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09月17日-02号

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  1. いわき市議会 2019-09-17
    09月17日-02号


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    最終取得日: 2021-07-12
    令和 1年  9月 定例会            令和元年9月17日(火曜日)議事日程第2号 令和元年9月17日(火曜日)午前10時開議  日程第1 市政一般に対する質問---------------------------------------本日の会議に付した事件          〔議事日程第2号記載事件のとおり〕---------------------------------------出席議員(37名)     1番  川崎憲正君      2番  木田都城子君     3番  木村謙一郎君     4番  山守章二君     5番  塩沢昭広君      6番  柴野美佳君     7番  鈴木 演君      8番  田頭弘毅君     9番  坂本康一君      10番  伊藤浩之君     11番  狩野光昭君      12番  福嶋あずさ君     13番  小野潤三君      14番  西山一美君     15番  永山宏恵君      16番  大峯英之君     17番  小野 茂君      18番  塩田美枝子君     19番  馬上卓也君      20番  赤津一夫君     21番  渡辺博之君      22番  溝口民子君     23番  坂本 稔君      24番  上壁 充君     25番  蛭田源治君      26番  菅波 健君     27番  大友康夫君      28番  阿部秀文君     29番  安田成一君      30番  吉田実貴人君     31番  蛭田 克君      32番  磯上佐太彦君     33番  小野邦弘君      34番  石井敏郎君     35番  佐藤和良君      36番  樫村 弘君     37番  佐藤和美君欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者 市長         清水敏男君   副市長        上遠野洋一君 副市長        渡辺 仁君   教育長        吉田 尚君 水道事業管理者    木村 清君   病院事業管理者    平 則夫君 代表監査委員     小野益生君   農業委員会会長    草野庄一君 選挙管理委員会委員長 飯間香保子君  総合政策部長     大和田 洋君 危機管理監      山田 誠君   総務部長       岡田正彦君 財政部長       澤田洋一君   特定政策推進監    緑川伸幸君 市民協働部長     下山田松人君  生活環境部長     荒川信治君 保健福祉部長     飯尾 仁君   こどもみらい部長   高萩文克君 農林水産部長     本田和弘君   産業振興部長     石曽根智昭君 土木部長       上遠野裕之君  都市建設部長     高田浩一君 会計管理者      大平喜重君   教育部長       高田 悟君 消防長        猪狩浩二君   水道局長       加藤弘司君 医療センター事務局長 鈴木善明君   参事(兼)秘書課長   赤津俊一君 総務課長       阿部 通君---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長       山崎俊克君   次長         國井紀子君 総務議事課課長補佐  金山慶司君   総務議事課課長補佐  馬目皇子君 主任主査(兼)議事運営係長   鈴木 潤君---------------------------------------          午前10時00分 開議 ○議長(菅波健君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第2号をもって進めます。--------------------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問 △西山一美君質問 ○議長(菅波健君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。配付の質問通告表の順に発言を許します。14番西山一美君。          〔14番西山一美君第二演壇に登壇〕 ◆14番(西山一美君) (拍手)おはようございます。14番いわき市議会志帥会の西山一美です。通告順に従いまして、市政一般について質問をいたします。 大きな質問の1番目は、新たないわき市総合計画の策定についてであります。 私は、昨年9月定例会において、新たないわき市総合計画の策定の考え方について質問をいたしました。その答弁では、総合計画策定の根拠となっていた地方自治法において、平成23年の法改正により、総合計画基本構想の策定義務が削除され、市町村の自主性が尊重されることとなりました。しかし、本市は、これまでの計画に位置づけられてきた将来のいわきの姿や基本的なまちづくりの姿勢など長期的視点に立った目標や方向性は、さまざまな施策領域を横断的につなぐ役割を果たすとともに、部門別計画等の内容や規模・時期等を、事業効果や必要性、緊急性などの観点から調整する役割も果たしていること、また、長期的目標や方向性を市民の皆様と共有することが共創のまちづくりの推進につながることなどから、総合計画の策定義務はなくなっても、同様の役割を担う枠組みは必要と考え、引き続き、新たな総合計画を策定していくとのことでした。 今後、市民の皆様と市がまちづくりの諸課題について認識を共有し、ともに地域課題の解決と創造に取り組む共創のまちづくりがより重要性を増すとの視点から、目標や進捗状況などを市民の皆様と共有し、計画を推進していくとのことでもありました。 しかしながら、その時点での私の率直な印象は、大枠については理解できたものの、まだまだ具体的なところまでは煮詰まってはいないなというものでした。 昨年の質問の最後に、引き続き総合計画を策定するのであれば、これまで5度にわたり実施してきた総合計画の検証と総括をしっかりと行い、その結果を反映させることで、次期計画がより現実的なものになっていくという趣旨の指摘をいたしました。 そこで、改めて現行計画について質問をしていきたいと思います。 1点目は、現行計画の総括についてです。 20年という長い時間の中、地域を経営する視点に立ちながら、市民の皆様一人一人が主役となり、地域を舞台に生き生きと活動できるための自治の仕組みづくりや成果を重視した行財政運営を進めるというコンセプトのもとで実施されてきた現行計画でありますが、まず1つ目として、どのようにして現行計画を検証したのか、その手法について伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 現行計画の検証につきましては、市内に在住する18歳以上の市民3,000名を対象として、現行計画の満足度や優先度などを伺う市民アンケート調査を実施しましたほか、若年層を初めとしたさまざまな世代や各種活動を行っている団体へのヒアリング、いわゆるセグメント懇談会を開催するとともに、市総合計画審議会、委員に対しましては、会議の開催や個別ヒアリングを通じて、さまざまな意見を伺ったところであります。 また、庁内の動きといたしましては、現行計画の政策の柱ごとに位置づけている成果指標の進捗状況を把握したほか、各部の次長等で構成する市総合計画策定委員会を開催し、各部等の意見を聴取するとともに、職員個人へのアンケート調査を実施したところであります。 ◆14番(西山一美君) 市民アンケートは、総合計画に限らずこれまでも、いろいろな計画の策定や改定のたびに行われてきました。 どのような計画においても似たような傾向だとは思いますが、この手法だとなかなか若い皆さんの意見が吸い上げにくいことから、今回は、それをフォローアップする取り組みも実施されているので、大変評価をできるポイントだと受けとめております。そこで、それぞれの取り組みの具体的な内容について伺っていきたいと思います。 2つ目として、市民アンケートから見えた特徴について伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 市民アンケート調査につきましては、調査対象3,000名のうち、1,260名から回答を得ており、現行計画の評価やまちづくりの視点などの調査項目からは、男女や年齢を問わず、防災、子育て及び医療など、安全・安心に対する強い関心が示されたほか、住みよさ、幸福度などの調査項目からは、市民満足度の向上や公平性の視点を持つことが共創のまちづくりの意識向上・強化につながることなどが把握できたところであります。 ◆14番(西山一美君) やはり、回答している方が高齢者の皆様が多いということで、納得のできる結果が出ていると受けとめています。 それでは、3つ目として、特定の対象者をターゲットに絞って懇談会を実施する、いわゆるセグメント懇談会の結果から見えた特徴について伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) セグメント懇談会につきましては、平成30年度におきまして、15の機会を捉え、延べ1,000名を超える方々の意見をお聞きしたところであります。 同懇談会におきましては、とりわけ、先ほど申し上げた市民アンケート調査の対象となっていない市内の高校生、約560名に対し、独自にアンケートを行ったところであり、その中での特徴的な意見といたしましては、希望する就職先等がないことや、都会や他の地域に魅力を感じることなどの理由により、卒業後には本市での生活を希望しないとした声が4割弱となっております。 その一方で、本市の将来のために自分ができることとして、SNS等を活用した情報発信やボランティア活動ふるさと納税等を挙げるなど、本市を離れたとしても何らかのつながりを持ち続けようとする意識も持ち合わせていることなどが把握できたところであります。 ◆14番(西山一美君) 若い皆さんが、いわきとのつながりを持ち続けたいという気持ちになってくれているのは、大変喜ばしいことです。 今の高校生は、東日本大震災のときには小学生でした。震災当時、避難所では助け合いの精神でみんなと励まし合ったり、時には頼もしいボランティアスタッフとして頑張った経験がいわき愛に満ちた若者を育んでいるのかと思います。 それでは、4つ目として、成果指標の達成状況の把握から見えた特徴について伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 成果指標の達成状況を現行計画の政策の7つの柱ごとに申し上げますと、復興及び美しい環境を守り、育てあうにつきましては、おおむね良好に進捗しており、市民の満足度も平均して高く、心をつなぎ、支えあうにつきましては、出生率や医師数といった全国的な課題などもあり、今後、最も優先すべき政策となっております。 次に、学びあい、高めあうにつきましては、歴史・伝統・文化・芸術分野の成果指標を達成している状況にあり、市民の満足度はおおむね良好で、魅力を育み、磨きあう及び活気を生み、力を伸ばしあうにつきましては、市街地や中山間地域のまちづくり、産業振興などに積極的に取り組んでまいりましたが、さらなる努力が必要で、引き続き優先すべき政策となっております。 最後に、交わり、連携を強めあうにつきましては、指標の達成状況はおおむね良好であるものの、公共交通等のあり方の検討が必要との結果となっております。 ◆14番(西山一美君) 5つ目、これからの取り組みを経て現行計画をどのように総括しているのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 市といたしましては、5年ごとの基本計画の見直しや、毎年度の実施計画の進行管理を行い、現行計画に基づくまちづくりを推進してきたところであります。 特に、東日本大震災後におきましては、基本計画の重点戦略に復興や市創生総合戦略の内容を位置づけることにより、復旧・復興に最優先で取り組むとともに、人口減少の進行に歯どめをかけ、将来にわたるまちの活力の維持に努めてまいりました。 その結果、復興につきましては着実に進捗が図られ、また、市民アンケート調査におきましては、7割以上の方が幸せであると実感しており、幸せではないと感じている7%を大きく上回る結果が得られるなど、現行計画に基づくまちづくりにつきましては、一定の成果が得られてきているものと認識しております。 一方で、暮らしの安全や子育て、医療を初め、市街地や中山間地域のまちづくり、若年層の地元定着など、市民の皆様が優先度が高いと考えている分野や、さらなる努力が必要であると感じている分野につきましては、今後も課題解決に向け、より一層、注力していくべきであると認識しております。 ◆14番(西山一美君) ただいまの結果が高いと見るのか低いと見るのか、その評価は分かれると思いますが、答弁の柱ごとの分析も含めて、この結果を次の総合計画づくりにどう反映していくのかが大変重要だと考えます。 そこで、2点目は、新たな総合計画の基本的な考え方についてであります。 昨年9月定例会で、市長は、新たないわき市総合計画の策定に当たって、いわき創生総合戦略市公共施設等総合管理計画市以和貴まちづくり基本条例など、市の政策広範にわたる既存計画や条例などの内容・枠組みを尊重し、長期的視点に立った目標や方向性を整理する一方で、環境変化が著しい中、市民ニーズまちづくりの諸課題に対し、緊急性・重要性等を踏まえながら、機動的に政策効果の高い事業推進が図れるよう、柔軟な計画の構成を検討していくと答弁をしています。 そこで、1つ目として、これまで現行計画の検証を進めてきた中で、新たな総合計画のあるべき姿とはどのようなものと考えるのか所見を伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 地域を取り巻く課題は、人口減少の進行や頻発する自然災害、さまざまなインフラの老朽化など深刻化・現実化するとともに、立場や考え方が異なるさまざまな関係者に影響を及ぼすような複雑化・多様化した課題も増加しつつあり、1つの普遍的な答えを導き出すことは困難になりつつあるものと認識しております。 このような背景を踏まえた上で、市総合計画審議会からは、新たな計画につきましては、まちづくりは常に未完成であると捉え、共創力を発揮しながら最適・最善の取り組みを導き出せる柔軟性のある仕組みとして、総花的ではなく重点選別化され、また市民の皆様に伝わり、ともに取り組んでいけるような計画を目指すべきという考え方が示されているところであります。 ◆14番(西山一美君) それでは、その考え方を踏まえ、2つ目として、現時点では新しい計画の構成をどのように考えているのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 現行計画の策定以降、先ほど議員お話しになりましたように、市以和貴まちづくり基本条例が制定されたほか、市創生総合戦略市公共施設等総合管理計画など政策広範にわたる計画に加え、地域情報化計画男女共同参画プラン、子育てや福祉に係る計画など、各施策分野等で個別計画などが策定されている状況となっております。 そのため、新たな計画につきましては、こうした枠組みや内容等を尊重しつつ、市民の皆様によりわかりやすく、かつ機動的に政策効果の高い事業の推進が図られるよう、現行計画の基本構想・基本計画・実施計画といった3層構造を見直すこととし、普遍的なまちづくりの理念と、環境変化に柔軟に対応していくまちづくりの経営指針の2つの構成として、検討してまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) ただいま答弁がありました現行の総合計画の構成は、基本構想・基本計画・実施計画の3層建てになっています。そこで、新たな計画の構成についてですが、現行計画の流れを継承しながら進めるのか、全く違うものとするのか、3つ目として新たな総合計画の具体的な構成内容について伺います。
    総合政策部長(大和田洋君) 具体的には、普遍的なまちづくりの理念につきましては、市以和貴まちづくり基本条例を基本に新たに同条例のまちづくりを推進する仕組みを検討するなどして整理することとし、また、まちづくりの経営指針といたしましては、まちづくりの理念のもと、中長期を見据えた上で目指すべき目標やそのために解決すべき課題・テーマ等を明らかにしながら、5年程度の期間内に経営感覚を持って重点的に推進していく取り組みを位置づけていくことを想定しております。 ◆14番(西山一美君) 選択と集中の観点から重点化するとのことでしたが、そこで心配になってくるのが個別計画との関連性です。これまで、総合計画は、本市においての最上位計画として各種計画の調整機能を果たしてきました。 それでは、4つ目として、新たな総合計画と個別計画との関連性についてはどのようになるのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、現行計画の策定以降、政策広範にわたる計画に加え、各施策分野等で個別計画などが策定され、その時々の課題等を踏まえた事業が推進されております。 新たな計画につきましては、普遍的なまちづくりの理念のもと、まちづくりの経営指針においてこうした各施策分野等の事業の中などから、組織横断的に取り組む事業、新たな課題やテーマに即した事業、市民満足度が低く、優先度が高い事業などを、事業効果や必要性・緊急性等の観点から、重点選別化し、その内容や規模・時期などを調整、再構築する役割を有しながら、事業の推進など進行管理を図っていくこととし、そのほかの事業につきましては、個別計画などに沿って推進していくことを想定しているところであります。 ◆14番(西山一美君) もう1点、着目すべきなのが県の動きです。県においては、平成25年度から令和2年度を計画期間とする最上位の総合計画、ふくしま新生プランが実施されており、さらに現在、次期の長期計画を策定中であると聞いています。 そこで、5つ目として、県の長期計画との整合をどのように図っていくのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 県の総合計画につきましては、本市の計画と同様、その計画期間が令和2年度で満了となりますことから、現在、県におきましても、令和3年度を初年度とする新たな総合計画の策定作業を進めているところであります。 現時点におきましては、策定に当たっての基本的な考え方といたしまして、県民一人一人が豊かさや幸せを実感できるものとすることや、県民にとって身近な計画としていくことなどが挙げられており、これは、本市の新たな計画と軌を一にするものと捉えているところであります。引き続き、適時適切な情報収集に努めつつ、今後、開催予定の各自治体との意見交換の機会などを捉えながら、策定の方向性や内容などにつきまして、情報共有を図ってまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) 現在、本市、県ともに新たな計画の策定作業中とのことですので、強い連携・協力体制のもとで、より実効性の高い、そして整合性のある計画づくりを進めていただきたいと思います。 そのようなことも踏まえますと、これからの流れが大変気になります。 6つ目として、今後の新たな総合計画策定のスケジュールについて伺います。 ◎市長(清水敏男君) これまで、市民アンケート調査の結果や、セグメント懇談会でいただいた御意見のほか、現行計画の総括や国の動向の把握などを踏まえながら、市総合計画審議会におきまして、新たな計画の構成や、個別計画との関連性を含めた役割など、計画策定の方向性を整理してきたところであり、その具体的な内容を調査審議するため、来月初旬に同審議会に対し諮問する予定としております。 その後、継続的に審議会を開催しながら、セグメント懇談会など、さまざまな機会を捉えて、より多くの市民の皆様を初め、市議会の皆様とも意見交換を行うとともに、庁内におきましては、市総合計画策定委員会による継続審議のほか、新たに、若手職員で構成するワーキンググループを設置するなど、新たな計画の検討を本格化してまいります。 来年度には、素案に対するパブリックコメントや審議会からの答申を踏まえ、新たな計画を策定してまいりますが、こうした策定作業を通しまして、新たな計画につきましては、総花的ではなく、限られた経営資源を有効活用できるよう重点化を図り、変化が著しい時代環境においても、実効性をしっかりと発揮できるような計画を市民の皆様とともにつくり上げてまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) 昨年9月定例会で、新たな総合計画策定の手法についても質問をいたしました。答弁では、市総合計画審議会の開催や若年層・各種活動団体等へのヒアリング、また、意識調査の実施や多様な媒体を通じての意見募集、さらには、市議会との意見交換など、市内の多様な主体が次期計画策定に参画できるように意を用いるとのことでした。今回の質問を通じ、多くの意見を積み重ねながら、ここまで着実に進めてきたことは理解をするところです。 その上で、改めて一言言わせていただきますと、市総合計画は、本市の根幹をなす自治体経営のビジョンを示すものであります。これまでと違った手法で臨んでいる今回の策定作業を進めていった結果、最終的に何度も出てきていますが、総花的なものやフィルターがかかったような曖昧なものに仕上がってしまわないよう、スピード感を持ちながらも丁寧な作業の遂行をお願いしたいと思います。 今後は、審議会での議論が本格化していくこととなると思います。35万いわき市民の皆様に、わかりやすく共感の持てる経営ビジョンを明確に打ち出し、市民の代弁者である市議会とも十分に意見を交わしながら、将来世代に責任を持ったいわきならではの計画となるよう強く要望して、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、本市公立中学校の不登校生徒に対するサポートについてであります。 新聞などの報道によれば、2017年度に行われた文部科学省の調査において、病気や経済的な理由を除いて、年間30日以上欠席をしている不登校と判断された児童・生徒は2013年度以降5年連続で増加しており、そのうち中学生は、全国では10万8,999人、中学生全体の3.2%、学年別では、中学3年生の4万1,500人が最も多いと公表されました。 さらに、2018年10月、日本財団がインターネットを通して、直接、中学生年齢の子供たち6,500人に行った調査において、年間30日以上欠席の不登校である中学生は約10万人、年間欠席日数が30日未満の不登校傾向にあると思われる中学生は、その3倍以上である33万人いることが初めて明らかになりました。 また、その調査結果では、学校生活をめぐる不登校傾向にある中学生は、学校の校門・保健室・校長室等には行くが、教室には行かない教室外登校、基本的には教室で過ごすが授業には参加する時間が少ない部分登校、基本的には教室で過ごすが、みんなと違うことをしがちで授業に参加する時間が少ない子や、授業に参加しているが、心の中では学校に通いたくない・学校がつらい・嫌いと感じている仮面登校など数種類のタイプに分類されるとのことです。 このような不登校生徒の増加傾向の背景には2016年12月の教育機会確保法の成立、そして、これに伴う新・学習指導要領によって、学校復帰を前提に進められていた指導の基本指針が、必ずしも登校という結果のみを目標とするのではなく、本人や保護者の意思を十分に尊重し、みずからの進路を主体的に捉え、社会的自立を目指す必要があるという新基準が要因の1つとして考えられます。 そこで、不登校生徒に対する対応が変化してきている中、本市における公立中学校生徒の不登校の現況やその対応について伺いたいと思います。 1点目は、本市公立中学校における不登校生徒の現況についてです。 2017年の文部科学省調査において、公立中学校の不登校の理由については、家庭環境によるものが31.2%、友人関係が28.4%と多い一方、いじめが原因によるものは全体の0.4%であるとのことでした。 そこで、本市における公立中学校生の不登校の理由についても気になるところですが、1つ目として、不登校となった原因はどのようなものがあるか伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 不登校となった原因につきましては、友人関係をめぐる問題、親子関係をめぐる問題、家庭の生活環境の急激な変化や家庭内の不和、学業不振、教職員との関係をめぐる問題、その他本人にかかわる問題等、さまざまでございます。 また、原因が特定できなかったり、複合的な要因が複雑に絡み合ったりしている場合もございます。 ◆14番(西山一美君) 教育の最前線で不登校問題に取り組んでいる先生方は、クラスでの教育指導はもちろん、生活や集団活動の指導など、広範囲に及ぶ指導について、日々、奮闘しているということを、教育関係の友人や知人を通して聞いております。 また、市域が広い本市は公立中学校の規模もさまざまで、不登校生徒に対して、空き教室などの別室で授業を行える学校もあれば、余裕がないところもあります。 このような課題の対応として、子供たちの実態に応じて通学区の限定をせずに、学校とは異なった雰囲気の中で教育相談を受けながら、学習や集団活動の体験を積み、集団生活への適応を促して学校復帰を支援するチャレンジホームが市内の4カ所で開設されています。 そこで2つ目として、不登校生徒のうち、チャレンジホームに通級している割合について伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 不登校生徒のうち、チャレンジホームに通級している人数は、平成28年度は245名のうち49名、平成29年度は226名のうち49名で2割程度となっております。 ◆14番(西山一美君) 約2割の生徒さんが通級しているとのことでした。 そこで、チャレンジホームに通級していない生徒も含め、不登校生徒に対して包括的に担当しているいわき市総合教育センターについて聞いてまいります。 2点目の質問は、いわき市総合教育センターの活動についてです。 チャレンジホームに通級するに当たっての窓口となっているのがいわき市総合教育センターです。本センターは、教職員の研修や教育に関する専門的、技術的な調査研究、そして、教育相談に関することを専門的に扱うことを目的として、平成16年に設置されました。さらに平成29年の組織改編により、研究調査室と、不登校生徒への対応や支援を行う教育支援室の2室体制となりました。 それでは、1つ目として、現在総合教育センターにおいて不登校の未然防止や不登校生徒に対し、どのような対応を行っているのか伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 不登校の未然防止に向けましては、生徒相互が相手のよさを見つけ、認め合える学級風土づくりを行うとともに、教職員が生徒と触れ合う時間を確保し、生徒の発する小さなサインや変化を見逃さず、きめ細かに対応するよう、教員研修の機会を捉え、指導助言を行っております。 