平成28年 6月 定例会 平成28年6月15日(水曜日)議事日程 第4号 平成28年6月15日(水曜日)午前10時開議 日程第1 市政一般に対する
質問---------------------------------------本日の会議に付した事件 〔議事日程第4号記載事件のとおり
〕---------------------------------------出席議員(35名) 1番 木村謙一郎君 2番 山守章二君 3番 小野潤三君 4番 西山一美君 5番 塩沢昭広君 6番 柴野美佳君 7番 吉田実貴人君 8番 赤津一夫君 9番 渡辺博之君 10番 伊藤浩之君 11番 狩野光昭君 12番 福嶋あずさ君 13番 永山宏恵君 14番 大峯英之君 15番 蛭田源治君 16番 菅波 健君 17番 小野 茂君 18番 塩田美枝子君 19番 小野邦弘君 20番 大平洋夫君 21番 溝口民子君 22番 高橋明子君 23番 坂本 稔君 24番 上壁 充君 25番 佐藤和美君 26番 岩井孝治君 27番 遊佐勝美君 28番 安田成一君 29番 大友康夫君 30番 阿部秀文君 31番 蛭田 克君 32番 磯上佐太彦君 33番 石井敏郎君 36番 樫村 弘君 37番 根本 茂君欠席議員(なし
)---------------------------------------説明のため出席した者 市長 清水敏男君 副市長 上遠野洋一君 副市長 鈴木典弘君 教育長 吉田 尚君
水道事業管理者 仲野治郎君
病院事業管理者 平 則夫君 代表監査委員 木村 清君
農業委員会会長 鈴木 理君
選挙管理委員会委員長 飯間香保子君 総合政策部長 新妻英正君 危機管理監 緑川伸幸君 総務部長 岡田正彦君 財政部長 伊藤章司君
特定政策推進監 大和田 洋君 市民協働部長 下山田松人君 生活環境部長 小野益生君 保健福祉部長 園部義博君 こどもみらい部長 本田和弘君 農林水産部長 村上 央君 産業振興部長 荒川 洋君 土木部長 松本守利君 都市建設部長 高木桂一君 会計管理者 大高雅之君 教育部長 増子裕昭君 消防長 草野正道君 水道局長 上遠野裕美君
総合磐城共立病院事務局長 秘書課長 赤津俊一君 渡部 登君 総務課長 久保木哲哉君
---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長 荒川信治君 次長 大槻雄二君 参事(兼)総務議事課長 山崎俊克君
総務議事課主幹(兼)課長補佐 大須賀俊雄君 主任主査(兼)議事係長 金山慶司君
--------------------------------------- 午前10時00分 開議
○議長(根本茂君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第4号をもって進めます。
---------------------------------------
△日程第1 市政一般に対する質問
△石井敏郎君質問
○議長(根本茂君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。33番石井敏郎君。 〔33番石井敏郎君第二演壇に登壇〕
◆33番(石井敏郎君) (拍手)おはようございます。33番
いわき市議会改革の会の石井敏郎であります。 私は、平成26年の11月定例会及び昨年6月の定例会に本庁舎内の案内表示の改善について質問をいたしました。このたび、平成28年4月からの行政組織の改正に伴い、来庁者からはとても見やすくなりましたとの評価を得ております。スピード感を持って取り組まれた清水市長に対し、心から敬意を表し、以下、通告順に従い質問をいたします。 最初の質問は、
総合磐城共立病院についてであります。 市民から待ち望んでいた新病院建設につきましては、先日、くわ入れ式が挙行され、平成30年12月の開院に向け、いよいよ本体工事に着手したところであります。しかしながら、せっかく新しい建物ができても、肝心のマンパワーが不足していては、患者さんに対しての十分な医療の提供はできません。 そこで、共立病院における医療スタッフの確保について以下伺います。 初めに、医師の確保についてでありますが、過去5年間の常勤医師数の推移について伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 当院における各年度の4月1日現在の常勤医師数の推移について申し上げますと、平成24年度110名、平成25年度114名、平成26年度114名、平成27年度115名、平成28年度は119名となっております。
◆33番(石井敏郎君) 以前は140名前後在籍していたと記憶しておりますが、やはり常勤の医師が不足している感は否めません。そこで共立病院では、この医師不足の原因をどのように捉えているのか伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 医師不足の原因につきましては、さまざまな要因が複合的に影響しているものと考えられ、明確にお答えすることは困難ではありますが、考えられる主な要因といたしましては、平成16年度から、臨床研修が義務化されたことにより、大学の医局人事で赴任する医師が大幅に減少したことが挙げられます。 また、当院が医師招聘に向けた取り組みを行う中でお伺いした話によりますと、交通の便が悪く、商業・娯楽施設などが大都市に比べ充実していないこと、常勤医師の不足が日ごろの業務量の増加を招き、勤務先として敬遠される一因になっていること、さらに、増大している業務量に対して給与が不十分であることなどが挙げられます。
◆33番(石井敏郎君) さまざまな問題はあろうかと思いますけど、それでは、これまで医師確保に向けてはどのような対策を行ってきたのか伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 医師の確保につきましては、これまで大学医局等への働きかけを積極的に行うとともに、
医師修学資金貸与制度の活用を図るほか、大学院連携講座及び寄附講座の設置による医師派遣の拡充にも努めてきたところであります。また、診療に関する手当の拡充や新築の医師住宅の提供など福利厚生面の充実にも取り組み、待遇改善を図っているところであります。
◆33番(石井敏郎君) やはり一人でも多くのドクターに来てもらうには、給与の引き上げが必要不可欠であると考えます。 そこで、今後の給与面での改善策についての考え方を伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 医師の給与面での改善策につきましては、これまで、勤務意欲の向上を図ること等を目的として、職責や診療実績に応じて支給している特殊勤務手当、いわゆる診療手当の増額等に取り組んできたところであります。平成28年度につきましては、特に採用が困難な診療科である産婦人科及び麻酔科の医師確保に向けて、分娩業務及び全身麻酔業務に係る手当を新設したところであります。今後におきましても、経営状況を踏まえながら、在職する医師の離職防止や新たな医師招聘につながるよう、手当の創設も含め、各種手当の見直しについて検討してまいりたいと考えております。
◆33番(石井敏郎君) 自治体病院として制度上の制約はあろうかと思いますが、今後も積極的に取り組んでいただけますよう要望を申し上げ、次の質問に入ります。 次に、看護師の確保についてでありますが、共立病院における過去5年間の看護師数の推移について伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 当院における各年度4月1日現在の助産師を含む正規の看護師数の推移について申し上げますと、平成24年度675名、平成25年度654名、平成26年度652名、平成27年度644名、平成28年度は659名となっております。
◆33番(石井敏郎君) 今年度は、ある程度改善されているようですが、毎年多くの人員を採用しても定年前に離職する人も多いため、夜勤体制も必要最小限の人数で回しているのが実態だと思います。 そこで、定年を待たずに退職される、いわゆる普通退職者について、過去5年間の推移について伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 各年度における普通退職者数の推移について申し上げますと、平成23年度42名、平成24年度28名、平成25年度28名、平成26年度31名、平成27年度は28名となっております。
◆33番(石井敏郎君) やはり事務職と比較すると非常に多いという印象です。 そこで、病院としては、普通退職の理由をどのように把握しているのか伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 普通退職の主な理由といたしましては、体力の限界、病気などの健康上の問題のほか、結婚、さらには育児・家事への専念、家族の介護などが挙げられます。
◆33番(石井敏郎君) さまざまな理由があるようですが、中には給与面や子育て環境など待遇面が充実していれば防げる離職もあったのではないかと思われます。 そこで、看護師確保のために、共立病院としてはどのように取り組んでいるのか伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 看護師確保に向けた取り組みといたしましては、新たな人材の確保及び職員の離職防止の観点から、平成27年度に
夜間看護等手当を増額し、給与面での待遇改善を図ったほか、平成28年度には、将来の病院を支える人材育成の観点から、
認定看護師手当を新設し、資格取得支援の充実や勤務意欲の向上にも努めているところであります。 また、看護師の負担軽減を図るため、看護補助者の確保にも努めるほか、仕事と家庭の両立に向けた働きやすい
職場環境づくりを進めるため、院内保育所の段階的な充実や、ワーク・ライフ・
バランス検討会議を通した業務の見直しなどにも取り組んでいるところであります。
◆33番(石井敏郎君) せっかく希望に燃えて共立病院の看護師になった職員の皆さんが、勤務条件や待遇面の問題で離職してしまうことがないように、今後も随時必要な見直しを行っていただきたいと思います。また、新病院の開院に向けては、患者さんの利便性が向上するだけでなく、医師・看護師を初めとするスタッフの皆さんが生き生きとして働けるような待遇の改善についても積極的に推進していただき、ひいては患者さんへの充実した医療の提供につながりますよう切に要望を申し上げ、次の質問に移ります。 次の質問は、本市の保育環境についてであります。 子ども・子育て支援新体制がスタートし、1年が経過しました。 この新制度は、近年多様化する子育てニーズに対応するため、保育所を初めとした
子育て支援サービスの量的拡充と質的改善を図ることを目的に実施されているものでありますが、全国的には認定こども園や小規模保育を行う事業所は増加したものの、待機児童は近年の減少傾向から増加に転じるなど、依然として保育環境は厳しい状況にあります。 最近では、匿名のブログで、保育園落ちた、日本死ねに端を発し、国でも、やや後手に回っている印象もありますが、待機児童の受け皿拡大策や保育士の給与アップなどを打ち出してきております。待機児童対策・保育士の確保に向けての抜本的な対策が早急に望まれるところであります。 本市においても待機児童は、昨年度の4月に21人、10月には40人となっており、一日も早い対策が必要となっております。少子化の中で、働く女性の数は増加傾向にあり、特に低年齢児の保育需要がふえております。低年齢児は
保育士配置基準も手厚く、配置が間に合わないところでは待機児童が増加しているなど、保育士の環境改善も急務であると考えております。 そこで、本市の今年度の待機児童数はどのようになっているのか伺います。
◎こどもみらい部長(本田和弘君) 平成28年4月1日現在の待機児童数は12人となっております。
◆33番(石井敏郎君) それでは、待機児童が発生しているその主な要因はどのようなものなのか伺います。
◎こどもみらい部長(本田和弘君) 待機児童の主な要因といたしましては、障がい児統合保育を希望する児童に対応するための保育士が十分に確保できなかったことや、定員を超過する利用申請があったことが挙げられます。
◆33番(石井敏郎君) 本市においても、増加するゼロ歳から2歳の需要に対応するため、昨年度から
小規模保育事業や
事業所内保育事業所に対し、認可を行っておりますが、
事業所内保育所として、昨年度は、
公益財団法人ときわ会のゆしまや保育園1カ所、今年度は、
社会福祉法人五彩会の
パライソエンジェル保育園と
社会福祉法人飛鳥のはなまる保育園の2カ所の認可をしておりますが、事業所内保育はその事業所に勤務する従業員の子供だけでなく、当該地域の子供を預けることが可能となるなど、低年齢の需要に対し、待機児童対策にも有効な手段であると考えます。 市内には多くの保育所がありますが、整備に多額の経費がかかることなどから、新規の増設を図るよりは、むしろ各企業の保育などの活用を図るなど、選択肢は多いほうがよいのではないかと考えます。 そこで、本市は、事業所内保育については、今後どのように進めていくのか伺います。
◎こどもみらい部長(本田和弘君) 子ども・子育て支援新制度における事業所内保育につきましては、市の認可事業であります
事業所内保育事業と、今般、国が新たに創設した
企業主導型保育事業の2つの類型となっております。このうち、
事業所内保育事業につきましては、平成27年3月に策定いたしました市子ども・
子育て支援事業計画、いわゆるこどもみらいプランに盛り込んだ保育利用の量の見込みと確保方策、いわゆる需給計画において供給量の不足が見込まれる地域では、設備面や運営面等が基準に合致する場合には認可し、新制度への参入を認めることとしております。 また、
企業主導型保育事業につきましては、喫緊の課題となっております待機児童の解消を図るため、今年度、新たに創設された制度であり、現在、国が実施団体として選定した、東京都に所在する
公益財団法人児童育成協会において、希望事業所からの申請受付を開始したところであります。 市といたしましては、これら制度につきまして、保育の受け皿の拡大が見込まれますことから、それぞれ参入意向のある事業所に対し、両事業の概要や参入に当たっての基準等について情報提供を図るなど、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
◆33番(石井敏郎君) 保育所が整備されていても保育士がいなければ保育ができません。全国的に保育士不足と言われる中での保育士の確保は喫緊の課題であります。特に私立の保育所などは、給与が安いことなどを背景に、待遇改善が望まれると聞き及んでおります。また、保育士が不足している要因として、子供を預かる責任の重さが挙げられており、保育所全体としても、保護者はもとより、保育士が安心して業務ができるような環境づくりを強化していく必要があると考えます。 こうした民間保育所の環境改善については、どのように取り組む考えなのか伺います。
◎こどもみらい部長(本田和弘君) 民間保育所の環境改善につきましては、賃金面の処遇改善として、平成27年度には、職員の勤続年数や経験年数に応じた給付費の加算で平均3%、公務員の給与改善に準拠した平均2%、あわせて5%の改善を図ったところであります。国におきましては、平成28年度においても、引き続き保育士の処遇改善を実施することや、保育士の負担軽減を図るため、ICT化の推進に対する支援について取り組むこととしており、市といたしましては、国の動向も注視しながら、民間保育所における処遇改善や、安心して業務ができるよう労働環境の改善に努めてまいりたいと考えております。
◆33番(石井敏郎君) 実は先般、新聞報道に保育士が足りない、ハローワークに求人を募集したが、全然、求人募集にも応募がなかったと。それで、その保育所では入所を断わるケースもあるという報道がなされております。県では有資格者の就職支援という制度も用いているようですけれども、実は、保育士の資格を有していながら、保育所業務に携わっていない人が私の知人にもおります。 このような人材の掘り起こしについては、市としてはどのように取り組んでいく考えなのか伺います。
◎市長(清水敏男君) 本市では、保育士資格を有しながら、保育所等で就労していない、いわゆる潜在保育士の復職に向けた研修会を平成25年度から定期的に実施しているところであります。 昨年度におきましては、保育所における実習を中心とした研修会を5回実施したところでありますが、これまで延べ12名の方に受講いただき、このうち、4名の方が復職したところであります。 今年度におきましても、広報いわきやFMいわき、ホームページなどでの求人募集、ハローワークや県の保育所・
