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平成9年第4回定例会(第3日) 名簿 1997-09-11
平成9年第4回定例会(第3日) 本文 1997-09-11

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  1. 春日市議会 1997-09-11
    平成9年第4回定例会(第3日) 本文 1997-09-11


    取得元: 春日市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-05
    1:                 開議 午前9時58分                ──── ─ ──── ─ ──── ◯議長(北川卓逸君) おはようございます。  17番、佐藤克司議員からおくれる旨の届け出があっております。  定足数に達しておりますので、ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配付しております議事日程第3号のとおりであります。                ──── ─ ──── ─ ────  ┌─────────┐  │日程第1 一般質問│  └─────────┘ 2: ◯議長(北川卓逸君) 日程第1、これより一般質問をお受けいたします。  今期は、お手元に配付しております一般質問通告一覧表のとおりに11名の方から質問の通告が提出されております。  通告順に質問をお受けいたします。  6番、友廣英司議員。 3: ◯6番(友廣英司君)〔登壇〕 おはようございます。6番、春日市民クラブ友廣英司です。  通告に従い、児童・生徒の安全対策について質問させていただきます。  内容は、皆さんも御承知の8月6日、登校中に発生した女児殺害事件についてであります。  9月に入り、やっと暑さも峠を越え、学校も2学期へ進んでおります。登校初日からずっと私も春日小学校西側の県道を歩いてみますと、学童を学校へ送り済ませたお母さん、手をつないで学校へ向かう児童とお母さんで歩道が混雑しているのを見て、このような自衛手段を続けることは大変であろうかと思い、またここから他の問題が生じるのではと危惧したところです。  神戸市の少年殺害事件、奈良県月ヶ瀬村の少女失踪事件から引き続き、登校中の児童を衝動的にねらった凶悪な犯罪が発生いたしましたこと、何の罪もない児童が次々と平然と殺されることにどう対処すべきか困惑を隠せません。  市長も今定例議会冒頭、この事件の被害者の女児に対し哀悼の意を表されました。私も哀悼の意を表すとともに、事件当時の地域の方々の状況について少し触れてみたいと思います。
     逮捕された犯人の供述した言葉に「女の子であればだれでもよかった」、この言葉がニュースで報じられたとき、同じ年ごろの女児を持つお母さんたちは身が震え、悲しみと憤りを感じ、何ともやり場のない気持ちを抑えきることができなかったと、この悲しい事件に激怒されていたのです。  女児の家族の住まわれる団地では、自治会長を中心として、情報収集、写真を掲載したチラシの配布など、幾日も捜索活動がなされました。また、春日市のあらゆる団体のボランティアの方による捜索活動も展開されましたが、捜索に尽力されました皆さんの願いもむなしく、残虐きわまりない結果となり、残念です。行方不明となった日から5日後に、犯人が供述した山中から女児は遺体で発見されたのです。そのとき、お母さんは関係者の方に、「この子を抱いていいですか、抱かせてください」と絶句されたそうです。  このような痛ましい事件を身近に体験した私たちは、二度とこのような惨事が起きないために、行政はもとより教育の現場、地域、そして各家庭が一体となって対策に取り組み、再発防止に努める必要があります。  この一連の事件は、変化の激しい社会環境の中で、家庭や地域での人間関係が希薄になり、自己の責任感が欠如している、自分と利害関係にある人以外には関心を持とうとしない、そのためにお互いの人間性を知ることが難しくなり、このような予期せぬ事件が発生したとき対応がおくれ、よくない結果が生じると考えられます。  歴史の上で、経済、社会環境が大きく変化してきた中にも、日本の治安のよいことは世界に誇れると言われていたほどでした。しかし、社会情勢が著しく移行する過程で人権を重んじるようになったとき、反面人の苦しみや痛みを思いやる気持ちが薄れたような気がします。このような事象でとうとい生命を奪われた方々を心の底から弔うことのできる配慮を望むものです。  現状の社会に対していろんな批判が取りざたされているところですが、残虐な事件が生じた自治体の首長として、他の自治体とも連携を図り、一連の事件に対する法の整備を国へ訴えていただきたいと思うが、市長のお考えをお聞かせください。  また、行政もこの大きな課題に対して、二度とこのような惨事が起きないようにどう取り組まれるか、教育長にお尋ねいたします。  以上、よろしくお願いします。 4: ◯議長(北川卓逸君) 白水市長。 5: ◯市長(白水清幸君)〔登壇〕 皆さんおはようございます。  友廣議員さんの児童・生徒の安全対策についての御質問にお答えをいたします。  このたびの事件につきましては、議会を初め市民の皆様の願いもむなしく、結果は最悪の事態になり、本当に残念でなりません。御両親を初め御家族の方々に心からお悔やみ申し上げますとともに、麻衣さんの御冥福を心からお祈りいたします。  私は8月6日の夕方、教育委員会からの連絡を受け、事件の発生を知りましたが、直ちに危機管理体制の必要を判断し、防犯を担当する総務部長以下、職員を春日小学校に派遣するとともに、あわせて消防団に出動を要請し、筑紫野警察署との協力のもと、情報の収集と捜索活動に当たらせたところであります。  また、7日以降事件が解決するまでの間も、消防団とともに全職員を挙げて、そして多くの市民やPTAの皆様と捜索活動及び広報の班を編成をし、警察と協議しながら事件解決に努めてまいりました。私自身も筑紫地区の市長、町長に筑紫野警察署長室に御参集を願い、直接協力をお願いしたり、10日に実施した全市民捜索活動にも参加をいたしました。  友廣議員さん御質問の行政の今後の対策についてでありますが、今改めてこの事件が与えた内外の影響の大きさを思いながら、二度とこのような悲惨なことが起きないよう、全市を挙げて、皆様とともに取り組んでまいりたいと考えております。特に今回の事件を形骸化させないためにも、総合的な立場で教育委員会と連携を図り、検討していただいておるところでございます。皆様の御協力を心からお願いを申し上げます。  なお、当面の対応等につきましては、教育長から説明をいたさせます。よろしくお願いをいたします。  それから、この被害があった関係市町で法整備ということでの御質問もありましたが、これは法的な問題もございますので、研究をさせていただきたいと思います。 6: ◯議長(北川卓逸君) 河鍋教育長。 7: ◯教育長(河鍋好一君)〔登壇〕 今回の事件につきましては、議会の皆様を初め、市民の方々、春日市消防団等の各種団体による連日連夜の捜索活動に御協力をいただきましたことに大変感謝し、お礼を申し上げる次第でございます。  本市といたしましては、今後児童・生徒の安全確保のために最善の努力をしていく所存でございます。  さて、御質問の児童・生徒の安全対策についてでございますが、今回の事件を教訓として、事件の再発防止と児童・生徒の安全確保のあり方について総合的に検証を行い、教育委員会におきましては、児童・生徒の安全指導の指針を作成いたしました。その中身は、まず初めに、学校における安全教育及び安全管理につきましては、年間指導計画に位置づけ、全教職員の共通理解のもとに、交通安全、施設の安全、誘拐等の危険に対する身の処し方等を含めて、教育の全領域にわたっての指導の徹底を図ってまいります。  しかしながら、学校の児童・生徒の安全教育と安全管理を適正に推進していくためには、当然に学校教育の領域外での教育力の活用の有機的な連携、協力は不可欠と言えます。このため、家庭や地域においては子供の危険に対する意識を高め、子供の安全についてもっと関心を持つべきであります。保護者は、子供の登下校の際には外まで出て送迎すれば、隣近所の子供たちや他の保護者ともコミュニケーションを深めることができます。また、地域の協力を得ることができれば、通学路での安全監視員等制度づくりや、既に他地区にて導入されております緊急避難の場所、いわゆる「子ども110番の家」を御家庭の協力を得ながら設置の方向で研究してまいりたいと考えております。  次に、各種団体等で今までいろいろな取り組みや活動がされてきていますが、今後は危機管理意識を高め、これらの活動を継続的、効果的なものにしていくため、行政はこれらの事業を積極的に支援し、組織の活性化を図り、各組織間のネットワーク化を進めていく必要があると考えています。  また、行政としまして、子供たちの安全確保について市民を啓発し、市民意識の掲揚を図っていく必要があります。市民啓発につきましては、来る9月26日に「子どもの安全を考える市民大会」を開催し、情報や意見の交換を行います。さらに、警察等とも緊密な連携を取り、不審者情報等の危機情報についても広く市民に情報を提供していくことが、市民の意識の高揚を図るため重要であります。  また、社会教育や社会体育などの生涯プログラムの見直しが必要であり、父親をもっと子供にかかわらせ、子供を守るという意識を持たせるような、父親を対象としたプログラムを取り入れる必要があります。  また、子供に対するプログラムについては、自然体験、社会体験、生活体験をもっとメニューに取り入れ、生きる力の育成に努めなければならないと考えています。つまり、行政を初め、地域、家庭、学校のそれぞれにおいて子供の安全確保を推進するための有効な方策、また検討すべき課題の中のできるものから実行していくといったことが大切であります。そして、長期的展望に立って子供たちの安全確保ということを常に念頭に置き、指針に示しておりますいろいろな課題について、地域あるいは家庭の御協力と御理解を得ながら、地道に実践へ結びつけていく取り組みが重要であると考えています。今後とも議員の皆様方のお知恵や御意見を賜りながら取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 8: ◯議長(北川卓逸君) 6番、友廣議員。 9: ◯6番(友廣英司君)〔起立〕 再質問はいたしませんけれども、教育長には大変前向きの御回答をいただきました。このような行政の前向きな気持ちが市民の皆様に伝わっていけば、また市民の皆様も日常生活が安心してできることだと思います。  また、市長さんの方にお願いいたしました法の整備等について、国の方へ訴えていただくことができないかという質問に対しましては、研究をするというお答えをいただきましたので、よろしくお願いいたしまして、私の方は質問を終わります。 10: ◯議長(北川卓逸君) 19番、神朗博議員。 11: ◯19番(神 朗博君)〔登壇〕 19番、市民連合、民主党の神朗博です。  通告をしています市長の政治姿勢について質問をいたします。  バブル崩壊後の長引く景気停滞と急速に進展をする国際化、情報化など、差し迫った課題が私たちの前に立ちはだかっています。国と地方、400兆円を超える累積赤字など、小手先の部分的な改革による解決は不可能であり、日本社会の構造そのものの改革が今求められています。こうした状況認識が多くの国民の共通認識となってきていますし、行政改革や地方分権もこうした背景の中で待ったなしの状況であることは、市長自身もいろんな場で強調されていますし、そういう認識に立っていると私自身は信じまして、2点について質問をさしていただきます。  6月の定例議会で、私は春日那珂川水道企業団の議員定数の増に対して反対討論をさしていただきました。なぜあえて行革の流れに逆行するのか。報酬問題や企業団の運営について、市民の皆さんにたえられるものにしていかなきゃなりませんし、行政や議会の理屈だけではますます市民の皆さんとの溝が深まるのではないか、地方分権は職員の意識の改革が必要であるという執行部の先頭に立つ市長の政治姿勢こそ問われているのではないかという趣旨の反対討論であったというふうに思います。  結果は御存じのとおりでありますが、私はそのことについてどうこう言うつもりはありません。しかし、反対討論の中で、私も今回の那珂川との協議のあり方や水問題議論のあり方の手法等に対しまして、全員協議会の場で私の意見も言ってきましたが、結果的には執行部が市長と那珂川町長の顧問の報酬をなくし、幹事会の設置など、企業団の運営等について改善をしていくことで議案の提案になったというふうに思います。議案に賛成をされた同僚議員も反対をした同僚議員も、そうした前提に立って後味の悪い判断をいずれにしてもされたというのが実態ではないでしょうか。  9月2日、水道企業団の臨時議会が開かれ、那珂川の水道企業団の議員の方が修正動議を出して、執行部が議案の提出の前提であったはずの事柄は吹っ飛んだとの報告を3日の全員協議会で受けました。水道企業団議会としての問題は、今後水道企業団議会の中で議論がされていくと思いますが、あってはならないことがあったといいますか、常識では考えられないことですが、少なくとも6月議会で、顧問制度は存続するが、無報酬とする、助役を入れた幹事会を設置することを明確に市長は答弁をしていますし、春日市議会としては当初春日の定数を減らし、春日5、那珂川5の定数削減の方向を確認したわけですが、全員協議会の中で執行部からの市長の答弁にもありましたように、内容を前提に定数増についての理解を求められ、結果としては定数増の議案が執行部より提案されたわけであります。  以上の経過から、1点目については、今後春日市の行政としてどのようにこの問題に対応していくのか。2点目は、水利権について、慣行水利権から許可水利権への移行について、水問題についてどのように考えているのか、2点について質問をいたします。  次に、市長の政治姿勢について、雇用事業促進事業について質問をいたします。  9月議会では議案として上がっていませんが、雇用促進事業団から勤労者のための福利厚生施設の設置が内示が出されたのかどうか明確ではありませんけれども、議会には何ら投げかけられたわけではありませんが、その内容について現在検討がされているという話が、これも事実かどうかわかりませんが、出ていますので、雇用促進事業団の事業の目的と状況について、どこまで進んでいるのか。  この問題は、補助金行政のあり方など大変重要な政治課題でもあり、今後議会との合意形成をどのように図っていくのか、そうしたもしそういう内容があるとするなら、プロセスについて具体的なスケジュールと方法について明確にしていただきたいと思います。  もう一点は、私自身の思い違いであれば回答は要りませんが、福祉施設の内容が温水プールを建設するのでないかという話が出ています。県のクローバープラザに大変立派な温水プールもできたばかりですし、那珂川町もたしか13億円だというふうに思いますけども、かけた温水プールがもうほとんど完成をするというように聞いています。  広域行政、合併問題など地方分権の推進という社会的な状況を考えますと、そのような内容では多分出てこないと思いますが、もしそのような内容が出てくれば、当然建物は雇用促進事業団が建設されるわけですけども、維持費などについては春日の負担ということになるのではないかと思います。ランニングコストやその他温水プール建設に当たっての財政負担について、どのようなものが想定されていくのか、まだ議会に何ら投げかけられている問題ではありませんが、もし今後そのような問題が出てくるのかどうか、回答については、もしそのような話が出てくるはずもないというのであれば結構です。  次に、まちづくりについて質問いたします。  3月議会で、同僚議員のまちづくりについての質問に対し、都市計画法の改正は住民参加が明示をされたことが大きな特徴であり、住民参加のまちづくりに対する支援は行政の今日的課題である。基本構想や基本計画との整合性など、条例化等について検討していきたいと答弁をされています。私も全く同感ですし、今後の都市計画のマスタープランや総合計画の策定は、そうした方向で進められているということが十分にいろんな形で伝わってきています。ぜひ実行していただきたいというふうに思います。  そうした市民参加のまちづくりの観点から、2点について質問をいたします。  6月議会の中でも、県事業であるオーバーパスに対する反対の陳情が出されましたけども、その後、地域住民の方の反対などがあって工事が中断をされるなど、何でこのような問題が出てくるのか、私自身も大変勉強不足で、そうした状況について理解ができませんでした。当然、住民の皆さんが出されているような問題は既にクリアがされている問題であり、すべての意見がクリアされると思いませんけども、少なくとも一定の合意形成を前提に工事が着工されたというふうに思っていました。県の工事担当や地元の住民の皆さんのいろんな話を聞きながら、市の事業から県の事業へと変わった経過や、当時の地元の住民の皆さんに対する説明の食い違いなど、私なりに調査をしましたが、いろんな方々の話を聞けば聞くほど市としての対応に私は問題があるんではないかというふうに感じています。  私は、オーバーパスについては早急に完成をさせるべきでありますし、このことについて反対をするつもりはありませんが、過去のいきさつはいきさつとして、マンション問題もそうですけども、大きく社会的な環境が変化をしていく中で、まちづくりではありませんけども、市民参加、合意形成のプロセスについてどのように考えているのか、答弁をしていただきたいというように思います。  1点目はバリアフリーの観点から、地元の住民の皆さんとエレベーターの設置問題など、今後合意形成をどのように図っていくのか。  バリアフリーの解釈は障壁の解消ということですけども、中央集権や環境問題、教育問題などさまざまな今バリアがありますけども、福祉の春日にふさわしいまちづくりを進める上で、オーバーパスの建設に伴い、特に弱い立場にある老人や障害者、さらには地下道では移動が困難な方の対策についてどのように考えているのかということで、1点目の質問の回答をお願いいたします。  2点目は、JR春日駅は既に基本設計が終わって、オーバーパス建設の進捗状況とあわせて、建設費を抑えるために効率的建設をしていくとの説明があったと思いますが、JRと県、そして春日市の春日駅建設の費用負担と春日市が考えている福祉駅構想については、既に細かい部分まで合意に達しているというふうに私は理解をしていますけども、そういう理解でいいのかどうか、答弁をお願いをいたします。  以上で1回目の質問を終わります。 12: ◯議長(北川卓逸君) 白水市長。 13: ◯市長(白水清幸君)〔登壇〕 神議員さんの御質問にお答えをいたします。  9月2日の春日那珂川水道企業団議会において、議案第10号「春日那珂川水道企業団特別職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例の制定について」が那珂川町議会選出の動議によりまして修正をされ、現状どおり顧問の報酬が支給される結果になりました。このような事態になるとは、私自身も全く予想もしなかったことであり、本当に驚きました。  さきの6月定例議会におきまして、「春日那珂川水道企業団規約の一部変更に関する協議について」を提案いたしましたときに、私は皆様に「顧問制度は存続するが、無報酬とする」、「助役を入れた幹事会を設置する」ということを申し上げていたところであります。しかし、結果的に約束を果たせない状況になりました。この件につきましては、いましばらく努力を続ける余地をいただきますようにお願いをいたします。  