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令和元年第2回定例会(第3日) 名簿 2019-06-24
令和元年第2回定例会(第3日) 本文 2019-06-24

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  1. 春日市議会 2019-06-24
    令和元年第2回定例会(第3日) 本文 2019-06-24


    取得元: 春日市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-05
    1:                 開議 午前9時59分                ──── ─ ──── ─ ──── ◯議長(松尾徳晴君) おはようございます。  全員出席であります。ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配付いたしております議事日程第3号のとおりであります。                ──── ─ ──── ─ ────  ┌───────────────────────┐  │日程第1 市民厚生委員会の副委員長互選結果報告│  └───────────────────────┘ 2: ◯議長(松尾徳晴君) 日程第1、市民厚生委員会における副委員長の互選の結果報告が参っております。  報告いたします。副委員長には、15番、船久保信昭議員が選任されております。  以上で、市民厚生委員会における副委員長の互選結果の報告を終わります。                ──── ─ ──── ─ ────  ┌─────────┐  │日程第2 一般質問│  └─────────┘ 3: ◯議長(松尾徳晴君) 日程第2、これより一般質問をお受けいたします。  今期は、お手元に配付いたしております一般質問通告一覧表のとおりに、9名の方から質問の通告が提出されております。  通告順に質問をお受けいたします。  7番、迫賢二議員
     なお、迫議員は回数制にて質問いたします。 4: ◯7番(迫 賢二君)〔登壇〕 おはようございます。白水和博議員の遺志を継いで、令和元年、トップバッターをさせていただきます。7番、翔春会、迫賢二です。  子どもたちの安全について、回数制にて質問させていただきます。  最近開催された春日市内の小中学校の運動会、体育祭を観戦させていただき、全力でやり抜く子どもたちのりりしい姿を見て感動すら覚え、春日市のコミュニティ・スクールの底力を体験させていただきました。私自身も、子どもたちから元気と勇気をいただきました。  最近、交通事故を初め、無差別殺傷事件、性犯罪など、子どもたちが被害に遭う、とても痛ましい悲しい事件が多発しています。  私が幼少期の昭和40年代、危険箇所も多々ありましたが、けがをしながらも自分自身で考え、学び、乗り越えながらも、たくましく育った環境がありました。また、周りの大人たちが何げなく少し手を差し伸べるだけで、大きく成長できた土壌もありました。その後、数十年の荒れた教育環境時代を乗り越え、原点に戻り、親や教職員の意識改革と地域の方々の御協力のもと、それぞれが連携をとり合い、コミュニティ・スクールが発足し、また進化しながら現在に至ります。  この世の中、みずからの命はみずから守る自己防衛が原則でありますが、子どもたちは体力的、精神的、社会的にはまだ未熟であり、子どもたち本来の能力以外のところは大人たちが責任を持って全力で守ってあげなければいけないし、また同時に、あらゆる危険から回避するすべを、大人たちから子どもたちへと習得させてあげる必要があると思います。子どもたちが集い、考え、学ぶ小中学校敷地内は、何が何でも安全な場所であることは絶対であると思いますし、通学路、遊び場も含め、春日市全体でこれからも守ってあげたいと思います。  まず一つ目の質問です。自転車教室や、自転車に乗ることができない子どもたちへのサポートについて質問いたします。  現在、春日市では、4年生を対象にした自転車の交通安全教室を、それぞれの学校で交通安全協会やおやじの会の協力のもとに実施していますし、小学校1年生を対象にした交通安全の指導もしっかり行っています。春日小学校の自転車の交通安全教室は、おやじの会主催で10年以上継続して実施しています。安全に乗るための教材DVDを見せたり、内輪差の恐ろしさを体を張って実演したり、運動場全域を使って実技指導をしたり、最後には、おやじの会オリジナル、個々の生徒の名前が印字している免許証を子どもたちに配付しています。子どもたちも免許証を手にとり、非常に喜んでいます。  交通ルールをしっかり教えないと、自転車は歩行者にとって脅威であり、自動車にとっても危険な存在でもあります。これからも交通ルールはしっかり教えなければいけないと思います。しかしそれ以前に、自転車に乗ることができない子どもたちが毎年ふえていることが気になります。昔と比べて乗ることができない子どもたちが多い理由は、練習場所の確保の問題、教えることができない家庭環境、経済的理由など、さまざまな社会的要素が原因だと思います。  乗りたくても乗ることができない子どもたちは、中学進学時、練習試合の移動などに自転車を使用しますので、部活動の選択肢を狭めることになりかねますし、高校進学時には通学時、この春日市では自転車は必須アイテムであると言っても過言ではありません。春日市の周りには約六つの駅があり、バス路線も充実していて、コミュニティバスも走り、ベッドタウンとしてすばらしい環境にあります。しかし駅周辺を除いた地域は、それぞれの駅には徒歩では遠く、駅までの交通手段として自転車は欠かせない乗り物になっています。駅周辺の自転車置き場を見ると、利用頻度は一目瞭然です。  春日小学校では、そのような子どもたちのために、自転車の交通安全教室が開催される数週間前に、自転車に乗ることができるようになるための練習会と称して、おやじの会のスタッフが運動場の端から端まで走り回り、手を添え、ひっくり返りそうな自転車と格闘しながらも、子どもたちが一人でも多く乗ることができるようになるために、一生懸命頑張っています。こうした練習会の継続や、自転車に乗ることができない子どもたちへのサポートの重要性を、春日市として現在どのように考え、また、今後何か施策があるのかどうかを尋ねたいと思います。  二つ目の質問として、交通交差点対策について質問いたします。  前述のとおり、最近、子どもたちを巻き込む交差点での事故が多発しています。交通事故の約半数は交差点であると言われています。交通事故は一瞬にして被害者も加害者も人生を狂わせます。飲酒、薬物、無免許などの違法行為によって引き起こされる事故より、誰もが加害者になり得る注意不足、不注意、ぼんやり、気の緩み、認識不足などの漫然な状態である「漫然運転」がその原因であります。  交差点では、対向車、歩行者、自転車の動きを認識して、なおかつ交通規則の優先順位を瞬時に考え、的確な運転技術が求められます。しかし、今も昔も交差点での事故発生の割合は変わりません。  一つの対策として、小中学校付近の交差点に歩車分離式信号を積極的に設置したらいかがでしょうか。約20年前から国の施策で積極的に導入されてはきましたが、まだ全体の約5%の設置率となっています。メリット、デメリットも検証されてはいますが、総合的に判断しますと、通学路における歩車分離式信号の設置のデメリット、リスクは低く、交通事故減少の実績も明らかになり、設置の効果は十分立証されています。あとは県や警察署との調整、予算の問題と思われますが、現在の市としての考えをお聞きしたいと思います。  また、もう一つの対策として、小中学校の交差点または市内の設置可能な交差点に、積極的に防護柵を設置したらよいと思います。事故発生時、予期せぬ車両の動きから、信号待ちをしている子どもたちの被害を最小限に食いとめ、命を守るためには必要だと思いますが、いかがでしょうか。  三つ目の質問として、安全な通学路の確保について質問いたします。  朝の通勤ラッシュ時には、大きな通りも小さな路地も多くの車両が行き交います。ドライバーは渋滞でいらいら感が増している時間帯でもあり、また、それは子どもたちの通学時間帯でもあります。さらに危険度は上がります。通学路が狭い道路の路側帯には、これもまた積極的にグリーンベルトを設置したり、消えかかった横断歩道や路側帯の整備も、通学路を優先的に実施したらよいのではないでしょうか。  また、四つ目の質問として、学校敷地内に不審者が乱入したことを想定した防犯訓練を定期的に実施されているのでしょうか。また、実施しているのであれば、具体的にどのような形で実施しているのか、また、今後の課題は何なのかをお聞きしたいと思います。  以上、四つの質問の回答をよろしくお願いいたします。これで1回目の質問を終わります。 5: ◯議長(松尾徳晴君) 井上市長。 6: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 迫議員から、子どもたちの安全についての御質問でございます。  御質問の順序と異なりますけども、私から先にお答えをさせてもらいます。  まず、小中学校付近の交差点に歩車分離式信号を積極的に設置したらどうかとのお尋ねにお答えいたします。  議員御承知のとおり、歩車分離式信号は福岡県公安委員会が設置するものです。現在、福岡県内で370カ所、春日署管内では14カ所であり、春日市内では8カ所設置されております。  歩車分離式信号は、車両と歩行者の往来を分離できることで、安全対策として有効な手段の一つではございますが、交差点の状況によっては、渋滞が悪化または渋滞が新たに発生することで、円滑な交通に著しい影響が及ぶことや、信号の待ち時間が長くなることでドライバーの信号無視が誘発されることも考えられます。  したがいまして、歩車分離式信号の導入につきましては、地元自治会学校関係者とも十分検討を重ねた上で、春日警察署を通じて公安委員会に要望してまいります。  次に、市内の設置可能な交差点に積極的に防護柵等を設置したらよいのではとのお尋ねにお答えいたします。  現在、交通ルールの無視が原因で子どもたちが巻き込まれる事故が全国的に発生しております。本市におきましては、毎年実施しております通学路安全点検において、主要交差点を中心に点検を行い、順次、整備を検討してまいりたいと考えております。  次に、安全な通学路の確保についてのお尋ねにお答えいたします。  自治会や交通安全協会を初めとする地域の皆様におかれましては、日ごろから登下校時の子どもたちの見守りを初め、子どもたちへの安全指導に御尽力いただいておりますことに、この場をおかりしまして厚くお礼を申し上げます。  さて、安全な通学路の確保につきましては、以前から優先的に、グリーンベルトの設置や路側線等の更新を行っております。今後も通学路安全点検等の機会を活用しながら、順次整備を検討してまいります。  なお、自転車教室や自転車に乗ることができない子どもたちへのサポートについて及び学校敷地内に不審者が乱入したことを想定した防犯訓練についてのお尋ねにつきましては、教育長が回答いたします。 7: ◯議長(松尾徳晴君) 山本教育長。 8: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 まず、自転車に乗ることができるようにするための練習会の継続や、自転車に乗ることができない子どもたちへのサポートの重要性を、春日市として現在どのように考え、また今後、何か施策はあるのかとのお尋ねにお答えいたします。  議員御案内のとおり、市内各小学校の4年生を対象に行われております自転車の交通安全教室につきましては、交通事故に遭わない乗り方を身につけさせるため、春日地区交通安全協会やおやじの会の皆様の御協力、御指導をいただきながら実施されております。このことに対しまして感謝申し上げたいと思います。  加えて、ただいまお聞きしますと、春日小学校では、おやじの会の皆さんが、自転車に乗れない子どもたちのために、自転車の交通安全教室の数週間前から、乗れるようになるまでそのサポートをしていただいているとのことです。これこそまさに地域の教育力の姿であると、深く感銘を受けております。子どもたちは、そのような地域の皆様の温かい見守りや育みの中で、間違いなく次世代の地域を担う人材に育ってくれているものと考えます。  さて、ただいま申し上げましたとおり、自転車に乗ることができるようになるための指導や練習会につきましては、その意図することは十分理解しておりますが、学校の教育課程で進めております安全指導は学級活動に位置づけられ、安全面を中心に展開することとなっております。地域ではこれを補完する取り組みとして、各家庭での保護者のお力や、春日小学校おやじの会で実践されておりますような、有志の方、PTAなどの地域の教育力の御支援をいただければありがたいと考えております。  小学校や市教育委員会といたしましては、これまで同様、おやじの会などの有志の方の活動が行われるに当たりましては、事前に御相談いただければ、運動場などの施設を開放するなどの協力は惜しまない所存でありますので、何とぞ御理解いただきますようお願い申し上げます。  次に、学校敷地内に不審者が乱入したことを想定した防犯訓練を定期的に実施しているのか、また、実施しているのであれば具体的にどのような形で実施しているのか、また、今後の課題は何かとのお尋ねにお答えいたします。  各学校で行われる訓練及び研修として、全小中学校において防災・避難訓練を実施しています。議員御指摘の学校に侵入した不審者等に関する訓練及び研修は、小学校においては児童を対象にした避難訓練を11校、教師を対象にした防犯研修を6校で実施しています。また中学校においては、生徒に対する指導として1校で実施していますが、小学校で行われているような教師に対する防犯研修は実施しておりません。  訓練等実施の形として具体的な例を挙げますと、児童を対象とした防犯・避難訓練では、不審者が校内に侵入した際に命を守るために速やかに避難する訓練や、警察等の協力による身の守り方の指導を行っております。教師を対象とした防犯研修では、刺股や棒を使って侵入を防ぐ不審者対応の仕方や、役割分担による避難誘導の仕方の研修などを行っております。  なお、全小中学校では日常的に不審者対応について、児童生徒に注意喚起を促す口頭による指導を、年間を通して繰り返し行っているところです。  今後の課題につきましては、子どもたちの身体・生命を守る防犯・避難訓練などは継続して取り組んでいくことが重要でありますが、学校では社会的な要請を受けてのさまざまな指導が多く求められており、そのため短時間で効率的に行われるような工夫の検討が必要であると考えております。 9: ◯議長(松尾徳晴君) 7番、迫賢二議員。 10: ◯7番(迫 賢二君)〔起立〕 子どもたちの安全について、再質問させていただきます。  まず、歩車分離式信号や交差点での防護柵の設置、また、路側帯でのグリーンベルトの整備に関しましては、福岡県公安委員会春日警察署、自治会や安全協会学校関係者とこれからも十分に検討を重ねていくとのことですので、それぞれがそれぞれに報告、連絡、相談の連携を密にとり合い、春日市が誇るコミュニティ・スクールの底力を発揮して、子どもたちの安全をしっかり守っていけたらよいと思います。今も毎日のように子どもたちが巻き添えになる交通事故を回避するためにも、全力で早急にお願いいたします。  また、学校内は絶対的に安全である場所であるべきだと思いますので、引き続き不測の事態に備えて、刺股などの設置場所や使用方法の確認、教員のそれぞれの役割分担などの再確認をお願いいたします。  先ほど市長の答弁の中でもございましたが、日ごろから毎日の登下校時の子どもたちの見守りや安全指導をされている交通安全指導員の方々や地域の皆様、暑い日も寒い日も雨の日も風の日も、本当に御苦労さまです。感謝の気持ちでいっぱいですし、頭が下がる思いです。  そこで提案があります。交通安全指導員の方々については、服装に統一感があり、市から貸与された制服で活動を行っていただいていて、ドライバーへの注意喚起になると思います。その一方で、地域で見守り活動を行っていただいている方々については、それぞれのオリジナル性や視認性を重視したもので活動していただいていると思いますが、交通安全指導員の方々のような統一性、例えば帽子、ジャンパー、ベスト、Tシャツ、トレーナー、腕章、名札など、私はこの中で一つでもよいと思っているのですが、春日市統一にして用意したらいかがでしょうか。  春日市全体で統一にすることにより一体感も湧きますし、活動していただいている方々の士気も高まり、交通安全指導員同様、ドライバーへの注意喚起にもなりますし、何よりも子どもたちが、守られている安心感のもとで登下校がされるのではないでしょうか。ぜひ導入に向けて検討をお願いしておきます。  次に、自転車の交通安全教室の件ですが、今まで4年生を対象に自転車教室を実施し、実技講習もしてきましたが、実際乗ることができない子どもたちは苦痛であり、また、プライドの傷つく子どももいまして、それを配慮して実技講習を実施していない小学校もあると聞いています。また、実技講習を実施しても、対象者は乗ることに精いっぱいで、頭だけの知識となってしまいます。乗ることができない子どもたちに対して、乗ることができるようになるための練習会の必要性があります。  