フレイルは70歳を過ぎたころから顕著になると言われています。これまで健康長寿には生活習慣病の予防が重要と言われてきましたが、高齢になればなるほど、生活習慣病の予防だけでは健康を保てないことがわかってきていますので、70代が今後ふえていく中で、今、要介護状態にならず自立状態を維持しながら年を重ねていくには、このフレイルの予防が大事であると注目をされているわけです。
先ほど紹介をいたしました柏市で行われた「柏スタディ」では、しっかりかんで食べ、しっかり運動し、そして社会性をいつまでも高く保つという状態を目指すべきであるという知見が示されております。つまり
フレイル予防としては、栄養、運動、社会参加、この三つの面に対応していく必要があります。
そこで、高齢者層の
フレイル予防について、本市が栄養、運動、社会参加のための施策、主な取り組みと、昨年度の参加人数をお尋ねいたします。
2項目め、SDGsの取り組みについてお尋ねをいたします。
2015年国連で採択された持続可能な開発目標を、「Sustainable Development Goals」という英語の頭文字をとって、SDGsといいます。ここに掲げられた17の目標に向けて、市民の皆様のPRと、市として積極的に取り組む姿勢を示すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
SDGs17の国際目標は、貧困、飢餓、保健、教育、ジェンダー、水・衛生、エネルギー、成長、雇用・イノベーション、不平等、都市、生産・消費、気候変動、海洋資源、陸上資源、平和、実施手段の17の目標に対して、169のターゲット、232の指標を含めて、2015年9月の
国連サミットにおいて全会一致で採択をされております。
特徴として、まず先進国を含め全ての国が行動する普遍性、2点目として、人間の安全保障の理念を反映し、誰一人取り残さない包括性、3点目が、全ての
ステークホルダーが役割という参画型、4点目として、社会、経済、環境に統合的に取り組む統合性、5点目が、定期的にフォローアップする透明性、この5点が掲げられています。
国連広報センターの根本所長の講演では、SDGsをめぐる内外の動向について、「各国政府は国際社会における主導権の獲得、企業は経営戦略としてSDGsの推進、投資家は環境、社会の
ガバナンス投資のリターン、地方自治体は地方の魅力、強みを生かしつつSDGsを推進、そして市民社会においては、SDGsを通じて声を一つに」と示されております。
日本の取り組みは、採択後、総理を本部長、官房長官、外務大臣を副本部長にして、全閣僚を構成員とする推進本部を設置、
SDGsアクションプラン2018実施指針をもとに、主要な取り組みに注力することになっています。
8項目を見てみると、働き方改革や女性の活躍推進、次世代の教育振興、将来に向けた持続可能性の配慮、再エネ、省エネの導入、循環型社会の構築、食品廃棄物、食品ロスの削減、
データヘルス改革の推進など、本市が目指しているまちづくりにあわせて実施できる事案が多く、これからの市の取り組みの中でSDGsのPRができるのではないかと考えたところです。
昨年12月26日には、第1回
ジャパンSDGsアワード表彰として、282の企業、団体が応募した中、自治体として北海道下川町が
内閣総理大臣表彰を受賞、そのほか教育機関や企業が各種の表彰、教育機関では江東区の八名川小学校の取り組みが受賞されました。
内閣総理大臣表彰の下川町は、持続可能な社会、地域社会の実現を目指し、経済面として
森林総合産業の構築、環境面では
地域エネルギー自給の低炭素化、社会面として超
高齢化対応社会創造の取り組みが評価されたもので、人口3,400人、高齢化率39.6%の小さな町で、これらの取り組みの結果、人口増、住民税増が続き、
地域熱自給率16.1%という結果に驚きです。初めに紹介したSDGsの17目標に対して、まちとして
一つ一つ取り組み内容を決めて、
SDGs未来都市計画を定めて実行していくようです。
春日市はこれから
シティプロモーション推進として、市の
ブランドイメージの向上を目指すとしております。また、平成32年度までの第5次春日市総合計画のもとで各事業を実施していますが、少しずつ第6次に向けた検討も視野に入れて市政運営をしていく時期に当たることから、市として積極的に取り組んでいただきたいと考え、質問をいたしました。
また、身近にできる取り組みからのPRも可能です。何か国連で採択というと壮大な目標に思えるでしょうが、
国連広報センターでは、持続可能な社会のための怠け者にもできる
アクションガイドも示しています。
この怠け者にもできる
アクションガイド、レベル1「ソファに寝たままでできること」として、「電気を節約しよう」「印刷はできるだけしない」「
オンライン検索で環境に優しい取り組みをしている企業を見つけ、そういう会社の製品を買おう」などが挙げられています。
レベル2として「家にいてもできること」として、「ドライヤーや乾燥機を使わず、髪の毛や衣服を自然乾燥させよう」「できるだけ簡易包装の品物を買おう」「紙やプラスチック、ガラス、アルミのリサイクルをしよう」、このようなことがたくさん述べられています。
レベル3として「家の外でできること」として、「買い物は地元で。地域の企業を支援すれば雇用が守られる。
長距離トラックの運転も不必要」「わけあり商品を買おう」「詰めかえ可能なボトルや
コーヒーカップを使おう」と挙げられています。
このように身近に取り組める事例をたくさん紹介していることから、ぜひPRから始め、市として積極的に取り組む姿勢を示すべきと考えますが、井上市長の見解をお聞かせください。
次に、この目標4にある「質の高い教育をみんなに」とあります。世界には、環境、貧困、人権、平和、開発といったさまざまな問題がある中、現代社会の課題をみずからの問題として捉え、身近なところから取り組むことにより、それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと、そして、それによって持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動を、各小中学校の取り組みに広げられないでしょうか。教育長の見解をお聞かせください。
3項目め、庁内業務の効率化について質問いたします。
市は、平成23年4月から10年間の春日市第5次
長期総合計画を策定し、まちづくりの将来像の実現を目指し、行政運営を進めていらっしゃいます。将来の人口減少を見据え、持続可能な行財政運営を進めていく取り組みの一つとして、ITを使った事務の効率化が重要と考えますが、市の認識をお伺いいたします。また、これまでどのような取り組みをされてきたのか伺います。
次に、ITを使った事務の効率化という点で、近年、RPAが注目されています。RPAとは「Robotic Process Automation」の英語の頭文字をとった略称です。パソコン操作の一部もしくは全部を
ソフトウエアロボットが自動化するもので、将来の労働人口の減少、長時間労働の是正などから、業務の効率化が至上命題となり、民間企業ではRPAの導入が進んでいます。市ではRPAについてどのような認識を持っていらっしゃいますでしょうか、お尋ねいたします。
以上で1回目の質問を終わります。
4: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。
5: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 高橋議員から、高齢期の虚弱化(フレイル)予防についての御質問でございます。
高齢者層の
フレイル予防について、本市の栄養、運動、社会参加のための施策、主な取り組みと、昨年度の参加人数のお尋ねにお答えいたします。
議員御案内のとおり、このフレイルには、身体機能が衰える「
身体的フレイル」、意欲の低下などから認知機能の低下を招く「
精神的フレイル」、閉じこもりなどから社会的孤立を招く「
社会的フレイル」という三つの側面があります。
このことについて、「春日市
高齢者福祉計画2018・第7期
介護保険事業計画」の策定に際し、要介護・要支援認定を受けていない高齢者を対象とした
アンケート調査を行った結果、スポーツや趣味活動、自治会活動など、何らかの社会参加を行っていない人の割合が24.7%を占めております。これらの高齢者は「
身体的フレイル」とともに、「
精神的フレイル」及び「
社会的フレイル」が生じる危険性が高く、何らかの対応が求められているものと考えています。
議員お尋ねの
フレイル予防の取り組みにつきましては、就業やさまざまな地域活動、文化・
スポーツ活動はもとより、高齢者の日常生活あるいは活動全般にかかわる問題であり、市が実施しているさまざまな事業が結果として高齢者の
フレイル予防につながっていることも少なくないと考えておりますが、ここでは直接
フレイル予防を目的とした市の取り組みについて、平成29年度の状況をお答えさせていただきます。
本市におきましては、要介護や要支援などの状態に至ることを防ぐための介護予防の取り組みに
フレイル予防を包含し、
フレイル段階の進行防止を図るため、高齢者の生活や心身の状況を勘案したさまざまな取り組みを実施しているところです。
まず1点目の「栄養」については、地区公民館で行われる高齢者対象の「ふれあい・いきいきサロン」や「
シニアクラブの定例会」などに栄養士を派遣し、8団体、251人の高齢者に対して、自身の食事と栄養を振り返っていただきながら、たんぱく質を多く含む肉や魚などを初め、さまざまな食材を毎日適切に食べるよう、意識づけと普及啓発を行っております。
また、市が支援している
シニアクラブの
健康づくり事業の中では、料理講習会をいきいきプラザで5回行い、184人が参加しています。
次に、2点目の「運動」については、利用者の体力度などを踏まえた、さまざまなレベルの運動教室を実施しています。
介護予防の拠点であるいきいきプラザでは、体力が低下した高齢者から体力に一定の自信がある高齢者まで、幅広い方を対象とした事業を実施しています。運動機器などを使った
トレーニングや短時間の集団レッスン、6種類の集団教室から成る
健康運動トレーニング事業は、実人数706人、延べ2万2,554人の高齢者が利用しました。特に75歳以上の後期高齢者の参加が毎年大きく伸びており、6年前の約3倍、延べ1万405人の利用があっていることは、
フレイル予防に大きな効果が出ているものと考えています。
また、体力に自信がない高齢者向けの集団教室である「転ばん塾」や「おたっしゃ塾」は、必要に応じて送迎も行っており、実人数43人、延べ990人が利用しています。
総合スポーツセンターでは、体力に自信のある高齢者向けの運動教室を平成29年度から開始し、実人数142人、延べ2,075人に御利用いただきました。アンケート結果によりますと、この教室に参加して初めて
総合スポーツセンターを利用した人が約6割となっており、また、その後、
総合スポーツセンターの
トレーニング室や
フィットネスの利用につながっているケースも少なくないことから、
フレイル予防に向けた高齢者の運動機会の拡大に着実につながっているものと考えています。
なお、
総合スポーツセンターでは、指定管理者がさまざまな水泳教室や
フィットネスの講座を運営しているほか、平日の午前中は、指定管理者の自主事業として高齢者の
トレーニング室の利用料金を半額にしておりますので、今後とも介護予防の運動教室から、自主的な
総合スポーツセンターの利用へとつなげてまいりたいと考えております。
また、「栄養」と同様、「運動」に関しても、地区公民館に運動指導士や理学療法士などの運動・リハビリの専門職を派遣して、運動不足や筋力の低下などを予防するための高齢者向けの講話や実技を行い、延べ2,335人が参加しています。
次に、3点目の「社会参加」につきましては、まずは高齢者の仲間づくりの場である
シニアクラブの活動に、本年3月末で1,850人が参加しています。29の単位クラブ及び
シニアクラブ連合会が、「仲間づくり・
生きがいづくり」はもとより、介護予防・健康づくりや世代間交流、
環境美化活動などに積極的に取り組むことで、地域社会に大きく貢献していただいており、市としても運営や活動の支援に当たっているところです。
また、高齢者の仲間づくりや交流、憩いの場となっている
老人福祉センター「ナギの木苑」では、指定管理者による毎日の体操や
各種サークル活動、
介護予防講座、イベントなどを行っており、60歳以上の利用者が延べ4万2,655人となっています。
最後に、介護予防、
フレイル予防に関連する
ボランティア活動を推進するため、平成29年度から開始した
介護予防ボランティアポイント制度も、一面では高齢者の支える側としての社会参加に寄与するものと考えております。この制度は平成29年10月から開始しており、平成29年度は26地区の高齢者の「通いの場」にかかわる
ボランティアと、市が直接運営している
介護予防事業にかかわる
ボランティアに参加していただいております。最終的に
ボランティアポイントの対象となった方は371人、ポイント数は3,454ポイント、つまり延べ3,454時間分の活動ということになります。
以上の取り組みをさらに進めながら、今後ともフレイルの予防に努めてまいりたいと考えております。
次に、SDGsの取り組みについての御質問でございます。
まずSDGsについて、市民へのPRや、市として積極的に取り組む姿勢を示すべきと考えるが、見解はとのお尋ねにお答えいたします。
まずSDGsとは、議員御紹介のとおり、3年前の9月に
国連サミットにおいて採択されたもので、環境に配慮しつつ、豊かで多様な社会を実現するための持続可能な開発目標として、「世界を変えるための17の目標」が掲げられており、先進国、開発途上国を問わず、行政・企業・市民など全ての関係者が取り組む目標とされているものです。中でも行政である全国の自治体においては、積極的に推進することが重要であると認識しております。
一方で、本年4月に発表されたある民間企業の調査結果によれば、SDGsという言葉の一般認知度は約15%であり、この数字を見てもわかるとおり、まだまだ認知度は高いものではありません。しかしながら、その調査の約70%の回答者が「共感できる」と答えていることから、認知度が向上すれば活動が広がるのではないかと感じております。
現在、SDGsの認知度の向上と理解の促進のため、
国連広報センターや外務省が連携し、広報活動に取り組んでおりますが、「SDGs」あるいは「持続可能な開発目標」というかた苦しく取っつきにくい言葉を広めていくことは、容易なことではありません。本市におけるPRといたしましては、これまでSDGsについてほとんど取り組みを実施しておりませんでしたので、今後はPRできる方法がないか研究させていただきます。
また、市としての
取り組み姿勢といたしましては、SDGsの内容に、
地方自治体レベルで推進できるものや、既に本市で取り組んでいる施策と合致しているものもありますので、各種計画などの策定や改定に当たり、SDGsの要素を反映させるなど、先進地の事例も参考にしてまいりたいと存じます。
なお、持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動を各小中学校に広げられないかとのお尋ねにつきましては、後ほど教育長が回答いたします。
次に、庁内業務の効率化についての御質問でございます。
まず、持続可能な行財政運営を推進する取り組みの一つとして、業務の効率化が重要と考えるが、市の認識はどうかとのお尋ねにお答えいたします。
本市の行財政運営における将来の大きな課題としては、将来の人口減少に伴う税収の減少、ふえ続ける
社会保障関係経費、そして、今後必要となる公共施設等の維持管理費の増加などが挙げられます。このように今後歳入が減る一方、歳出が大きくふえることが予測されますので、議員御指摘のとおり、これまで以上に業務の効率化を図り、限りある行政資源を効果的に活用することが、ますます重要になってくると認識しております。
次に、これまでどのようなITを使った業務効率化の取り組みを行ってきたのかとのお尋ねにお答えいたします。
