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平成30年条例予算特別委員会 本文 開催日:2018-03-23

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  1. 福岡市議会 2018-03-23
    平成30年条例予算特別委員会 本文 開催日:2018-03-23


    取得元: 福岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2019-10-21
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  3月23日  午前10時00分 開会         〃 11時59分 休憩        午後1時10分 再開         〃 2時55分 休憩         〃 3時10分 再開         〃 4時25分 休憩         〃 4時40分 再開         〃 6時43分 閉会 議案審査  議案第30号ないし議案第95号、以上66件を一括して議題とし、審査を行った。  なお、意見・質疑の概要は次のとおりである。 2 ◯森(あ)委員 私は緑と市民ネットワークの会を代表し、保幼小中学校におけるアレルギー等疾患の対応について質疑を行う。学校における食物アレルギー事故防止の徹底を図るため、教育委員会、学校及び調理場においての具体的な方針やマニュアル等の参考となる、学校給食における食物アレルギー対応指針が平成27年3月に文部科学省から出され、その中で公益財団法人日本学校保健会が出している取り組みガイドラインに基づく対応をすることとされている。また、学校給食の食物アレルギー対応は、個人の努力や良心に任されるものではなく組織で対応されるものとされ、既に症状のある児童生徒のいる学校に限らず、新たに食物アレルギーを有する児童生徒が転入してくることもあるため、全ての学校で体制整備を行う必要があるとされている。そこで、本市の各学校や幼稚園に配布されているアレルギー等疾患対応マニュアルについて、作成時期、内容、改定回数と主な改定内容、30年度の改定予定を尋ねる。 3 △教育長 平成16年12月に策定し、学校におけるアレルギー等対応の実施体制やアレルギー等の疾患がある児童生徒等の情報把握から予防対策、緊急時の対応などについて示している。改定は23、27年度に行い、23年度はアドレナリン自己注射薬、いわゆるエピペンを学校に携帯してくる際の対応について改定し、27年度は緊急時の対応について改定しているが、30年度の改定予定はない。 4 ◯森(あ)委員 本マニュアルには化学物質に対する内容も示されている。市民に周知するためホームページなどでの公開を要望する。次に、29年度と25年度の小中学校の食物アレルギー児童生徒の実態と除去食対応の状況、弁当持参の人数、エピペン所持人数を尋ねる。また、エピペンの効果と使用時の状況、市立幼稚園のエピペン所持の幼児数、幼小中学校のエピペン保管方法を尋ねる。 5 △教育長 食物アレルギー疾患を有する児童生徒数は、29年度は小学校2,260人、中学校694人、25年度は小学校2,277人、中学校704人である。小学校でアレルギー対応給食を提供している児童数は、29年度は416人、25年度は830人である。中学校でアレルギー対応給食の提供は26年度から開始し、29年度は67人である。アレルギーで給食が食べられないときに弁当を持参している児童生徒数は、29年度は小学校858人、中学校43人、25年度は小学校393人、中学校79人である。エピペンの効力等については、心臓の働きを強め血圧を上げる効力があり、アナフィラキシーによるショック症状が発生した際に患者本人等が使用するものであるが、緊急時に教員が患者にかわって使用しても差し支えないものとされている。エピペンを所持している児童生徒数は、29年度は小学校105校、299人、中学校38校、73人、25年度は小学校48校、71人、中学校13校、15人である。市立幼稚園でエピペンを所持している園児数は、29年度は1人、25年度はいなかった。学校等での保管方法は、ほとんどの場合、本人がランドセルの中などに所持しており、学校の職員室などで預かっているものは、29年度は小学校24人、中学校15人、幼稚園1人である。 6 ◯森(あ)委員 小学校では除去食対応が進んでおらず弁当持参人数がふえているため、対応の充実を求める。また、エピペンを所持する児童生徒の対応には学校内全教職員の高い認識が必要であるため、エピペンに関する校内研修の実施校数について、29年度と30年度の予定さらに校外研修の過去の実施状況と参加人数、30年度の予定を尋ねる。また、さまざまな症状がある児童生徒への対応には総合的な判断が求められるため、学校長や教職員へのアレルギー疾患等の研修の実施状況について、29年度と30年度の予定、また学校医や薬剤師との連携協力について尋ねる。 7 △教育長 29年度にエピペンに関する校内研修を計画した学校数は140校、うち医師などの外部講師による研修を計画した学校は35校である。30年度の校内研修は、毎年5月に調査を行うため現時点では把握していない。エピペンに関する校外研修は、校長を含めた教職員を対象に、26年度から夏季休業中に実施しており、参加人数は26年度320人、27年度266人、28年度140人、29年度104人である。また、アレルギー疾患や化学物質過敏症に関する研修は、エピペン講習会の際や新任教頭研修などの機会に実施しており、30年度も同様に実施していく。学校医や学校薬剤師との連携協力は、各学校が学校保健委員会などにおいて連携協力を図っており、校内でのエピペンの講習会はアレルギー専門医の協力を得て実施している。 8 ◯森(あ)委員 市内約7,000人以上の教職員に研修を行うには時間がかかる。引き続き、研修や組織的対応により連携や周知等を行い、また、病院や薬剤師とも共有を図り緊急時対応が充実することを要望する。あわせて、保育所におけるアレルギー対応ガイドラインにも保育士、保護者、嘱託医とともに共通理解をし、地域の中での周知共有や定期的な研修、教育の機会を企画する必要があるとされているということを述べておく。次に、化学物質に過敏に反応する人だけではなく全ての人が避けたほうがいいと考え、何度も化学物質に関する質問をしてきた。世界中では健康被害者が増加し、人類の抱える大きな課題となっている。私は、発症した人が先に教えてくれる存在だと捉え、人々は自覚して注意する必要があると考える。そこで、文部科学省が化学物質に関して学校等の施設整備や運営上の注意点について、平成23年3月に健康的な学習環境を確保するためにという文書を出しているが、その内容について尋ねる。 9 △教育長 室内における空気中化学物質の状況や室内を汚染している化学物質、施設面における主な留意点について書かれている。
    10 ◯森(あ)委員 同じく平成24年1月に出された、健康的な学習環境を維持管理するためにという文書の内容について尋ねる。 11 △教育長 シックハウス症候群に対する予防対策の考え方や、いわゆる化学物質過敏症を有する児童生徒に対する個別対応の基本的な考え方が書かれている。 12 ◯森(あ)委員 両方ともに詳しく書かれているため、教職員はもとより施設整備で学校等に携わる者全てが熟知し、絵に描いた餅にならないよう徹底することを要望する。次に、教科書等のインクやワックス、樹木の消毒に対する対応は進んできているが、教職員の認識には個人差があり安全対策が十分ではない事例が起きている。化学物質に対して教職員や保護者が十分に注意し意識を高めるために、文科省からの文書を引用したプリント配付などの周知が必要と考えるが所見を尋ねる。 13 △教育長 文部科学省が作成した資料にも、その原因となる物質や量、症状等が多種多様であることから個別の配慮が必要とされており、化学物質過敏症の児童生徒がいる学校等において、当該児童生徒に配慮すべき事項等を確認するとともに、周りの児童生徒やその保護者の理解と協力が得られるように取り組んでいく。 14 ◯森(あ)委員 香害も取り沙汰されており、周知啓発を積極的に行うよう要望する。また、化学物質過敏症は花粉症と同じように誰にでも起こるリスクがある。児童生徒の健康等の把握のため、学校生活管理指導表に化学物質過敏症の項目を追加し、家庭と学校が十分に情報を共有して、進級や進学をしても適切に引き継ぐことが必要と考えるが所見を尋ねる。 15 △教育長 学校生活管理指導表は日本学校保健会が作成したものであり、独自に疾患の項目を追加することは難しいと考えている。化学物質過敏症を含めた児童生徒の健康状態は、各学校が保健調査票や保護者との面談などにより把握しており、進級や進学時には保護者の承諾を得て情報の引き継ぎを行っている。 16 ◯森(あ)委員 担任や学校長がかわっても組織的に保護者と共通認識を持つこと、児童生徒の心身の状態に寄り添い適切な対応を図る仕組みを強化すべきである。化学物質に関しては社会的にも認識の甘さが否めない。何より未然のリスク回避が重要である。そこで化学物質の管理について、国際的にはどのような目標と方向性で取り組んでいるのか尋ねる。 17 △環境局長 2002年に南アフリカ共和国のヨハネスブルグで開催された持続可能な開発に関する首脳会議において、化学物質が人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法で使用、生産されることを2020年までに達成するとの国際目標が採択されている。これを受け、2006年に国際戦略及び行動計画として国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチが定められ、科学的なリスク評価に基づくリスクの削減、予防的取り組み方法、有害化学物質に関する情報の収集と提供、化学物質管理体制の整備、途上国に対する技術協力の推進などについて、各国がそれぞれ取り組みを進めることとされている。 18 ◯森(あ)委員 日本国内での取り組みと課題を尋ねる。 19 △環境局長 国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチに沿った所要の法改正を行うとともに、平成24年に国内実施計画が定められ、科学的なリスク評価の推進、ライフサイクル全体のリスクの削減、安全、安心の一層の推進などの取り組みがなされている。今後の課題は、化学物質のリスク評価や管理の強化を図るとともに、化学物質に対する国民の不安に適切に対応するためのリスクコミュニケーションの一層の推進を図ることなどが必要であるとされている。 20 ◯森(あ)委員 日本の法制度は縦割りであり、胎児、子ども、脆弱な方々の保護という観点の欠落などの規制のおくれや、義務教育や大学、消費者教育においても、化学物質の情報やリスクに関する教育のおくれがある。このような状況では乳幼児は学校以上に注意が必要であり、私立幼稚園や保育所等の対応は重要である。化学物質に関する子どもたちの安全対策について、現在の取り組みを尋ねる。 21 △こども未来局長 私立幼稚園は福岡県の所管である。本市所管の保育所等の状況は、こども未来局作成の保育所運営管理の手引に、工事に当たっての化学物質への対応や植物の病害虫防除の際の注意事項を記載し周知を図っている。 22 ◯森(あ)委員 学校と同じように関係者へ周知し、適切な対応を図るように要望する。また、私立幼稚園の園児も福岡市民であり、県と連携をして幼児の健康に関する情報として把握するよう要望する。化学物質過敏症の子どもたちも通える学校にすることは、全ての児童生徒と教職員の健康を守ることにもなる。新潟県のある小学校では、トイレから全ての芳香剤を撤去、掃除もワックスを使わず石けん系の洗剤を使用、職員の整髪料は禁止、化粧は天然由来成分のみ、過敏な児童のために特別教室も用意するなど、数人の児童を排除することなく大切にされていることを紹介しておく。次に、学校で食物アレルギーが原因で命を失った児童がおり、学校内で対応を慎重に行うため、保護者、児童生徒、教職員が相談できるアレルギーや化学物質に関する相談窓口の設置や、的確に対応し解決できるような専門的な医師を含めた食物アレルギー対応委員会のような機関の設置が全国で望まれており、本市でも必要と考えるが所見を尋ねる。 23 △教育長 アレルギーの原因は食物に限らないため、本市では食物アレルギー対応委員会に限らず各学校等において、アレルギー全般に対応するための校内体制を整備することにしている。アレルギー疾患や化学物質過敏症等に関する相談窓口は各学校であり、校長、教頭、保健主事、養護教諭、担任等がチームをつくり、保護者から提出された学校生活管理指導表や保護者との面談によって児童生徒一人一人の症状を把握するとともに、症状等によっては学年や学校全体の教職員で情報を共有するなど、学校全体で組織的にアレルギー疾患等への対応に取り組んでいる。 24 ◯森(あ)委員 対応に時間がかかっている事例もあり、適切に対応できる機関が必要である。また、再発防止のためには、各学校から全ての事故及びヒヤリ・ハット事例について、詳細と改善策の報告を求めるなど所管内で共有することで事故防止の徹底に努めること、さらに、重大事故、事例は都道府県教育委員会に報告し情報共有を図ること、緊急時の適切な対応ができるように各教職員の役割を明確にし、研修やシミュレーションを行い実践することなどが求められている。本市のマニュアルになければ更新を要望する。次に、アレルギー等の疾患がある児童生徒は、人と違うということでいじめの対象になる場合もあり、心が傷つき体調不良と重なり不登校を経験している児童生徒は少なくないと考える。子どもたちが人権意識を高め合えるような学級運営を行う研修の強化、最終的に問題を解決するための校内体制づくりが必要と考えるが所見を尋ねる。 25 △教育長 児童生徒の人権意識を高めるためには、お互いを認め合い大切にしようとする心情を育んでいくことが重要である。学級づくりがその基盤であると考え、教員研修を全ての学校が計画的に実施している。いじめを含めた人権課題の解決は、各学校で校長を中心に教職員が一体となって人権教育に取り組む体制を整えており、今後も校長や人権教育担当者を対象とした研修会などを引き続き実施し、指導体制の充実に努めていく。 26 ◯森(あ)委員 いじめはゼロにはならない。問題が起こったときに長引かないように対応を組織的に行うこと、全ての子どもの根底から自尊感情が育つ教育の場づくりを図ることを強く要望する。また、学校に行けない場合、学習の保障と心身ともに健康を取り戻すための場所や時間等が必要だが、市内学校の改修工事などにより、どの学校にも通うことができない児童生徒がおり、今後、ふえる可能性もある。心身の回復と学習保障のために、安全なクリーンルームを市内学校に一室でも準備する必要があると考えるが所見を尋ねる。 27 △教育長 各学校、園は、主治医の意見も聞きながら、個々の児童生徒の状況に応じた対応を検討する必要があると考えている。 28 ◯森(あ)委員 奈良市立都祁小学校のたいよう学級を紹介する。29年度から4つの小学校が統合、再編された小学校であり、化学物質過敏症などが理由で全面改装の校舎には通えないという児童がいたため、特別支援教室設置の協議を行ってつくられた教室である。中学校進学時には中学校の敷地に移動できるようにつくられており、経費は約960万円である。この教室は24時間稼働の空気清浄器を設置し、外気が入らないよう外気カバーが整備され、上り口、足洗い場も準備されている。本市もこの事例のような意識をもって対応するよう意見を述べておく。次に、玄海原発3号機の再稼動が、まさに今日迫っている。3号機は、より危険なプルサーマル原子炉である。原発事故が絶対に起こらないとは事業者は言わない。想定外は起こり得るため、最低でも、本市の地域防災計画原子力災害対策編に沿った行動計画があるべきと考えるが、放射能災害対策は学校における避難マニュアル等に掲載して対応するようになっているのか。また、学校は避難所となる場所であり、災害時は子どもたちを安全に誘導するために、教職員は放射能汚染に対する認識と実際の行動計画などを十分に把握し、原子力災害に対する訓練を実施すべきと考えるが、これまでの検討や実施内容について尋ねる。 29 △教育長 災害が発生した場合の避難マニュアルは、30年度に学校の危機管理マニュアルに追加する予定である。また、学校は火災、地震、津波、不審者侵入などを想定した避難訓練を実施しているが、原子力災害に特化した訓練は実施しておらず、今後、市民局と協議していく。 30 ◯森(あ)委員 30年度に追加するとのことで、しっかり進めるよう要望する。一方、ことし4月1日に改定される小規模保育事業等運営管理の手引にある、安全管理の緊急時の危機管理マニュアルには、「子どもの命を守り、安全に保育することが最大の責務であることを忘れてはならない。そのためには、災害が起きても慌てないように、職員一人一人が危機管理の意識と責任、自覚を常に持ち、緊急時の体制を把握し、的確な判断のもと迅速に行動することが重要である」とされているが、原子力災害に関しては記載がない。ぜひ追加されるよう要望する。また、本市は玄海原発から50キロ圏内の市民分のヨウ素剤備蓄を5カ所に拡充しているが、50キロ圏外の市民分は備蓄されていない。児童生徒を預かる立場から、避難所となる市内の全小中学校へ市内全ての児童生徒分のヨウ素剤備蓄とアレルギー対応の災害時備蓄食料を充実させることを、市民局と教育委員会は連携を強化して検討を進めるべきと考えるが所見を尋ねる。 31 △教育長 全市的な災害対策の観点から市民局と協議していく。 32 ◯森(あ)委員 福島第一原発事故は人類の歴史に残る大事故であり、7年たった今も非常事態宣言発令中である。給食施設を災害時に活用できることが望ましいと考えるが、災害時のマニュアルの内容について尋ねる。また、アレルギー児童生徒の情報を保有しているので、災害時に生かせるように要望する。 33 △教育長 給食センターは、災害時の連絡体制、初期対応などをまとめた緊急時対応マニュアルを作成し、訓練を実施しているほか、災害発生時には運営事業者は可能な限り市に協力することとなっているため、関係局としっかり連携していく。 34 ◯森(あ)委員 福島原発事故後、本市の給食に放射能に汚染された麦わらを食べた可能性がある牛肉が20校で使われたことがあった。放射能汚染対応の観点も盛り込んだ安全な食材確保の計画も必要と考える。さまざまなハンディがある幼児、児童生徒に限らず全ての子どもたちの保育や学習環境、食べ物などが安全で安心できるものであるべきとの思いで質問してきた。アレルギーや化学物質への意識向上や対応の充実は、全ての子どもたちにとっての安全度が高まると考えるが、総合的な取り組みについての所見を尋ねる。 35 △教育長 アレルギー等の症状がある児童生徒に対して教育機会の確保を図ることは重要と考えており、学校(園)におけるアレルギー等疾患対応マニュアルなどに基づき、各学校、園において適切な対応がとれるよう、今後も校内研修やエピペンの講習会など教職員の知識と実践力の向上に努めていく。 36 △こども未来局長 乳幼児期の食物アレルギー等は生命の危険につながるおそれもあり、児童の健康と安全を守る上で、その対応は大変重要と考えている。これまで保育所等の職員に対して、国の保育所におけるアレルギー対応ガイドラインや福岡市医師会保育園・幼稚園保健部会作成の食物アレルギーの手引などに基づき研修等を実施し、知識や理解を深めるとともに、個々の児童に対しても保護者と十分に連携、協議を行い、主治医の診断書に基づき個別に対応を行っている。また、児童のアレルギーや各保育所等での対応の状況は毎年調査しており、その結果も踏まえながら、今後とも研修等を通じて保育所等の職員の意識や知識の向上を図るとともに、各保育所等で適切な対応が行われるよう助言等を行っていく。 37 ◯森(あ)委員 化学物質はさまざまな症状を引き起こすため予防原則の考えが重要である。目の前のかけがえのないものを守ることが私たち大人の責務である。地球の未来とつながり、この国の未来を担う子どもたちのため、後悔しないようアレルギーや化学物質、放射能汚染から守る体制をしっかりと構築するよう意見を述べておく。 38 ◯福田委員 ICT教育の推進について、中小企業の人材確保と生産性向上について、以上2項目について質問する。まず、ICT教育の推進について質問する。私たちの身の回りは、インターネットスマートフォン、フェイスブック、ツイッターなど、ICTと呼ばれる機器や、それを使ったサービスであふれている。今後、情報化社会が発展していく中で、子どもたちへの情報教育はますます重要になってくるのではないか。国の動向に目を向けると、25年度に策定された国の第2期教育振興基本計画では、学校のICT環境の目標として、パソコン教室には40台のコンピューターを、普通教室にはコンピューター1台と電子黒板、無線LANをそれぞれ整備するよう示されている。また、2020年度から全面実施される小学校の新しい学習指導要領では、新たにプログラミング教育を導入し、情報活用能力が全ての教科の基盤として育まれる資質能力として位置づけられるなど、ICTを活用した授業の充実について規定されている。このように、国においては今後の教育におけるICTの活用の推進について重要性を示すとともに、各自治体でもICT教育環境の整備について推進していくことを求めている。子どもたちの集中力や学習に対する意欲を高めるためにも、ICTを活用した教育を行っていくことが大事なのではないかと思う。そこでまず、本市のICT機器の整備の現状はどうなっているか、小学校及び中学校について尋ねる。 39 △教育長 本市でのICT機器の整備状況については、全小中学校にパソコン教室を整備しており、児童生徒用として、小学校に20台、中学校に40台の教育用パソコンを整備している。そのほか各学校の普通教室用として、ノートパソコンを学級数に応じ3~8台整備するとともに、据え置き型の電子黒板を1台と、各教室への持ち運びが可能な携帯型電子黒板を1~2台整備している。 40 ◯福田委員 まだまだ十分な整備とは言えない環境だと思っている。ICT教育の推進のために、具体的に教育委員会としてどのような取り組みを行っているのか。 41 △教育長 ICT教育の推進に向けた具体的な取り組みとしては、27年度から3年間、ICT教育推進事業として、小学校2校、中学校2校をモデル校に設定し、タブレット端末などの情報機器を活用した学習やプログラミング教育のあり方についての研究に取り組んでいる。 42 ◯福田委員 市内の各学校の状況を見ると、モデル校以外の学校においては、余りICT教育が進んでいないように感じる。そもそも教育委員会では、このICT教育の効果をどのように考えているのか、所見を尋ねる。 43 △教育長 ICTを活用した教育の効果としては、資料や写真を拡大して提示したり、動画を見せるなど、教師が工夫してICTを活用することで、児童生徒の興味関心を高め、確実な理解につながること、指導効果の高い教材を複数の教員で共有することで、授業準備にかかる時間が短縮され、教員の児童生徒に向き合う時間が確保できること、タブレット端末を活用することで、児童生徒一人一人の習熟度に応じた支援が可能となること、児童生徒がプレゼンテーションなどの資料を協働で制作したり、グループで深まりのある話し合いを行うことができること、教育センターと学校や、学校と学校を専用回線でつなぎ、離れた場所から専門的な教員が指導する遠隔授業が実施できることなど、学校におけるICT活用の効果は非常に大きいと認識している。 44 ◯福田委員 ICT教育の推進は、教員にとっても、子どもにとってもよい効果が期待できるとのことだが、これまでのモデル校での実証研究の成果を踏まえて、今後どのようにICT環境整備に取り組むつもりなのか、スケジュールも含め所見を尋ねる。 45 △教育長 今後のICT環境整備への取り組みについては、これまでのICT教育モデル校での実践における成果や課題について検証を行い、現在策定を進めている31年度からの本市の次期教育振興基本計画の柱の一つとして、ICT教育の推進を位置づけた上で、計画的なICT教育環境の整備についてしっかりと検討し、取り組んでいく。 46 ◯福田委員 ICT教育を推進していくためには、ICT環境、いわゆるハード面での整備だけではなく、教員がICTを授業などにうまく活用することも重要だと思う。そのためには、学校任せにせず、市内あるいは全国の先進的なICT活用事例を、教育委員会が主体的に収集、評価し、各学校現場に紹介、指導する必要があると考えるが、所見を尋ねる。 47 △教育長 先進的なICT活用事例の周知については、ICT教育のモデル校で行った実践を、活用事例集としてまとめ、各学校に配付するとともに、他都市の先行的な活用事例を教育委員会が主催する研修会で紹介するなど、さまざまな場所で周知し、教員の指導力向上に努めていく。 48 ◯福田委員 パソコンなどの機器の操作が苦手な教員もいると考えられることから、教員が負担と感じないよう、機器を活用していくための研修などの支援も必要である。そこで、ICT活用の教員のスキルアップに向けて、どのような取り組みを行っていくのか。 49 △教育長 教員のICTを活用する能力の向上については、教育センターにおいて、ICT活用の基礎的な知識や技能を習得する研修やICT活用を推進する各学校におけるリーダーを養成する研修を実施していく。また、全ての教員が学校にいながら、パソコンやタブレット端末を通して、授業におけるICTの活用方法について学べるデジタルコンテンツを配信していく。 50 ◯福田委員 ICT環境整備、教員へのICT活用技術の周知、教員のICT活用能力の向上、この3点について、計画的に取り組んでいくことは非常に重要である。大きな予算を伴うことではあるが、早急に取り組むよう要望しておく。次に、違う切り口から尋ねたい。本市全体としての計画を策定した後、全ての学校において計画的にICT教育を進めていくという姿勢は、もちろん理解できるが、かなりの時間を要する。一方で、学校現場で起きている授業の質の向上に対する取り組みも、もっと応援していくべきではないかと思っている。ある市内の小学校では、ある先生の申し出によって、普通教室に大型テレビを導入したことで、授業の質の向上はもとより、いろいろな成果があったと聞いている。その事例を紹介すると、通常、教室に配置されている液晶テレビは32型だが、その学校では60型の大型テレビを導入した。このテレビを、単に教育番組やDVDを見るためでなく、大型モニターとして活用するためである。その目的としては大きく3つある。1つ目は、タブレットで学習資料や児童のノート、作品などの画像を大型モニターに提示し、教室の全児童に見やすくする。2つ目は、児童が自分の考えを発表する際に、考えが伝わりやすいように、自分で拡大、縮小などのタブレット操作を行う。3つ目は、学習内容を定着させるような映像や発展的な映像を動画で見せる。特に、教科書に文字だけで書いてある内容を動画で確認させるといったものである。そして、その成果だが、板書をノートに写すことが苦手だったり、教科書を見ることが好きではない子でも、ノートや教科書を大型液晶テレビに映すことで、自然と目が向くようになった。その様子を撮影した写真では、みんなが集中して、しっかりと画面の資料に注目している。それから、社会や算数などの学習では、資料を用いることは不可欠だが、大型モニターを活用することで、全ての児童に見せたい資料を確実に見せることができた。その様子を撮影した写真では、先生が社会科の授業の資料を大型モニターに映すことによって、確実に全員が注目できている。また、テレビに映した自分のノートや資料を指示棒で指し、みんなに見てもらうことで、他の児童に細かな部分まで自分の考えを伝えられるため、本来授業に対し積極的ではなかった子も、みずから発表するようになるなど積極的な児童がふえたということであった。これらは、授業への活用における成果のほんの一例であるが、副次的な効果としては、児童に提示する資料を印刷する頻度が大きく減り、コストダウンが図れた。大型モニターに映し出した資料は、本来ならば、児童数分を数十枚もコピーして配付もしくは模造紙に大きく印刷し、黒板に張るなどしていた。その瞬間でしか使われないものも多く、何より先生方の準備の負担も大きいものであったが、大型モニターを活用することで、解決することができたとのことであった。また、授業で活用したデータは、簡単に他の学級と共有することができるため、担任同士で授業の足並みをそろえたり、情報交換にもつなげることができたそうである。また一方で、先生方の負担の多くを占めるものとして、保護者のクレーム対応などがあるようである。ふだんから先生方と保護者との信頼関係によることが大きいと思われるが、定期的に行われる学級懇談会などで、大型モニターを使い、保護者にふだんの児童の様子を動画や画像を用いて詳しく話すことができ、保護者の安心感、納得感を得られることで、信頼関係の構築にも寄与しているとのことである。そして、何より学習意欲が向上した児童を目の当たりにした先生方が充実感を得ることができた、つまり先生方のモチベーションを非常に上げていることが一番だったようである。近年、テレビの大型化と低価格化が同時に進んでおり、以前と比べて大型テレビも導入しやすくなってきている。現在でも、学校にはプロジェクターもあるかとは思うが、接続、位置決めなどのセッティングやスクリーンの準備などに手間がかかり、結果的に活用しづらい現状である。その点、大型テレビがあれば簡単に、しかも日常的に先生がタブレットなどを活用して、画面を大きく表示して、子どもたちに示しながら授業を行うことができ、とても有効であり、ICTをさまざまな教科で活用していくための第一歩になるのではないかと考えている。そこで、小学校の各普通教室に、既に備品として整備しているテレビを、60型程度の大型テレビに切りかえることで、ビデオ等の観賞用テレビとしてだけでなく、ICT教育のモニターとしても活用でき、効率的、効果的な授業が可能になると考えるが、所見を尋ねる。 51 △教育長 小学校の普通教室における大型テレビ導入の提案であるが、教育におけるICTの活用を進める上で、教員が負担なく日常的に活用できるICT利用環境の整備は非常に効果的である。大型テレビやプロジェクターなどの整備については、厳しい財政状況ではあるが、利便性や設置する上での安全性、教室スペースの有効活用、費用面の比較など、十分に検討の上で計画的に整備を行っていく。 52 ◯福田委員 これから学校として、大型テレビの導入を希望するような場合は、その思いに応えるべく、また、時期を逸することなく、教育委員会としても積極的に対応すべきだと考えるが、所見を尋ねる。 53 △教育長 大型テレビの活用などにより、ICT教育を積極的に進めたいという学校が、既存のテレビの更新の際に、モニターとしても活用できる大型テレビの導入を希望するような場合は、学校での特色ある取り組みの一環として、学校予算の中での導入を認めていく。なお、導入に当たっては、転倒防止などの安全対策を講じるよう指導していく。 54 ◯福田委員 大型テレビを活用した先進的な取り組みを、多くの教員が共有し、どの学級でも効果的に授業が行われることは、子どもたちの集中力や理解度を高め、学力を高めることにつながる。また、先生方の授業の準備や、さまざまな負担軽減にも大きな成果を上げている。それは、子どもたちと向き合う時間を確保することで、教育の質の向上につながる。全市的に、計画的に取り組むことももちろん大事ではあるが、一方で、学校単位での創意工夫による大型テレビの導入など、ICT環境整備の推進も大事な取り組みである。先ほど紹介した学校の先生にヒアリングしたところ、一番最後に、大型テレビ導入による充実感は、教師にとっても児童にとっても大きいものがあったため、今後も本市で普及していくことを切に望んでいると言っていた。これが現場の声だと思っている。最後に、今後のICT教育の推進に向け、教育長の決意を尋ね、この質問を終わる。 55 △教育長 これからのさらなる情報化、グローバル化の進展に対応していくため、その基礎となるICT教育を推進していくことは、今後の教育において非常に重要であると考えている。本市の子どもたちの可能性を広げ、将来への希望を持たせる教育の実現に向け、ICT環境整備や教員のスキル向上などに計画的に取り組んでいく。あわせて、学校単位での創意工夫による個々の取り組みについても尊重し、学校、教育委員会が一体となって、ICT教育の推進に向け、着実に取り組みを進めていく。 56 ◯福田委員 期待しているので、よろしくお願いしたい。次に、中小企業の人材確保と生産性向上について尋ねる。近年、雇用状況は回復し、新規学卒者の就職は超売り手市場と言われている。2019年度入社の大学卒業予定者の採用選考活動が3月1日から本格的に始まった。新卒者の採用活動においては、政府が、広報活動開始は3月1日以降、選考活動開始は6月1日以降という経団連が示している採用選考に関する指針の遵守を経済団体や業界団体に要請しており、全ての企業において一定のルールに沿った秩序ある行動が求められている状況である。そのため、大企業、中小企業の規模に関係なく、企業は同じルールのもとで新卒採用を行っているが、経済の回復基調に伴って、大企業の採用意欲はますます高まっており、大企業が地方での採用活動にも積極的に取り組み始めているようである。そのような中、中小企業からは、なかなか計画どおりに新卒者を採用できないという声が聞かれる。