また、不登校傾向が見られる生徒や不登校生徒及びその保護者を対象に、臨床心理士や教育相談員によるカウンセリングを行うとともに、学校復帰を目的とした適応指導教室チャレンジホームでの指導・支援を行っております。 ◆14番(西山一美君) 次に2つ目として、ただいまお話にもありました不登校生徒に対するカウンセリングの内容はどのようなものか伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 不登校生徒に対しましては、当該生徒が不登校となった要因等を踏まえ、一人一人の状況に応じて親身に接し、よりよい人間関係を築きながら、当該生徒の話にしっかりと耳を傾けることを通して、心の痛みを和らげるとともに学校復帰へ気持ちが向かうよう、前向きな意欲を引き出すカウンセリングを行っております。 ◆14番(西山一美君) 私の聞いているところによれば、専任の指導主事やスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー等を配置して不登校などさまざまな事情を抱えた生徒に、ニーズに応じたきめ細かな支援をしていると伺っておりました。 今後も、不登校の要因が多様化していることもありますので、引き続き、関係機関・団体と連携しながら、さらなる支援体制の強化をお願いいたします。 次に、3点目の質問は、チャレンジホーム、適応指導教室についてであります。 不登校生徒に対する新たな指導方針により、チャレンジホームは、さらに重要な役割を果たすこととなりました。そこで、現在、市内4カ所に開設されているチャレンジホームの具体的な活動内容について聞いていきたいと思います。 初めに、不登校生徒がチャレンジホーム入級を希望した場合ですが、1つ目として、通級をするための手続はどのように行うのか伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 通級の手続といたしましては、まず、当該生徒及び保護者と学校での話し合いを経てチャレンジホームへの体験入学・入級面談を行います。次に、当該生徒及び保護者が入級を希望する場合に、保護者から在籍校の校長へ通級願いを、校長から市総合教育センター所長へ通級承認願いを提出し、審査を経て承認された後に通級が可能となります。 ◆14番(西山一美君) 学校と生徒・保護者の間で話し合いが持たれ、その上で学校が認可して入級するとのことでしたが、2つ目として、通級を始めた後、不登校生徒の保護者とどのように意思の疎通を図っているのか伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 不登校生徒の保護者に対しましては、チャレンジホーム指導員が定期的に教育相談を実施し、生徒の様子等について知らせるとともに悩みや困りごとについて聴き取りを行い、保護者の思いや願いを把握するよう努めております。 また、チャレンジホーム開設日においては、保護者からの希望があれば、いつでも教育相談ができる体制を整えております。 ◆14番(西山一美君) 3つ目として、通級している不登校生徒がチャレンジホームでの集団活動を通して、生活面や学習意欲が向上し、学校に戻ることを判断した場合、どのような流れで学校復帰をしているのか伺います。 ◎教育長(吉田尚君) チャレンジホームでは、教科学習や体験学習を通して学校復帰への手助けを行っております。 また、学校復帰につきましては、学校、保護者との定期的な情報交換を行い、チャレンジホームに通級しながら在籍校に通学できるようになるなど、段階を追って復帰している生徒が多くございます。 今後も、生徒本人の意思を尊重するとともに状況を見きわめながら、学校、保護者との連携を図り、学校への復帰を促してまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) 4つ目として、どのくらいの不登校生徒が学校に復帰しているのか、チャレンジホームから学校への復帰率について伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 年度途中で在籍校に戻ることができた生徒の割合につきましては、過去3年間で、50%程度でございます。 ◆14番(西山一美君) かなりの復帰率ですが、復帰後の生徒の状況については、教室まで戻っている生徒もいる一方、校内別室で学習している生徒や学校とチャレンジホームを併用している生徒など、その実態はさまざまであるということでした。 夏休みが過ぎたこの時期、中学3年生にとっては、進学を初め、次のステップに向け、より具体的な準備を始めているとものと思います。チャレンジホームに通級していた生徒も、同じように次のステップに向けて動き始めていると思います。そこで、進学などに向けた専門的な指導も大変重要だと考えますが、5つ目として、チャレンジホームに通級している生徒に対する進路指導はどのように行われているのか伺います。 ◎教育長(吉田尚君) チャレンジホームに通級している生徒に対する進路指導につきましては、在籍校の学級担任等が行っております。 また、チャレンジホーム指導員は、当該生徒の在籍校の学級担任等と定期的に面談を行い、生徒の様子や進路希望等についても情報共有に努めているところでございます。 ◆14番(西山一美君) 次に6つ目として、チャレンジホームに通級していた生徒の進路状況はどのようなものか伺います。 ◎教育長(吉田尚君) チャレンジホームに通級していた生徒の進路状況につきましては、県立高校、私立高校、専門学校等へ進学しており、進学率は平成28年度が95%、平成29年度が100%、平成30年度が96%でございました。 ◆14番(西山一美君) 私たちの年代が子育てをした時期は不登校生徒に対し、学校復帰を目指すことが大前提で当たり前とされていたと思います。 しかし、国の方針が時流に沿って流れを変えたことや、不登校の原因が多様化している今の環境の中では、指導内容についても、不登校生徒一人一人の実態に合わせながら、進級や卒業などの区切りを目標として、地道に解決の方法を導き出すことが大切だと考えます。 先日の新聞報道によれば、全国の公立高校の一部に多様な子供を積極的に受け入れようとする動きが見られ、不登校経験のある生徒を対象にした選抜制度を設ける公立高校が出てきたとの記事が載りました。 また、入試での出席状況を記された調査書を点数化しない措置をとる高校もあり、担当者は、学力や学習意欲があるのに、不登校などで調査書の評価が低くなってしまう生徒がいる。そういった生徒の受け皿となればとのコメントがありました。 これからも家庭と学校がしっかり連携を取り合いながら、いわきの将来を担う子供たちのため、引き続き、不登校生徒対策に取り組んでいくように要望します。 それで、さらなる不登校解消に向けた今後の取り組みについて本市の所見を伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 市教育委員会といたしましては、不登校解消に向けた取り組みを支援するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど専門家の助言を受けながら、学習面、心理面、健康面、進路面など、多角的に不登校生徒への理解を深め、個別的・具体的な支援計画を作成するとともに、校内の指導体制や相談体制を整え、その対応に当たっているところでございます。 今後も、不登校生徒がみずからの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指して、支援に努めてまいります。 また、保護者と課題意識を共有し、信頼関係を築くとともに福祉や医療機関とも連携の上、支援体制の充実を図り、不登校解消に努めてまいる所存でございます。 ◆14番(西山一美君) くれぐれも不登校対策に引き続き取り組んでいただくように要望して次の質問に移りたいと思います。 3番目の質問は、農業の新たな担い手確保のための取り組みについてであります。 まず、1点目の質問は、農業の新たな担い手の確保についてです。 平成20年代の半ばより、神谷地区においては、何度目かの圃場整備計画が示され、当地区農業の将来のため、しっかりと推進する資料として、農業関係者を対象に意見の取りまとめが行われました。 圃場整備の制度に関することを初め、経済面や周辺宅地の問題、そして農業後継者や法人化など担い手の確保が地域の大きな課題となっていることが報告されました。 神谷地区においての整備計画が順調に進んでいる今、農業担い手確保は喫緊の課題であり、第一義的には地域で解決できることが理想ですが、地区内農業従事者の平均年齢は、全国的傾向と同じように高く、さらに、農業従事者の子供たちなど若者世代の地元帰還が進んでいない中での自立解決は大変困難な状況です。 農業担い手の確保は、圃場整備などの営農環境の整備事業において、最重要課題ですので、既に実施されている補助事業や新たに示された事業について、どのように活用できるのか伺っていきたいと思います。 1つ目として、新たな担い手、新規就農者確保の課題について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 新たな担い手確保の課題につきましては、農業経営を確立するまでの所得の確保や、農業用機械の導入及び農業用施設の整備に要する資金の確保、また、営農条件のすぐれた農地の確保、さらには、新規就農者の受け皿となる法人などが少ないことなどが挙げられます。 ◆14番(西山一美君) それでは、そのような課題に対して、これまでどのように支援してきたのか。2つ目、新たな担い手等を支援するための補助事業について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 農業次世代人材投資事業などにより、青年就農者における就農直後の経営確立を支援するとともに、産地パワーアップ事業により農業用機械の導入及び施設の整備に対する支援を行っているところであり、今年度は、さらに、国が新たに制定した担い手づくり総合支援事業の導入も検討しながら、担い手の支援を図ってまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) 平成28年1月、平成28年から令和2年度まで5カ年のいわき市農業・農村振興基本計画が公表されました。 その中で、若手専業農家や認定農業者、そして認定新規就農者を育成していくことや女性農業者の活動支援、新規就農希望者、そして定年帰農者などに対する支援など、担い手の育成・確保について提言されていますが、改めて実績ある何点かの事業について聞いていきたいと思います。 2点目として、農業次世代人材投資事業についてであります。 農業人口の減少を食いとめていくためには、新規参入の皆様を着実にふやしていく働きかけも必要です。 そのような中、福島県では新規就農者が平成27年から4年連続して200人を超え、平成30年には219人の新規就農者が誕生し、本市でも31人が新たに農業に従事しました。しかし、新たに農業を始めるには、事前に農業に対する勉強や研修の機会も必要で、さらに安定的な収入が得られるまでの資金的な支援も不可欠です。 そこで、新規就農者に向けた事業が実施されていると聞いておりますので、その内容について伺っていきたいと思います。 1つ目は、次世代農業人材投資事業の概要について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 地域農業の担い手として新規就農者を育成するためには、就農段階から農業経営の改善・発展段階まで一貫した支援を行うことが重要であります。 このことから、農業次世代人材投資事業において、次世代を担う農業者となることを志向する者に対し、就農直後の農業経営の確立を支援するため、1人当たり年間最大150万円を最長5年間交付しているところであります。 ◆14番(西山一美君) 次に2つ目として、主な交付の要件について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 主な交付要件といたしましては、1つとして、原則として50歳未満の独立・自営就農者であること、2つとして、人・農地プランの担い手として位置づけられていること、または、農地中間管理機構より農地を借り受けていること、3つとして、認定新規就農者であることとなっております。 ◆14番(西山一美君) ただいまの答弁で就農直後の経営確立を支援するために年間最大150万円で最長5年間交付、その要件の1つとして、認定新規就農者との認定を受けることがありましたが、内容的にはかなり手厚い支援だと思います。 3つ目として、認定新規就農者の具体的なメリットについて伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 認定の主なメリットといたしましては、農業次世代人材投資事業の支援を受けられるほか、無利子の青年等就農資金が受けられること、担い手農家の経営の安定に資する経営所得安定対策における交付金が受けられること、さらには、本市独自の農業生産振興策である第四期新農業生産振興プラン推進事業において支援を受けられることなどであります。 ◆14番(西山一美君) それで、これまでどのくらいの事業が実施され、その結果はどうなっているのか。4つ目として、取り組みの実績等について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) これまでの交付実績につきましては、平成29年度には、2個人経営体に225万円、平成30年度には、3個人経営体に450万円を交付しており、令和元年度には、5個人経営体に750万円の交付を予定しております。 ◆14番(西山一美君) 一定の期間を満了せずにリタイアした場合には返還制度があるようですので、就農希望の皆さんには、事業の趣旨を理解していただき、また市のほうでもしっかりと後ろ盾となるような万全な支援をお願いしたいと思います。 次に3点目として、平成28年度から行われている取り組みの産地パワーアップ事業についてです。 地域の営農戦略として定めた産地パワーアップ計画に基づき、高収益な作物や栽培体系への転換を全ての農作物を対象に支援するこの事業も、新たな担い手確保には欠かせない取り組みです。 本市で事業が開始された直後の平成29年2月定例会において、その内容等について質問しましたが、その後、3年が経過しどのように事業が進んだか聞きたいと思います。 まず、1つ目、改めて、産地パワーアップ事業の概要等について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 産地パワーアップ事業は、農作物の輸入増など国際環境の変化にも対応できる収益力の高い産地づくりを進めるため、福島さくら農業協同組合いわき地区本部や、県農業共済組合いわき支所などから構成される、いわき地域農業再生協議会が地域の営農戦略として、産地パワーアップ計画を作成し、この計画に基づき、高収益な作物栽培体系への転換を図る担い手等に対し、支援する事業であります。 ◆14番(西山一美君) 次に2つ目、支援対象等について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 支援対象につきましては、水稲などにおけるコスト削減に向けた高性能な農業用機械のリース導入や、イチゴやトマトなどの園芸作物の栽培における低コスト耐候性ハウスの整備など、農業用機械の導入及び施設の整備費用の一部を補助するものであります。 ◆14番(西山一美君) それでは3つ目として、これまでの事業進捗によりどのぐらいの交付があったのか、産地パワーアップ事業の交付実績等について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) これまでの交付実績といたしましては、平成29年度には、19経営体に対し、コンバインや乾燥機などのリース導入に伴い、合計1億1,174万円を交付し、平成30年度には6経営体に対し、イチゴの低コスト耐候性ハウスの整備などに伴い、合計4,792万円を交付しております。 また、令和元年度には、トマトの低コスト耐候性ハウスの整備を計画している1経営体に対し、2億3,500万円の交付を予定しております。 ◆14番(西山一美君) 平成28年度の実施以降、支援対象もふえ、その内容も水稲に加えてイチゴの施設整備に対しての実績があり、今年度はトマトの施設整備を予定しているとのことでした。引き続きの支援をお願いいたします。 さらに、新たな事業の取り組みが予定されているとのことですが、4点目は、その新たな事業である担い手づくり総合支援事業についてです。 今回、国の新たな事業である担い手づくり総合支援事業は、地域農業の担い手として、経営発展の取り組みを行おうとする農業経営体に対し支援する事業とのことですので、目的や条件など、その内容について伺いたいと思います。 まず1点目として、担い手づくり総合支援事業とはどのようなものか、その概要について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 国の担い手づくり総合支援事業は、食料・農業・農村基本計画に基づき、意欲ある担い手の育成・確保を図るため、人・農地プランに位置づけられている地域の将来を担う中心経営体等の収益力強化と経営発展を支援する事業であります。 ◆14番(西山一美君) それでは次に2つ目として、この事業の支援対象等はどのようになっているのか伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 人・農地プランに位置づけられた中心経営体等が乾燥調製施設や集出荷施設などを整備する場合や、トラクターなどの農業用機械を導入する場合などが支援対象となっております。 ◆14番(西山一美君) それでは3つ目として、事業実施に伴い、どのような農業経営体が手を上げているのか、今後の交付予定について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 令和元年度の担い手づくり総合支援事業につきましては、南部地区の1経営体に対し、水稲用のコンバイン及び乾燥機の導入費用に対する融資残の一部を補助する支援を考えており、本定例会におきまして関連議案を提案しているところであります。 ◆14番(西山一美君) いろいろな条件があるとは思いますが、希望する農業経営体にとって融資を有効に活用して農業用機械の導入や施設の整備を積極的に行えるよう、使い勝手のよい事業にしてほしいと思います。 5点目の質問は、今後の市の取り組みについてです。 国は、農林業・地域活力創造プランの中で、多様な担い手の育成・確保を図り、経営感覚豊かな農業経営体による強い農業を実現するため、新規就農し、定着する農業者を倍増し、2023年には、40代以下の農業従事者を40万人に拡大するとの具体的な目標を示しました。 そこで、本市も、新たな担い手確保のため、新規就農者の目標設定や就農希望者への独自の支援体制が必要ではないかと考えますが、そこで担い手確保についての今後の市の取り組みについて、その所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 市といたしましては、県や福島さくら農業協同組合いわき地区本部など、関係機関・団体と情報を共有し、連携して、より就農希望者の立場に立った具体的で実現性の高い就農相談・支援を進めることなどにより、就農の裾野を広げるとともに、意欲ある新規就農者や定年帰農者に対しては、地域の中心経営体となるよう認定農業者への移行を支援してまいりたいと考えております。 さらには、市農業・農村振興基本計画に基づき、集落営農や農業法人など高度な経営形態への移行や経営継承の促進を支援するなど、担い手の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) 多謀善断という言葉があります。よく考え、その上で物事を上手にさばき処置していくことを意味する言葉です。 今、農業担い手の皆さんは、長い経験による豊かな知識によって、まさしく多謀善断で農業手法の向上など、日々努力を続けております。すぐに新規就農者などの新人がかわれるものではないと思います。農業に限らず、一般社会でも行政経営においても、例外ではありません。今、一生懸命頑張っている皆さんに敬意を表し、意思を尊重しながら納得できるところまで、事業を全うしていただき、そこで培われた財産をしっかり継承できる人材を育てていくことが大切です。 私は、農業担い手確保のベースとして、まず、地域で一生懸命農業を営んでいる担い手の皆さんが、これからもしっかりと農業経営が持続できるよう国・県、市の制度を十分に受けられることが必要だと考えています。 さらに、新規就農希望者や新規就農者が地域にあった経営手法などのアドバイスが受けられる、ただいまの答弁にもありました就農希望者の立場に立った具体的で実現性の高い就農相談や支援を受けやすくしなければならないと思います。 そのためには、担い手や新規就農希望者などがワンストップでわかりやすく、いつでも相談できる窓口を設置することが何よりも重要です。 そのような相談窓口の開設、そして相談体制の構築を強く要望するとともに、今後ともあらゆる支援事業を有効に活用し、1人でも多くの担い手の皆様が地域のリーダーとして活躍できるような息の長いサポートをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午前11時5分まで休憩いたします。          午前10時54分 休憩---------------------------------------          午前11時05分 再開 △佐藤和美君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。37番佐藤和美君。          〔37番佐藤和美君第二演壇に登壇〕 ◆37番(佐藤和美君) (拍手)おはようございます。37番いわき市議会志帥会の佐藤和美です。定例会は、臨時会を除けば、年4回、本会議が行われています。一般に、2月定例会は予算議会、6月定例会は国保議会などと言われています。2月定例会は翌年度の予算審議、6月定例会は当該年度の国民健康保険制度とそれぞれの議会において大きなテーマであることから、そのように呼ばれております。私は、今定例会は、本庁舎耐震改修事業議会ではないかと考えております。というのも、本定例会には、昨年11月定例会に続き、本庁舎耐震改修事業に係る補正予算が提出されておりますが、事業費の増額に対する市民の皆様の関心がこれまで以上に高まっている状況にあるからです。 このことから、今回、私は、本庁舎耐震改修事業、1点に絞って質問を行ってまいりたいと思います。 さて、改めて本事業の目的については、本庁舎は、住民票の交付や福祉の手続、また税の相談など、多くの方々が来庁されており、また、災害時には各地区本部を統括する市災害対策本部が設置されるなど、災害対応の拠点となる施設であることから、耐震改修工事が進められております。 一方で、平成29年9月に着工して以来、地下掘削が進捗する中で軟弱土の改良や既存躯体の損傷といった施工上の課題が判明し、昨年11月定例会で約2億6,000万円の補正予算が計上され、本年2月定例会で工事請負契約を変更しています。 しかしながら、その後、さらなる施工上の課題等が生じており、冒頭申し上げましたとおり、その対応に要する経費に係る補正予算案が今定例会に提出されております。 市民の皆様からは、たび重なる補正予算に、なぜ事業費がふえるのか、幾らまで増額するのかといった声が寄せられております。 市政のチェック機能を担う市議会として、例えば、特別委員会を設置して専門家の意見をいただく、あるいは第三者機関を設置して検証するなど、こうした市民の皆様の声を受け、しっかりとその役割を果たしていかなければならないと考えておりますが、来庁者の安全確保や災害拠点の機能強化といった喫緊の課題であることや、現在進行中の工事であることなども踏まえながら、この一般質問において、本工事の妥当性についてただしてまいりたいと思います。 そこでまず、質問の1点目は、現在の進捗状況についてです。 1つ目として、昨年11月定例会で補正予算を組み、本年2月定例会で契約を変更していますが、その後、耐震改修工事は、どのように進捗してきたのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本庁舎耐震改修工事におきましては、本棟地下を議会棟側からいわき芸術文化交流館アリオス側に向かって、1工区、2工区、3-2工区、3-1工区の4つの工区に区分けし、順次掘削等を行い、庁舎基礎下に免震装置を設置することとしております。 平成29年6月の工事着工後、工事の進捗に伴い、3-1工区や1工区の掘削作業を進めてまいりましたところ、既存躯体や既存ぐいの損傷や軟弱土等の課題が判明し、対策が必要となりましたことなどから、平成30年11月定例会において事業費の補正予算を、また、本年2月定例会におきまして、工事請負契約の変更について議決をいただいたところでございます。 現在、3-1工区においては、地下の掘削が完了し、本庁舎建物下に設置するコンクリート床であります基礎スラブの打設を終え、免震装置の設置工事を行っております。 また、1工区においては、地下の掘削が完了し、基礎スラブの打設を、3-2工区においては、地下掘削を進めるところでございます。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、災害はいつ発生するかわかりません。施工中に大地震が発生することも想定されます。 そこで2つ目として、施工中に地震が発生した場合の庁舎の安全性はどうなっているのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本庁舎の耐震改修工事につきましては、水平拘束力を維持し、地震時の安全を確保するため、4つの工区に区分けし、隣接していない工区ごとに段階的に、掘削・基礎スラブの打設・免震装置の設置という手順により進めることとしております。 また、掘削中の各工区には、基礎下に油圧ジャッキやコンクリートの仮設補強柱を複数配置して、建物を支えるとともに、本庁舎外周部と既存庁舎とをつなぐ仮設のコンクリート躯体を設けることにより、地震による横揺れの対策を行うなど、工事着工前と同程度の耐震性能を維持し、安全性を確保しながら工事を進めているところであります。 ◆37番(佐藤和美君) 本工事については、建物の基礎の下を掘削し、既存のくいを切断するという大変、高度な技術を要する工事であります。耐震性能を維持しながら施工されているとのことですが、地震がいつ発生するか予測はできません。引き続き、十分に安全対策を講じながら進めていただきたいと思います。 次に、質問の2点目は施工上の課題等についてです。 今定例会に、施工上の課題等への対策に係る補正予算案が提出されていますが、それら課題等の内容について伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 補正予算に係る施工上の課題等につきましては、合計14項目ございますが、内容といたしましては、1つとして、公募型プロポーザル要求水準書におけるリスク分担表に照らして対応が必要となるものが10項目、2つとして、それ以外の要因により対応が必要となるものが4項目となっております。 