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  1. 宗像市議会 2017-06-14
    宗像市:平成29年第2回定例会(第5日) 本文 開催日:2017年06月14日


    取得元: 宗像市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)                  平成29年 6月14日(第5日)                   開  議    10時00分 ◯花田議長  おはようございます。  ただいまの出席議員は20名で、全員であります。よって、平成29年第2回宗像市議会定例会は成立いたしましたので、再開します。  これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配付しているとおりであります。  これより日程に入ります。  日程第 1.一般質問 ◯花田議長  日程第1、一般質問を行います。  最初に、16番、新留議員の1項目めの質問を許します。新留議員、どうぞ。 ◯16番(新留議員)  おはようございます。日本共産党市議団の新留久味子です。  2項目について質問を行います。  まず1項目めは、赤間街道を含む周辺地域まちづくりと住民の良好な住環境を守るために、このことについて質問いたします。この質問に当たっては、二つの問題をきっかけに今回取り上げることにしました。一つは、5月に行われました赤間地区コミュニティ運営協議会の総会で、赤馬館の事業の決算を含む報告を受けたことにあります。来館者数は目標を6,289人上回ったにもかかわらず、事業収入は42万1,000円のマイナス、全体の決算からも市から施設運営管理委託料1,200万円、そして企画業務委託料216万を主な収入としても、次期繰越金がマイナスで32万3,000円と、マイナス決算でスタートするといったことが明らかになっています。  この東部観光拠点施設としての赤馬館は、市が約1億5,000万円の事業費で設置し、平成26年11月から事業を開始いたしました。この施設建設に際して、私たち日本共産党市議団マスタープランにも記載がない事業、また産業振興計画にも上っていない内容の事業であることなどを指摘して、赤間地区まちづくりの構想を明らかにした上で、まずは十分地元住民との合意形成を図るべきとの点を指摘して、予算には反対してきました。しかし、議会では予算が可決し、この事業はスタートしました。とりわけ赤間街道周辺の住民の思いはさまざまであったと認識しています。しかし、現在は建物が建ち、その事業は、住民の意向やまちづくりに対する思いなどを尊重しながら、赤馬館を中心に住民の力を借りて赤間地区コミュニティ運営協議会と連携しながら、まちづくりに取り組んでいます。  しかし、赤間街道周辺の店舗の張りつきや、赤馬館の運営状況などには、先ほど述べたような課題もあります。これらの課題を明確にして、今後はこの拠点施設から面的なまちづくりをどうつくっていくのか、将来を見据えての将来像を明らかにして取り組む必要があり、市の考えを再度確認し、今後のまちづくりの施策につなげていくことが必要だと考えたこと。  もう一点は、そのような状況の中、赤間街道周辺地域中高層建築物ワンルームマンションが建設される計画があること。
     これらの2点の問題を踏まえて、4点についてまずはお伺いします。  1点目は、市として赤間街道周辺の景観をどう考えているのか。2点目は、東部観光拠点施設赤馬館を拠点に、どのようなまちづくりを目指しているのか。3点目は、今後、赤間街道周辺の景観を守るためにも、町並み条例などを検討する考えはないのか。最後に、現在建設予定の中高層建築物には、周辺住民から住環境の変化について、不安の声も上がっています。市として建築紛争の予防及び調整に関する条例に沿って、住民説明会の開催など、指導、調整するべきだと考えるがどうか。最後の4点目は、私が通告した時期から若干進展もあると思いますので、それも含めて答弁いただければと思っています。よろしくお願いします。 ◯花田議長  新留議員の1項目めの質問に対し、執行部の答弁を求めます。  谷井市長。 ◯谷井市長  それでは、新留議員の御質問について、順次、お答えをしてまいります。  まず(1)と(3)は関連ありますので、一括してお答えをいたします。  赤間宿通り周辺につきましては、景観計画において、景観形成一般区域に位置づけをされておりまして、景観に係る影響が大きい大規模な建築等について、比較的緩やかな基準によって景観を誘導していくことといたしております。  その一方で、赤間宿通りは、昔ながらの建築物や町並みを初めとする歴史文化的要素を生かした景観づくりを行う街道軸の一部となっており、市としても重要な景観資源として認識をいたしておるところでございます。  このようなことから赤間宿通り周辺につきましては、都市計画マスタープランで掲げる地域の歴史や特性を生かした住環境の保全を基本としながらも、多様性を受け入れる複合的な低中層住宅地としての土地利用を推進しつつ、赤間宿の歴史的風土や景観と調和した景観形成を図っていきたいと考えております。  そのための方策として、議員御質問の町並み条例を含め、さまざまな手法を検討する必要がありますが、いずれにしましても都市計画景観づくり地元住民合意形成が不可欠ですので、地域の皆さんと一緒になって今後の取り組みについて検討していきたいと考えております。  次に、(2)の赤馬館を拠点としたまちづくりの取り組みでございます。現在、街道の駅赤馬館赤間宿通りの活性化を担う中心的な施設、また市の東部観光拠点として観光推進を担う拠点の一つとして位置づけております。赤間宿通りへの役割は、赤間宿への来訪者の誘導、周辺への店舗誘導、にぎわいづくりなど、活性化に向けた中心的な役割を担っております。  この赤馬館を中心に唐津街道赤間宿の歴史的な価値を初めとした歴史文化を地域資源とし、出光佐三氏生家、勝屋酒造に加えた新たな店舗誘導や、赤間宿まつりや大道芸などのイベントの開催などにより、赤間宿全体のにぎわいをづくりを目指しております。  次に、(4)の説明会でございます。議員御質問の条例の中に、建築主は説明会の開催を求められたときは応じるように努めなければならないという規定がございますが、これは建築主に説明会の開催を義務づけるものではありません。しかしながら、今回の建築に関し、市に対して自治会長や近隣住民から説明会の開催を建築主へ働きかけるよう依頼がありましたので、市からも数度にわたってお願いの形で指導、調整を行ったところでございます。  なお、現在は、建築主は地域からの申し入れを受けて説明会を開催する方向で日程調整がなされると聞き及んでおります。そこで、その後の進展状況につきまして、部長のほうから答弁させます。よろしくお願いします。 ◯花田議長  木村都市建設部長◯木村都市建設部長  進展状況でございますが、6月20日18時30分より赤間公民館にて説明会を開催の予定と聞いております。  以上でございます。 ◯花田議長  新留議員。 ◯16番(新留議員)  今回は、まちづくりの観点から質問を進めたいと思っているんですよ。それで、赤馬館自身の事業の内容や、それから運営上の問題は、また別途、9月議会の決算委員会等で審議を深めていきたいと考えています。それで今回は、そういう観点で、市は今後のまちづくりをどういう観点で進めていこうとしているのかという点に絞って質問をしたいと思っています。  赤馬館の事業が予算化された平成25年の3月議会の予算委員会の議事録を見てみますと、先ほど市長の答弁にもあったように、整備の目的を答弁しているんですよ。で、市全体の観光、誘客を図りたいと。それから、JRでの観光を推進していく上で、この拠点は重要な役割を果たすんだと。それから、赤間宿の再生、原町までの唐津街道町並み景観づくりを推進していくという目標を掲げているんですよね。それで、もう事業スタートから今年度で3年目となるわけですけれども、先ほど町並み条例なども必要があると言って、考えておられるみたいですし、それには何より地元の住民の合意形成が不可欠だということですよね。今後検討していくという答弁がありましたけれども、それを前提に、この2年間はどんな具体的な取り組みをしてきたのか、お尋ねしたいと思います。 ◯花田議長  木村部長◯木村都市建設部長  この唐津街道につきましては、2年間というより、少し歴史を述べさせていただきたいと思っております。平成18年度より唐津街道宗像推進協議会ということで、赤間宿と原町において、歴史的な町並みを活かしたまちづくりができないかといったところで協議を進めてまいりました。その中で、原町については御存じかと思いますけれども、町並みの修景を実施いたしております。赤間宿においても、幾つかの町並み修景だとか、そういった提案をさせていただきながら進めたんでございますけれども、現在のところまで住民の合意形成に至っていないというのが現状でございます。  ここ最近ですけれども、平成27年6月に、赤間宿通り活性化協議会というものが立ち上げられまして、この中で赤間宿の町並みを再度どういう形で整備していこうかと、そういったところを住民の皆様と一緒になって話し合っていこうとしているのが現状でございます。  以上です。 ◯花田議長  新留議員。 ◯16番(新留議員)  掲げている目標はあっても、地元の住民の合意形成もなかなか図られていない現状だという答弁の趣旨だと思うんですけれども、私は、一つ一つ努力していただきたいと思うんです。努力が形になるように、今後はやっていただきたいと。そうでないと、今回のように、街道沿いではないですけれど、1本筋違いですけれど、赤馬館から出た正面に14階建てのワンルームマンションが建設される予定なんですよね。で、施工主は、法的にはクリアしているので全然問題ないわけです、建てることには。だけれど、景観として、あの赤間街道に建てんどけばいいんかといったら、やっぱり面的な町並みを整備するのを市は求めていますよね。そうなると、あれがどうなのかと考えてしまうわけですよ。それで、私はこうならないうちに、本当は手を打つべきだったと思うんです。  まちづくり町並み整備、景観を進める市としては、いろいろ手法があると思うんです。例えば、住みよいまちにするための手法があると思うんです。で、今回、周りの市民から、赤間地区の私以外の複数の議員にも届いているみたいですけれど、市民の声としてはこういう声が届いているんです。紹介しておきたいと思います。  「市民の税金まで投入して観光資源としての価値を高めようとしている赤間宿の景観は、一般的な感覚なら、今度のワンルームマンション建設の件で景観が悪化し、その価値は損なわれるものではないでしょうか」と。「市に問い合わせても、市全体の景観を守るべく景観条例を設けていても、重点地域でないから何もできない」とのこと。「貴重な税金を投入しても、観光資源としての価値が下がる。景観条例があっても赤間宿の景観の悪化を防げない。」そして、最後に、「観光資産の価値の向上を名目にして税金を投入したわけだがら、努力してほしい」という声なんですよね。  住みよいまちをつくるために、一定のルールをつくることができます。建築基準法都市計画法など、建築をする際には一定の最低限度の基準を定めているわけです。この基準を守っていても、今回のように全体の町並み、景観を脅かすようなことはあり得る話ですよね。ですから、この一定の地域の土地や建物の所有者などが話し合って、その区域内に建築することができる建物や用途、高さなど、一定のルールを決めることができる手法があるということです。それにはどんな具体的な手法がありますか。 ◯花田議長  木村部長◯木村都市建設部長  今回のマンションですけれども、先ほど議員から御質問がありましたように、赤間宿通りに14建てのマンションが建つといったところでございます。この地区、例えば赤間2丁目から5丁目まで、それと陵厳寺1丁目付近に、過去にどういったものが建っているかと申しますと、11階建てのマンションが2棟、9階建て1棟、8階建て1棟、7階建て4棟、5階建て3棟と、この近隣に非常に学生向きのマンションが建っている。今回のことに限らず、こういった景観及びその町並みをこれからつくっていくには、非常にこういった問題を危惧しておりまして、以前から唐津街道推進協議会に働きかけて、先ほどおっしゃったような、例えば地区計画地区計画というものは、市街化区域の中で、上乗せの基準ですね。例えば、用途地域は広く定められてるものの中で用途を定めたり、あと例えば高さの制限をしたり、そういった地元発案の地区計画によって、そういったことを制限することができるという。  具体的に言いますと、原町地区では、地元発意の地区計画によって、高さ13メートルという自分たちのルールをつくって、それが法的に認められていると。こういった地区計画の制度等を今までも十分御説明してきたつもりですけれども、最終的には住民の合意形成にまで至っていない。ますます今後、こういった地区計画説明等を図りながら、地元住民の意識の合成といいますか、そういったものを図っていきたいと考えております。  以上です。 ◯花田議長  新留議員。 ◯16番(新留議員)  私が質問したのは、どんな方法があるのかという質問ですので、的確に答えてほしいと思います。建築協定地区計画の二つあるわけですよね。先ほど答弁にあった地区計画、この建築協定もそうですけれど、やっぱり地元住民合意形成を図らないと、土地の資産価値の問題もありますので、非常に地元住民としては微妙な問題だと思うんですよ。そういうのもあるからこそ、地元住民合意形成は、慎重に図っていくべきだと。しかし、それには市が関与しないと、住民はそうそうはならんのですよ。自分の財産は守りたいけれど、町全体の財産をどう考えるかという意識に立つには、それなりのエネルギーが私は必要だと思うんです。だから、その覚悟を持って、今後こういう手法を、十分市も協力しながらやっていってほしいと思っています。やっていただくことを強く要望しておきます。  それで、平成19年に建築紛争の予防及び調整に関する条例が制定されました。これは、建築物の基準には合致しているけれども、周辺の住環境への影響から、その周辺の住民と建築主の民事上の紛争、トラブルになる場合が、過去、宗像市にもあったわけです。そういうのをきっかけに、この条例の制定になったということをこの委員会では説明をしています。  とは言っても、市民の方々は、宗像市に建設される建築物は、宗像市が許可をするものだと思っておられる方がほとんどだと思うんです。宗像市に建設される建築物は、宗像市が許可をすると。私も以前はそういうふうに思っていたんです。しかし、許認可権は県にあったりするわけです。だから、多くの皆さんがそういう認識に立っているので、この条例が審議される委員会の冒頭で、執行部はこのように述べているんです。  市民の方に理解していただきたいのは、建築行為に関しては、建築基準法都市計画法などの上位法を満たしている以上は、市が建築することを規制することはできませんと冒頭に述べています。法的に照らして違法性がなければ、原則、建築物は基本的に建てられるということなんです。  こうしたことで、やっぱり住民としては、自分の居住地に新しい、しかも自分の家よりもずっと高い高層の建築物が建設されることを知れば、多くの住民は戸惑うと思うんです。これまでの住環境が大きく変わるんじゃないかとか、これまでの快適な環境が守れるのかといった不安に駆られる思いというのはあると思うんです。それは至極当然のことだと思うんです。そんなことから、この条例は、未然にそういう紛争を防ごうというのも目的になっているんです。  それで、条例の中身を見てみますと、市長の責務ということで第3条に、市長は、中高層建築物等の建築に関し、安全で快適な住環境の保全及び形成が図られるよう指導し、建築紛争が生じたときには、その解決のため迅速かつ適正に調整するよう努めなければならないと明記されています。そして、建築主の責務としては、周辺の住環境に十分配慮するとともに、市民の良好な近隣関係を損なわないように努めなければならないと定めています。そして、2項に、市長とは事前に協議するものということで3点挙げられています。給排水施設に関すること、ごみ置き場の設置に関すること、集会室の設置に関すること。地元にこういう建物が建つなと思ったときには、どげんなるとかいなという疑問が、例えばごみだとか、騒音だとか、そういう問題、そういうのは事前に協議するようになっています。この事前というのはいつの時点のことなのかをお尋ねします。 ◯花田議長  木村部長◯木村都市建設部長  事前は、事前説明書の提出前ですから、建築確認申請の20日以上前までには実施してくださいということでございます。  時期については以上です。 ◯花田議長  新留議員。 ◯16番(新留議員)  この条例が制定される建設産業常任委員会の議事録を見ると、執行部はこう答弁をしているんです。この第4条の2項では、この事前協議のことですよね、建設設計を作成するときはということなので、建築の標識を設置する前に、給排水やごみなど、事前に協議をして、その協議が終わって標識を設置するということである、と答弁しているんですよ。ということは、こんな建物が建ちますよという標識を見て、大体市民は知ると思うんですけれども、その標識を設置する前にこういう事前の協議をするという答弁をしているんですけれども、今でもこういう考えですか。