御質問の第2点目は、水利権について、慣行水利権から許可水利権への移行についてどのように考えるのかとのことでございますが、御承知のように、水利権とは流水の使用権のうち特定の者が農業用水、工業用水、上水道等のために流水を排他的、独占的かつ継続的に利用する特別使用権だと言われております。また、水利権は絶対的支配権ではなく、必要水量に対する具体的な支配権だとするのが判例の一般的な傾向であります。  水利権には、河川法制定以前からの農業水利権などの慣行水利権と、河川法制定以後、新しく発生したもので、法に基づき許可を受けた許可水利権がございます。慣行水利権が成立するためには、事実的な水利用が長期にわたって反復継続されること、またその水利用の正当性に対する社会的承認が必要であるとされておりますが、慣行水利権も河川法の規定に基づき届け出している限り、形式的には許可水利権とみなされることになります。許可水利権は、個々の水利権者ごとに単独に取水方法、取水量、取水期間等が定められ、定期的に必要水量の見直しがされることになっております。  神議員さん御指摘のように、慣行水利権の内容につきましては、許可水利権と違って、単に取水方法のみが定められたケースが多く、今後は周辺地域の都市化の状況も踏まえつつ、許可水利権と同様な内容に切りかえた方がよいとの議論があることは私も承知をいたしているところであります。  しかし、法的な問題は踏まえつつも、慣行水利権河川法制定以前から地域における水利調整として機能をしている点を考慮に入れ、最終的には限られた水量の大切な水をいかに有効に利用していくかの観点から、水利権者間の調整を図っていくことが大切なことではないかと考えているところであります。  次に、雇用促進事業団からの施設設置の内示について、その事業の内容、目的はどうか、検討はどうしているか、また市議会との合意はどうしていくのかという御質問でございますが、まず事業の内容、目的ですが、御意見にありますように、室内温水プールの新設を検討させていただいております。この選択をした理由でございますが、現スポーツセンターの施設は、昭和47年の市制施行記念事業の一環として、また市民のスポーツニーズの高まりに呼応した社会施設基盤整備の一環として、屋内施設の体育館を初め、屋外施設の野球グラウンドテニスコート、プール、ジョギングコース等を設け、整備を進めてきたものであります。その後、本市は都市化が急速に進展し、それに伴う人口増に加え、労働時間の短縮に対応した余暇時間の増加などを背景にして、従来の競技スポーツから健康スポーツへ関心が強まり、こうしたスポーツ人口の絶対増に対応するため、西スポーツセンターの開設をさせていただいたところでございます。  しかしながら、施設水準はまだまだ十分と言えない状況、実態があります。そこで、この緩和策といたしまして、野球等のグラウンドにつきましては、小・中学校のグラウンドの開放によりおおむね緩和されていると考えておりますが、テニスコート、プールにつきましては、土地利用の制約等から施設整備水準の不足が指摘されているところであります。  こうした事情から第3次春日市総合計画において、旧文化会館、スポーツセンターを含め、市民の生活文化拠点とすべきシビックコアと位置づけ、そのゾーニングプランとして文化スポーツゾーンの整備計画を明らかにしているわけでございますが、この整備課題としてプールの温水化を提案させていただいておりますことは御承知のことと存じます。  このような観点から市議会でも、またスポーツ審議会でも、スポーツ団体関係者、また一般の来館者によるアンケート調査でも、温水プールの設置についての強い御意見が出されておること、さらに既に20年を経過し、老朽化のための改善計画の段階に入ってきておりますことなど、快適な利用促進確保等から整備課題であると判断いたしたわけでございます。  この施設整備には大きな財政負担が避けられず、有意良質な補助事業等の研究などを進め、なかなか結論を見出せず、今日まで見送ってきた経緯がございます。そこで、いろいろ研究する中で、雇用促進事業団勤労者福祉対策事業の一環として取り組んでいるスポーツ施設整備事業が選択肢としての研究課題として検討させていただいたところであります。  しかし、こうした計画等があるとはいえ、社会的背景いわゆる県のクローバープラザの中に温水プールがつくられ、競合し必要性が薄いのではとの御意見でもございますが、この県の施設ができたことでの利用状況は、全くと言えるほど影響は出ていないという状況でございます。やはりこうした身近な施設は、市民の間で、さらに子供たちが主体となる利用施設でもありますので、市の施設利用を当然とした考え、感情がありはしないかとも思うところであります。したがって、市の施設として提供していくことも大変重要な判断であると思慮いたしますので、受け入れは必要と考えております。  これによりますと、当事業団の拠出事業費は10億円単位の事業の選択となりますが、幸いに室内温水プールが本市の基本構想において10億円規模の事業を構想しておりましたので、願ってもない事業ではないかと確信するものでございます。  確かに、国を挙げて行政改革、そして地方分権が叫ばれている中において、公社公団のあり方、公共事業、そして補助事業のあり方など、いろんな議論がございますが、当事業団のあり方も当然議論の一つとして整理の方向が明らかにされておりますことは御承知のことでございます。当事業団の現行制度の中で、その必要性のもとに事業が採択、承認されているわけでございますので、時流に逆らうというような認識を持つ必要性は薄いと判断いたしております。現制度において最大の活用も一つの地方の知恵ではないかと思慮いたします。  あわせて、この温水プールの整備事業により、テニスコートの増設整備の条件整備を整えていきたい、準備しておきたいと考えております。  次に、この事業の検討はどこまで進んでいるのかということでございますが、当事業団より事業採択の10億円の内示を受けているところでございます。これを受けて、基本計画調査書の作成に入り、県と協議をしていく段階であります。この事業内示に当たり、先ほど申しましたように、当事業団は国の改革、また財政改革の一環として整理縮小がいわれており、こういう理由等から10年度要望の方向で計画を進めておりましたが、急遽1年繰り上げの事業採択の内示を受けておるところでございます。  次に、市議会との合意はどう考えているのかということでございますが、この事業は事業主体は当事業団に帰属し、直接的には議案としてなじまない性格の案件であろうかと思いますが、事業の性格から当然に市議会に計画内容等について具体的に説明をし、意見をお聞きしていきたいと考えておりますので、その機会をつくらせていただきたいと存じます。  次に、そのランニングコストについてどう考えているのかとの御質問でございますが、室内温水プールの管理経費、いわゆるコストについての試算でありますが、まず支出といたしまして、人件費、これは、現在のプールでも遊泳中の事故防止等のために配置をいたしております監視員に要する費用といたしまして3,300万円、これは12カ月を想定したところでございますが。次に、光熱水費として2,600万円。このうち2,000万円についての経費が温水化による電気料経費として考えられます。そして、この電気設備の保守等の管理費700万円が見込まれますので、温水化による実質的負担は2,700万円が見込まれます。次に、プール水の保守、警備、清掃、消毒薬品及びトイレットペーパーなどの消耗品に要する経費といたしまして、総合しますと1,260万円を見込まれております。したがって、総計で7,860万円を見込んでおります。  温水化による2,700万円を除いた経費につきましては、現有施設でも必要経費として織り込んでいる内容の経費になるわけでございますが、温水化による利用増が相当見込めることから、それを膨らし、試算見込みをしておるところでございます。  一方、収入といたしまして、まず利用者数を10万人見込み、2,600万円を試算しております。  この収支関係で見ますと、5,260万円が一般財源ベースのコストとして考えられます。  また、現有施設との比較において、負担増がどうかという見方からしますと、収支関係、つまり支出から収入を差し引いた関係では、800万円程度の経費を要しておりますので、したがって、純増のコストとしては4,500万円程度が導き出されてくるのではないかと考えております。  先ほど収入の部で申し上げましたように、温水化により、延べにいたしましてでございますが、10万人程度の利用者を見込めることからいたしまして、こうしたコストは必要な範囲のサービスコストではないかと思っている次第でございます。  また、経常経費としてのコスト負担は、本市の財政計画、財政能力等から判断させていただきまして、市民の御理解は十分にいただけるものとの確信をいたしております。そしてまた、21世紀に向けての本市のあるべき体育施設整備課題であると判断をさせていただいております。ぜひ御協力、御理解をいただきたいと存じます。  次に、オーバーパス事業、いわゆる筒井小倉線立体交差事業の施行につきましては、平成8年から福岡県において工事に着手いたしたわけでございますが、平成9年5月、地元住民の方々から事業内容の説明が不十分ということで、工事中断のやむなきに至ったことは既に御承知のとおりでございます。  このため、市は、福岡県の事業担当所管であります那珂土木事務所とともに、数度にわたる地元説明会を開催し、もろもろの問題を話し合い、その解決に向け努力してまいりました。そのうちの大半は御理解賜ったところでありますが、最終的には御質問の第1点にございますエレベーターの設置が課題として提起されているわけでございます。  ところで、筒井小倉線立体交差事業は、福岡県が事業主体者とはいえ、当初は市が事業認可を得て事業に着手したものであります。その際は、当立体交差事業区域外、つまり橋上駅、自由通路、駅前広場、そしてエレベーター等の施設を含む全体計画が認められたからでございます。もちろんこの全体計画は筒井小倉線立体交差事業に端を発したもので、その計画には経済性、機能性、そして物理的な要因等の考慮、さらに各施設管理者の合意のもとになされたものであります。したがいまして、これらの各施設は個々の機能性だけで効果を発揮するものではなく、全体施設としてのその有効性が活用できるものだと考えております。  今回、地元の皆様方から御意見がございましたエレベーター設置に関しましては、その全体計画を見直すか、あるいは新たな事業の追加が必要になろうかと思われます。いずれにいたしましても、この問題は市独自の判断では決定できない要因もございますので、各関係機関と再度協議をさせていただきたいと思います。  また、地下道につきましても、お年寄りの方々が苦労することなく御利用できるように、その設計を考慮する旨、事業施行者である県に強く要請いたす所存でございます。  また、バリアフリーの問題につきましては、現在福岡県におきまして検討されております福祉のまちづくり条例のヒアリング等において、JR春日駅周辺のみならず、春日市全体の観点からもより実りのある条例策定を申し入れしているところでございます。  次に、第2点目の御質問、JR春日駅建設に関するJR九州及び福岡県との協議状況についてお答えをいたします。  JR春日駅建設に対するJR九州の姿勢は、当初の計画段階と同様であります。しかしながら、JR春日駅建設に要する事業費につきましては自治大臣の承認が必要でありますので、現在県地方課と駅舎における福祉施設、機能上必要となる施設等の負担区分の精査を行う手続を進めている状況でございます。  また、福岡県とは駅舎以外の施設にかかわる事業費の軽減を図るため、先ほど申し上げました福祉のまちづくり条例の活用方法、さらには有利な国庫補助事業の採択について御指導を仰いでいる段階であります。  いずれにいたしましても、この筒井小倉線立体交差事業及びJR春日駅周辺整備事業にはかなりの事業費を要しますので、よろしく御理解賜りますようにお願いを申し上げます。 14: ◯議長(北川卓逸君) 19番、神朗博議員。 15: ◯19番(神 朗博君)〔起立〕 再質問をさしていただきます。  政治姿勢について、2点について質問をいたしましたが、水道企業団の問題も雇用促進事業について回答もありましたけども、私は余りにも無責任な回答でありますし、多分私の質問の趣旨をわかった上での回答であるというふうに思いますので、再質問の回答を求めても同じ回答になるというように思いますから、質問に対する回答は結構ですけども、いろんな場でただいまの回答については問題にさしていただくということにさしていただき、要望も含め私の思いだけを述べさしていただきます。  水道企業団に対する最初の質問でも指摘をさせていただきましたが、水道企業団議会の問題は今後水道企業団議会の中で議論されていく問題でありますし、議長を初めとして水道企業団議会議員の皆さんが問題解決に向けて今後奮闘されていくというふうに私は思っています。  市長が予想しなかったことであり、驚いたということでありますが、市長よりも驚いたのは水道企業団議員の方ではないかというふうに思います。他の春日の議員でも同様ですけども、もちろん私自身もここまでやると思っていませんでしたけども、結果的には回答いただきましたように、市長が約束をした事項が修正動議によって吹っ飛んでしまったわけであります。  私は、市長の個人的な責任をこの問題で追及するつもりはありません。少なくとも執行部が議案の提案の前提条件として約束した事柄が崩れたわけですから、行政としてどう対応していくのかということを質問しているわけですから、今後の議案審議や議会の執行部とのあり方など、大変な大きな意見が出てくる問題だけに、明確な対応を示すべきではないかというふうに思っています。全員協議会の中でのやりとりでありますから、そのことをここでどうこう言うつもりはありませんが、少なくとも今日までこうした合意形成のあり方がよかったのかどうかは別としても、執行部との関係でいきますと、そうした信頼関係といいますか、ルールの上でいろんな問題を協議してきたわけですから、もっと深刻に受けとめ、一部事務組合のあり方やチェック機能のシステムなど、一部事務組合に対する情報公開や監査のあり方など、早急な現行制度の改善策を私は検討をしていくべきだというふうに思います。  一般質問に対する市長の答弁の問題につきましては、質問をされた同僚議員の方がこの後する予定となっていますので、これ以上触れませんけども、驚いただけでは済まされない問題であるということだけは指摘をしておきたいと思います。  水利権の問題については、改めて議論をしていきたいというふうに思いますけども、水利権に対する認識が今回の水道企業団問題が混乱をしてきた一つの要因であるということを強く私は指摘をしておきたいというふうに思います。  雇用促進事業団の質問に対しましては、大変丁寧な回答をいただきました。かなりの時間が経過をしましたから質問も簡単にさせていただきますけども、まさか本気で温水プールをつくるはずがないというふうに思ってましたのでびっくりしましたけども、私が質問をした論点を多分理解していただいた上でこのような回答になったというふうに思いますけども、まさに私は市長の政治姿勢が今問われていることを強く指摘したいというふうに思います。  回答によりますと、市議会を初め多くの市民の皆さんが温水プールを強く望んでいるということですから、そのことについていかに意識のずれがあるかということについては、今後説明の場を持つということでありますから、その中でゆっくりやりたいというふうに思います。温水プールが必要であるかどうかという私は質問をしているのでありません。その点については今後の議論になっていくというふうに思います。  回答をいただきましたように、事業計画の内容及び配置計画についてはまだ準備段階ということですから、基本計画調書作成については議会に計画内容について具体的な説明を行い、意見をお聞きしたいということですから、基本計画調書に議会の意見をしっかり受けとめていただき反映させていただくことを強く要請をしておきたいというふうに思いますし、そういう意見を踏まえて今後の計画はなされるというふうに思ってます。  促進事業団事業の決定につきましては、基本計画調書に基づき決定がされるわけですから、県との協議が準備段階ということですから、早急な議会との合意形成が必要でありますし、促進事業団事業につきましては、勤労者の福利厚生事業でありますから、春日市の施設というよりも広域的な勤労者の福利厚生施設ということですので、補助事業の目的に沿った条件整備が必要でありますし、スポーツ団体やスポーツ審議会等の意見はあるにしましても、勤労者対策としてのアンケート調査ということについては、時間的には間に合わないと思いますけども、できるだけどのような施設が本当に必要なのかということを広域的な分析をぜひしていただきたいというふうに思います。  月曜日の新聞報道で、総務庁の行政監査結果が出されましたが、事業目的を外れたずさんな事業のあり方と甘い審査についての痛烈な批判が各新聞で報道がされていました。箱物神話の浮き彫りという題目で補助金のばらまきと箱物神話に縛られている地方の現状を痛烈に批判をしており、総務庁は内外環境の変化、目的の実現性を検討しないまま事業を延々と続けている事業につきましては、改善が見込めない場合については補助金の返還を都道府県に指導することを勧告をしました。