業務の効率化につきましては、絶えず取り組んでいるところですが、近年の取り組みを2点御紹介します。
1点目は、これまで紙で行っていた職員の休暇と時間外勤務の管理にシステムを導入して、電子申請に変更しました。これにより職員の申請に要する時間を大幅に短縮するとともに、全体の状況把握も容易になりました。
2点目は、職員採用試験における書面での申し込みを、ウエブ上での申し込みに変更しました。それまで書面で届いた申し込みの内容を職員が手作業で入力していましたが、ウエブ上での申し込みに変更することで、その入力作業を削減することができました。
次に、RPAについて市の認識はどうかとのお尋ねにお答えいたします。
これまで人が行ってきたデータ入力などの定型的なパソコン上の作業を、人工知能技術などを活用して自動化するRPAについては、本市も業務効率化の有効な手法として注目をしております。
6: ◯議長(金堂清之君) 山本教育長。
7: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 次に、持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動を各小中学校に広げられないかとのお尋ねにお答えいたします。
教育委員会が推し進めていくものとして、「持続可能な開発のための教育」、つまり持続可能な社会の担い手を育む教育があります。これは議員御案内のとおり、子どもたちが世界中のさまざまな現代社会の課題をみずからの問題として捉え、身近なところから取り組みながら、解決につながる新たな価値観や行動を生み出すための学習や活動のことです。
現行の
小学校学習指導要領では、全教育活動を通して行われる道徳教育の目標の一つに、「環境の保全などの理念は地球的視野で考え、さまざまな課題をみずからの問題として捉え、身近なところから取り組み、社会の持続可能な発展の担い手として個人を育成する」とあります。
また、小中学校の社会科におきましては、「日本人としての自覚を持って国際社会で主体的に生きるとともに、持続可能な社会の実現を目指す」とあります。これを受けて、例えば中学校の教科書、社会科「公民」において、地球規模の課題であります大気汚染や海洋汚染、温室効果ガスによる
地球温暖化等の環境問題が取り上げられ、持続可能な社会の実現に向けての取り組みを国際社会がいかに進めているのかを学習することとしております。
また、平成29年3月に告示されました小中学校の新しい
学習指導要領の総則において、「一人一人が自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながらさまざまな社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会のつくり手となることができるようにすることが求められる」とあります。続けて、「このために必要な教育のあり方を具体化するのが、各学校において教育の内容等を組織的かつ計画的に組み立てた教育課程である」とされています。まさにSDGsの理念の一つである「持続可能な社会の担い手をつくる教育」が、新しい
学習指導要領全体の基盤の中に位置づけられていると理解しているところです。
8: ◯議長(金堂清之君) 19番、
高橋裕子議員。
9: ◯19番(高橋裕子君)〔起立〕 19番、高橋裕子です。御回答ありがとうございました。
それでは、
フレイル予防について再質問させていただきます。
フレイル予防については、栄養、運動、社会参加の面からお聞かせいただきました。本市におかれましては、数多く取り組んでいただいていることに改めて感謝申し上げます。
まず栄養についてですが、高齢になると食欲が落ちたり、かむ力や飲み込む力が衰えたりして低栄養になりがちです。しっかりと栄養をとることを心がけることが大事です。
生活習慣病予防では、太らないように腹八分目がいいなどと言われますけれども、今回のこの
フレイル予防に関しましては、しっかり食べることが重要です。
特に高齢者は筋肉量の減少が心配なので、筋肉のもととなる良質なたんぱく質を、若い人たち以上にとる必要があります。目安は体重1キログラム当たり1グラム、例えば60キログラムの体重の方でしたら60グラムのたんぱく質を、毎日食事からとることが望ましいとされております。元気な高齢者の方はよくお肉を食べると聞きますけれども、これがまさにですね、元気になるということとも言えると思います。今回紹介していただいたイベントなどに参加され、指導のとおりに食事に心がけると、フレイルの予防につながることになると思います。
次に運動についてですが、筋肉は使わないとどんどん衰えていきますから、毎日意識して体を動かすことが大切です。自分にできそうな簡単な筋トレを取り入れることも筋力維持につながります。運動についての取り組みを伺いましたが、体力が低下した高齢者から体力に一定自信がある高齢者まで、幅広い方を対象とした事業の実施は大変ありがたいものです。
特に
総合スポーツセンターで行われる高齢者向けの運動教室の利用者増は、運動の継続性から見ても効果が高いようです。平日午前中の利用料が高齢者は半額という自主事業も、ありがたい取り組みであると思います。
また、地区公民館に運動・リハビリの専門家が出向いての取り組みも、身近な集いの場で多くの方が取り組めるよう、今後も期待をしたいと思います。
最後に社会参加ですが、先ほどのSDGsにもございますけれども、国際的、国内的に見ても、地域で支え合いをしていく、それが地域のためのみならず、助けられる側も助けている側もともに心に豊かさをつくり、自身の健康維持につながることができる取り組みであると感じた次第です。
今いろいろと御回答いただきました内容は、本当に細かく市が取り組んでいただいていることがよく確認できました。本当にありがとうございます。
でも、自分のフレイルに早く気づいて、そして適切な対応をとるということはいかがでしょうか。東京大学
高齢社会総合研究機構の神谷教授は、「40から75歳、主に40から60歳の現役を対象とした生活習慣病の診断基準はあるのに、75歳以上が今後急激にふえていくのに、その世代の予防基準がありません。市民に行動変容を促すには、まず基準を設けて、自分事化していくことが必要です」と言われています。もっともな指摘であります。
身体の機能の低下をおくらせたり、健康な状態に戻したりできる効果というのは、早く気づいて適切な対応をするということで効果を上げていくわけでございます。東京大学
高齢社会総合研究機構が考案、推奨しているフレイルサポーター、そしてフレイルチェックというものがありますので、御紹介させていただきます。
フレイルチェックというものは、誰にでもわかりやすい簡易評価表です。例えばふくらはぎあたりを自分の指で囲み、細いか太いかということをチェックする「指輪っかテスト」とか、また、11項目の質問からフレイルやサルコペニア、これは全身の筋力低下のことでございますが、このリスクを調べる「イレブン・チェック」、また滑舌や握力、四肢の骨格筋量などの測定があります。
これらのチェックを誰が担うのか。それがフレイルサポーターの方々です。このフレイルサポーターという方は、まず勉強し、養成講座を受講して認定を受けた方で、高齢者自身そのものです。市民による市民のためのフレイルチェックをしていくのです。健康意識の高い人だけではなく、地域のさまざまな高齢者が、自由に、身近に、気軽に参加でき、そこには同じ高齢者のサポーターがフレイルチェックの説明を行い、その結果についてアドバイスをし、「前よりよくなったね」とか、「さぼってはいかんね」とか、「また来てね」とおせっかいを焼くような、地域サロンのような場所、そうした場所を自主的につくってもらうというものです。
先ほど、本市で取り組まれておられると御紹介いただきました高齢者の通いの場も、そういった場所にぴったりだと思います。そうしたおせっかいを焼くようなフレイルサポーター、高齢者自身が市民による市民のためのフレイルサポーター、こうしたものを市でも養成してはどうでしょうか、見解をお伺いいたします。
10: ◯議長(金堂清之君) 佐々木健康推進部長。
11: ◯健康推進部長(佐々木康広君)〔登壇〕 高齢者自身が市民による市民のためのフレイルサポーターとなる、こうしたものを市でも養成してはどうかとのお尋ねにお答えいたします。
身体機能の低下をおくらせたり健康な状態に戻すためには、本人が早目に気づき、適切な対応をすることが効果的であるということは、議員御案内のとおりと考えております。その気づきのためのツールの一つであるフレイルチェックでございますが、本市におきましても、いきいきプラザで行っております高齢者運動教室などにおいて、フレイルチェックの簡易評価表の一部を取り入れながら、
介護予防事業を実施しているところでございます。
議員御案内のフレイルサポーターにつきましては、その趣旨から言えば、本市が育成、支援している介護予防
ボランティアが、まさにこれに当たるものと考えております。本市におきましては、主に体力が低下した高齢者向けの集団運動教室などのサポーターとして運動
ボランティアを養成しており、平成30年3月末現在、52人が登録をされております。運動
ボランティアの方々には、平成29年度において延べ1,534回の活動を通して、利用者が安全かつ楽しめる教室運営の補助や温かい声かけなどを行い、介護予防、
フレイル予防を後押ししていただいております。
また、
老人福祉センターナギの木苑においても、センター内で活動するはつらつ
ボランティアの養成を行っており、平成30年3月末現在、36人の登録をしていただいております。はつらつ
ボランティアの方々には、ナギの木苑内での毎日のロコモ予防体操、口腔機能向上のためのお口の体操などの指導のサポートや、ものづくり講座などの企画・実施など、楽しく無理なく継続できる、自分に合ったサポートをしていただき、平成29年度は延べ355回に及ぶ活動で、施設利用者の介護予防、
フレイル予防の取り組みの一助となっていただいております。
さらに地域におきましても、「ふれあいいきいきサロン」やカフェなどの通いの場の運営に、さまざまな形で福祉委員や
ボランティアの方々に御活躍をいただいており、市といたしましても、講師の派遣や
介護予防ボランティアポイント制度などにより支援をさせていただいております。これらの
ボランティア活動は、参加をしている本人自身にとっても、社会参加という形で
フレイル予防につながっているものと考えております。
このような本市の取り組みは、基本的には議員御案内のフレイルサポーターの育成を含めた
フレイル予防推進の目指す方向と同じものではないかというふうに考えております。今後このような春日市の介護予防
ボランティア活動の中で、フレイルチェックの説明やアドバイスなどのスキルを備えた人材を養成し、普及啓発を推進していくことができるかどうかにつきましては、人材確保などの課題があるとは思いますが、貴重な御提案をいただいたものと受けとめております。今後の取り組みの中で参考にさせていただきたいと考えております。
12: ◯議長(金堂清之君) 19番、
高橋裕子議員。
13: ◯19番(高橋裕子君)〔起立〕 19番、高橋裕子です。御回答ありがとうございました。
それでは、
フレイル予防について再々質問いたします。
本市が行うさまざまな事業の内容は、基本的には
フレイル予防推進の目指す方向と同じものではないかということでございました。
春日市
高齢者福祉計画2018・第7期
介護保険事業計画では、今後の高齢者の人口の推計が示されております。そこには、「75歳以上の後期高齢者数が、65歳から74歳の前期高齢者数を上回る形で増加していく」と、また、「団塊の世代が全て後期高齢者となる2025年度においては、2017年度と比較し、後期高齢者数が4,000人程度増加し、市の高齢化が今後8年間で大きく進行していくことが見込まれる」とあります。したがって、徐々に生活機能が低下するフレイルを少しでもおくらせ、健康寿命の延伸を図っていくことは喫緊の課題であると思います。
高血圧や高脂血症、糖尿病のお薬は、重症化予防に高い効果を発揮いたしますが、高齢の方で歩くことが遅くなった、階段を上るのがつらいといったときに、お薬は役に立ちません。お口がしっかりしていないと、栄養も十分にとることができません。
社会参加も課題です。先ほど前出の「柏スタディ」でわかったことなんですけれども、この社会参加に関してなんですけれども、身体運動に加えて、文化活動とか
ボランティア、地域活動をされている人は、フレイルに対してリスクが最も低いという調査結果が出ました。もう一つ注目したいのは、運動習慣なしで文化や
ボランティアなどの地域活動があるという人たちのほうが、運動習慣ありで他の活動をしていないという方に比べて、フレイルになるリスクが低いという結果があるんですね。やはりいろんな活動の中で、文化活動、社会活動というものが一番フレイルになるリスクが低いという結果でございます。
ともかく、少しでもその兆候が出始めたら、自分事として捉え、地域ぐるみの運動として皆が参加し、予防に取り組めることが重要です。しかし、介護予防や健康増進に向けた活動は、健康に関心がある人は参加してもらえるけれども、本当に参加してもらいたい人、いわゆる健康に関心の余りない方には、なかなか参加してもらえません。
フレイル予防も同じことが言えると思います。
また、市の事業は、地域包括支援センター、社会福祉協議会への委託など、関係部署が多岐にわたって、それぞれ独自に健康づくりに向けた事業がなされていますが、組織が縦割りになっているため、横の連携をとることが難しいという課題があろうかと思います。したがって、より早期からの栄養、運動、社会参加の三位一体のアプローチにより、人生100年時代へ高齢者が健康で生き生きと暮らせるためのハード・ソフト合わせた指針の策定が必要であると考えますことから、「(仮称)春日市人生いきいき100年構想」の策定を提案したいと存じます。
この構想をもとに、フレイルチェックで縦割り組織を横につなぎ、具体的には高齢者健診の特定健診項目に、生活機能評価項目、これは低栄養とか、休まずに歩ける距離、歩く速度とか、片足立ち、人とのつながりなどを追加することや、健康づくり応援手帳のようなものを活用し、
ボランティアの方とともにフレイルチェックを行う、また、高齢者の就労と学びの場の提供など、そのほか官・民・地域連携で
フレイル予防に取り組むことで、活力ある本市の長寿社会実現がかなうものと思います。本市の
ブランドイメージ「みんなで春をつくろう」にもかなった取り組みになろうかと存じますが、井上市長の御見解をお尋ねいたします。
14: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。
15: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 人生100年時代へ、高齢者が健康でいきいきと暮らせるためのハード・ソフトを合わせた指針、「春日市人生いきいき100年構想」の策定についての見解はとのお尋ねにお答えいたします。
人生100年時代に向けて、高齢者の
フレイル予防に力を入れ、健康寿命の延伸を図っていくことが喫緊の課題であるということは、私も議員と全く同じ考えでございます。
各地区の出前トークの中で私が必ず話をさせていただくことは、戦後の人口構造の変化をお示ししながら、要介護者など支援を要する高齢者の方々を地域全体で支えていくこととあわせて、できるだけ多くの皆様に、健康寿命を延ばしてみずから「支える側」に回っていただくこと、そのために介護予防や健康づくりの取り組みに一層力を入れていくことでございます。そして、これまでコミュニティ・スクールの推進などによってしっかりと根づき、培われてきた地域の力を生かしていただいて、みんなで支え合い、誰もが安心して暮らし続けることができる地域社会をつくっていくことでございます。
