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平成29年決算特別委員会 本文 開催日:2017-10-10

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  1. 福岡市議会 2017-10-10
    平成29年決算特別委員会 本文 開催日:2017-10-10


    取得元: 福岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2019-10-21
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  10月10日  午前10時0分開会        午後0時0分休憩         〃 1時10分再開         〃 2時51分休憩         〃 3時5分再開         〃 4時27分休憩         〃 4時40分再開         〃 6時22分閉会 議案審査  議案第172号ないし議案第196号、以上25件を一括して議題とし、審査を行った。  なお、質疑・意見は次のとおりである。 2 ◯とみなが(正)委員 福岡維新の会を代表し、北朝鮮による弾道ミサイルが本市内に着弾した場合等の対応について、姉妹都市である釜山広域市の日本総領事館前に設置された慰安婦像及び設置が計画されている徴用工像について、及びクルーズ船による中国人等の失踪問題について、以上3項目について質問する。まず、北朝鮮による弾道ミサイルが本市内に着弾した場合等の対応についてだが、10月7日付の産経新聞に、北朝鮮が核攻撃を実施すれば東京及びソウルで死者210万人という衝撃的な記事が掲載された。負傷者は770万人と想定され、両都市を合わせて1,000万人近い死傷者数となる。北朝鮮は昨年から、日本へ向けて既に39発ものミサイルを発射し、去る9月3日には6回目ともなる核実験を強行した。最新の防衛白書には、北朝鮮の軍事的な動きは地域や国際社会の安全に対する重大かつ差し迫った脅威となっており、核・弾道ミサイルの開発及び運用能力の向上は新たな段階の脅威となっていること、過去の核実験を通じた技術的成熟が見込まれることなどを踏まえれば核兵器の小型化、弾頭化の実現に至っている可能性が考えられること、既に相当量の化学剤などを保有していると見られるほか、生物兵器についても一定の生産基盤を有していると見られること、弾道ミサイルに生物兵器や化学兵器を搭載し得る可能性も否定できないと見られることが記載されている。また、韓国の国防白書によると、北朝鮮の化学兵器保有量は米国、ロシアに次いで世界第3位であり、VXガスやサリンなど神経系に作用する6種類の猛毒物質を含む25種類、2,500~5,000トンを保有していると見られている。一方、北朝鮮情勢が緊迫する中で心配されるのは拉致被害者の件である。警察庁の発表によると、拉致の可能性を排除できない事案に係る人は883人、そのうち県内の人が22人、本市内の人が5人であり、一日も早い拉致被害者の救出が求められる。最近の市長の行動には注目しているが、4月26日付の産経ニュースによると、市長は4月14日に官房副長官を訪ね、国がさまざまなシナリオをつくった上で各自治体がどのように対処すべきかの方針を示すよう求めたとのことである。また、政府は4月21日に、北朝鮮による弾道ミサイル発射を想定した避難訓練の実施を各自治体に呼びかけたが、本市では2日前の4月19日に、市長が記者会見で市民に向けて、弾道ミサイル発射の危険性及びJアラートが鳴った場合の対応などを説明しており、強い危機意識を持った市長の迅速な行動は大変心強く、また頼もしく感じている次第である。そこでまず、昨年度、本市では国民保護の観点でどのような取り組みを行ったのか尋ねる。 3 △市民局長 平成29年2月に、本市内の球技場における爆破テロ等の事案の発生を想定し、県や県警察、自衛隊などと合同で図上訓練を実施した。 4 ◯とみなが(正)委員 差し迫っている危機は北朝鮮による我が国本土へ向けた弾道ミサイルの着弾であると考えるが、弾道ミサイルが本市内に着弾した場合に想定される被害規模について、通常ミサイル、化学兵器搭載ミサイル、核爆弾搭載ミサイル別に尋ねる。 5 △市民局長 弾頭の種類に応じて被害の様相及び対応が大きく異なることから、具体的な被害想定は行っていない。 6 ◯とみなが(正)委員 被害規模の想定をせずに市民の命を守れるのか、大きな不安に駆られてしまう。また、想定もせずに綿密な国民保護計画が立てられるのか疑問であるが、地震や風水害、原子力発電所における災害発生時等の人的、物的な被害規模は想定しているのか尋ねる。 7 △市民局長 地域防災計画において、地震については警固断層を震源とする地震により最大で死傷者数が約3,600人、家屋の全壊が約4,500棟になると想定し、対応することとしている。また、風水害については過去に被害が大きかった梅雨前線による集中豪雨や台風災害での被害を想定し、対応することとしている。さらに、原子力災害については屋内退避等の防護措置が必要な程度の放射性物質による汚染を想定し、対応することとしている。 8 ◯とみなが(正)委員 災害対策に当たっては被害規模を想定した後、対策を立てるのが正しい順序であり、平時に責任を持って行うべきであるが、市民にとっては自然災害も武力攻撃事態も命や財産を失う可能性のある危険な事態であることに何ら変わりはないため、北朝鮮による弾道ミサイルが本市内に着弾した場合の被害規模の想定について、国や県、自衛隊等の関係機関との協議の場をできるだけ早期に設置し、検討を重ねるよう要望しておく。次に、Jアラートは事実上の空襲警報なのか尋ねる。 9 △市民局長 弾道ミサイルの情報や津波警報、緊急地震速報など対処に時間的余裕のない事態に関する緊急情報について、国から対象地域の自治体や住民に瞬時に伝達されるシステムである。
    10 ◯とみなが(正)委員 北朝鮮が8月29日及び9月15日に弾道ミサイルを発射した際、一部の自治体では機器のふぐあい等により、防災行政無線から情報が流れないトラブルが発生したが、本市でもトラブルが発生する可能性はあるか。 11 △市民局長 本市の防災行政無線については、災害や有事の際に正確に起動するよう適切に保守点検を行っている。また、毎年実施されるJアラートの全国一斉情報伝達訓練においても、防災行政無線が作動することを確認している。 12 ◯とみなが(正)委員 消防庁は9月25日に、全国市区町村の担当者を対象にJアラートの運用に関する研修会を開催したとのことだが、本市も研修会に参加したか。参加していなければ、その理由を尋ねる。 13 △市民局長 研修内容が緊急情報の伝達方法の仕組みや、ふぐあいの原因や未然防止などであり、本市が既に知り得ている内容であることから、研修には参加していない。 14 ◯とみなが(正)委員 国は11月14日に全国一斉情報伝達訓練を実施するとのことだが、どのような訓練内容なのか。 15 △市民局長 全国一斉に国から各自治体にJアラートにより情報が伝達され、各自治体において情報の受信及び防災行政無線の設備が連動して起動することを確認する訓練である。なお、全国一斉情報伝達訓練は今後、毎月実施する旨の通知がなされている。 16 ◯とみなが(正)委員 次に、国において国民保護法が策定された経緯の説明を求める。 17 △市民局長 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律、いわゆる国民保護法は消防白書によると、アメリカでの同時多発テロや我が国近海における武装不審船の出現、北朝鮮による弾道ミサイル発射等により、我が国の安全保障に対する国民の関心が高まるとともに、大量破壊兵器の拡散や国際テロ組織の存在が重大な脅威となっている状況のもと、我が国に対する武力攻撃という国家の緊急事態に対処できるよう必要な備えをするため、制定されたとされている。 18 ◯とみなが(正)委員 国民保護法では全ての都道府県及び市町村に国民保護協議会の設置が義務づけられているが、同協議会について説明を求める。 19 △市民局長 国民保護法において、国民の保護のための措置に関し広く住民の意見を求め、当該市町村の国民の保護のための措置に関する施策を総合的に推進することを目的に設置することとされている。 20 ◯とみなが(正)委員 国民保護法では地方公共団体の平時における役割として、国民保護計画の策定が義務づけられており、市町村は都道府県知事に協議しなければならないとされているが、本市の国民保護計画策定に当たり、県知事との協議時期及び協議内容を尋ねる。また、策定に当たっては幅広く住民の意見を求め、関係する者から意見を聴取することとされているが、どのように住民意見を求め、多かった意見は何か、また、関係する者とは誰を指し、どのような意見を聴取したのかあわせて尋ねる。 21 △市民局長 平成18年5月に国の機関や県、県警察、自衛隊、ライフライン事業者など国民保護法に定める関係者を委員として構成する市国民保護協議会を設置し、委員の意見を聴取しながら市国民保護計画案を作成した。市民意見については同年9月にパブリックコメントを実施し、主に専門用語への注釈や関係法令に対する説明文の追記などについて意見を受けた。また、県との協議については、同年12月に計画案について書面による協議を申し入れ、異議がない旨の回答を得た。 22 ◯とみなが(正)委員 市国民保護計画の策定時期、及び策定した後、現在までに何回改正が行われたか尋ねる。 23 △市民局長 平成19年2月に策定し、6回の改正を行った。 24 ◯とみなが(正)委員 武力攻撃事態における要支援者の高齢者や障がい者、市内在住の外国人への支援等について説明を求める。 25 △市民局長 市国民保護計画に基づき、避難を万全に行うため、社会福祉協議会等関係機関と協力して、情報の伝達や輸送手段の確保等を的確に行うこととしている。 26 ◯とみなが(正)委員 市国民保護計画の内容についてだが、計画が対象とする武力攻撃事態及び緊急対処事態について説明を求める。 27 △市民局長 武力攻撃事態とは我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態、または武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められる事態である。緊急対処事態とは武力攻撃の手段に準じる手段を用いて、多数の人を殺傷する行為が発生した事態、または発生する明白な危険が切迫していると認められる事態であり、国家として緊急に対処することが必要なものとしている。 28 ◯とみなが(正)委員 まず武力攻撃事態について、本市は朝鮮半島にほど近く、博多港を擁する海に面した港町であるが、着上陸侵攻に関し、事態の予測・察知、侵攻目標となりやすい場所、想定される被害、被害の範囲及び期間、市民の避難等の対処措置について説明を求める。 29 △市民局長 市国民保護計画において、事態の予測・察知については、攻撃国の船舶や戦闘機の集結の状況及び侵攻方向等から事前予測が可能であるとしている。侵攻目標となりやすい場所については、船舶による上陸の場合は接岸容易な地形を有する沿岸部一帯が目標となりやすく、港湾施設が充実している博多港に上陸することも考えられる、航空機による侵攻部隊投入の場合は大型の輸送機が離発着可能な福岡空港が目標となる可能性が高い、着上陸侵攻の場合はそれに先立ち航空機等による攻撃が実施される可能性が高いとしている。想定される被害については、爆弾や砲弾等による家屋や施設等の破壊、火災等が考えられ、石油コンビナートなど攻撃目標となる施設によっては、二次被害の発生が想定されるとしている。被害の範囲及び期間については、地域が広範囲になるとともに、期間も比較的長期に及ぶことが予想されるとしている。対処措置については、本市は侵攻目標となりやすい沿岸部にあり、当該地域の住民は先行的に避難させることが必要、避難に当たっては沿岸部からの影響が及ばない市外、県南部、九州南部または本州方面への避難が必要、能古島、玄界島、小呂島の3島があり、離島住民の避難についての備えが必要、国が相手国による船舶や戦闘機の集結の状況、我が国へ侵攻する船舶等の方向等を勘案して住民避難の指示を行うことも想定されるとしている。 30 ◯とみなが(正)委員 能古島、玄界島及び小呂島それぞれの世帯数及び居住者数、また、住民避難についての備えは万全なのか尋ねる。 31 △市民局長 平成29年8月31日現在の登録人口は能古島が345世帯687人、玄界島が217世帯467人、小呂島が73世帯196人である。住民避難については市国民保護計画において、市営渡船など本市が準備する船舶を利用することとしており、輸送力の不足が見込まれる場合にはフェリー事業者等、指定地方公共機関による輸送を求めることとしている。また、必要があるときは県知事に対し、速やかに海上保安部に連絡し、避難への協力要請を行うよう求めることとしている。 32 ◯とみなが(正)委員 朝鮮半島有事の際に当然考えられ得る避難民についての記載が市国民保護計画にはないが、朝鮮半島にほど近い本市にも、戦火の北朝鮮を逃れて多くの避難民や、中には武装難民も押し寄せる可能性が十分あると考えられる。難民に対する本市の認識を尋ねる。 33 △市民局長 難民については国を中心に対応されることと考えているが、自治体として対応すべきことについては、国における検討を要望している。 34 ◯とみなが(正)委員 ゲリラや特殊部隊による攻撃に関し、事態の予測・察知、攻撃目標となりやすい場所、想定される被害、被害の範囲及び期間、対処措置について説明を求める。 35 △市民局長 市国民保護計画において、事態の予測・察知については、警察や自衛隊等による監視活動等により、兆候の早期発見に努めることとなるが、相手国等もその行動を秘匿することが想定されることから予測や察知ができず、突発的に被害が生じることも考えられるとしている。攻撃目標となりやすい場所については、都市部の政治経済の中枢施設、マスコミ等の情報関連施設、港湾、空港、鉄道、発電所等の生活関連等施設、主要な橋梁、道路及びトンネル等の交通関連施設、大規模集客施設、陸上、航空自衛隊施設等に対する注意が必要であるとしている。想定される被害については、少人数のグループにより攻撃が行われるため、主な被害は施設の破壊等が考えられるとしている。被害の範囲及び期間については、比較的狭い範囲に限定されるが、石油コンビナート等が攻撃された場合には、爆発や流出等により被害が拡大するおそれがあるとしている。対処措置については、県、県警察、海上保安部及び自衛隊と連携し、近隣の堅牢な建築物等に一時避難させ、その後、関係機関が安全措置を講じつつ、適当な避難場所に移動させる等適切な対応を行う、事態の状況により県知事の緊急通報の発令、市長または県知事の退避の指示または警戒区域の設定等、時宜に応じた措置を行うことが必要であるとしている。 36 ◯とみなが(正)委員 29年度版の防衛白書ではゲリラや特殊部隊による攻撃について、民間の重要インフラ施設の破壊や人員に対する襲撃、要人暗殺などが挙げられ、高度に都市化や市街化が進んでいる我が国においては、少数の人員による潜入や攻撃であっても、平和と安全に対する重大な脅威となり得ると記載されており、想定される被害について認識が甘いと感じる。事態の予測・察知について、本市が保有する個人情報の提供を含め、警察や自衛隊等とはどこまで連携及び協力が図られるのか。 37 △市民局長 個人情報の提供については、刑事訴訟法や個人情報保護条例等に基づき適切に対応していくこととしている。 38 ◯とみなが(正)委員 弾道ミサイル攻撃に関し、事態の予測・察知、攻撃目標となりやすい場所、想定される被害、被害の範囲及び期間等、対処措置について説明を求める。 39 △市民局長 市国民保護計画において、事態の予測・察知については、発射後極めて短時間で我が国に着弾することが予想されるとしている。攻撃目標となりやすい場所については、国が発射の兆候を事前に察知した場合でも、発射された段階で攻撃目標を特定することは極めて困難であるとしている。想定される被害並びに被害の範囲及び期間等については、弾頭の種類を着弾前に特定することは困難、弾頭の種類に応じて被害の様相及び対応が大きく異なる、通常弾頭の場合はNBC弾頭の場合と比較して被害は局限され、家屋や施設等の破壊、火災等が考えられるとしている。対処措置については、弾道ミサイルは発射後短時間で着弾することが予想されるため、迅速な情報伝達体制と適切な対応によって被害を局限化することが重要、堅牢な建築物や地下街等への避難や、着弾した際は速やかな消火活動等により、損害の拡大を防止する必要があるとしている。 40 ◯とみなが(正)委員 航空攻撃に関し、事態の予測・察知、攻撃目標となりやすい場所、想定される被害、被害の範囲及び期間、対処措置について説明を求める。 41 △市民局長 市国民保護計画において、事態の予測・察知については、国が兆候を察知することは比較的容易であるが、対応の時間が少なく、また、攻撃目標を特定することが困難であるとしている。攻撃目標となりやすい場所及び想定される被害については、本市の都市部が主要な目標となることも想定され大規模な被害が発生する、また、生活関連等施設や陸上、航空自衛隊施設が目標となることもあり得るとしている。被害の範囲及び期間については、航空攻撃は繰り返し行われることも考えられるとしている。対処措置については、攻撃目標を早期に判定することは困難であり、早い段階で地下街や屋内への避難等の措置を広範囲に指示する必要がある、生活関連等施設における武力攻撃災害の発生や拡大の防止等の措置を実施する必要があるとしている。 42 ◯とみなが(正)委員 次に、大規模テロ等の緊急対処事態についてだが、危険性を内在する物質を有する施設等に対する攻撃が行われる事態に関し、想定される被害の概要、対処措置について説明を求める。 43 △市民局長 市国民保護計画において、想定される被害の概要については、石油コンビナートや可燃性ガス貯蔵施設が攻撃を受けた場合は爆発及び火災の発生による住民への被害や建物及びライフライン等の被災、危険物積載船が攻撃を受けた場合は危険物の拡散による住民への被害や港湾及び航路の閉塞、海洋資源の汚染、放射性物資取扱施設等が攻撃を受けた場合は放射性物質等による周辺住民の被曝や汚染された飲食物の摂取による被曝、ダムが破壊された場合は下流への多大な被害としている。対処措置については、石油コンビナート等で事態が発生した場合は被害が拡大することも想定した退避等が必要、攻撃により拡散等をした危険物の種類により二次被害の防止を図る等、多様な対応が必要としている。 44 ◯とみなが(正)委員 多数の人が集合する施設や大量輸送機関等に対する攻撃が行われる事態に関し、想定される被害の概要、対処措置について説明を求める。 45 △市民局長 市国民保護計画において、想定される被害の概要については、大規模集客施設、ターミナル駅等及び列車等で爆破が行われた場合、多大な人的被害が発生するとしている。対処措置については、短時間に多数の被災者が発生するため、関係機関による迅速な救出及び医療体制を確立する必要があるとしている。 46 ◯とみなが(正)委員 多数の人を殺傷する特性を有する物質等による攻撃が行われる事態に関し、想定される被害の概要、対処措置について説明を求める。 47 △市民局長 市国民保護計画において、想定される被害の概要については、放射性物質等による攻撃の場合は爆弾の破片及び飛散した物体による被害並びに熱及び炎による被害や放射線によるがんの発症等、生物剤による攻撃の場合は生物兵器の特徴と同様、化学剤による攻撃の場合は化学兵器の特徴と同様としている。対処措置については、立ち入り禁止区域の設定、消防機関及び県警察による対応のほか自衛隊への協力要請の検討、原因物質を特定するための関係機関による連携体制の確立、防護服等を有する関係機関による迅速な救出及び特殊な被災状態に対応できる医療体制の確立、核攻撃等においては避難住民等のスクリーニング及び除染その他放射性物質による汚染の拡大を防止するための措置が必要としている。 48 ◯とみなが(正)委員 関係機関による連携体制の確立や医療体制の確立について、事態が発生した際に迅速な対応ができるよう、本市としても平時から関係機関との訓練を行うなど既に検討段階に入っていなければならないと考えるが、現状を尋ねる。 49 △市民局長 平成27年1月に、地下鉄構内での化学剤の散布などを想定した訓練を国や県、医療機関や自衛隊等の関係機関と共同で実施しており、引き続き訓練等を通じ、関係機関との連携や事態への迅速な対応を図ることができるよう取り組んでいく。 50 ◯とみなが(正)委員 対処措置として、核攻撃等においては放射性物質による汚染の拡大を防止するために必要な措置を講じるとのことだが、措置の内容を尋ねる。 51 △市民局長 地域防災計画(原子力災害対策編)において、放射性物質による汚染調査や飲食物の出荷制限及び摂取制限を行うとしている。 52 ◯とみなが(正)委員 国民保護措置を実施するための本市における組織及び態勢の整備や、初動態勢の参集基準等について尋ねる。 53 △市民局長 市国民保護計画において、事態の状況に応じて適切な措置を講じるため、情報収集態勢や国民保護対策準備室、国民保護対策本部等の態勢を整備することとしており、参集基準は事態の状況に応じ、地域防災計画に準じた配備態勢をとることとしている。 54 ◯とみなが(正)委員 万が一、災害対策本部が被災し使用不能となった場合の代替施設について説明を求める。 55 △市民局長 本庁舎が被災した場合の代替施設については、消防局本部庁舎や各消防署を代替施設として指定することとしている。 56 ◯とみなが(正)委員 武力攻撃事態においては通信設備等の遮断が懸念されるが、対策は打っているのか。 57 △市民局長 市国民保護計画において、武力攻撃災害発生時でも情報の収集及び提供を確実に行うため、情報伝達ルートの多ルート化や停電等に備えて非常用電源の確保を図るなど、自然災害時における体制を活用し、情報収集や連絡体制の強化に努めることとしている。 58 ◯とみなが(正)委員 本市における訓練の実施について、訓練の形態や項目を含め、市国民保護計画にはどのように記載されているのか。 59 △市民局長 近隣市町村、県、国等の関係機関と共同するなどして国民保護措置についての訓練を実施し、武力攻撃事態等における対処能力の向上を図ることとしており、実施に当たっては具体的な事態を想定し、防災訓練におけるシナリオ策定など既存のノウハウを活用するとともに、県警察や海上保安部、自衛隊等との連携を図ることとしている。また、訓練形態については実動訓練や図上訓練など実践的な訓練を実施することとしており、訓練項目については職員の参集訓練や対策本部設置運営訓練、情報収集及び伝達訓練等を行うこととしている。 60 ◯とみなが(正)委員 国民保護法でも地方公共団体は、それぞれまたは国等と共同して国民保護措置についての訓練を行うよう努めなければならないとされているが、本市として北朝鮮によるミサイル発射を想定した避難訓練を実施する考えはないのか。 61 △市民局長 訓練の実施なども含め、対応について既に検討に着手している。 62 ◯とみなが(正)委員 現在の緊迫した北朝鮮情勢を鑑み、早期に訓練を実施するよう要望しておく。次に、国民保護措置の実施のために必要な物資及び資材の備蓄について説明を求める。 63 △市民局長 住民避難及び避難住民等の救援に必要な物資及び資材については、自然災害と同様に食料、飲料水、毛布などであると考えており、現在備蓄を進めているところである。なお、これらの必要な物資のほか、特殊な薬品のうち国が備蓄、調達体制を整備することが合理的と考えられるものについては、国が必要に応じて整備等を行うこととされており、本市としては国及び県の整備状況等も踏まえ、県と連携しつつ対応することとしている。 64 ◯とみなが(正)委員 国民保護措置に関する啓発について、啓発方法、防災に関する啓発との連携、学校における教育、また、武力攻撃事態等において住民がとるべき行動等に関する啓発について説明を求める。 65 △市民局長 市国民保護計画において、インターネットやパンフレット等のさまざまな媒体を活用し、防災に関する啓発とも連携しながら、国民保護措置の重要性について住民に対し、継続的に啓発を行うこととしている。また、児童生徒等の安全確保及び災害対応能力育成のため、安全教育や自他の生命を尊重する精神及びボランティア精神の養成等のための教育も行うこととしている。さらに、市民がとるべき行動に関する啓発としては、武力攻撃災害の兆候や不審物等を発見した場合の通報に関することや武力攻撃事態等が発生した場合に市民がとるべき対処について、引き続き周知を図っていくこととしている。 66 ◯とみなが(正)委員 関係機関相互の連携に関し、国及び県との連携について説明を求める。 67 △市民局長 市国民保護計画において、県の対策本部や国の対策本部と被害の状況や今後の情勢等、情報共有や連絡調整を行うことなどにより密接な連携を図ることとしている。 68 ◯とみなが(正)委員 自衛隊、警察及び消防との連携について説明を求める。 69 △市民局長 日ごろから密接に情報共有を行うとともに、合同で訓練を実施しており、武力攻撃事態等においても住民に対する警報の伝達や救援等の国民保護措置を迅速かつ適切に実施するため、しっかりと連携を図っていく。 70 ◯とみなが(正)委員 自衛隊の隊員から、今後、本市とは連携を深めていきたいとの意見を頂戴したことをこの場で伝えておく。次に、武力攻撃事態等の有事における住民への協力要請事項について説明を求める。 71 △市民局長 市国民保護計画において、避難住民の誘導や救援、消火、負傷者の搬送、その他の武力攻撃災害への対処に関する措置等について、必要に応じ協力を要請することとしている。 72 ◯とみなが(正)委員 協力要請を受けた住民が危険にさらされる事態とはならないのか。 73 △市民局長 市国民保護計画において、協力を得る市民の安全確保には十分に配慮して協力要請を行うこととしている。 74 ◯とみなが(正)委員 協力要請事項のうち、その他の武力攻撃災害への対処に関する措置について、その他という文言が抽象的であり、武力攻撃事態という有事においては拡大解釈されないか懸念があるが、どのような事態を想定しているのか。 75 △市民局長 市国民保護計画は、武力攻撃事態等から住民の生命、身体及び財産を保護し、住民等の生活への影響が最小となることを目的として策定しているため、協力要請事項は本市が行う避難住民の誘導や救援、消火、負傷者の搬送などに付随するものを想定している。 76 ◯とみなが(正)委員 市民への警報の伝達について説明を求める。 77 △市民局長 テレビやラジオのほか、緊急時に強制的に配信することができる緊急速報メールや登録制の防災メール、各種SNSなどのさまざまな情報伝達手段を活用し、市国民保護計画に基づき、武力攻撃事態等の状況や発生した地域等の情報を速やかに市民に伝達することとしている。 78 ◯とみなが(正)委員 武力攻撃事態における住民避難について、基本的な方針を尋ねる。 79 △市民局長 市国民保護計画において、市域を越えた避難に備えた隣接市町村との連携の確保や、高齢者や障がい者など避難行動要支援者への配慮のほか、民間事業者からの協力の確保や学校、事業所との連携が必要であるとしている。 80 ◯とみなが(正)委員 米朝の緊張関係が日増しに高まる中、北朝鮮による弾道ミサイルが先月及び先々月のように日本上空を通過するのではなく、今度は日本本土に、しかも核爆弾搭載ミサイルが着弾する可能性を排除することができず、大変危険な情勢となってきている。最後に、北朝鮮による弾道ミサイル等の武力攻撃から155万都市の市民の命を守り抜くための市長の強い決意を尋ね、この質問を終える。 81 △市長 北朝鮮によるミサイルの発射や核実験がいまだに断続的に続き、朝鮮半島における緊張状態はますます高まっており、現在、国際的な枠組みの中で北朝鮮への対応が行われているところである。万が一、不測の事態が発生した場合は国民保護法に基づき、国が責任を持って国民の生命、身体及び財産の保護について対応されるものと認識しているが、緊迫する北朝鮮情勢への対応の充実強化や、自治体として対応すべき事項に対しての役割を明確化し、方策を定めることなどについて、あさっての九州市長会において決議し、国に要望することにしている。本市としても、ミサイルが発射された場合の行動について市民に引き続き周知を図るとともに、対応について検討を進めており、有事の際には市民生活への影響が最小となるよう、市国民保護計画に基づき、自衛隊や警察など関係機関と連携し、迅速かつ的確に対処していく。 82 ◯とみなが(正)委員 次に、姉妹都市である釜山広域市の日本総領事館前に設置された慰安婦像及び設置が計画されている徴用工像についてだが、まず、総務企画局における姉妹都市交流事業全体及び釜山広域市との交流事業に係る過去3年間の決算額の推移を尋ねる。 83 △総務企画局長 26年度は全体額が6,561万2,000円であり、そのうち釜山広域市分は441万1,000円、27年度は全体額が8,431万2,000円であり、そのうち釜山広域市分は389万9,000円、28年度は全体額が8,345万8,000円であり、そのうち釜山広域市分は439万5,000円である。 84 ◯とみなが(正)委員 釜山広域市の日本総領事館前に設置された慰安婦像について、一度撤去された後に再び設置されたと聞いているが、経緯の説明を求める。 85 △総務企画局長 報道によると、慰安婦問題に関する日韓合意に反対する韓国の市民団体が、合意後1年が経過した平成28年12月28日に、在釜山日本国総領事館に面する歩道に慰安婦像を設置したが、同日、道路を管理する釜山広域市東区が道路法違反を理由として撤去した。その後、市民からの抗議を受け、2日後の12月30日には釜山広域市東区から市民団体に像が返却され、再設置されたとされている。 86 ◯とみなが(正)委員 なぜ、報道によるとという答弁になるのか。我が国及び本市にとって大変重大なこの問題について、本市の姉妹都市である釜山広域市側に詳しく説明を求めていない状況が今の答弁で明らかとなった。慰安婦像の設置は道路法違反にもかかわらず、現在まで超法規的に再設置されている状態だとのことだが、ここで、文在寅韓国大統領の選挙区を尋ねる。 87 △総務企画局長 国会議員としては、釜山広域市沙上区から選出されている。 88 ◯とみなが(正)委員 市民からの抗議を受けて慰安婦像が再設置されたとのことだが、元駐韓国特命全権大使の武藤正敏氏は著書において、再設置に関しては文在寅大統領の影響があったのではということを指摘している。昨年末、次期大統領候補の中で既に独走状態にあった文在寅氏が、フェイスブックで慰安婦像の撤去を非難する発信をしていたとのことである。平成27年12月の慰安婦問題に関する日韓合意の精神にも真っ向から反している行為だが、市民からの抗議よりも、当時最も次期大統領に選ばれる可能性の高かった立候補予定者による直接的な批判は、行政官庁に対するプレッシャーになったであろうことは想像に難くない。文在寅大統領は大統領選前の昨年7月、我が国固有の領土である竹島に堂々と上陸している。また、ことし1月には慰安婦像を訪れて対面し、像が寂しがらないよう、ともに関心を持って守っていこうと述べたと言われている。このような人物が新しい韓国大統領となり、しかも選挙区は釜山広域市である。韓国の女性家族省は国立墓地内に慰安婦の追悼碑を建てる計画を発表しているが、政府主導による慰安婦の碑の建立は初めてのことになる。また、8月14日を慰安婦記念日とする立法作業も進んでいるようであり、国会本会議で可決されれば、毎年8月14日に政府主催の慰安婦に関する公式行事が開催される見通しとなっている。釜山広域市の日本総領事館前に設置された慰安婦像の撤去については今後、本市としても相当な覚悟を持って臨まなければならないとの意見を述べておく。次に、当時我が国が関与したと言われる慰安婦の総数、日本人女性及び韓国人女性の占める割合、慰安婦全体の平均年齢を尋ねる。 89 △総務企画局長 平成5年に内閣官房外政審議室が公表した「いわゆる従軍慰安婦問題について」には、発見された資料には慰安婦の総数を示すものはなく、また、これを推認させるに足り得る資料もないので、慰安婦総数を確定するのは困難、戦地に移送された慰安婦の出身地としては、日本人を除けば朝鮮半島出身者が多いなどと記載されている。 90 ◯とみなが(正)委員 米国政府戦争情報局(OWI)が戦時中、捕虜とした朝鮮人慰安婦から事情聴取した内容をもとに作成した報告書によれば、慰安婦とされた女性たちの平均年齢は25歳であったとのことであり、チマチョゴリを着せられた少女像は当時の慰安婦の実態とはかけ離れていることになる。このことは「帝国の慰安婦」の著者で韓国人の朴裕河教授も指摘しているところである。