     答弁では、雇用事業団として温水プールが必要であると研究してきたのか、春日市に温水プールがあった方がいいから選択肢として財政上の問題として研究したのかどうか、どう受けとめていいのかわかりませんが、幸いにしまして春日市につきましては計画書の提出が準備段階ということですから、そうした背景も十分に考慮しながら議会とも十分な合意形成を図って、結果として温水プールテニスコートが議会の合意として決定されたのであれば、今後そうした批判にこたえられるような運営方法等についても検討していくべきだというふうに思います。  いずれにしましても、回答をいただきましたように、雇用促進事業団は廃止をされます。このことは、補助金行政に群がる政治家や企業に対する社会的な批判や地方が補助金をいかに取るかに紛争し、本来の事業目的を忘れ、今日の危機的な財政破綻を生み出した一つの要因となっていることに対する批判の中で特殊法人のいわゆる雇用促進事業団の廃止が決まったという事実を深刻に受けとめていただきたいというふうに思います。  10月には地方分権シンポジウム、さらには先ほど同僚議員の発言にもありましたように、不幸な結果となりました麻衣ちゃん事件を受けての教育シンポジウムなど、政治行政に対する信頼回復に向けて一丸となった議会と行政が市民に対してその姿勢を示さなければならない重要な時期であります。  今回の雇用促進事業団事業につきましては、労働省の管轄であるというふうに思いますが、温水プールを検討したいということで、これは教育委員会の議案事項となっているようでありますが、大変ただいま丁寧な市長の思いも込められているというふうに思いますけども、教育的視点から考えるときに雇用促進事業団の事業目的や議会等の合意形成の手法などについて回答をいただきましたが、本当にこれで教育行政を指導していく教育委員会が市長の答弁であるにしても、こうした認識に立っているということについては、私は疑問を感じます。  複雑化する教育問題や教育行政は根本的な見直しが求められています。その先頭に立つ教育委員会が社会的正義を正しく受けとめ、政治的な背景やこれまでの慣例慣行に縛られず間違いのない判断をしていただきたいと思います。  市長の政治姿勢につきましては、水道企業団の問題につきましても指摘をさせていただきましたけども、私は大変そうした廃止になるということに強く問題があるというふうに認識をしています。市長の政治姿勢に対する再質問の答弁につきましては必要ありませんので、政治姿勢についての質問はこれで終わります。  最後に、まちづくりについて再質問をいたします。  回答をいただきましたけども、確かに9月5日に地元の住民の方々の説明に対する事業内容の不十分という理由から工事中断に至り、県と市が解決に向けて努力をしてきたことは十分に理解をしていますが、最初の質問でも申し上げましたが、私自身も立体交差事業のこれまでの経緯につきまして全く勉強不足でありましたし、いろんな方々のその後意見も聞き、調査をしてきましたが、この立体交差事業は平成2年に市都市計画審議会で採択がされ、平成5年には市の事業から県への事業に移るなど、当初の計画の背景やそれらを取り巻く環境そのものが大きく変化をしており、特に都市計画法の改正によって、先ほど質問をいたしましたけども、市民参加が明示をされ、まちづくりや都市整備の合意形成のあり方そのものが大きく変わっているという状況の中であることも私はしっかり認識をしておくべきではないかというふうに思います。  県や市の担当者の方の説明も理解をしますけども、現実に住民の方のさまざまな問題や要望が出てきているわけでありますし、すべてをクリアしていくということは、これは無理かもしれませんけども、できることは耳を傾けていき、解決の努力をしていくことが大切ではないでしょうか。  市と県、地元の住民の皆さんの間にはいろんなこともあったというふうに思いますけれども、現状はまだまだうまくいっているとは思えませんし、回答をいただきましたエレベーターや、いわゆる踏切の問題も含めまして、まだ意見の食い違いもあるというふうに思います。  いずれにしましても、回答をいただきましたように、この問題は市独自の判断では決定できない要因もあるというふうに思いますけども、関係機関との再度の協議、そして改善できることは市が誠意を持って努力をしていく以外には問題の解決はありませんし、バリアフリーの観点から福祉のまちづくり条例が県でも検討をされており、春日市もそうした観点からヒアリング等も参加をしているとのことですから、市が引き続き地元の皆さんに対する要望の窓口となって、ぜひ努力をしていただきたいというふうに思います。  2点目の春日駅の事業費につきましては、まだ整理がついてないということでありますけども、県やJRが本当に期待を春日市にしているような財政負担が、私はできないという状況もあり得るんではないかというふうに思います。回答にもありましたように、地元の住民の皆さんとの話し合いの中では、いわゆる福祉駅構想が前提にさまざまな議論が展開をされていますし、議会でのこれまでの議論も踏まえて財政問題も含めて、実際に福祉駅をちゃんとつくる市の単独でも本当にやっていくのかどうかということも含めまして、もし大きな計画の変更があり得るならば変更していく、そうした判断をやはりきちっとしていく時期に来ているんではないかというふうに思ってます。  いずれにしましても、今後も引き続き住民の皆さんとの合意形成に対する努力を強くお願いし、再質問を終わります。 16: ◯議長(北川卓逸君) あとの問題も答弁いいですか。  いいんですか、答弁は。 17: ◯19番(神 朗博君) これだけあるんだったらいいです。 18: ◯議長(北川卓逸君) 白水市長。 19: ◯市長(白水清幸君)〔登壇〕 神議員さん、再質問の春日駅周辺整備の問題であります。いわゆるまちづくり関連でありますけれども、今後地元の御意見を十分お聞きしながら、これはさっきも申しましたように、県あるいは建設省とも協議が必要でございますので、県に十分私どもの市民の要望は強く申し入れをしたいと思います。  そして、結果的にいろんな判断の中で、ここでできますという答えはなかなか出せないというのが現状でありますけれども、できるだけ意義のあるところを要望にこたえていくような努力をいたしたいということだけは申し上げておきます。  つまり、福祉のまちでありますし、福祉駅を中心に考え方を進めるということを申し添えまして、再質問の答弁とさせていただきます。 20: ◯議長(北川卓逸君) 21番、長能文代議員。 21: ◯21番(長能文代君)〔登壇〕 21番、日本共産党の長能文代です。  私は、学校教育のあり方についてと食の安全性と学校給食についての2項目にわたって、市長並びに教育長にお尋ねをいたします。  まず、学校教育のあり方についてですが、神戸市や奈良県で起こりました若い世代による凶悪事件に続いて、春日市でも小学校2年生の少女が拉致され、殺害されるという痛ましい事件が発生いたしました。亡くなられた古川麻衣さんの御冥福を心からお祈りするとともに、二度と再びこういう事件が起こらないように市民の皆さんとともにさまざまな方策を考え、犯罪の起こらないまちづくりの取り組みに全力を尽くしたいと思います。  こうした一連の事件が立て続けに起こっている中、各界各層の方々からいろんな意見が出されています。成城大学の社会心理学教授の石川弘義さんは、「犯罪が起こる普遍的な背景の要素として青少年が子供っぽくなってきていること、幼稚化していること」を指摘しておられます。また、「若者の中で犯罪を犯したらどうなるのかという想像力が衰退してきている。テレビなどで流されている暴力的な弱者虐待的な文化に日常的に触れていると、他人の傷みがだんだんわからなくなり、感情も革をなめすようにでこぼこがなくなっていく。これが想像力の衰退につながっているのではないか」とも言っておられます。  ノンフィクション作家の吉永みち子さんは、「犯罪を犯した青年たちには、相手の人生を奪うことに対する傷みもなければ、自分の人生を失うことへのおそれもない。失うものがないから、人を殺すとか、ぶん殴るとか、一瞬の刹那的な快感に走るのでしょう。今の若者に共通しているのは、生きている感覚が希薄だということです。しかし、考えてみると今の若い子には未来がない。いい高校、いい大学、いい会社と一本の太いラインができ上がっていて、中学校あたりで自分の未来の値踏みができてしまう。勝ち残れるのは一部で、勝ち残れなかった子供たちは、どうあがいてもだめだと思わされてしまう。自分が築き上げてきた時間も自分の居場所もない。それなら今の瞬間を生きるだけしかないのです」。  また、高校生の覚醒剤問題に取り組んでこられたある高校教師は、「覚せい剤に巻き込まれる要因は幾つもありますが、中でも子供のときからのストレスが大きな原因になっている。犯罪を犯したものは、責任をとって償いをしなければなりませんが、それだけで問題が済むわけではない。犯罪を生み出す背景にまで手を入れていかないと本質的な解決にはならない。政府は、学習指導要領を新しくして92年から導入しましたが、その内容は物事に対する理解より、意欲、関心、態度を重視するという新学力観で貫かれている。高校入試で推薦入試が導入される中で、中学生は内申書に何が書かれるのかを心配し、先生の目ばかりを気にしている。全国でよい子の競い合いが生まれている。ボランティアも入試に役立つと言ってする子がふえている。朝、先生が来る前に校門に空き缶をばらまき、先生が来たときにそれを拾うというようなことさえ起こっている。こうした教育は、生徒を偽善者にするだけでなく、他の人間も自分と同じ偽善者として見るようになり人間感がゆがんでしまう」。  今、御紹介をした各界の御意見は、この1カ月間に幾つかの新聞などで取り上げられたごく一部です。すべてを御紹介できませんけれども、共通していることは、こうした犯罪を起こさないためには、学校教育のあり方やマスメディアのあり方などを含めた社会の病理現象を深くとらえることの重要性が問題点として挙げられていることです。  また、神戸の事件の後、テレビ朝日のニュースステーションが14歳の子供たちに事件についてどう思うかを尋ねたところ、1,000通を超える手紙やファックスが寄せられたそうです。その内容は、今の学校の日常生活で感じている息苦しさや生きにくさがつづられていたということですが、起こった犯罪については批判しながらも、自分たちも透明な存在感を持っていると言っています。  また、受験に追いまくられ、いい点数を取ることに疲れ果てている姿、生きにくさを切々と訴える姿が浮き彫りになっています。幾つか挙げてみますと、「居場所がどこにもない、家にいても建物から追い出されるように感じる」という中学校2年生の女の子は、自分の腕をカッターナイフでそっと傷つける。一筋血が流れるのを見て生きているんだなと安心する。中学校3年生の女の子、「体罰と内申書をおどしの武器のように持つ教師の前でサーカスの動物かロボットのように振る舞うしかありません。内申があるから先生にこびを売り、好きでもないボランティアや部活を頑張っている。学校では、本当の自分を見せられない。親の前では少し甘えて元気に、親戚や近所の人には優しく明るく、友だちにはのんびりした感じで、受験生だし先生にもよく見られたい、そう自分を抑え過ぎて涙が出るくらい苦しいです」。こうした苦しみを吐き出す相手がいない。こうした子供たちの状況、悲しみや苦しみを表に出さずに押し込めてしまうと恨みになります。積もり積もった恨みが思いがけない形で吹き出してくる。神戸の事件や春日市での事件を二度と繰り返さないためには、こうした子供たちの声に耳を傾け、今の学校教育のあり方そのものを根本から見直さなければいけないのではないでしょうか。  文部省は、一連の事件から心の教育の必要性を言っています。その文部省は、昨年7月に出された中教審─中央教育審議会の答申をもとに、新たな教育改革を進めようとしています。この審議会のまとめでは、生きる力を強調しています。生きる力とは、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力だとしています。文部省は、これまでも資質や能力の育成をうたって教育改革を行ってきましたが、その改革を重ねるごとに受験競争を激化させ、子供から生きる力を奪い、いじめや不登校の増加が示しているように、教育を荒廃させてきました。答申はその反省を避け、責任を明確にせず、言葉であれこれ述べていますが、これで本当に生きる力がすべての子供につくのでしょうか。  これまで、日本共産党は学校教育のあり方について青少年が社会についても自然についても基本的な事実、基本的な法則を正しく知り、真に自主的、批判的にものを考え、社会の主人公として行動できる能力の基本を身につけるようになることが重要だと提起してきました。すべての子供たちが社会の主人公として生きていくのに必要な基礎的な教養、学力の獲得こそ、生きる力に欠かせないのではないでしょうか。審議のまとめがいっている教育内容の厳選を見ても、例えば中学校での歴史に関する学習では、ただ重複する内容の精選を行うだけです。生きる力の基本となる自然や社会について学ぶことが喜びとなる教育をすべての子供たちにどう保障していくかという視点はありません。審議のまとめでいっている生きる力を育成するという基本的な観点を重視した学校に変わっていく必要をいうのなら、なぜ子供と教師を泣かせてきた漢字の学習や算数など、小学校低学年から超スピードの授業で詰め込むやり方の変更を提案しないのでしょうか。また、勉強嫌いをつくり出し、学ぶことへの意欲を奪ってきたこれらの押しつけを問題にしないのでしょうか。少なくとも、学習指導要領の画一的な押しつけや評価による子供の振り分けをすぐにやめるべきではないでしょうか。  生きる力とは、教育基本法のいう真理と平和を希求する人間の育成に通じるものです。同時に、それは子供たち自身の希望と意欲に裏づけられて初めて意味を持つものと言えます。希望や意欲は上から与えられたり、評価で押しつけられたりするものではないからです。そうした子供観、教育観に立ってこそ、生きる力を育てることができるのではないでしょうか。子供たちに真のゆとりと生きる力をつけさせること。未来を担う主権者を育成するために教育の内容を思い切って削減し、子供にとって学びがいのある人間として育ち合う学校にすること。教職員の定数をふやし、30人学級の実現を進め、子供にとっても教師にとってもゆとりのある教育を進めること。こうした取り組みが多発化し凶悪している青少年の犯罪を根源からなくしていくことにつながるのではないでしょうか。そうした観点に立った学習指導要領の見直しを文部省に強く働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、食の安全性と学校給食についてお尋ねをいたします。  厚生省の食品衛生調査会が昨年8月26日にアメリカの農薬メーカー、モンサント社など3社が申請をしていた遺伝子組み換え技術でつくった除草剤耐性の大豆、菜種、殺虫性のジャガイモ、トウモロコシなど7品目を安全性に問題なしということで認可いたしました。遺伝子組み換え食品は、1980年代中ごろから開発が進められたもので、まだ実験段階、あるいは開発途上のものです。これを厚生省は、開発者のモンサント社側のデータだけで国際的に認められた指針に従って安全性は確認したからということで認可してしまったわけです。しかも、日本への輸入、販売に当たっては、安全性を確認したものに表示を義務づける必要はないということで、表示することさえ拒否しています。消費者に対しては、何の情報も提供せず、表示もしないままさまざまな食品に混入され、加工されて販売されるということは、これを拒否したり選択することすらできないという基本的人権の重大な侵害に当たります。今、消費者団体などを中心に安全性の確認もあいまいな遺伝子組み換え食品についての不安の声が広がっています。  昨年11月には、日本消費者連盟などが主催する商品化された遺伝子というシンポジウムが東京で開かれています。これに参加をした消費者や市民、農民、学者、研究者などが遺伝子組み換え食品ボイコット宣言を行い、遺伝子組み換え食品を売らせない、買わない、食べない運動が全国的に呼びかけられています。  遺伝子組み換えとは、除草剤や害虫に強い遺伝子などを別の微生物から取り出して改良する作物に組み込むことで、新しい性質を持たせるバイオテクノロジーの最先端の技術です。遺伝子組み換え食品の危険性について、これまでいろいろ研究してこられた科学ジャーナリストの天笠啓祐さんは、その影響などについて次のように述べておられます。「まず、環境への影響が重大です。除草剤耐性が雑草の中に広がる可能性があり、そうなると今よりももっと強い新しい除草剤を使わないといけなくなるし、使用料もどんどんふえてくる。さらに、大問題なのは食品としての安全性です。人間としての食経験の全くない物質、除草剤に強い物質とか、虫を殺してしまう物質とかが食べ物の中にどんどん入ってくる。遺伝子ですのですべての細胞にその物質がふえ、いろんな作物に入ってくるわけですから、それを毎日食べ続けると摂取量は物すごい量になり、人間は今までそういう食経験がないから今後どういう影響が出てくるかわからない、それが心配です。」  また、アメリカの遺伝子工学、DNA研究の第一人者であるジョン・フェイガン博士が昨年10月に遺伝子組み換え食品の危険性を訴えるために急遽来日されました。博士は、これまで20年間以上にわたって最先端の遺伝子工学の開発に携わってきたが、遺伝子組み換えはまだ不確実の技術であり、これを食品に適用することは深刻な誤りであると厳しく指摘されています。  遺伝子組み換え食品が未知のアレルギーや新しい毒性を生み出し、栄養価を減少させるなど、今は予想できない副作用を起こす可能性があるからです。しかも、それに対する研究、安全性テストは極めて不十分です。  特に、日本に第一陣として輸入されるモンサント社の除草剤耐性大豆は、マウスなどの動物に4週間から6週間食べさせて急性毒性があるかどうかの実験をしているだけです。人間がこれを長い間食べていると、神経や消化器系統などにどのような影響が出るかといった慢性毒性や奇形を引き起こす催奇性などの実験は全くやられていません。しかも、大豆の国内自給率はわずか2%、菜種に至っては0.1%です。平成7年の大豆の輸入量は481万トン、このうち406万トンがアメリカから輸入されています。大豆や菜種は私たちにとって毎日欠かせないみそ、しょうゆ、豆腐、納豆、食用油などに使われる日本人の食生活にとっては、最も基礎的な食品です。  また、家畜のえさとしても耐除草剤、殺虫性の穀物が入ってきます。これを食べた家畜を人間が食べると生物濃縮といって異物が一層濃縮して肝臓にたまると言われています。ジョン・フェイガン博士は、危険性の例として耐病性を強めるために遺伝子組み換えをした大豆にアレルギー性の大豆が発生しているのがアメリカで確認をされていること、昭和電工が遺伝子組み換え微生物で製造したトリプトファン入り健康食品でアメリカ、カナダ、ドイツなどで38人の死者を出し、1,500人を超える人が生涯治ることのない後遺症を負っている事実を挙げておられます。これらを踏まえて、1、安全性の厳しいテストを行うこと。2、安全性が確認できないものは市場に出すことを禁止すること。3、遺伝子組み換えの食材が入っている場合は、必ず表示することを提案しておられます。  ヨーロッパでは、既にEC加盟15カ国のうち13カ国が安全性に疑問があるとして輸入反対の意向を表明していますし、食品卸売業者と小売店の連合組織も遺伝子組み換え食品入りの表示がなければ販売を拒否すると発表をしています。  それなのに日本政府はこうした危険性が指摘されている遺伝子組み換え食品の輸入、販売を認可しているわけです。表示することさえ義務づける必要はないと言っています。ぜひとも、政府に対し、遺伝子組み換え食品の安全性が科学的に証明されるまでは輸入しないこと。既に輸入されているものについては、必ず表示をすることを強く要求していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  また、春日市においては、特に学校給食に遺伝子組み換え食品の使用を絶対にしないように対策を講じてほしいと思います。加えて、遺伝子組み換え食品がどんなものであるか、どんな危険性が指摘されているかなどを市報などにより市民の皆さんに啓発をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  以上、全般的には市長から御答弁をいただきたいと思います。学校給食につきましては教育長より御答弁をよろしくお願いいたします。 22: ◯議長(北川卓逸君) 白水市長。 23: ◯市長(白水清幸君)〔登壇〕 長能議員さんの御質問にお答えをいたします。  まず、食の安全性と学校給食についてでございますが、安全な食生活を営むことは、生命を維持していく上において最も基本であると同時に、安全な食糧確保は不可決であります。近年、農作物の品種改良への遺伝子組み換え技術の応用が進み、海外を中心に組み換え農作物、特に今、長能議員おっしゃいましたような除草剤耐性農作物及び害虫抵抗性農作物の商品化が進展いたしております。外国で開発されたこれらの組み換え農作物食品については、昨年2月、厚生省において組み換えDNA技術応用食品、食品添加物の安全性評価指針が改定され、輸入が可能となりました。これを受けて、今まで5種類、15品目について安全性の確認申請がなされ、輸入が始まっております。  一方、こうした情勢を踏まえて、国民の遺伝子組み換え農作物食品に対する安全性についての不安が高まっており、このために消費者団体を初め地方自治体において遺伝子組み換え食品の表示を義務づける取り組みが高まっておりますことは、長能議員さんおっしゃるとおりであります。  本市におきましても、市民が商品を選択する上で不可欠な情報であると考えますので、食品添加物と同様に遺伝子組み換え食品については、輸入作物等も含め、適切な対応が図られますように厚生省及び農林水産省を初めとする関係省庁に対し、要請をしてまいりたいと考えます。  このような食品についての広報活動でございますが、市報等に掲載をし、機会あるごとに紹介をしてまいりたいと存じます。  なお、学校給食と学校教育につきましては教育長に答弁をいたさせます。 24: ◯議長(北川卓逸君) 河鍋教育長。 25: ◯教育長(河鍋好一君)〔登壇〕 それではまず、学校教育についてお答えいたします。  現在、学校教育を取り巻くさまざまな問題に対処するために教育のあり方の改革が進められております。昨年7月の第15期中央教育審議会の第一次答申で、生きる力の育成とゆとりの創出が示されました。