いわき市議会 2021-10-25
10月25日-02号
令和 3年 10月 定例会 令和3年10月25日(月曜日)議事日程第2号 令和3年10月25日(月曜日)午前10時開議 日程第1 市政一般に対する
質問---------------------------------------本日の会議に付した事件 〔議事日程第2号記載事件のとおり
〕---------------------------------------出席議員(37名) 1番 川崎憲正君 2番 木田都城子君 3番 木村謙一郎君 4番 山守章二君 5番 西山一美君 6番 長谷川貴士君 7番 吉田雅人君 8番 小菅 悟君 9番 高橋明子君 10番 菅野宗長君 11番 鈴木さおり君 12番 狩野光昭君 13番 永山宏恵君 14番 小野潤三君 15番 小野邦弘君 16番 大峯英之君 17番 大友康夫君 18番 安田成一君 19番 平子善一君 20番 遠藤崇広君 21番 鈴木 演君 22番 馬上卓也君 23番 福嶋あずさ君 24番 坂本 稔君 25番 蛭田源治君 26番 菅波 健君 27番 塩沢昭広君 28番 柴野美佳君 29番 小野 茂君 30番 塩田美枝子君 31番 田頭弘毅君 32番 赤津一夫君 33番 石井敏郎君 34番 上壁 充君 35番 佐藤和良君 36番 樫村 弘君 37番 佐藤和美君欠席議員(なし
)---------------------------------------説明のため出席した者 市長 内田広之君 副市長 久保克昌君 副市長 下山田松人君 教育長 水野達雄君
水道事業管理者 上遠野裕之君
病院事業管理者 新谷史明君 代表監査委員 増子裕昭君 総合政策部長 山田 誠君 危機管理部長 緑川伸幸君 総務部長 加藤弘司君
特定政策推進監 渡邉一弘君
保健福祉部長 飯尾 仁君 こどもみらい部長 松島良一君 農林水産部長 千葉伸一郎君 産業振興部長 小松尚人君 教育部長 高田 悟君
医療センター事務局長 飯塚修一君 参事(兼)総務課長 阿部 通君
---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長 小針正人君 次長 市川雅子君 総務議事課長 江尻貴志君
総務議事課主幹(兼)課長補佐 須藤隆雄君 主任主査(兼)議事運営係長 鈴木 潤君
--------------------------------------- 午前10時00分 開議
○議長(大峯英之君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第2号をもって進めます。
---------------------------------------
△日程第1 市政一般に対する質問
△永山宏恵君質問
○議長(大峯英之君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。配付の質問通告表の順に発言を許します。13番永山宏恵君。 〔13番永山宏恵君第二演壇に登壇〕
◆13番(永山宏恵君) (拍手)おはようございます。13番
いわき市議会志帥会の永山宏恵です。 内田市長、改めまして御就任おめでとうございます。 いわき市9人目、第15代の市長として、そして、市制施行以来初となる、政治家出身以外の市長ということで、これまでにない新しい風が吹くことを期待しております。 21日の本会議初日に行われた、所信表明とも言える
市長提案要旨説明の場では、市長は、本市は大変疲弊していると述べられておりました。疲れて前に進む気力を失いかけている現在の状況を脱し、災害や感染症以前にも増して活力のあるふるさとを目指し、市民が一丸となって再び歩み始めるためには、未来に向かうビジョンが必要です。 一方で、複雑多様化する現代社会が抱える課題の解決には、1人の優れたリーダーの存在だけでは限界があります。大切なのは、リーダーが示すビジョンに全ての市民が協力し、助け合いながらともに歩んでいくことです。 かつて、東日本大震災の直後、オールいわきを合言葉に多くのいわき市民が一丸となって困難に立ち向かう姿がありました。震災から10年が経過しましたが、いまだ危機的な事象が取り巻く本市の今の状況を考えれば、改めてオールいわきの精神を再起動させ、市民の結束を促していくことが必要です。 内田市政においては、歴代市長が注いできたふるさとへの思いや、これまでいわきで暮らしてきた全ての方々が託してきた、ふるさとの未来に対する願いを受け止めた上で、希望を感じることができる青写真を市民と共有しながら、市政運営に取り組んでいただくことを切に願います。 今議会は、内田市長就任後最初の定例会であり、市長が選挙戦で訴えられてきた主要な施策について、その趣旨を明らかにし、今後市政の中でそれぞれ具体的にどのように施策として進めていくのか議論する議会であると考えております。 それを踏まえ、以下通告順に従い、一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、市政運営における市長の基本的な考え方についてです。 まず、1点目として、市長は、市政運営における課題をどのように考えているのか伺います。
◎市長(内田広之君) 市政運営の課題につきましては、短期的な視点と中・長期的な視点、双方に立って考える必要があると認識しております。まず、短期的な視点から申し上げますと、目下の
新型コロナウイルス感染症対策、加えまして、防災・減災、市民の皆様の命と暮らしを守ることが、喫緊の課題であると思っております。 加えまして、中・長期的な課題として申し上げますと、最近、近年首都圏に多くの若者が流出してございます。こうした若者に対する高等教育の場の充実、そして雇用の場の確保をはじめとした若者に向けた魅力づくり、加えまして、医療人材や、農林水産業の担い手の確保、また、
次世代エネルギーの活用などの脱炭素社会の実現やデジタル技術の活用など、スマート社会の実現を目指す、未来を先取りする取組などが課題であると認識しております。 さらには、これらの課題の解決に向けた挑戦を着実に進めていくためにも、市役所内で業務改善や、財源の確保をしっかりと行っていく、こうした行財政運営の推進も進めていく必要があると認識しております。丁寧に議論を重ねながら、ときには大胆な決断をして取り組んでいく必要があるものと考えております。
◆13番(永山宏恵君) 2点目として、市長の目指すいわきの将来像とはどのようなものか伺います。
◎市長(内田広之君) 市政を取り巻く様々な課題に対して、大切な
ふるさといわきを立て直し、発展させるためには、今後、市民生活、地域経済に大きな影響をもたらす感染症への対策、地球温暖化に伴い、激甚化・頻発化する自然災害にも、迅速かつ適切に、市民の皆様と一体となり、対処できる危機管理体制の確立を築いていく必要があると考えております。こうした取組によって市民の皆様の命と暮らしを守るまちづくりを目指してまいります。 また、若者にとって魅力的で、地元に残り、もしくは首都圏で学んだり働いたりしても、地元に戻ってきて暮らしたくなると思えるような魅力あるまちづくりを目指してまいります。 そして、医療人材もしっかりと確保し、市民の皆様が、生涯、高齢者になるまで安心して暮らせるまちづくりを目指してまいります。 併せて、農林水産業を次世代に引き継ぎ、中山間地域や沿岸地域がにぎわえるようなまちづくりを目指していかなければならないと考えております。 さらには、グリーン社会やスマート社会の実現など、新たな潮流に対応したまちづくりに取り組みますとともに、市のまちづくりの基本方針にも基づき、人口減少社会においても持続可能となるまちづくりを目指してまいりたいと考えております。
◆13番(永山宏恵君) 3点目として、ただいまの将来像を実現するための政策の基本的な柱について伺います。
◎市長(内田広之君) 初めに、目下の喫緊の課題でございます
新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、ゆるやかなアクセル、つまり、クーポンや県民割プラスなどの経済対策、そして、確かなブレーキ、つまり、徹底した
感染拡大防止対策、これら2つのバランスを取りながら、両輪で様々な取組を進めてまいります。 また、中・長期的な課題への対応といたしましては、若者が戻ってきたくなる魅力あるまちづくり、雇用の場づくり、教育環境の充実、医師が診療科ごとにどれくらい不足しているのかの見える化、そしてそれを充足していく計画的な取組、さらには、これまでの経験を教訓といたしまして、逃げ遅れゼロ・災害死ゼロを目指す防災の都市づくり、福島大学等と連携した
農林水産業発展のための拠点づくりなどに取り組んでまいります。 私は、全ての分野のベースは人づくりだと思っております。 人の可能性には限界がございません。産業、医療、防災、農林水産業など、それぞれの分野を支える人の力を伸ばしていけば、無限大の力を発揮できると考えております。
人づくり日本一のまちを目指し、これを市政運営の基本的な柱とし、本市のかじ取りに全力で尽くしてまいります。
◆13番(永山宏恵君) いわき市に対する現状認識、将来像、それに向かう政策の柱について伺いました。いずれも強く共感するところであり、内田市長の下で、未来への希望を感じることができる新しいいわき市をつくり上げていただきたいと切に願うところです。 我々議会人も建設的な議論により共にふるさとづくりを行えるよう決意いたしまして、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、
新型コロナウイルス感染症対策についてです。 多くの課題の中で、まず何よりも喫緊の課題として取り組まなくてはならないのが、新型コロナへの対応であります。 本市では、昨年3月に初めて感染者が確認されて以来、累計の感染者数は10月21日現在、2,439
人となり県内最多を記録しております。現在は、1名の方が入院されているとのことで、新型コロナとの闘いは小康状態にありますが、再び大きな感染の波が押し寄せることを想定し、万全の対策を講じておく必要があります。 そのためには、これまでの感染症対策における教訓と経験を再度検証し、より効果的な体制と具体的対策の構築に努めるべきであるとの観点から、以下伺ってまいります。 1点目は、感染者情報の発信についてです。
新型コロナウイルス感染症への対応を進める上でのポイントの1つは、様々な情報を市民の皆さんにしっかりと共有することにあると考えます。 市内で感染が広がる中で、市民の皆さんが一番知りたかったのは、感染がどこでどのように起こっているのかという点でありました。特にクラスターに関しては、情報が少なすぎ、疑心暗鬼を生み、ネットで不確かな情報が飛び交うという事態を生じさせました。 そこで、まず1つ目として、内田市長が就任早々、
クラスター情報の公表について新たな考え方を示したのは、どのような効果を目指したものか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) クラスターの発生に関する公表につきましては、これまでも、国の基本方針等に基づき、感染者に接触した可能性のある者の把握の状況等に応じ、また、個人情報に留意しながら、県の公表に合わせ、公表してきたところであります。 こうした中、このたび、お示しいたしました、市としての基本的考え方につきましては、国の基本方針等を踏まえつつ、市として定めたものでございます。 事前に、公表の基準や、根拠を明らかにすることで、事業者に公表基準の周知を図り、不特定多数の方に感染が拡がることがないように、参加者や利用者の連絡先の把握に努めていただくとともに、感染抑制に向けた市民の協力や行動変容、感染が疑われる方が特定されていることによる不安払拭などにつながる効果を期待し、公表したものでございます。
◆13番(永山宏恵君)
クラスター情報の発信について明確なルールを設定したことは、市民の方々からも評価する声が届いております。また、就任と同時だったスピード感は評価すべきと考えます。今後もスピード感のある市政運営に努めていただきたいと思います。
クラスター情報のみならず、それ以外の感染者に関する情報についても、ぜひ市民の皆さんの理解が進む、分かりやすく、工夫された発信をお願いしたいと思っております。 そこで、2つ目として、市は今後、どのように感染者情報の発信に取り組んでいく考えか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 本市における今後の情報公開につきましては、先に公表いたしました
新型コロナウイルス感染症クラスター発生時の情報の公表の考え方を基本として実施してまいりたいと考えております。 具体的には、
クラスター発生時に感染可能性の範囲を把握できていない場合には、公衆衛生上の対策として、不特定多数と接する場所の名称、他者に感染させ得る行動・接触の有無などについて、関係者の同意なく公表する一方、感染可能性の範囲を把握できている場合には、感染者に接触した可能性がある者を把握できている旨を公表し、場所の名称等は公表しないこととするほか、同業種の施設等に対し、感染の原因・経路等の事例を共有するとともに、市民の皆様に対しましては、感染防護の参考となる対策や行動事例等について積極的に公表してまいる考えであります。
◆13番(永山宏恵君) 感染者に関する情報は様々なものがありますが、感染を拡大させないために、市民の皆さんの協力が必要不可欠である以上、市民が一定の状況理解をし、認識を共有できる発信に取り組んでいただきたいと思います。 2点目は、感染拡大防止に向けた取組についてです。 今後の感染拡大を防ぐには、まず、初めに、ここまで第5波を大きくしてしまったことについて、しっかり検証する必要があります。特に、県内他市よりも多くの感染者を出してしまったのは、本市特有の理由や要因があったのかということです。 そこで、1つ目として、本市における第5波による感染拡大の原因について、市はどのように捉えているのか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 本年7月下旬から爆発的に感染が拡大した、本市の第5波におきましては、全国的に感染が拡大傾向にある中、それまでの落ち着いた感染状況から、特段の社会的制約がない中で行われました市内における飲食に起因するクラスターの続発をきっかけに、児童施設や事業所、家庭内での感染へと広がり、また、感染力の極めて強いデルタ株への置き換わりにより、子供や活動の活発な世代を中心にこれまでにない速さと規模で、感染の連鎖が繰り返し起きたことで、9月末までの約2か月間で、クラスターの発生が32件、8月の新規感染者数が月間過去最多となる1,136人に及ぶなど、深刻な事態が生じたものであります。 特に、児童施設でのクラスターが数多く発生し、児童への感染から極めて高い確率で家庭内感染が発生するなど、感染を防ぎにくい家庭や児童施設への感染の広がりが、本市において感染者が急増した主な要因であったと考えております。
◆13番(永山宏恵君) これまでも市当局においては、様々な体制強化策を実施しましたが、指揮命令系統の一元化や庁内における情報共有の徹底、また、保健所機能のさらなる強化、機動的な人員配置など、感染症流行下における業務継続については、不断の検証と改善が必要と考えます。 そこで、2つ目として、感染対策を推進する体制について、市当局はどのような認識を持っているのか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 本市における
新型コロナウイルス感染症対策の推進に当たりましては、令和2年1月にいわき市
新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、本部長である市長の指揮の下、各部等の所掌事務を適切に執行し、毎週開催の対策本部会議における協議、情報共有を通じて、全庁一丸となった対策を総合的に進めているところであります。 また、疫学調査や陽性者対応、ワクチン接種など、業務が集中する保健所体制につきましては、庁内各部等から応援職員を配置し、総勢およそ140名で対応してきたところであります。 さらに、感染者が急増しましたさきの第5波におきましては、庁内応援職員20名を緊急に招集したほか、
災害派遣医療チームDMATをはじめ、県や相双地域の保健師、さらには、県の
新型コロナウイルス感染症対応医師等派遣事業を活用し、県立医大や、
市医療センターの医師、看護師、地域の
感染管理認定看護師など、多くの外部の方々にも応援をいただきながら、対応したところであります。 このように多くの職員が、経験と実績を積み、対策業務のノウハウを習得しましたことから、今後は、感染拡大の兆候が見られた際は、経験のある職員を中心に、速やかに体制を再構築することなどにより、円滑に業務を進めることができるよう、招集の時期や規模を見極めながら、全庁的な体制で対応してまいりたいと考えております。
◆13番(永山宏恵君)
新型コロナウイルス感染症への対応は、本市の危機管理体制が問われる大変重要な課題ですので、さらなる体制強化をお願いいたします。 次に、感染拡大期における医療提供体制についてです。重症患者に対応した病床確保だけでなく、中等症や軽症、無症状の方など、病状に合わせた治療、療養体制の確保が求められております。 市においては、比較的症状の軽い感染者が多かった第5波への対応として、療養施設の拡充や自宅療養者への支援強化、さらには、
入院待機ステーションを設置するなどの対策を講じてきました。今後も、国や県との連携を密にし、地元医師会など関係機関とも十分に連携した中で、市民の皆さんが安心できる体制の構築に取り組む必要があると考えます。 そこで、3つ目として、これまでの取組を踏まえ、今後、どのように医療提供体制の改善を図る考えか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 本市における医療提供体制につきましては、第5波による急激な感染者の増加を受け、福島県との連携の下、市内各医療機関の協力をいただきながら、段階的に、
受入れ医療機関の病床数や宿泊療養施設の拡大を図った結果、市内医療機関におきましては、最大194の病床、宿泊療養施設におきましては、2か所の126室が確保されたほか、県内初となる
入院待機ステーションが新設されるなど、充実・強化が図られてきたところであります。 この間、患者の年齢や基礎疾患の有無、症状など、重症化リスクを総合的に判断し、それぞれの状況に応じて、入院治療、宿泊施設や自宅での療養の調整を行ってきたほか、全ての入院医療機関において、必要に応じ、
抗体カクテル療法も行われたところであります。 今後も、福島県はもとより、市医師会、病院協議会、
民間医療機関等と連携し、より効率的で効果的な医療提供体制の構築を図ってまいりたいと考えております。
◆13番(永山宏恵君) 全国では、自宅療養者の病状が急変し、治療を受けることなく亡くなるなどの痛ましい事例も見られました。本市においては、そうしたことがないよう、他市の事例を教訓としながら、全ての市民が適切な治療・療養が受けられる体制の整備に努めていただきたいと思います。 次に、検査についてですが、感染拡大を最小限に抑える重要なポイントが各種検査の効果的な運用であると考えます。 本市においては、第4波における感染拡大を受けて、希望者に対する
無料PCR検査を実施しましたが、その検証も踏まえ、PCR検査や抗原検査の活用等、感染拡大防止に向けて、効果的・効率的な検査体制を構築していくことが重要であります。 そこで、4つ目として、本市は今後の検査体制の充実に、どのように取り組んでいくのか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 今後の検査体制につきましては、これまで実施してきました無症状者の市民を対象としたPCR検査の陽性率が、有症状者に比べ極めて低い状況であること、また、
市内医療関係者との協議では、検査の性質上、検査時は陰性でも、その後は陽性になる可能性があり、結果が陰性でも感染対策をおろそかにした場合には、市中にウイルスを拡散させる恐れについて懸念されたことなどから、今後におきましても、有症状者や濃厚接触者、接触が疑われる者等に対する積極的なPCR検査を基本として、周囲の感染状況に応じて、感染が危惧される特定の地域や集団、組織に対し、適切に判断して実施するほか、クラスターが発生しやすい施設従事者への検査相談につきましても、引き続き行ってまいりたいと考えております。 また、
抗原検査キットにつきましては、学校等への配備や薬局での販売が行われるようになったところであり、政府の方針に基づき、発熱、咳、のどの痛みなどの軽い症状を持つ場合に、医療機関の受診を原則とした上で、直ちに受信できない場合や、受診を迷う場合などの
セルフチェックとして、活用していただく考えであります。 一方で、ワクチン・
検査パッケージのように社会経済活動の再開に向けて、検査のニーズが高まることも想定されるところであります。 このため、今後とも、ワクチン接種の進む中での感染状況を見極めながら、国の方針や検査の特性を踏まえるとともに、他市の事例等も参考に、効果的・効率的な検査体制の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
◆13番(永山宏恵君) 本市で発生した大規模な感染拡大で得られた経験を生かすかどうかは、今後の対策によって試されております。県内他市にない大規模な流行を経験したからこそ、次の感染の波が訪れたときには、県内で一番充実した対策がなされているという評価を得られるよう、市当局のさらなる尽力に期待をしたいと思います。 次に、3点目はワクチン接種についてです。 本市におけるワクチン接種は、10月19日現在、全体の69.1%の方が2回目の接種を終えており、世代ごとのばらつきは見られるものの、一番接種が進んでいない12歳から19歳においても、既に60%以上の方々が1回目の接種を終えているということで、おおむね順調に進んでいると認識しております。 しかしながら、接種開始当初は予約方法の問題で混乱が見られました。これまでの取組を改めて検証し、反省すべき点はしっかりと反省し、次の機会に生かす必要があります。 現在、国においては、早ければ今年の12月から3回目のワクチン接種を実施するとしております。本市においても、万全の態勢で3回目を進めるための体制づくりが課題です。 スムーズで負担のない3回目のワクチン接種に向けて、市はどのような取組を行う考えか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 9月22日に、国が開催しました自治体向けの説明会では、2回目の接種からおおむね8か月以上経過した人を対象として接種を行うことを想定し、準備を進めるようにとの説明があったところであり、早ければ、本年12月から医療従事者について、来年1月中旬から医療従事者以外の市民について順次接種を進めていくことになるものと考えております。 3回目の接種につきましては、あらかじめ、毎月の接種対象者数が把握できますことから、ワクチンの供給量と時期を見極めながら、接種券の発送の時期や予約枠の設定を調整することなどにより、円滑に接種できるよう、体制や方法を検討してまいりたいと考えております。
◆13番(永山宏恵君) 特に高齢者も負担なく3回目の接種が受けられる体制づくりに努めていただきますよう要望しておきたいと思います。 4点目は、コロナ後の経済対策についてです。 効果的な経済対策を打つためには、まずは、市内の経済状況を的確に把握する必要があります。そのためには、いわゆる肌感覚ではなく、客観的な数値などのエビデンスによる状況判断が求められております。 そこで、1つ目として、コロナの影響を受けた本市の経済状況についてどう認識しているのか伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) お答え申し上げます。コロナによる本市の経済状況につきましては、これまで、市内経済団体へのヒアリングや経済・景気動向調査トレイル、こちらによりまして、分析・把握してまいりましたが、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、市内企業に大きな影響を与え、また、企業規模や業種によってもその影響度合いに違いがございますことから、詳細にその状況を把握するため、本年7月から8月に、第1回目の新型コロナ市内経済影響実態調査を実施したところでございます。 本調査結果によりますと、業種別では、コロナ対策で特に経済活動の抑制を余儀なくされました、宿泊・飲食サービス業、それから小売業、卸売業、運輸業、生活関連サービス業や娯楽業におきまして、他の業種と比較して、売上高・利益が減少となる傾向が見られ、特に、従業員規模が小さい業種で、その傾向は強くなっております。 こうした業種におきましては、長引くコロナ禍に伴う借入金の増大も懸念されまして、一時収束期におきましては売上高・利益の回復が強く求められているものと認識しております。
◆13番(永山宏恵君) 経済状況の分析は、市長が選挙戦で述べられてきたEBPM、つまり証拠に基づく政策立案が試される事例でもあります。 また、市長は社会経済活動を徐々に通常に戻すに当たり、ゆるやかなアクセルという言葉を用いられております。コロナの影響により、まさに瀬戸際で持ちこたえている企業や事業者にとっては、ゆるやかなアクセルでは間に合わないと感じる人もいるかもしれません。経済対策が急務の中で、どのような方針の下で施策を実施していくのかをまず確認し、市民全体で広く共有しておく必要があると考えます。 そこで、2つ目に、ゆるやかなアクセルによる社会経済活動の再開とはどのようなことか伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君)
新型コロナウイルス感染症から市民生活を守るため、基本的な感染防止対策の徹底やワクチン接種の促進など、第6波に向けて万全の備えを講じながら、市内の経済活動の再開に向けた取組を進めていくことが重要である、このように認識をしております。 こうした認識の下、経済活動の支援というゆるやかなアクセルと感染拡大の防止という確かなブレーキの両輪で、様々な取組を進めていかなければならないと考えております。 具体的には、消費喚起策と感染拡大防止の両立を目的とするあんしんコロナお知らせシステムの加盟店で使用可能なクーポン券や県で実施予定のふくしま感染防止対策認定店で使用可能なプレミアム付き電子商品券などを活用しながら、飲食店を中心とした需要を喚起することにより、市内経済活動を支援してまいりたいと考えております。
◆13番(永山宏恵君) では、具体的には、どのような対策を行っていくのか、3つ目として、今後の経済対策について伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) 今後の経済対策につきましては、国・県の支援施策の動向や市内の感染状況を見極めながら、コロナ禍で業況が悪化している事業者の皆様を幅広く支援できるよう、適時適切な施策を構築していくことが重要であると考えております。 具体的には、ウィズコロナを見据え、消費行動の変化による新規需要や非接触、非対面型ビジネスの進展といったいわゆるニューノーマルへの対応や売上減少や借入の増大に直面するなど、非常に厳しい経営環境に置かれている市内事業者の経営改善を促進し、コロナに負けない強い企業づくりを進めることが、重要であると認識しておりますことから、既に制度化しております、業態転換等支援補助金や経営改善支援事業補助金などによる支援を着実に行ってまいりたいと考えております。 今後につきましても、市内金融機関や経済団体との意見交換、市内経済に対する影響実態調査の分析を進めながら、必要な支援策について検討するなど、市内経済の回復に向けて官民一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
◆13番(永山宏恵君) これからは、緩やかに経済を回しながら、感染拡大を防がなければなりません。市民に対しての注意喚起の発信をさらにお願いをいたします。 市当局においては、今後の感染状況を的確に捉えた上で、アクセルとブレーキの最適なバランスを、常に意識した施策展開に取り組むよう要望いたしまして、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、人づくりについてです。 内田市政の根底には、人づくりがあります。そこには、市長の揺るぎない思いを感じております。本定例会での