これからの超少子高齢社会、人生100年時代を、本当に「成熟した社会」「幸福な社会」にしていくためには、市民の力、地域の力がますます必要になってまいります。このような「協働のまちづくり」は、行政がリードしてかけ声をかけてやってみても、なかなか長く続くものではないと思います。息の長い取り組みにはなりますが、地域の主体的な力の高まりを、行政としてしっかりとサポートしながら、「みんなで力を合わせて、一緒に住みやすいまちづくりを進めていきましょう」ということが、「みんなで春をつくろう」という取り組みでございます。そして、夏祭りや世代間交流を初め、各自治会で取り組んでいただいておりますさまざまな行事に、子どもから高齢者まで多くの御参加をいただくことが、結果として地域の支え合いや「
フレイル予防」につながっていくものと考えております。
このような状況の中、本市が進めております
介護予防事業につきましては、
介護予防ボランティアポイント制度の導入などにより、サポーターとなる介護予防
ボランティアや地域の
ボランティアの皆様の主体的な取り組み、そして既に地域で取り組まれていることをできるだけ尊重し、生かしながら、裾野を広げて健康寿命の延伸につなげていこうとするものであります。これは議員御案内の
フレイル予防推進の取り組みと同じ目的、同じ方向で、春日市の実情を踏まえながら進めているものでございます。
「春日市人生いきいき100年構想」につきましては、大変スケールの大きな提案と受けとめております。この場で直ちに策定するかどうかという判断は難しいところでありますが、議員から御提案いただきました「フレイルチェック」など、
フレイル予防の具体的な施策については、その趣旨も含め、市が実施する事業の中で工夫していくことができないか、検討を進めてまいりたいと考えております。
16: ◯議長(金堂清之君) 19番、
高橋裕子議員。
17: ◯19番(高橋裕子君)〔起立〕 市長、御回答ありがとうございました。
それでは、SDGsの取り組みについて、再質問は要望とし、回答は不要です。
SDGsの取り組みについて、春日市はラグビーワールドカップ2019の2カ国のキャンプ地に決定いたしました。このことも、スポーツを通じて多くの市民が世界を身近に感じるきっかけになると思うわけでございます。
先ほどの「怠け者」だけ広げてもいかがなものかなと思うのですが、私も「怠け者」のプロダクションを示される前は、すごく壮大な目標で、なかなか遠い目標なのだという、自分で考え込んでいたところがあるんです。でも、そんなことはないのだなと。やっていることを一つ一つ確認すれば、それがSDGsにつながっていくということが自分でもすごく理解ができて、家庭でもできるのだと。では市だってできるのではないか、学校でもできるのではないかと思い、今回質問いたしました。
外務省のツイッターで、このSDGsについていろいろな情報が日々送られてきます。例えば宅配便、「ちゃんと受け取る時間には家にいましょう」とか、「再配達するとどのくらいのCO2がかかるか」など、そういうところから意識を変えていくという、できることから進められると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
また、SDGsという言葉を使っていただきながら、これは国際的な目標になっていますので、どうかいろいろなところでですね、PRをしていただきたいというふうに思っております。できるところからぜひお願いしたいと思います。これは要望といたします。
それから、教育長から、持続可能な開発のための教育について、「今回の
学習指導要領の改訂で、持続可能な社会のつくり手の育成が明記され、SDGsの理念である、持続可能な社会の担い手をつくる教育がしっかりと組み込まれていると理解している」とおっしゃいました。どうしても私たち大人というのは、大量消費、大量廃棄をしてきた世代ですから、なかなかその癖がですね、抜けないという一面がございます。これから育つ子どもたちには大いに期待をしたいというふうに思います。どうか教育の面で進めていただきたいというふうに思いますので、これも要望といたします。
以上で、この項目の再質問は終わります。
続きまして、庁内業務の効率化についての再質問をいたします。
これに関しては重要であるという御認識、またITを使った事務の効率化については、時間外申請を紙ベースから電子申請への切りかえや、職員採用時におけるウエブ上の申し込みによる入力作業、これの省略ということで、行政及び庶務事務の省力化が図られておられるという御回答でございました。
そして、RPAに関しては注目しておられるというお答えでございました。このRPAは、複数のアプリケーション、ブラウザやクラウドなどを横断的に操作をさせることができるということで、その強みは、24時間365日働き続けることができる、やめることがない、正確に操作処理ができるということで、自治体においても試行的導入、また導入を検討する動きが進み出していると認識しております。
自治体におけるRPAの導入事例などについて調べたことはございますでしょうか、お尋ねいたします。
次に、春日市における導入の可能性はありますでしょうか。
以上2点をお尋ねし、再質問といたします。
18: ◯議長(金堂清之君) 石橋経営企画部長。
19: ◯経営企画部長(石橋 徹君)〔登壇〕 自治体におけるRPAの導入事例などについて、調べたことがあるかとのお尋ねにお答えいたします。
茨城県つくば市における個人住民税関係のデータ登録業務への導入、熊本県宇城市におけるふるさと納税事務への実証実験、宗像市における農地データ入力作業への導入など、全国の自治体における導入への動きについては、日常的な情報収集の中で把握してはおりますが、本格的な調査までは至っておりません。
続いて、春日市における導入の可能性はあるかとのお尋ねにお答えいたします。
業務の効率化につながるのであれば、導入の可能性はございます。本市にRPAを導入可能かどうか、他自治体の事例を参考にしつつ、今後研究をしていきたいと考えております。
以上です。
20: ◯議長(金堂清之君) 19番、
高橋裕子議員。
21: ◯19番(高橋裕子君)〔起立〕 19番、高橋裕子です。御回答ありがとうございました。
庁内業務の効率化について、再々質問は要望といたしますので、御回答は結構です。
RPAの導入事例をお伺いし、先進的な自治体では幾つかの業務をピックアップして試行導入し、可能性をその後広げていくお考えなのだろうというふうに受けとめました。今後、基幹系システムや業務システムの中では、自動化や効率化が図られていくものと思います。
RPAやAI(人工知能)の活用など、本市における行政改革の取り組みが進めば、職員の業務負担の軽減につながり、その分、職員でなければできない市民サービスの充実へ時間を割くことができると思いますことから、積極的に研究をしていただきますように要望いたしまして、私の一般質問を終わります。
22: ◯議長(金堂清之君) 1番、吉居恭子議員。
なお、吉居議員は回数制にて質問いたします。
23: ◯1番(吉居恭子君)〔登壇〕 1番、日本共産党、吉居恭子です。
私は通告に従い、回数制で、子どもの立場に立った子育て支援について質問を行います。
2014年に「子供の貧困対策に関する大綱」が策定され、4年がたちました。この間、本市でも子ども食堂が各地につくられるなど変化がありましたが、いまだに子どもたちの生活の実態、子どもの貧困の実態は見えないままです。平成28年6月議会以降、私もこの問題について質問させていただきましたが、実際、市や教育委員会は、子どものいる世帯の貧困の問題をどう捉えておられるのか、子どもの生活の実態調査をするつもりはあるのか、あればその進捗状況をお尋ねします。
次に、「楽しく学べる学校にするために」の質問をします。
今般、不登校の問題は、大人にとってとても難しい宿題とも言えるものです。8月の教育長出前トークで不登校問題を取り上げた中学校があり、傍聴させていただきましたが、一人一人の子どもの状況を多面的に分析し、支援の方法を模索、学校全体のものとして取り組まれ、その成果も徐々にあらわれていることを知りました。状況によっては、学校に行くことだけを最終目標にしないという選択もあるかもしれませんが、子どもが楽しく学校に行けるようにするために、子どもにとっての負担を軽減していくのは大事なことだと思います。
幸い本市では、全ての小中学校にエアコンが設置され、災害とも言うべき猛暑に負けず学習する環境が整備されました。本当によかったと思っています。ありがとうございます。
さて、通学する子どもの苦労の一つに、ランドセルなどで運ぶ教科書や勉強道具の多さと重さがあります。ランドセルだけでも5キロ前後になるそうです。小柄な子どもにとって5キロのランドセルは、肩にのしかかり、姿勢を変えてしまい、子どもの成長にとって有害であると、医学界からも問題視されているところです。肩こりや腰痛で整体に行く小学生がいると報道されていました。
一定期間しか使わない数のおけいこ道具や大工道具などは、経済面や省資源の意味も含め、お母さんたちの運動で学校備品になったものもありますが、まだまだ個人の持ち物は多くあります。文科省が9月6日、県教育委員会に、「宿題など家庭学習に使わないものは学校に置くように」との通達があったとのことですが、早速改善しようというお考えはおありでしょうか。
次に、子どもの居場所づくりについてお尋ねします。
春日市には、放課後児童クラブや児童センターなど、家庭でも学校でもない、第3の子どもの居場所が多くあります。放課後児童クラブには、年間を通して、各小学校合わせて1,000人を超す子どもが通い、夏休みなど長期休業日では1,500人もの子どもたちが、保護者が仕事から帰るまでの一日を、宿題をしたり遊んだりしながら兄弟のように過ごしています。また、四つの児童センターは、年間延べ12万8,000人、幼児の母親を入れると14万4,000人の子どもたちが利用し、放課後や休日を楽しく豊かに過ごしています。
各地区の子ども会育成会、アンビシャス広場、コミュニティ・スクールなど、それぞれが独自の活動を行い、自治会の季節行事には子どもたちの役割、出番があるというほど、子どもたちは地域との良好なつながりを持っています。地域の子どもと大人が一緒に野菜を植え、収穫を楽しむふれあい農園、公民館の寺子屋、地域の人々が立ち上げた子ども食堂など、手づくりの子どもの居場所も数多くあります。
学校施設以外のこうした居場所は、
ボランティア活動や地域の人々の寄附などで支えられていることが多く、設備面や会場費などで継続が難しいところもあります。必要なところには市として支援をしていただけないかと思いますが、いかがでしょうか。
最後に、子どもの悩みや困り事の相談窓口です。
子どもは、親や先生など身近な人に、簡単には悩み事や困り事を打ち明けないことがあります。しかし、不登校、いじめ、子どもの自殺等を目の当たりにすると、もっと早く話してくれていたらと思います。親や先生ではない第三者に心を打ち明けられるような相談場所が必要と思いますが、そうしたところはありますか。あれば、相談件数やその状況などを教えてください。
以上、1回目の質問とします。
24: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。
25: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 吉居議員から、子どもの立場に立った子育て支援についての御質問でございます。
まず、子どものいる世帯の貧困の問題をどう捉えているのか、子どもの生活の実態調査をするつもりはあるのか、あるとすればその進捗状況はどうなっているのかとのお尋ねにお答えいたします。
子どもの貧困につきましては、さきの平成28年6月定例会でも答弁いたしましたとおり、貧困の定義に基づく、子どものいる世帯の収入状況の指標のみならず、当該子どもの心と体の健康の程度、社会的孤立の有無など総合的に見据える必要がございます。また、生活の実態を的確に把握するためには、調査サンプルの抽出方法やアンケート票の設計を適切に行う必要もございます。
しかしながら、県内でこの調査を実施した自治体は、昨年度で2割程度、全国的にも同程度で、参考となるような事例がようやく散見されるようになってきた段階であります。また、国においては昨年度、子ども貧困対策の指標に関し、生育環境を重視する観点から8項目を追加するなど、新たな変化も生じています。したがいまして、子どものいる世帯の生活の実態調査につきましては、いましばらくお時間をいただき、その把握のための効果的な手法について研究を続けてまいりたいと考えております。
次に、子どもの居場所づくりについてのお尋ねにお答えいたします。
子どもの居場所につきましては、議員御案内のとおり、本市には四つの児童センターと12の小学校に18の放課後児童クラブがございます。児童センターは、地域の友だちづくり、異年齢集団の中での関係づくりの場として、さらに児童厚生員が子どもたちの悩みや相談に応じる場として機能し、子どもたちのかけがえのない居場所となっております。
また、放課後児童クラブにつきましても、昼間、保護者が家庭にいない小学生に対して、適切な遊びと生活の場を与え、その健全な育成を図るとともに、放課後児童支援員が子どもたちの悩みなどに対応し、保護者や小学校に適切につないでおります。そのほか、地域の公民館や学校を活用し、放課後子ども教室、いわゆるアンビシャス広場を実施しており、これも子どもの居場所づくりとして機能していると考えております。
本市が直接に、または委託などによりかかわっているもの以外の主な子どもの居場所につきましては、市民有志の取り組みである五つの子ども食堂、「ぶどうの庭」で行われている「子育てサロンゆい」、児童センターの指定管理者が中高生の居場所づくりとして独自で実施する「ひまわり教室」、春日公園の指定管理者が開設した「春日公園パークステーション」などがございます。
これらは市民や法人の善意による共助、あるいは指定管理者がその創意工夫により実施する事業であり、本市といたしましては、広く複数の市民の公益的な活動を対象に、一定の要件のもと1回限りで助成を行う「市民活動活性化事業補助金」以外に、それぞれの個別の取り組みに継続して財政的な支援をする考えは現在のところ持っておりません。市といたしましては、まずは県の社会福祉協議会や共同募金会等による助成制度の紹介を初め、有用な情報の提供などにより、側面的な支援に努めてまいりたいと考えております。
次に、子どもの悩み相談窓口についてのお尋ねにお答えいたします。
子どもが親や先生など以外の第三者に心を打ち明けることができるような相談場所といたしましては、春日市子ども・子育て相談センターがございます。同センターは制度上、子ども・子育てに関する総合相談窓口である子育て世代包括支援センターに当たるもので、平成28年度からいきいきプラザ内に設置し、運営しております。
センターでは保護者等、大人からだけでなく、児童本人からの相談についても、電話、メール、直接来所のいずれかで受け付けております。昨年度の実績といたしましては、友人関係の悩みなど、児童本人からの相談が延べ24件あり、メールなどの相談に助言を行っております。
なお、教育委員会へのお尋ねにつきましては教育長が回答いたします。
26: ◯議長(金堂清之君) 山本教育長。
27: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 次に、市教育委員会として、子どものいる世帯の貧困の問題をどう捉えているのか、子どもの生活実態調査をするつもりがあるのかとのお尋ねにお答えいたします。
全ての自治体において、公教育としての義務教育の機会均等等を図るため、経済的な援助制度であります就学援助や特別支援教育就学奨励費など財政的支援を講じることは、国や地方自治体としての責務と捉えており、本市教育委員会におきましても、当然のことながら思いを同じくするものであります。
なお、本市では就学援助制度をより充実させるため、吉居議員を初め多くの議員の皆様の御意見を参考にさせていただきながら、新入学児童生徒学用品費を、平成30年度の小中学校入学対象児童分から、入学前に支給できるよう見直しを行ったところであります。
なお、子どもの実態調査の実施につきましては、教育委員会としてその考えは持っておりません。学校では常日ごろから子どもの様子を、朝の健康観察や授業、給食時の様子など、日々の学校生活の中で多くの先生の目を通して観察しており、何か気になる様子が見られた場合には、子どもからの聞き取りや校内の関係者協議、保護者への連絡等を踏まえ、適切な支援や対応を図るようにしております。教育委員会としましても、福祉や医療等の関係機関との連携や情報提供を図るなど、子どもや学校に対する支援に努めているところです。
