いわき市議会 > 2021-06-14 >
06月14日-02号

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  1. いわき市議会 2021-06-14
    06月14日-02号


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    令和 3年  6月 定例会            令和3年6月14日(月曜日)議事日程第2号 令和3年6月14日(月曜日)午前10時開議  日程第1 市政一般に対する質問---------------------------------------本日の会議に付した事件          〔議事日程第2号記載事件のとおり〕---------------------------------------出席議員(37名)     1番  川崎憲正君      2番  木田都城子君     3番  木村謙一郎君     4番  山守章二君     5番  西山一美君      6番  長谷川貴士君     7番  吉田雅人君      8番  小菅 悟君     9番  高橋明子君      10番  菅野宗長君     11番  鈴木さおり君     12番  狩野光昭君     13番  永山宏恵君      14番  小野潤三君     15番  小野邦弘君      16番  大峯英之君     17番  大友康夫君      18番  安田成一君     19番  平子善一君      20番  遠藤崇広君     21番  鈴木 演君      22番  馬上卓也君     23番  福嶋あずさ君     24番  坂本 稔君     25番  蛭田源治君      26番  菅波 健君     27番  塩沢昭広君      28番  柴野美佳君     29番  小野 茂君      30番  塩田美枝子君     31番  田頭弘毅君      32番  赤津一夫君     33番  石井敏郎君      34番  上壁 充君     35番  佐藤和良君      36番  樫村 弘君     37番  佐藤和美君欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者 市長         清水敏男君   副市長        新妻英正君 副市長        久保克昌君   教育長        水野達雄君 水道事業管理者    上遠野裕之君  病院事業管理者    新谷史明君 代表監査委員     小野益生君   総合政策部長     山田 誠君 危機管理部長     緑川伸幸君   総務部長       加藤弘司君 特定政策推進監    渡邉一弘君   市民協働部長     高萩文克君 生活環境部長     渡邊伸一郎君  保健福祉部長     飯尾 仁君 農林水産部長     千葉伸一郎君  産業振興部長     小松尚人君 土木部長       根本英典君   都市建設部長     永井吉明君 教育部長       高田 悟君   医療センター事務局長 飯塚修一君 参事(兼)総務課長   阿部 通君---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長       小針正人君   次長         市川雅子君 総務議事課長     江尻貴志君   総務議事課主幹(兼)課長補佐                               須藤隆雄君 主任主査(兼)議事運営係長            鈴木 潤君---------------------------------------          午前10時00分 開議 ○議長(大峯英之君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第2号をもって進めます。--------------------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問 △木村謙一郎君質問 ○議長(大峯英之君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。配付の質問通告表の順に発言を許します。3番木村謙一郎君。          〔3番木村謙一郎君第二演壇に登壇〕 ◆3番(木村謙一郎君) (拍手)おはようございます。3番いわき市議会志帥会木村謙一郎です。 新型コロナウイルス感染症との戦いが始まってから、早くも1年以上が経過しております。この間、感染症対策の最前線で尽力されてきました医療関係者の皆様、保健所職員の皆様、エッセンシャルワーカーと呼ばれる皆様、さらには、様々な要請に応えながら日常が戻る日を耐えて待ち望む事業者の皆様や市民の皆様に対しまして、敬意と感謝を表します。 10年前の東日本大震災では、大きな津波によって私たちの生活は壊滅的な被害を受けました。今度は、未知のウイルスによる感染拡大の波が私たちの社会に多大な影響を与えております。 私も震災から10年を経て、ようやく自宅を生まれ育った久之浜の沿岸部に再建することができました。久之浜大久地区は、夏の夜には夜風に乗って波の音が聞こえるすてきな場所で、東京で一人暮らしを始めた初めての夜に、波の音が聞こえず無性に不安になったのを覚えております。そして、そのとき波の音には人の心を癒やす不思議な力があると強く感じたことも思い出します。 願わくば、今また私たちの社会を飲み込もうとしている大きな波を再び乗り越え、多くのいわき市民が安心して波の音に耳を傾けることができる、穏やかな日常が一日も早く取り戻せることを切に願い、以下通告順に従い一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、国民健康保険事業についてです。 国民健康保険は、平成30年度の国保制度改革により、都道府県が市町村と共同で運営を行うとともに、財政運営の責任主体であるとされております。これまで、市当局は、国保税率が県内統一化されるまでは、県が示した標準保険料率を参考に、本市の実情に応じた独自の保険税率を決定する必要があるため、その間は、安定的な財政運営を図る必要があるとしておりました。 このような中、本年3月に福島県国保運営方針中間見直しが行われ、これまで令和7年度以降とされていた保険税率の統一予定時期を令和11年度とすることが示されたため、本市としても、この点を踏まえた対応が求められております。加えて、現在、私たちの社会を直撃している新型コロナウイルス感染症の流行が、被保険者の受診控えや経済活動の縮小に伴う事業収入の減少など、国保事業においても大きな影響を与えております。 このたび、市は本年度の事業運営に当たり、いわき市国民健康保険運営協議会に諮問し、その答申を踏まえ、国保税率の据置きをはじめとした条例改正案と補正予算案が本定例会に上程されております。国保事業を取り巻く環境が様々に変わる中で、本市は今後どのように国保事業を運営していくのか、新たな局面を迎えつつある本市の国保事業について、以下、伺ってまいります。 1点目は、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。 本市においては、現在も新型コロナウイルス感染症への対応として、国保税の減免や傷病手当金の支給などの支援策を実施しておりますが、そこで、まずは改めて、令和2年度に実施した支援策について伺います。 ◎市民協働部長(高萩文克君) 令和2年度に実施した支援策につきまして、まず、国保税の減免につきまして、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業収入の減少などの甚だしい被害を受けた方の令和2年2月1日から令和3年3月31日までの間に納期限が設定されている国保税を対象に実施したものであり、その実績につきましては、令和元年度分が140件、令和2年度分が158件であり、減免総額は、3,701万円となっております。 次に、傷病手当金の支給につきまして、会社などから給与の支払いを受けている被用者のうち、新型コロナウイルス感染症の感染等により、療養のために労務に服することができなかった方を対象に支給するものであり、その実績につきましては、1件、4万9,340円となっております。 さらに、被保険者資格証明書につきまして、特別な事情がないにもかかわらず、一定期間、国保税を滞納している世帯に交付しているものでありますが、感染拡大防止や医療を受ける機会の確保を図るため、特例的措置として8月及び2月の資格証明書の交付を見送り、短期被保険者証を交付する対応を行っているものであります。 ◆3番(木村謙一郎君) 令和2年度においては、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、被保険者の実情に合わせた支援策が行われたわけですが、では、次に、令和3年度に実施する支援策については、どのようになっているのか伺います。 ◎市民協働部長(高萩文克君) 令和3年度に実施する支援策につきまして、まず、国保税の減免につきまして、国の財政支援が縮小されたものの、新型コロナウイルス感染症が収束していない状況を踏まえ、引き続き税制面からの支援を実施するため、令和2年度分までとしておりました減免の対象期間を、令和3年度分まで延長する条例改正案を本定例会に提出しているところであります。 次に、傷病手当金の支給につきまして、国の財政支援が延長されたことを踏まえ、現時点で、令和3年9月末まで適用期間を延長したところであります。 さらに、資格証明書につきまして、本年8月の更新時において、昨年同様、資格証明書を交付せずに短期被保険者証を交付することとしたものであります。 ◆3番(木村謙一郎君) 令和3年度においても支援策が実施されるということで、被保険者の方々にとってはひとまず安心できるのかと思いますが、新型コロナウイルス感染症の拡大は、国保財政にも様々な影響を及ぼしているものと考えます。 そこで、3つとして、新型コロナウイルス感染症の影響が国保財政に与える影響について伺います。 ◎市民協働部長(高萩文克君) 令和2年度につきまして、歳出の保険給付費において、感染拡大に伴う受診控えや感染予防の取組による季節性インフルエンザ等の通常の感染症の減などにより、予算額に対し、約14億円の不用残が見込まれております。この保険給付費の減につきましては、今後、県が決定します令和4年度の国保事業費納付金の算定に影響するものと見込んでおります。 一方、歳入の国保税につきましては、経済活動の縮小などに伴い、令和2年分の被保険者の所得が減少していることから、令和3年度の国保税収入の減少が見込まれるなど、新型コロナウイルス感染症の影響は当年度以降の財政運営にも影響を及ぼすものであります。 このため、今後数年間は、歳入歳出両面で影響が見込まれますが、現時点で具体的な影響額を見通すことは困難であります。 ◆3番(木村謙一郎君) 2点目は、収支見通しについてですが、ただいまの答弁によりますと、新型コロナウイルス感染症の影響は歳入・歳出の両面に及びまして、令和2年度のみならず、今後、数年間にわたって国保財政に影響を及ぼすとのことでありましたが、そこで、1つとして、令和2年度の収支見通しについて伺います。 ◎市民協働部長(高萩文克君) 令和2年度の収支見通しにつきまして、歳入合計から歳出合計を差し引いた収支差、いわゆる形式収支につきましては、約1億2,700万円の黒字が見込まれるところであり、令和3年度に繰り越されるものであります。また、精算後単年度収支、いわゆる実質収支につきましても約1億600万円の黒字が見込まれるものであります。 ◆3番(木村謙一郎君) 実質収支は約1億600万円の黒字が見込まれるとのことでありますが、2つとして、昨年6月時点の収支見通しとの比較について伺います。 ◎市民協働部長(高萩文克君) 昨年度は、被保険者の所得が見込みよりも増となったことなどにより、国保税収入が約3億円の増となったこと、また、東日本大震災に係る国の財政支援が1年間延長されたことにより、県支出金が増となったことなどに伴い、結果的には、昨年6月時点で見込んでおりました赤字額、約2億5,700万円と比較いたしまして、約3億6,300万円の収支改善が見込まれるものであります。 ◆3番(木村謙一郎君) 令和2年度は昨年度の見込みに対して、大幅に収支が改善したとのことでありますが、それでは、3つとして、令和2年度の収支見通しを踏まえた令和3年度の収支見通しについて伺います。 ◎市民協働部長(高萩文克君) 現行税率を据え置いたことによる現時点での本年度の収支見通しにつきまして、歳出面では、県に支出する国保事業費納付金の増、歳入面では、税制改正や新型コロナウイルス感染症の影響に伴う事業収入の減等により、国保税収入の減が見込まれますことから、約6億3,500万円の赤字を見込んでいるものであります。 ◆3番(木村謙一郎君) 令和3年度においては、一転して赤字転換してしまうということですが、それでは、4つとして、昨年6月時点の収支見通しとの比較はどのようになっているのか伺います。 ◎市民協働部長(高萩文克君) 本年度は、被保険者の所得の減少幅が昨年度の見通しよりも緩やかであることに伴い、国保税収入の増が見込まれるものの、国保事業費納付金が大幅な増となりましたことから、昨年6月時点で見込んでおりました赤字額、約4億100万円と比較いたしまして、約2億3,400万円の収支の悪化を見込んでいるものであります。 ◆3番(木村謙一郎君) 令和2年度は、一旦、収支改善が見込まれるものの、令和3年度は、国保事業費納付金の大幅な増加により収支見通しが悪化するとのことで、収支の均衡を図るのであれば、税率の引上げも考えなくてはならないのかと思います。 そこで、5つとして、収支見通しが悪化しているにもかかわらず、税率を据え置くことにした理由について伺います。
    ◎市長(清水敏男君) 収支見直しが悪化する状況を考慮いたしますと、本来であれば、収支均衡を図るため、国保税率の引上げを検討する状況にあると考えられるところであります。 しかしながら、令和2年度が黒字決算となる見通しであり、現在、国保基金において、約23億1,300万円を保有しておりますことから、現時点で見込まれる実質収支の赤字額を基金から取り崩して補填が可能であること、また、新型コロナウイルス感染症が拡大している現下の経済状況を見渡しますと、被保険者の所得が減少しており、被保険者の税負担に配慮する必要があることから、現行税率を据え置くべきと判断したところであり、国民健康保険運営協議会の同意を得ているものであります。 ◆3番(木村謙一郎君) 新型コロナウイルス感染症の影響で市民生活には多大な影響が出ておりますが、被保険者の税負担に配慮して、現行税率を据え置くというのは妥当な判断であると思います。しかしながら、収支状況は悪化しており、令和11年度に先延ばしされた保険税率の県統一化を見据えると、国保事業を今後も安定的に運営していくに当たって、非常に厳しい局面を迎えていくことになると思います。感染症流行により社会状況の変化もさることながら、今後はより一層県の動向などにも注視しながら、国保事業の在り方を模索していく必要があると考えます。 そこで、3点目は、福島県国民健保健運営方針中間見直しを受けての収支見直し等についてです。 県は、今年3月に国保運営方針中間見直しを行い、保険税率の統一予定時期を令和11年度としたことを踏まえ、市当局からは本年2月の定例会において、収支見通しを令和11年度まで先延ばしし、対応を検討するとの答弁がありました。 そこで、まず1つとして、現時点での令和11年度末までの収支見通しについて伺います。 ◎市民協働部長(高萩文克君) 現行税率を据え置いての現時点での令和11年度までの実質収支で申し上げますと、令和3年度は、約6億3,500万円の赤字、4年度は、約4億1,600万円の赤字、5年度は、約4億3,500万円の赤字、以降、令和11年度まで赤字収支が継続するものと見込んでおります。 赤字収支が継続しますことから、国保基金を取り崩して対応することとした場合、現時点での国保基金残高から推計いたしますと、実質的に令和6年度末で基金が枯渇する状況にあり、令和11年度の保険税率の統一を見据えますと、大変厳しい財政運営を強いられるものと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 令和11年度末までの収支見通しは赤字が続き、実質的に令和6年度末には基金も枯渇してしまうということで、今後、国保事業を安定的に運営するに当たっては、運営の基本的な考え方がこれまで以上に重要になってくると考えます。 そこで、2つとして、今後の本市の国保事業運営の基本的な考え方について伺います。 ◎市民協働部長(高萩文克君) 県はこれまで、保険税率の統一予定時期を令和7年度以降としていたため、本市の国保事業運営の基本的な考え方におきましても、令和6年度末を念頭に、国保基金を保有する間は、税率を引き上げないよう努めるとしてきたところであります。 しかしながら、実質的に令和6年度末で基金が枯渇する状況を鑑みますと、これまでの考え方を改め、令和11年度まで延伸した収支見通しの中で、県が示す標準保険料率本市国保税率の乖離、基金残高の推移の見込みを基に国保税への影響を試算し、被保険者の税負担に配慮しながら、税率の見直しを含め、対応を検討する必要があると考えております。 また、国保事業費納付金の増減が税率の見直しの検討に影響しますことから、保健事業などの医療費適正化対策や収納率向上の取組を、これまで以上に推進していくことが重要であり、これらを基本的な考え方として運営してまいりたいと考えております。 なお、新型コロナウイルス感染症の影響は、今後の収支見通しにおいて不確定要素を含んでおりますことから、国保税収入や医療費の動向を注視しながら収支見通しを毎年度見直し、適時適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 基金が枯渇する見通しを踏まえ、今後、税率の見直しを含めた対応を検討していく必要があるとのことでありまして、被保険者にとっては非常に大きな影響が生じることは避けられない状況にあると言えます。中間見直しによって先延ばしにされた県統一化について、本当に県は統一化をする気があるのかというのが率直な印象であります。市当局からも、本年2月定例会において、財政運営の責任主体にとしての県の役割が不明瞭であるなど、保険税率の統一化に向けて問題点があるとの答弁もありました。新型コロナウイルスの流行など、ただでさえ不確定要素のある社会状況に加えて、県が示すはずの統一化の方針まで不確定要素の1つとなってしまっては、本市が取り組む統一化までの国保事業の運営にも多大な影響が及ぶことは明らかであると思います。 県に対してもしっかりとした対応を求めていく姿勢が必要と考えますが、そこで、3つとして、税率の見直しを含めた対応を検討するに当たって、県に求める役割について伺います。 ◎市長(清水敏男君) 先ほどの答弁でお示ししました令和11年度まで実質収支の見通しは、令和11年度の統一税率、国保事業費納付金がどの程度になるかが、県から示されていない状況下で現時点で想定される範囲内で算出したものであります。 税率の見直しを含め、対応を検討するに当たり、県に求める役割としましては、県が財政運営の責任者としての主体性を発揮し、県全体の収支見通しを踏まえた令和11年度の統一税率等の姿を早急に示すことが重要であると考えておりますことから、本市といたしましては、機会を捉え、他市町村とも連携しながら、強く要望してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。令和3年度における税率は据え置かれたわけですが、令和11年度の保険税率の統一を見据えますと、財政運営はさらに厳しさを増していきます。そのような状況においても、国民皆保険制度の最後のとりでと言われる国民健康保険は、安定的な財政運営を行っていくことが求められます。令和6年度末には基金が枯渇するという現実も、私たちはしっかりと受け止めなくてはなりませんし、同時に県に対して、統一化がなされた令和11年度の国保の姿を早急に示すことをしっかりと求めていく必要があると考えております。 いずれにしましても、本市としては、統一化がなされるまで、税率の見直しを含めた対応を検討していくとのことでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響を分析しつつ、被保険者の税負担が過度なものとならないよう取り組んでいくことを強く求め、次の質問に移りたいと思います。 大きな質問の2番目は、新型コロナウイルスワクチン接種についてです。 新型コロナウイルスの感染拡大により、突然、先の見えない長いトンネルに迷い込んでしまったような不安を感じる日々が続いておりますが、そのような中で、ようやく見えてきた一筋の光がワクチン接種であります。接種の加速化が強く求められておりますが、同時に様々な課題も浮き彫りになっております。市民が一丸となってこの課題に取り組んでいくためには、議論を深め、よりよい形で接種を進めていく必要があるとの観点から、以下伺ってまいります。 1点目は、ワクチンの接種状況についてです。 本市においては4月21日から75歳以上の高齢者を対象にワクチン接種が始まりましたが、まず、現時点における接種完了者の状況はどのようになっているのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 接種完了者の状況につきましては、国のワクチン接種円滑化システム、いわゆるV-sysに登録されている情報によりますと、6月11日現在で1回目の接種を終了した方は、医療従事者等が1万2,341人、高齢者が2万6,707人、高齢者施設等の従事者が3,021人、その他が132人、合計で4万2,201人となっております。2回目の接種を終了した方は、医療従事者等が1万1,014人、高齢者が6,014人、高齢者施設等の従事者が471人、その他が44人、合計で1万7,543人となっております。 また、主な接種率を申し上げますと、1回目の接種を終了した割合は、医療従事者等が約99%、高齢者が約27%、2回目の接種を終了した割合は、医療従事者等が約88%、高齢者が約6%となっております。 ◆3番(木村謙一郎君) 2点目は、予約についてです。 ワクチン接種の加速化に向けた課題の1つが、スムーズな予約方法の確立にあります。全国的にも有名になった相馬方式のように、独自の方法で大きな効果を上げている自治体もあります。一方で、当初、多くの自治体が高齢者の予約において混乱を来しました。ワクチン不足や事前の準備不足、あるいはワクチン接種担当の河野大臣が指摘したように、自治体の平等性に対する考え方がスムーズな予約方法の構築を難しくしたなど、混乱の理由は様々考えられますが、本市が行った予約方法についてもしっかりとした検証を行う必要があると考えます。 そこで、1つとして、接種開始当初の予約システムについて、市はどのような認識を持っているのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 接種開始当初の予約システムにつきましては、4月に供給されるワクチンの数量が非常に少なく、5月以降の供給量やスケジュールも不透明な中での予約開始となりましたが、検討する中で、接種券の発送については65歳以上の約10万人ではなく、少しでも混雑を避けるため、市独自の判断で75歳以上の市民約5万人に限定した上で接種券を送付し、また、平等に申込みをいただくため、予約受付開始日を接種券の到着予定日より、一定期間遅らせて設定し、一斉に受け付けることとしたところであります。 予約受付の方法については、コールセンターへの電話や、専用予約サイトへのアクセスとしておりましたが、予約申込みが殺到し、電話やシステムがつながりづらい状況が発生してしまい、予約に係る混雑や混乱を招いてしまったものと認識しております。 ◆3番(木村謙一郎君) 平等に予約を受け付けるということ、そこの平等さというところが問題になったと思うんですね。そこはよく平等と公正という問題が取り上げられますけれども、やはり相馬市のように公正さを基準にするのであれば、平等さはあえて少し後ろに回して混乱を少なくするような方法もあったのかなと思っています。