10 ◯20番(
阿部真之助) ただいま議題となっております議案中、第5委員会に付託を受けました議案7件につきましては、審査の結果、いずれも
原案どおり可決すべきものと決しました。
以上で、報告を終わります。
11 ◯議長(森 英鷹) 本案に対し、討論の通告があります。順次これを許します。
星野美恵子議員。
12 ◯49番(
星野美恵子)登壇 私は、
日本共産党市議団を代表して、本議会に提案されている諸議案のうち、議案第188号ないし198号、200号ないし202号、228号、229号、231号、232号、235号ないし239号、241号、242号、244号、246号、251号ないし255号、264号、265号に反対し、討論を行います。
まず、議案第264号、福岡市
基本構想について及び議案第265号、第9次福岡市
基本計画についてです。
我が党が反対する理由の1つ目は、今回、
基本構想及び
基本計画が反省も総括もなく、
歴代市長のアジアの
拠点都市づくりを継承していることです。アジアの
拠点都市は、25年前、
桑原市長によって
基本構想に盛り込まれ、その後、人工島
建設事業や
九大学研都市構想に具体化され、新
福岡空港構想まで打ち上げるなど、
大型開発プロジェクトが次々と推進される出発点となったものです。
大型開発の財源として大量の市債を発行してきた結果、市民1
人当たり借金が一時200万円近くに達するなど、政令市2番目の
借金財政となりました。
大型開発の推進によって、大企業、
大手ゼネコン、大銀行が大もうけした一方で、国の
経済失政と相まって失業者はふえ、
中小企業の倒産、廃業が相次いで、市民所得は落ち込み、家計消費も冷え込んだというのが実態です。25年間の市政を総括するなら、この路線の破綻を認め、きっぱり手を切ることが一番肝心です。ところが、
高島市長が出してきた
基本構想及び
基本計画は、何の総括も反省もなく、無批判にアジアの
拠点都市をそっくりそのまま盛り込んだばかりか、一層推進する方向を打ち出したのであります。
2つ目に、
開発優先、財界奉仕の都市の成長路線が柱になっていることです。
基本計画の3、
都市経営の
基本戦略には、都市の成長として都心部の機能や
ゲートウェイ機能など、
都市基盤を充実することが打ち出されています。本市最大の開発である人工島事業については、
未来フォーラムの提言を受けて、
拠点体育館や新たな公共交通と称した鉄軌道の導入、核となる
公共施設の整備などが打ち出されています。また、須崎ふ頭を
人が集まる
都市的エリアにするなど、湾岸部を大規模につくりかえる
博多港長期構想も既に具体化されています。さらに、天神と博多駅、
ウォーターフロント地区の新・
福岡都心構想についても、税金も使って再開発を促進する
特定都市再生緊急整備地域の指定を国から受けるなど、高島市政のもとで財界の意に沿った
大型開発プロジェクトが次々推進されています。最近も、新たな天神通線の整備や、
天神明治通り沿いのビルの再開発が報道されています。市長は、開発によって都市が成長すれば、観光集客や
企業誘致が進み、生活の質の向上につながるなどと言われますが、その根拠は何一つ示されていません。外需頼み、呼び込み型の
経済対策では
地域経済の真の活性化につながらないことは、はっきりしています。
経済成長というなら、この従来路線を転換し、
内需拡大策こそ不可欠です。
3つ目に、市民犠牲の行革を推進することです。
基本計画の5、基本的な考え方には、このままでは重要施策の推進や新たな課題への対応のために使える財源が大幅に減少していく見込みだとして、これまでの
行政運営の仕組みや発想、手法を抜本的に見直すと述べています。この10月には
行財政改革プラン素案が公表され、12月議会には101項目から成る
財政健全化に向けた
改革実行検討項目が報告されました。すなわち、先に述べたような
大型開発プロジェクトを推進するための財源を確保するために、教育、福祉、医療、文化など、ありとあらゆる
市民サービスを
スリム化、効率化の名で切り捨てるものです。具体的には、私学助成の廃止、
九州交響楽団補助金のカット、
市立幼稚園の廃園、がん検診の
自己負担増、高齢者、障がい者への個人給付の見直し、
公共施設の
高齢者利用料減免の見直しや
駐車場有料化、
子育て支援制度の再構築、
スポーツ大会開催、
出場補助金のカット、市営渡船の減便、
歯科急患診療所の見直し、
PTA協議会補助金のカットなどが挙げられています。
コンパクト化を口実に、六本松に移転する
少年科学文化会館から
文化ホールをなくそうとしています。切り捨てに対する怒りと不安の声が各方面から上がっており、市長のもとにも届いているはずです。何の責任もない市民に犠牲を押しつける行革路線は許されません。
4つ目に、暮らし、福祉の充実を願う市民に背を向けるものだということです。
基本計画には望ましい姿として
分野別目標が掲げられていますが、抽象的で暮らしの実感に乏しい一方で、真に市民が求める施策がほとんど盛り込まれていません。例えば、高過ぎて払えない
国民健康保険料の
抜本的引き下げや、全く足りずに入所待ちがふえている
特別養護老人ホームや保育所の整備、わずか1つしかない児童館の増設、教育では、少人数学級の全学年実施や
教室エアコン設置などは市民の切実な願いであり、他の政令市と比較しても本市のおくれは重大であります。ところが、
基本構想及び
基本計画は自己責任と言わんばかりに自律、自助が強調され、健康で文化的な生活、豊かで安心できる暮らしを保障する行政の責任を大幅に後退させるものとなっています。住民の福祉の増進を図るという
地方自治体の本旨に沿った目標に改めるべきです。
5つ目に、今回、
基本構想及び
基本計画に市民の意見が十分反映されていないことです。審議会が行った
市民意見募集には
批判的意見もかつてなく多数寄せられましたが、市長の意向に反する意見については、市当局が
原案どおりなどと却下して無視したのであります。これで果たして市民の意見を反映したものと言えるのか、甚だ疑問であります。市民の意見を聞かない姿勢は住民自治の精神に反するものと言わなければなりません。
以上のとおり、
市長提案の
基本構想及び
基本計画は土台から間違っており、我が党は賛成できません。
次に、議案第251号、
地方独法福岡市立病院機構第2期
中期目標案についてです。
本議案は、来年度からの5年間の
医療等サービス内容、効率化、財務改善などの目標を定めるとともに、人工島に移転される
こども病院の早期開業を求め、
医療水準の向上や経営の効率化、
小児医療及び周産期医療のさらなる充実を図ることなどを求める内容となっています。しかしながら、
西部地域からの2次
医療患者数が現在の4,984
人から移転後には1,195
人へと4分の1に激減する見込みであることが2次