この生きる力の育成は、教育内容を基礎基本に厳選し、生徒の学習活動に時間的なゆとりを持たせた上で生徒みずから課題を発見し、じっくりと課題解決に取り組むという問題解決学習に力点をおいています。  また、生きる力のもう一つの側面は、みずからを律しつつ他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性とたくましく生きるための健康と体力ととらえてあります。今後、各学校でこれらの趣旨が一層生かされる学校教育の推進が必要であり、特に青少年の非行問題については心豊かな人間の育成という点から力を入れていくことが重要であります。中でも、生活体験、自然体験、社会体験など、児童・生徒の人間性形成に大きくかかわる体験活動が子供たちに乏しくなってきている傾向があります。これは、児童・生徒の日常生活が塾や習い事などに追われ、生活にゆとりが失われてきていることが一因であると思われます。  このような貴重な体験を持たせるために、学校ではボランティア活動やふれあい活動、勤労、生産的な活動を積極的に教育課程に取り入れ、体験活動を通じて児童・生徒たちに望ましい倫理感や社会性を育成していくことが大切であり、実際、市内各小・中学校でも既に実践に取り組んでいる学校が多くあります。  ところで、このような中央教育審議会答申の趣旨を受け、その具体化にかかわっていくために教科審など専門機関によりその方向が提案されてくるものと考えます。したがいまして、この一環として必然的に学習指導要領等を含め、これらの見直しが進められていくと思われますので、しばらくその動向を見ていきたいと考えております。  また、30人学級の実施については、少子化現象や個に応じた教育の充実から今後学級規模のあり方については、検討されていく必要があると思われますが、やはり現時点では現行の体制でどのような教育の改善が図られるかを考えていくことが先であると認識しております。  次に、学校給食についてお答えいたします。  学校給食における遺伝子組み換え食品の使用についてでありますが、本市では安全で豊かな学校給食の提供を最重点目標におき、今日まで実施してまいりましたし、今後もこのことを堅持してまいる所存であります。  現在、輸入されている遺伝子組み換え作物は、大豆、トウモロコシ、菜種などであります。これらの作物が使用される食品としては、しょうゆ、みそ、食用油、豆腐などが考えられます。これらの食品は、県学校給食会や一般の商店から購入しております。現在、購入している学校給食の食品に遺伝子組み換え作物が使用されているかどうかということは、表示がなされていない現在ではそれを確認するのは難しい実情にあります。しかしながら、大豆やトウモロコシなどの大半の輸入先であります米国におけるこれらの遺伝子組み換え作物の生産量が全体の1%ないし1.5%前後ということですので、学校給食で使用しております食品にはまだまだ使用されていないのではないかと考えております。  しかし、今後これらの遺伝子組み換え作物の生産が拡大されていくことは明らかであり、そうなれば食糧の大半を輸入に頼っている我が国においてもそれらの流通が拡大していくことは必至であります。学校給食の食材は、育ち盛りの子供たちの健康を守るために質と安全性が求められているのは言うまでもないことであります。  いずれにいたしましても、この件は、食という人間の生存にかかわる重要な問題であると考えますので、安全性に対する懸念のある以上、先ほど市長も申しましたように、消費者が判断し、選択できるように、その内容の表示を国等の関係機関に要請していきたいと考えています。  また、学校給食の食材についてですが、安全性の問題等から輸入食材の使用はできるだけ抑え、使用をしていかないように安全性に最大の努力をしていきたいと考えています。 26: ◯議長(北川卓逸君) 21番、長能文代議員。 27: ◯21番(長能文代君)〔起立〕 21番、長能文代です。再質問を行います。  食の安全性と学校給食につきましては、市長並びに教育長から私の質問に対しまして食の安全性を考えた上で輸入についても、それから表示についても政府に要請をしていくというお答えいただきましたし、学校給食についてはこの輸入食品について、できるだけ取り入れないようにしていきたいという御答弁をいただきましたので、よろしくお願いをいたします。  学校教育についてですが、ただいまの御答弁の中で中教審の第一次答申で出されたゆとりについて、教育内容を基礎基本に厳選をし、学習活動に時間的なゆとりを持たせるというふうにとらえておられるということでしたが、答申内容の教育内容の厳選と授業時間数の削減、これを見ますと子供たちの学習の障害となっていた現行の学習指導要領の非科学的で系統性を欠く学習内容の超詰め込みと超スピードの授業を抜本的に改めるということを前提にしたものとはなっておりません。この問題につきましては、これまでもたびたび議会で質問をしてまいりましたけれども、小学校低学年のときからの詰め込み授業の見直し、このことには今回も全く触れられていません。具体的な内容でまとめが示している、これも一部になりますが、中学社会科の地理や生産物、歴史における各時代の文化史など受験生をこれまで悩ましてきた暗記物や小学校の理科の天体に関するものなど、理解が難しいと指摘されているものなどについて厳選をしようということが明らかにされているだけです。  これは現在、福岡県の子供たちが今でも全員使用していると思いますけれども、小学校3年生の上の教科書ですね、「わかば」という教科書ですが、この教科書の、教育長さんはおわかりだと思いますけれども、95ページなんですけれども、この95ページに新出文字、読みかえ文字が一度に15字も出てきております。例えば、下という漢字を使った読みかえ、これがさがる、おりる、くだる、こういうものが出てくるわけですね。現場の教師の先生からは、漢字の指導というのは1時間に3文字が限度だというふうに言われておりますけども、先生たちからもこういう授業をしながら、全員が本当にわかっているかどうか疑問だけども、とにかくカリキュラムをこなさなければならないということで、子供の顔を見ながら、この子は多分理解できてないんじゃないかなと思いながらも先に進まなければならないと、こういうふうに訴えられておられます。ここで算数の問題まで出しますと時間がなくなりますので、それは省きますけれども、こういう小学校の低学年のときからの超スピード授業、これを改めない限り、私はゆとりは生まれてこないと思っています。じっくりと課題解決に取り組ませると言われましたけれども、1年生のときから、基礎のところからこういう難しい超スピード授業の中でつまずいている子供たちがこれまでのいろんな統計からも2割、あるいは3割というふうに言われている現状の中で到底無理なことではないかというふうに思います。  また、中教審はまとめの中で学校5日制のことについても触れておりますが、今は月に2回ですけれども、これを完全実施していくということで2002年から3年ごろ、これを目途にすると言っておりますけれども、この完全実施に当たってすべての子供たちにどう基礎学力をつけていくかということよりも、いかに授業時間を削減するかという立場が優先をされております。その立場から教育内容の量的な圧縮、削減を行うものとなっています。これでは、今まで学んでいた内容を時間を短縮して学習をするということになります。一層の詰め込みとスピードの度合いが強化されることになり、その結果、多くの子供たちは学校の授業についていくために、塾などの力に頼らざるを得ない状況が今よりも増して生まれてくるのではないでしょうか。とりわけ、学歴、学校歴社会の枠組みがそのままにされ、受験競争が放置されているもとでは、月2回実施の段階でも、今でも学校行事や遠足などを削ったり、休日の授業時間をほかの曜日に上乗せをしたりしているわけですから、その方向は火を見るよりも明らかではないでしょうか。  こういうことについて、教科審などこれからの専門機関の方向、動向を見ていきたいというお答えでしたが、その動向の中にはこうした基礎学力のところからの厳選は含まれていないということをもう一度御認識していただいて、本当にどの子にもわかる授業、楽しい授業が受けられるように小学校低学年からの超詰め込み、超スピード授業をやめ、教育内容の思い切った削減を実施するように文部省に強く要請していただきたいと思います。  30人学級については、必要性は認めておられるわけですが、現時点での体制の中での改善の方が優先だとおっしゃいましたが、この問題についても少し触れますが、全国の小・中学校を30人学級にするのに必要な教師を増員するための国庫負担、これは6年間で約1,644億円だと推定されております。しかも、最初の3年間は児童・生徒が減少するために費用はかかりません。少子化現象、これからも続いていくことが予想されますので、児童・生徒の減少に伴って減員している教職員の数を削減をしなければ十分この30人学級というのは可能だと思われます。  繰り返しになりますけれども、生きる力とゆとりの回復が言われている今、教育社会の全般にわたって人間が大事にされる世直しが重要なのではないでしょうか。効率、スピード、利潤の追求のみが優先されている社会のゆがみがいよいよあらわになってきている今、社会と政治に人たるに値する生活を保障させていくこと、このことが急がれているのではないでしょうか。それは、すべての子供たちに学習権を保障していくこと、このことが不可欠です。  学習権とは、読み書きの権利であり、問い続け、深く考える権利であり、想像し、作り出す、創造する権利であり、自分自身の世界を読みとり、歴史をつづる権利です。これは1985年のユネスコの学習権宣言でうたわれているものですが、子供の生きる力、これはこうした学習に裏づけられてこそ、子供たちにとって学びがいのある学校にしていく中でこそ、豊かに花開くのではないでしょうか。先ほどの学習内容の削減についてお答えをいただきたいと思います。 28: ◯議長(北川卓逸君) 河鍋教育長。 29: ◯教育長(河鍋好一君)〔登壇〕 長能議員さんの再質問にお答えさしていただきたいと思います。  第15期中央教育審議会及び第16期教育審議会が答申した中身は、生きる力とゆとりをキーにした内容でございます。この内容に基づいて、今から教科審議等が審議され、そして学校指導要領なり、さらに学習指導要領から教科書というような形でおりてくると思います。  今回の中央教育審議会では、特に基礎的、基本的内容を厳選するというように言っております。過去、基礎的、基本的な内容は、精選はしてきましたけれども、今回は特に厳選するというふうになっております。  今、長能議員さんがおっしゃいましたように、重複しているもの、あるいは子供たちにとって天体等はなかなか難解であるというようなものが省かれていく方向に進んでいくものと思います。  そういう意味からしますと、教育内容は現状の中身よりも随分削減されてくるというふうに考えております。  また、各学校では指導要領に基づきまして、教育課程を編成、実施していくわけでございます。各学校における教育課程の編成、実施につきましては、あくまでも子供たちの実態を踏まえて各学校独自の特色ある教育課程を編成していくわけでございます。そのためには、どういう内容を重点化するか、どういう内容を軽く取り扱うかは、学校長の裁量に任されているところでございます。それぞれの学校が今後、子供一人一人の実態に応じて、先ほど長能先生がおっしゃいましたように、本当にみずから考え、たくましく21世紀を生きていく子供を目指して取り組んでいかれるものと確信しております。そういう意味で、教育委員会としてそれぞれの学校が特色ある教育課程を編成しながら、生き生きとした教育活動が展開できるように指導、助言していきたいというふうに考えているところでございます。  以上です。 30: ◯議長(北川卓逸君) 21番、長能文代議員。 31: ◯21番(長能文代君)〔起立〕 21番、長能文代です。最後の、これは質問というよりも、もう要望ということでしておきたいと思いますが、今教育長、再質問にお答えいただいたわけですけれども、そのおっしゃったとおりになってないわけですね。各学校の独自性、特色のあるもので進めるというふうにおっしゃったんですけれども、第1問目でも私指摘いたしましたが、この学習指導要領というのは当初つくられたときには一つの目安というふうになっていたんですけれども、今ではこの学習指導要領のとおりにしていかなければいけないというのが実態なんですね。その学校独自で教科書を採用することも今はできませんしね。決められた学習指導要領の中でしかできないわけですから、今おっしゃったようなことはできないんじゃないかなと思いますが、今教育長おっしゃったように、この春日市の中で学校長の裁量でできるということであれば、大いにそれは私は期待したいなというふうに思っています。  それができない背景の中に、もう一つ、授業時間数というのが標準授業時間数というのを文部省が決めておりますよね。これは通常年間1,050時間というふうに言われておりますけれども、この1,050時間については一応の目安であって、減らすことも、多少ふやすこともとなってますが、減らすことを前提として目安というのがつくられていると思うんですけれども、この春日市内含めて、この筑紫地域ですね、福岡県内がほとんど1,050時間でいっているわけですけれども、私調査をしてみましたら、大体1,080時間、1,078時間の授業を行っているわけですね。この中には、土曜日が月に2回、週5日制になっていますけれども、お休みになっていますので、多分この時間の上乗せをしていくとか、ゆとりということで授業の内容の削減がないままでボランティア活動ですとか、いろんな活動が盛り込まれているためにこういう授業時数を、福岡県内、ほかのところと比べても30時間も多いような事態が生まれているのではないかと思います。  例を挙げますと、ほとんどの春日市の中学校ですね、月2回の5日制が導入がされましてから、期末テストや中間テストですね、これまでは3日間かけて行われておりました。これがほぼ2日間になっておりますね。しかも試験のとき、あとはそのまま子供たちが部活をするとか、家に帰って家庭学習をするというようにテストだけで終わってたんですけども、今は試験が終わった後に2時間、3時間という普通の正規の授業を取り入れているという状況なんですね。こういう中では、先生方は試験の答案用紙を採点をしなきゃいけないわけですけれども、その後に授業がありますので、また部活もちゃんときちんとありますので、できないわけですね。というなかで、先生方はこの採点などはほとんど家に持ち帰ってしておられるという現実があるわけですね。こういうことも踏まえまして、ぜひ今後とも本当に基礎学力がつく、その立場に立った教科内容の削減ということを文部省に対して強く働きかけをしていただきたいというふうに要望をしておきます。 32: ◯議長(北川卓逸君) ここで暫時休憩いたします。                ──── ─ ──── ─ ────                 休憩 午前11時57分                 再開 午後0時58分                ──── ─ ──── ─ ──── 33: ◯議長(北川卓逸君) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。  14番、北田織議員。 34: ◯14番(北田 織君)〔登壇〕 14番、公明の北田織でございます。  さきに通告いたしておきました政治姿勢について、特に水道企業団顧問としての今後の取り組みについて、公共事業に対する住民投票条例の制定についての2項目について、市長のお考えをお尋ねいたします。午前中の同僚議員の質問とも重複する部分はありますが、視点が異なると思っておりますので、誠意ある答弁をお願いいたしたいと思います。  まず初めに、水道企業団顧問としての今後の取り組みについてお尋ねをいたします。さきの6月議会に水道企業団議会議員の定数増の条例改正案が提案されました。定数増は全国的に行財政改革を推進している政治的背景、また行政運営に相反し、時代の推移に逆行するものであり、市民の合意形成は図られないという視点から、全員協議会において水道企業団のあり方について議論を交わすとともに、設立に至った経緯、これまでの推進状況、あるいは水源確保の御苦労について説明を受け学んだところであります。その中で水道企業団の特別職員の報酬が毎年上がっており、他の一部事務組合の議会議員よりはるかに高いこと。また、議会開催数が3回より2回に減っていることなどから、果たして定数増は必要なのかと激論が交わされたことを鮮明に記憶いたしております。  その一方、関係者の6者会談、8者会談が行われ、その結果として顧問の報酬をなくすことを前提として定数増の改正案が本市において賛成多数で可決されたと承知いたしております。  しかしながら、去る9月2日の水道企業団臨時議会において、企業団執行部が提案した顧問料の報酬見直しの条例改正案に対し、那珂川町議員より顧問料を残す修正動議が出され可決されたことに、私は市長の政治姿勢が問われていると考えますが、市長はいかがでありましょうか。私は、さきの6月議会において、水資源の確保は人間生活の根源にかかわるもので、その運営は最も重要であるとの観点から企業団の顧問である市長に一般質問をいたし、行政がかかわれる幹事会の発足など幾つかの問題提起をさせていただきました。その上で、市長より何点かについて企業団、あるいは那珂川町と協議の結果として合意が得られた事項の答弁をいただき、大いに期待をいたしておりましたが、非常に残念でなりません。それを踏まえて、次の3点について市長のお考えをお尋ねいたします。  1点目は、顧問は無報酬ということで合意形成を図られたと答弁にありますが、どのような経緯を経て得られたのかお尋ねをいたします。
