直方市議会 2020-02-27
令和 2年 3月定例会 (第4日 2月27日)
令和 2年 3月定例会 (第4日 2月27日)
令和2年2月27日(木)
1.会議の開閉時刻 開議 10時00分
散会 12時06分
1.議事日程(第4号)
1.出席及び欠席議員の氏名
1番 安 永 浩 之
2番 三 根 広 次
3番 篠 原 正 之
4番 森 本 裕 次
5番 渡 辺 幸 一
6番 田 代 文 也
7番 野 下 昭 宣
8番 佐 藤 信 勝
9番 那 須 和 也
10番 渡 辺 和 幸
11番 澄 田 和 昭
12番 髙 宮 誠
13番 紫 村 博 之
14番 宮 園 祐美子
15番 渡 辺 克 也
16番 矢 野 富士雄
17番 村 田 明 子
18番 松 田 曻
19番 中 西 省 三
1.職務のため議場に出席した
事務局職員職氏名
議会事務局長 則 末 幹 男
次長 武 谷 利 昭
係長 河 村 隆 志
書記 川 原 国 敬
1.説明のため出席した者の職氏名
市長 大 塚 進 弘
副市長 秋 吉 恭 子
教育長 山 本 栄 司
総合政策部長 大 場 亨
市民部長 大 谷 和 彦
産業建設部長 増 山 智 美
教育部長 安 永 由美子
上下水道・環境部長 松 崎 裕 史
消防長 岸 本 孝 司
各課長省略
1.会議に付した事件
日程第1
一般質問
┌──────────┬──────────────────────────────────┐
│ 議 員 名
│質 問 事 項 │
├──────────┼──────────────────────────────────┤
│ 村田 明子 │1.旧
筑豊高校跡地の
活用方法について │
│ │2.
植木メカトロビジネスタウンについて │
│ │3.
直方市立学校再編について │
├──────────┼──────────────────────────────────┤
│ 渡辺 和幸 │1.
公立学校教員への「1年単位の変形労働時間制」導入について │
│ │2.
国保税滞納世帯に対する「
資格証明書」発行中止について │
├──────────┼──────────────────────────────────┤
│ 渡辺 幸一 │1.第6次直方市
総合計画の策定について │
│ │2.
生活困窮者就労支援について │
└──────────┴──────────────────────────────────┘
───── 10時00分 開議 ─────
○議長(中西省三)
おはようございます。これより本日の会議を開きます。
本日の議事は、お手元の日程表のとおり進行を図りたいと思いますので、御了承願います。
これより日程に入ります。
日程第1
一般質問を行います。
昨日同様、議長より順次発言を許可します。
17番
村田議員の発言を許可します。
(17番
村田議員 登壇)
○17番(
村田明子)
おはようございます。17番
村田明子でございます。本日は通告に従いまして、旧
筑豊高校跡地の
活用方法について、
植木メカトロビジネスタウンについて、
直方市立学校再編についての3点、順次質問を行わせていただきます。
1点目は、旧
筑豊高校跡地の
活用方法についてでございます。先日、旧
筑豊高校跡地に足を運び管理されている職員の方とお話をすることできました。体育館や校舎のほとんどが安全面で使用することができませんが、管理棟の一部や運動場など、現在も利用されておられるようです。ですが、ほぼ利用されていないのが現状である中、あの広大な敷地はというと、落ち葉や草刈りなどとてもきれいにされておりました。
植木地区の
スポーツイベントで年に数回足を運びますが、本当に管理が行き届いていると感じます。管理をされている職員の方々の日々の努力に本当に感謝いたします。
高校跡地の正門から校舎へと続く上り坂には桜並木があり、春にはすばらしい桜並木を楽しむことができます。桜の季節には、ぜひ、ごらんになられてください。
そんな旧
筑豊高校跡地ですが、直方市は
教育関連施設の建設用地ということで県から
無償譲渡を受けております。
教育委員会は、その跡地に
小中一貫校の建設を検討し、一貫校の建設について地元に説明を行った経緯がございます。その後、市は厳しくなる財政状況から、
小中一貫校建設を断念し現在に至っておると認識しております。
教育施設断念後の方向性について、市は跡地についてあらゆる活用の方策を探るとの議会答弁を受け、改めまして昨年の9月議会において、旧
筑豊高校の活用について質問をいたしました。
まず、最初の質問でありますが、昨年の9月から半年近く経過しようとしておりますが、跡地の活用に動きがあるようには見えておりません。現在の状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
○
総合政策部長(大場 亨)
旧
筑豊高校跡地の現在の状況でございます。昨年9月議会にて議員の御質問に御答弁いたしましたように、旧
筑豊高校跡地につきましては、
民間活力による活用を含めて有効な活用を考えていくとの方向性で進めており、その方向性については現在も変わっておりません。しかしながら、現在、特に大きな進展はない状況でございます。以上でございます。
○17番(
村田明子)
では、
民間活力による活用とはどのような活用を考えでおられるのでしょうか。市として民間による活用に方向転換をしたのであれば、早期に活用策を
地元関係者に説明し理解を得る必要もあると考えます。この間、どのような動きをしてきたのか、お伺いいたします。
○
総合政策部長(大場 亨)
民間による活用というとこでございますけども、
企業用地として研究開発や生産工場などの用地として活用を視野に入れて考えております。跡地の立地条件につきましては、
鞍手インターチェンジに近接しているところ、そういうところの優位性があると考えております。用地を一括にて活用を図れる企業がないか、情報の収集をしているところでございます。
続きまして、この間の動きについてでございますが、市が
教育施設に活用をするという条件で福岡県から
無償譲渡を受けておることから、
教育施設に活用せずに民間売却を含めた活用を考える場合は、福岡県と協議が必要になることから、昨年は市の考え方を福岡県に伝えております。
県とは、まだ活用の用途が明確に決まっていない状況であることから、具体的な協議には至っておりませんが、他自治体の事例を教えていただくなど、県から情報をいただいている状況で終わっているところでございます。
活用策を地元の関係者に説明するということであれば、具体的な活用策が必要と考えております。現在、具体的な活用策を見出せないでいることから、地元等には、まだ説明は行っていない状況でございます。以上です。
○17番(
村田明子)
いまだ具体的な活用策が見出せていない。そもそも見出そうとしているのか疑問であります。直方市は、現在、
上頓野産業団地が完売し、
植木メカトロビジネスタウンの造成もこれからの
取り組みであり、有効な用地を持たないと考えています。市として
教育施設として活用せずに
民間活用との方向性を決めたのであれば、早期に具体的な活用策を示すことが必要ではないでしょうか
しかしながら、現状は、企業が投資するには
経済情勢等の
タイミングが重要になることは理解できます。
消費税増税後の国内の動き、また世界的には、現在、
新型コロナウイルスの拡大により企業活動が縮小傾向にある中、厳しい状況にあると考えられます。
このような状況を踏まえた上で、旧
筑豊高校跡地についての今後の方向性についてお尋ねします。
○
総合政策部長(大場 亨)
議員が御指摘されたように、早期に有効な活用を図るべきとは考えておりますし、早急にそういうことができればと思っておりますけども、引き続き、
民間活力による活用を含めて、あらゆる可能性を模索しておる状況でございます。
企業用地としての活用につきましては、議員おっしゃいました企業の
投資タイミングと合致することが必要になりますけども、現在、企業も厳しい状況下に置かれていることを認識した上で、千載一遇のチャンスを逃すことがないように、アンテナをしっかり張って情報収集に努めながら市の発展につながる最も有効な活用策を探っていきたいと考えております。以上です。
○17番(
村田明子)
民間活力による活用となりますと、この後、質問にも出てまいりますが、
メカトロとの整合性も考えられるのではないでしょうか。
旧
筑豊高校跡地は校舎や体育館などの建物は残っておりますが、活用可能な広大な市有地であることには変わりなく、執行部は活用策を具体的に煮詰め、決まった際は、
地元関係者にも説明していただくよう要望して、次の質問に移ります。
二つ目の質問は、
植木メカトロビジネスタウンについてでございます。直方市は
石炭関連産業による鉄工の集積地として発展し、炭鉱閉山後には、金型産業や
半導体関連産業、
自動車関連産業等の
機械金属加工の集積地を形成しており、市内に所在する企業規模としましては中小企業が多く、その多くが
大手企業等からの受注に頼らざるを得ないのが実態であります。
しかし、近年は、大企業の生産拠点が海外に移転し、製造業の空洞化が加速しており、
直方市内事業者にとって厳しい状況が続いております。そのため、第5次直方市
総合計画後期基本計画及び第2次直方市
国土利用計画において掲げられているように、
工場団地を整備し、
企業誘致を推進することで経済を活性化させることが喫緊の課題となっております。
平成29年に
上頓野産業団地が完売、完了したことから、本市は、現在、
九州自動車道鞍手インターチェンジに近接し、
交通利便性の高い
植木地区において、
工場団地の整備を検討しておりますが、
植木メカトロビジネスタウン構想というものは、いつどのような形できたのでしょうか、お答えください。
○
商工観光課長(
長田正志)
この構想につきましては、平成7年、直方市を含む北九州市周辺の22市町村で策定しました福岡県
北東部地方拠点都市地域基本計画の中で各市町村が設定した12の
拠点地区の中の一つでございまして、平成9年11月に県知事の承認を受けております。
この
基本計画において設定されるまでは、平成2年度策定の直方市第3次
マスタープラン、平成4年度から5年度にかけての直方市
産業育成ビジョン及び同
実施計画等におきまして、ソフト・パーク、あるいはサイエンス・パークという呼び方をしておりましたけれども、平成6年度に実施しました
産業業務用適地予備調査の中で、国等の
産業立地政策の変化にあわせて、さらに一歩進めた
産業業務拠点づくりとして位置づけ、
メカトロビジネスタウン構想に発展させたものでございます。以上です。
○17番(
