いわき市議会 2023-06-05
06月05日-02号
令和 5年 6月 定例会 令和5年6月5日(月曜日)議事日程第2号 令和5年6月5日(月曜日)午前10時開議 日程第1 市政一般に対する
質問---------------------------------------本日の会議に付した事件 〔議事日程第2号記載事件のとおり
〕---------------------------------------出席議員(36名) 1番 川崎憲正君 2番 木田都城子君 3番 木村謙一郎君 4番 山守章二君 5番 小野潤三君 6番 長谷川貴士君 7番 吉田雅人君 8番 小菅 悟君 9番 高橋明子君 10番 菅野宗長君 11番 鈴木さおり君 12番 狩野光昭君 13番 永山宏恵君 14番 西山一美君 15番 塩沢昭広君 16番 柴野美佳君 17番 大友康夫君 18番 安田成一君 19番 平子善一君 20番 遠藤崇広君 21番 鈴木 演君 22番 馬上卓也君 23番 福嶋あずさ君 24番 坂本 稔君 25番 蛭田源治君 26番 菅波 健君 27番 小野 茂君 28番 塩田美枝子君 29番 田頭弘毅君 30番 赤津一夫君 31番 小野邦弘君 32番 佐藤和美君 33番 石井敏郎君 34番 上壁 充君 35番 佐藤和良君 37番 大峯英之君欠席議員(1名) 36番 樫村 弘君
---------------------------------------説明のため出席した者 市長 内田広之君 副市長 下山田松人君 副市長 藤城良教君 教育長 服部樹理君 水道事業管理者 上遠野裕之君 病院事業管理者 新谷史明君 代表監査委員 増子裕昭君 農業委員会会長 草野庄一君
選挙管理委員会委員長職務代理者 総合政策部長 山田 誠君 近藤英雄君 危機管理部長 大嶺常貴君 総務部長 小針正人君 財政部長 横張貴士君 市民協働部長 遠藤英子君 生活環境部長 渡邉一弘君 保健福祉部長 園部 衛君 感染症対策監 柴田光嗣君 こどもみらい部長 長谷川政宣君 農林水産部長 渡邊伸一郎君 産業振興部長 佐竹 望君
観光文化スポーツ部長 千葉伸一郎君 土木部長 草野光平君 都市建設部長 永井吉明君 会計管理者 中塚 均君 教育部長 松島良一君 消防長 谷野 真君 水道局長 則政康三君
医療センター事務局長 飯塚修一君 参事(兼)秘書課長 篠原 潤君 総務課長 中村 寛君
---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長 久保木哲哉君 次長 阿部伸夫君 総務議事課長 金山慶司君
総務議事課課長補佐 鈴木 潤君 主任主査(兼)議事運営係長 志賀祐介君
--------------------------------------- 午前10時00分 開議
○議長(大峯英之君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第2号をもって進めます。
---------------------------------------
△日程第1 市政一般に対する質問
△佐藤和美君質問
○議長(大峯英之君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。配付の質問通告表の順に発言を許します。32番佐藤和美君。 〔32番佐藤和美君第二演壇に登壇〕
◆32番(佐藤和美君) (拍手)皆さん、おはようございます。32番いわき市議会一誠会の佐藤和美です。 早いもので、2023年ももう6月です。これから、梅雨、暑い夏と気候が変わりますが、どうか皆さん、体調管理には十分気をつけてください。この暑い夏をこれから乗り越えてまいりましょう。 それでは、ただいまから、通告順に従い、市政一般に対する質問をいたします。 初めに、大きな質問の1は、
国民健康保険事業について伺います。 一般に、この6月定例会は、国保議会とも言われ、国民健康保険の収支見通しや、適切な国保税率の在り方について審議しているものですが、今回も、国保税条例の改正案及び国保会計の補正予算案が提案されております。
国民健康保険事業は、加入者の高齢化やそれに伴う医療費の増大、所得の低い加入者が多いことなど、構造的な課題を抱えているため、平成30年度に制度改革が行われ、都道府県と市町村が共同で保険者となり、都道府県が財政運営の責任主体となっております。こうしたことから、本市をはじめとする各市町村は、県及び市町村の共通の指針として県が策定した
県国民健康保険運営方針に基づき、国保事業を実施しておりますが、当該方針が令和3年3月に見直され、市町村ごとに異なる保険税率を、同一所得、同一世帯構成であれば、県内どこの市町村に住所を有していても、同一税率・同一税額とする県内統一保険税率の導入時期が令和11年度と伺っております。 そこで、以下質問いたします。 まず、1点目は、
国民健康保険事業の現状等についてです。
新型コロナウイルス感染症の影響による受診控えなどにより、一時的に医療費が減少していたものが、最近では、延期されていた手術が再開するなど、医療費が再度増加傾向にあるとの情報も耳にし、国保財政にも影響があるのではないかと思われます。 そこで、本市の
国民健康保険財政の現状は、どのようなものなのか伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 本市の
国民健康保険財政は、年金生活者や無職者など、所得の低い加入者の割合が高く、
国保税収入が減少しています。 さらに、被保険者の高齢化や医療の高度化等に伴い、1人当たりの医療費が増えるなどにより、実質収支は赤字の状態です。 この収支の赤字分を、国民健康保険基金で補填する状態が続いているため、基金残高は年々減少し、本市の国保財政は大変厳しいものとなっています。
◆32番(佐藤和美君) ただいまの答弁の中で聞きましたが、やはり国保事業を取り巻く環境は、大変厳しいものと認識いたしましたが、そのような状況の中、令和11年度の国保税率の県統一に向け、どのような課題があるのか伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 税率統一に向けた課題は、大きく2点あります。 1点目は、県平均と比較して高額となっている医療費の適正化や、県の目標値を下回っている国保税収納率の向上を図る必要があることです。 2点目は、応能応益負担比率の調整です。 所得に応じて課税する応能割、そして、被保険者数に応じて課税する均等割額と世帯に応じて課税する平等割額を合わせた応益割において、県の示す標準保険料率では応益割の比率が高くなっています。 特に均等割額は、本市の現行税率よりも高額であるため、統一時において、所得の低い方が大幅な負担増とならないよう、調整が必要です。
◆32番(佐藤和美君) 様々な課題があるとの答弁でしたが、それでも税率統一の時期は明示されております。市民生活への影響を最小限にすべく、円滑な統一税率への移行に向けた取組が必要と考えます。 そのような中、本定例会において、国保税条例の改正案が提案されておりますが、この改正内容を含め、2点目として、今後の国保事業運営について伺います。 まず、今回の国保税率改定の内容について伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 税率改定の内容は、応益割額を改定することとし、基礎課税額と
後期高齢者支援金等課税額、介護納付金課税額の合計で、均等割額を2,500円増額し、平等割額を300円減額するものです。
◆32番(佐藤和美君) では、税率改定の理由について伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 現行税率を据え置いた場合、本市国保財政は、令和5年度の実質収支において、約1億7,200万円の赤字が見込まれ、令和6年度以降も継続して赤字となる見込みとなっています。 さらに、現在保有している国保基金についても、ここ数年で枯渇する見通しとなっています。 加えて、県に納付する国保事業費納付金の見込みについて、県基金による軽減措置が実施されないおそれがあることや、県全体の医療費増に伴う負担増が危惧され、現時点の見通しより、さらに厳しくなる状況が想定されます。 このため、令和11年度の国保税率の県統一を見据えた中・長期的な視点に立ちますと、税率の大幅な引上げを回避するため、本年度において税率を改定することとしたものです。
◆32番(佐藤和美君) では、税率改定に際し、今回配慮した点について伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 税率改定に際しましては、
新型コロナウイルス感染症の影響や原油価格・物価高騰など、近年の厳しい経済状況に鑑み、市民負担の軽減に最大限努める必要があります。 また、保険税率の県統一に向け、統一時の急激な負担増を避けるため、市の応能応益負担比率を、県の示す標準保険料率の負担比率に近づける必要もあります。 このことから、改定に際し配慮した点は、大きく2つあります。 1点目は、低所得者への配慮です。 具体的には、応能応益負担比率に留意しつつも、応能割分の改定を行わないことで、応益割分の上昇幅を最低限度に抑えます。 さらに、令和11年度までに国保基金の全額を取り崩すことで、引上げ幅を抑制しました。 2点目は、急激な税負担増の回避です。 具体的には、今後、県が示す令和11年度の統一税率の姿がある程度判明した段階で再度調整することができるよう、令和5年度と令和8年度の2段階での改定とし、令和5年度の改定を最低限度としました。
◆32番(佐藤和美君) 被保険者への急激な負担増を回避するため、2段階での改定として、令和5年度の引上げ幅を最低限度にしていること、また、令和11年度を見据え、応能応益負担比率の調整をしつつも、基金の取崩しによる負担軽減率を継続して行うなど、市民負担の軽減に配慮されているものであり、今回の改定については、やむを得ないものと考えますが、国保制度の抱える構造的な課題、加入者の年齢構成だとか、所得の状況だとか、そういった部分は、市当局だけの努力ではいかんともし難い部分もあります。 そこで、国保財政に対する財政支援の拡充に向けた国への要望について、どのように考えているのか伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 国への要望については、国保運営の安定化に向け、これまでも全国市長会や
国民健康保険中央会などの全国的組織を通じて、財政支援の拡充に向けた要望を続けてきたところです。 今後も、あらゆる機会を捉えて、県や国保連合会など、各関係団体とも連携しながら、国に強く要望してまいります。
◆32番(佐藤和美君) さきの答弁にもありましたが、本市の国保事業を取り巻く環境は引き続き厳しい状況にあると思われます。令和11年度を見据え、財政安定化に向けた取組がますます重要となりますが、国保財政の安定化に向け、市はこれからどのように取り組むのか伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 医療費の増減が、翌年度以降の国保事業費納付金に影響するため、
ジェネリック医薬品の利用促進や保健事業の推進による疾病予防など、医療費適正化対策をこれまで以上に進めていきます。 また、歳入の根幹である国保税の収納率向上に努めることにより、今後とも、
国民健康保険事業の健全な運営に努めていきます。
◆32番(佐藤和美君) 令和11年度の国保税率県統一は、本市、国保財政に多大な影響を及ぼすものであります。 さきの答弁にもありましたが、税率統一に向けては、様々な課題があるものと認識しております。 今回、市当局からは、円滑な移行に向け、国保基金の全額取崩しと、本年度、そして令和8年度の国保税率の改定といった大きな方針が示されましたが、今後も引き続き、適時適切な対応が求められます。言うまでもなく、国民健康保険は、国民皆保険制度の最後のとりでとして、非常に重要な役割を担っています。 市当局においては、被保険者の方々が、将来にわたって安心して医療が受けられるよう、医療費適正化を強力に推進するとともに、収納率の向上に努め、今後も健全な財政運用に努めていただくよう、強く要望し、次の質問に移ります。 大きな質問の2は、常磐地区の諸課題について伺います。 常磐地区は、言わずと知れた本市観光の拠点地域です。 1,300年の歴史があるいわき湯本温泉、多くの家族連れなどでにぎわいを見せるスパリゾートハワイアンズ、かつて大いに栄えていた常磐炭鉱の歴史を今に伝えるいわき市石炭・化石館ほるるなど、多くの観光施設が立地しております。 しかしながら、東日本大震災や
新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより、湯本のまちは、大きな打撃を受けました。 町なかの一部では、空き店舗をリノベーションした新しい店舗や各種イベントの開催などにより、にぎわい回復の兆しも見受けられ、また5月のゴールデンウイークには、多くの観光客でにぎわいを見せていましたが、平日ともなると、歩いている人は少なく、依然として元気がない、活気がないといった状況が続いております。 一方、湯本駅前や温泉街では、行政と民間が一体となった新しいまちづくりが進められています。 これらの取組を着実に推進し、観光交流人口の増加につなげられないかという思いで、以下、質問いたします。 質問の1点目は、
常磐地区市街地再生整備についてです。 昨年6月に続いての質問になります。 湯本駅前にあった
市営住宅天王崎団地の解体を契機として、老朽化した公共施設の集約再編と連携しながら、市街地の再生を図るため、令和2年8月に、地区の関係団体と行政関係部署で構成するまちづくり検討会が組織され、昨年10月に、9つの具体的な取組を定めた基本計画が策定されました。 そこで、初めに、
常磐地区市街地再生整備基本計画の概要について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) 基本計画は、常磐地区の市街地再生の目標である、駅周辺の再編と交流空間の創出による市街地の再生を実現するための具体的な取組をまとめたものです。 湯本駅前のエリアにおいては、にぎわいや新たな交流が育まれる拠点の形成を目指します。 具体的な取組としては、
土地区画整理事業による湯本駅前の街区編成や駅前交通広場の整備、さらには、公共と民間の機能を複合的に導入する交流拠点施設と駐車場の整備を位置づけています。 加えまして、駅正面に位置する御幸山公園などの公共空間については、交流拠点施設との連続性を意識しながら、温泉観光地の玄関口として、シンボル性の高い魅力ある空間の整備を位置づけています。 次に、温泉街のエリアにおいては、歩きたくなる情緒ある温泉街と、個性ある魅力的な商店街の形成を目指します。 具体的な取組としては、風情ある温泉街の沿道景観と道路空間の整備、さらには、空き店舗のリノベーションや空き地を活用し、立ち寄りたいお店や場所を増やしていく事業などを位置づけています。
◆32番(佐藤和美君) 次に、
いわき湯本温泉ブランド戦略として作成を進めてきた
まちづくりビジョンブックについて伺いますが、まちづくりの専門家やまちづくり組織の方々が委員となった
いわき湯本温泉ブランド化作戦会議において、
いわき湯本温泉ブランド戦略の検討が進められ、去る4月27日には、市長に対して、
まちづくりビジョンブックが報告されました。 私も何度か、
地域ワークショップに参加しましたが、本市のシティセールス、フラシティいわきをプロデュースした
面白企画創造集団トコナツ歩兵団の渡部団長がファシリテーターとなり、エンターテインメントの視点を踏まえた、大変興味深いワークショップでありました。参加していた地域の皆さんからも、大変多くの意見が出ていました。 そこで、
まちづくりビジョンブックの目的について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) まちづくりは、そこに暮らす人、地域組織、民間企業、行政など、異なる立場の多くの人が関わり、進められていくことが肝要です。 観光拠点である常磐地区の市街地再生整備の取組についても同様です。 いわき湯本温泉を、温泉観光地としてブランド化していくためには、これらの取組が、共通の戦略的なビジョンをもって展開されることにより、魅力的なまちが実現します。 そのため、様々な分野にまたがる専門家の方々を中心に、温泉観光地としてのまちの在り方や、まちをデザインする考え方について検討を行い、まちづくりの土台となるビジョンブックを作成していただいたものです。
◆32番(佐藤和美君) 次に、
まちづくりビジョンブック検討のメンバーについて伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) ビジョンブックは、まちづくりの専門家とまちづくり組織とで構成する
いわき湯本温泉ブランド化作戦会議と、当会議主催の
地域ワークショップにおいて検討を重ねてきました。 まちづくりの専門家としては、本市のシティセールスをプロデュースした実績もある、
トコナツ歩兵団団長の渡部祐介さん。 海老名駅前開発などにも携わり、駅周辺のまちづくりの造詣が深い、建築家の滝口聡司さん。 ランドスケープを専門とし、大学の非常勤講師も務める、奥川良介さんの3名に御就任いただいています。 次に、まちづくり組織としては、
いわき湯本温泉旅館協同組合の薄羽理事長及びじょうばん街工房21の小泉会長の2名で、合計5名の方に御就任をいただいています。 また、観光まちづくりや地域経済、地域交通の分野のアドバイザーや、関係行政職員などで構成するサポートメンバーも会議やワークショップに参加し、検討してきました。
◆32番(佐藤和美君) それでは、
まちづくりビジョンブック検討の経過について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君)
いわき湯本温泉ブランド化作戦会議を設置した、昨年10月から本年3月まで、
地域ワークショップと作戦会議を毎月開催してきました。 前半は、湯本のまちの好きなところ、昔はあったよいところ、未来に残したいところなど、まちを見つめ直すワークショップや、まちの特徴を踏まえたビジョンの検討を行いました。 中盤からは徐々に、新しいまちをどうつくるのか、新しいまちで、自分ならどんなことができそうかなど、新しいまちを思い描くワークショップや、各エリアにおける人々の活動イメージの検討を行い、ビジョンブックの策定が進められました。 そして、終盤には、ビジョンブックのたたき台について意見交換が行われ、本年4月に、委員の皆様から、完成の報告を受けたところです。
◆32番(佐藤和美君)
地域ワークショップや、専門家による
ブランド化作戦会議において、これまで多くの議論が交わされたと思いますが、
地域ワークショップ等における意見について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君)
地域ワークショップでは、まちの好きなところ、訪れるところとして、温泉の泉質、温泉神社や中の寺、下の寺といった神社仏閣、まちの雑多感などに多くの意見をいただきました。 次に、まちに不足しているところとしては、日用品の買物場所、子供が遊べる場所、温泉街の風情などに多くの意見をいただきました。 さらに、自らがやりたいこと、できそうなこととして、SNSを活用した情報発信、空き店舗の活用、店先のちょっとした修景整備などの意見がありました。 また、
ブランド化作戦会議では、他のまちとの差別化を図るコンテンツや、歴史ある温泉を活用した取組の必要性などに関し意見をいただいています。 加えまして、駅前からの御幸山公園の見せ方や、急傾斜地を整備する際の注意点など、技術的な意見も含めまして、多岐にわたる意見をいただきました。
◆32番(佐藤和美君) では、
まちづくりビジョンブックの内容について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) ビジョンブックは、いわき湯本温泉を知っている人と、これから知る人へのメッセージで始まります。 そして、第1章では、湯本の
まちづくりビジョンを、自分の居場所、マイプレイスを思い描いて、それをつくることができるまちと掲げています。 また、ビジョンの下、つくる、あつまる、かせぐのサイクルを生む行動により、まちを持続的に運営していく考え方も示されています。 さらに、新しいまちのつくり方の考え方として、3つの日帰り温浴施設の開設を目指し、これらをつなぐように、マイプレイスを創造して、まちなかの魅力的な居場所を増やしていくことが提案されています。 第2章では、
地域ワークショップで上がった意見や基本計画の内容を基に、新しい湯本のまちに広がる風景を、イメージイラストと文章で紹介しています。 具体的には、駅前の開放的な風景、温浴施設と図書館の融合した姿やフラを練習する姿、温泉神社の表参道としての通りや路地空間での人々の活動などが描かれています。 第3章では、奈良・平安時代から続く温泉のまちとしての歴史や、これまでのまちづくりの系譜を紹介するとともに、将来にわたってまちづくりが続いていくことを示しています。 そして、まちづくりの主役である、湯本に関わる皆さんへ向け、行動することの大切さを伝えるメッセージが添えられており、終わりとなります。
◆32番(佐藤和美君) 次に、
まちづくりビジョンブックの活用方法について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) ビジョンブックでは、地域や民間、行政などがまちづくりの考え方を共有し、これを指針としながら、まちの魅力を育てていくために作成していただきました。 そのため、現在、地区で事業を営んでいる方、そこで暮らす人や訪れる人、学生や子供たちなど、このような方々が、今後、まちづくりについて考えていく際に、活用していただきます。 一方、基本計画には、行政が主体となって取り組む多くの公共空間の整備が位置づけられています。 また、ビジョンブックには、マイプレイスとして、公共空間における様々な活動が描かれています。 このため、ビジョンブックに示された考え方を計画や設計の下敷きとして、多くの方々と対話を重ねながら各事業を実施し、地域の皆さんで描いた、新しい湯本のまちの姿を実現していきます。
◆32番(佐藤和美君) 基本計画では、具体的な9つの取組が位置づけられており、おおむね10年先を目標に、行政と民間が連携しながら取り組んでいくとしています。 そこで、現在の取組状況等について何点か質問いたします。 初めに、
土地区画整理事業について、
市営住宅天王崎団地跡地やその周辺エリアを対象に、
土地区画整理事業が計画されております。 まず、
土地区画整理事業の実施に向けた、これまでの経過について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) 湯本駅周辺は、基本計画において、にぎわいや新たな交流を育む空間の創出に向けた、様々な取組を進めることとしています。 計画の実現に向けては、土地の再編により、点在する空き地や駐車場などの低未利用地を集約し、交流拠点施設や店舗等を誘導し、さらには、交通広場整備など、地区の環境を改善するため、
土地区画整理事業を導入することとしたものです。 また、事業導入に当たりましては、これまで、地域関係団体との意見交換や、地権者をはじめとした関係権利者の皆様との勉強会等を行いながら、合意形成を図ってきたところです。 現在は、事業実施に向けて、都市計画決定の手続を進めるとともに、事業計画の認可や国庫補助採択に係る、国・県との事前協議を進めています。
◆32番(佐藤和美君)
土地区画整理事業の対象地には、民有地も含まれております。店舗や住宅等が立地しておりますが、次に、権利者との合意形成の状況について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君)
土地区画整理事業の導入に当たりましては、令和3年度から関係権利者の皆様と事業制度に関する勉強会を実施してきました。 また、同時に個別面談を重ね、再建に向けた基本的な考え方や事業の進め方などについて、おおむねの御理解を得たところであります。 今後におきましても、権利者の皆様と丁寧な対話や、再建意向の確認を行い、土地を再編する換地設計に反映するなど、きめ細かな対応に努めます。
◆32番(佐藤和美君) 次に、今後のスケジュールについて伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) 今後は、今年度内の事業計画の認可に向けて、国・県との協議を進めるとともに、換地設計や、工事実施に向けた、道路及び交通広場の設計を行います。 また、来年度より、土地所有者に対する仮換地指定を順次行うとともに、建物等の移転補償や宅地整地、さらには、道路等の整備を進める予定としています。 今後におきましても、交流拠点施設整備等の各取組と連携しながら、事業を推進していきます。
◆32番(佐藤和美君) 基本計画では、湯本駅前が、人と情報のたまり場となり、多くのにぎわいや新たな交流が生まれる場所となるよう、民間と公共の機能を複合的に配置しながら、施設内外で居心地のよい交流空間を整備する。この複合施設は、観光地である常磐湯本町の拠点施設となるものであり、地域住民の皆さんの期待感も高いと感じております。 そこで、交流拠点施設における導入機能について伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) 交流拠点施設を整備する湯本駅前は、観光客をはじめ、日頃、鉄道やバスを利用される市民の皆様など、地域内外の多くの人々が行き交う玄関口です。 このようなことから、駅周辺には、単なる通過場所ではなく、多くの方々の立ち寄りや、地域住民や来訪者の交流が生まれる場所となることが求められています。 交流拠点施設につきましては、温泉とフラを生かしたにぎわい・交流の源泉づくりをテーマに、人のたまり場と情報のたまり場の2つのコンセプトのもと整備するものです。 具体的には、支所、市民会館、公民館、図書館、体育館の公共施設の機能を集約し、温浴施設やカフェなどの民間収益施設の機能を複合的に導入します。 これら機能の集約・複合化によりまして相乗効果を促し、みんなのたまり場となり、たくさんのにぎわいや新たな交流が生まれるきっかけの場所を創出します。
