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02月28日-05号

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  1. いわき市議会 2020-02-28
    02月28日-05号


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    令和 2年  2月 定例会            令和2年2月28日(金曜日)議事日程第5号 令和2年2月28日(金曜日)午前10時開議  日程第1 市政一般に対する質問---------------------------------------本日の会議に付した事件          〔議事日程第5号記載事件のとおり〕---------------------------------------出席議員(34名)     1番  川崎憲正君      2番  木田都城子君     3番  木村謙一郎君     4番  山守章二君     5番  塩沢昭広君      7番  鈴木 演君     8番  田頭弘毅君      9番  坂本康一君     10番  伊藤浩之君      12番  福嶋あずさ君     13番  小野潤三君      14番  西山一美君     15番  永山宏恵君      16番  大峯英之君     17番  小野 茂君      18番  塩田美枝子君     19番  馬上卓也君      20番  赤津一夫君     21番  渡辺博之君      22番  溝口民子君     23番  坂本 稔君      24番  上壁 充君     25番  蛭田源治君      26番  菅波 健君     27番  大友康夫君      28番  阿部秀文君     29番  安田成一君      30番  吉田実貴人君     31番  蛭田 克君      32番  磯上佐太彦君     33番  小野邦弘君      34番  石井敏郎君     35番  佐藤和良君      36番  樫村 弘君欠席議員(2名)     6番  柴野美佳君      37番  佐藤和美君---------------------------------------説明のため出席した者 市長         清水敏男君   副市長        渡辺 仁君 副市長        新妻英正君   教育長        吉田 尚君 水道事業管理者    上遠野裕之君  病院事業管理者    新谷史明君 代表監査委員     小野益生君   農業委員会会長    草野庄一君 選挙管理委員会委員長 飯間香保子君  総合政策部長     大和田 洋君 危機管理監      山田 誠君   総務部長       岡田正彦君 財政部長       澤田洋一君   特定政策推進監    緑川伸幸君 市民協働部長     下山田松人君  生活環境部長     荒川信治君 保健福祉部長     飯尾 仁君   こどもみらい部長   高萩文克君 農林水産部長     本田和弘君   産業振興部長     石曽根智昭君 土木部長       根本英典君   都市建設部長     高田浩一君 会計管理者      大平喜重君   教育部長       高田 悟君 消防長        猪狩浩二君   水道局長       加藤弘司君 医療センター事務局長 鈴木善明君   参事(兼)秘書課長   赤津俊一君 総務課長       阿部 通君---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長       山崎俊克君   次長         國井紀子君 参事(兼)総務議事課長 阿部伸夫君   総務議事課課長補佐  馬目皇子君 主任主査(兼)議事運営係長            鈴木 潤君---------------------------------------          午前10時00分 開議 ○議長(菅波健君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第5号をもって進めます。--------------------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問 △渡辺博之君質問 ○議長(菅波健君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。21番渡辺博之君。          〔21番渡辺博之君第二演壇に登壇〕 ◆21番(渡辺博之君) (拍手)おはようございます。21番日本共産党・市民共同の渡辺博之です。 まず、台風19号等における避難所についてです。 避難所には、一時避難所もありますが、今回は長期避難所について質問します。 避難所が開設されて間もないころ、思うように運営されていないことに私はいら立ち、若い職員に思わずどなってしまったことがありました。一生懸命やっているにもかかわらず、駐在していた職員に当たってしまったことを深く反省し、この場を借りて、まずおわびしたいと思います。 さて、避難所は、災害発生直後から1月25日までの3カ月間開設されていました。そこでは、多くの人が体調を崩していき、2人が命を落としてしまいました。このことを非常に重く受けとめなければならないと思います。亡くなった方の1人は、持病を持っていた70代の方で、避難所開設から1カ月後に亡くなりました。遺族は、避難所に来てからどんどん衰弱していったと話していました。もう1人も持病を持っていた40代の方で、避難所開設から2カ月後に亡くなりました。勧められても受診しなかったということですが、何か事情があったのでしょう。やはり避難所で体調を崩していきました。この方は、他の避難者にも気を配り、みんなの話をよく聞き、また、子供たちからも人気があるリーダー的存在で、避難者からもボランティアからも頼りにされている人でありました。 私は、毎日のように避難所を訪れていましたが、私自身が彼らの力になることができたのかと振り返ると、非常に情けなく、遺族に対して申しわけなく思います。 日本の避難所はソマリアの難民キャンプよりも劣るとたびたび指摘され、内閣府は2016年度に避難所運営ガイドラインを策定いたしました。こう書いてあります。本ガイドラインは、避難所において避難者の健康が維持されることを目標に、質の向上を目指すものです。ここでいう質は、人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送ることができているかという質を問うものであり、ぜいたくという批判は当たりませんと書いてあるわけです。 そして、運営体制の確立や食料・物資の管理など、運営業務における対策を19の項目にまとめました。 本市の避難所で、これらのことがどこまで実践されたのか、どこに問題があったのかを考え、今後に備えなければなりません。 そこで、以下質問してまいります。 災害医療コーディネーターで、福井大学で講師を務める山村修氏は、災害関連死は避難所や仮設住宅よりも、在宅被災者に多いと報告しています。それは在宅被災者に必要な支援が届きにくいからだと指摘しています。 昨年の台風第19号で本市の被災者のほとんどが、被災した自宅で生活を続けました。自宅の2階で生活している被災者は、寝ることはできても、台所や風呂は使えず、洗濯もできない方がほとんどでした。また、平屋に住む方は、ぬれた床の上にブルーシートを敷いて寝ていました。ある高齢の夫婦を訪ねると、足がぱんぱんにむくんでいて、疲れ切っていました。避難所に行くことを勧めると、自宅から離れていて片づけのために行き来しにくい、プライバシーがないなどと断られました。 まず、伺いますが、被災者が避難所生活をしやすくするために、被災地に近い場所に避難所を設置することが必要だったと思いますがいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 令和元年東日本台風により開設した避難所につきましては、断水への対応のため、平地区におきましては中央台公民館を除き、通水地区である内郷地区の避難所へ移動したところであります。 また、断水解消後におきましては、平地区の多くの指定避難所が小・中学校体育館であり、通常どおり授業を行っていたこと、避難所の移動が複数回となり避難された方にとって負担ともなることから、平地区被災地近隣の指定避難所への移動は難しい状況にあったと考えております。 ◆21番(渡辺博之君) 平の鯨岡では、平屋の市営住宅に住んでいて車を持たない高齢者数人が、少し高いところにある近くの集会所で生活をしていました。もちろん水道は出ませんし、市の避難所に指定されていないので、食料も物資も市から直接供給されていませんでした。それでも、隣近所同士が身を寄せて助け合いながら落ちついた生活をしていました。 今後、市の施設に限らず、お寺や神社、民間施設も含めた被災地に近い施設を避難所にすることを検討すべきだと思います。 次に、避難所の規模についてです。 避難所・避難生活学会の理事長で新潟大学の講師の榛沢和彦氏は、こう言っています。混み合った避難所では、エコノミークラス症候群下肢深部静脈血栓症の発生率が高い。運動指導や水を飲むように指導しても発生すると報告しています。 また、その学会が主催したシンポジウムでは、ベッドの上で食事をすると、寝床にカビが発生し、それにより喘息になる危険が高まると報告されています。テーブルを設置して食事をする場所をつくることは、衛生面からも、コミュニティーをつくっていく上でも重要だということです。 ところが、本市の避難所では、そうしたスペースもなく、自分のベッドの上で食事をする方がたくさんいました。 そこで伺います。ゆとりの空間や食事をする場所も確保できない、適正規模を超えていた避難所もあったという認識はあるでしょうか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 断水等により避難所を集約せざるを得なかったこと、開設可能な避難所の数が限られた地区もあったことなどから、適正規模を超えていた避難所もあったと認識しております。 ◆21番(渡辺博之君) 避難所の数をふやして、やはり適正規模にすべきだったと思います。ぜひ、今後の教訓にしていただきたいと思います。 次に、食事についてです。 内閣府の避難所における良好な生活環境の確保に関する検討会の委員も務める新潟大学の田村圭子教授は、被災者の命を守るために重要なものとして、まず食事を挙げています。 避難所での食事は偏りがちになるために、厚生労働省は2011年4月に栄養目標を示し、同年6月3日に避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドラインを策定しました。そこには、食事提供の目標とする栄養量を目安に、栄養バランスのとれた食事の提供に努めましょうと記してあります。 ところが、本市の避難所での食事は、朝は菓子パン、昼はおにぎり、夕飯は毎日同じ4種類の弁当の中から1つ選ぶというもので、バランスがとれているとは言いがたいものでありました。野菜が不足しており、多くの人が便秘に苦しんでいました。ある方が1カ月で1回しか出ていないと言うと、別な方が、私は月2回なのでまだいいほうかしらなどと言うような状況でありました。 また、味が濃く、血圧が上がった、糖尿病がひどくなったという方も何人もいました。また、本来食事は楽しいこと、楽しむことなのですが、毎日同じ弁当で食の楽しみを失い、ほとんど食べなくなってしまい、鬱病がひどくなった高齢者もいたわけであります。 そこで伺いますが、栄養バランスがよく、塩分量が適正で、野菜がしっかりとれる食事を提供することができたとお考えでしょうか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 避難所の食事につきましては、避難者全員分の食事を調達可能な事業者が近隣には存在せず、配送には時間を要してしまい、消費期限までの期間が短縮されてしまうこと、また、大規模な冷蔵保存ができる設備がなく、冷蔵保存が必要な食品の提供が困難なことなどから、弁当やパン等の主食以外では、バナナやみかん、栄養補助ゼリー野菜ジュース等、消費期限が長く、常温でも保存可能な食品に限られてしまい、栄養バランスが十分ではなかった点もあったものと考えておりますが、弁当の種類をふやすなど可能な範囲での改善を図ってきたところであります。 ◆21番(渡辺博之君) さまざまな課題があって努力はしたけれども、バランスがとれた食事を提供できなかったということだと思います。 では、市長に改めて伺いますが、市長もたびたび避難所を訪問し、避難者の話をお聞きしていたと思います。その中で市長は、食事に問題があるという認識はあったでしょうか、改めて伺います。 ◎市長(清水敏男君) 議員おただしの避難所での食事の件でありますが、栄養バランスに欠く食事だったとの認識はあります。そういった中ではありますけれども、非常時の中、食料を調達する上での中で、そういったことが起きてしまったことについては、今後の課題とさせていただきたいと思います。 ◆21番(渡辺博之君) 非常時ではありますけれども、3カ月間最後までほとんど改善されなかったということが大変問題であると思います。 食事の大切さについては、本市の食育推進計画でも強調しています。一部を読み上げます。栄養バランスの偏った食事や不規則な食事などの食習慣の乱れにより、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病が増加している、これは計画の中での市長の言葉であります。 そして、計画では栄養バランスのとれた食事をとりましょう。主食、主菜、副菜を組み合わせることを意識しましょう、適正体重の維持や減塩等に気をつけた食生活をと記載しています。こうしたことは、当然避難所でも実施されるべきことであります。 食事の改善については、避難者も、ボランティアの方も、私も再三要望いたしました。しかし、避難所が閉鎖されるまでの3カ月間、余り改善されませんでした。 そこで伺いますが、食事の改善の要望を発注先に伝えた契約課は、提供された食事の内容や改善の有無等の具体的な内容を把握していたのでしょうか伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 避難所に避難されている方が必要とする食料や日用品等につきましては、避難所を運営する災対保健福祉部がニーズを集約した上で必要な物資を災対財政部に要請し、災対財政部が支援物資または購入した物資を調達・配布する仕組みとなっており、食事についても同様に災対保健福祉部から要請のあったものを調達し、各避難所にお届けしてきたところでございます。 また、災対保健福祉部から食事改善の要望があった場合には、避難所の食事を発注している事業者に全て伝え、災対財政部において、要望に対する改善状況について事業者から報告された写真等により、食事の内容や改善の有無等を確認するとともに、その情報を災対保健福祉部とも共有してきたところでございます。 なお、要望に対し、常温での保存が困難なサンドイッチやサラダなど、対応できなかったものもございましたが、朝食のメニューに果物やゼリーを取り入れたり、夕食の弁当は種類をふやしたりと対応できる範囲で改善を図ってきたところでございます。 ◆21番(渡辺博之君) 先ほど、保健福祉部長からは、バランスがいいとは言えないという回答でありました。それに対して、対応できる範囲でやったというのは、余りにも不十分だったと言わざるを得ません。写真などで確認はしたということではありますが、やはり最も重要な食事でありますから、現地に行って避難者の声を直接聞くとか、そういった対応こそが必要だったと思います。やはり保健福祉部と発注する財政部の契約課との縦割りの行政の中で改善しようという思いが共有されていなかったのではないかと、私は思うわけであります。 それでも、市長もそのような認識を持っていたわけでありますから、縦割りの弊害も市長みずから号令を出すことによってできたのではないかと私は思うのです。そこが非常に今回まずい点であったと思うわけです。 そこで伺いますが、食事が抜本的に改善されなかった原因をどのようにお考えでしょうか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 避難所の食事が抜本的に改善されなかった原因といたしましては、大規模な冷蔵設備がないことなどから、提供可能な食事が限られてしまったことのほか、災害から2カ月経過した12月中旬においても100人規模の大きな避難所が残り、食事の調達可能な事業者が限定されてしまっていたこと、さらには、バランスのとれた長期間対応可能な食事メニューの調整を災害中に調整することが困難であったことなどが原因であり、平時から、これらを踏まえた体制の構築が必要であったものと考えております。 ◆21番(渡辺博之君) 今、平時からの対応が必要であったということで、ぜひ今後に生かしていただきたいと思います。 避難所でいかに食事が重要かという認識が、市長も含めて庁内で共有されず、また平時からの準備も不十分であったということでありますが、2018年7月の豪雨で被災した愛媛県西予市では、事前に準備していたレシピを渡して弁当屋に発注しました。夏休みは給食センターで管理栄養士が作成した献立表に基づき昼食と夕食を提供しました。このような方法で当初からバランスのいい食事を提供したということであります。 いわき市内のある弁当屋に問い合わせると、中学校の給食の献立のメニューを頼まれれば、100食ぐらい昼と夜つくるぐらいはできる。レシピがあれば、なおつくりやすいと話していました。 伺います。市全域の大災害の場合は、全国にネットワークを持つ大手にとりあえず発注することも必要になるかもしれませんが、今回のように局所的な被害であれば、避難所ごとに地元の弁当屋に発注すべきだと思いますがいかがでしょうか。 ◎財政部長(澤田洋一君) 令和元年東日本台風の発災直後、市内の広域にわたり多くの避難所が開設され、早急に多くの食事が必要となったことから、本市と災害協定を締結している事業者に対し、避難所への食事の提供を依頼しました。 開設された全避難所への配送に対応できたのは、当初2事業者あったものの、最終的にイオンリテール株式会社1事業者のみとなりました。 今回は、避難所の統合や閉鎖などにより配送先に変更が生じても、同一事業者であれば柔軟な対応が可能であることから、全避難所分を1事業者にまとめて発注したところでございますが、避難所の運営が長期にわたる場合には、避難所における避難者数の推移に応じ、市内入札参加有資格者名簿の登録事業者に食事の提供を依頼することも考えられますので、今後、避難の状況に応じた食事の発注方法について検討してまいりたいと考えております。 ◆21番(渡辺博之君) 日本栄養士会災害支援チームからの支援も受けることもできますので、ぜひいい方向で今後のためにも検討していただきたいと思います。 また、西予市や本宮市は、在宅被災者にも食事を配ったそうです。本市では在宅被災者には配付しませんでしたが、今後は支援が届きにくい在宅被災者にも配付することが必要だと思いますので、あわせて御検討ください。 では次に、生活環境について質問してまいります。 先ほど紹介した新潟大学の田村教授は、どうしても欠かせないものの2つ目にトイレを挙げています。 厚生労働省が2011年度に策定した避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドラインには、洋式トイレ、ポータブルトイレの設置・確保をしましょう、和式トイレが使用しづらいことによる水分摂取制限やトイレに行かないことによる日常生活動作能力の低下が起こらないためにも早急に洋式トイレの設置・確保に努めましょうと記しています。 避難所になった小川小学校体育館では、和式トイレを使ったことがない子供がトイレに行きたがらず、便秘になっているという話も聞きました。最も避難者数が多い内郷コミュニティセンターでは、洋式トイレが少ないために、朝に行列ができたと聞いております。 ポータブルトイレは再三要望されました。ところが、設置されたのはおよそ2カ月後でした。 伺いますが、ポータブルトイレが設置されるまでにこれほどの時間を要したのはなぜだったのでしょうか。
    保健福祉部長(飯尾仁君) 簡易洋式便座であるポータブルトイレの設置要望がありました内郷コミュニティセンターにおきましては、男性用トイレ1カ所、女性用トイレ2カ所、多目的トイレ1カ所の合計4カ所の洋式トイレがあったこと、また、令和元年東日本台風等により被災した方への市・県営住宅等の一時提供住宅や県借り上げ住宅制度の受け付けが10月下旬に開始されたことに伴い、避難者数が減少するものと見込んでいましたことから、簡易洋式便座の設置につきましては、検討するにとどめていたところでございます。 しかしながら、11月下旬に改めて強い要望を受け、トイレに困っている状況が確認できましたことから男性用トイレ1カ所、女性用トイレ2カ所の和式トイレに、簡易洋式便座を設置したということから時間を要したところでございます。 ◆21番(渡辺博之君) おくれた理由をいろいろおっしゃっていましたけれども、結局、必要性についての認識が欠けていたとしか感じられません。また、時間がかかっただけでなく、その設置にも問題がありました。 内郷コミュニティセンターでは、トイレのドアが内開きで、ポータブルトイレを設置するとドアがぶつかって開閉ができない状況でした。そこで、ドアを内側に全開にしてポータブルトイレを設置し、外から見えないようにカーテンがつけられました。しかし、ドアがポータブルトイレにぶつかった状態なので、またぐためには足を持ち上げて向こう側に渡さなければならず、足が悪い方などは使うことができませんでした。 熊本でどのような対応をしたのかということを知っている方から、ドアのちょうつがいを逆向きにつけかえて外側に開くようにすることが提案されましたが、そうした提案は受け入れられることはありませんでした。やはりこうした対応についてもトイレの重要性について、認識がきちんと共有されていなかったのだと思います。 次に、段ボールベッドについてです。 避難所が開設されておよそ1週間後に段ボールベッドは到着しました。これはエコノミークラス症候群の予防、生活不活発病の予防、ほこりの吸い込みを防ぐことによる呼吸器疾患の予防、床からの冷気を遮断することで低体温を防ぐこと、睡眠の質を改善して体力低下を防ぐことなどのメリットがあると報告されています。エコノミークラス症候群を一度発症した人は、数年後に再び発症する確率が高いと報告されており、特にその予防は重視されております。 これほど重要な役割を果たす段ボールベッドが到着しても、すぐに使わなかった方がたくさんいらっしゃいました。 そこで伺いますが、段ボールベッドの効果について避難者に十分に周知して使用を促したのでしょうか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 段ボールベッドの使用につきましては、避難者に対し、支援活動に従事していただいた医師や大学教授等から段ボールベッドの使用による血栓予防の効果の説明、使用の勧奨を行うとともに、避難所担当職員からも同様の声かけを行いましたが、世帯ごとの居住スペースを区分するパーテーション内が狭くなることや、なれた生活環境の変更を希望しないなどの理由から使用に至らなかった方がおられたところでございます。 このことから、長期化いたしました一部の避難所におきましては、避難者の減少に伴う居住スペースの見直しに合わせまして、ボランティアの方々の協力を得て、避難者に積極的に働きかけながら、段ボールベッドを設置していったところでございます。 ◆21番(渡辺博之君) 段ボールベッドのメリットについて話はしたと言いますけれども、やはりその周知の仕方が不十分だったのではないかと思うわけであります。 次に、避難所の運営についての質問です。 避難所運営ガイドラインには、避難所運営会議を行うこととしています。避難所運営委員会を、市の防災担当者、避難者代表である避難所運営責任者、施設管理者などでつくり、そのほかにボランティアなどの外部支援者と会議をすることと記され、ふだんから顔の見える関係を構築しましょうと平時からの準備を促しています。 まず、伺います。運営体制を構築することについて、平時の取り組みはいかがだったのでしょうか。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 避難所の運営体制を構築するための平時の取り組みにつきましては、自主防災会や行政区、民生委員などの地域の関係機関の参加・協力を得ながら、毎年、総合防災訓練時に一部の避難所を開設してまいりましたが、今後におきましては、災害時に、より円滑な運営ができますよう、可能な限り実施箇所数や参加人員をふやすなど、取り組みを充実させる必要があると考えております。 ◆21番(渡辺博之君) 施設管理者などはほとんど含まれていなかったと思うんですけれども、そんなことも含めて、やはり平時の取り組みが十分とは言えなかったと思います。 では、次に伺います。避難所開設後の避難所運営会議の実施状況はいかがだったのでしょうか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 避難所運営会議につきましては、市地域防災計画や避難所運営マニュアルでは、避難所ごとに開催することとされておりますが、断水等による避難所の集約により、地域性が希薄化したこと、避難された方の多くが就労や被災した自宅の片づけのため、日中は避難所にいない状況にあったことから、避難者代表者の選出や、日中の開催が困難であったため、避難所運営会議の実施には至らなかったところであります。 ◆21番(渡辺博之君) 避難してきた地域がばらばらだったということではありますけれども、先ほど、例えば内郷コミュニティセンターでは、既に亡くなってしまった方ですけれども、リーダー格だったという人もいるわけです。ほかの避難所でも、日にちがたてばその中でコミュニティーができていきますから、しっかりそこを見ていけば、やはり代表者というのは選ばれていくんだろうと思います。やはりそういう視点で見ていくという意識が不十分だったのではないかと思うわけであります。たとえ平時からの準備が不十分であっても、経験を積んでいるボランティアなどの意見を積極的に取り入れていけば、もっと改善できたであろうとも思います。 先ほど、部長からもちょっとお話がありましたけれども、例えば、内郷コミュニティセンターでは、ピースボートの災害支援センターのスタッフの提案で大掃除大作戦というものが行われました。荷物を一旦隅のほうに置き、避難者と一緒に一日がかりで体育館を掃除し、通路の確保や、食事するテーブルの設置などのゾーニングが行われました。このときに、段ボールベッドの使用を促し、みんなが使うようになったわけであります。 また、福島大学のボランティアセンターは、炊き出しをするときに避難者と一緒に料理をつくりました。このような共同作業や食堂の設置でコミュニティーがさらに形成されました。こうしたことは、内郷コミュニティセンター以外でも、ほかの避難所でも行うべきだったのであろうと思うわけであります。 そこで伺います。避難所開設後に避難所全体の環境などを改善するために、専門家や経験豊富なボランティアなどの意見を聞く取り組みはなされたのでしょうか。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 専門家の意見を聞く取り組みといたしましては、議員御指摘のとおり、経験豊富なボランティア団体に支援を依頼し、最大規模の避難所であった内郷コミュニティセンターに日中常駐していただき、避難所運営の改善のための提案やその実施について、御尽力をいただいたところであります。 それらの内容につきましては、避難所を総括する部署の職員とそのボランティア団体の方との会議を定期的に開催し、情報を共有し、必要に応じて、ほかの避難所の運営改善につなげてきたところでございます。 ◆21番(渡辺博之君) 必要に応じ、ほかの避難所にも伝えていったということではありますが、やはり横への拡散というものが非常に不十分だった、積極的にはなかったのだろうと思わざるを得ません。そして、柔軟な対応がなされなかったことも多々あると感じています。先ほどはポータブルトイレの設置の話もしましたが、他の事例も幾つか紹介します。 例えば、洗濯機の設置です。洗濯機は国からのプッシュ型支援で、避難所を開設してから二、三日で到着しました。 当時コインランドリーは夜中の2時、3時まで混雑していましたが、避難所となっていた中央台公民館では、場所がないという理由で設置しない方針でした。目の前に消防の分遣所があり、外の水道に設置できるのに、初めから設置を断念していたわけであります。 また、内郷コミュニティセンターでは、施設の電気容量が小さいために、避難者が200人以上いるにもかかわらず、電気ポットが1つしか使えず、電子レンジも使えませんでした。執行部に尋ねると、電気のアンペア数をふやすことを検討しているということでしたが、1カ月後に再び訪ねてもまだ検討中でした。1日で終わるような工事について長期間検討され続けていたのでありました。 さらに、内郷コミュニティセンターにはシャワーがあります。その脱衣所の気温は10度ほどまで下がりました。