そればかりか、内定を出した学生から次々に辞退の連絡が入り、採用選考活動を一からやり直すなど、1年を通して新卒採用を行っている企業もあると聞いている。1月に、民間調査会社が九州の企業に対して実施した、人手不足に対する意識調査の結果によると、正社員が不足している企業の割合は5割を超え、調査開始以来の最高を更新したとのことである。また、最近では、人手や人材不足の影響で、事業縮小や撤退を迫られている企業も出ているという報道も見受けられる。例えば、市内の老舗の料亭では、人材確保が困難となり、約40年続けてきたランチ営業を2月に取りやめた。市内のバス会社でも、運転手不足のため、本市近郊を走る路線バスを3月のダイヤ改正で減便した。企業の規模にかかわらず、人材不足が深刻化しており、今後企業間の人材獲得競争がますます激化してくるものと思われる。そこで、人材確保に取り組む中小企業への支援策について尋ねる。まず、本市の人材不足の状況について、少子高齢化が進展する中、本市における15~64歳の生産年齢人口の状況はどう推移しているのか。 57 △経済観光文化局長 本市の生産年齢人口の推移については、国勢調査の結果によると、平成22年の99万8,000人が過去最高で、平成27年は99万6,000人と横ばいになっている。しかしながら、本市は全体として人口増加を続けているため、全人口に占める生産年齢人口の割合は、平成7年の72.9%から、平成27年は66.0%と低下傾向にある。 58 ◯福田委員 人口がふえ続けている本市においてさえも、生産年齢人口は頭打ちの状況である。15歳以上の働く意欲のある人のうち、職がなく、求職活動をしている人の割合である完全失業率や求人募集を行っている企業の採用状況について尋ねる。 59 △経済観光文化局長 完全失業率については、全国の数値では、平成29年の年平均で2.8%と低い水準になっている。企業の採用状況については、ハローワークに求人募集を出して、どのくらい採用できるかをあらわす充足率では、福岡労働局の発表によると、平成30年1月の福岡県のパートタイムを除く常用雇用の求人については12.5%となっており、8人募集して1人しか採用できておらず、採用が難しい状況である。 60 ◯福田委員 求人してもなかなか採用ができない、厳しい現実が見えてきた。次に、市内の中小企業は人材不足をどう感じているのか尋ねる。 61 △経済観光文化局長 市内の中小企業の人材不足感については、福岡商工会議所の29年度第3四半期経営動向調査の結果によると、会員企業において、当面の経営上の問題点の第1位は、9期連続で人材難、求人難、定着化の悪化となっている。また、平成28年11月に経済観光文化局で実施した中小企業振興に関するアンケートの結果によると、今後の事業展開に当たり、障害となっていることの第1位は、中小企業、小規模企業ともに人材不足となっている。 62 ◯福田委員 統計データや調査結果から、市内の中小企業においても人材不足が深刻化し、人材確保が経営上の大問題となっている状況であることを確認した。そこでまず、超売り手市場と言われている新卒採用において、市内の中小企業が人材を確保する上で何が課題となっているのか、所見を尋ねる。 63 △経済観光文化局長 新卒採用における課題については、中小企業においては、採用担当の専任者が配置できない、自社の魅力を発信できていない、知名度が不足しているなど、大企業と比べて、人材確保力が不足していることが課題である。大学生においては、地元志向も強く、できれば地元で就職したいとの希望もあるが、市内の中小企業の存在や事業内容をよく知らないために、関東圏や関西圏の大手企業などに就職してしまう傾向があることが課題である。 64 ◯福田委員 大企業と比べて、中小企業は人材確保力が不足しているとのことであるが、自社の魅力を発信できていない、知名度が不足しているという点においては、何か対策を講じるべきだと思う。広報活動開始が3月1日以降、選考活動開始が6月1日以降という現在のスケジュールによって、新卒採用活動の早期化や長期化が同時進行していると言われており、とりわけ採用専任の担当者が置けない中小企業にとっては厳しいものとなっている。一方で、福岡の学生は地元志向が強いということだが、そうであれば、大学など教育機関が多く、人口に占める若者率が高い本市の特性を生かし、学生に市内の中小企業の戦力になってもらうことが、人材確保の一つの解決策になるのではないだろうか。また、新卒者の離職率については、以前から七五三と言われてきた。就職して3年以内に、中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が離職していることを示す言葉であるが、企業は離職者が出ると、手間とコストをかけてその補充をしなければならない。起業や創業、ステップアップのための転職など、前向きな理由による離職であればいいのだが、こんな仕事をするために入社したわけではない、入社前に想像していた仕事と違ったなど、事前の調査不足やミスマッチによる離職は問題だと思う。こうした離職を防止するため、学生の職業観を養うとともに、企業や業務内容を十分理解した上での就職を支援することが、就職する学生、採用する中小企業の双方にとって大切だと思う。そのためには、特に中小企業においては、学生に自社を知ってもらう取り組みが重要である。中小企業がそういった取り組みを進め、福岡の学生を確実に採用できるような支援策が必要だと思うが、所見を尋ねる。 65 △経済観光文化局長 市内の中小企業の新卒採用者の支援策については、福岡の学生に中小企業の将来を担う人材となってもらえるよう、これまでの福岡商工会議所との連携による新卒者向けの合同会社説明会の開催に加え、30年度は、福岡都市圏の大学と協力し、企業が就職活動を始める前の学生と出会える交流会などの多彩な機会をつくり、学生時代の早い段階から、中小企業の魅力などを伝える、ふくおか地元就職・人材確保支援事業を新たに実施し、学生の地元就職の促進に取り組んでいく。 66 ◯福田委員 関東圏や関西圏に学生が流出しているとのことだが、外に目を向けて、福岡へのUIJターンを考えている人たちに、市内の中小企業の戦力となってもらうことも考えていくべきではないだろうか。国において、地方創生の施策として、東京から地方への移住の取り組みが進められているが、ある民間企業が平成29年9月に首都圏に住む20~60代までの福岡都市圏出身者を対象に行ったUターン意向調査の結果によれば、Uターンを希望している人が52%と、2人に1人が地元福岡に戻りたいと思っていることがわかる。Uターンしたい理由としては、老後・介護・健康、また地元愛、東京でのストレスが三大要因とのことである。その中でも、特に離れてみて出身地のよさ、魅力を再確認した、出身地に貢献したいという人が多かったのが特徴的だと分析されている。このほか、男女ともに20~30代は、早目のUターンを望んでいることもわかったとのことである。本市では、以前から重要産業であるクリエイティブ産業の振興、集積のため、クリエイティブ人材のUIJターン促進事業に取り組んでいる。他の産業分野でも、UIJターン人材の確保に取り組むべきと考えるが、所見を尋ねる。 67 △経済観光文化局長 UIJターン人材の確保については、26年度からクリエイティブ人材の市内企業へのUIJターンを支援する福岡クリエイティブキャンプに取り組んでおり、29年度までの4年間で、73人がUIJターンを果たした。また、30年度には、本市の新しい取り組みとして、市内企業が無料で求人情報を掲載できる特集サイトを開設し、本市へのUIJターンを希望する方と、市内企業の担当者がテレビ電話機能を使った面談ができるなど、無料のスマートフォンアプリをリリースし、その普及を図っていく。 68 ◯福田委員 地元の大学で学ぶ若い人材や首都圏で活躍している即戦力の人材は、必ず本市に活力をもたらしてくれると思う。29年度の市政に関する意識調査の結果では、本市のことが好きと答えた人が97.4%、住みやすいと答えた人が96%、住み続けたいと答えた人が92.8%と、いずれも過去最高値を更新しており、潜在的に本市に愛着を感じている人は少なくない。30年度に新たに取り組もうとしている学生の地元就職や福岡へのUIJターン就職に関する新たな施策にしっかり取り組んでほしいと思う。ところで、先ほどハローワークに求人募集を出しても採用が難しい状況となっていることを確認したが、中途採用において、市内の中小企業が人材を確保する上で何が課題となっているのか、所見を尋ねる。 69 △経済観光文化局長 中途採用の課題については、新卒採用と同様に、中小企業の人材確保力が不足している点が挙げられる。それに加えて、今働いている方々がやめずに働き続けていくことが重要であると思われるが、働きやすい労働環境が十分に整っていないことなどが、人材の定着、ひいては人材確保の課題となっている。 70 ◯福田委員 在職者が働き続けられる、働きやすい労働環境が重要だとわかった。市内においても、今は働いていない女性や高齢者でも、就労を希望している方や、多彩な能力を有する方がたくさんいると思う。こうした方々の再就職を促進するに当たっては、研修などを通じて就職活動を支援する仕組みが必要だと思う。また、企業においては、短時間勤務や限定した職務など、多様な働き方の選択肢を用意して、個人のライフスタイルに合わせた働きやすい労働環境を整備することが必要ではないだろうか。特に、女性については、一人一人が職場で能力を発揮し、活躍できる社会を実現するため、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律が、平成28年4月より施行されている。本市は人口に占める女性の割合が高い都市だが、女性の活躍推進について、どのように取り組んでいるのか。 71 △市民局長 女性の活躍推進については、ふくおか女性活躍NEXT企業見える化サイトにおいて、短時間正社員制度の導入状況、育児休業の活用状況や長時間勤務の状況など、企業における取り組み内容を見える化し、女性が働きやすい環境づくりを推進するとともに、経営者や人事労務担当者向けに、働き方改革に関する講演会を実施するなど、ワーク・ライフ・バランスの実現に向け取り組みを進めている。また、働く女性や再就職を目指す女性を対象に、再就職支援セミナーや資格取得など、スキルアップのための研修を実施するなど、女性が個性と能力を十分に発揮し、活躍できるよう取り組んでいる。 72 ◯福田委員 次に、高齢者について、先日厚生労働省から、健康上の問題がなく、日常生活が制限されることなく送れる期間を示す健康寿命が、男女ともに延びていると発表された。定期的な外出の頻度が、歩行障がいや認知機能障がい発生のリスクに影響しているなど、さまざまな社会参加活動が、健康寿命の延伸にもつながることが知られており、社会参加活動の中でも希望する方が多い就労を促進していくことは、高齢者が社会の中で元気に活躍し、生きがいを持って生活を送るためにも大変重要である。高齢者がこれまで培ってきた多様な知識、経験は大変貴重であり、また、高齢者のほかの年代にない特性として、賃金にとらわれず、生きがいとして働きたい、短時間就労を希望するという方も多く、このような高齢者のニーズに合った選択肢がふえれば、高齢者はもっと活躍できるのではないかと思う。本市では、各区に就労相談窓口を設置して、性別や年齢を問わず、相談に来られた市民の皆さんの希望や経験に応じて寄り添い型で、市内中小企業への就職を支援しているが、このほかに高齢者の就職活動について、どのような支援を行っているのか。 73 △保健福祉局長 高齢者の就職活動については、高齢者に臨時的、短期的な業務を提供する福岡市シルバー人材センターの活動支援のため、財政的、人的支援を行っているところである。30年度には、高齢者の多彩な能力を生かした創業支援を行うとともに、近年、いわゆるホワイトカラー職種の退職者が多く、その経験を生かした仕事を希望する方がふえていることから、高齢者雇用の開拓支援を行うことにより、事務職雇用の受け皿拡大を図るなど、高齢者の能力や知識を生かすことができる就労支援に取り組んでいく。 74 ◯福田委員 市内の中小企業が、誰にとっても働きやすく、魅力的な企業を目指すためには、働き方改革や労働環境の整備を進めることが重要だと思うが、市内の中小企業の取り組みをどのように支援していくのか、所見を尋ねる。 75 △経済観光文化局長 中小企業の働き方改革や労働環境の整備の支援については、まず、市内の企業における働き方改革の機運の醸成や意欲の喚起を促す制度として、平成29年11月に開始した、ふくおか働き方改革推進企業認定事業を推進しているところである。これに加えて、30年度は、福岡商工会議所と連携して、働き方改革や労働環境の整備を初めとした市内の中小企業が抱える人材確保に関する課題の解決を目指す専門家による相談事業を充実させていく。 76 ◯福田委員 中小企業の働き方改革や労働環境の整備をしっかりと支援し、人材確保、人材定着に取り組んでほしいと思う。一方で、市内の中小企業は大卒予定者や転職者の大企業志向の高まり、大企業との人材獲得競争などによる現在の人材不足の状況の中でも、事業を存続させ、発展させていかなければならない。そのため、人材不足を補う手段として、設備投資による省力化や1人当たりの生産性の向上が必要になると考えている。昨年秋に、ある外食企業が、支払いをクレジットカードや電子マネーに限定したレストランをオープンして、お客様との間で現金のやりとりを完全になくし、注文は全てタブレットで受け付けるなど、店舗運営を効率化することで、人手不足に対応するという実験店舗をオープンさせたというニュースがあった。今の時代、さまざまなIT技術により、中小企業の課題解決が可能となってきているので、企業の人材不足に対応するためにも、ITを活用した中小企業による業務効率化や生産性を向上させる取り組みを支援する必要があると考えるが、所見を尋ねる。 77 △経済観光文化局長 中小企業への支援については、平成29年6月に改正した中小企業振興条例及びみんなで応援!中小企業元気都市プランに基づき、中小企業をバックアップしているとこである。特に、人材不足の社会環境の中、IT活用などによる中小企業の生産性向上は喫緊の課題と認識している。そのため専門家派遣によるSNSなどのIT活用のサポートに加え、30年度にIT技術の活用、普及を促進するために、キャッシュレスをテーマとしたイベントを新たに実施するなど、市内の中小企業の生産性向上を後押ししていく。 78 ◯福田委員 IT活用による中小企業の生産性向上にしっかりと取り組んでいただきたい。次に、AIいわゆる人工知能の活用についてである。現在、国を挙げてIoT、ビッグデータ、人工知能、ロボットといった第4次産業革命技術の社会実装による生産性革命に取り組んでいる。昨年は、AI元年と言われており、最近では、毎日のように新聞でAI、人工知能という言葉を目にするようになったと思う。実際に、本市の企業においても、工場の設備機器の故障予知や検品、売り上げ予測などにおいて、AIを活用した事例が出始めており、労働生産性の向上はもちろんのこと、高齢化の進展で減少していく熟練工の技術、技能の継承にも寄与することが期待されている。そこで、本市においても、市内の中小企業がAIに対する理解を深め、活用を検討する機会を提供するなどの取り組みが必要であると考えるが、所見を尋ねる。 79 △総務企画局長 本市では、市内の中小企業等のAI活用を促進し、労働生産性の向上や新たなサービスの創出、関連産業の振興を図るため、平成29年12月に、ふくおかAIコミュニティを設立した。現在、ふくおかAIコミュニティの会員数は、既に130社に達しており、これまでAI活用事例の共有や会員企業同士のマッチングを行うイベントを2回開催したが、毎回100名以上の方に参加してもらうなど、企業等の関心の高さがうかがえるものとなっている。今後も、同様のイベントの定期的な開催に加え、AIを活用した実証実験の支援などを行うことにより、中小企業を初めとした市内企業等のAI活用を促進していきたい。 80 ◯福田委員 中小企業の人材不足という経営課題の解決を図るためには、若者が多い特性を生かし、学生の地元就職を促進すること、UIJターン就職を希望する人たちの福岡での就職を支援すること、潜在的な労働力である女性や高齢者などの再就職を支援すること、市内の中小企業がそのような働く人たちに選ばれ、定着してもらえる魅力的な企業を目指す取り組みを支援すること、といった人材確保策が重要とわかった。また、ITやAIを活用した業務の効率化や生産性向上の取り組みも重要であることがわかった。このように中小企業の人材確保と生産性向上は喫緊の課題である。この課題に、本市として関係部署が連携し、しっかりと取り組む必要があると考えるが、最後に市長の所見を尋ねて、質問を終わる。 81 △市長 本市の都市の成長を実現するためには、市内企業の約99%を占めて、本市経済を支えている中小企業の振興を図っていくことが大変重要であると考えている。中小企業が、第4次産業革命とも言うべきAIやIoTを初めとする技術革新などを生産性向上に活用するとともに、新製品やサービスの開発、新市場の開拓など、イノベーションにチャレンジしていくことが重要になる。中小企業の人材確保、生活性向上は、喫緊の課題であると考えており、平成29年に改正した中小企業振興条例の基本理念などに人材確保や生産性向上を掲げて、市内の中小企業を積極的にバックアップしているところである。今後とも、中小企業がイノベーションに果敢にチャレンジし、日本のモデル都市ともなるように、関係部署が連携して、人材確保や生産性向上の取り組みを効果的に支援し、中小企業の振興にしっかりと取り組んでいく。 82 ◯高山委員 平成28年11月8日発生の地下鉄七隈線博多駅工区における道路陥没事故の被害総額について尋ねる。 83 △交通事業管理者 まだ損害賠償の協議が継続している案件があることから、最終確定ではないが、平成30年3月15日現在で、事故による損害をこうむった人への損害賠償費用やライフラインの復旧費用として確定している額が約10億4,000万円であり、協議未了分やライフラインの本格復旧費用の金額については、今後算定を行う。 84 ◯高山委員 七隈線延伸事業の総事業費450億円が見直されて、約137億円増額され、587億円になるとのことであるが、その内訳を尋ねる。 85 △交通事業管理者 137億円の増額の内訳について、約77億円は、労務単価の影響や消費税率が約8%に引き上げられたことなどによるものであり、また、エスカレーターの増設などの利便性の向上によるものが11億円である。道路陥没の影響としては、工事をより安全に施工するための費用としての35億円と、開業年度を2カ年度延期する見込みを立てており、その影響が14億円で合計49億円である。 86 ◯高山委員 今回、総事業費の30%に当たる137億円という金額が増額されることはけげんである。安全対策や、その他今回の事故関連での費用に当たる49億円を差し引いても88億円の物価値上げというのは、非常におかしい。総事業費の増額分である137億円はどこが負担するのか。 87 △交通事業管理者 交通局における事業費であることから、局の予算において今後事業の進捗に伴って負担していくものである。 88 ◯高山委員 交通局は公営企業会計なので負担分は乗車運賃等に反映され、市民の負担となる。そうでなくても、現在は大赤字である。今回のこの件で、本市で処分を受けた人はいるのか。 89 △交通事業管理者 この件に関しての懲戒処分は行っていない。 90 ◯高山委員 今回の事故の原因を本市としてどうまとめたのか。 91 △交通事業管理者 事故の原因については、当事者ではなく、第三者の視点での究明が適当であることから、国土交通省に協力を要請し、土木研究所に設置された検討委員会で検討が行われ、平成29年3月30日に原因が取りまとめられた。交通局としては、この検討委員会から示された事故に関する指摘を真摯に受けとめているところである。検討委員会は、事故の原因について、主要因として地層や地下水圧の問題があり、副次的要因としてトンネル形状や施工方法の変更を指摘している。 92 ◯高山委員 東京の検討委員会は、資料が少なく、現場も隠れたままで確認できないことから、推論として結論を出している。本市としては、それを受けて公式見解を出すべきところを、なに一つ出さずに、今回の事件は誰も悪くなく、予知ができなかったとして片づけ、総事業費を137億円増額し支出するとしている。発注しているのは土木工事などであり、電気、軌道、建築などの工事は、まだ発注前である。そのような状況で、公費だけ増額して全て市民負担にするとはよく言えたものである。本市の施工方法の管理業務については当初から監督管理業務を外しているが、全て本市の決定による指示であるのか。 93 △交通事業管理者 現場の管理業務については、交通局において、建設工事請負契約約款や福岡市交通局契約事務規程などに基づいて、監督員を配置し、実施している。 94 ◯高山委員 東京の検討委員会によると、地質調査の頻度等は、通常のナトム工事では通常の本数であり事故前に正確に地中の状況を把握することは困難だとしているが、本市が実施した初回の調査ボーリングでは、グランドラインより岩盤まで何メートルであったのか。また、着工2年後に施工業者である大成JVが実施したボーリング調査では、岩盤まで何メートルであったのか。 95 △交通事業管理者 ナトム大断面部の地質の調査については、事前に実施した結果に基づき、岩かぶりを2メートル以上確保する設計であったが、平成27年10月に施工業者が追加のボーリング調査を実施した結果、想定よりも岩かぶりが少なく、2メートルにも満たないことが判明したことに基づき設計変更等を行ったものである。 96 ◯高山委員 当初、本市で実施したボーリング調査では、地上から岩盤までが15メートル52センチとしていたが、施工業者が着工して2年後に改めて調査を実施した結果では、16メートル12センチであり、60センチ違っていたとのことだが、どうか。 97 △交通事業管理者 交通局が事前に行った調査の箇所と、追加でボーリングを掘った箇所は違っており、ボーリングを行う調査の点々で、地質の状況は異なる。事前の地質調査については、全体では6本の調査結果に基づいて、全体の地層の想定を行ったが、地点の間は想定するほかになく、その想定の部分が、実際追加で行った箇所の深さとは違っていたということであり、同じ箇所のボーリング調査の結果が違っていたわけではない。その結果として、地点の間での想定が、見込みとは違っており、新しいボーリング調査の結果に基づいて設計変更を行ったものである。 98 ◯高山委員 ボーリング調査は6本としているが、そのうち4本は地下駐車場においてほかの工事で実施した結果である。30メートルから200メートルという長距離間で、本市は2本しか実施していない。事故後、東京の検討委員会が、陥没した現場の横にあった調査地点のうち1本の42センチ横を掘削している。当初の掘削調査では15メートル52センチで岩盤に達したが、施工業者である大成JVの調査では16メートル12センチとなり、今回の調査ではさらに下がって16メートル90センチと、当初の結果から1メートル38センチも誤差が出ている。杭の場所が違うというが、東京の検討委員会の調査は当初調査の地点から42センチ横である。これをどのように説明するのか。 99 △交通事業管理者 地質調査、ボーリング調査は随時、結果的にはふやす形で掘削している。その1本1本のデータは手元にないが、施工の当初の段階では、その地点の間については6本の調査結果に基づき想定していた。その後の調査結果において、岩かぶり地点についての変動や、ばらつき、波打ちなどの状況が詳細に判明してきた。現時点ではより詳細な地層の状況が判明したことから、結果に基づいて、今後事故の再発がないように安全対策をしっかり講じて工事に臨もうとしている。 100 ◯高山委員 ボーリング調査の頻度は十分であったとしているが、陥没した場所の大断面部は1本しか掘削していない。そのボーリング調査の結果が、実際の現場と違っていたことに東京の検討委員会は触れていない。1本のみ、頻度のみ触れているが、調査結果が間違っていたことは議論されていない。まず、本市の調査は、グランドラインより15メートル52センチで岩盤に達するとして、その岩盤の天端である岩盤の一番上から2メートル6センチ下をトンネルの天井とすることで掘削している。岩盤層の岩かぶりであるトンネル上の岩盤層の厚みは2メートル6センチの確保が指示され、そのとおり工事を進めた。着工2年経過後に施工業者が実施したボーリング調査では、地面より岩盤まで16メートル8センチであり、60~70センチも違っていた。2メートル6センチ必要とされた岩かぶりが、1メートル50センチしか確保できず、トンネル上部の強度が出せないことからトンネルの断面を扁平に設計変更を行い、トンネルの高さを地中の方面に下げている。岩かぶりが十分確保できず、岩かぶりが2メートル以上となるよう設計変更したことが陥没原因になっている。また、没落事故発生後に、東京の検討委員会が実施したボーリング調査では、グランドラインより16メートル90センチであり、当初結果とは1メートル38センチも差が生じている。そこで、トンネル天端の岩かぶりの厚さを確保するために、トンネル断面形状を扁平に設計を変更したものである。全て、本市が実施した最初のボーリング調査の誤謬に起因している。東京の検討委員会は、本数のみが適宜だとしてこのボーリングの誤りを無視している。トンネル断面の形状を扁平に設計変更したのは誰が実施し、誰が許可したのか。 101 △交通事業管理者 ナトム大断面部のトンネル断面の変更については、平成27年10月に施工業者が追加のボーリング調査を実施した結果として、当初想定より岩かぶりが少ないことが判明したことから、平成28年1月に施工業者から岩かぶりを確保するためにトンネル断面の形状について変更提案を受け、交通局と施工業者で協議を進めた。その結果として、変更が適当であるという判断のもとに、本市が工事の発注者として、平成28年5月にトンネル断面形状の変更に向けての変更設計委託を発注し、平成28年6月から10月にかけて設計変更の業務の委託を行ったものである。この間、平成28年8月に、技術専門委員会に付議して、その意見も聴取した上で、最終的に設計の変更、トンネル断面の変更を決定したものである。 102 ◯高山委員 東京の検討委員会の資料によると、大成JVが実施したボーリング調査の結果、岩かぶりが本市実施のボーリング調査による想定より小さく、岩盤の上の岩かぶりが確保できない、2メートルのところが50センチ足りないことを、2015年11月16日に交通局へ報告すると、交通局が変更形状のイメージとして、トンネル形状を扁平にし、岩かぶりを可能な限り確保する場合の例を示し、大成JVに大断面形状変更に関する素案作成を依頼したとの記載がある。交通局が大成JVに素案の変更を依頼している。その後大成JVと打ち合わせを3回行い、2016年6月に、交通局と大成JVが連帯して資料を作成し、8月30日に技術専門委員会の許可を受けている。東京の検討委員会の資料であり間違いないと考える。施工業者が2メートル6センチの岩かぶりがとれないと報告したことに対し、交通局は岩かぶりを最大限に下げるよう、変更形状のイメージを示し、大断面形状変更に関する素案作成を大成JVに対して依頼したと記載がある。誰が許可したのか。 103 △交通事業管理者 経緯は、先ほども述べたとおり、施工業者の提案を契機とし、さまざまな協議を行った後、最終的には技術専門委員会にも付議して、交通局において決定をしたものである。設計変更の決定であり、許可という仕組みではない。 104 ◯高山委員 本市が許可して、設計を確定しないと施工業者は着工できない。許可ではなく承認であると言うが、事実上の許可に当たり、重要と考える。トンネルの天端付近の岩かぶりを確保するために、一般的には0.57以上が好ましい内腔断面の扁平率が0.625から0.53となり、トンネルのアーチ形状が平板化したことで圧縮力が弱まり、次第にアーチアクション効果をもたらす、はりの構造を保てなくなったことが副要因の一つになっている。本市が中心となり許可を行って事業を推進させておきながら、事故の原因は関係ないというのはいかがなものか。 105 △交通事業管理者 トンネル断面を扁平に変更したことが、陥没事故の副次的要因であると東京の検討委員会から指摘を受けており、真摯に受けとめている。トンネル断面の変更の経緯については、先ほど述べたとおり、岩かぶりを確保するために変更を行い、その際に、構造解析等を実施し、確かに扁平率は下がる認識はあったが、全体としては安全だとする判断のもとに決定を行った。しかし、結果的には事故につながり、その点については、大変申しわけなく、反省すべき点があると考えている。 106 ◯高山委員 口先では反省していると言っているが、事故の責任はないと言っている。それはどうなのか。次に、事故発生日である平成28年11月8日の2カ月前に当たる9月13日に、大成JVより地盤強化のための薬液注入の中止とその代替補助工法の将来の提案がされているが、提案理由や内容、許可の理由を尋ねる。 107 △交通事業管理者 補助工法等の変更の経緯については、施工業者から、薬液注入は現地の地下埋設物が支障となることなどから、十分な効果が上がらない可能性があるとして、AGF工法による二重化や、吹きつけコンクリートによる強化や、サイドパイル工法の追加などの代替の補助工法の提案を受けた。施工業者における構造解析の結果、変更を行ったほうが全体として安全に資するとする判断から、変更を行うことを交通局において認めたものである。