◆32番(佐藤和美君) では、これまでの検討状況について伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) 交流拠点施設の整備に向けましては、
常磐地区市街地再生整備基本計画に基づき、じょうばん街工房21をはじめとした地域の皆様と丁寧に意見交換を行い、検討を重ねてきたところであります。 具体的には、令和4年度につきましては、
いわき湯本温泉ブランド戦略の方向性を踏まえながら、施設の機能や規模などの概略を検討しました。 また、民間企業へのサウンディング調査などを通じ、施設の整備や管理運営に係る公民連携の導入可能性調査を実施しました。 調査の結果、本事業は、従来の公共事業の手法と比較して、民間のアイデアの活用や事業費などの観点から、公民連携の手法での実施が望ましいとの結果が得られました。 このため、今後につきましては、民間のアイデアやノウハウを最大限活用した公民連携の手法を導入し、取り組んでいきます。
◆32番(佐藤和美君) 次に、今後のスケジュールについて伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) 今後につきましては、民間のアイデアやノウハウを最大限に活用していくため、積極的に地域や事業者の方々との対話を重ねながら、事業を推進していきます。 本年度からは、事業者の募集に向けた実施方針、要求水準書などの検討・作成に取り組みます。 これらの取組に当たりましては、専門的な見地からの助言等が必要でありますことから、本定例会に、それらの経費を補正予算案として提出したところです。 令和7年度には、事業者の募集を開始し、その後、事業者の選定、設計、工事を進める予定としています。 令和12年度の供用開始を目指し、多様な人々が集い、憩い、そしてにぎわいや交流が育まれるような、湯本温泉に新たな魅力を生み出す拠点の形成に向け、取り組んでいきます。
◆32番(佐藤和美君)
土地区画整理事業の対象地でもある
市営住宅天王崎団地跡地については、事業実施までの間、地域のまちづくり団体であるじょうばん街工房21と協働による暫定的な利活用が進められておりますが、そこで、
市営住宅天王崎団地跡地の暫定利用の状況について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) 天王崎団地の跡地では、湯本駅前の事業が本格化するまでの期間においても、まちの活力を低下させないことを目的に、にぎわいや交流の創出に寄与する取組を実施することとしています。 昨年11月には、図書機能を有した集会所と広場を整備し、じょうばん街工房21を窓口として、各種利用が開始されています。 これまで、キッチンカーによるイベントや、子供たちのリフティング大会、地元若手の皆さんによるまちづくり勉強会などに活用されています。 また、読書を楽しむおばあちゃんや、お弁当を食べるサラリーマン、勉強や会話を楽しむ高校生の姿なども多く見受けられるようになりまして、地域の居場所としても浸透が図られてきました。
◆32番(佐藤和美君) 次に、常磐公民館、関船体育館や常磐市民会館等が立地する関船の公有地について、湯本駅前の交流拠点の整備後、地域住民生活の利便性の向上につながる取組を進めていくことが必要であると考えます。 そこで、これまでの検討状況について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) 市民会館等敷地の将来利活用につきましては、基本計画において、地域住民の生活利便性や快適性の向上につながる土地利用へ、転換を図ることとしています。 現在は、隣接する民有地も含め、地域ニーズの高い医療や福祉、商業などの民間開発の可能性について、企業へのアンケート調査及びヒアリングを実施し、事業スキームの検討を進めているところです。
◆32番(佐藤和美君) それでは、今後のスケジュールについて伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) 今後は、アンケート調査や企業ヒアリングの結果を踏まえながら、隣接する民有地の所有者の意向や、駅前の交流拠点施設整備の見通しなどを確認し、事業スキームを検討する中において、スケジュールも検討していきます。
◆32番(佐藤和美君) 公共施設移転跡地の利活用を図るためには、進入路となる市道栄田1号線が担う役割も大変重要なものと考えます。しかし、当該路線は一部狭隘な区間もあり、自動車の接触事故等も発生していると伺っています。 そこで、移転跡地への進入路となる市道栄田1号線の現状をどのように捉えているのか伺います。
◎土木部長(草野光平君) 市道栄田1号線の沿線には、住宅のほか、常磐市民会館や湯本第一小学校などの文化教育施設、関船体育館などのスポーツ施設が立地しています。 さらに、湯本第一小学校体育館と関船体育館は、避難所に指定されており、当該市道は、平時・有事を問わず、地域の皆様の生活を支える重要な道路です。 このうち、県道常磐勿来線から、これらの施設入り口までの延長約150メートルの区間の現状は、最小幅員が5.2メートルと狭く、歩行者や自動車が安全に通行するために必要な幅員が十分に確保できていない状況となっており、その対策の必要性は認識しています。
◆32番(佐藤和美君) 次に、移転跡地の利活用が図られる際には、現在よりも交通量が増加すると予想されることから、利活用が図られた後ではなく、利活用計画と同時進行で市道栄田1号線の整備を行うべきと考えます。 そこで、市道栄田1号線の整備に対する市の考えについて伺います。
◎土木部長(草野光平君) 当該市道の整備につきましては、市民会館跡地、及び隣接する民有地などの土地利用に伴う交通量の変化を踏まえた道路計画とする必要があります。 このことから、現在検討している事業スキームや、今後、策定される土地利用計画に併せ、本路線の整備に係る検討を行います。
◆32番(佐藤和美君) この項目の最後の質問になりますが、市街地再生整備の今後の進め方について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) 常磐地区の市街地再生整備は、いわき湯本温泉を舞台とした総合的なまちづくりであり、たくさんの方々に関わっていただきながら、進められるものです。 今後は、地域の皆さんと共に、ビジョンブックに示された考え方を指針として、基本計画に位置づけた取組を、着実に実施していけるよう、専門家を交えて事業全体をマネジメントしていきます。
◆32番(佐藤和美君) 今回、1年ぶりに
常磐地区市街地再生整備に関して、幾つか質問いたしました。 新しいまちづくりを進めるためには、まちづくりの基礎となる土台が必要です。今回の
まちづくりビジョンブックが、まさにこの土台となるものであり、基礎がしっかりすることで、地域の皆さんが思い描く魅力的なまちに近づいていくものと大変期待しております。 そして、このビジョンブックが描く将来のまちの姿の実現に向けて、地域のまちづくり団体であるじょうばん街工房21の役員有志の方々が発起人となり、まちづくり会社(仮称)株式会社ふらゆもりが、間もなく設立されると聞いております。このような地域の皆さんの取組に対し、心より敬意を表したいと思います。 一方、ワークショップなどに参加していない住民の方からは、取組が分からないといった意見も出されております。 今後、ビジョンブックの配布も予定されておりますが、単に配布するだけでなく、このビジョンブックをツールとして、多くの住民や事業者の皆さんと意見交換するような場を数多く設けていただきたいと思います。 また、基本計画に位置づけた9つの取組の実現に向けては、今回答弁いただいた都市建設部や土木部、総合政策部のみならず、観光や商業、市民サービス機能の再編などに関わる庁内多くの関係部署が自分事と捉え、しっかりと連携を図りながら、基本計画の実現に向け、一歩一歩着実に、また、スピード感を持って進めていただくことを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。 質問の2点目は、いわき市石炭・化石館ほるるについてです。 マスク着用の個人判断や海外からの渡航を制限する水際対策の終了、さらには
新型コロナウイルス感染症の5類への移行などを背景に、国内のみならず、海外からの人の流れも活発になってきました。 そうした中にあって、常磐地区の集客施設では、スパリゾートハワイアンズに次いで、入り込み客数が望める、いわき市石炭・化石館ほるるが休館となっていることは、地元住民はもとより、本市の観光にとっても大変残念なことであると思います。 そこで、初めに、石炭・化石館ほるるが、長期にわたり休館に至った経緯について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 令和4年3月16日に発生した福島県沖地震により、竪坑やぐら最上部鉄骨の損壊を確認したことから、改めて竪坑やぐら全体の安全性の確認が取れるまで、休館としたものであります。
◆32番(佐藤和美君) では、当該竪坑やぐらが、石炭・化石館ほるるに設置された経緯について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 竪坑やぐらにつきましては、昭和57年11月に開催された石炭・化石館建設に係る検討委員会において、市内最後の閉山となった常磐炭礦西部礦業所の竪坑やぐらをシンボルタワーとして移設することを決定し、石炭・化石館の開館に合わせ移設したものであります。
◆32番(佐藤和美君) 次に、竪坑やぐらの解体を判断した理由について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 休館した後、再開に向けては、安全性確認のため耐震診断が必要であることから、その結果を踏まえ、対応を決定することとしておりました。 しかしながら、作業員の安全確保及び最上部鉄骨の処分方法確認のため、塗膜の調査を実施したところ、鉛の含有が確認されました。 耐震診断の際に行う超音波探傷試験には、竪坑やぐら全体の塗膜除去が必要になります。 この保存を前提とした塗膜除去及びその後の補強には、解体の数倍の費用及び時間が見込まれました。 このことから、耐震診断の実施を断念し、やむなく解体を判断したものであります。 なお、竪坑やぐらにつきましては、3月に運用を開始しましたデジタルミュージアムのコンテンツとして保存したところであります。
◆32番(佐藤和美君) それでは、竪坑やぐらの解体に要する期間について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 竪坑やぐらの解体に要する工程については、現時点で、令和6年秋頃までと見込んでおります。 解体工事が長期間となる理由としましては、塗料に含まれる鉛の処分工程が多岐にわたること。また、設置場所が石炭・化石館の建物の上であるため、建物への影響についても配慮を要することなどが挙げられます。 なお、来場者の安全性が担保された段階において開館することも検討してまいります。
◆32番(佐藤和美君) 最後になりますが、常磐地区のにぎわい創出や本市観光、入り込み客数回復のためには、石炭・化石館ほるるは、なくてはならない施設であることは、論を待たないところです。 そこで、市として、石炭・化石館ほるるを今後どのように位置づけていくのか、その方針について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 石炭・化石館は昭和59年10月に供用を開始、その後の平成21年の展示替えリニューアルから既に14年が経過しております。 同施設は常磐地区のみならず、本市の重要な観光拠点施設であり、地域経済への波及効果は大きいものと捉えております。 観光拠点施設として、さらなる魅力アップのためには、再リニューアルが必要な時期であると認識しておりますことから、今後、同施設の在り方について、市公共施設等総合管理計画における位置づけを踏まえ、関係者の皆様と協議してまいります。
◆32番(佐藤和美君) 私は、常磐地区は、いわきの観光の中心地であると認識しております。そして、その中心に位置する湯本町にある石炭・化石館ほるるは、先ほどの答弁の中にありました昭和59年の開館以来39年間、市外から来られる方や、見学学習のために訪れる本市の多くの子供たちなど、市内外を問わず、来館者数約640万人と、市が所管する観光施設の中で最も多くの方々に訪れていただいているいわきの観光の中核をなす施設です。そのため、今後、リニューアル等、施設の在り方を検討する際には、さらに多くの方々に興味・関心を抱いてもらうことができるよう、例えば、本市の歴史や本市の発展に寄与された過去の偉人等にスポットを当てた機能の拡充など、本市の子供たちに郷土愛を育んでもらうことができるような視点に立った整備も必要なものと考えており、このような視点に立った石炭・化石館ほるるの早期リニューアルを強く要望いたします。 それでは、これで、私の市政一般に対する質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(大峯英之君) ここで、午前11時5分まで休憩いたします。 午前10時54分 休憩
--------------------------------------- 午前11時05分 再開
△木村謙一郎君質問
○議長(大峯英之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。3番木村謙一郎君。 〔3番木村謙一郎君第二演壇に登壇〕
◆3番(木村謙一郎君) (拍手)おはようございます。3番いわき市議会志帥会木村謙一郎です。以下、通告順に従いまして、一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、
国民健康保険事業についてです。 日本が世界に誇る国民皆保険制度の要である国民健康保険は、大改革の過渡期にあります。平成30年度から国保事業運営が都道府県単位となり、令和11年度までに行われる保険税率の県内統一まで、本市は国保事業の安定的な運営を目指して税率の決定などを行ってきました。 私たち志帥会では、これまでも毎年、6月定例会において、収支の見通しや国保基金の状況、また、令和11年度の税率統一を見据えた本市の税率の在り方などについて、市の考えや取組についてただしてきたところです。 昨年度は、厳しい社会経済状況などを鑑み、税率は据置きとなりましたが、議会での答弁においては、現行税率のまま運営を維持していくことは困難との考えが示されており、そうした中、今般、いわき国民健康保険運営協議会の答申を踏まえ、国保税率の改正、そして、本年4月からの制度改正事項を含む、条例改正案、そして、補正予算案が本定例会に上程されております。 そこで、以下、質問いたします。 1点目は、収支見通しについてです。 まず1つとして、昨年6月時点と比較した令和4年度の決算見込みについて伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 令和4年度の決算見込みについては、実質収支において、約2億円の赤字が見込まれます。 昨年6月時点の赤字見込額約1億3,500万円と比較しますと、
国保税収入の減などにより約6,500万円の収支悪化が見込まれます。
◆3番(木村謙一郎君) 次に、2つとして、現行の税率を据え置いた場合、昨年6月時点と比較した令和5年度以降の収支見通しについて伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 令和5年度以降の実質収支の見通しは、昨年度と同様に、保険税率が統一される令和11年度まで赤字が継続していく見込みです。 このうち、令和6年度・令和7年度の収支見通しについては、昨年度と比較し、さらに悪化しています。 この主な要因は、歳出における国保事業費納付金を、令和4年度中に県が示した、中・長期的なシミュレーションの数値に置き直したことによるものです。
◆3番(木村謙一郎君) いずれにおいても、昨年度と比較して収支が悪化するという見通しでございますので、令和11年度に向けた状況がまさに予想以上に悪い状況にあると受け止めさせていただきました。 昨年6月定例会において、本市の税率の在り方について質問をしましたが、市当局からは、現行税率の維持は困難であり、令和4年度中に県が示す令和11年度までの中・長期的なシミュレーションを踏まえ、適切な税率の在り方について具体的な検討を進めるとの答弁がなされております。 そして、今の答弁でも、令和11年度までのシミュレーションが示されたことが確認できました。 そこで、2点目として、令和11年度の税率統一を見据えた本市の税率の在り方について伺っていきます。 まず、1つは、標準保険料率についてです。 令和11年度の統一税率はいまだ示されておりませんが、その考え方については、県が毎年度、県内統一の算定方式により、市町村ごとに算定する標準保険料率と大きな相違はないと思われます。 そこで、1つ目として、県が示した令和5年度の本市の標準保険料率について伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 県の示す令和5年度の本市の標準保険料率は、基礎課税額と
後期高齢者支援金等課税額、介護納付金課税額の合計で、所得割額が11.84%、均等割額が5万866円、平等割額が3万2,130円となります。
◆3番(木村謙一郎君) では、2つ目として、本市の現行税率との差について伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 県が示す標準保険料率と本市の現行税率との差については、標準保険料率のほうが、所得割額で1.26ポイント、平等割額で1,770円それぞれ低くなっています。 一方、均等割額は1万5,166円高くなっています。 このため、標準保険料率を用いて、本市の国保税率を試算しますと、所得の高い方は負担減となる一方で、所得の低い方は大幅な負担増となります。
◆3番(木村謙一郎君) 均等割額が1万5,000円以上高いということですが、これは所得に関係なく、全ての被保険者が負担する部分ですので、仮に、このまま統一税率に移行した場合、大きな負担増になってしまいます。 本定例会に上程されている条例改正案については、こうした要因も十分に考慮した上での改定案になっているものと考えますが、そこで、2つとして、今回の国保税の改定について伺っていきます。 まず、1つ目として、税率設定の考え方について伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 令和11年度の国保税率の県統一を見据え、本市の応能応益負担比率を、県の示す標準保険料率の負担比率に近づけることが求められています。 このため、税率設定に当たっては、所得割額を据え置きながら、均等割額及び平等割額を調整することとしました。 具体的には、令和8年度時点で、標準保険料率と本市現行税率との差の2分の1を調整します。 その上で、まず前期として令和5年度に6分の1を、次に後期として令和8年度に6分の2を調整する税率設定としたものです。
◆3番(木村謙一郎君) 次に、先ほどの標準保険料率との比較では、所得割額・平等割額は低くて、均等割額は高い状況であるということでしたが、今回の改定案では、所得割額の引下げは含まれておりません。 そこで、2つ目として、所得割額を引き下げない理由について伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 所得割額の引下げを行った場合、本市の応能応益負担比率を、県の示す標準保険料率の負担比率へ近づけることが可能となります。 しかしながら、今回の改定では、所得の低い方の負担軽減に配慮するため、所得割額を引き下げずに、均等割額の引上げ幅を最小限に抑制することで、必要な税収を確保する税率設定としたものです。
◆3番(木村謙一郎君) 公平・公正な制度にするため、この辺の応能応益負担比率の調整というのは非常に難しくて、これまでもずっと苦慮されてきたんだということは理解しておりますけれども、いずれにしても、今回は、将来の税率改定にまで踏み込んで見通しを示したという点で、思い切った取組であったと受け止めております。 そこで、3つ目としまして、令和5年度と令和8年度の2段階での改定とする理由について伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 現在保有している国保基金が枯渇した場合、必要額を補うために、税率引上げによる大幅な負担増が見込まれます。 また、
新型コロナウイルス感染症の影響や原油価格・物価高騰など、近年の厳しい経済状況に鑑み、市民負担の軽減に最大限配慮する必要もあります。 このため、税率統一までの6年間を2期に分け、まず前期として、令和5年度に現時点で必要となる最低限度の改定を行います。 次に、後期として、税率統一後の姿がある程度判明する、令和8年度に再度改定の検討を行うこととしたものです。
◆3番(木村謙一郎君) 2段階改定の第1弾となります、令和5年度の税率改定については、答弁にもありました、必要最小限のものであるとのことですが、それでは、4つ目として、1人当たりどの程度引上げとなるのか伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 被保険者1人当たりの国保税額で比較しますと、現行税率では8万9,388円、改定後の税率では9万599円となり、1人当たり1,211円の負担増となるものです。
◆3番(木村謙一郎君) 私も国保についての質問を行うようになって、3回目になるんですけど、税率改定案が出された状況での質問は初めてになります。 基本的に国保財政は、非常に厳しい状況が続いておりますが、社会経済状況なども踏まえながら、本市として、ここ数年は特に基金を取り崩して、税率を据え置いてきたという状況でありました。 しかし、今回は、これまでのような基金での対応ではなくて、税率の改定という選択をしています。恐らく、今回の改定に関する議論においては、これまでのように基金を取り崩して、引上げをしない選択肢はなかったのかという意見が出されることは、容易に想定できます。 そこで、5つ目として、基金に残高がある段階で税率改定をする理由について伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 国保財政の収支見通しの基礎となる国保事業費納付金の見通しにおいて、県基金による軽減措置が実施されないおそれがあることや、県全体の医療費増に伴う負担増が危惧されます。 これにより収支は、現時点の見通しより、さらに厳しくなる状況となり、その場合、基金が枯渇する可能性があります。 このため、令和11年度の国保税率の県統一までの期間、基金の取崩しによる被保険者の税負担の軽減を継続しながら、基金が枯渇しないよう、安定的に国保事業を運営するために本年度において改定するものです。
◆3番(木村謙一郎君) 担当者の方と話をさせていただいて、今回の2段階の改定というのは、本当に苦渋の決断といいますか、絞り出してきた案で、何とか令和11年度まで安定的にやっていきたいという思いが酌み取れる改定になりますので、とにかく、令和11年度を見据えた安定的な国保制度の運営には、税率改定は避けられないといった状況にはなってしまったんですけれども、市民負担にも配慮して最小限度の改定を本年度は行うと。こうした市当局の判断については、やはりやむなしということになるのかなと受け止めております。 ただし、令和8年度における2回目の、第2段階の再度の検討を含めて、保険税率の県統一までの取組というのは、なお一層重要になってくるものと考えます。 そこで、3つとして、今後の取組について伺っていきます。 保険税率の統一については、県内の国保事業の統一的な指針となります、福島
県国民健康保険運営方針に規定されておりますが、この方針が本年度中に見直されると聞いております。 そこで、1つとして、福島
県国民健康保険運営方針の見直しについて、どのような見直しになるのか伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 現行の福島
県国民健康保険運営方針の対象期間は令和5年度で終了します。 このため、現在、県と市町村の代表で構成する市町村国保運営安定化等連携会議により見直しを進めています。 昨年度の同連携会議においては、次期国保運営方針に関する基本的な考え方が示されたところです。 1つとして、計画の対象期間は、令和6年度から令和11年度までとすること、2つとして、国保税統一に向けた取組を加速すること、3つとして、これまでの取組の成果や課題を踏まえ、収納率の向上、医療費適正化に向けた今後の取組を整理すること、4つとして、市町村の担う事務の標準化・広域化が図られる事務を検討することなどが挙げられています。
◆3番(木村謙一郎君) 県の運営方針の見直しというのは、本市の
国民健康保険事業の運営にも影響してくると考えますが、そこで、2つ目としまして、そうした見直しも踏まえ、市は今後、国保税率の県統一までの期間、どのように取り組んでいくのか伺います。
◎市民協働部長(遠藤英子君) 令和11年度の税率統一までの期間は、引き続き、被保険者の負担に配慮しつつ、国保財政を安定的に運営していく必要があります。 このため、県国保運営方針の見直しに際し、税率統一後の姿がしっかりと示され、また被保険者に過度な負担が生じることのないよう、連携会議の場などにおいて求めていきます。 併せて、今後も令和11年度に向けた収支見通しを毎年度見直し、国保財政の状況を分析するとともに、それを踏まえた医療費適正化や収納率向上を図り、安定した国保財政の運営に努めていきます。