村田明子)
今の答弁をお聞きしますと、構想から20年以上経過しておりますが、
メカトロビジネスタウン構想当初から現在に至るまでの経過をお聞かせください。
○
商工観光課長(
長田正志)
植木メカトロビジネスタウン構想ができましてから平成14年3月には、多種多様な産業を支援する
拠点施設として直
鞍産業振興センターが設置されました。その後、平成15年8月に
植木メカトロビジネスタウンの
計画区域内の一部、場所は
県道直方宗像線の北側で、市道一丁田老良線の東側に位置する4万9,000平方メートルの区域で
造成計画や諸施設の
配置計画を作成しております。
また、平成17年度には、県道南側に
工業団地としての
貸し工場、現在の
植木メカトロタウンを建設をしております。そして、平成23年3月、
直方コンピュータ・カレッジが閉鎖されまして、その後、直
鞍産業振興センター別館として現在まで
産業振興を担っておるところでございます。
そのような中、平成26年3月、第2次直方市
国土利用計画の中で
九州自動車道の
鞍手インターチェンジ等の
広域交通ネットワークを活用し、
植木地区の
産業用地等必要に応じて新たな
産業用地の確保を図り、既存の
工業団地とあわせ
企業立地の
取り組みを推進することとしております。
同じく、平成26年3月に策定されました直方市
都市計画マスタープランにおきましては、
植木メカトロビジネスタウン拠点地区の整備を推進することとされております。また、先ほど申し上げました区域内の
貸し工場につきましては、平成29年度に各工場を運営する
民間企業へ払い下げをいたしました。平成30年度には、
企業誘致適地調査によりまして、市道一丁
田老良線西側での
工場団地の造成につきまして概算の事業費を算出し、事業の採算性や
企業ニーズの調査を行ったところでございます。以上でございます。
○17番(
村田明子)
これまでの議会におきましても、多くの議員の方々が
一般質問されている
植木メカトロビジネスタウン構想ですが、その答弁の中で、
鞍手インターチェンジができたら着手するという認識でおりました。
鞍手インターチェンジは平成23年2月に既に開通しております。今後どのように進めていくお考えなのか、市長の見解をお尋ねいたします。
○市長(大塚進弘)
私ども、鞍手の
インターチェンジそのものも、直方市の
バスストップの統合も含めてですけれども、県に要望して
開発インターという形で整備される中で、その
植木メカトロビジネスタウン構想を実現するための大きな装置の一つとしても
インターチェンジというのを県にも要望して実現をしてきたところでもございまして、ただ直方市の課題としてありますのは、一つは、先ほど長田課長申し上げましたとおり、私
ども上頓野の
産業団地、これは当時、ある
半導体装置メーカーさんから10ヘクタールの一段の土地をぜひ早急に何とかならないかという御相談がありながら、植木の
メカトロではなかなか一段の土地として10ヘクタールの平場が、造成が難しいということもございまして、当時、上頓野の
産業団地に早期に着手をしたと。そこを優先順位を上げて取り組んだという経過がございまして、上頓野の
産業団地につきましても、御承知のとおり、特別会計を設けて、直方市が造成主体として事業を行ったということから、まずは、そこをしっかりと売り抜けていくことが直方市にとっての優先課題として第一だったということでもございました。
そうした経過の中で、植木の
メカトロビジネスタウン構想そのものにつきましては順番が後になったということもございまして、今日に至ってきたわけですけれども、御承知のように、
上頓野産業団地の売却が完了し、改めて植木の
メカトロビジネスタウンについては実現に向けてということで30年度に
適地調査を行ったというところまでは、先ほど長田課長が御説明したとおりでございまして、私どもも、改めて私も、その途中の経過でいうと、先ほどあった南側の
貸し工場等も私も直接かかわったものとして、当時経済部長の時代に、あそこの
貸し工場の構想をつくりまして、
制度事業で実施をしたというところもございまして、着々と進めてはきてたんですけれども、北側の土地について、一段の土地の
造成計画そのものをしっかりと持ち合わせてなかったということもございまして30年度の調査に至ったと。しかし、よくよく考えて、私もあの地図上を見てみますと、ちょうど直方市の鞍手との行政界が山のところにちょうど中腹ございまして景房の池のあたりですね、鞍手との境がございまして、造成、直方だけでやるにはちょっと中途半端かなと。それで、これ、直方市がやるとするなら、単独でやると、また上頓野の
産業団地というような話にもなりかねないこともございまして、改めて、私、市長に就任して、鞍手と一体となってその山をしっかりと、より有効な活用の仕方で造成ができると、これは
企業誘致にも資するんではないかという思いで、私、市長に就任して、鞍手の町長に何とか共同でやりませんかというお話を差し上げてきたところでもございます。
そして、なおかつ、大規模化することによって、改めて県の力もかりられないかということも含めて、できるだけリスクを軽減する
取り組みをしたいという思いで今日まで取り組んできたところでもございまして、今回、予算を上げさせていただいておりますのも、一つは30年の
適地調査も県の補助をいただいておりますが、今回の調査につきましても、県の商工部の補助をいただくという形で話を進めておりまして、県の、ある意味では調査についても再度補助をいただきながら、直方と鞍手にまたがるエリアの
調査事業をやりたいということで了解をいただいて進めようとしております。
そのことは、将来的には
事業主体として、
直方鞍手の合同というよりは、県に何とか広域という視点でならないかという意味で、私どもこれから県にもしっかりとお願いをしていかないといけないと思ってますが、一つの端緒となるといいますが、今回の調査についても県から補助をいただくという意味では、県もやっぱりその必要性を認めていただいてるという思いでございますので、
リスク軽減の意味からしっかりとこれはこの調査の結果を踏まえて県に働きかけをして、
事業主体として何とか県にお願いをして、鞍手にとっても、あるいは直方にとってもリスクが少ない中でしっかりとした
造成事業が行えることが望ましいと思っております。
そのことが、県にとりましても
インターチェンジつくった効果というのは、少なくとも直方だけではなくて、鞍手、あるいは北側の遠賀に至る道路も含めまして、
インターチェンジの設置の理由がございますので、県にとっても決して逃げられる話ではないだろうなあと思っておりますので、しっかりと私は県を巻き込んでいきたいなあという思いで、今、話をしてるところでもございますんで、改めて調査結果が出ましたら、しっかりとこの事業を進めてまいりたいというふうに考えております。
○17番(
村田明子)
今の答弁を伺いまして、調査が始まるということでございましたが、来年度、直方市と鞍手町において、広域にまたがり、
概算事業費の算出をしていく予定であるようですが、その
調査期間に関してはどれぐらいの見込みになるか、お答えください。
○
商工観光課長(
長田正志)
今、議員からも御案内ありましたけども、来年度、直方市と鞍手町において、この両自治体にまたがった区域におきまして
概算事業費の算出、また新たな
土地利用計画の策定、そして
事業スケジュールの抽出を行いまして、事業の成立性を検討するということになります。
そのため、調査につきましては、本議会で予算の議決をいただければ、来年度当初からスタートいたしまして、
調査期間は9カ月間程度を想定しております。来年度、調査終了後に、その調査結果を踏まえまして、造成の可否を判断し、事業を進めるという方向性になりましたら、先ほど市長からも答弁ありましたが、
事業主体、県というところも想定しながら、検討、決定していくということになります。以上です。
○17番(
村田明子)
今の答弁伺いまして、もうちょっと先の話なのかなというふうに感じてしまいますが、先ほど市長も言われたように、
植木メカトロビジネスタウン構想におきましては、当初は福岡県
北東部地方拠点都市地域基本計画の中で計画された事業でございます。その意味におきましても鞍手町及び福岡県も含め、広域で事業を推進していくことが計画の実効性を高めていくことにつながると私も感じております。
先日、直
鞍産業振興センターをお尋ねしお話をお聞きすることができました。
ADOX福岡といいますが、EMC、
電磁両立性事業を行っておりますが、さまざまな企業がこの施設を利用しているようです。立地につきましても、
県道直方宗像線、
鞍手インターチェンジが近く、福岡市、北九州市の両市とも20分圏内であるこの地域は大変魅力ある地域であるとお聞きしました。国内でも、この
ADOX福岡の
大型電波暗室という施設はすばらしく、なぜ、この好立地、すばらしい施設をもっと直方市は発信しないのか、発信するべきではないかと改めて感じました。
この議会の中でも、この1年を振り返って県との連携がとりやすくなったと市長は述べられておられました。ぜひ、早期の着手をお願いいたしまして、二つ目の質問を終わります。
三つ目の質問は、
直方市立学校再編についてでございます。先日、中間市
教育委員会は、現在、10校ある小中学校を全て閉校した上で、2から4校を新設する
小中学校統廃合案を提示しました。2025年度の新校開設を目指しているようです。
また、香春町では、4小学校と2中学校を統合し、来年4月に
義務教育学校を開設予定であります。児童・生徒の減少により、多くの自治体が
学校再編に取り組んでいる中、直方市は
学校再編についてどう考え、どう取り組んできたのか。これまでの経緯を説明してください。
○
教育部長(
安永由美子)
平成21年の8月4日に
学識経験者など
外部委員を含む15名で構成をする直方市
通学区域審議会が設置されまして、当時の
教育委員長から本市の小中学校における適正規模、適正配置について意見を求める内容で諮問を受けております。
審議会は、諮問を受けて10回の会議を開催し、平成22年6月に答申をいたしました。答申の内容は、直方第二中学校区以外の3中学校区はそれぞれ一つの小学校に再編が望ましい。もう1点は、新たな学校は小中連携を基盤として学力向上の
取り組みを充実すると。この2点にあわせて、さらにこの答申を踏まえ、具体的な
スケジュールを策定すること。そして、適正化の対象となる校区は、保護者や地域への丁寧な説明を行うこと。三つ目に、学校及び保護者や地域の意見を生かし、十分な準備を整えた上で再編に着手することという3点の留意事項も示されております。
