いわき市議会 > 2020-06-08 >
06月08日-02号

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  1. いわき市議会 2020-06-08
    06月08日-02号


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    最終取得日: 2021-07-12
    令和 2年  6月 定例会            令和2年6月8日(月曜日)議事日程第2号 令和2年6月8日(月曜日)午前10時開議  日程第1 市政一般に対する質問---------------------------------------本日の会議に付した事件          〔議事日程第2号記載事件のとおり〕---------------------------------------出席議員(36名)     1番  川崎憲正君      2番  木田都城子君     3番  木村謙一郎君     4番  山守章二君     5番  塩沢昭広君      6番  柴野美佳君     7番  鈴木 演君      8番  田頭弘毅君     9番  坂本康一君      10番  伊藤浩之君     12番  福嶋あずさ君     13番  小野潤三君     14番  西山一美君      15番  永山宏恵君     16番  大峯英之君      17番  小野 茂君     18番  塩田美枝子君     19番  馬上卓也君     20番  赤津一夫君      21番  渡辺博之君     22番  溝口民子君      23番  坂本 稔君     24番  上壁 充君      25番  蛭田源治君     26番  菅波 健君      27番  大友康夫君     28番  阿部秀文君      29番  安田成一君     30番  吉田実貴人君     31番  蛭田 克君     32番  磯上佐太彦君     33番  小野邦弘君     34番  石井敏郎君      35番  佐藤和良君     36番  樫村 弘君      37番  佐藤和美君欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者 市長         清水敏男君   副市長        新妻英正君 副市長        久保克昌君   教育長        吉田 尚君 水道事業管理者    上遠野裕之君  病院事業管理者    新谷史明君 代表監査委員     小野益生君   総合政策部長     大和田 洋君 危機管理監      山田 誠君   総務部長       岡田正彦君 財政部長       澤田洋一君   市民協働部長     下山田松人君 保健福祉部長     飯尾 仁君   こどもみらい部長   高萩文克君 農林水産部長     本田和弘君   産業振興部長     石曽根智昭君 都市建設部長     高田浩一君   教育部長       高田 悟君 医療センター事務局長 鈴木善明君   総務課長       阿部 通君---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長       山崎俊克君   次長         小針正人君 総務議事課長     江尻貴志君   総務議事課課長補佐  金山慶司君 主任主査(兼)議事運営係長            鈴木 潤君---------------------------------------          午前10時00分 開議 ○議長(菅波健君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第2号をもって進めます。--------------------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問 △小野潤三君質問 ○議長(菅波健君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。配付の質問通告表の順に発言を許します。13番小野潤三君。          〔13番小野潤三君第二演壇に登壇〕 ◆13番(小野潤三君) (拍手)おはようございます。13番いわき市議会志帥会の小野潤三です。 娘が作ってくれたマスクをつけて登壇させていただきます。 半年前にコロナと聞いても、ストーブのことかとしか思いませんでしたけれども、このわずか数か月で世界が一変しました。どこにいるか分からないウイルスと共存するしかない世界になってしまいました。ビフォーコロナとアフターコロナで世の中が大きく変化したという視点で、行政も進んでいかなければなりません。緊急事態が解除されて、ウイルスと共存しつつ、経済をできるだけ正常化に向かわせるという新たなフェーズに入っています。 私ども志帥会は4月28日、市長に対して、新型コロナウイルス感染症への対応に係る緊急要望書を提出しまして、多岐にわたる提案をいたしました。本議会では、私と次の木村謙一郎議員、明日の川崎憲正議員の3人で、コロナに関する諸課題を議論してまいります。そのうち私は以下、財政、産業、学校の3点について、通告順に従いまして、一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、新型コロナウイルス感染症に対応した財政運営についてです。 コロナについては、国が大規模な補正予算を組んで経済対策を行っておりますが、いわき市としても独自の支援策をすべきという声が根強くあります。しかしその前に、市として一体どのぐらいの余力があるのかを踏まえる必要があります。国は、国債を発行して財源に充てることができますが、自治体にはできません。財政状況を踏まえた上で経済対策の議論をすることが必要です。 そこで、質問の1点目は、本市の財政状況についてです。 いざというときのための蓄えとして、市には70近い基金があります。主要なものとして、財政調整基金、減債基金、公共施設整備基金などがあります。特に活用の自由度が高いのが財政調整基金です。 1つとして、この財政調整基金の残高は現在までどのように推移しているのか伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 財政調整基金の年度末残高につきましては、平成21年度からの推移を申し上げますと、平成21年度末が約32億円であり、平成22年度末が約77億9,000万円となっております。 東日本大震災以降は、復興財源の1つである震災復興特別交付税が後年度分も含めて一括交付されたことなどもあり、平成24年度末に残高は100億円を超え、平成28年度末には過去最大となる約148億1,000万円に達したところでございます。 その後、復興事業の進捗等に伴い、財政調整基金の残高は減少に転じ、また、令和元年東日本台風等への対応のため、臨時的な2回の補正予算により多額の取崩しを行ったこともあり、令和元年度末の残高は約76億9,000万円となっております。 さらに令和2年度当初予算においては約34億5,000万円を、令和2年5月臨時会では新型コロナウイルス感染症対策に係る補正予算において約12億6,000万円を取り崩し、また今般提案しております補正予算においては約3億3,000万円を取り崩す予定としており、本定例会後の残高は約27億3,000万円となる見込みでございます。 ◆13番(小野潤三君) 一時148億円までいった基金が、今27億円だということでありました。 2つとして、昨年は令和元年東日本台風という大きな災害がありました。 このような大規模災害に備えて確保すべき財政調整基金の水準はどの程度か伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 大規模な災害に備え、あらかじめ確保しておくべき財政調整基金の水準につきましては、災害の規模や種類によって、災害対応に要する事業費や国の財政支援制度の内容が大きく異なりますので一概に申し上げることは困難でございますが、昨年の令和元年東日本台風等の際には、災害復旧事業被災者支援等を実施するため、臨時的な2回の補正予算において、財政調整基金を約45億円取り崩して対応したところでございます。 ◆13番(小野潤三君) 3つとしまして、ただいまのことを踏まえて、現在の本市の財政状況をどう評価するか伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 令和2年6月定例会後の財政調整基金の残高につきましては、新・市総合計画基本計画に掲げる財政目標の下限である30億円を下回る見込みとなっており、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用や、令和元年度決算に伴う前年度繰越金、令和元年東日本台風等に伴う災害復旧事業に係る国費の計上などの増加要因が見込まれるものの、地域経済の停滞に伴う市税等の大幅な減収によって生じる財源不足への対応が求められる中で、新型コロナウイルス感染症に伴う追加の財政需要に対応しつつ、昨年度と同程度の災害の発生を想定した場合には、近年にない厳しい状況であると認識をしております。 ◆13番(小野潤三君) 1つの台風で45億円取り崩したのに対して、現在の残高27億円ということで、決して備えとして余裕はないということかと思います。 2点目は今後の財政運営についてです。 厳しい財政状況だということを踏まえまして、ウィズコロナ時代の財政運営についてお尋ねをいたします。 まず、今年度はコロナの影響で実施できない事業や、縮小せざるを得ない事業が多数生じると思われます。その分の予算が減額できれば、コロナ対策の原資にもすることが可能だと思います。 1つとして、こうした事業の見直しはどのように行う考えか伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの事業において事業の休止や規模の縮小など、事業内容の見直しが行われる予定でございますが、まだ年度が始まって間もなく、見直し内容に不透明な部分も多くあることから、今後これらの事業の進捗状況を精査した上で適切な時期に予算の減額補正を行い、新型コロナウイルス感染症対応等に必要となる財源確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 今年に限ってはそれぞれの事業の執行について、見極めが必要だと思います。 2つとして、国がコロナ対策費として自由に使っていいよということで、全国の自治体に地方創生臨時交付金を交付することになっています。1次補正で1兆円、2次補正では2兆円規模と言われております。 本市としてはこの交付金をどのような使途に活用するのか伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金につきましては、感染拡大を防止するとともに、感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活を支援し、地方創生を図るために創設され、その予算規模は国の第2次補正予算案において新たに2兆円が増額され、合わせて3兆円となる見込みであり、使途につきましては地方自治体が地域の実情に応じて実施するきめ細やかな事業に充当できる自由度の高い交付金となっております。 本市におきましては、市内発生早期から感染拡大期にあっては、医療体制の確保と感染拡大防止の徹底強化に取り組むとともに、店舗等維持支援金の創設やデリバリー支援など事業者等の出費抑制や売上げ確保のための支援策を実施してきたところであり、また小康期・回復期を迎える段階においては、感染の第2波、第3波を見据えた医療・福祉提供体制の確保や感染拡大防止の継続・強化に取り組むとともに、経済再生に向けた足がかりや、新しい生活様式の定着に向けた取組として、地域内循環で活性化する仕組みや感染拡大防止と経済活動の両立に向けたシステム構築、旅館業や新規出店者の方に対する支援などを実施していくこととしております。 このような本市の感染拡大や地域経済の状況に応じた各種施策の財源として、本交付金を幅広く活用してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 災害などに備えて、これまでも一定規模の基金を確保していましたが、今回のコロナ騒ぎで明らかになりましたのは、感染症についても備えが必要だということ、そして、社会の変化も的確に捉えなければなりません。ウィズコロナ社会の財政運営は従来と変わらざるを得ないと考えます。 3つとして、今後の長期的な財政運営の考え方はどのようなものか伺います。 ◎市長(清水敏男君) まず令和2年度について、当初予算では見込んでいなかった新型コロナウイルス感染症に伴う様々な影響に対応しつつ、大規模な自然災害に対する一定の備えとして、財政調整基金の残高にも目を配りながら財政運営を行っていくことが求められます。 このような中で新型コロナウイルス感染症対策に伴う追加の財政需要に対しては、地方創生臨時交付金などの国からの財源を可能な限り活用するとともに、市税等の大幅な減収に伴う財源不足に対しては、法人市民税等の税収が当初の見込みを下回る場合にその減収を補うための地方債である減収補てん債の活用や、感染症の影響により内容の見直しが行われる事業に係る予算の減額補正などにより、可能な限り財源確保に努めてまいりたいと考えております。 また、大規模災害への備えとして、財政調整基金については、今後、令和元年度決算に伴う前年度繰越金や、令和元年東日本台風等に伴う災害復旧事業に係る国費の計上などの増加要因も見込まれるものの、新型コロナウイルス感染症対応に係る取崩しも想定されますので、その取崩しを最小限に抑えられるよう努めてまいりたいと考えております。 その上で、令和3年度以降においても、引き続き適時適切な感染症対策・経済対策の実施に伴う財政需要や、市税等が回復するまでの財源不足への対応など、新型コロナウイルス感染症に伴う影響も想定される中で、中・長期的には、人口減少や少子・高齢化により財政的な制約はますます高まっていくことが予測されます。 そのような中においても、常に災害に備えるための一定の財源を確保しつつ、公共施設等の老朽化対策や新病院建設などに伴う財政負担、防災・減災対策、新たなまちづくりなどの財政需要にも対応していく必要があります。 本市としましては、国における制度改正の動向や社会経済の状況を注視しつつ、事業の選択と集中や財源の確保等に意を用い、新型コロナウイルス感染症の影響にも対応しながら、将来にわたり持続可能な財政運営に努めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 先ほども申し上げたとおり、自治体が地域全体を支える大規模な経済対策を独自に行うというのは難しいのが現実です。ですので、今回のコロナ対策におきましても、例えば事業者や個人に一律に現金を幾ら給付するというような施策は難しいということになります。対策の主体はあくまで国であり、市独自の施策を行う場合は、少額でも一定の効果が上がる施策をよく吟味して実施すべきだと考えます。 そこで、大きな質問の2番目は、新型コロナウイルス感染症に対応した産業政策についてです。 コロナにより、日本全体で人為的に経済を止めるという前代未聞の措置が取られました。ようやく緊急事態が解除されたとはいえ、今後も第2波と呼ばれる感染再拡大の不安は拭えません。そうした中で、どのように経済を復活させるかが問われています。 そこで、1点目は、当面の経済対策についてです。 今必要なことは、経済を止めたことによって打撃を受けた個人や事業所をいかに支えるか、そして、コロナ以前の状態に向けて再起動させるかということです。 まず、今回の経済危機は、社会全体が押しなべて不況というわけではなく、人と人が接するような業種を中心に事業が行えなくなるという現象でありました。 そこで1つとして、市内の経済状況を業種ごとにどのように把握しているのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 福島県におきましては、本年4月21日より新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態措置が取られ、不要不急の外出自粛や施設の休止、店舗等の営業時間の短縮などが要請されたところでございます。 これらの影響として、特に飲食業や宿泊業、サービス業等におきましては、利用客数及び売上げが激減し、雇用の維持のみならず資金繰りの悪化など、事業そのものの継続も困難な状況にあったものと認識しております。 加えて、建設業や製造業においては資材や部品納入の遅れや工期延長等の影響により売上げが減少するなどの影響が出るなど、多くの事業者が影響を受けたものと捉えております。 ◆13番(小野潤三君) 国におきましては、さきの1次補正で25兆円、次の2次補正で32兆円という巨額の予算が組まれます。傷んだ日本経済を支えるための予算でありますが、全国的に活用が進まないと言われてきました。 2つとして、雇用調整助成金持続化給付金、その他各種の金融支援策など主なものについて、いわき市内の活用状況をどのように捉えているのか伺います。
    産業振興部長(石曽根智昭君) 国県の支援策の活用状況のうち主なものを申し上げますと、雇用調整助成金につきましては、ハローワークによりますと、5月末時点の本市における支給申請件数の累計は157件、相談件数は累計で878件となっております。 また、市と商工会議所が連携して開催している雇用調整助成金無料個別相談会におきましては、現在も多くの相談が寄せられており、今後申請件数が増加するものと捉えております。 一方、持続化給付金につきましては、市内の数字は把握できておりませんが、経済産業省によりますと、全国では5月末現在で150万件以上の申請があるとのことであり、多くの事業者が申請しているものと捉えております。 また、県の融資制度である新型コロナウイルス対策特別資金につきましては、市内事業者の融資申込件数が5月末現在で230件と、多くの事業者が活用しているところであり、今後これらに対しまして、本市が信用保証料補助及び利子補給を実施することとなっております。 ◆13番(小野潤三君) 雇用調整助成金はかなりたくさんの企業で使いたいというところのようですけれども、さる会社の方のお話を伺ったところ、書類が500枚もできてしまったと、ハローワークでの書類のチェックで2時間かかったということでありまして、以前に比べるとかなり簡素化されているんですけれども、こういった状況です。社会保険労務士会による相談も始まったようですが、こちらもパンパンのようであります。国の施策が最大限に行き届くように、必要に応じて支援の拡大も進める必要があると考えます。 3つとして、本市はここまで、どのような考え方で経済対策を組み立ててきたのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 今般の新型コロナウイルス感染症により影響を受けている事業者の皆様への支援の考え方といたしましては、まず早期発生期においては、新型コロナウイルス感染症対策の長期化に伴う事業者の皆様の資金繰りの悪化が見込まれたため、本年3月に実質無利子・無担保で融資を受けられる資金繰り支援を制度化したところでございます。 また、市内感染拡大期におきましては、休業等により市内事業者の売上げ減少が深刻な状況となっていたことから、事業者の皆様の出費を最小限に抑えるための対策を講じたところでございます。 具体的には、5月補正予算におきまして、売上げが著しく減少している事業者を対象として、1店舗当たり最大30万円の家賃補助を行う店舗等維持支援金を制度化するとともに、この対策の効果が最大限発揮されるよう、テナント等の貸主に対しまして、家賃の減額や支払猶予などの柔軟な対応を行っていただくよう、関係団体に要請を行ったところでございます。 また、新型コロナウイルス感染症の影響下においても当座の売上げを確保していくための支援として、テイクアウトデリバリー等の活用を促進するための施策を制度化したほか、新型コロナウイルス感染症に対応しつつ、生産性向上を図るための支援として、テレワークを導入する事業者やテイクアウトやデリバリーなどへの業態転換を行う事業者に対し、国の補助金に上乗せする形で支援を行うこととしたところでございます。 ◆13番(小野潤三君) 福島県におきましては、5月14日に緊急事態が解除され、休業要請も全て解除されました。知事の今後の対応方針で気になったのが、スナックなど接待を伴う飲食業やライブハウスなどは引き続き外出を控えていただきたいと述べています。休業は解除するけれども県民は行かないでくれということでは潰れてしまうということになります。そこで、こうした業種に対する支援策が必要と考えておりましたが、今般、市が発表しました、あんしんコロナお知らせシステムはとてもいい仕組みだと考えております。 お手元にお配りしました資料の1ページ目と2ページ目は、保健福祉部と産業振興部がそれぞれ作ったものです。消費者がスナックなどを利用した際に、お店に用意されたQRコードを読み取って空メールを送ると、万一その後その店舗でコロナ感染者が発生した際に、同じ場所、同じ時間にいた人に対し、濃厚接触の可能性があるという連絡が来るシステムであります。このメールを送った人はお店で100円引きが受けられるということです。 事前に感染を予防する仕組みではありませんけれども、万一感染者の近くにいてもそれを短時間で知ることができて、速やかに医療機関に相談したり、検査を受けられるということであれば、お店を利用する際の安心感につながります。問題は、多くの人が集まる店舗やイベントにできるだけたくさん登録してもらうこと、そして、なるべく全ての店舗利用者に利用してもらうということです。 そこで、4つ目として、このシステムを普及させるために、どのような取組を行うのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 新型コロナウイルスの感染が収束していく中では、引き続き、感染拡大防止の取組が行われるとともに、経済・生活の再生に向けた取組を開始することが必要となってまいります。 あんしんコロナお知らせシステムは、感染経路の見える化を進め、市民の皆様に安心を提供するとともに、豊かな生活スタイルの回復により、事業者の皆様の経済活動の回復を図るものであり、市民生活の安全・安心の確保と社会経済活動の両立を目指すものでございます。 その政策目的の達成のためには、多くの事業者と市民の皆様に参加していただくことが重要であると考えております。 このため、商工会議所、商工会及び商店会等を通じて周知を図るほか、本事業の対象となる飲食業会や理美容業組合等の事業組合に対しましても、説明会を開催するなど積極的な参加を呼びかけるとともに、組合に加盟していない店舗等に対しましても、個別に参加の呼びかけをしてまいりたいと考えております。 加えて、参加登録手続の簡素化を図るなど、市内の事業者の皆様が利用しやすい環境の整備にも意を用いてまいりたいと考えております。 