春日小では、来月初旬の自転車教室に向けて、先日、自転車に乗ることができない子どもたちの乗り方練習会を今年度も実施しました。全く乗ることができない子、補助輪に頼り過ぎて体の軸がずれ、体勢が傾いている子、恐怖心でブレーキをかけっ放しの子、ペダルを踏めない子などが参加していました。  参加者や保護者に乗ることができない理由をいろいろ尋ねたところ、春日市では公道を走るのは4年生からというルールがあるのを知って、乗らせる機会がなかったとのことでした。また、練習しようとしても、公園では自転車乗り入れ禁止のところも多く、休日の学校も社会体育などで使用ができないし、逆に乗れる子は、いつ、どこで、どのような練習をしてきたのかを逆に教えていただきたいと言われました。  自転車に乗ることが学校の教育課程で先生が教えることではないことは理解していますが、子どもたちが成長するに伴い行動範囲も広くなり、安全に自転車に乗ることの必要性を考慮して、自転車教室の本来のあり方を見直す時期に来ているのではないでしょうか。  もちろん、これからも自治会やPTAやおやじの会などの地域の教育力で実施していきますが、春日市として、時代背景、子どもたちの気持ち、保護者の意見を考慮して、自転車に乗ることができない子どもたちへの練習会の必要性を再度認識して、現状を把握していただき、地域の取り組みを次のステップにつなげていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  再質問を終わります。 11: ◯議長(松尾徳晴君) 神田教育部長。 12: ◯教育部長(神田芳樹君)〔登壇〕 自転車に乗ることができない子どもたちへの練習会の必要性を再度認識し、現状を把握し、地域の取り組みを次のステップにつなげてはどうかとのお尋ねにお答えいたします。  議員御案内の春日小学校での練習会につきましては、コミュニティ・スクールの取り組みの一つとして、職員が取材をさせていただきました。当日は、おやじの会の方々の熱心な指導のもと、自転車に全く乗ることができなかった子どもが、練習会の終わりには一人で乗ることができるようになり、保護者も大変喜ばれていたと報告を受けております。  先ほど教育長が答弁しましたとおり、学校で進める安全指導は安全面を中心に行われることとなります。しかし教育委員会といたしましては、各学校、各地域で行われるすばらしい取り組みを積極的に発信し、参考にしていただきながら、それぞれの学校、地域の課題に応じて、広がり、また新たな展開が生まれることを期待しております。  なお、その一環として、教育委員会では、年2回地域で行われているさまざまな取り組みを紹介する地域活動情報誌「らいん」を発行しております。職員が取材に回りました、先日の春日小学校での練習会の様子も掲載させていただくこととしております。小中学校児童生徒に加え各自治会へも配布しておりますので、保護者を初め、地域の皆様に広く取り組みを知っていただけるものと考えております。 13: ◯議長(松尾徳晴君) 7番、迫賢二議員。 14: ◯7番(迫 賢二君)〔起立〕 子どもたちの安全について再々質問いたしますが、要望とさせていただきますので、回答は不要です。  自転車については、昭和のころの私自身の幼少期と比較して、環境も交通量も考え方もあらゆる面で異なり、昭和時代の荒々しさがまるで武勇伝のような感じになります。今を生きる素直な現代の子どもたちに、正しい乗り方、法律、安全性をしっかり教えていくことが、私たち大人、行政、国の責任であると思いますので、どうぞ、これからもいろいろな情報を多方面に拡散させてください。  毎日のようにニュースで取り上げられている交通事故に心を痛めていましたが、学校施設周辺の交差点、道路、信号機などのハード面の整備や検討を重ねて進んでいくことを確認できましたし、コミュニティ・スクールの底力を発揮し、地域の方々による子どもたちの見守りも継続していることはすばらしいと思います。市民も安心していることでしょう。  最後に、繰り返しになりますが、子どもたちの安全は全力で守る必要があります。今回御回答いただいたほかに、子どもたちの安全を守る手段として、防犯カメラの設置がとても有効であると思います。市長の施政方針をお聞きし、街頭防犯カメラの設置を進めていただいております。今後もさらに防犯カメラの設置を進めていただき、犯罪の抑止力を高め、地域住民の不安解消を図り、市民が安全で安心して暮らすことのできるまちづくりを推進してほしいと願っております。  全ては子どもたちのために。これで私の一般質問を終わります。 15: ◯議長(松尾徳晴君) 12番、原克巳議員。  なお、原克巳議員は回数制にて質問いたします。 16: ◯12番(原 克巳君)〔登壇〕 皆様、おはようございます。12番、公明党の原克巳でございます。  今回、人生で初めての一般質問ということで、多々お聞き苦しい点があるかと思いますが、何とぞお許しのほどお願いいたします。  では通告のとおり、小中学生の体力及び運動能力等向上のための取組について、回数制で質問をいたします。よろしくお願いいたします。  私ごとで大変恐縮ですが、私は平成2年から昨年まで、主に法務教官として、非行を起こした少年たちの指導、教育に携わってまいりました。法務教官という名称は余り聞きなれないと思いますが、主に少年院や少年鑑別において、家庭裁判所の審判で送致決定を受けた少年を指導、教育する仕事でございます。  少年院という施設も一般的には余りなじみがないと思いますが、法務省の施設であり、現在、全国に51カ所設置をされております。少年院ではおおむね12歳から二十歳まで、平成30年版犯罪白書によれば、全国で約2,100名の少年が少年院で教育を受けております。そしてそこでは、それぞれの特性に応じた生活指導、職業指導、教科指導のほか、体育指導等を行うことで、改善更生と円滑な社会復帰を図っております。  その中の体育については、さまざまな運動種目を通じて、在院少年の基礎体力の向上並びに集中力、忍耐力及び持久力の涵養を図るとともに、集団競技等により、ルールを守る態度や対人関係における配慮等が身につくような指導に配慮をしておりました。  私が在職中、少年院に入ってくる少年は、社会一般の生徒と比べて総じて体力が劣っているように感じておりました。それは入院前の生活環境に由来するものが少なからずあると思われますが、少年院での体育によって、キャッチボールもできなかった少年がソフトボールができるようになる、また、水泳で5メートルしか泳げなかった少年が25メートル泳げるようになっていく、そのような姿を数限りなく見てまいりました。  もちろん非行と体力の相関関係はまだ科学的に解明されたわけではございませんが、少年院に入る前、基礎的な体力が十分に培われていない中、意欲を持てなかったり、思考や行動に集中できず持続力もない状態が、少年の反社会的行動に影響を及ぼした可能性は十分に考えられるところでございます。少年院における体力の向上が、在院少年の身体的向上はもちろん、精神面の安定をもたらし、その後の社会復帰にも何かしらプラスの影響を与えているものと考えております。  このように、体力の向上・維持は、健康な生活を営む上でも、また、物事に取り組む意欲など精神面にも深くかかわる問題であります。物事に集中し継続して取り組むためには、基本的生活習慣を身につけるとともに、基礎的な体力を培うことで初めて可能となります。  特に小中学生を中心とした子どもの体力低下は、将来的な生活習慣病の増加やストレスに対する抵抗力の低下などにつながる懸念もございます。不登校やひきこもり、いじめなどの問題がクローズアップされる今、子どもの体力づくりが以前にも増して学校教育に求められているのではないでしょうか。  もちろん、現場の教職員の先生方は、日ごろから我が身を顧みず熱心に指導してくださっていることは十分に承知をしております。体力向上の取り組みは、学校現場だけにその責務を負わせるものではなく、家庭、地域における教育力の底上げも同時に求められることは言うまでもございません。  子どもが健全に成長するために必要不可欠なことは、周囲の大人、親や学校の先生はもちろん、近所のおじさん、おばさん、あるいはスポーツ少年団の指導者などが、その子のことを認めてあげる、受容してあげるということだと思います。人は誰でも、他者から認められれば自尊感情が高まります。自尊感情が高まればどうなるか。自分を大切にすると同時に、他者に対する思いやりも生まれます。加えて、前向きで健全なエネルギーも高まります。それに伴い、社会的な問題行動や不適応を起こすことも減少すると考えられます。  幸い本市においては、学校・家庭・地域が一体となったコミュニティ・スクールを全国に先駆けて実施、展開をしており、大切な子どもたちを皆の力で健やかに育んでいく、そのような意識が醸成されております。その中にあって、先ほど申し上げた体力向上の取り組みは、その結果はもちろんのこと、その過程において、諦めない力や絶対に負けない勇気を育て、課題をクリアした子どもたちの健全な達成感を強化し、一人一人の心の中に、「やればできる」という希望の明かりをともすことができると考えております。それがひいては、不登校やひきこもり、いじめなど問題解決の大きな足がかりになるのではないでしょうか。  ところで昨年12月、スポーツ庁から、平成30年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果が公表されたことを受け、本年1月、春日市教育委員会からも、同調査における本市のデータが公表されたところでございます。これは小学校5年生と中学校2年生のみが対象の調査ではありますが、それによると、本市の児童生徒はほとんどの項目で、全国及び福岡県の平均値を上回っていたことが示されました。これは一市民として大変喜ばしく、また誇らしいことでもあります。  ただ一方で、福岡県が実施をした、平成30年度福岡県児童生徒体力・運動能力調査結果がございます。これは小学校1年生から中学校3年生、全ての学年を対象にした調査ですが、これによると本市は、全国平均を下回っている項目も散見をされるところでございます。その意味では今後、生活習慣に関する指導を含む全体の底上げ、もっと言えば、一人も置き去りにしない教育というものがさらに求められると考えているところでございます。  そこで2点お伺いをいたします。  まず1点目です。本市における体力向上等を主眼としたこれまでの取り組みと、今回の調査結果に対する評価及び今後の課題をお聞かせください。  2点目として、乳幼児期において頭も体もともに動かすこと、特に五感を存分に使うことが、身体機能の発達に加え、脳の成長にとって必要不可欠であることが明らかとなっております。成長期に十分に体を動かさないことは、運動能力だけでなく心身の発達全体に影響が及ぶとの考えも示唆されているところでございます。その観点から、保育、幼稚園と小学校との体力向上に係る連携、いわば、つながりのある指導について、本市のお考えをお聞かせください。  以上で1回目の質問を終わります。御答弁よろしくお願いいたします。 17: ◯議長(松尾徳晴君) 井上市長。 18: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 原議員から、小中学生の体力及び運動能力等向上のための取り組みについての御質問でございます。  教育委員会への御質問でございますので、教育長が回答いたします。 19: ◯議長(松尾徳晴君) 山本教育長。 20: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 原議員から、小中学生の体力及び運動能力等向上のための取り組みについての御質問でございます。  まず、本市がこれまで行ってきました、体力向上等の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。  児童生徒の体力向上の取り組みにつきましては、本市教育委員会の5カ年計画であります教育振興基本計画の施策目標として「心と体づくりの推進」を掲げ、知・徳・体のバランスのとれた児童生徒の育成を目指すこととしております。このため、市教育委員会の単年度計画でありますエデュケーションかすがには、体育・運動を通じた心と体づくりの取り組みとして、具体的な事業を挙げて、毎年度その取り組みの点検・評価を行っております。  全小中学校が取り組むものとして、体力向上プランがあります。これは各学校が、体力・運動能力の調査結果等から、体力向上に係る課題を明らかにし、それを踏まえて目標を設定し、その達成に向けた多様な取り組みを計画的かつ継続的に実施するものです。例を挙げますと、大谷小学校では、体育科学習時間と中休み時間に、筋力を中心とした体力向上を図る「谷っ子サーキット」を行っています。また、春日東中学校では、毎朝の授業前に位置づけた「晴動雨読」、3年間の系統的な補強運動の実施及び学校行事での持久走大会やクラスマッチなどを行っております。  春日市教育委員会が主導する取り組みとして、一つは「体力アップチャレンジKASUGA」です。これは春日市スポーツフェスタの中で、小学生を対象とした長縄跳び大会を、健康スポーツ課と連携し実施しています。二つは、運動習慣形成プロジェクトです。これは、児童がみずから実行したトレーニング等をチャレンジカードに記録していく取り組みです。基準達成者には賞状を授与しております。三つは、体力・運動能力向上関係者会議があります。この会議は、各学校の体力・運動能力向上の担当者の会議で、年2回開催し、体力向上に関する取り組みの現状や課題について情報の共有化を図るなど、積極的に取り組みが進むよう働きかけております。  次に、平成30年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果及び福岡県児童生徒体力・運動能力調査結果に対する評価及び今後の課題についてのお尋ねにお答えいたします。
     国の調査においては、対象学年の小学校5年生及び中学校2年生は、男女とも体力合計点の市平均が全国平均を上回っております。なお、この調査の調査種目は、握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、20メートルシャトルラン、50メートル走、立ち幅跳び、ボール投げの8種目で、小学校5年生男子は全8種目、小学校5年女子は8種目中6種目、中学2年男子は8種目中7種目、中学2年女子は8種目中7種目、全国平均を上回っております。全般的には小学生、中学生とも良好ですが、種目別には中学2年の走力に課題が見られます。  次に、県の調査では、小中学生の全学年の男女とも体力合計点で県平均を上回っております。なお、種目別に見ますと、全学年が県平均を上回った種目は、小学生1年から6年、全学年が8種目中2種目、中学生1年生から3年生の全学年が8種目中3種目でした。全般的には小学生、中学生とも良好ですが、種目別に見ますと、小学生の跳力、投力(投げる力)、中学生の走力に課題が見られます。  体力向上の基本は、体育の面と食育の面と生活の面の三つの柱で総合的に進めていくことが肝要であると捉えております。今後ともコミュニティ・スクールの推進を通して連携を密にしながら、これらに取り組んでいく所存であります。  次に、保育、幼稚園と小学校との体力向上に係る連携、つながりのある指導についてのお尋ねにお答えいたします。  体力向上につきましては、基本的には、保育、幼稚園、小学校、中学校が、保育保育指針、幼稚園教育要領、小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領に基づいて、的確な計画を立て推進していくことが大切であり、その上に立っての情報連携、行動連携が必要になると考えております。また、先ほど述べました体力・運動能力向上関係者会議におきましては、公立保育の保育士を講師に招き、情報の共有に努めているところであります。 21: ◯議長(松尾徳晴君) 12番、原克巳議員。 22: ◯12番(原 克巳君)〔起立〕 12番、原克巳でございます。  コミュニティ・スクールの推進を軸として、本市教育委員会が主導する形で、総合的かつ多角的な取り組みをされていること、そしてその結果として、児童生徒の体力が向上していることがよくわかりました。  そこで再質問に入らせていただきます。  1点目に、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の本市児童生徒に係る評価、課題について、中学2年の走力に課題が見られるとの御答弁でした。確かに、中学2年の50メートル走は男女ともに全国の平均以下となっております。これにはさまざまな要因が考えられると思いますが、本市としてはこの結果をどのように分析されておられるでしょうか。また、走力を高めるためにどのような取り組みをされるのかお聞かせをください。  2点目に、同調査結果には、総合評価としてA・B・C・D・Eの5段階評価が示されております。これを見ると、本市の児童生徒はAとB、つまり平均を上回る評価を受けた割合が、全国と比べてかなり高くなっております。その意味では、これまでの本市の取り組みの結果がしっかりとデータとしてあらわれているのではないかと感じております。  ただ、その一方で、小学校5年生の男女及び中学校2年生の男子については、約15%の児童生徒がD及びEの評価となっております。要するに平均を下回っているということになります。