行政として平等性を尊重するというのは非常に理解できるところでありますが、そこの平等と公正の在り方という点につきましては、ぜひじっくりと考えていただいて、今後の予約システムにも生かしていただきたいと思っております。様々な理由があるとは思うんですが、率直に申し上げまして、本市の予約方法は、高齢者に対して非常に不親切なものであったと感じております。親切第一の言葉を改めて肝に銘じていただいて、今後の市政運営に取り組んでいただきたいと思います。 いずれにしましても、75歳以上の方々への予約の在り方を教訓とし、反省すべき点はしっかりと反省し、今後はさらに市民一人一人に寄り添いながらワクチン接種の推進に努めていただくよう強く要望いたします。 一方で、市当局はよりスムーズな予約を可能とするために、改善を続けていることも承知しております。 そこで、2つとして、市が行ってきた予約システムの改良がどのような効果を発揮し、予約をする際の利便性の向上につながっているのか、現時点における予約システムの運用状況について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 現在の予約システムの運用状況につきましては、接種券の発送を5歳刻みにし、予約を接種券到着後随時受け付ける方法に変更したこと、市医師会等の御協力をいただきながら接種枠の大幅拡大を行うことができたこと、また、コールセンターの人員を最大40人に増員するなどの対応により、予約時の混雑が減少したものと考えております。 また、高齢者予約サポートセンターを市内13か所の支所や公民館等に設置したことにより6月8日から10日までの3日間で、433人が来所し、予約等を行ったところであり、おおむね良好な評価をいただいております。 今後につきましても、接種対象となる区分や年齢ごとの人数を勘案しつつ、ニーズに沿った予約方法を検討するとともに、他市の事例を参考にしながら、接種予約がスムーズに進むよう改善してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 適時適切に改良をしていただきたいと思います。 次に、電話予約についてですが、市民からは、基本的にコールセンターの無料化を望む声が寄せられております。 そこで、3つとして、コールセンターの無料化について、市の見解をお示しください。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 電話でワクチン接種の予約をする場合には、音声案内につながることにより通話料が発生することや、予約には一定の時間を要することから、その時間等に応じた通話料の負担をいただいているところであります。 また、電話の契約条件において通話料の上限が定められている場合や、今後、対象年齢の低下に伴い、インターネットでの予約が増えることも予想されますが、できる限り予約しやすくするため、市民の皆様のニーズを把握しながら、コールセンターの無料化に向けて、検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) このコールセンターを使うのは主に高齢者の皆さんですので、ぜひ、答弁にもありましたように高齢者の皆さんの声をしっかりと聞いていただいて、検討していただきたいと思います。 先日、経済学者のグループが、最適な予約システムの構築には経済学の理論が役立つということで提言を行いました。経済学者の視点からすると、こうした理論を活用していれば、予約時の混乱を避けることができたと述べております。 また、地域や年齢、性別、あるいは集団接種と個別接種に対する希望者の割合など、様々な視点から行う市内のワクチン接種状況の分析に基づき、より円滑な予約システムへの変更や、接種体制の強化などを検討すべきであり、こうした分析を行うに当たっても、やはり有識者の意見を有効に活用すべきだと考えます。 そこで、4つとして、ワクチンの接種状況の分析や、事業推進に向けた的確な制度設計を行うために、市独自のアドバイザリーボードを設置すべきと考えますが、市の所見を伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 本市のワクチン接種につきましては、これまで、市医師会等との協議や、新型コロナウイルス感染症対策協議会で検討し進めてきたところでありますが、よりスムーズな予約方法や、接種の加速化、さらには接種率の向上のためには、他自治体の参考となる事例の検証や分析が必要であり、また、有識者の意見を取り入れることも有効であると考えられますことから、今後、必要に応じて意見を聞くことができる仕組みづくりについて、検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 専門的知見を有するアドバイザーの方がいらっしゃいますと、効果的な制度設計を行えるのは当然のことながら、制度の妥当性について、市民の信頼度も上がりまして、また現場職員の精神的な負担の軽減にもつながると考えますので、ぜひ前向きに早急に検討を進めていただきたいと思います。 次に、3点目は、今後の取組についてです。 ワクチン接種を効率的に、しかもスピーディーに進めていく鍵の1つが情報発信の在り方にあると考えます。今回浮き彫りになった課題は、インターネットを使えない方々にいかに迅速に情報を伝えるのかという点にあります。 そこで、1つとして、いわゆるデジタルディバイドや情報弱者と呼ばれる方々への対応も含め、市はワクチン接種に関する情報発信に今後どのように取り組んでいくのか伺います。 ◎総合政策部長(山田誠君) 市民の皆様に対するワクチン接種に関する情報発信につきましては、ワクチン接種に係る情報を、迅速かつ的確に周知する観点から、記者会見や資料提供による報道機関を通したパブリシティをはじめ、広報紙や市公式ホームページ、フェイスブック、ツイッター等のSNSの活用、さらには、情報機器を持たない十分に活用できない方々、いわゆる情報弱者と呼ばれる方々にも情報をお届けできるよう、テレビやラジオのほか、新聞広告や、各世帯へのお知らせ回覧等を活用した分かりやすい広報に努めてきたところであります。 今後におきましては、これまでの広報に加え、市防災メールの有効活用や、FMいわき等における情報発信の充実強化をはじめ、必要に応じて公共施設やスーパーなど、より身近な場所におけるポスター・チラシ等の設置や掲示、さらには、行政嘱託員や民生・児童委員等の地区の関係者等の方々に対し、住民の皆様に広く周知していただくための協力を求めるなど、なお一層、情報弱者の方々にも配慮した広報に意を用いながら、多種多様な広報媒体を効果的に活用し、正確で分かりやすく、状況の変化に即応した情報発信に、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) この情報発信は非常に難しい問題だとは思うんですけれども、市民の一人一人に必要な情報を的確に届けるためには、その理想形というのはプッシュ型の情報発信を行っていく、これが今後の行政には求められている在り方ではないかと思っております。それを実現するためには、ICT化やDXデジタルトランスフォーメーションの推進が欠かせないわけですが、全ての人がインターネットを使いこなせるようになるにはまだ時間が必要です。ただいま答弁にもありましたように、新しい情報伝達技術が全ての人に浸透するまでの過渡期においても、ラジオや防災無線、今ほどポスターやチラシ、あるいは口コミなど、いろいろな方法があると思いますので、とにかくあるゆる手段を駆使して、高齢者などが情報弱者として取り残されることがないように努めていただくとともに、併せて一人一人の市民が必要な情報を的確に得ることができる、プッシュ型情報伝達手段の確立に向けた取組をより強力に推進することを強く要望いたします。 次に、基礎疾患を有する方へのワクチン接種の進め方についてですが、去る11日、市は基礎疾患を有する方々からの申告の受付を始めると発表しました。基礎疾患を有する方々への接種をどのように進めるのかは、全国の自治体が抱える課題の1つでもあります。 そこで、2つとして、基礎疾患を有する方々への接種を市はどのように進めていくのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 本市における基礎疾患を有する方々への接種につきましては、6月15日から27日まで、申告を受け付けることとしております。申告された方に対しましては、7月上旬頃、一斉に接種券を発送し、接種開始は7月中旬頃を予定しております。なお、受付方法につきましては、インターネットによるもののほか、基礎疾患申告専用ダイヤルを設置し、電話でも受け付けることとしております。 ◆3番(木村謙一郎君) この基礎疾患を有する方々への接種は非常に難しいと思うんですが、基礎疾患を有する方々はなるべくかかりつけ医で接種したいと望んでいる方も多くいらっしゃいます。そうした様々な不安に対しても十分に意を用いて、ワクチン接種を進めていただくよう要望いたします。 次に、64歳以下の方々の接種を進めていく上では、高齢者とは異なった視点で接種促進に向けた周辺環境を整えていく必要があると考えます。例えば、夜間や土日の接種、あるいは職場などでのいわゆる職域接種を推進するなどの工夫が必要になると考えます。 そこで、64歳以下の方々を対象とした接種を進めるに当たり、どのように接種体制を強化していくのか、現時点での市の考えをお示しください。 ◎市長(清水敏男君) 64歳以下の市民への接種を進めていくに当たっては、年齢を5歳刻みで実施していくことに加え、クラスター発生時の社会的な影響を勘案して、保育所や学校の教職員などを優先して接種することを検討しているところであります。 その上で、接種体制の強化につきましては、現在、65歳以上の高齢者の接種を7月末までに終了するため、集団接種における土曜日と日曜日の接種可能数を増やすとともに、夜間の接種も開始したところであります。 また、歯科医師会に歯科医師の協力を要請するとともに、福島県に県立医科大学の医師の派遣を要請したところであり、一層の体制強化に努めることなどにより、接種が迅速に進むよう取り組んでまいりたいと考えております。 さらに、地理的に不利な条件にある中山間地域の市民の皆様に対する接種推進を図るため、集団接種のスポット会場を設置するなど、可能な限り多くの市民の皆様に、少しでも早く接種していただけるよう努めてまいりたいと考えております。 なお、職域接種につきましても、スムーズに接種が進むよう職域接種を実施する企業等と調整してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 64歳以下の方は約19万人の方が対象になるということで、ここをどのように接種を始めるのかというのは本当に難しいと思います。一般の方から、感染が広がりやすい20代、30代の方から打ったほうがいいのではないかとか、いろいろな意見を伺っております。それは当然市当局にも届いていると思いますので、ここは何らかの優先順位をつけなくてはいけないと。ですから、ある程度しっかりとしたエビデンスに基づいた判断をしていかなければならないということだと思いますので、そこは疫学的にも効果的な方法で行うために、最適な制度設計に努めていただくよう要望したいと思います。 次に、ワクチン接種が進み、感染者が減ってくれば、一日も早く社会経済活動を正常な形に戻していきたいというのが、多くの市民の願いでもあります。一方で、ワクチンの効果については不明瞭な点もあり、ワクチン接種イコール安心、通常の生活が送れるという認識が独り歩きしてしまうことにも注意が必要と考えます。 そこで、4つとして、ワクチン接種を進めていく中で、市は社会経済活動の正常化に向けた動きをどのように進めていくのか、基本的な考え方について伺います。 ◎市長(清水敏男君) 一日も早い経済の再生や社会活動の正常化に向けましては、ワクチン接種の加速化を図り、集団免疫の獲得を図ることが重要であると認識しております。 このことから、市といたしましては、市民の皆様に対するワクチン接種時期の前倒しなど実施体制の強化を図るとともに、感染拡大の再発を防止する観点から、ワクチン接種の意義をはじめ、ワクチンを接種した場合であっても、完全に感染を防ぐことはできないこと、マスクや手洗いなど基本的な感染防止対策の継続、さらには、感染状況に応じた外出自粛やイベント等の開催方法など社会経済活動緩和の目安等について、様々な機会を捉えて市民の皆様に分かりやすく説明し、理解を求めてまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 集団免疫の定義自体がまだ曖昧であり、なかなかはっきりとしない部分がありますので、どこでどのように社会経済活動を再開させていくのかというのは非常に難しいと思います。ただ、今の答弁にもありましたように、ワクチンの効果を過信しすぎて、ワクチンに対する間違った安心感だけが広がって、新たな感染の波を引き起こすような事態は避けなくてはならないと考えます。こうした点に十分に留意していただきながら、ワクチン接種を速やかに進め、公共施設の利用再開、各種事業等の開催など、適時適切な判断で社会経済活動の正常化が進んでいくことを切に願いまして、次の質問に移りたいと思います。 大きな質問の3番目は、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止についてです。 感染拡大のいわゆる第4波が本市を襲い、4月は306名、そして5月には251名の感染者が確認されました。4月8日には、1日で39名の新規感染者が発生するなど、まさにぎりぎりの状況が続いてきましたが、幸いにして5月19日以降は、新規感染者数が1桁で推移しており、このまま感染が収束していくことを願うばかりであります。 ワクチン接種が進み、感染の大きな波が再び押し寄せることがないよう祈りたいところではありますが、ワクチン接種と大規模な行動規制で感染拡大の波を抑えたかに見えたイギリスにおいては、変異株により再び感染拡大の傾向が見られ、この夏開催予定のオリンピック・パラリンピックによる人流の拡大なども考慮すれば、本市としても感染の再拡大に万全の備えを期する必要があると考えます。 そこで、1点目は、検査の拡充についてです。 感染拡大の兆候をいち早く捉え、必要な対策を講じていくためには検査の拡充は重要な課題であり、本市においても、限られた検査能力を効果的に活用した検査体制の構築が求められております。そのような中、市は5月18日から無料のPCR検査を緊急実施しました。この無料PCR検査については、賛否を含め様々な声が寄せられておりますが、実績や得られた知見、教訓を、今後本市の検査体制の拡充に生かしていくことが重要と考えます。 そこで、まず1つとして、今回行った無料PCR検査の概要について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 本市におきましては、本年4月初旬から、職場や家庭を中心に感染が市内全域に拡大するとともに、クラスターが相次いで発生し、病床が逼迫する事態が生じたことから、感染拡大の早期の抑え込みを図るため、ゴールデンウイーク期間後の感染の早期発見と拡大防止を目的として、ゴールデンウイーク期間中の接触歴や行動歴から感染症への不安があり、検査を希望する無症状の市民を対象に、5月17日から6月4日までの期間に、唾液によるPCR検査を原則1回、無料で実施したものであります。 その実績といたしましては、申込みをされた方が1,921人、そのうち、検体である唾液を提出し、検査を実施された方が1,749人、この検査の結果、陽性と確認された方が1人となったところであります。 ◆3番(木村謙一郎君) PCR検査を有効に使って検査体制の強化を行うには、これまでの疫学的調査で得られた知見や他市の事例を参考とするなど、しかるべき根拠に基づいた制度設計が必要であると考えます。 そこで、2つとして、事業実施に向けた制度設計はどのようなエビデンスに基づき行われたのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 国の新型コロナウイルス感染症に関する検査体制の拡充に向けた指針におきましては、クラスターの発生など、地域における感染状況を踏まえ、感染拡大を防止する必要がある場合には、現に感染が発生した店舗や施設等に限らず、地域の関係者を幅広く積極的に検査することが重要であるとの考えが示されております。 このことから、本市におきましては、4月初旬から家庭や職場を中心とした感染が市内全域に拡大している状況を考慮し、ゴールデンウイーク期間後における感染の早期発見と拡大防止につなげるため、既に無症状の方を対象として有料でPCR検査を実施しております日立市や、薬局や特設会場において無料のPCR検査を実施している広島県などの先進事例を参考にしたところであります。 特に、広島県におきましては、広島市内にPCRセンターを本年2月から設置し、モニタリング検査を実施したことにより、次の感染再拡大の予兆を探知することができているとして、4月から全県に展開することを決めたことなどを踏まえ、今回の検査に係る制度の大枠を構築し、市医師会の方々に御意見を伺うなどにより詳細のつくり込みを行ったところであります。 ◆3番(木村謙一郎君) この検査は、当初の発表では5,000人を対象とした検査を行うとしていましたが、3,000名に変更され、最終的に実施した人は、先ほど答弁にもありましたように、1,749名でありました。 そこで、3つとして、検査対象者の規模を縮小した理由について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 当初は、以前から市内各団体の方々より、市民向けに幅広くPCR検査を行うことについての御要望をいただいていたことから、検査実施期間を5月中旬から6月末までの約1か月半とし、また、検査件数につきましては、行政検査や保険診療などによるほかのPCR検査に影響を及ぼさないようにする必要があることなどを考慮し、1日当たりの検査数を約200人と見込み、検査希望者総数を約5,000人と想定したところであります。 しかしながら、新型コロナウイルスの潜伏期間や、唾液による検査の有効性の期間を考慮しますと、ゴールデンウイーク期間後の感染の早期発見と拡大回避につなげるためには、短期間に集中的に行う必要があることから、検査申込期間を5月中旬から5月末までの約半月に見直し、検査希望者総数を約3,000人と想定し直して事業を開始したものであります。 ◆3番(木村謙一郎君) 次に、4つとして、事業実施を決定するに当たり、医師会等の専門家との協議はどのように行われたのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 本事業を実施するに当たりましては、市医師会の方々に、制度の大枠を構築した段階で事業概要について御説明させていただいたところ、ゴールデンウイーク期間後を対象とする場合の効果的な検査対象期間が限られることや、検査の結果が陰性でも、その後に陽性となる場合もあり、感染対策を継続しないと市中にウイルスを拡散させるおそれがあることなどの専門的見地からの貴重な御意見をいただいたところであります。 これらの御意見を踏まえ、検査対象期間をゴールデンウイーク期間後から約半月としたこと、また、申込時には、同意事項として、結果が陰性となった場合においてもその後に陽性になる場合もあることや、検査後も不要不急の移動などの感染リスクの高い行動を控え基本的な感染症対策を継続することなどに同意することを必須条件とし、申込者の感染対策の意識低下を招かないようにするなど、PCR検査の特性を踏まえ、より効果的な検査となるよう、御意見を反映させていただき、事業の詳細を決定したところであります。 ◆3番(木村謙一郎君) では、5つとしまして、市当局は、この事業の効果をどのように総括しているのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 事業の効果といたしましては、今回の検査により、陽性者を確認できたことで、ゴールデンウイーク期間後の感染者の早期発見と市内の感染拡大の抑制という所期の目的を一定程度果たすことができたほか、接触歴や行動歴から感染症への不安を持つ方が多数おり、検査を受けたことにより、その方々の不安の解消に寄与することができたものと考えております。 また、検査見込み数の3,000人につきましては、申込みが1,921人、検査実績が1,749人であったことから、検査数としてはニーズに応えられたものと考えております。 一方で、市内の新規感染者が非常に多い時期であったにもかかわらず、行政検査や保険診療で対象としている有症状者の検査と比べますと、陽性率が極めて低いことが判明したところであります。 今後におきましては、ワクチンの接種が進む中での感染状況を見極めながら、これらの実績に加え、現在集計中である、今回の検査をするに至った理由などを記載したアンケートを分析し、市医師会等の専門的な意見を伺い、今回の検査を検証することなどにより、感染状況に応じた効果的な検査体制の確保につなげてまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) いろいろな課題があって、今後の検査体制につなげていきたいということでありますけれども、先ほどの答弁の中にもありましたように、広島県の例なども参考にしたということで、やはり最初に考えなければいけないのは、感染拡大防止に対していかに効果的な検査ができるかというところだと思うんですね。国のそうした方針を踏まえてということは十分分かっておりますけれども、今回の検査は不安を抱えている方の安心を担保するという意味では非常に効果はあったと思いますけれども、疫学的な見地から見て、感染拡大防止に本当に効果的であったのか、この広いいわき市でこの検査を行うことが果たして本当に感染拡大防止に寄与したのか、この点は非常に疑問を感じております。答弁にもありましたように、ぜひ専門家等の意見も踏まえながら、そして今回こうした事業を行ったわけですので、この教訓をしっかりと生かしていただいて、感染拡大防止に向けた効果的な検査体制を構築していただきたいと思っております。 また、検査によって判明する陽性者へのフォロー、場合によっては自宅療養を行うケース等も想定した支援体制づくりなども、必要な検査の拡充に伴う課題もあると思いますので、市当局におかれましては、そうした検査の拡充に伴う課題等もしっかりと把握していただいて、最も効果的な検査体制の構築に努めていただくことを強く要望したいと思います。 2点目は、飲食店における感染拡大防止についてです。 本市を襲った第4波の感染拡大期において、飲食店を経営する方々からは時短要請の発出を求める声が多く聞かれました。第2、第3波における飲食店を中心としたクラスターの発生を教訓に、早めの対策としかるべき経済支援を求めたものであったと理解しております。そのような中、感染の波が本市より遅れて訪れた会津若松市に対して、本市よりも早く県の時短要請が発出されたため、なぜいわきには時短要請がないのかという声がさらに高まることとなりました。こうした関係者の声に対して、まずは市当局として説明責任を果たす必要があると考えます。 そこで、1つとして、今回の感染拡大期における県に対する時短要請発出の要請のタイミングについて、市当局はどのような認識をお持ちか伺います。 ◎危機管理部長(緑川伸幸君) 本年4月における本市の感染状況につきましては、新規感染者数や病床占有率が、まん延防止等重点措置の適用基準であるステージ3を満たしていたものの、飲食店関連による感染は感染者全体の1割にも満たない状況であったこと、また、地域経済に与える影響等も総合的に勘案し、飲食店等への営業時間短縮の協力要請に係る福島県への要請は見合わせ、引き続き感染状況の警戒を続けることとしたものであります。 その後、市内の事業所や高齢者施設における複数のクラスター発生や、感染力の強い変異株による感染等により新規感染者が急増したこと、また、県内の病床占有率が85%に迫るなど、市内はもとより、県全体の医療体制への影響が懸念される深刻な段階となったことから、感染リスクの高い場面をできる限り減らすとともに、医療提供体制の負荷軽減を図るため、いわき市感染拡大防止一斉行動の実施期間を5月31日まで延長するとともに、対策強化の一環として、5月11日、飲食店等への営業時間短縮の協力要請を行うよう、福島県に対して要請し、同月13日からは、県と合同で市内飲食店への見回りを実施したところであります。 