次に、ランドセルの重さなどについて、文部科学省の通知を受け、改善してみてはとのお尋ねにお答えいたします。
議員御案内のとおり、文部科学省からランドセルの重さについて、全国の教育委員会に対し先日通知が出されました。現在、本市の小学校においては12校のうち10校が、教室の後方にある区分された棚を活用するなど、ふだん使わない教科書や資料集などを教室内に置いて帰ることを認めております。また、残りの2校につきましては検討を始めております。教育委員会として、文部科学省からの通知をもとに校長会等に諮りながら、望ましいあり方について検討していく所存であります。
次に、子どもの居場所についてのお尋ねでございますが、春日市教育委員会としての見解を冒頭に述べさせていただきます。
子どもにとっての居場所は、学校や家庭や地域等にあるもので、一つは安らげるほっとする場所、二つ目は生き生きと過ごせる場所、三つ目は自分の存在を実感できる場所であると考えております。子どもたちには生きる力を育てていくという観点からは、発達段階に応じて居場所は子どもたちが「みずから見つけ、つくり出していくような場」となってほしいと願っております。
地域での事例を挙げますと、コミュニティ・スクールの充実につれてよく見かけるようになりました、中学生の地域行事における地域貢献活動、つまり
ボランティア活動は、3番目の「自分の存在を実感できる居場所」ではないかと思います。これは、みずから見つけつくり出す典型的な居場所の事例ではなかろうかと思います。また、放課後子供教室、通称アンビシャス広場での各種活動は、2番目の「生き生きと過ごせる居場所」であると思います。子ども食堂では、子どもたちと高齢者との触れ合いの場、これは1番目の「安らげるほっとする場所」となっていると考えております。これらの居場所は地域の人たちの創意と力でつくり出されたもので、まさに、共に育てる市民の力による「共育」基盤づくり・協働のまちづくりにつながっている一つの姿ではないかと考えております。
次に、親や先生ではない第三者に心を打ち明けられるような相談場所はあるか、また、相談件数やその状況などはどうかとのお尋ねにお答えいたします。
教育委員会では学校での身近な相談者として、例えば医療的・心理的なアプローチを専門とされているスクールカウンセラー、福祉的なアプローチを専門とされているスクールソーシャルワーカー、また、家庭訪問、校内での支援体制の構築や、校内適応指導教室、通称「スマイルルーム」の運営などを担う不登校専任教員、また、本年度から新たに登校支援や保護者の困り感の解消、学力の補充などを担う教育相談員を6人配置するなど、相談体制の充実に努めております。
加えまして、これは日本全国の児童生徒ですが、児童生徒全員に対し、全国的に進められている「子どもホットライン24」、「いのちの電話」の電話番号が記載されたカードを配布し、24時間対応可能な相談先の情報も伝えております。
昨年度の活用状況ですが、平成30年2月末までの実績として、相談や対応等でスクールカウンセラーがかかわった件数は延べ390件、スクールソーシャルワーカーがかかわった件数は延べ345件、不登校専任教員がかかわった件数は延べ208件であり、児童生徒のみならず保護者からの相談にもきめ細かに対応しているところです。
28: ◯議長(金堂清之君) 1番、吉居恭子議員。
29: ◯1番(吉居恭子君)〔起立〕 1番、日本共産党、吉居恭子です。
子どもの立場に立った子育て支援について、再質問を行います。
子どもの生活の実態調査について、教育委員会からは、先生方が学校で常日ごろから子どもの様子を観察しているから、改めて調査をする考えはないとの回答でした。しかし教師の仕事の第一は、子どもたちの学びを保障することです。子どもの様子で気づくことがあるとはいえ、多忙な先生方に子どもの生活の実態まで把握することを求めるのは、無理があるのではないかと思います。
「平成29年度地域における子供の貧困対策の実施状況及び実施体制に関する実態把握・検証 自治体向け
アンケート調査」の結果の概要によると、県内での実施率は確かに低いのですが、全自治体で言えば、その55%が子どもの生活の独自調査を行っています。実施していない自治体でも、その54.4%が「必要性を感じている」と答えています。実態調査の成果として、「新たなニーズの発見」39.8%、「既存事業を見直した」35%、「新規事業の立ち上げ」29%などがありました。また、「新たに支援を必要とする子どもや家庭の発見につながった」「調査結果の公表で、地域における子どもの貧困対策への理解が深まった」という成果もありました。
2016年には、内閣府が「地域子供の未来応援交付金」を創設し、子どもの貧困対策計画策定に係る4分の3、225万円以内を補助するようになり、多くの自治体で近隣の大学との共同研究という形で行われています。
ある自治体では東京都足立区に調査票を提供してもらい実施、ある自治体は子ども世帯だけでなく、教員、保育士、民生委員にどんな支援が必要かを聞くなど、それぞれの実情に合わせて工夫しながら行っています。
夏休みに給食がないので2学期に痩せてくる子どもがいる、入浴や着がえなどままならない家庭がある、電気や水道がとまる世帯があるなどと聞きますが、実際のところどうなのでしょうか。世帯の収入状況の指標のみならずということを言われましたが、実際に貧困ラインの金額で生活をしている人が普通に生活をできているかということは、私はとても心配です。子どもの生活の現実を知るために、早急に調査を行われますことを強く要望します。
次に、楽しく学べる学校にするための対策についてお尋ねします。
小学校それぞれの考えで、学校道具を毎回全部は持ち帰らなくてもよいという指導がなされている学校もあるということですが、教育委員会として、個々の持ち物を保管する場所の確保など、成長期の子どもの健康を一番に考慮した、より現実的な対策を全校で行っていただきたいのですが、いかがでしょうか。
次に、子どもが楽しく学べる学校にするために、大人の尺度だけで物事を決めるのではなく、子どもたちの声を聞いていくことが大事と思いますが、そのために学校運営を工夫していることがあったら教えてください。
子どもの居場所づくりについて、今のところ補助金をつくる計画はないが、地域の活動に利用できるさまざまな補助金、助成制度があるとお聞きしましたので、市の財政に限らない支援とは具体的にどんなものがあるのかお尋ねします。
最後に、子どもが安心して相談できる窓口については、子ども・子育て相談センターに子どもみずからの相談もあったとのことですが、安心して気軽に話せる窓口として周知が必要と思います。スクールカウンセラーやソーシャルワーカー、不登校専任教員、教育相談員など、子どもの周りにいる身近な相談者として、子どもに知ってもらい、LGBT等で悩んでいる子どもや、いろんな特性を持った児童生徒も結果として排除されないよう工夫していただきたいと思いますが、相談体制について子どもたちに伝わっているのかお尋ねします。
以上、再質問といたします。
30: ◯議長(金堂清之君) 神田教育部長。
31: ◯教育部長(神田芳樹君)〔登壇〕 吉居議員から、小学生の個々の持ち物を保管する場所の確保などの、現実的な対応についてのお尋ねにお答えいたします。
先ほど教育長が答弁しましたとおり、文部科学省からの通知「児童生徒の携行品に係る配慮について」をもとに、通知に示された工夫例を参考にしながら、校長会等での協議を踏まえた各学校の取り組みに対し、必要に応じ、助言や支援を教育委員会としても行っていきたいと考えております。
次に、楽しい学校にするため、子どもたちの声を聞き、学校運営をどう工夫しているのかとのお尋ねにお答えいたします。
学校が、子どもたちが楽しい学校生活を過ごすために大切にしている柱として、次の4点があります。1点目、学級が目指す目標を決め、それに向けて子どもたちが知恵を出し合いながら、1年間を通して取り組むこと。2点目、子どもに充実感を持たせる、わかりやすい授業を展開すること。3点目、困っていることなどを先生に伝える、楽しい学校生活を送るためのアンケート(Q-U)や、学校適応感尺度(アセス)などの
アンケート調査を実施すること。4点目、楽しい集団活動ができる特別活動を展開すること。
3点目のアンケートについては、アンケート結果をもとに、一人一人と向き合って悩み相談等を行う、教育相談や個人面談を定期的に実施しております。なお各学校には、児童生徒の声が直接届く工夫として相談ポストの設置があり、時には学校運営の改善にもつながっております。
4点目の特別活動については、子どもによる自律的な活動としての学級での集会活動や児童会、生徒会活動があります。なお、学校のスローガンに「学校大好き」を掲げ、取り組んでいる小学校もございます。
次に、スクールカウンセラーや不登校専任教員など、相談窓口は子どもたちに伝わっているのかとのお尋ねにお答えします。
各学校とも、年度初めの子どもに対する先生の紹介の場で、担任を初め、教職員の紹介とともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの職員の紹介や役割について、子どもたちに対しわかりやすく説明を行っております。また、学校だよりや学校内の掲示物等の中で、子どもたちが気軽に相談できることや、担当する職員等についても触れているところでございます。
32: ◯議長(金堂清之君) 筒井福祉支援部長。
33: ◯福祉支援部長(筒井ひとみ君)〔登壇〕 吉居議員から、子どもの立場に立った子育て支援についての再質問でございます。
まず、子ども食堂などを行っている市民への、財政的なものに限らない支援についてのお尋ねにお答えいたします。
市民の公益活動に対する支援策につきましては、先ほど市長が答弁いたしましたとおり、有用な情報の提供が主なものになると考えております。子ども食堂につきましては、福岡県社会福祉協議会や共同募金会など、福岡県の関係団体の助成制度に関して、県から申請の募集などに関し情報提供がございますので、その都度、直接運営する団体へその情報の提供を行っております。あわせて、子ども食堂の連絡会的なものがありますので、その世話人の方にも情報を提供しております。また国からは、衛生管理のポイントなど、子ども食堂の運営における安全管理に関しまして通知がありましたので、これについても直ちに情報提供を行っております。
今後とも、国や県からの情報につきましては遅滞なく運営団体に周知するとともに、それに加え、子ども食堂の運営に関し有用な情報を積極的に収集し、各運営者に提供してまいりたいと考えております。また、子ども食堂に関し広く周知していくため、その活動などを本市の子育てガイド「すくすく」に掲載することについて、検討を進めてまいります。
次に、春日市子ども・子育て相談センターの周知についてのお尋ねにお答えいたします。
制度上の子育て世代包括支援センターとして、平成28年度から運営を開始した春日市子ども・子育て相談センターの周知につきましては、母子健康手帳の交付にあわせて、A4判のチラシと手帳に挟めるサイズのチラシを配布し、その紹介に努めています。さらに乳児家庭全戸訪問や4カ月児健診の際にも、チラシの配布と説明を行っております。また、本年度は小学校の1年生の各家庭へ、作成したA4判のチラシを配布するよう準備を進めているところです。
しかしながら、昨年度までの経路別相談件数では、児童本人からの相談件数はまだ少ないため、その周知をより強化する必要を感じております。このため、現在その方法と内容を検討しているところでございます。
34: ◯議長(金堂清之君) 1番、吉居恭子議員。
35: ◯1番(吉居恭子君)〔起立〕 1番、日本共産党、吉居恭子です。
再々質問は要望とさせていただきますので、回答は結構です。
子どもの居場所づくりに対する助成制度や運営の安全管理面など、情報提供を行っていただけるとのこと。市内のさまざまな団体や、これから何らかの活動をと考えておられる方々にとって、大きな力と励ましになることと思います。
また、新しい学校運営をするために、子どもたち自身が知恵を出し合って目標を決めたり、楽しい集団活動ができる特別活動があったり、アンケートや相談ポストで子どもたちの意見を多く聞く機会をとっておられるとのこと。子どもが自分の言葉で自分の考えを発言するよい機会となるので、ぜひ継続していただくようお願いします。
さて、「レジリアンス」という言葉があります。私が精神科看護師として勤務をしていたときに学んだ理論の一つで、リスクや逆境にもかかわらず、よい社会適応をするとか、逆境に打ち勝つ力と訳されることが多いようです。
アメリカの発達心理学者ワーナーと臨床心理士のスミスらは、ハワイ・カウアイ島で1955年に誕生した赤ん坊698人全員を、40年間にわたり追跡調査をしました。この研究を通して、未熟児であったことや経済的困窮、家庭環境が不安定であることなど、生まれたときのさまざまなリスクによって、子どもが将来問題を抱えるリスクは高まりますが、そのような子どもの中でも3分の1は良好な発達適応を遂げ、豊かな人生を送っていることがわかりました。その差をつくるのは何だろうかと分析をした研究です。
レジリアンスは個人の特性に関するものではなく、プロセスであるというのが最近の一致した見解で、個人と環境の中で生まれるという考え方です。逆境にあってもめげないレジリアントな人々は、家族やそれ以外の養育者、親族、教師などと強いきずなを持ち、困ったときには相談できる人を持っていました。また、コミュニティ活動にかかわるなど、守られた環境の中で責任感や達成感を持つことができたおかげで自己肯定感が生まれ、困難をはね返す力が身についたとされます。洞察力、独立性、関係性、イニシアチブ、ユーモア、創造性、モラルの七つが回復力を構成していて、発達段階においてそれらを身につけることが、子どもの人生をより豊かなものへ通わせる要素と言われています。
これこそ今、春日市の子どもたちが居場所で身につけることができるものです。歴史と実績のある質の高い放課後児童クラブ、地域に根差した児童センターを初め、地域の子どもの居場所でのさまざまな創意工夫された活動が、レジリアンスを育てる力そのものではないでしょうか。これらの施策や社会資源の一つ一つを大切にして、その情報を全ての子どもと子どもを育てている保護者に届け、有効に利用できれば大きな力になります。就学援助や生活保護など経済的支援であっても、居場所などさまざまな体験や、人と人とのきずなを育てる支援であっても、誰もが理解できるように確実に知らせ、抵抗なく利用できることが大事です。
子ども時代を豊かに過ごせるかは親の収入にも左右されるので、最低賃金の大幅引き上げや正規雇用の促進、所得の再分配を正常に機能させることなど、普通に働けば健康的で文化的な生活ができる社会にすること、子どもの医療費無料化や教育費無償化などを進め、保護者が病気をしたときや失業したときでも安心して生活ができ、安心して学べるような社会の仕組みをつくることも大事です。
そういう社会に変えていく努力をしながら、一方では、地域の子どもたちへのきめ細かな愛情を持ったかかわりが、私たち大人に求められています。統計上では各クラスに五、六人はいると言われる貧困ライン以下の生活の実態を知ろうとしない限り、子どもの貧困の本質はつかめないし、支援を必要とする子どもたちへの大事な支援は届かないと思います。表に出にくい、支援を必要とする家庭への有効な支援が届き、みずから訴えることのできない子どもの立場に立った支援になるためにも、子どもの生活の実態調査にできるだけ早く取り組んでいただくことをお願いしまして、私の質問を終わります。
36: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
なお、西川議員は時間制にて質問いたします。
37: ◯9番(西川文代君)〔登壇〕 皆様、こんにちは。9番、みらい春日、西川文代でございます。