そこで本市としては、体力・運動能力が平均に達していない児童生徒について、今後どのような方策を考えておられるのかお聞かせをください。  3点目です。同調査の中には、体力・運動能力のほかに、運動習慣等を質問形式で問うた結果も示されております。その中で私が気になったことは、「自分にはよいところがあるか」という項目です。結果を見ると、18から20%、特に中学2年の女子では30%を超える生徒が、「当てはまらない」または「どちらかといえば当てはまらない」と回答をしていることです。これはある一面では、自己肯定感あるいは自尊感情の低さがあらわれているのではないかと感じるところでございます。  1回目の質問の際も申し上げましたが、自己肯定感、自尊感情は、社会の中で健全に生きていくための根源的な力であります。その意味ではこの結果に大変危惧をしておりますが、本市における本結果の分析、また改善に向けた方策等がございましたら、お聞かせをください。  以上で再質問を終わります。御答弁よろしくお願いいたします。 23: ◯議長(松尾徳晴君) 神田教育部長。 24: ◯教育部長(神田芳樹君)〔登壇〕 小中学生の体力及び運動能力等向上のための取り組みについての再質問でございます。  まず、中学2年男女の50メートル走の結果の分析と取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。  本市の中学2年男女の50メートル走の結果については、中学校ごとに見ますと、男子は6校中1校、女子は6校中3校、全国平均を上回っています。結果の分析については、各学校ごとに通学時間、日常の生活習慣、運動の好き嫌い、体育の指導のあり方などの観点から行っております。各学校はこれを踏まえて、例えば走力については、始業前のランニング、体育科の授業後の補強運動として50メートル走を行うなど、創意工夫を凝らした取り組みを行っております。  次に、体力・運動能力が平均に達していない児童生徒に対する方策についてのお尋ねにお答えいたします。  学校での例を挙げますと、自校の取り組みを分析した小学校では、運動習慣がついていない中で、運動の好き嫌いが平均に達していないことの要因の一つとして挙げています。また、別の小学校では、体力が向上することを実感できるように、学級の目標とあわせて、個人的な縄跳びの目標を設定して取り組んでおります。  もとより、子どもの体力は日常的な運動習慣の定着が求められることから、学校・家庭・地域が体力や運動能力等の課題について、その共有化を学校運営協議会などを通して図っていきたいと考えております。  次に、中学2年の女子の運動習慣等の調査結果の分析、改善に向けた方策等についてのお尋ねにお答えいたします。  「自分にはよいところがあると思う」との問いに対し、小学5年生男女及び中学1年男子については、国の平均値と比較し高い値であるのに対し、中学2年生女子は国の平均値と同程度の値でありました。  生きる力を育むためには、全ての子どもの自己肯定感や自尊感情を高める取り組みが必要です。本市では、コミュニティ・スクールの一つの取り組みである、「社会に開かれた教育課程、地域を学ぶ、地域を生かす、地域と学ぶ、地域に返す」の推進や、学校生活や家庭生活の中で、やりがい感や達成感を味わう取り組みを進めることが大切であると考えています。  教育委員会では、チャレンジ精神を育成し、自己肯定感や自尊感情を高めることにつながる取り組みとして、平成18年度から春日市国際交流協会のお力添えを得て始まり、平成23年度から本市教育委員会が主催して行っております中学生英語暗唱スピーチ大会、平成24年度から小学5年生、6年生を対象に行っている「知のチャレンジKASUGA」、これは国語と算数の問題に挑戦する取り組みで、平成26年度からは保護者や市民も参加できることとしております。さらに平成28年度から、小学4年生、5年生、6年生対象の長縄跳び大会、平成29年度から小学校5年生、6年生及び中学3年生を対象にした俳句大会と、やりがい感や達成感を味わう取り組みを行っております。 25: ◯議長(松尾徳晴君) 12番、原克巳議員。 26: ◯12番(原 克巳君)〔起立〕 12番、原克巳でございます。  御答弁、大変にありがとうございました。本市の教育振興基本計画の施策目標である「心と体づくりの推進」に基づき、知・徳・体のバランスのとれた児童生徒の育成について、多角的に取り組んでおられることがよくわかりました。  再々質問は要望となりますので、御答弁は求めません。  私も長年、非行少年の教育にかかわってまいりましたが、その中で感じたのは、問題行動の根っこの多くは乳幼児期にあるということでした。そのため、保育、幼稚園と小学校の連携はとても重要なテーマであると思っております。  その意味では、平成28年3月、文部科学省の委託研究事業である、春日中学校ブロック15年共育プログラム構築事業の研究結果が報告をされておりますが、ここで得られた成果や資産を、今後、所管を超えた大きな枠組みの中で、さらに活用、発展させることも必要ではないかと考えております。  「国は人がつくる、人は教育がつくる」という言葉がございます。若い人も老いた人も、ともに輝いていけるまちづくり、そのために基本となるのは教育だと思います。これからも、この春日市から多くの有為な人材を輩出できるよう、教育立国のモデル都市として日本の教育を牽引されることを切に願って、私の質問を終わります。ありがとうございました。 27: ◯議長(松尾徳晴君) 1番、吉居恭子議員。  なお、吉居恭子議員は回数制にて質問いたします。 28: ◯1番(吉居恭子君)〔登壇〕 1番、日本共産党、吉居恭子です。  私は通告に従い回数制で、持続可能な国民健康保険制度についてと、行財政改革と市民サービスについて質問を行います。  まず、持続可能な国民健康保険制度について質問をします。  国民皆保険の中核である国民健康保険税は、被用者保険に比べ、単身者で1.5倍強、4人世帯では均等割があることから2倍の額となり、多くの国保加入者にとってはとても高額となり、生活を圧迫しているとの声を多く聞きます。実際、春日市に住む40歳世帯主の年収400万円夫婦と子ども二人の世帯で計算し、比較すると、協会けんぽでは年間の保険料23万9,400円に対し、国保税は年額41万2,400円と1.7倍にもなります。  2017年6月1日現在の厚生労働省保険局国民健康保険課調べによると、国保加入世帯の平均所得は、ピーク時の1991年の276万5,000円から、25年後の2016年には138万8,000円と約半額となっているのに対し、市町村国保の1人当たりの保険料は、1985年の4万3,357円から、30年後の2016年は後期高齢者支援分と介護保険が加わったこともあり、9万4,140円と2倍以上になっています。つまり、収入は2分の1になったのに国保税は2倍になるという大変な状況です。  平均的な国保加入者の所得は138万円、年収224万円です。4人世帯では、国保税は5割軽減でも19万円、国保税だけで月額約1万6,000円と、月収の8.5%にもなります。本人や家族の病気、親の介護、家業の不振や失業などあれば払えなくなり、そこからの脱出は難しくなります。滞納金額はすぐに膨れ上がり、本税と延滞金とで身動きがとれなくなる人は、実際、私どもが毎月行っている生活相談会では珍しくありません。  このように、経済的に不安定な状況に置かれている多くの国民健康保険加入者ですが、国保税の協会けんぽ並みへの引き下げは一向に改善されないまま、2018年度から国保は都道府県化となりました。  そこでお尋ねします。国保税が高過ぎる要因をどうお考えでしょうか。また、春日市の国保加入者のために、今後どのような施策を計画しておられますか。  全国知事会や全国市長会でも、国に対し財政支援の拡充を求める要請がされているところですが、国保税を軽減するために市独自の減免制度をつくるなど、春日市ができることはないのかお尋ねをします。  次に、春日市では本年10月より子ども医療費助成の所得制限が撤廃されることとなり、本市が若い親たちを本気で応援しているんだなと、心強く感じているところです。  2017年9月議会における一般質問でもお尋ねしましたが、子どもの均等割について、独自に減免する自治体がその後もふえ、全国で25以上の自治体が導入しているようです。九つの自治体が高校生までを対象に、所得制限なしで第1子から減免をしています。このうち全額免除自治体は3自治体です。第2子や第3子以降の子どもの均等割を減免する多子世帯減免や、所得制限を設けて対象を大学生まで広げる自治体もあります。  子育て支援や少子化対策としても有効と思われる子どもの均等割減免についてのお考えはないか、再度お尋ねしまして1回目の質問とします。  次に、行財政改革と市民サービスについて質問をします。  最初に、本市は人口当たりの職員が全国一少ない自治体とよく言われますが、まず、正規職員と非正規職員、業務委託や指定管理者制度の中で働く職員の数を教えてください。  また、職員数が少ないことでの御苦労や業務のすみ分けなど工夫がおありかと思いますが、いかがでしょうか。  次に、大規模災害に対応するためにも一定の職員が必要と思いますし、社会情勢も厳しい現在、さまざまな課題を抱えた多様な市民への、わかりやすく丁寧な対応、市民サービスができるのか、どうお考えでしょうか。  次に、本市における指定管理者制度と業務委託についてお尋ねします。  市民部窓口を初め多くの部署で業務委託がなされ、また、総合スポーツセンター、ふれあい文化センター、市民図書館など、指定管理者が運営をする施設がふえ続けています。実際、どこが市直営でどこが業務委託や指定管理となっているのでしょうか。そして、その違いについても教えてください。  次に、市民の要望を聞くことと施策の周知についてお尋ねをします。  市民図書館やふれあい文化センターなど、これまで市が直営で業務を行っていたところでの民間業者の指定管理者制度導入が進む中、実はこれまでも、図書館の窓口や移動図書館は業務委託で民間業者の職員が対応して担当していたのだと、後になって知ることも多いと感じます。  市長はこれまで660回を超す出前トークを行い、市の施策を伝え、市民の声を聞いてこられました。その結果、市民も長年の出前トークへの参加で、自分の意見を気軽に発言し、市政に参加する方がふえられたと思います。とてもすばらしく、住民参加の市政を貫こうとする市長の思いが感じられます。しかしながら、市の施設の指定管理者制度導入の際や民間業者委託など、市がどういう理由で選んだのか、なかなか伝わってこないのが実情です。  平成最後の議会でもある本年3月議会においても、中学校司書の業務委託を含む小中学校図書館支援委託事業という事案が、2020年度の債務負担行為という形で上がりました。市民図書館への指定管理者制度導入の際に、学校図書館は市が直接担当するとのことでしたので、驚きました。議会が開かれる直前に、図書館ボランティアの皆さんや関心のある市民が集まり、勉強会を開きましたが、それ以上は市民の声を聞いたり、議論、協議する十分な時間もないまま、2020年度の小中学校図書館支援業務委託事業の債務負担行為を含む予算は通過してしまいました。  学校教育や市民に直接かかわりのある事項に関しては、もっと時間をとって市民の声を聞き、市民へ伝わる情報の発信をすべきと思いますが、いかがでしょうか。  以上、1回目の質問といたします。 29: ◯議長(松尾徳晴君) 井上市長。 30: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 吉居議員から、持続可能な国民健康保険制度についての御質問でございます。  なお、国民健康保険につきましては、以後、略称の「国保」でお答えさせていただきます。  まず、国保税が高過ぎる要因をどう考えるかとのお尋ねにお答えいたします。  国保の加入者は、会社にお勤めの方が加入している社会保険以外の方となるため、自営業者や退職者、無職の方などが対象です。その結果、社会保険加入者に比べて高齢者や低所得者の割合が高くなります。本市においても、国保の加入者に占める65歳から74歳の前期高齢者の割合が上昇し続けている影響で、国保加入者1人当たりの医療費は、平成28年度において約33万3,000円となるなど、年々増加しているところです。  一方で、日本最大の社会保険である協会けんぽの平成28年度の1人当たり医療費は、全国平均で約17万4,000円となっています。このように国保と協会けんぽの1人当たりの医療費を比較すると大きな差があり、国保の医療費のほうが高いことが、国保税が高い主な要因であると考えております。  なお、社会保険の場合は、保険料を事業主と加入者が折半で負担することとなっておりますが、国保の場合は加入者のみで保険料を負担することになっております。ただし国保加入者の負担を軽減するため、制度上さまざまな形で公費などによる補填がなされております。平成29年度における本市の国保特別会計決算で見ますと、保険給付費の65億2,000万円、後期高齢者支援金13億1,000万円、介護納付金5億2,000万円の合計83億5,000万円に対し、保険税収入は20億4,000万円で総額の24.4%しかなく、残りは公費及び社会保険からの前期高齢者交付金で賄っている状況です。  次に、春日市の国保加入者のために今後どのような施策を計画しているかとのお尋ねにお答えいたします。  本市の国保加入者の1人当たり医療費は、平成29年度において県内60市町村中59位という低い水準にあるものの、それでも協会けんぽに比べて2倍近い金額となっております。今後とも引き続き、特定健診の受診率の向上や特定保健指導の充実、健康づくりの推進などにより、医療費の一層の適正化に努めるとともに、国が収納率向上や医療費の適正化に関する取り組みを進めている市町村を支援する目的で実施している保険者努力支援制度などを活用し、さらなる収入の確保に努めてまいります。なお、平成30年度における本市の保険者努力支援制度による収入は約4,000万円です。  次に、国保税を安くするために市独自の減免制度をつくるなど、春日市ができることはないのかとのお尋ねにお答えいたします。  地方税法第717条では、天災その他特別な事情がある場合において、減免を必要とすると認める者、貧困により生活のため公私の扶助を受ける者、その他特別な事情がある者に限り、条例の定めるところにより国保税を減免することができると規定されています。これを受けて本市においては、国保税条例及び市税減免取扱要綱の規定に基づき、災害などにより生活が著しく困難となった人など、個別の事情を踏まえて国保税の減免を行っているところです。  このほかに市独自の減免制度をつくることになりますと、現在の国保制度上、減免による減収分は他の国保加入者の国保税に上乗せせざるを得ないことになり、実施は難しいものと考えております。  次に、国民健康保険の子どもの均等割減免についての考えはとのお尋ねにお答えいたします。  国保税均等割は、国保税条例に基づき、加入者1人当たりに対して課税されるものです。具体的には、医療給付費分として年額2万5,000円、後期高齢者支援金分として年額6,500円、そして介護給付費分として、40歳以上65歳未満の介護保険第2号被保険者のみ1万1,000円となっています。なお、国保世帯全員の前年中の所得額の合計が国の定める基準以下の場合は、所得額に応じて均等割額と平等割額を7割、5割または2割軽減する措置があります。  子育て支援や少子化対策の重要性は認識しており、本市においては他の市町村と比べてもさまざまな特色ある施策を行っているところですが、国保加入者の子どもの均等割の減免を行うことについては、先ほどと同様、他の国保加入者の国保税に上乗せせざるを得ないことから、実施は難しいものと考えています。  御承知のとおり、国保制度の改正は、平成30年度から都道府県が財政運営の責任主体となったことに合わせて、市町村においては赤字補填目的の一般会計からの繰り入れは基本的に想定されないこととなりました。国保は国民皆保険の基盤であり、議員御案内のとおり、持続可能な制度にしていくことが課題となっておりますが、現在の制度上、国保財政に赤字が出た場合は、国保税の改定などによりその解消に努めることとされておりますので、一般会計からの繰り入れによって市独自の減免制度を補うことも、現実的にはできないものと考えています。  次に、行財政改革と市民サービスについての御質問でございます。  まず、正規職員と非正規職員、業務委託や指定管理者制度の中で働く職員数についてのお尋ねにお答えいたします。  平成31年4月1日現在で正規職員は400人です。これにはフルタイムの法定再任用、一部事務組合など他団体へ派遣した職員、他団体から派遣された職員を含んでおります。  また、非常勤職員につきましては、令和元年度の当初予算ベースの週5日のフルタイム換算で、嘱託職員約245人、臨時職員106人です。  なお、業務委託や指定管理者制度の中で働く職員数については、仕事の結果に対してその報酬を支払うという民法及び労働関係法の理由により、全体の職員数につきましては把握しておりません。  次に、職員数が少ないことでの苦労や、業務のすみ分けなどの工夫についてのお尋ねにお答えいたします。  本市は昭和30年代から、他団体では直営・正規職員が担ってきた業務についても、地理的な背景、財政的な事情から、一部事務組合による共同処理とともに、民間業者が担えるものについては民間への業務委託または指定管理者制度の導入を進めてまいりました。