いわき市議会 > 2018-09-10 >
09月10日-02号

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  1. いわき市議会 2018-09-10
    09月10日-02号


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    平成30年  9月 定例会            平成30年9月10日(月曜日)議事日程第2号 平成30年9月10日(月曜日)午前10時開議  日程第1 市政一般に対する質問---------------------------------------本日の会議に付した事件          〔議事日程第2号記載事件のとおり〕---------------------------------------出席議員(37名)     1番  川崎憲正君      2番  木田都城子君     3番  木村謙一郎君     4番  山守章二君     5番  塩沢昭広君      6番  柴野美佳君     7番  鈴木 演君      8番  田頭弘毅君     9番  坂本康一君      10番  伊藤浩之君     11番  狩野光昭君      12番  福嶋あずさ君     13番  小野潤三君      14番  西山一美君     15番  永山宏恵君      16番  大峯英之君     17番  小野 茂君      18番  塩田美枝子君     19番  馬上卓也君      20番  吉田実貴人君     21番  渡辺博之君      22番  溝口民子君     23番  坂本 稔君      24番  上壁 充君     25番  蛭田源治君      26番  菅波 健君     27番  大友康夫君      28番  阿部秀文君     29番  安田成一君      30番  赤津一夫君     31番  小野邦弘君      32番  石井敏郎君     33番  蛭田 克君      34番  磯上佐太彦君     35番  佐藤和良君      36番  樫村 弘君     37番  佐藤和美君欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者 市長         清水敏男君   副市長        上遠野洋一君 副市長        渡辺 仁君   教育長        吉田 尚君 水道事業管理者    木村 清君   病院事業管理者    平 則夫君 代表監査委員     小野益生君   農業委員会会長    草野庄一君 選挙管理委員会委員長 飯間香保子君  総合政策部長     大和田 洋君 危機管理監      舘 典嗣君   総務部長       岡田正彦君 財政部長       澤田洋一君   特定政策推進監    緑川伸幸君 市民協働部長     下山田松人君  生活環境部長     荒川信治君 保健福祉部長     高沢祐三君   こどもみらい部長   高萩文克君 農林水産部長     本田和弘君   産業振興部長     石曽根智昭君 土木部長       上遠野裕之君  都市建設部長     高木桂一君 会計管理者      鈴木 隆君   教育部長       柳沼広美君 消防長        猪狩達朗君   水道局長       上遠野裕美君 総合磐城共立病院事務局長       参事(兼)秘書課長   赤津俊一君            鈴木善明君 参事(兼)総務課長   遠藤正則君---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長       山崎俊克君   次長         國井紀子君 総務議事課長     阿部伸夫君   総務議事課課長補佐  金山慶司君 議事運営係長     鈴木 潤君---------------------------------------          午前10時00分 開議 ○議長(菅波健君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第2号をもって進めます。--------------------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問 △西山一美君質問 ○議長(菅波健君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。配付の質問通告表の順に発言を許します。14番西山一美君。          〔14番西山一美君第二演壇に登壇〕 ◆14番(西山一美君) (拍手)おはようございます。14番いわき市議会志帥会の西山一美です。 初めに、6日未明、平成30年北海道胆振東部地震により、道内において甚大な被害が発生いたしました。お亡くなりになられた方々に対し、衷心よりお悔やみを申し上げます。また、被災をされた方々にお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。 それでは、通告順に従いまして、市政一般について質問をいたします。 大きな質問の1番目は、新たな市総合計画策定の考え方についてであります。 2000年4月、乗組員36万人のいわき市民を乗せたいわき丸は、創りたいゆたかな明日、伝えたい誇れるいわきというキャッチフレーズのもと、新・いわき市総合計画ふるさといわき・21プランという航海図を胸に、20年の長い旅に出ました。その間、東日本大震災など想定を超える出来事に遭遇しながらも、力強く目指すべき島に向かって航海を続けております。そして20年の旅も残り1年余りとなった現在、第6次となる新たな市総合計画を策定する準備を進めているものと思います。 そこで、これまでの現行計画を検証し、よりよい第6次市総合計画が実行できるよう、本市の考え方について質問していきたいと思います。 1点目は、現行計画、第5次総合計画策定時の考え方についてです。 現行計画の新・いわき市総合計画ふるさといわき・21プランは、市総合計画審議会委員、市議会、市民代表、庁内ワーキングメンバーなど、多くの皆様が一つ一つ意見を積み上げながら、20年を確実に運営していくために、約2年にわたって綿密に練り上げた計画でありました。 策定当時の四家啓助市長は、挨拶文の中で、20年という長い時間の中、地域を経営する視点に立ちながら、市民の皆様一人一人が主役となり、地域を舞台に生き生きと活動できるための自治の仕組みづくりや成果を重視した行財政運営を進めるとともに、いわきに生まれ、育っていく人々のライフステージをテーマに重点戦略プログラムを設定して、市民の皆様の健康で充実した日々の暮らしの確保に向け、市民の皆様と情報を共有するとともに、しっかりとした説明責任を果たしながら、各種の施策を効率的かつ効果的に実施していきたいと書いておられます。 さらに、当時の時代を反映した多岐にわたる施策が提示されておりますことから、1つ目として、2000年に発表された現行計画策定当時の背景について伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 現行の第5次市総合計画は、平成10年度から平成12年度まで、その策定作業に取り組んだところであり、当時は21世紀を迎えようとする時期に、社会経済のさまざまな分野において、従来の制度や仕組みの大胆な改革、価値観の転換が求められていた状況にありました。 特に、本市を取り巻く社会経済情勢については、低成長経済の到来、少子・高齢化の急速な進展、地球規模での環境問題の進行などに加え、中核市への移行、中心市街地の空洞化など、第4次市総合計画を策定した平成4年の状況と比較して著しい変化が生じ、これに伴い、さまざまな分野において、新たな対応が求められていたものと捉えております。 ◆14番(西山一美君) そのような背景のもとで現行計画は進められましたが、2つ目として、現行計画における基本的な考え方について伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 現行総合計画におきましては、ただいま御答弁申し上げました時代背景等を踏まえまして、本市を取り巻く情勢の変化が著しく、先行きが不透明な状況の中で、時代が変わっても市民一人一人が豊かさを実感できるまちをつくること、さらには、自然や歴史を磨き上げ、将来の世代へと引き継ぐことをまちづくりの底流に置くべき姿勢として掲げたところであります。 また、このような生活者起点、将来世代への責任という姿勢を大切にしたまちづくりを進めることにより、循環を基調とした持続可能なまち、誰もが安全に安心して暮らせるまち、活力に満ち、創造力あふれるまちという、3つのいわきの姿を目指していくこととしたところでございます。 ◆14番(西山一美君) 改めて、目指してきた目標についてわかりました。 それでは、2点目は、現行計画策定後の状況変化についてです。 現行計画実施中の2011年3月に東日本大震災が発災するなど、20年の間にいろいろな状況の変化はあったものと思います。 そこで、1つ目として、現行計画策定後の総合計画を取り巻く状況の変化について伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 現行総合計画策定後の状況の変化につきましては、大きく4点ほどあるものと認識しております。 まず、1つとして、平成23年3月に東日本大震災が発生し、甚大な被害が発生したことや、双葉郡等からの多くの方々が本市に避難されてきたことが挙げられます。 2つとして、平成23年の地方自治法改正に伴い、総合計画基本構想の策定を義務づける条文が削除されたことが挙げられます。 3つとして、本格的な人口減少時代の到来などを背景とした国の動向等を踏まえ、平成27年度にいわき創生総合戦略を策定し、また、平成28年度に市公共施設等総合管理計画を策定いたしましたが、総合計画以外に、このような市の政策広範にわたる計画が必要とされてきたことなどが挙げられます。 さらには、4つとして、平成29年3月に市以和貴まちづくり基本条例を制定し、総合計画の中で位置づけていたまちづくりの仕組みに関して、共創のまちづくりといった基本原則を条例で明らかにしたことが挙げられるところでございます。 ◆14番(西山一美君) ただいまの4点の状況変化を踏まえ、総合計画と関連する各種計画の実施により、全体の進路は大きくかじを切ることなく前に進んでいるものと考えますが、2つ目として、状況変化を踏まえた現時点での現行計画の総括について本市の考えを伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 現行総合計画の基本構想に掲げる目指していく3つのいわきの姿などを具現化するための施策等を位置づけた基本計画については、5年ごとに見直ししてきたほか、基本計画の施策等に即した事業などを位置づけた実施計画については、毎年度、見直し作業を行いながら、東日本大震災の影響や社会経済情勢の変化などにも適切に対応してきたところであります。 具体的には、基本計画の重点戦略に、復興やいわき創生総合戦略の内容を位置づけ、あわせて関連事業についても適宜、実施計画に反映させながら、被災者の生活再建を初めとした復旧・復興を最優先に取り組んできたことや、人口減少の進行に歯どめをかけ、将来にわたるまちの活力の維持に努めてきていることなど、これまでさまざまな状況の変化に柔軟に対応し、現行総合計画の推進に意を用いてきたところでございます。 ◆14番(西山一美君) 復旧・復興を最優先に進めることで、東日本大震災からの影響や社会経済情勢の変化にも十分対応することができたものと思います。 3点目は、次期総合計画策定に向けた取り組みについてです。 2020年からの新たな市総合計画では、これまでと大きく異なり、地方自治法が改正されたことにより、総合計画基本構想の策定義務が削除されました。それにより必ずしも総合計画をつくらなくてもよいとされ、その選択は、地方自治体に任されることとなりました。これは今後のいわき市のかじ取りにとっても、大変大きな変更点であります。 そこで、このことについて、どのように考えているのか、1つ目、地方自治法改正後における総合計画の意義について本市の見解を伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 地方自治法改正により、総合計画基本構想の策定義務が削除されたことにつきましては、地方分権改革の取り組みの中で、国から地方への義務づけの見直しの一環として行われたものであり、市町村の自主性が尊重されるという意義があるものと受けとめております。 一方、これまでの総合計画に位置づけられていた、将来のいわきの姿や基本的なまちづくりの姿勢など、長期的な視点に立った目標や方向性は、さまざまな分野の施策領域を横断的につなぐ役割を果たすとともに、部門別計画等の内容や規模・時期等を、事業効果や必要性、緊急性などの観点から調整する役割を果たしているものと認識しております。 また、長期的な目標や方向性を市民の皆様と共有することが、まさに共創のまちづくりの推進につながることから、市といたしましては、総合計画基本構想の策定義務はなくなったものの、現時点では、同様の役割を担う枠組みは引き続き必要であると考えております。 ◆14番(西山一美君) 市総合計画は、基本構想・基本計画・実施計画の3層建ての構造になっています。引き続き、現行の総合計画の流れを継承しながら進めていく場合、状況変化によって、これまでに進められている計画との連携を保つ必要があるものと考えます。 震災後には、総合計画策定当初に想定していなかったような対応が求められることもありましたが、2つ目として、既に進んでいる各種計画との整合性についてはどのように考えているのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 次期総合計画は、本市を取り巻く課題をさまざまな角度から分析して策定する考えでありますが、人口減少や少子・高齢化の流れが続いており、その対策などが極めて重要な課題になるものと認識しております。 一方、いわき創生総合戦略や、現在策定中の市都市計画マスタープランにつきましては、人口減少や少子・高齢化への対応を主眼として捉えているものであることから、その根底に置くべき基本的な考え方や方向性等については、次期総合計画と共通するものと認識しております。 ◆14番(西山一美君) それでは3つ目として、次期計画策定に当たっての現時点における策定のポイントについて伺います。 ◎市長(清水敏男君) 次期総合計画の策定に当たりましては、いわき創生総合戦略市公共施設等総合管理計画市以和貴まちづくり基本条例など、市の政策広範にわたる既存の計画や条例などの内容・枠組みを尊重し、長期的な視点に立った目標や方向性を整理してまいりたいと考えております。 一方、こうした長期的な目標等を踏まえながらも、環境変化が著しい中で、市民ニーズやまちづくりの諸課題に対し、緊急性・重要性等を踏まえながら、機動的に政策効果の高い事業推進が図られるよう、柔軟な計画の構成等を検討してまいりたいと考えております。 また、今後、市民の皆様と市がまちづくりの諸課題についての認識を共有し、ともに地域課題の解決と創造に取り組むという、共創のまちづくりの視点がより重要性を増すと認識していることから、目標や進捗状況などを市民の皆様と相互に共有しながら、計画を推進してまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) 人口増加の基調にあった第4次以前の総合計画においては、人口の数値目標を定め、計画の進捗を数値化して、はっきりとした形であらわしたこともありました。 次期総合計画の策定に当たっては、どのような構成・段取りで進めていくのか、4つ目として、次期総合計画策定のスケジュールについて伺います。
    ◎市長(清水敏男君) 次期総合計画策定のスケジュールにつきましては、今年度は、計画の期間や構成などを整理するとともに、各界各層の市民の皆様から構成される市総合計画審議会を設置し、現行総合計画の総括や重要課題の抽出等を行う予定であります。 また、次年度となる2019年度からは、具体的な詳細検討を行い、現行総合計画の期限である2020年度までには、次期総合計画を決定することを目指し、鋭意、策定作業を進めてまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) より多くの意見を積み重ねながら、次期総合計画の策定に努めていただきたいと思います。そのためには、市民の皆様と市がこれからの課題について共通の認識を持つことが大切であり、市民の皆様の代弁者である市議会との連携も大切と考えます。 そこで5つ目は、市民の皆様からの意見・提言については、どのように総合計画に反映させていくのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 次期総合計画の策定に当たりましては、さまざまな機会を捉え、多様な手法を用いて、市民の皆様の幅広い参画を得ながら策定作業を進めてまいりたいと考えております。 具体的には、市総合計画審議会における審議や、市民の皆様を対象としたまちづくりに関する意識調査を実施してまいりたいと考えております。 また、次世代を担う若年層を初めとしてさまざまな世代の方々や各種活動を行っている団体へのヒアリングのほか、広報紙や市公式ホームページ、SNS等、多様な媒体を通じた意見募集などにより、広く市民の皆様の御意見を伺うとともに、市議会の皆様とも意見交換を行いながら、市内の多様な主体が次期総合計画の策定作業に参画できるよう、意を用いてまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) 現行計画の検証をしっかりと行い、総括することで次期総合計画がより現実的なものになると考えます。 野村総研が昨年発表したランキングによる都市の持つ成長可能性の可視化では、いわき市を含む100都市を分析しランキングを出しています。その評価の基準として、風土・基盤・環境という3つの大項目があり、風土では、多様性を受け入れることや創業・イノベーションを促す取り組みなど、基盤では、多様な産業が根づく基盤や人材の充実・多様性、環境では、都市の暮らしやすさや都市の持つ魅力などがランキングの評価項目となっています。残念ながら本市は、どの項目でもランクインしておらず、次期総合計画を進める中で、成長する都市としてランクインを目指していくべきであると考えます。 本市最上位と位置づけられている総合計画は、いわき丸が進むべき航路について、この方向にこの方法で進んでいこうという強いメッセージが込められなければならないと私は思います。市民の皆様に対して、到達目標の数値化や中間目標の設定など、理解と共感が得られるような計画づくりをお願いいたします。多くの皆様の知恵と汗を結集し、よりよいいわき市の実現のために、一層の御尽力をお願いして次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、水稲の放射性物質の吸収抑制対策についてであります。 新聞などの報道によりますと、福島県では、食品衛生管理の国際基準HACCPに、放射性物質対策の視点を組み込んだ福島県版ハサップをつくり、次年度から運用を始めるとのことであります。既に昨年度から実施しております、福島県独自の農産物の安全認証制度であるふくしま県GAP、FGAPの取り組み項目につきましても、放射性物質対策が盛り込まれていることから、いわき産を含む福島県産農作物の安全性を、広く取引先や消費者の皆様に伝える重要な取り組みと認識をしているところです。 この放射性物質対策の1つとして、本市では、平成24年度より、放射性物質の吸収を抑制する水稲の放射性物質の吸収抑制対策を実施しておりますが、1点目は、吸収抑制対策事業の実績についてです。 まず1つ目として、放射性物質の吸収抑制対策事業の目的について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 本事業は、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、土壌に蓄積した放射性物質の水稲への移行を低減させるため、福島県農業総合センター等における試験研究により明らかとなりました、塩化カリ及び粒状パームアッシュエム等のカリ質肥料を圃場に施用することにより、土壌に蓄積した放射性セシウムの水稲への吸収を抑制することを目的としております。 ◆14番(西山一美君) 次に、2つ目として、直近3カ年の実績はどのようなものか伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 直近3カ年の実績につきまして、対象農家数、20キログラム入りカリ質肥料配布数、施用面積の順に申し上げますと、平成27年度が5,620戸、4万1,766袋、4,147ヘクタール、平成28年度が5,367戸、3万9,710袋、4,083ヘクタール、平成29年度が5,135戸、4万2,754袋、4,107ヘクタールとなっております。 ◆14番(西山一美君) いわき市産のお米の安全・安心、そして信頼回復を図るために、7年もの長期にわたり、吸収抑制対策事業を地道に実施している生産者の皆様には本当に頭の下がる思いをいたします。 このように毎年、継続して放射性物質の吸収抑制対策を実施しておりますが、この事業実施の効果について検証を行う必要があると考えます。 そこで、2点目は、事業実施の効果についてであります。 まず1つ目として、カリ質肥料の施用効果について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 県内におきましては、平成24年度からのカリ質肥料の施用後、全量全袋検査による基準超過件数は年々減少し、27年産米以降、これまで3年連続で発生していないことから、その施用効果は高いものと考えております。 ◆14番(西山一美君) 本市ではカリ質肥料を施用したことにより、市内の29年産米の全量全袋検査では、食品中の放射性セシウムの基準値1キログラム当たり100ベクレルを超える米はなく、全てが測定の下限値未満であったと聞いております。平成24年からの経過を見ますと、米のセシウム濃度は確実に低減しております。 そのような結果を受け、今年度については、塩化カリ施用を控えた場合と、引き続き塩化カリを施用した場合の吸収抑制効果の比較について調査するカリ卒試験を実施するとのことでありますが、2つ目、今年度行うとしたカリ卒試験の実施内容について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 福島県営農再開支援事業効果の検証、いわゆるカリ卒試験の実施内容につきましては、平成29年産米の全量全袋検査において、本市の全ての米が測定下限値未満であったことから、今年度、福島県営農再開支援事業実施要綱に基づき、カリ卒試験を受検することとなりました。 カリ卒試験は、市内の北部、南部及び山間部の3カ所に、カリ質肥料を施用した圃場と施用しない圃場を隣接して設置し、水稲の放射性セシウム濃度をそれぞれ測定することにより事業効果を検証するものですが、当該圃場の玄米及び全量全袋検査による全ての本市産米が測定下限値未満であった場合に、次年度以降は、放射性物質の吸収抑制対策としてのカリ質肥料の施用が不要となるものであります。 ◆14番(西山一美君) 次に3点目は、今後の方向性についてであります。 今年度、カリ卒試験を実施中とのことであり、カリ卒試験で全ての本市産米が測定下限値未満、いわゆるカリ卒試験が合格となれば、カリ質肥料の施用が不要となることがわかりました。そこで、万が一、カリ卒試験が不合格の場合、本市としては、今後どのように対応していくのかが気になるところです。 1つ目として、カリ卒試験後の本市対応について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) カリ卒試験後の本市対応につきましては、当該試験により、測定下限値であります1キログラム当たり25ベクレルを超過した米があった場合、いわゆるカリ卒試験に不合格だった場合には、次年度以降、引き続きカリ質肥料の施用による放射性物質の吸収抑制対策を実施することとなります。 ◆14番(西山一美君) 次に、2つ目として、いわき市産米の安全性の確保と消費者の皆様への信頼確保を図るために実施している米の全量全袋検査について、考え方を伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 米の全量全袋検査につきましては、県主導のもと、本市におきましては、いわき地域の恵み安全対策協議会が主体となり、平成24年度から市内で生産された全ての米を対象に、スクリーニング検査を実施してきたところであります。 県内では、平成27年産米から3年間、基準値を超えた米が出ていないことから、県におきましては避難指示のあった区域等を除き、通算5年間、基準値超過がない時点を目途に、抽出によるモニタリング検査に移行するとしており、最短で、平成32年産米から抽出検査へ移行することとなります。 市といたしましても、県の考え方を踏まえ、関係機関や団体、そして生産者の方々と連携を図りながら、安全かつ安心な米の生産に努めてまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) 次に、カリ卒試験によって卒業となり、米の全量全袋検査から抽出検査へ移行する場合、市民の皆様に対し、情報の発信をして理解をいただくことは、非常に重要であると認識しているところであります。 そこで、3つ目として、市民の皆様への周知方法について伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) カリ質肥料の施用終了及び全量全袋検査から抽出モニタリング検査への移行に関する情報につきましては、会議の開催や農事組合の回覧などにより、生産者等に対する周知を図るとともに、消費者に対しましても、今後の検査結果に応じて、随時、チラシやポスター、広報紙やインターネット等の媒体を活用し、周知を図ってまいりたいと考えております。 市といたしましては、県や生産者を初め、関係機関や団体との連携を図りながら、特に消費者の皆様に対し、セミナーの開催などを通じ、安全性のPRも踏まえたいわき産米に関する丁寧かつ正確な情報発信に努めてまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) これらの取り組みにつきましては、さまざまな情報媒体を通じて周知することにより、市民の皆様に対し、理解を深めていただき、あわせて風評払拭に向け、これまで以上に、精力的に努力していただくようお願いをいたします。