いわき市議会 > 2015-09-09 >
09月09日-04号

  • 遺品(/)
ツイート シェア
  1. いわき市議会 2015-09-09
    09月09日-04号


    取得元: いわき市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-12
    平成27年  9月 定例会            平成27年9月9日(水曜日)議事日程 第4号 平成27年9月9日(水曜日)午前10時開議  日程第1 議案第64号及び議案第65号(追加提案理由説明)  日程第2 市政一般に対する質問---------------------------------------本日の会議に付した事件          〔議事日程第4号記載事件のとおり〕---------------------------------------出席議員(35名)     1番  木村謙一郎君     2番  山守章二君     3番  小野潤三君      4番  西山一美君     5番  塩沢昭広君      6番  柴野美佳君     7番  吉田実貴人君     8番  赤津一夫君     9番  渡辺博之君      10番  伊藤浩之君     11番  狩野光昭君      12番  福嶋あずさ君     13番  永山宏恵君      14番  大峯英之君     15番  蛭田源治君      16番  菅波 健君     17番  小野 茂君      18番  塩田美枝子君     19番  小野邦弘君      20番  大平洋夫君     21番  溝口民子君      22番  高橋明子君     23番  坂本 稔君      24番  上壁 充君     25番  佐藤和美君      26番  岩井孝治君     27番  遊佐勝美君      28番  安田成一君     29番  大友康夫君      30番  阿部秀文君     31番  蛭田 克君      32番  磯上佐太彦君     33番  石井敏郎君      36番  樫村 弘君     37番  根本 茂君欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者 市長         清水敏男君   副市長        上遠野洋一君 副市長        宮崎典男君   教育長        吉田 尚君 水道事業管理者    仲野治郎君   病院事業管理者    平 則夫君 代表監査委員     木村 清君   農業委員会会長    鈴木 理君 選挙管理委員会委員長職務代理者    行政経営部長(兼)危機管理監            飯間香保子君             新妻英正君 総務部長       荒川正勝君   財政部長       伊藤章司君 市民協働部長     赤津隆彦君   生活環境部長     小野益生君 保健福祉部長     園部義博君   こどもみらい部長   本田和弘君 農林水産部長     鈴木文夫君   商工観光部長     村上 央君 土木部長       松本守利君   都市建設部長     阿部健一君 会計管理者      近藤英雄君   消防長        草野正道君 教育部長       増子裕昭君   水道局長       金成恭一君 総合磐城共立病院事務局長       秘書室長(兼)秘書課長 高萩文克君            渡部 登君 総務課長       久保木哲哉君---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長       荒川信治君   次長         大槻雄二君 参事(兼)総務議事課長 山崎俊克君   総務議事課主幹(兼)課長補佐                               遠藤義道君 議事係長       金山慶司君---------------------------------------          午前10時00分 開議 ○議長(根本茂君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第4号をもって進めます。--------------------------------------- △日程第1 議案第64号及び議案第65号(追加提案理由説明) ○議長(根本茂君) 日程第1、市長より追加提出になりました議案第64号及び議案第65号を一括議題といたします。---------------------------------------提案理由説明市長提案理由説明 ○議長(根本茂君) 提出者より提案理由の説明を求めます。清水市長。 ◎市長(清水敏男君) 〔登壇〕おはようございます。ただいま上程されました議案第64号いわき市住民基本台帳法関係手数料条例の改正及び議案第65号工事請負契約につきまして、提案理由の説明を申し上げます。 初めに、議案第64号いわき市住民基本台帳法関係手数料条例の改正について申し上げます。 本案は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律等に基づき、住民基本台帳法等が改正され、住民基本台帳カードが、いわゆる番号法に規定する個人番号カードに移行することに伴い、住民基本台帳カードの交付等の事務に係る手数料等を削除するため所要の改正を行うものであります。 次に、議案第65号工事請負契約について申し上げます。 本案は、久之浜震災復興土地区画整理事業における代ノ下橋及び小久川橋の架けかえに伴い、橋台及び橋脚工事を行うものであり、9月3日に執行した一般競争入札により、久之浜震災復興土地区画整理事業橋梁架替工事(下部工)水中・宇佐見特定建設工事共同企業体と、一昨日仮契約を締結いたしましたことから、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により提案するものであります。 以上、追加提案いたしました議案について説明いたしましたが、何とぞ慎重御審議の上、速やかなる御議決を賜りますようお願い申し上げ、提案理由の趣旨説明といたします。 ○議長(根本茂君) 以上で、提案理由の説明は終了いたしました。 議案に対する質疑の通告は、本日、午後0時30分までといたします。--------------------------------------- △日程第2 市政一般に対する質問 △小野潤三君質問 ○議長(根本茂君) 日程第2、市政一般に対する質問を行います。3番小野潤三君。          〔3番小野潤三君第二演壇に登壇〕 ◆3番(小野潤三君) (拍手)おはようございます。3番いわき市議会志帥会の小野潤三です。 通告順に従いまして、一般質問を行います。 今回は、地方創生と新たな観光まちづくりの1点について質問いたします。 私は、2月定例会でいわき市の観光戦略について質問を行いました。その中で、いわき市の観光戦略を進めるに当たり、司令塔となるべきいわき観光まちづくりビューローのあり方について問題提起を行いました。一方、今、全国で一斉に地方創生の取り組みがなされています。地方創生といいますのは、人口減少社会に向かう日本が2060年において人口1億人を維持し、活力ある社会を実現するため、地方において人と仕事の好循環を実現し、持続可能なまちをつくることということになると思います。この地方創生の中で観光政策は重要な位置づけにあります。 私どもいわき市議会志帥会におきまして、去る8月10日に観光まちづくりの勉強会を開催しました。講師は大社充さんという方でありまして、国のまち・ひと・しごと創生会議の委員であり、地方創生のキーマンのお一人と言っていいと思います。勉強会の内容は、大社さんが国で提案しているものと同じ内容でありました。この勉強会を踏まえまして、いわきにおける観光政策のあり方について、地方創生の観点から再度取り上げてまいります。 最初に、地方創生についてお尋ねいたします。 国が進める地方創生は全国それぞれの地域で課題が異なります。まだ検討の途上だとは思いますが、いわき市における地方創生のあり方はどのようにあるべきだと考えているのか、現時点での認識をお尋ねいたします。 ◎市長(清水敏男君) 本市の将来を見据えたまちづくりに向けましては、少子・高齢化、人口減少の進行という構造的な課題が今後加速度的に進むものと予測され、復興特需の先行きが不透明な状況と相まって、地域経済や市民生活への影響が懸念されるところであります。復興の先のいわきを見据えて人口減少に歯どめをかけ、また、将来にわたりまちの活力を持続し本市の創生を進めていくためには、若者の定着につながるような仕事づくり、未来へ飛躍するひとづくり、そしてそれらを支える受け皿としての魅力あるまちづくりを一体的に推進していく必要があるものと認識しております。このため、現在、私が本部長を務めるいわき創生推進本部や、市内各界・各層の市民の皆様からなるいわき創生戦略会議を中心として、さまざまな角度から効果的な施策のあり方を検討しているところであり、既成の概念や組織の枠に捉われず官民を挙げて知恵と力を結集し、本市の未来を切り開くようないわき創生総合戦略を策定してまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 地方創生におきましては、地方版総合戦略というものを策定することになっております。その策定に当たり、客観的な効果検証を可能とするためPDCAサイクルを回していくことが強調されています。 このPDCAサイクルの意義について、どのように考えているかお尋ねいたします。 ◎行政経営部長[兼]危機管理監(新妻英正君) 地方創生の推進に当たり、国は従来の政策の反省の上に立ち、施策の効果を客観的に検証し、その結果を踏まえた不断の見直しにつなげていくため、計画(Plan)、実施(Do)、評価(Check)、改善(Action)の4つの視点をプロセスの中に取り込むこと、いわゆるPDCAサイクルの実行を地方自治体に求めております。こうしたプロセスを各自治体が地方版総合戦略に取り入れることにより、それぞれの地域の実情に沿った効果的な施策を盛り込むとともに、その成果の客観的な検証やそれらを踏まえた見直し・改訂が可能となり、より実効性の高い施策展開につながっていくものと受けとめております。 ◆3番(小野潤三君) もう1つ、地方版総合戦略におきましては重要業績評価指標KPIといわれるものを設定することが求められています。 このKPIの意義についてどのように考えているかお尋ねいたします。 ◎行政経営部長[兼]危機管理監(新妻英正君) PDCAサイクルの実行に当たりましては、施策によって住民にもたらされた成果を客観的に検証するための数値目標として重要業績評価指標、いわゆるKPIを政策分野ごとに設定することとされております。こうした考え方に基づき、いわき創生総合戦略におきましても、適切なKPIを設定し、PDCAサイクルを実行することにより、施策の進捗状況や成果を継続的に点検し、より効果的な施策・事業の推進や改善につなげてまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) PDCAとKPIについてお尋ねしましたのは、地方創生は具体的な成果指標を掲げて達成しなければ、やったことにならないということを明らかにするためであります。行政はどうしても事業計画を立案して、それを計画どおりに実施すれば仕事をしたことになってしまうところがありますけれども、これからは成果が求められるんだという点では、いわき市の認識も全く同じだと確認させていただきました。それは、地方創生に位置づけられた観光政策についても、成果指標やPDCAサイクルが必要だということであります。 地方創生の基本的なあり方を踏まえましたところで、質問の2点目は、新たな観光まちづくりについてであります。 先ほど申し上げました大社充さんの勉強会におきましては、示唆に富む論点がたくさん提示をされておりました。それらを取り上げながら、いわきの新たな観光まちづくりのあり方について考えていきたいと思います。お手元にお配りしました資料は、本日の質問で取り上げる勉強会から抜粋したものでありますので、こちらを御参照いただきながら質問を進めたいと思います。大社さんの講演では、これがキーワードだなと思う言葉がいくつかありました。1つ目は、発地主導型から地域主導型へということ。2つ目は、住んでよし、訪れてよしの観光まちづくり。3つ目は、地域住民の暮らしを来訪者に開くということ。4つ目は、まちを1つの集客装置に見立てるということ。そして5つ目は、地域内経済循環をふやすということであります。これらの中からいくつかお尋ねをいたします。 1つ目は、発地主導型から地域主導型へ。 これまでの観光は、首都圏など出かけていく側の旅行会社などが、どこそこへ行ってみませんかという出発地からアクションを起こすものでありましたけれども、これからは受け入れ側の地域から、うちにおいでよとアクションを起こすものに変わるべきだということであります。 このような地域主導型の観光プロモーションについてどう考えるかお尋ねいたします。 ◎市長(清水敏男君) 観光プロモーションについてでありますが、近年、旅行の形態が団体・物見遊山型から少人数・体験型へ変化しており、その需要に対応するためには、地域主導の観光プロモーションが重要であると認識しております。これらを踏まえ、市といたしましても、地域主導の着地型観光を進めることとしており、平成28年度の市制施行50周年の節目に市全域を博覧会場に見立て、各地域の既存の観光資源やイベント等を有機的に組み合わせることにより、観光誘客を図り、持続可能な観光まちづくりを進めるいわきサンシャイン博を開催し、市外へ向けて積極的に観光プロモーションを実施していく予定としております。
    ◆3番(小野潤三君) 2つ目は、住んでよし、訪れてよしの観光まちづくり。 つまり、住民にとって住みやすいまちをつくることが観光客にとっても魅力的なまちになっていくということ、このまち全体を1つの集客装置に見立てて観光戦略を進めていくべきだということ、そして住民と隔絶されたいわゆる観光施設ではなくて、住民の暮らしの中に来訪者を迎え入れていく、来訪者にまちを開いていくという新しい観光スタイルが必要だということです。 こうした新たな観光のあり方についてどう考えるかお尋ねします。 ◎商工観光部長(村上央君) おただしの新たな観光スタイルにつきましては、市民が住みやすい、そして誇れるまちづくりを進め、結果として観光誘客につなげていこうとするものであり、いわゆる観光まちづくりと呼ばれるものであると認識しております。市といたしましても、この考え方に基づき、いわき観光まちづくりビューローとともに、いわきサンシャイン博を初めとした各種観光施策に取り組んでいるところでございます。 ◆3番(小野潤三君) 先ほど、市長からいわきサンシャイン博のお話がありましたけれども、確かに、サンシャイン博はまちを1つの集客装置に見立てて来訪者にまちを開いていくというイベントなのだと思います。ただ、今回の講師の大社さんによりますと、いわゆる着地型観光は全国的にほとんどうまくいっていないという指摘がありました。つくり込みをしっかりしていかないと、果たして成果という点でどうなのかということがあります。やるからにはしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、実施後の検証が大事だと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。 3つ目は、大社さんが地方創生のゴールと述べていること、それは、観光政策を通して地域内経済循環をふやすということであります。 観光が1つの産業である以上、その成果は経済効果としてはからなければなりません。従来の観光政策で重視されてきました指標は観光入り込み客数という人数が中心でありましたけれども、一人一人の客単価は一体幾らなのか、そこに人数を掛けた域内総消費額は幾らなのか、さらに個々の消費に関する調達が、地域内でどれだけなされているかという地域内調達率を算出することによりまして、本当の経済効果が測定されるというわけであります。 こうした経済効果に焦点を当てることについてどう考えるか、お尋ねします。 ◎商工観光部長(村上央君) 本市におきましては、これまで主に観光交流人口を指標としてまいりましたが、観光振興の最終目標につきましては地域経済活性化を目指すものでありますことから、客単価及び土産物等の原材料の地域内調達率などをもとに算定する地域内経済循環につきましても、重要な指標になると認識しております。今後、国の観光地域経済の見える化の推進事業等も参考にしながら、その算定方法等について調査・研究をしてまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 当然といえば当然のことなのでありますが、これまでの観光政策においてはとかく曖昧になってきた点ではないかと思います。今、経済産業省のホームページなどを見ますと、経済効果の測定の仕方などが公開されていたり、とにかく国としても、観光政策をそういった方向に持っていかなくてはいけないという意識だと思いますので、ぜひ、いわき市としても取り組んでいただきたいと思います。 次に、大社さんが示した7つの質問というのがあります。これらは全て従来の観光政策が陥ってきた問題点、曖昧だった点について指摘をしています。これは、お手元の資料にありますとおり、観光振興の計画を策定するのは誰なのか、その計画の推進にはどんな体制が必要で財源は誰が負担すべきなのか、観光行政や観光協会の役割は何で、計画のPDCAサイクルは誰が管理するのかといった内容であります。 この中から、2点についてお尋ねいたします。 1つ目は、1番目の観光振興の計画を策定するのは誰かということであります。 いわき市には、ビューローが策定しましたいわき市観光まちづくりビジョンという計画がありますので、いわきにおける策定の主体はビューローということかと思います。本来、このビジョンは今年が改訂をする年でありまして、震災によってこのビジョンの前提と現状が大きく変わっております。そして、改訂に向けての動きもおくれているところであります。 新たな計画の策定についてどう考えているかお尋ねいたします。 ◎商工観光部長(村上央君) 平成22年5月にいわき観光まちづくりビューローが策定したいわき市観光まちづくりビジョンにつきましては、策定後5年が経過することから、現在改訂作業を進めているところであり、その内容につきましては、東日本大震災後の状況を踏まえ、風評の払拭やオリンピックを見据えたインバウンド対策等を含めた計画になるものと聞いてございます。 ◆3番(小野潤三君) 2つ目は、6番目のPDCAサイクルについてであります。 PDCAサイクルに対しては、誰が責任を持ち、管理すべきものなのかお尋ねいたします。 ◎商工観光部長(村上央君) いわき観光まちづくりビューローは、官民共同体制のもと、観光の総合窓口、観光戦略の立案と実践、地場観光資源の掘り起こしと創出、観光まちづくり総合的コーディネートの役割を担うこととされております。このことから、いわき観光まちづくりビューローが策定したいわき市観光まちづくりビジョンPDCAサイクルは、ビューローが管理すべきものと考えてございます。 ◆3番(小野潤三君) 時間の関係もありまして、2点のみお尋ねいたしましたけれども、この7つの問いかけは、これまで日本のどこの自治体でも共通した論点であります。この問いへの答えを明確にしていくことが、新たな観光政策の構築につながっていくと思います。 続きまして、今後の観光政策の新たな推進体制について議論していきたいと思います。2月定例会の一般質問と重なるところもありますけれども、今回の勉強会を踏まえ、いわきの観光政策にとって重要だと思われる論点について、改めて考え方をお聞きしてまいります。 まず、観光政策を進めるに当たり、多様な主体が参画するプラットホームが必要だということであります。特に、これからの観光は従来の狭い意味での観光産業だけではなくて、人々の生活の場を開き、農業や水産業など多様な主体がかかわる場でなければなりません。ビューローはまさにそのプラットホーム、舞台の役割を担うべく誕生した組織と思います。 ビューローには、行政、観光関連事業者、商工業者などがメンバーとして入っておりますけれども、今まで以上に多様な主体を取り込んでプラットホームとして機能させるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎商工観光部長(村上央君) いわき観光まちづくりビューローについては、平成20年にいわき市観光物産協会を発展的に改組する形で市、商工会議所等の協力関係のもと、観光まちづくり活動の中心機関として発足したものであります。現在、検討を進めているいわきサンシャイン博の実行委員会には、各地域のまちづくり団体、農業協同組合、漁業協同組合など、これまで以上に幅広い皆様の参画をいただいているところであります。今後につきましても、広い視点からさまざまな観光まちづくりを進める体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 次に、勘と経験と思い入れに頼る観光政策から、データに基づく科学的アプローチ、つまり、マーケティングの必要性であります。 1つの例として、岩手県遠野市の事例が紹介されておりました。遠野は御存知のとおり、柳田国男の遠野物語の舞台でありまして、かっぱに出会えるまちとして観光誘客をしてきました。遠野では、観光誘客のターゲットは東京だと考えていましたけれども、市場調査を行った結果、実際に足を運んでいるのは仙台市を中心とした近隣の方が多いことがわかったということです。また、かっぱに出会えることを売りにしてきましたが、実際に来られた方は、食、食べ物に対する関心が強く、遠野物語を読んだことのある人は余りいなかったということであります。そこで、新たに遠野の食を前面に出し、仙台市をターゲットとした観光プロモーションに切りかえたということであります。それまでの勘と経験と思い入れに頼ったプロモーションは的が外れていたということであります。 こうしたマーケティングの必要性についてどう考えるか、お尋ねいたします。 ◎商工観光部長(村上央君) 観光施策を企画する上では、マーケティングは重要だと認識しており、平成25年度に旅行客の動向を把握するための位置情報分析調査及び観光資源などの認知と興味のギャップを把握し、観光素材・施策の優先順位づけや、効果的なプロモーションにつなげるためのGAP調査を実施したところであります。今後につきましても、定期的に同様の調査を行い、効果的な施策の企画に努めてまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 観光に関する政策転換の核心はマーケティングだと考えております。内容について深く入っていくことはきょうは出来ませんけれども、第一に焦点を当てるべき点はここでありますので、よろしくお願いいたします。 3つ目として、震災後特に、風評払拭等の活動に追われ、行政においてもビューローにおいてもPDCA、プラン・ドゥ・チェック・アクションのドゥだけになってしまった感があります。とりわけ、成果に対する評価がなければ次のアクション、あるいはプランも出てきません。 