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  1. 福岡市議会 2001-12-11
    平成13年第5回定例会(第1日)  本文 開催日:2001-12-11


    取得元: 福岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                                         午前10時13分 開会 ◯議長(稲員大三郎) ただいまから平成13年第5回福岡市議会定例会を開会いたします。  これより本日の会議を開きます。  会議録署名議員に、おばた久弥議員、大石司議員を指名いたします。  日程に入るに先立ち、この際、報告いたします。去る11月3日、藍綬褒章を受章されました高山博光議員が福岡県市議会議長会から表彰を受けられました。ここに議員各位とともに、表彰を受けられました高山博光議員の栄誉をたたえ、心からお喜び申し上げる次第であります。  これより表彰状の伝達を行います。なお、引き続き市長から感謝状の贈呈が行われます。それでは前にお進み願います。 2 ◯議長(稲員大三郎)                      表   彰   状   福岡市議会議員  高 山 博 光 様  あなたは市議会議員として永年にわたり公共の福祉と地方自治の振興に尽くされた功績により平成13年11月3日藍綬褒章を受章されました 本会はあなたの栄誉をたたえここに表彰します    平成13年11月3日                               福岡県市議会議長会                                     会 長   片 山   尹                    〔表彰状授与〕(拍手) 3 ◯市長(山崎広太郎)                      感   謝   状   高 山 博 光 様  あなたは永年にわたり市議会議員として市政の発展と市民生活の向上に尽くされその功績により藍綬褒章を受章されました よってここにその栄誉をたたえ深甚なる敬意と感謝の意を表します
       平成13年12月11日                                     福岡市長  山 崎 広太郎                    〔感謝状授与〕(拍手) 4 ◯議長(稲員大三郎) この際、高山博光議員からあいさつしたい旨の申し出がありますので、これを許します。高山博光議員。 5 ◯61番(高山博光)登壇 お許しを得ましたので、一言御礼を申し上げます。  このたび、藍綬褒章の栄誉に浴することができまして、身に余る光栄でございます。そしてまた、本日はここに福岡県市議会議長会から表彰状、そして山崎市長さんより感謝状をいただきまして、大変ありがたく、謹んで御礼を申し上げます。  去る11月14日、皇居に参内し天皇陛下に拝謁の栄を賜りました。わずか3メーター真ん前に見る陛下のお姿は、国家元首としての凜とした威厳を放っておられ、感激のきわみでございました。  今回これらの栄誉をいただきましたのは、ひとえに本市議会並びに行政御当局の皆様、また多くの市民の皆様よりの御協力、御助力、御支援のたまものであると、深く感謝を申し上げさせていただきます。  これを機といたしまして、心新たに福岡市政発展のために微力を傾注してまいる所存でございます。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げまして、心よりの御礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 6 ◯議長(稲員大三郎) 次に、去る10月7日、浜田雅之副議長から議員を辞職したい旨の願い出がありましたので、地方自治法第126条の規定により、同日これを許可しました。  次に、市長から別紙報告書類一覧表に記載の書類が提出されましたので、その写しを去る12月4日お手元に送付いたしておきました。  次に、人事委員会から地方公務員法の規定に基づき、議案第227号ないし議案第230号に対する意見が提出されましたので、その写しをお手元に送付いたしておきました。  以上で報告を終わります。  これより日程に入ります。日程第1、会期決定の件を議題といたします。お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から12月18日までの8日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 7 ◯議長(稲員大三郎) 御異議なしと認めます。よって、会期は8日間と決定いたしました。  この際、理事者の退席を求めます。       〔理事者退席〕 8 ◯議長(稲員大三郎) 次に、日程第2、副議長の選挙を行います。議場の閉鎖を命じます。       〔議場出入口閉鎖〕 9 ◯議長(稲員大三郎) ただいまの出席議員数は62人であります。投票用紙を配付いたさせます。       〔投票用紙配付〕 10 ◯議長(稲員大三郎) 投票用紙の配付漏れはありませんか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 11 ◯議長(稲員大三郎) 配付漏れなしと認めます。投票箱を改めさせます。       〔投票箱点検〕 12 ◯議長(稲員大三郎) 異状なしと認めます。念のため申し上げます。投票は単記無記名であります。投票用紙に被選挙人の氏名を記載の上、点呼に応じて順次投票願います。点呼を命じます。       〔職員氏名点呼〕       〔各員投票〕 13 ◯議長(稲員大三郎) 投票漏れはありませんか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 14 ◯議長(稲員大三郎) 投票漏れなしと認めます。投票を終了いたします。議場の閉鎖を解きます。       〔議場出入口開鎖〕 15 ◯議長(稲員大三郎) 開票を行います。会議規則第31条第2項の規定により、立会人に川口浩議員、渡辺健生議員、浜田一雄議員、原田祥一議員、木村幾久議員、栃木義博議員、今村恵美子議員、川上晋平議員、水城四郎議員を指名いたします。立ち会いを願います。       〔開  票〕 16 ◯議長(稲員大三郎) 選挙の結果を報告いたします。       投票総数       62票        有効投票      62票       有効投票中        安河内洋捷議員   32票        大石  司議員   28票        高山 博光議員   2票  以上のとおりであります。  この選挙の法定得票数は16票であります。よって、安河内洋捷議員が副議長に当選されました。  ただいま副議長に当選されました安河内洋捷議員が議場におられますので、本席から会議規則第32条第2項の規定により当選の告知をいたします。  この際、安河内洋捷議員からあいさつがございます。 17 ◯副議長(安河内洋捷)登壇 お許しをいただきまして、一言ごあいさつを申し上げます。  ただいま栄誉ある福岡市議会の第71代副議長に御推挙賜り、心から御礼申し上げる次第であります。まことにありがとうございました。私にとりまして限りない光栄に存じますとともに、その責任の重さをひしひしと感じている次第でございます。ここに御推挙をいただきました以上は、議長を補佐申し上げ、皆様方のお力添えをいただきながら135万市民の負託にこたえ、信頼回復に向けてよりよい市民生活の実現のために、誠心誠意、全力を傾注し、この大任を果たしてまいる所存でございます。どうぞ、今後とも議員の皆様方の温かい御支援並びに御指導、御鞭撻を賜りますよう心からお願いいたしまして、就任のごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。 18 ◯議長(稲員大三郎) この際、理事者が入場しますので、しばらくお待ち願います。       〔理事者入場〕 19 ◯議長(稲員大三郎) 次に、日程第3、議席の一部変更の件を議題といたします。お諮りいたします。本件については、お手元に配付の議席表のとおり、議席を一部変更いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 20 ◯議長(稲員大三郎) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。それでは、ただいま決定いたしました議席にそれぞれお着き願います。       〔各員着席〕 21 ◯議長(稲員大三郎) 次に、日程第4、議員定数等調査特別委員の選任を行います。お諮りいたします。議員定数等調査特別委員に冨永計久議員を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 22 ◯議長(稲員大三郎) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、日程第5ないし日程第30、以上26件を一括して議題といたします。この際、委員長の報告を求めます。決算特別委員長 大石司議員。 23 ◯50番(大石 司)登壇 ただいま議題となっております平成12年度決算議案26件につきまして、決算特別委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  本委員会は去る9月19日に設置され、9月21日の委員会において正副委員長の互選を行い、その後、10月12日の委員会では決算の概要について理事者に説明を求め、監査委員からは決算審査についての意見を聴取いたしました。次いで、10月15日及び16日の委員会では決算全般にわたって質疑を行い、10月17日ないし19日、22日及び23日に分科会審査を行いました。次いで、10月25日の委員会では、各分科会における質疑、意見の概要報告及び質疑を行いました。各分科会における質疑、意見の概要につきましては、既に文書をもって各委員に配付いたしておりますので省略し、ここでは総会において各委員から特に質疑、意見がありました諸点につきまして御報告いたします。  まず、財政運営及び行財政改革について、本市の12年度末での市債残高は、一般会計、特別会計、企業会計の全会計で約2兆4,228億円となっており、一方では、市税は景気低迷などにより伸びが鈍化し、今後の伸びも余り期待できず、巨額の借金を抱えながらの市政運営は厳しい状況になっている。このため市債の償還について償還財源の軽減の観点から、過去の高金利なものは借りかえなどの方法により、積極的に繰り上げ償還を行われたいとの要望。地方財政の健全化について、人工島や国際会議場、過大な清掃工場建設、博多リバレインの破綻救済などの大型開発優先を見直して、公共事業を圧縮し、市長公約の生活優先の財政運営に転換すべきとの意見。地方財源不足を解決するためには、地方交付税制度の抜本的改革とともに地方への税源移譲が必要であり、地方分権の観点からも、国への税源配分の是正、見直しを求められたいとの要望。来年4月のペイオフ解禁に向けた公金の管理、運用について、指定金融機関等を初め、銀行等の経営状況の分析を行うため、金融機関関係の知識を有する人材を育成されたい。また、高金利の政府債を相殺可能な銀行債へ借りかえるとともに、債券運用など安全かつ有利な方法を研究されたい。公会計制度について、市民への説明責任を果たすとともに、行政の透明性、効率性を向上させる手段として、企業会計制度の導入による改革と行政評価システムの導入を急がれたい。外郭団体の統合及び民営化について、厳しい財政状況が続く中、経費の削減だけでなく組織の減量、効率化をさらに進める必要があり、聖域は設けず積極的に取り組まれたい。補助金について毎年継続して支出しているものについては、補助を受ける側の自立を促すためにも順次適正化を図るとともに、財政健全化を図るため一律2割カットというような思い切った方法も検討されたい。各使用料の滞納整理システムについて、効率的な滞納整理を行うため業務を一元化し、区役所への専任組織の新設を検討されたいとの要望。  税務行政については、軽自動車税について納税者の利便性の向上を図るため、口座振替制度の導入を検討されたい。情報化の推進については、ケーブルテレビについて、その活用によって市民に市政情報提供を行っていくことは重要であり、さらに積極的に実施されたいとの要望。  市民行政については、子供行政について、子育てをこうするという行政全体に共有された一環した基本理念を持って、地域の子育て支援の推進、子供が安心して過ごせる環境の整備を図られたい。また、近年特に問題となっている児童虐待の発生予防のためにも、地域子育て支援センター事業をさらに充実させられたい。男女共同参画社会の実現について、地域の特性に応じた問題点を認識し、具体的に実効性のある行政の推進と、男女のパートナーシップの形成のため、男女共同参画社会づくりに関する条例の制定を検討されたい。ドメスティック・バイオレンス対策について、被害女性などがいつでも避難、相談ができる24時間開設の緊急対応窓口の設置を検討されたい。市民サービスの向上について、アミカス、ふくふくプラザ、サザンピアなどにも天神イムズ同様の市民サービスコーナーを開設されたい。防災対策について、いざというとき職員に役立つよう、職員携帯マニュアルを早急につくられたい。小学校の空き教室を公共備蓄場所や自主防災組織活動などの地域防災拠点として活用されたい。テロ対策について、今後必要な情報の収集に努めて、市民に公表すべき情報は公表するなど市民生活の安全確保を図るため、一丸となって関係機関とも連携を図りながら対策を講じられたい。交通安全対策について、幼児から高齢者まで年齢層に応じた交通安全教育や広報啓発活動の強力な推進に努め、福岡市から交通事故の被害者や加害者が1人でも少なくなるよう特段の配慮をされたいとの要望。和白地区の地域交流センターについて、議会への事前の説明もなく設置場所や整備手法を決定し、相手方との協議が進められているが、これは議会軽視であるとの指摘。また、いつでも引き返す勇気を持って再検討すべきとの意見。博多座について、博多リバレインの二の舞とならないよう、博多座会の活用や男性入場者をふやす対策などを検討すべきであり、安易に無料招待券を配付すべきではないとの指摘。市民のためのグラウンド整備について、近隣市町村における休耕田を利用した整備を強力に進められたいとの要望。  教育行政については、通学区域制度について、学校の活性化を図るため学校選択制を早急に導入されたい。また、全市一斉の導入が困難であれば、特定地域での試験的な福岡方式とでも言うべき制度を検討されたいとの要望。教職員の勤務評定について、法律に従い的確に実施すべきとの意見。男女混合名簿の採用について、完全実施されるよう推進されたい。留守家庭子ども会について、12年度から交付されている国庫補助金を事業の拡充に活用し、社会の実態に合わせて預かり時間を午後6時までに延長するとともに、まず障害児だけでも預かり対象の学年を延長するなど、充実を図られたいとの要望。学校給食について、再開された牛肉及び牛加工品の使用に当たり、安全性に十分配慮するとともに、保護者の不安を取り除くため、仕入れルートや安全性のチェック状況、今後の方針などの情報を公開されたい。食教育の充実を図るため、学校栄養職員の全校配置とランチルームの設置を早急に行われたい。地場農産物の学校給食への使用を促進するとともに、市農協と提携し、減農薬野菜への取り組みを検討されたい。小学校の給食費について、収納率が上がるよう指導徹底するとともに、未納者を出さないよう工夫し、円滑な学校給食の運営をされたい。また、教育委員会も学校任せではなく、実態を調査し真剣に取り組まれたい。姪浜中学校について、校地面積が狭い上に生徒数が多く、教育環境が非常に悪化しているため、今後の校区内の住宅開発の動向等も見きわめ、分離、新設を検討されたい。市民体育館及び市民プールについて、市民にとって、より安心して利用できる身近な施設となるよう、指導員を適切に配置するとともに、柔軟な運営をされたいとの要望。  保健福祉行政については、福祉のまちづくり条例について、今後の施策のレベルアップのためユニバーサルデザインなど、新たな理念や多様な移動手段の充実などを考慮して改正すべき。保育所について、定数の25%増しでの待機児解消策では限界があり、必要な地域に保育所を新設するとともに、認可外施設も条件を満たすところは認可し助成制度等を創設すべき。また、公立保育所の運営について、民間への委託、または民営化を早急に進めるべき。児童福祉審議会について、認可外保育施設の代表を委員に入れて、もっと現場の意見を聞くべき。介護保険制度について、介護の必要な人が安心して必要なサービスを受けられるよう、低所得者対策として保険料と利用料の減免制度をつくるべき。また、生活保護境界制度の改善、拡充は直ちに実行に移すべき。国保事業の二の舞にならないよう、その費用対効果を明示した財政運営を進めていくべき。市民福祉サービス公社について、業務内容をヘルパーやケアマネジャーの養成、ケアマネジャーの指導者の養成等の業務へと変更すべきとの意見。特別養護老人ホームについて、早良消防署跡地に、介護度が高く、緊急やむを得ない人たちが入れる施設の整備を検討されたい。また、高齢者を介した幼老共生が注目されており、保育所と高齢者の施設を合築で整備されたいとの要望。未利用の市有地を貸与し、福祉工場を整備すべき。葬祭場の再整備について、今まで以上に地元との融和を図り、市民にとって最も使いやすく、落ちつける施設にすべきとの意見。  環境行政については、家庭系古紙回収事業について、本市のリサイクルシステムと市民の環境意識を守り育てるため、既存の雑誌と段ボールの回収補助金の額を改定するとともに、新聞紙の回収補助金の新設を実施すべきとの意見。清掃工場について、運転管理業務や定期修理は特命随意契約で行うのではなく、もっと競わせ、コスト削減に取り組まれたいとの要望。新東部清掃工場について、第三セクターではなく、より民間に任せるPFIを取り入れるべき。また、過大な施設計画を大幅に縮小すべき。大野城、太宰府両市からのごみの受け入れを前提にした協議はやめるべき。産業廃棄物処分業者による海洋汚染防止法違反事件について、違反の事実が明らかになっており、処分すべき。また、海洋投棄は原則禁止となっており、陸上の産業廃棄物処分業者を育てるためにもやめるべきとの意見。  経済振興行政については、休暇村「志賀島」の借地料について、市民が納得できるよう国や県、休暇村協会とも十分協議し、支出を大幅に減らすよう政治決断をすべき。国民宿舎千石荘の跡地活用について、市民の憩いの場として、また老若男女が自由に利用できる広範囲な施設として活用すべきとの意見。  農林水産行政については、狂牛病対策について、情報不足を原因として起こる風評被害を防止していくため、正確な情報を市民に的確に提供するとともに、国や県との連絡体制を的確にしながら、行政のリーダーとしての役割を発揮されたい。県や市内部における関係部署の連携について、今後も市民の安全を最優先に十分な対応をされたい。狂牛病問題で打撃をこうむった生産者、卸売業者、飲食店などの関係者に対し、実効性のある支援策を講じられたい。中山間地域の振興について、本市の重点施策としてとらえ、予算編成に当たり特段の配慮をされたいとの要望。  港湾行政については、アイランドシティについて、まちづくりにおいては少ないインフラの供給で大きな効果を期待する交通需要マネジメントを積極的に導入すべき。また、将来危惧される交通渋滞や自転車の無秩序駐輪を解決するため、公共レンタカーなどの新しい交通システムの検討を行うべきとの意見。事業を進めることによって最大の不良債権を抱えることとなり、国際的に貴重な野鳥の宝庫としての自然を破壊しながら、必要性も緊急性もない埋め立てに突き進む事業は見直し、縮小すべきとの指摘。博多港の振興について、旅客船が多く寄港し、国際交流が市民にとってより身近になるよう努力されたい。また、今後とも関係団体、関係者と十分な連携のもと、元気ある港づくりに一層推進されたいとの要望。ソフトリサーチパークについて、2期建設計画が実行されていない立地企業に対して、売買契約に基づく違約金を請求すべきとの意見。  都市整備行政については、九州大学移転用地の取得について、契約は実測面積ではなく公簿面積で行われており不適切、今後不適切な買収が行われないためにも、早期に地籍調査に着手すべきとの意見。香椎駅周辺土地区画整理事業について、減歩緩和のための用地の先行取得においては、用地取得を行いやすくする手法を新たに検討するなど、工夫しながら引き続き努力されたい。また、先行取得用地については空き地として管理するだけではなく、商店街のにぎわいの持続、地域振興のためのイベントやコミュニティー形成の場などの活用策を検討されたい。違反広告物対策について、不動産業やその他の関係団体等への働きかけや、ボランティアの人たちが活動しやすいようにサポートすることを検討されたいとの要望。天神地区のNHK跡地の再開発について、容積率緩和に伴う開発利益の還元方法について、もっと多様な議論をすべきとの意見。天神地下街などの公共地下通路において、交通バリアの解消、移動の円滑化と商業地の活性化に向けて、電動スクーターを用いた歩行支援システムを導入されたいとの要望。  建築行政については、市営住宅入居の際の連帯保証人の要件について、市営住宅入居者でも連帯保証人となれるよう、連帯保証人の要件規定を改正すべきとの意見。市営住宅入居者用駐車場について、入居者の変更要求に柔軟に対応されたいとの要望。  土木行政については、道路予定地などの公共用地の管理について、占・使用許可に当たっては地元の意向や法律に基づき適正かつ厳粛に行われたいとの要望。また、無断使用に対しては、損害賠償請求や公有財産規則に基づく使用料を請求すべき。目的外使用や工作物設置許可に当たっては、被買収者や市民が納得できるマニュアルなどを早急につくるべきとの意見。不法駐輪対策について、博多駅周辺は最重点地区であり、決め手となる恒久的な自転車駐車場の建設を含め、対策に取り組まれたいとの要望。移動保管の告示から売却処分までの期間短縮や事務改善などを行い、撤去のサイクルを早め、強化を図るべき。形骸化している自転車等駐車対策推進協議会は、廃止するか実効性のある組織にすべき。引き取りのない放置自転車の売却をやめ、地域団体などに無償譲渡し、地域の活動資金に充てるなどの方法を検討されたい。渡辺通りの交通渋滞解消対策について、交通の円滑化と回遊性の向上を図るため、天神橋口交差点から渡辺通一丁目までの地上2階部分に歩行者専用デッキの設置を研究されたいとの要望。  水道行政については、鉛製給水管対策について、市民の不安を解消する広報を積極的に行うとともに、延長9メートル未満のものもきちんと取りかえ計画を立てられたい。水道工事の支給材料制度について検討委員会をつくり、廃止も含めて多角的に検討されたいとの要望。  以上、本決算全般における質疑を終了し、10月26日の本委員会において各派代表による意見の開陳が行われ、その後採決の結果、議案第149号ないし議案第174号、以上26件の各会計決算について、全会一致または賛成多数をもって、いずれも認定すべきものと決しました。  以上のとおり審査の経過及び結果を述べてまいりましたが、理事者におかれましては、本委員会において表明された意見、要望などに十分留意され、厳しい財政状況の中で今後とも行財政の見直しを進め、経費の節減と効率的な執行に努められますとともに、市民サービスの向上のため、市政全般にわたってなお一層の努力を傾注されますよう要望いたしまして、報告を終わります。 24 ◯議長(稲員大三郎) 本案に対し討論の通告があります。順次これを許します。星野美恵子議員。 25 ◯40番(星野美恵子)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、2000年度一般会計及び特別会計並びに企業会計決算諸議案のうち、議案第149号ないし152号、154号ないし164号、167号ないし174号について、認定しがたいことを表明し反対討論を行います。  周知のように、2000年度は前年の平均完全失業率が4.7%、完全失業者数が317万人、家計調査による平均消費支出が7年連続でマイナス、企業倒産も3年連続して1万5,000件を超えるなど、長期の消費不況が国民生活に深刻な打撃を与える一方、国と地方の借金は2000年度末で645兆円、GDP比129%に達し、財政危機はますます深刻化していたのであります。したがって、国と自治体に求められたのは、浪費的な支出を徹底的に切り詰めるとともに、消費不況を打開する実効ある対策でした。具体的には消費税率を3%に戻すとともに、人的控除の引き上げなど庶民減税、ゼネコン型公共事業と軍事費の大幅削減、銀行への公的資金の投入中止、そして、社会保障制度への財政負担の拡充、教育、福祉、住宅など生活密着型公共事業への転換、暮らしと雇用を守る分野の拡充などでした。ところが、2000年度政府予算案は、国民には年金制度の改悪、医療自己負担の増額、介護保険制度の実施による2兆円もの負担増や給付減を押しつける一方、ゼネコン型公共事業には前年並みの巨費を投入し、大銀行支援策は70兆円に拡大するなど従来型のばらまき予算であり、失業と雇用不安の深刻化、将来不安と結びついた消費萎縮など、景気回復に逆行するものでした。しかも、史上最大規模の国債を発行して、財政を破局的な危機に追いやり、地方自治体に対しては自治体リストラ、経済対策の名による公共事業と起債の増発など、国の責任を国民と地方自治体に押しつけるものでした。