保育士支援センターへの求人登録を行うこととあわせて、就職・復職支援のための研修会を開催するほか、国が新たに取り組むこととした、就職準備金として20万円を貸し付けする再就職支援事業や、1年間を限度に保育料の半額を貸し付けする
保育所復帰支援事業などの周知を図りながら、潜在保育士の再就職の支援に取り組んでまいりたいと考えております。
◆33番(石井敏郎君) 清水市長の奥さんも、幼稚園か保育園の先生をなさっていたというお話を聞いておりますので、民間の保育所・幼稚園の先生が足りないという実態、そしてまた、民間での業務の厳しさとか、そういうものをよく御理解してるのかなと、そんなふうに私は思いますので、ひとつその辺も、よく実態を把握しながら鋭意努力をしていただきたいと、そんなふうに思っております。 特に今回は、
総合磐城共立病院の医師及び看護師の確保と本市の保育環境の中での保育士の確保について質問をいたしました。いずれも大きな問題は待遇面での改善が強く求められているのではないでしょうか。この待遇面の改善について、今後は市当局としても、十分に調査・検討をされることを強く要望し、私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(根本茂君) ここで、午前10時35分まで休憩いたします。 午前10時22分
休憩--------------------------------------- 午前10時35分 再開
△木村謙一郎君質問
○議長(根本茂君) 休憩前に引き続き会議を開きます。1番木村謙一郎君。 〔1番木村謙一郎君第二演壇に登壇〕
◆1番(木村謙一郎君) (拍手)おはようございます。1番
いわき市議会志帥会の木村謙一郎です。以下通告順に従い、一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、本市の水産業についてです。 先週、本市水産業にとって大きな節目となる、うれしいニュースが飛び込んできました。ヒラメとマアナゴの出荷規制が解除されたというものです。本市沿岸漁業の主力魚種でもあるヒラメの出荷規制解除は関係者にとっては大きな喜びであり、水産業の復興に向けた大きなステップになると考えます。そして同時に、水産業の復興における目指すべきゴールは、単に震災前の姿を取り戻すことではなく、新たな水産業のあり方を構築することであるという点も改めて認識しなければなりません。 常磐ものの主力であるヒラメが解禁され、本格操業への道がさらに広がることが予想されますが、そのことにより、扱う水産物の量がふえるのであれば、大量流通による魚価の低下などを考慮し、
資源管理型漁業による安定した供給体制の確保、そして水産物の消費の拡大、需要の拡大について、これまで以上に真剣に取り組まなくてはならないと言えます。つまり、地元の水産物のブランド力を高め、多くの消費者に本市の水産物を選んでもらうための取り組みが、今まで以上に求められてくると考えます。 そこで1点目は、本市水産物のブランド化に向けた取り組みについて伺っていきます。 まず、1つとして、昨年から始められた水産物の
地域ブランド常磐もののこれまでの取り組みについて伺います。
◎農林水産部長(村上央君)
地域ブランド常磐ものに関する取り組みには、市場競争力の強化と消費者の認知度向上を目的に、本市水産物の魅力やおいしさ等を伝えるためのものであり、昨年10月から
各種プロモーション事業を展開しております。具体的には、本市水産業の現状について理解を求めるための
築地市場表敬訪問、常磐ものをPRするための京浜東北線での電車内モニターや
首都圏大手小売店鋪での映像放映、
女性向け生活実用情報誌への記事掲載、首都圏で行われた展示商談会への出展等を実施いたしました。 また、
キリン水産業支援絆プロジェクトを活用した風評払拭事業として、
いわきサンシャイン・フェスタやJR品川駅構内におけるふくしま・
いわき観光キャラバン等でのPR、市内飲食店における常磐ものを活用した、召しませ!いわき至福の一皿常磐もの編によるメニューの提供、さらにはPRグッズの作成・配布を実施したところでございます。
◆1番(木村謙一郎君) それでは次に、2つとして、
地域ブランド常磐ものの確立に向けて、ロゴの使用、あるいはシールやのぼりなどのPRグッズを用いて、その取り組みを進めているということですが、それらPRグッズ等の活用状況はどのようになっているのか伺います。
◎農林水産部長(村上央君) PRグッズにつきましては、常磐もののロゴが入ったのぼり旗、シール、Tシャツ、
ウェットティッシュ、レジ袋等を作成し、常磐ものの認知度向上、消費拡大を図るため、市内外での
イベント会場等で活用しているほか、市内の水産関係者や大手小売店等に配布しているところでございます。なお、常磐もののロゴにつきましては、市内の加工業者や小売店等から、これまで22件の使用申請があり、店頭広告等に活用されているところでございます。
◆1番(木村謙一郎君) さらなる活用が促進されて、あの
ブランドマークが私たちの目にも至るところで目にとまるようになれば、ありがたいと感じております。 それでは、3つとして、これまでの取り組みを踏まえて、今年度はどのように常磐もののブランド化に向けた取り組みを進めていくのか伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 常磐もののブランド化に向けた取り組みにつきましては、
市内水産関係者との意見交換会における要望等を踏まえ、本市水産物の風評払拭を図るため、安全性はもとより、おいしさ等の魅力を発信してきたところでございます。今年度はさらに、消費者等の認知度向上、消費拡大を図るため、首都圏での映像放映の拡充を図るとともに、新たに観光関係者等との連携を強化していきたいと考えております。 また、先ほど議員からもお話がありましたように、去る6月9日に、常磐ものの代表格であったヒラメ等の出荷制限が解除されたことは、本市の水産業にとって明るい話題であり、今後の常磐もののさらなる
ブランド力向上に貢献するものと期待しております。
◆1番(木村謙一郎君) 常磐ものが地域ブランドとして確立されていくためには、息の長い取り組みが必要であります。長期的な計画のもとで、消費者や関係者の認知度、あるいは生産現場のニーズ等も把握し、ときには柔軟に戦略を見直しながら、施策の展開を図る必要があると考えます。 そこで、4つとして、今後はアンケート調査の活用等により、取り組みの効果を検証することも必要と考えますが、市の所見を伺います。
◎農林水産部長(村上央君) ブランド化の取り組みの効果を検証することにつきましては、昨年度、インターネットによる消費者に対するアンケート調査を実施したところでございますが、常磐ものは、首都圏はもとより、県内でもまだ十分に認知されていない状況にございます。今後は、調査対象に水産関係者を加えるなど、アンケート調査の範囲を拡大し、水産関係者や消費者の意見等を参考に、事業内容の効果を検証し、認知度向上に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
◆1番(木村謙一郎君) やはり関係者、現場では、今回の取り組みに対していろいろな意見が今のところ集積されているような状況にあると思いますので、ただいま答弁にありましたように、そういった方々の意見を積極的に取り入れて、施策の展開を進めていただきたいと思います。 市民が、おいしい常磐ものへの理解を深めるためには、まずは食べて第一の理解者になっていただくこと、つまり消費の拡大が重要と考えます。しかしながら、魚食離れが叫ばれて久しい現在においては、小売店などによる販売努力を中心として状況を改善していくのは非常に厳しいと感じております。その点を踏まえますと、食育という観点から、学校給食において地元の水産物等を提供し、小さいころから魚食になれ親しみ、地元水産物への理解を深めていくことが大切ではないかと考えます。 現状においては、沿岸性の魚種に限って言えば、試験操業中でもありますので、学校給食での活用というのは非常に難しいということは認識しております。しかし一方で、サンマのみりん干しやかまぼこなどの練り物製品のような地元の水産加工品、あるいは、沖合・遠洋漁業により漁獲されるカツオやサンマを利用したメニューなどを、学校給食でも積極的に活用していくべきと考えます。 そこで、5つとして、学校給食での地元水産物の活用状況について伺います。
◎教育部長(増子裕昭君) 学校給食での地元水産物の活用状況としましては、平成27年度の数値で申し上げますと、市内の給食調理施設において水産物を活用した献立は延べ860回あり、このうち地元水産物を活用した献立が延べ138回、割合にして約16%の献立において地元水産物を活用しております。
◆1番(木村謙一郎君) 大変厳しい状況にある中、パーセンテージとしては当局の努力というものは感じられるところでございますが、次に、6つとして、地元水産物等の学校給食での利用を今後もさらに推進していくべきと考えますが、市の所見を伺います。
◎教育部長(増子裕昭君) 学校給食で使用する食材につきましては、学校給食の標準食品構成表により、魚介類と肉類とでほぼ同じ割合で使用しておりますが、児童・生徒にとって、地元水産物を学校給食で使用することは、食育の観点からも有用なものと認識しております。 このようなことから、市教育委員会では、地元高校との連携による事業として、いわき海星高校生が海洋実習で漁獲したカジキを使用したかじきカツを、全ての学校給食で提供するとともに、海洋実習に参加した高校生と子供たちとの交流給食会を通して、子供たちの水産業への理解促進など、学校給食を通じた食育事業を展開してきたところであります。また、本市になじみの深いカツオやサンマといった食材を、水産加工業者の皆さんの協力のもと、学校給食用に加工しまして、提供をしてきたところであります。 今後とも、食材納入業者の皆さんや学校と連携を図りながら、可能な限り、地元水産物を学校給食において使用してまいりたいと考えております。
◆1番(木村謙一郎君) やはり学校給食というのはいろいろな制約といいますか、ルールがありまして、そしてこの本市沿岸漁業の現状でありますので、なかなか厳しい部分というのはあると思うんですけれども、やはり食育という観点からしますと、学校給食というのは非常に効果が大きいと考えておりますので、これまでの取り組みをぜひ、最大限また引き続き進めていただきたいと思います。 本市水産物の消費拡大を図るためには、科学的な調査・研究によるデータに裏づけされた安全性の確認と正確な情報発信が欠かすことのできない大前提となります。その上で、いかに需要の拡大を図るのかが問われてきます。常磐ものをしっかりと地域ブランドとして確立させるために、さまざまな機会を捉え、関係者と連携して取り組みを進めていただきたいと思います。 2点目は、本市の水産業の今後についてであります。 現在、国においてはイノベーション・コースト構想が進められておりますが、震災により大きな被害を受けた水産業は、新たな成長産業として転換できるように、最もイノベーションが必要な分野の一つではないかと考えます。 そこで、1つとして、イノベーション・コースト構想において、水産関係ではどのようなプロジェクトがあるのか伺います。
◎市長(清水敏男君) イノベーション・コースト構想における水産関連のプロジェクトとしては、海洋における放射性物質対策の研究・情報発信を行う拠点を新たに整備するための水産研究拠点整備プロジェクトが位置づけられており、放射性物質に対する安全・安心の確保、水産資源の持続的利用、魅力ある産業への転換のための技術革新の実現を目的としております。具体的には、本市にある県水産試験場の機能強化を主な内容としており、今年度、福島県は新たな施設整備に向けた調査・設計を実施することとしております。
◆1番(木村謙一郎君) 水産試験場の機能強化が図られ、どのような役割を担っていくのか、今後も注視していきたいと思いますが、水産業全体の再建を進めるためには、さらなるイノベーションが必要ではないかと考えます。 そこで、2つとして、イノベーション・コースト構想の中にさらなるプロジェクトが展開されるように、市としても継続的に関係機関に働きかけていくべきと考えますが所見を伺います。
◎市長(清水敏男君) イノベーション・コースト構想は、浜通りを中心とする地域経済の復興、ひいては、本市水産業の本格的な復興においても重要な役割を担っていくものと認識しております。そのため、市といたしましては、今後、水産業の復興や風評払拭の取り組みを進めていく中で新たな技術開発のプロジェクトが必要となった場合には、漁業者を初めといたしました水産関係者からの意見などを踏まえ、あらゆる機会を捉えながら、県などの関係機関へ働きかけを行ってまいりたいと考えております。
◆1番(木村謙一郎君) ぜひお願いしたいと思います。水産業が必要としている変革は、やはり国家レベルのプロジェクトにより進められるのが最適ではないかと考えます。イノベーション・コースト構想のようなプロジェクトの中で、さらに水産業に関する議論が高まるよう、当局の積極的な働きかけを改めてお願いしたいと思います。 次に、3つとして、水産業における6次化に向けた取り組みについて伺います。 本市における農業の6次化が最近は注目を集めておりますが、一方で、水産業における6次化はなかなか進んでいないという印象を持っております。これまで、志帥会では水産業の活性化に関連して、山口県萩市の道の駅萩しーまーと、あるいは千葉県鋸南町の漁協直営食堂ばんやの視察を行っております。どちらも全国的に有名な施設であり、直売あるいは地元食材を活用した商品開発といった手法で地元水産業の振興に大きな効果を発揮しておりました。 本市においてもそれら先進事例に学び、水産業における6次化の動きが強まることを期待したいと思いますが、そこで、水産業における6次化の取り組みについて、市としては現状をどのように認識しているのか伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 水産業の6次化に向けた取り組みにつきましては、平成23年5月に農林水産省が、漁業者を対象として行った6次化に関する意識・意向調査によれば、加工・販売までみずから行うことは難しいと回答した漁業者が最も多く、全国的に水産業の6次化に向けた取り組みはハードルが高いものになっております。 加えて、本市におきましては、東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、沿岸漁業は、操業自粛が継続していること、また、沖合漁業においても震災前の水揚げ量から4割程度しか回復していないこと、さらには、たび重なる汚染水問題に端を発する風評被害がいまだ収束していないことなどから、水産業の6次化に向けた取り組みは、現時点においては多くの課題があると認識してございます。
◆1番(木村謙一郎君) ただいま答弁ありましたように、水産業の6次化、非常にハードルが高いというような実感でありますが、ただ、基本的に6次化は行政が推し進めるものではなくて、生産者や流通業者など、関係当事者が主体的に行うものであるということは認識はしております。しかし、6次化を進めるに当たっては行政が行える支援というものもあると考えます。 現在、本市沿岸漁業は試験操業という枠組みの中で、漁法や販売方法などについてさまざまな方法を模索しながら、その再建に取り組んでおりますが、このような状況を逆に絶好の機会と捉え、水産業における6次化について、まずは当事者の理解を深め、その推進に取り組んでいくべきではないかと感じております。 そこで、6次化に取り組むべき関係者に対して、先進事例の紹介、あるいはセミナーなどにより、6次化への理解促進を支援していくような取り組みも、市としてはできるのではないかと考えますが、所見を伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 本市水産業の6次化につきましては、震災前からの課題であった後継者不足の解消や漁業経営の安定化に資するものと考えております。そのため、漁業者の6次化へのニーズを踏まえながら、市の漁業経営改善普及事業費補助金の活用や国・県の支援策等を通じて、先進事例の視察や講習会への参加を促すことにより、6次化に関する理解の促進を図るとともに、意欲ある漁業者の育成を支援してまいりたいと考えております。
◆1番(木村謙一郎君) 冒頭にも申し上げましたが、水産業はこの震災を機に新しく生まれ変わる必要があります。科学的な調査に基づいた安全性の担保と正確な情報発信を前提として、魚食の拡大、6次化などによる経営基盤の強化、そして