暖房の設備を求めると、火災の危険性があるので設置できないと言われ、せめて床にマットを敷いてほしいと言うと、掃除が大変になると断られ、さらに、掃除は自分たちがするからと言ってもやはり聞き入れられなかったそうです。 このほかにも、まだまだありますが、よりよい避難所にしていこうという認識を行政の人と共有できなかったと話す方もいます。職員の方々は、それぞれの立場で努力したとは思いますが、全体として、避難者の立場に立って、どのような避難所を目指していくのかということが共有されていなかったのではないかと思うわけであります。 そこで伺います。避難所の現場で柔軟な対応ができなかったこともあったと思いますが、どのように評価しているでしょうか。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 避難所の現場におきましては、可能な範囲で柔軟に対応してまいりましたが、当該避難所だけではなくほかの避難所でも同様のことが想定され、共通認識のもと対応しなければならないこともあること、施設管理者等の関係者の許可が必要であることなど、その場での回答が難しいこともあること、さらには一定程度の経費が発生し、予算の確保が必要なことなどがあることから、現場での速やかな対応が困難な場合もあったと認識しております。 ◆21番(渡辺博之君) 単に経費だけの問題ではなく、先ほどの脱衣所のマットなどでは、なぜこれが受け入れられなかったのかと思うようなことさえあったわけであります。 熊本県では、志願した職員が毎日駐在して運営の核になって、避難者や施設管理者、ボランティアと顔の見える関係をつくり、柔軟に現場判断をしていきました。倉敷市の真備町でも、やや時間がたってからその体制をつくりました。本市でも、一部の避難所でそのような体制もありましたが、駐在職員は基本的に毎日、朝晩交代しました。 伺いますが、現場での柔軟な判断ができるようにするためにも、毎日駐在する中心的職員が必要だったと思いますがいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 中心的職員が担うべき役割は必要であると認識しておりますが、特定の職員を毎日避難所業務に従事させることは、その職員に負担が集中するとともに、通常の業務にも支障が生じますことから、施設管理者等との調整や、各避難所において統一的な対応が図られるよう、情報共有のための取り組みを行う新たな組織といたしましては、避難所総括班を設け、避難所全体を見据えながら、現場の柔軟な判断を生かせるように、避難所運営の充実に努めたところであります。 ◆21番(渡辺博之君) 特定の人間を中心的にそこの現場に行かせるということには、さまざまな課題はあるとは思いますけれども、特に初期のころというのは、そういうことが必要だと思うんです。職員が入れかわり立ちかわりということになれば、やはり共有も非常に難しいということもありますので、ぜひ御検討くださいますようお願いします。 イタリアでは、国の市民安全省が赤十字などと物資の調達や搬送、避難所運営を行います。被災した自治体ではさまざまな業務が発生しますので、自治体職員が実質的な避難所運営をすることはありません。つまりほかのところが全部やってくれるということです。その体制で、2009年に発生したラクイラ地震では、地震発生の10時間後には避難所にトイレが到着し、18時間後にはテントとベッドが到着したそうです。 現在、我が国でイタリアのような体制はありませんが、私は、避難所の運営を担う保健福祉部は過重負担になっていたと感じます。その背景には、災害対策において全庁が一丸になっていなかったということがあると思うわけであります。 伺いますが、避難所の衛生面や避難者の保健指導など、保健福祉部が担わなければならない分野は多くありますけれども、避難所の運営そのものは別の部署が担い、保健福祉部の負担を減らすことが、避難所の改善のために必要だと思いますがいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 避難所の運営に当たりましては、保健福祉部や医療センター、教育委員会などの各部局の職員、さらには福島県や新潟市など多くの自治体から、保健師を含め多くの職員の応援をいただきながら、運営してきたところであります。 しかし、避難所運営にかかわる職員につきましては、食事提供の準備や清掃などの定型的業務に加え、避難所の生活環境を向上させるための取り組みや、各種制度の創設・変更等に関する周知、さらには、避難されている方に対する新たな生活の場へ移行するための個別支援など、時期に応じて変化するさまざまなニーズに応じた役割を担う必要がありますことから、配置する職員をふやすなど、避難所の運営体制を見直し、改善を図る必要があると考えております。 ◆21番(渡辺博之君) 私は、避難所の核になるのは、特に全体を、人もまとめていく作業ですので、違う部署が担うことも必要かなと思います。 次に、教訓を生かす取り組みについてです。 まず伺いますが、教訓を今後に生かすためにどのような取り組みをするのでしょうか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 今回の経験を踏まえ、明らかになった改善すべき事項につきましては、改善案を作成するとともに、より多くの地域の方の参加により、避難所の運営訓練を充実させ、改善案を訓練中に試行するなどして、今後の避難所運営に備えてまいりたいと考えております。 ◆21番(渡辺博之君) 改善案ということでありますが、教訓を生かすために、避難者やボランティア、専門家の意見はどのように反映するのでしょうか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 避難者やボランティアの方々からは、これまでの避難所運営の中で多くの意見等をいただいたところでありますが、これらの意見等につきましては、改善案の作成において反映させるとともに、適宜、専門家のアドバイスを取り入れながら、避難所運営訓練の充実を図り、今後の避難所運営に反映してまいりたいと考えております。 ◆21番(渡辺博之君) ボランティアや、そういったところの意見は、これまでの意見をまとめるということですけれども、改めて聞くべきではないでしょうか。それがボランティアをしてくださった方への誠意でもあるし、きちんと検証をすることにつながると思います。 そこのところを再度伺います。今から再びボランティアや、そういった避難者などにも改めて意見を聞く、そういう姿勢をつくっていただきたいと思いますがいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 先ほど、市長が答弁申し上げましたように、ボランティアの方々や専門家の方々につきましては、これまでの避難所の運営の中でさまざまな御意見をいただいてきておりまして、その現場の経験を通じて、まず、それを反映していくべきだと考えております。また、その中で改善案をつくりながら必要に応じて、もしそのようなボランティアの方々に聞けるような御機会があるのであれば、聞くような機会を設けながら進めてまいりたいと思います。 ◆21番(渡辺博之君) 私もあちこちのボランティア団体から話も聞きましたけれども、直接現場で言いにくいこともいっぱいあったと思います。ぜひ改めて聞いて、率直に改善するところを見つけて、次回に備えていただきたいと思います。 避難所は言うまでもなく、市民、ボランティアにも協力してもらいながら運営することが望まれます。そのためにも、常日ごろから、市民も一緒に研修などを行うことが必要だと思っております。 伺いますが、平時から避難所の運営について、長期的な運営について、外部からの講師を招き、市民と一緒に研修会を定期的に開催すべきではないかと思いますがいかがでしょうか。 ◎市長(清水敏男君) 避難所につきましては、市地域防災計画において、大規模災害時には、市職員のみによる避難所の運営が困難となるおそれがあることから、地域住民と一体となった避難所の運営ができるよう、平時から市職員、施設管理者、自主防災組織等の役割分担を明確にした避難所運営マニュアルを作成することと、避難所の運営を想定した防災訓練等を実施することを定めております。 このことから、市といたしましては、新規採用職員や採用13年目の中堅職員を対象に避難所運営の基礎知識等を学ぶ災害対応研修を毎年実施するとともに、自主防災組織を対象とした研修会や防災士の養成講座におきましても外部講師を招き、避難所の開設・運営に係る講話等を実施してきたほか、市総合防災訓練において、避難所運営マニュアルを踏まえて、市、地域団体、防災関係団体等との連携による避難所開設・運営訓練を実施してきたところであります。 今後におきましても、令和元年東日本台風等における避難所運営に携わった職員を初め、関係団体等に対して、適宜ヒアリング等を実施し、問題を整理・分析した上で、避難者に配慮した円滑な避難所運営に必要な研修等を実施してまいりたいと考えております。 ◆21番(渡辺博之君) これまでも、毎年訓練をしていると、講話なども行っているということでありますが、これまでの答弁でもありましたように、それでは不十分だということが明らかになっているわけです。避難所学会というものもあったり、講師を派遣するような団体もありますので、しっかりとした取り組みを改めて御検討してくださるようお願いします。 そして、それは職員だけではなく、市民も含めて共有していく。もし、市外の団体であれば、そういうことを実施していけば、速やかにいわき市にボランティアを派遣してくれるというつながりもできていくと思いますので、ぜひそこのところはしっかりとよろしくお願いいたします。 次に、広告についての質問に移ります。 昨年、いわき市はサモア独立国のラグビー競技を応援していますという広告がいわき経済報に掲載されました。これまで市が関係した広告はイベントや施設の案内だったので、少し違和感を覚えました。 そこでまず、2019年7月1日付のいわき経済報に掲載した、その広告について伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) いわき経済報の令和元年7月1日号に掲載いたしましたサモア独立国のラグビー競技を応援する広告につきましては、サイズが縦3センチメートル・横8センチメートル、フルカラー印刷となっており、金額につきましては、消費税込みで3万7,800円となっております。 ◆21番(渡辺博之君) では、次に伺いますが、広告を掲載するいわき経済報の発行部数はどのように認識していたのでしょうか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) いわき経済報の発行部数につきましては、定期購読者への配付分と新聞折り込み分、合わせて1回当たり3万部から10万部であると伺っております。 ◆21番(渡辺博之君) 3万部から10万部と聞いていると言いますけれども、随分開きがあるなと驚くわけであります。私は関係文書を全ていただきましたけれども、文書によって部数の記載というものは一切ありませんでした。口頭で聞いただけに過ぎないものだろうと思います。 新聞広告などでは、発行部数が多い新聞への広告料は高くなり、例えば、福島民報も福島民友も発行部数や料金を公にしております。 2011年2月議会で行政経営部長は広告料の支出については、広告的価値を判断し、適切に執行してまいりたいと答弁していますが、発行部数がわからなければ広告的価値はわからないはずです。このような状況で発注したことは問題があると言わざるを得ません。 次に、いわき経済報へのいわき平けいりんの広告について伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) いわき経済報に掲載した広告につきましては、サイズが縦10センチメートル・横8センチメートル、写真入りフルカラー印刷となっており、過去3年の実績を回数、消費税込みの金額の順に申し上げますと、平成29年度が2回で合計54万円、平成30年度が2回で同じく合計54万円、令和元年度が2回で合計32万7,000円となっております。 ◆21番(渡辺博之君) 福島民報などに毎月折り込まれる、あるカラーのフリーペーパーがあります。発行部数は5万2,000部、サイズ8センチメートル掛ける12.5センチメートル、先ほどの平けいりんよりも少し大き目でありますが、その定価は1回6万円で、掲載回数をふやすと割り引きされることが公に示されているわけであります。 広告はその効果を考えて行うものですから、単純に比較はできませんが、市としては、このようなフリーペーパーより高い値段であっても効果が大きいという説明責任を果たすことが必要だと思います。しかし、発行部数も把握していないのであれば、その説明責任は果たせるはずがありません。 そこで、市が広告を出すときの基本的な考え方について伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 広告につきましては、自主広報の手段の1つとして、適切な時期を捉え、市民の皆様等へ広く周知・宣伝する必要がある市の施策や事業、取り組み、それから観光誘客など交流人口の拡大に資するイベント等をお知らせするためなどに活用しているところであります。 また、新聞社や雑誌などの出版社等が特集する市の施策等に関する企画記事や、他の自治体・団体等と一体となって祝意などを示す特集記事等に対しましては、その効果等を勘案した上でいわゆる名刺広告などにより協賛し、本市の姿勢等を広く周知する機会としております。 今後につきましても、限られた財源の中で効果的で効率的な広報に努めていく必要がありますことから、広告の発注に際しましては、その目的や内容、主な周知範囲や対象、活用する広告媒体の種類及び特徴、さらには費用対効果の観点なども十分に踏まえながら、より多くの方々に市政情報等について認知していただき、関心や共感を持っていただけるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆21番(渡辺博之君) いずれにしろ、税金もしくは公金で出すわけですから、やはりその効果についてどうなんだということを市民に説明ができるようなものでなければいけないと思います。しっかりと適正化してくださいますようお願い申し上げます。 これをもちまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午前11時まで休憩いたします。          午前10時49分 休憩---------------------------------------          午前11時00分 再開 △小野潤三君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。13番小野潤三君。          〔13番小野潤三君第二演壇に登壇〕 ◆13番(小野潤三君) (拍手)13番いわき市議会志帥会の小野潤三です。 まず、本議会の初日、この本会議場で、いわき市魚食の推進に関する条例を全会一致で可決していただきましたことに対し、議員各位に心から敬意を表します。この条例は、皆様御案内のとおり、議員提案により政策的な方向性を打ち出そうという初めての条例でした。木村謙一郎議員の提案によりまして、3年半にわたる政策提案検討委員会での協議を経て、本議会でようやく成立いたしました。この条例の価値は、魚食という具体的な中身もさることながら、全会派が知恵を持ち寄ってつくり上げたというところにあります。私は当初、半年ほどで完成すると考えておりましたけれども、会派による考え方の違いを超えるのは想像以上に困難で、予想より大幅に多くの時間を費やしました。しかし、結果的に、全ての議員が納得できる条例を制定することができたということの意義は大きいと考えております。いわき市議会が今後も、みずから政策を発信する場であり続けることに期待をしながら、以下、通告順に従いまして、質問を行います。 大きな質問の1番目は、産業政策についてであります。 震災からの復興期間10年は、4月にいよいよ最終年度を迎えようとしております。復興庁の存続は決まりましたが、復興期間に国から多くの復興予算が来ておりましたので、本来はそれをベースに地域の産業をつくり上げ、自分の力で生きていける、自立した地域をつくり上げることが、この間にやるべきことでありました。 原発関連産業にかわる規模の産業や雇用を生み出すことこそが、経済的側面で復興が完了したと言える状況なのだと思います。いわき市が震災から立ち直り、真に自立した経済を確立するという命題は、ここまでどの程度果たされ、今後向かうべき道は何なのか、改めて産業政策を問うてまいります。 1点目は、イノベーション・コースト構想についてです。この構想の趣旨はまさに、原発産業にかわり、新たに地域を牽引するだけの力を持った産業をどうつくり上げるかということがテーマです。それがイノベーション、つまり技術革新を通して、今までにない産業をつくり上げるということであります。この10年近く、イノベ、イノベと言葉は躍ってきましたけれども、問題はどれだけの市場規模を現実的にこの地域に生み出すのか、ちゃんと稼げる産業にまで育つのかということであります。イノベについては西山一美議員が何度となく取り上げてきましたけれども、こうした観点から、今回は構想について伺ってまいります。 イノベーション・コースト構想は、廃炉、ロボット、エネルギー、農林水産業と、さまざまな分野の取り組みが行われてきました。双葉郡初め、県内各地で展開されておりますけれども、我々にとって問題なのは、いわき市であります。 1つ目として、イノベーション・コースト構想の波及効果を本市にどうもたらす考えか、伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 福島・国際研究産業都市構想、いわゆる福島イノベーション・コースト構想は、浜通り地域等の産業基盤の再構築を目指し、廃炉やロボット技術に関する研究開発拠点の整備を初め、再生可能エネルギー及び次世代エネルギー技術の積極導入や農林水産業の再生など、さまざまな環境整備を進める国家プロジェクトでございます。 こうした取り組みが浜通り地域で展開される中、本市が重要と捉えているのは、拠点や環境がどこに整備されるかではなく、そこから生み出されるさまざまな果実を地域に結びつけ、既存産業の発展と新産業の創出につなげてくことだと考えております。 風力発電を例にいたしますと、原子力にかわる新エネルギーの創出を目的として、浜通り地域を中心に多くの風力発電施設が整備される計画でありますが、単なる風車の導入だけでは地域の産業に裨益しないと考え、風力発電のメンテナンス産業に着目し、これを柱とした関連産業の育成・集積に向け、中核企業の誘致や東京大学先端科学技術研究センターとの協定締結などを着実に進めてきたところでございます。 こうした取り組みにより、既存産業の発展と新産業の創出につなげてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) ただいま果実を地域に結びつけるという御答弁いただきましたけれども、まさにそこが本質ではないかと思います。 風力発電が今後いわきを支える新たな産業として育てるべき分野ではないかというのは、8年前、私が議員になって最初に行った一般質問でありました。1つの産業が確立するには10年も15年もかかるでしょうから、そこに今、ようやく光が見えてきたというところかと思います。今後、この分野の鍵を握るのが北拓という会社であります。先日、正式にこの企業の四倉中核工業団地への進出が決まり、いわき市と企業立地に関する基本協定書を結びました。同じ日に、産業創造館で北拓の社長と副社長による講演会が行われました。テーマはまさに、地元企業がどうやったら風力発電産業に参入できるのかというものでありました。 そこで2つ目として、今後の風力発電の産業集積に対して、市としてどのような展望を持っているのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 風力発電事業にかかわる産業は、風力発電機を構成する主要な機器や部品の製造に加え、流通や輸送、土木、建設、メンテナンス、コンサルタント、金融など多岐にわたっております。 市では、こうした関連産業分野の裾野が広く、県内における市場規模や今後の潜在性を踏まえ、地域企業の参入促進や取引拡大、関連企業の誘致など戦略的な産業政策を進めることが重要であると考えております。 こうした取り組みを進めるに当たり、風力発電業界に精通し、世界的なネットワークを持つ株式会社北拓の本市進出は、地域における産業集積の牽引役となり、持続的な産業発展に大きく寄与するものと期待しているところでございます。 同社の四倉中核工業団地内に整備する国内初となる総合メンテナンス拠点を活用した人材育成や共同研究などの促進により、地域企業の人材力と技術力を高める取り組みを進め、本市のみならず、浜通り地域全体の復興につなげてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 今おっしゃられました戦略性というところが一番大事なところかと思います。 では、風力発電以外の分野はどうなのか。いわき市内で民間企業が取り組み始めたのが水素です。 3つとして、この水素という分野については、本市の産業としてどのような展望を持っているのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 本市におきましては、昨年3月に定置式の商用水素ステーションが開設され、市内に大量の燃料電池自動車が導入されるとともに、本年4月には、燃料電池バスの運行が開始される予定であるなど、水素利活用に対する機運の高まりが見られております。 また、浪江町には、世界最大級の水素製造拠点である福島水素エネルギー研究フィールドの整備が進められており、浜通り地域全体で水素社会実現に向けた環境整備が進められているところでございます。 しかしながら、現状の水素供給コストは、化石燃料等の従来のエネルギーに比べて高価であるほか、取り扱いが難しいなどの課題も多く、今後、どのような市場が形成され、市内企業がいかに参入できるのか、波及効果を見きわめていくことが重要であることから、引き続き、官民連携のもと、水素利活用の拡大に向けた取り組みや水素関連産業創出の調査研究などを進めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 水素は将来に向けて有望な産業だと思いますが、今は種まきの時期ではないかと思います。それに対しまして、今確実に目の前にある仕事が廃炉であります。福島第一原発の廃炉事業は、震災後ずっと莫大な事業規模で作業を行っています。原発事故はこれだけ大きな損害を地域にもたらしたわけですから、廃炉にかかるお金は、せめて地元に落としてもらわないとおかいしでしょうということになります。 4つとして、廃炉事業が地元に十分な経済効果を与えるために、市としてどのように取り組む考えか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 福島第一原子力発電所の廃炉作業は、今後30年~40年を要すると見込まれ、その費用は総額8兆円と試算されております。年間約2,000億円の費用が長期的に投じられる見通しとなっております。現在の福島第一原子力発電所における廃炉作業全体において、土木・機械・配管などの一般作業や放射線管理といった分野を中心に、地元調達の拡大を目指す方針が示されております。 国は、高線量下での作業を担うロボット開発や廃炉作業で必要となる設備や部品の製造、建設や解体の分野を初め、消耗品などを含めた裾野の広い分野において、地元からの調達や参画の拡大を進めるとしております。 市といたしましても、こうした取り組みに必要な後押しを適切に進める観点から、廃炉事業への地元企業の参画を牽引する地域中核企業の育成や専門的なコーディネーターの設置など、これまでの産業政策モデルを生かした戦略づくりを進めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 2月24日に行われました福島復興再生協議会で、経済産業省と県が、浜通り地域への廃炉関連産業の集積と地元企業の参入を促すために、専門人材のコーディネーターを配置するという方針が示されました。要は、廃炉事業と地元をマッチングしようということだと思いますけれども、こうした新しい動きも出てくる中で、市としてはどのようにかかわっていく考えか、改めて伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) ただいま議員からおただしのございました2月24日に開催されました原子力災害からの福島復興再生協議会におきまして、国から廃炉について示された内容につきましては、浜通り地域への廃炉関連産業の集積と地元企業の参画を促進するため、令和2年度より、新たな支援体制を構築するといったことでございます。具体的には、廃炉関連の資機材、部品に求められる品質や作業現場で求められることについて、わかりやすく解説した廃炉産業入門書を作成し、地元側の廃炉産業意欲の向上を図るほか、元請け企業への地元企業情報の提供や地元企業への廃炉関連情報の提供、両者の引き合わせなどのマッチングサポートを実施するコーディネーターを配置するとしたものでございます。 また、これらに加え、国の研究開発事業等の補助事業採択においては、地元企業と協働した取り組みを高く評価するなど、元請け側と地元企業との協働意欲の向上を図るよう、取り組むこととしたものでございます。本市としましても、国・県と連携を図りながら廃炉関連産業への地元企業の参入を促進し、廃炉関連産業の集積を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆13番(小野潤三君) 廃炉に関しては地元でなかなか、まだ十分に参入できていないと思いますので、そこはぜひよろしくお願いいたします。 イノベーション・コースト構想では人材の育成ということも大きなテーマでありまして、いわき市内においては、磐城高校、平工業高校などの高校が指定をされて、人材育成の取り組みが始まっております。 5つとして、これらの取り組みは、どのように進められているのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 福島県教育委員会では、福島イノベーション・コースト構想を担う人材の育成として、平成30年度から浜通り地域等の県立高校において、地域の企業等と連携した新たな教育プログラムを実施しております。 本市においては、ただいま議員お触れになりましたように磐城高校や平工業高校、勿来工業高校、磐城農業高校、いわき海星高校の5校でロボットやドローンなどの最先端技術を体験するプログラムや、次世代の農業や水産業についての理解を深める学習など、各校の特色を生かしたプログラムが実施されているほか、各校の状況に応じて教育環境の充実も図られているところであります。 これらの取り組みを通じて、起業家や経営者などのリーダー、先端研究を担う技術者、先端技術を活用できる農・水産業従事者など、同構想を担う高い志を持った人材を育成していくこととされております。 ◆13番(小野潤三君) では6つとして、イノベーション・コースト構想を進めるための課題をどのように捉えているのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 福島イノベーション・コースト構想を進め、真に自立した地域経済を確立するためには、市内の多くの企業が新たな分野に挑戦し、市場に参入していくことが重要であり、こうした市内企業の挑戦をいかに後押しできるかが課題になるものと認識しております。 特に、本市におきましては、同構想の実現に向けた産業政策を推進する上で、風力発電関連産業の集積を最重要課題として位置づけておりますが、この集積の実現には、今後、阿武隈地域等において計画されている300基を超える風力発電施設の建設が着実に進むことが欠かせない条件となっております。 しかしながら、昨年9月定例会の答弁でも申し上げたとおり、この多くの風力発電事業者が風車の荷役に小名浜港を利用したいとの意向を示している中、同時期に同じ藤原埠頭において、バイオマス発電用の木質ペレット等が多量に取り扱われることとなっており、風車の荷役に支障が生じるのではないかと懸念しているところでございます。 さらに、昨年10月の令和元年東日本台風等の影響により、市内企業の生産活動を支えるコンテナ貨物の受け入れにおいても支障が生じており、物流インフラとしての機能を十分に果たせていない状況にあることから、風車の荷役のみならず、その他の取り組みに対しましても、影響を与えるのではないかと懸念しているところでございます。 ◆13番(小野潤三君) 今、小名浜港というお話が出ましたけれども、質問の2点目は、インフラとしての小名浜港の整備についてです。 昨年、台風被害でハード的な脆弱性も明らかになってきたと伺っております。とりわけ、コンテナ貨物の荷役に支障が生じているということでありますが、そこで1つとして、小名浜港においては、コンテナ荷役に関してどのような課題が生じているのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 小名浜港におけるコンテナ貨物につきましては、これまでのポートセールス活動が実を結び、平成28年に取り扱い量が過去最高を記録して以来、高水準を維持してきたところでございます。 一方、こうした状況に対し、荷役の処理能力の限界状態が続いたことから、いずれ貨物の受け入れができなくなる事態が発生するものと懸念されていたところでございます。 