さっきの答弁とは、若干ニュアンスが違うように思うんですけれど。 ◯花田議長  木村部長◯木村都市建設部長  今の考えは、先ほど申した事前説明報告書の提出時期ということでございます。そして、事前協議の内容といいますのが給排水施設ごみ置き場に関すること、特に給排水に関することは、当然、市が水道などを供給する場合、もしくは例えば井戸の地下水をとる場合だとかに、周辺環境に非常に影響を与えることが多いのでというようなことだと思います。  それと、ごみ置き場の設置に関しましても、ごみの収集に関して、例えばごみ収集業者が実際にその場所でごみの収集ができるのかだとか等を事前に建築主さんとよく話しておかないとトラブルがあるから、事前にそういったものを協議してくださいということが定められているものでございます。  以上です。 ◯花田議長  新留議員。 ◯16番(新留議員)  いや、私が聞いたのは、この答弁にあるのは、標識をまず立てんといかんのですよ。建てようと思ったら。その前に、標識を設置する前に、先ほど言った給排水やごみなどの事前の協議をしてと答弁しているんですよね。ですから、部長が答弁された建築確認申請の20日前にというのではなくて、この標識を立てるのは30日前ですよね。そうなっているでしょう。その前に、こういうことを事前協議するようになっていますと、当時、答弁していたんですよ。これは、では、間違いだったということですか。 ◯花田議長  木村部長◯木村都市建設部長  間違いと申しますか、現在は先ほど申した形で運用しているということでございます。 ◯花田議長  新留議員。 ◯16番(新留議員)  市長、とても曖昧なんですよ、条例が。事前に協議する日にちというか、いつの時点までにせんといかんのかというのが、今はそうなっているとおっしゃいましたけれど、以前の委員会で、これを制定するときの議事録には、標識が立つわけでしょう、ワンルームマンションを建てますよと。誰が施工主ですよと。その標識が立つ前に、市は事前に協議しとかないかんというふうになっていますと答弁しているんですよ。  ということは、市民が標識を見て、ここにワンルームマンションが建つんやと。じゃあ、ごみなどげんなるとかいなと。騒音の問題とか、駐車場はどげんなるとかいなと思って、市に問い合わせするんですよ。ところが市は、いや、うちは許認可権がありませんからという対応だったりするものだから、市民が混乱するんですよ。私はその標識を立てる前に、事前に市がその情報を知り得ていれば、市民にごみの問題とか、駐車場の問題とかを聞かれたときに、いやいや、実は協議しましたけれど、こういう内容ですということがお伝えできるんじゃないかと思うんですよ。  それで市長、どうですかね。ちょっと曖昧になっている点もありますので、条例の中身を再度、再確認して、不確実なところ、不明なところは少し精査していただきたい、改正していただきたいと思うんですけれど、いかがでしょうか。 ◯花田議長  谷井市長。 ◯谷井市長  手順として、標識の立つ前、建築確認の申請その他、建てる意思があるということの確認、そういったことを含めて、この条例に不備があれば、その辺の手続上の問題、規則にしろ、何でもいいんですけれども、そういうものはきちんと見直す必要があると思っております。 ◯花田議長  新留議員。 ◯16番(新留議員)  規則でもいいですので、きちんとその辺は明確にして。やっぱりこの条例は、紛争が起きないために、未然に防ごうじゃないかということで制定されたと思うんですよ。ですから、そういうちぐはぐなことがないように、今度精査していただきたいと思います。  それで、そのときの担当部長がこんなふうに言っているんです。これはすごく大事なことだと思うんですけれど、市として建築計画が確定する前にお互いの話し合いが促進されるよう、仲立ちすることで、市がですよ、仲立ちすることで住民と建築主の利害を調整することができれば、紛争の発生を未然に防止することができると考えています、と。そして、できる限り、市は関与しようと。上位法を超えないということを認めた上で、今回の条例に上程したんだということを言っているんですね。やっぱり市が間に入ってこういう調整をやっていってほしい。そして、住民の不安を解消して、未然に防止することが市の役割だという点を押さえておいてほしいと思います。  説明会の件は、20日にいろいろありましたけれど、地元の区長さんなんかにも随分骨を折っていただいて、説明会がされるようになったことは大きな前進だと思います。それで、説明会で説明しなければならないという努力規定になっているんですけれど、その対象です。これはこの条例の審議のときに、その委員会が出した資料です。小さくて申しわけないんですけれど、ここに高さ20メートルの申請の建築物、今度建てるという建築物がここに建つとしますよね。そうしたら、赤で取り囲んでいる地域の人しか説明会に参加できないことになっているんですよ。となると、例えば、この建物が建つのに、道を挟んで反対側のこの角の工場になっていますけれど、おうちでもいいですけれど、こういう地域の人は、原則参加の対象になっていないんですよ。  それともう一つ、今度は近隣住民の範囲というのが示されています。これは、太陽の光がどう当たるかということで範囲が決められているんですけれど、こういう建物が建つ場合に、この赤で示されたところが近隣住民という規定で説明会に参加するようになるんですよね。となると、この建物の道を挟んだここは、この近隣住民から外れることになるんですよね。ですから、どんな建物が建つのかということを知りたいと思っても、今の条例の規定では参加できないようになっているんですよ。  それで、市長の責務と事業主の責務は、先ほど述べましたように、それを遂行させるために、市長、この範囲をもうちょっと拡大して、周辺の住民の方が説明会に参加できるように、そして説明を聞いて、お互い、話し合いによって調整することが現実に行われるような改正をできないものでしょうか。 ◯花田議長  谷井市長。 ◯谷井市長  それは、根本的に法律、建築基準法といった関連の法律に基づいて、我々は条例を制定しているわけです。ですから、その辺の整合性があるわけで、勝手に、例えば日陰条例だとかはつくられませんので、その辺の整合性を見る中でどの辺の許容範囲があるかということだと思います。その辺は私も専門家じゃないので、これは部長のほうが詳しいでしょうけれども、そういう規制があるので、できるだけ範囲を広げるとか、そういうものは勝手には決められないと思っております。  ただ、言われることはよくわかります。許容範囲があれば、それは考える必要があろうと思っております。
    ◯花田議長  新留議員。 ◯16番(新留議員)  説明会を求められる住民が条例で規定されているんですよ。その建設予定地に隣接する住民というのと、近隣住民という、二つの規定があるんですよね。ただし、説明を求める者に関しては、例えばその行政区の住民であれば説明会に参加できる程度の改正を私は強く望むんです。  実は、この条例を制定するときに、既にそういう問題が上がっているんです。それで、何度もこの建設産業常任委員会のときに、委員の中で食い下がっている議員さんがいらっしゃるんです。先ほど言いましたこの二つの規定ですね、隣接している住民と近隣の住民。範囲外、それ以外の住民の説明会への参加をこの条例は否定していないんでしょうと質問しているんですよ。そうしたら、説明会で聞かれる場合の参加はいいと思うと。ということは、説明会に参加して聞く分はいいですよと執行部は答えているんです。心配されている、住民が説明会に来てはいけないということは、条例に書かれていないですよねと。それは、参加してもいいということかと、再度確認されているんですよ。そうしたら、それは構わないと執行部が答弁しています。  しかし、今回の場合もかなり厳密に人数を制限して、対象をこの条例に即した形で説明会が実施されるようなっているんです。  それで、このとき執行部が、条例にだめだと書いていないでしょう、だから説明会への参加は認めているんですねといったこの答弁、この考えは変わらないという認識でいいんですか。 ◯花田議長  谷井市長。 ◯谷井市長  私の考えとしては、できるだけそういう不安がある人は取り込んだらいいと。ただし、これをやみくもに広げると、利害関係者以外が入ってくると無責任な意見、考え方が出ますので、一定の制約は、私は要ると思っています。  あとは部長が。 ◯花田議長  木村部長◯木村都市建設部長  その委員会の答弁を私も読みましたけれども、基本的に、その条例に定められる区域以外の方の参加を妨げるものではない。それは構いません。ただし、説明会の開催自体が、努めなければならないという努力規定ですので、その範囲内で今回の建築主側の代理人の方が、今の条例の範囲の中での参加者としたいという御提案があって、その方向で説明会が開催されるということでございます。  以上です。 ◯花田議長  新留議員。 ◯16番(新留議員)  市は、今までの安全で快適な居住環境を保全するというのが責務、市の責任なんです。ですから、それを脅かすようなことがあれば、努力規定ではあるけれども最大限努力してくださいと。何より住民の皆さんとの紛争が起きないように、とにかく努力してくれと再三ですね。今回も努力していただいて説明会になったということは私も存じ上げていますので、そういう形で今後も積極的にやってほしいと思うんです。そうしないと、ここに新たな紛争が起きていくということは、決して市にとっても、建築主にとってもよくないことですので、そうあってほしいと。  私たち地元の議員が説明会に参加することに、なかなか事業主さんは厳しい対応だったので、4人で文書で申し入れをしました。とにかく複数の市民から、それぞれ議員が、通学路になっているけれど、工事の期間中は子どもたちの安全をどう担保してくれるのかだとか、豪雨のときは近くの排水路があふれるけれど大丈夫なのかとか、さまざま議員だから受けるんですよ、地元の皆さんから要望をですね。私たちはそれに応えないといけないので、正確に答えたいということで、ぜひオブザーバーとして参加させてほしいという申し入れをしましたら、事業主さんからは、快くとは言いませんけれどオーケーをいただきましたので、私たちも一つ役目が返せるなと。やはり正確に返すということが大切なことなので、私たちも隅っこのほうに参加させていただくことになりました。  やっぱりお互いがそうやって、誠実に交渉することがすごく大事なことだと思うんです。ただ一つ、残念なことは、自治会も会長さんだけなんです、この条例に示されているのは。赤間地区のコミュニティ運営協議会の役員さんは参加できないんですよ。それで、以前から名残の資材置き場とか、今も検討中ですけれど冨地原のモトクロスのバイクの件でも、やっぱり地域のコミュニティの役員さんが大きな役割を果たしてこられたんです。それで、ぜひとも自治会の長だけじゃなく、役員、それと地元のコミュニティ協議会の三役などが参加できるような形に、私は条例の中身を検討してほしいと思います。その件についてお尋ねします。 ◯花田議長  木村部長◯木村都市建設部長  説明会にコミュニティの役員さんも参加してほしいと、そういったふうに改正ということでございますけれども、この条例制定時にもそういった御要望がございまして、コミュニティの政策を進める宗像市においては、そういった範囲まで広げるべきではなかろうかという議論があったと記憶しております。結果でございますけれども、コミュニティまで広げますと余りにも広範囲になり過ぎるので、あくまでも範囲を狭めた形の中で役員さんの参加と決まったと認識しております。  以上です。 ◯花田議長  新留議員。 ◯16番(新留議員)  決まった経緯はわかりました。今後、それを改正していただきたいという質問なんですけれど、検討いただけないですか。 ◯花田議長  木村部長◯木村都市建設部長  先ほど議員からもあったように、基本的に上位法であります建築基準法だとか都市計画法の範囲で、建てる方にも建てる権利がございまして、過度な要望、要求にならないようにということで、今の条例の中で範囲を決めさせていただいたことでございまして、今のところ、拡大の考えは持っておりません。  以上です。 ◯花田議長  新留議員。 ◯16番(新留議員)  決して過度な要求ではないと思うんです。その地域に責任を持つ住民自治としてのコミュニティの位置づけですので、住民の安全安心な環境をどう守るかという点では、コミュニティの果たす役割は大きいし、決してめちゃくちゃな要求ではないと、筋の通った要求だと私は思うので、今は考える余地もないという答弁ですけれど、いずれまたこういうことがある可能性もあるので、ぜひ検討のテーブルぐらいには載せていただいて、前向きに、将来的には検討していただきたいと要望しておきます。  赤間の街道のまちづくりは本当に始まったばかりで、なかなか困難な状況だと私も思っています。それで、その委員会での議論の中で、執行部としてはまちづくりを住民と一緒に行いたいだとか、合意形成を図りながら町並み条例を制定したいという思いは、確かにあるんですよね。それが現実に一歩でも二歩でも進むように、やっぱりそれははまってでもやってほしい。そうしないと、また新たな景観を損なうような建物が、いつ何どき建つかもわからない状況ですので、それは今度のことを肝に銘じて、少しずつでも検討していただきたいと強く要望して、2項目めの質問に移ります。 ◯花田議長  新留議員の2項目めの質問を許します。どうぞ。 ◯16番(新留議員)  2項目めの質問は、吉武地区の今里橋交差点の安全対策についてであります。  今里橋とはどういうところかと申しますと、先日、神谷議員がこの道の先の信号のこと、それとこの道の延長のことで質問があっていたんですけれど、その手前、こっちに行ったらグローバルアリーナ、こっちに行ったら石丸の交差点という、県道直方宗像線にある交差点で、橋はここにかかっています。ここでは幾度も事故が起きて、人身事故で市民の方が亡くなられるという大変悲惨な死亡事故も起きている交差点です。地域からは、安全対策を求める改善提案書が、何とこれまで11年間連続して出されているんです。しかし、十分な対策が講じられなかったのは、この今里橋の幅員、これでわかりますかね、この橋なんですけれど、物すごく狭いんです。それで、車が離合できんということで信号が設置できないということなんです。では、この橋を拡幅すればいいではないかという議論もあったみたいなんです、過去に。けれど、この橋を拡幅するには多額の予算がかかるという理由で、今まで信号が設置されていません。  それで昨日、共産党市議団の植木議員が質問で取り上げましたほたるの里の前の、共産党県議団と関係者との現地調査と同日に、この今里橋も現地調査をいたしました。市の担当課にも参加してもらって、現地で調査したんです。  それで、私たちの案としては、ここに信号をつけるのは難しいと。そうしたら、ここの道幅がこんなふうに広いんです。ですので、ここに停止線をつけて、そしてセンサーで感知する半感応式の信号をここにつけてもらったら、ここの信号は可能じゃないかという案を検討したわけです。  この案は、自治会やコミュニティにも示したんですけれど、今までこのような案を提示したことはないということで、後日、地元自治会長さん、市の担当課と一緒に警察に協議に行ったんですけれど、警察はなかなか厳しいんですよ、回答が。一つは、ここに通学路と農業用の車両が通るぐらいの道があるんですが、ここが一つ、交差点ではないかと。そして、ここにも交差点ということで、二つの交差点を一つの信号で対応させるのは絶対だめだと言い張られるんですよ。  それで困ったものだなと思っているんですが、しかしこの案は、橋を拡幅せんでもいい、歩道もそのままでいいということで、私は諦められないのです。何か北九州にそういう信号を設置しているということもあるので、今後調査してみたいと思います。  地域からは11年もの長い間、要望を受けてきていて、このごろはほかにも支障が発生してるんです。一つは、ここには信号がないのでとても出にくくなっているんです。それはこの欄干で、これは歩道を設置したときに高くなったんだろうと思うんですけれど、これが高いために、ここでとまっている軽自動車が右折しようにも見通しが悪いんです。軽自動車の運転席から、これが邪魔して安全確認が非常にできにくいんです。そういうこともありますし、城南ヶ丘の子どもたちが農道としての通学路を通って吉武小学校に行っているんですけれども、ここが出にくいために、ドライバーは城南ヶ丘の住宅を回って、そして武丸の信号のほうに行くんですよ。そのときに、通学路で使っている農道を通っていくんです。それで、子どもたちの安全性が脅かされているという現状もあります。  それで、ぜひともどうにか対策を打ってもらいたいと思っているんです。それで、現在ある歩行者用の歩道を車道にして、歩道を確保して信号設置するといったことが検討できないかという点です。  答弁をお願いします。 ◯花田議長  新留議員の2項目めの質問に対し、執行部の答弁を求めます。  木村都市建設部長◯木村都市建設部長  吉武地区の今里橋交差点の安全対策についてお答えをいたします。  今里橋の安全対策につきましては、城南ヶ丘から県道に出る際に見えづらいということで、県道側にカーブミラーを設置しております。