    108 ◯高山委員 大成JVとの協議書によると、追加のボーリング調査を行った結果、当初想定された地質とやや異なり、岩かぶりの厚さが当初想定の2メートルより0.5メートル小さくなった、トンネルの天端部に非常に不良な地山が分布しているという結果が得られたとある。これは当初のボーリングでも、マイナス15メートル30でN値が8とのことであり、崩れやすい地盤であることから、トンネル掘削に伴って緩みが発生し、土砂層の地下水を低下させる可能性がある。計画されている薬液注入工法は、地下埋設物が支障となることや、対象地山が粘土質であることから、当初設計で想定した品質は得られないと判断され、地山の緩みを抑制する目的で長尺効果のあるAGF工法を採用したいとしている。薬液注入工法は止水が目的であり、AGF工法では止水できない。協議書には地山の緩みを制御する目的で、長尺鋼管先受工法、AGF工法にしたとある。本市は薬液注入工法の中止を許可して、AGF工法を認めたのではないか。 109 △交通事業管理者 先にも述べたとおり、当初の薬液注入工法の代替手段について、さまざまな提案があり、代替手段の提案のほうが全体としては安全に資するという判断のもとに認めたものであるが、結果としては事故につながった点については、大変申しわけなく、反省すべき点があると考えている。 110 ◯高山委員 博多駅前通りには中央に120メートルの駐車場導入車路があり、3メートル150ミリの地下には下水管が2本と、九州電力のパイプ、ガス管、電信管が全部入っており、当初から工事は不可能であるとして、仕様図には記載されてない。ところが、陥没現場となった120メートル先は地上から薬液注入が可能であると、前回答弁があっている。薬液注入が可能な箇所も全部工法を変更しており、そこが陥没している。本市が薬液注入工法の中止を許可し、AGF工法に変更させたのではないのか。 111 △交通事業管理者 先にも述べたとおり、薬液注入工法自体は不可能ではないが、十分な効果を上げない可能性があり、この地層では、代替手段のほうが安全性が高いとの施工業者からの提案を総合的に検討して、交通局において施工方法の変更を認めたものである。 112 ◯高山委員 本市は薬液注入工法を中止し、補助工法としてAGF工法を許可したが、東京の検討委員会はAGF工法について、どう評価しているか。 113 △交通事業管理者 東京の検討委員会の報告書によれば、AGF工法による十分な地山改良効果が発揮されず、掘削時に緩みが生じた可能性があるということ、AGFのラップ部においても、注入による十分な地山改良効果が発揮されず、さらに、鋼管の切断により周辺地山の改良部分の一部が欠損し、必要なラップ長が不足、あるいはラップしていない状態となり、当該補助工法に期待する効果が十分発揮されなかった可能性があるとの指摘があっている。 114 ◯高山委員 東京の検討委員会は、AGF工法について、これはトンネル周辺地山の掘削時の緩みを抑制する工法であり、大きな水圧が作用する地盤の遮水効果は期待できないことを踏まえる必要があるとしている。薬液注入工法とはトンネル構内に水が漏れないための止水工法であるが、それを中止させ、AGF工法に変更したところ、止水効果がないため漏水したわけである。本市は多くの地下鉄工事を実施してきたが、過去、ナトム工法を採用した際の地下水対策はどの工法だったのか。 115 △交通事業管理者 本市の地下鉄工事におけるナトム施工の実績は9工区あるが、地下水対策としては、それぞれの区間の状況に応じて、薬液注入やトンネル内で水平にボーリングを行う水抜きボーリング、地上から井戸を設置して水をくみ上げるディープウエルなどを実施している。 116 ◯高山委員 止水効果があるから全工区で薬液注入をしている。各箇所で、ディープウエルと水抜きボーリングを実施している。本市域はほぼ用水性砂質土であることから、地下鉄1号線、2号線の工事の際は、全てオープンカット工法で実施し、天神駅も博多駅も開削工法で施工した。A勤務、B勤務という本市職員の時差出勤制度はその影響であり、現在まで残っている。東京の検討委員会が指摘する事故原因の人為的な要因としては、止水のために薬液注入工法を実施しなかったことと、トンネルの形状変更をしたこととある。地盤調査は、本数としては適切であったかもしれないが、ボーリング調査でミスをしている。AGF工法で、岩盤を突き抜けないように鋼管を切るなど、工法上切断しているなどがあり強度が出ていないとの記載がある。この人為的要因となる工法を採用する命令をしたのは、全部本市である。設計監理のベテランの建設コンサルタントが不在であるから、業者主導で実施したのではないか。全て本市の責任だと述べておく。次に、本市が人為的な要因としている中で、結果として、東京の検討委員会は自然的要因を2つ指摘している。1つはトンネル周辺を囲む岩盤層が弱かったことで、岩盤層は、透水性が難しい難透水性風化岩であり、その岩盤層の厚さがとれなかったことを指摘している。もう1つは地下水圧対策の弱さを指摘している。それに対して、本市の技術専門委員会からの助言について尋ねる。 117 △交通事業管理者 技術専門委員会からは、ナトム区間の地盤に関することとして、地下水について大断面部は注意することが必要であること、掘削方向に対して地質の変化が出てくることに注意をすること、大断面部についてはこれまでの施工の経験を生かして、地質や水位の変化をよく見ながら、補強の是非も含めて施工を行うこと、頁岩と博多粘土層について抜け落ちることがあるが、大断面部以外の区間は大丈夫であろうなどの指導、助言を受けている。 118 ◯高山委員 議事録には、技術専門委員会の意見が反映されず、市政にバックアップされていないとある。本市はもっと技術専門委員会の意見を聞けという意味と考える。岩盤の弱さは、技術専門委員会で多く指摘されており、議事録での主な意見だけでも、目視した限りぼろぼろで古い、崩れている弱さがある、トンネル天端付近でクラックがある、水みちがある、D2を指先で握ってもぼろぼろに落ちる岩質である、などである。それで、本市に対しては、岩盤全体の強度を測定するよう意見が出ている。岩盤の変形係数については、1.4万~70万キロニュートン毎平米の差があり、岩質には50倍の強度の差がある。本市は平均値の8.7万キロニュートンで均一の岩と見ているが、技術専門委員会からは岩盤全体としての強度を計測するよう、意見が何回も出されている。それには対応していない。全体の変形係数を把握していなかったと考えるが、どうか。 119 △交通事業管理者 技術専門委員会からの助言に対しては、真摯に受けとめて対応してきたところであり、岩盤の強度についてもさまざまな問題があることは承知していたが、それに対する対策が結果的には不十分であったことについては、反省点と考えている。 120 ◯高山委員 反省と口にするが、結果が出ておらず、この件に関する照会を行った際にも誠実さが見られなかった。この工事の許可証に関する書類を求めたがほとんど提出されていない。事故後に行われた、東京の検討委員会の調査で、岩盤層には小断層剥離面節理の亀裂があったと報告されたが、この件は技術専門委員会が再三指摘していた。水位が地下2メートル500ミリからであり、土砂層と岩盤層の透水性があることから、トンネルに水漏れする可能性を再三にわたって指摘しているが、本市はこの指摘に対応してない。 121 △交通事業管理者 技術専門委員会の助言については、それぞれを真摯に受けとめ対応に努めたところである。 122 ◯高山委員 対応していたら事故は発生しなかったと考える。本市は、地下鉄1、2号線の工事の際、地下水の土砂層があるためオープンカット工法で実施したとのことであるが、今回の件における最大の原因は、グランドラインからの水位が2.5メートルであったことであり、本市政策の最大のミスである。本市の技術専門委員会が陥没現場を確認したところ、底に水があり、土砂層と岩盤層が連続してつながっている旨の発言があった。設計では水位を14メートル500ミリとして、16メートル付近で工事していたが、陥没は5階建てのビルほどの深さとなり水がたまった。水圧の設計については水位をマイナス14.5メートルと想定して設計したが、現実は2.5メートルであった。この想定の差が、止水効果をすべきなのに、薬液注入の中止を認めた原因になっていると考えるが、どうか。 123 △交通事業管理者 地下水圧の影響については、東京の検討委員会から、結果的には十分な対策ができていなかったという指摘があっており、その点については真摯に受けとめている。 124 ◯高山委員 東京の検討委員会は、設計施工に当たって、地下水の水位を14メートル500ミリで、水位が低いと計算し、遮水性や水圧に対する体力が十分であると設計していた、としている。したがって判断ミスである。水位は14メートル500ミリであるから遮水性と水圧に対する体力を十分だと設計し、止水効果のある薬液注入の中止を認めたと考えるが、どうか。 125 △交通事業管理者 東京の検討委員会は、事前の調査が不足していたために、地質の状況や地下水圧の状況を見誤ったという指摘はしていない。結果的に地下水圧の影響についての対策が不十分な状況になったこと、地層についても、想定以上にばらつきや弱い面があったこと等が主たる要因になったという指摘であり、事前の調査が不十分だった、あるいは地層の見方に間違いがあったという指摘ではない。しかし、結果的に事故が発生したことから、結果論になるが、反省し、再発防止に努めなければならないとの認識を持っている。 126 ◯高山委員 数字は初めから出ている。協議録によると、岩盤の変形係数については約1万4,000~約70万キロニュートン毎平米のばらつきがあるところを、最終的な代表値として8万7,000キロニュートン毎平米としており、ばらつきの考慮が不十分なまま設計及び施工が行われている。当該工事の設計及び施工に当たっては、強度や厚さは均質であると捉えていたことは完全なミスであると考える。次に、工事は平成25年12月5日に着工しているが、陥没した場所については、着工前の同年2月5日に、技術専門委員会より陥没について注意喚起があっている。技術専門委員会の中で、3度発言があっている。地下水については、大断面部は注意するよう、福岡層群という古第三紀層の地層とDH2の層は炭質頁岩であり、本市の岩級区分によって握れば落ちる程度の強さとされていることから、他の部分については大丈夫であっても、福岡層群と炭質、DH2の層については抜け落ちが起きる可能性が示唆されている。さらに、福岡層群の上が平らでないことも前々から指摘されており、現場もそのとおりであったことから、長尺先受工法、AGF工法での施工の際は注意するよう事故発生前の平成28年3月30日に指摘があっている。平成27年にも指摘があっている。地層としてはシンプルであるが、福岡層群は波打っており、工事はその一部を掘削する状態である。その状況で、点的な強度調査の試験調査を行っても不安な結果となることも考えられることから、変位計測の値について、逆解析を行い、岩盤としての変形係数を把握したほうがよいとする意見が平成27年3月23日にあっている。福岡層群の層は、沖積層と洪積層が全て水分を含んでおり、DH2の層と平行となっていることから何かのきっかけで陥没する可能性があるとの意見が出されている。本市がなぜ技術専門委員会の指摘に対応していなかったのかと質問する委員の質疑が多数ある。着工の10カ月前から陥没可能性のある場所を指定して注意喚起をしていたのに対応しなかった。その場所は薬液注入が可能であるにもかかわらず、博多駅前通りの駐車場導入車路から上がった後の場所であるから、薬液注入を中止している。技術専門委員会からの指摘の対応について、所見を尋ねる。 127 △交通事業管理者 技術専門委員会からは、開催を重ねる中において都度さまざまな助言や指摘を受けており、そのような指摘を踏まえながら、慎重に、安全を最優先に工事の進め方を検討し、諮りながら推進してきたところである。大断面部のさまざまな工法の変更についても、技術専門委員会に付議を行い、内容について了解、理解を得た上で決定を行ってきた。その変更の際にさまざまな注意を受けており、その上で設計変更を行い、補助工法の変更も実施し、現場において十分な計測管理を行い、慎重に工事を進めるよう考えて、技術専門委員会の助言に対応してきたつもりである。結果的には、十分に計測管理を行い、事故を防止することができなかったので、大変申しわけなく、反省している。 128 ◯高山委員 当初の設計は、地下水の水位からマイナス14.5メートルであり、これが事故の原因である。さらに薬液注入を中止し、トンネルを扁平に設計変更し、補助工法としてAGF工法を採用したのは本市の人為的ミスであり、副次的要因は、全部本市にある。また自然的な要因である岩盤の脆弱さ、岩かぶりの厚さ不足、これも技術専門委員会が調査し、地下水圧も全部指定していることから、全てにおいて、本市が発生源であり責任があると考える。それを49億円もの設計変更を簡単に行い、事故の原因究明は第三者委員会に委ね、施工業者がその何十倍も受け取っているが、本市からその資金を出している。本市に瑕疵がなければ、この49億円は出すべきではない。瑕疵があるから、安全対策という名目で34億円も支出するのではないか。こんなばかな政治をしているのが高島市長であり、市民は怒っている。市長はもう少し真摯に対応すべきである。市議会議員40年間において、こんなだらしない政治は見たことがなく、怒り心頭であると意見を述べておく。 129 ◯藤本委員 質問に先立ち、2月19日、不帰の客となった故三角公仁隆議員のみたまに衷心より哀悼の意を表する。また、年長の立場から、本当に心のこもったお別れの言葉をいただいた各会派の議員各位に、会派一同、心からのお礼を申し上げる。会派を同じくした私にとり、今議会は、故人三角君の議会であったという思いがある。死のほとんど直前、みずからの代表質問に思いをはせ、車椅子に酸素ボンベを背負って部屋を訪れたその姿は、まさに議会人の権化と称すべきものであった。市民に果たすべき議員の職責を、文字どおり命を込めて訴えた姿であり、皆、言葉を失った。命がけの無言の重みであった。騒々しいぐらいにぎやかな人物であったが、ユーモアの中にオブラートに包んだ気配りの発言や、直言の端々に優しさのこもった、会派、議会のムードメーカーであった。その人柄をしのび、衷心より御冥福をお祈りしたい。それでは、質問に入る。30年度予算は、市長、そして議員にとり、任期のけじめと将来の市政へ期待を込めた予算編成となる。そして、全国に喧伝される元気な都市福岡は、市政施行以来、歴代の全ての市民の血と汗と涙の努力の結晶でもある。その成果が、住み心地日本トップクラスの評価と、アンケートにおいても市民の共通認識となっている。そのため、本市は、支え合い、悩みを共有する都市圏自治体の力になれる母都市像を目指さなければならない。交流する近隣諸国の都市の幸せに、少しでも貢献できることを模索する必要がある。国内外、遠郊近郊のバランスある交流こそが、安全・安心を具現する将来の本市の存在を高め得ると考える。このような思いから、私は、みらい福岡を代表し、博多港と上海港との連携について、福岡都市圏と共存共栄する広域行政のあり方について、国の中枢機関の九州大学箱崎キャンパス跡地への移転について、以上3点について質問する。まず、博多港と上海港との連携について、去る1月31日、夕刊紙の1面トップに博多上海定期便就航へ覚書との大きな見出し活字が記載された。新春にふさわしい、めでたいニュースであり、1997年に締結された両市両港友好交流の協議書を契機として友好港となって以降、20年に及ぶ相互交流の一大成果である。平成2年に韓国・釜山航路が就航し、平成5年に博多港国際ターミナルが供用され、アジアのゲートウェイに発展し、平成20年にアジアクルーズが本格的に幕開けした。そして、ことしいよいよクルーズ往来から新しい交流を切り開くページにナイフが入った。数の集積から質の充実へ、クルーズが新段階に移行していくと期待している。そこで、博多港と上海港との間で締結された覚書が、博多港のクルーズ振興にどのような意味を持つのか明らかにしていきたい。まず、30年度予算を含む、過去3年のクルーズ船の受け入れに係る施設整備費について尋ねる。 130 △港湾空港局長 28年度が約11億8,800万円、29年度が約4億7,700万円、30年度は約8億1,500万円である。 131 ◯藤本委員 クルーズ船受け入れに係る、これまでの施設整備の主な内容について尋ねる。 132 △港湾空港局長 中央ふ頭は、クルーズセンターの整備や岸壁延伸を初め、交通広場や観光バス待機場の整備、屋根つき通路の設置など、箱崎ふ頭は、屋根つき通路の設置や受け入れスタッフ用の施設整備などに取り組んでいる。30年度は、中央ふ頭では、引き続き岸壁延伸などに取り組むとともに、箱崎ふ頭では、これまで船内で行っていた入国手続を下船後効率的に行うための船外施設の整備を予定している。 133 ◯藤本委員 博多港は、クルーズ船の受け入れ環境を整えるため岸壁や周辺施設の整備をいち早く進め、クルーズ拠点としての地位を確立し、平成27年5月にはクルーズセンターを供用し、日本人向けクルーズもふえていると聞く。しかし、カリブ海などの先進地域と比べ、福岡市民にとってクルーズは、まだ身近なものになっていない。一方で、東アジアのクルーズ市場は、欧米のクルーズ船社の中国への配船により、この10年余りで劇的に成長している。そこで、アジアクルーズの現状について認識を尋ねる。 134 △港湾空港局長 中国を初めとしたアジア諸国の経済成長に伴い、平成17年からの10年間で、アジアのクルーズ人口が76万人から208万人へと、約2.7倍に急増している。こうした状況の中、各クルーズ船社は、アジアのクルーズ市場を今後とも成長が見込める有望なマーケットと見ており、大型の新造船が複数投入される予定であると聞いている。 135 ◯藤本委員 現在、世界のクルーズ業界は中国発着のアジア市場に注目し、多くの船を投入している。その結果、中国から来る巨大なクルーズ船の乗客は4,000人以上で、100台以上のバスが観光先に押し寄せるため、交通渋滞が発生するなどの問題が発生している。これに対し、観光先を訪問する時間を分散させるため、全てのバスにGPSを所持させ、動向を把握しながら指導するという対策を取り、効果を上げていると聞いている。こうした課題解決のノウハウを日本やアジアの各港に提供していくことが、博多港に求められていると思う。そこで、博多港におけるクルーズの課題は何か尋ねる。 136 △港湾空港局長 大きく分けて3つの課題があると認識している。1つ目は、船社からの寄港要請に対して、受け入れのお断りが生じていることである。平成28年は約130回の寄港をお断りしている。2つ目は、クルーズ客の満足度を向上させることである。海外から観光に訪れる、いわゆるインバウンド旅行者のニーズの多様化に対応した観光の質の向上が不可欠となっている。3つ目は、アウトバウンドを拡大させることである。博多港をクルーズ拠点港として持続的に発展させるためには、インバウンドのみならず、発着クルーズのさらなる拡大も目指す必要がある。 137 ◯藤本委員 これからはクルーズ観光の質の向上に向けて、インバウンド、アウトバウンドの両面から課題を論じていく必要があるが、まず、インバウンドの課題をどのように解決していくのか尋ねる。 138 △港湾空港局長 ハード面は、現在、中央ふ頭の岸壁延伸を進めており、ことしの秋には、船の大きさによっては2隻同時の受け入れが実現する。引き続き、大型クルーズ船の2隻同時着岸の実現に向けて、国と連携しながら取り組んでいく。これにより、現在、寄港要請に対してお断りをしている状況が改善するものと考えている。ソフト面は、観光バスの渋滞対策に加え、博多旧市街プロジェクトなど福岡の観光資源を生かしたツアーの企画や、今後拡大していく個人旅行者、いわゆるFATへの対応に関係局と連携しながら取り組むことで、旅行者の満足度向上を図っていくなど、インバウンドの課題解決に向けて対応を進めている。 139 ◯藤本委員 インバウンドについて取り組みを進めていると聞き安心した。次に、博多港の特性として、物流は、インバウンドは多いがアウトバウンドがない。人流も、これが弱点であると考えるが、クルーズにとってのアウトバウンドの課題解決について尋ねる。 140 △港湾空港局長 博多港発着クルーズの頻度をふやすことが重要であると認識している。これまで、日本全体のクルーズ人口が伸び悩む中、博多港発着クルーズに対して優先的に岸壁予約を受け付けることなどにより一定の成果を上げつつあるが、博多港発着クルーズの頻度をより高めるためには、上海との連携による定期定点クルーズ航路が、次に打つべき一手であり、その実現により博多港がクルーズの発着港として、さらに成長していくものと考えている。 141 ◯藤本委員 博多港のアウトバウンドの課題解決には、上海港との連携が重要と聞いている。我々世代にとって上海航路という言葉は、悠久の歴史と郷愁を感じさせてくれる特別な響きを持った言葉である。それだけに、博多港と上海港という日中ナンバーワン港が連携して、東アジアのクルーズ市場をリードしていくことは大変頼もしい。そこで、連携に至る経緯を尋ねる。 142 △港湾空港局長 上海との20年以上にわたる相互交流の一環として、昨年の夏に上海を訪問した際に、上海側から両港の連携について提案を受けたものである。その後、具体的な内容について協議を重ね、定期定点クルーズ航路の実現など、アウトバウンドの拡大が課題である本市と、インバウンドの拡大が課題である上海の両港にとって、ウィンウィンとなる共通の目的が確認できたことから、ことしの1月に覚書を締結したものである。また、昨年9月には、コンテナ取扱量が世界最大の港である上海港と博多港が、世界で初めてIT連携を開始しており、今回の覚書を締結したことによって、物流のみならず人流面での連携も本格化させていく。 143 ◯藤本委員 アジアの交流拠点都市を標榜する本市としては、いにしえより名実ともにアジアの交流拠点都市である上海側から連携の申し出があったことは、実に画期的なことだと考えるが、上海と連携することになった目的や、今後の取り組みについて尋ねる。 144 △港湾空港局長 東アジアのクルーズ市場は過去10年余りで急成長を遂げたが、いわゆる爆買いが一段落し、観光に重点を移した次のステージへステップアップさせる時期に来ている。このため、上海との連携は、東アジアクルーズ市場の持続的な成長を牽引し、クルーズ客の満足度向上と地域経済の活性化を好循環させる、新たな成長モデルの構築を目指すことを目的としている。また、両港を発着する定期定点クルーズ航路の実現のほか、両港が共同で質の高い寄港地観光メニューをクルーズ船社に提案していくなど、アジアクルーズの質を高めていく取り組みを進めていきたい。 145 ◯藤本委員 博多と上海の定期航路を実現する定期定点クルーズは、大陸との交流にふさわしい発想であり、日中間の交流が深まることを願うものである。市民あるいはクルーズ客の立場から、この両港を発着する定期定点クルーズが実現すると、どのような旅行が可能となるのか。 146 △港湾空港局長 現在、上海からのクルーズ客は、4~5泊の行程の中で、朝、福岡に来て、同日中に次の目的地へ移動している。博多港を定期的かつ多頻度で発着するクルーズ船がふえることで、カリブ海や地中海と同様に、市民がいつでも気軽にクルーズを利用することができるようになると考えている。さらに、外国人を含むクルーズ客にとっても、片道を飛行機と組み合わせることで、短期間のクルーズ旅行も可能となり、また、寄港地での滞在時間もふやすことができるようになると考えている。 147 ◯藤本委員 上海との定期航路の実現でクルーズを利用しやすくなることはわかるが、地域経済への効果について尋ねる。 148 △港湾空港局長 インバウンド、アウトバウンド双方にメリットがあるが、アウトバウンドでは、定期定点クルーズで博多港が発着港となれば、例えば、乗船前に本市内に1泊することで、宿泊、買い物、飲食などの消費の拡大が図られ、地域経済の活性化に寄与できるものと考えている。加えて、本市の強みである陸、海、空の交通拠点の近接性を生かしたフライアンドクルーズやレールアンドクルーズにより、国内外からの集客を図ることができ、さらに大きな経済効果が得られるものと考えている。 149 ◯藤本委員 定期定点クルーズは、上海と博多両港にとって相互にメリットがある取り組みであり、その実現を通して、東アジアをカリブ海のようなクルーズのメッカとすることに非常に期待が持てる。ことしは、日中平和友好条約の締結から40年となる。この節目の年に福岡と上海が友好関係の新たな段階に入ることは大変有意義であり、これを契機として日本と中国の両国間の交流をさらに進化させることにつなげるため、本市としては、今回の上海との提携を活用し、クルーズ施策にさらなる厚みを増していくための工夫が必要と考えるが、博多港におけるクルーズ施策をどう展開していくのか所見を尋ねる。 150 △港湾空港局長 第3次産業が約9割を占める産業構造である本市では、交流人口の拡大を図り、多くの消費者を福岡に集めることが持続的な成長の鍵を握っている。クルーズは、インバウンドによる集客だけでなく、本市の強みである陸、海、空の広域交通ネットワークを利用したアウトバウンドの集客も期待できる重要な産業であると認識している。このため、日本一の寄港回数を誇る博多港を発着港として成長させるとともに、拡大する個人旅行や寄港地観光の多様化など時代の流れを捉えた新たなクルーズ観光の創出に努め、博多港がクルーズ船、クルーズ客、双方から選ばれる港になることで、国の観光戦略で掲げるクルーズによる訪日客数500万人の目標達成に向けて、その役割を果たしていきたい。また、上海を初め国内外の港や官民のクルーズ関係者と連携し、東アジアのクルーズ市場を発展させ、本市のみならず各地域の経済活性に寄与するとともに、博多、上海双方向の旅行を活発化することで、市民レベルでの交流にも一定の寄与を図っていきたい。 151 ◯藤本委員 航空路線だが、KLMオランダ航空の撤退や、今復活したがハワイ便、新潟便の休止などをみると、インバウンドよりアウトバウンドの力をつける必要があると考える。このことが、継続的に交流を深めていく一番のポイントと考える。次に、福岡都市圏と共存共栄する広域行政のあり方について質問する。平成27年の国勢調査によると、筑紫野市28%、春日市43%、大野城市40%、宗像市16%、太宰府市32%、古賀市27%、福津市23%、糸島市40%、那珂川町42%、宇美町29%、篠栗町35%、志免町41%、須恵町30%、新宮町42%、久山町33%、粕屋町45%。この数字は、福岡都市圏16市町の15歳以上の就業者で、本市で働いている人の割合である。本市職員も約3割が市外居住者と聞いている。これは、本市は都市圏の支えがなければ機能しない都市であることを意味している。本市と都市圏は、押し寄せる少子高齢化、積み上がる財政債務から、将来は、都市圏各自治体の壁を越えたバリアフリーな都市圏行政の包括ケアなくしては成り立ち得なくなると考える。そして、母都市福岡のリーダーシップの発揮は、時代の責務であると考える。本市はかつて太宰府インター、福岡インターの市域外道路を全国で初めて福岡市道として負担整備し、防災面でも平成29年11月、福岡都市圏消防共同指令センターが完成、おくれて参加する3市を除く都市圏119番通報の全てを福岡都市圏消防共同指令センターで受け付け、既に多くの成果を上げている。また本年4月より、消防局で、本市内の各種災害対応に限らず他都市災害を支援する機動救助隊が創設される。本市は母都市として、交通基盤、防災、観光、水道、医療、福祉、環境など、既に共有する具体的な課題に旺盛なリーダーシップを発揮している。過去何度か広域行政について質問しているが、私は、自然発生型論の道州論者であり、県と地方中核都市レベルで広域行政化を進め、広域行政の知識と練度を高め、次第に行政区域を越えて統合を重ね、道路交通網の発達とあわせて、その結果として道州制的な超広域行政に進むという考え方、偏在する国富を分散、集約するという考え方である。福岡都市圏では、昭和53年に福岡都市圏広域行政推進協議会を設立し、長年にわたり広域行政に取り組んできた歴史があるが、福岡都市圏広域行政推進協議会の構成団体及びその目的、具体的な取り組み内容、30年度の予算総額及び本市の負担額について尋ねる。 152 △総務企画局長 筑紫野市、春日市、大野城市、太宰府市、那珂川町、古賀市、宇美町、篠栗町、志免町、須恵町、新宮町、久山町、粕屋町、宗像市、福津市、糸島市及び本市の17市町で構成しており、この圏域における広域行政の推進を図るため、広域行政計画の策定及びその計画に掲げられた事業の調整を行うことを目的としている。具体的な取り組み内容は、都市圏のマスタープランである福岡都市圏広域行政計画に基づいて、都市圏17市町の図書館やスポーツ施設の広域利用など、さまざまな共同事業を推進するとともに、国や福岡県などの関係機関に対する提言活動を行っている。30年度の予算総額は671万円であり、そのうち本市の負担額は288万3,000円である。 153 ◯藤本委員 この推進協議会以外にも、本市として各局が観光や医療、福祉、環境などの分野で広域的な事業を行っていると思うが、観光プロモーション、ごみ処理、火葬場運営の現在の取り組みについて、また市民病院、こども病院への本市外及び都市圏の患者の割合について尋ねる。 154 △経済観光文化局長 観光プロモーションは、都市圏の自治体及び観光協会等とともに、福岡地区観光協議会を組織し、都市圏への観光客の増加と周遊の促進を図るため、歴史、文化、自然など魅力ある観光資源を周遊するルートの開発や、パンフレット作成、メディアを活用した情報発信などに共同で取り組んでいる。また、29年度には、宗像・沖ノ島の世界遺産登録を契機に、首都圏などからの旅行商品の開発、販売を促進したほか、30年度には、31年度以降に本市で開催される大型スポーツMICEに備え、多言語対応の強化を図る予定としており、時宜を得た事業にも積極的に取り組んでいく。 155 △環境局長 ごみ処理における広域的な取り組みは、本市と春日市、大野城市、太宰府市、那珂川町の4市1町で、福岡都市圏南部環境事業組合を設立し、焼却施設であるクリーン・エネ・パーク南部と最終処分場であるグリーンヒルまどかにおいて、都市圏南部地域の可燃ごみの共同処理を行っている。 156 △保健福祉局長 本市の火葬場は、南区に福岡市葬祭場刻の森、西区に福岡市玄界島火葬場があるが、そのほか、福岡都市圏での広域的事業の取り組みとして、本市を含む3市7町で構成された一部事務組合が、古賀市において北筑昇華苑を運営している。また、市民病院、こども病院における本市外からの延べ患者の割合は、28年度実績で、市民病院の外来患者が36.6%、入院患者が45.0%、こども病院の外来患者が46.4%、入院患者が57.2%である。次に、本市を除く福岡都市圏からの延べ患者の割合は、市民病院の外来患者が26.5%、入院患者が36.8%、こども病院の外来患者が26.6%、入院患者が23.2%である。 157 ◯藤本委員 次に、防災面の取り組みについて、昨年発足した福岡都市圏消防共同指令センター及び新年度に創設される機動救助隊の事業内容及び30年度予算額を尋ねる。 158 △消防局長 福岡都市圏消防共同指令センターは、福岡都市圏において大規模災害が発生した場合など119番通報が集中したときの処理能力の向上や、各消防本部間の相互応援出動の迅速化などを目的として、また福岡都市圏各消防本部の119番指令センターの予算や人員の効率化を図るため、平成29年11月から運用を開始したものであり、30年度も福岡都市圏の消防本部との連携を深め、共同指令センターの適切な運営に努めていく。30年度の予算額は6億6,869万9,000円を計上している。機動救助隊は、本市内における大規模災害や特殊災害等が発生した際の対応力を強化するために創設するものであり、応援要請に基づき、その出動範囲は福岡都市圏などの市外にも及ぶ。30年度の予算額は、高度な救助活動に必要となる車両や資機材等を整備するため、1億2,867万3,000円を計上している。 159 ◯藤本委員 私は、昭和60年代に南北財務局、南北戦争の当事者だったが、当時、都市間競争という言葉で福岡と熊本の都市間競争を議論したとき、本市は半径50キロ圏内、唐津までが福岡都市圏であるという認識だった。当時、唐津から福岡に働きに来る人が就業者人口の約3%あったと思う。本市は観光資源がないと言われるが、都市圏に広げると観光資源に恵まれているので、連携して観光資源をPRすることで、福岡は観光都市であるということを強く印象づけられる。また、広域行政の重要な取り組みの一つが水道行政であり、流域だけでなく広域的な連携が重要である。福岡都市圏は地理的に水資源に恵まれず、本市では、過去2度にわたる大渇水を経験した。このため、昭和48年には筑後川からの給水事業を行うため、都市圏が一体となって福岡地区水道企業団を設立し、平成17年には全国最大規模の海水淡水化センターを供用開始した。このような水道分野での広域連携が、現在の本市を初めとした都市圏の発展につながったと考える。また、春日那珂川水道企業団の違法取水問題は、発展する福岡都市圏の負の側面ではないかと考える。現在、自主水源の確保に努めているが、その是正がなされた後は、福岡都市圏として水道の広域連携、一体的な水道行政に移るべきと考える。そこで、本市はこれまで人的支援、技術的支援などを行ってきたが、今後も福岡地区水道企業団等と連携し、都市圏17市町が一体となって課題解決を図り、都市圏の水道事業が将来にわたって持続できるよう、より一層の研究、検討を進め、違法取水問題等も含め、水道行政の一元化に努めるよう要望する。最後に、本市は母都市としての役割を発揮していく必要があると考えている。今後とも、都市圏広域行政にどのように取り組んでいくのか所見を尋ねる。 160 △総務企画局長 福岡都市圏における広域行政は、全国に先駆け、水や医療、観光、環境といった幅広い分野において、都市圏の市町が連携して取り組みを進めてきたものである。また、第9次福岡市基本計画では、福岡都市圏全体として発展し、広域的な役割を担うことを都市経営の基本戦略として掲げており、消防共同指令センターを設置するなど都市圏広域行政の具体的な推進に努めている。今後、少子高齢化による生産年齢人口の減少や社会保障費の増加、また公共施設の老朽化や人材の確保、技術の伝承といった課題の顕在化が見込まれている中、質の高い行政サービスを提供し、圏域が一体的に成長し続けていくためには、都市圏という広域的な視点から、より一層連携を深めていく必要があるものと考えている。今後とも、九州を牽引する福岡都市圏の母都市として、都市圏住民の住みやすさの向上と圏域の持続的な発展のため、幅広い分野での連携をさらに推進していく。 161 ◯藤本委員 市町村は企画分野を持っていないので、本市の企画力が各自治体から羨望の目で見られている。私は県にいるとき、企画分野を持たない自治体が多いということに驚いたことがある。総務企画というものは、大変貴重な本市の頭脳であり、都市圏の発展と共存共栄のために、一段の努力をお願いする。次に、私の持論である国の中枢機関の九州大学箱崎キャンパス跡地への移転について尋ねる。箱崎は、依然として航空騒音が残されている。また、筥崎宮やその門前町が、次第にコンクリートジャングルの谷間に落ち込みつつある。そして、豊かな地下水でその名も高かった日本三大蔬菜、野菜の生産地、その農地を九州大学にささげ、九大を誇りとし、九大と暮らしをともにした箱崎が今苦悩のふちに沈んでいる。誇りと活気を取り戻したいという切なる思いが、至るところで語られている。表面的には区画整理で整然としたまち並みが整備されているが、知の象徴九州大学、町民文化の代表筥崎宮、その歴史と伝統と文化をいかにして取り戻し、未来へ生かしていくのか。九大跡地を取り込む箱崎のまちづくり、まちおこしについて、まず箱崎キャンパス跡地のまちづくりにおける30年度の主な取り組み内容と予算額について尋ねる。 162 △住宅都市局長 関連局分も含めて、FUKUOKA Smart EASTを初めとするまちづくりの検討経費として約3,000万円、土地区画整理事業や環境影響評価に関する調査費として約8,100万円、都市計画道路堅粕箱崎線と原田箱崎線、及びこれに関連する公共下水道に係る設計測量経費として約2億4,000万円、合計で約3億5,000万円を計上している。 163 ◯藤本委員 私は、自宅のある香椎へ、博多駅からあるいは中洲や箱崎駅から歩いて帰るが、箱崎キャンパス周辺を通ると、夜にもかかわらず真上を飛ぶ航空機の騒音が大変気になる。新たに立地する事業者が、環境としては心地よいものではないと捉えることもある。そこで、福岡空港における直近の航空機の発着回数について、年間総数と1日平均を尋ねる。 164 △住宅都市局長 福岡空港事務所の速報値によると、平成29年の発着回数は17万8,188回、1日平均488回である。 165 ◯藤本委員 航空機は軽量化して小型化しているが本当にすごい騒音が時々する。本市は、九州大学あるいは国の行政機関が立地したおかげで、特に洞海湾や筑豊地域を背景に九大の生み出す人材、発散する情報などの力で、今日の発展がある。九州大学への恩返しを考えると、新キャンパスで西日本、九州、あるいは日本国のため活躍できるよう、箱崎キャンパス跡地の付加価値を高めることが本市の責任と考えている。