この答申を受けまして、平成22年9月に
直方市立学校再編準備委員会を庁内職員の10人の構成によって設立をし、翌23年の11月までに9回の会議を経て、同月
直方市立学校再編整備計画を策定いたしております。
その後、平成25年2月に同計画を白紙撤回、その年の10月に
直方市立学校再編基本方針を
教育委員会内で作成しておりますが、この方針には具体的な
スケジュールは示しておりません。以上がこれまでの主な経緯でございます。
○17番(
村田明子)
平成22年6月に答申、その答申を受け、
直方市立学校再編準備委員会が設立され、
再編準備委員会の会議を経て、翌23年11月に
直方市立学校再編整備計画が策定されたということですね。
その計画も、平成25年2月に白紙撤回され、同10月に直方市
学校再編基本方針が
教育委員会により作成されたという経緯と説明されましたが、平成30年6月議会での矢野議員の
一般質問の中で、基本方針の中には答申に合致しているところもあるという答弁がされておりますので、その答申は継続していると捉えられますが、
学校再編について何かしらの協議等は進んでいるのでしょうか、お聞かせください。
○
教育部長(
安永由美子)
学校再編につきまして、その後、今年度等は協議などを行っておらず進んではおりません。以上です。
○17番(
村田明子)
先ほどの答弁にもありましたように、
学校再編につきましては、平成22年から25年に積極的な協議がなされていたように思われますが、今年度は協議がなされていないということですね。検討が必要ではないかと私は思いますが、
教育委員会の考えをお聞かせください。
○
教育部長(
安永由美子)
検討の必要性については認識をいたしております。審議会の答申の中では、小規模校が複数存在する直方第一中学校区、直方第三中学校区、植木中学校区については、それぞれ一つの小学校に再編することが望ましいとされております。
現在の11小学校、それから4中学校を維持していくということにはさまざまな問題がございます。もちろん課題だけでなく少人数によるメリットがあることも事実でございます。
また、小学校区につきましては、地域では中核的な役割というものも果たしておりますので、今後、本市が取り組んでまいりますコミュニティスクールへの移行も含めて検討しなければならないというふうに考えております。以上でございます。
○17番(
村田明子)
検討の必要性を認識しているということでありますが、では検討の論議などいつまでにされるお考えでいられるでしょうか、お答えください。
○
教育部長(
安永由美子)
小学校区につきましては、先ほど申し上げましたとおり、地域コミュニティーの中核的な役割も持っておりまして、
教育委員会だけで論議するというのはできないのではないかなというふうに考えております。財政面や、それから各課の事業などさまざまに関連いたしますので、全庁的な
取り組みが必要となります。したがって、いつまでにという時期を具体的に今お示しするのはちょっと困難でございます。しかしながら、コミュニティスクールの移行につきましては、研究指定校を定めるなど、順次進めてまいりたいと考えております。以上です。
○17番(
村田明子)
具体的な時期を示すことは困難ということですが、先日の那須議員の
一般質問でもありました公共施設等総合管理計画の中で、学校関係施設は直方市の公共施設全体の30%を占めているとありました。市内の小中学校の施設は昭和40年代から昭和50年代初めに建築され、経年的な老朽化が進んでおり、そのため計画的な改修、改築、耐震化が進められている現状です。また、全校にエアコンも設置されましたが、約10年後にはそのエアコンの更新時期もやってまいります。
初めにお話ししました中間市ですが、市の財政悪化が深刻で、学校の集約によって維持費を削減するとともに、情報教育機器を集中的に配備することで学力向上も図る考えのようです。市の財政難が
学校再編検討の一つの理由となるのでしょうが、答弁にもありましたように、少人数でのメリットがある、地域コミュニティーの中核でもあるなどさまざまな検討事項があることも事実です。
平成25年の直方市
学校再編基本方針の終わりに、「「学校はすべての子どもにとって最適な教育環境であること」を念頭に、直方市が目指す教育の実現に向けて豊かな教育活動が展開できるよう、市民の皆様と一緒に新しい学校づくりを目指します。」とあります。
また、先日、直方市の教育大綱が定められましたが、「未来を拓く」新しい時代をたくましく生き抜く人づくりをテーマとしております。未来をひらき、未来を担う子供たちのための新しい学校づくりを、地域住民、保護者の理解を得ながら進めていくとともに、現在だけにとらわれず未来に向けての再編整備の検討を要望いたします。
加えて、他自治体のホームページを閲覧いたしますと、多くの自治体が
学校再編に関する記事を掲載しております。
学校再編に関しましては、保護者の方々はもちろん、地域住民の方も大変関心を持っておられます。ぜひ、今回答弁いただきました内容も含め、今後の
学校再編に関する検討事項や調査結果等を直方市のホームページにも掲載していただきますよう要望し、質問を終わらせていただきます。
○議長(中西省三)
10番 渡辺和幸議員の発言を許可します。
(10番 渡辺和幸議員 登壇)
○10番(渡辺和幸)
おはようございます。10番 渡辺和幸です。通告しておりますとおり、2件について順次質問をしてまいります。
まずは、
公立学校教員への1年単位の変形労働時間制導入についてであります。正式には、公立学校教職員給与等特別措置法の改正ということになります。
教員の長時間労働は依然として深刻で、過労による休職や痛ましい過労死が後を絶ちません。最近では、教員志望の学生が減り続けています。福岡県下でもこの傾向は顕著であります。教員の長時間労働の是正は、まさに日本の教育の現在と未来がかかった国民的課題と言っても過言ではありません。
こうした中、昨年12月4日、働き方改革の一環として、公立学校の教員に1年単位の変形労働時間制を導入する法案が成立いたしました。ことしは各自治体でこの制度導入の是非が問われることになりますが、その制度の内容、今後の
スケジュール、現場の声がどう反映されるのか、教員の皆さんに与える影響などを具体的に伺ってまいります。
まずは、そもそもこの制度がどういうものなのかをお尋ねいたします。この制度は、労働基準法第32条の4で定められた働き方ですが、その主なポイントをお示しをいただいて質問に入ります。よろしくお願いいたします。
○
教育部長(
安永由美子)
制度の内容でございますが、長時間労働が問題になっております教員の働き方改革の一環で、繁忙期など、残業が多くなる時期の勤務時間を数時間延ばし、夏休み期間中に休日のまとめ取りを各自治体の判断で適用可能というふうになった制度でございます。
本来、公立学校の教員の労働につきましては、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法により規定をされております。そこで、今回、同法の5条の改正により、労働基準法第32条の4で規定をしております1年単位の変形労働時間制を公立学校の教師に対して適用できるというようになっております。
ポイントとしては、主に5点でございます。まず、1日の労働時間について、繁忙期の所定の労働時間を最大10時間まで延ばし、子供たちが登校しない閑散期の所定の労働時間をその分短くするということです。
2点目に、過半数の労働者の合意、いわゆる労使協定がなくては導入はできないこと。また、恒常的な残業がないということが前提ともされております。
3点目に、これまで教職員を含む公務員には適用されないとされておりましたが、今回の改正法で教育職員に限り都道府県、または政令市の条例制定によって適用が可能とされました。
4点目に、公立学校では、夏休みのまとめ取りを目的として限定をされております。
そして、5点目に、導入については、都道府県や政令市がこの制度を選択するために条例を制定するのか。さらには、学校は条例に基づいて導入するのかどうかということを毎年決めることができる選択制というふうにされております。以上でございます。
○10番(渡辺和幸)
5点にわたって、今、ポイントを示していただきました。答弁長かったんですが、非常に、私、まとまったポイントだったと思います。そもそも労基法で規定されているものを給特法の一部を改正するというこのやり方そのものが非常に問題だということは、まず指摘をさせていただきます。
それと、これ、非常に重要なことですので、5点ですが、確認も含めてお話をしたいと思うんですが、基本的には1日8時間労働制の原則をもう崩すということなんですね、このやり方は。繁忙期と閑散期を設定した上で繁忙期の労働時間は1日10時間まで延ばして閑散期の労働時間をその分短くする。理屈はそうなんですが、人間は生身ですから寝るのをまとめて寝たり、食べるのをまとめて食べることできません。これ、非常に過酷な労働ということになります。
それと、答弁ありました二つ目が過半数の労働者の合意なしには導入できないと、これ、まさに労働基準法の中の規定なんですね。しかし、これ、給特法の改正でやってますもんですから、これは、もう労働者の過半数の合意ではなくて都道府県や政令市が定める条例でできるようにしているということも問題点の一つと。
さらに、部長答弁ありましたように、恒常的な残業がないことが前提なんだと。もう学校現場には全くそぐわないと、この点でも、いうことだと思います。さらに、これは答弁にはなかったかと思うんですが、労働者の予定が立てられるように、あらかじめ一人一人の労働日と各労働時間を書面で決める、こういうことも定められております。
今回の法改正で教育職員に限って、また適用可能としたわけです。先ほど言いましたように、公務員ですので、労使協定による制度導入ではありませんよと。それと、これも矛盾しておりますが、公立学校での運用目的は夏休みの休日のまとめ取りと、夏休みが閑散期なのか、まとめて取れるのか、代休、年休、消化もままならない中でこういうことが可能なのかということであります。
それと、これ、大事なことなんですが、この制度は完全に選択制とされているということも、非常に、これは大事なポイントであります。こういったことが文部科学大臣の国会答弁でも全て明らかになっているところであります。この5点を見るだけでもいかに学校現場にはそぐわない制度かなというのはわかろうかと思います。
それで、次ですが、先ほど言いましたように、法律は成立しましたけども、今後どのようにこれを進めていくのか。
スケジュールについて伺ってまいります。どういう流れでこの制度導入の可否を決定していくのか、その手順をよろしくお願いいたします。
