得費用の全額負担を行っています。 さらに、既に大型二種免許を所持している場合は、就職支援金として50万円を支給しています。 ◆1番(川崎憲正君) 大型二種免許を既に取得している人に50万円の支援金を会社が負担するということは、大型二種免許の取得がいかに難しいかということを表しているように思います。 その大型二種免許の取得のための費用を会社が負担してくれるということは、運転手の確保のために追い風になる取組ではないかと思います。 そこで、4つとして、路線バスの維持に向けて、市はこれまでにどのような支援を行ってきたのか、路線バスの維持に関する行政の支援について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 市では、生活路線の維持を図ることを目的として、過去に路線バス事業者が廃止の申出を行った路線で、一定の要件を満たす26路線について、平成17年度より、補助を行っています。 また、経営の安定化による雇用の確保につなげるため、公共交通車両の維持に係る費用の一部補助や、利用者の回復を進めるため、プレミアム付回数券の発行に要する費用の一部補助を行ってきました。 さらには、路線バスの利便性を高め、利用促進を図るため、来年より運行開始予定のバスロケーションシステムや、ICキャッシュレス決済の導入に向けた支援を行っています。 ◆1番(川崎憲正君) 5つとして、11月18日に新常磐交通株式会社が公表しました、路線バスの減便の概要について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 新常磐交通では、運転手の確保が難航している上に、利用者がコロナ禍以前の水準まで回復せず、事業経営の改善が図られていない状況にあります。 さらに、働き方改革法令の施行に伴い、来年度から運転手の勤務時間に上限が設けられることなどから、現状路線の維持も限界に達しつつあるとしています。 このため、不採算路線や多系統への振替等が可能な73系統187便を、廃止・減便とする案を公表し、運転手不足への対応と経営改善を図ることとしたものです。 ◆1番(川崎憲正君) 路線バスの減便による、市民への影響は大きいと思います。 2024年問題を前に、今後も、路線バス、ダイヤのさらなる現象の可能性も否定できないと思われます。 6つとして、今後、市はどのような取組を進めていくのか伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 今回の公表は、厳しい経営状況の中で、収益性の高い高速バスを減便しながらも生活路線バスを維持してきた新常磐交通にとって、苦渋の決断であったものと認識しております。 一方で、今後の超高齢社会への対応や、児童・生徒の通学など、市民が安心して移動できる環境の確保は不可欠であると強く認識しています。 このため、新常磐交通が示したダイヤ改正案の分析を行い、公共交通不便地域の解消に向け、代替交通の導入も視野に入れながら、令和7年度までに実証実験等を行いまして、令和8年度の社会実装を目指します。 また、選択と集中による、路線バスの最大限効果的な運行について検討を進めます。 これらを踏まえ、来年2月に予定している、いわき都市圏総合都市交通推進協議会において、各交通事業者や利用者の代表者等と、今後の対応等について、協議を行い、市民の移動手段となる交通の確保につなげていきます。 ◆1番(川崎憲正君) 2点目は、本市における移動手段の確保についてであります。 路線バス事業の縮小に伴い、公共交通の利用が困難になる地域が発生し、学生や高齢者など、いわゆる交通弱者といわれる方への影響が懸念されます。 昨年度、市が策定した地域公共交通計画では、多様な移動手段との連携や中山間地域におけるセーフティーネットとなる移動手段の確保などを位置づけておりますが、その進捗状況について伺ってまいります。 本市では、人口の約8割が市街化区域内に居住しておりますが、路線バスの住宅団地への乗り入れが減少の一途をたどるなど、都市部に居住していながら不便な日常生活を送っている高齢者など、日常の足を失っている方も多いのではないかと思います。 先日の記者会見の中で内田市長は、バスに代わる移動手段の確保に向けて、スピードを上げて実現していきたいと話されていました。また、永田町で行われました小泉進次郎元環境大臣が立ち上げました超党派の勉強会に参加されたとのことで、本市の公共交通の維持・持続が困難状況にあること、本市の交通の事情を訴えたと聞き及んでおります。 そこで、移動手段の確保に向けた取組について、以下、伺っていきます。 1つとして、都市部における移動手段の確保に向けて、市としてどのように取り組むのか伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 都市部では、中山間地域と比較して居住人口や移動需要が見込まれることから、現在策定中の利便増進実施計画において、路線バスの運行経路やダイヤの見直しを進めます。 併せて、路線バス利用の拡大に向け、来年から運用を開始するバスロケーションシステムやICキャッシュレス決済の周知・普及に努めます。 また、公共交通不便地域の解消に向け、タクシーの活用が可能な地域では、事業者と協議を進めながら、既存のタクシーを活用した乗合デマンド交通など、タクシーを利用しやすい環境の整備を検討します。 加えて、商業・医療・福祉における輸送など、他分野との連携を検討します。 ◆1番(川崎憲正君) 移動手段の確保について、ライドシェアの導入の検討について、議論がされているとの報道があり、世界では、ライドシェアサービスが急速に普及しており、アメリカや中国などではドライバーと顧客をマッチングさせるプラットフォーマーが躍進しているとのことであります。 