例えば、貝塚駅をJRと一緒に使えるようにすることなどを考えるが、市長を中心に進めているFUKUOKA Smart EASTについて尋ねる。 166 △住宅都市局長 箱崎の町は1,000年以上前から文化の交流拠点であり、100年前に九州大学が設立されてからは知の拠点として発展し、この文化や歴史を継承し次の100年を見据えて持続的に発展していくまちづくりに取り組んでいくことが重要であると考えている。そのため、箱崎キャンパス跡地のまちづくりは、交通利便性が高く、都心部に近い約50ヘクタールの土地が一体的に活用できるという強みを生かし、最先端の技術革新の導入などによる快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出するFUKUOKA Smart EASTに取り組んでいる。 167 ◯藤本委員 大変可能性に満ちたものだろうと思うが、 Smart EASTという意味がはっきりわからない。九大にかわる新たな都市機能を誘導する際の都市基盤整備が必要であるため、跡地周辺を含む約50ヘクタールを南北に分け、北エリアでは本市施行による土地区画整理事業が計画されている。あえて本市が施行者となるのは、都市機能誘導の観点も関係しているのではないかと推測するが、土地区画整理事業で実施する理由と、本市を施行者とする理由を尋ねる。 168 △住宅都市局長 約43ヘクタールの箱崎キャンパス跡地と貝塚駅周辺や現在の箱崎中学校などを含めた約50ヘクタールを対象に、エリアの特性や整備スケジュールなどを踏まえて、北エリアと南エリアに分けた整備手法で検討を進めている。北エリアの約20ヘクタールは、貝塚駅周辺の交通結節機能の強化など脆弱な都市基盤の解消に向け、土地区画整理事業によるまちづくりを計画している。実施主体は、貝塚公園や箱崎中学校、地下鉄などの公共施設が多く占めることに加え、多数の関係者との調整が必要となることなどから、本市による施行を予定している。 169 ◯藤本委員 箱崎は今、学生や教職員を含めて既に1万3,000人が伊都地区へ移転し、飲食店の閉店など空洞化が進み経済面への影響も生じている。原状回復は公共事業に伴う義務であり、事業当初から周辺地域の経済損失補填を本市は想定していたと思うが、箱崎キャンパス移転を開始した平成17年以降の周辺人口や周辺駅の乗降人員、飲食店や小売店など第3次産業の事業所数及びその従業員数の推移を尋ねる。 170 △住宅都市局長 箱崎キャンパスは、平成17年10月に工学系地区から移転を開始しているが、箱崎キャンパス及びその周辺の箱崎校区、東箱崎校区、筥松校区、松島校区の4つの小学校区を合計した人口は、住民基本台帳によると、各年9月時点で、平成17年が4万3,918人、平成29年は5万4,009人で約23%の増である。西鉄貝塚駅、地下鉄貝塚駅、地下鉄箱崎九大前駅における1日平均乗降人員の合計は、17年度が3万5,555人、直近のデータがある28年度は4万3,764人で約23%の増である。また、周辺4校区及び一部地域における第3次産業の事業所数及び従業員数は、比較できる統計データがある平成21年以降の経済センサスによると、平成21年が2,244事業所、3万5,106人で、直近のデータがある平成26年は2,226事業所、3万4,711人で、ともに約1%の減である。 171 ◯藤本委員 数字だけ見ると人口はふえている印象を受ける。担当者は箱崎の町は自然に人口が増加し立派な町ができるとは考えていないと思うが、箱崎地区の人口増は独特の要素がある。この数値で満足しないように意見を述べておく。また、10年前に西日本新聞に「大学が消える街 箱崎は今」という連載記事があった。100年の歴史の中で周辺住民や商店街の方々と大学が築いてきた密接な関係、きずなが、移転で失われつつある、その苦悩や前に進もうとしている商店街の姿がよく描かれた記事であった。一部引用すると、学生有志がつくった箱崎九大記憶保存会のメンバーが取材に訪れた際、あなたたちのおかげで多くの思い出ができたと感謝の言葉をもらうたびに、街と大学が支え合ってきた歴史の重みをかみしめる、とある。事業者への土地引き渡しが、早くても2022年以降と聞いているが、その間の経済損失は、はかり知れないものがあると考える。昨年8月の九州大学移転・跡地対策協議会において、私が九州大学は都市のインフラであるかと尋ね、担当局長はインフラであると答弁した。インフラであれば当然原状回復という側面が伴うものだが、九州大学が移転したことによる周辺地域の経済損失についてどのように考え進めていくのか尋ねる。 172 △住宅都市局長 箱崎キャンパス跡地の周辺地域や商店街にとって、100年ともに歩んできた九州大学が移転することは、統計データだけでは、はかり知れない影響があるものと認識している。本市としても、周辺地域の活力低下や経済損失をできる限り防ぐため、早期の土地利用転換に向け、スピード感を持って取り組むとともに、地域、本市にとって未来に誇れる魅力的な街を創造していくことが重要であると考えている。 173 ◯藤本委員 私は、議会で繰り返しこの問題を取り上げてきたが、周辺地域の経済損失を補う具体的な提案はない。現在の博多駅筑紫口に集積している国の出先機関の状況を歩いて調べてきたが、その結果、合同庁舎を含めて本市内に58庁舎、職員数は合計で1万94人であることがわかった。国の機関が立地すれば、1万人を超える職員と関連企業、関連団体、それに伴う飲食店等のサービス業が立地して、若い学生の声は聞こえないが、力強い、ずっしりと根の生えた経済基盤ができると考える。箱崎地区に、九大を抱えていたときと同じような誇りを取り戻してほしいと思っており、機動力を持って進めるよう要望する。また、ことしも223人の市職員が定年退職を迎える。長きにわたり福岡市政に貢献されたことに感謝の意を表し最後の質問をする。国の中枢管理機能が本市に存在していることの意義、九州大学があり、市民からは見えないけれども人間で言えばへその緒である。大きな街は懐の深い、一般から見えない機能や能力を持っている。人物でも、そういう人物が大物である。都市も同じである。市民からわかりにくいところであるが、少なくとも本市のリーダーや我々議会、経済界などはしっかり認識した上で、昭和の初期、わずか3番目の街だった福岡が、今日ここまで大きくなったということを振り返り、将来を考えていかなければならないが所見を尋ねる。 174 △住宅都市局長 知の拠点として学問や人材育成を牽引する九州大学や、国の情報がいち早く入手できる行政機関の誘致に成功したことは、陸、海、空の広域交通機能の充実と相まって、経済、行政、情報、文化など多様な都市機能の集積に寄与し、現在の本市の発展につながったものと認識している。合同庁舎を初めとした国の行政機関の移転については、国の意向を把握しながら、本市全体のまちづくりの観点から適切に対応していく。箱崎キャンパス跡地については、本市の発展を支え、地域とともに歩んできた大学100年の歴史を継承しながら、最先端の技術革新による先進的なまちづくりFUKUOKA Smart EASTの実現に向けて、地域を初め九州大学などの関係者と連携しながら、世界に誇れるまちづくりに取り組んでいく。 175 ◯高木委員 公明党福岡市議団を代表して、ドローンの活用拡大、デジタル教科書、デイジー教科書の活用、温室効果ガス削減の取り組みの3項目について質問する。初めに、ドローンの活用拡大についてである。今、ドローンの活用が大変注目を集めている。ドローンは2015年に改正された航空法で、人口集中地区や空港周辺、高度150メートル以上の上空で飛ばす場合は、国土交通省の許可が必要なことや、イベント会場上空、人や建物から30メートル未満の範囲で飛ばす場合にも、国土交通省の承認が義務づけられているなど、実用化には課題もある。しかしながら、全国自治体でも、技術革新や規制緩和などにより、ドローンの活用については、防災、輸送、医療、農業、ビジネスなどのさまざまな分野で成長が期待されている。先日、千葉市からドローンの活用について、国家戦略特区での宅配事業の取り組みと消防防災での活用についての2点、話を聞いてきた。物流関係は、昨今人手不足が指摘されており、ドローンの先端技術の活用により、医療用医薬品や生活必需品などを幕張新都心などから都心の集積所に運ぶことや超高層マンションなどの各階、各戸のベランダやポートに宅配するという構想に向けた取り組みである。2016年11月には、約20団体、機関が協力し、ドローン配送専用のスマートフォンのショッピングアプリで商品を注文、携帯電話のLTE網を活用した遠隔制御での海上飛行で約700メートル間の配送デモンストレーションを実施した。2020年代の実現を目指し、多くの企業が知恵を結集するとともに、ドローン関連産業を集積するため、企業立地助成制度も活用し、ドローン産業の一大集積を目指している。このドローン宅配について、本市ではどのような取り組みが行われたのか、今後さらに検討を進めてはどうか、所見を尋ねる。 176 △総務企画局長 本市においては、これまで、いわゆるドローン宅配の事業化を目指す民間企業から複数の実証実験の提案があり、西区の小戸地区から、船が唯一の交通、物流手段である能古島まで、ドローンを活用して日用品や医薬品の宅配サービスを行う実証実験を支援してきた。ドローン宅配については、物流業界の人手不足を解消するとともに、離島などの地域を支える持続可能な物流ネットワークを構築する有効な手段の一つであると認識している。そのため、今後とも国家戦略特区の活用も検討しながら、民間企業によるドローン宅配の事業化に向けた実証実験などの取り組みを支援していきたい。 177 ◯高木委員 今後さらに期待したい。もう1点は、全国政令市の中で、千葉市とさいたま市の2市の消防局に国から無償貸与され、2016年10月から運用が始まった消防活動用ドローンの取り組みである。2016年の熊本地震、2017年の九州北部豪雨災害の際、悪天候でヘリコプターを飛ばせない中で、道路の寸断された状況や流木の流出範囲の調査にドローンが使われたこともあり、災害時に役立つのか、先行して導入した千葉市、さいたま市に続き、ほかの全国政令市へ国が貸与するドローン導入が決定した。自治体による災害捜索や人命救助などに活用することは、航空法の禁止規定が適用除外となり、デジタルカメラ、ビデオカメラ、複合ガス検知器などが搭載可能で、自動帰還機能を持ち、悪天候時でも活用できる。千葉市では、既にスクラップ場火災の延焼の有無の確認や火災原因調査などで活用されているが、一方で、操縦できるまでの訓練には約半年間を要し、人事異動もあることから、年間7名を養成しているそうである。福岡市消防局への導入を前に、操縦できる人員の育成を計画的に進め、火災や災害時に最大限に活用してほしいと思うが、今後の取り組みを尋ねる。 178 △消防局長 災害時におけるドローンの活用は、視界が悪く、消防ヘリコプターが飛行できない場合などにおける大規模災害時の被害状況の確認を初め、山岳事故や海、川などで発生した水難事故などにおける要救助者の捜索など、効果的に活用できるものと期待している。総務省消防庁から福岡市消防局へのドローンの配備時期や配備機種などに合わせ、配置部署や活用方法、ドローンを操縦できる人員の育成などについて十分に検討し、計画的に取り組む必要があると考えている。 179 ◯高木委員 本市では、農林水産局の30年度新規施策で、農村環境の保全として、ドローンを活用した耕作放棄地調査の実証研究が行われる。耕作放棄地の定義及び本市内の耕作放棄地の面積の推移、抱えている課題について尋ねる。 180 △農林水産局長 耕作放棄地の定義は、国の農林業センサスにおいて、以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を作付せず、この数年の間に再び作付する意思のない土地となっている。市内の耕作放棄地の面積についての過去5年間の推移は、24年度は約454ヘクタール、25年度は約449ヘクタール、26年度は約392ヘクタール、27年度は約394ヘクタール、28年度は約377ヘクタールとなっている。また、耕作放棄地の課題としては、農業者の高齢化や担い手不足により耕作されない農地が、特に中山間地域に多く存在している状況等がある。 181 ◯高木委員 ドローンで撮影したデータをどのように活用するのか、この実証研究によりどのような効果を期待するのか尋ねる。 182 △農林水産局長 ドローンで撮影したデータの活用については、耕作放棄地の位置や面積を計測するとともに、農地の地形や表面の状態を把握し、耕作放棄地が再生可能か困難かの判定を行うなど、今後の耕作放棄地調査へのドローン活用の可能性について、費用対効果の観点も含め、実証研究に取り組んでいく。期待する効果としては、ドローンの活用による耕作放棄地調査の時間短縮と精度向上がある。これにより、農地利用最適化推進委員による耕作放棄地の貸し手と借り手のマッチングの充実を図ることで、農地としての活用につなげていきたい。 183 ◯高木委員 ドローンの活用については、他都市でも農薬や肥料の散布、農作物の生育状況調査、鳥獣被害対策、松くい虫対策、森林調査など農林業の分野で活用されている事例がある。本市の農林業の振興に向けて、さらにドローンの活用を検討すべきと考えるが、所見を尋ねる。 184 △農林水産局長 他都市におけるドローンの活用による農作業の軽減や費用削減等の効果が得られている事例等も踏まえ、本市においても、効果的な活用について検討していく。 185 ◯高木委員 30年度、環境局でも新規にドローンを活用して博多湾の志賀島南部、能古島南部、今津で、藻場分布調査が実施される。博多湾東部地域などの海域環境の改善に取り組む港湾空港局や農林水産局の漁場環境整備などとデータを共有して、十分連携してもらいたいと考えるが、所見を尋ねる。 186 △環境局長 ドローンを活用した博多湾の藻場分布調査については、魚類などの生息場として重要な役割を果たしているアマモ場の分布状況をより正確に把握するため、博多湾環境モニタリング調査の一環として実施するものである。調査結果については、農林水産局が実施する豊かな里海づくりや港湾空港局が実施するアマモ場づくりなどにも資するものと考えているため、関係局とデータを共有し、連携して博多湾の環境保全に取り組んでいく。 187 ◯高木委員 クルーズ船の寄港回数が3年連続日本一となり、国際海上コンテナ取り扱い個数が過去最高となった博多港について、港の役割や港湾空港局の取り組みを市民に効果的に情報発信することや魅力的な景観づくりなどにドローンを活用してはどうかと思うが、所見を尋ねる。 188 △港湾空港局長 港湾空港局においては、平成30年2月よりドローンの活用を開始したところである。まず、博多港のPRにおいては、ドローンは、ふだんとは違った目線で、俯瞰的に捉えることができるため、港の状況を市民によりわかりやすく理解いただくツールとして、大変有効であると考えている。港の景観づくりにおいては、博多港は外国航路の船舶乗降人員が、2年連続200万人を超えるなど、日本一の海の玄関口となっており、入港の際に最初に目にする景観は非常に印象的なものになることから、クルーズ船などの乗客の視点も踏まえた魅力的な景観づくりの検討においても、ドローンを活用していきたい。さらに、エコパークゾーンにおけるアマモの生育状況の確認や海で発生した災害の被災状況の把握、港湾施設の点検調査などにおいても、ドローンの活用拡大を図っていく。 189 ◯高木委員 鴻臚館、福岡城跡でのさくらまつりのドローン動画や規模感がわかりにくい元寇防塁など、史跡、文化財保護調査として行ったドローン動画を観光という観点で共有し、観光サイトで魅力をPRすることなど、さらに推進してはどうかと考えるが、所見を尋ねる。 190 △経済観光文化局長 観光PRにおけるドローンの活用については、28年度に制作した福岡市観光PR動画において、志賀島、能古島を初めとする福岡の豊かな自然などをドローンで撮影し、市観光情報サイト「よかなび」やユーチューブで発信しており、国内外の多くの方々に見てもらっている。福岡城や元寇防塁などの史跡についても、住宅都市局等が撮影した映像の活用を図るとともに、文化財と観光の担当部門が連携した撮影などにも取り組み、観光資源としてわかりやすい情報発信を行っている。今後とも、本市のさまざまな魅力について、ドローンを初めとする新たな手法を活用しながら、積極的な観光情報の発信に努めていく。 191 ◯高木委員 宮崎県や埼玉県では、ドローンを活用し、県有建築物の劣化度調査を行っている。従来は、職員が目視で調べていたものを、カメラ搭載のドローンで撮影することで、目視では確認が難しい屋根や高いところの外壁面について、高精度で調査でき、時間も短縮できるというものである。本市でも、市有建築物の劣化度調査にドローンを活用することを検討してはどうかと考えるが、所見を尋ねる。 192 △財政局長 ほかの地方公共団体の建築物劣化度調査において、ドローンの活用によりどのような効果や課題があったのかなどの点について調査を行うなどして、本市の各施設管理者が劣化度調査を実施する際のドローンの活用可能性を検討していきたい。 193 ◯高木委員 ほかにも全国他都市ではさまざまなドローン活用が進んでいる。地震、風水害、土砂災害、がけ崩れなどの2次災害、広範囲な冠水、孤立集落の道路状況などでの活用のほか、山中での遭難者のGPSでの捜索、中州に取り残された人に浮き輪を渡すこと、ソナーを搭載し音波信号で水中を捜索すること、AEDや医薬品の搭載などである。本市では、消防局と市民局が協力したドローンの活用が始まると聞いている。特に、消防や防災分野の活用が期待されるため、多くの自治体が民間企業、ドローン協会などと事前協定を結んで備えをしており、本市でもドローン購入も含め、協定締結を行うべきと考えるが、所見を尋ねる。 194 △市民局長 ドローンは大規模災害発生時に、迅速かつ効果的な被害状況の把握や救援物資の運搬などへの活用が期待されており、消防局と連携し、民間企業等との協定締結に向けて協議を進めていきたい。 195 ◯高木委員 全庁的な活用拡大に期待する。ドローン活用にはさまざまな課題は残っているものの、30年度から本市では民間事業者と連携し、IoTやAIなどを活用し、先端技術を社会生活等に取り入れることで、さまざまな社会問題の解決を図るSociety5.0、超スマート社会へのチャレンジが始まる。中でもドローンは、Society5.0特設サイトの冒頭でも紹介されるなど、さまざまな分野での活用が期待されるが、ドローンの活用促進に向けた市長の所見を尋ねる。 196 △市長 ドローンについては、物流や災害対応、農業、医療などさまざまな分野で活用が期待されており、現在国を挙げて技術開発と環境整備の取り組みが進められている。本市においては、これまで早い段階からドローンの活用可能性に着目し、民間企業によるドローン宅配の実証実験を支援するとともに、平成29年5月には、海外のドローン関連企業と市内企業の交流やマッチングを行う国際イベントをFukuoka Growth Nextで開催している。今後も引き続き、ドローンを初めIoTやAIなどの第4次産業革命技術を活用した先進的な民間提案を積極的に受け入れ、あらゆる産業や社会生活における実装を支援することによって、Society5.0、超スマート社会の実現に取り組んでいきたい。 197 ◯高木委員 デジタル教科書、デイジー教科書の活用についてである。公明党は、2016年の参院選、2017年の衆院選やこども・子育てマニフェストにおいて、発達障がいなどで読み書きが困難な子どものために、デイジー教科書の無料配付を掲げ、政策実現に向け取り組みを推進してきた。デイジー教科書は、自閉症や学習障がいなどの脳機能障がいなどで、読むことが困難な子どものためのマルチメディアデイジー版教科書で、紙の教科書と同じ文章と画像をデジタル化し、文字に音声をつけて読むことができるようにした教科書である。2008年に、公明党の推進で、教科書バリアフリー法が成立し、教科書会社はデイジー教科書などを制作している団体に、教科書データを提供することが義務となり、環境整備が進んでいる。デジタル教科書とデイジー教科書の区別は、デイジー教科書は文部科学省から委託を受けたボランティア団体等の一つである日本障害者リハビリテーション協会が制作しているデジタル教科書で、利用者数、教材数とも、一番多い現状であることから、今回の質問の中では、同様の意味で用いていく。デイジー教科書は、ディスレクシアとも称される、知的には特に問題がないものの、発達障がいや学習障がいにより読むことが困難であったり、弱視などの視覚障がい、肢体不自由などで紙の教科書を読むことが困難な児童生徒に活用されている。ディスレクシアがどのように見えるか、パネルを準備した。全体の文字が中央部に重なり合って見えたり、文字が二重にダブって見えたり、文章自体が波打って見えたり、鏡を置いたように文字が反転して見えたりというような障がいとされている。一昨日もテレビのニュース番組で、奈良県の工業高校1年生のディスレクシアの男子生徒が紹介されていた。彼も、文字が飛び散って見える、文字がゆがむ、文字の一部が違う箇所にくっついて見えるなど、読み書きに障がいがある。昨年の高校受験では、わずか4日前にタブレットの持ち込みが認められ、合格したが、タブレットの持ち込みは、その時点で、全国でわずか2県だけだったそうである。まずは、今後ディスレクシアの受験生が福岡市立高校を受験する際には、ぜひタブレットの持ち込みを認めるようお願いしたい。2016年に文部科学省は、発達障がいや弱視などの視覚障がいで読み書きが難しい児童や生徒向けの音声教材を必要としている全国公立小中学校の必要人数について、各教育委員会を通じて調査した。この調査で、本市は小中学校で何人の児童生徒が確認されたのか尋ねる。 198 △教育長 本市の小中学校で発達障がいや弱視などの視覚障がいなどで、音声教材を必要とする児童生徒数については、28年度に実施した翌年度の主要教科書に係る音声教材の需要数調査の結果、小学校が143人、中学校が15人、計158人である。 199 ◯高木委員 2017年度も音声教材の需要数調査が、2017年10月末日締め切りで実施されたが、どう推移したのか尋ねる。 200 △教育長 29年度に文部科学省から調査があった、30年度音声教材の需要数調査の結果については、小学校が134人、中学校が22人、計156人である。なお、前年度と比較して、小学校は9人減少、中学校は7人増加しており、小中学校全体で2人減少している。 201 ◯高木委員 2008年には拡大教科書の普及促進のための法律が施行され、ほぼ全ての教科書会社が拡大教科書を発刊し、無償配付されているが、2017年度の本市内の小中学校での利用状況について尋ねる。 202 △教育長 弱視などの視覚障がいのある児童生徒が読みやすいように、文字や図形等を拡大して複製した拡大教科書の29年度の利用状況については、小学校で8人、中学校で7人、計15人が使用している。 203 ◯高木委員 本市内の特別支援学級と通常の学級での、全教室の電子黒板の整備状況について尋ねる。 204 △教育長 小中学校に各1台の据え置き型の電子黒板を整備するとともに、各教室への持ち運びが可能な携帯型電子黒板を、小中学校及び特別支援学校に対し、それぞれ1~2台整備している。 205 ◯高木委員 電子黒板の整備促進も期待したい。先日、ふくふくプラザを拠点に、学習教材として絵本などのデイジー図書の活用を進めているICTサポート福岡の方から話を聞いた。視覚障がいや学習障がいがある児童生徒がいる特別支援学校、学級、図書館などに対して、音声や画像が入ったデイジー図書を紹介し、普及に尽力されているが、本市内の特別支援学校や学級での利用が、まだまだ少ないとの話だった。児童生徒の特性に合わせ、デイジー図書についても、ぜひ活用促進を図るべきと考えるが、所見を尋ねる。
    206 △教育長 音声読み上げ機能を持った絵本であるデイジー図書の活用については、視覚障がいや発達障がいのある幼児や児童に有効であると認識しており、デイジー図書の活用促進に取り組んでいるICTサポート福岡などのボランティアグループとの連携を深め、より多くの幼児、児童が活用できるよう普及啓発に努めていく。 207 ◯高木委員 デイジー教科書は、文字の拡大、色強調、音声再生などを同時に使え、音声に合わせてテキストの該当部分を強調する機能、読むスピードなどが自由に調整可能な機能を持つ。本市の小中学校、特別支援学校で、29年度にデイジー教科書を活用している児童生徒は何人いるのか。 208 △教育長 小学校が30人、中学校が12人、特別支援学校が4人の計46人である。 209 ◯高木委員 政府は2月23日、デジタル教科書を正式な教科書として位置づける学校教育法改正案を閣議決定し、小学校で次期学習指導要領が全面実施される2020年4月1日の施行に向け、本格的に学校現場での活用がスタートする。現行の学校教育法では、小中高校などの授業では、紙の教科書の利用が義務づけられているが、デジタル教科書を通常の紙の教科書と併用して利用できるほか、視覚障がいや識字障がいなどで紙の教科書を使った学習が困難な児童生徒は、全ての教育課程で使用可能になる。本市内の学校現場での無線LANなどのネット環境整備、タブレット端末やパソコンの配備など、この機に合わせて、本市でも早急な環境整備が必要であるが、今後の方針を尋ねる。 210 △教育長 ICT教育に関する環境整備については、27年度から3年間、ICT教育推進事業として、小学校2校、中学校2校をモデル校に指定し、タブレット端末などの情報機器を活用した学習のあり方についての研究に取り組んできた。今後、その研究結果を踏まえ、ICTを活用した効果的な指導方法に関する取りまとめを行い、ICT機器の整備を含む本市の情報教育の方向性について検討を進めていく。 211 ◯高木委員 デイジー教科書を利用するには、読むことが困難な児童生徒本人や保護者、担任などから、個別に日本障害者リハビリテーション協会に申請する必要がある。現在利用している児童生徒はどのような申請を行ったのか。 212 △教育長 デイジー教科書の利用申請については、利用を希望する児童生徒が直接、または保護者、担任、通級指導担当、校長、支援者などを通じて、日本障害者リハビリテーション協会のホームページ上の申請フォームに、氏名、学年などの児童生徒情報、使用を希望する教科書情報、メールアドレスなどの連絡先情報を入力するほか、記入した申請書をファックスにて同協会に送付することで申請している。 213 ◯高木委員 先日、神奈川県大和市から話を聞いてきた。大和市では、2014年度に全小中学校特別支援学級にタブレット端末145台の導入を進める中で、教育委員会日本障害者リハビリテーション協会と協議し、個別申請ではなく、全国で初めて教育委員会が全校分を一括申請することが実現し、27年度から全学級で利用可能になった。その流れが拡大しており、2017年度には、大阪市、京都市など全国18自治体で可能になっている。大和市のデイジー教科書を活用した成果についての調査では、読みがスムーズになった、抑揚がつけられるようになった、読むスピードが適度になった、読み間違いが少なくなった、読むことに興味が出て、進んで一般の本を読もうとする姿勢が見えたなど、子どもたちの約半数に効果が出たとのことであった。この結果に対し教育委員会としての分析は、1人でも2人でも効果があったと感じてもらうだけでも大変大きな成果だったと、満面の笑みで言っていたことには大変感銘を受けた。児童生徒は、個々にはさまざまな特性を持ち、デイジー教科書がうまく適合する場合やそうでない場合もあるが、一人一人の児童生徒に光を当てる教育という観点は、最も大切なことだと思う。本市でも、ぜひ教育委員会による一括申請を行い、デイジー教科書の早期導入を拡大すべきと考えるが、所見を尋ねる。 214 △教育長 音声読み上げ機能を持つデイジー教科書は、視覚障がいや発達障がいなどの障がいのある児童生徒に有効であると認識しており、早期導入拡大に努めていきたい。保護者、担任、通級指導担当、校長、支援者、本人などによる個人申請では、手続が煩雑であるため普及が進まない現状があるので、教育委員会が一括申請することで申請手続の簡素化を図り、学校への普及啓発を進めていく。 215 ◯高木委員 今後の課題としては、視覚障がいや学習障がいなどにより、紙の教科書での学習が困難な児童生徒は、全ての教育課程でデイジー教科書が利用できるが、通常の学級に通っている読み書きに課題を持つ児童生徒への対応が必要であるが、所見を尋ねる。 216 △教育長 通常の学級に在籍する発達障がいのある児童生徒への対応については、ICT機器を適切に活用することにより、障がい特性に応じた指導を充実させることが可能であると認識している。今後、ICT環境の整備を進め、デイジー教科書などの有効な音声教材を効果的に活用するための条件整備に努めていく。 217 ◯高木委員 その他の活用事例として、ICT教育の一環で、全小中学校の通常の学級の児童生徒全員にタブレット端末を支給し、活用している自治体や、算数、理科などでの活用、体育の跳び箱で撮影した動画でフォームを確認するなどがあり、活用が進んでいる。将来の本市を託す子どもたちが、さらに学び、心豊かにたくましく生きるための決意を尋ねる。 218 △教育長 これからの情報化、グローバル化などの急激な社会変化の中で、パソコンなどの情報機器を適切に活用する力を身につけさせることや児童生徒の実態に応じた指導の手段として、ICTを活用することは重要であると認識している。今後、パソコンなどの情報機器を子どもたちが主体的に活用し、問題を解決したり、新たな価値を創造する喜びを実感できるICT教育に取り組み、本市の子どもたちの可能性を広げ、将来への希望を持たせる教育の推進に努めていく。 219 ◯高木委員 温室効果ガス削減の取り組みについて、京都議定書にかわる2020年以降の国際的枠組みであるパリ協定が、2016年11日に発効し、途上国を含む全ての国が温室効果ガスの削減に取り組み、世界全体で産業革命前からの平均気温の上昇を2度未満に抑えることを目指している。 日本政府も、2016年5月、地球温暖化対策計画を閣議決定し、2030年度までに温室効果ガス排出量を13年度比で26%削減、50年度までに80%削減を目指す長期計画も掲げ、徹底した省エネ、再生可能エネルギーの最大限導入とともに、企業のオフィスや一般家庭で大幅削減が必要として、抜本対策の強化を始めた。本市でも、福岡市地球温暖化対策実行計画において、2013年度比で、2030年度までに温室効果ガス排出量を28%削減するとの目標を掲げ、取り組みを始めているが、本市全体の温室効果ガス排出量の約9割を占める家庭部門、業務部門、運輸部門の3部門の対策強化が欠かせないことから、各部門別の温室効果ガス排出量の現状と目標数値を尋ねる。 220 △環境局長 本市における温室効果ガスの排出量について、地球温暖化に及ぼす影響が最も大きい二酸化炭素の排出量では、現状は、福岡市地球温暖化対策実行計画の基準年度である2013年度の排出量が、家庭部門256万6,000トン、業務部門301万6,000トン、運輸部門183万9,000トンとなっている。目標数値については、目標年度である2030年度までに基準年度の排出量を、家庭部門で31%、業務部門で36%、運輸部門で18%削減することとしている。 221 ◯高木委員 自動車などの運輸部門について、本市のこれまでの取り組みと成果を尋ねる。 222 △環境局長 運輸部門の取り組みについては、電気自動車等の次世代自動車の普及拡大に向けて、毎年開催している環境フェスティバルの会場で展示、試乗会などの啓発事業を実施するとともに、次世代自動車の購入や電気自動車用充電設備の設置の助成などを行っている。これまでの実績としては、22~29年度までの累計で、購入費の助成件数が608台、充電設備の設置助成件数が23基となっている。 223 ◯高木委員 家庭部門について、本市のこれまでの取り組みと成果を尋ねる。 224 △環境局長 家庭部門については、市民の省エネ行動の促進に向けて、市政だよりなどによる広報、啓発のほか、家庭での電気、ガス使用量の削減、照明のLED化などの取り組みに応じて、交通系ICカードの乗車ポイントを付与するECOチャレンジ応援事業や夏季に公共施設等のクールスポットの利用を促すことにより、家庭のエアコン使用を減らすクールシェア事業、緑のカーテンコンテストなどを実施している。また、子どものころから環境について学ぶ機会をふやし、省エネなどの行動につなげるため、小学生向けの社会科資料を作成し、配付している。このような取り組みの成果として、適切なエアコンの温度設定や消灯などの日常的な省エネ行動は一定程度定着し、家庭部門のエネルギー消費量は、総じて減少傾向となっている。 225 ◯高木委員 本市では、家庭部門における30年度の新規事業として、温室効果ガス排出量を減らす効果もあるモニターを活用した住宅窓の二重化促進などに取り組むとのことだが、この事業の予算額と目的や今後の展開について尋ねる。 226 △環境局長 住宅窓の二重化促進については、暮らし安心・適応リノベーション促進事業として、予算額159万6,000円を計上している。事業の目的は、健康、快適で、省エネ効果の高い住環境の創出に向けて、住宅窓の複層ガラスなどへの改修を促進するものである。実際に住宅窓の改修工事を行った方などに市民モニターになっていただき、実体験に基づく生の声を活用した広報、啓発を展開することで、改修の取り組みを広げていきたい。 