     本市においては、開発優先から生活優先へ転換という市長公約をほごにした開発優先の継続によって、暮らし、福祉、教育の抑制と削減、また、自然、環境、水、交通問題が一層重大になるとともに、市債残高が2兆3,261億円に達するなど、財政危機がさらに深刻になっていたのであります。こうした中、2000年度市政運営に求められていたのは、住民の安全、健康、福祉を保持するという自治体本来の役割に立って、国民生活を脅かす自民党政府の悪政から市民を守るとともに、雇用の拡大など不況対策、また、水、自然、環境と調和した都市づくりへの転換、暮らし、福祉、教育の充実、地場中小企業の振興などを実行し、市民本位の財政再建を進めることでした。ところが、山崎市長の施政方針と当初予算は、開発優先から生活優先へ転換、財政再建という市長公約は姿を見せず、暮らし、福祉、教育は行財政改革の名で一層抑制、削減し、市民負担を増加させる一方、大型開発と開発破綻救済を続行するために巨額の市債発行を行って財政をさらに悪化させることが基調となっていたのであります。しかも、補正では国の経済対策に追従した市債の大幅増、公約違反の国際会議場建設、ごみ行政の責任を放棄し、九電に巨額の利益を保証する福岡クリーンエナジーの設立と、過剰な新東部清掃工場建設などを行ったのであります。  2000年度決算は、このような山崎市長の当初予算と補正予算の基調をはっきり数字で示すものとなっております。一般会計歳入決算は、本市経済の落ち込みと市民生活の深刻さの深まりを反映して、市税が67億5,000万円余の減となるなど、前年度比365億3,600万円、4.7%の減となりました。一般会計歳出決算は前年度比385億3,000万円、5.1%減となっており、市民生活にかかわる分野は、教育費が2億2,600万円とわずかに増になったものの、保健福祉費133億8,500万円減を初め、商工費85億9,800万円減、農林水産業費3億6,500万円減と、軒並みマイナスです。しかも、介護保険の実施に伴い高齢者介護にかかる支出は22億円も減らし、介護保険特別会計は21億円もの決算剰余金を出しているのであります。市長は、保険料、利用料の独自減免制度をかたくなに拒否し、特別養護老人ホームの待機者は2,502人に上るなど、必要な人が必要な介護を受けられない、まさに、保険あって介護なしの事態がつくり出されています。また、敬老無料パスの縮小、廃止、福祉見舞金の打ち切り、老人医療費助成の制度改悪、新設なしの保育所詰め込みと待機児の急増、公営住宅建設費は5年連続のマイナスとなっているのであります。  その一方、大型開発には、人工島建設に着工以来最大の172億7,900万円、香椎駅周辺など土地区画整理5事業に127億8,200万円、都市高速道路に113億3,000万円など、引き続き莫大な市費を投入し、総事業費123億円もの国際会議場建設に着手したのであります。また、開発破綻が次々にあらわれる中、博多リバレインにはアジア美術館、地下駐車場に続く人権啓発センターの入居、サン・ピア博多や福岡タワーには低利融資、九州システム情報技術研究所に3億2,000万円、博多座には5億6,400万円など、破綻救済のための支出が膨れ上がりつつあります。この結果、市債残高は3会計合計で2兆4,228億円となり、山崎市政の2年間で借金は約1,944億円増大したのであります。市民1人当たりでは185万6,000円となります。市長の言う、財政健全化へ着実に前進、プライマリーバランスは達成したなどの自己評価には全く実体がなく、2000年度に発生した新たな借金だけでも、公債費負担の増大は3年後62億円、5年後78億円、10年後には114億円と巨額に上ります。しかも、国際会議場建設にかかる補助金と新東部清掃工場の第三セクターによる大規模建てかえにかかる委託料は、事実上の公債費負担、隠れ借金にほかならず、これを加えると2010年度では146億円もの償還金増となるのであります。財政健全化どころか、破綻に突き進んでいるのが実態であります。山崎市長は大規模プロジェクトの点検、経営管理手法導入、行財政改革の推進などと称して自治体の公的責任の放棄を進め、結局大型開発にメスを入れず、PFIなど民間活力の導入の名で大型開発を継続し、暮らしと福祉の大幅削減を進めております。このような市政運営は絶対に許されないのであります。  以上のように、2000年度決算は市政の転換を求めた市民の審判に反した行財政改革の名による、暮らし、福祉、教育の抑制と削減、国の経済対策をも理由にした大企業奉仕のむだな大型開発の継続と開発破綻の救済、それによる借金増大と財政危機の進行を基調とし、さらに水道、下水道、地下鉄運賃を初め各種料金への消費税転嫁もあり、我が党の認めがたいところであります。  次に、我が党が認定しがたい幾つかの主要な問題について、その理由を明らかにしておきます。  第1は、市長公約に反する大型開発の継続及び開発破綻救済のための公的資金投入等についてです。むだな大型開発の典型である人工島建設は、埋立面積が4割を超え、土地分譲が始まる今になっても土地売却の見通しは全く立たず、こうした中、複数の銀行が採算性が不透明として博多港開発株式会社への新規融資を停止しました。市の埋立地を含めて人工島全体が巨大な不良債権になることが危惧されています。ところが市長は、産業用地への誘致企業に対する優遇税制の導入、光通信など巨額の新規投資、また、博多港開発からの土地買収など、当初計画にない莫大な市費投入を図ろうとしているのであります。今市長に求められているのは、破綻事業に新たに巨額の市費を投入することではなく、これ以上の埋め立てをやめ、直ちに計画の縮小、見直しを行うことであります。また、市長は公約に反して、総事業費123億円をかけて国際会議場の建設に着手し、さらに巨額の市費投入となる自然動物公園構想も計画を推進しているのであります。博多リバレイン、エスビーシーの破綻は再開発事業を推進し、巨額の利益を上げた大手ゼネコンや銀行などが責任を負うのが当然であり、市が売却先や新たな入居店の調整を行い、さらに公的資金を投入することはやめるべきであります。エスビーシーに対する62億円もの債務保証を含め、経営破綻に陥った都市未来ふくおかへの増資は認められず、この際出資を引き揚げるべきです。また、ダイエーのツインドーム建設やソフトリサーチパークの2期建設の未着工など、シーサイドももちの土地売買契約に対しては、違約金等の請求を行うのが当然であります。  第2は、介護、医療、生活保護行政及び教育についてです。  2000年度は介護保険スタートの年でしたが、在宅介護の利用状況は対象者の67%、支給限度額に対する平均利用状況は30%と低く、特別養護老人ホーム待機者は介護保険実施直前の1,127人から2001年6月末現在2,502人へ2倍以上になり、そのうち在宅待機者は133人から624人へ、ほぼ5倍に急増しております。市長は、保険料、利用料の減免制度をつくり、特別養護老人ホーム市民福祉サービス公社など、サービス基盤を集中的に整備すべきであります。2000年度の国民健康保険料は、介護納付金分を含めて1人当たり8万960円となり、年所得200万円以下が7割以上を占める国保世帯にとっては既に支払い能力の限界を超えています。2001年7月末現在、保険料滞納を理由とした資格証明書交付は1万3,621件、短期保険証交付は6,740件に上っています。市長は直ちに保険証を原則交付するとともに、国保料を引き下げるべきです。生活保護行政については、雇用危機など深刻な生活破壊の広がりのもと、相談件数が7,779件へ引き続き増大した中で申請率は51.4%にとどまり、その一方で辞退届の強要がふえております。このような冷たい保護行政は直ちに改めなければなりません。市長は学資保険裁判の国言いなりをやめ、直ちに上告を取り下げて処分を撤回するとともに、生活補給金である福祉見舞金を復活すべきであります。保育所待機児は524人へ急増しており、保育所の新設などによる解消が緊急の課題となっています。さらに、定員増によって国の施設最低基準を下回る事態も生まれており、市の責任で直ちに改善しなければなりません。教育費については、一般会計に占める構成比が2年連続で8%台と過去最低水準にとどまり、不登校児童生徒の増加や学級崩壊の対策も極めて貧弱であり、基礎学力の向上対策とともに30人以下の少人数学級を含めて本格的な対策が求められます。また、小中学校の老朽校舎は十分な予算措置によって早急に改善することが必要です。  第3は、雇用と景気対策についてです。  完全失業率は2000年平均で4.7%と、前年に続いて過去最悪の水準となり、完全失業者数は3年連続で300万人台を超えました。ことし10月には完全失業率は5.4%、完全失業者数は352万人、有効求人倍率は0.55倍と一層深刻化しており、構造改革などと称して大企業のリストラを奨励し、効果のない公共事業中心の景気対策を繰り返している国の責任は極めて重大であります。市長は市内の大手企業に対して、一方的な解雇をやめ、新卒者を含め地元の雇用をふやすよう働きかけるとともに、福祉、教育、防災などの公的分野で採用をふやすべきであります。本市における緊急地域雇用特別交付金事業は、99年、2000年度の事業執行額は9億9,000万円程度、新規雇用は864人にすぎず、深刻な失業状況に見合った有効な施策にはなっていません。したがって、実効性のある制度にするよう国に求めるとともに、市独自の事業を追加して拡充することが求められます。また、本市の公共事業は大型開発中心をやめて、暮らし、福祉、教育、防災など、市民生活の向上に役立ち、地場中小企業の仕事がふえる生活密着型へ転換するとともに、58.5%と低迷を続ける中小企業に対する発注率を70%以上に引き上げるべきであります。  第4は、行財政改革及び財政再建についてです。  山崎市長が前市政から引き継ぎ、新たに経営管理委員会を発足させて進めている行財政改革の実態は、財政危機の最大原因である大型開発を継続する一方で、暮らし、福祉は、敬老無料パスの縮小、廃止、老人医療費助成の削減、福祉見舞金の廃止など、抑制、削減するものでした。つまり、大型開発とその破綻救済のツケを市民に押しつけるものだったのであります。このことは、いわゆる集中健全化期間における経常経費の縮減額100億円のうち、52億円が市民局、保健福祉局、環境局、教育委員会などの市民生活に直結した分野になっていることにも、くっきりあらわれています。こうした中、新東部清掃工場を第三セクターに委託し、九電に巨額の利益を保証する民間委託やPFIの導入は、自治体責任を放棄し、自治体本来の役割を変質させるものであります。真の財政再建は、住民の安全、健康及び福祉を守るという自治体本来の役割を発揮する立場に立ち、むだな大型開発をきっぱりやめ、暮らし、福祉、教育を充実する方向で進めてこそ実現できるのです。したがって、市長の第2次行財政改革大綱は撤回し、抜本的に改めるべきであります。  第5は、政官業の構造的癒着を一掃し、清潔で公正な市政を確立する問題についてです。  現職総務企画局長が起訴された河本建設談合、贈収賄事件と、それに続く現職副議長のあっせん収賄事件は、本市の根深い政官業の構造的癒着と腐敗の構造が露呈したものであり、市政と議会に対する市民の信頼を大きく失墜させた極めて重大な問題であります。この徹底究明は行政と議会にかけられた第一義的な責任であり、市長も議会も裁判所や捜査機関任せの無責任な姿勢は許されません。我が党は、市長による徹底した調査解明と、議会の100条権限による調査を強く要求するものであります。清潔で公正な市政の確立は市政における最重要課題であり、特に公共工事をめぐる汚職、腐敗の一掃に全力で取り組まなければなりません。入札制度改革に当たっては、談合を絶対に許さない立場を確立し、抽選くじの導入など、実効ある措置を盛り込むべきであります。あわせて、実効ある職員倫理条例を制定することが求められます。  第6は、同和行政及び同和教育についてです。  既に歴史的役割を終えた同和対策事業については、国も本来時限的なものであること、同和地区を取り巻く状況の大きな変化があること、差別の解消に必ずしも有効とは言えないこと、人口移動が激しい社会情勢の中で、対象を限定した施策を続けていくことが困難であることなどの理由を示して、2001年度をもって終了することとしています。特別対策終結の流れは全国の大勢となっており、本市においてもこの流れに逆行すべき理由は全くなく、我が党は特別対策を例外なく全面的に終結することを強く求めるものであります。  最後に、平和と基地撤去の問題についてです。  2000年は1月のイージス艦、4月の揚陸艦、そして10月末には米韓軍事演習に参加したイージス艦3隻など、米艦船が休養、親善を理由に相次いで博多港に入港しました。まさに基地なき軍港と言うべき異常な事態です。山崎市長が博多港の管理責任者として安全確保の義務を負っていながら、米艦の入港は国の専管事項であるとして責任を回避し、民間船舶並みに入港を認めていることは極めて重大であります。また、米軍機の板付基地使用は2000年は142機で、2日半に1機と引き続き頻繁であります。今日、国際テロと米軍等による報復戦争によって、米軍基地の存在、民間港への米艦船の入港が鋭く問われています。我が党は市民の安全と平和を守る立場から、ガイドライン関連法の発動と博多港及び福岡空港の米軍への提供に反対するとともに、博多港に非核方式を適用し、米艦船の入港を拒否するよう強く要求するものです。  以上、2000年度決算に対する基本点を述べ、我が党の反対討論を終わります。 26 ◯議長(稲員大三郎) 大石修二議員。 27 ◯19番(大石修二)登壇 私は公明党市議団を代表して、平成12年度一般会計、特別会計及び企業会計の決算について、これを認定することに賛成し、討論を行います。なお、意見の詳細については、決算特別委員会総会並びに各分科会において我が党議員が意見を述べておりますので、ここでは要点のみを述べることにいたします。  まず、財政問題についてであります。  平成12年度の歳入歳出決算を実質収入で見ると、一般会計84億9,204万円、特別会計33億5,640万円、合計で118億4,844万円の黒字となっており、前年度比では黒字幅を大きく伸ばしており、表面上は健全財政を保っているように見えます。しかしながら、財源の余裕度をはかる財政力指数は1に近く、1を超えるほど財源に余裕があるとされていますが、平成12年度で0.735と政令指定都市の中では第8位となっており、このところの景気低迷などで市税の伸びが鈍くなり、基準財政収入額の伸びより基準財政需要額の伸びが上回る傾向が続いているため、財政力指数は徐々に下がってきています。また、人件費、扶助費、公債費のいわゆる義務的経費は、高齢化の進展などにより着実にふえ続けており、このため財政構造の弾力性をあらわす経常収支比率を見ると、過去5年間着実にふえ続け、平成12年度には85.1%と要注意ラインと言われる80%を大きく超えております。今年度の経済のマイナス成長、不良債権の抜本処理に伴う景気後退、今後の少子・高齢化の進展などを考えると、この傾向は一層深まると考えざるを得ません。加えて、市の借金である市債残高は、平成12年度末3会計合計で前年度比4.2%増の2兆4,228億5,987万円となり、市民1人当たりの市債残高は185万6,133円にまで膨れ上がっています。今後、市債の発行を抑制したとしても、過去に発行した分の元利償還のため、平成16年度までは公債費の増加が避けられません。さらに、平成13年度からは地方交付税の肩がわりとして、赤字地方債である臨時財政対策債などの発行が始まったことから、市債発行の抑制についてはこれまで以上の取り組みが必要であります。このため、平成14年度までの第2次行財政改革大綱の着実な実施はもちろんのこと、さらに抜本的な行財政の改革に向けて、行政評価システムや企業会計システムの導入などによる徹底したむだゼロ作戦の展開とともに、国に対して税源移譲による地方自主財源の充実を初め、地方に負担を押しつけない形での地方交付税制度の抜本改革などを強く働きかけるべきであります。  次に、教育問題についてであります。  まず、学校の安全性の確保についてですが、大阪教育大学附属池田小学校で児童ら23人が殺傷された事件は、今なお強い衝撃と悲しみをもたらしています。安全であるべき学校で発生した、このような悲惨な事件を二度と起こしてはなりません。そのために、学校の安全管理体制を総点検するとともに、安全確保のため学校安全対策会議を設置することや、学校の警備体制を早急に強化するよう強く要望いたします。平成14年度から実施される新学習指導要領には、ゆとりの中で生きる力を持たせる教育の実現が求められていますが、そのためにも少人数学級の実現や2学期制の導入、通学区制の弾力化などについても、積極的に取り組まれるよう要望しておきます。また、開かれた学校づくりを進めていくため、学校の情報公開制度を確立するとともに、学校サポーター制度については、学校、地域、家庭の連携、対話を通し、社会の幅広い人材の活用が図られるよう求めておきます。次に、いじめ、不登校の解決に向けて、スクールカウンセラーや心の相談員を積極的に活用するとともに、教職員のカウンセラー能力の向上が図られるよう、研修や教育相談体制の強化に努めていただくよう要望いたします。市民センター、公民館については、生涯学習の推進と地域コミュニティー支援のため、ハード、ソフト両面の機能充実を図るとともに、空き教室については市民の多様なニーズにこたえ、有効活用されますよう要望いたします。地域で子供をはぐくむ環境づくりについては、若い母親たちが安心して子育てができるよう、情報提供や子育てコミュニティー広場「0123吉祥寺」型の福岡版の実現に向けての早急な取り組みと、社会全体で子供を育てるシステムを構築されますよう求めておきます。  次に、介護保険がスタートし、1年8カ月が経過しました。在宅重視と言いながら、特養の入居希望者は介護保険適用以前より増加しております。在宅サービスの質の向上と、地域のボランティアを活用したきめ細かな取り組み、低所得者に対する自己負担の軽減処置など、強く要望いたします。さらに、特別養護老人ホームの待機解消や身近な地域に痴呆性高齢者用グループホームを設置するなど、介護基盤の早急な整備をされますよう要望いたします。また、利用者や家族の苦情、相談に対応するため、苦情処理やサービスの評価を行う第三者機関を設置し、介護サービスを客観的に評価し、事業者がサービスを見直し、質の向上を図る体制を整備されるよう要望します。また、市民に対する介護や福祉などのサービス内容の情報提供については、本市の内容は不十分であります。すべての情報をホームページに掲載し、活用を図られるよう早急な対応をお願いいたします。  次に、完全失業率5.4%と過去最悪を記録している中小企業対策については、当面する雇用危機の克服は緊急の課題でありますが、労働時間の短縮や雇用制限などを含む総合的な雇用対策の早期実施を国及び関係団体に要請し、雇用機会の抜本的拡大を図るべきであります。また、本市関係企業、団体でつくる福岡市雇用情報連絡会議を、雇用拡大に直結するよう企業求人情報の提供などを行う機能拡大、強化を図るべきであります。次に、地場中小企業への発注枠を確保した公共事業の拡充に努めることであります。中でも福祉関連施設や住宅、教育施設など、生活関連公共事業の大幅拡大や元請業者などに対して地場企業への発注枠を70%台に高めるよう強く要望いたします。  次に、ITの活用についてでありますが、インターネットを通じて市民から各種の申請や申し込みの受け付け、証明書の発行など、さまざまな行政手続、情報、サービスの提供を進め、いつでもどこからでも利用できる窓口サービス、いわゆる電子自治体の実現に取り組まれますよう要望いたします。また、同時にインターネットを利用した行政情報の提供、公開などを進めるとともに、保健、福祉、医療の情報提供のための高度情報化の促進を求めます。  アイランドシティのまちづくりについては、快適で質の高い住環境の整備や高度情報化など、新たなまちづくりを目指していくという本市の方針でありますが、来年度より始まる第1期土地分譲の開始を前に、誘致の際のインセンティブとして、税制面での優遇措置や鉄軌道の敷設年次計画、光ファイバーなどの情報インフラ整備計画、また、エコパークゾーンの年次別整備計画を明示すべきであると考えます。  次に、本市の再開発事業についてであります。  大型商業施設博多リバレインを運営するエスビーシーが、バブル期の見通しの甘さなどから紆余曲折を経て特別清算をすることに決まりましたが、本市の責任は極めて重大であり、その姿勢が厳しく問われています。今後も渡辺通地区と春吉地区の再開発など、本市の主導で予定されていますが、地価下落や経済状況の変化で円滑な事業の推進ができるのか危惧されているところであります。そういった意味から、今後の都市整備は再開発という手法だけでなく、民間も含めた新たな事業手法を研究し、リスクをなくすべきであります。また、本市の過去の再開発事業を反省し、積極的な市民への情報公開、そして市民と共働して都市整備を進めるシステムを構築することが必要であります。強く要望しておきます。  次に、市営住宅の改善、改良についてでありますが、今年度中にそれぞれの住宅を診断した結果が出される予定になっています。改善、リフォーム、バリアフリー化、建てかえなど、住宅ごとにさまざまな結果が出てくるものと思われます。そこで、財政事情が厳しい中でどのように効率よく住宅を整備していくのか、大変に重要な問題であります。十分に市民のニーズに対応した住宅整備を図るよう、強く要望いたします。  次に、道路について申し上げます。  おくれている都市計画道路や生活、通学道路の整備、西南部の交通対策促進に全力を傾注すると同時に、サイクル・アンド・ライドのモデル地区を構築し、自転車を活用したまちづくりの突破口にするよう提案しておきます。また、騒音基準を超えている143区間の道路については、計画的に低騒音舗装を実施されるよう要望しておきます。  下水道整備事業においては、雨水整備緊急計画の前倒し実施、再生水利用の地域拡大、中部水処理センターの整備に特段の努力をお願いしたいと思います。さらに、河川の環境整備事業として整備が進み、市民に開放されている地域、例えば、那珂川のリバーフロントプレイスなどの管理については、市民も参加した形の管理システムを構築されるべきであります。  次に、人体に有害な鉛が水道水に溶け出す鉛製水道管について市民は大きな不安を抱いております。給水装置設置件数36万8,000件に対し、鉛管は約10万件。鉛管を使用している件数は27.2%に当たります。当局は13年度から9メートル以上の鉛管を4年計画で取りかえ、それ以下については順次取りかえるとしています。水道局は全戸を対象に鉛管の有無を通知し、取りかえについては前倒しをして実施するよう強く要望いたします。  最後に、元気都市福岡、活力に満ちあふれた福岡市の構築を目指して、山崎市長初め職員の皆様の御努力に期待いたしまして、賛成討論を終わります。 28 ◯議長(稲員大三郎) 小宮文子議員。 29 ◯37番(小宮文子)登壇 ふくおかネットワークを代表しまして、平成12年度の一般会計及び特別会計並びに企業会計の歳入歳出決算議案のうち、議案第149号、平成12年度福岡市一般会計、議案第157号、議案第162号、議案第164号、議案第167号及び議案第169号の以上6件の歳入歳出決算につきましては、これを認定することに反対し、討論を行います。  12月4日、発表された経済財政白書では、日本経済は景気の谷である99年4月以降緩やかな景気回復を続けていたが、2001年に入ってから景気は再び弱まっている。今回の景気回復は、2年に満たない戦後最短の景気回復局面であった可能性が高いと分析しています。経済成長率は2000年度1.0%と低い伸びにとどまり景気回復力も弱かった。その理由の1つに消費の低迷が続いたことを挙げています。しかし、企業のリストラは続き、雇用不安と賃金の低迷で、国民は2000年度景気回復の実感は持てないままでした。  福岡市の2000年度、平成12年度の当初予算は、一般会計前年度比0.9%減の7,135億4,900万円、特別会計は介護保険事業の新設により5.5%増の7,891億5,988万円、企業会計は3.5%増の2,827億1,272万円、総額で2.5%増の1兆7,854億2,161万円という規模でした。一般会計、特別会計合わせて254億1,931万円の増額補正が行われ、前年度からの繰越額を加えた最終予算額は、当初予算比5.9%増の1兆5,910億1,452万円となりました。  決算の状況は、歳入面では市税などの自主財源の構成比率は55.1%と、前年度、前々年度に比べて低下しています。景気の低迷で市税、諸収入が減少したことが大きな要因です。歳出の面では公債費、扶助費等の義務的経費や施設の維持管理費等が増加しており、歳入歳出どちらも依然厳しい財政状況でした。市の借金である市債残高は、前年度比4.2%増の2兆4,228億6,000万円と増加しています。市民1人当たり185万6,000円の借金を抱えていることになります。人工島建設工事、地下鉄3号線建設工事など多額の市債での公共工事が行われており、市債残高の減少は当面望めないものであり、バブル期の重圧が将来の世代に引き継がれることになり、まさに前途多難な財政状況であります。  人工島建設工事は全体の40数%の埋め立てが進み、工事による環境悪化が懸念されています。モニタリング委員会の調査では、鳥類の絶対数が減少していることも明らかになっています。人工島内の疑似湿地にはシギ、チドリ類、カモ類、サギ類など多様な種が飛来しており、休息地や営巣地として利用しています。市長は、博多湾の環境保全に努め、和白干潟を守ることを何度も表明されています。そうであるならば、和白干潟に飛来する野鳥が休息する場の1つとして、人工島に生まれた疑似湿地はそのままに残しておくべきです。また、土地処分の全体的な見通しも立っていない状況では、現在続けられている埋立工事を急ぐべきではなく、一たん中止し、計画全体を見直す検討が必要だと考えます。  2000年度から始まった介護保険事業は、介護を社会全体で支えるという理念のもとに保険制度としてスタートしました。介護保険サービス利用状況は、要介護認定者2万235人のうち在宅サービス対象者のサービス利用率は67.4%となっておりますが、この中には要介護認定は受けたもののサービスを利用しない未利用者も含まれており、制度の円滑運営の点からも、認定を受けてサービスを利用しない理由を把握して対処する必要があります。それとともに、保険料や利用料の1割負担が低所得者には重い状況など、介護保険制度の中で改善すべき点も見えてきました。今後の検討に期待したいと思います。  市営競艇事業につきましては、景気低迷の続く中、入場者数、売上金が減少しており、事業収支状況は厳しさを増しています。競艇開催のたびに引き起こされる交通渋滞、ギャンブルによる社会問題などを考えれば、公共が競艇事業を実施することについて見直すことが必要ではないかと考えます。  以上、述べてきましたように、一般会計決算初め6件の決算議案に対して、認定しがたく反対の意を表します。ふくおかネットワークは、これ以上次の世代に負担を負わせないよう、財政健全化に向けて、現在進行中、計画中の事業が本当に市民の暮らしに必要な事業かどうか、点検を徹底的に行うことが必要だと考えます。今後、さらに福祉、環境、教育など、市民生活に密着した施策の推進に重点を置いた市政運営、財政運営を強く求めまして、ふくおかネットワークの討論といたします。 30 ◯議長(稲員大三郎) 伊藤嘉人議員。 31 ◯1番(伊藤嘉人)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、平成12年度一般会計及び特別会計並びに企業会計の歳入歳出決算について、これを認定することに賛成の意を表するものであります。なお、決算の内容につきましては、既に決算特別委員会総会及び各分科会において、我が党の議員からそれぞれ意見、要望を述べておりますので、ここではその要点を述べることにいたします。  平成12年度は厳しい財政状況の中、市民生活の向上、景気対策への対応を着実に推進するため、対前年度比一般会計0.9%減、特別会計5.5%増、企業会計3.5%増、総額2.5%増の当初予算を組まれましたが、厳しい経済状況に対処するため、道路など生活基盤整備のための増額補正を行われ、景気回復対策を進められました。しかしながら、地域経済は依然として厳しい状況にあり、景気の下支えのため、なお一層の対策を推進されるよう強く要望いたします。  歳入を見てみますと、税収等の財源の確保は依然として厳しい状況にあり、主要な自主財源である市税決算額を見ると、対前年度比2.6%減となる一方、人件費、扶助費、公債費といった、いわゆる義務的経費の歳出全体に占める割合は前年度より0.9ポイント増の36%となっており、財政の硬直化がさらに進んでいます。