それでは、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、震災後の道路維持管理事業についてであります。 まず、1点目は、震災復興・生活道路再生事業についてです。 私は、平成28年7月定例会の一般質問において、震災から5年を経過した中、新規事業として震災復興・生活道路再生事業が開始されることを受け、その実施内容等について質問をいたしました。 本事業の目的は、地域に密着した生活道路である市道が、東日本大震災の影響はもちろん、復興や除染に関連した工事関係車両等による交通量の増加に伴い、路面舗装の破損やでこぼこなどが著しく、緊急な対策が必要な市道について、歩行者や通行車両が安全・安心に通行できるように実施するものだと伺いました。 平成28年度から平成30年度までの3年の間に、既存の舗装面の上に新たな舗装の層を重ねるオーバーレイ工法や、舗装部分が破損した路面を全部または一部取り除き、新しく舗装を施工する打ちかえ工法等の舗装補修工事や、側溝等の小規模な道路構造物の維持補修工事が重点的かつ集中的に実施されております。しかし、本年度が本事業の区切りとなりますことから、実績等について改めて質問をしていきたいと思います。 1つ目として、平成28年度からの施工の実績について伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 本事業につきましては、平成28年度から30年度までの3カ年、年間6億円の予算で舗装補修工事等を実施しており、その実績につきましては、施行延長で平成28年度は60路線8,934メートル、平成29年度は57路線8,509メートルとなっております。 なお、本年度は55路線約8,000メートルの補修工事等を予定しております。 ◆14番(西山一美君) 通常、市道の管理については、道路パトロールによって日常的にチェックを行い、さらに市民の皆様からの情報提供も大変重要であることから、路面や側溝のふぐあいを直接報告できる道路通報サービスも平成28年度より開始いたしました。しかしながら、市道の総延長が約3,620キロメートルもあり、54ある中核市の中でも5番目に長い総延長となっていることから、進捗の状況は、市民の皆様の目にとまりにくいところであると考えます。 そこで、2つ目として、事業を実施しての課題について伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 課題につきましては、事業期間中、生活道路などの市道について、重点的かつ集中的に舗装補修工事等を実施したことにより、一定の成果があらわれてきたところでありますが、労務単価や資材価格の上昇の影響により、当初計画のうち未施工となった箇所があること、また、その後の路面等の経年劣化や復旧・復興事業に伴う大型車両の増加による、新たな路面破損箇所が発生したことなどであります。 ◆14番(西山一美君) 本事業を実施しての課題が今ほど2つ出たとのことですが、3つ目として、課題解消に向けた今後の考え方を伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 当該事業は本年度で終了予定でありますが、道路交通の安全確保と円滑化を図り、将来にわたる快適な道路空間を維持するため、今後につきましても、舗装補修工事等を実施する維持補修予算の継続的な確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) 本市は、この事業に対する予算を毎年、舗装補修工事分約4億7,000万円、維持補修工事分として約1億3,000万円の合計6億円を計上しておりますが、課題解消に向けて取り組んでいくためには、この3年で完全に完了とすることは非常に難しいと考えます。 私たちの地域では、地区要望書の中に必ず生活に密着した市道の道路補修、そして修繕関連の要望が入ってきます。今後も市内各地域からの要望は続くと予測できるところですので、この事業自体は今年度で完了となりますが、引き続き、同規模の生活道路補修関係事業の実施を強く要望いたします。 また、震災復興・生活道路再生事業については、全体の土木関連予算の中からこの事業に割り振られておりますことから、その分、別の土木事業に影響が出る可能性もあります。道路補修関係事業に対しては、別建てでの独立した予算の確保を重ねて要望したいと思います。 次に、2点目の質問は、道路ストック総点検事業についてであります。 我が国の国民経済全体の基盤として、毎年の公共投資によってつくられてきた道路、港湾、下水道、公園、通信、空港、ダムなど、社会的間接資本の蓄積であります社会資本ストックは、高度経済成長期と言われた1950年代の半ばごろから集中的に整備がなされてきました。しかし、当時建設されたインフラ施設は、50年以上経過した現在、経年劣化が進んでおり、今後、急速に老朽化することが懸念されています。 インフラ施設の老朽化が原因と思われる事象としては、2012年12月に起きた中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故があります。トンネル内の天井と鋼板をつなぐつり金具のアンカーボルトの脱落や緩みなどのふぐあいが、事故後の検査で確認されたとのことでありました。さらに先月14日には、イタリアのジェノバで1967年完成の高架橋崩落事故が発生。テレビ画面に橋崩落の瞬間が映し出され、大変衝撃を受けたところです。このように、生活に直結するインフラの損傷は人命にかかわる重要な問題でありますことから、早急な対応が求められております。 そこで、本年度実施されます道路ストック総点検事業の内容について伺っていきたいと思います。 まず1つ目として、本市の道路ストック総点検の目的について伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 本市におきましては、高度経済成長期前後に整備された道路施設の老朽化が急速に進行していく中、トンネル等からの部材落下や、道路照明などの倒壊等の事故を未然に防止するため、道路施設の損傷状況を把握することを目的に、当該点検を行うものであります。 ◆14番(西山一美君) 次に、具体的に点検を行う施設にはどのような道路構造物があるのか、2つ目として、点検の対象となる施設について伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 点検対象施設につきましては、トンネル、立体横断施設等の重要構造物や、コンクリート擁壁、道路照明などの小規模附属物であります。 なお、道路橋につきましては、これらに先駆け、平成20年度から点検に着手しているところでございます。 ◆14番(西山一美君) 対象施設の中には、劣化や損傷の状態が不明な施設があることも予想しなければならないと思います。さらには、道路構造物それぞれ現在までの立地条件や利用状況が違っており、早急な現状の把握が求められます。 そこで3つ目、本年度、点検をする施設について伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 本年度行う点検施設につきましては、対象施設のうち、重要構造物の全てとなる小名浜下神白地内の三崎トンネルほか8カ所のトンネル、中央台飯野地内の飯野1号歩道橋ほか8橋の横断歩道橋、内郷高坂町地内の高坂こ道橋ほか3カ所の大型カルバート、及び旧国道49号御台境交差点門型標識ほか11基の門型標識を予定しております。 ◆14番(西山一美君) 特に人命にかかわると思われる施設については、最優先で点検を実施することをお願いいたします。 4つ目として、対象となる施設に対しての点検方法について伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 点検方法につきましては、国が定めた道路トンネル定期点検要領など道路施設ごとの点検要領に基づき、近接目視を基本とし、点検対象箇所の状況に応じて、打音検査や地中レーダー等の機器を用いた点検により、コンクリートのひび割れ状況や、鋼製部材の腐食等の異常の有無を確認し、点検記録のデータベース化を行うこととしております。 ◆14番(西山一美君) 近接目視・打音検査等の方法によって点検が実施されるとのことですが、本市の対象施設は大変多いと思われます。今後も継続される事業でありますので、安定的な予算確保のために、ドローン等のロボット技術を活用した点検方法が確立された場合には、積極的に導入を図りながら現場コストの縮減・省力化も視野に入れてほしいと思います。 そこで、5つ目として、今後の道路ストック総点検事業の進め方について伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 今後の事業の進め方につきましては、平成31年度に、本年度点検のトンネル等の重要構造物について、長寿命化修繕計画の策定を行うこととしております。 平成32年度以降は、国の補助制度を活用し、当該計画に基づいた補修工事を実施するとともに、5年間を1サイクルとして、重要構造物、小規模附属物の点検を4年間で実施し、5年目に当該計画の更新を行うことを継続することにより、将来にわたる道路交通ネットワークの安全性と信頼性の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) 市民の皆様が安心して道路インフラを利用し続けられるように、総点検事業を通して適切な点検を行うこと、そして、その点検結果をもとに優先順位を定めて、補修工事を実施するよう要望して、次の質問に移ります。 大きな質問の4番目は、小・中学校の安全な教育環境整備についてであります。 まず、1点目は、熱中症の対策についてです。 ことしの夏の暑さは、気象庁が、命に危険を及ぼすレベルで災害との認識を示すほどの猛暑・酷暑でありました。児童・生徒が熱中症にならないように屋外・屋内の活動を制限させる動きも広がりました。埼玉県の戸田市教育委員会では、夏季休業中、市内の最高気温が35度以上と予想された場合に、小・中学校での屋外活動を全面禁止することを決めました。気温が基準を下回った場合においても、注意しながら活動するよう求め、体調を崩した児童・生徒本人が大丈夫と言っても休ませるなど、慎重に対応することを呼びかけました。熱中症のリスクがあるときは、活動を望む声があっても、勇気をもって中止してほしいとの考えを示しました。 ことしのような高気温傾向は、今後数年間にわたり世界的規模で起こり得るとの予測が示されており、本市においても、これまでにも増して安全な教育環境の充実のためにあらゆる対策を講じていく必要があるものと考えます。 そのような中、菅官房長官は、7月24日の記者会見で、全国各地で記録的な猛暑が続いていることを受け、小・中学校に関する暑さ対策の1つとして、夏休み期間の延長と児童・生徒の安全・健康を守るための猛暑対策は喫緊の課題であり、学校へのクーラー設置を支援していく必要は当然あると話し、財源に関しては、来年のこの時期に間に合うように対処したいとの考えを示しました。さらに政府は、来年夏までに全ての公立小・中学校にクーラーを設置するため、秋の臨時国会への平成30年度補正予算案の提出を想定して予算措置を図る方針を固めたとの新聞報道もありました。 このような流れの中、本市においては、小・中学校が105校あることや、市域が広いことにより、校舎内の気温に差が出ることも予測されるため、国からの支援策が決まれば導入に向けての計画的な判断が必要となっていくものと考えます。 そこで、エアコン設置についての基本的な考えを伺っていきたいと思います。 まず1つ目として、小・中学校に対するエアコン設置については、これまで定例会等の中で取り上げられることもありましたが、エアコン設置に関してのこれまでの本市の考えについて伺います。 ◎教育部長(柳沼広美君) 市教育委員会といたしましては、これまで、全ての公立小・中学校の保健室にエアコンを設置し、その活用状況を注視してきたところであります。また、熱中症対策としましては、各学校におきまして、日ごろから窓の開放や、各教室に設置された扇風機の活用により室内の風通しをよくするとともに、児童・生徒に水筒等を持参させ、適宜、水分補給を行わせるなどの対応をしてきたところでございます。 ◆14番(西山一美君) 現状では、本市独自で全105校にエアコンを設置するということは、大変困難であることは理解をしているところであります。 福島県内においても、それぞれの自治体の小・中学校の数や立地条件等によって、設置の状況は変わってくると思いますので、県内各市の状況はどのようなものか、2つ目として、小・中学校における普通教室のエアコン設置の現状を伺います。 ◎教育部長(柳沼広美君) 県内13市の中で、公立小・中学校の普通教室にエアコンを設置及び計画している市は、現在のところ10市となっておりますが、エアコンが設置されていない市は、本市のほか、会津若松市、喜多方市の3市となっております。 ◆14番(西山一美君) 会津若松、喜多方、あといわきということで、3つということですが、本市のエアコンの設置の費用については、相当な額になることが予想され、市内105校全ての教室にエアコンを設置するということは大変困難と考えます。 そこで、3つ目として、授業等で通常使われる普通教室と職員室に限定して設置をする場合、本市は設置の費用をどれくらいと試算しているのか伺います。 ◎教育部長(柳沼広美君) 全ての公立小・中学校におきまして、特別教室や空き教室を除く普通教室等にエアコンを設置する費用といたしまして、既に導入している他の自治体の例を参考に試算いたしますと、設計費、電源改修費、エアコン設置費等を合わせ、現時点での概算ではございますが、約69億円と見込んでおります。 ◆14番(西山一美君) そのような状況の中で、菅官房長官の国が支援をしていきたいとする言葉は、エアコンの設置の実現を大いに期待させるものです。 4つ目として、設置を前提とした場合、整備の課題としてどのようなものがあるのか伺います。 ◎教育部長(柳沼広美君) エアコンの整備に当たりましては、エアコンの消費電力に対応した電源設備の改修が必要となり、費用の増加が見込まれること、また、全学校への設置には期間を要するため、段階的な整備を検討する必要があること、さらには、工事による授業への影響が懸念されることなどの課題があると認識しております。 ◆14番(西山一美君) 通常エアコンですと、室内のほかに室外機、その室外機を設置するためには200ボルトの電源等、いろいろそれに関連するお金もかかってくると思いますので、なかなかすぐにやっていくためには、いろんな調査も必要になってくると思うんですが、整備をする場合の課題が今ほど何点か出されましたが、保護者の皆様の中では、市内の小・中学校にエアコンがすぐに設置されるとの期待が高まっているとも聞いております。しかしながら事前に、先ほども言いましたが市内各校の室温や立地、学校規模など、さまざまな条件を勘案しながら事前の調査を進め、整備設計や各種電気工事が終わらないと、エアコンの稼働とはなりません。 そこで、5つ目として、エアコン設置が確定した場合、どのように順序立てて進めていくのか、エアコン設置の順序について考え方を伺います。 ◎教育部長(柳沼広美君) エアコンを設置する場合には、全ての学校で同時に工事を行うことが難しいと判断されるため、基本的には段階的に整備を行う必要があると認識しております。具体的には、室温の高い学校から整備を行う手法や、小学校から整備を行う手法などが考えられるところでございます。 今後、整備を進めるに当たりましては、十分な検討を行い、対応する考えであります。 ◆14番(西山一美君) また、設置をした場合、月々の電気料などの維持管理費も当然考慮しなければなりません。小・中学校それぞれが負担をしていくのか、一括して教育委員会で支払うのか。維持経費については、学校関係者やPTAの皆さんにとっても、大変気になるところだと思います。 そこで、6つ目として、エアコン設置後の維持管理等の費用負担について考え方を伺います。 ◎教育部長(柳沼広美君) エアコン整備に当たりましては、国の補助制度が活用できますが、エアコン設置後の維持管理費用につきましては、各市町村の負担とされております。 今後、エアコンを設置した場合には、必要となる維持管理費用を補うため、全体経費の節減等に努めながら、適切に対応してまいる考えであります。 ◆14番(西山一美君) ただいまのお話ですと、各学校で努力をしていただいて、それを取りまとめて教育委員会のほうで全体を見るというような御答弁と理解をいたしましたが、そういったことでよろしいですね。 それでは、今後も厳しい夏が続くと予測される中、エアコン設置の流れは当然のことと思います。しかしながら、国からの支援内容によっては、設置の有無の判断も迫られる場合もあるかもしれません。また、設置可能と判断しても、単年度で整備工事を完了させることは大変難しく、事前の財源確保に向けた情報収集と整備工程のマニュアル策定が重要と考えます。 まとめてとして7つ目、エアコン整備に向けた本市の見解について伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 今般の猛暑は、これまで経験したことのない、まさに健康にも影響を及ぼしかねない状況が続いたものと認識しております。また、今後も夏季の高温が継続することが想定されているところでございます。 このような状況を踏まえ、空調設備がない中では、これまでの対策だけで、学校における児童・生徒の適切な生活、学習環境を確保するのは難しいものと判断しており、また、整備には多額の費用が見込まれるため、財源確保に努めながら、今後、小・中学校へのエアコン整備に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) 今後は、国の動向を注視しながら、エアコン設置の具体的な支援策が示された場合には、本市においても、整備に向けた速やかな検討、そして設置工事の実施をお願いいたします。 2点目は、学校敷地内のブロック塀についてであります。 7年前の東日本大震災の発災時、いわき市内の小・中学校において敷地内ブロック塀に関する被害の報告は、幸いにもなかったとのことでした。しかし、本年6月に発生した大阪府北部地震では、高槻市の小学校のブロック塀が倒れ、登校途中の児童が犠牲となる痛ましい事故が発生してしまいました。 そこで、今回のブロック塀倒壊事故を受け、1つ目として、大阪府北部地震発生後の市教育委員会の初期対応はどのようなものだったか伺います。 ◎教育部長(柳沼広美君) 大阪府北部を震源とする地震が発生しました当日、全公立小・中学校に対し、学校敷地内で道路に面して設置されている高さ1.2メートルを超えるブロック塀の有無を早急に報告するよう指示したところであります。 報告を踏まえ、該当する学校につきましては、緊急の点検を地震発生翌日から翌々日にかけ実施いたしました。その結果、8校で現行の基準に適合しないブロック塀の存在を確認したところであります。 ◆14番(西山一美君) 当日に調査を指示し、さらに緊急点検を実施したということですが、2つ目としまして、点検結果を受けて、どのように対応したのか内容について伺います。 ◎教育部長(柳沼広美君) 現行の基準に適合していないことが確認されました8校のうち、緊急に対応が必要と判断しました2カ所につきましては、6月末までに、塀の高さを基準以下とする対策工事を実施したところであります。 その他の箇所につきましても、2学期の早い段階で対策工事が完了し、これにより、緊急点検で確認されました8カ所の対策工事は全て終了する予定でございます。 ◆14番(西山一美君) 夏休みが終了した現在、点検等で確認された事象については、適切に対応されているとのことですが、学校敷地内のブロック塀以外の構造物に対してもしっかりと対応していかなければならないと思います。 そのようなことも含め、3つ目として、今後の本市の対応について伺います。 ◎教育部長(柳沼広美君) 学校敷地内におきましては、ごみ置き場として活用しているスペースや、運動などで利用している的当ての壁など、道路に面したブロック塀とは異なる構造物もありますが、これらの改修等につきましては、国の動向を注視しながら、今後、適切に検討を行い、対応してまいりたいと考えております。 ◆14番(西山一美君) 本市では、今回の事故を受け、迅速な対応がなされたということですので、評価をするところです。今回、私は敷地内と限定してお話をさせていただきましたが、子供たちが学校に着くまで、登校の途中いろいろなところに危険がはらんでいると思います。そこも含めて全体的な点検・検査も今後ぜひともお願いをしたいと思います。天災は忘れたころにやってくる。私たちが今まで経験したことのない予想を超える出来事が起きてしまうこのごろです。万が一の出来事が、未来ある子供たちの人生を狂わせてしまうことこそ不幸なことはないと考えます。 家庭・地域、そして学校がしっかりと連携をとりながら、いわきの将来を担う子供たちの安全、そして安心の確保のために、オールいわきで引き続き取り組んでいかれますことをお願いして、以上で、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午前11時10分まで休憩いたします。          午前10時56分 休憩---------------------------------------          午前11時10分 再開 △蛭田克君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。33番蛭田克君。          〔33番蛭田 克君第二演壇に登壇〕 ◆33番(蛭田克君) (拍手)おはようございます。33番いわき市議会清政会の蛭田克であります。 質問に入ります前に申し上げます。9月6日深夜発生の北海道胆振東部地震に際しまして、北海道全域に甚大な被害が及びました。犠牲となられた方々に心からお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。今回の大地震は、まさに我々にとって、7年半前の東日本大震災の恐怖と困難を思い起こさせるものであり、被災地の皆様の心中を察して余りあるものであります。どうか、復旧・復興に向けて、大変な道のりかとは思いますが、皆さん一丸となって頑張っていただきたいと存じます。 それでは、通告順に従い、一般質問を行います。 さて、大きな質問の1は、本市における風力発電事業の状況についてであります。 あの不幸な原発事故を経験した我々は、二度と放射能災害を起こしてはならないとの決意のもと、いわき市民の皆様と連携を重ねながら、市議会として県内全ての原発の廃炉を議決いたしました。しかしながら、このような動きをしていく一方で、温暖化や気候変動、イノベーションの進展、さらには大災害など、社会環境が大きく変化していく中において、電力の供給が新たな大きな課題として挙げられてきているのもまた現実であります。そこで、太陽光発電・水力・風力発電・バイオマス発電・地熱発電等々、自然に立脚した、いわゆる再生可能エネルギーの充実・普及が大きくクローズアップされてまいりました。国・県、市が連携を深めて、技術開発・関連企業との連携や地域社会との合意づくり等において積極的に取り組んでいくことが、今大いに望まれているところであります。 去る8月23日に、東京での市在京・地元各界交流の夕べに先立って行われましたふるさと元気セミナーにおいて、東京大学先端科学技術研究センターの飯田誠准教授により、国内外の風力発電事業の状況について御講義をいただきました。風力発電で地域を明るく照らす、地域・人が輝く風力プロジェクトをメーンテーマとし、現在から将来までを見通しながら、風力発電事業のさまざまな課題や可能性を見出していくために詳細なアプローチをされておりました。また、投資額やその及ぼす経済効果は多方面に波及しており、まさに風力発電は国内外において次世代の産業を担うエネルギーであるとのことでありました。 その上で、再生可能エネルギー分野は、多業種に及ぶ技術展開が期待されているが、いまだ発展途上の状態にあり、課題を見直すことが必要であり、今後は、技術革新と人材の育成が急務であると指摘しております。まさに時宜を得た御講義であり、今後の本市のエネルギー及び経済政策の全般にわたり示唆に富むお話でありました。 以上の観点に立ち、風力発電に大いなる期待を込めながら、風力発電事業に関して、以下質問をいたします。 1点目は、洋上における風力発電事業についてであります。 1つとして、現在の進捗状況について伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 国の浮体式洋上ウインドファーム実証研究事業におきましては、平成25年11月から2メガワット風車と洋上変電設備が、平成27年12月から世界最大級の7メガワット風車が、平成29年2月から5メガワット風車が、それぞれ運転を開始しており、技術的な課題や安全性・信頼性について実証研究が進められているところでございます。 本事業のこれまでの成果につきましては、本年8月に取りまとめられた本実証事業に係る総括委員会からの報告によりますと、一部、データ取得の継続による検証が必要であるが、浮体式洋上風力発電システム全体の安全性・信頼性・経済性の検証については、所期の目的を達成しつつあるとされております。 具体的には、安定的に稼働している2メガワット風車と、初期のふぐあいが改善し、設備利用率が上向いている5メガワット風車については、2基の組み合わせにより、将来的に自立的な運用が見込めることから、維持管理費のさらなる低減等に向けた検証を継続することが必要であると提言されております。 一方、7メガワット風車は、発電システムに係る技術的な課題が残り、実証機による商用運転の実現は困難であり、早急に発電を停止し、撤去の準備を進めるべきとの提言があったところであります。 ◆33番(蛭田克君) 2つとして、今後の展開について伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 国の実証研究事業の今後の展開につきましては、総括委員会からの検証結果と提言を踏まえ、国において、方向性等を検討していくものと聞いております。 なお、市といたしましては、実証研究事業で得られる研究成果や他地域での洋上風力発電事業の状況等についても、広く情報収集に努めるとともに、それらの情報等を本市の風力関連産業の振興に生かしてまいりたいと考えております。 ◆33番(蛭田克君) 2点目は、陸上における風力発電事業についてであります。 1つとして、現在の進捗状況について伺います。