このような中にあって、職員は多様化する市民のニーズに対応するため、市民の要望や、全国の他団体の行政情報の収集、事務の効率化、経済性の向上等のため、不断に努力を重ねております。  次に、厳しい社会情勢の中、さまざまな課題を抱えた多様な市民への丁寧な対応について、どう考えているのかとのお尋ねにお答えいたします。  職員には、常に市民の気持ちに寄り添った丁寧な対応を心がけるよう、管理監督職を通じて指導しております。これからも業務に精通することはもちろんのこと、接遇研修や各職場での指導を初めとして、さまざまな機会を捉え職員の能力向上を図り、さまざまな背景を持つ市民のニーズや相談などに、わかりやすく納得いただけるような説明と対応ができるよう努めてまいります。  次に、指定管理者制度と業務委託についてのお尋ねにお答えいたします。  まず指定管理者制度は、平成15年9月の地方自治法の改正により、公の施設の管理運営を民間事業者やNPO法人等に委ねることを可能にする制度として創設されました。この制度が創設された背景としましては、国の社会経済の構造改革の一環として平成13年6月に閣議決定された経済財政諮問会議の「骨太の方針」の中で、「民間でできることは民間に」という基本原則が掲げられたことがあります。十分なサービス提供能力を有する民間事業者等がふえる中で、多様化する住民ニーズに効果的、効率的に対応するために民間活力を活用するというものです。  この制度は、指定管理者に施設の使用許可なども含めた包括的な管理運営を任せることで、民間事業者等の能力やノウハウを活用し、住民サービスの向上を図るとともに、施設管理の効率化を推進することを目的としています。  なお、指定管理者を指定するに当たっては、その都度議会の議決をいただいており、現時点において本市が指定管理者制度を導入している施設は、総合スポーツセンター、温水プール、西野球場、ふれあい文化センター、市民図書館、地区公民館、二つの保育、放課後児童クラブ、三つの児童センター、老人福祉センターナギの木苑、JR春日駅前駐車場でございます。  次に、業務委託についてですが、業務委託とは、地方公共団体がその権限に属する事務事業等を他の機関または特定の者に委託して行わせるもので、直接実施するよりも有利で効果的なもの、また、専門的な技術や知識を要するものを委託するケースがこれに当たります。契約に基づき、個別の業務や業務の執行を委託するものであるため、指定管理者制度のように公の施設の管理権限を包括的に委任するものではなく、施設の使用許可といった権限もありません。  本市の業務委託は多岐にわたっており、代表的なものを申し上げますと、本庁舎1階の市民課窓口業務を初めとして、健康診査業務、ごみの収集運搬業務、小中学校給食調理業務などが挙げられます。なお、公の施設の管理委託制度は廃止されておりますので、本市が施設の管理そのものを業務委託している施設はございません。  指定管理者制度と業務委託のいずれにつきましても、住民サービスの維持やさらなるサービスの向上を図りながら、最小の経費で最大の効果を上げるために、民間にできることは民間に任せるという観点で、民間活力を積極的に活用しているものでございます。また、直営と民間事業者等のサービスの質は上下の関係にあるものではありませんので、民間ならではの柔軟な事業展開などの民間活力に期待しているところです。  次に、学校教育や市民に直接かかわりのある事項に対しては、もっと時間をとって市民の声を聞き、市民へ伝わる情報の発信をすべきと思うがいかがかとのお尋ねにお答えいたします。  現在、事業を進めるに当たっては、利用者や関係者、関係団体等を中心に、十分御意見をお伺いし、反映させるよう努めております。また、情報発信については、適宜説明会の実施やチラシ等の配布、ウエブサイトや「市報かすが」への掲載等を実施しております。今後も情報発信力を強化してまいるとともに、市民の皆様との適切な情報共有に努め、事業の効果が最大限発揮されるよう工夫を重ねてまいります。 31: ◯議長(松尾徳晴君) 1番、吉居恭子議員。 32: ◯1番(吉居恭子君)〔起立〕 1番、日本共産党、吉居恭子です。  持続可能な国民健康保険制度について再質問を行います。  国保税が高過ぎる要因としては、被用者以外の人が加入するという国保の性質上、無職者、低所得者や年金生活者が大半で、加入者の高齢化が進み、医療需要がふえた結果、1人当たりの医療費に大きな差があり、国保の医療給付費は増大すること、また、被用者保険では保険料を事業者と加入者が折半で負担するため、多くの加入者の支払い能力は被用者保険よりも下回るため、それを加入者のみで負担する結果、高くなるとのお答えでした。  しかしながら国保には、若い元気な間は第一線で働き、多額の税金を払いながら日本経済を支えてきた方たちが、引退して加入しています。働けなくなったから高齢になり、罹患率が上がり、医療費がかさむからと医療がより必要になった上、収入が減ったときに保険料をふやすというのはどうかと思います。  こうした構造的な問題を踏まえて、全国知事会からは、国保運営の都道府県下の前提条件として合意事項である、国保への財政支援拡充の確実な実行が要請されています。全国市長会からも国に対して、国保の安定的かつ持続的運営ができるよう、国庫負担割合の引き上げなど、国保財政基盤の拡充・強化を図り、国の責任と負担において実効ある措置を講じること、特に低所得者層に対する負担軽減策を拡充・強化するとともに、低所得者を多く抱える保険者への支援を強化すること、また、現在全ての都市自治体において子どもの医療費助成が行われているが、子どもの医療費助成等の地方単独事業を実施している都市自治体に対する国民健康保険の国庫負担減額調整措置については、極めて不合理な措置であることから、子どもの対象年齢にかかわらず減額措置は全面的に廃止すること、また、重症・重度心身障がい者等に対する医療費助成に係る地方単独事業についても、国保の国庫負担減額調整措置を速やかに廃止すること、また、子育て世帯の負担軽減を図るため、子どもに係る均等割保険税を軽減する支援制度を創設すること、次に、高額なレセプト等の発生により、国保保険者が予期しない医療費の増加が生じていることや、今後も医療技術の進歩に伴う高額医療費の増加が見込まれることから、特別財政支援を講じること、次に最後に、政府の審議会等において、標準的な医療費水準に基づく普通調整交付金等の配分によりインセンティブ機能を強化する方向性が示されているが、国保の構造的課題を解消するためには、普通調整交付金が担う自治体間の所得調整機能は極めて重要であり、当該機能は国と地方の協議により平成30年度以降も維持することとされていることを踏まえ、見直しは行わないことなどです。  高くて払えず滞納し、延滞金が発生し、さらに困窮するなど悪循環で、全国では保険証がもらえなくて医療が受けられず、悪化し、亡くなるということが続いています。このようなことのないよう、国や県に対しても強く働きかけながら、お答えにあったような特定健診受診や特定保健指導の向上による早期発見・早期治療の推進、健康づくりを初めとする保健事業の充実など、市ができることを最大限生かし、国保税引き下げに努力していただくことを要望します。
     最後に、今後の保険税の税額の予測について、わかる範囲でよいので教えてください。 33: ◯議長(松尾徳晴君) 佐々木健康推進部長。 34: ◯健康推進部長(佐々木康広君)〔登壇〕 持続可能な国民健康保険制度についての再質問でございます。  今後の国保税の税額の予測についてのお尋ねにお答えいたします。  議員御案内のとおり、国保制度の安定的かつ継続的な運営に向けて、全国知事会や全国市長会からも国に対し強い要請が行われており、それらの要請内容が、今後の国・県の財源措置や激変緩和措置などに反映されていくことを期待しているところでございます。そのような国・県の財源措置や激変緩和措置などによって、お尋ねの国保税の税額の予測につきましても大きく影響を受けるものと考えておりますが、現在の状況において御説明できる範囲内でお答えをいたします。  御承知のとおり、本市は平成20年度以降、国保税の税率などは、法改正などに伴うものを除き、据え置いてきております。そのために、毎年国保税収入による財源が不足する分については、他の多くの団体と同様、一般会計からの繰入金により補填してきたところです。  このような中、全ての人が公的な保険に加入する国民皆保険制度の基盤となっている国民健康保険を、将来にわたり持続可能な制度とするため、平成30年度から国保制度の大幅な改正が行われ、財政運営のあり方が大きく見直されております。この中で、市町村においては国保税収入による財源が不足する分の補填目的での一般会計からの繰入金が基本的に想定されない制度に変更されております。このような財源不足分の一般会計からの補填は赤字とみなされ、その解消を計画的に実施することになったものでございます。  国保税収入による財源が不足する場合において、当該市町村が国保財政の調整のために設置した基金の取り崩しなどにより対応できないときは、都道府県に設置された財政安定化基金から借り入れを行い、次年度以降の国保税収入の増額などにより償還していくということが、基本的な考え方として想定されております。  今回の改正で、都道府県が財政運営の責任主体となり、医療費などの保険給付に必要な費用を市町村に交付するかわりに、市町村は都道府県に国保事業費納付金を納付することとなりました。あわせて、都道府県はその国保事業費納付金に見合う形での市町村ごとの標準保険料率を算定しております。  これにより算定された本年度の本市の標準保険料率と実際の本市の国保税率を比較しますと、実際の国保税率のほうが低くなっており、本年度において約2億円の財源の不足が見込まれております。この財源の不足分は、国保財政の調整のために設置した国保事業費納付金等支払準備基金を取り崩して対応することで、国保会計の当初予算を編成しております。  ただし、この約2億円につきましては、1人当たり8,148円の国保事業費納付金に係る激変緩和措置を受けた上での不足額となっておりますので、今後、激変緩和措置がなくなった場合は、さらに財源の不足が拡大することが見込まれます。  なお、本年度における各都道府県の1人当たり国保事業費納付金は、福岡県を除き、全ての都道府県で上昇しており、中には2桁の高い伸びを示している都道府県も見受けられます。その中で福岡県については、本年度においても平成28年度ベースを超えないような激変緩和措置が実施されておりますが、今後どのような状況になるのか、現時点では予測がつかないのが実情でございます。  本年度の国保会計の当初予算につきましては、国保事業に係る事務費や人件費などの法定の繰り入れと、保健事業費など決算補填目的とみなされないその他繰り入れを合計して、一般会計からの繰入金は9億1,990万6,000円となっております。その上で財源不足となる約2億円につきましては、先ほど申しましたように国保事業費納付金等支払準備基金を取り崩して編成しております。  この基金の本年度末の見込み残高は現時点で1億9,940万5,000円となっておりますので、この基金で来年度以降も対応していくことができるのか、見込みが難しい状況になっております。現時点では平成30年度の決算が確定しておりませんので、剰余金をどれだけ基金に積むことができるか定かではありませんが、先ほど申し述べました状況と、毎年1人当たりの国保医療費が上昇していることを踏まえますと、国保税の改定について慎重に検討していく時期に来ているものと考えております。  しかしながら、今後、国の財源措置や県の激変緩和措置がどうなっていくかなどを含め、さまざまな要素が絡んでまいりますので、現時点において、今後の国保税の税額の予測をお示しすることは差し控えさせていただきます。平成30年度の決算が確定いたしました後に、税額の改定など何らかの対応が必要な場合は、議会に御相談をさせていただきたいと考えております。 35: ◯議長(松尾徳晴君) 1番、吉居恭子議員。 36: ◯1番(吉居恭子君)〔起立〕 1番、日本共産党、吉居恭子です。  再々質問は要望ですので、回答は結構です。  この二十数年間で高齢化は進み、国保加入者の平均収入も半減したというのに、国庫負担金は大幅に減らされ、国保税に後期高齢者支援金、介護保険料は上乗せされています。そのため、市町村がやむを得ず出していた財源不足分の補填目的での一般会計からの繰り入れも赤字とみなし、その解消を計画的に実施しなければならないとは、住民を必死で守ろうとする自治体と国民に対して、本当に冷たい国政と言わざるを得ません。  今日、国が「持続可能な制度」と言うとき、それは一番に、財政的に持続可能かどうかということを意味しています。しかし、持続可能な国民健康保険制度とは、一人一人の国民の健康的な生活のために制度が機能して、初めて言えるのではないでしょうか。財政的に制度は継続できたとしても、国保加入者が税の高騰で疲弊し、払えなくなり、必要なときに受診できなければ、国民健康保険の意味はありません。  国保はその成立当初から、保険給付等に要する費用を、被保険者の負担能力と受益の程度に応じて負担する保険税と、国庫支出金等によって賄うことを基本としています。均等割は、被保険者の多い世帯は被保険者の少ない世帯よりも明らかに受益が大きく、それに見合う保険税の負担をするのが合理的という考え方ですが、それでは実質、子どもや就労できない人の分も一人分として徴収することになります。無収入の子どもの存在は世帯主の責任となり、それが出せないなら子どもは産めないという、少子化拡大にもつながりかねません。  新国保法第1条には、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」とあります。1961年に国民皆保険制度として、当初よりほかの医療保険に加入できない高齢者、病人、無職者を抱え込んだ医療保険としてスタートしたため、国庫負担の割合を医療費の45%と決め、1970年代から1983年までは収入全体の60%を国庫支出金が占めていたそうです。1984年から国庫負担率は低下し、現在は23%程度になっています。  全ての国民の健康を守る仕事は、国の根幹となる事業であります。そして住民の健康を守るのは、また自治体にとっても大事な事業です。春日市としても今後、国や県に対して、国保に対しての公費の大幅な投入を要求し続けるとともに、子どもの均等割減免が実施されている他市の事例を参考に調査研究し、子育て支援策としての子どもに係る国保税均等割の軽減や免除について、全国市長会とも連携しながら強く要望していただくことをお願いいたしまして、持続可能な国民健康保険制度についての質問を終わります。  次に、行財政改革と市民サービスについて再質問を行います。  同じく要望とさせていただきますので、回答は結構です。  本市の正規職員数は400名、嘱託職員数約235名、臨時職員106名で、合わせて741名が、雇用形態は違っていても市の職員ということですが、職員全体の44%が非正規の職員であり、さらに委託職員、指定管理の職場の職員を加えると、正規職員は半数以下となります。これから会計年度職員の制度も始まると聞きます。複雑な雇用形態の中ですが、それぞれの職員が能力を十分発揮でき、市民サービスに支障のないようにお願いいたします。  去る5月22日、財務省は、財政制度等審議会分科会において地方財政の改革案を議論し、警察や消防士、教師らを除いた地方自治体の一般職員を、2025年には約3万人減らせるとの試算を提示しています。今後、単純に人口減少のみを基準にした国の行財政計画のまま職員を減らすのではなく、必要な正規職員の人数の確保をしていただき、行政サービスの低下を招くことのないようお願いしたいと思います。  次に、指定管理と業務委託についてですが、多くの市の施設運営が、NPO法人を初め民間業者などの指定管理者運営となり、業務委託も進んでいることを再確認しました。  これまで政府はあらゆるところで指定管理者制度導入を推進してきましたが、全国の図書館や美術館、博物館など、文化的、教育的な施設での導入は、その性質上の理由もありデメリットもあることから、国は途中で推進を撤回しました。しかし本市は、その後も市民図書館の指定管理を断行し、前述したように、学校教育である中学校司書の民間業者委託までも計画されています。  市民生活に直接かかわる施策に関しては、制度の変更や民間委託などを行うときは、これまで以上に関係者を初め市民に計画を知らせ、意見をよく聞いて決められることを要望いたします。また、教育や福祉など、子どもや住民と直接向き合う事業での指定管理や業務委託に民間営利業者を採用することは、特に慎重にしていただきますよう強く要望いたしまして、私の一般質問を終わります。 37: ◯議長(松尾徳晴君) ここで暫時休憩いたします。  なお、再開は午後1時を予定しております。                ──── ─ ──── ─ ────                 休憩 午前11時46分                 再開 午後0時59分                ──── ─ ──── ─ ──── 38: ◯議長(松尾徳晴君) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。  11番、岩切幹嘉議員。  なお、岩切議員は回数制にて質問いたします。 