市長提案要旨説明の中でも、今後の市政の柱となる政策を幾つも語られた上で、最後に全ての行政のベースが人づくりであると述べられました。内田市政の一丁目一番地はまさに人づくりです。 そこで、1点目として、改めて人づくりについての市長の思いを伺います。
◎市長(内田広之君) 私は、25年間文部科学省で、人づくりの仕事をしてまいりました。 私自身、小学校の頃、勉強もスポーツも真面目に取り組めないような不真面目な努力もしない子供でございましたけれども、様々な恩師に出会い、そして私を変えてくれました。そういった人づくりの重要性というのを知ったから、教育の仕事に携わろうという思いで文部科学省で仕事をしてまいりました。 人は変われます、そして、成長できます。そんな思いで人づくり政策を全ての基盤として据えてやっていきたいと思っております。 いわき市には雇用、教育、医療、防災、農林水産業など様々な課題が山積しております。それぞれの分野の予算には限界がございます。しかし、それを担う人材には限界がございません。全ての分野に共通の人づくりをこれからのいわき市政の根幹、原動力にしてまいりたいと考えてございます。
◆13番(永山宏恵君) 予算には限界があるが人の可能性には限界がないという言葉には、いわきの未来の希望を感じます。人が育ち、その人がまちをつくるという大きな循環が生まれることに強い期待をするところであります。 2点目は、学力日本一の実現についてです。 市長の秋田県庁時代の実績を踏まえ、学力日本一の公約実現に対し、子育て世代の皆さんの期待は非常に強いものがあると感じております。それにどう対応していくのかを伺ってまいります。 まず、1つ目として、学力日本一となった秋田県の取組とは、どのようなものか伺います。
◎教育長(水野達雄君) 全国学力・学習状況調査において、上位の成績を維持するなど、小・中学生の学力の進展が注目されている秋田県の取組につきましては、児童・生徒が積極的に自分の考えを書き、話合いなどによって学びの質を高め合う、主体性、対話的で深い学びを他自治体に先駆けて実践するとともに、学校とそれを支える家庭、地域が相互に連携し、家庭でのしっかりとした学習習慣や生活習慣の定着を図る取組が行われていること、さらには、各学校が共同研究体制の下、教師が互いの授業を見せ合う、授業改善の取組がなされていることなどが、成果に反映されているものと認識しております。
◆13番(永山宏恵君) 学力と一言で言っても、様々な捉え方があります。 単に、テストでいい点数をとり、希望の高校や大学に進学することなのか、あるいは、もっと広い意味を持つものなのか。ここは内田市政における教育行政の理念に関わる点であり、明確にしておくことが必要と考えます。 そこで、2つ目として、市長が目指す学力日本一とはどのようなものか伺います。
◎市長(内田広之君) 私が目指す学力日本一につきましては、全国学力・学習状況調査等における成績や順位の向上のみを目指すものではございません。児童・生徒の知識・技能、思考力・判断力・表現力や、主体的に学習に取り組む態度をバランスよく養いますとともに、将来子供たちが社会に出てから他者としっかりとコミュニケーションを取って、協働しながら自立的に生きる基礎を培っていく、一人一人が進路を決定していくような際にも、自分のよさや可能性を認識して、個性を生かすための選択肢をより広げることができるような基礎となる力を身につけていくことを目指す考えでございます。 このため、学校現場におきましては、教職員が児童・生徒の一人一人の課題にしっかりと向き合ってもらって、子供たちと共に、その克服を図る取組を通じまして、自ら考え判断する力、主体的に学習に向かう態度を培っていくことが重要でございます。こうした取組の1つ1つの粘り強い積み重ねが、結果として、私が申し上げます学力日本一にもつながってくると考えてございます。 学力向上への取組は、将来の人づくりの結果として実を結ぶものでございます。子供たちがふるさとを大切に思い、個性を花開かせ、希望と自信を持って人生を切り開き、やがては、いわき市の内外から
ふるさといわきを支える人材として活躍いただけるように、教育においても力を尽くしてまいる所存でございます。
◆13番(永山宏恵君) では、3つ目として、市長が目指す学力日本一をどのように実現するのか伺います。
◎市長(内田広之君) 学力日本一の実現につきましては、まず、本市の児童・生徒の学力の実態につきまして的確に把握をする。そして対策を講じていく必要があると考えてございます。全国学力・学習状況調査等の成績等から、児童・生徒それぞれの課題を適切に診断して分析する。そして、指導に反映していく。そういった検証、そして指導の向上につなげるといったサイクルの確立が大事だと思っております。先ほど、永山議員もおっしゃってくださいましたけれども、EBPM、エビデンスに基づく取組を継続的に実施していくプロセスが重要だと考えております。 こうした取組方針を市内の全ての小・中学校の教員としっかりと共有した上で、各学校の教室において、対面指導に加えまして、タブレットによる個別最適化された指導方法等の導入も図りながら、目の前の子供たち一人一人の課題にしっかりと向き合っていく取組を促してまいりたいと考えてございます。 加えまして、教員それぞれの資質の向上を図ることも重要でございます。学力向上を目指した教員研修の充実、研究会等を通じまして、教員同士の学び合いによりまして、意識の共有や授業スキルの向上を図っていくことも極めて重要だと認識してございます。 学校での学びの定着が確実に図られるよう家庭とも連携を図りながら、学習習慣の確立に向けて、手立てを講じていくようなことも考えてございます。 こうした学校や家庭での取組の積み重ねにより、学力の向上はもとより、子供たち一人一人が学ぶ喜びをしっかりと実感して、生涯にわたって学び続ける基礎を培うことにつなげる取組を進めることで学力日本一につなげた施策を講じてまいりたいと思っております。
◆13番(永山宏恵君) 日本一というのは、とても高い目標設定ですが、これまでの市長の実績を伺いますと、達成に強い期待を持っております。まずは、市長の思いや手法を教育現場にしっかりと浸透させ、実現に向かっていくことでできるようお願いしたいと思います。 3点目は、志プロジェクトについてです。 市長は、選挙戦の中で、志プロジェクトを訴えてこられました。 そこで、まず1つ目として、志プロジェクトとはどのようなものか伺います。
◎市長(内田広之君) 本市におきましては、東日本大震災以降、企画力、問題解決力、実践力の養成を図る生徒会サミット、加えまして、各分野のスペシャリストの講義やワークショップを通じて自らの生き方を考えさせるいわき志塾など、一人一人の子供たちの志を伸ばす取組を様々進めてまいっております。 また、学校・家庭・地域パートナーシップ推進事業や土曜授業など、学校の総合的な学習の時間や公民館等を活用し、地域の人財から、郷土の歴史や産業を学び、地域への誇りを醸成する取組も進めてきてございます。 このような取組を一層強化いたしまして、子供たちが、本市の置かれている状況もしっかりと認識し、医療の充実や新たな産業の創出など、将来のいわきが必要とする人財や人物像をしっかりと共有しながら、子供たちが
ふるさといわきへの思いを深くし、志を持って自分の未来を切り開いていく教育の取組を志プロジェクトとして位置づけまして推進してまいりたいと考えてございます。
◆13番(永山宏恵君) 次に、2つ目として、志を育てる教育をどのように進める考えか伺います。
◎市長(内田広之君) 本市の将来に向けましては、地域を愛し、
ふるさといわきを支える志を持って、自らを高め、自分の力でしっかりと未来を切り開いていける子供の育成が必要でございます。 このことから、志プロジェクトという政策の下で、これまで行ってきました生徒会サミットやいわき志塾等の取組を市内の児童・生徒全体に浸透させるとともに、体験型経済教育施設Elemの活動と併せまして、医師や起業家、農業従事者等、本市の将来を担う人物像の共有を図りながら、本市の子供たちが明確な志を持って将来を展望する契機をつくっていくことが重要です。また、地域を深く知り、ふるさとへの誇りを軸に地域の将来に携わる人材の育成に向けまして、学校の総合的な学習の時間や社会科の授業におきまして、いわきの歴史や産業を継続的に学ぶいわき学教育を進めるなど、各種の取組を強化・充実させまして、子供たちの志を育てる教育を目指していく考えでございます。
◆13番(永山宏恵君) 人工知能が多くのことを行ってしまう時代が、間もなく訪れると言われております。そうした中で、人間は人間にしかできないことを求められるわけであります。そのときに、自分はこうありたい、このように社会に貢献したいという志が今まで以上に問われる社会になります。 学力日本一にしても、単なる点数至上主義ではなく、志を果たすために必要な学力という視点が必要とされるはずです。今後の教育行政の根幹に志を置いて、いわきの人づくりが展開することを期待しております。 次に、4点目は、教育予算倍増についてです。 内田市政における政策の柱でもある人づくりをより具体的な形で進めていくためには、関連する予算の確保、各種施策を実施するための財源の裏づけが必要です。教育予算倍増は、市長の公約ですが、それは文字通りの2倍化なのか、その考えを明らかにすることが必要です。 まず1つ目として、本市の教育予算の現状について伺います。
◎教育部長(高田悟君) 令和3年度の一般会計歳出予算で申し上げますと、総額1,400億6,268万9,000円対し、教育費の総額は136億4,419万9,000円となっており、一般会計に占める教育費の割合は、9.7%となっております。 なお、過去5年間の一般会計に占める教育費の割合につきましては、教育施設の設備投資に係る経費等により、年度ごとの変動はありますが、おおむね8%から10%で推移している状況となってございます。
◆13番(永山宏恵君) では、2つ目として、教育予算の倍増をどのように実現する考えか伺います。
◎市長(内田広之君) 現下の厳しい財政状況の下での、施策への予算配分に当たりましては、本市の全体の課題をしっかりと踏まえていく必要がございまして、スクラップ・アンド・ビルドをしっかり行って事業の選択と集中が重要であると考えてございます。 今後、教育の重要な柱である人づくりを部局横断的な取組として位置づけまして、国・県などの財源も確保しながら、関連施策に係る予算の拡充をしっかりと進めてまいります。
◆13番(永山宏恵君) 市の予算というのは、基本的には、歳入の範囲内で、様々な分野にどう割り振るかというものですので、教育という特定の分野だけ突出させるのは、簡単にできることではありません。 大事なことは、数字上2倍にすればよいということでなく、
人づくり日本一というゴールに向け必要な予算をきちんと配分するということであり、大切なのは、何がゴールなのかという視点を見失わないことです。ただ、米百俵の例えにあるとおり、いかなる分野よりも、人を育てることを最優先に予算配分する姿勢は持ち続けていただきたいと思います。 次に、5点目は、教育費の負担軽減策についてであります。 人づくりを進める上で、保護者が子育てしやすい環境を整えることも重要です。市長は、公約の中で、保護者が負担している教育費の軽減を打ち出されております。 そこで、まず1つ目として、保護者の教育費負担軽減策の進め方について伺います。
◎教育部長(高田悟君) 子育て世代の教育費負担軽減につきましては、保護者の経済的理由により、教育の機会均等を損なうことがないよう、児童・生徒が安心して学ぶことができる環境を整備する上で、大変重要であると認識してございます。 これまで、子育て支援などの観点から、子ども医療費や幼児教育の無償化等の取組を進めるとともに、経済的理由により就学が困難な方に向けて、就学支援事業の充実にも努めてきたところでございます。 今後、学校教育のほか、医療や子育て支援など、広範な視点から、子供を持つ保護者の支援に向けた取組の強化について、検討を進めてまいりたいと考えております。
◆13番(永山宏恵君) では、その考え方を踏まえまして、個別政策について伺います。 2つ目として、まず、給食費の負担軽減をどのように進めるのか伺います。
◎教育部長(高田悟君) 給食費につきましては、学校給食法施行令において、学校給食の実施に必要な人件費や施設・設備の修繕費は、市の負担とされ、その他食材の購入費や施設の光熱水費、食器等の消耗品費などは、保護者の負担とされております。 本市におきましては、保護者負担の軽減を図る観点から、食材の購入費のみを負担していただいており、加えて、今般のコロナ禍の状況も含め、経済的理由によりお困りの世帯等に対しましては、生活保護や、就学援助制度による支援を行い、実質的に給食費は無料としているなど、児童・生徒の皆さんが、御家庭の状況にかかわらず、安心して給食を取っていただけるよう、適切な施策を講じているものと認識してございます。 しかしながら、さらなる支援の充実を求める市民の皆様の声も踏まえ、今後、保護者の現状を見定めながら、可能な対応について調査研究してまいりたいと考えております。
◆13番(永山宏恵君) 次に、3つ目として、インフルエンザ予防接種の補助について伺います。
◎こどもみらい部長(松島良一君) 子供のインフルエンザ予防接種費用の補助につきましては、子育て世代の負担軽減の観点から、実施に向け対応を図っておりますが、その内容等については、今後検討を進めてまいりたいと考えております。
◆13番(永山宏恵君) 4つ目として、部活動やスポーツ少年団の活動など、子供たちのスポーツ振興を目的とする補助について、どのような考えか伺います。
◎教育部長(高田悟君) 中学校の運動部活動が、全国中学校体育大会や東北中学校体育大会に出場する場合につきましては、中学校体育連盟に対し、大会出場補助金として、交通費や宿泊費を基準により算定した補助対象経費の範囲内で全額交付しております。 また、吹奏楽や合唱の部活動が全国大会や東北大会等に出場する場合につきましても、出場校に対し、交通費、宿泊費及び楽器移送費に係る補助対象経費の3分の2を限度として、交付しているところでございます。 また、スポーツ少年団等の小・中学生が公益財団法人日本スポーツ協会加盟団体などが、主催または共催する全国大会及び東北大会に出場する際には、一定の上限額を定め、交通費、宿泊費及び食糧費等の対象経費の3分の1を補助しております。 なお、補助上限額につきましては、全国大会に出場する場合は、個人が1万5,000円、団体が10万円、東北大会等に出場する場合は、個人が6,000円、団体が6万円となってございます。 スポーツ少年団等への本市の補助水準につきましては、令和元年度に中核市等の状況を調査した時点では、高い水準でありましたが、子供たちがより充実したスポーツ活動ができるよう、よりよい制度構築に向けて内容等を検討してまいりたいと考えております。
◆13番(永山宏恵君) それぞれ効果を考えながら今後とも様々な視点からの負担軽減に努めていただきたいと思います。 6点目は、若者の流出抑制についてです。 若者の流出抑制は、内田市長の大きな公約の柱であります。地域の活力を維持するための若者の流出を抑制するには、若者に選ばれるまちをつくっていかなければなりません。 そこで、1つ目として、若者から選ばれるいわきづくりをどのように進めていく考えか伺います。
◎市長(内田広之君) まちづくりには、よそ者、若者、ばか者の視点が必要だとよく言われます。 いわき市にも、たくさんの外国人もおられますし、ほかの県などからいらっしゃった方もたくさんおられます。加えまして、いわき市に住むことを選択してくれた若者もたくさんおられます。そういった方々に、どんないわき市だったら住んでみたいのか、すばらしいいわきライフとはどんなものか、私も直接意見を伺ってまいりたいと思っております。 加えまして、復興庁が進めております国際教育研究拠点との連携が重要です。世界レベルの学術拠点を浜通りに設置する構想です。 また、国が進める脱炭素社会の実現を目指す国家プロジェクトもございます。 これらの若者の雇用にもつながっていく構想との連携について、国・県等との動向を注視しながら、働きかけを進めてまいります。 さらには、これから、東北地方や北関東におきましても大学等の再編や統合の動きが進んでまいります。複数の大学の学部や学科が再整理される動きが今後出てくるものと予想されます。こうした動きをチャンスとしてしっかり捉えまして、若者の学びの場を確保してまいります。 こうした様々な取組を通しまして、若者から選ばれるまちづくりを進めてまいります。
◆13番(永山宏恵君) 市長は、公約の中で、若者の流出抑制を図るため、いわきの子供たちが進学できる大学を誘致すると語られております。 2つ目として、この大学誘致をどのように進めていく考えか伺います。
◎市長(内田広之君) 若者の流出への対応といたしまして、高等教育の場を整備することは、極めて重要な要素の1つであると考えてございます。 少子化の中、今後、動きが予想される大学等の再編・統合の動きをしっかりと見据え、市内の地場産業と関わりの深い学部や浜通りの復興を牽引する拠点の設置ができないか、国や大学等にも働きかけをしてまいります。 先週の10月20日におきましては、私自身、文部科学省に早速訪問してまいりまして、ただいま申し上げたような考え方につきまして、文部科学省事務方のトップである事務次官にお話を申し上げ、また国立大学を所管する高等教育局長をはじめといたしまして、関係部局の幹部に対して、働きかけを行ってまいりました。 こうした取組につきましては、私が先頭に立って、これまでの人脈・経験を生かしながら、着実に進めてまいりたいと考えてございます。
◆13番(永山宏恵君) ここまで人づくりについて伺ってまいりました。 一人一人が地域の中で活躍し、豊かな人生を歩んでいくことができる道を開いてくださるよう切にお願い申し上げまして、次の質問に移ります。 大きな質問の4番目は、子宮頸がん検診についてです。 子宮頸がんは、HPVヒトパピローマウイルスによって起こる子宮のがんであります。子宮頸がんをめぐっては、一時期盛んにワクチン接種が推奨され、副反応による被害の報告がなされると突然積極的勧奨が中止されるなど、社会的な混乱が見られました。本市においても深刻な問題として捉えるべきであると考えております。 そこで、子宮頸がんの検診による早期発見という観点から、以下伺ってまいります。 1点目は、本市の現状についてです。 本市においても全国的な現状と同様の状況が見られるのではないかと思いますが、1つ目として、本市における近年の罹患状況について伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 子宮頸がんの罹患状況につきましては、自治体ごとの罹患者数の統計データ等がないため、国立がん研究センターが公表しております全国がん罹患データから全国の罹患者数を申し上げますと、平成28年が1万1,283人、平成29年が1万1,012人、平成30年が1万979人となっております。 また、子宮がん全体の死亡者数につきまして、人口動態統計から過去3年の数値を申し上げますと、お示しできる最新の数値が平成30年となりますが、全国の死亡者数は、平成28年が6,348人、平成29年が6,611人、平成30年が6,800人であり、平成30年の女性人口10万人当たりの死亡率は10.7となっております。 同様に、本市の死亡者数は、平成28年が23人、平成29年が20人、平成30年が20人であり、平成30年の女性人口10万人当たりの死亡率は11.5となっており、全国の死亡率と本市の死亡率と比較いたしますと、本市の死亡率が0.8ポイント高い状況となっております。
◆13番(永山宏恵君) 子宮頸がんは、検診さえ普及すれば重症化は確実に防げます。 そのため、検診の受診率をいかに上げるかが極めて重要であります。 そこで、2つ目として、本市における検診の受診率について伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 本市の子宮頸がん検診の受診率について、過去3年の推移を申し上げますと、お示しできる最新の数値が令和元年度となりますが、平成29年度が12.3%、平成30年度が12.4%、令和元年度が12.1%となっております。
◆13番(永山宏恵君) 受診率が低いようでありますけれども、その低い原因をどのように捉えているのか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 受診率が低い原因といたしましては、令和元年度に、小名浜地区保健福祉センター健康係において、3歳児検診に訪れました母親328人を対象とする子宮頸がん検診に係る聞き取り調査を行った経過がありまして、検診を受診しない理由として、時間がなく忙しい、受け方が分からないなどの意見が寄せられたところであります。 また、子宮頸がん検診は、ほかのがん検診と比べ、若い世代である20歳以上の女性を対象としておりますが、若い世代の子宮頸がんに対する認識が低いこと、また、日常生活が多忙なこともあって受診しない方が多いこと、内診を含む検査そのものへの抵抗感なども要因として挙げられるものと考えております。
◆13番(永山宏恵君) 2点目に、新たな検査方法についてです。 近年開発された自己採取HPV検査です。 検診は、子宮頸膣部の細胞を採取して行うわけですが、それを人にやってもらうのではなく、専用のキットを用いて自分で細胞を採取し、その細胞を検査機関に郵送して検査を受けるというものです。自分で細胞を採取して、果たして正確な検査ができるかという懸念が示されておりますが、福井大学医学部の実証研究では、医師による検診と同じ結果が出たということで、その有効性が実証されました。 そこで、本市において、自己採取HPV検査を導入することの有効性についてどのように考えているか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 自己採取HPV検査につきましては、2020年3月に国立がん研究センターが示しました有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン更新版によりますと、HPV陽性者に対する長期の経過観察など、精度管理体制の構築が前提となっており、子宮頸がんを早期に発見するために有効な管理体制を確立する必要があるなどの課題があるものと認識しております。 また、当該検査は、HPV感染を調べ、子宮頸がん罹患リスクを示す検査でありますことから、現在、市が検診として実施しております医師が細胞を採取し、顕微鏡で異常な細胞の有無を調べる細胞診検査に代わるものではないと考えております。 これらのことから、現時点において当該検査を導入する有効性を申し上げることはできませんが、現在、大学や研究機関において、当該検査の有用性などを研究している事例もありますことから、今後、それらの結果を踏まえた上で、有効性を判断してまいりたいと考えております。
◆13番(永山宏恵君) 専用のキットと検査で1回当たり4,000円程度の費用がかかりますが、公益財団法人日本対がん協会などでは、市町村で助成制度を設けるよう呼びかけております。 本市の検診受診率の低さを踏まえ、助成制度により受診率の向上を図るべきと考えますが所見を伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 自己採取HPV検査の助成制度につきましては、先に御答弁申し上げましたように、当該検査が子宮頸がんを早期に発見するためには有効な管理体制を確立する必要があること、また、検診の受診率向上に関する効果を検証するに必要があることなどの課題がある一方で、助成を導入することで、子宮頸がんに関心がなかった方や、子宮頸がん検診を受けたことがない方などの対し、少なからず動機づけにつながる可能性があると考えているところでございます。 そのため、今後につきましては、大学や研究機関において実施されております検診の受診率が向上するか、がんになる前の異常やがんの検出率が向上するかといった当該検査の有用性に係る研究結果を参考にしながら、助成制度の導入について調査・研究してまいりたいと考えております。
○議長(大峯英之君) ここで、午前11時10分まで休憩いたします。 午前11時00分 休憩
--------------------------------------- 午前11時10分 再開
△西山一美君質問
○議長(大峯英之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。5番西山一美君。 〔5番西山一美君第二演壇に登壇〕
◆5番(西山一美君) (拍手)おはようございます。5番志帥会の西山一美です。 質問に入る前に、9月5日に執行されましたいわき市長選挙で、15代目のいわき市長に就任されました内田広之市長に、心からお祝いを申し上げます。 市長は、剣道4段と聞いております。私は、高専の授業で2年間剣道を教わりました。短い期間ではありましたが、先生から教えていただいた言葉がありました。剣道を極めていく中で大切な3つの先という考えの中の1つ、先の先という言葉です。先の先とは、最も心がけなくてはならない打突の機会であり、相手がどう対応するかの迷いを察知し、防御に転じるその前に打ち込むことで、先の先にたけた剣士には敵わないと言われているそうです。 この言葉は、市政の運営、特に命を守る危機管理の心構えにも通じるものだと思います。内田市長には、深く理解しておられる先の先の心構えを存分に発揮して、公約の実現を目指して頑張っていただきたいと思います。 それでは、通告順に従いまして、質問をいたします。 大きな質問の1番目は、産業振興政策についてです。 現在、本県浜通り地域において、新産業の創出や産業の国際競争力の強化をテーマに研究開発拠点を整備する、福島・国際研究産業都市イノベーション・コースト構想が進められています。この取組は、2011年に発生した東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域の産業を回復するために、新たな産業基盤の構築を目指す国家プロジェクトです。 現在、イノベーション・コースト構想は、災害対応のロボットやドローンなどを研究する福島ロボットテストフィールドの設置をはじめとした事業が展開されており、本県の産業復興さらには産業振興に向け、着実に進んでいます。 復興庁は、次の10年を第二期復興創生期間として、浜通り地域に創造的復興の中核拠点の設置計画を公表しました。それが、国際教育研究拠点構想であり、イノベーション・コースト構想を進めていく中において、大きな意義のある国家プロジェクトです。 本市の産業復興を進めていく上でも欠かすことのできない国際教育研究拠点の誘致または連携に向けて、市長を先頭にしっかりと対応を進めなければならないと思っています。 そこで、本構想への取組をはじめとして、市長が掲げる先端産業で人材の還流を図るための産業振興政策について質問をいたします。 1点目は、国際教育研究拠点への取組についてです。 2014年の9月定例会において、私は、イノベーション・コースト構想について、本市がどのように関わっていくのか質問をいたしました。その答弁の中で、相双地域に隣接し、首都圏にも近い地理的特性、そして既存の産業集積を生かした新たな産業創出や復興関係者の研究・居住空間を提供するゲートウェイの役割を担うことなどについて、しっかりと主張していくとの市の考えを聞きました。 構想が着実に進んでいく中、本市がさらに連携を図っていくためには、改めて現在の状況について、把握し、分析することが大変重要と考えますことから、1つとして、福島・国際研究産業都市イノベーション・コースト構想への取組の現況はどのようなものか伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) 福島イノベーション・コースト構想に基づきながら、本市におきましては、産業の振興・集積に向けて様々な取組が進められておりますが、その主なものを申し上げますと、まず、常磐共同火力勿来発電所における高効率の石炭ガス化複合発電、いわゆるIGCCが整備・稼働していることや、風力発電に代表されるエネルギー産業の集積が進められていることのほか、地域復興実用化開発等促進事業を活用し、地元企業のロボット・エネルギー等に関連する研究開発の取組が数多く促進されていることなどが挙げられます。 さらには、風力発電産業を浜通り地域の基幹産業へ発展させるため、東京大学先端科学技術研究センターと連携し、人材の育成や地元企業との共同研究に取り組むほか、福島工業高等専門学校における廃炉を担う人材を育成するための高度な教育プログラムの実施をはじめとし、地域の復興に資する人づくりが市内の高等教育機関等において実践されるなど次世代の新産業創出と人材育成に向けた様々な取組が展開されているところであります。