資源管理型漁業の導入により、ふえた魚介類を適切にとり、魚価の安定を図るなど、取り組むべき課題は多くあります。常磐ものが本来持つブランド力の向上と、震災以降得られたさまざまな知見をうまく組み合わせながら、本市水産業が全国的にも注目される稼げる漁業への転換に成功することを心から願い、次の質問に移りたいと思います。 大きな質問の2番目は、地域への愛着・誇りの醸成に向けた取り組みについてです。 地域への愛着と誇りを持つためには、まずは自分たちが暮らす地域の歴史と文化を学び、知ることが重要です。 そこで、1点目は、地域の歴史・文化を学ぶための取り組みについて、以下伺います。 まず、1つとして、これまで市が取り組んできた地域の歴史や文化を学ぶための取り組みについて伺います。
◎特定政策推進監(大和田洋君) 人口減少や少子・高齢化の進行等による地域コミュニティーの希薄化や若年層の地域離れが進む中、これからの地域のまちづくりを進める上で、次代を担う子供たちに、地域の歴史や本市にゆかりのある偉人の功績等をしっかりと継承し、地域の誇りや郷土愛を育むひとづくりが極めて重要であると考えております。こうしたことから、市といたしましては、これまで、地域の歴史を紹介した冊子の配布や、じゃんがら念仏踊りを初めとする無形民俗文化財の体験学習など、地域の歴史・伝統を学ぶ機会を子供たちに提供してきたところでございます。 また、先人から受け継いできた歴史的財産を次の世代へしっかりと引き継いでいくため、国指定史跡の白水阿弥陀堂境域や根岸官衙遺跡群の公有地化に取り組んでいるほか、貴重な文化財の修復作業の現場公開や埋蔵文化財の発掘調査現地説明会などを開催し、その魅力を広く伝える取り組みを積極的に展開してきたところでございます。
◆1番(木村謙一郎君) それでは、2つとしまして、今年度は歴史冊子みんなで学ぼういわきの歴史の改訂を行うということを伺っておりますが、その内容について伺います。
◎特定政策推進監(大和田洋君) これまで、歴史冊子みんなで学ぼういわきの歴史は、市内の小学校6年生児童全員に、地域の歴史を学ぶ参考資料として配布しております。昨年度、その活用状況等について、全小学校を対象にアンケート調査を行った結果、9割近くの学校が積極的に活用していると回答があった一方、江戸時代以降の記述を充実してほしい、地域の偉人等について紹介してほしい、全国の歴史的な流れと本市の歴史の関係性がわかるような年表等を示してほしいといった要望があったところでございます。 こうしたことから、地域の歴史を学ぶ入門書として、学校教育や生涯学習の場において、さらに効果的な活用が図られますよう、アンケート調査に寄せられた要望などを踏まえた内容へ、今般、改訂することとしたものでございます。
◆1番(木村謙一郎君) ただいま答弁にありましたように、これまで、みんなで学ぼういわきの歴史は小学校6年生の参考資料として用いられてきたわけですが、本市の歴史や文化に対する基礎的な知識を簡単に知っていただくために、より多くの方に活用していただくべきと考えます。 そこで、3つとして、今後の活用方法について市の考え方を伺います。
◎特定政策推進監(大和田洋君) 当該冊子は、地域の歴史を学ぶ入門書として適した内容でありますことから、引き続き市内の小学6年生児童に配布するほか、各地域の生涯学習の拠点施設である公民館等と連携し、市民講座や地域づくり活動に利用できる地域学習の教材として活用することも視野に入れております。さらには、市公式ホームページ上にも情報を公開するなど、より多くの皆様に、地域の歴史や文化を知る機会を提供し、将来に向けたまちづくりへの機運として、地域への愛着と誇りを地域の皆様とともに育んでまいりたいと考えております。
◆1番(木村謙一郎君) ただいま答弁にありましたように、地域の歴史や文化を知る入門書として、本当に広く、多くの方に利用されることを私も願いたいと思います。 続きまして、地域学講座についてお聞きしますが、最近、市内の各地域において開催されている地域学講座の案内等をよく目にします。広域のいわき市においては地域を細分化し、より細かい視点でふるさとの歴史や文化を学ぶという点で、大変すぐれた事業だと考えます。 そこで、4つとして、地域学講座のこれまでの取り組みについて伺います。
◎特定政策推進監(大和田洋君) 市内におきましても、地域がそれぞれの特徴を生かした自律的で持続的な社会を創生しようとする動きが高まってきておりますが、まちづくりを推進する上では、地域に暮らす方々が、その地域に興味・関心を持ち、将来に向けたまちづくりのあり方を考えていただくことが重要であります。こうしたことから、地域の皆様に、地域の動きや歴史などを学んでいただく機会を提供するため、これまで、内郷地区や常磐地区など5地区におきまして、地域振興担当員を中心に、公民館と連携しながら、その地区にゆかりのある研究者、教育者、企業家、会社員、地域住民など、さまざまな分野の方々を講師に、地域の動きや歴史などを学ぶ地域学講座を開講してきたところでございます。
◆1番(木村謙一郎君) ただいま5地区ということが答弁でございましたが、それでは次に、5つとして、地域学講座を他地域で開催することについての考え方を伺います。
◎
特定政策推進監(大和田洋君) 今年度につきましては、新たに小名浜及び勿来地区を加えまして、7地区程度での開催を予定しておりますが、他の地区からも開催に係る相談が寄せられておりまして、将来的には、平地区及び全12支所管内において、地域学講座を開設していきたいと考えております。
◆1番(木村謙一郎君) 地域学講座の最大のシンクタンクはやはりその地域に暮らす人々だと思います。昔のことをよく知る地元の人、あるいは由緒ある文化財を保有している方など、さまざまな形で多くの人が地域学講座にかかわり、そして、受講者としても多くの市民が参加することが望ましい姿だと思います。 そこで、6つとして、地域学講座を充実させるために、さまざまな段階で市民の協力を得て講座を開設する必要があると考えますが、市の所見を伺います。
◎
特定政策推進監(大和田洋君) 地域学講座の立ち上げに当たりましては、支所職員、公民館職員を事務局として、講座運営に当たっているところでございますが、将来的には、内郷地区において先行的に取り組んでいるような、市民の皆様、地域づくり団体、行政が一体となった実行委員会等を組織し、地域の個性や課題を探り、地域にふさわしいテーマ、講座、講師、会場手配等をみずから行うなど、自律性を高めていただきながら、住民主体の地域づくり活動へとつなげてまいりたいと考えております。
◆1番(木村謙一郎君) 先ほどありましたように、こういった地域学講座が市内全域に広がることを私も願いたいと思います。 それで2点目は、伝統的な民俗芸能等を継承していくための取り組みについてです。 市内にはさまざまな無形文化財が点在しておりますが、そのような伝統的な民俗芸能を知り、さまざまな形で次世代に継承していくことは、郷土愛醸成には欠かせない要素であります。 そこで、1つとして、民俗芸能を広く市民に認識していただき、継承していくための、市のこれまでの取り組みについて伺います。
◎
特定政策推進監(大和田洋君) 民俗芸能等を継承していくための市の主な取り組みといたしましては、広く市民に鑑賞していただく機会といたしまして、市指定無形民俗文化財じゃんがら念仏踊りやいわきの獅子舞を、毎年暮らしの伝承郷などの文化施設において実演しております。また、子供たちが市内の無形民俗文化財に触れる機会を提供することを目的に、無形民俗文化財活用事業を保存団体等の協力をいただきながら毎年開催しており、これまで国指定重要無形民俗文化財の御宝殿の稚児田楽・風流やじゃんがら念仏踊りの体験学習を実施してきております。
◆1番(木村謙一郎君) 伝統的な民俗芸能を広く市民に理解していただくための取り組みと同時に、伝統芸能を保持されている団体等への支援も重要であると考えます。 そこで、2つとして、伝統芸能の担い手である団体等への市の支援策について伺います。
◎
特定政策推進監(大和田洋君) 市指定無形民俗文化財の保存団体等に対し、一定の活動費や、衣装・用具の補修費用の一部を助成する指定文化財保存事業を実施しているところでございます。また、伝統芸能に対する市民の皆様の関心を高めていくため、開催情報などを市ホームページ等に掲載し、広く市民へ情報を発信する広報活動も行っているところでございます。
◆1番(木村謙一郎君) この辺の制度は、ぜひ担い手の方々と十分な意見交換をしていただきながら、より適切な支援を行っていただきたいと思います。 市民への周知、あるいは学校教育での活用、また活動団体への支援などについて伺ってきましたが、3つとして、伝統的な民俗芸能の継承に関する今後の考え方について伺います。
◎
特定政策推進監(大和田洋君) 地域の貴重な民俗芸能を保存・継承していくためには、世代間や地域間の交流を深め、民俗芸能は郷土の誇りであるとの共通意識を育むことが不可欠であると認識しており、現在実施している事業のほかにも、さまざまな機会を捉えて情報発信や育成支援に取り組んでまいりたいと考えております。
◆1番(木村謙一郎君) 地域の歴史や文化を知り、愛着と誇りを持つということはみずからのアイデンティティーを確認することであり、この土台がなければ他者への理解も深まらないと考えます。特に、やがてふるさと・いわきから羽ばたくであろう子供たちのことを考えた場合、みずからが生まれ育ったふるさとの文化や歴史をしっかりと理解していくことが、日本あるいは世界で活躍する人間として成長していくために、欠かせない教養の一つであると考えます。 また、5年前の大震災により、生まれ育ったふるさとが大きな被害を受け、そのことにより、地域のアイデンティティーについても、私たちは深く考えさせられたと思います。震災後、地元のお祭りや伝統文化が人々のきずなをつなぐ重要な役割を果たしてきた点について再認識し、震災で傷ついたコミュニティーの再生に大きな貢献をしていることも忘れてはならないと思います。 担い手不足や経済的な課題など、解決しなくてはならない問題も多くありますが、地域の伝統芸能を継承していくことは、我々が先人から託された大きな使命であります。継承の仕方は千差万別であり、担い手や地域の皆様のさまざまな考えに基づき行われていくものと考えますが、伝統的な民俗芸能が我々の生活で果たしている役割と、それを継承していく重要性を十分認識していただき、市としても適切で効果的な支援を行っていただくことをお願いし、次の質問に移りたいと思います。 3点目の質問は、いわきの歴史展についてです。 本市が有する地域の歴史や文化を学ぶための最大のツールが、市内各地域に点在する文化施設であります。 今年度は市内の文化施設等が連携し、いわきの歴史展を開催するとのことですが、まず、1つとして、いわきの歴史展に参加するいわゆる市内の文化施設や歴史展全体の構成などはどのようなものか、その事業の内容について伺います。
◎
特定政策推進監(大和田洋君) いわきの歴史展につきましては、歴史編として、考古資料館において磐城平藩の井上・安藤時代を取り上げた近世いわきの藩展Ⅲを、民俗編として、暮らしの伝承郷において本市の民俗学研究の軌跡を振り返るいわき民俗学の先達者展を、人物編として、文化センター科学展示室において、本市の歴史上の偉人を紹介するいわきの人物展を、それぞれ開催する予定でございます。
◆1番(木村謙一郎君) いわきの歴史展を成功させるためには、参加する文化施設の連携をスムーズに行う必要があると考えます。 そこで、2つとして、いわきの歴史展を開催するに当たり、全体のコーディネートを図る組織はどこになるのか伺います。
◎
特定政策推進監(大和田洋君) いわきの歴史展は、市制施行50周年を記念し、本市の歴史と文化を振り返り、市民の郷土史に対する理解を深め、本市の魅力を再発見してもらうことを目的に実施するものであり、本市の文化施策を担当する文化振興課において、総合的なコーディネートを担うものでございます。
◆1番(木村謙一郎君) ぜひリーダーシップを発揮して、各文化施設の連携を図って歴史展を成功させていただきたいと思いますが、所管にこだわらず市内の文化施設が連携し、さまざまな取り組みを進めていくということは、今回のいわきの歴史展に限らず、今後の本市の文化施設を利用した社会教育活動を支えていく上で大きな課題ではないかと考えます。 市内にどのような文化施設があり、そしてどのように管理されているのか、確認の意味も含めまして、3つとして、市内の文化施設の運営状況について伺います。
◎
特定政策推進監(大和田洋君) 市内の文化施設といたしましては、美術館、芸術文化交流館アリオス、考古資料館、アンモナイトセンター、草野心平記念文学館、草野心平生家、暮らしの伝承郷などがございます。これらは、いずれも本市の文化施策の専任組織として設置された文化振興課において所管しているところでございます。また、運営につきましては、美術館、芸術文化交流館アリオスは直営、それ以外の5施設は公益財団法人いわき市教育文化事業団が指定管理者となっております。
◆1番(木村謙一郎君) 残念ながら、市内には、市立の登録博物館は1つしかないと、そういう状況にあります。32万人の中核市に自前の登録博物館が1つしかないという点に関しては、これまでもさまざまな議論がなされてきたと伺っております。ただ、人口減少、あるいは自治体の消滅まで騒がれる現在のような状況において、新たに自前の総合博物館を整備しようというのは、なかなか合意を得るのは難しいとは思います。であるならば、本市としては、既存のそれぞれの文化施設が独自性を生かしながら、連携を強化することにより、全体として総合博物館の機能を発揮していくことが現状における最善策ではないかと考えます。 そこで、4つとして、今回の歴史展をきっかけに協議会のようなものを設置し、連携強化を推進していくべきと考えますが、市の所見を伺います。
◎副市長(上遠野洋一君) 文化施設間の連携につきましては、現在の文化振興課が所管する美術館、芸術文化交流館アリオスなどの各文化施設に、勿来関文学歴史館、石炭・化石館、総合図書館を加えた構成で文化施設連携会議を平成24年から毎年開催いたしております。そして、各施設で予定している企画展や連携方策などを情報交換し、効果的な運営に努めてきたところでございます。とりわけ、今年度は市制施行50周年記念事業として、ただいま話題になっておりますいわきの歴史を統一テーマに、各文化施設で歴史展を開催することから、これを契機として、今後も施設間の一層の連携強化に取り組んでまいる考えでございます。
◆1番(木村謙一郎君) 先ほども述べましたが、自前の博物館、つまり市立博物館については、やはり各施設が今言ったような会議体を通じながら、相互に連携を強め、その役割を果たしていくことで、機能を担うべきではないかと考えます。 一方で、県立あるいは国立という観点で考えた場合、例えば震災の影響により、取り残された状況にある双葉郡内の文化財保護を名目に、歴史系の博物館の誘致を国や県レベルで検討していくことも可能ではないかと思いますが、市の所見を伺います。
◎
特定政策推進監(大和田洋君) 市といたしましては、これまで地域の特性を生かして設置された既存の文化施設等について、施設間の連携を深め、事業の充実に努めることで、総合博物館としての役割を持たせるように努めてまいりました。今議員おただしの、双葉郡内の文化財保護を名目とした歴史系の博物館の誘致につきましては、平成23年5月から県立博物館や県の歴史資料館が中心となり双葉郡内で文化財レスキュー活動を実施してきている状況でもございますので、このような県の動きや双葉郡8町村の状況等を踏まえながら、情報の収集に努めてまいりたいと考えております。
◆1番(木村謙一郎君) 歴史系博物館の誘致ということにつきましては、あくまで例として今回お聞きしましたが、ほかにも福島第一原子力発電所の事故に伴う廃炉作業や、あるいは再生可能エネルギーの研究などを考えますと、産業などの他の分野においても、国や県のレベルで博物館を誘致していくことは検討する価値があるのではないかと考えます。 私は博物館は観光施設ではなく研究施設であると認識しております。その意味で、廃炉やイノベーション・コースト構想などのようなさまざまな研究が行われている浜通り地域には、知識の集積拠点が将来的には必要になってくると思います。その役割を担う施設が研究拠点としての本来の役割を発揮した博物館であるべきではないかと考えます。 そのような考え方に理解を示していただけるのであれば、本市における現有文化施設の有効活用、そして、国や県レベルでの博物館機能を有する研究施設の誘致という2つの考え方を軸としながら、既存の文化施設のあり方を整理し、文化創造都市の名にふさわしい社会教育活動の充実を図っていただくことを要望して、次の質問に移りたいと思います。 大きな質問の3番目は、沿岸部被災地域のまちづくりについてです。 1点目は、