政策の効果を上げていくには、行政においてもビューローにおいても企画部門を設けて、PDCAサイクルを回すようなマネジメント機能を強化することが必要と考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎商工観光部長(村上央君) 東日本大震災後につきましては、市の担当部署及びいわき観光まちづくりビューローともに、落ち込んだ本市観光交流人口の回復や、いわき産品のイメージ回復を図るための事業を中心に実施してきたところであります。しかしながら、間もなく震災後4年半が経過するため、震災後の状況を踏まえた観光戦略の立案と実践が必要であると認識しており、今後、そのための体制整備について検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 先ほど御答弁でありましたけれども、いわき市におきましても、実はこれまでマーケティング調査は行われておりましたが、それをどう次の政策に生かすかという点が重要だと思います。プランをつくったらドゥ、チェックをしたら次のアクションにつなげていく姿勢が必要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 4つ目としまして、マーケティングの手法を導入するに当たってそれを担う専門的な人材が必要であります。これは2月定例会でも申し上げたとおりであります。今の人材にマーケティングの手法を身につけてもらうこと、そして外部からのスキルの高い人材を獲得することの両方が必要ではないかと考えます。特に、新たな人材を広く公募によって投入するということは極めて重要だと思います。実は、大社さんによりますと、全国的には公募が余りうまくいっていない例が多いということでありました。十分な待遇を用意していないために余りいい人材が来ないということ、せっかく新たな人材が来ても自由な権限が与えられず力を発揮できないことがあるということでした。受け入れ体制の整備がまず必要ではありますが、いずれにしても新たな人材は必要不可欠だと考えます。 ビューローの組織を動かしていくマネージャー的な人材の公募について、どう考えるかお尋ねいたします。 ◎商工観光部長(村上央君) いわき観光まちづくりビューローの体制についてでありますが、今後の観光まちづくりビジョンのPDCAを管理し、観光まちづくりを強力に推進していくためには、専門的な人材が不可欠であると考えております。また一方では、これまでの経過等を十分に踏まえ、市内観光事業者との円滑な関係を維持しつつ、事業を推進していくことも必要だと認識しております。これらの状況を総合的に判断しながら、御提案の人材公募につきましても、有効な1つの手法として調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 総合的に考えてということでありますけれども、ぜひ前向きに考えていただきたいと思います。 今回、我々も大社さんのような専門家をお呼びしたことで相当勉強になりましたし、なるほど、そういうことかと目からうろこが落ちるような観点がたくさんありました。従来のやり方を変えていくには、こうした専門家のアドバイスが極めて有効だと思います。 ビューローの改革に当たり、大社さんのような専門的な知見を持った方をアドバイザーとして迎え入れることが重要だと考えますが、御所見を伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 新たな推進体制の整備に当たりましては、他地域の成功事例を踏まえつつ、専門的な知見に基づく指導・助言も有効なものであると考えておりますので、アドバイザーの招聘についても検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) ぜひ考えていただきたいと思います。今、先進事例を踏まえというお話がありましたが、先進事例が果たしてあるのかということもありますので、いわきが先駆けてこの新しい観光の体制をつくっていっていただければなと強く思っているところであります。 ここまで、いわきの観光政策を転換していくために、必要なことをさまざまに申し上げてまいりましたが、最終的には財源が問題であります。ビューローは、観光事業者などが集まった場でありますので、受益者となるべき方々がみずから財政的な負担もするのが本来の形でありまして、その意味では、ビューローが役所からの補助金や事業の委託金に頼るのではなくて自主財源を確立することが必要だと言えます。しかし、収益力のある事業を確立するにも、今の体制で新規事業に取り組むのはなかなか容易ではありません。財政的に自立するためにも、そのための道筋をつけるため最低数年間は行政からの支援が必要だと思います。 そこで、1つの方策でありますが、入湯税をこれに充てるのはどうかと考えております。2月定例会の溝口議員の質問で入湯税を取り上げておりましたが、そのときの答弁によりますと、入湯税の使い道は環境衛生施設、源泉の保護管理施設、緊急自動車、消防施設、そして観光施設などを含めた観光の振興などに充てるということであります。もともと観光振興はその目的に含まれていますので、観光政策の推進そのものに活用していくことは合理性がありますし、それによって、また入湯税がふえれば観光産業の拡大再生産にもつながると思います。 入湯税の一部をビューローの政策推進に活用することについて御所見を伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 新たな推進体制の整備に当たっての財源の確保につきましては、最も重要な課題の1つであると認識しております。検討に当たりましては、先進事例等を踏まえつつ、自主財源の確保を基本としながら、さまざまな財源確保の方策について調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 今、商工観光部長がお答えしていただきましたけれども、恐らく商工観光部としてはお金が欲しいけれども財政が聞いてくれるかということがあると思うので、ぜひその辺は全庁的に御判断をいただきたいと思います。 最後のまとめになりますけれども、ここまで、多様な主体が参画するプラットホーム型組織、マーケティングの導入、マネジメント機能の強化といった点について議論をしてまいりました。専門性の高い人材がデータに基づく観光戦略を立案し、PDCAサイクルを回しながら、行政と民間、それも多様な主体がかかわりながら観光政策を進める場、それがまさに2月定例会で取り上げたDMO、デスティネーション・マネジメント・オーガニゼーション、日本語で言えば戦略的な観光マネジメント組織です。 このDMOを確立することが必要と考えますが、御見解を伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 日本型DMOにつきましては、既存の観光協会や商工会議所等を包含し、行政と連携しつつ地域を総合的に取りまとめ、新たな市場を創造することのできる地域マネジメント組織と定義されております。当該組織はマーケティング調査をもとに観光まちづくり戦略を練り、PDCAサイクルを管理し、観光まちづくりを強力に推進する組織であると認識しております。本市におきましても、観光まちづくり地域経済活性化に当たり重要な課題であり、当該組織を確立することは意義の大きいことだと考えておりますことから、官民共同で観光まちづくりを推進する組織として創設されたいわき観光まちづくりビューローの体制強化・整備について、引き続き検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) ここまで、さまざまな論点を取り上げてまいりました。提案についてはいろいろと御答弁していただきまして、満額回答であったかどうかは、後ほど改めて精査させていただきたいと思いますけれども、おおむね御賛同をいただいたと受けとめました。大事なことは、これをどう具体的に実現していくかということです。スピード感も問われます。DMOというのが国の地方創生のメニューに載った以上、前向きに取り組んでいく自治体も出てくると思います。これからは、観光政策を大きく転換する自治体と旧態依然としたやり方にとどまる自治体に分かれていくのではないかと思います。2月定例会でも申し上げましたが、部局横断で取り組むべき大きな改革でありますので、市長を先頭に取り組んでいただかないと、いわきが勝ち組の側に入っていくことは難しいのではないかと考えます。今後の取り組みに期待をいたしまして、以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(根本茂君) ここで、午前10時45分まで休憩いたします。          午前10時33分 休憩---------------------------------------          午前10時45分 再開 △吉田実貴人君質問 ○議長(根本茂君) 休憩前に引き続き会議を開きます。7番吉田実貴人君。          〔7番吉田実貴人君第二演壇に登壇〕 ◆7番(吉田実貴人君) (拍手)おはようございます。いわき市議会清政会の吉田実貴人であります。 本日は、ひとづくりについてお話をさせていただきます。お手元の資料、A4の資料が4枚行っているかと思います。こちらはいわき市の郷土資料集と金沢市の偉人の資料を添付資料として配付させていただいております。後半部分で使いますので、お手元にお持ちください。 本会議においては、さきの登壇者の質問事項と類似の項目がございますが、より丁寧な御答弁をお願いいたしまして、以下通告順に従って一般質問を行います。 大きな質問の1点目は、放課後児童クラブについてであります。 まず、運営の現状について伺います。 放課後児童クラブは、児童福祉法第6条の3第2項の規定に基づいて、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、授業の終了後等に小学校の余裕教室や児童館等を利用して適切な遊びや生活の場を与えて、その健全な育成を図るものであります。ここでは、いわゆる学童と呼ばれておりますので、学童と総称しますが、これについて伺います。 まず、市内の小学校区で学童が設置されている割合をお示しください。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 放課後児童クラブにつきましては、平成27年4月1日現在46クラブを設置しているところでありますが、1つの小学校区に複数のクラブを設置しているところもあることから、市内67の小学校区のうち40の小学校区に設置しており、設置割合は約60%となっております。 ◆7番(吉田実貴人君) 小学校区の約6割というお答えをいただきました。今後、残りの4割についても順次拡大していく方向だとは伺っております。現時点で、市内では児童約2,000名がこの児童クラブに通っていると伺っております。相当な数だと思います。 次に、学童の運営主体について伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 放課後児童クラブの運営主体につきましては、クラブを利用する児童の保護者で組織された保護者会により運営されているものが27クラブ、保育園及び幼稚園等を運営している社会福祉法人や学校法人により運営されているものが14クラブ、その他NPO法人等により運営されているものが5クラブとなっております。 ◆7番(吉田実貴人君) 御答弁のとおり、保護者会が運営主体となっているものがかなりの割合を占めていることがわかりました。 続きまして、平均的な終了時刻、何時ぐらいまで預かってくださるのかを伺いたいと思います。学童の平均的な終了時刻を伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 放課後児童クラブの終了時間につきましては、各クラブの運営者が利用者のニーズに応じてそれぞれ定めているところであります。平日の終了時刻につきましては、午後6時30分以前としているのが3クラブ。午後6時30分としているのが12クラブ。午後7時としているのが28クラブ。午後7時以降としているのが3クラブとなっており、平均ではおおむね午後6時50分となっております。 ◆7番(吉田実貴人君) 小1の壁という言葉がございます。これまで幼稚園の延長保育や保育園で18時過ぎまで子供を預かってもらっていたのが、子供が小学校に入学すると、午後4時過ぎには帰宅するようになって、6歳の子供が両親の帰宅まで時間を過ごす場所がないという問題を小1の壁というそうです。もっとも、これは両親が共働きであって、かつ自宅や近隣に祖父母がいないというのが前提です。本来であれば、愛情あふれる近親者が自宅で待っていて、ともに子供と時間を過ごすのが理想ではありますが、現実社会では、必ずしもそのような条件が完全にそろっている家庭だけではありません。いわゆる保育に欠けるという言い方をしますけれども、そのような保育に欠ける児童を社会的に対応しようというのが学童保育制度であります。学童保育は、保護者の児童の安全を守る場であるとともに、学齢期の児童が自立するための成長支援・健全育成を実践する場でもありますが、結果的には仕事と子育ての両立を実現するための極めて有効なツールとなっていることも事実であります。もし学童保育がなかりせば、保護者の就労等に大きな不都合が生じることになります。 続きまして、平均的な市の委託料、すなわち学童の運営に対してはいわき市から補助が出ているわけですけれども、支払っている委託料の平均について伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 放課後児童クラブの運営主体に対する委託料につきまして、平成26年度の実績で申し上げますと、平均で約468万円となっております。 ◆7番(吉田実貴人君) 平均で約500万円弱とお答えいただきました。運営費については多くのクラブで大体1,000万円から1,200万円ぐらいかかっていると伺っておりますので、その半分弱、半分にいかないくらいを市からの委託料で賄っている状況であります。 次に、会費について伺います。保護者が学童の運営主体に対して支払っている毎月の会費の平均額を伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 放課後児童クラブの会費につきましては、各クラブが運営状況に応じて定めているところでありますが、平成27年4月1日現在の状況で申し上げますと、月額7,000円から1万6,500円の範囲内にあり、平均で約9,600円となっております。 ◆7番(吉田実貴人君) 先ほどの御答弁のとおり、学童の運営の多くは保護者会、PTA等が直接行っています。児童の親御さんは、毎月会費1万円程度を負担して、いわき市の公費負担と合わせて、それらを元手に保護者会が運営して、指導員や補助員を雇用しているわけであります。多くの学童の年間の運営費総額は年間約1,000万円から約1,200万円程度と伺っています。この運営費から、いろいろな学童がありますけれども、大体5人ぐらいの専属の指導員や補助員を雇って人件費を負担しています。当然ながら、そのほかにも備品購入だとかストーブ買ったりだとか、イベント開催費等のコストもかかるわけです。そういったことを考えれば、5人の人件費を今の運営費の中でやっていくのはなかなか厳しい状況ではないかなと思っております。 次に、学童の属性について伺います。どのような児童であれば、学童に入ることが出来るのか、その対象者を伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 放課後児童クラブにつきましては、児童福祉法の規定に基づき、小学校に入学しており、保護者が就労等により、昼間家庭にいない児童を利用対象者としているところでございます。 ◆7番(吉田実貴人君) いわゆる保育に欠けるという形だと思います。 次に、学童クラブの効果について伺います。すなわち、学童に通うことによって、児童及びその保護者が得られるメリットを伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 放課後児童クラブのメリットにつきましては、保護者においては子育てと仕事等を両立することが出来るようになることはもちろん、利用する児童においては、安心して過ごせる生活の場が提供されること、学習や友達との交流、遊び、体験活動等が放課後児童支援員の指導のもとに受けられること、各クラブで定められたスケジュールに沿って生活することにより、規則的な生活習慣を身につけることができることなどが挙げられます。 ◆7番(吉田実貴人君) 私の母校は平三小なんですけれども、そちらにも学童クラブが校舎内に設置されていて、支援員の方及び補助員の方が一緒に児童と遊んで、学習をして、数時間を過ごして非常にうまくいっているなという感想を持っています。また、すごく頑張っているなという印象を受けています。御回答のとおり、学童クラブの機能としては保護者の帰宅、お迎えまでの児童の健康管理や安全管理、情緒の安定、さらには適切な遊び、工作、季節の行事、誕生日会、飼育・栽培等により自主性・社会性・創造性を培うことができます。また、補食としてのおやつの提供や宿題など自主学習の場の提供、児童虐待や福祉的支援を要するケースなどの早期発見、関係機関との連携等々の役割があると思います。もとより、事小学生の勉強に関しては何かを教えるというよりも、机に15分間座って集中して何かを取り組ませることが大事であります。その点、指導員と一緒に全力でドッジボールや鬼ごっこをして、その後は宿題をすると、きちんと切りかえをしているのが、今の学童の外遊びの時間と宿題の時間であります。そこでは、指導員が直接子供たち一人一人に声かけをして、児童が机に向かう時間が確保されています。もちろん座りたがらない子もいて、なかなか遊びから戻らないこともあります。でも指導員の方がソフトに机に誘導して、座らせて、集中して宿題だったりドリルだったりするわけですけれども、何かに取り組ませる習慣づけを指導員がやっています。宿題は特段何の発見もありませんし、探求もありません。勉強したことを反復するその繰り返しであります。しかし、宿題は重要なことを教えてくれます。それは、勤勉たれということです。おもしろくもないことを勤勉に続けることで、それが端的に成績となってあらわれてきます。指導員は直接勉強を教えることはないわけですけれども、わからないところがあれば、先生どうなのと質問されることもあります。そういった場合には、こうやったらどうなのとヒントをあげたりもして、児童が自主的に学習するよう方向づけをしてあげたりしているように私は見えます。また、部活動の時間、平三小だと吹奏楽部とかサッカー部が非常に一生懸命活動をしているんですけれども、開始時間までの学童の利用や、いわゆる中抜けと言うんですが学童の時間の中で途中抜けたり、それから、この曜日だけ学童を利用することなどにも柔軟に現場で… ○議長(根本茂君) 申し上げます。議場での携帯電話の使用は禁止されておりますので、電源をお切りください。 ◆7番(吉田実貴人君) 中抜けだとか、特定の曜日だけ、塾があるだとかいろいろな理由があると思いますが、現場では柔軟に対応していて、学童を利用している家庭にとっては、安全かつ有用な、いわゆる児童の居場所として非常によく機能しているところであります。 続きまして、いわゆる保育に欠ける世帯以外に対しての門戸開放について伺います。 今までお伺いしてきましたけれども、惜しむらくは、利用者が保育に欠ける家庭に限定されていることであります。そして、現実にそれ以外の世帯からも学童を利用したいと求める声があります。 ぜひ、安全かつ有用な児童の居場所として、資格限定せずに、全ての児童を持つ家庭に広く学童を開放していただきたく、市の所見を伺います。 ○議長(根本茂君) 申し上げます。議場での携帯電話の使用は禁止されておりますので、電源をお切りください。 ◎市長(清水敏男君) 放課後児童クラブにおける利用対象者の拡大につきましては、国が定める基準と異なることから、実施についてはハードルが高いものと考えております。しかしながら一方で、核家族化の進展など、子供を取り巻く生活環境が大きく変化する中で、放課後対策につきましては全ての子供の問題として考え事業を構築する必要性があることから、先進事例も参考にしながら、関係機関等とも十分な協議を重ね、対応について検討してまいりたいと考えております。 ◆7番(吉田実貴人君) 既存の枠組みということで、御回答は完全に了解しております。 一方、その既存の枠組みから一歩踏み出して、放課後の児童の居場所を全家庭向けに提供している先進自治体もございます。例えば、茨城県牛久市では、放課後の学び場事業をうしく放課後カッパ塾という名前で市内全小学校で、保育に欠けるかどうかを問わず、4年生から6年生の全児童を対象に平日の放課後に開設しています。基礎学力の向上や、学習習慣の定着を図るための児童の自主学習を支援しています。活動時間は、火曜日から金曜日のうち週2日午後4時から午後5時30分で、学習指導員が児童・生徒が勉強したい教材・学習プリント等を使用して、学習内容・方法等の指導助言をするものであります。参加者からは、友達と一緒に取り組むことで楽しさや達成感が味わえる、自分のやりたい学習ができ宿題や自主学習がはかどる、わからない問題を教えてもらえるので解くことができてよかった等の声が寄せられています。また、保護者からは、週2日子供の世話から解放される時間がつくれたことで、心に余裕を持って子供に接することができるようになったという声が寄せられております。そうしたことから、うしく放課後カッパ塾は昨年に比べて希望者が1.5倍に増加しているそうです。こうした取り組みの結果として、牛久市では近隣の市町村からの移住者が増加していて、14歳以下の定住人口は平成17年からずっと右肩上がりになっているそうです。 今、国が進めている地方創生に基づいて、いわき市でも地方版総合戦略を策定中と伺っておりますが、その肝は人口ピラミッドの低年齢層を広げることであります。そのために、小・中学校の児童・生徒を持つ保護者を呼び込むことが必要であります。いわき市においても、新しい制度設計として、全児童対象として児童の居場所を確保するための仕組みを、今後、調査・検討していただきたく要望して、次の質問に移ります。 質問の2つ目は、放課後児童支援員の待遇について伺います。 放課後児童クラブの運用の巧拙、うまいかどうかは放課後児童支援員、いわゆる学童の先生によるところが大きいと思います。 学童にいる先生は、1つとして保育士等の資格を持つ支援員、2つ目がその補助員がありますが、それら学童に勤務する放課後児童支援員の平均勤続年数を伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 放課後児童支援員の平均勤続年数につきましては、平成27年4月1日現在で放課後児童クラブに勤務している放課後児童支援員の年数で申し上げますと、約5年8カ月となっております。 ◆7番(吉田実貴人君) 全体をならすと5年8カ月ということですけれども、2種類あると申し上げました。資格を持つ支援員とその補助員ということで、私の聞いている範囲では資格を持っている支援員はかなり長く、10年以上働いている方も結構な割合でいて、時給で来るような補助員が短い期間で働いているという印象を持っております。 