     2点目は、今回の企業団議会の修正動議可決に対して、どのようにお考えかお聞かせください。  3点目は、顧問は無報酬で、本市と那珂川町の関係者で幹事会を発足する合意が取れ、企業団とも一致しておる、または了解しているとの答弁をいただいておりますが、その後の進捗状況をお尋ねいたします。  次に、公共事業における住民投票条例の制定について、市長にお尋ねをいたします。現在、市民の皆様方の中に国の補助金を利用した箱物行政への批判は高く、多額の資金を投じた施設建設の目的が理解できず、本当に必要かどうか不信を抱く声が数多くあります。私もその1人であります。その特徴的なものに、本市のふれあい文化センター、那珂川町のミリカローデン、大野城市のまどかぴあであります。これらの大型類似施設はわずか数キロの範囲内に隣接する2市1町が個別に建設したもので、その建設資金は何と約175億円であります。私は、2市1町が相互に利用することを目標として協議し、性格の異なる施設建設を行っていたら、もっと幅広く市民が利用できる施設になっていたのではないかと考え、公共事業の取り組み方に疑問を抱くものであります。去る7月26日の西日本新聞に、宮崎県新富町において住民の直接請求による公共事業の是非を問う住民投票条例案が可否同数となり、議長採決により否決されたことが報道されており、同僚議員とともに視察に行ってまいりました。地方自治体の公共事業の是非を問う条例案が議会で審議されたのは全国で初めてであるとのことでしたが、時代の流れを痛感し帰ってまいりました。その背景は、町総合文化公園整備事業をめぐる問題で、同事業は94年度、いわゆる平成7年度から2015年度までの長期計画で、総事業費81億円、23万5,000平方メートルに文化会館、図書館などを建設するもので、既に町道なども建設済みでありながら、整備事業の見直しを含め、是非を問うたものであります。条例案が最終的に否決されたとはいえ、今日の財政状況をかんがみ、将来的に財政を圧迫し、町民への説明も不十分として見直しを求めた町民の勇気ある行動と意識の高さに心から拍手を送るものであります。住民投票で記憶に新しいものは、岐阜県の御嵩町で去る6月22日、産業廃棄物処理施設の建設の是非を問う住民投票が行われ、投票率87.5%とその関心は高く、開票の結果、町有地内の建設計画反対は有効投票の80.94%と賛成を大きく上回り、全有権者の約70%が反対の意思表明をしたとの報道であります。ここで注目すべき点は、投票率が非常に高いことであります。市民参加は、今日の政治不信、行政不信を取り除く一助になるものと確信をいたします。  また、本年4月1日より大阪府箕面市では市の重要問題について市民の意思を直接問う住民投票を盛り込んだ市民参加条例を制定いたしております。このように、本市におけるまちづくりについての重要課題についても、市民の合意形成を図る上から住民投票条例の制定など市民の意思を問うことは住民自治を実効あらしめるため必要かつ重要であり、時代の趨勢であると私は考えますが、市長はいかがでしょうか。今こそ公共事業の全容、特に財源の確保、補助金はどうか、起債は幾らになるのか、裏負担は幾ら負担するのか、将来的な負担、いわゆるランニングコストは幾らなのか、その財源はどのように確保するかなどを市民に明らかにした上で、その事業の是非を市民に問う政治姿勢が市長に求められていると私は考えます。  以上のことを踏まえ、次の4点についてお尋ねをいたします。  1点目は、近い将来公共事業の計画があるかどうかということです。あれば、ぜひお聞かせいただきたいと思います。  2点目は、今後事業計画を立てる際、近隣の既存の類似施設との相互利用を考えられるのかどうかお聞かせいただきたいと思います。  3点目は、現在地方自治体が限られた財源の中で生き残りをかけて他自治体との連携を模索する広域連合が生まれつつありますが、この広域連合についてどのようにお考えになられるのかお聞かせいただきたいと思います。  4点目は、公共事業に対し、市民の合意形成をどのように図っていかれるのか。例えば住民投票条例の制定、または市民参加条例の制定などをお考えないのかお聞かせいただきたいと思います。  私はいつも質問のたびに同僚議員より少し長いんじゃないか、いや、よかったよとか賛否両論でありますが、きょうは端的に終わらせていただきたいと思いますので、ぜひとも市民党と自負される市長の英断を期待し、1回目の質問を終わらせていただきます。 35: ◯議長(北川卓逸君) 白水市長。 36: ◯市長(白水清幸君)〔登壇〕 北田議員さんの政治姿勢についての御質問にお答えをいたします。  御質問の内容は3点でございますが、まず2点目の定数増の経緯から説明をさせていただきます。本年3月に那珂川町議会議員が改選され、新たに那珂川町選出の企業団議員が決定されました。これに伴い、企業団議会副議長及び監査委員を選任するために4月15日に企業団議会の臨時議会が招集されたところであります。そこで、那珂川町選出の議員から「現在の議員定数、春日市6名、那珂川町5名は不公平感があるので、この不公平感をなくし対等になるまで副議長の選挙は保留したい」と意見が出され、種々論議がありましたが、結果的に副議長の選挙は保留となりました。そこで、この問題を収拾するため、5月15日に6者、これは那珂川町の町長、春日市の助役、両市町の議員2名、企業長、企業団議長による協議が行われました。これは私がちょうど入院中でありましたので、私の代行として春日市は助役が出ました。  また、行われてその内容でございますが、春日市としては水道企業団議会議員は水道料金や加入者負担金等、水道使用者に直接関係する議案を審議決定する立場にあり、いわば給水を受けている人の代弁者であり、給水人口比率で定数を決定すべきものであると考える。また、他の水道企業団、例えば福岡地区水道企業団議会議員の定数も給水人口で定められているので、春日那珂川水道企業団の議員定数は現行のままでよいのではないかと春日市側は提案をしました。  しかし、那珂川町は、将来に向かって対等な立場で企業団を支えていくことが必要であり、そういう理由から同数でなければならないとの主張でありました。春日市といたしましては、同数にするには春日市の一減か、あるいは那珂川町一増の方法が考えられますが、現在の行革の時期に定数を増員すべきではないと考えるし、地方課もそのように指導をいたしている。  しかし、春日市をすぐ一減にすることはいろいろの事情で難しいので、2年後の改選のときまで待てないか。待てないとすれば、那珂川町の一増を暫定的に2年間のみとし、2年後に5人に減員できないかとの提案を春日市側はいたしました。  しかし、那珂川町は、2年後にはどう状況が変化するのか予測できないし、このような問題はそのときに結論を出しておくべきである。さらに、議員定数は6対6とし、地方課の指導については顧問を2人外すことで報酬は1人分浮くことになるとの意見であったようでありました。このときには、これら協議内容について春日市側は市議会と協議して後日回答することで散会をいたしております。この6者協議内容を私は入院中の病院で助役から報告を受けました。その後6月3日、春日市議会全員協議会が開催されました。その結果は、北田議員さんも御承知のとおりで、議員定数を同数にすることはおおむね同意されましたが、議員報酬については今後考えていくとの意見や、また顧問制廃止の問題も出されました。そして、これらを踏まえて那珂川町と協議をし、6月議会の市議会全員協議会で方向を出したいということになったところであります。  続きまして、6月9日、市議会全員協議会の結果を受けて、今度は8者会議をいたしました。いわゆる両市町長、いわゆる私と那珂川の町長。それから、両市町の助役、春日市助役と那珂川町の助役。それから、両市町の議長、いわゆる春日市議会の議長さんと那珂川町議会の議長さん。それに、企業長、それから企業団の議長が協議を行いました。これが6月9日であります。そこで、企業団議会議員の定数は両市町とも6人の同数として、議員報酬につきましては、今後企業団議会で協議する。顧問制につきましては、存続をし、無報酬とする。また、助役を入れた幹事会を設置してほしい等が協議されました。これらのことを再度、市議会全員協議会に報告をし、6月議会に規約改正、定数改正議案を提案し、可決をいただいたところであります。  以上が、企業団議会議員の定数増についての経緯であります。  次に、第1点目の御質問の企業団顧問の報酬についてであります。  このことにつきましては、6月定例会の北田議員さんの一般質問に対する回答の中でも、私は顧問制度は存続するが、無報酬とするということを申し上げましたし、そのとおり9月2日に開催された平成9年第3回春日那珂川水道企業団議会定例会に報酬等を改正する条例案が提案されたのであります。  ところが、この条例案が那珂川町6名の議員動議によって修正可決され、現状どおりとなりました。私は、午前中も申しましたように、この結果には大変驚き、なぜこのようなことになったのか原因について調査いたしますが、いずれにいたしましても、皆様とのお約束どおりになりますようにただいま那珂川町長とも協議をしながら、そしてまた水道企業団議会の議員さん、いわゆる春日市の議員さんとも協議をしながら、那珂川町にこれの動議の撤回を求めているところであります。両市の水道企業団の臨時の全員協議会があす両市と、それから春日市、那珂川町の正副議長さんが入られて全協があるというふうに私は承っておりますが、これを前にして私は昨日那珂川町長にお会いをして、12日のその前に那珂川町議会に働きかけをしていただいて、そしてどうか春日市の意のあるところを伝えてほしいという強く申し入れをしてきたところでございます。午前中、私は議場に入っておりましたが、その間那珂川町長から連絡が入って、那珂川の議会にはそのように春日の市長が来たと、そして申し入れたということは伝えましたと伝えとってくれという伝言が入っていましたが、さてそのあすの全員協議会、いわゆる春日と那珂川町が入った水道企業団全員協議会でどのような結果になるか、私は大変危惧をし、心配をいたしておりますが、これは両市の本議会ではございませんけれども、両市の申し合わせと申しますか、協議事項でありますので、これを覆されたんでは、春日市と那珂川町の今後の問題は、これは前に進まないというふうに私は判断をいたしております。そういうことで、強く那珂川町に撤回をお願いしたいというふうに、私個人も思っているところでございます。  しかし、あしたの全員協議会でどうなるか、その結果を待ちながら、再度那珂川町長とも協議をしたいというふうに思う次第であります。  次に、第3点目の質問の幹事会の件でございます。  春日那珂川水道企業団につきましては、他の一部事務組合に設置をされている幹事会がございません。そのために、行政としてのチェックが十分ではなかったのではないかという御指摘がございます。助役を加えた幹事会につきましては、春日市、那珂川町、水道企業団の課長レベルにより構成しております構成団体連絡会におきまして、助役が参加する幹事会として再構築するように作業を進めているところでございます。これは那珂川町も同意をいたしています。  以上が、水道企業団関係の御答弁であります。  次に、住民投票条例についてでありますが、まず第1点目の近い将来の公共事業計画の有無につきましては、平成10年度、または11年度に新規に建設整備する予定のものといたしまして、福祉部関係で現西仮設庁舎跡地に現在の障害者施設であります螢光園と白ゆり園の機能を拡充した仮称障害者福祉センターの建設整備があります。  また、教育委員会関係では、春日日の出小学校の建設整備、それから春日北中学校の増築工事を予定をし、また午前中も御質問を受けましたが、雇用促進事業団による勤労者総合スポーツ施設としての温水プールテニスコートの施設整備が予定をされております。  第2点目の事業計画の立案時に、近隣の既存の類似施設との相互利用を考えるのかとの御質問に関しましては、整備する施設の機能、利用者の範囲、利用者数等を考慮しながら、真に責任を持つべき守備範囲か、あるいは近隣の既存類似施設との相互利用が可能かなどを十分検討の上、事業の方向性を出すように心がけております。  第3点目の広域連合が生まれつつあるが、どのように考えるのかとの御質問ですが、広域連合制度につきましては、北田議員さんも御承知のとおり、平成6年6月29日に公布された地方自治法の一部を改正する法律により創設されたもので、多様化している広域行政需要に的確に対応するとともに、国等の権限の受け入れ体制としてその制度化が図られたものであります。  また、一部事務組合と異なり、広域にわたり処理することが適当であると認めるものに関し必ず広域にわたる総合的な計画を作成し、この計画実施のための連絡調整を図らなければならないとされております。このように、多様化した住民ニーズの実現に向け、行政の効率性、的確性、計画性、広域的な連携等が実現できる制度と理解しており、先進地での広域連合の動向に関しましては、地方分権の受け皿の強化等の視点からの取り組みではないかと推測をいたしております。  第4点目の公共事業に対し、市民の合意形成をどのように図っていくのかとの御質問ですが、公共事業の実施につきましては、市民ニーズが第一であることは言うまでもありませんが、これを基本として総合計画や各分野の行政計画との整合性や全市民的なものか等の重要度の視点、時宜を得たものであるかなどの緊急度の視点、国、県等の補助金等はあるか等の財源度の視点などを総合的に判断をし、これらの情報提供や計画、プロジェクトへの理解促進を図りながら、住民の意思形成を図っていくことを常に心がけているところでございます。北田議員さんの御質問は、重要な施策の決定に当たっては住民投票条例を制定をし、住民の意思を確認する必要があるのではとのことでございますが、私も含めて住民の付託を受けた公務に携わる者は施策の計画、決定、実施に当たっては常に住民の声に耳を傾ける姿勢を持つことは大切なことだと考えております。  また、住民投票を含め、多様な住民参加の道を積極的に模索していくことは、地方自治の本旨である住民自治をより一層推進していくことにもつながるものだと考えております。御承知のように、我が国の地方自治制度は議事機関としての議会の設置や、首長及び議員の直接公選制が憲法にも明記されておりますように、間接民主制をその基本としております。  しかし、地方制度においては、間接民主制を補完する意味で議会解散請求権や主要公務員の解職請求権に基づく住民投票が認められているところであります。これらの住民投票は地方自治法に基づくものですが、最近各地で実施をされております原子力発電所や産業廃棄物処理場の建設をめぐる住民投票は住民投票条例に基づく住民投票であります。東京都が作成をいたしました資料によりますと、全国の市町村におきまして、住民投票条例が議会に提案された件数は48件であります。首長提案が2件、議員提案が7件、住民からの直接請求によるものが39件であります。そのうち、制定に至ったものは10件であります。内容別に見てみますと、原子力発電所関係が6件、産業廃棄物処理場関係が2件、その他が2件であります。これら条例によります住民投票につきましては、その是非についてさまざまな議論があるところであります。法的には、議会制民主主義の否定につながらないか。あるいは、多数派が少数派を切り捨てるような結果にはならないか、住民の間に無用な混乱を招く恐れはないかなどです。また、住民投票は首長の責任回避や議会の形骸化の結果だと指摘される危険性も否定できないところであります。  ただ、そういった否定的な見解があるにいたしましても、住民投票を有権者による民主的な意思確認方法だととらえれば、頭から否定すべきものではないことは私も十分認識をいたしております。いずれにいたしましても、法的な整備がなされるまでは住民投票は住民の意識調査的なものにとまらざるを得ず、そのことを前提に実施に当たっては次のような点について十分検討する必要があるものと考えております。第1点目は、どのような政策が住民投票に適するか。2点目は、住民投票の結果を首長や議会はどこまで尊重するのか、またできるのかということであります。  まず、1点目の政策の選択に当たっては、その政策が情報提供も含め、住民が判断ができるほど十分選択肢としての成熟をしているか。また、その政策は全市民的課題であるか。  2点目の住民投票の結果に対する首長や議会の対応についてでございますが、いかに住民投票が諮問的なものとはいえ、首長や議会はその後の予算審議や関連規程等の整備において当然一定の制約を受けざるを得ないということであります。昭和51年の第16次地方制度調査会の答申には、法的な住民投票の対象となる施策について、例えば地方公共団体の廃置分合、特定の重要な施策を実施するために必要となる経費に係る住民の特別な負担、さらには意見の対立している特に重要な事件等については住民投票制度の導入を検討する余地があるとしております。これらの点を踏まえ、私は、全市的な課題のうち住民に対して価値観みたいなものを問うもので、現在の議会制民主主義の枠内だけの議論では政策決定の難しい問題につきましては、住民投票を考慮する場合もあろうかと考えておるところであります。  また、今後は国、地方を問わず、住民投票に関する法的整備の論議がさらに深まっていく必要があろうかと考えております。  以上であります。 37: ◯議長(北川卓逸君) 14番、北田織議員。 38: ◯14番(北田 織君)〔起立〕 再質問をさせていただきます。  まず最初に、政治姿勢についてでありますが、定数増に至った6者会談、8者会談、これについては市長の今の御答弁にもありますように、全く同じ認識であります。そういったトップの協議事項に対して、今回のような結果を招いたと。ある面においては、これまでの紳士協定、そういったものを一方的に打ち破られた形になるわけですよね。そういった意味からしましても、今後市長が企業団の顧問としてどういう形で取り組まれていくのか。現在取り組まれていることにつきましても、先ほどるる説明をいただきました。そこで、実は公営企業法の第16条、管理者と地方公共団体の長との関係の中に「地方公共団体の長は、当該地方公共団体の住民の福祉に重大な影響がある地方公営企業の業務の執行に関し、その福祉を確保するため必要があるとき、または当該管理者以外の地方公共団体の機関の権限に属する事務の執行と当該地方公営企業の業務の執行との間の調整を図るため必要があるときは、当該管理者に対し、当該地方公営企業の業務の執行について必要な指示をすることができる」と、このように記されております。この6者会談、8者会談、いずれも企業長、要するに水道企業団の管理者である企業長が出席をなさっておられるわけです。現在、ある面において市長と町長とお互いに協議をしながらということで進めておられますけれども、なかなか難しい問題があるんじゃないかと、このように、種々いろんな要因があるかと思いますが、そういった状況の中で、この紳士協定は6者会談、8者会談、企業長が出席したもとで行われているわけですから、市長として今後この長と管理者との関係性からいって企業長にその調整役を、私はゆだねるべきではないかと。現在、市長と町長がやっておられますけれども、企業長にそういった指示を市長がなさる御意向があられるかどうか、1点お聞きをしたいと思います。  それから、幹事会の発足については、現在構成団体連絡会において協議をしていると、こういうことでありましたけれども、いつごろを目標として取り組まれておられるのか、大体いつごろ発足する予定なのか、お尋ねをいたしたいと思います。  それから、もしも那珂川町との協議がいかなくて、現在のまま、要するに現行のままで推移したとするならば、そのときに市長は顧問料の報酬を受け取られるのかどうなのか。  それともう一点、議会開催数についても企業団と今後協議していくと、6月議会において答弁をいただいておりますが、それの協議をなされたかどうか。その4点を政治姿勢についてお尋ねをいたしたいと思います。  それから、2項目目の公共事業における住民投票条例の制定についてでありますけれども、この1点目の公共事業に関して新規事業として雇用促進事業団による勤労者総合スポーツ施設として温水プールテニスコートの施設整備が予定されていると。これは午前中の神議員の答弁にもありましたけれども、この事業は教育事業ではなくして勤労者の福祉対策事業、いわゆる勤労者の福利厚生施設の事業だと思うんですけど、これがなぜプールなのか。私にはちょっと理解ができないわけですね。この温水プールは、市内に県のクローバープラザもありますし、ここの利用率が1日大体平均40名ぐらいではないかと、そのようにも言われています。また、2時間350円で利用できると。  また、近隣市の太宰府史跡水辺公園に、ここにもプールがあります。ここの利用率を見てみましても、7月、8月に集中をしておりまして、全体の57.85%の利用者は7月、8月に集中をしておるわけですよね。そういった状況を見たときに、ちなみに太宰府では総利用者数が7万8,331人、7月、8月に4万5,315人とここに集中しておるその現状をまず知っておいていただきたいと思います。そういった上で、3点についてお尋ねをしたいと思います。私は、現在のこの勤労者を取り巻く社会状況から考えるならば、勤労者の福利厚生施設はぜひとも必要であると、そのように考えます。  しかし、なぜプールなのか。この勤労者にアンケートを取るなどのニーズ調査を行った上で勤労者対策を考えるべきではないかと。これが1点目です。  2点目。この事業を取り組もうとしておられるのは、現在たしか教育部だと思います。しかしこれは勤労者に対する福利厚生施設なんですね。雇用促進事業団は、本来雇用者の福利厚生及び雇用促進を図るためにつくられた特殊法人であるわけですよ。その目的から考えるならば、本市においては福祉部の厚生課、ここがかみ合って取り組むべき事業ではないかと、このように考えます。御答弁をいただきたいと思います。  それから、3点目。これは、私も裏を取ったわけではありませんが、市長はかつていきいきプラザの建設計画立案の中で、本来プール計画があったものを近い将来クローバープラザにプールが設置されるので、その計画を却下されたということを聞いたことがありますけれども、そのようなことがあったのかどうか。  