◆3番(木村謙一郎君) これまでも県のシミュレーションだったり、令和11年度までのそういう姿というのはなかなか見えなくて、その中で苦労しながらやってきたんですけれど、今回、運営方針の見直しというのは、恐らく令和8年度という次の大きなステップに向けて、最後のチャンスといいますか、県にしっかりと示してもらうタイミングになると思いますので、答弁にもありましたように、令和11年度の姿というのを、県がしっかりと見直しで示してくれるように、しっかりと要望していただきたいと思います。 これまで国保事業の質問を行ってきて感じるのは、国民皆保険の要でもある国保の制度疲労が大分深刻な状況にあるという点です。そのような中、市当局は様々な状況を考慮しながら、公平で、適正な国保の在り方を維持し、そして、令和11年度の税率統一を円滑に迎えるために、非常に苦労してきたと認識しております。 こうした現状に対して、私たち市民も、まずは国保制度が非常に厳しい状況にあることを自覚し、そして、答弁にもありましたが、医療費の適正化等の取組が制度に与える影響について、これまで以上に真摯に向き合う必要があると考えます。 いずれにしましても、今回は、令和11年度の税率統一を見据え、本市の税率の在り方として、被保険者の負担を軽減し、円滑に税率統一を迎えられるよう、2段階での税率改定案が示されております。これを是とするならば、第2弾の見直しとなる令和8年度が次の大きな節目になります。 市当局においては、引き続き、安定した国保制度の運営に取り組んでいただくことを要望し、併せて、市民の皆さんが健康であることの重要性についても認識をさらに深めていただくことを期待しまして、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、逃げ遅れゼロの実現に向けた取組についてであります。 先週も、台風2号の被害によりまして、被災された皆様、そしてお亡くなりになられた方にお見舞いとお悔やみを心から申し上げたいと思います。 2年連続で被災された地域もあるとのことで、心中を察するに余りあるものがあるんですけれども、我々もこうした状況を決して対岸の火事ではなくて、明日は我が身という思いを持って、災害対策に取り組んでいくことが必要であると、改めて強く感じた次第であります。 そうした点も踏まえて、伺っていくんですけれども、これまで、私は何度か自動車避難について質問をしてきました。 それは、主に地震発生時における自動車避難に関するもので、避難するための時間が非常に短い津波発生時に、どうすれば、みんなが無事避難できるかという思いから始まっております。 一方で、大雨による河川の洪水時などは、比較的避難のための時間が確保しやすく、地震発生時とは異なる視点で、自動車避難のルール化や必要な施設等の整備に取り組んでいく必要があると考えます。 こうした点を踏まえると、内田市政が目指す逃げ遅れゼロの実現には、災害の種類や特性、あるいは、市内の地理的な条件なども考慮しながら、各種取組を進めていくことが重要との観点から、以下質問いたします。 まず、1点目は、河川洪水時における自動車避難についてです。 1つとして、令和元年東日本台風災害を踏まえ、本市における河川等洪水発生時における避難の基本的な考え方について伺います。
◎危機管理部長(大嶺常貴君) 河川洪水時における避難は、直ちに避難が必要となる津波災害時と異なり、気象状況や河川の水位等により、あらかじめ災害を予測することが可能です。 避難に際しては、災害の発生時を前提に、早めに浸水想定区域の外にある、安全な親戚や知人宅、または高台等に避難する水平避難が基本となります。 また、移動が困難な場合などで、近隣に頑丈な高い建物がある場合には、浸水のおそれの少ない2階以上に垂直避難することを推奨しています。 なお、夜間や、既に危険が迫っていて屋外への避難がかえって危険な場合には、自宅の2階など建物の安全な場所に屋内退避することになります。
◆3番(木村謙一郎君) その基本的な考えを踏まえながら、これから伺っていくんですけれども、車社会である本市においては、自動車を被災させないことは重要な課題であると認識しております。 また、プライバシーやペットの問題などから、自動車は避難スペースの確保という点で有効なツールにもなり得ます。 さらには、一昨年の福島県沖地震の際には、感染症への懸念という別の要因で、車中避難を選択した方もいらっしゃいました。 こうした点を踏まえると、自動車による避難を選択する人が今後も増える可能性が高く、自動車避難の受皿となる施設の整備が重要になってくると考えます。 そこで、2つとして、本市においては、洪水発生時において、高台等にある公共施設や民間事業者が所有する敷地、建物等を、自動車を活用した緊急一時的な避難場所として整備する取組を進めておりますが、その内容はどのようなものか伺います。
◎危機管理部長(大嶺常貴君) 令和元年東日本台風災害では、多くの自動車が被災し、その後の生活再建に支障が生じました。 このことを踏まえ、令和3年度から、大切な財産である自動車を活用して、高台等の安全な場所へ避難する取組を進めています。 具体的には、広範囲にわたって浸水し、近くの高台等に避難場所がない地域を対象として、民間事業者等が所有する高台の駐車場等を、災害時緊急一時避難施設として確保するものです。 これまで、令和元年東日本台風の被災地区を対象に、市フラワーセンターを新たな避難場所として指定するとともに、好間工業団地内の18の事業者と協定を締結し、市が所有する土地と併せて約1,560台分の駐車スペースを確保しました。 また、先月19日には、株式会社ドームとの間で、ドームいわきベース及びいわきFCパークの駐車場等を使用する協定を締結し、常磐地区初となる約390台分の駐車スペースを確保したところです。
◆3番(木村謙一郎君) 次に、そうした災害時緊急一時避難施設は、主に民間の施設を使用することになりますので、災害発生時に、施設が最大限の効果を発揮できるように、開設の手順や受入れ方、あるいは開設後の運営方法などについて、しっかりと準備をしておくことが必要と考えます。 そこで、3つとして、災害時緊急一時避難施設の運用について、どのような事前の準備を行っているのか伺います。
◎危機管理部長(大嶺常貴君) 本避難施設の使用に係る協定では、使用可能なスペースや附帯設備、災害時における開設・運営のルール等について定められています。 主な内容としましては、災害発生時には、市からの要請に基づき開設し、避難者の受入れ等は事業者が主体となって行うこと。使用期間は、原則として発災から3日以内とし、長期の避難が必要な場合には、避難者に市の指定避難所に移動していただくこと。食糧や飲料水は避難者に持参していただくことを原則とし、トイレ等の設備については、可能な範囲で事業者からお借りすること等となっています。 このことに加え、市と民間事業者との間では、毎年度初めに、緊急時の連絡先を交換するとともに、市総合防災訓練等において、開設手順等の確認を行っているところです。
◆3番(木村謙一郎君) 災害時に、実際にこうした施設が効果的に活用されるためには、今答弁にあったようなこと、施設の役割や用途など協定の内容も含めて、しっかりと住民に知ってもらうことが重要と考えます。 そこで、4つとして、住民への周知についてはどのように取り組んでいるのか伺います。
◎危機管理部長(大嶺常貴君) 市では、当該一時避難施設の場所や使用ルール等について、市公式ホームページに掲載するとともに、地域の皆様に対しては回覧により周知を行いました。 また、昨年7月の市総合防災訓練において、好間工業団地内の事業者の協力の下、自動車避難訓練を実施し、当該避難施設の利用方法等について、周知を図っているところでございます。
◆3番(木村謙一郎君) 自動車が災害時、あるいは災害後の生活再建などにおいて、非常に重要なツールになっていることは、これは受け止めざるを得ない現実だと思います。 そうした点を踏まえれば、避難する時間的余裕が持てる河川洪水時においては、災害時緊急一時避難施設のような自動車避難の受皿をさらに拡充していくことが必要と考えます。 そこで、5つとして、自動車による高台等への避難を、他の浸水想定区域においても推進していくべきと考えますが、市の所見を伺います。
◎危機管理部長(大嶺常貴君) 災害発生前に自動車を活用して避難することは、市民の早めの避難につながるとともに、避難後のプライバシーが確保できるなど避難環境の向上にも寄与するものと考えています。 このことから、市といたしましては、民間事業者等と連携した取組をほかの浸水想定区域にも拡充できるよう、関係事業者等と協議していきます。 また、協定締結後は、多様な広報や防災訓練の実施を通じて地域住民への周知徹底を図り、逃げ遅れゼロの実現につなげていきます。
◆3番(木村謙一郎君) 河川洪水時の自動車避難について伺ってきましたが、やはり大原則として重要なのは、雨の降り方や河川の水位等を見ながら、とにかく早めに避難行動を取るという点にあると思います。 この点が徹底されないと、やはりこうした自動車による避難の準備を進めても、渋滞を発生させるなど思わぬリスクを生み出すことも想定されます。 こうした自動車避難の受皿を充実させていくことで、例えば、何も持たずに避難してきた方への食料や飲料水の提供の問題であったりだとか、トイレの問題など、新たな課題というのも発生することが予想されます。 こうした点については、今後の防災訓練などを通じた課題の洗い出しをしっかり行っていただいて、より精度の高い仕組みとして構築していくよう要望いたしたいと思います。 次に、2点目の質問は、災害時における学校の校舎活用についてです。 逃げ遅れゼロを実現するには、多重の備えをしていくことが必要です。 ここまでは、河川洪水時における自動車避難について伺ってきましたが、移動手段を持たない高齢者や、何らかの想定外の事態が発生するなどして、逃げ遅れた方の最後のとりでとして、自宅の近くに垂直避難が可能な施設を準備しておくことも必要と考えます。 そこで、1つとして、河川洪水による浸水が想定される地域において、学校の校舎を活用した垂直避難について、市はどのような認識をお持ちか伺います。
◎危機管理部長(大嶺常貴君) 河川洪水時の避難は、気象状況等を踏まえ、早めに浸水想定区域の外へ避難することを基本としていることから、市では、これまで浸水想定区域内の学校等を避難所等として開設はしておりません。 しかし、広域に浸水被害が想定され、かつ近くに高台などの避難場所が確保できない地域においては、移動手段を持たない方の逃げ遅れ等の発生リスクがございます。 このことから、市では、逃げ遅れた方の命を守る最終手段として、浸水想定区域内の学校の校舎を、緊急かつ一時的な垂直避難のための施設として確保することとしたものです。
◆3番(木村謙一郎君) 逃げ遅れゼロを実現するためには、校舎等を活用して、浸水区域に垂直避難できる施設を整備していく必要性はあると受け止めさせていただきました。 しかし、一方で、そうした施設が自宅の近くにあることによって、住民の避難行動を鈍らせるリスクも考慮しなくてはならないと考えます。 そこで、2つとして、垂直避難できる場所を確保する際には、リスク等を認識しながら、施設の役割について、しっかりと住民に周知していくことが必要と考えますが、市の所見を伺います。
◎危機管理部長(大嶺常貴君) 今回の校舎活用は、河川洪水発生時に逃げ遅れ、自宅等での垂直避難もできない方の命を守る最終手段として利用できる施設として位置づけております。 このことから、地域住民に対しましては、河川洪水時の避難は、隣近所が助け合い、浸水想定区域の外へ早めに避難することが基本となること、一時的な滞在を目的としており、十分な備蓄品等は整備していないこと、浸水により自動車被災の可能性があることなど、当該避難施設の開設目的や利用時のリスク等について、多様な機会を通じて周知を図っていきます。
◆3番(木村謙一郎君) ぜひよろしくお願いします。避難所は避難場所とは違う施設だということをしっかりと認識した上で、整備を進めていただきたいと思います。 次に、学校はトイレの洋式化も進められておりますし、避難する場所としては、比較的環境が整っている施設と言えますが、実際には様々な課題があり、校舎の利用は進んでいないという実態があります。 そこで、3つとして、執行部としては、災害時における学校の校舎活用について、具体的にどのような課題があると認識しているのか伺います。
◎危機管理部長(大嶺常貴君) 災害時に学校の校舎を活用する場合の課題としては、教育活動の継続に支障があること、備品や個人情報の保全など防犯上の問題、避難スペースの分散による避難者への対応や健康管理を行う運営スタッフのさらなる確保などが挙げられます。
◆3番(木村謙一郎君) では、そうした課題を踏まえながら、災害時における学校の校舎の活用を進めていくために、今年度はどのような取組を行うのか伺っていきたいと思います。 まず、1つ目として、校舎の活用に向けて、市はどのように取り組む考えか伺います。
◎危機管理部長(大嶺常貴君) 今年度は、令和元年東日本台風で被災し、昨年度から地区防災計画策定に取り組んでいる下平窪地区をモデル地区として、7月の市総合防災訓練において、校舎を活用した訓練を実施します。 具体的には、地元の行政区と自主防災組織、登録防災士、学校等と連携し、浸水想定区域内にある平第四小学校の校舎を活用して、垂直避難訓練を行う予定です。 これまでに、その準備として、地元の行政区と自主防災組織及び学校への説明を行うとともに、登録防災士を対象とした避難所の開設・運営手順や、市の備蓄品の使用方法等について理解をいただくための研修会を開催しております。
◆3番(木村謙一郎君) 次に、2つ目として、実施に向けた体制づくりをどのように進めていくのか伺います。
◎危機管理部長(大嶺常貴君) 実施に向けた体制として、運営の主体となる地元の行政区と自主防災組織をはじめ、施設管理者である学校、市登録防災士、市職員などからなる運営組織を設置していきます。 これにより、平時から顔の見える関係を築きながら、避難場所として使えるスペース、校舎利用の条件、発災時の役割分担等を協議し、学校単位の避難者受入れに係るルールを検討していきます。 これらの内容を踏まえ、防災訓練を実施し、課題等を検証した上で、必要に応じて見直しを行い、迅速かつ確実な避難体制を構築していきます。
◆3番(木村謙一郎君) モデル地区における取組の鍵になるのは、今ありました、事前に避難所運営の在り方というのを様々な関係者で話し合っておくことにあると思います。そうした中で、共助や自助を生かしながら、公助に頼らない避難所運営を目指していく。この点が非常に注目すべき取組なのかなと受け止めております。 そこで、5つとしまして、こうしたモデル地区の取組は、一般の避難所においても、公助に頼らない避難所運営の在り方として、今後取り組んでいくべき課題と考えますが、市の所見を伺います。
◎市長(内田広之君) これまで、避難所の運営は、市職員が中心となって行ってまいりました。 しかし、これまでの大規模災害時におきましては、市職員が避難所に到達できない場合があること、被害状況の確認・調査、被災者への対応等が求められることなどから、市職員による避難所の運営が困難を来した経験がありました。 このことから、大規模災害時に避難所を迅速かつ円滑に開設・運営するためには、市職員、施設管理者、そして自主防災組織をはじめとする、地域の方々とが一体となった避難所運営が重要でありまして、平時からの備えが必要と考えております。 このため、市総合防災訓練における避難所開設訓練では、自主防災組織や地域住民の方々による、市民参加型の訓練を実施しまして、共助力の強化に努めております。 一方で、現行の市避難所運営マニュアルでは、施設管理者や自主防災組織等の役割が明確となっていないことから、適切な避難所運営体制の構築に向けまして、今後、必要な見直しを行っていく考えでございます。 これにより、自助・共助・公助の連携による防災力の強化を図りまして、逃げ遅れゼロ、災害死ゼロの実現を目指していきます。
◆3番(木村謙一郎君) 実際の災害では、市の職員の方、なかなか難しいんですね。マニュアルでこうした方がこの際には、例えば、私の地区で言えば、地区の災害対策本部に来ると決められてはいるんですけれども、災害が大きくなればなるほど、それが難しくなると。そうすると、共助・自助で何とか避難所を運営をしていかなくちゃいけない。これは、東日本大震災から、その後のいろいろな災害でも得られた教訓だと思いますので、今ほど、マニュアルの見直しという答弁もございましたので、しっかりと見直していただいて、適切な避難所運営ができるように。特に、公助に頼らないというところですね。職員さんが万が一来られなくても、しっかり地元で回していける避難所の運営。こうした体制を確立するために、しっかりと取組を進めていただきたいと思います。 今回のモデル地区の取組というのは、災害時における校舎の利活用の推進、そして、今話をさせていただいた、公助に頼らない避難所運営の在り方という2つの点において、非常に重要な意義を持つ取組になるのかと思います。 下平窪地区の皆さんがモデル地区で取り組むということですが、被災された地域でありますので、いろいろな知見、教訓を持っていらっしゃる地区の皆さんだと思いますので、そうした地区の皆さんの取組が、本市における安全な避難体制の構築につながり、そして、内田市政の目指す逃げ遅れゼロの実現に大きな役割を果たす取組となることを期待しまして、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、循環型ワーキンググループIWAKI NEXTについてです。 この取組は、市役所の風土、体質を変え、業務の改革や改善を当たり前に行う組織に生まれ変わるためのものであり、内田市政が進める構造改革の鍵を握る大変重要な取組であると受け止めております。 昨年8月に3つのワーキンググループを設置して、取組を行い、今年の3月には各グループの活動報告も行われたということですので、現時点における事業の効果や今後の展望等について伺っていきたいと思います。 1点目は、取組の効果についてです。 循環型ワーキンググループIWAKI NEXTは設置に際して、3つの特徴的な取組を行うとしておりました。 それは、人材の強化と循環、多様な働き方の推奨、そして副業制度の実証とされております。 そこで、まずは、その3つの取組、狙いに対して、どのような効果や知見が得られたのか伺っていきます。 まず、1つとして、若手職員と中堅職員によるハイブリット方式でのワーキンググループでの取組を行ってきましたが、この点に関する効果をどのように捉えているのか伺います。
◎副市長(下山田松人君) ハイブリット方式の効果の検証に当たり、まず、活動後のメンバーに対するアンケート調査の結果から、関連深い主な意見を紹介させていただきます。 中堅職員からは、リーダーを経験することで、マネジメントの大切さ、重要さ、大変さなど、知識や見識が得られたとの声がありました。 若手職員からは、経験年数や部局を超えた活動で、視野が広がった。自発的に考え、アウトプットする経験ができ、自信がついたなどの声がありました。 これらのことから、制度設計時に期待していた効果である、中堅職員のマネジメント能力の向上と、若手職員のスキルアップについては、十分な成果が得られたものと捉えております。 また、今後、現れてくる効果として、循環による改革意識の拡大が挙げられます。 具体的には、3つを想定しております。 1つには、中堅職員が、マネジメント能力を発揮し、職場内に改革意識を醸成していくこと。2つには、その職場から、新たなワーキンググループメンバーが輩出されること。3つには、若手職員が、次のグループリーダーへと成長し、新たなメンバーを育てていくことであります。 これらを循環させ、改革の機運をより一層高めていくことで、ハイブリット方式による効果が最大化するものと考えております。
◆3番(木村謙一郎君) 非常に丁寧な答弁ありがとうございます。この取組の狙いというのが非常に分かりやすく、答弁いただきましたし、その効果が得られたということで、非常に安心しております。 次に、ワーキンググループに参加した職員にとって、所属の本来の業務がある中で、ワーキンググループとしてのミッションに取り組むには、働く場所や時間の取り方などの工夫が必要であったと思います。 そこで、2つとして、グループによる活動の頻度や費やした時間、主な活動場所など、具体的なワーキンググループの活動状況はどのようなものだったのか伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) 活動は、1週間のうち1日をワーキンググループに専念する日として認定したところであります。 昨年度は、通算で27日間を本来業務として活動に従事しました。 活動場所は、サテライトオフィスや自宅でのテレワークを活用いたしました。この点に関し、メンバーの満足度は非常に高く、活動を通じて、多様な働き方の実現に向けた効果的な実証にもつながったものと捉えています。
◆3番(木村謙一郎君) 次に、今回の取組は、市役所内の副業という位置づけで、副業制度の本格導入に向けた課題等を検証することも目的として行われております。 そこで、3つとして、今回の取組により、副業制度の導入に向けてどのような課題が見えてきたのか伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) 副業制度の導入に向けた課題を3点申し上げます。 1点目は、メンバーが所属している部署の本来業務への影響です。 ワーキンググループに従事することにより、本来業務に従事する時間が減少することになります。 活動後のアンケート調査では、本来業務の負担が増加したと感じている同僚が複数名いることが確認されました。このため、業務の一層の効率化や業務配分の調整などにより、副業との両立ができる職場環境を整える必要があります。 2点目は、所属している部署の上司や同僚の理解の促進です。 アンケート調査の結果では、ワーキンググループの活動内容が十分には理解されていないことが確認されました。お互いに納得感を高めながら活動していくためにも、丁寧な情報発信が不可欠であると認識したところであります。 3点目は、リモート環境の整備です。 アンケート結果から、副業を実施するに当たり、テレワークやサテライトオフィスの活用が効果的であることが確認されました。 副業制度を本格導入するに当たっては、活動の基盤となる機器や場所の整備が必要になるものと認識しています。
◆3番(木村謙一郎君) 今あったような課題が見えたというのは、1つ大きな収穫だと思っておりますので、ぜひこの取組を続けていく中で、そうした課題に対する解決策なども模索しながら、取組を進めていただきたいと思います。 IWAKI NEXTが目指した3つの特徴的な取組については、市役所という組織の体質を変え、構造改革をさらに推進していく上で、答弁でもありましたように、成果と課題が見えたと。本当にこれは非常に有意義な知見が得られたのではないかと理解しております。 一方で、この取組を行うために設定された具体的な3つのミッションについても、それぞれが重要なテーマであり、その達成状況についても、確認したいと思っております。 そこで、2点目は、各グループの成果についてです。 まず、1つとして、Iwaki Standardグループの成果について伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) Iwaki Standardグループは、庁内共通業務の効率化に挑戦しました。 職員の生産性を高め、本来、注力すべき各課の固有業務に十分な時間を確保すること、それにより、市民サービスの向上につなげることを目的として活動したものであります。 具体的には、昨年5月に実施したセルフチェックで寄せられた多くの改善提案をひもとくことから活動をスタートさせました。 これまで誰も成し得なかった膨大で地道な作業が続きましたが、粘り強く、熱意を持って活動を継続しました。 その結果、本年3月、文書管理や庶務事務など庁内共通業務の効率的な働き方を示した行動マニュアルを作成したところであります。 グループのメンバーからは、達成感を抱きつつも、作成がゴールではない、活用されなければ成果につながらないとの声も聞かれています。 この思いをしっかりと受け止め、マニュアルが効果的に活用されるよう、あらゆる機会を通じて、庁内への浸透を図っていくこととします。 併せて、時代の変化に対応して、随時、更新・進化し続けるマニュアルとなるような仕組みを構築していきます。
◆3番(木村謙一郎君) 次に、2つとして、いわきNEXT発信グループの成果について伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) いわきNEXT発信グループは、伝える広報から伝わる広報へと転換していくことに挑戦しました。 構造改革の取組を発信する広報マンとしての活動を通じて、行政情報の発信の在り方を追求していくことを目的に活動したものであります。 具体的には、広報紙や各種SNS、記者会見など、現状の情報発信の取組を分析することから活動をスタートさせました。 その結果、多様なメディアの活用やデザイン力の向上、職員の意識改革が重要な課題であると整理したところであります。 このうち、デザイン力の向上に着目し、知る・触れる・学ぶの観点から、実践を積み重ね、デザインスキルの磨き上げに注力してきました。 昨年公表したいわき版骨太の方針や、構造改革レポートはこのワーキンググループがデザインしたものであります。 また、庁内アウトソーシングの取組として、職員採用試験のパンフレットや、職員向けアンケートチラシの作成も手がけました。 広報いわきをはじめ、各部等の公表資料も、伝わる広報を意識したものに変わってきています。 このグループの活動が職員の意識改革にも影響を与えたものと手応えを感じているところであります。
◆3番(木村謙一郎君) 3つとして、対話型プラットフォームグループの成果について伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) 対話型プラットフォームグループは、多様な世代、職種、立場の方々が、市政へ参画できる仕組みの構築に挑戦しました。 市民の皆様の声をお聞きして、それを施策に反映し、市民の皆様に還元していくことが行政の役割です。特に、若い世代からの声を聞くことは、これからのいわき市を形づくる上で、貴重なものとなります。 こうした考え方に立ち、ワーキンググループとしては、拙速に手法論を整理するのではなく、まずは、市役所の外へと活動の場を広げることから始めました。 限られた時間の中ではありましたが、市内で活躍する様々な団体や、大学生・高校生との対話を重ね、思いを聞き合うことができました。 幾つか例を紹介しますと、対話に当たっては、対面もオンラインもミックスで実施することが望ましい、明確な興味やメリットがあると参加しやすいなどの声が聞かれました。一方で、意見交換しようにも、行政の情報がほとんど分からない、行政が意見を聞くときはゴールありきなどの厳しい声も聞かれたところであります。 そのほか、デジタルツールを導入している先進事例の調査や、広聴活動の現状分析、今後の具体的な取組の提案なども行ったところであります。