また、県道におきましても、区画線での強調表示や横断歩道の設置が行われているところでございます。今里橋の上にあります歩道も安全対策の一つでございます。  信号の設置要望に関しては、議員が言われるように、県道に直行する今里橋に必要な幅員が確保できないことが主な理由で、信号の設置ができていないということは認識しております。ただし、先ほど新留議員から、一つの信号で二つの交差点を制御できないかという調査依頼といいますか、御提言がありましたので、私どももそういった方向で、県下だとか県以外にそういったものがないか、まずは調査をしたいと考えております。  以上でございます。 ◯花田議長  新留議員。 ◯16番(新留議員)  ぜひやってほしいと思います。予算がかからないほうがいいわけで。  せっかく写真を撮ってきたので、これは予算がかかるほうの案ですけれど、歩行者用の橋だけをかけるというのは、市内の稲元とかにもあるんですね。決して立派とはいえないとは思うんですけれど、歩行者が通るだけの軽量で構造されているので十分だと思います。これは善光会館の前ですが、ここもそうですよね。こういうふうに歩行者用の安全を保つためのもの。これは徳重のものです。  それで、先ほど交差点が二つあると。ここも今、信号がついてすごく便利になったんですよ。とても安心して曲がれるようになりました。ここで警察がやっかいと言っていたのは、ここは車が進入できるようになっていたんです。それを何度もコミュニティと地元の区長さんが努力されて、ここを通らないようにすると。それで、この近隣の方には了承してもらって、ここはもう歩行者しか通れないんです。車が入れないようにしてしまったんです。それで、信号がやっとついたんですよ。ですから、さまざまな例示を協議しながら。  部長からは、先ほどの案も一つの案じゃないかと答弁をいただきましたので、私も一緒に調査したいと思いますので、ぜひ前向きにやってほしいと思います。  市長、確かに予算がかかる提案内容もあります。だけれど、再び事故が起きないように対策を練ることは、自治体としての責務だと思うんです。住民の命と安全を守る、この立場に立って、ぜひともお金より住民の命を最優先に検討していただきたいと思います。  以上をもって終わります。 ◯花田議長  これで新留議員の質問を終了します。  ここで暫時休憩といたします。再開は11時10分とします。                      休憩 10時56分                      再開 11時10分 ◯花田議長  休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に5番、小林議員の1項目めの質問を許します。小林議員、どうぞ。 ◯5番(小林議員)  皆様、おはようございます。宗像志政クラブ、小林栄二です。きょうは項目1、世界遺産イコモス勧告と今後の取り組み、項目2、儲かる農業、持続可能な農業経営について一般質問したいと思います。よろしいでしょうか。 ◯花田議長  どうぞ、1項目めを質問してください。 ◯5番(小林議員)  それでは、項目1、5月5日深夜にユネスコ世界遺産委員会の諮問機関であるイコモス、──国際記念物遺跡会議──から勧告が出されました。結果は厳しいもので、沖ノ島と三つの岩礁、小屋島、御門柱、天狗岩のみの世界遺産の記載勧告でした。「神宿る島」沖ノ島を崇拝する文化的伝統が、海上安全を願う伝統と関連し今日まで継承されてきた沖ノ島には、4世紀から9世紀の間の祭祀の変遷を示す考古遺跡が残り、また沖津宮、中津宮、辺津宮は、宗像大社という信仰の場として現在まで続いてるということを基本に世界遺産登録を目指してきました。  沖ノ島の古代祭祀の考古学価値は評価されたものの、古代からと今に続く祭祀の変遷の三つの一体的な信仰空間というものが評価されなかったのは残念でなりません。沖ノ島を中心に、宗像大社三女神から守られ、育てられてきたのがこの宗像という地であることを考えます。  最終的には、7月上旬に予定されるユネスコ世界遺産委員会で正式に登録の可否が決まるようになりますが、国、県、そして谷井市長も一括登録を目指すとの考えを示されております。  そこで、今後の基本的な考え方やその取り組みについて伺います。  (1)イコモス勧告の分析を行ったと考えるが、問題点、課題点等の整理はできているのか。  (2)イコモス勧告の結果を市民はどのように受けとめていると考えているのか。  (3)一括登録を目指すに当たって、ユネスコ世界遺産委員会の委員に対してどのような説明を行い、また一括登録の可能性をどのように考えているのか。  (4)7月の一括登録を想定し、来訪者の受け入れ準備にも取り組んできたと考えるが、状況によって変更や見直しを行う考えがあるのか。  (5)緩衝地帯の景観保全策についても、状況によって変更や見直しを行うことがあるのか。お伺いしたいと思います。 ◯花田議長  小林議員の1項目めの質問に対し、執行部の答弁を求めます。  谷井市長。 ◯谷井市長  それでは、私から(1)と(2)につきまして答弁をさせていただきます。  まず、(1)イコモス勧告の分析のことですが、最近公開されたイコモス評価書によりますと、沖ノ島での古代の信仰と現在の宗像三女神に対する信仰との間に継続性が確認できないとし、なぜどのように信仰が変容したのか、疑問点が多いと指摘をされております。この点について、市としては世界遺産委員会に向け、しかるべく説明を尽くし、しっかりと価値を理解してもらうことが必要になると分析しているところでございます。国のほうでもそういったことで、現在、精査を行ってるところでございます。  続いて(2)市民の受けとめ方ですが、私自身の受けとめ方としては、記載という勧告ではあるが、一部の構成資産に限るという条件がつく厳しい内容に、とても驚いている旨のコメントを出しておりましたけれども、多くの市民の皆様が私と同じような受けとめ方をされているのではないかと考えております。
     残りは部長のほうから答弁いたします。 ◯花田議長  中村世界遺産登録担当部長。 ◯中村世界遺産登録担当部長  では、私のほうから(3)、それから(5)につきまして答弁をさせていただきます。  最初に、(3)につきましては、議員も御存じのとおり、既に本件遺産は政府よりユネスコに登録申請がなされておりまして、本資産の主張する顕著な普遍的価値、いわゆるOUVをしっかり理解してもらえるよう、丁寧に説明を尽くしているところでございます。  一括登録の可能性につきましては、現時点において未知数ですが、その実現に向け、引き続き全力で取り組んでいく決意でございます。  続いて(5)について、景観条例景観計画は本市のまちづくりの方向性を示す重要なものでございますので、その見直しは慎重にすべきであろうと考えております。  また、このたびのイコモスによる登録勧告は、沖ノ島と三つの岩礁ではありますが、緩衝地帯については全資産を含んだところで設定している範囲が適切と指摘をされております。全ての資産の登録を目指している以上、現行の景観保全策の見直しは想定をしておりません。いずれにしましても、最終的に7月に出されますユネスコ世界遺産委員会での決議をもとに、関係者とその後の具体策を協議してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯花田議長  中野産業振興部長。 ◯中野産業振興部長  それでは、私から(4)の来訪者の受け入れ準備について回答いたします。  今後の来訪者受け入れ準備につきましては、現状といたしましては、全ての資産の登録を目指すこととしておりますので、現時点での来訪者受け入れ事業の見直しは考えておりません。  また、現在市が実施しております来訪者受け入れ事業につきましては、市の産業振興や観光推進、あるいは離島の振興の視点で、いずれもが必要な事業と考えておりまして、世界遺産登録の状況による影響はありますが、新鮮でおいしい食や豊かな自然などの組み合わせによる活性化をこれからも目指していきたいと考えております。  以上です。 ◯花田議長  小林議員。 ◯5番(小林議員)  ありがとうございます。  それでは、第2の質問で、イコモス勧告以降、市には電話やメールなど、市民の皆様を初めいろんな声が寄せられていると思いますが、どのような意見をもらっているのかお聞きしたいと思います。 ◯花田議長  中村部長。 ◯中村世界遺産登録担当部長  勧告以降、さまざまな御連絡がございます。正直、明確な記録等はとっておりませんけれども、そういったものを含めまして私が把握している限りで、電話による御意見等が十数件、それから市長への手紙が1件、これは匿名でございました。そして、一番多かったのが電子メール等によるいろんな御意見、評価等を二十数件程度いただいているところでございます。  内容につきましては、多くは沖ノ島が世界遺産になることでかえって島が荒らされるのではないかと危惧する内容でありますとか、三宮一体でなければ辞退すべきじゃないか、あるいは三宮一体で登録をされるべきではないか、そういった三宮を一体として考える御意見がございました。  また、市民の盛り上がりが必要なら署名運動でも何でも協力します、あるいは三つのお宮がそろって宗像大社である、大変だろうけれど、皆さん、最後まで頑張ってほしいなど、大変ありがたい御協力や激励の御意見もいただいているところでございます。 ◯花田議長  小林議員。 ◯5番(小林議員)  ありがとうございます。やはり市民の皆様、本当にこの件につきましてはいろいろと興味というか、やはり世界遺産を望んでいるんだなというのを感じております。  続きまして、仮に世界遺産登録が沖ノ島と三つの岩礁となった場合でも、世界遺産登録のニュースは全国に向けて発信されます。本土側には、沖ノ島の神聖性や国家的祭祀を感じてもらえる国宝が鑑賞できる神宝館があり、世界遺産を紹介する海の道むなかた館や、大島にも世界遺産を紹介する大島文化交流館などがあります。仮に一括登録がかなわなくても、切り口を変え、世界遺産登録を今後の観光事業に生かすべきだと考えますがどうでしょうか。 ◯花田議長  中野部長。 ◯中野産業振興部長  今御提案いただいた議員の考え方と全く一緒でございます。世界遺産登録を目指して、その知名度というのは格段に向上いたします。  少し御紹介いただきましたけれど、神宝館であるとか、あるいはみあれ祭であるとか、そういった見学できるような施設、行事もございます。また、市で今、沖ノ島が見える視点場の整備にも取り組んでいる状況があります。  繰り越しの答弁になりますけれど、食や自然景観との組み合わせを基本に、この機会を逃すことなく生かしていきたいと思っております。  以上です。 ◯花田議長  小林議員。 ◯5番(小林議員)  ありがとうございます。  続きまして、今、世界遺産登録をきっかけによい流れができつつあると考えております。期待をしている事業者も多いと思いますが、今後の事業者への働きかけや説明はどのように行っていくのか、お伺いしたいと思います。 ◯花田議長  中野部長。 ◯中野産業振興部長  この4月と6月に大手旅行会社の方、社長や副社長と全国の各地区の部課長さんが、この宗像に会議を兼ねて視察に来られました。今までと違う流れができつつあるというのは、すごく実感しております。  事業者の方への働きかけなんですけれど、昨年12月にホテル、旅館、飲食店向けの説明会や研修会を開催させていただきました。今年度もそういった説明会、研修会を予定しておりますので、引き続きこのチャンスを生かしていただけるよう、働きかけや説明等を尽くしていきたいと思っております。  以上です。 ◯花田議長  小林議員。 ◯5番(小林議員)  変わりなく、いろんな形でいろいろと呼び込みもしていただきたいと思っております。  それでは、イコモス勧告の内容の分析と対応については、今後も関係者の皆様の工夫、努力に敏速かつ最善の方法により、よい結果につながるよう願っております。関係者の皆様には、最後まで気を抜かず、頑張ってもらいたいと思います。  そこで、市長にお尋ねしたいんですが、私は前回の一般質問でも触れたとおり、世界遺産の価値を高めるためには、原風景と構成資産を合わせた景観保全が必要だと考えております。宗像には、構成資産を取り巻く美しい自然、守るべき環境と景観があると思っております。このことは、関連遺産群を含めた世界遺産登録を目指す上で、その価値をユネスコ委員会へとアピールする中で、構成資産を取り巻く美しい自然環境の存在と将来にわたる環境保全活動を含めた環境保全を加えることで、より好印象を与えるのではないかと思いますが、市長、どうでしょうか。 ◯花田議長  谷井市長。 ◯谷井市長  議員御指摘のとおりだと思います。余談になりますけれど、現在、ユネスコ委員会のほうに、一つの考え、提案として、宗像人たちのこれまでの環境保全、海を大事にしてきたということと合わせて、現在も宗像国際環境会議をやっているということについてPRしていきたいと。一部でやっていますよね。そういったことが大事だと。この宗像は、環境が保全された上で歴史も保全されたと。あわせてやってきているんだと。これから先も当然維持しながら、外に発信していく必要があると思います。 ◯花田議長  小林議員。 ◯5番(小林議員)  いよいよ7月の登録に向けて、いろんな形で今、ロビー活動もされておりますが、本当にしっかりとした主張の力が必要になってくると思います。志政クラブ、市長をしっかりと支えていきながら、ポーランドのほうまで行かれるという話も聞いておりますが、宮司とともにしっかりとこの世界遺産のPRをしていただきたいなと思います。  それでは、1項目めの質問を終わりたいと思います。 ◯花田議長  小林議員の2項目めの質問を許します。どうぞ。 ◯5番(小林議員)  項目の2、儲かる農業、持続可能な農業経営について。平成29年は、農業、水産業、商工業、観光分野を統合し策定した宗像市産業振興計画も2年目を迎えます。また、宗像市も策定に参加したJAむなかたの農業振興計画も平成29年度が実行初年度で、新たにスタートを切ります。  宗像市産業振興計画農業分野では、経営規模の拡大と効率化の推進、新規就農者の確保・育成、農地の保全活動に対する支援の三つを主要施策に上げ、JAむなかたの農業振興計画では、選ばれる宗像農産物生産、販売体制の確立、地域リーダー・次世代生産者の育成、効率的な農業実践に向けた支援体制の確立の三つを重点施策に上げています。  農業を取り巻く状況が厳しさを増す中、儲かる農業、持続可能な農業経営を実現するためには、宗像市、JAむなかた、そして農業者の一体的な取り組みが欠かせないと考えます。  そこで、これからの宗像の農業施策の基本的な考え方やその取り組みについて伺います。  (1)宗像市産業振興計画の農業分野計画とJAむなかたの農業振興計画は、取り組み内容や目標などの整合は図られているのか。二つの計画の実行においての連携や調整などはどのように行うのか。  (2)平成29年度をもって国による米の生産調整が廃止されるが、米の価格に大きく影響する需要見通しや生産調整などは、具体的にはこれからどうなるのか。  (3)米の直接交付金も29年度をもって廃止される。また、小麦、大豆などの畑作物の直接支払交付金の単価も改定になったと聞いている。このような状況を市はどのように考え、どのように対応していく予定なのか。  (4)田畑、農園の暗渠排水設備の新設・更新に、JAむなかたと協働で取り組んでいくこととしているが、現在の進捗状況は、また新設・更新されることによりどのような効果を期待してるのかお伺いいたしたいと思います。 ◯花田議長  小林議員の2項目めの質問に対し、執行部の答弁を求めます。  中野産業振興部長。 ◯中野産業振興部長  それでは私から、儲かる農業、持続可能な農業について順次回答いたします。  最初に、(1)の二つの計画の整合、連携、調整についてですが、宗像市産業振興計画につきましては、JAむなかたへのヒアリングを複数回実施し、また産業振興推進審議会には、JAむなかた代表理事組合長に参画していただくなど、計画の素案づくりの段階からかかわっていただくことで取り組み内容や目標などの共有化を図っております。  また、JAむなかたの農業振興計画につきましても、計画策定プロジェクトメンバーの一員として本市の職員が参画し、宗像市産業振興計画との整合を図ったところでございます。  計画の実行においての連携や調整につきましては、JA職員も参加する産業振興プロジェクトの戦略会議におきまして同計画の進行管理を行うとともに、農業振興計画におきましては日常的な情報共有を継続し、また計画に記載された具体的な事業や取り組みにつきまして、必要に応じて協議の場を設けるなどして連携協力体制を維持していきます。  次に、(2)の米の生産調整と(3)の直接支払交付金につきましては、関連がありますのであわせて回答いたします。  議員御指摘の平成29年度をもって国による米の生産調整が廃止されることが決定しており、それと同時に、数量目標達成のメリットでもありました米の直接支払交付金も廃止されることが決定しております。さらに、麦や大豆の交付金単価も見直されるため、米にかわる作物の作付計画にも影響が出るものと考えております。  国としましては、生産者がどのような米を幾ら生産するかをみずから決められるようにすることで経営の自由度が拡大されるという意図もございますが、本市といたしましては、今後、主食用米の需給や価格の安定が損なわれ、米の価格が急激に下落することなどにより、農業経営に大きな影響を及ぼすことなどを懸念しておりました。  このため、県におきましては、平成30年度以降は国から提供される需給見通しの情報をもとに県の水田農業推進協議会が国にかわって生産目標を策定することとなっておりまして、市町村の水田農業推進協議会を通じて生産目標を農業者に示すこととなっております。本市としましても水田農業推進協議会を通じてこれらの情報を農業者に提供し、今後も生産目標達成に向けて協力を呼びかけるとともに、主食用米以外の作物である飼料用米、加工米、そして麦・大豆等の作付を推進することなどにより、農業所得の安定確保を図っていきたいと考えております。  最後に、(4)の暗渠排水設備の新設更新につきましては、議員御紹介のとおり、JAむなかたと共同で取り組むこととしております。現在の進捗状況といたしましては、ことしの3月に農業者向けの説明会を開催しました。70名から80名ぐらいとかなりの参加があっております。現在、その要望調査の取りまとめを行っている段階でございます。  今後は、各要望の内容を精査いたしまして、必要に応じて現地確認やヒアリングなども行った上で、優先順位をつけて、国の平成30年度の補助要望調査の提出に向けて準備を進めていきます。暗渠排水設備の効果といたしましては、圃場の排水性が高まることによりまして麦や大豆など米以外の作物の収穫量の増加が図られることを期待いたしております。また、圃場によっては、キャベツやブロッコリーなど新たな作物の作付拡大も期待できるものと考えております。  以上です。 ◯花田議長  小林議員。 ◯5番(小林議員)  ありがとうございます。それでは、市の産業振興計画とJAの農業振興計画とが連携や調整がとれていることはよく理解できました。計画の実施において、より効果的に上がるように、効果的な実施ができるように、二つのプランの実行レベルで進行管理や連携、調整のメンバーや内容を具体的に伺いたいと思います。 ◯花田議長  中野部長。 ◯中野産業振興部長  まず、市の産業振興計画のほうでございます。商工会、JAむなかた、漁協、観光協会、道の駅、それと宗像市で構成します産業振興プロジェクトの中で、市がやっておりますPDCAサイクルによる進行管理を行うこととしております。