2つとして、一般のドライバーが自家用車で利用者を乗せて目的地まで届けるサービスであるライドシェアについて、その導入の考えについて伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) ライドシェアは、世界各国で新たな移動の選択肢の1つとして広がりを見せていますが、日本においては、運転手不足等への対応の1つとして、政府が検討に着手した段階です。 日本でのライドシェアの導入については、法令や制度面の整備が整っておらず、現状では、利用者の安全性や交通事業者の衰退が懸念されるなど、様々な課題が指摘されています。 市としては、既存の交通事業者との共存共栄を大前提とし、利用者の安全性確保の方策をはじめとした議論や制度等を注視していきます。 ◆1番(川崎憲正君) ライドシェアの導入においては、既存のタクシー会社との関係、違法営業している白タクとライドシェアをどう区別するのか。タクシーの運転手になるには、取得が困難である二種免許の取得が必要でありますが、さらに社内や加盟するタクシー団体などが行う運転技術の向上のための安全運転講習を受講するなど、タクシー運転手の運転の技量と安全運転の意識は高いと思われますが、ライドシェアのドライバーの運転の技量、安全運転への意識などはどの程度のものなのか。それをどうはかるべきなのか。タクシー会社では、運転手に接客マナーなどの講習も受講させると聞いておりますが、ドライバーの接客態度や利用者の暴言など、ドライバーと利用者間でトラブルの発生があった場合どう防ぐのか。交通事故に遭った場合、タクシー強盗などの事件に遭った場合などの対応など、ライドシェアを制度化するにはクリアすべき課題はまだまだたくさんあるものと考えます。 一方、神奈川県三浦市では、ライドシェアの導入について、タクシーだけでは対応が困難な地域や時間帯に限定することで、タクシーの利用料金と同程度とすることで既存のタクシー会社と共存を図り、タクシー会社が実施主体となり、ドライバー車両の運行管理、整備管理することで、事故や犯罪防止に対応する。アプリによる事前ルートの確認・決済等により、ドライバーと利用者間のトラブルを防止することなどの議論がなされているとの報道を目にしました。 本市としましても、ライドシェアの制度化に向けた国や県、他の自治体の動向に注視をしていただくことを要望いたします。 本市の中山間地域では、市街地部よりも人口の減少や高齢化のスピードが速く、もともと公共交通も十分ではないことから、日常の足の有無が、特に高齢者などにとっては、今後も住み続けられるのかどうか、切実な声になっています。 三和地区、田人地区では、平成31年に運行が開始された住民ボランティア輸送の取組が進められておりますが、そこで、3つとして、中山間地域における移動手段の確保に向けた取組について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 市街地と比較して、人口減少・高齢化が進行する中山間地域については、これまでも、ニーズに即した移動手段の確保に向けて、地域団体等と連携を深めてきたところです。 各地域における取組を申し上げますと、平成31年より住民ボランティア輸送を実施した、三和・田人地区で、運転手の高齢化等の課題について、地域と協議を進めています。 また、川前地区については、NPO法人が実施する自家用有償旅客輸送の今年度運行開始に向けて、協議・手続を進めています。 久之浜・大久、四倉地区については、今年度、既存のタクシー事業者と連携した定額タクシーの実証運行に向けて準備を進めています。 最後に遠野地区については、路線バスの廃止が、小・中学校の統廃合に伴う児童の通学に支障を来さないよう、スクールバスを運行するため、協議を進めています。 さらに同地区では、地域振興協議会内に公共交通部会を設置し、小・中学生以外の移動手段の確保に向けた検討に着手しています。 その他の中山間地域についても、セーフティーネットとなる移動手段の確保に向けて、順次、検討を進めていきます。 ◆1番(川崎憲正君) 川前地区では、自家用有償旅客運送の実装に向けた手続等を進めながら、年度内の運行開始を予定しているなど、各地で様々な取組が進められているとのことでありますが、それらの取組の1つとして、久之浜・大久、四倉地区の実証運行の概要について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) これまで、久之浜・大久、四倉地区では、デマンド型等による、実証運行を行ってきました。 その結果、車両借り上げ費用や人件費等の経費に対し、実際の利用者数が、事前調査で想定した人数よりも少なく、事業採算性が課題となっていました。 このため、既存のタクシー事業者を活用することで、車両や人件費等、固定経費の削減を図る実証運行を来月22日から実施することとしました。 今回の実証運行では、対象者を65歳以上、または免許返納者としまして、1,000円を超える運賃を行政が補助する、いわゆる定額タクシーとして、利用者の負担を減らすことを目的としています。 また、事業者にとっては、あらかじめ、行き先を地区に隣接する商業施設や医療機関、公共交通機関等に限定することで、効率的な運行が期待されます。 ◆1番(川崎憲正君) 既存のタクシー事業者を活用し、地区内の交通を確保することを目的に、行政が運営を補助する形で、一定額以上の運賃を助成することが今の答弁で分かりました。 路線バスの厳しい現状と、今後の市民の移動手段の確保に向けた民間と行政の取組について伺ってまいりました。地域の方が安心して利用できる、持続ある公共交通を確立していくことが重要であると考えます。 そのためには、市民の一人一人も公共交通の課題を自分のこととして捉えることも必要なのではないかと考え、行政や事業者と共に知恵を絞っていく必要があると考えます。 市におきましても、公共交通の在り方を検討する際に、地域住民と十分に対話のできる環境を整え、活発な議論を進め、そこから持続ある公共交通の確立に向けて御尽力いただきたいと思います。 3点目に、鉄道交通についてであります。 