◆3番(木村謙一郎君) 3グループともすばらしい成果を上げているんだなということを理解させていただきました。 この3つのグループの中で、特に私が注目していたのが、対話型プラットフォームグループの取組であります。このグループは、対話によって市民の市政参画をいかに促していくかというテーマに取り組んできたわけですが、私は、このテーマというのは究極的には、地方自治体の在り方、さらにはこれからの民主主義の在り方を見つけ出すための非常に重要なテーマだと捉えております。 そこで、3点目は対話型プラットフォームグループについて伺っていきます。 初めに、報告書によりますと、グループでは、既存の広聴機能に対する分析や、対話が持つ意義や効果等について考察し、市内の様々な方との意見交換などを行っております。 そこで、1つとして、そうした活動を通して、市民対話型プラットフォームを構築する必要性について、現時点でどのように考えるか伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) 施策の構築に当たり、市民の皆様の声に耳を傾けることが重要であります。これまでも、複雑・多様化する市民ニーズを実現すべく、様々な手法を組み合わせながら、広聴活動を展開してきました。 具体的な取組としては、有識者会議や審議会、パブリックコメント、さわやかミーティング事業などが挙げられます。ワーキンググループでは、これら既存の広聴活動について、職員へのアンケートなどにより、メリット・デメリットを整理しました。その結果、改善の必要がある事項として、年齢構成に偏りがあること、意見が一方通行であること、参加者が少数であることなどが挙げられています。 加えて、次代を担う若者や子育て世代からの意見や提案を聴取する仕組みが不足していることも明らかになったところであります。 これらのことから、多様な意見を施策に反映させるためには、誰もが参加しやすい、新たな対話の場が必要であると認識したところであります。
◆3番(木村謙一郎君) 2つ目は、先ほど答弁にありました、リアルとデジタルについてなんですけれど、ワーキンググループでは、市民参加型プラットフォームを構築する上で、デジタル技術の活用についてどのような考えをお持ちなのか伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) ワーキンググループでは、デジタルプラットフォームについて、先進事例を研究してきました。 この中で見えてきたメリットは3点です。 具体的には、時間や場所を問わないことや、幅広い世代からの意見を聴取できること、市民同士の交流が生まれることが挙げられます。 一方、デメリットが生じる可能性もあります。 具体的には、登録者数やアクセス数が低調だった場合、意見に偏りが生じることや、導入や維持管理に一定の費用を要することが挙げられています。 このように、乗り越えるべき課題はありますが、デジタル技術の活用は、議員御指摘のように、新たな対話の機会の創出につながる効果的な取組であると認識しています。 特に若者との接点を広げることが可能になるとの期待も大きいことから、引き続き、調査・研究を重ねていきます。
◆3番(木村謙一郎君) 次は、3つ目なんですけれど、市民意識の醸成というところなんですけれども、デジタルが発達していくと、市民意識がなくても、民意を集約できる可能性が出てくると。そうした状況を考えた場合に、果たして、本当に市民意識の醸成というものが必要なのかという疑問に当たるという感じになっているんですね。ここをしっかり精査していかないと、要するに、意識が低くても、手段が簡単になれば民意というのはしっかり集められるのか。それとも、やはり手段ではなくて、意識を高めていって民意を構築しながら市政参画を促していくのかというところが問題になってくるのかなと思っております。 そこで、3つとしまして、市民対話型プラットフォームを構築する上で、市民意識の醸成の重要性については、どのような認識をお持ちか伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) 市民対話型プラットフォームを構築する上で、市民意識の醸成は極めて重要であると考えております。そのためには、3つの点に留意する必要があると認識しています。 1点目は、効果的な情報発信です。 市政への興味・関心を持ってもらうことが入り口です、伝わる広報に努め、共通認識の下、対話を進めていく必要があると認識しています。 2点目は、より幅広い市民の参画を可能とすることです。これには、多様な手段を確保することや、利用に当たっての利便性が高いことが求められます。加えて、その手段が、幅広く市民の皆様に認知されている必要があります。 3点目は、議論や対話等で出された意見を受け止め、政策形成に反映できる仕組みを構築することです。 昨年度に、ワーキンググループが行った意見交換では、若者の意見を真面目に受け止め、それに応える大人が必要との声もありました。 参画する市民の皆様の満足感や達成感につなげるためにも、行政側の受皿づくりは重要な要素になるものと考えています。
◆3番(木村謙一郎君) 私も、やはり市民意識の醸成は非常に重要だと思いますので、そうした考えに則して、今後取組を進めていただきたいと思いますが、いずれにしても、このグループが扱ったミッションというのは、非常に難しく、また、引き続き、様々な角度から考察を重ねていくことが必要と感じております。 そこで、4つとして、対話型プラットフォームグループについては、継続的な取組が必要と考えますが、市の所見を伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) 議員おただしのように、対話型プラットフォームグループの挑戦は終わりがなく、絶えず継続していくべきものと考えています。 その上で、本年度の活動につきましては、まず、昨年度同様、可能な限り、多様な主体との対話を重ね、市民ニーズの把握に努めたいと考えています。 また、デジタルプラットフォームにつきましては、実証実験の手法も取り入れながら、導入可能性の検証を深掘りしていきたいと考えています。 加えて、今後の制度構築につなげるためには、より具体的なテーマを設定し、模擬的な意見交換を実施していくことも必要となります。 こうした取組を進めながら、本市の地域特性に合った市民対話の最適解に、一歩一歩着実に近づくための試みを重ねていきます。
◆3番(木村謙一郎君) 4点目は、循環型ワーキンググループIWAKI NEXTの今後についてです。 まず、1つとして、ワーキンググループという手法を積極的に活用し、市役所の改善、構造改革に取り組んでいくことについて、市の認識を伺います。
◎副市長(下山田松人君) 現代は社会変化が激しく、予測困難な時代であり、これから求められる能力は、問題発見力、的確な予測、革新性であると言われております。 昨年8月にワーキンググループを立ち上げた際、これらの能力を磨き上げることを設置目的として掲げました。各グループの活動を振り返りますと、現状分析に基づく仮説を立てながら、具体的な改革・改善案の構築につながっております。 まさに、狙いとしていた能力の向上により、人材強化が着実に図られたものと認識しております。 この取組を一過性のものではなく、日常的なものにしていかなければなりません。 そのためには、育てた人材を循環させ、改革・改善を組織風土として根づかせていくことが必要です。 こうした人材育成、改革の機運醸成という効果が循環するワーキンググループの手法は、構造改革を進めるに当たり、極めて有効な手段であると捉えております。
◆3番(木村謙一郎君) 2つとして、今後、市は、循環型ワーキンググループによる取組をどのように進めていくのか伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) 今後につきましては、浸透し始めた改革・改善の機運をつなげるためにも、引き続き、ワーキンググループの活動を継続していきたいと考えています。 具体的なスケジュールを申し上げますと、7月に庁内への公募を行い、8月から、新たな体制で活動を開始していきます。 各グループのテーマや活動頻度などの詳細は、現在、練り上げていますが、現時点では、発信と対話のテーマは、継続して深掘りしていきたいと考えています。
◆3番(木村謙一郎君) 組織の体質を変えて、風土を変えるというのは、決して簡単なことではないと思います。しかしながら、小松前産業振興部長が企業について述べていたように、変化に対応したものが生き残れるという適者生存の考え方は、市役所にも当てはまる考え方だと思います。だからこそ、構造改革は諦めてはいけないと思います。 約11年、議場だけでなく、様々な場面で、職員の皆さんとは議論し対話をしてきました。議員になる前は、市役所の職員に対する、いわゆる一般的なありきたりのステレオタイプを私も持っていましたが、ふるさといわきの未来を真剣に考える多くの職員の皆さんに出会いまして、私の考えも大きく変わりました。そして、今回のIWAKI NEXTの活動報告を読み、改めて市役所が変わっていくことに、大きな期待を感じております。 構造改革は始まったばかりで、進むべき道は困難を極めるかもしれませんが、失敗を恐れずに、新しいことに積極的に挑戦し、社会の変化に適応して変わり続ける市役所をつくり上げてください。職員の皆さんのさらなる奮闘に心から期待し、そして、これまでの楽しく有意義な対話に感謝申し上げ、私の一般質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(大峯英之君) ここで、午後1時5分まで休憩いたします。 午後0時05分 休憩
--------------------------------------- 午後1時05分 再開
△佐藤和良君質問
○議長(大峯英之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。35番佐藤和良君。 〔35番佐藤和良君第二演壇に登壇〕
◆35番(佐藤和良君) (拍手)35番いわき市議会創世会の佐藤和良です。通告順に従い、一般質問を行います。 大きな第1点、命を守る、災害に強いまちづくりについてです。 1点目は、流域治水についてです。 令和元年東日本台風などの激甚な水害を踏まえ、本市においても、河川流域のあらゆる関係者が協働し、流域全体で水害の軽減を図る流域治水を進めており、夏井川・鮫川・藤原川の3水系について、河川管理者の県や流域市町村と連携して、河川改修等のハード整備や避難・水防等のソフト施策を示した流域治水プロジェクトを策定し、水害の防止・軽減に向けた取組を推進しております。 まず、本市における流域治水の現状について、夏井川・鮫川・藤原川の3水系の流域治水協議会の設置により流域治水プロジェクトを策定し防災対策を進めていますが、それぞれの進捗状況はどうなっているかお尋ねします。
◎土木部長(草野光平君) 流域治水プロジェクトは、国・県及び流域市町村等で構成された流域治水協議会において、各水系ごとに、流域市町村に係る施策を取りまとめたものであり、その数は217となっています。 そのうち、市内で位置づけられている施策数は、191であり、水系ごとに内訳を申し上げますと、夏井川水系では全77のうち63、鮫川水系では全75のうち61、藤原川水系では全67であり、その全てにおいて着手済みです。
◆35番(佐藤和良君) 次に、流域治水プロジェクトの追加更新について、夏井川・鮫川・藤原川の3水系の流域治水プロジェクトを策定後、新たな取組などの追加更新はどのようなものがあるかお尋ねします。
◎土木部長(草野光平君) 新たな取組により追加更新した施策といたしましては、本年3月に3水系合同で開催した流域治水協議会において、水田に降った雨を一時的に貯留する田んぼダムの取組があります。 具体的には、夏井川水系の神谷地区及び鮫川水系の山田地区で県が進める圃場整備事業において、雨水の流出を抑制する排水ますを設置するものです。
◆35番(佐藤和良君) 次に、流域治水プロジェクトの令和5年度事業について、緊急重点河川改良事業、緊急重点河川等堆積土砂撤去事業、河川洪水ハザードマップ整備事業の概要はどのようになっているのかお尋ねします。
◎土木部長(草野光平君) 令和5年度におきましては、河川堤防の強化を行う緊急重点河川改良事業として、普通河川山王田川など19河川について実施する予定です。 また、河川内に堆積した土砂の撤去を行う緊急重点河川等堆積土砂撤去事業として、準用河川新田川など24河川について実施する予定です。 さらに、河川洪水ハザードマップ整備事業として、二級河川神白川及び末続川について、作成・公表する予定です。
◆35番(佐藤和良君) 次に、本市における流域治水への住民参画について、流域治水はあらゆる関係者が連携・協働して取り組む治水対策として、施策への積極的な住民参画が必要と指摘されており、住民参画に向けての知らせる・意見を聞くについては、どのような取組を進めるのかお尋ねします。
◎土木部長(草野光平君) 議員おただしのとおり、住民の皆様に参画していただくためには、流域治水の考え方を広くお知らせし、意見を聞くことが大切です。 この知らせる・意見を聞く取組については、市ホームページや出前講座等での周知・啓発に加え、河川に係る団体等との勉強会を実施してきました。 今後におきましては、さらなる周知のため、県と協力しながら、河川改良工事等の現場見学会の開催やパンフレットの発行などを行っていきます。 また、広く意見を聞くため、流域の関係者の皆様との意見交換などについても開催していきます。
◆35番(佐藤和良君) 次に、地域住民の積極的な参加についてです。 民間有識者からは、行政区単位などで年1回協議の場を設置すること、草刈り・畑・レジャーなど住民による河川敷の活用を進めること、新堤防に階段を設置して川と接する住民参加を進めること、防災拠点の夏井川防災ステーションなどを活用することなどの提案がありますが、住民参加を日常的なものにするため、これらの提案にどう対応するのかお尋ねします。
◎土木部長(草野光平君) 民間有識者からいただいた提案につきましては、地域住民と河川管理者が協働により、流域治水を推進するための有用な取組であると考えています。 そのため、夏井川河川防災ステーションにおいては、流域住民等により組織された団体からの要望を受け、防災・環境教育の場として、また、地域の防災活動やコミュニティー活動の場として利活用が図られるよう、昨年度、管理運営に関する要領を策定しました。 そのほか、地域住民との協議の場の設置や草刈りなどの維持管理を含めた河川敷の活用と、それに必要となる堤防への階段等の設置については、今後、県と連携し、地域の皆様の意見を聞きながら検討を進めていきます。
◆35番(佐藤和良君) 次に、大型再生エネルギー施設建設に伴う問題点についてです。 平成元年と令和元年の過去2回の大規模な水害の経験を踏まえ、民間有識者からは、多数の風力発電施設の設置に伴う林地開発などが被災要因の増大となる可能性が指摘されていますが、これら被災要因の拡大となる問題点に対して、本市はどのように対応するのかお尋ねします。
◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 森林は、土砂流出の防止や洪水緩和等の公益的機能を有しています。 これらの機能が無秩序な開発によって、損なわれないよう、森林法により一定のルールが定められています。 具体的には、開発面積が1ヘクタールを超える場合は、県の林地開発許可が必要となります。また、1ヘクタール以下の場合は、市への小規模林地開発計画書の届出が必要となります。 市内における、大型再生エネルギー施設の建設は、そのほとんどが、県の林地開発許可を受け、事業が実施されている状況にあります。 このため、今後におきましても、森林の有する公益的機能が損なわれることがないよう、県と十分に連携を図りながら、林地開発許可制度の適正な運用に努めます。
◆35番(佐藤和良君) 次に、大型再生エネルギー施設建設に伴う森林部の保水力確保についてです。 民間有識者は、阿武隈山系への集中立地による大規模な自然環境の改変が、雨・土砂流出率の増大、地下水脈への影響、低周波による健康障害、生息生物環境の変化、景観の変化など、建設地域の自然環境と生活のなりわいと対立することを指摘しておりますが、流域治水の観点から、本市として森林部の保水力の確保策を検討すべきではないかお尋ねします。
◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 流域治水プロジェクトにおいては、森林部の保水力の確保に向けた取組として、適正な森林整備の推進及び治山事業の実施を位置づけています。市といたしましては、このプロジェクトの趣旨を踏まえ、間伐等の森林整備を行う森林経営管理事業や山腹ののり面保護及び治水ダムを整備する治山事業を今後も着実に実施してまいります。 こうした取組を通じ、森林の有する土砂流出防止機能や洪水緩和機能の維持・強化に取り組んでいきます。
◆35番(佐藤和良君) この流域治水という考え方で、新しいこの関係者、国・県そして各自治体の地域住民ということで、全体で治水について対応していこうという考え方でございますので、今ほどの両部長の答弁もございますが、この今問題になっている再生可能エネルギー施設の開発・設置に伴う様々な問題点についても、県・市がよく協議をしつつ、立てつけがかなり問題なわけですけれども、そういう中でも住民の被害ということがないように、この風力発電等の開発についても対応していただきたいと思います。この多数の風力発電施設設置による大規模な自然環境の改変が、雨・土砂流出率の増大や地下水脈へも影響することから、流域治水の観点から、森林部の保水力の確保強化を要望いたしまして、次に移りたいと思います。 2点目は、いわき市雨水管理総合計画についてです。 本市は、いわき市雨水管理総合計画を策定し、下水道区域内の施設整備や内水ハザードマップの作成などの雨水対策を進めています。 近年の気候変動の影響を踏まえ、国が雨水管理総合計画策定ガイドライン(案)により、雨水対策を見直したため、本市も令和5年度から令和24年度までの20年間の計画改定の素案を作成し、市民の皆様からの御意見を募集いたしました。 まず、いわき市雨水管理総合計画の目標について、整備目標・対策目標など前の計画から変更された主なものはどのようなものかお尋ねします。
◎生活環境部長(渡邉一弘君) 主な変更内容については、施設の整備基準となる計画降雨を、これまでの1時間当たり47.4ミリメートルから、52.1ミリメートルに引き上げ、それに対応できる施設の整備を進めていくこととしています。 また、浸水想定区域を設定するための対象降雨を、これまでの1時間当たり91ミリメートルから、120ミリメートルに引き上げ、今後は内水ハザードマップの見直しを行うこととしています。
◆35番(佐藤和良君) 次に、いわき市雨水管理総合計画の課題整理についてです。 選定した優先度の高い排水区の課題はどのようなものかお尋ねします。
◎生活環境部長(渡邉一弘君) 本計画においては、市内300排水区のうち、11排水区を特に優先度の高い対策区域に選定しています。 対策区域における課題については、ポンプ設備等において、供用開始から約50年が経過しており、設備の老朽化が著しく、施設の改築更新が急務であること。 また、ポンプ設備等の排水能力の不足により、浸水被害が発生しやすくなっていることなどです。
◆35番(佐藤和良君) 次に、いわき市雨水管理総合計画の段階的整備・対策方針と段階的対策計画についてです。 雨水管渠整備、ポンプ施設設備、雨水貯留施設等の整備など効果的な雨水対策とされる施設の能力増強や貯留施設等による防災対策や減災対策として、当面の令和5年から令和9年の期間に事業着手する対策はどのようなものかお尋ねします。
◎生活環境部長(渡邉一弘君) 防災対策の主なものとしては、玉川排水区における林城ポンプ場の建て替えや、関田排水区における関田ポンプ場の能力増強などを予定しています。 また、減災対策としては、主に下水道施設の耐水化や、内水ハザードマップの見直しなどを予定しています。
◆35番(佐藤和良君) 次に、今後の課題についてです。 今回の計画改定で選定した11排水区以外の今後の対応はどのように考えているのかお尋ねします。
◎生活環境部長(渡邉一弘君) 新たな計画降雨である1時間当たり52.1ミリメートルに対応した、排水施設の能力評価等を、施設の老朽化状況や浸水実績等を考慮して順次行いながら、雨水管渠やポンプ場等の施設の整備を進めていきます。 しかしながら、これらの施設の整備には長期間を要することから、整備に着手するまでの間は、適切な施設の管理・運用を図るとともに、内水ハザードマップのさらなる周知に努めます。
◆35番(佐藤和良君) 3点目は、藤原川水系の谷地川排水区における浸水対策についてです。 令和元年9月定例会で谷地川排水区を取り上げ、泉町滝尻地内の道路冠水の解消と浸水対策を要望いたしましたが、令和元年東日本台風や大雨時に度々冠水が発生し、浸水しやすい状況が今も続いております。 まず、谷地川排水区の現状について、泉町の六枚内交差点付近は、藤原川水系谷地川の越水氾濫等により、浸水の常襲地帯となっておりますが、本市は現状をどのように認識しているのかお尋ねします。
◎生活環境部長(渡邉一弘君) 谷地川排水区は、市道渚・滝尻線周辺のJR常磐線付近から二級河川藤原川に至る範囲を排水区域としております。 その下流部に位置する六枚内交差点付近において、ゲリラ豪雨等が発生した際に、道路冠水が発生していることを認識しております。
◆35番(佐藤和良君) これは2日の大雨のときも、大分やはり冠水しているという状況がありまして、谷地川の問題については今さらりとお答えになったんですけれど、住民は呻吟しているわけです。 それで、行政区等の地域住民の藤原川水系谷地川の浸水対策の要望についてですが、平成26年度には地元の泉町滝尻区会6区長連名の上で代表区長から、本市に対し藤原川水系谷地川の浸水対策についての要望書が出されていますが、これに対する対応はどのようなものだったかお尋ねします。
◎生活環境部長(渡邉一弘君) 平成26年度の地元からの要望を受けて、平成29年度から、谷地川1号雨水幹線の通水断面を確保することを目的として、護岸補修工事を進めています。 また、定期的な堆積土砂の撤去及び除草等を継続して実施しているところです。
◆35番(佐藤和良君) これは特に令和元年東日本台風のときには、ちょうどあそこのコンビニのある辺りから大規模に越水してしまったということで、六枚内交差点は全面冠水した上で、周辺の田んぼも全面池のようになってしまった。あと10センチ程度であの付近の住家に浸水するというところまでいっているんです。ですから、東日本大震災の後から堤防の補修も行って、断面確保ということで草刈り等々もやっているのは分かるのですが、それだけでは対応し切れないという状況が出てきておりますので、もう少し抜本的な策を練る必要があるのではないかなと考えております。 その意味で、谷地川1号の雨水排水幹線への対応について、この浸水状況の改善に向けて、今後どのように対応するのかお尋ねしたいと思います。
◎生活環境部長(渡邉一弘君) 谷地川排水区の現状把握に引き続き努めるとともに、谷地川1号雨水幹線の通水断面を確保するための取組を継続します。 また、順次行っております排水施設の能力評価等を今後実施する予定でありまして、その結果を踏まえ、どのような浸水対策が必要か検討していきます。
◆35番(佐藤和良君) どのような対策が必要か今後検討していくということでありましたけれども、令和元年東日本台風で、結局は藤原川からバッククラッシュといいますか、谷地川方向に結局は流入して、それが飲み切れなくて越水すると。それで周辺にずっと冠水するという状況が最大今まで経験した中ではあるわけです。それで、従来からあの付近は、現在のようなバイパスができて住宅ができてという前から、藤原川の氾濫が常襲地帯であったところでありまして、そういう意味でも歴史的な経過もございますので、抜本的な対策を講じていく必要があるだろうと思うんです。 6月2日の大雨でも、先ほど申しましたように冠水が発生しましたし、今後、今年は少し荒れるのではないかなという予想もありますから、よく検討をしていただきたいなと思います。その意味で改めて、この甚大な被害の前に、谷地川1号雨水幹線の浸水状況の改善のために、ポンプ施設の整備も含めて効果的な対策の確立を要望しまして、次に移りたいと思います。 大きな第2点、命を守る、障がい者福祉の充実についてです。 1点目は、障がい者福祉における人材の確保についてです。 まず、本市における福祉人材の現状について、若い人の参入が少ない、賃金が他産業と比べて安い、仕事が大変などの理由から、障がい者福祉の担い手不足が続いており、高齢者介護人材の求人と比較しても求人への反応が少ないという声が障がい者福祉事業所などから指摘されておりますが、本市は昨年から今年にかけて実施した市障がい者計画の中間見直しに伴うアンケート調査やヒアリングを踏まえ、現状はどのように把握しているのかお尋ねします。
◎保健福祉部長(園部衛君) 第5次市障がい者計画の中間見直し等に係る事業所へのアンケートの中で、事業運営で困難となっていることについて調査を行いました。 その回答としては、介護人材の不足を挙げた事業所が38.8%と最も高く、次いで、人材の育成が32.6%となっております。 そのほか、職員の定着や職員への研修との回答が上位を占めています。 これらの結果から、約4割の事業所が、人材の確保や育成等に苦慮しているものと把握しています。
◆35番(佐藤和良君) 次に、本市における障がい者福祉人材確保の取組についてです。 これまで、いわき市地域自立支援協議会での検討や庁内各分野での取組、学校での福祉出前講座の強化など、教育機関や地域の関係団体との連携を進めてきましたが、処遇改善策を含めて、現状を変えるために、本市は障がい者福祉における人材の確保の取組を今後どう進めるのかお尋ねします。