◆5番(西山一美君) これから動き出す国際教育研究拠点は、主な研究分野として、ロボット分野、農林水産業分野、エネルギー分野、放射線科学分野、原子力災害に関するデータや知見の集積・発信を想定し、令和3年秋までには、国立研究開発法人を軸に関係省庁会議内で検討を進め、令和3年度内には、基本構想を策定することとされています。 さらに、この基本構想を踏まえて、令和4年度以降、新拠点の具体的な設計や建設運営等を順次実施するとのことですので、本市もこの動きにしっかり連動して活動を進めていかなければならないと思います。 そこで、2つとして、本市は国際教育研究拠点の誘致に対する取組をどのように行っていくのか伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) 国際教育研究拠点につきましては、令和2年12月の国の復興推進会議において、避難指示が出ていた地域への立地を基本として選定するものとして整理がなされております。 国は、ただいま議員御指摘ございましたけれども、本拠点の基本構想を今年度内に策定することとしておりますが、本拠点がその機能を十分に発揮し、浜通り地域全体の振興発展に寄与するためには、地元企業の参画や、担い手となる地域人材の育成が不可欠であると認識しております。 このようなことから、市といたしましては、これまでも、多様な産業基盤や交通アクセスなどの都市基盤のほか、福島工業高等専門学校をはじめとした高等教育機関など、本市の有する様々な既存の優れた地域資源を、拠点がしっかりと活用していく枠組みを構築するよう国や県に対し、様々な機会を捉えて申し上げてまいりました。 引き続き、こうした本市の強みと拠点との連携が確かなものとなるよう、国や県に対し、本市の考えをしっかりと伝えてまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) これから着実に取組を行っていくには、基本構想に掲げる研究分野がかなり多く、拠点設置自治体だけでは、活動が制限されてしまうおそれもありますので、県や相双地域自治体との連携が欠かせないと考えます。 3つとして、国際教育研究拠点整備に向け、県及び相双地域自治体と、どのように連携していくのか伺います。
◎総合政策部長(山田誠君) 国際教育研究拠点は、浜通り地域全体の復興創生を成し遂げるための象徴となるものであり、地域の高等教育機関、企業等との有機的な連携等を図り、面的な学術拠点を形成し、地域の一体感の創出などにつながるよう、整備されることが望ましいものと考えております。 このようなことから、近隣の相双地区の自治体や、広域連携を調整する福島県との連携は欠かすことができないものであり、引き続き、国との協議の場等における意見交換等を重ねながら、整備主体である国に対しまして、共に浜通り地域の発展を目指していくパートナーとして、我々の考えをしっかりと伝えていくなど、本拠点が浜通り地域の復興創生に向け、その機能を最大限に発揮できるよう連携を深めながら、取り組んでまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) 関連自治体としっかりと連携をしてほしいと思います。 4つとして、拠点整備の実現による本市への波及効果は、どのようなものと考えているのか伺います。
◎市長(内田広之君) 国際教育研究拠点の方向性や、本市の有する産業基盤等のポテンシャルを勘案いたしますと、本市への経済波及効果といたしましては、次のようなことが考えられます。 1つには、若者の雇用や学術教育研究の場が創出されることにより、本市への人材還流が促進されること。 2つには、首都圏、さらには世界中から優秀な人材が集まることにより、高度人材の育成につながっていくこと。 3つには、地域産業が先端的・国際的な研究と連携することにより、新たな産業の創出や既存産業の底上げにつながってくることなどが挙げられます。 私は、これらの効果が最大限に発揮されるためには、本市が有する様々な強みと国際教育研究拠点とが、日頃から密接につながっていくことが、大変重要であると考えております。 国における基本構想の策定が最終局面を迎えておりますが、私が先頭に立って、国や県に対し、拠点に係る本市の考え方をしっかりと伝えるべく、積極的に行動してまいる所存でございます。
◆5番(西山一美君) 本市の強みは、市内の既存施設等を利用して研究や居住環境などを提供することで、研究者を生活面でもサポートできることだと考えます。 さらに、地理的特性や利便性なども踏まえますと、どのような形であっても、国際教育研究拠点整備への関わりは大変重要だと考えますので、本市の積極的な動きに期待して、次に移ります。 2点目は、カーボンニュートラル社会への取組についてです。 世界的にカーボンニュートラルに向けた動きが進む中、昨年10月、菅総理は2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しました。温室効果ガスゼロを2050年までに目指していくことは、大変な困難を伴いますが、その難しい問題を前に進めていくためには、石炭などの化石燃料から排出される二酸化炭素を減らしていく技術開発と同時に、再生可能エネルギーへの速やかな意向を行いながら、地球に負荷のない社会づくりを進めていくことが必要です。 そこで、そのようなことを踏まえ、1つとして、カーボンニュートラル社会の実現に向けた市内産業界の現状はどのようなものか伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) お答え申し上げます。市内産業界の現状につきましては、東日本大震災後に県が掲げた再生可能エネルギー先駆けの地の実現に向けまして、いわきバッテリーバレー推進機構が、蓄電池や再生可能エネルギー、水素等を活用したエネルギーマネジメントシステムなどにより、エネルギー復興都市を目指す新エネルギー社会実現構想を取りまとめましたほか、水素等の
次世代エネルギーを通じた新たな産業創出や関連産業におけるCO2削減の可能性について、アクションプランを含めた検討を行ういわき水素エネルギー利活用研究会をいわき商工会議所と市内企業が連携し立ち上げるなど、活発な活動が展開されております。 市といたしましては、今般の国の2050年カーボンニュートラル宣言やグリーン成長戦略の策定といった動向は、本市産業界にとっての新たなビジネスチャンスにつながる追い風であり、多くの市内産業の皆様がカーボンニュートラル社会の実現に向けた理解を深めていくことが重要であると認識しております。 こうした認識の下、地域理解の促進、さらには、関連する周辺産業の集積に結びつけられるよう、産業界の皆様と連携を密にしながら、取組を進めてまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) 新聞報道によれば、国が掲げたこの急速な動きに、戸惑いを覚えている経営者も少なからずおり、工場や商業施設では温室効果ガスの排出抑制が求められることから、多額の費用負担を伴う課題となります。特に、中小企業には、経営の重荷となる懸念があることから、市や関係機関が一体となり、企業を支援する取組が欠かせません。 市や経済団体は、業界ごとに求められる対応策や国からの支援制度などをきめ細かく企業に周知しながら、カーボンニュートラルを目指す流れに沿って、態勢の強化を進めていく必要があると指摘しています。しっかりとした支援体制を整えながら、カーボンニュートラル社会の実現を目指してほしいと思います。 小名浜港は、カーボンニュートラルポートを検討する港湾の1つとして選定されました。本年2月定例会の答弁によれば、小名浜港は、港湾の背後に素材系の臨海部産業が集積していることや、港湾を利用する火力発電所でアンモニア混焼の可能性があること、さらには、貨物運搬車両用の燃料電池車への転換による脱炭素化の効果が見込まれることなどが、主な選定要因とのことです。現在、関係団体による検討会が定期的に開催されており、今後の動向が大変期待されます。 そこで、2つとして、小名浜港におけるカーボンニュートラルポートの実現に向けた取組の現況について伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) 小名浜港におきましては、昨年12月に、カーボンニュートラルポートの形成を検討する港湾に選定されて以来、令和2年度には、計3回の検討会が開催され、小名浜港における取組の方向性として、石炭火力発電におけるアンモニアなどの需要に対応した大型船による大量一括輸送の受入れ環境、また、トラックや荷役機械の燃料電池化などについて検討を進めていくことが示されたところであります。 本年度につきましても、国・県・市及び関係事業者の参画により、引き続き、検討会が開催されております。 具体的には、火力発電におけるアンモニアの燃料利用や、荷役・輸送に係る燃料電池化などについて、ワーキンググループを設置しまして、より詳細な検討を進めることとしており、今年度末には、カーボンニュートラルポートの将来像や形成に向けた今後の取組が示される予定となっております。
◆5番(西山一美君) 引き続き、事業の具現化に向け、市長が会長を務める小名浜港整備促進期成同盟会をはじめ、港湾関係団体の活動等を通して、官民一体となった取組を積極的に進めてほしいと思います。 次に、市長が提言しているハイテク先進地づくりについてですが、国と本市が一体で進めることで経済発展の起爆剤となり得るとのことであり、そのような観点から再生可能エネルギー100%工業団地の誘致についても進めたいと述べております。 既に、浜通り地域に複数の施設を整備することが決まり、浪江町では、福島水素エネルギー研究フィールドが設置されていますが、3つとして、本市は再生可能エネルギー100%工業団地の誘致に向けた取組をどのように進めていくのか伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) 再生可能エネルギー100%工業団地、いわゆるRE100工業団地につきましては、本年2月に国が改定した福島新エネ社会構想におきまして、県が、関係府省庁・県内市町村と連携し、太陽光をはじめとした再生可能エネルギー発電、熱利用、蓄電池等との組合せによる工業団地の構築を目指すこととされております。 RE100工業団地の整備に際しましては、用地の選定や整備に要する期間などの諸課題について認識しているところでございますが、一方、若者の市外流出を抑制するための雇用の場の確保をはじめ、脱炭素社会の実現に向けた先進的な取組として、本市のイメージアップなどの波及効果も期待されるものと考えております。 市といたしましては、国・県等の動向を注視しながら、働きかけを進めてまいりたいと考えております。 また、RE100工業団地の誘致のみならず、産業部門において脱炭素社会の実現を目指す観点からは、本市に立地する全ての事業者の参画が重要であると認識しておりますことから、まずは、事業者に対する脱炭素社会の実現に向けた意識啓発を図る取組などを積極的に進めてまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) 本市も、
次世代エネルギーを活用し、温室効果ガスの排出削減を進めながら、将来にわたって地域産業を支えていくために必要となる国等からの支援については、しっかりと要望活動等を通じて求めるとともに、福島県における水素社会実現に向けた実証地域モデル形成の適地として、エネルギー拠点形成や資源エネルギー産業等の立地促進・企業誘致などにも、内田市長を先頭に、改めて力を注いでいただくことを要望します。 次に、3点目は、機会を捉えた産業振興政策についてです。 東日本大震災とそれに伴う原子力災害の発災後、再生可能エネルギーの有効利用を目的として、県は、浜通り地域に風力発電施設を数多く整備して、原子力に代わるエネルギーの導入を進めるとともに、地域の雇用が確保されることで、福島イノベーション・コースト構想や福島新エネ社会構想などのプロジェクトをさらに推し進めています。 特に風力関連産業は、今後ますます需要の高まる可能性を秘めた将来性のある分野であり、既に国内において、中核の風力発電メンテナンス企業が本市に進出し、地元事業者の風力関連産業への参入も進んでいます。国が掲げるカーボンニュートラル社会の実現を目指していくためにも、今後の市内における風力関連産業への取組には、大いに期待をするところです。 そこで、風力発電産業の動向について質問いたします。 1つとして、市内における風力発電産業に対するこれまでの取組状況について伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) 風力発電に関わる産業には、建設工事やメンテナンス業務など、幅広い業種への経済波及効果が見込まれますことから、これまで、建設工事に関連しまして、大手建設事業者から地元企業が受注できるよう、令和元年の7月に、いわき商工会議所と市内建設業の関係団体が中心となり、研究会を立ち上げまして、風力発電事業に関する知識の習得や現場の視察等を行ってきたところであります。 また、メンテナンス業務に関連しまして、国内大手の風力メンテナンス企業である株式会社北拓を四倉中核工業団地へ誘致いたしましたとともに、風力発電に関する幅広い知見を有する東京大学先端科学技術研究センターと連携協定を締結し、地元企業の参入促進を図るべく、風力産業界に必要となる産業人材の育成にも取り組んでいるところでございます。
◆5番(西山一美君) 特に、風力メンテナンス産業は、今後、本県浜通り地域を中心に陸上風車の大量導入が予定され、さらには、既存風車の経年劣化が進んでいることに合わせ、風車の定期的な安全管理検査が義務化されたことなどから、メンテナンスに必要な人材確保や国内における部品供給体制の構築、そして新たなメンテナンス技術の開発が求められています。 そこで、2つとして、今後の風力発電産業に関する取組はどのようなものか伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) 今後、風力発電産業を根づかせていくためには、建設工事やメンテナンス業務など、風力発電所運営に関わる様々な業務を、地域企業が積極的に受注していくことが重要でございまして、その実現に向けては、市内企業自らが風力発電事業に関する新たな知識や技術を習得しまして、企業付加価値を高め、競争力強化を図っていくことが必要不可欠であると認識しております。 このため、これまで取り組んできました風力発電に関わる知識を習得するための、市内企業向けセミナー等の開催などに加え、引き続き、東京大学先端科学技術研究センターと緊密な連携を図りますとともに、本年10月に操業を開始しました株式会社北拓の福島支店が有するメンテナンス部品の倉庫やトレーニング施設等の設備を活用することにより、研究開発事例の創出や風力メンテナンス人材の育成を進め、市内企業が風力発電産業に関わりやすい環境を整えていけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) 本市として、メンテナンス人材の育成、市内企業の技術力強化、産学官連携による実証研究などを一体的に推進できるメンテナンス拠点を形成し、風力関連産業の集積につなげていくため、さらなる関連企業の誘致や関係事業者との連携強化を進めなければなりません。また、カーボンニュートラル社会の実現に対応した市内企業の動向にも広く注視していかなければならないと考えます。 そのような中、市長は成長産業を創るというキーワードの下、様々な提案をしております。 そこで、3つとして、成長産業を創るという公約の実現に向けてどのように取り組んでいくのか市長の考えを伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) 本市の産業を取り巻く環境といたしましては、これまで答弁申し上げてきましたカーボンニュートラル社会の実現という流れに加えまして、福島復興やポストコロナ、人口減少の影響など、様々な社会情勢の変化に大きく影響を受けるものと認識しておりまして、こうした社会情勢の変化の流れの中においても、本市産業界が的確かつ柔軟に適応し、稼ぐ力の向上と産業の新陳代謝を繰り返し、多くのビジネスチャンスを獲得していくことが重要であると認識しております。 こうした認識の下、稼ぐ力の向上に向けまして、これまで取り組んできた風力発電産業化に向けた取組を、さらに推進するとともに、社会経済情勢に適応するための業態転換を推進するなど、外的要因による誘発や内発的成長の促進に取り組んでまいりたいと考えております。 さらには、産業の新陳代謝として、地域企業の経営改善や事業承継を支援しながら、既存産業を適切に守り育てるとともに、創業や新規出店支援など新たなチャレンジに対する支援を行うなど、成長の段階に応じた支援を実施してまいりたいと考えております。 こうした取組を複合的に進め、市民所得の向上に努めてまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) 成長産業を創るべき人材の育成や、市内の高校生や大学生など若者が市内で活躍できる雇用体制の強化をどのように前に進めていくのかも、大変重要な課題だと考えますことから質問をいたします。 4点目は、いわきの産業界で活躍できる雇用の促進についてです。 本市は、以前より高校を卒業すると進学や就職のために、首都圏や仙台方面に出てしまう傾向がありました。大学進学が目的の人もいれば、工業系をはじめ商業や実業系の企業に就職を希望する人などもおります。私たちの頃は、クラスの約8割が市外・県外を目指し、市内に残る学生は、2割程度だったと記憶しております。 これから本市において、さらなる産業振興を進めるためには、産業界を牽引する若手技術者をしっかりと市内で就職し、首都圏並みの賃金体系で生活できることが求められます。企業誘致や市内企業の人材確保のために、市や経済団体等が一体となった雇用環境のさらなる充実のための取組が必要と考えます。 そこで、現在の状況について把握することが重要だと考えますことから、1つとして、産業振興の基礎となる技術系や実業系学生の市内雇用の取組について現況を伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) 技術系や実業系学生を含めた高校生向け就職支援事業といたしまして、学生が実際に市内企業の製造現場などを訪問する職体感ツアーや、市内で活躍する先輩社員等を講師に、仕事に対するイメージや、やりがいなどより具体的な仕事に対する興味を促進する機会となります職業講話、それから早期からの職業意識の醸成や、地元企業への理解促進を図る地元企業説明会などを実施するほか、就職先が決定していない学生を対象に就職面接会をハローワークいわきと共催で実施しまして、高校生の早期就職に向けて支援をしております。 また、企業向けの支援事業としては、新規高等学校卒業者を多数雇用し、かつ職場定着が良好な企業に対しまして、雇用優良企業として感謝状を贈呈するほか、企業や経済団体等に対して、求人票の早期提出並びに労働環境の改善など魅力ある職場づくりを推進していただくよう、国・県と連携した要請行動を実施するなど、若者の地元定着に向けた起業の環境整備にも取り組んでいるところでございます。
◆5番(西山一美君) 本市は、新卒者などの地元定着を図るため、早い時期から地元企業就職のための各種支援事業を実施し、地元企業合同説明会なども開催しているとのことですが、今後、本市の若者が市内企業等に就職し、安心して長く働けるような雇用環境の整備は、喫緊の課題だと考えます。 そこで、2つとして、市長の雇用支援に対する考えはどのようなものか伺います。
◎市長(内田広之君) 人口減少や少子・高齢化、さらには、若者の人口流出が顕著になっておりまして、労働力の減少が喫緊の課題となってございます。 このことから、地域産業を支える人材の確保と育成に取り組む必要があるものと認識してございます。 また、首都圏で学び、専門性を身につけてきた方々が、本市に戻り、その能力を発揮し、働いてもらえる受皿となる雇用の場を創出していくことも重要であると考えてございます。
◆5番(西山一美君) 雇用の支援については、人材の確保、人材の育成、受皿となる雇用の場の創出が必要とのことでした。その中でも、市長は様々な課題を解決するベースとなるのが人づくりであると述べており、私も地域産業を支えるため、若者を中心とした人材育成は、特に重要だと考えます。 そこで、3つとして、市内雇用のさらなる促進に向けた取組をどのように進めていくのか伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) 地域産業を支える人材の確保と育成、受皿となる雇用の場の創出のうち、人材の育成につきましては、次世代を担う未来ある若者たちを対象とした将来人材と、技術習得を目的とする社会人を対象とした即戦力人材に分けまして、その育成に取り組んでおります。 具体的には、将来人材の育成については、小・中学生を対象に、生徒会サミットやいわき志塾、Elemを活用した経済教育等の先進的なキャリア教育事業に取り組むとともに、福島高専や市内工業高校の学生などを対象に次世代自動車の基礎知識や製造技術等を習得するいわきEVアカデミーなどを開催しております。 また、即戦力人材の育成については、市内企業の従業員などを対象に、風力メンテナンス分野等の技術力の向上、研究開発力の強化を目的とするいわきものづくり塾などを実施しているところでございます。 今後におきましても、これらの取組を、強化しながら、併せて、育成した人材が定着できる魅力ある雇用の場の創出に取り組んでまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) 人材育成については、将来人材と即戦力人材の育成に取り組んでいるとのことでした。 市内で活躍いただける人材の育成と同様、首都圏をはじめ、市外で就職期を迎える大学生等に向けての市内雇用の促進に向けた施策も重要だと考えます。 4つとして、市内出身学生に向けた就職のための還流支援の具体的な考えについて伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) 市内出身学生が、大学卒業後などに、本市へ還流、いわゆるUターンすることを促すためには、大学生等と地元企業とのマッチングの場となる合同企業説明会などの雇用の機会創出に加えまして、進学等で本市を離れる前の郷土愛の醸成や本市を離れた首都圏等在住者との絆の維持など、意識の醸成を図ることも重要であると考えております。 まずは、郷土愛の醸成につきましては、産学官連携による人財育成組織いわきアカデミア推進協議会の事業の中で、高校生を対象としたいわき発見ゼミを実施しておりまして、市内企業の現場等を訪問・体験し、経営者や社員の方から仕事への情熱や人生体験、職業観などをお聞きしながら、自らの進路や生き方を考える機会を提供しております。 次に、首都圏等在住者との絆の維持につきましては、市内企業の若手社員と首都圏等在住の若者との交流や意見交換を行ういわき若者会議等を実施しております。
◆5番(西山一美君) それでは、5つとして、市内還流を促すための周知については、どのように考えているのか伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) 本市では、大学生等を対象とした合同企業説明会を毎年開催しております。この説明会は、一堂に集まった地元企業が、学生に自社の魅力を伝える場として活用されておりまして、市内還流を促す効果的な周知方法の1つとなっております。 また、昨年度から、ウェブ会議システムを利用したことによりまして、企業説明動画の見逃し配信が可能となり、後日、いつでも、どこでも、誰でも視聴ができる、新たな情報発信にも取り組んでいるところでございます。 説明会に参加した学生の約9割から、就職したいと思う企業があったとの回答が得られたことから、
新型コロナウイルス感染症の影響下においても、本市の企業を知ってもらうよい機会を提供することができたものと考えております。 今後におきましても、市内還流を促すための周知につきまして、SNS等の活用を含め、充実・強化に努めてまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) 大学生等への支援として、企業と学生が、直接対面しなくてもやりとりが可能なウェブ会議システムを利用した合同企業説明会を開催し、当日参加できなかった方には、後日、視聴ができるよう、企業説明動画の見逃し配信を行ったとのことで、コロナ禍の中でのデジタル等を活用した就職情報の配信などは有効であり、また、SNS等の活用による周知も効果的だと考えます。引き続き、しっかりとマッチングできるよう様々な支援をお願いいたします。 また、いわきをベースとして、自らの力で活躍する人材の育成や掘り起こしも大変重要な施策だと考えます。 そこで、6つとして、市内で起業を目指す人への支援策などについては、どのように考えているのか伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) 市内で起業を目指す方への支援策につきましては、これまで、創業の意欲を高め、経営に必要な知識などを習得する講演会や創業セミナーを市内関係機関と連携しまして、開催してきたほか、創業者に対し、事業に必要な資金の一部を融資する資金調達支援を行っております。 また、いわき産業創造館内に、新たに事業を始める方や新しい事業展開を考えている方への支援を目的に、インキュベートルームを設置しまして、インキュベーションマネージャーによる事業化支援や相談、指導等を行ってきたところであります。 加えまして、副業や兼業など、多様な働き方への関心が高まりを見せておりますことから、本年10月には、いわき産業創造館内にシェアオフィスを開設いたしまして、副業者や創業者が働きやすい環境づくりを進めるなど、ソフトとハード両面の幅広い支援策を実施しているところでございます。
◆5番(西山一美君) 近い将来、しっかりといわき市を支えてくれる産業人材の醸成についてのさらなる支援をお願いし、さらには、市長自らが掲げる様々な産業政策プランが関係団体や教育機関との連携の下で、着実に前へと歩を進めていただけるよう要望して、次に移ります。 大きな2番目の質問は、稼げる農林水産業についてであります。 現在、農林水産業は、従事者の減少・高齢化、農地の減少・荒廃、漁獲量の減少、消費者である国内人口の減少が進んでいることに加え、近年の大規模自然災害の頻発など、取り巻く環境は厳しさを増しています。 本市も、国内の状況と同じ傾向で、農林水産業に従事する皆さんの高齢化や収益の不確実性そして、事業の継承や担い手不足の問題など、様々な要因により継続意欲の減退から維持管理にも影響が及び、離職者も出ているという状況です。 そこで、1点目は、本市の農林水産業振興に対する取組についてです。 このような厳しい環境の中、これ以上離職者を出さないためにも、各種支援策を積極的に実施することによって稼げる農林水産業をつくり出していくことが大変重要です。 市長の掲げる振興プランをしっかりと具現化していくためにも、この取組について伺っていきたいと思います。 まず1つとして、国内における農林水産業の現状をどう考えているのか伺います。
◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 我が国の農林水産業は、国民の生活に必要不可欠な食料を供給する機能を担い、また、国土保全等の多面的機能も有する、国の基盤を支える重要な産業であると認識しております。 現在、我が国の農林水産業は、担い手の著しい高齢化及び減少という課題に直面しており、今後も一層の担い手不足が懸念される中、近年頻発する大規模災害や