医療連絡協議会に提出された資料によって明らかになりました。ベッド数も260床の認可がおりず233床にとどまっており、毎年の赤字が想定外に膨れ上がるのは必至であります。また、人工島の新病院に行けない多くの患者の受け皿は何も見通しが立っておらず、市長が市民に約束した現地周辺の新小児科も何も具体化されず、市民からは、
うそつき市長とまで言われています。市長がこれらの患者を切り捨てて新病院の着工を強行したことに我が党は強く抗議するものであります。さらに、
中期目標案には災害時の対応についても極めて不十分な内容しか記載していません。このように、新
病院基本構想で定めた前提が崩れているにもかかわらず、
こども病院の人工島移転を計画どおり推進することを
病院機構に求める無責任な
中期目標案は撤回すべきであります。
次に、議案第231号、福岡市
グリーンアジア国際戦略総合特区推進条例案及び議案第229号、
市税条例改正案についてです。
今回、市長は、アジアの活力を取り込むなどと言って、国から認定された
グリーンアジア国際戦略総合特区について、特定の法人に対して3年度分の
固定資産税及び
都市計画税を免除する制度を創設することを提案しております。物流や観光など、
高島市長が力を入れる業界の
もうけづくりのために、既に
港湾施設や道路など、さまざまな
インフラ整備が進められており、これに加えて企業の設備投資に係る税金までまけてやるというものです。市長は、福岡市に企業を呼び込んで税源の涵養をしていくなどと言ってきましたが、税収はふえるどころか、市の支援を受けてもうけた企業から税金を取らない、逆に市税から
立地交付金を差し出すというのですから、でたらめです。明らかな特定業界への優遇税制は認められません。したがって、我が党は
グリーンアジア特区関連議案に反対いたします。
次に、議案第254号及び255号、
埋立造成地の
処分議案についてです。
今回、議案は、人工島の
みなとづくりエリアの港湾用地1.9ヘクタールを
株式会社上組に、2.3ヘクタールを
山九株式会社にそれぞれ分譲するものです。この土地はこの数年、分譲先を公募してきたものの売れ残っていたため、
処分単価を今回、
平米当たり9万5,900円あるいは9万6,900円へと大幅に
引き下げたのであります。もともと人工島は独立採算として、当初計画された単価は13万円でしたが、5度目の人工島
事業見直しによって
処分単価の
引き下げを公表し、今回さらにそれを下回る価格まで値切られたということにほかなりません。一方、建設単価は11万7,252円ですので、2件合わせて何と8億9,000万円の赤字であります。これに加えて
立地交付金が
土地取得費の30%ですから、10億円以上が市の持ち出しになります。採算を維持しようと思えば土地は売れず、単価をどんどん
引き下げていけば、売れば売るだけ赤字が出る。当局の試算でも410億円の赤字という負の財産を抱えることになるのであります。我が党は人工島の埋立地に需要がないことを再三指摘してきましたが、市長、当局、議会の
推進勢力は福岡市の財産にするなどと言って強行し、既に膨大な負債を抱えているにもかかわらず、今後も売れない土地をつくり続け、その巨大な赤字の穴埋めに貴重な税金をさらにつぎ込もうとしています。まさに無責任きわまりないと言わなければなりません。したがって、大幅な採算割れの価格で土地を処分する今回議案に我が党は反対いたします。
次に、議案第253号、第1
給食センター整備運営事業契約議案についてです。
本議案は、博多区東平尾に建設予定の第1
給食センターの設計と建設、開業後15年間の
維持管理と運営などの業務を一括委託する
PFI契約を、
株式会社東洋食品を
代表企業とする
特定目的会社と99億円余で締結するものです。我が党は
PFI手法の破綻事例も示し、
給食センターの建設と
管理運営に対する
行政責任を放棄して
民間営利企業に丸投げする問題点を指摘しましたが、
教育委員会はまともに答えないばかりか、新施設の
レイアウト図さえ示さず、ずさんな計画であることが浮き彫りになりました。
食育研修室なる600席のホールを整備するとのことですが、目的も利用頻度も全く曖昧であり、必要性のない過大な施設だと言わなければなりません。現在、
センターで調理業務に従事する全ての
給食公社職員の再雇用の保障はありません。そもそも
給食センターの再
整備計画は現在の4カ所を3カ所に集約し、1カ所最大1万3,000食を賄うという異常な大規模化を進めるものですが、給食の安心、安全にも食育の観点からも逆行する大問題であります。
教育委員会は
PFI業者をモニタリングするから問題ないかのように言いますが、大規模な
食中毒事件が起きてからでは遅いのであります。契約は撤回し、直
営自校方式に転換すべきです。したがって、我が党は第1
給食センターPFI契約議案に反対します。
次に、議案第237号、
西部地域交流センターに係る
指定管理者の指定についてなど、公の施設の
指定管理者の
指定議案8件についてです。
我が党は、公の施設の
指定管理者制度について、
営利目的の
民間企業に委ねれば行政の責任が曖昧になり、住民と議会によるチェックができにくくなるとともに、
サービスの低下や
住民負担の増加、個人情報の漏えいの危険、
コスト削減を名目にした従業員の低賃金、非正規化などを伴うものだと繰り返し指摘してきました。この間、
市民プール及び
体育館管理における協定違反問題や
駐車場管理者による不適切な会計処理が発覚し、我が党の指摘が現実となりました。ところが、今回、市長は
西部地域交流センター、
男女共同参画推進センター、
健康づくりサポートセンター、ロボスクエア、祇園駅及び呉服町駅路上
自転車駐車場、きらめき
通り自転車駐車場、九
電記念体育館の
指定管理者に
民間企業を指定することを提案したのであります。直営をやめて
指定管理者制度を初めて導入する
健康づくりサポートセンターについては、
大手ゼネコン、鹿島建設の
グループ企業と福岡市医師会との
共同事業体が競争なしの1者応募で選定されています。九
電記念体育館の
指定管理者は非公募で九
電関連会社が選定されています。当局が説明してきた公平、公正な選定に反すると言わなければなりません。また、駐輪場の管理は
JRグループ企業や福岡地所や七社会が出資する
福岡新都心開発株式会社が選定されていますが、
シルバー人材センターから仕事を奪うことは認められません。もともと
指定管理者制度は、財界の要求を受けて、官から民へのかけ声のもと、国、
地方自治体の業務、施設を民間に開放してビジネスチャンスをふやすという戦略に基づいて導入されたものです。
行政責任の放棄と
営利優先によって、さまざまな問題を引き起こしている
指定管理者制度は抜本的に見直し、
市民生活にかかわる
公共施設の
管理運営を原則直営に戻すべきであります。したがって、我が党は
指定管理者に
民間企業を指定する議案8件に反対いたします。
次に、議案第228号、