こうした中、さきの令和元年東日本台風等の影響により、数日間、荷役作業が停滞し、再開後、荷役の処理能力を超えたため、コンテナを受け入れることができない事態が生じたものでございます。この影響により、横浜港と小名浜港を結ぶ国内の船会社が不利益を生じていることなどを要因として、定期航路の休止を検討する一方、韓国の船会社においては、1船当たりの取り扱い量が制限され、運行に支障を来しているといった異常な事態がいまだに続いており、多くの荷主企業の物流に甚大な影響が及んでいるところでございます。 ◆13番(小野潤三君) では2つとして、こうした小名浜港の課題に対して、どのように取り組む考えか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 小名浜港の利便性の悪い状態が長期に及ぶことで、船会社の撤退、物流面における立地企業の競争力が低下し、ひいては、立地企業の撤退にもつながるおそれがあるものと懸念しているところでございます。そのため、市といたしましては、港湾利用者のニーズに的確に対応するため、福島県小名浜港利用促進協議会の活動等を通じ、荷主企業や船会社に対するヒアリング調査を早急に行うとともに、みずからも利用者視点に立った環境整備の観点から、有識者等に意見を求め、最も適したコンテナターミナルのあり方について、調査・研究を行い、その結果を踏まえた措置を講じていただけるよう、港湾管理者である県に対し積極的に働きかけてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 県に働きかけたいということでしたけれども、3つとしまして、こうした小名浜港についての課題解決のために、福島県とどのように連携する考えか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 県におきましては、昨年12月、小名浜港におけるコンテナ貨物の取り扱いの逼迫した状況に対する打開策や、目指すべき将来像等について、具体的に協議・検討を進めるため、港湾関係事業者や国・県、市等で構成する大剣埠頭コンテナターミナル検討会を設置したところでございます。 市といたしましては、さきの答弁でも申し上げましたとおり、調査・研究結果に基づく考え方について、同検討会でしっかりと意見を述べながら、議論を通じて県との意識共有・連携を図り、最終的には、国に対する要望活動等につなげてまいりたいと考えてございます。 ◆13番(小野潤三君) どうしても、本来のプレーヤーが県だというところがもどかしいところでありますけれども、市からしっかりと働きかけをしていただきたいと思います。 質問の3点目は、本市の目指す産業のあり方についてです。市の産業振興部長は、このところ経済産業省から出向してこられておりますけれども、今の石曽根部長が就任されて、間もなく3年になります。この間、まさに私が述べてきたような、同じ問題意識を持って尽力していただいていると考えております。出向者ですのでいつまでもいわきにいらっしゃられるわけではありませんけれども、3年というこのタイミングで、ここまでの取り組みをどう自己評価し、いわきのこれからの産業界をどう展望するのかというところを伺いたいと思います。 まず1つとして、石曽根部長を先頭にこの3年間取り組まれてきました産業政策について、どのように総括されているか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 本市の大部分を占める中小企業・小規模企業は、石炭産業の斜陽化や石油ショック、金融危機といった数々の激動の波を乗り越えながら、一貫して本市のものづくり産業や経済、雇用を支える重要な役割を担い、本市発展の原動力になったものと考えております。 震災と原発事故に見舞われた本市にとって、先人たちが築いてくれた産業基盤のおかげで震災後のこの9年間を乗り越え、復興を進めることができたものと考えております。 しかしながら、原発事故により、これまでの産業構造を維持することが困難になったことから、今後は、新しい分野に市内企業が積極的に挑戦し、戦略的に市場を獲得することが重要であると認識しております。 現在、浜通り地域には、福島イノベーション・コースト構想などにより、風力発電産業を初めとした新たな産業の芽が出始めてきております。 こうした新分野に市内企業が参入するためには、新たな市場にアクセスできる中核企業と、コーディネートできる人材の存在が必要であるとの考えから、市では、これまで、風力発電メンテナンス産業の中核企業である株式会社北拓の誘致と、風力関連産業に精通している東京大学先端科学技術研究センターとの連携を進めてきたところであり、着実に効果が表れてきていると考えております。 こうしたアプローチは、今後、廃炉産業や水素などの新たな分野の産業化に当たっても応用できるものと考えております。 また、新たな市場を獲得するための戦略であるAISCEASモデルにつきましても、平成30年6月議会で小野潤三議員の御質問に対して答弁させていただいておりますが、このAISCEASモデルにつきましても、競輪場において先行実施をしてまいりましたが、売り上げを増加させにくいとされているグレードレースにおいて成果を残しており、手ごたえを感じているところでございます。 このモデルは、交流人口の拡大やUIJターンの促進ばかりでなく、労働市場から労働力を市内企業に誘致する際などにも応用できるモデルと考えており、市内企業の挑戦を後押しする環境整備に活用できると考えていることから、産業政策への浸透を図ってまいりたいと考えております。 市といたしましても産業政策の企画立案に際して、新たなモデル、考え方を導入し、新産業の創出という難題に挑戦してまいりました。引き続き、こうした取り組みを継続しながら、新たな分野に挑戦する企業を支援してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) いわきが向かうべきは、冒頭に述べたような、自立した経済をどう確立していくかということと考えております。非常に大きな話になりますけれども、そのために本市の産業のあり方は、今後長期的にどのようにあるべきと考えるか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 本市におきましては、先ほども答弁申し上げましたとおり、これまでの産業構造を維持していくことが困難となっており、市内企業が新たな分野に挑戦していくことが必要となっておりますが、他方、全国に目を転じれば、どこの地域も活況な地域は見当たらず、新たな産業が生まれずに苦しんでいるものと認識しております。 こうした状況下にあって、長期的に自立した経済を確立するためには、新たな産業を創出し、我が国を牽引するような地域となっていくことが必要であると考えております。 本市には、風力を初め、廃炉、バッテリー、水素など、他の地域に先駆けて取り組みが行われている産業の種が豊富にあり、こうした産業を育てることで、我が国を牽引する地域となることも十分可能であると考えているところであります。 このような地域や産業を実現するためには、地域の企業が新たな分野に積極的に挑戦していくことが必要であり、市といたしましては、こうした取り組みを重点的に支援してまいりたいと考えております。 さらには、本市には、温泉や海、食や文化など、多様な地域資源が存在していることから、こうした地域資源を磨き上げ、産業につなげることで、足腰の強い地域経済をつくっていくことも可能であると考えており、新分野における最先端の取り組みと地域資源の磨き上げの両面から取り組んでいくことが重要であると考えております。 ◆13番(小野潤三君) 市長答弁、ありがとうございました。ここは1つ、石曽根部長にも一言お願いできればと思うんですけれども、というのは、この3年間、さすが本籍経済産業省という、我々にはない広い視点から産業政策の手を打っていただいてきたと思っております。私は、今まで、いわき市は産業政策においてはよくやってきたと思っております。高度経済成長の時代に14市町村が大同合併して新産業都市になり、並み居る大企業の工場誘致に成功して、東北一の工業都市として成功してきたと思います。しかし我々は、ここから先もやっていけるのか。我々に何が足りないんだ。産業という側面でいわき市に果たして未来はあるのかというところを、石曽根部長の視点からぜひお考えを伺いたいと思います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) まさに市長から答弁のあったとおりでございますけれども、いわきには非常にほかの地域にはない新たな産業の種が数多くあると考えております。風力発電にしても、水素にしてもバッテリーにしても、ほかの地域ではなかなかまとまった産業化ができない産業の種が数多くあり、これをいかに産業化して、この9年間復興のために国民全体の支援を求めながら我々は復興してまいりましたけれども、これからは、国民に対しての恩返しではないんですけれども、今ある産業を日本を牽引していける産業に育てることができれば本市の産業と本市の発展があるのではないかということを強く感じているところでございます。 ◆13番(小野潤三君) いつまでいらっしゃるか分かりませんけれども、今後とも、ぜひいわきの産業政策を御指導いただきたいなと思っております。 大きな質問の2番目は、生活交通政策についてです。 市内どの地域からも聞こえてくるのが、高齢者など交通弱者の足を何とかしてほしいというものであります。議会でもこれまで何度も取り上げられてきました。 改めて、生活交通のあり方について伺ってまいります。 1点目は、過去の実証事業についてです。 これまで何度となく、生活交通に関する実証実験事業が市内で行われてきましたが、いずれも実用化には至っておりません。これまでの実証事業で得られた知見が今後どのように生かされていくのかという検証が必要だと思っております。 そこで1つとして、これまで生活交通に関する実証事業は、具体的にどのように行われてきたのか伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 本市におきましては、誰もが利用しやすい新たな交通手段の確保に向け、地域の皆様と一体になりさまざまな実証実験に取り組んでまいりました。 主なものを申し上げますと、平成17年度以降、四倉、田人及び久之浜・大久地区におきましては、乗り合いタクシーによる実証実験を、常磐地区におきましては、通学者や高齢者等の利用状況にあわせて効率的な運行を図る小型バスと乗り合いタクシーによる実証実験を、さらに、三和地区におきましては、自家用車を使用した過疎地有償運送の実証実験を実施してきたところであります。 ◆13番(小野潤三君) ただ今御答弁いただいたとおり、実証事業はたくさん行われてきましたけれども、実用化されたものは1つもない。 2つとして、これまでの実証事業をどのように総括しているのか伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) これまでの実証実験の結果といたしましては、これらの取り組みにより地域住民の皆様の間に、地域の交通は地域で育むという意識の醸成が図られたものと考えております。 しかしながら、市民の皆様の生活が自家用自動車に過度に依存しており、移動手段の転換が図られなかったことや、地区において事前に行った協議やアンケートに基づく運行計画に対し、利用者数が低調であったため、採算性の確保が困難となったことなどの理由から、本格的な運行に至らなかったところであります。このことから、過度に自動車に頼る状態から公共交通機関の利用に転換する意識改革を行うモビリティ・マネジメントの取り組みや、採算性を確保することが事業の継続性を図る上で、最も重要な課題であると考えております。 ◆13番(小野潤三君) 煎じ詰めて言いますと、コストの問題なのかなと思います。行政で青天井で全ての高齢者にタクシー代を支給すれば、全て解決してしまうところだと思いますけれども、なかなかそうはいかないということかと思います。 質問の2点目は、玉野市の取り組みについてです。 昨年、会派で岡山県玉野市の交通政策について、視察を行いました。玉野市は8年前から、既に生活交通のシステムを実用化しております。玉野市のやり方は、コミュニティバスとオンデマンド型の乗り合いタクシーでありました。この事例はいわき市でもチャレンジする価値のある取り組みだと感じましたので、その可能性を探ってみたいと思います。お配りしました資料の右下、黄色いところをごらんください。 まず玉野市の概要でありますけれども、人口は5万7,000人と、いわき市の6分の1。面積は104平方キロメートルと、いわき市の12分の1です。交通システムもこういう小さな町だからできるということもあるかと思いますが、いわきを小さなエリアに分けることで、生活に密着したきめ細かな交通システムをつくっていけるのではないかと考えました。 玉野市はJRの鉄道路線があり、通常の路線バスがあり、路線バスの採算が合わないところはシーバスと呼ばれるコミュニティバスが走っています。興味深かったのは、オンデマンド型のタクシー、シータクというものでありました。オンデマンドというのは、バスのようにお客さんが乗っていなくても決まった路線を走る、いわゆる定時・定路線の交通ではなくて、オーダーを受けて運行するということです。玉野市では何と、市民の居住空間の98.6%をカバーするに至っているということであります。成功の鍵を伺ったところ、それは綿密な市場調査だということでありました。実用化に至る前にどれだけの準備をするかがポイントなのだと思いました。 そこで、幾つか伺います。 まず1つとして、オンデマンドの乗り合いタクシーという手法についてです。 よく路線バスは空気を運ぶと言いますけれども、人が乗っていなくても運行しなければならないということです。経費として大きいのは、運転手の人件費と言われております。シータクの場合、運行はタクシー会社が担っているため、普段はタクシーとして走っている車が、オーダーが来ると車体にマグネットを貼ってシータクに早変わりする。ですので、空気を運ぶという無駄はありません。オンデマンド型の場合、顧客からの予約があった場合のみ運行するため、無駄を排除できる。さらに乗り合いにすることで、一度に複数の顧客を輸送できます。そして、シータクの特徴ですけれども、タクシーのようにドア・ツー・ドアではなくて、お手元の資料にあるように、市内150カ所に網羅された停留所が設置されておりまして、この乗り場と乗り場を結ぶという運行のため、効率がよいということであります。市民もこうした仕組みにすっかりなれて、日常交通の足として十分定着しているということでありました。 こうしたオンデマンドの乗り合いタクシーという手法を本市でも検討すべきと考えますが、御所見を伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) オンデマンドの乗り合いタクシーにつきましては、予約に応じて運行することや、同方面の利用者を乗り合いで一度に輸送することが可能であるため、無駄が少なく効率的な運行となることから、交通システムとして有効な手法の1つであると考えております。 しかしながら、見ず知らずの利用者同士が乗り合うことで生じるプライバシーの問題や、また、利用者を順番に目的地まで輸送するため目的地まで遠回りになってしまうケースもあるなど、さまざまな課題もありますことから、オンデマンドの乗り合いタクシーの導入につきましては、地域の実情に合ったさまざまな交通システムの1つとして、今後、調査・研究を行ってまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) プライバシーとか、遠回りになる場合があるというお話ですけれども、実用化している場所がありますので、そういった問題はどうクリアしているかというところも研究していただければと思います。 2つ目は、エリア分けについてです。玉野市の面積は、これも表に書いてありますけれども、平地区や勿来地区とほぼ同じぐらいの大きさであります。人口は平や小名浜のほうが多いということであります。ですので、旧5市レベルで玉野市ぐらいのシステムを導入できるのではないかと考えました。お手元の資料のように、玉野市は市内を4エリアに分けてシータクの運行を行っております。エリアとエリアをつなぐ便があって、結果的に市内どこにでも行けるということになっています。 こういった単位で運行計画をつくり上げられれば、生活圏内の移動を可能にできるのではないかと考えます。 このように、市内のエリアごとに交通システムをつくることが効果的だと考えますが、御所見を伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) エリア分けにつきましては、導入する交通システムに応じた効率的な運行等を図る観点から設定されているものと考えられますが、本市は広域多核の都市構造であり、市街地エリアや中山間地域などさまざまな特徴を持つ地域を有していることから、それぞれの地域の実情に合った交通システムの構築に向けた取り組みの中で、そのシステムにあったエリアの捉え方につきましても検討を進める必要があるものと考えております。 ◆13番(小野潤三君) おっしゃるとおりで、市内一律のシステムは難しいと思います。 例えば、市街地はシータクのようなもの、中山間地であれば、今、田人や三和で行われているようなボランティア輸送とかですね、地域の特性を考えてやっていくことが必要ではないかと。その意味でも、エリアごとにやっていくというところがどうかと申し上げているわけですね。 3つ目は、市場調査についてです。 玉野市がこの事業を実用化まで至らしめた大きな要因は、事前の十分な市場調査を行ったことだとお聞きしました。ユーザーとして想定される高齢者に、どこに行きたいかと、この商業施設、具体的に何々スーパーとか、何々医院とか、そういう具体的な拠点についてアンケートを行って、ニーズを詳細に把握した上で実用化に踏み切ったということでありました。玉野市にお聞きしたら、運行する前から、必ずうまくいくという確信があったということをおっしゃっておりまして、すごいなと思いました。 こういったエリア単位でのニーズ調査を綿密に行うことの必要性について、御所見を伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) ニーズ調査につきましては、各地域における交通課題はさまざまでありますことから、本市のそれぞれの地域にあった交通システムを構築するためには、ユーザーとして想定される方の行き先や時間・目的などの移動ニーズにつきまして、綿密な事前調査が必要であると認識しております。 ◆13番(小野潤三君) うまくいっている自治体があるということを踏まえまして、どういう調査をすればうまくいくのか、やれるぞという確信を持てるのかというところを研究していただきたいと思いますし、いろいろなまちづくり団体とか行政区なんかの協力も得ながら、やっていただければと思います。 4つめは、財政負担に対する政策判断についてです。 玉野市のシステムは、一定の人口の集積があるエリアで行うのが有効だと思います。いわき市では、旧5市などがいいのではないかと思います。ですけど、玉野市の場合は、生活交通に係る財政負担が年に5,060万円ということで、単純に人口比で計算すると、いわき市では年間2億5,000万円ぐらいかかるということになります。やり方によってこの金額は大きくも小さくもなるでしょうけれども、要は、毎年この億単位のの財政負担をしてでも交通システムをつくり上げるという覚悟を持つのか、その腹がなければ、金は出さずにうまくやろうというのはなかなか難しいと思うんですけれども、こうした財政負担について、御所見を伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 生活交通政策につきましては、交通政策基本法によりますと、国は、国民が日常生活を営むに当たり、必要不可欠な交通手段を確保することとされており、市につきましては、その区域内において、具体的な交通施策を実施することとされておりますことから、交通手段を確保する施策を推進することは、市におきましても、極めて重要であると認識しております。 そのため、地域の実情に合った交通システムの構築に向けた検討の中において、その交通システムに応じた適正な財政負担につきましても検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 適正な財政負担というのは一体幾らなのかというところは、ぜひお伺いしたいところですけれども、要するに、2億円と3億円と言われたときに、いや、それではやれないなということではなくて、それでもやるんだ、それをどうやって捻出するかというところの、要するに政策判断ということになると思いますので、都市建設部長としては、ぜひやりたいと恐らく思っていらっしゃると思いますが、財政のほうからその金が出るのかというところが非常に大きいかなと思います。本当は、ここは市長とか、財政部長とかの答弁もいただきたいところですが、ちょっと時間がないものですから、そこはぜひ考えていただきたいなと思います。 調べてみますと、オンデマンド交通の導入というのは、既にさまざまな自治体で行われているようであります。玉野市の事例はその1つでありますけれども、いわき市にとっては有効な先進事例だと思います。 5つとしまして、玉野市の取り組みに対して、市としてどのように評価するか御所見を伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 玉野市での取り組みにつきましては、運行開始からこれまで利用者が増加傾向にあることや、アンケートの結果によりますと、外出機会がふえるとともに、市中心部への所要時間が短縮し、利便性が向上したとの声があったとのことから、交通弱者への生活交通手段におきまして、有効な手法であると考えております。 しかしながら、当該手法の本市への導入に当たりましては、自治体の規模等の違いもありますことから、綿密な交通需要の事前調査を実施するなど、地域のニーズを把握しながら、本市に有効な手法であるか、財政負担の面も含めまして、調査・研究が必要なものと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 質問の3点目は、グリーンスローモビリティについてです。 今小名浜で、環境省の補助を受けまして、グリーンスローモビリティという電動バスの実証事業が行われています。これはオンデマンド型の乗り合いバスという点で、玉野市のシステムに通じるものがあります。とてもいいタイミングでこの事業をやっていただいたなと思っています。 特に、平日、小名浜の一定の狭いエリアの中での運行に注目しております。 現在はまだ途中経過ということになりますが、1つとしまして、ここまでの実施結果について伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 現在、小名浜地区で実施しております実証事業につきましては、オンデマンド型での運行に限って答弁申し上げますと、実証を開始した昨年11月26日から本年2月18日までの平日48日間における利用者数は405人となっております。 また、平日1日当たりの平均利用者数の推移について申し上げますと、実証の開始から12月末までが6.8人、本年1月が9.4人、2月が18日までで11.1人と増加傾向にあり、地域のまちづくり団体や交通事業者と連携した周知広報活動、広報紙への情報掲載、さらには、高齢者等への説明会の実施などにより、本事業の認知が進み、利用者の増加につながっていると認識しております。 なお、利用者へのアンケート調査によりますと、買い物などへの移動が便利になった、自家用車に頼らなくてもよいといった好意的な意見のほか、便数の増加や、乗降ポイントの拡大、公共交通との接続性の向上などに関する意見も寄せられているところであります。 ◆13番(小野潤三君) 私もネットで予約して小名浜の町なかを往復してみました。最高速度20キロメートルとゆっくりではありますけれども、徒歩ではいけない場所に行けて、それで100円ということでありますので、とても快適でした。この便利さに気がついてリピーターになられる高齢者がいらっしゃるというのもうなずけます。 小名浜での実証事業は3月に終了する予定でありますが、その後実施結果についての検証を行い、実用化に向けた検討がなされると思います。 2つとして、検証作業はどのように行う考えか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 今回、小名浜地区で実施している実証事業につきましては、実証期間終了後、地域のまちづくり団体や交通事業者などの関係団体を交えた中で、利用実績や利用者へのアンケート調査の結果等を踏まえ、成果や課題等を検証し、取りまとめを行うこととしており、あわせて、将来の実用化を見据えた持続可能な運営体制のあり方などについても意見集約してまいる考えであります。 また、今般の実証事業は、今年度と来年度の2カ年に渡り、市内3カ所で実証運行を行うもので、来年度は、いわき駅周辺地区及びいわきニュータウン地区の2カ所で実証運行を行う予定であります。 これら2カ年にわたる実証事業が終了した後、今年度の小名浜地区も含め、改めて3地区全体の実証結果を取りまとめ、国とも情報を共有しながら、専門的な見地から検証を進めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) ぜひ実用化につながるように検証していただきたいと思います。この項目の最後に、今後の取り組みについて伺います。 いわき市の交通政策は現在、平成24年3月に策定されましたいわき市生活交通ビジョンを基に進められております。計画の目標年次は平成37年、つまり、令和7年ということになりますけれども、ビジョンの中身を見てみますと、ちょっと具体性に乏しいかなと思います。 生活交通政策を、今後しっかりやっていくためにはこの計画を改めて策定するということも必要だと思いますけれども、今後、どのように進めていく考えか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 生活交通政策を進める上では、昨年10月に策定いたしました第二次都市計画マスタープラン及び立地適正化計画におきまして、持続可能な公共交通ネットワークを構築していくことが、解決すべき課題の1つとして捉えていることからも、交通課題解決に向けた取り組みが極めて重要であると認識しております。 そのため、今後につきましては、次年度より、持続可能な交通ネットワークの構築に向け、市民の移動目的や交通手段を調査する交通実態調査や市民の交通に対する意識調査等の事前調査を実施し、新たな交通政策に関する計画の策定に着手する予定としており、策定する計画におきましては、既存の公共交通機関に加え、乗り合いタクシーや、三和及び田人地区で実施しておりますボランティア輸送などのデマンド交通、さらには、将来の自動運転を見据えた次世代交通システムの導入などについて検討するなど、本市の公共交通網の再編に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 全国的には、既にうまく新しいシステム、独自のシステムをつくっているところもありますので、いわき市もぜひ、本市の実情に合った交通システムをつくり上げていただきたいと思います。 大きな質問の3番目は、公共施設の個別管理計画についてです。 このテーマの質問は、これで4回目ということになります。人口が減少し、財政的にも縮小していく中で、膨大な量の公共施設をどう管理していくかということが問われております。我がいわき市は3年前に、公共施設の総合管理計画ができましたけれども、個別管理計画ができない限り、具体的には動き出しません。 そこで、現在までの進捗状況と、今後の取り組みについて伺ってまいります。 1点目の質問は、計画の進捗状況についてです。 まず1つめとして、個別管理計画の策定に向けて、庁内においては今年度、どのような取り組みを行ってきたのか伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 今年度におきましては、個別管理計画の策定を加速化させるため、新たに、各部等の総合調整担当を部会長とする個別管理計画推進部会を設置し、それぞれが所管する計画策定の進捗状況を毎月、施設マネジメント課へ報告するなど、適切に進行管理を行っているところでございます。 さらに、副市長を本部長とし、関係部長で構成される公共施設等マネジメント推進本部を立ち上げるなど計画策定の推進体制も強化したところでございます。 ◆13番(小野潤三君) 公共施設の管理計画におきましては、支所とか公民館とか消防署といった部署ごとの縦のくくりが1つありますけれども、もう1つ、部署を越えてエリアとしてどう整理していくのかというエリアマネジメントが大きなポイントになります。 2つ目として、今年度、エリアマネジメントの実施に向けては、どのような取り組みを行ってきたのか伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 個別管理計画の策定を加速化させる一方で、広域合併都市という本市の特性により、公共施設等が広い市域に分散して配置されている状況を踏まえ、将来の公共施設の最適化を図る上で必要な、エリアマネジメントの検討を同時並行で進めているところであります。 