防災集団移転跡地活用事業についてです。 この事業は、民間活力を生かした復興・創生プロジェクトと銘打っており、まさに復興創生期間の象徴的な事業の一つということで、取り組みを進める担当当局の事業の成功に向けた思いの強さも感じております。同時に、被災した地区においてはこの事業の成否によって、地区の将来が大きく左右されると考えており、人口流出に悩む沿岸部被災地域の再建に向けた起爆剤にしたいという強い願いがあります。 昨年末に開始された参加登録から6カ月が経過し、議会でも何度か質問が行われておりますが、改めて事業の進捗等について伺っていきます。 まず、1つとして、公募の結果について伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君)
防災集団移転跡地活用に係る事業計画公募の結果につきましては、全4地区のうち、末続、金ケ沢及び錦町須賀地区に計7者から参加登録があり、そのうち、受付期間内に末続地区に2者、金ケ沢地区に3者の計5者から事業計画提案書が提出されたところでございます。その後、3月16日に事業計画審査委員会を開催いたしまして、事業者によるプレゼンテーションを踏まえ事業計画の評価を行った結果、末続地区におきましては、エビの養殖及び水耕栽培事業者とバイオマス発電事業者の2者を、また、金ケ沢地区におきましては、養鶏事業者を選定したところであります。
◆1番(木村謙一郎君) それでは次に、2つとして、協定締結の見通しについて伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君) 跡地活用事業パートナー基本協定の締結の見通しといたしましては、審査委員会において選定された事業者と協定締結に係る協議をこれまで進めてまいりましたが、末続地区につきましては、事業実施に向けた追加の調査や資金調達に係るさらなる検討が必要であるなどの理由から、早期の協定締結は困難であるとして、両事業者から、今月3日付で辞退届が提出されたところであります。 また、金ケ沢地区につきましては、5月22日に地元説明会を開催したところではありますが、鶏の鳴き声やにおいに対する不安から、養鶏事業に反対する意見が多く寄せられるなど、現時点におきまして、地区の合意が得られていない状況にあります。
◆1番(木村謙一郎君) それでは次に、3つとして、応募がなかった地区、あるいは協定締結には至らない地区について、今後どのように事業を進めていくのか、市の考えを伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君) 今後の進め方についてでありますが、今回の公募では、約3カ月の公募期間に市内外の事業者計7者から参加登録があるなど、跡地活用に係る一定の需要が確認されたことから、今回、協定締結に至らない地区や応募がなかった地区につきましても、引き続き企業等へ積極的にPRを行いながら、再度、事業計画の公募を行ってまいりたいと考えております。
◆1番(木村謙一郎君) なかなか苦労しているという現状だと思いますけれども、これまで、震災からの復興においては、被災者が一日も早く日常の生活を取り戻すために、そのスピードが求められてきました。しかし、震災から5年が経過した今、その中身や質についてさまざまな意見が聞かれるようになっております。 復興のスピードと質という2つの点について、私たちは慎重に議論を重ね、常にその2つのバランスと事業の効果に細心の注意を払わなくてはならないと感じております。早くていいものがベストではありますが、それができないとき、どのような決断を下すべきなのか、移転跡地の活用を進めるに当たり、この点を深く考えさせられたような気がしております。 先に述べましたように、跡地の活用にはその地区の命運がかかっているといっても過言ではありません。10年、20年、あるいはもっと先の時代に、あのときの選択が間違っていなかったと言ってもらえるような成果を挙げられるよう、住民と力を合わせて粘り強く事業の進捗を図っていただきたいと思います。 それでは次に、2点目の質問に移ります。 2点目は、景観形成についてです。 平成28年3月に市内では3番目となる景観形成重点地区として久之浜はまかぜロードが指定を受けました。中心となる県道久之浜港線は、その一部が震災復興土地区画整理事業が行われているエリアにおける主要道路としても位置しておりまして、今回の指定は被災地域における魅力的なまちづくりに向けた大きな後押しになると期待しているところであります。 今回の取り組みが、他の沿岸部被災地域においても進められることを願いますが、そこで1つとして、沿岸部被災地域における景観形成に向けた取り組みの現状について伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君) ただいま議員よりお話ありましたように、沿岸部被災地域のうち、久之浜地区におきましては、地域の皆様と市が協働で良好な景観を形成するために必要なルールとなる地区景観形成基準等を定め、本年3月に、県道久之浜港線等の沿道を景観形成重点地区に指定し、久之浜はまかぜロードと命名して、港まちにふさわしい個性豊かなまちづくりを進めていくこととしたところであります。 また、薄磯・豊間両地区におきましても、現在、海まち・とよま市民会議を初め、地域の皆様が主体となり、良好な景観形成に向けて、どのような手法が望ましいかや、建物や駐車場、外構などのルールについて、話し合いを進めているところであります。
◆1番(木村謙一郎君) 沿岸部被災地域で景観形成に向けた動きがある、これから生まれてくるのかなと思いますが、それらを具現化していくためには、まずは地元関係者の機運の醸成というものが必要不可欠であると考えます。 そこで、2つとして、地域の機運の醸成に向けた支援や取り組みについて伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君) 景観形成に向けた取り組みへの支援についてでありますが、薄磯・豊間両地区におきましては、これまでも、地域の皆様と景観形成による魅力づくりの重要性・必要性について話し合いを進め、機運の醸成を図ってきたところであり、現在は、調和のとれた良好な町並みを目指す建築協定や、緑豊かで潤いのある住環境を目指す緑地協定、さらには景観形成重点地区制度等の景観形成の手法や事例を紹介いたしまして、技術的なアドバイスを行いながら、地域の皆様と市が協働で、良好な景観形成に向けて、取り組みを行っているところであります。
◆1番(木村謙一郎君) ぜひほかの沿岸部被災地域でも、さまざまな手法があると思うんですけれども、景観形成に高い関心を示していただきながら、まちづくりを進めていただきたいと思います。 景観形成の手法にはさまざまなものがありますが、現在全国的に関心が高まっているのが、夜間の照明計画であります。一般に都市部においてその取り組みが進められておりますが、例えば、釜石市のように高台への避難誘導効果に配慮した照明設備の設置に向けた取り組みなど、東日本大震災で被害を受けた被災地においても夜間の景観に配慮したまちづくりが進められている例もあります。 一昨年、久之浜地区においては、この夜間照明による景観形成に関する社会実験が行われました。地区の皆さんや大学等の協力を得て行われたものでありますが、住民の皆さんの反響は大変よいものでありました。地区の地形的な特性を生かし、工夫を凝らした照明計画により、情緒ある夜の町並みが形成されており、夜間照明によるまちの魅力向上の効果がいかに大きなものであるのかということを私も実感させていただきました。 本市としても、市民の安全・安心、そしてまちの魅力向上の手段として、夜間の景観形成については調査・検討が進められるべきと考えます。 そこで、3つとして、夜間照明を活用した景観形成についての基本的な考え方について伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君) 夜間照明を活用した景観形成についてでありますが、夜間照明は、美しい夜間景観の形成を図るとともに、夜間の活動や利便性の向上につながることなどの役割があり、魅力ある景観を形成するためには重要であると認識しております。このようなことから、震災復興土地区画整理事業を進めている沿岸部被災地域におきましては、今後の防犯灯設置を契機として、夜間照明のあり方や景観形成に対する意識の高まりを踏まえながら、避難誘導や防犯性の観点も考慮して、検討していく必要性があると考えております。
◆1番(木村謙一郎君) 夜間の景観形成において先駆的な取り組みを行っている金沢市においては、今後の課題として、公共照明と民間の明かりをうまく活用するために、役割の分担が重要であるとしております。また、防犯灯においても周辺環境に調和した設置が求められるため、庁内において関係部署との連携が必要であるとも述べられております。以上のことからも、夜間景観の形成には、住民、そしてさまざまな関係当局との連携が必要不可欠であると言えます。 そこで、4つとして、関係機関や住民の連携に向けて、市が果たすべき役割をどのように考えているのか伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君) 夜間の景観を形成する照明といたしましては、県や市などの道路管理者が整備する道路照明、地元自治会等が管理する防犯灯や商店街が設置する街路灯、さらには、各個人の住宅や商業施設等の照明など多様な照明があります。このことから、市といたしましては、夜間照明を活用した良好な景観形成を図るためには、これら設置者の意向等を十分踏まえながら、連携して取り組んでいくことが重要であると認識しております。
◆1番(木村謙一郎君) 本当にこの連携が重要でありまして、ただいま御答弁ありましたように、それをどうやって具体化していくかというのが今後求められてくると思うんですけれども、それと同時に景観形成を進めていく上で、もう一つ必要不可欠と考えられているのが専門家の存在であります。特に夜間の景観形成については、昼間の景観形成と異なり、その土地の特性を生かす必要があり、最適な照明計画をつくり上げるための調査や実験が必要な場合もあります。例えば神戸市においては、景観形成を進めていくために専門家の派遣などに対する支援制度が創設されております。 本市においてもそのような制度を導入し、専門家のアドバイスのもと、住民主体による夜間の景観形成の取り組みを推進すべきと考えますが、そこで5つとして、景観形成に向けた市独自の支援制度の導入について所見を伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君) 地域が主体となった景観形成に向けた取り組みにつきましては、これまでも県景観アドバイザー制度を活用し、市主催による景観フォーラムや講習会を開催するなど、地域住民の景観形成の理解を深める取り組みの支援を行ってきたところであります。今後につきましても、地域が主体となった景観形成に向けた取り組みにつきましては、夜間の景観形成も含めまして、これまでの講習会開催に加え、地域が主催する勉強会等へ専門家を派遣するなどの支援について、検討してまいりたいと考えております。
◆1番(木村謙一郎君) 神戸市の場合は、アドバイザーの派遣は予算の範囲内で、1地区当たり上限10回までとなっております。ちなみに助成率に関しましては3分の1または2分の1以下で、上限が500万円となっております。この制度には勉強会やまち歩き、具体的な場所での調査・実験等への支援も含まれておりますので、このような額になっていると思いますが、この辺も参考にしていただき、検討していただくことを要望したいと思います。 さきに述べましたように、夜間景観に対する取り組みは、全国的には基本的に都市部を基本として進められてきた経緯があります。このいわきにおいても小名浜臨海地区、あるいは常磐湯本の温泉街など、夜間照明の活用による景観形成によって、魅力の向上を図られる地区が多くあると考えます。現在、まちづくりが行われている沿岸部被災地域はその意味で絶好のテストフィールドであり、このエリアでまずは先駆的な取り組みを行うことにより、将来的には夜間の景観形成に関する整備計画等を策定するなどして、市内の他地域においても趣あるまちづくりが行われるべきと考えます。 そのような観点から、6つとしまして、夜間照明の整備計画等の策定について、市の所見を伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君) 現在、薄磯・豊間両地区におきましては、景観形成のルールづくりが進められているところでありますが、市内各地におきましても、地区の特色あるまちづくりの検討が進められております。市といたしましては、今後、地域が主体となって夜間の魅力ある景観形成に取り組む機運の醸成を見きわめながら、地域の特徴を生かした具体的な景観形成の取り組みについて、検討してまいりたいと考えております。
◆1番(木村謙一郎君) まちづくりを考えた場合、大規模な再開発などは巨額の資金が必要とされますが、この夜間の照明を利用した景観形成に関しては、それに比べれば比較的安価に、そして魅力的なまちづくりができるのではないかと考えておりますので、ぜひ積極的に調査研究をしていただいて検討を進めていただきたいと思います。 ちなみに金沢市の場合は、条例制定までには約4年の調査研究などが行われたということでありますので、実効性のある条例等を策定するにはそれなりの時間が必要であるということも認識しております。しかし、魅力あるまちづくり、そして交流人口の拡大などにおいても効果が発揮される、照明を活用した夜間の景観形成については、私は、改めてにはなりますが、ぜひ推進すべき施策であると考えておりますので、将来的な条例等の制定も視野に入れながら、この分野での積極的な施策展開を要望させていただきたいと思います。 震災から5年が経過し、被災地域におけるまちづくりも新たなステージに入ってきたと感じております。次のステージである復興創生期間においては、沿岸部被災地域のまちづくりで得られたさまざまなノウハウが、市内の他地域へと波及し、地域創生へとつながっていくことが目指すべき姿ではないかと思います。これまでの被災地域での取り組みがそのような流れの中で生かされ、本市の発展につながることを心から願い、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(根本茂君) ここで、午後1時まで休憩いたします。 午前11時32分
休憩--------------------------------------- 午後1時00分 再開
△狩野光昭君質問
○副議長(遊佐勝美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。11番狩野光昭君。 〔11番狩野光昭君第二演壇に登壇〕
◆11番(狩野光昭君) (拍手)11番いわき市議会創世会の狩野光昭です。 13歳から83歳で病没されるまで、ハンセン病で四国の国立療養所大島青松園で暮らしていた塔和子さんの数多い詩の中から胸の泉にを紹介します。 「かかわらなければ この愛しさを知るすべはなかった この親しさは湧かなかった この大らかな依存の安らいは得られなかった この甘い思いや さびしい思いも知らなかった 人はかかわることからさまざまな思いを知る 子は親とかかわり 親は子とかかわることによって 恋も友情も かかわることから始まって かかわったが故に起こる 幸や不幸を 積み重ねて大きくなり くり返すことで磨かれ そして人は 人の間で思いを削り 思いをふくらませ 生を綴る ああ何億の人がいようとも かかわらなければ路傍の人 私の胸の泉に 枯れ葉いちまいも 落としてはくれない」 ハンセン病という、言葉では言いあらわせることができない差別を受け続けても、人とのかかわりの中で生きる希望を見出すことの大切さを訴えています。塔和子さんの詩には一貫して人間の尊厳を問い、一生懸命生きようとする魂の叫びとして、読者の心に響く詩が多くあります。 以下、通告順に従い質問をいたします。 大きい質問の1つ目は、誰もが安心して暮らせるまちづくりについてです。 質問の1点目は、視覚障がい者への支援についてであります。 以下の質問は、視覚障がい者グループの皆さんの要望でもあります。 最初に、市内の過去5年間の視覚障害での身体障害者手帳取得者の人数などについて伺います。
◎保健福祉部長(園部義博君) 身体障害者手帳所持者のうち視覚障がい者の数は、各年度4月1日時点で、平成23年度は、18歳未満が15人、18歳以上が1,335人、計1,350人。同じく平成24年度は、18歳未満が12人、18歳以上が1,312人、計1,324人。平成25年度は、18歳未満が14人、18歳以上が1,308人、計1,322人。平成26年度は、18歳未満が13人、18歳以上が1,264人、計1,277人。平成27年度は、18歳未満が12人、18歳以上が1,234人、計1,246人となっております。 また、平成27年4月1日時点において、身体障害者手帳所持者のうち視覚障害となった原因疾病について、多い順に申し上げますと、緑内障が219人、糖尿病性網膜症と網膜色素変性症がそれぞれ145人などとなっております。