ソウル市の日本大使館前に設置された慰安婦像は、いわゆる水曜デモの1,000回記念となる2011年12月14日に設置されており、強い政治性を感じるが、慰安婦の苦痛を共有して記憶することが設置の目的であるならば、本来、像が建つべきは日本大使館前や日本総領事館前ではなく、慰安所があった場所や彼女たちが戦争で命を落とした場所がよりふさわしいのではないか。少女像が本当の平和碑になるためには怨恨の記憶ではなく、許しと和解の記憶も刻むべきである。今の運動は平和ではなく、不和のみを続けているだけだと朴教授は語っている。釜山広域市の日本総領事館前に慰安婦像が設置されることは事前に把握していたのか。 91 △総務企画局長 設置の計画については、報道により事前に把握していた。 92 ◯とみなが(正)委員 また、報道によりという答弁であるが、釜山広域市側には慎重な対応を求めたのか。 93 △総務企画局長 平成28年12月に慰安婦像が設置される前に釜山広域市役所を訪問し、日本や本市における報道状況や世論とともに、両市の姉妹都市交流事業への影響についての懸念を伝えている。 94 ◯とみなが(正)委員 先ほどからの答弁を聞く限り、本市は本当に大丈夫かと大変不安になる。釜山広域市の日本総領事館前に設置された慰安婦像や設置が計画されている徴用工像について、市民からどのような意見が寄せられているか。 95 △総務企画局長 平成28年9月26日から平成29年9月29日までに市長室広聴課に寄せられた意見は44件であり、主な意見としては、釜山広域市に慰安婦像設置に対する抗議をしてほしい、釜山広域市との姉妹都市交流を中止すべきなどである。なお、姉妹都市交流を主管する総務企画局には、このような情勢であるからこそ姉妹都市交流を推進すべきとの意見も寄せられている。 96 ◯とみなが(正)委員 先月25日、大阪市の吉村洋文市長は姉妹都市であるサンフランシスコ市の慰安婦像及び碑文の設置計画を巡り、パブリックスペースに設置されるなら姉妹都市関係を根本から見直さなければならないという内容の公開書簡をサンフランシスコ側に送付している。碑文では慰安婦を性奴隷と表記しているようであり、これまでに橋下徹前市長は3回、吉村市長も2回にわたって慎重な対応を求める書簡を送っている。大阪市とサンフランシスコ市はことしで姉妹都市交流60周年とのことだが、吉村市長は、60年続いてきた姉妹都市の関係は続けたいが、今なぜあえて慰安婦像を設置する必要があるのか、国同士の問題だと言われるが、高度な信頼関係にある姉妹都市の大阪市だからこそ、設置は認められないと意思表示しなければならないと述べている。また、名古屋市の河村たかし市長はことし1月の記者会見で、いわゆる南京事件はなかったのではないかと述べているが、5年前にも同様の発言をして名古屋市と姉妹都市である南京市との交流が途絶えるなどの影響が出た。吉村市長や河村市長がそれぞれの姉妹都市に対して、なぜ毅然としてものが言えるのかと言えば、それは姉妹都市提携の継続よりも大事な、日本人としての誇りや先人の名誉を守るためではないのか。本市が姉妹都市提携を結ぶ釜山広域市では、日本総領事館前に設置された慰安婦像に続き、来年新たに徴用工像の設置まで計画されているが、これが本当に姉妹都市のやることだろうか。釜山広域市との姉妹都市提携を見直す考えはないのか市長に尋ねる。 97 △総務企画局長 姉妹都市関係を見直す考えはないが、釜山広域市とは平成29年5月から、両市で主催する交流事業等について現下の情勢を踏まえた情報交換や協議を随時行っており、協議の中で、慰安婦像や徴用工像に関する問題についての日本や本市の報道状況及び世論とともに、姉妹都市交流事業への影響について懸念を伝えている。 98 ◯とみなが(正)委員 なぜ総務企画局長が答弁するのか。市民からは姉妹都市提携自体を見直すべきではという多くの声が寄せられているが、交渉のカードとして提携の見直しという選択肢は捨てるべきではないと考えており、提携を見直すべきだと主張しているわけではない。市長の考えが総務企画局長と異なっていたらどうするのかと思うが、見直す考えはないと答弁する理由を尋ねる。 99 △総務企画局長 都市としての交流は外交関係等を無視しては成り立たないものと認識しているが、人と人との交流が友好関係を生み、信頼関係へと発展し、ひいては世界平和の礎となり、国際社会の安全、安定が日本や本市の繁栄につながると考えることから、いわゆる草の根交流はできる限り継続していくことが重要だと考えている。本市と釜山広域市との間では、さまざまな分野の草の根交流が長く活発に行われており、両市のつながりの現状も踏まえ、情勢や世論等に留意して適宜、釜山広域市や在釜山日本国総領事館などと協議を行いながら、対応していくことが必要と認識している。なお、慰安婦像及び徴用工像の問題については日韓両政府間で解決に向けて取り組むべき問題であり、早急に解決が図られることを願っている。 100 ◯とみなが(正)委員 難しい事柄は国に任せ、本市としては経済交流だけを行っていこうという答弁にしか聞こえない。相手側に対して言うべきことを言わず、やるべきこともやらずに今のような答弁をしても、きれいごとにしか聞こえない。第一次安倍内閣において慰安婦問題についての閣議決定がなされたが、内容を尋ねる。 101 △総務企画局長 平成19年3月16日に、衆議院における安倍首相の慰安婦問題への認識に関する質問に対する答弁書が閣議決定されている。内容は、政府が行った慰安婦関係調査の結果を発表した平成5年8月4日の河野内閣官房長官談話などに関するものであり、慰安婦問題については政府において平成3年12月から平成5年8月まで関係資料の調査及び関係者からの聞き取りを行い、これらを全体として判断した結果、平成5年8月4日の内閣官房長官談話のとおりとなった、平成5年8月4日の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかったなどとなっている。 102 ◯とみなが(正)委員 今、世界で性奴隷という言葉が広がっているが、当時の慰安婦は性奴隷であったという認識か。 103 △総務企画局長 外務省が公表している、平成28年2月の国連ジュネーブ本部で行われた女子差別撤廃条約第7回及び第8回の政府報告審査の質疑応答において、外務審議官が、性奴隷といった表現は事実に反すると発言している。 104 ◯とみなが(正)委員 釜山広域市の日本総領事館前に設置された慰安婦像はウィーン条約に違反しているのではという声も上がっているが、ウィーン条約について説明を求めるとともに、本市の認識を尋ねる。 105 △総務企画局長 領事関係に関するウィーン条約は、領事関係の運営一般や領事機関に係る便益、特権及び免除などについて定める国際条約であるが、第31条3において、接受国は領事機関の公館を侵入または損壊から保護するため、及び領事機関の安寧の妨害または威厳の侵害を防止するため、全ての適当な措置をとる特別な責務を有すると規定されており、外務省は、在釜山日本国総領事館前の慰安婦像設置は、第31条3に規定されている領事機関の安寧を妨害し、威厳を侵害するものとの考えを表明している。なお、本市としては、慰安婦像及び徴用工像の問題については日韓両政府間で解決に向けて取り組むべき問題であり、早急に解決が図られることを願っている次第である。 106 ◯とみなが(正)委員 米国では慰安婦像や慰安婦の碑が建ってから、在米邦人への差別やその子どもたちへのいじめが発生していると報告されている。釜山広域市でも同様の事態が起こっているのではと懸念しているが、認識を尋ねる。 107 △総務企画局長 外務省作成の海外在留邦人数調査統計によると、平成28年10月1日現在で韓国の在留邦人数は3万8,045人であり、そのうち釜山広域市の在留邦人数は1,678人であるが、釜山広域市に在住する日本人に対する嫌がらせや子どもたちへのいじめが発生している状況については、本市として把握していない。 108 ◯とみなが(正)委員 状況の把握に努めるよう要望しておく。また、徴用工像が設置されれば、当時強制徴用されたという理由で在韓日本企業に損害賠償請求が乱発される事態も想定されるため、改めて本市として、慰安婦像及び徴用工像について、釜山広域市と早急な協議を行うよう要望しておく。次に、両市の交流についてだが、姉妹都市の概要及び市民にとってのメリットを尋ねる。 109 △総務企画局長 姉妹都市とは、都市と都市とがあらゆる分野において包括的に交流していく関係を約束するもので、交流を通して両都市の発展を目指すものである。本市ではこれまでの各姉妹都市との交流事業を通じて、市民に異文化理解や相互信頼醸成の場を提供し、国際都市としての本市の魅力向上や活力アップに一定の役割を果たしているものと考えている。さらに、姉妹都市としての関係を活用し、地域経済の活性化を促進するためのビジネス展開につながる事業などにも取り組んでいる。
    110 ◯とみなが(正)委員 釜山広域市と姉妹都市提携に至った経緯の説明を求める。 111 △総務企画局長 本市と釜山広域市は海を挟んで約200キロメートルという極めて近い距離にあるが、昭和39年以来、多くの民間団体の姉妹提携やさまざまな分野での交流を背景として、まず平成元年に行政交流都市を締結した。なお、締結当時韓国では、姉妹都市を締結することができるのは1国1都市に限る規制があり、釜山広域市は既に下関市と姉妹都市を締結していたため、行政交流都市を締結したものである。平成元年以降も両市は経済、文化、観光、スポーツなどあらゆる分野において活発な交流を続ける中で、韓国における1国1姉妹都市の原則が緩和されたことを受け、平成19年に姉妹都市を締結した。 112 ◯とみなが(正)委員 交流事業の内容や成果を尋ねる。 113 △総務企画局長 これまで釜山広域市とはさまざまな分野における交流事業を実施しており、具体的には上水道、地下鉄、文化財等における行政交流事業の実施により、それぞれの行政分野における知識や技術の向上が図られたほか、超広域経済圏の形成に向けた共同観光プロモーションや、貿易商談会の開催支援などの実施により、観光客の来訪促進や地場企業等のニーズを捉えたビジネスマッチングの機会提供による経済交流の促進が図られた。さらに、学生の相互派遣交流などの教育交流やインターンシップ事業の実施により、地域発展に寄与するグローバル人材の育成や若者の企業文化の理解が促進されたものと考えている。 114 ◯とみなが(正)委員 9月2日に開催された福岡-釜山フォーラムの内容を尋ねる。 115 △総務企画局長 本市と釜山広域市の経済界を初めとする民間の有識者が両市の友好協力関係の発展、強化に向け、経済、文化、科学技術、教育など広範な角度から意見交換を行うため、平成18年に創立されたものである。なお、民間団体の主催事業であるが、例年、両市役所もオブザーバーとして招待を受け、参加しているところである。 116 ◯とみなが(正)委員 福岡・釜山超広域経済圏構想とは何か。 117 △総務企画局長 本市と釜山広域市との間で国境や制度、習慣、言語の違いを超え、関係機関や団体と連携し、ビジネスや観光、人材育成、文化芸術面での交流などを通じて相互信頼関係を構築し、海を挟んで向かい合う両都市を中心とする圏域での生活経済圏の形成を目指す取り組みである。 118 ◯とみなが(正)委員 韓国では特に若い世代の失業率が高いと聞いているが、本市として協力できることはないか。 119 △総務企画局長 今回の福岡-釜山フォーラムにおいては、釜山における若者の就職難が深刻な社会問題である一方、福岡では人材不足が問題となっていることを踏まえ、ジョブマッチングに関する意見交換が行われており、成果として、両地域が人材マッチングに向けた取り組みを強化する必要性について認識が共有されたところである。具体的には、日本での就職を望む学生に対し、九州で働く魅力の発信や企業訪問、インターンシップの機会提供などについて検討することとされている。 120 ◯とみなが(正)委員 徴用工像や慰安婦像に関し、韓国内の報道では自制を求める動きがあるようだが、内容を尋ねる。 121 △総務企画局長 平成29年9月20日に、朝鮮日報及び中央日報の主要2紙が在釜山日本国総領事館前に設置された慰安婦像や設置が計画されている徴用工像に関し、韓国もウィーン条約に加盟していることなどを指摘した上で、対日関係の悪化を懸念し、自制すべきとの社説が掲載されている。 122 ◯とみなが(正)委員 この質問の最後に、日韓両国が互いに近くて近い国と呼び合えるよう、釜山広域市との姉妹都市交流についての市長の所見を尋ねる。 123 △市長 本市と釜山広域市はわずかおよそ200キロメートルの距離にあり、古くからあらゆる分野で民間などの交流の歴史がある。先人が続けてきた交流の歴史を大切にしつつ、同時に現在の日本と韓国の国家間の情勢等にもしっかりと留意しながら、交流については市民の安全を第一に、外務省や釜山広域市とも情報共有を密にして適切に対処していく。 124 ◯とみなが(正)委員 市長のリーダーシップに期待するものである。最後に、クルーズ船による中国人等の失踪問題についてだが、まず、クルーズ船の寄港回数及びクルーズ船により博多港を訪れる観光客数の過去3年間の推移、また、受け入れに伴う港湾整備費用の過去3年間の決算額を尋ねる。 125 △港湾空港局長 クルーズ船の寄港回数については平成26年が115回、平成27年が259回、平成28年が328回であり、平成27年から2年連続で日本一となっている。また、クルーズ船により博多港を訪れる観光客数については平成26年が約21万人、平成27年が約57万人、平成28年が約85万人である。次に、クルーズ船受け入れのための整備費用については、26年度約7億4,900万円、27年度約9億4,800万円、28年度約11億8,800万円である。 126 ◯とみなが(正)委員 クルーズ船誘致に係る過去3年間の決算額を尋ねる。 127 △経済観光文化局長 26年度が595万9,000円、27年度が740万4,000円、28年度が1,135万5,000円である。 128 ◯とみなが(正)委員 年々博多港への寄港数がふえ、多くの外国人観光客が本市を訪れることは大変よいことだと考えており、中国人が初めて日本を訪問する際の都市が、おもてなしの心を持った本市であることは、日中の交流にとっても望ましいことである。先日、新聞紙面で、来日した中国人観光客が会員制交流サイトで本国に等身大の日本人像を発信し、中国社会に刷り込まれた日本の悪いイメージを変えつつあるという報道がされていたが、そのような動きは把握しているか。 129 △経済観光文化局長 中国人観光客による情報発信については会員制交流サイト、いわゆる携帯電話でのSNSを通じて、訪日外国人が観光で訪れた場所やその感想などを写真や動画を交えて情報発信を行うことは、広く一般的になっていると認識している。 130 ◯とみなが(正)委員 このような明るいニュースがある一方、クルーズ船により本市を訪れる観光客の中から毎年のように失踪者が発生し、テレビや新聞でも大きく報じられてきたが、本件についての認識を尋ねる。 131 △経済観光文化局長 クルーズ船の乗客が日本に上陸する場合には、法律により船舶観光上陸の許可をとる必要があり、入国審査については基本的に入国管理局を置く法務省の専管事項となっているが、博多港から入国したクルーズ客の中から失踪者が発生していることは、まことに残念なことと考えている。 132 ◯とみなが(正)委員 失踪事案が発生した場合、本市はどのように情報を入手しているのか。 133 △経済観光文化局長 訪問先で行方不明者が発生した際にはツアーガイドから旅行会社や船舶代理店に一報が入り、船舶代理店が速やかに警察や入国管理局に連絡するようになっており、本市はそれらの関係者から情報を入手している。 134 ◯とみなが(正)委員 失踪者の中には犯罪で逮捕された者もいるが、事例の紹介を求める。 135 △経済観光文化局長 報道された逮捕事例としては不法滞在の罪による逮捕が大半であるが、ことしの5月に、仲間と共謀して東京都板橋区の女性からだまし取ったキャッシュカードでATMから現金を引き出したとして、詐欺の疑いで逮捕された事例もあった。 136 ◯とみなが(正)委員 外国人観光客の失踪に関し、本市における取り組みの内容及び関係機関との連携について尋ねる。 137 △経済観光文化局長 訪日外国人の失踪対策としては入国管理局が厳しく入国審査を行うことで、水際で不審者などの入国防止を図るとともに、行方不明者が発生した場合には警察が速やかに捜索を行っているが。本市としてはそれらの機関との連携を密にとるとともに、旅行代理店などとの情報共有に努めている。また、本市独自の取り組みとしては、船会社に対して適切な乗客情報の把握や、失踪の可能性がある人物の入国防止を依頼するとともに、旅行代理店に対しても行方不明者が発生した際には速やかに県警察に連絡するよう、機会を捉えて指導している。 138 ◯とみなが(正)委員 博多港から入国した外国人観光客の失踪者数及び検挙者数を尋ねる。 139 △経済観光文化局長 失踪者については当局より公表されていないが、報道によると、県内のことしの失踪者は7月19日現在で32人と把握している。また、検挙者数についても捜査情報のため公表されていないが、昨年5月に福岡県、昨年11月に兵庫県でそれぞれ不法滞在の罪で失踪者が逮捕されたと把握している。 140 ◯とみなが(正)委員 なぜ外国人観光客の失踪がふえているのか。不法滞在等で逮捕された中国人容疑者らの証言によれば、その主な要因として、中国国内におけるSNSでの情報共有や、日本国内で手引きをする者の存在が大きくかかわっていると考える。クルーズ船での入国手続の簡素化が失踪者の増加につながっているのではという声も方々から聞こえてくるが、見解を尋ねる。 141 △経済観光文化局長 入国管理局によると、事前に船会社から国籍や生年月日などを含めた乗客名簿の提出を受け、入国管理局において過去の犯罪履歴と照合を行うなど、不審者などの入国防止を図るため厳しく審査していると聞いている。また、不法残留者の発生防止の観点からも、一時保証金の徴収などによる一定の経済力の確認や、日本国内での乗下船の適切な管理を船会社に徹底させていると聞いている。このように、船舶観光上陸許可制度が適用された船での入国に当たっては、事前に厳しい審査が行われているところであり、入国管理局からは、制度の適用が失踪者の増加に必ずしもつながってはいないと考えているとの見解を聞いている。 142 ◯とみなが(正)委員 今後もクルーズ船の受け入れを継続していくことで、将来的には日中の友好にも大変よい影響を与えていくのではと考えており、昔も今も博多港が果たすべき役割というのは極めて大きく、また重たいものだと感じている。今後も継続的なクルーズ船の受け入れに向け、本市としても外国人観光客の失踪問題についてはしっかりと取り組み、市民の不安解消を図っていく必要があると考えるが、最後に決意を尋ねて質問を終える。 143 △経済観光文化局長 平成28年の博多港におけるクルーズ船の寄港数は328回であり、2年連続の日本一となっており、1隻当たりの乗客数が多く、乗客の平均消費額も高いことから、観光客誘致施策の柱の一つとして、クルーズ船の誘致に積極的に取り組んでいる。本市としてはアジアからの観光客をふやし、地域経済の活性化につなげていくため、今後もより多くのクルーズ船を安全、安心に受け入れていかなければならないと考えているため、入国管理局や県警察を初め、関係機関との連携を強化しながら、本市としても失踪者対策にしっかりと取り組んでいく。 144 ◯荒木委員 緑と市民ネットワークの会を代表して、2016年度決算に関し、本市経済と市民所得について、こども総合相談センター「えがお館」について質疑を行う。まず、本市経済と市民所得についてであるが、安倍首相は9月28日に突如国会を解散したが、森友学園、加計学園に見られるような国政の私物化解散であり、安倍政権の5年間は特定秘密保護法強行採決、戦争法強行採決、共謀罪強行採決と、国民の知る権利を奪い、国民の表現の自由を奪い、政権を批判する権利を奪い、立憲主義を否定するものである。国の経済政策を見ると、日銀による国債の大量買い付けによる金融緩和による円安誘導、日銀と年金基金による株の大量買い付けによる株価の維持、法人税減税・所得税減税による大企業優遇・富裕者層優遇政策を打ち出したが、日銀が目指す物価上昇2%は達成の見通しはなく、実質賃金のマイナスが続き格差と貧困が広がり、日銀の金融緩和政策の出口が見えないまま経済は失速寸前の状況である。高島市政は安倍政権が進める経済政策に便乗し、都市の成長に投資を優先し、国家戦略に手を挙げ、経営者の都合で労働者を解雇できる仕組みづくりに手を貸した結果、本市では非正規雇用がふえ続け、格差と貧困が広がっている。市長によると4年連続で市税収が最高を記録したとのことだが、日銀の金融緩和政策であぶれた市場の資金が不動産投資に流れたもので、実体経済はよくなっているわけではない。本市の地域経済は本当に向上したのか、市民の暮らしが向上したのか検証する。まず、過去5年間の市税収の決算額及び市税収の主要な税である個人市民税、法人市民税、固定資産税の推移について尋ねる。 145 △財政局長 市税収入決算額、決算見込み額については、24年度が約2,697億円、25年度が約2,761億円、26年度が約2,821億円、27年度が約2,841億円、28年度が約2,883億円となっており、個人市民税収入額については、24年度が約832億円、25年度が約848億円、26年度が約860億円、27年度が約889億円、28年度が約915億円となっている。法人市民税収入額については、24年度が約384億円、25年度が約403億円、26年度が約432億円、27年度が約410億円、28年度が約401億円となっている。なお、税制改正により地方法人税が創設され、法人税割の税率が引き下げられた影響がなかった場合には、27年度が約442億円、28年度が約469億円となり、それぞれ対前年度比で増収となる。固定資産税収入額については、24年度が約1,059億円、25年度が約1,073億円、26年度が約1,089億円、27年度が約1,100億円、28年度が約1,118億円である。以上のように、法人市民税の税制改正により、地方法人税が創設され、法人税割の税率が引き下げられた影響を除くと、個人市民税、法人市民税、固定資産税の収入額はいずれも近年毎年度、対前年度比で増収となる。 146 ◯荒木委員 市税収増の主たるものは人口増による個人市民税と家屋等の新築による固定資産税が増加であることから、本市の経済は金融緩和による市場の資金が不動産に向かうバブル的な状況であり、実体経済は決してよくなっていないと考えるが、所見を尋ねる。 147 △経済観光文化局長 本市の実体経済に関して、まず本市の景気については、平成29年9月公表の日本銀行福岡支店の九州・沖縄の金融経済概況によると、九州・沖縄の景気は緩やかに拡大しているとされており、また同月公表の福岡県の県内経済の動向によれば、福岡県の景気は着実に回復しているなどとあり、本市においても同様の状況であると考える。次に、本市の経済については、25年度から市税収入額が4年連続で過去最高額を更新していることのほか、過去最高の開業率、有効求人倍率の継続的な上昇、従業者数のリーマンショック時への水準への回復などから、本市の経済は成長基調にあるものと考える。 148 ◯荒木委員 本市の経済は成長基調とのことだが、別の見方では決してそうとは言えず、ことし内9月の内閣府法人企業景気予測調査では、緩やかに回復基調としており大企業の景況感が2期ぶりのプラス5.1に好転したが中小企業はマイナス6.5と、相変わらず厳しい状況が続いていることを示している。福岡県の9月の県内経済の動向を見ても、業況判断は改善しているとしているものの、個別を見るとまだら模様で、鉱工業生産指数は頭打ち、企業景況判断指数はマイナス、中小企業景況判断指数も大きくマイナスとなっており、2人以上世帯の消費支出についても上向いているものの、小売業販売額は頭打ち、百貨店・スーパーの売り上げもマイナス基調である。税収についても金融緩和策で市場にあふれた資金が不動産投資に流れたものであり、本市は福岡県内の卸売業の7割、小売業の4割弱を占め、中小企業が多数を占める状況から見ると、成長基調にあるとまでは言えないのではないかと思うが、所見を尋ねる。 149 △経済観光文化局長 本市の経済については、平成29年9月公表の福岡県の県内経済の動向によると、企業業況判断を示す景況判断BSIは前期から3.3ポイント増加し、日本政策金融公庫福岡支店の中小企業景況判断は前期から8.4ポイント増加しており、中期的にもリーマンショック以降、上昇傾向である。また、平成28年7月から平成29年7月までの九州・沖縄における小売業販売額は全ての月において前年同月を上回っているなど、各種統計資料においても景気は回復傾向にあることが示されていることから、本市の経済は成長基調にあるものと考える。 150 ◯荒木委員 リーマンショック以降、経済全体は回復基調であるようだが、消費支出の低迷や、中小企業の経営が厳しい状況が続いていることは、様々な調査結果で明らかである。緩やかに回復していることが、成長基調にあると解釈するのは言い過ぎである。法人市民税について、税収がふえている業種は何か、減っている業種は何か、主な業種と額を尋ねる。 151 △財政局長 28年度の法人市民税、法人税割額の現年度分に係る前年度決算額との比較における業種別の主な増減状況については、まず主な増収状況としては、運輸・通信業が約7億9,000万円の増収、建設業が約4億円の増収であり、主な減収状況としては、金融・保険業が約19億4,000万円の減収、サービス業が約5億6,000万円の減収である。なお、法人市民税の税制改正により、地方法人税が創設され、法人税割の税率が引き下げられた影響を除くと、金融・保険業を除く主な業種で全て対前年度比から増収となる。 152 ◯荒木委員 金融保険業の収入の減が大きい背景には、日銀のマイナス金利政策による貸出金利の低下と、同時に、過剰に市場に出された資金が不動産投資に回っていると考えられ、日銀の金融緩和政策が変更されれば、本市税収にも大きな影響を与えると考えられるが、所見を尋ねる。 153 △財政局長 市税収入については、本市の政策、都市機能、雇用状況、国の経済政策、景気動向などのさまざまな要因が複合的に影響を与えるものと認識しており、国の金融政策の今後の動向が明らかでない中、国の金融政策を仮定し、本市の税収の今後の動向への影響を具体的に見込むことは困難である。 154 ◯荒木委員 金融政策については、今後のことを的確に見据える必要がある。過去5年間の経常一般財源の推移と義務的経費及び内訳についての推移と、経常収支比率を尋ねる。 155 △財政局長 まず、一般会計における経常一般財源の決算額、決算見込み額については、24年度が約3,197億円、25年度が約3,215億円、26年度が約3,241億円、27年度が約3,388億円、28年度が約3,359億円であり、次に、一般会計における義務的経費の決算額、決算見込み額については、24年度が人件費約786億円、扶助費約1,797億円、公債費約992億円、合計約3,574億円であり、25年度が人件費約758億円、扶助費約1,831億円、公債費約980億円、合計約3,570億円であり、26年度が人件費約769億円、扶助費約1,942億円、公債費約961億円、合計約3,672億円であり、27年度が人件費約765億円、扶助費約2,020億円、公債費約961億円、合計約3,746億円であり、28年度が人件費約762億円、扶助費約2,083億円、公債費約958億円、合計約3,803億円である。次に、経常収支比率については、24年度が91.7%、25年度が90.8%、26年度が93.3%、27年度が92.5%、28年度が94.3%である。 156 ◯荒木委員 人件費、公債費は減額し、扶助費はふえ続けており、経常一般財源がふえているものの、経常収支比率は上昇傾向にある。市税収はふえているが、財政硬直化が進んでいると言える。現在、商業地の地価上昇や臨海部の再開発、天神都心部再開発、マンション建設などにより、税収の中心である固定資産税は今後ともふえ続ける見込みか、所見を尋ねる。 157 △財政局長 固定資産税収入額については、近年は毎年度、対前年度比で増収となっており、今後も新増築家屋の影響などの増収要素が期待できるが、引き続き固定資産税を初めとする市税収入の向上に向けた取り組みを進める。 158 ◯荒木委員 2017年度で終了予定の固定資産税の据え置き措置について、地方経済の活力を維持するために継続すべきだとする話があるが、重要な財源であることから措え置き継続についての所見を尋ねる。 159 △財政局長 現行の商業地等の据え置き措置については、安定的な財源を確保しつつ、早期に負担水準の均衡化及び負担調整措置の簡素化を図るため廃止するよう、指定都市として国に対し要望を行っている。 160 ◯荒木委員 固定資産税は重要な財源であり、確保できるようにすべきである。次に、先日の議案質疑において、立地交付金交付事業所における雇用者のうち、非正規雇用は6割を超えているとのことであり、また交付した214社のうち、既に46社が本市を撤退しており、成長への投資が果たして効果を上げているのか疑問であるが、過去5年間の市民1人当たりの市民所得の推移を尋ねる。 161 △経済観光文化局長 市民1人当たりの市民所得の過去5年間の推移であるが、26年度市民経済計算によると、22年度が約299万円、23年度が約309万円、24年度が約305万7,000円、25年度が約311万5,000円、26年度が約312万2,000円となっている。 162 ◯荒木委員 若干市民所得がふえているようであるが、福岡県の県内経済の動向によると、この期間の決まって支給する給与については月額25万5,000円前後と頭打ちの状況が続いており、また、平成17年の市民所得336万1,000円に比べると、大きな減少状況が続いている。また、市民所得には雇用者報酬、財産所得、企業所得が含まれていることから、雇用者報酬はそれほど伸びていないのではないかと思われ、都市の成長のための投資によるトリクルダウンは起こっていないと、この数字から見える。次に、厚生労働省の調査によると、正規雇用もふえているが、非正規雇用もふえ続けており、2016年の調査では、非正規雇用は2,023万人、37.5%であり、非正規雇用の約5割はパート、2割がアルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託を合わせると3割弱である。不本意の非正規雇用の状況にあるものは全体で15.6%で、うち25歳から34歳では24.3%、35歳から44歳では17.9%、45歳から54歳では16.8%となっており、本市でも同様の状況と考えることから、若年層の正規雇用をふやすことが重要だと考えるが、所見を尋ねる。 163 △経済観光文化局長 正規雇用、非正規雇用を問わず、市民ができるだけ自分の希望に合った仕事につくためには、雇用が増加することが重要であると認識している。なお、平成29年8月の有効求人倍率は全国が1.52倍、福岡県が1.51倍となっており、また、全国の有効求人数は、平成21年度の平均の約126万人から平成28年度平均は約257万人と倍増しており、雇用は増加していると考える。 164 ◯荒木委員 雇用はふえており、有効求人倍率は2017年8月調査で1.52倍となっているが、6月の調査によると、正規職員の有効求人倍率は、季節調整で2004年調査開始以降初めて1.01倍と、1を超えており、求人も非正規雇用が多いということがこの数字からうかがえることから、特に、若年層の正規雇用の取り組みが必要である。ことし6月の調査によれば、求人の業種は医療・福祉関係が21%、卸・小売りが15%、飲食等が13%であり、また30人未満の事業所が65%となっている。本市の状況を見ると、20人未満の事業所は88%で、その事業所の従業員の割合は全体の28%、100人未満の事業所は98%、その事業所の従業員の占める割合は全体の72%である。以上のことから、本市の経済を元気にし、市税収を上げるためにはどのような対策が必要と考えるか所見を尋ねる。 165 △経済観光文化局長 市税収を上げるためには、地域経済全体の活性化が必要であると認識しており、市内企業の約99%を占め、本市の経済と雇用を支えている中小企業、小規模事業者の振興が大変重要であることから、ことし6月に中小企業振興条例を改正したところである。経営基盤の強化、持続的発展の促進、多様で活力ある成長発展の促進を条例の3本の柱として掲げており、これに沿って中小企業の主体的な取り組みを地域社会が一体となって支援し、中小企業が活躍できる環境を整備していく。 166 ◯荒木委員 内閣府企業景気予測調査や福岡県の県内経済の動向を見ても、中小企業の経営状況は依然厳しく、金融保険業の法人市民税の減は日銀のマイナス金利政策の副作用であり、地域経済に及ぼす影響が懸念される。また、雇用環境は改善したものの、市民統計の市民所得が平成17年の336万1,000円に比較して312万2,000円と低い水準にあること、県内経済の動向の決まって支給する給与は25万5,000円前後で推移していること、この間非正規雇用がふえていることから、市民所得がふえているとは言えない。