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 本市における陸上風力発電事業につきましては、平成30年8月末現在において、1事業・13基の風力発電機が稼働しており、また、7事業・最大154基の風力発電機の設置が計画されているところであります。 計画されている7事業の環境影響評価法に基づく手続状況につきましては、計画段階環境配慮書の段階が1事業、方法書の段階が3事業、準備書の段階が3事業となっており、市といたしましては、それぞれの段階において、事業者や県に対し、事業の実施に当たっては、周辺住民の皆様の理解の醸成を図るとともに、環境全般への影響の回避・低減を図った上で、環境保全に十分配慮しながら事業を進めるよう意見しているところであります。 なお、一部風力発電事業に対する反対運動や計画の見直しに係る要望への対応につきましては、環境面や災害面に関する不安を払拭する観点から、事業者に対し、周辺住民の皆様へ事業による環境への影響を積極的かつわかりやすく説明するとともに、意見や要望に対しては、十分な説明や誠意をもって対応するなど、誠実に理解の醸成を図るよう意見しているところであります。 ◆33番(蛭田克君) それでは次に、2つとして、今後の取り組みについて伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 市といたしましては、地域の理解と環境保全への十分な配慮をもとに、県内及び市内に多くの風力発電施設が整備されることが計画されていることを踏まえ、風力メンテナンス業務等の風力関連産業を本市の基幹産業の1つとして育成してまいりたいと考えております。 そのため、福島イノベーション・コースト構想を進める国・県と緊密な連携を図るとともに、本年3月に連携協定を締結した国立大学法人東京大学先端科学技術研究センターや、現在、誘致を進めている風力関連の中核的企業の知見やネットワークを生かし、市内企業の風力関連産業参入に向けた技術力・人材力を高める取り組みを加速させてまいりたいと考えております。 ◆33番(蛭田克君) 3点目は、風力発電事業を地域住民が正しく理解するための本市独自の取り組みについてであります。 今般、私の居住する地域に風力発電事業が計画されるようになってから、地域住民の間で賛否両論が沸き上がっております。私は、住民生活と環境に悪影響がなければ推進すべきとの意見を述べてまいりました。すると私のところへ去る5月、地元郵便局消印で、風力発電事業に賛成したとして、風力発電に反対していると思われる人物から、私個人を誹謗・中傷する無記名の手紙が送付されてきました。大変な驚きであり、このことに大きな恐怖心を抱きました。自分の考えを通すためには手段を選ばない、このようなやり方は大変危険であり、かつてのファシズム社会を想起いたします。賛成と反対があり、議論を深め、結論を見出していくことが民主主義社会ではないでしょうか。このようなことが見過ごされていけば、住民は恐ろしさの余り、みずからの意思に基づいた発言ができないという、憂慮される事態を招くことになってしまうことが考えられます。 このことを重く受けとめるとき、風力発電事業に関する知識と理解を一層深めることが、その将来性において現在最も重要な時期を迎えてきていると考えます。もちろん、地域住民の皆さんの安心・安全な生活確保を前提とし、その上に立って、これからの電力供給源として再生可能エネルギーの必要性と安全性に関する知識や理解を深めていくことを推進していかなければならないと考えます。 このようなことから、風力発電事業に関する知識・内容、国内外の進捗状況、技術革新の推移状況、各地域の動き、さらには設置基準や環境保護基準等々、できる限り多くの情報を網羅した総合的な本市独自の風力発電事業に関する教本のようなものを作成すべきではないかと考えますが、御所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 市といたしましては、県内及び市内で、現在予定されている風力発電事業が順調に進捗することが、再生可能エネルギーの導入拡大や中山間地域の振興につながるとともに、関連産業振興の後押しとなるものと考えております。また、関連産業を地域に根づかせるためにも、市内事業者や市民の皆様には、風力発電の仕組みや効果などを正しく理解していただくことが重要であると認識しております。 そのため、東京大学先端科学技術研究センターや風力に関する学会などの専門機関と連携し、風力発電事業の影響や効果等について、科学的知見を踏まえ、正しく理解していただくことが重要と考えており、教本の作成なども含め、効果的な情報提供のあり方について検討してまいりたいと考えております。 ◆33番(蛭田克君) 私はこの事業の大きな核になるものは、何といっても地域住民の合意だと思います。地域住民が理解して、合意して、そして初めてこの事業が推進する。その合意、その理解に向けて、どうか市の適切な対応をお願いしたいと要望いたします。 大きな質問の2はバッテリーバレー構想の状況についてであります。 市長は、これまで、東日本大震災で甚大な被害を受けた本市が復興に向けての大きな原動力となる経済活動の1つとして、たびたびバッテリーバレー構想の必要性を挙げてまいりました。このことは、大震災以前より本市において既にバッテリー事業の関連企業が多く展開していることや、今後社会の変革が進み、バッテリー関連産業が大きく進展するであろうと、市長御自身がお考えになるところによるものではないかと推察いたします。 このような社会の進展を想定に置けば、イノベーション産業・ロボット産業・自動車産業等々において大きな経済効果が期待されること、さらには、人口減少社会を迎える中で、バッテリー産業を本市の中核的産業として位置づけていき、産業集積や雇用の増大などにつなげていくことができれば、本市の将来発展に向けての大きな起爆剤となるのではないかとの見方があり、官・民・業界のみならず市民サイドの面からも大いに期待されるところであると考えます。このような折に、市内の民間企業が市内において、燃料電池車に水素を充填する商用の定置式水素ステーションを県内で初めて建設し、来年3月の供用を目指すとの新聞報道がありました。本市の民間企業から、将来の水素社会の実現や自動車関連産業の進展という、時代を見据えた、そして本市の未来に直結するかもしれない明るい話題が提供されました。 以上の観点に立ちますと、このバッテリーバレー構想は、本市において最も重要な経済施策の1つであるということが、今まさに現実味を帯びてきているのではないかと思います。 そこで、以下伺います。 1点目は、これまで、官・民上げてこの構想の研究会を実施するなど、具体的な取り組みをしてきていると伺っておりますが、現状はどのように進捗しているのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) いわきバッテリーバレー構想の推進につきましては、平成28年3月に策定した、いわき創生総合戦略において、地域に培われたなりわいを磨き上げ、伸ばすプロジェクトの1つとして、バッテリー関連産業の振興を位置づけ、重点的に取り組むこととしたところであります。 具体的には、バッテリーを使用した製品の利用促進に向けた補助事業を実施したほか、構想への地域の理解を深めるためのイベントの開催、次世代自動車産業に対応できる人材を育成するいわきEVアカデミーの開講、市内事業者が行うバッテリーを活用した技術開発や地域課題解決のための実証事業に対する支援、さらには、バッテリー関連企業の積極的な誘致を進めているところであります。 ◆33番(蛭田克君) 2点目は、この構想が、関係者の方々の御努力にもかかわらず、結果として具体的な内容がいま一つ実現されてきていないように感じられます。 そこで、構想実現に向けての現在の課題にはどんなことがあるのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) バッテリー産業の集積とバッテリー利活用の先進都市の実現を目指すという構想の主たる目的達成のためには、産業集積を後押しする新たな中核的企業の着実な誘致と、利活用の促進につながるバッテリーを活用した地域課題解決に資する事業の創出が必要であると認識しております。 ◆33番(蛭田克君) それでは3点目でございます。これからの自動車産業においては、大きな変革が進んでくると思われます。環境に配慮した水素自動車・電気自動車等、ガソリン車に代わる自動車の普及が大いに進展すると言われております。そうなれば水素ステーションや電気ステーションの設置も進むことになり、本市の産業や経済にも大いに影響してまいります。 こういったことも視野に入れて、市は、今後バッテリーバレー構想の具体的な展開をどのように考えているのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 市といたしましては、いわきバッテリーバレー構想の具現化に向けて、普及啓発や意識醸成に継続的に取り組むとともに、今後におきましては、市内企業の関連産業への参入促進や人材育成、関連企業の誘致など、同構想のより本質的な部分につながる取り組みを重点的に実施してまいります。 特に、同構想の具体的な成果に結びつく、バッテリー製造や電気自動車関連事業の拠点整備を計画している中核的企業の誘致を着実に進めながら、誘致企業の経済効果がより地域に波及される環境整備も図ってまいりたいと考えております。 また、バッテリー利活用の促進に向けましても、市内企業による地域の課題解決につながる取り組みについて、引き続き支援してまいります。 さらに、将来的には、風力や水素などの新たなエネルギー分野の安定供給や蓄電システムの構築など、バッテリー産業の新たな可能性に目を向けた長期的な視点での検討も進めてまいりたいと考えております。 ◆33番(蛭田克君) 将来の工業都市いわきの大きな姿になると思いますので、どうか今後ともよろしくお願いいたします。 大きな質問の3は、本市の林業の振興についてであります。 本年6月9日に第47回全国林業後継者大会が本市を会場にして、また、翌10日には、第69回全国植樹祭が天皇・皇后両陛下をお迎えして南相馬市を会場にして開催されました。いずれの大会におきましても、森林の再生・復興を願い、内外から多くの方々が参集され、未来へ継続する本県林業の進展を誓い合いました。 第47回全国林業後継者大会は、第69回全国植樹祭関連行事として開催されましたが、その目的は、全国の林業後継者が一堂に会し、日ごろの活動に関する意見交換を通して豊かな森林を次世代に継承していくとともに、東日本大震災からの森林・林業の復興・再生への支援に感謝する気持ちと、力強く歩み続ける福島県の姿を国内外に発信することとされております。 先輩・現役・次世代と世代をつないでの発表が行われ、地元いわき市の林業関係者や、学者や業者など各界各層の方々の知識と経験が結集した、本市林業の未来を開く充実した大会となったと感じました。 最後の大会宣言の中で、豊かな森林は、私たちの安心・安全な暮らしを守るために必要な社会共通の財産と位置づけており、その大切な宝を有効に活用しながら後世へつないでいかなければならないと誓い、林業を通して東日本大震災からの復興創生と地域の発展に貢献し、これからも未来へつながる森林づくりにプライドを持って取り組んでいくと宣言しております。私は、この心意気に大いに感動を覚え、本市の林業の振興を心から願うものであります。 そこで、以下伺います。 1点目は、本市の林業の現状について、以下について伺います。 1つとして、森林認証を核とした取り組みの推進についてどのように考えるか伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 森林認証制度につきましては、一般社団法人緑の循環認証会議、いわゆるSGEC等の第三者機関が、持続可能な森林経営が行われている森林等を認証し、認証された森林から生産された木材や木材製品を分別し、表示・管理する制度であります。 制度を核とした取り組みの推進につきましては、森林の適切な管理や地場産材の活用にもつながりますことから、今後におきましても、福島県及び市内木材関係事業者と情報の共有を図りながら、広く制度の周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆33番(蛭田克君) 市内各地でこの森林認証が広がれば、いわきの木材の価値が大変上がってくると、非常に流通にも大変有利であるということから、ぜひとも森林認証の拡大をこれから図っていただきたいとお願い申し上げます。 2つとして、地場産材の市内での素材供給についてどのような状況なのか伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 地場産材の市内での素材供給につきましては、いわき市産の原木等に限定した統計資料はないことから、市内で取り引きされた福島県産の原木等について、福島県の統計資料である木材需給と木材工業の現況に基づいて、素材供給量を申し上げますと、東日本大震災直前の平成22年が22万立方メートル、震災直後の平成23年が19万立方メートル、直近の平成28年が21万3,000立方メートルとなっており、震災後に一旦低下した素材供給量は、震災前と同水準近くまでに回復してきております。 ◆33番(蛭田克君) つまりこの素材供給というのは、言ってみれば市内における地場産材の流通だと思います。この流通が震災前にどんどん戻ってきていると、大変うれしく思います。この状況がさらにアップしていくということを求めていきたいと思います。 次に3つとして、現在の地場産材における放射能の影響についてどのような状況なのか伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 福島県は、平成23年11月からおおむね3カ月ごとに、県内の製材工場から出荷される製材品を抽出し、表面放射線量の測定調査を行っているところであります。 平成30年6月から7月にかけて実施いたしました第27回の最新の調査におきましては、県産材を出荷している市内23カ所を含む127カ所の県内全ての工場で製材品の表面放射線量を測定し、最大値は1時間当たり0.001マイクロシーベルト相当となっております。 県によりますと、この測定値について、放射線防護に詳しい国立大学法人長崎大学松田尚樹教授と防衛大学校高田真志教授の両名へ確認したところ、いずれも環境や健康への影響はないとの評価が得られているとのことであります。 ◆33番(蛭田克君) ただいまのお話、答弁は大変うれしく思います。この県内、市内も含めてですが、県産材、資材、地元材の放射能の値が、環境やまたは人体に影響がないという1つの大きな結果が出ている。いわき市の木材をどんどん使っていく大きなステップになるのではないかと思います。この答弁を大変大事にしていきたいと思います。 次に2点目、本市の林業を取り巻く課題について、以下伺います。 1つとして、本市林業発展のための大きな課題として考えられることは何か伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 本市林業発展のための大きな課題につきましては、森林資源が本格的な利用期を迎える中、立木価格の低迷、就業者の減少や高齢化などから、森林所有者の施業意欲が減退している全国的な現状を踏まえ、林業就業者の確保・育成などを通じた地域林業の振興と、地域材の需要創出などを通じた地域木材産業の振興が課題であると考えております。 ◆33番(蛭田克君) その課題を受けまして、2つとして、本市林業発展のために課題解決に向けてどのような取り組みをされていくのか伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 本市林業発展のための課題解決に向けての主な取り組みにつきましては、地域林業の振興の視点からは、森林整備を担う林業就業者が依然として人手不足であり、今後必要となる森林整備を適切に行うことが困難な状況になりつつありますことから、整備量に見合った就業者の確保を図るため、国の緑の雇用新規就業者育成推進事業等を活用し、新規就業者を確保するとともに、現場技能者を段階的・体系的に育成するなど、国・県及び関係事業者と連携しながら、将来に向けた林業就業者の確保・育成に取り組んでいるところであります。 また、地域木材産業の振興の視点からは、地域材の需要拡大を図るために、公共事業等での地域材の率先利用や未利用資源の有効活用に取り組んでおります。 今後につきましても、平成28年1月に策定しました、いわき市森林・林業・木材産業振興プランに基づき、森林・林業・木材産業のサイクルの円滑化のために、木材産業における素材生産分野、木材加工分野、建築分野のいわゆる川上、川中、川下の連携を図りながら、各施策を展開してまいりたいと考えております。 ◆33番(蛭田克君) いずれの産業においても、この後継者不足、人員不足というのは、大変これから将来の大きな課題になるかと思います。そういう中で、例えば人口知能、AIなどを使った新たな分野で、その後継者不足を補っていくというのも将来の大きな課題ではないかと思います。 そこで、3点目でございますが、このたびの全国林業後継者大会についてであります。 本大会は、市内外から多くの関係者の参加をいただき、盛大に本市で開催されました。このことは、本市林業の将来に向けて多大な効果をもたらすものと期待されます。いわき市は田人、三和、遠野、川前、小川等々、森林面積が7割ぐらいある、非常に森林に恵まれたところであります。 こういったことを考えまして、この後継者大会を生かして、本大会を今後の本市林業の振興にどのように生かして、そして結びつけていくお考えか、これについてお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) 第47回全国林業後継者大会におきましては、震災と原発事故からの復興に向けて、全国から寄せられた支援に対する感謝の気持ちを伝えるとともに、脈々と受け継がれてきた本市の豊かな森林環境等を広く発信できたものと考えております。 今後におきましても、豊かな森林を未来につなげる、森林を守る心を後世につなげる、森林を生かす技術を次世代につなげるとする大会の理念をさらに未来へつなげるため、林業就業者の確保・育成を初めとした地域林業の振興に加え、市植樹祭などを通じ、市民一人一人が参画する森林づくりの意識の醸成をさらに推進してまいりたいと考えております。 ◆33番(蛭田克君) それでは、ひとつこれからの取り組みよろしくお願い申し上げます。 最後の質問になりますが、常磐病院についてであります。 常磐病院は、もともといわき市立病院として常磐・遠野地区を中心に発展してまいりましたが、平成22年4月に財団法人ときわ会が市から譲渡され、新たに民間病院として開院し、平成23年7月にグランドオープンし、現在に至っております。 元来、ときわ会はいわき泌尿器科として泌尿器科と透析科を診療科目とし、市内内郷で発展してきました。公立病院から民間病院へ移行した後は、ときわ会の経営努力が実り、会計収支が黒字決算となり、民間手法を駆使した親切丁寧な診察は、地域住民から大きな信頼が寄せられていると聞き及んでおります。 現在、18診療科目、29名の常勤医師、一般病床150・療養床90、人工透析153床、さらには救急医療・人間ドック・健康診断・地域連携などの医療内容を誇る市内屈指の総合病院として、市民が大いに期待している病院であると考えます。しかしながら一方で、もともとの立地条件に課題があり、駐車場が狭いことや敷地面積の狭さ、さらには隣接するため池の悪臭などの苦情が市民から寄せられていると聞いております。以前には、ため池の埋め立ての要望が市民から出されたとも言われております。 常磐病院は、一山一家、共生、地域の皆様と共に生きるを病院理念として掲げております。今後さらに充実した医療の発展を目指していく中で、一民間病院の力だけではうまくいかないことがあると言われております。医療という公的役割に目を向ければ、常磐病院の課題に市の支援も必要ではないかと考えます。 そこで、以下伺います。 1点目、常磐病院の現状について市はどのように認識されているのか伺います。 ◎保健福祉部長(高沢祐三君) 常磐病院につきましては、平成22年4月の市から財団法人ときわ会への譲渡に先立ち、いわき市立常磐病院の引き継ぎに関する基本協定書を締結いたしまして、病床数や診療科など、継承する医療機能等について定めております。 常磐病院におきましては、基本協定書に基づき、常磐地区において地域医療の確保に努めるとともに、救急医療の充実を図るなど、本市の地域医療に貢献いただいているものと認識をしております。 ◆33番(蛭田克君) 2点目は、次の常磐病院の課題についてどのように考えているのか伺います。 1つとして、狭い駐車場及びそのためによる来院者の不便について、市はどのようにお考えか伺います。 ◎保健福祉部長(高沢祐三君) 常磐病院において、駐車場が狭く来院者の増加に伴い混雑する場合があることは仄聞しております。駐車場の確保は、病院運営にとって不可欠なものでありますが、経営上の判断により行われるものでありますことから、病院開設者の判断により、課題解決を図るべきであると考えております。 ◆33番(蛭田克君) 2つとして、朝夕の道路混雑による近隣社会や地域住民への迷惑について、市はどのようにお考えか伺います。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 常磐病院に面する主要地方道いわき石川線におきましては、朝夕の通勤・通学時間帯において、病院へ出入りする車両や交差点間隔の短い信号などの影響により、交通混雑が発生しており、近隣住民の皆様にも少なからず御不便をおかけしているものと認識しております。 道路管理者である県によりますと、現在、病院周辺部において、交差点改良や道路拡幅などの計画はないとのことでありますが、市といたしましては、今後も引き続き、病院周辺における交通状況等の把握に努め、朝夕の交通混雑の改善に向け、県に対し、働きかけてまいりたいと考えております。 ◆33番(蛭田克君) 3つとして、病院に隣接する箇所に市管轄の農業用ため池がありますが、現在、農業用として利用されていないと聞き及んでおります。しかし、ため池から悪臭が発せられ、入院患者や地域住民に迷惑をかけているとのことであります。 ため池の悪臭について、市はどのように考えられるのか伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 病院に隣接するため池は、農業用水としての利用がないため、ため池としての機能を廃止しており、現在は周辺高台の住宅地の調整池として利用されているところであります。 現在、周辺の住宅地は公共下水道が整備されており、平成26年6月から9月にかけて毎月実施いたしました水質等の調査では、悪臭発生につながるような要因はなく、当時は、近隣に迷惑をかけるような悪臭は確認されていない状況にありました。 しかしながら、当該ため池は、農業利水がなく、降雨時以外は水が滞留し、夏季等に悪臭が発生する懸念がありますことから、改めて水質や臭気を調査してまいりたいと考えております。 ◆33番(蛭田克君) それでは4つとして、さらなる医療業務進展のための病院敷地面積の拡張について、市はどのようにお考えか伺います。 ◎保健福祉部長(高沢祐三君) 病院敷地面積を拡張するかどうかにつきましては、経営上の判断により行われるべきものでありますことから、病院開設者が判断すべきものと考えております。 ◆33番(蛭田克君) おっしゃるとおりでございますが、一方で、先ほどから私も言っていますけれども、医療というのは公的役割が非常に強いのだということを踏まえまして、もうちょっと科学技術や今の日本の技術をもってすれば、例えば入口のところだって出入りが一緒なんですね。出るのと入るのを別にするとか、またはため池にしても埋められないなら上に桟橋をかけるとか。その桟橋をいわき市で持っているわけですから、その桟橋を駐車場として常磐病院に貸し出すとか、いろんな方法があると思うんですね。これは民間病院なんだから我々は関しないよというようなスタンスではなくて、いわき市民の医療を守っているんだと、この常磐病院も大きな市民の命を守っているんだということを、やはり念頭に置いていただければ幸いに思います。 それでは、3点目に行きます。市民から常磐病院に期待される役割について伺います。 常磐病院は民間病院ではありますが、前述しましたように市内有数の総合病院であります。がん治療や人工透析などにおいて先進医療を展開しており、医療の公的役割を大きく担っている病院であると考えます。また、本市には、常磐病院のほかにも、かしま病院、松村病院、呉羽病院など民間病院でありながらも公的役割の大きな病院が多数存在しております。また、日常生活の中で病に苦しむ地域住民にとっては、市内各地に多くのかけがえのない個人医院もございます。このようなことを考えれば、医療そのものが全体として公的役割であると言えるわけであります。経営母体に公私の別はあっても、人命を担うという意味で医療行為自体は公的業務であると考えます。 そこで、それぞれの民間病院での中心となる診療科目を充実させていくこと、言いかえれば、民間病院の得意とする診療科目に公的支援を導入することは、本市全体の医療の充実・発展に結びつくことになると考えます。今般、医学部進学者を対象とする市の奨学金制度が民間病院にも拡大され、本市の医師確保の機会増加につながってきたことは、大いに評価されることであります。現在共立病院が新病院として大きく発展していく中で、その補完的役割を果たすべく、民間病院の先進・専門分野での診療科の充実が大いに期待されております。 そこで、以下の期待される役割について、市はどのようにお考えになるのか伺います。 1つとして、市は民間病院の公共的役割充実に目を向けて、各病院の先進・専門分野での診療科の充実を目指す取り組みについて、積極的に支援すべきと考えますが、いかがでしょうか伺います。 ◎保健福祉部長(高沢祐三君) 公立・民間を問わず、病院につきましては市民の健康及び生命を守り、地域医療を支える重要な役割を担っていただいております。このことから、これまで、いわき市地域医療協議会におきまして、救急医療などの諸課題について、地域の医療関係者と積極的に意見交換を行い、解決策を検討するとともに、具体的な医師確保・招聘策として、市内病院が医学生を対象に実施する修学資金貸与制度にかかる費用の一部を、病院に対し補助する市病院医師修学資金貸与事業費補助金や、民間病院等と市が連携し、医科大学に寄附講座の開設を図る共創型・地域医療寄附講座開設事業を導入することなどにより、市内病院への支援を積極的に展開しているところであります。 今後におきましても、市内病院との連携を図りながら、市内病院に対する必要な支援を、国・県の補助制度の活用も含めて検討してまいりたいと考えております。 ◆33番(蛭田克君) 民間病院の公共、公的役割というものに対して、ひとつ理解をいただいたということは大変うれしく思います。 2つとして、常磐地区まちづくり事業全体において、医療の充実は大きな意義があると考えます。 まちづくり団体と市が連携を深め、常磐地区のまちづくり事業の中に、常磐病院の役割をきちんと位置づけることが必要であると思いますが、市のお考えを伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 市と地元まちづくり団体であるじょうばん街工房21との協働で、昨年7月に改定を行った常磐湯本地区まちづくり計画におきましては、常磐病院やスパリゾートハワイアンズ、いわきFCパークなどの計画対象区域外にある施設を重要な地域資源と捉え、まちづくりの基本方向に地域資源の再編集とネットワークづくりを定め、温泉と健康・医療の連携に関するまちづくり事業計画案を整理したところでございます。 今後の急速な人口減少や超高齢社会におきましては、地域の日常生活を支える医療、福祉、商業等の都市機能の役割が重要となりますことから、常磐地区の医療の中核を担う常磐病院と、地域で進めるさまざまなまちづくり事業との連携が肝要であると認識しております。 このようなことから、今後につきましても、じょうばん街工房21と協働で進める当該計画の進行管理におきまして、常磐病院との具体的な連携策について検討してまいりたいと考えております。 ◆33番(蛭田克君) それでは3つ目に移ります。3つ目として、私は以前にスポーツ・医療を活用したツーリズムを本市で推進すべきと議会で質問いたしましたが、このたび再度質問をいたします。 本市において、観光の核となるハワイアンズ、スポーツの核となるいわきFCなどの施設が近隣地域に存在することを考慮すれば、インバウンドを視野に入れた、スポーツ・医療を活用したツーリズム事業の推進において、常磐地区は最適の環境にあり、市と関係施設及び常磐病院とが積極的に連携を深めることが最も効果的でないかと考えます。 以上のことから、地域の特性を生かしたインバウンドのツーリズム事業を推進すべきと考えますが、市のお考えを伺います。
    ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 本市のインバウンド事業につきましては、これまで、観光情報サイトや観光パンフレットの多言語化などの受け入れ環境の整備、タイにターゲットを絞ったファムトリップの実施、さらには国際旅行博等での広報宣伝活動などに取り組んできたところでございます。 また、今年度は、昨年度本市を訪れましたタイの旅行業者を初めとする海外旅行業者に向けた観光等の情報を7つの言語で発信しており、プロモーションの強化も図っているところであります。 現在、常磐地区におきましては、スパリゾートハワイアンズと常磐病院が連携し、温泉を活用した健康回復・増進プログラムが提供され、また、いわきFCパークでは、スポーツと医療が一体となった事業構築に向け、スポーツクリニックの整備が予定されており、スポーツ・医療・観光を切り口とした取り組みが展開されております。 市といたしましては、このような常磐地区の特性を生かした、民間主導による新たな動きも視野に入れつつ、今後も、いわき観光まちづくりビューローを初め、地域づくり団体や市民の皆様と連携しながら、インバウンドを含めた誘客プログラムの充実につなげてまいりたいと考えております。 ◆33番(蛭田克君) 大変前向きの御答弁をいただき、ありがとうございます。今チャンスでございますので、東京オリンピックを見据えて、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。 それでは最後の質問になりますが、4点目、常磐病院に関して、市の今後の取り組みを伺います。 これまで述べてまいりました常磐病院の課題解決や期待感の充足等について、市は今後どのように取り組んでいくお考えか御所見を伺います。 ◎保健福祉部長(高沢祐三君) 現在、福島県が主催いたしますいわき地域医療構想調整会議におきまして、各病院の病床数や役割分担などについて、関係者間の協議が行われております。 市といたしましては、協議の状況等を踏まえまして、常磐病院を含めた市内病院と連携し、医師不足を初めとする本市が抱える課題の解決を図りながら、市民の皆様が安心して良質な医療を受けることができる体制の構築に、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆33番(蛭田克君) いろいろ懇切丁寧な御答弁をありがとうございました。今回、私ちょっと体調を崩しまして、ある病院へ行きました。市外の個人病院でございましたが、非常に充実していて、多くの患者さんが日本全国から集まっている。すごいなと思って見ました。そういう病院が、もしかしたらいわきにもあるのかもしれませんが、そういう民間病院に、これだけ全国から人が集まる。大変私大きな衝撃を受けた次第であります。今回、常磐病院は民間病院であると。民間病院であれば、公的な財政は投入できない、民間病院ではできないと、これはもう百も承知でございます。しかし一方で、先ほどから言っておりますが、医療は公的要素が非常に強い。 今回、共立病院が大変大きな発展を遂げようと、ことしの12月に大きく進展する。共立病院がこれだけ大きな病院になる。そうすると、あといわきにとって大切なのは、それを外から支える多くの民間病院だと思うんですね。公立病院だけでは、共立病院だけでは、本当にいわきの医療を賄いきれない。それを支える部分があってもいい。かつて中国には一将功成りて万骨枯るなんてありました。1つのことはすぐれたけど、みんなだめになってしまった、それではだめであって、やはり共立病院が今大きく進展する中で、民間病院との連携が非常に今望まれているのではないか、そんな思いから常磐病院のことを質問させていただきました。 今までの答弁、大変ありがたく感謝申し上げ、以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午後1時10分まで休憩いたします。          午後0時03分 休憩---------------------------------------          午後1時10分 再開 △小野潤三君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。13番小野潤三君。          〔13番小野潤三君第二演壇に登壇〕 ◆13番(小野潤三君) (拍手)13番いわき市議会志帥会の小野潤三です。 通告順に従いまして、一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、イオンモールいわき小名浜開業の影響についてです。 6月の一般質問は、イオンモールのソフトオープンの前の日、6月11日でしたが、いよいよあすのオープンに当たって、これからどうなっていくのかということをお聞きしました。それから3カ月が経過をいたしましたので、ここで一度立ちどまり、この開業によって何が起こっているのか、検証すべきタイミングと考えます。 そこで、まず1点目は、開業後3カ月間の結果についてです。幾つかの観点で伺ってまいります。 1つとして、イオンモールの集客はどのような状況か伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) イオンモール株式会社によりますと、年間700万人の来店者数を見込んでおりますが、開業からこれまでの来店者数につきましては、定量的な公表はないものの、見込みどおり順調に推移していると聞き及んでおります。 ◆13番(小野潤三君) イオンモールは開業に当たっての記者会見で、売り上げなどは、どこの店舗でも一切公表していないと言っておりました。民間企業ですので、明らかにできないことがあるのは理解できますけれども、小名浜の店舗は、復興土地区画整理事業という復興施策として建設されたものでありまして、集客は公益的な意味を持っていると考えております。700万人というペースに対して、順調にいっているという非常にあっさりとした答弁でありましたけれども、できる範囲で実情を把握されるようにお願いしたいと思います。 2つとして、イオンモールを中心とした小名浜地区の交通はどのような状況か伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) イオンモールいわき小名浜周辺の交通状況につきましては、6月15日のグランドオープン後の土日やお盆期間を中心に、アクセス道路のうち、都市計画道路平磐城線、通称鹿島街道におきまして、イオンモールへ向かう自動車交通の集中により、アクアマリンふくしま前の交差点を先頭に、一定時間における渋滞は見受けられておりますが、交通集中箇所の迂回を促すマップの活用や、泉駅からのシャトルバスの運行等によりまして、現在まで大規模な渋滞の発生は避けられているものと認識しております。 また、イオンモールには、いわき駅、湯本駅及び泉駅等と小名浜を結ぶ一般路線バスが、合計53便乗り入れており、土日・祝日には、泉駅からの直行便が往路5便、復路6便運行されております。 さらに、イオンモールでは、9月末までの土日・祝日におきまして、泉駅と同施設を結ぶ無料のシャトルバスを、おおむね1時間に1往復運行することとしておりまして、市といたしましては、今後とも、交通事業者やイオンモールと情報共有を図りながら、円滑な道路環境の確保に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 夏の繁忙期も、当初予想していたよりもはるかに渋滞が少なくて、拍子抜けしたほどでありました。今後も注意深く交通状況を把握されるようにお願いをいたします。 3つとしまして、イオンモールはアクアマリンふくしま、いわき・ら・ら・ミュウ、小名浜美食ホテルなどと駐車場を共用しておりますけれども、運用の状況について伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) イオンモール及びアクアマリンパーク内の駐車場につきましては、周辺地域で一体的に利用可能な駐車場として運用されておりまして、午前11時ごろから午後3時ごろにかけまして、平日でおおむね6割の駐車率となっているところですが、土日・祝日におきましては、9割を超える駐車率となる日も見受けられております。 現在、小名浜港3号埠頭緑地におきましては、福島県が、年内を目途に約400台、来年度に約100台、計約500台の駐車場を新たに整備することとしており、混雑の緩和が期待されるところであります。 なお、混雑が予想されるイベント開催時などにおきましては、一体的に利用可能な駐車場マップの配布や、公共交通利用への啓発等を、イベントの告知の際に実施することが肝要でありますことから、イベント主催者や地元まちづくり団体等と連携し、情報発信に努めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) お手元に資料をお配りいたしましたけれども、1週間前、9月2日午後1時過ぎのイオンモール周辺駐車場の状況を写真でお示ししております。この日はアクアマリンパークにおきまして、中小企業家同友会のふれあい祭りという大きなイベントが行われておりました。 イオンモールによりまして、土日はアクアマリンパークまで含め、周辺の駐車場がいっぱいになります。一方、アクアマリンパーク内で大規模なイベントがある場合は、以前からパーク内の駐車場がいっぱいになっておりました。ダブルでお客さんが押し寄せてくると。イオンモールのオープン後は、そのような状況になっております。先週見ておりまして、駐車場の不足ということがよくわかりました。 資料を少し説明いたしますと、一番上の写真がイオンモールの屋上から撮ったアクアマリンパークの様子であります。全ての駐車場が満杯なのがおわかりいただけると思います。イオンモールはごらんのとおり、駐車場の掲示に全て満車の満の文字が並んでおります。上の写真の赤で囲った部分が、いわき・ら・ら・ミュウの駐車場。下の文字を赤で囲ったのがその部分の写真であります。青で囲ったのがパーク内。下の写真でおわかりのとおり、とまるところを探して何台もの車がうろうろしておりました。上の写真でその右側、緑の部分は、アクアマリンふくしまの北側にある駐車場であります。ここは3つの区画に分かれておりまして、アクアマリン北側③と書いた一番奥側、これ今御答弁いただきましたけれども、500台分、12月と、あと来年にかけて供用開始に向けて整備中だということであります。2番目の駐車場、今使える中では一番奥ということになりますが、ここはごらんのとおり、とめられるスペースが残っておりました。写真の矢印のあたり、いわき・ら・ら・ミュウ南側の新しい駐車スペースもいっぱいでした。さらに、少し遠いのですけれども、前の魚市場があったエリアが駐車場として使われるようになっておりますが、しばらくロープが張ってあって使われておりません。 この様子を見て感じましたが、これだけ混んでいても、まだ駐車スペースは残っていないわけではありませんでした。ですが、誘導している警備員はそうした情報を、お客さんに的確に伝えてはおりませんでした。旧魚市場は遠いため、イオンモールまでシャトルバスでもあればなと思いました。要するに、駐車場は不足気味ではありますけれども、ちゃんと誘導すれば、現状でも改善の余地があるということです。 そこで、関連いたしまして、そうした運用面での対応についてどう考えるか伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 共同駐車場の運用面に関しましては、これまでの運用状況を捉えながら、市、県、イオンモールやアクアマリンパーク内の各施設管理者が一堂に会する協議会等を開催いたしまして、今議員が御指摘の誘導員の連携策や駐車場マップの活用方策、これらの課題解決に向けた取り組みについて、関係者で調整を図ってまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 私も、自分が一般の消費者でしたら、とめられないなら帰ろうかなと思ったかもしれません。イオンモールの誘致は、当然、このエリアのにぎわいづくりが目的の1つでありまして、せっかく来たお客さんを、いわば門前払いしてしまうようなことは避けなければならないと思います。 今は休止しております泉駅からのシャトルバスも、大規模イベントの際には運行するなど、エリアの実情を細かく見て、運用を改善すべきと考えます。 4つとしまして、小名浜地区を初めとした市内の既存商業者に対して、どのような影響が見られるか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 市内の既存商業者への影響につきまして、商工団体との情報交換を行い、現時点で市内の大型商業施設や小売店鋪等において、来店者数や売上等に大きな影響があるとの情報は寄せられていない状況にあります。既存商業者への影響につきましては、今後、商工団体を通じたアンケートによる影響調査などにより、実態の把握に努めてまいりたいと考えております。 なお、イオンモールの近隣の飲食店においては、イオンモールの開業に伴う波及効果によって、来店者数の増加が見られるなど、プラスの面の効果もあると聞き及んでおります。 ◆13番(小野潤三君) ちょっと私の認識と若干違うなと思いましたけれども、私もこういった質問をするということもありまして、小名浜地区と、それ以外も含めて、大小の商業者に影響を伺ってみました。イオンモールオープンまでは市内最大でありました鹿島地区の商業施設におきましては、大きな影響を受けているとお聞きしました。けれども、固定客の影響は少ないというようなことを伺いました。 小名浜の路線商店街におきましては、シニア層を主たる顧客とするお店には影響がないというお話でしたけれども、飲食店では大きな打撃を受けていると。食品関係のあるお店におきましては、売り上げが半減して既に店舗を閉鎖したというところもありまして、これはちょっと驚きました。逆に、イオンモールの開業の後、午後9時以降に来店するお客さんや、イオンモール従業員が来てくれるようになった飲食店もあるということでありました。市内北部の、あるお店におきましては、週末、市外からの来店が多いということなんですけれども、イオンモールソフトオープンの6月12日を境に、売り上げが大幅にダウンしたと聞いております。 これらは私が歩いて聞いた範囲の情報であります。影響は広範に存在していると感じました。行政としては、もう少し精度の高いリサーチをしていただきまして、いわき市内で何が起こっているのか、まずは正確な把握をしてもらいたいと思います。 5つとしまして、イオンモールと地域との連携はどのように行われているのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) イオンモールと地域との連携事業として、現在、いわき・ら・ら・ミュウとイオンモールの相互利用を図る周遊スタンプラリーや、小学生を対象とした日産自動車いわき工場のものづくり教室が、イオンモールいわき小名浜において開催されております。 こうした取り組みに加えて、イオンモールの開業による集客を地域へ波及させることが重要であると考えており、現在、小名浜まちづくり市民会議を中心とした地域の皆様において、さまざまな取り組みが検討されていることから、引き続き、必要な支援を検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) ら・ら・ミュウなどがその相互利用をしているということはお聞きしておりまして、ぜひそういった取り組みは今後とも進めていただきたいと思いますし、市民会議などの活動に対しては、私も多少のかかわりを持たせていただいておりますが、地域との連携はまだこれからだと思っておりまして、重要なテーマですので、行政としても踏み込んだかかわりをお願いしたいと思っております。 6つとして、イオンモールやテナントは、開業に当たって従業員の確保に苦労しておりました。また、募集する賃金の高騰が見られましたが、開業後は、市内の雇用情勢に変化が見られるのか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) ハローワークによりますと、イオンモールいわき小名浜開業後の市内既存事業所による販売及びサービスの職業に係る新規求人については、顕著な変化が確認されていないことから、現時点において、市内の雇用情勢に特段の影響はなかったものと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 2点目の質問は、今後の対応についてです。 イオンモール開業によって生じたさまざまな課題に対して、今後行政としてどのような対応を図る考えか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 市といたしましては、イオンモールの開業を新たなビジネスチャンスと捉えた事業活動等を後押ししながら、その効果の最大化を図る取り組みを推進してまいりたいと考えております。あわせて、その他の課題に対しましても、それぞれの主体と連携を図りながら、その解決に向け取り組んでまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 解散しました旧磐城青年会議所が、港の市民開放を掲げて船の博覧会をスタートさせて30年以上が経過しました。官民が連携しながら、長い時間をかけて小名浜の臨海部の再開発を進めてきました。福島臨海鉄道の貨物ヤードだった場所に、いわき市内外の多くの方々が押し寄せる姿を見まして、とにもかくにも、長年目指してきたまちづくりが1つ形になったなという感慨に襲われました。 実はその少し前、イオンモールも外観が完成しまして、オープンが秒読みというころに、汐風竹町通りのイベントがありました。ペデストリアンデッキの上に立ちながら、これから何が起こるんですかねという話を佐藤和良議員といたしました。イオンモールという存在が、いわきにとって、小名浜にとって、プラスなのかマイナスなのか、ふたをあけてみないとわからないという状況でありました。 いよいよそのふたがあいた中で、この事業を行ってよかったと言えるまちづくりを進めていかなければなりません。イオンモールのオープンは出発点です。イオンモールには、今後とも魅力的な店舗づくりを期待するとともに、町なかの再生を図っていく必要があります。 そこで、大きな質問の2番目は、小名浜地区における都市計画についてです。 ここまで述べてきたように、イオンモールがオープンし、小名浜のまちのありようは大きく変わりました。一方、いわきの都市計画のベースになる都市計画マスタープランの改定作業が、今、着々と進められております。都市マスとともに策定が進められる立地適正化計画は、人口減少が急激に進行する中で、都市部のさらなるコンパクト化を進める計画であります。従来の市街化区域の中に、特に、このエリアに人が住んでくださいという居住誘導区域を設け、さらにその居住誘導区域の中に、都市機能誘導区域を設けるということになっております。 第二次いわき市都市計画マスタープラン等策定委員会におきまして、8月21日の委員会で、いよいよ市内8カ所ほどの居住誘導区域、都市機能誘導区域の原案が示されました。その中には、小名浜地区も当然含まれております。 イオンモールは復興のシンボルという言い方をされますが、先ほども申し上げたとおり、イオンモールの誘致は復興政策でありまして、それは、小名浜市街地の再生を果たさなければ、完成したとは言えません。 都市計画マスタープラン、立地適正化計画を通して、小名浜地区の都市機能を高めるということが、政策的な流れとして必然的に出てまいります。小名浜の既成市街地をどう再生、再構築するのか伺ってまいります。 質問の1点目としまして、まずは立地適正化計画そのものについて伺います。 立地適正化計画の中で、都市機能誘導区域を設定する目的は何かお尋ねをいたします。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 都市機能誘導区域につきましては、区域内へ医療、福祉、子育て、商業などの都市機能を増進させる施設を誘導することにより、当該区域周辺の居住者に対し、日常生活サービスの効率的な提供を図ることを目的に設定するものであります。 ◆13番(小野潤三君) では、小名浜地区の都市機能誘導区域は、原案においてはどのようなエリア設定になっているのか伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) エリア設定につきましては、先月開催された第3回策定委員会におきまして、都市機能が一定程度集積している地域であります商業地域や近隣商業地域等を基本とし、かつ、過度な車依存とならないよう、周辺からの公共交通によるアクセス等を勘案し、地区の拠点である小名浜支所から、一般的な徒歩圏であるおおむね半径800メートル圏内を当該区域とする検討がなされたところであります。 ◆13番(小野潤三君) 支所から800メートル圏という具体的なお話をいただきました。このエリアは、長年小名浜まちづくり市民会議が、港と既成市街地を結ぶというコンセプトで、まちづくりに取り組んできたエリアとも重なります。 市としても、小名浜地区まちづくり計画の対象エリアとしてきたところでありますし、ここ数年、市民会議が中心市街地活性化法の認定を得ることを目指してきたのは、おおむねイオンモールから支所あたりというエリアであります。また、イオンモールがオープンしまして、まさに小名浜のまちの新たな中心核が誕生した中で、それと連動したエリアに都市機能を集積させるというのは合理的なことだと考えます。 5月29日、小名浜地区における都市計画マスタープランの住民懇談会におきましては、私のほうから、小名浜のまちの中心はどこでしょうかという問いを投げかけました。そうしますと、参加者の中から、それは岡小名地区ではないかという答えがありました。岡小名地区というのは、マルト、カインズホーム、ユニクロ、コジマ、青山などロードサイドの商業施設が建ち並びまして、背後に岡小名や湘南台という住宅地が控える、現在の小名浜の中核的なエリアと言っていい場所であります。おおむね小名浜港1・2号埠頭から小名浜支所方面に延びるエリアが、都市機能誘導区域としてふさわしいというのは異論のないところかと思います。 この都市機能誘導区域に誘導する具体的な都市機能は、誘導施設と呼ばれますけれども、それはどのような施設が考えられるか伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 都市機能増進施設につきましては、居住者の共同の福祉や利便性の向上を図る観点から、都市機能誘導区域内に立地を誘導すべき施設とされており、本市におきましては、人口構造を改善する都市機能を誘導し、選ばれる都市へとするまちづくりの方針を踏まえ、主に若い世代をターゲットとしながら、全ての世代が暮らしやすい都市の実現を図る都市機能増進施設の設定を検討しているところであります。 具体的な都市機能増進施設につきましては、先月開催された第3回策定委員会におきまして、検討がなされたところであり、一例を申し上げますと、行政機能につきましては、本庁及び支所、医療機能につきましては、病院及び診療所、子育て機能につきましては、幼稚園及び保育所、教育機能につきましては、大学及び専修学校、文化機能につきましては、市民会館及び図書館といった公共施設を初めとした日常生活等に必要な施設としているところであります。 ◆13番(小野潤三君) 今の御答弁ですと行政関係、医療、子育て、教育、文化といったことがありました。誘導施設には行政施設も含まれるという御答弁でありました。 では、今回の都市計画マスタープランの原案の中では、小名浜地区をどのように位置づけているのか伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 現在、策定を進めている当該プランの将来都市構造における小名浜地区の位置づけにつきましては、工業、流通・港湾、商業業務機能により形成され、観光レクリエーション機能等が集積し、広域交流の拠点の役割を担う地区である広域拠点としているところであります。 ◆13番(小野潤三君) 平は都心拠点、つまりいわきの都心と位置づけられておりまして、その次の位置づけである広域拠点の小名浜は、いわばいわきの副都心ということになります。平地区には、例えばアリオスや総合図書館など、いわきを代表する都市機能が配置されておりますけれども、小名浜には、もう少しローカルでありますけれども、平に次ぐ都市機能の整備が求められるということになります。 