その検討に当たりましては、エリアを都市部と中山間地域に大別し、現在、地域の人口動向や公共施設の現状等を踏まえた必要な行政サービス・機能を取りまとめているところでございまして、今年度中には、本市公共施設の適正配置や適正規模に係る考え方について、公共施設等総合管理計画推進委員会において、一旦整理することとしております。 ◆13番(小野潤三君) 2点目の質問は、今後の取り組みについてです。 まず1つとして、個別管理計画はどのような項目で構成されるのか伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 個別管理計画におきましては、施設の老朽化度合いや安全性の視点に基づくハード面での評価や、施設の運営状況、維持管理状況の視点に基づくソフト面での評価による現状把握や課題を記載するとともに、それらの解決に向けた取り組み方針や施設を単純更新した場合と個別管理計画に基づく長寿命化などの対策を実施した後のコスト比較による縮減額等につきまして位置づけることとしております。 また、公共施設等総合管理計画において、おおむね10%の延べ床面積の縮減を目標として掲げていることから、個別管理計画においても対象施設の縮減目標を掲げることとしております。 ◆13番(小野潤三君) 2つとしまして、個別管理計画はいつ完成する見通しか伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 現在策定予定の73計画のうち、これまで13計画を策定し、さらに32計画については、今年度末の策定を目途に事務を進めている状況にあります。 また、残りの28計画につきましては、令和2年度末までに、25計画を策定する予定でありますので、おおむね来年度中には完成する見通しとなっております。 ◆13番(小野潤三君) 3つとしまして、今年度、立地適正化計画が都市計画の流れでできましたけれども、都市機能誘導区域と言われるエリアに都市機能を集中させようと、公共施設というのは都市機能の主要なものということになりますけれども、公共施設の管理計画と立地適正化計画の2つの計画の整合性はどのようにとっていくのか伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 立地適正化計画につきましては、その具現化に向け、市内8地区の都市機能誘導区域について、基盤整備の導入やソフト事業の実施による市街地の再生整備を検討することとしており、その中で公共施設の再編についても整理することとされております。 これらの検討状況については、公共施設等総合管理計画推進委員会においても、情報共有を図っているところであり、立地適正化計画の具現化に向けた市街地再生整備の検討における公共施設の再編案をベースとしながら、エリアマネジメントの検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 1つの事例として、最近、遠野支所の耐震化という話をお聞きしました。遠野支所が耐震性がなくなったので、それに対する対応をしなければいけないということですけれども、耐震性がなくなった遠野支所への対策はどのように進める考えかお伺いします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 遠野支所につきましては、本年度改めて耐震診断を実施しましたところ、Is値が庁舎の基準としている0.75を下回る0.39と判定されました。 本市では、平成24年9月に庁舎耐震補強計画を策定し、耐震性の低い庁舎については、可能な限り早期に耐震対策を行うこととし、これまで勿来、常磐、内郷の各支所について耐震補強を実施してきたところであり、遠野支所につきましても同様に、利用者の安全性確保や災害時における防災拠点としての機能の充実・強化を早期に図る必要があることから、耐震補強を行う考えであります。 ◆13番(小野潤三君) 耐震化しなくてはいけないという事情はわかりますけれども、一方で、エリアマネジメントという、今議論してきた中身がありますけれども、この遠野支所単独で耐震補強してしまうのかなと思いました。遠野支所は築55年で、遠野支所の近隣には、築39年の遠野公民館、築49年の遠野保育所といった公共施設もあります。市内では三和とか田人とか公民館と支所の複合施設などもありますけれども、単に今の支所の耐震改修で済ませていいのかと思います。 そうした視点から、遠野支所の課題にどう取り組む考えか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 現在、本市におきましては、公共施設等総合管理計画に基づき、地区ごとの公共施設のあり方についてエリアマネジメントの視点から検討を進めているところでございますが、遠野地区における方針整理につきましては、地域の皆様との合意形成までを見据えますと、相応の期間が必要であると考えております。 また、遠野地区の公共施設等のうち、上遠野公民館につきましては、耐用年数が10年以上残っているほか、小・中学校の再編につきましても、地域の皆様との意見交換を始めたところでございます。 一方、遠野支所につきましては、市民サービスの拠点であり、また、災害対策地区本部が設置されるなど、庁舎の安全性確保は喫緊の課題でありますことから、エリアマネジメントにつきましては、今後引き続き検討していくこととなりますが、まずは、可能な限り早期に支所庁舎の耐震補強を実施していく必要があるものと考えております。 ◆13番(小野潤三君) エリアマネジメントはわかるけれども、耐震性がないのは急がなくてはいけないからということだと思いますけれども、遠野支所が築50年以上の老朽化した施設だというのは、前からわかっている話でありまして、劣化して使用し続けるのが危険な状況になる前に、今後のあり方を考えておくというのが公共施設管理の考え方ではないかと思うんです。その意味では、計画づくりに何年もかかって、結局このように追い込まれるという状況が果たしていいのかと思っております。 そこで、改めて伺います。ただいま申し上げたことを踏まえながら、遠野支所の耐震対策に対して今後どのように検討を進める考えか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、遠野支所の安全性確保は喫緊の課題であり、可能な限り早期に耐震補強を実施していく必要がありますことから、来年度、基本設計を実施し、具体的な耐震補強の工法等について検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) この手のことはこれからたくさん出てくるはずですので、施設の改修や建てかえという議論の際に、どんな部署があったとしても、一つ一つの建物を単独で考えるだけではなくて、常にエリアマネジメントの視点は持っていただきたいと思います。 それでは最後に、公共施設の管理に関し、今後どのよう取り組む考えか伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 今後も個別管理計画の策定に向け、個別管理計画推進部会や公共施設等総合管理計画推進委員会における協議等を通して、積極的に取り組んでいくとともに、策定後の取り組み状況についても、適切に進行管理を図ってまいりたいと考えております。 また、来年度におけるエリアマネジメントの検討につきましては、今年度に整理する公共施設の適正配置や適正規模に係る考え方を踏まえ、推進委員会及び推進本部において全市的な見地から、さらなる調整を図ることとしております。 加えて、外部のアドバイザーによる指導・助言や、民間活力の導入に向けた可能性調査、さらには、既存施設の複合化に向けた技術的な調査等を実施することとしており、本市における将来の公共施設の最適化に向け、検討を深めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 先ほど石曽根部長の話をしましたけれども、澤田部長におかれましても、総務省からいわき市に来られて、こういう難しい問題に直面されて御苦労もおありだと思いますし、何とかしようという姿勢は感じさせていただいております。さはさりながら、いわき市が持続可能なまちであるためには曖昧にできない課題でありまして、しっかりと結果を出していただきたいと思っております。まずは、個別管理計画を早く完成させて長期的視点の中でこの問題に取り組んでいただくようにお願いを申し上げまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ○議長(菅波健君) ここで、午後1時まで休憩いたします。          午後0時00分 休憩---------------------------------------          午後1時00分 再開 △安田成一君質問 ○副議長(蛭田源治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。29番安田成一君。          〔29番安田成一君第二演壇に登壇〕 ◆29番(安田成一君) (拍手)29番いわき市議会つつじの会の安田成一です。 大会史上初めて、聖火の燃料に水素が使用される東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーまであと1カ月余りとなりました。水素供給を担う施設の一つでもある浪江町の福島水素エネルギー研究フィールドも3月7日に開所式を迎えるなど準備が進められています。今月15日には、東京都内で聖火リレーのリハーサルが行われ、ランナーの走行や出発と到着のセレモニーも試行され、トーチに火がついていない以外は本番さながらで、沿道には多くの市民が詰めかけました。 東京電力福島第一原子力発電所事故による避難指示が3月4日に一部解除される双葉町もルートに加わった聖火リレーは、来月26日にJヴィレッジを出発し、121日間をかけて本市を含め全国859市町村を回ります。 新型コロナウイルスの影響も心配されますが、聖火リレーをぜひとも成功させ、復興五輪につなげ、本市の復興の姿を全世界に発信できることを願いながら、以下、通告順に従いまして、一般質問を行います。 大きな1点目は、台風第19号等による被災事業所の支援についてです。 今月19日に気象庁が名称を定めた令和元年東日本台風とその後の大雨は、本市を初め県内に甚大な被害をもたらしました。市内では、約650の事業所が被災し、その被害額は約200億円を上回る見込みとの報道もあり、被災された事業所の1日も早い事業復旧と再建は、本市の経済活性化には必要不可欠でありますし、同時に事業継続のための効果的な支援の活用も重要であると思います。そこで、現在、国・県等を中心に行われている被災事業所への支援策の状況と今後の取り組みについて、以下、伺います。 1つ目は、被災した事業所の支援状況についてです。 国は、令和元年東日本台風等によって被災した中小企業者に対し、中小企業等がグループを形成して復興事業計画を策定し、県の認定を受けた場合に施設復旧費用を補助する福島県中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業、いわゆる中小企業等グループ補助金制度や被災した小規模事業者が機械や車両の購入、店舗改装や販路開拓など事業再建に取り組む費用を支援する小規模事業者持続化補助金など、中小企業・小規模事業者を幅広く下支えする取り組みを展開しています。 そこで、これら国の主な補助制度の現在の利用状況について伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 国の主な補助制度の利用状況といたしまして、いわゆるグループ補助金につきましては、これまで3回の公募が行われ、第一次公募では本市から3社の申請があり、全社採択されているところでございます。 第二次公募では26社の申請があり、採択結果につきましては、今月28日、本日ですけれども、示される見込みとなっております。 第三次公募につきましては、2月21日が締め切りであり、13社の申請があり、採択結果につきましては4月ごろとなる見込みでございます。 また、持続化補助金につきましては、第一次公募分において46社が採択されたところでございます。 その後の公募については、現時点では未定でございますが、今後とも、関係機関と連携し、迅速な情報収集と周知徹底に努めてまいりたいと考えております。 ◆29番(安田成一君) 次に、本市独自の支援策についてです。市では、速やかな再建を支援する観点から、災害特別資金制度や奨励金の交付制度など、被災事業者の負担軽減を図る取り組みを行っていますが、では、現在の市独自の支援制度の利用状況について伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 本市の支援制度の利用状況につきましては、2月27日時点で申し上げますと、県の豪雨災害特別資金を利用した事業者に対する信用保証料補助金につきましては、7件で約250万円、利子補給補助金につきましては、4件で約56万円の申請があったところでございます。 また、市被災事業者事業継続奨励金につきましては、16件の申請があったところでございます。 なお、国県制度の交付決定者を市の支援制度の対象者としていることから、今後国・県の交付決定を受け、順次、申請が増加してくるものと見込んでおります。 ◆29番(安田成一君) 被災された事業所の皆様が1日も早い事業再建を行うためには、今般の国・県、市の支援策を利用することが効果的であると思いますし、そのためには、より多くの事業者に支援制度を知っていただくことが重要だと思います。そこで、被災した事業所に対し、市はどのような周知を図ってきたのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 被災した事業所の皆様への各種支援制度の周知に当たりましては、商工会議所や商工会を初めとした市内各支援機関と連携を図りながら周知に努めてまいりました。 また、昨年11月には、市主催による国・県、市の合同支援策説明会を開催したほか、各地区商工会主催の説明会においても、支援策の説明を行ってきたところでございます。 さらに、市においては金融機関に対し、制度の活用と積極的な周知について要請を行ってきたことに加え、商工会議所や商工会においても、被災した事業所を職員が個別に訪問し、相談や支援制度の活用のアドバイスなどきめ細かな対応に努めてきたところでございます。 ◆29番(安田成一君) 2つ目は、再建に向けたさらなる取り組みについてです。 郡山市の郡山中央工業団地は、パナソニックやユアテックなど大手企業の事務所を含め、約250社が立地する県内でも経済の拠点となる大きな工業団地です。昨年の台風第19号では、立地企業全体の約9割にも及ぶ234社が浸水被害を受け、その被害額は約384億円に達し、同団地に立地する日立製作所は、全面復旧が見通せない中、事業所を移転する方針を明らかにする報道もありました。 同工業団地で被災を受けた事業所に対し、新聞社が行ったアンケート調査では、全面再開した事業所は半数程度にとどまっており、事業所によっては、設備復旧が滞り生産の一部を外部に委託する事業所も出るなど、事業所の縮小化や撤退を含め影響の長期化は避けられない状況にあると言います。また、被災事業所が抱える課題として最も多い答えは、財政支援の充実を求める声であり、事業再建へは行政の手厚い支援が必要不可欠となっています。 そこで、本市においても、国・県等の支援制度を活用しながら事業再建に向けて取り組んでいる事業所があることから、再建に向けたさらなる取り組みについて伺っていきます。 初めに、支援制度を利用している事業者からはどのような反応があるのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 国・県の補助申請の窓口となっている商工会議所及び商工会に対するヒアリングによりますと、補助制度を利用している事業者の皆様の声として、公募が早い時期から開始され、継続的に申請が可能となっていることや、復旧済みの経費についても遡及適用が可能であることなどについて、被災者目線に立った柔軟な制度となっているとの声を伺っているところでございます。 また、市の支援制度である信用保証料補助金や利子補給補助金につきましても、県制度の上乗せ補助であり、わかりやすく使いやすいとの声が上がっており、実際に制度を活用した事業者の皆様からは、一定の評価を得ているものと認識しております。 ◆29番(安田成一君) 先ほどの答弁にもありましたけれども、被災件数の割合に対し、実際に支援制度を利用している状況が少ないというように感じますけれども、市はその要因をどう分析しているのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 被災事業所の窓口となっている商工会議所や金融機関など、関係機関からのヒアリングを総合いたしますと、グループ補助金及び持続化補助金につきましては被災事業所からの相談も継続的に現在もあることから、今後の利用者数については、当初の想定と大きく異ならないものと見込んでおります。 一方、県の融資制度である豪雨災害特別資金の利用については低調となっておりますが、その主な理由といたしましては、保険金が迅速に支払われており、一定程度の損害は保険金で対応していること、また、被災した事業所は、概して、小規模な事業所が多く、民間金融機関より小額な融資に対応している日本政策金融公庫に資金需要がシフトしているためと考えております。 いずれにいたしましても、今後、本格的な再建のための資金需要が発生する可能性もあることから、被災事業者の金融の円滑化に支障が出ないよう、引き続き、状況を注視してまいりたいと考えております。 ◆29番(安田成一君) 早期再建のためには、被災した個々の事業所に寄り添った支援が今後も必要だと考えますが、各支援機関との連携強化に向けて、今後市はどのように取り組んでいくのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 被災した事業者の皆様が1日も早い事業再建を果たしていただくためには、引き続き、国・県、市の各種支援策を有効に利用していただくことが効果的であると考えており、これまで、商工会議所や商工会等の支援機関と連携を密にし、説明会や個別相談会を開催してきたところであります。 また、事業者の皆様が補助申請を行う段階におきましては、よりきめ細かな支援を行うため、窓口となっている商工会に対し、市職員を派遣し、事業所の皆様からの相談業務に当たったほか、新たに雇用する専門家の人件費等を市が補助する取り組みも行ったところであります。 さらに、被災後の状況をフォローアップするため、被災後3カ月から4カ月を経過した時点を捉え、関係団体や被災事業所に対する聞き取り調査を実施したほか、今般2月には市内の支援機関で構成される市中小企業・小規模企業振興会議を開催して現在の状況の共有化を図り、被災事業所に寄り添った支援を連携しながら継続して実施する共通認識を改めて確認したところであります。今後におきましても、引き続き支援機関等と連携しながら被災事業者の皆様の支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆29番(安田成一君) 中小企業庁は近年の相次ぐ自然災害への備えとして、リスクに見合ったカバー率の高い災害保険への加入を進めており、各企業みずからが防災・減災対策を行うことが緊急時の自社の事業継続力強化につながるとしております。 事業所みずからが災害への備えを確立することも重要でありますけれども、同時に公的な支援策を活用することも効果的であることから、今後も、支援策の説明会の開催や中小企業・小規模企業振興会議等を活用し、早期再建に向けて取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、次の項目に移ります。 大きな2点目は、台風第19号等における被災者の住宅支援についてです。 令和元年東日本台風とその後の大雨は、記録的な雨量となり堤防の決壊や越水などによる河川の氾濫により、市内の広範囲にわたり家屋等が浸水し大規模な被害となりました。市災害対策本部が公表している災害報告書では、2月17日現在、全壊125棟、大規模半壊850棟、半壊3,220棟など5,733棟の住家被害があり、また、非住家被害と合わせますと被害棟数は8,678棟にのぼり、甚大な被害となっております。 近年の気候変動の影響によって頻発する異常ともいえる自然災害は、今後も必ず発生することを前提として個々人が災害に備え、対策を講じていくことも重要でありますが、同時に家屋被害に遭った被災者の生活再建に向けては、長期的な住宅支援も必要との観点から、以下、伺います。 1つ目は、公営住宅一時入居の状況についてです。 市は、令和元年東日本台風等により住宅が被災した方に対し、市・県営住宅等一時提供住宅の募集を行いました。その後、定員に達していない住宅があったことから、二次募集期間を設け、再募集を行い、被災者に対し公営住宅を一時的な避難先として提供しています。そこで、現在の入居状況はどのようになっているのか伺います。 ◎土木部長(根本英典君) 市営・県営住宅の一時提供につきましては、二次募集時の第3希望までを含めた調整の結果、市営住宅が110世帯239人、県営住宅が127世帯266人、合計237世帯505人の被災者の方々が入居されましたが、住宅の復旧が完了したことなどによる退去により、2月27日時点におきまして、市営住宅が94世帯208人、県営住宅が116世帯242人、合計210世帯450人の方々が入居されている状況となっております。 ◆29番(安田成一君) 次に、一般的に被災地から近く利便性がよいと思われる公営住宅では、申し込みの倍率が高い傾向となり、結果して希望する公営住宅になかなか入居できなかったとの声も聞かれましたが、公営住宅に入居できなかった被災者の方へ、市はどのような対応をしてきたのか伺います。 ◎土木部長(根本英典君) 市営住宅等の一時提供につきましては、申込者が募集戸数を上回った場合、抽選により入居者を決定することとしており、抽選の結果、入居に至らなかった方々に対しましては、災害救助法に基づく民間賃貸住宅借り上げ制度を活用し、民間アパートなどへの一時入居を検討いただくよう、お願いしたところでございます。 ◆29番(安田成一君) 公営住宅一時入居の提供期間は原則3カ月となっています。台風被害から4カ月が経過をいたしましたが、住宅の再建にはまだまだ時間がかかると思われます。 そこで、原則3カ月となっている一時入居提供期間終了後の対応はどのようになるのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 市営住宅等の一時提供につきましては、提供期間を原則3カ月とした上で、被災した住宅の修繕、復旧状況などにより、期間延長が可能な取り扱いとしており、現在は、入居された方々の住宅の復旧状況や、期間延長の希望の有無などを確認しながら、必要に応じ、期間延長に向けた手続を進めているところであります。 ◆29番(安田成一君) 2つ目は、民間賃貸住宅借り上げ制度についてです。 市は、令和元年東日本台風等による被災者に対し、災害救助法に基づく応急仮設住宅として、民間賃貸住宅を借り上げる民間賃貸住宅借り上げ制度を実施しています。 そこで、現在の入居決定の状況はどのようになっているのか伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 民間賃貸住宅借り上げ制度につきましては、昨年10月28日より受け付けを開始し、本年5月末日までを受け付け期間として、入居申し込みの受け付けを行っているところでありますが、昨日2月27日現在の入居決定の状況につきましては906件となっております。 ◆29番(安田成一君) 次に、借り上げ対象となる住宅として、昭和56年以降に建設された住宅、もしくは耐震改修等により安全性が確保されている住宅や、家賃が一世帯4人までですと、1カ月6万円以下などの条件が示されており、対象条件に合った物件を被災者みずからが探すことになっていました。条件に合う物件がなかなか見当たらなかった、探すのに苦労したなどとの声も聞かれましたが、不動産物件の情報提供など、被災対象者に対し市はどのように対応してきたのか伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 不動産物件の情報提供などの対応につきましては、市内の不動産会社の一覧を作成し、窓口での配布や市ホームページへの掲載を行ったほか、受け付け開始当初におきましては、不動産関係団体に協力を依頼し、物件の案内等を行う窓口を受け付けを行った全会場に併設し、個別の相談やお問い合わせにも対応してまいりました。 また、その後につきましては、必要に応じ、不動産関係団体を紹介したほか、受付窓口等において、物件の所在地や間取り及び家賃等を記載した物件情報を取りまとめた資料の供覧や、不動産関係団体が避難所を訪問し、個別に物件案内を行うなど、被災された方々が本制度を活用し、条件に合った住宅を早期に確保できるよう努めてきたところであります。 ◆29番(安田成一君) 借り上げ制度の入居期間は原則1年間ということになっておりますが、被災された住環境の状況を見れば再建には長期間を要することも考えられます。 状況に応じて、入居期間の延長などの措置も必要かと思いますが、今後市はどのように対応していくのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 入居期間につきましては、福島県借り上げ住宅実施要綱により、原則1年間とされておりますが、実情に応じ、当初契約締結の日から2年間を限度として再契約を締結できるものとされておりますことから、入居期間の延長につきましては、被災された方々の住宅再建の進捗状況などを踏まえながら、必要に応じ、県へ要望してまいりたいと考えております。 ◆29番(安田成一君) 3つ目は、住宅の応急修理制度についてです。 被災された方の生活再建には、早期に安定した生活の拠点となる住宅の確保が何よりも重要であると思います。一時的な避難住宅が長期間に及べばストレスから体調を崩される懸念もありますし、何より住みなれた我が家での生活の確保が被災者の再建の基盤になることは言うまでもありません。 そこで、台風等によって被災した住宅を復旧する際の支援制度である災害救助法に基づく住宅の応急修理制度の状況と見通しについて伺います。 まず、住宅の応急修理制度の概要について伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 住宅の応急修理制度につきましては、災害救助法に基づき、方法や期間等を定めた国の基準やその基準に従い県が作成した要領等により実施しているものであります。 その概要といたしましては、令和元年東日本台風等により住居していた住家が、全壊、大規模半壊、半壊または一部損壊(準半壊)の被害を受け、応急修理により、避難所等への避難を要しなくなる方を対象とし、被災した住家について、日常生活に必要な部分を応急的に修理するものであり、修理費用の限度額は、全壊、大規模半壊または半壊の場合が一世帯当たり59万5,000円、一部損壊(準半壊)の場合が一世帯当たり30万円となっております。なお、住宅の応急修理制度は、修理により、早期に住宅が確保できる方が対象であり、滅失等により、長期にわたり住宅が確保できない方を対象としております民間賃貸住宅借り上げ制度との併用はできないものとされております。 ◆29番(安田成一君) それでは、現在までの今制度の申し込み件数について伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 本制度への申し込み件数につきましては、昨日2月27日現在で2,238件となっております。 ◆29番(安田成一君) 次に、現在までの修理決定件数について伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 修理決定件数につきましては、昨日2月27日現在で1,907件となっております。 ◆29番(安田成一君) 次に、現在までの修理完了件数について伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 修理完了件数につきましては、昨日2月27日現在で1,234件となっております。 ◆29番(安田成一君) 申し込み件数に対する修理決定件数を見ますと一定の進捗が図られておりますが、実際に住宅修理が完了した件数になると、申し込み件数に対し伸びが小さいと思われますが、その要因はどのようなものが考えられるのか伺います。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 令和元年東日本台風等におきましては、本制度の対象となる一部損壊(準半壊)以上の被害を受けた住宅が約4,400棟に上るなど、相当数の被害が発生している中、住宅の応急修理につきましては、昨日2月27日現在で、申し込み件数に対する修理決定件数の割合が約9割、修理完了件数では約6割となっており、一定程度、進んできているものと考えておりますが、一方で、被害が大きかった地区を中心に応急修理を完了していない住宅が残されている状況となっております。 その要因といたしましては、被災した方がお住いの地区の施工業者を中心に修理を依頼したため、特に、被害が大きかった地区の業者において、一者当たりの受注件数が多くなっていることなどによるものと考えております。 ◆29番(安田成一君) 最後に、市では今制度の受け付け期間を令和元年10月28日から12月2日までとしており、その後令和2年1月31日まで延長、さらに2月28日、本日まで受付期間を再延長し対応を図っています。さらに応急修理の範囲を拡大、緩和するなどして、その都度被災者のニーズに適応した対応に当たってきておりました。しかし、浸水被害を受けた地区を見ますと、既にリフォームが完了した住宅や改築作業が本格化している住宅、また、建築業者の着工を待っている住宅など、住宅再建は道半ばの状況にあり、全体の被災件数や住宅修理の人手不足などの影響から、被災住宅の応急修理は今後も一定期間続くと思っております。 そこで、市は住宅応急修理の完了時期の見通しについて、どのような認識を持っているのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 完了時期につきましては、国と県が協議し、災害の規模や被災地の実態等を踏まえた上で決定することとされておりますが、本市を含めた県内の多くの市町村で、相当数の住宅が被災しており、いまだ、応急修理が完了していないことから、現時点では、国・県において、完了時期が決定されておらず、その見通しをお示しするのは困難な状況となっております。 市といたしましては、精度を利用できない方が生じないよう、今後とも、国・県に対し、適時・適切に本市の状況を伝えることにより十分な期間の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆29番(安田成一君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。 大きな3点目は、学校給食共同調理場の整備方針の見直しについてです。 学校給食法に基づいて行われている学校給食は、児童・生徒の心身の健全な発達や、食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たしています。また、学校給食には目標が定められており、適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。食料の生産、流通及び消費について正しい理解を導くことなど、7つからなる目標を掲げ実施されており、給食を通して、栄養、食事のマナー、感謝の心、食文化など、心身の健康を支える食事とともに大切な役割も果たしています。 現在の学校給食共同調理場は、市が平成13年度に策定したいわき市学校給食共同調理場の整備方針に基づいて整備されてきており、その後、平成29年に当時の整備方針を見直す再編方針が示され、現在に至っております。 今般、これまでの整備方針を再度見直され、新たな整備方針が示されたことから、引き続き安全・安心で質の高い学校給食を提供していくための整備の進め方について、以下、伺っていきます。 1つ目は、現行の整備方針についてです。 改めて、現行の整備方針はどのようなものなのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) これまでの整備方針につきましては、令和3年度を目途に、現在稼働しております7施設のうち、老朽化が進んでいる平北部及び三和の両施設を廃止し、平南部、小名浜、勿来、常磐、四倉につきましては、配食数の増加に伴う必要な改修を行った上で、5施設に再編することとしていたものであります。 ◆29番(安田成一君) 次に、現行の方針で再編することの課題についてです。 では、現行の整備方針で進めるに当たって、どのような問題点があるのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) これまでの方針で再編することとし、施設の改修を行う場合、建物の構造や延べ床面積の制約から、空調設備等の作業環境改善対策や、現行の衛生管理基準に適合させる対策を講じることが困難であることや、改修工事等の期間が最大6カ月程度に及ぶため、給食を停止せざるを得ない期間が長期にわたること、さらには、改修を行った施設についても、近い将来において、改めて老朽化による施設の更新が必要となりますことから、結果として、中・長期的には維持管理・更新経費がさらに増大することが課題であるものと認識しております。 ◆29番(安田成一君) 次に、新たな整備方針についてです。 まず、今回示された新たに見直す学校給食共同調理場の整備方針の概要について伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 新たな整備方針につきましては、現在稼働しております7施設のうち、まず、平北部調理場につきまして建物の老朽化が著しいことから、三和調理場を統合して移転改築することとし、さらに、平南部調理場につきましても今後の老朽化の状況に合わせて、四倉調理場を統合して移転改築し、段階的に5施設への再編を目指しているものであります。 ◆29番(安田成一君) 次に、今回見直された整備方針の目的は、施設の老朽化や児童・生徒数の減少等によるものが大きいのではないかと思います。 新たな整備方針に沿って見直されていけば、学校給食の調理場が変更になることで、学校によっては給食の配送距離が現状より長くなるのではないか、それに伴う給食の温度低下はないのかなどの問題も想定されると思いますが、今回の整備方針見直しによる児童・生徒への影響はないのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 児童・生徒への影響につきましては、学校給食共同調理場の再編に伴う調理場の変更により、配送距離の延長に伴う給食の温度低下等の課題も想定されるところでございますが、配送ルートの見直しなどにより、児童・生徒への影響が及ばないよう配慮してまいりたいと考えております。 ◆29番(安田成一君) では、整備方針の見直しによって、施設の維持管理・更新に伴う経費など、コスト面についてはどのような影響があるのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 施設の維持管理・更新に伴う経費につきましては、7施設から5施設に再編することにより、7施設を維持したまま耐用年数経過時に単純更新する場合と比較いたしまして、一定の経費縮減が図られるものと考えております。 ◆29番(安田成一君) 同じく、整備方針の見直しによって、調理人や職員など共同調理場に雇用している人員についてはどのような影響があるのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 現在、稼働しております7施設の調理員定数は188名としているところでございますが、5施設への再編時には、15名程度の減員が図られるものと見込んでおります。 なお、現在雇用している調理員につきましては、意向調査を行い、勤務地の変更等による対応を検討するなど、大きな影響が出ないよう適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆29番(安田成一君) 4つ目は、今後の進め方についてです。 本市の児童・生徒数は、年々減少傾向にあり、平成19年度に3万2,334人であったものが、平成28年度には2万6,703人となり10年間で約2割が減少し、今後の予測では令和7年度には1万9,423人と全体で2万人を切るとの推測もされております。もしかすると、今後も人口減少と少子化が予想以上に進めば、当初の計画よりも児童・生徒数の減少幅は大きくなるかもしれません。今後も児童・生徒に対し、安定的で質の高い学校給食の提供を続けていくための整備の進め方について、以下、伺います。 初めに、今般見直された新たな整備方針のスケジュールについて伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 新たな整備方針のスケジュールにつきましては、まず、来年度以降、老朽化が著しい平北部の移転改築のための建築用地の選定を行い、早期移転に向けて作業を進めることとしております。 また、平南部と四倉の統合の時期につきましては、市の財政負担の平準化や施設の老朽化等の状況を踏まえ、中・長期的に検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆29番(安田成一君) では、整備方針の見直しについて、児童・生徒や保護者、PTAなど、学校関係者にはどのように周知をしていくのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 児童・生徒や保護者などへの周知につきましては、スケジュールや立地など具体的な整備の方針が決定した段階で、市ホームページへの掲載を初め、調理場の変更をお知らせする通知を学校を通じて配布するなど、きめ細やかな対応をしてまいりたいと考えております。 ◆29番(安田成一君) 最後に、今後も人口減少、少子化は続いていきますし、それに伴う児童・生徒数の減少やさらなる学校統廃合などの課題もあると思います。場合によっては、再編途中での整備方針の見直しやその都度の検証も必要かと思われますが、将来にわたって、引き続き安全で安心な学校給食の提供を続けていくために、どのように整備を進めていくのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 今後の整備の進め方につきましては、児童・生徒数の推移や、学校の再編等の状況を見きわめるとともに、適時必要な検証を行いながら、規模感や立地等について適切に検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆29番(安田成一君) 今後の児童・生徒数の推移やそれに伴う学校の再編などを見きわめながら、整備方針を適宜検証し、子供たちに影響が出ないよう、将来も引き続き安全で安心な給食の提供をお願いいたしまして、次の項目に移ります。 大きな4点目は、環境負荷軽減機器導入促進補助制度についてです。 国は、2018年7月、これまでの第四次エネルギー基本計画を4年ぶりに見直し、新たに第五次エネルギー基本計画を策定いたしました。目標として2030年の再生可能エネルギーの電源構成比率を22%から24%に掲げ、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、低コスト化や技術革新など、エネルギー供給の強靭化を図る施策を強力に進めるとしています。また、2050年に向けては、国が掲げている2050年までに温室効果ガスを80%削減するという高い目標の達成に向けて、エネルギーの転換と脱炭素化への挑戦を進めるとしています。振り返れば、今から10年前の2010年の日本国内のエネルギー需要量のうち、再生可能エネルギーが占める割合はわずか約9%で、10年たって、昨年の割合は約17%まで上昇いたしました。途中、原子力発電所事故による運転停止の影響もありましたが、数字上から見れば、この10年間で国の再生可能エネルギーの比率は10%近く伸びたことになります。 一方、福島県内の状況を見ますと、昨年度の県内のエネルギー需要量のうち、再生可能エネルギーが占める割合は31.8%となり、こちらも10年前と比較すると10%以上上昇していることになります。県は、2040年度には県内のエネルギー需要量の全てを再生可能エネルギーで賄うことを目標として掲げており、普及拡大のためにあらゆる施策を展開していくとしております。 本市においても、再生可能エネルギーの促進にあわせ、風力メンテナンスの産業集積や勿来IGCCパワーなどのバイオマス発電の施設、水素バス導入による水素関連産業の創出など、次世代エネルギーの社会の構築に向けて取り組んでおり、同時に、太陽光発電や蓄電池システム、燃料電池など、環境に配慮し循環を基調とした持続可能なまちづくりを目指す取り組みも行っております。 そこで、再生可能エネルギーに関する普及啓発と環境負荷の低減を推進するため実施している再生可能エネルギー活用まちづくり推進事業について、以下、伺っていきます。 1つ目は、これまでの実績についてです。 初めに、過去3年間の太陽光発電システムの補助実績について伺います。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 太陽光発電システムについて、平成28年度からの過去3年間の補助実績で申し上げますと、平成28年度は320件1,556.4キロワット、平成29年度は272件1,444.7キロワット、平成30年度は277件1,446.8キロワットとなっております。 ◆29番(安田成一君) 次に、平成28年度より定置用リチウムイオン蓄電システムの補助制度が導入されておりますが、これまでの補助実績について伺います。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 定置用リチウムイオン蓄電システムについて、平成28年度からの過去3年間の補助実績で申し上げますと、平成28年度は17件、平成29年度も17件、平成30年度は21件となっております。 ◆29番(安田成一君) 同じく、平成28年度から家庭用燃料電池コージェネレーションシステム、エネファームの補助制度が導入されておりますが、これまでの補助実績について伺います。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 家庭用燃料電池コージェネレーションシステム、いわゆるエネファームについて、平成28年度からの過去3年間の補助実績で申し上げますと、平成28年度は26件、平成29年度は27件、平成30年度は25件となっております。 ◆29番(安田成一君) 2つ目は、環境負荷の少ないまちづくりに向けた今後の取り組みについてです。 住宅用太陽光発電を設置した家庭における固定価格買取制度、いわゆるFIT制度が2009年にスタートしてから、昨年11月でちょうど10年が経過をいたしました。住宅用太陽光発電におけるFIT価格での買い取り期間の有効期間は10年間でしたので、昨年11月から買い取りの保証期間が終了し、FIT制度を卒業する、いわゆる卒FIT迎える家庭が出てくることになりました。これまでは太陽光発電で発電した電気は自家消費を行い、残りの電力、余剰電力は国が定めた固定価格、FIT価格で電力会社に売電されてきましたので、余剰電力は高値で売買でき、太陽光発電設備の導入費用も早く回収できる仕組みとなっていました。 今回10年間の買い取り期間が終了することで、卒FITを迎える件数は、2019年度だけでも全国で約53万件と言われ、以降、毎年約18万件が卒FITを迎えるとの報道もありました。 FIT制度の恩恵によって、太陽光発電は一般家庭用及び産業用とも急速に普及拡大につながり、本市においても加速度的な普及となったことは言うまでもありません。その一方、FIT制度によって支えられていた10年間は、例えれば電動機付の自転車に乗っていたような期間であり、その期間が終了すれば電動機なしで自分で自転車を漕ぐ、いわば余剰電力を自力で活用していかなければなりません。今後は、これまでのように太陽光発電の導入が自走できなくなることも懸念され、結果して再生可能エネルギーのさらなる普及拡大にも影響を及ぼすことも考えられることから、以下、伺います。 1つ目として、本市では、平成11年3月に策定したいわき市新エネルギービジョンに基づき、学校や公園などの公共施設に太陽光発電を設置し、太陽エネルギーを重点的に導入をしてきました。また、いわき市環境基本計画第二次一部改訂版においても、低炭素社会づくりや循環型社会づくりなど、幾つかの項目に沿って環境指標を示し、計画を推進してきています。中でも基本計画の低炭素社会づくりとして、太陽光発電導入量の環境指標を平成26年度の基準値1万5,221キロワットから平成32年度、令和2年度の目標値を2万8,000キロワットに設定し、施策として取り組んできています。 そこで、目標達成には再生可能エネルギーの拡大とさらなる導入が必要だと思いますが、どのように取り組んでいくのか伺います。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 市環境基本計画(第二次)一部改訂版における環境指標のうち、太陽光発電導入量につきましては、環境負荷軽減機器導入促進補助制度の補助実績及び市有施設への導入実績として、令和2年度に2万8,000キロワットの目標値を設定したところであり、平成30年度末時点の実績といたしましては、2万2,385キロワットとなっております。 一方で、民間事業者等による太陽光発電設備の導入も進められており、国が公表しておりますFIT法に基づく固定価格買取制度における太陽光発電設備の市内全体の導入状況といたしましては、昨年9月末時点で20万5,193キロワットとなっており、これは県内トップの導入量であることから、着実に普及が進んでいるものと考えております。 今後におきましては、現在、策定中の次期市環境基本計画において、市全体の導入状況を示す指標の設定について検討するとともに、その実現に向けた取り組みを重点的に位置づけ、太陽光発電を初めとする再生可能エネルギーの普及促進に努めてまいりたいと考えております。 ◆29番(安田成一君) 次に、平成28年度から導入された定置用リチウムイオン蓄電システムの補助制度についてです。蓄電容量1キロワットアワー当たり2万円、補助金上限額を10万円として助成措置をしており、今年度も予定された補助金額が上限に達するなど、卒FITの影響もあり、家庭用における蓄電池システムのニーズは高まってきていると思います。現に、ある蓄電池のメーカーが買い取り期間終了後どうする予定かとの動向調査を行ったアンケートでは、半数以上が卒FIT後は蓄電池や電気自動車を購入して余剰電力を自家消費に充てると回答しており、その理由の大半は、災害や停電に備えたエネルギーの自給意識が高まったからだとしており、蓄電池システムは大規模災害を想定した非常時の備えとしてもニーズが高まってきていることが読み取れます。 一方で、蓄電池システムの初期投資は現状では決して安価ではなく、メーカーによってはリース契約を推奨するなど、家庭用蓄電池システムのリースによる導入もふえてきていると聞き及んでいます。停電などの大規模災害に備えること、そして何より環境負荷をさらに少なくするためには、今後蓄電池システムの拡大も必要と考えますが、そこで、全体的にリチウムイオン蓄電システムの拡大に向けて、どのように取り組んでいくのか、市の所見を伺います。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 家庭用蓄電システムにつきましては、議員御指摘のとおり、今後、FIT法に基づく固定価格買取制度の期間が終了する家庭用太陽光発電システムが増加することや停電時対策などの防災意識の高まりから、その需要は拡大していくものと考えております。 市といたしましても、定置用リチウムイオン蓄電システムへの補助に加え、今年度より、電気自動車等と住宅との間で相互に電力供給が可能となる電気自動車等充給電設備(V2H)への補助制度を新設したところであります。 今後におきましても、災害時に非常用電源として活用することのできる再生可能エネルギーや蓄電システムなどの分散型エネルギーによる災害に強く環境負荷の少ないまちづくりに向け、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆29番(安田成一君) 本市においても卒FITを迎える家庭が今後増加してくることが予想されます。家庭用における蓄電池システムの導入は国も推進・推奨している施策でありますから、今後さらにニーズが高まってくると予想されます。補助対象要件の緩和や補助率の拡大なども検討していただきたいと思いますし、燃料電池自動車等の導入支援を行う水素等利活用促進事業とも合わせまして、環境負荷の少ないまちづくりに向けて重点的に取り組んでいただくことをお願いしまして、次の項目に移ります。 最後の項目は、防犯灯LED化促進事業についてです。 今から10年前の2009年12月、国は新成長戦略の基本方針として、2020年までにLEDなどの次世代照明の100%化実現の方針を示し、この年初めてLEDという文字が国の成長戦略に盛り込まれました。その後、2012年7月に、日本再生戦略として、2020年までに公的施設・設備のLED等高効率照明の導入率100%達成の方針を閣議決定し、以降、グリーン成長戦略としてLEDなど次世代照明の普及拡大に取り組んできました。 加えて、国内の蛍光灯照明器具の主要メーカーにおいても、国の目標に呼応する形で順次蛍光灯の生産終了を発表したことで、一般家庭用や防犯灯など、高効率LED照明器具への切りかえが進み、普及拡大が加速化してきたことは周知のとおりです。 また、LED照明の価格についても、普及が進むにつれて低価格化してきており、経済産業省の資料によると、2009年4月の大手メーカー製40ワット相当のLED電球の市場平均価格は6,000円以上でしたが、現在は、同電球の市場価格が1,000円を切りつつあるなど、安価傾向にあります。同時に、比較的高額であったLED照明器具も3万円台以下が市場の中心価格帯になるなど、海外メーカーの低価格製品の急増に相まって低価格化への動きはさらに進むとの予想もあります。 このような中、本市においても平成29年度から3カ年をかけて、自治会や町内会等で管理している蛍光灯型防犯灯をLED型防犯灯へ切りかえる費用を一部補助する防犯灯LED化促進事業を取り組んでまいりました。今年度が事業最終年度となるため、これまでの取り組みと今後の維持管理について、以下、伺っていきます。 1つ目は、補助制度を活用したこれまでの取り組みについてです。 市内には約2万7,000灯の防犯灯が設置されていると聞いておりますが、今年度は3カ年にわたる補助制度の最終年度となりますが、これまでの実績について伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 自治会等が維持管理している防犯灯のうち、LED化されていない防犯灯1万9,502灯に対し、平成29年度は9,576灯、平成30年度は6,461灯、令和元年度は、令和2年1月末現在で2,627灯、合計で1万8,664灯の防犯灯がLED型に切りかえられたところであり、95.7%の進捗となっております。 ◆29番(安田成一君) 計画灯数に対し、切りかえ灯数の実績が下回っておりますが、その理由について伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 計画灯数につきましては、自治会等を対象に実施した意向調査の結果をもとに算出したところでありますが、再精査した結果、自治会等以外が管理している防犯灯が計上されているなどの理由により、640灯分については申請される見込みがないことが明らかになったものであります。 加えて、一部の自治会等において、更新費用がかさむ水銀灯型の防犯灯などについて、申請にまで至らない事例があることから、切りかえ実績が下回っている状況であります。 ◆29番(安田成一君) 2つ目は、市管理の防犯灯についてです。 初めに、市で管理している防犯灯のLED化の実績について伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 令和2年1月末現在、市管理の防犯灯1,132灯のうち、936灯をLED型へ切りかえたところであり、進捗率としましては82.7%となっております。 なお、今年度中には、全ての市管理の防犯灯について、LED化する予定であります。 ◆29番(安田成一君) 次に、地区自治会等への無償譲渡の対応についてです。市で管理している防犯灯については、市防犯灯設置補助要綱を制定した昭和49年度以前に設置された防犯灯ということになっておりますが、実際は、市で管理している防犯灯と市の設置補助制度を活用するなどして地区で管理している防犯灯が混在しており、一部不公平な状況となっていました。このため、市では、地元との協議が整った地区から市がLED化をした上で、順次、地元地区へ無償譲渡していく方針を示しておりましたが、では、地元自治会等への無償譲渡の対応はどのようになっているのか伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 先ほど申し上げました市管理の防犯灯につきましては、市内の一部地域に偏在しているため、維持管理に係る経費負担について、公平性の確保が課題であったところであります。 一方、地区管理の防犯灯については、これまで主流だった蛍光灯型の場合、年間の電気料は約3,500円で、修繕料を加えると、10年間で1灯当たり約10万円の支出を要するなど、自治会等の負担が大きい状況にありましたが、市におきまして、防犯灯LED化促進事業補助金を通じ、電気料等の維持管理費の縮減が期待できるLED型防犯灯への切りかえを促進してきました。 その結果、地区管理の防犯灯の多くがLED化され、自治会等の経済的負担が軽減されたことから、これを契機として、市の管理の防犯灯についても自治会等へ移譲することとしたものであります。 ◆29番(安田成一君) 状況によっては、引き続き市で管理する防犯灯が生じると思いますが、それはどのような理由が考えられるのか伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 市管理の防犯灯の移譲について、現在、自治会等に対し、手続等に関する説明を行った上で協議を進めているところでありますが、公共施設等に隣接して設置されているものなどもあり、それらにつきましては、自治会等が管理すべきものなのかといった御意見もいただいていることから、これらの防犯灯については、施設管理者等と調整する必要があるものと考えております。 ◆29番(安田成一君) 3つ目は、LED化の効果についてです。 日本において、電灯が初めて点灯したのは今から140年以上前の明治12年、1879年で、東京工部大学校、現在の東京大学工学部の晩さん会だったと記録されています。その5年後の明治17年、上野-高崎間の鉄道開通式において白熱電球が初めて点灯いたしました。白熱電球の点灯から130年以上がたち、今やLEDは21世紀の明かりとして飛躍的に普及してきております。 LEDの効果については、白熱電球と比較して寿命が長く、また、発熱量が少ない特徴から空調の効率化による節電にも大きな効果があると言われています。 そこで、1つとして、各地区の防犯灯をLEDに切りかえたことによって、自治会等からはどのような反応があるのか伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 自治会等からは、電気料金が安くなった、これまでより明るくなった、修繕頻度が少なくなった、また、虫が寄りつかなくなったなどの声をいただいており、非常に好評を得ております。 また、地元電気工事業者等からは、受注機会がふえたことなど、経済活性化策として歓迎する声もあったところであります。 ◆29番(安田成一君) 一般的にLEDに切りかえることによって、省エネルギーの促進や節電効果があること、また、電気料金が大幅に削減されるなどのメリットもあると言われております。そこで、LED化によって生じるメリットはどのようなものが考えられるのか伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 議員おただしのとおり、省エネルギーの促進と電気料の削減がLED化によって生じるメリットでありますが、具体的な事例で申し上げますと、蛍光灯型防犯灯の場合、年間の電気料が約3,500円、また、蛍光管の交換等の修繕料を加えると、10年間で1灯当たり最大10万円程度の支出を要する状況にあったものが、LED型防犯灯に切りかえた結果、年間の電気料が約1,600円と半分以下に抑えられたほか、修繕頻度も蛍光灯型と比べ頻度が少なくなっており、全体として維持管理費の縮減が図られ、ひいては、自治会等の経済的負担等が軽減されるものであります。 ◆29番(安田成一君) 最後は、今後の防犯灯の維持管理についてです。 今年度で3カ年にわたる防犯灯LED化促進事業は終了いたします。省エネルギーのさらなる促進や自治会等の維持管理費用の負担軽減、そして何より街並みが明るくなったことなど、大きな成果も表れていると思います。その一方で、もともと自治会ではなく、地元商店会の名義で管理していた街路灯などは、LED化の補助対象となっていないことから、電気代の費用面で維持することが困難となり、やむを得ず撤去してしまった地区もあります。また今後、撤去を考えている地区もあります。加えて、計画灯数全てのLED化や地区自治会の高齢化、自治会会員の減少に伴って資金面で維持管理が難しくなること、さらには、将来的に見れば照明器具の交換費用などの課題もあると思っております。何より、地域の皆様が安全で安心して暮らすことができる地域社会の実現が大切であると考えますが、今後の防犯灯の維持管理について、市はどのような認識を持っているのか、御所見を伺います。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 安全で明るく住みよい地域社会の実現は市民共通の願いであり、日常生活における安全・安心を確保することが何よりも重要であると考えております。 こうしたことから、市といたしましては、夜間における犯罪の防止と通行の安全を図ることを目的として、防犯灯を設置してきたところであり、引き続き、自治会等において適切に維持管理されることが望ましいと考えております。 