また、それがあったとするならば、今回取り組まれるこの事業との整合性をどのようにお考えかお答えをいただきたいと思います。  それから、2点目についてでありますが、近隣の既存の類似施設との相互利用についてお尋ねをいたしました。このことについて、答弁として整備する施設の機能、利用者の範囲、利用者数等を考慮しながら真に責任を持つべき守備範囲か、あるいは近隣の既存類似施設との相互利用が可能か等を十分検討した上で事業の方向性を出すよう心がけていると、このようなお答えでありますけれども、現在のクローバープラザの利用状況等を調べて、相互利用が可能かどうか検討をされたのかどうか。  それから、先ほどの神議員の質問に対する答弁の中に、利用状況は影響がないとこのようにおっしゃってました。これは、県のクローバープラザとの相互利用について、この県の施設ができたことでの利用状況は全くというほど影響は出ておらないという状況だと、これは現在の春日市のプールの利用状況のことを述べておられるんではないかと思うんですが、プールはどちらかといえばほとんど夏場に利用されてるんですね。利用状況が、先ほども言いましたけど、7月、8月に約五十七、八%。これが利用されてるのは、子供たちがほとんど利用してるわけです。ですけど、今回つくろうとしてるプールは温水プールなんですね。ですから、これは7月、8月だけの一時点を見て影響があるとかないとか、こういったことが言えないんではないかと。というのは、現在のプールを廃止することを私たちは求めてるんではないわけですので、そこら辺を御理解いただきたいと思います。そうした上で、相互利用について検討されたのかどうか、お答えをいただきたいと思います。  それから次に、先ほどの4点目の公共事業に対する市民の合意形成をどのように図っていくのかと。そのことについてでありますが、私はこの事業は勤労者総合スポーツ施設という位置づけから全市民的なものとしての最重要度のある事業だと、そのように考えます。  しかしながら、先ほどの答弁の中で、時宜、要するに時にかなったものであるかなどの緊急度の視点、これは甚だ疑問であります。そうした中で、またプール建設の情報提供や計画、プロジェクトへの理解促進を図りながら住民の合意形成を図っていくことを常々心がけているという御答弁でありますが、今回のこのプール建設に当たって、どのような形で情報提供を今後なされようとしているのか、お尋ねをいたしたいと思います。私は、あくまでも雇用促進事業団の事業は勤労者福祉対策事業であり、勤労者のための福利厚生施設であると、そういう考え方を持っておりますので、お願いをしたいと思います。このような観点から見ますと、今こそ市民にこれまでの経緯やその計画の全容を明らかにした上で、本当にこのプール事業が必要なのかどうなのか。私は、市民に問うべきときが来てるんじゃないかと。これは、なぜかならば箱物行政に対する批判は数多くあります。そういった意味からもぜひともお考えをいただきたいと、そのように考えます。  以上の点について御答弁をいただきたいと思います。 39: ◯議長(北川卓逸君) 白水市長。 40: ◯市長(白水清幸君)〔登壇〕 北田議員さんの再質問にお答えをいたします。  まず第1番目の水道企業団の問題でありますが、ここまで春日と那珂川町でこじれて、変な言葉で言うとこじれてしまっているが、それを市長、町長でするのかと。そのために管理者がいるんではないかと。だから、この解決は管理者にゆだねるべきではないかと。だから、指示をしたらどうかというような意味だったと私は判断しますが、もちろん管理者も含めて今までずっとやってきております。私も那珂川町長とも協議はしますが、それと呼応して管理者は那珂川町に春日市が言ってることが正しいという判断のもとで数回那珂川町議会とも会っています。それから、きょうはお見えではないですが、水道企業団議長さんは春日市から出ておりますが、水道企業団議長とともに企業長は那珂川町に何回となく出向いていることは承知しております。  しかしながら、なおかつこれが解決をしないということで、私は那珂川の町長に申し入れをして、いわゆる本来の春日と那珂川の協議事項を尊重してほしい。だから、それを何で破るのかということでのお願いをしているところでございます。議員さんおっしゃるように、企業長に指示するのは簡単でございますけれども、今の時点で企業長で片づくという判断は私は到底無理であろうというふうに感じているところでございます。  しかし、企業長も大変心配をして、奔走していることは事実でございます。  以上でございますので、あしたのいわゆる12日の全協の結果を見て、北田議員さん、今の御質問のことについては再度判断をしたいというふうに思っていますので、あしたの全員協議会の結果を待たせていただきたいと思いますが、よろしくお願いをいたします。  それから、これが決裂をした時点で、顧問は春日の市長と那珂川の町長でありますが、春日の私のことを、那珂川の町長のことじゃなくて、私のことだろうと思いますが、顧問料を受け取るのかどうかという御質問であります。これは今の調整の段階で、私の結論を出すのは早計であろうとは思いますけれども、私の腹の中は決めております。しかし、せっかく好転をしかけているんではないかという判断がございますので、あえてきょうは公表は控えさせていただきますが、私の腹はもう決めております。そういうことで、そのことだけはまだここでは発表を控えさせていただきたいと思っています。そういうことでございますので。  それから、勤労者福祉厚生施設……                 (「市長、幹事会についての発足時期」と発言する者あり)  幹事会の発足時期は、それは後で総務部長に説明をいたさせます。  それから、勤労者福祉厚生施設であります雇用促進事業団の中で、何でプールなのかということでありますが、議員さんもおっしゃいましたように、これは勤労者の社会体育施設の建設だそうです。そういうことで、体育施設は何を望むかという春日市なりの議論をさせていただきました。そして、勤労者だから幼児用のスライダーのようなとは、これはもうどこでもあります。大野城もありますし、それから太宰府市もありますし、今度の那珂川町もスライダーはあると思いますが、これはできないのじゃないかという判断もあったようでありますが、これは勤労者といえども子供を連れて来んと家庭的な施設であるから、それは設計の段階でお願いをしたらどうかという意見も出ております。まだそれは決定はいたしておりませんけれども。そういうことで、勤労者の社会体育施設整備でありますので、教育委員会、社会体育課が担当をして、起案をしてきたところでございましたが、今北田議員さんおっしゃるように、勤労者対策だから福祉部の厚生課も一緒になって検討をすべきではないかという御提案でございますので、今後内部協議をさせていただきたいと思います。  それから、市長はプールを今まで却下したことがありはしないか。それはそこの県の施設ができるときに、それを併用したらいいじゃないかということで、いきいきプラザ計画のときに却下したことがありはしないかという質問でございますが、プールの件で私が却下した覚えはございません。ただ、春日市の基金条例の中での1,000席以上の大ホールの基金条例のときに、私はそのようなことを申し上げた記憶はございます。なぜならば、春日市はその当時は小ホール、いわゆる305席の、今古い方の文化会館にあります小ホールはございました。ところが、今度春日市としては600席の中ホールは考えておるけれども、大ホールまでは手は届かないから、県の施設、いわゆる隣のこれは福祉と女性センターができるが、そこに1,000席以上のホールをつくっていただいて、それを利用するというお願いをして、利用していくということでの答弁をした記憶はございます。これは議員さんの質問に対して御回答を申し上げた経緯はございますけれども、プールをそのようなことを私は申した記憶はございません。  以上であります。  それから、公共事業、これからつくっていく公共事業の中で最も大切な今度の勤労者総合スポーツ施設に対して、これだけ論議をしているんだから、市民に問うべき時が来ているんじゃないか。いわゆる市民投票してでも時期に来ているんじゃないかという意味であろうと思いますが、このことにつきましては今まで、午前中も答弁いたしましたが、アンケート調査スポーツセンターにお見えになった方々に対してのアンケート調査、あるいは私も常に体育会、体育試合のときには土曜、日曜日にはスポーツセンターに行くわけでありますが、そういうときに市民がおっしゃるのは、ぜひ温水プールをという声が大変強うございました。そういうことで、しかしここに、隣にできとるからそれでいいじゃないかという異論もあろうかと思いますが、隣に県が施設をつくっておりますのを見てみますと、私も隣の県施設に行くたびに感じるのは、利用者が大変少ないわけです。ところが、大野城市の、これは温水ではございませんけれども、室内プールには春日市の市民がたくさん行っております。これはあれを見てみますとわかります、入場者の住所録。そして、太宰府の施設にもやっぱり春日の市民はお見えになっとるんだそうでございます。  そういうことで、私はこれはせっかくこれだけの10億円のお金が入りますので、これはこの際逃したらもう春日市はつくり切れないんじゃなかろうかと。そういうことで、普通の補助金であれば10億円の事業は国は半分であります、5億円であります。そして、残りの5億円を起債の枠と市の一時単費、いわゆる半分は春日市負担になりますが、今回のこの施設は10億円の内示を受けましたが、10億円丸々向こうが出すわけであります。春日市はそれ以上のいい施設をつくってもらおうとすれば、オーバーするものにつきましては春日市の負担になりますけれども、じゃあ10億円以内でつくってほしいということになりますと、それは施設は小さくはなりましょうけれども、春日市が思っているよりも小さくなろうかと思いますけれども、その10億円の中でもできるんだそうでございます。  ただ、それをつくるためには更地になさなきゃならん。そういうことになりますと、今あるものを撤去しなきゃならんけれども、その撤去費用は春日市の負担になるんだそうでございます。あるいは、建物以外の外構工事が出れば、それは外構工事は春日市負担になるんだそうでございます。しかし、建物本体は、10億円方、向こう雇用促進事業団は10億円の予算でつくる、それ以上の要望を春日市がすれば、要望した分の上乗せは春日市負担ということになるんだそうでございます。それをじゃあ春日市が今この10億円を、せっかく内示が来ておりますこれを捨てるかということになりますと、これはもったいない。だから、やはり市民のために何かつくりたい。それが温水プールだという結論には達しておりますが、温水プールと、それとテニスコートだというふうにしておりますが、これが体育館までいくと、これは10億円、20億円じゃあでき上がりません。だから、10億円ということになりますと、今の時点ではそれぐらいであろうというふうに判断をした次第でございます。そういうことでございますので、どうかその市民の声も反映させてしているということで御答弁をさせていただきたいと存じます。 41: ◯議長(北川卓逸君) 糸山部長。 42: ◯総務部長(糸山邦茂君)〔登壇〕 北田議員の再質問にお答えをいたします。  企業団に助役での幹事会を設置するということで市長は6月の議会に答弁をしておったが、その後どうなっておるかということの御質問でございます。この幹事会につきましては、まず最初に企業団を構成いたします団体で、企業団構成団体連絡会要綱というものを設けまして、春日那珂川水道企業団の事務局長、それから総務課長、それから春日市の方が総務課長と企画調整課長、それから那珂川町の方が企画課長、それから衛生課長ということで発足をしたわけでございますけど、那珂川町の方からはこれに企画課長補佐を入れてほしいということでございますので、那珂川町の方からは3人出席をしてくるということになりますので、春日市の方からも私も入るということで、今のところ先方の方ともお話をしておるわけでございます。  そういうことで、第1回目の団体連絡会を開いて、春日那珂川水道企業団のいろんなことについていろいろ協議等を行ったわけでございますけど、その後、今回の水道企業団の議会議員の定数の問題、これに関連していろいろ議会での協議会、あるいは先ほど市長がお答えいたしましたような6者会談あるいは8者会談ということの中で、やはりこの幹事会の問題が取り上げられたというふうに、お聞きをしておるわけでございます。その中で、幹事会というものにつきましても、やはり先ほど市長が御答弁いたしましたようなことでいろいろ議論になっておるようでございます。そういうことで、今議会が終わりました後にまたこの春日那珂川水道企業団構成団体の連絡会を開催をするようにいたしておりますので、その中でいろいろその議員定数に絡んで出てきました問題と含めて企業団の方から協議があるかと思いますので、その中でまた議論をしていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 43: ◯議長(北川卓逸君) 14番、北田織議員。 44: ◯14番(北田 織君)〔起立〕 端的に終わる予定でありましたけど、少し答弁が長いようで少し延びておりますけれども、政治姿勢については明日水道企業団議会議員の全員協議会があるということですので、ぜひともそれに期待をいたしたいと思います。  それから、公共工事の関係につきまして、ちょっと3点お伺いしたいと思いますが、1点は先ほど同僚議員の質問の中で、現在の事業の検討状況はどうなのかということに対して答弁が、現スポーツセンターの全体配置と室内温水プール配置計画及びその事業計画の内容についての本市の考え方、意向についての基本計画調査書の作成に入り、県と協議していく準備段階であると、こういう答弁をなさったと思うんですが、今市長は10億円の内示が来ているんだという御答弁でありますが、当然内示をいただくということは、内示をいただく前に、基本計画なりそれ相当な資料を提出しなければ内示が来ないんではないかという気がするわけですけど、そのことからすれば、先ほどの答弁と全く違うわけですよね。これから考えれば、もう既にこれは決定されてると、私はそういうふうに理解をするわけですけど、これは違いますか。  それと、ここまで進んでるものがなぜ議会にも、ましてや文教委員会にも全く報告というか説明もされていないということについて疑問を感じます。御答弁いただきたいと思いますが。  それから、今後のこのような公共工事のあり方について、全市的な問題についてはぜひとも事前に情報提供といいますか、計画、そういったものもできる限りのものを示しながら、本当にそういった箱物が必要なのかどうなのか。今、箱物行政に対する批判は数多くあります。恐らく政治不信を抱かれている方たちは、そういった方が非常に多いんじゃないかと思います。そういった意味で、ある面においては市民への真を問う手段をぜひとも講じていただきたいと、そういうことを要望し、再々質問を終わりたいと思いますが、ぜひともこの計画はもう決定しているのかどうなのか、議会への報告や説明がなぜなされていないのか、その2点だけ御答弁をいただきたいと思います。 45: ◯議長(北川卓逸君) 白水市長。 46: ◯市長(白水清幸君)〔登壇〕 これは雇用促進事業団にこういう補助制度があるということを聞き出して、そして部内で、庁内でいろいろ検討して、そしてこれは3億円、6億円、10億円の補助制度があるんだそうでございますが、10万人以上の都市は10億円の予算がつくというお話を聞きました。そういうことで、じゃあ10億円方何か頼めということで、何があるかという議論をして、これは1つの種目じゃだめだそうでございまして、2つ以上の施設が必要なんだそうです。そういうことから、春日市では温水プールと、それからテニスコート、これ2つを併用して出した経緯がございます。  ところが、これは私どもは2年後だというふうに判断をいたしております。だから、そこまで早く来るとは思いませんでした。ところが、新聞紙上に載りまして、雇用促進事業団が行革の第1番に挙がって、閉鎖されるんではないかという新聞が出ました。そういうときに、ぜひともこれは最後の滑り込みセーフで乗してもらいたいということで、実は陳情した経緯がございます。行きました、上京しました。そして、ぜひとも最後に乗してほしいという陳情、これは労働省でありますが、労働省に陳情に行きました。そして、よもや1年前のことし来うとは実は私も感じませんでした。そういうことから、ことしの8月の初めでしたか、7月の終わりか、県の課長から呼びつけられまして、即10億円の内示をいただいたわけでございます。そういうことから、これはどうなるとですかというと、今後は春日市と県と、あと雇用促進事業団と三者協議を進めながら、設計の基本構想に行きましょうという返事でございましたので、私は県の課長さん、実はうちはもう金がないと。持ち出す金がないけん、よか知恵をかしてくださいというようなことで、持ち出す金はありませんよと言わんばっかりのお願いをしてきた経緯がございます。  そういうことで、春日市と県と雇用促進事業団の第1回の会合があらんと、どういうふうに出てくるか私もわかりませんでしたので、実は議員の皆様方に内示を来たということだけは今議会で説明をしなきゃならんなと。しかし、内容はまだ入っていないから、いわゆる三者協議は入ってないから、こういう要請はしとるということぐらいしか言えないなと。だから、第1回の会合が終わって、これはもう何回も会合しなくちゃならんと思います。だから、第1回の会合が終わった時点で、議会の皆さんに全協でも開いていただいて、この結果と経緯を説明していこうというふうに私は判断をしておったんですが、そういうことでおしかりを受けておりますが、これはやっぱり早く皆様方に御報告をすべきであったと反省をいたしております。  以上であります。                 (「今後の全市的な公共事業に対して情報等を明確にした上で                 市民に一部示すのかどうか、必要かどうか」と発言する者あり)  それは議会、市民代表は議会でありますので、議会に早くお知らせをすべきだと思います。そして、全市的に必要であると認めた場合には、何らかの方法でやっていかなきゃならんと。いわゆるアンケート調査にするか、それか今おっしゃるような市民投票にするか、それは検討をしていかなきゃならんと思っていますが、できるだけ早い機会に、まず議会は市民代表でありますので、議会の皆さんに情報を早く提供しなきゃならんというふうに今感じておるところでございます。今回は申しわけございませんでした。遅くなりました。 47: ◯議長(北川卓逸君) 13番、前田俊雄議員。 48: ◯13番(前田俊雄君)〔登壇〕 13番、公明の前田俊雄でございます。私は、さきに通告しております今後の予算編成についてと、民間活力の導入についての2項目について、市長に質問をさせていただきます。  まず、今後の予算編成についてですが、国を初め地方公共団体の財政が厳しい状況にあることは、この本会議場でもたびたび取り上げられておりますのであえて申し上げませんが、今日の財政状況は決算の積み重ねであり、決算は予算の執行結果でもあり、今後の財政健全化を考えますと、今後予算をどのように編成していくかは極めて重要なことであり、今回取り上げました。今回は一般会計の歳出予算の編成について、市長にお尋ねしたいと思います。  今回の質問に当たり、歳出予算編成の傾向を知るために、平成4年度から8年度までの決算資料に基づき、時系列分析を行いました。  まず、目的別分類による構成比率ですが、平成4年から平成7年度までは、細かい数字は省きますが、教育費が27~32%、土木費が17~20%、民生費が14%~15%と構成比率が高く、教育費、土木費、民生費の合計比率は62~68%となっております。