本日は通告どおり時間制で、本市の待機児童解消対策について、放課後児童クラブの充実に対する考え方について、水害時の減災対策について、小中学校のエアコン設置とその使用状況についての4項目を、時間制で一般質問いたします。
まず1項目め、本市の待機児童解消対策についてです。
本市は、「春日市人口ビジョン 春日市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、少子化・超高齢社会における持続可能な社会の構築を目的に、地方創生の推進に取り組んでいるところであると認識しております。
そのような中、30年3月に市長より施政方針が発表され、子育てしやすい環境づくりとして、待機児童解消に向けて市立保育園を開園することがうたわれています。その方針どおり、ことし4月よりどろんこ保育園が開園し、4月1日時点での本市の認可保育園の定員は2,050人となりました。しかし、4月1日時点での30年度入所児童数は1,800人で、入所率87.8%であり、29年度92%、28年度94.3%と、定員増を図ってはいるものの入所率が下がる傾向があり、150人の定員増を図った本年、30年度当初においては90%を下回っている状況であり、入所率の下降傾向が大変気になるところです。
また、待機児童の数は、30年度66人、29年度74人、28年度121人となっており、28年をピークに減少しているものの、29年度から30年度は150人も定員をふやしたにもかかわらず、待機児童数は7人の減少にとどまり、待機児童の解消にはつながっていないという現象が起こっているのが現実です。
これまでの春日市の待機児童解消への取り組みは、保育所の建てかえや新設による定員増を図るというものでしたが、思ったような解消につながっていないことから、ここで施策の転換を図らなければいけないと私は考えます。そこで、少なくとも定員数増による待機児童解消への取り組みだけでは課題解決、つまり待機児童解消に向かわない理由を、現時点で分析されていますでしょうか。されているのであれば、その内容をまずお聞かせください。
続きまして2項目め、放課後児童クラブの充実に対する考え方についてです。
経済状況の変化、超高齢社会の中にあり、ますます女性の社会における活躍が求められるようになりました。また、持続可能な社会の実現のため、産み育てやすい社会の構築は不可欠であることは言うまでもありません。
そのような中、子育て世代で働く女性がふえ、子育てと仕事の両立ができる環境づくりが求められ、また、地方自治体においてその環境の充実を図ることが、子育て世代に選ばれることにつながることから、本市の将来における持続可能なまちづくりを進めるためには、今から未来のために、子育てと仕事が両立しやすい環境を整えていくことは、最も重要な施策と言っても過言ではないと思っております。
そのため、1項目めの待機児童解消と同じく、市内小学校における放課後児童クラブの充実は大変重要な施策であると考えますが、このクラブの保育に当たる人の配置が十分でないという現状に対し、何とかしていただきたいと訴えられる、また、相談を受けることが多くなってきております。
そこで、通常時の放課後児童クラブの現状を少し見ていきますと、通年の児童数は、平成28年度892人、29年度1,017人、30年度1,093人と、年々増加の一途をたどっています。夏季休暇中の人数も、平成28年度380人、平成29年度407人、平成30年度470人と、こちらも増加の一途です。そのような中にあり、現場からの悲鳴が聞こえてきておりますが、主任支援員、パートの支援員、また夏季休暇中におけるアルバイトは、どのような配置状況なのでしょうか。まずは欠員数を示しながら、現状をお知らせください。
続いて3項目め、水害時の減災対策についてです。
近年、集中豪雨による水害が各地で発生し、春日市でも7月上旬の豪雨により一時避難所が開設され、また、ため池の近くで被害の発生についても聞き及んでいるところです。被害の内容につきましては、8月15日号の市報にもまとめて報告があっておりました。今後も本市において水害の発生は大きな確率で起こり得ることであるため、日ごろからの減災対策は、市民の人命、財産を守ることを一番に考えるに当たって重要課題であることは、皆が認めるところであると思います。
そこで、まず春日市の特性として、ため池があるため、その周辺の被害が市報においても報告されておりますし、耳に入ってきているところでありますが、その被害の詳細と、その復旧の経過についてお尋ねいたします。
また今後に向けて、ため池周辺での被害防止についてはどのように考えておられるのかも、あわせてお尋ねいたします。
続いて、一時避難所として地区公民館などを、また収容避難所として小中学校体育館を指定しておりますが、水害時の避難所として考えたとき、適切ではないと思われる場所もあると思っております。白水大池地震時決壊ハザードマップが福岡県より出されましたが、それを見ると不安を感じる市民の方もいらっしゃいます。しかし、いざというときのために出される情報であるため、それを活用し、できる限りの対策をして備えることが、被害を最小限に食いとめる減災に必要な取り組みであると考えます。
水害時一時避難所として地区公民館等を、収容避難所として小中学校体育館を指定していますが、不適切な場所があると認識は持たれていますでしょうか。そのような地域の住民は、いざというときにどこに避難することを想定されているのか、見解をお尋ねいたします。
最後に4項目め、小中学校のエアコン設置とその使用状況についてをお尋ねいたします。
市民の、また学校現場の悲願であった市内小中学校へのエアコン設置が実現し、夏季休暇明けから全小中学校でエアコンを設置しての学習が可能になることに、大いなる期待と、また安堵する気持ちを抱いておりました。と申しますのは、近年、酷暑、猛暑とも言われるように、私たちが学校生活をしていたころとは状況が全く違う夏の厳しい暑さは、学校現場での熱中症などの発生例からもわかるように、健康や命を脅かすまでとなっているからです。
また、私たちは生身の人間であり、精神力で乗り越えようとしても、適度なストレスであれば鍛えられるということで、よい教育効果もあるかもしれませんが、それが過度になった過酷な環境下では、よほど強靱な人以外はパフォーマンスは確実に落ちてしまいます。そのような観点で見ていくと、先生方、また児童生徒の活動を健全に保ち、また活動の効果を高めるための、学校現場の環境整備は欠かすことのできない重要なものです。
そこでまず、市内小中学校へのエアコンの設置の経過も含めた現在の状況をお尋ねいたします。
また、春日野中学校への設置がまだ完了していないとのことですが、設置完了時期と今現在の対応も含めて、よろしくお願いいたします。
さらに、中学校における夏季休暇前の使用状況について、現場から「エアコンのききが悪く、冷えなくて大変暑かった」との声も聞いておりますが、なぜこのような状況が発生したのかも含めて教えてください。
長くなりましたが、これで私の1回目の質問を終わります。御回答よろしくお願いいたします。
38: ◯議長(金堂清之君) ここで暫時休憩いたします。
なお、再開は午後1時を予定いたしております。
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休憩 午前11時53分
再開 午後0時58分
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39: ◯議長(金堂清之君) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。
井上市長。
40: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 西川議員から、本市の待機児童解消対策についての御質問でございます。
まず、待機児童が解消されない原因の分析結果についてのお尋ねにお答えいたします。
本市の保育所における待機児童対策につきましては、担当の職員が所管の委員会におきまして丁寧に御説明し、十分に御議論いただいていると聞き及んでおります。
議員御指摘の入所率ですが、今年度の4月1日時点における入所児童数は1,800人で、入所率は87.8%です。このように年度当初の入所率が伸びない理由につきましては、一斉の入所申し込みの利用調整において、育児休業からの職場復帰予定者など、年度の途中から保育所の利用をしようとする申し込みに関し、仮調整により一定数、枠を確保しているためです。この入所率は年度末に向けて上昇していくものであり、本年も9月1日現在では92.6%まで上昇しています。
なお、この入所率につきましては、本市の場合、これまで施設整備を進めてきたことにより、分母となる定員数がふえていますので、単純に年度間で増減を比較することはできません。4月1日の入所児童数で見れば、当然のことながら毎年増加しております。
また、ここ数年進めてまいりました保育所の新設や増改築による定員増は、子ども・子育て支援法の規定に基づき、保育需要の見込みに見合う保育の提供体制を確保するために、必要不可欠なものとして大きな決断をしたものでございます。ちなみに入所定員につきましては、平成11年度の1,010人から平成30年度は2,050人と、1,040人の定員増を行っております。今後ともこの保育需要の見込みを踏まえて、適切に保育の提供体制を確保するための方策を講じてまいる所存でございます。
議員御質問の待機児童数が解消されない主な要因は、三つございます。
その一つは、本年3月定例会における川崎議員の一般質問でも答弁しましたとおり、保育所入所申し込みにおいて、特定の年齢や特定の園に偏る傾向が著しく、特に1歳児の申し込みが極めて多くなっていることによるものです。保育所では、施設ごと、さらに年齢ごとに利用定員があるため、特定の年齢、特定の保育所に申し込みが集中した場合は、その分、待機児童数がふえてしまうこととなります。
二つ目は、これまでにも何度か御説明してきましたとおり、全国的な傾向でありますが、保育士の不足によるものであると分析しております。保育士の配置基準は守るべき最低基準が定められており、ゼロ歳児は3人に1人、1・2歳児は6人に1人、3歳児は20人に1人、4・5歳児は30人に1人とされているところです。本市におきましても特に申し込みが集中している1歳児は、保育士の手厚い配置が求められている年齢といったこともあり、保育士の不足によって児童の受け入れができていない状況が見受けられます。具体的には、本年4月1日現在の待機児童数66人のうち、この1歳児が約6割を占めており、待機児童数が大きく減らない要因となっております。
三つ目は、需要の増大であります。施設整備等により保育の提供体制の確保を行い、待機児童が減少することによってさらなる保育ニーズを喚起し、子育て世代の転入など、保育希望者、すなわち入所申し込み者数も増加するといったことです。年度中を通じた入所申し込み者ですが、平成25年度は1,950人であったものが、平成29年度は2,224人と約280人増加しており、このことも大きな要因の一つであると分析しております。
次に、放課後児童クラブの充実に対する考え方についての御質問でございます。
保育にあたる人の配置が十分にされていないと判断しているが、その現状はどうかとのお尋ねにお答えいたします。
本市の放課後児童クラブは、指定管理者である特定非営利活動法人子ども未来ネットワーク春日によって運営されており、議員御指摘のとおり、利用者は通年及び季節の学童保育ともに年々増加しており、それに伴って配置すべき放課後児童支援員数も増加しているところです。放課後児童支援員の配置すべき人数については、児童福祉法の規定により、おおむね児童40人に対し2人以上の放課後児童支援員となっておりますが、本市においては指定管理者との協定により、国が定める基準以上の手厚い配置としております。
なお、支援員等の欠員数につきましては、本市の放課後児童クラブに配置すべき必要な支援員等に欠員は生じておりません。ただ、主任支援員、パート支援員、短期雇用のパート支援員という指定管理者が定めている採用区分においては、募集に対する応募が年々少なくなってきており、募集人数に対して採用が不足している状況にあるということは把握しております。しかし、その不足についても、内部の配置転換などにより適切な対応がなされております。このことは、議員も所属されている所管委員会において、何度かその実情について詳細に御説明し、さらに実際に現地まで足をお運びいただき、十分に御議論いただいていると聞いております。
次に、水害時の減災対策についての御質問でございます。
まず、ため池周辺の被害の詳細と、その復旧の経過についてのお尋ねにお答えいたします。
ため池周辺の被害状況については、平成30年7月豪雨において、本市でも白水池地区及び紅葉ヶ丘地区のため池に隣接する宅地ののり面が3カ所崩落しております。復旧の経過についてですが、市は災害応急対応として、二次災害を防止するための応急処置や、り災証明を発行するなどの対応を行ったところです。現在の復旧状況については、個人所有の土地であることから詳細はわかりませんが、被災者の申し入れによる現地立ち会いなどを行ったところでございます。
次に、今後に向けて、ため池周辺での被害防止についてどのように考えているのかとのお尋ねにお答えいたします。
被害防止については、土地家屋の所有者の自己責任によって適正な管理を行っていただく必要がございますが、市としましても市報等を活用し、適正な管理に向けた啓発等を行ってまいりたいと考えております。
次に、水害時の避難所として不適切な場合があることの認識を持っているのか、また、そのような地域の住民は、いざというときにどのように避難することを想定しているのかとのお尋ねにお答えいたします。
市として、避難所自体については不適切な建物があるという認識はございません。ただし、災害種別ごとに適した避難所を防災ガイドブックに掲載しておりますので、家庭内で避難所経路等を確認していただくとともに、地域の自主防災組織が行う訓練などに参加され、地域でも話し合っていただきたいと考えております。
なお、小中学校のエアコン設置とその使用状況についてのお尋ねにつきましては、教育長が回答いたします。
41: ◯議長(金堂清之君) 山本教育長。
42: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 次に、小中学校のエアコン設置とその使用状況についての御質問でございます。
まず、小中学校へのエアコンの設置の経過と現状についてと、春日野中学校のエアコンの設置時期と今現在の対応についてのお尋ねにお答えいたします。
普通教室の空調設備は、既に設置済みの春日原小学校、春日野小学校、春日北中学校の3校を除き、29年度に春日中学校、春日東中学校、春日西中学校、春日南中学校の4中学校に設置し、30年度は10小学校と春日野中学校に設置を行っているところです。
なお、春日野中学校の空調機の工事は8月7日から始まり、使用可能となるのは12月ごろの予定です。このため、現在は普通教室のある2階、3階、4階の廊下に仮設の空調機を複数台設置して、暑さ対策を行っております。
次に、中学校において夏季休暇前、エアコンのききが悪く、冷えなくて大変暑かったが、なぜこのような状況が発生したのかとのお尋ねにお答えいたします。
今年度、夏季休暇前は例年にない猛暑であったことから、自動的に制御がかかったものです。中学校からの連絡を受け、夏季休暇中に空調機の設定を調整しております。
43: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
44: ◯9番(西川文代君)〔起立〕 9番、西川文代でございます。
1回目の質問に対する御答弁ありがとうございました。これより順に再質問をさせていただきます。
まず1項目め、待機児童の解消についてです。
私も、待機児童が解消されていない中、保育所の新設による定員数増を図ることは重要施策であると認識しております。先ほどの御回答にありましたように、入所率は9月1日現在92.6%になっているとのことでした。しかしながら、その後の分析結果にもありましたとおり、定員増を図る際に、1歳児の需要に応える形にする、また、ハード面の整備と同時にソフト面、つまり保育士の確保の取り組みが大変重要になっているのは明らかです。