中小企業が多く、サービス業や小売業が中心の本市経済を活性化するためには、中小企業の支援とともに、市民の購買力を上げることが重要であり、市民の所得をふやすために、保育士や介護労働者の処遇改善と雇用の機会の拡大、住宅リフォーム助成制度による地場中小企業への受注機会の創出、公契約条例による賃金の底上げなどが必要である。実質賃金は安倍政権の5年間はほぼマイナスでアベノミクスの破綻が見えており、国税庁の民間給与実態調査によると、2016年の民間平均給与は421万円と4年連続で増加しているものの、1997年の467万円に比べると46万円も低く、加えて正規職員の平均給与487万円、非正規職員の平均給与172万円と正規職員と非正規職員との給与格差が広がっている。大企業は円安により収益を上げているが、収益は内部留保と株主配当に回され、労働分配率は下がり続けており、賃金に反映されず、上昇しない状況の中で円安による物価上昇があり、実質賃金は今後もマイナス基調である。日銀の金融緩和政策による過剰な市場資金による不動産投資と日銀及び年金基金による株購入による株価の上昇維持による経済構造はいずれ破綻することから、不動産投資の上に成長する都市の成長政策は砂上の楼閣であり、本市の成長によるトリクルダウンは起こらない。都市開発、大企業優先の都市の成長を優先する政策からの転換を求めておく。次に、こども総合相談センター「えがお館」について質問する。28年度の児童福祉法改正により、子どもが権利主体であることが明確となり、家庭への養育支援から代替養育までの社会的養育の充実とともに、家庭的養育優先の理念が示された。これまでの社会的養育を子どもの権利擁護を実現するために大胆な政策が新しい社会的養育ビジョンとして提言されている。本市のこども総合相談センター「えがお館」の電話相談、面接相談の業務内容について尋ねる。電話相談業務の相談員の資格と2016年の正規、非正規職員の数を尋ねる。 167 △こども未来局長 電話相談員については、臨床心理士の有資格者またはその受験要件を満たす者、保育士、社会福祉士などの専門資格を有し、経験年数3年以上の者、児童相談業務に3年以上従事した経験を有する者のいずれかに該当する者を嘱託員として採用し、28年度の配置数は14人である。 168 ◯荒木委員 面接相談の業務内容及び相談員の資格と3年間の相談数、正規職員数、非正規職員数の推移を尋ねる。 169 △こども未来局長 面接相談は、専門的・継続的な相談が必要な場合に、児童福祉司や児童心理司等が受けた相談内容により、必要に応じて各種心理判定や医師の診断を行いながら、ケースワークやカウンセリングを実施するものである。相談員の資格については、児童福祉司には社会福祉士、精神保健福祉士、保健師等の有資格者、資格保有者等を、児童心理司及び心理相談員には臨床心理士の有資格者またはその受験要件を満たす者を当てており、過去3年間の面接相談件数の推移については、26年度が4,171件、27年度が4,326件、28年度が5,134件である。正規職員、非正規職員の過去3年間の人数の推移について、児童福祉司は全て正規職員で、過去3年間の配置数の推移は、平成26年度が30人、27年度、28年度が32人であり、児童心理司及び心理相談員は、26年度が正規職員10人、嘱託員7人、合計17人、27年度が正規職員11人、嘱託員7人、合計18人、28年度が正規職員12人、嘱託員7人、合計19人である。 170 ◯荒木委員 電話相談は有資格ないし経験者が全員嘱託ということであるが、面接相談は児童福祉司及び児童心理司の有資格者が担当しているが、3分の1が嘱託である。子ども支援は専門性と継続性が必要で、全て正規職員が配置されるべきである。次に、養護相談と教育相談について尋ねる。養護相談について、過去4年間の全国の児童虐待相談対応件数の推移と本市における推移を尋ねる。 171 △こども未来局長 全国の児童虐待相談対応件数は、25年度が7万3,802件、26年度が8万8,931件、27年度が10万3,286件、28年度が速報値で12万2,578件であり、本市における推移は、25年度が415件、26年度が547件、27年度が563件、28年度が976件である。 172 ◯荒木委員 児童虐待の相談件数は社会的な関心が深まるなか、相談件数は年々ふえており、児童虐待防止のためには発生予防対策として、早期発見、早期対応が重要とされている。虐待は幼児期から始まると言われているが、本市における地域や保健所、保育園などとの連携について尋ねる。 173 △こども未来局長 こども総合相談センターや各区保健福祉センター、民生委員・児童委員などの地域の関係者、保育所などが参加する要保護児童支援地域協議会を設置し、支援が必要な子どもやその家庭に関する情報、支援の方向性を共有するとともに、その子どもや家庭に応じた支援を行っている。 174 ◯荒木委員 児童虐待防止のためには個別のケースについてアセスメントを行い、具体的な支援計画を立て、検証することが重要であり、そのためにも、個別ケースに対応できる体制ができているのかが問われることから、連携はその視点で適切に行われたい。次に、社会的養護施設での虐待も多いというが、本市での状況と虐待防止の取り組みについて尋ねる。 175 △こども未来局長 施設に子どもを措置する際には、子どもに権利ノートを配付し相談窓口及び連絡先を周知するとともに、子どもとの面接等を通じて虐待の発見に努めている。施設での虐待については、ここ数年で27年度に子どもに対する暴言など2件発生しており、施設に対し再発防止に向けた指導を行っている。 176 ◯荒木委員 子どもへの虐待防止には、親子関係の再構築の支援及び再発防止と長期的な虐待を受けた子どもの支援が必要であるが、取り組みについて尋ねる。 177 △こども未来局長 虐待の事実が把握された場合には、その内容に応じて、保護者への警告・指導等を行うとともに、継続的な通所指導の中で、保護者への助言やカウンセリング、子どもへのカウンセリング、プレイセラピー等を行っている。 178 ◯荒木委員 虐待された子どもの家庭的養護として、里親制度や特別養子縁組の取り組みが重要とされているが、本市における取り組み状況と今後の計画について尋ねる。 179 △こども未来局長 17年度から里親養育支援共働事業を実施し、里親制度の普及啓発や里親・里子への支援の充実を図っている。また28年度から乳幼児里親リクルート事業を開始し、乳幼児専門の養育里親の新規開拓に取り組んでおり、第4次福岡市子ども総合計画において、31年度末の里親委託率の目標値40%に対して、28年度末現在で39.7%に達しているところである。 180 ◯荒木委員 虐待の防止、親子関係の再構築、家庭復帰に向けた家庭環境の調整、家庭復帰後の虐待の再発防止等のための家族支援の充実、施設による地域の里親等への支援、子育て短期事業等の地域の子育て家庭の支援など、家族支援や地域支援の充実が重要であり、地域で包括的に子ども支援をすることが提起されているが、本市においての取り組み内容を尋ねる。 181 △こども未来局長 20年度から地域と子育て家庭とのつながりを形成するため、民生委員・児童委員が乳児のいる家庭を訪問するこんにちは赤ちゃん訪問事業を実施するとともに、27年度から産後早期の支援の充実を図るため、助産師等の専門職が生後3カ月ごろの乳児がいる全ての家庭を訪問する新生児全戸訪問事業を実施している。また、平成29年7月に各区保健福祉センターに子育て世代包括支援センターを設置し、新たに配置した母子保健相談員が全ての妊婦に面談を行うなど、妊娠期からの相談支援体制の強化を図るとともに、関係機関とも連携しながら、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行っている。 182 ◯荒木委員 現在では地域での包括的な支援が推進されており、そのために子どもの虐待防止とともに、子どもの支援として、子どものアセスメントと支援計画の策定、虐待を受けた子どもの支援及び施設退所から社会人への自立支援、家族関係の再構築や家族の支援、支援計画の見直しなど、相談員の職務は高い専門性及び経験の蓄積が求められるが、本市では、嘱託職員は週5日、27.5時間の勤務であり、非正規職員が多い状況で、長期的な取り組みや多様な機関との連携が構築できるのか、所見を尋ねる。 183 △こども未来局長 こども総合相談センターの職員の専門性を確保する観点から、専門の資格や経験を有する非常勤職員を配置しており、正規職員については、15年度から心理職、21年度からは福祉職の採用区分を設けて専門職の配置を進めるとともに、職員の増員を行うなど体制充実を図っている。 184 ◯荒木委員 次に、教育相談について質問する。教育相談に関する事業内容と対応する職員の資格、3年間の相談数、正規職員、非正規職員の推移を尋ねる。 185 △教育長 教育相談事業については、不登校、いじめなどの学校にかかわる電話相談や面接相談並びに不登校児童生徒の学校復帰や社会的自立を目指した適応指導教室「はまかぜ学級」の運営を行っており、過去3年間の電話などによる相談件数は、平成26年度8,080件、27年度9,939件、28年度1万678件である。また、電話相談などを行う臨床心理士である教育カウンセラーは、28年度までは嘱託員7名で対応し、29年度から1名増員し、計8名で対応している。適応指導教室については、過去3年間、正規職員である指導主事2名と嘱託員である心理士などの5名で対応している。 186 ◯荒木委員 国では平成31年までに、スクールカウンセラーは全ての小中学校に1人、スクールソーシャルワーカーは全ての中学校に1人配置することとして、毎年度予算化しているが、本市での推進計画を尋ねる。 187 △教育長 スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの配置については、国の事業予算の範囲内で3分の1程度が補助対象で、残りを本市が負担している。国の教育支援体制整備事業費補助金を活用し、28年度は中学校ブロック、高等学校、特別支援学校にスクールカウンセラーを合わせて46人、小学校及び教育相談課にスクールソーシャルワーカーを24人、教育相談課にスクールソーシャルコーディネーターを3人配置している。今後の配置については、成果と課題を検証しながら、教育相談体制の充実に努める。 188 ◯荒木委員 国の補助率は3分の1であり、自治体の負担が必要ということであるが、このような子どもの問題に対しては優先的に取り組むべきであり、本市では、31年度までにスクールカウンセラーなり、スクールソーシャルワーカーの配置を国の計画に沿って実現されたい。新たに配置されたスクールソーシャルコーディネーターの役割及びスクールソーシャルワーカーとの違いについて尋ねる。 189 △教育長 スクールソーシャルコーディネーターの役割については、行政や企業、NPOなどの取り組みと支援を必要とする児童生徒をつなぎ、学力向上や基本的生活習慣の定着を目指すものであり、一方、スクールソーシャルワーカーは、教育と福祉の両面から地域やこども総合相談センターを初めとする関係機関と連携し、課題を抱える児童生徒、保護者及び関係する教員を支援し、課題の改善を目指す役割である。 190 ◯荒木委員 現在、生きる権利、守られる権利、育つ権利、参加する権利という子どもの権利保障のために、いじめ、不登校、子どもの貧困、子どもの虐待などの対策を地域で包括的に支援することが求められており、地域での連携が機能するように、スクールソーシャルコーディネーターの活用を求めておく。不登校やいじめ、子どもの貧困問題などは個別対応、継続的な取り組みが必要であるが、対応は本市の週27.5時間以内という、限られた勤務時間での嘱託職員で十分だと考えているのか。 191 △教育長 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーについては、国の補助事業を活用し、教育相談体制を構築しているところだが、ここ数年来、学校や児童生徒、保護者が多くの支援を必要としてきており、定数化に向けて国へ強く要望を行っていく。 192 ◯荒木委員 正規の職員を増員されたい。思春期相談事業について、事業の対象年齢と主な相談内容と相談体制について尋ねる。 193 △こども未来局長 こども総合相談センターが対象とする思春期年齢については中学生から二十歳未満としており、心のケアを必要とする不登校や引きこもりに悩む子どもに対し、家庭への相談員の派遣や居場所づくりなどの支援を行っている。 194 ◯荒木委員 国の若者の規定は15歳から39歳であるが、本市において若者支援という考えはないのか。 195 △こども未来局長 こども総合相談センターでは二十歳未満を対象としており、二十歳以上の引きこもりなどの問題を抱えている若者については、精神保健福祉センターでの相談を紹介している。 196 ◯荒木委員 本市では、二十歳未満はこども総合相談センターで、二十歳以降は精神保健福祉センターでの対応であるが、子どもの支援は継続性が重要であり、担当者との信頼関係の継続が重要と考えると、今の本市の取り組みは問題がある。彦根市の子ども・若者総合相談センターでは15歳から39歳までの若者相談として取り組んでおり、本市でも継続した取り組みを検討すべきと考えるが、所見を尋ねる。 197 △こども未来局長 本市における引きこもり等の支援については、継続的な支援が必要であれば、こども総合相談センターから精神保健福祉センターに引き継ぎを行うとともに、希望があれば、こども総合相談センターでの相談や居場所活動を活用してもらうなど、切れ目のない継続的な支援に努めている。 198 ◯荒木委員 安心して生活する場所がない子どもがふえていることは非常に問題であり、生きる権利、守られる権利、育つ権利、参加する権利といった、子どもの権利を保障する重要な機関として、こども総合相談センターが存在するが、職員は専門性と経験、継続性が求められるにもかかわらず、職員数も十分でなく、非正規職員が多く、個別対応や取り組みの継続性に制約があり、十分機能ができているのか疑問である。子どもの権利を守るために、こども総合相談センターの職員数や正規職員をふやすことが必要であるが、所見を尋ねる。 199 △こども未来局長 こども総合相談センターの機能を十分に果たすために、従来から正規職員の増員を行ってきたところであり、今後とも適切な体制整備に努めていく。 200 ◯荒木委員 28年の児童福祉法改正で、子どもが権利主体であることが明確になったことを踏まえ、新たな社会的養育のあり方に関する検討委員会は、社会的養育の改革の工程を示す新しい社会的養護ビジョンを提言している。このビジョンでは、市町村を中心とした支援体制の構築、児童相談所の機能の強化と一時保護の改革、代替養育における「家庭と同様の養育環境」原則に関して乳幼児から段階を追って徹底する、家庭教育が困難な子どもへの施設養育の小規模化・地域分散化・高機能化、永続的解決保護の徹底、代替養育や集中的在宅ケアを受けた子どもの自立支援の徹底などの改革を、29年度から着手するように求めている。本市においても、新ビジョンが確実に実施できるよう国に財政措置を求めるとともに、高い専門性と経験豊富な人材を育成し、先進的な取り組みを進めることを求めて質問を終わる。 201 ◯中島委員 自民党新福岡を代表して、教師が子どもと向き合う時間の確保について、街頭防犯カメラの設置促進とそのPRについて、消防力の充実、強化について、以上3項目質問する。初めに教師が子供と向き合う時間の確保について質問する。最近、働き方改革という言葉をよく耳にするが、労働環境の改善は、企業だけでなく国全体にかかわる課題である。国においては、ことし3月に働き方改革実行計画が策定され、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジとして、働く人の立場、視点で、非正規雇用の処遇改善や賃金引き上げと労働生産性向上などの検討テーマと現状、及び改善に向けた対応策やその工程表が示されている。この中で特に大きな課題であるのが長時間労働の是正と考える。民間企業における過労死問題や長時間労働問題などが新聞等でも報道され、社会的な関心事となっているが、民間企業に限ったことではなく、とりわけ学校現場に関しては以前から教員の多忙化が指摘されており、ことし4月に文部科学省から教員勤務実態調査の速報値が公表された。新聞報道によると、おおむね月80時間を超えた場合が目安とされ、いわゆる過労死ラインを上回る教員が、小学校で約3割、中学校で約6割に上るとのことである。この結果を踏まえ、文部科学省はことし6月に、学校における働き方改革に関する総合的な方策について中央教育審議会に諮問し、現在、学校における働き方改革特別部会が設立され、8月には緊急提言が出された。学校現場において長時間の勤務が続いている現状の中、教師が特に負担と感じる業務に関して、平成26年10月に文部科学省が教職員の業務実態調査を実施している。その結果によると、国や教育委員会からの調査やアンケート対応が最も多く、次いで保護者、地域からの要望、苦情等への対応、児童、生徒、保護者へのアンケート実施などがある。本市の教員が負担に感じる業務の実態について尋ねる。 202 △教育長 28年度に業務上の負担や必要な支援などを把握するために全教員を対象に実施したアンケート調査結果によると、教員が負担に感じている主な業務として、休日や早朝、勤務時間終了後など、勤務時間外の部活動指導、各種調査への回答など教育委員会に提出する書類の作成、学校内でのさまざまな研修や出張を要する学校外での研修などである。 203 ◯中島委員 学校内外での研修は、教員の資質向上等のために必要であるが、文部科学省の調査と、本市のアンケート結果に共通するのは、各種調査に関する回答業務である。学校の各種調査文書に関して、教員の負担軽減のための具体的な取り組みを行っているのか。 204 △教育長 学校への調査文書等の負担軽減については、調査報告文書一覧表を作成し、調査回数の見直しや他の調査との統合などを行っている。また、文書を確認する時間を短縮するため、調査のポイントをわかりやすく明記するなど、学校への照会・通知文書の取り扱いをルール化し、文書事務の負担軽減を図っている。 205 ◯中島委員 地元の中学校の話によると、特に報告書作成を負担に感じているとのことであり今後も引き続き教員の事務負担の軽減に取り組まれたい。次に、部活動指導が負担になっているとの結果があった。私も中学校のときに野球部に所属し、毎日額に汗をかいて白球を追いかけた日々や仲間との出会いは何事にもかえがたく、顧問教師から数多くのことを教わった部活動での出来事は、今でも学生時代を振り返る際には欠かすことのできない思い出であり、そのときの経験が私の人生においてもその基礎になったと感じており、学生時代に部活動に所属した経験のある人の多くが思いを共有できると考える。部活動は参加する生徒にとって、有意義な学校生活の要因の一つであるが、教員にとっては長時間労働の要因や負担の一つとなっている。これは、部活動自体が、各教科の授業や学校行事などとは異なり教育課題という位置づけではないにもかかわらず、学習指導要領上では、学校の教育活動と位置づけられていることに起因するようであり、具体的には、学習指導要領では、部活動はあくまで生徒の自主的、自発的な参加での実施とされている一方で、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること、と示され、学校の教育活動として位置づけられていることから、教員も部活動への従事が求められている。その中で、多くの教員が部活動の顧問、あるいは指導者として子どもたちの成長、技術力向上のためになればと、強い思いで日ごろから熱心に子どもたちの指導に当たっているが、現状として、教員の中でも温度差があり、中には負担に感じながら部活動の顧問や指導者としての活動をしている実態があると考える。そこで、教員が負担に感じている部活動の現状について尋ねる。 206 △教育長 教員が負担に感じる部活動指導の具体的な内容としては、土曜日や日曜日に部活動指導があり、十分な休養や放課後に授業の準備や教材研究を行う時間がとれないこと、経験のない専門外の種目を担当することから技術指導が困難などとなっている。 207 ◯中島委員 教員の切実な声を踏まえ、部活動に関する負担を軽減するための、本市の取り組みを尋ねる。
    208 △教育長 平成28年3月に策定した市部活動ガイドラインにおいて、学校行事や部活動の試合日程に応じて、週1日以上の完全休養日を設定すること、土日祝日等に活動した場合は他の曜日を休養日にするなどの配慮を行うことなど、部活動における負担軽減の取り組みを示し、生徒と教員の健康保持に努めるよう各学校を指導している。また、本来顧問である教師が行うべき専門的な技術指導の補助を行うため、補助指導者制度を導入し、教員の負担を軽減している。 209 ◯中島委員 週1日以上の完全休養日を設定することは、部活動の顧問のみならず、成長過程にある生徒にとっても重要であり、設定が守られていることを確認されたい。次に補助指導者制度について、導入の時期と、制度の概要について尋ねる。 210 △教育長 昭和57年度から導入しており、補助指導者は、担当する部活動について顧問を補助して専門的な技術指導を行うが、単独での指導や大会引率は認めていない。活動日数については、年間50日程度、報償費は1日当たり3,800円である。 211 ◯中島委員 この補助指導者制度の28年度の事業実績及び決算額を尋ねる。 212 △教育長 28年度は学校の希望に応じ、中学校69校中68校に266人、市立高等学校全4校に35人を配置している。また、決算額は5,367万円余である。 213 ◯中島委員 この補助指導者制度によって、部活動に対して教員の負担を解消できるのか、尋ねる。 214 △教育長 本来、顧問である教員が行うべき専門的な技術指導を補助することにより、一定程度負担軽減につながっているものと認識している。 215 ◯中島委員 現行の補助指導者制度だけでは、教員が部活動に対して負担に感じている内容のうち、休日に休息がとれない、放課後に教材研究ができないなどの声に応えることは難しい。文部科学省は平成29年3月に、学校教育法施行規則の一部を改正し、部活動の技術指導や大会への引率等を行うことを職務とする部活動指導員の規定を新たに整備した。この制度は、生徒の技術向上に資するとともに、教員の業務負担軽減につながるものと期待されている。他都市では部活動指導員導入の動きがあるようだが、本市ではどのように考えているのか尋ねる。 216 △教育長 部活動指導員制度については、現在、学校の意見を踏まえて制度設計に取り組んでおり、できるだけ早期に制度を導入したいと考えている。 217 ◯中島委員 専門的な技術指導ができ、なおかつ単独での指導や引率ができる部活動指導員は、部活動において教員の負担を軽減するために大きな役割が期待できることから、ぜひ本市においても早期の導入を強く要望する。現在、長時間労働の是正、とりわけ学校現場における教員の多忙化の問題は大きな課題である。教師は子どもにかかわる重要な仕事であるとの思いを持って、苦労が多く長時間勤務にもかかわらず、目の前の子どもたちの将来のために仕事に取り組んでいる。例えば、本市においては、姪浜中学校の吹奏楽部や西福岡中学校のバスケットボール部は、全国大会の常連校となっており、その活躍の立て役者は、生徒の保護者もさることながら、やはり熱心に指導している教員である。このような教員の意識や子どもたちに対する思いは、学校教育に携わる者として今後も絶えず持ち続けていただきたいと思う一方、教員の長時間勤務の常態化は、学校教育活動の質を低下させ、教員の健康リスクを高めることにつながり、子どもたちへの悪影響となりかねない。教員の限界が来る前に業務負担を減らすとともに、子どもたちと向き合える時間を確保することが何よりも重要と考える。そこで、教育委員会として教師が子どもと向き合う時間の確保に向けて、今後どのように取り組んでいくのか所見を尋ねる。 218 △教育長 教員が子どもと向き合う時間の確保については、これまで給食費の公会計化や全教員へのパソコンの配置、校務支援システムの導入などの業務の効率化や改善に取り組んでいるが、現在も長時間勤務の実態があることは認識している。今後、学校に対する調査報告文書のさらなる削減や部活動指導員制度の導入に向けた検討を進めていくとともに、学校事務の執行体制を見直し、これまで教員が担っていた業務の一部を学校事務職員が担当することや、本市教育センターで実施する研修の一部について,ICTを活用して学校で受講できるようにすることで、教員の出張時間を減らすなどの取り組みを検討していく。さらに、教育委員会及び学校が一体となって取り組む方策や目標などをまとめた業務改善のためのガイドラインを策定し、教員が子どもと向き合う時間の確保に向けて、教員の一層の負担軽減や長時間勤務の解消に取り組んでいく。 219 ◯中島委員 次に、街頭防犯カメラの設置とそのPRについて、本市においては本市防犯のまちづくり推進プランを策定し、防犯対策を推進しており、その中で24年度より、地域の防犯活動の支援のため、自治協議会や自治会などの地域団体が地域の街頭に設置する防犯カメラの費用に対して、機材や設置費用の一部を助成する本市街頭防犯カメラ設置補助金制度を実施している。私は安全・安心のまちづくりの推進、市民生活の質の向上の観点から、これまで過去2回質問したが、この制度は、犯罪のない安全で住みよいまちづくりを地域とともにつくる共創のまちづくりの好事例であり、犯罪の抑止効果や犯人の検挙に期待ができ、地域の防犯環境に配慮したまちづくりに寄与できるものと確信している。本市街頭防犯カメラ設置補助金制度の決算額の過去3年間の推移について尋ねる。 220 △市民局長 26年度は3,895万円余、27年度は2,552万円余、28年度は6,009万円余である。 221 ◯中島委員 街頭防犯カメラに対する地域からの要望が高まっているが、設置台数の過去3年間の推移及び制度開始後の総設置台数について尋ねる。 222 △市民局長 26年度は145台、27年度が96台、28年度は220台であり、制度開始した24年度から28年度までの総設置台数は、684台である。 223 ◯中島委員 28年度の設置台数は27年度の2倍以上になっており、地域の防犯に対する関心や意識が高まっていると感じる。3月の当初議会においても、この街頭防犯カメラの設置促進について質問したが、その際、地元から設置要望があった年に費用を助成していたもののその年の予算内では急増する設置要望への対応が困難になるなどの課題が判明したことから、29年度からは、地域の要望を踏まえた新制度に移行したと聞いているが、新制度の概要について尋ねる。 224 △市民局長 新制度の概要については、助成する前の年に事前申請を受け、設置地域の犯罪発生状況や警察の意見、過去の助成状況等を勘案することにより効果的かつ適切に配置を行っている。また、設置台数については、より多くの団体が設置できるように、1団体につき年間4台を限度にしており、さらに設置場所や工事内容に合わせ、より実態に即したきめ細やかな助成を行うこととしている。 225 ◯中島委員 地域からの要望を踏まえた上で、街頭防犯カメラを効果的かつ適切に配置するなどのよい制度になっており安心である。29年度の警察白書によると、全国の刑法犯認知件数は平成14年の約285万件をピークに減少を続け、平成28年には戦後初めて100万件を下回ったとのことであるが、本市の刑法犯認知件数の過去3年間の推移について尋ねる。 226 △市民局長 26年は2万3,400件、27年は2万33件、28年は1万8,813件となっている。 227 ◯中島委員 本市における刑法犯認知件数も全国と同様に減少傾向にある要因には、県警、地域による防犯活動などのほか、防犯カメラの設置効果も大いにあると考えるが、減少理由について尋ねる。 228 △市民局長 街頭防犯カメラ設置などのハード面や地域住民による夜間パトロールなどの自主防犯活動等のソフト面の両面から、地域住民、警察、行政が一体となって、総合的な犯罪抑止対策の取り組みを進めてきたことによるものと考えている。また、地域住民の安心感の醸成や規範意識の向上などに街頭防犯カメラの設置が寄与するものと考える。 229 ◯中島委員 犯罪抑止について総合的に取り組んでおり安心である。市民生活の基礎となる安全・安心な市民生活を確保していくためには、引き続き総合的な犯罪抑止対策を推進していかなければならない。その犯罪減少の一要因として、地域住民の自主防犯活動等が活発になったことが考えられる。街頭防犯カメラは犯人の特定や逮捕に大きな力を発揮しているとマスコミ等で報じられており、地域住民の安心感の醸成に寄与していると感じている。例えば、飲酒運転撲滅キャンペーンは、しない、させない、絶対許さないなどと市長がよく県警とともに実施されており、犯罪については、犯罪はしない、させない、見逃さないといったキャッチフレーズとあわせて街頭防犯カメラの設置実績とその効果をPRすることで、さらに犯罪の抑止につながるのではないかと考える。また、本市の刑法犯認知件数が減少することにより、地域が安全なまちになっていくことが報道されることで、地域のさらなる自主防犯活動にも力が入ってくるのではないかと考えることから、市民生活の質の向上、安全・安心で質の高い暮らしを実現するためにも、街頭防犯カメラの設置効果をもっとPRするとともに、今後もしっかりと予算措置を行い、街頭防犯カメラの設置促進に積極的に取り組むことを要望して、この質問を終わる。最後に、消防力の充実・強化について、本市において今後も人口増加が見込まれる中、複雑多様化する災害や高齢化の進展に伴う救急需要の増加など、消防を取り巻く社会環境は急激に悪化しており、今後も迅速かつ的確に対応していく必要がある。また、昨年4月に発生した熊本地震や、ことし7月に発生した九州北部豪雨のような大規模災害が本市で発生した場合に、適切に対応するため、従来にも増して消防力の充実・強化を図っていく必要があると考える。28年度における消防力の充実・強化のための主な取り組み及びその決算額について尋ねる。 230 △消防局長 消防局においてはこれまでも安全・安心で良好な生活環境が確保されている災害に強いまちづくりを目指し、災害防御活動体制の充実、救急体制の充実、防火・防災体制の充実に取り組んでいる。28年度の取り組みについては、消防施設の整備、充実を図るため、中央消防署の移転整備や消防指令管制情報システム共同運用整備に取り組むとともに、地域防災の担い手である消防団の体制強化などについて重点的に取り組んできた。それぞれの決算額については、中央消防署の移転整備等として10億7,934万5,000円、消防指令管制情報システム共同運用整備として2億2,184万3,000円、消防団施設等の整備として1億5,389万2,000円である。 231 ◯中島委員 消防庁舎や指令管制情報システムなどの消防施設の整備、充実は重要なことであり、その中でも消防活動の基点となる消防庁舎の計画的な整備については特に重要なものであると考える。中央消防署の移転整備の概要について尋ねる。 232 △消防局長 中央区における都市環境の変化や都市基盤の充実、また今後の人口動向などを踏まえ、災害即応体制の強化と都心部における救急需要への対応などを図るため、中央消防署を現在の浄水通りから都心部にある都市高速道路天神北ランプに近い、那の津2丁目に移転整備するもので、26年度に基本設計に着手、現在は庁舎の建設工事を実施しており、30年度の供用開始に向け準備を進めている。 233 ◯中島委員 中央消防署を移転整備することにより、災害即応体制の強化や都心部を中心とした救急需要への対応強化を図るとのことだが、新たに整備される中央消防署の機能などについて尋ねる。 234 △消防局長 消防隊の重点配置や訓練施設の整備などにより、都心部における災害対応拠点施設としての機能強化を図るとともに、本市において大規模災害が発生した際に、他都市からの応援を受け入れる体制の充実強化のため、応援消防隊が集結し活動拠点とするスペースの確保を図ったところであり、庁舎の規模としては市内最大規模の消防署となる。 235 ◯中島委員 都心部、特に天神地区においては、今後も天神ビッグバンなどにより、活力あるまちづくりとして発展し、九州の拠点都市として、より多くの人、物が集積、交流していくことになると思う。そのような中、新たに整備する中央消防署において、消防隊を重点配置することなどにより、都心部における災害対応拠点施設としての機能強化、また救急需要への対応強化を図ることは、本市民のみならず、国内外から多数訪れる観光客やビジネスマンなどの安全・安心の確保にもつながるものであると考える。また、他都市からの応援消防隊の集結スペースを確保することは、本市において大規模災害が発生した場合に、他都市から応援に駆けつける消防隊の受け入れ態勢の強化のみならず、福岡都市圏、さらには福岡県内で発生した大規模災害に対応するために集結した応援消防隊の活動拠点としても機能することが期待できるのではないかと考える。今後とも新たに整備される中央消防署を基点とし、本市における災害即応体制の強化や救急需要対応強化、さらには大規模災害時の受援体制の充実強化に取り組まれたい。