給与条例改正案等並びに
給与関連の各
補正予算案についてです。
今回、福岡市
人事委員会は、民間準拠を理由に4年連続となる
給与引き下げを勧告しました。そもそも
人事委員会は公務員が
労働基本権を剥奪された代償措置の役割を担っているのであって、
マイナス勧告などあり得ません。しかしながら、市長はこれを受けて、
平均年間給与で3万8,000円の
引き下げと住居手当の月額500円の
引き下げの提案をしたのであります。これによって、この10年間で年収が平均54万円、
高校教員等で73万円、
幼稚園教員で60万円も減少し、職員の生活設計は大きく狂わされています。さらに、
国家公務員の退職金を400万円
引き下げる法が可決されたことを受け、本市においても
退職金カットが検討されています。市長はみずからの給与を大幅に引き上げながら職員には給与を
引き下げ、モチベーションは高めよと言っても無理があります。賃下げではなく、
住民奉仕の行政を充実させることこそ市民が市役所に求めていることであります。また、本市職員の
給与引き下げは非正規職員や
委託労働者、
関連労働者の賃金に連動するのはもちろん、広く民間に深刻な影響を及ぼすものであり、
デフレ不況のさなかに許されないことです。
住民奉仕の
公務労働を破壊し、
地域経済を冷え込ませる
給与引き下げは撤回すべきであり、我が党は反対いたします。
次に、今議会に提案されている
地域主権改革関連法の施行に伴って、
各種施設等の設備や
運営基準等を定める新たな条例案28件のうち、議案第202号、
児童福祉施設の設備及び運営の基準を定める条例案についてです。今回、定める保育所の設備や運営の
最低基準について、当局は従来の基準と同じだと説明しております。
福祉施設等の
最低基準については、国が全国どこでもひとしく一定水準以上であることを保障してきたのは当然であり、このいわゆる
ナショナルミニマムを放棄し、
最低基準を撤廃した
地域主権改革一括法に対して、我が党は強く反対しました。現にこの法に基づいて保育所の
面積基準を
引き下げる自治体もあらわれる中、本市は
保育所基準を現状維持としました。しかしながら、これまでの
最低基準は戦後すぐ制定されたもので、諸外国と比較しても異常に低い水準にとどまっており、現場からは抜本的な改善を求める声が上がっています。今回、基準案はこうした願いに応える改善にはほど遠いものと言わなければなりません。保育室の面積が乳児1
人当たり1.65平米などという
最低基準ぎりぎりの現場では、狭い保育室に詰め込まれた
子どもたちが精神的に不安定になりがちで、かみつきなどトラブルが多く、安全に保育できる条件とはほど遠いのが現状です。また、保育士1
人にゼロ歳児3
人などという
基準どおりの
保育士配置では、一
人一
人の子どもと向き合うことが困難です。当局はこうした実情を把握しながら何の対策も講じないばかりか、
待機児解消を口実に、一層の詰め込みを保育所に押しつけているのであります。我が党は、
児童福祉審議会の附帯意見の趣旨を踏まえて
保育所基準を引き上げ、財政措置も拡充して豊かな保育を保障する取り組みを強化するよう要求しましたが、市長は国に要望すると言うばかりで答えようとしませんでした。したがって、我が党は保育所の基準を定める本条例案に賛成しがたいのであります。あわせて、障がい
児通所支援事業及び
入所施設等の
基準条例案についても、同様の理由から反対いたします。
以上で、我が党の反対討論を終わります。
13 ◯議長(森 英鷹)
荒木龍昇議員。
14 ◯45番(
荒木龍昇)登壇 私は、今議会に上程されている諸議案のうち、議案第188号、229号、231号、239号、241号、242号、244号、251号ないし256号、264号、265号に反対して討論します。
今議会で上程されている議案第264
号基本構想、265
号基本計画に基づく諸計画やビジョンが現在検討されております。
基本構想、
基本計画は、環境問題が
世界的課題となっている状況を反映しているとはいえ、これまでの
基本構想及び
基本計画の検証がなされないもので、従来の
都市膨張政策の焼き直しと言えます。
この
基本計画、
基本構想の裏づけとなる
行財政改革が検討されていますが、
行政目的である市民のためにという視点から見ると、多くの問題を抱えています。これまでの事業について検証がない、市民が参画する仕組みがない、
都市間競争という視点でしか都市の成長が発想されていないことにあります。このような状況で、福岡市が市民のために発展できるのか疑問を持つものです。
投機の資金がつくるバーチャルな
金融資本主義の世界は、
実体経済と大きく乖離し、2008年の
リーマンショックは
世界経済崩壊の危機をつくりました。その後も
金融資本主義がはらむ不安定さは
世界経済の先行きを不透明にしています。
日本経済はグローバリゼーションが進む中で、かつてのように金融緩和や大
企業優遇税制を行っても円高により輸出が抑制される構造ができており、従来のような景気対策はもはや通用しない状況になっています。お金が偏在する状況を変え、国民の所得を上げ、購買力を上げなければ経済は回復しません。GDPで見られる
経済成長と雇用の関係は崩れて、大
企業優先の政策は必ずしも雇用を生まず、国民生活が豊かにならないことは
バブル崩壊後の
日本経済を見れば明らかです。
桑原市長時代、元気な福岡市と言われてきましたが、借金は2兆7,000億円までふえ、今日その負担にあえいでいる現状です。この時期に多くの社会資本が整備できたという評価がありますが、一方で、人工島事業や五ヶ山ダム建設など必要性、緊急性に乏しい事業や、七隈線延伸計画や焼却場整備など問題がある事業が進められてきました。これらの事業の検証がないまま、
行財政改革において不足する財源を確保するために市民負担を求めていることに反対します。破綻が明らかとなっている人工島事業において、売れない土地を売るために
立地交付金を上限30億円に引き上げ、4年間で260億円も投入する政策に反対します。このような経費は地域地場産業や福祉や教育現場での雇用を生み出す投資に使うべきです。議案第245号ないし256号の土地処分については、
立地交付金を伴う土地処分のあり方に反対するものです。
次に、議案第229号、福岡市市税条例の一部を改正する条例案及び議案第231号、福岡市
グリーンアジア国際戦略総合特区の推進に関する条例案は一体のものです。
企業誘致やグリーンイノベーションを推進する起業支援に助成する政策を否定するものではありません。しかし、今回の政策を見たとき、人工島土地処分のための特区指定が大きく目につき、グリーンイノベーションにつながるのか極めて疑問です。このような支援措置は大企業ではなく、市内中小零細企業にこそ必要であり、イノベーションの芽を育てるために重要施策をシフトすべきです。
また、議案第253号、第1