そこでまず1点目、今後、1歳児の需要にどのように応えていこうとされているのかお尋ねいたします。
45: ◯議長(金堂清之君) 筒井福祉支援部長。
46: ◯福祉支援部長(筒井ひとみ君)〔登壇〕 西川議員から、本市の待機児童解消対策についての再質問でございます。
1点目の、今後の1歳児の需要への対応についてのお尋ねにお答えいたします。
3歳以上児に比べ、特に近年ニーズの高い1歳児を含む3歳未満児の保育ニーズがより伸びていることにつきましては、施設の増設・増築だけでなく、利用定員の構成についても検討する必要があると考えられるため、所管の委員会でも御説明し、3月定例会の際にも答弁いたしましたとおり、既設の保育所を運営する各法人にその検討を引き続き要請しているところでございます。
47: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
48: ◯9番(西川文代君)〔起立〕 西川文代でございます。
利用定員の構成について、既存の保育所を運営する各法人にその検討を要請しているとのこと、理解いたしました。春日市には直営の保育所として、昇町保育所、須玖保育所がありますが、市民の需要に応える器として直営保育所を活用することはできないのでしょうか。
また、指定管理者制度を導入している保育所、岡本保育所、春日原保育所についても、9月定例会において、新たに5年間同じ事業所を引き続き再指定する議案が上がってきておりますが、1歳児の需要に応えることを条件に入れるなどはできないのかと考えますが、見解をお尋ねいたします。
さらに、平成31年度の建てかえを行う予定の大和保育所に関しては、十分に今後もふえ続けると予想される1歳児の需要に応える形にすることが大切と思いますが、そのことに関する見解もお願いいたします。
49: ◯議長(金堂清之君) 筒井福祉支援部長。
50: ◯福祉支援部長(筒井ひとみ君)〔登壇〕 西川議員から、本市の待機児童解消対策についての再質問でございます。
直営保育所の活用について、また、1歳児の需要に応えることを指定管理の条件に入れることはできないかとのお尋ねに、あわせてお答えいたします。
ニーズの高い1歳児を含む3歳未満児については、直営、指定管理、私立を含めた全ての保育所で、保育士や年齢ごとに決められた設備の面積基準の中で、どの保育所も可能な範囲で受け入れを行っており、今以上の受け入れについては、施設の改修や増築及び保育士の増員が伴うこととなります。直営保育所の需要に応える器としての活用や、指定管理の条件とすることは、今後のニーズの動向などを見定めながら研究してまいります。
最後に、大和保育所の建てかえに対する見解についてのお尋ねにお答えいたします。
これまでについても、保育ニーズを踏まえた年齢別の利用定員となるよう施設整備を行ってまいりました。平成31年度に計画をしている大和保育所の建てかえについても、同様に進めてまいります。
51: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
52: ◯9番(西川文代君)〔起立〕 西川文代でございます。
御答弁ありがとうございました。さまざまに御検討いただいているということで安心しました。質問を続けさせていただきます。
春日市は、福岡市に隣接する地の利と交通インフラに恵まれた住宅都市として、持続可能な社会の実現に向け、子育て世代の転入を促進していく必要があると考えます。これは春日市版総合戦略にも示されていると理解いたしております。
時代の変化に対応し、国も、女性も育児休暇を取得しながら正規職員として働き続けることができるように政策の方向性を示しております。育児休暇取得後、1歳児を預け共働きをする家族がふえる中、質のよい保育所があることは、子育て世代の転入促進に大変重要なポイントとなります。
そこで、ハード面の整備と並行してソフト面の充実を図ること、つまり春日市として理想的な保育を可能にする保育士を確保していくことは重要施策ですが、今後の方向性をお尋ねいたします。
53: ◯議長(金堂清之君) 筒井福祉支援部長。
54: ◯福祉支援部長(筒井ひとみ君)〔登壇〕 西川議員から、本市の待機児童解消対策についての再質問でございます。
2点目の今後の方向性についてのお尋ねにお答えいたします。
今後の保育の提供体制の確保策といたしましては、ハード面であります保育の受け皿の確保策としまして、こちらも3月定例会の際にも答弁いたしましたとおり、第8次実施計画において、平成31年度に公私連携保育法人を指定した法人と連携し、大和保育所の建てかえを行うことにより利用定員をふやすよう計画いたしております。この利用定員の規模につきましては200人前後で想定いたしておりますが、具体的には、施設の設計に入る段階で園庭や駐車場などの必要スペースと建物の兼ね合いを検討していくこととなりますので、保育ニーズの動向を見定めながら決定してまいりたいと考えております。
また、ソフト面の充実、すなわち保育の受け皿の拡大と車の両輪でもあります、これを支える保育人材の確保は、並行して取り組むべき課題であります。本市における保育人材の確保策といたしましては、まず平成28年度から市内全ての認可保育所合同で、平成29年度からは市内の認可保育所、幼稚園全園合同にて、就職説明会を年2回開催いたしております。開催の周知方法につきましても、今年度は各園に御協力をいただいて、各大学や短大の卒業生の保育士、幼稚園教諭と一緒に、各学校の就職課はもちろん、指導教授を訪問し、開催の案内を行うなどの採用・広報活動の強化を行っております。ちなみに、昨年度までの説明会の参加者の中から25名の方が採用に至ったとの報告を受けております。
また、国において今年度より開始されたキャリアアップ研修と、この受講を要件とした処遇改善加算の仕組みを活用して、今後とも着実に保育士の賃金の改善を図るとともに、質の高い人材確保にも取り組んでまいります。
55: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
56: ◯9番(西川文代君)〔起立〕 9番、西川文代でございます。
今後も着実に保育士の賃金の改善を図るとともに、質の高い人材の確保に取り組んでいくとの強い意思を感じました。質の高い人材を確保することは、「春日市の保育所に預けたい」と、子育て世代の方に春日市を住みたいと選ばれることにつながります。これは春日市の持続可能性と未来を明るくすることにつながる大変重要な施策です。今後の取り組みに大いに期待しております。私も調査研究し、今後も提案をしていきたいと思います。
これで待機児童についての質問を終わらせていただきます。
次に2項目め、放課後児童クラブの充実について質問いたします。
春日市の放課後児童クラブは国の基準を満たしており、配置すべき支援員等に欠員は生じていないとの御回答でした。また、春日市は指定管理者との協定により、国が定める基準以上の手厚い配置としているとのことです。
今回、私がこのような質問をさせていただいた理由として、現場の支援員の方から、人が足りていない、現場が大変であるという声を多く耳にしたことがあります。本市の放課後児童クラブは、指定管理者と国基準より手厚い基準で協定を結んでおり、その春日市基準を満たし、欠員なく運営されているのにもかかわらず、現場からの不満が今年度は特に上がってきているのはなぜなのでしょうか。私自身、疑問を感じるところです。
そこで、近年、支援員の採用が困難をきわめている事実があり、代替の支援員が入ることが多く、また、夏季休暇中は派遣会社からの支援員も来ていると聞いております。支援員の採用が難しい状況のもと、現場で保育に当たる人が日によってかわることが多く、安定しないことで、現場が大変と感じ、人が足りていないという認識になっているのではと考えます。そのことについての見解をお尋ねいたします。
また、近年、支援員の採用についての課題に、その改善策について課題と、その改善策について指定管理者と市との協議はされているのでしょうか、お尋ねいたします。
57: ◯議長(金堂清之君) 筒井福祉支援部長。
58: ◯福祉支援部長(筒井ひとみ君)〔登壇〕 西川議員から、放課後児童クラブの充実に対する考え方についての再質問でございます。
1点目の、支援員の採用についての課題と改善策についてのお尋ねにお答えいたします。
主任支援員、パート支援員、短期雇用のパート支援員という、指定管理者が定めている各採用区分において、募集に対する応募が年々少なくなってきております。この募集人数に対して採用が不足している状況については、近年の利用者の増加による配置すべき支援員の量の課題ではなく、支援する力の不足という質の課題として捉えております。放課後児童支援員は単なる児童の見守りだけでなく、児童の成長に寄与するよう積極的なかかわりをしているため、その影響が大きくなり、現場の大変さにつながっているものと分析しております。
支援員の採用についての課題については、処遇の問題のほか、働きやすさということがございます。このため、指定管理者と定期的に行っている意見交換の場において、働きやすく風通しのよい職場づくりについて、助言、提案を行っております。
59: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
60: ◯9番(西川文代君)〔起立〕 9番、西川文代でございます。
市の責任において、指定管理者に現場の状況を踏まえ、助言、提案をしていただいているということでした。安心しました。今後ともよろしくお願いいたします。
続いて、一転しましてハード面についてお尋ねいたします。
現在、12小学校中6小学校の放課後児童クラブにおいて、第2クラブ舎が設置されております。いずれもクラブに通う児童数の増加に対応して設置されてきた経緯があると思います。そこで、今まで6クラブの第2クラブ舎を設置するタイミングはどのようになっていたのでしょうか、お尋ねいたします。
61: ◯議長(金堂清之君) 筒井福祉支援部長。
62: ◯福祉支援部長(筒井ひとみ君)〔登壇〕 西川議員から、放課後児童クラブの充実に対する考え方についての再質問でございます。
2点目の、第2クラブ舎を設置するタイミングについてのお尋ねにお答えいたします。
第2クラブ舎の設置につきましては、国が示す設備運営基準である児童のためのスペースは、児童1人当たりおおむね1.65平方メートル以上とされております。利用者の増加により、この設備運営基準を恒常的に満たさなくなる場合に整備してきたものでございます。
本市において各クラブの児童の登所率は平均で80%程度であることを踏まえ、児童数がこの設備運営基準の120%を超える状況があり、その状況が一時的である場合は、指定管理者と協議の上、学校施設の借用を検討し、対応しております。さらに、この状態が恒常的なものとなる見込みとなったときに、第2クラブ舎の設置案を作成し、実施計画に計上することとしています。
63: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
64: ◯9番(西川文代君)〔起立〕 西川文代でございます。
平成30年度において、須玖小学校のチャイルドクラブと春日南小学校のさくらクラブが、通年のクラブ運営において学校施設を借用する状況になっているようです。さくらクラブのほうは平成18年9月にさくら第2クラブを設置しておりますが、チャイルドクラブについては第2クラブ舎はまだ設置されていない状況です。
チャイルドクラブの平成29年度の最低基準人数に対する割合が125%、これもかなり高い数値ですが、今年度は151%と急速に伸びており、全てのクラブ舎の中で100%超えが18クラブ中7クラブ舎ありますが、その中でも断トツに高い数値になっております。対応が必要な状況まで来ていると考えますが、チャイルドクラブの第2クラブ舎の設置の検討はされているのでしょうか、お尋ねいたします。
65: ◯議長(金堂清之君) 筒井福祉支援部長。
66: ◯福祉支援部長(筒井ひとみ君)〔登壇〕 西川議員から、放課後児童クラブの充実に対する考え方についての再質問でございます。
3点目の、チャイルドクラブの第2クラブ舎の検討についてのお尋ねにお答えいたします。
春日市立須玖小学校のチャイルドクラブですが、議員御指摘のとおり、利用児童数からさきの設備運営基準に照らしてみますと、5月1日現在で、平成29年度は125%、平成30年度は151%と急速に伸びてきております。チャイルドクラブについては、さきにお答えしましたとおり、設備運営基準を恒常的に満たさなくなる見込みであるため、第2クラブ舎の設置について案を作成し、実施計画の場で協議をいたしております。
67: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
68: ◯9番(西川文代君)〔起立〕 西川文代でございます。
先ほど執行部のほうからもありましたが、夏休み期間中にチャイルドクラブのほうも委員会のほうで見てまいりました。やはり面積にゆとりがないことを肌で感じておりますので、ぜひ、この計画どおりに進めていただけますとありがたいと思っております。
これで2項目めの放課後児童クラブについての質問を終わらせていただきます。
続きまして、3項目め、水害時の減災対策について再質問いたします。
まず、ため池周辺の被害の詳細とその復旧の経過についてですが、白水池地区と紅葉ヶ丘地区のため池に隣接する宅地ののり面の崩落とのことです。これはため池として、ヒシャテガ浦池と小倉新池に隣接する宅地ののり面ということだと思います。
浸水ハザードマップを見てみますと、確かにヒシャテガ浦池の周辺は大雨時に危険となる可能性が高い区域として示されており、より浸水に注意が必要な区域、さらに土砂災害警戒区域として示されております。また、その他のため池周辺も、大雨時、危険となる可能性が高い区域となっているところが数カ所見受けられる状況です。このようなことから、このたびの7月豪雨の際もそうであったように、春日市の特性として、豪雨の際、ため池周辺の被害が今後もかなりの確率として予想されます。
実は、ヒシャテガ浦池のほうは私も被災現場を確認したところです。そこはのり面の崩落にとどまらず、その影響で建物のぎりぎりの土地も崩落しており、その宅地に設置した物置なども落下している状況で、大変大きな被害と判断いたしました。家屋にいても安心して眠れない状況を訴えられておられました。家屋に住んでいる被災された市民の心労と不安ははかり知れず、復旧には大変な費用がかかると推察します。
確かに個人所有の土地ですが、このような大きな被害を受けられた市民に対しては、今後、市としても被災者の立場に寄り添い、場合によっては安全な住居を一定期間提供する、また、さまざまな不安を聞く相談窓口を一時的に設置するなど、市民の安全安心の確保と、復旧のための支援の充実を前向きに検討していただきたいと考えます。そして、それが安全安心な住宅都市として価値が上がる重要な要素であると考えますが、見解をお尋ねいたします。
69: ◯議長(金堂清之君) 染原地域生活部長。
70: ◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 市民の安全安心の確保と復旧のための支援の充実を、前向きに検討することの見解についてのお尋ねにお答えいたします。
市が行う市民の安全安心の確保と復旧のための支援につきましては、市地域防災計画に基づき実施するものでございます。その中で、大規模災害における生活相談として、災害時における市民からのさまざまな問い合わせや要望に、的確にかつ迅速に対応するため、被災者のための相談所を設け、要望事項等を聴取し、被災地を巡回して移動相談を行うこととしております。今回の被災者からも担当所管で相談を受け、先ほど市長が答弁しましたとおり、現地立ち会いなどを行っておりますが、今後も市民に必要な支援に努めてまいりたいと考えております。
71: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
72: ◯9番(西川文代君)〔起立〕 西川文代でございます。