まず、リスク分担表に係る項目といたしましては、1点目として、市民棟と本棟間のシートパイル打設において、必要な根入れの深さが確保できないことから、鉄骨柱による補強が必要となったこと、2点目として、地下の掘削を進める上で、平成30年11月定例会で議決をいただきました第1工区及び3-1工区と同様に、2工区及び3-2工区においても、軟弱土への対応として掘削土のセメント改良等が必要と見込まれること、3点目として、既存躯体の基礎スラブに付着している割栗石を撤去するに当たり、躯体への付着が強いため、新たに特殊重機を用いての撤去が必要となったこと、4点目として、作業中における安全確保を図るため、1工区と2工区の境ののり面を保持するシートパイルの設置が必要となったこと、5点目として、作業ヤードを確保するため、都市ガスの整圧器等の移設が必要となったこと、6点目として、平成30年11月定例会で議決いただいた3-1工区と同様に、他の3つの工区においても、床コンクリートの鉄筋の露出の補修が必要と見込まれること、7点目として、作業における安全確保を図るため、1工区におけるシートパイルの補強対策などが必要となったこと、8点目として、平成30年11月定例会で議決いただいた基礎スラブを支える新設ぐいの打設に係る軟弱土への薬液注入について、追加的な対策が必要となったこと、9点目として、ただいま申し上げました3点目の割栗石の撤去や、7点目の1工区におけるシートパイルの補強対策のための追加対策に伴い、工期の延伸が必要となったこと、10点目として、地下掘削により発見された既存ぐいなど地下障害物等の撤去が必要となったこと、以上がリスク分担表によるもの10項目であります。 次に、リスク分担表以外の要因によるものとしては、11点目として、既存ぐいの一部が支持地盤に到達しているものの、竣工図における位置よりも高い位置に打設されていること、いわゆる高どまりにより、主に3-2工区において、免震装置施工上の安全対策が必要となったこと、12点目として、当該高どまり対策に伴い、工期の延伸が必要となったこと、13点目として、福島県の通知に基づき、本工事に従事する作業員を遠隔地から確保するための経費を見込んだこと、14点目として、平成29年6月の契約後に生じた労務単価等の上昇、いわゆるインフレスライドへの対応が必要となったこと、以上の4項目となっております。 ◆37番(佐藤和美君) 残土の改良や既存躯体の損傷、地中障害物など、昨年11月補正の事象と同じものもあるようですが、それらを含めて全部で14の課題等が生じているとのことですが、質問の3点目として、今、答弁のあった課題等のうち、3-2工区における既存ぐいの高どまりへの対策について伺っていきたいと思います。 まず、1点目として、くいは支持地盤まで打ち込まれておりまして、建物を支える役割がありますが、くいが高どまっていることで、現在の庁舎の健全性に問題はないのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 現在掘削を行っている工区のうち、主に3-2工区において、竣工図では、くいの打設深度がおおよそ16メートルとされているものの、実際には11メートル付近で支持地盤に到達していることを確認しております。 本工事におきましては、新たに免震装置を設置するため、地表から12メートルの深度まで、地下を掘削することとしておりますが、くいの高どまりとは、免震装置の設置に必要な掘削深度である12メートルよりも浅い位置にくいが打ち込まれている状況を指すものであり、くい自体は建物を支えることができる支持地盤に到達しておりますことから、本庁舎建設以降、庁舎の健全性は確保されているものと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 次に2つ目として、くいの高どまりについて、当初の設計で見込むべきであったと考えますが、なぜ、今になって対応することになったのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) くいの高どまりにつきましては、基本設計が完了に近い平成28年9月の段階で、竣工図とくい打ち報告書の相違が判明し、市、設計監理者及び請負業者の三者において、認識したものでありますが、本来、建設工事等において、竣工図は、くい打ち報告書の内容も含め、工事中に発生した設計変更などをもとに設計図を修正し、竣工した建築物の最終的な内容を正確に表した図面でありますことから、本件の対応といたしましては、くいの状況について把握ができた時点で、必要に応じて設計変更などの対策を講じることとしていたものであります。 今般、地下掘削の進捗に伴い、3-2工区における試堀によりまして、くいの高どまりが確認され、くい打ち報告書の結果が現状となっていることが確認できましたことから、免震装置施工上の安全対策に要する費用を計上したものであります。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、今回の既存ぐいの高どまりへの対応については、図面に不備があったために、今回、対策をとることになったわけですが、図面の不備がなければ、今回、こうした対策や費用負担が生じなかったのではないかと思われます。 そこで、3つ目として、本来、竣工図とくい打ち報告書は一致しているものでありますが、それら図面に相違が生じている責任の所在はどこにあるのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 竣工図につきましては、本庁舎建設工事の請負契約における特記仕様書において、請負業者に対し、提出を求めているものでありますが、市に提出された竣工図については、くい打ち報告書の内容が反映されていないことから、当時の請負業者の図面作成に不備があったものと認識しております。 一方で、発注者である市におきましては、竣工図書類を受領する際に、内容の精査・確認等を行うべきところ、竣工図とくい打ち報告書に相違があるまま受領していたことから、当時の市の対応にも不適切な点があったものと考えております。 これらの状況を踏まえ、おただしの責任の所在につきましては、当時の請負業者・市の双方にあるものと認識いたしております。 ◆37番(佐藤和美君) 当時の施工業者・市の両方に責任があるとのことですが、施工業者は、工事を請け負った以上、正確な図面を提出する必要があると考えます。 そこで4つ目として、不備な報告書が提出されたために、結果的に市が追加で費用を負担することになったのであれば、当時の施工業者にその費用負担させるべきではないのかと考えますが、市の所見を伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本庁舎建設時の竣工図とくい打ち報告書に相違はありますものの、庁舎を支えるくいは支持地盤にまで到達しており、建物の健全性は確保されていること、また、今回の工事は、竣工図の不備に起因するものではなく、今般の本庁舎耐震改修工事において、くいの現況に合わせ、免震装置施工上、必要な安全対策であること等を踏まえますと、当時の請負業者に負担を求めることはできないものと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、本工事については、設計・施工一括発注として、プロポーザル方式により施工業者を選定しております。 そこで5点目として、プロポーザルへの提案に当たっては、提案者は市から提示された図面類をもとに提案書を作成するわけでありますが、プロポーザル実施の段階から竣工図とくい打ち報告書の両方を提示し、高どまりの状況であることを提示していれば、プロポーザルの選定結果が異なっていた可能性があるのではないか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 公募型プロポーザルにおきましては、提案事業者は、市が提示した条件や要求水準書をもとに、創意工夫や工法選定等を行い、提案がなされる仕組みとなっておりますことから、当初からくい打ち報告書を提示した場合における選定結果を想定することは、難しいものと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 既存ぐいの高どまりと聞き、現庁舎の安全性は大丈夫なのかと心配しましたが、支持地盤まで到達しており、健全であることがわかり、その点は少し安心しました。 一方で、本事業は、多額の費用を要するものであり、対策に要する経費の妥当性を確認するとともに、市の負担をいかに低減するか考えていく必要があります。 そこで、次に4点目として、これらの課題等への対策に要する経費やその費用負担などについて伺っていきたいと思います。 まず、1つ目として、これら課題等への対策に要する経費について、施工業者の見積額は幾らなのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 新たな課題等の14項目の対策に要する請負業者の見積額につきましては、総額で16億2,032万9,000円となっております。 このうち、市の負担となる項目につきましては、まず、要求水準書におけるリスク分担表に基づくものとして、掘削土のセメント改良等、床コンクリート鉄筋の露出の補修、地中障害物等撤去の3項目で1億1,323万4,000円、次に、それ以外の要因によるものとして、既存ぐいの高どまり対策、当該高どまり対策に伴う工期延伸に係る経費、作業員を遠隔地から確保するための経費、インフレスライドへの対応の4項目で5億6,366万3,000円となっており、合計で6億7,689万7,000円となるものであります。 一方、請負業者の負担となるものについては、シートパイルの根入れ不足への対策など7項目で9億4,343万2,000円となっております。 ◆37番(佐藤和美君) 2つ目として、それらの対策に要する経費のうち、市負担額は幾らになるのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 市の負担となる費用につきましては、工事監理者が、請負業者から提出された内訳書の工種、数量さらには単価について精査を行い、その妥当性を確認した上で、市において、福島県の建築関係工事積算基準等に基づき、算定をしたものであり、その結果、7項目についての請負業者の見積額であります6億7,689万7,000円に対し、5億4,859万2,000円を市の負担と算定したものであります。 ◆37番(佐藤和美君) 3つ目として、今回、市が負担する費用のうち、大きな部分を占めるのがくいの高どまりに係る対策であります。その費用負担の根拠はリスク分担ではないとの答弁ですが、どのような考え方で市が負担することになるのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本市は、請負業者選定のための公募型プロポーザルの実施に際しまして、竣工図を提示しておりますが、請負業者においては、当該竣工図をもとに、免震装置の設置に係る設計を実施しておりました。 しかしながら、基本設計が完了に近い段階で、竣工図とくい打ち報告書における既存ぐいの打設深度に相違があることが判明し、くいの状況について把握ができた時点で必要に応じて設計変更等の措置を講じることとしていたものであります。 建設工事におきましては、請負業者は、発注者が設計図書により明示した条件や貸与した資料などに基づき、施工を行うこととなりますが、設計図書に明示された支持地盤と実際の施工による支持地盤が大きく異なる事実が判明するなど、提示条件の変更に基づく設計変更につきましては、いわき市工事請負契約約款第18条の規定に基づき、発注者が費用を負担するものであります。 このため、今般の設計変更に伴う費用につきましては、工事監理者の意見も踏まえ、発注者である市が負担すべきものと判断したところであります。 ◆37番(佐藤和美君) 4つ目として、費用負担や金額の妥当性については、工事監理者の意見を踏まえながら、市が判断しているとのことであります。 市の負担額が増嵩してきておりますが、工事監理者の役割はどのようなものか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 工事監理者の役割につきましては、設計図書等と実際の工事内容との照合・確認や、施工上の課題等について、リスク分担表に照らした責任の所在についての検討、さらには、特殊な作業等について、その妥当性を技術的に検討し、必要な助言等を行うものであります。 市負担額の算定に当たりましては、工事監理者は請負業者の見積額に対し、工種や数量、単価について、物価資料や建設工事標準歩掛に基づき精査し、その妥当性について市へ報告することとしております。 ◆37番(佐藤和美君) 5つ目として、施工業者は約16億円という見積額を出し、施工業者みずからも約9億円という大きな金額を負担することになります。そこで、市としては、この見積額の妥当性について、どのような認識を持っているのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 請負業者負担として整理した項目は、本棟と市民棟間のシートパイル打設における根入れ不足への対策など7項目としておりますが、工事監理者の委託業務として、その工種や数量、単価について、精査・確認の上、その妥当性について、市へ報告することになっております。 今回の請負業者の負担分につきましても、工事監理者からおおむね妥当であるとの報告を受けております。その報告を、市といたしましても確認いたしまして、妥当であると認識しております。 ◆37番(佐藤和美君) 6つ目として、施工業者は約9億円の対策工事の費用負担をすることになりますが、利益がなく、赤字となり、工事を続けることができないのではないか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本庁舎耐震改修工事に係る課題等への対応につきましては、公募型プロポーザル要求水準書におけるリスク分担表や市工事請負契約約款の規定に基づき、請負業者と発注者それぞれの役割により実施するものであり、今般、請負業者の負担として整理した項目につきましては、その責任において施工いただくものと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 7つ目として、仮に赤字になった場合、下請業者にしわ寄せがいくことになるのではないか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 市におきましては、市発注の建設工事に携わる元請人と下請人との間における対等の協力者としての適正な契約の締結等を図るため、市元請・下請関係適正化指導要綱を制定しまして、元請人及び下請人が遵守すべき事項を定めているところであります。 本要綱により、元請負人の遵守事項として、自己の取引上の地位を不当に利用して、原価に満たない請負代金の額とする下請契約をしないこと、下請契約締結後、正当な理由がなく下請代金の額を減じないことなどを定め、適正な下請契約等の締結に努めているところであります。 また、受注元請人は、市に対して、下請契約を締結した際には、下請通知書により、下請業者と下請代金について、また、工事の竣工時には、下請報告書により下請代金の支払い時期や金額等についてそれぞれ報告することとしており、これらを通しまして、元請・下請関係の実態把握に努めながら、要綱の趣旨に反する状況が確認される場合には、元請人に対し必要な指導または助言を行うなど、適正に対応してまいりたいと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 8つ目として、本工事に係る補正予算について、冒頭申し上げたように市民の皆様からも大変厳しい声が寄せられております。仮に予算案が否決された場合、どのような事態が想定されるのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 今般の補正予算案につきましては、工事施工上の課題につきまして、市工事請負契約約款や公募型プロポーザル要求水準書に定めますリスク分担表に照らして、工事監理者の意見を踏まえながら、リスク分担について判断するとともに、市の負担額につきましても、工事監理者の精査に加え、市の基準により算定を行っておりますほか、財源につきましても、充当率が100%で、元利償還金の7割が交付税措置される緊急防災・減災事業債を活用するなど、市の負担額について、可能な限り削減を図っているところであり、提案内容につきまして、御理解を賜りますよう、お願い申し上げるところでございます。 ◆37番(佐藤和美君) 当局として、そういう思いであることはわかりました。あくまで仮にそうなった場合に、どのような事態が想定されるのか改めてお伺いします。 ◎総務部長(岡田正彦君) あくまで一般論として申し上げますと、そういった際には、予算の裏づけがないことから、市は設計変更の協議に応じることができませんので、請負業者におきましても工事を施工できない状況が見込まれます。この場合発注者である市は、工事の全部または一部の施工を一時中止しなければならず、さらに工事の一時中止に伴い、発生する費用等の負担も生じますほか、工期のさらなる延伸が見込まれることとなります。 ◆37番(佐藤和美君) 今回の約5億円の補正額は大きな金額であります。市民の皆様の厳しい意見もありますが、一方、仮に予算案が否決された場合には、工事が進まなくなり、下請業者への影響や、ここまで進んできた耐震改修工事の効果が中途半端になってしまうという、大変困難な状況になることと認識いたしました。 次に、5点目として、耐震改修工事の妥当性についてです。 これらの課題等への対応に要する経費として、今回、2度目の補正予算が計上され、事業費が増嵩しており、建てかえのほうがよかったのではとの意見もあります。 そこで、本工事の妥当性について、以下、質問いたします。 まず、1つ目として、今回の対策に要する経費を含めた全体の事業費は、幾らになるのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本庁舎等耐震化改修事業に係る全体事業費につきましては、平成29年2月定例会で、58億3,057万円の継続費の議決をいただき、平成30年11月定例会における補正により、60億9,671万円となっており、今期定例会に提案いたしております補正予算を加えますと、66億5,509万円となるものでございます。 ◆37番(佐藤和美君) 2つ目として、2度の補正により事業費は約66億円となるとのことですが、当初の事業費約58億円の妥当性をどう考えているのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本庁舎耐震改修工事につきましては、工事の規模が大きく、多額の費用を要し、施工についても高度な技術を必要とすることから、基本設計及び実施設計の作成の段階から、請負業者が作成した設計による金額や内容が基本構想や要求水準書が求める水準を満たしているのかについて確認等を行う設計監理業務を、高度な知識や技術力を有する事業者に委託し、検証を行うなどにより、その妥当性を確認しているところであります。 ◆37番(佐藤和美君) 3つ目として、耐震改修実施後、この庁舎をあと何年使用する想定をしているのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 平成27年10月に策定いたしました本庁舎耐震改修基本構想におきまして、耐震改修後の本庁舎の耐用年数につきましては、約30年の使用を見込んでいるところであります。 ◆37番(佐藤和美君) 4つ目として、今後使用する約30年間における本庁舎の維持補修的な経費について、どの程度が見込まれるのか伺います。
    ◎総務部長(岡田正彦君) 本庁舎におけます今後の維持補修に要する経費につきましては、単年度当たりの所要額が過去5年間の平均で3,300万円程度となっており、現庁舎の使用を見込んでいる今後30年間同程度で推移すると仮定いたしますと、総額で約10億円程度が見込まれるところでございます。 ◆37番(佐藤和美君) ここまでの答弁により、事業費が増嵩する中、改修後の耐用年数は約30年であり、また、維持補修に要する経費も必要となります。 そこで、5つ目として、これらを考慮すれば、建てかえにすべきだったのではないかとの市民の声がありますが、市の所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 本庁舎耐震改修事業の実施に当たりましては、基本構想を策定する中で、本庁舎の建てかえ案との比較検討を行っております。 まず、事業費ベースでは、耐震改修の約63億円に対し、建てかえた場合が約118億円であり、その差額は約55億円となっておりましたが、財源ベースでは、耐震改修の場合は、元利償還金の7割が交付税措置される、緊急防災・減災事業債を活用できる一方、建てかえの場合には、国庫補助や有利な財源がないことから、市債の元利償還金など実質的な市の負担額が約80億円の増となることが見込まれたところであります。 また、これらに加えて、新庁舎の建設場所の選定や市民の合意形成には、相当の期間を要することが予測される一方、本庁舎については、防災拠点として早期に耐震対策を実施する必要があったことなどを総合的に判断しまして、耐震化工事による対応を選択したものであります。 ◆37番(佐藤和美君) 6つ目として、耐震改修の場合、改修後ある程度の年数が経過すると、大規模改修等が必要になるのではないかと思います。 耐震改修、建てかえの検討に当たり、それらの費用を加味していたのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本庁舎耐震改修事業におきましては、耐震改修工事と合わせまして、大規模な改修が必要となるもののうち、空調設備や主要な配管、配電盤等の基幹的な設備について、今後30年を見越した老朽化対策工事として実施しております。 ◆37番(佐藤和美君) 7つ目として、基礎下免震工法の妥当性について伺いたいと思います。免震工法についても、基礎下免震工法、くい頭免震工法とありますが、本庁舎耐震改修工事では、基礎下免震工法となっております。 そこで、まず基礎下免震工法について、本庁舎の地質が軟弱であることからふさわしくないという意見の専門家もいますが、市としてどのような見解か伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本庁舎耐震改修事業の公募型プロポーザルにおきましては、市が提示した竣工図や地質調査報告書、耐震診断計算書等などの図書類をもとに、2者から技術提案がなされており、また、業者の選定につきましても、専門的知見を有する有識者や市の技術職員により組織された公募型プロポーザル選定委員会におきまして、耐震性能の確保や庁舎機能の継続性に着目し、耐震改修工法の技術根拠の妥当性等について比較検討を行った結果、基礎下免震工法を採用した現在の請負業者を委員会の総意として選定されたものでございますことから、妥当な判断であったものと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 次に、既存くいの切断や基礎の補強など、土台となる部分への施工が原因で、後々、建物全体へのひずみや設備のふぐあいなどが出たりはしないのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本庁舎耐震改修工事につきましては、免震装置を設置するに当たり、本棟地下を掘削するほか、既存ぐいの切断等を行う内容となっておりますが、工事の施工に際しましては、基準値からの変位の確認を行いながら、必要に応じて対策を講じることとしており、建物の健全性の確保に万全を期しながら施工をしているところであります。 ◆37番(佐藤和美君) ここまでの答弁により、本庁舎の安全性確保が喫緊の課題である中、建てかえの場合には検討期間に時間を要することや、財源がなく、市の実質的な負担額に大きな違いがあることなどを総合的に勘案して耐震改修を行うこととしたことは理解いたします。 一方で、耐震改修は、建てかえに比して、耐用年数が短く、その後の維持補修費がかさむことから、建てかえのほうがよかったのでは。どこまで事業費が膨らむのかというのが市民目線の率直な感想かと思います。 そこで、次に6点目として、市民感情に対する市の受けとめについて伺いたいと思います。 近年の本市の大型公共事業として市民の皆様の記憶に新しいのが、いわき市医療センターの新築工事であります。同工事においても、3度の補正予算が組まれ、当初約343億円だった事業費が最終的には約444億円まで膨れ上がった経緯があります。 市民の皆様の間には、本庁舎耐震改修工事も医療センターと同様に補正が繰り返され、一体工事費がどこまで増額になるのかといった疑念の声も聞かれます。 そこで1つ目としてまず、公共の建設工事については、施工業者は追加費用が発生しても、契約した以上は、その中で施工すべきとの市民の皆様の声がありますが、契約を変更する根拠は何なのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 市におきましては、福島県が作成した建築関係工事請負契約における設計変更ガイドラインや土木工事請負契約における設計変更ガイドラインなどに準じまして、公共工事の設計変更を行っているところであります。 ガイドラインにおきましては、建築関係工事につきましては、その特徴として、工事の進捗とともに当初発注時に予見できない施工条件や環境変化などが起こり得ること、土木工事については、事前に個別の現場条件を全て補足することは困難であり、工事の品質を確保し、早期にサービスを提供するためには、受注者の責めによらない事項による設計変更を適切に行うことが重要であるとされております。 これらにより、設計図書に明示された支持地盤と実際の施工による支持地盤が大きく異なる事実が判明した場合などにおきまして、工期や金額に変更が生じるときには、市工事請負契約約款に基づき、契約の変更を行うこととなります。 ◆37番(佐藤和美君) 次に2つ目として、本庁舎耐震改修工事において、補正予算がたび重なり、事業費がどこまで増嵩するのかとの市民の皆様の声に対し、市当局はどのように受けとめているのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 今般の補正額の計上に当たりましては、竣工までを見据えて、これまで工事を施工する中で想定し得る要因を盛り込み、必要な措置を講じることとしたところでありますが、おただしのような市民の皆様の声があるということにつきましては、重く受けとめまして、それぞれの課題に、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 最後は、今後の進め方についてです。 今回で2度目の補正予算でありますが、際限なく事業費が増額となることが懸念されます。