そこで、2点目の質問は、小名浜地区における公共施設の再編についてです。 私は、小名浜の都市機能誘導区域における誘導施設は、小名浜支所、市民会館、公民館、この3つの行政施設にすべきと考えております。すなわち、支所が担う行政の窓口機能や地区保健福祉機能など、市民会館のホール機能、公民館の図書館機能、貸し館機能、これらをコンパクトに集約化することで、小名浜の都市機能を確実に高めることができると考えております。 震災のずっと以前から、小名浜地区におきましては、老朽化したこの3つの公共施設を、いい加減建てかえろという要望がくすぶり続けておりました。これらは単に老朽化しているだけではなくて、機能的にも低下をしておりまして、都市機能の高度化を図るべき小名浜の中心エリアで、再構築が迫られております。 では、場所はどうしたらいいのかということになりますけれども、旧タウンモールリスポの隣接地に横町公園という近隣公園がありますが、ここならこうした公共施設を建設する広さがありますし、立地としてはまさに絶好の場所であります。横町公園には隣接しまして、小名浜武道館、本町保育所、消防団の詰所もありますけれども、これらも含めて、公共施設の再配置を検討すべきと考えております。 そこでまず、小名浜地区の3施設のハード的な問題からくる機能面の課題を伺ってまいります。 まず、小名浜支所の現状における課題は何かお尋ねをいたします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 小名浜支所につきましては、建設から65年が経過し、老朽化が進んでおりますものの、耐震性を有していることから、当面は、必要な改修や修繕等により対応していくこととしておりますが、まず機能面では、東日本大震災以降、小名浜地区保健福祉センターが支所の敷地外に移転しており、一体的なサービス提供の面で利用者に御不便をおかけしていること、設備面では、1階窓口カウンターが1メートル程度の高さとなっていることや、2階への移動手段が階段のみでありますことから、全ての方が利用しやすい構造となっていないことなどが主な課題であると認識しております。 ◆13番(小野潤三君) 確かに耐震性はあるということでありまして、それは安心したところでありますけれども、65年前につくられた建物ということでありまして、いろいろとその機能的には問題があると感じております。特に保健福祉センターが今分離してしまっているということで、支所とのやり取りが不便なところも感じております。 次に、小名浜市民会館の課題は何かお尋ねをいたします。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 小名浜市民会館は、建設から58年が経過し、法定耐用年数を大幅に超過している状況となっております。このため、施設の老朽化に伴い、雨漏りや空調設備、電気設備などの各種ふぐあいが生じていることが課題であると認識しております。 また、大ホールの利用形態につきましては、興行や発表会として利用される割合に比べ、吹奏楽部等の練習会場として利用される割合が多くなっております。 ◆13番(小野潤三君) 今回取り上げております3つの施設の中では、小名浜市民会館の課題が一番大きいかなと思っております。雨漏りとか空調というところは、なかなか改修するのにも費用がかかるということで、大変かと思います。あと大ホールなんですが、今御答弁もありましたけれども、文化振興課のほうから資料をいただきましたが、年間の大ホールの使用回数が117回ということで、365日のうちの117かというところもあるんですけれども、実は、今御答弁ありましたように、練習で使われることが圧倒的に多くて、実際の発表というために使われたのが年間21回ですね。それも内訳を見ると、敬老会とか、長寿介護課とか、いわき税務署とか、消防の出初めとか、行政関係が多くて、民間にはほとんど使われていないと。みんなアリオスに行ってしまうのかなと。ちょっとしたイベントであれば、アリオスも大ホールから小ホールまでいろいろありますので、そっちに行ってしまうのかなということが考えられるところであります。 それでは、小名浜公民館の課題は何かお尋ねをいたします。 ◎教育部長(柳沼広美君) 小名浜公民館の現施設は、昭和42年に建設されたもので、築後51年が経過しております。 課題としましては、施設の老朽化が挙げられますが、平成26年度から平成27年度には、耐震補強工事を実施し、平成29年度には、図書館に隣接して、読書や学習に利用できる学習・閲覧室を整備するなど、環境整備にも努めてまいりました。 今年度におきましても、電気設備等の改修に係る設計を行っているところであり、引き続き施設の老朽化に対応すべく、適切な維持管理に努めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 耐震改修もしてしまったというところもありまして、なかなか難しいところではありますけれども、まず図書館以外エアコンがないというのは、なかなかちょっとつらいところがありまして、高齢者がいろいろ文化活動に使われていて、死にそうだと先日も言われました。 あとは図書館も、閲覧室というか、勉強室のようなものを何とかつくってはいただいたんですけれども、総合図書館のレベルに比べますと、やはり非常に見劣りをするとは思っております。もちろん小名浜の図書館を総合図書館と同じレベルにする必要はありませんけれども、地区図書館として、コンパクトでいいので、今までより機能性の高い、市民がもっと使いたくなる図書館にするべきではないかと考えております。 小名浜地区の人口は9月1日現在で8万3,000人おります。これは白河市の6万人、相馬市の3万8,000人よりもずっと大きな規模です。ツタヤ図書館で有名な武雄市の人口は4万8,000人。そう考えれば、武雄市並みの、カフェを併設した新たなタイプの図書館があってもいいのではないかと思ったりもいたします。 では、私が提案いたしました横町公園を公共施設の再配置のために活用することの課題は何かお尋ねいたします。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 横町公園は、昭和47年に都市計画決定し、主に近隣に居住する住民が利用する身近な近隣公園として昭和54年に供用を開始し、子供から高齢者まであらゆる世代の方々の憩いや交流の場、健康増進やレクリエーションの場等として親しまれている都市公園であります。 また、火災などの災害時には、避難地や延焼防止空間、復旧活動の拠点となるなど、小名浜市街地の防災機能を高めている貴重な緑を有するオープンスペースであります。 このようなことから、都市公園につきましては、その保存を図るため、都市公園法第16条により、みだりに公園区域の全部または一部を廃止してはならないものとされており、仮に、小名浜地区の公共施設の再配置のため横町公園を活用する場合には、都市計画の変更はもとより、地区住民の合意形成を要することや、近隣にかわりとなる同規模の公園を設置できることなど、多くの課題が生じるものと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 近隣公園というものが、都市部において重要な意味を持つものだということはわかりました。都市公園法というその法的な制約もありますし、都市計画の変更など、さまざまな手続が必要だということもわかりました。ですが、横町公園が整備されたのは昭和54年という御答弁でありまして、都市としての小名浜の状況は現在とはまったく異なっております。これからの都市機能を考えれば、公園の機能はもちろん大事でありますけれども、公共施設の再配置のほうがより重要度があるのではないかと考えます。 一度公園を整備したら、都市計画上の必要性があったとしても、未来永劫手を出すことができないということでは、まちの未来がつくれません。先ほどお話があったように公園の移転ということも視野に入れながら、新たなまちのビジョンを実現するという前提の中で、この土地の活用を検討すべきと考えております。 この項最後の質問になります。ただいま御答弁いただいたのが4人の部長さんということで、それでよくわかるわけでありますけれども、多くの部署にまたがる公共施設の複合化、再配置ということになるわけでありまして、それらに横串を刺すような、全庁横断の体制をつくっていただかなければならないと考えます。 公共施設の再編を通しまして、小名浜地区の都市機能を高度化、再構築するという大テーマを実現するには、どのような体制をつくることが必要なのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 小名浜地区におきましては、本市の復興のシンボルとしてまちが変貌している中、老朽化などの課題を有する公共施設が複数存在し、御提案のように、立地適正化計画などに基づく都市機能の再整備の一環として、公共施設を再編することにつきましては、地域の主要な課題の1つであると考えております。 一方、公共施設の再編につきましては、まずは、市公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の総量の適正化や民間活力の活用、施設の利用状況や運営面・機能面などの視点も踏まえ、地域の特性に応じた公共施設等のあり方を、市民の皆様等の声もお聞きしながら検討することが必要となります。 その上で、施設再編の具現化に当たっては、施設間の調整や道路等の関連基盤の整備など、さまざまな事業を一体的に推進することが求められるため、施設再編に係る関連事業を総合計画実施計画に位置づけ、適切な進行管理を図るとともに、関係部署間の諸調整、職員配置や組織等の整備、財政的な措置などを、庁内が一体となって推進していく必要があると考えております。 ◆13番(小野潤三君) 非常にいい御答弁ありがとうございました。今、立地適正化計画の主要な課題であると、その公共施設の再編については主要な課題だという御答弁をいただきました。簡単な話ではないと思っておりまして、民間活力をどう使っていくかと、それでさまざまな公共施設の役割とか、位置づけというものを一体的に考えなくてはいけないと。総合計画実施計画に位置づけていくというところは、まさにそのとおりだと思っておりまして、一朝一夕にできるものではありませんけれども、ここからがスタートかなと思っております。ここまで述べてきましたように、小名浜地区は公共施設の著しい機能低下がありまして、都市機能を高めるには、再構築が必要であります。それは、いわき市が進めておりますさまざまな政策にかかわる大テーマでもあります。 先ほど来述べておりますように、これは復興政策であり、また都市計画であり、それから中心市街地活性化事業であり、そして、市長も言われましたけれども、公共施設総合管理計画の中に位置づけられるものと考えます。その中でも、特に公共施設を廃止していくとか、延命化していくということもありますけれども、いかに高度化し、高機能化していくかという点では、1つのモデルケースになり得るものだと思っております。 さらには、民間活力を活用する公民連携というのがありますけれども、いわゆるPPPというアメリカから来た手法がありまして、こうした手法を使えないかということも考えております。その意味では公民連携のモデルともなり得る事業であります。PPPにつきましては別の機会に、改めて議論が必要だと思っております。 さまざまな観点から、いわきの副都心・小名浜の都市機能をどう高度化すべきか、きょうが議論の出発点だと考えております。市におきましては全庁的な議論を、さらに官民の英知を結集するような議論をしていただきたいと期待をしております。 大きな質問の3番目は、いわき市役所における働き方改革についてであります。 昨年2月に財政部の職員が自殺をし、遺族が公務災害の認定を請求しているという報道が先日なされました。報道では自殺する前の月の残業代は125時間分支払われておりましたけれども、パソコンのログイン・ログオフ時間で計算すると220時間の残業をしておりまして、過労死ラインをはるかに超えていたのではないかと報道されておりました。 まことに痛ましい事件であります。亡くなられた職員の御冥福を心からお祈りを申し上げます。まずは遺族の求めに対して、市として誠実な対応を図るよう望むとともに、再発防止のためにも、いわき市役所の働き方について検証が必要と考えております。 まず、1点目としまして、市として今回の事件の事実関係をどのように把握しているのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) おただしの事案につきましては、平成28年4月採用の財政部所属の20代男性職員が、平成29年2月に自殺したことについて、同年11月に、御遺族から地方公務員災害補償基金福島県支部に対し、公務災害認定請求が行われたものであると把握しております。 ◆13番(小野潤三君) 現在、公務災害の申し立てに対して、審査結果を待っているということですので、なかなか詳細についてお話はいただけないかもしれませんけれども、まずは亡くなられた方の勤務実態、それから周囲のサポートがどうであったのかなど、事実関係をしっかり検証していただきたいと思っております。 2点目の質問は、いわき市役所における超過勤務のあり方についてです。 1つ目として、超過勤務はどのように運用されているのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 職員の超過勤務につきましては、所属長の命令に基づき実施するものであり、具体的な手順といたしましては、職員は、超過勤務実施前に、職員ポータル等により、従事事務の内容や勤務予定時間について所属長に申請をし、所属長は、業務の進捗状況を的確に把握した上で、職員の健康管理にも十分配慮しながら、超過勤務の必要性を判断し、決裁することとしております。 また、超過勤務実施後には、所属長に実施時間を報告し、決裁を受けることとしております。 ◆13番(小野潤三君) 2つ目としまして、超過勤務の予算管理は、各部署においてどのように行われているのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 一般会計及び特別会計の超過勤務手当等につきましては、年度当初に、総務部から各部等に対し、前年度の実績や職員の配置状況等を考慮して算定した予算額を配当しまして、各部等においては、業務の進捗管理を適切に行いながら、執行することを基本としているところであります。 なお、年度中途に、緊急または臨時的な業務が生じたことなどにより、配当額に不足が生じた場合には、必要に応じて追加配当を行っております。 ◆13番(小野潤三君) いわき市役所におきましてはサービス残業、サービス休日出勤はかなり多いのだという声も聞きます。超過勤務は先ほどの御答弁のような仕組みで行われているため、上司に許可を求めにくいということがあったり、所属長が人件費を、今予算の管理の仕方も伺いましたけれども、予算内に収めるために、必要な超過勤務を認めなかったりということも仄聞しております。 一方で、業務時間内はだらだらと仕事をして、不必要な残業をする、いわゆる残業代稼ぎのようなことがあるという声も聞きます。どちらも確かな裏づけがあるわけではありませんけれども、いろいろな職員からお聞きしますと、実際にそういうことはあるのかなという心証を持つようになりました。 家庭を持っている女性職員などは、超過勤務をすることができないので、必死に時間内に業務を終わらせる一方、仕事の能率が悪くて、つまり生産性が上がらなくて超過勤務になり、その結果、時間外手当を支給されるというのも理不尽な話に思えます。 こうしたサービス残業、サービス休日出勤、不必要な残業の実態について、どのように把握しているのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 超過勤務につきましては、所属長の命令に基づき行うものでありますので、ただいま議員さんからおただしのありましたサービス残業等については把握しておりませんが、所属長の命令に基づかない超過勤務は、法令に違反するものでありますことから、今後におきましても、超過勤務の適正な取り扱いについて、服務通知や課長職を対象とした研修等を通じまして、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 把握していないということでありましたけれども、なかなか上司に言いにくいけれども仕事が残っていてやらざるを得ないみたいなことはよくお聞きするわけですね。ですから、実態をちゃんとどこまで把握できているのかなと思うわけでございます。サービス残業も不必要な残業も、正確な勤怠管理をしなければ問題は解決しないと思っております。私は以前は地元の民間企業に勤務しておりましたけれども、タイムカードでの勤怠管理など、会社勤めをする上ではイロハのイでありまして、いわき市役所にタイムカードがないというのは大変驚くべきことだと感じております。 お手元に配付した資料の中に、中核市と県内他市の出退勤や超過勤務の管理方法をまとめたものを載せてあります。中核市のほうは昨年富山市が調査したもので、県内はつい最近いわき市議会事務局に調べていただきました。こうして見ると、意外に出退勤管理をしていないというところも多いんですけれども、ほぼ半数はタイムカードに類するものを導入しております。 もちろん、昔ながらのガチャンとカードに打刻するタイプのものである必要はなくて、ICカードを用いたものなど今はいろいろな種類のものがあるようでありますけれども、いずれにしても出勤・退勤の際に、人の判断を介在させる余地がない、そのときの時刻を機械的に記録する仕組みを導入すべきと考えますが、お考えを伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本市における職員の勤怠管理につきましては、職員ポータルシステムなどにより、出勤状況、休暇等及び超過勤務の管理を行っているところでございます。 おただしのタイムカードの導入につきましては、職員の登庁及び退庁時刻の把握が容易となり、勤務時間の把握や、また、健康管理への活用が期待できます一方で、既存のシステムとの十分な連動や、導入のための費用等が課題になるものと考えております。 このことから、職員の勤怠管理につきましては、引き続き、現在の職員ポータル等により、適切な運用を図っていくことといたしますが、進展の著しいICT技術の活用や、ただいまお示しいただきました他市の状況につきましても、今後、研究してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) システムとの連動の問題、それから費用の問題等ありますけれども、今回1人の職員が自殺をするという非常に大きな出来事がありました。しかも、それは、まだ事実と確認できたわけではないと思いますけれども、実際に働いていた時間と、残業として認識されていたものに100時間の差があったと言われております。そのことをどう受けとめているのかということになってきますけれども、それは今回の案件、もう少し進捗しなければ事実関係は本当のところはわかりませんけれども、その重さをよく考えていただきたいなと思っております。 時間外手当の基礎となるデータは、上司の決裁という現在の仕組みのままでよいと思います。不必要な残業はもちろん好ましくありませんし、法的にも、時間外勤務というのは、上司の指示のもとで行うということでありますので、それがメーンでいいわけでありますけれども、現在のような自己申告では、正確な勤務状況が把握できないと考えます。まずは、正確な勤務時間を把握した上で、出退勤時間での計算と、決裁による超過勤務の間に大きな差異がある場合、それはどういうことなのか検証するということが働き方改革の第一歩だと思います。ブラック企業と言われないためにも、まずはきちんとした勤怠管理をすべきと考えます。 この項、最後となります。20年、30年というスパンで言えば、人口減少は避けられません。人口が減れば当然、税収は減るわけでありまして、自治体の財政も規模は縮小することになります。ということは、雇える職員の数も減らさざるを得ず、担える行政事務も縮小せざるを得ないと考えます。つまり行政サービスの縮小は行く行くは避けられないと考えております。 もちろん、ITの進歩などによりまして、少ない人数で多くの業務をこなせるようになるかもしれませんが、それにも限界はあります。毎年毎年、従来の業務の中で、必要性の低いものをスクラップしていく作業をしなければ、こうした時代の趨勢に対応できなくなると考えます。 業務の見直し、事業の見直しはどのように行われているのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本市におきましては、これまで、新・市総合計画改定後期基本計画等に基づきまして、指定管理者制度の導入や施設の管理業務の民間委託等による業務の見直しを進めてきましたほか、電算システムの導入による業務の効率化などに取り組んできたところでございます。 今後におきましても、急速に進行する少子・高齢化や人口減少など、社会経済情勢の変化に対応した業務の改善は重要な課題であると認識しておりますことから、行政と民間の適切な役割分担による事務・事業の見直しなど、時代の要請に応じた取り組みを行いながら、簡素で効率的かつ機動的な組織運営に努めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 電算化という部分はそのITということになると思いますけれども、行政と民間の役割分担ということで言いますと、行政が担うべき、どこまで担うべきなんだというところなので、それは非常に大事だと思うんですね。そこはしっかりと進めていただきたいなと思っております。 いわき市役所の働き方改革。業務の見直しと連動しながら、しっかりと行っていただくようにお願いをいたします。その前提として、まずは勤怠管理の仕組みをきちんと導入されるように、改めてお願いをいたします。 大きな質問の4番目は、児童虐待問題についてです。 ことし3月、目黒区で起こりました5歳の女の子の虐待死事件は、本当に痛ましいものでありました。特にこの子が残した反省文、ママ、もうパパとママにいわれなくても、しっかりじぶんから、きょうよりかあしたはもっともっとできるようにするから、もうおねがい、ゆるして、ゆるしてくださいという言葉が、多くの人の胸を締めつけました。 こうした事件を決して起こさないように、いわき市における児童虐待問題についての取り組みを検証してまいります。 1点目は、児童虐待の現状についてです。 児童虐待の対応につきましては、重度のものは児童相談所、軽度のものはいわき市で対応すると伺いましたが、まず、浜通りを管轄する浜児童相談所における、児童虐待に関する相談の対応状況について伺います。 ◎こどもみらい部長(高萩文克君) 福島県浜児童相談所における児童虐待の対応状況につきましては、平成29年度の対応件数については、県内他の児童相談所同様、増加傾向にあり、今後においても、増加が懸念されると伺っております。 虐待の種別ごとの件数では、心理的虐待が最も多く、次いで身体的虐待、育児放棄、性的虐待の順となっており、特に、心理的虐待が増加傾向にあると伺っております。 また、被虐待児の年齢階層につきましては、未就学児童が全体の約半数を占めている状況であると伺っております。 ◆13番(小野潤三君) 次に、いわき市が事務局を務めます要保護児童対策地域協議会においては、虐待事案をどのように進行管理しているのか伺います。 ◎こどもみらい部長(高萩文克君) 子供を守る地域ネットワークである要保護児童対策地域協議会においては、在宅で支援が可能な虐待ケースを管理しており、平成29年度において支援している件数及び被虐待児童数については、前年度からの継続分の28件、49人、新たな支援分の9件、17人、合わせて37件、66人となっております。 その内訳として、虐待の種別といたしましては、育児放棄が約4割、身体的虐待が約3割を占めております。また、被虐待児の年齢階層につきましては、未就学児童が約4割、小学生が約3割を占めております。 ◆13番(小野潤三君) 先ほど浜児童相談所におきましては、近年の対応数が増加傾向にあるということですが、その要因は何か伺います。 ◎こどもみらい部長(高萩文克君) 浜児童相談所における児童虐待の対応数の増加の要因といたしましては、児童が同居する家庭内における配偶者に対する暴力がある事案、いわゆる面前DVについて、警察からの通告が増加したことが主な要因と伺っております。 ◆13番(小野潤三君) 面前DVというものが最近注目をされるようになってきたということでありますけれども、そのほかの要因もあるのではないかと思っておりまして、的確な分析をしていただきたいなと思っております。 2点目は、連携体制についてです。 今回の目黒区の事件で指摘されておりますのは、もともとこの事案を扱っていた香川県の児童相談所が、対応の緊急性を認識していたにもかかわらず、家族が東京に転居した際に、引き継ぎを受けた品川児童相談所がそれを正しく認識しなかったことにあると言われております。わかっていたのに助けられなかったということが、余りにも残念な事案でありました。 そうした自治体を超えた連携、そして自治体の中においても、県の所管である児童相談所と市町村、市町村の中でも児童虐待にかかわるさまざまな関係者が、きちんと連携を図って問題に対処できているのかということが問われております。 そこでまず、いわき市が児童虐待を捕捉し、対応を行う体制はどうなっているのか伺います。 ◎こどもみらい部長(高萩文克君) 本市におきましては、地区保健福祉センターにおいて、妊娠届け出時等における母子保健・子育てコンシェルジュ等による一般的な相談支援のほか、世帯の状況に応じてケースワーカーや保健師、家庭相談員、女性相談員等による専門的な相談支援を行うなど、妊娠期から子育て期にかけての切れ目のない相談支援体制の整備を図ることで、虐待の発生予防・早期発見及びその後の継続的な支援に努めているところであります。 ◆13番(小野潤三君) 次に、先ほど述べたとおり、いわき市といわき市以外の関係機関との連携体制、さらには自治体を超えた連携が重要であります。 どのような体制で連携を図っているのか伺います。 ◎こどもみらい部長(高萩文克君) 児童虐待発生時の迅速・的確な対応や、被虐待児童の情報共有のため、本市では、児童相談所、警察等から構成される要保護児童対策地域協議会を設置し、連携を図っているところであります。 要保護児童対策地域協議会は、個別の支援を要する世帯に対する具体的な支援の内容等を検討する個別ケース会議、対象世帯の定期的な状況把握や個別ケース会議で課題となった点のさらなる検討を行う実務者会議、実務者会議が円滑に運営されるための環境整備を行う代表者会議で構成されております。 ◆13番(小野潤三君) ただいま要保護児童対策地域協議会の個別ケース会議というお話がありましたが、この個別ケース会議というのはどのように行われているのか伺います。 ◎こどもみらい部長(高萩文克君) 個別ケース会議につきましては、地区保健福祉センターの職員や世帯を支援する関係機関等が一堂に会し、児童の状況の把握や問題点の確認、援助方針の確立、新たな情報の共有を行っておりますが、市外からの転入や転出の場合については、個別ケース会議で対応することとしております。 具体的には、転出した場合においては、これまでの対応状況等の必要な情報を提供するなど、移管先の市区町村と連携を図っているところであり、また、転入があった場合については、転入元の市区町村からの情報に基づき、訪問による実態の把握を行うなど、適切な支援を実施しているところであります。 ◆13番(小野潤三君) では、いわき市と浜児童相談所はどのように連携しているのか伺います。 ◎こどもみらい部長(高萩文克君) 児童虐待は、子供の心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与える、子供に対する最も重大な権利侵害であり、その防止や発生時の迅速・的確な対応に向け、浜児童相談所を初め、関係機関で構成する要保護児童対策地域協議会の開催を通した情報共有のほか、専門的助言を適宜受けるとともに、対象家庭への同行訪問を実施するなど密接な連携を図りながら取り組んでいるところであります。 また、毎年11月の児童虐待防止推進月間におきましては、昨年度から、浜児童相談所を初め、関係団体と共同で、児童相談所全国共通ダイヤル189、いわゆるいち早くの周知を初めとする児童虐待防止の街頭啓発を実施しているところであります。 今後におきましても、浜児童相談所との連携を強化し、児童虐待防止及び児童虐待発生時の迅速・的確な対応に努めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 3点目は、今後の取り組みについてです。 まず、児童虐待問題について、今後の課題をどう考えているのか伺います。 ◎こどもみらい部長(高萩文克君) 児童虐待防止における課題といたしましては、子育て世代における経済的困窮やDV、障害を持つ児童や保護者、育てにくさを感じる親等、児童虐待が発生する背景が、複雑・多様化している状況への適切な対応が求められてきているものと考えております。 今後における市の取り組みといたしましては、発生予防・早期発見の相談支援体制として、地区保健福祉センターにおける、妊娠期からの切れ目のない相談支援体制であるいわきネウボラの充実を図るほか、医療機関や保育所、幼稚園等との連携の強化や、研修等による関係職員のスキルアップを図るとともに、児童虐待が発生した場合の迅速・的確な対応を図るための相談支援体制を、より一層強化するための仕組みづくりについて、検討を行ってまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) いわき市におきましては、ネウボラという仕組みをつくり、妊娠した瞬間から全てのお母さんと面接し、リスクがあると判断すればすぐにケア体制に入る、それも7つの保健福祉センターでエリアごとにきめ細かい体制を既にとっております。児童虐待対策の連携体制もしっかりとっていると感じています。 しかし、先ほどの要保護児童対策地域協議会にしましても、虐待が起こった後、それに対処するということでありまして、虐待の根っこを根絶するということではありません。虐待の原因はさまざまでありますけれども、本来の親子の姿というのは、夫婦が愛情を基盤とした信頼関係で結ばれていて、その両親が子供に対して深い愛情を注ぎ、子供は安心してそうした両親のもとで成長していくというものだと思います。 夫婦の形が壊れ、今回のように血のつながっていない親子関係が生まれたり、実の子でもうまく愛せない、貧困によって心がすさんで愛情を注げない、子供を独立した人格として捉えられずに、自分の思うままに扱っていいと考えるといったことが虐待という姿になっていると感じます。 教育福祉常任委員会におきましては、この1月に岐阜県が議員立法で制定した家庭教育支援条例について行政視察を行いました。今、子育て、家庭教育に不安を感じ、支援を必要としている親がふえているということで、岐阜県ではそのための条例を制定したということでありました。家庭教育支援条例は熊本県が最初に制定をしまして、静岡県や茨城県、さらには市町村レベルでも制定の動きが見られます。多くが議員立法と聞いております。 虐待を対症療法ではなく、原因から根絶していくためには、こうした条例を制定し、家庭教育を支援していくことが必要ではないかと考えます。全国の自治体で制定が進んでおります家庭教育支援条例を、いわき市でも制定することの必要性をどう考えるか伺います。 ◎こどもみらい部長(高萩文克君) 児童虐待については、保護者側及び子供側のリスク要因のほか、養育環境のリスク要因があるとされており、さまざまな要因が複雑に絡み合って発生しているものと考えております。 とりわけ、子供の主たる居場所となる家庭、いわゆる養育環境については、例えば、地域社会から孤立した家庭、経済不安のある家庭、夫婦間の不和、配偶者からの暴力等不安定な状況にある家庭などが挙げられており、一概に虐待に結びつくとは言えないものの、保護者や子供側の視点と合わせて、注視すべきものであるとともに、家庭における教育は、子供の健やかな成長を図る上で、全ての土台となるものであると考えております。 家庭教育支援条例につきましては、他市の例を参考にいたしますと、保護者や家庭、地域、学校等教育機関、行政機関等が有機的・横断的に連携し、社会全体で家庭における教育を支援するための理念やそれぞれの主体の努力規定を定めているものでありますが、このうち、虐待防止の側面から申し上げますと、子供の権利を守るとともに、家庭や地域における教育意識の醸成を図り、児童虐待を未然に防止する環境づくりとしては、重要な取り組みの1つであると受けとめております。 ○議長(菅波健君) ここで、午後2時35分まで休憩いたします。          午後2時10分 休憩---------------------------------------          午後2時35分 再開 △佐藤和良君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。35番佐藤和良君。          〔35番佐藤和良君第二演壇に登壇〕 ◆35番(佐藤和良君) (拍手)35番いわき市議会創世会の佐藤和良です。 通告順に従い、一般質問を行います。 今、日本列島が連続広域災害に見舞われています。6月大阪府北部地震、7月西日本豪雨、8月全国酷暑、9月台風21号、そして北海道胆振東部地震と3カ月余りで多くの市民が被災しました。改めて、心よりお見舞い申し上げます。 大きな第1点、命を守る地域防災の強化についてです。 1点目は、市有施設など市内のブロック塀等の安全確保についてです。 6月大阪府北部地震では、小学生がブロック塀の下敷きになり死亡した事態を受け、文部科学省が緊急点検を求め、国土交通省も一般建築物での安全点検の実施を通知しております。 まず、市有施設など市内のブロック塀等について、現状をお尋ねします。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 今般のブロック塀の倒壊被害を受け、全ての市有施設を対象として緊急点検を実施した結果、37施設において、現行の建築基準法の基準に適合しないブロック塀等があることが判明したところであり、そのうち10施設の改善が既に図られたところであります。 また、市有施設以外の民間のブロック塀等につきましては、その数の把握は困難でありますが、控え壁等が設置されていない、現行基準に適合しないブロック塀が散見されますことから、倒壊等の危険性があるブロック塀等が一定程度存在するものと認識しております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、市有施設など市内のブロック塀等の安全確保について、本市は今後どのように対応するのかお尋ねします。 ◎市長(清水敏男君) 市有施設のうち、改善が図られていないブロック塀等につきましては、今年度中に全て撤去・改修を行うこととしております。 また、市有施設以外の民間のブロック塀等につきましては、その安全点検や点検の結果、倒壊等の危険性がある場合の注意表示及び撤去・改修の必要性について、市民の皆様に注意喚起したところであり、さらに、国・県及び他市の動向を注視しながら、倒壊等の危険性があるブロック塀等の撤去や改修に要する費用への支援について検討を行っているところであります。 ◆35番(佐藤和良君) 2点目は、避難行動要支援者への対応と避難所の職員配置の見直しについてです。 平成30年7月豪雨は、平成最悪の水害となり、河川の氾濫や浸水害、土砂災害で221人が亡くなり、倉敷市真備町では51人のほとんどが水死、屋内で見つかった43人のうち42人が住宅の1階で発見され、8割の方が避難勧告や避難指示が出ても、自力で逃げられない避難行動要支援者の名簿に登載されていました。 まず、避難行動要支援者への対応の課題について、2013年災害対策基本法が改正され、内閣府の避難行動要支援者名簿活用ガイドラインでは、要支援者を特定、名簿に登載後、民生委員、自治会、消防団などと連携し、要支援者の避難を助ける支援者や支援方法を定める個別計画を策定するとされています。 名簿作成後の個別計画を策定していなかった倉敷市の事態を踏まえて、個別計画を含めて本市の避難行動要支援者への対応にはどのような課題があるかお尋ねします。 ◎保健福祉部長(高沢祐三君) 災害対策基本法の改正を受けまして、本市では、避難行動要支援者名簿を作成し、情報提供の同意を得た方々の名簿情報については、平時より、自主防災組織や民生・児童委員等へ提供しておりますが、同意を得ていない方は、平時の情報提供ができないという課題がございます。 また、本市におきましては、情報提供の同意を得た方につきましては、避難行動要支援者台帳を作成し、避難所の地図を添付の上、地域の避難支援等関係者に配布し、これを避難支援個別計画と位置づけておりますが、具体的な支援方法や避難支援者が定められていない方がいることなどについても課題であると認識をしております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、避難行動要支援者への今後の取り組みについて、情報の共有初め、避難行動に対応する行政区長、民生委員、消防、自主防災会など関係者による訓練を促進するなど、今後の取り組みをどう進めるのかお尋ねします。 ◎保健福祉部長(高沢祐三君) 今後の取り組みといたしましては、平時から要支援者の情報を地域関係者間で共有することが重要であると認識しておりますことから、要支援者及びその家族の方に対しましては、要支援者本人の同意と避難支援者の確保が制度の運用には不可欠であることを御理解いただくため、要介護認定結果通知等に制度の概要に関する資料を同封するほか、避難行動を支援する避難支援者の確保を図るため、要支援者及びその家族の方ばかりではなく、地域関係者の協力も得ながら、近隣住民等の理解を得るための周知活動等を引き続き、進めてまいりたいと考えております。 また、昨年度からは、市総合防災訓練にあわせて、避難行動要支援者の避難訓練を実施しておりまして、今後とも、民生・児童委員を初め、行政区、消防団、自主防災会等、地域の関係団体の参加・協力を得ながら、さまざまな要支援者を想定した訓練を実施し、検証を重ねることにより要支援者の避難支援体制の確立に努めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、避難所の職員配置体制の見直しについてです。 本市の避難所への職員配置を所属から居住地へ見直すべきと考えますが、御所見をお尋ねします。 ◎危機管理監(舘典嗣君) 本市におきましては、東日本大震災を教訓として、各部局の役割と責任の明確化を図る観点から、震災後に実施した職員アンケートの分析結果に基づき、平常時における指揮命令系統や関連業務の経験を生かすため、平成26年3月の市地域防災計画改定において、市災害対策本部の組織及び事務分掌を部局単位に改めたところであります。 避難所の運営体制につきましても、指揮命令系統を生かす観点から、保健福祉部各地区保健福祉センターの職員を基本として配置しておりますが、職員が不足している場合は、他の部署から指揮命令系統を極力維持したまま、職員の追加配置を行うほか、居住地近辺への派遣についても対応しているところであります。 ◆35番(佐藤和良君) 3点目は、防災メールの充実についてです。 本市は、防災・気象、火災、その他緊急の3情報の防災メール配信サービスを行っております。市民の防災行動に役立つ一方、情報発信への要望も寄せられています。 防災メールの今後の課題について、より充実した情報提供のため、きめ細やかに地区ごとに対応を要する防災・気象情報の発信や、より広範な対応を要する防犯情報の発信など、今後の改善の考えはどうかお尋ねします。 ◎危機管理監(舘典嗣君) いわき市防災メールにつきましては、市民の皆様の安全・安心の確保を目的として、国及び県から発表される気象、地震、津波、国民保護及び原子力災害に関する情報に加え、市独自で火災、防犯、感染症、交通運休など、緊急性のある情報について配信を行っているところであります。 気象庁等関係機関から自動で配信される情報につきましては、市町村単位で配信することが基本でございますので、地区ごとの情報を追加することはシステム上困難でございますが、市独自で配信するものにつきましては、市民の皆様が必要とする情報をわかりやすく詳細に配信することは重要でありますことから、防災メールによる効果的な情報配信のあり方について、庁内関係部署との協議・調整を進めながら検討してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 4点目は、藤原川水系矢田川の堆砂等除去と防災行動計画、タイムラインについてです。 矢田川は、東日本大震災以降、河川管理者の福島県が上流部で堆砂除去を実施したものの、下流部の御代地区から久保地区付近では、堆砂や柳の立木が目立ち、河川断面積が著しく減少しており、継続して地区の皆さんから要望が出ております。 そこで、矢田川の堆砂等の除去について、河川断面積が著しく減少し、浸水被害が想定されることから、立ち木の伐採を初め、堆砂除去など、河川断面積を復元するため、本市として改めて県に強く働きかけるべきではないかお尋ねいたします。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 二級河川矢田川の堆砂除去及び立ち木の伐採等につきましては、河川管理者である県によりますと、藤原川水系河川改良促進期成同盟会や鹿島地区地域振興協議会などの要望等を考慮し、継続的に実施しており、今年度におきましては鹿島町走熊地内で約160メートル実施したところであります。 市といたしましても、水害の未然防止及び生活環境の向上を図るため、小名浜林城地内、鹿島町御代、船戸、久保地内における立ち木の伐採を初め、堆砂除去につきましても、同盟会や協議会などと連携し、引き続き県に対し、強く要望してまいる考えでございます。 ◆35番(佐藤和良君) 防災関係機関がいつ、誰が、何をするか、災害時の状況をあらかじめ想定し、防災行動と実施主体を時系列で整理した防災行動計画、タイムラインの策定について、本市はどう進めているのかお尋ねいたします。 ◎土木部長(上遠野裕之君) 本市の水防活動におきましては、台風や前線の接近に伴う大雨などによる災害が予見される場合に、市水防本部において策定した避難の基準となる行動計画に沿って、避難情報を発令することとしております。 タイムラインにつきましては、現在、県、気象庁及び市の関係部署で構成するいわき方部水害対策協議会からの支援を受けて、策定することとしておりますが、本年7月に西日本を中心に発生した平成30年7月豪雨を踏まえ、国において避難勧告等に関するガイドラインの見直しを検討するとのことであります。 タイムラインを策定するに当たり、避難勧告等の発令基準は重要でありますことから、この国の検討を踏まえて、早急に策定できるよう、取り組んでまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 大切な市民の命と財産を守るために、災害に向き合い、基本的な対応を一つ一つ積み上げていくことを要望いたしまして、次に移ります。 大きな第2点は、命を守る、原子力災害対策の充実についてです。 1点目は、復興予算の不用残と原発事故子ども・被災者支援法関連予算の確保についてです。 原発事故子ども・被災者支援法は、支援対象地域である本市を含む県内33市町村からの移動先における住宅の確保、定期的な健康診断、健康への影響に関する調査、医療の提供、費用負担の減免等の施策を講ずることを定めています。しかし、国や県の住宅支援制度が限定的で、福島県による民間賃貸住宅への家賃支援も2019年3月には打ち切られます。一方で、全国保養実態調査報告書では、234以上の団体で推定1万5,000人の子供たちが保養に参加、保養ニーズがふえるなど政府の帰還政策の矛盾があらわれています。さらに、リアルタイム線量測定システムも多くの自治体等が継続配置を求めております。こうした現状で、国は2017年度復興予算3兆3,000億円のうち、3,865億円を使い道のない不用額として不評を買っております。 そこで、復興予算の不用残について、本市はどのように認識しているのかお尋ねします。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 佐藤議員がただいまお話しになりましたように、去る7月末に復興庁が発表した平成29年度東日本大震災復興関連予算の執行状況によりますと、国全体での当該年度の歳出予算現額の総額は約3兆3,000億円で、これに対し、不用額は3,865億円であり、歳出予算現額に占める割合は11.7%となっております。 不用額の主な内容といたしましては、原子力災害からの復興・再生関連が1,625億円、住宅再建・復興まちづくり関連が762億円などであり、これらにつきましては、それぞれの事業計画の見直しや進捗状況に応じて生じたもの等と捉えているところでございます。 ◆35番(佐藤和良君) 部長おっしゃるように基本的な箇所づけがされているから、そこで不用残が出たということでありますけれども、冒頭申し上げましたように、原発事故子ども・被災者支援法関連予算ということでの箇所づけが非常に圧縮されている、あるいは箇所づけがないというようなことがありまして、そういう点で法の理念、法の具体的な具現化ということが少しおろそかになってきているなと。 基本方針がつくられているわけですけれども、その中でも非常に縮小されてきているというようなことがあるものですから、そこで、支援法関連予算の確保について、公営住宅や民間賃貸住宅の家賃支援などの継続的な住宅支援、さらに福島県の子供たちを対象とする自然体験・交流活動支援事業の改善と事業費の増額、リアルタイム線量測定システムの配置の継続など、本市としても国並びに福島県に対して、原発事故子ども・被災者支援法関連予算の確保に向けた要望活動を強めるべきではないかお尋ねいたします。 ◎市長(清水敏男君) 原子力災害からの復興・再生は、国を挙げて長期的に取り組んでいかなければならない重要な課題と認識しており、生活支援や教育、医療、福祉などの面から被災者に対する支援をしっかりと継続していくためには、国・県に十分な財源を確保していただくことが極めて重要であると考えております。 このため、原発事故子ども・被災者支援法関連を初め、原子力災害からの復興・再生にかかわる十分な予算措置について、国会議員及び県議会議員との意見交換会や、復興に関連する省庁の大臣や福島県知事等が参加する原子力災害からの福島復興再生協議会などの場、さらには、いわき市と双葉郡8町村の合同要望や市長会等を通した要望など、あらゆる機会を捉え、国・県に対する働きかけを継続して行ってまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 例示しましたリアルタイム線量測定システムも、来年度2019年度までは概算予算要求されておりますけれども、2020年度以降、概算予算に入ってくるのかどうかということは、原子力規制庁も言っていないんですね。ですから、そういったことも含めて個別の事業について、きちんとやっぱり基礎自治体のほうから物を言っていくということは非常に大事だと思いますので、引き続いてよろしく要望活動をお願いしたいと思います。 2点目は、水産業などに打撃を与えるトリチウム等汚染水の海洋放出中止についてです。 福島第一原発事故の汚染水、貯蔵液体放射性廃棄物を希釈して海に流せば最も短期間・低コストで処分できるとして、経済産業省の多核種除去設備等処理水の取り扱いに関する小委員会が、8月30日・31日に富岡町などで説明・公聴会を開催しましたが、意見表明した44名中、海洋放出に賛成したのはわずか2名でした。また、朝日新聞社等による福島県民世論調査でも、薄めて海に流すことについて反対67%、賛成19%でした。 まず、国・原子力規制委員会等のミスリードについてです。 トリチウム以外の放射性核種を除去したと説明してきましたが、トリチウム以外でも基準値を超えた半減期1570万年のヨウ素129、あるいはストロンチウム90、さらにルテニウム106など複数の核種の残存が判明し、恣意的・意図的な議論で国民世論をミスリードするものでした。 本市は、こうした国・原子力規制委員会や小委員会が情報を囲い込み、世論をミスリードしてきたことに抗議すべきではないかお尋ねいたします。 ◎危機管理監(舘典嗣君) 多核種除去設備で処理した汚染水、いわゆるALPS処理水に、法令で定める排水中の濃度限度を超えたトリチウム以外の放射性物質が含まれていることにつきましては、当該設備が平成26年度に稼働した当初から、国及び東京電力がホームページで公表していたところではありますが、東京電力はこれまでトリチウム以外は除去できていると発言し、国においても、ALPS処理水の取り扱いに係る検討をトリチウムのみに特化するなど、正確かつ丁寧な情報発信に欠けていたものと考えております。 これまでも、市といたしましては、再三にわたり国及び東京電力に対し、関係者や住民の皆様に対して正しい情報をわかりやすく丁寧に説明し、理解を得ることについて求めてきたところでありますが、改めて、さまざまな機会を捉えて強く求めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、トリチウム等汚染水、貯蔵液体放射性廃棄物の情報公開や総量規制についてです。 事故後の港湾内外への核種ごとの放射能の総放出量や貯蔵タンク内の核種ごとの放射能総量などの情報も非公開です。海洋放出に関する環境アセスメントや総量規制も実施されず、海洋放出では、総量1,000兆ベクレルのトリチウム初め、複数核種が全量投棄されます。 市民の生命・財産を守るために、信頼できる情報の公開と総量規制等の公正な議論を行うように、国・原子力規制委員会、小委員会等関係機関に求めるべきではないかお尋ねします。 ◎危機管理監(舘典嗣君) ALPS処理水につきましては、東京電力ではタンクごとの放射性物質の濃度等、その状況を把握していないとのことであり、市といたしましては、今後、ALPS処理水の取り扱いの検討を進めるに当たっては、タンク内ALPS処理水の正確な状況を把握し、その状況を踏まえ、慎重に議論を行うよう、国及び東京電力に対して求めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、トリチウム等汚染水、貯蔵液体放射性廃棄物の陸上保管の要望についてです。 予防原則に立って、タンク保管や固化保管等安全な陸上保管を進めることが現実的であり、本市としても漁業・水産業、市民生活を守る立場から、国や関係機関に対し、県漁連が求めるトリチウム等汚染水の陸上保管を要望すべきではないかお尋ねします。 ◎危機管理監(舘典嗣君) 先に開催された多核種除去設備等処理水の取り扱いに関する説明・公聴会では、海洋放出に対し多数の反対意見が寄せられたほか、タンクなど陸上での長期保管を求める声等が相次ぎ、小委員会の山本一良委員長からは、反対意見を重く受けとめ、今後はいただいた意見を踏まえた検討を続けるという発言があり、タンク保管を選択肢に加えた検討という考えが示されております。 そのことから、市といたしましては、国及び東京電力に対し、ALPS処理水の取り扱いに関して、市民の安全・安心はもとより、風評等の社会的影響も十分考慮し、慎重に議論を行うよう求めてまいりたいと考えております。