給食センター整備事業に係る契約の締結については、
給食センター事業の見直しが、経済性のみが優先され、食育や働く職員の身分などを考慮せず行う事業の進め方そのものに問題があります。
給食センターは単なる食べ物製造所ではなく、つくる
人が見える、食事を通じた命のかかわりを実感できることが大切であり、そのためにも働く
人たちの身分も保障されなければなりません。また、雇用条件を悪化させることは福岡市経済の視点からも問題です。加えて、先般、議案質疑したように、子どものためではなく、身内の都合で破綻した土地開発公社の救済をし、地理的にも環境的にも問題がある土地を多額な費用で購入する事業は認められません。
議案第241号、242号、
自転車駐車場の
指定管理者の指定についてです。
自転車駐車場の管理は、
指定管理者制度が導入されるまでは
シルバー人材センターが受託していました。
シルバー人材センターはそもそも高齢者の生きがいづくりを目的としてつくられた制度です。経済性だけで
指定管理者として競争入札させることは問題です。実態的にも企業が落札しても
シルバー人材センターの方が再雇用されるケースが多くあります。しかも、賃金が切り下げられているという話を聞いております。今、福岡市が求められていることは政策の選択と集中であり、市民のためにという政策目的を実現するためには、
自転車駐車場の管理は従前の
シルバー人材センターに委託すべきと考えます。
議案第244号、きらめき通りの
自転車駐車場に係る
指定管理者の指定問題は、そもそも付置義務による駐車場管理と公設の駐車場管理を同一の事業者に委託することに問題があります。接合する施設での管理において、単一の管理者で管理したほうが効率的であると一般的に考えられますが、きらめき
通り自転車駐車場は他の施設における管理費に比べ異様に高いという事実は必ずしも効率的、公正な契約になっていないと思われます。契約のあり方を再検討すべきです。
最後に、今回、議案で職員給与の削減が上がっています。今般の財政状況ではやむを得ないと考えますが、私は、職員数の削減には反対です。教員や司書、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーなど、
市民生活を支える現場の専門職が圧倒的に足りない状況です。人工島事業や五ヶ山ダム建設、七隈線延伸事業や南部清掃工場などの事業見を直し、
市民生活向上に必要な職員雇用に使うべきです。安心して暮せる
市民生活を支えるために職員をふやし、
市民サービスを向上すべきです。そのためにもワークシェアリングを検討すべきだと考えます。
以上で、反対討論を終わります。
15 ◯議長(森 英鷹) 以上で、討論を終結いたします。
これより採決に入ります。
まず、議案第199号、議案第203号ないし議案第227号、議案第230号、議案第233号、議案第234号、議案第240号、議案第243号、議案第245号、議案第247号ないし議案第250号、議案第257号ないし議案第259号、議案第261号、以上40件を一括して採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
16 ◯議長(森 英鷹) 全員賛成であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
次に、議案第256号を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
17 ◯議長(森 英鷹) 賛成多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
次に、議案第189号ないし議案第198号、議案第200号ないし議案第202号、議案第232号、議案第236号ないし議案第238号、議案第246号、以上18件を一括して採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
18 ◯議長(森 英鷹) 賛成多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
次に、議案第229号、議案第231号、議案第239号、議案第241号、議案第242号、議案第244号、議案第251号、議案第252号、議案第254号、議案第255号、議案第264号及び議案第265号、以上12件を一括して採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
19 ◯議長(森 英鷹) 賛成多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
次に、議案第188号を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
20 ◯議長(森 英鷹) 賛成多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
次に、議案第228号及び議案第235号、以上2件を一括して採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
21 ◯議長(森 英鷹) 賛成多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
次に、議案第253号を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
22 ◯議長(森 英鷹) 賛成多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
次に、議案第262号及び議案第263号、以上2件を一括して採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、いずれも原案承認であります。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
23 ◯議長(森 英鷹) 全員賛成であります。よって、本案はいずれも原案のとおり承認されました。
次に、日程第2、請願3件を一括して議題といたします。
常任委員会における審査の結果は、お手元に配付いたしております請願審査報告書のとおりであります。
本請願に対し、討論の通告がありますので、これを許します。
荒木龍昇議員。
24 ◯45番(
荒木龍昇)登壇 私は、平成23年請願第19号、第30号、平成24年請願第7号に賛成して討論を行います。
この3件の請願は、いずれも
こども病院本来の目的である子どもの命を守るという視点から、
こども病院人工島移転に反対し、現地建てかえないし他の適地に建設を求めるものです。
こども病院人工島移転の本質的問題は、誰のための