次に、消防力の充実強化のためには、常備消防だけでなく、非常備消防、いわゆる消防団の充実強化も大変重要である。大規模災害の発生が危惧される中、少子高齢化の進展、サラリーマンの増加及び社会情勢の変化等により、地域における防災活動の担い手を十分に確保することが困難となっている現状から、平成25年12月に、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が施行されたところである。こうした背景の中、昨年の熊本地震やことしの九州北部豪雨災害の際には、団員みずからが被災しているにもかかわらず、強い使命感のもと、救助活動などに身を投じ、大きな役割を果たされたところであり、改めて消防団活動の重要性などが再認識された。そこで、地域住民の安全・安心のため、さまざまな活動を行っている消防団員は、地域においてどのような役割を担われているのか尋ねる。 236 △消防局長 消防団員の地域における役割については、火災への対応はもちろん、地震や台風による自然災害などに伴う災害現場での活動を初め、地域における防火パトロールや住民に対しての防火指導、消火訓練やポンプの取り扱い訓練などの災害対応訓練、さらには地域住民とともに地図を囲みながらゲーム感覚で災害時の対応策を考える図上訓練、いわゆるDIG訓練などを実施している。また、女性消防団員については、高齢者の住宅を訪問しての防火指導や応急手当などを指導する救命講習を中心に活動している。このように、消防団員の方々は地域防災力の向上を図るため、地域に密着して、昼夜を問わず、指導的な立場でさまざまな活動を行うなど、地域において重要な役割を担っている。 237 ◯中島委員 本市における過去3年間の消防団員の定員、実員、充足率及びその傾向について尋ねる。 238 △消防局長 本市の消防団員の条例定員2,602人に対し、過去3年間の各年度における4月1日現在の実員は、27年度は2,376人で、充足率は91.3%、28年度は2,358人で、充足率は90.6%、29年度は2,364人で、充足率は90.9%となっており、28年度までは減少傾向であったが、29年度は前年度と比べて、実員で6人、充足率にして0.3ポイントと、わずかではあるが増加となり、歯どめがかかったところである。しかしながら、地域によって消防団員の確保に苦慮しているところもあり、団員が減少している分団もある。 239 ◯中島委員 これまで消防団員確保のために行った本市の取り組みを尋ねる。 240 △消防局長 独自のパンフレットやポスターを作成し、公民館などの公共施設、市内の専門学校や大学などに配布するとともに、出初め式を初め、成人式、大学の学園祭などのイベントへの消防団員の出演など、消防団員確保のためにさまざまなPR活動を行い、さらに24年度から、各消防団の幹部などで構成する本市消防団体制強化検討委員会を設置し、消防団員の確保を初め、消防団の体制強化などを図るための検討を行い、その審議結果に応じ、種々の対応を図っているところである。具体的には、消防団への入団資格について、従来の市内居住者や通勤者に加え、市内への通学者についても新たにその対象とする条例の改正や、消防団協力事業所表示制度、また学生消防団活動認証制度を導入し、その普及啓発に取り組んでいる。 241 ◯中島委員 消防団協力事業所表示制度の導入について、具体的にはどのような制度か尋ねる。 242 △消防局長 事業所等が従業員に対して、消防団に入団しやすく、そして入団した後も消防団としての活動がしやすい環境づくりに取り組んだ場合に、消防活動に協力する事業所として表示証を交付し、その貢献を社会的に評価するものであり、地域防災体制がより一層充実することを目的とした制度である。本市では平成26年4月1日から導入しており、9月1日現在で76事業所を認定している。 243 ◯中島委員 消防団協力事業所として認定された事業所は社会的に評価されるということで、消防団員の確保のためにも、この消防団協力事業所をさらにふやしていくことが必要である。認定された事業所に何か具体的なメリットがあれば、さらにふやすことができると思うが、具体的なメリットはないのか。 244 △消防局長 企業が行う市や地域への貢献活動を評価し、その貢献活動の促進及び本市の事業推進を図ることを目的に、社会貢献度の高い企業を認定する本市社会貢献優良企業優遇制度の適用対象として、本市消防団協力事業所が認定され、具体的なメリットとして本市が公共事業等を発注する際に、その認定を受けた企業を優先指名するなどの優遇措置を受けることができるようになっている。また、福岡県の競争入札参加資格審査についても、地域貢献活動の評価対象として優遇措置を受けることが可能となった。なお、この認定は平成28年8月から開始され、29年9月1日現在で49事業所を消防団協力事業所として認定している。 245 ◯中島委員 消防団協力事業所表示制度を活用することで、事業所等にとってメリットがあることが理解できた。この制度を事業所等に知ってもらうためにどのような方法で普及させているのか、尋ねる。 246 △消防局長 消防団協力事業所表示制度の普及の方法については、消防局などのホームページに掲載するとともに、福岡建設協力会など各種団体に説明会を行うなど、PR活動を行った。また、充足率の低い地域を中心に、事業所を個別に訪問して説明を行い、制度の普及とあわせて消防団への入団促進に努めており、28年度は171事業所、29年度は9月1日現在で57事業所に対し実施したところである。 247 ◯中島委員 消防団協力事業所表示制度については、今後もしっかりと普及に努められたい。本年度においては消防団員の充足率に歯どめがかかっているものの、地域によっては消防団員の確保に苦慮し、充足率の低い分団もあるようだが、そうした地域についても消防団員の充足率を向上させ、地域防災力の強化を図る取り組みが必要ではないかと考えるが、消防団員の充足率を向上させるためのさらなる取り組みについて尋ねる。 248 △消防局長 消防団員の充足率の向上については、これまでの取り組みを引き続き推進していくとともに、さらなる取り組みとして、学生団員などの若い団員をふやすための独自のPR映像を作成しているところであり、さまざまな機会で使用するなど、消防団のPR活動に生かしていく。また、基本的な消防団員と異なり、限定された消防団活動を担う機能別消防団員や、消防団員の定年の年齢について、他都市の状況なども勘案しながら、本市消防団体制強化検討委員会において検討しているところであり、今後も充足率向上のため、しっかりと取り組んでいく。 249 ◯中島委員 消防局において消防力の充実強化のために、さまざまな施策を展開されていることが判明した。近年、国内おいて種々の大規模な災害が発生し、地域住民へ甚大な被害をもたらしており、記憶に新しい熊本地震や九州北部豪雨など、同様の災害が本市で発生することも危惧されており、消防力のさらなる充実強化が必要不可欠と考えている。特に、消防団員は地域に密着した地域防災力の重要な担い手であり、また、地域の防災リーダーでもある消防団の体制を強化することは、公助の強化のみならず、地域における自助、共助の向上にもつながっていくものと考える。今後も消防団と消防局が一体となって、安全・安心で質の高い暮らしの実現を目指されたいと考えるが、所見を尋ねて質問を終わる。 250 △市長 消防団員においては、本業を持ちながら、郷土愛の精神に基づいて、地域の安全・安心を守るために、地域防災の要として日ごろから昼夜分かたず、さまざまな消防団活動に携わっていただき、厚く御礼を申し上げる。本市は日本一安全で安心して暮らせるまちを目指して、地域防災ネクストの一つの柱として、地域防災力強化のための取り組みを進めている。消防団員は地域の住民や地理的な特性などを熟知しており、消防活動はもとより、地域に根差したさまざまな防火・防災活動を実施しているところであり、住民の信頼は厚く、消防団の重要性はますます高まっていくものと考える。今後とも地域防災力のさらなる向上を図るために、消防団協力事業所表示制度や学生消防団活動認証制度を引き続き普及させるとともに、さらなる取り組みについても鋭意検討し、地域防災組織や防災リーダー育成の一翼を担っている消防団員の確保について推進し、充足率の向上を図っていくなど、充実強化にしっかりと取り組んでいく。 251 ◯高木委員 公明党福岡市議団を代表し、人生の最終段階における終活支援と成年後見制度の推進、育児と介護のダブルケア支援及び障がい者の就労支援と雇用改善、以上3項目について質問する。まず、人生の最終段階における終活支援と成年後見制度の推進についてだが、ことし亡くなった人に関して受けた2件の相談を紹介する。1件は、高齢者2人暮らしで身寄りがない夫婦が相次いで亡くなった後の光熱費や家賃などの支払い、家財処分、葬儀や納骨に関する相談であったが、近隣住民による親身な支援や区役所職員等の協力により何とか解決することができた。もう1件は、56歳という若さでがんの転移により亡くなった人から、亡くなる2カ月前に正式な遺言を残したいという相談を受けたが、相談時点で体の自由がきかない状態であったため、意思表示が可能なぎりぎりのタイミングでの、行政書士による病室での遺言作成となった。これらの相談を通じ、元気なうちからの、いざというときに備えた終活支援の重要さを感じた次第であるが、まず、終活支援に結びつくと思われる本市の施策の概要について説明を求める。 252 △保健福祉局長 人生の最終段階までの意思決定の支援に結びつくよう、さまざまな年代の市民に向けて、成年後見、みとり、介護などについて啓発を行いつつ、成年後見制度利用支援や公正証書遺言の作成案内などを実施している。また、社会福祉協議会においても、ずーっとあんしん安らか事業、日常生活自立支援事業、法人後見事業などに取り組んでいる。 253 ◯高木委員 本年3月に策定された健康先進都市戦略によると、本市は全国第2位の人口増加数を誇る都市であるが、直近5年間で人口増となった約7万5,000人のうち、15~64歳の生産年齢人口の増加は約5,000人にすぎない。また、高齢化率は、2010年はわずか17.4%であったが、2025年には24.8%、2040年には31.0%、2050年には34.3%と予測されている。今後、本市では税金や年金保険料を払う、働く現役世代の数がふえないことで医療福祉財源が伸び悩むにもかかわらず、医療福祉の負担が急伸するという大きな問題を抱えることになり、大きな壁が目前に迫っていると同戦略では警鐘を鳴らしている。次に、10年前及び28年度における、65歳以上の要介護認定者数及び認知症高齢者数を尋ねる。 254 △保健福祉局長 65歳以上の要介護認定者数は19年度末で4万1,474人、28年度末で6万3,217人である。このうち認知症の症状を有し、日常生活に支障を来すような症状及び行動や意思疎通の困難さが見られる状態にある認知症高齢者数は、19年度末で2万3,442人、28年度末で3万4,035人である。 255 ◯高木委員 同戦略では、本市は高齢者のひとり暮らし率が高いと分析しているが、10年前及び28年度における、在宅のひとり暮らし高齢者数及び高齢者のみ世帯に属する人数を尋ねる。 256 △保健福祉局長 在宅のひとり暮らし高齢者数について、住民基本台帳の人口に、直近の国勢調査に基づくひとり暮らし高齢者比率を乗じて推計した人数を答弁すると、平成19年8月末で4万7,700人、平成28年8月末で7万3,500人であり、ひとり暮らしを含む高齢者のみ世帯に属する人数は、同様の推計により平成19年8月末で6万9,200人、平成28年8月末で9万9,900人である。 257 ◯高木委員 10年前及び28年度における、身寄りや財産がない人に葬祭扶助を支給した件数及び決算額、並びに家財処分を実施した件数及び決算額を尋ねる。 258 △保健福祉局長 葬祭扶助を支給した件数及び決算額は19年度が648件で約1億4,944万円、28年度が862件で約2億2,304万円である。家財処分の件数及び決算額は19年度が161件で約1,325万円、28年度が324件で約4,047万円である。 259 ◯高木委員 この10年間で要介護認定者数、ひとり暮らし高齢者数、葬祭扶助や家財処分の件数が急速に伸びていることがわかる。社会福祉協議会では平成23年6月に、ずーっとあんしん安らか事業を開始し、身寄りがない高齢者が亡くなった後の支援を行っているが、事業概要、過去5年間の年度末での契約件数及び28年度決算額を尋ねる。 260 △保健福祉局長 同事業は、社会福祉協議会が利用者との契約に基づき、預託金による葬儀や家財処分及び見守りなどのサービスを提供するほか、利用者の希望に応じて入退院支援や書類等預かりを行うものである。契約件数は24年度末で25件、25年度末で58件、26年度末で69件、27年度末で75件、28年度末で78件であり、28年度決算額は約1,089万円である。 261 ◯高木委員 本年4月から、アクション福岡100の一つであり終活サポートを行う、やすらかパック事業を開始しているが、事業概要、ずーっとあんしん安らか事業との違い、契約件数及び29年度予算額を尋ねる。 262 △保健福祉局長 やすらかパック事業は、社会福祉協議会が利用者との契約に基づき、少額短期保険制度を活用して設定した月額の利用料により葬儀や家財処分等のサービスを行うものである。一方、ずーっとあんしん安らか事業は、葬儀や家財処分等のサービスを一括払いの預託金により行う点で違いがあり、また、見守りサービスや入退院支援、書類等預かりなどのサービスも行うものである。やすらかパック事業の平成29年8月末現在の契約件数は4件、29年度における社会福祉協議会の予算額は約328万円である。 263 ◯高木委員 現在、ひとり暮らし高齢者を含む高齢者のみ世帯に属する人数は本市で約10万人であり、今後もふえ続けることを考えれば契約件数が少なく、社会福祉協議会とともに市民への周知や啓発をさらに進めるよう要望しておく。今回の質問に当たり京都市で調査を行ったが、京都市では病気等で人生の最終段階に直面した際、延命治療を受けるのか、ひとり暮らしの人が亡くなった場合に誰が葬儀や財産管理を行うのかという問題に対し、生前の意思を示しておく終活支援を行っている。本年、人生の最終段階における医療や、亡くなった後の葬儀や財産をどのようにしてほしいか等を記載したリーフレットを2種類発行しており、特に人生の最終段階における医療への希望として、人生の最終段階を迎える場所は病院か自宅か、心臓マッサージなどの心肺蘇生法を希望するか、延命のための人工呼吸器を希望するか、胃ろうや鼻チューブによる栄養補給を希望するか、自分自身で判断できなくなった場合に相談すべき人は誰か等の内容を記載している。人生の最終段階における医療に特化した事前意思表示の支援を本市でも行ってはどうかと考えるが、所見を尋ねる。 264 △保健福祉局長 人生の最終段階における、本人が望む医療の事前意思表示については、かかりつけ医と患者、家族などによる十分な話し合いが前提とされているため、市医師会など関係機関と連携して対応する必要があると考えている。高齢化が進展する中、本人が望む医療についてあらかじめ医師や家族などと話し合っておくことの大切さを広く市民に啓発することは重要であり、他都市の例も参考にしながら今後検討していく。 265 ◯高木委員 京都市のリーフレットでは、亡くなった後の葬儀や財産をどのようにしてほしいかについての意思表明の方法として、遺言、死後事務委任契約、エンディングノート等の方法を説明しており、故人の希望として遺影はどうするか、葬儀に誰を呼ぶか、お棺に何を入れるか等の内容を記載している。担当者の話によると市民からは、大変大事なことであるという声を多く受けており、9割以上の人からはリーフレットを好意的に受けとめてもらえているとのことである。高齢化が著しく進展し、無縁社会や孤立社会とも言われている現在だからこそ、人生の最終段階を迎えた際の本人の意思表明は大変重要なことだと考える。本市でも終活サポートとして、療養やみとりなどに関する本人の意思を記録し、家族等と共有できる仕組みを提供することにより、人生の最期まで自分らしく、よりよく生きるための前向きな意思表示とし、家族や医療機関とのコミュニケーションを促進するとの目標を掲げている。亡くなった後に必要な遺言の方法やエンディングノート作成なども含めた終活支援について、本市でも若い人を対象とした仕組みづくりが必要だと考えるが、所見を尋ねる。 266 △保健福祉局長 現在本市では、福岡家庭裁判所と共催の成年後見制度説明会、本市主催の高齢期の住まい方セミナー、介護実習普及センターでのみとりに関する講座を開催している。また、見守り活動の普及啓発を図る出前講座において、テーマの一つとしてエンディングノートを取り扱っている。さらに、希望する市内事業所を対象に医療や介護等の専門職を講師として派遣し、仕事と介護の両立のポイント、相談窓口、親の介護予防の方法などについて伝えている。今後、これらの取り組みの中で、人生の最期のときまでの過ごし方を若い人でも具体的にイメージして心構えができるよう、エンディングノートの活用も含めて啓発に取り組んでいきたい。 267 ◯高木委員 意思決定支援であるエンディングノートについて、現状7割の人が病院で亡くなっており、自宅にノートを準備していてもそのままになるケースも多いため、家族など託せる人と一緒に作成することや、ICT等を活用した家族など関係機関との情報共有が必要である。意思表示について、関係機関との情報共有やICTを活用した情報共有は大変重要だと考えるが、本市でも実施してはどうか。 268 △保健福祉局長 市民一人一人が人生の最終段階まで自分自身の意思表示をしておくことは非常に重要だと考えている。また、その意思を必要なときに示すことができるよう、家族や身近な人などと情報共有しておくことは、最終段階における家族や医療関係者の判断を助けることになると思われるため、事前の意思決定や情報共有の大切さについて機会を捉えて市民に伝え、終活支援につなげたいと考えている。 269 ◯高木委員 終活支援を啓発するため、多くの市民に向けた連続講座などの開催は大事な取り組みであるが、本市での実施状況はどうか。 270 △保健福祉局長 さまざまな年代の市民に向けて、住まいや成年後見、みとり、介護などの啓発を行っており、28年度における具体的な実施状況は、住まい方セミナーを年1回開催し受講者数73人、福岡家庭裁判所と共催の成年後見制度説明会を年1回開催し受講者数85人、介護実習普及センターでのみとりに係る講演会や講座を年3回開催し受講者数延べ603人、市民や企業従業員向け出前講座を年16回開催し受講者数798人、以上合計で21回開催し受講者数延べ1,559人である。 271 ◯高木委員 次に、成年後見制度の概要、28年度における身寄りのない高齢者の市長申し立ての件数及び高齢者の成年後見制度利用支援事業の決算額を尋ねる。 272 △保健福祉局長 成年後見制度は、認知症などで判断能力が十分にない場合に、家族や司法書士、弁護士などが後見人等として本人の財産管理や契約などを行う制度である。後見人等については家庭裁判所が家族などの申し立てを受けて選任するものであるが、後見開始の申し立てを行う親族がいない場合は、市長申し立てにより成年後見制度の利用につなげている。本市における28年度の高齢者の市長申し立て件数は28件であり、高齢者の成年後見制度利用支援事業の決算額は、市長申し立てに係る申し立て費用や後見人等の報酬助成を合わせて約322万円である。 273 ◯高木委員 判断能力が不十分な人にかわって財産管理や福祉サービスの契約などを行う成年後見制度の利用者は、昨年末時点において全国で約20万人にとどまり、約500万人とされる認知症高齢者と比べると圧倒的に少ないのが現状である。昨年5月、国において成年後見制度利用促進法が施行され、同制度が認知症高齢者を支える重要な手段であるにもかかわらず、十分に利用されていないことを問題提起し、十分利用されるよう周知及び啓発のために必要な措置を講ずることを明記した上で各自治体に計画策定を促したが、本市ではどのように取り組んでいるのか尋ねる。 274 △保健福祉局長 本市では窓口での相談や個別支援の中で、成年後見制度の利用が必要と思われる人には制度の利用を支援しており、後見等開始の申し立てを行う親族がいない場合は市長申し立てを行い、制度の利用につなげている。本市は人口が集積する都市であり、家庭裁判所、弁護士会、司法書士会、社会福祉士会など関係機関や団体がそれぞれ相談支援窓口を設置し、各機関の特性を生かして幅広く相談を受けているところであり、これらの窓口と連携して相談に対応していくとともに、引き続き成年後見制度の利用促進に努めていく。 275 ◯高木委員 質問に当たり調査を行った東京都品川区の成年後見センターでは、成年後見制度の必要な経費を負担することが困難な人に対し、社会福祉協議会が助成する成年後見人報酬等助成事業を行っているが、本市では経済的困窮者に対してどのような助成を行っているのか尋ねる。 276 △保健福祉局長 成年後見制度利用支援事業として、市長による後見等開始の申し立てを行った人のうち、生活保護を受給している人、または後見人等の報酬を負担することで生活保護基準を下回る人に対して、成年後見人報酬の助成を行っている。 277 ◯高木委員 品川区ではあんしんの3点セットとして、1つ目が50歳代から始める月1回の定期訪問や、緊急通報システム設置、入院時の手続や支払い、光熱費や家賃など定期的な支払い、金融機関からの現金の引き出しなどを支援するあんしんサービス契約、2つ目が任意後見契約、3つ目が公正証書遺言作成支援、以上3つのサービスを実施している。さらに、市民に幅広く、わかりやすく啓発するため、漫画で読む成年後見制度などの発行も行っている。本市では、あんしんの3点セットのような支援についてどのような状況にあるのか。また、今後さらに利用者の増加が見込まれる成年後見制度についてのわかりやすい周知が必要だと考えるが、所見を尋ねる。 278 △保健福祉局長 本市では、ひとり暮らし高齢者で健康状態や身体状況に不安があり、緊急時における連絡手段の確保が困難な人などは緊急通報システムを設置することができる。また、判断能力が十分でない人を対象に、月1回の定期訪問、入院時の手続や支払い、光熱費や家賃など定期的な支払い、金融機関からの現金の引き出しなどを支援する日常生活自立支援事業を社会福祉協議会で行っている。さらに、地域包括支援センター等の活動の中で、高齢者が集まる地域のサロン、公民館や各種教室などにおいて成年後見制度の広報を行うとともに、個別相談の対応においても成年後見制度の利用が望ましい場合は手続方法等について説明を行い、また、将来の不安に備えたい人については、任意後見制度や公正証書遺言の作成について案内している。今後、成年後見制度のさらなる周知に向け、家庭裁判所、弁護士会、司法書士会、社会福祉士会などの関係機関と連携しながら幅広く市民に周知するため、地域の回覧板などを活用することで、家族などの支援者に対して啓発を充実していきたい。 279 ◯高木委員 今後さらなる活躍が期待される市民後見人について、本市での養成の現状はどうか。また、市民後見人の活用を進めるべきと考えるが、所見を尋ねる。 280 △保健福祉局長 社会福祉協議会の市民参加型後見人バンクに、市民後見人養成研修修了者に登録してもらっており、平成29年8月1日時点の登録者数は46名である。成年後見制度については後見人による財産の流用等の課題もあるため、本市における市民後見人の活用としては、社会福祉協議会が家庭裁判所から法人後見人として選定された場合の補助者としての役割を担ってもらっている。市民後見の推進については今後とも引き続き、法人後見人の補助者として活躍してほしいと考えている。 281 ◯高木委員 健康先進都市戦略では、本市は高齢者のひとり暮らし比率が高いという特徴を持ち、このまま高齢化が進めば、倒れたときに誰が駆けつけてくれるのか、近くに親戚もいないので不安だなどの心配を抱えながら、長い老後を1人で暮らす方々がふえていき、これでは長寿を心から喜べるまちとは言えないため、人生100年時代の到来を意識し、全国に先駆けて一人一人が心身ともに健康で自分らしく生きていける持続可能な社会システム、長寿を心から喜べるまちをつくりたいという目標を掲げている。福岡100を推進するため、終活支援も含めた市長の決意を尋ねる。 282 △市長 今後、ひとり暮らしや要介護、認知症の高齢者がふえていく中、増大していく保健医療福祉ニーズに対応できる持続可能な社会づくりが大切になるため、人生100年時代を見据え、誰もが心身ともに健康で自分らしく生きていける持続可能な社会を目指す、福岡100プロジェクトをことしの7月に打ち出し、オール福岡で推進しているところである。また、福岡100では健康、医療、介護の情報やサービスなどを、本人を中心に一元的に統合する仕組みづくりを戦略の一つに掲げており、身寄りがない高齢者の不安となる葬儀や家財処分などをセットにして月払いで利用できる、やすらかパック事業などにも取り組み始めたところである。引き続き、成年後見制度の利用促進に努めるとともに、病気になったときにどのような治療を望むのか、人生の最終段階をどのように迎えたいかなどの、いわゆる終活の必要性について啓発を進めていくことなどにより、市民一人一人が人生の最期まで自分らしく生きることができ、長寿を心から喜べるまちをつくっていきたいと考えている。 283 ◯高木委員 次に、育児と介護のダブルケア支援について質問するが、平成28年4月に内閣府が公表した育児と介護のダブルケアの実態に関する調査によれば、育児と介護を同時に担うダブルケア人口は約25万人であり、そのうち女性が17万人、男性が8万人であり、特に女性の負担が大きいことが判明した。また、ダブルケア人口の平均年齢は男女とも40歳前後であり、中でも子育て世代の30~40歳代が8割を占める結果となった。晩婚化や晩産化などの影響で、子育てを始める年齢も遅くなったことにより、子育てと同時期に自分の親や義理の親の介護が始まるダブルケアの問題が指摘されている。公明党は、昨年4月に政府に申し入れたニッポン一億総活躍プラン策定に係る提言において、ダブルケアへの対策を主張し、党女性委員会はダブルケアと仕事の両立をことしの活動方針に掲げ、取り組み強化を行っている。まず、本市では20年前及び10年前と比べ、結婚年齢や出産年齢がどのように変化しているのか尋ねる。 284 △こども未来局長 平均初婚年齢について、男性は平成8年が28.8歳、平成18年が30.0歳、平成28年が31.3歳であり、女性は平成8年が26.9歳、平成18年が28.7歳、平成28年が29.9歳である。平均初産年齢については、平成8年が28.0歳、平成18年が29.6歳、平成28年が31.1歳である。 285 ◯高木委員 全国の人口との比率をもとに本市のダブルケア人口を試算すると3,100人以上と推計され、今後もふえていくことが予測されるため、さらなる支援強化が不可欠である。特別養護老人ホームについて施設整備は進んでいる一方、平成27年4月の介護保険制度改正により入所対象者が要介護3以上に限定されているが、本市での特別養護老人ホームの入所申し込み状況を尋ねる。 286 △保健福祉局長 入所申込者数は、平成28年12月に実施した特別養護老人ホーム利用申し込み実態調査によると、重複申し込み等を調整した実数で2,194人である。 287 ◯高木委員 本市ではさまざまな手だてで待機児童対策も進めているが、待機児童及び未入所児童の現状について尋ねる。 288 △こども未来局長 保育所等の新設や増改築のほか、小規模保育事業の認可など多様な手法により定員の確保に努めてきたが、昨今の社会経済情勢や働く女性の増加等に伴い、保育所等の入所申し込み数は年々大幅に増加しており、平成29年4月1日現在で未入所児童数は1,812人、そのうち待機児童数は89人である。 289 ◯高木委員 ダブルケアを抱えていても、働き盛りの世代であるため6割以上が就労を希望しているとの結果があるが、時間的制約などから就労が難しいという現状がある。介護や育児による離職防止対策や働きやすい環境整備について、どのように取り組んでいるのか尋ねる。 290 △保健福祉局長 まず、介護については、働く人が介護に直面した場合でも離職せずに両立して働き続けられるよう支援するため、平成28年7月に市役所地下1階において働く人の介護サポートセンターを開設し、情報提供やアドバイスを行っており、主な相談内容は退院後の介護サービス利用手続や介護サービスの効率的な利用方法、介護保険施設の選び方などである。なお、相談内容に応じて子育て支援サービスの紹介や相談窓口の紹介を行っている。また、働く人への啓発として、希望する市内事業所を対象に医療や介護等の専門職を講師として派遣し、仕事と介護の両立のポイント、相談窓口、親の介護予防の方法などについて伝えている。 291 △こども未来局長 続いて、育児については、保育所等の整備により保育の受け皿を確保するとともに、休日保育や延長保育など多様な保育サービスの充実を図っている。また、子育てに関する相談に対応している各区役所の子育て支援課において、子育て支援コンシェルジュ等が個々の状況に応じた保育サービス等について、情報提供や助言を行っている。 292 ◯高木委員 先日、堺市を訪問したが、堺市では平成28年7~8月に、子育てや介護により離職することなく働き続けることができる社会の実現を目指し、18歳以下の子どもや孫を持つ保護者と要介護等認定調査申請者の合計7,165世帯に対し、子育てと高齢者介護に関するダブルケア実態調査を実施した。調査結果によれば、堺市は子育ての環境や支援が充実していると思うかという問いに対し、子育てのみの世帯では53.1%が充実している、または、やや充実していると回答した一方、子育てと介護のダブルケア世帯では43.7%であり、約10ポイント低いという現状が示されている。また、堺市は介護の環境や支援が充実していると思うかという問いに対し、介護のみの世帯では55.9%が充実しているなどと回答した一方、子育てと介護のダブルケア世帯では35.5%であり、20ポイント以上も低いという現状が示されている。本市でも調査を実施し、ニーズを拾い上げる必要があると考えるが、所見を尋ねる。 293 △保健福祉局長 ダブルケアのニーズについては、働く人の介護サポートセンターなどの相談窓口において、介護だけでなく育児に関する悩みについても相談員から尋ねるなど、相談対応の中でしっかりと把握に努めていきたいと考えている。 294 ◯高木委員 堺市では7つの区役所に子育てと介護に関するダブルケア専用相談窓口を設置し、多くの相談が寄せられているとのことである。障がい、DV、女性相談、虐待、経済的課題など複合的な困難事例がふえ、サービスを受け切れていない実態が浮かび上がったため、悩みを引き出すことが重要であり、相談窓口の担当者によると、全てを解決せずに他部署につなぐことや、紹介して一緒に動くことで市民の安心感や満足度アップにつながっているとのことであった。本市でも市民に寄り添うダブルケア専用の相談窓口設置を検討してはどうか。 295 △保健福祉局長 介護の相談については働く人の介護サポートセンターを初め、各地域包括支援センターにおいて、高齢者の総合的な相談に対応するとともに、子育ての相談については各区子育て支援課に子育て支援コンシェルジュを配置するなど、それぞれの相談に対応しているところである。今後、ダブルケアと仕事の両立の重要性が高まる中、ダブルケアの相談支援について適切に対応できるよう、子育てと介護の情報ガイド等を相互に配置するなど、両方の窓口間でより一層密接に連携していく。 296 ◯高木委員 堺市の実態調査において、どうすれば仕事をやめずに子育てや介護を継続できるかという問いに対し、保育施設や介護施設への優先入所を求める声が最も大きかったことから、堺市では特別養護老人ホームと保育所の優先入所を始めている。また、同じく訪問した横浜市でも、ダブルケアなど複数の困難を同時に背負う市民を孤立させず社会全体で支えていくため、昨年4月に特別養護老人ホーム入退所指針の見直しを行っている。具体的には、入所決定基準の主たる介護者である家族の状況について、主たる介護者である家族がいない場合の点数は現行どおり最高点の15点だが、主たる介護者が入院、入所、県外でいない場合の点数も10点から15点に、主たる介護者の家族はいるが、要介護、要支援、高齢、療養、障がい、他の介護、さらに育児や就労をしている場合の点数についても8点から15点に引き上げた。また、特例入所要件の見直しも行い、家族がいても育児や就労等で介護を受けることができない場合について、要介護1または2での申し込みを可能にした。本市でも育児や就労をしている家庭へのポイントを高くするなど、特別養護老人ホームへの優先入所を実施してはどうかと考えるが、所見を尋ねる。 297 △保健福祉局長 入所申込者に対する入所の優先順位づけについては、特別養護老人ホーム入所指針においても、主たる介護者が育児や就労で介護が難しい場合は点数を加点するなど考慮しているところである。今後、ダブルケアなどの課題も踏まえ、同指針における加点のあり方について検討していく。 298 ◯高木委員 横浜市ではダブルケアに焦点が当たってきたことや、ダブルケア家庭から切実な声が多く寄せられたことなどを受け、本年4月に保育所の入所基準を見直し、親族の介護を抱えている家庭の子どもをより入所しやすくしている。本市でもダブルケアに焦点を当てた保育所への優先入所が必要だと考えるが、所見を尋ねる。 299 △こども未来局長 国において保育の必要性の事由や優先項目が示されており、本市においても横浜市と同様に、介護についても保育の必要性の事由の一つとしているところである。優先入所のためのポイントの加点については、ダブルケアの実態を把握した上で、公平性や他都市の状況等も踏まえ、今後検討していきたいと考えている。 300 ◯高木委員 ダブルケアの当事者は、誰に相談してよいかわからないという悩みや孤独感を抱えながら経済的にも困窮し、心身ともに疲れ果ててしまうなど、目に見えにくい苦労が多いと思われる。本市を含む多くの自治体では、育児と介護の担当部署が縦割りで連携が十分でないことがほとんどであり、例えば親の介護時に子どもを預ける場所がないと悩んでいても、必要なサービスや情報を自治体から十分受け切れていないと考えられる。また、子どもがもう1人欲しいと望んだり、仕事をしたいと望んだりしても、育児と介護の両立などに悩み、諦める人も多いと考えられるため、出産や育児、就労をしやすい環境を整えるとともに、社会全体でダブルケアへの認識を高めることが求められると考える。行政の縦割りを越えたダブルケア支援について、市長の所見を尋ねる。 301 △市長 少子・高齢化や核家族化が進む中、育児や介護の負担を感じている人に対する負担の軽減は大きな課題であると認識しており、特にダブルケアに直面している人は働き盛りの世代が多く、育児や介護について支援を行うことは大変重要であると認識している。本市では育児に関し、これまでも増加する保育ニーズに対応するため、さまざまな手法により保育の受け皿確保に取り組むとともに、子育て支援コンシェルジュを配置しているところである。また、介護に関しても、相談者の状況に応じて介護サービスの利用方法などのアドバイスを行う、働く人の介護サポートセンターを設置し、必要に応じて関係機関や窓口につなぐなど、さまざまな施策により子育てや介護と仕事との両立について支援を行っているところである。今後も高齢化の進展に伴い、子育てと介護両面で課題を抱える人はふえていくと考えているため、より一層、各分野の施策において、担当部署や窓口が密接に連携し、安心して育児や介護ができる環境づくりに努めていく。 302 ◯高木委員 最後に、障がい者の就労支援と雇用改善について質問する。市民から2件の相談を受けたが、1件は、療育手帳を持つ子どもが高校を卒業後、民間企業に就職したが、ある日突然会社をやめ、その後も住み込みで新聞配達の仕事をしたが続かず、何とか就職できないかという相談であった。もう1件は、脳梗塞などが原因で精神障がいの一つとされる高次脳機能障がいの人からの就職に関する相談であり、まずは就労に向けた訓練から始めている。これらの相談から、障がいのある人の就職については個々に違いはあるが、ハードルが高いと感じている。まず、10年前、5年前及び28年度における、障がい者の就労支援に関する決算額を尋ねる。 303 △保健福祉局長 10年前の19年度が1億972万円余、5年前の24年度が1億4,366万円余、28年度が1億8,996万円余である。 304 ◯高木委員 平成30年4月1日から障がい者法定雇用率が引き上げられ、算定基礎に精神障がい者が加わることになったが、法定雇用率の引き上げについて説明を求める。 305 △保健福祉局長 障がい者法定雇用率は障害者雇用促進法に基づき、労働者の総数に占める身体障がい者または知的障がい者である労働者の総数の割合の目標を定めたものであり、現在、事業主には障がい者法定雇用率に相当する人数の障がい者を雇用することが義務づけられている。平成30年4月1日からは、障がい者雇用率の算定基礎に精神障がい者を加えるとともに、法定雇用率については民間企業が2.0%から2.2%に、国及び地方公共団体等が2.3%から2.5%に、一定の市町村を含む都道府県等の教育委員会が2.2%から2.4%に引き上げられることになっている。 306 ◯高木委員 現状では、全国における国の機関は法定雇用率2.3%に対し2.45%、都道府県は2.3%に対し2.61%、市町村は2.3%に対し2.43%であり、目標は達成している一方、教育委員会については2.2%に対し2.18%であり、わずかに目標には達していない。本市及び本市教育委員会における状況、並びに政令市における雇用率が高い3市及び低い3市の状況を尋ねる。