     JAむなかたの農業振興計画でございますけれど、こちらのほうはJAむなかた、宗像市、福津市、宗像地域農業活性化機構に県の北筑前普及指導センターによりまして連携会議を開催いたしまして、それぞれの役割分担の確認であるとか、進捗状況のお互いの確認であるとかを行う予定にしております。  以上です。 ◯花田議長  小林議員。 ◯5番(小林議員)  ありがとうございます。  それではもう一つ、宗像地域農業活性化機構は、担い手経営改善事業、後継者育成支援事業、生産流通支援事業、農地集積事業を柱に、宗像の農業振興のため欠かせない重要な事業を担っています。農業活性化機構とJAや市との一体的な取り組みが欠かせないと思いますが、農業活性化機構とJAや市との連携、調整はどのように行っているのかお聞きしたいと思います。 ◯花田議長  中野部長。 ◯中野産業振興部長  議員御指摘のとおり、本市の農業施策におきまして、農業活性化機構に新規就農者の問題であるとか、農地集積の問題であるとか、重要な事業を担っていただいております。市長、副市長、私も参加、出席いたします評議員会、理事会とは別に、実務レベル、課長・係長レベルでの定例会議を毎月開催しておりますので、そういった中での情報交換であるとか、連携調整は行っているという状況でございます。 ◯花田議長  小林議員。 ◯5番(小林議員)  いろんな取り組みをなされていますが、JA、市、農業活性化機構と農業者が連携して、市とJAの計画を、緊急度や優先度から計画的、かつ確実に実行につなげていくことが重要と考えられます。儲かる農業、持続可能な農業経営のため、今、優先度や重要度などから短期で実施しなければならないことはどのようなことがあるのか、お尋ねしたいと思います。 ◯花田議長  中野部長。 ◯中野産業振興部長  本市の産業振興計画の農業分野におきましては、農地の集積、新規就農者の育成、農地保全活動に対する支援を重点的な方針として、今、さまざまな事業に取り組んでいるところでございます。  緊急的な、優先度の高い事業といたしましては、先ほど議員からも御質問があり、答弁いたしました暗渠排水設備の新設・更新が急務な事業であろうと考えております。  また、儲かる農業つきましては、これも前の議会で答弁させていただきましたけれど、農産物をより高く販売すること、農産物をより安く生産することに尽きろうかと思っています。高く販売するための農産物のブランド化、高付加価値化とか、あるいは販売強化にも引き続き取り組んできますし、安く生産するための農地の集積と経営規模の拡大、あるいは農機具の導入支援であるとか、共同利用の促進あたりも引き続き取り組んでいく必要があろうかと思っています。  以上です。 ◯花田議長  小林議員。 ◯5番(小林議員)  農業を取り巻く環境は本当に厳しい状態にあります。それぞれが持つ地域の農業関係の悩みやそういうものを、これからまたいろんな形で提言させていただきたいと思います。  ちょっと進行が早く進み過ぎたので、私、最後に一言だけ述べさせていただきたいと思います。  変わりゆく地球環境、変わりゆく第一次産業の現実の中で、農地が荒廃し、鳥獣被害、竹林の増大、漁業においては魚介類の水揚げの減少、近隣国の乱獲等の現実により、今まさに第一次産業のこれからのことを考えれば、悪化していく前にしっかりと10年後、20年後の将来に向けて対策を考えていかなければならないんではないかなと思います。  一つ、私なりの提言でありますが、第一次産業の厳しさの中、農業と漁業が連携し、兼業できるようなシステムづくり、例えば陸上養殖などが例に挙げられますが、やはりこの宗像という地域は、魚のまちと。フグとかいろんなイカ、そういうブランドを持った魚介類の水揚げを誇る地域でもございます。その中で、やはりうまくそういうものを連携していきながら、陸上養殖を考えると、陸上養殖は山の奥でもできるように技術が進んでおります。その中で、山のほうにつくればつくるほど、鳥獣の対策もできるんではないかなと。また、竹林も余り増大しないのではないかと思っております。  どうか第一次産業が、しっかりとこれから漁業、農業が連携できるような、宗像のオンリーワンができるような仕組みを、我々はこれからまたしっかりと協議していきながら、新しい対策を考えていくべきではないかと思います。  この件につきましては、また次回の一般質問の中に盛り込ませていただきますが、きょうはちょっと短くなりましたが、私の一般質問の最後とさせていただきます。ありがとうございました。 ◯花田議長  これで小林議員の質問を終了します。  ここで暫時休憩といたします。再開は13時ちょうどといたします。                      休憩 11時43分                      再開 13時00分 ◯花田議長  休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に19番、末吉議員の1項目めの質問を許します。末吉議員、どうぞ。 ◯19番(末吉議員)  こんにちは。日本共産党議員団の末吉孝でございます。  この6月議会での一般質問は、この議場で議事を采配される議長を除いて19人が一般質問に立つという、私の議員生活の中では初めてのことであります。市民の負託を受けた宗像市議会議員としての責務を全員が果たしているという誇らしい思いを抱くものであります。ぜひ新人議員も含めて、これから長い議員生活の中で、これからも継続していかれることをまず期待するものであります。  さて、私、ゴールデンウイーク前に、岩手県の旧沢内村を訪ねる機会がありました。沢内村は、秋田県境に位置し、冬は3メートルもの雪が降る豪雪地帯であります。かつては東北きっての寒村であるのと、冬は豪雪で交通手段が遮断されることから、乳児と高齢者の死亡率が非常に高い村でございました。昭和32年、村長に当選されました深沢村長が、乳児と高齢者の命を守るために、全国に先駆けて乳幼児と60歳以上の高齢者の医療費無料化を始められました。その結果、乳児死亡ゼロを全国で初めて達成するとともに、村の保健予防行政が全国のお手本となったところであります。  現在、三つの自治体が合併して別の町になっているんですけども、住民はこの深沢村長をいまだに尊敬しているというか、その記念館があるわけでございますが、深沢村長の奮戦してきた様子が、いのちの山河という映画にもなりました。この宗像でも上映されました。その映画の中に描かれていますが、乳幼児と高齢者の医療費無料制度を導入しようと岩手県当局と交渉しているときに、県から、これは国民健康保険法違反になりますと、こう指摘されたことに対して、村長は、国民の命は憲法25条、生存権で保障されている、本来、お金がなかろうとあろうと、国民の命を守るのは、国がしなければいけないことをしていないから村がするんだ、こう言って、県が国保法違反と言うなら、最高裁まで争うというたんかを切って、この制度を全国に先駆けてスタートしたということが描かれておりました。  このことを紹介したのは、日本の現憲法が世界に誇れる、人間らしく生きるという人としての尊厳を保障したすばらしい憲法であるにもかかわらず、今、乱暴にその憲法が形骸化され、踏みにじられようとしているからであります。そもそも憲法は、権力の圧政や国民の権利を侵すことのないように、国民が権力を縛るために存在しているものであります。憲法を改正するのでなく、現憲法の掲げた理念をまさしく政治が生かすことこそ、今、本当に求められているのではないでしょうか。  今、国会では、あすにも共謀罪が与党によって強行採決される動きがございます。今こそ日本の民主主義あるいは国民主権といったものが本当に真剣に問われている時期だと思います。地方自治体からこの憲法を守り生かしていく、住民の生活の中に炎を、ともしびを燃やしていくという点から、今後も私ども、憲法を守るために頑張っていきたいと思います。  それでは、質問に入ります。  まず1項目めは、高齢者の交通手段拡充であります。4点あります。  公共交通整備における課題と方針については、どのように計画をされているのか。  2点目、ふれあいバスあるいはコミュニティバスの今後の整備方針をどのように描いておられるのか。  3点目、現在、高齢者の事故等が多発しているわけですが、高齢者の免許証返上の状況と、それに伴って無料交通券申請の状況はどうなっているのかお聞きしたいと思います。  4点目は、本市も高齢者無料パス制度の導入を検討してはどうかという点であります。  以上、1回目の質問といたします。 ◯花田議長  末吉議員の1項目めの質問に対し、執行部の答弁を求めます。  谷井市長。 ◯谷井市長  それでは、私のほうから(1)の公共交通整備に係る課題と方針につきましてお答えをいたします。残余は部長のほうから答弁をいたします。  このたび策定しました公共交通網形成計画において、本市が掲げる公共交通の課題についても整理をいたしております。まず、都市機能を維持発展させるために、都市構造の転換を進める上で重要となる市内拠点間の移動手段の確保、次に、福岡市、北九州市を中心とした市外へ、また市外から宗像市へのアクセスの向上、そして、自動車の運転ができない交通弱者の移動手段の確保といった複数の課題があると認識いたしておりまして、公共交通に求められる役割は大きいと考えております。  そのため公共交通網形成計画では、市民の生活、にぎわい、まちの活力を支える公共交通のあり方と定め、これら課題に対して、日常生活を支え、観光振興を支え、まちづくり戦略を支える公共交通体系の構築に向けた取り組みを進める考えでございます。  以上でございます。 ◯花田議長  石松総務部長。 ◯石松総務部長  それでは、私のほうから残りの分について順次お答えさせていただきます。  (2)のふれあいバス、コミュニティバスの今後の整備方針でございます。  ふれあいバス、コミュニティバスについては、これまでも利用者のニーズに近づけるよう見直しを行いながら、徐々にではありますが、利用者がふえている状況でございます。ふれあいバス、コミュニティバスにつきましては、2年に1度のサイクルで、運行している地域、コミュニティの要望を受け、運行ルートと運行ダイヤの改定を行っております。これからも地域からのニーズを反映させながら、より利用しやすく、市民ニーズに沿った形に近づくよう、見直しを継続していく考えでございます。  次に、(3)でございます。高齢者の免許証返上状況と無料交通券申請状況でございます。  本市では平成24年度から高齢者の運転免許証自主返納のきっかけづくりといたしまして、ふれあいバス、コミュニティバスの回数券の交付を行い、高齢者の運転免許証自主返納を促進しております。申請の状況につきましては、この制度開始前は、年間数人の自主返納者でございましたが、平成26年度は200人、27年度は194人、28年度は338人と増加しております。平成28年度の無料交通券申請状況は、ふれあいバス、コミュニティバスの回数券が61人、タクシー回数券が171人、西鉄バスICカードが106人となっております。  最後に、高齢者無料パス制度の導入でございます。  現在、70歳以上の高齢者などを対象に、ふれあいバスカードを交付し、ふれあいバス及びコミュニティバスの運賃の半額助成を実施しております。これを無料化することについての検討は、現在行っておりません。他の自治体におきましても、敬老パスや高齢者優待証といった名称の乗車券を交付していますが、一定の負担を求めていることが多いようです。  ふれあいバス、コミュニティバスでは、ふれあいバスカードの利用者が利用者全体の約7割を占めております。そして、運行経費に対する運賃収入の割合は約2割となっており、利用者負担は低い設定であると考えております。運賃を無料とした場合は、一層の税の投入が必要となることから、これ以上の支援については、福祉の視点を前面に出し検討することになると思いますが、現在、高齢者無料パス制度の導入検討には至っておりません。  以上でございます。 ◯花田議長  末吉議員。 ◯19番(末吉議員)  ありがとうございます。  宗像市における高齢者の公共交通手段の拡充を考えるときに、本市の独特なまちの形成過程というのをまず頭に置かなければいけないだろうと思うんですね。本市は、北九州、福岡の中間にあって、住宅都市として発展いたしました。それも、東郷駅、赤間駅、その後、教育大前駅もできましたが、この駅を中心とする、連絡する丘陵地に住宅団地が開発されて、文字どおり住宅都市としての発展をしてきたわけであります。団地が開発されたときには、当然、団地内でクローズできる学校、医療機関あるいはスーパーだとか、魚屋さんだとか、そういったものが当初、40年代後半から50年代の初めにかけて、備わっていたと思うんですけども、その後、経済構造の変化と同時に、そういった機能が集約されてきたんですね、本市の中でも。  そういう意味では、住民の高齢化とともに、移動手段のウエートが非常に高いまちになってきた。例えば福岡市でいいますと、1点集中型の市街地が連担した都市でありますから、さまざまな公共交通を含めて、利用可能な都市とは全く異質なわけですね。そこの中で公共交通手段をどう整備し保障するかというのは、本市のまちづくりの根幹にかかわる問題だということをまず押さえたいと思います。  2点目は、先ほど言いましたように、私どもの住んでいる日の里でもそうですけども、前は団地のすぐ横にスーパーがあり、魚屋さんが入り、お肉屋さんもそこに入っていました。それが、もう十数年前になりますけども、閉店され、買い物としては、日の里の高層下にありますサニーか、旧西鉄ストア、今はレガネットとなっていますけども、そこに頼らざるを得ない状況に今はなっているわけですね。当然、買い物に対する時間、距離も含めて、拡大してきているという現状があるだろうと思うんです。  それで本市は、高齢者の方の移動交通手段をどう担保するかということで、ふれあいバスを導入いたしました。これは当初から採算がとれるというイメージで導入していないと思うんですね。昨日、福田議員の質問に対しまして、費用は9,000万円投下しているのに対して、運賃が約2,000万円、県からの補助金が500万円、約6,500万円の赤字なんだという説明がされましたけど、このことが赤字だと表現するのが妥当かどうかは別にして、そもそもふれあいバスを導入したのは、先ほど言った宗像市の本市が持つ都市構造の特徴あるいは高齢化の進展、それから経済構造の変化による住民生活をどう保障していくかという観点から行政が導入したものであるということをまず私は押さえなければいけないのかなと思います。  それで、ことしの3月に出されました宗像市地域公共交通網形成計画、本当に読ませていただいて、実態調査も含めて、その視点あるいは課題としてピックアップしている中身がよく整理されているなと思います。それで、特にふれあいバスとコミュニティバスについて、こういうふうに。  