◆11番(狩野光昭君) 今の数字を見ると、18歳以上の方が多いということは、比較的高齢になって視覚障がい者になる人がふえているということを読み取れるのかなと思っております。そういう中で、視覚障害者手帳取得対象者の発掘が重要となってきておりますけれども、平成27年度の視覚障害者手帳交付人数は、先ほど報告がありましたように、1,246人となっていますが、高齢者など本来身体障害者手帳の取得対象者であるにもかかわらず、この制度を知らないでいる視覚障がい者がいます。 医師からの紹介や市民への広報活動などを積極的に行うべきと考えますが、いわき市の所見について伺います。
◎保健福祉部長(園部義博君) 身体障害者手帳につきましては、身体障害者福祉法に基づく障害程度に該当すると認定された方に対して交付されるものであり、身体障害者手帳指定医による診断書を添えて地区保健福祉センターへ申請いただき、種別、等級の審査を経て交付をすることとなります。現在、身体障害者手帳の申請方法については、障害に関する各種のサービスや相談及び手続の窓口等について掲載した冊子くらしのおてつだいを発行し、地区保健福祉センターや支所に備えつけているほか、市ホームページに掲載するなど、周知を図っているところであります。 今後におきましても、高齢者への一層の周知に努める必要があると考えており、医療機関との連携や、地区保健福祉センター、地域包括支援センター及び居宅介護支援事業所等を通じた障害保健福祉制度の周知に努めてまいりたいと考えております。
◆11番(狩野光昭君) いわき市は、先ほど部長からの報告で、くらしのおてつだいのパンフレットを障がい者に交付しておりますけれども、障害福祉サービスなどの利用について、お知らせをしているというところであります。しかし、視覚障がい者には、音声コードを知らない人もおり、パンフレットの内容について十分に理解されていない状況があります。 対象者に積極的にお知らせをするなど、改善策について伺います。
◎保健福祉部長(園部義博君) 音声コードにつきましては、文字の内容をコード情報に変換して紙に印刷した切手大のもので、専用の読み取り装置に当てることで、音声により文字情報を読み上げることができます。音声コードを読み上げる装置につきましては、日常生活用具給付等事業の品目となっており、学齢児以上の重度視覚障がい者等については、原則、費用の1割を負担することで利用することができます。 現在、同事業については、身体障害者手帳交付時に案内しておりますが、手帳交付後も相談に対応できるよう、委託相談支援事業者や指定特定相談支援事業者等の相談支援機関との連携を図り、一層の周知に努めてまいりたいと考えております。
◆11番(狩野光昭君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。 続いては、盲人用体重計など視覚障がい者の主なる日常生活用具の平成27年度の利用状況について伺います。
◎保健福祉部長(園部義博君) 平成27年度における視覚障がい者を対象とする日常生活用具の主な品目の給付状況につきましては、盲人用体温計が8件、盲人用体重計が5件、視覚障害者用ポータブルレコーダーが13件、点字図書が2件、視覚障害者用拡大読書器が18件、盲人用時計が14件などとなっております。
◆11番(狩野光昭君) 大分利用率が低いかなと思いますので、積極的に該当者に宣伝をしていただきたいと思います。 続いては、日常生活用具の利用促進に向けた取り組みについて伺います。
◎保健福祉部長(園部義博君) 日常生活用具給付等事業につきましては、障害がある方の日常生活がより円滑に行われるための用具を給付することで、福祉の増進に資することを目的とした事業であり、身体障害者手帳交付時に、地区保健福祉センターにおいて、各種障がい福祉サービスの一つとして説明しているところであります。今後につきましても、事業の趣旨を踏まえ、手帳交付後も相談に対応できるよう、委託相談支援事業者や指定特定相談支援事業者等の相談支援機関との連携を図り、一層の周知に努めてまいりたいと考えております。
◆11番(狩野光昭君) 続いての質問は、拡大読書器の再利用について伺います。 視覚障がい者で約10万円もする拡大読書器を利用している人がいます。利用者の中には、視覚機能が低下して拡大読書器を利用できなくなり、置物として使っているケースが出てきております。 そのような視覚障がい者と連絡をとり、市で引き取り有効活用を検討すべきと考えますが、いわき市の所見を伺います。
◎保健福祉部長(園部義博君) 視覚障害者拡大読書器につきましては、機器を活用することで、文字等を読むことが可能となる学齢児以上の視覚に障害がある方を対象として給付をしております。その再利用に当たりましては、給付後の利用状況や耐用年数などについて考慮する必要がありますことから、個々の状況に応じて対応してまいりたいと考えております。
◆11番(狩野光昭君) ぜひ連絡をとって、個々の事情で対応してもらいたいと思います。 続いては、いわき市における在宅生活訓練士の配置についてであります。 福島県はことしの9月1日から10月31日にかけて、中途失明者緊急生活訓練事業である在宅生活訓練を開催し、歩行訓練や音声パソコンの操作方法などについての訓練を行います。申し込み日は締め切りを過ぎましたが、いわき市障がい福祉課が窓口となっています。いわき市においても中途失明者がふえており、なおかつ、県内で一番多く視覚障がい者がいます。 いわき市として、歩行訓練や音声パソコンなどを指導する訓練士を配置して、恒常的に生活訓練を派遣できる体制を整えるべきと考えますが、いわき市の所見について伺います。
◎保健福祉部長(園部義博君) 本市における中途視覚障がい者に対する在宅生活訓練につきましては、毎年度、福島県が実施しております、ただいまお話にございました中途失明者緊急生活訓練事業を活用しているところであります。中途視覚障がい者への支援につきましては、障害を受けとめるに際しての、本人や家族への心のケアを初め、年齢や障害特性に応じた関係機関との連携が重要であると認識しておりますことから、引き続き福島県の事業を活用するほか、相談支援体制の充実及び関係機関との連携強化に努めてまいりたいと考えております。
◆11番(狩野光昭君) ぜひ関係機関との連携を深めて、できるだけいわき市も一緒になって支援をしていただきたいと思います。 続いて、身体障害者補助犬への理解促進についてであります。 身体障害者補助犬法や障害者差別解消法により、障害があるということだけで、正当な理由なくサービスの提供の拒否や制限するなどの行為は禁止されています。障害者補助犬、つまり盲導犬・聴導犬・介助犬を伴って飲食店など利用する場合に、拒否や利用禁止は禁止されています。最近、盲導犬を同伴した視覚障がい者が、飲食店の入店拒否にあったケースがありました。とても残念なことであります。 厚生労働省が作成しているほじょ犬シール、これですね。あとは、ほじょ犬もっと知ってBOOK、これなんですけれども、この2つについて商工会や当該飲食店会と連携しながら配布していただき、法律の周知徹底を図るべきと考えますけれども、いわき市の取り組みについて伺います。
◎保健福祉部長(園部義博君) 身体障害者補助犬への理解促進につきましては、現在、市ホームページや広報いわきへの掲載、市本庁舎、総合保健福祉センター等におけるポスターやチラシの掲示等により、啓発に努めているところであります。また、入店拒否の相談があった場合は、速やかに当該店責任者に対し、事実及び対応状況を確認するとともに、身体障害者補助犬法の趣旨について説明し、理解を求めた上で、啓発用パンフレット等を送付するなど、その都度、対応しております。今後につきましては、障がい者団体の意見を伺うなど、さらなる啓発に努めてまいりたいと考えております。
◆11番(狩野光昭君) よろしくお願いしたいと思います。 この項最後の質問は、共立病院におけるロービジョン外来の開設についてであります。 毎年、中途視覚障がい者となる人がいる中で、その人たちへ視覚的補助用具の選定訓練や社会的自立をサポートする相談、情報提供及び心理的サポートなどのケアを行うロービジョン外来を共立病院に開設する必要性が高まっていますけれども、共立病院としての考えを伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) ロービジョン外来は、視覚障害のある患者さんに、補助用具の選定や訓練などを行うことにより、現存する視機能を生かし、快適な生活を送れるようにすることを目的とした専門外来であります。市内におきましては、民間の1医療機関が、このロービジョン外来を開設しており、また、他の眼科専門医療機関におきましても、一般の外来窓口において同様の対応を行っていると伺っております。 当院は、高度急性期医療を担う中核病院として、他院から紹介された患者さんに対し、高度で専門的な医療を提供することを基本としており、眼科におきましても、重症の白内障や糖尿病性網膜症を初め、主に重症度の高い疾病の外科的治療など、高度医療に力を入れているところです。加えまして、視覚障害がある患者さんから、補助用具等について相談があった場合には、その選定や使用方法の指導を実施するなどの対応も行っているところであります。今後におきましても、市内の医療機関相互の役割分担や医療需要の動向を踏まえ、安全・安心な医療の提供に努めてまいりたいと考えております。
◆11番(狩野光昭君) 今の答弁の中で、できるだけですね、該当者に対する情報提供、そういったことが一番重要となっておりますので、そこら辺を重点に対応していただくことを要望して、次の質問に移っていきたいと思います。 質問の2点目は、社会的ハンデのある人の支援についてであります。 全国では日常的にたんの吸引や人工呼吸器の使用など、医療的ケアが必要な児童・生徒が多くいます。平成26年度、全国で医療的ケアが必要な児童・生徒数は特別支援学校で7,774人、公立小・中学校で976人います。文科省も平成25年度から163人増加しており、特別支援学校だけでなく、公立の小・中学校においても医療的ケアを行う体制を充実していくことが望まれると指摘しています。 福島県内においては、医療的ケアが必要な児童・生徒数は130人となっています。いわき市内の福島県立いわき養護学校の高等部に1名おり、看護師も1名配置されています。また、先日訪問した福島県立平養護学校には小中高、合わせて28名います。小学生が16名で一番多い人数となっています。看護師は6名、認定特定行為業務従事者は13名が配置され、医療的ケアの支援を行っています。また、家庭や病院での訪問教育を受けている児童が6名います。通学している高校生の1人は大学進学を目指しています。どのような身体や健康状態に置かれても、憲法第26条に基づき学習権を保障することで、子供の将来への選択肢が広まっています。 平成27年度、市内公立小・中学校において医療的ケアが必要な児童・生徒がいるのか伺います。
◎教育長(吉田尚君) 平成27年度現在、医療的ケアが必要な児童・生徒は、本市小・中学校においても在籍しております。当該児童・生徒が在籍している学校におきましては、保護者と十分に話し合いを行い、実態をよく把握した上で、適切に対応しているところであります。また、市教育委員会といたしましては、医療的ケアが必要な児童・生徒に対しては支援員を配置し、担任や養護教諭による状況観察に加え、小さな変化を見逃さないようきめ細かな対応に努めているところでございます。
◆11番(狩野光昭君) 今後、医療の高度化や公立小・中学校で教育を受けさせるという保護者の要望がふえ、医療的ケアが必要な児童・生徒の通学がふえてくることが予測されます。これまで以上の支援体制の整備を要望し、次の質問に移ります。 医療的ケアが必要な乳幼児や児童・生徒の障害福祉サービス内容について伺います。 先日、日常的に医療的ケアが必要な子を持つ母親が妊娠をするため、妊娠の入院期間中に、医療的ケアが必要な障害を持つ子への福祉サービスはどのようなものがあるのか相談を受けました。 市内では、どのような障害福祉サービスの提供が受けられるのか伺います。
◎保健福祉部長(園部義博君) 医療的ケアを要する障害のある児童が利用可能な障害福祉サービスといたしましては、障害者総合支援法に基づくサービスとして居宅介護、短期入所及び日中一時支援などが、児童福祉法に基づくサービスとして障害児通所支援などがあります。なお、利用につきましては地区保健福祉センターが窓口となっております。
◆11番(狩野光昭君) 介護をする家族の負担を軽減するために、子供を一時的に預かることができる施設の整備など、家族の負担軽減をするための支援の充実が求められております。 いわき市の今後の支援策について伺います。
◎市長(清水敏男君) 支援の充実につきましては、障害福祉サービスや障害児通所支援の給付等のほか、平成25年度には、重症心身障がい児にも対応できる障害児通所支援や短期入所の機能を備えた施設整備への補助を、平成26年度からは、地域における支援体制の強化を図るために児童発達支援センター機能強化事業を実施しているところであります。また、サービス内容や事業のあり方などの諸課題について協議し、支援体制の充実を図ることを目的に、いわき市地域自立支援協議会の下部組織である児童・療育支援部会を開催しているところであり、今後につきましても、障害福祉サービス及び相談支援体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
◆11番(狩野光昭君) 今こういった対象者は、必要なサービスがあるにもかかわらず、なかなか情報がわからなくて困っている、そういった状況がすごくあると思います。医療的ケアが必要な子を持つ家族に対して相談体制を充実し、その家族に合ったサービスが受けられるための情報提供が求められると思っております。そういったことをぜひ考慮をしていただきたいと思います。 この項の最後の質問については、いわき芸術文化交流館アリオス施設でのトイレの洋式化について伺います。 いわき芸術文化交流館アリオス施設を利用している高齢者から、アリオス旧音楽館3階などのトイレが和式となっているため、踏ん張りがきかないために、2階の洋式トイレを利用すると聞き及んでいます。お年寄りや体の不自由な人は洋式トイレを利用する人が多くなっています。 トイレを洋式化し、施設利用者の利便性の向上、福祉の増進に寄与するため、トイレの洋式化を検討すべきと考えますが、いわき市の所見を伺います。
◎
特定政策推進監(大和田洋君) アリオス別館のトイレにつきましては、館の設立に伴う旧音楽館の改修に際しまして、1階及び2階のトイレは洋式に改修し、3階及び4階のトイレは和式として残しているところでございます。これは、別館を日本舞踊等の稽古場として使用する和装の方への配慮によるものとしております。おただしの別館トイレの洋式化につきましては、高齢者や体の不自由な方の利便性、さらには近年の生活様式の変化等を踏まえますとともに、利用者の和式トイレの需要等も勘案しながら、そのあり方について検討してまいりたいと考えております。
◆11番(狩野光昭君) ぜひよろしく検討をお願いしたいと思います。 大きい質問の2つ目は熱中症予防対策についてであります。 気象庁の予測では、ことしの夏は観測史上最も暑かった2010年のときの大気や海の状況と似ていると言われています。市内でも、5月ごろから熱中症により救急搬送される市民がふえています。熱中症は予防することができ、万が一発症しても重症化を防ぐことができます。市民総ぐるみで熱中症予防対策をとることが求められています。 質問の1点目は、市内の熱中症の救急搬送状況についてであります。 平成24年以降の市内の熱中症による搬送件数について伺います。
◎消防長(草野正道君) 平成24年以降の市内の熱中症による搬送件数につきましては、平成24年152件、平成25年125件、平成26年162件、平成27年は195件、なお、本年は5月末現在4件となっております。
◆11番(狩野光昭君) 続いて、熱中症により救急搬送された年齢区分等の特徴点について伺います。
◎消防長(草野正道君) 平成27年の例で申し上げますと、年齢区分では、子供から高齢者まで、いずれの年代でも発生しておりますが、65歳以上の高齢者は55.9%を占めております。また、発生時間帯につきましては、午前中に33.3%、午後に47.2%、夜間に19.5%発生しております。なお、発生場所につきましては、自宅室内が50.8%と最も多く、そのほか、学校などの公共施設や屋外の作業現場でも発生しております。