これらの取組等により、5月下旬には、新規感染者数や病床占有率は大幅に低下しており、一定の効果が見られたものと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 時短要請は諸刃の剣と言いますか功罪両面あると考えております。営業時間の短縮を求めるこの対策というのは、感染拡大の波を抑える最後の手段と捉えるべきなのかなと思っております。大切なのは、いかに通常の営業時において、感染拡大防止の対策を行っていくのかという点にあると考えます。全国的にも有名な山梨県のやまなしグリーン・ゾーン認証のような第三者認証制度によって、飲食店等における感染拡大防止の取組強化を図り、利用者の安全と安心を担保していく取組が一層重要になってくると考えます。 現在、県においては、ふくしま感染防止対策認定店制度を実施しております。6月2日時点で、527軒の店舗において第一段階となるセルフチェックによる認定を受けているものの、立入検査によって認定ステッカーがもらえる第2段階まで至っている店舗は9軒にとどまっており、事業のさらなる推進が必要と考えます。 そこで、2つとして、県の認証制度が速やかに広がっていくよう、県に対して事業のさらなる推進を要望すべきと考えますが、市の所見を伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 飲食店における感染防止対策を徹底するための第三者認証制度につきましては、本年4月、国から都道府県知事宛ての通知により、その導入について可及的速やかに着手するよう求められたところであります。 こうした中、県が実施するふくしま感染防止対策認定店制度につきましては、徹底した感染防止対策が講じられている飲食店として認定を受けることで、店舗に対する信頼性の向上や、利用者への安全と安心を担保できる点から、有効な制度であると認識しております。 そのため、県に対しましては、市民の皆様が安全に安心して飲食を楽しめるとともに、認定を取得した飲食店もメリットを感じられるよう、当該制度の認知度の向上やさらなる推進等について市も連携する考えを伝えてまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 本市においては、現在、約1,100か所で運用されているあんしんコロナお知らせシステムによって、飲食店利用時の安全と安心の向上、そして利用客の増加に向けた取組が進められており、こうした取組はさらに推進していくべきと考えます。 そこで、3つとして、飲食店の安全性に対する利用者の信頼を高め、ウィズコロナにおいても利用の推進を目指す取組について、市はどのような考えを持っているのか伺います。 ◎産業振興部長(小松尚人君) お答え申し上げます。本市におきましては、これまで、新型コロナウイルス感染症が拡大する中においても、市民生活の安全・安心の確保と社会経済活動の両立を果たすべく、あんしんコロナお知らせシステムの運用を開始し、感染経路の見える化を進め、事業者の皆様の経済活動の回復にもつなげてきたところであります。 今後におきましても、新型コロナウイルスの感染の動向は不透明でありますことから、引き続き、本システムを適切に運用するとともに、利用者及び登録店舗の拡大に取り組んでまいりたいと考えております。 加えまして、飲食店等を利用する側も利用される側も安心を確保し、安全性を高めるためには、やはり、感染防止対策の徹底が必要不可欠であると認識しておりますことから、新たに商工会議所と合同で立ち上げた組織を活用するなど、市内の関係機関と緊密に連携し、飲食店等におけるさらなる感染防止対策強化に向けた取組が加速されるよう適時適切な施策を講じてまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) ぜひ今後も精力的に取り組んでいただきたいと思います。 3点目は、感染拡大期における市の業務体制についてです。 新型コロナウイルス感染症への対応に当たる保健所の疲弊は全国的な課題となっております。現在、本市においては非常時優先業務体制を敷き、コロナ対応を最優先としながら業務継続に取り組んでいますが、適時適切な人員配置を行っていくためには、客観的データ等を活用しながら、状況を的確に捉えていくことが必要であると考えます。 そこで、1つとして、各部署における超過勤務時間の状況などを踏まえ、職員の勤務状況を市はどのように把握しているのか伺います。 ◎総務部長(加藤弘司君) 本市におきましては、職員ポータルシステムなどの活用によりまして、職員の出勤状況、休暇等及び時間外勤務の管理を行っておりますが、特に、時間外勤務の実績につきましては、各所属の繁忙状況の確認のほか、職員の健康管理上も重要でありますことから、職員一人一人の毎月の累計時間につきまして、随時、集計・確認することを可能としているところであり、これらにより、職員の勤務状況を把握しているところでございます。 ◆3番(木村謙一郎君) 必要なマンパワーを確保するためには、削減すべき業務を見極めて、業務量を減らすことも求められると考えます。 そこで、2つとして、業務量の削減について、現在、市はどのような取組を行っているのか伺います。 ◎総務部長(加藤弘司君) 本年4月23日に、職員の感染防止に努めながら、行政機能の維持を図るため、新型インフルエンザ等に係るいわき市業務継続計画、いわゆるBCP計画に基づきまして、非常時優先業務体制を発動したところでございます。 各部等におきましては、BCP計画や個別業務継続計画の中で、非常時においても継続しなければならない業務や体制を縮小して継続する業務など、業務の優先度を4区分に分類いたしまして、新型コロナウイルス感染症対策に関する業務を最優先に執行するため、優先度の低い業務につきましては、縮小、中断、休止もしくは延期する対応をしているところでございます。 ◆3番(木村謙一郎君) ワクチン接種の加速化に向けた国からのオーダーは目まぐるしく変わっており、現場の業務量が今後さらに増加することも考えられます。また、2月に発生した福島県沖地震の罹災調査のように、災害対応のために突発的な人員確保の必要性が生じる事態も考えられます。あらゆる事態を想定し、現場の最前線が疲弊することがないよう後方支援の体制をしっかりとつくり上げておくことが重要であり、状況次第では会計年度任用職員の採用などにより、人員を増強することも視野に入れなければならないと考えます。 そこで、3つとして、今後さらにマンパワーの需要が高まる状況への備えを市はどのようにしていくのか伺います。 ◎総務部長(加藤弘司君) 新型コロナウイルス感染症対策強化チームについては、市内における感染拡大の状況等を踏まえまして、新型コロナウイルス感染症対応の中核を担う保健所体制の強化を図るため、設置したところでございます。依然として収束が見えない中、ワクチン接種体制の拡大強化など、今後とも、新型コロナウイルス感染症対策本部として全庁一丸となり、適切に対応していく必要があると認識しておりますことから、保健所をはじめとした関係部署との情報共有や連携を十分に図りながら状況に応じて必要となる業務体制の構築に向けまして、会計年度任用職員など多様な任用形態も念頭に、適時適切な人員の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 新型コロナウイルス感染拡大期において、保健所はまさに前線基地であります。国では河野大臣が先頭に立って、ワクチン接種を進めております。いわき市においても、やはりこの業務を遂行するためには、陣頭指揮は部長あるいは次長クラスが取るべきだと考えますので、そうした人事についても検討することを要望したいと思います。 古今東西の歴史が証明するように、最前線に対する兵たん、補給路の確保がなければ前線は孤立してしまいます。そこに戦力を逐次投入していくと、その先に待つのは前線の崩壊と悲劇的な結果が待ち受けております。いわき市における兵たん業務を担うのは総務部と認識しておりますので、ただいま答弁にありましたように、職員一丸となって、総務部長を先頭として、保健所の疲弊を少しでも減らすような取組をしていただくことを最後に要望いたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(大峯英之君) ここで、午前11時10分まで休憩いたします。          午前11時01分 休憩---------------------------------------          午前11時10分 再開 △佐藤和美君質問 ○議長(大峯英之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。37番佐藤和美君。          〔37番佐藤和美君第二演壇に登壇〕 ◆37番(佐藤和美君) (拍手)おはようございます。37番いわき市議会志帥会佐藤和美でございます。ただいまから通告順に従い、市政一般に対する質問をいたします。 初めに、大きな質問の1は、新型コロナウイルス感染症対策についてです。 まずは質問に先立ちまして、この感染症対策のため、医療の最前線で対応いただいている医療従事者の皆様方に対して、改めて深い敬意と心から感謝を申し上げます。 この新型コロナウイルス感染症における全国の状況としては、まん延防止等重点措置が解除された地域がある一方、依然として病床使用率が増加傾向にある地域もあり、予断を許さない状況です。また、福島県全体においては、県独自の非常事態宣言後の5月中旬以降は新規感染者数の減少傾向が見られておりますが、5月の月間人数は1,179人と過去最多を更新しております。さらに、本市においては、5月19日以降の新規感染者数が10人未満で推移しておりますが、感染経路が不明な方の割合が増えていることなどから、感染の再拡大がいつ起きてもおかしくなく、予断を許さない状況にあると考えております。これに加え、全国的には、重症化しやすい変異株の症状が増えており、市民一人一人が、意識を持って感染拡大を防ぐようにしなければならないと考えております。こうした中で市民の間では、自分が重症化した場合、受入れは大丈夫かという不安の声も聞かれるなど、市内の医療体制への関心も非常に高い状況にあると感じております。 そこで、本市の医療体制について伺います。まず、本市の医療体制の中でも、その中核となり、また最後のとりでとも言われておりますいわき医療センターについてです。 まず、医療センターについて、現在の新型コロナウイルス感染症に対応可能な病床はどのようになっているのか伺います。 ◎医療センター事務局長(飯塚修一君) 当センターにおきましては、感染症指定医療機関としての役割を果たすため、県との協議を踏まえ、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる病床といたしまして、常時24床を確保しているところであり、その内訳といたしましては、感染症病床が6床、結核病床15床及び中等症以上の患者に対応するE-ICUの3床となってございます。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、その医療センターにおいて、新型コロナウイルス感染症により本市の病床がさらに逼迫した事態になった場合に、対象病床はどうしていくのか伺います。 ◎医療センター事務局長(飯塚修一君) 当センターにおきましては、これまでも感染拡大に伴い、多くの感染症患者を受け入れてきたところでございますけれども、病床が逼迫した場合には、常時確保している24床に加え、E-ICUの受入れ病床を拡充したほか、一般病棟の一部を、感染症患者の受入れ病床に転用するなどの対応を行ってまいりました。 今後におきましても、多くの感染症患者が発生し、病床が逼迫する場合には、感染症への対応と救急医療や周産期医療といった通常医療との両立を図りながら、受入れ可能な範囲で機動的な病棟運営を行ってまいりたいと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、新型コロナウイルス感染症の重症患者を受け入れている医療センターにおいて、その重症患者に用いられるECMOについて市民の皆様の関心も強いと感じておりますが、どのくらい用意されているのか伺います。 ◎医療センター事務局長(飯塚修一君) 当センターが保有するECMO全7台のうち、重症化した新型コロナウイルス感染症患者に対応できる台数は現時点で3台となっております。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、マスコミなどで紹介される影響などを見ると、ECMOを利用する場合には多くの医療スタッフによるマンパワーが必要になるなど、通常の医療に対しても負荷がかかるため、体制を組むことも容易ではないものと聞いておりますが、これまでの治療実績について伺います。 ◎医療センター事務局長(飯塚修一君) 新型コロナウイルス感染症の重症患者では、肺炎による呼吸不全が起こるため、人工呼吸器を用いて酸素を送り、呼吸を補助しますが、さらに悪化した場合には、体外で肺機能の代替えをして、肺を一時的に休ませるECMOが必要になります。議員おただしの当センターにおけるECMOの治療実績は、これまで、1症例のみとなっております。 ◆37番(佐藤和美君) また、市内では新型コロナウイルス感染症の程度により、医療センター以外にも市内医療機関での入院、宿泊療養施設の入所などの体制が取られておりますが、市内全域の受入れ体制については、全部でどの程度なのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 新型コロナウイルス感染症陽性患者の受入れ体制につきましては、県全体で広域調整を行うわけでございますけれども、県全体の医療機関の即応病床数は496床、本市におきましては110床であり、また、宿泊療養施設につきましては、県全体で277室、本市におきましては60室が確保されております。 市内の複数の受入れ協力医療機関におきましては、大きく分けると、重症患者については医療センター、中等症または軽症患者につきましては受入れ協力医療機関、無症状または軽症患者につきましては宿泊療養施設という対応を基本として、患者の年齢及び症状や重症度などの医学的な状況に応じて役割を分担しながら受入れを行っているところであります。 なお、現在、県におきましては、今後の感染者急増時に備え病床数についての見直しを行っているところであります。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、これらの病床利用率はどの程度になっているのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 本市の新型コロナウイルス感染症に係る病床使用率につきましては、新規感染者が増加しました4月以降、病床使用率も上昇したところであり、4月1日に40%であった病床使用率は病床逼迫宣言を行った4月16日には、66%となり、その後、県全体の病床逼迫に伴い、市外への入院調整が困難となりました5月16日には、最大の80%となり、極めて深刻な事態となったところであります。 しかしながら、その後は本市における感染拡大防止一斉行動の実施、さらには、県独自の非常事態宣言の発出等の効果により、病床使用率は減少し、これらの集中対策を終了した5月31日には31%となり、6月11日現在の病床使用率は18%まで減少しております。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、受入れ病院名などについては、病院自体の風評被害や診療への支障などの懸念もあり、受入れ病院からの依頼もあって、福島県の方針で公表されていないと伺いました。本来、病院名、利用可能病床なども明らかにしたほうが市民も理解し、感染拡大防止のための行動も取りやすいものと考えますが、御見解を伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 受入れ医療機関名等の公表につきましては、受入れ医療機関や宿泊療養施設の確保、運用に関し、県が主体となって県全体での管理を行っておりますことから、県の方針に沿って対応する必要があります。 そのため、市といたしましては、受入れ医療機関の周辺の住民の方々や、同じ医療機関に入院している患者が不安に感じること、また、治療が必要な患者が通院を控えてしまうこと、さらには、病院職員への誹謗中傷や風評被害、これらに伴う病院経営への影響なども懸念されますことから、受入れに御協力いただいている医療機関への影響等を考慮し、県の方針に沿って、公表はしない考えであります。 ◆37番(佐藤和美君) 去る5月18日のいわき市・いわき医師会による共同記者会見におけるいわき市医師会長からの市民の皆様への呼びかけにおいては、ウイルスは変異しており、これまでと違う強毒性の感染症であると認識すべきであるとのほか、これまでより早い発症後、四、五日目には悪化することが多く、治るまで時間がかかる。若い人も感染しやすく重症化する。高齢者は入院期間が長く、病床が逼迫する。新型コロナウイルスは人の飛沫などから人へ感染する。みんなが努力しても、1人がウイルスをまき散らすと感染爆発となる。3密ではなく1密でも感染するので、注意が必要。今すぐ感染抑制に向けて市民全体で努力していく必要があるなどのほか、また、県内においては病床利用率が一時90%まで上がり、感染をこれ以上広げてはいけない状況にあり、今でも手術の延期などなされている方が、感染が拡大すると、さらに通常医療に影響が出る。助かる病気も助からなくなると発言しております。 この記者会見は一月前ではありますが、呼びかけていただいた内容は、まさにそのとおりで、市民の皆様一人一人の行動が感染拡大を防ぐこととなります。このためには、感染防止対策の徹底はもちろんのことではありますが、依然逼迫しております病床、マンパワーなどの医療体制について、しっかりと理解していただく必要があるものと思います。このことが一人一人の自覚を持った行動につながり、感染拡大の抑止とともに、医療体制を守り、自らの命を守ることにつながっていくことになると考えますので、今後とも適時適切な情報を発信することを強く要望し、次の質問に移ります。 大きな質問の2は、コロナ禍における観光についてです。 新型コロナウイルス感染症の拡大は、地域経済の大きな柱の1つである観光にも大きな打撃を与えました。昨年の秋以降、国のGoToトラベル事業などの効果もあり、観光を含めた経済の回復基調の兆しが見られていた時期もありましたが、その後、全国で感染状況が大きく変化しました。全国各地で繰り返し発出される緊急事態宣言・まん延防止等重点措置や変異種の広がりなど、予断を許さない状況が続き、本市においても、年末年始、そして4月、5月に感染者が増加する状況となり、現在もリバウンド防止のためですが、感染拡大防止一斉行動が続いております。昨年から、ゴールデンウイークや夏休み、年末年始といった観光交流人口の拡大が期待できる時期に、人の移動制限が繰り返され、現在も東京都をはじめとした全国の10の都道府県で緊急事態宣言が継続されているなど、観光市場の早期回復の突破口がなかなか見いだせない状況が続いています。 そこで、こうした厳しい状況にある観光をしっかりと支えていく観点から、改めて本市の観光について伺います。 初めに、コロナ禍の影響に関して、昨年の観光入り込み客数の状況について伺います。 ◎特定政策推進監(渡邉一弘君) 本市の令和2年の観光入り込み客数につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大等により、市内各施設において、臨時休業・休館を余儀なくされたほか、市内イベントの中止が相次いだこと、首都圏を含め全国的に人の移動が制限されたことなどにより、前年と比較して約43%減となる428万7,735人となりました。これは、東日本大震災のあった平成23年の370万8,233人に次ぐ低い水準となっております。 ◆37番(佐藤和美君) 入り込み客数の大幅な減少の要因となった中断されたイベント等は、具体的にどのようなものがあったのか伺います。 ◎特定政策推進監(渡邉一弘君) 昨年中止となったイベント等につきましては、いわきおどりやいわき花火大会、いわきサンシャインマラソン等の大規模集客イベントのほか、市内4か所の海水浴場の開設や、市内各地域の夏祭りなどが挙げられます。 また、スパリゾートハワイアンズや、いわき・ら・ら・ミュウといった本市の主要観光施設の臨時休業なども観光入り込み客数に大きな影響を与えております。 ◆37番(佐藤和美君) それでは、現時点では感染症の収束の見通しを立てることが困難な状況であると思いますが、昨年中止されたイベント等の今後の実施見込みはどのようなものか伺います。 ◎特定政策推進監(渡邉一弘君) 今年度におきましても、ゴールデンウイークの国宝白水阿弥陀堂の夜間特別拝観が中止となったほか、いわき花火大会等の夏祭りや海水浴場の開設などについて既に中止が決定されております。 これは、地域の方々が中心となって組織する実行委員会などが、不特定多数の方が集まる中で安全確保が困難であるなどの理由により中止を決定したものでありますが、現時点で方針が決定されていないその他のイベント等につきましても、中止や規模の縮小などを検討していると聞き及んでおります。 ◆37番(佐藤和美君) 今後もイベント等の中止が見込まれており、観光に取り組む事業者の方々の厳しい状況は依然として続くことが想定されます。こうした事業者の方々に対し、これまで市では固定費の負担を軽減する店舗等維持支援金や、旅館業などの方々に対する事業継続支援金による支援を行ってきました。また、当面の需要を確保するため、市民が市内に宿泊する際の助成、いわゆるいわき市民割や、市内の宿泊者に飲食店や物販店で利用できるクーポン券の配布などを行ってきましたし、観光ビューローにおいてもクラウドファンディングで旅館等を支援してまいりました。 しかし、感染が拡大してしまいますと、国のGoToトラベル事業などと同様、こうした需要確保の取組も実施を見合わせざるを得なくなっています。本市がホストタウンとして受入れに向けて準備を進めてきたサモア独立国の東京2020大会の事前キャンプについても、今月に入って中止されることとなりました。 苦境を踏ん張って耐えている事業者の皆様方の真の願いは、コロナの蔓延収束といった根本的な課題の解決であると思います。今後もイベント等の中止や延期を決断し、安全対策に注力するといった英断が求められるときもあるかと思いますので、それこそよろしくお願いいたします。 次の質問は、コロナの収束を見据えた今後の観光についてです。 先月の臨時会において、県の時短要請等に伴う協力金・一時金による支援制度をカバーするような形で、市独自の支援制度が可決されました。厳しい状況の中で観光の灯を消さないためにも、こうした事業の継続を支える支援は非常に意義深いものがあると思いますが、一方で、今を乗り越えることの先にあるコロナ収束後の観光の再生についても、しっかりと考えていかなくてはなりません。その際、需要の変化を踏まえた旅行商品をつくり、その商品の魅力をターゲットにしっかりと伝えるとともに、新たな需要を発掘する、これらをオンラインなどを活用して効率的に進めるといった観点が極めて重要であると考えております。 そこで、こうした考え方に基づき、5月臨時会で新たに補正予算措置された取組について伺います。 初めに、需要の変化を踏まえて、新たなニーズに対応できる魅力的な観光コンテンツの1つとして、サイクルツーリズムに関して伺います。 本年2月定例会で、我が会派の永山議員のアフターコロナの観光戦略についての代表質問に対し、コロナの影響により、遠方への旅行を控え、近隣域内で楽しむ観光、3密が避けられる屋外体験など、観光に求められるものの変化に対応する取組の1つとして、サイクルツーリズムの充実が挙げられていました。 今回、レンタサイクル活用推進に係る調査事業を行うとしておりますが、その概要等について伺います。 ◎特定政策推進監(渡邉一弘君) レンタサイクル活用推進調査事業につきましては、自転車の貸出し等を行っている市内5か所のサイクルステーションの車両や運用状況を把握した上で、自転車の専門家が車両整備や効果的なレンタサイクルの配置等について、調査・指導を行うことによりレンタサイクルの利用促進につなげていくものであります。 