ふれあいバスに関する問題点、課題というところで、第2系統と第3系統の利便性と効率性に向けた運行サービスの見直しが必要だと課題としてはまとめてあるんですね。理由として、第2系統と第3系統は循環系統であるため、乗り継がずに目的地に行くことができる反面、1周2時間とルートが長くなっていると。第2、第3系統の現在のルートは、乗り継ぎせずに目的地まで行きたいといった要望に応えながら改善を重ねてきた経緯がある。  確かに、これまで私どもの新留議員もこの問題を取り上げて、自由ヶ丘からもサンリブに行けるような路線を確保し、そして乗り継ぎもせずに医療機関にリンクする、そういうルートを、執行部も本当に努力して検討した結果が、このふれあいバスについては、利用客が、緩やかですが、増加してきているというのがこの報告の中にも記されているわけですね。  それで、ここで言う第2系統と第3系統の改善、見直し。第1系統との一番の違いは何かといいますと、第1系統は、主に鹿児島本線よりも北側と赤間、吉武地区を網羅しているんですが、かなりの交通空白区域をコミュニティバスでカバーして、第1系統の路線そのものは非常にコンパクトになっているんですね。同じ1台で運行していても、便数は、第1系統が一日約11便に対して、第2系統、第3系統は一日5便の運行にとどまっているわけですね、現状では。それは、第2系統、第3系統が1周循環するのに2時間かかるということが最大の背景としてあらわれているわけです。  そこで、第2系統、第3系統の運行の改善をするとしたら、どのような方向性が考えられるのかということをまずお聞きしたいと思います。 ◯花田議長  石松部長。 ◯石松総務部長  ただいま紹介していただきましたように、高齢者の皆様にとって、やはり乗りかえなしで目的地に行けるというのが大きな課題でございました。今の現状のふれあいバス、コミュニティバスの姿になる前に、やはり乗り継ぎを主体に考えて運行した期間もございますが、どうしても乗り継ぎでの目的地までの移動につきましては、非常に高齢者の方にとっては難儀なものであるという意見がたくさん寄せられまして、今のような形になっております。  実際に第2系統、第3系統、これだけ2時間をかけて右回り、左回りやっておるんですが、利用される方にとっての乗り継ぎはほとんど発生していないというのが現状でございまして、これを今現状の2時間から1時間とかにコースを変えるということになれば、根本的にバスの台数、それと、コミュニティバスでカバーしているところにつきましては、ふれあいバス、基幹道路を走っておりますが、そこを大幅な見直しといったような抜本的な計画の見直しになるのではないかという気がしております。  以上でございます。 ◯花田議長  末吉議員。 ◯19番(末吉議員)  それで、第2系統、第3系統は、東郷地区、日の里地区、それから南郷を経由して自由ヶ丘をずっと回っていくわけですが、もちろんサンリブにも寄れるという系統の特徴を持っているわけですね。それで、この報告書の中にも報告してあるんですが、本市は住宅団地であっても、交通機関の不便地域が存在すると。定義は、バス停までの高低差が5メートル以上あるところについては不便地域と一つのカテゴリーを置いて、市全域を分析した結果が出ているんですね。ここの中で指摘されているのは、交通機関、比較的便利な地域と思われている東郷校区、この中でも三倉ですとか平井、こういったところが非常に不便地域という指摘もあるわけですね。それから意外だったのは、自由ヶ丘がその地域指定がかなり多いと。これは、西鉄バスの路線バスの系統、路線の形と住宅団地の形状、これにも関係しているのかなとは思うんですが。  実は、わかりやすく説明するにはどうしたらいいかなと思って、ちょっとロープでつくってきたんですけども、これが第2系統、第3系統の1回2時間かかる長さとしますよね。長さとします。そうすると、これを例えば1時間にできれば、もっと便数が倍に、極端に言ったらなるわけですね。そして、じゃあ、それをするためには、確かに乗りかえが必要になるかもしれませんけど、真ん中に第2系統、第3系統の中核部分があって、あるいは東郷校区にコミュニティバスを走らせる、あるいは自由ヶ丘地区に、自由ヶ丘地区はデマンドバスの声も出ているとお聞きしますけども、あの高低差が非常にたくさんある住宅地域をコミュニティバスとの接触、リンクして運行していくと。その際に乗りかえ場所というのは非常に、例えば自由ヶ丘サニー前ですとか、あるいは東郷校区でいうとレガネットとか、そういうついでに買い物もできるような地域を設定すれば、何らかの新たな第2系統、第3系統の機能が生まれてくるんじゃないかなと。  実際、第1系統に比べて利用客は少ないんですね、2系統、3系統は。これだけ長時間のルートで回っておりながら少ないんです。それは、最大はやっぱり便数なんですよ。利用機会が少ないということなんですが、こういった、このとおりにできるかどうかは、ちょっと私も詳しく検討したわけじゃありませんので、そういう観点から第2系統、第3系統の見直しについては着手できないでしょうか。それか、便数をふやすためであったら、もう一台、第2系統、第3系統に投入するとか、そういう案も考えられると思うんですが、その辺はいかがでしょうか。 ◯花田議長  石松部長。
    ◯石松総務部長  先ほども答弁させていただきましたが、現在の第2系統、第3系統の運行形態につきましては、高齢者の方がやはり目的地までに乗りかえすることなくできるようなバス路線、そういう意見が多数を占めたことから、現在の形状、運行形態になっております。今、末吉議員、実際にひもを使われて説明されましたように、そういった形態で運行しようとしたときもございますが、現在は残念ながらこういう形でございまして、実際に利用者数も余り伸びないというようなことの結果は、もう言われるとおりだと思います。  やはりふれあいバス3台、コミュニティバス6台、計9台で今、公共交通の西鉄バス路線がなかなかカバーできないところを行政のほうで回しておりますが、このバスの台数を含めまして、どの辺まで投資するかといったのが今後、我々に課された検討課題だということは十分認識しております。  以上でございます。 ◯花田議長  末吉議員。 ◯19番(末吉議員)  冒頭言いましたように、かつて神湊あるいは鐘崎と、ふれあいバス、行っていたんですね。一つの路線延長が余りにも、当初導入したときはですよ。それをコミュニティバスという発想のもとで、施設は市中心部に連担していますから、あちこち点在しつつ連担しているんですね。そこを今、第1系統については、長い部分はコミュニティバスに委ねながら、一旦、ふれあいバスとの乗り継ぎもできるし、相互乗り入れもやっているというような形態の中で、第1系統というのは非常に利用客がふえてきたと、便数の関係も含めて。  私はそこに、今回、第2系統、第3系統の見直しの発想となるんじゃないかなとあえてお聞きしたんですけども、部長の答弁だと、いや、今の2系統、3系統については乗り継ぎなく行けるので、今のままでこれからもいくかのような御答弁なんですが、より市民にとって、便数が倍ふえるというメリットというのは非常に大きいと思うんですよ。そこの検討はやっぱり着手する価値はあるんじゃないでしょうか。 ◯花田議長  石松部長。 ◯石松総務部長  今回のこの形成計画におきましても、持続可能な公共交通の維持、これがやはり大きな視点でこの計画を作成しております。そういった関係で、ふれあいバス、コミュニティバスにつきましても、これまで市長のほうも答弁がありましたように、見直し等を継続的に図りながら、市民の皆様の利用希望に沿った形態の運行が現在行われております。当然、今の現在の第2系統、第3系統、末吉議員の御提案の趣旨を取り入れたような検討、これにつきましては当然、我々行政のほうで検討していかなければならない事項だとは考えております。  以上です。 ◯花田議長  末吉議員。 ◯19番(末吉議員)  ぜひそれは各コミュニティあるいは地域の方の意見も聞きながら、持続可能であるということは当然、それと市民が、あるいは高齢者の方が利用しやすいと。例えば高齢者の場合、買い物と通院がかなりのウエートを占めているんですけども、午前中9時から10時の利用が一番多いんですよ、通院される場合。そこの需要に合わせたバス運行の考え方も今後、きめ細かにしていくことによって、利用者がふえるかもしれない。だから今後、検討の余地は私はあるなと感じていますので、ぜひ検討していただきたいと思います。  次に入りますけども、ことし、福岡の原三信病院にタクシーが突っ込んで、旧津屋崎町出身の方が不幸に亡くなるという痛ましい事故がありました。その他、踏み違いですとか、高速道路を逆走するだとか、高齢者の事故、事件が本当、絶えないわけですが、宗像市にお聞きしましても、あの原三信の事故があった次の日から二、三日、免許証の返納が急激にふえたそうなんですよ。やっぱり御家族でそういう話が随分されたんだろうなという反映だろうと思うんですが、先ほど部長が説明されましたように、県下でも確実に返上がふえているということと、特にことし4月末現在で、県下だけで5,400人、これは昨年度に比べて2,300も上回っているということだそうであります。宗像、福津管内、いわゆる宗像署にお聞きしますと、今年度、17年に入りまして、4月末で既に232件、これは昨年に比べても100件上回っているそうなんですね。団塊の世代の方も次々と後期高齢者になっていく中で、今後も免許証の返納はふえていくだろうと思います。  本市の場合は、タクシーやJRも利用できる交通補助券を申請された方にはお渡ししているんですが、これは福津の方が宗像署に返納するとき、福津はタクシー、JR乗れないらしいんですよ。これで、何で福津はせんのだろうかと言って、警察署で言っていかれるとは言われていましたけど。  確かにこの2万円分の交通補助券というのは非常にありがたいんですけども、いざ返納した方にお聞きしますと、返納すること自体は、男性にとっては、ああ、俺はもう一人前じゃないんだと、一つのことがもうできないんだと、運転したくてももうできないんだと思うことが、精神的にかなり落ち込むと言われています。それに加えて、どこか移動しようとした場合に、交通費がかかってくる。この負担感は想像していた以上だということであります。確かに2万円はありがたいんだけども、あっという間になくなってしまうということで、何らかの市の助成等が考えられないだろうかというのが、私どもに寄せられた中身であります。  それで、発想として、高齢者の交通手段を保障する、あるいは支える、これは公共交通機関、ふれあいバス、それからコミュニティバスの充実というハードな側面と同時に、高齢者福祉の側面から、移動機会を保障していくという、私、二つのことが機能し合って初めて、地域の中で高齢者の移動手段を保障していくものになると思うんです。  それで、まず第1点は、きのうの答弁でもされましたけど、ふれあいバス、コミュニティバスで約6,500万円の赤字なんだという御答弁だったんですが、赤字と言わないでいい方法があるんじゃないかということをまずお聞きしたいと思うんですが。 ◯花田議長  石松部長。 ◯石松総務部長  今の末吉議員の問題提起から考えますと、赤字という言葉にかえては、やはり福祉の観点から、高齢者の自立した生活、また高齢者のひきこもり予防、高齢者の社会参加、そういった方々に対するお金が六千数百万円、そういった考えもあるのかなといったような感じで今、お聞きしておりました。  以上です。 ◯花田議長  末吉議員。 ◯19番(末吉議員)  考えようによっては、例えば後で取り上げます高齢者無料パス、これは福岡市なんかはやっていますけども、年間1人1万2,000円から所得に応じて2,000円のランクまであるんですけど、地下鉄からバス、タクシー、それからJRも使えるような無料パスですよ。これをやろうと思ったら、具体的に事業費が必要になりますよね。捻出する必要がある、福岡市がやっている無料パスについては。  高齢者福祉の担当部長にお聞きしたいと思うんですが、例えば市が高齢者の移動機会をふやすために、例えばふれあいバスの無料券を1人年間何万円分配布しますと。配布する場合に、新たな事業予算というのを組む必要がありますか。例えば6,500万円未満の交通券、1人100円にしたら何枚分になりますかね。計算してもらったらいいんですけど。 ◯花田議長  篠原健康福祉部長。 ◯篠原健康福祉部長  末吉議員の御提案につきましては、高齢者福祉サービスの観点から、何らかの手だては考えなければならないとは考えております。確かに事業を起こすには、予算が必要になってまいりますので、それなりの財源を確保してから事業を展開するというような形にはなろうかと思います。 ◯花田議長  中村保険医療担当部長。 ◯中村保険医療担当部長  今、お1人当たり2万円をという算定でございますが、これは平成26年度の数値になりますが、おおよそ65歳以上高齢者が2万5,000人程度いらっしゃいますので、掛け2ということになりますと、5億円という試算になろうかと思います。 ◯花田議長  末吉議員。 ◯19番(末吉議員)  これはぜひ6,500万円の赤字と言わずに、その赤字計上している分のふれあいバス券を、私は市民に発行すればいいと思うんですよ。そこは乗られても乗らなくても、実際6,500万円のお金は、何といいますかね、動かないというか、配った以上に、ああ、便利だなと思われた人は、後々またそのバスに乗られるかもしれないんですね。私は、そういう意味では、高齢者の方が利用喚起にもなっていくんじゃないかなと思いますので、その点、検討していただきたいのと、もう一つは、これはきょう、昼休み、話したんですけども、最近、東海大学付属福岡高等学校のスクールバスをあちこちで見かけます。きのう私、玄海の海の道むなかた館の前で、東海と書かれた大きな大型スクールバスが、これで見かけたのは、私、3回目なんですよ。それで、先ほど聞いたら、5台ぐらいスクールバスとして走っているそうなんですけど、よくよく考えたら、東海大学付属福岡高等学校と協定結んで、生徒さんを送った後、サンリブまで地域住民を乗せてあげるとか、何か利用の仕方もこれはあるかなと。陸運局が認めるか認めないかは別にして、そういう発想もふと、私、思ったんですよ。こういう便を活用するのも一つの手だなと。  もう一つは、皆さんに、買いものが不便になって、出かけることを推奨するのもいいけども、今、軽トラで出張販売あるいは訪問の移動販売ですかね、これを宗像市が育成していくという観点から、本来なら出かけていって交通費使わないかん人に、例えばそこの出張移動販売を利用する場合には、例えば50円あるいは100円の買い物補助券みたいなものを発行して、そういう利用客を確実にふやしていく。そこをふやしていくということは、出かけなくても、自分の目で買い物ができるという場を保障するということになるわけですね。一方で、そういう移動販売を育成するというか、育てる補助金にもなっていく。何かそういう柔軟な発想をしていく必要があるんじゃないかなと思うんです。  ふれあいバスの利用最大目的は通院と買い物、通院は、お医者さんにそれぞれ各家庭を回って診療しなさいというのは、これは体制がまだまだ整いませんので、今の段階ではいろんなことを考えても無理かなと。ただ、買い物については十分、やり方によっては可能性があるかなとちょっと思うんですが、市長、そういう発想のやり方で、ふれあいバスが必要になっている高齢者に対する手だてを考えていく必要があるんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。 ◯花田議長  谷井市長。 ◯谷井市長  いずれにしても、高齢者の交通対策、これは何らか考えていかないといけない。先ほど部長が答弁したように、そのために経費の問題ですね。今は半額ということですけども、そういう買い物のバス、移動バス、移動販売とか、さっき東海大学付属福岡高等学校の話もされましたけど、そういった組み合わせがいいかどうかは別にして、今後ふえていく高齢者の人に対する移動手段というものは、発想を変えながらやっていくというのは大事だと思っています。御提案のそれがいいかどうかは別にして、そういう考えもあるということは頭に入れておっていいかなとは思いますけど。 ◯花田議長  末吉議員。 ◯19番(末吉議員)  確実に高齢者がふえていくことははっきりしています。そういう中で市民が安心・安全、これは市長のまちづくりの基本の中に入っていますので、それを具現化する一つの手法として、着実に改善すべきは改善し、そして新たな制度を導入すべきは、私はやっぱりしていくべきだと思うんですよ。そこに市民が安心できる行政のあり方、特に今、赤字分の6,500万円は新たにお金を出せと言っているんじゃないです。6,500万円分のふれあいバスの乗車券を高齢者に配布することも考えてもいいよと、そのくらいの大胆な発想も私は持っていいと思います。  これで1項目めを終わりたいと思います。 ◯花田議長  末吉議員の2項目めの質問を許します。どうぞ。 ◯19番(末吉議員)  2項目めは、県道畦町村山田線の道路改良工事についてであります。  これが3号線のバイパスですね。若木台です。この畦町村山田線の道路改良工事については、3号線バイパスの八並道路からJRまでに8%の勾配で急激に下がって、鉄道の下をボックスでくぐって、5%の勾配で上がって、八並川の橋梁を越えて、そして旧3号に2%の勾配で上がっていくというような構造になっております。