39: ◯11番(岩切幹嘉君)〔登壇〕 11番、公明党の岩切幹嘉でございます。  今回私は、発達障害に対する支援について、回数制にて質問をさせていただきます。  発達障がいという概念の社会的認知度も、確かに近年、急速に進んでいるようには思いますが、しかしながら、支援体制につきましてはまだまだ不十分だと感じているところもありますので、何点かについて市長、教育長にお尋ねをいたします。  発達障がいは、一般的には脳の機能不全がその原因であると想定をされていますが、最近では、現代社会における環境的な要因も強く関与しているという視点からの検討も必要であるという、そういう分析もされているようであります。  これまでの発達障がいのある人の支援につきましては、知的障がいを伴っていない場合、支援施策の対象から外されておりました。2005年4月に施行されました発達障害者支援法によりまして、発達障がいが初めて法律に位置づけされまして、これを受けてようやく国や地方自治体の支援対象となったものであります。さらに、2016年5月にはこの法律が改正をされております。その目的は、発達障がい者の就労と教育への支援の強化であります。  発達障がいには、それぞれの特性があると言われております。まず、人と上手につき合うことが苦手、また、会話が苦手で自分にしかわからない言葉を使う、こだわりや興味関心に偏りがあることが特性の自閉症と、その自閉症のうち、知的障がいがなく言葉のおくれがないタイプのアスペルガー症候群などを含む広汎性発達障がい、次に、知的な発達には問題がないのに、聞く・話す・読む・書くなどの特定のことを行うことが難しい状態の学習障がい(SLD)、うっかりして同じ間違いを繰り返す、落ち着きがなくじっとしていられない、突発的に何かをしてしまう特性を持つ注意欠陥・多動性障がい(ADHD)などがあります。このように特性のあらわれ方がそれぞれであり、年齢や環境によってもさまざまでございます。  成長とともに自然に身につくことが身につかない、学習に励んでも会得できない、日常生活の中で周囲との関係が築けないなど、発達障がいは目に見えにくい障がいと言われております。そのため、親の育て方が悪いと責められたり、偏見も多く、子どもがいじめに遭うこともあり、周りに理解がなければ親子を孤立させる状況にもつながってまいります。また、最近では障がいの認知度が高まったことから、実は大人になってから医療機関を受診して見つかるというケースもふえているようであります。  乳幼児の時期から、学齢期、成人期、さらに高齢期に至るまで、いわゆるライフステージを通し、地域で安心して生活できるように、自立と社会参加の実現に向けて、今後とも本市において、発達障がいに対してはしっかりとした支援体制を確立していただきたいという観点から、質問をさせていただきます。  まず1点目でございます。早期発見・早期支援が何よりも大事でありますが、行動の問題が顕在化してくるのは、集団生活が始まる保育や小学校現場においてであります。そこで、本市において発達障がいの傾向を発見し確認していく、いわゆるスクリーニングの取り組み及び支援はどのようにされているのかをお尋ねいたします。  2点目といたしまして、それぞれの立場、その特性や年齢に置かれた環境等によりまして、当事者や家族の悩みもさまざまにあると思われますが、どういうときにどういうところで相談できるのか、本市における相談支援の取り組みについてお尋ねをいたします。  続きまして3点目といたしまして、文部科学省が2012年に行いました、全国の公立小中学校、これは約5万人を対象にした調査結果によりますと、1クラスに2名程度は発達障がいの傾向があるというデータが示されておりました。このように人口に占める割合は高いにもかかわらず、発達障がいに関する専門家は少ないという状況であります。こうした中で、小中学校の一般の教員に発達障がいの概念や支援のあり方が理解をされているとは限らず、誤解をされている側面も少なくないのではないかという懸念もありますが、学校における教員の理解に向けての研修、普及啓発はどのように取り組まれているのか、お尋ねをいたします。  続きまして4点目でございます。二次的な障がいのおそれについてお尋ねをしたいのですが、相手の気持ちをうまく理解できないことから、保護者や先生から常に注意されたり、叱られたり、できないことを友達から笑われたり、からかわれたりして自信をなくしてしまうこともあります。それら強いストレスが不登校やひきこもりにつながったり、気分障がい、鬱などの二次的な障がいを引き起こすこともまれではないと言われておりますけども、本市におけるその考え方と対策についてお伺いをいたします。  5点目でございます。学校の現場だけではなく、放課後の過ごす場所と放課後の過ごし方の支援も切れ目なく継続する必要があると考えます。その場が確保されることによりまして、障がいのある子どもを持つ保護者の就労や社会参加を保障できる環境にもつながっていきます。放課後支援の施策について、どのような取り組みをされているのかお尋ねをいたします。  最後になりますが、社会的な自立に向けての支援を継続させていく観点から、将来的に一般就労に向けて就労支援を行うことが重要でございます。一般就労を希望する発達障がい者について、例えば職業人としての基本ルール・マナーの習得、社会生活の技能向上などが必要になってきますが、その支援体制についてはどのようになっているのかをお尋ねいたします。  以上6点についてお尋ねをいたします。  これで1回目の質問を終わります。御答弁よろしくお願いいたします。 40: ◯議長(松尾徳晴君) 井上市長。 41: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 岩切議員から、発達障害に対する支援についての御質問でございます。  まず、本市における児童の発達障がいの傾向を発見する、いわゆるスクリーニングの取り組み及びその支援についてのお尋ねにお答えいたします。  発達障がいにおけるスクリーニングとは、保護者からの子どもの様子の聞き取り、医師の診察、発達検査などにより、発達障がいの傾向を発見するものです。本市におけるスクリーニングの取り組みとしましては、1歳6カ月児健康診査、3歳児健康診査において、言葉や発達についての問診や診察を通じてスクリーニングを実施しています。  しかしながら、健診の場だけでは判断がつきにくいこともあり、数カ月の経過観察や電話による発達確認などを実施し、必要に応じて、心理士などによる「子育てはあと相談」を案内しております。この「子育てはあと相談」では、自宅での様子に加え、保育や幼稚園などの集団生活における様子などを聞き取るとともに、幼児の行動の確認や発達検査等によって再度スクリーニングを行っています。そこで療育が必要な可能性が高いという判断に至った場合は、保護者の理解を得ながら、療育の必要性に応じて、親子支援教室または療育訓練施設としてのくれよんクラブを御案内しております。また、保育などでも、集団における子どもの様子や行動で心配なことがあれば、保護者に「子育てはあと相談」を案内し、相談につなげております。  次に、発達障がいの傾向を持つ子どもの支援としましては、まず、くれよんクラブで「子育てはあと相談」や、医師からの紹介を経由した就学前の子どもについて、医師による診察、心理士による発達検査等を行っています。その上で、通所受給者証の発行を受けた子どもを対象として療育を行っています。  対象の子どもがいる保育では、職員の中から特別支援保育コーディネーターを任命し、発達に配慮が必要な子どもへの支援に努めております。また、各園には福岡女学院大学の御協力を得て心理士を派遣しており、特別支援保育コーディネーターに対して、集団における行動の観察や、子どもへのかかわり方の助言なども行っております。特に公立の直営保育については、昨年度からこの派遣回数を大幅にふやし、職員の専門性の向上に努めているところです。  さらに、くれよんクラブにおいても年に2回程度、幼稚園、保育など、乳幼児の教育や保育に従事する施設の職員と、子育て支援の関係者を対象として研修会を開催し、発達障がいへの理解を深め、支援の技術を伝えることに努めています。実績としては、過去17回の研修会を開催してきたところです。くれよんクラブでは、療育を受けている子どもが保育や幼稚園に所属している場合に、各園からの要請により専門士や保育士が園を訪問し、職員に対応の支援方法を伝えるなどの支援も行っております。  次に、本市における相談支援の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。  就学前の子どもの相談支援の取り組みにつきましては、保護者から発達相談の希望があった場合、春日市子ども・子育て相談センターの保健師が、日常生活の困ったことなど子どもの状況を聞き取った上で、先ほど申し上げた「子育てはあと相談」で対応いたします。相談はおおむね1組当たり1時間程度で、必要に応じて発達検査を実施する場合もあります。子どもの発達上の課題に合わせて、心理士や言語聴覚士、作業療法士など、さまざまな職種で連携して、手厚く相談に応じているところです。  また、年齢に関係なく、全体的な支援や相談窓口として、本市福祉支援課に、精神保健福祉士の有資格者を含め相談員4人を配置し、他人とコミュニケーションがうまくとれない、引きこもっているなどの相談等に対応しております。  なお、福岡県の施設となりますが、昨年1月に、福岡県発達障がい者支援センター「Life」がクローバープラザ内に開設されており、発達障がいに関する相談を受けております。  次に、学校における職員の理解に向けて、普及啓発にどのように取り組んでいるかとのお尋ねにお答えいたします。  この主な取り組み教育委員会が担うこととなりますが、市長事務部局では、切れ目のない発達支援の一環として、くれよんクラブで療育を受けている子どもが市内の小学校に就学する場合に、保護者の同意を得た上で連絡会を開催し、子どもの特性と対応の支援方法など、小学校への引き継ぎを行っています。また、保護者とともにサポートブックを作成し、小学校へ提出することで、対象の子どもの特性と対処法の共通理解にずれが生じることのないよう努めております。  次に、二次的な障がいに関する考え方とその対策についてのお尋ねにお答えいたします。  保護者を初め、子どもに接する人のかかわり方が育ちに影響を及ぼします。少し詳しく申し上げますと、単に叱ったり注意をしたりするばかりでは、子どもの自己肯定感は低下し、チャレンジではなく回避する行動を自己決定させてしまいます。不登校やひきこもりも、この回避する行動の結果であります。  そうならないようにするためには、うまくいくやり方を教えなければなりませんが、それは子どもが理解できるような具体的なものである必要があります。さらに、意欲を持ち、チャレンジすることを自己決定するよう導いていき、成功体験を重ねる方法が自己肯定感を育てます。この自己肯定感を持てる育ちこそが、二次障がいを招くリスクを軽減するものと考えております。  その対策としましては、乳幼児については、社会的な技能やコミュニケーションの力を高める支援を、くれよんクラブや直営の保育などで行っております。具体的には、対人場面において相手に適切に反応するために用いる対人行動を練習するソーシャルスキルトレーニングや、会話を中心にやりとりをするコミュニケーションの支援を実施しています。なお、この対人行動や会話は、言語に加え、表情や身ぶり手ぶり、声のトーンなど、言語以外で発信する情報を含んでいます。  次に、放課後の施策の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。  発達障がいを含む就学中の障がい児に対しては、児童福祉法に基づく放課後等デイサービスがあります。就学中の障がい児に対し、授業終了後または休業日に、生活能力の向上のために必要な訓練や、社会との交流の促進その他の支援を行うもので、現在、春日市内に16の事業があります。  次に、一般就労を希望する人への支援体制についてのお尋ねにお答えいたします。  国ではハローワークの障がい者就労窓口があり、発達障がいを含めた障がい者の就職の促進を図っています。県においては、障害者就業・生活支援センターや、先ほど申し上げた発達障がい者支援センターがあり、就職に向けた準備支援、求職活動支援、職場定着支援、関係機関との連絡・調整だけでなく、就労に向けて日常、社会生活におけるさまざまなアドバイスや支援を行っています。また市においては、一般就労を希望する発達障がい者に、一定期間マナー等の知識の習得や能力の向上のために必要な訓練を行う、就労移行支援という障害福祉サービスがあります。  なお、小中学校における発達障がいに対する支援につきましては、教育長が回答いたします。 42: ◯議長(松尾徳晴君) 山本教育長。 43: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 私からは、小中学校における発達障がいに対する支援についてお答えいたします。  まず、発達障がいの早期発見・早期支援に向けた取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。  小学校入学予定児童については、まず、その保護者を対象とした進路学習会を毎月6月末に実施し、特別支援学校や特別支援学級、通級による指導についての紹介や、発達障がいとは何かといった情報提供を行います。  情報提供につきましては、発達障がいへの正しい理解や考えを深めることを目的とした、春日市が作成いたしております啓発冊子「わたしたちのことわかってくれる?」を保護者へ配付します。この啓発冊子では、発達障がいとは何か、さまざまな発達障がいの様態を詳細に説明し、必要な対応や相談窓口を一覧にして紹介するなど、簡潔にまとめたわかりやすい内容となっております。  そして7月以降、個別の就学相談会を行い、児童の具体的な様子や配慮事項等を聞き取り、保護者の了承を得て関係機関から情報収集等を行い、進路決定のための教育支援委員会へ附議します。教育支援委員会では、委員である専門家の皆さんや学校長等から、進路に関する意見が出されます。その意見を参考に、本人及び保護者の意向を最大限尊重した上で、就学先を決定することになります。就学児童につきましては、各学校では配慮を必要とする児童に対して、個別に作成する教育支援計画及び指導計画などを活用し、発達障がいのある児童生徒が理解しやすいよう配慮した事業改善に取り組んでおります。  次に、当事者や家族の悩みに対する相談支援の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。  本市小中学校におきましては、校長を特別支援教育実施の責任者として校内委員会を設置し、教員の中から特別支援教育コーディネーターを指名するとともに、それを校務分掌に明確に位置づけております。それを受けて、教職員が児童生徒一人一人の特性に応じてきめ細かな相談を行うとともに、必要に応じてスクールカウンセラーや特別支援教育士などの専門員へつなぐなどの支援を行っております。  次に、学校における職員の理解に向けての研修、普及啓発はどのように取り組んでいるのかとのお尋ねにお答えいたします。  福岡県教育委員会では、教職員一人一人のキャリアステージや職務に応じた資質、能力を育成するために、福岡県教職員育成指標を踏まえ、特別支援教育にかかわるさまざまな研修を実施しています。  また、本市教育委員会では、先ほど紹介しました啓発冊子「わたしたちのことわかってくれる?」の教師版を作成し、全小中学校に配付しています。教師版は、さまざまな種類の障がいに対する合理的配慮の具体例、対応に関するQ&A、チェック表などを掲載しています。  また、市内小中学校の特別支援教育コーディネーターを対象とした連絡協議会を年3回実施し、特別支援教育への理解充実を図っております。  次に、二次的な障がいに対する考え方と対策についてのお尋ねにお答えいたします。  議員御指摘のとおり、発達障がい、いわゆる個々の児童生徒が持つ特性への何らかの配慮が必要であるにもかかわらず、適切な支援や配慮がなされず、集団の中での生活や学習に支障を来すことがあります。その結果、二次的な障がいとして、生活リズムの乱れや学力の未定着が顕著になることから、不登校等に至るケースも見られます。  このため、学校教育課に特別支援教育士を平成29年度に3名配置し、支援を必要とする児童生徒のニーズに応じて、その子どもの能力をできるだけ伸ばし、自立に向けて支援を促す体制を構築しています。学校生活、家庭生活の様子や行動観察による実態把握、発達心理検査を中心とした特性や能力の把握、その後、保護者や担任等の面談、さらにはその後の支援の状況共有を行っているところです。 44: ◯議長(松尾徳晴君) 11番、岩切幹嘉議員。 45: ◯11番(岩切幹嘉君)〔起立〕 11番、岩切幹嘉でございます。  再質問させていただきます。  まず、スクリーニングの取り組みについてでございますけども、問診とか行動観察等でですね、気づく項目につきましては、70%以上の市町村が、1歳6カ月児の健康診査において、この「視線」という項目を一番に挙げております。3歳児の健康診査につきましては、「多動」という項目が一番に気づく項目として挙げられております。  そこで本市の問診の項目を確認をいたしました。こういう色分けしてありますけども、この水色のが1歳6カ月児の健康診査なんですけども、本当に細かく、30項目以上について問診のほうがございまして、この中で、いわゆる「目つき、目の動き」という項目もありますし、「話をするときに視線が合いますか」という項目などがありますので、これは十分網羅されているなというのを実感をいたしました。  3歳児におきましてもですね、「ひどく落ちつきがないと感じますか」とかですね、「かんしゃくとか強く感じますか」というような項目がちゃんと網羅されておりまして、この1歳6カ月児と3歳児の項目も同じ内容ではなくてですね、ちゃんと年齢に応じて細かいチェック項目になっておりまして、早期の発見に力を入れていただいているということが伝わります。  しかしながらですね、答弁にもありましたように、この1歳6カ月の段階では、なかなかですね、かかわりが難しい、例えばかかわりが難しい社会性の問題であるとかですね、多動などの行動の問題につきましては判断がつきにくいと。ようやく3歳児で確認されているという場合が多いようであります。そういった意味でも、今後とも経過の観察ですね、それから確認の実施、再度のスクリーニングの対応を進めていただきたいと思います。