新型コロナウイルス感染症による社会への影響などの多様化するリスクに備えながら、持続可能な産業として成長していくことが重要であると認識しております。
◆5番(西山一美君) 次に、農林水産業それぞれに、振興プランなどの内容について伺っていきます。 2つとして、本市農業の現況をどのように捉えているのか伺います。
◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 本市農業におきましても、我が国の農林水産業が抱える課題と同様に、農業者の高齢化及び担い手の減少が課題となっております。 農林業センサスによりますと、農業者の平均年齢は、平成12年の62.2歳から平成27年には、68.1歳まで上昇しています。 また、平成12年に1万594人であった農業就業人口は、減少傾向を続け、平成27年には5,228人となっております。 これらの高齢化及び担い手の減少に伴い、本市における耕作放棄地の面積は、平成12年の846ヘクタールから、平成27年には、1,987ヘクタールに増加しています。 こうした本市農業の現況を改善していくためには、担い手の確保に努めるとともに、本市農業の持続可能性を高めていくことが重要であると認識しております。
◆5番(西山一美君) 本市農業については、前回の質問で聞いた農業従事者の減少が大変大きな問題であり、農業就業人口は、ここ15年のうちに半数以下に、また、認定農業者数についても、令和元年度からは、減少傾向と、本市農業の将来に不安が残るような傾向を示しています。 そこで、課題解決のためにいわき地域就農支援センターの設置をはじめとした、いろいろな振興支援策が既に展開されているとのことですが、3つとして、これからの本市農業のさらなる振興策をどのように打ち出していくのか伺います。
◎農林水産部長(千葉伸一郎君) これからの本市農業のさらなる振興策としましては、農業次世代人材投資事業による就農直後の農業経営確立の支援や、担い手づくり総合支援事業による人・農地プランにおいて地域の中心的経営体に位置づけられた担い手に対する支援、今年度から設置したいわき地域就農支援センターにおける就農相談窓口のワンストップ化など、担い手の確保及び認定農業者の育成のための施策に引き続き取り組んでまいります。 加えて、本市農業の持続可能性を高めていくため、生産性と収益性の高い農業経営の確立を支援するほか、農業生産基盤の保全・整備と防災・減災対策を推進してまいります。 また、農業者の所得向上を支援するため、流通の実態や消費者の需要把握に努めるほか、農産物の高品質・高付加価値化を推進するなど、多角的な施策により取り組んでまいります。
◆5番(西山一美君) そのような中、9月上旬に、福島大学の三浦学長は、いわき市との連携を強化したいとコメントを発表しました。福島大学の学生や先生の農業などをはじめ、様々な教育研究の拠点が本市を中心に整備されることを大いに期待しています。 そこで、4つとして、農業振興に向けた福島大学農学群食農学類との連携をどのように考えているのか伺います。
◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 福島大学農学群食農学類との連携につきましては、現在、令和3年度中の策定を予定しております本市農業行政の最上位計画に当たる次期市農業・農村振興基本計画の審議委員会のアドバイザーに就任いただき、様々な角度から本市農業振興に関する助言をいただいているところであり、今後も引き続き、策定後の当該計画に基づく施策推進のため連携強化を図ってまいりたいと考えております。 また、福島大学とは、地域人財の育成や地域価値の向上、地域産業の振興に関することなどを連携・協力するため、令和2年10月に国立大学法人福島大学といわき市の連携・協力に関する協定書を締結していることから、本協定に基づき、現在国においても議論が重ねられており、福島大学が復興大臣に参画構想を提出している浜通りに整備予定の国際教育研究拠点の整備を見据え、本市農林水産業分野の課題抽出、研究テーマの形成、農学実践型教育プログラムとの連携などについて、意見交換等を進めてまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) これから、福島大学との具体的な連携の方法と本市サポート体制の整備を進め、大学卒業後、本市の農林水産業を牽引する若手従事者を育てていくためにも、必ず実現してほしいと思います。 次に、本市林業も、全国的傾向である木材価格の低迷や農業と同じように林業従事者の減少など、依然として厳しい状況にあります。 そのようなことを踏まえながら、本市は各種支援策を進めていますが、5つとして、現在の本市林業の課題はどのようなものか伺います。
◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 本市の林業の課題につきましては、戦後に植林した人工林が活用の時期を迎える中、原木価格の低迷や、就業者の減少、高齢化などから、森林所有者の施業意欲が減退している全国的な現状と同様であります。 また、本市においては、市内の木材産業における素材生産分野、木材加工分野、建築分野のいわゆる川上、川中、川下の関係者間の連携強化による木材の安定供給や、地域材の需要創出などが必要であり、そのためには、林業就業者の確保・育成が課題であると考えてございます。
◆5番(西山一美君) 近年の林業就業人口数の減少傾向を見れば、国や県と連携した大胆な支援策が必要であり、また地域特性なども考慮に入れた本市独自の支援も必要だと思いますが、6つとして、本市林業の振興策をどのように進めていくのか伺います。
◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 本市林業の振興策につきましては、本年4月に施行しましたいわき市豊かな森づくり・木づかい条例に基づき、市産木材の利用促進等に努めるとともに、森林の
循環利用や多面的機能について市民の理解促進につながる動画の製作や、森林経営管理制度の実施に向けたアンケート調査などの取組を進めているところであります。 また、市内の森林・林業・木材産業関係者や学識経験者から構成するいわき市産木材利用推進会議を今後も引き続き開催し、川上から川下までの連携強化を図りながら、官民一体となった施策の検討を行ってまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) 林業及び木材産業の持続的かつ健全な発展による本市経済の活性化、そして森林に有する多面的機能の持続的な発揮に寄与することを目的として、いわき市豊かな森づくり・木づかい条例を制定しましたが、7つとして、市産木材の利用促進に対する取組をどのように進めていくのか伺います。
◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 市産木材の利用を推進するためには、公共建築物はもとより、民間住宅においても木造・木質化を促進する取組が必要であると考えております。 このことから、市の公共建築物等の整備に際し、計画の初期段階から、木造・木質化に係る概算工事費の算出、他の工法との比較等について、外部から助言を受け、その成果を基本設計等に反映させる公共建築物木造・木質化専門アドバイザー事業や、民間事業において、市産木材を一定量使用した住宅の建主や買主に対し、本市の優れた農林水産物や湯本温泉などの市内宿泊等・地域に限定した商品やサービスと交換可能なポイントを交付するいわき市木づかい住宅ポイント事業などを通して、市産木材の利用推進を図ってまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) 引き続き、振興への支援策を進めていただくとともに、その詳細について広く周知していただくことをお願いしたいと思います。 次に、本市水産業ですが、東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故から10年たった今も、厳しい状況が続いています。 震災後から、本年の3月まで試験操業が続き、やっと現在、本格操業に向けた通常操業となっています。風評などの影響もあり、水揚げ量は、震災前までの状態には回復していません。この状況を、少しでも早く上向きに変えていく施策の展開をしていくためには、改めてしっかりとした現状把握が必要だと考えます。 そこで、8つとして、震災後10年が経過した本市水産業の現況をどう捉えているのか伺います。
◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 本市水産業の現況として、令和2年の水揚げ量で申しますと、沿岸漁業につきましては、979トン、震災前の18.6%、沖合漁業につきましては、7,908トン、震災前の53.2%にとどまっており、依然として、厳しい状況が続いております。 加えて、沿岸漁業につきましては、漁業者の高齢化に伴い、担い手不足が深刻な状況となっております。
◆5番(西山一美君) 県によれば、県内では、震災に伴う津波で漁船が流されたことなどにより、廃業した漁業者も少なくないとのことで、漁船数は震災前の2010年12月は、1,207隻だったのに対し、2020年12月の調査では763隻と震災前の7割弱。就業者数も2018年の漁業センサス調査では、震災前の6割程度にとどまり、そのうち24歳以下は5%程度とのことです。 そこで、このような状況の中、9つとして、本市水産業をどのように振興していくのか伺います。
◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 本市ではこれまで、平成27年10月に地域ブランド常磐ものを立ち上げ、本市水産物の安全性やおいしさ、品質といった魅力を発信する各種PR事業を展開してきたところであります。 水産業の振興のためには、これまでの風評払拭の取組に加え、消費拡大に向けた取組が重要であると考えており、いわき市魚食の推進に関する条例に基づき、魚食普及事業に取り組むとともに、国や県、水産関係団体等と連携し、販路の回復に努めてまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) 県内の水産業においては、現在の就業者数で本格操業に移行しても装備の発展等により、震災前の水揚げ量を確保するのは、可能とのことですが、将来にわたって水産業を守っていくためには、後継者の育成を進めていかなければなりません。 農林水産業の全てに共通する喫緊の課題は、農林水産業で新たに就業を目指す人材の育成と新規就業者の生活が軌道に乗るまでの間、技術支援や安定した経営基盤づくりなどをしっかりと支える体制のさらなる強化だと考えます。 そこで、10として、稼げる農林水産業の主体となる後継者の育成についての考えを伺います。
◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 今後の本市農林水産業の中心的な担い手となっていく後継者の育成につきましては、議員御指摘のとおり、農業・林業・水産業の各分野で、喫緊の課題となっているところであります。 農業分野におきましては、新規就農者の早期の経営確立・定着を促すため、今年度からいわき地域就農支援センターを設置し、就農相談を受けてから、農業経営が軌道に乗るまで、伴走型による支援を行っているところであります。 林業分野においては、現在、県が林業従事者の育成を目的とした林業アカデミーふくしまの令和4年度の開講に向けた準備を進めているところであり、今後とも国・県及び関係事業者等と連携しながら、アカデミー研修修了者などを中心に、担い手の育成及び確保に努めてまいりたいと考えております。 水産業分野においては、就業希望者が漁業者に弟子入りして、漁業に関する知識や技術を学ぶおためし漁業体験を、今年度から実施しているところであります。 このように各分野で担い手確保の施策を推進し、本市農林水産業が持続可能な産業となるよう、努めてまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) 国・県、そして農林水産業の関係団体としっかり連携しながら、1人でも多くの若者が、稼げる農林水産業の担い手として、さらには、本市の農林水産業のリーダーとして活躍できるような、支援体制の早期構築をお願いして、次に移ります。 大きな質問の3番目は、観光産業の振興についてです。 観光庁は、令和3年版観光白書で、2020年の国内宿泊旅行の延べ人数は前年度から48.4%減少し、日帰り旅行者の延べ人数も前年比51.8%減少したと公表しています。 新型コロナ感染症による影響が、観光業に大きな暗い影を落としたものであり、新型コロナ感染症は旅行の形態にも変化を及ぼしました。国内旅行では、県内等の近隣地域内、マイクロツーリズムの割合が増加し、個人旅行の割合も増加したとのことです。 そこで、1点目は、本市の観光産業振興に対する取組についてです。 現在、新型コロナ感染症は沈静化の傾向を示していますが、年末年始に向かい、人の流れが活発化することが予想されます。新型コロナ感染症の再拡大、第6波に最大限の注意を払いながら、本市の観光戦略を前に進めていくための質問をしてまいります。 まず、1つとして、ポストコロナを見据えた本市観光戦略の柱はどのようなものか伺います。
◎
特定政策推進監(渡邉一弘君) コロナ後を見据えた観光施策といたしましては、遠方への旅行を控え、近隣域内で楽しむ観光、三密が避けられる屋外体験の増加などの需要の変化を踏まえ、旅行する方々の興味関心を引きつけるコンテンツを充実させるとともに、これを、しっかりとターゲットとなる旅行者に伝え、観光地として選ばれることが重要であると考えております。 そのため、1つとして、自然、文化・歴史、スポーツ、食など、市内の様々な地域資源を、一定のテーマに応じた形でストーリー性を持たせて関連づけ、本市の魅力をより深く体験・体感できるような観光メニューを、これまで以上に充実させてまいりたいと考えております。 また、2つとして、こうした観光のコンテンツが需要確保へとつなげられるよう、デジタルマーケティングやシティセールスの推進、地域と連携した情報の受発信や多様な媒体の活用など、効果的なプロモーションを行ってまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) いわき市は、東京や仙台から電車で約2時間という交通利便性の高い地域であり、海・山・川などの豊かな自然環境や温泉、そして名所・旧跡や歴史施設など、様々な観光資源を持つ地域です。 平成22年、いわき観光まちづくりビューローを中心に、地域経済を牽引する戦略産業の1つである観光産業を推進する目的で、観光と物産の振興に係る全市的計画、いわき市観光まちづくりビジョンを策定し、平成30年度にその内容を改定いたしました。 中には、3つの基本戦略として、いわきの魅力を多くの方に伝え、興味を持っていただくため、的確なマーケティングで効果的な観光戦略に取り組むことや、いわきならではのコンテンツや体験プログラムをつくり、多様な旅行商品の造成に取り組むこと、そして、いわき自慢の食や豊富な地域資源を活用し、おもてなしの心でリピーターとなっていただけるよう地域資源の積極的な活用に取り組むことなどが掲げられています。 そこで、2つとして、本市観光産業の振興戦略の核となる観光まちづくりビューローの組織強化に対する考えについて伺います。
◎
特定政策推進監(渡邉一弘君) 一般社団法人いわき観光まちづくりビューローは、観光地経営の視点から、事業者や商工団体、行政機関などと問題意識や戦略の方向性、事業の進捗状況などを共有し、地域の関係者間のマネジメントや各種データに基づくマーケティングを行うなど、コロナ後における観光再生においても極めて重要な役割を果たすことが求められております。 そのため、ビューローにおいては、大手旅行代理店勤務経験者の採用や金融機関経験者の登用、実務的な副会長職の人選など、その体制強化に取り組んできたほか、会長による若手職員を対象とした研修や、データマーケティングに係るセミナーの実施、着地型の観光メニュー充実に向け、外部専門家による定期的な助言・指導の場を設けるなど、会員や職員の資質向上にも努めてきたところであります。 市といたしましても、観光まちづくりの一翼を担う立場から、ビューローに市職員の派遣等を行うとともに、関係部局との情報共有・相互連携を図りながら、ビューローの活動に参画し、その体制強化と機能発揮を促進してまいります。
◆5番(西山一美君) 本市は、常磐ものがとれる豊かな海を持つ市として、魚食の推進に関する条例を制定し、毎月7日を魚食の日としました。 市長も、食文化をテーマにいわきの観光振興を進めたいと述べていることから、3つとして、食文化を通した本市独自の観光戦略とはどのようなものか伺います。
◎
特定政策推進監(渡邉一弘君) 本市では、多くの食の資源に恵まれ、カツオの刺身など、鮮度を生かした料理や、サンマのポーポー焼き、アンコウのどぶ汁といった郷土料理など、地域ならではの食文化が、古くから根差しておりました。 こうした食文化の魅力を活用し、これまで、生産者と消費者をつなぐ旅行商品の造成や、常磐ものを紹介するパンフレットの制作、農商工連携による新たな商品の開発などにより、観光誘客や物産品の販路拡大、風評払拭に努めてまいりました。 また、昨年、魚食文化振興のため、市魚食の推進に関する条例を制定し、地産地消の推奨や、安全・良質な水産物の供給等により、魚食の推進を図ってまいりました。 今後につきましても、本市でこそ味わえる食材や加工品、調理方法やその体験など、地域の食文化を活用した観光コンテンツの開発・充実に努めてまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) さらに、世界遺産を登録するユネスコに創造都市ネットワークという枠組みがあり、その中に食が含まれていることから、創造都市ネットワークへの応募にも言及していますが、4つとしてユネスコ創造都市ネットワークへの参加に対する考えについて伺います。
◎
特定政策推進監(渡邉一弘君) ユネスコの創造都市ネットワークの参加都市として、文学、映画、音楽、工芸、デザイン、メディアアート、食の7分野のいずれかにおいても、世界でも特色があると認定されることは、本市の魅力を広く発信でき、観光誘客の優位性を高めることが可能であると認識しております。 また、認定都市間の連携等により、既存の地域資源の磨き上げや、新たな魅力の創出、相互交流の促進などにつながり、本市の観光の幅を広げ、厚みを増すことも可能であると考えております。 さらに、本市では、ユネスコ創造都市ネットワークと同様の趣旨で設置された国内組織である創造都市ネットワーク日本にも参加しているところであり、ユネスコの認定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) 創造都市ネットワークの認定を受けるためには、水産業だけではなく、飲食業界や旅館業界との連携が不可欠です。 本市には、1,300年以上の歴史を持ついわき湯本温泉があります。現在、東日本大震災の影響や新型コロナ感染症の拡大により、宿泊客の減少が著しいとのことです。 そこで、ポストコロナを見据えた振興策について、5つとして、湯本温泉の観光再生に向けた取組について伺います。
◎
特定政策推進監(渡邉一弘君) いわき湯本温泉は、入り込み客数が東日本大震災前の状況に至らない中で、コロナ禍に見舞われ、温泉観光地として極めて厳しい状況にあります。 市といたしましては、これまで旅館業等事業継続支援金の給付のほか、温泉旅館に対する給湯料金の減免などを行い、その事業継続を支援するとともに、GoToトラベル事業に合わせた市民限定の宿泊費助成を行うなど、需要確保にも取り組んでまいりました。 また、今週末にいわき湯本温泉で開催される将棋の竜王戦に合わせ、県の県民割プラスの利用促進に向けたPRを実施したほか、県民割プラスを利用する方々の本市への誘客や、市内での消費拡大などにつながる施策の早期実施に向けた検討も進めているところであり、今後も湯本温泉を核とした様々な観光コンテンツの充実を図り、需要回復に努めてまいります。 さらには、本年5月に策定いたしました、常磐地区市街地再生整備基本方針の中で、温泉とフラといった資源を生かしながら、にぎわいと交流の源泉となるような交流空間の形成が位置づけられたところであり、今後は、これらの具現化を図ることで、湯本温泉のより一層の魅力向上につなげてまいりたいと考えております。
◆5番(西山一美君) 観光産業の振興に、教育旅行の実施は欠かすことのできない要素だと考えます。 教育旅行は、主に学校などで行われる旅行のことを意味し、県内では、新型コロナ感染に留意しながら既に実施している学校もあり、本市も教育旅行の目的地として、本市ならではのメニューで提供することで、選んでいただける地域となることが大変重要です。 そこで、6つとして、教育旅行の拡大に向けた施策をどのように進めていくのかを伺って私の質問を終わらせていただきます。
◎
特定政策推進監(渡邉一弘君) 教育旅行は、団体での滞在が一定期間見込まれ、市内の周遊観光の促進も期待できるほか、訪れた児童・生徒たちが、家族と共にリピーターになるといった効果も期待できることから、その需要確保は極めて重要であると認識しております。 そのため、震災復興やエネルギーなどのテーマに基づき、いわき震災伝承みらい館や市石炭化石館、双葉郡の関連施設等に加え、デイクルーズで海から学ぶ体験も取入れるなど、本市ならではの魅力的な周遊コースを造成し、パンフレットなどを活用した周知広報に取り組んでいるところであります。 今後は、教育旅行のコースを学校等が選定する際、重要な役割を果たす旅行会社に対し、効果的なプロモーション活動を積極的に行うほか、実際に本市に訪れた学校や旅行会社に対し、内容の評価や要望等に関するアンケートなどを行い、その結果をより一層の教育旅行の需要確保につなげてまいります。 市といたしましては、こうした観光コンテンツの充実と、効果的なプロモーションを、様々な取組においても行いながら、コロナ禍で落ち込んだ観光の再生に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(大峯英之君) ここで、午後1時10分まで休憩いたします。 午後0時10分 休憩
--------------------------------------- 午後1時10分 再開
△馬上卓也君質問
○議長(大峯英之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。22番馬上卓也君。 〔22番馬上卓也君第二演壇に登壇〕
◆22番(馬上卓也君) (拍手)22番いわき市議会自由民主党一誠会の馬上卓也であります。 新型コロナ感染症の新規感染者数も減少傾向となり、ウィズコロナの経済対策についても全国的に動き出したこと、非常にうれしく思います。このような状態になるまでには、検査・ワクチン接種体制、病床の確保・維持等々、様々な対策に御尽力いただきました執行部の皆様方及び関係各所、そして、市民の皆様お一人お一人に対して、改めまして敬意と感謝を申し上げる次第でございます。 しかしながら、感染症の拡大は過去の例を見ましても、予防、そして治癒のための特効薬を人類が手にするまでは決して安心することはできません。これからウイルスの活動が活発化しやすい冬の時期を迎えますので、執行部の皆様方におかれましては、第6波に向けた対策に対しても気を許すことなく、ふるさとの市民の生命と健康、安心・安全を守るための活動を何とぞよろしくお願いいたします。 さて、さきの9月の選挙にて御当選なされ、新市長に就任されました内田市長に改めましてお祝いを申し上げます。コロナ禍という大変な時期に就任なされ、本市のかじ取りを行うことになりましたが、内田市長が選挙戦を通して訴えてきた、人材の力と産業の力を両輪とし、まちの力を最大限に引き出し、
ふるさといわき市を市民にとって住みやすい、住んでよかった、住み続けたいまちとして発展させていただくことをお願いいたしたいと思います。 それでは、以下、通告順に従いまして、一般質問を行います。 大きな質問の1つ目は、市長の政治姿勢についてであります。 内田市長の立候補の報道に、市民は驚いたのではないでしょうか。私もその1人ではありますが、文部科学省のキャリアを辞し、ふるさとのためとはいえ、全く経験のない政治の世界に踏み出すことは大変な決断であったとお察しいたします。 そこで、まず初めに、市長選への立候補に際しての考え方についてお伺いいたします。
◎市長(内田広之君) 私は、父がダンプカーの運転手、母が専業主婦でありまして、経済的にもそれほど裕福ではない、普通の家庭で育ちました。そういう中で、若い頃に、いわき市の教育委員会から奨学金を借りることができまして、ぎりぎりの経済状況で大学に入学できまして、卒業もやっとできたということです。 加えまして、いわき市内のたくさんの温かい恩師の皆様方に育てていただきました。 そうした地域の方々のお支えがございまして、文部科学省に入りまして、
ふるさといわきから離れた東京で教育等を通じまして国の未来を育むという重責を担う仕事に懸命に取り組んでおりました。 しかし、10年前の東日本大震災と、おととしの令和元年東日本台風では、故郷が大きく傷つき、大変な状況になりました。 論語には、義を見て為さざるは勇なきなりという言葉があります。これまでの私の中央省庁での行政経験と人脈を生かし、いわき市に息を吹き返したい、いわき市の発展に尽くしたい。そのように決断し、文部科学省を辞職し、命をかけていわき市に尽くす覚悟で、立候補をさせていただきまして、おかげさまで、現在に至っております。 私が先頭に立ちまして、大切な
ふるさといわき市の発展のために、そして、市民の皆様のために、市政のかじ取りに全力で取り組んでまいります。
◆22番(馬上卓也君) 次の質問は、市長が考える本市の課題についてであります。 現在の市民の最大の関心事は、まさしく新型コロナ感染症の終息であることは疑いありません。感染者数が減り本市でも少しずつではありますが、市民の方々にも安心感が漂っているところではないかと感じているところではあります。 しかしながら、この安心感がいつまた大きな不安に転じるかは、全く予想がつかない状態であります。国の方針としても第6波に備えるべく、世界の動向などを見ながらブースター接種、つまり3回目のワクチン接種の準備、そして第5波を超える規模の感染者に対する病床の確保等の施策が進められているとの報道も耳にするところであります。感染症には必ず勝利し、私たちの安心・安全な日常生活を取り戻していかなければならないわけであり、終息後の対応、施策も念頭に置きながら一歩先を見据えた施策展開が求められているのではないかと思うわけであります。 そこで、次に、内田市長が、本市が抱える課題をどのように捉えているのかを、市長が考える本市の課題についての所見をお伺いいたします。
◎市長(内田広之君) 市政運営の課題につきましては、短期的な視点と中・長期的な視点、双方に立って捉える必要があると考えてございます。まず、短期的な視点から申し上げますと、目下のコロナウイルスへの対応に加えまして、防災・減災の強化など、市民の皆様の命と暮らしを守ることが喫緊の課題であると認識してございます。 加えて、中・長期的な課題として申し上げますと、首都圏に多くの若者が流出してございますけれども、こうした若者に対する高等教育の場の充実や、雇用の場の確保をはじめといたしまして若者に向けた魅力づくり、そして、医療人材や、農林水産業の担い手の確保、また、
次世代エネルギーの活用などの脱炭素社会の実現やデジタル技術の活用などスマート社会の実現を目指す、未来を先取りする取組などが課題であると認識してございます。 さらには、これらの課題の解決に向けた挑戦を着実に推し進めていくためにも、業務改善や財源確保をはじめとした持続可能な市政運営の推進いわゆる行財政改革が重要であると考えております。丁寧に議論を重ねまして、時には大胆な決断をしながら取り組んでいく必要があると認識しております。
◆22番(馬上卓也君) 御丁寧な答弁をありがとうございます。それでは、その課題に対しまして、どのように向き合い、かじ取りを行っていくつもりなのか、内田市長の今後の市政への取組方針についてお伺いいたします。