◆11番(狩野光昭君) 高齢者の熱中症率が一昨年は50%だったんですけれども、またふえて55.9%ということで、やっぱり高齢者の対策というのは重要になってきてるのかなと思っております。 そういう中で、質問の2点目は市有施設での熱中症予防対策についてであります。 平成26年の6月定例会から今回で3年連続して、市民サービスの向上と職員の労働環境の改善に向けて、市有施設などの空調設備の整備について質問をしてきました。この間、空調設備が未設置の小名浜支所や勿来支所、常磐支所は平成28年度から供用開始となり、四倉支所、遠野支所においては年度内工事予定、内郷支所は平成29年度工事予定となっています。また、小川支所、川前支所については、庁舎整備とあわせて空調設備を整備する予定となっています。これで、全ての支所庁舎において空調設備が整備されることになりました。ありがとうございます。 しかし、支所庁舎以外の市有施設でのエアコン設置については、まだ整備されていないところが多くあります。以下質問していきたいと思います。 1つは、公立小・中学校における熱中症予防対策についてであります。 県内他市の公立小・中学校において、エアコン設置または整備計画を立てている自治体数について伺います。
◎教育部長(増子裕昭君) 県内13市中、公立小・中学校の普通教室にエアコンを設置している市は、中通りを中心に9市がございまして、その他の市については、現時点において設置を計画している市はございません。
◆11番(狩野光昭君) 県内多分13市あると思っておりますけれども、その中の中通りを中心として9市ということは、ほぼ普通教室にもエアコンが設置されていると考えていいのかなと思っております。 続いて、市内の公立小・中学校におけるエアコンの設置について伺います。 平成26年6月定例会で公立小・中学校の保健室へのエアコン設置の質問をしてきましたけれども、今年度においてエアコン設置の予算化がなされ、工事については小規模事業者に配慮し発注していることに対して、御礼を申し上げたいと思います。 さて、昨年に引き続き、小・中学校の普通教室にエアコンの設置の質問をさせていただきたいと思います。 小・中学校の夏の暑さ対策として普通教室に2台ずつ扇風機を設置して対処していますけれども、扇風機では室温の効果的な低下にはつながらないため、窓をあけて授業を進めております。窓をあけて授業を進めているために、スズメバチが教室に入り、駆除のために授業が中断したり、外気温が高いときは熱風が入ってくるところもあります。また、扇風機の騒音や送風により図工で使う各種学用品や学習プリントが飛ばされるなど授業に集中することが妨げられています。現在、12の小・中学校で耐震工事を実施しておりますけれども、騒音や粉じんが舞い上がるため、窓をあけないで授業をしているところもあると聞いております。 いわき市においてもエアコンを設置し、授業に集中できる環境を整え学力向上を図るべきと考えますけれども、いわき市の所見を伺います。
◎教育部長(増子裕昭君) 公立小・中学校の普通教室におけるエアコンにつきましては、本市の過去5年間の夏場における最高気温の平均が、中通りの各市と比べ1度から3度低いことに加え、各学校が熱中症対策として、日ごろから窓の開放や各教室に設置された扇風機の活用により室内の風通しをよくするとともに、児童・生徒に水筒を持参させ、適宜水分補給を行わせるなどの対応をしていることから、当面は見合わせてまいりたいと考えております。なお、扇風機の利用に当たっては、児童・生徒の学習の支障とならないよう、十分に留意しているところであります。
◆11番(狩野光昭君) 中通りより1度から3度低いというような回答ですけれども、年々浜通りのほうも暑くなっていることと判断できるし、例えば海岸線の場合はそうかもしれませんけれども、山間部だとかそういったところに行けば、やっぱり温度差というのはそんなにないのかなと思いますので、できるだけそういう地域の実情に合ったところでの対応をお願いしたいことを要望して、次の質問に移っていきたいと思います。 続いての質問は、市立公民館における熱中症予防対策についてであります。 市内36の公民館施設における平成27年度の利用者は822,719人となっています。公民館利用者の多くは高齢者と聞いています。高齢者は発汗による体温調節機能が十分に機能せず、脱水症を起こしやすく熱中症になりやすい体質となっております。 そこで、エアコンが設置されていない公民館施設での室内温度について伺います。
◎教育部長(増子裕昭君) 公民館36館のうち、館内に冷房設備がない公民館は14館となっております。そのうち、夏場の室内温度等を計測しているのは2館でありまして、計測の結果、2館とも昨年は月平均室温が30度を超えております。
◆11番(狩野光昭君) 2館しか計測していないということなんですけれども、例えば、前々年か質問したときは、大体市庁舎は全部、気温と湿度計を含めてはかっていたことがありますので、ぜひ全館において室温と湿度をはかるということを対策を練っていただきたいなと思っているところであります。そういうことで、30度を超えているというようなことがありますので、続いての質問は、エアコンが設置されていない公民館において、暑さ対策のため夏場の利用が減少すると聞いております。 公民館において熱中症予防対策と利用促進に向け、エアコンの設置を検討すべきと考えますけれども、いわき市の所見を伺います。
◎教育部長(増子裕昭君) 公民館の冷房設備につきましては、昨年度、赤井公民館においては2台、渡辺公民館においては1台エアコンを設置したほか、既存設備の老朽化対策といたしまして、現在、常磐公民館の冷暖房設備の改修工事を行っているところであります。今後におきましては、冷房設備が整備されていない公民館につきましても、要望等を踏まえ、冷房設備の設置について、早急に検討してまいりたいと考えております。
◆11番(狩野光昭君) ありがとうございます。本当に夏場の利用者の減少もあると聞いておりますので、そういった整備をすることによって利用者がますますふえて、自分たちの自己啓発だとか、そういったことを含めて促進されるのかなと思っているところであります。よろしくお願いします。 大きい質問の3つ目は、社会人の学び直しについてであります。 質問の1点目はリカレント教育についてであります。 タレントの萩本欽一さんは痴呆症予防のため、73歳になり駒澤大学に入学しました。年をとったら積極的に勉強をしなければならないと言っています。駒澤大学には聴講生の制度があり、特定の講義を聞きに来る社会人がいます。高齢化社会の中では、これまでとは違った形で大学を利用する人もふえてくるのではないでしょうか。 私も50歳を過ぎてから、二度目の大学生活である福島大学に入学し、2つの学部と大学院を修了しました。当時娘も福島大学に通学していましたので、親子で仲よくキャンパスライフを送りました。福島大学には人文社会学群夜間主コースがあります。仕事に必要な専門知識を修得したい、広い教養を身につけたい、自分の生活・人生を見直したいという社会人の願いに応えるためのコースであります。そういった中で社会人特別入試で多くの社会人が入学をしています。また、文部科学省も、子供から大人までの学習を支援する生涯学習プラットフォーム(仮称)を開設する方針で、現役の会社員や再就職を目指す人たちの後押しをすることを検討しています。 そこで、福島大学の平成27年度の社会人入学者の人数について伺います。
◎教育部長(増子裕昭君) 福島大学の平成27年度社会人入学者の人数につきましては、福島大学事務局に確認しましたところ、社会人特別入学枠による入学者は、夜間主現代教養コースが29人、大学院で34人で合計63人とのことであります。なお、人間発達文化学類、行政政策学類などへの編入学につきましては、社会人特別入学枠の区分がないため、その人数は不明とのことであります。
◆11番(狩野光昭君) 63人も社会人として入学している。今お話ししたように、それぞれの学類ごとの3年次編入については、年齢制限が把握できないからわからないということでありますけれども、私は3年次編入で社会人で入ったことでありますので、そういったことを加味すると、63人以上、社会人からですね、福島大学で学んでいるのかなと思っているところであります。 続いて、市内の私立大学の平成27年度の社会人入学者の人数について伺います。
◎教育部長(増子裕昭君) 市内私立大学の各事務局に確認いたしましたところ、平成27年度社会人入学者は、いなかったということであります。
◆11番(狩野光昭君) 福島大学には、市の職員だとか県庁職員が高校を卒業して、入学して大学の資格を取っていろいろ行政のサービスだとか経済を学んで、それをまた行政のほうに生かしていくといういい循環が流れているんですよね。そういった中で、市内のいわき明星大学、あるいは東日本国際大学に、誰も入学していないということは本当に残念なことだなと思いますので、できるだけここにいる人も、チャレンジをしていただきたいなと要望して、次の質問に移っていきたいと思います。 市内の私立大学への社会人入学の奨励について伺います。 社会人の大学での学び直しについて市として積極的に奨励し、高い教養と文化を有するまちいわきとしてアピールすることが人口の増加につながると考えますが、いわき市の所見について伺います。
◎教育部長(増子裕昭君) 市内の私立大学につきましては、市民に対して多様な学習機会を提供するため、社会人特別入学枠を設定しているほか、一般市民を対象とした開放授業や公開講座を無料で開催しているところであります。このような各大学での取り組みは、本市の生涯学習環境を形成する上で、重要な取り組みであると認識しております。一方、市といたしましては、市内の大学等の高等教育機関などと連携・協力しまして、市民の高度で専門的な学習ニーズに対応したいわきヒューマンカレッジ事業を実施しているところであります。今後とも大学と連携・協力を図りながら、リカレント教育・学び直しの機会の充実に努めてまいりたいと考えております。
◆11番(狩野光昭君) できれば、いわき明星大学、東日本国際大学でも社会人枠というものを受け入れるような働きかけをして、そういう講座とかではなくてきちっと入学できて資格を取れる、そういった奨励を働きかけていただきたいということを要望して、次の質問に移っていきたいと思います。 質問の2点目は、福島大学農学系学部の誘致についてであります。 福島市を中心に県北地方と相馬地方の市町村、郡山市を中心に田村郡と石川郡の町村と双葉郡8町村、田村市、鏡石町と天栄村、白河市と西白河郡、南会津郡の7グループが市町村の執行部と議会及び農業団体や経済団体と一緒になって福島大学農学系学部の誘致を県や福島大学にアプローチしています。福島市や郡山市などは3月定例会で議会決議を行っています。 農学系学部設置は東日本大震災と原発事故で打撃を受けた本県農業を支える人材を育成することを主な目的としています。原発事故で被害を受けている浜通り地域の復興の拠点となっているいわき市が最も目的に合致している地域と考えます。 これまで、いわき市も誘致に向けた取り組みを行ってきていますけれども、これまで以上に双葉郡8町村と連携し、農学系学部の誘致の取り組みを検討すべきと考えますけれども、いわき市の所見を伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 福島大学における農学系学部の創設につきましては、昨年11月に、福島大学農学系人材養成機能のあり方に関する協議会により、1次報告書が作成され、育成すべき人材像や組織のあり方が示されたところでございます。また、本年4月に農学系教育研究組織設置準備室が設置され、入学者の選抜方法、教育方法や内容、さらには必要な組織等の具体的な検討を進めているとのことでございます。これまで、市といたしましても、平成27年12月下旬、市長によるトップセールスを初め、本年3月下旬には事務方による意見交換を行うなど、大学との情報交換を行ってきたところでございます。 大学によりますと、設置場所の選定につきましては、設置準備室においてカリキュラム等を作成し、カリキュラムに応じた施設整備等の検討後としており、また、現段階での誘致合戦は困惑を生むだけなので、大学としても望んでいない状況と聞き取ったところでございます。このため、今後も引き続き大学の動向等について、準備室との定期的な意見交換を行うとともに、情報収集に努め、研究拠点の設置も視野に入れながら、適時適切かつ冷静な対応に努めてまいりたいと考えております。
◆11番(狩野光昭君) ただ私が心配するのは、各新聞等には、7ブロック、7グループということで、ほとんどいわき市以外はきちっと、執行部と議会と農業団体、経済団体で、県だとか福島大学に要請しているんですね。どうもいわき市だけが取り残されているような気がしてやみませんので、いわき市全体の総体として、福島大学がいわき市に来ていただくことを望んでいるんだというようなことの意思表示も、私は必要なのではないかなと思いますので、ぜひそういったことも検討していただきたいと思っております。 最後の質問は、(仮称)福島阿武隈風力発電構想についてであります。 質問の1点目は、(仮称)福島阿武隈風力発電構想の概要についてであります。 福島県の(仮称)福島阿武隈風力発電構想のホームページを見ると、北は南相馬市から南はいわき市までの11市町村の阿武隈高原地東側の丘陵地域に、出力最大70万キロワットの風力発電機を設置する構想となっています。計画段階環境配慮書の縦覧が2月2日から3月2日の期間で実施されました。福島県に問い合わせたところ、市内の縦覧者は3人とのことでした。いわき市にも大きな影響を及ぼすことが考えられます。 この構想の概要について伺います。
◎生活環境部長(小野益生君) (仮称)福島阿武隈風力発電構想は、福島県、株式会社ジャパンウィンドエンジニアリング、株式会社ユーラスエナジーホールディングス、エコ・パワー株式会社の4者を構成員とする福島県阿武隈風力発電環境アセスメントコンソーシアムを事業主体として、福島県再生可能エネルギー推進ビジョンの主要施策の一つである風力発電所の新設により、エネルギー自給率の向上と温室効果ガスの抑制に寄与するクリーンエネルギーの供給を図り、さらに風力発電機の設置等に係る関連業務を地元企業へ可能な限り発注することにより、雇用の創出や地元産業の振興を図るとともに、売電収益の一部を利用して復興支援や地元振興に貢献しようとするものです。 なお、風力発電機の概要につきましては、出力3,500キロワット、ローター径約137メートル、高さ約178.5メートルの仕様のものを事業実施区域内に200基設置する予定となっております。 今後の事業スケジュールにつきましては、福島県によれば、今年度中に公募により風力発電事業者を決定し、環境影響評価法の手続を経て、早ければ平成32年に風力発電所の建設工事に着手する予定とのことであります。
◆11番(狩野光昭君) 質問の2点目は、この構想のいわき市の所見についてであります。 この構想が実施されると、高さ約178メートルの風力発電タワーが、二ツ箭山北部の猫鳴山付近から南相馬市南部の丘陵地までの間に約200基が建設されます。 4月において、地元の登山愛好者から、猫鳴山付近の稜線が風力発電所建設準備で登山道が荒らされているとの連絡がありました。いわき市内の登山愛好者や山岳会の皆さんは、二ツ箭山~猫鳴山~屹兎屋山の縦走登山道の景観が大幅に変わり、どのようになるのか心配されています。また、開発地はオオタカの生息地にもなっており、動植物の環境に大きな影響を与えることが心配されます。さらに、近隣地には福祉施設や学校が存在し、低周波の問題などさまざまな影響が予見されます。地元の住民や山岳会などの意見を組み入れた公聴会等も含めて、必要となってきていると思っております。 これらの問題に対して、いわき市の所見を伺います。
◎生活環境部長(小野益生君) (仮称)福島阿武隈風力発電構想については、福島県の計画段階環境配慮書に係る意見の作成に際し、本市の同配慮書に関する意見を本年3月29日に回答しております。 その内容といたしましては、計画されている事業が大規模な風力発電事業であること、風力発電機を視認する可能性が高い眺望点が存在し、さらに、事業実施想定区域及びその周辺には、住居、学校、福祉施設等が存在していることにかんがみ、景観並びに騒音、振動及び超低周波音に係る影響を回避、低減するように、風力発電機の配置及び規模等を検討することを求めるほか、水環境、動植物・生態系、人と自然との触れ合いの活動の場などの環境全般にわたり、主に環境影響を回避、低減させるための環境保全措置を講じるよう求めるものとなっております。
◆11番(狩野光昭君) いわき市の阿武隈山系では、これ以外にも、遠野地区では、三大明神山を周辺にして18基の風力発電建設が計画をされております。また、田人地区においても、朝日山周辺を開発して12基の風力発電機が建設されることが計画をされています。両事業とも福島県の意見書、知事の意見書を読むと、周辺住民の理解が不可欠となることから、十分な説明を行うことが求められると指摘をしております。ぜひいわき市においてもこれらの住民との関係改善、関係改善というよりも十分な説明を行うことの要請を私はするべきと思っておりますけれども、そこら辺について、いわき市の考えについて伺いたいんですけれども。