続きまして、放課後児童クラブに勤務する放課後児童支援員の平均収入を伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 放課後児童支援員につきましては、平成27年5月1日現在、男性が17人、女性が140人の合計157人が雇用されており、1人当たりの賃金の平均につきましては、各クラブからの報告に基づき算定いたしますと、時給にして940円となっております。 ◆7番(吉田実貴人君) 私も、ハローワーク等の検索条件で調べてみたんですけれども、そういった募集条件を見ますと、放課後児童支援員の収入は1日8時間勤務で、額面で月給15万円から17万円、時間単位のパート時給で750円から1,000円でありました。総務省が発表している平成22年地方公務員給与実態調査結果の概要によりますと、小・中学校教員の43歳ベースの平均月給は約42万円でありまして、教員免許の有無や研修制度や責任の重さは全く違うとはいえ、教員と同じように体全体で児童にぶつかり合いながら子供たちを育成していく職業として、放課後児童支援員の収入は教員の半分にも満たないということで、非常に低額な状態であります。児童の安全を預かる責任の重さや、いわゆるモンスターペアレントの対応、命にかかわる食物アレルギー対応など、求められる仕事が複雑化しているのに、待遇が不十分なことから勤続が長いベテランな経験豊富な指導員が育ちにくいという課題があると聞いております。 将来を担う子供の育成の一翼を担う指導員がしっかりとその役割を果たすためにも、安心して働ける環境が必要と思いますが、これに対してどのように改善していくかお示しいただけますでしょうか。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 放課後児童クラブにつきましては、子育て世帯の就労人口の増等に伴い、その需要は高まっていくものと認識しており、その運営の柱となる経験豊かな人材の育成については、重要な課題の1つと捉えております。現在、放課後児童支援員の賃金については、処遇改善を図るべく国の交付金を活用して取り組んでいるところでありますが、今後ともさらなる取り組みについて、放課後児童支援員の賃金や各クラブの運営状況、さらには他市の状況なども踏まえながら検討してまいりたいと考えております。 ◆7番(吉田実貴人君) 御回答のとおり、学童につきましては国が3分の1、県が3分の1、市が3分の1の公費負担で運営しておりまして、そういった中でやらなくてはいけないことは承知しておりますけれども、ぜひともそういった子供たちのために、市の独自の財政負担も考慮した上で御検討していただければと思います。 質問の2つ目は、低所得世帯の子供への学習支援についてです。 まず、市内全体の中学3年生の高校への過去3年間の進学率を伺います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 市内の中学3年生の高校への過去3年の進学率につきましては、平成24年度は98.0%、平成25年度は98.3%、平成26年度は97.8%となっております。 ◆7番(吉田実貴人君) 続きまして、市内の生活保護世帯の中学3年生の高校への過去3年間の進学率を伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 生活保護世帯における高校進学率につきましては、平成24年度が90.0%、平成25年度が89.7%、平成26年度が91.4%となっております。 ◆7番(吉田実貴人君) 学力テストの結果についてお伺いいたします。 8月26日の地方紙に掲載された平成27年度の全国学力テストの結果によりますと、福島県の公立小・中学校に通う児童・生徒の平均正答率は、全10科目のうち9科目で全国平均を下回りました… ○議長(根本茂君) 吉田実貴人君に申し上げます。 通告の順序が違う形になっておりますので、これは受け付けできません。次の質問に入っていますので戻れませんので、御了解いただきたいと思います。 ◆7番(吉田実貴人君) 進学率について伺いました。 いわき市の場合、過去3年間の生活保護受給世帯の高校進学率の平均は90%ということです。一方、いわき市全世帯の高校進学率は98%ですので、生活保護受給世帯の進学率は10ポイント近く下回っていることになります。 今定例会においても高橋明子議員が取り上げました貧困の連鎖という言葉がございます。生活保護世帯で育った子供が大人になって再び生活保護を受けるということであります。平成18年に関西国際大学が行った実態調査によりますと、貧困の連鎖の発生率は25%でありました。生活保護世帯の家庭で育った4人のうち、1人がまた生活保護世帯になるということです。なんという税金の浪費でしょうか。この貧困の連鎖を断たねばなりません。社会的損失を防がなくてはなりません。それには、生活保護受給世帯の子供たちが安定した環境できちんと学習し、高校に進学してきちんと卒業し、安定した仕事に就いてもらうことであります。将来、自立のための資格を取得したり、就職を有利にするには高校を卒業することが大切であります。 そこで、生活保護世帯への教育扶助の金額を伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 中学生に対する教育扶助の金額につきましては、学校給食費を除いた主なものといたしまして、基準額として4,290円、学習参考書等の購入費及び課外のクラブ活動に要する費用に充てる学習支援費として4,450円などが、毎月支給されております。 ◆7番(吉田実貴人君) 御答弁の金額を合わせますと、大体月9,000円ぐらいとなります。中学3年生で月9,000円支給という教育扶助の金額は、学級費だとか、PTA会費等の支払いや、ノートや鉛筆等の学用品の購入に相当する金額に当たると思われます。とても、授業を補完するための、もしくはもっと上の学校への進学を目指すための通塾費用にはほど遠く、事実上、生活保護世帯の子供には、塾に通いたくても、制度上はなかなか通えない実態にあると思います。 次に、準要保護世帯への支援内容について伺います。 生活保護は受けてはいないけれども、就学援助費を受給しているような経済的に厳しい環境の家庭、いわゆる準要保護世帯に対する学習支援の金額を伺います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 本市の就学援助制度につきましては、現在、通塾費用に当たるような学習支援費は特に支給しておりません。 ◆7番(吉田実貴人君) 特に、通塾費用の支援はないということで理解しました。 代表的な就学援助費である学校給食費の負担額は中学生で年間約5万4,000円であります。準要保護世帯はこの約5万4,000円さえも支払うことが難しいので、市から支給していただいているわけであります。準要保護世帯は生活保護世帯と同様に、子供は塾に通いたくても事実上通えない状態にあります。進学した後のほうがよい仕事に就くことができて、長い目で見れば家計を助けることになる場合においても、今、目の前の家計の状況が厳しく、最低限の生活もできない状況であれば、将来の所得の増加よりも現在の所得を選ぶことになるのであります。 次に、生活困窮家庭への支援内容について伺います。 生活保護になってしまう一歩手前で踏みとどまるための施策として、現在国が定めている生活困窮者自立支援法があります。その中に、学習支援事業というメニューがあって、これは貧困の連鎖の防止のため生活困窮家庭の子供への学習支援事業であります。対象要件は各実施主体において地域の実情を踏まえ、対象者を設定するものとされており、要件を満たせば事業経費の2分の1が国庫補助の対象となるものであります。 こういった国が定めた制度を利用して、国庫補助を受けられるような制度を設計し、経済的に恵まれない家庭の子供に対し貧困の連鎖を防止するために生活環境を整え、学習機会を設けることに対するお考えを伺います。 ◎市長(清水敏男君) 生活困窮者自立支援法の任意事業の1つに、貧困の連鎖を防止するため、生活保護世帯を含む生活困窮世帯の子供に対し、学習支援や居場所の提供、進路相談のほか、親に対する養育支援などを実施する学習支援事業があります。市においては、現在、生活保護世帯の子供を対象に高校進学支援プログラムを実施しておりますが、今後につきましては、同プログラムの効果や本年4月に設置した生活・就労支援センターに寄せられました相談内容を分析・検討するとともに、先進自治体の取り組みなども調査・研究しながら、本市における学習支援のあり方について検討してまいりたいと考えております。 ◆7番(吉田実貴人君) 先進自治体の例を参考にということなので、ここで御紹介したいと思います。 埼玉県では、埼玉県生活保護受給者チャレンジ支援事業というのがありまして、生活保護受給世帯の子供たちの高校進学率の向上を目指し、平成22年度から中学生を対象に高校進学を目指した学習教室を始めています。その学習教室には、小学校で習う小数の足し算や分数を理解していない生徒もいるので、先生役の大学生ボランティアがマンツーマンで子供について、一人一人の学力に合った学習支援を行っているそうです。この事業で高校進学率が向上しています。平成24年度には、中学3年生の対象者782人のうち、316人の中学3年生が学習教室に参加して、その結果、309人が高校に進学し、教室参加者の高校進学率は97%になりました。事業開始前の平成21年度の生活保護受給世帯の高校進学率86.9%より約11ポイント高くなったことになります。また、教室の会場は特別養護老人ホームの会議室や食堂を無償でお借りして、教員OBなどの支援員と大学生ボランティアが指導しているそうです。老人ホームが会場だと、施設職員の方や入所中のお年寄りと施設の行事などを通じて交流することができて、そうした交流の中で生徒の人間的な成長も期待できるそうであります。また、高知市でもチャレンジ塾という類似の学習支援の仕組みをやっておって、福祉部局と教育委員会が連携して、生活保護受給世帯の中学生を対象とした学習支援を実施しています。やり方としては、就学促進員が定期的に家庭訪問して、保護者へ事業参加への働きかけ等を行うものであります。民間団体に委託して、教員OBや大学生などの学習支援員が週2回程度、市内5カ所で学習支援を実施したところ、平成24年度は生活保護受給世帯の生徒106人が参加して、中学3年生43人のうち、41人が高校へ進学したそうです。チャレンジ塾のOBの子供たちの中で、自分が大学とか卒業してもここへ教えに来るよと言ってくれる子供たちが出てきています。次の後輩を自分が教えに行くという意味でも、非常にうまくいい形で回っているそうです。なお、この事業に対する予算額でありますけれども、平成26年度、平成27年度ともに年間約3,200万円であると聞いています。 これまで申し上げてきましたけれども、私がここで申し上げたいのは、何も生活困窮者を殊さらここで優遇しようとするものではありません。情けは人のためならずという言葉があります。生活困窮世帯であることを遠因として学習意欲に欠けてしまっている生徒に対する支援をして、家庭環境や学習環境を改善することによって、巡り巡って、そうではない生徒にも良い影響をもたらすことができるということであります。御存知のとおり、今30人余りの少人数クラス編制の中には、学習意欲に欠け、さらには他の生徒に悪影響を与える問題児がいます。教師はそういった問題児への対応に時間がとられて、他の生徒に接する時間が減ってしまう、また、本来の目的である授業に集中できないという問題を聞いております。そういった学習意欲を持たない生徒が学習意欲を持つようになることで、その生徒の将来の可能性が広がるだけでなくて、教師の目が多数の生徒に行き渡りやすくなり、クラス内の他の生徒も安心して学習に取り組めることにもなるということであります。クラス全体のためにも、社会全体のためにも、ぜひ調査・研究を進めていただきたいと切に思います。 大きな質問の3点目は、偉人教育についてであります。 これについては、前の定例会においても取り上げたところでありますが、再度資料等を使いまして、御説明したいと思っております。 配付資料1ページ目をごらんください。こちらがいわき市の郷土資料集であります。ごらんになった方もいらっしゃるかと思います。現在、いわき市の全小学校の社会科の時間において使用されております。いわき市の地理や産業、歴史、文化等が詳しく、楽しく、わかりやすく紹介されている資料であります。これは、いわき市教育委員会に所属されている先生方が中心となって、毎年改訂に次ぐ改訂を重ねて現在の形になっていると伺っております。なので、これは毎年バージョンアップしています。大人の私が読んでもその記載内容は非常に興味深く、また最新の情報・写真等も掲載されており、その制作にかける努力に非常に敬服しているところであります。 この郷土資料集は小学校社会科の授業の副読本という位置づけと伺っておりますが、どのように配布しているか伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 市教育委員会が毎年編集・発行しています郷土資料集いわき市につきましては、毎年度初めに小学校3年生を対象に無償で配布しているところでございます。 ◆7番(吉田実貴人君) その郷土資料集を使って、教育現場で地域の学習を何時間程度教えていらっしゃるか伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 学習指導要領においては、小学校3年生・4年生の社会科で地域の産業や消費生活の様子、地理的環境や地域の発展に尽くした先人の働きなどについて学習することになっております。各学校においては、主たる教材である教科書と市教育委員会発行の郷土資料集を併用しながら、小学校3年生・4年生合わせて160時間程度の学習をしております。 ◆7番(吉田実貴人君) 現在、政府が進める地方創生において、地方への若者定住が盛んに叫ばれているところであります。その前提として、そこで生まれ育った者が郷土を愛して住みたくなること、郷土を誇れるという前提があると思います。それがあって初めて市外の方もそこに移り住みたくなるのではないでしょうか。そのような郷土愛の根本には親や兄弟や地域の人たちに育ててもらったから、さらには、地域の先人たちが残してくれた文化やインフラや産業等の我々の生活の糧を残してくれたから、これまで育つことができるようになったのです。 6月定例会においても、我が清政会の磯上佐太彦議員がいわきの先人である武術家の国井善弥氏を取り上げましたが、現代人の生活は先人たちの活動の礎として成り立っております。その意味で、郷土の偉人、先人の歩みを知ることはとても大事で、いわき市郷土資料集はとても意味のある冊子であると思います。惜しむらくはこの資料集では先人の活動を紹介するページが1ページしかないことであります。1枚お開きいただけますでしょうか。郷土資料集がかなりのボリュームで非常に内容が濃くあるんですが、残念ながら、偉人の紹介のページは1ページで、そして先人の活動紹介は、見ていただくとわかりますが、1人当たり3行程度しかないということであります。これでは、残念ながら先人の活動や先人たちのそのときの思い、先人の人間ドラマ、人間臭さが伝わってこないということです。ぜひ、子供たちには先人の功績が単にうまくいったということではなくて、いろいろな先人の思いがあって、紆余曲折があった上で功績を残せたことを知ってほしいと思います。そして、勤労や勤勉の大切さとともに、その先人の生き様を参考として、自分のこれから歩む道をしっかり考えて欲しいと思っています。そこで、郷土の先人の活動をより詳しく紹介していただきたい。将来的には郷土資料集とは別冊で偉人資料集をつくって欲しいと思っております。お手元の資料3ページ以降になります。こちらは、金沢市が2012年に市の独自予算で制作したもっと知りたい金沢ふるさと偉人館91人の偉人たちという冊子でございます。これは、金沢市が金沢ふるさと偉人館に委託して、小学生向けに郷土の人物伝を編集・発行したものであります。翌年2013年には、この冊子が金沢市内の全小学生4・5・6年生に配布され、教材として使われております。見ていただくとおり、紹介スペースには、ちょうど最後のところですね、1人2ページが詳しく割かれているものから、1ページに10人まとめて紹介するものまであって、いずれも、金沢市、もしくは日本の歴史や産業に貢献してきた人たちを紹介しております。先人のにおいを感じるぐらいの丁寧な紹介の仕方をしていますが、これだけやって、制作コストは1冊約350円でできるそうです。 いわき市においても、まずは、現在使用されている郷土資料集の偉人紹介欄を丁寧に充実していただきたい。ぜひ御検討いただきたく、市の所見を伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 郷土の学習をする際に偉人を取り上げることは、郷土に対する誇りと愛情を育成する上で非常に有用であると捉えております。本資料集においては、学習指導要領に記された郷土の開発の学習において、小川江筋を取り上げ、その学習とかかわって沢村勘兵衛についても学習し、先人の歩みを知り、その工夫や努力、苦心などが実感できるように構成しております。また、議員から御紹介いただきました開発・教育・文化・産業の分野で活躍した郷土の偉人を紹介するページを設けているところですが、これにつきましては子供たちが発展的に学習ができるようにというページでございます。本市においては、そのほかにも数々のさまざまな偉人が数多く存在することから、学習内容とのかかわりを踏まえて、偉人を紹介するページの充実に向けてさらに検討してまいりたいと考えております。 ◆7番(吉田実貴人君) ただいま、教育長から沢村勘兵衛のお話もございました。今、我々が使っている平浄水場の給水区域は平の広い面積があるところですけれども、それにつきましては、沢村勘兵衛がつくった小川江筋の水を利用して、今でも使っているわけであります。そういった意味で我々の子供たちも、全員先人たちの功績の恩恵を受けながら暮らしているわけでございまして、そういったことも子供たちにぜひ知ってほしいなと思っております。小さく産んで大きく育てるという言葉がございます。郷土資料集の偉人紹介欄を拡充いただいてから、次のステップとして金沢市のように分冊として偉人資料集としてまとめて、子供が興味を持てるように紹介していただきたく、ぜひ一歩一歩着実に進めていただければと思います。 続きまして、偉人の足跡を紹介する施設について伺います。 まず、現在、郷土の偉人・先人を紹介する場として、市内にはどのような施設があるか伺います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 郷土の偉人・先人を紹介する施設としましては、本市の名誉市民でもある詩人草野心平の足跡を紹介いたしました草野心平記念文学館及び生家がございますが、そのほかに郷土の偉人・先人を単独で、または一堂に集めて紹介している施設は現在のところございません。 ◆7番(吉田実貴人君) 草野心平記念文学館及び生家があるだけということでございます。 ごらんのとおり、現在の郷土資料集には7人の偉人が紹介されているところでありますけれども、彼らの足跡を子供たちがもう少し知りたいと思っていても、草野心平記念館に限定されてしまっているということでございますので、市内の小・中学生にとっては、こういった7人の人物について、わかりやすい資料や情報に触れることが難しい現状であります。子供たちが自主的に先人の活動の調査を仮に発案して、文献がある場所までみずから行って、文献を一生懸命読み解くことは、なかなかこれは現実的ではないと思います。事実上、郷土資料集以外で知る機会がないと思います。先人の活動をまとめてパネルでの紹介だとか、偉人ゆかりの物を現物展示するような常設の場があれば、市内の小・中学生の遠足の機会等で触れることができると思います。 ここで、先ほどの金沢市にある金沢ふるさと偉人館を紹介します。こちらは、郷土が生んだ優れた先人を顕彰し、その業績を広く伝えるための博物館であります。1993年の開館時には、金沢市ゆかりの人物、最初は5人だけを紹介していましたけれども、その後、さまざまな分野で業績を上げた人々を加え、現在では20人を超える人物の常設展示を行っています。いつ行っても見られる状態です。資料や著作の展示、パネルによる解説などにより、その生涯や業績などを広く紹介する人物館であります。特に、次代を担う子供たちには見学や体験などを通じて、その偉業と生き方を知るとともに、こういった先人たちの研究の拠点ともなることを目的としているそうです。ちなみに、金沢ふるさと偉人館は指定管理者制度で運用されていて、年間委託料は1,500万円、これに加えて事業企画費は400万円程度と伺っております。 こういう偉人紹介施設をいわきにも持てないでしょうか。例えば、いわき市文化センター1階の科学展示室に偉人紹介スペースを設けてはいかがでしょうか。現在、いわき市全部の小学校5年生、中学校2年生が年に一度は東分庁舎の前にあるElemで経済体験教育を受けておりますので、その帰りにでも文化センターの偉人紹介スペースに立ち寄ることができるのではないでしょうか。 設置場所も含めて、子供たちの郷土愛の醸成に資するための偉人紹介施設についてのお考えを伺います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 現在、市文化センター科学展示室をリニューアルする一環といたしまして、磐城平藩主の安藤信正を初めとした、本市にゆかりのある歴史上の偉人を紹介するパネルの展示等について検討しております。あわせて、これまで余り知られていない郷土の偉人につきましても地域の方々から情報を収集し、紹介していくことも検討してまいりたいと考えております。 ◆7番(吉田実貴人君) 現在の科学展示館、イノシシの展示だとか南極の石の展示も非常に興味があるところではありますけれども、常設で小・中学生が行ったらいつでも何かしら偉人の資料が見られる形がぜひ実現できればと思っておりますので、調査・研究をどうぞよろしくお願いいたします。 私の思いは、いわきの社会全体に仕事と希望があふれ、それぞれの死生観を持って頑張る者が報われる社会が実現することであります。子供たちは夢に目を輝かせ、大人は倫理観に基づく秩序を保ち、大人としての自信と誇りにあふれ、子供たちから尊敬されている社会の実現です。全ての人が家族や地域との絆に幸せを感じ、ここに生まれてよかったと感謝できる社会であります。そんな地域となるためには、ひとづくりが第一であります。今回の一般質問では、とりわけ学習環境や学力、先人教育等のいわゆる人材を育てる具体的な施策について取り上げてまいりました。清水市長におかれましては、日ごろから歴史と文化を感じるまちにしたいとおっしゃっていただいております。その実現に微力ながら全力でお支え申し上げることをお約束申し上げまして、私の一般質問を終了いたします。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(根本茂君) ここで、午後1時まで休憩いたします。          午前11時44分 休憩---------------------------------------          午後1時00分 再開 △上壁充君質問 ○副議長(遊佐勝美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。