     二次的な障がいについてでありますけども、不登校、ひきこもりなどの、この二次的障がいの取り組みについて、自己肯定感が持てるということが二次的障がいのリスクを軽減するということであります。だから、乳幼児の時期からですね、中学校に至るまで、このことを視点に置いてしっかり取り組んでいただいているようでございますので、さらなる充実に向けてよろしくお願いしたいと思います。  先ほど御答弁もありましたとおり、発達障がいのですね、理解のための啓発冊子が2冊あります。「わたしたちのことをわかってくれる?」という、これは多分、保護者用の冊子になっていると思いますが、これは平成16年に発刊されております。これは別にですね、平成19年にですね、同じタイトルなんですが、「わたしたちのことをわかってくれる?」は教師版になっておりまして、本当に内容もわかりやすくですね、理解と対応について、本当に有効的な冊子になっておりますので、特に教師用につきましては、そういう教師として各教科の具体的な支援方法が示されております。ぜひとも、これは学校内保護者に向けてで今配布されているとは思いますが、いろんな関係機関のほうにですね、これを大いに活用していただければという気がいたしますので、よろしくお願いいたします。  さて、ここからが再質問でございますけども、再質問の1点目になりますが、幼稚園とか保育で任命されるという、この特別支援保育コーディネーター、それと小中学校でですね、指名されるというこの特別支援教育コーディネーターについてでありますけども、この特別支援教育を支える仕組みに基づいての設置の取り組みだと思いますけども、その要件と内容についてはですね、専門員につなぐ支援という、そういう御答弁でございました。現場の支援体制としてですね、非常に重要なポジションのように思われます。これについては何か特別な資格が必要なのでしょうか。このコーディネーターのですね、その役割と位置づけについて、もう少し具体的に教えていただきたいと思います。  続きまして2点目でございますけども、相談支援のこの取り組みについて、子育てはあと相談、そして福祉支援課、それから学校教育課などにですね、専門家を配置しての手厚い相談窓口があるというのは、これはもう御本人もそうですし、家族の方にとっても非常に心強いことではありますけども、この専門家の対応とあわせましてですね、内面的な相談を充実させていくために、発達障がいのある子どもを育てた親が、同じ悩みを抱える親の相談に直接応じるというペアレント・メンターというのがですね、今注目を集めております。  例えば足立区におきましては、2016年度から24人の母親がメンターとして登録をされまして、利用者からは「同じ思いで日常のことを話せる場があってとてもうれしい」とかですね、「子どもの困り事、そんな対処方法があったのかと勉強になった」などの声が寄せられているようであります。また、メンターにとりましても、自分の苦労した体験が人の役に立つということで、自己肯定感が培われていく効果が期待されているところであります。  厚生労働省もですね、この家族への支援の必要性を受け入れながら、2018年度にですね、市町村を実施主体とした、追加された内容でございますが、発達障害児及び家族等支援事業を盛り込みまして、メンターの育成を後押ししているようであります。このメンターの研修、そして活動費、相談活動のですね、コーディネーター配置を支援する方向性を打ち出しておりまして、よりきめ細かな支援が期待できますけれども、本市においての状況、また考え方についてお伺いをいたします。  3点目でございますが、この継続的な支援体制についてですね、養育を受けている子どもの特性、また対応等については、サポートブックを作成して、小学校、中学校と引き継がれて、共通の理解で対応できる体制は整っているとは思いますが、しかし義務教育がですね、終わった後の高校の進学でありますとか、また、成人期になればかかわってくる環境も変わっていきますけども、その後においてのですね、継続的な支援体制が必要であります。そこで、本市の考え方及び対策についてお尋ねをしたいと思います。  4点目でございますけども、一般就労をですね、希望します発達障がい者を受け入れる企業がまだまだ、理解度も含めてですね、厳しい状況ではないかと思われますけども、まずはこの企業の発達障がいへの理解を深めてですね、雇用企業の開拓につなげる取り組みも必要でございます。  特定求職者雇用開発助成金という国の事業がありますけども、これは発達障がい者をですね、労働者として雇い入れる事業主に対しまして助成される事業であります。対象労働者が65歳以上に達するまで継続して雇用して、当該雇用期間が2年以上というのが要件内容になっております。また、長時間でありますとか短時間でありますとか、そういうコースもですね、雇用形態によって選択できるようにもなっているような内容でございまして、このような事業をですね、ぜひとも活用しながら、企業雇用に向けての環境整備が少しずつ進むことを期待しておりますけども、こういう情報を関係機関と共有しながら、発達障がい者が自立できるようにですね、もう一歩踏み込んだ支援ができればと思っておりますが、その見解についてお尋ねをして、以上4点について再質問させていただきます。御答弁よろしくお願いいたします。 46: ◯議長(松尾徳晴君) 高瀬福祉支援部長。 47: ◯福祉支援部長(高瀬光弘君)〔登壇〕 発達障がいに対する支援についての再質問でございます。  まず、幼稚園や保育で任命される特別支援保育コーディネーターの資格や役割、位置づけについてのお尋ねにお答えいたします。  特別支援保育コーディネーターは、特別な資格が必要なものとはしておりませんが、特別支援保育を行うための専門的な研修などを受講し、知識や保育経験が豊富でリーダー的存在になる職員がその役割を担っております。  市内の認可保育各園では、特別支援保育コーディネーターを配置し、特別支援保育コーディネーター会議を通じて、発達にアンバランスがある、発達がゆっくりしているなど、発達に課題がある子どもに対して情報の共有を図り、環境整備と支援の方法を研究、検討しながら、特別支援保育を実践しています。  役割といたしましては、園内で配慮を要する児童の情報を共有するとともに、その子の対応が保育士によって変わることがないよう一貫した配慮を行うために、特別支援保育コーディネーター会議の運営や、他の保育士へのアドバイスを行うこと、また、保護者や保育士からの相談を担うこととしております。  次に、ペアレント・メンターの育成等に関する本市の状況や考え方についてのお尋ねにお答えいたします。  議員御案内のとおり、平成28年8月に施行された発達障害者支援法の一部を改正する法律によりまして、都道府県及び市町村は、発達障がい者の家族がお互いに支え合うための活動支援などを行うよう努めることとなりました。ペアレント・メンター育成等事業はそのうちの一つの事業でございます。発達障がい児の子育て経験のある親が、発達障がいの診断を受けて間もない親に対して相談などの支え合い活動等を支援するために、経験のある親に必要な研修を行うものです。  発達障がいの診断を受けた子どもの保護者は、子どもの養育方法や将来などについて、不安や悩みを抱えておられます。同じ悩みを経験してきた先輩保護者が相談援助技術を身につけ、相談に応じることにより、保護者の不安や悩みの軽減、また、孤立感解消に役立つのではないかというふうに考えております。  本市においてペアレント・メンター事業には至っておりませんが、この事業の重要性は十分に認識しております。ペアレント・メンター事業ではございませんけれども、関連する事業といたしましては、家族のスキル向上支援として、子育て支援課が本年度からペアレント・プログラム研修を開始するように計画しております。  このペアレント・プログラムは、保護者が子どもの発達障がいの特性を理解することや、適正に対処するための知識や方法を身につけること、そういったことを支援するものでございまして、くれよんクラブの保育士はもとより、母子保健を担う保健師や保育の保育士もその技術を身につけ、保護者支援を行っていく予定のものでございます。発達障がいにかかわる家族同士、ともに支え合うための活動等につきましては、先例事例を参考にしながら研究していきたいと考えております。  次に、義務教育が終わった後の継続的な支援体制に関する本市の考え方、対策についてのお尋ねにお答えいたします。  義務教育後の支援の窓口については、市においては原則として福祉支援課が担っております。必要に応じて、教育委員会との情報共有、相互の連携や関係機関につなぐことにしております。なお、児童虐待などの問題がある場合や、発達障がい以外の子育てサービスについてのお尋ねがある場合は、春日市子ども・子育て相談センターも相談に応じております。また、県ではクローバープラザ内にある福岡県発達障がい者支援センター「Life」において、専門の相談窓口を設けております。  発達障がいに対する支援としましては、年齢に関係なく、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律、これは略して障害者支援法と呼んでおりますが、この法律に基づいて、指定・特定相談支援事業が、障害福祉サービス等の利用計画の相談・作成支援を行い、利用者の自立した生活を支え、本人の抱える課題の解決や適切なサービス利用に向けた支援を行っております。本市においても、義務教育終了後の継続的な切れ目のない支援のため、関係機関や他の機関と連携をとりながら、体制の充実に努めているところです。  次に、発達障がい者の支援に関する情報を関係機関と共有しながら、発達障がい者が自立できる、もう一歩踏み込んだ支援ができないかとのお尋ねにお答えいたします。  議員御案内の特定求職者雇用開発助成金は、ハローワークや民間の職業紹介事業等の紹介により、発達障がい者を雇用した場合に事業主に対して助成されるものでございます。発達障がい者の就業場所の拡大につながる、大変有意義な制度であると捉えております。  発達障がい者の一般就労については、先ほど市長の答弁にもありましたように、ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、発達障がい者支援センターが専門的な支援機関になりますが、今後もこれらの関係機関と情報共有や連携を図りながら、発達障がい者の自立に向けた支援に努めていきたいと考えております。 48: ◯議長(松尾徳晴君) 神田教育部長。 49: ◯教育部長(神田芳樹君)〔登壇〕 発達障がいに対する支援についての再質問でございます。  まず、小中学校で指名される特別支援教育コーディネーターの役割と位置づけについてのお尋ねにお答えいたします。  特別支援教育コーディネーターは、校務分掌に位置づけられ、当該学校の校長から特別支援教育の実施責任者として教員の中から指名されるものです。その役割は、当該学校の特別支援教育推進のために、校内研修の企画運営、関係諸機関との連絡・調整、保護者からの相談窓口などの役割を担います。特別支援教育コーディネーターには特別な資格は必要としませんが、以上の役割を担うことに適した教員を学校長が指名することとなっております。  なお、特別支援教育コーディネーターに対しては、就任した年には県において新任担当者研修、そのほか毎年度、筑紫地区で年2回、春日市においては年3回、研修を実施しております。  次に、発達障がいのある子どもを育てた親が、同じ悩みを抱える親の相談に直接応じるペアレント・メンターについて、本市の状況と考え方をとのお尋ねにお答えいたします。  ペアレント・メンターのように、発達障がいのある子どもを育てた経験のある保護者ではありませんが、同じ子育て経験者である地域の方が、不登校や発達障がいのある子どもさんを育てる保護者に対する相談を、ボランティア活動として春日市内で展開されている事例がございますので、紹介させていただきます。  活動されている団体は「えがおの会」といいまして、不登校や発達障がいのある子ども等を育てる保護者の方を対象とした相談支援活動をされております。活動の内容は、定例的に月2回、本市男女共同参画センターじょなさんと小倉東公民館を会場に、四、五名のスタッフの皆さんが各会10名程度の参加者からの相談を受けておられます。相談者は春日市内にとどまらず、近隣の自治体からも参加されているということでございます。  また、その活動の一環として、昨年度は相談を受けるスタッフを養成する講座を年5回開催され、同じ悩みを抱える保護者の方も含めて、毎回30人程度の参加があったと伺っております。また、校長会におきましても、こちらの会から講話をしていただいたところでございます。教育委員会といたしましても、家庭への支援の重要性は十分認識しているところでありますので、このような民間団体の活動を市民の皆さんに広く紹介してまいりたいと考えております。 50: ◯議長(松尾徳晴君) 11番、岩切幹嘉議員。 51: ◯11番(岩切幹嘉君)〔起立〕 11番、岩切幹嘉でございます。  最後の再々質問になります。  発達障がい支援を考える際にはですね、保健、医療や教育、そして福祉、労働と、全ての領域における連携が非常に大事になってきます。これまでの支援はですね、やはり行政のシステム上、縦割り型に進んできた経緯もあろうかと思いますが、今後はさらに一人一人にですね、焦点を合わせて、年齢による異なるサービスを受けることに支障がないようにですね、ライフステージを見据えた支援が充実できますように、各領域の連携をぜひとも進めていただきたいと思います。  そこで再々質問でございますけども、発達障がいの支援の必要性がある、その内容とか配慮すべき事項等が、正確にですね、速やかに引き継ぎができるように、支援ファイル、または移行支援ファイルという形式を作成をして、義務教育後におきましても安心して、例えば中学校から高校、高校から進学もしくは就労まで、次の人生のステージへバトンタッチできてですね、本人の年齢にかかわらず、どの時点からも支援ができるような、そういう引き継ぎの体制の取り組みが必要と考えますが、今、本市の現状、また今後の取り組みについてお尋ねをいたします。  特に本市は転入・転出が多いという、そういう地域性がございます。転校してもですね、速やかに継続して支援ができるためにも、電子媒体としてですね、データ化しながら、ほかの市町村に提供できるようなシステムも必要かと思いますけども、本市のお考えをお尋ねしまして最後の質問といたします。よろしくお願いいたします。 52: ◯議長(松尾徳晴君) 高瀬福祉支援部長。 53: ◯福祉支援部長(高瀬光弘君)〔登壇〕 子どもの支援内容や発達事項等を次のステージに引き継ぐ体制に関して、本市の現状と今後の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。  福岡県では、中学校から高校、高校から就労または進学先に、子ども自身の情報を引き継ぐためのツールとして、ふくおか就学サポートノートを活用、その推奨を行っているところです。このサポートノートは、保護者みずから、自分の子どもの様子や配慮事項等を記入し、情報を提供したい相手、例えば学校や行政機関、就学先、就労先等に対しノートを見せることで、情報共有を図るものです。  本市では、配慮を要する子どもの保護者に対して、必要に応じてこのノートについての情報提供を行っております。また、配慮が必要な18歳までの子どもの情報について、ゼロ歳児から連続したサポートができるような仕組みづくりを現在研究し、情報収集に努めているところです。  次に、転出・転入の際に、電子媒体として他市町村に提供できるシステムが必要であると思うが、どう考えるかとのお尋ねにお答えいたします。  平成29年5月に全面施行された改正個人情報保護法において、身体障がいや知的障がい、発達障がいなどの情報は、要配慮個人情報として、個人情報の取り扱いが厳格化されました。特に第三者に情報を提供する際に、事前の通知などにより本人からの同意はあったものとみなす、これはオプトアウトといいますが、オプトアウト方式による情報のやりとりが禁止されており、本人同意が原則となりました。  配慮や支援が必要な子どもの情報には第三者の情報も多く含まれていることもあるため、転出などで子どもの情報を転入先の自治体等につなげるためには、その保護者が春日市個人情報保護条例に基づく開示請求を踏まえるなどの手続が必要であると考えております。