227 ◯高木委員 先日、東京都から話を聞いてきたが、一般家庭への対策強化として、家庭で使っている白熱電球2個を電気店に持ち込むとLED電球1個と交換する事業を、昨年7月から開始している。都が100万個用意し、60ワットの白熱電球が全て置きかえられた場合は、年間で約23億4,000万円の電気料金が節約でき、約4万4,000トンのCO2排出量を減らせるそうである。思い切った施策と思うが、家庭部門へのさらなるCO2削減にどう取り組むのか、本市でもLEDへの切りかえを促進する東京都のような直接的支援について検討してはどうかと考えるが、所見を尋ねる。 228 △環境局長 白熱電球からLED電球への切りかえについては、二酸化炭素排出量の削減効果が高い取り組みと認識しており、これまで交通系ICカードの乗車ポイントを付与するECOチャレンジ応援事業の取り組みメニューの一つにLED電球への切りかえを取り入れ、市民の行動を促してきた。30年度は、切りかえの効果などを市政だよりやホームページでわかりやすく広報するなど、事業への参加をより強く呼びかけ、さらなるLEDへの切りかえを促進していく。今後もわかりやすい啓発などにより、照明のLED化を初めとした家庭における省エネ行動を促進するとともに、住宅窓の複層ガラスへの改修を促す暮らし安全・適応リノベーション促進事業にもしっかり取り組み、さらなる二酸化炭素排出量の削減につなげていく。 229 ◯高木委員 3部門の中でも最もCO2排出量が多い業務部門の取り組みについて、福岡市役所業務におけるこれまでの取り組みと現状について尋ねる。 230 △環境局長 市役所業務における二酸化炭素排出量削減の取り組みについては、平成28年12月に策定した地球温暖化対策実行計画事務事業編において、エネルギー消費量を2022年度までに、2013年度比で8%削減する目標を掲げており、荒瀬副市長を会長とする省エネ推進会議において、毎年度各局、区、室のエネルギー使用状況等を報告し、省エネの取り組みを徹底するなど、全庁挙げてエネルギー消費量削減に取り組んでいる。また、市有建築物の省エネ化を推進するため、市有建築物の環境配慮整備指針を定め、全庁的に照明のLED化などを進めている。その結果、28年度の市役所業務におけるエネルギー消費量は、基準年度である25年度と比べ2.3%減少している。 231 ◯高木委員 LED化によるCO2削減効果は大変大きいと言われているが、市有施設の照明のLED化の進捗状況と、できるだけ早期に切りかえを行う必要があることについて、所見を尋ねる。 232 △環境局長 市有施設の照明のLED化については、旧型蛍光灯など消費電力が多く、費用対効果が高いものから優先的にLED化しており、旧型蛍光灯については、25~27年度の3カ年計画に基づき、点灯時間が短く、LED化の効果が小さいものや施設の建てかえに合わせて一斉にLED化が予定されているものなどを除いた約4万5,000本について、LED化が完了している。今後は、新型蛍光灯など比較的消費電力が少ないものについても、設備更新などの機会を捉えて、引き続きLED化を推進していく。 233 ◯高木委員 業務部門における30年度の新規事業として、事業所の省エネ支援のため、年間で原油換算で750キロリットル以上のエネルギー消費量の事業所を対象に、事業所省エネ計画書制度を始めるが、制度の概要、対象事業所は何カ所あり、全ての事業所に義務を課すものなのか、事業者の省エネに関する現状としてどのような声があり、本市としてどういう認識なのか尋ねる。 234 △環境局長 事業所省エネ計画書制度については、市内の一定規模以上の事業所にエネルギー使用量や省エネの取り組み状況などを記載した計画書の提出を求めるもので、計画書提出事業所に対しては、省エネアドバイザーを派遣し、専門的な助言などを行うなどにより省エネを一層促進し、業務部門の二酸化炭素排出量の削減を図るものである。対象事業所については、法で国への計画書提出が義務づけられている大規模な事業所が少ない本市の特性を踏まえ、対象を拡大することにより、240カ所程度を見込んでいる。また、提出の対象を広げたことから、提出は義務ではなく、任意としているが、提出のメリット等を周知、広報するとともに、計画書作成段階からきめ細かく支援するなどにより、全ての対象事業所に提出を促していく。省エネに関する事業所の声については、事業所向け省エネ講習会のアンケートによると、他社の取り組み事例を知りたい、コストをかけない手法を知りたいなどの情報提供を求める声とともに、省エネをさらに進めるために何を実施すればよいのかわからない、省エネ対策の進め方を指導してほしいなどの支援を求める声があることから、事業所省エネ計画書制度の運用開始を契機として、より事業者のニーズに即した支援を具体的に行う必要があると認識している。 235 ◯高木委員 対象の約240事業所全ての報告書提出を促すとの答弁であったが、ぜひ、その目標達成に向けて頑張ってほしい。参加する事業所をふやすことが重要であり、事業者側にはどのようなメリットがあり、本市が具体的に何をサポートするのか、省エネに関する意識改革をさらに深めてもらうための意気込みを尋ねる。 236 △環境局長 省エネ計画書を提出することにより、事業者にとっては計画的に省エネに取り組むきっかけとなるとともに、市からサポートを受けることで、事業所の効率的な省エネが進み、その結果、光熱費等の経費の削減につながると考えている。具体的なサポートの内容については、事業所から提出された計画の内容を精査し、コストをかけない設備の運用改善の助言を行うなど、事業所の実情に応じたきめ細かな省エネ指導を実施していきたい。この計画書制度を、事業所に省エネのメリットを実感してもらえるよう運用することで、事業所の自主的な取り組みを、さらに促進していきたい。 237 ◯高木委員 東京都は全国自治体で初めて、2010年度から年間のエネルギー使用量が1,500キロリットル以上である都内約1,300の大規模事業所に対し、条例でCO2排出量の削減を義務づけた温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度いわゆるキャップ・アンド・トレード制度を開始した。みずからの事業所で削減対策に取り組むことと合わせて、他の事業所の削減量等を調達する排出量取引が活用できる制度で、未達の場合には罰則規定もある。連続3カ年度の平均排出量を基準排出量として設定し、2010~2014年度の5年間の第1期計画期間では、オフィスビルが8%、工場などは6%の削減義務を課したところ、全ての対象事業所が総量削減義務を達成した上、最終2014年度には、何と25%削減を達成、5年間で約1,400万トンのCO2排出量削減というすばらしい結果になった。これは、都内世帯総数の2割に当たる130万世帯のCO2排出量の5年分に当たる。現在2015~2019年度の5年間を第2期計画期間とし、オフィスビルで17%、工場などは15%の削減義務を課しており、初年度の2015年度は、都市化の進展などでビルの総延べ床面積が増加している中で、26%の削減を達成するなど、順調に継続中である。本市には、1,500キロリットル以上の大規模事業所は何件あるのか。 238 △環境局長 法で国への省エネ計画書の提出が義務づけられている、年間エネルギー使用量が原油換算で1,500キロリットル以上の事業所は、26年度において、本市内に約110件ある。 239 ◯高木委員 東京都で削減達成への取り組みの中身についても尋ねたところ、約9割の事業所がLED照明の導入や空調対策を実施するなど、みずからの対策で削減義務を達成しているとのことである。本市でも、事業所省エネ計画書をもとに、自律的に事業所が取り組めるような具体的な省エネ方法をアドバイスすることが重要であり、事業所への支援強化が必要である。また、みずからの対策だけではどうしても削減が困難な事業所に対しては、東京都で実施されている排出量取引による削減策についても有効と考える。本市でも、まずは大規模事業所に対し、今後条例制定によるCO2削減の義務化を検討すべきと考えるが、所見を尋ねる。あわせて、本市独自の取り組みも含めた排出量取引の仕組みづくりの構築についても、ぜひ検討すべきと考えるが、所見を尋ねる。 240 △環境局長 大規模事業所に対する条例による二酸化炭素削減の義務化について、30年度から運用を開始する事業所省エネ計画書制度における計画書の提出は任意となるが、法で国への省エネ計画書提出が義務づけられている大規模事業所については、同様の書類が本市にも提出されるものと考えており、それにより各事業所の省エネへの取り組みの現状と今後の削減余地等の実態把握が可能になるものと考えている。このため、二酸化炭素削減の義務化については、各大規模事業所の省エネへの取り組み状況などを十分に検証した上で検討していきたいと考えている。また、排出量取引の仕組みの検討については、二酸化炭素削減の義務化を検討する中で、東京都の事例なども参考としながら、効果的、効率的な制度となるよう検討していく。 241 ◯高木委員 省エネの促進は企業イメージ向上など、認識が高くなっており、東京都では、特に優良な事業所をトップレベル事業所として認定し、知事表彰、認定マーク付与をしており、2010~2016年度に100事業所が認定されたことは、大きなインセンティブになっているとのことで、本市が実施している環境行動賞も拡充させてほしいと思う。認定されたのは、六本木ヒルズ、森ビル、東京スカイツリーなどで、設計の段階から省エネを重視したビルがほとんどとのことである。本市では、天神ビッグバン構想が着実に進み始めているが、ビルの設計段階から事業者としっかり協議を行い、省エネなどの温室効果ガス削減対策について、積極的に提案してほしいと思うが、所見を尋ねる。 242 △環境局長 ビルについて、気密性、断熱性などの環境性能を高め、最新の省エネ機器を導入するためには、建てかえ時が最適なタイミングであり、また、複数のビルやさらにはエリア全体で電気や熱などのエネルギーを融通することができれば、エネルギー利用が効率化され、より大きな省エネ効果が期待できる。そのため、都市の再開発などは省エネを大きく進めるチャンスと考えている。天神ビッグバンを初め、ビルの建てかえや再開発等のさまざまな機会を捉えて、関連部局としっかり連携を図りながら、開発事業者などに、最新で最適な温室効果ガス削減対策を提案していく。 243 ◯高木委員 最後に、地球に優しい暮らしと都市活動とが調和した発展を続けるまち福岡へ、地球温暖化対策に向けた市長の決意を尋ねて質問を終わる。 244 △市長 本市は、経済的な発展と安全、安心で質の高い暮らしのバランスがとれた、コンパクトで持続可能な都市の実現を目指している。照明のLED化や業務部門の省エネ促進策は、温室効果ガスの削除に寄与するだけではなくて、エネルギーの使用が効率化され、市民生活の質の向上や持続的な経済発展にもつながると考えている。今後とも国の動向や本市の地域特性などを踏まえながら、人と環境と都市活力の調和がとれたまちづくりにしっかりと取り組みを進めていきたい。 245 ◯おばた委員 自由民主党福岡市議団を代表し、地震に関する防災対策、博多湾の漁場生産力向上のための底質改善事業の2項目について質問する。まず、地震に関する防災対策を尋ねる。平成17年3月20日午前10時53分に発生した福岡県西方沖地震から13年が経過した。この地震は本市観測史上最大の地震で玄界島を中心に甚大な被害をもたらした。九電記念体育館に避難した島民の恐怖で引きつった顔や、大きくひびの入ったマンションを見て途方に暮れる姿、漁港や港湾施設被害が生じた漁業関係者の苦労が忘れられない。私も小学校の行事を終え帰宅の際、経験したことのない大きな揺れに遭遇し恐怖を感じたことを思い出す。市民の多くも同じような思いをしたのではないかと思う。その後も平成23年の東日本大震災や平成28年の熊本地震など過去に例を見ない災害が続いているが、私は、この福岡県西方沖地震こそが本市の地震対策の原点であり時間の経過とともに記憶が薄れつつあるこの地震をもう一度思い起こし、自然の驚異と自然災害に対する日ごろからの備えの大切さを改めて考え、市民一人一人が災害に対する正しい知識を持ち災害発生時に自分や家族の命を守るため、冷静かつ的確な行動がとれるよう地域住民の災害対応力を高めていく必要があると考える。そこで当時の状況とその後の地震対策の進捗などを振り返り、来るべき地震に備えるべきであると強い思いを持って質問を行う。まず、30年度の市民局所管の防災関連事業の予算額について尋ねる。 246 △市民局長 2億9,709万円余を計上している。 247 ◯おばた委員 予算額の多寡は視点によって変わるが、地震から13年経過したことを踏まえ、防災、地震対策に限らず一定額を確保していると考える。私たちの記憶に新しい平成28年4月に発生した熊本地震は、4月14、16日に震度7を2回観測し九州地方の広範囲で被害が発生して死者240名、重軽傷者2,700名を超える甚大な被害をもたらした。熊本地震の震源である布田川断層では30年以内は0.9%以下と言われていたがマグニチュード7の地震が発生した。地震は、いつ、どこで発生するかわからない。本市も、国が実施した活断層の長期評価によると警固断層帯南東部で今後30年以内にマグニチュード7.2程度の地震が発生する確率は0.3~6%であり、我が国の主な活断層の中では確率の高いSランクに位置づけられ、同様な地震災害が起こり得ることを想定しておかねばならない。そこで、福岡県西方沖地震時の本市の人的被害と家屋被害の状況、並びに警固断層帯南東部を震源とする地震が発生した場合の人的被害と建物被害の想定について尋ねる。 248 △市民局長 福岡県西方沖地震での人的被害は死者1名、重症者164名、軽症者874名、建物被害は全壊141棟、大規模半壊8棟、半壊315棟、一部損壊4,756棟である。また、福岡県が行った警固断層帯南東部を震源とした被害想定によると、本市における最大被害想定は、人的被害は死者約460名、負傷者約3,200名、建物被害は全壊約4,500棟、半壊約3,500棟とされている。 249 ◯おばた委員 大規模な地震災害では被災市町村が迅速な災害応急活動を行うことが被害の拡大軽減に大きく影響を与えると考えるが、本市における地震発生時の災害対応の体制について尋ねる。 250 △市民局長 福岡市域で震度4以上の地震が発生した場合は、地域防災計画に基づき災害対策本部を設置することとしている。職員の配備態勢は、震度4の場合は注意態勢の第1配備として約420名が参集し、主に情報収集に当たることとしている。震度5弱の場合は警戒態勢の第2配備として約1,000名が参集し、情報収集や警戒に当たり、区長の判断で公民館を避難所として開設することとしている。震度5強の場合は厳戒態勢の第3配備として約2,500名が参集し、災害応急活動等に当たり、全ての公民館を避難所として開設することとしている。震度6弱以上の場合は非常態勢の第4配備として全職員が参集し、全ての1次避難所及び小学校を避難所として開設することとしている。 251 ◯おばた委員 被災市町村が災害応急対策等を円滑に行うためには防災関係機関との連携協力が不可欠と考えるが、大規模地震発生時の本市と防災関係機関との連携について尋ねる。 252 △市民局長 発災後速やかに災害対策本部を設置し、気象台、消防、警察など関係機関と連携し被害状況等の情報収集に当たるとともに、被害状況に応じて国、自衛隊、福岡県など関係機関へ速やかに応援要請を行うこととしている。また、消防、警察など各関係機関が相互に協力し救命救助や被害の拡大防止などの応急対策を行うこととなっている。 253 ◯おばた委員 本市は福岡市総合計画で、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを基本戦略として掲げまちづくりを進めている。その結果、人口や来訪者数は増加を続け企業の立地が進み、また多くの公共施設が設置されている。大学や高校、その他の公共施設は国管理、県管理、市管理などの管理形態があり公共施設の災害時の連携は難しいと思うが、大規模地震発生時は施設との連携、協力が絶対に必要である。また、福岡都心部は多くの企業や商業施設が立地し天神ビッグバン等の再開発も進むなど都市機能が集中し、昼間には通勤、通学者や観光客など多くの人口が流入しているが、福岡県西方沖地震時は安全確認のために鉄道が数時間にわたり停止し、買い物客などの行き場を失った観光客などが西鉄福岡駅に隣接する警固公園などに集中し混乱が生じている。警固断層帯南東部で直下型地震が発生した場合、本市内で震度6強の地震が想定され、福岡都心部において帰宅困難者が多く発生することも予想されるが、本市の対策について尋ねる。 254 △市民局長 官民が共働して策定した都市再生安全確保契約において、天神・博多駅周辺地区では、買い物客や観光客などのいわゆる寄る辺のない帰宅困難者が約3万8,000人発生すると想定している。これまでに想定数の約60%に当たる2万3,000人分の一時退避避難施設を確保したところであり、今後とも一時退避避難施設の確保に努めるとともに、施設の運営に必要なガイドラインの作成や企業による備蓄の推進など官民連携のもと取り組みを着実に進めていく。 255 ◯おばた委員 私はこの質問をするに当たり、市民局の担当者や福岡県庁の防災担当者とも話をしたが、連携ができていないと感じた。地震発生時に被害を受けるのは本市だけではない。あるいは周辺市町村だけではないため、連携の枠組みを早急に整備するよう要望しておく。また、福岡県西方沖地震の際は、本市職員は初めての地震対応ということでさまざまな反省があったと考える。当時、本市職員の市内在住者は6割程度だったが、その後7割にふえたと聞いている。また、玄界島が特化して甚大な被害を受けた。本市職員あるいは防災関係者が直接大きな被害を受けていないから救援に回ることができたが、直下型地震が発生した場合、防災関係者が被災者となる。福岡県西方沖地震の反省を受け、現在の地震対策について尋ねる。 256 △市民局長 震災当日に参集できた職員が4,659名で、参集すべき職員の約61%であったことから、対策として、大規模地震時の職員の初動態勢の迅速な確立を図るため、配備態勢に応じた職員参集メール配信システムを導入し職員に参集訓練を実施している。また、避難所運営職員の配備に時間を要し速やかな避難所の開設が行えなかったことから、30分以内に直接避難所に参集し避難所の開設、運営を行う震災時緊急対応職員の指定を行っている。さらに、災害対策に当たる職員の責務と役割について理解と認識の徹底を図るため全職員研修を実施している。 257 ◯おばた委員 本市消防局の尽力で玄界島からの避難者は九電記念体育館に避難し、私は避難者を出迎えたが、九電記念体育館は地震発生以前に本市が改修、耐震対策をしていたため避難所として使用することができた。しかし、体育館での避難所生活にはプライバシーが全くない。段ボールで仕切っているだけであり、ほとんどが親戚関係にある玄界島の住民だから何カ月も避難生活ができた。しかし、都市化した本市の別地域の住民が同じように避難生活を送ることは難しいと考える。反省をもとに新たな手段を検討するよう要望しておく。次に、地震は発生直後の3日間の対応が重要と言われているが、警固断層帯南東部の地震で本市内広域で大きな被害が発生した場合、避難所などへの食料確保について尋ねる。 258 △市民局長 本市内の全公民館へ水、食料備蓄を実施するとともに、熊本地震の教訓を踏まえ、博多区の埋蔵文化財センター月隈収蔵庫に災害発生から3日分の食料の公的備蓄を行っている。また、災害時に必要な物資を確実に調達するため、企業等との災害時応援協定を拡充するなど流通備蓄の充実を図っている。さらに、備蓄促進ウイークを設けるなど市民や企業などによる自主的備蓄を促進するための取り組みを進めている。 259 ◯おばた委員 平成7年1月の阪神・淡路大震災では6,434人の命が奪われた。このうち地震による直接的な死者数は5,502人で、約9割の4,831人が、住宅建築物の倒壊などによるものである。この教訓を踏まえ、国は建築物の耐震化を計画的に推進するため、平成7年12月にいわゆる耐震改修促進法を制定し平成25年11月に改正している。また、福岡県においても平成28年4月に福岡県耐震改修促進計画を改定し、総合的かつ計画的に建築物の耐震化を促進しているが、国や県の取り組みを受け、本市でも平成29年7月に福岡市耐震改修促進計画を改定したと聞いている。本市は全国的に見てもマンション等の共同住宅居住者の割合が高いことが特性の一つであり、高層マンションも近年増加をしているが、福岡県西方沖地震発生当時は、警固断層の東側に位置する中央区大名、今泉地区のマンションで壁の剪断亀裂、建物をつなぐジョイントの脱落など深刻な被害が発生している。また、エレベーターが停止した場合、上層階に居住している高齢者などは避難できない。そこで、マンションなど共同住宅の耐震化の状況、耐震化への取り組みについて尋ねる。 260 △住宅都市局長 民間住宅の耐震化の取り組みは、昭和56年5月以前の旧耐震基準で建築されている住宅を対象として耐震診断や耐震改修工事に対して補助を行うとともに、揺れやすさマップの配付や出前講座の実施、福岡県や関係団体と連携した耐震改修セミナーの開催など住宅の耐震化の重要性について普及啓発に努めている。そして、共同住宅の耐震化率は、直近の住宅土地統計調査をもとに推計すると、平成28年3月末現在、共同住宅の総数62万5,400戸に対し耐震性が確保されている住宅は56万7,700戸で耐震化率は約91%である。平成15年時点の耐震化率77%に比べ約14ポイント向上しており、耐震化の取り組みに一定の成果が出ていると考える。また、30年度からは、1階部分が駐車場などになっている壁の少ないピロティ形式の共同住宅について、ピロティ部分の耐震改修を先行して行う段階的な改修工事も補助の対象としていきたいと考えている。 261 ◯おばた委員 ハード面で耐震対策促進の取り組みはわかったが、ソフト面での取り組みを尋ねる。 262 △市民局長 住宅の約8割が共同住宅であるという本市の住宅特性を踏まえ、日常生活の中での地震への備えや地震発生時にマンション内で起こるさまざまな問題への対応策をまとめたマンション防災・減災マニュアルを作成し、区役所等で配布するとともに、本市のホームページへの掲載や電子書籍での配信により周知を図っている。また、30年度は、本マニュアルへの理解をさらに深めるため、個別マンションへの専門家の派遣やマンション管理の関係団体との共催によるセミナーを開催するなどマンションの防災力向上に向けた取り組みを推進していく。 263 ◯おばた委員 木造家屋への耐震化の取り組みについて尋ねる。 264 △住宅都市局長 木造戸建て住宅の耐震化率は、直近の住宅土地統計調査をもとに推計すると、平成28年3月末現在、木造戸建て住宅の総数14万9,900戸に対し耐震性が確保されている住宅は10万4,300戸で耐震化率は約70%である。平成15年時点の耐震化率55%に比べ約15ポイント向上しており、耐震化の取り組みについて一定の成果が出ているものと考えている。また、30年度からは、さらなる耐震化の促進に向け耐震改修工事の補助上限額を70万円から90万円に拡充するとともに、地震で家屋が倒壊した場合でも一定の空間を確保することで最低限居住者の生命を守ることができる耐震シェルターなどについても新たに補助の対象とする。今後も市民の使いやすい補助制度の活用を図り、住宅の耐震化の重要性について引き続き普及啓発に努めていく。 265 ◯おばた委員 市民が参加する防災訓練について尋ねる。 266 △市民局長 福岡市市民総合防災訓練は、市民参加で警察、自衛隊などの防災関係機関と共同で支援物資輸送や食料供給の訓練を実施するとともに、熊本地震の教訓も踏まえ28年度から避難所運営訓練もあわせて実施している。また、各区が実施している防災訓練においても、みずからの災害対応力を高めるため、市民による身近な機材を活用した救出救助訓練や土のう作製訓練などを行っている。さらに地域では、校区の自主防災組織や自治協議会を中心として、応急手当や初期消火の訓練などの防災訓練を実施するほか、ハザードマップを活用したフィールドワークなども行っている。 267 ◯おばた委員 社会的弱者と言われる子ども、高齢者、障がい者への配慮についての取り組みについて尋ねる。 268 △市民局長 災害対策基本法に基づき避難行動要支援者名簿を作成し、自治協議会を初めとする避難支援等関係者に配付するとともに、地域における避難支援体制づくりに取り組んでいる。具体的には、災害時の避難支援をより実効性のあるものとするため、避難行動要支援ハンドブックを作成し、個別計画の策定に向け地域への支援を行うとともに、自治協議会を中心とした避難行動要支援者名簿を活用した顔の見える関係づくりや地域の実情に応じた防災訓練の実施などの支援に取り組んでいく。 269 ◯おばた委員 13年前の福岡県西方沖地震を振り返り質問したが、全国的に人口減少が進む中、本市は人や企業が集まってきており、より安全で安心した生活ができる環境に向け防災対策を着実に推進していくことで、さらに多くの力が本市に集まってくるものと考える。持続可能な災害に強いまちづくりについて所見を尋ねる。 270 △市民局長 ハザードマップデジタル化や災害対策支援システムの再構築、IoTを活用した河川水位観測の実用化の検証など市民の主体的な避難行動の促進に向け情報発信を強化している。また、避難所運営を学ぶワークショップの開催や避難所運営を支援するエキスパートの養成に加え、防災キャンプの実施や各種訓練の充実、帰宅困難者対策の推進など行政、市民、企業が連携した共存による防災先進都市づくりに取り組んでいく。 271 ◯おばた委員 次に、博多湾の漁場生産力向上のための底質改善事業について、自由民主党並びに有志による沿岸漁業振興議員連盟を代表し質問する。本市は魚がおいしいまちと言われているが、その一翼を担っているのが沿岸漁業者である福岡市漁業協同組合の漁業者である。全国的に漁業が縮小傾向にある中、本市も例外ではなく高齢化、新たな担い手不足など大変な厳しい状況にある。博多湾の目に見えない海の中で漁場環境にかかわるさまざまな問題があり、漁業活動に大きな影響を及ぼしていると漁業者は感じている。博多湾は東西に20キロ、南北に10キロ、海の面積が約133平方キロメートルで、西浦から玄界島、玄界島から志賀島の2カ所で玄海灘とつながる閉鎖的な海域である。このため、海水の交換が行われにくいことに加え、博多湾内に流れ込む河川から負荷となる物質が流入し、赤潮が発生しやすいなど水質、底質が悪化しやすい状況にある。また、河川からの土砂流入や海底ごみなどによる底質の悪化などの要因で、漁場環境が悪化し漁業に影響を及ぼしている。その結果、平成13年に123トンあった博多湾内のアサリ生産高は平成28年には25トンと約5分の1にまで減少し、生産量減少や魚の価格の低迷などとあわせて本市の水産業は厳しい状況にある。私は、漁業者の所得向上や新規就業者の確保のためにも漁業生産基盤である漁場環境の抜本的な対策は緊急課題であると考える。昨年度、本市は海の再生と持続可能な水産業の創生を目標とした水産業振興の総合的な指針である第10次福岡市水産業総合計画を策定し、今年度から33年度までの5カ年を計画期間とするさまざまな水産業振興施策を推進している。中でも漁場環境の改善については、重要施策、豊かな里海づくりに位置づけ、海底ごみ回収や海底耕うん、微生物を利用した底質改善、漁場環境に適した藻場の造成など生態系の保全に取り組み、生き物が生まれ育つ海のゆりかごとしての博多湾の水産資源の回復につなげることとされている。私たち沿岸漁業振興議員連盟としても、何十年来の懸案であった博多湾の底質改善について、福岡市漁協を初め市民のためにようやく有効な施策に取り組むことになったと考えている。そこで博多湾の底質改善事業について質問する。まず30年度予算額を尋ねる。 272 △農林水産局長 800万円である。 273 ◯おばた委員 これまでの取り組みに加え、新たに微生物を利用した低質改善事業に取り組むとのことだが、その理由を尋ねる。 274 △農林水産局長 27年度に本市が実施した漁家意識調査では、漁業者の4割近くが底質の悪化を感じると回答しており、また、従前のしゅんせつや覆砂などの手法に比べ近年低コストで自然環境に悪影響を及ぼす可能性がない微生物を利用した底質改善実験が行われ、成果が報告されている。これらを踏まえ、第10次福岡市水産業総合計画の重要施策である豊かな里海づくりにおいて、微生物を利用した底質改善を位置づけている。さらに、昨年9月に福岡市漁業協同組合から微生物を利用した底質改善の実施についての要望が出されたことから新たに取り組むこととしたものである。 275 ◯おばた委員 微生物を利用した場合の底質改善の内容を尋ねる。 276 △農林水産局長 福岡市漁業協同組合が博多湾内で実施した実験によると、有機物を多く含む軟弱な泥であるヘドロが分解され、水産生物に悪影響を与える硫化物の減少、においの改善、アサリなどの水産資源の回復などの効果が確認されている。 277 ◯おばた委員 底質改善の場所、期間、効果について尋ねる。 278 △農林水産局長 博多湾内の主なアサリ漁場において4年間の実施を予定しており、底質改善後も良好な漁場環境を維持するため、漁業者による海底清掃や海底耕うんなどの保全活動が継続的に実施される能古島、浜崎、今津、伊崎などの漁場を候補としている。期待される事業効果は、第10次福岡市水産業総合計画の数値目標である2021年のアサリ生産量100トンの達成を目指すとともに、クルマエビ、ナマコなどの水産生物の漁場生産力向上により漁業者の所得向上や雇用の創出が期待されている。また、市民の身近なレクリエーションである潮干狩りをより楽しむことができるようになるほか、水質浄化機能を持つアサリの増加による博多湾の水質環境向上などの効果も期待されると考えている。 279 ◯おばた委員 漁業は自然環境に負荷をかけない産業であり、漁業が営まれることで博多湾の豊かな自然が守られていると考えている。市民の財産である博多湾の豊かな自然を守るためにも漁業の位置づけは大きく、持続的に漁業が行われるためには漁業環境を改善、再生し漁業振興の観点からの里海づくりを推進していく必要がある。そして、市民レクリエーションとしての潮干狩りにも本事業は大変重要であると考える。最後に、本事業に対する意気込みを尋ねて質問を終わる。 280 △農林水産局長 これまで漁場環境の改善を図るため、漁業者と連携して海底耕うんや海底清掃、魚介類の産卵、生育の場である藻場の造成などに取り組んできた。加えて、新たに微生物を利用した底質改善事業によって漁場環境の抜本的な改善を推進し、博多湾内における漁場生産力の向上、漁業者の所得向上や雇用創出を目指すとともに、市民への新鮮な水産物の安定供給に努めていく。 281 ◯近藤委員 福岡市民クラブを代表して、本市の食分野を取り巻く施策の充実強化について質問する。食は、健康を初め仕事、趣味、ストレス解消などのため、なくてはならない分野である。本市の食は安くておいしいと他都市からも高い評価を受けているが、一方、ミシュランガイドで星を獲得したレストランの数が最も多い都市が東京になってからというもの、世界で一番おいしい都市は東京と言われるようになったようである。このことに一抹の疑念が湧き、おいしい食材が豊富で食文化の豊かな本市こそが、東京よりも食がおいしいまち、食に秀でたまちになれるのではないかという思いから質問していく。まず、本市の食分野の現状を尋ねていくが、初めに、本市の食にまつわる経済指標のうち食に携わっている人数として、本市の全従業者数並びに食関連産業の従業者数及びその割合を尋ねる。 282 △経済観光文化局長 本市の全従業者数は、総務省の平成26年経済センサスによると86万4,388人である。そのうち食関連産業の従業者数は15万4,880人であり、全従業者数に占める割合は17.9%である。 283 ◯近藤委員 経済センサスでは、農業、漁業に属する個人経営の事業所を除くとされているが、食材を生産している農業従事者数及び漁業就業者数を尋ねる。 284 △農林水産局長 農業従事者数は、5年ごとに実施される農林業センサスの2015年の数値をもとに推計すると、平成28年2月1日現在で3,368人である。漁業就業者数は、市漁業協同組合等への調査によると、平成28年12月末現在で610人である。 285 ◯近藤委員 本市における食関連産業の動向について、食関連産業の事業所数及び従業者数の変化や起業の状況など、近年の動向がわかる指標を尋ねる。 286 △経済観光文化局長 平成24年及び平成26年経済センサスによると、事業所数は平成24年が1万5,093事業所、平成26年が1万6,336事業所であり1,243事業所の増加、従業者数は平成24年が14万6,928人、平成26年が15万4,880人であり7,952人の増加となっている。また、起業の状況について、平成26年経済センサスにおける新設事業所数は4,070事業所となっている。 287 ◯近藤委員 食関連産業の従業者数は民間企業全体の約18%、個人経営の農業従事者及び漁業就業者を含めると約16万人であり、市民の10人に1人は食分野に携わっていることになる。また、平成24~26年にかけて、食関連産業の事業所数、従業者数ともに大きくふえており、特に新設事業所は2年間で4,000事業所を超えているなど、本市経済にとって大変重要な分野である。次に、近年本市で大きく増加し、影響を与えている外国人観光客について、日本への旅行に外国人観光客が期待していることは何か、上位3位までを尋ねる。 