この4年間を見ますと、予算編成が硬直化しつつあるように見えます。しかし、平成8年度はこの3つの区分の順位が入れかわり、土木費21%、民生費20%、教育費19%となっており、構成が変わっており、平成8年度は何らかのアクションがとられたかのように見えます。そのため、平成7年度と8年度を目的別分類と同時に性質別分類についても比較分析を行いました。平成8年度は、7年度に比べ、歳出合計でマイナス80億6,932万6,000円。目的別分類の教育費は、マイナス72億6,476万2,000円。性質別分類の普通建設事業費で、マイナス73億2,773万9,000円となっております。平成8年度の歳出減は、主に教育費の中の建設事業にかかわる費用が減ったためであり、このことは事項別を比較しても明らかです。確かに人口増に伴う学校の建設及び増改築、社会教育施設、社会体育施設等の建設事業が続きました。こうした建設事業はいつまでも続くとは思えませんし、平成4年度から7年度の4年間は教育費におきましては特別な期間と考えております。  では、教育費への重点投資の裏で、その他の区分への予算配分はどうなっているかと思い、目的別分類において、10款の教育費を除いたところで再度構成比率の時系列分析を行いました。その結果わかったことは、まずこの5年間での歳出合計の変動幅、つまり5年間のうち最も高い年度と最も低い年度の差は、通常の教育費を入れたときはその幅が80億6,932万6,000円ですが、教育費を除いたときは17億3,228万1,000円と変動が小さくなります。次に、1款から9款及び11款から13款までの構成比率は、若干の変動はあるものの、ほとんど構成比率は変わりません。また、平成9年度の当初予算におきましても、その構成比率はほとんど変わりません。  以上の分析結果から、私はこれまでがハード優先で、かつ予算編成が硬直化しているのではないかと思います。その原因は、予算編成における前年度標準方式、つまり前年度歳出ベースにあると思います。この方式は守りの手法であり、これまではよかったかもしれません。しかし、多額の起債残高を抱え、市民のニーズも多様化し、少子化、超高齢化、環境問題、人口増に伴う水問題など新たな課題が山積し、それに反し財源としての税収の伸びが期待できないとなれば、今までの方法ではいいはずがありません。一度過去と絶縁し、事業の細部にわたって分析し、予算編成を行うべきではないでしょうか。つまり、ゼロベースもしくはそれに類する新たな予算編成をすべきと考えます。  ここで市長にお尋ねいたしますが、1点目に、予算編成の硬直化についてどのように意識されているのか。2点目に、今後の予算編成において、ゼロベースもしくはそれに類するような新たな方法を考えられているかどうかについて御答弁お願いいたします。  次に、2項目目の民間活力の導入についてですが、本市の行政改革大綱に民間活力の導入とありますが、答申書とあわせて読んでみますと、民間活力の導入とは民間委託とされているように見えます。民間企業の持つノウハウの活用も民間活用の導入と考えるべきではないでしょうか。民間に対して官庁とか公共団体もしくは公的団体という語句がありますが、一応この場では公共団体としますけども。今や公共団体の行財政運営も経営であると言われておりますが、経営という視点で両者の相違を列挙しますと、まず1つ目が、民間企業では倒産ということがありますが、公共団体は赤字再建団体になることはあっても倒産ということはありません。  2点目、それに伴って社員が職を失うことがありますが、職員は職を失うことは基本的にはありません。  3つ目、民間企業の場合、人員整理がありますが、公共団体の場合は、同じように基本的にはないはずです。
     4つ目、民間企業の場合、景気、不景気によってその存続を脅かされることがありますが、公共団体は影響はあってもその存続を脅かされることはありません。民間企業ではこれまで何度も大きな不景気があり、民間企業はそれを乗り切るために、その過程においてさまざまな生き残るためのノウハウを身につけました。まさに生きるための力、活力です。今ではほとんど定着していますが、事例を挙げますとマーケティングとかQC等があります。公共団体の行財政運営が今までにない危機的状態であり、そのための行政改革であり、民間活力の導入であるならば、民間企業の持つノウハウ、手法も大いに学び、応用すべきと考えます。今、行政改革で求められているのは簡素化であり効率化であるため、QCの管理手法であるPDCAでおなじみのあるデミングサイクルの活用を提案したいと思います。Pというのはプラン、計画する、Dはドゥ、実践する、Cはチェック、確認する、最後のAはアクション、処置するで、このPDCAを常に回す管理手法です。  例えば、ある事業を行うためには目的があり、目標があって計画する、これがPです。そして、実施した、これがD。その結果として、その事業の目的を達しているか、目標とする利用者が合っているかどうかを確認する、これがCです。目的、目標が達していないのであれば、その原因を追求し、対応、処置をする、これがAです。これを常に回していくことです。目的、目標がない事業は論外ですが、PDCAを全くやらないとするならば、これはやりっ放しの事業としか言いようがありません。また、幾ら対応、処置しても、目的、目標が達成できないのであれば、当初の計画そのものに誤りがあったと言わざるを得ません。この手法は、一部では日常業務の中で既にやられているかもしれませんが、この手法を応用して、全庁的な事業評価システムを構築すべきと考えております。1項目目の予算編成と関連しますが、今やっている事業、新たにやる事業、それぞれにどのくらいの予算を配分するか、きちんとした事業評価システムがないとできないことです。  ここで市長にお尋ねいたしますが、1点目に、民間活力の導入として民間委託のみをお考えか、それとも民間の持つノウハウの活用までもお考えかどうか。2点目に、全庁的な事業評価システムが必要と思うがどうか。この2点について答弁をお願いいたします。  以上で市長の前向きな御答弁を期待して、1回目の質問を終わります。 49: ◯議長(北川卓逸君) 白水市長。 50: ◯市長(白水清幸君)〔登壇〕 前田議員さんの今後の予算編成についての御質問にお答えをいたします。  今後の予算編成において、施策、事業に優先順位をつけて、めり張りのある予算編成をすべきではないかということから、まず予算編成の硬直化について、どのように意識しているかという御質問につきましてお答えをいたします。  各自治体は、各種公共サービスの提供を通じて、住民生活の向上に寄与すべく日々の活動を積み重ねているところであります。各自治体が提供する公共サービスは、社会資本の整備、福祉、教育、文化の充実等々、まことに幅広い範囲に及んでいますが、これらのサービスに対する需要は、それぞれの自治体によって多様なものとなります。  例えば、高齢化が進んでいるため、福祉の充実を何よりも優先させなければならない自治体もあれば、例えば春日市のように人口の増加により、義務教育施設や公園、街路、下水道などの都市基盤の整備を要請している自治体もあります。高齢化や人口の増加といった自治体を取り巻く社会的、経済的な環境は、公共サービスに対する需要を構成する要素の中でもとりわけ重要なものと言えます。公共サービスのあり方は、それぞれの社会的、経済的な環境に大きく左右されているとも言えます。  政策体系を考える場合は、マクロ的な構想から出発し、現実を考えるためにはおのおののミクロの事業を重視することであります。よりマクロ的な政策を体系化したのが総合政策であり、これを計画化したものが総合計画であります。総合計画において、マクロの課題を中心とした基本構想、マクロとミクロの中間レベルの課題を中心とした基本計画、ミクロの具体的な課題を中心とした実施計画といった3段階の構成となっています。この場合、基本構想と基本計画は政策の体系を示したものであり、実施計画における個々のプロジェクト事業が実現することによって、政策体系の上層部が達成されていくこととなります。春日市は政策的経費の個々のプロジェクト事業は、3年間の実施計画により政策策定し、この実施計画で決定された事業が予算編成においても最優先事業として決定しているわけで、この政策決定の結果が予算、決算に示されているわけでございます。  次に、今後の予算編成におきまして、ゼロベースもしくはそれに類するような新たな方法を考えられているかどうかという御質問ですが、今後も市民のその時代に応じた行政に対する期待にこたえるため、行財政運営について御意見のように過去の実績にとらわれることなく、不断のかつ徹底した見直しを行い、その時代に応じた新しい公共サービスに徹していかなければならないと考えております。  次に、民間活力の導入についてでありますが、行政改革の推進に当たり、御指摘のとおり民間委託と民間企業のノウハウの導入という、いわばハードとソフトの2つの側面が考えられます。  まず、民間委託につきましては、事務事業のコストの低減という主として財政的な視点からの取り組みであり、今後も行政責任の確保やサービスの維持向上を図りながら、これを一層推進していく必要があります。  次に、民間企業の持つノウハウの活用についてでありますが、地方公共団体の行財政運営は経営であるということは全く前田議員さん御指摘のとおりであり、簡素で効率的な行政システムの確立が今求められているところでございます。その一つの手法として民間企業のノウハウを活用し、公務能率の向上や職員の意識改革を図る必要がありますことは、十分に認識をいたしております。例えば、QC手法の一つとして、職員の自主研究制度や提案制度につきましては、活性化を図るべく昨年から今年にかけて見直しを行っております。また、昨年から新たな人事研修制度につきましても取り組んでいるところであります。また、ただいま御提案をいただきましたTQMのマネージメントサイクルであります。プラン・ドゥー・チェック・アクション・サイクルにつきましては、行政管理システムとして極めて有効な手法であると考えます。これには民間企業における数多くの経験から明らかなとおり、全職員が参加する中で目標を設定をし、管理していく、いわゆる目標管理制度が効果的であると考えております。これまでもこの場で御説明いたしましたとおり、この目標管理制度につきましては現在、人事担当所管において研究させております新人事制度の柱の一つと位置づけております。基本構想、基本計画などを踏まえ、具体的な事務事業について、各職場レベルで職員参加の目標設定による行政運営を図っていくことにより、プラン・ドゥー・チェック・アクション・サイクルの展開が可能になると考えております。  次に、2点目の全庁的な事業評価システムの必要性についてでありますが、これも民間企業的な視点からの発想であり、行政の生産性測定システムとも言われているものであります。具体的には、費用対効果の測定システムであり、御指摘のとおりその必要性につきましては認識を新たにいたしているところであります。現在、県レベルにおきましてこの事務事業評価システムの動きがありますとともに、行政システムそのものの改革を行うリエンジニアリングの手法による改革の動きもあるようですので、参考にしてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、最少の経費で最大の効果を上げることが地方自治の最大の課題でありますし、その手法につきましては不断に研究を続けてまいりたいと考えております。  以上であります。 51: ◯議長(北川卓逸君) 13番、前田俊雄議員。 52: ◯13番(前田俊雄君)〔起立〕 再質問をさせていただきます。  まず、1項目目の今後の予算編成についてですが、確かに目的別経費の支出はその団体の社会的、経済的環境によって変わってくるわけですけども、市長の御答弁を聞いていましていま一つ実感してこないのは、これまで間違ってないんだという自信をお持ちなのか、ちょっと不安があるなというところがはっきりしませんので、いま一度今までの予算編成のあり方、9年度を含めて、全くしっかりやってるんだと、安心してくれというふうなのか、そこら辺の姿勢をちょっとお聞かせください。  もう一点は、政策は実施計画で決定されますけども、また決定された政策は予算編成に最優先事業として上げられるという御答弁をいただいてるわけですけども、具体的な数値でお聞きするわけですけども、本当でしたら平成8年度の決算を事例としてやってもいいんでしょうけども、今回定例会で認定がありますので、差しさわりがあるといけませんのであえて平成9年度の一般会計当初予算でお聞きしますけども、歳出合計で258億1,977万8,000円あるわけですけども、このうち実施計画に基づいて計上された予算は幾らでしょうか。そのうちハード事業とソフト事業、その内訳はどのくらいかどうかお聞かせいただきたいと思います。  次に、2項目目の民間活力の導入についてですけども、答弁では職員の方の公務能率の向上を主眼にしたお答えいただきましたけども、それは当然のこととしてぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、私が特にお聞きしたかったのは、言い方が悪かったかもわかりませんけども、市民に提供しているハード事業、ソフト事業の評価システムなのです。先ほど同僚議員から非常に箱物行政に対する批判があるということでございますけども、一つの行政内部でもそれぞれの事業についてやはりしっかり評価をしていくべきじゃないかということで提案させていただいております。それが決定され、また実施した事業がどう評価して、どう市民に言われているかということを常々考えていくべきと思います。  幾つかちょっと例を挙げて言いますと、ある公共事業を建設します。一つの箱物でも結構でございますけども。それには必ず目的、目標があるわけです。目標を数字で言いますと、先ほどプール10万人と言われましたけども、これは10万人が一つの目標になると思うんですけども、その後、一定の期間をおいて当初の目的を達しているかどうか。目標が達してなければどこに問題があるのかということも原因追及も必要でしょうし、対策を講じて、対策立案を実施して、またインターバルを置いて、またチェックするという、こういう繰り返しが必要と思います。これを一人一人所管の担当者の個人的な主観、よかったというこれも大事ですけども、主観的なものじゃなくて客観的なシステムとして、一つの事例としますと帳票による、チェックシートによる評価ですとかあるわけです。こういった評価を常々やっていかなければ、公共事業のソフト、ハード面でのやっぱり本当に市民に喜ばれる施設となるという育成ですね、一番最初から完璧ではないと思うんですけども、そういったことを繰り返しながらやはりいい施策、また事業として育っていくと思います。  ソフト事業といいますと、いい例が補助金交付もそうでしょうけども、本当に交付した補助金が生きているかどうか。補助金については次の項目で挙がっているみたいですので、これ以上は言いませんけども、もう一つはよい例、悪い例があれば、行政組織内部で横断的に展開するべきだろうと思うんです。1人の失敗の経験が1人で終わることなく、また成功例が1人で終わることなく、それを横断的に活用するためには、やはり評価システム、一つの形と残る帳票による評価システムというものが必要になってくると思ってるわけです。行政改革大綱ですとか、先ほどの答弁でもありましたけども、見直すということがたくさんあるわけですけども、見直すという言葉は非常に便利な言葉なんですけども、じゃあ具体的にどういう方法で見直すんだということもあるわけです。  再度聞き方を変えますけども、ハード事業、ソフト事業において先ほど言いました市長が言いにくいと言われましたPDCAサイクルを活用した、全庁的事業の評価システムを私は必要と思うとりますけども、市長は要らんと言われるのか必要と思われるのか、お考えをお聞かせください。  以上で2回目の質問を終わります。 53: ◯議長(北川卓逸君) 白水市長。 54: ◯市長(白水清幸君)〔登壇〕 再質問にお答えをいたしますが、これは大体私が答弁をしたいと思います。  今までの予算編成は間違っていないと確信ができるか、胸を張って言えるかということでありますが、私は言えます。と申しますのは、残念ながらあのような事件が起きましたけれども、その1カ月前に西日本新聞社の県下の住民意識調査で、春日市が一番住みよい町、いわゆる住みたくなる町の第1位になりました。もちろん元気度ではどこかの村に負けましたけれども、しかし都市圏の中では春日市が1位。そして、総合しますと県下区市町村の中の111区市町村の中で、総合的に春日市が第1位ということで大きく報道をされました。これは私はすばらしい春日市の議会と執行部が一体となった今までの取り組みが市民から、あるいは県民から評価されたものと私は大変うれしく思っている次第であります。そういうことで、今お尋ねの確信があるかということでありますが、大変私はすばらしい今までの成績であったと、実績であったと評価をいたしておりますので、よろしくお願いを申し上げますとともに、議会の皆様方の御協力があったからこのような結果が生じたということもあわせて御礼を申し上げさせていただきたいと思います。  あとの問題は総務部長から答弁いたさせます。 55: ◯議長(北川卓逸君) 糸山総務部長。 56: ◯総務部長(糸山邦茂君)〔登壇〕 前田議員の再質問にお答えいたします。  第1点目につきましては、ただいま市長の方からお答えをいたしましたので、2点目の方から回答さしていただきます。  2点目の質問でございますけど、歳出合計258億1,977万8,000円のうちに、実施計画に基づき計上された予算は幾らかと。また、その中でハード事業、それからソフト事業の内訳はどうなっておるかということでのお尋ねでございます。実施計画に基づきまして予算計上いたしました予算額は、61億4,912万8,000円でございます。予算全体に対する構成比率は23.8%となっております。また、その内訳は、ハード事業が58億2,098万2,000円で、構成比率が22.5%、ソフト事業が3億2,814万6,000円で、構成比率が1.3%となっております。これにあわせまして予算の内容の分析をしてみますと、人件費、それから扶助費、公債費が102億9,039万1,000円で、構成比率は39.9%、それから特別会計、それから事業会計の繰出金が21億9,523万7,000円で、構成比率が8.5%、それから一般事務組合負担金が12億540万2,000円で、構成比率が4.7%、それから貸付金が2億9,000万1,000円で、構成比率が1.1%になっております。これらを合計しますと、予算額で201億3,015万9,000円で、構成比率で78%ということになってるわけでございます。この78%というのが経常的に必要とする予算ということになろうかと思います。  それから、2点目の全庁的な事業評価システムをやはり公共事業等を行うに当たっては、このシステムを採用すべきではないかという御意見でございます。現在予算を編成します前に、やはり御存じのように実施計画というものを、3年間の実施計画を策定しておるわけでございますけど、これは3年間は固定方式ということで決めておりましたけれども、やはり事業がいろいろ出てまいりますのでローリング方式に変えておるわけでございますけど、この実施計画あるいは基本計画の進行管理状況というものを四半期ごとにそれぞれ事業を担当しますところから状況報告を求めるようになっておるわけでございますけど、こういうもので一応の事業等の効果、そういうものについてはチェックをしておるわけでございますけど、議員さん御提案のこの事業評価システムというものは、やはり必要だろうというふうに考えておるわけでございます。  この事務事業評価システムにつきましては、既に三重県の方でさわやか運動ということで採用していらっしゃるわけでございますけど、この中をいろいろ解説等を見ますと、事務事業の評価システムは事務事業を見直すための仕組みではあるけれども、単に事務事業のスクラップを行うための指標ではないと。