    ◆35番(佐藤和良君) 危機管理監、今の質問は、漁連が求めている陸上保管を市も求めるべきではないかという質問なんですけれど、つまり、私も30日に富岡町で意見表明させていただきましたけれど、県漁連の野崎会長が本当に、ここで汚染水を流されれば漁業は壊滅するということまではっきりおっしゃっているんです。漁連としては、地下水バイパスとサブドレンのときに苦渋の選択をして放出を認めたと、そのときに、トリチウム等の汚染水は流さないということで、経済産業省側も約束したではないかということなんです。ですから、今回このトリチウム等の汚染水を海洋放出するという選択はあり得ないと。 漁業・水産業ももちろんですけれども、関連観光、我々がずっと常磐ものと言って一生懸命宣伝してきたことが水泡に帰してしまうわけで、これは絶対に認められないんだということを改めて、陸上保管すべしと。これはできないわけではないんです。あの場でも提案されましたけれど、石油備蓄基地でとられているような10万トンタンクをリプレースして、10個つくるだけで間に合ってしまうという話なんです。それは、今もフランジ型のボルトで締めて漏れたと問題になったやつを溶接型にタンクをリプレースしてるわけです。ですから、そのことは今の用地内でできるわけで、用地がないからもうだめなんだという説明自体が、やっぱりミスリードしているんではないかと思うんです。 そういう意味では、県漁連・漁業者・水産業含めまして、市民が願っている陸上保管ということを改めて要望すべきではないかという質問なんです。市長、いかがですか。 ◎市長(清水敏男君) ただいま、危機管理監から答弁申し上げましたとおり、多核種除去設備等の取り扱いに関する小委員会におきましては、今後、公聴会で多数寄せられました海洋放出反対という意見を重く受けとめ、タンク保管を新たに選択肢に加えて、検討を行うとのことでありますので、市といたしましては、国及び東京電力に対し、ALPS処理水の取り扱いに関しまして、市民の安全・安心はもとより、風評等の社会的影響も十分考慮し、慎重に議論を行うよう求めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) やっぱりここは、野崎会長以下、県漁連が一生懸命頑張っておりますので、漁業者を守るということは、私たち市民生活を守るということですので、ぜひともオールいわきで頑張ってやっていければと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。この壊滅的な打撃を与える海洋放出に毅然とした対応を改めて要望いたしまして、次の質問に移ります。 大きな第3点は、いわき市の再生と地域課題の解決についてです。 1点目は、小・中学校の普通教室のエアコン設置と校務支援システムの導入についてです。 連日の猛暑で、子供たちの教室へのエアコン設置は、保護者、学校の切実な願いです。創世会としては、児童・生徒の健康管理と学習環境の維持を考え、小・中学校の普通教室にもエアコン設置を予算要望で再三、市長に要望してまいりました。 その意味で、小・中学校の普通教室のエアコン設置について、本市はどのように進めるのかお尋ねいたします。 ◎教育部長(柳沼広美君) 市教育委員会といたしましては、今般の猛暑への対応として、これまでの対策だけでは難しいと判断しております。 また、今後におきましても、夏季の高温が継続するものと想定されておりますことから、児童・生徒の快適な学習環境を確保するため、エアコン整備に係る国の動向を注視しながら、エアコン設置に向けた整備の検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) これは、本当に子供さん、学校の学校長も含めて、本当に現場の切実な声ですので、先ほども、予算の面で国の予算措置も想定されるということでありますから、年次計画で一定期間を置いて計画的な導入を図っていただきたいと重ねて要望申し上げたいと思います。 次に、教職員多忙化における校務の現状について、出席簿の児童データからの出欠処理、成績処理、通知票、指導要録など一連の流れで手書きによるものが多く、本市は校務の現状をどのように考えているのかお尋ねいたします。 ◎教育部長(柳沼広美君) 市内小・中学校における校務のうち、諸表簿等の作成につきましては、出席簿や指導要録など、法定公簿の作成は手書きで行うこととしております。 また、それ以外の通知票作成や成績処理などにつきましては、多くの学校において、電子化が進められているところでございます。 市教育委員会といたしましては、諸表簿等の作成を含め、校務処理の効率化を図ることは、教職員の多忙化解消に向け、解決しなければならない重要な課題であると捉えております。 ◆35番(佐藤和良君) 現場の先生からは、とにかくアナログ過ぎて残念でなりません。教職員用PCは1人1台あるのに、仕事が減らないのもこういうことに原因があるのかもしれませんという悲痛な声が寄せられております。 東京都で働いていた方が転勤していわきに来られて、そのときに校務支援システムがあって大変助かっているというような話もございまして、その意味で福島県のほうが、県教職員多忙化解消アクションプランの中で、統合型校務支援システムの2020年度導入検討ということをうたっておりますので、本市として教職員多忙化解消に向けて、抜本的な電子化、校務支援システムの導入を目指すべきではないのかお尋ねいたします。 ◎教育部長(柳沼広美君) 校務支援システムの導入につきましては、市教育委員会主催のコンピューター活用検討委員会におきまして、昨年度から継続してシステムの有効性や課題点を協議するとともに、他自治体のノウハウ等を学ぶなど、本市の実態に即したシステムについて調査研究を進めているところであります。 また、県教育委員会による教職員の多忙化解消アクションプランにおきましては、全県統一の統合型校務支援システムの導入検討が示されておりますことから、あわせてその動向について注視しながら、本市のあり方につきましても検討してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 教室へのエアコン早期設置と校務支援システムの早期導入ということを2つ、今回は改めてお願いいたしまして、次に移りたいと思います。 2点目は、(仮称)遠野風力発電事業に伴うクマタカの保護とゾーニングについてです。 日本野鳥の会いわき支部は、(仮称)遠野風力発電事業の入遠野地区周辺で、種の保存法の国内希少野生動植物種、環境省と福島県レッドリストの絶滅危惧IBに指定されて、国内で1,800羽程度の生息と言われておりますクマタカの繁殖地と営巣木を、27基の風車の最南端から2.83キロメートルで確認したとされております。そこで、市長のほうにも要望書を提出しまして、このクマタカが繁殖期・非繁殖期にかかわらず、極めて局地的な行動圏で生息するため、風車設置によるバードストライクを危惧しているところでございます。 まず、(仮称)遠野風力発電事業計画区域のクマタカ繁殖地の保護について、同計画区域の隣接地で、同じ営巣木を使ってクマタカが繁殖している実態が確認され、守るべき周辺環境ですが、本市はどのように対応してきたのかお尋ねします。 ◎生活環境部長(荒川信治君) (仮称)遠野風力発電事業につきましては、事業実施想定区域及びその周辺において、クマタカなどの生息が確認されていることから、昨年度における環境影響評価法に基づく計画段階環境配慮書の手続において、事業者に対し、クマタカなどの希少種の生息環境が損なわれないよう事業を実施すること、また、風力発電機の設置などに当たっては、動植物への影響を及ぼさない場所を選定するほか、特に豊かな生物多様性を誇る地域などにおいては、風力発電機の設置を控えるよう意見したところであります。 ◆35番(佐藤和良君) 次に、事業計画の撤回もしくは立地計画の見直しを求めることについてです。 クマタカ繁殖地は本市の貴重な環境財産であり、風力発電事業計画地としては不適地であるため、本市として福島県に対し、種の保存法に基づき必要な保護措置を講じるよう求め、事業者に対しても事業計画の撤回もしくは立地計画の見直しを求めるべきではないかお尋ねいたします。 ◎生活環境部長(荒川信治君) (仮称)遠野風力発電事業につきましては、今後の環境影響評価法に基づく手続において、事業実施区域及びその周辺におけるクマタカの個体数や飛翔状況、営巣の有無などに係る詳細な調査が実施され、繁殖活動や採餌行動への影響、並びにバードストライクなどが予測・評価されることとなっております。 市といたしましては、引き続き、環境影響評価法の手続において、県に対し、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種に指定されるクマタカへの対応や、その繁殖活動などへ影響を与えないような事業計画となるよう意見してまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 具体的にかなり、近接地に風車が27基建つということでありますので、極めて危険な状況でありまして、そういう意味で不適地であるということだと思います。今後とも、県、事業者に対してきちんと物を言っていただきたいと思います。 次に、ゾーニングの必要性についてです。浜通りに陸上風力200基という集中立地の環境負荷が大きく、住民との紛争に発展する可能性もあり、導入促進エリアと環境保全エリアのゾーニングが必要であります。 2月定例会の質問で、ゾーニングの設定などの必要性については、県に対して働きかけるという答弁でしたが、地域理解の促進と紛争の予防のために、ゾーニングの必要性をどう考えているのかお尋ねいたします。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 風力発電事業につきましては、1自治体にとどまらず、市町村をまたがって実施される事例もあり、環境保全などに関しては、広域的な視点での配慮が必要であることから、これまで県との意見交換などの機会を捉え、ゾーニングの設定の必要性について検討するよう働きかけを行ってきたところであります。 市といたしましては、今後も引き続き、県に対し働きかけてまいりたいと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 最後です。ゾーニングに関する今後の対応について、本市としても、石狩市初め、国内外の先進事例に学び、環境と地域に配慮した合意形成のために、早急に風力発電事業に関するゾーニング計画に着手すべきですが、市長の御所見をお尋ねします。 ◎市長(清水敏男君) 風力発電事業につきましては、現在稼働しております滝根小白井風力発電事業のように、市町村をまたがって実施されることもありますので、ゾーニングの設定などにつきましては、環境保全への配慮や隣接自治体との整合性を図る観点からも、より広域的な視点で取り組むべきであるものと考えております。 ◆35番(佐藤和良君) 環境省で、ことしの3月に風力発電に係る地方公共団体によるゾーニングマニュアルというものを出されておりまして、都道府県、市町村それぞれ実施主体となっております。県との協議も進めつつ、市としてもゾーニングについての検討をしていただきたいと要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午後3時25分まで休憩いたします。          午後3時15分 休憩---------------------------------------          午後3時25分 再開 △馬上卓也君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。19番馬上卓也君。          〔19番馬上卓也君第二演壇に登壇〕 ◆19番(馬上卓也君) (拍手)19番いわき市議会清政会の馬上卓也であります。 このたびの北海道胆振東部地震において、犠牲となられた方々に心よりお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様方に心よりお見舞い申し上げます。 以下通告順に従い、一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、震災メモリアル中核拠点施設についてであります。 東日本大震災から、7年半の時間が経過しました。大地震、大津波、そして原発事故とそれに伴う風評被害が重なるという、世界でも類を見ない大規模な複合災害であり、市内でも467名の方のとうとい命が奪われました。平成24年7月定例会の議長挨拶で、我が会派の蛭田克議員は、次のように述べております。過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となるとの、西ドイツ連邦大統領ヴァイツゼッカー氏の1985年5月8日の連邦議会での演説の中の言葉を引用し、さらに、決して目を背けることなく、未来を信じ、希望を抱き、サンシャインいわきの豊かさを後世に残していかなければならないと心から念願すると続けました。その後の懸命な復旧活動や、全国からお集りいただいた延べ6万名を超えるボランティアの方々の温かい御支援により、これまで、着実に復旧・復興の歩みを進めてきたと受けとめております。 このような中、去る9月8日には、甚大な被害を受けた津波被災地で進めておりました震災復興土地区画整理事業の合同竣工式典が行われました。生活基盤の整備に一定のめどが立ち、いよいよ震災前の暮らしを取り戻すための環境が整ったという印象を持っております。 今後は、清水市長が常々おっしゃっております心の復興をなし遂げていくため、より一層、被災された皆様方に寄り添った政策展開が求められていくものと考えております。 同時に、東日本大震災の当事者の責務として、震災の経験を決して忘れてはならない、無駄にしてはならないという、蛭田議員と同様の思いを強くしているところであり、今後は風化という課題に立ち向かっていく必要があると考えます。 そこで、市が整備を進めている震災メモリアル中核拠点施設について、以前我が会派の磯上佐太彦議員が質問しているところですが、それを踏まえ幾つか質問をしたいと思います。 1点目は、整備目的についてであります。 これまで市は、事業方針や基本計画の策定など着実に事業を進めてまいりましたが、改めて、この施設を整備する目的はどのようなものかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 震災メモリアル中核拠点施設につきましては、地震、津波に加え、東京電力福島第一原子力発電所の事故が重なるという、未曽有の複合災害に見舞われた本市の震災経験を改めて捉え直し、確実に後世へと伝えていくことにより、危機意識や防災意識の醸成を図ることを目的として整備するものであります。 震災から7年半が経過する中、風化の懸念が生じつつありますことから、本施設の整備により、将来にわたって震災の記憶や教訓を風化させず、震災経験を伝承していくことにより、災害に強いいわき市を築き上げてまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 2点目は、施設の概要についてであります。 設計業務が完了し、本議会に施設整備に係る補正予算案を提案されています。 そこで、構造や床面積など、施設の概要についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 施設の構造につきましては、鉄骨づくり2階建てとしております。 その延べ床面積は546平米となっており、内訳を申し上げますと、展示室が225平米、多目的学習室が55平米、屋上デッキが104平米のほか、事務室や倉庫、トイレなどが合わせて162平米となっております。 これに加えて、敷地内の北側には、駐車場を整備することとしており、面積が1,500平米、駐車台数は、普通自動車が32台分に加え、団体で来訪する方も想定し、大型バス2台分の駐車スペースを設けることとしております。 ◆19番(馬上卓也君) 3点目は、施設の機能についてであります。 震災の記憶や教訓を継承するに当たり、どのような機能を整備するのかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 本施設では、映像や写真を収集・保管・展示するアーカイブ機能のほか、タッチパネルやVR等を活用した体験型の展示による学習機能を整備してまいりたいと考えております。 また、これらの展示を紹介するに当たり、語り部を配置するとともに、施設のガイダンス機能となる多目的学習施設を整備する予定としております。 ◆19番(馬上卓也君) 4点目は、施設の特徴についてであります。 先ほどの施設の機能に係る答弁にあったアーカイブ機能のうち、具体的な展示をどのように実現するのかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 展示室につきましては、壁面にパネルや200インチの大型スクリーンを設置し、主に写真や映像などを活用して、震災の様子を伝えることとしております。 展示内容につきましては、地震や津波、復興など5つのテーマを設け、発災直後から現在に至るまでの様子を時系列でごらんいただけるような動線を設定しております。 また、展示室で活用する写真等につきましては、現在、いわき明星大学震災アーカイブ室との連携のもと収集作業を進めておりますが、これまでに市民の皆様や民間企業など、さまざまな方々から多数の素材を提供していただいておりますことから、これらを有効に活用してまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、同様に体験型の展示についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 体験型の展示につきましては、タッチパネルやVR機器等を活用したものを整備してまいります。 まず、タッチパネルでは、地震発生時における身の回りの危険箇所や、避難所で発生するさまざまな出来事を学習できる内容となっており、特に子供たちが楽しみながら防災に関する知識を身につけていただく仕掛けとなっております。 また、VR機器では、旧豊間中学校を再現した映像をごらんいただくこととしているほか、箱型の展示物を設置し、その中に、家具を固定する器具や非常時の持ち出し品などの防災にまつわる実物を展示することにより、見たり、触れたりしながら、学んでいただく内容としてまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、語り部の活用についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 語り部の活用につきましては、本施設の最大の特徴であり、来館者の方々に震災の記憶や教訓を伝えるに当たり、実体験をもとに語られる生の声や想いとともに、展示をごらんいただくことは、震災当時の臨場感がより一層感じられ、震災体験を自分ごと化していただくことにつながるものと考えております。 このため、現在、被災地のスタディーツアーで活動されているいわき語り部の会の皆様と意見交換をさせていただいておりますが、語り部の会、さらには、地域の皆様も含めて、後継者の育成という視点も盛り込みながら、本施設の特徴が最大限に発揮できるよう、今後の語り部活動について、引き続き協議を重ねてまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 語り部の方々には、震災後から実施している震災スタディーツアーでも御活躍いただいており、参加した皆さんから高い評価をいただいていると聞き及んでおります。単なる見るだけの展示にとどまらず、臨場感あふれる語り部の口調とともに学んでいけることは、この施設の最大の売りになると思いますので、ぜひともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、先ほどの施設の概要に係る答弁にあった多目的学習室とはどのようなものかをお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 多目的学習室につきましては、団体で来訪された方々を対象として整備するものであります。ここでは、100インチのスクリーンを設置し、本施設で伝えたいことを約8分間の映像にまとめ、紹介してまいります。 内容といたしましては、市民の皆様に震災当時の様子や復旧・復興までの苦難のほか、次の世代に伝えたい想いを伺ったインタビュー映像を放映するとともに、コンピューターグラフィックを活用した被災状況の紹介などを行う予定としております。 なお、個人で来訪された方に対しましては、この映像のダイジェスト版を製作し、展示室内でごらんいただくこととしております。 ◆19番(馬上卓也君) 団体での利用を想定したものとのお話でございました。私はこの施設の役割として、子供たちに、どうやって震災の記憶を伝承していくのかということが大切であると考えております。その意味では、多目的学習室を利用しながら、例えば、学校の遠足や子供会の行事、さらには地域の防災活動などで、定期的に訪れていただくことも有効であると思いますので、ぜひとも実現できるよう取り組んでいただくことを要望したいと思います。 5点目は、供用開始までのスケジュールについてであります。 今後、どのような日程で整備を進めていくのかお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) 今後のスケジュールでありますが、まず、建築工事などについて年内に発注してまいりたいと考えております。 その竣工時期につきましては、建築工事が平成32年1月、展示製作が平成32年3月と見込んでおり、その後、施設の供用開始に向けた準備期間を経て、平成32年度の早い段階での供用開始を予定しているところであります。 ◆19番(馬上卓也君) 6点目は、他施設等との連携についてであります。 東日本大震災に関連して、福島県では三春町に環境創造センターを整備しており、さらに双葉町には復興祈念公園とあわせて東日本大震災・原子力災害アーカイブ拠点施設を建設することとしております。 市内には、震災の様子を伝える場所が複数ありますが、これらの県内及び市内の他施設等との連携をどのように図っていくのかお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) ただいま、議員からお話がありました環境創造センターにつきましては、放射性物質により汚染された生活環境の回復等に向けた総合的な拠点となっており、また、東日本大震災・原子力災害アーカイブ拠点施設につきましては、県によりますと、福島だけが経験した原子力災害を伝えていくということをコンセプトとしております。 これに対し、本市が整備する震災メモリアル中核拠点施設につきましては、地震、津波の発生から復旧・復興までを伝えていくものとなっており、それぞれ施設の特徴に違いがありますことから、多くの方々に周遊していただくなどのお互いの特徴を最大限に生かした連携が可能なものと考えております。 また、市内には、久之浜町の秋葉神社や岩間町の防潮堤、田人町の井戸沢断層のほか、各地区に設置されている慰霊碑など、震災経験を伝える施設や場所が点在しておりますことから、これら震災遺構等を紹介・案内することにより、ネットワークの拠点的な役割も果たしてまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 大きな質問1番目の最後の質問になりますが、施設運営のあり方は、現時点でどのように考えているのかお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) 施設の運営につきましては、直営方式や直営一部民間委託方式、指定管理方式のいずれとするのかについて、現在、検討を進めていることころであります。 今年度中には、その方向性を明らかにしてまいりたいと考えておりますが、将来的な財政負担を軽減する観点から、ランニングコストに配慮しつつ、本施設が果たすべき役割や、これまで申し上げてまいりました機能や特徴を最大限に発揮できる運営体制を構築してまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 震災メモリアル中核拠点施設について、幾つか伺ってまいりましたが、国内では熊本地震や西日本豪雨、北海道胆振東部地震など大規模な災害が続いており、今なお、避難生活を送られている方々がおります。自然災害を防ぐことは難しいかもしれません。しかし、被害を最小限にとどめるための準備をすることは可能であります。 この施設を通じて、我々が東日本大震災で学んだ教訓を発信することで、防災・減災の取り組みをしっかりと後世につないでいくためにも、運営面も含めてすばらしい施設となることを期待しているところであります。さらに、我がふるさと・いわき市の経験を通し、全国のひいては世界中の人々に防災・減災の取り組みを通し、当市の文化・歴史を学んでいく施設となることは、当市にとっても人を呼び込むための大きな手段となるに違いありません。震災メモリアル中核拠点施設がこの役割を大きく担うことを期待して次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、イオンモールいわき小名浜開業についてであります。 6月15日に開業を迎えたイオンモールいわき小名浜は、想定していた来場者を上回る勢いで小名浜地区のまちの活気に大きく貢献しているところであります。 一方で、市民の方々からは、不安や心配の声も上がっていることもまた現実であります。 そこで、まず初めに、イオンモールいわき小名浜開業後の現状について、幾つかお伺いいたします。 1点目は、道路の混雑状況についてであります。 イオンモールのアクセス道路は予定どおり整備されているところではありますが、道路の混雑状況を当局としては、どのように捉えているのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(高木桂一君) イオンモールいわき小名浜周辺の道路の混雑状況につきましては、6月15日のグランドオープン後の土日やお盆期間を中心に、アクセス道路のうち、都市計画道路平磐城線、通称鹿島街道におきまして、自動車交通の集中により、アクアマリンふくしま前の交差点を先頭に、一定時間における渋滞は見受けられておりますが、交通集中箇所の迂回を促すマップの活用や、泉駅からのシャトルバスの運行等により、現在まで大規模な渋滞の発生は避けられているものと認識しております。 市といたしましては、今後とも、交通事業者やイオンモールと情報共有を図りながら、円滑な道路環境の確保に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 2点目は、駐車場の混雑状況についてであります。 駐車場は、イオンモールの1階・屋上のほか、周辺のアクアマリンふくしま、いわき・ら・ら・ミュウの駐車場も供用されているところではありますが、週末ともなるとかなりの混雑となり、さらには、アクアマリンパークでイベントがある場合などは、周囲の道路も巻き込みながら混雑している状況となっております。 そこで、駐車場の混雑状況について、当局ではどのように捉えているのか御所見をお伺いいたします。 ◎都市建設部長(高木桂一君) イオンモール及びアクアマリンパーク内駐車場の混雑状況につきましては、開業時、民間駐車場等を借用し、混雑の解消に努めたことから、おおむね大きな混乱は見られなかったところであります。なお、平日における午前11時ごろから午後3時ごろにかけて、おおむね6割の駐車率となっているところですが、土日・祝日の同時間帯にかけては、9割を超える駐車率となる日も見受けられております。 現在、小名浜港3号埠頭緑地におきましては、福島県が、年内を目途に約400台、来年度に約100台、計約500台の駐車場を新たに整備することとしており、混雑の緩和が期待されているところであります。 なお、混雑が予想されるイベント開催時などにおきましては、一体的に利用可能な駐車場マップの配布や、公共交通利用への啓発等をイベントの告知の際に実施することが肝要でありますことから、イベント主催者や地元まちづくり団体等と連携し、情報発信に努めてまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 3点目は、駐車場の混雑を解消する手段の1つとして、一般路線バスが乗り入れを行っているところですが、イオンモールいわき小名浜に乗り入れる一般路線バスの利用状況についてお伺いいたします。 ◎都市建設部長(高木桂一君) イオンモールいわき小名浜には、6月15日のオープン以降、いわき駅、湯本駅及び泉駅等と小名浜を結ぶ一般路線バスが合計53便乗り入れており、また、土日・祝日には、泉駅から臨港道路を経由する直行便が往路5便、復路6便、運行されております。 新常磐交通株式会社によりますと、イオンモールいわき小名浜バス停留所における7月末日までの1日当たりの平均乗降者数は、おおむね平日が280人、土曜日が430人、日・祝日が520人とのことであります。 ◆19番(馬上卓也君) 4点目は、来店者数についてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) イオンモール株式会社によりますと、年間700万人の来店者数を見込んでおりますが、開業からこれまでの来店者数につきましては、定量的な公表がないものの、見込みどおり順調に推移していると聞き及んでおります。 ◆19番(馬上卓也君) 5点目は、この多数の来店者数を踏まえ、地域経済に与える影響について、当局はどのように考えているのか、御所見をお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) イオンモールいわき小名浜の開業が地域経済に与える影響につきましては、買い物客の地域への流入拡大や、市外への買い物客の流出抑制などの経済効果が期待されるところであります。 市といたしましては、イオンモールの開業を新たなビジネスチャンスと捉えた事業活動等を後押ししながら、その効果の最大化を図る取り組みを推進してまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、地域連携についてであります。 イオンモールいわき小名浜の開業は小名浜の地域経済のみならず、いわき市の交流人口拡大、文化の発信などに大いに寄与することができると考えられます。実際、施設2階にある大型スクリーンでは、市内の施設やイベントに関する情報発信がなされているところであります。市内の商業施設・観光施設と連携し、地域を活性化しなければ、片手落ちと申しますか、少々荒っぽい言い方をすれば、イオンのひとり勝ちとなってしまうことにもなりかねません。これは、市内の他施設のみならず、ひいてはイオンモール自体にも悪い影響が出ないとも限りません。大型商業施設は、地域経済の牽引役として機能し、地域と連携してこそ、その役割が最大限に発揮でき、相乗効果が生まれると考えます。 そこで、地域連携の1点目は、アクアマリンふくしまの入館者数についてお伺いいたします。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 本年6月から8月末までのアクアマリンふくしまの入館者数は約19万4,000人であり、昨年同時期と比較いたしますと、0.8%の減となっております。 ◆19番(馬上卓也君) 2点目は、いわき・ら・ら・ミュウの入館者数についてお伺いいたします。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 同じく本年6月から8月末までのいわき・ら・ら・ミュウの入館者数は約49万1,000人であり、昨年同時期と比較いたしますと、2.4%の減となっております。 ◆19番(馬上卓也君) 3点目は、三崎公園にあるいわきマリンタワーの入場者数についてお伺いいたします。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 同じく本年6月から8月末までのいわきマリンタワーの入場者数は約1万4,000人であり、昨年同時期と比較いたしますと、10.1%の減となっております。 ◆19番(馬上卓也君) 4点目は、シオカフェの運営状況についてであります。 株式会社まちもりシオカゼが7月26日に、汐風竹町通りのにぎわい、回遊人口をふやすための取り組みの1つである、リノベーションによるカフェ、シオカフェをオープンさせました。まだまだ認知度が低く、自慢のパンケーキも浸透していないと感じます。しかしながら、民間のこうした地道な取り組みが小名浜、そしていわき市の文化の発信に大きく貢献し、経済効果を生むような環境を整えることも大変重要なことであると思います。 そこで、シオカフェの運営状況についてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) シオカフェを運営する株式会社まちもりシオカゼによりますと、まちを守り、まちを盛り上げるという経営理念のもと、集客力と情報発信力のある店舗の運営を目指し、取り組みを進めているとのことであります。 ◆19番(馬上卓也君) シオカフェのみならず、小名浜地区では、地域を盛り上げ活性化させる取り組みを行っているところであります。新たな取り組みとして株式会社まちもりシオカゼでは、レンタル電動自転車を導入し、回遊性の向上を図る計画も持っているようでございます。 当局のまちなか回遊性の向上についての所見をお伺いいたします。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 市といたしましては、アクアマリンパークや交流の拠点となる都市センターゾーンと既成市街地等を結び、回遊の動線となる汐風竹町通りを整備したところであり、当該沿道における土地の利活用や、通りを活用した施策の展開が重要であると認識しております。 このような中、いわき・ら・ら・ミュウとイオンモールいわき小名浜におきましては、相互の連携を深める周遊スタンプラリーの取り組みを実施しているところであり、今後、イオンモールいわき小名浜や地元まちづくり団体、商店会等の皆様と情報共有を図りながら、町なかにおける具体的な施策を協議する場を設けるなど、港と市街地の一体的なまちづくりによる回遊性の向上に向けた取り組みを促進してまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 民間の力は、行政サイドの復興に向けた波に乗り、加速させるためのさまざまな取り組みが始まっております。小名浜まちづくり市民会議が要望した人力戦艦!?汐風澤風のデザインマンホールの設置も終了し、観光客を呼び込むための手段、ハード面の充実も進みつつあります。市民朝市、おなはまマルシェもにぎわいと地域の人々の心をつなぐ施策の1つであります。また、それぞれのヒーローたちという平工業高等学校軟式野球部が昭和58年に準優勝したことを題材にした映画がクランクアップいたしました。民間からも市長が進める心の復興を後押しする力が、各方面から出ていることに感謝するとともに、心強く思います。小名浜地区のみならず、市内の回遊性の向上を行政と民間が一体となって推進していく環境を整えていただくことを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。 大きな質問の3番目は、次代のいわきを担う個性豊かな人づくりについてであります。 本市では、未来をつくるいわきの学校教育ABCプランにおいて、目指す子供像と教員に求められる資質・能力を定め、これにより、次代のいわきを担う生きる力を身につけた子供の育成という目標を定めております。 これからの変化が激しい時代を見据えて、学校教育で学び・身につけた知識だけで、この時代を乗り切ることは非常に困難であり、この変化に対し、子供たち一人一人が個性を発揮し、困難を乗り越え、未来を切り開くという意味で生きる力が求められていると理解しております。 改めて、生きる力とはどのような力か、お伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 生きる力につきましては、確かな学力、豊かな人間性、健康・体力の知・徳・体バランスのとれた力のことであり、社会の変化に主体的にかかわり、よりよい社会と幸福な人生のつくり手となる力でもございます。 ◆19番(馬上卓也君) 未来をつくるいわきの学校教育ABCプランの視点A、Activityに位置づけられる生徒会長サミット事業についてお伺いいたします。 生徒会長サミットに関しては、既にその成果等について複数の議員から質問がなされているところではありますが、今回は参加者の観点から以下質問をしたいと思います。と申しますのも、生徒会長サミットはその名のとおり、文字どおりの受けとめ方をすれば、各中学校の生徒会長だけが集まり、学習する機会と捉えられ、機会均等ではないのではないかという声が市民の一部の方から聞かれるところであります。 そこで、まず初めに、生徒会長サミット生になるための要件についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 生徒会長サミット生になるための要件につきましては、今年度あるいは昨年度の各中学校の生徒会長であること、または、いわき生徒会長サミット事業の1つであるいわき志塾に年間を通して全て参加した生徒であること、または、同事業の各種派遣に参加した生徒であることとなっており、意欲のある生徒を随時受け入れております。 ◆19番(馬上卓也君) 生徒会長以外で生徒会長サミット生になった実績についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 生徒会長以外で生徒会長サミット生となった実績につきましては、平成29年度は61名中7名、今年度は現時点で66名中25名となっております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、いわき生徒会長サミット事業の柱の1つであるグローバルアカデミーいわき志塾についてであります。 いわき志塾は、各分野のスペシャリストを講師として招き、夢の実現のためのきっかけづくり、そしてみずからの生き方を考える機会として位置づけられているところでありますが、市内中学生で参加を希望する生徒が参加できるいわき志塾に関して、その実績についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) いわき志塾の実績につきましては、平成26年度に始まって以来、中央省庁や科学技術関連機関などで活躍する方々を講師として招き、子供たちが講師の生き方や人間力に触れ、その学びの成果を発信することでみずからの生き方を考える機会となっております。 初年度の参加者数延べ558名に対し、平成29年度の参加者数は延べ711名となっており、大幅に参加者数が増加している状況にございます。 ◆19番(馬上卓也君) 意欲のある子供たちを参加させるためにも、その施策、方策が重要になってくると思いますが、いわき生徒会長サミット事業の今後の展開についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 今後の展開につきましては、全体ミーティングや各種派遣事業の内容の充実を図るとともに、いわき志塾におけるテーマの見直しや新たな講師の起用など、事業内容のさらなる磨き上げにより魅力ある事業展開を目指してまいりたいと考えております。 また、学校への周知をこれまで以上に行うとともに、ホームページやフェイスブックによる情報発信を工夫し、意欲のある生徒の参加を一層促してまいる考えでございます。 ◆19番(馬上卓也君) この事業は全国から大きく注目され、表彰も数多く受賞し、多数の優秀な人材を送り出しました。世界に羽ばたく子供たちを見送ることは、寂しいところもありますが、一方で中央から、世界から、地方・いわきを変える力も必要だと考えることもできると思います。今後のこの事業の大いなる充実をお願いいたしたいと思います。 次の質問は、さきの答弁で、生きる力の3要素の1つとして取り挙げられた確かな学力についてであります。 私たちが普段使っている学力という言葉も、実は、使う人の主観によって違いがあり、学力を向上するためにはどうするのかといった話をする場合でも、学力という言葉の意味自体の前提が違うために議論がかみ合わないことがしばしばあります。日本では、法律によってその定義が明確に示されているようですが、その学力の定義についてお伺いいたします。 まず初めに、学校教育法に示されている学力の定義についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 学校教育法に示されている学力の定義につきましては、基礎的な知識・技能、それらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力、その他の能力、主体的に学習に取り組む態度の3つの要素により定義されております。 ◆19番(馬上卓也君) 私の調べた範囲では、外国では法律によって学力を定義しているという国々はないようでございます。学力という言葉の持つ意味は、本質は変わらないにせよ、地域や時代によってその求められる能力が違ったり、変化し得るものであるとも考えることができると思います。 学力の向上等々についての議論になると、ともすれば競争をあおるものであるなど、その数値化に関しても、否定的な意見が出てくることが多いと感じます。しかしながら、個人的な意見を言わせていただくならば、時代に応じ変化し、求められる能力が学力であるからこそ、明確な数値で表すことが大切ではないかと考える次第でございます。他人との競争に明け暮れるといったマイナス面が強調され、順位づけ、あるいは偏差値という数値が表立ってあらわれることが極めて少なくなってきました。 しかしながら、数値による順位、あるいは達成度等は、子供たちにとってメルクマールとなるものと考えます。すなわち、自分が今、目指すもののどの位置にいるのか明確に知ることができれば、意欲が湧き上がる、ウィリアム・アーサー・ウォードのいうところの心に火をつけることにもつながるはずです。 翻ってスポーツの世界では、順位はもちろんのこと、タイム等の記録なども明確に示されます。その順位、タイム等の数値は選手の目標となり、モチベーションを上げ、日々の精進につながるわけです。スポーツと学習を別物として分けて考えることこそ、ナンセンスな話であると個人的には思うわけであります。 そこで、教育委員会では、学力の数値化の意義についてどのようにお考えなのか、御所見をお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 学力の数値化の意義につきましては、数値化することにより児童・生徒がみずからの学習到達度や成果を明瞭に自覚することができ、学習意欲を喚起することにつながる場合もあるものと認識しております。 一方で、学力には、思考力・判断力・表現力等の能力や主体的に学習に取り組む態度といった、数値のみでは推しはかりにくい要素があることにも十分配慮する必要があるものと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、学力の調査についてであります。 学力調査は、国際的な機関によってさまざまな方法で実施されております。その中の代表的な経済協力開発機構OECDが行っている生徒の学習到達度調査、通称PISAの学力調査についてお伺いいたします。 PISAは2000年から3年ごとに実施されているようですが、初めにその目的についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 生徒の学習到達度調査、PISAの目的につきましては、義務教育修了段階の15歳児の生徒が持っている知識や技能を、実生活のさまざまな場面で直面する課題にどの程度活用できるかを評価するものであると認識しております。 ◆19番(馬上卓也君) このテストは3年サイクルで、中心分野を変えながら実施しているようですが、その内容についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 生徒の学習到達度調査、PISAの内容につきましては、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野があり、2009年は読解力、2012年は数学的リテラシー、2015年は科学的リテラシーを中心分野として調査が行われたものと認識しております。 ◆19番(馬上卓也君) 直近で、PISAは2015年に実施されたようですが、参加国の中での日本の状況についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 2015年の学習到達度調査、PISAの日本の状況につきましては、科学的リテラシー、読解力、数学的リテラシーの各分野において、国際的に見ると引き続き平均得点が高い上位グループに位置している一方、前回調査と比較して、読解力の平均得点が有意に低下していると伺っております。 ◆19番(馬上卓也君) IEA国際教育到達度評価学会が算数・数学、理科に関して行っている学力調査にTIMSSというのがあります。学び身につけた知識をいかに活用できるかを評価するのがPISAであるのに対し、このTIMSSにおいては、初等中等教育段階における児童・生徒の算数・数学及び理科の教育到達度を、国際的な尺度によって測定したものであります。このTIMSS調査の2015年の結果では、2003年以降、経年での変化を見ていくと、基準となるのが500点なのですが、550点未満の児童・生徒の割合が減少し、550点以上の児童・生徒の割合が増加している傾向が見られるとのことであります。先進国の中では、学習の到達度に関しては、決して引けをとらない結果となっていると思います。 一方で注目すべき点は、TIMSS調査で首位のシンガポールは、日本と比較して625点以上をとる生徒の割合が20から30%多くなっているという点です。そして、活用力を問うPISA調査で首位のシンガポールはTIMSSでも首位でありました。PISAで上位のカナダ、フィンランドが、TIMSSでは上位に入っていないので一概には言えませんが、活用力を上げていくためには、やはり知識量をふやす必要はあるのかなと個人的には考える次第であります。 次に、日本独自の学力調査である全国学生・学習状況調査についてであります。 まず、その目的についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 全国学力・学習状況調査の目的につきましては、児童・生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の改善を図るとともに、学校における教育指導の充実や学習状況の改善策等に役立てるために実施されてございます。 ◆19番(馬上卓也君) 次に、内容についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 全国学力・学習状況調査の内容につきましては、教科に関する調査で申し上げますと、今年度は、国語、算数・数学、理科の調査が行われております。 国語、算数・数学では、それぞれ知識に関する問題Aと活用に関する問題Bが出題されております。理科では、知識に関する問題と活用に関する問題が一体的に出題されたところでございます。 ◆19番(馬上卓也君) それでは、いわき市の状況についてはいかがでしょうか。 その状況についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 本市の状況につきましては、平成29年度は、国語、算数・数学の2教科の調査が実施されておりまして、小学校算数B、中学校数学Aは、全国平均を下回り、中学校数学B、全国平均をやや下回っているものの、小学校の国語Aと算数A、中学校の国語AとBにおいて、全国平均を上回っております。また、県内他地区と比較いたしても、ほとんどの教科で県の平均を上回る状況にございます。 ◆19番(馬上卓也君) いわき市の状況分析に基づいた対策についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 本市の状況分析に基づいた対策につきましては、調査結果を踏まえ、その対策をまとめた指導改善資料を作成し、各学校へ配布しております。各学校においては、指導改善資料を活用しながら、自校の課題解決に向けた取り組みを進めているところでございます。 また、市教育委員会指導主事による学校訪問において、この資料をもとに、授業力向上への指導助言を行うなどの対策にも取り組んでいるところでございます。 ◆19番(馬上卓也君) 学力調査というものは、国外・国内問わず、一時的な一過性の状況を把握するのではなく、国、そして地域の流れを持った教育に対する方向性を調査するものであると考えます。学校における定期テストとは、全くその目的が違っていると思います。当市が子供たちをどのように育てたいのか、育ってほしいのかを明確化しなければ、方向性は生み出せません。明確な指針・指標を掲げながら長期的な対策をお願いいたしまして、次の質問に移ります。 この大きな質問の最後は、本年度から始まる学びの習慣づくり推進事業についてであります。 実は、私は個人的にもこの事業に非常に期待を寄せているところであります。と申しますのも、先ほど来、申し上げておりますとおり、子供たちが、個性を発揮し自分の夢や目標を見つけ出し、それに向かって一歩ずつ踏み出すためには、いわゆる一斉授業ではなく、個別の学習の必要性を痛感しているからであります。子供たちの能力を信じ、引き出すことこそが教育の原点であると考えます。 まず初めに、この事業の目的についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 学びの習慣づくり推進事業の目的につきましては、子供たちが放課後、集中して学習に取り組める環境のもと、一人一人が目標を持って学習に取り組むことにより、一人学習の習慣を身につけさせ、学力向上につながる取り組みを推進することでございます。 ◆19番(馬上卓也君) この事業について、大変期待を寄せている一方で、実は大きな不安もあります。それは、この事業は、一人学習の習慣を身につけさせ、家庭での自主的な学習の定着を図るとのことでありますが、この際の見守る、アドバイスをする人員の役割が非常に重要になってくると思うからであります。 本事業においては、その役割を担う人員を学習会場運営員と称しているようですが、この事業に携わる学習会場運営員についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 学習会場運営員につきましては、学習の進め方についてアドバイスを行うなど、生徒に課題解決に向けた方向性を示し、学習習慣の意識づけを行うことを目的に配置するものでございます。 その意味からも、今年度の委嘱者につきましては、退職校長や再任用教員等10名となっているところでございます。 ◆19番(馬上卓也君) 学びのきっかけをつくり、子供たちの能力をフルに発揮させるには、繰り返しになりますが、人が重要となることは間違いありません。そう考えるならば、人材の確保は最も重要な課題となると思います。言いかえれば、この事業の成否を握るのは学習会場運営員の選択にかかっていると言っても過言ではないと思います。民間の方々も含め、経験豊かで子供たちにきっかけを与えられるような方々を、広く募集してほしいと思います。 この事業の現在の進捗状況についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 現在の進捗状況につきましては、9月から市内10校の中学校において、各学校の計画のもと、順次スタートしているところでございます。 ◆19番(馬上卓也君) 今後の展開についてお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 今年度、本事業を実施した10校の成果と課題を十分検証した上で、今後の展開について、検討してまいりたいと考えております。 ◆19番(馬上卓也君) 今回、個性豊かな人づくりについての施策について、子供たちが生きる力を育むため、今年度から実施する学びの習慣づくり推進事業に大きな期待を寄せていることで、まとめさせていただきました。私たちの故郷を、ふるさとを守り育てていくのは、申すまでもなく子供たちであります。私たち大人が子供たちを生涯見守り続けることは不可能であります。であればこそ、子供たちがみずから動き出し、懸命に自分の個性を発揮させるようなきっかけと環境を提供することこそが私たちの使命であります。何より、まず初めに、その子供たち一人一人を、その能力を信じようではありませんか。 最後にさまざまな場面で紹介されており、皆様方も御存知かもしれませんが、夢・目標を達成するための1つの手段を御紹介したいと思います。 それは現在、大リーグで活躍中の大谷翔平選手の高校1年のときに作成したマンダラチャートを利用した目標達成シートでございます。この目標達成シートを簡単に説明するなら、ドラフト1位指名を8球団から受けるという大きな目標を立て、その目標を達成するための8つの要素を書き出し、さらにその8要素を達成するために、それぞれに8要素を書き出し、合計64の要素を書き出すという手法です。 ビジネスの世界では、目標を達成するために今何をすべきかと、行動レベルまで落とし込むための手法として従来より利用されているものです。私のサラリーマン時代に、マンダラチャートを使いこなし、常にマンダラ手帳を持ち歩く上司がおりました。その上司は、独立し会社を起こし、自身の夢を次々と実現し、現在、周りの人たちの夢の実現にも手を貸しています。 高校1年でマンダラチャートを作成し、夢の実現を目指し努力し実現した大谷翔平選手はとてもすばらしいと思います。と同時に、彼の目標達成シートの作成を提案・指導したという高校時代の監督、佐々木洋氏の存在がより重要であると思います。指導者に要件があるとすれば、個人の力を信じ、その才能を引き出し、やる気を出させるきっかけを与えることができるかどうかであると思います。佐々木洋監督は、選手を育てる前に人を育てようというのが選手育成のポリシーであったと聞きます。 私たちの教育も、さまざまな場面で子供たちの覚醒を信じ、きっかけを与え続けられるよう、情熱を持って粘り強く行っていく必要があると思います。地域全体の力を総動員し、次代を担う個性豊かな子供たちを育てる環境をより一層進めていただくことを要望し、一般質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)--------------------------------------- △散会 ○議長(菅波健君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。          午後4時18分 散会---------------------------------------...