こども病院なのかということです。それは子どもの命を守るためであり、福岡市の都合である人工島事業破綻の穴埋めのためではありません。これまで患者及び家族の方、多くの市民、多くの市内の小児科医、多くの産科医、多くの関係者や市民が子どもの命を守るために人工島移転に反対してきました。
こども病院は福岡市を中心に地域の2次医療を担い、3次医療を担っています。特に2次医療は、一旦救急医療
センターに運ばれた子どものうち、救急医療
センターで措置できない重症な子どもが運ばれてきます。そのため、救急医療
センターからの距離が大きな問題となります。また、産科での緊急措置が必要な場合は30分以内に措置しなければ生命に危険が生じるおそれがあり、後遺症が残る可能性が高いと指摘されています。
こども病院には重症な病気を持つ子どもが通院ないし入院しています。人工島に移転すれば、このような子どもが緊急時に間に合うのか、交通の利便性が悪い人工島は通院や付き添いの家族の負担にもなります。また、開設計画では個室になり入院時の部屋代負担は1日8,000円、駐車場料金の有料化も計画され、患者、家族の負担増も問題となっています。広過ぎる駐車場は本当に必要なのか、利用する患者の状況を考えれば駐車場の問題も見逃せません。
病院の立地環境も最悪な場所です。
こども病院の道路を挟んだ向かいには
港湾施設があります。その隣には青果市場が予定されています。
港湾施設や青果市場に行き交う大型トラックを初め、さまざまな自動車の通行による排ガスや騒音、
港湾施設の24時間の光や騒音、セアカゴケグモなど、外来病害虫の侵入の危険性、福岡空港の航路に直下の問題など、多くの問題がある場所です。
さらに、昨年3月11日の東日本大震災の経験から、中央防災会議は、病院など重要施設は海岸近くに設置しないよう指摘しています。
こども病院移転計画調査委員会の委員であった宮城県立
こども病院の林院長は、東日本大震災の教訓から人工島は移転地として不適であると言っています。液状化の問題、橋桁の落下による孤立化のおそれなど、地質学者からの指摘がなされています。
財政的にも問題がある計画です。診療科目をふやし、過大な施設計画で、事業費が年間17億円の赤字が30年も続く計画は厳しい財政状況で必要な計画でしょうか。
こども病院の機能を維持し、身の丈に合った事業にすべきです。そのためには市内の医療機関と連携できる場所につくられるべきです。そのためにも市内の小児科医や産科医などの声を聞くべきでしたが、福岡市は全く聞こうとしませんでした。これは人工島移転ありきだったことのあかしです。そもそも
こども病院人工島移転ありきであったことは、これまでの移転計画の経緯を見れば明らかです。
こども病院移転計画は山崎元市長のときに人工島
事業見直しを行い、人工島事業が破綻していることは明らかとなり、銀行団に損失補償を実行するために検討が始まりました。山崎元市長は銀行団に対して損はさせないと念書を書き、具体的に土地購入について場所と価格と購入時期を銀行団に約束し、2003年には事業計画を大きく変更しました。このときの移転用地は5ヘクタールを計画していました。
こども病院が市民病院と統合移転することに多くの市民が反対し、2006年の市長選挙では、吉田前市長は
こども病院人工島移転計画を見直すとして、
こども病院と市民病院との統合移転を進める山崎元市長を破り市長に
当選しました。ところが、
こども病院の人工島移転を見直すとした吉田前市長の結論は、
こども病院を人工島へ単独移転し、市長公約を破るものでした。吉田前市長は人工島移転を強行するために、現地建てかえ費用は高い、人工島が安いと市民に説明しました。その根拠として、ゼネコン3社にヒアリングをした結果、現地建てかえ費用は、福岡市が調査依頼したPwCアドバイザリー社の示した現地建てかえの見積額85億5,000万円の1.5倍、128億3,000万円と説明し、人工島移転の費用は用地3ヘクタール、87億7,000万円よりも高いと説明してきました。しかし、2010年5月に提訴した住民訴訟で、裁判所の嘱託調査により、福岡市はゼネコン3社のうち2社はヒアリングしていないこと、残り1社も1.5倍が適当と言っていない事実が明らかとなりました。福岡市ぐるみで市民及び議会にうその説明をしてきたのです。しかし、福岡市は今でもうそをついたことを否定しています。市民に信頼される市政とはとても考えられない状況が続いています。また、福岡市議会も裁判所の嘱託調査により、福岡市がうそをついていることは明らかになったにもかかわらず、100条委員会を設置し、真相究明を求める市民の声を拒否したことは恥ずべきことです。吉田前市長が公約を破ったことは2010年の市長選挙で再び市民の批判を受けることになりました。当初、
こども病院人工島移転を推進するという公約を途中で見直すに公約を変更した
高島市長に吉田前市長が破れるという結果となりました。
ところが、再び
高島市長が公約を破り、市民をだましたのです。
高島市長は
こども病院移転計画調査委員会を設置し、移転経緯に問題があれば移転を中止すると言っていたのが、いつの間にか移転地の是非の賛否を表明することにすりかえられました。移転計画調査委員会で福岡市はうそをついていることを認めた時点で本来の検証は終わったものを、北川委員長は福岡市に反省を求めるとして問題をすりかえ、巧みな手法で市民をだましました。
加えて、市長は医師会会長に、移転後に、
こども病院跡地に医師会として小児科を開設ないしは西新の成人病
センターに小児科を開設するかのような虚偽の発言をさせ、西部地区の
小児医療空洞化問題についても重大なうそをつきました。いまだに西部地区の
小児医療の空洞化問題は解決されていません。
繰り返される福岡市のトップが市民をだます市政では、市民の信頼を得ることはできるはずがありません。まことに悲しむべき状況です。
こども病院建設はPFIで行うとしていますが、建設費の9割は福岡市が直接負担する事業で、そもそもPFIと言えるのか、また、なぜPFIでなければいけないのか、市が直接建設しても何ら変わらないのにPFIにするのか、全く意味不明な事業です。PFI事業にした経緯に加え、病院建設の入札を見ると利権が絡む談合が疑われます。福岡市の受託事業で重大な不正を働いた日本管財が何のペナルティーも科せられず、入札に参加できたこと自体が問題です。しかも、競争がないシステムで評価が低いにもかかわらず採用されたことは市民は全く納得できません。
今、福岡市では自立分権型
行財政改革が検討され、来年度から実施予定です。市民に納得と共感が得られる改革という視点から見ると全く信頼できません。市長の無責任さ、施策を進めてきた
行政責任者の無責任さ、そして議会の無責任さが見えてきます。これでは本当に
行政目的である市民のための改革ができるとは思えません。今議会で議決が求められている3件の請願は採択されなければ、福岡市議会は市民の負託を裏切ることになります。
以上でもって討論を終わります。