1つとして、JR東日本が先月公表した磐越東線の経営状況について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 市内の鉄道運行事業者であるJR東日本では、昨年度から、今後の路線の在り方を広く議論することを目的として、1日当たり平均通過人員が2,000人未満の線区の経営状況を公表しました。 本市に関わる線区では、磐越東線のいわき駅から小野新町駅間が該当しています。 令和4年度の経営状況を概数で申し上げますと、運輸収入2,200万円に対し、7億4,800万円の営業費用を要しておりまして、7億2,600万円の赤字であり、令和3年度収支の6億9,000万円から3,600万円悪化しています。 これは、令和3年度と比較して、平均通過人員にほとんど変化はないものの、路線の維持・管理等に要する営業費用が増加したためでございます。 なお、当該線区では、100円の収益を得るために、3,283円の費用が発生する計算となります。 ◆1番(川崎憲正君) いわき駅-小野新町駅間では、1日平均約200人の乗客で、100円を稼ぐのに3,000円以上かかる、厳しい状況であることが分かりました。 磐越東線でありますが、2つとして、磐越東線の利用促進に向けて、行政はどのように対応してきたのか伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 磐越東線の厳しい経営状況の公表を受けまして、利用促進など、路線の活性化方策を検討するため、本年3月29日に県、沿線自治体で構成する磐越東線活性化対策協議会を設立したところです。 協議会設立以降は、各自治体の交通担当課長で構成する幹事会や、有志職員で構成するワーキンググループを設置し、利用促進方策等の検討を進めてきました。 これらの検討を進めながら、着手可能な事業から速やかに実行に移すパイロット事業として、先月は、本市が主体となりまして、J2サッカー、いわきFCのホームゲーム開催に併せて、磐越東線の利用促進イベントを実施しました。 また、県におきましても、フォトコンテストや、デジタルラリーを開催するなど、磐越東線の利用促進に向けた取組を進めてきたところです。 ◆1番(川崎憲正君) これまでも磐越東線沿線自治体では、内田市長が会長を務めることになったと聞いております、磐越東線活性化対策協議会を立ち上げ、利用促進等の活性化方策を協議してきたとのことですが、3つとして、磐越東線の利用促進に向けた今後の取組について伺います。 ◎市長(内田広之君) 磐越東線全体では、私が会長を務める、磐越東線活性化対策協議会で検討した利用促進方策を、沿線の自治体と連携しながら順次実施していきます。 特に本市につきましては、風光明媚な夏井川渓谷の風景を生かしたサイクルツーリズムや、大学の自転車部の合宿等が盛んに行なわれています。 これらの資源を路線の活性化につなげるため、列車内に直接自転車を持ち込み、移動可能なサイクルトレインの運行などについて、JR東日本と協議していきます。 さらには、平成26年に設立した、いわき市鉄道交通を応援する会による鉄道イベントの開催や、市民のマイレール意識の醸成等につながる啓発活動に取り組んでいきます。 また、市では、県や沿線自治体と連携して毎年JR東日本へ、鉄道施設の整備及び輸送力の充実・強化、並びにダイヤ改正につきまして、要望活動を行ってきております。 今後も、私が先頭に立ち、これまで以上に、関係自治体やJR東日本と緊密な連携を図り、本市の重要な交通インフラである磐越東線の存続に向けて取り組んでいきます。 ◆1番(川崎憲正君) ただいま、市長から力強い磐越東線の利用促進に向けた取組についての答弁をいただきました。 これからも磐越東線の利用促進に向け、沿線自治体や磐越東線活性化対策協議会、いわき市鉄道交通を応援する会など、また他の路線の関係団体などとも連携を深めていただき、進めていただきたいと思います。 本市も急速に高齢化が進んでおります。交通安全の観点から、今後運転免許の返納を考える方が増えてくるものと考えます。 しかしながら、いざ運転免許を返納しようとしても、移動手段がなくなることから、返納に二の足を踏まざるを得ないのが実情ではないかと思います。 また、運転免許を持たない学生にとっては、鉄道や路線バスなどの公共交通は、通学のために欠かせないものであり、通学手段の有無が進学先に影響を与えることはあってはならないことだと考えます。 公共交通手段の確保は、喫緊の課題であると考えます。市におきましても、この喫緊の課題の解決に、地域や関係者の方などと十分に話合いを行いながら、スピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。 そのためにも、この公共交通に対応するための組織の強化や人材の配置、さらには、国や県などと今以上に連携を深め、十分な予算の確保を強く要望いたします。 私たち議員も積極的に公共交通を利用していきたいと思います。公共交通の抱える問題を自らの肌で感じ、市民の皆様には、先ほども申し上げましたが、公共交通の維持に向けた課題を自分のこととして捉えていただけるように、行政からも広くPRしていただきたいと思います。 引き続き、本市の公共交通の活性化を御尽力していただけるように要望いたしまして、私の一般質問を終了します。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(坂本稔君) ここで、午後4時25分まで休憩いたします。          午後4時15分 休憩---------------------------------------          午後4時25分 再開 △塩沢昭広君質問 ○副議長(坂本稔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。15番塩沢昭広君。          〔15番塩沢昭広君第二演壇に登壇〕 ◆15番(塩沢昭広君) (拍手)15番いわき市議会公明党の塩沢昭広です。 