本市では、平成10年に第2次行財政改革大綱を策定され、また平成12年には市長の私的諮問機関であります経営管理委員会からの提言を受け、行政のスリム化、財政の健全化、事務事業のさらなる見直しに取り組んでおられますが、少子・高齢社会の本格的到来を控え、福祉や環境などの施策の一層の充実が求められるとともに、生活基盤のさらなる整備など、多くの課題に対応していかなければなりません。市長におかれましては、より一層財源の確保や財政の健全化を図られるとともに、事業の厳選、財源の重点的、効率的配分に努められるなど、健全な行財政運営に努められるよう強く要望いたします。  次に、主な事業について見ますと、まず保健、医療、福祉についてでありますが、本格的な少子・高齢社会の到来を控え、保健、医療、福祉の総合化、一体化を図るため、保健福祉総合計画や福祉のまちづくり条例を推進されるとともに、地域での保健福祉の推進のため、保健福祉活動支援員の配置やボランティアセンターの各区への設置などを実施されました。今後とも、市民ニーズを的確に把握しながら、高齢者や障害者を初め、すべての市民が1人の人間として尊重され、住みなれた家庭や地域で安心して暮らし続けることができる、健康福祉社会の実現に向けた一層の努力をお願いいたします。  次に、子供に関する施策であります。  近年、不登校の生徒や虐待の増加など、胸を痛めるような話が多いわけですが、これからの社会を担う子供たちの健やかな成長は、変わることのない私たちの願いであります。また、少子化や核家族化の進行など、子供たちを取り巻く環境は大きく変化しており、子供を安心して産み、育てられる環境づくりを積極的に進めていかなければなりません。12年度には、乳幼児医療費助成の対象の拡大や、延長保育、休日保育の充実など子供に関する行政を進められましたが、健やかで創造性豊かな子供の成長を支援していくため、きめ細やかな施策を推進されるよう要望いたします。  次に、水資源に関しましては、海水淡水化事業や五ケ山ダム、大山ダム整備事業に取り組まれているところでありますが、水の安定供給は本市の最重要課題であり、早期の完成が待たれるところであります。また、筑後川水系ダム群連携事業の早期事業化につきましても国に強く要望されておりますが、今後とも水資源の安定的供給の確保に努められるよう、強く要望いたします。  次に、経済の振興についてですが、12年度においては創業支援センターやインキュベート施設の設置、さらに国際会議場の着工などが進められましたが、昨今の厳しい経済状況、またグローバル化やIT革命の進展に的確に対応し、産業の高度化を図るとともに、情報関連や観光コンベンションなど、本市にふさわしい産業の振興を一層図っていく必要があります。また、商工金融資金の融資の拡充など、厳しい経営環境にある中小事業者へのさらにきめ細やかな配慮に努められるとともに、人材確保の支援や創業支援など、なお一層の中小企業の振興に努めていただくよう要望いたします。  次に、道路や地下鉄などの都市交通体系や、港湾などの広域交通拠点機能の整備についてであります。まず、福岡都市高速道路については、待望久しかった1号線が13年10月に開通、西九州自動車道と接続し、飛躍的に利便性が向上しております。高速5号線の工事も着実に推進されておりますが、福岡外環状道路を初めとする基幹道路や地下鉄3号線の早期整備を要望いたします。また、港湾につきましては、コンテナ取扱量や国際旅客数も順調に増加しておりますので、今後とも中枢国際港湾として、アイランドシティなど施設整備の一層の推進に努められるよう要望いたします。  次に、国際化の推進についてですが、12年7月には九州・沖縄サミット福岡蔵相会合が、13年7月には世界水泳選手権が成功裏に開催されました。また、来年には第6回ロボットサッカー世界大会も開催され、さらには15年春完成予定の国際会議場を活用する国際会議も続々と決定しております。立派な国際コンベンションゾーンとなるわけですから、コンベンションの誘致に一層努力されるようお願いいたします。また、中国の発展などダイナミックな国際化が進展しており、経済交流や市民レベルの交流を推進し、アジアの交流拠点都市として発展していくための努力を要望いたします。  以上申し上げましたように、本市におきましては市政の抱えるさまざまな課題に対し取り組んでおられるところですが、21世紀の福岡市をより豊かなものにしていくためには、市民が生き生きと生活できる環境づくり、システムづくりが市政の根本であると考えます。今後とも福岡市が一層の効率的な行財政運営を図りながら、市民1人1人が活気に満ち、また活力あるアジアの交流拠点都市として、ますます発展することを願いまして賛成討論といたします。 32 ◯議長(稲員大三郎) 石川浩二朗議員。 33 ◯22番(石川浩二朗)登壇 私は福政会市議団を代表いたしまして、平成12年度一般会計、特別会計、企業会計歳入歳出決算について、これを認定することに賛成の意を表明するものであります。なお、詳細につきましては、特別委員会における総会及び委員会において、我が会派の同僚議員がそれぞれ意見を述べておりますので、ここでは要約して述べることにいたします。  まず、平成12年度歳入歳出決算を見ますと、一般会計におきましては、形式収支では159億5,456万円、実質収支で84億9,204万円の黒字を生じており、一応適正な財政状況を保持しているものと認められます。これは歳入面において、前年度比4.7%、365億3,593万円減となっているものの、歳出面において前年度比5.1%、385億3,027万円減となったことが要因と言えます。なお、歳入に占める自主財源の構成比は、平成11年度55.9%、平成12年度55.1%と前年度を0.8%下回っております。一方、自主財源の根幹をなしております市税は2,514億3,020万円で、前年度比2.6%、67億5,042万円減となっており、現在の経済の動向から見て、当面市税の大幅な増収を期待することはできないと思われます。平成12年度の市税収入率は95.10%、また使用料収入率は96.3%となっており、平成13年度以降一歩ずつでも最終目標の100 %に近づくよう、収入率の向上に努められるとともに、環境対策等のため福岡市独自の税制の創設など、財源の確保に引き続き努力されることを要望いたします。  次に、特別会計におきましては、12年度は新たに介護保険事業を加えた20会計となっております。全特別会計の決算額を見ますと、全会計の歳入は7,859億429万円、歳出7,821億6,905万円で、歳入は前年度比0.37%、歳出も0.83%の減となっております。そのうち国民健康保険事業については、保険料収入は増加しているものの、医療費の伸びなどにより実質収支額において4億495万円の赤字を生じております。その他の特別会計の実質収支は黒字または均衡をしております。この結果、当年度における特別会計の実質収支合計額は33億5,640万円の黒字で、市債管理886億7,435万円を除く一般会計からの繰入金は前年度に比べ44億4,828万円、15.1%増の338億3,846万円となっております。前年度に比べ繰り入れが増加したものは、介護保険事業、中央卸売市場、臨海市場などの増加が主なものでありますが、国民健康保険事業を初めとして、収入率の向上には引き続き努力されることを要望いたします。  次に、企業会計についてであります。  まず、病院事業会計ですが、医業収益は入院収益の増などにより、前年度比5.6%増の89億6,901万円となっておりますが、医業費用は経費の減などにより0.8%減の104億8,113万円となっており、差し引き15億1,212万円の医業損失を生じております。総収益では前年度比1.3%増の111億5,237万円、これに対する総費用は1.0%減の110億7,829万円で、差し引き7,409万円の純利益を生じており、累積欠損金は、前年度比1.9%減の38億6,209万円となっております。特に、こども病院・感染症センター及び市民病院は、市民の高度医療機関として重要な役割を果たしているわけでありますが、依然として厳しい経営状況にあり、今後ともより一層の経営健全化の努力を要望いたします。  次に、下水道事業会計におきましては、経営収支において、収益が費用に対して不足する額に対する一般会計からの繰入金は、前年度に比べ12億5,474万円減少し、34億5,535万円となっております。この結果、総収益に占める割合が前年度比、平成11年度の8.8%から本年度6.6%に減少しておりますが、依然として一般会計に依存している状況にあります。一方、施設整備は着実に進んでおり、普及率は前年度に比べ0.2ポイント上がり、大都市平均を上回る98.8%となっております。下水道は生活環境改善のための基幹施設であり、かつ海や河川等の自然環境を守るための重要な施設であります。下水道事業も水洗化の促進という普及率の面では整備は進んでおりますが、浸水対策という面ではまだまだではないかと思われます。今後とも水洗化区域の拡大、浸水地区の解消を図るなど、下水道施設整備を推進されるとともに、なお一層の経営改善に努力されることを要望いたします。  水道事業会計につきましては、営業収益の大半を占める給水収益が家事用延べ戸数の増及び家事以外の用の1戸当たり使用水量の増に伴い、前年度比1.3%、4億4,837万円増加したことにより、営業収益は338億8,956万円となっております。なお、総収益は前年度比1.2%増の376億2,225万円、総費用は1.1%減の346億7,160万円で、純利益29億5,065万円を生じております。水は市民生活及び都市活動を支える重要な基盤であり、水の安定供給のための水資源開発及び節水型都市づくりは最重要課題であります。建設中の五ケ山ダム、大山ダムの事業推進、計画中の小石原川ダムの早期着手など、水資源開発を積極的に進めていくとともに、雨水及び下水処理水の活用など水の有効利用を図り、さらに海水淡水化についても、国、県、福岡都市圏市町村と連携を図り、さらなるコスト低減化に取り組み、早期完成に向け積極的に推進されることを要望いたします。今後とも一層の市民サービスの向上に努めるとともに、水道料金収入の確保や経費の節減、経営の効率化と合理化を図り、健全な財政に努められるよう要望いたします。  次に、高速鉄道事業会計につきましては、乗車人員が、長引く景気の低迷、都心循環100円バスの運行等の影響により、前年度比4.6%減少、運輸収益も前年度比4.5%、9億3,186万円減少したことなどにより、営業収益は前年度比4.0%減の213億7,116万円となっております。一方、営業費用は減価償却費が減少したことなどにより、0.4%減の185億6,568万円で、営業利益は28億548万円となっております。この結果、当年度の純損失は、前年度より1,375万円減少し、91億7,514万円となっております。今後とも利用者の増加対策を進め、経営の健全化に努めるとともに、安全で快適な輸送サービスの提供と、高齢者や障害者など、弱者に優しい施設づくりを推進されることを要望いたします。また、地下鉄3号線は都心部と西南部を結ぶ重要な交通機関として、平成17年度開業を目標に建設工事が進められておりますが、建設工事の進捗に伴う交通渋滞の解消対策と、工事の円滑かつ安全の十分な確保を図るとともに、早期完成に向けた積極的な推進を強く要望いたします。  以上、各会計全般について意見を述べてまいりましたが、特別委員会の審査の過程で、当局の事業執行において今後留意されるべき点が見受けられましたので、ここで申し添えておきます。それは福岡市の財政状況についてであります。市債借り入れ額は年々減少してはおりますが、平成12年度末残高では、一般会計1兆2,089億3,668万円、特別会計2,253億1,309万円、企業会計9,886億1,010万円であり、総額として2兆4,228億5,987万円、前年度比4.2%の増であります。これを市民1人当たりにすると185万6,133円にもなります。さらに、借入金の利息だけでも総額894億8,896万円を支払っており、これを1日に換算すると2億4,518万円となります。また、起債制限比率も年々増加しており、平成8年度の13.7%から平成12年度は15.4%と、この5年間で1.7ポイントも上昇しております。今後、市税収入の伸びが期待できないことを考えますと、本市では現在の活力を維持しつつ借入金を減らしていくという、極めて厳しい財政運営が要求されることになります。  21世紀を迎え地方分権社会、少子・高齢社会が進展する今日、日本経済は回復の動きが依然として鈍く、また、企業のリストラなどによる失業者の大幅な増加と就職難など課題が山積する中、国はもとより本市においても厳しい財政状況にあります。しかしながら、IT革命の推進など、新たな時代の潮流を的確に見きわめ、都市活力の維持、向上や市民生活の視点に立った魅力ある都市づくりを推進していくためには、従来の枠組みにとらわれない行政システムの構築に果敢に取り組んでいくことが不可欠であり、新たな行政課題に対応できるように体質を強化していかなければなりません。経済の活力低下や将来世代の負担増を防ぐ観点からも、不要不急の歳出削減の徹底を図ることはもちろん、費用対効果、市民満足度の分析などを踏まえ、事業の抜本的点検、事務事業の厳選、重点化や民間活力のさらなる導入など、経営管理手法に基づく市政運営を確実に推進していく必要があると考えます。また、第2次行財政改革大綱において、外郭団体については、平成9年度にあった43団体を平成14年度までに2割程度削減するという目標を掲げ取り組んでおられますが、現状は5団体純減の38団体となっております。今後とも社会経済情勢の変化を的確にとらえ、外郭団体、出資団体の事業やあり方を見直し、目標設定を上げて、統廃合を積極的に進められるよう要望いたします。  なお、現在全庁を挙げて推進しておられる行財政構造改革につきましては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を上げるという基本原則に沿って、職員1人1人がサービス精神、コスト意識などの経営感覚と自覚を持つことが重要であると認識しております。また、その推進に当たっては、単なる財政削減や仕事の削減に終わらせてはならないと考えています。市民生活の豊かさと安定を図る事業や、税源の涵養になり、ひいては市勢の発展にもつながる都市基盤の充実強化を進める事業には、積極的かつ重点的な継続性のある取り組みが必要と考えます。市民の生活を守るという市政の原点に立ち、中長期的な観点から厳しい目で業務の積極的な見直しとあわせて市政への市民参画システムの確立を図り、真に市民ニーズに基づいた施策を展開されるよう要望いたします。特に、市債につきましては厳しい財政状況の中、発行額の一層の抑制に努め、公共事業を初めとする投資の重点化、効率化をさらに進めるとともに、今後とも本市のさらなる発展と繁栄、市民が快適で安心して暮らせるまちづくりの実現に向けた取り組みを積極的に推進されるよう強く要望いたします。  福政会は今後も市民の負託にこたえるべく、気持ちを新たにして市政に取り組んでまいる決意でございます。  最後に、このような厳しい行財政のもと、市長を初め職員皆様の御努力を期待いたしまして、私の賛成討論を終わらせていただきます。 34 ◯議長(稲員大三郎) 塩手真吾議員。 35 ◯63番(塩手真吾)登壇 私は社会民主党福岡市議団を代表いたしまして、2000年度一般会計及び特別会計並びに企業会計の歳入歳出決算について、これを認定することに賛成し、討論を行うものであります。  我が党は2000年度予算及び市政の執行に当たって、地方分権の推進、財政再建、平和施策の積極的な展開、福祉、教育、環境、人権、交通施策など、市民参加による生活重視の市政推進を強く要望してまいりました。一定程度の成果も見られますが、これらの諸課題は長期的あるいは計画的な施策の推進が求められるものであり、今後、市当局のさらなる努力を期待するものであります。  さて、我が国の経済状況は、完全失業率が5%を超えるなど過去最悪を記録し、依然として明るい展望が見出せずにおります。企業のリストラによる雇用不安や賃金引き下げで国民の消費活動はさらに停滞し、そのことが国家財政を一層悪化させているところであります。また、財政問題のほかにも少子・高齢社会への対応や環境問題、中小企業振興など、解決すべき課題は山積をしております。さらには一切の差別をなくし、すべての人々が平等で権利が保障される人権社会の確立も求められております。このような社会背景の中で、本市は第2次行財政改革大綱及び経営管理委員会の提言の趣旨に基づき、行政の透明化の推進や経営的な視点で、行政全般について簡素化、効率化の推進など、市民が安心して暮らせる社会の実現に向けて各種施策を展開しておられます。なお、さきの決算特別委員会における総会並びに分科会におきまして、我が党議員がそれぞれ意見を述べておりますので、ここでは要点のみ述べることといたします。  まず第1点は、財政の健全化であります。  2000年度決算を見ますと、一般会計では歳入7,343億円余に対し、7,184億円余の歳出となっており、形式収支は159億円余、実質収支は84億円余の黒字となっております。特別会計、企業会計につきましても、おおむね均衡がとれたものになっております。しかしながら、我が国経済がいまだ金融不安から抜け切れない状況の中において、今後も市税の伸びは余り期待できない状況であります。また、市債は年々減少してきてはおりますが、依然として市債依存度の高い財政運営になっており、2000年度末の市債残高は、前年度比4.1%増の2兆4,228億円で、市民1人当たりに換算しますと185万円余となっており、普通会計における公債費比率は20.6%と、警戒ラインの15%を大きく突破しております。このように、市債の依存度が高い硬直化した財政運営となっており、今後の財政運営に強い懸念を抱いております。今後、さらに財源に見合った財政歳出構造の確立を目指し、限られた財源の重点的かつ効率的な配分を行い、弾力性のある健全な財政運営に一層努められるよう要望いたします。  第2点は、地方分権を生かした施策の推進であります。  いわゆる地方分権一括法が昨年4月に施行され、本格的な地方分権の時代がスタートいたしました。これにより、機関委任事務制度が廃止されるなど、国と地方の関係は上下、主従から対等、協力の関係に変わったわけであります。それとともに、自治体がみずから考え、みずからの責任で決定できる施策や条例制定の範囲が大幅に広がったと言われております。このことは市において、国に伺いを立てて決めるのではなく、市民に目を向け、みずからの判断で行政を進められるということであります。今後、本市は拡大された自治体の自己決定権を市民のために生かし、市民と共働して、真に豊かさを感じられる社会を構築していく必要があると考えます。そのためにも、市民の声にもっと耳を傾け、それを生かした施策を市民とともにさまざまな分野で展開されるよう要望いたします。  第3点は、介護保険制度であります。  我が国では高齢化が短期間のうちに急速に進展しており、21世紀は超高齢社会になることが予測されております。このような高齢社会において、老後を安心して暮らせる社会を築いていくためにも、高齢者の介護を国民皆で支え合うという考えのもとで、昨年4月に介護保険制度がスタートいたしました。この介護保険制度は、利用者自身がサービスを選択することを基本とした利用者本位の制度として期待され、また、そのことが安心して暮らせる高齢社会を構築していくものであると考えております。しかしながら、介護保険制度が施行されて1年8カ月が経過したところでありますが、幾つかの課題が明らかになってまいりました。特別養護老人ホームを初めとする介護サービスの基盤整備や、高齢者の自立を支援し、利用者がみずからの選択による質の高い介護サービスを受けるためのサービス評価システムの構築や、介護支援専門員の資質向上などに取り組むことは重要な課題であります。また、ひとり暮らしや痴呆症の高齢者などの利用者保護の仕組みづくりや、痴呆性高齢者の要介護度が低く評価される問題、低所得者に対する配慮など、きめ細かな対応を図る必要があると考えます。介護保険制度が市民に信頼され、使いやすい利用者本位の制度となるためには、これらの課題の解決に向けて早急な対応を図ることが必要であり、その確実な取り組みを強く要望いたします。  第4点は、環境問題であります。  21世紀は環境の世紀と言われております。ごみ問題を含めた今日の環境問題は、限りある資源、限りある地球を次の世代にきちんと引き継いでいくためには、私たち1人1人が真剣に考え、取り組んでいかなければならない課題であります。年々深刻化している地球温暖化やオゾン層の破壊、酸性雨の発生などの地球環境問題は、私たちすべての人間が被害者であると同時に加害者でもあります。これらの問題を解決し、よりよい環境を私たちの子孫に引き継いでいくためには、私たち1人1人が行動を起こすとともに、市民、民間団体、事業者、行政が共働し、日常生活や事業活動の中で具体的な対策に取り組んでいくことが急務であります。国においては、昨年6月に循環型社会形成推進基本法が制定されるなど法的枠組みが整備されており、本市においても資源循環型社会構築に向けた積極的な推進を強く要望いたします。  第5点は、雇用問題を含む中小企業対策の推進であります。  景気の動向に密接な関連があります雇用情勢については、完全失業率が本年10月の全国平均で5.4%と過去最悪となっており、特に九州地域は全国平均をはるかに上回る厳しい状況になっております。新たな雇用の機会を創出するためには、地域の産業集積、商業集積の中核である中小企業の活性化が重要な課題であります。本市経済がその活力を維持、強化していくためにも、中小企業がたゆまぬ努力と創造性を発揮し、競争力を高めることによって、成長、発展していくことが不可欠であります。そのためにも、時代を先取りしたIT活用の推進、近代化、高度化の推進、経営基盤の強化、金融の円滑化を初め、新分野への進出企業や創業の支援、新産業の振興など、中小企業対策を総合的かつ積極的に講じられるよう強く要望いたします。  第6点は、教育の問題であります。  いじめ、不登校など教育をめぐる状況は厳しいものがあり、解決すべき課題は山積いたしております。この現状を打破し、21世紀の展望や子供の教育に係る実態、国における教育改革の動向を踏まえながら、福岡市が持つ自然や歴史、伝統、文化などの特性を生かし、郷土福岡を誇りとし、21世紀に夢や目標を抱きながら、豊かな心、たくましく生きる力を持つ子供をはぐくむために、教育改革プログラムを策定されたことには敬意を表します。しかしながら、教育改革は決してプログラムを策定して終わるというものではなく、これをいかに実行に移し、効果を上げていくかが重要であります。そのためにも学校現場、保護者、子供たちの意見を十分取り入れながら、教育改革プログラムが絵にかいたもちにならぬよう、行政、学校、家庭、地域が一体となって、今後とも子供を中心に考え、取り組みを進められるよう強く要望いたします。  第7点は、同和行政の推進であります。  これまでの本市における同和対策事業の実施により、生活環境改善等については一定の評価をすることができます。しかしながら、部落差別の本質とも言える教育、就労の面では、いまだ地区外との格差は解消されておらず、心理的差別の面においても、最近の高度情報化社会の中で、インターネットを利用した差別行為、部落大衆や弱者を職場から締め出すことを目的とした差別身元調査など、依然として悪質な差別事象が後を絶たない状況にあります。また、女性、子供、障害者、在住外国人問題など、解決に向けて取り組むべき多くの人権問題が存在していることも決して見逃してはならないと考えられます。こうした中、現在の地対財特法が時限立法として、2001年度末をもって法失効を迎えようとしております。一方、今後の重要な課題であります人権教育、啓発につきましては、2000年12月に人権教育及び人権啓発の推進に関する法律が施行され、人権尊重の精神を広めていくための諸施策が推進されようといたしております。このため我が党といたしましては、この21世紀を人権の世紀と位置づけた上で、地方分権の時代にふさわしく、本市の現状と課題をしっかりとらえながら、同和問題の解決への取り組みを、あらゆる人権問題の解決への取り組みへと広げ、新たな人権・同和行政基本方針に基づき、積極的に施策を推進するとともに、市政全般にわたって基本的人権の尊重の理念を踏まえた各種施策を総合的に推進する人権局を創設されるよう強く要望いたしまして、2000年度決算議案について討論を終わります。ありがとうございました。 36 ◯議長(稲員大三郎) 友納博美議員。 37 ◯14番(友納博美)登壇 私は新政会を代表いたしまして、平成12年度一般会計及び特別会計並びに企業会計の歳入歳出決算について、これを認定することに賛成の意を表するものであります。なお、決算の内容につきましては、決算特別委員会総会及び分科会において、同僚議員からも意見、要望が述べられております。また、それぞれ会計別の財政内容については、各会派代表議員から詳細に述べられましたので省略いたしまして、ここでは概括して述べさせていただきます。  さて、時代は20世紀から21世紀へ、そして新たなミレニアム、千年紀へ移ったわけでありますが、その最初の年である今年、世界的な経済の停滞が続く中で同時多発テロという大きな事件が起こり、政治的にも経済的にも大きな混乱を引き起こしております。グローバル化や情報化におけるボーダーレスが急速に進展する中で、この事件は私たちにさまざまな課題を投げかけました。グローバル化や情報化の動きは、いわば壁をなくしていく動きであり、国境やコミュニケーションの障害が取り除かれていくプロセスでありますが、今回の事件は宗教や人種、あるいは文化の壁の存在を改めて私たちに感じさせるものであります。グローバル化や情報化は、一方では標準化や画一化を招き、その流れに乗れないものが排除される結果となります。私たちはこの点を忘れず、真のグローバル化、情報化とは何かを模索する必要があります。  福岡市は、これまで長きにわたってアジアとの窓口として成長してきました。大交流の時代と言われている21世紀においては、ますますアジアとの交流、世界との関係は強まるものと予想されます。そのような中で、アジアの交流拠点都市を目指す本市としては、アジアの国々と積極的な交流を図るとともに、相互の正しい文化理解を進める必要があると考えます。それがグローバル化や情報化が進展する中での本市の大きな役割であり、アジアに貢献できる道であると考えます。厳しい財政状況の中でありますが、国際的な潮流もしっかり見きわめて市政を進めていただきたいと考えます。本市が都市の活力を維持、発展させつつ、福祉や環境の充実を図り、豊かで魅力的な都市を築いていくためには、しっかりと将来や世界を見詰め、必要な施策を確実に実施していくことが重要であります。そのためには、事業の的確な選定や財源の重点的、効率的な配分に努めるとともに、予算執行に当たりましても、一層厳しい姿勢で職員の皆さんの創意工夫、健全な財政運営に努力されるよう要望します。