また、利用される市民の皆様に対しましては、先ほど議員から御説明もございましたけれども、割引クーポンの発行等による利用促進策を実施していくほか、本システムの利用事業者と連携して情報発信を行うなど、様々な方法で普及促進を図ってまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) お店に行ったら、まず手の消毒とQRコードというのが新しいいわきスタイルだよねというところまで定着するように取り組んでいただきたいと思います。 ここまで当面の経済政策について伺ってきましたが、5つとして、大きなダメージを受けた本市経済を立て直し、本来の軌道に戻すため、今後の経済政策をどのように進める考えか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 新型コロナウイルスの感染が収束していく中においては、感染拡大防止と経済活動の両立を本市独自のアプローチにより実現を図るいわゆる感染防止いわきスタイルの確立が重要となってまいります。 こうした認識の下、今後の経済活動の立て直しのためには、安全・安心を確保した上で豊かな生活スタイルを回復していくことが大切であると考えており、先ほど、産業振興部長が答弁申し上げましたあんしんコロナお知らせシステムをはじめとした緊急経済対策を取りまとめたところであります。 また、テレワークやオンライン会議の活用、テイクアウトやデリバリーの活用など、新たな取組が生まれてきているところであり、しなやかで持続可能な社会を構築するために、こうした事業者の新たな挑戦につきましても、引き続き、支援を行ってまいりたいと考えております。 今後におきましても、状況を的確に見極めながら、感染拡大防止と経済活動の両立を図るため、適時適切な施策を講じてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 市長、ありがとうございました。ここまで経済政策について伺ってきましたけれども、産業部門を担ってこられた石曽根部長の辞令を今朝拝見しましたけれども、いよいよ経済産業省に帰られると伺っております。この3年間、私はいわき市の未来に向かって、様々な産業政策をこの場でも伺ってきました。最後が、感染症による経済危機に対する政策ということになりましたけれども、今後も議会サイドから、これまで御答弁いただいた政策が実際にどう進んでいくのか見極めていきたいと思っております。 2点目は、中・長期的な視点での施策についてです。 当面は、疲弊した経済を立て直し、その上で中・長期的な視点での経済対策が必要であります。震災の後、大きな施策がイノベーション・コースト構想でした。これまで廃炉、ロボット、再生可能エネルギーなど、そういった分野が個別になされてきましたけれども、それらを集約して研究教育を行う集大成が国際教育研究拠点です。ここでは中・長期の経済政策に関わる事業として、この機関について取り上げます。 お手元の資料でいきますと3ページからになりますが、これは福島県が作成した資料です。この機関の構想を練る作業が昨年7月にスタートしまして、わずか1年の間に14回に及ぶ有識者会議が開催され、まさに今日6月8日の午後、最終取りまとめが行われる予定です。 有識者会議ではこの機関で世界最先端の研究が行われなければならないとしております。地元の福島大学をはじめ、東北大学、筑波大学、お茶の水女子大学が参画の意思を表明しております。山形県鶴岡市に、慶應義塾大学の生命科学研究所を中心としました鶴岡サイエンスパークという拠点がありますけれども、それがモデルになるということも言われています。 こうした世界レベルの教育研究拠点の設置は本市の未来に向けても重要な拠点になると考えられますので、立地や中身について、本市がどう関わっていくのかが問われます。 そこで、まず1つとして、市としてはこの国際教育研究拠点を設置する意義をどのように考えているのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 国際教育研究拠点につきましては、福島イノベーション・コースト構想の一環として、国の有識者会議でその機能や研究分野、組織形態などに関する議論が重ねられているところであります。 その主な内容につきましては、国立の研究所として設置し、原子力災害に見舞われた浜通り地域でなければ研究できないような、ロボットや第一次産業、エネルギー、廃炉などの分野で、世界水準の産業創出を図るとともに、地元の小・中学校、高校等に対する教育や県内外の大学との連携も行う方向性で検討が進められているところであります。 こうした拠点設置の意義といたしましては、1つとして、次世代を担う若い世代の定着・移住等による定住人口の拡大や、2つとして、世界レベルの研究を通した新産業の創出と、長期的な人材の育成・確保、3つとして、世界への情報発信による国際的な風評対策につながることなどであり、浜通り地域の復興・創生を大きく進展させるといった効果が期待できるものと認識しております。 ◆13番(小野潤三君) この機関は浜通り復興の拠点となるわけですので、本市がこの拠点に貢献することを通して、浜通り地域全体の復興に寄与する姿勢が重要だと考えます。 2つとしまして、いわき市はこの機関にどのように貢献できると考えているのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 国際教育研究拠点がその機能を十分に発揮し、期待される効果が浜通り地域全体に波及するためには、本拠点の行う取組に対し、地元企業の参画を促進し、地域経済の活性化につなげていくことや、担い手となる地域人材を育成し、確保していくことが不可欠であると認識しております。 そのため、市といたしましては、本市の多様な産業基盤や、交通アクセスなどの都市基盤、福島工業高等専門学校をはじめとした高等教育機関のネットワークなど、様々な既存の地域資源を、しっかりと活用する枠組みを構築するよう、国や県等に対し、強く要請するとともに、エネルギー関連産業の振興やキャリア教育の推進など、これまでの本市の産業振興や人材育成の取組を着実に進めるといった役割を果たすことで、浜通り地域が一体となった知の融合拠点の形成に貢献してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) この国際教育研究拠点が研究開発や人材育成の機能を最大限に発揮するには、やはり立地が重要だと考えます。一定の都市機能を持ち、首都圏とのアクセス性に優れたいわき市の近接したエリアに設置するのが望ましいと考えます。 いわき市がこの機関にどう貢献していくのかということを含め、立地や機能に関して本市の考えや、貢献できる内容を主体的にプレゼンテーションしていくべきと考えますが所見を伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 国の有識者会議において、国際教育研究拠点の立地地域を検討するに当たっては、浜通り地域を大きな研究開発ベルトと捉え、福島イノベーション・コースト構想の研究施設や福島第一原子力発電所との連携を重視するとともに、生活環境、交通アクセス、地元自治体や参加を希望する大学・企業等の意向などを踏まえるべきとしております。 市といたしましては、本市が有する産業基盤や都市基盤、高等教育機関のネットワークなど、本拠点の機能発揮につながるような本市の優位性を、引き続き国や県等に対し働きかけるとともに、双葉地方八町村や地域の産業界、高等教育機関等と連携しながら、本拠点から生み出される様々な果実を地域に結びつけ、浜通り地域全体の復興・創生に資するような取組を推進してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 有識者会議によりますと、この国際教育研究拠点は創造的復興の中核拠点、究極の地方創生モデルであり、世界レベルの研究者を配置するのだということで、実に力強く構想を語っております。我々としては、浜通りの復興を通して、いわき市も共に復興していくというウィン・ウィンの理念をもって、この構想に関わっていくべきだと考えます。この機関を実のあるものにするためにも、いわき市の役割が大きいと考えます。構想が固まる今日からが本格的なスタートでありますので、市長はじめ、しっかりとした関わりをお願いいたします。 大きな質問の3番目は、新型コロナウイルス感染症に対応した学校運営等についてです。コロナの影響で学校が2か月ほど休校になりました。北九州では、恐らく初めて全国で学校での感染が確認されましたが、学校が感染拡大のクラスターとならないように万全の対策を取りながら、2か月間の遅れを取り戻し、いかに子供たちの学びの場を確保していくかが問われています。 そこで、1点目の質問は、感染症対策についてです。 1つとして、コロナ感染防止のため、各小・中学校において、どのような対策を講じているか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 各学校の感染防止対策につきましては、国の衛生管理マニュアルのほか、市教育委員会が策定した小・中学校再開に当たっての留意事項を基に、各学校において、マスクの着用、手指消毒液の設置、教室内の換気の徹底、定期的な消毒作業等を実施しているところであります。 また、密接になる活動は極力避けたりするなど、3つの密の重なりを生じさせないための対策や基本的な感染症対策として、登校時の健康状態を確認すること、十分な睡眠、適度な運動やバランスのとれた食事を心がけるよう各学校に指導しているところでございます。 ◆13番(小野潤三君) 2つとして、小・中学校で今後コロナの感染者や濃厚接触者が発生した場合、市内全部の小・中学校を休校にするのか、あるいは当該の学校のみ休校にするのか、その辺の対応についての考えを伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 児童・生徒及び教職員の感染が確認された場合につきましては、出席停止・特別休暇の措置を取ることとし、当該学校を含む休業措置につきましては、接触者の多寡、地域の感染状況、感染経路等を踏まえ、総合的に考慮した上で、実施の可否について判断してまいる考えでございます。 さらに、濃厚接触者と特定された場合の出席停止や休業等についての判断は、個々の状況が学校ごとに異なることから、保健所と協議をしながら判断してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 3月のときも市内全部休校にするべきだと声もありましたし、その辺の考え方を明確にしながらやっていっていただければと思っております。これまで市内の小・中学生においては、感染者が1人、濃厚接触者が1人発生しております。学校現場でいじめや差別が起きないか心配しておりました。今後も感染者や濃厚接触者が出た場合、同様の懸念があります。 3つとして、いじめや差別を起こさせないため、どのように対応する考えか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 各学校におきましては、感染者等に対するいじめや差別につながる行為は、断じて許されるものではないことを、道徳科や特別活動などを含めて、教育活動全体を通して指導しているところでございます。 さらに、児童・生徒の心のケアが必要な場合には、学級担任や養護教諭、スクールカウンセラー等による支援を行うとともに、気軽に相談できる場所として県の24時間子供SOSダイヤルや、いわき総合教育センターに設置しているすこやか教育相談等の相談窓口を適宜周知するなど、心のケアに努めているところでございます。 ◆13番(小野潤三君) 2点目は今年度の学校運営についてです。 4月、5月の2か月間、休校または分散登校になったことから、今年度の学校運営は例年に比べ非常にタイトになることが懸念されております。授業はもちろん、様々な学校行事も子供たちが成長するための場として用意されているものですので、日程がきついからといって安易に削っていいとは思いません。文部科学省では学びの保障という言い方をしていますが、2か月間休みになったことにより、10か月間に無理に12か月分を押し込めるのではなくて、しっかりとした学びの保障をしてあげられるかが問われております。 そこで、1つとして、遅れた分のカリキュラムはどのように取り戻すのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 臨時休業によるカリキュラムの遅れの取戻しにつきましては、夏季休業中と冬季休業中に授業日を計9日間、土曜授業日を5日間設定するよう各学校に通知したところでございます。 児童・生徒の負担過重にならないよう十分配慮しながら、各学校の実態に応じて、一人一人の学習状況を丁寧に把握し、授業と家庭学習とのつながりを充実させるなどによりまして、未履修を生じさせないよう各学校に引き続き指導してまいる考えであります。 ◆13番(小野潤三君) 2つとして、運動会や学習発表会、修学旅行、音楽祭など、1年間の中で予定されていた様々な校内行事の実施について、実施や中止はどういう判断をするのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 修学旅行、運動会、学習発表会等の学校行事の実施の可否につきましては、各学校長の判断によるところでございますが、実施する場合には、文部科学省の通知を基に、専門家会議で示されている3つの密の条件が重なることのないようにするなど、感染症対策を徹底するとともに、その教育的効果や児童・生徒等の心情にも配慮しながら、開催の時期、場所や時間、開催の方法などについて適切に判断するよう、各学校に求めているところでございます。 ◆13番(小野潤三君) 次に、部活動の件です。 運動部で活動してきた中学3年生にとっては、入学以来頑張ってきた集大成が中体連の大会です。文化部でも吹奏楽や合唱の大会など、3年間の成果を発表し、競い合う場が本来のゴールだったわけです。 2度と戻ってこない中学時代の集大成の場は、何とか設けてあげたいというところから、3つとして、こうした部活動に関わる大会などはどのように行われる見通しか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 中学校の部活動の大会のうち、吹奏楽連盟いわき支部大会につきましては、中止であると連盟から伺ってございます。 合唱コンクールいわき支部大会につきましては、現在のところ、実施の可否について示されておりませんが、今後の連盟の判断を注視していく考えでございます。 市中体連の大会の実施の可否につきましては、市中体連が決定するものでございますが、全国大会、東北大会、県大会が中止になったことを踏まえまして、市中体連では、3年生を含めた生徒の努力が発揮される場をつくりたいといった考え方から、夏季休業中に、市レベルでの大会開催を計画していると伺っております。 ◆13番(小野潤三君) 中学3年生でもう1つ心配なのが、進路を決める高校受験です。今年度は、タイトなスケジュールでカリキュラムを消化しなければなりません。通常通りの高校受験が実施できるのか危惧しております。 これは県の教育委員会が決めるところではありますけれども、4つとしまして、他の市町村とも連携しながら、必要な配慮をするように、県教育委員会に申し入れるべきだと考えますが、対応について伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 高校受験への配慮につきましては、国から県教育委員会等に対し、令和3年度高等学校入学者選抜等における配慮事項として、入学志願者が行事・大会等への不参加により不利益を被ることや、出題範囲や内容、出題方法についても、特定の入学志願者が不利にならないよう、措置を講じることが求められております。 このようなことから県においては、現時点で、特色選抜において、中学校3年時の大会実績や資格取得等のみで出願要件を限定しないこと、一般選抜、連携型選抜、後期選抜においても、中学校3年時の大会等の実績は選抜資料としないことが示されてございます。 市教育委員会といたしましては、学校現場の状況を的確に捉え、引き続き、志願者に不利益を生じない対応につきまして、教育長会などを通して県教育委員会に対して要望するとともに、高校入学者選抜に係る様々な情報を各学校に伝え、生徒の不安払拭に努めるよう、各学校に促してまいる考えであります。 ◆13番(小野潤三君) 質問の3点目は、GIGAスクール構想の実現についてです。 日本の全児童・生徒にパソコンを1人1台行き渡らせるということで、文部科学省が昨年からGIGAスクール構想を進めています。5月11日に文科省の学校の情報環境整備に関する説明会というネット会議が開かれまして、その中でこの構想の実現が強く訴えられておりました。その冒頭で、文部科学省の方がお話しされていたのが、資料の5ページ目です。 学校外での平日のデジタル機器利用状況が示されております。コンピュータを使って宿題をするがOECD平均で22.2%なのに、日本はわずか3%、学校の勉強のためにインターネット上のサイトを見るがOECD23.0%に対し、日本は6.0%。ネット上でチャットをするはOECD67.3%で日本は87.4%、1人用ゲームで遊ぶはOECD26.7%に対し、日本は47.7%。ICTは学びにもっと活用できるのに、日本の子供たちはチャットやゲームにしか使っていないという現状に、国は大きな危機感を感じています。しかし、なかなか現場が動かないと。 今回のコロナ禍で、オンライン学習などICTの活用はより切実なものとなりました。この説明会では資料に書いてありますとおり、今は前代未聞の非常時・緊急時なのに危機感がない、ICT、オンライン学習は学びの保障に大いに役立つのに取り組もうとしない、えっ、この非常時にさえICTを使わないのはなぜ、と文科省がほえているということで話題になりました。 今回のコロナ禍は学校のICT化を進める大きなチャンスであり、この局面でしっかり取り組む自治体とそうでない自治体の差が出てくると考えています。教育先進都市を標榜する我がいわき市は、このGIGAスクール構想にどう取り組むのか伺ってまいります。 まず1つとして、今回の学校休業中に、オンライン授業などは各小・中学校でどのように取り組まれたのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 休校中のICTを活用した家庭学習の取組につきましては、国語辞典の使い方や英語の発音、理科の実験などの学習動画や学年に合わせた学習課題をホームページ上に掲載するなど、多くの学校がそれぞれ工夫した取組を実施してきたところでございます。 市教育委員会といたしましても、文部科学省や民間企業などが公開する学習支援コンテンツを各小・中学校に周知し、ICTを活用した家庭学習に資するよう努めてきたところでございます。 ◆13番(小野潤三君) 私は娘のうち2人が大学生でありますけれども、今当たり前のようにオンラインで授業を毎日行っております。大学生に限らず、Zoomというオンライン会議のアプリは緊急事態宣言から2週間で利用が3倍に拡大したということであります。3日前、6月5日にはやはりネットで経済産業省の未来の教室というオンライン会議がありました。その中で熊本市や奈良市は、この2か月で飛躍的にオンラインの取組を進めたという報告がありました。本市でもこの2か月間にチャレンジされた学校、先生方には敬意を表しますが、先進自治体に対してはまだ後れを取っていると思います。どう巻き返すのか、真剣に取り組む必要があると考えます。 GIGAスクール構想によりパソコン1人1台を実現するための前提として通信環境を整備する必要がありまして、今議会にそのための補正予算案が上程されています。 2つとして、この通信環境の整備はどのように進めるのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 児童・生徒1人1台の端末整備に向けた小・中学校における通信環境につきましては、国の補助制度を活用して、今年度内に市内全ての公立小・中学校に高速大容量の通信環境を整備することとし、本定例会に必要経費の予算案を提案させていただいているところでございます。 議決をいただいた後は、通信環境の整備につきまして、高速性のみならず、安定性やセキュリティ確保のほか、整備後の効率的な運用管理が求められますことから、実績や専門性等を総合的に判断できる公募型プロポーザル方式により事業者を選定することとしており、さらには、設計・施工を一括で発注することで、事業効率を高め、できる限り早期の整備完了を目指してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) GIGAスクール構想の流れの中で、総務省が学校の外、地域全体の通信環境の改善も図ろうとしております。ICT教育を進めるために通信環境とパソコンを整備するわけですが、そもそも学校が所在する地域に光回線が通っていなければつなげないので、地域に光を通すという話の流れです。資料7ページ目を御覧いただきたいと思います。光回線が家庭などにつながっている状態をFTTH、Fiber to the Homeと言いますが、現在日本全体のFTTHは98.8%です。つながっていないのは全国でわずか1.2%。その1.2%に三和、田人、川前、そして小川の半分が含まれております。今や光回線はインフラであって、電気や水道が通っていないのと同じ程度の大きな問題となります。国は今度の1次補正で30億円、2次補正では500億円の予算措置をして、98.8%をほぼ100%まで持っていくのだと言っています。この期に及んでいわき市内に未整備地区が残るなどということは考えられないと思います。学校問題と少しずれるようですけれども、GIGAスクールの文脈からも地域全体の光回線整備が議論されておりますので、改めて本市としてもこの問題が前に進むように、具体的に取り組む必要があります。 そこで3つとして、市内のFTTHの未整備、つまり光回線が届いていないエリアの解消を果たすべきと考えますが、どのように取り組む考えか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) ただいまおただしにありましたように、総務省においては、情報通信基盤の整備を支援することを目的とした補助制度であります高度無線環境整備推進事業を昨年度創設し、今般の補正予算案において予算額が大幅に拡充されたところであります。 一方、光ファイバー回線の整備や運用につきましては、設備投資等に多額の費用を要することや、一定の利用契約者の確保などが課題とされております。 このことから、これらの課題を踏まえた中山間地域の情報通信格差是正の手法の1つとして、三和地区において、市地域イントラネットを活用した超高速ブロードバンドサービス提供の手法により、平成31年2月から9月にかけて実証実験を行ったところであり、技術的有効性は確認されたところであります。 また、国の補助制度を活用したサービス提供につきましては、昨年度から、電気通信事業者、三和地区の方々及び本市の三者において、必要となる利用契約者数の目安などについて協議を行ったところであり、本年5月には、電気通信事業者と本市において、サービス提供の手法や可能性についても協議を行ってきたところであります。 