まず初めに、9月8日の台風第13号により、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられた方に、心からお悔やみを申し上げます。 一日も早く、心安らかな日常を取り戻されることを、心からお祈り申し上げます。 以下、通告順に従い、一般質問を行います。 糖尿病重症化予防についてであります。 全国的に、糖尿病患者数の増加が課題となっております。糖尿病は放置すると、神経障害・網膜症・腎症等の合併症を引き起こしますが、中でも糖尿病性腎症は、進行すると人工透析に移行します。 一般的に人工透析は週3回、1回約4時間行われるため、患者にとっても非常に大きな負担であり、QOL、生活の質を著しく低下させます。 また、人工透析の費用のほとんどが公費負担ですが、透析患者1人当たり月額約40万円、年間にして約500万円の医療費がかかるとも言われておりまして、社会保障費全体から見ても非常に大きな課題となっております。 糖尿病性腎症は、ある程度進行してしまうと、その後は、進行を遅らせることはできても、腎臓を元の状態に戻すことはできないとのことで、治療末受診者や治療中断者に対しての、早期介入、早期治療のための対策は非常に重要であります。 そこで、本市の透析予防のための糖尿病性腎症重症化予防の取組を中心に、以下、伺ってまいります。 まず、初めに、本市に糖尿病患者がどれくらいおられるか、本市の糖尿病患者の人数について伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 本市の国保加入者については、毎年、5月診療分のレセプトを基に疾病統計を作成しています。 その疾病統計により、糖尿病患者数と被保険者数全体に占める割合の過去3年の推移について申し上げます。 令和2年は、7,254人で11.5%、令和3年は、7,959人で12.7%、令和4年は、7,990人で13.0%となっています。 被保険者数は減少しているものの、糖尿病患者数は増加傾向にあります。 ◆15番(塩沢昭広君) それでは、本市の国保加入者の糖尿病患者の医療費について伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 本市の令和4年度1年間の国保医療費の状況で申し上げます。 被保険者全体の医療費総額、約218億7,000万円に対し、糖尿病にかかる医療費は、約13億5,000万円で、医療費総額に占める割合は、約6.2%となっています。 なお、同割合は、対前年度比で0.2ポイントの減となっております。 ◆15番(塩沢昭広君) 本市の糖尿病患者のうち、糖尿病性腎症により人工透析が必要となった患者について伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 本市の国保加入者の疾病統計から、糖尿病性腎症により人工透析が必要となった患者数と、糖尿病患者数全体に占める割合の過去3年の推移について申し上げます。 令和2年は、109人で1.5%、令和3年は、106人で1.3%、令和4年は、94人で1.2%となっています。 ◆15番(塩沢昭広君) それでは、糖尿病性腎症により人工透析が必要となった方の、その人工透析にかかる医療費について伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 糖尿病を起因とする人工透析の医療費について、過去3年間の状況で申し上げます。 令和2年度は、約6億6,000万円、令和3年度は、約6億1,000万円、令和4年度は、約5億9,000万円となっています。 ◆15番(塩沢昭広君) 糖尿病治療中断者に対し、受診勧奨対象者の抽出や、受診勧奨方法など、どのように受診勧奨を行ってきたのか伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 糖尿病の治療中断者に対する受診勧奨については、まず、福島県国民健康保険団体連合会が、過去1年間に治療歴がある患者のうち、直近6か月の間に治療歴がなく、治療を中断していると思われる方を抽出し、そのデータが本市に提供されます。 次に、本市において、そのデータを基に受診再開や国保の脱退などの確認作業を行い、対象者を絞り込んだ上で、一斉に受診勧奨通知を送付しています。 これにより治療中断者が医療機関を受診した場合には、医療機関から、保健指導情報提供書が市に送付される仕組みとなっています。 なお、この提供書が送付されず、また、レセプト上も受診が確認できない場合には、7地区保健福祉センターの保健師計44名が、家庭訪問等により指導を行うなど、受診へとつなぐための取組を実施しています。 ◆15番(塩沢昭広君) 仕事を持っている方や、血糖コントロールの数値の悪い方、また反対にかなりよい方、過去に治療中断した方などに多いとされる糖尿病治療中断者でありますが、その糖尿病患者のうち、過去5年の治療中断者は、どのようになっているか、その治療中断者の人数について伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) いわき市糖尿病性腎症重症化予防プログラムに基づき抽出した、過去5年間の糖尿病の治療中断者は、平成30年度は32人、令和元年度は85人、令和2年度は34人、令和3年度は84人、令和4年度は47人となっています。 ◆15番(塩沢昭広君) では、その受診勧奨の効果、治療中断者に対して、受診勧奨を行った結果、どのくらいの患者が受診につながったのか、過去5年のその割合について伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 受診勧奨を行った結果、受診につながった患者数とその割合について申し上げます。 平成30年度は、受診勧奨対象者32人のうち14人で、43.8%、令和元年度は85人のうち43人で、50.6%、令和2年度は34人のうち17人で、50.0%、令和3年度は84人のうち31人で、36.9%、令和4年度は47人のうち19人で、40.4%となっています。 ◆15番(塩沢昭広君) 思ったより効果が出ていると捉えております。 我が会派では、これまで継続的に取り上げてきました治療未受診者を含む糖尿病治療中断者対策について、レセプトデータを過去5年まで遡り、透析ハイリスク者も受診勧奨すべきと指摘してまいりました。 5年前に治療中断された方は、つまりはその後、5年間、糖尿病を放置している方であり、透析や糖尿病合併症のリスクが高く、一番早期にアプローチするべき方たちと考えております。 過去に治療中断者とされていて、現在、本市の受診勧奨のリストに抽出されていない方に対し、過去5年に遡って、治療中断者への受診勧奨を行うことについて、本市の所見を伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 治療中断者へ受診勧奨については、現在、受診勧奨による治療再開の可能性及び再治療の効果が高いと思われる、治療中断から1年以内の、全ての対象者に、受診勧奨を行えている状況にあります。 そのため、今後も現行の対象者を基本として取組を進めていく考えです。 しかしながら、一人でも多くの治療中断者を受診につなげられるように、今後は福島県国民健康保険団体連合会から提供されるデータを活用し、単年度の勧奨で受診につながらなかった対象者に対し、再度の受診勧奨を行うなど、より効果的な受診勧奨方法等について検討していきます。 ◆15番(塩沢昭広君) 患者のQOL向上や、医療費削減のための費用対効果も十分に受けられると思います。 ただいまの御答弁ですと、どのくらい遡るかという話はなかったかと思います。ぜひ、前向きな検討を要望いたします。 さて、受診勧奨で医療につながる人が本市では約40%程度とも聞いておりました。残りの方は毎年治療中断者として年数を重ね人数が増えていくので、受診勧奨を行う側の対応の強化も必要と考えております。 そこで、受診勧奨作業の主体である保健師さん等の業務負担軽減なども見込める、治療中断者の抽出から受診勧奨までの業務の外部委託を、第3期データヘルス計画に盛り込み、受診勧奨を進めることについて所見を伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 治療中断者の抽出から受診勧奨までの業務については、受診勧奨が必要となる対象者の数から、現行の体制で十分に実施できていると考えています。 また、医療職である保健師が行うことで専門性が担保でき、より効果のある受診勧奨ができているものと考えています。 このため、治療中断者への取組については、業務の外部委託の必要性は低いものと考えています。 ◆15番(塩沢昭広君) いろんな業務で重要な任務を担われている、多忙である保健師さん等のさらなる受診勧奨や体制の強化などのためにも、業務負担軽減も視野に入れながら、ぜひ、手厚い対応をよろしくお願いいたします。 続きまして、本市水産業への風評被害対策についてであります。 本年8月24日に開始された処理水の海洋放出は、重大な風評被害が懸念されましたが、本市に対する、ふるさと納税が大きく増えるなどのほか、日本全国から絶大な応援と励ましをいただいたと捉えており、その温かい思いにお応えし、いつかどうにかして恩返しをしていかなければと考えております。 今回の質問は、9月議会で準備をして組み立てた内容でありますが、約3か月が経過し状況の変化もあるかと思いますので、現在までの推移や今後の取組などについて伺ってまいります。 本市の水産業への風評被害対策についてであります。 まず、初めに、処理水の海洋放出に対する現時点での本市水産品などの売上げなど、把握している影響について伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) ALPS処理水海洋放出による影響等について、市中央卸売市場の卸売業者や、魚市場を運営するいわき市漁業協同組合、さらには市内の主な販売店に確認をいたしました。 その結果、現時点においては、ALPS処理水海洋放出の前後で、本市産水産物の取引量や取引価格に大きな変化はなく、目立った影響は生じていないものと伺っております。 しかしながら、ALPS処理水海洋放出は長期にわたりますことから、今後も取引量や取引価格などの状況について注視していく必要があると考えています。 ◆15番(塩沢昭広君) それでは、処理水の海洋放出後、ふるさと納税が伸びたその状況について伺います。 ◎総合政策部長(津田一浩君) 本市のふるさと納税は、ALPS処理水の海洋放出が決定された8月22日以降、寄附が急激に増加をいたしました。 中でも、常磐ものをはじめとする本市の水産物への返礼品の申込みが顕著に見られるようになりました。 また、寄附をお寄せいただいた方からは、食べて応援したい、漁業者の皆さん頑張ってくださいなど、水産業関係者を応援するコメントが多数寄せられました。 このことから、処理水放出に伴い想定された風評被害など、様々な困難に立ち向かう水産業関係者への心温まる支援の輪が、全国に広がったがゆえの状況であったと受け止めております。 現在、ふるさと納税は、処理水放出直後と比較して、やや落ち着きを見せておりますが、例年の傾向から見るとこれから年末に向け、増加していくことも予想されます。 市といたしましては、こうした支援の広がりを一過性のものとせず、人と人とのつながりを大切にしながら、引き続き、選ばれるまちいわきを目指し取り組んでまいります。 ◆15番(塩沢昭広君) 非常にありがたいことだと思っております。引き続き、よろしくお願いいたします。 それでは、確認の意味ですが、処理水の海洋放出後、悪影響が出ている事業者等について伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 市内の水産関係事業者に確認したところ、これまでに、目立った影響は生じていないものと伺っております。 