24番上壁充君。          〔24番上壁 充君第二演壇に登壇〕 ◆24番(上壁充君) (拍手)24番いわき市議会創世会の上壁充でございます。 通告順に従い、一般質問をいたします。 第1番目の質問は、適正な人員確保と市民サービスの向上についてでございます。 私は、3.11東日本大震災以降、いわき市の復旧・復興、市民の生活再建には要となる職員の健康管理が重要であり、そのためにも正規職員の雇用創出とそれぞれの職場における適正な人員配置が必要との観点から、質問・要望等を行ってまいりました。それに対して若干名ではありますが、採用予定者数よりも雇用者数を増員したときもありまして、そのことに対しては評価をしたいと思います。しかし、それぞれの職場の実態を見ると、まだまだ適正な配置には至っていない職場がございます。その分、現在まで全国の50の自治体から190名ほどの応援職員の皆さんに助けられているわけでございますけれども、まずは派遣されている自治体の皆さんには感謝を申し上げたいと思います。しかし、派遣している自治体でも人員削減などで厳しい状況であると認識していただきたいなと思います。その意味で、6月定例会では人員不足が深刻となっている職種、いわゆる看護師、保健師、保育士の増員に向けた雇用を取り上げました。 そこで、本定例会では以下の質問・要望を行ってまいりますので、ぜひ前向きな御回答をよろしくお願いいたします。 まず、第1点は平成27年度定年退職者数についてですが、平成26年度の定年退職者数は99名でありまして、普通退職者が73名の計172名とのことでありました。その中で、行政職の定年退職者が70名で普通退職者が17名でしたが、何と医療職は定年退職者が18名で、普通退職者数が55名とのことでした。定年退職日を迎えず、退職される職員がこれほどいることは、その理由等について検証していくべきであると思いますし、今後の看護師などの医療スタッフを確保するためにも心配なことと思っているところであります。 そこで、まず平成27年度の定年退職者予定数は、職種別でどのようなものかお伺いいたします。 ◎総務部長(荒川正勝君) 平成27年度の定年退職予定者数は全部局合わせて97名となっており、職種ごとの内訳で申し上げますと、行政職が62名、医療職が19名、技能労務職が16名となっております。 ◆24番(上壁充君) 第2点は、総合磐城共立病院の医療スタッフの確保について伺います。 私が平成24年7月に定例会で、こうした欠員が生じる意味で、普通退職者による欠員の補充には中途採用も考えるべきであると要望いたしました。答弁では、毎年採用計画を策定し、年度途中の退職者の状況等を考慮しながら4月1日採用に向けた採用試験を実施しており、また、必要に応じて、追加での採用試験を行っているとのことでしたが、昨年から欠員分の確保に対して、前回もお話がありましたけれど、四半期ごとの採用試験を昨年から始めたということですが、このことについては評価をしているところでございます。しかし、それでも本年7月に行った四半期ごとの募集に対して応募がゼロだったということは、人員確保の不安の解消には至らないと思っております。 そこで、改めて伺います。 初めに、平成27年10月1日付採用試験の状況についてですが、1つ目は、看護師の応募状況について、どのようなものだったのか伺います。 ◎総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 本年7月29日に実施しました平成27年10月1日付採用予定の職員採用候補者試験におきまして、看護師は6名程度の募集に対しまして2名の応募があったところであります。 ◆24番(上壁充君) 7月がゼロで今回は2名となりましたけれども、今年度採用の不足分6名だったのが、今度は2名は10月に応募があったということでありますけれども、2つ目に、こうした中で今後の看護師の採用見通しについてはどのように見ているのかお伺いします。 ◎総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 看護師の人員不足を解消するとともに、より安定した看護体制を維持できるよう臨時職員の募集を随時行っているほか、現在、正規職員の平成28年1月1日付採用に向けた職員採用候補者試験の準備を進めているところであります。 ◆24番(上壁充君) 私は、当面臨時職員もやむを得ないのかなと思いますけれども、ぜひ確保できるようにお願いしたいと思います。 こうした現状を踏まえて、次の平成28年4月1日付採用試験の状況についてですが、仄聞するところによりますと、看護師は45名程度の募集となっておりましたけれども、その応募状況はどのようなものだったのかお伺いします。 ◎総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 本年8月26日から同月30日にかけて実施しました、平成28年4月1日付採用予定の職員採用候補者試験におきまして、看護師は45名程度の募集に対しまして、51名の応募があったところであります。 ◆24番(上壁充君) 今回は、45名に対して51名でありますので、特に問題がなければ全員合格にしてください。 看護師はお伺いしました。それでは次に、看護師以外の職種の応募状況についてですが、看護師以外の職種の応募状況はどのようなものだったのかお伺いします。 ◎総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 看護師以外の医療職の応募状況について申し上げますと、助産師は4名程度の募集に対し2名の応募、薬剤師は6名程度の募集に対し3名の応募、臨床検査技師は3名程度の募集に対し5名の応募、栄養士は1名程度の募集に対し2名の応募、理学療法士は1名程度の募集に対し4名の応募、作業療法士は1名程度の募集に対し1名の応募があったところであります。 ◆24番(上壁充君) 看護師はオーバーしていましたけれど、助産師、薬剤師がまだ不足しているんですけれども、そういう意味では、次に、今お話ありましたように、応募者数が募集人員に満たなかった原因について、どのように捉えているのかお伺いします。 ◎総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 助産師及び薬剤師の応募者数が募集人数に満たなかった原因につきまして、明確にお答えすることは困難でありますが、助産師については県内の助産師養成施設が福島県立医科大学と福島県立総合衛生学院の2校であり、定員が合計で26名から27名程度と少ないことや、いずれも福島市内に所在し、本市からの通学は出来ないため、学費以外の経済的負担も多くなることが原因ではないかと考えております。一方、薬剤師については、市内に薬学課程を有する大学があるものの、就職先として、病院のほかに調剤薬局やドラッグストア、製薬会社等、その選択の幅が広く、勤務や給与の体系も異なっていることが原因として考えられるほか、6年制薬学課程の導入も影響しているのではないかと考えております。 ◆24番(上壁充君) 次は、今後の対策についてですが、不足が生じている職種について、今お話がありましたように、今後必要数を確保するために、事務局としてはどのような対応、取り組みをしていくのかお伺いします。 ◎総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 助産師及び薬剤師の確保に向けた取り組みといたしましては、正規職員の再募集の準備を進めるほか、臨時職員の随時募集を行う中で、応募者にやむを得ない事情がある場合には、短時間勤務も認めるなどの柔軟な対応に努めているところであります。また、就職先として当院を選択していただくため、高度急性期医療に携わる当院の優位性や働きがい、さらには、職員の働きやすさにも配慮した新病院の魅力などについて、就職セミナーや病院見学会を通じ、積極的に発信してまいりたいと考えております。加えて、助産師につきましては本年3月に修学資金貸与制度を創設したところであり、今後も当該制度の積極的な活用を通して計画的な人材確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆24番(上壁充君) ぜひ、これから新病院建設もあるわけですから、こういった医療スタッフの不足とか生じて、国民や患者が不信感を抱くようなことにはならないように、引き続きお願いしたいと思います。 第3点は、保育所正規職員確保についてでございます。 6月定例会では、保育所の正規職員での雇用と配置について要望しましたが、本定例会では乳幼児期に大事な食事に関して質問・要望してまいりたいと思います。 その前に、平成21年4月1日に施行された保育所保育指針について、述べさせてもらいたいと思います。それには、保育所における食育は健康な生活の基本としての食を営む力の育成に向け、その基礎を培うことを目標にしている。そして、子供が毎日の生活と遊びの中で食にかかわる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子供に成長していくことなどに留意して実施されなければならないとしております。 つまり、保育所では子供の育ちを支えるために、養護、いわゆる生命の保持、情緒の安定と健康、人間関係、環境、言葉、表現などの教育が一体的に行われており、食育においても保育の一環として、養護的側面と教育的側面が切り離せるものではないことを踏まえ、乳幼児期の子供の心と体の土台づくりに取り組んでいくことが求められております。そして、多様な食に関する体験のための環境づくりを進めると同時に、体験の連続性、すなわち子供の学びの連続性を重視し、食にかかわる活動とほかの活動での学びとの関係性に配慮していくことが重要であり、また、子供の食を考えるとき、保育所だけではなく、家庭と連携・協力して食育を進めていくことが不可欠であります。食に関する子育ての不安・心配を抱える保護者は決して少なくないため、保育所保育指針では、1つの柱として保護者に対する支援を重視しており、今まで保育所で蓄積してきた乳幼児期の子供の食に関する知識・経験・技術を子育て支援の一環として提供し、保護者と子供の育ちを共有し、健やかな食文化の担い手を育んでいくことが求められている。保育所に入所していない未就園の子育て家庭に対しても、保育所は児童福祉法第48条の3の規定に基づき、その行う保育に支障がない限りにおいて、地域の実情や当該保育所の体制などを踏まえ、地域の保護者等に対する子育て支援を積極的に行うよう努めることが期待されております。具体的な食を通した活動としては次のような活動が展開されているということで、5点ほど挙げております。1つに、食を通した保育所機能の開放、つまり調理施設活用による食に関する講習などの実施や情報の提供、体験保育など。2つに、食に関する相談や援助の実施。3つに、食を通した子育て家庭の交流の場の提供及び交流の促進。4つに、地域の子供の食育活動に関する情報の提供。5つに、食を通した地域の人材の積極的な活用による地域の子育て力を高める取り組みの実施など、以上のような食の場を通して保護者同士の交流の場の提供や促進を図っていくことで、保護者同士のかかわりの機会を提供し、食に対する意識が高まることが期待されております。また、実際多くの保育所で育児相談や育児講座などを通し、保護者の育児不安を軽減する活動が展開されており、地域のさまざまな食に関する資源と連携し、地域の子育ての拠点として、また、地域の食育の発信拠点として、食を学び合い、分かち合い、支え合い、育て合う観点が、育ちゆく子供とともにある保育所には必要であります。特に、現代社会においては、保育が地域保健と地域福祉をつなぎ、地域生活文化の創造に寄与していくことが期待されていると述べられております。 そうしたことを踏まえまして、お伺いいたします。 初めに、保育所・保育園の嘱託職員についてですが、これまで不足分は臨時職員等で対応してきましたが、臨時では1カ月間の空白が生じるなど問題があり、そのため現場ではその部分を補うための人員確保が難しい状況でしたが、ここ数年、保育所・保育園では嘱託職員がふえておりますが、どのような職種で嘱託職員を採用しているのか、まずお伺いいたします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 本市の公立保育所におきましては、正規保育士以外に、一定の期間、日々雇用職員として保育業務に従事していた保育士を、平成23年度から嘱託保育士として採用しているところであります。また、正規調理員の欠員代替につきましては、これまで日々雇用職員を充ててきたところでありますが、給食調理業務の安定的な運用を図るため、今年度から調理師免許を有する者や、給食調理業務に従事経験のある者を嘱託調理員として採用しているところでございます。 ◆24番(上壁充君) わかりました。これまで以上は不足が生じるといったことがないようになってきているなと思います。 それでは次に、調理業務の正規職員並びに非正規職員の現在の配置状況についてですが、調理業務ですが、公立31保育所のうち再任用職員を除く、正規職員のみが配置されている保育所数についてはどのようなものかお伺いいたします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 公立保育所31施設のうち、今年度において正規調理員のみが配置されている施設は18施設となっております。 ◆24番(上壁充君) 31施設のうちの18施設、本来ならば正規として雇用し、配置していただきたいんですが、現状としてはやむを得ないのかなと思います。 次に、調理業務の正規職員の配置についてです。 先ほど述べましたが、児童の食育や、さらにはアレルギー対策を考慮すると、正規職員の調理師を計画的に採用しながら、採用した後に知識や経験、技術を体験させ、いわゆる熟練した調理従事者も保育所に確保していくのも重要かなと思いますけれども、市の認識なり見解についてお伺いいたします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 公立保育所におきまして、給食調理業務に従事する正規調理員の欠員代替につきましては、今年度から調理師免許を有する者や、給食調理業務に従事経験のある者を嘱託調理員として採用し、食品衛生やアレルギー対策に関する研修なども実施しながら対応することとしたところであります。市といたしましては、当面の間、正規調理員2名配置、または正規と嘱託の調理員を各1名配置する体制で、給食の調理・提供業務を行ってまいりたいと考えております。 ◆24番(上壁充君) 6月定例会でも現業職員の雇用とは言われましたけれども、適正な人員配置をお願いしてきましたけれども、今回も同じであります。今後、ぜひ私が要望するような方向に向けていっていただけるように御検討をお願いしたいと思います。 よく、いわき市の人口減少とか少子・高齢化と言われておりますが、皆さんも御承知のように、いわきに働く場所があればそこで働き、いわきに定住するということになって人口減少に歯どめをかけることができるのかなと思います。これまでも民間企業などに雇用を要請してきておりますけれども、いわき市職員としても現業職員を採用してきました。それは年齢が20代ではなくて、40歳上限とか35歳上限で雇用してきたときもありまして、そうしたときには若いとき都会に出ていった人が自分のうちを継がなければいけないと戻ってきて、その試験を受けて、雇用されて今うちを守っているという形もありましたので、現業職員を採用するということも、1つの策として考えるのはどうかと私としては思っているところでありますので、もしできれば御検討などしていただければと思います。 第2番目の質問は、公共施設の維持管理費についてです。 つまり、公共施設の維持管理費の財源確保について、公共施設といってもたくさんありますけれども、今回は道路や公園、河川の土手、あるいは新興住宅などにあるいわき市が所有する土地といったところの管理などに関して質問したいと思います。 これらのうちの公園の管理については平成25年10月定例会で私が質問しましたが、比較的規模の大きな公園は市及び指定管理者が主体となって実施し、比較的規模の小さな公園等については、原則として公園愛護の精神に基づき、地域の自治会や子供会等により設立された公園愛護会にお願いしているとのことでした。6月定例会に塩田議員がこの愛護会に対する報酬の引き上げということで、引き上げるというお話を聞いておりますから、それは当然評価をしたいと思います。しかし、こうした市民に身近にある市道や公園、河川、あるいは住宅地の周辺にあるいわき市の所有する土地といったところなどは、今、申し上げましたように、愛護会あるいは自治会で清掃デーのときに草刈りなどを行ってきているわけでございますけれども、しかしここ近年、特に私は農家生まれですから、昔から作場といって、田んぼをやるときに農道とかに砂利を敷いたり、本当は私らがやるんではないでしょうけれども、市がやるんでしょうけれども、市道の脇の草刈をやってきました。秋になっても同じくやってきたんです。でも、今農業離れが多くて、人を集めても集まらなくて、専業で受けている人だけがやっているようなもので、とてもではないが対応できないという状況であります。さらに、今、高齢化社会になってきて、そういったところにもなかなか、参加はするんですけれども、機械を持ってきていた人が、今度鎌に変わってきたとかいってなかなか作業が進まないような状況になっているのが現状であります。そういった意味で、これまで市が保有する土地の草刈りとか任せてはきているんですけれども、これからは規模の大きな公園は市や指定管理者が維持管理すると言っておりますので、今後はそういった小さい所でもできないようなところについては、いわき市が維持管理して予算を計上して、市がみずから行える形をつくっていただきたいと思っておりますけれども、市の所見をお伺いしたいと思います。 ◎市長(清水敏男君) 公共施設の草刈りやごみ拾いなどの環境整備につきましては、各年度の管理運営費の中で予算措置をしており、各施設の実態に応じて、利用者や地域の皆様、関係団体等の御協力もいただきながら適宜対応しているところであります。しかしながら、議員おただしのように、現在、少子・高齢化の進展や家族形態の変化、地域とのつながりの希薄化など社会情勢が大きく変化しており、これらを踏まえた対応が必要になってきているものと認識しておりますことから、今後は施設の利用状況や管理状況等のさらなる実態把握に努めるとともに、時代に適応した維持管理のあり方について調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆24番(上壁充君) 市長から本当にうれしい答弁をいただいて、これから大変期待しておりますので、そういったことを検討しながら、実現に向けてお願いしたいと思います。 きょうは、いろいろ質問・要望した中においては、まだまだ私としては不足しているところもありますけれども、ある意味では前向きな御答弁もいただいたのかなと思っております。これからも、私としても一緒になって、復興に向けても頑張っていきたいとも思いますし、新病院が日本に誇れる病院になることにも協力していきたいと思いますので、執行部の皆さんには、ひとつ引き続きの御尽力をお願いして、私が通告した質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ○副議長(遊佐勝美君) ここで、午後1時50分まで休憩いたします。          午後1時29分 休憩---------------------------------------          午後1時50分 再開 △柴野美佳君質問 ○副議長(遊佐勝美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。6番柴野美佳君。          〔6番柴野美佳君第二演壇に登壇〕 ◆6番(柴野美佳君) (拍手)6番公明党柴野美佳です。通告順に従って、質問をいたします。 国は、切れ目ない子育て支援策として日本版ネウボラ構想を打ち出しました。ネウボラとは、フィンランド語で助言の場、アドバイスの場という意味です。子育て先進国フィンランドには、どこの自治体にもここにネウボラおばさんと呼ばれる保健師が常駐し、多くの親が気軽に子育て相談できる場所として定着をしております。日本版ネウボラは、母子健康手帳の交付から育児学級への参加促進まで、別々に行われてきた子育て支援を集約するもので、支援センターに切れ目なく受けられるよう調整するものです。いわき版ネウボラの構築に向け、安心して子供を産み育てるための産前産後ケアについて質問をいたします。 市内の出産の環境について伺います。 市民の皆さんからいわきのお産の環境は大丈夫なのかとよく聞かれます。私が知っているところでは、以前8施設あったうち、2施設が医師の高齢等の理由で取りやめ、共立病院を含め現在は6施設でお産を取り扱い、そのうち1施設は医師が2名勤務、共立病院も複数名の医師が勤務しているということでありましたが、大変厳しい現状です。そういう厳しい現状を受けて、共立病院では寄附講座を設けて医師を確保し、分娩を扱う件数が伸びていると聞いております。 そこで、共立病院産婦人科の現状について、寄附講座開設前後の状況の変化について伺います。 ◎総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 福島県立医科大学が平成26年1月から地域産婦人科支援講座を開設したことにより、当院産婦人科の診療体制の充実が図られたところであります。これに伴う分娩件数につきましては、寄附講座開設前の平成25年の502件に対し、開設後の平成26年は763件、平成27年は1月から8月までで560件であり、年間ベースでは800件を超える見込みであります。 ◆6番(柴野美佳君) 順調に伸びているということで、それでは、市全体で震災前・震災後・直近の分娩数の推移について伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 市内の医療機関における分娩取り扱い件数は震災前の平成22年度が2,902件、震災後の平成23年度が2,493件、直近の平成26年度が3,090件となっております。 ◆6番(柴野美佳君) 市内の産科施設の減少にもかかわらず、分娩数が伸びていることに驚くとともに、お産にかかわっていただいているスタッフの皆さんの努力に深く感謝いたします。スタッフの中でも、助産師の果たす役割は大変大きく、産前のサポートから産後のケアまで、業務は多岐に渡り、なくてはならない存在です。 市内の助産師不足解消に向けての取り組みについて伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 本市におきましては、医師を初めとした医療従事者の確保が重要な課題となっているところでありますが、助産師についても同様であると認識しております。このような状況の中、助産師を確保するための取り組みとして、卒業後に県内での就労を条件とする県の福島県保健師等就学資金制度が設けられております。また、市立総合磐城共立病院においても、助産師を確保するため、助産師養成施設の学生に対し修学資金を貸与する、いわき市市立病院助産師修学資金貸与制度を設けているところであります。 ◆6番(柴野美佳君) 続いての質問は、妊娠したかなと思ったときから始まる産前の支援についてです。 