市といたしましては、今後、三和地区の方々とともに利用希望者の把握を進めるなど、国の補助制度の活用や、実証実験の手法によるサービス提供の可能性について電気通信事業者や地区の方々と協議を行うとともに、これら手法による他地区での超高速ブロードバンドサービス提供の可能性について調査・研究を進めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 先ほど申し上げたとおり、もはやインフラでありまして、通っていないのは考えられないと思いますので、具体的に進むように行政がしっかり民間事業所とか地域との間に入ってこの問題を進めていただきたいと思います。通信回線整備の後はいよいよパソコン1人1台を実現しなければなりません。 4つとして、これをどう実現するのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 今年度整備を予定しております、校内ネットワークに接続をする端末の配備につきましては、今般の、新型コロナウイルス感染症対策としての学校の臨時休業等に対しまして、緊急的かつ早急に児童・生徒の学びの環境を確保する必要がありますことから、国が、児童・生徒1人1台端末の実現を目指すGIGAスクール構想の加速化を図っているところでございます。 市教育員会といたしましては、その趣旨を踏まえ、本市における児童・生徒のICTを活用したよりよい学習環境の早期実現に向けて、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 先日の経産省のネット会議などを拝見しますと、必ずしも1人1台そろわなくてもやり始められるという話でありましたけれども、まずは端末の整備というのは非常に重要な要素でありますので、それをどういうスピードでやるかというところが非常に大事だと思います。ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 実は、GIGAスクール構想は単にパソコンを1人1台そろえようという施策ではなくて、ICTによって教育の在り方そのものを大変革しようというイノベーションの取組であります。経済産業省は日本経済を支える人材育成の観点から、教育の変革を訴えております。その具体的な取組がEdTechです。また新しい言葉が出てきて大変恐縮でありますけれども、EdTechというのは、Education、つまり教育と、それからTechnology、技術を組み合わせた造語であります。ICT技術を教育に取り込んでいこうという取組でありますけれども、その背景には、世界の教育においてICT技術の活用が急速に進んでいるということがあります。 国においては、日本は取り残されるという危機感の中で、経産省を中心に、文科省、総務省が連携しながら巨額の予算を投下してEdTechに取り組んでおります。そこに自治体がきちんと呼応できるかということが問題であります。 資料は7ページの下段からになります。EdTechの趣旨はこういうことです。多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを実現する。この個別最適化という言葉がキーワードです。パソコンのアプリで一人一人が何かの学習をして、そこでつまずいた問題をAIが分析して、その基礎になるところに戻って学習するというように、一人一人の子にとって最適化されたカリキュラムということです。ここにおいては先生の役割が今までとは変わりますし、先生と子供の関係も大きく変わります。 資料の一番最後になりますけれども、これまでとこれからということが書いてありますが、黒板を背にして教科書の内容を一律に講義するというスタイルから、一人一人の子の取組状況を確認し、状況に応じてアドバイスやサポートを行うのが先生の仕事というように変わってきます。 そこで、まず1つとして、こうしたEdTech導入の意義をどう考えるか伺います。 ◎教育長(吉田尚君) EdTechにつきましては、議員御指摘のとおり、教育におけるAI、ビックデータ等の様々な新しいテクノロジーを活用した取組であり、学習指導の質の向上と教師の負担軽減を両立させ、よりよい教育を実現する上で、意義あるものと考えてございます。 本市におきましても、EdTechの一環として、学校のパソコンのタブレット化に合わせ、昨年度よりベネッセコーポレーションと協定を締結し、学習アプリケーション、ミライシードによる授業づくりに取り組んでいるところでございます。 今後、現在進めているGIGAスクール構想の進捗に合わせて、児童・生徒の学習歴の蓄積により能力や特性に応じた、公正に個別最適化された学びの実現や、学校生活上の悩み等を見逃さずに発見し、必要に応じてきめ細やかな支援が受けられる環境の実現などが期待されるEdTechの導入について、さらに研究を進めてまいる考えでございます。 ◆13番(小野潤三君) 先ほど申し上げたオンラインの会議の中で、熊本市の話が非常に興味深かったのですけれども、オンライン授業をやったところ、不登校の子がちゃんと参加したと、そして学校が始まると、登校してきたということで、EdTechということが単に技術の問題だけではなくて、学校を変えるという可能性を非常に感じました。 通信環境やパソコン1人1台というのは予算があれば整備は進みますけれども、問題はそれを活用して教育自体を変革することであります。特に先生方がどう対応していくかというのが非常に大事だと思いますけれども、教員の取組をどう進めるのか伺います。 ◎教育長(吉田尚君) ICT活用に係る教員のスキルアップにつきましては、新たな教育環境に適応した多様な教育活動への取組など、教員の意識改革にも意を用いながら、総合教育センター主催の情報教育研修などにおいて、児童・生徒の学びの保障や自主性を育成するために、新たな指導方法や実地にICTを活用した研修等を実施し、教員の情報活用能力などの資質向上に取り組んでまいることとしてございます。 ◆13番(小野潤三君) この取組を1人教育委員会だけでやるのは重荷かなと思いますが、全庁的な取組についてのお考えを伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 本市における、ICTを活用した教育の取組といたしましては、国のGIGAスクール構想により校内ネットワークの整備に着手し、早期に児童・生徒1人1台端末の実現を図ることとしてございます。 今後、ICTを活用した新たな教育環境の下で、地域学習や、キャリア教育等において教育委員会以外の機関が有する人材や、情報等を活用した様々な教育コンテンツの充実を図っていく必要があることや、ICTを活用した家庭学習等も視野に入れた市全体のネットワーク環境の充実等が求められていることなどを踏まえ、関係部局と連携を図りながら教育におけるICTを基盤とした先端技術等の効果的な活用に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 先進事例である熊本市とか奈良市の話を伺いましたら、うまく進めていくためには誰かキーマンが必要だということを言われておりました。それは教育長とか教育部長といったトップの方が、まずは危機感を持って、教育委員会全体がやるぞと思わなければ、なかなか進まないかなと思いますので、いわき市はぜひ教育先進都市として、頑張って取り組んでいただきたいと思っております。 質問の4点目は、大学生等への支援についてです。 冒頭に述べた志帥会の要望書の中で、いわき市出身で東京など市外に住んでいる大学生や専門学校生などに支援物資をプレゼントすべきだと申し上げました。これは、新潟県燕市が最初に始めたということでありますけれども、先般、#いわき支えあい若者支援ふるさと便という事業でこの要望を実現していただきました。 私がフェイスブックで発信しましたところ、プレゼントを受け取った学生の保護者からたくさん感謝の言葉をいただきました。 もともと本市は、高校を卒業した若者が大学進学や就職で市外に流出してそのまま戻らないということが創生総合戦略の中で大きな課題と認識されております。市外に転出した若者をふるさといわきにつないでいくのは従来からの課題で、今回の若者支援ふるさと便は、東京で1人で頑張っている若者たちを支援するということに加えて、こういう子たちの気持ちをふるさといわきにつないでいくという点で、とてもすばらしい事業だと評価しています。 そこで、まず1つとして、事業の実施状況について伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) #いわき支えあい若者支援ふるさと便は、市外に住む本市出身の大学生等で、新型コロナウイルス感染症の影響により帰省を自粛し、生活に困っている学生を対象に、いわき産米いわきライキなどの食料品を送り、生活の支援を行うことで、少しでも学生に元気を取り戻してもらうとともに、ふるさといわきに想いをはせていただくことを目的として、いわき商工会議所や県、市などで構成するIWAKIふるさと誘致センターが中心となり、地元企業等の協力を得て実施したものであります。 去る5月21日から先着1,000人として募集を開始し、5月28日に上限に達したことから、受付を終了したところであり、申込みをいただいた学生に対しては、既に当該ふるさと便の発送を終えたところであります。 受け取った学生からは、温かいお気持ちに感謝いたします。今のこの気持ちを忘れず、将来は必ずいわきに貢献いたします。これからも難局を乗り越え、夢に向かって頑張ります。といった感謝の意見が寄せられており、改めてふるさといわきへの思いを強く抱いていただいたものと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 2つとして、この事業費はどのように拠出したのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 事業費につきましては、実施主体であるIWAKIふるさと誘致センターの予算に加え、株式会社マルト、好間工業団地連合会などの地元企業が負担したほか、支援物資の1つであるいわき産米いわきライキにつきましては、福島さくら農業協同組合と本市との折半により、現物を提供したところであります。 ◆13番(小野潤三君) 今回は既存の予算を活用したということと、民間の善意に頼ったというところがありますけれども、きちんと補正予算を組んで、全ての学生を支援すべきと考えますが所感を伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 今般の市外に住む本市出身の大学生等への支援につきましては、単に行政が主体の取組ではなく、民間団体であるIWAKIふるさと誘致センターが中心となり、自らも厳しい状況に置かれている市内の企業・団体や行政が連携し、共創の体制で進めた、ほかにはあまり例のない取組であり、本市ならではの共創のまちづくりを象徴する取組事例の1つになったものと考えております。 今後の対応につきましては、5月25日に全国で緊急事態宣言が解除されたことや、それ以降、申込み件数が大きく減少したことなどから、今後の新型コロナウイルス感染状況や国等の支援の動向、市外で生活する大学生等の状況などを見極めながら、引き続きIWAKIふるさと誘致センターや、市内企業など関係機関との共創の体制の下、実施の必要性等について、適宜適切に判断してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) コロナに関して収まったというか、緊急事態宣言は解除されましたけれども、ひょうたんから駒といいますか、東京にいる大学生にアプローチできるやり方を今回分かったということもあると思うんですね。その意味では東京などに進学した子供たちみんなに、3年生でも4年生でも、毎年4月にいわき市からお米とか何かがが送られていくということはとてもいいことだと思いますので、また別の政策としても考えていただきたいと思います。 今回のコロナ禍で、ある意味テレワークなど社会変革が一気に進む契機にもなっております。したたかに、災いを福に転じる、転んでもただでは起きないというタフな取組を行っていただくようにお願いしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午前11時10分まで休憩いたします。          午前11時01分 休憩---------------------------------------          午前11時10分 再開 △木村謙一郎君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。3番木村謙一郎君。          〔3番木村謙一郎君第二演壇に登壇〕 ◆3番(木村謙一郎君) (拍手)おはようございます。3番いわき市議会志帥会木村謙一郎です。以下通告順に従いまして、一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、国民健康保険事業についてです。 国民健康保険は平成30年度の制度改革により、都道府県と市町村が共同で保険者となり、都道府県が財政運営の責任主体になっておりますが、これまでの定例会で示されてきたように、市は国保税が県内統一化されるまでの当面の間は、県が示した標準保険税率を参考に、本市の実情に応じた独自の保険税率を決定し、安定的な財政運営を図っていくとしております。 また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い被害を受けた方々や、甚大な被害をもたらした令和元年東日本台風等の災害において被災された方々への支援についても、対策を講じていく必要があると考えます。 今定例会においても、本年度の事業運営に当たって、いわき市国民健康保険運営協議会からの答申を踏まえ、国保税率の据置きをはじめとした条例改正案、補正予算案などが上程されております。収支見通しなどを踏まえながら、税率の県内統一化までの間の安定的な事業運営、そして感染症や災害への対応など、国民健康保険に係る課題について質問してまいります。 1点目の質問は、収支見通し等についてです。 1つとして、令和元年度の現時点における収支見通しについて伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 歳入合計から歳出合計を差し引いた収支差、いわゆる形式収支につきましては、約1,700万円の黒字が見込まれるところであり、令和2年度に繰り越すものであります。 ただし、精算後単年度収支、いわゆる実質収支につきましては、約3億5,400万円の赤字が見込まれるところであり、これにつきましては、国民健康保険基金から取り崩して対応することとしております。 ◆3番(木村謙一郎君) 実質収支において、約3億5,400万円の赤字が見込まれているということですが、それでは、2つとして、昨年6月時点における収支見通しと比較するとどのようになっているのか伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 昨年度は、令和元年東日本台風等の災害により、被災された方々に対する国民健康保険税の減免による税収の減や、一部負担金等の免除による保険給付費の増がありましたが、国・県からの支援金等の補填があったことから、結果的には、昨年6月時点で見込んでおりました赤字額、約3億6,200万円とほぼ同額となっております。 ◆3番(木村謙一郎君) 実質収支の赤字額が、ほぼ昨年の見込みどおりということですが、先日開催されました国民健康保険運営協議会において、令和2年度の税率について、据置きに同意するとの答申がありました。 そこで、3つとして、令和2年度以降の収支見通しについてどのようになっているのか伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 現行税率を据え置いたことによる現時点での本年度以降の収支見通しにつきまして、国保税率が確実に県内統一化されない令和6年度までの実質収支で申し上げますと、令和2年度は、約2億5,700万円の赤字、令和3年度は、約4億100万円の赤字、令和4年度は、約3億9,000万円の赤字、令和5年度は、約3億9,300万円の赤字、令和6年度は、約3億8,800万円の赤字が見込まれ、昨年6月時点の見通しと比較して、赤字幅は拡大し、赤字収支が継続するものと考えております。 また、赤字幅が拡大することに伴い、基金の取崩し額も増加し、令和6年度末の基金残高は約4億円となり、昨年6月時点の見通しと比較して、約1億3,500万円の減となる見込みであります。 ◆3番(木村謙一郎君) 今後も実質収支が赤字の状況は継続し、令和6年度末の基金残高は昨年の見込みより減少して、赤字幅が拡大していくということでありますが、それでは、4つとして、収支見通しが悪化する原因について伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 令和2年度以降の収支見通しが悪化する要因といたしましては、歳入面では、昨年6月時点の見通しよりも被保険者の所得がさらに減少し、国保税収入の減が見込まれること、歳出面におきましても、昨年6月時点の見通しと比較して本市一人当たりの医療費が増加することに伴い、県に支出する国民健康保険事業費納付金の増が見込まれることによるものであります。 ◆3番(木村謙一郎君) 医療費の増と、税収の減少により収支見通しが悪化していく中で、国保税率が県内統一化されるまで、安定的な財政運営を行っていくためには、税率の引上げということも考えられると思います。 そこで、5つとして、収支見通しが悪化しているにもかかわらず、税率を据え置いた理由について伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 収支が悪化する状況を考慮いたしますと、議員おただしのとおり、本来であれば、収支の均衡を図るため、国保税率の引上げを検討する状況にあると考えられるところであります。 しかしながら、本年度の国保税率を据え置いた理由といたしましては、1つには、現在、国保基金において、約22億2,700万円を保有しておりますことから、現時点で見込まれる実質収支の赤字額を基金から取り崩して補填した場合であっても、国保税率が確実に県内統一化されない令和6年度末時点で、約4億円を保有できる見込みであること、2つには、基金を一定額以上、保有している間は、被保険者の税負担に配慮し、国保税率は引上げを行わないよう努めることとしていることによるものであります。 これらのことから、現行税率を据え置くことは、妥当と判断したところであり、国民健康保険運営協議会の同意も得ているところであります。 なお、今回の収支見通しでは、新型コロナウイルス感染症の影響を見込むことは困難でありますことから加味しておりませんが、国保税収入や医療費の動向を注視しながら、今後の収支見通しの中で適切に対応し、安定的な財政運営に努めてまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) ただいまの答弁にもありましたが、これまでも市は、被保険者の税負担に考慮し、基金を保有している間は保険税率の引上げは行わないという基本的な考えに基づいて、税率を据置いてきましたが、国民皆保険制度の最後のとりでと言われる国民健康保険においては、何よりも安定的な財政運営が求められます。 国保税率の県内統一化がなされる前に、基金が枯渇することがないよう、引き続き安定的な財政運営に努めていただくとともに、今ほども答弁にありましたが、新型コロナウイルス感染症についても、しっかりと状況を分析し、対応していただくよう要望いたしたいと思います。 次に、2点目といたしまして、国民健康保険に係る諸課題への対応について伺っていきます。 まず、1つとして、市民生活や地域経済に甚大な影響をもたらしている新型コロナウイルス感染症に対する対応についてであります。 5月臨時会において、新型コロナウイルス感染症に感染した被保険者等に傷病手当金を支給するため、国民健康保険条例が改正されましたが、1つ目として、改めて、傷病手当金の支給概要について伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するためには、労働者が休みやすい環境を整備することが重要であります。 このため、会社等から給与等の支払いを受けている被保険者が、当該感染症に罹患感染した際、また、発熱等の症状があり感染が疑われる際、療養のため4日以上仕事を休み、給与等が支給されなかった場合などに、給与等の3分の2に相当する額を傷病手当金として支給するものであります。 なお、この手当金につきましては、本年5月18日から、支給申請の受付を開始しておりますが、6月1日現在の申請件数はゼロ件となっております。 ◆3番(木村謙一郎君) 既に申請受付を開始しているとのことですので、まずは、市民への分かりやすい周知・広報に努めていただくとともに、仮に申請があった場合には、迅速・丁寧な対応をお願いしたいと思います。 次に、本定例会においては、新型コロナウイルス感染症の影響で被害を受けた方に対する対策としまして、国保税の減免条例の制定が提案されておりますが、2つ目としまして、その国保税の減免の内容について伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) このたびの国民健康保険税の減免につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により事業収入の減少などの甚だしい被害を受け、担税力を著しく喪失した方の税制面での救済措置を講じるために行うものであります。 具体的に申し上げますと、まず、減免の対象期間は、令和2年2月1日から令和3年3月31日までの間に納期限が設定されている保険税となります。 次に、減免の基準等についてでありますが、主たる生計維持者が死亡もしくは、重篤な傷病を負った場合は、全部を減免、主たる生計維持者の事業収入などが、感染症の影響により昨年と比較して、10分の3以上減少する見込みである場合は、昨年中の合計所得金額に応じた割合により、対象保険税の10分の2から全部を減免することとしております。 なお、減免申請の受付につきましては、納付書発送後、7月中旬以降を予定しており、納付書に同封する案内チラシや広報紙、市ホームページ等において、被保険者の皆様に周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 次に、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためには、あらゆる人がちゅうちょなく医療を受けられる機会の確保が重要であると考えます。これまで、特別な理由がないにも関わらず、国保税を滞納している世帯に対しては、被保険者資格証明書、いわゆる資格証が交付されてきました。資格証は毎年度8月と2月に交付されていますが、東日本台風等の災害による被害を踏まえ、本年2月の交付の際は新規交付を取りやめたと認識しています。 