○
教育部長(
安永由美子)
今後、文科省がこの制度のガイドラインを明確にして、各都道府県の
教育委員会へ通知をするとともに、条例制定までの設定の説明を行うというふうに思われますが、小中学校の教員の身分は、市町村職員ですが、同時に県費負担の職員でございます。そのため、勤務条件の基本設定につきましては、県の権限となっております。なので、条例は福岡県で決めることになります。ここで、もし条例を制定するというふうになれば、この後、市町村の
教育委員会が各学校の意向を踏まえて導入の仕方などが決定されるということになります。以上です。
○10番(渡辺和幸)
大まかな流れが今説明されましたけども、ちょっと私の認識は違うところがありまして、まずは、3月までに省令、指針などが出されて、さらに徹底するための通知が出されると。そして、条例化へ向かうということなんですが、一つ大事なのは、いかに現場の声がきちっと反映されるかということであろうと思います。
今、部長の答弁ですと、県が先行して条例をつくって、それに追従して各市町村教委がどうするかというようなニュアンスだったと思うんですが、私の認識は、逆に、今から、今後、いろんな指示はあろうと思うんですが、やっぱり、まず各学校で、この制度についてどうあるべきか、どう向かっていくか、どう受けとめるか、これが非常にまず大事だと思いますね。やっぱり校長先生が教員の皆さんの意見を直接聞く。そして、その上で各学校が
教育委員会と相談をすると。そして、直方市教委の制度についての考え方を一つ持つということで、それを県に反映をさせていくと。まあ、問題だという意見が県に集約されれば、もうあえて県では条例制定を行わないという選択肢もあるかもわかりません。県議会にも提案しないということもあるかもしれません。
ということは、やっぱり各市町村教委の現場の声を生かした声を集約して県に届けるということが、非常に、私、大事になってくるのではないかと思います。いろんな、今後、指示、通知が来ると思います。そういう流れを、私は、ぜひ直方市の教委、率先してやっていただけたらいいなということを申し上げたいと思います。
国はもう2021年度から、これ、導入したいと、制度運用を始めたいというふうにしておりますので、当然2020年度中にそういった導入に向けての具体的な協議が始まると思われますので、ぜひ、その辺はよろしくお願いしたいと思います。
それでは、大変、これ、過酷な制度ですので、先ほど言いましたように、労働者の半数以上の合意がなくては進められないということです。今回のこの法案成立に当たってのいろんな審議の中で明らかになっておるんですが、この制度導入に際しては、何点かクリアすべき、いわゆるハードルといいますか、前提がございます。その前提、主なもので結構ですのでお示しください。
○
教育部長(
安永由美子)
導入の前提となるポイント、ハードルとなりますけれども幾つかございます。まず、実際の導入として無視できないものが労働時間の縮減が導入の前提になるというふうに考えます。労働時間の縮減の具体的な数値は、残業時間は月45時間以下、年360時間以下というハードルでございます。
この数値は、今回、公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインというものを法的根拠のある指針に格上げをして明記をされたものでございます。問題となっている点は、教員の大多数はこのガイドラインを守れていない状況にあるということでございます。
それから、2点目に、教員一人一人の勤務時間の管理が徹底されていなければ導入はできないということです。管理のためには、タイムカードなどの客観的な勤務時間の把握のシステムが必要となります。しかし、勤務時間外に行う業務の多くが超過勤務の命令によらないものもありまして、タイムカード等による労働の内容、それから労働時間の管理というものが難しいのが現実でございます。
3点目に、この制度を導入して繁忙期に勤務時間を延ばした場合、その日は時間外勤務を行わせられないとされていることでございます。例えば、勤務時間を1時間延ばして定時退校時間を午後6時とした場合に、それ以降勤務させてはならないというふうになれば、現状の教員の業務量を考えると非常に厳しいというふうに考えられます。
また、教育基本法の第9条には、法律に定める学校の教員は、研究と修養、いわゆる研修に励み、その職責の遂行に努めなければならないというふうに規定をされており、福岡県、直方市、それから各学校とさまざまな研修会を設定しております。
本年度福岡県の研修体系の見直しにより初任者研修の内容を複数年で行うようにしたことなど、業務量の縮減に向けた改正は行われております。しかしながら、授業が行われている時期よりも時間がとれる長期休業中に研修会が設定されているという状況にございます。変形労働時間制の導入に当たっては、この県の研修期間の変更や長期休業中に設定される、いわゆる夏休み中に設定をされている発表会等を整理するということなど、市町村
教育委員会だけでできることではないというようなことも調整をしていく必要というものが出てまいります。以上です。
○10番(渡辺和幸)
クリアすべき前提、ハードルということで、今は主に4点述べられました。この4点、また聞いただけで、高いハードルちいうよりも、越えられないハードルと言わざるを得ません。現状では。
冒頭あったように、勤務時間の上限に関するガイドライン、これは国が示したものなんです。このガイドラインは文科省が昨年2019年1月25日に定めたものでありますが、言いましたように残業を月45時間、年間360時間以内にすべきものと。このガイドラインが守られなければこの制度は導入できないということなんですね。答弁では、このガイドラインが現状ではなかなか守られないという状況が答弁されました。
我が党国会議員の質問の答弁で、第一に、労働時間制を適用する教員は全員ガイドライン以下でなければならないこと。第二に、その教員がガイドラインを守れないとわかった場合、途中でも活用の指定をやめるという、国は国会答弁でこの二つの約束をしております。非常に重要なやりとり、答弁なんですね。で、言いますように、今、部長の答弁でも教員の多くがこのガイドラインは守れていない状況なんだと。これ、非常に重要なポイントだと思います。
もう一つは、勤務時間管理が徹底されてなければ導入はできませんよということなんです。これ、以前、私も勤務時間の確認がどうされているかという質問はさせていただいているんですが、厳密な、やっぱり勤務時間の管理徹底は難しいんですよ。昨年12月でもこの件で県議会で質問がありまして、教育長の答弁は、現在6割程度と、確認ができているのはと。かなりの自治体、
教育委員会で、まだ勤務実態の徹底した把握はやっぱりできてないんですよ。この点で言いますと、直方ではそういうことはしないと思うんですが、既にタイムカードを導入した各地の学校現場から虚偽報告が行われていると、先にタイムカードだけ押しといてくれということで、事実上の隠れ残業みたいなのが横行してるんだという告発も、今、各地で出ているという報告もあります。
この勤務時間管理は労働安全衛生法の改正によりまして、昨年4月から公立学校を含め使用者の法的義務になっております。民間では違反した場合罰則が伴います。今回、国は、公立学校での、先ほど紹介した虚偽報告も懲戒処分になり得るというふうに答弁をしているわけです。ですから、非常に勤務時間の管理徹底は非常に厳しくやるんだということです。まさに、この4点紹介したうちのこの1点目、2点目、見るだけでもやっぱり導入は本当に大丈夫だろうかという疑念を持つわけであります。
それでは、次に、これも何度も繰り返しになりますが、現場の声をどう正確に多く拾っていくかということですが、これも国会質疑で労働者の過半数の合意が必要だということですが、公立教員の場合は条例でやっていこうということで。しかし、国会質疑でも職員団体との交渉を踏まえつつ検討されるべきものであるというふうに文科大臣が答弁をしております。という点で、現場の声、大事ですが、どのように反映をさせるおつもりか、答弁をお願いいたします。
○
教育部長(
安永由美子)
教職員の行う業務というものは、タイムカード等による労働時間、労働内容の管理等は難しいため、労働時間の上限の管理において不安に思われているという方が多いというのが報道などでも明らかになっております。この点について、制度を導入する前に現場の声をしっかりと聞いて課題を整理する必要があるというふうに考えております。
そのためには、具体的には、もう各学校で校長と教員がしっかりと対話をして、その意見を踏まえて慎重に検討していくということが不可欠というふうに考えております。以上です。
○10番(渡辺和幸)
この点で、もう一つ、国会答弁、紹介さしていただいておきます。具体的に今回の制度を活用する対象者を決めるに当たっては、校長がそれぞれの教師と対話をし、その事情などをよく酌み取ることが求められており、それを文書などの形で記録を残すことが望ましいということで、昨年11月26日の参議院文部科学委員会においての答弁であります。
このように、やっぱり国会答弁でもそれぞれの教師ときちっと対話をすると、書面でも残すというところまで踏み込んだ答弁がありますので、ぜひ、こういったことも踏まえながら対応に当たっていただきたいと思います。
それでは、次に、導入しない、できない前提がこの間のやりとりで相当明らかになったとは思うんですが、仮に県が条例を作成し、それに伴って直方でも一部採用すると仮定した場合、事前に対象となる全教員のシフト表の作成が必要になると。非常に、これ、困難なんですが、これはどのような手順で行うのか。これ、恐らく、今、残業の観念ないですから、そういう管理が必要ないんですよ。これね、教育長もわかると思いますが、管理職や事務職の方々はもうとてもじゃないけど対応ができるんかなという心配があるんですが、この点について答弁をお願いします。
○
教育部長(
安永由美子)
先ほども答弁申し上げましたけれども、文科省がこの制度のガイドラインを各都道府県の
教育委員会へ通知をして、それをもとに県
教育委員会が条例制定を検討するというふうに考えておりますが、仮に福岡県の
教育委員会が条例を制定した場合、その条例をもとに各市町村の
教育委員会が検討する流れ、また、シフト表を作成するということになるというふうに考えております。
○10番(渡辺和幸)