◎市長(内田広之君) 初めに、目下の喫緊の課題でございます新型コロナウイルスへの対応に関しましてですけれども、ゆるやかなアクセル、つまり、クーポンや県民割プラスなどの経済対策、そして、確かなブレーキ、つまり、徹底した
感染拡大防止対策、これら2つのバランスを取りながら、両輪で対策を進めてまいります。 また、中・長期的な課題への対応といたしましては、若者が戻ってきたくなる魅力あるまちづくり、雇用の場づくり、教育環境の充実、医師が診療科ごとにどれくらい不足しているのかといった見える化とその充足を計画的に進めていくこと、また、これまでの経験を教訓とし、逃げ遅れゼロ・災害死ゼロを目指す防災都市づくり、福島大学等と連携した
農林水産業発展のための拠点づくりなどに取り組んでまいります。 私は、全ての分野のベースは人づくりだと思っております。 人の可能性には限界がありません。産業、医療、防災、農林水産業など、それぞれの分野を支える人の力を伸ばしていけば、無限大の力を発揮できます。
人づくり日本一のまちを目指し、これを市政運営の基本的な柱とし本市のかじ取りに全力で取り組んでまいります。
◆22番(馬上卓也君) 大きな質問の2つ目は、本市が行っている学生支援の在り方についてであります。 本市では奨学資金に関して、経済的な理由等により修学困難と認められる方に対し、奨学資金を貸与し、もって教育の機会均等を図り、健全な社会の発展に資することを目的としているとしております。奨学金の本来の姿とはこの施策が基本的な考え方ではあるのかなと思います。 加えて、もう一方で、本市の未来を担う若者の定着を図るため、市内事業所等への就職を希望する大学生、大学院生、短期大学生、高等専門学校生、専修学校生の方々に対し、一定の要件の下、奨学金返還のための補助金を交付するといった、地元に戻って
ふるさといわきのために働きたいと考える子供たちに対する事業、あるいはまた市立病院の医師確保を図るため、将来、市立病院に医師として勤務する意思のある医学部の学生に対し、修学に必要な資金を貸与するという政策的な考え方で実施されている事業も、今後ますます重要になってくるであろうと考えているところでございます。 そこで、今回の質問では、後者の立場から現在本市で実施されている2つの事業に関して質問したいと思います。 奨学金・修学資金貸与や返還支援事業に関しては、保護者ではなく、あくまでも学生本人に対し貸与がなされるものであり、その返還に関しても基本的に本人が責任を持つものでありますから、学生本人に使い勝手がよいことはもちろんのこと、その情報が正確に、かつスピーディーに伝わっていかなければならないと考えます。 まず、いわき市未来につなぐ人財応援奨学金返還支援事業についてでありますが、本事業に関しては、私は、令和元年6月の一般質問でも取り上げさせていただき、支援対象の要件が4年制大学で3年時というのは、使い勝手の見地から決してよいとは言えないのではないかと指摘させていただきました。前清水市長の答弁でも、就職活動を始めた大学3年生から就職内定前の大学4年生までが対象となるよう、募集期間の見直しを図り、また、市内の企業に向けては、地元企業への就職の呼び水となるべく、採用活動等において、本事業を活用していただけるよう連携を図りながら、本市への若者の定着に向けまして、より利便性の高い制度となるよう検討してまいりたいという答弁をいただきました。 そこで、まず初めに、本事業の概要につきまして改めてお伺いいたします。
◎教育部長(高田悟君) 本事業につきましては、本市に定住して就職する方を対象に、大学等の在学中に貸与を受けた奨学金のおおむね半額について、市が返還支援を行うものであり、いわき創生総合戦略に位置づけた施策として、平成29年度から、毎年度50人程度を募集しているところでございます。 実施に当たりましては、市内事業所へのヒアリングなどを踏まえ、就職活動を始める大学3年生から就職内定前の大学4年生まで対象を拡大し、より利便性の高い制度となるよう、適宜、見直しを図りながら、本市の未来を担う若者の定着に向けて取り組んでいるところでございます。
◆22番(馬上卓也君) 次に、この返還支援事業の実績認定状況についてお伺いいたします。
◎教育部長(高田悟君) 本事業の実績につきましては、事業を開始した平成29年度からの年度ごとの認定者数で申し上げますと、平成29年度が56人、平成30年度が39人、令和元年度が40人、令和2年度が36人の計171名となっております。 なお、本年3月から6月にかけて募集を行った令和2年度分につきましては、現在、再募集に係る応募者の選考を実施しているところでございます。
◆22番(馬上卓也君) 事業の使い勝手、広報の仕方、さらには認定者の管理等々、毎年継続して行われる事業に関しては、その運営に関し御苦労の連続ではないかと推測するところでございます。そこで、この返還支援事業の課題についてお伺いいたします。
◎教育部長(高田悟君) 本事業につきましては、市の出捐金、企業からの寄附金、さらにはふるさと納税からなる基金を財源としており、平成29年度から5年間を当面の事業期間とし、その期間における認定者に対応できるよう、平成29年度から令和元年度までの3年間において、基金に積み立て、必要な財源を確保しているところでございます。 補助金交付の際は、当該基金を取り崩して支出しておりまして、年々、財源が減少いたしますことから、今後さらに事業を継続する場合には、新たな財源の確保が課題になるものと考えております。
◆22番(馬上卓也君) それでは、今後の取組についてお伺いいたします。
◎教育部長(高田悟君) 本事業につきましては、本市の未来を担う若者の人財還流を促す施策として実施しているものであり、本事業が動機づけとなり、若者の市内への就業及び定着が促進され、地域産業の担い手となる人財の確保に向けて一定の効果を上げているものと認識しており、人づくりやまちづくりの観点からも重要な取組であると認識をしております。 今後におきましても、本事業の課題や成果を検証しながら、財源確保を含め、ニーズに応じた事業の在り方について検討を進めてまいりたいと考えております。
◆22番(馬上卓也君)
ふるさといわきを愛する子供たちがふるさとに帰り、ふるさとの未来を切り開いていくということは、まさに理想であります。人づくりをまちづくりの基礎となす本市において、このような支援は、積極的かつ継続的に行われるべきと考えるところでございます。財源や毎年増加する認定者の管理等々、事務処理等の課題はあると思いますが、ふるさとの人財を大切に守り、育てるという姿勢をぜひとも今後もお願いしたいと思います。 次に、医師修学資金貸与制度についてであります。 いわき
市医療センターに関しましては、昨年度、本年度と2年連続して初期臨床研修医の募集についてフルマッチが続いているところであります。改めまして、新谷
病院事業管理者をはじめとした関係各位に深く敬意と感謝を申し上げる次第でございます。初期研修医の募集・採用に関しては、医療センターの新陳代謝を維持するためにも欠かすことができないものと認識いたしております。そのためにも医師修学資金貸与制度の果たす役割は、本市の地域医療の最後のとりでとしてのいわき
市医療センターを維持・発展させるためにも引き続き重要になってくるものと考えるところでございます。 そこで、改めまして制度の概要についてお伺いいたします。
◎
医療センター事務局長(飯塚修一君) 医師修学資金貸与制度につきましては、医師確保を目的として、将来、当センターに勤務しようとする医学部の学生に対し、大学を卒業するまでの間、月額23万5,000円を貸与するものであります。 また、医師免許取得後12年以内に、貸与年数と同じ期間、当センターに勤務することにより、貸与を受けた資金の全額が返還免除されることとなっております。
◆22番(馬上卓也君) 次に、制度が開始された平成19年度からの実績についてお伺いいたします。
◎
医療センター事務局長(飯塚修一君) 制度を開始しました平成19年度から今年度までに本制度を利用した医学生は63名となっております。 このうち、現在、在学中の方を除き、既に大学を卒業し医師となった方は32名で、うち当センターに勤務した方は30名となっております。
◆22番(馬上卓也君) この医師修学資金貸与制度につきましては、私が令和元年6月の定例会において今後の取組に関しての質問をした際に、当時の鈴木事務局長は、当該制度の利用実績や、修学資金の貸与を受けた学生の多くが、卒業後すぐに、臨床研修医として当センターに入職している状況などを踏まえますと、この制度の活用により、今後とも一定数の若手医師を確保できるものと考えておりますと制度の着実な有効性を認識しながらも、本市の医療を取り巻く環境の変化に対し、将来に向けた制度の運用に当たりましては、十分な留意が必要であると指摘していたところでございます。 そこで、次に課題についてお伺いいたします。
◎
医療センター事務局長(飯塚修一君) 本制度の利用者が、返還免除を受けるためには、医師免許取得後12年以内に、貸与年数と同年数、当センターに勤務する必要がありますが、一方で、医師が臨床研修後に入局した大学医局の人事上の都合によっては、利用者本人の希望どおり当センターに勤務できない場合があり、その結果、12年の返還期限以内に、貸与年数と同年数の勤務が完了しない可能性が生じることが、課題の1つとして挙げられます。 また、本制度の利用者が、より確実に返還免除を受けようとするには、臨床研修の段階から、当センターに勤務することが望ましいと考えておりますが、現在の当センターの臨床研修医の定員は12名となっており、新病院効果による医学生の病院実習や見学の受入れも増加する中、臨床研修を希望する学生がさらに増加した場合、本制度の利用者であっても、定員超過のため、当センターでの臨床研修を受けることができなくなるといった可能性が生じることも課題となっております。
◆22番(馬上卓也君) 御答弁にもありましたとおり、今後、応募してくる初期臨床研修医の数が医療センターで受け入れることができる定数である12名を超えてくるという可能性もあると認識しているところであります。これはこれである意味うれしい悲鳴ではあるところであります。 しかしながら、私は医師不足に対して、そして本市における医師の確保に関しては、長期的に見れば地元の医師で賄う、つまり地元で育てる必要があるのではないかという立場を継続して申し上げてまいりました。そういう見地に立てば、常に
ふるさといわきから毎年医師を目指し、すばらしい医師となり地元に帰ってくるというサイクルを回していかなければならないと考えるところであります。そのためにも、現状の修学資金制度運用に満足することなく、制度自体にも将来修正を加えていくことを想定しておくべきとも考えるところであります。来年度からは、県立高校のコース制も始まり、いわき地区でも磐城高校、いわき湯本高校がその対象となり、磐城高校には医学コースが、いわき湯本高校には保健・医療コースが導入されます。このような県立高校のコース制を考えれば、国公立のみならず私立大学の医学部に進学したいという子供たちも出てくることが予想されます。子供たちが単に医師を目指すという漠然とした目標に、学びたいと思う明確な診療科目等を加えることも考えられるからであります。こういった広くなる間口に対応して、修学資金も例えばではありますが、6年間で2,000万円から4,000万円を超える私立大学医学部の学費等に対応するために修学資金の増額に並行して医療センターにおける在職期間を延長するなどの制度改正を行う、あるいは、医師免許取得後12年の修学資金の返還期限について、
ふるさといわきで働きたいとの思いを持った本市出身の医師が医療センターでの就労を希望しても、所属する大学医局の都合で希望どおりの勤務ができない場合に期限の延長を認めるなど、柔軟な運用を念頭に置くことも必要ではないかと考えるところであります。このような制度の柔軟な運用を念頭に置いての、医師修学資金貸与制度の今後の取組についてお伺いいたします。
◎
医療センター事務局長(飯塚修一君) 本制度における課題を踏まえ、医師免許取得後12年の返還期限について、制度の利用者が、育児休業のほか、やむを得ない事情により当センターでの勤務が困難となった場合には、当該返還期限を延長することが可能となるよう、これまでも、柔軟な見直しを行ってまいりました。 また、臨床研修医の12名の定員枠を拡大するためには、臨床研修医を指導する経験豊富な中堅医師の増員を図り、受入れ体制をより一層充実させることが不可欠でありますことから、今後も引き続き、中堅医師の確保に向けた取組に力を注いでまいりたいと考えております。 なお、ただいま議員からお話のありました貸与金額についてでございますけれども、こちらは福島県や他の医療機関等の制度を参考に設定したものでありますことから、当面は、現行の金額を維持してまいりたいと考えておりますが、一方で、当センターの貸与制度は、日本学生支援機構や他の医療機関等が実施する貸与制度との併用が可能となっておりますことから、今後は、こういった制度の仕組みについてもしっかりと発信してまいりたいと考えております。
◆22番(馬上卓也君) 先ほど御答弁いただきました他の修学資金、奨学金との併用などにつきましては、なかなか学生さん本人、あるいは、親御さん本人が、情報として分からない部分があると思いますので、それらの情報に関しては、やはり積極的に発信し、学生さんの便宜、御家族の便宜を図るような形を続けてお願いしたいと思います。 この項最後の質問は、本市における学生支援の在り方についてであります。 内田市長におかれましては、新聞社のインタビュー等における今後の本市のビジョンに関して、若者が魅力を感じるまちづくりが重要、さらに雇用を生み出し、県外からふるさとに戻り、定着するきっかけとしたいとの話をなされておりました。 そこで、内田市長が考える学生支援の今後の在り方についての所見をお伺いいたします。
◎市長(内田広之君) 私は、未来に夢を持ち、
ふるさといわきを支え、日本を支え、そして、世界に飛躍する人材を育てることが、非常に重要だと考えております。 そのため、本市は、志ある若者がその環境によらず、市外などの高等教育機関で学び、自らの価値を高める機会が享受できるよう、奨学資金の貸与をこれまで実施しているほか、本市の将来に希望を持ち、本市で就業する卒業生を対象に、本市独自の奨学金返還支援事業などを実施するなど、自分の力で未来を切り開く若者の支援を行ってきているところでございます。 今後におきましては、このような取組の浸透に努めるとともに、学生のニーズへの対応や、社会経済情勢の変化に対応した学びのセーフティーネットの観点などからも、さらなる支援の必要性等について調査・研究してまいりたいと考えております。
◆22番(馬上卓也君) 本市における学生支援の在り方に関しては、課題も多々あると思います。 しかしながら、繰り返しになりますが、人づくりを強力に推し進めるには、行政サイドの覚悟も必要であるはずです。財源が賄えないとしたならば、人が戻ることによって働き手の面で恩恵を受けることになるであろう企業の方々との連携を模索するとか、いろいろな方法は出てくると思います。地域全体で人づくりに対する覚悟を持ち、
ふるさといわきを若い世代に対してもより一層魅力あるまちであることをアピールしていただくことをお願いし、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、夢の実現に向けた学力向上についてであります。 夢の醸成・実現、そして、学力向上というテーマに関しましては、私が初登壇した平成29年の2月定例会から繰り返し質問しているところであります。 その際に引用させていただいた、東北大学第17代総長西澤潤一先生が、その著書、教育の目的再考の中で取り上げたイギリスの教育哲学者ウィリアム・アーサー・ワードの言葉、凡庸な教師はただしゃべる。よい教師は説明する。優れた教師は自らやって見せる。そして、偉大な教師は心に火をつけるという言葉は、現在、本市が実施し、各方面から高い評価を得ているキャリア教育の根幹をなす考え方であると改めて感じるところであります。子供たち一人一人が夢を持ち、努力を積み重ね、力をつけ、夢を実現する。この一連の流れの中で、最も重要視されるべきは、最初の夢を持つという段階ではないかと考えます。内田市長におかれましては、文科省のキャリア官僚であった平成19年に、自ら秋田西高校で授業を行ったそうですが、このことも市長が、現場から子供たちに気づきを与えることの重要性を認識していたからだと考えるところであります。 そこで、最初の質問は、子供たちの夢の醸成についてであります。 偉大な教師は心に火をつける、さらに、好奇心、これこそが学習のろうそくの芯になるともワードは言っておりますが、市長におかれましては、子供たちの夢の実現の第一歩となる夢を持たせるための気づきに関しまして、どのようなお考えをお持ちなのか、御所見をお伺いいたします。
◎市長(内田広之君) 子供たちに夢を持たせるための気づきについてでございます。教育の場におきましては、子供たちに失敗を恐れずに、果敢に物事に挑戦したり、議論や体験の機会を持ったりすることが、一人一人の夢への気づきにつながると考えております。 論語には、過ちて改めざるこれを過ちというとの言葉があります。教育活動におきましては、大きな失敗のようなことも、ときには、大きな成長の糧になると考えております。 私も幼い頃、自分の心に火をともしてくれた恩師がおりました。現代のICT技術や、科学技術が進化する時代だからこそ、教育者におかれては、一人一人の生の子供の心に寄り添ってほしいと考えます。どの子供にも必ず、その子供にしかないよいところがあります。それを見つけ出し、激励し、心に火をともす、そんな教育を展開してほしいと願っております。
◆22番(馬上卓也君) 次は、現在本市が進めているキャリア教育の施策の中から、夢の醸成の気づきに特に重要な影響を与えると考えられる生徒会サミット、いわきっ子チャレンジノートに関しての質問をしたいと思います。 まず、生徒会サミットについてであります。 この事業は、子供たちがグローバルな視点から夢と希望と志を持ち、
ふるさといわきの未来を担う人財となるための企画力・問題解決力・実践力の養成を図ることを目的に実施されている事業であることは御承知のとおりでございます。私は、令和2年2月の定例会の代表質問で県立高校のコース制に対応するためにも小・中学校の学習で、しっかりとコース制に接続させることがより大切になるという考えを示したところ、当時の吉田教育長から、中学生を対象に、いわき志塾を平成26年度より開催してきた、さらには、平成30年度より、一部参加対象を小学生にも広げたこと、今後は高等学校のコース制導入も視野に入れながら、小・中学生が共に考えるいわき志塾を積極的に展開し、各学校において、自らの生き方に関する学びの時間を引き続き取り入れられるよう働きかけ、未来に夢を持ち、郷土を愛し、いわきの未来を担う人材の育成に努めてまいりたいという答弁をいただきました。生徒会長サミットが現在は生徒会サミットと名称が変更されているようでありますが、名称変更の理由なども含め、改めまして生徒会サミット事業についてお伺いいたします。
◎教育長(水野達雄君) 本市のキャリア教育推進事業といたしましては、ふるさとの未来を担う人財となるための企画力・問題解決力・実践力を身につけることを目的とした生徒会サミットや、各分野の第一線で活躍する方々を講師に迎え、児童・生徒が夢の実現に向け、自らの生き方を考えることを目的とした、いわき志塾等を実施しているところであります。 生徒会サミットにつきましては、これまでの生徒会長サミットから、今回名称を改め、生徒会長や派遣事業に参加した生徒に限らず、委員会のリーダーなどにも対象を広げて実施する予定であり、今後におきましても、市内の幅広い生徒が本事業に参加し、その成果を享受できるよう、継続的にその在り方や手法について工夫を進めてまいりたいと考えております。 市教育委員会といたしましては、このような取組を一層推進しながら、市内の子供たちが、将来に向けたしっかりとした志を持ち、自らの力で未来を切り開いていくことができるキャリア教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
◆22番(馬上卓也君) 次に、いわきっ子チャレンジノートについてであります。このノートの目的は、様々な困難に自らチャレンジしていく意欲や態度を培うことにあります。そのために、小・中学生に、自らが抱く将来の夢や目標、またその実現のための考え方や決意を記述するノートを配布しているところであります。まさに夢の実現のためのツールと言えるものであると確信しているところであります。このノートについては、私の初登壇の際にも取り上げさせていただき、作成の意義、活用状況等の質問をさせていただきました。 それでは、改めまして、このノートの現在までの活用状況についてお伺いいたします。
◎教育長(水野達雄君) いわきっ子チャレンジノートにつきましては、中学校版を平成28年に、小学校版を平成29年に作成し、小・中学校入学時に児童・生徒に配付することで、継続した活用を進めているところであります。 子供たちが日々の生活や学校行事などを通して、気づいたことや考えたことを書き留めておくことで、自己の変容や成長を自覚しながら振り返り、将来への見通しを持つことができるよう学級活動の時間や道徳科の時間において、各学校で活用しているところであります。
◆22番(馬上卓也君) この手の目標達成ツールは、理屈は単純ではありますが、非常に作成に手間がかかります。作成するためのアドバイスも必要になってくると考えるところであります。この目標達成ツールに関しては、実はとてもすばらしいお手本が、実にタイムリーに存在します。私が平成30年9月定例会で紹介しました、今まさに話題の大リーガー大谷翔平選手が高校1年生のときに作成した目標達成シートであります。この目標達成シートは、株式会社クローバ経営研究所の松村寧雄氏が開発した手法を元に開発されたシートであり、経営者、ビジネスマン、さらにはアスリートにも利用されている手法、シートであります。このような手法をチャレンジノートに取り入れるなどし、目標を明確化し、達成するために必要な項目を可視化し、今それぞれの子供たちが何をすべきかを把握できる環境をつくる必要があると思います。 そこで、次に、民間活力の利用についてでありますが、今、紹介させていただいたマンダラチャート、目標達成シートの作成でありますが、大谷選手が作成したシートに関しても、当時の佐々木監督が関わっていたように、作成にはアドバイスが不可欠です。チャレンジノートは、自己理解、夢や目標、実現のために努力すること、まとめと振り返り等で構成されておりますが、夢や目標、実現のために努力することの作成に関しましては、民間で経営計画作成、立案に携わっているようなコンサルタント、経営アドバイザーの方々など民間活力を利用することも非常に大切ではないかと思います。このような民間活力の利用についての所見をお伺いいたします。
◎教育長(水野達雄君) いわきっ子チャレンジノートにつきましては、各学校において、学級活動や道徳科の時間に自分自身の振り返りの時間を設けて記入させ、その活用の仕方について、担任等が指導するなどそれぞれの学校や教員の考え方に基づき、活用を図っているところであります。 一方、その取扱いについては、学校ごとの違い等がありますことから、今後さらなる有効な活用についてまずは教育委員会からの指導や情報提供のほか、効果的な使い方などについて、教職員同士の情報共有を図るなどにより、子供たちの夢の醸成に向けたツールとして、より一層の活用が図られるよう現在行っている取組の充実を図ってまいりたいと考えております。
◆22番(馬上卓也君) 学校における先生方の時間には限界がございます。これからの時代、子供たちを支えるのは、学校だけにとどまらず、地域の力をフル活用することが非常に大切になってくると思います。この考え方は、いわき市教育大綱にも掲げている、学校と地域の連携・協働の推進の考え方に沿うものであると考えます。幸いにも私たちの住む
ふるさといわきには、様々な知識と経験をお持ちで、それらをふるさとの発展のために生かしたいとお考えの方がいることを実感しているところであります。そのような方々のお力をぜひともお借りしながら、子供たちの気づき、そして力に変えて、ふるさと発展の原動力とすべきと考えるところであります。 この項2つ目の質問は、学力の向上についてであります。 学力に関しましては、学校教育法第30条2項において、基礎的な知識・技能、それらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力、その他の能力、主体的に学習に取り組む態度の3つの要素により定義されているところであります。このように法律によって教育の定義がなされている国は、ほかには見られないということは、平成30年9月定例会でも述べさせていただきました。とは言うものの、私たちが日頃学力というとき、このような学校教育法における定義に基づいて議論を行うことは非常にまれであると感じているところでございます。それでは、子供を持つ親たちが考えている学力、それは学校の勉強で得た知識等を確認するテストの点数を学力と考えると思われますが、その世間一般での学力の考え方も現実として、受験生等を抱えている場合、もちろん大切な側面を持つと考えます。 そこで、まず、本市の学力の現状についての所見をお伺いいたします。
◎教育長(水野達雄君) 本市の学力の現状につきましては、各学校において、学力向上に向け、学習指導要領に示されている資質能力の育成を目指す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を推進しているところであります。 また、児童・生徒においても、落ち着いて学習に取り組んでおり、学びに向かう素地は形成されているものと認識しております。 一方、本年度の全国学力・学習状況調査の結果におきましては、小学校算数の正答率において福島県平均を上回り、小学校及び中学校国語、中学校数学においては県平均と同じでありました。 全国と比べますと、小学校及び中学校の国語においておおむね全国平均、小学校算数及び中学校数学において全国平均を下回る結果となりました。 算数・数学においては、自分の考えを書いて説明する力などに、課題が見られたところであります。
◆22番(馬上卓也君) 学力をテストの点数のよしあしのみで考えることは、私個人としても賛成しかねるところではあります。しかしながら、点数を上げる、個人が求める数値目標を達成していく過程で、意欲・努力とか計画性等の学びが生まれるということも非常に大切であると思います。アスリートは、必死に数字で示される記録を追いかけ努力するというのもある意味同じではないかと思うわけです。大谷翔平選手も、野球を楽しむためには勝たなければならないと言っているように、子供たちが、勉強を楽しいと思うのは、やはり得点を上げることも大きな要因であると考えます。得点を上げることで自分の可能性を引き出し、さらに努力を積み重ねるという好循環を生み出すことができるのではないかと考えるところであります。 そこで、次に、学力向上がもたらす意義について、どのようにお考えか所見をお伺いいたします。
◎教育長(水野達雄君) 学力向上がもたらす意義につきましては、児童・生徒が自らの目標を持ち、学習に取り組むことを通し、夢に向かって粘り強く努力する力、他者と協働して課題解決に取り組む力を身につけ、子供たちの学ぶ喜びを高め、生涯にわたって学び続ける基礎を養うことができるものと認識しております。 また、このような力を十分に身につけることにより、一人一人が進路を決定する際にも、自分のよさや可能性を認識して個性を生かすための選択肢をより広げることができるものと考えております。
◆22番(馬上卓也君) 最後の質問になりますが、内田市長におかれましては、今回の選挙の際に、まちづくりの基本は、人づくりであるとし、本市の人材の力を生み出すために全国学力テストでトップレベルにすることを打ち出しておりました。 それでは、内田市長が考え、成し遂げようとする学力向上の目標を具体的にぜひともお示しいただきたいと思います。よろしくお願いします。