そうした状況の中、今度は未知のウイルスが猛威を振るい、私たちの社会に様々な影響を及ぼし続けております。 そこで、3つ目として、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、被保険者資格証明書についてどのように対応していくのか伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 資格証につきましては、被保険者の負担の公平性を図る観点等から、特別な事情がないにも関わらず、一定期間、国保税を滞納している世帯に対して交付しているものでありますが、新型コロナウイルス感染症への対応といたしましては、国の通知に基づき、帰国者・接触者外来を受診する場合は、資格証を被保険者証とみなして保険診療として取り扱うこととされており、そのため、資格証交付世帯に対し、文書により周知を図っているところであります。 しかしながら、今般の感染状況が、現時点でいつ収束するかが不明であり、医療機関への受診に際しましても大きな影響を来していること、さらには、先般開催されました国保運営協議会において、協議会委員より、感染拡大防止等の観点から資格証の交付を見直すよう要望がありましたことも踏まえ、本年8月の更新時においては、新たに資格証を交付せず、既に資格証を交付している世帯に対しましても、短期被保険者証を交付することとし、感染拡大防止や、医療を受ける機会の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) コロナの影響を考慮し、東日本台風と同じように資格証の交付は行わないと、現在の危機的な社会状況を踏まえた大変適切な判断であると考えております。医療の機会が確保されることで、感染に対する不安も和らぐと思いますし、今後も感染拡大防止の観点も踏まえながら、適時適切な対応をお願いしたいと思います。 私たちは現在、新型コロナウイルス感染症拡大防止の渦中にありますが、昨年、本市に甚大な被害をもたらした令和元年東日本台風等に対する対応も引き続き行っていかなくてはなりません。 そこで、2つとして、令和元年度東日本台風等に対する対応について伺っていきます。 1つ目として、市はこれまで医療費の窓口での一部負担金免除を行っておりますが、その実績について伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 一部負担金の免除につきましては、令和元年東日本台風等により、被保険者の住家が被害を受けた方や、災害で主たる生計維持者が失職し、現在収入がない方などを対象として実施しておりますが、その実績につきましては、令和2年3月末日現在、1万9,045件、9,555万6,000円となっております。 なお、一部負担金の免除期間につきましては、本年3月末としておりましたが、国の財政支援が延長されましたことから、市の要綱を改正し、本年9月末まで延長したところであります。 ◆3番(木村謙一郎君) では、2つ目として、国民健康保険税の減免の実績について伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 国民健康保険税の減免につきましては、令和元年東日本台風等により、主たる生計維持者の住家が被害を受けた場合等について、対象保険税の全額から2分の1を減免するものでありますが、その実績につきましては、令和2年3月末日現在、1,423件、5,616万5,000円となっております。 なお、減免対象期間につきましては、国の財政支援が延長されましたことから、本定例会において、本年9月分まで延長する条例改正案を提案しているところであります。 ◆3番(木村謙一郎君) 一部負担金におきましては、また国保税も議決を得なければいけませんが、減免が延長されるということですので、対象となる方々への周知・広報をしっかりと行っていただきたいと思います。 今年は東日本大震災から10年目となる節目の年でありますが、台風等による大規模水害、さらには未知のウイルスの蔓延など、私たちを取り巻く社会環境は落ち着く間もなく変化しています。こうした状況下で国民健康保険事業は税率の県内統一化に向けた歩みを進めているわけですが、今後も適時適切な支援を実施しながら、公平・公正で安心できる国保事業の運営に尽力していただくことを要望し、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、新型コロナウイルス感染症に対応した医療・介護提供体制についてです。 3月7日に福島県として初の感染者が確認されて以来、陽性患者は累積で81名。県内において、現在も3名の方が入院されておりますが、まずはいまだに入院されている方々の一刻も早い回復を心より願います。 また、この間、様々な恐怖に直面しながら、医療現場の最前線で治療に当たってこられた医療従事者の皆様、関係者の皆様には改めて心からの敬意と感謝を表したいと思います。 これまで、県内においては死者もなく、5月8日以降、新規患者が出ておりませんので、このまま事態が終息してくれるのを誰もが願っているのではないかと思います。 一方で、北海道や東京、北九州市においては感染拡大の第2波、第3波に襲われている状況であり、政府の専門家会議が指摘しているように、必ず次の感染の波が来るという認識の下に、これまでの対応などを参考としながら、備えを強化していかなくてはなりません。 そこで、1点目は医療機関における役割分担についてです。 初めに、感染者の受入れについて、病床の確保や民間の医療機関等の協力など入院受入れ態勢はどのようになっているのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 新型コロナウイルス感染症の医療提供体制については、福島県が医療調整本部を設置し、県医師会、県病院協会、福島県立医大、DMAT、県消防長会、各保健所など関係機関による医療提供体制の広域調整を行い、病床の確保、入院患者等の受入れ調整、搬送調整等を行っているところであります。 また、市におきましては、医療調整本部の方針等を踏まえ、いわき市医療センターと市内5か所の協力医療機関及び関係機関を交えた新型コロナウイルス感染症対策いわき地域医療会議において、協力医療機関の受入れ可能病床数の確認等を行うなど感染者が増えたときの対応等について協議を行うとともに、県に要請し、市内ホテル100室を軽症者等宿泊療養施設として確保していただいた上で、県と市の共同体制により、5月18日から受入れを開始したところであります。 ◆3番(木村謙一郎君) 民間宿泊施設を利用した軽症者等の患者に対する受入れ態勢が強化され、医療提供における役割分担は一歩前進したことになりますが、限られた医療資源を効果的に運用していくためには、感染者の症状に合わせた受入れに向けて、さらなる役割分担が必要と考えます。 そこで、2つとして、重点医療機関を指定するなど、中等症患者等の受入れ態勢を強化していくことが必要と考えますが市の所見を伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 本市の新型コロナウイルス感染症患者の受入れ体制につきましては、新型コロナウイルス感染症対策いわき地域医療会議において、検討・協議しておりますが、協力医療機関では医療的ケアが必要な軽症者を受け入れることとしておりますことから、中等症患者の受入れ体制を強化していく必要があると考えております。このため、受入れ病床の確保調整を行う県と協議してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 中等症患者の受入れ態勢の強化というのは、負担とリスクを分担する意味で非常に重要な問題と捉えておりますので、市としても協力病院の確保に向けた働きかけを、粘り強く行っていただくよう要望いたします。 また、こうした民間医療機関の協力を得るためには、感染者の受入れに伴う様々な負担を軽減していくことも必要と考えます。 そこで、3つとして、中等症患者等の受入れに協力する民間の医療機関などに対して、市として支援を行う必要があると考えますが所見を伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 新型コロナウイルスの感染者を受け入れる医療機関の体制整備につきましては、県がその役割を担っており、当該感染者を受け入れるために、一般病床を確保した医療機関に対し、空床補償を実施し支援する方針が示されております。 市といたしましては、こうした動きを注視しますとともに、市内の医療機関が参加する新型コロナウイルス感染症対策いわき地域医療会議において、医療機関に対して協力を要請しつつ、医療機関からの意見や要望を十分に酌み上げて、県に対し、医療調整本部会議などを通して、国の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を活用した支援等を要望してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 一義的にはこの辺は県が基本的に整備していくことだと思うのですけれども、市としてもやはり日頃からの医療連携の下地などを利用して、何とかこの役割分担をさらに進めていただくように尽力していただきたいと思います。 次に、地域医療においても、コロナ対応においても重要な役割を担っているいわき市医療センターにおいて、院内感染等による医療崩壊が発生することは何としても食い止めなくてはなりません。そのためにあらゆる防護策を講じていることとは思いますが、それでも万が一を想定した対策を講じておく必要があると考えます。 そこで、4つとして、仮にいわき市医療センターで院内感染が発生した場合については、どのようなバックアップ体制になっているのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 仮に、いわき市医療センターで院内感染が確認された場合には、国から示された感染症発生状況等の把握やPCR検査の実施、感染拡大防止対策としてのゾーニングや標準予防策の徹底などを図りながら、医療センターにおいて初期対応を実施することとなります。 また、院内感染の状況により、医療センターで新規患者の受入れができないような状況が見込まれる場合には、速やかに県新型コロナウイルス感染症医療調整本部と連携を図り、市内の医療機関による受入れのほか、県内の医療機関への広域的な受入れの調整を、診療科に応じて行うこととなります。 ◆3番(木村謙一郎君) 感染の第2波に襲われた北九州市においては、医療機関でクラスターが発生し、地域の救急医療が逼迫するおそれがあるとして、市は医師会と連名で患者受入れの協力要請を、救急外来がある市内の病院はもとより、市外の病院にも行ったと報道されました。こうしたことを対岸の火事ではなく、本市としても次の波に備えるための教訓としなくてはならないと思います。 いわき市医療センターが担うべき医療には、他の病院では代替の利かないものがあります。いわきの地域医療を守るためには、各医療機関の負担と感染症のリスクというこの2つを分担するという観点から、官民問わず、全ての医療機関が連携・協力して、コロナ対応に当たることが求められております。市当局におかれましては、感染流行期においても、市民が安心できる医療提供体制の構築に向けて、大変難しい課題であることは認識しておりますけれども、最大限の努力を重ねていただくことを強く要望いたします。 次に、2点目の質問は、発熱外来についてです。 まず1つとして、これまでの受診件数など、稼動状況はどのようになっているのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 発熱外来の受診者数につきましては、診療を開始した4月28日から6月1日までの35日間で、119人となっており、1日当たりの平均受診者数は3.4人であります。 ◆3番(木村謙一郎君) 本市の発熱外来は休日夜間急病診療所に開設されているため、休夜診は休診状態になっています。休日診療については、休日当番医による医療の提供が行われておりますが、夜間急病患者への影響が心配されます。 そこで、2つとして、夜間急病患者への診療について、休夜診の休診に伴いどのような影響があるか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 休日夜間急病診療所は、軽症者を対象とする一次救急医療機関で、レントゲンなどの検査機器を備えておらず、症状の重い患者の診察は行っていないこと、また、全国的な新型コロナウイルスの流行以降、受診者数が減少しており、発熱外来開設直前の4月1日から27日までの1日当たりの平均受診者数は、約2.4人と、前年同期の約5分の1にまで減少しておりましたことから、夜間帯を休診したことによる影響は比較的小さいものと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 感染症の流行による受診状況の変化などを踏まえて、休夜診に代わり、発熱外来を設置したとのことだと思いますが、同じように新型コロナウイルスの感染の状況によっては受診者の状況、逆のパターンが考えられると思います。そうした状況を見極めながら、本来の休夜診の機能を復帰させていくことも必要と考えます。 そこで、3つとして、発熱外来の設置期間について、市はどのような見通しを持っているのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 発熱外来は、新型コロナウイルスの感染が疑われる症状があり、帰国者・接触者相談センターに相談した結果、帰国者・接触者外来の受診は必要がないと判断された方のうち、かかりつけ医を持たない方などの診療を行っておりますが、地域医療の崩壊を防ぐ上で重要な施設でありますことから、設置期間につきましては、今後の新型コロナウイルスの感染状況等を見極めながら、市医師会及び薬剤師会と協議の上、慎重に検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 発熱外来の設置の在り方については本当に慎重な判断が求められると思うんですけれども、同じように休夜診もどちらも必要な医療機関というか施設だと思いますので、その辺を両立させていくというのが難しところではあると思うんですけれども、感染の状況あるいは市民のニーズをしっかりと適時適切に踏まえながら、判断していただきたいと思います。 次に、3点目の質問は、検査体制についてです。 第2波、第3波による被害を最小限に食い止めていくためには、感染を速やかに発見し、早期の封じ込めをしていくことが重要とされていますが、そのためには必要な方へ、いち早く検査を行える体制が必要となります。 新宿区や福島市のように、検体採取を重点的に行う、いわゆる検査スポット、検査センターを設けて、検査機能の強化を行っている自治体もあります。 そこで、検査の数や運用のプロセスなども含め、市は検査機能の強化・拡充をどのように図っていく考えか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 市におきましては、これまで1日最大48検体の検査を実施可能な福島県衛生研究所に委託してきたほか、市独自に民間検査機関との契約により、1日最大50検体の検査を確保し、さらに市保健所が10検体の検査を実施することにより、合計1日最大108検体の検査ができる体制を整備してまいりました。 今後は、濃厚接触者について、症状の有無にかかわらず、速やかにPCR検査を行うよう取扱いが変更されたことを踏まえ、感染拡大の第2波に備えるため、県が6月末までに新たに整備する予定の検査機器を活用し、検査体制の拡充を図るほか、抗原検査や唾液によるPCR検査など、保険適用された新たな検査方法などを取り入れながら、診察・検査等の各プロセスを再評価することにより、より迅速で円滑な検査体制の構築に向けて、市医師会や地域の医療機関等と連携し、対応してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) この検査数、検査体制については様々な議論が全国でも起こっているわけですが、数に限りもあると思います。なかなか単純に増やせる問題でもないと思いますので、ただいま答弁にもありましたように、プロセス、運用方法をきっちりとこれまでも対応というものが参考になると思いますので、その辺を検証しながら、体制の強化・拡充に努めていただくようお願いしたいと思います。 4点目の質問は、医療用資器材等の確保についてであります。 感染症の流行拡大に伴い発生した医療用資器材の不足に対応するため、本市ではプロジェクトチームを立ち上げるなどして、多くの方々の御協力・御支援をいただきながら、医療用資器材の確保を行ってきました。こうして集められた限りある資器材を、医療現場の状況に合わせて、適切に配布していくことは大変重要であると考えます。 そこで、1つとして、市が確保した医療用資器材について、配布はどのように行われているのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 医療用資器材の確保につきましては、新型コロナに負けないプロジェクトチームにおいて、本年5月までに、市民の皆様からの寄附を含め、マスク約48万枚、手指消毒液5,000本、フェイスシールド約7,000枚などを確保したところであり、このうち、マスク約22万枚、手指消毒液約3,000本、フェイスシールド約6,000枚につきましては、医療機関等の在庫状況や使用状況等を調査した結果を基に、いわき市医師会をはじめとする各種団体を通じて、各病院や診療所、薬局、歯科診療所に配付したところでございます。 ◆3番(木村謙一郎君) 医療機関の状況などを調査した上での配布ということですので安心しております。 次に、2つとして、次の波に備えるという意味で市内医療機関における医療用資器材の確保状況はどのようになっているのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 本年5月に実施しました市内医療機関における医療用資器材の確保状況の調査では、一部に改善が見られましたものの、依然として医療用マスクを中心に不足傾向にあることが判明いたしました。 こうしたことから、市といたしましては、今後も引続き、国・県の配布状況を確認しながら、医療機関における医療用資器材の確保状況及び市場における流通状況の把握に努めますとともに、医療用資器材の入手ルートに係る情報提供など必要な対策を講じながら、感染拡大の第2波に備えてまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 医療従事者が不安なく治療と向き合えるように、引き続き、医療用資器材の確保と適切な配布に努めていただきたいと思います。 5点目の質問は医療従事者等へのケアについてです。 未知のウイルスと戦うためには、まずは十分な装備が必要です。それでもなお、様々な不安を感じながら、実際の診療に当たっている医療従事者に対して、その不安を解消し、診療により集中できる環境をつくりあげるため、あらゆる対策を講じていくことが必要と考えます。市はゆったり館を利用して、医療従事者が利用できる宿泊施設として提供してきましたが、こうした取組も継続していくことが必要と考えます。 そこで、コロナウイルス関連医療の現場で働く方々の不安を解消するための取組を、市は今後どのように行っていくのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、医師や看護師はもとより、事務職を含めた医療従事者の方々には、心身に大きなストレスを抱えているものと推測されるところでございます。 市といたしましては、家族への感染を危惧して帰宅困難な方のための宿泊施設の提供や、いわれのない差別や偏見等の防止の広報など医療従事者の方々の不安の解消に努めてきたところであり、今後は、医療従事者の方々の心と身体の健康を維持するためのチラシの配布やこころの健康相談窓口の案内などを行っていく考えでございます。 また、今後の感染拡大の第2波に備え、医療従事者の方々の抱える様々な不安やストレスの要因を把握するとともに、その解消に向けて必要な支援の在り方を市医師会や病院協議会などの関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 新型コロナウイルスによる私たちの社会への被害を最小限に食い止めるための最前線というのが医療現場だと考えます。例えばですが、古代ローマ帝国では敵と対峙する前線拠点の状況に常に気を配って肉体的にも精神的にも安心して戦える拠点として維持しながら、兵たんの確保にも万全を期すことがコロナの戦いにも非常に教訓として使えるのではないかなと考えます。様々な細かいところに対応していかなくてはいけない、きめ細やかな対応が必要になってくると思うんですけれども、これまでの第1波の対応などを検証しながら、第2波、第3波に備えて、医療現場の環境を最適に保つためのあらゆる手段を講じていただくことを強く要望いたします。 次に、6点目の質問は、介護現場における諸課題についてです。 4月28日、私たち志帥会は市長に対し、緊急要望書を提出いたしましたが、30項目ある要望の中で、特に介護・福祉事業所に対する支援は重要な課題であると捉えております。 医療崩壊と同様、介護崩壊を避けるために、市としてもできる限りの対策をしていただくよう、改めて求めますが、適切な支援を行うためには、まずは現場の状況を正確に把握することが必要です。 そこで、1つとして、市としては、感染症流行期における介護サービスの提供状況をどのように捉えているのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 介護サービスは、利用者等の生活を維持する上で欠かせないものでありますことから、市では、市内の介護サービス事業所等に対しまして、十分な感染防止対策を実施した上で、支援が必要な方へのサービス提供の継続をお願いしているところでございます。 しかしながら、新型コロナウイルス感染予防の観点から、自主的にサービスを休業または縮小する事業所も散見されており、こうした場合には、支援が必要な利用者に対し適切な代替サービスを確保した上で、市への事前の届出の提出をお願いしているところであります。これまで27の事業所から届出がなされましたが、6月1日時点では、15事業所が通常どおり再開したところでございます。 ◆3番(木村謙一郎君) 次に、2つとして、介護事業所等における感染防護具の確保状況はどのようになっているのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 医療機関等に対するマスク等の感染防護用資材につきましては、国内需給状況が逼迫し入手しにくい状況であることを踏まえ、国の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に基づき、県では、県内の介護サービス事業所等に対し数回の配布を行っており、本市の事業所に対しましては、マスク約12万6,000枚などが配布されております。 