     また、行財政改革については、このたび外郭団体経営委員会を設置され、各団体の改廃も視野に入れた検討がされると聞いております。ぜひとも思い切った改革を実施されるよう要望します。また、この経済構造改革によって生じる失業者に対するセーフティーネットを重要施策として取り組んでいただきたいと思っております。また、環境共生都市づくりも、世界を見据え、将来を展望した重要な課題であります。地球温暖化対策、環境ホルモン汚染対策、ダイオキシン対策、ごみ減量対策等の総合的な推進が求められます。また、観光についての施策も忘れてはなりません。福岡市は自然、歴史、文化、いずれも豊かであり、また華やかな都市型の集客施設もあります。これらはいずれも貴重な財産であります。海外からの観光客の受け入れから市民の身近なレジャーに至るまで、幅広い観点で観光行政の推進が求められます。また、国民宿舎千石荘の活用策については関係住民に十分説明され、納得される活用策が実現されるよう要望いたします。これらの課題は本市にとっていずれも重要であり、行政としてもさまざまな創意工夫を凝らして対応していかねばならないと思っておりますが、特に、市民参加の市政については具体的な施策の充実を実行するとともに、効率的な施策展開を図られることを望みます。また、行政不信、議会不信についても、それぞれ職員倫理条例、政治倫理条例を充実させ、遵守するよう私たちも努めていきたいと思っております。  最後に、このような厳しい行財政のもと、市長を初め議員皆様の努力を期待いたしまして、私の賛成討論を終わらせていただきます。ありがとうございました。 38 ◯議長(稲員大三郎) 高山博光議員。 39 ◯61番(高山博光)登壇 福岡平成会を代表して討論をいたします。  平成12年度の重要事業の実施状況の中に、一般会計、葬祭場再整備事業費1,942万9,000円があります。福岡市葬祭場の建てかえに向けた基本計画の作成等であります。その基本計画の概要は以下のとおりと説明されました。福岡市葬祭場の老朽化や今後の火葬件数の増加に対処するため、新たに葬祭場を建てかえるものです。そのため、1,500坪の現在の葬祭場を解体し、3,600坪の新葬祭場を新築するものです。その内訳は市直営で建設の場合、坪当たり165万円掛け3,600坪で60億円、坪当たりで165万円、平米単価50万円です。火葬炉34基掛け5,000万円、17億円、外構工事費7億4,000万円、合計84億4,000万円と説明をいたしております。また、財団法人福岡市環境衛生公社で建設すると、1割程度の削減が可能であるとして76億円としています。財団法人で葬祭場を建設し、市に譲渡後管理運営を再び財団法人に委託する場合は、市直営方式より20年間で財政負担は30億円安くなるとし、建設運営を財団法人でやることとしての報告を受けました。  まず、現在の葬祭場は昭和54年8月に竣工したものです。官庁建築では木造建築でもその寿命は40年としています。まだ22年しかたっていない鉄筋コンクリート造の、ぴかぴかの現役真っ盛りの建物です。当時私は市議会議員でした。東洋一の建物と絶賛され、全国から視察が続き、海外からも多くの人が訪れました。樹林の真ん中の葬祭場は周辺の樹木や自然とマッチして、玄関で下車し、告別所、火葬所、待合室と、最後には拾骨室にて拾骨する人の流れの左右に、樹木を眺め、落ち葉を眺めるのはまさに22年の風月のなせるわざで、とても設計のすばらしさがうかがわれます。全館イタリアから輸入の大理石、トラバーチンをふんだんに使った超高級感と、周辺と調和した落ちつきが荘重さを増幅し、最後のお送りの場としては最高の場ではないでしょうか。東洋一と言われる日本建築協会で最高の名誉と言われる日本建築学会賞を受賞した、建ってわずか22年の名建築を全部壊して、1,500坪、5,000平米を3,600坪、1万2,000平米の2.4倍にして将来に備えるというのは説得力に欠けます。しかも、市でやれば建設費が84億4,000万円だが、財団法人で建設すれば76億円と、8億4,000 万円も安くなるというのも説得力に乏しいものです。  現在の火葬件数は21炉火葬炉がありますが、1日に30回以上火葬炉を使ったのは過去5年間平均で1カ月平均で2.6回です。1日の最高利用は5年間で50回が1度だけあります。平成10年11月16日。21炉中18炉を使い、操業日を現在の341日とし、機械の性能、これは設計の設定条件であった1日3回使用で計算すると、現在の稼働率は36%です。340日1年稼働で18炉で3回で1万8,360件。稼働率を77%に上げれば平成37年の1万4,300件は現在の能力で十分対応できます。百歩譲って現葬祭場の建物の弱点は、空調、電気設備等の老朽化、待合室等の老朽化と狭さ、火葬炉機械の老朽化、バリアフリー対策等です。現在の建築を大改造し不足分を新たに増新築したケースで、民間設計事務所の試算では、1、現在の建築の空調、電気、内部改造、バリアフリー改造、1,500坪掛け坪単価30万円で4億5,000万円。2、現在1炉当たりの建築面積が72坪です。13炉増設分で936坪掛け坪単価100万円で見ても9億3,600万円。3、火葬炉34炉を市の計画案の単価どおり5,000万円で置いて17億円、合計30億8,600万円です。31億円で現在の建物を生かした現建築の改造案プラス不足分の増築案プラス火葬炉34炉全部の新設31億円です。また、財団法人による建設、運営の方が福岡市直営と比べると20年間で30億円安くなると言うが、現在の葬祭場を生かして増改築をやれば当初から76億円マイナス31億円で45億円安くなります。今後、改造プラス増築案等外部からの提案等を受け入れて、財政逼迫の折、最も安くなる方法を抜本的な考え方の再検討をとられることを強く要望します。  次に、環境局の不法な海上投棄問題については、県警は2社、26カ所の会社、事務所を調査し、有機性汚泥の海上不法投棄の犯罪事実を指摘し、警官86人を投入し調査を継続しています。新聞報道は、法が有機性汚泥を禁止した1996年1月より福岡市環境局は黙認していたと伝えています。そこで、業者が福岡市へ報告義務のある年次実績報告書を見れば一目瞭然です。その提出を求めていますが、環境局は警察の調査中と言って提出を拒否しています。また、平成13年5月15日、環境省は行政処分の指針についてと通知を出しています。我が市へも来ています。その中で刑事処分との関係について、違反行為が客観的に明らかであるにもかかわらず、控訴が提起されていることを理由に行政処分を留保する事例が見受けられるが、違反行為の事実を把握した場合には、刑事処分を待つことなく速やかに行政処分を行うこととなっていますが、環境局は行政処分等をなし、もっと厳しく対応されることを希望いたします。  これら2点については、特に前向きに対応されることを申し述べた上での賛成討論といたします。ありがとうございます。 40 ◯議長(稲員大三郎) 三原修議員。 41 ◯55番(三原 修)登壇 私は、民主・市民クラブを代表して、平成12年度決算関係議案の認定に賛成する立場から討論に参加します。平成12年度決算数値並びに諸課題については、総会質疑及び分科会において同僚議員が質問をしておりますので省略させていただきますが、幾つか意見を述べさせていただきます。  議員になりまして今回で2回目の決算を終えたわけですが、行政の決算資料は大変難解で、全体的な資金の流れを理解するにも大変な労力がかかります。この決算内容は市民の皆様が見ても難解で、なかなか理解ができないと思っております。今、地方分権の流れの中、自分たちが支払っている税金がどのような事業に幾ら使われ、どのような効果が出たのか、それを知りたいと考えるのは、そこに住んでいる住民の素直な気持ちです。そのためには、本市が持っている情報をいかに市民の皆様にわかりやすく伝えることができるかが大事になってくると考えております。そこで財政の部分では、民間企業で使われている発生主義の企業会計手法を早期に確立し、だれもが今の財政状況がわかるようにすること、また、事業においては投資した資金がどのような効果を生んだかなどをはっきりするため、事業評価システムを早期に確立すること、また、市が出資をしている外郭団体等の経営状況をわかりやすく伝えることで責任体制を明確にし、必要な事業か不必要な事業か、市民の立場からチェックができる体制を早期に確立することが必要であると思っております。そして、そのような情報を市民の皆様へ正確に伝えるためにも積極的な情報開示が必要であります。今、本市では情報公開条例の見直しが進められていますが、聖域なき情報公開が進むよう、強く要望しておきたいと思います。  今後、さらに厳しい財政状況が続きますが、より効率的、より効果的に事業にめり張りをつけ実施されることを最後に要望し、賛成討論といたします。 42 ◯議長(稲員大三郎) 以上で討論を終結いたします。  これより採決に入ります。まず、議案第153号、議案第165号及び議案第166号、以上3件を一括して採決いたします。本案に対する委員長の報告はいずれも認定すべきであるとするものであります。本案は委員長の報告のとおり認定することに賛成の議員の挙手を求めます。       〔賛成者挙手〕 43 ◯議長(稲員大三郎) 全員賛成であります。よって、本案はいずれも委員長の報告のとおり認定することに決しました。  次に、議案第150号ないし議案第152号、議案第154号ないし議案第156号、議案第158号ないし議案第161号、議案第163号、議案第168号、議案第170号ないし議案第174号、以上17件を一括して採決いたします。本案に対する委員長の報告はいずれも認定すべきであるとするものであります。本案は委員長の報告のとおり認定することに賛成の議員の挙手を求めます。       〔賛成者挙手〕 44 ◯議長(稲員大三郎) 賛成多数であります。よって、本案はいずれも委員長の報告のとおり認定することに決しました。  次に、議案第149号、議案第157号、議案第162号、議案第164号、議案第167号及び議案第169号、以上6件を一括して採決いたします。本案に対する委員長の報告はいずれも認定すべきであるとするものであります。本案は委員長の報告のとおり認定することに賛成の議員の挙手を求めます。       〔賛成者挙手〕 45 ◯議長(稲員大三郎) 賛成多数であります。よって、本案はいずれも委員長の報告のとおり認定することに決しました。  この際、暫時休憩いたします。                                         午後0時45分 休憩                                         午後1時49分 開議 46 ◯議長(稲員大三郎) 休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第31ないし日程第59、以上29件を一括して議題といたします。この際、市長から提案理由の説明を求めます。山崎市長。 47 ◯市長(山崎広太郎)登壇 ただいま上程になりました議案29件について、提案の趣旨を説明いたします。  まず、予算案について説明いたします。  今回の補正規模は、一般会計11億5,651万円の追加、特別会計22億938万円の減額、企業会計7億1,406万円の減額、合計17億6,693万円の減額となっております。その主な内訳は、人事委員会の勧告に伴う給与改定による給与費等7億4,959万円の減額、補助内示の増加に伴う高速鉄道3号線建設事業費19億8,100万円の追加、緊急地域雇用対策事業に要する経費2,265万円の追加、その他財政調整基金積立金10億円の追加などとなっております。これらの補正に要します財源は、それぞれの関連歳入のほか、平成12年度決算による繰越金を充当いたしております。  次に、条例案について説明いたします。  職員の公務員倫理に関する条例案につきましては、本市職員の公務に対する市民の信頼を確保するため、職員の公務員としての職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講じるものであります。公益法人等への福岡市職員の派遣等に関する条例案につきましては、公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律の施行に伴い、公益法人等への本市職員の派遣等に関し必要な事項を定めるものであります。公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律の施行に伴う関係条例の整備等に関する条例案につきましては、公益法人等への本市職員の派遣等に関し、関係条例を整備するなどの改正を行うものであります。職員の給与に関する条例等の改正案につきましては、人事委員会の勧告にかんがみ、地方自治法の一部改正を踏まえ、一般職職員に対し当分の間、特例一時金を支給するなどの改正を行うものであります。市税条例の改正案につきましては、高齢者向け優良賃貸住宅である貸し家住宅に対する固定資産税の減額措置に係る申告手続を定めるなどの改正を行うものであります。保健所設置条例等の改正案につきましては、保健福祉行政の充実を図るため、博多保健所及び博多急患診療所の位置を定めるものであります。水道局企業職員の給与の種類及び基準を定める条例及び交通局企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の改正案につきましては、水道局及び交通局の企業職員について、市長事務部局の職員と同様に、当分の間、それぞれ特例一時金を支給するよう改正を行うものであります。  次に、一般議案について説明いたします。  まず、市民の利便を図るため町の区域を変更するための議案及び平成14年度において本市が発売する当せん金付証票の発売総額を定めるための議案を提出いたしております。  次に、契約関係といたしまして、建替促進住宅・千代六丁目団地その1地区の新築工事、アイランドシティ地区のコンテナクレーン設置工事、以上2件の各請負契約を締結するための議案を提出いたしております。  以上で説明を終わります。よろしく御審議をお願いいたします。 48 ◯議長(稲員大三郎) これより質疑に入ります。発言通告者のうちから順次質疑を許します。倉元達朗議員。 49 ◯34番(倉元達朗)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、議案第227号、福岡市職員の公務員倫理に関する条例案について質問をいたします。  同議案は、本市職員の職務に関する使命感の自覚と高揚を促すとともに、職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する市民の信頼を確保するため、職員の公務員としての職務にかかわる倫理の保持に資するため必要な措置を講じる必要があるというものであります。質問の第1は、倫理条例を設ける目的と意義についてであります。条例の第1条には目的として、福岡市職員が市民全体の奉仕者として職務に関する使命感の自覚と高揚を促し、職務の執行の公正さを確保するとあります。しかしながら、一般職員はもともと地方公務員法、市条例等に基づき、信用失墜行為の禁止や秘密を守る義務、職務に専念する義務など厳しい服務規定が課され、宣誓もしており、これらに違反すれば処分する規定もあります。本来こうしたことがきちんと守られれば、全体の奉仕者として市民の信頼を得る市職員としての責任は果たせるのであります。そこでお尋ねしますが、こうした法や条例に加え、あえて倫理条例を設ける意義について御所見をお伺いします。  第2点は、本条例によって、これまで起きてきたような相次ぐ汚職腐敗を防止することができるのかどうかという問題です。本市ではこれまで、地下鉄工事を背景とした自民党パーティー券事件、木山元局長の逮捕に至った河本建設談合、贈収賄事件、そして副議長逮捕に見られる収賄あっせん事件など、公共工事をめぐる汚職腐敗事件が発覚し、市政の重大問題となってきました。また、さらに住宅供給公社の不正入居やパソコン事件、筥崎土地区画整理事業等の用地買収に絡む収賄事件、ことし起こった土木局部長への便宜供与事件など、個人的不祥事も起きてきました。そこで、今回出された条例案で、絶えることなく続くこうした汚職腐敗事件をなくせるのか、お尋ねをいたします。  次に、条例案で不祥事を防ぐことができるのか、1つ1つ検証していきたいと思います。今回発覚した浜田事件の起訴状によると、平成9年4月18日ごろ、福岡市が指名競争入札の方法により発注予定の壱岐東地区下水道築造工事2件に関し、浜田元議員が設計価格を聞き出してもらいたい旨の依頼を業者より受け、浜田元議員から電話を受けた同市下水道局担当課長が両工事の設計金額がそれぞれ1億3,000万円と1億800万円であるということを漏えいしたというものであります。また、木山事件でも設計価格の漏えいの問題が現在係争中であります。もともとこれらは、地方公務員法など法違反であります。法に違反する行為が相次いで起きている事態に対し、どのような防止策が本条例に盛り込まれているのかお尋ねをいたします。また、10月7日西日本新聞には、「市議口利き常態化」という報道がされており、ほかの事件についても設計価格が漏れているという疑惑が指摘されました。さらに10月8日の西日本新聞には、今回の事件とは別の設計価格を算出する係を経験した複数の市職員の証言が載っています。その中には、価格漏えいを悪いと思ったが、業務命令と割り切ったとあります。事実とするならば、これは極めて重大な問題です。そこで、業務命令によって設計価格の漏えいが常態化しているという疑惑が突きつけられていますが、市としてどのような調査を行ったのか明らかにしてください。また、仮にこうしたことが実際に行われているとしたら、条例案は防止のためにどのような効果を持つのかお尋ねいたします。  第3点目は、幹部ほど厳しい倫理規定が必要だという問題です。河本建設談合、贈収賄事件は、現職局長と業者が市民の税金を食い物にしていたという福岡市政を揺るがす大問題でした。しかし、昨年の決算特別委員会で私が、事情聴取を受けたのはだれかと質問すると、助役を初めすべての局長が知らないと答弁するなど、まさに組織的隠ぺいを図ったのであります。さらに、その後の裁判等を通じて、幹部職員が海外旅行の際にせんべつをもらっていたという疑惑も突きつけられました。市民の信頼を取り戻すためには、幹部職員ほど厳しい倫理が求められていると思いますが、御所見をお伺いします。  そこで、助役、収入役についてであります。一般職員には地方公務員法の適用がありますが、助役、収入役には特別な規定がありません。しかしながら、行政のトップとして絶大な権限を持っているわけであります。したがって、助役等には特別な規定が必要です。ところが本条例の場合、課長級以上一般職員は5,000円以上の贈与や供応接待を受ければ報告の義務が定められていますが、一方で助役、収入役は3万円とされており、2万5,000円の開きがあります。また、政治倫理条例では、市長、議員は所得等の報告に加え資産報告が規定されていますが、助役、収入役には資産報告がありません。本条例で三役に対する規定が緩くなっているのはなぜですか、お尋ねをいたします。  以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて行います。 50 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 51 ◯総務企画局長(渡部 晶) お答え申し上げます。  まず、倫理条例を制定する目的、意義についてでございますが、これは地方公務員法に規定されている信用失墜行為の禁止など、服務に関する定めをさらに具体化するなど、倫理の保持に必要な措置を講ずることによりまして、職員の職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、市民の皆様の信頼を確保するということでございます。  次に、倫理条例の防止効果についてでございますが、今回の倫理条例は職員のすべての不祥事について定めているというものではございませんが、他の刑法あるいは地方公務員法その他の法令とあわせまして的確な運用を図ることにより、不祥事の防止に鋭意取り組んでまいりたいと存じます。特に倫理条例では、全体の奉仕者たる公務員として市民の皆様の疑惑や不信を招くような事業者や利害関係者と不公正な関係について厳しく律することにより、市民の皆様の信頼を確保するとともに、不祥事の防止に効果があると考えております。  次に、浜田事件における情報漏えいへの対応策としてどんなものがあるか、あるいは情報漏えいの常態があるとしたら、その効果が条例にあるのかというような点、2つについてあわせてお答えいたしますが、職員の情報漏えいは地方公務員法において厳に禁じられているものでございまして、秘密漏えい者のみならず、漏えいを命じたり、そそのかしたり、幇助した者は、1年以下の懲役など厳しい罰則が定められているものでございますので、倫理条例において重ねて規定することはいたしていないところでございます。前副議長の事件に関しましては、現在行政監察を行っているところでございますが、職員が情報の漏えいなど不当な要求を受けた場合の措置につきましては、何らかの対応方策を検討する必要があると考えておりまして、しかるべき対応を図ってまいりたいと考えております。  次に、情報漏えい等に対する調査はどういうふうになっているのかということでございますが、調査は情報漏えいがあったとされる2件の工事につきまして、入札前に設計金額を知り得る立場にありました職員からの聞き取りなどにより行っているところでございます。  次に、幹部の方が厳しい倫理保持の規定が必要じゃないかということでございますが、幹部職員による不祥事は当然に一般職員よりも重い責任が問われるものであるというふうに考えますが、幹部職員であるなしを問わず、不祥事はあってはならないことでございまして、特に幹部職員のみを区別して厳しい規定を設けるというのは適当でないと考えているところでございます。  次に、助役などについてのお問いでございますが、助役、収入役の贈与等の報告は一般職と異なった規定をいたしておりますが、それはその職務権限が広範でございまして、政務的性格を有するという特殊性にかんがみまして、おおむね市長や議員の皆様の政治倫理条例に準じた扱いとしたものでございまして、一般職より甘くしたというものではございません。以上でございます。 52 ◯議長(稲員大三郎) 倉元達朗議員。 53 ◯34番(倉元達朗) まず、局長は公務員倫理条例の目的、意義について、実にさらっと市民の信頼を確保するなどと言われましたけれども、結局、国家公務員倫理法ができたからしようがなくつくったんじゃないですか。何かあなたの答弁を聞いていると、本当にそこら辺から借りてきたような言葉を並べて、何か今まで福岡市で何も汚職腐敗がなかったような、そういう答弁に聞こえます。これでは相次ぐ汚職腐敗防止にはつながりません。本市で起きている不祥事は法律に反するものばかりであり、単に倫理にもとる事件というのは少ししかありません。これまであなた方は事あるごとに、綱紀の粛正についてという通達を出してきました。しかし、一向に職員による不祥事がなくなりませんでした。今回の倫理条例がこのような通達と同じ扱いになってはいけません。このことを肝に銘じる必要があります。そこで、市長から一般職員まで含めて、すべての職場で不正は許さない、そういう状況や気風をつくり出すことこそ、汚職腐敗をなくす最大の保障になると思いますが、御所見をお伺いします。  次に、設計価格の漏えい等に対しての対抗力として、地方公務員法、これとあわせて的確にやるというふうに言われましたが、それならば、そういう答弁ならば、この公務員倫理条例は何なんですか。地方公務員法で十分やれると言わんばかりの答弁じゃないんですか。もともと地方公務員法でそういうことをやっちゃいけないんだということは職員に課せられているんです。したがって、倫理条例だけでは相次ぐ不祥事を防止できない、このように思います。それでは、一体何が必要なのか。過去の事件に照らして検証していきたいと思います。そこで、本市の公共工事をめぐる相次ぐ汚職腐敗に対する市長の対応です。木山事件に関しては、市は極めてずさんな調査で、すべて地検任せ。法廷で談合を認めた業者からは、談合の事実はないと当局はうそをつかれ、志岐元助役が法廷で調整役は存在していたと、調査結果と違った事実が出てきても再調査をせずに、事実を組織的に隠そうとしてきたのであります。したがって市長は、木山事件の再調査による徹底究明を行うべきではありませんか。御所見をお伺いします。  また、浜田事件を機に発覚した業務命令についてですが、これについては結果を明らかにされない。起訴状では、担当課長の名前まで出ているのに、どうして結果が明らかにできないのですか。あなた方は、いつも裁判が云々と、このように言われますけれども、また木山事件のときと同じようなことをやろうとしているんじゃないんですか。市の公共事業をめぐって起きた不祥事も地検任せにする。あなたたちの倫理観は一体どうなっているんですか。倫理条例が聞いてあきれます。やはり1つ1つの事件に対して市が毅然とした態度を持って真相究明していく、こうしてこそ汚職腐敗防止につながっていくし、倫理も確立されるのではありませんか。そこでお尋ねしますが、今回の浜田事件では行政がどのようなかかわりを持ち、どのように事件に関与したのか事実関係を明らかにしてください。あわせて、浜田元議員に価格を漏らした職員は上司からの業務命令でやったのか、それとも本人の判断でやったのかお尋ねをいたします。  次に、価格漏えいの常態化についてですが、あなた方はそういった事実をお認めにならないようですが、調査もせずによくそんなことが言えるもんです。今回の浜田事件の新聞報道では、どのような証言がされているのか。10月7日西日本新聞によれば、福岡市内の土木業者は、依頼すれば懇意の議員を使って職員から設計価格を聞き出してくれたと語っています。また、ある市議会議員は、自分も設計価格を聞き出したことがある、謝礼はパーティー券の大口購入や選挙の応援と告白し、悪びれた様子はないと報じられています。市職員も業者も市議も、みんな口をそろえて設計価格の漏えい、いわゆる不正が起こっていることを認めているではありませんか。さらに、10月8日西日本新聞によれば、ある職員は、入札を控えた公共工事について○○議員のところに行って工事の詳しい内容を説明してこいと言われ、説明後に議員から設計価格を言わされる。別の職員は、議員側に漏えいしたことを認めた上で、部長や課長からは説明してこいとしか言われないが、大体の価格が議員側に伝わるようにしなければならないのが市役所の10年、20年来の常識。係員からすれば、漏えいは業務命令と同じだと語っています。お尋ねしますが、設計価格の漏えいなど常態化しているのではないかと思いますが、御所見をお伺いします。あわせて、議員の強要や上司の命令ということになるなら、決して職員個人の倫理の問題だけでは片づけられないと思いますが、御所見をお伺いします。  次に、幹部に対する倫理条例の規定についてですが、局長は幹部ほど責任は重い、このように言われましたが、その口で、だけど規定はそのままにする、幹部ほど甘い規定のままでいく、これは全く矛盾した答弁じゃないんですか。