議員さんおっしゃるように、事務事業を例外なくゼロベースで点検して見直すということで、改革をしていくというような考え方で、行政改革の一つであるという考え方であるようでございます。そういうことで、この事務事業の評価システムにつきましては、行政内部はもちろんのことでございますけれども、サービスを受けます市民との共通の言語として最適な事務事業立案、それから遂行できるということで大変いいシステムだということで解説をされているわけでございます。  既にこの事務事業評価システムのさわやか運動の中で、予算の効率化という面から先ほど議員さんが御提案になっておりましたように、事務事業の目的評価表というものを作成をされておりまして、これに事務事業の目的評価表というのは記入項目といたしましては目的と成果、それから事業を取り巻く環境、それから既存事業の評価、それから改革方向、こういう大きなものをそれぞれ記入するようになっておるわけでございます。こういうものにそれぞれ担当する、これは係長さん以上が記入するようになっておるわけでございますけど、担当する事業の目的や費用対効果などを評価をやることによって、さっきおっしゃるようにその公共事業が本当に効果があったのかどうかということで、予算の効率化につながっていくということでございます。そういうことで、事業への効果への自己採点能力と、納税者に対する説明の責任も職員に向上させることができるということでございます。そのほか予算の獲得と消化だけに満足していた職員に意識改革を求めるものだということで、大変好評を博しておるようでございます。  そういう事務事業評価システムでございますので、現在私ども公務能率の向上ということで、先ほどおっしゃったような民間企業のノウハウということで、目標管理制度の導入ということで現在管理職研修等を通じながら職場の風土づくりに努めておるわけでございますけれども、こういう公務能率の向上とリンクをさせていって、この事務事業評価システムについてもやはりこれから研究をし、導入をするという方向で研究をしていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 57: ◯議長(北川卓逸君) 13番、前田俊雄議員。 58: ◯13番(前田俊雄君)〔起立〕 再々質問をさせていただきます。  まず、先ほどの予算編成ですけども、平成9年度において政策は実施計画において予算化されると。平成9年度はそれで予算化されたものが、全体の23.8で引きますと76.2なんですけど、76.2%が大体もう義務的経費なり経常的経費という理解でいいんですね、部長。いいですね。  そうしますと、非常に政策ということでローリングということがあるわけですけども、やはり先ほど言いましたように義務的経費、それから経常的経費においてもしっかり効率化を図っていく必要もありましょうし、もう一つ私驚きましたのは、数少ない政策である23.8%の中、ハードが全体の22.5、それからソフトが1.3%と非常に少ないわけですけども、これまで市長からの御答弁の中で、お話の中で、これからはハードからソフトの時代なんだと。ソフト事業に力を入れていくんだと聞いておりましたので、それより多いかと思っておりましたけども、非常にハード事業が多いように思っておりますし、またハード事業がふえてきますと当然経常経費もふえてくるわけですから、そこら辺のバランスをとることも必要かと思いますけども、先ほど市長からも自信があるということでございますので、これからも予算編成に関しましては硬直化することなく、特にソフト事業を本当にモディファイして、市民に喜ばれるような編成をしていただきたいと思います。答弁要りません。 59: ◯議長(北川卓逸君) ここで暫時休憩いたします。                ──── ─ ──── ─ ────                 休憩 午後2時59分                 再開 午後3時20分                ──── ─ ──── ─ ──── 60: ◯議長(北川卓逸君) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。  8番、島永興勇議員。 61: ◯8番(島永興勇君)〔登壇〕 8番、新政クラブ島永興勇です。補助金のあり方について質問いたします。  国や地方自治体で国を挙げて行財政改革の必要性が論議されている中、国が地方自治体などに支出している補助金で、法律で支出を義務づけられていない補助金で、20年以上もの長期間にわたり予算計上されている補助金が、一般会計補助金総額の25%を占めていることが3カ月ほど前の新聞紙上にて発表されていました。新聞紙上ではさらに長期間続いている補助金として、1881年から始まった河川災害の復旧事業に対する補助が117年、科学研究費補助が80年、漁港修築費補助72年などの例を挙げています。この結果は補助金行政の硬直性を浮き彫りにしている。国と地方の長期債務残高は97年度末にて476兆円に上る見通しで、財政危機克服のために補助金の整理合理化は欠かせないなどと解説されていました。国が地方自治体に支出している補助金とは、目的も趣旨も違うのがあるかとは思いますが、いただいた資料では春日市でも平成9年度で少ないものでは全国学童保育研究集会出席負担金補助金8,000円から、高額のものでは春日市文化スポーツ公社の2億30万1,000円まで、一般会計で175団体、7億1,595万円、国保特別会計で3団体、7,267万6,000円、合計7億8,862万6,000円が予算化をされています。行財政改革を進めていく上では聖域を設けないという考えから、現在では全国あちこちの自治体で補助金の見直しが行われています。  見直しの主な内容は、終期の設定を考えたいわゆるサンセット方式の導入から見直しの判断基準をつくり、補助金を廃止したもの、あるいは負担金、補助金の削減をしたもの、各課ごとに助成していた慣例による補助金、少額の補助金を1本化し、効率的な補助金の活用に切りかえたもの、さまざまな取り組みがなされています。ここで補助金整理合理化の基準をつくり、補助金の見直しを行った新潟県小千谷市の例に触れておきたいと思います。  小千谷市では、補助金整理合理化の検討基準として、1番目の廃止の基準として、団体の運営が軌道に乗ったもの。補助金額が極めて少額で効果の薄いもの。自主自立が可能なもの。2番目、終期の設定の基準として、団体の育成が終わりつつあるもの。事業費補助で目的を果たしつつあるもの。減額の基準として、団体経費の大半が運営費のもの。団体決算の繰越金が補助金額を超えているもの。団体で会費を取らないもの。他団体に比し補助率または補助額が高いもの。4番目に、統合または支出科目の変更などの検討基準をつくり、見直しを行っています。  さらに、次年度の基本方針として次のようなことを掲げています。  補助金は本来公益上の必要があって公金から支出されるものである以上、それぞれの補助金が果たしている役割や効果等を常に見きわめなければならない。特に昨今の厳しい財政事業の中での補助金の交付に当たっては、補助金の形骸化の有無、目的達成度合い、自主自立の可能性、長期既得権化の有無や市発展の波及効果などを総合判断し、時代に適応した補助金のあり方を見出す必要があるとあります。  本市の補助金については、昭和63年の行政改革推進委員会の答申、行政改革大綱の中で見直しの基準が打ち出されています。63年度の答申と行政改革大綱はほぼ同じ内容ですから、行政改革大綱の中に記述してある補助金、負担金及び交付金の見直しについて言及しておきたいと思います。  補助金については、その必要性、効果等の観点から、次の基準により昭和64年から抜本的な見直しを行うとあり、具体的に10項目の検討事項を挙げています。1、補助金が当該事務事業の遂行に必須かどうか。2、住民福祉と直接無関係の目的のものはないか。3、特定の個人、地域に片寄ってはいないかどうか。4、既に目的を達成していないかどうか。5、目的との関係で、効果が低いものがないかどうか。6、ばらまきになっていないかどうか。7、他のよりよい代替措置がないかどうか。8、手続に簡素化すべきものがないかどうか。9、住民に対して周知徹底の措置がとられているかどうか。10、名目のいかんにかかわらず、実質的に補助金となっているものはないかどうかなど大変すばらしい検討事項が列挙してあります。  さらに、平成8年度の行革大綱でも、補助金のあり方については適正なガイドラインを定め、総額の抑制を図ること。交付団体の運営状況の的確な把握及び効果の確認に努めること。新設に当たっては、必要に応じて終期の設定を行うことを基本方針とする。また、個別の補助金についても、行政の責任領域、費用負担のあり方や行政効果などの観点から不断の見直しを行い、関係団体や制度自体の整理、統廃合を含めた見直しを検討するとあります。しかしながら、平成8年度3月に出された行政改革の推進に関する答申の中で示されている主な補助金、負担金の状況の中では、117団体の合計で、平成3年度2億867万円、平成4年度2億5,092万円、平成5年度2億7,545万円、平成6年度3億1,354万円が支出されています。また、いただいた資料の中で、平成7年度の一般会計の補助金総額は、175団体で6億5,802万円、8年度で7億7,590万円、9年度で7億1,595万円など本市の補助金、負担金は確実にふえ続けています。行財政改革は避けて通れない大きな課題である以上、行政改革大綱に沿った行政運営は絶対条件であると考えます。  そこで、市長にお尋ねします。  第1点目に、見直しを検討される以上、補助金交付団体の事業内容を記述した書類や決算報告書については毎年受け取っていらっしゃるのかどうか。2点目に、補助金の目的に沿った運用がなされているかチェックできているのか。3点目に、サンセット方式を検討している補助金はあるのか。また、整理、統合、合理化を検討している補助金はあるのか。  以上、3点について行財政改革を進めていく上で、検討していかなければならない大きな課題であると考え、市長の考えについて質問いたします。 62: ◯議長(北川卓逸君) 白水市長。 63: ◯市長(白水清幸君)〔登壇〕 島永議員さんの補助金のあり方についての答弁をさせていただきます。  補助金は地方自治法第232条の2に基づき、客観的に公益上必要な場合に各種団体等に対して活動の推進、奨励を図る目的で支出いたしています。この補助金の適正化については、今、島永議員さんおっしゃいましたように、昭和63年度の行政改革大綱から補助金等の必要性、効果などの観点から、述べられたように10項目の基準により取り組んできています。予算編成時に1件審査において補助交付団体の活動状況、財政状況の審査を、執行時においては補助金としての効果、目的の達成度など真に必要なものかを確認いたしているわけでございます。当然決算書や予算書等の基本となる資料は、査定部門と執行部門で二重のチェックをしているわけです。また、会計課での審査や監査事務局での監査が行われているのは周知のとおりでございます。さらに、筑紫地区に共通する補助金等については、毎年筑紫地区財政主管課長会議において協議をしています。平成8年度に新たに予算措置しました筑紫地区共通の1件の補助金については、補助対象期間を5年間とし、6年目以降についてはその時点で再検討することといたしております。  平成9年度においては、2件の補助金を減額をいたしております。昭和61年以降においては、7件の補助金等を見直しにより廃止いたしております。行政の責任領域や受益と負担の公平性は、時代や社会経済情勢の変化に伴って変化しております。限られた財源を効率的に活用するためにも、不断の見直しが必要と認識をいたしております。今年度からも昨年に策定いたしました春日市行政改革大綱に基づく実施計画において、1、補助金の新設に際してのサンセット方式の導入。2、見直し、適正なガイドラインの策定について、新たに取り組むことといたしておりますのでよろしくお願いを申し上げます。 64: ◯議長(北川卓逸君) 8番、島永興勇議員。 65: ◯8番(島永興勇君)〔起立〕 再質問をいたします。  同僚議員の鋭い質問に大変お疲れになったのか、親切丁寧な、また長時間にわたる答弁に対し大変簡単で明快な短時間の答弁をいただきましたが、今回の質問の趣旨は、今後の財政問題を考えれば、補助金についても見直しを図る必要があるとの観点から質問をさしていただきました。質問で取り上げた小千谷市の例の限らず、見直しに取り組んだ他の自治体は大きな実効を上げています。私自身勉強不足もあるかと思いますが、補助金、負担金交付団体のすべての事業内容を熟知しているわけではありませんし、どの団体の補助金が減額や廃止の対象となり得るのか、またサンセット方式導入対象団体なのかは理解をしていません。  しかしながら、行革大綱の出された後予算計上された補助金、負担金については、先ほど触れさしていただきましたが、確実にふえ続けています。平成8年度は社会福祉センター改築助成金6,450万円が支出されていたため、大きく前年度に比較して伸びていますが、その金額を差し引きいたしましても、対前年度に対して大きく増加していますし、8年度に対し9年度の予算額もまた増加しています。見直しとは削減や廃止ばかりを示すものでないことは十分理解しているつもりです。単年度で終わる補助事業も数多くあると思います。しかしながら、補助金は確実にふえ続けています。実効がどこまで上がっているのか、個人的には大きな疑問を持っています。サンセット方式は、新たに予算措置された補助金について5年間の補助対象期限とし、以後再検討する旨答弁をいただきました。また、補助金の新設に際してのサンセット方式の導入について、ガイドラインの策定について新たに取り組むとの答弁ですが、既設の補助金についてはサンセット方式の導入を検討されたことはないのか、再度質問さしていただきます。  次に、補助金が公金から支出される以上、将来的にも財源の裏づけは絶対的に必要です。本市の歳入の主な財源である市民税は、地域社会の高齢化、少子化現象を考えますと、大きく落ち込むのではないかと個人的に予想しています。このことを、すなわち今後の市民税が今までどおりふえ続けるのか、あるいは減少傾向に転じるのか、市長はどのようにお考えか、2点を再質問さしていただきたいと思います。先を見る目が執行権者である市長に求められる大きな条件の1つであると考えます。よろしくお願いします。 66: ◯議長(北川卓逸君) 糸山総務部長。 67: ◯総務部長(糸山邦茂君)〔登壇〕 島永議員の再質問にお答えをいたします。  補助金に関係をして、既設の補助金についてもサンセット方式を検討したのかということでございますけど、これにつきましては先ほど市長もお答えいたしましたように、予算編成の段階、またもちろんそれ以前にもそれぞれの所管でそれぞれ補助金を出しております団体、あるいは施設等の予算書、決算書、それからいろいろの事業計画書等、そういうものをまず所管の方でチェックをしていただいて、果たしてその補助金が必要かどうかということをまずチェックをしてもらってるわけでございます。その後、また私どもの方に予算要求が出てまいりますと、このときにもやはり今申しましたように事業計画書あるいは予算書、決算書を予算査定の場に持ってきていただきまして、また査定の中で予算編成を担当いたします財務担当としてもチェックいたしておるわけでございます。そういうことでチェックをいたしておりますが、今おっしゃるように既設についての終期というものをいつまでということは、まだ既設の補助金についてはそこまで立ち入ってと申しましょうか、そこまで査定の段階でもちろんやってはおりますけれども、もうこれでいいじゃないかと、いつまでだというようなことの強い私どもからのカットとか、そういうものについてはいたしておりません。  それから、消費税につきまして、今後伸びるのか落ち込むのかということでございますけれども……                 (「違う、市民税です」と発言する者あり)  失礼しました。税につきましては、所管をしております市民部長の方からお答えをいたしますので、よろしくお願いいたします。 68: ◯議長(北川卓逸君) 田中市民部長。 69: ◯市民部長(田中篤司君)〔登壇〕 島永議員さんの再質問にお答えをいたしたいと思います。  歳入の根幹をなす市税の今後の見通しはどうなのかという御質問でございますが、御承知のとおり本市の構成といいますか、住民構成を見てみますと、給与所得者が85%ないし90%近く占めておるわけでございます。そういうことからいたしますと、給与は毎年ふえてまいります。そういう関係から年々増加をしていくというふうに考えております。  以上で回答を終わります。 70: ◯議長(北川卓逸君) 8番、島永興勇議員。 71: ◯8番(島永興勇君)〔起立〕 簡単にちょっと再々質問をさしていただきます。  サンセット方式の導入を私は検討という意味で申し上げたのは、何も先ほども例がありましたけど、終期目標をある程度設定して、その段階で再度見直すぐらいの取り組みはしていただきたいなと思います。なぜかと申しますと、今答弁いただきました中で、どれが実際行革大綱の中でうたわれた補助金等についての見直し項目10項目これ上がってますけど、どのように検討されたのか、答えとしてどれがどう、具体的にどうだったかということがさっぱり私自身は理解していません。やはりこれに沿った検討をされるんであれば、それなりのサンセット方式は多少なりとも考えられるんじゃないかなと、個人的にはそんなふうに思ってます。先ほど言いましたように、私自身補助対象団体の事業を熟知してるわけでもありませんし、どれがどうだこうだっていうことの言及には及びませんし、またわからないまま軽々にそのような発言をすべきでないということは十分理解しておりますが、行革を進めていく上では、行革大綱に載っている検討事項は十分に検討されるべきじゃないかなと。毎年ふえ続けていっているという実情には、私自身は納得がいきません。その点をもう一点だけ確認をさしていただいて、質問を終わらしていただきます。 72: ◯議長(北川卓逸君) 糸山総務部長。 73: ◯総務部長(糸山邦茂君)〔登壇〕 島永議員の再々質問にお答えいたします。  既設補助に対してもサンセット方式をやはり検討すべきじゃないかということであったわけでございますけど、私先ほど予算査定、そういう予算を編成するまでの過程について、その中での補助金のあり方について説明したわけでございますけど、行革大綱に基づきまして定めております実施計画、この中で補助金の見直しというところで、新設に際してのサンセット方式の導入ということで、今年度サンセット方式については検討すると。それから、見直しガイドラインの策定については現在分析をするということで、現在そういうガイドラインの分析、あるいはサンセット方式についてそれぞれの補助金の項目等も拾い出しておりますので、今年度いっぱいに検討したいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 74: ◯議長(北川卓逸君) お諮りいたします。  本日の会議はこの程度にとどめ、あす引き続き一般質問をお受けしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。                 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 75: ◯議長(北川卓逸君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこの程度にとどめ、あす引き続き一般質問をお受けいたします。  本日はこれにて散会いたします。                ──── ─ ──── ─ ────                 散会 午後3時47分...