◎市長(内田広之君) 学力向上の目標につきましては、全国学力・学習状況調査等における成績・順位、これも1つの重要な指標だと思っております。先ほど教育長からも、県平均、全国平均との差異の説明がございました。そういった違いの中でどれくらい足りないのか、そして、中には先ほど馬上議員がおっしゃられたように、それをクリアして達成する、そういう成功体験を経験するということも非常に重要だと思っております。一方で、その順位だけ目標に掲げたりして、それで子供の尻をたたくように厳しいやり方というのは、やはり適切ではないと思ってございますので、様々な調査というもの、そして、エビデンスに関しましては、それらを参考というか1つの目標にしながらも、同時に児童・生徒の知識・技能、思考力・判断力・表現力、加えまして、主体的に学習に取り組む態度といったような全人的な能力をバランスよく養う、そういうことに加えまして、子供たちが将来社会に出てから、ほかの方々と、ほかの人たちと協働して、自立的にちゃんと生きていく基礎を培っていく、そういうことも大事だと思っております。 このため、学校現場におきましては、教職員が児童・生徒一人一人の課題にしっかりと向き合いながら、子供たちと共に、その克服を図る取組を通じまして、今申し上げた全人的な様々な能力を培っていくことが大事だと考えてございます。こういった取組の粘り強い積み重ねが、結果として学力向上につながってくると思いますし、私が再三申し上げております
人づくり日本一ということで、結果として実を結んでくるものだと考えております。将来いわき市の内外から
ふるさといわきを支える人材として活躍できるような、そういった人材をしっかりと育成できるように力を尽くしてまいる所存でございます。
◆22番(馬上卓也君) 大変熱い答弁ありがとうございました。 トップレベル、学力日本一。非常に心地よいすばらしい響きだと思います。数字の字面だけを追いかけ、競争を煽るような側面だけの議論に明け暮れるようではトップレベル、学力日本一の真の意味をする、意図するところとはかけ離れてしまうと思います。 子供たちが夢に進む道には、中間指標、メルクマールが必要であることを常々申し上げてまいりました。本市が示すトップレベル、学力日本一という目標は、子供たちの夢の階段を上がっている際の、大きな後押しとなるに違いないと確信するところでございます。経営者の教育研修で使われる言葉に、財を残すは下、事業を残すは中、人を残すは上なり。されど、財なくんば事業保ちがたく、事業なくんば人育ちがたしという言葉がございます。経営者のみならず、組織のトップに立つ方に対する至言であると思います。人材の力と産業の力でまちの力を生み出す、内田市長が公約で示した政策力・実現力に期待をいたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(大峯英之君) ここで、午後2時30分まで休憩いたします。 午後2時05分 休憩
--------------------------------------- 午後2時30分 再開
△坂本稔君質問
○議長(大峯英之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。24番坂本稔君。 〔24番坂本稔君第二演壇に登壇〕
◆24番(坂本稔君) (拍手)24番いわき市議会創世会の坂本稔です。通告順に従い一般質問を行います。 質問の1番目は、内田市長の今後の市政の進め方についてです。 改めまして、市長御就任おめでとうございます。この10年間はいわき市は東日本大震災に始まり、また、台風19号、このコロナ禍と、いわゆる想定外という言葉はもう一切使ってはいけないような、つまり、事何かあったならば即座に何らかの形では形を示し、その事象に対応していくと。また、これほど情報がつまびらかに、市民の方々が即座に得られる時代になりましたので、同じ事象のことに当たっても、ほかの自治体ではこうやっている、この市長さんはこうだと、あっという間に情報が広がり、このいわき市で住んでいて、これでよかったのかと。あとは、ほかではどうなんだという話が、即座にまた市長の様々なこれからの政策に関しては、御批評等もあるかとは思いますが、ぜひ今後のいわき市のために活躍を御期待いたします。よろしくお願いいたします。 それでは、改めまして質問に入ります。いわき市の諸課題についてお伺いいたします。 1点目、市政に対し、市長御自身、問題意識を持って立候補されたと思いますけれども、前清水市長との政策の違いは主にどこにあるか、お考えをお聞かせください。
◎市長(内田広之君) 清水前市長におかれましては、東日本大震災からの復興、令和元年東日本台風、そして、
新型コロナウイルス感染症への対応など、大変な時代の市長を担われたことに対し、敬意を表します。 私は、市長選への出馬を表明して以降、様々な方から御意見を伺ってまいりました。 その中で、市政運営に係る多くの課題が浮き彫りになり、その政策課題に対し、全力を挙げて取り組むことが必要であると認識しております。 まず、感染症対策、災害対策の充実強化ということでございますけれども、これまで清水市政で行われてこられました様々な対応におきまして、それらも踏まえながらですけれども、今後、これまでの取組もしっかり検証しながら、さらに強靭な危機管理体制を築いていかなければいけないと思っております。 また、繰り返し申し述べております中・長期的な課題、様々ございます。これらに対しまして、しっかりとまずは青写真を示していかなければならない時期だと思っております。例えば、首都圏に多くの若者が流出しています。そうした若者に対する高等教育の場の充実、雇用の場の確保、若者に向けた魅力づくり、医療人材、農林水産業の担い手の確保、こういったもろもろの課題に関しまして、青写真を示しながら展望を打ち立てて、解決の方策を検討してまいりたいと思っております。これは清水市政からの継承なんですけれども、さらに、やはり年々課題が深刻化していると思いますので、青写真を示しながら展望を打ち立てていくという考えでございます。 加えまして、ガバナンスの部分でございます。様々な、今申し上げたような課題解決に向けた市政運営の充実強化を図っていくことが重要であると思っておりまして、これは、私の下でさらに強化をしなければいけないと思っているところでございます。業務改善、財源確保をはじめといたしました、いわゆる行財政改革の推進、そして、そのエンジンとなる職員の人材育成を図っていく、この点が前市政と比べて違う点だと認識しております。
◆24番(坂本稔君) 今、お話にもありましたように、切れ目なくこれは市政は続いているわけであります、市長がお代わりになっても。ただ、やはり、行財政改革とか、人材育成という点に関しては、特に市長が強く要旨説明の中でも、今回の一般質問の中でも、様々出ておられることに関しては、非常に強く印象を受けますので、ぜひその特徴を出していただくように申し上げます。 次に、この質問に関しては、既に一般質問等の中で重複するかとは思いますが、改めまして、公約の中に若者から選ばれるいわきづくりを目指すとありますが、少子・高齢化や、特に若い女性が都市部に流出するといったいわき市の大きな課題に関してでございますが、今後どのような政策をさらに必要と考えているか伺います。
◎市長(内田広之君) 先ほどの答弁の中でも、若者から選ばれるいわきづくりということで、まちづくりが、よそ者、若者、ばか者の視点が必要だということを申し上げました。 今、議員から御指摘の若い女性の視点ということで、私は今申し上げたよそ者、若者、ばか者にさらに加えての女性の視点で、どんないわきだったら住んでみたいか、すばらしいいわきライフは、どんなものかということを、直接意見を伺ってまいりたいと思っております。 いわき市は、若者の雇用といいますと、工業団地の整備ですとか、工場の誘致ということに注目をしがちです。一方で、現在の企業を取り巻く社会経済状況、さらには、価値観の多様化などによりまして、これまでの取組に加えまして、スマートシティの推進でありましたり、市街化再生整備によりまして、オフィス機能を誘致するなどの取組が求められてきていると思ってございます。そういう意味で、若い女性が働きたくなるような環境を創出するための戦略も今申し上げたようなスマートシティだとか、市街化再生の中で十分ニーズに応えていけると思っております。 このような考えに立ちまして、若い女性のいわき市への定住に向けた政策も進めてまいりたいと考えております。
◆24番(坂本稔君) おっしゃるとおり、雇用の面で非常に大きいと思います。ただ現実、今までこれ非常にいわき市にとって厳しいのですが、仙台、また特に東京首都圏内と非常に距離的にも近い場所にありますと、若い女性たちが、あの魅力に1回、いわゆる味わってしまうといいますか、これをいわき市で、何をもってそれに比較できるか、もしくは、今後をつくっていけるか、つまり、遊びばかりではないのですが、やはり、仕事はどこでもしているのですが、つまり、若い人たちの生活、また、そこで結婚し子育てをしていくという長い流れの中で、若い時代のああいった魅力に対して、どういわき市が別な面での魅力づくり、またそれは、おっしゃっているように、教育の面からの長い期間をかけていく政策の中でも培うべきものではありますけれでも、やはり、別な切り口ででも目立ったいわき市らしい特徴というのをぜひ繰り出していただきたいと思います。次の質問です。 次に、共創のまちづくりについて、いわき市以和貴まちづくり基本条例に基づき、市民との協働を進めるシステムを行政のエキスパートとしてどのように進めていくのか伺います。
◎市長(内田広之君) 議員が御指摘くださいました、いわき市以和貴まちづくり基本条例につきましては、55年前に本市が大同合併により誕生したときのいわき市という名前に由来がございまして、和を以て貴しとなすという意味が込められていたことを踏まえて、共創のまちづくりを目指そうという趣旨で制定された条例でございます。そしてこの条例には、市民協働の考え方がうたわれてございます。 この理念を実現するためのシステムづくりを、行政各分野で行っていくことが重要であると考えております。 特に、市民生活に身近な分野で申し上げますと、地域づくりでありましたり、防災でありましたり、教育など、地域の人財が活躍できるシステムを構築していくことが重要だと感じております。 例えば、住民参加型の手法によりまして、都市計画づくりを行いましたり、災害時の要支援者の支援体制づくりを検討することに加えまして、例えば小学校では、英語教育で地域の留学経験者を活用するといった取組、本市でも行われておりますけれども、ほかの自治体の先進事例たくさんございますので、そういったものも踏まえながら、それぞれの分野で工夫を重ねていくことが重要だと考えております。
◆24番(坂本稔君) 次の質問は、選挙公報の公約の命と暮らしを守るの進め方についてですが、これは例えば公報、選挙公報とかその他選挙の事前にとかに、様々パンフレット等で出されておられたものを参考にさせていただきましたが、昨今の格差社会の弊害が、マスコミ等で大きく取り上げられておりますけれども、自由主義経済ではありますけれども、憲法下において生存権はこれは保障されている日本の国でありますから、でも残念ながら命までも脅かされるような格差が生じてきてしまっているのも現実であります。コロナ禍にあり、それがさらに増大化して、特に、子供や女性、また独り暮らしの世帯といった弱者に、また事業者においても、小規模零細に非常にしわ寄せが来ているということで、これは、今申し上げたように生命の危機であります。また、こういった状況は、確実にいわき市においても、もう何年も前から声を上げられておるところでありますが、市長におかれましては、声を上げられない社会的弱者に対して最優先で救済できるようないわき市をぜひつくり上げていただきたいと思います。 そこで質問なのですが、まず、安心して暮らせる地域包括ケアへについて具体的な政策はどのようなものなのか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 地域包括ケアシステムは、医療、介護、介護予防、住まい、生活支援を包括的に確保することで、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で暮らし続けることができるようにするものでございまして、今後の高齢社会の進展を見据え、その構築が求められているものでございます。 具体的には、各種相談窓口の設置をはじめ安心して暮らせる住まい環境の整備、地域で支える仕組みづくりの推進、健康づくり・介護予防の推進、生きがいづくりと社会参加の促進、介護人材の確保、医療と介護の連携強化、そして、認知症対策の推進などの施策に重点的に取り組んでいく必要があると考えております。これらの取組を通じまして、地域住民が地域、暮らし、生きがいを共につくり、支え合いながら自分らしく活躍できる地域共生社会の実現も目指してまいりたいと考えております。
◆24番(坂本稔君) 今までも、市民の方々から様々な協力をいただいて、この地域、また、市民生活がなれていっているところでございます。例えば、行政嘱託員の方々や民生委員の方々、また、特に災害に関しては、消防団の御協力と活動ということで、本当にここ10年間それを痛感する出来事、事象であったのではないかと思います。 その中でも、市民の生命に関わる災害時の要援護者のケアは、非常にこれは問題になっております。既に、これに対して様々な地域でも活動もあり、ただこれも地域事情や地域格差があって、また、個人情報の壁だとか、高齢者世帯の割合の多さだとか、また、救助する側の安全面というように、非常に高い壁がこれには今までもあったところであります。 ここで質問なのですが、災害時の要援護者への対応など問題解決に対して、市としてどのように今後関わるべきか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 災害時の被害を最小限にするためには、自助・共助・公助の連携が重要であるため、災害時の要援護者への対応といたしましては、地域の自主防災組織や民生・児童委員、消防団や行政区などの関係者間で、避難行動要支援者名簿により情報共有を図り、連携して支援できる体制を構築することが基本と考えております。 しかしながら、実際に災害が発生した際には、より身近な地域住民による支援が最も有効でありますことから、市といたしましては、平時からより多くの要支援者についての情報を共有できるよう、情報の提供に係る要支援者本人からの同意の取得を促進しますとともに、1人でも多くの近隣住民の方に避難支援者になっていただけるよう、制度の周知に努めてまいりたいと考えております。 さらには、共有する名簿情報につきましても、浸水想定地域に位置するかなど、より具体的な項目を加えることで、避難支援に有効なものとなるよう見直しを進めてまいりますほか、それぞれの事情を勘案した個別避難計画を作成することにつきまして、福祉サービスを利用している方にあっては事業者の協力を得るなどしながら、近隣住民の方々からの避難支援を得られやすくすることで、避難計画の実効性を高められるよう取組を進めてまいりたいと考えております。
◆24番(坂本稔君) 以前よりは大分進んではきているのですが、実際発災したと、その地域において発災したというときに本当に救えるのかどうかと、今のままで。また、福祉、避難所等の様々な実際の整備上の問題も多く抱えております。こういった地域の方々と当事者と協力が、あとその周りとの協力を取りつけないと事が動かない場合、最終的には、市としてやはり大きく関わりを持つ姿勢がないと事が進まない、ぜひ市長をはじめ市当局におかれましては、命を最優先に考えていただき、やはり一歩踏み込んだ、今まで以上の政策も推し進めていただきたいということを要望させていただきます。 次の質問ですが、これらの今まで様々命に関して申し上げておりますが、命のセーフティーネットについてであります。 同じ関連になりますが、以前から状況は変わりありませんが、例えば、郡山市、福島市等と比較しても、いわき市はやはり平均世帯収入は一番低いデータがずっと出ております。それに伴って、先ほども申し上げましたけども、弱者に、このコロナ禍によって、大きくとにかくしわ寄せが来ているのは、特にやはり非正規、パート、アルバイト世帯や個人の生活困窮者は、さらにその危険度の度合いは加速してしまいました。自殺者に関しても急増しております。ぜひこういう非常に社会的弱者が命の危機が叫ばれている今、市長として、命のセーフティーネットの強化についてどのようなお考えなのか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 生活困窮者を対象としますセーフティーネットにつきましては、社会保険や労働保険の制度、社会福祉協議会による生活福祉資金の貸付制度、経済的困窮により住居を失った方等を対象に支給する住居確保給付金、生活保護に至る前の段階から生活費や就労に関する様々な支援を行う生活困窮自立支援制度、さらには、最低限度の生活を保障する生活保護制度などが実施されております。 これらに加えまして、
新型コロナウイルス感染症の影響が拡大しておりますことから、生活福祉資金の貸付制度における特例措置として、貸付けや返済に係る要件の緩和、期間の延長や再貸付けなどを行ったほか、住居確保給付金、生活保護に関しましても給付の要件の緩和などが行われており、さらには、特例貸付けを利用できない世帯に対する
新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の給付につきましても実施しているところであります。 市といたしましても、住居を喪失したなどの状態にある困窮者に対し宿泊場所や食事を提供する一時生活支援事業を、今年度から新たに実施しているほか、生活・就労支援センターの体制強化を図ることなどにより、これまで以上にセーフティーネットの強化に努めてまいりたいと考えております。
◆24番(坂本稔君) これまで、今ほどの質問に関しても、福祉に関してお話を申し上げました。今回何点かお聞きしたい点は、正直、様々な公約、あとは議案の要旨説明の中でも、福祉という単語が出てこないんですね、なかなか。正直、項目はそれに当てはまるだろうということは想像はつくところではありますが、例えば来月になりますと、各会派から市長への要望をさせていただく、うちの会派も来月末近くには予定させていただいていますが、何項目ある中で、やはりかなり数が多いのは、医療とそこに並んで通常ですと福祉と来るのですが、医療、農業とか、医療、産業とかと来るのですが、医療、福祉が抜けているんですね、全ての項目に関して。ここに関して意識がないかどうかというのは、やはりそれはお考えの中で、この未来志向に関して、人材の育成、または将来に対する投資ですよね。これは本当に重要なことですし、何も私は異論がないんです。ただ、現実的に今困っている方々は、とにかくもう下は赤ちゃんから上は高齢者の方まで、相当数、非常に、今、困っているというところで。教育にも十分力は入れられる、これも私も大賛成です。ただ、私自身も長年心理カウンセラーと登校拒否の子供たちの相談を長く受けてまいりましたが、将来的な不安だとか今の不安がある場合、勉強だとか学校生活に向かえないんですよ。これは経済的な格差とは別な話で、心理的な問題になりますが、でも、特にやはり親の不安、経済的な不安、それが子供に当然影響を及ぼすと。これに関しては、ものすごく残念なことだと思うんです。将来的に未来がある子供たちの、その条件だけで未来が潰される。また、市として救おうとしていても、経済的なものとか生活の不安に関して少しでも和らげよう、軽くしてあげようという大きなネットを広げてあげないと、せっかく向かおうとしている貴重な人材が、そこで未来が閉ざされてしまう可能性があるので、ぜひ市長、この福祉に関して、強く今後、これからも重々強くこの言葉を上げていただいて、その項目はこうだというような政策を具体的に出していただくように強く要望させていただきます。これに関して何か市長ございますか。
◎市長(内田広之君) ただいまの福祉に関しまして、坂本議員から御意見がございました。市役所としてやっている支援制度のメニューにつきましては、先ほど
保健福祉部長から答弁申し上げましたとおりでございまして、災害もありまして、コロナもありまして、年々充実はさせていただいておりますけれども、今後、各会派からの要望もあるということでございますので、それらの各会派の御要望も十分耳を傾けながら、しっかりと力を入れて進めてまいりたいと考えております。
◆24番(坂本稔君) ぜひよろしくお願いいたします。 この項最後の質問になりますが、公約に記載はありませんけれども、命に関わる、また、暮らしに関わることなので、福島第一原発事故と原子力災害への対応についてであります。 発災から10年を経ても原子力緊急事態宣言が解除されず、市民の命と暮らしを守るため、汚染水はじめ福島第一原発事故と原子力災害について具体的にどう対応するのか伺います。
◎危機管理部長(緑川伸幸君) 福島第一原発事故の収束と災害対応につきましては、廃炉作業を着実に進めることが肝要であり、現時点では順調とは言えないまでも、着実に進められているものと認識しておりますが、一方で、トラブルも幾度となく発生していることから、市といたしましては、機会を捉えて確実な安全対策の実施や市民への丁寧な説明責任の遂行等について、強く求めてまいりました。 また、廃炉作業を進めていく上で大きな課題であるALPS処理水の取扱いにつきましては、被災地の復興との両立の下、廃炉とともに着実に推進されることが重要であり、市といたしましては、国及び東京電力に対し、科学的な安全性や具体的な風評対策等を示しながら、責任をもって、国民や関係者の理解を得ることに全力を尽くすよう求めてまいりました。 しかしながら、東京電力による相次ぐ不祥事により、同社に対する市民の皆様からの信用は著しく損なわれており、市といたしましては、これらの状況を踏まえ、原子力防災訓練等を通して市民の皆様に対する防災意識の醸成に努めるなど、不測の事態への備えに万全を期すとともに、国及び東京電力に対しては、今後も引き続き、廃炉に向けた確実な安全対策や市民の皆様との信頼関係の構築、ALPS処理水への理解促進等について、あらゆる機会を捉えて、強く求めてまいりたいと考えております。
◆24番(坂本稔君) せんだって全員協議会も開けたように、いわき市議会としてこの不誠実な態度には非常に憤りを感じておりますので、事あるごとに、ぜひ強い態度で臨んでいただくようお願いを申し上げます。 次の質問は、選挙公報の公約、人材の力、産業の力の進め方について伺います。 まず1点目は、市長は、人材の力のうち教育費等に触れておられますけども、教育費の値下げについて、値下げの対象など具体的にはどのように進めるのか伺います。
◎市長(内田広之君) 子育て世代の負担軽減につきましては、保護者の経済的理由により、教育の機会均等を損なうことがないように、児童・生徒が安心して学ぶことができる環境を整備する上で、大変重要であると認識しております。 これまで、子育て支援などの観点から、子ども医療費や幼児教育の無償化等の取組を進めてまいりました。経済的理由により就学が困難な方に向けて、就学支援事業の充実にも努めてまいっております。 また、給食費に関しましては、食材の購入費のみを負担いただいておりまして、経済的理由によってお困りの世帯等に対しましては、就学援助制度等によりまして、実質的に無料といたしまして、児童・生徒の皆さんが、御家庭の状況に関わらず安心して給食をとっていただけるよう、対策を講じてきているところでございます。 子育て世代のさらなる負担軽減につきましては、今後、子育て世帯である保護者の現況を見定めながら、給食費を含めまして、医療や子育て支援のなどの広範な観点から、可能な対応につきまして調査研究してまいりたいと考えております。
◆24番(坂本稔君) 給食費に関してはいろいろ一般質問でも取り上げてきましたが、やはり全額ですと13億円ほど、半額でも六、七億円かかるということで、かなり大きな金額になりますので、スクラップ・アンド・ビルドを様々試行錯誤してもかなり大きな政策になると思いますので、ぜひその成果結果を今後見守らせていただきたいと思います。 この項最後の質問ですけれども、産業の力のうち再生エネルギー100%工業団地の誘致について、誘致計画など、具体的にどのように進めるのか伺います。
◎産業振興部長(小松尚人君) お答え申し上げます。脱炭素社会の実現に向けましては、太陽光やバイオマス、風力といった再生可能エネルギーのほか、水素やアンモニアなどの多くの
次世代エネルギーの利活用が肝要でございますことから、本市といたしましては、
次世代エネルギー関連施策を含む産業政策として、第2期いわき創生総合戦略における政策パッケージに次世代産業・サービス育成プロジェクトを位置づけまして、小名浜港を有する本市の地域特性やこれまで培ってまいりました企業のポテンシャルを最大限に生かし、再生可能エネルギーやバッテリー・水素関連産業などを中心に、産業集積や人財育成などに取り組むこととしております。 再生可能エネルギー100%工業団地いわゆるRE100工業団地につきましては、これらの政策の一環として位置づけられる施策の1つであると捉えておりまして、市といたしましては、国・県等の動向を注視しながら、具体的な取組を進めてまいりたいと考えております。
◆24番(坂本稔君) 今まで様々、マスコミ等、また県からの情報等で、大体同じ内容なのですが、改めて公約に掲げられたので、何か市長御自身として、新たな展開もしくは今後の強い政策に対する思い等をあるかとは思って、とりあえず聞いてはみましたが、とりあえず、まずこれに関しては、今後のまた、市長の様々なやり取りを注視させていただきたいと思います。 次の大きな項目の質問の2つ目は、行政組織の在り方についてであります。 私自身でも、一般質問でも、また、代表質問の中でも、本年も2月議会においてやはり質問させていただきました。例えば、昭和45年1970年度には、7部、37課、108係あったのが、以後西暦で申し上げますが、1980年度9部、42課、121係、2003年度は11部、51課、142係と、ここまで、規模がだんだんと増えてきましたが、33年で、部でプラス4部、課でプラス14課、係でプラス34係が増加しました。その後、財政健全化、行政改革等により自治体にも例外なく、特に東日本大震災直前では、10部、46課、117係と2003年度と比較しますと、マイナス1部、課でマイナス5課、係でマイナス25係と削減、縮小してきました。 しかし、東日本大震災等で、やはり業務等も増えました。市長のお考えもあり、2021年本年度は、12部、60課、131係と、2011年に比較すると、部でプラス2部、課でプラス14課、係でプラス10係と、いわき市政史上最大の今組織体系になっております。確実に業務量は増加しておりますけれども、他自治体の応援等、また、職員の皆様の御努力、残業等で乗り切ってこられています。ここで、大幅な増員なしに部局で何とか仕事をこなしてきたわけでありますね。ただ、その他コスト面、今後AIの普及等により労働環境の劇的な変化が予想される今、組織の効率化、簡素化はもう必然であります。 市長におかれましては、現在の市組織の在り方についてはどのようにお考えになるのかお伺いします。
◎市長(内田広之君) 市の行政組織につきましては、限られた行政資源の有効活用を図る観点から、最少の経費で質の高い行政サービスが提供できる簡素で効率的・効果的な組織体制を構築することが大事だと思っております。 今、議員から御指摘ございました、現在の本市の行政組織でございますけれども、議員からもお話ございましたとおり、東日本大震災からの復旧・復興の業務もありましたり、また、いわき市創生ということで地方創生など様々な近年の業務、複雑化するような政策課題も出てきております。そういう中で、そういった様々な難しい政策課題に対応するための体制がこれまで整備されてきているものと認識しております。
◆24番(坂本稔君) 財政、行政改革に関しては、組織はこれはノータッチではいられないことは大前提であると思います。今後また、さらに質問させていただきたいと思います。 現時点ではなかなか、詳しいことは多分申し上げられないとは思うんですが、次に、来年度の組織の特徴について伺います。 もちろん来年度ですから、これから検討・策定されるのは当たり前だと思いますが、市長御就任に当たり、御自身の公約実現のために、今後、組織の改正や新設の検討など御検討されると思いますが、現時点での、特に組織で強化したいと考えている点があれば伺いたいと思います。
◎市長(内田広之君) 現在、最優先の課題であります