これ以上市民の負担をふやさず、納得を得られるよう本事業を進めていくべきと思いますが、市の所見を伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本工事における施工上の課題につきましては、これまでも、高度な知識と技術力を有し、第三者の立場である工事監理者の意見も踏まえながら、対策の必要性や経費の妥当性等を判断し、施工を進めてきたところであります。 また、財源につきましても、充当率が100%で、元利償還金の7割が交付税措置される緊急防災・減災事業債を活用しながら、市の負担の軽減に努めているところでありますが、今後におきましても、本庁舎の安全性を確保しながら、防災機能の強化に向けて着実な事業進捗を図ってまいりたいと考えております。 ◆37番(佐藤和美君) 本日は、本庁舎耐震改修事業1点について質問をしてまいりましたが、いわき市医療センターに続き、本事業においても2度目の事業費の増額でありまして、市民の皆様のさまざまな声がある中、この事業をどのように進めていくのか、改めて市長の御所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 本庁舎耐震改修工事については、平成29年6月定例会で工事請負契約の議決をいただいたあと、工事を進める中で施工上の課題が生じたこと等により、昨年の11月定例会での補正予算に続き、今回2度目の補正予算の提出となり、市民の皆様から事業費の増額についてさまざまな御意見をいただいているところであります。先ほど部長が答弁申し上げましたように、今回の補正予算につきましては、工事監理者の意見を踏まえながら費用負担については、リスク分担等に基づき適正に判断し、市の負担については、厳正に査定を行い、基本的には竣工までを見据え、想定し得る要因を盛り込み計上したところであります。また、財源につきましても緊急防災・減災事業債を活用するなど、市の財政負担の低減にも努めているところであります。本庁舎は、日々多くの市民の皆様が来庁され、また災害発生時の対応拠点であることから、安全性の確保と防災機能の強化は喫緊の課題であり、今後とも適時適切に対応しながら本事業を着実に進めてまいりたいと考えておりますので、議員各位、そして市民の皆様には御理解を賜りますようお願い申し上げます。 ◆37番(佐藤和美君) ここまで、本庁舎耐震改修工事について7項目にわたり伺ってまいりましたが、また補正なのか、追加の費用が多額ではないか、建てかえのほうがよかったのではないか等々、これが市民感覚としての生の声です。 本日は、会派の代表として、そして市政のチェック機能を担う市議会の一員としてこれら市民の皆様の視線に立ち耐震工事について質問をしてまいりました。建てかえに比較し、耐震改修工事の場合は、国の財源が活用できるため、市の実質的な負担の軽減が図られますが、一方で市民の皆様の負担も決して少なくはありません。昨年の11月に続き、今回の約5億円超えの補正というのは決して小さい金額ではありません。たび重なる事業費の増嵩に対し、市民感情として疑義を持っているのも事実です。 市当局においては、こうした市民の皆様の声があることを十分に認識いただきながら、適切に対応していただくことを改めて強く要請しまして、私の市政一般に対する質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午後1時まで休憩いたします。          午前11時58分 休憩---------------------------------------          午後1時00分 再開 △佐藤和良君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。35番佐藤和良君。          〔35番佐藤和良君第二演壇に登壇〕 ◆35番(佐藤和良君) (拍手)35番いわき市議会創世会の佐藤和良です。 明後日9月19日、いよいよ東京電力福島第一原発事故の責任を問う刑事裁判の判決が東京地方裁判所で下されます。福島県民初め、全国1万4,716人の告訴により業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力旧経営陣の勝俣元会長ら3人の被告は、15.7メートルの津波高を事前に予測し、防潮堤や機器の水密化等の対策工事を計画しながら、経営判断でこれを先送りした結果、過酷事故を起こしました。双葉病院などの患者さんら44名を避難の途中で死に追いやり、法定刑の上限である5年の禁固刑が求刑されております。被害者、被災者初め福島県民、多くの国民は、裁判所が厳正な判決を下すことを願っています。 それでは、通告順に従い一般質問を行います。 大きな第1点、命を守る、いわき市医療センターの現状と今後の取り組みについてです。 昨年12月25日、いわき市立総合磐城共立病院が生まれ変わり、地域最新の中核病院として、いわき市医療センターが開院しました。市民の大きな期待の中で、地域がん診療連携拠点病院としての最新機器の導入、緩和ケア病棟の新設、災害医療や救急医療などの機能が充実しました。 1点目は、いわき市医療センターの現状についてです。 まず、患者数について、過去3年間と比べて、開院後の外来・入院の患者数はどうかお尋ねします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 患者数につきまして、医療センター開院前の3年間と開院後から本年8月末までの1日当たりの平均患者数の比較で申し上げます。まず、外来患者数につきましては、開院前の926人に対し、開院後は985人と、59人の増となっておりますが、これは医師数の増に伴い、診療体制が強化されたこと、最新の医療機器の整備に伴い、当センターでの治療を希望する方がふえ、紹介患者がふえたことなどによるものと考えております。 また、入院患者数につきましては、開院前の527人に対し、開院後では501人と、26人の減となっておりますが、これは、医療技術の向上に伴い、患者1人当たりの在院日数が減少したことなどによるものと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、患者さんの利便性の向上について、患者サポートセンターや外来診療案内システム、利便施設などは効果を上げているのかお尋ねします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 患者さんへの利便性の向上に向けた取り組みに関し、まず、患者サポートセンターにつきましては、医療福祉相談等の患者支援業務を集約し、新たに予定入院患者の入院前面談等の機能を加えましたことから、患者さんに対しワンストップでのサービス提供ができているものと考えております。 また、診察の進行状況の可視化を図るために導入した外来患者案内システムにつきましては、開院当初は、病院職員や患者さんにふなれな面も見受けられましたが、現在では落ちつきを見せているものと考えております。さらに、カフェやコンビニエンスストアなどの利便施設についても、多くの利用者があるほか、ボランティアの皆様により、案内誘導や図書の貸し出しなどの充実が図られているところであります。 これらのことから、医療センター開院に伴う利便性の向上に向けた取り組みにつきましては、一定の効果があらわれているものと考えておりますが、今後におきましても、さらなる充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、医師招聘について、本年度を含む3年間の成果はどうかお尋ねします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 医師招聘につきましては、市長を初め、病院事業管理者や院長が大学医局等への働きかけを粘り強く行ってきたほか、連携講座及び寄附講座の設置や修学資金貸与制度の活用など、さまざまな取り組みを行ってきたところでございます。 その結果、医療機能の充実が図られた新病院への移行による効果もあり、本年度を含む3年間の常勤医師数は、各年4月1日現在で、平成29年度が117名、平成30年度が127名、令和元年度が138名と年々増加しており、過去、最も医師数の多かった平成17年度及び平成18年度の141名に次ぐ人数となっております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、臨床研修医の確保について、病院実習・見学の過去3年間の動向を踏まえ、研修医師数はどうかお尋ねいたします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 臨床研修医の確保に向けましては、大学等が主催する病院説明会等へ参加し、当センターの魅力をアピールするほか、学年に関係なく、病院見学を希望する学生を随時受け入れているところであり、その数は、平成28年度が49名、平成29年度が53名、平成30年度が92名と年々増加しております。 また、大学の教育カリキュラムとして行われる病院での臨床実習につきましては、その対象者が平成30年度に、従来の6年生のみから5、6年生へ拡大されたこと等もあって、実習生の数は、平成28年度が13名、平成29年度が14名、平成30年度が32名となっております。このような状況に加え、新病院への移行による効果もあり、今年度を含む3年間の臨床研修医の人数につきましても、平成29年度が13名、平成30年度が17名、令和元年度が20名と増加しております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、医師修学資金貸与制度について、貸与者数や本センターへの勤務者数など、本年度を含む3年間の実績はどうかお尋ねします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 新たに医師修学資金を貸与した人数について、今年度を含む3年間の実績で申し上げますと、平成29年度が5名、平成30年度が10名、令和元年度が6名となっております。 また、当センターが採用した医師のうち、本市の医師修学資金の利用者数を採用年度別に申し上げますと、平成29年度が4名、平成30年度が3名、令和元年度が4名となっております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、看護職及び医療技術職等の確保について、看護師、薬剤師、臨床工学技士などその他の医療技術職種の本年度を含む3年間の採用実績はどうかお尋ねします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 看護師や薬剤師を初めとする医療スタッフにつきましては、7対1看護体制の維持に加えて、診療報酬制度や医療環境の変化等を踏まえ、診療に必要となる人員を確保するため、年1回の採用試験に加え、四半期ごとに有資格者を対象とした中途採用者試験を実施しているところであります。 本年度を含む3年間の採用実績を申し上げますと、助産師を含む看護師が、平成29年度51名、平成30年度42名、令和元年度が現在までで43名、薬剤師が、平成29年度7名、平成30年度6名、令和元年度が現在までで5名、臨床工学技士などのその他の医療技術職が、平成29年度14名、平成30年度12名、令和元年度が現在までで8名となっております。 ◆35番(佐藤和良君) 2点目は、いわき市医療センターの今後の取り組みについてです。 まず、医師初め医療スタッフの確保について、常勤医不在の診療科目の医師や看護職及び医療技術職等の確保の今後の見通しはどうかお尋ねいたします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 医療スタッフの確保のうち、医師につきましては、現在、呼吸器内科、皮膚科、腎臓・膠原病科などの5つの診療科において、常勤医師が不在となっているため、診療機能の充実が図られました当センターの魅力を強くアピールしながら、引き続き粘り強く大学医局等への働きかけを行うなど、医師招聘に取り組んでまいりたいと考えております。 また、看護職及び医療技術職等につきましては、年1回の採用試験に加え、四半期ごとの中途採用者試験を実施するなど、引き続き、必要な人員の確保に努めていく一方で、医療創生大学の看護学部において、令和3年3月に初めて卒業生を輩出することや、同大学に、理学療法士や作業療法士を養成する健康医療科学部が、本年4月に設置されたことなど、本市における医療従事者の育成環境の変化を十分見きわめながら、医療スタッフの確保に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、経営の見通しについてです。 令和2年度までの市病院事業中期経営計画では、令和元年度、令和2年度は、旧病院分の資産減耗費の発生で赤字とし、その後、令和3年度以降黒字転換との見通しですが、新病院建設に係る300億円を超える企業債の償還も含めて、今後の経営見通しはどうかお尋ねします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 当センターでは、平成29年度から令和2年度までの4年間を計画期間とする市病院事業中期経営計画を策定し、健全経営に努めているところでありますが、同計画の収支見通しでは、収入面について、医療需要がほぼ同じ水準で推移し、一般会計負担金も国の繰り出し基準に基づいて適切に繰り入れされるものと見込む一方、支出面では、旧病院の多額の資産減耗費が一時的に発生することなどから、議員も御指摘になりましたように、計画最終年度の令和2年度までは赤字になる見込みとしてございます。 計画終了後の令和3年度以降につきましては、病院建設に係る300億円を超える企業債の償還が本格化するところではありますが、収入面では、診療報酬改定への適切な対応や地域医療機関との連携強化などにより収益の確保に努め、支出面では、病院移転等に係る一時的な費用がなくなることに加え、継続的に取り組んでいるさまざまな経営改善策の効果も見込まれることなどから、黒字を確保できるものと考えており、引き続き、持続可能な病院経営の確立に努めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、新病院建設の第2期工事についてです。 解体工事や新たな進入路整備など、スケジュールを含めた見通しはどうかお尋ねいたします。 ◎医療センター事務局長(鈴木善明君) 第2期工事につきましては、本年2月に旧病院の解体に着手し、これまで、低層の急患棟、検査棟などの解体を完了したほか、現在は、高層の中央病棟を初め、薬局棟、外来棟などの解体を進めているところであり、来年4月には全ての病棟解体を完了する予定となるなど、順調に推移しているところでございます。 今後、解体工事等の進捗状況を踏まえ、本年12月ごろからは駐車場の整備に、来年5月ごろからは、院内保育所の整備に着手することとしてございます。また、県道いわき上三坂小野線、旧6号国道ですが、ここからの進入路につきましては、当該交差点を十字路化して、交通の円滑化を図るため、新たな進入路を整備する計画としており、今年度内の整備用地の取得に向け、現在、地権者との交渉を進めているところでございます。 工事等が順調に推移すれば、来年11月ごろには、シャトルバスの運行を終了し、駐車場の一部、約600台分の供用を開始して、一般の来院者にも利用していただける見込みでございますが、これらの工事を含めた全体事業の完了につきましては、当初の予定どおり、令和3年3月を目指しているところでございます。 ◆35番(佐藤和良君) 今、いわき市医療センターの現状と今後の取り組みについて伺ってまいりました。令和3年の3月ということで、そこに向けて順調に進んでいるのかなと思います。いわき市民の命を守るということで、市民に愛され頼りになるセンターとして、さらには、医療スタッフにとって働きがいのあるセンターとして成長し、第2期工事が円滑に進むことを要望しまして、次に進みます。 大きな第2点は、命を守る、原子力災害対応と第二原発の廃炉についてです。 福島第一原発事故の際にベントを行い、大量の放射性物質を大気中に拡散し、高レベルに汚染されている1・2号機の排気筒解体工事が中断しています。トリチウム等タンク貯蔵汚染水の陸上保管の議論も始まったばかりです。そうした中で、東京電力は県民の声に押され、ようやく第二原発の廃炉を正式決定いたしました。 1点目は、原子力災害対応についてです。 まず、1・2号機排気筒の解体工事の遅延等について、先月の中断時には原子力規制委員会も解体作業でのトラブル続発への懸念や工程の見直しを求める意見が相次いだことから、放射性物質の飛散や作業員の被曝を防止するため、東京電力に対し、今後の作業においては、工事延期の原因の本質と再発防止策が明らかになるまで作業の中止を申し入れるべきではないかお尋ねいたします。 ◎危機管理監(山田誠君) 1・2号機排気筒の解体作業におきましては、作業中のトラブルが放射性物質の飛散に直結しかねない作業であることから、市といたしましては、東京電力に対してはもとより、国の廃炉・汚染水対策福島評議会等において、これまでも再三にわたり、何よりも安全確保を最優先に作業を進めるよう、求めてきたところであります。今回の当該作業におけるトラブルに伴う遅延につきましては、原子力規制委員会が東京電力に対しまして、その原因究明と再発防止策の説明を求めたところであり、これに対し、東京電力は、原子力規制庁に報告し、今月12日から当該作業を再開する予定でありましたが、再開直前に新たなトラブルが発生し、中断が続いている状況にあります。 市といたしましては、こうした状況から、再発防止策を徹底するとともに、安全確保を第一に、万全の体制で取り組むよう、引き続き、国及び東京電力に対しまして、強く求めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) この排気筒の解体工事の遅延については、5回中断して原子力規制委員会でも本当にこれでいいのかという状況だということで、説明を求めた次の日から再開するということで、再開した途端にまたアウトということなんですね。ですから、根本的な原因をきちんと改善していないという現状なので、これについてはやはり曖昧になあなあで済ませないで、きちんと原因を正して再発防止対策をきちんととらないと、やはり放射性物質の飛散ということにつながりますので、これは重ねてきちんと対応するように、中止を申し入れるということでお願いしたいと思います。 次に、トリチウム等タンク貯蔵汚染水の陸上保管の見通しについて、汚染水に関する経済産業省の多核種除去設備等処理水の扱いに関する小委員会の協議の見通しを、本市はどう理解しているのかお尋ねします。 ◎危機管理監(山田誠君) タンク貯蔵汚染水、いわゆるALPS処理水の取り扱いにつきましては、国の小委員会が昨年8月に開催しました説明・公聴会等において、陸上での長期保管を求める意見が多数寄せられたことや、市議会からの意見書等を踏まえまして、先月開催の同委員会では、タンクでの陸上保管を視野に入れた検討が初めて開始され、タンクでの保管期間やタンクの増設に必要な敷地の確保等に関するさまざまな意見が出されたところであります。 次回以降の同委員会におきましても、敷地拡大による長期保管の可能性等につきまして議論を継続するとされておりますが、市といたしましては、風評被害など社会的な観点を含めた総合的な検討を行った上で、市民の皆様に対しまして丁寧に説明し、理解を得るなど、慎重に進めていただきたいと考えているところでございます。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、トリチウム等タンク貯蔵汚染水の海洋放出について、前環境大臣が議論を無視したとんでもない発言をしました。漁業・水産業と市民生活を守るために、県漁連が国に求めている陸上保管の継続を、国や関係機関に対し、本市として改めて要望すべきではないかお尋ねします。 ◎危機管理監(山田誠君) ALPS処理水の取り扱いにつきましては、漁業関係者の皆様を初めといたしました市民の皆様への影響はもとより、観光などの経済活動にも大きな影響を与える問題であると考えておりますことから、市といたしましては、これまでも再三にわたり、風評などの社会的な影響を十分考慮した検討を行うことや、機会を設けて市民の皆様や関係者に対しまして専門的な見地からわかりやすく丁寧に説明し理解を得ることについて、国や東京電力に対し求めてきたところであり、直近では、7月に開催されました、国の廃炉・汚染水対策福島評議会におきまして、市長みずから、当該対応について改めて求めたところでございます。 市といたしましては、今後も引き続き、タンクでの陸上保管についての議論が続く国の小委員会の動向などを注視しながら、さまざまな機会を捉え、国及び東京電力に対し、市民の皆様の安全・安心はもとより、風評等の社会的影響も十分考慮し、慎重に議論を行うよう求めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、リアルタイム線量測定システムの継続配置等についてです。 現在19時から翌日7時までの線量表示が消えているため、市民から緊急時に備えた19時以降の線量表示の要望があります。 こうしたことも踏まえて、国や関係機関に対し、改めて廃炉作業完了までの継続配置の予算措置を要望すべきではないかお尋ねします。 ◎危機管理監(山田誠君) リアルタイム線量測定システムは、パソコン等から原子力規制委員会のホームページにアクセスすることで、常時、空間放射線量率の値を確認できるシステムであります。一方、当該システム自体の表示につきましては、設置者である国によりますと、近隣住民からの暗がりに浮かび上がる赤い光を子供が怖がるので何とかしてほしいとの声を受けまして、7時から19時までの表示とするとしたところでありますが、今、おただしのように、夜間の表示を求める声もありますことについて、国に対して伝えてまいりたいと考えてございます。 また、当該システムにつきましては、市議会や市民の皆様の声等を踏まえまして、本年5月に原子力規制委員会におきまして当面存続という新たな方針が決定されましたことから、当然、今後におきましても予算措置はなされるものと認識しておりますが、一方で、当該方針では、将来的な配置の適正化にも触れておりますことから、市といたしましては、今後も引き続き、国に対しまして、市民の皆様の意見をよく聞いた上で、地域の実情を踏まえた丁寧な対応・説明を行うよう、求めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、子供の生活環境の詳細なモニタリングについてです。 現在、本市は空間線量率について、業者委託により教育施設や公園など2,000カ所で計測地の1点を測定して、いわきiマップに掲載、年2回更新しております。 一方、本市による通学路の自動車走行サーベイモニタリングでは、最大値で高線量の地点も報告されていることから、通学路や公園等の子供の生活環境の被曝の最小化・安全確保に向けて、歩行サーベイモニタリングや市計測地の放射性物質濃度測定等の詳細なモニタリングを実施すべきではないかお尋ねします。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質の空間線量モニタリングや環境土壌調査等につきましては、国が定めた総合モニタリング計画に基づき、土壌、水、大気などの環境一般を初め、学校、公園等のいわゆる子供の生活空間等について、原子力規制委員会や福島県等が主体となって行うこととなっております。 本市においては、除染完了後の放射線量低減化の状況を把握するため、除染対策事業県交付金や福島再生加速化交付金を活用し、市内の事業所、集会所やバス停付近等2,000カ所余りの空間線量の測定や、通学路を含む主要な幹線道路の自動車による走行サーベイを実施しているところであります。 今後におきましては、自動車による空間線量の測定が難しい箇所もありますことから、モニタリング手法などについて、福島県等と連携しながら検討してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) ぜひ歩行によるサーベイモニタリングと、それから、今、放射性物質の濃度の件についてはお触れにならなかったようですけれども、やはり土壌汚染の問題については、セシウム137については軽減されていないわけなので、それについてはきちんと対応していただきたいということを要望したいと思います。 次に、教育施設等におけるホットスポットへの対応について、これまでTEAMママベクの測定により発見されたホットスポット等は、本市として除染等の対応を行ってきましたが、現在も局所的に高い箇所があるため、教育委員会が学校長に対し、立ち入り禁止の看板やロープの提供を通知して活用を促していますが、活用率が低いことから、子供たちの被曝防護に向け、樹木の隣接などで何度除染しても下がらない箇所等のエリアを本市が特定して、看板やロープで必要な措置をとるべきではないかお尋ねいたします。 ◎教育部長(高田悟君) 除染後におきましても、線量が高い箇所につきましては、児童生徒の接近や立ち入りを制限するため、学校に情報を提供し、周知をしてきたところでございます。市教育委員会におきましては、注意喚起のための看板やロープ等を対象となる学校に提供しているところでございますが、現時点におきまして、看板等が設置をされていない学校につきましては、児童生徒の皆様の安全確保を図るため、適切な対応に向けまして、引き続き学校側に強く働きかけてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) よろしく働きかけのほどお願いいたします。 2点目は、第二原発の廃炉並びに安全対策についてです。 まず、廃炉のロードマップ等について、東京電力は、使用済み核燃料を乾式キャスク等で保管するとしていますが、使用済み核燃料の保管期間とその安全対策、搬出先と搬出の見通し、長期にわたる廃炉作業期間中の人材の確保などを含めて、本市は東電と国に対し、安全対策に基づいた廃炉ロードマップと工程管理を早期に示すよう求めるべきではないかお尋ねします。 ◎危機管理監(山田誠君) 福島第二原子力発電所の廃炉につきましては、先月2日、東京電力ホールディングス株式会社小早川代表執行役社長が本市を訪れ、直接報告があったところですが、その際、市長みずから、具体的な廃炉工程の策定、人材確保を含めた安全かつ着実な廃炉作業の進捗、廃炉完了までの使用済燃料の県外搬出及び市民の皆様への丁寧な説明につきまして、求めたところでございます。 福島第二原発の廃炉作業には40年を超える期間を要するとのことでありますから、市といたしましては、今後も引き続き、機会を捉えまして、市民の皆様の安全確保を第一に、福島第一及び第二原発における廃炉作業を確実に進めるよう、国及び東京電力に対して求めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、原発事故の収束と廃炉に向けた事故収束廃炉庁の設置についてです。 通常の原発では30年とされる廃炉期間に対し、4基の原子炉を抱える福島第二の廃炉は40年超の見通しとされ、福島第一原発事故後、既に国内21基の廃炉が決まり、今後もふえていくことになることから、使用済み核燃料や放射性廃棄物問題の解決も含め、この際、本市として改めて政府機関として事故収束廃炉庁の設置を国に求めるべきではないかお尋ねいたします。 ◎危機管理監(山田誠君) 福島第二原発の廃炉につきましては、使用済み燃料の取り扱いや放射性廃棄物の処分など、原発政策を推進してきた国が最後まで責任を持ち、主体的に全力を挙げて取り組むべきものと認識しておりますことから、市といたしましては、今後も引き続き、県内原発の廃炉について、国が前面に立ち、盤石な体制で取り組むよう、さまざまな機会を捉え、強く求めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) この政府機関をきちんと設置すべしということは、従前からも要望すべきではないかとお話し申し上げているんですけれども、なかなかここに到達しないということで、改めてこの第二原発が廃炉ということになって正式に決まって、今後長期にわたってそれに対応しなければならないことを考えますと、今の体制で果たして、つけ焼き刃になっているような廃炉対応ではやはりまずいのではないかと。そういう意味で事故収束廃炉庁というような政府機関をきちんと位置づけていくべきではないかという主張なのでありますが、改めて市長の御所見はいかがでしょうか。 ◎市長(清水敏男君) 本年7月には、福島第二原発の廃炉が正式に決定し、今後、議員がおただしのような課題等も懸念されるところでありますが、それらの課題等につきましても、原発政策を推進してきた責任主体である国が責任を持って取り組むべきものであると認識しております。 今後、県内原発の全基廃炉に向けましては、まだまだ厳しく長い闘いが続きますが、私は市民の皆様の安全・安心、そして生活の安寧が最優先と考えておりますことから、国が盤石な体制で、安全かつ着実な廃炉に取り組み、最後の最後まで責任を果たすよう、今後とも強く求めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 政府として担保するものとして、やはり政府機関の設置ということについては、繰り返し要望していただきたいと申し上げたいと思います。依然として2011年3月11日に国から出されました原子力緊急事態宣言は解除されておりません。汚染水の保管初め被災者に寄り添った対応を要望しまして、次に進みます。 大きな第3点は、いわき市の再生と地域課題の解決についてです。 1点目は、小・中学校のトイレ洋式化の整備加速化についてです。 本市の平成31年4月時点の小・中学校のトイレの洋式化率は31.5%で、国の平成28年度調査による全国平均43.3%と比較しても、10%以上低い状態です。学校現場からは、洋式化を計画的に実施してほしいという要望が強く、和式への簡易プラスチックによる洋式トイレは臭気も強く、掃除で難儀しているなどの声も出されています。 まず、小・中学校のトイレ洋式化の現状について、本市のトイレ洋式化率は中核市58市あるいは県内13市の平均と比べて、どのような現状かお尋ねいたします。 ◎教育部長(高田悟君) 小・中学校のトイレ洋式化率につきましては、本市が31.5%であるのに対しまして、平成31年4月時点の調査によれば、回答のありました中核市57市の平均が45.7%、県内13市の平均が45.6%となっております。 ◆35番(佐藤和良君) 大変差が開いてきているのではないかと思います。 次に、小・中学校のトイレ洋式化のこれまでの取り組みについて、和式への簡易プラスチックによる洋式トイレ化も含め、これまで本市はどのように対応してきたのかお尋ねします。 ◎教育部長(高田悟君) 学校トイレの洋式化につきましては、これまで校舎の改築や大規模改修等に合わせ、校舎の各フロアに、少なくとも男子用トイレ、女子用トイレに各1個以上、洋式トイレを配置するよう整備・改修等を行ってきたところでございます。 また、一部の学校におきまして、独自の取り組みとして、簡易の洋式トイレ化を図るため、和式トイレに簡易プラスチックトイレを設置していると聞いております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、小・中学校のトイレ洋式化に対する国や他市等の動向についてです。 国の学校施設環境改善交付金などの補助制度や他市の整備状況など、国や他市等の動向はどうなっているのかお尋ねします。 ◎教育部長(高田悟君) 国におきましては、文部科学省が学校施設環境改善交付金により、トイレ改修工事費の約3分の1を補助しており、同交付金を活用し、福島市におきましては、平成30年度からの4カ年計画で学校トイレの洋式化率80%を目標に定めているほか、郡山市におきましては、今年度中に洋式化率50%を超えるトイレ改修を行う予定と聞いております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、小・中学校のトイレ洋式化の今後の進め方についてです。 本市公共施設等総合管理計画により学校施設の個別管理計画に基づく長寿命化改修工事に合わせて学校トイレの洋式化を進める方針と聞いておりますが、この際、国の学校施設環境改善交付金を利用するなどして、整備実施計画を早急に策定し、整備を加速化すべきではないかお尋ねします。 ◎教育部長(高田悟君) 市教育委員会といたしましては、学校施設の長寿命化計画に基づきまして、おただしの学校施設環境改善交付金を活用した長寿命化改修工事等に合わせまして、小・中学校のトイレの洋式化を進めることとしておりますが、本市の洋式化率が低い状況にも鑑み、児童生徒の利便性の向上あるいは在籍する児童生徒数の動向など、学校を取り巻く状況の変化を見定めながら、今後の学校施設におけるトイレ改修の進め方について、検討してまいる必要があるものと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 今、部長からも他市の状況ということで、福島市は平成30年度から令和3年度の4カ年で洋式化80%を目標にしているとか、あるいは答弁はございませんでしたけれども、南相馬市の場合は、令和6年度までに100%化するというようなこと、あるいは郡山市は年間150基程度の洋式化を目標にするということで、かなり整備の実施計画をきちんと立てて進めているんですね。そういう意味では本市は大変おくれておりますので、市長どうですか、ここは市長の御英断で断行、いつまでどうだということはここでは申し上げられませんでしょうか。御所見をお願いします。 ◎市長(清水敏男君) 先ほども教育部長から答弁がありましたが、子供たちのトイレ環境の改善というのは喫緊の課題だと思っております。今後、トイレの改修の進め方について検討してまいりたいと思います。 ◆35番(佐藤和良君) 教育長というわけにもいきませんので、ここでやめておきますけれども、ぜひ総合的に、この余りにも本市のみすぼらしさというのを胸に刻んでいただいて、早目にやっていただきたいと。私も地元の小学校を見てきましたけれども、やはりフロアに1つというのは余りにも情けない。そしてPTAさん等のお金で和式に簡易のプラスチックということでやっているのが、これまた非常に衛生上もよくないということなんですね。ですから、ここは何とか学校を管理している校長先生を初め教職員も含めて、児童生徒の衛生状態を改善するということで、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。 では、2点目に入りたいと思います。 2点目は、泉町の滝尻地内の道路冠水と浸水対策についてです。 近年、局地的大雨による道路冠水、浸水被害が増加しております。泉町滝尻地内では、市道渚・滝尻線などでたびたび道路冠水が続き、泉町滝尻区会などの要望もあり、芳川ポンプ場の性能向上に向けた改築事業などの対策が進められております。 まず、泉町滝尻地内の道路冠水等の経緯について、平成27年9月の台風時の冠水を初め、これまでの道路冠水等の状況はどうかお尋ねいたします。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 市道渚・滝尻線のうち、国道6号と県道いわき上三坂小野線の間の区間におきましては、台風などの大雨や短期間に集中して雨が降る、いわゆるゲリラ豪雨などの際には、一部区間で冠水が発生していることは確認しており、雨水の流れが妨げられないよう、集水ますの清掃を心がけているところでございます。なお、今回の台風15号の豪雨におきましては、通行に支障を与えるような冠水は発生しておりません。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、これまでの浸水対策について、住民要望への対応を含めて、谷地川1号雨水排水幹線の補修や芳川ポンプ場の運転状況など、本市はこれまでどのように対応してきたのかお尋ねいたします。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 谷地川1号雨水幹線につきましては、年1回程度の除草作業を行うとともに、老朽化した護岸の補修を継続的に実施しているところであります。 また、芳川ポンプ場につきましては、近年の局地的大雨に対応するため、気象庁等の雨雲レーダーや民間事業者の予測雨量等の気象情報を活用しながら、運転委託業者と連携し、迅速な運転に努めているところであります。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、今後の取り組みについてであります。 本市の公共下水道事業における芳川排水区と谷地川排水区の整備状況を踏まえ、谷地川1号雨水排水幹線の補修や芳川ポンプ場の性能向上に向けた改築事業など、今後の取り組みはどうかお尋ねいたします。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 谷地川1号雨水幹線につきましては、老朽化した護岸の補修等を引き続き実施する考えであります。 また、芳川ポンプ場につきましては、整備後44年が経過し、老朽化が進んでいることから、ストックマネジメント計画に基づき、雨水ポンプ設備の排水能力の増強や自動運転化など、性能向上を図ることとしており、今年度より工事に着手する予定であります。 ◆35番(佐藤和良君) 谷地川の排水区の問題で言いますと、やはり東日本大震災のときに川の堤体と言いますか大分崩れたりして、そこの補修も下流部分から始まってきてはいると認識しておりますけれども、どうしてもあそこで飲み切れないものが、六枚内交差点あるいは滝尻交差点側に溢水する状況というのが続いているものですから、芳川排水区の問題とこの谷地川排水区の問題については、今後とも対応策をきちんと整理して対応していく必要があるのではないかと考えております。引き続き、この泉町滝尻地内の道路冠水の解消と浸水対策をお願いいたしまして、次に進みたいと思います。 3点目は、鹿島町久保の山崩れと県道小名浜平線、通称鹿島街道の完全復旧等についてです。 8月24日午後11時過ぎ、我が家が突然停電となりまして、間もなく、山崩れで鹿島街道が大変なことになっている。警察には電話したから、すぐ来てくれという電話が知人から入りました。鹿島町の久保薬師前の鹿島街道交差点に向かいますと、電線が幾重にも垂れ下がりまして、木や電柱がなぎ倒され、その前でとまった軽自動車の脇で女性が泣いておりました。帰宅途中で、信号機が赤になって停止したところに山が崩落して、女性は間一髪で危機を免れたという状況でございました。 その後、消防と警察によりまして、鹿島街道は久保薬師前で迂回規制となりました。宅地内の井戸が落石で埋まったお宅の方にお話を伺いますと、いわき市の指定文化財の久保磨崖仏のお掃除を、その8月24日の日中にしていたところ、変な音がしたというお話をされておりました。もともと崩落した山体は、昔、住宅の土台等に利用する凝灰質砂岩を切り出した石切り場で、大きな空洞があったわけであります。25日朝に、現場に隣接する2世帯の方から聞き取りを行い、避難先の手配などを市の担当者にお願いし、現場が鹿島小学校の通学路のために、26日からの2学期を前に校長先生らに連絡をいたしました。市指定文化財の磨崖仏は崩落現場で大きく損傷して発見されております。 8月25日時点で、主要地方道の県道小名浜平線や市道久保・下矢田線などが通行どめとなり、県道小名浜平線は、29日に片側2車線の通行どめが解除されましたが、久保・下矢田線は解除されず、現在も鹿島小学校の子供たちは通学路を迂回しております。また、崩落の危険のある2世帯が避難を継続しております。小名浜と平を結ぶ、交通と生活の大動脈である主要地方道、県道小名浜平線、通称鹿島街道の完全復旧は喫緊の課題です。 まず、山崩れの経緯について、旧石切り場の空洞、空洞の剥離、凝灰質砂岩の岩盤の風化と経年劣化等による崩落の原因も含め、これまでの経緯はどのようなものかお尋ねします。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 令和元年8月24日午後11時ごろ、鹿島町久保地内において、高さ20メートル幅40メートルにわたり崖崩れが発生し、岩塊や土砂が道路を閉塞し、県道小名浜平線、及び市道久保・下矢田線ほか2路線が全面通行どめとなりました。また、崩落した岩塊や土砂により信号機や電柱の破損、家屋や店舗に展示された車両への落石などが発生したところであります。その後、8月29日までに二次災害防止の応急工事を実施し、同日午後4時に県道の2車線が通行どめ解除、あわせて市道久保・林城線が通行どめ解除となったところであります。 この間、県の要請により8月28日には国の土砂災害専門家による調査が行われ、崩壊にかかわる推定として、凝灰質砂岩の経年的劣化が崩壊の素因になったことや、過去の地震動が岩盤に亀裂を発生させ劣化に影響したことが考えられること、及び崩壊後の土塊の状態から、空洞の存在が岩盤崩壊の発生に影響した可能性が高いと考えられるとの技術的助言を受けたところでございます。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、山崩れに伴う市民生活への影響について、隣接世帯の避難生活、子供たちの通学路や通勤などの交通の確保、生活道路への迂回車両の進入による混雑、住民生活の変化や街道沿線の商業店舗・事業者の客数と売り上げの減少、あるいは市指定文化財久保磨崖仏の崩落など、本市は山崩れの影響をどのように把握し、対応してきたのかお尋ねします。 ◎危機管理監(山田誠君) 鹿島町で発生した崖崩れに伴い、議員おただしのとおり、県道小名浜平線及び市道3路線の通行どめを初め、崖に隣接する世帯の避難や通勤・通学路の変更、さらには市指定文化財の崩落など、市民生活の各分野において混乱や支障等が生じたところでございます。 このことから、市といたしましては、市道の通行どめ等の看板の設置、近隣世帯への避難の要請及び避難所の開設、子ども見守り隊の協力によります通学路における児童の安全確保、さらには、いわき東警察署と連携した交通安全対策等に鋭意取り組んできたところであります。 また、これらの取り組みに当たりましては、情報の集約及び共有化を図る観点から、関係各課連絡調整会議を開催するとともに、現況の把握及び今後の対策等について協議するため、市長をトップとして各部長等を構成員とする鹿島町久保地内の崖崩れに係る庁内対策会議をこれまで2度にわたり開催するなど、組織横断的な対策に努めてきたところであります。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、市内における山崩れ・崖崩れ対策について、鹿島町を初め急傾斜地崩壊危険区域や土砂災害危険区域、凝灰質砂岩層における空洞地帯などの山崩れ・崖崩れ対策を、本市はどのように進めてきたのかお尋ねします。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 本市における山崩れ・崖崩れ対策についてでありますが、県によりますと、市内の急傾斜地崩壊危険箇所におきまして、保全人家5戸以上、または5戸未満であっても、学校、病院、及び社会福祉施設等の要配慮者利用施設のある430カ所を要対策箇所として、そのうち、過去に被害があった箇所や、住宅被害などの危険性が高い箇所について、急傾斜地法に基づき対策工事を行う急傾斜地崩壊危険区域として、143カ所を指定し、優先的に整備を進めているところであり、本年8月末までに、97カ所が概成しているとのことであります。 市といたしましては、事業主体である県に対し、対策事業の促進に向けた要望を行うとともに、地元との調整などに努めてきており、今後も引き続き、県と連携し事業の円滑な遂行に努めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、山崩れの復旧工事について、福島県など関係機関は、対策工法や施工方法など、周辺住民の安全を確保しつつ、どのように山崩れの復旧工事を進めるのかお尋ねします。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 県によりますと、これまでに、地質調査業務と測量設計業務を発注したところであり、現在は、現地での作業を行っているところであります。その結果に基づき復旧工法を決定した後、速やかに復旧工法及び復旧見通しについて公表していく予定であると伺っております。今回の崩落は極めて特殊な事例であり、崩落した岩塊をどのようにして安全に取り除くか、また、岩塊の裏側で現在確認困難な岩盤に対してどのような安全対策を講じるのか、例えば、不安定な土塊を全て撤去するのか、あるいはアンカー工法等の安定対策を行うかなど、まずはボーリング調査等の地質調査を行い慎重に対策を検討することが必要であると考えております。 したがいまして、市といたしましては、現時点で復旧工法を選定することや復旧時期を見通すことは、極めて困難な状況であると認識しておりますが、県と連携し一日も早い全面復旧に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) けさも子ども見守り隊として、鹿島街道あるいは常磐・江名線に立ってきましたけれども、少しずつ測量はやっているようだという、ポイントの目印などはついておりますけれども、やはりきょうも、いつまでこれ開通するのと聞かれるんだと警察官の方も言っておりまして、やはりそういう意味で見通しを早目に立てていただきたいというのが、全て鹿島街道を利用している市民の共通の願いではないかと思うところであります。 次に、迂回ルートの市道の安全対策についてです。 例えば、鹿島小学校児童の通学路である市道上神白・久保線は、小名浜上神白と鹿島町をつなぎ、朝夕、通勤通行の車両が頻繁で、市道幅が狭隘なために、児童の安全、通行人の保護、車両のすれ違いなどに難儀しておりますが、市道久保・下矢田線との接続部の横断歩道や一時停止の標識などの整備を含めて、安全の確保をどう進めるのかお尋ねします。 ◎市民協働部長下山田松人君) 迂回路となっている市道上神白・久保線につきましては、事故後速やかに、徐行看板を設置するなどし、運転手への注意喚起に努めたところであります。また、9月11日には、子ども見守り隊の隊長として議員におかれましても御参加いただいたところでありますが、東警察署や学校関係者とともに、市道上神白・久保線、市道久保・下矢田線における児童の登校時における交通量等を調査し、改めて危険箇所の点検とその対策について協議したところであります。 今後、点検結果を踏まえ、カーブミラーの設置、また、市道上神白・久保線と市道久保・下矢田線の接続部の横断歩道設置に向けた協議を進めるなど、引き続き、道路管理者や警察署、学校・地域関係者の皆様と連携を図りながら、交通安全の確保に万全を期してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、市指定文化財久保磨崖仏について、地域要望等指定に至る経緯等も踏まえて、本市は今後どのように対応するのかお尋ねします。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 今回の崖崩れの影響で、市の貴重な史跡が大きな被害を受けましたことは、市にとりまして、大きな損失であるものと認識しております。とりわけ磨崖仏の史跡指定を長年要望し、これまで大切にしてこられた地域の皆様の御心痛は、まことに大きなものであると受けとめております。このため、市では、災害現場で発見された磨崖仏の一部について、瓦れきとして処分されることのないよう、職員が現地で区分するなど、地域の皆様の心情にも配慮した対応を行ったところでございます。 今後におきましても、文化財保護審議会委員など専門家の意見や当該文化財の管理者である所有者の意向とともに、地域の皆様の磨崖仏に対する深い思いなどにも十分配慮しながら、引き続き適切な対応に努めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、県道小名浜平線、鹿島街道の完全復旧と2020年の第11回いわきサンシャインマラソンについてです。 本市は主要地方道県道小名浜平線の一日でも早い完全復旧を目指すとしておりますが、日本陸連は4車線の県道小名浜平線をマラソンコースとして公認しており、少なくとも2020年2月のいわきサンシャインマラソンまでには完全復旧を実現するよう福島県などに働きかけるべきではないかお尋ねします。 ◎市長(清水敏男君) 第11回いわきサンシャインマラソンは、2020年2月23日の開催に向けまして、準備を進めているところでありますが、現在、通行どめになっている小名浜方面に向かう2車線が公認コースとなっていることから、当該交通規制が大会当日まで継続した場合を想定し、公認コースの一部変更や大会当日の交通規制の範囲等について、関係機関と協議を進めているところであります。 先ほど、土木部長が答弁申し上げましたとおり、復旧時期を見通すことは難しい状況ではありますが、県に対し、一日も早い全面復旧を働きかけるとともに、市といたしましても、県と連携し、市民生活の回復等に向け全力で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 主要地方道県道小名浜平線、通称鹿島街道の完全復旧に向けて、福島県など行政は国の支援も仰ぎながら、安全確保の上、山崩れ対策と復旧計画を早急にまとめ、明らかにする必要があると思います。現在、2世帯の方が避難をしております。避難の解消と安全・安心な市民生活の回復を要望しまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午後2時20分まで休憩いたします。          午後1時59分 休憩---------------------------------------          午後2時20分 再開 △馬上卓也君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。19番馬上卓也君。          〔19番馬上卓也君第二演壇に登壇〕 ◆19番(馬上卓也君) (拍手)19番いわき市議会自民党一誠会の馬上卓也であります。以下、通告順に従い、一般質問を行います。前に質問された議員と重複する質問がありますが、改めまして質問いたしますので、御丁寧な答弁をよろしくお願い申し上げます。 大きな質問の1つ目は、本庁舎耐震改修事業の進捗状況についてであります。 平成29年6月から、本庁舎において耐震改修工事が行われているところであります。申すまでもなく、本庁舎は、市民サービスや防災対策の拠点であり、安全性の確保は喫緊の課題であると認識いたしております。一方、工事が進捗する中で、想定できなかった課題等が生じ、その対策が必要となるなど、当初の予定どおりに進んでいない状況であります。本庁舎は、日々多くの方々が来訪する施設であり、また、災害がいつ発生するのかわからない中で、市の防災拠点となる本庁舎の改修工事を着実に進捗し、早期の完了を迎えることが望まれているところであります。そうした思いのもと、現在の工事の進捗状況についてお伺いしたいと思います。 まず、1点目として、着工後の経過についてでありますが、本工事は平成29年6月に着工いたしましたが、それ以降、どのように工事が進んでいるのかお伺いいたします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本庁舎耐震改修工事につきましては、平成29年6月の着工以来、浸水時にも防災拠点としての機能を維持するための設備棟建設工事や、老朽化した給排水管等の設備の更新を進めてきたところでありますが、工事の進捗に伴い、3-1工区や1工区の掘削作業を進めてきたところ、既存躯体や既存ぐいの損傷や軟弱土等の課題が判明し、対策が必要となったことなどから、平成30年11月定例会において事業費の補正予算を、また、平成31年2月定例会において、工事請負契約の変更について議決をいただいたところであります。 現在、3-1工区においては、地下の掘削が完了し、本庁舎建物下に設置するコンクリート床である基礎スラブの打設を終え、免震装置の設置工事を行っております。また、1工区においては、地下の掘削が完了し、基礎スラブの打設を、3-2工区においては、地下掘削を進めているところであります。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、補正後の進捗状況についてであります。 ただいま答弁にあったように、本工事においては、地下の掘削を伴いますので、想定できなかった課題への対応が必要となり、昨年11月に補正予算、そしてことし2月に契約変更について、市議会での議決を経て、工事が進められてきました。その後、施工上の課題等が生じており、今期定例会に、その対応を要する経費に係る補正予算案が計上されております。 そこで、2点目として、昨年11月の補正後、工事が進捗する中で、どのような課題等が生じているのかお伺いいたします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 補正予算に係る施工上の課題等につきましては、合計14項目ございますが、大きく分けて2つの内容がございます。1つとして、公募型プロポーザル要求水準書におけるリスク分担表に照らして対応が必要となるものが10項目、2つとして、それ以外の要因により対応が必要となるものが4項目となっております。 項目ごとに具体的に申し上げますと、まず、リスク分担表に係る項目といたしましては、1点目として、市民棟と本棟間のシートパイル打設において、必要な根入れの深さが確保できないことから、鉄骨柱による補強が必要となったこと、2点目として、地下の掘削を進める上で、平成30年11月定例会で議決いただいた1工区及び3-1工区と同様に、2工区及び3-2工区においても、軟弱土への対応として掘削土のセメント改良等が必要と見込まれること、3点目として、既存躯体の基礎スラブに付着している割栗石を撤去するに当たり、躯体への付着が強いため、新たに特殊重機を用いての撤去が必要となったこと、4点目として、作業における安全確保を図るため、1工区と2工区の境ののり面を保持するシートパイルの設置が必要となったこと、5点目として、作業ヤードを確保するため、都市ガスの整圧器等の移設が必要となったこと、6点目として、平成30年11月定例会で議決をいただいた3-1工区と同様に、他の3つの工区においても、床コンクリートの鉄筋の露出の補修が必要と見込まれること、7点目として、作業における安全確保を図るため、1工区におけるシートパイルの補強対策などが必要となったこと、8点目として、平成30年11月定例会で議決いただいた基礎スラブを支える新設ぐいの打設に係る軟弱土への薬液注入について、追加的な対策が必要となったこと、9点目として、ただいま申し上げました3点目の割栗石の撤去や、7点目の1工区におけるシートパイルの補強対策のための追加対策に伴い、工期の延伸が必要となったこと、10点目として、地下掘削により発見された既存ぐいなど地下障害物等の撤去が必要となったこと、以上が、リスク分担表によるものの10項目であります。 