結構あっさりした答弁でしたが、これ、相当負担増になりますよ。まあ、校長含め教頭先生など管理職は、現時点でも教員以上の長時間労働ですよね。そして実務は事務職員が担うということも多々あろうかと思いますが、個々人のシフトをつくるには3月に決まる学校の行事計画だけではなくて、4月以降の校務文書、今、答弁があったような部活動、誰がどう持つんか、担任がどうなるんか。そういった校務文書がわかっていないと困難ですね。しかし、それが決まるはやっぱり一般的には4月以降になります。
また、異動によって、新たに赴任してくる先生たちの聞き取りも必要になる、大変な手間です。こうしたことを見ると、いかに学校現場にかみ合わないかなあという感じをつくづくします。まさに、この制度運用は管理職も含めて相当な負担と困難をもたらすということは間違いないと思います。
こうした点から、数々の点から、これからではありますが、現場の声は当然必要なんですが、直方市
教育委員会としては、この制度は県が条例化してももう導入はしないという方向でお考えいただくべきではないかなと思っておりますが、見解はどうでしょうか。
○
教育部長(
安永由美子)
この制度を導入した場合、シフト表の作成及び管理をする管理職に相当の負担がかかるということは想定できることでございます。議員御案内のように、シフト表につきましては、教職員一人一人の勤務時間のいつを延長するのか、それから、その日何時間勤務をするのか、また、何年生の担任なのか、どの部活の顧問をするのかといったように、個別にシフトを決めて、さらに勤務状況をシフト表と照らしてチェックをするという新たな業務が生じるということになります
一方、現在、調査をしております超過勤務の状況では、年度初め、年度末などの繁忙期と、それから夏休みなどの休業、夏季休業や冬季休業の期間では、明らかに差もございます。また、年次休暇の取得状況も余り高くはありません。このような状況や現場の教職員の意見などを把握して、この制度の導入になった場合における学校の教育活動への影響や教員に与える影響など、メリット、それからデメリットを調査して、県
教育委員会や他の市町村
教育委員会の動向を踏まえて慎重に検討していく必要があるというふうには考えております。以上です。
○10番(渡辺和幸)
今の答弁を後ろから聞くと、もうちょっと制度導入は無理ですねというふうには聞こえますが、いろいろメリット、デメリットということ、ありましたけど、私、これ、メリット探すの大変と思いますよ。もうデメリットは山ほどあります。だから、余り無理してメリットは探さんでいいと思いますね。
それと、真剣に検討すると、真剣に、当然、検討はしていただきたいんですが、やっぱり真剣に制度導入をしない方向で検討をね、やっぱりしないと、これは大変になると思いますよ。これはやっぱり直方市
教育委員会が独自のお考えで、やり方で、県の
教育委員会や他の自治体の動向は余り気にせず、独自の調査で独自の意見を持っていただきたいと思います。
まさに、繰り返しですが、現場の声を十分尊重して判断を行っていただきたい。それで、教育長も、直接担当の学校教育課長も、現場で管理者の経験もございますんで、恐らく、あ、これは導入はできんなあと思いながら聞いておられたと思いますが、最後に教育長の御見解を伺いたいと思います。
○教育長(山本栄司)
先ほどから
教育部長のほうも答弁をしておりますとおり、この制度の運用には、学校の現場の実情からいたしまして幾つも課題があり、また、その内容も相当の困難さを有していると私自身も感じておるところでございます。
先ほど県のほうに、私のほうも確認をとりました。状況について。まだ国のほうから県に関する説明も行われていないというのが実情のようで、まだまだ、その点につきましては調整検討が必要という状況にあるようでございます。しかしながら、導入の検討に当たってということで申し上げますと、教員の働き方改革の目的の一つでもあります教職員が子供と向き合う時間を十分に確保し、学校教育の質を維持、向上させること。これを実現させるという観点から、本市において、この制度の有効性が認められるところがどこにあるのか、現状との乖離がどれほどあるのかなど、さまざまな調査や検証を重ねながら審議をしていく必要があると思っておるところでございます。
そのためには、先ほども出ておりました学校現場の声をしっかりと聞いて慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。以上です。
○10番(渡辺和幸)
先ほども言いましたように、今後、具体的な指針なり通知なりが来るわけですから、まだ明確な状況が把握できてないというのは当然なんですが、私もあえて、その時期ではあるけども、先駆けて問題点を指摘させていただいて、早くその認識を
教育委員会にも持っていただきたいという思いから今回通告をさしていただいております。
ぜひ、今、教育長が述べた方向で現場の声を聞きながら御検討いただきたいと。これから現場は新学習指導要領の実施で業務量ふえますよね、今まで以上に。ところが増員は小学校の英語の分だけと。当初言われていた英語のできる教員はほとんど手当されないのではないかという心配さえ、言われております。
今回、改正された教育職員給与特別措置法は、1971年、公立教員の給与を4%増額調整する一方、残業代を不支給とすることを目的に、当時、政府が全野党の反対を押し切って強行した法律なんですね。残業代の支給は労働基準法37条で定められた長時間労働を防ぐ重要な制度であります。その制度を公立教員に限って適用除外にしたことが長時間労働の要因の一つになったことは明らかであります。
給特法は労働基準法37条の適用除外の規定や残業代不支給の規定を削除し、公立教員に残業代を支給する抜本的な改正こそ必要だと考えております。私たち日本共産党は、一昨年の11月、授業数に比べて余りに少ない教員の定数増、国、自治体、学校の双方からの不要不急の業務の削減、残業代ゼロを定めた法律を改めるなどを提案しております。これらは全国の教育関係者の要求とも合致した内容になっております。政府文科省はこうしたことこそ早急に取り組むべきであると考えておりますし、これらの提言、実現に向けて、私たちも今後も力を尽くしていくことを述べて、この件についての質問を終わらせていただきます。
次は、
国保税滞納世帯に対する
資格証明書の発行中止についてという通告です。文字どおりの内容であります。
国保税滞納世帯に対して一定の基準で正規の保険証の返還を求め
資格証明書が発行されております。これは保険証ではなく文字どおり資格を証明するものでありまして、事実上の無保険状態と言ってもいいと思います。
そのため、近年では受診がおくれる、また、死亡に至る、そういった重篤や死亡のケースまで生まれているという報告がされております。国保が皆保険制度の最後のとりでと言われておりますが、社会保障制度である以上、資格証ではなく正規の保険証をやっぱり全ての被保険者に、世帯に発行すべきではないかという観点から今回お尋ねをしていきます。
まず、国保法でも明記をされております社会保障という点ですね。これについてどのような認識、どのような定義をお考えか、まず答弁を求めます。
○市民部長(大谷和彦)
国が公表しております平成24年度版の厚生労働白書の日本の社会保障の仕組みの中で、「日本では、国民全てが公的な医療保険に加入し、病気やけがをした場合に「誰でも」、「どこでも」、「いつでも」保険を使って医療を受けることができる。これを「国民皆保険」という。」と明記されております。
また、その中で、国民皆保険は日本の社会保障制度の中核であるとも明記されておりますし、それらのことからも、国民健康保険制度は憲法25条で保障された社会保障制度の一つであると考えております。以上でございます。
○10番(渡辺和幸)
社会保障、認識はそういうことだろうと思うんですが、皆保険制度が日本の社会保障制度の中核ということも今述べられました。最近ですが、直方市のホームページの国民健康保険のページを見ると、ここにも国保は社会保障制度の一つですと、明記をしております。
それで、私、大事なのは、認識とともに、やっぱりこの社会保障というのは定義がどういうところからきておるのか、今言う憲法25条、その兼ね合いでどうなのかと。それで、これ、国保の運営協議会委員に選任されたときにいただいた高価な本なんですが、国民健康保険必携ということで、ここに社会保障の定義がこう書かれてるんですね。これはILOの定義なんですが、端的に言うと、人間は一人の努力だけでは生活できない場合もあると、そういったときに、適当な組織によってそれを補助するというか、援助するということなんですが、社会保障の給付は、質、量ともに合理的な最低生活を維持するのに必要なものであること。社会保障は慈恵的なものではなく、要するに施しを受けるようなことではなく権利として請求できるものであることにしていますということなんです。ですから、社会保障は認識としてはそうですが、定義としては、もう国民、市民の権利なんだという認識、これが非常に大事だろうと思います。これを前提としまして、次に具体的に現状をお聞きしていきます。
資格証明書の発行基準及び発行状況について、まず答弁を求めます。
○保険課長(北島 聡)
資格証明書の発行は、国民健康保険法第9条及び直方市国民健康保険税滞納世帯の取扱いに係る要綱に基づいております。具体的には、保険証の更新時期に保険税の滞納額が前年課税額の2分の1以上あり、かつ、過去1年間の間に保険税を全く納付されてない世帯が対象となっております。ただし、18歳未満の被保険者には無条件で通常の保険証を交付しております。
資格証明書の発行状況ですが、平成29年度は108件で全体の1.35%、平成30年度は92件で全体の1.15%、令和元年度は95件で全体の1.25%という状況です。以上です。
○10番(渡辺和幸)
現状はわかりました。国保の問題は、私もこの間、何度となく
一般質問、委員会でも審議させていただきまして、平成19年にも質問して、この当時の前年度の平成18年の実績でいろいろ数字を聞いたんですが、そのときから見ると相当世帯数、被保険者数が減ってますよね。当時は資格証発行世帯は4%を超してたんですが、今かなり減っていると、数字そのものも。平成20年度でしたか、後期医療制度ができまして、そちらのほうにかなり75歳が移行する。そして被用者保険への移行が緩和されて、かなり年々被保険者が減少傾向ということで、かなり減ってはおります。そういう状況の中ですが、それと、国保法には資格証の発行に際して、いわゆる機械的ではなく、特別な事情の把握が前提ですよと。特別の事情がない場合、発行しなさいという規定もあるんですが、その特別な事情について、その把握状況、発行判断について伺います。
○保険課長(北島 聡)
特別な事情の把握ですが、保険証の更新時に