288 △経済観光文化局長 観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、第1位が日本食を食べること、第2位が自然、景勝地観光、第3位がショッピングである。 289 ◯近藤委員 最も期待していることは日本食を食べることであり、ユネスコ無形文化遺産への登録も影響しているかと思うが、やはり食は観光振興には欠かせないものである。本市の食は博多の伝統文化と並び、観光資源としても高く評価されているのではないかと思うが、本市の食に対する評価がわかる指標を尋ねる。 290 △経済観光文化局長 民間の調査会社が発表した地域ブランド調査2016によると、食事がおいしいという評価項目について、本市は20政令指定都市中第2位となっている。 291 ◯近藤委員 第1位は札幌市とのことである。民間による調査とはいうものの、横浜市、京都市、神戸市を抜いて、本市が第2位と評価されていることは喜ばしいことであるが、札幌市を抜いて第1位を奪取したいという思いも込めて、本市の食にまつわる取り組み状況について質問を続けていく。本市が、さらに食がおいしいまちを目指すためには、まず、おいしい素材、食材の提供が必要である。本市における、より安全、安心な生鮮食料品を提供する食材提供体制として、中央卸売市場の役割は非常に重要であるが、他と比較して特徴的な取り組みや、さらに力を入れようとしている点について、30年度の取り組みも含めて尋ねる。 292 △農林水産局長 本市の中央卸売市場は、市民に安全、安心な生鮮食料品を安定的に供給するという重要な役割を担っている。特に、平成28年2月に開場したベジフルスタジアムでは、国内最大級の定温卸売場の整備による品質管理の強化や、市場内の食品衛生検査所による残留農薬検査の対象範囲の拡充など、コールドチェーンや安全、安心の取り組みを強みとして市場のブランド化を図り、消費者、生産者双方から選ばれる市場づくりを進めている。 293 ◯近藤委員 食材について、おいしい食材への取り組みや、食材のブランド力アップに関する本市の取り組みを尋ねる。 294 △農林水産局長 市内産のブランド水産物である唐泊恵比寿かきや砂ゼロアサリの輸出を推進するため、市漁業協同組合のマーケティング拠点施設である博多家において、海外シェフを招聘した商談を行うなど、国内外でのPRや販路拡大に取り組んでいる。 295 ◯近藤委員 水産分野でもおいしいまち福岡をアピールできればよいと考える。食材の付加価値を高める取り組みとして、6次産業化にはどのように取り組んでいるのか。また、生産者だけで6次産業化を推進することは難しいと想定され、推進する上では事業者との連携が必要と思うが、どのような分野の事業者との連携が必要と考えていて、連携に向けてはどのように取り組もうとしているのか。 296 △農林水産局長 6次産業化については、市内産農林水産物を活用した新たな商品開発に取り組む事業者を支援するとともに、開発した商品を「ふくおかさん家のお気に入り」商品として登録し、PRするなど取り組みを推進している。また、推進する上での事業者との連携については、生産者みずからが加工、販売まで全てを行うのは負担が大きいという声もあることから、農林水産物を加工する製造業や、製造した商品を販売する小売業などとの連携も必要と考えている。今後とも、本市とJA、福岡商工会議所などで構成する6次産業化推進プロジェクト会議や、民間コーディネーターの活用により、生産者と事業者との連携を促進し、6次産業化の推進に取り組んでいく。 297 ◯近藤委員 6次産業化というと、第1次産業掛ける第2次産業掛ける第3次産業という意味合いから、ジャムやソース、飲料などの商品を製造して販売するというイメージが強い。一方で、農業従事者の所得向上に資する他都市の取り組みとして農家レストランが挙げられるが、農家レストランの定義や全国の設置数を尋ねる。また、農家レストランのような第3次産業にスポットを当てた取り組みについて、本市の所見を尋ねる。 298 △農林水産局長 農林業センサスによると、農家レストランとは、農業を営む者が食品衛生法に基づき、都道府県知事等の許可を得て、不特定の者にみずから生産した農産物や地域の食材を、その使用割合の多寡にかかわらず用いた料理を提供し、代金を得ている事業と定義されている。また、全国の設置数は、2015年農林業センサスによると1,304経営体である。農家レストランは、農業者みずからが生産した食材を使ったメニューの提供により、農産物に新たな付加価値を生み出す取り組みであり、このような取り組みは生産者の所得向上につながるとともに、市内産農産物の消費拡大や農村地域の活性化にもつながると考えている。 299 ◯近藤委員 6次産業化については全国で取り組みが進められているが、先行している地域でも販売、提供という第3次産業の部分でかなり苦慮しているようである。農家レストランは、第1次産業掛ける第3次産業が形になったものだと思うが、このような取り組みから6次産業化の活路を開いていくことも期待したい。本市独自の食に関する取り組みとして、ふくおかさん家のうまかもん条例に基づく事業者認定事業があるが、その取り組み内容及び直近の認定状況を尋ねる。 300 △農林水産局長 条例に基づく事業者認定事業は、市内産農林水産物を提供または販売している市内の飲食店、小売店、直売所などを認定し、ステッカーやのぼり旗などのPRグッズを配付するとともに、専用ホームページやチラシなどでPRするなど、市内産農林水産物の魅力を広く発信するものである。認定事業者数は、平成30年3月22日現在で357件である。 301 ◯近藤委員 認定事業者数は徐々にふえているようである。同条例については、市内産のものを食べようという地産地消の意義はもちろんのこと、本市の食分野を高めていく上で、より大きな意味を持つものに発展させられるのではないかと思うため、期待したい。次に、観光資源としての食に関する現状の取り組みについてだが、先ほど、日本への旅行に外国人観光客が最も期待していることは日本食を食べることであるという答弁があった。旅行の計画を立てる際、何を食べるかは大変重要な要素であり、本市の食は、旅行先として選んでもらう上で大きな力を発揮すると思うが、本市では観光資源として食をどのようにプロモーションしているのか。 302 △経済観光文化局長 本市は博多ラーメンやもつ鍋、水炊きなどの本場であるともとに、新鮮な海産物を初めとする質の高い食文化を有しており、その魅力を発信することは、観光客誘致を進める上で非常に重要と認識している。このため、海外への観光プロモーションなどにおいて、映像やポスター、ガイドブックなどのプロモーションツールを活用して食の魅力のPRを行っているほか、観光情報サイト「よかなび」でのグルメ情報の発信など、さまざまな手法で食の情報発信に取り組んでいる。今後とも、本市ならではの食の魅力の情報発信に積極的に取り組んでいく。 303 ◯近藤委員 先日、よかなびのサイトを見たところ、英語、韓国語、中国語のほかフランス語やスペイン語の表記もあり、充実度が徐々に増しているようである。引き続き、無料Wi-Fiスポットの拡充も含めて、食の魅力発信に取り組んでいくよう要望しておく。本市の食は、コンベンションの誘致においても魅力の一つになることや、食関連産業の新設事業所が2年間で4,000件を超えていることなどから、地場関連産業の振興にとっても重要な分野と考えられる。MICE施策においては食をどのように位置づけて取り組んでいるのか。
    304 △経済観光文化局長 食はMICE参加者の大きな楽しみであり、主催者が開催都市を決定する上での一つの要素になると考えられることから、新鮮な海産物や名物料理など豊富な食のコンテンツを本市のアピールポイントとして誘致活動を行っている。また、本市には食関連産業が集積していることから、食をMICE誘致の重点分野に位置づけており、本年2月には、食に精通する専門家をMICEアンバサダーとして委嘱することなどを通して、食に関する学会や展示会等の誘致を図っている。 305 ◯近藤委員 MICE施策における食の考え方や、取り組みに対する力の入れぐあいがわかったため、今後、食に関する学会や展示会等の誘致も楽しみにしたいと思う。過去3年間で本市が関係した食に関するイベントにはどのようなものがあるか。また、主なイベントの実績について、実施会場及び参加者の状況等を尋ねる。 306 △経済観光文化局長 26年度から毎年開催されているフードエキスポ九州、27、28年度に開催された九州アグロ・イノベーション、29年度に開催された薬膳エキスポなどがあり、コンベンションセンター等が会場となっている。29年度のフードエキスポ九州の実績は、国内外商談会の来場者数が4,057人、商談件数が880件であり、天神中央公園で開催された九州うまいもの大食堂の来場者数が約14万5,000人である。 307 ◯近藤委員 食に関するイベントも年に一、二度のペースで開催されており、昨年のフードエキスポ九州には合計で約15万人が参加したとのことであるため、企画内容によっては大きな経済効果が期待できるのではないかと思う。以後、本市ならではの特徴や強みを生かして、さらに食がおいしいまち、食に秀でたまちを目指すことができないか考えたいと思うが、1つ目の強みとしてMICEが挙げられる。30年度以降、本市では世界的なスポーツ大会を初め、ビッグイベントがめじろ押しとなっているが、スポーツや国際会議といった他の分野のMICEをきっかけに本市の食分野を高める取り組みができないか、具体的な考えや事例を尋ねる。 308 △経済観光文化局長 平成28年6月に開催されたライオンズクラブ国際大会では、天神中央公園で九州の食や観光をPRするためライオンズマーケットを開催するとともに、多言語メニューを備えた飲食店のマップを配布したところ、参加者からは大変好評を得ることができた。また、国内外からの観光客へのおもてなし力の向上に向け、地域や業界が行う食のイベントに対して、広報物の多言語化への支援等を行っている。2019年以降、3年連続で開催される大規模スポーツ大会においては、訪日外国人の増加が見込まれるため、地域や商店街の飲食業者に対してもセミナーや勉強会などを開催し、食でのおもてなしの向上を図っていく。 309 ◯近藤委員 食に関する取り組みには、多くの市民が提供者側と利用者、参加者側の両面からかかわることができ、また、市内全域での取り組みが可能だと思う。ここで、エリアでの一体的な企画として、北海道函館市の西部地区で開催されているバル街を紹介する。人口約26万人の函館市の西部地区は函館山の麓にあり、明治、大正時代に栄えた旧市街地である。教会や洋館、倉庫群といった伝統的建造物が多く、観光名所ではあるが、地域住民の高齢化が進み、空き家が増加してにぎわいが余り感じられず、少し寂しい印象を受けるなど、まちづくりに大きな課題を抱えている地域である。バル街は、本市でいうはしご酒のような企画であり、西部地区のレストランのオーナーが中心となって運営している。約15年前の2004年2月に開催されたスペイン料理フォーラム in HAKODATEの前夜祭企画としてバル街を実施し、成功したことをきっかけにスタートし、以来、春と秋の年2回開催を続け、ことしの4月には第29回バル街を開催する計画となっている。特徴としては、世界料理学会や津軽海峡料理人フォーラムといった料理人自身の研究成果の発表や、新たな試み、流行などの情報共有ができる企画との連動を積極的に実施してきたことが挙げられる。直近のバル街の参加店舗数は70店舗であり、700円のチケット5枚つづりの約4,500冊の前売り券は毎回完売し、当日券も含めて回収した半券は約2万3,000枚で回収率は99.9%という大変人気の企画となっている。前売り券と一緒に、参加店舗の紹介つきのマップも配付しており、当日はマップを広げながらまちなかを散策する人の姿が多く見受けられる状況である。また、音楽やフラメンコのプチイベントも同時開催され、市電や市バスも臨時便を運行するなどして企画を盛り上げており、今では函館市の大人気の風物詩となっている。先ほど答弁があった、本市で開催された食に関するイベントはいずれも市内1カ所での開催であり、その多くが施設内という限られた範囲での開催となっているが、本市には博多どんたく港まつりのように、市内のあらゆる場所で企画を展開できる素地があるため、それを活用しない手はないと考える。一部の限られた範囲での開催ではなく、より多くの市民が参加することができ、提供者側にも参加者側にもメリットのある企画を期待したい。また、例えば、志賀島産のあまおうを使った料理コンテストといった市内産農水産物をテーマにした企画など、提供者は技術やアイデアを競い合い、参加者はおいしい料理を体験でき、生産者にとっては6次産業化のアイデアにつながるような多様な効果を得られる企画にもぜひチャレンジされたい。次に、本市ならではの強みの2つ目として姉妹都市交流が挙げられるが、本市は世界的に有名なワイン産地を抱えるボルドー市と姉妹都市の関係にある。姉妹都市締結35周年という節目に、本市の食とボルドーワインを融合させた企画を実施したと聞いているが、具体的な取り組み内容及び成果を尋ねる。 310 △経済観光文化局長 食分野におけるボルドー市との交流事業について、29年度はまず、市内の飲食店と流通業者を対象としたボルドーワインセミナー及び試飲会を実施した。また、市民や観光客を対象とした福岡ボルドーワイン祭りを市役所の九州広場等で開催し、ボルドーワインと、市内の飲食店が新たに開発したワインに合う食のメニューを多くの来場者に味わってもらった。さらに、ボルドー市内においては、フランスのシェフや食品業者等を対象に、食を初めとした本市の魅力の紹介や、九州・福岡の食材を使用した料理の提供を行うとともに、食の展示会での商談会を実施し、輸出促進を図ったところである。 311 ◯近藤委員 本市が、さらに食がおいしいまちを目指す上で、ボルドー市との連携は大きな力になると考える。姉妹都市交流の成果として平成28年5月には、本市でしか飲めないボルドーワインを扱うワインバーがオープンし、バーにはボルドーワインを熟知したソムリエもいると聞いている。このような本市の食とボルドーワインを融合させた事業や留学等も含めた人材交流など、さらなる連携や共同事業が実施できればよいと思うが、今後のボルドー市との姉妹都市交流や共同事業を通した食分野の事業展開について、所見を尋ねる。 312 △経済観光文化局長 今後とも九州・福岡の食材とボルドーワインの融合をテーマとした取り組みを進めていく。また、ボルドー市から食品業者等を招聘しての商談会や、食をテーマとしたセミナーを開催するなど、引き続き、食に関するビジネス機会の創出や本市の食の魅力向上を図っていく。 313 ◯近藤委員 ボルドー市との姉妹都市交流は今後、本市の食分野に大きな、よい影響を与えてくれると期待しているが、これまでの交流事業に加え、例えば、ボルドー市公認のソムリエの育成や食分野における交換留学制度など、人材育成の事業にも発展させることができればよいと考えるため、検討を求めておく。ここで、世界有数の美食の町と言われているスペインのサン・セバスティアンを1月下旬に視察し、自治体の取り組みなどを調査してきたため紹介する。サン・セバスティアンはスペイン北部に位置し、バスク自治州では3番目に多い人口約18万人の都市であり、かつて王家の避暑地であったことから発展してきた趣きのある町である。また、現地のガイドの話では、将来自分の子どもにつかせたい職業のトップ3が医者、銀行家、コックであるほど、食の位置づけが高い町である。北はビスケー湾に面し、南はバスク山脈が位置する、自然豊かな、おいしい食材に恵まれた町であるが、美食の町たるゆえんとして3点を感じ取った。第1に、サン・セバスティアンの食を支えるガストロノミーアソシエーションという組織である。この組織は、料理好きの男性が集まってできた、おいしい食の研究会のような団体が由来であり、所属人数が平均100人ほどの119団体で構成されている。約40年にわたり各団体が食の体験や研究を続けてきた結果、味を評価する能力が町全体として向上しており、そのことが食に関するさまざまなポテンシャルを押し上げているとのことであった。第2に、バスク民族は郷土愛が強く、勤勉実直で研究熱心なことである。食に対する探究心も強く、異文化の料理から学んだ知識を郷土料理に生かし、常に改善、改革を続けている。また、食の研究に当たっては、著名な料理人であるリーダーが、商売がたきであるはずの同僚や後輩たちとともにチームで研究を続け、1人だけの技術や知識の習得に終わらせず、バスク料理全体の価値を高め続けていることが特徴である。第3に、食の位置づけを理解し、高める行政支援である。1999年には料理に関する世界初の学会を開催して、料理人たちの研究や交流を大きく後押しし、以来、同様のビッグイベントを多数開催している。2011年にはヨーロッパ初の食科学に関する4年生大学を開設し、若者の育成と食の研究を公的に後押しし続けており、入学を希望する若者が世界中から後を絶たない状況である。大変大まかな紹介ではあるが、サン・セバスティアンでは町全体、市民全体が食分野を重要な柱と位置づけ、経済の発展につなげていることを実感できた。サン・セバスティアンのような自治に基づく観光戦略とまではいかないが、本市には、国家戦略特区の指定を受けているという強みがあり、この強みを生かすことができないかと考える。教育、人材育成に関する他の自治体の特区事業として愛知県の取り組みがある。県立愛知総合工科高等学校に高校卒業後の2年間に当たる専攻科を新設し、運営を包括的に民間事業者に委託するという、愛知県のものづくり産業の強靭化を狙った取り組みであるが、その専攻科では愛知県の名立たる企業の技術者が教壇に立って直接、技術指導を行うほか、提携大学への編入も認めており、県内の企業からも若者の育成に大きな期待が寄せられているようである。このような特区ならではの取り組み事例が他の自治体にはあるため、本市としても、さらに食がおいしいまち、食に秀でたまちを目指すに当たって、食分野における人材育成など、これまで本市が取り組んでいない特区の活用も考えてみてはどうかと思うが、所見を尋ねる。 314 △総務企画局長 グローバル創業・雇用創出特区の活用に関し、これまでも民間事業者や関係局から規制緩和等についての具体的な相談があれば、総務企画局としてさまざまなサポートを行ってきており、食分野においても同様に対応していきたい。 315 ◯近藤委員 本市の食分野を高めていくためには、個々の店舗や事業者、料理人の努力だけに終わらせず、料理人同士の相互連携や切磋琢磨する土壌づくり、成果を発表する場の提供も重要と考える。市内に多くある食関連の大学や専門学校、高等学校との連携も重要であり、食関連産業との連携も必要である。このような人材育成についても、食関連の仕事をするなら本市だと言われるような、本市が今後リードしていく試みを進めるよう求めておく。本市の食分野は今でも十分な評価を得ているとは思うが、さらに磨きをかければ、サン・セバスティアンに肩を並べるような食に秀でた町に進化できると思っている。そのために、食材、事業展開、人材育成、行政のサポートなどあらゆる視点で、本市ならではの強みを生かしたさまざまな取り組みができるのではないかと大いに期待している。最後に、本市を世界に誇れるおいしいまち福岡へと高める取り組みについて市長の所見を尋ね、質問を終える。 316 △市長 本市は豊かな自然と新鮮な農水産物に恵まれ、食べ物が大変おいしいまちという評価を海外、県外、市外からの来訪者から得ている。このような本市の食の魅力を発信するため、市内産農林水産物のブランド化や6次産業化、消費拡大の取り組みをさまざまな形で推進している。また、本市は第3次産業が9割を占める産業構造であり、来訪者をふやして消費をふやすことが地域経済の活性化につながることから、本市の大きな魅力である食を生かしながら、観光・集客の振興に積極的に取り組んでいきたい。今後、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、さらには2021年の世界水泳選手権など、国内外から多くの人が本市を訪れる機会も捉え、生産者や事業者と連携しながら、福岡の食のブランドを発信し、農林水産業や観光関連産業など食関連産業の振興にしっかり取り組んでいきたい。 317 ◯中山委員 日本共産党市議団を代表して、森友学園問題、市長の海外出張とG20、空港アクセスバスと人工島のホテルなど複合施設、並びに教職員の長時間過密労働について質問を行う。国政や国の予算が地方自治体、本市の市政や予算に大きな影響を与えることは言うまでもない。本議会は新年度予算や条例等、市政の重要案件を審議している真っただ中であるが、そのような中、いわゆる森友学園問題において、財務省が国有地売却に関する公文書を改ざんした事実が明らかになり、元理財局長の証人喚問が行われる運びとなった。この期に及んでも麻生財務大臣は、前理財局長を初め一部官僚に責任を押しつけ、みずからの辞任について拒否し続けている。そこで、麻生財務大臣と親しい高島市長は、麻生氏に対し早急な真相解明と辞任表明を進言すべきと考えるが、所見を尋ねる。 318 △市長 進言するような立場にはないと考える。 319 ◯中山委員 予想どおりの答弁であるが、この問題は、安倍首相や昭恵夫人が教育勅語を園児に暗唱させるなどの教育方針に賛同し、国有地の格安売却に関与した疑惑が事の発端である。現在問題となっている財務省による公文書の改ざん問題は、安倍首相が昨年の国会での、首相夫妻がかかわっていたら首相も国会議員もやめるとの答弁を受けたと考えられるのが疑惑の焦点である。高島市長と安倍首相夫妻とは、下関の赤間神宮に一緒に参拝するなど、個人的にも親交を深めているようであることから、昭恵夫人や首相から事の真相を直接聞かされたことはないのか、昭恵夫人に対して国会でみずから証人として語るべきだと進言するつもりはないか尋ねる。 320 △市長 特に何かを聞いたことはなく、また、進言する立場にもないと考える。 321 ◯中山委員 民主主義の根幹にかかわる重大なこの問題について、高島市長が黙秘することは市民が納得しないと指摘しておく。市長は、就任以来、政権中枢と直接結びつき、本市にインバウンドなど国の手法や政策を直接持ち込み実験材料にしている。それは市長の海外出張の多さにも色濃くあらわれており、今期も30回以上海外に出張している。新年度における市長の海外出張の予算額は幾らか、また、市長の2期目に入って今日までの市長自身の海外出張費の支出額は幾らか尋ねる。 322 △総務企画局長 新年度予算における海外出張の旅費については、対象となる個々の案件の内容や、その時々の市長、副市長の用務の状況等を総合的に勘案した上で出席者を調整することから、市長の旅費としての計上はしていない。就任2期目以降の市長の海外出張の旅費について、平成26年12月7日から平成30年1月末までの合計額は、27件で1,475万7,770円であり、この額には、国内出張から引き続き海外出張を行う場合にまとめて1件の出張として旅行命令を行ったものもあることから、国内出張に係る旅費も含まれている。 323 ◯中山委員 独自予算は組んでいないということである。各局の予算から市長の思惑で自由に海外出張できる仕組みである。市長の宿泊費については1泊2万1,500円という規定があるが、この規定を上回り宿泊費を増額した出張が一定数存在するようである。該当する出張それぞれについて、行き先、目的、1泊当たりの増額分と調整額、総額は幾らか。 324 △総務企画局長 宿泊料の増額調整については、会議主催者などからホテルを指定された場合や、現地のイベントに伴い宿泊価格が高騰したような場合にのみ、本市の職員等旅費支給条例などの規定に基づき行っている。市長の就任2期目以降の海外出張で宿泊料の増額調整を行った出張は、総務企画局所管については、平成27年11月15日から11月20日までの間、アメリカのバーミングハム及びアトランタへの出張があり、目的は、バーミングハム市で開催の日本・米国南東部会日米合同会議への出席、及びアトランタ市との姉妹都市締結10周年記念事業への参加である。宿泊料については、会議主催者から、会議の円滑な運営のため会議会場と同じホテルを指定されたこと、また、アトランタ市役所からも、記念事業等の円滑な運営のためホテルを指定されたことから、これら指定のホテルに宿泊して、平成27年11月15日は4,006円を増額し2万5,506円、11月16日は2万4,989円を増額し4万6,489円、11月17日及び18日は1泊当たり2万8,815円を増額し5万315円となっている。平成29年1月15日から20日までの間及び平成30年1月22日から27日までの間におけるスイスのダボスへの出張については、目的は、主催団体からの要請により、世界経済フォーラム臨時総会、通称ダボス会議に出席するためである。ダボス会議は年に1度開催し、世界各国の政府や国際機関、グローバル企業など各界の代表およそ3,000人が一堂に会するため、ダボスの周辺まで含め、宿泊施設は全て主催団体が借り上げ参加者に割り当てられており、公務遂行のために割り当てられたホテルに宿泊を行い、宿泊料は、平成29年は1泊当たり6万1,769円を増額し8万3,269円、平成30年は1泊当たり3万8,825円を増額し6万325円となっている。 325 △市民局長 市民局所管の出張について、平成27年10月29日から11月1日までの間、イギリス、ロンドンへの出張があり、目的は、イングランド大会においてラグビーワールドカップ2019組織委員会が主催するレセプションに参加し、福岡会場のPRを行うこと及び会場等の視察である。宿泊料については、ラグビーワールドカップ開催中のため、ロンドン市内のホテルの室料が大幅に値上げされており、1泊当たり5万3,800円を増額し7万9,500円となっている。次に、平成28年1月27日から2月2日までの間、ハンガリー、ブダペストへの出張があり、目的は国際水泳連盟の理事会における2021年大会等の選考会での招致プレゼンテーションの実施である。宿泊料については、国際水泳連盟から宿泊するホテルを指定されていたため、1泊当たり1万7,520円を増額し3万4,720円となっている。 326 △経済観光文化局長 経済観光文化局所管の出張について、平成27年6月30日から7月3日までのホノルルへの出張があり、目的は、ホノルルで開催されたライオンズクラブ国際大会総会に、次回開催都市の代表として出席しPR活動を行うためであり、その結果が福岡大会の成功につながった。宿泊料については、大会の開催期間中は現地におけるホテル不足が発生し、ライオンズクラブ国際協会が大会参加者の宿泊先の調整を行い、その結果として宿泊費が高騰したため、1泊当たり2万8,836円を増額し、5万336円となっている。次に、平成27年11月1日から4日までのボルドーへの出張があり、目的は、ボルドー市等とのワインを通じた姉妹都市交流事業の協議などであり、その結果、両市での共同宣言締結や、本市でのボルドーワインバーのオープンなどさまざまな経済交流事業へとつながった。宿泊料については、ボルドー側との協議のため、場所の利便性と欧州におけるセキュリティーの配慮から、ボルドーワイン委員会が指定したホテルに宿泊しており、その結果として1泊当たり4万225円を増額し、6万1,725円となっている。市全体では、対象となる海外出張において総額65万7,415円の宿泊料の増額調整を行っている。 327 ◯中山委員 65万円余の増額をしているが、1泊8万円以上などは市民感覚とかけ離れており、高過ぎると考えるが、所見を尋ねる。 328 △総務企画局長 先ほどの答弁での旅費の増額調整については、いずれも公務遂行のため指定されたホテルなどに宿泊する必要があったもので、本市の職員等旅費支給条例等の規定に基づき適正な処理を行った適切な宿泊料である。 329 ◯中山委員 昨年のダボス会議は1泊8万3,269円、ことしは6万325円であり、随行職員分を含めて2年分でかかった経費は総額500万円を超えており、浪費以外の何物でもない。ダボス会議は、世界各国の国家元首やグローバル企業の最高経営責任者が参加する国際会議であり、なぜ一地方自治体の長である市長が参加する必要があるのか、参加の経緯と現地での行程を含めて尋ねる。 330 △総務企画局長 ダボス会議について、市長が参加する必要性及び参加した経緯については、2回の参加とも主催団体からの要請によるものである。主催団体から本市の施策の発表についての依頼があり、本市としても、世界の首脳や各界の代表およそ3,000人が集まり、世界レベルで影響力の高い国際会議と言われているダボス会議の場で、本市の特色や強みを直接アピールでき、また、他の参加者とネットワークが構築できることは、世界における本市の評価の向上に極めて効果が高く、世界中から人や投資や物などが集まる拠点都市づくりに大いに寄与するものと考え参加を行ったものである。また、現地での行程については、都市に関連したテーマのセッションに参加を行い、水素リーダー都市や福岡100などの本市の先進施策の発表を行うとともに、他のさまざまなテーマのセッションにも参加しながら、参加者同士の意見交換や、他国の首相などとの個別会談、さらには取材を受けたメディアに対する本市の先進施策の紹介などを行ったものである。 331 ◯中山委員 要請があったとのことだが、自分の意を酌んで頑張る市長を安倍首相が推薦したのではないのか。そうでなければ市長が招待されることは考えられない。現地で市長は福岡をアピールしたとのことだが、先の答弁を聞く限り、市長がわざわざ出かけて発言する意味はなく、税金の無駄遣いと考えるが所見を尋ねる。 332 △総務企画局長 ダボス会議に参加する必要について、まず、ダボス会議は、世界の重要課題について議論が行われる場とされており、主催団体によると、世界レベルで持続可能な社会を構築していくために、近年、都市の役割への関心が高まっているということで、本市の施策について発表の依頼があったということである。したがって、グローバル化の進展に伴い、世界中の都市と都市との連携が重要性を増す中で、本市として、エネルギーや高齢化などの分野における持続可能な都市づくりの施策を発表することは、世界レベルでの持続可能性の議論に貢献し、国連が掲げる国際社会全体の持続可能な開発目標であるSDGsの実現にもつながるとともに、あわせて、他の参加者等との意見交換などを通し、都市課題に対する世界的な知見を得ることは、グローバル化や技術革新などに伴う新しい時代に向け、本市の都市づくりに生かすことができる。また、単に出席者としてではなく、発表者として参加を行うことで、世界各国の政府首脳や国際機関、グローバル企業、学術機関など、各界の代表が集まる場で、本市の先進施策のプレゼンテーションを行うとともに、個別会談の機会なども活用して、他の参加者とのネットワークを構築することは、世界における本市の知名度や評価の向上に極めて効果が高く、世界中から人や投資や物などが集まる拠点づくりに大いに貢献できる。以上のことから、ダボス会議への参加は、本市のこれまでのまちづくりや活力と存在感のある未来に向け大きく意義があるものと考える。 333 ◯中山委員 市民に還元されるものは何もなく、結局、市長のダボス会議参加は、日本を代表して各国首脳や経済界のトップたちと肩を並べ、自己陶酔に浸るのが目的だと考えるが所見を尋ねる。 334 △総務企画局長 繰り返しの答弁になるが、ダボス会議参加の目的については、主催団体から参加の要請とともに本市の施策の発表についての依頼があったことによる。本市としても、世界の首脳や各界の代表が集まる場で、本市の先進施策のプレゼンテーションを行うとともに、個別会談の機会なども活用して、他の参加者とのネットワークを構築することは、国際的な本市のプレゼンスの向上などの観点から、大きな意義があると考え参加したものである。 335 ◯中山委員 ひとりよがりである。問題はほかにもあり、市長はことしのダボス会議の3日目に当たる1月25日、現地で自身のブログで、各国の首脳が来てスピーチするのに、我が日本は国会に縛られて首相以下大臣も出席ゼロなんて、と掲載しているが、森友問題、憲法問題、新年度予算等、国民にとって重大な問題を審議する国会の開催中に、このような書き込みは不適切と考えるが、市長自身の所見を尋ねる。 336 △市長 ことしのダボス会議は世界のおよそ70カ国から、首脳や閣僚、政府関係者が出席して、それぞれの国の存在感、価値観、方向性などや、また自国への投資などのプロモーション活動をトップがみずから行っている中で、G7も含めたメンバーが全て集まっている中で、日本については、国会日程と重複していた関係から、閣僚級以上を含めて国会議員の出席が全くなく、できなかったこと、日本をプレゼンテーションする機会がなく非常に残念であることを率直に書いたものである。 337 ◯中山委員 先ほどは進言する立場にないと言いながら、この点では、大臣が出席しないのはおかしいとみずから言っており、自治体の長として極めて不適切な態度である。書き込みの削除と謝罪記事掲載などをすべきと、厳しく指摘しておく。結局、市長の海外出張の基準は、市民のためではなく、ダボス会議に象徴されるように、自分の興味関心があるもの、存在感を示せるものであり、多くの出張は必要のない無駄遣いである。公金を使ったこのような出張はやめるべきと考えるが、市長の所見を尋ねる。 