さらには、コロナ収束後を見据えて、サイクルステーションの有効活用による、効果的な誘客を図るための手法について調査を行い、本市のサイクルツーリズムの推進を図ってまいりたいと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) サイクルツーリズムは、いわき七浜街道をはじめとした多様なサイクリングコースにより、市内の様々な地域資源にストーリー性、テーマ性を持たせることができると思います。少人数や個人で自分の趣味や好みなどに合った旅行を希望する方が増えることを想定した場合、こうしたテーマ性を持たせた観光のコンテンツを充実させることは効果的だと思います。 さらに、サイクリングは市外からのサイクリスト誘客ばかりではなく、市民の健康増進にもつながるもので、3月には官民連携のいわきスポーツ・サイクルツーリズム推進協議会も設立されております。JR湯本駅前にもサイクルステーションがありますが、民間の力を借りたサイクルステーションやサイクリストっぷなど、官民が一体となった受入れ態勢も重要ですので、今回の調査をしっかりと生かし、着実にその取組を進めていただくようお願いいたします。 次の質問は、情報発信、プロモーションに関してですが、今回、新たな取組として、観光動画素材コンテスト事業を行うとしておりますが、その概要等を伺います。 ◎特定政策推進監(渡邉一弘君) 観光動画素材コンテスト事業につきましては、グルメ、絶景、体験等のテーマを設け、市民の皆様などから動画素材を募集することで生活者の目線など、新たな視点による本市の魅力を再発見するとともに、本市の様々な地域資源に対する市民の皆様の興味関心や、誇りの醸成につなげようとするものであります。 また、こうして収集した動画素材の中から、本市の観光PRに資するものを選定し、専門技術者による編集等を行い、作成したPR動画につきましては、市観光情報サイト等に掲載し、本市の魅力の発信を図ることとしております。 ◆37番(佐藤和美君) 魅力的なコンテンツをつくったとしても、それがうまくターゲットとなる対象まで伝わらなかったり新規顧客の開拓につながらなかったりすると、期待するよう需要の確保には至らないのではないでしょうか。特に、ワクチン接種などが進み、コロナの収束が見通せるようになった際には、全国が一斉に観光再生に向けた取組を開始すると思われます。厳しい競争を勝ち抜くためには、まずは本市の魅力を知ってもらうことが第一歩となりますので、効果的なプロモーションに向けた準備が必要だと思います。 これまでもデジタルマーケティングやシティセールスの推進、地域と連携した情報の受発信や多様な媒体の活用など、効果的な情報発信に取り組んでこられたことと思います。今回の事業を、これまでのプロモーションの内容・手法を、より磨き上げられるような形で活用し、需要の確保までつなげていただくようお願いし、次の質問に入ります。 次の質問は、オンラインの活用に関する取組についてです。 今回のコロナ禍において、3密を避けるスタイルが定着し、時間や距離等の制約を克服するオンラインの活用が様々な場面で見られるようになり、リモート会議やテレワークの普及をはじめ、ライフスタイルの変化や地方の魅力が高まるなどの影響が生まれました。オンラインの活用は、生産性の向上にもつながるもので、観光分野においても積極的にその手法を取り入れていくべきだと思います。 そこで、初めに、今年度のオンラインツアーコンテンツ造成事業の概要等について伺います。 ◎特定政策推進監(渡邉一弘君) オンラインツアーコンテンツ造成事業につきましては、首都圏など市外の方を対象に、インターネットを活用し、相互交流しながら、本市の観光名所を巡る疑似旅行や、地場産品の調理体験などを提供するとともに、そのツアー内容をダイジェスト化した動画を発信することで、本市に興味関心を持っていただき、コロナ収束後の旅行先として、本市を選択していただこうとするものであります。 本事業の実施に当たっては、市内の映像制作、観光、物産等事業者が、各業種の強みを生かせるような形で連携することとしており、自主的・持続的にオンラインツアーの企画を立案し、実施できる運営体制の構築にもつなげてまいりたいと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、今年度のいわきの逸品オンライン販売促進事業の概要等について伺います。 ◎特定政策推進監(渡邉一弘君) いわきの逸品オンライン販売促進事業は、コロナ禍において厳しい状況に置かれている事業者の売上げに寄与することを目的として、インターネットを活用した物産品の販売を行うものであります。 具体的には、いわき観光まちづくりビューローが運営するECサイトいわきの逸品において、年4回、旬の特産品を組み合わせたギフト商品を送料無料とし、現地価格と同等で販売することにより、本市の物産品を広く市内外の消費者にPRし、販路確保を図るとともに、顧客情報の獲得や需要の把握により、商品造成などにもつなげてまいりたいと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 今後の観光について先行きが不透明な中ではありますが、現時点の取組の方向性等についての考え方をお聞きすることができました。 観光は裾野が広く、多くの雇用を支え、人の心を豊かにする重要な産業分野です。しかし、コロナ禍という経験のない危機に見舞われ、さらに、今後は原発事故の処理水に係る風評も想定されますので、コロナ禍以前と同じような取組を漫然と行うだけでは不十分です。改めて申し上げますが、新たなニーズに対応できる魅力的な観光コンテンツの造成とその効果的なプロモーション、そして、これらを効率的に進めるためのオンライン活用などのデジタル化推進が、ウィズコロナ・アフターコロナにおける大きな戦略の柱になると思います。こうした取組をしっかりと展開するためにも、観光まちづくりビューローをはじめ、国や県、経済団体や地域の皆様としっかり手を携え、地域の総力を挙げて取り組んでもらうことを期待して、次の質問に移ります。 大きな質問の3は、常磐地区の諸課題についてです。 初めに、雨水対策について伺います。 これまで、市では市民の生命や財産を守るため、雨水対策を行ってきました。令和元年東日本台風及びその後の令和元年10月25日の大雨においては、市内各地で浸水被害が発生しました。中でも、常磐地区においても各地で浸水被害が発生しましたが、特に浸水被害が大きかった地区について、市ではどのように認識しているのか伺います。 ◎生活環境部長(渡邊伸一郎君) 令和元年10月25日の大雨により、常磐地区内で特に浸水被害が大きかった地区といたしましては、常磐湯本町の三函地区・向田地区・天神地区や、常磐関船町の迎地区・堀田地区などであり、それぞれの地区で、床上や床下浸水といった家屋の浸水被害や、道路冠水が発生いたしました。 ◆37番(佐藤和美君) ただいま答弁いただいたとおり、常磐地区においても各地で浸水被害が発生いたしました。中でも浸水被害が大きかったのは常磐湯本町三函地区や向田地区などで、これまで下水道による雨水対策はどのように取り組んできたのか伺います。 ◎生活環境部長(渡邊伸一郎君) これまでの雨水対策の取組といたしましては、市街地に降った雨水を速やかに排除するため、国の基準に基づき、本市においては、1時間当たり約47ミリメートルの降水量に対応できる施設の整備を進めてきたところであり、当該地区におきましては、八仙ポンプ場や雨水幹線の整備を実施してきたところであります。 また、大雨による浸水のおそれがある区域や、大雨への備えを明示した内水ハザードマップを市公式ホームページで公開するとともに、常磐地区内の各家庭への配布を行い、浸水リスクを事前に周知するなど、自助・共助による地域防災力の向上にも努めてきたところであります。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、これまでの雨水ポンプ場や雨水幹線などの一定の整備が図られてきたものの浸水被害が発生しましたが、その要因について伺います。 ◎生活環境部長(渡邊伸一郎君) 浸水被害の要因につきましては、常磐地区内において、1時間当たり約57ミリメートルの降雨量を記録し、下水道施設の整備水準を超える降雨であったことから、浸水被害が発生したものと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 東日本台風等や局所的な大雨いわゆるゲリラ豪雨のように、雨の降り方が激甚化しています。そこで、激甚化する雨に対応するため、八仙ポンプ場の増強等、これまでの整備に加え、さらなる対策が必要と考えますが、世界的な気候変動を踏まえた雨水対策に対して、今後どのように下水道事業として取り組むのか伺います。 ◎生活環境部長(渡邊伸一郎君) 今後の雨水対策につきましては、昨今の降雨量の増加や、頻発する短時間豪雨に伴い、現在、国において下水道施設の整備水準の設定手法等について見直しを進めているところであります。 市といたしましては、国の検討結果を踏まえ、整備水準の見直しや、それに伴う施設整備計画等の検討を進めていく考えであり、常磐地区につきましても、これまでの浸水被害状況等を考慮し、気候変動を踏まえた雨水対策について施設の増強等の検討を行うとともに、ハザードマップを活用したソフト的な対応も含めて検討してまいりたいと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 雨水対策は、市民の安心・安全な生活に欠かせないものでありますことから、下水道事業として八仙ポンプ場の排水能力増強などに取り組んでいただくとともに、各地区の浸水被害に対しましては、引き続き関連する部局で連携して進めていただくことを強く要望いたしまして、次の質問とさせていただきます。 次の質問は、湯本駅歩道橋についてです。 湯本駅歩道橋は、昭和49年に架設されたJR常磐線湯本駅前と常磐湯本町浅貝地区を結ぶ立体橋であり、朝晩は湯本駅や路線バスの公共交通を利用する通勤・通学者が通行し、また、日中は主に湯本駅前や浅貝地区で買い物する主婦や高齢者などが利用するなど、地区にとって日々の生活に欠かせない重要な橋梁でありますが、市民からは、夜間通行した際に足元が暗く、路面が滑り歩きにくいといった声や、老朽化を懸念する声が寄せられております。 そこで、まず、湯本駅歩道橋の現状について伺います。 ◎土木部長(根本英典君) 湯本駅歩道橋は、ただいま議員から御案内ありましたように、昭和49年に建設された歩道橋であり、これまでに、塗装の塗り替えや橋面舗装の補修などを行ってきたところでございますが、平成30年度に実施した点検では、建設より44年が経過する中で生じた、上部工における部材の腐食や橋脚部のコンクリートのひび割れなどが確認されており、市道における橋梁やトンネルなどの重要な構造物の延命を図ることなどを目的に、本年3月に策定した市道路構造物長寿命化修繕計画におきましては、早期に措置を講じる必要がある橋梁として位置づけたところでございます。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、いわき市道路構造物長寿命化修繕計画における湯本駅歩道橋の橋梁長寿命化についての取組について伺います。 ◎土木部長(根本英典君) 湯本駅歩道橋は、多くの方々の移動や物流を担うJR常磐線や県道いわき上三坂小野線をまたぐ重要度が高い歩道橋であるため、当該長寿命化修繕計画に基づき、主部材の補修や塗装などを行うこととしており、令和4年度からの事業着手を目指し、現在、県をはじめとする関係機関との協議を進めているところでございます。 ◆37番(佐藤和美君) 湯本駅歩道橋を夜間通行した際に、足元が暗く、路面が滑り歩きにくいという声が多く寄せられており、歩行者に対する安全対策について伺います。 ◎土木部長(根本英典君) 湯本駅歩道橋は、利用される多くの方々の安全性に配慮し、これまで橋面舗装の補修や照明灯の増設などを行ってきたところでございますが、議員御指摘のとおり、一部の箇所におきまして、舗装面が滑りやすく、照明が薄暗い状況にあります。 このため、照明につきましては、照度の適正化を図るため、今年度、LED照明に更新する予定であり、また、橋面舗装の改善や階段部の手すりの増設など、安全対策につきましては、手戻りが生じないよう本歩道橋の修繕工事に併せて行うこととしております。 今後におきましても、構造物の健全性を診断するために5年に一度行う定期点検や、使用に際しての不具合をふだんから確認する日常点検により、状態の把握に努め、本歩道橋を利用される方々の安全性を確保してまいりたいと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 湯本駅歩道橋に関連して、今、幾つか質問いたしました。湯本駅歩道橋は、地区にとって日々の生活に欠かせない歩道橋であり、市民が安全・安心に通行するためには現状の把握は大変重要でありますので、引き続き日常的な点検に努めていただくことを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。 次の質問は、市街地再生整備について伺います。 常磐地区では、フラシティいわきを象徴する本市観光の拠点地域でありますが、東日本大震災以降、観光客が減少し、空き地や空き店舗が目立つような状況となり、さらに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、経済活動が抑制され、地元の経済は大きく停滞しております。しかし、市街地の空洞化を改善し、まちに多くの人々が集まり、にぎわいと活気にあふれるまちづくりを進めていくことが、まさに今、必要とされております。 このような中、市では今後の急速な人口減少や超高齢社会を見据え、新たな都市づくりの方針として令和元年10月に、第二次いわき市都市計画マスタープランを策定するとともに、ネットワーク型コンパクトシティの形成を推進するため、立地適正化計画を策定し平地区や常磐地区など、市内8地区を主要な拠点に位置づけ、人口減少の中においても人口密度を維持する居住誘導区域と、医療、福祉、子育て支援、商業等の都市機能を誘導する都市機能誘導区域を設置することで、持続可能な都市運営や市街地の再生を図ることとしております。 そこで、市は常磐地区における市街地の現状をどのように捉えているのか伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) お答えいたします。常磐地区につきましては、石炭・化石館ほるるや21世紀の森公園のほか、大型観光施設やスポーツ振興の拠点などが立地し、豊富な観光資源を有しておりますが、一方、湯本駅周辺の市街地においては、東日本大震災以降、低未利用地や空き店舗が目立ち、一部で飲食店や物販店等の新規立地が見られるものの、空洞化が進行し、魅力や活力が低下しており、いわき湯本温泉の観光入り込み客数も震災前の状況に至っておらず、今般の新型コロナウイルス感染症拡大の影響も含め、温泉観光地として極めて厳しい状況にあります。 さらに、狭隘な道路に設置されている電柱類などの影響により、歩行者空間が十分に確保されていないこと、また、公共施設の多くが耐用年数を超え、老朽化が進んでいることなど、安全・安心の確保に向けた課題も指摘されているところであります。 このような状況や、今後の急速な人口減少、超高齢社会の到来なども踏まえ、市街地の再生が急務な地区と認識しております。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、これまでの取組について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) 常磐地区の市街地再生に向けましては、令和元年7月に、庁内の検討組織となる市街地再生整備検討委員会を設置し、協議・調整を進め、さらに、昨年8月からは、地元関係団体の皆様と県市の関係部局により構成する、常磐地区まちづくり検討会を開催し、地区の現状や課題を共有するとともに、必要となる施策についての意見交換を重ね、今後のまちづくりの計画素案を作成してまいりました。 計画素案作成後は、地区の住民の皆様をはじめ、子育て世代の方々や高校生などを対象としたアンケート調査により、広く意見をお聞きし、計画素案に反映させるとともに、民間活力導入の可能性について、企業へのアンケート調査も実施してきたところであり、これらの取組の成果として、このたび、常磐地区における目指すべき市街地再生の目標とその具現化に向けた施策の方向性を示す市街地再生整備基本方針を策定し、公表したものであります。 ◆37番(佐藤和美君) それでは、地元の関係団体と行政によるまちづくり検討会において、多くの議論が交わされたと思いますが、次に、まちづくり検討会における住民意見について伺います。 ◎都市建設部長(永井吉明君) まちづくり検討会におきましては、地区の課題や優先的に取り組むべき施策の抽出に向け、地区のまちづくり団体など、住民の皆様との意見交換を進めてまいりましたが、その中では、御幸山の散策路活用に向けた修景整備や、既存資源を活用した取組として、豊富な温泉を活用し、温泉街の情緒を演出すること、また、駅前周辺への公共施設の集約や、若者や子育て世代が集まれるような空間づくりなど、今後の取組の参考とすべき貴重な御意見とともに、早期事業化を望む声を強くいただいております。 ◆37番(佐藤和美君) それらの住民意見も踏まえながら、このたび市街地再生整備基本方針が策定されたわけですが、私といたしましても、市街地の空洞化や公共施設の老朽化など、多くの課題を有している湯本駅前や温泉街の再生に向けて、いよいよ具体的に進んでいくものと大変期待しております。 そこで、公表された基本方針の内容について伺います。
    都市建設部長(永井吉明君) 市街地再生整備基本方針におきましては、基本目標を駅周辺の再編と交流空間の創出による市街地の再生とし、常磐地区の有する温泉とフラといった特色ある資源を生かしながら、にぎわいと交流の源泉となるような交流空間を形成することにより市街地の再生を目指すこととしております。 また、施策の方向性を示す市街地再生の方針につきましては、多世代が集う交流拠点の整備、温泉とフラのまちの玄関口としての景観整備、商店街のにぎわい再生や温泉街の滞留拠点の形成、さらには、歩きたくなる沿道景観・道路空間の整備の5つを掲げ、目標の実現に向けて、その取組を推進することとしております。 ◆37番(佐藤和美君) この項目の最後の質問は、今後の進め方についてです。 つい先日ですが、常磐地区における数多くの地元団体の皆様方が連名により市に対し、湯本駅前周辺の市街地再生に関する要望書を提出いたしました。 それを受けて、市は今後どのように進めていくのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) じょうばん街工房21をはじめとした常磐地区の多くの団体の方々からいただきました御要望につきましては、天王崎団地の解体を契機に、湯本駅周辺ににぎわいを取り戻し、地域が抱える様々な課題を解決する公民連携事業を推進していきたいとするものであり、常磐地区の市街地の再生に向けて、大変重要なものと受け止めております。 今後につきましては、まちづくり検討会の中にまちづくりの担い手である地区の若手の皆様と県市の関係部局からなるワーキング会議を設置し、各方針の具現化に向けた土地利用や、まちのデザインコンセプト、さらには、にぎわいのある商店街の形成に向けた仕組みなどについても検討を進め、市街地再生へ向けた具体的な事業の枠組みを定める基本計画を策定し、早期の事業化に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 常磐地区における市街地再生整備に関して質問いたしました。今回、市街地再生整備基本方針が策定され、天王崎団地の跡地を含めて、湯本駅周辺がどういう方向で再生されていくのかといった将来ビジョンが示されたことは、大変意義があるものと感じております。 今後は、具体化に向けた検討を進めて、基本計画を策定するとのことですが、その実現に向けては、地権者や民間事業者の協力、財源の確保など、多くの課題があります。さらに、公共施設の集約・再編については、市の関係部局が横断的に連携して進めていく必要があり、これらを調整しながらつくり上げていくには相当の時間を要するものと思いますが、地域の皆様方とより一層の連携を図っていただくとともに、早期の具現化を果たすべく、各施設管理者も含め、庁内一丸となって検討を進めていただくことを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。 大きな質問の4は、多核種除去設備等処理水の処分に係る政府方針の決定について伺います。 初めに、福島第一原発で貯蔵され続けている多核種除去設備等処理水、いわゆるALPS処理水などの取扱いについて質問します。 福島第一原発で発生している汚染水については、ALPSなどでトリチウム以外の放射性物質の大部分を除去し、福島第一原発の敷地内にタンク貯蔵されていますが、福島第一原発の敷地が逼迫しており、最新の報道によると、2023年の春には限界を迎えると試算されています。一方、処理水を大気や海洋などの環境へ放出する処分方法については、仮に科学的に安全であったとしても、関係事業者等が風評の影響を被る可能性があることから、数年間にわたり国において議論されてきましたが、本年4月、約2年後をめどに福島県から海洋へ放出するという政府の基本方針が決定されました。 そこで、初めに、今般の基本方針が決定されるまでに、国に対して市がどのような取組をしてきたのか伺います。 ◎危機管理部長(緑川伸幸君) おただしのALPS処理水の取扱いにつきましては、科学的に安全であることを大前提として、廃炉作業を含め、被災地の復興との両立の下、着実に推進されることが重要であると考えております。 このことから、市といたしましては、昨年の市議会6月定例会において可決されました意見書や採択された請願を踏まえつつ、市長から国に対し、国が被災地の復興の現状を正確に把握し、将来に禍根を残さないためにも、あらゆる可能性を検討することや、広く国民に向け情報発信を行った上で、風評対策の拡充・強化を併せて示すことにより、関係者及び国民の理解と合意を広げること、さらに、それまでは陸上保管を継続すること等について、本年2月に開催された原子力災害からの福島復興再生協議会など、様々な機会を通して、強く求めてきたところであります。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、国が決定した基本方針の具体的な内容について伺っていきたいと思います。国は、なぜ海洋放出という処分方法を選択したのか、その理由について伺います。 ◎危機管理部長(緑川伸幸君) 国が決定した基本方針によりますと、福島第一原発敷地内におけるタンク増設の余地が限定的であること、直ちに実用化できる段階にあるトリチウムの分離技術が確認されていないこと、さらには水蒸気放出等に比べて海洋放出のほうが技術的実績があり、モニタリング等を確実に実施することができ、国際原子力機関IAEAも、海洋放出方針が技術的に実行可能であると評価していることが理由として挙げられております。 ◆37番(佐藤和美君) 仮に福島県からALPS処理水が海洋へ放出された場合、本市を含めた周辺住民は、放射線によりどのくらいの影響を受けるとされているのか伺います。 ◎危機管理部長(緑川伸幸君) 同じく国の基本方針によりますと、トリチウム以外の放射性核種の濃度を、法令で定める基準値以下までALPSで浄化し、さらに、トリチウムの濃度を法令で定める基準値の40分の1以下になるまで希釈して海洋へ放出することを想定しております。 これによる近隣住民への追加的な放射線による影響は、トリチウム以外の放射性核種も含めて、日本人が1年間に自然界から受ける放射線による影響の10万分の1未満であると、評価されております。 ◆37番(佐藤和美君) それでは、こうした国の基本方針の決定について、市はどのように受け止めているのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) ALPS処理水が環境へ放出される場合には、市内の様々な産業に対して大きな影響を及ぼし、とりわけ、海洋放出の場合には、本市水産業への打撃は計り知れないことから、私はこれまで、経済産業副大臣を議長とする会議の場など、様々な機会を通しまして、安全性に係る科学的な根拠を明らかにするとともに、関係者や国民の理解を得た上で、具体的な風評対策を示し、方針を決定するよう、繰り返し、求めてまいりました。 