前向きな御回答ありがとうございました。近年の災害の多さを考えると、自分事として捉えた減災対策と、速やかな復旧ができるような体制づくりを、皆で力を合わせてしていく必要性を強く感じます。そのような形ができるような取り組みを、どうぞよろしくお願いいたします。そして、困ったときはお互いさまという相互扶助の精神、この優しく美しい人の心が通い合う春日市、春の日のように温かな春日市をつくっていくためにも、ぜひ御回答にありましたように、被災された市民に必要な支援を心からよろしくお願いいたします。
続いて、今後に向けて、ため池周辺の被害防止について、「市としても市報等を活用し、適切な管理に向けた啓発等を行っていきたい」との御回答をいただいた件です。
先ほども触れました浸水ハザードマップは、平成23年に、過去に発生した浸水実績をもとに、土地や河川、排水路等の状況を踏まえて、浸水のおそれがある最大の区域を設定し作成され、平成28年の小倉第2雨水貯留施設の新設に伴い、浸水のおそれがある最大の区域の一部について浸水のおそれがなくなったため、改訂されています。改訂後のマップにため池周辺が大雨時に危険となる可能性が高い区域として示されているわけですから、本来であるならば、適正な管理に向けた啓発は既にされていてもおかしくはないと思っているところでございます。今までに啓発の実績があれば教えてください。
また、昨今のように水害が多い状況下、この浸水ハザードマップを最大限に活用し、減災対策に努めるべきだと思います。そこで、マップに示されているため池周辺も含めた、大雨時に危険となる可能性が高い区域の減災対策として、豪雨などの水害に備え、具体的にどのような適正管理とその啓発を考えておられるのでしょうか、あわせてお尋ねいたします。
73: ◯議長(金堂清之君) 染原地域生活部長。
74: ◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 今までの適正な管理に向けた啓発の実績についてのお尋ねにお答えいたします。
毎年6月の出水期前に、風水害に備える内容の大記事を市報に掲載し、その中で、擁壁についても日ごろの準備として点検をするよう啓発を行っているほか、ため池周辺に限らず家屋の危険箇所の点検を行うよう、市報、ウエブサイト、防災ガイドブック、自主防災組織で行う防災講話等、さまざまな機会を通じ啓発を行っているところでございます。
次に、マップに示されているため池周辺も含めた、大雨時に危険となる可能性が高い区域の減災対策として、豪雨などの水害に備え、具体的にどのような適正管理とその啓発を考えているのかとのお尋ねにお答えいたします。
個人所有の土地建物につきましては、所有者御自身により日ごろから点検を行っていただくとともに、危険箇所を発見した場合は、その修理、補強などの適正な管理を行っていただきたいと思っております。また、啓発につきましても、市報や自主防災訓練、防災講話などの機会を通じて、さらに努めてまいりたいと考えております。
75: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
76: ◯9番(西川文代君)〔起立〕 西川文代でございます。
啓発については、市報やウエブサイトを活用し、また防災ガイドブックを配布するなど行っていただいていることは、十分理解しておりますし、また評価もいたしております。今、任意団体である男女共同参画ネットワーク春日が行っていますような避難所運営ゲームなど、公民館や学校に市民に集まっていただき、顔を合わせての机上訓練や、またイベントを通しての、市民がみずからできる減災対策を啓発するなど、また、講話や訓練の機会をふやしていくことが必要であると考えます。また、自主防災の活動が充実するような支援も考えていただきたいと思っております。市としてマップ等の作成など、公助を充実させるとともに、自助・互助・共助を活発化する支援をしていただくことを強く願っております。
次に、水害時の避難所についてです。避難所自体については不適切な建物はないと認識しているとのことですが、その件も私も十分に理解しております。と申しますのは、春日市は全ての小中学校に耐震化を完了していただいておりますし、地震のときに安全な建物に避難するという意味では、小中学校は構造上の問題はないと判断し、認識もしております。
私が1回目の質問でお伝えしましたのは、水害時に避難するのには向かない──具体的に申しますと、春日市は収容避難所として小中学校体育館を指定しており、市民の認識としては、災害時は近くの学校に逃げようという方がほとんどです。しかしながら、浸水ハザードマップに示されていますとおり、大雨時に危険となる可能性が高い区域に、収容避難所に指定されている数カ所の小中学校が入っています。また、一時避難所として指定されている、市民が一番身近な避難所として認知している地区公民館も、大雨時に危険となる可能性が高い区域に入っているところが数多く存在しています。さらには、1回目の質問でお伝えしました白水大池地震時決壊ハザードマップを見ると、近隣の小学校、公民館が全て浸水するようになっている場所もあります。
このような場合、避難経路を家庭で話し合うといっても、どうするのかわからない。また、「自主防災組織が行う訓練などを活用し、地域で話し合っていただきたいと考えております」とのことですが、なかなか公の支援なしに、実際に行うのは困難であるようにも感じております。
自治会を対等のパートナーとする協働のまちづくりを打ち出している春日市ですので、その地域の状況を踏まえた上での水害時の避難の仕方等をともに考え、自主防災組織において避難訓練が実現するような支援をする必要があると思います。これだけ水害がふえ、災害のためのマップ等もできているのですから、配布にとどまらず、それを十分に活用できる方法を市で具体的に啓発していくことが重要と思いますが、そのことに関する見解をお尋ねいたします。
77: ◯議長(金堂清之君) 染原地域生活部長。
78: ◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 減災のためのマップ等の配布にとどまらず、それらを十分に活用できる方法等を市で具体的に啓発していくことが重要と思うが、そのことに関する見解についてのお尋ねにお答えいたします。
防災ガイドブックやハザードマップが市民の皆様に十分に活用していただけるよう、自主防災組織による訓練や防災講話などの機会を捉えながら、活用方法等についても啓発に努めてまいりたいと存じます。
79: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
80: ◯9番(西川文代君)〔起立〕 西川文代でございます。
前向きな御回答をありがとうございます。お仕事も大変かと思いますが、大変重要なことですので、今後ともよろしくお願いいたします。春日市は、紙ベースのすばらしい冊子やマップは今既にできております。今後はそれを活用して、実際に減災につながるような市民と協働した取り組みを期待しております。私も今後調査研究し、引き続き提案をさせていただきたいと思います。
それでは、最後になりました。4項目め、小中学校のエアコン設置とその使用状況についての再質問をいたします。
まず、春日野中学校のエアコン設置時期が遅延したことによる対策についてですが、この対策は夏季休暇前にはされなかったようですが、その他の中学校ではエアコンを使用しての学校教育が行われている中にあり、夏季休暇後に対応された理由をお尋ねいたします。
81: ◯議長(金堂清之君) 神田教育部長。
82: ◯教育部長(神田芳樹君)〔登壇〕 春日野中学校について、対策を夏季休暇後に行った理由をとのお尋ねにお答えいたします。
春日野中学校の空調機の設置に当たっては、航空騒音防止対策事業による補助金を活用したものですが、国土交通省からの当該事業実施に係る決定の通知を夏季休暇中に受けたことから、当初の予定である夏休み中には空調機の設置工事を完了することができない状況となりました。そこで猛暑が続いた夏季休暇直前の状況を鑑み、夏季休暇後の暑さ対策として、仮設の空調機の設置を判断したものでございます。
83: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
84: ◯9番(西川文代君)〔起立〕 続いて、夏季休暇前の中学校におけるエアコンのききが悪かった件についてです。
例年にない猛暑であったことから自動的に制御がかかったとのこと、また、夏季休暇中に調整をしたとのことは理解いたしました。ただ、夏季休暇前から猛暑に対応できるようになぜ調整が完了しなかったのだろうか。夏季休暇前エアコンが設置されているのにもかかわらず、猛暑に耐え続けて大変だった現場の声を聞くにつけ、それが大きな疑問となります。そこで、その理由をお尋ねいたします。
85: ◯議長(金堂清之君) 神田教育部長。
86: ◯教育部長(神田芳樹君)〔登壇〕 夏季休暇前、猛暑に対応できるよう、なぜ調整をしていなかったのかとのお尋ねにお答えいたします。
夏季休暇前、中学校から実際にエアコンを利用して、そのききが悪いという相談を受けました。そこで、その都度職員が学校に出向きまして、空調機の調整を行っていたところであります。学校現場の状況等を確認し、複数回にわたって夏季休暇中まで調整を繰り返し行ってきたものでございます。
87: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
88: ◯9番(西川文代君)〔起立〕 9番、西川文代でございます。
この件に関しての詳細は後ほどお尋ねすることとし、続いて、エアコンを設置する目的についてお尋ねいたします。私は設置の目的は、ことしと同様に、毎年例年にない猛暑を更新しているような昨今の夏に備える、いわゆる想定外の事態発生時に、学校現場で活動する先生や児童生徒の健康や命を守るため、危機管理という意味合いが第一であると考えますが、それに対する見解もお願いいたします。
89: ◯議長(金堂清之君) 神田教育部長。
90: ◯教育部長(神田芳樹君)〔登壇〕 エアコンを設置する目的に対する見解をとのお尋ねにお答えいたします。
学校施設への空調設備の設置につきましては、近年の気温の上昇、PM2.5などのさまざまな環境問題等を踏まえ、児童生徒のよりよい学習環境を確保するためのものでございます。
91: ◯議長(金堂清之君) 9番、西川文代議員。
現在、市民課では、婚姻の届け出書を提出した記念にもなるよう、賞状形式の受理証明書を希望する市民に有料で交付をしております。議員御提案の記念撮影会につきましては、シティプロモーションの一環と捉え、今後どのような対応ができるのか、関係所管と情報を共有し、研究してまいります。
111: ◯議長(金堂清之君) 18番、野口明美議員。
112: ◯18番(野口明美君)〔起立〕 18番、野口明美でございます。
市庁舎の環境改善について再々質問をさせていただきます。
まず最初に、ただいま「いい夫婦の日」の記念撮影会についての提案に対しまして、「シティプロモーションの一環と捉え、今後どのような対応ができるか、関連所管と情報を共有し、研究してまいりたい」との御答弁でございました。
今回はこのようなことを提案させていただきましたが、ぜひともですね、地元事業者とタイアップした、市民に喜ばれるようなですね、取り組みを考えていただいて、ぜひともまた、この庁舎に来る市民が楽しみというようなですね、そういう取り組みも要望させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、市民への窓口サービスアンケートにおける「市役所の窓口に求めるもの」に対する御回答でも、一番多かったのは「待ち時間がないこと」「すぐに手続が終わること」であり、年末年始にかけて行われる窓口改善で証明書発行専用窓口を設け、証明書の交付を求める市民の待ち時間を短縮すると御答弁をいただきました。
窓口でのサービスを向上させるためには、市民の待ち時間を短縮するための取り組みがとても重要であると思いますが、さまざまな方法でこのことは取り組むべきと考えますが、御見解をお聞かせください。
また、特に施設の空間としての環境改善の一つとして、これも御提案ですが、市庁舎フロアにBGMを流していただき、音楽を流す取り組みを御提案したいと思います。リラックス、リフレッシュ、集中力向上といった音楽の持つさまざまな機能に着目し、市庁舎内にBGMを流す取り組みをされている自治体もふえてきております。リラックス効果による来庁者のおもてなしという市民サービスの面だけではなくてですね、職員のストレスの軽減や作業効率の向上といった職場環境の改善効果も期待できるものと考えますことから、本市におきましてもぜひ御検討をお願いしたいと思いますが、この件について御見解をお聞かせください。
最後になりますが、接遇などの多様な研修の取り組みや、今年度に実施する庁舎レイアウト改修など、さまざまな工夫、改善をしながら市民ニーズに応え、市民に寄り添った利便性向上のこの取り組みは、大変高く評価をさせていただきたいと思います。今後も市民の憩いと安らぎの空間としても機能するような市役所を目指していただき、各種の環境整備に取り組んでいただきたいと思いますが、井上市長のお考えをお聞かせください。
以上で質問を終わります。
113: ◯議長(金堂清之君) 冨永市民部長。
114: ◯市民部長(冨永 敬君)〔登壇〕 市民の待ち時間を短縮するため、さまざまな方法で取り組むべきではとのお尋ねにお答えいたします。
市民の待ち時間を短縮するための取り組みにつきましては、先ほど御説明いたしました窓口改善での取り組みに加え、平成31年2月から証明書のコンビニ交付を開始するよう予定しております。証明書のコンビニ交付は、年末年始を除き土日祝日も利用可能です。午前6時30分から午後11時まで、全国5万店舗を超えるコンビニで証明書の交付を受けることができ、市民の利便性の向上につながるものと期待しております。
また、証明書のコンビニ交付にあわせ、証明書発行専用窓口に、マイナンバーカードを利用し、コンビニ交付と同じ操作で証明書の申請ができる利用者操作用端末の導入も予定しております。
市民の待ち時間を短縮するための取り組みにつきましては、今後も引き続き研究してまいります。
115: ◯議長(金堂清之君) 内田総務部長。
116: ◯総務部長(内田賢一君)〔登壇〕 野口議員から、特に施設の空間の環境改善の一つとして、市庁舎フロアにBGMを流してはどうかとのお尋ねにお答えいたします。
議員御案内のとおり、BGMを流すことについては、音楽によるリラックス効果や集中力の向上、雑音等のカモフラージュ効果等があると言われております。また、働き方改革の方法の一つとして活用しているところもあると聞いております。
しかしながら、市民の皆様も利用するスペースでのBGMの使用につきましては、著作権の使用料、1階窓口におきましては番号受け付けに伴う呼び出し放送及びコマーシャル音声との調整等の課題もあり、また、先ほど述べました効果の測定、設備運用の費用など、メリット・デメリットの検証も必要であり、今後の研究課題であると認識をしております。まずは、市役所に来庁された方々が、速やかに気持ちよくその目的を終わらせて帰庁していただくため、窓口の改善に取り組んでまいります。
117: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。
118: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 今後も市民の安らぎの空間としても機能するような市役所を目指して、各種の環境整備に取り組んでほしいと思うが、市長の考えはとのお尋ねにお答えいたします。
今後も「正確に、そしてわかりやすく、親切丁寧に」を基本に取り組んでまいります。特に市民課等の窓口業務につきましては、転入される方に対して最初に春日市を印象づける機会となりますので、庁舎改造等の施設設備だけでなく、職員の接遇能力の向上など、運用面もあわせて改善を重ねてまいります。今後も来庁者の皆様のみならず、市の施策、事業、サービスにかかわるあらゆる方に、「春日市に住んでよかった」と評価していただき、末永く住み続けていただけるよう努力してまいります。
119: ◯議長(金堂清之君) 18番、野口明美議員。