資格証明書に該当する世帯に対しまして、事前に保険税が納付できない特別な事情がないかどうかのお尋ねする通知文を送付しております。以上です。
○10番(渡辺和幸)
現実的には、いや、機械的な発行になっていたという現状、やっぱりあるんではないかと。作業は大変ですけども、やはりこの辺は法に基づいて努力をしつつ、その辺の判断を正確にしていただくということが必要だと思います。
それでは、
資格証明書発行世帯の税滞納の状況、納付状況、これを簡単に教えてください。
○保険課長(北島 聡)
先月末におけます
資格証明書交付世帯の滞納総額でございますが、約3,100万円で1世帯当たり平均約30万円となっております。
平成30年度におきまして、
資格証明書交付後に国民健康保険税の一部納付があったことで、短期保険証、もしくは通常保険証が交付されました世帯は92件中36件で、約4割の世帯の方が何らかの形で納税をされております。以上です。
○10番(渡辺和幸)
滞納世帯、資格証発行世帯もどんどんどんどん減ってはきておるし、状況把握もやっぱりこれまで以上に本当にしやすくなっていると思うんですね。これは、当然、保険課だけでできるものではありませんので、税務課との連携が当然必要なんですが、私、先ほど、冒頭で社会保障の定義を少し触れましたけども、納税は当然義務としてきちっと納めていただく。しかし、受療権、受診の権利はきちっと、これも保障していただくということが原則だろうと、私は思っております。
そこで、一つ事例を出して最後にお尋ねしますが、これ、部長、課長も資料はお持ちだと思うんですが、横浜市が最近、もう資格証のみならず短期保険証も完全にやめてしまったということで、これ、担当の部局は国保法、法律や政府の国会答弁、厚労省の運用などの趣旨に基づく対応だと述べて、意図的に支払わない人はほとんどおらず、適切に判断すれば交付はゼロになるというふうに説明をしてるんですね。
要するに、払いたくても払えない人は、やっぱり特別な事情なんだと。これを特別な事情の範疇にすれば、ほとんどがもう資格証や短期証は発行せずに済むんだという見解なんです。これは法的解釈もありますから、その辺は難しいところがあると思いますね。全国一律にこの法解釈でいくぞということにはなりませんけども、社会保障という定義からいうと、原則はそうなんだが、こういう横浜市の事例も一つ参考にしながら、極力、もう資格証、無保険状態は解消するという方法が、もう本当に必要だと思うんですが、もう退職前の大谷部長、最後、これ、いい答弁をしてください。
○市民部長(大谷和彦)
資格証明書の今後の対応ということなんでしょうが、本市における現在の運用は県内で統一された方針でありますが、議員御指摘のとおり、国民健康保険法第9条の解釈の仕方を改めて見直すべきところもあると思います。そのようなことから、まずは、国民健康保険法第9条で定められております滞納世帯の特別な事情の把握についてでございますが、現在のように通知を一度送付するということだけで終わらせることではなく、その通知に対して、返答、反応がない世帯には、再度こちらからアクションを起こし、世帯の状況等をきちんと把握した上で保険証の発行をしてまいりたいと考えております。
今後についてでございますが、まずは、税務課納税係の職員と密に連携しながら、
資格証明書発行世帯に特別な事情等がないのかの状況把握をきちんといたしまして、
資格証明書の発行を1件でも減らせるような対応をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
○10番(渡辺和幸)
国保法の第9条を改めて見直すという答弁は重要だと思いますよ。やっぱり機械的であったということを戒めて今の答弁が私はあると思いますので。それで、本当に、件数も当時から見ると限られてますから、税務課のほうでかなり具体的な生活状況、収入状況を把握されていると思います。ですから、そこと、本当に連携するならば、そして払いたくても払えないことを特別の事情と判断するならば、相当数の
資格証明書の発行は抑えられると思います。仮にそれがまずは短期証ということであっても、ですから、今は、保険証交付が4月ではなくて7月ぐらいですかね。だから、これ、本気になれば4月以降、内部協議もして新年度の保険証から従来と違った資格証の発行に、やろうと思えばなると思いますので、その辺、部長、しっかり後を引き継いでいただきまして、少しでも新年度から資格証が減ったという状況が聞けるように、楽しみにしておりますので、以上で終わります。
○議長(中西省三)
ここで、10分間程度休憩いたします。
───── 11時17分 休憩 ─────
───── 11時25分 再開 ─────
○副議長(松田 曻)
休憩前に引き続き、会議を再開します。
5番 渡辺幸一議員の発言を許可します。
(5番 渡辺幸一議員 登壇)
○5番(渡辺幸一)
こんにちは。5番 渡辺幸一です。今回は、直方市第6次
総合計画の策定について、
生活困窮者就労支援についての2点を通告しております。通告に従いまして質問をいたします。
初めに、直方市第6次
総合計画の策定について行います。第5次直方市
総合計画は、平成23年から令和2年度末までの10年間となっており、将来像を「市民一人ひとりが輝き 笑顔つながるまち」とし、平成32年の人口推計を5万3,486人としていました。今年度から令和3年度から始まる第6次
総合計画の策定作業に入っていると思われますが、次の計画を策定するに当たり、まず、現在の計画の検証が必要と考えます。
第5次
総合計画では、まちづくりの基本目標として、「市民みんなで地域づくりを推進するまち」、「自然と共生し快適に安心して暮らせるまち」、「いきいきと笑顔で暮らせる心豊かなまち」、「未来へつなぎ活力を創造するまち」の四つの目標が掲げられています。また、それぞれの目標に対して
基本計画が定められ、
基本計画に沿った事業を実施してこられたと思います。それでは質問です。
第5次
総合計画に基づいて実施された主な
取り組みについてお尋ねいたします。2回目からは自席で行います。
○
総合政策部長(大場 亨)
第5次
総合計画の主な
取り組みでございます。まず、「自然と共生し快適に安心して暮らせるまち」におきましては、公園の適正な配置と管理という項目がございまして、それに基づき、平成31年4月に直方市中央公園がオープンいたしております。これまで子育て世代を中心に、子供が安全で安心して利用できる公園整備の要望が高かったことから整備をいたしたものでございます。
また、「都市機能の集積による中心市街地の活性化」という項目につきましては、平成31年3月に直方市立地適正化計画を策定いたしております。
次に、「いきいきと笑顔で暮らせる心豊かなまち」におきましては、「障がい者福祉の充実」という項目がございまして、平成29年には手話言語条例、平成30年には障がいによる差別を解消し共生社会をめざす直方市条例を制定し、
取り組みを進めてまいりました。
また、子育て支援施策として、平成23年度から子供にかかわる施策を一体的に推進するための市民部の所管業務を
教育委員会に事務委任いたしまして、こども育成課を設置いたしております。
「未来へつなぎ活力を創造するまち」におきましては、平成29年に創業・起業、売り上げアップをサポートする「N-biz」を設立いたしました。また、
企業誘致につきましては、これまで埋まらなかった
上頓野産業団地のC用地に熊本市の株式会社平島の誘致に成功して昨年11月に竣工いたしております。
農業分野につきましては、農産物のブランド品の確立として、平成22年から米粉用米の生産に取り組んでおりますが、さらに平成30年から高アミロース米の「ふくのこ」の生産及び商品化に取り組んでおります。
また、観光振興につきましては、平成26年に
民間活力を積極的に活用し、総合的な観光と物産の振興を図ることを目的として、直方市観光物産振興協会を設立いたしました。第5次
総合計画の主な
取り組みについては以上でございます。
○5番(渡辺幸一)
次は、各分野においてさまざまな
取り組みを進めてきたということでしょうけども、定住人口を確保するためには、やはり教育施策が最も重要になるのではないかと考えております。
これまで
取り組みで成果の上がったもの、上がらなかったものの両方についてお尋ねいたします。
○
教育部長(
安永由美子)
一つの
取り組みで効果の出た部分とそれから出なかった部分がございますので、まとめて御答弁を申し上げたいと思います。直方市では、児童にきめ細やかな指導を行うために、35人学級の措置を実施いたしております。小学校1年生の35人学級措置については、国が平成23年度より開始しており、現在も実施をされておりますが、他の学年においては、国の予算措置がなされていないため、直方市は市の財政負担で任期付教職員を配置することとし、平成24年度と25年度は、全学年で35人学級措置を実施いたしました。
その後、財政的に市単独で35人定員を実施するということは困難というふうに判断をしまして、26年度からは小学校2年生から小学校4年生までに35人学級の措置をしております。
成果といたしましては、35人学級措置をした学年では、不登校発生率が低いという結果が出ております。学力面では数値的な大きな成果はありませんでした。
課題としては、35人学級が外れる5年生において学級の荒れが見られるケースが多くなったところです。
これまでの成果と課題をもとにして、昨年度より35人学級措置以外の学年でも少人数指導の充実を図っております。
また、直方市では家庭学習の習慣化を図るため、平成27年度より放課後学習に取り組んでおります。今年度は全小中学校で各学校の実態に応じて週2日程度の放課後学習を実施しております。
これまでの成果として、全国
学力調査の質問用紙にある「1日当たりどれくらいの時間勉強していますか」という問いに対しまして、平成26年度は全くしていない児童が7.2%に対し、令和元年度は4.9%と、家庭学習の時間が少しずつ延びております。ただし学習支援者の確保が課題となっております。以上でございます。
○5番(渡辺幸一)
それでは、今後どのような教育施策を展開していくのかお尋ねいたします。
○
教育部長(
安永由美子)
先ほど述べました二つの
取り組みについては継続していく必要があるというふうに考えております。35人学級措置を含め少人数指導、それからクラスを少人数に分割した児童一人一人に対して丁寧な指導を行っていくということが学力向上にも結びつくというふうに考えております。
また、放課後学習等による家庭学習の習慣化を図り、決まった場所、決まった時間に学習をするということで、学力の定着を図る必要はあるというふうに考えます。