条例が、幹部職員ほど厳しい倫理は必要だと、そういう認識に立って、そしてそれに見合うものになっているか、そこが問題なんです。そこで、助役、収入役について贈与等の報告の金額ですが、助役の政務権という職務の性格などを考慮したなどと言われましたが、助役は行政の執行権を持つ役職です。しかも、絶大な権限を有しています。しかし、助役は政治家ではありません。何の政治的配慮が必要なんですか。贈与、供応接待の報告に大きな格差がありますが、それでは助役は頻繁に3万円に近い接待を受けたり物をもらったりしているんですか。一般職と同じ5,000円ではどういう都合の悪いことがあるんですか、お尋ねをいたします。  そもそも同じ公務員であり、しかも、より強い権限を持つ助役等について特別扱いは許されません。今の規定では極めて縛りが緩い。しかし、現実はどうですか。現収入役は、職員が仕事をしている公務の時間中にサウナに行く。そして、元収入役の1人は桑原前市長の政治献金集めに公用車で時間中にゼネコン回り。志岐元助役は、職員に、刑務所の塀の向こうに落ちないような態度をとれ、つまりきわどいことをしても捕まらないようにせよということを職員に指導する。これが本市の実態です。こんな助役、収入役にこそ厳しい規定が必要です。したがって、少なくとも職務に専念する旨の規定等を設けるべきではありませんか。御所見をお伺いします。また、職員の職務に利害関係を有する者からの贈与、供応接待の禁止行為については、助役など特別職、そして少なくとも局長クラスは一般職員よりさらに厳しくする必要があると思いますが、御所見をお伺いします。あわせて、地公法が適用されない助役に関しては、虚偽の報告をした場合に本条例で罰せられるように罰則規定を盛り込むべきと思いますが、御所見をお伺いします。  10月26日の朝日新聞によると、下水道局にいたある職員は、力のある議員から設計価格を教えるよう頼まれればなかなか断れないと語り、前出の職員は断れば人事に影響するとも言っています。このように、議員や上司から言われ、不正とわかっていても断れないでいる職員も少なくないはずです。そこで、たとえ上司や議員であっても不正を告発できる、またそれらを知った職員も告発する、こういったシステムを確立しておかなければ不正、腐敗の防止は担保されません。もちろん、そのためには行政オンブズマンなど第三者機関も必要になってくるでしょう。いずれにせよ、不正をなくすという気風がなければ実効性は担保されません。そこで、条例に不正の内部告発を奨励する規定と、告発によるいかなる不利益を受けない職員の保護規定などが必要ではないかと思いますが、御所見をお伺いします。  以上で2問目を終わります。 54 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 55 ◯総務企画局長(渡部 晶) 答弁させていただきます。  まず、不正を職場が許さない状況をつくるということが大切であるという御指摘でございますが、御指摘のように不正、不祥事の防止は、個人の心構えとあわせて職場全体での日常的な取り組みが重要だと考えております。倫理条例の施行とあわせまして、今後とも研修の実施など組織全体で不祥事の防止に鋭意取り組んでまいりたいと存じます。  次に、木山事件を徹底解明しろという御指摘でございますが、木山元総務企画局長の事件につきましては必要な調査を行ったところでございまして、既に実施に移しつつあります入札制度の改革や、今のこの本会議に御審議をお願いしております倫理条例の制定などを通じまして再発防止を図り、市民の皆様の信頼回復に全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。  それから、浜田前副議長の件についての行政の関与についてでございますが、今回の事件に関する行政の関与につきましては、報道によれば元副議長から設計金額を聞かれた市職員がそれを答えたというふうにされておりますが、現在この点も含めて調査を続けているところでございます。  それから、価格の漏えいが常態化しているのではないかということでございますが、秘密の漏えいは地方公務員法により厳しく禁じられているものでございまして、常態化するということはないというふうに認識しておりますし、また、あってはならないということだというふうに考えております。  それから、浜田事件における職員の価格漏えいが業務命令みたいなのが出ていたんじゃないかという御指摘でございますが、職員による設計金額の漏えいの有無につきましては現在調査中でございますが、報道のような金額の漏えいが業務命令でなされるはずはなく、また、あってはならないことだというふうに考えております。  それから、圧力がかかっているんじゃないかということで職員がしゃべったんじゃないかというようなことについての御指摘でございますが、いろいろ報道されておりますような職員による設計金額の漏えいの事実及びそれがどういう状況であったかということなど、現在調査中でございますが、職員に対して何らかの圧力が加えられたということはあってはならないことだというふうに考えておるところでございます。また、その職員が情報の漏えいなど不当な要求を受けた場合の問題につきましては、先ほど最初に申しましたけれども、職員個人の倫理の問題としてのみ処理し得ない問題があると考えております。したがいまして、今後組織的な対応についてしかるべき対応を行ってまいりたいというふうに考えております。  それから、助役などへの適用の関係についてでございますが、何回も同じ答弁になって恐縮なんでございますが、助役、収入役の贈与等の報告というのは、職務権限が広範であり、また政務的な性格を有するという特殊性にかんがみて政治倫理条例の方に準じた扱いというふうにしておりまして、また、所得の報告というものをその補完的なものとして出すという形で今回条例で対処させていただくようにしておるものでございます。  それから、ちょっと順番があれでございますが、助役などが地方公務員法の規定の適用がないと、職務に専念すべきであるというようなことを条例に規定すべきじゃないかというような御指摘がございましたが、助役などが一般職と同様に職務に専念すべきことは当然なことでございます。地方公務員法に規定はないんでございますが、助役などに適用されます市町村職員服務紀律というものにおきまして、忠実、勤勉を旨とし、法令に従いその職務を尽くすべしというふうに定められているところでございまして、倫理条例に改めて職務に専念すべきことを規定する必要はないというふうに考えておるところでございます。  それから、5,000円にしたら都合の悪いことがあるのかということでございますが、繰り返しになりますけれども、助役などにつきましては、その職務権限が政務的な性格を有するという特殊性にかんがみまして、贈与等の報告の対象金額は一般職より高額にしておるところでございます。その対象者を、先ほどの繰り返しになりますが、生計を一にする親族以外のすべての者と一般職より広範になっておりまして、また一般職にはない所得等の報告義務を課しているということでございます。繰り返しになりますが、助役と一般職は、その職務内容の特性に準じる形でそれぞれ適した取り扱いということをしているものでございまして、御理解いただきたいというふうに存じます。  それから、幹部職員について厳しくすべきじゃないかという再度のお問いでございますが、公務にかかわる公務員といたしましては、助役や局長などの幹部職員であれ一般職員であれ、してはならないこととしてもよいということは基本的には同じであるというふうに考えております。したがいまして、禁止行為について幹部職員についてのみ厳しい定めをするのは適当でないと。先ほど申しましたように、そこは処分の重さなどによって対応するということが適切ではないかというふうに考えているところでございます。  それから、内部告発などがあった職員について不利益を受けないようにすべきではないかという御指摘がございました。内部告発の奨励につきましては、国において国家公務員倫理法の審議の際に議論されたようでございますが、密告奨励は日本社会になじまないなどの理由により法律への明記は見送られたというような報道がございました。そのかわりに、国におきましては国家公務員倫理法に基づく政令におきまして、各省、各庁の職務として、いわゆる内部告発をした職員が不利益な取り扱いを受けないよう配慮するということが定められておりまして、本市におきましても倫理条例の施行規則において同様の定めをしたいというふうに考えております。  ちょっと順序があれしましたが、以上答弁させていただきます。 56 ◯議長(稲員大三郎) 倉元達朗議員。 57 ◯34番(倉元達朗) 今、局長がいろいろと言われましたが、せっかく出された職員倫理条例ですけれども、これじゃ全然汚職腐敗なくなりませんよ。いいですか。浜田事件、局長は報道によればこうこうこうだと言われたけれども、もう起訴状まで出ているんですよ。全く他人ごとじゃないですか。どういうことなんですか、こういう答弁は。そして、新聞であれだけ騒がれておる常態化、業務命令、これもない。じゃ、どんな調査したんですか。でも、その調査結果も全く明らかにされない。こんな不誠実な態度がありますか。  市長、汚職腐敗を一掃するためには、行政のトップであるあなたがみずから不正を許さないという姿勢を貫く、このことにかかっているんじゃないですか。しかし、あなた方は木山事件について、あくまでも再調査をしないと言われてきた。真相を組織的に隠ぺいし、全くの地検任せ。調整役の存在など、裁判を通じて新事実が出てきているのに再調査をやらない。浜田事件についてもそうです。調査中を理由に事実を明らかにしない態度は、木山事件と同じじゃないですか。またしても地検任せで自浄能力を発揮せず、同じ過ちを犯そうとしている。設計価格の漏えいの常態化についても認めない、こんな市長の姿勢でどうして職員の倫理が確立できるんですか。また、幹部こそ規定を厳しくする必要があります。助役、収入役についてですが、同じ答弁を繰り返される。職務が違うんだと。そういう局長の言う答弁、それが特別扱いになる理由になりません。大体、同じ公務員ですよ。しかも、絶大な権限を持っている助役、収入役は、幹部が一般職員に範を示し、厳しさを持たなければならないのに、本条例は助役、収入役には縛りが緩過ぎます。  それと、内部告発についてですが、局長は日本社会になじまない、こんなことを言われました。だからやめる。欧米では、汚職、談合をなくす実効ある手段として積極的に活用されているんです。それをあなた方がなじまないなどと理由をつけて、こういう制度をつくらないで野放しにしているから、日本は世界でも有数の談合王国、そして福岡市も汚職腐敗の温存の一因になっているんじゃないですか。やはり職場内でお互いを律し合い、不正を許さないという雰囲気をつくることが大切であります。本条例を実効あるものにするために、助役、収入役の報告は一般職員と同じように5,000円以上とし、厳しい規定に改めるべきではありませんか。御所見をお伺いします。あわせて、禁止行為についての助役、局長クラスの規定の厳正化、虚偽の報告に対する罰則規定、内部告発の奨励などを盛り込むべきと思いますが、市長の御所見をお伺いします。  市長の市政運営そのものが公務員倫理をゆがめる原因にもなっているんです。市長は、人工島や国際会議場など大型開発を進める一方で、暮らし、福祉は削る、こうした弱者切り捨ての市政運営は、市職員の仕事そのものが倫理に反するということを引き起こしています。生活保護受給者に対して、病気で働けない人に対して無理な就労指導を行い死亡させる。保護切り捨ても、じゃんじゃんやっても何とも思わない。業者との癒着に関しても何とも思わない。こんなことが職場で当たり前のようになっています。こういう中で、職員の倫理が欠如するのは当たり前です。さらにあなた方は、職員に労働基準法違反のサービス残業、長時間労働を強いて、過労死まで生み出しています。しかも、その事実を認めようとしない。これは、労働者としての当たり前の倫理観を欠如させるもので、これでは職員倫理が育つ土壌もあったものではありません。こうした問題を残して条例だけで職員の倫理は確立しません。そこで、汚職腐敗をなくすためには、木山事件、浜田事件の真相を徹底究明すること、それと同時に、市長、あなたの政治姿勢をも改めなければ条例だけをつくっても職員倫理の確立にはつながらないと思いますが、市長の答弁を求めて私の質問を終わります。 58 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 59 ◯総務企画局長(渡部 晶) 本当に申しわけございません。先ほど答弁漏れがございまして、恐縮でございます。議員御指摘の地方公務員法に適用が助役さんたちがないと、それで虚偽の報告について罰則を設けるべきではないかという御指摘について答弁を落としましたので、3問目の前にちょっと答弁させていただきます。助役等につきましても、地方自治法施行規程におきまして、職務上の義務に違反したり、信用を失うべき行為があった場合には、一般職職員と同様、市長により懲戒処分を受けることとなっておりますので、改めて虚偽報告について罰則を設ける必要はないというふうに考えているところでございます。どうも失礼いたしました。 60 ◯議長(稲員大三郎) 西助役。 61 ◯助役(西 憲一郎) まず私の方から、助役等についての規定の問題等についてお答えいたします。  倫理条例における助役等の取り扱いについて、ただいま甘いんじゃないか等の御指摘がございました。これにつきましては、先ほど総務企画局長からも答弁いたしましたように、助役等につきましては御承知のように、1つは市長の補助職員といいますか、市長の指揮監督を受けて仕事をやっていくという意味では一般職と同じでございますけれども、その職務の権限等は一般職員より広範でございます。あるいは、その性格につきましても市長と一体となって仕事をやっていく政務的な性格を有するという特殊性もございます。そういうことを考えまして、禁止行為等につきましては基本的にはそういう一般職と同じような取り扱いでやっていくことにいたしておりますけれども、一方ではそういう、先ほど申しましたような性格で、報告等につきましてはおおむね市長や議員の皆様の政治倫理条例に準じた取り扱いをした方がいいだろうという判断でこういう規定をやっております。具体的に、例えば報告等でございますけれども、確かに金額につきましては3万円以上ということにいたしておりますけれども、その範囲につきましては、一般職の場合は事業者等からの報告というふうにいたしておりますけれども、助役等については生計を一にする親族以外の者から財産上の利益の供与等を受けた場合というふうに範囲を広くしてチェックするというような点も規定をいたしておりまして、そういう点で対象者の範囲、そういう厳しくしている部分もございまして、それぞれの先ほど申しましたような職の特性に応ずる形で必要かつ適正と考えられる定めをしたものでありまして、御理解をいただきたいと思います。
     禁止行為につきましては、先ほども申しましたが、今後倫理審査会の御意見を伺いながら検討してまいりますが、幹部職員であるかないかを問わず、市民の皆様の不信や疑惑を招かないようにするためにはどのようなことが必要かということを基本に慎重に検討してまいりたいと考えております。  条例上の義務違反に対する措置といたしましては、地方公務員法などの法令に基づく懲戒処分などによりまして適切に対処していくことが十分に可能というふうに考えられますので、あえて罰則を定める必要はないというふうに考えております。  また、内部告発の問題が先ほどございましたけれども、その問題につきましては、条例の施行規則において、告発した職員が不利益を受けないよう任命権者が配慮すべきことを定めたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。  なお、倫理条例の制定を機に市民の皆様の疑惑や不信を招くような行為の防止を図ることによりまして、市に対する信頼の確保に努めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 62 ◯議長(稲員大三郎) 山崎市長。 63 ◯市長(山崎広太郎) 御指摘のような市の職員の綱紀が緩んでいるというふうに私は受け取ってはおりませんけれども、そういう不祥事があってはならないし、起こさないような状況にしていかなきゃいけないということを基本的に考えております。やっぱり職員がそういう不祥事に走るということは、やはり綱紀の緩みといいますか、それから公務員としての自覚、倫理観の喪失というものがあるからだと考えるわけでございまして、やはり地方公務員として市民のために働くという使命感を忘れないようにしなきゃいけない。だから、働きがいのある、非常にやる気を持って市民のために働くという、そういう職場の環境をつくっていきたいと考えておりまして、御承知のとおり、まず職員の意識改革をやろうということでDNA運動等を全庁的に、今600の課がありますけれども、各課ごとにこれを進めさせていただいております。それから、一連の今行政経営改革なるものに取り組ませていただいております。もっとコスト意識を取り入れていこうというようなことでやらさせていただいております。それから、職員がそういう不利益な立場にできるだけ立たないでいいように、やはりそういう仕組みも変えていこうということで入札制度を変えて、設計価格は事前に明らかにすると。だから、少なくとも設計価格を聞かれて、その情報漏えいという形にはならない状況に今なっております。それから、情報公開をさらに進めていくと。とにかく情報を秘匿するというか、隠すというようなこと、そういう立場に立たないようにしてまいりたいと。その上で、今回倫理条例を提案させていただきました。職員の身近に倫理条例というものがある。それがまた職員の行政上での倫理の規範になっていく、こういうことを私どもは期待させていただいているところでございます。 64 ◯議長(稲員大三郎) 石田正明議員。 65 ◯33番(石田正明)登壇 私は公明党市議団を代表して、今議会に提案されている諸議案のうち、議案第227号、福岡市職員の公務員倫理に関する条例案について質問をいたします。  初めに、本市職員倫理条例の提出理由について、本条例冒頭には「本市職員の職務に関する使命感の自覚と高揚を促すとともに,職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り,もって公務に対する市民の信頼を確保するため」と述べられています。また一方で、本市の公共工事をめぐる談合汚職事件を受け、再発防止の観点から本条例案制定を目指すものでもあります。我が党も、本市職員倫理条例の早期制定をかねてから主張してきたところであります。しかし、市民感覚から見てみますと、早い取り組みであったとは言いがたいものがあります。すなわち国家公務員倫理法の施行日よりおくれること2年、全国の都道府県、政令市では11番目の制定であり、この条例の制定を機に、私ども議会も含めて真に市民の負託にこたえる公務員倫理の確立に努力し、再びこのような事件を起こさないという強い決意を持って取り組みをしなければならないと思います。  質問の第1は、御提案の本市条例案は既に施行されている全国の10団体との比較では、その特色はどこにあるのかお尋ねをいたします。また、本条例を制定するに当たって設けられた公務員倫理に関する懇話会でも、特別職と一般職では法的にも立場が違う、これを1つの条例でくくることの整理が必要との意見が出されていたようでありますが、本条例に特別職まで含めた理由について御説明ください。次に、助役、収入役などが公務員倫理条例、あるいは政治倫理条例の中で、所得、資産等報告を義務づけている県、政令市はありますか。あれば、条例名と報告義務対象者の範囲を自治体別にお示しください。また、福岡県下一般市の中で、助役等への公務員倫理条例適用の自治体数はどのくらいありますか、お答えください。同様に、政治倫理条例など、資産公開条例も含みますが、助役等がそういった条例に適用されている自治体数及び所得報告、資産報告を義務づけている実態についてお示しください。また、その中で資産報告に家族条項を含む自治体名をお示しください。  第2には、本条例案は、助役、収入役は所得などの報告を義務づけられますが、その内容はどうなっていますか。また、これは本人及び配偶者等の資産報告を含むものなのかどうか、お尋ねをします。資産報告を含まないとすれば、その論拠をお示しください。あわせて、特別職である企業管理者を所得報告から外した理由をお尋ねいたします。  第3には、各報告書の保存、閲覧でありますが、助役、収入役は前年度の総所得金額等について所得等報告書を毎年市長に提出しなければならないとされていますが、所得報告を市民は閲覧請求ができるかどうか、お尋ねをいたします。  第4に、本市退職者の再就職の実態についてお尋ねをいたします。平成11年度末をもって退職された課長級以上の皆さんの再就職先について、外郭団体など市関係も含めた業種別人数をお示しください。公務員として永年勤務され、ポストによっては一般企業との関係の深いセクションもあろうかと思いますが、国家公務員、地方公務員は再就職先について何らかの規制がありますか、お尋ねをいたします。  第5に、本条例案第8条に規定されている福岡市職員公務員倫理審査会についてお尋ねをいたします。本市の附属機関として設置し、任期2年で学識経験者、市民のうちから市長が任命するとしています。具体的人選については、職員倫理の審査という任務からは、すぐれた倫理観、公平性が求められると考えられます。この人選方法についてどのようにお考えなのか、具体的にお答えください。  以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて行います。 66 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 67 ◯総務企画局長(渡部 晶) お答えさせていただきます。  まず、本市の条例の特色、他の県、政令市と比べての特色についてでございますが、4点ほど挙げさせていただきます。まず1点目が、一般職の職員だけでなく助役などの特別職も適用対象としていること、2番目といたしまして、倫理原則におきまして、禁止的な事項だけでなく職員の倫理観の高揚を促す積極的な規定を置いたこと、3番目といたしまして、贈与等報告書については提出されたものすべてを市民の閲覧に供することとしたこと、4番目といたしまして、各報告書の審査は人事委員会ではなく新たに設ける審査会で行うこととしたことなどでございます。  次に、特別職を含めた理由でございますが、これにつきましては既に市長について政治倫理条例が定められておりまして、今回一般職職員について公務員倫理条例を制定する以上、助役等についてもその倫理保持に関する定めを設けることが当然必要になったと考えたためでございます。  それから、公務員倫理条例または政治倫理条例で、助役、収入役に所得、資産等の報告を義務づけている県、政令市はあるかということでございますが、私ども当局において確認させていただいている限りにおきましては、公務員倫理条例または政治倫理条例で助役、収入役などの特別職に所得、資産等の報告を義務づけている県、政令市につきましては、北海道が職員の公務員倫理条例で副知事、出納長、企業管理者などに所得の報告義務を、仙台市及び川崎市が市長等の資産等の公開に関する条例で助役、収入役に所得及び資産の報告義務をそれぞれ課しているようでございます。  次に、県下の方の取り扱いでございますが、県下の一般市における助役等の取り扱いの状況につきましては、まず公務員倫理条例が助役等に適用される市は現在のところないようでございます。次に、政治倫理条例または資産公開条例が助役等に適用されている市は19市ございます。そのうち15市が所得及び資産の報告を義務づけているようでございます。またさらに、そのうち筑紫野市、大野城市、前原市、大川市、宗像市、直方市、山田市、行橋市の8市が本人のみならず配偶者などの資産をあわせて報告するよう義務づけているようでございます。  それから、助役、収入役の所得報告の内容等についてでございますが、本市条例案における助役、収入役の所得等報告につきましては、国家公務員倫理法と同様、本人に係る前年1年間の各種所得の金額及びその基因となった事実及び贈与により取得した財産にかかる贈与税の課税価格を報告することといたしております。なお、本人及び配偶者等の資産については、プライバシー保護の観点から国家公務員倫理法においても報告義務の対象とされていないことなどにかんがみまして、本市におきまして報告対象とはしていないところでございます。  それから、企業管理者を所得報告から外した理由でございますが、企業管理者に所得等の報告義務を課さないのは、企業管理者は特別職ではございますが、その職務権限は担任する公営企業にのみ及ぶものであること、それから地方公営企業法で禁止されているわけでございますが、そちらは地方公務員法を準用するという形で一般職に準じたような形になっているということなどから、市政全般にわたる広範な職務権限を有する助役、収入役とは異なるものと考えられるためでございます。  それから、助役などの所得報告を市民が閲覧できるかどうかということでございますが、助役、収入役の所得等報告の閲覧については、所得につきましてはプライバシーの要素が大きく、国家公務員倫理法においても閲覧の対象とはされていないことにかんがみまして、閲覧請求はできないことといたしております。  それから、平成11年度末の本市課長級以上の退職者の業種別人数についての問いでございますが、平成11年度末の本市課長級以上の退職者は83名でございます。そのうち本市嘱託員への雇用や外郭団体等の本市関係団体に再就職された方が61名、その他22名となっております。その他22名の方は、本市に対し再就職等の希望をなさらなかった方であり、詳細を把握しておりません。申しわけございません。御理解いただければと存じます。  それから、国家公務員、地方公務員は再就職について何らかの規制があるかということでございますが、国家公務員につきましては、国家公務員法第103条において、職員は人事院の承認を得た場合を除き、離職後2年間はその離職前5年間に在職していた省庁と密接な関係にある営利企業へ就職してはならないとされております。地方公務員につきましては、法令上そのような規制はございません。  それから、倫理審査会の人選でございますが、委員の人選につきましては、御指摘のように、すぐれた倫理観や公平性を持った方を選ぶ必要があるものと認識いたしておりまして、今後慎重に検討していきたいというふうに考えております。以上でございます。 68 ◯議長(稲員大三郎) 石田正明議員。 69 ◯33番(石田正明) 先ほど局長から御答弁いただきましたが、特に全国でも北海道しか職員倫理条例に助役、収入役が適用されているところがない、あるいはまた、福岡県下多くの自治体、19市で助役、収入役は政治倫理条例の中で適用されている、公務員倫理条例ではゼロである、こういう実態が今お話しになったわけでありますが、なぜ福岡市だけがこのゼロを1にしようとしているのか、私は理解に苦しむところでございます。  