しかしながら、今後も引き続き聞き取り調査を行うなど、海洋放出に係る影響の把握に努めてまいります。 ◆15番(塩沢昭広君) これから長く続く放出ですので、ぜひとも手厚い対応をよろしくお願いいたします。 今回の件で、大きく支援をいただいてきたその方法は、直接来市いただいた方も多くあると思いますが、大半がインターネットを活用した支援だと思います。今回いただいた御支援の絆を今後につなげていくために、ここを強化していくことが非常に大切だと考えております。 そこで、まず、インターネット等による情報発信の現在までの取組について伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 本市では、原発事故以降、風評対策事業として、本市産水産物の信頼及び販路や消費の回復を図るとともに、新たなファン層の獲得や拡大を図るため、インターネット等を活用し、様々な情報発信を行ってきております。 具体的には、市ホームページやSNS、動画配信サイトを活用した常磐もののPR、さらには、通販サイトいわきの逸品において本市産水産物の魅力発信や販売等を行っております。 ◆15番(塩沢昭広君) 私が見たところは、まだちょっと乏しいのかなと感じております。 通販サイトで利用率が非常に高いと言われるAmazonでは、消費者が利用する一番の理由は幅広い品ぞろえ、次いで、欲しい物が素早く見つかるなどとされておりまして、ニーズとして、この2点とも納得ができる内容と感じております。 そこで、インターネット等による情報発信のさらなる強化について所見を伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 本市では、原発事故以降、常磐ものに対する風評により、販売価格の低迷や買い控え等が発生したことから、発信力が強いインターネット等を活用した情報発信に努めてきたところでございます。 今般のALPS処理水海洋放出後、本市へのふるさと納税の申込みが増加し、また、市内外を問わず、常磐ものを引き続き購入したいといった多くの温かい激励の声をいただいております。 こうした常磐ものに対する関心が高まっている、この機会を捉えまして、豊洲市場の三陸常磐夢市楽座も活用しながら、SNSや各種メディアを通じて、常磐ものの安全性や魅力を発信していきます。 また、常磐ものブランド力強化発信事業により、主力商圏である首都圏飲食店を活用したプロモーション活動を行うとともに、各種試食会の開催や、バイヤーとの連携事業により常磐ものの風評払拭及び販路拡大に取り組みます。 ◆15番(塩沢昭広君) よろしくお願いいたします。 地元市民や近隣市町村等の方々の意識醸成につながるような、地域イベント参加等の取組強化について所見を伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) これまで、いわき七浜おさかなフェスティバルの開催や、いわき大物産展への出店などを通し、常磐もののおいしさや安全性を広く伝えるなど、風評払拭に努めてきました。 今般のALPS処理水海洋放出により、市民や近隣市町村等の方々の意識醸成が、さらに重要になってくるものと考えています。 このため、今後においては、地域住民の皆様や水産関係団体との連携の下、イベント等への参加につながるような、より一層の取組について検討してまいります。 ◆15番(塩沢昭広君) 担当課の職員の皆さんは、平日休日関係なく、PRなどに休みなく駆け回っていただいていると聞いていまして、その取組に敬意を表すところです。上手に地元の方たちを巻き込みながら、より多くの市民の皆様にも発信者になってもらう仕掛けなどを行ってほしいと願っています。 そこで、水産業の現況調査やPRなどのための体制の強化について所見を伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 今般のALPS処理水海洋放出開始を受け、不安を抱える市民の方々に寄り添い、きめ細やかな情報提供を実施するため、市独自に海域モニタリングを実施しております。 本市は、これまでにも風評払拭の取組として、市内の農林水産物等の情報提供や魅力発信のための部局横断的組織として、魅力アップ!いわき情報局魅せる課を設置し、様々な事業を展開しています。 海洋放出後、ふるさと納税の件数が増加し、常磐ものに対する消費拡大の輪が広がっている、このタイミングを捉えまして、農林水産業や観光業などの、垣根を越えた庁内一丸となったさらなる取組を進めます。 ◆15番(塩沢昭広君) よろしくお願いいたします。 続きまして、地元水産事業者の発信力強化についてであります。 私の好きな言葉に、一人の百歩より百人の一歩という言葉があります。現実には、一人の百歩も大切だとは思いますけれども、裾野の広い本市の水産事業者の多くの方が元気に事業継続していただけるためのサポートとして、地元水産事業者の発信力強化について、IT技術サポートや助言、助成などを行うことについて、所見を伺います。 ◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 地元の常磐もののおいしさを届けたいと願う水産事業者の皆様と、常磐ものを購入することにより本市を応援したいと考えている消費者の皆様をつなげるためには、水産事業者の発信力強化は重要な要素であると考えています。 しかしながら、個々の事業者による取組には限りがありますことから、まずは市全体の取組として、常磐もの公式ホームページや、いわき七浜さかなの日キャンペーン等において、常磐もののおいしさや安全性、また、事業者の紹介等を行うことが、有効であると考えています。 今後、さらなる発信力強化に向けましては、現在の取組を拡充するとともに、議員おただしのIT技術のサポート等による個々の事業者の意向調査等も進めながら、必要な対応策を検討していきたいと考えております。 ◆15番(塩沢昭広君) これまでも述べてきましたように、インターネットを活用した発信力の強化、非常に大切であります。ただいまも意識調査というお言葉もありましたが、地元水産業者の方の意識の醸成も含めて支援、また支援を必要とされている方への対応の準備も大切と捉えております。 本市の重要な基幹産業の水産業、10年、20年先を見据えての投資の視点を含めて、きめ細かい、丁寧な支援をどうかよろしくお願いいたします。 ここで、市長にお伺いしたいと思います。 今までの風評被害対策について、市長の思いをお伺いさせていただきます。 ◎市長(内田広之君) ALPS処理水放出の8月24日以降、全国からの応援の声はありがたいことだなと思っております。 そういった応援の輪を、我々も本当にうれしく感じているところではございますけれども、いわきの魅力をもっともっと発信をして、これからもそういった応援に応えられるように、おいしい、いわきの常磐もののPRに力を入れていきたいなと思っております。 それと同時に、現時点では処理水に関しまして、数値などにおきまして、影響、危険な値は出ていないわけではございますけれども、引き続きしっかりと監視を行いまして、問題がないように、今の状態が今後何十年間もしっかりと継続していけるようなことも並行して進めていきたいなと思っております。 ◆15番(塩沢昭広君) こういった温かい思いに恩返しになるような取組につながるように、どうぞよろしくお願いいたします。 続きまして、介護保険施設等の安全環境についてであります。 高齢化の進展に伴い、要介護高齢者の増加、待機者問題をはじめ、介護期間の長期化など、介護ニーズはますます増大している一方で、核家族化の進行、介護する家族の高齢化など、要介護高齢者を支えてきた家族をめぐる状況も変化しており、さらに老々介護やシングル介護、介護離職、介護鬱、独居高齢者の増加など、様々な問題が山積しており、介護保険施設の重要性は今後もますます大きくなっていくものと考えております。 一方で、施設側も賃金格差などを背景とした介護人材不足や施設の安全環境の整備など、様々な課題もあり、本市の安心できる安定した介護サービスの体制維持のためにも、枠組みの中で何ができるか模索しなければならないと考えております。 そこで、以下、伺ってまいります。 介護保険施設等の安全環境の整備についてであります。 まず、初めに、介護保険施設等における、事故報告の目的について伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 事故報告につきましては、国の基準に基づき、介護保険サービスを提供する施設に義務づけられています。 その目的は、報告された介護事故情報を収集・分析・公表して、広く介護保険施設等に対し、安全対策に有用な情報を共有することで、介護事故の発生防止・再発防止及び介護サービスの改善やサービスの質の向上に資することとしています。 ◆15番(塩沢昭広君) どのような事故が報告の対象となるのか伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 国の通知では、死亡に至った事故及び施設の勤務医等を含む医師の診断を受け投薬、処置等何らかの治療が必要となった事故について、原則として全て報告することとされています。 その他の事故の報告については、各自治体の取扱いによるものとされています。 本市においては、誤嚥、異食、誤薬、食中毒、感染症、失踪のほか、職員の不祥事等についても報告を求めています。 ◆15番(塩沢昭広君) 今、様々挙げていただきました。その中で、どのような事故が多いのか、その傾向について伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 令和2年度以降の事故報告件数は、令和2年度が、264件、令和3年度が、272件、令和4年度が、271件、令和5年度が11月末現在で、155件、合計962件になっています。 このうち、全体の75.5%に当たる726件が転倒などによる骨折事故となっています。 ◆15番(塩沢昭広君) それでは、挙げられてくる事故報告に対する本市の対応について伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 事故報告の内容は、整理分析した上で、市内全ての介護保険サービス事業所を対象に実施している集団指導講習会で説明し、情報共有を図っています。 具体的には、発生場所、要介護認定度、年齢及び事故の種類などについて、傾向を示しながら、事故防止の啓発に努めています。 また、重大な事故の事案に対しては、必要に応じて、訪問によるヒアリング調査や改善指導を行い、業務改善報告書の提出を求めるなど、再発防止に努めています。 ◆15番(塩沢昭広君) 手厚い確実な対応となっていきますよう、よろしくお願いいたします。 続きまして、失踪事故の防止対策についてであります。 いわき市防災メールや、POLICEメールふくしまなどでも行方不明者情報が発信されますが、認知症の利用者の失踪情報には心を痛める方も多くおられるかと思います。 本市において、その失踪事故はどの程度あるのか、令和2年度以降の失踪、離設の件数について伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 令和2年度以降の失踪件数は、令和2年度が、2件、令和3年度が、2件、令和4年度が、9件、令和5年度が11月末日現在で、8件、合計21件となっています。 ◆15番(塩沢昭広君) このうち、無事発見された方はどの程度いたのか伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 令和2年度以降の失踪件数21件のうち、19件が無事発見され、保護されています。 ◆15番(塩沢昭広君) 失踪対策などを含めた事故防止について、どのように取り組んでいるのか伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 介護事業所は、国の運営基準に基づき、事故の発生又は、その再発を防止するため、事故発生の防止のための指針を整備するよう義務づけられています。 