◎保健福祉部長(園部衛君) 国は、障がい者福祉人材の確保・処遇改善に向け、昨年10月に障害福祉サービス等報酬の臨時の改定を行いました。 その改定では、処遇改善加算を取得している等の要件を満たす事業所等の福祉・介護職員を対象に、1人当たり収入を3%程度、月額平均9,000円相当を引き上げるための措置が講じられています。 本市では、人材確保の取組として、これまでも、市自立支援協議会での検討を踏まえ、人材確保の取組を積極的に行っている法人の職員を講師として、事業所の職員を対象に、人材育成や定着支援を図る研修を開催してきました。 また、中学生等を対象に、障がい福祉分野への興味関心を持ち、将来の職業選択の一助としてもらうことを目的とした出前講座を実施しています。 今後におきましても、引き続き、研修や出前講座を実施していくとともに、人材確保につながるより魅力的な内容となるよう努めていきます。 また、処遇改善に資する報酬改定があった際には、説明会を開催するなど、事業所の加算取得を支援するほか、さらなる処遇改善へ向け対策を講じるよう、中核市市長会などを通じて、国へ要望していきます。 これらの取組を通して、自立支援協議会等の関係機関とも連携しながら、障がい福祉の人材確保に努めていきます。
◆35番(佐藤和良君) ひとつよろしくお願いしたいと思います。 2点目は、障がい者就労施設等における物品及び役務の調達量の拡大についてです。 まず、障害者優先調達推進法による本市調達の現状について、本市の過去5年間の年度ごとの調達目標と調達実績はどうなっているのかお尋ねします。
◎保健福祉部長(園部衛君) 調達目標額に対する実績額につきまして、年度ごとに申し上げますと、平成30年度は、550万円に対し1,012万円、令和元年度は、1,000万円に対し912万円、令和2年度は、930万円に対し875万円、令和3年度は、1,000万円に対し964万円、令和4年度は、1,046万円に対し919万円となっています。
◆35番(佐藤和良君) 次に、調達促進に向けた仕事の拡大についてです。 障がい者就労施設等における物品及び役務の調達量の拡大に向けた仕事の拡大を本市としては具体的にはどう進めるのかお尋ねします。
◎保健福祉部長(園部衛君) 市では、販売する製品や提供できる役務の内容などを掲載したガイドブック、はんどめいどいわきを作成し、市内の企業等に配布するなど、障がい者就労施設等が行う事業を周知することにより調達量の拡大に努めています。 また、庁内各課に対し、物品や役務に係るニーズ調査を実施し、その結果を障がい者就労施設等へ情報提供することで、マッチングの機会を増やし、調達量の拡大を図る取組を実施しています。 今年度からの取組といたしましては、一層の調達量拡大につながるよう、就労継続支援事業所などが製作する授産製品の情報について、画像によって視覚的にメッセージを伝えることができるインスタグラムを主軸として、各種SNSを活用した情報発信を行っています。 今後は、
新型コロナウイルス感染症により、各種イベント等が中止になった影響を受け、受注が低迷したとの声も聞かれることから、機を捉えて、市内のイベント情報を積極的に事業所へ提供していきます。 なお、事業所で組織する就労継続支援事業所連絡会においても、各事業所の作業内容や授産製品の情報提供、情報共有を密にしながら、新商品の開発や、販路を拡大する方策について検討しているところです。
◆35番(佐藤和良君) よろしくお願いいたします。 3点目は、農福連携の現状についてです。 本市では、農業と福祉が連携する農福連携について、令和3年4月に設立された市農福連携協議会にJAや福島県授産事業振興会などをメンバーに加え、農福連携の普及・啓発に取り組み、関係者による農福連携スタディツアーなどを実施してきました。 まず、いわき市における農福連携の実施状況について、障がい者による除草作業やハウスにおける収穫作業など現状はどうなっているのかお尋ねします。
◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 市内の農福連携の実施状況について、令和4年度に行った農業者及び就労継続支援事業所に対する意識調査の結果で申し上げます。 農業者が障がい者を直接雇用している事例が6事例あり、大型のトマト栽培施設では、収穫作業や葉欠き作業、清掃作業などに従事しています。 また、福祉事業所が自ら実施している事例が7事例あり、ブドウを生産している福祉事業所では、利用者である障がい者が一部作業を除き、育苗から収穫・加工・包装・販売の全行程に従事しています。 さらには、農業者と福祉事業所が作業受委託契約している事例が8事例あり、事業所職員の支援の下、除草や収穫などに従事しています。 農業者や福祉事業所の状況により雇用形態は異なりますが、障がい者一人一人がそれぞれの適正に応じた業務に従事されています。
◆35番(佐藤和良君) 次に、農福連携の課題についてです。 これまでの取組を通して、課題をどのように整理しているのかお尋ねします。
◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 先ほど申し上げました意識調査によりますと、農福連携の認知度は、前回の令和2年度と比較し、福祉事業所においては、11ポイント上昇の97%となっています。 一方、農業者においては、16ポイント上昇しているものの58%にとどまっており、さらなる認知度の向上が課題です。 また、農福連携に興味があると回答があった一部の農業者や福祉事業所からは、障がい者の作業可能範囲が分からない、農作業の具体的な内容が分からないなどの意見が寄せられています。 このように、農業者と福祉事業所の相互理解が十分ではないことが課題として挙げられ、そのため、農福連携に踏み出せない状況にあると捉えています。
◆35番(佐藤和良君) 今ほども部長の答弁にもございましたが、やはりそれぞれの立場から、まだまだ相互に共通認識を持つに至っていない部分もかなりあるという状況かなと思います。 その意味で、障がい者団体との農福連携の協議についてですが、農福連携について障がい者団体のほうから官民協議体の設置要望も出ておりますけれども、本市の福祉・農業等の関係部署とJA及び障がい者団体との農福連携協議を具体的に進めてはどうかお尋ねいたします。
◎農林水産部長(渡邊伸一郎君) 本市の農福連携の推進に向けましては、先ほど議員も触れられましたとおり、令和3年4月に、本市が事務局となって、いわき市農福連携推進協議会を設置しました。 その構成員として、福島さくら農業協同組合、福島県授産事業振興会、県いわき農林事務所及び市の関係各課を配し、全農福島及び福島県農業協同組合中央会にアドバイザーとして参加をいただいています。 本協議会においては、情報発信と普及・啓発活動、マッチング支援などの取組に係る各機関の役割分担と相談先を明確にした支援体制を整備したところです。 このため、支援体制についてさらなる周知を行うとともに、必要に応じ、市内の障がい者団体から本協議会に、御意見をいただくなど、情報共有を密にしながら、農福連携に取り組んでいきます。
◆35番(佐藤和良君) 今ほど部長から答弁がありましたように、この農福連携協議会の中で一定の情報共有ができて、課題を共有して取組を進めていただければと要望させてもらいたいと思います。 次に、4点目は、視覚障がい者の日常生活用具、点字ディスプレイ給付対象についてです。 日常生活用具点字ディスプレイの給付について、昨年度までは視覚と聴覚の両方に障がいのある方のみを給付対象にしており、視覚障がい者団体から視覚障がい者においても、日常に欠かせない生活用具であるため、視覚障がいのみの方にも対象を拡大してほしいとの要望が昨年度出されておりました。 本年度から本市としてどのように対応しているのかお尋ねします。
◎保健福祉部長(園部衛君) 点字ディスプレイにつきましては、パソコン画面の文字の点訳のほか、点字によるメモを容易とする機能を有するなど、視覚障がい者が日常生活を送る上で、大変有用な用具であると認識しています。 このため、本年度から、聴覚障がいを併せ持つという要件を外し、障害等級が2級以上の視覚障がいのみの方に対して給付できるよう対象を拡大いたしました。 なお、対象者の要件を変更したことについては、関係する障がい者団体を通じて、対象となる方に対し、周知をしています。
◆35番(佐藤和良君) ありがとうございます。周知をぜひ徹底していただいて、漏れのないようにお願いしたいと思います。 これまで、障がい者福祉におけるそれぞれの事業の内容をお聞きしてまいりましたけれども、今後とも障がい者福祉充実に向けて御尽力くださることを要望いたしまして、次に移ります。 大きな第3点は、命を守る、子育て環境の整備についてです。 こども家庭庁が不適切な保育の実態調査を行い、昨年4月から12月に全国の保育所で、園児の心身に悪影響を及ぼす不適切な保育が計914件確認されたとして、うち90件は激しく揺さぶるなどの虐待と判断いたしました。いわき市でも2件不適切な保育と疑われるとされました。 再発防止には、共通の認識と実態把握の仕組みを整え、日々の保育の振り返りや研修も重要です。そして何より必要なのは、保育現場の慢性的な人手不足という構造問題を解決することであります。 1点目は、不適切な保育についてです。 不適切な保育について、政府は、再発防止には、自治体による巡回支援の強化や、対応窓口の設置が重要だと強調しておりますが、本市としては実情を踏まえて、今後どのように対応するのかお尋ねします。
◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 保育施設等における虐待等と疑われる事案、いわゆる不適切保育については、幼稚園や保育所、認定こども園などの施設形態にかかわらず、広く相談を受け付けるため、本年1月に、専用の窓口をこどもみらい課に設置したところです。 また、保育の質の向上のための取組として、各種研修を実施しており、昨年度は、研修カリキュラムに子供の人権・人格を尊重する保育をテーマとして組み込むなど、人権意識のさらなる醸成に努めています。 さらに、よりよい保育の認識を保育現場と確認・共有するため、公立幼稚園・保育所及び認可外保育施設の巡回支援を実施しています。 今後におきましても、これらの取組を継続しながら、不適切な保育の防止に努めていきます。
◆35番(佐藤和良君) 2点目は、保育士・幼稚園教諭の人材確保策の強化についてです。 まず、人材確保のための処遇改善手当について、4月下旬に中核市及び県内他市を調査したところ、保育士では中核市62市中28市、県内では13市中3市で、幼稚園では中核市62市中11市、県内では13市中2市で処遇改善手当の支給制度が整備されております。 市内で働く保育士・幼稚園教諭等の人材確保のための処遇改善手当について、本市として手当支給制度を検討すべきではないかお尋ねします。
◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 現在、公立保育所及び幼稚園に勤務する保育士及び幼稚園教諭に対しては、給与改定に基づく賃金改善を行っています。 また、民間の保育所等に対しては、国の施策に呼応した保育士等の処遇改善に着実に取り組んでいます。 さらに、本市独自の支援策として、職員の人件費にも充当可能な施設運営に係る補助を実施しており、各施設が職員に対する給与等の処遇改善を柔軟に行うことができます。 おただしの本市独自の手当支給制度については、保育人材の処遇改善に直接つながる施策であると考えておりますが、制度導入には、多額の財政負担を伴うこと等の課題があります。 このため、今後、他自治体で実施している施策も参考に、保育事業者等の意見を伺いながら、保育士等の人材確保に効果的な事業の再構築も含め、検討していきます。
◆35番(佐藤和良君) ぜひ御検討していただきたいと思うんです、これもう4年前にお話しした点なんです。結局、今政府も異次元の対策というんですか、子育てについて重点的に、予算はどうもまだ財源が確保されていないようですけれどもやっていこうとしていると。市長のこの人づくり日本一も、子供たちをきちんと育てていくということも、環境整備がやはり一番大事な点だと思いますので、ぜひとも御検討いただきたいと思います。 次に、家賃補助制度についてです。 保育士等の定住を促進し働きやすい環境を整備する目的で、事業者に対し、保育士の宿舎借り上げを実施する費用補助を行う、保育士宿舎借り上げ支援事業が、国の保育対策総合支援事業費補助金などの財源を活用して、各地の自治体で実施されており、本市でも令和5年度より保育士宿舎借り上げ支援事業が実施されますが、補助対象者である事業運営者からは7年制限の延長や撤廃の要望も出ておりまして、本市は今後どのように対応するのかお尋ねいたします。
◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 保育士等宿舎借り上げ支援事業は、保育士等の人材確保策の一環として、国の補助を活用し、本年度から実施する新たな取組です。 このため、当面は、国の制度設計に基づき事業を実施した上で、本事業の趣旨である保育士等の施設への定着や離職防止策として効果的な取組となっているか、事業の検証を継続的に行っていきます。 また、補助対象期間の拡充など補助要件の見直しにつきましては、県や中核市市長会を通じて国へ働きかけていきます。
◆35番(佐藤和良君) 次に、修学支援貸付金制度等についてです。 4月下旬に中核市及び県内他市を調査したところ、保育士では中核市62市中7市、県内では13市中3市で、幼稚園教諭では中核市62市中1市、県内では13市中3市で修学支援貸付金制度が整備されておりました。 国の保育対策総合支援事業費補助金などの財源を活用した修学支援貸付金制度や保育士資格取得支援事業などを創設してはどうかお尋ねいたします。
◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 本市では、一定の要件の下、市内への就職を希望する大学生等に対し、奨学金返還のための補助金を交付する、市未来につなぐ人財応援奨学金返還支援事業を実施し、保育士や幼稚園教諭等も含めた人材の市内定着の促進に努めているところであり、大学生等に対して、さらなる周知を図っていきます。 このため、おただしの修学支援貸付金制度など保育士等人材確保のための施策については、新たな財政負担を伴うなどの課題があることから、他市の実施状況なども踏まえ、引き続き検討していきます。
◆35番(佐藤和良君) 次に、保育士の配置基準の見直しについて。 国の配置基準は1歳から2歳児6人に対し保育士1人が55年間、4歳から5歳児30人に対し保育士1人は74年間変わっていません。保育所等での重大事故の増大や保育所開所の長時間化の拡大から疲弊する保育現場の現状を考えて、保育の安全を守る観点から、配置基準の改善見直しが指摘されております。国のほうでもそのような動きが始まっております。4月下旬に中核市を調査したところ、国基準と同基準の自治体が41市、市独自の基準で国より手厚い配置基準としているのが21市でした。 本市としては、国に対し配置基準の改善見直しを強く働きかけるとともに、本市としても手厚い配置を検討すべきではないかお尋ねします。
◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 公立保育所及び幼稚園においては、障がい児保育、いわゆる総合保育や乳児保育などの実施に当たって、本市独自の配置基準を加え、国の基準を超える職員数を配置しています。 現在、国において、保育士の配置基準の見直しが検討されていますが、国の責任において検討すべきであると考えています。 本市といたしましては、国の配置基準の見直しの動向を注視しながら、安全・安心で質の高い保育の提供や保育現場の環境改善を図るため、中核市市長会等を通じて、配置基準の見直しが着実に行われるよう国へ働きかけていきます。
◆35番(佐藤和良君) 国の現在のこの異次元の少子化対策という中で配置基準を見直すということを行っておりますが、本市としての独自の上乗せは今のところ考えていないということなんでしょうね、今の答弁は。そういうことですか。
◎こどもみらい部長(長谷川政宣君) 繰り返しになりますが、公立においては、先ほど申し上げたように障がい児保育いわゆる統合保育において、例えば重度のお子さんですと、障がい児1人に対し保育士1人ということで本市独自の基準を設けている、ただ、これは公立ということでございます。この私立に関しては、基本的には今、国の見直しがなされていますので、これを注視しつつ、しっかりと着実に行われるように私どもとしては働きかけていきたいと考えております。
◆35番(佐藤和良君) 先ほども申し上げましたけれど、人づくり日本一を目指すというのが内田市政のテーマですから、その意味で、UターンであれIターンであれ、子育て世代がいわき市に増えるという、増やしていくということは、そういう環境が整備されて初めて成り立つ議論なんですよね。 この点で、市長はどのようなお考えかちょっとお聞かせいただけますか。
◎市長(内田広之君) こどもみらい部長が答弁申し上げたとおりですけれども、市の児童福祉施設の基準よりも、かなり上乗せして障がい児に関しての基準を設けております。そのために、ほかの自治体よりも基準が上乗せしている分、待機児童がやはり1人とか2人とか出ているような状況になっているわけでございます。充実しているということの裏返しであるわけですけれども、そういった部分は御理解いただければと思っております。あと、基準だけ緩めた場合も、前までの問いにも出ているように、保育士の待遇とか成り手が厳しいという状況もございますので、そういったことも併せてやりながら、そういった基準というものに関しましては、成り手の確保ということと併せて検討していくべき課題かなと思っております。
◆35番(佐藤和良君) まさにおっしゃるとおりで、全体としての処遇改善と併せて、子育て環境の整備ということを改めて内田市政の人づくり日本一の大きな課題として強化することを要望いたしまして、次に移りたいと思います。 大きな第4点は、命を守る、原子力災害対策についてです。 1点目、汚染水の海洋放出等への本市の対応についてです。 政府は、海洋放出の時期は本年春から夏頃としています。 先月開かれた、国・東京電力といわき市漁協・小名浜機船底曳網漁協との意見交換会では、後継者不足に拍車がかかるのではないか、漁業継続のための国の支援はいつまで続くのか、関係者の理解なしに放出しないとの約束をどう守るのかなど不安と不満の声が聞かれたと報じられています。 まず、汚染水の海洋放出に関する動向について、国・県並びに近隣諸国や太平洋諸島フォーラムなど諸外国の動向について、本市はどのように認識しているのかお尋ねします。
◎危機管理部長(大嶺常貴君) 令和3年4月13日に、他核種除去設備等処理水いわゆるALPS処理水の海洋放出方針の決定後、国内の漁業者はもとより、中国や韓国などの近隣諸国や太平洋諸島フォーラムなどの諸外国は、海洋放出による環境汚染や健康影響及び風評被害を懸念し、海洋放出の反対や延期を求めております。 さて、国や諸外国の動向についてですが、国においては、漁業者をはじめ、地元住民等との車座対話や事業者・各種団体との意見交換、テレビCMや新聞広告等を活用した情報発信、さらには国際会議や二国間対話の場での説明など、幅広く国内外向けに理解醸成の活動をしております。 加えて、海域モニタリング体制の強化や国際原子力機関IAEAによる国際的な基準に基づく調査受入れなど、安全性・透明性の確保に係る取組を強化しています。 一方、諸外国等の動向については、先月20日、G7広島サミットの首脳声明におきまして、ALPS処理水の海洋放出についてIAEAの検証を支持する、科学的証拠に基づくIAEAと日本の透明な取組を歓迎すると明記されました。 市といたしましては、国外においては、海洋放出において、一定の理解が進んだものの、国内においては、福島県漁連をはじめ、関係者等の理解が十分に広がったとは言えないものと認識しております。
◆35番(佐藤和良君) 次に、汚染水処理の放射性汚泥いわゆるスラリーの保管容量の逼迫についてです。 現在、多核種除去設備ALPSの汚染水処理で発生する高線量の液体状二次廃棄物は、ポリエチレン製容器に詰められて、コンクリート製のボックスカルバートに収納して一時保管されておりますが、保管容量が2025年6月で逼迫するということで、海洋放出が30年以上続くことから、保管場所がなくなれば、ALPSの稼働が不可能になります。 汚染水処理にとって、放射性汚泥の保管施設の増設と安定化処理設備の設置が喫緊の課題ですが、本市は、国と東電にどう対応するのかお尋ねします。
◎危機管理部長(大嶺常貴君) ALPSで発生した放射性汚泥いわゆるスラリーの保管については、高性能容器、いわゆるHICに収容し、使用済セシウム吸着塔一時保管施設に保管しております。 議員おただしのとおり、東京電力は、HIC保管容量について、2025年6月に逼迫するとの予測を示しております。 また、スラリーのHIC保管についても、ベータ線照射影響による漏えいリスクを有していることから、スラリーを脱水・固体化する安定化処理設備の運用を2025年3月から開始し、スラリー保管量を低減していく想定でおりました。 しかしながら、昨年9月の特定原子力施設監視・評価検討会で示された、安定化処理設備の運用開始後における作業員の被曝リスクの論点を踏まえ、東京電力では、当該設備の設計を見直したことから、運用開始時期が2026年度末に変更されております。 なお、安定化処理設備の運用開始遅延によるHIC保管容量逼迫に対するリスクに対しては、東京電力はHIC発生量を低減しつつ、保管施設を増設することにより対応するとのことです。 市といたしましては、現在計画している保管施設の増設及び安定化処理設備の配置について、計画どおり進めるよう、県の廃炉安全監視協議会等を通して、進捗を確認してまいります。
◆35番(佐藤和良君) 次に、いわき市海水浴安全対策会議での関係者の意見についてです。 7月15日から8月15日まで4海水浴場でオープンしますが、この対策会議では関係者から、春夏を避けて、関係機関に働きかけをお願いしたい、海水浴期間中に放出されたら、やはり風評被害が来て、流出したら来る人はいないという夏の放出の影響を懸念する声が出されております。 市長は東電と国に対して、海水浴期間中はもとより海洋放出の中止を求める考えかお尋ねいたします。
◎市長(内田広之君) 先月16日に開催されましたいわき市海水浴安全対策会議におきましては、出席者から、海水浴場開設期間中のALPS処理水海洋放出に係る風評発生を懸念する声が上がっております。 この声を受けまして、先月25日に国及び東京電力に対しまして、新たな風評を生じさせないよう、広く国民に対しまして、安全・安心に関する情報発信を行うこと、そして、放出の時期ありきではなく、関係者の理解を得る取組を丁寧に積み重ねることの2点を要望させていただきました。 今後とも、国及び東京電力に対しまして、海洋放出ありきではなく、関係者の理解醸成に向けしっかりとした説明責任を果たすよう機会を捉えて要望してまいります。
◆35番(佐藤和良君) 最後の質問ですが、本市の今後の対応について、関係者の理解なしにはいかなる処分も行わないという福島県漁連に対する国と東京電力の2015年の文書約束の完全な履行を求めて、改めて強力に働きかけるべきではないか、合意なき海洋放出の強行をしないように働きかけるべきではないかお尋ねします。
◎市長(内田広之君) 私は、これまでも国そして東京電力に対しましては、何度も申し入れてきたとおりでございまして、関係者の理解なしにはいかなる処分も行わないとする福島県漁連との約束を、しっかり履行していただきたいと考えております。 さらに、漁業者をはじめとした関係者の方々が再び風評の犠牲となってはならないと考えております。 そのためには、国や東京電力が、科学的根拠を示しながら、分かりやすく積極的に情報を発信するとともに、漁業者等の不安にも耳を傾け、関係者等に対して丁寧に説明をし、理解を得ることが重要であると考えております。 しかしながら、国や東京電力において、昨年夏頃以降、様々な理解醸成活動を強化しているということは承知はしておりますけれども、漁業関係者をはじめ、市民の皆様の理解が十分に広がっているとは評価できない状況であると考えております。 なお、先月25日に開催した国・東京電力と漁業関係者との意見交換会におきましても、処理水の海洋放出に伴う影響を懸念する声が上がったということが伝えられておりますことから、いまだ十分に理解醸成が進んでいる状況とは言えないものと認識しております。 ついては、漁業者をはじめ、広く関係者等の理解を得ることに全力を尽くすよう、今後とも様々な機会を捉え、国及び東京電力に対して強く求めていきます。
○議長(大峯英之君) ここで、午後2時25分まで休憩いたします。 午後2時07分 休憩
--------------------------------------- 午後2時25分 再開
△田頭弘毅君質問
○議長(大峯英之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。29番田頭弘毅君。 〔29番田頭弘毅君第二演壇に登壇〕
◆29番(田頭弘毅君) (拍手)29番いわき市議会一誠会の田頭弘毅です。通告順に従い、一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、本市の健康づくりの取組についてであります。 全国の都道府県のうち、令和2年に最も平均寿命が長かったのは男性で滋賀県、女性は岡山県だったことが厚生労働省の調査で分かりました。 これは、厚生労働省が5年に一度、都道府県ごとの平均寿命を調査しており、令和2年の時点の調査結果を昨年12月に公表しました。 それによりますと、男性で平均寿命が長かった滋賀県が82.73歳、次いで、2位の長野県の82.68歳、3位の奈良県が82.4歳、女性では岡山県が最も長く88.29歳、次いで、2位が滋賀県の88.26歳、3位が京都府の88.25歳という順となりました。 一方、平均寿命が短かった県をワースト順に見ますと男性では、最も短かったのは青森県の79.27歳、次いで秋田県が80.48歳、福島県が80.6歳、女性では青森県が86.33歳、次いで、福島県が86.81歳、栃木県が86.89歳という順となり、残念ながら福島県は全国で、男性がワースト3位、女性がワースト2位という結果となりました。 厚生労働省の担当者は都道府県で差がある理由を生活習慣や食生活の違いが考えられると説明いたしました。 本市においても、健康指標の多くが県内でも低迷している状況にあり、生活習慣病対策が喫緊の課題となっていることから、令和元年をいわき市健康元年と位置づけ、新たに健康づくり推進課を新設し、市民の皆さんの健康づくりの各種施策を推進しているところです。 そこで初めに、以前の令和元年9月定例会においても質問したことがありますが、改めて、本市の健康元年に併せて創設された、健康いわき推進会議の概要について伺います。