338 △市長 IoTやAIなど、情報技術の加速度的な進歩等により、地球規模で物や人、また資本が移動して、時間や場所にとらわれず、誰もが革新的な製品やサービスによる利便性を享受できるグローバル社会において、自治体がいや応なしに国際的な都市間競争に巻き込まれる新しい時代への過渡期にあっても、市民の生活の質の向上と、そして都市の成長の好循環をつくり出していくためには、本市の国際的なプレゼンスを高めながら、海外からも人や物、投資を呼び込むとともに、本市の企業の海外ビジネス展開を促進し、また国際会議などを通して得られる世界の知見やネットワークなども活用しながら、世界基準の視点で先進性を社会に実装し、また持続可能なまちづくりに果敢にチャレンジをしていくことが重要であると認識している。このような状況においては、世界水泳選手権のような世界規模の大会の招致や、姉妹都市など海外諸都市とのスタートアップなどのビジネス連携、世界の各界の代表が集まる場での本市のプロモーション活動など、国内外を問わず、本市という都市を代表して、市長自身が対応することがより効果的で重要な場面が増加している。引き続き効果的なトッププロモーションを行いながら、世界の先進的な知見などを取り入れ、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市の実現に向けて取り組んでいく。 339 ◯中山委員 自己満足出張はやめるよう、重ねて要望しておく。G20の福岡招致について、報道によると、本市は来年開催予定の先進国首脳会議、いわゆるG20の開催地として立候補し落選し、財務閣僚会議の開催地に選ばれたとのことである。新年度予算には、先進国首脳会議経費もしくは財務閣僚会議に向けた関連予算は幾ら計上されているのか。 340 △総務企画局長 2019年に日本で初めて開催されるG20については、去る2月21日に、国において、財務大臣・中央銀行総裁会議を本市で開催することが決定されたところであり、現在審議中の30年度予算案には、会議の開催支援などに関する予算は計上していない。 341 ◯中山委員 予算はないが、既成事実だけ先につくったということなのか。市議会にはいまだ市長から何の説明もない。名乗りを上げた経緯、理由について尋ねる。 342 △総務企画局長 G20首脳会議誘致については、外務省から平成29年9月25日付で、都道府県副知事及び政令指定都市副市長宛てに、G20首脳会議及び関係閣僚会議の誘致希望についての照会があった。これを受け、関係局とともに、首脳会議及び関係閣僚会議についての検討を重ねた上で、最終的に首脳会議はハイレベルな都市機能などが求められる、世界最高レベルの国際会議であり、この首脳会議を開催することが、本市の国際的なプレゼンスや都市の格の飛躍的な向上につながり、本市を次のステージに引き上げ、都市の成長に大きく貢献するものと考え、11月13日、外務省にG20首脳会議の誘致に関する資料を提出した。 343 ◯中山委員 何もかも都市の成長につながるとしている。外務省からの意向調査を受け、誘致計画案を提出したとのことだが、誘致することについて誰が起案し、決裁者は誰か尋ねる。 344 △総務企画局長 G20首脳会議の誘致については、関係局で協議を重ねた上で、総務企画局国際部国際政策課で起案を行い、関係局の合議の後、最後に総務企画局長である私が決裁を行った。 345 ◯中山委員 より正確には、係長が起案を行い、中村総務企画局長が決裁しており、驚きである。各国首脳が集結する会議の開催市に名乗りを上げることであり、もし選ばれた場合、県警だけにとどまらない警備体制の構築を初め、市民生活にも大きな影響を与える。今月6日付読売新聞における小川知事の談話として、市長から事前に直接相談がなかったことが残念である旨掲載されていた。市長は、県知事にも市議会にも何も相談せず、このような重大なことを勝手に決める権限を総務企画局長に与えているのか尋ねる。 346 △総務企画局長 このたびのG20首脳会議の誘致も含めたMICE誘致については、好機を逃さないよう、さまざまな情報収集を行うとともに、その実現可能性を探り、より効果的で効率的な手法を検討しながら誘致活動を行っている。具体的には、より多くの関係者による誘致委員会を設置して取り組む場合と、事務的な照会回答のケースなど、さまざまな手法があり、今回のG20首脳会議の誘致については、2000年に開催された九州・沖縄サミット福岡蔵相会合の実績などを勘案し、外務省の照会に対して、ホテルの客室数や会議場の想定場所、空港から各施設への経路といった事項について回答を行った。 347 ◯中山委員 総務企画局長が、市議会にも県にも何も相談せずに決定したのであれば、重大である。市長は一体何をしているのか、思い上がりも甚だしい。安倍政権と一緒になって何でもできると言わんばかりの独断専行は許されないことを指摘しておく。国に対して提出した誘致計画案での、会場や宿泊場所等についての提案の概要を尋ねる。 348 △総務企画局長 G20首脳会議の誘致に際して、本市から外務省に提出した資料については、空港から会場や宿泊場所へのアクセス、警備計画のポイントなど、外国からの要人やメディア関係者の安全確保に直接関係する内容であり、外務省においては、公表により、生命や身体の保護、犯罪の予防に支障を及ぼすおそれがあるとして、非公開情報とされていることから、具体的な内容については公表は控えさせていただきたい。 349 ◯中山委員 国の指示で秘密事項ということである。私が事前に求めた資料も、提案書は表紙だけで、もう1冊の資料は黒塗りの資料が3枚だけである。このように提案した内容を、議員にも市民にも知らせないことは許されず、一切知らせないまま秘密裏に進めるなどはやってはならない非民主的かつ議会軽視の進め方だと考えるが、所見を尋ねる。 350 △総務企画局長 先ほども答弁をしたが、このたびのG20首脳会議の誘致も含めたMICE誘致については、好機を逃さないよう、さまざまな情報を収集するとともに、その実現可能性を探り、より効果的で効率的な手法を検討しながら誘致活動を行っている。具体的には、より多くの関係者による誘致委員会を設置して取り組む場合や、照会に対して事務的に回答する場合など、ケースによってさまざまな手法があり、今回のG20首脳会議の誘致については、2000年開催の九州・沖縄サミット福岡蔵相会合の実績などを勘案し、外務省の照会に対して、ホテルの客室数などについて事務的に回答をしたものである。なお、議員に情報公開した資料については、外務省において、安全性、犯罪の予防の観点から非公開情報とされていることから、一部秘匿したものである。 351 ◯中山委員 それがあってはならないことである。選ばれていたらどうなるのか、恐ろしいことであるが、財務閣僚会議の会場に実際選ばれた。市長は、選ばれてから慌てて県知事に協力要請に行ったようだが、どこを会場にし、警備体制、市民への影響、予算規模はどうなるのか尋ねる。 352 △総務企画局長 G20財務大臣・中央銀行総裁会議については、現在、主催者である財務省及び日本銀行において、会議の開催時期、内容について検討されており、まだ決定されてないことから、警備に伴う市民への影響等についてははかりかねるところがある。一般論としては、各国の財務大臣等の来福に伴い、会場や宿泊施設の周辺において、警備による立ち入り規制や交通規制などが想定されることから、その周辺住民を初め、市民に対して、会議の意義や概要、交通規制の内容などを事前に十分説明し、協力を依頼するとともに、日常生活への影響をできるだけ少なくするよう、国や福岡県警等に働きかけていきたい。また、予算について、G20財務大臣・中央銀行総裁会議は国の事業のため、会議開催にかかる経費については、基本的に国の支出となるが、本市としては、財務省と協議しながら、必要となる広報や機運醸成、開催支援などの事業を検討の上、議会に諮りたい。 353 ◯中山委員 全てこれからだという無責任な答弁である。前回2000年に九州・沖縄サミット福岡蔵相会合の会場となった経緯がある。そのときの会場と、関連経費について尋ねる。 354 △総務企画局長 2000年九州・沖縄サミット福岡蔵相会合の会場は福岡市博物館であり、会議に関連して本市が負担した経費は、予算ベースの数字では、開催年度である12年度と、その前年の11年度を合わせ、会場である博物館の施設整備や道路整備の費用として14億6,500万円、推進委員会負担金その他の経費として4億2,587万円である。 355 ◯中山委員 実態は、博物館を無理に会場に仕立て、トイレ洋式化等の改修経費に1億5,000万円など合計18億円以上が費やされ、ボランティアも地域に無理を言って3,000人が動員された。検問も行われ、5,000人規模の警備体制で、百道浜を初め交通に大きな混乱が生じた。今回も市民生活にも財政面にも大きな負担と混乱をもたらすことは必至であり許されず、来年の財務閣僚会議の開催地については直ちに辞退すべきであるが、所見を尋ねる。 356 △総務企画局長 G20財務大臣・中央銀行総裁会議については、国際金融システム上重要な20か国、地域から、財務大臣や中央銀行総裁などが一堂に会し、世界経済の安定的かつ持続可能な成長の達成に向けて、主要な国際経済、金融問題について議論されるもので、世界の注目度の高いハイレベルな国際会議である。本市として、G20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されることは、本市の魅力を内外に広く発信できる絶好の機会であるとともに、国際的なプレゼンスを向上させることで、今後のMICE誘致などにおいて、その効果が期待できることなどから、大変有意義であると考える。会議が成功裏に終わるよう、開催都市として、しっかり国や日銀に協力していきたい。 357 ◯中山委員 ここでも市民は蚊帳の外であり、許されず、辞退すべきと考える。また、身の丈に合わないようなホテル建設をさらに誘導して、まちを壊すことがあってはならないとも指摘しておく。次に、国家戦略特区における空港アクセスバス及び人工島センター地区のホテルなど複合施設計画について、平成29年9月議会での私の質問、及び12月議会における星野議員の質問で、高島市長の知り合いである戸島匡宣氏が会長を務める(株)ロイヤルバスが国家戦略特区のメニューの一つである空港アクセスバス事業に選定された経緯についてただしたところ、当局は、適切だとの答弁を繰り返したが、なお疑念が残っており、引き続きただしていく。空港アクセスバスの1日当たり総乗車人数及び1便当たりの乗車人数、またその把握方法について尋ねる。 358 △総務企画局長 空港アクセスバスの乗車人数について、本市から(株)ロイヤルバスに電話で確認した情報によると、平成29年12月における1日当たりの乗車人数は約188人である。また、この数字を、公表数字である1日当たりの便数である25で割ると、1便当たり7.5人となる。 359 ◯中山委員 天神周辺でアクセスバスをよく見かけるが、乗客が十数人も乗車しているバスは見たことがなく、会社からの聞き取り内容が真実なのか疑問であるが、その程度の乗客数で経営が成り立つのか尋ねる。 360 △総務企画局長 (株)ロイヤルバスの経営状況については、本市への報告は必要としていなことから承知していない。 361 ◯中山委員 特区会議で市長が推薦しておきながら、経営状況さえ把握していないとはでたらめである。(株)ロイヤルバスの車庫の所在地を尋ねる。 362 △総務企画局長 車庫の場所についても本市への報告義務がなく、承知していない。 363 ◯中山委員 まさに野放し状態である。車庫として使われている場所を調べたところ、博多区下月隈の老人施設の職員駐車場に隣接する土地である。この土地はもともと市街化調整区域内にある下月隈財産区所有の農業用ため池であったものが、2013年に、隣接する老人施設を運営する社会福祉法人が、公的目的で活用するとして、管理者である市長名で売却されたもので、価格は2,700万円程度である。その後、ため池は埋め立てられ、現在は施設の職員駐車場となり、その北側に(株)ロイヤルバス福岡本社営業所の小さな看板が設置され、20台以上のバスが駐車している。公的用途のために市長名で売却されたはずの土地が、(株)ロイヤルバス福岡本社営業所に使用されたいきさつを尋ねる。 364 △財政局長 当該土地については、平成14年以前は農業用ため池として利用されていたが、用途廃止後は、ほかの行政用途としての利用はない状態であり、また、下月隈財産区管理委員会から、活用する予定はないとのことで処分が承諾されたことなどを踏まえ、平成25年に買い受けを希望した隣接土地所有者である社会福祉法人に適切に売却したものである。 365 ◯中山委員 その先を知らないことは済まされない。ここを購入した社会福祉法人は、2年後には、この法人の理事長が同時に取締役を務める株式会社にこの土地を転売しており、よく理解できない。この会社はいろいろと手広く事業を行っており、土地建物の売買、賃貸借、仲介業も手がけている。この土地については(株)ロイヤルバスに賃貸なのか、無償貸与しているのか、いずれにしても、公的目的で売却された市民の財産が、営利企業の利益のために使用されているのではないか、本市の責任で調査すべきと考えるが、所見を尋ねる。 366 △総務企画局長 空港アクセスバスの特例については、空港利用者の利便性向上やインバウンドの推進を目的に、ダイヤ変更の際の届け出期間の短縮などを図るもので、国家戦略特別区域法の規定などに基づき、国による適正な手続を経て活用を認められたもので、また、運営に関しても、道路運送法の規定などに基づき、監督官庁である九州運輸局において適切に判断されるものと認識している。 367 ◯中山委員 本市の財産であった経緯があることから、本市としても調査すべきである。(株)ロイヤルバスが届けている事業者住所を尋ねる。 368 △総務企画局長 (株)ロイヤルバスの事務所の所在地は、博多区博多駅前三丁目と認識している。 369 ◯中山委員 事業者の住所がどこなのか、再度尋ねる。 370 △総務企画局長 (株)ロイヤルバスのホームページによると、本社として博多区博多駅前三丁目、福岡営業所として博多区月隈一丁目が記載されている。 371 ◯中山委員 (株)ロイヤルバスの事業者住所は、博多区榎田二丁目4番22号として九州運輸局に届けがあっている。総務企画局長は把握していなかったのか確認する。 372 △総務企画局長 バス事業に関しては、九州運輸局が事業の認可を行うことから、本社に関する手続などに関しても、道路運送法の規定などに基づき、いわゆる監督官庁に当たる九州運輸局において判断されるものと認識しており、把握していない。 373 ◯中山委員 当然知らないとの答弁であるが、榎田二丁目4番22号はロイヤルバスのもとの車庫があった住所で、今は建物一つない更地である。ここが事業者住所であるのはおかしいと考えるが、所見を尋ねる。 374 △総務企画局長 本市は事業者住所について把握していない。 375 ◯中山委員 把握していないからとしてこのような問題を知らずにいるのは間違いである。この土地の所有者は国土交通省であり、昨年12月26日付で国が買収している。鳴り物入りで本市が特区として進めた空港アクセスバスの運行事業者は、国土交通省の更地の土地に居住していることになっており、問題と考えるが、所見を尋ねる。 376 △総務企画局長 本市は詳細について承知しておらず、答弁できる立場でない。 377 ◯中山委員 そのような言いわけは許されない。道路運送法施行規則第66条に定める住所変更の際の届け出義務違反に当たり、行政処分の対象となる。平成29年10月に住宅都市局が事務局を担う、特区の空港アクセスバス分科会において、担当部長が会議を進行して、本事業は適正に行われていると確認しているが、根本から覆す事態である。本市としても当事者として、直ちに調査し、厳正に対応すべきと考えるが、責任ある答弁を求める。 378 △総務企画局長 繰り返しになるが、バスの運行に関することは、九州運輸局が事業の認可を行うことから、質問の内容については、道路運送法の規定などに基づき、監督官庁に当たる九州運輸局において適切に判断と対処をされるものと考える。 379 ◯中山委員 運輸局の判断だと責任を逃れようとするのは良くない。平成29年12月の議事録の答弁によれば、本市において、規制の特例活用を希望する事業者がいる場合には、その活用に向けて、通常から内閣府に対して特例活用の可能性について伝えるとともに、関連法令や他地域での活用状況などについて確認している、とある。本市が関連法令を確認の上で、特区事業を(株)ロイヤルバスに進めさせているが、その事業が法令違反の疑いがあると、この委員会において私が責任を持って情報提供を行っていることであり、本市の責任で調査すべきであるが、再度答弁を求める。 380 △総務企画局長 関係法令に照らした調整、という文言については、規制緩和にかかる部分であり、この空港アクセスバスの特例とは、届け出の期間を短くするとか、許可から届け出に変わるなどの意味である。調査すべきだとの質問であるが、質問の内容については、バス事業について監督官庁の立場にある九州運輸局で適切に対応されることだと承知しており、本市として調査するつもりはない。 381 ◯中山委員 12月議会で星野議員が明らかにしたが、この特区の選定を進める中で、本市が(株)ロイヤルバスから運行計画書を受け取り、翌日には九州運輸局に持参しているなど、本市は一緒になって事業を進めている。九州運輸局に提出された書類には先ほど述べた件が記載されている。今週の月曜に確認したところ、まだ住所移転されていなかったが、その現状は法令違反であり、調査すべきである。総務企画局長が答弁しないのであれば、都市交通の担当であり、特区の分科会にも参加して事業を推進している住宅都市局長に答弁を求める。 382 △住宅都市局長 空港アクセスバスの分科会については、平成27年7月15日付内閣府国土交通省事務連絡を受けて、空港アクセスバス事業における利用者の利便の向上を目的に設置したものであり、第1回の会議を平成29年10月18日に開催して、事業が適正に行われていることを確認した次第である。 383 ◯中山委員 尋ねているのはその後のことで、法令違反の疑いが極めて高いと指摘しているので、住宅都市局としても、市内の走行バスであることから、九州運輸局に確認するなどの必要があると考えるが、重ねて答弁を求める。 384 △住宅都市局長 本市としては、車庫の場所や事業所の場所について、把握や承知はしていないが、その取り扱いなどに関しては、道路運送法の規定などに基づき、九州運輸局において適切に判断されると承知している。 385 ◯中山委員 これが特区の実態である。本市は知らぬ存ぜぬとしているが許されず、大問題につながると考える。次に、(株)ロイヤルバス同様、戸島氏が代表取締役社長を務める(株)HEARTSが(株)やずやと一緒に進めようとしている人工島のセンター地区開発事業については、7万5,000平米を約81億円で購入したこの2社が、上限30億円の立地交付金の対象となり、インバウンドを集約する商業・ホテルの複合施設を建設するものである。事業者側から提出されている事業概要における工事期間及び事業開始時期を尋ねる。 386 △港湾空港局長 アイランドシティ・センター地区7.5ヘクタールにおける施設の事業概要は、(株)HEARTSが代表出資者である福岡アイランドシティ特定目的会社を事業所に決定しているが、工事期間は2017年8月~2019年4月であり、事業開始時期は2019年6月となっている。 387 ◯中山委員 工事の進捗状況を尋ねる。 388 △港湾空港局長 事業者において、既に工事請負業者が内定した状況である。 389 ◯中山委員 工事の進捗においては着工していないようである。予定から7カ月過ぎても、着工していない理由を尋ねる。 390 △港湾空港局長 提案計画書に掲載の当初スケジュールと現実のスケジュールとのずれについては、公募の時点で事業予定者から提出があったスケジュールは、例えば議会の議決などが加味されていない、行政手続に精通していなかった段階でのスケジュールであったことから、事業者決定後、速やかな土地の譲渡を踏まえたスケジュールに変更している。現在では、平成28年5月30日の事業者決定後、土地売買の仮契約を踏まえて、平成28年12月22日の議会における議案可決後の翌年の平成29年3月31日に土地の引き渡しを行ったところである。現状ではまだ着工には至っていないが、工事請負業者が内定しており、ことしの夏には着工すると聞いている。 391 ◯中山委員 再来年の3月までに開業できなければ、この事業への立地交付金交付は取り消されるのではないか。 392 △経済観光文化局長 アイランドシティ・センター地区7.5ヘクタールにおける立地交付金の適用については、土地の引き渡し日である2017年3月31日の翌日から3年以内に操業を開始することを条件に交付することとしている。 393 ◯中山委員 あと2年しかなく、実現性は乏しいと考える。原因を探るため、運営状況を調査したところ、運営会社ジョーンズラングラサール株式会社は、2013年に中洲の商業ビルGATESが売却される際、その購入先を選定する業務委託を受けながら、最終選考に残ったみずからの系列会社に対し、競争相手が提示している価格情報を漏えいするという不正を働いたとして、当時の社員が内部告発をしている。その社員は解雇され、不当解雇だとして現在係争中となっている。港湾局はこの問題について把握しているのか。 394 △港湾空港局長 承知してない。 395 ◯中山委員 知らないでは済まされず、情報漏えいや不当解雇が事実であれば、センター地区の複合施設でも、今後同様の問題が起きる可能性があることから、事実を把握すべきでないか。 396 △港湾空港局長 ジョーンズラングラサール社に対する認識については、アメリカに本社を置く企業であり、世界80カ国300カ所に拠点を置く不動産の総合サービス会社である。私どもとしては、この7.5ヘクタールの事業が、先ほど説明したように工事の請負業者も決まっていること、さらにホテルの運営事業者や主要テナントも内定していることもあわせ、順調に進捗していくと認識している。 397 ◯中山委員 調査の結果によっては困ることになるから、調査はしないということなのか。以上2つの案件についてただしてきたが、市長の知人が経営する(株)ロイヤルバスが、特区事業というお手盛りで空港アクセスバスを認可され、運行開始したものの需要はなく、わずか1年でもう破綻に直面している。車庫さえ確保できなくなり、違法行為まで行っている。さらに将来の莫大な利益を当て込んで人工島にまで進出しようとしたものの、これもまた計画段階でつまずいているというのが実態であるが、所見を尋ねる。 398 △総務企画局長 空港アクセスバスの特例については、国家戦略特別区域法を初めとした法令の規定などに基づき、国による適正な手続を経て活用を認められており、また、運行に関しても、道路運送法の規定などに基づき、監督官庁の九州運輸局において適切に評価、判断されているものと認識している。 399 △港湾空港局長 アイランドシティ・センター地区7.5ヘクタールの事業については、公募により広く事業提案を募集した後、学識経験者4人を含む評価委員会における評価や、公認会計士から財務を含む事業現実性に対する意見を踏まえる中で、適正な手続の中で事業者を決定したものと認識している。現在、事業者において工事の請負業者が内定していること、ホテルの運営業者も内定していること、さらに主要なテナントも内定し、ことしの夏の着工が決定しているとのことであり、着実に事業が進捗すべきと期待している。 400 ◯中山委員 行政の手続もよく知らずに応募した企業である。結局、高島市長が安倍政権と一体となって先頭切って進めている国家戦略特区は、まさにブラックボックスであることが明確に判明してきた。認可の手続は極めてずさんであり、何が起きても闇の中で、まさに利権に群がる勢力の温床となっているのが特区である。そしてその舞台は、立地交付金に群がり人工島にまで広がってきている。高島市長のもとで市政のゆがみが際限なく広がりつつある。安倍政権と一緒になってこれ以上市政をゆがめることは許されず、空港アクセスバス並びに人工島センター地区開発の実態については必要な調査を行い、公表し、中止も含めて見直すとともに、問題だらけの特区推進はやめるべきであるが、市長の所見を尋ねる。 401 △市長 国家戦略特区を活用した空港アクセスバスの特例については、福岡空港利用者の利便性の向上やインバウンドの推進に資するとの観点から、適正な手続を経て規制の特例活用が認められたものであり、運行に関しても国において適正に判断されていると認識している。もちろん法令遵守は大切なことから、指摘も踏まえて、監督官庁における適切な対応が大切と考える。また、アイランドシティ・センター地区についても、2018年夏の着工に向けて着実に事業が進められている。本市はこれまでもスタートアップ法人減税、航空法の高さ規制にかかる特例など、都市の活性化につながる規制改革案を実現するとともに、都市公園内保育所の特例の活用などによって、市民生活に直結した規制緩和にも取り組んでいる。引き続き国家戦略特区を活用することによって、本市の都市の成長と市民の生活の質の向上を図っていく。 402 ◯中山委員 市民の声、議会の指摘を無視し続ければ、安倍政権と同様に市長も追い詰められると指摘しておく。教職員の長時間過密労働の深刻さは重大な社会問題の一つとなっており、教職員の働き方だけの問題にとどまらず、子どもの教育に重大な影響を及ぼすものであり、国も対策が必要だと動き始めている。昨年4月28日に文部科学省が発表した教員勤務実態調査において明らかになった長時間労働の実態について、小学校、中学校それぞれについて尋ねる。
    403 △教育長 文部科学省が平成29年4月に公表した教員勤務実態調査における、在校時間から休憩時間を除いた1日の勤務時間については、小学校の教員は、平日が11時間15分、土日が1時間7分、中学校の教員は、平日が11時間32分、土日が3時間22分である。 404 ◯中山委員 本市が平成26年10月に実施した教職員の勤務実態調査における勤務時間の調査結果とも大きな乖離はないと考えるが、所見を尋ねる。 405 △教育長 文部科学省と集計方法が異なるため、単純に比較はできないが、本市の教員においても、文部科学省の調査結果と同様、長時間勤務の実態があるものと認識している。 406 ◯中山委員 小学校教諭の約6割、中学校教諭の約8割が厚生労働省の過労死ラインで働いていることになる。調査結果を受けて、文部科学大臣からの諮問を受けた中央教育審議会は、12月22日に中間まとめを公表し、文部科学大臣はそれを受け、学校における働き方改革に関する緊急対策を公表、ことし1月には全国の教育委員会に通知が出された。その通知の内容について尋ねる。 407 △教育長 平成30年2月9日付で、文部科学事務次官から都道府県教育委員会及び指定都市教育委員会の教育長宛てに通知が出されている。その内容については、平成29年12月の中央教育審議会の中間まとめを踏まえ、文部科学省が取り組む緊急対策の内容について通知するとともに、各教育委員会において取り組むべき方策として、学校における業務改善、勤務時間管理の徹底及び適正な勤務時間の設定、教職員全体の働き方に関する意識改革について、学校や地域、教職員や児童生徒の実情に応じて、順次適切に取り組みを進めることを求めるものとなっている。 408 ◯中山委員 強調されている業務の改善について、本市は新年度にどのような対策をとるのか尋ねる。 409 △教育長 平成30年度の教員の業務負担については、単独で指導や試合の引率ができる部活動指導員制度の導入や、集約処理による学校事務の効率化を図り、教員が行っている業務の一部を学校事務職員が担う学校事務センターを中央区で先行実施することなどにより、教員の一層の負担軽減に取り組んでいく。 410 ◯中山委員 学校事務センターの新規設置については、業務量削減に効果があるのか、検証を待たないと評価はできず、残念ながら教員の業務削減に即効性があるものは提示されなかった。中学校の部活動指導員が新年度から始まるようだが、全校に1人ずつでは、全ての部活動数1,295からすれば、配置率はわずか5%どまりであり、教員全てに効果があるものではない。部活動における教職員の労働時間、負担軽減は喫緊の課題である。本市が部活動の適正な運営のために2年前に策定した部活動指導のガイドラインで示されている内容と現場での徹底状況を尋ねる。 411 △教育長 平成28年3月に策定した本市の部活動指導のガイドラインの休養日については、学校行事や部活動の試合日程に応じて、土曜日、日曜日のいずれか1日を休養日とするか、平日に週1日以上の休養日を設定することなどを示している。週1日以上の休養日を設定することについては、平成29年5月の調査では、全校の全部活動で100%達成している。 412 ◯中山委員 勝利至上主義が根強い部活動では、活動時間の長さを重視する傾向が拭えず、保護者からの強化要望に応えたい顧問は、自分の時間を削減して頑張り、ガイドラインが脇に置かれている実態もある。子どもはもちろん顧問となっている教職員の負担軽減という喫緊の課題のために、週1日以上の休養、土日祝日活動した場合の振りかえについては、さらに徹底を図るべきだと考えるが、所見を尋ねる。 413 △教育長 部活動指導のガイドラインのさらなる徹底については、これまでと同様に、各学校に通知するとともに、校長会、部活動関係者の代表による部活動意見交換会、校長・園長連絡会、部活動顧問者会においても、ガイドラインの周知徹底を図るとともに、実態を調査し、指導する。 414 ◯中山委員 顧問の負担軽減に必要な補助指導者について、その役割、今年度及び新年度の配置人数、1人当たりの報償費の、従前と新年度の予定額について尋ねる。 415 △教育長 部活動補助指導者の人数及び報償費については、平成30年2月末現在、304人を中学校に配置しており、報償費は1日2時間程度の活動につき3,800円である。30年度は260人を中学校に配置予定としており、報償費は1日2時間程度の活動につき2,800円としている。 416 ◯中山委員 人数は削減し、報償費も1日1,000円も減額するのは逆行である。指導員を導入するかわりに、処遇を切り下げるなど認められない。報償費は少なくともこれまでの水準を維持し、配置人数は現場の要求に応えられるよう、大幅に増員すべきであるが、所見を尋ねる。 417 △教育長 部活動補助指導者の報償費については、新設する部活動指導員の業務内容と均衡を図るとともに、福岡県や北九州市を初め他都市などの支給額を参考に見直した。今後は制度の充実に努めたいと考える。 418 ◯中山委員 再考を求めておく。中教審の中間まとめでは、そもそも必要性が乏しく慣習的に行われてきた業務については思い切って廃止していくべきであると述べ、文部科学省通知でも研修や研究等のあり方について言及している。これらの観点は重要であるが、教育長の所見を尋ねる。 419 △教育長 教員の業務負担の軽減については、学校におけるこれまでの働き方を見直し、限られた時間の中で教員の専門性を生かしつつ、授業やその準備に集中できる時間、教員みずからの専門性を高めるための研修の時間や、児童生徒と向き合うための時間を十分確保し、教員が日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、みずからの人間性を高め、児童生徒に対して効果的な教育活動を行うことができるよう、取り組みの徹底を図る必要があると考える。 420 ◯中山委員 その考えを具体的に実行に移す必要があると考える。毎年の一斉学力テストと本市独自の生活習慣・学習定着度調査など、慣習的に行われてきた業務について、毎年毎年行う必要があるのか。少しでも点数を上げさせようと対策の授業まで行われている現場もあるが、全く意味がない。時間的にも精神的にも、子どもと教師の負担をふやしているだけであり、一斉学力テストについて最優先でやめるべきだが、所見を尋ねる。 421 △教育長 本市独自の生活習慣・学習定着度調査については、調査結果をもとに成果と課題を明らかにし、各学校がさらに取り組みの改善を図りながら、学力の課題解決に向けた効果的、重点的な取り組みを行っている。全国学力・学習状況調査については、児童生徒の学力の実態把握と授業改善のために、全小中学校の参加を継続する。 422 ◯中山委員 広島県では、業務改善の視点から一斉学力テストの休止を決定している。他都市に倣い、本市も真剣に見直すべきである。本市においては、ほかにもアントレプレナーシップという起業家教育や、各種研究発表、押しつけとも言われてきた各種研修など、削減すべき事業は少なくないと考えるが、所見を尋ねる。 423 △教育長 さまざまな教育施策については、本市の子どもたちの学力を初め、これからの社会を生き抜く力を身につけさせるために実施しており、今後もしっかりと推進する。 424 ◯中山委員 そのような姿勢では改善はできず、検討を求めておく。教員の負担となっているのが、休日の地域行事などや夜間パトロールなどへの動員である。PTAや地域住民の理解を得ながら、教員がしなくてもよい活動からは撤退できるようにすべきであるが、所見を尋ねる。 425 △教育長 地域行事など、勤務時間外の活動については、これまでも学校教育活動の一環として当該行事に児童を引率するなど、教員の職務に当たる場合以外は、職務として参加を命じることはできないとしている。なお、教員の負担をさらに軽減するため、休日における地域行事などへの教員の参加については、今後、地域団体やPTAに協力を依頼するなど見直しを検討していく。 