この2点に加えまして、教育環境整備について、校内LANやタブレットの設置、それからICTを活用した教育を推進してまいりたいというふうに考えております。
○5番(渡辺幸一)
今回の補正予算で校内通信ネットワークやタブレットについて、国の動きにいち早く対応していただきありがとうございます。しかし、環境は整っても実際に使わないと意味がありません。他市におくれをとらないように積極的に活用を進めていただきたいと思いますが、教育長のお考えをお願いいたします。
○教育長(山本栄司)
議員御指摘のように、AIの進化とともにICT機器の導入など、教育現場での学習の形態も今後大きく変化をしていくものというふうに考えております。そのことが、学習効果を高めるだけでなく、教員の指導方法の充実や働き方の効率化などにも大きな影響を及ぼすものと思われます。
また、このことへの対応が学力向上の
取り組みとともに、先ほど出ておりました定住人口の確保といったようなことにとりましても、大きな影響があるものというふうに捉えておるところでございます。そのような、ある意味待ったなしの流れに対しまして、おくれをとることなく対応していかねばならないと考えております。
直方市といたしましても、ことし2月に市長を中心に
教育委員会と協議を重ねまして、今後の直方市の教育の目標や施策の根本となる方針である教育大綱を新たに作成をいたしました。
そのテーマは、「未来を拓く」であり、直方市の未来のため、新しい時代をたくましく生き抜く人づくりに努めたいというふうに考えております。当然この考えが第6次
総合計画にもつながっていくということとなります。
しかしながら、ICTの活用と言いましても、学校現場にとっては実践の経験がない領域でありまして、手探りでの研究開発となってまいります。そのため、タブレット等を効果的に活用した授業を推進するために、来年度、プロジェクトチームを立ち上げまして、教育大学等の関係諸機関とも連携を図りながら、各教科のどの場面でどのようにICTを活用するのかを検討していきたいというふうに考えております。
また、教職員のICT研修を実施をいたしまして、教員のICTスキル、これもあわせて向上を図ってまいりたいと考えているところでございます。以上です。
○5番(渡辺幸一)
ありがとうございました。将来を担う子供たちを今後よろしくお願いいたします。
次は、
産業振興についても、先ほど
総合政策部長から、これまでの
取り組みについて説明がありましたが、
産業振興に関するこれまでの
取り組みについて成果が上がったもの、思うように上がらなかったものがあると思いますが、それらについてどのように検証し、今後どのような
取り組みが必要になるのかをお尋ねいたします。
○
産業建設部長(増山智美)
事業の成果の上がったもの、思うように上がらなかったもの、少し御紹介をさせていただきます。事業の成果の上がった事業といたしましては、先ほど
総合政策部長が御答弁いたしました平成29年3月に開設いたしました無料の経営相談を行う直鞍ビジネス支援センター、通称「N-biz」事業でございます。これは今年度のアンケートの結果を見ましても、「N-biz」を利用した人の43%が売り上げが「上がった」、または「上がりそう」と回答しております。利用者の満足度では「満足」と「やや満足」を合計いたしますと、93%という数値になっております。
また、のおがた“働く”ウィーク事業におきまして、子供たちが工場等を訪問し、仕事の体験を行う「のおがたわくわーく」で今年度の参加者が679名となっております。これは昨年度の参加者数527名と比較いたしましても152名の増加となっており、子供たちが地元の産業を学ぶ意義のある機会になっております。
農業部門におきましても、高アミロース米であります「ふくのこ」を使用いたしました100%米粉のグルテンフリーの冷凍ピザ生地やピザミックス粉が完成いたしております。
課題はまだまだございますけども、6次産業化商品の成功事例の一歩を踏み出したのではないかと思っておるところでございます。また、農産物の海外への輸出につきましても、JA直鞍を通じまして直方産の「あまおう」だけで、年間約2億トンを香港等へ輸出を行っておるところでございます。
次に、思うように成果の上がらなかった事業につきましては、空き店舗対策などの中心市街地の活性化でございます。この商店街を含む中心市街地の活性化につきましては、市長の施政方針にもございましたが、店舗で物を売るという、商業ベースのみでのにぎわいを取り戻すというのは難しいと考えております。
今後の
取り組みといたしましては、中心市街地の活性化に向けて既存の空き店舗を民間事業者が改修、再生等のリノベーションを施し、活用する事業の可能性の調査を行う事業展開ができる人材の育成を目指します。
また、直方市事業所開設支援補助金を直方市IT等まちなか創業支援補助金に改めまして、中心市街地へのIT事業の集積とその他の事業の創業を促進し、新たな産業の創出による地域経済の活性化を目指しております。
さらに、中小企業が人手不足の課題を抱える中、いかに生産性を上げ、付加価値を上げていくかという
取り組みが重要となってまいります。本市では、昨年9月に地方版IoT推進ラボの認定を国から取得いたしました。今後、中小企業のIoT化を支援し、技術を高度化することにより、中小企業の生産性を上げまして、付加価値を上げてまいりたいと思っております。
次に、
植木メカトロビジネスタウンにつきましては、17番
村田議員の御質問に御答弁いたしましたとおり、工場
適地調査事業を造成に向けて直方市単独で進めてまいっておりましたが、事業費やそれに伴うリスクを分担、軽減し、実効性を高めるため、鞍手町との広域事業として再調査を行うようにしております。
農業では、「ふくのこ」以外にもブドウの加工品や日本酒など、市内の農産物を活用いたしました新たな商品開発が活発化しております。直方ブランドの確立に向け、情報の集約、発信に向けて
取り組みや販売事業者のマッチングなど、販売流通経路の整備に努めていく必要があると考えております。以上でございます。
先ほど直方産の「あまおう」を海外へ輸出するのに2億トンと申しましたところ、2トンの誤りでありました。訂正しておわび申し上げます。
○5番(渡辺幸一)
よくわかりました。しかし行政がやりたいこともあるでしょうが、市民が求めるサービスを行っていかないと定住にはつながりません。そこで、昨年末、市民意識調査を行っておられましたが、市民が重要と思っている施策を上位から五つ教えてください。
○
総合政策部長(大場 亨)
昨年末実施しました市民意識調査でございますけども、市民の方が重要と考えている施策につきまして、最も高いものが地域医療体制の維持確保、2番目に災害対策推進、3番目に消防・救急の充実、4番目に交通安全・防犯対策、そして5番目が窓口サービスの向上となっております。
しかし、これらの統計データにつきましては、あくまでも有効回答数777名の42%が65歳以上の高齢者という全体の結果がございます。施策に反映するためには、今後の作業になりますけども、年齢別の分析等も必要になってくると考えております。以上です。
○5番(渡辺幸一)
年齢別の分析等が必要ということですが、やはり市民ニーズの高い分野で満足度を高めることが市民の幸福につながり、それが定住につながり、さらには移住につながることになります。余り理想を描いても成果指標どおりには進みませんし、また指標の設定が適当な数値であったのかという問題もあります。
総合計画は、きれいな夢物語を描いており、全国的に見ても総花的とか絵に描いた餅とか言われており、労力をかけてつくっても実効性がないものが多く存在します。
第6次直方市
総合計画の策定においては、あれもこれもではなく実現可能な計画を盛り込むことが必要であると思いますが、いかがでしょうか。
○
総合政策部長(大場 亨)
実現可能な計画を盛り込む必要があるのではないかというお尋ねでございます。確かに、これまで各分野の補助金などを得るために幅広く包み込むような計画になっていたことは否めないことでございます。これからの10年につきましては、多くの市有施設の更新も控える中、できることが限られてきます。しかし、直方市を持続可能な都市としていくためには、時代の変化に応じた
取り組みも必要になってまいります。
そういったことから、第2期直方市まち・ひと・しごと創生総合戦略との期間をあわせて、整合性を十分に図ることにより、より現実的な計画としていく所存でございます。以上でございます。
○5番(渡辺幸一)
はい、わかりました。今回は、第6次
総合計画を策定するに当たり、九州大学と連携協定を締結したと新聞や市報で拝見いたしましたが、どのような内容か教えてください。
○
総合政策部長(大場 亨)
2015年9月の国連サミットにおきまして、誰ひとり取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のための国際目標であるSDGsが全会一致で採択されました。
しかし、その持続可能な発展につきましては、これまでの国内総生産GDPだけでははかることができない。そこで、経済生産活動に供する人工資本、教育や健康などの人的資本、そして環境資源を包括する自然資本という三つの資本から算出される地域の多面的な豊かさを数値化するための指標として新国富指標という考え方が国連で報告され、その報告書の代表執筆者を九州大学大学院の工学研究員の馬奈木俊介主幹教授が務められております。そこで、馬奈木先生がセンター長を務める九州大学都市研究センターと新国富指標を活用した
総合計画の策定及び推進等について、昨年12月27日に連携協定を締結いたしております。
まちづくりの指針となる
総合計画の策定を新国富指標を活用して実施するのは、全国で直方市が初の
取り組みとなっております。以上です。
○5番(渡辺幸一)
聞きなれない言葉が二つ出てきました。SDGs、新国富指標、市民の方もよくわからないと思いますので、まずSDGsから御説明をお願いいたします。
○
総合政策部長(大場 亨)
SDGsとはSustainable Development Goalsという何か難しい文字の頭文字をとった略語でございまして、持続可能な開発目標と訳されております。誰ひとり取り残さない社会の実現を目指し、経済、社会、環境をめぐる広範な課題に統合的に取り組むものとして2015年9月の国連サミットで全会一致で可決された目標でございます。
具体的には貧困をなくそう、飢餓をゼロに、全ての人に健康と福祉をなど、17の目標で構成されております。日本政府としても、これらを推進すべく
取り組みに対する実施方針を示して、地方公共団体に対しても
取り組みの推進を推奨されております。以上でございます。