◎保健福祉部長(園部衛君) 健康いわき推進会議は、市民・企業・団体などのあらゆる主体と連携して協働することにより、市民の皆様が主体的に健康づくりに取り組むことを目的として設置したものです。 また、その構成員は、市長を会長として、学識経験者や保健医療等関係者などの委員20名となっています。 当会議では、健康増進計画健康いわき21における関連事業の進捗確認や評価検証、さらには、計画の見直しに係る調査審議を行っています。 加えて、市民の健康づくりの推進を図るため、健康課題の解消に向けた情報交換や意見交換、施策の検討などを行っています。
◆29番(田頭弘毅君) 改めて、健康いわき推進会議の概要について確認することができました。 次に、健康いわき推進会議には、健康推進企業普及部会という下部組織があると伺っております。 そこで、企業普及部会の概要について伺います。
◎保健福祉部長(園部衛君) 健康推進企業普及部会は、健康いわき推進会議の下部組織として、関係機関・団体等が連携し、健康経営及び地域や消費者の健康づくり活動を積極的に行おうとする企業等の取組を推進し、普及拡大を図ることを目的として設置したものです。 また、その構成員は、学識経験者、商工団体関係者、保健衛生関係者、地域活性化包括連携協定締結団体などの委員16名となっています。 当部会では、健康経営の普及啓発や、市民の健康づくりを応援する企業等と連携し、特に、壮年期の健康づくりに向けた取組などを企画検討しています。
◆29番(田頭弘毅君) 市民の健康づくりの推進に向け、今後も推進会議及び企業普及部会において、活発な意見交換が行われることを期待しております。 次に、本市において、健康増進計画として健康いわき21が策定しており、現在は、平成26年からの第二次計画に基づき、各種施策を展開していることと思います。 そこで、本計画について幾つか伺ってまいります。 まず初めに、第二次計画の基本方針について伺います。
◎保健福祉部長(園部衛君) 健康いわき21(第二次)においては、心身ともに健康で、生きがいを持って生活ができるを目指す姿として基本方針に掲げています。 この基本方針は、健康課題を明確にし、世代別の数値目標を設定しながら、生活習慣の改善と社会環境の改善を行い、生活習慣病の発症予防と、その重症化予防を徹底するために掲げたものです。
◆29番(田頭弘毅君) 次に、第二次計画の健康づくりの施策について伺います。
◎保健福祉部長(園部衛君) 健康課題は世代によって異なることから、第二次計画においては、乳幼児期、学童期、青年期、壮年期、高齢期の5つのライフステージに応じて、健康づくり施策を推進することとしています。 また、本計画で整理した健康課題に適切に対応していくため、必要に応じて、施策の見直しや拡大、さらには、新規事業を構築し、市民の健康づくりの推進を図っています。 第二次計画策定以降の主な新規事業を申し上げますと、学童期の施策として実施する、いわきっ子生活習慣病予防健診事業は、中学2年生を対象に、血糖・脂質検査や、生活習慣病予防に向けた健康教育授業、健康相談を一体的に行います。 また、青年期及び壮年期の施策として実施する、健康経営推進ヘルスケアサポート事業は、企業と連携し従業員の健康づくりを推進していきます。 さらに、全世代を対象とした施策としては、高血圧対策による生活習慣病の予防・改善に向けた減塩食普及プロジェクト、いわきひとしおを実施しています。
◆29番(田頭弘毅君) 次に、健康づくり施策の主な事業について質問させていただきます。 以前に、本市と市民の健康長寿の実現に関する都市連携協力協定を締結した、健康長寿のまちとして知られる、長野県佐久市の柳田清二市長の講演を聞く機会がありました。 かつて、佐久市は、全国でも1、2を争うほど、脳卒中の死亡率が高く、昭和34年、佐久市立国保浅間総合病院に赴任した吉澤國雄院長が始めた減塩活動により、脳卒中での死亡率が低下し健康長寿につながったと話しておりました。 そこで、本市が始めた減塩食普及プロジェクト、いわきひとしおについて伺っていきたいと思います。 いわきひとしおの事業の目的について伺います。
◎保健福祉部長(園部衛君) 本市においては、心疾患や脳血管疾患などによる死亡割合が、国や県と比較して高い状況にあります。 その要因として、市民の塩分摂取量が国の目標値と比較して、男女共に多いこと、また、高血圧有所見者の割合が高いことなどが考えられます。 これらの状況を踏まえ、減塩食の普及を通して、市民の高血圧の予防・改善につなげることを目的に、令和3年度より、減塩食普及プロジェクト、いわきひとしおに取り組んでおります。
◆29番(田頭弘毅君) いわきひとしおの事業の目的について、改めて理解することができました。 次に、いわきひとしおの事業内容について伺います。
◎保健福祉部長(園部衛君) いわきひとしおプロジェクトの主な取組としては、地場産品を活用した減塩商品の開発をはじめ、スーパーと連携した減塩弁当の販売や、食品メーカーと連携したスーパー店頭での減塩商品特設コーナーの設置、減塩レシピブックの配布などを行っています。 また、日本高血圧学会が定める減塩の日に合わせ、毎月17日をいわきひとしおの日と定め、減塩レシピをSNS等で情報発信するなどの取組を進めてきたところです。 今年度は、新たに、庁内プロジェクトとして、管理栄養士の資格を持つ職員を集めた、ひとしおLabを立ち上げ、減塩レシピの開発を進めます。 また、その成果を、オリジナル減塩レシピブックの作成や、学校や保育給食へのレシピの提供、小売店との連携による商品化につなげることにより、市民の食卓における減塩のさらなる普及促進を図ります。
◆29番(田頭弘毅君) 実は、私も市役所8階食堂のひとしお鳥唐揚げ弁当、5月17日ひとしおの日には、ひとしおランチのピリ辛ジャージャー麺を食べてみました。おいしくて減塩ということですので、まだ食べたことがない方も食べていただきたいと思います。 また、ユーチューブチャンネルのいわきの極意にて、いわきひとしおの動画が配信しているのを拝見しました。減塩のレシピやおいしい食べ方なども紹介されております。それ以外にも、いわきの極意には、筋トレやダンスの動画等も配信されており、私の知り合いのパーソナルトレーナーも筋トレで出演しており、楽しく拝見しております。健康づくりに大変参考になり、内容も面白いのでぜひ視聴してみていただきたいと思います。 では、次に、健康経営推進ヘルスケアサポート事業について、事業の目的について伺います。
◎保健福祉部長(園部衛君) 健康経営推進ヘルスケアサポート事業は、健康づくりのノウハウを有する民間企業等が提供するヘルスケアプログラムを、市内企業の従業員等を対象に、今年度、新たに実施するものです。 本事業は、壮年期等の生活習慣病の予防・改善や企業の健康経営の推進につなげることを目的としています。
◆29番(田頭弘毅君) 次に、ヘルスケアサポート事業の事業内容について伺います。
◎保健福祉部長(園部衛君) 健康経営推進ヘルスケアサポート事業は、健康づくりに関心のある企業や、団体等のニーズに応じて、2種類のヘルスケアプログラムを提供するものです。 1つは、スマートヘルスケアプログラムです。 この取組は、ICT等を活用した健康プログラムを一定期間実施し、取得した様々な身体データから、プログラムの効果等を評価します。その評価を基に、参加者一人一人に合わせた食習慣や運動習慣等の改善につながる指導や助言等を行うプログラムです。 もう1つは、ヘルスケア講座です。 この取組は、ストレッチやウォーキングなどの運動教室、減塩などの栄養教室を、企業等に講師を派遣して行うプログラムです。 また、より多くの市内企業に、健康経営に関心を持っていただくため、このプログラムに参加された企業の取組状況等をモデル事例として、SNS等で情報発信していきます。
◆29番(田頭弘毅君) 次に、以前の新聞報道で、明治安田生命、いわきFCを運営するいわきスポーツクラブと市が連携した取組として、ヘルスケアパスポートの発行が始まったとの記事を見ました。 そこで、このヘルスケアパスポートの企画概要について伺います。
◎保健福祉部長(園部衛君) ヘルスケアパスポートは、昨年度、健康推進企業普及部会において、企画検討し、本年4月から事業化した取組です。 その内容は、健康意識の向上や、生活習慣病の予防・改善など、市民の行動変容につなげることを目的とした健康づくり企画となります。 具体的には、まず参加者は、いわきFCホームゲーム時に、同部会に参画している明治安田生命保険相互会社いわき支社が開設する健活ブースにおいて、血管年齢や推定野菜摂取量を見える化するベジチェックを測定します。 次に、これらの測定結果や、駅等からスタジアムまでの歩行距離等を、同ブースにて配布するオリジナルパスポートに記録し、それぞれに対してポイントを付与します。 最後に、ポイントが一定数以上集まると、ホームゲーム最終戦に行われるいわきFCグッズ等を特典とする抽選会に参加できる健康ポイント事業です。
◆29番(田頭弘毅君) 今回のヘルスケアパスポート企画により、少しでも多くの市民の皆さんに、いわきFCホームゲームに来てもらい、観客動員数の増加へのきっかけとなり、本来の目的である、市民の皆さんの健康意識向上や健康づくりにもつながることを大いに期待いたします。 健康いわき21(第二次)に基づき、様々な事業を実施していることが分かりました。今後も、市民の健康増進につながる各種事業の推進を期待しております。 次に、現行の健康いわき21(第二次)が、令和5年度に終期を迎え、今年度、令和6年度からの第三次計画を策定する予定であると伺っており、4月20日のいわき民報の一面にも、来年度から健康いわき21第三次始動へと、大きく掲載されたのを拝見しました。 紙面には、健康いわき推進会議の令和5年度第1回会議が4月19日に開催され、会長の内田市長が挨拶に立ち、65歳からの平均自立期間を測ったお達者度や、特定健診受診率について、いわき市が県内13市でワースト1であることを説明し、引き続き減塩に向けた活動や、企業と連携したヘルスサポート事業を進め、若い世代から高齢者まで健康増進に取り組んでいくと語ったと記載されておりました。 次期計画も、これまで同様、市民の健康増進の推進につながるような計画としていただくことを期待しているところであります。 そこで、第三次計画策定に向けた基本的な考え方について伺います。
◎保健福祉部長(園部衛君) 本市の主要な健康課題である生活習慣病の予防・改善に向けては、身体活動や運動等に加え、食や栄養に関する取組が重要です。 このことから、市民の健康づくり推進のため、運動や食育等に関する取組を一体的に実施することを目的に、これまで個別に策定していた、健康増進計画と食育推進計画を統合して策定します。 また、今年度改定が予定されている国の健康日本21や、県の健康ふくしま21の内容を踏まえるとともに、各種健康データや市民アンケート調査の結果等を見える化し、分かりやすい目標や成果指標を設定します。 さらに、こうした目標などを市民と共有し、定期的に施策の進捗や成果等を評価検証します。 これらを通じて、第三次計画は、市民の意識の変化と行動変容につながり、主体的に健康づくりに取り組める手引となるような計画としていきます。
◆29番(田頭弘毅君) 次に、計画策定の今後の進め方について伺います。
◎保健福祉部長(園部衛君) 計画策定に当たりましては、国・県・市で公表している統計データや市民アンケート調査の結果などから、本市の健康課題を整理し、基本方針や重点プロジェクト等の検討を進め、計画の骨子案を策定します。 また、その骨子案を基に、健康いわき推進会議での審議に加え、パブリックコメントにより市民の皆様からの幅広い意見も反映させるなど、市民等との共創の視点に立って策定作業に取り組み、令和6年3月を目途に、策定することとしています。
◆29番(田頭弘毅君) ここまで、健康いわき21について伺ってまいりました。皆様も御存じのように、いわき市民の健康指標はまだまだ課題がある状況です。 こうしたことからも、次期計画が、市民の健康指標の改善につながるような、また、自ら健康に関する市民意識の向上につながるような計画となることを期待いたしまして、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、本市の観光・スポーツについてであります。
新型コロナウイルス感染症法上の位置づけが、2類から5類に移行されるなど、昨年からの段階的な制限の緩和により、人々の生活は急速にコロナ禍前に戻りつつあります。国内外を問わず多くの方々がコロナ禍以前のように余暇を積極的に活用し、様々な活動をされており、今後もさらに顕著になるものと思われます。 今年のゴールデンウィークにおいては、今まで制限されていた反動からか、初日から全国各地の観光地や主要駅は多くの人出でにぎわい、場所によっては、コロナ禍前以上のにぎわいを体感したという観光地もあったとニュースで報道されておりました。 このような中にあって、本市は今後、観光やスポーツの分野にどのように取り組んでいく考えなのか伺ってまいりたいと思います。 まず、最初の質問は、令和4年の市内観光入り込み客数についてです。 令和元年からの
新型コロナウイルス感染症の流行により、市内の観光入り込み客数は大きく減少しております。 そこで、影響を受けた前後の期間である、令和元年から令和4年までの観光入り込み客数の推移について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 本市の観光入り込み客数は、令和元年が755万3,200人、令和2年が428万7,735人、令和3年が381万2,345人、令和4年が546万2,975人となっております。
◆29番(田頭弘毅君) 次に、一昨年の令和3年と比較し、観光客が増加した主な施設について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 令和4年において、観光入り込み客数の増加した主な施設を増加人数の多い順に申し上げます。スパリゾートハワイアンズが前年比、42万8,115人増、約82.3%増の94万8,159人。いわき・ら・ら・ミュウが、33万900人増、約35.8%増の125万4,400人。アクアマリンふくしまが、22万1,757人増、約68.5%増の54万5,387人となっております。
◆29番(田頭弘毅君) 今年のゴールデンウィークにおいても、市内の観光施設では入館者数が増加したとのことで、アクアマリンふくしまにおいては、昨年比5,953人増と、この4年の間で一番の人出となり、いわき・ら・ら・ミュウでは、大型連休に合わせ毎日多数のイベントが催され、小名浜諏訪神社のみこし渡御、フラダンスショー、子供向けの駄菓子販売やメダカすくい、ら・ら・ミュウ落語などが行われ、大いに盛り上がったとのことでした。 次に、3点目として、コロナ禍により落ち込んだ、観光交流人口の回復に向けては、市としては既に取り組まれておりますが、その内容について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 観光交流人口の回復に向けて、的確なターゲット設定を行うため、いわき市観光サイトや各種SNSのアクセス内容を分析するなど、デジタルマーケティングを実施してまいりました。 その結果を踏まえ、よりターゲットへの訴求力が高いインフルエンサーを活用し、動画や電子雑誌等、各種媒体によるプロモーションを実施するなど、効果的な情報発信に努めてきたところです。 また、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、市独自の事業を実施したところです。 1つとして、観光業需要回復を目的に、旅行エージェントと連携した周遊促進、宿泊割引の実施。 2つとして、観光バスツアーの誘客を目的に、市外からのバスツアーに対する補助を実施し、観光交流人口の回復に取り組んでまいりました。
◆29番(田頭弘毅君) 現在の円安の状況により、日本各地の観光地では外国人観光客が急激に増えており、観光地によっては、経営者は人手の確保に悩ませている、各地の観光スポットでは外国人観光客でごった返しているとの報道がされておりました。 また、観光庁が5月31日に公表した4月の宿泊旅行統計によりますと、国内のホテル・旅館に泊まった外国人は、前年同月の19.5倍となる、延べ1,038万人で、1,000万人を超えるのは2020年1月以来で、コロナ禍後では初めてとのことでした。 この項最後の質問として、国内外からの人流が急速に回復している中にあって、今後の観光交流人口拡大に向け、どのように取り組まれる考えなのか伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 今後とも、デジタルマーケティングを活用したプロモーションや、モニターツアーを実施し、本市の魅力を効果的かつ継続的に発信してまいります。 また、サイクルツーリズムの推進を図り、インバウンドを見据えた誘客に努めてまいります。 さらには、スポーツツーリズム及びホープツーリズムを推進することにより、浜通り全体の広域観光推進にも注力してまいります。 スポーツツーリズムとしては、本市及び双葉郡内町村をホームタウンとするいわきFCや、来年度以降、Jヴィレッジを中心に固定開催が予定されているサッカーインターハイなど、新たな需要を捉えた情報発信の強化やおもてなしにより、観光誘客・物産振興を図ってまいります。 ホープツーリズムとしては、浜通りに整備された震災伝承館及び震災遺構、さらには今後整備が進むF-REIとの連携を視野に入れながら、震災・復興に係る教育旅行や、コンベンションの需要獲得に努めてまいります。
◆29番(田頭弘毅君) ここまで、観光交流人口の回復・拡大に向けた取組を伺うことができました。今後の取組が本市の観光交流人口の拡大につながることに期待し、次の質問に移ります。 次の質問は、いわき観光まちづくりビューローについてです。 本市の観光振興は、これまで、市とビューローが一体となって、情報の発信・観光イベントの開催など様々な取組が行われてきました。 最近、身近なものでは、ビューローで作成しているいわき市観光サイトのホームページを拝見いたしますと、毎月のイベント情報はもちろんのこと、市内の様々な観光に関する情報やグルメ等の情報を見ることができ、また、外国人観光客も見られるように、英語はじめ、5か国語に対応しており、そして、スマホでも見ることができるので旅先でも使えて大変便利に感じました。 今般、コロナ禍により落ち込んだ観光交流人口を回復させるためにもビューローの果たす役割は、さらに大きくなるものと思われます。 こうした点を踏まえ、以下伺ってまいります。 1点目として、改めて、いわき観光まちづくりビューローの設立の経緯について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 本市の観光振興に関する施策や事業の推進は、従前、社団法人いわき市観光物産協会が行政とともに中心的な役割を担っておりました。 平成20年6月1日、多様化する観光ニーズに応え、さらなる交流人口の増大を図るため、観光戦略の推進体制の確立を最優先課題として、当協会を発展的に解消する形で、社団法人いわき観光まちづくりビューローが発足し、本市の観光まちづくりを一元的に推進・コーディネートする組織となりました。
◆29番(田頭弘毅君) 次に、2点目として、本市における観光施策を展開する上で、いわき観光まちづくりビューローが担う主な役割について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 観光まちづくりの牽引役であるビューローは、平成30年に日本版DMO法人に登録されたところであり、その役割は大きく2つあります。 1つとして、観光地経営の視点から、行政機関や商工団体、事業者などと問題意識や戦略の方向性、事業の進捗状況等を共有すること。 2つとして、地域の関係者間のマネジメントや各種データに基づいたマーケティングを担うなど、重要な役割を果たすことが求められています。
◆29番(田頭弘毅君) いわき観光まちづくりビューローの設立の経緯や役割について伺うことができました。 先日の新聞に、いわき観光まちづくりビューローの新会長に、いわき湯本温泉観光協会副会長の大場敏宣氏が選出されたと載っておりました。 紙面には、会長としての意気込みや、課題も述べられており、ウィズコロナを前提に、交流人口拡大を目指して事業の練り直しを図る、福島第一原発の処理水の海洋放出に伴う風評被害の懸念、風評払拭の取組、インバウンドも戦略的にターゲットを絞って取り組む必要性などを述べており、観光振興の明るい材料として、いわきFCのアウエー客が増えていること、2024年からのインターハイ男子サッカーでの本県での固定開催、スポーツだけではなく、常磐ものの食や自然など魅力的な観光資源を生かして誘客につなげたいと述べられており、今後のいわき観光まちづくりビューローのさらなる発展を期待したいと思います。 次の質問は、令和5年度のイベントの開催状況についてです。 昨年度は、夏まつり感染防止対策5か条という本市独自の
新型コロナウイルス感染症対策をし、いわき花火大会、いわき七夕まつり、いわきまつりが開催され、時間の短縮や人数の制限等はあったものの、コロナ禍により3年ぶりの開催ということで大いににぎわいを見せておりました。
新型コロナウイルス感染症の5類への移行により夏祭りなどのイベント等についてもコロナ禍以前のように開催されていくものと思われます。 市民の皆さんからも、今年の市内のイベントの開催についての質問が多々あります。 そこで、今年度開催される主なイベントの状況等について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 今年度、
新型コロナウイルス感染症の流行前の規模で開催することが決定した主なイベントを申し上げます。 平地区のいわきおどり、小名浜地区のいわき花火大会、おなはま海遊祭、いわきおどり小名浜大会、内郷地区のいわき回転やぐら盆踊り大会などとなっております。
◆29番(田頭弘毅君) 今年は、いわき花火大会の前夜祭である、いわきおどり小名浜大会、海遊祭なども開催するとのことですので、小名浜出身の私としても大変楽しみでもあります。まだ開催が正式に決定していない夏祭り等もありますが、通常通りに開催できることを願っております。 今年のいわきの夏祭りが、コロナ禍前、それ以上ににぎわいを見せることを期待しまして、次の質問に移ります。 次の質問は、本市の夏の風物詩でもある海水浴についてです。 昨年は、3年ぶりに4海水浴場が開設されたところでありますが、その入り込み客数等はどのようなものであったのか伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 令和4年度に開設した4つの海水浴場の入り込み客数を多い順に申し上げます。薄磯海水浴場が約9万2,000人、四倉が約1万6,000人、勿来が約9,000人、久之浜・波立が約3,000人、合計約12万人となっております。
◆29番(田頭弘毅君) 次に、今年の開設はどのように考えているのか伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 本年5月16日に開催した市長を委員長とし、国・県・市の関係機関や地域の皆様等で構成いたします、いわき市海水浴安全対策会議において、7月15日から8月15日までの32日間を開設期間として、昨年度同様、久之浜・波立、四倉、薄磯、勿来の4海水浴場の開設が決定されました。
◆29番(田頭弘毅君) 昨年と同様に市内4か所開設ということですので、今年は
新型コロナウイルス感染症の感染対策も緩和され、5類に移行したということもあり、多くの海水浴客が期待できます。 海水浴を楽しんでもらうことは、安心安全が大切です。コロナ禍によるアウトドアブームにより、勝手に砂浜でバーベキューをやり、ごみを砂浜に放置して帰ってしまう人や、さらには、使用したバーベキュー用の網や焼き台などを砂の中に埋めて帰ってしまうような悪質な人がいるようで、そういった砂の中に埋まっているものを踏んでけがをするおそれもあり、関係者は頭を悩ませているようです。 県外では、水上バイクが海水浴場に侵入し走り回るという、とんでもなく悪質な例がニュースで報道されておりました。 この項最後の質問として、安心に海水浴を楽しんでいただくために、本市はどのような対策を講じる考えなのか伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 海水浴場の開設に際しましては、いわき市海水浴安全対策会議を開催し、開設期間をはじめ、水難事故防止や公衆・環境衛生に係る対策などについて決定しております。 本年度におきましては、昨年までの状況を踏まえ、各海水浴場で統一した禁止事項として、ごみの不法投棄、バーベキュー、ペットの汚物の放置、遊泳者近くでのサーフボード等の使用、水上バイク等の危害が及ぶおそれがあるものの使用等、5項目を新たに定めたところです。 今後におきましても、関係機関、各地区実行委員会及び関係団体等との連携を密にしながら、海水浴を安全・安心に楽しんでいただけるよう取り組んでまいります。
◆29番(田頭弘毅君) ごみの不法投棄に関しましては、SNS等で集まったボランティア有志の皆さんが定期的に海岸清掃している様子をフェイスブックで拝見いたしました。 そのような心温まる話の一方、海水浴を楽しみにしている市民の皆さんが心配しているのが、福島第一原発の処理水です。これは5月16日に行われた海水浴場安全対策会議でも出席者からの懸念の声が上がったとのことで聞いております。内田市長を先頭に、市民はもちろんのこと県外からの観光客への不安や風評を払拭するような取組もよろしくお願いいたします。 いわき市へ海水浴に来てよかった、また来たいと思っていただけるような海水浴になることを期待しまして、次の質問に移ります。 次の質問は、いわきサンシャインマラソンについてです。 今年のサンシャインマラソンは2月26日に5年ぶりに開催されたところです。 直近の大会は第9回大会であり、過去4回は降雪による路面状況や
新型コロナウイルス感染症の影響により、中止を余儀なくされており、本当に久しぶりの開催を迎えることができました。 当日は風が強い時間帯もありましたが、サンシャインの名にふさわしい晴天に恵まれ、笑顔でゴールするランナーや給水や給食など、ランナーを支え、おもてなしするボランティアの方々、さらには沿道で一生懸命に声援を送る市民の皆様の姿に私も大変感動したところです。 過去にも、いわきサンシャインマラソンについて、一般質問で取り上げてまいりましたが、今回、改めて、いわきサンシャインマラソンについて幾つか質問をいたします。 まず、第14回大会の募集については、コロナ禍での開催ということもあり、