それで、3号線の八並バイパスから鉄道のアンダーのところまでの8%というのは、非常に道路としてはカーブしていると同時に勾配が急、しかも八並川よりも下になりますので、降雨時、大雨のときには恐らくポンプ施設が必要になるし、進入を禁止するガード等についても設置する必要がある施設になってくるだろうなと思います。それを前提にして質問に入ります。  畦町村山田線が改良されるに当たっては、宗像市幹線道路整備計画の中では、この道路改良についてどう位置づけているのかというのが1点。  2番目は、宗像市において、幹線道路整備計画を踏まえて、市の骨格となる幹線道路整備の優先箇所はどこなのかという点が2点目。  3点目ですね。これは、私どもの県議を通じて県の担当課に聞いても、あるいは北九州の土木事務所の担当にお聞きしても、これは市の要望で県が事業化しておりますと全部説明されるんですよ。市の要望ということは、市が県にどのような体系的な事業の必要性をまとめ上げ、そして長期計画との整合性をいかにとり、県にどのような意見を上げたのかということをお聞きしたいと思います。  4点目は、御承知のように、鉄道をアンダーでくぐり、そして橋梁を新たにかけるという、非常に整備費用の面からも多大な事業費を要する道路だろうと思うんですが、整備費用や道路機能から総合的な検討がされるべきであると思いますけども、宗像市としてこの県道改良事業が喫緊の必要性がある事業と本当に考えているのかどうかという点をお聞きします。  5点目は、この事業計画に対する、この路線計画そのものに対する代替案の検討はされたのかということを、以上5点をお聞きします。  以上です。 ◯花田議長  末吉議員の2項目めの質問に対し、執行部の答弁を求めます。  木村都市建設部長◯木村都市建設部長  私のほうからお答えをさせていただきます。  (1)宗像市道路網整備計画の中での位置づけについてお答えをいたします。  平成23年度策定の第2次宗像市道路網整備計画の中では、県道畦町村山田線は位置づけをしておりませんでした。道路網整備計画では、観光軸の強化、混雑箇所、区間の解消、広域ネットワークへのアクセス道路強化として、旧国道3号、都市計画道路宗像福間線の田熊から白水峠の間を位置づけしておりました。しかしながら、県道畦町村山田線は、整備計画の中での位置づけはしておりませんでしたが、福岡方面から市内へのアクセスを考えますと、旧国道3号、都市計画道路宗像福間線の村山田から白水峠までの間の整備と同等の位置づけが期待できます。  (2)市の骨格となる幹線道路整備の優先箇所についてお答えをいたします。  優先箇所につきましては、現在事業化されております、市の中心拠点であります旧国道3号、都市計画道路宗像福間線の赤間工区土穴と拠点である東郷工区の平井並びに福岡市方面から世界遺産関連へのアクセス道路であるこの県道畦町村山田線になります。  (3)市は県にどのような意見を上げたのかについてお答えをいたします。  県道畦町村山田線は、世界遺産登録を目指している宗像・沖ノ島と関連遺産群の構成要素への国道3号からの重要なアクセス道路であり、今後、著しい交通量の増加が見込まれております。しかしながら、現道の幅員は1車線で、離合もできないほど狭小で、見通しの悪い鉄道トンネルもあり、非常に危険な道路と要望しております。  (4)喫緊の必要性があるかについてお答えをいたします。  世界遺産関連施設及び道の駅むなかたへの来訪者の増加が見込まれることや現在の県道の状況から考えますと、整備を急ぐべき事業であると考えております。  (5)この事業に対する代替案の検討についてお答えをいたします。  県道畦町村山田線は、福津市畦町と宗像市村山田を結ぶ県道で、畦町から国道3号八並交差点までは改良済みの区間となっており、未改良の区間は、宗像市の村山田から国道3号八並交差点間が未改良の区間でございます。先ほども述べましたけども、未改良区間である宗像市村山田は、道路も狭隘で、現況の鉄道トンネルは、大型車の通行及び小型車の離合ができず、この区間の改良が目的であるので、代替案の検討はしていないと聞いております。現在のこの県道の代替がこの事業計画となっております。  以上です。 ◯花田議長  末吉議員。 ◯19番(末吉議員)  まず、この問題をあえて私、取り上げたのは、幾ら県の事業、県がやるといっても、同じ県税なんですよ。それで、県の事業で言いますと、昨日、植木議員も取り上げましたし、きょうも紹介されましたけども、宗像市で県道改良事業で喫緊の場所はたくさんあるんですよ。特に昨日、植木議員が取り上げたあそこの稲元須恵間の道路なんていうのは、宗像市の中核、骨組みともなる道路ですよ。そこの整備が、本当に県の事業費が少ないという中でなかなか進まない中で、なぜこういう区間が、市が出している宗像市の道路交通施設の整備方針ですよ。ちょっと上に上げてみますと。アップしましょうかね。整備方針です。この中には載っておりません。今、言った破線のところが、東西に走る旧3号を整備する必要があると。  それで、南北方向が弱いと言われている中で、尾園踏切の事業も長い期間をかけてこれを進めていったわけですよ。でも、まだまだ宗像市の幹線道路整備としては、まだまだ整備が必要な箇所がたくさんある。しかもそれが、本市の骨格となるべき道路整備が必要な箇所がたくさんある中で、なぜ市の道路整備計画にも上がっていないこの路線の道路改良工事が、宗像市からの要望という形で県に上がり、県が事業計画を具体化しているのか、私はどうも市民に対して説明がつきません。そこのところをきちっと、どのように県に意見を上げたのか、どのような整備優先度があるのかということをお話しください。 ◯花田議長  木村部長◯木村都市建設部長  県に上げた意見については、先ほど申し上げましたので、どのようなということで、道路の整備計画の中では、先ほど申しましたように、旧国道3号の田熊から白水峠までを重要な路線として位置づけをしております。そういった中で、あの地図を見ていただいたらわかるように、先ほども御説明したんですけども、その道路はなぜ急ぐかといいますと、福岡市方面から市の市役所方面及び世界遺産のほうに向かうときに、アクセス道路として非常に重要な道路ということで、道路網整備計画の中では位置づけをしておりました。県道畦町村山田線は、先ほど申しましたように、国道3号八並交差点から村山田の公民館のほうへ、新たなこの事業が整備がされれば、それと同等の位置づけが期待できるということでございます。  以上です。 ◯花田議長  末吉議員。 ◯19番(末吉議員)  質問がかみ合っていないんですね。私、整備計画の中に何ら検討した経緯もない、報告もされてない、そういう道路整備をなぜ県に要望することができるんですか。市としてはできないでしょう。もし県がそういう事業をやろうとすれば、いや、宗像市としてはこの別の幹線道路整備に力を入れてほしいと言うべきじゃないですか。それをここで指摘して、もう時間が切れましたので、終わりたいと思います。 ◯花田議長  これで末吉議員の質問を終了します。  ここで暫時休憩といたします。再開は14時10分といたします。
                         休憩 13時55分                      再開 14時10分 ◯花田議長  休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に9番、井上議員の質問を許します。井上議員、どうぞ。 ◯9番(井上議員)  皆さん、こんにちは。私は、会派、宗像志政クラブの井上正文です。  まずは、議場に傍聴にお越しいただきました皆様、そして中継や録画を通して御視聴していただいている皆様に心から感謝を申し上げます。  6月議会の一般質問も、今回が最後となりました。私の一般質問は、いよいよ大詰めとなりました「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の世界遺産登録に向けた最後の課題について、市の見解を問うものでございます。早速、本題に入ります。  先月6日、文化庁より発表された世界遺産委員会の諮問機関イコモスによる評価結果及び勧告では、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群については、記載が適当との勧告がなされましたが、宗像大社沖津宮遙拝所、宗像大社中津宮、宗像大社辺津宮、新原・奴山古墳群の四つは除くというものでした。このイコモス勧告を受け、本市は世界遺産登録へ向けてどのような姿勢で具体的にどう取り組んでいくのかをお尋ねいたします。  まずは、イコモスの勧告により除外された四つの構成資産について、除外された理由を本市はどのように捉えているのでしょうか。  次に、除外された構成資産の正当性を世界遺産委員会にどのように説明していくのでしょうか。また、その正当性を説明する上での根拠と方法とはどのようなものでしょうか。  3点目は、イコモスの勧告を受けた後、きょうまで本市はどのような対応を行ったのでしょうか。加えて、県や国、宗像大社、そして世界遺産委員会への働きかけなどは行っているのでしょうか。  4点目は、今回の勧告では、資産名を「神宿る島」沖ノ島とするよう考慮せよとあり、資産名から宗像の名称が外れています。もし記載される資産名から宗像の名称が外れてしまった場合は、その影響をどのように予測しているのでしょうか。また、それに伴い、検討中のJR赤間駅、東郷駅の駅名変更案についての本市の見解をお尋ねいたします。  5点目は、世界遺産登録に至る過程において、市民の皆さんへはどのような働きかけを行っていくのでしょうか。世界遺産登録に至るまでのプロセスは、内外から大変な注目を集めるため、本市をPRしていく絶好の機会でもあると考えます。この機会を生かし、積極的に発信していくような取り組みはあるのでしょうか。  最後に、世界遺産登録後に予定している登録記念事業等は、どのようなものを計画されているのか。  以上6点についてお尋ねいたします。 ◯花田議長  井上議員の質問に対し、執行部の答弁を求めます。  谷井市長。 ◯谷井市長  それでは、私のほうから、井上議員の質問について、(1)から(3)について答弁をさせていただきます。残りは関係部長から答弁をさせます。  まず、(1)の除外された理由についての認識でございます。  簡潔に表現しますと、古代に始まった沖ノ島での信仰が現在の宗像三女神へとつながることが確認できないということが今回の登録勧告につながったと考えております。なお、詳細については現在、国が分析を進めておるところでございます。  続いて、(2)の世界遺産委員会に向けての対応でございます。  (1)で申し上げましたように、沖ノ島での信仰が大島、本土側に継続していることが確認できないという指摘ですが、イコモス調査、追加情報の提出などに際しても説明を尽くしてきたつもりではありますけれども、勧告を見る限り、十分な御理解が得られていない可能性があると感じております。正式な可否の決定はユネスコ世界遺産委員会でありますので、ここでの審査にかかわることになる関係国に対し、私どもの資産価値について最善の手段により丁寧に説明していくことが最も効果的だと考えております。具体的な進め方につきましては、過去のユネスコ世界委員会における経験と実績を有している文化庁や外務省が中心になりますので、そういったところと相談しながら取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、(3)の本市の対応、国や県、世界遺産委員会への働きかけについてでございます。  イコモス勧告の連絡を受けたのが5月5日でございました。連絡を受け、即刻、私は直ちに市役所に詰め、世界遺産登録推進室を中心に集まってきた職員に対し、今後の対応について指示を出すとともに、翌6日の午前中に記者会見を行いました。連休明けの8日には、庁議メンバーで構成します臨時の世界遺産登録推進本部を招集し、除外された資産を含め、8資産一括での登録を目指すということを確認し、15日に小川県知事を中心に関係4者で協議をし、除外された資産も含め、できる限り登録が認められるよう努力することを確認しました。そして19日、知事を先頭に、麻生副総理兼財務大臣、松野文科大臣、岸田外務大臣、菅官房長官とお会いし、地元の意向を要望してまいりました。  働きかけにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、日本国としての推薦であるため、国が中心となって世界遺産委員会までの各委員国への説明については、国や県が中心となりますけれども、連携しつつ、地元の立場からしっかりと支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯花田議長  中村世界遺産登録担当部長。 ◯中村世界遺産登録担当部長  続きまして(4)、それから(6)につきましては、私のほうからお答えをさせていただきます。  最初に(4)について、イコモス勧告では、世界遺産登録名称を、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群から「神宿る島」沖ノ島へ変更するよう同意を求めています。しかしながら、現在、除外されました資産を含め、できる限りの登録に向けた取り組みを行っているところでございますので、現時点ではその影響について念頭にはございません。  また、駅名変更につきましては、今年度1年かけて費用や効果、影響度の調査や整理をする予定で準備を進めておりまして、7月の世界遺産委員会での審議結果を踏まえ、今後の考え方等を改めて整理してまいりたいと考えております。  次に、(6)でございます。  初めに、ユネスコ世界遺産委員会会場と地元会場をつなぎ、世界遺産登録の可否決定の瞬間をお伝えするパブリックビューイング会場設置について御説明をさせていただきます。  世界遺産委員会の日程は既に発表されておりまして、7月7日、8日、9日の3日間が新規案件の審査日でございまして、私どもの資産は35件中19番目でございます。その間、タイミングを見つつ、福岡県、福津市との3者により、海の道むなかた館にパブリックビューイング会場を設置する方向で検討を進めているところでございます。  そして、世界遺産委員会での決定内容にもよりますが、9月2日、3日に登録記念式典、登録記念イベントを予定しています。記念式典は、推進会議主催により、登録活動に携わっていただいた皆様への感謝を伝える場にしたいと考えております。また、登録記念イベントは、宗像市主催事業として、世界遺産登録活動を象徴する三女神記ミュージカル公演を初めとするイベント等を計画しております。また、直接的な登録記念イベントではありませんが、大島交流館の開館イベントも7月15、16、17日で予定しております。  なお、この内容につきましては、あす発行日の6月15日号のむなかたタウンプレスの中で、このイベント、オープニングセレモニーの内容等、記載がございますので、ぜひ皆さん、多くの方々の御来館をお待ちいたしております。  その他の事業等につきましても、世界遺産登録記念の冠をつけ、いろいろな場面で市民の皆様が世界遺産登録を実感できるような仕掛けを準備していきたいと考えております。  登録の可否決定日までいよいよ一月を切ってまいりました。この日を晴れやかな気分で迎えられますよう、市長の指揮のもと全力で取り組んでまいりますので、市民の皆様を初め議員の皆様におかれましても、御理解、お力添えを今後ともいただければと思います。  以上でございます。 ◯花田議長  河野都市戦略室長。 ◯河野都市戦略室長  私のほうから、(5)の世界遺産登録のPR、発信について答弁をいたしたいと思います。  世界遺産への登録、そしてそこに至るまでのプロセスは、本市をPRする絶好の機会になると考えております。このようなことから、これまでの世界遺産登録活動を市民の記憶と記録として、後世に残り、かつ広く発信できるような取り組みを行いたいと考えており、現在、市民参加型の地域ドラマを制作するよう準備を進めているところでございます。このドラマは、宗像三女神の言い伝えをモチーフに、現代の宗像で生活する3姉妹の物語で、本市をロケ地として撮影するほか、さまざまな形で市民にかかわっていただく予定です。  また、単にドラマを制作し、テレビで放映して終わりとするのではなく、その後も継続して効果が生み出せるような仕組みをあわせて検討しております。現在、市民団体や民間団体とともに制作実行委員会を立ち上げ、準備を進めているところです。ぜひとも多くの市民に御協力をいただきながら、この取り組みを成功させていきたいと考えております。  以上です。 ◯花田議長  井上議員。 ◯9番(井上議員)  ありがとうございました。  まず、除外された理由は、古代に始まった沖ノ島での信仰が現在の宗像三女神へとつながることが立証できなかったということであります。  沖ノ島は、古代祭祀の記録を保存する、類いまれな収蔵庫であり、4世紀から9世紀までに行われた日本列島とアジア大陸との交流を示すに足る膨大な数の奉献品が手つかずのまま残されていました。また、原始林や岩礁、禁忌や、本土や大島からの島の眺望など、まさに神宿る島という呼び名にふさわしい圧倒的な存在であります。