次に、リスク分担表以外の要因によるものとしては、11点目として、既存ぐいの一部が、支持基盤に到達しているものの、竣工図における位置よりも高い位置に打設されていること、いわゆる高どまりにより、主に3-2工区において、免震装置施工上の安全対策が必要となったこと、12点目として、当該高どまり対策に伴い、工期の延伸が必要となったこと、13点目として、福島県の通知に基づき、本工事に従事する作業員を遠隔地から確保するための経費を盛り込んだこと、14点目として、平成29年6月の契約後に生じた労務単価等の上昇、いわゆるインフレスライドへの対応が必要となったこと、以上の4項目となっております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、3点目として、それら課題等への対応についてであります。 対応を要する課題等が14項目あり、その費用負担について、10項目はリスク分担によるもので、4項目はリスク分担によらないものとの答弁がありました。 では、まず1つとして、これらの対応に要する経費について、リスク分担等について市が対応を要するものは、どのようになっているのかお伺いいたします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 施工上の課題等のうち、市の負担となる項目についてでありますが、まず、リスク分担表に基づくものにつきましては、10項目中3項目で、平成30年11月定例会において議決をいただいた対策と同様となっており、1つとして、掘削土のセメント改良等については、自然条件における湧水・地下水に、2つとして、床コンクリート鉄筋の露出の補修については、その他における既存構造物の健全性に、3つとして、地中障害物等の撤去については、社会条件における地中障害物にそれぞれ該当するものであります。 次に、リスク分担以外の要因によるものであります、既存ぐいの高どまり対策、当該高どまり対策に伴う工期延伸に係る経費、作業員を遠隔地から確保するための経費、インフレスライドへの対応の4項目につきましては、市の負担となるものであります。 ◆19番(馬上卓也君) リスク分担によらないものについて、労働者確保やインフレスライドについては、耐震改修工事に限らず、最近の公共工事にはつきものでありますが、既存くいの高どまりについては、リスク分担ではないとのことであります。 そこで、2つとして、既存くいの高どまりに係る対応について、市が負担することとなる理由について、改めてお伺いいたします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本市は、請負事業者選定のための公募型プロポーザルの実施に際し、竣工図を提示しておりますが、請負業者においては、当該竣工図をもとに、免震装置の設置に係る設計を実施しておりました。しかしながら、基本設計が完了に近い段階で、竣工図とくい打ち報告書における既存ぐいの打設深度に相違があることが判明し、くいの状況について把握ができた時点で必要に応じて設計変更等の措置を講じることとしていたものであります。 建設工事におきましては、工事請負業者は、発注者が、設計図書により明示した条件や貸与した資料などに基づき、施工を行うこととなりますが、設計図書に明示された支持地盤と実際の施工による支持地盤が大きく異なる事実が判明するなど、提示条件の変更に基づく設計変更につきましては、市工事請負契約約款第18条の規定に基づき、発注者が費用を負担するものであります。このため、今般の設計変更に伴う費用につきましては、工事監理者の意見も踏まえまして、発注者である市が負担すべきものと判断したところであります。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、3つとして、市の負担額はどのように積算しているかお伺いいたします。
    ◎総務部長(岡田正彦君) 市の負担となる費用につきましては、工事監理者が、請負業者から提出された内訳書の工種、数量さらには単価について精査を行い、その妥当性を確認した上で、市へ報告することとしております。 市におきましては、これらを踏まえ、さらに精査の上、福島県の建築関係工事積算基準等に基づき、適切に費用を算定しております。 ◆19番(馬上卓也君) 施工上の課題等に対しては、工事監理者の意見も踏まえ、リスク分担等を判断し、また市の負担額についても、工事監理者の精査の上、さらに市で査定をしているとのことでありますので、やむを得ないと考えるところであります。一方で、今回が2度目の補正予算となりますが、さらなる工事費の増額がないのかが懸念されるところであります。 そこで、4点目として、今後さらなる課題等が生じ、工事費が増額される可能性があるのかについてお伺いいたします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 今回の補正額の計上に当たりましては、竣工までを見据えて、これまで工事を施工する中で、想定し得る要因を盛り込み、必要な措置を講じることとしたところであります。 また、財源につきましても、充当率が100%で、元利償還金の7割が交付税措置される、緊急防災・減災事業債を活用しながら、市の負担の軽減に努めているところでありますが、今後におきましても、本庁舎の安全性を確保しながら防災機能の強化に向けて着実な事業進捗を図ってまいりたいことから、御理解を賜りたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 今回が2度目の補正予算でありますが、事業費が増額となり、建てかえがよかったのではといった声も含め、市民の皆様のさまざまな意見を耳にしているところであります。市当局の答弁にありましたが、今後補正がないとは言えないと思うところではありますが、竣工までとの考えを持って今回の補正予算を計上しているとのことでありますので、財源確保に努めながら、ぜひともその中でしっかりと工事を進めていただくようお願いしたいと思います。 そこで、最後に5点目として、今後の本工事の推進に当たり、市長のお考えをお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) 本庁舎耐震改修工事については、平成29年6月定例会で工事請負契約の議決をいただき、同年6月から着工し、設備棟の新設や免震装置設置のための地下掘削等を鋭意進めてきたところであります。この間、市民の皆様を初め来庁者の皆様には、駐車場や庁舎利用における制限など、御不便をおかけしているところであります。また、工事を進める中で、施工上の課題等により、昨年の11月定例会での補正予算に続き、今回2度目の補正予算の提出となり、市民の皆様から、事業費の増額についてさまざまな御意見をいただいているところであります。 先ほど部長が答弁申し上げましたように、今回の補正予算につきましては、これまでと同様、工事監理者の意見を踏まえながら、費用負担についてはリスク分担等に基づき適正に判断するとともに、市が負担することとなる金額については、厳正に査定を行い、基本的には竣工までを見据え、これまで施工してきた中で想定し得る要因を盛り込み計上したところであります。また、財源につきましても、緊急防災・減災事業債を活用するなど、市の財政負担の低減にも努めているところであります。 本庁舎は、日々多くの市民の皆様が来庁され、また、災害発生時の対応拠点であることから、安全性の確保と防災機能の強化は喫緊の課題であり、今後とも適時適切に対応しながら、本事業を着実に進めてまいりたいと考えておりますので、議員各位、そして市民の皆様には、御理解を賜りますようお願い申し上げます。 ◆19番(馬上卓也君) 冒頭でも述べましたが、災害はいつ起こるかわからず、本庁舎の安全性確保は喫緊の課題であります。市当局におかれましては、引き続きしっかりと本事業を進めていただくようお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。 大きな質問の2つ目は、県道小名浜平線、通称鹿島街道、鹿島町久保地内の崖崩れについてであります。 私たちは8年半前に、当たり前の日常的な景色が突然目の前から消える、全く別の景色に変わってしまうという経験をいたしました。そして、同時に、当たり前に過ごしている平凡な毎日が、いかに大切で貴重なものであるかも学びました。令和の時代に入っても、想定外の自然災害が、日本はおろか世界各地で起こり、もはや想定外が日常化しているようにも感じられるところであります。 8月24日午後11時ごろ、県道小名浜平線、鹿島町久保地内で崖崩れが発生いたしました。今回の発生箇所は、私が小学生時代に住んでいた地区であり、仲間たちと遊んでいたまさにその場所であります。崩壊したこの山の下方には洞窟があり、仲間たちと化石とりなどをして頻繁にそこに入り、遊び場にしておりました。今回崩落が起こった山、洞窟は当時の子供たちにとって大切な交流と遊びの場所であり、振り返れば今でも忘れがたく、心に残る多くの懐かしい思い出がよみがえってくるところであります。このような大切な思い出を持っているところでありますので、今回の事故は私にとって大きな衝撃でありました。 私も早速、事故直後に個人で、翌日には自民党一誠会会派議員全員で現場に駆けつけ、現地視察を行いました。崩落した箇所は、以前の姿が跡形もなく消えており、大きな幾つもの岩が県道を塞ぎ、事故の大きさにただただ唖然とするばかりでありました。申すまでもありませんが、県道小名浜平線は、中心市街地平と重要港湾小名浜を結びつける本市の幹線道路の1つであり、沿線一帯には多くの商業施設やサービス・娯楽施設が点在し、営業しております。本市の郊外における大きなにぎわい創出地域でありますが、それだけに今回の事故の市民生活に及ぼす影響は、はかり知れないものがあると考えます。 事故直後から県内のみならず、全国のマスコミが報道しており、また国土交通省も調査に来たということであります。事故による課題も多くあらわれております。被災して避難を余儀なくされている方がいらっしゃいます。子供たちの通学路に影響が出ております。ひどい交通渋滞が起こり、朝夕の通勤ラッシュや休日の交通渋滞に拍車をかけております。商業施設等の方々は、客足が落ち利益が大きく減少していると嘆いております。こうした現実的な課題に加え、今回の事故によって、幹線道路や人口密集地域での事故全般の責任の所在、さらに磨崖仏などの文化財への対応、そして国・県、市が一体となった危機管理のあり方等々、克服しなければならない多くの課題が露呈されました。 私は、起きてしまった不幸な事故について質問してまいりますが、それ以上に、今後このような事故を起こさない努力をしていくことが大事であると考えます。この事故に関して、清水市長の指示項目について新聞報道がなされました。まさにスピーディーかつ適切な指示であると高く評価しておるところであります。 以上のことから、何とかしなければならない、この気持ちでいっぱいであります。ふるさといわきに対する愛着と議員としての責任感が私の心を強く突き上げ、安心・安全な市民生活の確保や、児童生徒を守ることを強く推し進めるために、今回の崩落事故の早急な復旧を図らなければならないとの意を強くするものであります。以上を踏まえて、以下お伺いいたします。 まず初めに、事故の状況についてであります。 今回の崖崩れは、私有地である山が崩落し、その岩石・土砂が県の幹線道路を塞ぎ、通行どめを引き起こしたものでありますが、市内の幹線道路において、過去に崖崩れがあった主な箇所についてお伺いいたします。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 市内の幹線道路における主な崖崩れ箇所につきましては、東日本大震災にかかわる箇所を除きますと、平成5年7月に平上荒川字長尾地内の市道十五町目・若葉台線、旧鹿島街道において、長雨の影響により延長約110メートル、高さ約33メートルにわたり山林の土砂が崩落し13日間通行どめとなった事例のほか、平成19年8月に四倉町字志津地内、いわき蟹洗温泉付近の国道6号において、延長約20メートル、高さ約20メートルにわたり道路のり面が崩落し約13時間通行どめとなった事例、また、平成26年4月に田人町石住字才鉢地内の主要地方道いわき石川線において、大雨の影響により延長約30メートル、高さ約40メートルにわたり道路のり面が崩落し、約6カ月間通行どめとなった事例などがあります。 ◆19番(馬上卓也君) それでは、今回の崖崩れによる県道及び市道の被害状況についてはどうだったのかお伺いいたします。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 令和元年8月24日午後11時ごろ、鹿島町久保地内において、高さ20メートル幅40メートルにわたり崖崩れが発生し、岩塊や土砂が道路を閉塞し、県道小名浜平線、及び市道久保・下矢田線ほか2路線が通行どめとなりました。また、崩落した岩塊や土砂により信号機や電柱の破損、家屋や店舗に展示された車両への落石などが発生したところであります。その後、8月29日までに二次災害防止の応急工事を実施し、同日午後4時に県道の2車線が通行どめ解除、あわせて市道久保・林城線が通行どめ解除となったところであります。 現在は、県道小名浜平線の4車線のうち車道2車線と片側歩道が通行どめとなっており、市道につきましては、久保・下矢田線、鍵田1号線の2路線が、引き続き通行どめとなっているところでございます。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、事故の影響についてであります。 清水市長は、今回の事故の後、直ちに現場視察を行い、隣接する住宅を見舞い、鹿島公民館や親戚宅などに身を寄せている住民に対し、事態が長期化するおそれから、早急な対応を関係職員に指示したと報道にありました。 そこで、避難住民への対応についてお伺いいたします。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 崖崩れ事故による避難住民への対応についてでありますが、事故発生の翌日となる8月25日に、崩壊が拡大した場合の被害が懸念される近隣住民2世帯に対し、聞き取りを行った結果、両世帯より市営住宅への避難の意向が確認されたことから、取り急ぎ、現地近傍で、入居希望人員が収容可能な住戸の確保を進め、翌26日には、確保した住戸の概要を両者に説明したところであります。 そのうち、鹿島公民館に避難していた1世帯につきましては、27日付で鍵の引き渡しを行い、9月1日には市営住宅への転居を完了しております。また、残る1世帯につきましては、事故当初、親戚宅へ一時的に避難した後、自宅へ戻られ、その間、近隣の市営住宅への入居意向について、重ねて確認を行っておりましたが、9月5日に民間のアパートに転居されたところでございます。 市といたしましては、当面、近隣の市営住宅の空き室を確保し、今後の状況の変化に柔軟に対応してまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 避難住民の対応のほか、現場は鹿島小学校の通学路に当たること、小名浜一中生徒のバス通学コースに当たることから、安全確保のためにとった子供たちへの対応についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 鹿島小学校におきましては、当該事故現場を迂回する通学路を設定するとともに、教職員やPTA、地域の見守り隊、交通指導員等の協力のもと、集団登下校を行ったところでございます。また、小名浜第一中学校におきましては、当該事故現場を通るバスが一時的に運行ルートを変更したことから、保護者の送迎等により安全に登下校を行ったところでございます。両校とも、事故発生について、保護者や学校関係者等へ速やかに周知し、注意喚起を図ったことにより、児童生徒の登下校の安全が適切に確保されたものと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) この事故では、幹線道路の遮断という大きな問題が提起されたと同時に、付近に数多く営業する商業施設にも多大なる影響を与えたと考えております。冒頭でも述べましたが、商店主への聞き取りでは、客数が半減し、売り上げも激減しているという声がほとんどでありました。多くの経営者、商店主の皆さんは、この事故に対しても前向きに対応し、これからもまちの活性化に取り組んでいきたいとおっしゃっております。こういう想定外の事故のときこそ、中小商店街に対する支援・対応策を速やかに検討する必要があると考えます。商店街の要望等が出てきた際には、この事故に対する善後策を講じるための対応を速やかに行っていただくことを強く要望したいと思います。 さて、今回の事故では、県、市レベルだけでなく、国からの速やかな対応・動きも見られ現地調査を行ったようでありますが、その国が行った現地調査の結果についてお伺いいたします。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 県の要請により8月28日に国の土砂災害専門家による調査が行われましたが、崩壊に関する推定として、凝灰質砂岩の経年的な劣化が崩壊の素因となったことや、過去の地震動が、岩盤に亀裂を発生させ劣化に影響したことが考えられること、及び崩壊後の土塊の状態から、空洞の存在が岩盤崩壊の発生に影響した可能性が高いと考えられるとのことであります。 警戒避難の範囲といたしましては、今回の崩壊により岩盤の状況が変化しているため、崩壊方向においては、おおむね高さの2倍の範囲について警戒を要するとのことであり、当面の対策として、大きな岩盤崩壊、拡大崩壊、隣接する北側斜面の変位監視のための傾斜計等の設置や、県道の通行どめ解除に向けた大型土のうの設置などの技術的助言を受けたところでございます。 ◆19番(馬上卓也君) さまざまな専門家の分析が進められているようですが、それでは、今回の崖崩れは予見できるものであったのかお伺いいたします。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 県によりますと、当該箇所につきましては、これまで崖表面からの小規模な落石があり、県道の歩道側には防護フェンスを設置するなど、安全の確保を行ってきたところではありますが、国の土砂災害専門家の現地調査におきましては、岩盤崩壊の原因となるような湧水の痕跡は確認できなかったとのことであり、また、県としては、直近において、大規模な崩落の予兆になるような、小規模な崩落や落石なども確認できなかったことから、今回発生した大規模な崖崩れを予見することはできなかったとのことであります。 また、市といたしましても、日常の道路パトロール等において、異常は報告されておらず、これほど大規模な崖崩れが発生することを予見することは困難であったと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 今回の崖崩れに関しては、市民の間からさまざまな憶測・意見がSNS等を通じて発信されております。発信されているほとんどの意見は、あそこまでの崩落は全くの想定外であったというものであります。しかしながら、一方では、崩落は予測できたものであり、自然災害ではなく人災だという意見も目にするところであります。起こってしまった事故を結果だけを見て人災だと意見することには、個人的には簡単に同意することはできません。もし、地域の人たちが、あれほどの崩落をあらかじめ予測・想定していたとしたら、児童の通学路として利用することはできなかったと思います。そういった状況を考えずに、結果論で人災と憶測を流すことに対しては同意しかねるところであります。 しかしながら、事故箇所には柵が設置されており、何らかの崩落は予想できたと考えることができるところに、今回の事故予測の難しさがあると思います。事故現場を行政サイド単独で把握し、監視を続けるには限界があります。こういったときこそ、地域の人々の力をお借りして監視体制、情報の共有を図るべきではないかと考えます。自分の地域のことに最も関心を持っている方々の意見に真摯に耳を傾け、調査・研究を速やかに行うことで危険を大幅に回避できるものと考えます。 1つ例を挙げれば、私の地元であります小名浜支所経済土木課では、市民の方々の情報をもとに、大雨時、大雨が予想されるときなどは、冠水・土砂崩れ等の危険がある箇所の巡回監視を続けていると伺っております。もちろん、これは小名浜支所のみならず、各支所の職員の皆さんが危険箇所を把握し巡回しているものと認識しているところであります。地域住民の声に真摯に向き合い、このような地道な点検作業を続けることで、大きな事故を未然に防ぐことにつながると考えます。この事故は、単なる崖崩れではなく、下部の洞窟を巻き込んだ崩落事故であり、その復旧にはかなりの時間を要するのではないかという憶測が流れているところであります。 それでは、次に、この崩落事故の今後の復旧の見通しについてお伺いいたします。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 県によりますと、これまでに、地質調査業務と測量設計業務を発注したところであり、現在は、現地での作業を行っているところであります。その結果に基づき復旧工法を決定した後、速やかに復旧工法及び復旧見通しについて公表していく予定であると伺っており、市といたしましても、県と連携し一日も早い復旧に努めてまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 今回の崖崩れがこれだけの大事故であるにもかかわらず、幸いにも人的な被害が全くなかったということで、市民の誰もが安堵しているところであります。そして、その人的な被害がなかったことに、磨崖仏の存在があったからではないか、磨崖仏が市民の生命を守ってくれたのではないかといった神がかり的な話も出ております。そんな市指定の文化財である磨崖仏について幾つかお伺いいたします。 まず、磨崖仏の現状についてお伺いいたします。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 久保磨崖仏の現状について、現場の状況から、その詳細を確認することはできませんが、大きな被害を受けたものと認識しております。また、被害を受けた磨崖仏の一部が、県道側に押し出されていることを確認しましたことから、地域の皆様の心情にも配慮し、磨崖仏が瓦れきとして処分されたりすることのないよう、職員が現地で区分するなど、必要な対応を行ったところであります。 ◆19番(馬上卓也君) 答弁にありましたとおり、大きな被害を受けた磨崖仏でありますが、磨崖仏の今後の取り扱いについてお伺いいたします。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 今回、貴重な市の史跡が大きな被害を受けましたことは、市にとりまして大きな損失であり、とりわけ磨崖仏を大切にしてこられた地域の皆様の御心痛は、まことに大きなものであると認識しております。このため、今後の磨崖仏の取り扱いにつきましては、文化財保護審議会委員など専門家の意見とともに、所有者の意向や地域の皆様の磨崖仏に対する深い思いなどにも十分配慮しながら、引き続き適切な対応に努めてまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 磨崖仏は、地域の方々に愛され、大切に守られてきた文化財であり、地域の宝であると思います。そんな地域に溶け込んでいる磨崖仏であるからこそ、先ほど申し上げたとおり、神がかりともいえる、地域の方々の命を守った、生命を守ったといったうわさが流れるのだと思います。地域の方々が、このように大切に守ってきた磨崖仏という文化財をぜひとも地域の方々の意向と真摯に向き合い、今後の対応をしっかりと行っていただくことを強く要望したいと思います。 次に、この事故後の市の対応についてであります。 市民の生命・財産に危険が及ぶ場合、行政として最大限の注意喚起、広報活動をすることはもちろんでありますが、今回のような幹線道路の通行どめのような、市民生活に大きな不都合を生ずる場合にもまた、早急な広報活動が必要になると考えます。 初めに、今回、市内でも指折りの交通量を有する箇所において、崖崩れによる通行どめが発生するという緊急事態となりましたが、市はこのような状況で、交通規制に関する情報をどのように発信し、広報したのかについてお伺いいたします。 ◎危機管理監(山田誠君) 県道小名浜平線の交通規制情報につきましては、まず、道路管理者であります福島県におきまして、県ホームページへの掲載を初め、ラジオ福島や日本道路交通情報センターに対しましてファクシミリにより情報を提供したほか、報道機関への投げ込みを通じた広報を実施しているところであります。 市におきましても、交通規制に伴い渋滞等が発生し、市民生活に影響が生じていたことから、県の規制情報の公表後、速やかに、市ホームページへの掲載や市フェイスブック及び市ツイッター等のSNSの活用、さらには市防災メールによる情報発信など、さまざまな手法を活用した情報発信を行うとともに、市ホームページにおきましては、文字情報のほか、詳細な規制内容を示した地図情報を掲載するなど、具体的かつ丁寧な交通規制の情報発信に努めたところでございます。 ◆19番(馬上卓也君) さまざまな媒体、手法を用いて広報活動を行ったということであり、安心したところであります。しかしながら一方で、広報というのは非常に難しいもので、受け手側がその情報を受信できる体制が整っておらず、一方通行の情報垂れ流し状態になる可能性も秘めていると考えるところであります。 今回の事故に関する広報活動の評価と教訓を生かした今後の広報活動についてお伺いいたします。 ◎危機管理監(山田誠君) 今回の市における情報発信につきましては、福島県との情報の整合性を図る観点から、県の公表後に対応したところでございますが、交通規制が実施されてから市民の皆様への情報の発信まで時間を要したなどの課題も発生したところでございます。 今後の広報活動につきましては、今回の実施状況などを踏まえ、多種多様なツールを活用した迅速かつ正確な情報の発信はもとより、受け手側である市民の皆様に着実かつ速やかに情報が伝わるよう、県との連携を密にしながら、効果的な情報の発信・伝達に努めてまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 繰り返しになりますが、今回の事故に際し、清水市長は現場視察に駆けつけ、安全・安心を最優先に復旧工事を行うとともに、避難者への対応、児童・生徒たちへの対応を早急にとることを指示しました。加えて、市内の危険箇所の調査・点検を指示したわけですが、危険箇所の緊急点検の実施状況についてお伺いいたします。