条例の適用対象について今お尋ねしてまいりましたけれども、特別職と一般職、法的に立場が違う。これは1つでくくるということにかなり、はなから無理があると言わざるを得ないと思います。また、先ほどお示しのように、県下自治体の大多数は、政治倫理条例で助役、収入役を適用しているわけであります。また、多くの自治体は資産報告も義務づけています。そんな中で県下唯一本市のみが、特別職の助役、収入役を職員倫理条例の中で適用しようとしている。この論拠は、市民にとって大変理解しがたいものであると思います。仙台市、川崎市では、政治倫理確立のための資産公開条例の中で資産報告を義務づけています。私は、助役などの特別職公務員を一般職公務員の皆さんと同様に職員倫理条例の対象者とするのはなじまないと考えています。これらの職責にある方々は、選挙制であるか任命制であるかを問わず、いずれも地方政治、行政の重要な意思決定にかかわる広範な裁量権を持っています。市長職や助役、収入役、また議員は、住民により直接、間接に選ばれた者として政治的決定を行う、いわば政治職であります。一方、一般職職員は、政治的中立性を保ちつつ職務に専念する義務を負っております。職務の内容、性格が大きく違うわけであります。そういう大きく違う一般職、特別職を同一の条例でくくるのは無理があると言わざるを得ません。所得等の報告についても、生計を一にする者の資産等報告の併記がなければ、世間で言う名義がえによる資産隠しの批判に耐えるものではありません。場合によっては、市長以上の裁量権を持ち、情報を知り得る立場にある助役等の職責にある方々は、職員倫理条例に比較して配偶者等の資産報告義務等が定められた、より厳しい規制のかかる福岡市政治倫理条例の中に位置づけるべきだと考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。  次に、本市職員の再就職先調査についてでありますが、平成11年、局長御答弁いただきました83名の方々が御退職になった。本市の関係先は61名、そのほか22名。そのほかの中には民間に再就職された方々もいらっしゃると思いますが、これらの具体的な再就職先については掌握されていないとのことでありますが、これは掌握すべきだと思います。公務員の天下りの実態について、国民の批判は大変大きなものがあります。本市在職中のポストと関係の深い業種への再就職については一定のルールがあるべきだと考えます。例えば、米国の政府倫理法の中に、次のような公務員の天下り規制があります。その内容を見てみますと、1番、個人的かつ実質的に関与した業界の企業には恒久的に再就職は認めない。2番、1年以内に限って自分の責任のもとでやった事項に関連する企業には退職後2年間再就職を禁止する。3番、その業界の情報に接したポストに在籍しただけで退職後1年間は再就職できないとなっております。職員倫理というなら、これこそ倫理ではないかと考えます。また、国家公務員法には、先ほどの答弁のように私企業からの隔離の条項に、職員は離職後2年間は密接な関係企業への再就職を制限しているのであります。関連して申し上げれば、職員の皆さんには、本年4月1日より施行されました公務員の再任用制度があります。定年退職者等を年金支給開始年齢まで再雇用する制度であり、昇給はないものの在職時と同様な職で再任用された場合、在職時給与の約7割を保障するという大変すばらしい制度がスタートしているわけであります。民間企業に比較しますと大変厚い保護制度であると言えます。そんな環境の中で無原則に職員在職中の権限と関係の深い企業など営利団体への職員の再就職については、自粛すべきことは明白であります。本市でも市民の納得する天下り規制、本市条例規約禁止事項等に加えるべきだと考えますが、御所見を伺います。  次に、本条例第8条の福岡市職員公務員倫理審査会の人選方法についてお尋ねをいたします。先ほどの局長答弁では、詳細については規則で定めるのかもしれませんけれども、同審査会は執行部の附属機関である以上、委員の任命権は市長にあるわけでございます。しかし、委員の任務に照らして市長は当然公正を期して委嘱をしなければなりませんが、そのためには首長の政治的思考、思惑による人選を避けるために、学識委員については弁護士会、公認会計士会、税理士会、大学などの推薦を得て委嘱することが望ましいと考えます。また、市民代表の人選に当たっては、公募による方法を採用するなど一定の市民的理解が必要だと考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。  以上で2問目を終わります。 70 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 71 ◯総務企画局長(渡部 晶) まず、助役等につきましては政治倫理条例で位置づけるべきではないかという御指摘でございますが、福岡市の政治倫理条例につきましては、市民から直接選任され、法令上特段の服務規律に関する定めがなく、非違行為などがあった場合は、直接市民に対し政治的責任を負うこととなる公選職たる政治家の倫理保持に関することを定めたものというふうに理解しております。例えば、政治倫理基準として、政治不信を招くことのないよう品位と名誉を損なう行為を慎むことや、政治活動に関し道義的に批判を受けるおそれのある寄附を受領しないことなどが定められていること、また贈収賄容疑により逮捕、起訴等がなされた場合に、直接市民に対する説明会を開催することなどが定められていることなどから見ましても、福岡市の政治倫理条例は、政治家たる議員及び市長にのみ適用するのが適当ではないかというふうに考えております。助役、収入役につきましては、御指摘のように広範な職務権限を有し、政治的な意思決定にも関与する重責にある者ではございますが、基本的にはその身分ないし地位は、執行機関である市長の補助機関として市長によって任命され、市長の指揮監督に服し、非違行為などがあった場合には市長により懲戒や解職などの措置を受けるものでございまして、さらに服務規律について市町村職員服務紀律などにより一般職の職員と同様の規律がなされているところでございます。したがいまして、助役、収入役は、一般職職員の延長線上にあるものとして、職員の公務員倫理条例において必要な倫理保持に関する措置を講じるのが適当であるというふうに考えているところでございます。  次に、天下り規制についてでございますが、企業への再就職に関する規制につきましては、議員御指摘のとおり、国家公務員法により離職後2年間の一定の制限が設けられているということでございますが、一方、地方公務員法にはこうした制限がないわけでございます。これは、一般に地方公務員は国家公務員に比べて営利企業に対する職務権限による影響力が相対的に限定されていることによるためというふうに解釈されております。かかる状況の中で、本市が独自に再就職に関する規制を条例または規則などにより設けることは、憲法上保障されております職業選択の自由の観点から問題があるというふうに考えております。しかしながら、市政の運営に当たりましては、公正に行わなければならないというふうに考えておりまして、市民の批判を招くことのないよう、国における営利企業への就職制限の趣旨も踏まえながら、今後慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。  それから、審査会の人選方法についてでございますが、審査会の委員の選任につきましては、議員御指摘のように、公正を期すことが何よりも重要であるというふうに認識いたしておりまして、今御提案いただきました方法も含めまして、市民の皆様に納得いただけるような選任の仕方を十分に検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 72 ◯議長(稲員大三郎) 石田正明議員。 73 ◯33番(石田正明) 最後になりますが、職員倫理条例に対する質疑、意見を述べてきたところでありますけれども、助役、収入役については政治倫理条例の適用対象者とすべきであります。職員倫理条例の範囲を超えた職務を持つ重要な職責であります。もう1点加えて申し上げれば、本市職員倫理条例案では助役、収入役は年間の所得等報告書の提出義務はありますが、その閲覧は贈与等報告書に限られてしまいます。しかし、一般論として特別職公務員である助役、収入役は、一般の人が知り得ない情報に接することができ、政治行政運営に大きな影響力を持つばかりでなく、逆の言い方をすれば、さまざまな利益や便宜の誘惑に立ち向かわなければなりません。いわば危険度の高い地位にある公職者であります。一方、本市政治倫理条例には資産公開制度があります。言うまでもなく資産公開制度の目的は、首長、議員等の資産を毎年公開して、資産形成の推移を市民の前に明らかにすることによって、公職を利用した私利追求を防ぐところにあります。資産等報告書は、提出、公開、審査のどれを欠いても政治腐敗の一般予防効果を失うとされています。その意味でも、本市職員倫理条例案では助役等の年間総所得の提出審査の制度はありますが、公開の対象となっていないだけに、甚だその効果は疑問であると指摘せざるを得ません。したがって、助役、収入役については本市政治倫理条例の適用対象者につけ加える条例改正をすべきであります。  次に、公務員の再就職の件でありますが、私も質問に先立って資料請求をいたしましたが、当局はそれぞれ年度別退職者の皆さんの民間企業への再就職先実態をお持ちではなかった。御答弁にありました再就職の規制は、職業選択の自由を阻害するとのことでありましたけれども、厳しい規制を持つ米国政府倫理法は人権を守ることには大変配慮のある米国の規程であります。その米国では、公務員在職中に得た特定の事案についての情報を自分や個人的な顧客の利益に利用してはならないとの観点から、厳しい天下り規制をしています。また、米国法では天下りは国民にとって不公平な方法で利益を上げることにつながりますし、公平で正直な政府というイメージを損なうことになると制定の理由を述べています。国会でも、今月27日の参議院国土交通委員会において、我が党の続訓弘参議院議員は、官僚の天下りにメスを入れよと主張し、特殊法人改革とあわせて天下り規制を実施するよう求め、答弁に立った佐藤静雄副大臣は、天下りを是正し、効率的で国民に信頼される制度に改めたいと答えています。さらに与党3党では、今月16日、国会内で公務員制度の見直し合意がなされ、公務員退職後特殊法人や認可法人などの役員を歴任し、高額な役員報酬や退職金を受け取る、いわゆる渡りの防止、出身省庁の権限と関係する企業など営利団体への官僚の天下り規制などについて12月策定を目指している公務員制度改革大綱に反映される模様であります。天下り規制は、中央、地方を問わず、国民、市民の強い要求であるわけであります。改めて、本市職員倫理条例の中で、せめて民間への再就職規制を条文化すべきだと考えます。  最後に、我が党提案の本条例にかかわる助役、収入役については、速やかに本市政治倫理条例に適用されるよう条例改正を行うべきであるという点、また民間への公務員再就職に関しては何らかの規制をすべきであるという点についての市長の御所見を伺い、私の質問を終わります。 74 ◯議長(稲員大三郎) 山崎市長。 75 ◯市長(山崎広太郎) 助役、収入役にどちらの条例を適用すべきかという問題についてでございますが、この点については既に政治倫理条例制定のときにかなりやりとりがあった点でございますが、市民から直接選挙によって選ばれました後はだれからの指揮監督も受けない、自己の政治的信念にのみ基づいて行動する議員や市長などと、その上司の指揮監督を受けまして、法令上も一般職と同様の服務の制約を受けます助役等とでは、やはり職務上の倫理や責任のありようはおのずと異なったものがあると、このように考えております。双方の条例の内容を見ました場合でも、政治倫理条例の規定は政治家を前提にしたものが多く、助役等に適用するにはなじまないものが多いと思います。確かに、助役等の職務権限は広範かつ強大なものがありますので、それに応じた厳しい倫理が求められるのは御指摘のとおりでございます。今回提案しております条例におきましても、その辺を考慮の上、一般職にない所得の報告義務等を課しているところであります。また、市長が直接責任を持って指揮監督をしてまいるということで御理解をお願いいたします。  次に、民間への公務員の再就職に関しましては、何らかの規制をすべきであるという御指摘についてでございます。もとより市政の運営に当たりましては、市民の批判を招くことのないよう公正に行わなければならないと考えているところでございますが、先ほど、ただいま総務企画局長が述べましたような憲法上あるいは法律上の問題もあると考えておりまして、今後の制度改革の動きを踏まえ、慎重に検討してまいりたいと考えております。 76 ◯議長(稲員大三郎) この際、10分間休憩いたします。                                         午後3時5分 休憩                                         午後3時20分 開議 77 ◯議長(稲員大三郎) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。手島敏文議員。 78 ◯49番(手島敏文)登壇 私は福政会市議団を代表して、議案第210号、平成13年度福岡市一般会計補正予算案(第2号)に関連する諸事業について質問いたしますので、当局の明快なる御答弁をお願いいたします。  まず、今回の老人ホーム等建設費助成の増減補正内容についてお尋ねをいたします。  次に、今回のあおぞらを含めた特別養護老人ホームの整備状況、また特養の利用申込者の最新状況、あわせて第2の特養と言われる介護老人保健施設の利用申込者の状況、並びに福岡市内の病院における一般病床と療養型病床群を含む療養病床の入院状況、さらには平成14年度に向けた特養の新しい整備計画状況はどうなっているのか、お尋ねいたします。  2問目からは自席で質問いたします。 79 ◯議長(稲員大三郎) 脇阪保健福祉局長。 80 ◯保健福祉局長(脇阪佳秀) お答えをいたします。  まず、今回の増減の補正の内容でございますが、特別養護老人ホーム等建設費助成の増額の理由といたしましては、国に追加補助協議を行いまして、早良区に特別養護老人ホーム、これは定員50名、それからショートステイ7人分を整備いたすものでございます。減額をいたす理由といたしましては、執行見込みの減によるものでございますが、その主な内容は、平成13年度からの新規助成分につきまして国の基準単価により予算を見込んでおりましたが、建築材料等が違った形でつくられましたことによりまして、実単価そのものが低くなったということ等により減額をいたすものでございます。  次に、特別養護老人ホームの整備状況でございますが、介護保険事業計画によります平成16年度までの整備目標量2,530人分と設定をいたしておりますが、現在2,090人分27カ所でございますが、これを整備いたしております。また、整備中のものといたしまして、平成13年度末までに竣工予定のものが30人分1カ所でございまして、それから14年度末までに竣工予定のものが今回の50人分を含めまして124人分2カ所となっておりまして、合わせて2,244人分が整備及び計画済みとなっておるところでございます。その結果、残りの必要整備量は286人分というふうになっておるところでございます。  次に、利用申込者の最新の状況でございますが、これは9月末現在でカウントいたしますと、利用を待っておられる方の、いわゆる複数申込者、これを調整した実人数で2,910人というふうに、またふえておるところでございます。それから、老人保健施設の利用申込者、これの状況はどうかということでございますが、9月末現在で市内の22の施設に申し込みをされ利用を待っておられる方の合計は、一部複数といいますか、重複申し込みもあるかと思いますが、延べで699人となっておるところでございます。  次に、市内の病院におけます一般病床と療養型病床群の入院状況でございますが、本年の10月末現在で一般病床の許可病床数1万3,053床に対しまして入院患者数1万148人で、病床の利用率77.7%、それから療養病床の許可病床数5,101床に対しまして入院患者数4,892人で、病床利用率が95.9%となっているところでございます。  次に、14年度に向けた特別養護老人ホームの整備計画でございますが、今年度の申請を6月までに受け付けまして、その後、現地調査、ヒアリング等を経まして、11月に施設選定委員会におきまして4カ所261人分が選定をされました。今回の選定分につきましては14年度の予算案に計上をいたすこととなりますが、これが成立をいたしますと14年度から着工いたしまして、15年度中に竣工、開設となる予定でございます。これを含めますと、整備また計画済み数は2,505人分となりまして、16年度までの残整備量はあと25人分になったわけでございます。そういうことで、ほぼ整備目標量を達成するということとなります。以上でございます。 81 ◯議長(稲員大三郎) 手島敏文議員。 82 ◯49番(手島敏文) 減額はまことによいことです。そしてまた、建設工事にかかわる入札差金、これも結構だと思います。しかし、全体的にこれはわずかです。実際の減額というのは何と主体工事費の単価が29%減額、冷暖房が52%、エレベーター、昇降機が44%、我々素人が常識で考えて、主体工事費は──なごみの里ですが、鉄筋を鉄骨にしておるんですから、これ、けしからんと言うんじゃないですよ、低くなったんですから。そしてまた、必ずしも鉄筋が向いているかどうか、鉄筋と鉄骨のあれは専門家じゃないとわからんでしょうから、聞いてみたら、この種のものは鉄骨がなじむと。ただ、冷暖房と昇降機、それじゃ今まではどうだったのか。今までの施設はですね、確かに今は単価が物すごく下がったというけど、上がるも下がるも、常識で考えて今までこれでやってきたのか。そして厚生労働省もあなた方も二言目には金がない、金がないと言う。こんなぜいたくなどんぶり勘定で今まで施設計画をやってきたのか、この点についてどうお考えなのかですね。  そしてまた、介護保険になって特養ホームも含めてお金が余ります。時間がないから、余り詳しいことに深入りしませんけど、余った金はやっぱり利用者に還元し──福岡市は規定どおり守って、とにかく国保から比べたらとてつもない率で保険料を徴収し、また保険料を払っておられるわけですから、これはこたえるべきですよね、被保険者に、市民に。市長、来年選挙ですよ。この点は篤とやっぱりお考えいただきたい。そしてまた、障害者がメールかな、市長に直接出して、市長は直ちにそれに対応して直した、何カ所か。これは後で記録がありますから。この前、障害者の方から市長に直接お礼を言ってくれというよい意味の伝言がありました、これは細かいことだけど。常識で考えて半額でできるものを今までだらだらやってきたのかという気がしてなりません。介護保険を払わん人に、こういう立派なものが来たけん何かと思ったら、払いなさいと。払う気にならんですよ。  そしてまた、昨日の厚生労働省の社会保障審議会介護給付分科会資料をきょうファクスで、老健局の課長補佐、もと県におられた藤崎課長補佐からいただきました。今、局長が答弁されたように、十分計画どおり努力をされてやってこられました。しかし、今のような中身の建て方、税金のむだ遣い、そしてまた数だけ合わせればよいというものじゃない。特養や老健や一般病床や療養型におられる人たちのニーズにかなった利用の仕方に調整していくということが必要じゃないかと思うんです。これによりますと、きのうの厚生労働省の社会保障審議会によりますと、退院可能な人が約4割、これが在宅ではできない今の環境。そして保険料は取られておるという。それから、医療経済研究機関の調査でも4割の人が在宅でできるということを言っている。だから、これらの施設に転換をするようにとやっているのを、きょうファクスで送ってもらいました。しかし一方では、これは老健の全国大会で老健の施設長がいみじくも言った例があるんです。若い夫婦が86歳の母親を入所させて、息子はうちに帰ってもやっていけないから寝たきりにしてくれと。何とこれはひどいと思うけど、現実にはやっぱり嫁さんに対して遠慮して、うちに帰って嫁さんに介護させるわけにはいかんと。しかし、この嫁さんは立派なものです。内緒で施設側と話をして、抑制帯やおむつを外してリハビリをさせてもらって、見事歩行器を使って歩けるごとなったと。歩けるごとになれば在宅で過ごせるんですから。寝たきりにしてくれという息子の心底からの悲鳴は、施設長や施設に働く人の胸に突き刺さったと。寝たきりゼロ作戦は見事に成功したと。中にはそういう方もおる。そしてまた、特養や老健の実態というのはよく調べてある。しかし、現実に療養型や病院に入院された人がどういう形で過ごしておられるかというのはなかなか──福岡市民病院というのは200床しかないわけですから──神戸がこういうふうに全部調べている。やっぱりまず実態調査をして、利用者が、保険者がどういう形でどういう生活を、どういう療養をしているかというのをまず調べるべきではないかと思います。  そしてまた、介護保険法第2条に、被保険者が要介護状態になった場合において、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるように配慮しなきゃならんとうたわれておる。しかしながら、今申し上げたように介護保険施行後、在宅重視という法の趣旨にもかかわらず、特別養護老人ホームに対する多数の申し込みが続いていると。ただいまの保健福祉局長の答弁によれば、介護保険施行前の平成12年3月末に1,127人あった特養申込者が本年9月末では2,910人と2.5倍以上に膨れ上がっていると。このような施設志向の強まりは、本市のみならず全国的な傾向である。ところが、昨年、埼玉県所沢市が行ったアンケート、平成13年9月22日付毎日新聞によれば、介護が必要になったときどこでサービスを受けたいかと高齢者に聞いたところ、自宅で介護サービスを受けながら生活したいと答えた人が全体の7割に上り、施設に入りたいと答えた人が約1割、9%にとどまったと。これは多くの高齢者が家族に囲まれながら住みなれた家で介護され、最期を迎えたいという願いをあらわしていると。一方、40歳から50歳の家族に要介護者をどこで介護したいかと聞くと、反対に約30%の人ができれば施設で生活してほしいと答えているのである。その結果、高齢者は家族を愛すれば愛するほど自分の思いとは異なり、施設を受け入れるのである。施設の選択は明らかに家族の思いが優先しているのである。核家族で共働き、子供に手のかかる夫婦がとても親の面倒を見ていられない状況はよくわかるが、だからだれもが施設という選択でよいのだろうか、私は介護保険の掲げる理想と現実のギャップに胸が痛む思いであります。また、利用申込者の数だけ、やみくもに特養をつくればよいというものではない。主人公であるはずの高齢者の意見などを反映させる余裕もなく、本当にその地域の高齢者が求めているものとは異なる画一的な施設が全国各地につくられている。10年後にはそのような施設の利用者はだれもいなくなっているのではないか。  滋賀県は琵琶湖の南の田園地帯にあるあやめの里は、我が国初のグループホーム型特別養護老人ホームであります。当たり前の生活、暮らしの姿というものを求めていく中で、施設らしさがない、家庭、住居らしさを大切にするという生活の場としてふさわしい形態としてグループホームを前提とした特養となった。全室が個室であり、廊下でつながれているものの6つの単独グループホームの集合体となっている。各グループホームは1丁目から6丁目と呼ばれ、1つのグループホームの利用者は9名から15名、各グループホームの出入り口には昔ながらの木製の格子戸があり、このあけ閉めによって各グループホームに出入りする。また、各グループホームごとにふろを設けている。東京都武蔵野市の特養親の家では、4つのユニットに柏荘、あけび荘、トチノキ荘、桜荘と名づけ、いずれにも玄関、門扉、ポストがある。壁や家具の色、照明などを従来の施設よりも薄暗くすることで利用者である高齢者が長年暮らしてきた家にできるだけ近づけている。単にユニットに区切りさえすればよいというわけではなく、高齢者が自分の居場所と思えるような雰囲気づくりや職員と高齢者がともに生活を築いていくという視点に立つ運営がなされている。  福岡市も個性のない金太郎あめのような特養を数多くつくっても仕方がありません。あやめの里や親の家のような個性のあるグループホームの特養をつくるべきではありませんか。しかしながら、特養申込者2,910 人の全部とは言わないにしても、みずから特養を希望し、かつその必要がある要介護者がいることも事実であります。例えば、要介護4、5の寝たきりやひとり暮らしの高齢者が現在の介護保険の在宅サービスだけで生活できるであろうか。特養利用申込者の中でも介護度4、5で寝たきりやひとり暮らしの方々などに対しては、申し込み順ではなく、個々の利用申込者の事情に応じて優先的に特養に入られる仕組みが必要であると思うが、現状ではどうなっているのか、お尋ねをいたします。  それから、介護保険制度になって、特別養護老人ホームの収支は改善されたと聞く。利用者からホテルコストをとると議論が盛んだが、特養の平成12年度の決算はどうなっているのか、黒字であるなら利用者に還元すべきではありませんか。  先ほどの保健福祉局長の答弁によれば、介護保険施設においても、特養ほどではないものの、本年9月末現在で700人近い利用申込者がいることであります。特養と同様、老健においても痴呆症状のある人の割合が年々ふえており、国の調査では平成元年59%だったのが、平成11年には86%と、10年で5割近く増加しております。リハビリ訓練が終わっても家庭に返すことができず、特養の入所を待ちながら老健に長期に居続ける人がふえていることも利用申込者増の大きな要因と思われます。いわゆる老健の第2特養化の指摘について市はどのようにお考えになっているのか。また、一般病床と療養型病床に入院する際の区分の基準はどうなっているのか。さらに、3カ月ごとに退院させられる実態があるなど、利用者本位に立った調整が必要と思うが、市はどのように対応しているのか。あわせて、市は現在、介護サービスの評価システムについて検討を行っているが、検討の状況などについてどのようになっているのか、お尋ねをいたします。 83 ◯議長(稲員大三郎) 脇阪保健福祉局長。 84 ◯保健福祉局長(脇阪佳秀) まず、エレベーター、それから冷暖房あたりが非常に単価が下がったということでございますが、特養をつくられる方で非常に工夫をされた結果であるというふうに受けとめております。これについて市民に還元をすべきではないかという御意見でございますが、私どもとしてはトータルの中で効率的な予算の執行というものは当然考えておるわけでございます。そういったことで今後も努力をしてまいりたいというふうに考えます。  次に、いわゆる個性のある特養ということでの御提案でございます。特別養護老人ホームは生活の場ということから、より家庭に近い環境づくりがその人らしい生活を送るための大変重要な課題であるというふうに認識をいたしております。御承知のようにユニットケアとか、あるいは個室化というものが今現在の全国的な流れでございます。