こうした本市の再三の要望にもかかわらず、いまだ十分な理解が得られたとは言えない状況の中、国が海洋放出を決定したことは誠に遺憾であり、現時点で承服できるものではありません。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、今回の政府方針決定により、特に影響を受けるおそれがある本市の水産業の現状について伺っていきたいと思います。 初めに、震災以降、漁業者は風評の影響を受けてきました。その中でも、特に影響が大きかった本市沿岸漁業の現状について伺います。 ◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 本市沿岸漁業については、平成23年3月の操業自粛の後、平成25年10月に試験操業が開始され、漁業関係者は、出荷前のスクリーニング検査や安全性に関する情報発信などを行いながら、安全な本市産水産物の提供に継続的に取り組んできたところであります。 沿岸漁業の水揚げ量は、年々増加しておりますが、令和2年は、979トン、震災前の18.6%にとどまっており、今後のさらなる水揚げ量の増大を目指し、本年4月には、本格操業に向けた通常操業に移行したところであります。 ◆37番(佐藤和美君) 本市沿岸漁業の今後の水揚げ量の拡大が期待される中、今回の政府方針決定を本市水産業関係者はどのように受け止めているのか伺います。 ◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 今回の政府方針決定は、関係者や国民の理解が得られていないばかりか、通常操業に移行した直後に、唐突に示されたものであり、本市水産業関係者からは、到底受け入れられない、海洋放出となれば大きな打撃となる、新たな風評の発生が懸念されるとの声が上がるとともに、どんなことがあっても漁業を継続していくことが、県内漁業者の統一した意思であるとの強固なメッセージが発せられているところであります。 ◆37番(佐藤和美君) 今回、政府方針決定が示されたことで、震災以降、風評に苦しみながらも事業を継続してきた本市水産関係者にとっては、新たな風評が懸念されます。ようやく通常操業に移行した本市水産業に大きな影響を与えるおそれがありますが、このような状況を踏まえ、市として今後どのような取組を行っていくのか伺います。 ◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 市では、これまで、水産業の復興に向けて、小名浜魚市場の整備支援をはじめ、水揚げ量や流通機能の回復、放射性物質に係る検査体制の充実、安全性の発信、地域ブランド常磐ものの立ち上げなどに、関係者の皆様と連携しながら取り組んできたところであります。 今後においては、通常操業への移行により、水揚げ量の増大が期待されることから、引き続き、漁業者に寄り添い、安全性の発信はもとより、常磐もののおいしさや品質のよさなどの魅力発信、市魚食の推進に関する条例に基づく魚食の普及、後継者の確保・育成に取り組むなど、本市水産業が、復興を成し遂げ、将来にわたり持続可能な産業として発展していくための施策を関係者の皆様と連携し、展開してまいりたいと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 最後に、海洋放出による風評が最も懸念される水産業の復興を踏まえ、本市として今後どのように対応していくのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) ALPS処理水の海洋放出に係る科学的安全性や、具体的な風評対策がいまだ提示されておらず、また、方針決定に伴い、既に風評が上乗せされていると感じるところもございますことから、改めて、国及び東京電力が責任を持って、理解を得ることに全力を尽くし、市民の皆様がこれ以上風評に苦しむことがないよう、私が先頭に立ち、様々な機会を捉えて、強く求めてまいりたいと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 今後も、国や東京電力に対し、市として適切な対応を取られるよう強く要望いたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(大峯英之君) ここで、午後1時10分まで休憩いたします。          午後0時11分 休憩---------------------------------------          午後1時10分 再開 △鈴木演君質問 ○議長(大峯英之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。21番鈴木演君。          〔21番鈴木 演君第二演壇に登壇〕 ◆21番(鈴木演君) (拍手)21番いわき市議会自由民主党一誠会の鈴木演です。以下、通告順に従い、一般質問をいたします。 大きな質問の1つ目は、清水市政2期8年の成果と今後の取組についてであります。 清水市長の今任期も残すところ残り3か月余りとなり、今定例会が任期中、最後の定例会となります。 清水市長におかれましては、震災の傷痕がまだまだ癒えない、平成25年9月に市長に就任以来、いわき市の真の復興、そして、明るく元気ないわき市の創生を目指し、昼夜を分かたず粉骨砕身、市民のために奔走してこられました。 その間、東日本大震災からの復興施策はもちろん、市長が掲げる医・職・住の課題への対応、子育て・教育先進都市の具現化など、市の喫緊の課題や自身の打ち出した様々な政策の実現を目指してこられましたが、この間には、令和元年東日本台風災害、そして今般の新型コロナウイルス感染症禍などもあり、それらの危機事象を乗り越えようと、力強く市政のかじ取りをする清水敏男市長は、まさに、有事が出番である市長と、私は認識をしております。 特に、令和元年東日本台風発災時には、被災地で様々な課題が浮き彫りになりましたが、特に被害の多かった赤井地区、平窪地区に現地対策事務所を置くなどして、被災者へでき得る限りの支援を実施してこられました。しかし、これらの災害対応においては、課題や不満も多く出たのも事実でした。 私自身も東日本大震災では、津波被災を経験したものですから、災害等の発災時はどうしても、市のトップリーダーである市長が不満の標的になることが多いとも感じておりましたが、市長は、東日本台風での災害対応を教訓として、本年4月には、危機管理部を新設し、さらには、消防職員の定数増を実現させるなど、防災・減災政策を充実させ、新型コロナウイルス感染症対策にも多くの施策を打ち出すなど、まさに柔軟な対応ができるトップリーダーであると大変に心強く思っている市民も多いのではないでしょうか。 これらは、市議会議員2期、県議会議員4期、自民党県連総務会長などを歴任し、30年近く政治家として、市民に寄り添い、地域の声に耳を傾け、活動をしてきた経験のたまものだとも思います。様々な苦難を乗り越えながら市政運営をされてこられた清水市長でありますが、3月には、我々も同席しましたが、来る9月の市長選挙に三たび立候補をすることを表明されました。その市長の決断に、我々自由民主党一誠会一同は、大変に力強く感じているところであり、今後ともでき得る限り協力して、いわき市の真の復興、そして明るく元気ないわき市の実現に向けて力を注いでまいる所存でございます。 それでは、以下伺ってまいります。 まず初めに、清水市政2期8年の取組の成果について伺います。 ◎市長(清水敏男君) 私は、生まれ育ったふるさとをよくしたいとの強い思いの下、市長に就任して以来、本市の力強い復興と創生を1日も早く成し遂げられるよう全身全霊を傾けて市政運営に邁進してまいりました。 そのような中、1期目の成果といたしましては、被災した市民の皆様の生活再建を着実に進展させるとともに喫緊の課題といたしました、医・職・住につきましても、一定の成果は上げつつ、道筋を示すことができたものと認識しております。その上で2期目に挑戦するに当たりましては、復興から創生への道筋をつけるということを私の使命とし、輝く人・魅力あるまち・豊かな仕事の実現目指し、重点的に取り組む5つのプロジェクトを掲げたところであります。 これまでの取組の主な成果をプロジェクトごとに申し上げますと、まず、震災からの復興・創生につきましては、1期目で進めておりました、津波被災地における基盤整備を完了させるとともに、その効果をさらに高めるため宅地利活用の促進を図る制度として、空き地バンクを創設したほか、かねてからの課題であった側溝堆積物の撤去を完了するとともに、震災伝承みらい館のオープンや復興サイクリングロードいわき七浜海道の開通などを実現してまいりました。 次に、医・職・住の進化のうち、医につきましては、医療センターの開院や、休日夜間急病診療所の移転整備、寄附口座開設による医師の招聘などを実現したほか、職につきましては、地域経済に波及効果をもたらす企業の誘致や、イオンモールいわき小名浜の開業等により新たな雇用を創出し、産業の再生を図ってまいりました。また、住につきましては、地区計画制度を活用し、市街化調整区域での宅地供給を実現したほか、高齢者の運転免許証の自主返納を促進する取組や、いわき南清苑、及び南白土墓園の合葬墓地の供用開始など、市民の皆様にお約束した個別の取組を確実に着実に進めたところであります。 次に、子育て教育先進都市の実現につきましては、放課後児童クラブの拡充や、奨学金返還支援事業の実施のほか、小・中学校へのエアコン等の整備を通じ、子育て・教育環境の充実を図ってまいりました。 次に、所得の増大につきましては、本社機能の誘致を促す独自の優遇措置を創設することにより、東北一の移転件数を積み上げるとともに東京大学先端科学技術研究センターと連携した風力関連産業の振興や、燃料電池自動車の率先導入などを通じ、次世代エネルギー社会を構築するための取組を推進してまいりました。 次に、共創のまちづくりにつきましては、住民ボランティア輸送に関するパートナーシップ協定の締結や、廃校を活用した民間企業との連携の取組を推進してまいりました。 加えて、台風や地震など頻発する自然災害や今般の新型コロナウイルス感染症など危機事象への対応につきましても市民の皆様の暮らしの安全・安心を確保することを最優先として、市独自の取組をちゅうちょすることなく実行してきたところであります。 このように市長就任以来2期8年を通して、様々な取組に全精力を傾けてまいりました。引き続き、津波被災地のコミュニティーの再生や、原発事故に伴う風評被害への適切な対応、危機事象への対応など、取り組むべき課題は残されてはおりますが、これまでの取組により、このふるさといわきを持続可能なまちとすべく市民の皆様とともに確かな歩みを一歩一歩着実に進めることができたものと捉えております。 ◆21番(鈴木演君) ただいまの答弁にも様々出てまいりましたが、特に企業誘致に関しては、四倉中核工業団地の第二期工事を推進されるなど、積極的に進めてこられました。 工場の新設は、平成26年以降979件、増設は584件あり、令和2年度までの新規の雇用者数は1,563名以上で、さらには今ほど市長の答弁にもありましたが、本社機能移転は10件と東北で1番の実績となり、市長自ら行ったトップセールスが実を結んだ結果であり、それらの取組を大きく評価をいたしたいと思います。 次に、本市の課題解決に向けた基本的な考え方について伺います。 まず、清水市長が今般3期目を目指すに当たって打ち出した5つのプロジェクトについて伺います。 ◎市長(清水敏男君) 私は3期目を目指すに当たり、これまでの任期中の経験から課題認識が深まった事項や多様な市民の皆様や事業者の皆様から拝聴した御意見等から着想した事項、さらには国等が描く未来像などを総合的に勘案し、今後のふるさといわきのまちづくりにとって、最も必要だと思慮される事柄をその柱とした重点的に取り組む5つのプロジェクトを掲げました。 具体的に申し上げますと、まず、日本一の復興・防災都市をつくるにつきましては、新たに設置した危機管理部を充実させ、国・県と連携し、防災・減災・克災に対応したまちをつくるほか、消防本部・消防団の充実・強化、自主防災会や民間団体との連携の強化に加え、ワクチン接種体制の確立など、新型コロナウイルス感染拡大防止と社会経済活動との両立を図ることを掲げております。 次に、持続可能なまちをつくるにつきましましては、支所・公民館の機能拡充やネットワーク型コンパクトシティの具現化、中山間地域の活性化、環境に優しい脱炭素社会をつくることを掲げております。 次に、市民満足度の高いまちをつくるにつきましては、医・職・住の課題のさらなる進化や、市民、企業、団体の皆様の所得の増大、健康長寿100年構想の具現化、デジタル技術を活用した利便性の高い超スマート社会の創造を掲げております。 次に、時代を担う人財が育つまちをつくるにつきましては、子育て支援の拡充、教育先進都市の具現化や女性が生き生きと活躍できるまちの創造、若者が定着する環境の整備、農林水産業の担い手を育成し、活力ある産業とすることを掲げております。 次に、みんなが誇れるまちをつくるにつきましては、歴史と文化の香り漂うまちやスポーツでつながるまちの具現化や、フラシティいわきの推進のほか、観光客や、交流人口を増やすとともに、移住・定住者の増加を掲げております。 私は、これら5つのプロジェクトについて、市民、企業、団体の皆様のお力添えをいただきながら重点的に取り組むことにより、様々な危機を乗り越え、現下の困難な時代にも柔軟に対応していくことができる持続可能なふるさといわきを実現してまいりたいと考えております。 ◆21番(鈴木演君) 次に、同じように打ち出された、5つのプロミスについて伺います。 ◎市長(清水敏男君) 先ほど御答弁申し上げました5つのプロジェクトを踏まえながら、私が3期目の市政運営において取り組むことをお約束する事項を、5つのプロミスとして掲げております。それらを具体的に申し上げますと、まず1つとして、市民サービス向上を図るため、平支所や各公民館の利活用を可能性について市内文献も含めて検討を深めてまいります。 2つといたしまして、歴史と文化の香りが漂うまちの実現を図るため、磐城平城本丸跡地を史跡公園とすることを目指すとともにデジタル博物館やデジタル図書館を整備してまいります。 3つといたしまして、次世代エネルギー先進都市を目指し、再生可能エネルギーや水素バッテリーに関する取組を推進してまいります。 4つといたしまして、国・県と連携しながら、再生可能エネルギー100%工業団地の整備や小名浜港カーボンニュートラルポートとする取組を進めてまいります。 5つとしまして、スポーツでつながるまちを実現するため、いわきFCのJリーグ入りを応援するとともに、市内体育施設を充実していく観点から、いわきグリーンフィールドの改修を検討いたします。 これらの取組やさらには先ほど申し上げました5つのプロジェクトを着実に推進することにより、誰もが住んでよかった、住み続けたいと思える魅力あふれるいわきの創生に引き続き取り組むことがこの極めて重要な時期に市政運営のかじ取りを担ってまいった私の使命・責任であるとの考えに至り、このたび3期目に挑戦することを決断したところであります。 市民の皆様、そして企業、学校、団体等の皆様、様々な主体の力を結集し、私が先頭に立って持てる力の全てを振り絞りながらまさに共創により、明るく元気ないわき市の創造を成し遂げてまいる所存でありますので、御理解を賜りたいと考えております。 ◆21番(鈴木演君) 市長からの力強く熱いメッセージ、受け止めさせていただきました。 冒頭でも少し触れましたが、この8年間は、震災からの復興に加え、台風に伴う風水害や新型コロナウイルス感染症の拡大など、まさに想定を超えるような様々な危機事象が次々と襲いかかってまいりましたが、市長は、そのたびに冷静かつ適切な判断で、この難局を乗り越えてこられました。それらは、もちろん市長だけの力ではありません。様々な団体、企業、行政そして多くの市民の皆様の力と英知を結集し、まさに共創により危機を乗り越え、新たな時代への歩みを一歩一歩着実に進めてきた8年間であったものと捉えております。 市長からの答弁にもありましたように、まだまだ課題は多く残されております。引き続き、先ほども答弁にありました災害への対応にも柔軟に対応していく観点から、例えば、防災機能の在り方を検討していく中で、私ども会派の小菅議員が令和2年12月定例会で取り上げた、平支所設置の議論についても、地域の皆様や専門家の皆様にも御意見を伺いながら、さらなる体制の充実・強化を図っていくための具体的な手法として、検討を進めていく必要があると考えております。 ただいま答弁いただいた、5つのプロジェクト、プロミスを市民の皆様との共創により、必ず実現をし、いわき新時代をしっかりとつくり上げていくためにも、市政の継続、そしてますますの市長の御活躍に期待をいたしまして、次の質問に移ります。 大きな質問の2つ目は、脱炭素社会の実現に向けた本市の取組についてであります。 令和2年10月26日、第203回臨時国会にて、菅内閣総理大臣は所信表明の中で、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会を実現すると宣言されました。 我が国は現在、年間12億トンを超える温室効果ガスを排出しており、2050年までにこれをゼロにする必要があるとし、グリーン戦略に基づき、経済と環境の好循環をつくっていく産業政策を進めようとしております。 清水市長は、本年の年頭所感をはじめ、様々な場面において、次世代エネルギー先進都市を目指すと発言し、本市におきましても、エネルギーを創る・貯める・利用するの観点から、太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーにより、電気を創り、バッテリーや水素などの貯める技術を用い、燃料電池自動車により、利用することなどにより、環境に優しい取組が進められております。 令和2年2月定例会において、私どもの会派の赤津一夫議員の代表質問に始まり、蛭田克前議員、田頭議員がこれらの取組に対して、様々な角度から質問をさせていただきました。 それから、1年以上が経過し、本市において新たな環境基本計画が策定されるなど、取り巻く状況が大きく変化をしておりますことから、以下質問をしてまいります。 まず、初めに、いわき市環境基本計画(第三次)についてであります。 令和2年2月の赤津一夫議員の代表質問の答弁にて、市は、新たな環境基本計画については、国が策定した、第5次環境基本計画で示されたエネルギーや、気候変動などの地球環境と密接に関わる課題対応への国際目標が示されているSDGsの考え方の活用や、地域特性を生かした自立・分散型の社会構築、地域循環共生圏の考え方などは、本市における次世代エネルギー利用促進や、省エネルギー推進、循環型社会の構築などの課題解決に向けて重要であり、市次期計画は、国の計画を踏まえるとともに、県計画や他の自治体の取組状況を踏まえ、次期市総合計画との整合性を図りながら策定に取り組んでいくとされておりましたが、そこでまず、1点目として、今計画の概要について伺います。 ◎生活環境部長(渡邊伸一郎君) 市環境基本計画(第三次)につきましては、本市が目指していく環境都市像である、人と自然が共生するまち循環都市いわきの実現に向け、市環境基本条例に基づき、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、令和3年度から令和12年度までの10年間を計画期間として本年3月に策定したものであります。 本計画は前の計画である市環境基本計画(第二次)一部改訂版策定後の環境を取り巻く状況や、国・県における環境施策の方向性、他市の取組状況等を踏まえるとともに、市以和貴まちづくり基本条例における様々な主体がともに地域の課題解決に取り組むという共創の理念を基本に、今般策定された、まちづくりの経営指針とも整合を図りながら、環境政策を進めるものとしたところであります。 ◆21番(鈴木演君) 次に、2点目として、今回の策定ポイントについて伺います。 ◎生活環境部長(渡邊伸一郎君) 策定のポイントといたしましては、目指していく環境都市像を実現するため、環境施策に関わる社会動向や、国や県における環境施策の方向性などを踏まえた前計画から継続した低炭素、循環、共生の3つの環境分野に、新たに、令和元年東日本台風等を踏まえ、暮らしの安全・安心に資する観点から、安全・快適の環境分野を加え、基本目標を設定したところであります。 加えて、これらの4つの基本目標と相互に関連し合う5つ目の基本目標として、支える仕組みを新たに新設することで、総合的な施策を展開することとしたところであります。 ◆21番(鈴木演君) 3点目として、その中での主な取組について伺います。 ◎生活環境部長(渡邊伸一郎君) 主な内容といたしましては、低炭素に係る環境分野においては、地球温暖化対策としての再生可能エネルギーの利用促進や蓄電池・水素の利活用拡大、徹底した省エネルギーの推進などに取り組むこととしております。 循環に係る環境分野においては、リデュース・リユース・リサイクルの3Rの推進や、プラスチック排出の抑制対策、不法投棄の防止などに取り組むこととしております。 共生に係る環境分野においては、生物多様性などの観点から、希少動植物の保全、緑地の保全・緑化の推進、自然との触れ合いの機会創出などに取り組むこととしております。 安全・快適に係る環境分野においては、健全で恵み豊かな環境を確保・継承するため、大気・水等の保全、自然災害や放射性物質への対応に取り組むこととしております。 また、これら施策全般の下支えとなる支える仕組みの取組として、市民、事業者及び市などの各主体が、互いに連携しながら自主的かつ積極的に取り組むため、環境教育の推進や環境保全活動の促進、市の率先的な活動を実施することとしております。 ◆21番(鈴木演君) それでは、この項最後に、脱炭素社会の実現に向けた今後の取組について伺います。 ◎生活環境部長(渡邊伸一郎君) まずは、今般策定した市環境基本計画(第三次)に位置づけた各種施策を着実に推進してまいりたいと考えております。 加えて、国におきましては、昨年度から国・地方脱炭素実現会議を開催し、国と地方との協働・共創による、地域における2050年脱炭素社会の実現に向けて、特に地域の取組と密接に関わる暮らし、社会分野を中心に、国民・生活者目線での地域脱炭素ロードマップの策定や、それを実現するための地域との連携策を取りまとめたところであります。 市といたしましては、これらの動向を踏まえ、今後、具体的な施策を検討し、脱炭素社会の実現に向けて、取り組んでまいりたいと考えております。 ◆21番(鈴木演君) 答弁にもありましたとおりに、美しいいわき市、環境都市像の具現化に向けても新たに策定した、当計画に基づく各種施策を着実に推進していただけますよう、お願い申し上げます。 2つ目の質問は、小名浜港におけるカーボンニュートラルポートについてであります。 昨年より、国土交通省では、国際物流の結節点・産業拠点となる港湾において、水素、アンモニア等の次世代エネルギーの大量輸入や貯蔵、利活用等を図るとともに、脱炭素に配慮した港湾機能の高度化を通じて、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルポートの形成に取り組むこととしており、全国でのカーボンニュートラルポート形成を目指すための検討会を開催し、6地域が選定され、その1つが小名浜港とのことです。 小名浜港は、大型船による大量輸送で資源の輸入コストを下げる石炭を扱う国際バルク戦略港湾3港湾の1つとして、東港地区においては、総額1,000億円以上をかけて一連の整備がされてきました。 まだまだ多くのポテンシャルを秘めている小名浜港でありますが、そこで、これまで石炭を主に扱っております、小名浜港におけるカーボンニュートラルポート形成に係る、これまでの経緯について伺います。 ◎産業振興部長(小松尚人君) お答え申し上げます。議員の発言にもありましたとおり、国におきましては、脱炭素社会の実現に向け、水素やアンモニアなどの次世代エネルギーの大量輸送や貯蔵、利活用等が見込まれる状況を踏まえ、それらに配慮した港湾機能の高度化等を通じて、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を全体としてゼロにしていく港湾をカーボンニュートラルポートとし、港湾における脱炭素化の取組を推進することとしております。 