    307 △総務企画局長 本市における障がい者の雇用率については市長事務部局、水道局、交通局、教育委員会を合わせて算出する特例認定を受けており、平成28年6月1日現在において、本市全体で2.33%、市長事務部局で2.90%、教育委員会で1.61%となっている。政令市における障がい者の雇用率については、各地域の労働局が公表している平成28年6月1日現在の集計結果によると、高いほうから大阪市2.89%、仙台市2.65%、名古屋市2.64%、低いほうから横浜市2.30%、千葉市2.32%、福岡市2.33%となっている。また、政令市の教育委員会における雇用率については、高いほうから新潟市2.79%、堺市2.35%、さいたま市2.28%、低いほうから福岡市1.61%、熊本市1.62%、札幌市1.65%となっている。 308 ◯高木委員 大変残念なことではあるが、本市の雇用率は低いほうから3番目、特に本市教育委員会の雇用率は最も低い結果となっている。この結果について、教育委員会の認識を尋ねる。 309 △教育長 20年度の教員採用試験から障がい者特別選考を実施しているが、受験者数が少ないという状況もあり、国が示す法定雇用率を下回っている。引き続き受験者数の増加に向けた取り組みを進め、障がい者の雇用を促進していく。また、教育委員会事務局などにおいても知的障がい者や精神障がい者の嘱託員雇用を強化し、雇用率の向上に努めていく。 310 ◯高木委員 28年度における、ハローワークを通じた全国の障がい者の新規求職申し込みに対する就職率は48.6%、県においても51.2%であり、厳しい現状がうかがえる。また、一般企業などに雇用されることが困難な障がい者に対し、就労継続支援事業として就労の機会を提供しているが、事業概要並びに本市における事業所数及び利用者数を尋ねる。また、就労継続支援A型事業所は赤字の事業所が多いという調査結果があるが、本市の状況及びどのような支援が必要なのか尋ねる。 311 △保健福祉局長 就労継続支援事業は、一般企業に就労することが困難な障がい者を対象に、就労機会の提供及び知識と能力向上のための訓練を行う事業を言い、28年度末現在、市内の事業所数はA型事業所が76カ所、B型事業所が69カ所である。また、利用者数は、市民が市外の事業所を利用する形も含め、A型事業所が1,035人、B型事業所が1,805人である。A型事業所では、生産活動による事業収入から必要経費を控除した額が、利用者に支払う賃金の総額以上となるようにしなければならないとされているが、76事業所のうち46事業所について収支がマイナスとなっている。収支がマイナスの事業所に対しては、事業収支の改善指導とともに、施設職員の意識向上と営業力及び販売力の向上などを目的にセミナーを開催するなど、収支改善に向けた支援を行っている。経営改善の見込みがない事業所に対しては指定の取り消し等を検討する必要があるが、利用者への支援に支障を来すことがないよう留意していく。 312 ◯高木委員 障がいのある人のニーズを把握することを目的に実施した28年度の市障がい児・者等実態調査において、障がい福祉施策で国、県、本市に力を入れてほしいこととして就労支援、また、地域社会や企業に望むこととして企業での積極的な雇用を望む声が多く寄せられている。障がい者の就労支援や積極的な雇用について大変ニーズが高いが、本市ではどのような取り組みを行っているのか尋ねる。 313 △保健福祉局長 障がい者就労支援センターにおいて、企業セミナーによる企業の意識啓発や企業訪問による職場開拓、ジョブコーチによる障がい者の職場定着支援など、人的及び技術的支援を中心に施策を推進している。 314 ◯高木委員 障がい者雇用に関する国の助成金として、障がいのある人の継続雇用や労働者として雇い入れを行う民間企業に対する特定求職者雇用開発助成金や、職場の環境整備等を行った場合に助成する障害者雇用納付金制度に基づく助成金などがある。先日調査を行った東京都では、28年度新規事業として始まった東京都障害者安定雇用奨励金や東京都中小企業障害者雇用支援助成金など、障がい者雇用の推進や処遇改善などに取り組む企業に奨励金を支給する施策を進めている。さらに、29年度新規事業として東京都難病・がん患者就業支援奨励金を創設しているが、難病やがん患者の新規雇い入れや職場定着、休職からの職場復帰など、治療と仕事の両立に積極的に取り組む企業に助成するすばらしい取り組みであると考える。そのほかに政令市でも、国の助成期間終了後も引き続き独自の助成金を交付したり、法定雇用率を超えて継続して雇用した事業主に奨励金を交付したりするなど、障がい者雇用の促進を図っている取り組みもある。本市でも助成金の交付など、障がい者や難病、がん患者などの就労に関して配慮が必要な人に対し、さらなる支援策を講じる必要があると考えるが、所見を尋ねる。 315 △保健福祉局長 本市では企業や障がい者からの相談を受ける中で、障がい者の就労に関しては職場への定着が優先的な課題であると認識しており、現在、職場における障がい者への配慮の方法や障がい者本人の生活習慣について助言等を行うジョブコーチの派遣など、障がいの特性に合わせたきめ細かな対応を行っている。就労に関するさらなる支援策については、他都市の動向も踏まえ、人的及び技術的な支援や助成金等のあり方を整理しながら、効果的な施策について検討していく。 316 ◯高木委員 本市ホームページのよくある質問Q&Aにおいて、障がい者の職員採用試験については身体に障がいのある人を対象としており、精神障害者保健福祉手帳または療育手帳を持っている人は受験できない、なお、総務企画局人事課や教育委員会職員課において知的障がい者や精神障がい者を選考対象とする嘱託員を募集することがあると記載されている。障がい者の採用について、本市ではいつから何人が採用されており、28年度の採用実績はどうか、また、知的障がい者及び精神障がい者の嘱託員としての採用実績についても尋ねる。 317 △総務企画局長 身体に障がいのある人を対象とした職員の採用については、昭和61年度からこれまでに114人を採用しており、28年度の採用者数は6人である。知的障がい者及び精神障がい者の嘱託員としての採用については、知的障がい者は17年度からこれまでに60人、精神障がい者は25年度からこれまでに29人を採用した。 318 ◯高木委員 東京都では29年度職員採用選考から、受験資格として身体障害者手帳の交付を受けている人に追加し、療育手帳の交付を受けている人、児童相談所等から知的障がい者と判定された人、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人についても正規職員としての採用を始め、障がい者採用予定数を28年度の35人から29年度は45人に拡大するとともに、受験資格年齢についても18歳以上40歳未満としている。この結果、28年度は採用予定数35人に対し、申込者数95人で倍率2.7倍であったが、29年度は採用予定数45人に対し、申込者数399名で倍率8.9倍にはね上がった。申込者数が約300人もふえたが、増加数の内訳は身体障がい者が7人、知的障がい者が40人、精神障がい者が260人であり、精神障がい者と知的障がい者がほとんどを占めている。昨年4月に施行された障害者差別解消法で対象となる障がい者は身体障がい、知的障がい、発達障がいや高次脳機能障がいを含む精神障がい、難病に起因する障がいも含むその他心や体の働きに障がいのある人とされており、国や地方公共団体の機関については民間企業に率先垂範し、障がいの区別をすることなく雇い入れを積極的に行う立場にある。本市においても、また、政令市で最も雇用率が低く、特別支援学校なども所管する本市教育委員会においても、職場環境などの合理的配慮を進め、精神障がい者や知的障がい者の正規職員としての採用や受験資格年齢の拡大などを実施すべきと考えるが、所見を尋ねる。 319 △総務企画局長 精神障がい者や知的障がい者の採用については、障がい者の就労機会を確保するとともに、市役所で業務経験を積めるよう、一般企業等への就職を目指す障がい者への就労支援として、嘱託員としての採用を行っている。障がい者の雇用に当たっては、障がいの特性を踏まえた業務内容の整理や職場環境の整備が必要であると考えており、正規職員としての採用や受験資格年齢の拡大などについては、これまでの嘱託員としての就労に伴う課題等を検証しながら検討を進めていく。 320 ◯高木委員 他の政令市でも、ICTを活用した在宅就労を支援するICTしごとサポートセンターの設置や、市役所への短時間でのパート雇用、発達障がい者就労支援に特化した、漫画で解説するわかりやすいガイドブックの作成など、障がい者の就労支援が進んでいる。市障がい児・者等実態調査でも短時間勤務や在宅勤務について支援してほしいという要望が多く寄せられており、他都市の取り組みも参考に本市でも支援を進めてほしいと考えるが、所見を尋ねる。 321 △保健福祉局長 神戸市のICTしごとサポートセンターについては、在宅就労を希望する障がい者の支援を行うものであり、平成29年10月から実施すると聞いている。また、京都市の発達障がい者の就労支援のためのガイドブックについては、主に発達障がい、またはその可能性がある大学生及び就労相談を行う支援職員等を対象に、発達障がいの啓発と相談機関の周知を目的として、漫画を用いてわかりやすい冊子を作成していると聞いている。本市としても他都市の先進事例を参考にしながら、効果的な障がい者の就労支援に取り組んでいく。 322 ◯高木委員 障がい者施策の基本理念では、全ての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現のためには、職業を通じた社会参加が重要であるとされている。本市でも、全ての人が活躍できる共生社会の実現につなげるため、市長の決意を尋ねて質問を終える。 323 △市長 障がい者施策の推進に当たっては、親亡き後の地域での生活を見据えた総合的な支援に取り組むなど、障がいのある人が必要な支援を受けながら、みずからの能力を最大限に発揮し、地域や家庭で生き生きと生活ができるまちづくりを目指すこととしている。働きたいという希望を持つ障がいのある人が、みずからの能力を生かすことができる環境で働くことは、障がいのある人自身の生きがいや、充実した生活を実現するために大変重要なことであると認識しており、事業主の理解を促進し、障がい者の就労の場を確保することなどにより職業を通じた社会参加を促進することで、全ての人が活躍できる共生社会の実現に向けてしっかりと取り組んでいく。 324 ◯栃木委員 福岡市民クラブを代表して質問する。まず、長期間を外洋の船上で就労生活する外航船舶、遠洋漁船等の乗組船員の住民税の減税について質問する。この件に関しては、ことし6月、全日本海員組合の皆さんが市長宛に陳情を行った。陳情の内容については多々考えさせられるところがあったため、質問したいと思う。遠洋マグロ漁船、海外旋網漁船、漁業取締船、監視船、捕鯨船などの外洋に出る船舶で働く組合員として本市民の方が64名居住している。そのため、本市の問題として提案させてもらいたいと思う。最初に、28年度に行った個人市民税の減免の理由、法令の根拠、減免額、個人市民税の税収に対する割合及び本市における政策減税の理由、法令の根拠、減税額、減税した税目の税収に対する割合について尋ねる。 325 △財政局長 28年度の個人市民税の減免については、地方税法及び福岡市市税条例等に基づき、災害により一定の損害が生じた方、生活保護を受けている方、障がい者で一定の所得要件を満たす方などに対して行っており、その減免額は約1億1,200万円で、その個人市民税の収入額に対する割合は0.12%である。また、28年度における本市の政策減税については、地方税法、福岡市グリーンアジア国際戦略総合特区の推進に関する条例及び福岡市市税条例等に基づく固定資産税、都市計画税の課税免除の制度と地方税法、福岡市地方活力向上地域における本社機能の整備促進に関する条例及び福岡市市税条例等に基づく固定資産税の不均一課税の制度がある。前者については、28年度の減税額は約2,400万円で、その固定資産税及び都市計画税の収入額に対する割合は0.02%となっており、後者については、制度創設が平成28年12月26日であったことから、28年度は減税額はない。 326 ◯栃木委員 市町村民税の減免条項である地方税法第323条の趣旨及びその他特別な事情がある場合において減免することができるとの解釈について尋ねる。 327 △財政局長 客観的に見て担税力を著しく喪失している者等について、その個別具体の事情に即して税負担の軽減、免除を行うための措置として設けられているものであり、減免を行うに当たっては、個々具体の事実について判断すべきものであり、特定の者について一律に判断すべきものではないとされているところである。また、市町村民税を減免することができる範囲は、天災その他特別な事情がある場合において減免を必要とすると認める者、貧困により生活のため公私の扶助を受けている者、そしてその他特別の事情がある者に限られているが、その他特別の事情がある者との規定は、失業により所得が皆無となった者等、客観的に見て担税力を喪失した者等をいうものとされている。 328 ◯栃木委員 担税力があるかないかということがこの条項のポイントであると思う。そうであるならば、法第323条による市町村民税の減免のほかに、法第6条の課税免除、法第6条、7条の不均一課税があるが、この課税免除、不均一課税の根拠、法の趣旨、効果を尋ねる。あわせて、本市におけるそれぞれの適用事例を尋ねる。 329 △財政局長 課税免除については、地方税法に規定されているものであり、公益上その他の事由により課税を不適当とする場合に条例に基づき課税をしないことができるものであり、例えば、福岡市グリーンアジア国際戦略総合特区の推進に関する条例等に基づく固定資産税、都市計画税の課税免除や、福岡市グローバル創業・雇用創出特区の推進に関する条例等に基づく法人市民税、法人税割の課税免除の制度がある。不均一課税については、地方税法に規定されているものであり、公益上その他の事由により必要がある場合に、条例に基づき一般の税率と異なる税率で課税することができるものであり、例えば福岡市地方活力向上地域における本社機能の整備促進に関する条例等に基づく固定資産税の不均一課税の制度がある。 330 ◯栃木委員 その他の事由は、社会政策的な目的や負担の均衡なども適用して当てはめることができるということである。そのため、負担軽減規定と言われているが、その点をまず押さえた上で、国土交通省から平成23年9月に個人住民税を外航日本人船員の勤務の実態に即したものにすべくなされた税制改正要望の趣旨を尋ねる。 331 △財政局長 国土交通省から総務省に対して行われた平成24年度税制改正要望のうち、対外船舶運航事業の用に供する船舶に乗り組む船員に係る課税の見直しの要望については、2つの点を内容とするものと認識している。まず、個人住民税を外航日本人船員の勤務の実態に即したものにすべく、対外船舶運航事業の用に供する船舶に乗り組んだ期間が6カ月以上である船員に係る個人住民税について、海外で乗船している期間を反映した課税となるよう見直すことである。もう1つは、外航日本人船員に係る課税に関する自治体の自主的な判断を拡大する方向で見直すこととし、その1つの方策として、船員に対する個人住民税の還付中止を自治体に求めた平成元年8月1日付自治省内簡を廃止することである。 332 ◯栃木委員 国土交通省の立場からすると、船員の勤務実態に応じた税制に改正するよう政府に要望したということであり、実際、今の総務省である自治省は、自治体で独自の判断ができる根拠として内簡を廃止したという答弁であったのではないかと思う。そこで、船舶国家で、税制がどのように扱われているかについて振り返ってみることは無駄ではないと思う。フランス、ドイツ、英国、韓国、中国などの主要な国々の船員の所得税等の軽減制度、税の減免について表にした。北欧のデンマークやノルウェー等の海洋国家については、条件がすばらしくいいため、除いている。フランスではほとんどの外航船に減免制度が適用され、半年以上船に乗っていれば国籍も問わないというのが大部分である。さらにこれらの主要な国々では、1人当たりの軽減率は税額100%や40%となっており、これは保護政策であろうと思う。実際の受益者は船員、海運会社となっているわけだが、その理由を調べてみると、欧州については自国船員の労働力の確保、スキルの向上の確保、韓国については文字どおり行政サービスが享受できないため、それを還元しようということが制度説明の中に出てくる。各国ではこのような対策が講じられた上で、地方自治体におりてくるのであるが、我が国の地方自治体ではどうであるか質問させていただく。船員に係る個人住民税の減免は、各自治体の判断で可能であると、24年度政府税制改革大綱の趣旨が各自治体に周知されていると聞いているが、その事実関係を尋ねる。 333 △財政局長 総務省において平成24年1月に開催された説明会において、船員の個人住民税における住所の取り扱いは所得税における住所の取り扱いと一致するものであることや、不均一課税については地方税法にのっとって各自治体の判断で可能であることについて説明が行われたところである。 334 ◯栃木委員 不均一課税については自治体で判断して構わないということが少しわかってきたのではないかと思う。では、個人市民税がどのような性格かということについて質問させていただく。一般的に国税と違って、地方税というのは受益者負担の意味合いがあるという見方の学説もあり、とりわけ個人市民税については受益者負担機能を有するとの解釈であると理解するが、その機能、性格を尋ねる。あわせて、個人市民税の均等割と所得割の性格、役割について尋ねる。 335 △財政局長 個人住民税は地域社会の費用の負担を住民が広く分かち合う、地域社会の会費的な性格を有するものとされている。均等割は均等の額によって課するものである一方、所得割は所得によって課するものであり、均等割に比して応能的色彩が強いとされている。 336 ◯栃木委員 個人市民税の構成と性格について表に整理してみた。所得割は所得に応じた応能性があり、本市の場合3,500円である均等割は応益性があるということだと思う。均等割に比して応能的性格が強いのが所得割だということになるが、ここには再配分機能がある。支払い能力がある人からはできるだけいただいて、社会に広く分配するという役割があり、均等割については受益者負担との解釈があると理解している。そうであるならば、これから先サービスを受けるから、そのサービスに応じて負担をするという考え方がこの均等割の中にあるのではないかということを言いたいのである。次の質問に入るが、長期間にわたり洋上で就労生活する外航船員や遠洋漁船員は、そもそも外国を含めたどの自治体の行政サービスからも排除されている。もちろん自国だけではなく、船上であるから、外国の道路やいろいろなインフラも使えない。行政サービスの受益にあずからない船員も、例外なく徴税されるということは、個人市民税の受益者負担機能が著しく抑えられ、税の公平性が損なわれるのではないかと考えるが、どうか。 337 △財政局長 個人住民税は地域社会の費用の負担を住民が広く分かち合う、地域社会の会費的な性格を有するものとされており、地方税法に基づき、1月1日に住所を有する個人に対し、当該住所地の地方団体が課税するものである。長期の出張で住所地にいる期間が短い方などにも、一定の所得がある場合は個人住民税を納税していただく仕組みとなっている。船員の方についても国内のいずれかの地方団体の住民であることから、地方税法の規定に基づき納税していただくものであり、税の公平性を損なうものではないと考えている。 338 ◯栃木委員 少し残念な答弁である。個人市民税の性格をどう考えるのか、自治体としてどう考えるのか。いろいろな形で国は縛りを解いて、自治体として税のあり方を考えさせられる仕組みになっているわけであるから、もう少し踏み込んでいただけないかと思う。そこで、少し角度を変え、外航船員や遠洋漁船員の参政権を保障する投票制度について尋ねる。平成11年制定の洋上投票制度、これは不在者投票の一種であるが、衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙及び国民投票に限られており、地方選挙を含む他の選挙は実施されない。この投票制度の創設の経緯及び今後の課題について尋ねる。 339 △選挙管理委員会事務局長 まず、経緯については、相当長期にわたって航海に従事する船員を対象に、昭和39年に衆議院議員総選挙及び参議院議員通常選挙について、選挙期日の公示日より前に船長があらかじめ投票用紙の交付を受けておき、公示日以降に船舶内で投票できる制度が創設された。この制度においては、船舶内で記載した投票用紙そのものを選挙期日までに選挙管理委員会に送らなければならず、この送致が難しいという問題があったため、平成11年に投票を船舶内からファクスで送信できる洋上投票制度が新たに創設されたものである。次に、この制度の今後の課題であるが、投票手続が煩雑であることや地方選挙等が対象になっていないことなどが課題であると考えている。 340 ◯栃木委員 20年近くにわたって、制度がインフラとして整備されていないというのはいささか問題だと思う。立法府の不作為と言っても過言ではないと思う。洋上投票制度の対象範囲について、表に整理した。船舶、外洋に出られている方は、衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙、国民投票までは可能であるが、市長選挙、市議会議員選挙、その他の選挙は全て対象外である。よくよく考えてみると、きつい言い方かもしれないが、大切な私たちの税金の使い道を決める選挙に事実上排除された上、税金だけは徴収するということが果たしていいのか、少し考えていただきたいと思う。本市の行政サービスの享受が極めて限定的であるにもかかわらず、個人住民税だけは徴税される理不尽をどのように考えるのか。事実上参政権が閉ざされている上、市税だけは払い続ける不条理をどう考えるのか。教科書にも出てくる代表なくして課税なしという歴史的に有名な言葉にもあるように、市民を守るべき自治体が税金の取り方、取られ方、使い方も含めて、納得いくような形で整理していただく必要があるのではないかと思うが、見解を尋ねる。 341 △財政局長 個人住民税は地域社会の費用の負担を住民が広く分かち合う、地域社会の会費的な性格を有するものとされており、地方税法に基づき、1月1日に住所を有する個人に対し、当該住所地の地方団体が課税するものである。また、減免については、個々具体の事実について判断すべきものであり、特定のものについて一律に判断すべきものではないとされており、例えば船員等のように家族から離れて生活している者についても、ただ二重生活を強いられているという理由のみによって減免するべきでないとされているところである。 342 ◯栃木委員 最後の答弁はほぼ法第323条の逐条解説を引用されたのではないかと思う。323条は担税力が問題だということについては、ある程度納得できた。だが、不均一課税の負担軽減条項である法第7条については答弁していないではないか。そのまま適用するというのは、少し納得できないが、きょうはこの程度にとどめておく。長時間を外洋の船上で就労生活する外航船舶、遠洋漁船等の乗組船員である本市民64名の個人市民税の減免、課税免除、不均一課税についてこれまで質問してきたが、以下3つの観点から、その実施について検討をお願いしたい。第1に、本市の行政サービスを享受されない、あるいはその受益に極めて限りがあること。第2に、アジアの交流拠点である本市の成長を支え続ける海運の担い手である船員の定住環境整備が必要であること。第3に、納税した税金の使い方を決めるに等しい福岡市長選挙、福岡市議会議員選挙の地方参政権から事実上排除されていること。以上の観点から、対象船員の市民税減税について検討いただくよう強く要望するとともに、副市長の所見を尋ねる。 343 △貞刈副市長 外航船舶や遠洋漁船等の乗組船員の皆様には、博多港の船舶物流など、本市の経済活動に大きく御貢献いただいていると考えている。一方、個人住民税の不均一課税や減免については、税の公平性の観点から、地方税法や条例の規定に基づき、公益上必要がある場合や、客観的に見て担税力を著しく喪失している場合などに限って行うことができるものであり、外航船舶や遠洋漁船等の乗組船員であることを理由に減免等を行うことについてはさまざまな課題があるものと考えており、現在その必要性については積極的には考えていないところである。 344 ◯栃木委員 法第7条についてはほとんど踏み込まれておらず、もう少し市民のために検討いただけないかと思うが、きょうはこの程度にしておく。次に、訪日外国人に対する観光戦略、宿泊政策と民泊新法への対応について質問する。ボードを用意したので、見ていただきたいと思う。2014年度の国際観光収入上位国、どれだけその国が観光で稼いでいるかという一覧表である。1位米国、2位スペイン、3位中国、4位フランス、日本は17位である。これはドル計算であるため、現在のレートで単純に計算すると、おおよそ全額で140兆円であり、米国が20兆円、日本が2兆円という計算になる。観光立国の国々については、まだまだこれからであるとの考えだと思う。ただ、興味深いのは、近年、日本の伸び率は大幅に増加しているということである。昨年度と比較して24.6%伸びているので、やはり潜在力として観光立国としての基礎があるのだと理解した。これらのことを踏まえ、本市が策定した観光集客戦略2013の実現に向けての、観光・MICEの振興に係る事業費について、28年度決算額を尋ねる。 345 △経済観光文化局長 約26億8,100万円となっている。 346 ◯栃木委員 本市を訪れる外国人観光客のうち上位5カ国、地域の人数を尋ねる。また、外国人観光客の滞在日数、旅行消費額とその内訳について尋ねる。 347 △経済観光文化局長 法務省出入国管理統計によると、平成28年に福岡空港及び博多港から入国した外国人は、1位が韓国で約103万人、2位が台湾で約26万人、3位が中国で約16万人、4位が香港で約14万人、5位がタイで約5万人となっている。これに加え、国、地域別の人数は公表されていないが、船舶観光上陸許可によるクルーズ船での入国者数は、平成28年は約78万人となっており、外国人入国者は全体で257万人と、5年連続で過去最高を更新し、大きく増加している。次に、訪日外国人の滞在日数については、福岡市観光客動態調査によると、約半数の47.5%が市内に2泊すると回答しており、続いて1泊となっている。次に、本市における外国人観光客の観光消費額については、同調査によると、1人当たり4万1,806円となっており、内訳は、買い物代が約1万100円、宿泊費が約9,500円、土産品代が約6,400円、飲食費が約5,200円などとなっている。 348 ◯栃木委員 日本及び本市を訪れる外国人について、訪問の目的、ニーズを尋ねる。 349 △経済観光文化局長 官公庁の訪日外国人消費動向調査28年年次報告書によると、訪日外国人が訪日前に期待していたことは、第1位は日本食を食べることで71.2%、第2位はショッピングで54.5%、第3位は自然景勝地観光で47.9%などとなっている。本市については、福岡市観光客動態調査によると、飲食店やショッピング施設が集積する天神地区や博多地区への訪問が多いことや、観光スポットとしては、大濠公園、志賀島、能古島、福岡タワーなどに立ち寄っていることから、全国とほぼ同様の傾向にあるものと考えている。 350 ◯栃木委員 本市の観光戦略について、世界No.1のおもてなし都市・福岡を目標に掲げている福岡観光・集客戦略2013によると、クルーズ船を含む観光とMICEによる直接消費額を2022年に2,500億円増と目標設定しているが、これまでの質疑応答で示された実績を踏まえてどのように評価しているのか尋ねる。 351 △経済観光文化局長 本市の観光戦略に係る評価については、本市は第3次産業が9割を占める産業構造であり、来訪者をふやし消費をふやすことが経済の活性化につながることから、これまで観光集客の振興に取り組んできたところである。平成27年における本市への入り込み観光客数は、22年度比で20.2%増の1,974万人、平成27年における観光客による直接消費額は22年度比で22.8%増の3,946億円と推計され、いずれも過去最高を更新するなど順調に推移しているものと考えている。 