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 市といたしましては、主要な幹線市道等38路線、のり面等329カ所について、職員がひび割れ、湧水、浮石等の有無を目視により確認をする緊急点検を行い、その結果直ちに大きな被害を及ぼすような危険箇所は確認されませんでした。 国におきましては、国道6号、49号について、今回の崖崩れ以降、パトロールによる緊急点検を行いましたが、危険箇所は確認されなかったと伺っております。また、本年11月から12月にかけて、国道6号、49号の合わせて50カ所ののり面につきまして、毎年行われている定期点検を実施する予定と伺っております。 県におきましても、崖崩れ以降、道路パトロールを強化し、重点的に道路のり面を目視点検しているところであり、今月には道路防災カルテをもとに、国道399号ほか28路線303カ所について点検業務を発注し、道路のり面等の危険箇所の把握、対策工事を進めていくと伺っております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、今回の事故では、道路のみならず市民生活全般にかかわる問題が複合的に発生し、複数の部署にまたがるさまざまな分野での対応が必要とされると認識しております。 そこで、諸課題解決に向けた市の組織的な対応についてお伺いいたします。 ◎危機管理監(山田誠君) 鹿島町で発生した崖崩れに伴い、議員おただしのとおり、県道小名浜平線及び市道3路線の通行どめを初め、崖に隣接する世帯の避難や通勤・通学路の変更、さらには市指定文化財の崩落など、市民生活の各分野において混乱や支障等が生じたところでございます。 このことから、市といたしましては、市道の通行どめ等の看板の設置、近隣世帯への避難の要請及び避難所の開設、子ども見守り隊等の協力による通学路における児童の安全確保、さらには、いわき東警察署と連携した交通安全対策等に鋭意取り組んできたところでございます。 また、これらの取り組みに当たりましては、情報の集約及び共有化を図る観点から、関係各課連絡調整会議を開催するとともに、現況の把握及び今後の対策等について協議するため、市長をトップとして各部長等を構成員とする鹿島町久保地内の崖崩れに係る庁内対策会議をこれまで2度にわたり開催するなど、組織横断的な対策に努めてきたところであります。 ◆19番(馬上卓也君) 今回の事故のように幹線道路を巻き込むような、市民生活に多大な影響を与えるような事故が発生した場合、当然のことながら、市単独での復旧・解決は非常に困難であると考えられます。 今回の事故を踏まえて、今後このような事故が発生した場合の国・県、市の連携についてお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) このたびの崖崩れは、本市の道路交通の大動脈である鹿島街道が通行どめとなり、周辺住民の皆様を初め多くの市民の皆様の日常生活や産業・経済活動に大きな影響を及ぼすことが予見されたことから、事故直後より、初動体制における応急措置を講ずるなど、道路及び交通管理者である国・県、市が速やかな復旧に向け、連携して対応してきたところであります。 また、県におきましては、発災から5日後になる8月29日には、国・県、市及び交通、通信、電力、建設関係などの諸団体で構成される主要地方道小名浜平線崖崩れに係るいわき地方対策本部を設置し、今後の復旧に向け、関係機関相互の連絡調整や情報共有を図ることにより、速やかな対策の推進に努めることとしたものであります。 市といたしましては、今後、同様の事案が発生した場合においても、事案の発生直後から、関係機関との連携を強化し、課題の早期解決に向け、迅速に対応してまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 冒頭にも述べましたが、今の時代、想定外が日常化しつつある、何が起こるか全く予測がつかない時代であります。こんなときだからこそ、防災の基本に返り住民と行政が連携を密にし、情報を共有し対応していくことが大切であると思います。市民の皆様の安全・安心を守るために、さらなる御尽力を賜りますことをお願い申し上げ、次の質問に移りたいと思います。 大きな質問の3つ目は、ベルマーク運動についてであります。 ベルマーク集め、これは多くの方々が経験し、知らない方はほとんどいないのではないかと思います。しかしながら、1961年、昭和36年に参加PTA2,263校で実質的に始まり、現在まで続いているベルマーク運動でありますが、その実態というものが、集めている保護者の方々にさえもほとんど伝わっていないというのが現状ではないかと考えます。この質問に当たって何名かの方々にベルマークについて知っているかと質問してみました。ほとんどの方々の答えが、知っているよ、集めて学用品と交換するやつね等のほぼ同じような答えでありました。しかしながら、ベルマーク運動のそもそもの始まりを考えた場合、自分の学校等の備品と交換するというのは、実は二次的な効果であります。この58年と長きにわたり綿々と続いてきたベルマーク運動に関し、幾つかお伺いしたいと思います。 第1点目は、ベルマーク運動の目的についてであります。 1つ目として、ベルマーク運動の概要についてお伺いいたします。 ◎教育部長(高田悟君) 公益財団法人ベルマーク教育助成財団によりますと、ベルマーク運動は、小・中学校のPTAなどが、日用品などの商品についたベルマークを集めて財団に送付することにより、1点が1円に換算されてベルマーク預金となり、その預金で学校の備品や教材などを購入することができるほか、その一部を僻地等の教育環境等の整備、支援に充てる運動となっております。 ◆19番(馬上卓也君) ベルマーク運動の出発点となったのは、自分の学校の設備を整えるためではなく、僻地の学校への寄附金の募集でありました。当市に関しましても、三和小学校に支援金の一部が回ってきているようであります。 現在、その支援の輪は、僻地学校にとどまらず広がっているようですが、その支援についてお伺いいたします。 ◎教育部長(高田悟君) 財団によりますと、支援の輪は、特別支援学校、被災地域の学校のほか、ユニセフなどを介した海外の子供たちへの支援にも広がっております。 本市におきましては、東日本大震災発災後、久之浜第一小学校を初めとする小学校48校、及び豊間中学校を初めとする中学校8校が被災地域の学校として支援を受けたところでございます。 ◆19番(馬上卓也君) 出発点が1960年に設立された教育設備助成会、現在のベルマーク教育助成財団であり、先ほど申し上げました2,263校の参加を得て運動が始まったわけでありますが、現在は、参加団体に関して学校以外にも門戸が開かれていると伺っております。 その参加団体についてお伺いいたします。 ◎教育部長(高田悟君) 財団によりますと、従前の小・中学校や高等学校などに加えて、平成18年度からは、公民館などの社会教育施設や大学などの高等教育機関に参加資格が拡大されております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、ベルマーク運動を支える企業・会社には協賛会社、協力会社という種類があるようですが、その違いについてお伺いいたします。 ◎教育部長(高田悟君) 財団によりますと、協賛会社は、自社製品にベルマークをつけて販売することでベルマーク預金として資金を提供している会社であります。 また、協力会社は、ベルマーク預金で備品や教材の購入ができる会社であり、その収益の一部を財団に僻地等への援助活動資金として提供しております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、ベルマークの収集状況についてであります。 まず、全国ではどのくらいのポイントが集められているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(高田悟君) 財団によりますと、平成30年度におきましては、全国で2万2,813団体が約4億1,342万5,000点を集めております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、県内の状況はいかがでしょうかお伺いいたします。 ◎教育部長(高田悟君) 同じく県内では、平成30年度に、286団体が約747万6,000点を集めております。 ◆19番(馬上卓也君) 県内でも、いわき市の小学校はPTAの方々の力により、収集を頑張っている学校も数多くあるようでありますが、市内の状況についてお伺いいたします。 ◎教育部長(高田悟君) 財団によりますと、平成30年度に、市内で収集が多い上位3校は、平第五小学校が約13万6,000点、磐崎小学校が約11万9,000点、四倉小学校が約11万3,000点となっております。 ◆19番(馬上卓也君) 私の調べたところでは、2018年度県内558参加団体の中で、ランキングの上位に入っているのが、答弁の中にもありまして繰り返しになりますが、6位の平第五小学校、8位の磐崎小学校、9位の四倉小学校、そして16位の植田小学校などがあるようでございます。市内の学校でも保護者の方々そしてPTAの方々と協力しながら、上位の成績を上げている小学校があること、とてもすばらしいことだと思います。改めまして、敬意を表したいと思います。 さて、次の質問は、ベルマーク収集の問題点についてであります。 先ほど市内の小学校でも県内で上位にランキングされるほど頑張っているところもあると指摘させていただきましたが、一方で問題点も指摘されているところであります。 初めに、提起されている問題点についてお伺いいたします。 ◎教育部長(高田悟君) 市内の小・中学校に調査をいたしましたところ、児童数の減少により、ベルマークが集まりにくくなっていること、仕分け・集計などの人的作業が負担になっていること、さらには、ボランティア活動の多様化などにより、ベルマーク運動への取り組みの優先順位が下がってきていることなどが挙げられております。 ◆19番(馬上卓也君) ベルマークの1枚1枚が非常に小さいものが多く、切り取り、張りつけなどに時間を要することは、私も子供に持たせたときに経験したことであり、ある意味容易に推測できることではありました。そして、その集計に際しては、企業ごとに集計し直す作業などはPTAの方々の大きな負担になっているとのことで、改めてその大変さを認識したところであります。 そこで、先ほど例を挙げました上位にランキングされている小学校では、その大変な作業をどのように行っているのか、改善策についてお伺いいたします。 ◎教育部長(高田悟君) 改善策の具体例につきましては、ベルマークの仕分け・集計作業を授業参観などの学校行事に合わせて行うことで作業人員を確保したこと、保護者の都合に合わせて学校以外でも作業が行えるようにしたこと、さらには、仕分け・収集しやすいよう、牛乳パックを半分に切った入れ物やベルマークを張る台紙を使用するなど、作業を工夫したことなどが挙げられております。 ◆19番(馬上卓也君) 私もベルマーク財団のホームページを閲覧したり、電話をしたりして確認したところ、一般的に行われているベルマークを点線に沿ってきれいに切り取る作業、並べてテープで張りつける作業などは、強制ではなく、任意の作業であり、各団体において集計しやすいように工夫すればよいということでありました。いずれにしても、各学校・団体が行っている効率のよい方法を共有し作業を進めることが、PTAの方々の負担を減らすことに通じると思いますので、その辺の情報共有に関しましても、行政サイドに御尽力をいただきたいと思います。 次に、ベルマーク運動の今後についてであります。 初めに、ベルマーク運動に関して、考えられる効果について、市ではどのようにお考えなのか御所見をお伺いいたします。 ◎教育部長(高田悟君) 児童や保護者は、ベルマーク運動を通して、みずからの活動が被災地や海外への支援活動になっていることを認識するととともに、ボランティア活動への興味や社会貢献に関する意識の高揚につながっているものと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 先日、とあるPTAの方とベルマーク運動に関してお話をさせていただいたところ、1年生、新入生の保護者で初めてPTAの役員になった方には、ベルマークにかかわる委員会に入っていただくということでした。その理由というのが、初めてPTA活動に携わった方というのは、ほとんどの保護者の方々と面識がない場合が多いので、作業を交流の場として、他の保護者の方々を知っていただくということでありました。なかなか理にかなったすばらしい方法だと思います。 ベルマーク運動は、参加団体に関して、2006年にその団体の範囲が公民館などにも広がりました。このようなことを考慮すれば、例えば高齢者の方々のボランティア・地域参加、交流を広める等の活動にもつなげることができると思います。 これから本市としてベルマーク運動の推進にどのようにかかわっていくつもりなのか御所見をお伺いいたします。 ◎教育部長(高田悟君) 本市における学校のベルマーク運動の実施に当たりましては、地域の実情に合わせ、学校周辺の公民館や商業施設等にベルマーク回収箱を設置するなど、地域の協力も得ながら、展開をしているところでございます。 市といたしましては、引き続き学校を中心としたベルマーク運動が推進されるよう、運動の意義を伝えるとともに、各学校への啓発等に努めてまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) さまざまな課題を抱えながら60年近くにもわたり続いているベルマーク運動に関しましては、その課題を抱えながらも意義のある活動であるとして続いているものと考えております。最近では、インターネットでの買い物をする前にベルマークのページを経由して目的のページに移動すれば、ベルマークのポイントがたまるサービスも開始されているようです。ベルマークを集める活動、集めようとする活動により、自分たちに直接利益をもたらすのみならず、第三者に関してもさまざまな恩恵を与えることができるという理解を私たちが共有することによって、私たちの活動に取り入れていくことができる、取り入れていくべきものと考えているところであります。ぜひとも地域の方々、とりわけ高齢者なども巻き込んだ活動などにも調査・研究を加え、ベルマーク運動を上手に活用していただくことを要望し、質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午後3時30分まで休憩いたします。          午後3時18分 休憩---------------------------------------          午後3時30分 再開 △柴野美佳君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。6番柴野美佳君。          〔6番柴野美佳君第二演壇に登壇〕 ◆6番(柴野美佳君) (拍手)6番いわき市議会公明党の柴野美佳です。 台風15号が各地に大きな爪跡を残しました。特に、暴風雨による停電は復旧が進まず、多大な被害を引き起こしています。改めて、亡くなられた方々に対して御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧を祈らずにはいられません。 私たち公明党は、相次ぐ自然災害への備えとして、防災減災というテーマを最重要課題と捉えて、政治の主流に位置づけ、防災意識を高める教育を含めて社会の主流へと押し上げなければならないと考えております。そこで、本日は防災減災を社会の主流に押し上げるため、以下伺ってまいります。 まず、水害対策についてであります。 台風などの接近による水害の事前防災行動計画であるタイムライン策定の進捗について伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 本市の水防活動におきましては、市水防本部において、策定した避難の基準となる行動計画に沿って、避難情報を発令することとしております。タイムラインにつきましては、県、市などで構成するいわき方部水災害対策協議会の支援を受けて、策定することとしておりますが、平成30年7月豪雨の教訓を踏まえ、国は、本年3月に防災情報を5段階の警戒レベルで提供し、避難のタイミングを明確化するなど、避難勧告等に関するガイドラインを改定したことから、本改定内容を反映し、早期に策定してまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) それでは、危機管理型水位計の設置について伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 本市の水防活動における避難判断については、市内の二級河川14河川、25カ所に県が設置した水位観測所の水位情報を活用しているところでありますが、このたび、県により設置された危機管理型水位計につきましては、洪水時に特化した低コストの水位計であり、これを活用することで水位観測網の充実を図るものであります。現在の設置状況につきましては、市内の二級河川夏井川、及び、鮫川などの31河川、49カ所に設置されており、その水位情報は、一般財団法人河川情報センターのホームページにより提供されているところであります。 ◆6番(柴野美佳君) タイムラインは、今、部長から御答弁いただいたように、行政の取り組みでありますけれども、最近は住民の自分の計画、マイ・タイムラインが注目されています。お手元の資料をごらんください。東京都が出している東京マイ・タイムラインのホームページからダウンロードしたものであります。大きな川のそばに住む一家、高齢のおばあちゃんとお子さんがいる4人暮らしの一家がモデルであります。マイ・タイムラインを作成するときに最初に行うのは、ハザードマップで自分の住む地域のリスクを確認することです。この家庭は、河川が氾濫して家が浸水することがわかりました。そこで、台風が近づいているとき、テレビやラジオなどから大雨の情報をとりながら、警戒レベル2でおばあちゃんは薬の確認をし、避難先と決めてある妹さんに連絡するなど、どのタイミングで誰がどう動くのか、私と家族の避難行動を時系列に具体的に書き込み、避難のタイミングを示すのがマイ・タイムラインです。 マイ・タイムラインの取り組みは、4年前の関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し、数千人が逃げおくれて救助されたことをきっかけに始まりました。西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市、静岡県、東京都などで、今年度から予算をつけて講習会を開いたり、教材づくりをしてマイ・タイムラインの住民への普及に取り組むこととなっております。 本市においても、今月9日、台風15号の影響で好間町の7地区に対し、警戒レベル4の避難指示が発令されました。今後予想される水害対策として、逃げおくれゼロを目指して本市においてもマイ・タイムラインの導入を進めるべきと考えます。御所見を伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) マイ・タイムラインは、ただいま議員の説明、紹介のとおりでございますが、台風や豪雨などによる水害発生時に自分自身がとる防災行動を時系列的に整理した行動計画表であり、その期待される効果につきましては、自分自身が事前に作成することでリスクを認識し、水害発生時に適切な避難行動をとることが可能となるものであります。これは、平成27年9月の関東・東北地方豪雨による鬼怒川の大規模氾濫を契機として、被害を受けた常総市が国・県とともに、住民みずからが行うマイ・タイムラインの作成を後押しする新しい取り組みを平成28年10月から始めたものであり、その後、各自治体においても、みずからの命はみずからで守るという考えのもと、取り組まれていると聞き及んでおります。市といたしましては、この取り組みは有効であると思われますことから、マイ・タイムラインの導入に向け、先進事例を調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) このマイ・タイムライン、今、部長の御答弁にあったように、いろいろな自治体で動いております。マイ・タイムラインを実施する場合は、先進地では講座を開いたり、その講座の指導者になるリーダーを育成したりしておりますので、そうした取り組みもあわせて御検討いただくようお願いをいたします。 続いては、河川洪水ハザードマップについてであります。現在の取り組み状況について伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 河川洪水ハザードマップの現在の取り組み状況についてでありますが、平成27年7月の水防法改正に伴い、県では、二級河川夏井川、藤原川、鮫川、及び蛭田川の4水系について、想定し得る最大規模の降雨を対象に既存の浸水想定区域等の見直しを行うこととし、平成28年度から30年度にかけて夏井川水系及び鮫川水系の2水系を実施したところであり、市におきましては、県の見直しを受け、河川洪水ハザードマップについて、平成30年度に夏井川の小川地区を公表し、今年度は夏井川水系仁井田川の四倉地区の公表を予定しており、今後は、夏井川水系新川、好間川の平地区と好間地区、鮫川水系鮫川の勿来地区についての作成作業を進め、早期の公表を図ってまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) ただいま御紹介いただきました河川洪水ハザードマップを基礎に、町なかの電柱などに防災標識を示すことで、住民にリスクを示す、まるごとまちごとハザードマップの取り組みがあります。石巻市は、防災標識の設置を電柱に行う協定を東北電柱広告協議会と締結いたしました。この協定によって、広告主が全額負担いたします。こうした地域貢献型広告の取り組みが多くの自治体に広がっております。電柱を活用した地域貢献型広告に関する協定を結んで、まるごとまちごとハザードマップの取り組みを進めるべきと考えますが、御所見を伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 地域貢献型広告の取り組みにつきましては、広告設置事業に賛同する協力者が設置費について全額を負担するといった自治体に費用負担のない、この点については、効果的な取り組みであると考えております。市におきましては、現在、想定し得る最大規模の降雨を対象としたハザードマップの見直しを行っているところであり、この見直しにより、設置する看板の高さの表示が決定されるものでございます。今後、制度の活用に当たっては、既に設置してある看板との共存や看板を設置する高さの問題などを整理する必要がありますことから、関連情報の収集に努めてまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 先進事例もたくさんございますので、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。 続いては、カラーバリアフリーの取り組みについてであります。 先日の新聞記事によりますと、日本列島の地震危険度を色で示す全国地震動予測地図の配色が、全国で300万人以上と言われる色覚障がい者など、色弱者に配慮して見直されることになったそうであります。また、高知市では2年前からカラーユニバーサルデザインの認証を取得した洪水ハザードマップが作成されております。ハザードマップは命にかかわる重要な情報ですので、誰でも識別しやすい色づかいで作成されるべきと考えます。今後、ハザードマップの改定に際しては、カラーバリアフリーに配慮した取り組みをするべきと考えますが、本市の御所見を伺います。 ◎危機管理監(山田誠君) いわゆるカラーバリアフリーの取り組みにつきましては、国土交通省の水害ハザードマップ作成の手引きにおきまして、ハザードマップの作成に当たっては、色彩等に関する配慮事項として、高齢者や色覚に障害のある方にも見やすくするため、色の明度差や組み合わせにも配慮することとされております。市といたしましても、ユニバーサルデザインの観点から、全ての市民の皆様がわかりやすいハザードマップを作成することは重要であると認識しており、市防災マップ及び市津波ハザードマップの改訂にあわせて、当該手引きに基づきカラーバリアフリーに配慮したマップの作成について検討してまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) ぜひ取り組みをよろしくお願いいたします。 続きましては、避難訓練コンサートについてであります。 アリオスでは、過去に避難訓練コンサートを実施したと伺いました。その検証結果について伺います。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) いわき芸術文化交流館アリオスにおきましては、災害による人命の安全確保、被害の軽減及び二次災害を防止することを目的として、年に2回、自衛消防訓練を実施しております。その一環として、平成27年2月に、ホールでの催事中に火災が発生したという想定で、一般市民300名にお客様として御協力をいただき、いわゆる避難訓練コンサートを行ったところでございます。 この訓練は、単にお客様をマニュアルどおりに避難誘導するのではなく、どのような災害が発生するのかを、訓練に参加したアリオススタッフにも事前に知らせない、いわゆるブラインド訓練の形式で行うことで、各スタッフが、火災が発生した際にそれぞれの持ち場でどう対応すべきかをみずから考え、行動するための訓練として実施したものであります。実際、スムーズに運ばなかった部分も見られ、実施後のアンケートや振り返りにおいて、情報把握や指示が的確ではなかった、情報伝達に時間がかかり過ぎて観客に不安を与えてしまったなどの反省点が挙げられているところでございます。アリオスにおきましては、こうした経験を実際の対応に生かすべく、さらなる訓練内容の見直しに継続的に取り組んでいるところでございます。 ◆6番(柴野美佳君) 市内には、アリオスのほかにも市民が集うホールがございます。そこで、文化センターでの避難訓練コンサートの開催について伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 文化センターにおきましては、消防法に基づく消防計画によりまして、年2回、職員だけでなく、当日利用しているサークル等にも事前にお知らせし、全館で、避難訓練を実施しております。おただしの避難訓練コンサートは、各施設の消防計画における避難誘導等の実地検証という役割を担うもので、将来起こり得る災害に向けての大きな備えになるものと認識しており、文化センター大ホールでの開催につきましては、先行して実施しているアリオスや他の自治体における事例での効果や課題を整理しながら、その可能性や手法について調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) このホールでの開催というのは、実地訓練という効果もありますし、また、市民への防災意識の向上というところが非常に大きいと思いますので、ぜひ検証して実施していただきたいと思います。 続いては、避難所TKB、トイレ・キッチン・ベッドについてであります。 