25 ◯議長(森 英鷹) 以上で、討論を終結いたします。
お諮りいたします。
本件は、請願審査報告書のとおり決することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
26 ◯議長(森 英鷹) 賛成多数であります。よって、本件は請願審査報告書のとおり決しました。
次に、お手元に配付いたしております請願30件については、各常任委員長及び議会運営委員長から閉会中の継続審査の申し出があります。
お諮りいたします。
本請願は、各委員長の申し出のとおり閉会中の継続審査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
27 ◯議長(森 英鷹) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
次に、今期定例会において、その後受理した請願は、お手元に配付の請願文書表のとおりであります。
お諮りいたします。
本請願は、所管の常任委員会及び議会運営委員会に閉会中の審査を付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
28 ◯議長(森 英鷹) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
次に、各常任委員長及び議会運営委員長からお手元に配付いたしております申出書に記載の事件について、閉会中の調査の申し出があります。
お諮りいたします。
各委員長から申し出のとおり、閉会中の調査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
29 ◯議長(森 英鷹) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
次に、日程第3、議員派遣の件を議題といたします。
本件につきましては、お手元に配付いたしております議員派遣一覧表のとおり議員を派遣しようとするものであります。
お諮りいたします。
本件は、議員派遣一覧表のとおり派遣することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
30 ◯議長(森 英鷹) 御異議なしと認めます。よって、本件は議員派遣一覧表のとおり派遣することに決しました。
次に、日程第4ないし日程第6、以上3件を一括して議題といたします。
お諮りいたします。
本件については、提案理由の説明、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
31 ◯議長(森 英鷹) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
これより採決に入ります。
まず、議案第266号を採決いたします。
本案は、原案に同意することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
32 ◯議長(森 英鷹) 賛成多数であります。よって、本案は原案に同意することに決しました。
次に、議案第268号を採決いたします。
本案は、原案に同意することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
33 ◯議長(森 英鷹) 賛成多数であります。よって、本案は原案に同意することに決しました。
次に、議案第267号を採決いたします。
本案は、原案に同意することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
34 ◯議長(森 英鷹) 全員賛成であります。よって、本案は原案に同意することに決しました。
次に、日程第7、意見書案第20号を議題といたします。
職員をして案文を朗読いたさせます。
〔職員朗読〕
35 ◯議長(森 英鷹) お諮りいたします。
本意見書案については、提案理由の説明、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
36 ◯議長(森 英鷹) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
本意見書案を採決いたします。
本意見書案は、原案のとおり決することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
37 ◯議長(森 英鷹) 全員賛成であります。よって、本意見書案は原案のとおり可決されました。
次に、日程第8、決議案第5号を議題といたします。
この際、
福田まもる議員から提案理由の説明を求めます。
福田まもる議員。
38 ◯5番(
福田まもる)登壇 私は、公明党福岡市議団、民主・市民クラブ、みらい福岡市議団、福岡維新・無所属の会、自由民主党福岡市議団を代表いたしまして、2020年オリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会の日本招致を支援する決議案を提案いたします。
以下、案文の朗読をもって提案理由の説明といたします。
2020年オリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会の日本招致を支援する決議
オリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会は、スポーツを通じて世界の人々の相互理解と友好を深め、世界平和の実現に大きく寄与する世界最大のスポーツの祭典である。これまで、我が国においては、3回の大会が開催され、開催の度に多くの国民に感動と勇気を与えてきた。
現在、我が国は東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故からの復旧・復興に全力で取り組んでいる。オリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会を我が国で開催することは、国民に夢を与え、復旧・復興に向けた大きな力となる。また、大会開催を通じて復興した我が国の姿を発信することで、世界中から寄せられた支援に対して心からの感謝を示すことができる。
本市は、東京都と同じく日本オリンピック委員会とパートナー都市協定を結び、オリンピック・ムーブメント推進に協力している。また、平和な社会の推進、相互理解及び人権尊重などを目標とするオリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会が我が国で開催されることは、みんながやさしい、みんなにやさしいまち「ユニバーサル都市・福岡」の実現を目指す本市の取組に寄与するものでもある。
よって、福岡市議会は、2020年オリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会の日本開催を強く希望し、日本への招致活動を支援するものである。