したがいまして、要配慮個人情報に伴う市町村間での情報のやりとり、電子媒体による情報のやりとりなどのシステム導入については、その考えは持ち合わせてございません。 54: ◯議長(松尾徳晴君) 2番、西川文代議員。  なお、西川文代議員は時間制にて質問いたします。 55: ◯2番(西川文代君)〔登壇〕 皆様、こんにちは。2番、西川文代でございます。  本日は通告どおり時間制で、本定例会初日に市長から発信されました、令和元年度施政方針のはじめと結びにおいて繰り返し示されました、本市のまちづくりの根幹と位置づけされている「協働のまちづくり」推進について一般質問いたします。  前述しましたが、市長は施政方針のはじめにおいては、「春日市の住み良さは、市民と行政の協働のまちづくりに支えられていると考えている。また、春日市のまちづくりの根幹は、市民と行政が協力して働く協働です。元号が平成から令和へと変わり、新たな時代が到来しましたが、あえて私は、平成の時代に取り組んできた協働のまちづくりの歩みを、令和の時代でも着実に進めてまいりたいと考えております」と述べられております。  また、「今年度も本市の将来都市像「住みよさ発見 市民都市かすが」の実現に向けまして、市民の皆様と協働し、手を携えながら市政運営に努めてまいりたい」と、施政方針の結びにおいても述べられ、市民との協働のまちづくりの推進を強調して発信されております。  私としましても、これからの春日市の地方創生には、市長が発信されておられます「協働のまちづくり」推進が必須であり、それをどのような手法で取り組むのか、その方向性を見える化し、市民やさまざまな協働するあらゆる主体と対話を重ねながら目標を共有し、皆が仲よく協力してこそすばらしいものとなる、まさに本市のブランドイメージ「みんなで春をつくろう」を実践することであると確信しております。  さて、私は1期目当選後の初の定例会である6月定例会一般質問において、市長が平成27年度施政方針で発信された、市民協働の流れ促進について質問しております。「人口減少、少子高齢化が今後ますます進むと予想される春日市において、事実、平成30年度には高齢化率は21%を超え、ついに超高齢社会に突入しておりますが、人口は辛うじて微増、今後の施策は人口維持ができる方向での取り組みが急務ですが、いずれにしましても、人口が急激に増加してきた春日市の歴史と、若いまち春日は過去のものであり、心しておかなければいけないのは、自主財源のかなめである市税の減少及び社会福祉関係経費の増加により、財政面で現在の公共サービスが立ち行かなくなることが大変危惧されるところであり、団塊の世代が全て75歳以上の後期高齢者となる2025年以降に向けて、市民を初め、市民団体、NPO、企業などのあらゆる主体と、行政、議会がこの課題を共有化し、課題解決のために一体となって施策を考え、ともに汗をかきながら行動していかなければならないと思う」との見解を述べさせていただいております。  さらに、「春日市には10年間、市民との協働で育んできたコミュニティ・スクールという教育分野における協働の成功事例という財産があり、これからさらに進化していくことは必要ではありますが、この教育分野における市民協働が成功した理由として、学校から協力を願う一方通行の情報伝達ではなく、地域住民や保護者に対して、学校が経営方針を明らかにした上で説明責任を果たし、それを受けて地域住民、保護者、また自治会やPTAを初め、アンビシャス広場、子ども会育成会、読み聞かせボランティアグループなど、子どもの健全育成にかかわるあらゆる組織の代表者が率直な意見を出し合いながら、課題や目標を共有化し、互いの立場を理解し合う中で、自分の役割を認識し、また、相互に補充・補完し合う仕組みであったからと考える。そして、この成功には、成熟した市民の存在があると指摘されている」ことをお伝えしました。  「この春日市が育んだ財産と言える、教育分野における協働、コミュニティ・スクールの手法と成果、また、春日市の人的な財産と言える成熟した市民の存在を踏まえ、2025年度に向けて、あらゆる分野における施策に市民との協働を進めていくことに賛同する」との見解も述べ、個人としての市民にとどまらず、自治会を初め、市民ボランティア団体、さらにはNPOや企業などの事業体との協働のまちづくりを推進していくことを提案いたしました。さらに、「春日市の課題解決のために、ともに働くあらゆる主体の育成と、それを促進する施策の推進を強く願う」との意向もお伝えしたところでした。  それらの私の見解や提案を受け、「進展する少子高齢化にあって生活様式が多様化することにより、これまで直面したことがないさまざまな課題が浮き彫りとなることも今後予想されます。このような大きな変革期であるからこそ、自治会の皆様を初め、さまざまな市民活動団体や企業、関係機関などと十分な意見交換を行い、課題と真摯に向き合い、共有し、そして克服していくことで、今後も引き続き市民協働のまちづくりを推進してまいりたい」との答弁をいただきました。  さらに、自治会や各種市民団体など、今現在、交付金や補助金があり、協働が進んでいる組織との連携、協働の強化にとどまらず、新たな市民や団体、事業体等に主体的にまちづくりにかかわり、あらゆる分野における課題解決をともにしていただくための具体的展望についてお尋ねしましたところ、「多様な主体との協働は、今度さまざまな分野で必要になってくるものと考えている」との見解をいただきました。  そこでまず1点目として、平成27年6月定例会における一般質問後から現在までの4年間の中で、市政のあらゆる分野において、自治会や各種市民団体のみならず、新たな市民や団体、事業体等も含めた協働がどのように進んでいるのか、その進捗状況をお尋ねいたします。  続きまして2点目です。繰り返しにはなりますが、少子高齢化の進展、社会環境の変化を鑑みても、今後ますます協働のまちづくりを推進していくことは必須であり、いかに実効性のある協働を実現していくかが鍵であると私は考えています。  さきに触れましたが、教育分野における春日市の成功事例であり、全国の先進事例となっているコミュニティ・スクールの導入について考えてみましても、時代背景を捉え、教育効果を最大限に上げるために、学校・家庭・地域の資源を活用しながら、また、さらに地域の商工業者の方々とも連携しながら、ともに育てる「共育」を推進する仕組みづくりをしたという経緯があったと思います。  そこで、防災・減災・交通安全などを含めた安全安心のまちづくり、食やスポーツ、特定健診受診率の向上、豊かな居場所や活躍の場所などの創出による健康長寿の取り組みなどの高齢者福祉、もちろん子育て、障がい者の方々への福祉、商工業の振興など、それぞれについての協働が今現在どのようにされているのか、体系化、見える化し、その効果を検証していくことは重要であると考えます。  また、いつまでにどのような手法やプロセスで協働を推進していくのか、協働のあり方、進め方のビジョンを、市民や協働する主体と共有することが必須だと考えますが、このことに関して本市の現在の取り組み状況をお尋ねいたします。  続きまして、最後に3点目です。協働のまちづくりについては、前期に富山県射水市に視察研修してまいりました。こちらでは平成19年度を協働のまちづくり元年と位置づけし、平成20年1月に基本指針策定、平成24年4月に基本指針改訂版を策定し、また、協働のまちづくり推進条例を4月1日から施行していました。  また、福岡県下60市町村に目を向けましても、協働のまちづくりに関する条例を制定している自治体もあり、また、宗像市においてはコミュニティ協働推進課という担当課を設置されています。今後、本市の協働のまちづくりとその推進を考える上で、独自性を生かしながらも、他団体の取り組みを調査研究することは重要と考えますが、協働のまちづくり推進に対する調査研究をこれまでどのようにされているのか、お尋ねいたします。  以上、1回目の質問とさせていただきます。 56: ◯議長(松尾徳晴君) 井上市長。 57: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 西川議員から、協働のまちづくり推進についての御質問でございます。  まず、平成27年6月から現在までの4年間で、市政のあらゆる分野において、新たな市民や団体、事業体等も含めた、協働の進捗状況についてのお尋ねにお答えいたします。  本市ではこれまで、学校・地域・家庭がともに子どもたちを育てる、共育の基盤をつくる仕組みとして、コミュニティ・スクールを導入しました。また、行政と市民の皆様の対話の機会として、出前トーク「市長と語る」や、かすが市民懇話会がスタートし、さらに、各自治会においては広域的な活動が盛んになり、地域課題解決につながる地域の連携が強化され、現在も多くの市民や団体の皆様とともに、協働のまちづくりに取り組んでいるところです。  平成27年6月以降の新たな協働の取り組みの一例としては、春日市プロモーション事業において、市民の皆様とともに市のブランドイメージ「みんなで春をつくろう」を策定し、市の魅力を発信することで協働のまちづくりを推進しています。市内のさまざまな場面で実施されている協働の取り組みを春日市の魅力として市の内外に発信し、情報を共有しながら市の魅力を高めていきたいと考えています。  次に、協働のあり方、進め方のビジョンを、市民や協働する主体と共有することに関する市の取り組み状況についてのお尋ねにお答えいたします。  本市の協働のまちづくり取り組みは、市政のあらゆる場面で、各自治会を初めとする地域団体や市民の皆様と行っており、図書やパンフレット等を活用し、その仕組みについて情報を共有しております。自治会制度改革の変遷や、自治会連合会、各自治会の活動を紹介した図書「協働のまちづくりの礎」もその一例です。今後も引き続き地域の現場に寄り添い、地域団体や市民の皆様とともに課題に向き合い、理解し合いながら、協働のまちづくりを推進してまいります。  次に、協働のまちづくり推進に対する調査研究をこれまでどのようにしているのかとのお尋ねにお答えいたします。  本市の協働のまちづくりは本市独自のものとして、地域の皆様と語り合い、ともに形成してきたものです。今後も本市の協働のまちづくりにおきましては、市民の皆様とともに向き合い、築いていきたいと考えております。 58: ◯議長(松尾徳晴君) 2番、西川文代議員。 59: ◯2番(西川文代君)〔起立〕 2番、西川文代でございます。  1回目の質問に対する御回答ありがとうございました。それでは、これより回答に対する見解を述べ、再質問を順次させていただきます。  まず、あらゆる分野における、新たな市民や団体、事業体等も含めた協働の推進についてです。  率直に申しますと、御回答にありましたコミュニティ・スクールは、春日市が平成27年6月以前から取り組んでいる教育分野における取り組みであり、私も1回目の質問で成功事例として挙げており、多くの市民の皆様も既に承知している内容でございます。  私の質問で期待しましたのは、それ以外の、さきに1回目の質問でも述べましたが、安全安心のまちづくり、高齢者、子育て、障がい者の方々の支援も含めた福祉、商工業の振興などについて、しかもお伝えしておりましたが、平成27年度6月以降に協働が推進した点であり、さらにこれもさきに述べておりますが、市民や自治会や各種市民団体のみならず、新たな団体、事業体も含め、協働が取り組まれた点について答弁をいただきたいと考えておりました。  と申しますのは、これも前述しましたが、平成27年度6月定例会一般質問における答弁において、「多様な主体との協働は、今後さまざまな分野で必要になってくる」との答弁をいただいておりましたので、その必要性を認識された上で、その後の4年間で取り組まれている内容を知りたいと、今回質問をさせていただきました。  少し詳細にお伝えするならば、教育分野における協働であるコミュニティ・スクールで言えば、実働部会があり、一つの例ではありますが、子どもの心や感性を豊かに育てる教育として、小学校であれば全ての学校に、保護者や地域住民をメンバーとする読み聞かせボランティアグループがあり、朝読や、お昼休みの時間に絵本の読み聞かせや紙芝居、手遊びや童歌などをしていただいております。これは教育分野における協働のコミュニティ・スクールの実働の一例ですが、教育分野以外で新たな市民や市民団体、またNPO、企業等も含めて、市政の課題を共有しながら、どのように実働して協働されているのか、それをお尋ねしたところでした。  このような私の質問の趣旨を御理解いただいた上で御回答いただきたく、再度お尋ね申し上げます。 60: ◯議長(松尾徳晴君) 猪口地域生活部長。 61: ◯地域生活部長(猪口 功君)〔登壇〕 西川議員から、協働のまちづくり推進についての再質問でございます。  教育分野以外で、新たな市民や市民団体、またNPO、企業等も含めて、市政の課題を共有しながら、どのように実働として協働ができているのかとのお尋ねにお答えいたします。  本市の協働のまちづくりは、対等なパートナーである自治会との協働が根幹です。そして、この自治会との協働を軸として、市民やボランティア団体等の自主的な活動等へ横に広がり、さらに深く進化している、これが本市の協働のまちづくりの大きな特徴でございます。そして一例として、子育てサロンや地域支え合い活動、そして自主防災組織等がございます。目新しいものを追求するものではなく、本市独自の協働のまちづくりを、着実に、堅実に継続していくことが重要であると認識しております。 62: ◯議長(松尾徳晴君) 2番、西川文代議員。 63: ◯2番(西川文代君)〔起立〕 西川文代でございます。  私も、目新しいものを追求する、それがいいことであるとは思っておりません。やはり着実な継続的な施策というのは重要ということは、私も認識しております。しかしながら、企業とかも時代の流れに従って、着実なものを進めながらも、やはり変化、進化、発展していくということは重要視されるものであると思いますので、やはりこれからの時代、市政もそのような視点を持っていただきたいということを見解として述べさせていただきます。  続きまして、行政のあらゆる分野においてどのような協働がなされているのか、現状を体系化し、見える化し、その評価を検証していくこと、また、協働のあり方、進め方を、市民等の協働する主体と共有することが必要と考えるが、本市の現在の取り組み状況についての回答ですが、図書やパンフレット等を活用し、その仕組みについて情報を共有しているとのことでした。その一例として、自治会との協働に特化した図書「協働のまちづくりの礎」を挙げられました。春日市の自治会を協働の極めて重要なパートナーとして位置づけて取り組んできた協働のまちづくりは、これまでの大きな成果であると私も認識し、大変評価しております。  しかしながら、平成27年度の一般質問のときにも、協働のまちづくりの進化・発展という意味で、新たな市民や市民団体、企業など、あらゆる主体との協働のまちづくりが必要であるとの見解をお伝えし、その必要性を御理解いただいていると解釈できる回答をいただき、期待しておりましたが、先ほどの御回答からは、4年前との取り組みの違いが見えづらいと感じました。  団塊の世代が全て後期高齢者になる約5年後に迫っている2025年問題、春日市人口ビジョン、春日市まち・ひと・しごと創生総合戦略に示される20年後の2040年の状況、つまり令和の時代に入ってからの5年後、10年後、20年後を考えますとき、今までと同じやり方の協働のまちづくりでは、十分対応できないと私は考えているところです。  つまり、協働のまちづくりコミュニティ・スクールという教育分野だけでなく、あらゆる行政分野についても体系化すること、市民や自治会を初め、その他多くの協働する主体と共有できるような見える化が必要である、また、市報や仕組みづくりに関しては令和の時代に対応できるように進化・発展していく必要があると強く感じております。このことに関しての見解をお尋ねいたします。 64: ◯議長(松尾徳晴君) 猪口地域生活部長。 65: ◯地域生活部長(猪口 功君)〔登壇〕 協働のまちづくりをあらゆる行政分野について体系化すること、多くの協働する主体と共有できるように見える化が必要である、手法や仕組みづくりに関して進化・発展していく必要があると考えるが、市の見解はとのお尋ねにお答えいたします。  先ほどお答えいたしましたとおり、本市の協働は、自治会や各種団体の自主的な熱意が大きな原動力となり、ここまで発展してきたものでございます。それらの活動や行政との関係性は一つ一つそれぞれ異なっておりますので、行政が一律に形式的に体系化することやルール化することにはなじみませんし、行政の押しつけによる機運の低下にもつながりかねず、慎重にならざるを得ません。