医師や災害の専門家でつくる避難所・避難生活学会が避難所の環境の抜本的な改善を求める提言をまとめ、災害関連死の主な原因は、不便で不潔なトイレや冷たい食事、床での雑魚寝などといった避難所の環境にあるとしています。避難所では、快適で十分な数のトイレや温かい食事、それに簡易ベッドを提供することを標準とすべきで、そのためには、トイレ・キッチン・ベッド、TKBの準備をふだんから進める必要があるとしています。中でも最も大切なのがトイレです。市内で活躍のトイレ診断士にお話を伺いました。災害時は、停電、断水、給排水管や汚水処理施設の損傷で水洗トイレはすぐ使用できなくなります。3日以内に仮設トイレが行き渡った自治体は3割、9時間以内にトイレに行きたくなった人は8割弱、排せつは待ったなしとお話を伺いました。トイレ対策の初動を誤ると、トイレが使えない、汚い、なるべくトイレに行かないように水分や食事を控え、そのことによって体調を崩し、最悪は死につながります。 そこで、避難所における本市のトイレ対策について伺います。 ◎危機管理監(山田誠君) 避難所のトイレ対策につきましては、市地域防災計画に基づき、開設時に施設を点検し、断水等により使用できない場合には、備蓄してある災害用トイレを設置することとし、また、備蓄分で不足する場合には、支援物質により対応することとしております。また、支援物質による対応が困難な場合には、協定締結自治体やレンタル業者等に対し、仮設トイレのレンタル供給を依頼し対応することとしております。 ◆6番(柴野美佳君) それでは、避難所等におけるマンホールトイレの整備状況について伺います。 ◎危機管理監(山田誠君) マンホールトイレは、下水道管路等にあるマンホールの上に簡易な便座やパネルを設け、災害時において迅速にトイレ機能を確保するものであります。本市の避難所等におけるマンホールトイレの整備状況につきましては、平成30年度に津波防災公園として整備した豊間公園内に2カ所、計20基を整備しております。 ◆6番(柴野美佳君) 広域の本市としては、少し少ないのかなという気がしますけれども、災害時のトイレは和式でしゃがめない、段差がある、汚い、暗い、怖いなど課題が山積しております。男女が分かれていない、防犯ブザーが欲しい、おむつや生理用品がないなど、避難所から聞こえてくるトイレの悩みは深刻です。トイレは、衛生、防犯、利便性などを考慮しなければなりません。そして、トイレは日常を取り戻す場所でもあります。災害時は激しくストレスを抱えるため、衛生的な普通のトイレを使うことで、日常に戻れた安らぎを感じます。こうした問題解決の糸口になるトイレトレーラー整備について伺います。 全国に先駆けてトイレトレーラーを整備した静岡県富士市に会派で視察に行ってまいりました。富士市は、一般社団法人助けあいジャパンの災害派遣トイレネットワークプロジェクトに賛同し、全国で初めてトイレトレーラーを導入いたしました。トイレトレーラーは自動車で牽引するトレーラーに水洗洋式トイレの個室を4部屋備え、大容量の汚水・給水タンクを装備しているものです。このプロジェクトの特徴は、災害時トイレトレーラーを派遣して支え合う災害備蓄の共有という考え方です。また、資金調達にクラウドファンディングを活用する、平時でもイベントなどで仮設トイレとして活用できる点などが挙げられます。財源としては緊急防災・減災事業債が使え、3割が自治体負担となりますが、その3割にクラウドファンディングを活用できます。 大震災で多くの自治体に応援していただいた本市として、トイレ問題の一助となり、被災した他の自治体を応援できる支え合いのみんな元気になるトイレプロジェクトにぜひ賛同してトイレトレーラー導入を進めていただきたいと考えますが、本市の御所見を伺います。 ◎危機管理監(山田誠君) トイレトレーラーにつきましては、災害時の利用を想定した移動設置型のトイレであり、被災直後の断水下でも利用可能でありますが、反面、整備に係る初期費用や、整備後の維持・管理、さらには、更新に要する費用などが大きいことなどから、その費用対効果の検証が必要となるほか、トレーラーの運転には、普通免許のほか、牽引免許を必要とするなど、整備・運用するに当たりまして、検討すべき多くの課題があるものと考えているところでございます。市といたしましては、トイレ対策として、既に避難所等には災害用トイレを備蓄するとともに、協定締結自治体からの支援などさまざまな方法により、対応することとしておりますことから、現時点におきましては、トイレトレーラーの整備の必要性は低いものと考えているところでございます。 ◆6番(柴野美佳君) ランニングコストについて、今、部長から御答弁ありましたけれども、トレーラーは駆動部がありませんので、その点検が非常に単純なため、コストは低いという説明は受けました。また、年間の予算も示していただきましたけれども、かなり低いと感じております。資料なども担当課のほうにもお渡ししておりますので、ぜひごらんいただきたいと思います。今、全国にこのトレーラーの整備が進んでおりまして、埼玉県刈谷市では、ことしトイレトレーラーが導入されたばかりですが、今回の台風の被害の大きかった千葉県君津市から、トイレが大変だという要請を受けて、トイレトレーラーを派遣したそうです。千葉県ですから電源がありませんけれども、電源のないところでも蓄電池とソーラーパネルで発電し、LED照明の電力を賄い、タンクには1,500回分の排せつ物をため、下水管に直接つなぐこともできます。こうした助け合いの精神です。100ほどの自治体から問い合わせもあるそうですので、重ねて御検討いただくよう要望いたします。 続いては、キッチン、栄養対策についてであります。 炊き出しの食材表示について伺います。 食物アレルギーと共に生きる会アレルギーっ子ママが考えた防災ハンドブックに、炊き出しについての協力のお願いが掲載されております。お手元の資料をごらんください。炊き出しについて御協力お願いします。使った食材を全部張り出してください。食品の空き容器を再利用しないでください。子供に食べ物を与えるときには、保護者に確認してくださいとあります。ここにあるように、アレルギーはわがままや好き嫌いではなく体質です。ごく微量でも重い症状があらわれる場合もあれば、中身を確認すれば食べられることもあります。 食物アレルギーへの対応として、炊き出しの際、全ての食材を表示することについて、避難所運営マニュアルに規定していただきたいと考えます。御所見を伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 地域防災計画の非常用食糧等の供給に関する項目におきましては、食物アレルギーを有する方への対応として、炊き出しを実施する際の食材の明示等を規定しており、地区本部の避難所班が担うこととされておりますことから、避難所運営マニュアルに反映してまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 非常に大事になってくるのは、運営側もそれから当事者側も正しい知識を持つということだと思います。平時からの正しい食物アレルギーの知識の普及がさらに図られるよう御支援をよろしくお願いいたします。 続いては、災害時の乳幼児の栄養支援についてであります。 液体ミルクについて伺います。ことし液体ミルクが国内で製造、販売、流通が開始されました。常温無菌状態で保存でき、お湯がいらず乳児にそのまま飲ませることができるため、災害備蓄への活用が期待されております。本市では、液体ミルクの備蓄は流通備蓄とすると伺いました。 そこで、災害時に確実に必要な赤ちゃんに液体ミルクが届く搬送体制について伺います。 ◎危機管理監(山田誠君) 液体ミルクにつきましては、市地域防災計画において、各家庭による備蓄を基本としつつ、流通備蓄による確保に努めると定められております。このことから、液体ミルクを初め、避難生活に必要な物資の避難所等への搬送につきましては、災害時応援協定を締結している小売業者等が物資の供給・運搬を実施することとしており、さらに搬送先が多岐にわたる場合などにおきましては、必要に応じて、福島県トラック協会いわき支部と連携した搬送体制を整備するなど、避難者に寄り添ったきめ細やかな対応を図ることとしております。 ◆6番(柴野美佳君) 生後6カ月ぐらいまでの赤ちゃんというのは、母乳を含めて、ミルクでしか生きられません。母乳があげられない、または母乳が飲めない赤ちゃんに適切なミルクが確実に届くよう重ねてお願いを申し上げます。 災害栄養士学会が赤ちゃん防災プロジェクトを立ち上げました。同プロジェクトでは、赤ちゃんにとって最良の栄養源は母乳であるため、母親が疲れてしまい、母乳が減ったり一時的にとまったりした場合には、安心して授乳できるプライベートな空間を確保できるよう配慮してほしいと述べています。特に、避難所等においては、感染予防も考慮し、母乳育児をしていた方が母乳育児を継続できるような配慮と対応が必要です。また、液体ミルクを使用の際は、保存に当たっては高温下に置かないこと、期限が切れていないか、破損がないか確認すること、開封したらすぐに使用し、飲み残しは使用しないことなどの注意も必要です。 災害時は、妊婦、産婦の体調の変化など関係機関が連携して健康管理に配慮した支援を行うことが重要です。厚生労働省では妊産婦を守る情報共有マニュアルを活用するように促しております。 妊産婦を守る情報共有マニュアルを活用することについて伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 避難所運営に際しましては、介護の必要性や障害の有無など、避難されている方の個々の状況を把握するとともに、印刷物等の避難所への掲示や個別の相談対応により、必要な支援に係る情報を提供することとしておりますが、妊産婦や乳幼児がいる世帯に対しましては、関係機関が連携し、健康管理に配慮した支援を行うことが重要であるとして、国から、議員御紹介の妊産婦を守る情報共有マニュアルを参考とするよう示されておりますことから、本市におきましても、同マニュアルを参考としながら適時適切な情報の収集と提供等に努めてまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 災害時、妊産婦、乳幼児支援で大きな力になるのが助産師の皆さんです。県は、県助産師会と災害協定を結んでおります。本市と県助産師会いわき会との協定締結について伺います。 ◎こどもみらい部長(高萩文克君) 福島県と一般社団法人福島県助産師会との災害協定につきましては、避難所等において、妊産婦及び新生児に対する処置や保健指導等を要する場合、県が県助産師会へ助産師の派遣等の協力を求めることができるよう、平成26年3月に締結されたものであり、県助産師会の下部組織であるいわき会についても適用されるものとなっております。本市におきましては、東日本大震災の教訓から、新たに福祉避難所を設置するなど、避難所運営の充実に努めてまいりましたが、今後におきましても、本市における協力体制の強化に向けて、県助産師会と意見交換を行うなど、検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 続きましては、母子避難所設置について伺います。 文京区では、東日本大震災の避難所での経験を踏まえ、区内にある大学や助産師会等の協力により、全国に先駆け、妊産婦・乳児のみを一時的に受け入れる妊産婦・乳児救護所として、4カ所の私立大学を指定しました。また、大田区では、福祉避難所の1つとして、妊産婦避難所を設置できるよう検討を進めているようです。さらに富士市は、市立看護専門学校を妊産婦と乳幼児向けの専用避難所にすることを決めました。こうした動きは各地に広がっております。今回の台風15号の被害を受けた君津市や南房総市などでも、妊産婦・乳幼児を受け入れる特別避難所を設置したと聞いております。 本市においても、助産師会などの協力を得ながら災害時母子避難所を設置すべきと考えます。御所見を伺います。 ◎こどもみらい部長(高萩文克君) 本市におきましては、東日本大震災の際に、避難所において、妊産婦や乳幼児、障がい者や介護を要する高齢者などの配慮を要する方への対応が課題として浮き彫りになったことから、関係団体等との検討を踏まえ、いわきゆったり館などの公共施設や民間の社会福祉施設を福祉避難所として指定することとしたものであります。市といたしましては、当面、現在の体制の効果的な運用により対応してまいりたいと考えておりますが、今後、さらなる充実に向けて、他自治体の取り組み等を参考にしながら、調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) いろいろな課題を解決するために、今、各地でこうした動きが広がっているということであります。ストレスや疲労であっという間に体調を崩す妊産婦・乳幼児の命を守るために、また、市内には助産師会や看護学校、こうしたものも複数ありますことから、先進事例を研究して、協議、検討していただくようお願いをいたします。 続きましては、ベッド対策についてであります。 平成30年2月の定例会で、会派の塩沢議員から段ボールベッドの導入について提案があり、現在は検討中ということであります。全国段ボール工業組合連合会によると、非常時に団体側と段ボールベッドの供給協定を結ぶ自治体は、35道府県、317市町村に広がっているそうです。 そこで、本市も団体と段ボールベッドの供給協定を結んではいかがと考えますが、御所見を伺います。 ◎危機管理監(山田誠君) 段ボールベッドにつきましては、避難者の心身の負担の軽減や、エコノミークラス症候群などの予防効果などがあり、近年の災害発生に伴い開設された避難所におきましても、導入事例も見受けられるところであります。また、避難所への段ボールベッドの効率的・効果的な導入に向けて、議員御紹介にありますように、多くの自治体において全国段ボール工業組合連合会と協定を締結しているものと聞き及んでおります。このため、市といたしましては、段ボールベッドの導入は、避難所生活の環境整備に有効であると考えられますことから、全国段ボール工業組合連合会などを初めとした関係団体との協定締結の必要性を含めて、検討してまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 今、部長から御答弁いただいたように、避難所での雑魚寝というのが関連死につながっているというお話もありますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。 続きましては、地域の防災力向上についてであります。 まずは、地区の共助力を強くする取り組みである地区防災計画の作成の現状について伺います。 ◎市長(清水敏男君) 地区防災計画につきましては、地域コミュニティーにおける共助による防災活動の推進の観点から、平成27年度及び28年度の2カ年にわたり、平城山地区、小名浜玉川地区、内郷高坂地区の3地区において、地区防災計画を作成したところであります。また、勿来地区の関田総合自主防災会においては、福島県の地域コミュニティ強化事業を活用し、来年度の計画作成に向け、地域を挙げて取り組むこととしており、今年度におきましては、県、市及び関係団体等との協働により、地区の危険箇所、避難経路等の確認を行うワークショップを開催するとともに、具体的にまち歩きを実施しながら、地区防災マップの作成に取り組んでいるところであります。 ◆6番(柴野美佳君) こうした地域の防災力向上には、女性の力が不可欠だと考えます。そこで、女性が活躍する地域防災について、以下伺ってまいります。 家庭の備蓄については、多くの場合、女性が主導を握っていると考えます。 ローリングストック法の推進について伺います。 ◎危機管理監(山田誠君) ローリングストック法につきましては、ふだんから家庭で使う食料品を少し多めに買い置きし、食べたら買い足すという行為を繰り返し、食べながら非常食を備蓄する方法であります。市といたしましては、災害の備えとして、家庭内備蓄は重要でありますことから、市ホームページや自主防災組織へ配付いたしました自主防災組織活動のしおりを通じて、当該方法の活用などによる家族の7日分の食料や3日分の飲料水の備蓄について周知しているほか、市総合防災訓練や出前講座などの際にも市民の皆様への周知に努めているところであります。今後におきましても、さまざまな機会を捉えて、ローリングストック法によります家庭内備蓄の重要性について周知・啓発してまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) このローリングストック法については、主婦の知恵というか知識で、知らず知らずいろいろなものを加工品をストックしているという方は多いと感じていますけれども、こうしたスキルがないというか、そういうことがわからないために、逆に期限切れになってしまうものを出したり、食品ロスを出したりしているという例も多々あると思いますので、ぜひ実践も兼ねた実演も兼ねたそうした周知を進めていただきたいと思います。 続いては、備蓄トイレについてであります。 先ほど、避難所でトイレが一番大切と申し上げましたけれども、在宅避難についても同じであります。災害時のトイレは使用する前に災害用トイレをセットするという注意喚起から災害時のトイレの必要性について特に周知が必要と考えます。御所見を伺います。 ◎危機管理監(山田誠君) 災害時におきましては、排水管等が損傷するなど家庭内トイレが使用できない場合、水を使用せず利用できる災害用トイレは、家庭で避難生活を送る上で有効であります。このことから、市といたしましては、食料や飲料水などの備蓄にあわせ、災害用トイレの備蓄の必要性につきましても、市ホームページへの掲載や、市防災訓練及び出前講座などの機会を通じて、周知してまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 先ほど御紹介しましたトイレ診断士という方に、この備蓄トイレのことについても教えていただきました。震災発生後、日本中のトイレメーカーが最大数生産しても、相当数のトイレが不足することが考えられます。4人家族なら、成人の平均排せつ回数を5回として、5掛ける4人掛ける7日で140回分のトイレの備蓄が必要となり、こうしたことは事前に各家庭への周知が本当に必要だと思います。現在のホームページ上では備蓄トイレについては見当たっていませんので、ぜひその周知をよろしくお願いいたします。 続いては、女性防災リーダー育成の取り組みについて伺います。
    ◎市長(清水敏男君) 地域防災力の向上を図る上で、女性の視点を生かした防災対策を図ることは、重要であるものと認識しております。このことから、市といたしましては、今年度の市防災士養成講座において、女性の防災団体として、市女性消防クラブ連絡協議会に対し、初めて受講の要請を行い、受講者7名全員が防災士の資格を取得されるなど、これまで合計19名の女性防災士の育成に努めてきたところであります。今後におきましても、新たな女性防災士の育成はもとより、市総合防災訓練等の場において、避難所運営訓練などに積極的にかかわっていただくことにより、防災における女性のリーダーシップが推進されるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 女性の防災士が19名になったということで、平成27年にこの事業が始まったとき、塩田議員と私を含めて女性防災士が3名だったことを考えますと、今後女性の視点が少しずつ地域の防災に反映されてくるのではないかと期待が膨らみます。地域の中で女性が主体となって防災減災に取り組んでいる例としてはたくさんありまして、NPOこみゅーんでは、子育てを楽しむ、役立つ防災として、防災お出かけ講座を独自に開催しています。また、アレルギーや障害のある子供のお母さんたちが防災と子育てについて情報を共有するためのはぐくみ防災サポーターズいわきを結成し、ママの目線で防災を考える防災ママカフェ@いわきを開催しました。さらには、女性消防クラブの防災研修会や訪問活動、PTAや各種女性団体の防災活動、また、災害時のトイレの重要性について講演普及されているのも女性の方です。多くの団体、グループ、個人がそれぞれに地域の防災力向上に向けて活動されていると認識しております。 こうした活動を通して、多くの女性が、防災は特別なことではなく、生活の延長線上にあり、その主役は女性だと気づき始めているのではないでしょうか。 これまでばらばらで、それぞれがそれぞれの枠の中で防災活動をしてきましたが、こうした女性の防災ネットワークを構築し、意見を集約し、防災会議などへ意見を反映させる仕組みづくりができるのではないかと考えます。本市の御所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 市防災会議におきましては、いわき市女性消防クラブ連絡協議会、いわき市地域婦人会連絡協議会等の団体から女性委員の登用を推進しており、今年度におきましては、9名の女性を防災会議委員として委嘱し、女性の意見を防災対策に反映できるよう努めているところであります。今後におきましては、女性に地域防災活動の中心的な役割を担っていただくため、防災会議における積極的な女性委員の登用や女性防災士のさらなる育成はもとより、女性が中心となり、防災活動を行う各種団体への支援を行いながら、地域防災活動において、女性が活躍できる仕組みづくりについて検討してまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 防災会議に女性委員が多く登用されるというのは、非常に望ましいことではありますけれども、どうしても年代とかさまざまなバックボーンの違いとかがありますので、女性は非常にコミュニティーをつくるのが上手というところもありますので、横の連携ということもぜひ視野に入れて進めていただきたいとお願いいたします。 続いては、ペット防災についてであります。 飼い主とペットがともに災害を乗り越えるためには、日ごろの備えが必要です。災害時の同行避難やマイクロチップの挿入などについて、本市のペット防災の取り組みについて伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) ペット防災の取り組みにつきましては、市地域防災計画の中に、ペットの保護対策に関する項目を設け、災害発生時にペットと同行避難できるよう、日ごろからケージになれさせる訓練を行っておくことなどを、飼い主の役割としているとともに、平成29年度には福島県獣医師会と、災害時における負傷動物の診療措置の協力などを定めた被災動物対策に関する協定を締結したところであります。市といたしましては、今後とも飼い犬のしつけ方教室等を通して、災害時における飼い主の役割等を周知するとともに、ペットの飼い主に対して、環境省が作成している人とペットの災害対策ガイドラインや啓発パンフレット、県獣医師会が作成している緊急災害時同行避難手帳を配付するなど、ペット動物の災害対策に関する日ごろからの心構えと備えの大切さについて啓発に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 環境省が発行したガイドラインの飼い主への周知、こうしたこともぜひしっかり進めていただきたいと思いますし、今後はペットとの同行避難訓練、こうしたものも視野に入れていただきたいと要望いたします。 災害は突然起こる、そんな言葉をほうふつとさせたのが、今回の鹿島町久保の土砂崩れでした。人身への被害がなかったのは奇跡的でありましたけれども、影響は多方に及んでおります。鹿島町久保の土砂崩れに関して、以下伺ってまいります。 土砂崩れの検証について伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 県の要請により8月28日に国の土砂災害専門家による調査が行われましたが、崩壊にかかわる推定として、凝灰質砂岩の経年的な劣化が崩壊の素因となったことや、過去の地震動が岩盤に亀裂を発生させ、劣化に影響したことが考えられること、及び、崩壊後の土塊の状態から、空洞の存在が岩盤崩壊の発生に影響した可能性が高いと考えられるとのことであります。警戒避難の範囲としては、今回の崩壊により岩盤の状況が変化しているため、崩壊方向においては、おおむね高さの2倍の範囲について警戒を要するとのことであり、当面の対応として、大きな岩盤崩壊、拡大崩壊、隣接する北側斜面の変位監視のための傾斜計等の設置や、県道の通行どめ解除に向けた大型土のうの設置などの技術的助言を受けたところであります。 ◆6番(柴野美佳君) 空洞のある凝灰質砂岩が経年劣化を起こして今回の崖崩れを起こしたとの見解であり、また、特殊な例と伺いました。また、一方、市民の方からは、我が家の近くの急傾斜地は大丈夫なのだろうか、そんな心配の声もいただいております。災害を我がこととして考えるのは防災減災の基本であります。 そこで、市内の急傾斜地などの危険箇所の調査について伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 市内の急傾斜地崩壊危険箇所につきましては、市のホームページで確認できるものとなっておりますが、県は、急傾斜地に隣接する住民の方々の安全を確保するため、急傾斜地崩壊のおそれがある土地に対し、地形、地質及び過去の災害履歴等の基礎調査を行い、土砂災害警戒区域等を指定することとしております。本年8月末時点で急傾斜地崩壊危険箇所の優先調査箇所である977カ所の基礎調査が完了し、このうち552カ所の土砂災害警戒区域等の指定が完了しているところでございます。市といたしましては、今後も引き続き、県と連携し、市民の皆様が土砂崩れの危険を的確に把握できるよう、出前講座の開催や、広報いわきの活用など、あらゆる機会を捉え、広く周知に努め、地域の防災力向上につなげてまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 県とも協力しながら、市内危険地域の調査、住民への周知をよろしくお願いをいたします。また、鹿島街道は商業施設が多く立ち並ぶ地域であります。長引く交通規制により商売にも影響が出ております。客の流れが半減しているという声も伺いました。また、今後、どのような工程で復旧を行い、いつごろまで予定しているのか先行きが見えず不安だという声も伺っております。崖崩れ現地の安全対策、早期の復旧を望むのはもとより、今後の対策の進め方などの工程などについても、周辺住民に向けて丁寧な説明をよろしくお願いをいたします。 昨年の北海道のブラックアウトといい、今回の千葉県一帯の大規模停電といい、電力の喪失は多大な被害を引き起こすことを再確認いたしました。本市はバッテリーバレー構想を打ち出しております。バッテリーを活用した再生エネルギーを用いた地産地消の電力網の構築を進めることが、災害に強いまちづくりにつながると考えます。各地で起こる災害から得た教訓を生かしながら、防災減災を主流に据えたまちづくりをお願いいたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)--------------------------------------- △散会 ○議長(菅波健君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。          午後4時17分 散会---------------------------------------...