352 ◯栃木委員 観光政策で大切な資源となる鴻臚館など歴史性のある遺構については、6月議会で阿部正剛議員から、外国人訪問者の人数把握が不十分であるばかりか、案内広報については外国語表記の有無が施設ごとに異なるなど、観光戦略の視点に欠け、施策展開が計画的でないという指摘があった。また、元寇防塁をめぐる9月議会の質疑応答を振り返ると、本市の大切な観光資源を最大限生かすという姿勢に物足りなさを感じたのは私だけではないのではないだろうか。史跡の整備、活用について、予算面で他の政令指定都市と比較して、額、順位が上位の都市を尋ねる。 353 △経済観光文化局長 文化庁が集計した27年度の文化財保護経費決算額によると、順位、都市名、決算額の順に、1位は名古屋市で約19億9,400万円、2位は札幌市で約11億8,400万円、3位は横浜市で約11億4,600万円、4位は京都市で約10億8,900万円、5位は大阪市で約8億4,700万円、6位は本市で約8億4,100万円となっている。なお、6月議会で阿部正剛議員から指摘があった外国人訪問者の把握については、赤煉瓦文化館と板付遺跡での集計を新たに開始した。施設ごとの外国語表記のばらつきについては、新たに観光庁や文化庁が策定したガイドラインなどを活用して、わかりやすい案内を統一性を持って順次進めていく。 354 ◯栃木委員 観光戦略の観点から、鴻臚館、元寇防塁などの史跡の整備、活用についてどのように考えているか尋ねる。 355 △経済観光文化局長 鴻臚館については、訪日外国人向けの多言語パンフレットの作成や福岡市博物館での鴻臚館展の開催、舞鶴公園での福岡城さくらまつりの開催など、イベントの促進による誘客を進めるとともに、鴻臚館跡整備基本計画の検討を行っている。元寇防塁については、今津地区での保存活用に向けた調査や観光バスの駐車場の確保及び駐車場サインの設置などを進めている。今後とも日本で唯一の史跡や文化財を磨き上げ、観光資源としての魅力向上や活用に取り組んでいく。 356 ◯栃木委員 観光戦略で食事と並んで消費支出が高い、外国人訪問者に対する宿泊政策について尋ねる。史跡や伝統、文化施設を好み、滞在日数が長く、1人当たりの消費額の大きい外国人訪問者をターゲットにした高級ホテルの誘致に当たり、ブランド、スターレートや客室数など、宿泊政策の具体性に欠け、むしろ民泊任せの量中心になっているのではないかと思うが、宿泊政策の目標と実績、評価を尋ねる。 357 △経済観光文化局長 本市の平成27年の延べ宿泊者数は631万人、そのうち約210万人が外国人であると推計され、平成28年の平均客室稼働率は84.3%と近年では高い水準で推移している。こうした状況は、これまで観光・MICEの振興に全市を挙げて取り組んできた成果があらわれてきたものと考えているが、今後は訪日外国人の宿泊需要の増加及びニーズの多様化にも対応する必要があると考えている。宿泊需要の増加については、本市では民間による新たなホテルの整備計画がビジネスホテルを中心に相当数進んでおり、また生活や文化に直接触れることができる民泊、ゲストハウスなどの小規模宿泊施設においても今後増加することが見込まれている。しかし、外国人訪問客の増加傾向を勘案すると、しばらくは高い客室稼働率が継続するものと考えられるため、今後も民間のホテル建設意欲を生かし、供給力の向上につなげたいと考えている。次に、ニーズの多様化については、観光・MICEの推進を図る本市としては、VIP対応やMICE開催にふさわしい質の高いホテルが必要であり、それに対応するため、平成28年12月にハイクオリティホテル建設促進制度を創設するなど、その誘致に努めているところである。今後とも本市においては、宿泊需要の増加及び国内外からの多様な宿泊ニーズに応えられるよう、既存のホテル、旅館などの振興を図るとともに、さまざまな形態の宿泊施設についてその確保に努めていく。 358 ◯栃木委員 国の調査によると、本市における消費支出について外国別では、オーストラリアが一番高く、その次が中国である。その消費の中身について深く考えなければこれからの観光行政はなかなか進まないのではないかと考える。中国はやはりお土産や買い物などのウエートが高いと思う。本市の資料を加工するなどして表を作成した。国籍、地域別に見る訪日外国人1人当たりの宿泊費について興味深い数字が出てきたのであるが、1人当たりの宿泊料金を多い順に並べてみると、オーストラリアが1人当たり9万9,000円、中国は全消費額では2番目だが、1人当たりの宿泊料金は4万4,000円である。宿泊料金を宿泊日数で割ると、1泊当たりのおおよその水準が出てくるが、訪日外国人の平均が4,100円だとすると、オーストラリアやスペインなどの欧州の国々が高いようである。これらの状況から、史跡や遺跡などを観光してもらうための観光行政や宿泊政策に当たってどこがターゲットなのかということをしっかり捉える必要があると思う。なお、本市の22年度の調査では、平均滞在日数は2日、1人1日当たりの平均宿泊料金は4,769円という結果が出てきた。驚いたのは、22年度から調査をしていないということである。これだけ観光立国だとか、市を挙げておもてなしNo.1と市長が言っていながら、裏づけとなる資料や根拠が乏しいのでは、ターゲットをどこにするかという点においては問題ではないか。高島市長が力を入れているということはわかるので、根拠ある説明をし、目標を鮮明にしてもらいたいと思う。次に、民泊についてであるが、本市を初め、東京都、大阪市、京都市、札幌市、名古屋市、沖縄県など、各都市で事業展開する民泊施設数の現状と推移及び本市の各区別の施設数を尋ねる。 359 △経済観光文化局長 民泊施設数の現状と推移については、民泊に関する法的な定義がなく、数の把握は困難であるが、民泊集計サイトに掲載されている施設数は、平成29年10月3日時点で、東京都は1万9,091件、大阪市は1万527件、京都市は5,571件、札幌市は1,202件、名古屋市は577件、沖縄県は2,204件あるとされている。本市の掲載施設については、1,966件とされており、その内訳は、東区に99件、博多区に1,004件、中央区に716件、南区に47件、城南区に31件、早良区に33件、西区に36件である。 360 ◯栃木委員 特に外資系民泊仲介業者の検索物件のほとんどが違法であるような状況が、来年6月に施行が見込まれる民泊新法で是正されることが期待されていると言われているが、その根拠を示されたい。また、民泊新法に記された条例制定の趣旨と効果、取り扱い方について本市の考えを尋ねる。 361 △経済観光文化局長 住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法について、まず民泊仲介事業者については、官公庁への登録が義務づけられるとともに、違法宿泊施設のあっせんの禁止や罰則が規定されており、適法な宿泊施設のあっせんが進むものと考えている。次に、条例制定の趣旨などについては、法第18条において、都道府県は生活環境の悪化を防止するため、必要があるときは条例制定により区域を定め、事業を実施する期間を制限することができるとされている。この条例については、政令指定都市などでも都道府県との協議を経て制定主体となることが可能とされているが、原則都道府県が主体と定めており、本市としては今後情報収集に努め、福岡県と連携しながら対応を検討していきたいと考えている。 362 ◯栃木委員 主体は県とのことだが、現状としては本市も政令指定都市として関与が可能であるという答弁であったと思う。上質な都市を維持することにより、結果的に観光立市として将来にわたって質の高いものを維持することができるのであれば、しっかりと関与し、それを守り抜いていかれたい。民泊新法施行を踏まえて、本市は地域社会の安全と平穏を確保するとともに、訪日外国人旅行者に良質な宿泊環境を提供するために、第一義的な責任を有することになる観光庁、福岡県と連携協力して、違法民泊に伴う地域住民とのトラブルや本市への悪評を発生させない取り組みが必須だと考えるが見解を尋ねる。 363 △保健福祉局長 旅館業法の許可も取得せず、住宅宿泊事業法の届出も行わないなどの違法営業に伴う地域住民とのトラブル防止や本市への悪評を発生させない取り組みは重要であると考えている。衆参両議院の委員会における住宅宿泊事業法案可決時に、事業に携わる者の実態把握や違法民泊の取り締まりに努めることが決議されていることを踏まえ、本市としては、福岡県や官公庁とも連携協力し実態把握に努めるとともに、違法営業に対しては旅館業法違反として必要な指導を行っていきたいと考えている。 364 ◯栃木委員 民泊については、将来にわたり本市の価値を高める、値打ちを上げるための本市の観光戦略、宿泊政策にしっかりと位置づけた取り組みや対処が大切であるとの認識が質疑を通して共有できたと思う。1人当たりの高い消費支出が期待できる訪日外国人観光客や国際学会誘致などを促進するMICE機能を引き上げるために、質の高い宿泊政策にもっと力を注ぐべきだと考える。違法民泊を封じ込めるとともに、国際的に認知された高級ホテルの誘致を促進すべきだと思う。また、福岡都市圏の歴史的な遺構と建造物、自然景観、都市景観、産直のおいしい食材、そしてフレンドリーな市民性などを備えた付加価値の高い都市の魅力を高く売る観光政策の戦略性構築の必要性は繰り返すまでもない。地域社会の安寧につながるとともに、内外の名立たる都市と比較しても上質な都市の魅力をつくり出すべきではないだろうか。本市の宿泊政策、観光戦略について、市長の見解を求めて質問を終わる。 365 △市長 本市は第3次産業が9割を占める産業構造であり、来訪者をふやし消費を拡大することが経済の活性化につながり、都市全体に活力をもたらすことから、観光・MICEの振興に積極的に取り組んできた。その結果、直近の入り込み観光客数や外国人入国者数、クルーズ船の寄港数、国際会議の開催件数は過去最高を更新し、大きな成果を上げている。一方で、観光客の急増により宿泊施設が不足するなど新たな課題も出てきており、国際的な観光・MICE都市にふさわしい質の高いホテルが必要であることから、平成28年12月にハイクオリティホテル建設促進制度を創設するなど、その誘致に取り組んでいる。今後、2019年のラグビーのワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピック、2021年の世界水泳選手権など大型スポーツ、MICEの開催や増加する訪日外国人の需要をしっかりと取り込むために、歴史、文化や自然など地域の魅力を観光資源として磨き上げるとともに、訪日外国人やMICEによる経済効果をさまざまな業種や地域に行き渡らせるようしっかりと取り組んでいく。 366 ◯森(英)委員 自由民主党福岡市議団を代表して、28年度決算に関し、香椎駅周辺土地区画整理事業について質問する。住宅都市局香椎振興整備事務所は地元に入り、さまざまなイベントに協力しながら相談にも乗っているなど、大変よく頑張っていると評価しているが、肝心なところで結果が出ていない。このことについては後ほど言及する。まず、28年度の香椎駅周辺土地区画整理事業特別会計の決算概要と事業の進捗状況について尋ねる。 367 △住宅都市局長 28年度の決算額は、歳出額合計46億8,508万円余で、うち公債費と予備費を除いた事業費は39億8,737万円余となっている。事業の進捗状況は、総事業費575億円に対する28年度末における進捗率が約82%で、全体施行面積約20.7ヘクタールのうち、セピア通りより北側のエリア約11.3ヘクタールの部分は平成29年8月に西鉄香椎駅前広場を供用開始するなど、道路等の公共施設整備がおおむね完了している。また、セピア通りより南側のエリア約9.4ヘクタールの部分については、現在、香椎川周辺の道路整備や、みゆき通り商店街の再生に向けた建物移転及び道路整備などを行っている。さらに、JR香椎駅前広場については、平成29年11月より整備に本格着手する予定としている。 368 ◯森(英)委員 大まかに進捗状況を聞くと順調に進んでいるように思えるが、実はそうではない。香椎地区は約600の店舗や事務所が集積しており、香椎駅周辺土地区画整理事業は多くの地権者と商業者を抱えた既成市街地での、全国的にも例のない大変難しい土地区画整理事業である。手術に例えると、大変難しい症状の患者の大手術であり、まずはメスを入れる前に、どのような症状があるのか、どのような症状が起こるのか、前もってさまざまな想定をしておかなければならない。メスを入れた途端にその症状が出ればすぐ対応できるようにしなければならないし、また、痛みが最小限におさまるように、スピードを持って事業を進めていかなければならない。当初から私はそのように述べてきたにもかかわらず、既にかなりの時間が経過している。この事業の都市計画決定及び事業計画決定がなされたのはいつなのか、改めて尋ねる。 369 △住宅都市局長 香椎駅周辺土地区画整理事業における施行区域及び都市計画道路については、平成9年11月に都市計画決定を行い、事業計画決定は平成11年10月に行っている。 370 ◯森(英)委員 都市計画決定から既に20年、事業計画決定から18年が経過している。行政は事業計画決定から経過年数を数えるが、地権者にはその2年前、都市計画決定された時点から建築制限が課されており、建てかえができなくなっている。香椎のまちは都市計画決定された時点で既に築40年を超えた木造の店舗ばかりであったため、スピードを持って事業を実施しなければならず、これは大変重要なことであった。しかし、事業計画決定している以上、いつ立ち退きがかかるかわからないため、地権者は店舗をテナントに貸そうとしても費用をかけて改装することができない。また、テナントである商業者にとっても、いつどこで立ち退きがかかるかわからないため、事業計画が立てられない。そこで当時私は事業スケジュールを地元に示した上で、例えばあるエリアで事業完了まで5年かかる場合、5年間は立ち退かなくてよい旨の保証ができないか提案したが、住宅都市局の回答は、土地区画整理事業は交渉の進捗により完了時期が前後するため、確約はできないとのことであった。そこで私は、おおよその見当がつくよう、エリアに分けて工程を示すよう求め、その結果第1期工区、第2期工区、第3期工区に分けられた。第1期工区には西鉄香椎駅前広場が含まれているが、600の店舗が張りついており、商店街の移転は段階的に進めなければならないため、核店舗が必要である。このため香椎振興整備事務所、香椎商工連盟、自治会が一緒になって西鉄に依頼しに行き、にしてつストアを出店してもらえることになった。ところが西鉄香椎駅前広場の整備がおくれ、供用開始はことしの8月となったため、それまでの五、六年間、にしてつストアは駅の正面からはほとんど見えない状況であった。第2期工区は以前、寿屋があった地区であり、面積はかなり広いため、地元の人たちや香椎振興整備事務所と一緒に、にぎわいを創出できるテナントビルを建ててほしいと、現在の地権者で熊本市に本社がある株式会社カリーノに何度も依頼しに行った。ところが現在その土地はコインパーキングとなっており、ここだけでなく香椎地区はコインパーキングばかりとなっている。コインパーキングにするのは、まちの完成イメージが湧かず、地権者が何を建ててよいかわからないためである。通常、道路が広くなったり、公園が整備されたりすると、どのようなまちになり、どのようなビルを建てればまちが活性化するのかイメージできるが、香椎地区に限ってはそれができなかった。それは、まちの玄関口であるJR香椎駅、西鉄香椎駅の駅前広場が更地であったからである。このため、どのような建物を建てたらどのような商店街ができ上がるのか、まちの玄関口からどのような商店街が延び、どのようなまちになるのか構想できなかったのである。玄関口は大変重要であり、地域住民や商業者、地権者などが完成後のまちをイメージできるよう、早期の整備を求めていたが、実際には西鉄香椎駅前広場の供用開始はことしの8月となった。平成22年に、香椎駅周辺土地区画整理事業は25年度であった完成予定年度を30年度まで5年間も事業期間が延長された。この理由について当時の局長は、西鉄の高架事業が3年間おくれたからと答弁し、西鉄に原因があるとしているが、当時私が議会で指摘したとおり、これは事実と異なる。西鉄は千早駅の高架と香椎駅周辺の高架を同時に完成させる意向であったため、そのための条件を本市に提示していたが、中でも最も重要であったのはヤードである。さまざまな資材や機材を置き、トラックを入れて工事をしなければならないが、そのためのヤードの確保を本市に依頼していたのである。本市に状況を確認したところ、ヤード候補地の全ての地権者が土地区画整理事業に反対であるため、土地を貸してもらえないとのことであったが、そのようなことはなく、あとで調べると本市は交渉した形跡もなかった。結局、西鉄はその後みずから交渉してヤードを確保したが、それが3年間おくれた本当の理由である。3年間おくれたことにより、6億円もの余計な費用がかかっており、事業期間を5年間延長した際、私は本市にしっかりと反省するよう求めた。事業期間が延長された平成22年時点で、2つの駅前広場の整備時期は、いつになると計画していたのか。また、実際の整備がそれよりも大幅におくれた要因は何か。 371 △住宅都市局長 事業施行期間を30年度末に延長した平成22年の事業計画変更の際、西鉄香椎駅前広場が23年度の供用開始を、JR香椎駅前広場は28年度の供用開始を目標とした。これらの整備がおくれた主な要因は、駅前広場に係る建物などの移転交渉に日時を要したためである。 372 ◯森(英)委員 西鉄香椎駅前広場の供用開始は予定から6年もおくれた。また、JR香椎駅前広場に至っては、完成予定は昨年度であったはずが、やっと今から本格整備である。移転交渉に日時を要したとのことだが、西鉄香椎駅前広場、JR香椎駅前広場において、最初に移転した物件の移転時期と最後に移転をした物件の時期はそれぞれいつか尋ねる。 373 △住宅都市局長 西鉄香椎駅前広場については、最初の移転が平成21年7月、最後の移転が平成28年8月となっている。また、JR香椎駅前広場については、最初の移転が平成24年9月、最後の移転が平成29年9月となっている。 374 ◯森(英)委員 西鉄香椎駅前広場で最初に移転した人と最後に移転した人の差は7年にもなっている。しかも、実際に工事に入るのは対象者全員が立ち退いた後であり、工事自体も優に一、二年はかかるため、最初に移転した人は7年ではなく、それ以上の期間、戻れずに待っていなければならない。また、にぎわいを失わないよう、ビルを建てたとしても、工事がおくれているため、本来なら一等地となっているはずが、閑散とした場所となっている。地域の多くの人たちはかなり協力的に早期に移転していたが、西鉄香椎駅前で1軒、JR香椎駅前で最近まで2軒、最後に1軒移転に応じない人が残ったと聞いている。この人たちのためにたくさんの人たちが帰りたくても帰れない、建物を建てたくても建てられない、商売したくても商売ができない、そうした思いを持つ人が大勢いる。建物の移転交渉は間違いなく慎重に行うべきであり、十分に説明し、理解してもらい、移転してもらうのがベストであるが、無期限交渉をしているわけではなく、本市は平成30年に事業を完了すると発表している。完了時期が決まっているのであれば、工事に何年かかり、その工事に入るにはいつまでに交渉を終え、移転してもらわなければならないという期限は出てくるはずである。期限ぎりぎりまで交渉するとしても、最終的には法的手段も視野に入れながら準備しておかなければならないと私はずっと言ってきたにもかかわらず、実行されなかったのは残念である。現在、香椎地区は一部建物も建てられているが、空き地や駐車場が多い。建物の解体と再築スピードのバランスが非常に悪く、まちの再生にはほど遠い状況である。現在の移転状況、また地権者への土地の返還状況について尋ねる。 375 △住宅都市局長 建物などの移転状況は、28年度末で対象となる建物327軒のうち、約95%、311軒の移転が完了している。また、周辺道路などの整備が完了し、地権者が使用できるようになった土地は、全体447画地、約13万3,000平方メートルのうち293画地、約8万9,000平方メートルで、面積割合では約67%となっている。 376 ◯森(英)委員 移転は進んでいるが、地権者に土地を返還したのはいまだ70%にも満たない状況であり、大変残念である。これほど建物が建たないのは、早急な整備を求めていたにもかかわらず、駅前の整備がおくれたためである。今後店舗が建てられ、テナントが入り、商店街ができていくまでには相当の道のりがあると思う。その間、商店街再生に向けた地元のさまざまな取り組みに対し、一定期間の支援が必要と考えるが、所見を尋ねる。 377 △住宅都市局長 指摘のとおり、商店街の再生は、土地区画整理事業と同時に完了するものではないことは十分認識している。事業の完了後も、商店街の再生に向けた支援の継続などについて、しっかり検討していきたい。 378 ◯森(英)委員 本市のサポートを強く要望しておく。これまで香椎駅周辺土地区画整理事業のおくれを指摘してきたが、JR香椎駅前広場、西鉄香椎駅広場の整備はおくれており、商店街の再生もほど遠い状況である。このような状況で、事業施行期間である30年度に事業が完了できるのか懸念されるが、事業完了の見通しについて尋ねる。 379 △住宅都市局長 事業完了の見通しについては、事業施行期間である30年度の完了を目指し鋭意努力しているところではあるが、建物の移転交渉や整備工事の現状、その後の登記や清算手続などに要する期間を勘案すると、30年度末の事業完了は大変厳しい状況にあると考えている。このため、今後事業完了までのスケジュールについて十分に精査を行い、事業期間の見直しについて早急に検討を進めていきたい。 380 ◯森(英)委員 地元の住民、商業者、自治会などは、にぎわいを絶やさないため、夏祭り、灯明まつり、まちなか美術館、そして東区花火大会など、さまざまなイベントを企画、実行しまちの活性化に向け努力しているが、事業がこれ以上おくれるともう限界である。繰り返しになるが、両駅前の整備がおくれたことは非常に残念である。先ほど述べたように、目標があれば、達成に向け逆算することで、いつまでに何をしなければならないかがはっきりとわかり、それを実行していけば、事業期間が少し延びたとしても数カ月や1年程度で済んだはずである。ところが、香椎駅周辺土地区画整理事業では、既に5年間延伸しているにもかかわらず、まだ足りない状況である。今後、もし再度延伸するのであれば、その後のさらなる延伸は絶対に許されないと考えるが所見を尋ねる。 381 △住宅都市局長 指摘のとおり、事業着手から18年も経過しており、長期間にわたり地域住民に生活や商売への不安など多くの負担や迷惑をかけていることは十分認識しており、大変申しわけなく思っている。既に5年間も事業期間を延伸し、この間、まちの活性化とにぎわいを維持していくため、地域住民みずから花火大会を初めとするさまざまな催しを実施するなど必死に頑張っている中、このたびさらに事業期間の見直しをせざるを得なくなったことについては大変重く受けとめている。今後、事業期間の見直しの検討を早急に進め、地域住民が1日も早く安心して生活や商売を営めるよう、全力を挙げて事業の早期完了に取り組んでいく。 382 ◯森(英)委員 香椎駅周辺土地区画整理事業については、事前のアンケート調査では道路を広げたほうがよいかとの問いに95%以上の人が賛成し、鉄道を高架にしたほうがよいかとの問いに98%の人が賛成、また、公園はつくったほうがよいかとの問いには95%の人が賛成したにもかかわらず、事業開始当初には大変な反対運動が起こり、香椎中、区画整理絶対反対という看板が立ち並んだ。要するに総論賛成、各論反対ということである。しかし、まちの多くの人たちは、東の副都心と言われて久しい香椎のまちを、バスのすれ違いもできず、緊急車両も通れない状態のままで残していくのではなく、自分たちが生きている間に後世に残せる立派なまちをつくろうと考えていた。そこで、地域住民が1軒1軒を回り、多くの人たちの理解と賛同を得て、事業推進の請願書の署名を集めた結果、事業が開始された。そして、そうした人々が現在も地域の祭りを一生懸命に支えている。地域の願いは一つであり、一日も早く事業が完了し、商店街が再生され、昔以上のにぎわいが香椎に戻ってくることを一心に願っている。この香椎のまちづくりに対する市長の所見を尋ね、質問を終わる。 383 △市長 香椎地区は、古来より香椎宮に代表される歴史資産を有し、近年では活気ある商店街で人々がにぎわうなど、多くの人に愛されてきたまちである。香椎地区のまちづくりについては、これまで長きにわたる地域の理解や協力のもと、本市東部の広域拠点として、交通拠点性の強化、商業機能の集積や高度化などを目指して取り組んでいる重要なプロジェクトである。香椎地区ではことしで27回目を迎えた東区の花火大会などさまざまな催しが商店街を初めとする地域の手づくりで実施されるなど、地域の活性化やにぎわいづくりに向けた並々ならぬ熱意を感じている。本市としては、森議員を初め地域の思いをしっかりと受けとめ、土地区画整理事業の早期完成に努めるとともに、本市東部の広域拠点として、さらには地域や市民に親しまれるにぎわいと交流の場として魅力あるまちづくりにしっかりと取り組んでいく。 384 ◯堀内委員 日本共産党市議団を代表して、国家戦略特区の給料前借り特区、こども病院の労働実態と市立病院機構の経営のあり方について、障がい者スポーツセンターの抜本的な改修問題について質問する。まず、国家戦略特区について、さきの9月議会で質問した空港アクセスバスの株式会社ロイヤルバスの社長が市長の知人という件は、加計学園、森友学園疑惑を連想させるような構図であった。また、旧大名小学校跡地の高さ制限が国家戦略特区による緩和で115メートルまで認められ、さらに天神一帯に緩和が広がり、ウオーターフロント地区も高さ100メートルまで認められている。このように、本市のまちのあり方に大きくかかわる問題が、財界が深く関与して癒着や利権構造をはらみながら、議会の審議もないまま決められ、安倍内閣が国家レベルで推進しているのが特区事業である。その中で実施されようとしている給料前借り特区についてただしていきたい。2016年度までに本市の国家戦略特区事業に認定された事業は何事業あるのか。 385 △総務企画局長 28年度までに29事業が認定されている。 386 ◯堀内委員 法人税軽減や航空法の高さ規制緩和など、幅広い事業で岩盤規制を撤廃しようとしている。改めて、給料前借り特区について当局の説明を求める。 387 △総務企画局長 賃金支払いに関する規制改革の提案については、労働者が金銭を借り入れるものではないため、前借りという表現は不適切であり、ITなどの技術を用いる革新的な金融サービス、いわゆるフィンテックを活用するフィンテック特区である。内容については、労働者の自由な選択によりシステムの利用を決定するものであり、労働者と雇用主の合意を前提として、労働者がみずからの意思により店舗で商品を購入した際に、既に働いて得ている賃金の範囲内でその代金を雇用主から店舗に支払うことができるよう規制緩和を求めるもので、労働者が賃金を受け取る方法の選択肢を広げるものである。これにより現在働いている労働者の利便性が向上するだけでなく、IT分野などで高い技術を持ち、兼業や副業などにより複数の企業で働く人々や、短時間ながらも自身の技能を生かして働きたい人々などが、時間や場所に縛られずにこれまでになかった多様な働き方が可能となり、より働きやすく、生活しやすい環境につながるものと考えている。 388 ◯堀内委員 給料前借り特区という言葉は、問題意識を持っているからマスコミも使用している。要は現行の労働基準法では本当は認められないが、この特区によって本市に限っては認めるとのことである。市長は国家戦略特区第12回区域会議で、労働基準法で縛りがあると述べている。労働基準法の労働者保護の規定は緩和すべきと考えるのか確認する。 389 △市長 国家戦略特区の規制改革は、技術革新や市民ニーズの変化によって、時代に合わなくなった規制についてスピード感を持って緩和することで、国民経済の発展及び国民生活の向上を図るものである。労働基準法については、労働者が安心して働くことができるよう労働者保護の観点から労働条件の基準等について定められたものであり、非常に重要な法律であると認識をしている。一方で、直接払いの原則が定められた当時は、終身雇用で、かつフルタイムで働くことを前提としており、今のような高いIT技術も存在しなかったが、現在は多様な働き方を望む声が大きくなり、またフィンテックといった新たな技術が誕生するなど、当時とは時代背景が大きく変化をしている。今回のフィンテック特区の提案については、これらの市民ニーズや技術革新を踏まえ、労働者が賃金を受け取る方法の選択肢を広げ、働き方の選択肢をふやすことにつながるものである。労働者にとってより便利で、より働きやすい環境を生み出すために、このようなフィンテックなどの技術革新による時代の変化に対応した規制緩和は必要であるという趣旨である。 390 ◯堀内委員 給料前借り特区の出どころはその考え方から来ているわけである。労働法制に詳しい弁護士の話によると、労働基準法の多くは強行法規であり、労働者の同意があっても法律どおりでなければならず、例えば、有休がなくても労働したいとの本人の同意で労働契約を締結しても、労働者に法律どおり有休は与えなければならない。立場の弱い労働者が法律で守っておかないと不利な契約を結ばされるから、国会の論議も得ないまま、絶対に緩和すべきでないとのことである。給料前借り特区のどこが労働基準法に抵触するのか、答弁を求める。 391 △総務企画局長 フィンテック特区の提案とは、賃金支払いに関する規制緩和を求めるものである。労働基準法第24条において、賃金は通貨で直接労働者にその全額を支払わなければならないと規定されており、労働者がみずからの意思により店舗で商品を購入した際に、既に働いて得ている賃金の範囲内でその代金を通貨を介さず雇用主から店舗に支払う点が通貨払いの原則及び直接払いの原則に抵触すると考えている。このような原則が定められた当時と比べ、現在は多様な働き方を望む声が大きくなり、またフィンテックといった新たな技術が誕生するなど時代背景が大きく変化しており、時代に合わせた緩和を行うよう求めるものである。 392 ◯堀内委員 給与というのは通貨、つまりお金で、直接労働者に手渡すというのが原則である。なぜこういう原則が定められているのか、その理由について所見を尋ねる。 393 △総務企画局長 直接払いの原則については、賃金が確実に労働者に支払われ、その生活を確保するためのものであるとされている。 394 ◯堀内委員 その原則を守った直接払いでなければ、一昔前のように、暴力団や人材派遣など、中間的な組織が介入することで、いわゆるピンハネが行われるわけである。他人の利益の上前を正当な理由もなく搾取することが、古くから労使の力関係によって理不尽な慣行として広く行われてきていた。そのような事態を防止するために労働基準法の直接払いという原則ができた経緯があり、この原則が取り払われてしまえば、労働者を守る担保や保証はなくなるのではないか。 395 △総務企画局長 労働基準法は労働者が安心して働くことができるよう、労働者保護の観点から定められた重要な法律であると認識している。フィンテック特区の提案については、労働者がシステムを利用するか否か自身の自由意思により選択することができるものであり、労働者の選択によりシステムを利用する場合は、みずからの意思により店舗で商品を購入した際に、既に働いて得ている賃金の範囲内でその代金を雇用主から店舗に支払うことができるようになるものであり、かつ従来どおり賃金が定期的に支払われる原則は維持されるため、給与支給日前に使われなかった賃金部分は労働者に確実に支払われるものである。また、労働者の選択によりシステムを利用しない場合は、現状と変わらず、直接払いの原則がそのまま適用される。 396 ◯堀内委員 自由意思とか選択とか、言い方はさまざまであるが、労働者の実態も法律が定める原則の意義も全く理解していない答弁だと述べておく。先月、市内のインド料理店に勤めているインド人から大変な働き方をさせられているとの相談が日本共産党に寄せられた。日本語が話せず、言われるがままに給料からいろいろと天引きされていたとのことであり、この件では福岡労働基準監督署が是正指導を行っている。本人の同意とか自由意思とか選択などとしているが、本人の同意だけを根拠にするのは問題である。労使は対等ではないことから、本人同意というのは違法なやり方の歯どめにならないと思うが所見を尋ねる。 397 △総務企画局長 フィンテック特区の提案については、労働者と雇用主の合意だけでなく、労働者が自身の自由意思によりシステムの利用を選択できることが前提となっており、既に働いて得ている賃金の範囲内でキャッシュレスで消費することを可能とするものであり、労働者が賃金を受け取る方法の選択肢を広げるものである。先ほどの答弁のとおり、みずからの意思により店舗で商品を購入するものであること、従来どおり賃金が定期的に支払われる原則は維持されるため、給与支給日前に使われなかった賃金部分は労働者に確実に支払われることから、労働者にとっての利便性向上につながり、かつ労働者保護の観点は守られるものと考えている。なお、今回の提案に関しては、労働者保護の観点も含めて、今後さらに国においても十分検討されるものと考えている。 398 ◯堀内委員 今回の提案内容では、その観点が守られるわけがない。契約自由の社会で労働基準法があえて給料の渡し方まで定めているのは、労働者が圧倒的に弱い立場にあるからである。本人の同意か了解があればよいというものではない。国家戦略特区の区域会議の提出資料では、給料前借り特区は銀行口座を持てない層が購買手段を持てる制度と説明している。ターゲットは外国人だけではなく、かつて日本人の派遣労働者でも給料から布団代や冷蔵庫代などを不当な高価格で天引きされていたことも社会問題になった。今回の給料前借り特区のシステムでは、本人同意という体裁さえあれば、このような給料からの天引きは可能なのか。 399 △総務企画局長 賃金の一部控除については、労働基準法の規定によると、法令に別段の定めがある場合、また労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表するものとの書面による協定がある場合に賃金の一部を控除して支払うことができるとされていることから、労使間の協定が必要であり、システムを導入することだけをもって賃金の一部控除はできないものと認識をしている。また、フィンテック特区の提案については、労働者の自由な選択によりシステムの利用を決定するもので、労働者と雇用主の合意を前提として、労働者がみずからの意思により店舗で商品を購入する際に既に働いて得ている賃金の範囲内でキャッシュレスで消費することを可能とするもので、労働者が賃金を受け取る方法の選択肢を広げるものである。 400 ◯堀内委員 説明方法が変化したが、天引きがされないとは明言できないということである。賃金を労働者に渡さず業者に渡す仕組みをつくるということになる。先日聞いた、西鉄大橋駅近辺のベトナムとネパールの日本語学校の学生の生活ぶりの話によると、放課後のアルバイトが生計費であるが、多くても月何万程度しか収入を得られず、家賃などの必要経費を引いたら、手元には1万から2万円しか残らないとのことであり、もちろん銀行通帳などを持っていないとのことである。こういった人たちをターゲットとしてシステムが使われるのであれば、言葉も日本の生活ルールもわからないまま、不当な天引きをされることにもなりかねない。本市で暮らす外国人たちが給料前借り特区によって貧困のどん底に突き落とされることになるのではないかと思うが、所見を尋ねる。 401 △総務企画局長 フィンテック特区の提案については、労働者の自由な選択により、労働者と雇用主の合意を前提に、労働者が既に働いて得た賃金の範囲内でキャッシュレスで消費することを可能とするものである。これにより労働者が賃金を受け取る方法の選択肢を広げ、より働きやすく、生活しやすい環境が生まれるものと考えている。また、賃金が従来どおり定期的に支払われる原則は維持されることから、給与支給日前に使われなかった賃金部分は労働者に確実に支払われることとなる。さらに既に働いた賃金の範囲を超えて消費することはできず、労働者による金銭の借り入れとは異なるので、この制度が貧困を促進するという指摘には当たらないものと考える。 402 ◯堀内委員 あたかも労働者が求めているような答弁であるが、結局労働者に購買を促すことで囲い込み、そこで働き続けなければならなくするシステムは、貧困ビジネスと言われても仕方がない。このシステムを開発したのはドレミング社という会社であるが、もともとイギリス、ロンドンを拠点に外国からの難民向けにこの事業で利益を上げようとしていたところ、イギリスのEU離脱に伴ってビザの発行が厳しくなり外国人宛ての事業ができにくくなったことで日本に目を向けた同社を、市長が特区会議でも推薦しているわけである。これは特定の企業のもうけを市長が特区という名前で後押ししていることにならないか。 403 △総務企画局長 国家戦略特区については、地域を限定し、技術革新や市民ニーズの変化により、時代に合わなくなった規制について大胆な改革を進め、その成果を速やかに全国に広げていくものであり、地方自治体だけでなく民間事業者も事業主体となる制度である。国家戦略特区における規制緩和については、民間事業者のアイデアなどをきっかけとして地方自治体が国に提案し、国における協議の上で認定されるが、実現した場合には特区内の民間事業者が活用可能となるだけでなく、全国規模で緩和が認められる場合もある。このようにフィンテック特区の提案も特定の民間事業者のみを優遇するものではなく、また労働者の生活の質の向上につながるものであることから提案に至ったものである。