相談の支援体制は、どのようなものがあるのか伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 出産前の相談支援といたしましては、親子健康手帳交付時のほか、プレママ・プレパパクラスなど、妊娠された方が集まるさまざまな機会を捉え、実施しているところであります。さらに、妊娠・出産等に関し不安のある方につきましては、随時、保健師が電話や訪問等により相談支援を行っているところであります。 ◆6番(柴野美佳君) それでは、親子健康手帳の交付について伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 親子健康手帳は、母子保健法に基づき母子の健康管理に役立てていただくために、地区保健福祉センターや、地区保健福祉センターのない地区においては各支所等において交付を行っているものであります。親子健康手帳交付時においては保健師による母子保健サービスの情報提供や相談対応を行うとともに、母子健康カードによる家庭状況・生活環境・既往歴・現病歴等のほか、妊娠・出産・育児に係るアンケートを実施し、その上で状況に応じて電話・訪問等により必要な支援を継続的に行っております。なお、支所等で交付された場合は、相談があった方や母子健康カードに記入された内容及びアンケートから、保健師により支援が必要と判断した方に対し、電話や訪問等で継続的に支援を行っております。 ◆6番(柴野美佳君) 今の部長の御答弁にもありましたけれども、アンケートを行っているということで、そのアンケートについて伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 親子健康手帳交付時のアンケートにつきましては、妊娠についての本人及び夫等の気持ち、出産後の育児、家事の協力者や育児体験の有無、本人の不安感など8項目の内容となっております。親子健康手帳交付時において把握した妊婦の年齢や家族状況、生活環境及び心身の状態等とあわせ、アンケートの回答内容から支援が必要であると判断した方にはその場で相談に応じるとともに、その後も電話や訪問等により必要な支援を行っております。 ◆6番(柴野美佳君) 交付時にそうやって相談ができて、その後につながっていくことは非常に重要なことだと考えます。 また、この親子健康手帳交付時に、マタニティマークのキーホルダーが配布されると伺っております。 マタニティマークとは、どのようなものか伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) マタニティマークにつきましては、妊娠初期は外見から妊娠していることの見分けがつきにくいことから、つらくても電車で席に座れない、たばこの煙が気になるなど、日常生活においてさまざまな苦労を余儀なくされる場合がありますが、妊婦がこのマークを身につけることにより、周囲に妊婦であることを示し、周囲からの思いやりや気遣いを促すなど、妊婦にやさしい環境づくりを推進することを目的として作成しているものであり、平成18年から厚生労働省が周知・普及に向けた取り組みの推進を図っているものであります。本市におきましては、親子健康手帳とあわせて対象者全員に配布しているほか、マークの趣旨の周知を図るため、公共機関等、人が多く利用する施設におけるポスターの掲示協力について、市公式ホームページなどを通じて広報しているところであります。 ◆6番(柴野美佳君) 今、部長の御答弁で周囲にやさしい気持ちを促すということがありました。実際、そのマタニティマークをつけながら食料販売の仕事をしていた方からこんなお話を伺いました。あるとき、高齢の男性のお客さんからビールのケースをレジまで運んでほしいと頼まれたそうです。周りを見ても従業員が誰もおらず、お客さんはマタニティマークを見ても気づかず、そしてとても急いでいる様子だったので、仕方なく恐る恐るその重いケースを運んだそうです。その後、無事出産されたそうで何よりですが、せっかくつけていたマタニティマークも、周りの人たちがこのマークの意図を知らなければその意味をなしません。妊産婦にやさしい環境づくりをもっと進めていかなくてはいけないと感じております。 マタニティマークには母子の命を守るという大きな役目があります。車社会のいわきですが、妊産婦が運転あるいは同乗していますというマークを見かけたことがありません。車用マタニティマークは、運転中あおられないようにする効果や事故に巻き込まれた場合、救急隊に妊婦が乗っていることを知らせるという効果があります。 車用マタニティマークの配布について、御所見を伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 車用マタニティマークにつきましては、マタニティマークの普及のために東京都に立ち上げられたNPO法人ひまわりの会が、自家用車の運転時等における周囲の配慮を促すために、自治体に対して無償で提供を行っておりますことから、今後、その活用を図ってまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 周知という点でも非常に役立つと思いますし、危険を防止するという点で、ぜひよろしくお願いいたします。 次は、産後の支援について、産後のサポートの主要な施策について伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 産後のサポートといたしましては、保健師や助産師が生後4カ月までの乳児のいる家庭を訪問し、産婦の精神状態や乳児の発育状態を確認しながら、必要に応じたアドバイスや育児支援を行ういわきっ子健やか訪問事業や、毎月1回、市内3会場において助産師が授乳に関する個別相談を実施する授乳支援事業、さらには、各地区において保健師・栄養士及び歯科衛生士などの専門スタッフが育児相談に応じる母子健康相談などを実施しているところであります。 ◆6番(柴野美佳君) 今、御紹介がありましたいわきっ子健やか訪問事業について伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) いわきっ子健やか訪問事業につきましては、親子の心身の状況や養育環境等の把握、子育ての悩みや不安感の軽減を図るとともに、支援が必要な家庭に対してはニーズに応じた適切な情報やサービス提供を行うことを目的とし、生後4カ月までの乳児のいる全ての家庭を対象に、保健師や助産師が訪問を行う事業であります。平成26年度の訪問実績は、出生数2,548人に対し訪問総数2,428人、実施率は95.3%となっております。 ◆6番(柴野美佳君) 95.3%ということで、非常に高い数字だなとは思いますが、残っているところ、訪問に至っていないケースはどのようなものがあったのか伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 生後4カ月時点で、訪問に至っていないケースの状況につきましては、市外へ里帰り中が最も多く、ほかに出生時が未熟児等のため入院しているケースや、第2子以降のため心配ない等の理由により訪問を断られるケースなどがあります。なお、訪問に至らなかったケースに対しましては、電話により状況を確認し、子育てに関する相談支援を行うとともに、4カ月児健診の機会を捉えて面談指導を行っております。 ◆6番(柴野美佳君) 現場の保健師にもお話を伺いました。100%にこだわって最後まで粘り強く訪問あるいは連絡していくとお話をされていらっしゃいました。大変なお仕事ですが、この全戸訪問が、この後も質問に挙げますが、虐待の発見につながったり、支援の要となってまいりますので、今後も執念を持ってよろしくお願い申し上げます。 続いて産後ケア事業について伺います。 高齢出産が増加し、それに伴い親も高齢化し、里帰り出産をしない、あるいは出来ないケースがふえています。妊娠期間は10カ月と長く、出産は母体に大きな負担となり産後ホルモンバランスが崩れ、精神状態にも大きく影響を及ぼし産後うつがふえています。産後うつは一般的なうつと比べ不安や焦燥感が強い一方で、なかなか周囲が気づきにくく、世話をしなければならない赤ちゃんを抱え、どこに相談していいかわからない、産後のことだから産婦人科かといえばそうでもない。子供のことだから小児科かといえばそうでもない。そうしている間に重症化してしまうという一面があります。実は私にも、今思い返せば、あれは産後うつの入口だったのではと思える時期がありました。2人目のお産はとても軽く、母子ともに健康でしたので里帰りも早めに切り上げて自宅に戻り、通常の生活がスタートして間もないころでした。だんだん外出するのがおっくうになり、人に会うのが嫌になって、常に時間に追われているような焦燥感にさいなまれるようになりました。様子に気づいた近所の友人と主人が協力して、半ば強制的に私と子供を実家に連れて行ってくれました。子供を両親に預け、ゆっくり心と体を休めて私はすぐに元気を取り戻しました。幸いにも、私には周りで支えてくれる人がいましたのでその程度で済みましたが、孤立した育児で赤ちゃんを胸に抱き、幼い子の手を引いて産後うつの暗い穴のふちにたたずんでいる親子がいるのではないかと心配しています。 産後の不安定な時期に、お母さんと赤ちゃんの体と心のケアをする産後ケア事業の概要について伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 産後ケア事業につきましては、育児知識や技術が不足し、育児不安が強い方や産後の身体機能の回復に不安を持ち、保健指導を必要とする方を対象に、出産後の一定期間、産婦と乳児に助産所に入所していただき、産婦の母体管理や赤ちゃんのお風呂の入れ方、授乳等の育児指導を行い、産後の経過に応じた母体の保護と保健指導などのサービスを提供する事業であり、本市では平成11年度より事業を実施しております。なお、福島県におきましては、県内に里帰り分娩のため一時滞在している産婦を含め、平成26年度より同内容の事業を実施しております。 ◆6番(柴野美佳君) それでは、その実績について伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 産後ケア事業の市の利用実績について申し上げますと、平成24年度は2名、利用日数は延べ14日。平成25年度は5名、利用日数は延べ29日。平成26年度は3名、利用日数は延べ19日となっております。 ◆6番(柴野美佳君) 育児支援家庭訪問事業について伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 育児支援家庭訪問事業につきましては、児童の養育について、家事サービスなどの支援が必要でありながら、身体的・精神的不調により、みずから支援を求めていくことが困難な状況にある養育者に対し、保健師・保育士・ホームヘルパー等が連携して家庭訪問により養育支援を実施するものであります。 ◆6番(柴野美佳君) それでは、この産後ケア事業の今後の課題について伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 産後ケア事業につきましては、核家族化や地域コミュニティーの希薄化等に伴い、育児に関し孤立が懸念される社会的状況の中、出産後の母子に対して、心身のケアや育児のサポート等を集中的に、かつきめ細やかに支援する事業であり、今後需要の増大が見込まれるところであります。このことから、今後の産後ケア事業におきましては、需要の増大に対応する施設数やスタッフの確保が課題であると考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 今の部長の答弁にもありましたように、実績が少ないというところがありますが、現場の方にも伺いましたけれども、今お話があったように、対応できる助産師の確保がまず困難である。また、施設も足りないこともあって、周知をすれば足りなくなるのは目に見えている。だから周知できない。本当に痛しかゆしですというお話をされていました。今定例会でもいろいろな要望・提案をされておりますが、どこにお金を配分するかということになっていくと思いますが、今部長の御答弁にありましたように、今後、増大が見込まれる、本当に大切な事業になってくると思います。切迫した状況の方にこの産後ケア事業を使ってもらうのはもちろんなんですけれども、そこの手前にある方にも、赤ちゃんとそのお母さんがほっとできる居場所をつくっていくことが非常に重要になってくると思いますので、ぜひ拡充をお願いしたいと思います。 赤ちゃんの首が座って、お母さんの体調が安定してくると外出の機会がふえてまいります。赤ちゃん連れの家族が授乳やおむつがえのために気軽に立ち寄ることが出来る施設が赤ちゃんの駅で、市内公共施設を中心に数多く設置されています。いわきは温暖な気候で自然も多く、野外のイベントが数多く開催されております。イベントが開催されるのは公共施設が休みの土日が多く、近くの赤ちゃんの駅が使えないことが考えられます。 そこで、移動が可能なテント式の赤ちゃんの駅の貸し出しを提案いたします。このテントは災害などの緊急時にも安心して授乳・おむつがえが出来る場所が確保できるものと考えます。 移動式赤ちゃんの駅について御所見を伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 本市におきましては、乳幼児の保護者が安心して外出できる環境を整備することを目的といたしまして、当該乳幼児に対して行う授乳やおむつがえ等のために、立ち寄ることができる赤ちゃんの駅を公共施設に随時整備するとともに、市内の企業等の協力を得ながら拡充に向け取り組んでいるところであります。屋外イベント等の開催時におけるテントなどを活用した授乳やおむつがえ等のためのスペース、いわゆる移動式の赤ちゃんの駅につきましては、当該事業を実施している自治体における利用状況等を確認しながら、市としてのかかわりも含め、今後、調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 実施している自治体もたくさんあると伺っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。 厚生労働省が発表した児童虐待の報告によりますと、虐待で死亡した子供のうち、0歳児は全体の4割、4カ月未満の赤ちゃんがそのうちの7割を占めています。生まれたばかりの赤ちゃんが亡くなっており、加害者は実の母が53%と最も多く、産後うつが原因ではないかと言われています。 児童虐待防止の取り組みについて、乳幼児に対する虐待防止の取り組みについて伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 乳幼児に対する虐待につきましては、生命・人格形成・発育・発達に深刻な影響を及ぼす問題でありますことから、早期発見、早期支援はもとより、未然防止に努めることが非常に重要であると考えております。本市におきましては、いわきっ子健やか訪問事業や乳幼児健康診査等を通し、保護者の心理状態や家庭環境を把握し、支援が必要と判断された場合は子育て支援サービスに結びつけるなどの対応を行っているほか、日中子供が過ごす時間が多い保育所や幼稚園と連携しながら、虐待の防止に努めているところであります。 ◆6番(柴野美佳君) さまざまな取り組みの中で、本当に支援が必要とされた場合についてはどのような対応をされているのか伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 児童虐待防止の取り組みの中で支援が必要とされた場合につきましては、子供を守る地域ネットワークである要保護児童対策地域協議会において、組織的に対応することとしております。具体的には、何らかの支援が必要とされた場合、まず、地区保健福祉センターにおいて、児童相談所など関係機関で構成される個別ケース会議を開催し、緊急度を判断した上で乳幼児の安全確保や保護者支援の方法など、支援方針と役割分担を決定し対応しているところであります。 ◆6番(柴野美佳君) そういった中で、虐待や経済的な理由で親が育てられないことが明らかになった場合、どのような対応をされるのか伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 要保護児童対策地域協議会における児童虐待の対応の中で、暴力、経済的理由、その他さまざまな理由で親が育てられないことが明らかになった場合など、すぐに児童を保護しなければならない事案が発生した場合におきましては、児童の保護の権限を有している児童相談所と密接な連携を図りながら対応していくこととしております。具体的には、児童相談所が児童福祉法に基づき、児童養護施設への入所や里親委託などの支援を実施することとなります。 ◆6番(柴野美佳君) 国は子供の家庭養護を強く進めております。社会的養護の担い手である里親などを支える仕組みも強化していかなくてはならないと思いますので、市としても、その取り組みをどうぞよろしくお願いいたします。 また、乳幼児に対する虐待には、望まない妊娠をした若い親が産後に重度のうつを発症し、悲劇につながっている例が少なくないという背景があります。 望まない妊娠をなくすための取り組みについて伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 望まない妊娠をなくすための取り組みといたしましては、幼少時から生命のとうとさに対する理解を深め、自己肯定感を高めるとともに、発達段階に応じた性に関する知識の啓発が重要であると考えております。市におきましては、現在、乳幼児期の親子を対象に早期から性に関する正しい知識や親子で話し合えるきっかけづくりとなるおやこ性教育教室や、児童・生徒を対象に生命のとうとさや性に関する正しい知識を伝える性・生教育セミナー、さらには、教育関係者や市民を対象とした思春期保健セミナーや思春期健康相談を実施しているところであります。今後におきましては、市教育委員会とも連携しながら、学校現場と連動した事業展開の充実や、わかりやすい啓発の手法等について調査・研究を進めてまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) この問題は議場でもさまざま取り上げられてきた問題であります。行政・学校・家庭・社会が一丸となってもっと取り組んでいかなければならないと思っておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。 続いての質問は、情報の発信についてであります。 市のホームページについて伺います。 ググる、そこから派生してヤフるといった言葉が使われております。これは、知らない言葉、単語などわからない言葉をその場ですぐスマホやタブレットで検索すること。グーグルをもじって言う言葉です。子育てについてわからないこと、困ったことがあればまずインターネットで調べるのが今の子育て世代です。ネットにはさまざまな情報があふれております。正しい情報を知るという点で、市のホームページの情報は欠かせません。ところが、私も市のホームページには頻繁にアクセスしますが、なかなか調べたい箇所にたどり着かない。それこそキーワードを入力してググったほうが早い、目的に着くというのが正直な感想であります。 これまでも、市ホームページの改良について言及してまいりましたが、ネット世代の要求に応えられるような見やすい一括した子育て情報の発信が必要だと思いますが、御所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 本市の子育て情報の発信につきましては、妊娠・出産からその後の子育てまで、切れ目なく支援をしていく観点から、市民が気軽にアクセスでき、市内のさまざまな情報を閲覧できるいわき地域情報総合サイト、いわきあいあいを活用し、子育てにかかわる市の施策はもとより、市内の子育て関連団体が実施する事業やイベント等の耳寄りな情報を集約し、年内をめどに開設する専用サイトを通じて発信することとしております。また、専用サイト内のレイアウトについては、市民にとって見やすく一括した情報の発信ができるよう意を用いてまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 私もその専用サイトを楽しみにしておりますので、よろしくお願いいたします。 昨年9月定例会で、塩田議員が子育て支援メールの活用について取り上げました。その後、さまざまな形で多くの自治体で子育て支援メールの活用が広がっております。中でも、私が特に便利だなと思うのが、予防接種ナビというサービスであります。子供の予防接種は回数や種類が多く、接種間隔がよくわからない、接種スケジュールを立てるのが大変といった声は多く聞きますし、実際私も大変苦労をいたしました。そういった保護者の負担を軽減するため、子供の誕生日などの条件を入力すると、その子供に合わせた予防接種スケジュールを自動で作成し、接種日が近づくと電子メールで知らせるというサービスで、接種忘れの防止にも役立つという優れものであります。昨年の答弁では、ホームページやフェイスブックの活用というお話がありましたが、個人に届くメールサービスは子供の個々の成長に合わせたきめ細かい支援が可能となり、保護者の皆さんに直に安心を届けるサービスとなります。 子育て支援メールの活用について御所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 妊娠期間における胎児の成長の状況や、子供の月齢・年齢に合わせた育児に役立つ情報をタイムリーに伝達できるメール配信事業につきましては、子供に対する愛情を醸成するとともに、子育て家庭の孤立化の解消にも効果があると考えておりますので、今後、導入に向けて検討してまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) ありがとうございます。皆さんとても喜ぶと思います。 安心して子供を産み育てられる社会のためには、妊娠・出産・子育てのそれぞれのステージに合わせた、また、一括した継続的な支援であるネウボラの構築が必要であります。 いわき版ネウボラ構築について、本市の御所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 日本版ネウボラは、妊娠・出産から子育ての段階におけるさまざまな子育て支援を、対象者の家庭状況やニーズに基づき、保健師などのコーディネーターが必要に応じ、適切な支援プログラムを作成し、実施していくものであります。本市におきまして、今後、さらに切れ目のない支援を充実させていくためには、人材育成等により医療分野を含めた子育て支援全体のコーディネート機能を充実していくことが重要でありますことから、ネウボラの構築に関し、モデル事業を実施している他自治体の事例等を参考にしながら、市の現状を踏まえたあり方について調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆6番(柴野美佳君) 今、市長が御答弁してくださったように、産科も少ない、助産師も足りないといった中でも精一杯子供を産み育てていく皆さんを支えていく、社会でサポートしていくことが大切になってくると思います。 内堀福島県知事が、部下の育児に理解のある上司を意味するイクボスになると宣言されました。