また、市におきましても、さらなる感染防護用資材の供給確保に資するため、新型コロナに負けないプロジェクトチームを立ち上げ、購入に係る情報提供や、企業や個人からの寄附について、市公式ホームページ等で広く募るなどしながら、物資の確保に努めてきたところであります。その結果、独自の購入ルートの開拓や、多くの寄附受納といった成果があり、介護サービス事業所等に対しましても、市独自にマスクを約11万7,000枚、消毒液を約1,700本配布したところであります。 なお、本年6月1日に市内の特別養護老人ホームに対し市が行った聞き取り調査では、マスク等の用品の備蓄状況等はおおむね充足できているとのことであり、今後におきましては、再度の感染拡大に備えるため、まずは、各施設に対しマスク等の必要数の事前の確保を促すとともに、施設からの要望や、マスク等の備蓄状況を適宜聴取し、国・県との連携を図りながら、引き続き必要な支援を実施してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) クラスターの発生や感染への不安から、先ほどもありましたように自主的に事業者がサービスを休止するなど、様々な事情により、介護サービスの提供が維持できなくなるような事態、今よりも第1波よりも最悪の事態を想定した対策が必要ではないかと考えます。 そこで、3つとして、感染の拡大により、介護サービスが休止した場合の利用者への対応はどのように行っていく考えなのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 事業所が休業やサービスの縮小を行う場合には、事前に利用者に対して休業等の事実や代替サービスの確保等について丁寧な説明を行うとともに、ほかの事業所による介護サービスの適切な代替サービスの検討を行い、関係事業所と連携しつつ、適切なサービス提供を確保することになっておりますことから、市といたしましては、これらの取扱いが遵守されるよう、事業所を指導してまいりたいと考えております。 また、県におきましては、万一高齢者入所施設等において感染者が確認された場合に備え、施設等で働く介護職員が不足することを想定し、施設間による職員の相互応援システムを構築して、サービス提供を継続できる支援策を実施することとしております。 介護サービスは、利用者の方々や、その家族の生活の維持に欠かせないものであり、市といたしましては、今後も事業所に対し、介護崩壊を発生させないための感染防止に向けた取組を徹底するよう適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。介護・社会福祉施設などにおける感染拡大防止への取組というのは、サービスの形態に合わせて本当にきめ細やかに適切に行っていく必要もあると思います。そういった点も踏まえて、事業者や利用者の声というものを的確に捉えながら、感染流行期においても医療と同じように十分なサービスが提供されるよう、市当局としても引き続き尽力していただくことを改めて要望させていただきます。 次に、7点目の質問は、保健所機能の強化についてです。 医療機関と同じように、今回の新型コロナウイルス対応の最前線の1つが保健所です。対策本部としての業務や殺到する問合せへの対応に追われるなど、様々な業務が集中し、当初は非常に過酷な状況であったと伺っております。こうした状況を打開するには、速やかに人員の増強を行うことが有効と考えます。 そこで、1つとして、保健所のマンパワーを強化するために、市はどのような取組を行ってきたのか伺います。
    保健福祉部長(飯尾仁君) 保健所のマンパワーの強化につきましては、保健所総務課に、企画・立案等を担当する総務班及び、患者対応や疫学調査等を担当する感染症対策班を部内の応援職員3名を加えた上で設置し、新型コロナウイルス感染症への対応時の役割を明確にすることにより、感染者の確認時にスムーズに対応できる体制を構築しますとともに、疫学調査担当者を増員し、感染者の拡大に備え対応してきたところであります。 また、保健所の体制強化のため、保健福祉部内に財務の調整等を担当する総合調整班や広報の立案、充実を担当する広報企画班等を設置しますとともに、新型コロナに負けないプロジェクトチームを立ち上げ、不足している医療資器材の調達や外出自粛による不活発化防止対策に取り組むなど、保健所機能の充実、強化に努めてきたところであります。 さらに、部を超えた職員庁内応援制度の活用により、11名の職員の応援を受け、二班体制を構築しますとともに、執務室も分散し、マンパワーと保健所内の感染拡大防止策の強化を図ってまいりました。 今後も、市内の感染状況等を踏まえ、必要に応じて応援体制の強化を図るなど、全部局の御協力の下、対応に万全を期してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 今回は庁内で協力し合って何とか乗り越えてきたということだと思うんですけれども、今後は、さらに多くの感染者が発生するような状況も想定して、さらなる人員の補充・強化策を検討しておくべきと考えます。 そこで、2つとして、有資格者の臨時採用やOB職員の協力を仰ぐなど、より積極的な方法も取り入れていくべきと考えますが、市の所見を伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 現在、保健師につきましては、庁内他部署から応援による増員体制をとっているところでありますが、今後の感染拡大の第2波に備えるため、クラスター対策など体制のさらなる強化を検討する中で、人員に不足が見込まれます場合につきましては、市公式ホームページ等により、OB職員に協力を呼びかけ、必要に応じて協力していただける体制を構築できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 保健所機能を維持していくためには、保健師などの有資格者も含めたバックアップ体制の確立が必要となりますので、柔軟な発想で対策を講じていただくことを要望いたします。 次に、保健所が本来の業務に集中するためには、問合せへの対応業務を減らしていくことが重要と考えます。 そこで、3つとして、コールセンターの設置状況について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 本市のコールセンターにつきましては、1月30日に新型コロナウイルス感染症の一般相談ダイヤルを、2月10日には、感染の疑いのある方からの専門相談ダイヤルとして帰国者・接触者相談センターを設置し、さらには4月11日より一般相談専用ダイヤルを土日祝日も運営することにより、利用者の利便性の向上を図るため電話相談体制の充実を図ってまいりました。 さらに4月20日からは、福島県と連携し、福島県が実施する県内の帰国者・接触者相談及び一般相談のコールセンターの一本化に参加することにより、土日祝日の運営と職員の負担軽減、本来業務への専念を可能にしたところであり、本市保健所への電話相談件数につきましては、福島県の業務委託前は、直近1週間で1,162件あったものが、5月末の直近1週間では、感染者が確認されていないこともあり56件となっております。 ◆3番(木村謙一郎君) 県の一本化によって非常に業務が整理されて大分負担が減ったということだと思います。コールセンターの開設には、対応に必要な情報の収集整理など、一定の時間を要するということですが、大規模な災害が発生した場合なども含めて、迅速な設置を心がけ、対応部署の負担の軽減に今後も努めていただきたいと思います。 次に、社会経済に大打撃を与えるような未知の感染症に対応するためには、対策本部の在り方について検証を行い、しかるべき組織改革が必要と考えます。 そこで、4つとして、自然災害だけでなく、未知の感染症などへの対応も行えるように、危機管理部門の組織の強化・拡充が必要と考えますが市の所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 自然災害をはじめ、今般の新型コロナウイルス感染症等の様々な危機事象につきましては、今後も発生が予想され、市民生活や社会経済活動、さらには、行政サービス全般に大きな影響を与えますことから、危機管理体制の充実を図りながら、これまで以上に、広範囲にわたり、防災・減災・克災に関する対策を重点的に取り組むことが必要となってきているものと考えております。 危機管理体制の充実に向けましては、今年度より新たに、総合政策部内に次長職である危機・防災対策担当を配置しているほか、本市の災害対応に関する取組、さらには災害対応体制の強化を図るべく、検証委員会による検証を実施しているところであり、これらの検証や、新型コロナウイルス感染症対策の取組状況等を踏まえながら、今後も想定される大規模災害や様々な危機事象に備え、危機管理体制のさらなる充実強化について検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 対策本部の在り方に関する問題の本質というのは、河川課が水防本部を担っている問題と共通する部分があると捉えております。危機が発生した場合にはやはり危機管理監を筆頭に指揮命令系統を一元化して、意思決定プロセスを明確にすることが大切で、例えば、河川課や保健所のように、技術者や有資格者がいる部署というのは現場の最前線でその能力を最大限発揮できるような体制を構築する必要があると感じております。市長の答弁にもありましたが、この危機管理体制の在り方というのは、組織の拡充強化含めて早急に改善していただくことを改めて要望し、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、新型コロナウイルス感染症収束後のまちづくりについてです。 東京や大阪、ニューヨークやパリなど大都市が、感染症というリスクに対していかに脆弱であるか、この数か月間私たちはそれを目の当たりにしてきました。コロナショックにより、都市を離れ、地方への移住を希望する人が増えているという報道がなされているように、都市と地方の価値を改めて見直す動きが広がりつつあります。 地方都市である本市においても、こうしたコロナによる価値観の変化を的確に捉え、来るべき社会に備えた政策に、より重点を置いた市政運営が必要であり、そのためには、地方の優位性を明確にし、認識を共有していくことが重要と考えます。 そこで、1点目の質問は、地方の優位性についてです。 都市に対する地方の優位性を確立していくために必要不可欠な技術がICTです。道路や水道、電気などと同じように、もはやICTの活用に必要なハード整備は当たり前で、今後はこの技術をいかに活用していくかが地方自治体の将来に大きな影響を及ぼすと考えます。 そこで、1つとして、ICTの活用促進について、これまで以上に市は関連施策を推進していく必要があると考えますが所見を伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本市における情報化の推進につきましては、市地域情報化推進計画に基づき、安全・安心で魅力あるまちづくりに向け、様々な施策を展開しているところでありますが、今般の新型コロナウイルス感染症への対応はもとより、今後の本市のまちづくりに当たって、市民の皆様の利便性向上や、本市の優位性を高め、選ばれるまちづくりを進める上でも、ICTの役割は、ますます重要になってくるものと認識しております。 市地域情報化推進計画につきましては、本年度、計画期間満了に伴い新たな計画を策定することとしておりますことから、市民サービスのさらなる向上や魅力あるまちづくりに向けたICTの活用促進について、関係部局と協議調整しながら、検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) ぜひ戦略性をもって政策を展開していっていただきたいと思います。 集約された都市が持つリスクを感じたのは企業経営者も同じと考えます。今回のコロナショックにより被った甚大な被害から、企業も目を背けるわけにはいかないと思います。会社の機能全てではなくても、その一部を移転するなど、企業としても、地方に拠点を移す可能性について、これまで以上に真剣な検討が重ねられていると考えられ、そうした企業のマインドの変化を捉えた政策が求められてくると考えます。 そこで、2つとして、感染症対策を教訓として、今後の企業誘致の戦略を見直していく必要があると考えますが市の所見を伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 新型コロナウイルス感染症によりまして、いまだ、多くの企業の事業活動に甚大な影響が及んでいるものと認識しております。 こうした、これまでに経験のない事態を踏まえ、リスク分散や利便性向上等の観点から、IT企業をはじめとした働く場の自由度が高い業種の地方移転、さらにはテレワークを活用した本社機能の地方移転等が、一定程度、加速するものと考えております。 一方で、IT企業等の業種を誘致し、また、そうした業種の人材に移住してもらうためには、住環境、教育環境といった地域の総合力が求められることから、企業や人材を誘致する戦略を新たに構築することが必要となります。 そのため、関係部署等と連携しながら、首都圏を中心に、情報収集を的確に行い、ウィズコロナ、アフターコロナにおける企業や人材の動向をしっかりと見極め、戦略を構築してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 都市と地方の価値観の変化によって最も影響を受けるのが産業誘致と同じように移住・定住政策であると考えます。テレワークやオンライン診療、オンライン授業、そしてオンライン飲み会など、ICTを活用した新たなライフスタイルを体感したことによって、地方移住への機運は、これまでになく高まっております。 そこで、3つとして、こうした状況を踏まえ、本市における移住・定住政策について見直しを図り、戦略の転換を図る必要があると考えますが市の所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 本市における移住・定住政策につきましては、いわき商工会議所や県、市などで構成するIWAKIふるさと誘致センターを中心に、居住や生活、就労に関する情報発信や相談等を行うとともに、港区等の他自治体や関係団体等と連携し、本市での交流事業を実施するなど、関係人口の拡大にも取り組んできたところであります。 また、近年、若い世代の移住希望者の割合が増加傾向にあることから、今後のSociety5.0の実現した社会も見据え、若い世代の希望を満たす新たな取組として、企業や個人がふだんの職場から離れた地域でテレワークを行いながら、その地域ならではの余暇活動を楽しむ、いわゆるワーケーションに関して、先進事例の調査や関係機関との調整などを進めてきたところであります。 このような中、新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークや各種オンラインサービスなど、時間や場所にとらわれない働き方やサービスが普及し、ライフスタイルに変化がもたらされたことは、地方にとって大きなチャンスと捉えております。 とりわけ本市においては、首都圏からの近さや温暖な気候、温泉、豊かな自然や食、さらには、文化、スポーツ等、多様な地域資源を有しておりますことから、これら本市ならではの強みを十分に生かしたワーケーションの実現に向けて検討を進めるなど、新たなライフスタイルに合わせた魅力ある取組を進めることにより、さらなる関係人口の拡大、移住・定住の促進につなげてまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) チャンスを最大限生かすような取組を推進していただきたいと思います。 2点目の質問は、まちづくり計画への影響についてです。 コロナショックによって変化しつつある都市と地方に対する考え方を踏まえて、いわきの中における、都市と地方の関係性を考えた場合、都市計画マスタープランは極めて重要な意味を持つと考えます。 そこで、1つとして、今回のコロナショックを踏まえ、コンパクトなまちづくりを推進する都市計画マスタープランにおける市街地や中山間地域の在り方などについても、新たな視点からの見直しが今後必要になってくると考えますが市の所見を伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 市におきましては、今後の急速な人口減少や超高齢社会の到来を見据え、長期的な視点に立った都市づくりの目標や、土地利用や都市施設の整備などの施策の方向性を示した第二次いわき市都市計画マスタープランを、昨年10月に策定したところであります。 当該計画におきましては、人口や都市機能の集積状況等を踏まえ、平や小名浜などを主要な拠点に、三和や久之浜・大久など地域生活拠点に位置づけ、市街地及び中山間地域それぞれにおいて機能の集約化・効率化と、これら拠点を有機的に結ぶネットワークの強化を図ることにより、持続可能な都市運営を実現することとしております。 このような中、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は、暮らし方や働き方、人の移動など、市民の生活様式にも大きな影響を与えたところでありますので、市といたしましては、多くの機能や人口が集中する市街地における緑地空間などの都市環境や産業活動等の在り方、中山間地域における居住や交通ネットワークの在り方など、新型コロナウイルス感染症を踏まえた今後の都市政策について、調査研究を進めるとともに、社会経済情勢や国等の動向を注視しながら、都市計画マスタープランの見直しの必要性につきまして検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 次に、総合計画についてなんですけれども、現在、策定作業中ということで、2つとして、今回のコロナショックによって示された、都市と地方に対する新たな視点が総合計画にどのように影響すると考えるのか市の所見を伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 今般の新型コロナウイルス感染症の発生により、首都圏など都市部における人口や都市機能等の過度な集中は、有事の際に大きなリスクにつながることが、目に見える形で顕在化し、そうした中で、時間や距離等の制約を克服する情報通信技術、いわゆるICTの活用が促進されたこともあり、都市住民にとって、地方での生活の魅力が高まるなどの変化が生じたものと認識しております。 市といたしましては、総合計画の見直しに当たって、人口減少をはじめとして、本市が抱える様々な課題の解決に向けた検討を進める中で、こうした技術の進展や価値観の変化を的確に捉えることにより、本市の優位性を高めることや、諸課題への対応策の選択肢の幅が広がるといった可能性があるものと認識しております。 ◆3番(木村謙一郎君) コロナによって社会が大きく変わる予兆というものを私たちは感じたと思うんですけれども、それはあくまで予兆であって、具体的にどのように変わっていくのか、これは感染症対策の渦中にある現時点において、明確な答えを見出すのは、まだ時期尚早と感じております。先日、県においては総合計画の策定を延期するとの報道もありました。会議を開けないなどの物理的な問題もありますが、コロナが社会に及ぼす影響を見定めるための延期であるとも伝えられています。 本市の市政運営において重要な意味をもつ総合計画の策定においても、ウィズコロナの生活でかいま見た将来あるべき姿というものを、より明確な姿として捉えるため、議論を重ねる必要があるのではないかと感じております。 災害や感染症が蔓延するこういう時代だからこそ、市民の皆さんは希望というものを求めておりますし、ウィズコロナの生活をしながら感じた可能性というものを我々市民が明確な希望として感じられるように示すことが、やはり総合計画に課せられた重要な役割ではないかと思います。これから、10年、20年先のまちづくりの理念を今こそしっかりと示すべく、あらゆる角度から議論を深めていく、この作業が本当に必要になるのではないかと思っております。 そういったことを踏まえて、最後にお伺いしたいと思いますけれども、新たな社会に対応した総合計画を策定するためには、コロナショックによる新たな視点を取り入れ、検証するための十分な時間をかけるべきと考えますが市の所見を伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 新たな計画につきましては、これまでの市総合計画審議会における審議検討を踏まえ、共創によるまちづくりを進めるといった考え方を定めた、以和貴まちづくり基本条例を普遍的なまちづくりの理念として位置づけ、また、中・長期を見据え、当面の5年間程度で目指す課題やテーマ、目標、並びに、重点的に取り組む事業群等をまちづくりの経営指針として位置づけ、機動的に政策効果の高い事業推進を図る方向で検討を進めております。 こうした中、市といたしましては、人口減少や高齢化などの課題が深刻さを増す一方で、自然災害や、今般の新型コロナウイルス感染症のように、これまで経験したことのない危機事象が頻発していることから、市民の幸せや生命、生活、地域の持続を脅かす喫緊の課題等にしっかりと対応することが重要であると認識しております。 そのため、まちづくりの経営指針の中においても、極めて重要な視点として、様々な危機事象に対し、強い対応力と回復力を持ち、持続可能で安全・安心な社会の構築につなげることや、その後の環境変化にも柔軟に対応できる仕組みを位置づけることを検討してまいりたいと考えており、市総合計画審議会などでの審議や意見交換等を重ねながら、十分に議論を深めてまいりたいと考えております。 ○議長(菅波健君) ここで、午後1時10分まで休憩いたします。          午後0時11分 休憩---------------------------------------          午後1時10分 再開 △磯上佐太彦君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。32番磯上佐太彦君。          〔32番磯上佐太彦君第二演壇に登壇〕 ◆32番(磯上佐太彦君) (拍手)32番いわき市議会自民党一誠会の磯上佐太彦です。 中国の武漢に端を発した新型コロナウイルス感染症は、全世界に猛威を振るい、世界保健機関においては、世界的に大流行を意味するパンデミックが宣言され、大きな脅威となりました。5月末現在での世界の感染者は、報道によりますと、607万人を超えると、死者は37万人を超えるという報道がありました。そして、各国においては、ロックダウンや外出禁止、休業要請などの規制が発動され、雇用不安や金融不安が深刻化しております。 我が国においても、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、4月16日全国に非常事態宣言が発出され、外出自粛や休業要請などにより、多くの事業所が大変厳しい経営を強いられております。