    404 ◯堀内委員 特定企業への優遇になっている。加計学園の問題でも誰でも参入できると言いながら、岩盤をドリルであけた穴を通れたのは加計学園だけであった。現に市長はエアポートアクセスバスでも公募をかけたが、結局手を挙げたのは株式会社ロイヤルバスだけであった。市長は知り合いである社長と一緒に国家戦略特区の会議に参加して、バス路線を提供することでもうけ口を与えているのではないか。本市は特区の最初の活用事例であった雇用労働相談センターで解雇指南の規制緩和を行い、国会でも問題になった。今度は給料前借り特区で労働基準法の規制緩和を進め、労働者の暮らしを破壊しようとしている。安倍政権の働き方改革という名のもとで働くルールを壊す先兵の役割は許されない。したがって、ドレミング社の後押しはやめるべきであり、また給料前借り特区の提案を取り下げるとともに、市民を守るルールを壊す国家戦略特区から撤退すべきと思うが、所見を求める。 405 △市長 国家戦略特区については、いわゆる岩盤規制に対してドリルの刃とも言うべき特区制度を活用して、地域を限定した大胆な規制改革を行うことなどにより、産業の国際競争力の強化、国民経済の発展及び国民生活の向上を図るものである。この特区における規制緩和については、実現した場合には、特区内の民間事業者が活用可能となる場合だけではなくて、全国規模で緩和が認められる場合もあることから、特定の民間事業者のみを優遇するものではない。また、ドレミング株式会社からのアイデアをもとにした提案であるフィンテック特区については、フィンテックの技術を活用することにより、多様な働き方に対応した賃金支払い手段を提供し、働き方の選択肢をふやすことにつながると考えている。したがって、労働者の利便性が向上する内容であり、またフィンテックの推進は国の未来投資戦略においても掲げられていることなどから、これからも引き続き実現に向けて国に働きかけていきたいと考える。本市はこれまでもスタートアップ法人減税、航空法の高さ規制に係る特例など、提案した規制改革案を次々に実現させてきており、引き続き国家戦略特区を活用することによって、技術革新や市民ニーズの変化で時代に合わなくなった規制を緩和し、新しい価値の創造にチャレンジする企業の支援や、既存企業と創業企業との連携による相互の成長を図り、本市の都市の成長と生活の質の向上を図っていく。 406 ◯堀内委員 国民から大きな批判を受けている国家戦略特区を安倍政権と一緒に推進する、といった手法を続けていたら市民が審判を下すことになると意見を述べておく。次に、こども病院の労働実態と市立病院機構の経営のあり方についてただしていく。こども病院の労働実態と市立病院機構の経営のあり方については、こども病院の人工島移転問題は市政を揺るがす問題となったが、見直すとした高島市長がその約束を守らず、強行したものである。同時に市民病院とあわせて独立行政法人化され、増収と経費削減を優先課題として経営されている。そのような中、麻生系民間病院から来た病院機構の事務局長がその地位を利用して不当なやり方で知己の業者と契約した事件、看護師など労働者の勤務条件が厳しくなっている問題などについて我が党が議会で追及してきたが、その後、病院は適切に運営されているのか検証していく。2016年度決算で、病院機構の純利益は幾らか。 407 △保健福祉局長 28年度決算における本市立病院機構の当期純利益については、約2億6,476万円である。 408 ◯堀内委員 黒字を計上しているとのことである。看護師のサービス残業について尋ねる。こども病院においては19時から45分間が申し送りの時間であり、小児病棟特有の患者の病状の変化や注意が必要な事項を初め、医療事故につながる可能性のあることなどを正確に把握するために、夜勤看護師の早い人は、定時である19時より1時間前の18時から、そしてほぼ全員が18時半には出勤し、病棟の担当患者さん20名近くの電子カルテを読み取らねばならない状況だが、誰も時間外勤務を申請していない。それは病院に時間外勤務を申請しづらい状況があるからである。このいわゆる勤務時間前残業勤務が実質サービス残業となっている実態を市長は掌握しているか。 409 △保健福祉局長 交代勤務により夜勤のある看護師については、例えば勤務時間が19時からとなっている場合、日勤の看護師との引き継ぎ時間が45分間設けられており、引き継ぎを行うために必要な時間は十分確保されているものと考えている。なお、それ以上の時間外勤務が発生した場合については、所属長が業務上必要であると認めた場合に命令がなされ、その命令に基づき時間外勤務が行われると考えている。 410 ◯堀内委員 言うまでもなく、サービス残業労働基準法第37条に違反する。夜勤看護師の勤務時間前残業がサービス残業となっているこの問題は、保健福祉局として直ちに調査し、是正させるべきではないのか所見を尋ねる。 411 △保健福祉局長 病院機構においては、時間外勤務命令は事前命令を基本としており、やむを得ない事情により所属長が事前に承認できない場合に限り、自己申告による時間外勤務命令を認めているところである。なお、その場合も、事後速やかに所属長が確認等を行うこととしている。 412 ◯堀内委員 病院の実態を把握していない答弁である。法律違反を放置することは許されず、直ちに指導すべきである。次に、給料の問題について。6年前に独立行政法人化するに当たり、本市は労働組合と労働者の給料は国立病院に準拠する旨の約束を行った。国立病院機構、市立病院機構それぞれの病院機構の一時金の支給は現在どうなっているのか。 413 △保健福祉局長 28年度の一時金の支給については、年間で国立病院機構が4.20月分、市立病院機構が4.15月分となっている。 414 ◯堀内委員 一時金は0.05カ月分少なく、約束違反ではないのか。是正させる必要があるが所見を尋ねる。 415 △保健福祉局長 本市立病院機構の職員の給与については、原則として独立行政法人国立病院機構の給与制度に準拠して定めているが、各年の一時金については、毎年の労使間交渉によって決定したものであり、適切な手続によって支給されていると考えている。 416 ◯堀内委員 労働組合との約束を破っており、大問題である。是正させるよう求めておく。職員の働き方にかかわる交通手段の問題について聞く。本市はこども病院の看護師勤務に2交代制を導入し、通常の日勤とは別に午前8時30分から午後7時45分までの勤務体制、通称ロング日勤と呼ばれている11時間15分の勤務体制を制度化している。しかし患者の病状や注意が必要な事項を初め、医療事故につながる可能性のある事項など夜勤看護師に引き継ぐためにどうしても午後7時45分に仕事が終わらない場合が多々ある。多くの看護師の話によると、ロング日勤を終えた看護師は更衣室で着がえて西鉄のバス停に向かうが、天神行きの最終バスは平日午後8時7分であり、午後7時45分の定時に仕事を終えればなんとか間に合うが、ほとんどの場合が難しく、最終バスに乗れない事態があるとのことである。ロング日勤勤務の看護師の交通手段についてはいつまでも西鉄任せにして問題を放置するのではなく、病院として送迎バスかタクシー代の対応をすべきではないか。 417 △保健福祉局長 夜間の通勤手段の確保については、バスを利用する職員の通勤及び患者家族の皆様の利便性の向上を図るため、新病院開院前から西鉄への要望を継続しており、開院前の114便から平成29年3月末現在175便に増便されているが、今後も機会を捉えて増便要求を行っていく。なお、病院機構においては、法人設立当初から地方独立行政法人福岡市立病院機構準夜深夜勤務者に対するタクシー利用取扱要綱に基づき、午後10時から翌日の午前5時の間に出勤し、または帰宅する場合にタクシーの利用を認めているところである。 418 ◯堀内委員 問題はバスの増便やタクシーの利用時間ではなく、先ほど取り上げたロング日勤の勤務の看護師のことを考えるべきということである。本市は、人工島に移転した後でも職員の交通手段は確保すると言ってきたことから、すぐに対応すべきである。次に病院経営問題について。こども病院は、移転後に病床利用率の向上に躍起になっている。一般論において、入院患者を受け入れる際、病床が不足する場合、それまで入院していた患者に外泊を依頼して、その外泊患者の病床に入院させ、その新規患者も人数にカウントして診療報酬を請求する方法は医療法上では許可されているのか。 419 △保健福祉局長 医療法においては外泊に関する規定はなく、医療法施行規則においては、病院の管理者が患者らを入院させるに当たっての遵守事項として入院定員を、また緊急時に救急患者を入院させる場合に限って定員超過入院等を行うことを認める例外規定がある。また、健康保険法においては、保険医療機関が療養の給付に関し保険者に請求することができる費用に関する規定がある。なお、病院内に空床があれば、入院患者が外出する際、当該入院患者が使用していた病床を空き病床として新たな患者を受け入れることは問題がないと聞いている。 420 ◯堀内委員 一般論において、法律上問題がないのかをもう一度確認する。 421 △保健福祉局長 先ほどの答弁のとおり、医療法施行規則、それから健康保険法については規定があるが、先ほどの状況については問題がないと聞いている。 422 ◯堀内委員 問題がないと言われて驚いている。この話は実はこども病院で実施されているとのことであるが、事実関係についての確認はとれているか。 423 △保健福祉局長 詳しい話は、どういう状況かは聞いているが、その件が今回議員がただしている内容かどうかの確認ができないことから、現在では答弁できない。 424 ◯堀内委員 私のところに来ている情報に基づいて質問する。こども病院のある病棟では34床の病床が日々においてほぼ満床状態であるが、ことしの9月13日に新規の患者が入院することになったときに、入院中の患者2名に対して、前日の9月12日にそれぞれの担当医が頭を下げて外泊を依頼し、その期間の空き病床に新規患者を入院させたという話がある。これはすべきでないと思われるが、所見を尋ねる。 425 △保健福祉局長 病院の話によると、ある病棟が満床であった場合でも、院内に別の空き病床があれば、当該入院患者が使用していた病床を空き病床として扱い、新たな患者を受け入れることは問題がないとのことである。 426 ◯堀内委員 質問の趣旨と異なる答弁である。外泊中の患者の病床に新規の入院患者を受け入れるのは適法なのかという質問であり、求めているのはその質問に対する答弁である。 427 △保健福祉局長 こども病院の病床許可数は239床であり、移転後に病院全体が満床になった実績は一日もない。院内には常に空き病床が確保できる状況であることから入院可能な患者数には余裕があり、新規入院患者の受け入れはいつでも可能な状態である。仮にある病棟が満床であった場合でも、病院内に空き病床があれば、新たな入院患者の受け入れは可能であると聞いている。 428 ◯堀内委員 私の質問は、担当医が頭を下げて外泊を依頼したことである。通常において、外泊は患者本人の希望によるものである。担当医が頭を下げた理由は、34床の病床が満床であるところに、新規入院患者を2人受け入れるためであり、これは問題ではないのかということである。答弁を求める。 429 △保健福祉局長 担当医がそのような話をしたことについては確認が取れていないことから、その点については、事実を確認した上で、必要に応じて適切に対処していきたいと考えている。 430 ◯堀内委員 外泊患者は病院に戻ることが前提であり、その病床はあけておかねばならない。病床はあいているが入院扱いである。そこに別の患者を入院させるのは、医療法施行規則第10条第1項の定員を超えて入院させることはできないという規定に抵触する。しかも、34床の病棟で36名の診療報酬が請求されていれば、診療報酬の二重取りとなり、健康保険法第76条に抵触する。これはまさに詐取ではないか。そして、担当医は健康保険法第81条に基づき、保険医の登録取り消しになる。さらに病院ぐるみであれば、健康保険法第80条に基づき、厚生労働大臣は医療機関の指定を取り消すことができる。こども病院の存亡にもかかわる重大問題である。直ちに調査すべきではないか。答弁を求める。 431 △保健福祉局長 外泊患者は病院全体の管理下で病室を特定せずに外泊している状態とのことで救急病棟に割り当てており、同じ病室で二重請求したものではないと聞いている。保健福祉局としては指摘の点は適正に対処されたと認識しているが、担当医師の件については、事実を確認した上で、必要に応じて対処していきたいと考えている。 432 ◯堀内委員 この質問は極めて確証の高い情報に基づいており、調査の上、公表することを求めておく。承知していないとした先の答弁と異なっており、当局は、こういった大問題も病院で何が起きているかを詳しく承知できていないことが多い。病院が独立行政法人になるとき、本市は、民間のノウハウを入れることによって経営改善につながると何度も強調していたが、実際には実態を何も管理できていないことが非常によくわかる事象であり、事実上、独立行政法人のやりたい放題といえる。医療法上、許されないことをしてでも入院ベッドの回転率を上げるといった収益優先の病院経営方針が法律違反を犯すことに結びついているのではないかと思うが、所見を尋ねる。 433 △保健福祉局長 地方独立行政法人福岡市立病院機構については、その定款において、福岡市における医療施策として求められる救急医療、高度専門医療等を提供すること等により、市内の医療水準の向上を図り、もって市民の健康の維持及び増進に寄与することを目的とすることを経営方針として定めており、経営の健全性を確保しながら、質の高い医療の提供に努めている。また、こども病院の基本理念は、子どものいのちと健康を守るであり、病院の基本方針としても6項目を定める中の一つに、働きがいのある職場づくりと健全な病院経営を設定しているが、文字どおり経営の健全性を求めているものであり、病院経営において利益のみを追求しているものではない。 434 ◯堀内委員 本市は、子どもの命を守るとか、健全な病院経営などと説明しているが、このような異常実態ばかり発生させている。経営優先のもとで、現在病院で何が起こっているかをただしていく。独法化になる前の2009年及び2016年におけるこども病院の看護師の平均年齢はそれぞれ何歳なのか。 435 △保健福祉局長 独法化前の21年度と28年度におけるこども病院の看護師、助産師を含めた平均年齢については、独法化前の21年度が38.8歳、28年度が31.8歳である。 436 ◯堀内委員 独法化の前に比べて実に平均年齢上では7歳も若くなっており、ベテラン看護師が少なくなっているということである。では、独法化になる前の2009年と2016年のこども病院の看護師の平均勤続年数は何年なのか、それぞれ尋ねる。 437 △保健福祉局長 独法化前の21年度と28年度におけるこども病院の看護師、助産師を含めた平均勤続年数については、独法化前の21年度が13年4カ月、28年度が6年3カ月である。 438 ◯堀内委員 独法化後の平均勤続年数が半分以下になっている。年齢と勤続年数を分析すると、高度な医療を経験しているベテラン看護師が減少し人員の入れかわりが激しくなっていることから、すなわち、こども病院が技術の継承もできない、チームワークも取りづらい病院になってしまっていると思うが、保健福祉局長の所見を尋ねる。 439 △保健福祉局長 ベテランが退職している、その理由については全てを把握しているわけではないが、看護師の離職率については、公益社団法人日本看護協会の27年度の統計によれば、全国平均の10.9%に対し、こども病院移転後の3カ年の平均は7.8%となっており、こども病院において看護師の離職が多いという認識はない。なお、独法化後の平均年齢及び平均勤続年数が短くなっている要因としては、医療の質の向上や患者サービスの充実を図るため医療スタッフの増員に取り組んでおり、看護師、助産師の数が21年度は171人であったのか、28年度は379人と2倍以上になるなど、法人設立以来7年間で多くの看護師を新規採用してきたことも一因ではないかと考えている。今後とも職員が働きやすい職場環境づくりに努めていく。 440 ◯堀内委員 本市が重視する職員のモチベーションが上がっていないことは、先ほどの年齢と勤続年数を見ても明らかに数値が示しており、働き続けることができない病院になっている。本市が推進してきたこども病院の人工島移転と独立行政法人化による病院の利益優先型経営方針で、医師も看護師も超多忙な病院となっている実態を取り上げた。職員は困難があっても我慢しながら、子どもたちの命を守るために、唐人町から人工島へ移転後も頑張っているが、いよいよ法律に抵触することまで行われ、患者である子どもたちにも影響が出始めたことに、少なくない職員が胸を痛めていることは放置できない問題である。この問題の最後に、こども病院の病床の不正利用疑惑の調査公表を行うとともに、看護師の法違反の働かせ方を直ちに是正させ、利益優先の経営手法を改めて、直営に戻すことを真剣に検討すべきだと思うが、責任ある答弁を求める。 441 △市長 地方独立行政法人福岡市立病院機構は、22年度に独法化したことにより、法人が自主性を発揮しつつ、医療環境などの変化に柔軟に対応した効果的な運営ができる仕組みとなっている。各病院では市が示す目標に沿って市立病院としての使命と役割を果たすため、市民や患者のニーズに対応できるように医療の質やサービスの向上を図るとともに、働く職員にとっても働きやすい職場環境づくりを進めてきたものと認識をしている。これまでも現場の声を踏まえながら必要な改善を進めてきており、今後とも独法化したメリットを生かしながら、市民に必要なより質の高い医療を安定的、継続的に提供できる病院運営に取り組んでいく。 442 ◯堀内委員 見過ごすことのできない問題である。一切の不正をなくすために、調査公表を重ねて求めておく。次に、障がい者スポーツセンターの抜本的な改修についてであるが、ここは33年前にできた全国で4番目の障がい者の利用を対象とした総合スポーツセンターで、障がい者とその介助者は無料で利用できる施設である。2016年度の年間利用者数を尋ねる。 443 △保健福祉局長 28年度における障がい者スポーツセンターの年間延べ利用者数については、11万7,207人となっている。 444 ◯堀内委員 年間12万人近くの人が利用する施設の老朽化が深刻である。我々は公共施設をよくする会として、毎年、各地の公共施設の点検作業を福岡県建設労働組合や新日本婦人の会などと行っており、ことしはこの障がい者スポーツセンターも現地視察に行ったところだが、卓球場のドアはシロアリ被害が甚大であり、プールの観覧席のいすはところどころ壊れて外され、天井板は外れていた。こういった状況は大変危険であり、直ちに改善すべきではないか、所見を尋ねる。 445 △保健福祉局長 卓球場のドアについてはシロアリ被害が確認されたので、28年度にシロアリの駆除を行い、経過を観察した上で補修に取り組んでいく。プール観覧席のいすについては、体育館観覧席のいすが破損したことから、利用頻度を考慮し、同じ規格であるプール観覧席のいすの一部を一時的に転用したものである。また、プール観覧席の天井については、天井の桟に載せているボードがずれていたものであり、速やかに修復している。今後とも施設の補修については、利用者の安全性や緊急度を考慮し、実施していく。 446 ◯堀内委員 大変危険な状況があることを指摘するとともに改善を要求しておく。さらにトイレの問題において、障がい者にとっても安心して利用できるものかどうかが非常に重要な問題である。男性個室トイレ、女性個室トイレの洋式トイレの割合を尋ねる。 447 △保健福祉局長 男性用個室トイレについては6個中3個が洋式であり、また女性用個室トイレについては9個中4個が洋式となっている。このほか、男女共用の多目的トイレなど5個が洋式となっている。 448 ◯堀内委員 障がい者施設として洋式トイレが少ないと困る人が多いのではないか。あまりにも少な過ぎであり、洋式トイレをふやすべきではないか。 449 △保健福祉局長 トイレについては、26年度に一部を和式から洋式に取りかえている。今後とも洋式トイレを整備できるスペースや他の修繕箇所の優先度などを考慮しながら検討していく。 450 ◯堀内委員 利用者からはトイレ以外にも多くの改善要望が出されている。空調関係では、夏は暑くて倒れそうとか、冬はプールで風邪引かないか心配といった声が出ている。また、照明が暗いという声も出ている。施設側は利用者に利用アンケートをとっており、その要望内容と施設の回答を施設内に張り出している。数多く並んだ利用者の要望に対して、予算の関係のため現状で御理解をなどの回答が並んでいる。しかし、一刻も放置できないものが多々ある。そのうち、プールには障がい者がリハビリも兼ねて歩くレーンがあるが、このプールの底は床が波を打ち凹凸ができており、歩いていたら足をとられる状況である。また33年前から使っているロッカーは老朽化しており、鍵が壊れて施錠ができず、鍵のシリンダーは既に部品が供給されていないとのことである。こういう利用者の声をしっかり受けとめ、予算を組んで改修すべきであるが、答弁を求める。 451 △保健福祉局長 修繕に係る利用者からの要望については、先ほどの話にもあるように利用者アンケートを毎年実施するとともに、直接市民の声などでも意見を受けており、その意見や施設の指定管理者からの要望を踏まえ、利用者の安全性や利用頻度、アセットマネジメントの観点などから、修繕の緊急度や優先度を考慮の上、施設の修繕を行っていく。 452 ◯堀内委員 障がい者スポーツセンターの指定管理者である社会福祉法人福岡市社会福祉事業団は、毎年利用者の要望をまとめて保健福祉局に予算要望を出しているが、その多くの要望が放置されたままである。この3年間、毎年事業団が出し続けている要望の一つに歩道の改修がある。施設内の玄関前歩道にくぼみがあり、雨が降れば視覚障害者誘導用ブロックが3カ所で合計6メートルにわたって水没することから視覚障がい者には大変危険な状態である。歩道改修の要望を3年間も放置している理由はなにか。 453 △保健福祉局長 道路の補修も含めて、施設の修繕については、緊急度や優先度を考慮しながら重点的に修繕すべき箇所を優先して行っているところであり、今後とも計画的な施設の修繕に取り組んでいきたいと考えている。 454 ◯堀内委員 利用者が、靴をぬらしながら、転びながら入館することを前提とするようなことは少し目線がおかしいと思う。こういったことも放置しているとは本当に驚きであり、許されないことである。先ほど答弁のあった利用者の要望のうち、どれだけのことを本市として対応したのか確認するが、2015年から2017年までに事業団から出された48項目の要望のうち、改修工事に着手したものは幾つあるのか。 455 △保健福祉局長 障がい者スポーツセンターから市に対して提出された修繕要望事項については、27年度が17件、28年度が16件、29年度が15件あり、合計48件となっている。このうち施設の外壁の劣化を防止するため、ひび割れや亀裂を補修した上で塗装を行うほか、エレベーターの改修など緊急度や優先度が高い12件については修繕を実施、または着手しており、30年度においても7件について修繕を検討している。 456 ◯堀内委員 48件中12件しか実施していないということは、結局早急な対応を行う気がないのではないか。2016年度の改修費執行額は幾らなのか。 457 △保健福祉局長 28年度における障がい者スポーツセンターの修繕実績としては、他の障がい者施設の修繕を優先したことから、一般系統及びアリーナ系統冷却塔漏水修繕の1件で、執行額は68万7,000円余であるが、それ以前の24年度から27年度の4年間で24件、1億950万円余の修繕を実施している。 458 ◯堀内委員 先ほどから要望があることを繰り返し述べているが、昨年1年間では68万円しか改修費に充てられていない。こんなところでパラリンピックを目指す選手たちが頑張っているとすればとんでもない話である。片や同じ拠点スポーツ施設の総合体育館には50億円も使っている状況である。出されている要望にはすぐに対応するとともに、改修費を大幅に増額すべきではないか。 459 △保健福祉局長 障がい者スポーツセンターの修繕については、利用者の御意見や施設からの修繕要望をしっかりと把握するとともに、本市が管理している他の障がい者施設13施設の修繕とあわせて計画的な修繕に努めていく。 460 ◯堀内委員 切実な声を棚上げせずに要望を解決する大幅な改修費増額を求めておく。障がい者スポーツは本市のスポーツ振興計画の大きな柱の一つでもある。さらには6年前に制定されたスポーツ基本法では、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利と基本理念を掲げ、障がい者はもちろん全国民へのスポーツの定着を図ることを目的としている。障がい者のスポーツが権利として保障されるには、障がいのある市民が日常の生活の中で気軽にスポーツのできる条件が整備されなければならない。ところが本市の障がい者スポーツセンターは、老朽化が激しく改築しなければならないところも多いにもかかわらず放置されたままであり、さらに、利用者が多くて練習できない、アリーナの予約がとれないなどの声ととともに、南区まで遠過ぎるの声や、駐車場が少な過ぎ、車で来づらく、もっと駐車場をふやしてほしいとの声も出ている。したがって、障がい者のスポーツをする権利を保障する行政として、現在、障がい者スポーツセンターを安心して使える施設にするためにも、施設の改修や要望に速やかに応えて改善するとともに、学校跡地や市有地を使って絶対的に不足している障がい者スポーツセンターの増設計画を立てるべきであるが、最後に責任あるところからの所見を尋ねる。 461 △保健福祉局長 障がい者スポーツセンターの改修については、アセットマネジメント基本方針及び同推進プランに基づき、公共施設の長寿命化を図ることとしているが、その中で障がい者スポーツセンターのような鉄筋コンクリートづくりの施設については60年から70年を耐用年数の目標と定めているところである。障がい者スポーツセンターは開館から33年が経過しているが、計画的な改修に取り組むことで、機能や安全性の保持を図り、今後とも安心して利用できる施設として運営していく。また、障がい者スポーツセンターの増設については、施設の利用状況などから、現時点では増設の必要性は少ないところであるが、今後とも状況を確認していきたいと考えている。 462 △市長 障がい者スポーツについては、障がい者のリハビリや健康の増進、また社会参加の促進を図るとともに、さらには生きがいづくり、充実した生活の実現など、生活の質を高めるものと認識をしている。障がい者スポーツセンターについては、まずは計画的な改修に取り組み、今後とも安心して利用できるような運営を行いたいと考えている。本市としては、一人でも多くの障がい者がスポーツに触れ、体感することで、スポーツへの関心を高め、地域や家庭で生き生きと充実した生活が送れるように、今後とも障がい者スポーツの振興に取り組んで行く。 463 ◯浜崎委員 みらい福岡市議団を代表し、生活保護制度における住宅扶助の適正な支給、市立体育館の駐車場料金、重度障がい者向けのグループホーム、待機児童問題について質問する。まず、生活保護制度における住宅扶助の適正な支給について、尋ねる。本市で生活保護に要する金額は約800億円に上り、一般会計の約1割を占め、本市財政に重くのしかかる状況が続いている。800億円というのは途方もない金額でなかなかぴんとこないが、福岡都市圏の春日市や大野城市、太宰府市の一般会計予算の合計額が約900億円であることを考えると、この金額がいかに大きいか見当がつく。また、生活保護を受給する方は約4万4,000人で、推計人口で156万人を超える全福岡市民の2.8%に当たると聞いている。必要なコストではあるが、4万4,000人に年間800億円が支給されているため、1人当たりで計算すると約180万円。このような金額を念頭に置きながら、質問を続ける。生活保護は憲法第25条に定める生存権を具体化したもので、全ての日本国民を対象としていることから、ユニバーサルな制度でなければならない。このため、生活保護の実施は住民の福祉をあずかる地方自治体が担うにしても、その財源は国の責任において措置する必要があると考えるが、生活保護費に対する現在の国庫負担割合はどうなっているのか尋ねる。