一方で、自治会等によっては、人口減少と少子・高齢化の進展等により、運営費等の確保に苦慮しているとの声も寄せられているところであり、地域の皆様の声に耳を傾けながら、防犯灯の適切な維持管理のあり方や、その支援策について、検討を進めていくべき課題であると認識しております。 ◆29番(安田成一君) 3年間にわたる防犯灯LED化促進事業は、省エネの促進や電気料金を含めた自治会等の維持管理費用の負担軽減など成果が図られました。LED化によって街並みも明るくなり、防犯上はもちろんのこと、地域の皆様が安全で安心して暮らすことができる社会の実現にも寄与されたことと思います。 一方で、自治会以外で管理している防犯灯の維持や地区自治会会員の減少などによる諸課題もあることから、引き続き支援に向けた検討もお願いして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(蛭田源治君) ここで、午後2時20分まで休憩いたします。          午後2時00分 休憩---------------------------------------          午後2時20分 再開 △馬上卓也君質問 ○副議長(蛭田源治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。19番馬上卓也君。          〔19番馬上卓也君第二演壇に登壇〕 ◆19番(馬上卓也君) (拍手)19番いわき市議会自民党一誠会、馬上卓也であります。 以下、通告順に従いまして、一般質問を行います。 最初の質問は、あいさつ運動についてであります。 私の自宅は小名浜第二小学校の西側にあります。正門から100メートルほどの距離に位置しているため、毎朝午前7時20分ごろになると、おはようございますという挨拶の声が始まり、午前7時40分ぐらいまで続きます。先生、交通指導員、そして子供たちの元気な声が町内に響きますと、とてもすがすがしい気分になります。この地域に活力を与えるあいさつ運動について、以下質問をしたいと思います。 初めに、小・中学校における朝のあいさつ運動の現状についてであります。 1つ目として、市内の小・中学校で朝のあいさつ運動を励行しているところは何校ぐらいあるのかお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 朝のあいさつ運動の形態、参加者、頻度等は、学校によってさまざまでございますが、全ての小・中学校で取り組んでいるところでございます。 ◆19番(馬上卓也君) 全ての小・中学校で実施されているとのことで、非常にすばらしいことであると感じました。 それでは、朝のあいさつ運動は、誰の指導のもとに行っているのでしょうか、お伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 学校としての取り組みの一環として、地域や学校の実態に応じ、校長の指導のもとで行っているものと認識してございます。 ◆19番(馬上卓也君) それでは次に、校長先生の指導のもと行われているという朝のあいさつ運動の目的についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 朝のあいさつ運動の目的としては、児童・生徒が人とかかわる喜びを実感したり温かな人間関係を育んだりすることであり、全ての教育活動の基盤としての社会性の育成につながるものと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 朝のあいさつ運動の効果に関して、学校あるいは教育委員会ではどのように捉えているのかお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 朝のあいさつ運動の効果としては、児童・生徒みずからが集団の一員としての自覚を高めたり、周囲の人と豊かにかかわるコミュニケーションスキルを身につけたりできることなどが挙げられます。 さらに、教職員にとっては、児童・生徒の表情等から日常と異なる変化を見取り、指導に生かすなどの効果もあると捉えております。 ◆19番(馬上卓也君) 子供たちの様子の把握、そしてコミュニケーションに効果があるあいさつ運動でありますが、この効果から発生する副次的な効果は計り知れないと思います。子供たちの間で挨拶を進めることで、子供たちの孤立化を防ぎ、友人関係の入り口をつくり、強化するような効果も考えることができると思います。 それでは、朝のあいさつ運動の今後について、教育委員会のお考えをお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 市教育委員会といたしましては、全ての児童・生徒が明るく活力に満ちた学校生活を送れるよう今後とも各学校の取り組みを尊重し、支援してまいります。 ◆19番(馬上卓也君) 小・中学校の現場で実施されている朝のあいさつ運動ですが、挨拶を交わすことは教育現場だけにとどまらず、私たちの市民生活を明るく元気にするということにもつながると考えます。そこで次に、あいさつ運動のさまざまな効果について、以下質問したいと思います。 以前、私の所属する自治会の研修会で小名浜消防署職員の方から話を聞いたことがあります。その話の内容は、地域住民の間で、おはよう、こんにちは、こんばんはなどの挨拶を行うことで空き巣に対する防犯効果があるというものでありました。現在、埼玉県のホームページにも、泥棒が犯行をあきらめた理由で最も多いのは、近所の人に声をかけられた、近所の人からじろじろ見られたというものですと挨拶の防犯効果は抜群であると掲載されております。 そこで、執行部におかれましては、挨拶の防犯効果に関してどのように考えているのか、所見をお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 議員おただしのとおり、地域住民同士が挨拶を交わすことは、住民が互いに顔見知りになり、つながりが生まれることを通して、地域の監視の目が以前より強く働くこととなり、結果として、窃盗などの犯罪を企てる者に対して、その地域での犯行を断念させる効果を有しているものと考えられるところであります。 こうしたことから、市民の皆様に散歩やジョギングにあわせて防犯パトロールを行っていただくエンジョイパトロール事業の心得の1つとして、地域住民との挨拶をお願いしているところであり、市といたしましては、住民同士の声かけ、挨拶が犯罪の起こりにくい明るく住みよいまちづくりにつながるものと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 消防団の活動に、ひとり暮らしのお年寄りの見守りの一環として火災報知機の電池の交換があります。その活動を進めている団員の方々からの声に、消防団のはっぴ・活動服を着て訪問しても警戒され、家の中に上げていただけないといった声があります。やはり、常日頃より地域ぐるみでコミュニケーションをとるような活動を続けていかなければ、地域の連携は取れないということの表れではないかと思います。東日本大震災以降、自助・共助・公助という言葉がクローズアップされているところではありますが、加えて最近では、近いに助けるという漢字を充てる近助という言葉もクローズアップされていると聞いております。地域における住民のコミュニケーションを図り、助け合いの近助を進め、ひとり暮らしのお年寄りを孤立させないためにも挨拶の大切さ、必要性が求められていると考えます。 そこで、このような挨拶の福祉的な面での効果について執行部の所見をお伺いいたします。
    保健福祉部長(飯尾仁君) 挨拶の福祉的な面での効果といたしましては、地域でのつながりが希薄化している中、近隣住民同士が普段から挨拶し合うことにより、顔の見える関係を構築し、高齢者等の社会的孤立の防止や見守り、さらには、災害時における支援体制の構築にもつながるものであり、高齢者等の安全で安心した生活の確保に寄与するものと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、当市のにぎわい創出の観点から挨拶について考えてみたいと思います。ふるさといわきにぎわい創出の手段の1つにインバウンドの増加があるというのは間違いのないことであります。小名浜まちづくり市民会議は、令和2年1月20日発行の広報誌しおさいかわら版第60号で、新しい小名浜の未来の1つに3号ふ頭への大型クルーズ船の寄港施設を整備し、国内外からの乗船客をおもてなしをできるようにしたいというビジョンを描きました。いわきの魅力を国内外に発信し多くの観光客の方々にお越しいただくという目標を達成するためには、もちろん魅力的な情報発信は必須であります。その一方で、来ていただいた方々に満足して、再度来ていただく、新たな方を連れて来ていただくといった継続性や波及効果を考慮したときに、やはり明るく元気ないわきでなければならないと思う訳であります。 観光面でのにぎわい創出のために挨拶でもてなすという考え方について、執行部の所見をお伺いいたします。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 観光面でのにぎわい創出は、多くの観光客が地域を訪れることによってもたらされますことから、市といたしましては、これまで観光客の受け入れ体制の整備を進めてまいりましたが、その中でも観光客の満足度向上に影響を与える重要な要素が挨拶を初めとするおもてなしであると考えております。 近年、観光の形態が団体旅行から個人旅行へ、モノ消費からコト消費へと変化していく中、観光客は旅先の土地での地域住民との関わり合いの中で、新たな発見・体験・交流・学習を求める傾向にありますことから、今後は観光関係者に限らず、市民一人一人が普段の挨拶を実践していくことが、観光客へのおもてなしの第一歩となるものと認識しております。 ◆19番(馬上卓也君) この項目最後の質問は、あいさつ運動の今後の取り組みについてであります。 以上申し上げてまいりましたように、あいさつ運動に関してはさまざまな効果があると考えております。そこで、この誰でも簡単にできる挨拶を当たり前にできるように進めていくことでいわき市のイメージアップ、明るく元気ないわきの実現を1歩も2歩も前に進めていくことができると考えます。そのためには、まず、私たち一人一人が、挨拶の大切さをしっかりと認識する必要があると思います。現在小・中学校で子供たちが実践し、明るく元気に育っていることが非常に素晴らしい実例であります。その子供たちに私たちが学ぶべきであると思うわけであります。そのためには、全市を挙げて挨拶の大切さを自覚していただき、市民一人一人が実践すべきであると思います。 熊本県山鹿市では、平成26年に山鹿市あいさつの励行及び互礼の普及の推進に関する条例を制定し、全市を挙げて元気のいい、さわやかな挨拶を進めていると聞き及んでおります。その条例の制定の契機となったのが、やはり子供たちの素晴らしい挨拶であったようです。当市においても、明るく元気な子供たちの姿勢を見習い、全市に広げていき、先に述べてきたような挨拶の持つ効果を最大限に引き出す試みを広げていくことが大切ではないかと思うわけであります。 そこで、執行部としてあいさつ運動の今後の取り組みについてお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) 挨拶は、心を開いて、相手に近づいていくという意味があり、対人関係や社会生活を円滑にするなど、良好なコミュニケーションの第一歩であります。 このことから、市民一人一人の声かけ、挨拶が住民同士の顔が見える地域社会のつながりや支え合いの中で、誰もが安全に、安心して暮らすことができる明るく、住みよい、豊かなまちいわき市につながっていくものと考えております。 市内におきましては、青少年育成市民会議や各小・中学校において、独自にあいさつ運動に取り組んでおり、地域・学校を中心にコミュニケーションの輪の広がりが期待されることから、市役所におきましても、日ごろから明るく元気ないわき市を目指し、さわやか運動として、市職員から市民の方々への挨拶など、積極的な声かけに努めているところであります。 市といたしましては、今後も引き続き、市民生活における道しるべ的、規範的な共通目標を定めたいわき市民憲章の趣旨を踏まえ、あいさつ運動に賛同していただいている団体・企業・市民の方々の協力を得ながら、身近なところからあいさつ運動を盛り上げていただくとともに、市職員においては、親切第一をモットーに、市民の方々への積極的な挨拶を徹底し、明るく、住みよい、豊かなまちづくりを進めてまいります。 ◆19番(馬上卓也君) 明るく元気ないわきをますます進めていくために、挨拶という基本的所作を市民一人一人がその重要性を認識するとともに、行政サイドとしてもバックアップするような体制の構築に御尽力いただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、免許返納についてであります。 全国で、高齢者による事故がマスコミに多く取り上げられ、クローズアップされることが多くなっております。東京都豊島区東池袋で4月に発生した高齢ドライバーによる車両暴走事故は、記憶に新しいところであります。何一つとして落ち度のない母子が死亡し、男女8人が重軽傷を負いました。この事故の後、都内では運転免許証を自主返納する高齢者が急増し、高齢者の免許制度を見直す法改正の道筋も示され、高齢ドライバー対策は大きな転換点を迎えようとしているとの報道もなされております。 市内でも、本年1月15日に、下校中の泉小学校の児童5人が69歳女性が運転する軽自動車にはねられるという痛ましい事故が発生いたしました。また、18日には、小名浜で80代男性が運転する乗用車が自転車に衝突した後、調剤薬局に突っ込むという事故が発生いたしました。 このような事故が発生する中、自分自身の判断、そして家族の判断も含め、運転免許の自主返納に関して、話題に上ることが増加していると思います。免許の自主返納に関し、その取り組み等について、以下質問をしたいと思います。 最初の質問は、免許返納の現状についてであります。 初めに、免許返納者の過去3年間の推移についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 市内における過去3年の運転免許証自主返納者数について申し上げますと、市内3警察署によれば、平成29年は891名、うち75歳以上の後期高齢者は581名、平成30年は1,033名、うち75歳以上は840名、令和元年は1,462名、うち75歳以上は1,068名と年々増加しております。 ◆19番(馬上卓也君) 免許を返納することは、行政サイドばかりでなく、本人・家族にとっても大きなメリットがあると思いますが、改めて、免許返納のメリットについてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 国は、改正道路交通法を平成29年3月に施行し、臨時認知機能検査及び臨時高齢者講習を新設するなど、高齢運転者対策を強化してきましたが、全体の交通事故件数に占める高齢運転者による交通事故件数の割合は、依然として増加の一途をたどっております。 こうしたことから、高齢者の運転免許証の自主返納の促進が課題となっておりますが、そのメリットといたしましては、高齢運転者による痛ましい交通事故の未然防止と高齢運転者及びその家族の不安解消、加えて、自動車の年間平均維持費について、JA共済調べによれば、軽自動車で約38万円、小型車で約44万円となっており、自動車を手放すことによる経済的な負担軽減も期待されるものであります。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、返納者に関してアンケート等がありましたら、返納者の方々の声をお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 運転免許証を自主返納された高齢者を対象としたアンケートによりますと、移動手段がなくなることへの不安を訴える方がいる一方で、事故の心配がなくなった、家族が安心しているなど、全体として返納したことに満足している結果となっております。 また、窓口にいらした市民からは、返納に際し、移動が不便になると配偶者から反対されたが、運転するたびに不安だった返納前に比べ、返納後は気持ち的に楽になったや、返納後の移動手段は主にバスを利用しているが車を持つより経済的だったなどの声も寄せられているところであります。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、返納の推進についてであります。 免許返納に関しては、行政はもとより御自身、家族にとっても大きなメリットがあることは理解できました。しかしながら、今まで当然のように利用していた自動車という足がなくなることは、自分の足を使って動くことができる行動範囲は当然のことながら狭くなります。免許返納を推進するためには、やはりそれをカバーするための取り組みが不可欠であると考えるところであります。 返納の推進に関して、行政サイドが行っている取り組みに関し、いわき市が行っている取り組みをお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 本市においては、運転免許証を自主返納する契機を提供し、高齢運転者の交通事故発生の未然防止を図るため、運転免許証を自主返納した75歳以上の市民を対象に5,000円相当の公共交通機関または公共施設の利用券を1人1回に限り交付する高齢者運転免許証自主返納促進事業を平成30年7月より実施しております。 ◆19番(馬上卓也君) 他自治体が行っている特徴的な事例についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 他市においても、本市と同様に、運転免許証を自主返納した高齢者を対象に公共交通機関等の利用券を交付する事業を実施しているところであり、県内においては、58市町村のうち12市町村が、また、中核市においては、57市中14市が実施しているところであります。 そのほか、免許返納の推進に向け、運転免許証を自主返納した方を対象に富山県立山町では、月2,000円の交通運賃の補助を、また、愛媛県松山市では、市有施設の利用料金の割引を実施しているほか、北海道江別市では、地元スーパーと連携し、購入商品の無料配送サービスを実施しているなどの事例もございます。 ◆19番(馬上卓也君) 行政サイドでもさまざまな知恵を絞って返納推進に取り組んでいるようです。 それでは、次に、民間の取り組みについてお伺いいたします。 まず初めに、当市内で行われている民間の取り組みについてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 市内では、一般社団法人福島県タクシー協会の会員であるタクシー会社において、運転免許証を自主返納した方から、運転経歴証明書の提示があった場合、運賃の1割引サービスを実施しております。 また、小名浜地区の商店街においては、買い物の際、小名浜スタンプクラブのスタンプが2倍になるなどの各種特典を受けられる高齢者運転免許証自主返納サポート事業を実施しております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、他市で行われている民間の取り組みについてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 全国的には、運転免許証を自主返納した方を対象とした低額なバス定期券の販売や、ホテル・レストラン等における飲食料金の割引等のサービス提供が広がっております。 また、運転ができなくなった高齢者にとって、重い荷物を運ぶことは困難であることに着目し、灯油配達価格の割引や、ホームセンターの商品配送クーポン券の交付等のサービスを提供しているところがあります。 ◆19番(馬上卓也君) 民間におかれましても、さまざまな取り組みが進められているようです。行政サイド、民間サイドで行われている取り組みを単独で行うのではなく、連携できるところは連携し、返納者に対して、利便性の高いサービスを提供していくことが返納推進につながると考えますので、当市におかれましても返納推進に関し、民間との連携等を含めさらなる御尽力をお願いしたいと思います。 この項、最後の質問は、代替交通についてであります。 免許返納に関して最大のネックは、先ほども触れましたが、生活に必要な最低限の足を奪われることであります。私の周りの免許返納を考えている方々もなかなか決心がつかない理由に、買い物に行きにくくなる、医者に行きにくくなるという、買い物、通院という言葉が多く出てきます。この2点を解消することが、返納推進を大きく進めることにつながるとも言えると思います。 現在、全国で中山間地域における道の駅等を拠点とした自動運転サービス実証実験が行われるなど、私たちの想像を超えるスピードで技術が進化しております。近い将来、ドア・ツー・ドアの無人運転バスが走る時代が来るかもしれません。しかしながら、今現在の、今を生きる私たちができることは、今ある輸送資源を最大限に生かし、利用することであります。一例を挙げれば、医療機関が患者さんに提供している送迎バスが挙げられます。この送迎バスを利用することができれば、高齢者の皆さんが買い物、医療機関にドア・ツー・ドアに近い形で移動することが可能になるはずです。患者さんの送迎専用に利用しているバスを別のシーンで利用することに関しては、さまざまな障害、法規制等が存在することとは思いますが、現在市内の多くを網羅する交通網を利用することは非常に有意義であると考えます。 このように、既存の輸送資源である医療機関の送迎用のバス・車両等を利活用するという方策も含め、高齢者等の移動手段の確保にどう取り組んでいくのか、執行部の所見をお伺いいたします。 ◎都市建設部長(高田浩一君) 免許返納者を含む高齢者等の移動手段の確保につきましては、公共交通空白地域を多く抱える中山間地域のみならず、市街地部におきましても、公共交通の利用が不便な地域が存在していることから、全市的に共通する課題であると認識しております。 また、お住まいの地域により、公共交通機関の利用環境や移動ニーズ等が異なるため、各地域における交通課題はさまざまでありますことから、これら交通課題の解消には、その地域の特性に応じた最適な交通システムを選択する必要があるものと考えております。 そのため、市といたしましては、今後におきましても、持続可能な交通ネットワークの構築を目指し、既存の公共交通機関に加え、乗り合いタクシーや、三和及び田人地区で実施しておりますボランティア輸送などのデマンド交通、さらには、将来の自動運転を見据えた次世代交通システムの導入などにつきまして、検討を進めてまいりますが、議員御指摘の医療機関の送迎用車両等の活用につきましては、道路運送法の法規制や他の交通事業者との調整、さらには、医療機関の理解・協力など、実現に向けてはさまざまな課題がありますことから、今後、調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 法規制等のさまざまな障害等があるとは思いますが、免許返納によるメリットを最大限に生かすためにも、返納者の方々の御不便を少しでも解消できるように御尽力いただくことをお願いして、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、いわき市医療センターについてであります。 いわき市医療センターは、平成30年12月に開院して、1年が経過したところであります。新病院では、地域がん診療連携拠点病院として、手術・放射線治療・化学療法などがん治療のさらなる充実を図るとともに、救命救急センター等における救急医療体制の強化、さらには小児・周産期母子医療の提供強化を図るなど、これまで以上に市民の皆さんに信頼され、喜ばれる病院となるよう、病院運営を行っていることと認識いたしております。 それらを踏まえ、以下、いわき市医療センターについて質問いたします。 まず初めに、いわき市医療センターの医師の確保についてであります。 1つ目の質問は、今年度を含む過去3年間のいわき市医療センターの常勤医師数の推移についてお伺いいたします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 当センターにおける各年度4月1日現在の常勤医師数の推移につきまして申し上げますと、平成29年度が117名、平成30年度が127名、令和元年度が138名と、年々増加しているところでございます。 ◆19番(馬上卓也君) 2つ目は、医療センターの医師数は増加しているとのことでありますが、医師確保における新病院効果について、どのように認識しているのかお伺いいたします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 新病院の建設に当たりましては、最新の医療機器等の整備を通じ、医療機能の強化や診療環境の充実を図るとともに、働く人にとって魅力ある病院づくりを実現するため、職員専用のスタッフ廊下やエレベーターの整備等により移動動線を効率化したほか、コンビニエンスストアやカフェの設置等により、福利厚生の充実に努めたところでございます。 その結果、当センターに勤務している医師はもとより、大学教授や学生からも高い評価をいただいていることを踏まえますと、新病院の整備が医師確保に大きな効果をもたらしているものと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 3つ目は、医師修学資金貸与制度については、医師確保において、どのような効果をもたらしてきていると認識しているのかお伺いいたします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 医師修学資金貸与制度につきましては、制度を開始した平成19年度から今年度までに当該制度を利用した医学生は51名となっております。 このうち既に大学を卒業し、医師となった方は22名で、うち当センターに勤務した方は19名となっております。 さらに、毎年度、医師修学資金貸与制度を利用した方が臨床研修医として当センターに勤務している状況や、制度を利用した若手の医師が当センターに勤務したことを契機といたしまして、大学医局との新たなつながりが生じていることなどを踏まえますと、当該制度が医師招聘に大きな効果をもたらしているものと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 4つ目は、令和2年4月の医師数の見込みについてお伺いいたします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 令和2年4月の医師数につきましては、大学の医局人事等により流動的な面もございまして、現時点で明確に申し上げることは困難ではありますが、昨年10月に発表されました医師臨床研修マッチングにおきましてフルマッチとなったことなどにより、臨床研修医が2名増員となる見込みであるほか、一部の診療科におきまして、常勤医師の増員が図られる見通しでございます。 今後におきましても、引き続き、市長、病院事業管理者及び医師招聘専門員が中心となりまして、大学医局へ積極的に働きかけを行うなど、医師招聘に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 建物も新しくなり、最新の医療機器も整備されたということで、患者さんからもおおむね高評価を得ていると聞き及んでおりますが、新たな病院で働く職員の皆様方の意欲はどのように変化したのかお伺いいたします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 新病院の移行に当たりましては、最新の設備や医療機器を整備するとともに、技術研修のできる学術・教育機能の強化や、福利厚生の充実など、職員にとって魅力的で働きやすい職場環境づくりに努めたところでございます。 また、その一方で、議員もお触れになりましたように、患者さんからは病室が清潔で快適になり、落ちついて療養できるセキュリティー対策がとられており、安心できるといった意見が寄せられているほか、がんサロンえんはいつでも気軽に相談でき、そのおかげで精神的に楽になったなどの感謝の言葉もいただいておりまして、これらの声が職員の励みとなって、さらなる勤務意欲の向上につながっているものと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) いわき市医療センターにおかれましては、市民の健康を守る最後のとりでとして、市民の皆様からの期待も大きいだけに、求められる医療の要求も大きく、かつ高くなると考えるところであります。診療科目も広範囲に、さらに技術も高度になっていくものと考えられます。そのためにも、医師・看護師数の増加等人的な充実、治療技術の向上はもとより、市民に愛され、頼りにされる病院としていわき市医療センターが市内の医療機関の模範となり、存在感を示すためにも、職員全体のレベルアップに今後とも御尽力いただくことを切に要望したいと思います。 4つ目の大きな質問は、釣り文化振興モデル港についてであります。 当市は、60キロメートルに及ぶ海岸線を有し、海釣りを楽しむことができる場所が多数存在しております。