また、同指針では、事故防止のための委員会の設置や、職員研修に関する基本方針などの項目を盛り込むこととされています。 そのため、市では、介護事業所の新規指定時などに、これら必要な項目が同指針に盛り込まれているかを確認し、内容に不備があった際は、改善するよう指導しています。 さらには、介護保険法に基づく運営指導を行う際に、同指針が適正に運用されているか確認し、必要に応じ、業務改善に向けた指導を行うなど、事故防止に向けて取り組んでいます。 ◆15番(塩沢昭広君) 事故の具体的な事例の当時の状況などを伺いますと、事故防止対策も非常に難しい場合もあるかと認識しています。 施設側の負担軽減につながる、もう一歩踏み込んだ本市の今後の対応について伺います。 ◎保健福祉部長(園部衛君) 介護保険施設等における事故の発生防止など、安全環境を確保するためには、利用者に対するサービスの質の向上とともに、働く環境の改善による介護職員の負担軽減が有効であると認識しています。 このため市では、介護職員の賃金改善のため処遇改善加算の取得を希望する事業者への助言や、離職防止を目的とする、職場環境の改善や職員のモチベーション向上に係る研修の実施等の取組を進めてきました。 また、小・中学生を対象に、介護の魅力を伝える出前講座を実施するなど、将来の介護の担い手確保に向けた取組にも注力してきました。 今後も、これまでの取組に加え、今年度から福祉コースが導入された高校等と連携し、出前講座等を通して、将来の介護福祉人材を育む取組を支援していきます。 さらには、介護現場における生産性向上の推進を図るため、介護ロボットやICTなどの先進技術を活用した研究を進める大学等と連携し、介護現場における職員の負担軽減に向けた新たな支援策の検討も進めていきます。 ◆15番(塩沢昭広君) ロボットなどの活用も大分進んできていると伺っております。市民の皆様が望んでおられる良好な介護サービス環境を、共につくり上げていくための取組の強化の検討をよろしくお願いいたします。 続きまして、排水路整備についてであります。 外城下都市下水路の整備についてであります。 勿来第一中学校の北側を流れる水路について、一部地図などでは、四時川用水路などとも表記されているようでありますが、正式名称は、外城下都市下水路とのことで、この水路は古くから農業用水等に利用され、市民生活に大きく貢献していましたが、いわき市の合併以降、農業用水としての利用が減少し、その後、市街化していく予想がされた区域であることから、市道西殿町2号線から主要地方道日立いわき線までを外城下都市下水路として、下水道の管理へと移管したものとうかがっております。 下水道に移管した後も、市民の皆様の命の財産を守るための重要な水路として機能しておりますが、今般の線状降水帯をはじめ、頻発・激甚化する水災害等を艦み、その重要性は、さらに高まっていくものと考えております。 私も以前から地元の方に、30年ほど前にも本水路の溢水による床上浸水があり、大雨等での増水時に水路に係る樹木や水路河床の堆砂などが断面を阻害し、同じように溢水する心配があるなどの相談をいただき、除草や枝打ちなどの対応をお願いしてきた経緯がある水路でもあります。 地元の方によると、以前から少しの大雨で下流側があふれていたとも言われており、また台風第13号のときは、この付近の上流でブロック塀を押し流すほどの大量の雨水がかなりの勢いで道路を流れており、そういった水が広い範囲からこの水路に流れ込んだのではないかと予想しております。 そこで、以下、質問いたします。 台風第13号における、本水路周辺の被害状況について伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 台風第13号による降雨により、外城下都市下水路の市道西殿町2号線から主要地方道日立いわき線までの区間において、溢水が発生しました。 このことにより、本水路周辺において道路冠水や、家屋の床上・床下浸水、また、水路ののり面崩落などの被害が発生しています。 ◆15番(塩沢昭広君) それでは、本水路の排水機能の強化・改善について所見を伺います。 ◎生活環境部長(渡邉一弘君) 外城下都市下水路については、枝線も含めた水路系統や利水状況などの調査を実施します。 その上で、これまでの被害状況を踏まえ、関係各所と連携を図りながら、排水機能の改善点などについて整理し、対応を検討します。 併せて、通水断面を確保するため、引き続き適切な維持管理に努めます。 ◆15番(塩沢昭広君) 現場状況把握されていると思いますが、下流に行くほど細くなっているような排水路でありまして、ちょっと大きな改善が必要かと私は捉えております。どうぞ、よろしくお願いいたします。 また、今回の台風第13号では、この外城下都市下水路のような、比較的小規模の水路が浸水被害などをもたらした例が多くあり、今後、水災害が頻発・激甚化していくことが予想されている中、いかに低予算で効果的な対策を数多く打っていけるかを考えなければならないと捉えております。 AIによる画像処理や簡易水位計などで根拠となる計測データを蓄積するなどして、的確に対策を打つためのデータ集積で先端技術も視野に入れながら、安心して住み続けられる治水対策の取組をどうぞよろしくお願いいたします。 以上を持ちまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)--------------------------------------- △散会 ○副議長(坂本稔君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。          午後5時03分 散会---------------------------------------...