426 ◯中山委員 教育委員会としてイニシアチブをとるべきと考える。業務の削減に反することとして大変懸念しているのが、新指導要領の実施に向けた授業時間数増加の問題である。新年度からの小学校における外国語及び道徳の授業について、時間数はどのように増加するのか。 427 △教育長 2020年度から実施される学習指導要領では、小学校3、4年生で年間35時間の外国語活動が教育課程に新たに位置づけられ、5、6年生で、現行の35時間からさらに35時間増加し、70時間外国語科の学習を実施するよう示されている。道徳については、30年度から、小学校で、これまでの道徳の時間が教科として位置づけられるものであり、35時間という時間数は変更しない。 428 ◯中山委員 現状の小学校の時間割りについて、5、6年生は週5日のうち4日が6時間授業であり、これに新年度からは英語が一、二時間、道徳が1時間という新たな負担が加わることになる。多くの学校が午前中給食までに5時間実施しないと、英語と道徳までこなせないとして、真剣に検討を行っている。午後から2時間、つまり7時間授業まで導入せざるを得ないほど追い込まれており、ますます教員の多忙化に拍車をかけ、子どもからもゆとりの時間を奪うと考えるが、所見を尋ねる。 429 △教育長 学習指導要領については、今後の国の教育の方向性を示したものであり、新しい学習指導要領に示された考え方にのっとり実施していく。 430 ◯中山委員 現場においては、新指導要領全面実施の先取りが進み、既に5、6年生で英語を年70時間、つまり週2時間入れ込むカリキュラムを作成している学校もある。1つの授業を成功させるための準備に要する時間について、国会における文部科学省の答弁を踏まえ、所見を尋ねる。 431 △教育長 平成28年11月2日の第192回国会、文部科学委員会における答弁によると、文部科学省が実施した教員勤務実態調査の結果、教員1人が1週間の授業の準備にかかる時間は、小学校が5時間、中学校が5時間16分とのことである。国会での回答をそのまま引用すると、授業1こま当たりの単位時間に換算すると、小学校では1こま45分に対して、その3分の1の約14分、中学校では1こま50分に対してその4割の約20分がそれぞれ授業準備に充てられているとの答弁があっている。 432 ◯中山委員 それは実態の話であり、もう少し踏み込んだ答弁をしている。これまでの5時間授業でも、授業の準備の時間を入れれば、その倍の時間が必要であり、10時間の労働となる。そして、連絡帳記入などの作業、個別の生徒指導等、膨大な仕事をこなすために、現状のような長時間過密労働になっている。したがって、これ以上授業時数をふやすのは大きな問題だと考えるが、所見を尋ねる。 433 △教育長 授業時数については、各学校の教育課程を編成する際の基準として、学習指導要領に定められたものであり、その考え方を踏まえ、小学校は2020年度から、中学校は2021年度から着実に実施していく。 434 ◯中山委員 授業時間数は現場の裁量で決められることから、授業の精選こそ必要だと指摘しておく。次に、教職員の負担軽減を図る上で欠かすことのできない増員について、小中学校それぞれの教諭が担当する1人当たりの児童生徒人数と、過去5年間の推移及び新年度の見込みについて尋ねる。 435 △教育長 教諭1人当たりの担当児童生徒数については、小学校では25年度は26.1人、26年度は26.9人、27年度は26.7人、28年度は26.8人、29年度は26.5人、30年度の見込みは25.2人である。中学校では、25年度は22.1人、26年度は23.0人、27年度は23.0人、28年度は22.3人、29年度は21.5人、30年度の見込みは19.7人である。 436 ◯中山委員 推移については横ばいである。学校の教職員は互いにカバーし合って仕事をすることから、例えば事務職や用務員等についても、その人員の増減は教職員全体の負担の大小に影響を与える。小学校、中学校あわせて事務職、用務員ともに25年度と新年度配置予定の比較について尋ねる。 437 △教育長 事務職員及び学校用務員の職員数については、25年度では事務職員は3カ月任用の臨時職員75人を含め324人、学校用務員は238人、30年度の見込みでは事務職員は284人、学校用務員は177人である。 438 ◯中山委員 大幅に減少しているが、教育委員会と市長が行政改革のもとに推進した人員削減が負担を増大させてきた。削減路線をやめるべきであり、その上で求められるのは学級規模の改善である。テストの採点、提出物の管理、家庭訪問、中学校では調査書等、進路に関する重要書類作成など1人の担任が担当する子どもの数の違いは決定的である。例えば1クラス20人なら、40人の半分の業務量に削減できる。したがって、教員の負担軽減の観点からも、35人学級を全学年で実施すべきであるが、所見を尋ねる。 439 △教育長 少人数学級の実施学年などの発達段階に応じた教育実践体制のあり方については、これまでの本市の取り組みを踏まえ、31年度からの次期教育振興基本計画を策定する中で検討していく。 440 ◯中山委員 拡充すると明言しないのは無責任のきわみである。難関の採用試験を通過して採用になった教員が、疲れ果てて1年目で退職する事態も生じている。ベテラン教員は早く定年が来ないかと願い、子育て中の教員は疲れ果てて自分の子どもを抱きしめる気力もない状態であり、現職で命を奪われる教員も生じており、同僚は過労死だと心を痛める。これが学校現場の日常で、まさにぎりぎりの状態である。国も対策に乗り出したとはいえ、定数改善に正面から取り組むには至っておらず、教育行政として、大半が過労死予備軍となっている教職員の実態改善のために、早急にかつ具体的に対策をとることが求められている。したがって、学力テストなど、必要のない業務の大幅削減、授業時間数の削減を図るとともに、予算を拡大し、事務職、用務員、各種専門職の増員を行い、35人学級を全学年で実施すべきであるが、教育長並びに市長の所見を尋ねる。 441 △教育長 教員の勤務実態については、学校が抱える課題が複雑化、多様化し、学校に求められる役割が拡大したことが教員の長時間勤務という形であらわれたと認識している。長時間勤務の解消によって、教員の心身の健康を保持するとともに、教員が子どもと向き合う時間を確保するため、業務負担の軽減に取り組む必要があると考える。教員の負担軽減のためには、教員以外の専門スタッフや外部人材の活用を図ることが重要だと認識しており、スクールソーシャルワーカーの全中学校区への配置やスクールカウンセラーの配置日数拡充など、専門職を増員するなどにより、チーム学校を推進していく。少人数学級の実施学年などの、発達段階に応じた教育実践体制のあり方については、これまでの本市の取り組みを踏まえ、31年度からの次期教育振興基本計画を策定する中で検討していく。 442 △市長 教員の負担軽減について、教員が心身ともに健康な状態で子どもたちに向き合うことは、本市の未来を担う大切な子どもたちを育成するために重要であると考えており、今後とも、教育委員会と連携をして、さらなる教育環境の充実に取り組んでいく。 443 ◯田中(丈)委員 福岡市民クラブを代表して、いじめ防止に向けた取り組み、私たちの選択肢、STOPitについて質問する。日本だけでなく世界中にいじめが存在している。学校だけでなく職場でも、大人子どもの関係なく、いつの時代でもいじめがあり、深刻な社会問題として取り上げられつつも、決定的な対応策がないのがいじめ問題である。加えて、最近のいじめは、身体的、言動的、集団的なものに加え、悪質な書き込みや個人情報の流出などのインターネット上でのいじめもふえている。文部科学省によると、いじめとは、学校の内外を問わず、当該児童生徒が一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているものと定義されている。いじめはそれだけで大きな身体的、心理的なダメージを受けるばかりか、自殺にもつながる。いじめを受けた生徒のほうが6倍自殺をしやすいという調査結果もあり、いじめから大きな事件となるケースはとても悲しく残念でならない。日本の学校におけるいじめの防止対策として定められている法律と、制定された背景、目的、役割について尋ねる。 444 △教育長 学校を含めた社会全体の国民的課題であるいじめに対し、社会総がかりで対峙するため、平成25年9月にいじめ防止対策推進法が施行されている。いじめの定義を明確にし、いじめ防止等のための対策に関する基本的な方針を、国、地方公共団体、学校がそれぞれ策定することにより、いじめ防止等の対策を総合的かつ効果的に推進することを明示しており、地方公共団体や学校がいじめ防止等に関する施策を早急に期することとしたものである。 445 ◯田中(丈)委員 平成25年に成立したいじめ防止対策推進法の施行後も、悪質ないじめや自殺者が起きているが、どのように考えているのか。 446 △教育長 いじめという行為は、いじめを受けた児童生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命または身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることから、絶対に許されないものであり、いじめが発生した場合は、解決に向けて全力で取り組まなければならない。いじめは、どの学校でも、どの学級でも、どの子にも起こり得るという危機認識のもと、いじめの未然防止と早期発見に努め、児童生徒が学校生活の中で確実に自己存在感や充実感を感じられるよう、学校と教育委員会が一体となっていじめゼロの取り組みを進めていく。 447 ◯田中(丈)委員 平成23年に起きた大津市の中学2年男子の自殺問題では、教員はいじめを知っていたのに、学校全体では放置していた。いじめ防止対策推進法は、この問題をきっかけにいじめを定義し、防止に向けた国や自治体、学校などの責務を明確化した法律として、悲劇が繰り返されないようにとつくられ、いじめは対象になった児童生徒が心身の苦痛を感じているものとし、体を傷つけたり暴力を振るったりすることは無論、仲間外れやインターネットへの悪意ある書き込みなども含めて、明確に禁じている。学校には、保護者、地域住民、児童相談所など関係者と連携して、いじめ防止と早期発見に取り組むよう求めたほか、いじめ防止基本方針を定め、具体的に機能する防止組織を置くよう義務づけた。いじめが疑われる場合は、防止組織で情報を収集し、教育委員会に報告する。また、被害者が自殺を考えるような、心身に重大な被害が及びそうな場合や、いじめが原因で不登校になっている場合などを重大事態とし、学校または教育委員会が調査組織をつくって事実関係を明らかにし、必要な情報を保護者らに提供することになっている。平成26年に制定した福岡市いじめ防止基本方針について、いじめの防止の対策としてどのようなことが示されているのか。 448 △教育長 いじめの問題に対する学校及び教育委員会、家庭、地域、関係機関等の役割と責任、それぞれが取り組むべき事柄を明示している。その中で、いじめ防止の対策として、いじめを生まない教育活動の推進、いじめの早期発見の取り組みの充実、早期対応と継続的指導の充実、地域、家庭との積極的連携、関係機関との密接な連携などの必要性を示している。 449 ◯田中(丈)委員 全国における30年度を含めた過去3年のいじめ関連予算と中身について尋ねる。 450 △教育長 国のいじめ関連予算は、28年度が57億1,600万円、29年度が61億3,400万円、30年度が63億9,700万円である。その内容は、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの配置拡充、24時間子どもSOSダイヤルを初めとした外部専門家を活用した教育相談体制の整備、関係機関との連携強化等、自殺予防に対する効果的な取り組みに関する調査研究、脳科学、精神医学、心理学等に関する研究と学校教育の連携による調査研究、いじめ防止等対策のためのスクールロイヤー活用に関する調査研究などのいじめ対策・不登校支援等推進事業である。 451 ◯田中(丈)委員 本市における30年度を含めた過去3年のいじめ関連予算と中身について尋ねる。 452 △教育長 不登校・いじめ対策事業費として、28年度が3億9,207万7,000円、29年度が3億8,694万7,000円、30年度が5億2,523万円である。その内容については、Q-Uアンケート調査を実施するためのいじめ・不登校ひきこもり対策事業、児童生徒が主体的にいじめ問題の取り組みをするいじめゼロプロジェクト、全中学校区にスクールソーシャルワーカーを配置するためのスクールソーシャルワーカー活用事業、小呂小中学校、玄界小中学校に心の教室相談員、それ以外の小中学校、高等学校、特別支援学校にスクールカウンセラーを配置するためのスクールカウンセラー活用事業などである。 453 ◯田中(丈)委員 文部科学省が配布したいじめ防止対策でも、いじめを正確に漏れなく認知することはいじめ対応の第一歩であり、いじめ防止対策推進法が機能するための大前提としている。全国でのいじめの認知件数、また、そのうちネットいじめはどうなっているか。あわせて、国が考えているSNSを含むネットいじめに対する考え方について尋ねる。 454 △教育長 全国のいじめ認知件数については、28年度文部科学省の児童生徒の問題行動、不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査では、32万3,143件で、そのうちパソコンや携帯電話等を使ったいじめは1万779件となっている。また、SNSを含むネットいじめについては、いじめの防止等のための基本的な方針において、外部から見えにくく、匿名性が高いため児童生徒が行動に移しやすい一方で、拡散したいじめに係る画像、動画等の情報の消去が極めて困難であること、一つの行為がいじめの被害者にとどまらず多大な被害を与える可能性があることなど、深刻な影響を及ぼすものと示されている。 455 ◯田中(丈)委員 なかなか発覚しづらいといういじめの性質を考えると、約1万件というネットいじめ件数は氷山の一角と思える。本市におけるいじめの認知件数、そのうちネットいじめはどのようになっているのか。あわせて、ネットいじめに対しての本市の取り組みについて尋ねる。 456 △教育長 本市のいじめ認知件数についは、28年度が122件で、そのうちパソコンや携帯電話等を使ったいじめは15件である。ネットいじめに対しての取り組みとしては、小学校5、6年生及び中学校各学年の道徳や、中学校の技術・家庭科において、情報モラルについて指導するとともに、児童生徒と保護者が情報モラルについて一緒に学ぶ講演会の実施などを行っている。また、児童生徒や保護者の相談窓口として電話相談室、保護者の相談窓口として学校保護者相談室を設置し、さらに、学校ネットパトロールにより、不適切な書き込みや画像の監視を行うとともに、ネットトラブル未然防止のための啓発資料をホームページに掲載している。 457 ◯田中(丈)委員 本市以外における、ネットいじめに対する取り組みについて尋ねる。 458 △教育長 北九州市や熊本市においては、ネットパトロールを実施していると聞いている。また、県では、ネット上のいじめへの理解や早期発見のために、いじめに特化したリーフレットを政令指定都市を除く全児童生徒に、相談窓口カードを政令指定都市を除いた小学校1年生、4年生、中学校1年生に配布している。 459 ◯田中(丈)委員 昨年8月に、国がSNSを活用した相談体制構築に関する当面の考え方を中間報告として示した。29年度中に最終報告を国が出す予定だが、文部科学省の問題行動調査において、悪口やいじめ、脅しは67.3%だが、携帯電話等での誹謗中傷は7.8%となっている。教師は、目に見えるときは対応できるが、裏でやっていることまでは見えないため、SNSやネットでのいじめ対策を本気で考えていく必要がある。ネットに関しては、ネットパトロールがあるが、SNSについては、早期発見が難しい状況にあると議論されている。長野県では、中高生を対象に平成29年9月の2週間、17時から21時までLINEを利用した相談を試行的に行った結果、学業や異性などのことで547件もの相談があり、わずか2週間で前年度1年間の電話相談件数を上回った。SNSが相談する入り口として広がっている証左でもある。しかし、LINEでは相談する個人が特定されてしまうので、もっと気軽に子どもが相談できる仕組みが必要であり、今回のSTOPitを提案したいと考える。SNSやネットいじめの背景となる、全国及び本市の小中学生の携帯電話及びスマホ所持率、また、学校への携帯の持ち込み可否について尋ねる。 460 △教育長 29年度に実施した全国学力・学習状況調査において、小学6年生の所持率は、全国が63.3%、本市が67.5%、中学3年生の所持率は、全国が83.9%、本市が84.5%と、おおむね同程度の所持率となっている。また、本市の児童生徒が携帯電話やスマートフォンを校内に持ち込むことについては、原則として認めていない。 461 ◯田中(丈)委員 STOPitは、2014年にアメリカで開発された匿名いじめ相談アプリで、ネットいじめ早期発見と抑止力を生み出すための新たな手法として、脱傍観者の視点に立ち、ネットいじめを許容しない集団の雰囲気を醸成するための授業とあわせて、アプリをダウンロードして使うものである。本アプリは、学校名と学年以外は匿名で誰にもわからない仕組みとなっており、このことが気軽さと早期相談を可能としている。開発されたアメリカでは、約6,000校、330万人以上の子どもたちが利用している。先日、このSTOPitを全国の公立校で初めて導入をした柏市の視察を行った。柏市いじめ防止基本方針の基本理念には、「子どもがいじめを苦に自らその尊い命を絶つような事態は何としても防がなくてはならないという強い決意で取り組む」とある。いじめの早期発見と抑止力を生み出すための教育として、映像教材を活用しながら、いじめにどう向き合うかについて考える授業と、いじめの早期発見、早期対応、抑止力を目的としたSTOPitアプリの導入を決めたと聞いた。このアプリを知っていたか尋ねる。 462 △教育長 柏市が導入しているアプリは、いじめの通報アプリとして29年度から導入されており、平成30年2月現在、いじめなどを含む通報が約130件あるなどの効果がある一方で、アプリをダウンロードした中学生が少ないなどの課題もあると聞いている。 463 ◯田中(丈)委員 ソーシャルネットワーク上の会話でのいじめなど、また、勝手に友達の写真がアップされている、友達が困っているのを見かけたら、即STOPitで報告、相談というフレーズで、子どもたちにダウンロードしてもらっており、アプリのダウンロード数は、年々増加傾向にあるということをつけ加えておく。メディアリテラシー教育やいじめに関する研究などを行っている千葉大学の藤川教授を中心に、敬愛大学の阿部講師、柏市教育委員会、ストップイットジャパン株式会社が連携して開発した映像教材、脱いじめ傍観者プログラム、私たちの選択肢を子どもたちに見せて、グループディスカッションをさせ、傍観者をつくらない授業を1こま40~45分で行い、その後にQRコードと学校名と学年ごとに違うアクセスコードを渡し、子どもたちが家に帰ってから、自分が持っているスマホやウエブにつながるパソコンから登録をする。いじめが容認されるか否定されるかはクラスの雰囲気次第で、傍観者をつくらない雰囲気づくりが大切だという、千葉大学、名古屋大学、静岡大学の共同研究成果をもとに、子どもたちが脱傍観者の視点に立ち、いじめの予防や解決方法を話し合い、みずからが考えることを目的として授業が行われており、たとえアプリのダウンロード数が少なかったとしても、私たちの選択肢の授業をやる意義は大きいと思う。また、柏市では、アプリ導入前に児童生徒の実態調査をしたところ、中学生のスマホの所持率は約7割、LINEの利用率も約7割であり、悩み事を誰に相談するかという問いに対しては、電話やメール相談の利用が少なく、相談をしない、または相談する人がいない子どもがいる。特に、いじめられた生徒の相談状況では、誰にも相談していない件数が5%程度あったようである。本市における、悩み事を誰にも相談していない割合について尋ねる。 464 △教育長 28年度の文部科学省の調査結果では9人で、いじめの認知件数に占める割合は7.4%である。 465 ◯田中(丈)委員 STOPitは、まさに現代版の投書箱、しかも投書していることは誰にも知られない。さらに、報告をした内容が、その子どものスマホに残らないようになっているため、仮にその携帯をとられた場合でも、履歴が残らないように工夫もされている。ストップイットジャパン株式会社では、助けたい人を助けられる社会の実現を目指しており、現状のいじめ対策の課題として、LINE等のSNSのクローズドな環境でのいじめの早期発見ができない、緊急ダイヤルを生徒が常に携帯できない、教員のいじめ等問題行動の負荷が大きいということに対して、生徒の持っているスマホやパソコンからワンタッチで、そして匿名で、補導センターや専門機関に直接いじめ等の報告、相談ができ、チャットも可能で、緊急時はSOSダイヤルに連絡できるアプリとして、日本版のSTOPitを開発した。開発者の谷山氏は、STOPitが必要ない社会が一番うれしいことであるが、STOPitでどんな小さな声も聞くことができたと思っており、受け取る側の覚悟と準備が必要だとも言っている。柏市の視察を通して、今まで相談したくてもできなかった子どもたちの悩みを吸い上げていると感じた。柏市は、いじめ防止基本方針の改定から3年目を迎えた昨年、いじめ傍観者にならないことに視点を当てた指導に力を入れており、30年度からは小学校6年生向けにも授業を開始していくとのことで、アプリはいじめの抑止力として期待されており、同時にいじめが起きる雰囲気をつくらないようにする教育も行うということであった。そこで、本市において、傍観者を減らす取り組み、また、雰囲気づくりに関して行っていることはあるのか尋ねる。 466 △教育長 本市の小中学校では、年間を通じて児童生徒が主体的にいじめ問題に取り組む、いじめゼロプロジェクトを実施している。1学期は、各学校において、いじめを見たとき自分ができることを考え実行するなど、児童生徒がみずから取り組む内容を考え、いじめ問題に向き合っている。その後、夏休みに全ての小中学校の代表者が一堂に会し、いじめゼロサミットを開催し、各学校の1学期の取り組みを紹介したり、2、3学期に全市一斉で取り組むテーマを決めている。さらに、このテーマをもとに、2、3学期は、児童生徒が主体となりいじめ問題に取り組んでいる。また、28年度のいじめゼロサミットにおいて、友達のSOSに気づいたときに自分にできることは何かをテーマに協議しており、本市の全児童生徒が、友達のSOSに気づいたときに自分にできることを決め、必要な友達に声をかけたり、心配な友達のことを先生に相談するなど、自分にできることを取り組んでいる。 467 ◯田中(丈)委員 どれだけ早く把握できるのかがいじめ防止の大きなポイントである。今回提案のSTOPitには、大きく2つのボタンがあり、1つは通報、もう1つは助けを求める機能。さらには24時間受け付け対応するこどもSOSダイヤルを初め、関係する複数の電話相談窓口にワンタッチで発信できるようになっている。本市において、できるだけ早い早期発見のために、どのような取り組みを行っているのか。 468 △教育長 年1回、いわゆるQ-Uアンケートを行い、分析結果を児童生徒一人一人へのきめ細やかな対応や学級集団づくりに活用し、いじめの未然防止や早期発見に努めている。また、月1回行うアンケート調査で得られた情報をもとにいじめの未然防止、早期発見に努めている。さらに、学校保護者相談室の設置、教育委員会や関係機関の相談窓口を紹介するカードを全児童生徒に配布するなど、きめ細やかな対応を行っている。 469 ◯田中(丈)委員 本市における24時間SOSダイヤルでのいじめ相談の件数について尋ねる。 470 △教育長 教育委員会の学校保護者相談室では、28年度が22件、29年度が2月末現在で15件、こども総合相談センターの教育相談課では、28年度が101件、29年度が2月末現在で61件である。 471 ◯田中(丈)委員 30年度より全ての中学校にスクールソーシャルワーカーを配置するということはすばらしいことであるが、スクールソーシャルワーカーが知らない場合は、いじめを認知することもできないので、STOPitはスクールソーシャルワーカーにとっても必要なツールになると思う。本市のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーへの28年度における相談件数、解決方法について尋ねる。 472 △教育長 スクールカウンセラーへの相談件数は、28年度が2万4,009件、いじめに関する相談は241件で、スクールカウンセラーは、カウンセリングを通して、いじめにかかわった子どもなどの気持ちに寄り添いながら傷ついた心のケアを行うとともに、教員と課題解決に向けた対応を行っている。スクールソーシャルワーカーへの相談件数は、28年度が1,247件、いじめに関する相談は11件で、スクールソーシャルワーカーは、いじめの当事者やいじめを見ていた者などから情報を集め、いじめの要因などを分析し、教員や関係機関などと連携して課題解決のための対応を行い、子どもが安心して生活できるよう支援している。 473 ◯田中(丈)委員 柏市においては、平成27年は電話相談が47件のみであったが、STOPitを導入した平成29年は、STOPitだけで130件を超える相談があっている。相談内容からレベルを3段階、重大案件、緊急事案、緊急でない事案に分け、学校側への通知、個人の特定までを行う場合とそうでない場合とに分けている。重大事件については、自殺企図や暴力、不登校などで、専門チームをつくって早急に対応しており、スクールソーシャルワーカースクールカウンセラー、指導主事で問題対策支援チームを組み学校を支援し、相談を受けて1週間以内にアンケート調査を実施、加害者を特定し、解決できた例もある。緊急事案は、加害者と被害者の名前が出ており、学校と連携して指導し、緊急でない案件については、補導センターが継続的に相談に乗っていくという流れのようである。また、STOPitの副次的効果として、いじめだけでなく教員の指導方法や体罰についても匿名で通報が上がっているとのことであった。本市では、教員に対する意見等はどのように教育委員会が把握するようになっているのか尋ねる。 474 △教育長 各学校では校長が校内を巡回し、児童生徒の様子や教員の指導をきめ細やかに観察したり、児童生徒や保護者からの相談を受けたりして把握し、不適切な指導等があれば、速やかに教育委員会に報告することとなっている。また、学校からの報告に加え、保護者や児童生徒から電話やメールなどで教育委員会に対して意見が寄せられることもあり、さまざまな方法で情報を把握している。 475 ◯田中(丈)委員 STOPitは匿名であることから、全ての通報が正しい情報なのかどうかしっかりと精査する必要があり、通報内容を踏まえ、学校側との連携を密にしていく必要があるということであった。また、過敏に反応していない問題を掘り起こすことはないが、あるものはあると認知をするということこそが、いじめ対策にとっては重要である。そのためには、子どもたちの心中にしまい込んでいる苦痛を教えてもらう必要がある。教員にも親にも友達にも言えない思いを吐き出してもらう、その手助けとなるのが、このSTOPitである。東京都、大阪府、千葉、岡山、奈良の5都府県にある国公立または私立の小中高計25校がこのアプリを導入し、導入する自治体は増加傾向にある。柏市以外での導入例も紹介したい。平成27年11月に、茨城県取手市中学3年の女子が、いじめられたくないと日記に書き残して自殺した問題を受け、同市教育委員会は、生徒がいじめを匿名で相談、通報できるこのSTOPitを数カ月後の平成28年1月から導入することを決めた。背景となった中学のいじめ認知件数は、平成27年が27件、28年が34件、29年は1学期末時点で21件。本市同様、学校内へのスマホの持ち込みは原則認めておらず、本アプリも自宅での利用を想定している。市立教育相談センターの相談員が対応し、中学校6校の生徒約2,300人を対象に、1~3月に試行的に運用、4月から本格的に活用している。費用は1年間で約76万円。いじめの傍観を防ぐ効果も期待され、アプリがあることでいじめ防止につながると、同市は話している。本市に置きかえると、市内約69校、3万3,000人として約1,000万円、中学1年生のみだと、約1万1,000人として約400万円程度の経費となると思われる。なお、相談員は、ソーシャルネットワークの知識がなくても、いじめ対策の知識があればしっかりと対応でき、柏市でも6人体制だが、電話やメールの相談員がそのままSTOPitの相談も受けており、特段専門の人を雇う必要もないが、相談件数がふえてくると、相談員の質と量は考える必要があるとのことであった。本市でも、いじめゼロプロジェクトやネットパトロール、SOS相談ダイヤル等を行っているが、ネットいじめの早期発見や、第三者も気軽に相談できる体制づくりをすることが、いじめの全貌を明らかにする上で、とても大切なことである。そのためにも、情報リテラシーやモラル教育だけでなく、自殺や不登校という現象としてあらわれる前に、いじめ等の初期発見や防止ができる本アプリSTOPitは、声を上げやすくなる手段の一つとなる。少しでも早く発見するために、本アプリ導入は、私たちの選択肢のビデオとあわせて、いじめ傍観者をつくらない、いじめの早期発見と抑止につながる施策として提案する。開発者も、自分の相談のほか、ソーシャルネットワーク上でのいじめや友達を助けるために、STOPitを活用してほしいと願っている。文部科学省も、主に、いじめが悪だということを教える教育、いじめの早期発見、早期対応、起きてしまった場合のケアを呼びかけており、まさに時機を得た授業とアプリではないかと思う。いじめの早期発見、傍観者をつくらない一つの手段として、本市教育委員会でも、私たちの選択肢、STOPitの導入を強く願うが、所見を尋ねる。 476 △教育長 いじめの早期発見や傍観者をつくらない取り組みについては、児童生徒が年間を通じて行う、主体的にいじめ問題に取り組むいじめゼロプロジェクトの推進、児童生徒一人一人の様子や集団としての学級状況を把握するQ-Uアンケートの分析をもとにした集団づくりを通して、いじめの未然防止、早期発見に努めるとともに、いじめに対する教員の意識をさらに向上させ、校長を中心とした、いじめは絶対に許されないという学校風土の醸成を引き続き行う。また、全ての中学校区で、学校とスクールソーシャルワーカースクールカウンセラーが強く連携し、組織的な対応をしていく。子どもが安心して通報できる体制づくりについては、民間で研究開発されるアプリなどの情報収集をするとともに、30年度から国が行うSNSを活用したモデル事業の成果や課題を注視していく。 477 ◯田中(丈)委員 脱いじめ傍観者プログラム、私たちの選択肢は、ネットでも見れるので、ぜひ見てもらいたい。教員が授業を進めることもできるが、NPO法人企業教育研究会が授業を進行するファシリテーターの派遣もしている。いじめゼロサミットで、私たちの選択肢を実施してはどうか。また、STOPit導入の覚悟があるのかとの問いへの答えが、本市の本気度をあらわしているように思う。いじめ対策への本気度を見せ、STOPitと私たちの選択肢でクラスの雰囲気づくりを醸成する授業も行ってもらいたい。なぜ、覚悟という言葉を使ったのかは、STOPitで子どもたちの声が聞こえたら、次にどうするか、どう対応していくかのビジョンが明確でなく聞きっ放しだと、子どもの闇がますます深くなるので、信頼と信用、声を聞いたら即対応するという心構えと準備が必要だからである。STOPitの導入で、いじめが根絶されるわけではない。何にも取り組まないことよりも、今までの取り組みに加えて、今回提案の授業やアプリを追加して、さらにいじめに対する意識を、教育委員会、教員、児童生徒が高めていくことが大切である。教育現場で真剣に子どもたちに向き合っている教員の多くは、こういうツールでなくても直接相談があれば、いくらでも解決策を一緒に教えられると言うが、子どもたちの中には、直接相談ができない子どももいる。柏市教育委員会では、副次的に教員の指導や体罰に関する通報など情報がいろいろと出てくるので、受け取る側、教育委員会側は、事実確認も含め大変と思うが、よりよい学校運営には欠かせないものと考える。元ニューヨークヤンキース所属の松井秀喜氏は、いじめ相談アプリSTOPitのサポーターに就任している。少年少女野球の発展や普及、少年少女の健全育成を目指す、松井55ベースボールファウンデーションの代表理事を務める同氏は、いじめ撲滅を目指す、現米大リーグマリーンズCEOのデレク・ジーター氏の、いじめで苦しむ子どもたちを救いたいという思いに賛同し、STOPitのサポーターとして、教育機関用のポスターや地方公共団体が発行する広報誌、ビデオメッセージに登場し、子どもたちへのメッセージを伝えている。最後に、いじめの早期発見、脱傍観者で、全ての子どもたちの苦痛を取り除けていける本市を一緒に目指すことを提案する。 Copyright (c) FUKUOKA CITY, All 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