震災後、釣り人が激減いたしましたが、現在では多くの太公望が釣り糸を垂れているのを見ることができます。そんな海釣りを楽しめる場所、そして釣り人たちは町のにぎわい創出の原動力の1つであります。港町小名浜のにぎわい創出の観点から、以下質問をしたいと思います。 まず初めに、釣り文化振興モデル港指定の経緯についてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 釣り文化振興モデル港につきましては、国土交通省が地域関係者による地方創生を目的とした釣り文化振興の取り組みが進められている港湾をモデル港として募集し、小名浜港を含む全国13カ所の港を昨年の3月に指定したところでございます。 小名浜港におきましては、震災による風評被害等により、1・2号ふ頭の親水空間のかつてのにぎわいが薄れてしまったことから、再び多くの釣り人を呼び込み、にぎわいを取り戻すことを目的として、地元関係者から成るいわき小名浜みなとオアシス連絡協議会が震災からの復興を果たした2号ふ頭の釣り指定区域、及びサンマリーナの釣り桟橋を構成施設として応募し、指定を受けたものでございます。 モデル港の指定により、多くの釣り人を呼び込むための取り組みや環境整備等について検討を進めるほか、風評被害を払拭するため、アクアマリンふくしまとの連携による親子向けの海洋環境学習等を開催することや常磐もので知られるこの地域の魚食文化を全国に広くPRすることとしております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、釣り文化振興モデル港指定のメリットについてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 小名浜港におきましては、今後、釣り文化振興と地域活性化をどのようにつなげていくことができるかが課題となると認識しております。 このたび、モデル港の指定を受けたことで、全国への宣伝効果が期待できる点がメリットであると考えております。 加えて、釣り文化振興と地域活性化をつなげていくための課題解決に向け、釣り場の効率的な運営に関する技術的な指導・助言などが受けられるほか、釣り文化振興を通じて、にぎわい創出が図られた全国のモデル港との情報交換の場に参加できるなどのさまざまな支援を受けられることもメリットであると考えております。 これらのメリットを生かして、釣り文化の振興を通じた地域活性化の実現に向け、関係団体との連携を密に図りながら、取り組むことが重要であると考えております。 ◆19番(馬上卓也君) モデル港の指定を受ける際に応募しているといういわき小名浜みなとオアシス連絡協議会という団体が御答弁にありましたが、どのような団体かお伺いいたします。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) いわき小名浜みなとオアシス連絡協議会は、いわき・ら・ら・ミュウ、アクアマリンふくしま、小名浜さんかく倉庫の各施設が、平成17年7月に、国土交通省からいわき小名浜みなとオアシスとして指定されたことを契機に、さらなるにぎわい創出に向けた取り組みを推進することを目的として、いわき・ら・ら・ミュウ等の各施設や、小名浜まちづくり市民会議に加え、県、市の関係者がメンバーとなって設立した団体であります。 ◆19番(馬上卓也君) それでは、いわき小名浜みなとオアシス連絡協議会の活動についてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 同協議会におきましては、アクアマリンパークで開催されるいわき花火大会やグリーンスローモビリティを活用した次世代交通システム実証等の各種イベントにおいて、市内外から訪れる多くの観光客の方々に対し、歓迎のフラッグやチラシ配布等で小名浜港を広くPRしているところでございます。 また、全国130港のみなとオアシスが一堂に会するみなとオアシス全国協議会へ参加するとともに、平成24年10月にはみなとオアシスSea級グルメ全国大会を小名浜港で開催したほか、その後においても、全国各地の港で開催される同大会への出店を続け、小名浜港の知名度向上を図るなど、にぎわいの創出に向けて取り組んでございます。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、釣り文化振興の現状についてであります。 釣り文化振興モデル港指定後の取り組みについては、どのようなものがあるのかお伺いいたします。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 釣り文化振興モデル港の指定後の主な取り組みといたしましては、いわき小名浜みなとオアシス連絡協議会が中心となり、いわき小名浜みなとオアシスのホームページへの掲載、市内釣具店へのポスター・チラシ配布等を通じたモデル港指定に関するPR活動や、福島海上保安部と連携した釣り人への安全対策及びマナーに関する周知を行ったほか、昨年9月に、同協議会の構成メンバーが中心となり開催しました、おなはま竜宮城まつりにおいて、釣り大会を開催し、家族連れからベテランの方まで、市内外より、多くの方々に御参加いただいたところでございます。 ◆19番(馬上卓也君) 地域のイベント等と連携しながら、にぎわい創出に役立っているものと認識いたしているところであります。 それでは、釣り場の現状については、どのような認識をお持ちなのかお伺いいたします。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 指定された釣り場におきましては、駐車場から釣り場への誘導案内板が設置されるとともに、転落防止用の安全柵や、救命用の浮き輪など、安全対策も講じられていることから、市内外から訪れる多くの釣り人の方々に、一年中、楽しんでいただけるものと認識しております。 しかしながら、指定された釣り場のエリアが限られているため、釣り場の拡充を含め、より多くの方々が楽しめる環境を整えることが重要であると考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 私も、2号ふ頭の近くに住んでおりますので、足を運んでその様子を見ておりますが、おっしゃるように、柵や案内板の設置をしっかり行い、釣りを楽しむ環境はある程度整っているとは感じているところではございます。 最後の質問は、釣り文化振興モデル港の今後の展開についてであります。 以上質問してまいりましたとおり、当市における釣り文化の推進は、ただ単に釣り人の釣果の満足度を高めるための手段ではなく、海を活用したにぎわい創出であり、町の活性化につながるものと考えているところであります。当市の持つ資源を最大限に活用し、地域の方々の満足度を高め、にぎわいを高めていくことで地域の活性化を図るという流れをつくっていくことが大切だと考えます。この釣り文化振興モデル港の指定を契機として、この活性化の流れをより大きくしていくことが重要であります。私は、平日・休日を利用し、2号ふ頭、そしてサンマリーナの釣り場を歩いてみました。そこで、釣り人の方々たちの話を伺ってみると、2号ふ頭で釣りを楽しむ方々が口々におっしゃるのが、公衆トイレの設置要望です。長時間にわたって釣り糸を垂れて楽しむのが釣りですので、トイレの設置は快適な環境のために最低限度必要な設備であります。 このような設備・環境整備を含めた今後の釣り文化振興モデル港の展開についてお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) 小名浜港における釣り環境といたしましては、釣り場に隣接する体験型水族館アクアマリンふくしまと連携した学習環境が整備されており、また、港湾内での釣りの様子が全国放送の釣りのテレビ番組でもたびたび取り上げられるなど、観光面も含め、市外の方々からも注目される良好な環境にあるものと認識しております。 今後におきましては、既存の釣り場環境の充実に取り組むとともに、良好な釣り場エリアの拡充を図ることで、より多くの釣り人を呼び込み、その波及効果を交流人口の拡大や地域活性化等につなげていけるものと考えております。 これらの実現に向けて、市関係部署や、いわき小名浜みなとオアシス連絡協議会を構成する港湾管理者の県、市民団体等との連携を密に図りながら、官民一体となって、他港における先進事例の調査・研究や、今後の環境整備、事業展開のあり方等に関する協議・検討を積極的に進めてまいりたいと考えております。 なお、トイレについても一緒に検討してまいりたいと思います。 ◆19番(馬上卓也君) どうぞよろしくお願いいたします。 釣り文化振興モデル港の指定を契機として、地元のそして、釣りに訪れる方々の環境整備を進め、港町の活性化に御尽力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 最後の質問は、いわき七浜海道についてであります。 さきの議員と重複する質問がございますが、丁寧な御答弁をよろしくお願いいたします。 総延長約53キロメートルのサイクリングルートであるいわき市自転車道路網いわき七浜海道は、勿来の関公園から三崎公園までの約26キロメートルの区間の整備が完成したことから、昨年8月9日に、当該区間の完成式を開催したところであります。まだ全線開通とはいきませんが、この自転車を活用した健康増進やレクリエーションの場の創出、沿岸部の観光・にぎわいの創出の大きな起爆剤として活用できるいわき七浜海道の全線開通を見据えて、市民はもとより、市内外にどのように告知していくのかを念頭におきながら以下質問をしたいと思います。 まず初めに、いわき七浜海道の現状についてであります。 既に26キロメートルの区間が完成し、供用が開始されているところでありますが、事業概要について改めてお伺いいたします。 ◎土木部長(根本英典君) いわき七浜海道につきましては、白砂青松が広がる本市特有の美しい海岸線に沿って、震災からの復旧・復興事業により整備された防潮堤や既存の国・県道や市道などを活用し、勿来の関公園から大久川河口部の久之浜防災緑地までの総延長約53キロメートルに及ぶ安全で快適な自転車走行空間を整備するもので、昨年度より工事に着手したところでございます。 整備内容につきましては、道路部におきましては、本ルートや休憩所を案内するための矢羽根型路面標示や誘導案内板、及び歩行者との接触防止を図るための注意喚起看板等を設置するとともに、防潮堤の高低差のある区間につきましては、走行時の安全を図るための転落防止柵を設置し、ルート沿線の休憩所におきましては、全体ルートや周辺観光施設等を表示した案内板及び自転車の駐輪ラックなどを整備することとしております。 ◆19番(馬上卓也君) いわき七浜海道は、自転車走行空間はもとより、休憩施設にも気を配りながら施設整備を行っていると聞き及んでおりますが、現在の進捗状況についてお伺いいたします。 ◎土木部長(根本英典君) 進捗状況につきましては、平成30年度より、南側の起点である勿来の関公園から北に向けて整備に着手し、議員御案内のように、昨年8月には三崎公園までの約26キロメートルの区間について整備が完了し、供用開始しているところでございます。 現在、三崎公園から新舞子ハイツ付近までの約13キロメートルの区間につきまして、国や県の協力をいただきながら、安全で快適な自転車走行空間の整備を鋭意進めているところであります。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、今後の整備計画についてお伺いいたします。 ◎土木部長(根本英典君) 今後につきましては、残る新舞子ハイツ付近から久之浜防災緑地までの約14キロメートルの区間につきまして、国や県の協力をいただきながら、令和2年度内の全線開通を目指し、引き続き整備を進めてまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 現在、小名浜美食ホテルといわき湯本温泉協同組合事務所にサイクルステーションが設置され、レンタサイクルが提供されているようですが、そのサービス内容についてお伺いいたします。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 本市では、いわき七浜海道等の地域資源を活用したサイクルツーリズムを推進することにより、観光交流人口の拡大や地域活性化を図ることを目的に、昨年7月に常磐地区、8月には小名浜地区に、レンタサイクル等のサービスを提供するサイクルステーションを設置したところであります。 両ステーションにおいて提供するサービス内容につきましては、常磐地区では電動アシスト自転車2台、小名浜地区ではクロスバイク5台を設置し、午前10時30分から午後4時30分までの最大6時間の貸し出しを行うほか、整備用工具や空気入れなどの貸し出し、サイクリングコースの案内などの各種サービスを提供しているところであります。 ◆19番(馬上卓也君) それでは、その利用状況はいかがでしょうか、お伺いいたします。 ◎総合政策部長(大和田洋君) レンタサイクルの利用状況について、サイクルステーションの開設から本年1月末までの各ステーションにおけるレンタサイクルの利用件数で申し上げますと、常磐地区が77件、小名浜地区が91件となっております。 ◆19番(馬上卓也君) いわき七浜海道沿線の中間地点に位置するいわき新舞子ハイツを拠点化するという計画を進めているようですが、その整備内容についてお伺いいたします。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 主な整備内容といたしましては、いわき新舞子ハイツの正面玄関脇に、レンタサイクル10台程度を配置するスペースや、自転車のセルフメンテナンススペース、また、サイクリストの休憩スペースの3つの機能を有するサイクルステーションを新たに設置するほか、宿泊室の一部を、サイクリストが自転車を持ち込むことができるよう、和室から洋室へ改修するとともに、パラサイクリスト等の利用も見据え、室内の段差解消を進めているところでございます。 さらには、いわき新舞子ハイツの魅力を高めるとともに、宿泊施設としての機能強化を図るため、1階のエントランスやロビー・フロント周りの改修を行うなど、サイクリストはもとより、利用される多くの皆様が集い、くつろぎ、交流ができる空間を創出すべく、さまざまなリノベーションを行っているところであり、本年3月下旬の竣工を予定しております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、今後の事業の進め方についてであります。 いわき七浜海道のように、国道・県道・市道・臨港道路等と防潮堤・防災緑地等を有効的にかつ効率よく結びつけ整備していくためには、国・県、市の連携が不可欠と考えますが、どのようにして連携を図っているのか、また図っていくのかについてお伺いいたします。 ◎土木部長(根本英典君) 国・県、市の連携につきましては、平成27年度に、国・県及び市の関係機関で組織する市自転車道路網整備計画・海岸線ルート連絡調整会議を設置し、各種協議・調整を進めてきたところでございます。 平成28年度から平成30年度にかけて、県警本部や市内各警察署を委員に加えるとともに、北への延伸を視野に入れ、広野町と楢葉町にオブサーバーとして会議に参加していただき、ルートづくりや安全対策などの検討、及び整備・管理区分について協議・調整を図り、整備の骨格となる市自転車道路網海岸線ルート実施計画を策定するとともに、公募により、愛称をいわき七浜海道に決定したところでございます。 今年度からは、本ルート整備後の利活用を図るため、新たに相互連携が必要となる市サイクリング協会やいわき観光まちづくりビューローなどを委員に加え、自転車に関する各種取り組みを総合的かつ計画的に推進するため、国の自転車活用推進法に基づく市自転車活用推進計画を本年2月21日に策定したところでございます。 今後も、本調整会議を活用し、国・県を初め、関係機関の皆様の御協力をいただきながら、各種課題に連携して取り組み、より安全で快適な自転車走行空間の形成に努めるとともに、本ルートの効果的な利活用について協議・調整を進めてまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 国道・県道・市道・臨港道路等、防潮堤・防災緑地等の調整には、大変な御苦労があったと推測いたします。引き続き関係各所の連携に努め、より安全安心な施設運営に御尽力いただくようお願い申し上げます。 当市では、コンパクトなまちづくり、環境負荷の低減、市民の健康増進、観光交流人口の低迷などのさまざまな課題をいわき七浜海道を軸としたサイクルツーリズムの推進により解決の手段として取り組んでいこうと考えているようですが、その取り組みを市民と共に成功させるためには、意思の共有を図ることはもちろん、市民の間に盛り上がりをつくることが非常に大切だと考えます。そこで、いわき七浜海道全線開通時や、その利用を図るための定期的なイベントを開催し、盛り上がりを継続していくことが必要であると思います。 そこで、執行部におかれましては、このような市民の機運を盛り上げるためのイベントに関して、まず、いわき七浜海道全線開通時についてどのようにお考えなのかを、御所見をお伺いいたします。 ◎土木部長(根本英典君) いわき七浜海道全線開通時のイベントにつきましては、昨年8月に開催した勿来の関公園・三崎公園間完成式におきまして、テレビや新聞に取り上げられ、市内外に広く周知が図られたことから、今年度の整備区間におきましても、完成イベントを計画しているところでございます。 来年度の整備区間におきましても、完成イベントを計画しているところであり、来年度末に予定している久之浜防災緑地までの整備完成時におきましては、自転車利活用の機運の醸成や、全国屈指のルートとして市内外の皆様に広く周知するために、全線開通イベントの開催を計画しているところであり、白砂青松が広がる美しい海岸線を通る本ルートの魅力や、三崎公園や塩屋埼灯台などの沿線の観光資源の紹介、及び地域の皆様や関係団体と広く連携した記憶に残るアトラクションなど、グランドオープンにふさわしいイベントの内容や構成について、沿線の関係者の御協力をいただきながら、検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) いわき七浜海道全線供用後のサイクルスポーツの振興に関しては、どのようにお考えなのか、その御所見をお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) 本市におきましては、市体育協会が主催するサイクルイベントのほか、各実行委員会により運営されるツール・ド・いわきや太平洋トライアスロンなど、市民の皆様が参加することができるサイクリング関連イベントが開催されてきたところであります。 このような中、いわき七浜海道が全線供用されることにより、サイクルスポーツに対する市民の皆様の機運がより一層高まることが期待されますことから、市といたしましては、関係団体と密接な連携を図りながら、市民の皆様が気軽に自転車に親しむ機会を創出していくとともに、本年度中の作成を予定しているサイクリングマップの活用等を通じ、いわき七浜海道の利用促進を含め、スポーツツーリズムのコンテンツの1つとして、サイクルスポーツの振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(蛭田源治君) ここで、午後3時35分まで休憩いたします。          午後3時21分 休憩---------------------------------------          午後3時35分 再開 △佐藤和良君質問 ○副議長(蛭田源治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。35番佐藤和良君。          〔35番佐藤和良君第二演壇に登壇〕 ◆35番(佐藤和良君) (拍手)35番いわき市議会創世会の佐藤和良です。 東日本大震災と福島第一原子力発電所事故から丸9年を迎えようとしております。改めて、犠牲となられた皆様に哀悼の誠を捧げます。 今、中国発の新型コロナウイルス感染症が世界中に広がり、致死者の増加、都市の封鎖、経済と国際金融への打撃と猛威をふるっております。我が国では国の対応が後手後手で、水際作戦が失敗し、市中に感染が拡大しています。唐突な全国一律小・中学校の休校要請も学校やひとり親・共働き家庭など現場の混乱が心配です。国は、PCR検査の拡充や保険適用などを行い、官民挙げた抜本的な防疫体制を確立して国民の命と健康を守らねばなりません。 昨年の消費税増税により、10月、12月期のGDPが年率換算でマイナス6.3%と大幅下落する中で、新型コロナウイルスの感染拡大は、景気後退の日本経済、さらに本市の地域経済と市民生活に大きな影を落としております。 私は、震災以来、放射性物質による長期の低線量被曝に向き合い、命を守ることを最優先に活動してまいりました。今、新たな国難、命の危機を迎え、改めて、子供たちや市民が安心して暮らせるいわきを目指し、市民の皆様とともに力を合わせてまいります。 それでは、通告順に従い一般質問を行います。 大きな第1点、命を守る、防災・災害に強いまちづくりについてです。 昨年の10月の令和元年東日本台風により、犠牲になられた方々に改めて哀悼の誠を捧げますとともに、生活再建に奮闘しておられる被災者の皆様に、改めてお見舞いを申し上げます。 1点目、台風第19号等水害対応の検証と今後の改善についてです。 現在、本市の災害対応を検証し、今後の防災対策に反映させる災害対応検証委員会が開かれていますが、私にもさまざまな形で市民の皆様から多くの意見が寄せられております。 まず、高齢者等の早期避難に向けた情報伝達の手段・方法について、被災者から住民がうるさいと言うので、10月12日、平窪地区の防災サイレンが鳴らなかった、消防車の音量も低かったと伺いました。 防災サイレンや消防車スピーカーの音量、避難方法など高齢者の早期避難に向けた改善の検討はどうなっているのかお尋ねします。 ◎危機管理監(山田誠君) 市といたしましては、防災情報等を迅速かつ的確に市民の皆様に周知するため、緊急速報メール、いわゆるエリアメールを活用するほか、消防団等の広報車両を活用しながら、放送及び声掛けによる避難誘導等に取り組んだところでありますが、今月12日に情報伝達のあり方を議題として開催した第2回検証委員会におきまして伝達の内容がわかりにくく、改善の必要があるとの意見や、また特に高齢者の方々にも効果的に伝達する手段として、防災行政無線や防災ラジオの活用等について御意見が出されたところであります。 このような中、市といたしましては、情報の伝達文について、市民の皆様がわかりやすい表現に改めるとともに、消防車両につきましては、速度を落として、また、民家の多い場所では停車して、確実に広報を行うなど、きめ細かい広報の実施について取り組んでいるところでありますが、今後におきましても被災された方々への避難行動等に関するアンケート調査や検証委員会における検証を踏まえながら、高齢者の方々や携帯電話を持たない方でも確実に災害情報を取得できるよう、防災行政無線や防災ラジオなどを初めとしたさまざまな手法を対象とし、効果的な情報伝達の方法について、他市における導入事例や費用対効果も勘案しながら検討してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、避難所について、被災者から、好間川は二級河川なのに堤防も水門もない箇所もある。平一中や高校も避難所にしてほしい、平窪の避難所をみはま体育館にしてほしい、高台避難用の用地を造成してほしいとの要望を伺いました。被災者の声に応え、降雨期の6月前に避難所の選定見直しを行うべきではないかお尋ねします。 ◎危機管理監(山田誠君) 災害時における避難所につきましては、地域住民の皆様の御意見を伺いながら、洪水や高潮等による浸水や土砂災害による被災の危険のない建物を基本として指定しております。 令和元年東日本台風等による災害では、市民の皆様の安全性を考慮し、浸水想定区域にある避難所は開設せず、また、避難者の状況に応じて、順次増設して対応してきたところでありますが、一部の避難所に避難者が集中したことにより、受け入れを停止したことや、浸水エリア内にあっても近くの避難所を開設してほしいとの市民の皆様の声を受けとめ、浸水想定区域にある避難所等の状況等に関する調査確認を行っているところであり、今後、検証委員会における避難所開設のあり方に係る検証等を行いながら、次期出水期に備え、避難所の適正な配置等について、検討してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、避難行動要支援者への取り組みについて、会派で視察しました岡山県津山市城西地区のまちづくり協議会は、1998年の吉井川水害で、ボランティア本部を立ち上げ、ゼロからの防災の取り組みとして、内閣府の地区防災計画作成モデル事業になりました。災害時のルールづくり、町歩き、避難所までの地図づくり、防災マップづくり、防災訓練などを進め、2018年の西日本豪雨では、公民館で避難所を開設しております。見守り台帳をつくり、町内ごとの一時避難所の確定、地区防災計画をまとめました。活動のポイントは、1人で避難が容易でない高齢者や障がい者などの避難行動要支援者への対応です。対象者のリスト、見守り台帳を活用して、災害発生時、個々に誰が誰の援護に出向くのかを町内ごとに決めております。 本市も見守り台帳を地域でつくった経験に学んで、避難行動要支援者の個別計画をつくる活動を、地域住民同士のつながりを培って災害時に助け合えるベースづくり、住民共助のノウハウづくりとして進めるべきではないかお尋ねします。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 避難行動要支援者への取り組みにつきましては、災害時に、避難行動要支援者の避難を迅速かつ的確に行うためには、平時から自主防災組織や民生委員、消防団や行政区などの地域関係者間で要支援者の情報を共有し、避難支援者の選定や必要な支援内容を定めておく必要があるほか、防災活動のみならず、普段からの声かけや見守り活動、地区行事への参加など、要支援者が地域社会で孤立することを防ぎ、地域におけるきめ細やかで重層的な支援体制を構築していくことが重要であると認識しております。 今後につきましては、議員おただしの岡山県津山市の事例や、今後開催される災害対応検証委員会での要支援者への支援、避難のあり方に係る検証結果等も踏まえ、要支援者の避難支援体制の強化に努めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、平中平窪戸川原周辺の夏井川堤防の陥没による被害について、福島県は、陥没地の一部を埋め、土のうを3段に積み重ね応急対応しました。堤体がすり鉢状に陥没して水がたまっており、深さ25メートル陥没したと言います。台風第19号の10月12日午後11時半過ぎに、約1キロメートル近くにお住まいの方がドーンという大きな音を2回聞いており、堤体陥没後に陥没地点から夏井川の流水が一挙に流れ込んだと推察されます。2メートルの浸水被害を受けた周辺の民家では、12日夜、2階に避難して難を逃れ、13日夜が明けてから救助隊のゴムボートで2階から救出されました。この周辺は、旧日曹赤井炭鉱の坑道が地下に延びており、過去にも、石炭採掘後の地下空洞が陥没する浅所陥没が発生し犠牲者も出たとのお話も伺いました。 被災から4カ月も経って2月17日に県のホームページにようやく被害情報が公開されたようですが、被害情報の開示が4カ月も大幅におくれたことについて、本市はどう考えているのかお尋ねします。 ◎土木部長(根本英典君) 県によりますと、平中平窪地区で発生した夏井川堤防の陥没につきましては、原因を特定するため、国の外郭団体である独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構と現在も調整が進められているところであり、公表までに時間が必要であったと伺っております。 市といたしましては、今後、迅速で正確な情報の収集方法や効果的な情報の発信方法につきまして、県とともに、改善に努めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) これは平窪の被災者の方は、実際に被害地点あるいは決壊箇所陥没地点というような形で表示されていないと、ずっと地図にも載っていないんではないかということで、大分行政に対する不信感を募らせてきたわけですよね。4カ月もたつというのは、被害地点を表示するということにおいてもおかしな話で、こういうことは早急に調査が終わらずとも陥没して決壊しているのは明らかなんですから、そういうことはきちんと情報を開示すべきだと思います。 次に、夏井川河川防災センターについて、流域住民から立地位置が一番危険、どんな役割を果たしたのか等の指摘があり、今般の状況を踏まえ今後どのように運営するお考えかお尋ねいたします。 ◎土木部長(根本英典君) 夏井川河川防災ステーションにつきましては、国が創設した河川防災ステーション整備事業により、建設した施設であり、その立地につきましては、市街地を流れる夏井川の氾濫等に早急に対応するため、重要水防区域の近傍や比較的交通路が遮断されにくい箇所を選定し、平成9年4月より供用を開始したものでございます。 