120: ◯18番(野口明美君)〔起立〕 18番、野口明美でございます。
次に、2項目めの障がい者支援について再質問をさせていただきます。
意思疎通支援事業につきましては、障害者総合支援法に規定する地域生活支援法の中の市町村の必須事業として、地域の実情や利用者のニーズに応じた事業の実施ができるようになっているということで、本市においても春日市登録手話通訳者等派遣事業を実施されているところであるとの御回答でございました。
それでは、本市が実施されております春日市登録手話通訳者等派遣事業について、成果と課題をお尋ねいたします。
次に、障がい者の入院治療におきまして、医療従事者とのコミュニケーションが困難なケースが多く、治療の妨げにならないように、医療機関から家族などの付き添いを求められる場合が多く、長期化する場合も多いとお聞きいたしております。親の高齢化等も含め、付き添いの身体的負担はとても大きく、また、実費負担で付き添い者をつけることは経済的に負担が大きいため、重度障がい者の入院治療を要する場合においては深刻な状況であります。このようなことから、国から県、市に、さきに示したように通達が送付された経緯があると考えます。
重度障がい者の方が入院された場合、付き添いの家族の方は、できれば当然傍らで付き添っていたいんだけれども、自身が体調不良だったり、兄弟児の病気等で付き添いができない状況になってしまったときに、入院時コミュニケーション支援事業のような制度があれば、本当にありがたく、救われますとおっしゃってもおられました。このような当事者のお声は、市のほうには届いておられないのかどうかお尋ねをいたします。
仮に市がこの事業を実施された場合ですね、費用負担は国が2分の1、県と市が4分の1と聞き及んでおります。この重度障がい者入院時コミュニケーション支援事業制度につきまして、再度御見解をお尋ねいたします。
121: ◯議長(金堂清之君) 筒井福祉支援部長。
122: ◯福祉支援部長(筒井ひとみ君)〔登壇〕 まず、1点目の春日市登録手話通訳者等派遣事業について、成果と課題はとのお尋ねにお答えいたします。
本市では、聴覚障がい者等の方が関係機関等との意思の疎通を図り、円滑な社会生活ができるよう支援するため、春日市登録手話通訳者等派遣事業を実施しております。この事業の成果といたしましては、平成29年度において、手話通訳者や要約筆記者を個人・講演会に派遣した件数が291件となっております。平成28年度の199件と比較しますと、件数で92件、約46%の増となっております。
次に課題といたしましては、新規の登録手話通訳者が減少しているため、登録手話通訳者の高齢化が進んでいることがございます。県では手話通訳者養成講座、本市におきましては手話奉仕員養成講座を開催し、この課題の解消に向けて実施しているところでございます。
次に、2点目の入院時コミュニケーション支援事業制度について、当事者の声は届いているのかとのお尋ねにお答えいたします。
この制度についての御要望の声は、当事者の保護者のお一人の方から、相談支援員の方を通じてお伺いしているところでございます。
この制度につきましては、福岡市におきましても平成29年度から対象者を障がい児にも拡大した事業であり、それによる影響も不明なことから、市長が答弁いたしましたとおり、本市においてどのような支援が必要とされているかを含め、どういった支援ができるのか今後も研究してまいりたいと考えております。
123: ◯議長(金堂清之君) 18番、野口明美議員。
124: ◯18番(野口明美君)〔起立〕 18番、野口明美でございます。
障がい者支援について再々質問させていただきます。
春日市登録手話通訳者等派遣事業についてでございますが、派遣件数が、今ほどの御答弁で平成28年度と29年度を比較しますと約45%増と高い利用度になっている反面、登録手話通訳者の高齢化、また新規の登録手話通訳者の減少の課題があるようでございますが、まずはこの課題に向けてですね、御提案ですが、まずは市職員からこの課題の解消を担っていただき、市民の普及にしっかりと取り組んでいただき、手話通訳事業のさらなる充実に努めていただきたいと思いますが、これに対してのお考えをお尋ねいたします。
次に、入院時コミュニケーション支援事業制度についてでございますが、先ほども述べましたとおり、必要とされておられる方がいるということを認識していただき、御回答にございましたように、どのような支援が必要とされるか、また、どういった支援ができるのか、しっかりと研究していただきますよう強く要望いたしておきます。
125: ◯議長(金堂清之君) 筒井福祉支援部長。
126: ◯福祉支援部長(筒井ひとみ君)〔登壇〕 登録手話通訳者の課題について、まずは市職員からこの課題の解消を担って、手話通訳事業のさらなる充実に努めてはとのお尋ねにお答えいたします。
聴覚障がい者の方と一番接する機会がある障がい担当におきましては、各種申請、各担当へのつなぎなどで、手話通訳の必要性が高い所管でございます。そのため、職員は毎朝のミーティングにおいて、専任手話通訳者によるワンポイントの手話の研修を欠かさず実施しているところでございます。また、職員の中から手話検定等を受験する者も出てきております。
今後とも、職員や市民の方々にいかに興味や関心を持ってもらうか、また、どのようにして参加しやすい講座にしていくべきかについて、研究していく所存でございます。
127: ◯議長(金堂清之君) 18番、野口明美議員。
128: ◯18番(野口明美君)〔起立〕 18番、野口明美でございます。
それでは、3項目めの小学校における児童生徒の安心安全の取り組みについてを再質問させていただきます。
まず、市内の小中学校のブロック塀の安全基準の点検及び通学路の総点検についてでございますが、地震発生のその日のうちに協議を行い、翌日に調査をされた素早い対応に、保護者の方々も安心されたことと思っております。結果についてはただいま詳細に御答弁をいただき、ありがとうございました。調査の結果、市の対応が必要となるものは6カ所であり、いずれも工事を完了しているという御答弁であります。
通学路のブロック塀については、気になる箇所が70カ所、多くは壁の劣化などの軽易なもので、気になる度合いが高いのが4カ所あったということでございます。これに関しては、既に地権者等に改善の申し入れをされたということですが、福岡市は福岡西方沖地震を受け、ブロック塀の撤去の半額を補助する制度を2006年に導入いたしておりますが、大阪北部地震の女児が亡くなったこの事故を受けまして、ブロック塀の所有者かまた管理者が撤去する際の費用の補助の上限を、10月にも引き上げる方針を示しております。本市においてはいかがお考えか、お尋ねをいたします。
次に、中学校の通学時の持ち物の負担軽減についてであります。もうこれは先ほどの御答弁で既に実施をしてくださっているということでございますけども、置いて帰っている生徒の割合と、保護者には十分に周知なされておられるのかをお尋ねをいたします。
以上で再質問を終わります。
129: ◯議長(金堂清之君) 黒田都市整備部長。
130: ◯都市整備部長(黒田一輝君)〔登壇〕 ブロック塀の撤去費補助について、福岡市は所有者などへの補助の上限額を引き上げる方針を示しているが、本市はどのように考えているのかとのお尋ねにお答えいたします。
現在、本市においては、民家等を対象とした所有者などへのブロック塀撤去費補助はございません。しかしながら、福岡県において撤去費の助成制度を創設することとして、この9月県議会に補正予算を上程しておりまして、議会承認後、10月からブロック塀撤去費補助事業を実施する予定との情報提供がありました。この事業は、民家等を対象としたブロック塀の撤去費補助で、ブロック塀等の所有者または管理者に、撤去に要する経費の一部を補助するものでございます。
現在のところ制度の詳細が不明でございますので、助成制度の詳細内容が明らかになり次第、制度創設について、福岡県や関係所管とも協議しながら検討を進めてまいります。
131: ◯議長(金堂清之君) 神田教育部長。
132: ◯教育部長(神田芳樹君)〔登壇〕 野口議員から、中学校で持ち物を置いて帰っている生徒の割合と、保護者への周知についてのお尋ねにお答えいたします。
持ち物を置いて帰っている中学生に関して、学校に確認をいたしましたところ、ほとんどの生徒が、学校が指定する教科書や教材等を教室に置いて帰っているとのことであります。
保護者への周知に関しましては、各中学校とも、PTA総会やPTAの学年集会等の機会を利用して、周知に努めているところでございます。
133: ◯議長(金堂清之君) 18番、野口明美議員。
134: ◯18番(野口明美君)〔起立〕 18番、野口明美でございます。
学校における児童生徒の安心安全の取り組みについて、再々質問をさせていただきます。
ブロック塀の撤去費の助成についてでございますが、国の施策も望むものでございますけども、福岡県において民家等を対象にしたブロック塀撤去費補助事業を、議会承認後10月から実施する予定であるのではないかという御回答を賜ったところでございます。この制度が創設された場合ですけども、これはこの対象民家等にとりましても朗報になると思いますことから、創設された場合は素早い周知を行っていただいて、安全対策を進めていただきたいと強く要望をいたしておきます。
また、児童生徒みずからがこの危険を予測してですね、回避する能力を身につけることも、また大切なことではないかと思っております。この際には、直接指導に当たる教員の資質を高めることが大変重要になってくると思いますが、この件もあわせまして今後取り組んでいただきますよう、強く要望させていただきます。
次に、通学時の持ち物の負担軽減についてお尋ねをいたします。
ほとんどの生徒が学校に置いて帰っているとの御回答でございましたが、各教室には教科書や教材を置いておく棚やスペースの確保はできておられるのでしょうか。
また保護者への周知ですが、中学1年生の保護者の方からつい先日も、まだ中学1年生の男の子なので、どっちかというと体がきゃしゃであると。息子さんが学校に持っていく持ち物をはかったら15キロもあったので、学校に置いて帰れないのかとの問い合わせをいただいたところでございました。
全中学校において、置いて帰ることを認めている持ち物一覧表をまた作成されていることも含めましてですね、教育委員会のほうから全保護者宛てに、知らない保護者もいるようでございますので、教科書等を必要に応じて教室に置いて帰ることを認めている旨の通達を出されてはどうかと思いますが、お考えをお尋ねいたします。
なお、通学時の持ち物の負担軽減につきましては、今後も学校と教育委員会におきまして、よりよい効果のある施策を考えていただいてですね、生徒たちの健康、安全を図っていただきますよう、これも強く要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
135: ◯議長(金堂清之君) 神田教育部長。
136: ◯教育部長(神田芳樹君)〔登壇〕 野口議員から2点のお尋ねでございます。
まず、持ち物を置いておく棚やスペースの確保はできているのかとのお尋ねにお答えします。
中学校では小学校と同じように、教室の後方にある区分された棚を保管場所として活用しております。棚のサイズを申し上げますと、中学校でおおむね幅43センチ、高さ30センチ、奥行き43センチとなっており、個数で42枠ございます。このほか、各学校とも工夫しながら保管スペースを確保しているところでございます。
次に、全保護者に対して、教科書等を置くことを認める通知を教育委員会から出してはどうかとのお尋ねにお答えいたします。
このお尋ねは、先ほど議員の事例にもございましたように、学校の取り組みに係る周知が保護者個々まで行き渡っていないのではないかとの御心配によるものだと思っております。教育委員会といたしましては、今回の生徒の携行品の取り扱いを含め、学校の取り組みに係る保護者周知に関しましては、第一義的には学校の責務として行うべきものであります。教育委員会は学校のこの自立性を尊重するとともに、学校からの要請に応じまして支援や助言に努めるものと捉えております。
なお、今回議員御案内の文部科学省からの通知につきましては、市教育委員会から各学校に対して周知を図っておるところでございます。
137: ◯議長(金堂清之君) ここで暫時休憩いたします。
なお、再開は午後3時10分といたします。
──── ─ ──── ─ ────
休憩 午後2時55分
再開 午後3時09分
──── ─ ──── ─ ────
138: ◯議長(金堂清之君) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。
7番、北田織議員。
なお、北田議員は時間制にて質問いたします。
139: ◯7番(北田 織君)〔登壇〕 7番、会派大樹の北田織でございます。
私は、さきに通告いたしておりました補助金交付のあり方について、時間制で質問いたします。
まず補助金の定義でありますが、憲法第89条において、「公金その他の公の財産は、宗教上の組織もしくは団体の使用、便益もしくは維持のため、または公の支配に属さない慈善、教育もしくは博愛の事業に対し、これを支出し、またはその利用に供してはならない」として、支出対象、支出範囲が規定されています。
また、地方自治法第232条の2においては、「普通公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助することができる」と、支出根拠を規定いたしております。
さらには、これらの法令に抵触しない範囲で、個々の補助金の支出根拠については、条例、規則または要綱などをもって明確に指定する必要があります。
ちなみに、春日市の歳出予算における19節負担金補助及び交付金の補助金は、春日市が特定の事業、活動を助長、奨励するために公益上の必要性を認めた場合に、反対給付を求めず支出するものと解釈することができます。この19節の負担金は、春日市が法令、契約等に基づいて、国、ほかの地方公共団体などとの特定の事業から特別の利益を受けることに対して、一定の金額を負担し支出するものであります。交付金は、本来市が行うべき事務を、法令、条例などにより団体や組合などに委託する場合において、当該事務処理の報酬として支出するものと認識いたしております。これらのことを勘案すると、補助金はその運用の透明性、支出の明確化による公平性、公益性の確保が求められ、市民への説明責任が最も重要なことであると考えております。
本市における補助金の交付は、市民公益活動の活性化を図る市民活動活性化事業から、自治会における住民自治の確立及び市民が心豊かな暮らしを実感できるコミュニティ形成支援、さらには中小企業の経営の改善及び発展並びに事業の充実を図り、中小企業の振興及び安定に寄与する事業など、その対象や範囲は、福祉、教育、まちづくり、経済など多岐にわたっています。
春日市がこれらの団体の事業の実施あるいは事業の運営にかかわり、行政目的を効率的かつ効果的に達成する上で重要な役割を果たしてきたことは、皆様も御承知のとおりであります。しかし一方では、補助金交付が長期化し、既得権化の傾向が見られるのもこれまた事実であります。補助金の交付に際しては、公益性が高く、市民のニーズに合ったものであることが大前提であり、これらの条件を満たした上で、使途が適当であることが求められております。
以上のことを踏まえた上で、次の5事業についてそれぞれに、補助金交付の公益上の必要性、補助金の支出目的と対象及び効果、補助金額の算出方法についてお尋ねをいたします。
一つ目に、春日市環境保全活動事業補助金要綱に基づく事業について、二つ目に、春日まちづくり支援センター管理運営費補助金交付要綱に基づく運営費について、三つ目、春日市防犯灯の設置等補助に関する要綱に基づく事業について、四つ目、春日市商工会一般事業費補助金交付要綱に基づく事業について、五つ目、青少年健全育成事業費及び社会教育団体育成費の補助金についてであります。
以上、御答弁をよろしくお願いいたします。
140: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。