新型コロナウイルス感染症対策として、募集定員を減少させるなどの対策を行っていましたが、第14回大会の出場者数、完走者数、完走率などについて、その実績について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 第14回大会の実績につきましては、申込者が7,191名、出場者が6,204名、完走者が5,603名となっております。 その内訳につきましては、フルマラソンの申込者が5,034名、出場者が4,309名、ショート種目の申込者が2,157名、出場者が1,895名となっております。 また、完走率は全体で90.3%と例年どおりとなっているところであります。
◆29番(田頭弘毅君) 先月、5月21日に福島市において、ふくしまシティハーフマラソンが初開催されました。 ハーフマラソンは約3,500人が出場し、ほかのクラスを合わせると計4,418人が出場しました。ふくしまシティハーフマラソンは初開催ながら内容が盛りだくさんで、スタート時には、福島市出身の作曲家古関裕而が作曲したわらじ音頭を披露し、笛や太鼓の調子に合わせた力強い踊りや、長さ約3メートルの金わらじでランナーを元気づけたようです。給水所では福島市の銘菓いもくり佐太郎や福島市産の桃果汁を使ったゼリー飲料などが配られ、ゴール後には、福島名物円盤餃子やリンゴのシャーベットなどの御当地グルメが振る舞われたようです。 ゲストランナーには、市民ランナーの星として知られる川内優輝さんや元五輪代表の増田明美さんも参加ランナーと一緒に走り、大会を盛り上げました。初開催ながらランナーからは、気持ちよく走れた、リンゴジュースは走りながらでも絶対に飲もうと楽しみにしてきた。走り終わった後の円盤餃子は最高においしいなどの評価も高かったようです。 いわきサンシャインマラソンも毎年大勢の方に参加していただき、大会を実施しておりますが、いわきサンシャインマラソンは、全国数多くあるマラソン大会と比べ、どのような位置におり、どのような評価を得ているのか気になるところです。 そこで、次の質問は、第14回大会の参加者からの評価はどのようなものだったのか伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 大会の評価としましては、5月31日現在、ランネットにおいて、今年開催された109大会中、第8位と高評価を得ているところです。 参加者からの評価につきましては、風が強かった、トイレが少なく、混雑がひどかった等の意見もありましたが、沿道からの声援が絶えることなく気持ちよく走れたなど、高い評価をいただいているところです。 寄せられた御意見を基に、第15回大会は、よりよい大会となるよう努めてまいります。 一方で、今大会においては、参加したランナーが心肺停止となり、その後亡くなるという悲しい事案も発生しました。 このため、新たに実行委員会内に医療安全委員会を設置し、参加者が安全・安心にレースを楽しむことができる体制について、いわき市医師会と協議を重ねているところであります。
◆29番(田頭弘毅君) 全国数多くある大会の中で、高評価を得られていることがうかがえました。 第14回大会では
新型コロナウイルス感染症対策として、募集定員を減少させるなどの対策を行っていましたが、
新型コロナウイルス感染症も5類へ移行し、今後はイベント等における規制緩和も進んでいくことと思われます。 そこで、次の質問は、今年度実施予定の第15回大会は前回と異なり、
新型コロナウイルス感染症の影響が極めて少ない大会になるかと思われますが、どのような大会としていく考えなのか伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 第15回大会につきましては、コロナ禍以前の大会運営を基本としつつ、引き続き感染症の動向に注視しながら準備を進めてまいります。 開催日については、2月第4週の日曜日となる令和6年2月25日を予定しております。 また、開催規模につきましては、昨今のランナー離れなどを考慮し、募集人数などを第14回大会と同規模としたところです。 なお、大会準備に十分な期間を設けるため、早期のエントリーを促してまいりたいと考えております。 そのため、フルマラソンのみエントリー期間を2回に分け、参加料について、1次エントリーは9,000円、2次エントリーが500円増の9,500円としたところです。
◆29番(田頭弘毅君) 次に、先ほどの評価の中で、強風についての意見もありましたが、海沿いを走る本大会のコースや開催時期については、これまでの降雪など、天候や気温などを鑑みれば、見直しを検討する必要もあると思います。 また、ランナーからは、小名浜の臨海工業地帯の辺りの景色が単調で距離が長く感じる、1年で最も寒い月とも言われる2月開催ということで、ボランティアの方々からは、寒さ対策の話などを耳にします。 そこで、今後のいわきサンシャインマラソンのコースや開催時期の見直しについて伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) いわきサンシャインマラソンは、スポーツ交流人口の拡大をその目的の1つとして掲げており、観光の閑散期であり、マラソン開催に適した気候である2月の開催としているところです。 また、コースにつきましては、本市のメインストリートである鹿島街道や景色がよい海岸道路を設定するとともに、多くの沿道の方々に応援いただけるコースとしてきたところです。 しかしながら、これまで、雪や風や寒さなど天候による強い影響もあったことから、開催時期やコースの見直しについて、関係機関と協議しながら検討してまいります。
◆29番(田頭弘毅君) ランナーの皆さんからは、スタートやゴールの距離が離れているのでシャトルバスでの移動が大変などの声も出ていますのでコースや時期の見直しを前向きに検討をお願いしたいと思います。 次回の第15回大会は、インバウンドの誘客を促進するため、台湾から100人を誘客予定していると聞いておりますので、これをきっかけに海外からの参加者も期待したいです。 また、先日の新聞記事に、いわきサンシャインマラソンの新シンボルマークやキャッチフレーズ募集と載っておりました。いわき市民はじめ、多くのランナーに親しまれるすばらしい作品が選ばれることを願っております。 今年の大会は5年ぶりかつ、コロナ対策を施した開催となり、第14回大会の運営には事務局も苦慮されたことと想像されます。しかしながら先ほどの答弁にあったように、参加者からのインターネット上の評価も様々な意見が出ております。これらの意見を今後の大会運営に反映し、今年より来年、来年より再来年と、年を重ねるごとによい大会となることをお願いし、次の質問に移ります。 次の質問は、自転車文化の醸成についてです。 自転車文化については、令和3年2月定例会でも取り上げましたが、再度幾つか質問してまいりたいと思います。 現在、福島県では、県内を振興局の7つの地域に分け、自然環境や観光資源を生かした県全域の広域サイクリングルートの設定を進め、自転車への関心を高めるとともに、健康意識の醸成、さらには自転車利用機会を増やすことで健康増進を図り、サイクルツーリズムの推進による交流人口の拡大、地域活性化を目指すために、ワークショップを行っていると聞いております。 市内でも、先月の5月20日、21日の2日間、ワンダーファームにて、自転車とキャンプを楽しむイベント、BIKE&CAMPが開催され、多くの方が来場されたと聞いております。 まず、自転車を持っていない方にも気軽に楽しんでもらうために、レンタサイクルは大切だと考えておりますが、市内のサイクルステーションにおけるレンタサイクルの状況について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) サイクルステーションにつきましては、いわき新舞子ハイツや、いわき・ら・ら・ミュウなど市内11か所に設置されております。 各ステーションには、電動アシスト自転車や二人乗りのタンデム自転車を含め、合計77台のレンタサイクルが配置されております。 令和4年度の利用実績といたしましては、月平均約150台となっております。
◆29番(田頭弘毅君) 利用者からは、いわき七浜海道を結ぶ各地区にサイクルステーションがあるのは大変うれしいとのことですが、サイクルステーションによってはレンタサイクルが少ないところもあるので、もう少し増やしてほしいなどの声も聞かれるので、その辺りの対応もよろしくお願いしたいと思います。 次に、市では、市内のサイクリングロードを記載した、サイクルマップを作成しておりますが、どのように活用しているのか伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 令和4年度に、観光客などの目に留まりやすいようA4サイズの冊子タイプで新たにサイクリングマップを作成いたしました。 その設置場所は、市総合観光案内所やサイクルステーション、さらには、市外の市東京事務所をはじめ、県の首都圏情報発信拠点MIDETTE、港区役所などとなっております。
◆29番(田頭弘毅君) 次に、いわきサイクリングマップを見ますと、本市には海岸部を走る平たんなコースと山間部を走る山岳コースと、初心者から中・上級者までをカバーできる様々なコースがありますが、この地の利を生かして、学生などの自転車部にとっては、よい練習の場が提供できるものと考えます。 そこで、次の質問は、自転車合宿の誘致について本市の所見を伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 自転車合宿につきましては、令和4年度は、日本体育大学、日本大学、明治大学の自転車部が本市で合宿を行っております。 また、令和3年度は日本パラサイクリング連盟、日本トライアスロン連合が合宿を行っております。 合宿を行った団体からは、起伏に富んだ多様なコースや温暖な気候、合宿に適した宿泊施設などを評価していただいたところです。 今後も、これら本市の優位性やスポーツ合宿開催補助金等を効果的にアピールしながら、さらなる合宿誘致に努めてまいります。
◆29番(田頭弘毅君) いわきの里鬼ヶ城で合宿を行った、日本大学の井上監督は、信号がなく、起伏に富んでおりロードレースの練習環境が整っている。日本体育大学の西山監督は、夏場は涼しく過ごすことができるので、睡眠時間も十分確保できる。周囲は落ち着いた雰囲気なので、1週間以上の中期合宿に向いていると感想を述べておりました。 鬼ヶ城は標高が高いので、高地トレーニングの効果も期待できます。また、繁華街から離れているので遊びの誘惑に負けることなく練習に集中できます。 私も現役時代、全日本の合宿で北海道はじめ、夏場涼しいところで合宿したことがありますが、本市の気候も合宿に最適だと思っております。さらに、本市はめったに雪が降らないので一年中どのシーズンでも合宿することも可能です。また、全国から多くの方々が合宿に訪れることにより中山間地域の活性化にもつながると考えております。 全国からラグビー合宿に訪れることで知られる、ラグビー合宿の聖地と知られる、長野県の菅平のように、本市にも全国各地から合宿に訪れるような、自転車合宿の聖地いわきになるよう、市と県が連携して、力を入れて取り組んでいただくことを心より願っております。 次に、いわきスポーツ・サイクルツーリズム推進協議会について質問します。 スポーツの力で地域の元気を創造することを目的として、観光資源を最大限に活用し、官民共創による持続可能なまちづくりに寄与するため、当該協議会が設立されましたが、当該協議会の活動概要について伺います。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) いわきスポーツ・サイクルツーリズム推進協議会の活動につきましては、大きく4つの事業がございます。 1つとして、いわきFCパーク1階に開設した、いわき自転車文化発信・交流拠点ノレル?の管理・運営。 2つとして、市外の団体からの合宿運営等のサポートを行うスポーツコミッション推進事業。 3つとして、サイクリング教室や散走イベント等を行うサイクルスポーツ・ツーリズム推進事業。 4つとして、多様な市民を対象としたタンデム自転車体験会やワークショップ等を行う共生のまちづくり推進事業などの様々な活動を展開しております。
◆29番(田頭弘毅君) 次に、市外に目を向けますと、お隣の茨城県では土浦駅に、霞ヶ浦や、筑波山を活用したコースはもちろんのこと、レンタサイクル、サイクルショップ、サイクリストの交流スペースを有するサイクリング拠点を整備するなど、自転車を活用したまちづくりを進めている事例があります。 このような中、本市でも、いわき七浜海道のハード整備に加え、パラリンピックをはじめ、国際大会で活躍するアスリートを育成する日本パラサイクリング連盟が拠点を置くなど、自転車を取り巻く環境が整ってきており、これらを有効的に活用することが、自転車文化の振興につながるものと考えております。 そこで、自転車を本市のまちづくりに活用した今後の取組についてお伺いします。
◎
観光文化スポーツ部長(千葉伸一郎君) 今後は、同協議会を中心に、自転車を通じた新たな楽しみ方の提案や、サイクリストが集うイベントなどを実施してまいります。 また、日本パラサイクリング連盟や各種自転車イベントを開催する民間団体等との連携を密にし、多様なコースや競輪場など、本市独自の資源を生かしながら、自転車を活用したまちづくりに取り組んでまいります。 さらに、県や浜通り市町村等と連携し、ナショナルサイクルルートの指定など広域的なサイクリングルートの開発にも取り組んでまいります。
◆29番(田頭弘毅君) ここまで、本市の自転車に関する取組について様々な視点から伺うことができました。 本市には、いわき七浜海道をはじめ、サイクリングにふさわしいすばらしい自然環境が整っております。そして、これからオフロードサイクルコースも整備されることですので、他市に比べてもハード面の環境は引けを取らない、それ以上の環境と思っております。そして、自転車文化の醸成が、本市の観光交流人口の拡大の一翼を担うものと考えております。 他市の事例なども積極的に取り入れ、また、本市独自の取組も進め、各団体と連携し、国内外からサイクリストが集まるサイクリストの聖地と呼ばれる、広島県尾道市から愛媛県今治市を結ぶしまなみ海道のように、本市もサイクリストの聖地と呼ばれるよう、自転車文化の醸成が本市にとって、よりよいものになることを祈念しまして、私の一般質問を終了します。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(大峯英之君) ここで、午後3時30分まで休憩いたします。 午後3時22分 休憩
--------------------------------------- 午後3時30分 再開
△川崎憲正君質問
○議長(大峯英之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。1番川崎憲正君。 〔1番川崎憲正君第二演壇に登壇〕
◆1番(川崎憲正君) (拍手)1番いわき市議会志帥会、川崎憲正であります。以下、通告順に従い、市政一般について質問をいたします。 まず、大きな質問の1番目は、本市の産業振興についてであります。 内田市長の市政運営における柱は、人づくりであります。人づくりと言えば、どうしても教育や子育てのほうに目を向けてしまいがちでありますが、産業部門にとっても人財の確保や育成は重要であると考えます。しかしながら、本市において首都圏等に転出する若者や女性が多く、人口の減少が進んでいる状態にあり、市の産業を維持・発展させていくには、若者や女性の流出を防ぎ、市内にとどめること、流出した若者や女性を呼び戻すこと、さらには市外から若者や女性を呼び込むことが重要であると考えます。 令和5年2月定例会において我が志帥会の永山会長の代表質問では、産業振興部の基本方針として、5つの柱をもって取り組むと答弁がありました。また、今年度から組織改編により産業チャレンジ課・産業みらい課・産業ひとづくり課と組織が再編されたことも踏まえ、今後の市の取組について、改めて伺ってまいりたいと思います。 まず1点目に、産業振興部における基本方針の推進体制について伺います。
◎産業振興部長(佐竹望君) 市では、労働力の減少や市場の縮小など、人口減少下における本市産業界の課題解決に向けた施策の考え方を基本方針として整理しています。 若者や女性が活躍する魅力的な働く場の創出が、新たな若者や女性を呼び込むといった好循環につながるような施策を、戦略的に展開するものです。 具体的には、産業人財の確保、産業人財の育成、産業の新陳代謝、稼ぐ力の向上、脱炭素化とデジタル化が施策の柱となります。 この施策の柱に基づく取組を効果的、効率的に推進するため、令和5年度に産業振興部の組織再編を行い、3つの課を新設しました。 1つ目は、産業ひとづくり課で産業人財の確保や育成に注力するなど、産業分野におけるひとづくりを関係機関と連携しながら幅広く実践する部署です。 2つ目は、産業チャレンジ課で、創業支援や金融支援、事業の再構築や承継など企業が成長するフェーズにおける様々な挑戦を後押しする部署です。 3つ目は、産業みらい課で、風力関連産業などの振興や企業誘致、本社機能移転などにより、新たな産業の創造などに取り組む企業を支援する部署です。
◆1番(川崎憲正君) 2点目に、今年度新設された産業ひとづくり課の取組について伺います。 産業ひとづくり課としては、産業人財の確保や育成を積極的に支援する部署であるとのことですが、1つとして、産業人財を確保するための施策について伺います。
◎産業振興部長(佐竹望君) 産業人財を確保するためには、若者や女性を市内にとどめる、呼び戻す、呼び込む必要があります。そのため、地元理解の促進と魅力的な働く場の創出を両輪で進めます。 こうした取組の中で、産業ひとづくり課の主な事業を紹介します。 まず、地元理解の促進のため、市内高校生を対象に市内企業の紹介や地元で働く意識の醸成などを高校生就職支援事業として実施しています。 また、市外に進学した大学生等を対象に合同企業説明会や就職相談会などをふるさといわき就業支援事業として実施しています。 次に、魅力的な働く場については、子育てや介護と仕事の両立など多様な働き方を実現する生産性向上・ダイバーシティ推進事業を実施しています。そのほか、障がい者や外国人など、未活用人財、外部人財の活用といった観点からも事業を行っています。
◆1番(川崎憲正君) いわき市が直面している課題の1つに、人口の減少と生産年齢人口の減少があります。国全体が人口減少の局面にある中、本市においても同様に減少し、2015年の本市の人口が約35万人と比べると、2040年には約25万4,000人で27.4%の減、2060年には17万4,000人で50%の減となると見込まれております。 さらには、15歳から60歳までの、いわゆる生産年齢人口においては、2015年の生産年齢人口20万8,000人と比べると、2040年には約12万6,000人で39.5%の減、2060年には約7万7,000人で62.8%の減となり、市内人口の現象よりも大きな減少が見込まれております。その大きな要因として、市内における高校卒業者数が急激な減少していることに加え、その約6割が進学や就職で市外に流出していることが考えられます。 一方、民間企業に対して行ったアンケートによりますと、回答のあった県内企業の80%が人手不足であるという結果となっていると聞き及んでおります。 これらのことから、本市における人口の減少と、それ以上に生産年齢人口の減少が、いかに深刻であるかが分かります。 市外に流出した大学生など、若者や女性などを呼び戻すことが重要であると考えます。 2つとして、若者のUターン就職の促進について伺います。
◎産業振興部長(佐竹望君) 若者のUターン就職を促進するためには、市外に進学した大学生等を対象に、彼らを市内に呼び戻すことが重要です。 そのため、就職関連情報の発信、Uターン就職の意識醸成、市内企業とのマッチングといった一連の取組を、段階を踏んで実施します。 特に今年度から、市外大学において、市内企業で働く各大学のOB・OGとの就職相談会を開始し、Uターン就職の意識醸成の取組を強化します。
◆1番(川崎憲正君) 部長答弁にありましたとおり、若者や女性を呼び戻すにはいろいろな策が必要であるとのことでありまして、若者や女性を呼び戻すには、働く場として、また生活する場としての本市がいかに魅力的であるか、それをいかに発信するかが重要であると考えます。 令和4年12月定例会の一般質問におきまして、スタートアップ新規創業について質問させていただいた際、本市としてはスタートアップ新規創業への支援に力を入れ、いわき市を創業の地として選ばれるまちになることを目指しているとの答弁があり、呼び込むことにも力を入れていくことを確認しております。 しかし、スタートアップについては、国においても岸田総理がスタートアップへの徹底支援を掲げ、他の自治体においても今後ますます力を入れることが考えられ、呼び込むことの地域間競争が激しくなることが予想されます。 いわき市が一旦流出した地元出身の若者や女性を呼び戻すことができ、今いわき市にいる若者や女性を流出させることなく、とどめるまちになるには魅力的な働く場が必要であり、また地元出身者以外の創業を考えている人たちを呼び込むことで、創業の地として選ばれる、魅力的なまちであることも重要であると考えます。本市がそのような若者や女性にとって魅力的なまちになることを期待しております。 次に、産業人財の育成について伺いたいと思います。 産業人財の確保及び育成などを促進し、生産性の向上や経営力強化を図る観点から、連携協定を締結したと聞き及んでおります。 次に、3つとして、産業人財の育成をどう進めていくのか伺います。
◎産業振興部長(佐竹望君) 産業人財の育成については、学生などの将来人財や、経営者・従業員などの即戦力人財の育成により、企業の付加価値を高める方針です。 まず、将来人財の育成については、市内企業などに対する理解を深め、いわきで働きたいと思える機運の醸成に取り組んでいきます。 また、脱炭素やデジタルに関する知識、技術など将来を切り開くスキルの習得にも取り組んでいきます。 次に、即戦力人財の育成については、経営者の資質向上や従業員のスキル向上に取り組んでいきます。 具体的には、各種セミナーなどの座学形式の育成や産官金連携による伴走型支援などの実践形式の育成に取り組んでいきます。 加えて、公益財団法人日本数学検定協会及び株式会社データミックスとの連携協定や会津大学との基本協定もデジタル人財の育成などに活用します。
◆1番(川崎憲正君) 今回の、公益財団法人日本数学検定協会、株式会社データミックス、そして会津大学との協定を締結したとのことで、協定に当たり、ひとづくり・産業づくり・まちづくりが柱となる。人口減少や若者の市外流出に対して、地元とICTが掛け合わさることで、新たな解決策が見いだせるのではないかと言った内田市長のコメントも新聞で読ませていただきました。今回の協定を活用し、今後市内産業を支え、活躍する人材の育成に真摯に取り組んでいただきたいと思います。 令和2年1月に国内において
新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されてから、新型コロナウイルスの感染が拡大し、コロナ禍と言われる時代が始まりました。社会の活動の中で多くのことが制限され、在宅勤務やテレワークといった出社しない勤務形態が広がりを見せるなど、人々の生活様式にも多くの変化がありました。コロナ禍は経済活動にも大きな影響を及ぼしました。人流の抑制により観光事業は需要が大きく下回り、感染拡大の防止のために飲食店などの時短要請など、経済活動にも制限がかかり、宿泊飲食サービス業をはじめ、業種を問わず、多くの事業者が大きな影響を及ぼしました。 売上げの減少した事業者に対し、いわき市新型コロナウイルス対策特別資金といった資金繰り融資制度や店舗等維持支援金など、様々な支援策を打ち出し、多くの事業者がそれらの支援策を利用することで、目の前の危機を回避し、事業を続けることができました。 それから3年がたち、新型インフルエンザ等感染症、いわゆる2類相当とされていました
新型コロナウイルス感染症は、本年5月8日に5類感染症に移行し、それに伴い今まで制限されていた人々の活動も緩和され、経済活動も動きが出始めてきています。しかしながら、終息のする気配の見えないロシアによるウクライナ軍事侵攻の影響などもあり原油価格の高騰から、電力や物価の急激な高騰など、事業者にとって非常に厳しい状況がいまだに続いていると言えます。 国は、電力等の物価高騰の影響を受けた事業者に対し、地方自治体が地域の実情に合わせて必要な支援をきめ細やかに実施できるよう、電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金の増額を示しました。 本市としても、6月定例会において経済対策に係る補正予算を計上したものと認識しております。 そこで、1つとして、本市の状況をどのように認識しているのか伺います。
◎産業振興部長(佐竹望君) 市内の経済状況について、5月に実施した市長と市内経済関連団体との意見交換で出された意見を基に御説明します。 市内においては、幅広い産業分野において物価高騰など様々な要因が複雑に絡み合い、厳しい経済状況にあります。 また、コロナ禍の影響は収まりつつあるものの需要の回復の遅れや人手不足などにより、依然として先行きが不透明な状況であると認識しています。
◆1番(川崎憲正君) 先行きが本当に不透明な中、市長と経済関連団体との意見交換会が行われたとのことでありますが、2つとして、市長と経済関連団体との意見交換において、経済関連団体からはどのような声があったのか伺います。
◎産業振興部長(佐竹望君) 意見交換会で出された主な意見について、御紹介します。 1つ目は、原材料や燃料等の物価高騰分を価格転嫁できず、収益が確保できていないことです。 2つ目は、売上げが回復しないことや人手不足が大きな課題になっていることです。 また、こうした現状に対する対応策として、事業継続に対する支援のほか、コスト削減や賃金引上げに取り組む事業者への支援などが提案されました。
◆1番(川崎憲正君) 3つとして、今回の経済対策は、どのような方針の下に構築したのか伺います。