新型コロナウイルス感染症への対応といたしまして、経済対策の実行と
感染拡大防止対策の徹底をしていく必要がありまして、そういった喫緊の課題がございます。また、人口減少、高齢化などによって、財政が制約される中での新たな取組に対する投資、そういったこともしっかりとやっていかなければいけないと思っておりまして、そういった目の前の課題と、あとはスクラップ・アンド・ビルドで行財政改革などに取り組んでいく必要があると思っていまして、両方向を見据えながら組織を考えていきたいと思っております。 これからの課題解決の推進に向けましては、行政組織を改正したり、プロジェクトチームなどによって組織横断的な対応など、効果的な体制の構築に向けて、来年度以降に向けてこれから検討をしてまいりたいと考えております。
◆24番(坂本稔君) この項の最後の質問になります。今ほとんどのお答えと似通うかもしれませんが、今後のいわき市の行政の組織の在り方についてはどうあるべきなのか、市長はどうお考えか伺います。
◎市長(内田広之君) 今後の行政組織につきましては、繰り返しになってしまいますけれども、簡素で効率的・効果的な組織体制の構築が重要であるという認識の下で、目の前の最優先課題でございます
新型コロナウイルス感染症への対応、行財政改革の推進などに加えまして、今後生じる様々な課題に対しても適切に対応できるような柔軟で効率的かつ機動的な組織体制の構築が重要であると考えてございます。
◆24番(坂本稔君) 市民にとって大事なのは、どのように即座に様々なことをやってくれるかと、つまり、部がどうこう組織がどうこうではなくて、どういう人がどうすぐやってくれるかなんですね。ですから私は、兼任兼務でもこれからは十分必要であると思っていて以前から申し上げていますので、ぜひそういった事柄も考慮に入れて、組織編成に関しては、ぜひお考えを反映していただければと思っております。 次の質問ですが、再三、人材育成について市長お触れになっておられます、市職員の人材育成についてです。 市長は公約等の中で、人材の力を生み出すといったように若者の人材育成などを掲げておられます。日本の最も重要な資源であり、いわき市の未来でもある、また、当然、市政においても今ある人材をどう育て、力を発揮するかによって、いわき市の将来もどう変わるかは、市職員の御活躍自身にかかっていると思います。 そこで、質問ですけれども、市長の公約の実現など、政策の立案や実践、市民サービスの向上の実現は、市職員の活躍にかかっております。市長として、市職員を人材として捉えたとき、どのような職員像が理想かをお考えをお伺いします。
◎市長(内田広之君) 本市におきましては、いわき市人材育成基本方針におきまして、目指すべき職員像といたしまして、市民の立場で考え行動する職員、人間性豊かな職員、積極果敢な職員、経営的感覚を持った職員、知識豊かな職員といった点を掲げているところでございます。 今後におきましては、人口減少や少子・高齢化が進行する中、複雑・多様化する市民ニーズや様々な行政課題に対しまして、職員は市の改革のエンジンであるという認識をもって、それぞれの所掌を超えて、前例にとらわれることなく新たな発想とスピード感、そして主体性をもって、前向きにチャレンジすることが求められていると考えております。 さらには、限られた行政資源である職員でございますので、一人一人の資質・能力を高めていくために、人材育成の充実とともに人事制度、そして人事評価制度の改善等も進めまして、庁内の人づくりに取り組んでまいりたいと考えてございます。
◆24番(坂本稔君) 今まで様々な市長とやり取りをしてきましたが、市内の子供の教育も含めて、人材に関する教育に関すること、また、市職員のこの人材育成に関することをお触れになった市長はもしかすると初めてかもしれないと、非常に私は期待を申し上げておりますので、ぜひ実行力を発揮されていただきたいと思います。 次に、人材を育成して、成果を出すにはその人材がどんな優秀な人間も時間とコストがかかります。こういう人材とは、誰でもできる仕事を確実にこなすというよりは、今後それらの仕事は多分AIロボットやその他簡単なもので済まされてしまうようなノウハウがいっぱい出てきております。でなければ、その人ではないとできない仕事、その人でなければというような特化した能力を持った人をやはり人材と指すべきだと私は思っております。 今後は、限られた時間と人員で、政策の実現や効果を検証をするなど、事業の遂行や完遂は、本来、責任を伴うべきものだと思っております。そのためには、その職責でのある程度の在籍期間は必要だと以前から私自身一般質問で申し上げておりました。 しかし、以前の私の一般質問での答弁にもあったように、平成28年4月1日付で、異動したポスト職の異動前所属の平均在籍期間は、部長職で1年ちょうど、次長職で1年4か月、課長職で1年9か月、課長補佐職で1年6か月、係長職で2年1か月でした。 それでは、令和3年4月1日付で異動した、ポスト職の異動前の所属の平均在籍期間を伺います。
◎総務部長(加藤弘司君) 本年4月1日付の人事異動において配置換えとなった職員のうち、組織改正による形式的な異動や同一職場での昇格を除きまして、現在市長部局に所属している職員につきまして、異動前の同一の職での平均在籍期間を、職ごとに申し上げますと、部長職は1年10か月、次長職は1年8か月、課長職は2年1か月、課長補佐職は2年1か月、係長職は2年4か月となっております。
◆24番(坂本稔君) 徐々に延びてきているので、少し安心したところであります。いろいろこれに関しては考え方があると思うんですね。ただ、この在籍期間について、市長はどのように考えるのかお伺いします。
◎総務部長(加藤弘司君) 私から答弁申し上げます。ただいま答弁申し上げた幹部職員の平均在籍期間につきまして、その評価は一概には申し上げられないところでございますけれども、人事異動につきましては、適材適所主義をはじめ、若手職員のジョブローテーションの推進、それから、スペシャリストの育成等に意を用いて行ってきているところでございます。 さらに、幹部職員の人事異動につきましては、これまでの知識・経験や実績を踏まえた配置とすることや、新陳代謝による組織の活性化を図ることも重要な部分ではないかと考えております。
◆24番(坂本稔君) おっしゃるとおり、長さの問題ではないんですね。ただ、その職責を全うしたり、非常に重要な案件、もしくはプロジェクト、事業を完遂しようと思ったときに、やはりこの方にこれを聞いてこれはすぐ分かるとか、この方はここで専門的にずっとやっているので、何を聞いてもこの人がいれば分かるというような方は、やはり確実に増やしていかなくてはならないと思います。今後、非常に中身の濃い仕事をしていくためには。 最後の質問になりますが、業務の質の向上や生産性の向上、また、そのためには職員の専門性を練り上げることが非常に重要であると思います。仕事の熟練度に必要な在籍年数に加えて、様々な分野のエキスパートを庁内に今以上に育成していくことはさらに必要なことになると思います。技術職も含め、国家資格等を有する職員の採用や今後の育成について市長はどのように考えるのか伺います。
◎総務部長(加藤弘司君) 本市におきましては、複雑・多様化する行政ニーズに的確に対応していくため、複線型人事管理の一環といたしまして、専門分野について豊富な知識や技術を持つスペシャリストの育成・配置に努めるとともに社会福祉士や一級建築士等の有資格者の採用も実施してきたところでございます。 今後におきましても、これらの取組を基本といたしながら、質の高い行政サービスの提供に向けまして、職員の専門性の向上に努めてまいりたいと考えております。
◆24番(坂本稔君) 29歳で企業教育コーディネーターとして企業の教育の専門、また人事の専門として私自身独立して今に至っております。細々とですが、毎年その仕事をこなさせていただいています。いわゆる学校教育の専門家として、教育に関しては、ぜひ発揮していただいて、また、私自身もそういった項目に関して、今後もぜひその推移等、様々な質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。私の質問は以上です。ありがとうございました。(拍手)
○議長(大峯英之君) ここで、午後3時20分まで休憩いたします。 午後3時10分 休憩
--------------------------------------- 午後3時20分 再開
△山守章二君質問
○議長(大峯英之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。4番山守章二君。 〔4番山守章二君第二演壇に登壇〕
◆4番(山守章二君) (拍手)4番
いわき市議会志帥会の山守章二です。一般質問に入る前に、9月5日に執行されましたいわき市長選挙において見事に初陣を飾られ、第15代目のいわき市長に就任されました内田広之市長に心からお祝いを申し上げます。 市長が危惧されておりますように、
新型コロナウイルス感染症対策など厳しい市政執行であり、まさに課題は山積しております。市長選挙にあっては、4万5,885人の有権者が内田広之市長に、今後4年間にわたり、その行政手腕を期待しており、特に選挙公約や新聞、著書等で市長が述べられたこと、さらには今後の一挙手一投足にも極めて大きな注目をしております。しかし選挙公約等に掲げても、実際に市長という立場に立ったとき、理想と現実の違いも大きく、戸惑いも少なくないと思います。基本的には公約実現に向けて最大限の御努力をしていただくことが、期待されている市民に応える道であります。千里の道も一歩からと言うように、まずは始めてみなければ何も変わりません。しかし、その道のりの中で、厳しい局面もあろうかと思いますが、時には立ち止まって現実を見極め、市民や市職員の声にさらに耳を傾けられ、今までの行政での経験や剣道で培ったことを生かしながら、いかなる場面も乗り越えていただきたいと思います。そして、いわき再起動の実現と今後のいわき市長の御活躍に期待いたしまして、以下、通告順に従い一般質問をいたします。 大きな質問の1番目は、本市の防災についてです。 あの東日本大震災から10年、そして令和元年東日本台風から2年が経過いたしました。東日本大震災後、市内は海岸線等を中心に整備がなされ復興に向かって前進してまいりました。しかし、令和元年東日本台風では河川の決壊や氾濫により大きな被害を受けました。本市の人的被害は、災害関連死を含めると14人の方が犠牲となり、住宅被害は8,600棟以上に上りました。被災された方々の中には現在も自宅に戻れず災害公営住宅や借り上げ住宅等で避難生活を送っております。改めて、亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。 さて、内田市長は、選挙期間中などで死者ゼロ、逃げ遅れゼロを目指した防災まちづくりに取り組むとお話をされておりました。 そこで1点目は、防災まちづくりについてです。 本市は令和元年東日本台風を教訓に、水害や土砂災害のおそれがある場所の防災工事を進める一方、河川洪水ハザードマップや防災マップを作成するなどソフト面の強化にも取り組んでおります。国や自治体の行うハード面の整備と、住民主体の地域コミュニティーのソフト面の活動が一体となって初めて災害に強いまちが形成されると言えます。心意気、ソフト面だけで火を消せと言われても無理で、それには放水ポンプや水槽などの設備整備、ハード面が必要です。 地域社会と行政とが、いかに信頼関係を持ち、連携してまちづくりを進めていくかが非常に重要です。行政と地域が一緒に連携して協働することが防災まちづくりを実践し、継続するためには必要です。 内田市長が市長選出馬を決意した直接的なきっかけは、令和元年東日本台風でのいわき市の危機管理の姿を見たことだったと伺っております。あの台風の被害は全国各地に及びましたが、その中でいわき市は14人という県内最大の犠牲者を出してしまいました。災害死ゼロを目指すということが公約の柱の1つだったと捉えております。特に、市長は倉敷モデルと呼ばれる岡山県倉敷市の事例がモデルになると訴えられておりました。 そこで、1つ目は、災害死ゼロを目指す防災モデル都市倉敷モデルと呼ばれているものは、どのようなものか伺います。
◎危機管理部長(緑川伸幸君) 岡山県倉敷市によりますと、平成30年に発生した西日本豪雨の際、地域住民の居住状況や安否確認などスムーズに行えなかった経緯を踏まえ、被害を受けた地区の住民有志が中心となり、行政、社会福祉協議会、各種地域団体が連携して、地区内の避難行動要支援者の把握、スマートフォンの会員制交流サイトLINEを用いた防災情報の共有など、逃げ遅れゼロを目指し、活動しているとのことであります。
◆4番(山守章二君) 災害の際に死者を1人も出さないというのは、地域のトップとして最も重要な決意だと考えます。ぜひ実効性のある防災まちづくりの実現に向けて、動き出してほしいと思います。 次に、2つ目として、令和元年東日本台風で被害を受けた地域の防災まちづくりを今後どのように進めていく考えか伺います。
◎危機管理部長(緑川伸幸君) 本市は、東日本大震災や令和元年東日本台風により甚大な被害を受け、多くの貴い命が奪われたところであり、こうした過去の災害を教訓として、これまで以上に防災・減災の取組を進めていく必要があるものと考えております。 このことから、今後におきましては、被災地域の中から、モデル地区を設定し、関係機関・団体、自主防災組織、ボランティア団体、さらには、防災士の皆様等と協議を重ねながら、地区独自のハザードマップの作成や避難行動要支援者の確実な避難体制の整備を進めるとともに、実践的な訓練等を通じて災害対応能力の向上を図り、逃げ遅れゼロ、災害死ゼロのまちづくりを目指してまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 地域を越えたネットワークも必要です。情報や知恵、ノウハウを教え合い、共有し、被災経験を生かし、新しいアイデア、工夫など、防災に関する優れた取組を各地域で広め、刺激し合うことも重要です。 私たちの日々の生活、自分たちの安全を守ることが防災であることを意識して一人一人がまちづくりに取り組む自助の意識を持ち、隣近所で力を合わせて楽しく取り組んでいく、つまり共助を進めることがこれから災害に強いまちを目指すために必要なことだと思います。誰かが提案したアイデアを必ずやってみるところから、楽しみながらの防災まちづくりが始められると思います。そして、地域のコミュニティーづくりをしっかり行いながら防災まちづくりを進めていただくことをお願いし、次の質問に移ります。 頻発、激甚化する災害や、複雑多様化する市民生活を脅かす事態に迅速かつ的確に対応するため、総合的な危機管理体制の強化と地域防災力の向上が必要です。 そこで、2点目は、危機管理体制についてです。 災害対応を行う上で、まず基本となるのが、この災害対策本部の設置です。 そこで、1つ目として、災害対策本部設置の重要性についてどのように考えているのか伺います。
◎危機管理部長(緑川伸幸君) 市は、災害から市民の生命、身体及び財産を保護する責務を有しており、この責務を全うするため、市地域防災計画に基づき、限られた人員を効率的に配備し、市の組織が一丸となって災害対応に当たる体制として、災害対策本部を設置することとしており、本市の総合力をもって災害対応に当たる最も重要な組織体制であると認識しております。
◆4番(山守章二君) では、2つ目として、機能する一元体制の確立をどのように進める考えか伺います。
◎危機管理部長(緑川伸幸君) 令和元年東日本台風に係る災害対応検証委員会の最終報告におきまして、災害対応に当たり、水防本部から災害対策本部への移行の際に混乱が生じたため、水防活動を実施する際は、当初から災害対策本部を設置するようにとの提言を受けたところであります。 市といたしましては、この提言を踏まえ、発災直後の円滑な初動体制の構築を図る観点から、本年4月の危機管理部創設と合わせ、市の災害対応を、災害対策本部設置による一元体制に改めたところであります。
◆4番(山守章二君) 東日本台風の際は、災害対応に当たる各部署がそれぞれ役割を果たそうとしながらも、指揮命令系統にかなりの混乱が生じ、全体として対応に遅れが生じるなど、多くの課題を残しました。今年度新たに危機管理部が設立されるなど、そのときの教訓を踏まえた体制整備が進められてきました。それが次の大きな災害の際にきちんと機能するかが問題です。危機管理体制の在り方については不断の見直しをされるようにお願いいたします。 次に、本市でまとめた台風第19号における災害対応検証についての最終報告書によりますと、水防計画書及び地域防災計画書に基づき避難等の伝達内容を作成したが、緊急速報メール、エリアメールについては、文字数制限200字があるため、字名などの詳しい掲載ができず、水位観測所がある場所を流域単位で表現していました。防災メールについても、一部を除き、エリアメールと同様の内容で配信したことから、住民からは、具体的な地域名を掲載してほしい、河川の水位状況について情報発信してほしいなどの声があったということであります。また、アンケートの調査の中で、避難しなかった住民に対し、どのようなきっかけがあれば避難したかと質問したところ、もっと危機感のある避難情報の提供が51.8%となっていました。 このような災害対応検証を踏まえて、3つ目として、情報伝達について今後どのように取り組んでいく考えか伺います。
◎危機管理部長(緑川伸幸君) 災害時における情報伝達につきましては、防災行政無線、緊急速報メールをはじめ、約2万5,000件の登録をいただいております市防災メール、SNSやFMいわきへの緊急割り込み放送などに加え、本年8月以降の災害時におきましては、より多くの皆様に災害情報を伝達するため、市内で約7万4,000件の登録がありますYahoo!防災速報アプリを活用した配信を開始するなど、伝達手段の多重化を進めているところであります。 また、検証委員会の最終報告を踏まえ、防災メール等の内容を箇条書きとするなど分かりやすい表現に改めるとともに、消防サイレンの吹鳴も活用することといたしました。 さらに、FMいわきへの緊急割り込み放送を自動で受信可能な防災ラジオにつきましては、平成26年度から自主防災組織や民生・児童委員等への貸与を開始し、令和2年度からは、市内在住の75歳以上の方等へ、令和3年度からは、65歳以上の方へ、それぞれ対象者の拡充を図ったところであります。 今後におきましては、こうした手段を活用し、確実に災害情報を入手していただけるよう、機会を捉えて周知してまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 情報の伝達は大変重要です。災害による被害を最小限にとどめるには、災害に関する重要な情報が確実かつ迅速に住民に届くことが不可欠であり、既存の情報伝達手段を最大限に活用し、住民に対し多重的に伝達することによって、重要な災害情報が1人の方に複数回届くことがあっても、1回も届かない方がいないよう、必要な情報伝達基盤を整備し有効利用していくことが重要ですので、しっかりと取り組んでいただいきたいと思います。 次に、災害時において地域住民のために活動する職員の確保は大変厳しいところではありますが、4つ目として、災害時の避難所運営など職員配置をどのように考えているのか伺います。
◎危機管理部長(緑川伸幸君) 避難所運営につきましては、毎年度定める、災害対策本部の配備体制の中で、各地区本部に配属となった職員が従事することとなっておりますが、大規模災害などにより配備体制での対応が難しい場合には、各部局からのさらなる応援や、他自治体からの職員派遣等により対応することとしております。
◆4番(山守章二君) 地域内において、特に自主防災組織があるところにおいては避難所開設、運営など職員と住民が共同で活動できる仕組みづくりが大切ですので、防災訓練を通して住民への意識づけをお願いいたします。 近年、日本各地で自然災害が頻発しておりますが、本市の友好都市等が被害を受けた場合、いち早く支援をしなければなりません。また、本市が被災した場合は、そうした友好都市に支援をお願いすることにもなります。 そこで、5つ目として、今後、本市の友好都市等との連携強化をどのように進める考えか伺います。
◎危機管理部長(緑川伸幸君) 親子都市や兄弟都市をはじめとした、本市の友好都市等の連携につきましては、災害時応援協定等に基づき、生活必需品等の提供、職員の派遣、被災者の受入れなど、災害時の相互支援を行うこととしております。 また、災害時における円滑な応援・受援に向け、定期的に職員を派遣し、互いの地域が抱える災害リスクや防災対策について意見交換を行うなど、顔の見える関係づくりの構築に努めております。 今後におきましても、こうした取組に加え、防災訓練への相互参加などを通じて、友好都市等との関係強化を図り、本市の防災力向上につなげてまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 6つ目として、災害時における他自治体からの職員応援体制について本市ではどのように確立していく考えか伺います。
◎危機管理部長(緑川伸幸君) 災害時における他自治体からの職員応援体制といたしましては、国が平成30年3月に創設いたしました応急対策職員派遣制度に基づき、都道府県または指定都市を原則として1対1で被災自治体に割り当て、避難所運営や、罹災調査等の災害応急業務に必要な職員派遣を受けることとされ、当該制度によっても人員が不足する場合には、全国知事会や全国市長会等における調整等により、応援を受けることとされております。 本市におきましては、こうした制度の活用に加え、中核市相互応援協定や、過去の災害において支援をいただいた友好都市等との協定に基づき、応援職員の派遣を受けることとしており、今後は、迅速かつ的確な当該制度の活用に向け、庁内の関係部局と協議をしながら、応援職員の受入れ手順や従事いただく業務内容等を定める受援計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 特に被災地で経験のある職員の応援は貴重な戦力になりますので、早期の応援体制の確立を願います。また、災害時、女性の目線を生かし支援に結びつけていくことも大変重要になってきます。 市内には、女性消防クラブや地域の婦人会など、組織は数多くありますが、7つ目として、内田市長が考えている女性による災害支援組織の結成について本市はどのように考えているのか伺います。
◎危機管理部長(緑川伸幸君) 過去の災害におきまして、市内の多くの女性の皆様には、団体、個人を問わず、災害ボランティアとして、被災者への炊き出しや衣類の支給、物資の配給など、様々な場面で支援をいただいたところであり、こうした力を結集し、女性による災害支援組織を結成することは、女性の視点からの防災対策を推進する上で、重要であると考えております。 市におきましても、これまでもこうした観点から、市防災会議への女性委員の登用を進めるとともに、地域の防災活動の中心的役割を担っていただく女性防災士の育成を図ってきたところであり、今後におきましても、共助の力を高めるため、女性の皆様に担っていただく役割の整理や活躍できる仕組みづくりについて、検討してまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) ぜひ行政のバックアップもしながら組織づくりを進めていただきたいと思います。 3点目は、地域防災力の向上についてです。 今後ますます多様化・大規模化することが懸念される災害に対応するためには、地域防災力を一段と高める必要があります。国や地方公共団体による対応に加え、自分の身を自らの努力によって守り、地域や近隣の人々が互いに協力し合いながら防災・救助活動に取り組むという、自助、共助、公助の3つの働きが有機的につながることで、地域防災力がより一層発揮され、被害の軽減が図られます。 特に、地域防災の中核として、共助の中心的役割を担う消防団や自主防災組織、女性消防クラブ、地域の婦人会には、大きな期待が寄せられています。その一方で、消防団の団員数が年々減少するなど、今日、地域防災力の低下が危惧されているのも事実です。 そこで、1つ目として、市内において被災者を支援し合う防災体制の構築をどのように考えているのか伺います。
◎危機管理部長(緑川伸幸君) 本市は、東日本大震災や令和元年東日本台風により甚大な被害を受け、また、多くの貴い命が奪われたところであり、こうした過去の災害を教訓として、改めて、自らの身は自ら守る自助、近隣の方々がお互いに協力し合う共助、行政による公助の力を結集し、災害対応に当たることが重要であると考えております。 このことから、市では、共助の担い手である自主防災組織の育成を目的として、防災訓練の実施や防災士の育成等を進めてきたところでありますが、一方で、災害の規模によっては、公助による救助・支援に時間を要する場合や、被災地域における共助のみでの災害対応には困難な状況も想定されるところであります。 このことから、今後におきましては、多核かつ広域都市である本市の特徴を生かし、市内の被災者を、被災をまぬがれた市民が支援するなど地域を超えた相互支援体制の構築に向け、関係機関・団体、自主防災組織、ボランティア団体、さらには、防災士の皆様等と協議を重ねながら、検討してまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 仕組みづくりは大変だと思いますが、早期の体制づくりをお願いいたしたいと思います。 次に、2つ目として、自主防災組織のない地域の防災訓練の充実をどのように進める考えか伺います。
◎危機管理部長(緑川伸幸君) 市といたしましては、自主防災組織のない地域の防災訓練の実施に向け、市総合防災訓練などの機会を捉えて、行政区などに訓練への参加を呼びかけるなどして、地域の災害リスクを踏まえた防災知識の向上や地域の防災力向上の取組をお願いしているところでございます。 自主防災組織は、地域防災力の強化に重要な役割を果たしますことから、組織が未結成となっている地区に対し、今後とも組織結成の必要性について粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 市内では、約700名の方が防災士となっており、災害時において特に地域内での活躍が期待されております。 そこで、3つ目として、防災士に地域内での役割を担ってもらうという意味での防災士の活用をどのように進める考えか伺います。