◎生活環境部長(小野益生君) 一連の環境影響評価法の手続の中で、その点については十分配慮してまいりたいと考えております。
◆11番(狩野光昭君) よろしくお願いしたいと思っております。 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
○副議長(遊佐勝美君) ここで、午後2時10分まで休憩いたします。 午後1時50分
休憩--------------------------------------- 午後2時10分 再開
△渡辺博之君質問
○副議長(遊佐勝美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。9番渡辺博之君。 〔9番渡辺博之君第二演壇に登壇〕
◆9番(渡辺博之君) (拍手)9番日本共産党いわき市議団の渡辺博之です。 一昨日から東北地方も梅雨に入りました。農家の方にとっては恵みの雨かもしれませんが、私には気になることがあります。それは小・中学校での校舎の雨漏りです。できるだけ早く子供たちの学ぶ環境が改善されることを願いながら、まず、小・中学校の施設の修繕費について質問していきたいと思います。 これは、前定例会で溝口議員も取り上げましたが、引き続き質問いたします。 前定例会での答弁では、小・中学校において平成27年度の営繕調査では1,417件の修繕要望があり、その後に電話等で受けた修繕要望件数は549件ということでした。電話等で受けた修繕要望のうち、およそ1割が営繕調査と重複しているそうですので、修繕要望は合計でおよそ1,900件ということになります。これに対して、修繕を実施した箇所が1,129件という答弁でした。つまり、6割ほどしか修繕できていないというのが実態だと思います。市長は前の年に比べ予算を10%ふやしたと答弁なさりましたけれども、とてもとても間に合うとは思えません。私は、予算が少ないこと自体が問題であると考えています。 そこでまず、現状についての質問に入ります。 修繕と言ってもさまざまなものがありますので、大規模な修繕が必要とされる校舎の雨漏りについて、質問していきたいと思います。 まず、平成27年度に、小・中学校での校舎の屋上防水の改修工事が必要とされたのは何件だったでしょうか伺います。
◎教育部長(増子裕昭君) 平成27年度において、校舎の屋上防水改修工事が必要とされた件数につきましては、小学校で9件、中学校で5件となっております。
◆9番(渡辺博之君) では、次に伺います。 平成27年度に、小・中学校での校舎の屋上防水の改修工事を行ったのは何件だったでしょうか伺います。
◎教育部長(増子裕昭君) 平成27年度に、屋上防水の改修工事を実施した件数につきましては、四倉中学校の1件となっております。
◆9番(渡辺博之君) 防水工事の保証期間は10年であると伺っております。10年間は大丈夫ですけれども、二、三十年に1回は大規模な屋上防水工事が必要になるそうです。一方、本市には公立小・中学校が百余りあります。ですから、単純に計算しても年に4、5件の学校は屋上防水工事をしなければ間に合わないということになります。先ほど、平成27年度においても小・中学校で14件、それ以上多いというのは、建てた時期が集中しているとか、そういったこともあるからだと思います。これに対して昨年度に行った工事は1件ということですが、これでは工事を必要とする学校はふえ続けることになってきます。 耐震性の工事が優先されてきたのは当然だと思いますが、防水工事ができず、雨漏りするような校舎で、生徒たちが勉強するのかと思うと、非常に胸が痛むところであります。雨漏りだけではなく、タイルのはがれ、校庭の整備など、必要な修繕がなされていない学校はたくさんあると聞いております。 もし、いわき市の財政が非常に厳しいというのであれば、しばらく我慢してほしいということも仕方ないこともあると思いますけれども、今はそういう状況ではありません。執行部は本市の財政は健全化されてきたと説明します。そうであるなら、学校の予算、修繕の予算は最優先されるべきだと私は思うわけです。 そこで、次に、いわき市の財政について質問いたします。 伺いますが、財政調整基金、いわゆる市の貯金の平成27年度末残高は幾らでしょうか。
◎財政部長(伊藤章司君) 財政調整基金の平成27年度末の残高につきましては、約143億4,000万円となっております。
◆9番(渡辺博之君) これは、いわき市始まって以来の大きな金額です。 前定例会で、財政調整基金残高が大きくなったことについて質問しますと、財政部長はこうおっしゃっていました。復旧・復興に取り組むため、会計規模が大幅に拡大したことに伴い不用額が増加したこと、また東日本大震災復興交付金事業の一部について地方負担分としての震災復興特別交付税が後年度分まで含めて交付されたことなどから、年度間の調整をするために積立を行ったことにより、一時的に増加しているものと思います。こういう答弁をなさっております。 そこで伺います。平成27年度末財政調整基金のうち、復興交付金事業などで一時的に大きくなっている額は幾らでしょうか。
◎財政部長(伊藤章司君) 東日本大震災復興交付金事業が財政調整基金に及ぼす影響といたしましては、地方負担分としての震災復興特別交付税が、後年度分まで含めて概算交付されていること、また、事業費の確定に伴い、超過交付額については、今後返還が必要となることから、それらの額を財政調整基金に積み立てております。平成27年度末現在で影響額を申し上げますと、事業完了に伴う返還見込み額として約32億円、平成28年度に実施する事業の財源として約11億7,000万円、平成29年度以降に実施を予定している事業の財源として約7億8,000万円となっており、合計で約51億5,000万円となっております。
◆9番(渡辺博之君) 復興交付金事業で一時的に膨らんだ分を除いても、財政調整基金、いわゆる貯金はおよそ92億円あるということです。これはやはりいわき市ではこれまでになかったような水準だと言えます。ある程度貯金をすることは必要ですが、本市の年度末残高目標は30億円以上ということです。これに比べて余りにも大きすぎると言わざるを得ません。市の貯金というものは、たくさんあればいいというものではありません。一般家庭では、老後のために貯金をしようということもあるでしょうが、市の貯金は将来に備えるものではなく、前の年と次の年との間の調整です。そのことから、本市の貯金は十分にあるとまず指摘したいと思います。 では次に、本市の一般財源、市が自由に使える独自のお金についての質問について伺います。 まず伺います。平成23年度以降の一般会計での公債費、つまり借金返済額はどのように推移しているでしょうか。今年度の予算額も含めて御答弁をお願いします。
◎財政部長(伊藤章司君) 一般会計における公債費の推移について、1,000万円単位で申し上げますと、平成23年度から平成26年度までの決算額では、平成23年度は166億6,000万円、平成24年度は157億2,000万円、平成25年度は147億1,000万円、平成26年度は137億8,000万円となっております。また、平成27年度の決算見込み額は113億8,000万円、平成28年度の現計予算額は114億9,000万円となっております。
◆9番(渡辺博之君) 今の御答弁ですと、平成27年度の借金の返済額は、前の年の平成26年度に比べて約24億円、25億円近くも減少して、今年度もほぼ同じようなレベルです。そして、ピークの平成23年度に比べれば、約50億円減少しているということです。これは非常に大きな額だと思います。 では、次に伺います。平成23年度以降、普通会計で義務的経費に使われている一般財源の合計金額はどのように推移しているでしょうか伺います。
◎財政部長(伊藤章司君) 普通会計における義務的経費で使われている一般財源の推移を1,000万円単位で申し上げますと、平成23年度は467億7,000万円、平成24年度は430億5,000万円、平成25年度は415億5,000万円、平成26年度は412億円となっております。
◆9番(渡辺博之君) 今の数字を伺いますと、人件費、扶助費、そういったことも含めて、平成23年度に比べて、やはり50億円ほど、平成26年にかけて減っているということだと思います。平成27年度につきましては、さらに借金の返済額が大幅に減るわけですから、義務的経費もさらに大きく減るものと思われます。以上、本市の財政状況をまとめてみますと、健全化が進んで、貯金はたくさんあり、取り崩して使える金額が数十億円あると思います。このほかに、一番厳しかったころに比べて借金返済額が50億円ほど減り、義務的経費も大幅に減少していると言えると思います。これまで緊縮財政でしたけれども、このお金を何に使うのか、何を優先的に使うのかが問われているのだと私は思います。そして、私は、最優先すべきものの一つが教育費だと思います。 そこで、小・中学校での校舎の屋上防水工事も含む維持補修費の今年度の予算額は幾らでしょうか伺います。
◎教育部長(増子裕昭君) 平成28年度当初での維持補修費の予算額につきましては、小学校では約2億100万円、中学校では約1億1,500万円、合計で約3億1,600万円となっております。
◆9番(渡辺博之君) 2月定例会で、市長はこの維持補修費について10%ふやしたと答弁なさりましたので、数千万円ふえたのだろうと思います。しかし、まだまだ不十分だと思うわけです。そして、市の財政調整基金の額、あるいは義務的経費が減少した金額に比べて、そのふえた金額は余りにも少ないと思うわけです。 そこで、教育委員会が、今年度分として維持補修費を予算要求した金額は幾らでしょうか伺います。
◎教育部長(増子裕昭君) 今年度分として予算要求した維持補修費につきましては、まず、経常的経費として、先ほどお答えした今年度当初予算と同額を要求し、予算措置されております。このほか、臨時的経費として、小・中学校プールの改修などの大規模な経費を要求したところであります。
◆9番(渡辺博之君) 臨時的経費については金額はお答えにならなかったところです。2月定例会の文教経済常任委員会で、教育部長は、維持補修費の予算要求について、このように答弁いたしました。少し長いですけれども、読み上げてみたいと思います。 小規模なものについては修繕費対応、大規模なものは年次計画を立てて、優先順位をつけて要求しています。学校設備は空調や放送設備など大規模なものが多く、一つの案件が何千万円にもなってしまいます。毎年、なるべく多く予算をとってほしいという要求は行っていますが、財政部からは、市全体のバランスを見てとの判断となり、どうしても上位5カ所程度しか予算が通らない状況です。要求から外れてしまった案件については、次年度に改めて優先順位をつけ、再度要求するということになってしまいますと、このように答弁なさっています。 つまり、予算をつけてほしいと要求しても、財政部が認めてくれないということをおっしゃっているわけです。財源は無限にあるわけではないので、維持補修費に限らず、ある程度査定されるのは仕方がない場合もあると思います。しかし、借金返済額が50億円減り、義務的経費全体が大幅に縮小しています。さらに、財政調整基金がこれまでにないほどふえ、数十億円取り崩すことができるはずです。それなのに、なぜ教育の予算が少ししかふえないのか、雨漏りしている校舎があるにもかかわらず、維持補修費が数千万円しかふえないのか、私は大いに疑問に思うのです。 ことしは市制50周年であり、さまざまなイベントなどがなされ、予算措置されております。例えば、
いわきサンシャイン博支援事業では1億200万円、花火大会への補助金は例年900万円ですが、ことしは7,000万円に増額されています。ほかにもさまざまなイベントに予算がついております。私は、市制50周年のイベントや花火大会などを否定するものではありませんが、これらの金額に対して、小・中学校の維持修繕費がふえたのは数千万円と、何と少ないのかと思うわけです。 そこで、本市は、教育先進都市を目指すと言っておりますけれども、小・中学校での校舎の屋上防水工事も含む維持補修費などの予算額が不十分なことについて、市長はどのようにお考えでしょうか伺います。
◎市長(清水敏男君) 学校施設を含め、多くの公共施設において更新や大規模改修が必要となっていることから、当初予算の編成に当たりましては、近年では、経常的経費における維持補修費の額を前年度同額以上とするなどの対応を図ってきたところであります。特に、昨年度及び今年度の当初予算におきましては、維持補修費を増額するなど、これまで以上に意を用いた予算編成としたところであります。今後におきましても、市全体のバランスに配慮しながら、学校施設の維持補修についても、可能な限り予算の配分に努めてまいりたいと考えております。
◆9番(渡辺博之君) 昨年よりは同額以上につけていただいたと、そして市全体のバランスというお話もありました。でも、私は、そのイベントなどの金額に対して、ふえた分が余りにも少ないのではないかと。子供を持つ保護者などからすれば、何かそれバランスが違うんではないかと感じる方も多いのではないかと思うのです。私はそう感じております。 再度、市長に伺いますけれども、教育先進都市の名にふさわしい予算、来年度の大幅な増額について検討していただきたいと思いますけれども、市長、どのようにお考えでしょうか。よろしくお願いします。
◎市長(清水敏男君) 今後の維持補修費の考え方といたしまして、将来的な児童・生徒数の推移等も踏まえながら、優先順位を勘案し、対応してまいりたいと思います。
◆9番(渡辺博之君) 児童・生徒のこともあるでしょうけれども、現在時点で雨漏りがするとか、不自由を来しているところは、将来的な長いスパンを考える前に、目の前のことをまず、ぜひやっていただきたいと大幅な増額を求めて、次の質問に移りたいと思います。 次に、雇用促進住宅についての質問に移ります。 国は、雇用促進住宅を平成33年度までに譲渡・廃止する方針を出しました。市内の雇用促進住宅には、まだ多くの市民が居住しており混乱しているところであります。 そこで、まず現状について伺っていきます。 まず、いわき市内の雇用促進住宅の居住世帯数は幾つでしょうか伺います。
◎産業振興部長(荒川洋君) 雇用促進住宅を所管している独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構によれば、本年4月末現在で、市内に設置されている10カ所の雇用促進住宅の入居世帯数は、合計で459世帯となっております。
◆9番(渡辺博之君) では、次に、居住世帯のうち、東日本大震災及び原発事故による被災者、あるいは避難世帯は幾つでしょうか伺います。
◎産業振興部長(荒川洋君) 入居世帯、459世帯のうち、東日本大震災及び原発事故による被災・避難世帯数は116世帯となっております。
◆9番(渡辺博之君) では、次に、居住世帯のうち、高齢者世帯は幾つでしょうか伺います。
◎産業振興部長(荒川洋君) 支援機構によれば、市内に設置されている雇用促進住宅に居住している高齢者世帯数は把握していないとのことであります。
◆9番(渡辺博之君) 今、譲渡・廃止という中で、特に高齢世帯が大きな問題を抱えているわけですけれども、それにもかかわらず実態が把握されていないということは、非常に問題だと私は思います。 では、次の質問に移ります。 平成19年2月の厚生労働省の雇用促進住宅の譲渡・廃止に向けた方針についての内容はどのようなものでしょうか伺います。
◎産業振興部長(荒川洋君) 雇用促進住宅の譲渡・廃止に向けた方針については、厚生労働省が、平成19年2月に発表したものであります。その内容は、当時の独立行政法人雇用・能力開発機構が、平成33年度までの15年間で、全ての雇用促進住宅を譲渡・廃止することを決定したものであります。
◆9番(渡辺博之君) この方針は第一次安倍内閣のときに、三菱総合研究所が、収益を最大化するためには、17年かけて雇用促進住宅を売却していくことが適当と記した報告書を受けてつくられたものです。居住している人たちよりも、収益を最優先に考え、期限を切って譲渡・廃止の方針を出しているというところに最大の問題があると思っています。 市営住宅を廃止にする場合には、入居者の募集をやめて、期限を切らずに入居者が少なくなるまで待ちます。そして、移転費用を出しながらほかの市営住宅に移ってもらうという方法をとったりします。市営住宅の場合は、入居者に配慮がなされていますけれども、雇用促進住宅では、それが決定的に欠けていると思います。 雇用促進住宅を所有している高齢・障害・求職者雇用支援機構は、譲渡先として自治体を当初は考えておりました。公営住宅になれば居住者はそのまま住み続けられるという筋書きでした。しかし、その思惑は外れ、いわき市でも、震災の後に内郷雇用促進住宅を譲り受けただけでした。そして、全国的にも自治体への譲渡は進んでいませんでした。すると機構は、今度は民間に譲渡すると言い出したわけであります。 そこで、今後、市内の雇用促進住宅で民間譲渡の見通しはあるのでしょうか伺います。