◎市長(内田広之君) 今回の経済対策につきましては、意見交換などで得られました様々な御意見を踏まえまして、2つの方針の下、構築いたしました。 1つ目といたしまして、地域の産業や生活を支える業種で特に価格転嫁が難しい事業者に対しまして、事業継続につながる緊急支援を引き続き行うことです。 もう1つは、エネルギー消費削減や賃金引上げ、需要回復・拡大といった事業者の挑戦を後押しするなど、将来を見据えた前向きな支援を行うということです。 今後も、各分野の皆様の声をお聞きし、その状況等を的確に把握しながら、市といたしまして主体的に独自の経済対策を構築していきます。
◆1番(川崎憲正君) 本市の経済対策について、事業継続につながる緊急支援に加え、エネルギー消費削減など、事業者の挑戦を後押しし、将来を見据えた前向きな支援を行う方針であることが確認できました。 県内の中小企業者等の生産活動における電気消費量またはエネルギー消費量を減少させ、経営コストの削減に資する省エネ設備の更新等を行うことを補助要件とした、福島県中小企業等経営コスト削減支援補助金について、県はエントリーした企業の中から採択事業者を決定する際に、経営計画書などを吟味することで交付の決定をしたのではなく、抽選を行うことで採択業者を決定したと聞いております。市は福島県中小企業等経営コスト削減支援補助金の採択になった事業者に対し、この中小企業等経営コスト削減支援事業費補助金を上乗せする形で支援しております。 県の経済対策の動向を注視していく必要がありますが、福島県中小企業等経営コスト削減支援補助金などの採択に漏れた事業者が出てしまった場合、その際に市としての独自の支援を改めて要望いたします。 答弁にもありましたが、今後も経済関連団体など事業者の皆様と意見を交換し、市内の経済動向等の現状などを把握することで、国や県の支援策も活用しながら、より市民や事業者の皆様に寄り添った形で支援策を講じていただくことを要望し、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、四倉地区市街地再生整備に向けた取組についてであります。 これは昨年の6月に続いての質問になります。 市は令和元年10月に、第二次都市計画マスタープラン及び立地適正化計画を策定し、今後、人口減少や超高齢化社会が到来する中においても、将来にわたり持続可能な都市運営を実現するため、ネットワーク型コンパクトシティーの形成を目指すこととし、また、立地適正化計画に定めた行政、医療、教育、福祉等の日常サービス機能を誘導する、都市機能誘導区域において、まちの活力の維持・増進に向けて、市街地の低未利用地や公共用地を有効活用し、公共施設の再編と整合を図りながら、市街地の再生整備を進めることとしております。 また、立地適正化計画の都市機能誘導区域8地区のうち、基盤整備の状況等も踏まえ、公共施設の再編を進める上で、基盤整備の導入が必要とされる、常磐、四倉及び小名浜の3地区について、市街地再生整備の検討を進めることとされました。 私の地元でもあります四倉地区も検討対象の1つとされており、令和2年8月に行政区長や四倉ふれあい市民会議などのまちづくり団体等、地域団体と行政の関係部署で構成する、まちづくり検討会を設置し、令和3年5月には市街地再生整備基本方針が策定され、今後の取組の方向性が示されたところであります。 この基本方針では、津波浸水想定区域にある老朽化した小・中学校や幼稚園、公民館等を、四倉駅西側のセメント工場跡地に移転集約させることや、商店街のにぎわい再生などの取組が位置づけられております。 昨年5月には、3つのワーキンググループ会議が開催され、基本計画策定に向けた具体的な検討が始まったところであります。しかしその後検討がなかなか進んでいかないといった状況にありましたが、今月の1日、約1年ぶりにまちづくり検討会が開催されました。 私も、PTAの立場から検討委員会の委員として参加しておりますが、まちの将来ビジョンである基本方針の具現化に向けてしっかりと取り組んでいきたい、加速させたいとの思いで、以下伺ってまいります。 まず、1点目に、これまでの検討状況について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) 四倉地区の市街地再生整備の検討に向けては、基本方針策定後の令和3年10月に、地元関係団体等の方々と、市の関係部署で構成する四倉地区まちづくり検討会を開催し、ワーキンググループを立ち上げています。 このワーキンググループでは、駅西側の工場跡地における交流・防災拠点づくり、公共施設再編後の跡地活用、商店街のにぎわいづくりの3つをテーマとして、検討に着手しています。 その後、令和4年3月に改定した公共施設等総合管理計画を踏まえ、四倉地区全体の小・中学校の在り方の方向性について、庁内において検討を進めてきました。 そして、先週、議員にも御出席いただいておりますけれども、今月1日に、四倉地区まちづくり検討会とワーキンググループの合同会議を開催し、基本計画策定に向けて、地域の皆様との意見交換を再開したところです。
◆1番(川崎憲正君) 2点目に、工場の跡地についてであります。 四倉駅西側に隣接し、かつてセメント工場として利用された広大な工場跡地ですが、震災以降は、仮設住宅用として利用されてきました。現在は入り口も施錠されている状況にあります。 基本方針では、このセメント工場跡地に学校施設等を移転させ、教育・文化・福祉機能を有する交流・防災拠点の整備を進めようとしており、地域の人たちからは、工場跡地への施設の整備の前向きな検討を望む声も聞かれるところです。 1つとして、現在の利用状況について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) 工場跡地については、東日本大震災以降、応急仮設住宅用地として、福島県が借り上げている状況です。 県によりますと、現在、応急仮設住宅の利用者はおらず、近々、撤去工事を開始する予定としています。
◆1番(川崎憲正君) 2つとして、今後の見通しについて伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) 県によりますと、応急仮設住宅の撤去後、遅くとも年内には、地権者へ土地を返還する予定としています。 今後も、学校施設等の再編を含めた、交流・防災拠点施設の検討の進捗に合わせて、地権者との協議を進めていきます。
◆1番(川崎憲正君) 四倉地区の公共施設ですが、老朽化が大変進行しております。 特に、四倉小学校と四倉中学校、四倉公民館については、津波浸水想定区域にもあり、大浦小学校は河川洪水浸水想定区域に立地しており、また少子化の影響から、今後、児童・生徒数の減少が懸念されるところであります。望ましい教育環境の早期整備に向けた検討を進める必要があると考えております。 そこで、3点目に、四倉地区全体における学校の在り方についてであります。 1つとして、四倉地区の、これまでの学校再編の取組について伺います。
◎教育部長(松島良一君) 市教育委員会としては、児童・生徒が思考力や表現力、判断力などを育み、社会性や規範意識を身につけていくためには、多様な考えに触れ、切磋琢磨することができる、一定規模の児童・生徒が集う教育環境が望ましいと考えています。 このため、児童・生徒数の将来推計のほか、各地区における学校の施設規模及び配置状況を踏まえ、複式学級を編制している学校や、将来その編制が見込まれる学校の保護者や、地域の皆様と、地域の実情なども含めた意見交換を重ねています。 四倉地区においては、平成29年度から大野地区の保護者、地域の皆様と意見交換を重ねた結果、一定規模の児童・生徒が集う教育環境の整備が望ましいとの意見に集約され、大野第一小学校が令和元年度末をもって、大野第二小学校が令和2年度末をもって閉校し、大浦小学校に再編されたところです。 また、大野中学校も同様の意見集約がなされ、令和4年度末をもって閉校し、四倉中学校に再編されたところです。
◆1番(川崎憲正君) 2つとして、四倉地区の学校再編の今後の取組について伺います。
◎教育部長(松島良一君) 四倉地区は、大野地区での学校再編により、四倉小学校、大浦小学校、四倉中学校の3校となったところです。 このうち、四倉小学校は、河川洪水浸水想定区域に立地し、築60年近い、市内で最も古い学校の1つで、老朽化も著しく進行しています。 四倉中学校も、津波浸水想定区域に立地する、築50年の老朽校舎です。 また、四倉地区の児童・生徒数ですが、今後、徐々に減少が見込まれる状況にあります。 こうした状況を踏まえ、現在、四倉地区市街地再生整備事業の地元検討会の中では、河川洪水浸水想定区域に立地する大浦小学校も含め、小・中1校ずつとし、四倉公民館等の公共施設と併せた、教育機関再編の可能性についての議論がなされています。 今後は、こうした議論も踏まえ、保護者や地域の皆様と、四倉地区全体の小・中学校の在り方について、意見交換を進めていきます。
◆1番(川崎憲正君) 大浦小学校の児童数は震災前に比べ、震災以降に移り住んできた子育て世代の家の子供たちが通学していることで児童数は若干増えてきておりますが、その子たちが卒業すれば、児童数が震災前以前のように減少していくことが予想されます。また四倉小学校に関しても少しずつではありますが減少する一方であると聞いております。 将来の学校の姿として、ある程度の児童数が担保できる学校の整備が、子供たちには望ましい教育環境であると考えます。 そのためには、学校の整備に当たっては四倉町、大浦、大野といった地域の垣根を取り除き、中学校も併せ持った小・中一貫校として整備されること、併せて公民館などの公共施設も整備し、地域の交流・防災の拠点としての機能も期待できるものと思います。 そこで、4点目に、市街地再生整備基本計画の策定についてであります。 昨年10月に、常磐地区で市街地再生整備基本計画が策定されておりますが、この計画では、市街地再生を図るための9つの具体的な取組や、スケジュールなどが位置づけられており、四倉地区につきましても、常磐地区と同様に、地域の方々の意見や思いを最大限に反映した計画づくりを進めていく必要があると考えます。 四倉地区の基本方針では、交流・防災拠点の整備など、4つの方針を定めており、その具現化に向けて、官民合同の3つのワーキンググループを設置し、検討を進めていくこととしております。 そこで、1つとして、交流・防災拠点づくりへ向けた検討の進め方について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) 交流・防災拠点づくりについては、工場跡地を候補地に、四倉地区の小・中学校や児童クラブ、公民館、図書館等の機能を集約しようとするものです。 これら機能の連携により、多様な世代の交流と豊かな学びが得られる地域拠点の形成を目指すものです。 今後は、四倉地区の児童数の推移や施設の利用状況などを共有するとともに、そこでの過ごし方や学び方について、地域の皆さんと意見交換を行い、施設づくりの考え方の検討を進めます。 また、各機能の施設規模を想定するとともに、企業アンケート及びヒアリングを実施し、公民連携事業導入の可能性も調査しながら、工場跡地全体の土地利用計画について検討を行います。
◆1番(川崎憲正君) 2つとして、公共施設再編後の跡地活用へ向けた検討の進め方について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) 公共施設再編後の跡地活用については、民間活力などを導入し、地区の交流やにぎわいに寄与するような土地利用の実現を目指すものです。 今後は、まちに不足しているもの、まちの魅力を高めるものなどについて意見交換を行い、跡地活用方針の検討を進めます。 併せて、企業へのアンケートやヒアリングにより、市場性を把握するとともに事業手法の検討を行います。
◆1番(川崎憲正君) 3つとして、商店街のにぎわいづくりへ向けた検討の進め方について伺います。
◎都市建設部長(永井吉明君) 商店街のにぎわいづくりについては、時代のニーズに合わせた個店づくりや居心地のよい空間づくりにより、日常生活を支える商店街の形成を目指すものです。 今後は、市内外の事例や支援メニューなどを共有するとともに、自らがやりたいこと、使えそうな空き家や空き地、道路空間の活用方法などについて意見交換を行い、活性化方策の検討を進めます。
◆1番(川崎憲正君) 各ワーキンググループでは、交流・防災拠点づくりでは、今、部長の答弁にもありました、小学校・中学校・公民館などの施設を集約して整備することで、多世代が1つの空間で交流することでコミュニティーの向上が期待されるといった意見があり、また、公共施設の再編では、ボール遊びができる広場があるとよい、また、商店街のにぎわいづくりでは、供用駐車場や歩車共存道路の整備など、今以上に人々の交流が増えることを期待しての熱心な議論が進められております。まちの人たちが、このまちづくり検討会への期待が伝わってきました。 そこで、4つとして、今後のスケジュールについて伺います。
◎市長(内田広之君) 今後は、ワーキンググループにおきまして、具体的な施策案の検討を進めるとともに、検討内容の積極的な情報発信を行いまして、広くアイデアも募集するなど、地域の機運醸成に努めます。 また、構造改革の枠組みの中で検討を進めております個別施設計画との整合を図りながら、四倉地区の整備時期の見通しについて検討を行いまして、今年度内の基本計画策定を目指していきます。
◆1番(川崎憲正君) 今後、まちづくり検討会の中で、四倉第一幼稚園や第二幼稚園、放課後児童クラブ、高齢者施設の在り方なども併せて議論されることになると思われます。 今、答弁にありました、年度内の基本計画の策定に向けて、四倉町の人たちと行政が意見を交わし、これからの世代を担う子供たちの将来を見据えたまちづくりを、共に目指していくことを要望し、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、消防行政におけるICT対応についてであります。 消防行政において、ICT技術を活用した消防活動が普及してきており、スマートフォンで撮影した動画や静止画による災害現場の把握、災害状況の可視化が可能となる災害情報収集アプリやタブレット端末を使用した救急現場での情報収集、その他、救急医療支援システムやAIによる地域救急分析、需要の分析、また、消防活動用のドローンの導入など、様々な実証実験や導入がなされているところであると聞いております。 本市消防においてもICT活用が進められていると伺っております。特に、救急出動の場面での活用が注目されると考えます。 また、市民にとって身近なICT機器であるスマートフォンについても、近年急速に普及が進み、119番通報もスマートフォンからの通報が増加しており、利便性が向上している反面、課題もあると伺っております。 そこで、消防行政のICT対応について、大きく2つのテーマに分けて伺ってまいります。 まず、1点目は、本市消防におけるICTの導入状況についてであります。 1つとして、本市消防における、これまでのICT導入状況について伺います。
◎消防長(谷野真君) 本市消防におけるICT導入状況について、主なものを申し上げます。 まず、119番受信から通報者の位置情報の取得、出動隊に係る災害場所までの経路や消防車両の動きの把握など、デジタルで一元管理できる消防緊急情報システムがあります。 このほか、火災や救助などの消防活動において災害現場全体をリアルタイムで俯瞰でき、適切な消火、救助活動を支援するドローンなどが挙げられます。 このようなICT機器の導入により、円滑な消防活動に努めています。
◆1番(川崎憲正君) この質問の冒頭でも申しましたが、ICT技術は特に救急出動の場面での活用が注目されると考えます。 そこで、2つとして、救急活動におけるICT技術の活用状況について伺います。
◎消防長(谷野真君) 救急活動におけるICT技術の活用については、消防緊急情報システムにより、場所の特定や経路などの情報を救急車に搭載されたナビゲーションシステムに送っています。 同システムは定期的に更新しているものの、一部で通行不能な道路もあるなど、完全には網羅しておりません。このため、通報者への聞き取りによる経路等の支援情報により、それを補完する必要があります。
◆1番(川崎憲正君) 救急活動においては、いち早く現場に到着し、市民の安全・安心の確保を図ることが求められますが、本年度に入り、消防本部では、道を誤ったことによる緊急搬送の遅延が続けて発生しました。うち1つは、消防本部指令課からの指示による道が示されていたにもかかわらず、ナビゲーションシステムの示した方向に進み、遅延したというもので、ここでICTに頼り過ぎるのも問題であるということが認識されました。 救急隊の皆さんは日々、緊迫した場面において懸命に活動されていることは理解しておりますが、そこで、3つとして、ICTの導入もありながら、こうした道を間違える事案が起きた原因はどのようなものなのか伺います。
◎消防長(谷野真君) 道を間違える事案が起きた原因ですが、救急現場に向かう経路において、ナビゲーションシステムを補完する指令課員からの正しい支援情報は、救急隊に指示されておりました。 しかしながら、救急隊はナビゲーションシステムが示した車両の通行できない方向に進み、遅延したものであります。
◆1番(川崎憲正君) 救急現場は一刻を争う状況であり、正確な現場到着が求められます。今回の遅延を踏まえ、再発防止に向けた検討会議が開かれたと伺っております。 そこで、4つとして、検討会議におけるICTの利活用を含めた遅延防止に向けた取組はどのような内容なのか伺います。
◎消防長(谷野真君) 遅延を防止するための事故防止対策検討会議で話し合われた取組については、1つとして、隊員間で走行時の状況や進行方向の呼称確認の徹底を図ること。 2つとして、ICTの利活用において、救急活動時はナビゲーションを有効に利用しつつも、経路等の支援情報と合わせて、進行方向に誤りがないか細心の注意を払うなど、これまで以上に指令課員との連携を密にすること。 これらを確実に実行することにより、再発防止に努めていくことを、消防本部全体で改めて確認したものであります。
◆1番(川崎憲正君) 救急車の到着が遅れた事案では、医師の診断結果によると、救急車の遅延により病院への搬送が遅れたことと、死亡の因果関係はないとのことでありますが、やはり市民の安全・安心の確保を図るためにも、今、消防長の答弁にもありました、ICTに頼り過ぎることなく、救急隊の人的なミスにより遅延はあってはならないと考えます。便利になってきているICT技術の活用と、それと同時に隊員の目視による確認や、隊員同士の声かけなどの隊員同士の連携、情報共有など、場合によってはアナログ的な方法による活動も重要になってくると考えます。救急車の遅延再発防止を切に願いますとともに、ICT技術を上手に活用することで、救急救命の向上につなげていくことが求められると考えますので、さらに適切な対応を要望しておきたいと思います。 2点目に、スマートフォンからの119番通報についてであります。 119番通報は、大きくは固定電話によるものと、スマートフォン等による、2つの方法から通報がなされているとのことで、このうち固定電話による119番通報については、通報場所を確実に特定できるといった特徴がありますが、近年はスマートフォン等の普及により、固定電話からの通報が減少していると伺っております。 一方で、スマートフォン等での場合は、様々な場所から直接通報することができ、GPS機能をオンにした状態であれば、通報者の場所が絞り込むことができるなど、利便性も大きく向上しており、今後も増加すると予想されます。しかしながら、119番通報に当たっては注意すべき事項もあると伺っております。 そこで、何点か伺ってまいります。 1つとして、過去5年間の119番通報件数の推移について伺います。
◎消防長(谷野真君) 過去5年間の通報件数は、平成30年が2万1,887件、令和元年が2万3,282件、令和2年が1万8,573件、令和3年が1万8,812件、令和4年が2万882件となっております。
◆1番(川崎憲正君) 2つとして、過去5年間の固定電話からの119番通報の件数の推移について伺います。
◎消防長(谷野真君) 固定電話からの通報件数につきましては、平成30年が1万3,208件、令和元年が1万2,132件、令和2年が9,963件、令和3年が9,555件、令和4年が9,869件となっております。
◆1番(川崎憲正君) 3つとして、過去5年間のスマートフォン等、携帯電話からの119番通報の件数の推移について伺います。
◎消防長(谷野真君) 携帯電話からの通報件数につきましては、平成30年が8,679件、令和元年が1万1,150件、令和2年が8,610件、令和3年が9,257件、令和4年が1万1,013件です。 なお、令和4年の通報件数は、119番通報件数全体の52.7%に当たり、統計を取り始めた平成25年以来、初めて携帯電話が固定電話を上回りました。
◆1番(川崎憲正君) 携帯電話からの119番通報件数が増えていることが分かりました。 携帯電話については、全国世帯の約9割が保有し、そのうちスマートフォンの保有率も増加していると聞き及んでおります。 そこで、4つとして、5年前と比較したスマートフォンの保有率について伺います。
◎消防長(谷野真君) 総務省の発表した最新の統計である令和4年版情報通信白書によりますと、スマートフォンの保有率は、令和3年が88.6%で、5年前となる平成29年の75.1%と比較し、13.5ポイント増加しています。
◆1番(川崎憲正君) 5つとして、スマートフォンからの通報の特徴について伺います。
◎消防長(谷野真君) スマートフォン等からの通報は、GPS機能がオンになっていることが条件になりますが、早期に場所が特定でき非常に有効な機能となっています。 また、通報時に目標物が何もない、例えば山の中など、今いる場所が分からない場合には、座標を取得する方法があり、これにより早期に場所が特定できるなどのメリットがあります。
◆1番(川崎憲正君) 6つとして、GPS機能による絞り込みの範囲について伺います。
◎消防長(谷野真君) あくまで、GPS機能がオンの状態が前提となりますが、通報場所を半径数メートルから数十メートル程度の範囲で絞り込むことができます。 一方、GPS機能がオフになっていると誤差の範囲が数キロメートルにも及ぶことから、場所の特定に時間がかかります。 このため、GPS機能をオンにすることが大変重要であります。
◆1番(川崎憲正君) スマートフォンには、オペレーティングシステムの種類により、iOSいわゆるiPhoneとAndroidに大別されますが、7つとして、スマートフォンを利用した場所の特定方法について伺います。
◎消防長(谷野真君) それぞれの種類のスマートフォンのアプリケーションを起動することにより、緯度経度の座標が取得できます。 主なもので申し上げますと、iPhoneではコンパスを、Androidではグーグルマップを利用することにより、場所の特定が可能となります。
◆1番(川崎憲正君) iPhone、Androidを問わず、今自分がどこから通報しているのかスマートフォンの機能を使うことで、正確な位置情報を伝えることができるなど、日々私もスマートフォンを利用しておりますが、スマートフォンが便利であることを改めて理解しました。一方で、スマートフォンからの通報には注意点があると伺っております。 そこで、8つとして、スマートフォンからの通報の課題について伺います。
◎消防長(谷野真君) スマートフォンによっては激しい衝突などを感知すると、自動で119番通報する衝突事故検出機能が設けられています。 これによる通報が全国的に報告されており、交通事故等では有効な機能として認知されています。 しかしながら、不用意な落下や衝撃による誤った通報も散見されるなど、いわゆる、いつの間にか119番通報が課題となっております。
◆1番(川崎憲正君) 9つとして、自動通報により誤った通報を受信した場合の対応について伺います。
◎消防長(谷野真君) 自動通報を受信した場合は、必ず、通報者へ折り返しの連絡をいたします。 その結果、誤りと判明すれば出動はしませんが、応答がない場合には、確認のために出動します。
◆1番(川崎憲正君) 便利なスマートフォンも、このような課題があることが分かりました。自動通報により誤った通報を受信した場合、応答がない場合には現場確認のための出動もあるということで、こうしたことを防止するためにもスマートフォンの機能を理解し、正しく使用することが重要であると考えます。携帯電話やスマートフォンからの119番通報は、今後も増加するものと思われますが、携帯電話等による119番通報は災害住所の特定など、幾つか注意すべき事項があることが分かりました。 最後に、今後は、正しく使用するためにどのように啓発していくのか伺います。
◎消防長(谷野真君) GPS機能や地図アプリ等の利用、自動による緊急通報は大きなメリットであります。 一方、デメリットである誤った通報については、出動に影響を及ぼす場合もあることから、注意喚起する必要があります。 これらを合わせて、市の広報紙、市公式ホームページ、SNSなどの様々な媒体を活用し情報を発信することにより、一刻も早く災害現場に出動できるよう、市民の安全・安心の確保に努めてまいります。
◆1番(川崎憲正君) スマートフォンからの119番通報の状況について伺ってまいりました。 近年はICT技術の進展によって、119番通報においても様々なツールが存在し、そのツールを利活用することによって、消防へ正しく情報を伝えることが可能になってきております。 しかしながら、意図せず119番に通報されてしまうといった課題もあり、消防にとっても業務上支障を来しかねないことから、正しいスマートフォンの活用が求められるところです。このため、高齢者をはじめとした多くの市民が、いざというときに落ち着いて消防へ通報ができるよう、また、緊急時の窓口である消防への業務に影響を及ぼすことがないよう、今後、幅広く、そして継続的な周知・広報について一層尽力していただくことを要望し、私の一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
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△散会
○議長(大峯英之君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後4時19分 散会
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