そして、ソフトバンクやトヨタ、日産、日立などの超一流企業も、かつてない多額の赤字を計上するという事態になっており、この新型コロナウイルスによる経済悪化は、リーマンショック以上だと専門家は話しております。 このようなことから、国は、国民の命と生活を守るため、事業所や個人に対して、数々の支援策を講じておりますが、本市においても、国の施策に対応しながら、本市独自の支援策を、スピード感をもって講じてきたと受け止めております。 本市においては、残念ながら15人の感染者が出ましたが、全員無事退院されたということで、安堵しているところでございます。感染された皆様に、改めてお見舞いを申し上げますとともに、市長はじめ、関係者の皆様の昼夜を分かたぬ御努力に感謝申し上げます。特に、我が身の危険も顧みず、献身的に患者に対応していただいた医療従事者の皆様には、心より感謝と敬意を申し上げます。そして、感染防止対策に御協力をいただいた市民の皆様、事業者の皆様にも、感謝申し上げたいと思います。 さて、我が会派では、新型コロナウイルス感染症対策について、3回にわたり市長に緊急要望をしてまいりましたが、当局におかれては、これを重く受け止めていただき、対応していただいたものと評価をしております。私たちは、共に明るく元気ないわきを取り戻すために、全力で取り組んでいくことをお誓いしながら、質問いたします。なお、前の質問者と重複する点があるかと思いますが、御了承願いたいと思います。 大きな質問の第1は、新型コロナウイルス感染症対策及び経済対策についてであります。 本市においては、市民の命と健康を守ることを第一義とし、国や県、医療従事者、事業所、市民の皆様と一体となって、様々な感染症対策や経済対策に取り組んでこられたと受け止めておりますが、改めて主な施策について、その効果も含めてお伺いしたいと思います。 まず初めに、感染症対策についてであります。 感染症に関する市民への情報提供について、どのように取り組んでこられたのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 感染症に関する市民への情報提供につきましては、1月23日以降、市公式ホームページをはじめ、広報いわきや新聞、テレビ、ラジオ等の各種メディアを通じて、感染を予防するための対策や、感染症に関する相談・受診をする際の目安、相談専用コールセンターの利用の周知等を行ってきたところであります。 また、4月16日に、国の緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されたことを受けて、感染拡大を防止するための一斉行動の周知を図るため、各種メディアでの広報に加え、まちなか情報発信施設における広報表示、防災メールを活用した一斉送信による通知、記者会見、市公式YouTubeを利用した動画による情報発信、住民及び事業者向けの支援制度を取りまとめたパンフレットの市ホームページへの掲載、広報車による市内全域への広報活動等を随時、実施してまいりました。 さらに、5月24日には、特にインターネットに不慣れな市民の方へ情報が届くよう、新型コロナウイルス感染症対策及び緊急支援策等をまとめたチラシを作成し、新聞折込広告により、周知を図ったところであります。 ◆32番(磯上佐太彦君) 次に、検査体制の強化について、どのように取り組んできたのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 市の検査体制につきましては、1日最大48検体の検査を実施可能な福島県衛生研究所に委託してきたほか、3月31日に民間検査機関との間で市独自に契約を締結し、1日50検体の検査を確保し、さらに、4月1日より市保健所において1日最大10検体の検査を実施することにより、現在は1日最大108検体の検査ができる体制を整備してまいりました。 今後におきましては、濃厚接触者について、症状の有無にかかわらず、速やかにPCR検査を行うよう取扱いが変更されたことを踏まえ、県と連携し、検査体制の拡充を図るほか、唾液によるPCR検査など新たに保険適用された検査方法を取り入れながら、診察・検査等の各プロセスを再評価することにより、より迅速で円滑な検査体制の構築に向けて、市医師会や地域の医療機関と連携して対応してまいりたいと考えております。 ◆32番(磯上佐太彦君) このPCR検査も唾液で検査できるというようなことも言われておりますので、そちらのほうが採用されれば、もっと検査体制がよくなるのではないかと思いますね。それからやっぱり人材確保あるいはドライブスルーのようなことがありますけれど、いろんなこと考えながら、ぜひ体制の強化を図っていただきたいと思います。 次に、相談受付体制の強化について、どのように取り組んできたのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 相談受付体制につきましては、新型コロナウイルス感染症に対する市民の不安を軽減するとともに、蔓延防止の観点から、1月30日に新型コロナウイルス感染症の一般相談ダイヤルを設置し、感染予防に関することや、心配な症状が出た時の対応など、新型コロナウイルス感染症に関する相談に対応してまいりました。 また、2月10日には、専門相談ダイヤルとして帰国者・接触者相談センターを設置し、相談者から症状等を聞くなどして、感染の疑いのある方を確実に受診させる体制を整え、その後、利用者の利便性向上を図るため、4月11日より一般相談専用ダイヤルを土日祝日も運営する体制を整備したところであります。 さらに、相談件数の増加を踏まえ、4月20日からは、福島県が実施する、県内の帰国者・接触者相談及び、一般相談のコールセンターの一本化に参加したことにより、土日祝日の運営と職員の負担軽減、本来業務への専念を可能にするなど、相談受付体制の強化と効率化を図ってきたところであります。 ◆32番(磯上佐太彦君) 次に、感染の拡大防止、蔓延防止について、どのように取り組んでこられたのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 感染拡大防止や蔓延防止につきましては、3月4日から23日まで、国及び県からの要請を踏まえ、市内小・中学校等の臨時休業を実施したほか、市主催イベントの開催の自粛、市公共施設等の利用を休止することで、児童・生徒をはじめ、市民の皆様の感染リスクの低減及び、蔓延防止に努めてきたところであります。 また、4月18日から5月6日までは、市民及び事業者に外出自粛等の協力を求めるとともに、市内の小・中学校、幼稚園、保育所等の一斉休業、公共施設の原則休館等を行ういわき市新型コロナウイルス感染防止一斉行動を実施し、さらに、5月7日から5月31日までは、感染拡大防止を第一としつつも、社会経済活動との両立に向けて、小・中学校、幼稚園、保育所や、市の公共施設等の段階的な再開を行う、一斉行動第2ステージに取り組んできたところであります。 加えて、市内公民館等において、家庭用除菌液を無料配布し、家庭や事業所の感染防止に活用いただくとともに、医療機関や介護施設、児童施設等に対して、不足しているマスク等を配布し、施設内での感染リスクの低減に努めてきたところであり、5月4日以降、新規感染者は確認されていない状況となっております。 ◆32番(磯上佐太彦君) 次に、医療提供体制の整備については、どのように取り組んでこられたのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 医療提供体制につきましては、市内の医療機関と連携しながら、帰国者・接触者外来を2月10日に開設し、以降、段階的に拡充を図り、現在、6つの医療機関で対応しているほか、4月28日には、新型コロナウイルス感染症の感染リスクが低い患者で、かかりつけ医を持たない患者を診察する発熱外来を市医師会及び市薬剤師会の御協力の下、開設したところであります。 また、市内の感染症指定医療機関が医療崩壊を起こさないようにするため、県に要請し、入院治療の必要のない軽症者等の療養に対応した軽症者等宿泊療養施設として、市内のホテルに100室を確保し、県と市の共同体制により、5月18日から運用を開始したところであります。 さらに、感染リスクの中で懸命に診療等を行っている医療従事者等に対し、感謝と敬意の気持ちを込めて拍手を送るクラップ・フォー・ケアラーズの実施、医療現場に不足するマスク、フェイスガードなどの資材の調達と配布を行うなど、市民の命と健康を守る医療体制の整備に取り組んできたところであります。 ◆32番(磯上佐太彦君) この前、新聞に載っていたんですけれども、県のほうでは今後そういう感染者が出た場合に、例えば医師とか看護師が不足した場合は、県の別な医療機関から派遣するという制度も取り入れたというようなことを言っておりますので、ぜひそういうものも活用していただきたいと思います。 次に、医療従事者に対する偏見や嫌がらせがあるというような報道もありますけれども、本市における状況についてはどのようになっているのでしょうかお伺いします。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 市内において、子供がイベント等に出席するに際し、友達の発言を受け、親である医療従事者に出席してよいか相談していたことや、医療従事者本人が体調不良により受診について問い合わせたところ、医療機関に勤務していることを理由に断られたことなどについて聞き及んでいるところであり、今後とも、関係機関と連携し、広報紙や市ホームページなどにより、市民の間で医療従事者への感謝の気持ちや感染者とその関係者への理解・共感等が深まる取組等を図ることを通じ、新型コロナウイルス感染症に関わる差別偏見の解消に努めてまいりたいと考えております。 ◆32番(磯上佐太彦君) こういうことはとんでもないことで、市のほうでもクラップ・フォー・ケアラーズですか、医療従事者の皆さんに感謝をしようという運動をやっているわけですので、ぜひそういうことのないように今後も防止対策も含めてぜひお願いしたいと思います。 次に、経済対策についてであります。 本市においても、新型コロナウイルス感染症拡大を防止するため、前にも申し上げましたけれども、外出自粛や休業要請など、様々な制約によって、旅館やホテルなどの観光業、あるいは商店や個人事業者、タクシー業など一連の方は大変苦しい経営に追い込まれております。 そこで、これらを下支えするため、本市においても様々な経済対策を講じてこられたと思いますが、以下お伺いをしたいと思います。 まず1点目は、本市が講じてきた主な経済対策についてお伺いします。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、事業活動に影響を受けた事業者への市独自の主な支援策といたしましては、まず、福島県緊急経済対策資金融資制度を利用して運転資金等の融資を受けた際に、融資に係る利子補給及び保証料を補助するなど、資金調達の円滑化と負担の軽減を図ってきたところでございます。また、店舗等を賃借して事業を行う事業者にとって、固定費である家賃の負担が大きくなっており、事業継続が困難な状況になっていることから、こうした状況を踏まえ、店舗等の貸主に対しまして、家賃の減免や支払猶予の要請を行うとともに、借主に対して最大30万円を補助する店舗等維持支援金を創設し、事業者の固定費の軽減に努めてきたところでございます。 ◆32番(磯上佐太彦君) それでは、その効果はどのように評価されているのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 市独自の主な支援策といたしまして、利子補給及び信用保証料の補助を通じた資金調達の円滑化や店舗等維持支援金による固定費の軽減を図ってまいりましたが、資金調達の支援につきましては、令和2年5月末現在で、融資件数が230件、融資総額が約54億円となっております。 本市におきましては、早期に支援策を講じたことにより、国が実施した日本政策金融公庫による実質無利子・無担保融資への一極集中を回避し、ほかの地域と比べて事業者が融資を受けやすい環境を確保できたものと考えております。また、店舗等維持支援金につきましては、既に489件、約1億2,300万円の交付決定をしております。本市の支援策に加え、国の持続化給付金や県の休業協力金などの各種支援策を活用いただくことにより、事業の継続を図ることができるものと考えておりますが、特に、本市が実施した店舗等維持支援金により、緊急事態宣言下において売上げが激減した事業者に対しまして、いち早く必要な資金を届けることができたものと考えております。 ◆32番(磯上佐太彦君) それでは、今後の対応についてお伺いしたいと思います。 新型コロナウイルス感染症が収束に向かっていることから、5月25日に全国に非常事態宣言が解除されました。 しかし、専門家の中では、今後、第2波、第3波が襲来するのではないかと心配されております。既に北九州市や東京都においては、新たな感染者が多数出ており、東京都では東京アラートが発令されました。このようなことから、県では、緊急事態措置の解除後の対応として、県民に対し、新しい生活様式の協力要請や、イベント等の開催自粛要請などを行っているところであります。 そこで、本市においても、3密を避けることや、手洗いを徹底する、マスクを着用するなどの新しい生活様式を含めた感染防止対策を講ずるべきと思いますが、その取組について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 国の緊急事態宣言の解除を踏まえ、社会経済活動を段階的に引き上げていくためには、市民一人一人が身体的距離の確保、マスクの着用、手洗い等の基本的感染対策の継続に加え、3密の回避など、新しい生活様式を、家庭や職場、買物、娯楽、食事等の様々な場面において取り入れていく必要があると考えております。 市におきましては、国・県の方針に基づく外出自粛、イベント開催・施設の使用制限の段階的緩和を実施するほか、これまで感染防止一斉行動で市民や事業者の皆様と積み重ねてきた経験を基に、新しい生活様式を生活や職場の様々な場面に取り入れるよう関係機関と連携して推進を図るとともに、経済対策の一環として、日常生活の安全・安心の体制づくりに重点を置いた施策を積極的に推進することにより、感染防止と経済活動の両立を目指す、いわゆる感染防止いわきスタイルの普及・定着を図り、今後の感染拡大の第2波に備えてまいりたいと考えております。 ◆32番(磯上佐太彦君) マスクをしていると煩わしいんですけれども、しばらく新しい生活様式の中でやっていかなければならないと思います。 それでは、新しい生活様式を徹底するために、どのように市民に啓発していく考えなのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 新しい生活様式の徹底につきましては、社会経済活動との両立を図る上での前提となるものであり、感染防止と経済活動との両立を本市独自のアプローチにより実現を図る、いわゆる感染防止いわきスタイルが市民運動として普及するよう、市公式ホームページや広報紙、パブリシティーなど様々なメディアを活用し、周知や呼びかけを行うとともに、経済対策の一環として、安全・安心に重点を置いた施策を推進し、事業者にとっても職場ぐるみで参加しやすい環境整備を進めるなど、市民の皆様への啓発活動を積極的に展開してまいりたいと考えております。 ◆32番(磯上佐太彦君) さきの答弁で3次産業に対する主な対策につきましては、理解したところでありますが、1次産業の農林水産業においても大きなダメージを受けております。とりわけ、観光農園とか農家レストランなどの6次化施設などで、厳しい状況にあると聞き及んでおります。 そこで、今後いろんな場面において、本市の農林産品の消費拡大につながる地産地消を、さらに推進していく必要があると思いますが、その取組について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 新型コロナウイルス感染症の影響により、本市の農林業においても6次産業化施設や観光農園の売上げの大幅な減少、花卉の販売価格の低迷、また、木材需要の低下などの影響が生じ、現状においても需要の先行きが見えない不透明な状況に置かれております。 こうした中で、足元を見つめ直し、もう一度地域内経済循環となる地産地消にしっかり取り組み、生産所得の増大と再投資、新たな価値の創造というサイクルの醸成、さらには地元産農産物などが消費者から積極的に選択される状況を創出する必要があると認識しております。 このため、これまで進めてきた保育所や学校給食におけるいわき産野菜等、地場産品の利用促進などに引き続き取り組むとともに、営業の自粛等により影響が生じた市内の観光農園や飲食店及び花卉農家等に関する情報を発信する取組なども継続し、加えて、今後は、市内量販店におけるいわき産農産物の新たな棚づくりや、魅せる課ホームページ内の、いわき支えあい掲示板の拡充を行うなど、地産地消のさらなる推進に努めてまいりたいと考えております。 また、林業につきましては、これまで災害公営住宅や消防団詰所などの公共建築物における木造化や木質化に努めてきたところであり、今後とも、地元産材のさらなる利用拡大に努めるなどの取組を行ってまいりたいと考えております。 ◆32番(磯上佐太彦君) ただいま林業のほうも触れていただきましたけれども、特に本市の林業は、建築様式の変化とか、あるいは取引価格において、外材に押されて需要が激減し、大変厳しい状況にあると伺っています。そして、その結果、山林は手入れされず、放置され、荒廃が進んでいるのが現状であります。 このような中、平成31年4月1日に施行された森林経営管理法に基づき、森林経営の効率化と森林管理の適正化が一体となった制度が構築され、大きな転換期を迎えています。 本市は、市域の約70%が森林という資源に恵まれた環境にありますので、さらなる地産地消を拡大するために、地元産材の利用促進に係る条例を制定することも、大変有効なことではないかと考えますが、市長の御所見をお伺いします。 ◎市長(清水敏男君) 森林資源は、木材生産はもとより、地球環境や国土の保全、水源の涵養、さらには生物多様性の確保などの多面的機能を有し、地域経済の発展と市民生活の維持向上に大きく貢献しております。 本市における森林は、戦後に植林された人工林が活用の時期を迎えるとともに、全国的な第三者機関により適正に管理されていると認められた森林、いわゆる認証林についても、県内全体の約3分の1に当たる約7,600ヘクタールを占めるなど、県内有数の森林資源としての優位性を有しているところであります。 こうした中、国においては、平成31年4月に森林経営管理法を施行し、森林の持続可能な管理と林業の成長産業化の両立を目指した様々な施策展開を行うこととしており、まさに、森林政策の大きな転換期を迎えております。 議員おただしの、地元産材の利用促進に係る条例につきましては、国の取組や本市の優れた森林資源に鑑み、地域経済の活性化に大変有効であり、また、市民の皆様が、人に優しく環境負荷の少ない資源である木材の特性や森林の多面的機能、及びそれを支える中山間地の農村の重要性についての理解を深め、市内全体で林業を支えていくという機運の醸成にもつながると考えられますことから、今後、関係者の皆様と意見交換を重ねながら、条例の制定について、鋭意、検討してまいりたいと考えております。 ◆32番(磯上佐太彦君) これまで、いろいろお伺いをしてきましたが、今般、国の非常事態宣言が解除されたことから、本市の疲弊した経済を1日も早く回復させ、市民生活の安定と向上を図っていかなければなりません。そのためには、何といっても清水市長の力強いリーダーシップと実行力が何よりも必要であります。 そこで、今後の感染症対策や経済対策について、今後どのように取り組んでいく考えなのか、市長の意気込みをお聞かせいただきたいと思います。 ◎市長(清水敏男君) 本市におきましては、これまで、新型コロナウイルス感染症に対しまして、国内外や県内、市内の発生状況を見極めながら、感染・蔓延防止や地域医療の確保に向けて取り組むとともに、経済対策や生活支援の取組を、スピード感を持って進めてまいりました。 また、市民の皆様、事業者の皆様の多大なる御協力により、本市では5月4日以降、新規感染者が確認されておらず、一定程度の収束が図られてきたものと捉えております。 このような中、引き続き、感染・蔓延防止や地域医療の確保に努めてまいりますが、同時に、感染の第2波、第3波が発生したとしても、さらなる市民生活の安全・安心の確保と社会経済活動の両立を目指していけるよう、現在の小康期に万全の備えと様々な取組を積極的に進めながら、中・長期を見据えた本市のまちづくりにつなげていかなければならないと考えております。 そのため、当面の対応といたしまして、これまでの取組を一層強化するとともに、宿泊・観光業や飲食業をはじめ、需要の大幅な落ち込みにより、経営に大きな影響を受けている事業者等の皆様に対しまして、国・県等の施策にも呼応しながら、市としても、その事業継続への支援策や、回復・再生の足がかりとなるよう需要の喚起策にも力を注いでいくほか、感染経路の見える化を進める市独自のあんしんコロナお知らせシステムなど、新しい生活様式の実現に向けた新たな取組にも市民の皆様や事業者、団体等の皆様と思いを共有しながら、積極的に挑戦してまいりたいと考えております。 このような取組等を推進しながら、中・長期的には、人口減少や自然災害なども含め、様々な危機事象に対して、強い対応力と回復力を持つことにより、しなやかで、持続可能、安全・安心な社会を、地域一丸となって築き上げてまいりたいと考えております。 ◆32番(磯上佐太彦君) どうもありがとうございました。 次に、大きな質問の第2でございますが、いわき駅並木通り地区市街地再開発事業についてであります。 JRいわき駅周辺では、これまでいわき駅前地区市街地再開発事業により、再開発ビルラトブが建設され、ペデストリアンデッキや、バス、タクシープールの整備、鉄道により分断されている市街地を結ぶ南北自由通路が整備されるなど、まさに本市の陸の玄関口にふさわしい開発が進められてまいりました。 また、最近、本市の文化、歴史を発信する拠点となる(仮称)磐城平城・城跡公園の整備や、都市計画道路、掻槌小路幕ノ内線の整備が進められております。 そして、今般、中心市街地のさらなる拠点性の向上と、市街地活性化を図るため、民間の再開発組合による、いわき駅並木通り地区市街地再開発事業が進められることになりました。この事業は、マンションを核として商業施設や業務施設を計画し、居住人口が減少傾向にある中心市街地に人口増を図り、にぎわいと利便性の高い34万都市の顔にふさわしい風格あるエリアを形成するものであります。 このような中、再開発組合では、昨今の経済情勢や人口減少などの社会変革に鑑み、事業計画の変更を検討してきたと伺っております。その概要については、過日案内を頂いたところでありますが、詳細について改めて伺いたいと思います。 1点目、事業の進捗状況について伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) いわき駅並木通り地区市街地再開発組合におきましては、施設の設計から施工などを一括して委託する特定業務代行者となる株式会社熊谷組と、昨年12月に特定業務代行基本協定を締結いたしましたことから、マンションの分譲を行う参加組合員である株式会社フージャースコーポレーションと共に、現在の社会経済情勢等を踏まえた、より具体的な施設計画や資金計画などについて検討を進めてきたところであります。 