◎産業振興部長(荒川洋君) 支援機構によれば、市内の雇用促進住宅については、平成29年度末を期限に、民間への売却に向けた事務を進めているとのことであります。
◆9番(渡辺博之君) これまでも機構は、民間に譲渡しようとしてきましたけれども、なかなか思うように進まなかったわけです。一部原発や除染の作業員の宿舎になっているところもありますけれども、なかなか民間でも譲り受けるというところはなかったわけです。そして、先月末、東日本と西日本に分けて一括で譲渡しようと、入札の公告を機構は出しました。条件がいいところと老朽化が進み条件が悪い雇用促進住宅を一括で売ろうとしているわけです。しかし、いずれも売れ残ったところであり、譲渡先が簡単に決まるとは私は思えません。国の方針は、平成33年度までに譲渡・廃止です。譲渡できない場合は廃止となるわけです。 そこで、譲渡されない場合の退去や補償などについて、居住者には、どのように説明されているのでしょうか伺います。
◎産業振興部長(荒川洋君) 支援機構によれば、入居者のいる雇用促進住宅については、昨年度から、それぞれの宿舎ごとに入居者説明会を開催しているとのことです。その中で、平成29年度末を期限とする民間事業者への売却スケジュールが説明されており、売却の条件として、入居者は家賃などの賃貸条件を維持したまま10年間の入居を継続すること等が盛り込まれております。また、民間に売却できなかった場合については、改めて、退去スケジュール等に関する説明会を開催することが示されております。
◆9番(渡辺博之君) 売却できなかった場合には改めてスケジュールということでしたけれども、私なんかも聞いたところとはまた違うなという感じも受けているところです。 昨年2月、国会で塩崎厚生労働大臣は、このように答弁しています。現在、入居者の方の退去を促進することは実施しておりません。現時点で退去促進を行う予定はございませんと答弁しているわけです。ところが、居住者は、昨年のときに来年の3月までに退去してくれと言われたと言うわけです。 管理を委託されているSK総合住宅サービス協会、説明会を開いた会社ですけれども、私がそこに確認すると、民間にも譲渡できない場合には、平成33年度までに建物を取り壊して更地にしなければならない。そのために、平成31年度までに退去していただくことになる。移転補償はしないと、こういうふうに話をしていたわけです。先ほどの部長の答弁では、改めてということでしたけれども、私に対してはこういうふうに明確に言っているわけです。厚生労働大臣が退去は促していないと。それに対しても退去を促しているという実態も含めて、非常に国のほうと現場のほうでちぐはぐになっているなと感じるわけです。そういう状況の中で、当然、居住者も混乱しているところです。 そこで、居住者にとって、現在どのような問題が発生していると認識しているでしょうか伺います。
◎産業振興部長(荒川洋君) 市内の雇用促進住宅については、支援機構が所管しているため、本市では、入居者の問題について把握はしておりませんが、入居者から相談等が寄せられた際には、適宜適切に対応してまいります。
◆9番(渡辺博之君) 本市としては問題を把握していないということですけれども、それでは、その支援機構などでは、問題はどのように把握しているのでしょうか。そこら辺は伺っていらっしゃるでしょうか。再度、お伺いします。
◎産業振興部長(荒川洋君) 支援機構に確認した結果としましては、特段のクレーム、苦情等はまだ出ていないとは聞いております。
◆9番(渡辺博之君) そういうふうなことであるのが非常にまた問題だと思うんですね。 雇用促進住宅の運営者、また管理者、機構、その管理者としてのSK総合住宅サービス協会、会社としては、こういった問題の存在を認めたくないんだと思うんです。あるいは居住者と向き合っていないのか。つまり、その姿勢そのものが、私は非常に問題だと思うわけです。 私は、居住者に頼まれて、先月、下神白の雇用促進住宅で懇談会を行いました。その中で、ひとり暮らしの84歳の女性は、引っ越したくない、引っ越すお金もないと話していました。別な女性は、いわき市では住宅が不足していて家賃が高い。県営住宅や市営住宅には入れないでしょうかと言います。一方で、柱と壁にすき間ができても修理してもらえない、こういうふうに話す方もいたわけです。多くの方が非常に不安を抱えていて、これからどうしようか、移転の補償のお金も出ないと。そして期限は平成31年度末と言われている。そんなことで非常に不安に思っていたわけです。機構とか、SK総合住宅サービス協会なども、恐らくそういった実態を聞いているにもかかわらず、何らそういったものをしっかりと捉えようとしないところに問題があると思うんです。 平成18年には厚生労働省から通知が来ていたと思います。雇用促進住宅の廃止に伴う公営住宅への優先入居についてという通知が都道府県や中核市に厚生労働省から出されております。そして昨年6月には、さらに国土交通省から同じタイトルの文書が都道府県に出され、県から関係自治体に周知するように記されています。これについては、国土交通省は厚労省と打ち合わせをして文書を出しましたというような文言が書いてあるわけです。 そこで、雇用促進住宅の居住者を公営住宅に優先入居させる考えはあるのでしょうか伺います。
◎土木部長(松本守利君) 市内の雇用促進住宅を所管している独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構福島支部から、本市に対しまして、平成27年6月25日に、民間売却に係る入居者説明会の通知があり、平成19年の閣議決定により平成33年度までに廃止となっている雇用促進住宅において、今後も入居者の皆様が入居を継続できるようにするために、平成28年度から平成29年度にかけて民間売却を行うこととしたとされております。このことから、東日本大震災及び原発事故による被災・避難世帯を除く雇用促進住宅の居住者は、入居を継続できるものと考えており、市営住宅への優先入居についての検討は行っていない状況にあります。
◆9番(渡辺博之君) 先ほど平成27年6月ということでしたけれども、国土交通省から文書が出されたのも昨年の平成27年の6月に、優先入居させてほしいという文書が、県、そして県から市に出してくれということで来ているわけです。国は、そういう文書を出しながらも、その一方で、民間へ譲渡されるのでまるで問題がないかのような通知を出すなど、国、機構、その混乱ぶりがうかがわれるわけです。 これは、やはり一方的に廃止年度を決めて物事を進めていて、その混乱の中で、さらに機構を指導する厚生労働省、その機構、さらに、それから運営管理を委託されているSK総合住宅サービス協会、そういったところが非常にちぐはぐになっているからだと思います。そういう中で、やはり居住者が翻弄されているわけです。全国で、今同様な問題が多発しているわけです。 そこで、今後の対応について伺います。 平成33年度までに、雇用促進住宅の譲渡・廃止する方針を撤回するように国に求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
◎産業振興部長(荒川洋君) 政府が閣議決定した雇用促進住宅譲渡・廃止の方針については、撤回を求めるのではなく、入居されている方々に対し真摯な対応が行われるよう、市として支援機構に対し、適宜働きかけを行ってまいります。
◆9番(渡辺博之君) 真摯な対応ということですけれども、問題も全く把握していませんというか、問題はありませんのような支援機構の把握ですから、そこに真摯な対応を求めること自体が、余りにもちょっと無理なのかなという感じもします。そして、市としても問題意識に欠けているのではないかと私は今の答弁で感じたわけです。 そこで、再度伺いますけれども、市としてもみずから状況を把握して、みずから対応を考えるべきだと思います。国のほうからは、公営住宅への優先入居という依頼まできているわけですけれども、市としてみずから状況把握、そして対応を考えるということについて、いかがお考えでしょうか伺います。
◎産業振興部長(荒川洋君) 市としましては、支援機構と連絡をとりながら状況の把握に努めてまいりたいと思います。
◆9番(渡辺博之君) 居住者の状況、地域の状況を無視して、収益を最優先に期限を切って廃止を決定したこと自体が大きな間違いです。そして、繰り返しになりますけれども、機構に言っても問題はないというような答えですから、市みずから市民の生活を守るために把握すべきだと思います。特に、本市は震災・原発事故で貸家が不足している状態です。国に抜本的に方針を改めるように重ねてお願い申し上げたいと思います。次の質問に移りたいと思います。 次は、地球温暖化防止についての質問です。 気象庁はことしの夏も猛暑になると予想しています。過去30年の気候に対して著しく偏りを示した天候を異常気象と呼びますが、異常気象という言葉は聞き飽きるほど頻繁に耳にするようになっています。猛暑や暖冬だけでなく、局地的な豪雨、竜巻、干ばつもたびたび発生するようになっています。これは、200年間で大気中の二酸化炭素が25%ふえた結果、熱が逃げなくなり、地球全体が温室にいるような状態になっているからだと言われています。 質問に入ります。 まず、二酸化炭素の削減の必要性の認識についてです。 国連気候変動枠組条約第21回締約国会議、いわゆるCOP21が昨年11月30日から12月11日までフランスのパリで開催されました。 まず、COP21における、平成32年度以降の温暖化対策の国際的枠組みパリ協定の内容はどのようなものでしょうか伺います。
◎生活環境部長(小野益生君) パリ協定には、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2度未満に抑えるとともに、1.5度に抑える努力を追求すること、主要排出国を含む全ての国が削減目標を5年ごとに作成し提出すること、温室効果ガスの吸収源の保全及び強化のための措置をとるべきこと、先進国は途上国を支援する資金を提供すること、及び全ての国が共通した方法で実施状況を報告し、評価を受けることなどが盛り込まれております。
◆9番(渡辺博之君) この協定は完璧ではないものの、世界196カ国・地域が積極的な姿勢を示したものとして高く評価されています。この中で、日本がどのような行動をするかが問われています。 そこで、日本の温室効果ガス削減目標はどのようになっているでしょうか伺います。
◎生活環境部長(小野益生君) 我が国の温室効果ガス削減目標につきましては、COP21に向け、国が国連に提出した日本の約束草案に基づき、2030年度、平成42年度において、2013年度、平成25年度比26.0%減、2005年度、平成17年度比では25.4%減の水準にすることを地球温暖化対策計画に掲げております。
◆9番(渡辺博之君) EUは平成2年に対して40%削減、中国は平成17年に対して60%から65%削減することを目標にしていますが、これに比べて日本は低く、先進国の中で最低レベルとも言われております。 次に、石炭火力発電についての質問に移ります。 イギリスは、国内の石炭火力発電所の利用を平成35年までに停止し、平成37年までに全て廃止することとしました。ただし、平成37年までに二酸化炭素を回収してためておく設備を設けた場合には、その後も運転を認めるというものです。ヨーロッパ先進国では、二酸化炭素を発生させない再生可能エネルギー、もしくは排出の少ない天然ガス火力発電所に向かっております。 そこで、石炭火力発電における二酸化炭素の排出量は、天然ガス火力発電に比べてどの程度でしょうか伺います。
◎生活環境部長(小野益生君) 一般財団法人電力中央研究所の電源別ライフサイクルCO2排出量の調査結果によりますと、石炭火力発電は液化天然ガス、いわゆるLNG火力発電と比較し、およそ2倍程度のCO2を排出しているとされております。
◆9番(渡辺博之君) ことし4月、本市でも石炭火力発電所建設をやめさせる会が発足しました。やめさせる会が県に出した陳情書にはこう書いてあります。少し長いですけれども、読んでみたいと思います。 原子力発電所の事故は福島県内を放射能で汚染し、取り返しのつかない前代未聞の被害を多くの県民にもたらしています。県民の声に応えて、県はこれまでの歴史を反省し、再生可能エネルギー推進の基本方針を打ち立て、環境負荷の少ない低炭素循環型社会への転換を図ることに決めました。しかし、石炭火力発電所建設はこの計画を台なしにするものです。それゆえ設置予定会社は、福島復興のためにと称して行政や県民の支持を得ようとしています。これが本当に福島の復興になるでしょうか。福島県を大気汚染・温暖化の根拠地にするわけにはいきませんと書かれております。 私は、公害の根絶と平和を求める全国公害被害者総行動に、今月1日、2日に参加し、環境省とも交渉してまいりました。このとき、森本官房長は石炭火力発電所がふえることは問題だと考えていると発言いたしました。 そこで、本市は、石炭火力発電所がふえることについて、環境の視点から問題があるという認識を持っているでしょうか伺います。
◎生活環境部長(小野益生君) 石炭は地政学的リスクが化石燃料の中で最も低く、熱量当たりの単価も化石燃料の中で最も安価であることから、国のエネルギー基本計画においては、石炭火力発電を安定供給性や経済性にすぐれた重要なベースロード電源の一つとして位置づけておりますが、発電過程における温室効果ガス排出量が多く、地球環境保全の視点からは課題があるものと認識しております。
◆9番(渡辺博之君) 地球温暖化ガスの視点からでは課題があるというよりも、問題があるということだと思います。環境省の森本官房長は問題だと答えていたわけで、課題というよりも問題とまず捉えていただきたいと思います。 資源エネルギー庁は火力発電の運転期間を40年と見ています。つまり、COP21で温室効果ガスを減らしていくという期間も動き続けることになります。石炭火力発電所は二酸化炭素をたくさん排出するだけでなく、重金属なども100%フィルターで除去し切れないという問題もあります。 環境審議会における有害大気汚染物質における健康リスクの低減を図るための指針となる数値、この数値では、ヒ素及びヒ素化合物は大気1立方メートル当たり6ナノグラム以下とされています。これに対して、国立環境研究所の地理情報システムによると、平成26年度の平均は小名浜中原局で31ナノグラム、小名浜大原局で26ナノグラムと指針値を大きく上回っています。また、平の揚土局では5.9ナノグラムで、かろうじて年平均では指針値を下回った状態です。 私は、微量であっても、さらに排出するような石炭火力発電には問題があると考えています。そして、今、株式会社エイブルが、好間工業団地にいわきエネルギーパークとして石炭火力発電所を建設しようとしております。 そこで再度伺いますが、このいわきエネルギーパークについても同様に、環境の視点から問題がある、課題があるとお考えでしょうか伺います。
◎生活環境部長(小野益生君) さきの伊藤議員の質問にもございましたが、エイブルにつきましては、温室効果ガスの排出を最大限、極力減らすようにということと、あと木質バイオマスを最大限で30%まで交渉できるということで、温室効果ガスの発生を抑制するように要請しているところでございます。
◆9番(渡辺博之君) 抑制するように、CO2の抑制を要請しているということは、逆の言い方をすれば、温室効果ガス、CO2の排出に問題があるとも読み取れると思います。 本市は、石炭ガス化複合発電をクリーンエネルギーとして位置づけていますが、これでは石炭火力発電を推進しているものと誤解されても仕方がないと思います。クリーンエネルギーの位置づけをやめて、先ほどの部長からの答弁がありましたように、課題があると考えているのであれば、クリーンエネルギーの位置づけをやめるべきです。そして、環境上問題があると明言して、環境負荷の少ない低炭素循環型社会へ転換を図ることが、本市、本県の本当の復興の道だと、私は強く主張したいと思います。 これをもちまして、私の一般質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
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△散会
○副議長(遊佐勝美君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後2時57分 散会
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