当該ステーションは、洪水時における水防活動の拠点、緊急資材の備蓄、近隣地区住民の避難場所等の機能を有しておりますが、今回の令和元年東日本台風等におきましては、大規模な浸水等があったため、その機能を果たせなかったところでございますが、浸水などによる施設の本体への被害はございませんでした。 今後におきましても、近年の頻発化、激甚化する水災害に対応するため、当該ステーションの役割は重要であると認識しており、災害規模や被災状況に応じた運営のあり方について、検討してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、職員に対する災害時の初動訓練について、被災者から、幕の内では断水のときに水で薄める消毒剤が配布された、考えて対応してほしい、役所の対応窓口の担当者それぞれのレベルだが、瞬時に判断できることが大事、対応する職員が不足などの声が寄せられました。 職員の災害時の初動について、検証の上、マニュアルを改善して訓練を実施すべきではないかお尋ねいたします。 ◎危機管理監(山田誠君) 市におきましては、市地域防災計画や市業務継続計画において、市災害対策本部の組織及び事務分掌を部局単位に定め、刻々と変わる災害の状況、災害のニーズに対応しながらさまざまな対策に取り組むこととしております。 令和元年東日本台風等による災害対応につきましては、災害対応に関する取り組みのほか、本市の災害対応体制の強化に向け、検証を行うこととしており、現在、災害対策本部における取り組み状況やその課題・問題点の抽出、さらには改善に向けた検討などに取り組んでいるところであります。 今後、これらの検証結果等を踏まえながら、今後も想定される大規模災害に備え、市地域防災計画や市業務継続計画の見直しを行うとともに、職員の防災意識のさらなる醸成に加え、初動対応の迅速化、危機管理体制の充実・強化を図る観点から、災害対策本部における初期対応訓練を実施してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) この件についてはきちんとマニュアル化されているのであれば、そのマニュアルの改善をして、現実に合った対応がそれぞれの現場でできるようにきちんと訓練をするということは大事だと思います。 次に、いわき市台風第19号における災害対応検証委員会の検証作業について、6月の降雨期前に検証を終了し報告書を公表すべきではないかお尋ねします。 ◎市長(清水敏男君) 検証委員会につきましては、昨年12月24日に第1回会議を開催し、今月12日には情報伝達のあり方を議題とする第2回会議を開催したところであります。 今後、被災された方々に対する避難行動等に関するアンケート調査や関係者等に対するヒアリング調査等を実施し、各課題ごとに状況の確認、課題の整理等、検証を行い、本年夏ごろには最終報告を取りまとめてまいりたいと考えておりますが、早期に取り組むべきものについては中間的な取りまとめを行いながら、速やかに実施するよう努めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 具体的に、変えると、変わったと、やはり大きな災害の後にその初動についてあるいは行政の対応についての批判というのは一定程度あって、それがどう変わっていくのかというのが大きなポイントになっていますので、最終報告前に大まかな施策として実行できるというものをピックアップして公表して、降雨期前にそれを実際にやるということを実現していただきたいということを重ねてお願いしたいと思います。 2点目は、夏井川等の河川改修などの水害対策についてです。 まず、夏井川の河川改修工事について、河川改修に伴い土地の買い上げが必要な部分もあり、河道掘削、堆砂除去、立木伐採、堤防かさ上げ、堤体補修など河川改修工事について、河川管理者である県はどう進めようとしているのかお尋ねいたします。 ◎土木部長(根本英典君) 夏井川につきましては、令和元年東日本台風による被災箇所につきまして、本年1月に国の災害査定が終了したことから、次期出水期となる5月末までの本復旧完了を目指し、現在、発注準備を進めているとのことであり、県では、原形復旧にとどまらず、河道掘削や無堤区間の築堤、及び粘り強い構造での堤体補強や堤防天端舗装等による改良復旧について、現在、国と協議中であり、早ければ3月末から地元説明会を開催し速やかに工事に着手する考えであると伺っております。 ◆35番(佐藤和良君) この地元説明なんですね、12月定例会でも申し上げましたけれども、やはり平窪の皆さんそれぞれ具体的に夏井川の改修がどう進んでいくのか、本当に自分たちは平窪に持続的に住み続けることが可能なのかということを心配しているわけであります。子供たちの学校の通学もどうなるんだということも含めて、必死の思いで生活再建のために今頑張っているところなので、予算がついて事業が具体的に決まってこないと事業説明はできないというのは当たり前ではあるんですけれど、これは住民の方からすれば、何で早く説明をしてくれないんだと、住民に説明してくれないんだ、こういう声がやっぱり強いんですね。ですから3月下旬ということなんでしょうが、なるべく早く住民に対する説明会というのを丁寧に細かく、皆さんが聞けるような時間帯を設定してやっていただきたいと思います。 次に、好間川について、堤防も水門もない浸水地域に対し、今後どう対策を進めるのかお尋ねします。 ◎土木部長(根本英典君) 好間川の浸水地域に対する対策につきましては、県によりますと、今般の被害等を踏まえ、流域にお住まいの方々の安全性を確保するため、好間町下好間字渋井地内の未改良区間について、築堤など、一定の計画基準までの施行が可能となる改良復旧事業の採択に向け、現在、国と協議中であると伺っております。 ◆35番(佐藤和良君) ぜひ進めていただきたいと思います。 次に、夏井川支流の小玉川を初め差塩、沢渡、永井などの護岸工事について、今後どう進めるのかお尋ねします。 ◎土木部長(根本英典君) 夏井川支流の小玉川を初め上流域の河川災害につきましては、小玉川で7カ所、好間川で17カ所の護岸崩落や河床洗堀などの被害が発生しており、本年1月に、国の災害査定が終了したことから、現在、被災箇所の速やかな復旧を目指し、発注の準備を進めているところでございます。 ◆35番(佐藤和良君) よろしくお願いします。 次に、新川について、堤防のコンクリート壁の亀裂・破断箇所の堤体補修や河道掘削などは、県はどう進めるのかお尋ねします。 ◎土木部長(根本英典君) 新川における堤防のコンクリート壁の亀裂・破断箇所につきましては、県によりますと、今年度中に優先度の高い箇所の補修を完了させる予定であるとのことでございます。また、洪水時の河川水位の低下を図るための河道掘削や樹木伐採につきましては、昨年9月の入札が不調となったことから、予算の繰り越しも視野に入れ、再度の入札事務の準備中であり、受注業者決定後、速やかに工事に着手する考えであると伺っております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、矢田川等の河道掘削について、矢田川及び蔵持川などの河道掘削を促進するよう、県に求めるべきではないかお尋ねします。 ◎土木部長(根本英典君) 矢田川や蔵持川などの河道掘削につきましては、県によりますと、藤原川水系河川改良促進期成同盟会などの要望等を踏まえ、継続的な実施に努めており、矢田川におきましては、これまで小名浜林城や鹿島町御代、船戸、及び久保地内において、堆積土砂が著しい箇所の河道掘削や樹木伐採を実施しているとのことでございます。 また、蔵持川におきましても、鹿島町久保地内において、河道掘削等を実施する予定でございましたが、昨年9月の入札が不調となったことから、予算繰り越しも視野に入れ、再度の入札準備中であり、受注業者決定後、速やかに工事に着手する考えであると伺っております。 市といたしましては、今後におきましても、矢田川や蔵持川の河道掘削等が促進されるよう、地域の方々や期成同盟会の皆様と連携し、県に対し、引き続き働きかけを行ってまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 気候変動が進行中です。二度と犠牲を出さないように、情報公開を徹底して、6月の降雨期前に検証を終えて、具体的施策を確立すること、そして人命最優先の開かれた治水と河川の抜本的な改修を進めることを要望しまして次に進みます。 大きな第2点は、命を守る、福島第一原発事故の現状とタンク貯蔵汚染水の海洋放出についてです。 福島第一原発事故はいまだ収束せず、2011年3月11日に国から出された原子力緊急事態宣言も解除されておりません。 1点目は、原子力緊急事態が進行中の福島第一原発事故の現状等についてです。 まず、福島第一原発における相次ぐトラブル・事故について、2019年は、台風第19号による雨水の建屋内への大規模な流入による汚染水8,000トンもが増加しました。排気筒汚染水の土壌への流出、6号機新燃料の燃料棒の損傷事故、1・2号機排気筒解体作業のトラブルと続き、今年に入っても2号機タービン建屋におけるサブドレン運転制限値の逸脱など、トラブル・事故が頻発しております。こうしたトラブル・事故について軽視してはならず、本市として市民の安全・安心の確保の観点から、その都度説明を聞き、原因を明らかにさせ再発防止対策を求めるべきではないかお尋ねします。 ◎危機管理監(山田誠君) 福島第一原子力発電所の事故以来、市ではこれまで、当該発電所においてトラブル等が発生した際には、その都度、東京電力に対し、原因究明と再発防止策を求めるとともに、国の廃炉・汚染水対策福島評議会や、県の廃炉安全監視協議会を初めとしたさまざまな機会を通して、廃炉作業の着実な推進と確実な安全確保を求めてきたところであります。 しかし、いまだに、1・2号機排気筒解体作業が度重なるトラブルにより、当初の予定より約4カ月程度おくれる等の事例が発生しておりますことから、先月9日には、市長みずから現地に出向き、状況を視察するとともに、同月28日には、同じく、市長みずから、東京電力の小早川代表執行役社長に対して、福島第一原発における安全確保や再発防止対策の徹底等について強く申し入れたところであります。 市といたしましては、今後も引き続き、市民の皆様が安全・安心に生活できるよう、さまざまな機会を捉えて、国及び東京電力に対して廃炉作業における安全対策の実施等について強く求めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、東京電力の人員及び資金投入のあり方についてです。原子力規制委員会も東京電力のいわゆるカイゼン活動が、コスト削減策で人員及び資金が投入されていないと指摘しておりまして、作業員の労働環境の悪化、労災事故の原因の1つとなっていることから、本市の市民が多数、事故収束作業に従事していることに鑑み、本市としても適正な人員及び資金投入を東京電力に申し入れるべきではないか、お尋ねします。 ◎危機管理監(山田誠君) 福島第一原発の廃炉に当たりましては、作業の着実な推進及び確実な安全確保が重要であることから、市では改めて、東京電力は、事故に対する福島への責任を全うすることを最大最優先するべきとの観点に立ち、昨年11月、市長みずから、東京電力に対して、東京電力ホールディングスを挙げて人的資源を含めた全ての経営資源を福島に投入するよう、強く求めたところであります。 こうした中、東京電力は、1月に開催された原子力規制委員会との意見交換において、廃炉作業における頻発するミスの原因を人員不足による現場の事前確認不足と認め、廃炉の工程管理や安全確保体制の強化を図るため、福島第一原発で働く社員を、来年度、70名から90名程度増員する方針を表明したところであります。 市といたしましては、今後の動向を注視しながら、引き続き、さまざまな機会を捉えて、東京電力に対し、現場を重視した体制の強化や廃炉作業における確実な安全対策の実施について強く求めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) この場合、東京電力の本体の人員の確保ということももちろんあるんですけれど、結局現場の作業をするのは協力企業、二次、三次、四次、五次の作業員の方たちなんですね。ですからそういう人たちがコストカットで働きづらい、あるいは働けないというような現状がつくられていてそこのところをきちんと担保させるということが視点として大事なので、市長がそういう要望活動を行ったときに本体ばかりではなくて、協力企業の安定的な体制をとってほしいということもぜひ要望していただきたいと思います。そのことを1つ要望させていただきたいと思います。 2点目は、タンク貯蔵汚染水の海洋放出についてです。 経済産業省のALPS小委員会の報告書と本市の今後の対応についてです。同委員会は1月31日タンク貯蔵汚染水の処分方法について、海洋放出はより確実に実施できるとして、陸上保管を求める漁業者や海洋放出反対の多数の県民世論を無視しました。本市は、経済産業省や政府の原子力災害対策本部に対して、市民の安全・安心の確保、潮目の海と常磐ものの保護、漁業者を初めとする市民のなりわいを守るために、市民への説明・公聴会の開催を求めるとともに、海洋放出をやめ、陸上保管を求める要望活動を進めるべきではないかお尋ねします。 ◎危機管理監(山田誠君) 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会は、アルプス処理水の取り扱いについて、今月10日、海洋放出と水蒸気放出に処分方法を絞り込んだ報告書を政府へ提出したところであり、今後は、国が地元を初めとした幅広い関係者の意見を聞きながら、方針を決定していくとのことであります。 アルプス処理水の取り扱いは、国が責任を持って取り組むべきものであり、また、漁業や観光業等、市内のさまざまな産業に影響を与える問題であることから、市といたしましては、今後、国や東京電力は、みずから前面に立ち、選択する処分方法やその安全性、さらには具体的な風評対策やその効果等について、最大限の努力を行いながら、住民や関係者の理解を得ることが必要であると考えております。 こうした考えのもと、今月19日に開催されました国の廃炉・汚染水対策福島評議会におきまして、市長みずから、国が住民理解に尽力すること等、責任ある対応を行うよう求めたところであり、今後も引き続き、国や東京電力に対して、機会を捉え、強く求めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) この陸上保管できないと東京電力が言い、国がそれを認めている理由は、取り出す当てのない燃料デブリを保管する場所を確保すると、これだけの理由なんですよ。それより何より漁業者、あるいは漁業、そして関係する人々の生活を奈落に落とすような、そういう海上放出を決めてしまおうとすることに対して、やはり本市としてはきちんと陸上保管だということを表明していくべきでなはいかと思うんですね。 茨城県知事が茨城沿岸地区の漁業協同組合連合会の要請に応えて、汚染水の海洋放出についてまったく容認できないという気持ちは同じであり、状況を国にきちんと伝えたいと表明しております。まさに常磐ものを共有する茨城の人たちがこうやって、知事も頑張っているわけですから、ここは市長、もう少しはっきりと漁業者を守る、漁業を守る、常磐ものを守るということを表明して、汚染水の陸上保管をぜひ進めてくれと政府にきちんと言うべきだと思うんですが、市長の御所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 先ほどの答弁にもありましたように、先月19日に開催されました経済産業副大臣を議長とする廃炉・汚染水対策福島評議会におきまして、私を含め浜通りの首長等から処分方針を決定していくに当たって、まずはトリチウムに関する正確な情報を日本のみならず、世界に対して発信するべき、時期ありきではなく具体的な風評対策等を示して説明するべきとの御意見が相次いだところでございます。 私はその際、あわせて国が今後アルプス処理水の処分方針を決定していくに当たっては、みずから前面に立ち、責任を持って選択する処分方法とその安全性及び具体的な風評対策とその効果等をあわせてセットで説明し、住民や関係者の理解を得るよう最大限の努力をするよう求めたところであります。 福島第一原発のタンクが満杯になると予想されている2022年夏までに対応が間に合わない場合等、あらゆるケースを想定した対策についても求めたところであります。 ◆35番(佐藤和良君) やはり漁業者を守るんだと、常磐の海を守るんだと、常磐ものを守るんだと、これがいわき市の生き方なんだということをもう少しはっきりと言っていくというのがいわき市の立場ではないかと、せっかく議会が挙げて全会派で魚食条例を通して、市としても魚食をきちんと位置づけようと言っているときに海洋放出などというものはありえないということをはっきり言っていくべきだと思います。次に進みます。 大きな第3点は、阿武隈山地における風力発電事業による土砂災害等の未然防止についてです。 環境アセスが続いております阿武隈山地の大規模風力発電事業計画について、台風第19号等よる夏井川流域等の豪雨災害を踏まえて、いわき地域学会など6市民団体が賛同して山間部の大規模な開発は広範囲の森林伐採を伴い、山の保水力の低下により今以上に土砂崩れや下流域での洪水被害が危惧されるとして、市長に大規模風力発電事業の見直しを求める要望書が提出されております。 1点目は、(仮称)阿武隈南部風力発電事業における土砂災害等の対策について、まず、台風第19号等による夏井川上流部の被害等について、主な被害状況はどのようなものかお尋ねします。 ◎農林水産部長(本田和弘君) (仮称)阿武隈南部風力発電事業予定地付近の夏井川流域の被害状況につきましては、小川地区の林道母成線において、路肩崩落等が約50メートルにわたって発生するとともに、背戸峨廊においても、登山道の一部が損壊するなどの被害が発生し、現在、入山禁止としているところでございます。
    ◆35番(佐藤和良君) 次に、(仮称)阿武隈南部風力発電事業における土砂災害等の対策について、環境影響評価の現状はどうなっているのかお尋ねします。 ◎生活環境部長(荒川信治君) (仮称)阿武隈南部風力発電事業につきましては、現在、環境影響評価法に基づく環境影響評価の手続中であり、平成30年7月6日に公告された環境影響評価準備書によりますと、造成等の施工による水環境への影響に係る環境保全措置として、沈砂池や土砂流出防止柵等の設置、改変面積及び樹木伐採を可能な限り小さくすることなどにより、造成等による影響の低減が図られる計画となっております。 また、市といたしましては、当該準備書の手続において、県に対し、風力発電施設の設置等に当たっては、十分な地盤調査等により地層の状況を確認し、工事に伴う土砂災害が生じないようにすることや、土砂災害が生じた場合の対応方法を環境影響評価書へ具体的に記載するよう意見していることから、今後、当該意見や令和元年東日本台風による被害などの環境影響評価書への反映状況について、確認してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、約80ヘクタールの稜線を含む山林の大規模な林地開発について、本事業がさらなる災害を誘発しないと言い切れるのかどうかお尋ねします。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 当該事業につきましては、現時点におきまして、詳細な工事内容や安全対策等が明らかとされていない状況にありますことから、市といたしましては、災害を誘発するか否かを判断することは困難な状況であります。 なお、当該用地は国有林にありますことから、今後、事業者が行う土地使用許可申請の際には、国が土砂の流出や水害を発生させるおそれがないか等を判断することとなります。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、夏井川上流の水源涵養保安林の解除について、解除して風車設置を許可することは、水源地が荒れ、保水力を低下させ、下流域の土砂災害や洪水をさらに誘発し、いわき市民の水道水に影響が出ることも懸念されるため、本市としては、その解除は認めない対応をとるべきではないかお尋ねします。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 事業者が国に対して保安林解除の申請を行う場合、保安林の解除について、市の同意書の添付が必要となりますが、現時点におきましては、詳細な工事内容等が明らかとされていないことから、同意の是非について判断することは困難な状況となっております。 ◆35番(佐藤和良君) 現時点では判断は困難だということでありますが、今後事業者のほうから具体的にそういう保安林の関連の手続が、解除してくれというような形で出てきた場合には、今回の気候危機による台風被害というような現状をやはり重く受けとめて、その総括に立って土砂災害等の未然防止ということを担保するような対応をとるべきではないかと思うんですがいかがでしょうか。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 保安林解除の申請における市の同意に当たっては、工事の内容、それから今回の台風被害の状況等も勘案しながら、その是非について判断してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 2点目は、(仮称)三大明神風力発電事業における土砂災害等の対策についてです。 まず、台風第19号等による(仮称)三大明神風力発電事業地域の土砂災害や生活水への影響等について、本市は被害をどう把握しているのかお尋ねします。 ◎土木部長(根本英典君) (仮称)三大明神風力発電事業予定地付近における令和元年東日本台風等による土砂災害等につきましては、河川では、折松川、天王川、及び上遠野川等におきまして計7カ所、林道では、遠野町上根本地内ほかにおきまして計4路線の土砂流出を伴う被害があったところでございます。 ◆35番(佐藤和良君) 被害が多々あるわけでございます。 次に、事業地域の大半が国交省ハザードマップの土石流危険渓流の指定区域であり、福島県河川情報システムでも土石流危険箇所、関東森林局山地災害危険地区図でも崩壊土砂流失危険地区に指定され、住民の住む麓の地域が土砂災害警戒区域や特別警戒区域となっております。住民が不安を覚えているわけでございます。 本市は住民の不安は取り除かれたと理解しているのかお尋ねします。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 風力発電事業につきましては、住民の皆様の十分な理解のもと、適切な環境保全措置を講じた上で実施されるべき事業であることから、これまで環境影響評価法の手続において、事業者及び県に対し、住民の皆様の理解の醸成を図るとともに、環境全般への影響の回避・低減を図った上で、環境保全に十分配慮しながら、事業を進めるよう意見しているところであります。 市といたしましては、今後におきましても、事業者に対し、周辺住民の皆様へ事業による環境への影響を積極的かつわかりやすく説明するとともに、意見や要望など住民の皆様の不安に対しては、十分な説明や誠意を持って対応するなど、引き続き、誠実に理解の醸成を図るよう意見・指導してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、土砂災害や生活水への影響等の未然防止について、本市は事業者に対して土砂災害の影響評価を求め、住民の安全・安心の確保を実現すべきではないかお尋ねします。 ◎生活環境部長(荒川信治君) (仮称)三大明神風力発電事業につきましては、環境影響評価法に基づく環境影響評価準備書の手続において、県に対し、土砂災害警戒区域等に近接している風力発電施設の位置変更や減数を検討することや、地下水や湧水などに係る事前・事後モニタリングを実施することなどについて意見したところであります。 市といたしましては、今後、当該意見や令和元年東日本台風による被害などの環境影響評価書への反映状況について確認するとともに、住民の皆様の安全・安心を確保する観点から、地元自治会、事業者及び市の三者による風力発電施設の運用・管理等に関する三者協定の締結について、協議を進めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、区長さんの同意と住民の反対署名数についてです。 住民の8割の反対署名は重く、本市はその意思を反映する対応をとるべきではないかお尋ねします。 ◎生活環境部長(荒川信治君) (仮称)三大明神風力発電事業に対する8割の地元世帯の反対署名につきましては、県に対して提出されたものでありますが、一方で、事業実施区域の行政区におきましては、当該行政区の約8割の世帯が事業に係る同意を支持する署名を県へ提出したと聞いております。 このような状況から、市といたしましては、事業者に対し、住民の皆様の安全・安心を確保する観点から、事業の実施に当たっては、誠実に理解の醸成を図るよう意見・指導しているところであります。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、合同会社ユーラス三大明神について、資本金100万円という規模ですが、事業や事業終了後の対応等への資力が担保されているのかお尋ねします。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 合同会社ユーラス三大明神につきましては、(仮称)三大明神風力発電事業の事業者である株式会社ユーラスエナジーホールディングスが当該事業の運営を目的に100%の出資により設立した法人であり、事業運営の業態の1つであります。 このようなことから、市といたしましては、今後の地元自治会、事業者及び市の三者による風力発電施設の運用・管理等に関する三者協定については、株式会社ユーラスエナジーホールディングスを含めた協定の締結に向けて、協議を進めているところであります。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、水源涵養保安林の解除について、本市は住民の安全と生活の安定を第一に考えて、合同会社ユーラス三大明神風力による保安林解除の申請に対し、県及び国にその解除は認めない対応をとるべきではないかお尋ねします。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 事業者が国に対し保安林解除の申請を行う場合、保安林の解除について、市の同意書の添付が必要となりますが、現時点におきましては、詳細な工事内容等が明らかとされていないことから、同意の是非について判断することは困難な状況となっております。 ◆35番(佐藤和良君) これも阿武隈南部と同じ回答だと思いますが、今般の台風第19号の影響、気候危機による影響の甚大化、被害の広域化というようなことを考えますと、きちんと影響の評価をした上で、被害の未然防止という立場に立って、やはりこの保安林の解除についても考えていくべきではないかと思いますがいかがでしょうか。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 保安林解除の判断に当たりましては、その詳細な工事内容をよく吟味するとともに、今回の台風等の状況、地域の状況なども勘案しながら適正に判断してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 風力発電事業による土砂災害等の未然防止の観点からも、従来の導入促進一本槍から、市民の安全・安心を第一に考えて、適地・不適地のゾーニングを行うなどの環境に調和した適正導入に転換すべきときではないかと思うんですね。 その点で市長の御所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) ただいま議員御指摘のゾーニングにつきましては、この風力発電施設は一自治体のみならず、広域にわたるケースも考えられますので、こういったことにつきましては県が判断することではないかと思っております。 ◆35番(佐藤和良君) 県が県がで広域自治体が判断するんだという逃げをずっと本市は打っていますけれども、前にも紹介したように浜松市では基礎自治体でゾーニングをやっているわけですね。それはやっぱりこういう気候変動の時期、あるいはさまざまな変化に対して対応するようにということを考えると、適地と不適地をきちんとゾーニングして適正な風力の導入を図るというふうに転換していかないと、一方では風力がイノベーション・コーストの大きな柱だと言い続けていくのであれば、それに対応した対策をきちんととっていかなければならないということが自明ではないかと思われますので、今後ともこの件については取り上げてまいりますから、また皆さん執行部の方も検討していっていただきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)--------------------------------------- △散会 ○副議長(蛭田源治君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 次の本会議は、3月2日午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。          午後4時25分 散会---------------------------------------...