県庁の職員が育児休暇を取りやすい環境を整えて、社会に波及させる考えだそうです。いわき市役所においても、職員が育児や介護に参加しやすい職場づくりが始まり、社会全体で子育てを応援する機運の高まりが感じられるようで嬉しい限りです。清水市長も、公務多忙の中で少しでも子育てに参加しようと努力をしてきたイクメンであると思っておりますが、今後はさらにいわきの子育てをする全ての方々のイクボスとして、リーダーシップを発揮していただきたい。いわきで、子供を産み育てたいという思いを多くの子育て世代に持ってもらえるような子育て支援のさらなる充実をお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(遊佐勝美君) ここで、午後2時35分まで休憩いたします。          午後2時26分 休憩---------------------------------------          午後2時35分 再開 △伊藤浩之君質問 ○副議長(遊佐勝美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。10番伊藤浩之君。          〔10番伊藤浩之君第二演壇に登壇〕 ◆10番(伊藤浩之君) (拍手)10番日本共産党いわき市議団の伊藤浩之です。 安全保障関連法案の国会での取り扱いがいよいよ大詰めを迎えようとしております。政府与党は、16日にも参院での採決を考えているようですが、本当にそれでよいのかと問われていると思います。マスコミの世論調査では、今国会での採決をすべきでないという回答が7割に迫り、他の調査には見られない大きな数字ですが、安全保障関連法案を58%が必要と回答した産経・FNNの世論調査でも、今国会での成立には56.4%が反対という状況です。そこには、国民がこの重要な法案の中身を十分に理解していないことが示されていると思います。報道によりますと、自民党の高村副総裁は、かつての周辺事態法やPKO法にしても、国民の理解がしっかり得られてできたことはない、いつまでも延ばせばいいという話ではないと述べ、国民の理解がなくても採決に踏み切る考えを示したとされております。政治があって国民なしであります。政治のあり方がそんなことでよいのかが問われる発言であります。私は、立法根拠が崩れた法案は廃案にすべきと思いますが、別の意見をお持ちの方もいらっしゃると思います。それでも、重要な法案だけに、国民が法案の内容を理解して判断できるようにするまで審議を尽くす。それが国会の役割だということでは一致できるのではないでしょうか。戦争になれば、経済がゆがみかねません。かつて、アメリカは重い軍事費の負担から国家財政が赤字となり、これに貿易赤字が重なった双子の赤字、さらに家計の赤字も重なった三つ子の赤字で経済が疲弊し、混乱したことがありました。もし、こうしたゆがんだ経済になれば、そのもとで最も苦しめられるのは国民であり、地方の中小企業であります。鳴り物入りで進められ、陰りが見え始めたアベノミクスも大手企業には大儲けを、そして地方の中小企業には厳しい経営をもたらしています。こうした中で、本市は中小企業振興条例の本年度中の制定に向けて作業に入ったわけですが、このことについて、いくつか質問をしてまいりたいと思います。 東京都墨田区が1979年に制定したのを皮切りに、中小企業振興条例を制定する自治体が急激にふえております。せんだってのお盆に、墨田区の条例制定を求めて運動していた墨田民主商工会の役員に偶然お会いしました。本市の出身者がこんなところでも頑張っていたということで感慨深いものがありました。全国では、こうした民主商工会や経済同友会の皆さんも、熱心に制定を求めて運動していらっしゃるようです。本市では、どんな経過があったのか議事録で検索してみましたら、古くは1973年、昭和48年に質問で取り上げられていました。今から42年も前のことであります。このとき、当時の大和田市長は前向きの姿勢で検討させていただきたいと答えておりました。それから幾度か議論があって、2011年2月定例会の高橋明子議員の質問への答弁では、市としては中小企業の振興には既存の施策を充実する等の対応をしていきたいとしておりました。42年前には前向きだったものが、その後、条例の制定に消極的になっていたのであります。そして、今年の年頭所感で、清水市長は中小企業振興条例の制定に言及され、いわき市中小企業振興懇談会を設置するに至り、8月3日に第1回の懇談会が開催されています。消極姿勢から積極姿勢に大転換をしたと言えると思います。 そこで、清水市長はかつての本市の中小企業振興の取り組みに関して、どこに問題、あるいは弱点があると捉えて中小企業振興条例が必要との認識を持つに至ったのかお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) 本市におきましては、新・市総合計画基本計画を初め、新・市商業まちづくりプランや新・市工業振興ビジョンなどにより、これまで市独自の融資制度による資金繰りの下支えや各種支援制度を実施するなど、中小企業の振興を図ってきたところであります。しかしながら、東日本大震災や原子力発電所事故の影響により、中小企業を初め、本市は甚大な被害を受けたところであり、震災前にも増して活力ある明るく元気ないわき市をつくり上げていくためには、本市の事業所数の約99%を占める中小企業が復興再生し、その力を十分に発揮していただくことが重要であると考えております。このため、市民の皆様に、中小企業が本市において重要な経済的・社会的役割を担っていることについて理解を深めていただくとともに、これまで以上に産学官の緊密な連携のもとに、地域が一体となって本市経済の活性化を図っていくことを目的に、条例を制定することとしたところであります。 ◆10番(伊藤浩之君) ただいまの答弁を聞きまして、今回の中小企業振興条例を制定するに当たっては、震災、それから原発事故が大きな動機であって、それ以前の中小企業については、それなりに市の施策としても頑張ってきたんだという認識のもとに今回提案されたということなのでしょうか。 ◎市長(清水敏男君) いろいろな考え方があると思いますが、今議員おただしの点について大きな動機だと思います。 ◆10番(伊藤浩之君) 私は、復興・再生の取り組みは、実は地域経済には震災前から求められていたという認識が必要だと考えております。震災前の答弁では、従前の施策の充実で対応していくと考えていたのだけれども、それは、中小企業振興という観点からは不十分だったという反省のもとに、それらの施策を一定の理念のもとに束ねて方向性を打ち出し、そのもとにしっかりした取り組みを進めていくと、前向きに中小企業振興に歩き出していこうというのが今回の中小企業振興条例制定に当たっての大切な点なのかなと。そしてそのことをしっかりと市民にアピールしていくことが大切なのではないかと考えております。 次に、中小企業振興の課題について伺いますが、2月定例会では条例制定に向けて商工会議所を初めとした経済関係団体等と意見交換を実施し、懇談会に提出された中小企業振興に当たっての課題等の整理を行っていると答弁しておりました。 懇談会に提出された資料である本市中小企業振興条例の構成案の前文の項にも同様の表記がありますが、これらの意見交換では、どのような現状が浮かび上がってきたのかお伺いします。 ◎商工観光部長(村上央君) 意見交換における主な意見につきましては、本市の中小企業は人口減少などの社会経済情勢の変化への対応や、経営者の高齢化などに直面しているほか、東日本大震災の復旧・復興関連の需要に伴い人手不足が深刻化するとともに、資材高騰により経営状況が厳しくなってきているとのことであります。一方で、復興需要が落ち着きを見せ始めている業種もあり、今後の景気の低迷が懸念されるとの意見も出されております。また、農産物や水産加工品などの食品関連産業及び宿泊業を初めとした観光産業においては、原子力発電所事故の影響による風評被害が続いており、売り上げに影響を与えているとのことでございます。 ◆10番(伊藤浩之君) それでは、課題はどのようなものでしょうか。 ◎商工観光部長(村上央君) 中小企業を取り巻く現状を踏まえますと、人材の確保や育成、円滑な事業承継、創業に対する支援環境の整備、復興需要後を見据えた新たな産業の集積、さらには、原子力発電所事故に伴う風評の払拭などが主な課題として挙げられます。 ◆10番(伊藤浩之君) 条例制定の前後に、域内の全事業所の状況を把握して、企業ごとの、いわばカルテを作成し、条例制定後の施策の展開に生かした東京都墨田区の取り組みは知られておりますが、こうした取り組みを本市としてはどのように評価をしているでしょうか。 ◎商工観光部長(村上央君) 墨田区においては、昭和54年に全国初となる墨田区中小企業振興基本条例を制定しており、その前段として、墨田区内製造業の実態を把握するため、聞き取り調査による中小製造業基本実態調査を実施したと聞き及んでおります。今後の中小企業振興の施策展開に当たり、域内の事業所の状況を把握することは重要であり、墨田区の取り組みは有意義なものと認識しております。 ◆10番(伊藤浩之君) 本市の条例の制定に当たっての取り組みでは、制定段階で各種経済団体等からそれぞれの団体の状況を把握して、条例の制定に臨んできたということが今の答弁の中にあるわけであります。そして、墨田区の取り組みの秀でているところは、区内の商工業者を個別に訪ねてその実態を把握し、その実態をデータベース化して個々の企業のアドバイスに役立てたり、区の施策の展開に役立てたということがあるようであります。従前の段階での調査ではそこまで細かい調査はしていないわけでありますが、今後の条例制定後の取り組みにおいて、中小企業の実態をしっかり把握することは、さまざまな施策を展開するに当たっての根拠を見据える大切な部分になってくると思いますので、本市としても、大いに参考にして取り組んでいただきたいと思います。 次に、条例の内容について伺ってまいります。 懇談会に示した条例の構成についてという資料がございますが、本市の目指す条例の骨格的な部分は大体この構成についてで見えてくるように思います。 さて、懇談会に提出された資料の中には、いわき市では小規模企業が全体の66.2%、実に3分の1を占めるという資料が紹介されていますが、これにかかわり、内郷地区まちづくり懇談会では、振興条例の名称等の中小企業に小規模の事業者を特別に取り出して位置づけることを求める提案がされて、市はそのような位置づけをした自治体の事例があることを紹介しておりましたが、このような全国での自治体の動向について、どのような評価をお持ちでしょうか。 ◎商工観光部長(村上央君) 国におきましては、平成26年6月に制定された小規模企業振興基本法などにより、小規模企業について、事業の持続的な発展を図るとともに、地域ぐるみで小規模事業者を支援する体制を構築するとしたところであります。本市におきましても、小規模事業者は人材や資金といった経営資源に制約があることから、人口減少、高齢化、国内外の競争の激化など、さまざまな構造変化の影響をより受けやすく、今後、小規模事業者に対する支援が一層重要になると認識しているところであり、これらのことが、近年、条例を制定した他自治体においても、小規模事業者を条例に明記する形として表れてきたものと受けとめております。 ◆10番(伊藤浩之君) 同じ構成の責務、役割の項では中小企業の努力と市の責務、大企業並びに関係団体・関係機関・市民等の役割を示すと提起されていますが、近年制定されている振興条例では、金融機関の役割について、条例に規定する事例もあります。 本市は、このような動向にどのような評価をお持ちでしょうか。 ◎商工観光部長(村上央君) 中小企業振興において、企業の円滑な資金調達や経営改善の支援を担う金融機関の果たす役割の重要性を鑑み、本市条例案を検討するいわき市中小企業振興懇談会の委員として、金融機関にも参加いただき、専門的な知見から御意見をいただいているところであります。条例に盛り込む内容については、今後、懇談会において具体的に検討することとなりますが、条例に金融機関の役割を明記することは、中小企業に加え、経済関係団体や大学などの関係機関との連携・協力、いわゆる産学官金の推進につながり、中小企業の育成・振興に係る各種施策がより効果的に推進されるものと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 同じく構成の推進体制等に関する項目では、条例制定後の中小企業振興に取り組む考え方を示すことになっております。例えば、千葉県の条例では中小企業振興施策の公表等を定め、毎年、中小企業振興の施策の実施状況をまとめて公表することや、関係者の意見聴取とその施策への反映努力などを定めています。 本市としてこのような取り組みをどのように評価しているか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 本市におきましても、条例制定後の実効性を高めるため、条例を推進するための仕組みづくりを条例に明記することが重要であると認識しているところであり、議員おただしの千葉県の事例である施策の実施状況の公表や関係者の意見聴取と施策への反映努力を初め、その他自治体の事例である官民一体となった推進体制の整備などは、いずれも重要なものと認識しております。このようなことから、今後、条例を推進するためのより効果的な仕組みについて、他自治体の事例を参考にしながら、いわき市中小企業振興懇談会における意見などを十分踏まえ検討してまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 中小企業振興条例の意義は、1つ目には、自治体内部に対する中小企業振興の立場の明確化。2つ目に、中小企業に対する自治体のスタンスの明示で、自治体の考えと方向性の理解を広げる。3つ目に、行政の連続性を担保する意義があると言われております。そして、近年の特徴は、先ほど質問の中で取り上げました金融機関の役割の位置づけ、小規模企業への配慮に加えて、教育活動が位置づけられている事例がある。つまり、人材確保が必要だという位置づけが中小企業振興条例の中で行われているということも、1つの特徴となっているようであります。本市が、制定しようとする中小企業振興条例が全国の条例にも学びながら、本市の産業特性を生かして、全国の先進的な経験にも学び、よりよい条例となるよう願っています。そして、中小企業振興懇談会の委員の皆様には、今後の本市中小企業振興をしっかり進めるそのよりどころとして、よりよい条例づくりのために御苦労をかけることになりますが、実りある検討が進められることを期待して、次の質問に移りたいと思います。 次の質問は、川部小学校自校式学校給食への対応についてであります。 さきの6月定例会では、田人学校給食共同調理場と川部小学校の自校式給食の勿来学校給食共同調理場への統合について、保護者や地域の意見を踏まえて対応することを求めました。去る7月9日には、川部小学校保護者と教育委員会で意見交換会が行われ、お話を伺わせていただきました。その場では、15人ほどの保護者が発言していましたが、全ての保護者が自校式給食の存続を求め、また自校式だからこそ体験できる感謝の気持ちの醸成など、教育上の利点を説く保護者もおりましたし、自校式給食を子供たちも強く望んでいると紹介する保護者もおりました。意見交換会への出欠確認とあわせて、事前に保護者にとったアンケートでは7割の保護者から回答があって、全てが自校式給食の存続を望む意見だった紹介もされておりました。さらに、同校の給食室は地域の方々の募金活動によって建設されるなど、地域の歴史と伝統の上にあるものなので、それを尊重してほしいという声もありました。一方で、市教育委員会はこれまで行財政改革大綱に基づき給食調理場への統合を進めてきたことを説明していたわけですが、この意見交換の中で気になる点もあったので、その内容についてお尋ねします。 この意見交換会では、意見交換をした上で着地点を探りたいという趣旨の市教育委員会側からの発言があったわけでありますが、この着地点という言葉には、保護者が望む自校式の存続という選択も含まれていると考えてよいのかお伺いします。 ◎教育部長(増子裕昭君) 川部小学校の自校式給食につきましては、7月9日に開催した保護者との意見交換会におきまして、伊藤議員も最後まで傍聴していただきましたが、給食のおいしさや作り手の顔が見えるという食育の観点から、自校式給食の存続を望む御意見や御要望を頂戴したところであります。市教育委員会といたしましては、本市の学校給食のセンター化の方針を踏まえつつ、川部小学校の給食のあり方について協議を重ねているところであり、給食のおいしさや食育の取り組みといった御要望にお応えできるよう、でき得る限りの対応策を検討してまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) そうすると、給食調理場との統合があって、そこに向かって教育委員会としては進んでいくんだということですね。 ◎教育部長(増子裕昭君) そういったことも含めまして、協議がスタートしたばかりの現在では、結果的にどういった着地点になるかと判断するのは非常に困難であると思います。本市としては学校給食のセンター化の方針をあくまでも踏まえながら、給食のおいしさや食育の取り組みについて、意見交換会で出た御要望に対して、センターでの取り組みや食育の取り組みなどについて丁寧に御説明しながら、双方が納得できる着地点を探っていきたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 市の方針はそれはそれであったわけでありますが、今、保護者の皆さんは、少なくとも9日の時点では皆さん残してほしいというお話でありましたので、そうした保護者の意見を100%生かすという選択も当然意見交換会の中には残していなければならない。そうでないと意見交換会にならないと思いますので、その点を十分留意して意見交換を進めていただきたいと思います。 次に、自校式給食をセンター化するスケジュールは、当面来年の勿来学校給食共同調理場の運用開始時になっていると思いますが、保護者や地域関係者の理解を得られない場合は、市としてどのように対応する考えかお伺いいたします。 ◎教育部長(増子裕昭君) 市教育委員会といたしましては、保護者や地域の皆様の理解を得るとともに、子供たちの思いを尊重することが何よりも大切であると考えておりますことから、そういったことも念頭に置きまして、引き続き協議を重ねながら、きめ細かな対応に努めてまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 最低限、来年4月にこだわることなく、しっかりとした協議を進めていくことが大前提にならなければいけないと。4月に給食調理場の運用が始まるので統合しますよという進め方だけはしないでいただきたいと思います。何よりも大切なのは、保護者や子供たちの声を行政に反映して対応していくことだと思いますので、行政側の都合だけでこの問題の方向性をつくっていかないように、十分に保護者や地域の声を受けとめることを求め、次の質問に移ります。 最後の質問になりますが、石炭火力発電所に関する質問であります。 常磐共同火力や広野火力発電所がそれぞれ1基ずつ、合計2基で約100万キロワットの石炭ガス化複合発電、いわゆるIGCCによる火力発電所の建設を計画していることに加え、好間中核工業団地には株式会社エイブルが11万2,000キロワットの火力発電所の建設を計画しております。本市の地球温暖化対策実行計画(区域施策編)では、2006年度から2020年度に産業部門で9.9%、全体で6.1%の温室効果ガス増加の想定をしながら、本市の削減目標を国の中期削減目標と同程度にするとされております。 こうした観点から見たときに、これらの増設あるいは新設計画を本市としてどのように受けとめているのか、お伺いします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 温室効果ガス排出量の推計上、発電所等のいわゆるエネルギー転換部門につきましては、排出量が国全体のエネルギー需給と連動して変動すること、及び送配電など地域を横断するネットワークの中で損失・消費が発生することなどから、エネルギー消費を特定の市町村に帰属させることが困難であります。このため、市町村においては当該部門を除いて現況推計等を行うことが一般的であり、本市におきましても当該部門を除いて削減目標を設定しているところであります。したがいまして、火力発電所の増設または新設により、本市の削減目標の達成状況に直接的に影響を与えるものではございませんが、石炭火力発電につきましては、他の発電方式に比べ二酸化炭素排出係数が高いことから、特に二酸化炭素排出抑制対策が必要であると考えております。このことから、本市におきましては、地球環境保全の視点から環境影響評価の機会を捉え、二酸化炭素排出量の削減徹底を求めているところであります。 ◆10番(伊藤浩之君) 二酸化炭素の排出抑制の徹底は大切なことだと思いますが、今回の計画に関して言えば排出源がふえていくということしかないわけですね。スクラップにする部分がなくてとにかく排出源がふえていく計画になっておりますので、さまざまな評価の仕方はあるとは思うんですが、排出源がふえていくことに関して、しっかりとした市としての、抑制というのは言い過ぎなのかもしれないんですけれども、考え方を持っていかないと、結局いわき市で消費するわけではない、他のところで消費する関係もあるのでとなってくれば、幾らでもいわき市に排出源ができていくことも想定し得ることになるわけですから、何のために地球温暖化対策に関する計画を立てているのかわからなくなってしまうので、そこはしっかりとした考え方を持って臨んでいただきたいなと思います。 好間中核工業団地の火力発電所計画は環境影響評価が進められており、県が環境影響評価準備書に対する意見を公表していますが、本市は県の求めに応じて本市としての準備書に関する意見を県に回答しています。 この回答内容は、どのようなものなのかお伺いいたします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 好間中核工業団地内の火力発電所設置計画に係る環境影響評価準備書への市の意見につきましては、大気環境・騒音・振動・水環境・温室効果ガス及び廃棄物など環境全般にわたり、主に環境影響を回避し、または低減させるための環境保全措置を講じるよう回答したところです。具体的には、計画されている事業が石炭を燃料とする火力発電所の設置事業であること、また、建設予定地が市街地に近接した工業団地内であることに鑑み、温室効果ガスや大気環境について特に意を用い、温室効果ガスの削減や排ガス中の有害物質の削減対策などについて市の意見としたところです。 ◆10番(伊藤浩之君) 県も意見書を出しているわけですが、県の意見書を見ると、一般に火力発電所の規模が小さくなることで熱効率が低下し、発電量当たりの二酸化炭素の排出は増加する、また国では、小規模発電所の設置を看過すべきでないとする議論もなされ、効率のよい設備を採用していることをもって、二酸化炭素削減に最良の措置をとっているという主張は市民感覚として認められないことは明らかだなど、結構厳しい意見を出している状況にあります。