     繰り返しになりますが、これまで着実に進めてまいりました協働のまちづくりを継続することで、さらに協働の輪を広げていきたいと考えております。  以上でございます。 66: ◯議長(松尾徳晴君) 2番、西川文代議員。 67: ◯2番(西川文代君)〔起立〕 西川文代でございます。  市の思いは十分理解しているつもりですが、私は、市民の立場に立った市民協働であるならば、やはり目的を共有化する必要があるため、見える化などは大切かと考えております。  さて、続きまして質問に移らせていただきます。  平成31年3月定例会の一般質問において、前田議員の議員として最後の質問項目は、地方自治と協働のまちづくりについてでした。この一般質問の中で、「本市における協働のまちづくりを明文化して発信するべきでは」とのお尋ねがあり、「本市が目指す協働のまちづくりについて、今後さらに共有を深めていくためにも、市民や市民団体の皆様にわかりやすい形で明文化し、共有することが必要と考える」との答弁がございました。  3月定例会から統一選挙を経て初めての定例会である本6月定例会ですが、令和元年度の施政方針の中で、繰り返し「協働のまちづくり」を発信されていましたので、私もあえて、令和最初の本定例会の場でお尋ねさせていただいているわけですが、わかりやすい形で明文化する必要性があるとのお考えであることは確認できていますが、どのような形で明文化することを考えておられるのか、お尋ねいたします。 68: ◯議長(松尾徳晴君) 猪口地域生活部長。 69: ◯地域生活部長(猪口 功君)〔登壇〕 協働のまちづくりについて、どのような形で明文化することを考えているのかとのお尋ねにお答えいたします。  本市では、春日市プロモーション事業で市民の皆様との協働の取り組みにより策定しましたブランドイメージ「みんなで春をつくろう」です。そのボディコピーは次のとおりでございます。  「春はスタートの季節です。春は新しいことが始まる季節です。その春の日のまちだから、期待でワクワクするようなまちになろう。よいまちは、誰かがつくってくれるものではなく、市民がつくっていくものです。市民と行政が一つのチームになって、みんなで新しい春をつくる。春とは、みんなに新しいこと、みんなが助かること、みんなが喜ぶこと。暮らしが笑顔になる春を、どんどんつくっていく。みんなで春をつくるから、ずっと住みたいまちになる。みんなで春をつくろう。これからの春日市です」。  本市が考える協働のまちづくりをわかりやすく市民にお伝えするものとして、以上のブランドイメージを発信しているものでございます。 70: ◯議長(松尾徳晴君) 2番、西川文代議員。 71: ◯2番(西川文代君)〔起立〕 西川文代でございます。  私も、このブランドイメージは本当に大好きであります。私も、春の日のような春日市をつくりたいと思いまして議員にならせていただきましたので、本当にうれしく感じております。ただ、やはりこれはブランドイメージですので、具体性にちょっと欠けるかと思っております。これからは、例えばの話ですが、みんなですてきな春日原駅、にぎわいと憩いのある春日原駅周辺をつくろうとか、または、みんなで元気で明るい高齢者が多い春日市をつくろうとか、そういうふうな具体的な春をイメージできるようなものでまた発信していただくと、市民の皆さんもよく理解できるかなというふうに考えておるところでございます。  質問を続けさせていただきます。  1回目の質問でも触れましたが、私は本市の協働のまちづくりを未来に向けて進化・発展させる方向性を見出していくことが必要との考えがあり、1期目に、富山県射水市に協働のまちづくりについての調査を目的に視察研修に行きました。射水市では協働のまちづくり推進条例を制定し、協働のまちづくり基本指針を策定しています。ちょっと時間の関係上もありますが、少し条例のほうを紹介させていただきます。  まず「目的」、第1条。協働によるまちづくりを推進するための基本的事項を定めるとともに、市民、地域振興会、市民活動団体及び事業者(以下、「市民等」という)並びに市の役割を明らかにし、ともに考え、協力し、もって地域の特性を生かした活力ある地域社会の実現を図ることを目的とする。  また、ここに説明がございまして、「この条例は、市民が主役のまちづくりの考えのもと、市民等及び市が役割を分担し、協働のまちづくりを推進していくためのルールや仕組みを定めるものです。市民等と市が一緒になって、地域の特性を生かした活力ある地域社会をつくり、本市が目指す将来都市像「豊かな自然 あふれる笑顔 みんなで創る きららか射水」の実現につなげていきたいと考えています」とあります。  「定義」、第2条。この条例による次の各号における用語の意義は、それぞれの該当各号に定めるところによる。  (1)「市民」。市内に居住する者のほか、市内に通勤、通学する者、事業その他の活動を行う者。  (2)「地域振興会」。地域課題をみずから解決し、地域に合ったまちづくりを実現するために、地域の自治組織等各種団体が連携・協力して設立した組織。  (3)「市民活動団体」。営利を目的とせず自主的に行う不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与することを目的として活動を行う団体。  (4)「事業者」。市内において営利を目的に事業を行う個人または法人。  (5)「まちづくり」。公共的または公益的な活動を通して、住みよい豊かな地域社会をつくるための取り組み。  (6)「協働」。市民等及び市がお互いに、その立場を認め合い、対等の関係で役割分担しながら、連携・協力して公共的または公益的課題に取り組むこと。  このように、用語についてもきちんと定めてあります。用語についてもいろんな意思疎通がしやすいと思います。  また、この説明の中で、(1)「市民」とは、地方自治法第10条に定める「住民」で、市町村の区域内に住所を有する自然人と法人をいいますが、この条例でいう「市民」は、より広く捉え、市外に住んでいる人でも、本市に在学、在勤している人や市民活動等を行うために本市を訪れる人も同じく、協働のパートナーとして含めるものです。  (2)「地域振興会」とは、市内27各地区で単位自治会・町内会を初めとした自治組織を中核として、その地区の女性組織、高齢者組織、青少年組織、福祉組織、スポーツ振興組織、消防団組織等各種団体が連携・協力し、地域づくりをともに行うために設立された組織をいいます。  (3)から(4)はちょっと省略させていただきます。  (5)「まちづくり」とは、道路や上下水道の整備などのようなハード面だけでなく、福祉、環境、産業、教育など全ての分野での公共的な活動をいいます。「公共的または公益的な活動」とは、市が行う活動だけではなく、市民等が主体的に行う公的要素を含んだ活動で「市政」の範囲より広い範囲における市民生活の向上につながる活動をいいます。  「公共」というと行政が実施するものと考えられますが、これからは、市民等が自主的に、または協働してまちづくりを行う時代です。市民等は誰でも「公共の担い手」になれますし、その市民等の力をまちづくりは必要としています。  (6)「協働」とは、市民等同士、もしくは市民等と市が、お互いの特性・立場を理解し、長所を生かしながら協力・行動して市民ニーズを達成していくことです。  以下、第3条には「協働の基本原則」、第4条に「市民の役割」と続き、8条までは市民等とその市のそれぞれの役割を明確にしています。  第9条では「事業の協働化」として、「市民等及び市は、協働で取り組む事業について協働の視点で検証し、協働になじむ事業については、積極的に協働化を推進するものとする」などいろいろ、長いですけれども、このように大変、協働のまちづくりというものを皆が共有化できるような、きちんとした明文化がなされているということは、とてもいいなというふうに私は感じました。  それとまた、第10条では「市の支援」として、「市は、協働によるまちづくりを推進するために、予算の範囲内で助成金の交付等の財政的支援に努めるものとする。  2、市は、まちづくりを担う人材の育成及び活動に対する助言等必要な支援を行うものとする。  3、市は、協働のまちづくりを推進するために必要な活動拠点の整備に努めるものとする。  4、市は、前3項の規定による支援を講ずる場合は、活動を行う者の自主性及び自立性が損なわれないように留意しなければならない」というふうに続いております。  条例の説明はこのくらいにいたしますけれども、私はこの条例を見ましたときに、やはり大変いいなというふうな率直な感想を持ちました。  平成27年度の一般質問でも、また、その他の一般質問においても、自治会や自主防災組織など──先ほども答弁のほうにありました自主防災組織でございます──協働する市民等の育成と支援の重要性と必要性を強くお伝えしたところでありました。まさにこの条例の中にきちんとうたわれていて、感心、感動したところでございました。このようなことから、協働する市民等に安心感を与え、信頼関係を構築することにつながる条例であると私は思いました。  まあ、このくらいに条例の内容はしておきますけれども、この条例を熟読し、解釈してみますと、私が本市の協働のまちづくりを進化・発展させていくべきと考えます方向性や内容の多くが盛り込まれていると判断しているところです。このような条例があれば、本市のまちづくりの根幹としての「協働のまちづくり」が明らかになり、市民等と市で共通認識を持つことができますし、もちろん先ほど述べました「協働」ということについてもわかりやすく明文化することができます。射水市では条例に加え、協働のまちづくりの基本指針もつくられておりました。  いずれにしましても、協働のまちづくりといいますのは、当然ながら多くの協働する市民等とともに行い、効果を上げていくものであるため、やはり市民等や市にとって、条例や指針などで明文化し、共通認識することは必須であると私は考えております。  施政方針でも示されていましたように、「令和の時代も一貫して協働のまちづくりを進めていく」と宣言されていらっしゃるのであればなおさら、先ほどの回答では、「協働のまちづくりについての調査研究については、本市の独自のものとして地域の皆様と語り合い、形成してきたもので、市民の皆様とともに向き合い、築いていきたい」との御回答でしたが、私の「調査研究」と申しましたのは、このように協働のまちづくりについて条例を制定する、あるいは指針をつくり、明文化して、協働のまちづくりを進めている自治体等の調査研究はいかがでしょうかということでした。協働の実働の具体的な内容については、協働する主体である市民等と市が向き合っていくのは当然であると私も考えます。  施政方針の中で市長はこう述べられていらっしゃいます。「あえて私は、平成の時代に取り組んできた協働のまちづくりの歩みを、令和の時代でも着実に進めてまいりたいと考えております」。であるならば、その着実に進めていくために、前田議員の一般質問での回答もありますように、協働についての明文化が必要であると私も強く思います。  そこで、現在まで協働のまちづくりに対する条例や基本指針などについて検討されたことがあるのか、また今後については、条例制定や基本方針をつくることなどについてどのように考えられているのか、お尋ねいたします。 72: ◯議長(松尾徳晴君) 猪口地域生活部長。 73: ◯地域生活部長(猪口 功君)〔登壇〕 現在まで、協働のまちづくりに関する条例や基本方針などについて検討したことがあるのか、また今後について、条例制定や基本方針をつくることについてどのように考えているのかとのお尋ねにお答えをいたします。  それぞれのまちにそれぞれのまちづくりがございます。先ほど御回答いたしましたとおり、本市には本市の特徴がございます。当事者の自由な、自発的な意思、思いが大切であり、市民と行政が知恵を出し合い、汗をかきながらつくり上げているものでございます。条例等を定めることが行政による上から目線の役割分担につながってしまうと、本末転倒でございます。協働は押しつけ合ってはなりません。もちろん、今後一切条例が必要ないということではございませんが、現時点では考えておりません。 74: ◯議長(松尾徳晴君) 2番、西川文代議員。 75: ◯2番(西川文代君)〔起立〕 西川文代でございます。  今まで春日市は本当に協働のまちづくりを着実に進めてきていただいた経緯がございます。それを大事にしながらも、新しい時代になりましたので、まあ、絶対に今後条例をつくらないわけではないということですので、ぜひですね、他の自治体のことも調査研究していただいて、独自性も大事にしながら、新しいほうにも目を向けていただいたらありがたいと思っております。  最後に1点質問をさせていただきます。これも1回目の質問で触れましたが、宗像市のように協働の推進を所管する担当課をつくり、協働のまちづくり推進に取り組んでいる自治体もあります。令和の時代、縦割り行政に横串を刺し、さまざまな行政分野での関係性を俯瞰しながら、横断的な施策を推進していくためにも、また、限られた資源を有効活用しながら、相乗効果のある効率的な行政課題の解決、行政サービスの充実を図るためにも、それをしかも市民等と市の協働で取り組む施策を、包括的、総合的に考える担当部署は必要ではないかと考えております。これに対する見解についてお尋ねいたします。 76: ◯議長(松尾徳晴君) 猪口地域生活部長。 77: ◯地域生活部長(猪口 功君)〔登壇〕 市民等と市の協働で取り組む包括的な施策を考える担当部署が必要であると考えるが、この見解についてのお尋ねにお答えいたします。  現在、自治会の総合窓口として地域づくり課がございます。協働推進担当が協働の旗振り役を担っておりますが、協働の取り組みはさまざまな分野にまたがっており、全ての所管業務の根底に協働が流れているものと考えております。今後ますますその重要性は高まってまいります。それぞれの所管が協働の意識を持って業務に当たっており、それを集約することはできません。また、その必要もないと考えております。  以上でございます。 78: ◯議長(松尾徳晴君) 2番、西川文代議員。 79: ◯2番(西川文代君)〔起立〕 西川文代でございます。  先ほどはちょっと時間の関係上、御説明はしませんでしたが、射水市のほうでは条例のほかに協働のまちづくり基本指針、これの改訂版も条例等の制定とともにつくられていますが、本当にこれを見られたらわかりますが、市民と共有する上で、協働事業のプロセスを図式化されていたり、これに関しては企画段階への参画、事業目的の共有、役割分担と責任の確認、協働事業の実施、また評価、そういうところまでが一目瞭然でわかるようなもの、そういうものもつくられておりました。すごくわかりやすいなと、私はこれを見てわかりやすいと思いました。  また、協働の原則というものがありまして、1)対等の原則、2)自主性・自立化の原則、3)相互理解の原則、4)目的共有の原則、5)情報共有の原則、こういうところもですね、大変これは学識経験者の方と一緒につくられたのかなとは思いますけれども、本当にわかりやすいものだと思っております。  今答弁でいただきましたことも、春日市の独自性、春日市が取り組んできたすばらしさも、私も本当に理解しております。春日市のこれからの地方創生には、市長が発信されております協働のまちづくり推進が絶対に必要でございます。それをどのような手法で取り組むのか、その方向性を今後考えていく、それが私は必要であると思っております。やはりいろんな協働について、意思疎通ができづらい状況になることがあるかと思います。そのためにも、わかりやすい条例や基本指針をつくる、また横串を刺すような、そういう担当部署をつくるということも大事なことであるかなというふうに思っております。  繰り返しにはなりますけれども、本市がまたブランドイメージとして、市民の皆さんのお声のもとにつくりました、この「みんなで春をつくろう」という協働の大きな方向性をもとに、もう少しわかりやすい形、具体的なものを発信していただけたらありがたいですし、それができたときに、また令和の時代も、このすばらしい春日市が次代に引き継がれるものと私は確信しております。  あらゆる分野で取り組む本市の協働のまちづくりは、コミュニティ・スクールの考え方を広げていけばよいということにもなるかと私は思っております。春日市には、成熟した財産としての市民という宝、また地域密着で事業に取り組まれている、地域をこよなく愛する事業、事業主の方々という宝がございます。そのすばらしい宝の存在の潜在的能力を最大限に生かしていくのが、市民力とともに行政の協働のマネジメント力、行政力も問われていると私は考えております。  この春日市の宝である市民等のよさがますますと注目され、輝きを増し、また、協働のまちづくりを実践する主体として、みずからエンパワーメントしていくような仕組みづくりをお願いしたいと思います。その中には、先ほども全否定はされませんでした、条例の制定、基本方針の策定、また横串を刺す協働課の、担当課の設置なども前向きに考えていただきたいとお願い申し上げまして、本日の私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 80: ◯議長(松尾徳晴君) お諮りいたします。  本日の会議はこの程度にとどめ、あす、引き続き一般質問をお受けしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。                〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 81: ◯議長(松尾徳晴君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこの程度にとどめ、あす、引き続き一般質問をお受けいたします。  本日はこれにて延会いたします。お疲れさまでした。                ──── ─ ──── ─ ────                 延会 午後2時38分...