また、どのような根拠で国庫負担割合が決められているのか、あわせて尋ねる。 464 △保健福祉局長 生活保護費に関する国庫負担割合は4分の3となっており、その根拠は生活保護法第75条に規定されている。 465 ◯浜崎委員 生活保護費に占める本市の負担割合は4分の1ということになるが、それでも800億円のうち200億円を負担している。国に対して生活保護に要する負担割合を引き上げるよう求めるべきと考えるが、見解を尋ねる。 466 △保健福祉局長 全国市長会や全国指定都市市長会の提言活動において、生活保護費を全額国庫負担とするよう国に要望している。 467 ◯浜崎委員 生活保護制度を国の責任において安定的に運用していくためにも、今後もさまざまな機会を捉えて国に負担を求めていくよう要望しておく。生活保護は国民の命を守る最後のセーフティネットとして機能を担うものであり、必要かつ極めて重要な制度であるというのは論をまたない。一方で、生活保護に要する費用は国民の血税で賄われており、制度の運用に当たっては、国民の信頼と理解が欠かせない。生活保護法では生活保護に関する基本原理が定められているが、改めてその概要を尋ねる。 468 △保健福祉局長 生活保護法第1条から第4条において基本原理が定められており、その内容は、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長する制度であること、全て国民は、生活保護法の要件を満たす限り、無差別平等に保護を受けることができること、保護は、利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、最低生活維持のために活用することが要件であること、扶養義務者の扶養及びその他の法律に定める扶助は、保護に優先して行われること、である。 469 ◯浜崎委員 それらの基本原理が全ての生活保護の現場に行き渡るような運用を心がけていく必要があると考える。生活保護は、血が通った温かい制度とすると同時に、その財源を税に求めていることから、厳格な運用が求められるが、果たして本市では市民の信頼と理解が得られるような運用が図られているか。本日はとりわけ家賃相当を支給している住宅扶助を中心にただしていく。初めに、本市の住宅扶助費の支給総額に関して、リーマンショックにより生活保護世帯が急増する前の20年度と28年度を比較すると、どう変化しているか。また、同じく生活保護費全体ではどう変化しているか尋ねる。 470 △保健福祉局長 住宅扶助費の決算額は、20年度が66億9,661万円余で、28年度は121億1,357万円余である。次に、生活保護費全体では、20年度が533億1,621万円余で、28年度は795億1,518万円余である。 471 ◯浜崎委員 20年度と28年度を比較すると、生活保護費全体の伸びは約5割であるのに対して、住宅扶助費は約8割も伸びている。21年度から急増したホームレス状態からの保護申請や単身者の割合がふえていることが背景にあると考えるが、いずれにしろ、住宅扶助費の急増は生活保護費全体を押し上げる結果となっているようである。急増している住宅扶助の適正化について、本市の現状と取り組みを確認していく。まず、住宅扶助の額はどのように定められているのか尋ねる。 472 △保健福祉局長 保護受給世帯の世帯員の数等に応じて住宅扶助の月額上限額が定められている。この上限額の範囲内かつ実際の家賃の範囲内で住宅扶助を支給している。 473 ◯浜崎委員 具体的な金額を尋ねる。本市の住宅扶助の上限額はどうなっているか。 474 △保健福祉局長 単身世帯が3万6,000円、2人世帯が4万3,000円、3人から5人世帯が4万7,000円、6人世帯が5万円、7人以上の世帯が5万6,000円である。なお、世帯員に車いすを使用する障がい者がいて、通常より広い居室を必要とする場合などには、上限額を超える特別基準の適用が認められている。 475 ◯浜崎委員 最近インターネットなどで賃貸住宅の情報を検索すると、安価な賃貸物件をしばしば目にする。中には博多区のワンルームマンションで家賃月額1万5,000円、敷金や礼金、権利金なしのような格安の物件もある。本市ではこのような賃貸住宅の実態を調査しているか尋ねる。 476 △保健福祉局長 保健福祉局としては実態調査を行っていないが、近年、賃貸住宅の契約のあり方が多様化していることは認識している。 477 ◯浜崎委員 賃貸住宅の実態に合った住宅扶助にすべきと考えるが、住宅扶助の金額の上限額は誰が定めるのか。また、近年、上限の見直しは行われたか。 478 △保健福祉局長 住宅扶助の上限額は、厚生労働大臣により基準が定められている。次に、近年の住宅扶助の上限額の見直しは、27年度に上限額が見直されている。見直しの内容は、まず、単身世帯に関しては3万7,000円から3万6,000円に引き下げられるとともに、住宅の床面積が15平方メートル以下の場合、面積に応じて上限額を減額することとされた。また、2人以上6人までの世帯に関しては一律4万8,000円であったところを4万3,000円から5万円まで、世帯員の数に応じた上限額とされるなどの見直しが行われた。なお、23年度には転居時に支給する敷金等の上限額についても家賃の5カ月分から4カ月分に引き下げられている。 479 ◯浜崎委員 今後も本市の実態に合った住宅扶助の見直しが行われるよう、必要に応じて国に働きかけなどを行うよう要望する。先日、市民から我が会派に電話が入り、偶然電話を受ける機会があった。その電話は、生活保護受給者に対してほかより高い家賃を設定して貸している不動産業者がいるという内容であった。具体的な通報であったので、該当する区役所の保護課に確認したところ、住宅の賃貸借契約に基づき住宅扶助を支給しているとの回答であったが、見解を尋ねる。 480 △保健福祉局長 民間の賃貸住宅の家賃については、借り主と貸し主間の賃貸借契約により決定されるものと認識しており、契約内容を精査した上で住宅扶助を支給している。なお、保護受給世帯の自立助長の観点から、世帯にとって不利な契約とならないよう、必要に応じて助言を行っている。また、保護受給世帯の希望に応じて優良な賃貸物件の情報を提供するとともに、不動産業者への同行などの支援を行う居住の安定確保支援事業に取り組んでいる。 481 ◯浜崎委員 ホームレス保護申請が急増した時期に、本市においては複数の不動産仲介業者が介在する住宅扶助の不正受給事案が発生し、関係者が逮捕されることがあった。貧困ビジネスとしてマスコミに取り上げられていたのを記憶している。そのような教訓を踏まえて、現在、住宅扶助を適正に支給するため、どのような手続がとられているか尋ねる。 482 △保健福祉局長 住宅扶助については、賃貸住宅の家主や管理会社による家賃証明書及び賃貸借契約書の提出を求めるとともに、その内容について、家主や管理会社に電話で確認した上で支給している。また、転居の際には、入居後、現地調査を行い、居住の実態を確認しているところである。 483 ◯浜崎委員 住宅扶助の決定や支給に関して適正に支給するための手続は踏んでいるようだが、果たして確実に家賃として支払われているかどうかはわからない。ギャンブルとか遊興費に使い込んでしまうということもあるのではないか。その結果、家賃の滞納が続き、最悪家主から退去を求められることも考えられる。自立を助けるために住宅扶助を支給してもホームレスになってしまっては元も子もない。受け取った住宅扶助を確実に家賃として支払わせる取り組みは行われているか。 484 △保健福祉局長 住宅扶助の適正使用のための取り組みとしては、住宅扶助を家主や管理会社に直接支払う住宅扶助費の代理納付制度を導入し、その利用を促進している。 485 ◯浜崎委員 家賃とともに共益費なども請求される場合もあるが、住宅扶助費の代理納付の対象となるか。 486 △保健福祉局長 共益費は生活扶助費の中で賄うものであるため、住宅扶助費の代理納付制度の対象外となっている。一方で生活保護法施行規則の改正により、共益費も代理納付の対象とされたことから、生活保護システムを改修するなど、今年度中に共益費の代理納付を導入するための準備を進めているところである。 487 ◯浜崎委員 本日は住宅扶助の現状と適正化の取り組みについて尋ねたが、さまざまな工夫もあった。今後もこのような取り組みを継続して、さらなる適正化を図ってもらいたいと考えるが、所見を尋ねてこの質問を終わる。 488 △保健福祉局長 生活保護は憲法第25条に規定する理念に基づき健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とする制度である。その財源は指摘のとおり税に求めていることから、市民の理解と信頼が得られるよう、不正を排除するなど適正に運用していく必要があると考えている。今後も住宅扶助に限らず創意工夫した取り組みなどを通じて、生活保護の適正化に努めていく。 489 ◯浜崎委員 次に、市立体育館の駐車場料金について尋ねる。平成23年12月と平成24年9月議会で公共施設利用料適正化として、区役所などの駐車場において目的外利用者の排除や駐車場の有効利用の観点から駐車料金を徴収すべきと議会質問をしたが、その後、市民が利用するさまざまな施設において駐車場が有料化されている。そこで、まず多くの市民の利用があり、既に有料化を実施している公園の駐車場にかかる、28年度決算における駐車場料金の徴収額を尋ねる。 490 △住宅都市局長 公園における有料駐車場については、28年度末までに雁の巣レクリエーションセンターや舞鶴公園など9つの公園駐車場を有料化しており、28年度の収入額は合計で1億4,190万円余である。 491 ◯浜崎委員 駐車場料金や割引はどのような設定となっているか尋ねる。 492 △住宅都市局長 公園駐車場の料金については、公園の利用形態や立地に応じて、時間単位で設定しているものと、1回当たりで設定しているものがある。例えば、時間単位で設定している西部運動公園では、普通車1台1時間当たり100円で、1日の上限額を300円としている。また、1回当たりで設定している雁の巣レクリエーションセンターについては、普通車1台1回当たり300円としている。次に、割引などの設定であるが、施設利用者のうち市内在住で療育手帳、身体障害者手帳、または精神障害者保健福祉手帳を持つ方は料金の全額を免除するほか、一部の公園では送迎のための一時駐車などについて、施設の規模に応じ入庫後一定時間を無料としている。また、雁の巣レクリエーションセンターや西部運動公園などでは頻繁な利用などを考慮し、300円券10枚つづりを2,000円で販売する回数券割引を実施している。 493 ◯浜崎委員 割引サービスとして、公園では雁の巣レクリエーションセンターや西部運動公園では回数券がある。次に、区役所の駐車場については、適正な利用による市民サービスの向上及び有効活用を図るため、民間に貸し付け、有料化を図っていると聞くが、28年度決算において区役所駐車場の貸付金額を尋ねる。 494 △市民局長 区役所駐車場については、博多区、南区、城南区、西区の4区役所で駐車場を民間に貸し付けており、区役所駐車場の貸し付けによる収入額については、28年度は合計で967万円余となっている。 495 ◯浜崎委員 駐車料金の割引はどのような設定となっているか尋ねる。 496 △市民局長 区役所を利用した方の駐車料金については、手続にかかった時間として、原則90分までの駐車料金を減免することとしている。また、区役所の開庁日の8時から18時までは来庁者以外の利用者を抑制するため、周辺の駐車場より料金を高く設定するよう民間と貸付契約を締結している。例えば、博多区役所では30分300円で最大料金の設定はない。区役所が閉庁している時間については、周辺駐車場と同程度の料金が設定されている。例えば、博多区役所では60分200円で最大料金は1,000円である。 497 ◯浜崎委員 公園や区役所の駐車場を有料化したことによる効果はどう考えているか尋ねる。 498 △住宅都市局長 公園駐車場を有料化したことによる効果については、有料駐車場のある公園の利用者を対象としたアンケートの中で、公園利用者以外の駐車が減り、駐車場が利用しやすくなった。また、ごみやたばこの吸い殻が減り、駐車場がきれいになったなどの声があり、公園の適正利用につながっていると認識している。 499 △市民局長 区役所の駐車場を有料化したことによる効果については、区役所に用件のない方の利用が抑制され、来庁者が駐車場を利用しやすい状況になったことや、区役所閉庁時の駐車場の有効活用による一定の歳入確保ができたことなどがある。 500 ◯浜崎委員 駐車場を有料化することで、公園や区役所では目的外の駐車が排除され、施設の本来の利用者が安心して使える状況になるなど、効果が上がったと思う。平成29年3月議会で、各区の地区体育館や市民センター、地域交流センターについて新たに駐車場を有料化するという条例改正がなされ、10月から順次有料化されることになっている。各区の地区体育館などで駐車場の有料化を導入する目的を尋ねる。 501 △市民局長 体育館等の駐車場有料化の目的については、まず、施設利用者以外の駐車を抑制し、施設利用者が駐車場を利用しやすい環境を整えることと考えている。また、受益者負担の適正化を図る観点から、駐車場利用者に応分の負担をしてもらうことで負担の公平性を図るとともに、一定の歳入を確保し、施設の管理費や改修費用の一部に充てたいと考えている。 502 ◯浜崎委員 各区の地区体育館などの駐車場料金はどのような設定となっているか尋ねる。
    503 △市民局長 10月2日から駐車場の有料化を開始した東市民センター、西市民センター、博多南地域交流センター、西部地域交流センターの4施設の駐車場料金については、施設利用者は60分当たり100円で上限が300円、施設利用者以外は60分当たり500円で上限はない。地区体育館については、今後規則を改正し、駐車場料金を定めていくこととしており、市民センターと同様の料金を考えている。 504 ◯浜崎委員 各区の地区体育館などで駐車料金の割引や無料サービスなどがあるか尋ねる。 505 △市民局長 10月2日から駐車場の有料化を開始した4施設については、施設利用者は入庫から最初の60分までの駐車場料金を減免することとしている。また、施設利用者のうち市内在住で療育手帳、身体障害者手帳、または精神障害者保健福祉手帳を持つ方は、料金全額を免除することとしている。 506 ◯浜崎委員 割引や無料サービスとして、市民センターや地域交流センターでは施設利用者が入庫から最初の60分の料金が減免されるほか、市内居住の身体障がい者の方や精神障がい者の方などが全額減免される。公園では頻繁な利用を考慮し回数券を販売しているが、各区の地区体育館などをよく利用する方から配慮を求める声はなかったか尋ねる。 507 △市民局長 体育館や地域交流センターを頻繁に利用する方からの意見については、利用した際の駐車場料金については割引制度を設けるなど柔軟に考えてほしいといった意見もあっている。 508 ◯浜崎委員 施設の利用に対し、応分の負担をしてもらうという考え方はとても重要なことだと思う。答弁にあったように、施設をよく利用する方から配慮を求める声もあるようだが、その中には高齢者も多数含まれるのではないかと考える。保健福祉局の取り組みで健康寿命を延伸する取り組みが行われているが、その舞台となるのが体育館である。地元のさざんぴあ博多にあるトレーニング室にたまに行くが、夕方に行くと、若い方もたくさんいるし、高齢の方も多くトレーニングをしている。利用料は、一般の方は2時間260円、65歳以上は無料である。また、県の施設であるアクシオン福岡のトレーニング室にも行くが、ここは器具も多く、また湯船とサウナがあり、多くの利用者でいつもにぎわっている。毎回個人の記録簿に血圧、体重、何を何回行ったか記録するので、自分がここに何回来たのかわかる。多くの方が2,000回や3,000回と、オープン当初から毎日のように利用しているとのことであった。ある方は本当に病院知らずで、医療費と介護費に貢献をしていると胸を張って言われる。利用料は、一般が2時間410円と少し高目、65歳以上は無料であるが、ロッカー代として50円、駐車場は無料である。先日、ある高齢者の方からメールがあった。この方は、8月1日発行の市政だよりの各市民センターなどの駐車料金が有料になるという記事を見て、なぜ有料になったのかをネットで調べた結果、私の議会質問が発端だということで私にメールしたとのことであった。この方いわく、区役所や市民センター、図書館などは表記のとおり、入庫から60分は無料、120分まで200円、120分を超えたら最大300円、施設利用者以外は60分500円、これでいいと思う。しかし、体育館利用は個人利用が2時間単位になっている。その方は団体利用で卓球をしていて、団体利用は4時間となるので、必然的に駐車料金は上限の300円になるとのことである。高齢者がスポーツに励んで健康寿命を延ばしているのにということであった。利用実態に即した料金設定が必要なのではないかということである。この方が言うことも一理あると思う。団塊の世代が75歳になる2025年、75歳以上の国民1人当たりの医療費は2012年の89.2万円から134万円に増加、1人当たりの介護給付費は2012年の46.1万円から83万円に急上昇する推計が出ている。さて、少子高齢化への対策はいろんな角度から見つめていかなければならず、利用しやすい環境づくりが大切になる。最後に、繰り返しになるが、施設利用に対する応分の負担は重要である。まだ始まったばかりの制度ではあるが、区の体育館の駐車場料金の設定について何らかの手だてを検討するよう要望してこの質問を終わる。次に、重度障がい者向けグループホームについて尋ねる。障がい者グループホームは、障がいのある方が地域のアパートや戸建て住宅などで家庭的な環境の中で支援を受けながら共同生活を送る住まいであるが、障がい者や介護者の高齢化や、親亡き後の生活不安に対応するため、地域での居住の場である障がい者グループホームの設置促進は大変重要であると考える。特に重度の障がいを抱えた方の地域生活の場の確保については喫緊の課題であると考える。そこで、本市の障がい者グループホームの設置促進の現状について尋ねるとともに、重度障がい者のグループホームへの入居促進に向けた施策の充実について所見を尋ねる。まず、本市における障がい者グループホームの設置数及び定員は5年前と比べてどうなっているか。 509 △保健福祉局長 本市内に設置されている障がい者グループホームについては、23年度末は71カ所、定員が415人で、28年度末は115カ所、661人となっており、設置数は44カ所、定員は246人増加している。 510 ◯浜崎委員 次に、本市における障がい者グループホーム設置促進事業の28年度の決算額とその主な内訳について尋ねる。 511 △保健福祉局長 28年度の障がい者グループホーム設置促進事業の決算額については、合計で4,728万4,000円余となっており、主な内訳は、グループホームの創設や大規模改修を対象とする国の施設整備補助金として3,733万7,000円、グループホーム開設時の備品購入や消防用設備の整備に対する本市独自の設置費補助金として990万1,000円余となっている。 512 ◯浜崎委員 障がいのある方が地域で安心して生活していくための居住の場であるグループホームについては、障がいの程度が軽度の方から重度の方までさまざまな方が入居しているが、重度障がい者が利用できるグループホームは不足していると聞く。現在自宅で介護を受けながら生活をしている重度の障がい者は、介護者の高齢化や介護者が急病などの場合に地域での生活が継続できなくなる不安を日々抱えている。重度障がい者が入居できるグループホームの設置は待ったなしと考えている。そこで、市内の重度障がい者のグループホームの入居の現状について尋ねる。まず、グループホームに入居している方の人数と、支援の度合いを示す障がい支援区分ごとの内訳はどうなっているか尋ねる。 513 △保健福祉局長 障害支援区分については、障害者総合支援法に基づき、障がいの多様な特性や心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合いを総合的に示すもので、区分1から6まであり、区分6が最も支援を必要とされるものである。利用人数については、28年度末現在、本市市民が市外のグループホームを利用することも含め、1月当たり800人であり、その内訳は、区分1が14人、区分2が153人、区分3が144人、区分4が112人、区分5が70人、区分6が60人、区分なしが247人となっている。 514 ◯浜崎委員 本市市民のグループホームの利用者は市内、市外のグループホームを合わせて800人ということだが、そのうち支援の必要性が高い、いわゆる重度障がい者と思われる障害支援区分5と6の方は合計で130人いるようである。先ほどの答弁では28年度末時点で市内のグループホーム115カ所があり、定員は661人とのことだが、市内のグループホームにおける重度障がい者の受け入れ状況はどうなっているか。本市内のグループホームにおいて重度障がい者と思われる障害支援区分5と6の方の受け入れを行っているグループホームの数と受け入れ人数について尋ねる。 515 △保健福祉局長 本市が支給決定した障害支援区分5と6の障がい者を受け入れているグループホームは、28年度末現在で市内に28カ所あり、受け入れ人数は50人となっている。 516 ◯浜崎委員 市内のグループホームの数115カ所に対して重度障がい者を受け入れているグループホームは28カ所、定員661人に対して受け入れは50人とのことである。重度障がい者が入居するグループホームは大変少ないという印象を受ける。なぜ重度障がい者のグループホームの入居が進んでいないのか。グループホームを運営している事業者になぜ重度障がい者の入居が進まないのか聞くと、現行の報酬体系では人員の確保が難しい、業務内容に見合った報酬制度になっていないとの声を多く聞く。重度障がい者のグループホームへの入居が進まない理由は、人材確保の問題や報酬の問題に加え、入居する重度障がい者の夜間の支援体制の問題もあるように思う。障がい者グループホームの現行の人員配置基準では、特に夜間における重度障がい者への十分な支援は困難と思われる。職員を加配し、世話人や生活支援員、夜勤職員を正規職員として雇用できる水準にまで報酬を引き上げる必要があると思う。横浜市のある障がい者グループホームでは、精神科病院を退院した高齢の障がい者が手厚い看護、介護を受けて地域生活を送っている。それが可能なのは、横浜市が独自に年間1,500万円の補助金を上乗せ支給しているからである。本市では重度障がい者向けグループホームは少なく、設置を求める声は大きいと考えられる。そこで、本市でも独自の助成制度を創設することなどにより、重度障がい者向けグループホームの設置促進に努めるべきではないかと考えるが、所見を尋ねる。 517 △保健福祉局長 障がい者やその家族の切なる願いである親亡き後の支援を一層進めるためには、障がい者が地域で安心して生活できるよう、グループホームの設置促進は重要であると認識している。設置促進に当たっては、障がいに応じた支援を行うことができる人員配置とそれに見合う報酬体系の整備が重要であり、来年度、国により障がい福祉サービスの制度見直しと報酬改定が予定されていることから、その状況を踏まえ、引き続き重度障がい者の受け入れも含めたグループホームの設置促進に取り組んでいく。 518 ◯浜崎委員 現在、障害者総合支援法の制度見直しに向け、国においてさまざまな検討が行われているが、来年度には障がい福祉サービスの報酬改定も予定されている。また、障がい者の地域移行の受け皿となるグループホームについて、重度障がい者の入居に対応することが可能なように、世話人の配置が手厚い重度対応型グループホーム制度を新設するとの話もある。本市においても、国の制度改正を待つだけでなく、障がい者の高齢化、重度化に対応するため、また重度の障がいを持った方が親亡き後も地域で安心して生活できるよう、本市独自の補助制度を新設するなど、重度障がい者向けのグループホームの設置促進に積極的に取り組むよう強く要望して、この質問を終わる。次に、待機児童問題について尋ねる。本市の未来を担う子どもたちの成長を支える環境を我々はしっかりと整えていく必要がある。その一つとして保育所の待機児童問題は早急に解消しなければならない問題だというのは今さら言うに及ばずである。そこで、保育所整備にかかる過去3年間の整備数と決算額を尋ねる。 519 △こども未来局長 26年度は1,962人分の保育所等の定員増で、決算額は48億9,300万円余、27年度は1,561人分の定員増で、決算額は32億3,500万円余、28年度は1,838人分の定員増で、決算額は30億2,000万円余となっている。 520 ◯浜崎委員 ことし4月と今現在の待機児童数を尋ねる。 521 △こども未来局長 ことし4月1日現在で89人、直近7月1日現在で274人となっている。 522 ◯浜崎委員 本市の資料で最も保育所が必要で優先順位が高い地域は博多駅周辺、天神、舞鶴、大濠、唐人町、六本松、平尾など中央区がA地域、それからB、C、Dと続くが、結局は地価の高いAやB地域に待機児童が多いわけで、このA地域、ここで土地を買って建てるのはもう不可能に近いのではないか。ずしっと土地代が運営にのしかかってくるはずである。代替策として借地も認め、地上権や賃借権を設定し登記すればいいとあるが、本市の公募要項を見ると、土地賃借料がその周辺地域の適正額以下で契約することと、足を引っ張るような文面もある。この項目は本当に必要なのか、尋ねる。 523 △こども未来局長 従来の国の基準では、社会福祉法人が保育所を設置する場合には、原則として物件の所有権を有している必要があったが、平成12年の国通知により、既設法人の場合には民間から不動産の貸与を受けて保育所を運営することができるようになっている。その際の要件として、賃借料が地域の水準に照らして適正な額以下であることなどが必要とされていることから、本市の公募要項においても同様の要件として定めているものである。 524 ◯浜崎委員 既存建物、いわゆる空きオフィスを賃貸しての活用も認められている。原則は賃借権を設定、登記することとなっているが、10年以上の契約か、住宅公社か、基幹的交通事業者等の信用の高い会社との契約なら登記しなくてもよいとある。内装代など総額の4分の3が補助されるので当然だが、今からは、賃貸物件を駆使しないと待機児童問題は解消されないと感じている。その要件の施設最低基準の中に、屋外遊技場が2歳以上の児童数1人当たり3.3平方メートル以上とあるが、どれほどの屋外遊技場を求めているのか、その要件を尋ねる。また、この条件が開設の妨げになっていないか尋ねる。 525 △こども未来局長 保育所の屋外遊技場、いわゆる園庭については、厚生労働省令で2歳以上の児童1人につき3.3平方メートル以上が必要とされており、例えば2歳児以上の児童を80人受け入れる場合には264平方メートルの園庭が必要となる。国の基準においては、敷地面積に余裕がない場合などは、付近の公園などを利用することも可能となっている。本市では園庭が子どもの心身の健康の基礎を培う上で重要であることに配慮し、必要面積の8割以上は保育所内の敷地内に確保するよう保育所園庭に関するガイドラインで定めているが、土地の確保が難しい中央区においてはその要件を緩和している。 526 ◯浜崎委員 申し込みから開園までの流れを見てみたいと思う。まず、前の年の10月から次の4月下旬まで、数回に分けて募集があり、開設予定地の立地や平面図、資金計画や運営計画、施設長予定者などについて事前協議することとなっている。ことしでいえば、4月下旬に募集した分については6月9日までに応募書類を提出、6月、7月の専門部会で審査、ヒアリング、7月に決定、厚労省と補助金の協議の上、8月上旬に内示を通知、土地ならここから建築に入り、賃貸物件なら内装工事に入り、4月に開園する。A地域の賃貸物件でこんなに待ってくれる家主はいないのではないか。 527 △こども未来局長 A地域に位置づけた博多駅周辺及び中央区内においては、ことし4月に8園が開所できたところであるが、このうち7園については土地を賃借した上で開所に至ったものである。 528 ◯浜崎委員 土地の賃借で7園とのことだが、どの園も大変苦労して開園までこぎつけたというのが実態だと思う。保育の質を確保するために慎重な認可はとても大切だが、一般企業は賃貸借契約を締結するスピードなど、世の中の状況とずれが生じていたらうまくいかないのではないか。不動産は手付が命ともいわれている。このタイムスケジュールでは進みにくいと感じるが、所見を尋ねる。 529 △こども未来局長 保育所の公募においては、福岡市こども・子育て審議会の教育・保育施設等認可・確認専門部会における審査や、交付金に関する国との協議のために一定の期間は必要となる。一方で、指摘のとおり、事業者が物件を確保するための便宜も考慮して、公募期間の短縮や公募の回数をふやすなどの見直しを逐次行ってきている。今後とも保育所等の円滑な整備が進むよう、手続の見直しに努めていく。 530 ◯浜崎委員 待機児童解消に向け、違う角度から尋ねる。認定こども園の制度があるが、子ども・子育て支援制度の施行にあわせ全国でも多くの幼稚園や保育園が移行している。認定こども園とはどのような施設か尋ねる。また、認定こども園が多くできたら、待機児童問題は解消されるか尋ねる。 531 △こども未来局長 認定こども園は就学前の子どもに教育と保育を一体的に提供する施設で、地域における子育て支援を行う機能をあわせ備えたものとされている。また、幼稚園が保育機能を備えて認定こども園に移行する場合には、一部保育需要の受け皿となることから、待機児童の解消に一定程度寄与するものと考えている。 532 ◯浜崎委員 ことし5月に県が出した資料では、県内に94施設が認定こども園として認可を受けている。しかしながら、本市はまだ5件である。場所は、西区大字飯氏、同じく西区今宿、西区橋本、南区老司、そして中央区の荒戸。待機児童解消という観点から見ると、残念ながら先ほど言ったA地域では荒戸の1件だけである。なぜ移行が進まないのか尋ねる。 533 △こども未来局長 本市においても幼稚園から認定こども園への移行を促進するために説明会を毎年行っているが、移行に際しては保育機能を備える必要があるため、調理室を新たに整備したり、施設の開園時間を大幅に延長する必要があり、また、それに伴いこれまで以上に職員を採用することなどが必要となっている。さらに現状で定員を充足している場合には、新たに保育が必要な園児を受け入れる余裕がないこと、教育を旨とする建学の精神を持つ法人の場合にはそれとの整合を図る必要があることなど、各園において検討が必要な各種の課題があるためと考えている。 534 ◯浜崎委員 例えば事務作業など、今までの2倍の作業が起こり得るものなのか尋ねる。 535 △こども未来局長 幼稚園を経営する学校法人が幼稚園型認定こども園に移行し、学校法人会計基準により計算書類を作成する場合については、幼稚園型認定こども園を一つの部門として取り扱うこととされていることから、事務作業において2倍の負担がかかることはないと考えている。 536 ◯浜崎委員 なぜ幼稚園型が進まないのか。都心にも幼稚園がある。そこが保育機能を持てば一定数の待機児童解消になると思うが、それだけ費用面や人的な部分がクリアにならないのではないか。場合によっては、本市は少しの加担で待機児童問題を軽減できることもあり得るのではないか。今後に期待したいと思う。次に、全国の大都市ではバス送迎を使ったサービスが増加していると聞く。これは駅のそばに行政が送迎保育拠点という、例えば駅前のマンションの1室や空き店舗に拠点をつくり、そこで子どもを預かり、20分、30分離れた各保育園へバスで向かうというものである。駅から離れている整備しやすい場所に、新たな保育園をつくり、預ける親は行きやすい最寄りの駅近くの拠点に行けばよく、これなら本市の場合の地価の高い地域の希望者のニーズに応えることができるのではないかと感じる。また、東京都江東区では、交通のよい場所にある既存の保育園が郊外に分園をつくり、定員をふやして、そこにバスで送迎することも認めている。このような取り組みでもしない限り、永遠に待機児童解消には至らないと思うが、今後の取り組みについて尋ね質問を終わる。 537 △こども未来局長 待機児童の解消については、用地の確保が困難な都心部における事業者の応募を誘引するため、27年度から地域を限定した保育所等の公募や、28年度から中央区における園庭要件の緩和、また国家戦略特区制度による都市公園の活用など、工夫を凝らして保育所等の整備を進めてきた。さらに、28年度からは国の施策とも連動し、企業主導型保育事業のPRや事業化の支援にも取り組んできた。今後とも増加し続ける保育ニーズに的確に対応するため、多様な手法により保育所等の整備を推進していく。 Copyright (c) FUKUOKA CITY, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...