先ほども申し上げましたけれど、今回のケースについてはスクラップアンドビルドではなくて、排出源が増加していくということになりますので、今後とも温室効果ガス削減の観点からこの問題に対応していただくようお願いをして、時間が多少残りましたが、私の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(遊佐勝美君) ここで、午後3時15分まで休憩いたします。          午後3時04分 休憩---------------------------------------          午後3時15分 再開 △安田成一君質問 ○副議長(遊佐勝美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。28番安田成一君。          〔28番安田成一君第二演壇に登壇〕 ◆28番(安田成一君) (拍手)28番いわき市議会つつじの会の安田成一です。一般質問17番目、本日6人目となります。疲れもピークかと思いますが、1時間で終わりますのでよろしくお願いいたします。 東野圭吾さんの小説、天空の蜂が映画化され、今週土曜日から全国公開されます。主演は江口洋介さん、本木雅弘さんらでこの秋の話題作と前評判になっております。原作の小説は今から20年前に発表されたものですが、原子力発電所のテロを描いた物語で、公開を前に私も興味深く読みました。巨大ヘリコプターが遠隔操作によって乗っ取られ、福井県の高速増殖炉上空に静止し、天空の蜂と名乗る犯人は全国の原子力発電所の廃棄を要求するといった筋書きであります。小説は600ページを超える長編でありましたが、サスペンスだけではなく、原子力発電所建設に揺れる地域住民の葛藤や、その恩恵を享受しながらそれを意識しない国民への警鐘、政治システムの欠陥や原子力発電所で働く人々の誇りなども随所に描かれておりまして、賛成・反対の立場を超えた小説となっております。題名の天空の蜂の意味は、沈黙する群衆に原子炉のことを忘れさせてはならないといった意味だと解説で読みました。期待された再生可能エネルギーは制度面の不備が露呈し始めています。来年は電力の全面自由化も控えています。原子力災害を受けた我々だからこそ、再度エネルギーに対して真剣に向き合い、考えるべきだとのメッセージと受け取ることも出来ると思います。原作や映画がその契機となることを祈念いたしまして、以下通告順に従い一般質問を行います。 大きな1点目は、本市の雇用情勢についてです。 今年8月公表分の福島県内の経済動向を見ますと、県内の景気は一部に弱い動きが見られるものの、着実に持ち直していると総合判断をしています。それに伴う主要経済指標の動きについても、個人消費や建設需要など総じて堅調に推移しているとしています。中でも、大型小売店の販売額や新設住宅の着工件数などは3カ月連続で前年を上回っているなど、好調を維持しています。また、雇用・労働関係の指標についても、復旧・復興関連求人の増加などを背景に雇用環境は着実に改善していると分析しています。新規求人倍率の上昇など、雇用・労働の情勢は力強さを取り戻しつつあると見る動きもあります。しかし、有効求人倍率や完全失業率が堅調に推移している一方で、パートやアルバイト、派遣労働者などの非正規労働者は雇用労働者全体に占める割合の約4割に迫り、いわゆる年収200万円以下の低所得層も雇用労働者全体の4人に1人に近づくなど、これ以上の格差拡大を防ぐために雇用の安定化と処遇改善の取り組みが急務となっています。あわせて、雇用改善の状態を支えている現在の復旧・復興関連需要はいつまで続くかは未知数のところもあり、楽観視できる状態ではありません。今後、雇用環境を活性化させ、本市の経済活動を支える若い優秀な人材を地元雇用として採用し、人材を育成していく環境づくりがますます重要になるという観点から、以下伺ってまいります。 初めに、本市の雇用状況についてです。 福島労働局は、今年7月末の県内の有効求人倍率を1.48倍と発表しました。これは、全国の有効求人倍率1.21倍を上回りまして、都道府県別では7番目に高い水準となっています。 では、現在の本市の雇用情勢はどのようになっているのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 平公共職業安定所によりますと、本市の有効求人数は直近の平成27年7月末時点で8,678人、有効求職者数は5,286人となっており、有効求人倍率は1.64倍で、昨年同時期の1.56倍と比較し、上昇しております。 ◆28番(安田成一君) 県内他地域と比較した場合、どのようになっているのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 福島労働局によりますと、平成27年7月末時点の県内各地域の有効求人倍率につきましては、県北地域では1.42倍、県中・県南地域では1.35倍、会津地域では1.24倍、相双地域では2.29倍となっており、いわき地域は相双地域に次いで高い水準となっております。 ◆28番(安田成一君) 厚生労働省は今年度の地域別最低賃金の見直しを実施し、全国平均で現在の時給額780円から18円増の798円としました。これを受けて、福島県においても現行の最低賃金時給額689円から16円増の705円に改定になり、全国平均とはいまだ100円近くの差はあるものの、この引き上げ額は過去20年間で最高との報道もありました。 加えて、全国的に時間給単価や最低賃金の上昇傾向が見られますが、本市の求人賃金の状況はどのようになっているのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 平公共職業安定所による本市の平成27年7月末時点の平均求人下限賃金で申し上げますと、月額は17万4,901円で時給額は859円となっており、これを昨年同時期と比較しますと、月額は4,459円の増、時給額は21円の増となっております。 ◆28番(安田成一君) 雇用環境の課題の1つとして、潜在的な雇用のミスマッチがありますが、これは地元企業の魅力を求職者に十分伝え切れていない面もあると言われています。 課題解決のためには、地域企業の魅力をより強く求職者に発信していくための取り組みが重要だと思いますが、その方策について伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 多くの地元企業の魅力を知ってもらう機会として、市内において、昨年度の70社を上回る75社の企業に参加いただき、去る8月10日に就職ガイダンスを開催したところであります。具体的には、求職者向けに個別企業によるPRタイムを設け、企業概要及び採用したい人材等の説明を行うとともに、就職を希望する学生等に対し、企業独自のリーフレット配付や個別面談による企業と学生の対話の機会を設けたところであります。また、インターネットを活用し、求人情報を掲載している市の就職応援サイトでは、昨年よりアクセス数がふえているところでありますが、さらに企業の魅力が求職者に伝わり、より身近な企業として感じてもらえるようにするため、働いている先輩社員からのメッセージや職場写真の掲載など、サイト画面の充実に加え、労働条件や勤務地からの絞り込み検索機能を追加するなどのシステム改修を年内に実施する予定であります。 ◆28番(安田成一君) 今年度は市の復興事業も最終年度を迎えており、改善の状態にある雇用情勢に合わせて市民生活も落ち着きつつある状況にあります。一方で、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、新国立競技場の建設問題など、今後被災地では復興の停滞や労働力の流出も懸念されています。 これらを踏まえて、今後、市として雇用対策をどのように取り組んでいくのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 今後の雇用対策につきましては、復興需要後の将来をしっかりと見据え、既存の地域産業の復興・発展を基本としながら、新たな産業の振興にも取り組み、安定的かつ魅力的な雇用の場を創出することが肝要であると認識しております。そのため、積極的な企業誘致活動に取り組むことはもとより、本市の地域特性を生かすことのできる再生可能エネルギー関連産業を初め、成長分野である医療機器産業や蓄電池産業、ロボット産業などの将来を見据えた産業の振興を図ってまいりたいと考えております。あわせて、創業を志す者に対する支援環境の構築に努めることにより、意欲と能力のある企業経営者の育成にも取り組んでまいりたいと考えております。 ◆28番(安田成一君) 次に、新規高卒者の雇用状況についてです。 福島県高等学校就職問題検討会議が開かれ、来春高校卒業予定の就職に関して、6月20日から県内のハローワークで求人票受け付けの受理をすることとし、学校への提示は7月1日以降とすることが確認されています。 では、本市の平成28年3月卒業予定者の求人状況はどのようになっているのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 平公共職業安定所によりますと、平成28年3月の高校卒業予定者を対象とした求人数は本年7月末現在1,186人となっており、昨年度同時期の1,176人と比較しますと、ほぼ同程度の人数となっております。 ◆28番(安田成一君) 新規高卒者の県内企業への就職希望者が年々増加しているとの報道もありますが、本市の来春高校卒業予定者の求職動向についてどのように分析しているのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 平成27年7月末時点での市内高校の来年3月卒業予定者数は、昨年同時期と比較しますと、67人減の3,284人となっております。このうち、就職希望者は44人減の988人で、県内への就職希望者につきましては、卒業予定者の減少により、38人減の804人となっております。 ◆28番(安田成一君) 平成27年3月卒業者の県内企業への就職状況について伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 平成27年6月末現在、本年3月高校卒業者で就職が決定した985人のうち、県内企業に就職が決定したのは693人で県内留保率は70.4%となっております。 ◆28番(安田成一君) 昨年度の県内企業への就職状況と比較してどのようになっているのか伺います。
    商工観光部長(村上央君) 昨年度の県内留保率73.1%と比較しますと、本年度の留保率70.4%は2.7ポイント減少しておりますが、7割を超える高い水準となっております。 ◆28番(安田成一君) 福島労働局では、就職を希望する来春高校卒業予定者の求人動向について、県内企業の採用の動きが活発化しており、積極的に人材確保に向けて動いているとの分析をしておりますが、市内の新規高卒者の就職内定に向けた今後の見通しについて伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 平成28年3月高校卒業予定者の就職内定に向けた見通しにつきましては、平成27年7月末時点で県内就職希望者は昨年度の同時期より38人減の804人で、市内の求人数は昨年同時期より10人増加の1,186人となっていることから、本年3月卒業者の内定率99.9%に引き続き高い水準になるものと考えております。 ◆28番(安田成一君) 次に、高校生就職支援事業についてです。 高校生の地元就職へ向けた意識の醸成と就職後の早期離職の減少を目的に高校生就職支援事業を実施しておりますが、昨年度の実施状況について伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 高校生就職支援事業につきましては、昨年度、地元企業説明会、いわきの“職”体感ツアー仕事人の話を聞いてみよう及び就職への道案内を実施しております。その実績を申し上げますと、地元企業説明会につきましては10校で581人、保護者8人が参加し、企業担当者から企業内容などの説明を受けたところであります。次に、生徒が市内の企業を見学するいわきの“職”体感ツアーには7校で873人が、各界で活躍している方々を講師とする仕事人の話を聞いてみようには6校で770人が、キャリアカウンセラーによる適職診断を行う就職への道案内には6校で705人が参加するなど、多くの高校生に対して就職に向けた支援を行っているところであります。 ◆28番(安田成一君) ここ数年の高卒者の県内就職率を見れば、これまでの高校生就職支援事業によって就職に対する意識の醸成や若年層の地元定着など、大きな成果があったのではないかと思っています。 では、この事業での参加者や協力いただいた企業からは、どのような意見があったのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 事業に参加した生徒からは、地元企業を知るよい機会になった、就職への意欲が高まったなどの意見がありました。また、企業からは地元企業を知ってもらえるよい取り組みであることから、今後も継続し、多くの生徒や保護者に地元企業を知って欲しいなどの意見をいただいたところであります。 ◆28番(安田成一君) そのような意見を踏まえて、さらに事業を充実させていくために、今年度の取り組みについてはどのように反映させていくのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 本年度におきましては、これらの意見を踏まえ、地元企業説明会などの4事業に加え、就職活動を行う上で保護者の理解やサポートは欠かせないことから、保護者の地元企業に対する理解を深め、就職に係る意識の醸成を図ることを目的とした保護者向け説明会を新たに開催することとしております。また、企業見学につきましては、生徒の多様な希望に沿うよう訪問先をふやすため、従来の大型バスから小型や中型バスへと送迎手段を変更し、少人数での移動を可能とするなど工夫を重ね事業を充実してまいりたいと考えております。 ◆28番(安田成一君) 市では、UIJターンの取り組みなど、進学等で一度いわきを離れた学生などを対象に、地元いわきに就職してもらう活動も積極的に実施していますが、大学へ行く前の取り組みとして、進学率の高い高校については、どのような支援事業を取り組んでいくのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 大学等への進学者に対しましては、大学等卒業後のUターン就職を見据え、早期から地元企業を広く知ってもらう取り組みが重要であると認識しております。そのため、従来からの企業見学、職業講話、適職診断に加え、新たなメニューとして、地元で活躍している卒業生の事例などを取り入れた保護者向け説明会を実施することとしており、これまで事業に参加することが少なかった進学者が多い高校に対しまして、より多くの高校生が地元企業を知ることができ、将来の地元定着につながるよう積極的に働きかけてまいりたいと考えております。 ◆28番(安田成一君) 本市の経済活動を支える人材を将来にわたり継続して育成していく環境を今後も整備していくことが重要でありますし、特に、若年層の雇用推進のために地元企業の早期求人の掘り起こしや、地域定着につながる雇用確保と創出を軸とした取り組みに、さらに力を入れていただくことをお願いしまして、次の質問に移ります。 大きな2番目は、東日本大震災復興特別区域法についてです。 震災から間もなく4年半となり、市復興ビジョンで掲げる平成27年度末までを集中期間とする復興の仕上げの時期を迎えようとしております。顧みますと、東日本大震災復興基本法が施行されたのは、震災から3カ月後の平成23年6月24日でありました。これに基づいて、内閣に大震災復興対策本部が設置され、復興に向けた補正予算の編成やさまざまな対策が講じられるようになりましたが、本格的な復興予算を盛り込んだ補正予算の成立は震災から8カ月後となるなど、被災地からは遅々とした思いがあり、当時を振り返れば、国の対応スピードは決して速いものではなかったという感があります。その後、震災復興対策の切り札とされました東日本大震災復興特別区域法は、その第1条に、東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生に資することと明記され、平成23年12月26日に施行されました。特区法施行から約3年8カ月が経過いたしまして、既存企業の設備投資や雇用の創出など本市経済にも一定の成果が出ているものと思いますし、同時に、この特区制度の申請期間が今年度末をもって終了予定となっていることから、何らかの対応が求められると思います。これらを踏まえ、以下伺います。 初めに、ふくしま産業復興投資促進特区についてです。 これは、復興特別区域法に基づいて福島県と県内59市町村が共同申請を行い、平成24年4月に国の認定を受けましたが、市のこれまでの取り組み状況について伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) ふくしま産業復興投資促進特区制度につきましては、復興産業集積区域において、雇用機会の確保に寄与する事業を行う事業者等が自治体の指定・認定を受け、設備投資にかかる税額控除等のほか、被災被用者の給与支給額に係る法人税の特別控除など、税制上の特例措置の適用を受けることができる制度となっております。復興特区制度の活用促進に向けた本市の取り組みといたしましては、市主催の説明会を開催したほか、広報紙や市のホームページ等を通じた情報提供を行うとともに、いわき商工会議所、商工会などの関連団体と連携して制度周知に努めてまいりました。また、産業・港湾振興課内に専門の相談窓口を常設し、事業者からの問い合わせにきめ細かく対応することで事業者の制度活用を支援してまいりました。 ◆28番(安田成一君) これまで指定された件数について伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 本市におけるこれまでの指定件数といたしましては、本年8月末現在で319事業者に対して396件の指定を行ったところであります。なお、指定した事業の内訳といたしましては、設備投資に係る税額控除等を選択した事業が269件、被災被用者の給与支給額に係る特別控除を選択した事業が127件となっております。 ◆28番(安田成一君) 特区制度の認定を受けることで、企業の設備投資額や雇用創出人数など、これまで本市経済の活性化にどのような実績があったのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 事業者から提出された計画書に基づきますと、本年8月末までに設備投資に係る税額控除等を活用して約1,285億円の投資が実施され、今後、約458億円の投資が見込まれております。また、給与支給額に係る法人税の特別控除を活用して、これまで約3,600人の被災者雇用の場が維持され、今後も約1,000人の被災者雇用の場が維持される見込みとなっております。 ◆28番(安田成一君) 次に、いわきサンシャイン観光推進特区についてです。 平成24年10月に市単独でサンシャイン観光推進特区を復興庁に申請し、同年11月に観光特区としては県内初の認定を受けておりますが、市のこれまでの取り組み状況について伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) サンシャイン観光推進特区につきましては、東日本大震災以降、厳しい状況が続いている本市観光業の早期復興のため、観光に関連する幅広い業種を対象に本市単独で申請し、平成24年11月13日に認定された税制上の特例措置の適用を受けることができる制度であります。制度の活用促進に向けた本市の取り組みといたしましては、いわき観光まちづくりビューローやいわき商工会議所、各地区商工会等の関係団体と連携を図りながら、市内事業所等を対象に説明会を開催したほか、広報紙やホームページ等を通じた情報提供を行うなど、制度周知に努めるとともに、観光振興課内に専門の相談窓口を常設し、事業者からの問い合わせにきめ細かく対応することで事業の制度活用を支援してまいりました。 ◆28番(安田成一君) これまで指定された件数について伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) サンシャイン観光推進特区制度におけるこれまでの指定件数といたしましては、本年8月末現在で62事業者に対して、71件の指定を行ったところであります。なお、指定した事業の内訳といたしましては、設備投資に係る税額控除等を選択した事業が21件、被災被用者の給与支給額に係る特別控除を選択した事業が50件となっております。 ◆28番(安田成一君) 観光特区の集積を目指す業種はさまざまな種類がありますが、これまで指定を受けた業種の特徴について伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) サンシャイン観光推進特区制度におけるこれまでの指定業種につきましては、宿泊業、飲食店、飲食料品小売業が全体の約73%を占めるなど、観光客へ直接サービスを提供する業種が多く指定されているところであります。 ◆28番(安田成一君) 同じく、特区制度の認定を受けることで企業の設備投資額や雇用創出人数など、これまで本市経済の活性化にどのような実績があったのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 事業者から提出された計画書に基づきますと、本年8月末までに設備投資に係る税額控除等を活用して約28億8,000万円の投資が実施され、今後、約3億2,000万円の投資が見込まれております。また、給与支払額に係る法人税の特別控除を活用して、これまで約800人の被災者雇用の場が維持され、今後も約1,100人の被災者雇用の場が維持される見込みとなっております。 ◆28番(安田成一君) 最後に今後の取り組みについてです。 特区制度を活用した企業などからは、どのような声があったのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 市内の多くの事業者が実際に税制優遇を活用しており、投資に弾みがついたや、事業を拡大して新規に雇用ができたなどの声が寄せられておりますことから、当該制度が企業経営の進展の一助となり、本市経済の活性化に好影響を与えているとともに、本市の復興にも大きく寄与しているものと認識しております。 ◆28番(安田成一君) 特区制度の申請期間は今年度末で終了の予定でありますが、これまでの実績等を考慮すれば、制度延長の働きかけなどをすべきと思いますが、制度継続に向けた現在の状況について伺います。 ◎市長(清水敏男君) 東日本大震災特別区域法に基づく復興特区制度の申請期限につきましては、平成28年3月31日までとなっておりますことから、これまで市では福島県市長会を通して国へ要望するなど、さまざまな機会を捉え制度延長に向けた働きかけを実施してきたところであり、福島県においても国に対し制度の延長についての要望等を実施してきている状況であります。これを受けまして、現在、国においても、制度の延長について検討を開始したところであり、本市といたしましても、県及び共同申請している他市町村と連携を図りながら、制度延長に向けたさらなる取り組みを実施してまいりたいと考えております。 ◆28番(安田成一君) 特区制度の活用によって、本市経済にも大きな成果が出ているものと思います。