以上、決議する。
平成 年 月 日
福 岡 市 議 会
議員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
39 ◯議長(森 英鷹) お諮りいたします。
本決議案については、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
40 ◯議長(森 英鷹) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
本決議案に対し、討論の通告がありますので、これを許します。池田良子議員。
41 ◯58番(池田良子)登壇 私は、社民・市政クラブ福岡市議団を代表し、第5回定例会に提案されました決議案第5号、2020年オリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会の日本招致を支援する決議案に反対し、討論を行います。
本決議案は、オリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会を我が国で開催することは国民に夢を与え、復旧・復興に向けた大きな力となり、大会開催を通じて復興した我が国の姿を発信することで、世界中から寄せられた支援に対して心からの感謝を示すことができるとして、オリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会の日本への招致活動を支援するものです。
2009年、東京都は2016年オリンピック及びパラリンピックの招致活動を行い、2回目の投票で敗れましたが、それに要した総額は約150億円、うち100億円が公費、企業からの協賛金や募金が50億円と巨額を投じ、10分間のプレゼンテーション映像に約5億円をかけたことで批判を受けました。今回の招致費用は75億円に圧縮し、経費は協賛企業などの民間資金38億円、公費37億円と民間資金が公費を上回ることとして都議会主要各派の賛成を取りつけたと聞いています。
2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会などが試算する五輪招致の経済波及効果は東京都だけで約1兆6,700億円、全国的には約2兆9,600億円になると公表されていますが、具体的な招致費用や開催費用がどのくらいになるのかはほとんど公開されていません。
ことしの開催地ロンドンでは開催費用の約1兆1,400億円に対し、今後4年間の経済効果を約1兆6,000億円と見積もっていますが、一部メディアからは既にそれを疑問視する声も上がっています。2004年、アテネ五輪開催後、財政危機となったギリシャを例に開催費用がおもしとなったとする声もあります。
東日本大震災及び福島第一原発事故発生から1年9カ月がたちましたが、今なお32万
人余りが避難、転居を余儀なくされ、仮設住宅など約13万6,000戸で仮住まいが続いています。一日も早い被災地の復旧・復興は全国民の願いです。
財政難の中で、国民負担で絞り出した25年間にわたる復興増税などで賄われる復興財源については、東京の国立競技場の改修費用など、被災地以外への流用が強い批判を浴びました。政府は、先月末、一部予算の執行を停止し、全国防災事業のうち、河川の津波対策や学校の耐震化は例外扱いとし、復興予算を被災地以外では原則として使わない方針を明らかにしましたが、2年目の冬を迎えた被災地では復興格差が深刻化してきたと、そういう声も聞かれています。生活を失った
人たちからは、復興は進んでいない、お金は一体どこに使われているのかと、いまだ切実な悲鳴が上がっています。復興以前の復旧もできていない地域も多数あり、被災者の生活を立て直すものにはなっていません。
オリンピック及びパラリンピックを招致することで、復旧・復興の促進につながるとする考えもありますが、今すべきことは招致名目で東京外かく環状道路の再開発やアリーナ新設などの大型公共事業ではなく、
人にこそお金を使うべきと考えます。
オリンピック憲章には、オリンピズムの目標は、スポーツを人類の調和のとれた発達に役立てることにあり、その目的は、人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある、また、人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はいかなる形であれ、オリンピック・ムーブメントに属することとは相入れないという項目があり、スポーツ振興に加え、人権の尊重や平和な社会の推進を目的としたオリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会については、反対するものではありません。
しかし、経済情勢が厳しい中で、災害復興がかなり長期化することが予想される今、巨額を投じる日本へのオリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会の招致活動は時期尚早と考えることから、本決議案に反対するものです。
以上で、社民・市政クラブ福岡市議団の反対討論を終わります。
42 ◯議長(森 英鷹) 以上で、討論を終結いたします。
決議案第5号を採決いたします。
本決議案は、原案のとおり決することに賛成の議員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
43 ◯議長(森 英鷹) 賛成多数であります。よって、本決議案は原案のとおり可決されました。
ただいま議決いたしました意見書、決議の事後処理については、議長に御一任願います。
この際、
教育委員会委員に再任されます八尾坂修さん、監査委員に就任されます伯川志郎さんから、それぞれ挨拶したい旨の申し出がありますので、これを許します。八尾坂修さん。
44 ◯
教育委員会委員(八尾坂 修) ただいま御紹介いただきました八尾坂でございます。このたび教育委員の再任を御同意いただきまして、まことにありがとうございます。
私は、この4年間、教育委員を務めさせていただきました。いろんな実体験として、福岡市の教育行政の大きな柱である新しいふくおかの教育計画のもとで、あいさつ・掃除、自学、立志という、このスローガンが実際に福岡市の全ての小学校145校、中学校69校、その他特別支援学校等にも、それぞれの学校のスタイルに応じて反映しているのではないかと思っております。教育をめぐる課題はもちろん多々ありますけども、どの学校もそれなりに一生懸命頑張っていらっしゃると思っております。そんな中で、私が今後、再任させていただきましたが、開かれた教育行政というもとで、
教育委員会、さらに
教育委員会事務局、また、各学校との連携、協力の中で一層理解のできる