○5番(渡辺幸一)
それでは、新国富指標についても、もう少し説明をお願いいたします。
○
総合政策部長(大場 亨)
これまで国内総生産GDPが伸びることと豊かさが続くことが同一視されまして、豊かさはGDPなどの経済指標によってのみはかられてきました。しかしながら、石油産出国であるサウジアラビアを例にとりますと、ここ25年でGDPは増加しておりますが、石油採掘が進み、自然資本が減る一方で人工資本が伸びていないため、新国富指標はマイナスの伸びとなっております。
このように多様な豊かさを考えずにGDPの増加だけを志向するならば、現在の世代がおのれの幸福のために資源を浪費することと同じでありまして、将来世代の幸福を犠牲にしてしまうことになります。これがGDPではわからない経済の持続可能性の視点でございます。
そういったことから、国連維持可能な開発会議におきまして、持続可能性の判断基準となり得る経済指標として新国富指標が提唱されました。直方市におきましても、この指標を
総合計画策定に活用することで持続可能なまちとして発展していきたいと考えております。以上です。
○5番(渡辺幸一)
持続可能の意味は何となくわかりましたが、では、なぜこの指標を活用した
総合計画づくりを進めようとしたのか、教えてください。
○
総合政策部長(大場 亨)
2015年9月の国連サミットにおきまして、全ての国と全ての関係者が協調的なパートナーシップのもと、経済、社会、環境の3側面を不可分のものとして扱い、統合的な
取り組みを通じて持続可能な開発を目指す上での目標であるSDGsが採択されました。
国は自治体が住民や民間事業者など多くの関係者と連携してSDGsの達成に向けて取り組むことは持続可能なまちづくりにつながり、地方創生に資するものであると推奨しております。そういったことから、SDGsの目標年度は2030年度でありまして、第6次直方市
総合計画の目標年度と同じということもあります。SDGsの考え方を、本市の
総合計画に取り入れる方針といたしたものでございます。
そこで、その目標達成をはかる指標である新国富指標につきましては九州大学の馬奈木教授が世界的第一人者であることから、新国富指標を活用した
総合計画の策定及び推進について御協力をお願いした次第でございます。以上です。
○5番(渡辺幸一)
では、具体的に、九大との連携によりどのようなことに取り組んでいくのか教えてください。
○
総合政策部長(大場 亨)
具体的な
取り組みということでございますけども、まず最初に、行政サービスについて金銭換算したアンケートを実施いたします。市民ニーズと政策が合致するよう
基本計画を策定いたします。その後は、計画期間内で進捗管理をしながら予算に反映していくという作業になります。
また、新国富につきましては、富を得るために何を失うかではなくて持続可能な発展のため、新国富のストックがふえることを意識して政策を進めることとなります。以上です。
○5番(渡辺幸一)
新国富指標については、国連とか、話が世界的規模でイメージが湧かないところもありますが、市民ニーズを政策に反映するシステムということで期待を持っております。市民の意見に耳を傾けることが重要ですし、直方市の地域の実情にあった政策を行うことで、移住、定住につながり、直方市が持続可能なまちとなっていくと考えております。九州大学との連携協定については、直方市にとって今までにない
取り組みですし、そして、
総合計画づくりに新国富指標を活用することが全国初の
取り組みということで期待も大きいし注目を浴びるところと思います。
直方市の明るい未来のために、ぜひ成功することを期待しておりますが、最後に大塚市長に、第6次直方市
総合計画に対する思いと意気込みについてお尋ねいたします。よろしくお願いします。
○市長(大塚進弘)
第6次
総合計画策定に当たっての意気込みといいますか、思い、意気込みでございますけれども、るる、
総合政策部長申し上げたとおりの新しい
取り組みとして今回やろうとしております。私も、これまでかかわったと言えばもう第2次
総合計画の時代から、ずっと、私、第3次、第4次、5次は、もう特に中心としてかかわっておりまして、なかなか議員御案内のように
総合計画というのは総花的になるということで、特に基本構想というのはそういう意味合いがございます。
その中で、私どもも実施計画レベルで具体的にそれを肉づけした施策をどう展開するかということが問われるとこでもございまして、今回の
総合計画づくりに新たな視点を持ち込みながら、時代の変化のスピードが非常に大きく変わっているということとあわせまして、第5次
総合計画の段階でも、やっぱり人口が減るという想定で目標人口とかの設定をやったこともございますが、改めて全国的に人口が減ると、そして、少子高齢化というのは、高齢化もますます進んでいっているということが、もう目の前に明らかになっておる中で、持続可能な直方市の発展をどう期していくかということに思いをいたしたときには、新しい考え方を持ち込んで計画をつくっていくことが大事だろうという思いで今回取り組むこととしておりますので、その新しい手法を持ち込みながら、直方市の将来、市民の皆様方が明るい展望を開けるように、どうアプローチをかけたらいいのかと、そのことのための実施計画レベルに、私は一番大きなところがあるのかなあと思いはしてます。
夢は夢として描きながらも、しっかりとそれを実施計画レベルでどう展開するかということが一番肝になるんだろうと思っておりますので、そのことにしっかりと力を入れて取り組んでいきたいというふうに考えております。以上です。
○5番(渡辺幸一)
ありがとうございます。今後の直方市のかじ取りをよろしくお願いいたします。
それでは、二つ目の質問に入りますが、
生活困窮者就労支援についてです。まず、生活困窮者自立支援制度とその対象となる生活困窮者の定義及び、また事業内容について教えてください。
○健康福祉課長(山本昭利)
生活困窮者の定義ですが、生活困窮者自立支援法に規定があります。「就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者をいう。」と規定されております。
実際の相談におきましては、資産、収入に関する具体的な要件を設けるものではなく、複合的な問題を抱える生活困窮者がいわゆる制度のはざまに陥らないように、できる限り幅広く対応できるように努めることとされております。
次に、事業内容です。二つの必須事業と四つの任意事業からなり、必須事業は自立相談支援事業と住居確保給付金です。自立相談支援事業とは、求職者に就労支援を行ったり、経済的に困窮している相談者を適切な支援機関に同行し、引き継いだり、問題解決に必要な支援を行う事業です。住居確保給付金とは、離職等により住居を失うおそれのある方に対し家賃相当の支給を行う事業を言います。
任意事業につきましては、就労準備支援事業があり、この事業は生活リズムが崩れている、社会とのかかわりに不安があるなど、すぐに仕事につくことが困難な方に対して、職業訓練や就業体験を行うものです。
また、住居のない生活困窮者に対して、一定期間、宿泊場所や衣食の提供等を行う一時生活支援事業、家計に関する相談や家計管理に関する指導を行う家計改善支援事業、生活困窮家庭の学習支援を行う学習支援事業がございます。
本市では、任意事業の中で家計改善支援事業のみを行っているところでございます。以上です。
○5番(渡辺幸一)
次は、生活困窮者の相談状況について教えてください。
○健康福祉課長(山本昭利)
平成29年度の相談件数は149件でございます。そのうち、25件で自立相談支援事業による支援プランを作成して相談支援を行っております。この支援プランにより、一般就労による就労支援を行ったケースが10件あり、そのうち6件で就職しております。
平成30年度は相談件数147件、支援プラン作成が25件、一般就労による就労支援を行ったケースが8件で、そのうち6件が就職しております。
プランを作成してない相談につきましては、情報提供を行ったり、保護課など他機関への引き継ぎを行っているところでございます。以上です。
○5番(渡辺幸一)
それでは、就労支援の具体的な支援内容について教えてください。
○市民部長(大谷和彦)
就労支援に関しましては、すぐに一般就労が可能な方と何らかの障がいがある方や長期間就労していない方など、何らかの阻害要件がある方に分けられます。一般就労が可能な方は保護課の就労支援員と協力しながら求人の情報提供やハローワークへの同行を行います。直方市は福岡県労働局に無料職業紹介所の登録を行っているため、直接あっせんなどを行うこともできます。
先ほどの就労支援を行った件数でございますが、この一般就労可能と判断した件数でございます。昨年は保護課と協力して8階大会議室で求人企業20社を集めて合同会社説明会を行っております。100人近くの求職者を集めることができました。この求職者のうち、生活保護受給者は36人参加して6人の方が就職ができております。
また、阻害要因のある方についてでございますが、その内容に応じて就労支援を行っている筑豊若者サポートステーションや障がい者基幹相談支援センター、障がい者就労支援機関など、適切な機関につなぎ、協力しながら就労に向けた支援を行っております。以上でございます。
○5番(渡辺幸一)
はい、ありがとうございます。努力の跡がうかがわれます。
それでは、今後の就労準備支援事業の
取り組み実施予定について教えてください。
○市民部長(大谷和彦)
実施予定でございますが、就労準備支援事業を行っていれば他機関に協力を求めることなく支援を行うことができますが、本市では、相談件数がそれほど多くないため、これまで実施しておりません。しかし、国では令和3年度までを就労準備支援事業の集中実施期間と定めており、完全実施を目指すとされております。
現在、福岡県内の29市のうち14市のみが実施しております。小規模な市では、事業の実施を行ってないことから、今後は県が主導し、広域での実施を目指す予定となっております。
本市でも、この広域実施に参加できるよう、今後は検討してまいりたいと思っております。以上でございます。
○5番(渡辺幸一)
はい、ありがとうございます。最後になりますが、今後もなお一層、生活困窮者の就労活動ができるように、ハローワークと連携をとりながら最善を尽くしていただきますようお願いいたしまして、質問を終わります。
○副議長(松田 曻)
以上をもって、本日の
一般質問を終わります。
本日の日程は全部終了しました。
明日28日、午前10時より会議を再開することとし、本日は散会します。
───── 12時06分散会 ─────...