その結果、これまでの施設計画を変更する必要が生じましたことから、現在、組合におきましては、事業計画の変更に向けて、施設設計等を進めており、併せて、市におきましては、施設の概要と規模を定める都市計画の変更手続に着手したところであります。 ◆32番(磯上佐太彦君) 次に、施設計画の変更内容について伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 組合設立時に策定した当初の事業計画におきましては、商業・業務棟に加え、まちなか居住人口の増加に向け、一般向け分譲マンションとシニア向け分譲マンションの計2棟で約300戸の住居を供給する計画としていたほか、市営駐車場や居住者用駐車場及び駐輪場を含む立体駐車場2棟を整備することとされておりましたが、特定業務代行者が本事業に参画したことにより、事業計画のさらなる精査を進めてきた結果、変更計画では、一般向け分譲マンションとシニア向け分譲マンションを1棟に集約し、供給戸数を約220戸としたほか、立体駐車場につきましても1棟とするなど、施設の合理化を図ったとのことであります。 また、施設の合理化により生み出された空間は、駅に隣接し、利便性の高い立地性を生かし、交流の場となる広場空間とするとともに、商業・業務棟においては、床面積を増やすなど、居住者のみならず多くの人々が訪れ、さらなるにぎわいが創出されることに意を用いて施設計画の見直しを行ったとのことであります。 ◆32番(磯上佐太彦君) 次に、変更する理由について伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 再開発組合におきましては、これまで、参加組合員と共に、マンション需要の調査結果や本地区の立地性、及び過去の実績等を踏まえ、約300戸を整備する方針としてきたところでありますが、施設建築物の設計ノウハウや事業費の積算能力を有する特定業務代行者の参画により、昨今の市内外におけるマンションの販売状況の推移など、市況の変化を踏まえ、具体的な事業計画の検討や検証を行った結果、整備戸数の見直しを行うとともに、施設の合理化を図ることとし、施設配置を含めた計画の変更に至ったとのことであります。 ◆32番(磯上佐太彦君) 次に、変更となる計画について、本市はどのように捉えているのか伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 市といたしましては、今回の施設計画の変更により、一般向け及びシニア向けマンションが集約され、同じ建物内に多様な世代が居住する環境が形成されることにより、これまで以上に多世代交流が図られることや、緑地空間として整備する国道399号に沿ったプロムナードに加え、新たに生み出された空間を広場として整備することで、駅側に整備する商業・業務施設と一体となり、自由度の高い様々なイベント等が開催可能になるなど、中心市街地のにぎわい拠点としての魅力が向上するものと捉えております。 また、市街地再開発事業は、施設需要を的確に捉えた計画を立案していくことが肝要でありますことから、今回の変更につきましても、昨今の社会経済情勢の実態に即した施設計画となったものと受け止めております。 ◆32番(磯上佐太彦君) それでは、今後の予定について伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 今後の予定といたしましては、まず、市におきまして、都市計画の変更手続を進めることとしており、また、組合におきましては、引き続き、特定業務代行者や参加組合員と協議しながら、施設の実施設計や資金計画の策定を進めるとともに、地権者意向を踏まえた権利変換計画を策定した上で、既存の建物に対する補償や除却を進め、今年度内には建築工事に着手し、令和4年度内の施設完成を目指していくこととしております。 市といたしましては、再開発組合に対し本事業の円滑な推進に向けて、多角的な視点からの助言を行うなど、積極的に支援してまいりたいと考えております。 ◆32番(磯上佐太彦君) 本事業は、本市の中心市街地の活性化を進める上で極めて重要だと考えます。 新型コロナウイルス問題などで、厳しい経済環境にありますが、当局におかれましては、組合と一体となって事業を進められるよう要望いたします。時間残しましたけれども、以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午後2時10分まで休憩いたします。          午後1時49分 休憩---------------------------------------          午後2時10分 再開 △佐藤和良君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。35番佐藤和良君。          〔35番佐藤和良君第二演壇に登壇〕 ◆35番(佐藤和良君) (拍手)35番いわき市議会創世会の佐藤和良です。 今、世界はコロナ禍のただ中にあります。命を守るために、新型コロナウイルス感染症の防疫と医療体制を充実させ、暮らしを守るために、休業補償、雇用確保など、セーフティーネットを充実させるときです。 昨年は、台風19号などの豪雨により、夏井川はじめ、市内の河川が氾濫し、尊い命が失われました。災害の激甚化に対して、河川改修など、人命最優先の治水、災害に強いまちづくりを推し進めることも必要です。 そして、東日本大震災と原発事故から10年目。いまだ原子力緊急事態宣言は解除されていません。復興は道半ばです。復興に水を差す国の汚染水海洋放出に反対する農林水産団体の声を重く受け止め、農林水産業の再生を目指すことが重要です。 私は、改めて命を守る原点に立って、通告順に従い、一般質問を行います。 大きな第1点は、命を守る、新型コロナウイルス感染症対策についてです。 本市は、新型コロナウイルス感染症対策行動計画に基づいて、サーベイランス、情報提供、蔓延防止、医療への対応などを行ってきました。感染の第2波、第3波、次の患者増大期に向けて対策を進めなければなりません。 1点目は、検査と医療提供体制の充実等についてです。 まず、検査体制等について、次の患者増大期に向けて、屋外でのドライブスルー・ウォークインによる鼻腔等のPCR検査、本市における感染症の実態をつかむための感染者周辺の抗体検査や無作為抽出による疫学調査など、検査体制等の充実をどう進めるのかお尋ねします。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 市の検査体制につきましては、1日最大48検体の検査を実施可能な福島県衛生研究所に委託してきたほか、3月31日に民間検査機関との間で市独自に契約を締結し、1日最大50検体の検査を確保し、さらに、4月1日より市保健所において1日最大10検体の検査を実施することにより、現在は1日最大108検体の検査ができる体制を整備してまいりました。 今後におきましては、濃厚接触者について、症状の有無にかかわらず、速やかにPCR検査を行うよう取扱いが変更されたことを踏まえ、県と連携し、検査体制の拡充を図るほか、唾液によるPCR検査など新たに保険適用された検査方法を取り入れながら、診察・検査等の各プロセスを再評価することにより、より迅速で円滑な検査体制の構築に向けて、市医師会や地域の医療機関と連携して対応してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 今、お答えあったのですが、感染症の実態をつかむために既に感染していたかどうかというようにその抗体検査、3都県で始まってはおりますけれども、やはり具体的に実態がどういうふうになっているのかというのは、一定程度やっぱり抗体検査をする必要もあろうかと思うんですね。それについて、本市の御所見はいかがですか。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 抗体検査につきましては、過去に感染したことがあるかどうかを確認する検査だということでございますけれども、これにつきましては、今現在、市に市単体で行えるほどの治験というものがあるわけではございませんので、国または県等の動向を踏まえながら、今後検討してまいりたいと思います。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、地域医療を維持する医療提供体制について、次の患者増大期に向けて、医師会、病院協議会と連携しながら、地域医療体制を維持するため、医療資機材の調達や医療従事者への特殊勤務手当の支援など、医療提供体制をどう充実させるのかお尋ねします。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 本市におきましては、これまで、市医師会及び市薬剤師会の御協力の下、発熱外来を開設して、発熱患者の受診体制の充実及び診療所等における感染リスクの低減に努めてきたほか、県が本市に設置した、軽症者等宿泊療養施設を市内医療関係者の御協力をいただきながら、県・市共同で運営することにより、今後の感染の急増にも対応できるよう備えますとともに、医療資機材の確保につきましても、新型コロナに負けないプロジェクトチームを立ち上げ、医療機関等のニーズを把握しながら取り組んでいるところであります。 一方、国や県において、医療従事者等への手当の支給を検討していることから、その動向も注視してまいりたいと考えており、今後におきましては、これまでの取組の継続に加え、県に対し、一般病床を確保した医療機関への空床補償や、国の緊急包括支援交付金を活用した支援を要望するとともに、新たな感染拡大の波に備え、国・県をはじめ、市医師会や市病院協議会等の関係機関との連携・協力による検査体制や病床の拡充等を図りながら、本市の医療体制の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、保健所の体制について、新型コロナウイルス感染症では、感染症法による国の事前対応型行政に基づく対策が後手後手に回っていますが、本市としては人員も含めて保健所の体制をどう強化するのかお尋ねします。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 保健所の体制につきましては、保健所総務課に、企画・立案等を担当する総務班及び患者対応や疫学調査等を担当する感染症対策班を、部内の応援職員3名を加えた上で設置し、新型コロナウイルス感染症への対応時の役割を明確にすることにより、感染者の確認時にスムーズに対応できる体制を構築するとともに、疫学調査担当者を増員し、感染者の拡大に備え、対応してきたところであります。 また、保健所の体制強化のため、保健福祉部内に財務の調整等を担当する総合調整班や広報の立案、充実を担当する広報企画班等を設置するとともに、新型コロナに負けないプロジェクトチームを立ち上げ、不足している医療資機材の調達や外出自粛による不活発化防止対策に取り組むなど、保健所機能の充実、強化に努めてきたところであります。 さらに、部を超えた職員庁内応援制度の活用により、11名の職員の応援を受け、二班体制を構築するとともに、執務室も分散し、マンパワーと保健所内の感染拡大防止策の強化を図ってまいりました。 今後も、市内の感染状況等を踏まえ、必要に応じて応援体制の強化を図るなど、全部局の協力の下、対応に万全を期してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、いわき市医療センターの体制強化についてです。 感染管理委員会、感染管理室等の感染対応、呼吸器内科常勤医の確保等、院内の医療提供体制をどう強化するのかお尋ねします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 当センターにおきましては、感染症指定医療機関として、適切な医療の提供や、院内感染の防止を図るため、病院事業管理者自ら先頭に立ち、様々な取組を行ってきたところでございます。 その主な内容について申し上げますと、感染管理認定看護師を増員した感染管理室や、多職種で構成する感染管理委員会が中心となり、新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れる際の対応マニュアルを作成するとともに、感染症対応エリアと清潔エリアを分離するため、新たに感染症患者等を受け入れる病棟などへの間仕切りの設置や陰圧機能の付加工事を行ったほか、一般病棟やE-ICUでも一定の病床数を確保し、さらなる感染症患者の増大に対応できる体制の構築を図ったところでございます。 今後におきましては、さらなる医療提供体制の強化に向けまして、現在、不在となっております呼吸器内科の常勤医師の確保に引き続き取り組むとともに、感染症の拡大や収束状況を見極めながら、感染症への対応と高度・急性期や周産期といった通常医療との両立を図るため、これら医療提供体制のバランスに十分留意し、病院運営を行ってまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 市民の命を守るために、本市における感染症の実態をつかむ抗体検査や、無作為抽出による疫学調査、検査体制等の充実、地域医療体制の維持、保健所体制の強化など改めて要望いたしまして次に進みます。 2点目は介護・福祉の現場への支援についてです。 介護事業所や障害福祉サービス等事業所等から、切実な現場の声が寄せられています。感染当初の感染防護用資材の不足に対する訴え、入居者の場合の外出や面会制限等の実施によるストレス状況、新型コロナウイルス感染症対策の具体的な対応方法について、中核市である本市からの情報提供と適切な指導を求める声、学校休業に伴う介護職職員等の子供の保育所等での預かりについて、保育所等から自宅で見てほしいとされ、自助努力が強制されたという声などなどです。 まず、介護事業所等や障害福祉サービス等事業所におけるマスク・消毒液・手袋・防護服等の感染防護用資材の安定供給について、各施設等で備蓄が十分ではないため、備蓄も含めた安定的な供給確保をどう進めるのかお尋ねします。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 医療機関等に対するマスク等の感染防護用資材につきましては、国内の需給状況が逼迫し入手しにくい状況にあることを踏まえ、国の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に基づき、県では、県内の介護サービス事業所等に対し、数回の配布を行っており、本市の事業所に対しましては、マスク約12万6,000枚などが、配布されております。 また、市におきましても、さらなる感染防護用資材の供給確保に資するため、新型コロナに負けないプロジェクトチームを立ち上げ、購入に係る情報提供や企業・個人からの寄附について、市公式ホームページ等で広く募るなどしながら、物資の確保に努めてきたところであります。その結果、独自の購入ルートの開拓や、多くの寄附受納といった成果があり、介護サービス事業所等に対しましても、市独自にマスクを約11万7,000枚、消毒液を約1,700本配布したところであります。なお、本年6月1日に市内の特別養護老人ホームに対し、市が行った聞き取り調査では、マスク等の用品の備蓄状況等はおおむね充足できているとのことであり、今後におきましては、再度の感染拡大に備えるため、まずは、各施設に対し、マスク等の必要数の事前の確保を促すとともに、施設からの要望や、マスク等の備蓄状況を適宜聴取し、国・県との連携を図りながら、引き続き必要な支援を実施してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、クラスター発生時の対応方針について、人員基準体制の柔軟かつ弾力的な運用などを含めて、中核市として、より具体的な対応方法について示すべきではないかお尋ねします。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 介護サービス事業所等における新型コロナウイルス感染症への対応等については、国・県が感染防止の取組や感染者が確認された場合の取扱いに関する事項等のほか、介護サービス等を継続的に提供していくための柔軟な取扱いについても、省令等に基づき各自治体に通知しているところであります。 このような中、人員基準や報酬算定に関しましては、こうした国からの通知に基づき、取扱っているところであり、裁量の余地はないものの、市といたしましては、今後とも引き続き、国・県と連携しながら、万一、感染者が確認された施設においても継続的にサービスを提供できるよう、感染症対策や基準等の柔軟な取扱いについて、迅速に情報等を事業所等へ提供するとともに、事業所から問合せがあった際には、個々の状況を丁寧に聴取しながら、報酬算定可能な事例などについて、現場で運用できるよう具体的に分かりやすく回答するなどの支援等を行ってまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、利用制限に伴う減収補填について、デイサービス・ショートステイ等通所型施設の利用制限による減収、外部病院からの特養施設への訪問リハビリや歯科診療等の中止による加算減などに対する補填について、本市としてはどう対応するのかお尋ねします。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 介護サービス事業所等が提供する各種サービスは、利用者の方々やその家族の生活を維持する上で、欠かせないものでありますことから、市では、市内事業所に対し、感染予防策を徹底した上で、支援が必要な方へのサービス提供の継続を依頼したところであります。 その一方で、感染予防策として、利用者数を制限したり、協力機関からの職員派遣を中止したことなどから、報酬の加算等が算定できず、減収に至った事業所もあると承知しております。 また、国は介護サービス事業所等が感染拡大を防止するために講じた措置について、人員や運営に関する基準を柔軟に対応することや、代替サービスを提供した場合においても報酬算定を可能にするなど、臨時的な取扱いにより対応していくことを明示しているところであります。 このようなことから、市といたしましては、介護サービス等が継続的に提供されるよう、また、算定可能な報酬について未算定となることがないよう、国からの臨時的な取扱い等について、各事業所に対し、改めて周知するとともに、利用自粛等による事業所への経済的支援につきましても、引き続き中核市市長会等を通じ、国に対し要望してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、介護従事者への特別手当の支給について、人手不足の中、感染防止対策で負担が強まり、職員の体力的・心理的な負担、緊張・不安は限界に達したときもございます。職員に対する手当等の支援が必要となっていますが、感染者が出た施設の職員に対する国のコロナ手当を介護従事者全体に拡充するよう求めるべきではないかお尋ねします。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 介護従事者への特別手当につきましては、本年5月27日に閣議決定されました令和2年度第2次補正予算案において、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金に新たに盛り込まれたものであり、その内容は、職員への慰労金として、新型コロナウイルス感染症が発生した、または、濃厚接触者に対応した施設・事業所に勤務する職員に対して20万円、それ以外の施設・事業所に勤務し、利用者との接触を伴うサービスに携わる職員に対して5万円を支給するものとなっております。 当該予算案につきましては、今国会で審議が進められることとなっておりますことから、市といたしましては、その動向を注視してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 介護事業者や障害福祉サービス等事業所等の声を十分把握して、現状を踏まえ、介護・福祉の現場へ必要な支援が届くように改めて要望して、次に移ります。 3点目は、個人と企業等に対する本市独自の支援策についてです。 本市も含めて各地の自治体が、市民への生活支援と企業への経営支援を実施しております。政府の地方創生臨時交付金などを活用して、さらなる本市独自の緊急支援策の構築が必要なときです。 まず、独り親世帯への緊急支援について、新型コロナウイルス感染症による学校等の臨時休業、事業所等の休業等に伴い、特に就業環境の変化による影響を受けやすい独り親家庭等に対する緊急的な支援として、本市としても、児童扶養手当の受給にかかわらず、1世帯当たり5万円の追加給付を早急に実施してはどうかお尋ねします。 ◎こどもみらい部長(高萩文克君) 独り親家庭等に対する緊急的な支援につきましては、先般、中核市市長会を通じ、国に対し、児童扶養手当等を受給する世帯に対する全国一律の経済的支援、及び独り親家庭に対する今後の経済状況や雇用状況を踏まえた継続的な経済的支援を要請したところであります。 現在、国の令和2年度第2次補正予算案において、(仮称)独り親世帯臨時特別給付金として、児童扶養手当受給世帯等に5万円を支給し、第2子以降は3万円を加算するのに加え、児童扶養手当を受け取っていない独り親世帯を含め、収入が大きく減少した場合は5万円を支給することとしており、市といたしましては、経済的に厳しい独り親家庭への負担軽減に向け、まずは、国が予定する給付金を速やかに支給できるよう、努めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、中小企業及び個人事業主への緊急支援について、国の持続化給付金の給付対象を、売上げが前年同月比で50%以上減少している者から、30%以上減少している者と要件を緩和するよう、国に働きかけるとともに、本市としても、前年同月比30%以上減少した中小企業及び個人事業主に対して、法人50万円以内、個人事業主25万円以内の金額を支給する本市独自の中小企業緊急支援金制度を創設してはどうかお尋ねいたします。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 国が実施する持続化給付金の給付要件の緩和につきましては、去る5月26日に、中核市市長会を通じて、給付対象要件の拡充等を盛り込んだ新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急要請を行ったところでございます。 