教育委員会を目指して参加させていただきたいと思っております。
今後とも、議員の先生方には御指導、御鞭撻よろしくお願いしたいと思います。本日はありがとうございました。
45 ◯議長(森 英鷹) 伯川志郎さん。
46 ◯伯川志郎 ただいま御紹介いただきました伯川志郎でございます。このたびは監査委員拝命に当たりまして皆様方の御同意をいただき、まことにありがとうございました。微力ではございますが、誠心誠意務めてまいる所存でございますので、皆様方の御指導、御鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。
本日は、ありがとうございました。
47 ◯議長(森 英鷹) 次に、
高島市長から挨拶したい旨の申し出がありますので、これを許します。
高島市長。
48 ◯市長(高島宗一郎)登壇 本日ここに、本年最後の議会の終わりに当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと存じます。
去る12月13日から一般会計
補正予算案を初め、総計80件の提出議案につきまして、議員各位の終始御熱心なる御審議をいただきましたことを深く感謝申し上げます。
さて、本年は市長就任2年目の年でありましたが、この2年間、発信力、スピード感、チャレンジ精神を大切にし、市民の皆様にわかりやすい市政を心がけてまいりました。本年は、ユニバーサル都市・福岡フェスティバルを初め、大型コンベンションが連続して開催され、さらに、来年12月のフィギュアスケートグランプリファイナルの福岡開催が決定されるとともに、地下鉄の全ての駅などで無料の公衆無線LAN
サービスを提供する福岡シティWi-Fiがスタートするなど、観光元年としての取り組みが目に見える形となりました。また、7月には外回り、内回り双方向通行の環状線としては首都高速に次いで全国で2番目の福岡都市高速道路環状線が誕生するとともに、8月には、政令指定都市で初めてコンビニエンスストアで住民票の写しなどの証明書を自動交付する
サービスが始まりました。このように交通インフラや
市民サービスの面においてより便利になった1年でもありました。さらに12月には、安全、安心な憩いの空間として警固公園をリニューアルオープンいたしました。今後、天神周辺地区の防犯機能の強化を目指して、移転する天神警部交番と地域防犯活動支援施設を一体的に整備し、安全、安心のまちづくりの拠点施設としてまいります。
また、本年は福岡市役所に市民から厳しい目が向けられた1年でもありました。平成18年の元職員による飲酒運転死亡事故の発生以降、飲酒運転の撲滅や不祥事の再発防止に向けて全ての職員が一丸となって取り組んでまいりましたが、不祥事が繰り返され、市役所に対する市民の信頼が大きく損なわれました。このような状況を踏まえ、福岡市では本年5月、不祥事の再発防止に取り組むための大切な視点として、自分ごととして考える、原点に返る、取り組み続けるの3つを掲げ、不祥事再発防止のためのアクションプランを取りまとめました。引き続き不祥事の再発防止に向けて着実に取り組んでまいります。
また、本年は経済社会が大きく変動する現在、福岡市をどんなまちにしていくかを議論した重要な1年でもありました。議会の皆様や市民の皆様の御意見を賜りながら策定に取り組んでまいりました福岡市
基本構想及び第9次福岡市
基本計画については、先ほど議決いただいたところであります。
今後は、これらを市政の主役である市民の皆様と共有するとともに、着実に施策を推進するため、政策推進プランと
行財政改革プランを策定し、
基本構想及び
基本計画に掲げるまちの姿を実現してまいります。これからも市民の皆様に積極的に情報をお伝えし、福岡市をもっと活気ある、みんなが生き生きと輝ける暮らしやすい都市にしていくために全力で市政運営に取り組んでいきたいと考えております。皆様方のなお一層の御指導と御協力を心よりお願い申し上げます。
最後になりますが、皆様方におかれましては、御家族ともども希望に満ちた新年を迎えられますよう祈念いたしまして、私の御挨拶といたします。1年間ありがとうございました。
49 ◯議長(森 英鷹)登壇 皆さん長時間にわたり大変お疲れさまでございました。本年最後の議会を終えるに当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
ことし1年、大石副議長を初め、議員の皆様方の温かい御指導、御協力のおかげをもちまして、大過なく議長職を務めることができましたことを、ここに厚く御礼を申し上げる次第であります。
申すまでもなく、議会は二元代表制のもと、市長とともに、本市を支える一翼を担っており、さまざまな形で多様化する市民ニーズを的確に捉え市政に反映することが求められています。
先般、地方公共団体の議会及び長による適切な権限の行使の確保と、住民自治のさらなる充実などを目的として地方自治法の大幅な改正が行われました。地方分権の進展に伴い、私ども議会の果たすべき役割や機能は一層重要性を増しており、改めてその責任の重さを感じているところでございます。
さて、本年を振り返りますと、ロンドンオリンピックにおける史上最多の38個のメダル獲得や、iPS細胞の開発による山中教授のノーベル賞受賞など、日本を元気にする多くの出来事がありました。本市におきましては、福岡都市高速道路の全線開通を初め、政令指定都市初のコンビニエンスストアでの住民票の交付開始など、
市民生活の一層の利便性の向上が図られているところであります。また、「住みたい、行きたい、働きたい。アジアの交流
拠点都市・福岡」を本市が目指すべき都市像とした
基本構想及び今後10年間の行政分野全般にわたる政策の基本的な方向を示した
基本計画が今議会で可決され、149万都市福岡の新たな時代に向けた基本的な考え方が明確になりました。一方で、本市職員の飲酒に関連する不祥事が続いたことはまことに残念であり、遺憾なことであります。
我が国は、長期にわたる経済不況や東日本大震災の影響などにより依然として厳しい状況にあり、本市におきましても、厳しい財政運営を強いられておりますが、活力と魅力にあふれ、安心、安全で住みやすいまちづくりを進め、また、夢と希望に満ちた福岡を築いていくため、今後とも、一層の努力をしてまいりたいと決意を新たにいたしております。
最後になりましたが、議員の皆様方、また、市長以下理事者の皆様方におかれましては、御家族ともどもお健やかな新年を迎えられますことを心から祈念申し上げまして、簡単ではございますが、挨拶にかえさせていただきます。本年はどうもありがとうございました。
50 ◯議長(森 英鷹) 以上で、今期定例会の議事は全部終了いたしました。
これをもって平成24年第5回福岡市議会定例会を閉会いたします。
午後2時32分 閉会
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