この点に関しては、イコモスとの認識も一致しております。  ところが、文化庁が発表した勧告の概要には、次の気になる一文が記されています。「沖ノ島は、宗像大社の一部となった後も、今日まで神宿る島として継承されてきた」と。私が違和感を覚えたのは、「沖ノ島は途中から宗像大社の一部になった」というイコモスの認識についてであります。果たしてそのような認識あるいは説明は本当に正しいのでしょうか。そこで、市長を初め執行部の皆さん、そして市民の皆さんに対しまして、改めて沖ノ島と宗像大社の関係を明確にし、双方の認識を確認しておくために、まずは文献等で確認できる事柄から紹介したいと思います。  沖ノ島で古代祭祀が営まれる4世紀よりはるかかなた、遠い遠い昔、神代の時代の物語を記した日本最古の歴史書、日本書紀の冒頭部分に、宗像三女神の御出生が記述されています。  天孫(あめみま)を助け奉り、天孫(あめみま)に祭(いつ)かれよとの御神勅を天照大神から授けられ、沖津宮は田心姫神、中津宮には湍津姫神、辺津宮には市杵嶋姫神、凡て三(みはしら)の女(ひめがみ)ますとの記述がその由緒を示しており、古事記においても同様のことが記されています。このように日本書紀、古事記に明確に記述された宗像三女神は、三宮一体で日本神話の時代から現代まで紡がれてきたのであり、三宮を一体とする信仰においては、沖ノ島、つまり沖津宮だけを切り離すことはできないのであります。  日本書記は、奈良時代、西暦720年に完成された日本最古の歴史書でありますが、宗像三女神が降臨されたという記述は、鎌倉時代末期に作成された風土記にも記されています。西海道風土記逸文には、宗像の大神は最初に崎門山に降臨されたという記述があります。崎門山とは、鞍手にある六ヶ岳のことで、その名のとおり六つの山々が連なっており、その頂上は360度見渡すことができる大変すばらしい眺望で、晴れた日には宗像の新立山と城山との間に中津宮のある大島が見えるといいます。その麓にある六ヶ岳神社の御祭神は宗像三女神です。  また、宗像大社所蔵の実物古写本には、三女神はこの六ヶ岳から次に神興村におりられたという記述がされております。福間東中学校に隣接する神興神社の御祭神も、もちろん宗像三女神であります。さきの書によると、神興村にお移りになられた後に、三女神は今の三所──沖ノ島、大島、田島にお鎮まりになったと伝えられています。  日本書紀や風土記にも記される宗像三女神降臨の伝説と信仰は、はるか海の向こうの沖ノ島はもちろん、内陸部の各地域まで今日まで紡がれています。  次に、宗像三女神の地理的な位置関係を見ると、誰もが気づくのが、1本の線でつながっているということです。大陸との交通の要路に当たる海北道中の線上に三宮が鎮座され、海北道中を結ぶ1本の線は、内陸部では、かつて宗像氏の居城があった城山へとつながります。こちらは城山の頂上にある位置図ですが、城山からは沖ノ島を眺望することができ、沖ノ島、城山をつなぐ線の先に、先ほど申しました六ヶ岳があるのがこちらでもわかると思います。  さらに六ヶ岳の先にあるのが、標高1,199メートルを誇る、日本三大修験の山、霊山英彦山です。日本には山を神聖化し崇拝する山岳信仰というのがあります。英彦山は山伏の修験道場として、彦山三千八百坊とうたわれるほどに栄え、2015年の添田町の調査では、実際に800カ所、3,000人規模の山伏の集落があったことがわかりました。  この英彦山の中腹にある神社を御存じでしょうか。谷井市長、御存じでしょうか。 ◯花田議長  谷井市長。 ◯谷井市長  もちろん知っております。よく英彦山には登りますし、英彦山そのものが三女神、中腹の中津宮というんですかね、そこに祭ってあります。 ◯花田議長  井上議員。 ◯9番(井上議員)  はい、市長がおっしゃるとおりです。英彦山の中腹にあるのはこちらの神社で、鳥居を拡大するとわかるように、中津宮です。もちろん御祭神は宗像の神様です。  このように英彦山、六ヶ岳、城山、そして宗像大社辺津宮の三女神降臨の地、高宮祭場がある宗像山、そして大島中津宮の摂社が鎮座される御嶽山、そして沖津宮のあります沖ノ島は、島全体が山のようでもあります。海北道中の真ん中で、沖ノ島を御神体としてあがめた宗像の信仰は、内陸山間部の山岳信仰と呼応し、海と山を結ぶ1本の道のようにつながっています。神郡宗像と言われる宗像大社の社領外にも、全国に宗像三女神をお祭りする神社は6,000を超えます。世界遺産の厳島神社の御祭神は宗像三女神であり、京都御所にも宗像神社はあります。  このように日本最古の歴史書日本書紀に見出せる宗像三女神の明確な記述、全国6,000カ所にわたる宗像大社を中心とした三宮一体の信仰、海上交通の安全祈願と山岳信仰が呼応する島、神社と山々を結ぶ地理的なつながりなど、沖ノ島と大島、宗像本土の結びつき、つまり継続性は明らかであり、3社は切っても切れない関係なのです。大島の御嶽山と辺津宮の高宮祭場からは、沖ノ島で発掘された奉献品と類似したものも見つかっています。  考古学的な価値が顕著な遺跡も、その根本にあるのは先人たちの思いです。民族や国家を超えて人類には共通する感覚があり、それをもとに私たちの先祖はさまざまなものに神を感じ、霊的な神聖さをあらわす祭事を中心に文化を築き上げてきました。世界の各地域においての自然崇拝、とりわけアジア地域に多い山岳信仰、ギリシャ神話や北欧神話にも登場する三女神伝説、同じくギリシャやエジプト神話にも天照太陽神信仰は見られます。しかしながら、来月初旬の世界遺産委員会の決議を前に、大変厳しい状況にあると思います。  そこで、谷井市長にお尋ねします。このような文献や物証に基づく宗像三宮一体の正当性について、市長はどう感じられたのか、そして世界遺産委員会に対して、市長は何を訴えたいですか。 ◯花田議長  谷井市長。 ◯谷井市長  これはもう議員おっしゃるとおりですね。こういった歴史、今、議員のほうから述べられましたけど、まさにこれは我々、八つのうちの残り四つ、いわゆる三女神、三宮、これが一体だということで、先ほども言いましたけど、これはそういう確認のもとに、知事のほうにも県のほうにも上げまして、そして国のほうにも上げたという経過がございます。まさに全く同じ考えですね。  それと、もう一つは何ですかね。済みません、もう一つ質問がありましたね。 ◯花田議長  井上議員。 ◯9番(井上議員)  もし市長なら、世界遺産委員会に対してどのように何をお伝えしたいと考えられますか。 ◯花田議長  谷井市長。 ◯谷井市長  済みません、毎日のようにそういうことをやっておりますので。いろいろやっておるんですけど。  世界遺産委員会のほうには、先ほども申し上げましたように、これは国を中心に今、特に外務省はユネスコ大使を中心に、世界遺産委員会のほうに接触し、説明をいたしております。そういった中で、私たちが直接、委員会の中で、日本国もそうですけど、委員会の中で話す機会というのはないわけですね。委員会の中で21カ国が議論される。ただ、その前段の中でそういうことにつきまして、今さっき言ったようなことにつきましては、国のほうにも申し上げておりますし、国が代表した形でそれは具現してもらう、具現しているというか、そういうことをやっているということですね。ですから、私どもがもし、先日も御質問がありましたけども、ポーランドに行くことになれば、そういう前段の中で、関係の各国の大使の皆さんに、そういう機会があれば、国ともども一緒になって、宗像のそういった歴史文化とか、そういうものについては発信していきたいと思っています。 ◯花田議長  井上議員。 ◯9番(井上議員)  逆境の先に開く希望を私たち宗像市民は市長に託します。大きく行き詰まれば、大きく道が開ける。これは出光佐三店主のお言葉です。私たち志政クラブも一丸となって応援したいと思います。  さて、ユネスコ世界遺産での可否が決まった後の対応等についてお尋ねします。  沖ノ島に対する違法な上陸及び船舶の接近が懸念される点についてです。沖ノ島に対しては、なりわいとして漁業操業を行う漁船または許可を受けた船以外の接近を禁止するルールづくりが必要ではないか。先ほどの答弁でも、市民の皆さんから、違法行為を危惧し、法的な規制を望む声もあるようですが、いかがでしょうか。 ◯花田議長  中村部長。
    ◯中村世界遺産登録担当部長  今、議員御指摘のとおり、イコモス勧告にも、沖ノ島への無断来訪及びクルーズ船の増加によります潜在的な脅威に十分配慮することという指摘事項が入っております。また、先日の植木議員並びに先ほどの小林議員の御質問の際にもお答えさせていただきましたとおり、また今、井上議員もおっしゃいましたとおり、沖ノ島が世界遺産になることでかえって荒らされるのではないかと危惧する声等も聞いておりますので、御質問の趣旨はごもっともであると考えております。  沖ノ島の漁港につきましては、今、議員御説明されたとおり、漁船以外の一般の船は緊急時以外は立ち入りが禁止されておりますので、仮に今後、世界遺産登録になった後につきましては、できるだけ効果的かつ早い時期に海上のマナーアップチラシの配布、ホームページへの掲載及びマスコミの皆様に御協力をお願いしまして、報道により周知をしていければよいと考えております。また、市長が本年度施政方針でも申し上げましたとおり、人類共通の財産であります当世界文化遺産を次世代へ確実に引き継いでいくことを表明する意味を込めた世界遺産理念条例または憲章を制定するという際には、関係者の皆様の理解を薦める内容を盛り込めないか、現在検討をしているところでございます。  以上でございます。 ◯花田議長  井上議員。 ◯9番(井上議員)  条例、それから憲章の制定を関係方面との協議を行っているとのことでしたが、ルールをつくっても、それを守らない人間というのはいるわけでありまして、事実、きのうの御答弁でも、年平均10隻の不法な沖ノ島への停泊があっているとのことでした。違反者の取り締まりや罰則なども踏まえた厳しい処置が必要ではないかと私は考えます。  一方で、許可制による洋上からの沖ノ島参拝を宗像大社や宗像漁協による運営管理のもとで実施してはどうかと考えます。例えば辺津宮、中津宮で参拝、前夜は大島に宿泊し、翌朝、船で沖ノ島へ神職の先導で出発、沖ノ島を洋上から参拝、周囲をめぐり、宗像本土へ、本土到着後は旅館やホテルでお風呂に入り、直会で参拝の余韻を感じる。これは執行部に答弁は求めませんが、洋上参拝の人数や回数、時期などは運営側でコントロールをし、そこで得た利益を漁業環境の保全や遺産管理の費用に還元できるような仕組みも必要ではないかと思います。  世界遺産の維持管理に係る費用をどう捻出していくかは、今後の大きな課題になるかと思います。では、実際に世界遺産の維持管理に係る費用はどの程度と試算しているのでしょうか。また、その費用はどのように捻出していこうと考えているのでしょうか。 ◯花田議長  中村部長。 ◯中村世界遺産登録担当部長  それでは、御質問が二つございましたので、最初に、維持管理費の経費の試算については私のほうからお答えをさせていただきます。  世界遺産は、その顕著な普遍的価値の確実な保持、修理または復旧、維持管理、防災及び危機管理に関します体制の充実及び技術の向上を目的としまして、資産の保全状況、資産全体に与える影響に対する安定的な経過観察、いわゆるモニタリングですね、これを実施する必要がございます。これには一定程度の経常的な経費が必要になってくるのではないかと考えておりますけれども、現在、まだ7月の最終的な世界遺産委員会での決議事項によりまして、その内容等は大きく左右されるのではないかと推察しておりますので、現時点で明確な試算額等についてはお答えすることができません。  以上でございます。 ◯花田議長  福崎経営企画部長。 ◯福崎経営企画部長  それでは、財源の確保の御質問もございましたので、その件につきまして私のほうからお答えをさせていただきたいと思います。  世界遺産が登録された後には当然、その資産を後世に保存、そして活用していく必要が出てくると思っておるところでございます。そのために市として何をどこまでやっていくか、これを今からきちんと整理した上で、それに必要となる財源の確保をきっちりやっていく必要があるのかなと思っております。その中で当然必要となります経費に充当できる国県の、あるいは交付金ですね、こういったものを確保するのは当然でございますけれども、民間の活力をどれだけできるか、そういったものも調査していきたいと考えておりますし、それとあわせまして、今も行っておりますけれども、ふるさと寄附金だとか、それから新たにクラウドファンディングを起こした形での寄附金の調達、こういったものも当然、考えていく必要があるのかなとは思っております。  ふるさと寄附金につきましては、もう御案内のとおり、今、国のほうから一定程度、返礼品に対する改善等について通達が出ておるわけでございますけれども、制度が続く限り、そのルールの中で積極的に行っていきたいと考えております。  しかしながら、クラウドファンディングについて、新たな取り組みとして検討することは大事なことだと思っておるんですけども、ただ、このクラウドファンディングにつきましては、個別の事業を対象として寄附を募るという仕組みになっておりますので、当然その対象とする事業が特異性のものがあって、寄附者の方の賛同を得られるような事業でなければ、なかなか寄附が集まらないという現状もありますので、今後、必要なものをきっちり選択しながら行っていく必要があるのかなと思っております。  以上です。 ◯花田議長  井上議員。 ◯9番(井上議員)  最後に述べられたクラウドファンディングについてですが、私自身も、ドローンや4K映像で記録する宗像・沖ノ島世界遺産群アーカイブスプロジェクトというクラウドを支援しました。こうしたソフト制作や映像による記録、ドラマ、映画制作などがあれば、私自身も積極的に支援していきたいなと考えているところであります。  次に、駅名変更についてですけれども、先般のイコモス勧告を受けて、今後は7月の世界遺産委員会の審議結果を踏まえて整理していくということだと思いますが、これに関しては私も、今後はそうなっていくのかなと理解をしております。  登録後記念イベントについて、登録の可否決定の瞬間をお伝えするパブリックビューイング会場を設置するということでした。それから、9月2日、3日の登録記念式典、登録記念イベント、それから大島交流館の開館イベントが7月15、16、17に予定をしているということです。  そこで、大島に関係して要望と提案があります。  こちらは、大島在住で漁師の御主人と島の猫たちと暮らす、ITエンジニアの林由子さんのブログです。林さんは、結婚を機に大島に引っ越してこられ、水曜日だけ福岡市内の本社に出勤して、ほかの日は島の自宅でリモートワークをされています。ネットで漁師の嫁で検索すると、トップに出てきます。  林さんは、大島という離島ならではの暮らしをブログの中で次のように紹介されています。  島に来てびっくりしたこと。以下、林さん自身の言葉で紹介します。  1、住宅事情。私たちは一軒家を借りて住んでいますが、家賃は1万円です。車は港の端にとめているので、駐車場代はゼロ円です。  2、鍵をかけない。みんな基本的に家に鍵をかけません。車もいつも鍵をつけっ放しで置いてあります。島に引っ越したばかりのころに、夫に、何で車に鍵をかけているんだと言われたときは、えーっとなりました。  3、虫とか生き物が多い。リビングのカーテンを上るカニを見たときはさすがに驚きました。  4、島内放送。駐在さんが赴任交代のため13時の船で島を去られます、見送りに来てくださいなどの放送がかかります。放送内容がおもしろいので、ひそかに楽しみにしています。  5、外食する店がない。夜に飲みや食事に行くようなお店はありません。  6、買い物する店がない。島にはコンビニもスーパーもありません。  7、御近所づき合いが濃厚。初めて島に遊びに来たとき、白だしがなくて、夫がお隣さんに借りに行きました。「昭和か!」と思いました。  8、食べ物がおいしい。新鮮なお魚がたくさん食べれます。  9、家を出たら、そこが遊び場。何もない島ですが、海がきれいで、自然が豊かです。  そして最後に、島生活は不便なことも多いですが、みんなが助け合って暮らしている感じがします。自然はきれいだし、食べ物はおいしいし、のんびりしていて、ストレスがなくなりましたと、離島生活をのんびりと楽しんでいらっしゃいます。  しかし、そんな林さんのただ一つの不満が、島内の通信状況の悪さです。リモートワークをする上でネックになっているのがネットワーク環境でした。島には光回線が来ていません。このようにボールで簡易パラボラアンテナをつくると電波が入ると聞き、陸地に向けてつるしてみたりしたそうですが、どんなに頑張っても電波は入りませんでした。  さて、現在、本市では、大島の来訪者対策としてWi-Fiの設置を進めていますが、林さんに限らず、大島で暮らす方々から聞くのが、こうしたネット環境の状況です。これについては何か改善策はないものでしょうか。 ◯花田議長  中野産業振興部長。 ◯中野産業振興部長  今、紹介がありましたように、来訪者対策の一環といたしまして、島内に今年度Wi-Fiを整備いたします。Wi-Fiの整備はフリーアクセスですけど、アクセスポイント周辺しかアクセスができないという状況になります。