今後におきましても、国・県の支援策の動向や市内事業者の状況等を見極めながら、市独自の支援策についても検討してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) これはやはり飲食、あるいはホテル、旅館といったところの場合は、50%を切ってというか限りなくゼロに近くなるようなところもあるわけで、ただ、一方では2割しか落ちていない、3割しか落ちていない、4割しか落ちていないという方もおりまして、個人事業主さん、あるいは小規模事業者さんたちから、うちはもらえないんだよなと大変苦労しているという、うめきにも似た訴えが寄せられておりまして、ぜひ国のほうへも、要件の緩和、そして今部長お答えいただいたように本市としてもでき得るならばこういった支援策をぜひ検討していただきたいと重ねて要望したいと思います。 次に、感染拡大の影響により、解雇や雇い止め、または内定取消しとなった市民への支援について、地方創生臨時交付金を活用して、2020年度末までの本市の任期付、会計年度任用職員として、一時的な雇用を実施すべきではないかお尋ねします。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) ハローワークによりますと、本市内においては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた、解雇や雇い止めなどによる失業者の大きな増加は、現時点において見受けられないとのことでございました。 しかしながら、今後、新型コロナウイルス感染症の影響により、雇用情勢が悪化した場合には、これまでの課題であった、人手不足や雇用のミスマッチが発生している業種への就業を促進していくことを第一に考えたいと考えておりますが、必要に応じまして、会計年度任用職員等の雇用につきましても検討してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 現時点でのそういった対応というのは、ちょっとまだ早いのかもしれませんが、具体的にこの夏・秋・冬とまた大きな波が考えられるという状況にもありますので、今後の具体的な検討課題ということで検討していただければと思います。 景気後退局面でコロナ禍に襲われ、世界経済、日本経済、そして地域経済が縮小する中で、事業継続が困難になり倒産や廃業、解雇や雇い止めが拡大する趨勢にあります。本市としても、さらなる市民への生活支援、企業への経営支援を進めることを要望いたしまして、次に進みます。 大きな第2点は、命を守る、防災・災害に強いまちづくりについてです。 1点目は、令和元年東日本台風における災害対応の検証と今後の改善について。 尊い命が失われた、令和元年東日本台風などの被害に対して、本市の地域防災計画に基づく、発災前から発災後の初動対応などの災害対応が十分機能したのか検証して、具体的に今後の防災対策に反映させることが肝要であります。 まず、いわき市台風第19号における災害対応検証委員会の中間取りまとめについて、委員会での主な意見及び課題、被災者アンケート結果の反映など、これまでの検証状況や新型コロナウイルス対策を踏まえ、避難所など早期に取り組む対策などはどう進めるのかお尋ねします。 ◎市長(清水敏男君) いわき市台風第19号における災害対応検証委員会におきましては、これまで3回の会議を開催し、情報伝達の在り方や避難所開設・運営の在り方、避難行動の在り方等について、県と合同で行った被災者アンケートの結果等を踏まえながら検証いただき、去る5月29日に、中間取りまとめを御報告いただいたところであり、当該報告を踏まえながら、出水期や本格化する台風シーズンに備え、速やかに取り組むべきものについて、個別具体的に対策を講じてまいりたいと考えております。 その主な対策といたしましては、情報伝達につきましては、市民の皆様にとって、わかりやすい情報の伝達文に改めるとともに、高齢者等の情報弱者に対する防災ラジオの配布拡大や消防団詰所における消防サイレンの有効活用等、効果的な情報伝達の仕組みを構築することなど、また、避難所の開設・運営に当たりましては、浸水想定区域において、垂直避難用として、学校の校舎を活用した一時避難場所の開設を進めるほか、新型コロナウイルス感染症対策として、避難所の増設をはじめ、手指消毒液等の衛生用品やパーテーションの設置等、市民の皆様が安心して避難できる環境整備等に向け、取り組んでまいりたいと考えております。 さらに、避難行動の在り方につきましては、市民の皆様が災害時に取るべき行動等を取りまとめた動画の配信をはじめ、市ホームページや市広報紙等、様々な媒体を活用した防災に関する意識の高揚と理解の促進に向けた周知啓発のほか、様々な主体が連携した避難行動要支援者の避難誘導等に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、庁内検討による主な強化方針案について、災害対策本部設置と運営の在り方、タイムラインの作成、職員OB制度の導入等、庁内における災害対応の強化方針はどう進めるのかお尋ねします。 ◎危機管理監(山田誠君) 市におきましては、検証委員会における検証と並行して、各部等から報告された令和元年東日本台風時の災害対応に係る課題等の整理を行い、今後も想定される大規模災害に備えて、災対本部設置・運営の在り方、職員OB制度の導入、タイムラインの作成、さらには、個別マニュアルの作成促進を定めた、市の災害対応体制の強化方針案を作成したところであります。 現在、当該強化方針案等を基に、災害時の迅速な初動対応を目的とした、各部局の役割と優先業務を定めた市業務継続計画や具体的業務内容等を明確にした個別マニュアルの見直し等を行っているところであります。 今後につきましては、引き続き、庁内調整を適宜行いながら、速やかに計画を策定するとともに、必要に応じて随時、修正などを加えながら、8月に予定しております、検証委員会における最終報告を踏まえ、市業務継続計画を確定し、災害時における危機管理体制の充実・強化に努めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、今後の改善について、避難行動要支援者の個別計画をはじめ、市地域防災計画への反映など、今後の改善はどう進めるのかお尋ねします。 ◎危機管理監(山田誠君) 検証委員会においては、これまで、情報伝達の在り方、避難所開設・運営の在り方、避難行動の在り方等について検証を行ってきたとこであり、今後は、災対本部における対応、自助、共助、公助の役割等の検証を進め、8月には、災害対応対策と併せて災害対応体制についての最終的な報告を取りまとめることとしております。 市といたしましては、これらの検証から提案された速やかに改善すべき事項については、随時、その必要な改善に取り組むとともに、当該最終報告を踏まえ、具体的な防災対策、減災対策の構築など、必要な整理を行いながら、市防災会議に諮り、市地域防災計画の修正を行うこととしており、このような取組を通し、今後想定される大規模災害に備えて、関係機関・団体等と連携の下、将来にわたって災害を克服する力強いまち・いわきの構築に向け、取り組んでまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) コロナ禍での避難所開設や運営、避難行動要支援者を含めた避難行動、市民への周知徹底など、出水期前の必要な対応を要望しまして、次に移ります。 大きな第3点は、いわき市の再生と地域課題の解決についてです。 1点目は、水産業の復興についてです。 本市においては、本議会の提案により、水産業の発展及び魚食文化の振興に寄与することを目的に、いわき市魚食の推進に関する条例がスタートし、昨日は魚の日でありました。漁業者は、地元の海と海洋に育まれた魚介類を漁獲することをなりわいとしています。令和元年度の漁獲高は、震災前の14%にとどまっていますが、本年2月に出荷制限が解除され、震災原発事故以来9年で若い漁業者の参入が進んだと聞いております。 まず、本市の水産業の現状について、漁協別漁船隻数、主要魚種別水揚げ状況、回船別水揚げ状況など、震災前と比較して本市水産業の現状はどうかお尋ねいたします。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 本市水産業の現状について、震災前の平成22年と比較して申し上げますと、漁協別漁船隻数につきましては、令和元年12月末時点で、沿岸漁業を担ういわき市漁業協同組合の漁船数は224隻で、156隻の減、沖合漁業を担う小名浜機船底曳網漁業協同組合など5団体の漁船数は58隻で、9隻の減となっております。 次に、主要魚種別水揚げ状況につきましては、暫定値となりますが、令和元年の沿岸漁業の水揚げ量は試験操業中のため、861トンで83.6%の減、令和元年の沖合漁業の水揚げ量は、イワシにつきまして、2,740トンで64%の増となった一方で、主要魚種であるカツオ、サンマが海水温の上昇等により漁獲量が低迷しており、カツオは495トンで90.5%の減、サンマは489トンで90.2%の減となり、沖合漁業全体では、5,912トンで60.2%の減となっております。 また、平成30年の回船別水揚げ状況につきましては、カツオやサンマの漁獲量の低迷により、回船による水揚げ量全体では、726トンで92.5%の減となっており、本市の水産業は、震災前と比較し、依然として厳しい状況が続いているところであります。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、いわき市水産振興協議会の協議について、協議の進捗状況はどうかお尋ねします。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 市水産業振興協議会は、水揚げ量の向上や販路の回復、漁業担い手の育成、消費者への魚食普及など、本市水産業が抱える課題の解決に向け、生産、流通、消費に関わる関係者が相互に連携して取り組むため、令和元年5月に、市内の水産関係団体や観光関係団体等の委員18名及びアドバイザー2名を構成員として設置したところであります。 当協議会には、下部組織として流通・PR促進検討部会及び担い手育成検討部会の2つの部会を置き、これらの部会で検討を重ね、昨年11月に開催した第2回協議会において、各部会で協議された本市漁業の特徴を生かした販売戦略や観光産業との連携強化、さらには、魚食普及や担い手確保及び後継者の育成など、本市水産業が取り組むべき施策の方向性について、テーマごとに中間報告を取りまとめ、令和2年度における浜の名産発掘事業や学校給食魚食普及推進事業など新規事業の予算化につなげたところであります。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、いわき市水産業振興プランの改定について、本年度までの第二期いわき市水産業振興プラン、3重点項目、7部門41施策の成果と課題を踏まえて、来年度からの新たな水産業振興プランをどう改定するのかお尋ねします。 ◎市長(清水敏男君) 第二期市水産業振興プランの推進に当たりましては、震災や原子力災害を乗り越え、次世代につながる水産業を目指すを基本目標に掲げ、これまで各種施策を展開してきたところであります。 その主な成果といたしましては、震災により大きな被害を受けた小名浜魚市場について、冷凍荷さばき施設を併設した新たな魚市場として再整備するとともに、回船誘致や魚市場活性化対策事業により、本市への水産物の水揚げ、流通機能の回復に取り組みました。 また、風評払拭に向け、水揚げされた魚介類の放射性物質に係る検査体制を充実するとともに、地域ブランド、常磐ものをキーワードに、その品質やおいしさの魅力等を市内外にPRし、本市水産物の安全性の発信や、常磐ものの認知度向上、さらには、消費拡大にも努めてきたところであります。 新たな水産業振興プランの策定に向けましては、昨年度から市水産業振興協議会におきまして、これまでの取組の成果や本市水産業の課題を踏まえた見直しに着手し、今後、現行のプランに位置づけた施策体系等の点検作業とともに、協議会でまとめた新たな施策の位置づけや数値目標の設定等について検討を行った上で、プランの素案を作成し、パブリックコメントを経て、年内のプラン策定を目指して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、旧小名浜魚市場跡地の活用の検討について、これまでの関係機関の協議、現時点における検討状況を踏まえ、本市としては、今後どう対応するのかお尋ねします。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 旧小名浜魚市場敷地につきましては、平成28年度から跡地の利用計画が決定するまでの一定期間、乗組員や流通業者等の暫定駐車場として、関係団体3者に無償貸付けしているところであります。 跡地利用に当たりましては、福島県漁業協同組合連合会及び小名浜水産業加工協同組合など関係4者と定期的に意見交換を行ってきたところであり、その中で、小名浜港が本市漁業の一大拠点として水揚げ量を回復し競争力を高めていくためには、水揚げから加工、流通までの機能集約と衛生管理の整った施設が必要であるとの観点から、現在、老朽化が著しい西魚市場の代替施設として、小名浜魚市場の隣接地に新たな水産加工施設を整備してはどうかとの意見が示されております。 こうした中、跡地の有効利用を図るためには、事業主体や計画内容、整備手法などの詳細な検討を行う必要がありますことから、市といたしましては、引き続き、県や関係団体との協議を進めてまいりたいと考えております。
    ◆35番(佐藤和良君) 次に、東電福島原発の汚染水について、水産業の復興を阻害する多核種除却設備等処理水の海洋放出処分計画がありますが、本市としては陸上保管の継続を実現すべくどう対応するのかお尋ねします。 ◎危機管理監(山田誠君) 市といたしましては、多核種除去設備等処理水、いわゆるアルプス処理水の取り扱いにつきましては、廃炉作業を含め、被災地の復興との両立の下、着実な推進と、確実な安全確保により進められることが基本であると考えております。 このため、国が去る4月13日に開催した関係者の御意見を伺う場において、市長自ら、一般の方々を含めて幅広く意見を伺い、具体的な風評対策を示し、理解を得ながら方針を検討することに併せ、本市における農林水産業や観光業等の復興状況について具体的に伝えるとともに、国が被災地の復興の現状を正確に把握し、将来に禍根を残さないためにも拙速に結論を出さず、あらゆる可能性を検討すること等について、強く求めたところであります。 現在、国におきましては、地元自治体や関係者の意見を聞くとともに、浜通り地域の市町村議会へ説明するほか、書面にて一般の方々からの意見も募集しており、今後もこうした幅広い関係者から意見を聞いた上で、方針を決定するとしていることから、市といたしましては、今後の国の動向を注視するとともに、引続き、国が責任をもって前面に立ち、本市を含めた幅広い関係者や一般の方々からの意見を真摯に受け止め、具体的な風評対策を示し、理解を得ながら、方針を検討するよう、機会を捉えて強く求めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 最大の風評対策は、汚染水を流さないと、これに尽きると思うんですね。そういう意味では、陸上保管の継続ということを多くの人々が願っているわけですし、市民の間でもそういう声が多数でありますので、引き続き、陸上保管の継続を求めていただきたいと思います。 本市の基幹産業の1つである水産業の本格的復興を目指す本市としては、海洋放出に反対して、漁業者を守っていくという強い決意が必要であります。市民の願いでもある水産業復興の実現に向けた本市の着実な施策展開を要望します。 2点目は、小名浜地区における公共施設再編と連携したまちづくりについて。 小名浜市民会議は、20年をかけて、貨物ヤードだった港湾背後地をにぎわい空間として、再生を行政・市民と共に図ってきたわけでございます。また、新たな小名浜のグランドデザインをまとめて、アクションプログラムをつくっております。 まず、いわき市立地適正化計画に基づく小名浜地区のまちづくりについて、公共施設再編と連携した市街地再生整備の推進に関する庁内検討委員会における事業実施可能性の検証作業の進捗状況はどうかお尋ねします。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 市立地適正化計画に基づく市街地再生整備につきましては、計画に位置づけた8つの都市機能誘導区域のうち、市街地の再生が急務である、常磐、四倉及び小名浜の3地区を対象として、昨年7月に設置した市街地再生整備検討委員会において、公共施設再編と連携した事業の可能性について、検討を行っているところであります。 そのうち、小名浜地区の進捗状況といたしましては、公共施設の再編に係る対象施設の抽出や、施設規模等の検討をはじめ、集約・複合化の候補地選定や配置の検討、さらには、道路・公園等の施設管理者との事前相談など、基礎的な調査・検討を進めているところであります。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、支所・市民会館・公民館・図書館・保育所などの公共施設再編と連携したまちづくりについて、市街地中心部に位置する横町公園などを活用した施設の集約・複合化に関する見通しはどうかお尋ねします。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 小名浜地区における市街地再生整備につきましては、現在、横町公園周辺や市民会館周辺を対象として、公共施設の集約・複合化に関する検討を進めているところであります。 このうち、横町公園周辺につきましては、既存公園の廃止に伴う代替機能の確保や、公園敷地の一部を使用した施設配置など、都市公園法等の取扱いについて、また、市民会館周辺につきましては、市民プールの廃止に伴う跡地等を活用した施設再編や、交通アクセスの確保などについて、それぞれ検討を進めているところでありますが、現時点におきましては、候補地の選定に至っていない状況にあります。 今後におきましても、市街地再生整備検討委員会において、道路・公園等の基盤整備の導入や建設コストなどの検討、さらには、民間活力の導入や防災性の確保など、多角的な視点による事業実施の可能性について、検討を行ってまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、地域交通の確保について、グリーンスローモビリティの効果的導入実証事業に関する令和元年度の利用実績、利用者の傾向、利用者の声などを踏まえて効果を検証し、地域循環型のバスの運行など、将来の地域交通の確保をどう進めるのかお尋ねします。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 昨年度、小名浜地区で実施いたしましたIoT技術等を活用したグリーンスローモビリティの効果的導入実証事業につきましては、地域内の回遊性向上など、地域経済の活性化に一定程度の効果が見込めるとした一方で、実用化に向けましては、収益性の確保など、幾つかの課題も認識したところであり、地域交通の確保につきましては、今後も継続した検討が必要であると捉えております。 このような中、本市におきましては、昨年度策定した第二次いわき市都市計画マスタープラン、及び立地適正化計画において位置づけました、ネットワーク型コンパクトシティの形成を推進するため、今年度から、市全域を対象とした交通実態調査や市民の意識調査を行い、新たな交通政策に関する計画を策定する予定としておりますことから、当該計画におきまして、小名浜まちづくり市民会議をはじめ、地区の皆様や交通事業者等と意見交換を行いながら、次世代交通システムや循環型バスも含めた小名浜地区の最適な地域交通について検討してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) よろしく御検討お願いいたします。 3点目は、中山間地域の振興についてです。 まず、中山間地域等直接支払制度について、今後どのように対応していくのかお尋ねいたします。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 中山間地域等直接支払制度につきましては、高齢化により地域の共同作業に取り組むことが困難である、あるいは、事務手続が複雑で負担が大きいといった意見が寄せられております。 このため、市といたしましては、これまで集落に対する事業説明会を開催する中で、提出書類の作成を支援するなど、集落の事務負担の軽減を図る取組を行ってきたところでありますが、制度の円滑な活用を図るためには、さらなる取組が必要であると認識しておりますことから、今後におきましては、複数の集落と締結してきた協定を1つの協定として束ねる、広域化を推進することにより、高齢者の共同作業の負担軽減や事務負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。 また、国におきましては、行政手続などの事務に関し、デジタル技術の活用により徹底した行政手続の簡素化を促進する方針を示しておりますことから、国や県に対して、提出書類や手続の簡略化などの事務負担の軽減について要望を行うなど、集落による取組が容易となるよう意を用いてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、中山間地域への支援事業について、これまでの支援事業の実績、あるいは現在の課題を踏まえて、今後どう対応していくのかお尋ねします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 本市における中山間地域集落支援員につきましては、平成23年度から、また、地域おこし協力隊につきましては、平成27年度から順次配置しており、各地域において互いに連携して暮らしの支援と特色ある魅力的な資源を活用した地域活性化に取り組んでおります。 これらの取組により、遠野地区では、遠野和紙の継承、三和地区ではいわき伝統野菜、むすめきたかを活用した農業の6次産業化、田人地区では子供から高齢者まで誰もが集えるコミュニティーハウスの企画・運営による憩いの場の創出、川前地区では高齢者の見守り活動や駅前屋台の開設による集落の維持・活性化、小川地区では集落支援員による地域の食材を生かした料理教室の開催による地域内交流の促進などが図られてきたところであります。 一方、集落支援員につきましては、高齢化や限られた人員で多くの地域課題に対応していること、また、地域おこし協力隊につきましては、任期終了後の定住実績がないことなど、それぞれに課題がありますので、集落支援員の配置体制の拡充の検討や、地域おこし協力隊の定住・定着に向けた起業支援等を行うなど、それぞれの地域で活躍できる環境づくりを支援しながら、引き続き、中山間地域の暮らしの支援と活性化に取り組んでまいりたいと考えております。--------------------------------------- △散会 ○議長(菅波健君) 以上で、本日の日程は、全部終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。          午後3時02分 散会---------------------------------------...