こうした中、国際バルク戦略港湾である小名浜港においては、石炭や原油、重油等が主要な取扱貨物であること、これらを利用する発電所や素材系産業が港湾周辺に集積していること、さらには、多数の貨物運搬車両が往来していることなどから、カーボンニュートラルポートの形成を検討する全国6地域7港湾の1つとして国から選定されたものであります。 ◆21番(鈴木演君) それでは、次に、今後の取組について伺います。 ◎産業振興部長(小松尚人君) 小名浜港におけるカーボンニュートラルポートの形成に向けましては、昨年度、国・県・市が港湾関係事業者等に幅広く参画を募り、検討を重ねた結果、今後取り組むべき事項として、燃料アンモニアや液化水素の大型船による大量一括輸送の受入れ環境の整備、トラック等の港湾物流に係る脱炭素化などを挙げております。 国におきましては、市の意向も踏まえ、今年度も引き続き、検討を進めるとのことであり、市といたしましては、小名浜港における脱炭素化に向けた先駆的な実証事業などの取組が実行に移されるよう、国や県、港湾関係事業者等と緊密に連携を図りながら、その実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆21番(鈴木演君) 次に、エネルギーを創るの観点から、本市で進められている様々なエネルギーの導入状況などについて伺ってまいります。 県は、東日本大震災後、脱原発を打ち出し、福島県再生可能エネルギー推進ビジョンを策定、2040年までに県内エネルギーの100%を再生可能エネルギーで賄うことを明確に示しております。本市においても様々な再生可能エネルギーの利活用が進められております。 そこで、まず初めに、風力発電政策について伺います。 本市はこれまで、この風力発電については、どのような取組を行ってきたのか伺います。 ◎産業振興部長(小松尚人君) 本市における風力発電施設の導入につきましては、現在、7事業で約110基、出力合計で約36万キロワットの導入が計画されているところであり、市といたしましては、これまで、風力発電施設が環境に配慮され、適切に導入が図られるよう環境アセスメントにおける意見書の提出や住民の皆様の安全・安心を確保する観点から、事業者、地元自治会及び市の三者による風力発電施設の運用・管理等に関する三者協定の締結などに取り組んでまいりました。 また、風力発電施設の立地に当たり、建設工事やメンテナンスといった幅広い業種への経済波及効果が見込まれることから、本市の新たな基幹産業の1つとすべく、市内企業の参入促進及び競争力強化に不可欠である人材育成と技術高度化の2つの柱を施策の中心に据えた取組を官民一体となって展開しているところであります。 ◆21番(鈴木演君) 次に、今後の取組について伺います。 ◎産業振興部長(小松尚人君) 市内における風力発電施設の導入を拡大するためには、広く市民の皆様の地域理解の促進が重要であり、また、基幹産業として根づかせるためには、風力発電施設が生み出すメンテナンス需要等の経済波及効果を地域企業が確実に取り込めるよう人材育成や技術高度化に向けた取組を進めていくことが重要であると考えております。 今般、国の第1次洋上風力産業ビジョンや改定された福島新エネ社会構想において、風力発電産業化に関する取組が重要施策として明確に位置づけされたところであり、本市におきましても、昨年に引き続き、本年3月に採択を受けた国のエネルギー構造高度化・転換理解促進事業を活用しまして、市内企業の風力メンテナンス業務への参入促進が図られるような効果的な人材育成手法や参入手法について調査検討する事業を実施するなど、風力産業化に向けた取組を一層、加速化してまいりたいと考えております。 ◆21番(鈴木演君) 次に、バイオマス発電について伺います。 バイオマス発電とは、動植物などの生物から生み出された、エネルギー資源を燃焼したり、あるいはガス化してから燃焼したりして得られるエネルギーを利用する発電方法であり、本市においても、東日本大震災の影響を受けたいわき市の地域活性化の一助となることを目指すとするなどとし、複数の事業者が実現を目指しております。 そこで、本市で事業を展開している事業者の概要などについて伺います。 ◎産業振興部長(小松尚人君) 本市におきましては、現在、小名浜地区及び好間地区において、国内最大級のバイオマス発電所の立地が進められており、既に小名浜地区におきましては、エア・ウォーター&エネルギア・パワー小名浜株式会社が、木質ペレットとパーム椰子殻を燃料とする、定格出力7万5,000キロワットの発電所を建設し、本年4月6日より営業運転を開始しております。 また、好間地区におきましては、エイブルエナジー合同会社が、令和4年4月の稼働を目指し、木質ペレットを燃料とする定格出力11万2,000キロワットの発電所の整備を進めているところであります。 なお、両発電所における年間発電量は、合計で約12億7,000万キロワットアワーが見込まれておりまして、これは、一般家庭約38万世帯分の年間使用電力に相当する規模であることから、脱炭素社会の実現に向けた取組に大きく貢献するものと認識しております。 ◆21番(鈴木演君) バイオマス発電について、本市においては、持続可能な循環型社会を目指す観点から、下水汚泥等のエネルギーの利活用を実現しようとする事業も、PFI手法を用いた形で、中部浄化センターで実施されようとしております。 これらの事業が、さきにも述べました、福島県が目指す県内エネルギー需要量の100%相当量を再生可能エネルギーで生み出すに寄与することを大きく期待をいたしながら、次に移ります。 次に、エネルギーを貯めるの観点からバッテリーについて幾つかお伺いします。 バッテリーバレー構想についてであります。 本市は、石炭産業の斜陽化を乗り越えてきた歴史を有し、事故を起こした原子力発電の代替電源としてフル稼働する石炭火力とクリーンエネルギーの1つとなるIGCC、風力発電、バイオマス発電などの再生可能エネルギーや水素の利活用など、エネルギーの博物館といった状況にあります。 また、本市においては、地方創生の柱として、地域への愛着や誇りを醸成する教育による人材還流の仕組みづくりや、バッテリー利活用モデル都市に力点を置いた取組をされてきました。 平成27年からバッテリーバレー構想を軸とした、関連産業の集積で復興を目指す取組をされてきましたが、そこで、まず初めに、バッテリーバレー実現に向けては、これまでどのように取り組んできたのか伺います。 ◎産業振興部長(小松尚人君) 本市におきましては、バッテリー産業の集積とバッテリーの利活用の先進都市を目指すという構想の具現化に向け、官民が連携し、バッテリー製品の普及啓発やバッテリー関連産業に関わる人材の育成、市内企業への技術開発支援等に取り組んでおります。これらの取組を進めた結果、バッテリー製品の普及啓発を目的として実施しているいわきバッテリーバレーフェスタの来場者数は、平成30年度に1万人、令和元年度には、2万5,000人と増加傾向にありまして、広く市民の皆様にバッテリー製品を知っていただくことができているものと認識しております。 また、次世代エンジニアの育成を目的として実施しているいわきEVアカデミーでは、市内の高校生等を対象に、バッテリー機器に関する知識と技術の習得を目的とした講義及び分解組立型電気自動車キット教材PIUSを用いた実習を実施しており、これまで延べ78名の高校生等が参加し、受講者アンケートにおいても満足度が高い結果となっております。 さらには、市内事業者が取り組む新たな技術開発等を支援する中で、商品化に結びついた実績もあるなど、構想の実現に向け、鋭意取組を進めております。 ◆21番(鈴木演君) それでは、次に、バッテリーバレー構想の実現に向けて、今後の取組について伺います。 ◎産業振興部長(小松尚人君) バッテリーにつきましては、再生可能エネルギーの受給調整や、輸送用機械に不可欠となるキーデバイスでありまして、国が掲げる2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略や、新エネ社会構想においても、重要な分野に位置づけられておりますことから、本市といたしましては、引き続き市内企業への人材育成や技術開発支援等の取組に注力していくとともに、今後、風力発電の一大拠点が形成されることや、水素などの新たな分野との連携を見据え、大学や研究機関等も視野に、これまで以上に官民が連携し、バッテリー関連産業の集積につなげてまいりたいと考えております。 ◆21番(鈴木演君) 今ほどの答弁から、いわきバッテリーバレー構想の実現に向けて、市は様々な取組を行い、努力をしていることが分かりました。 私も、今回バッテリーバレーを質問に取り上げるに当たり、様々な角度から勉強をさせていただきましたが、本市の真の復興へ向けても大変に重要な事業だとも理解をしました。 これからも官民連携の下、バッテリーバレー構想実現に向けて努力していただくことを要望し、次に移ります。 次に、エネルギーを使うの観点から、水素の利活用について伺います。 水素エネルギーとは、燃焼時に二酸化炭素を排出しない、つまり利用時に二酸化炭素を排出せずに、再生可能エネルギー等を貯める、運ぶ、利用できる特性を持ち、燃料電池等を活用することで、高効率に電力・熱量を取り出すことが可能であるため、地球温暖化対策上も重要なエネルギーとされております。 福島県は、本年度から10年間を期間とする、次期再生可能エネルギー推進ビジョンの新たな柱として、水素社会の実現を掲げる方針を示し、本市においても、水素エネルギーの利活用については様々な取組を行っているところであります。 そこで、まず初めに、これまでの取組について伺います。 ◎生活環境部長(渡邊伸一郎君) 水素エネルギーの利活用におけるこれまでの取組につきましては、家庭における効率的なエネルギー利用を促進するため、平成28年度からガス由来の水素を活用し、発電と給湯を同時に行うことができる、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム、いわゆるエネファームの導入補助を実施しております。 また、県内初となる民間事業者による商用定置式水素ステーションの開所に併せて、令和元年度から、市民の皆様や民間事業者の方々を対象に、燃料電池自動車を対象とした導入促進補助制度を設けたほか、燃料電池バスの導入支援も実施してきたところであります。 燃料電池自動車の普及状況につきましては、市内では、50台以上が登録され、東北有数の普及台数となっており、また、市の公用車としても率先導入するなど取り組んできたところであります。 ◆21番(鈴木演君) 次に、今後は水素エネルギーの利活用をどのように行っていくのか今後の取組について伺います。 ◎生活環境部長(渡邊伸一郎君) 水素エネルギーの利活用に係る今後の取組につきましては、本市においては、水素をはじめとした次世代エネルギーを創る・貯める・使うの観点から推進することとしておりますが、まずは、利活用を推進するため、市民の皆様や民間事業者の方々を対象に、燃料電池自動車や家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの導入支援について、引き続き実施してまいります。 加えて、本年度、さらなる水素の需要創出や利用形態の見える化を図るため、公共施設における水素利用設備導入に係る可能性調査を実施することとしております。 また、水素の特性や安全性、燃料電池の仕組み等について、広く市民の皆様に御理解していただくよう、市公式ホームページでの情報発信等により意識の醸成を図るなど、今後とも、水素エネルギーの普及拡大に努めてまいります。 ◆21番(鈴木演君) 答弁からも分かるとおり、今後は、水素エネルギーは多様な用途に利活用できることが期待でき、石炭石油などを代替するエネルギーとして中心的役割を担える期待もでき、また、本市は根本通商様による、県内では初の商用定置式水素ステーションの設置や、東北地方で初めてとなる燃料電池バスの導入など、その先進を行っているものと考えますので、引き続きの取組をお願い申し上げます。 ここまで答弁を聞いてまいりましたが、今後本市が脱炭素社会の実現を目指していくには、国が現在進めるグリーン成長戦略に基づき、経済と環境の好循環をつくっていく産業政策も非常に重要だと考えます。 そこで、最後に、市長も掲げる本市が目指す、次世代エネルギー先進都市の実現に向けては、今後どのように取り組んでいくのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 本市におきましては、国のイノベーション・コースト構想や県の再生可能エネルギー推進ビジョンに呼応した官民一体の取組により、太陽光やバイオマス、風力といった再生可能エネルギーのほか、IGCCや水素エネルギーの導入が進んできており、多くの次世代エネルギーの利活用が図られております。 また、国におきましては、昨年12月に2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を策定したほか、本年2月には、福島新エネ社会構想を改訂し、本県を再生可能エネルギーや未来の水素社会を切り開く先駆けの地としていくとしたところであります。 市といたしましては、こうした状況等を踏まえ、次世代エネルギー関連施策を含む産業政策として、第2期いわき創生総合戦略における政策パッケージに、次世代産業・サービス育成プロジェクトを位置づけ、小名浜港を有する本市の地域特性やこれまで培ってきた企業のポテンシャルを最大限に生かし、再生可能エネルギーやバッテリー・水素関連産業などを中心に産業集積や人財育成などに取り組むこととしております。 今後におきましても、創生総合戦略等に基づき、これらの取組を推進しながら、市民生活の質の向上にもつながるような経済と環境の好循環の地方における先進モデルとなる取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆21番(鈴木演君) 再生可能エネルギーや水素など、新たなエネルギーを地域に根づかせ、より発展させていくためには、社会の仕組みを変革していくことが肝要であり、市民一人一人の理解と協力が必要であります。 一部の市民や、事業者の率先導入、産業界だけの取組だけではなく、1人でも多くの市民、事業者の方に、ただいま答弁で出てきた様々な施策や取組の効果を理解してもらいながら、夢を持っていただくことが、市長の掲げる次世代エネルギー先進都市の実現、強いては将来のいわき市を担う人財育成と本市の復興、そして産業の振興につながっていくものと考えます。改めて、次世代エネルギー先進都市の実現に御期待をいたしながら、次の質問に移ります。 大きな質問の3つ目は、いわき市医療センターについてであります。 新型コロナウイルス感染症については、昨年の1月に国内で最初の感染者が確認されてから約1年半を経過しましたが、本年4月には、3回目となる緊急事態が発令され、今なお、その解除に至らない地域があるなど、感染の勢いはいまだ衰えておりません。 また、切り札とされるワクチン接種についても、少しでも早く市民の皆様に接種していただきたいとの市長の強い思いの下、市の組織体制を強化するとともに、医師会や歯科医師会をはじめ、多くの方々の御協力をいただきながら、早期完了に向けた様々な取組が懸命に行われておりますが、感染症の収束に至るまでは、今なお時間を要するものと、私自身、認識しているところであります。 県内においても、本年4月以降、新規感染者数が急増し、感染症患者の受入れ病床が逼迫するなど、深刻な状況に陥ったことなどから、感染の急激な拡大に歯止めをかけ、医療提供体制の崩壊を防ぐため、5月14日には、福島県は独自の非常事態宣言を発令し、県内全域において、不要不急の外出自粛や飲食店などに対する営業時間の短縮等の協力要請を行ったところであります。 一方、医療機関では、感染症患者の受入れ病床の確保や、患者の受診控えが生じたことなどにより、苦しい運営を迫られているといった報道がなされており、感染症指定医療機関である、市医療センターにおきましても、患者の減少により、医療収益が大きく落ち込むなど、病院運営に多大な影響が生じているとの説明を受けてきたところであります。 これらのことを踏まえ、コロナ禍におけるいわき市医療センターの現状や今後の見通しなどについて、以下質問してまいります。 まず初めに、昨年から感染症患者の受入れ病床を確保してきた、市医療センターでは、新型コロナウイルス感染症の拡大などにより、様々な影響が生じていると思いますが、患者数の動向など、市医療センターの現状について伺います。 ◎医療センター事務局長(飯塚修一君) 当センターにおきましては、感染症指定医療機関として、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れながら、可能な限り、救急医療や周産期医療などの通常医療の提供に努めてきたところでございます。 しかしながら、感染症患者の受入れ病床を常時確保するとともに、感染が拡大した際は、一般病棟の閉鎖や手術等の制限を行い、感染症患者の受入れ病床を拡充したことなどから、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の令和元年度と比べ、患者数が大幅に減少したところであります。 また、令和3年度に入りましても、4月以降、感染症患者が急増したことなどから、昨年と同様の対応を取ったため、5月末までの延べ患者数では、令和元年度の同時期と比べまして、入院・外来ともに1割以上、減少するなど、通常とは大きく異なる状況が続いているということでございます。 ◆21番(鈴木演君) 今ほどの答弁から、市医療センターにおいても、新型コロナウイルス感染症により、多大な影響が生じていることが分かりました。 それでは、感染拡大の防止に向けて、本年4月から市民に対するワクチン接種が進められておりますが、これに先立ち開始された医療従事者に対するワクチン接種について、市医療センターの進捗状況を伺います。 ◎医療センター事務局長(飯塚修一君) 当センターにおきましては、病院職員を対象としたワクチンの接種を本年3月8日から開始したところであり、新規採用職員など一部の職員を除く、接種希望者全員に対し、5月末までに、2回分のワクチン接種を行ったところでございます。 ◆21番(鈴木演君) 次に、収支の状況などについて伺ってまいります。 先ほどの答弁によりますと、新型コロナウイルス感染症の影響で、患者数が大きく減少したとのことですので、医業収益の大幅な落込みが想定されますが、令和2年度の決算について、現時点では、どのように見込んでいるのか伺います。 ◎医療センター事務局長(飯塚修一君) 令和2年度の決算見込みについて、令和元年度と比較して申し上げますと、まず、収入に関しましては、新型コロナウイルス感染症の影響による患者数の減少等により、医業収益が約14億4,000万円の減となったところであります。 その一方で、感染症患者を受け入れるために、空床にしているベッドに対する収入補償、いわゆる病床確保料について、感染の拡大状況を踏まえ、受入れ病床を拡充したことや国・県が感染症患者の受入れ体制の確保に向け、補償単価を大幅に引き上げたことなどにより、多額の交付を受けたことから、医業外収益が約29億4,000万円の増となったため、経常収益は、約15億円増の約244億1,000万円となる見込みであります。 また、支出に関しまして、患者数や手術件数の減少に伴う材料費の減等により、医業費用が約5億4,000万円の減となったことなどから、経常費用は、約4億9,000万円減の約233億5,000万円となる見込みであり、特別損益を含めました純損益では、約11億2,000万円の黒字となる見込みであります。 ◆21番(鈴木演君) 次に、令和2年度に完了した新病院建設事業について、最終的な事業費をどのように見込んでいるのか伺います。 ◎医療センター事務局長(飯塚修一君) 新病院建設事業につきましては、建物本体や医療機器等の整備費に、旧病院の解体や造成工事等の費用を加えた全体事業費としまして、約444億4,000万円と見込んでおりましたが、地元作業員の積極的な活用等により、労働者確保経費の縮減を図ったことに加え、医療コンサルタントを活用したメーカーとの地道な価格交渉等により、医療機器等の導入費用について縮減を図ったことなどから、最終的な事業費は、約5億6,000万円減の約438億8,000万円となる見込みでございます。 また、地元業者への発注率につきましても、受注者が目標に掲げていた35%を上回る約37.1%になる見込みでございます。 ◆21番(鈴木演君) 次に、グランドオープンにより、市医療センターは、充実・強化された様々な機能をフルに発揮できる環境が整いましたが、その一方で、病院を取り巻く社会情勢は、新型コロナウイルス感染症の発生などにより、大きく変化をしてきております。 このように先行き非常に不透明な状況ですが、市民の安全・安心な暮らしを実現していくためには、地域の中核病院である市医療センターの安定的な運営が不可欠であると考えます。 それでは、この項最後の質問としまして、今後の見通しや取組方針などについて伺ってまいります。 まず初めに、施設機能の維持についてであります。市医療センターにおきましては、救急患者専用の手術室の新設や屋上ヘリポートの設置等により、救急医療の充実・強化をはじめ、様々な医療機能の向上が図られましたが、今後、これらの機能の維持に向けて、どのように取り組んでいくのか伺います。 ◎医療センター事務局長(飯塚修一君) 新病院建設事業により整備した施設や設備等について、期待される医療機能を最大限、発揮させていくためには、日常点検等による安全管理の徹底に加え、故障等が発生する前に、計画的に維持補修を行う、いわゆる予防保全型の維持管理により、健全維持していくことが基本と考えております。 加えて、医療技術が日々、進歩する中、将来にわたり質の高い医療を提供していくためには、医療需要の変化等を的確に捉え、施設の改良や新たな医療機器の導入などを行っていくことも必要と考えております。 このようなことから、当センターとしましては、引き続き、計画的な維持管理に取り組み、施設の長寿命化や維持管理費の縮減等に努めるとともに、さらなる医療機能の充実・強化に向けた施設整備等を見据え、新たに設置しました医療センター施設整備応援基金の活用を図るなど、自主財源の確保にも取り組んでまいりたいと考えております。 ◆21番(鈴木演君) 質の高い医療提供を行っていくためには、施設や医療機器等のハード整備はもちろん必要でありますが、ソフトに当たる医師の確保も重要となってまいります。 地域や診療科によって医師数に偏りが見られるなど、様々な課題がある中、市医療センターの現状を踏まえ、今後どのように医師招聘に取り組んでいくのか伺います。 ◎病院事業管理者(新谷史明君) 当センターにおきましては、これまで、市長を先頭に、様々な大学医局等への働きかけを行ってきたほか、寄附講座や東北大学大学院との連携講座の設置、各種手当の拡充、新築の医師住宅の提供、修学資金貸与制度の活用など、医師招聘に向け、様々な取組を行ってきたところであります。 こうした取組に加え、医療機能の充実が図られた新病院の効果もあり、医師数が増加傾向にあること、また、昨年度の医師臨床研修マッチングでは、2年連続となるフルマッチを達成したことなどにより、本年4月1日現在の常勤医師数は139名と、過去2番目に多い数となっています。 その一方で、一部の診療科におきましては、常勤医師の不在等により、診療制限を余儀なくされている状況にあることから、市民の皆様の安全で安心な暮らしを守るため、さらなる医療提供体制の充実強化を図る観点から、今後におきましても、これまで行ってきた様々な取組をより一層強化するとともに、引き続き、粘り強く、大学医局等への働きかけを行うことなどにより、積極的に医師招聘に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆21番(鈴木演君) それでは、最後の質問であります。 新型コロナウイルス感染症の収束がいまだ見えない中で、引き続き厳しい状況が続くものと考えますが、今後、市医療センターはどのように病院運営に取り組んでいくのか伺います。 ◎病院事業管理者(新谷史明君) 当センターにおきましては、国内で新型コロナウイルス感染症患者が確認されて以降、地域の高度・急性期医療を担う自治体病院として、職員一人一人が高い使命感を持ちながら、感染症への対応と、救急医療をはじめとする通常医療との両立に全力で取り組んできたところであります。 その一方で、経営面におきましては、病床確保料など、国・県の財政支援制度により、令和2年度は黒字を確保したところでありますが、感染症の収束がいまだ見えないこと、患者の受診控え等により、医業収益の回復には、一定の期間を要すると思われること、さらに、国・県の財政支援制度についても、先行きが不透明なことから、今後も厳しい病院運営を迫られるものと認識しているところであります。 しかしながら、このような中にあっても、当センターが地域の中核病院として、将来にわたり良質な医療を提供していくためには、財政基盤を強化し、経営の安定化を図ることが不可欠となりますことから、引き続き、市病院事業中期経営計画に定める取組を着実に実施し、経営改善を図ってまいりたいと考えております。 加えて、当センターの基本理念である慈心妙手の精神の下、市民の皆様に安全で安心な医療を提供し、地域から信頼され進歩し続ける病院を目指すため、私自らが先頭に立ち、職員一丸となってこの難局を乗り越えてまいりたいと考えております。 ◆21番(鈴木演君) 答弁ありがとうございます。 大きな質問の4つ目は、多核種除去設備等処理水の海洋放出に対する本市の対応についてであります。 政府は4月13日に開催した廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚会議にて、処分に関する基本方針を海洋放出に決定するとともに、今後国が取り組んでいく風評対策等の概要を発表しました。同日には、梶山経済産業大臣が内堀県知事、野崎県漁連会長に政府方針を説明され、本市には江島経済産業副大臣が説明に来られました。 まず初めに、これまでいわき市は国に対してどのような働きかけを行ってきたのか伺います。 ◎危機管理部長(緑川伸幸君) おただしのアルプス処理水の取扱いにつきましては、科学的に安全であることを大前提として廃炉作業を含め、被災地の復興との両立の下、着実に推進されることが重要であると考えております。 このことから、市といたしましては、昨年の市議会6月定例会において可決された意見書や採択された請願を踏まえつつ、市長から国に対し、国が被災地の復興の現状を正確に把握し、将来に禍根を残さないためにも、あらゆる可能性を検討することや、広く国民に向け情報発信を行った上で、風評対策の拡充・強化を併せて示すことにより、関係者及び国民の理解と合意を広げること、さらに、それまでは陸上保管を継続すること等について、本年2月に開催された原子力災害からの福島復興再生協議会など、様々な機会を通して、強く求めてきたところであります。 ◆21番(鈴木演君) 1問すみません、飛ばしまして、この問題に対して、市は今後、国に対してどのような対応を取っていくのか伺います。 ◎危機管理部長(緑川伸幸君) アルプス処理水の海洋放出に係る科学的安全性や、具体的な風評対策がいまだ提示されておらず、また、方針決定に伴って、既に風評が上乗せされているおそれがあることから、市といたしましては、改めて、国及び東京電力が責任をもって理解を得ることに全力を尽くすよう、機会を捉えて強く求めてまいりたいと考えております。 ○議長(大峯英之君) ここで、午後2時30分まで休憩いたします。          午後2時11分 休憩---------------------------------------          午後2時30分 再開 △狩野光昭君質問 ○議長(大峯英之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。12番狩野光昭君。          〔12番狩野光昭君第二演壇に登壇〕 ◆12番(狩野光昭君) (拍手)12番いわき市議会創世会の狩野光昭です。ただいまから通告順に従って一般質問を行います。 大きな1つ目は、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。 人類の歴史は、天然痘・ペスト・肺結核・スペイン風邪・エイズ・サーズ・マーズなど感染症との戦いの歴史でもありました。そして今、全世界は昨年からの新型コロナウイルス感染症、パンデミックの対策の真っ最中であります。 PCR検査での陽性者の発見と治療、現在はワクチン接種が実施され、そして今後は、一刻も早い治療薬の開発が待たれるところであります。市内の新型コロナ感染者数は4月には、企業や高齢者等施設でのクラスターの発生により、過去最多の306人と急増し、5月にも251人で、一時は病床使用率も危機的な状況になっていました。4月から実施したいわき市感染防止一斉行動を5月末まで延長し、県の要請の下、飲食業への営業時間短縮を実施しました。その効果もあり、6月に入り感染者は急速に減少しています。 市内でも感染力の強い変異ウイルス感染者が増え、感染が急速に拡大することもあり、市は6月20日までリバウンド防止期間を実施しています。このように、いわき市は新型コロナウイルス感染症対策方針に基づき、対策を図っていますが、さらに感染防止を強化する観点から、以下質問を行います。 1点目は、新型コロナウイルス感染防止対策の強化についてであります。 新型コロナ感染症対策は、検査と隔離・治療が基本であります。市は、PCRの行政検査を実施していますが、ゴールデンウイーク後の感染把握と拡大を防止するために、5月17日から6月4日までPCR検査、いわゆる社会的検査を1,749人に実施し、陽性者1名の結果があったと発表しました。 感染防止の観点から、今後も継続することが必要と考えますけれども、市の所見を伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 本市におきましては、本年4月初旬から、職場や家庭を中心に感染が市内全域に拡大するとともに、病床が逼迫する事態が生じたことから、感染拡大の早期の抑え込みを図るため、ゴールデンウイーク期間後の感染の早期発見と拡大防止を目的として、ゴールデンウイーク期間中の接触歴等から感染症への不安があり、検査を希望する無症状の市民を対象に5月17日から6月4日までの期間に、唾液によるPCR検査を原則1回、無料で実施したものであります。 その実績といたしましては、申込みをした方が1,921人、そのうち、検体である唾液を提出し、検査を実施された方が1,749人、この検査の結果、陽性が確認された方が1人となったところであります。 今後におきましては、ワクチン接種が進む中での感染状況を見極めながら、市医師会等の専門的な意見を伺い、今回の検査を検証することなどにより、感染状況に応じた効果的な検査体制の確保につなげてまいりたいと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) 続いて、高齢者等施設のクラスター発生防止の観点から入所系施設職員のPCR一斉定期検査を5月6日から6月末までの期間で実施していますが、その効果について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 高齢者施設において、従事者の感染を発端とする複数のクラスターが発生したことを踏まえ、国の通知等に基づき、市内の高齢者施設及び障がい者施設に勤務する職員約5,000人を対象として、5月と6月に1回ずつ合計2回のPCR検査を実施することとしたものであります。 この検査において、現在までに1人の陽性者を確認するなど、感染者の早期発見と施設内感染の拡大回避につながるとともに、施設入所者や従事者の感染に対する不安の解消につながるなど、一定の効果があったものと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) いずれも1名の陽性者が発見できたということで、効果的なPCRの検査ということでは、感染状況の問題だとか、重症化しやすい高齢者の対応だとかを勘案しながら、そしてワクチンが2回接種することによって発生率が抑えられる、そういった期間の間においてはやっぱり社会的検査というものが必要になってきているのかなと私は考えておりますので、そういったところをきちっと分析しながら、今後とも対応図っていただきたいなと思っております。 続いては、新型コロナウイルス感染症対策チームを設置するとともに、人員を増加し、保健所体制の強化を図っていますけれども、職員の勤務時間を含む健康管理の確保について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 新型コロナウイルス感染症に対応する職員の健康管理につきましては、感染の拡大傾向を踏まえ、本年1月には強化チームを設置し、全庁的な協力により対応してきたところであり、その後、4月からの感染拡大では、これまでに経験したことのないほど、新規感染者数の増加が続いたことから、職員の負担軽減や、ワクチン接種等の新たな課題に対応するため、専任職員27人を配置し、組織の再編と抜本的な体制の強化を行ったところであります。 現在、新規感染者数は減少傾向にありますが、一方で、ワクチン接種につきましては、国から大幅な加速化が求められており、業務も増大しておりますことから、職員の多くをワクチン接種業務に移行し、対応しているところであります。 今後も、職員の勤務時間に配慮するとともに、業務の状況に応じた人員配置を柔軟に行うことなどにより、職員一人一人の健康管理に努めてまいりたいと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) 感染が本当に拡大したときに保健所職員と話はしたんですけれども、休みもなく対応していたということで本当に感謝を私たちは申し上げるところでありますけれども、人員の補給をしても、きちっとしたマネジメントをしないと逆に保健師さんの負担がかかってしまう。当初の場合はそうだったんですけれども、適切な仕事の従事、そういった意味でのマネジメントというものを含めて考えていかないと、人員を供給したからいいということではないと思いますので、今回の教訓点をぜひ生かしていただいて、次期に拡大が感染がした場合には、そういった対応をぜひ体制の中に引き継いでいただきたいなと思っているところであります。 続いての質問は、新型コロナに感染した職場や施設において、感染防止に向けた消毒など、経費に対して財政支援の要望がありますけれども、市の所見を伺いたいと思います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 事業所において、職員等に感染者が発生し、職場内の消毒が必要となった場合には、チラシの配付や現場での確認等を通じて、消毒液のつくり方や消毒が必要な箇所、消毒の方法等に関する必要な説明や助言を行っているところであります。 一方、高齢者施設や障がい者施設、保育所等におきましては、施設の消毒等に要する費用について、国等の助成を受けることができるほか、本市独自の対策として実施しております安心コロナお知らせシステムの参加店舗におきましては、店舗内で感染者が発生し、市の判断に基づいて消毒を実施した場合、30万円を上限として費用の補助を行っているところであり、市といたしましては、今後とも引き続き、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) 保健所の指導で消毒しなくてはいけないということなんですけれども、やはり一定の多くの人を扱う施設においては業者に頼むことが多いんですよね。そうするとすごい費用がかかるということで、今言ったように国からの支援があるということでありますので、そういったことを施設にぜひ周知をしていただきたいなと思っています。そういったことを知らなかった相談もあったものですから、よろしくお願いします。 いわき市の新型コロナ感染症対策は、政府や県の方針に基づき、現場にあった取組を提起し、実行し、点検し、修正が行われてきました。何が正解か見いだせない中で、その都度、現場による判断が常に求められています。1つ1つの取組が、長期的な視点で、全体の最適化を踏まえた考え方が私は重要になっているのかなと思いますので、そういったことも踏まえた1つ1つの取組の検証を、ぜひしていただきたいと思っています。 この項の最後になりますけれども、これまでの医療従事者や市の職員、エッセンシャルワーカー、事業関係者等の御奮闘に対して深く感謝を申し上げるところであります。本当にありがとうございます。 2点目の質問は、新型コロナウイルスワクチン接種についてであります。 市は、新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引に基づき、ワクチン接種を進めています。新型コロナワクチン接種に期待される効果は、感染そのものを防ぐ、感染予防の効果などがあります。市のワクチン接種スケジュールは、7月末までに高齢者のワクチン接種が終了し、8月下旬から64歳以下から12歳以上の接種計画となっています。 公平でスムーズなワクチン接種に向けた取組の観点から、以下質問をいたします。 医療従事者・高齢者等の直近のワクチン接種の実績について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) ワクチン接種の実績につきましては、国のワクチン接種円滑化システム、いわゆるV-sysに登録されている情報によりますと、6月11日現在、医療従事者等については、1回目の接種を終了した方が1万2,341人で、対象者の約99%、2回目の接種を終了した方が1万1,014人で、対象者の約88%となっております。 また、65歳以上の高齢者につきましては、1回目の接種を終了した方が2万6,707人で対象者の約27%、2回目の接種を終了した方が、6,014人で対象者の約6%となっております。 ◆12番(狩野光昭君) 続いては、エッセンシャルワーカー、つまり介護従事者、教職員、保育士、放課後児童クラブ等の高齢者、乳幼児、児童・生徒と日々接触している人の優先接種の対応が必要となっていますけれども、市の所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 介護従事者や教職員、保育士等へのワクチン接種につきましては、現在、体調不良で接種を取りやめたことなどによる余剰分のワクチンを有効活用し、優先的に接種を進めることとしているほか、65歳以上の高齢者への接種が完了した後、基礎疾患を有する方、並びに高齢者や障がい者施設等の従事者への接種を行い、次に、60歳から64歳までの方と保育所・幼稚園、小・中学校の職員について、その他の方々の接種に優先して接種することを検討しております。 ◆12番(狩野光昭君) 続いては、ワクチン申込方法の改善であります。 市は、電話での申込みがつながりにくい問題に対して、インターネット予約サポートセンターを設置し対応を図っています。 ワクチンの申込方法について1回目の予約時に2回目の予約も可能とするなど、効率的な予約方法の改善に向けた市の取組について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) ワクチンの予約方法につきましては、予約時の混雑が課題になっておりましたことから、接種券の発送を5歳刻みにするとともに、予約を接種券到着後、随時受け付ける方法に変更したほか、市医師会等の御協力をいただきながら接種枠の大幅な拡大や、コールセンターの人員を最大40人に増員するなどの対応を行ってきたところであります。 今後につきましても、接種対象となる区分や年齢ごとの人数を勘案しつつ、ニーズに沿った予約方法を検討するとともに、他市の事例を参考にしながら、接種予約がスムーズに進むよう改善してまいりたいと考えております。 なお、1回目と2回目を同時に予約する方法につきましては、2回目の予約をキャンセルすると、次の予約が埋まっている可能性が高く、1回目の接種から3週間後に2回目の接種の予約を取ることが困難になることが想定されるため、現在の方法を継続してまいりたいと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) キャンセルの問題もあって、急遽のキャンセルに関しては、特に医療機関での対応が苦労されていると聞いているところでありますけれども、そういったところの廃棄処分のないように集団接種会場においても医療機関においても、そこら辺の対応について市のほうからも方向性をきちっと出して、指導・対応をお願いしたいなと思っております。 この項の最後は、ワクチン接種のスピードアップの取組についてお伺いします。 ◎市長(清水敏男君) ワクチン接種のスピードアップの取組につきましては、現在、65歳以上の高齢者の接種を7月末までに終了するため、集団接種における土曜日と日曜日の接種可能数を増やすとともに、夜間の接種も開始したところであります。 また、歯科医師会に歯科医師の協力を要請するとともに、福島県に県立医科大学の医師の派遣を要請したところであり、一層の体制強化に努めることなどにより、接種が迅速に進むよう取組んでまいりたいと考えております。 さらに、地理的に不利な条件にある中山間地域の市民の皆様に対する接種推進を図るため、集団接種のスポット会場を設置するなど、可能な限り多くの市民の皆様に少しでも早く接種していただけるよう努めてまいりたいと考えております。 なお、職域接種につきましても、スムーズに接種が進むよう職域接種を実施する企業等と調整してまいりたいと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) スピードアップも大事なんですけれど、安全性も踏まえて、例えば3回接種してしまったなどという事例もあるもんですから、そこら辺の問題をきちっと安全性の確保というのも同時に担保しながら、スピードアップを図っていただくよう要望していきたいなと思っております。 この項に関して幾つかの要望事項がありますので、これから述べていきたいと思います。 要望の1つ目は、住所地をいわき市において県外等に避難をしている市民や、高齢者施設の入居者で医療機関や集団接種会場に行けない人など、通常の申込みのスキームから外れる人のワクチン接種券の通知漏れがないようにひとつお願いしたいなと思っています。 2つ目は、職域接種が始まっておりますけれども、職域接種がなされた場合は、地域での接種者と競合が考えられますよね。接種券があるから大丈夫ということも聞いておりますけれども、検査体制、接種体制を重複接種の防止についての対策をしていると思いますけれども、そこら辺の対応をお願いしたいなと思っています。 要望の3つ目は、厚労省のワクチン接種のお知らせのホームページには、ワクチン接種は接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われております。職場や周りの方などに接種を強要したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをしないようお願いしますと書いてあります。アレルギー疾患により医師からの指摘でワクチン接種を受けられない人もいます。 日弁連が、5月に実施したワクチンに関する人権・差別ホットラインの概要には、接種を迷う人に対するワクチン接種の強要や退職の通告があったなど深刻な相談があります。このように、市民に必要な情報を、いわき市のホームページの新型コロナウイルスワクチン接種に関するお知らせに掲載をしたり、厚労省へのバナーを張り、必要な情報にアクセスすることができるようぜひ啓発をしていただきたいと思っています。 要望の4つ目は、この間、私は労働生活相談会を実施してきましたけれども、コロナ禍による高齢者や非正規労働者を中心に収入が減って緊急小口融資だとか住居給付金及び生活保護の相談が増えておりまして、申請件数も増えております。これは全国的な傾向であります。また、自殺者や精神疾患が増えております。高齢者を中心に介護施設の利用控えがあり介護度が悪化しています。 コロナ禍による経済対策とともに、市内における生活や労働の実態の把握を行い必要な措置の検討もぜひお願いしたいと思っています。新たな生活の変化の状況がありますので、各部を連携しながら、実態の再調査をしながら、そういった人たちに必要な措置が行き届けるような政策・事業だとかいう取組をぜひお願いを申し上げたいと思っております。 2点目の大きな質問の2つ目は、いわき市の教育についてであります。 1点目は、教職員の多忙化解消についてであります。 教職員の出退勤管理システムが、令和元年7月より稼働していますが、公立小・中学校教員のこれまでの45時間を超える時間外勤務について伺いたいと思います。 ◎教育長(水野達雄君) 昨年度の市立小・中学校教員の時間外勤務につきましては、月により変動はありますが、学校行事や部活動の大会等により、小学校・中学校ともに業務で繁忙となる10月について申し上げますと、月45時間を超える時間外勤務については、小学校は、教頭職が64人中62人、その他の教員が998人中370人、その割合は40.7%であります。 中学校は、教頭職が、39人中35人、その他の教員が670人中437人、その割合は66.6%であります。 そのうち、月80時間を超える時間外勤務は、小学校は、教頭職が28人、その他の教員が8人、その割合は3.4%、中学校は教頭職が27人、その他の教員が106人、その割合は18.8%となっております。 ◆12番(狩野光昭君) 2年前にも質問したんですけれど、依然、深刻な状況というのはなかなか改善されないんだなと今思ったところであります。 こういう時間外勤務について、きちっと管理をするということで、いわき市はいわき市公立学校管理規則の一部を改正し、教職員の時間外勤務、いわゆる残業時間の上限を1か月45時間、年360時間に規定し、令和3年4月から施行しています。改正した内容を公立小・中学校に周知徹底を図るべきと考えますけれども、市の所見を伺います。 ◎教育長(水野達雄君) 平成30年2月に福島県が策定した教職員多忙化解消アクションプランにより、本市におきましては、これまでも、各学校に対して、教職員の月の時間外の勤務時間を縮小するよう促してきたところでありますが、今般、県教育委員会規則の中で残業時間の上限等が位置づけられたことを踏まえ、本市においても管理規則を改正し、本年4月に開催された第1回管内幼稚園・小・中学校校長会において、改めて、残業時間の縮減を求めたところであります。 さらに今後、夏季休業中に行われる第2回管内小・中学校校長会やいわき市小・中学校教頭会研究大会、その他の教職員対象の研修におきましても、周知徹底を図ってまいる考えであります。 ◆12番(狩野光昭君) 現場の教職員からは、業務削減なしには時間外勤務の上限は守れないという声もありますので、そういったところも抜本的な業務の改善というか削減というものを踏まえて、ぜひ対応していただきたいと思っております。教育委員会は、管理監督の責任、あるいは校長も学校の責任者でありますので、そういったところを踏まえてぜひ指導を強化していただきたいと思います。 大阪市立木川南小学校の久保校長は5月17日、大阪市長に大阪市教育行政への提言を送付しました。その主な内容は、教職員は子供たちと一緒に学んだり、遊んだりする時間を楽しみたい。子供たちに直接関わる仕事がしたいのだ。テストの1点、2点を追い求めるのではなく、子供たちの5年先、10年先を見据えて、今という時間を共に過ごしたいのだ。テストの点数というエビデンスはそれほど正しいものなのか。あらゆるものを数値化し、評価することで、人と人との信頼や信用をズタズタにし、温かなつながりを奪っただけなのではないのか。と指摘しています。 現場の教職員の声を代弁するものと、私は受け止めております。グローバル社会で競争に打ち勝った者だけが頑張った人間として評価されるのではなく、お互いに協働し、誰もが幸せに生きる社会が求められるのではないでしょうか。 2点目は、学校における児童・生徒の安全についてであります。 学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル、学校の新しい生活様式に基づく、公立小・中学校における新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 各学校における新型コロナウイルス感染症対策につきましては、国から出された衛生管理マニュアルのほか、市教育委員会が通知した留意事項等を基に、マスクの着用や手洗い、室内の換気の徹底等を継続して実施しているところでございます。 また、密になる活動を極力避けるなどの、密閉・密集・密接を生じさせないための対策を取るとともに、基本的な感染症対策として、登校時の健康状態を確認すること、十分な睡眠、適度な運動やバランスの取れた食事を心がけるよう指導しているところでございます。