◎危機管理部長(緑川伸幸君) 本市におきましては、自主防災組織の構成員や消防団員等を対象とした防災士養成講座を開催し、居住地域の防災リーダーとして、防災訓練への参加や地区防災マップ等の作成、地域住民の皆様への災害や防災情報の発信等を担っていただいているところであります。 一方で、高齢化や人口減少等の影響により、自主防災組織等の活動維持が困難な状況も見られますことから、新たな共助の担い手確保が必要であると認識しております。 このことから、今後におきましては、防災士養成講座の受講対象を、自主防災組織等に所属していない市民の皆様や学生等にも広げ、災害発生時には、地域の垣根を越えて、避難所の開設、運営支援や、被災家屋等の後片づけ、支援物資の配布などを担っていただくなど、市民全体で被災者支援を行う仕組みづくりに向け、検討を進めてまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 我が会派の木田都城子議員を筆頭に、いわき市議会の中にも数人の防災士がいらっしゃると伺っております。消防団や自主防災組織が地域の中の中核的な役割を担いながら、その中で防災士の方々にどのような役割を担ってもらうのかを明確にして、地域での支援活動などで活躍していただけるような体制を確立していただきたいと考えます。令和元年東日本台風では、高齢者や障害を持つ、いわゆる要支援者が逃げ遅れるケースが頻発いたしました。災害対策基本法では、要支援者をあらかじめ名簿に記載して、いつ、誰が、どのように要支援者を助けるべきかを事前に決めておくことが義務化されております。要支援者名簿の整備に関しては、これまでも議会の中で何度も議論されてきました。 改めて、4つ目として、要支援者名簿の充実をどのように考えているのか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 本市の避難行動要支援者名簿につきましては、在宅で生活している重度の要介護者や障がい者の方など、本年5月末時点で1万5,058人が登録されており、うち、関係機関への情報提供に係る同意を取得している方は8,177人で、54.3%となっております。 これら避難行動要支援者について、災害時の避難を迅速かつ的確に行うためには、平時から自主防災組織や民生・児童委員、消防団や行政区などの地域関係者間で避難行動要支援者の情報を共有しておくことが重要であり、その前提となるのが、要支援者本人からの情報提供に係る同意の取得でありますことから、昨年度実施した同意勧奨以降に新たに名簿に登録された未同意者に対しまして、同意の取得を進めてまいりたいと考えております。 今後におきましては、共有する名簿情報についても、浸水想定地域に位置するかなど、より具体の項目を加えることで、避難支援に有効なものとなるよう見直しを行うほか、福祉サービスを提供している民間事業者等との連携なども実施し、名簿の充実を図ってまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 要支援者の命に関わることでもありますので、早期に課題を解決しながら名簿の充実を行っていただきたいと思います。 次に、5つ目として、要支援者の避難をどのように考えているのか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 避難行動要支援者の避難につきましては、より身近な地域住民による支援が最も有効でありますことから、市といたしましては、平時からより多くの要支援者についての情報を共有できるよう、名簿の提供についての同意の取得を促進しますとともに、1人でも多くの近隣住民の方に避難支援者になっていただけるよう、制度の周知に努めてまいりたいと考えております。 さらには、先に申し上げましたとおり、共有する名簿情報につきましても、より具体の項目を加えることで、避難支援に有効なものとなるよう見直しを進めてまいりますほか、個別避難計画を作成することについても、福祉サービスを利用している方にあっては事業者の協力を得るなどしながら、近隣住民の方々からの避難支援を得られやすくすることで、実際に災害が発生した際に、避難計画の実効性を高められるよう取組を進めてまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 要支援者は、情報の入手や発信が困難な人です。要支援者を避難させることが犠牲者を出さないことにつながりますので、今後の一層の取組をお願いしたいと思います。 あの東日本大震災から10年が経過すると、現在の小学生の中には、震災を経験していない子供たちもおります。今後は震災や大雨での被害の経験をしっかりと後世に伝えなければなりません。 そこで、6つ目として、小・中学生に対する防災教育の取組を今後どのように進めていくのか伺います。
◎教育部長(高田悟君) 小・中学生に対する防災教育の取組につきましては、今後、震災を知らない子供たちが増えることを見据え、各校において防災教育を推進するよう指導をしております。 実施内容につきましては、市教育委員会が作成した未来をつくるいわきの学校教育ABCプランにおける防災・減災教育の指導の重点に基づき、各校の実態に応じて、消防署等の関係機関や保護者等との連携を図りつつ、地震・津波、水害等を想定した避難訓練や引き渡し訓練などを年2回以上実施するよう指導しております。 また、防災・減災に関する学習につきましては、東日本大震災の記録を含む、県教育委員会作成の防災教育資料等や専門機関が実施している出前講座を活用するほか、いわき震災伝承みらい館での体験学習を行うなど、理科や社会などの各教科、道徳科、特別活動や総合的な学習の時間など、学校教育全体で総合的に推進をしております。 また、教職員に対しましては、毎年1回、各校から1名の参加を義務づけている研修を実施し、指導力向上にも努めているところでございます。 市教育委員会といたしましては、これらの取組を継続しながら、児童・生徒が、災害発生時に自ら考え、判断し、命を守る行動がとれるよう、防災・減災教育に取り組んでまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) ぜひ今後も防災教育には力を入れていただきたいと思います。ここまで、本市の防災について伺ってまいりましたが、今後も想定される大規模災害に備え、関係機関・団体等と連携の下、具体的な防災対策・減災対策の構築をオールいわきで進めるべきであると考えます。また、防災・減災につなげるためには、住民一人一人の自助の取組、自主防災組織等による共助の取組が今後さらに重要となることから、市はこれらの取組を一層推進しながら、自助・共助・公助が一体となって、地域全体の防災力を向上させ、内田市長を先頭に災害死ゼロを実現する危機管理モデル都市を目指し、取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、本市の医療についてです。 市民が安全・安心に暮らしていくために医療体制の充実は最も重要なことの1つです。それは、内田市政においても中心テーマだと考えます。 救急医療をはじめとした様々な疾病に対応し、市内で治療を完結できる医療体制の確保や高齢化の進行による医療と介護の連携強化、さらには医療センターの強化について、市長が今後どのように取り組まれるお考えなのか、以下、伺ってまいります。 1点目は、医師不足解消についてです。 まず初めに、内田市長は、選挙での公約や就任の挨拶などにおいて、医師不足を解消するための新たな取組の1つとして、医師確保に向け課題を見える化し、計画と構想を練る委員会の立ち上げを掲げておりました。 そこで、1つ目として、医師不足解消のための構想委員会はどのように進める考えか伺います。
◎市長(内田広之君) 令和2年3月に策定されました福島県医師確保計画におきましては、本市の医師数は、全国の二次医療圏と比較いたしまして下位3分の1以下である医師少数区域に区分されております。市民の命を守るための安定した医療体制を確保し続けるためには、この状況を解消することが喫緊の課題であると認識しております。 医療体制の確保については、医療法に基づきまして、県の権限と責任において行われるものでございますけれども、医師不足が深刻である本市におきましては、これまで市独自に医師確保に向けた様々な取組を行ってきたところでございます。 しかしながら、まだ十分とは言えない診療科も見受けられますことから、これまでの取組に加えまして、医師確保のための計画と構想を練るための委員会を設置したいと考えております。この中で、市の医師会や市の病院協議会など医療関係者の方々から御意見をいただきながら、不足している診療科ごとの医師数を明確化し、数値目標を立て、さらには、それを実行するための具体的な計画や構想につきまして議論してまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 医師確保は歴代市長も取り組まれてきたわけですが、内田市長は新たな取組として、いわきの子供たちの中から医師を育てていく新たな取組を打ち出されております。 そこで、2つ目として、この本市における医療人材育成プロジェクトをどのように進めていくのか伺います。
◎市長(内田広之君) 安定した医療体制を確保し続けていくためには、長期的な視野に立った人材育成も重要と考えてございます。そのため、小・中学校の頃から医師という仕事にやりがいを感じてもらうための仕掛けづくりとしまして、現場で働く医師との懇談や、医療現場での体験学習を通じまして、医師の仕事に魅力を感じてもらうとともに、将来、医者として本市に戻ってくる意向のある学生には、資金面でのサポートも引き続き行っていくなど、地元に定着しやすいプロジェクトを長期的な視点に立って進めてまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 医療人材育成プロジェクトは成果が上がるまでに時間のかかる長期的なプロジェクトとなりますが、しっかりと計画を立てて取り組んでほしいと思います。 それでは、次に、本市の中核病院でありますいわき
市医療センターの常勤医師の状況について伺います。 いわき
市医療センターにおきましては、これまで、寄附講座や東北大学大学院との連携講座の設置、修学資金貸与制度などによりまして、医師の確保に取り組まれておりますが、3つ目として、過去5年間の医療センターの常勤医師数の推移について伺います。
◎
医療センター事務局長(飯塚修一君) 当センターにおきます過去5年間の常勤医師数の推移を各年度4月1日現在の人数で申し上げますと、平成29年度が117名、平成30年度が127名、令和元年度が138名、令和2年度が132名、令和3年度が139名となっており、本年度の常勤医師数は、4年前の平成29年度に比べて、22名の増となっております。
◆4番(山守章二君) ただいまの答弁で、常勤医師数が増加傾向にあることが分かりました。しかしながら、診療科によっては、常勤医師がいないことから休診を余儀なくされており、厳しい状況にもあります。 そこで、4つ目として、現在、医療センターにて休診している診療科の状況について伺います。
◎
医療センター事務局長(飯塚修一君) 当センターにおきましては、常勤医師の不在により、現在、腎臓・膠原病科及びリハビリテーション科の外来診療を休診としており、当該診療科の患者につきましては、福島労災病院やかしま病院をはじめとしたほかの医療機関で診療を受けているところであります。 また、この2つの診療科のほか、脳神経内科、皮膚科、呼吸器内科、緩和ケア内科につきましても、常勤医師の不在が続いているため、大学病院等から応援医師の派遣を受け、診療体制を維持しておりますが、再診の外来患者等に診療を限定するなどの状況にございます。 これらの制限を解消するため、これまでも、市長を先頭に、
病院事業管理者や院長、医師招聘専門員等が専門医の確保に向け、大学医局等への働きかけを行ってきたところでありますが、医師不足が深刻さを増す中、この全国的にも当該診療科の専門医が特に不足している状況もあり、依然として厳しい状況が続いているところでございます。 今後におきましても、専門医の確保に向け、あらゆる機会を捉えて、粘り強く大学医局等への働きかけを行ってまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 医師不足解消については、短期間で取り組むこと、長期間で取り組むことを明確にしてやらなければなりません。特に医療センターで休診している診療科で市内の医療機関でも受診できない診療科に関しては、早急な対策を講じていただくことをお願いしたいと思います。 2点目は、医療体制についてです。 9月末に本市のまん延防止等重点措置が解除されました。しかしながら、今後、年末を迎え、人流が増加することにより、
新型コロナウイルス感染症の第6波が危惧されるところであります。感染が再拡大した場合においても、コロナ患者はもちろんですが、コロナ以外で入院を必要とする患者も適切に診療していくことが重要であります。 そこで、1つ目として、今後の感染拡大に備えた本市の通常診療体制の確保について伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君)
新型コロナウイルス感染症の第5波におきましては、爆発的に拡大した感染患者を受け入れるための病床について、市内における新型コロナウイルス感染患者受入れ病院の協力により、通常病床の一部を移行し感染病床を拡充するとともに、域外の感染患者受入れ病院との調整を図りながら、対応してきたところであります。 今後、市内の感染患者が再度増加した場合におきましても、これまで同様、市内の感染患者受入れ病院に病床拡充の協力を求めることになりますことから、感染患者受入れ病院との連携を密にすることにより、感染状況に応じて通常診療とのバランスを図り、感染患者以外への影響を最小限に抑えるよう努めてまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 国では、公的な病院などに第6波に備え、病床の増床をお願いしておりますが、通常診療に影響を及ぼさないように万全の体制を今からとっていただくことをお願いいたします。 次に、体調を崩したときに、まずお世話になるのがかかりつけ医などのクリニックです。そこでの診療が困難となった場合には、かかりつけ医からの紹介により、高度な医療を有する病院にて適切な診療を受ける必要があり、そのためには、医療機関の連携体制は欠かすことはできません。 そこで、2つ目として、市内の医療機関の連携体制の強化についてどのように進める考えか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 本市におきましては、平成29年6月に制定しました地域医療を守り育てる基本条例におきまして、医療機関の役割の1つとして、医療機関の機能分担及び業務連携を図ることを規定しており、これまでも、市内におきましては、患者の病状に則した診療をスムーズに行うことを目的とした医療機関の連携体制が構築されてきたものと認識しております。 また、平成30年3月に県が策定した第七次福島県医療計画における地域医療構想の中におきましては、効率的な医療提供体制を構築するため、病院相互の役割分担や連携が求められておりますことから、さらなる医療連携体制の構築が必要であるとされております。 このことから、県医療福祉情報ネットワーク協議会が行っております、県内の医療施設や介護施設相互を通信回線で結び、各施設での治療内容などの医療情報を、その後の診療に生かすことができる地域医療連携ネットワークシステム、いわゆるキビタン健康ネットの活用を強く促し、さらなる医療機関の連携体制の強化につなげてまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) これからの社会状況を見据えたとき、医療機関の連携体制の強化を進めながら高齢化社会にも目を向けていかなければなりません。 高齢化の進行により地域包括ケアシステムの構築が求められており、医療連携に加え、今後は、医療と介護の連携の充実も強化していく必要があると強く認識しております。 そこで、3つ目として、今後、地域包括ケアシステム構築に向けた医療と介護の連携体制の強化はどのように進める考えか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 地域包括ケアシステムを構築するためには、地域の医療・介護の関係団体が連携し、包括的かつ継続的に在宅医療と介護を提供するための体制を構築していく必要がございます。 本市におきましては、これまで、いわき市地域包括ケア推進会議の作業部会である医療と介護連携促進部会における課題の抽出と対応策の検討をはじめとして、地域の医療・介護資源を把握するためのリストの作成、いわき医療圏退院調整ルールの策定と運用、いわき市医師会との共催による在宅医療推進のための多職種研修会や在宅医療出前講座の開催、医療と介護連携に関する相談支援体制として市在宅医療・介護連携支援センターを設置するなど、医療と介護の連携を推進するための取組を行ってきたところであります。 今後におきましても、これらの取組を継続するとともに、現在、タブレットなどの情報機器を活用し、病院や薬局などの医療機関との介護関係者が、要介護者の情報を効率的に共有し多職種間の連携を図っている地区もありますことから、他地区におきましても、中地域ケア会議など地域の関係者が集まる場におきまして、地区の状況に応じた効果的な情報共有について検討し、多職種間の連携強化を図ってまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 各機関の連携体制の強化は、いろいろな面でメリットがありますので、一層の推進をお願いしたいと思います。 次に、難病などの重い疾患を抱える方のうち、市内の病院では治療することが困難な方がいると伺っております。治療のために市外の病院に通わざるを得ず、また、子供の治療のために、親が仕事を長く休まざるを得ない状況もあると伺っております。 そのような負担を解消するためには、市内の病院で治療を受けることを可能とする必要があります。 そこで、4つ目として、難病などの重い疾患を抱える方への医療提供体制の充実はどのように進める考えか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 難病の受診をする上で必要となります、指定難病医療費受給者証の本市における所持者数は、令和3年10月時点で、2,626人であり、うち、受診先を市外の医療機関に登録している受診者は728人となっております。 市外の医療機関受診者には、市内の医療機関では診療が困難な高度医療を必要とする難病を抱えている方も一定程度いると思われますことから、今後設置を予定しております構想委員会において、それらの実態把握も含め、市内における難病に対する医療提供体制の在り方について県と連携し、県第七次医療計画との整合性を図りながら、協議してまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 難病などの重い疾患を抱える方への医療提供はかなり難しい問題であると認識しております。そして、難病は専門性の高い医師を必要とする場合が多く、すぐに解決できる問題ではありません。しかし、本市の医師不足を解消することで難病の方が市外で治療を受けることが少しでも減ることにつながりますので、難病患者にも目を向けながら医師の確保をお願いいたします。 次に、救急医の確保についてです。 市民の傷病状態に応じた適切な救急医療をできる限り素早く提供するためには、救急医を増やすことが求められますが、5つ目として、救急医の確保をどのように行う考えか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 救急医療は、患者の症状に応じて各医療機関が機能分担を図りながら提供しており、その役割につきましては、休日及び夜間において、比較的症状が軽度な患者の診療を行う一次救急医療、入院や手術を伴う比較的症状が重い急病患者の診療を行う二次救急医療、そして、脳卒中や心筋梗塞、重傷外傷などの高度な専門的医療を必要とする重篤な救急患者を診療する三次救急医療に分担されております。 本市における救急医療は、いわき
市医療センターが第三次救急医療を、また、輪番制により14の医療機関が第二次救急医療の役割をそれぞれ担っておりますが、二次救急医療の医療機関では、救急を専門とする医師以外が急病患者を対応している現状にありますことから、救急医療の専門的知識や技術を有する救急医や、救急医療に従事する看護師や検査技師などの医療スタッフの確保は、市民の命を守る上で重要な課題であると認識しております。 このことから、今後設置を予定しております構想委員会において、救急医の確保をはじめ、本市における救急医療体制について、医療関係者の御意見をいただきながら、協議してまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 救急医の確保について答弁をいただきましたが、今後は本市独自で救急医を育成することにも取り組んでいかなければなりませんので、救急医を十分に確保して救急医の育成にも力を入れていただくことをお願いいたします。 消防庁の統計によりますと、本市の救急車要請の入電から病院収容までの平均時間は約50分を要しており、全国平均と比べ約10分遅い状況にあります。本市は広域都市であることも時間を要する要因の1つでありますが、受入れ側の病院において救急科を専門とする医師が少ないことも要因の1つであると感じております。 私は、平成27年6月定例会一般質問の中で、タブレット型携帯端末を用いた救急搬送受入れ支援システムの導入について質問をいたしました。 これは、搬送時間の時間短縮に向け、患者を受け入れる病院を短時間でタブレット型携帯端末にて選べるシステムで、佐賀県や奈良県等で運用され実績を上げております。 その後、県でも検討が進み平成28年11月には、福島市消防本部及び伊達地方広域消防本部管内に導入され、期待をしておりましたが、数年前に運用が休止されたとお伺いいたしました。 しかし、県では、平成30年に策定した第七次福島県医療計画において、救護における施策の方向性の1つとして、救急車の速やかな搬送先選択を支援するため、オンラインによる救急搬送受入れ支援システムの全県的な普及を目指すとしておりますが、6つ目として、救急受入れ情報のオンライン化をどのように進める考えか伺います。
◎
保健福祉部長(飯尾仁君) 第七次福島県医療計画におきましては、救急搬送が必要な疾病者の搬送先病院を速やかに選定することができるよう、消防機関と医療機関の連携強化策として、ICT活用の全県的な普及を目指すと位置づけており、県内での一部消防管内におきましてその導入が図られたところでありますが、搬送患者の状態をタブレットに入力する救急隊員の負担が大きいことなどから、現在は運用を休止しているものと伺っております。 救急搬送は、受入れ側の医療機関の医療提供体制の状態により搬送先が選択されるため、県が目指すICTを導入するに当たりましては、医療機関との十分な調整を図り、理解を得ることが必要不可欠であると考えております。救急医療に係る課題を協議する場である市地域医療協議会において、ICT導入による課題や解決策について協議した上で、本市の地域性に則した手法を検討してまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) ぜひ搬送時間短縮のため、早期のオンライン化を進めていくことを要望したいと思います。 次に、3点目は、いわき
市医療センターについてです。 内田市長は、地域完結型医療の実現に向けた取組の1つとして、いわき
市医療センターの強化を掲げられております。 高齢化に伴う医療需要の増加や医師不足等への対応に加え、拡大と収束を繰り返す
新型コロナウイルス感染症への対応など、課題が山積する中、地域医療の言わば最後のとりでであるいわき
市医療センターの強化について、今後どのように取り組まれるお考えなのか、以下、伺ってまいります。 まず初めに、医業収益の状況についてです。 新聞報道等によりますと、全国の医療機関では、
新型コロナウイルス感染症患者の受入れ病床を確保したことや、一般患者の受診控え等により、患者数が減少し、医業収益にも影響が生じているとのことですが、1つ目として、いわき
市医療センターにおける令和3年度の医業収益はどのような状況か伺います。
◎
医療センター事務局長(飯塚修一君) 令和3年度における医業収益の状況について、4月から9月までの実績を、感染症の発生前である令和元年度と比較して申し上げますと、入院収益については、延べ患者数が1万4,000人減少したことなどから、令和元年度の約68.8億円に対し、令和3年度は約64.4億円と、約4.4億円減少しております。 一方、外来収益につきましては、延べ患者数が1万2,000人減少したものの、抗がん剤治療や放射線治療など、高額な治療を必要とする患者の割合が増加したことなどにより、患者1人1日当たりの平均単価が上昇したことから、令和元年度の約19.7億円に対し、令和3年度は約20億円と、約0.3億円増加しているため、入院、外来の合計では、約4.1億円減少しております。
◆4番(山守章二君) では、2つ目として、今後の医業収益の見通しについてどのように考えているのか伺います。
◎
医療センター事務局長(飯塚修一君)
新型コロナウイルス感染症の終息が見えない中、今後の見通しについて、的確に申し上げることは、非常に困難でございますけれども、当該感染症は、今後も、拡大、収束、繰り返すと考えられており、そのような状況の中で、当センターは、感染症の指定医療機関として、引き続き、感染症患者の受入れ病床を常時確保していく必要があると思われること、また、一般患者の受診控えなども想定されますことから、患者数や医業収益の早期回復は、難しいものと考えております。 その一方で、今年度におきましては、感染症患者の受入れ病床を確保する医療機関への病床確保料の交付など、国・県によります財政支援が、昨年度に引き続き実施されておりますことから、当センターといたしましては、これらの制度を積極的に活用し、財源確保に努めるとともに、病院事業中期経営計画に定める取組を着実に実施していくことなどにより、収益の確保を図ってまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) それでは、次に、外部有識者等が参画する経営評価委員会についてです。 内田市長は、いわき
市医療センターの強化に向けた取組の1つとして、経営評価委員会の設置を掲げておりますが、3つ目として、今後、経営評価委員会をどのように進める考えか伺います。
◎
医療センター事務局長(飯塚修一君) 病院経営評価委員会につきましては、医療の専門家等に御参画いただき、経営改善に向けた当センターの取組状況等を点検・評価し、専門的な立場からの御意見を伺うことを目的に設置することとしております。本年3月に策定いたしました中期経営計画の中でも、経営改善の推進に向けた重点施策の1つとして、委員会の設置を位置づけております。 このようなことから、現在、当センターにおきましては、委員会の設置に向けた検討を進めているところではございますが、感染症が拡大と収束を繰り返し、医業収益が安定せず、収益構造も平常時とは全く異なっている中で、病院の経営状況を適切に評価するには、課題もありますことなどから、円滑に委員会を運営することができるよう、その設置時期につきましては、感染症の収束状況を見極めながら、適切に判断してまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 次に、4つ目として、医療センターの強化を図るため、今後どのように医療機器の整備を進める考えか伺います。
◎
医療センター事務局長(飯塚修一君) 機器の整備につきましては、新病院建設時に地域がん診療連携拠点病院の指定となっていることなどを踏まえ、高性能な放射線治療装置や検査機器の新規導入を行い、必要な医療機器の充実・強化を図ってきたところでございます。 整備に当たりましては、現在、副院長を委員長とする器械備品整備委員会におきまして、診療科からの要望を受け、その必要性や効果などについて審査し、新規導入、更新、補充などを決定しております。 このうち、新たな機器につきましては、先進的な医療の実施に必要なもの医師招聘に効果的であるもの、病院の運営にも有効な機器を導入することとしているほか、既存の機器の更新や補充につきましては、可能な限り、最新かつ最先端の機器を購入することとしております。 今後におきましても、日々進歩する医療技術に対応し、医療体制の充実・強化が図られるよう、先進機器の情報を収集し、導入を進めてまいりたいと考えております。
◆4番(山守章二君) 最後に、放射線治療の高度化を今後どのように進めるか伺います。
◎
病院事業管理者(新谷史明君) 当センターにおきましては、地域がん診療連携拠点病院として、がん医療の充実を図るため、新病院の開院に合わせ、高性能な放射線治療機器を整備したほか、平成31年1月に、常勤の放射線治療の専門医が1名着任したこと等を踏まえ、令和元年度からは、従来の放射線科を、CT画像やMRI画像等から病気の診断を行う放射線診断科と、放射線治療を専門に行う放射線治療科に細分化し、より高度で専門的な医療を提供できる体制づくりを進めてきたところであります。 今後におきましても、質の高いがん医療を提供していくため、がんの種類や進行度に応じて、手術や抗がん剤治療、放射線治療など、複数の治療法を組み合わせて行う、いわゆる集学的治療の充実に努めるとともに、より治療効果が高く、体への負担が少ない高度変調放射線治療IMRTの実施等も見据え、さらなる放射線治療医の招聘等に取り組んでまいりたいと考えております。
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△散会
○議長(大峯英之君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後4時22分 散会
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