県と連携して制度継続に向けた取り組みに力を入れていただきたいと思いますし、今後も民間の投資意欲を後押しするような仕掛けを発信していただくことをお願いいたしまして、次の質問に移ります。 大きな3番目は、障がい者チャレンジ雇用推進事業についてです。 この事業は、就労によって障がい者の社会参加と民間企業への円滑な就労支援の促進を図るために、知的障害などのある方をチャレンジ就業員として1年間の範囲内で雇用し、一般就労に向けた就労支援を行うとともに、民間企業等における障がい者雇用への理解度向上を図ることを目的に実施されている事業であります。これらを踏まえて、以下伺っていきます。 初めに、これまでの取り組みについてです。 この事業は平成22年度から実施しておりますが、これまでのチャレンジ就業員の採用実績について伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) チャレンジ就業員の採用実績につきましては、事業を開始した平成22年度から平成25年度までの4年間は毎年2名ずつ、平成26年度は3名、平成27年度は4名の合わせて15名となっております。 ◆28番(安田成一君) それぞれの障がいの状況に応じた職域や業務内容、本人の適性や能力などを把握した上で進めていく必要があるかと思いますが、チャレンジ就業員を従事させる主な業務の考え方について伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) チャレンジ就業員につきましては、議員からお話がありましたように、障害に起因する知的能力やコミュニケーション能力等に係る特性に配慮した上で、市本庁舎内において、事務補助や簡易な作業として、主に、書類の印刷や庁内文書の集配、郵便物の封入・封緘、宛名ラベル貼りなどに従事する機会を提供することで、企業等への就労に必要な能力の向上を目指しているところであります。 ◆28番(安田成一君) チャレンジ就業員の勤務時間や賃金体系など、雇用状況について伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) チャレンジ就業員の勤務時間につきましては、月曜日から金曜日までの週5日、午前8時30分から午後3時30分までで、休憩60分を挟み1日6時間勤務としているところであります。また、基本賃金につきましては月額9万1,350円を支給しているところであります。 ◆28番(安田成一君) 次に、対象要件の見直しについてです。 事業開始から6年目を迎え、その間チャレンジ就業員の採用条件を追加見直ししておりますけれども、その項目について伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) チャレンジ就業員の採用に当たりましては、事業開始以降、療育手帳の交付を受けている方を条件の1つとしておりましたが、平成26年度以降の採用に当たりましては、従来の療育手帳所持者のほか、発達障害の診断を受けた方についても対象としたところであります。また、就労経験の有無についても問わないこととしたところであります。 ◆28番(安田成一君) チャレンジ就業員の指導や業務の調整を行うチャレンジ雇用支援員の配置人数を、今年度1名から2名に増員をしておりますが、その経緯について伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) チャレンジ雇用支援員につきましては、チャレンジ就業員の指導及び業務の調整のほか、就労に関する情報の収集、助言等を行うために配置しておりますが、チャレンジ就業員の採用数が平成27年度から4名と事業開始当初の2倍となったことから、支援内容の充実を図るためチャレンジ雇用支援員についても増員を図ったところであります。 ◆28番(安田成一君) どのような方がチャレンジ雇用支援員となっているのか伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) チャレンジ雇用支援員につきましては、チャレンジ就業員の障害に起因する知的能力やコミュニケーション能力等に係る特性を配慮した上で、企業等での一般就労に向けた職場実習を行う役割を担うことから、福祉や教育現場などにおいて障がい者支援の実務経験を有する方を配置しており、現在は2名の、いずれも女性が従事しております。 ◆28番(安田成一君) チャレンジ雇用支援員が従事している業務内容など、チャレンジ就業員をどのように支援しているのか、その支援状況について伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) チャレンジ雇用支援員によるチャレンジ就業員への支援状況につきましては、職場内での作業や業務の調整、求人に関する情報提供や履歴書の書き方の指導など、雇用期間満了後の就労に関する情報の収集及び助言、面接、就職面接会への同行、就職後の企業訪問などを行っているところであります。 ◆28番(安田成一君) これまでの障がい者チャレンジ雇用の採用条件に新たに発達障がい者を含めたことによりまして、今後より一層、障がい者の雇用促進につながることが期待されますが、同時にハローワークや障害者就業・生活支援センターなどとの関係機関とさらに連携強化を図る必要があると思いますが、市の今後の障がい者チャレンジ雇用推進に向けた取り組みについて伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 本事業につきましては、事業開始から6年目を迎えたところでありますが、この間、対象要件の見直し等を行ってきた結果、チャレンジ就業員の採用数も当初の2名から4名へ増員するとともに、他部署等からの依頼も着実にふえるなど、一定の成果を上げてきたものと認識しております。今後につきましても、関係機関との連携を強化するほか、事業の実施方法について引き続き検討を重ね、さらなる事業の推進を図ってまいりたいと考えております。 ◆28番(安田成一君) 次に、雇用期間終了後の就労についてです。 この事業は、市の嘱託職員として1年間の範囲内で採用し、雇用期間終了後は民間企業への円滑な就労支援も事業目的の1つとなっています。 これまでのチャレンジ就業の採用者の雇用期間終了後の状況について伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 雇用期間終了後の状況につきましては、11名のチャレンジ就業員のうち、9名が民間企業へ就職したところであります。 ◆28番(安田成一君) 民間企業へ就職された後、現在も継続して就労しているのか、あるいは何らかの理由で離職されてしまったのかなど、その後の状況について把握していれば伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 民間企業へ就職した9名の方のうち、8名については引き続き勤務をしております。また、1名については一定期間の就労の後、退職し、現在は障害福祉サービス事業所を利用しております。 ◆28番(安田成一君) 新たに就職した先の民間企業の賃金体系など、雇用環境について、市の事業と比較して賃金体系に変化があるか、把握していればその状況について伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 民間企業へ採用後の賃金体系につきましては、採用形態や勤務時間が異なることから、一律の比較は困難でありますが、求職に当たりましてはハローワークを通すことが前提となっておりますことから、チャレンジ就業員のときと同様、最低賃金は遵守されている状況にあります。 ◆28番(安田成一君) 障がい者チャレンジ雇用推進事業での雇用期間は、1年間の採用範囲内となっております。市はこの事業での雇用数を法定雇用率の中で障がい者雇用数にカウントしております。 現在の市の障がい者法定雇用率の状況について伺います。 ◎総務部長(荒川正勝君) 障がい者の法定雇用率につきましては、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づき、地方公共団体は2.3%、このうち教育委員会は2.2%と定められております。本市の各機関における障がい者の雇用率を法律に基づく算定基準日の本年6月1日現在で申し上げますと、市長部局は2.38%、水道局は2.52%、総合磐城共立病院は2.03%、教育委員会は3.78%となっております。なお、総合磐城共立病院については法定雇用率を下回る数値となっておりますが、法定雇用の障がい者数は算定の基礎となる職員数に法定雇用率を乗じ、小数点以下を切り捨てた人数とされており、この算定方法によりますと、今年の3月に退職者がいたことから、1人不足している状況となっております。今後におきましても、障がい者特別枠での職員採用を行うなど、引き続き障がい者の雇用に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆28番(安田成一君) 障害のある方々が、社会の中で生き生きと就業でき、その能力を十分に発揮できるような仕組みづくりに今後さらに積極的に取り組んでいただくことをお願いしまして、次の質問に移ります。 大きな4番目は、震災の教訓を後世に伝えることについてです。 東日本大震災から間もなく4年半を迎え、市の復興事業もおおむね計画通りに進捗している中で、震災から得た教訓を次世代にどのように継承していくか、語り継いでいくかが課題の1つになっていると思います。今年4月、私どもの会派は、鹿児島県南九州市知覧町の知覧特攻平和会館で取り組んでいる特攻語り部の普及活動について視察してまいりました。文字どおり、特攻隊員の遺品や関係資料から戦争の悲惨さや命のとうとさなどを語り継いでいく取り組みでありますが、知覧町の特攻語り部は実際に戦争を体験された方2名を含めて、現在5名で活動中でありまして、修学旅行や外国人など、年間約50万人を受け入れているとのことでありました。私たちが伺ったときも、事前にいわき市出身の特攻隊員、3名おられたということであり、この方々の資料を取りそろえてくださるなど、視察受け入れの配慮にも感動いたしました。本市においても、復興支援や被災地で学びたいという目的を持った来訪者に対して、震災の現状や教訓を伝えていくための視察、被災地スタディツアーや、研修、震災語り部を行う復興・防災プログラム提供事業を実施していますが、震災の教訓を後世にどのように伝えていくかという観点から、以下伺ってまいります。 初めに、被災地スタディツアーについてです。 震災を風化させず、震災から学んだことや教訓を実際に目や耳で感じていただくことは、被災地の現状を知る上で非常に重要だと思います。その意味で、本市の被災地を巡る被災地スタディツアーは観光交流人口の増加以外にも大きな意味があると思いますが、平成24年度から実施している被災地スタディツアーの現在の催行や所要時間、被災地のコースなど、改めてその事業概要について伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 平成27年度の被災地スタディツアーは毎週土曜日を基本に年間約40回のツアー催行を予定しているところであります。その内容につきましては、基本は薄磯、岩間を巡る南コースと久之浜から富岡町を巡る北コースの2コースとなっており、それぞれ所要時間は約7時間となっております。また、このほかに、参加者の要望などを取り入れながら見学コースを一部変更し、特別コースを催行するなど、より多くのお客様に御利用いただけるよう努めているところであります。 ◆28番(安田成一君) 催行回数や参加者数など、これまでの利用実績について伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 被災地スタディツアーの実績につきましては、初年度の平成24年度が16回催行し288名、平成25年度が36回催行し542名、平成26年度が41回催行し577名、平成27年度が8月29日現在の集計で17回催行し225名の皆様に参加していただいております。 ◆28番(安田成一君) 年々利用者が増加傾向になっておりまして、本市の交流人口の増加にもいい影響を与えていると思います。 スタディツアーに参加される方は、被災地で学びたいと思って参加される方や本市に対する復興支援、または観光などその目的はさまざまだと思いますが、今年度の被災地スタディツアーの状況では参加者の年齢層や性別、居住地など、その特徴はどのようになっているのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 今年度のツアー参加者の状況について申し上げますと、年齢層では60歳代が全体の約28%、次いで50歳代が約20%、30歳代が約13%となっており、性別の比率としては男性が約56%、女性が約44%となっております。また、参加者の居住地としては東京都が全体の約25%で最も多く、北は北海道、南は長崎県など遠方からも参加いただいており、全体の約87%が市外からの参加となっております。 ◆28番(安田成一君) 次に、震災語り部の活動についてです。 被災地スタディツアーには現地ガイドとして震災語り部から当時の体験や教訓を伝えていると聞いておりますが、震災語り部の主な活動状況について伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 現在、市内には13名の語り部が登録されており、被災地スタディツアー催行時に、被災現地で津波の体験や避難する場合の教訓を約1時間程度で伝えております。また、そのほかに市外から教育旅行や被災地ツアーなどで訪れる団体客から依頼を受け、被災現地において同様に活動しているところでございます。 ◆28番(安田成一君) 13名の方が活躍されているという答弁でありましたけれども、では、どのような方が語り部となっているのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 13名の語り部の内訳につきましては、最多の久之浜地区が男性1名、女性5名の計6名。次いで、薄磯・豊間地区が男性2名、女性2名の計4名。平地区が女性1名、小名浜地区が男性1名、常磐地区が女性1名となっており、合計で男性が4名、女性が9名となっております。年齢層は、60歳代から70歳代が中心となっており、元教員、元公務員、専業主婦などの方々が活動されております。 ◆28番(安田成一君) 震災語り部の今後のあり方についてです。 今後、語り部の活動を軌道に乗せていくためには、新規開拓や語り部人材の養成などが大きな鍵になるかと思います。 さらに語り部の活動を充実させ、後世まで存続させていくために、市はどのように取り組んでいくのか伺います。 ◎商工観光部長(村上央君) 被災地スタディツアーにつきましては、被災地を直接目にすることができることに加え、語り部の経験談を聞くことにより、震災の状況や今後の教訓を学べることから、参加者からの評価が高く、年々参加者が増加しているとのことでございます。このため、今後とも語り部の活動を充実させることが重要であると認識しており、いわき復興支援観光案内所が事務局となり、これまで、語り部養成講座や研修会を開催するとともに、情報交換などを目的とした他地区の視察を行い、語り部の養成に積極的に取り組んでいるところでございます。 ◆28番(安田成一君) 戦争と震災ではジャンルは違いますけれども、その教訓を語り継いでいく取り組みには違いはないと思っております。震災の資料などを見せることもいいことだと思いますが、人が人に肉声によって伝える温かい力を伝承していくことが重要でありますし、また、同じ被害に遭った被災地同士の交流などもあわせまして、語り部人材の育成に一層意を用いていただくことをお願いいたしまして、次の質問に移ります。 最後の項目は、いわき市歌についてです。 いわき市歌が制定されて50年近くがたとうとしております。私はいわき市の生まれではありませんが、いわき市歌を歌うたびに、制定当時のいわき市の景色や自然、文化はこんな感じだったのかと想像を膨らませ、自分ではなかなか気づかないいわき市の魅力を旅人になったつもりで、頭や耳、目や口で感じながら歌うようにしております。先日、大学生の自分の子供にいわき市歌を歌えるかと聞いたところ、途中歌詞のつまずきはあったものの何とか1番は最後まで覚えていました。本市は来年市制施行50周年を迎えますが、いわき市歌からふるさといわきの想いや誇りが感じられ、子供たちからお年寄りまで広く市民に親しまれる一層の取り組みが大切だとの観点に立ちまして、以下伺ってまいります。 初めに、いわき市歌の制定の経緯についてです。 いわき市歌は市制施行1周年を記念し制定されたものだと聞いておりますが、改めて市歌の具体的な制定の経緯について伺います。 ◎総務部長(荒川正勝君) ただいま議員御指摘のとおり、いわき市歌は市制施行1周年を記念し、歌詞及び曲を一般公募いたしまして選定されました。作詞につきましては360点の応募があり、昭和42年7月に決定され、本市出身の文化勲章受章者草野心平氏の補作により完成したものであります。また、作曲につきましては427点の応募があり、同年10月、若き日の小林研一郎氏の作品と決定し、11月3日平市民会館で挙行されました記念式典において一般に披露されたものであります。 ◆28番(安田成一君) 制定された市歌には、当時どのような市民の思いが込められていたのか伺います。 ◎総務部長(荒川正勝君) 市歌は、14市町村が合併し発足した本市がこの歌のもとにという一体性を確立し、将来の飛躍・発展を図るべく制定されたものであり、市歌の歌詞には本市の風物、産業など本市の特徴が余すところなく歌い込まれ、あわせて当時の市民の新市発足に寄せる熱い思いが込められているものであります。 ◆28番(安田成一君) 次に、現状についてです。 市制施行10周年の記念事業の一環として制定したいわき市民憲章については、式典や各種大会などにおいて耳にする機会は多いのですが、一方、いわき市歌を歌う機会については、例えば私たち議員も毎年10月1日の市政功労者表彰式のときは歌いますが、それ以外は思うほど歌う機会は少なく、私はもっと歌う機会があってもいいのではないかと思っています。それらを踏まえれば、一般の市民の方々がいわき市歌を耳にする、あるいは口ずさむ機会もそうはないと思われます。 現在、いわき市歌はどのような場面で歌われ、使用されているのか伺います。 ◎総務部長(荒川正勝君) 現在、市役所本庁舎において、6月から9月の期間を除き、毎日、始業前に市歌を放送しているほか、公民館での一部の行事や小学校の音楽祭、社会科の授業等で演奏され歌われております。しかしながら、一部の学校においては楽譜や音源がないこと、学校行事における時間の確保が難しいことなどの理由から、使用される機会が減っている状況にあります。 ◆28番(安田成一君) 次は、いわき市歌に対する市民の認識についてです。 過去の議会の議事録を見ますと、市制施行30周年の年と同じく40周年の年に、30周年の年は当時の諸橋議員でありました。同じく40周年のときは岩井孝治議員でありましたけれども、市歌の歌詞の見直しについての質問がありました。当時の執行部からは、時代を越えて市民に歌い継がれるものであると考えており、今後も市民の熱い思いに思いを馳せながら愛唱していきますとの答弁がなされています。確かに、歌詞を見ますと、若いまちいわきや炭鉱がなくなっているのに炭鉱に工場にとの歌詞もあり、時代にマッチしなくなっている面もありますが、私は制定当時のいわき市の情景や産業などの特徴が歌詞全体から余すところなく感じられて、それはそれで味がある歌詞だなと思っております。 しかし、一方では、全体的に市歌を耳にする機会が少ない現状において、市歌が市民の間に十分浸透しているのか、市としてはどのように認識しているのか伺います。 ◎総務部長(荒川正勝君) いわき市歌が市民に浸透している度合いについて、正確に把握することは困難でありますが、今年の7月から8月にかけて市政モニター及び市政e-モニターを対象にアンケート調査を実施したところ、対象者105人のうち69人から回答をいただき、そのうち、市歌を知っているとの回答は57人で82.6%と、市歌の認知度は高いものの、そのうち市歌を歌ったことがあるとの回答は28人で49.1%と、約半数となっております。 ◆28番(安田成一君) 最後に、市民により親しまれるための取り組みについてです。 市歌を今後も歌い継いでいくために、子供からお年寄りまで、広くより多くの市民に親しまれるような取り組みが必要だと思います。私が子供のころ、郡山市の学校に通っておりましたが、当時は小学校の大休憩の時間になりますと、郡山市民の歌が流れていました。また、運動会のときは校歌と一緒に郡山市民の歌も歌った記憶もありまして、情操教育ではありませんが、結果として知らず知らずのうちに耳に入り、口ずさむことで市歌を自然に覚えた記憶があります。ですから、今でも郡山市民の歌、これは明けゆく安積のから始まる歌なんですが、これを歌うことが出来ますし、市政だよりなどでテレビCMで市民の歌が流れるとつい口ずさみ、ふるさとを思う1つのきっかけにもなります。 それらを踏まえれば、例えば、学校現場や市の公共施設などで、一定の時間帯にいわき市歌をBGMで流すようにすることなどで、広く親しみやすくなる効果もあると思いますが、来年市制施行50周年を迎える機会を捉えて、市民に親しまれる市歌とするために、市としてどのような考えを持っているのか伺います。 ◎副市長(上遠野洋一君) 市民の皆様がいわき市歌を聞き、また、歌う機会が少なくなってきている大きな要因の1つとして、さすがに50年近くの時間経過とともに、楽譜や音源の劣化、紛失などによることが考えられます。したがいまして、市制施行50周年を機に市の公共施設や学校、各種行事等において市民の皆様が市歌に親しむ機会を設けられるよう、まずは新しい音源等を作成し配布するなどの取り組みを検討してまいりたいと考えております。 ◆28番(安田成一君) 県内の市町村歌の状況を見ますと、喜多方市や田村市、伊達市のように制定に向け準備中のところもあれば、昭和の初めに制定された福島市など、長い歴史を感じさせる市歌もあります。市歌を市民に身近に感じてもらう取り組みとして、例えば、郡山市などでは市民の認知度を高めるために、郡山市民の歌を防災無線のチャイムに使用していますし、会津若松市では市制100周年を記念してつくられた、歌手の南こうせつさん作詞・作曲のAIZUその名の情熱という歌を市のイメージソングとして活用して、会津若松駅の発車メロディーとしても使用されており、市民から愛されております。 来年市制施行50周年を迎えるこの機会を絶好の契機として捉え、市制30周年を記念してつくられた本市のイメージソング想いひとつのハーモニーという曲もありますが、これらとあわせ、いわき市歌が広く多くの市民が耳にする、口にすることが出来る取り組みをお願いいたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)--------------------------------------- △散会 ○副議長(遊佐勝美君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。          午後4時13分 散会---------------------------------------...