    ◆12番(狩野光昭君) 令和2年、市内の熱中症で搬送された人数は187人、うち中学校が1件となっています。6月に入り熱中症を発症する時期を迎えています。文科省は、5月28日、小・中学校及び高等学校等に対して、運動時は身体へのリスクを考慮し、マスク着用は必要ないなどの事務連絡を発出しています。公立小・中学校における熱中症予防対策について伺います。 ◎教育部長(高田悟君) コロナ禍における熱中症予防対策につきましては、国の通知等に基づき、昨年6月に、屋外でのマスクの着用の必要性を含めて、熱中症の予防行動について各学校に通知し、指導したところでございます。 今年度につきましても、改めて、文科省から通知があったことを踏まえて、十分な感染症対策をした上で、運動時のマスクの着用は必要でないことや気温等の状況によっては、登下校時も含めた日常の教育活動の中でも、身体的な距離の確保などの感染症対策を徹底した上で、マスクを外す対応を取るよう周知徹底しているところでありますことから、各学校におきましても適切に対応しているものと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) 各学校によって対応が徹底していないという状況も見受けられますので、ぜひ指導徹底をお願いしたいと思っています。 続いての質問は、国立成育医療研究センターのアンケート調査結果によると、コロナ禍により、子供のストレスが増加するとともに、深刻化しています。 児童・生徒の心のケアはスクールカウンセラーが対応をしておりますけれども、より、相談しやすい体制の強化に向けた取組について伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 児童・生徒の相談しやすい体制の強化に向けた取組につきましては、これまで、各学校におきまして、学級担任や養護教諭を中心としたきめ細かな健康観察や定期的な教育相談等を進めているところでございます。 今後におきましては、これまでの取組に加えて、児童・生徒が毎日記入している生活日記等の内容やアンケートの結果などにより児童・生徒の状況を的確に把握し、不定期あるいは臨時的に、学級担任や養護教諭、学年担当教師、スクールカウンセラー等による教育相談を行うなど、より相談しやすい体制の強化に努めてまいりたいと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) 文科省の統計によると昨年の小・中・高生の自殺者が過去最高の499人、前年より100人も増えたという報道があります。 若者の相談を受けている団体では、コロナ禍で先の見えない不安や家庭環境の悪化に関する相談が目立っているとの報道があります。いわき市もやっぱりオンラインツール等を利用しながら、対面での相談以外でもそういうもので活用することによって、相談しやすい体制というものをぜひ整備をしていただきたいと思っております。そういったことを要望して次の質問に移っていきたいと思います。 大きな3点目は、東京電力福島第一原発汚染水の対応であります。 政府は、今年の4月13日、東京電力福島第一原発敷地内に保管されているトリチウム汚染水、いわゆるALPSで処理した処理水の海洋放出の基本方針を決定しました。 30年から40年にわたり海洋放出するわけですけれども、トリチウム汚染水の海洋放出については、福島県内の7割の市町村議会で反対または慎重に対応する意見書が採択されています。また、2015年8月に県漁連等と関係者の理解なしにはALPS処理水のいかなる処分もしないとの文書で回答を示しておりましたけれども、その回答の約束をほごしたものであります。 政府の海洋放出方針を受けて6月11日の時点で、県内では9つの議会で意見書が可決されています。既に海洋放出反対の意見書を可決した議会を含めると21議会となります。県民の理解のない中での海洋放出方針決定と言わざるを得ません。 そこで、政府の多核種除去設備等処理水の処分に関する基本方針について質問をしていきたいと思います。 いわき市議会は5月21日、トリチウム等を含む処理水の処分方法について再検討を求める意見書を可決しました。意見書では、処理水の処分方法については、漁業関係者など関係する全ての方の理解を受けた上で、改めて決定すること。処理水は当面、陸上保管を継続し、諸課題の解決に取り組むこと、などの内容となっています。 いわき市も、この意見の趣旨を踏まえ、政府に要請すべきであります。 市の所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 多核種除去設備等処理水、いわゆるアルプス処理水が環境へ放出される場合には、市内の様々な産業に対して大きな影響を及ぼし、とりわけ、海洋放出の場合には、本市水産業への打撃は計り知れないことから、私はこれまで、経済産業副大臣を議長とする会議の場など、様々な機会を通して、安全性に係る科学的な根拠を明らかにするとともに、関係者や国民の理解を得た上で、具体的な風評対策を示し、方針を決定するよう、繰り返し求めてまいりました。 こうした本市の再三の要望にもかかわらず、いまだ十分な理解が得られたとは言えない状況の中、国が海洋放出を決定したことは誠に遺憾であり、現時点で承服できるものではなく、市議会5月臨時会において意見書が可決されましたことにつきましても、重く受け止めているところでございます。 また、方針決定に伴い、既に風評が上乗せされていると感じるところもございますことから、改めて、国及び東京電力が責任を持って、理解を得ることに全力を尽くし、市民の皆様がこれ以上風評に苦しむことがないよう、私が先頭に立ち、様々な機会を捉えて、強く求めてまいりたいと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。 2点目は、住民説明会の開催の件であります。 政府は、多核種除去設備等処理水の海洋放出基本方針を決定以降、市町村町及び関係団体に対して、意見聴取を実施していますが、住民に対する意見聴取を実施しておりません。県内の世論調査においても反対の意見が多くを占めている中、住民の理解を得るために、住民説明会の開催を政府に要望すべきであります。 市の所見を伺います。 ◎危機管理部長(緑川伸幸君) 市といたしましても、アルプス処理水の取扱いにつきましては、国が責任を持って関係者や国民の理解を得た上で、実施されるべきであると考えておりますことから、先ほど市長が答弁申し上げましたとおり、国が前面に立って、説明責任を果たし、理解を得ることに全力を尽くすよう、機会を捉えて強く求めてまいりたいと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) 以前、私も住民説明会に参加して、文化センターにおいても参加したんですけれども、二、三年前だと思うんですけれども、それ以降住民説明会を開かないで海洋放出を決定したということなんですよね。市町村長、関係団体だけに説明して住民の理解を得たということは、私にとってみれば、それが本当に住民の理解を得たのかと判断することはできないと思うんです。やはり住民の一人一人の生の声というものを数多く開催して、きちっと理解を求めるということが政府等においては必要になってくるのかなと思いますので、そこら辺ぜひ強く要望を出していただきたいと思います。 続いて、経産省は、多核種除去設備等処理水の処分に関する基本方針で、政府は前面に立ち、風評抑制等に取り組むと明記しています。しかし、県内の関係者の意見聴取時に江島経産副大臣が風評払拭にどのような対策が効果あるのか教えてほしいと、繰り返し発言をしているとの新聞報道がありますが、政府基本方針を自ら逸脱するものであり、風評抑制対策の中身や検討状況を早急に明示するよう政府に要請すべきであります。 市の所見を伺います。 ◎危機管理部長(緑川伸幸君) 市といたしましては、原発事故から10年が経過した現在も風評が払拭されていない現状を踏まえれば、これまでの風評対策を拡充・強化するだけではなく、抜本的な対策を講じる必要があるものと考えております。 このことから、これまで取り組んできた対策の効果を検証した上で、今後取るべき具体的な対策を早急に講じるよう求めてきたところでありますが、今回の方針決定に伴い、風評がさらに上乗せされ、拡大しているおそれもありますことから、国が前面に立ち、責任を持って早急に対応するよう、今後も引き続き求めてまいりたいと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) 新聞報道では既に風評被害があるというような団体の新聞報道もあるように、風評というよりも実際に売上げが下がっているということでの実害と捉えることもできるのかなと思っています。これが30年、40年にわたってずっと海洋放出されるわけでありますから、本当に深刻な問題ということが受け止めていかなければならないのかなと考えているところでありますので、ぜひ皆さんとそこら辺きちっと今後とも協議をしたりしていきたいなと思っているところであります。 2点目は、東京電力ホールディングス株式会社の多核種除去設備等処理水の処分に関する政府基本方針を踏まえた当社の対応であります。 原発事故損害賠償システムの見直しを求めることについてであります。 東京電力は、風評被害が発生した場合には、その損害を迅速かつ適切に賠償しますとしています。具体的には、原子力損害賠償紛争審査会の中間指針等の基本的考え方を踏まえ、賠償を実施することにしていますが、これは、被害者が加害者に対して被害を立証するシステムとなっています。 いわき市の損害賠償の受領額も約40%にとどまり、ADRに申立てをせざるを得ない状況となっています。ADR集団申立て案件等の和解案を東京電力は拒否を続けている現状であります。救済されない申立て者が続出しているのが今の現状であります。 原子力損害賠償紛争解決センターが和解案を提示した内容が中間指針上の賠償水準の最低限となることなど、賠償責任を改めて被害者の立場に立ったシステムに改正するよう、国や東電に要請すべきであります。 市の所見を伺います。 ◎危機管理部長(緑川伸幸君) 市といたしましては、これまでも、本県の実情に応じて、原子力損害賠償に係る指針を適時適切に見直すよう、国に対して要望するとともに、迅速かつ適正に賠償を実施すること等についても、東京電力に対して、再三にわたり求めてまいりました。 国のアルプス処理水処分に関する基本方針決定後につきましては、本年4月18日に開催された第22回廃炉・汚染水・処理水対策福島評議会において市長から国及び東京電力に対し、被害者が被害を立証しなければならない現在のシステムを見直すよう意見を述べたところであり、また、4月22日、東京電力の小早川代表執行役社長と面会した際にも、同様の旨を改めて強く求めたところであります。 市といたしましては、国及び東京電力に対し、被害者に寄り添ったきめ細やかな支援策を確実に実施するなど、原子力災害の原因者としての責任を最後まで果たすよう、引き続き、強く求めてまいりたいと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) 私も原子力の損害賠償の御相談をされて東電と被害者と一緒になって交渉をやってきたんですけれども、単に売上げが下がっただけでは駄目なんですよね、東京電力は。原発による相当因果関係を客観的に立証しないと認められないということなんですね。初期の段階はいいんですけれどだんだん経過年数がたつことによって単に売上げが下がったからといってそれは原発の事故によっての被害ではないと否定する件数が増えてきているんですね。今度の汚染水は30年から40年かかって流し続けるわけでありますから想定されるのは、賠償は民法上においては10年が限度でありますから、でも一方によっては30年40年かかって流されるということでは、そこら辺の民法上の消滅時効の問題との関連がきちっと明らかにされていないし、相当因果関係を立証するということの賠償基準というスキームも明らかになっていないんですよね。そこら辺はきちっと東電に私は言うべきなのではないかと考えております。 一昨日の新聞では、東電では海水で薄めた海洋放出直前の処理水を放出前に濃度を測定せず、海洋放出する方針を明らかにしました。仮に、使用する器具の不具合等により放出基準の1,500ベクレルを超える濃度になった場合は、流された後になり、回収はできないことになります。改めて、安全性の確保の検証が必要になってきているのかなと思っております。政府、東電に対して、海洋放出ありきではなく、市民の理解の下に陸上保管も検討することを強く訴え、次の質問に移っていきたいと思います。 最後の質問は、農林業の振興であります。 1つ目は、有機農業の推進であります。 現在、ヨーロッパでは、有機農業の市場規模は約4兆円となり、ふだん利用するスーパーなどでも有機農産物が販売され身近なものとなっております。 有機農業は、限られた層の健康や嗜好の話題ではなく、地域から地球規模の環境問題を解決する糸口として新たにヨーロッパでは見直されているわけであります。 しかし、一方日本を見ると、有機農業の農地の比率は2017年で0.5%にとどまっています。環境保全や食の安全・安心に対する消費者の関心が強まる中、化学肥料・化学合成農薬の削減と有機農業の普及拡大を進める観点から、以下質問していきたいと思います。 福島県は、有機農業の推進に関する法律に基づき、福島県有機農業推進計画を策定し、市町村に対し有機農業の普及に向け、体制整備を促しています。 いわき市の有機農業の取組の現状について伺います。 ◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 本市における取組につきましては、平成27年3月に県が策定した第2期福島県有機農業推進計画に基づき、有機農業の担当職員を配置し、情報の把握に努めながら、環境保全型農業直接支援対策事業等の実施を通じて、有機農業等の環境保全に効果の高い営農活動に取り組む農業者等を支援しているところであります。 ◆12番(狩野光昭君) 市内においても有機栽培を行っている農家がありますけれども、その実態について伺いたいと思います。 ◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 本市における有機栽培の実態について、過去3年間での戸数及び栽培面積を申し上げますと、平成30年度は7戸、水稲約5.6ヘクタール、野菜等約3ヘクタール、計約8.6ヘクタール、令和元年度は7戸、水稲約8ヘクタール、野菜等約2ヘクタール、計約10ヘクタール、令和2年度は8戸、水稲約7ヘクタール、野菜等約3ヘクタール、計約10ヘクタールとなっております。 ◆12番(狩野光昭君) いわきにおいても、7戸から8戸有機農業を従事している人がいるということで安心をしました。稲作だとか野菜等中心かなと思いますけれども、ボランティア団体においては、有機のコットン栽培も今行っている市内では団体があると思いますので、正式な申請はしないけれども一定の規模で有機の栽培をしているというところは、もうちょっと実態を把握しながらつかんでいくことも必要かなと思いますので、そういった対応もぜひお願いしたいなと思っております。 農林水産省は、5月12日、みどりの食料システム戦略を決定し、2050年までに耕作面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%、100万ヘクタールに拡大することを目指しています。 その目標の実現に向けたいわき市の取組について伺いたいと思います。 ◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 近年、世界的にSDGsへの関心が高まり、国内の農業分野におきましても、持続可能な社会への貢献が求められてきているところであります。 有機農業は、農業が持つ自然循環機能を維持・増進するとともに、持続可能な社会へ貢献する取組を推進し、さらに新たな付加価値としての可能性を持つものであります。 こうしたことから、市といたしましては、市内で取り組んでいる農業者の活動内容について、ホームページやSNS等を通じた発信を行うとともに、今年度策定予定としておりますいわき市農業・農村振興基本計画の中において国・県の策定している計画等の内容についても、十分考慮しながら、有機農業を盛り込んでまいりたいと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) 先ほど言ったみどりの食料システム戦略では、有機農業だけではなく化学の農薬を50%低減する、あるいは化学肥料30%も低減をしていく、これがシステムの循環型社会につながっていくということも含めて、農林省は打ち出しているわけでありますけれども、そういったことも踏まえた対応をぜひお願いしたいなと思っています。 2019年、有機農業と地域振興を考える自治体ネットワークが設立されております。有機農業を生かして地域振興をつなげていくための情報交換がなされておりますけれども、県内では磐梯町が参加しております。私も初めて調査して分かったんですけれども、今新たな視点として自治体のネットワークを通じて技術の継承、あるいは有機栽培での農薬散布の減少だとか、そういった交流をしているんですよね。ぜひいわき市においてもこういう自治体ネットワークに対しての検討をしていただきたいなと思うと同時に、こういったものをホームページにバナーを通じて宣伝していく方向で検討するということがあったんですけれども、これは単に農家だけではなくて、今若いお母さん方の有機農業に対する関心が、特に子供を持っている親の関心が高まっているわけでありますので、そういった人たちに対しても情報提供する意味でも、ぜひ市のほうでのホームページに対応していただくことをお願いしたいなと思っております。 最後の質問は、林業の推進についてであります。 いわき市は、総土地面積の約72%が森林であり、林業が盛んな地域で、杉の生産地としても有名です。林業従事者数も2015年度で323人となっています。しかし、本市の林業及び木材産業は、木材価格の低迷や林業従事者の減少など厳しい状況に置かれています。森林の機能は、地球温暖化防止、水源涵養機能、土砂流出防止、生物多様性、豊かな海を育むなど多方面にわたっております。このような機能を維持するために、植林・除伐・間伐・伐採等を行い、木材を市場に供給するというサイクルが必要となっています。 いわき市も今年の4月1日からいわき市豊かな森づくり・木づかい条例を施行し、いわき市の産材利用の促進、及び林業・木材産業の健全な発展による、経済の活性化に努めています。その具体的な取組について以下質問を行っていきます。 公共建築物の木造・木質化専門アドバイザー事業の概要について伺いたいと思います。 ◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 公共建築物木造・木質化専門アドバイザー事業は、本年4月に施行したいわき市豊かな森づくり・木づかい条例の趣旨に基づき、市産木材の率先利用による地域経済の活性化を図るため、市の公共建築物等の整備に際し、計画の初期段階から、木造・木質化に係る概算工事費の算出、他の広報との比較等について、外部から助言を受け、その成果を基本設計等に反映させる事業であります。 ◆12番(狩野光昭君) これまで市は、小・中学校の木質化だとか公民館においての木質化の対応をしてきているんですけれど、それを一層、推進するという意味の内容であったかなと思っておりまして、やはり木の持つ健康への寄与、あるいはその木が発する香りによる安心感だとかというものが効果があるのかなと私は思っているところであります。ぜひこの事業の推進をお願いしたいと思っています。 続いて、いわき市木づかい住宅ポイント事業についてであります。 いわき市木づかい住宅ポイント事業は、いわき市の木材を使用した木材住宅の建築主に20万円相当のポイントを交付するものとなっています。 その効果について伺いたいと思います。 ◎農林水産部長(千葉伸一郎君) いわき市木づかい住宅ポイント事業は、民間住宅における市産木材の利用促進を図るため、市産木材を一定量使用した住宅の建主や買主に対して、本市の優れた農林水産物や湯本温泉などの市内宿泊等、地域に限定した商品やサービスと交換可能なポイントを交付するものであり、本事業の実施により、本市の林業及び木材産業の持続的な発展、さらには、地域経済の活性化に寄与するものと考えております。 なお、本事業の概要につきしては、広報いわき5月号及び市ホームページに掲載したほか、いわき市建築業組合連合会等にも御協力をいただき、チラシを配布するなど、市民の皆様に広く周知を図っているころであります。 ◆12番(狩野光昭君) 通常こういう補助事業は、例えば、福島県の県産材の場合は30ポイントを施工主に給付していくことかなと、あるいは建築の施工者を通じて対応するということなんですけれども、今回の場合は20万円のポイントを直接施工者等に、あるいは施主に渡すのではなくて、農産物だとか観光の宿泊の対応をしたということは、新たな地域経済の活性化につなげていく仕組みかなと思っているんですよね。だからぜひこの取組の効果を実施した後、検証をお願いしたいなと思っています。直接の補助ではなくて市内経済に関連するものの補助というものが、一定の効果があれば次の事業の制度設計につながっていくのかなと思いますので、1つの社会実験かなと思っているところであります。ちょっと心配なのは、木材住宅については、昨年度、統計を取ったところによると、市内においては約1,600戸のものが建築されておりますけれども、そこにきちっとこの内容が届けられるのかどうかということになるのかなと思っておりますので、50人相当については一定程度申込み可能なのかなと思っておりますけれども、そこら辺の対応をきちっとしていただきたいなと思っています。 質問の最後になりますけれども、林業従事者の担い手育成に向けたいわき市の取組について伺いたいと思います。 林業の担い手育成に向け、林業アカデミーふくしまを拠点にした、林業従事者の担い手育成について伺いたいと思います。 ◎農林水産部長(千葉伸一郎君) 林業アカデミーふくしまは、県が最新の林業機械や訓練装置等を導入し、1年間の研修期間で林業に関する幅広い知識と、技術の習得、さらには森林施業に必要な資格の取得など、実践力を有する林業従事者を育成することを目的として、令和4年度の開講に向け、郡山市に建設を進めている研修施設であります。 本市では、森林経営管理制度の本格実施により、森林整備等の業務の増加が見込まれることから、林業アカデミーふくしまの周知を図るとともに、国・県及び関係事業者等と連携しながら、アカデミー研修終了者などを中心に、林業従事者の担い手の育成及び確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆12番(狩野光昭君) 現在、米国における堅調な住宅着工戸数の伸びにより、木材需要が逼迫し、木材価格が急騰するというウッドショックが発生しています。 住宅用木材の7割を海外産に頼ってきた国内の木造建築を担っている中小工務店を中心に木材の確保ができないために工事契約の破棄や、木材価格の高騰を施主に請求できないなど、深刻な状況に追い込まれています。早急な、市内建築業者や木材業者等の関係者の実態調査が必要ではないでしょうか。 住宅用木材を外国に頼るのではなく、国やいわき市の木材の安定供給のため植林・育成・市場への供給及び人材育成などの体制の構築を要望し、質問を終わっていきたいと思います。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)--------------------------------------- △散会 ○議長(大峯英之君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。          午後3時31分 散会---------------------------------------...