本市の特別養護老人ホームの募集におきましても、ユニットケアで完全個室あるいは個室化の割合が高い整備計画がふえておるところでございますが、さらに生活する利用者に配慮したものとなりますよう法人に対して適切な指導、助言を行ってまいりたいというふうに考えております。  次に、申し込み順ではなく事情に応じての入所にするべきではないかという御指摘でございますが、既設の特別養護老人ホームの利用に際しましては、やはり公平性というものを重視をする観点から基本的には申し込み順序が遵守をされている実情にございます。介護する家族が急遽入院するなどの在宅生活の継続が困難な要介護高齢者につきましては、施設の判断により申し込み順序によらず入所させる場合もあるとは考えております。一方、新規に開設される特養が最初の利用者を決定する際につきましては、施設介護の必要性、緊急性、介護する家族の有無等の状況を十分勘案して利用者を決定するように、今現在指導いたしております。これらをあわせ考慮するならば要介護度4、5で寝たきりやひとり暮らしの高齢者など、施設介護の緊急性が高い方々の利用は一定程度配慮はされているのかなというふうに考えているところでございます。  次に、特別養護老人ホームの12年度決算でございますが、市内の24施設中ほとんどの施設でいわゆる黒字が出ております。平成12年度は介護保険の導入によりまして、従来の措置費から介護報酬に変更となりまして、大変厳しい経営感覚が求められたということから、施設としても堅実な運営に努めた結果であるかというふうに考えております。今後、このような繰越収支差額につきましては、施設の改善、食事などのサービス向上、それから職員配置の充実等に充てられていくというふうに考えております。  介護老人保健施設の問題でございますが、第2の特養化ではないかと御指摘でございます。介護老人保健施設は、リハビリ専門の理学療法士、いわゆるPTですとか、作業療法士、OTと呼んでおりますが、そういった方々が配置をされたリハビリの場であると考えております。本来、高齢者が自宅に戻れるようにここで一時期お入りになられるという施設の性格を持っております。平成12年度における本市の家庭復帰率は、短期入所者を除きまして35.3%というふうになっておりまして、全国平均が12年9月で45%でございますから、それより若干低い状況となっておるところでございます。本市といたしましては、必要なリハビリ訓練等の実施によりまして家庭復帰の一層の推進が図られますよう、今後とも指導してまいりたいというふうに考えます。  次に、一般病床と療養病床の区分、それから3カ月で退院させられておる実態があるのではないかということでございますが、病床の種別につきましては医療法により定められておりまして、この中で療養病床は精神、感染症、結核以外の病床で、主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床となっておりまして、一般病床はこれらの病床以外の比較的、いわゆる急激な状態の患者の方々を入院させるための病床というふうになっております。入院後3カ月経過をすると、退院させられる実態があるということについてでございますが、病状が時間の経過により変化をし、これに応じて治療内容も変わることから、医療機関それぞれに機能を分担させまして、患者の状態に応じて適切な医療機関に対応させるという国の考えによるものでございまして、これが医療機関の説明不足というようなことなどもありまして、患者さんの方に十分に理解されていない場合や医療機関相互の連携が十分でないという面もあるのではないかと思われます。今後、このような点につきまして、患者、医療機関双方に働きかけをしていく必要があるというふうに考えております。また、医療の提供は医療機関と患者さんの、いわゆる契約でございますので、行政が介入するということは大変難しい面がございますが、各区保健福祉センターの在宅ケアホットラインなどで相談を受け、対応をしているところであります。  それから、評価システムでございますが、本年7月に介護保険事業計画策定委員会の専門委員会として学識経験者、サービス提供事業者を初め顧客満足度や消費者問題などに精通した人材で構成する介護サービス評価システム検討会を設置をいたしまして検討いただいております。去る11月には評価を行うための基準、利用者評価や第三者評価などの評価方法、それから第三者評価を実施する評価機関など、本市におけます効果的、効率的な評価システムのあり方について中間まとめを御報告いただいたところでございます。今後、さらに詳細に御検討いただきまして、平成13年度中に検討会の最終報告書をまとめていただく予定でございます。以上でございます。 85 ◯議長(稲員大三郎) 手島敏文議員。 86 ◯49番(手島敏文) 揚げ足をとるわけではないですけど、行政が介入というたって、あなた、それは措置では介入する、措置でなければと言うけど、お金を払って1つの商品を売るわけでしょう。その商品に満足するかどうか確認するのが保険者の務めですよ。  評価の問題、これは老健局長が百人百首か書いた中でおもしろいのがある。「ばあさんや保険が介護するそうな」昔々、おじいさんが要介護のおばあさんを介護しました。昔話のおじいさん、おばあさんは皆元気ですか。実際は要介護の人もいたに違いありません。日本昔話の介護保険編では、こう話す常田富士雄さんの声が聞こえてきそうですね。解説は老健局長がしておるわけですが。「保険料払えど介護なき余生」山形新聞のやましん川柳ですね。介護保険料を払っても、お元気なため介護サービスを受ける必要がないのでしょう。でも、だからといって要介護状態になりたいわけではないでしょうから、ここは頑健に産んでくれた両親に感謝しつつ、運悪く要介護になった同世代の仲間たちを自分も支えているんだという自負を持っていただきたい。「ヘルパーに監視つけたいケアプラン」、いろいろ100首あるんですね。後で差し上げます。これ送ってきました。老健局長、介護保険の生みの親、当の局長が言っているんですから、本人もなかなか句はうまいんですけど。そういうふうにホテルコストと言ったって、確かにホテル並みの料金ではないですね、5万円になる。それだけホテルコストだけ何かずうっと、個室即ホテルコスト、お金を取ります、構造改革ですと。前はそうでしょう。一晩泊まったら、僕は何回も言いますが、足かけ2日分取られたですよ。こんなホテルコストないでしょう。ホテルに一晩泊まったら一晩分でしょう。特養や老健やショートステイや行ったら、一晩泊まったら2日分取られますもんね。朝は注射を打ったり何かすると。そんなやらせぼったくりの商売じゃないですよね。だから、そういう意味ではそういうところだけ先走ってひとり歩きする。  だから、今問題になっている──これが質問したかったんですけど、これは議案質疑ですから、私ども質問時間が、質問手が多いんで、ないんで僕は議案質疑しているんですが、1人の質問時間がないわけでね。それで、移送サービスの問題、これは病院に行くのに、どこにも移送サービスがありますから、これなんか市長が考えていただかないかん。  その前に区分がね、大変そこだけ切ってできんと言いよるでしょう。しかし、窓ふきと窓磨きとどう違うんですか。窓をふいてくださいと、これは大掃除ですからできませんと。それは確かに市役所やビルの窓ふきは、それは大掃除でしょうけど。そんなに簡単にできるなら、おまえがやれと言われたらどうしようもないんですけど。それから、入浴するのに体が洗うのは身体介護でしょう、着物を着せるとは家事介護でしょう。ちょっと待ってください、今、費目を変えて、商品を変えてきますからと1時間待ったら風邪引いてしまう。それは人間のつくることですから、人間対人間ですから、品物を売るわけじゃないんですから、悪かったら取りかえるというわけにはいかんですから、一遍あの世へ行ったら帰ってこれんとですから。  そういう意味で、この前、移送の問題で陸運局に行きましてね。最寄りの駅からホテルや旅館は運んでいいと。そうしたら、あそこは千早だから、香椎駅はいいんですね、最寄りの駅は香椎駅ですねと。博多駅は最寄りの駅じゃないんですねと言ったら、そうですと言う。いや、そうじゃないと。新幹線は博多駅しかとまらん、特急もとまらんとですから、それを担当の係長さんが言うんですよ。少しきつ音がある方で、私は早口ですから、気の毒だったけどね。やっぱり法というのは、それだけ拡大というか、解釈すればできるわけですから。そういう意味でこの移送サービスにしても道路運送法にしても、受け皿がないから罰則はしませんと言いよるんですよ。それを福岡だけ目のかたきにされて。東京へ電話したら笑われるですよ。移送サービスというのは一番大事なんですよ。だから、これの後に市町村の実施する介護予防・生活支援事業、外出支援サービス等の活用を含めて検討しなさいといって、やっぱり少し知恵を与えてくれておるんですよね、厚生労働省も。国土交通省の方が女性だから強いんだろうね。福岡市は助役さんが強いかどうか知りませんが、坂本助役さんは。そういう意味では判断によっていっぱいできるでしょう。例えば、遺体を運ぶのに貨物として扱えば2万円で東京から来ますよ。車で運んだら96万円かかるんですよ。やはり葬儀屋さんの業界は貨物として扱っててくれれば利用者もいいでしょう。それは金にかえられんと、やっぱり遺体をこちらでだびに付したいと、96万円かかっても構わんという人もおるかもわからんけど、丁寧に運べば貨物としていいじゃないですか。しかし、24時間以内は火葬できないんでしょう。貨物じゃないでしょうが。また、火葬場に行って出てきた人もおるんですから、帰ってきた人も。だから、要らんこと自治体が問い合わせるから、問い合わせたらいけませんと言う。今言うタクシーのサービスと個人のサービスと違うんですよ。だから、僕は言ったんです。僕があなたを運ぶことはいかんのです。弁当屋さんが市長のところに弁当持ってくるともいかんとよ、これは。狭義に解釈すれば。貨物を運ぶんだから、道路運送法、毎日市長のところへ弁当を持ってくるのも、ただでもいかんです、これは。だから、そういう意味ではもう少しお互い生身の人間ですから、身になってやるようにしなきゃいかん。だから、やっぱりこれは市長が判断をし、市町村長の判断次第では基準該当サービスで特例を認めるんですから、介護予防という形で認めるんですから、ぜひともこれはわずかなことかもしれないけど。今、大神議員もおられるから、まだタクシー業界が受け皿ができていないのに、また少し走り過ぎて福岡県はやったもんだから目の上のこぶでいろいろもめておる。だから、やっぱり移送サービスというのは、一番大事な基準該当サービスに組み入れればできるんですよ。一番大事なことなんです。  この前、策定委員会で僕はそれを提案したら、委員長ははっきり言うたんです。市民病院から箱崎まで遺体を運ぶのに1万3,000円。貨物として自家用車で運べますか、運ばれんでしょうもん。そしてまた、火葬場に家族を連れていく、何か縁起の悪い話ばかりするけど、これもいかんとですよ。道路運送法違反ですよ。それは火葬場が運んでくれればいいけどね、火葬場は公立でしょう。私立に工事させんでしょうもん、民間が工事をしたらいかんとでしょうもん。だから、そういう意味ではとにかく一番大事な移送サービスが中断されておる。今までやっていたんですよ。だから、さわやか福祉財団の堀田さんのところには立ち打ちできん、時の総理大臣、田中角栄でも切ったんだから。相手にとって悪いから逃げる、すぐ。そういう意味では強い者が勝ちと。違反はいかんですよ。いかんけど、そういう解釈をすれば幾らでもできるんですから、これは市長の英断です。ぜひこの英断は、ことしじゅうに解決してください。そうしないと、この問題は非常に介護保険の運営上、支障になる問題です。やはり外に出るということ、お年寄りが外に出る、病人が外に出る、障害者が外に出る、そしてこの問題についてメールがたくさん来て、市長はそれにこたえて直ちに実行されているんです。それと同じ。それといっちょん変わらんことですよ。  これだけくどく言うたらわかってくれると思うから、3問に入りますが、私は施設志向の高まりの最も根本的な原因は、在宅を選択できるに足るサービスを行政の側が用意できなかったことにあると考えます。私が先ほど介護保険法第2条の規定を引用したように、介護保険は介護者の有無に関係なく要介護度を評価するシステムであり、介護者がいなくても自立した生活を支えることを目指したものであったはずであります。在宅サービスの現実は介護者がいることを前提とした単なる補助的サービスにすぎず、利用者の施設志向はやむを得ない当然の結果だったと考えます。高齢者と口を聞いたこともなく、お年寄りは怖いと話す子供がいるという。昔からお年寄りは大切な家族の一員として、当然家族と同居していたし、子供たちも神社の境内や路地といった場所で近所のお年寄りから生活の知恵を教わったりして一緒に遊んだものであります。国際的な著名な建築家である安藤忠雄氏は、人の力をかりなければならない身寄りのないお年寄りのための施設数の不足は深刻な問題だが、高齢者を社会の輪の中から排除してしまいかねない日本の社会のあり方そのものが、本来であれば不必要な施設までつくらせ、高齢者施設の需要を膨らませているという現実にも目を向けなければならないと、自分の事務所が特養の設計を手がけるようになって、こうした問題に気づいたと、人ごとではない。まさに自分自身に対する厳しい問いかけとして語っておられます。平成13年11月25日付朝日新聞。もちろん、施設を否定するわけではありません。介護保険が要介護者の在宅生活を保障できない限り、幾ら特養などの施設をつくっても問題の解決にはならない。その点は、まさしく我が国の構造改革と同様、在宅生活の保障なくして介護保険の安定なしであります。今必要なことは、在宅生活を可能な限り延長できる在宅サービスの拡充であろうと考えます。今回の施設整備費用の縮減は大いに結構であります。評価すべきことでありますが、単なる減額補正ではもったいない、余った財源については在宅サービスの拡充に充てるべきと考えます。財源はある。あとは市長の決断だけであります。私が1問、2問でるるお尋ねをしました施設サービスに関連する諸問題について、あわせて高齢者の移送サービスの問題につきまして市長の所見を問い、私の質問を終わります。 87 ◯議長(稲員大三郎) 脇阪保健福祉局長。 88 ◯保健福祉局長(脇阪佳秀) まず、私の方から移送サービスの点についての、今の私どもの考え方をちょっと述べさせていただきます。  高齢者の移送サービスにつきましては、国において介護タクシー問題がさまざまな形で議論をされまして、今回のホームヘルパーの高齢者移送につきましては、道路運送法上の規制の対象となりまして、県から事業者に対し指導が行われたというところでございます。この件につきましては、特に県の山間部におきましては大変深刻な問題というふうに聞いております。私どもの市内におきましては、県から訪問介護の指定を受けましたタクシー事業者が3社運行を行っておりますが、いわゆる高齢者の交通手段の確保につきましては大変重要な問題であるというふうに考えております。本市といたしましては、現在、高齢者実態調査で移送サービスについての調査も行っておりますが、この結果や、あるいは国、県の動向、それから交通機関の状況も勘案しながら、そういった動向を見てまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
    89 ◯議長(稲員大三郎) 山崎市長。 90 ◯市長(山崎広太郎) 高齢者の福祉の問題は、御指摘のとおり高齢者が長年住みなれたみずからの自宅、地域で自立した生活ができるようにしていくということが基本だと、このように考えておりますが、特養などの施設サービスの基盤整備や質の向上に努めてまいりたいと、このように考えております。  高齢者の移送の問題で、これは手島議員からも御指摘を以前からいただいておるんですが、答弁は今の局長のような答弁でございます。ヘルパーが移送を業務の1つにするということについては、介護タクシー等との関係が起こるということだと思いますけれども、せっかく御指摘をいただきましたんで、さらに実態を調べまして、この介護移送サービスのあり方について早急に検討してまいりたいと考えております。 91 ◯議長(稲員大三郎) 原田祥一議員。 92 ◯45番(原田祥一)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、議案第238号、人工島コンテナクレーン設置工事請負契約に関して質疑を行います。  人工島建設は、国際的な野鳥の宝庫である和白干潟等博多湾の自然を破壊するとともに、必要性もないなど、国内外から寄せられた多くの反対世論を押し切って前市長が着工し、山崎市長もまた何の見直しもせず進めている本市最大の事業であります。しかしながら、着工から7年、今や本事業の先行きを心配する声が経済界をも含む多方面から寄せられる状況となっているのであります。そこで、質問の第1は、23億円余の今回、コンテナクレーンを含む港湾機能施設整備事業計画の必要性と妥当性についてであります。同機能施設は、今回のコンテナクレーン、つまり荷役機械と野積み場、上屋で構成され、その総事業費は602億円余とされています。この大半は起債で賄われるため、220億円余の利息を加え合計823億円余を平成15年から51年まで37年間分の使用料収入で取り戻すというのが市長の事業点検結果であります。収入は、荷役機械が稼働を始める平成15年度が年間4億3,800万円、5年後の20年度には3倍の13億円、その後も上昇し続けるというものであります。同様の施設を持つ香椎パークポートが現在、3施設合計で11億3,000万円余の収入ですから、コンテナ貨物などは2倍化して、20年度ではパークポートで扱う貨物量分がそっくりふえるという計算です。お尋ねしますが、コンテナクレーン使用料など機能施設の収支見込みは余りにも無理があると思いますが、市長の所見をお伺いいたします。  2点目は岸壁、つまりバース計画も過大だという問題です。人工島には14メートル水深が1バース、13メートル水深2バース、合計3つの大型コンテナ専用バースが計画されています。しかしながら、市長が14メートル水深が必要だという理由にしている5万トン級以上のコンテナ船の入港実績は、平成12年で年間わずか91隻にすぎません。ことしもほぼ横ばいの状況であります。これは現在使用しているパークポート外貿コンテナ2バースで十分対応できるということであり、人工島に計画されている水深14メートルを含むコンテナ船用3バースは過大過ぎると思いますが、所見をお尋ねいたします。また、東航路の北側は既に幅200メートル、水深14メートルで完成しており、既存の航路である南側を現在の12メートルから14メートル水深に掘り下げる必要はないと思いますが、あわせて明確な答弁を求めます。  3点目は、機能施設整備事業は市の持ち出しをふやす仕組みを持つという問題です。港湾整備事業特別会計における機能施設整備費の過去10年間の合計は885 億円余であります。一方これに対応する使用料収入は230 億円です。人工島の試算では平成15年度1.5 %の値上げを前提としていますが、ここ数年は使用料の値上げ抑制や減額措置がとられてきたのが実態であります。したがって、収支がとれるどころか、これまで同様、機能施設整備の投資をふやせばふやすほど持ち出しはふえるのではないかと思いますが、所見をお伺いいたします。  質問の第2は、臨海土地整備事業についてであります。同事業は市の埋め立て事業であり、港湾関連用地や産業用地などとして売却するものであります。市長の事業点検では、費用は事業費と利息で1,266億円余、一方、土地の売却収入は1,313億円余となり、46億円余の利益を生むというものであります。処分予定価格は1平米当たり15万5,000円とされていますが、決算議会で私が指摘したように、箱崎ふ頭の最近の処分単価が14万3,000円であったことを考えれば単価は高過ぎます。しかも、最大の問題は土地処分についてであります。市長の事業点検による人工島の臨海土地処分計画では、平成16年度に約4.1ヘクタール、その2年後の18年度には5.5ヘクタール、19年度には19.6ヘクタール、21年度には17.1ヘクタールを処分するなどと試算しているわけであります。ところが、平成8年から分譲を開始した香椎パークポートの土地は、いまだ3.6ヘクタールが売れ残ったままであります。このほか売りに出していない土地が公共ヤードとして暫定利用している土地を除いても5.1ヘクタールもあります。お尋ねしますが、市の土地分譲に係る市長の収支予測は全くの希望的観測にすぎず、実現の見込みはないのではないかと思いますが、市長の所見をお尋ねいたします。  2点目は、清掃工場用地についてです。同試算では、平成19年度に4.9ヘクタールの清掃工場用地が分譲されることとされています。しかしながら、本市の清掃工場は臨海工場建設によって処分するごみの量に対して現在でも過大過ぎる状況となっているのであります。その上、平成17年度には東部清掃工場の建てかえで、さらに300トンも処理能力が増設する計画であります。環境局にお尋ねしますが、19年度に4.9ヘクタールもの土地を清掃工場用地として買われるのか、明確にお答え願います。  質問の第3は、港湾整備事業基金からの繰り入れ問題についてであります。港湾整備事業特別会計における12年度末の同基金額は192億円余であります。一方、13年度から17年度までに機能施設整備と臨海土地造成等に要する基金からの繰り入れは、土地売却予定の平成16年度までに総額177億円余、残高はわずか15億円であります。パークポートを含め土地が確実に売れなければ、基金も破綻する仕組みであります。まさに綱渡りの資金計画ではないかと思いますが、市長の所見を伺います。また、港湾の適正な整備と維持運営に充てられるべき基金が開発破綻に投じられる危険について、市長の所見をお尋ねいたします。  質問の第4は、博多港開発の埋立地についてであります。同様に市長の事業点検では、来年度、住宅用地として2.5ヘクタール、その翌年の15年度も2.5ヘクタール、16年度は研究施設用地7.4ヘクタールと下水再利用施設用地3ヘクタールを加え、5倍の13ヘクタールを売却する計画であります。初年度の住宅用地の処分単価は1平米当たり14万2,430円、徐々に値上げして計画全体では平均18万1,385円とされています。私は決算議会で、処分単価にも処分の見込みにも無理があると指摘しましたが、その後、11月9日付朝日新聞は、あおぞら銀行に続き新生銀行と鹿児島銀行が採算性が不透明として今年度からの新たな融資をとめていると報道しました。これら銀行の融資打ち切りは何を意味するのか。お尋ねしますが、博多港開発の同事業について銀行は不良債権になると見ているのではないかと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。  以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて行わせていただきます。 93 ◯議長(稲員大三郎) 前港湾局長。 94 ◯港湾局長(前  博) まず、平成11年の大規模事業点検におきましてはアイランドシティ事業の採算性等につきまして、点検時の社会経済情勢等踏まえた中で、点検の諸条件を設定いたしまして試算を行ったというものでございます。  まず、質問の最初の貨物の関係でございますが、大規模点検時におけるアイランドシティのコンテナ取扱貨物量、そのときには1バース供用開始を予定いたしておりまして、平成15年で約15万TEUを予測いたしております。それで、2バース目の供用を予定しておりますのが5年後の平成20年で、約38万TEUという見込みを立てておりました。これは博多港全体でコンテナ取扱量の再配分を行った、最新鋭のアイランドシティコンテナバース、2バース目に合わせた再配分を行った結果、このような数値となったものでございます。  それから、2点目のバース計画でございますが、御承知のとおり、博多港におきましては近年、アジア諸国等との貿易の拡大、あるいは九州地域の貨物動向等ということで、外貿コンテナ貨物が急増をいたしております。そういうことから、香椎パークポートでは貨物のふくそう、あるいは荷役時間のロス、そういった問題も出てきておりまして、ヤードの不足というものにも悩んでおります。そこで、アイランドシティ地区に新たなコンテナターミナルの整備が必要だということでございまして、一方、国際海運の面から見ましても、国際港湾として近隣諸港との関係で、やはり国際水準の港湾施設水準を保つことは博多港の将来にとって極めて重要なことであるというふうに考えております。このようなことで、ことしの7月に平成20年代を目標といたしました港湾計画の改定を行っておりまして、外貿コンテナ貨物につきましても、これまでの実績等をもとに、平成20年代前半で68万TEUと推計をいたしておりまして、これを取り扱うバースとしてアイランドシティに3バース、香椎パークポートに2バース、合わせて5バースのコンテナバースが必要であると、このように考えておる次第でございます。  次に、東航路の問題でございますが、東航路は現在の船舶の行き会い、あるいは航路の距離あるいは対象船舶等々で水深14メートル、幅400メートルで現在事業を急いでおります。水深の問題等も含めて早期に利用したいという大変強い要請もあっておりまして、北側半分の200メートルが竣工いたしました時点、ことしの4月でございますが、200メートルの半断面で暫定利用を開始いたしておりまして、これは一日も早い開通を進めてまいりたいということで、できれば平成14年度中にも完成をいたしたいと、このように考えております。  それから、次の港湾機能施設について、ふやせばふやすほどというお尋ねでございますけれども、コンテナ貨物の増加、船舶の大型化などに対応いたしまして、海外諸港と比較いたしましても国際競争力のあるターミナル整備を行う必要がございます。機能施設整備事業につきましては、産業や市民生活に貢献するインフラでもございます。港湾機能を増進するための荷役機械、上屋、野積み場等の必要な施設を整備するものでございまして、その整備に要した費用は起債で賄います。また、使用料収入で長期的に回収するようにいたしておるところでございます。長期的にはその収支というものはとれるものと、このように考えております。  次に、臨海土地整備事業の件でございますが、大規模事業点検におきまして臨海土地整備事業の土地処分計画、そういうものについては、いわば地盤改良等の土地造成の状況、道路、上下水道の基盤施設の整備事業あるいは外内貿コンテナターミナルの供用開始時期等を踏まえて土地処分の時期や面積を設定いたしました。実際の事業推進におきましては、土地分譲を取り巻くさまざまな要因、特に景気低迷の環境下、こういうことを考えまして実際の事業推進をやっておるわけでございますが、平成15年中には最新鋭の外貿コンテナターミナルのオープンをいたします。港湾施設の整備が徐々に姿をあらわしてまいりますと、やはり具体的な民間からのお話もふえてまいっております。今後ともそういう観点から積極的な分譲を行いまして、円滑な分譲に努めてまいります。