それともう一つ、Wi-FiはLTEを基本にしていますので、先ほど御紹介がありましたような高速回線というわけにはいかないところがあろうかと思います。ただ、過去に宗像市全域イントラを整備した経過等も踏まえまして、確かに島内のITの高速回線の環境という問題はありましょうけど、基本は、民間によるサービスの提供を基本に、今後はそういったニーズが多ければ、民間企業あたりにうちのほうから働きかけはもちろん行っていきたいと思います。  以上です。 ◯花田議長  井上議員。 ◯9番(井上議員)  こちらは、田舎暮らしの本7月号の表紙です。仕事も家もある田舎、もし大島に良好なネット環境が整えば、既に大島に住まれている方も喜ばれるのですが、リモートワークや在宅ワークをする方の移住が推進できるのではないかと思いますが、離島振興ではなく、定住化という観点から、河野都市戦略室長、このことについてどのようにお考えでしょうか。 ◯花田議長  河野室長。 ◯河野都市戦略室長  田舎暮らし、本当に我々は今、定住を進める上で、大島というのは非常に都会からもある程度注目されておりますし、こういったものでいろいろPRしながら、大島に合った方々を迎え入れるというようなことも含めて検討してまいりたいと思います。  以上です。 ◯花田議長  井上議員。 ◯9番(井上議員)  次に、世界遺産登録に向けたプロセスを本市PRの好機として、現在、地域ドラマの制作を進めているとのことでしたので、詳細についてお聞きしたいと思います。  まずは、市民にどのような形でかかわってもらうのでしょうか。 ◯花田議長  河野室長。 ◯河野都市戦略室長  先ほど答弁しましたように、まずは市民、団体主体の制作の実行委員会を立ち上げる予定にしております。それから、出演者、エキストラ、こういったものにも市民の方々にも御協力をいただこうと考えています。それから、これは市民ということではございませんが、市内各地を撮影場所、ロケ地として活用してまいりたい。それから、撮影時のスタッフの炊き出し、そういったものにつきましても、市民の皆様に御協力をお願いしたいと考えております。  以上です。 ◯花田議長  井上議員。 ◯9番(井上議員)  市内のロケも予定されているということですが、現在予定されているロケ地がおわかりでしたら、お知らせください。 ◯花田議長  河野室長。 ◯河野都市戦略室長  幾つか御紹介します。まずは自由ヶ丘の小学校、それからユリックス、日の里の公園、大島、宗像大社、そういったところが主なロケ地になると思います。まだ今から少しずつ、もう少しロケ地がふえてくると思いますけど、できるだけ市内全体をこの映画に使ってまいりたいと思っています。 ◯花田議長  井上議員。 ◯9番(井上議員)  先日、赤間宿に開館した出光佐三展示室に行ってお話を聞きました。最近は市外からの来訪者がふえ、行政視察で市議会や県議会も来られているとのことです。市外からお客さんを迎えることが多くなり、ガイドの会の会長を務める田中貞敏さんが、毎日続けているのが赤間宿通りのお掃除です。特にたばこの吸い殻などがないか見て回っているそうです。そのせいか、最近はこの街道の店先にお花が飾られていることもあり、以前より随分と通りが明るくなりました。ぜひこうした宗像のまちの日常風景もロケ地としてドラマの背景におさめていただければと思いますが、いかがでしょうか。 ◯花田議長  河野室長。 ◯河野都市戦略室長  先ほど申しました候補地以外に、今からもう少しふやしてまいりたいと思いますので、赤間宿は私どものまちの財産でもありますので、ぜひ入れてまいりたいと考えております。 ◯花田議長  井上議員。 ◯9番(井上議員)  それから、またこれを機に、以前から私が提案しておりますフィルムコミッション設立の準備も進めていただくことを要望いたします。  私自身の話になりますが、私は福岡の大学に進学後、東京の映画学校で学び、何本かの作品を撮り、その後、映画学校に勤務し、プロの現場にも携わりました。ロケの誘致やフィルムコミッションの運営というのは、つくり手の視点に立って行う必要があります。今回のドラマ制作をプロローグとして次の段階へと進んでいくことを願います。  次に、世界遺産登録後の来訪者に向けて、本市でグランピングというものを仕掛けてはどうかと新たに提案をします。  グランピングというのは、グラマラスとキャンピングを組み合わせた造語で、キャンプ道具を持っていったり、自分でテントを張ったりすることなく、自然の中で気軽にキャンプを楽しめる新しいキャンプスタイルのことをグランピングと呼んでいます。高級ホテル並みにゴージャスさを提供してくれるところから、少しだけキャンプ気分を味わえるところまでさまざまです。  このグランピングが福津市で8月にオープンをします。場所は福津海岸、ぶどうの樹を展開するグラノ24Kさんが、昨年までビアガーデンだった場所にグランピングのコテージを建設中です。先日、建設現場を見学してきました。コテージ等はまだ建設されておりませんでしたが、現場で目を引いたのがこれです。空中につられたテントです。グランピング展開後は、このようなイメージとなるようです。これは、ロープとワイヤでデッキをつるしたDom'upというテントで、実はこの福津海岸が世界初のお披露目とのことです。承諾を得てこのテントの中に入らせていただきますと、このようにコットンテントとウッドデッキにソファーという、自然な風合いがとても心地よく、空中からのこの眺望にわくわくしました。  グランピングのメリットは、設置や撤去が数時間でできることです。そして、海や山の自然のロケーションがより自然に、そして自由に楽しめます。グラノ24Kさんでは、コテージを4棟、そしてこの空中テントを1張り、地上のテントを10張りほど設置する予定だそうです。  こうしたグランピングを大島でできないものかと思うのです。まずは水場やトイレもある海岸沿いの緑地公園やかんす海水浴場あたりで、そして行く行くは沖ノ島が眺められる風車展望台のあたりをグランピングスポットとしてはどうでしょうか。ことし2月に、キリン地域創生トレーニングプロジェクトの皆さんが、宗像フィールドワークとして、大島でのグランピング実施フィールドの調査に来られています。本市で大島でのグランピング展開について検討されてみてはいかがでしょうか。御見解をお尋ねいたします。 ◯花田議長  執行部、答えられますか。中野部長。 ◯中野産業振興部長  繰り返しになるところもございますけど、世界遺産登録を一つのきっかけに、ただ、全てを世界遺産に頼ることなく、豊かな自然景観も生かしながら、観光の振興あるいは離島の振興に努めていきたいと思っております。
     先ほどちょっと聞き漏らしましたけど、企業の方が大島のほうの視察に行かれたということでした。私どもも、ある企業のほうから大島にグランピングの提案が実際あっております。短期間での撤去はできますけど、排水設備の問題とかもあろうかと思います。いずれにしましても、今年度、大島に当たっては、花の植栽事業の拡充とあわせてグランピングの検討も行うこととしております。可能性は探っていきたいと思います。  以上です。 ◯花田議長  井上議員。 ◯9番(井上議員)  御答弁ありがとうございました。  次に、これは大島在住の板谷さん自身が撮影された、癒しの島大島という写真集であります。大島から見ることのできる絶景のさわりをここでちょっと紹介します。  まずこちら、こちらは中津宮の鳥居の正面から上る朝日です。そして、夕日はこちらですね。夕日は壱岐島へ沈むんだそうです。さらに大島からは、このような絶景も見られます。これは、朝日に染まる大島漁港と、その遠くには英彦山が見えるんです。大島に住んで、あるいは滞在して初めて味わうことのできるぜいたくな情景です。このすばらしい情景と大島の新鮮な魚介類、むなかた牛、島の人々との触れ合いなど、余計なものがないからこそすばらしい、家を出たら、そこが遊び場になります。  まず、先ほども申しましたように、既存の海岸側のキャンプスポットなどを生かしていきながら、その先にはグランピングも視野に見据えた展開に期待したいと思います。  さて、こちらの新聞記事で、先ほども申しました板谷さんが語られていますように、宗像の世界遺産というのは、三宮一体の長い歴史があり、御先祖様から伝わる宗像三女神への崇敬と自然のもの全てに感謝する気持ちをこれまで以上に大切にし、民族や国家を超えた宝にしなければ、そして何よりふるさと大島が過疎の島から世界遺産で華々しくよみがえる島になることを強く強く望んでおられます。  そこで、最後に谷井市長にお尋ねします。大島が世界遺産で華々しくよみがえる島になるために、市長はどうお考えでしょうか。 ◯花田議長  谷井市長。 ◯谷井市長  大島だけではないんですけど、特に大島に限れば、私も大島は大好きです。もう一つ、宗像市は観光地でもちろんない。大社は信仰の社である。ただ、観光地的といえば、私は大島だろうと思っています。よく大島には行きます。そういう中では、そういう今まで展示されましたそういったもの、資源ですね、こういうものが大島にいっぱいあると。しかも、これは自然と歴史文化と、それから食ですね。それと人。そういうものが全部そろっているんですね。そういう意味では、やっぱりここは一つの大きな宗像市の、世界遺産になれば、外に大きく発信できる一つの大きなポイントであると思っております。 ◯花田議長  井上議員。 ◯9番(井上議員)  ありがとうございます。  出光店主は晩年、次のように語られていました。  宗像というところは、純粋な日本人のあり方を示す一つの地方である。だからといって宗像人だけが日本人じゃありません。宗像人だけが日本の原住民族で、それが日本人の典型とするならば、よその人はまねできません。一緒になれません。宗像だけが、そんなことで自慢してはいけません。日本人のあり方を世界中の人に知らせること、本当の日本人というのはこんな姿なんだと知らせるのが宗像人の使命なのです。そう、出光店主は語られました。  世界遺産登録決定を目前にし、今は試練のときであると思います。努めて難関を歩め、その苦しみが今日の自分をつくり、あすの宗像をつくるのだと信じております。  以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ◯花田議長  これで井上議員の質問を終了します。  以上で通告による一般質問は全て終了いたしました。  ここで暫時休憩といたします。再開は15時20分といたします。                      休憩 15時04分                      再開 15時20分 ◯花田議長  休憩前に引き続き、会議を開きます。  日程第 2.第37号議案  日程第 3.第38号議案  日程第 4.第39号議案  日程第 5.第40号議案 ◯花田議長  日程第2、第37号議案 固定資産評価員の選任についてから日程第5、第40号議案 専決処分の承認について(宗像市国民健康保険税条例の一部を改正する条例)までの4件を一括議題といたします。  これより一括質疑に入ります。第37号議案から第40号議案までの4議案に対し、質疑を許します。質疑ございませんか。                     〔「なし」の声あり〕 ◯花田議長  これをもちまして質疑を終結いたします。  お諮りします。第37号議案から第40号議案までの4議案につきましては、会議規則第37条第3項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。                    〔「異議なし」の声あり〕 ◯花田議長  異議なしと認めます。よって、第37号議案から第40号議案までの4議案につきましては、委員会付託を省略することに決しました。  第37号議案は人事案件でありますので、討論を省略し、採決を行います。  日程第2、第37号議案 固定資産評価員の選任について、これに同意することに賛否の表決を求めます。どうぞ。                        〔表 決〕 ◯花田議長  全員賛成であります。よって、第37号議案 固定資産評価員の選任については、原案のとおり同意することに決定いたしました。  次に入ります。  日程第3、第38号議案について討論を許します。御意見ございませんか。                     〔「なし」の声あり〕 ◯花田議長  これをもちまして討論を終結いたします。  お諮りします。本案は原案のとおり承認することに御異議ございませんか。                    〔「異議なし」の声あり〕 ◯花田議長  異議なしと認めます。よって、第38号議案 専決処分の承認について(宗像市税条例の一部を改正する条例)は承認することに決定いたしました。  次に入ります。  日程第4、第39号議案について討論を許します。御意見ございませんか。                     〔「なし」の声あり〕 ◯花田議長  これをもちまして討論を終結いたします。  お諮りします。本案は原案のとおり承認することに御異議ございませんか。                    〔「異議なし」の声あり〕 ◯花田議長  異議なしと認めます。よって、第39号議案 専決処分の承認について(宗像市都市計画税条例の一部を改正する条例)は承認することに決定いたしました。  次に入ります。  日程第5、第40号議案について討論を許します。御意見ございませんか。                     〔「なし」の声あり〕 ◯花田議長  これをもちまして討論を終結いたします。  お諮りします。本案は原案のとおり承認することに御異議ございませんか。                    〔「異議なし」の声あり〕 ◯花田議長  異議なしと認めます。よって、第40号議案 専決処分の承認について(宗像市国民健康保険税条例の一部を改正する条例)は承認することに決定いたしました。  次に入ります。  日程第 6.第41号議案  日程第 7.第42号議案  日程第 8.第43号議案  日程第 9.第44号議案  日程第10.第45号議案 ◯花田議長  日程第6、第41号議案 宗像市税条例の一部を改正する条例についてから日程第10、第45号議案 宗像市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例についてまでの5議案を一括議題といたします。  これより質疑に入ります。一括大綱質疑を許します。質疑ございませんか。                     〔「なし」の声あり〕 ◯花田議長  これをもちまして質疑を終結いたします。  第41号議案から第43号議案までの3議案については総務常任委員会に、第44号議案は社会常任委員会に、第45号議案については建設産業常任委員会にそれぞれ付託をいたします。  日程第11.第46号議案 ◯花田議長  次に、日程第11、第46号議案 財産の取得についてを議題といたします。  ここで、地方自治法第117条の規定によって、安部議員の除斥退場を求めます。                      〔安部議員退場〕 ◯花田議長  これより質疑に入ります。質疑ございませんか。  末吉議員。 ◯19番(末吉議員)  46議案について1点だけお聞きします。
     本件の土地の取得に当たっては、その土地の大きさ及び取得価格から、本市の市民参画、協働及びコミュニティ活動の推進に関する条例の中の、市民参画に関する第7条第5項に該当するのではないかなということで、市民参画の手続に関するこれまでの経緯等についてお聞きしたいと思います。 ◯花田議長  中野産業振興部長。 ◯中野産業振興部長  もう一度よろしいでしょうか。経緯。 ◯19番(末吉議員)  該当すると思うが。 ◯中野産業振興部長  市民参画条例のほうに今回の施設計画は該当いたします。  もう一度、済みません、申しわけございません。 ◯花田議長  末吉議員。 ◯19番(末吉議員)  市民参画条例第7条第5項に該当するとすれば、市民参画の手続についてはどのようになっていますでしょうか。 ◯花田議長  中野産業振興部長。 ◯中野産業振興部長  申しわけありません。市民参画条例の分に該当いたします。それにかわる手続といたしまして、土地収用法の縦覧というのがございまして、それにあわせて、この手続関係をそちらのほうにかえたという手続をとっております。  以上です。 ◯花田議長  よろしいですか。ほかにございませんか。                     〔「なし」の声あり〕 ◯花田議長  これをもちまして質疑を終結いたします。  第46号議案については、建設産業常任委員会に付託をいたします。  ここで安部議員の入場を求めます。                      〔安部議員入場〕 ◯花田議長  以上で本日の日程は全て終了いたしました。  次の本会議は、6月22日に行います。  本日はこれにて散会いたします。御苦労さまでした。                      散会 15時28分 このサイトの全ての著作権は宗像市議会が保有し、国内の法律または国際条約で保護されています。 Copyright (C) MUNAKATA CITY ASSEMBLY MINUTES, All rights reserved....