なお、先ほど申し上げましたが、香椎パークポートにおきまして現在、大変ふくそうをいたしておるという状況の中で、一部分譲用地についてはコンテナ置き場あるいはシャシー置き場等々の港湾関連の用地として利用をいたしておるという状況でございまして、これらもアイランドシティの整備が進んでいくにつれて分譲を急ぎたいと、このように考えております。  次に、基金でございますが、アイランドシティ整備事業の起債の償還、基本的に港湾施設にかかわる整備等に要する費用につきましては、起債による借り入れを行いまして、港湾施設の供用開始後に使用料収入あるいは土地売却収入によりまして回収していくというのが基本でございます。一部財源不足が生じた場合には、港湾整備事業特別会計の基金、こういうものを用意いたしておりますので、この基金の活用あるいは港湾局、土地などの資産を有しておりますので、こういうものを活用するなどにより、そういう資金需要に対応していきたいと、そして円滑な特別会計を運営していきたい、このように考えておる次第でございます。  それから、基金は土地造成に充てるべきではないというお尋ねでございますが、港湾整備事業特別会計、港湾施設の整備及び運営等の経費を市債、使用料あるいは土地売り払い等の財源で賄って、基本的に独立採算で維持してきております。基金につきましては、臨海土地整備事業から発生する土地売払収入等の剰余金、これを積み立てたものでございます。この基金の使途につきましては、基金条例により港湾整備事業及びこれらに関連する事業に充てることといたしておりまして、これまでにも香椎パークポート、アイランドシティ整備事業等の財源調整資金として活用してきたところでございます。  それから、博多港開発の問題でございますが、御承知のとおり博多港開発の事業スキームと申しますのは、必要な事業資金については協調融資銀行団からお借りをいたしまして、そして事業を推進し、その生み出された土地等を売却し金融機関に返却をするという、こういう一連の流れで進めておるわけでございます。新聞報道ございました2行につきましては、新聞報道のとおり両行とも新規融資が実行されておりません。これは金融情勢、そういうものとも相まって両行とも社内の事情によるものというふうに聞いております。この未実行分につきましては、協調融資銀行団の中で対応をしていただいております。それから、博多港開発、市の重要政策でございますアイランドシティ整備事業、そういうものの必要性、重要性について、協調融資銀行団とも理解を得た上で現在も引き続き融資を受けているような状態でございます。したがって、御指摘のような状況ではないというふうに考えております。以上でございます。 95 ◯議長(稲員大三郎) 酒井環境局長。 96 ◯環境局長(酒井勇三郎) 清掃工場用地の件につきましてお答えいたします。  アイランドシティにおきます清掃工場用地につきましては、島内で発生いたしますごみを処理いたしますとともに、その余熱を利用して島内に冷暖房等を供給するエネルギーセンター的施設として埋立免許で位置づけていたところでございます。一方その後、環境問題が大きく転換いたしておりまして、廃棄物処理行政も資源の有効活用を図る循環型社会の構築へと大きな変化が出てきているところでございます。したがいまして、このような動きにも対応し、清掃工場にとどまらずリサイクル関連施設や新エネルギー関連施設なども含め、現在の社会経済情勢を踏まえた施設のあり方について検討をしてまいりたいと考えております。以上でございます。 97 ◯議長(稲員大三郎) 原田祥一議員。 98 ◯45番(原田祥一) まず、コンテナクレーンを含む機能施設整備の関係でありますけれども、港湾局長ですね、今、港湾貨物というのは全国的には横ばいないしは減少ですよ。局長の答弁を聞いていると、そういう状況なのに、何か博多港だけは1人勝ちして2倍にも3倍にでも伸びていくと、こういうふうに聞こえますね。その上、国際水準の港が要るだと。それは国際競争力をつけたいという意味だと思うんだけど、もっと現実をリアルに見るべきじゃありませんか。博多港の貨物量は平成8年からのこの4年間の伸びが19.5%、確かにふえてはいます。しかし、その前の4年間は25.5%です。伸びは鈍化しているというのが現実です。しかも、この2、3年は積み出しが減って輸入がふえています。貿易振興審議会の資料ではこの2年間で、例えば北米航路が1社減り、中近東航路は2社とも廃止です。欧州航路も1社が減りました。足の長い航路というのは減りつつあります。ふえているのは中国など近いアジア諸国ばかりです。これはつまり先進国等への輸出が減って、消費物資の輸入がふえていることを意味します。消費物資の輸入というのは消費地の消費力で決まるわけですから、福岡都市圏の消費力が大幅に伸びるなどの特別の要因なしには大きくふえる要素はないわけですよ。しかも、物流は大きく変化して先行きはわからない。だからこそ、決算議会で私が指摘をしましたように、あなた方も必死で何に的を絞ってポートセールスをするか、研究をしているけれども、開港まであと2年という現在、いまだ結論は出し切れていない、これが現実ではないんですか。重ねてお尋ねしますが、今から6、7年後には人工島で香椎パークポートの船と貨物量を上回る物資を取り扱うという根拠について、さらに明確にしていただきたいと思います。また、支出について言うなら、ごまかしがあります。コンテナクレーンの耐用年数は17年です。37年間の収支計画、ここには取りかえ費用は計上されておりません。上屋などほかの施設についても同じですよ。維持管理費用は全くの計算外になっている。維持費や建てかえを含めて計算しても、なお投資した額を取り戻せるのか、お尋ねをいたします。  次に、港湾関連用地を中心とする市の埋立地処分についてですけれども、局長の答弁は、コンテナがやがてふえていきますから、それにつれて土地も売れるでしょうと、こういう答弁ですよ。そこでまず、きちんと確認をしておきたいことがあります。それは港湾関連用地の単価についてです。事業点検に基づく土地処分計画では、平成16年度に4万1,728平米を売却して64億6,800万円の収入、したがって単価は1平米当たり15万5,000円ですね。そして、最終年度の平成27年まで毎年この単価を変えずに試算されています。しかし、9月議会で売却を決めた箱崎ふ頭の単価は、平米当たり14万3,000円ですよ。しかも、地価は下落を続けております、御承知でしょう。お尋ねしますが、人工島だけは地価下落はしないとお考えなのか、明確な答弁を伺いたい。あわせて16年度、平米単価15万5,000円で分譲に出されるおつもりなのか、お尋ねをいたします。  2点目は、本当に売れるのかという点であります。大体、パークポートですら平成8年から何年たちますか。9、10、11、12、13、もう5年過ぎるんですよ。それでまだ売れ残っているんです。局長、今、ふくそうしているから、コンテナの野積み場として使っているという話されましたけど、そこを合わせたら残りは16ヘクタールになるんですよ。パークポートが売れずに困っているのに、人工島は売りに出して4年間で約30ヘクタール売れると。これ、どういう広さかわかりますか。あの福岡ドームの4個分以上に当たる土地ですよ。それが完売できると。まともに考えているなら、市長、あなたの経営者の経営感覚というのは疑われるんじゃありませんか。経営管理手法の導入が泣きますよ。私は綱渡りの基金問題についてもただしましたけれども、パークポートが売れなければ港湾整備基金は破綻しますよ。  そこで、私は決算議会でも土地処分の問題をただしました。今、あなた方が企業誘致のために検討している1つに野菜などの食品、2つに繊維、雑貨、3つに家電品、これらはいずれも対アジアからの輸入製品ですけれども、例えば野菜等生鮮品で言えば、以前はそのまま輸入し、日本の国内で保管、加工し、配送センター等を通じて流通をしていました。ところが今や、中国など、この産地国で缶詰やパックになって加工され、直接製品として輸入され出しました。繊維、雑貨等についても同じ傾向にあります。したがって、コンテナ輸入が仮にふえても、埠頭地区に加工や保管など業者が自動的に張りつく、こういう状況にはないと、あなた方の資料がそのように書いているんですよ。局長は先ほど答弁されたけどね。私は、それに基づいて決算議会でも尋ねました。それに対する局長の答弁は、御指摘のように港湾の埠頭地区からこういう物流機能がなくなることはない、たったこれだけの答弁であります。パークポートも売れない、輸入製品に係る物流の変化で加工流通業界も張りつきにくい、こういう状況にあってなお、4年間で30ヘクタールも売れると言われるなら、本市の起債を引き受けている銀行業界にもわかるようにひとつ具体的根拠を明らかにしていただきたいと思います。  3点目は、清掃工場用地です。環境局長、これ、またあなた、土地を買うつもりですか。ごみが足りない、清掃工場の処理能力に余力がある、こう言ってよその町からごみまでもらうと。そういう状況であるのに加えて、なお東部工場も増設すると。17年度には、あなた方の資料でも、全施設で日量2,540トンの処理能力に膨れ上がります。一方、ごみの処理量の方は予測を大きく下回って推移しています。12年実績から推計すれば、どう高く見積もっても要処理量は2,000トン程度にすぎず、500トン以上、つまり東部清掃工場など1工場分以上の余力が出る。東部工場、必要ないということですよ。この4.9ヘクタールの2倍あるんですけどね。先ほどあなたが言われたリサイクル施設あるいはその他の施設、わざわざ人工島に土地を買ってつくらんでもできますよ、ほかのところで。環境局は必要もない環境局の用地として、人工島で港湾局から土地を買うんですか、買わないんですか、明確に答えてください。  次に、博多港開発の経営破綻の問題ですが、局長は今の状況を一体どうお考えなんでしょうね。融資停止したけど、その分は銀行団が対応していますと、資金力は枯渇することはないでしょうと、こんな答弁されたけれどもですね。今後の事業どころか、今時点で博多港開発は経営破綻しているんじゃないんですか。港湾局の資料によれば、埋め立て開始の平成6年度から12年度末までの借り入れは、政府のNTT資金、これが54億9,000万円、日本政策投資銀行が196億円、福銀など市中銀行が502億4,300万円、合計753億3,300万円。問題は返済です。NTT資金と政策投資銀行については5年間の据え置き期間があります。しかし、一般の金融機関、一般の銀行にそんな据え置き期間があろうはずがないんです。ところが、この資料を見れば、博多港開発は平成6年度から昨年まで、平成12年度まで1円も返済していないんですよ、市中銀行に。1円の返済もない。これでは新生銀行などが融資を停止するのも当然ですよ。福岡市に本店のない地場外の銀行は正直ですね。当初ですね、年間38億円程度の融資をしていたのが、不良債権の処理に取り組み出した11年度からはがたっと減って12年度はわずか16億円です。ことしは新生銀行が停止しましたから、もっと減っていますよね。こうした銀行が博多港開発自身を不良債権と見ているのは明らかですよ。もう1点あります。5年間据え置きしたNTT資金について、11年度と12年度で9億4,800万円、これは計画どおり返済しています。ところが、政策投資銀行の方は11年度は3億4,000万円、計画どおりの返済なんですが、12年度は返済計画16億円余に対して実際に返したのは3億4,000万円です。このために、ことしは昨年の残り分を合わせて39億円もの返済を迫られるわけであります。じゃ、この返済金はどこから出てくるんでしょうかね。私は博多港開発の経営状況報告、あなた方がこの議会に報告するこの資料、これをつぶさに調べてみました。その中で、貸借対照表を確認してみましたけれども、すると、11年度の短期借入金は長期1年返済分を含めて34億円余だったのに対して、12年度では一気に100億円以上ふえて151億円ですよ。ちなみに、人工島に着手する以前の平成4年末はわずか5億円です。つまり、資金繰りはまさに自転車操業と言ってもよいでしょう。以上のように、市中銀行は不良債権と見て融資を停止する。資金繰りではまさに自転車操業という実態。お尋ねをしますが、博多港開発は事実上、経営破綻しているのではありませんか。明確な答弁を求めるものであります。もしも違うと言われるなら、数字も示して根拠を述べていただきたいと思います。  第2は、土地分譲と破綻救済についてです。12月4日付朝日新聞は「揺らぐ人工島計画 分譲地売れず 市買い支え」と報道しました。この記事の中には、さらに驚くべきことが載っています。環境省の自然再生型公共事業に関してであります。「売れる見通しの立たない土地、国が「鳥の住宅地」として買い上げる──。市にとってはまさに「渡りに船」。「鳥に先に分譲されるかも」。市幹部からは期待まじりの冗談も出始めている」こういう記事であります。一応は冗談とは書かれています。しかし、これ、あなた方の本音じゃありませんか。私は決算議会で、市による土地の買い上げは絶対に許されず、市財政をも破綻に導くものだと警告を発しました。お尋ねしますが、市長は市の資金も、国の資金まで利用して博多港開発の土地を買い支えるおつもりなのか、これは極めて重大な問題ですから、助役から明確な答弁をいただきたいと思います。以上です。 99 ◯議長(稲員大三郎) この際、あらかじめ時間を延長いたします。前港湾局長。 100 ◯港湾局長(前  博) まず、貨物に対するお尋ねでございますが、大規模事業点検の試算で平成20年に2バースを有する高規格、高効率なコンテナターミナルを想定いたしております。このターミナルでのコンテナ取扱量につきましては、博多港における各コンテナ施設の取扱能力を勘案して貨物量を配分いたした結果、平成20年度に約38万TEUと設定をいたしたわけでございまして、20年度に新しい港湾施設ができれば当然にその貨物の取り扱う配分を変えるというのは私ども常日ごろやっておることでございます。それから、高規格と申しますのはどういうことかと申しますと、例えば、現在、香椎パークポートではストラドルキャリア方式という3段積みが限度の荷役方式をとっておりますが、アイランドシティでは、さらにトランスファークレーンというような4段積みの作業が可能になるような、そういう新しい方式をとるなどしてやっております。  それから、次に機能施設の関係でございまして、投資額を回収できるのかということでございます。機能施設整備事業、先ほども御答弁申し上げましたけれども、いわば高度な都市基盤施設であるというふうに考えておりまして、港湾施設の整備を行う、その供用開始後に使用料収入等によって長期間回収をするわけでございまして、そういう長期的な観点からの回収というのが、この機能施設整備事業の特徴であろうかと思っております。そこで、これらの施設については、古いと申しますか、以前に建設したものについては償還なども終わっておりまして、その使用料というのはそのままカウントできるわけでございますけれども、新しくつくります施設については、その施設だけで議論をいたしますと、御指摘のように超長期の話などが出てくるわけでございますが、私ども博多港の港湾施設というものは一体的に管理し、運営し、経営をいたしておるつもりでございまして、この港湾経営全体の中で、この機能施設整備事業というものをうまく運営をしていきたいと、このように考えておるところでございます。  それから、こういうインフラというのは非常に採算をとるのに時間がかかるというのは、今御説明申し上げましたけれども、取扱貨物につきましては先ほどの御質問の中にもありましたように、日本全国横ばいの中で、博多港としては、やはり西の日本のゲートウエーとして極めて高い伸び、高い発展をいたしております。これは間違いない状況でございます。ただ、これをこのまま放置しておいて、本当にこの状況が、非常に都市にとって港という大事な機能が維持できるのか、これは私はやはり高い伸びを示している、あるいはその社会情勢等々を踏まえた中で先を見越して整備をしていかなければ港湾施設そのもの、港湾経営そのものは成り立たないというふうに思っておりますので、短期的に御質問されると、いろいろな御指摘ございますけれども、私としましては博多港の将来、福岡の将来を考えたときの港湾施設というものは、やはりきちんとやっていく、こういうものが必要だと、このように考えております。  次に土地処分に関してでございますが、まず、点検のときには平成8年から11年における周辺の公示地価をもとにはじき出しまして、一律で平米当たり15万5,000円という単価でもって試算をいたしました。これは御指摘のとおりでございます。実際の土地分譲につきましては、当然に分譲するときの地価の動向あるいは周辺の公示価格、取引事例というものを参考にいたしまして、その都度その都度具体的に定めてまいります。現実にこれから土地分譲に際しましても、そのような手法で進めてまいりたいと思っております。もちろん、アイランドシティにおいても土地のさまざまな影響、上昇することもありますし下落することもありますし、そういう状況は当然に受けることだというふうに思っております。  それから、次に市工区の土地分譲でございますが、アイランドシティのコンテナターミナル背後の用地というのは、港湾活動としては大変密接に関係のある大切なエリアでございますし、また産業活動にも結びついたエリアであるというふうに認識をいたしておりまして、大規模事業点検においては土地造成、道路等の基盤施設の整備スケジュールに合わせて、先ほど御説明申し上げましたが、分譲の時期、面積を試算いたしております。具体的に申しますと、港湾関連用地につきましては、試算時における香椎パークポートの分譲実績をもとに試算をいたしました。それから、特定目的の都市型製造業用地等につきましては、土地造成が完了する時期を分譲する時期として試算をいたしました。今後の実際の分譲に際しましては、利用者等のニーズ、業界の御意向、そういうものもきちんと受けとめて港湾利用をしていただく、あるいは土地の購入をしていただける、そういう分譲促進に努めてまいりたいと考えております。  それから、博多港開発でございますけれども、博多港開発のアイランドシティ整備事業を行うに当たりましての資金調達の手法等につきましては先ほど御答弁いたしたとおりでございますが、現況で昨今の厳しい社会経済情勢の中で、そういう金融情勢の中で、一部協調融資団の中で新たな融資についてできないというお申し出があるというのは事実でございます。もちろん、私どももこういう厳しい経済情勢あるいは金融情勢の中で、大船に乗ったような運営はいたしておりません。非常に危機感を持って対応いたしております。しかしながら、このアイランドシティ整備事業というのは、やはり市にとっても極めて重要な、これからの市の将来にとっても極めて重要な事業である。その事業を博多港開発という第三セクターに、現在のあの部分につきましてお任せをいたしておりますけれども、開発会社にお任せしておるだけではございませんで、私たちも一体的に、主体的に取り組んでいる、こういう状況でございますので、御理解をいただきたいと思います。  それから、事実上、経営破綻しているのではないかということでございますが、先ほどの御質問にありましたように、返済をしていないという御指摘については、ちょっと御答弁させていただきますが、土地をつくって、その土地を売ったお金はそのまま金融機関にお返しするようなシステムになっておりますので、現在土地ができておりませんので、お返しする原資はございません。そこのところはひとつ御理解をいただきたいというふうに思います。  以上で答弁を終わりますが、何か答弁漏れ……。いずれにいたしましても、アイランドシティ事業、こういう大きな事業、市の重大な事業として取り組んでおります。厳しい御指摘の点も踏まえて、経営の一員としてきちんと今後も取り組んでいきたいと、積極的に推進していきたいと、このように考えております。以上でございます。 101 ◯議長(稲員大三郎) 酒井環境局長。 102 ◯環境局長(酒井勇三郎) 清掃工場用地についての再度のおただしについてでございますが、廃棄物処理につきましては、昨年6月に循環型社会形成推進基本法が制定されるなど、近年大きな変化が出てきております。これに伴いまして、リサイクル産業や新エネルギー産業など環境産業が注目を集めており、全国的にエコタウン事業が展開されるなど、今後とも大きな需要があるものと考えております。このような動きを踏まえて、本市としてどのような施設のあり方がいいのか、また環境産業がふさわしいのか、調査、研究を進めているところでございます。以上でございます。 103 ◯議長(稲員大三郎) 美山助役。 104 ◯助役(美山彰生) アイランドシティの博多港開発の土地処分についてのお話でございますが、お答え申し上げます。  原田議員御指摘のように、現在の金融情勢、それから経済情勢、これは大変厳しい中でいろいろ御指摘の点は私どもも十分御理解できる面もあるし、そういう意味ではそういう点も十分踏まえて事業を進めているところであります。しかし、論点が、私どもはやはりこのアイランドシティというのは長期にわたっての福岡市のまちづくりであると、そういう意味ではしっかりしたビジョンを持って、その時々の経済情勢、金融情勢に流されることなく、いろんな施策を講じていくと、こういうことが将来の本市の都市活力を高めていく、さらには豊かな市民生活を実現するという視点で大変重要であると、こういう考え方を持っております。したがいまして、本市の都市政策上の観点あるいはアイランドシティにおける先導的なまちづくりの観点、そういう点から必要となる機能については、国のいろんな制度も利用しながら、またもろもろの制度があればそういうものも積極的に検討して導入を図っていくことが重要であるし、必要であると、こういうふうに考えております。また、アイランドシティは、先ほど申し上げましたように長期にわたる事業でございますので、このまちの成熟をできるだけ早く促進していくと、そういう意味では、民間などへの多様な土地の処分の方法や、後年度に分譲を予定している土地について一時的に貸し付けなどを行うなど、土地の有効活用方法などについても積極的に、多面的にいろいろ検討していくことが大変重要ではないかと、こういうふうに考えております。以上でございます。 105 ◯議長(稲員大三郎) 原田祥一議員。 106 ◯45番(原田祥一) 私は当初から、人工島は必要ないと計画に反対をしてきました。そして、山崎市長が事業点検を行うに当たっては、以後の工事は中止し、縮小、見直しすべきだと提言してきたところであります。今の答弁を聞けば、どうしても401ヘクタールを埋め立てたいということのようだが、どのように言いわけされても、今や開発破綻は明白じゃありませんか。やれ、やれと事業を後押しした政治家の責任も含めて、あなた方の責任は問われていると思うんです。博多港開発について言いわけされたが、会社の経営、存続そのものがどうかという事態ではありませんか。資金繰りを初め経営状況、局長は、よっぽど銀行が面倒見てくれるかのように思われているようだけれども、会社の出している数字、これが明確に破綻を示しておりますよ。そして、銀行を初め過去の融資分の返済をすべての融資先から迫られている、これが現状でしょう。ところが、手当てすべき財源がないというのが現実です。銀行は土地が売れるまで待ちます、そんなことを考えているんだったら、今の現実を見ていないということですよ。  博多港開発が持っている土地についても調べてみました。小戸・姪浜地区、ここはリゾート開発など当初計画が破綻して、いまだ7ヘクタールは残ったまま。その他、東浜と箱崎ふ頭地区を合わせると、現在の処分可能用地は16万570平米あります。仮にこれが平米単価15万円ですべて売れたとしても財源はわずか240億円です。政府資金や銀行へのことしと来年度の返済額にすら及ばないんです。もちろん、これらの土地が売れる見込みは今のところ全くないですね。そして、地場銀行もこれまでは引き受けてくれたかもしれないけれども、今までのようにはいかないですよ。11月9日付のさきの朝日新聞には、福岡シティ銀行の四島頭取の談話が載っています。「市が絡んでいるからといっておつきあいみたいに融資していると、(損失は)すべて銀行にかぶさってくる。今度はよほどしっかりした計画でないと貸さないだろう」。また、12月5日付の西日本新聞では、最大の融資元である福岡銀行の寺本頭取の会見の模様が載っています。「来年度以降の新規融資はまだ結論を出していない」と述べ、「現行計画での融資継続に慎重な姿勢を示した」と報じられています。山崎市長、小泉内閣のもとで銀行が強力に不良債権の処理を行っているのはあなたも御承知のはずであります。重ねてお尋ねをしますが、博多港開発はリバレインのまさに一歩手前、経営破綻は明白だと思いますが、市長に所見を求めます。同時に、環境省に土地を買ってもらおうなどとけちな考えを起こさず、会社2工区は直ちに工事を中止すること、これこそ破綻拡大を防ぐ道であり、中止見直しをすべきと思いますが、答弁を求めます。  次に、市の埋立地についてでありますけれども、港湾局長は一体どう考えておられるのかなあと、私つくづく思いますよ。ここに日本全国の海上出入り貨物、いわゆる港湾統計があります。これ、12年分はまだ集計されていませんから11年分ですけどね、入港船舶の総トン数でも前年比で98.1%、前年割れです。それから、海上出入り貨物の総トータルではそれをさらに下回って97.5%です。今や物資は減っている、これが実態ですよ。しかも、今これだけ長期の不況、リストラのあらしに失業率は過去最高、福岡も例外じゃないんです。さらに、コンテナ貨物のことを大変言われるけれども、コンテナ貨物を見ても、これは博多港の統計年報ですけど、12年の。伸びているのは、中身が入っているコンテナよりも、さらに空コンテナの伸びの方が多いんですよ。コンテナが入れば業者が港湾に張りつく、そんなことはないんです。あなた方が期待している輸入に的を絞った、消費物資の倍増などと考えることそのものが全く今の常識に外れています。私がさきに述べたように、土地の分譲に係る収支計算も機能施設の収支計算も全くその根拠は崩れております。銀行業界の目は市長の経営感覚を疑っているんじゃありませんか。これまでに投じた市の事業費は1,008億円です。しかし、今の環境局長の答弁や助役の答弁を聞いていると、上物を含めて福岡市が出資する金、事業費はこれは大幅に膨れますね。あなた方はさらに公的資金を投入しようとしているようだが、開発破綻の拡大と借金の肥大化を避けるには、これからの支出をストップする、これしか手だてはありません。年間、わずか90隻程度のために航路を掘り下げる、このむだをやめれば、しゅんせつ土砂を受け入れる必要はなくなります。したがって、今回議案は撤回をして、航路を含めて人工島計画は凍結、縮小すべきと思いますが、最後に市長の答弁を求めて、私の質問を終わります。 107 ◯議長(稲員大三郎) 前港湾局長。 108 ◯港湾局長(前  博) 貨物に関するお尋ねについて、少し答弁させていただきたいと思います。  数字を上げての統計のお話でございますが、博多港が、何度も申し上げますが、福岡の大事なインフラとして、やはりきちんとこれからも整備をしていく必要があるというのは私の考えでございますし、また、例えば失業問題にしても、港湾でどれだけの皆さん方が雇用されておられるか。この港湾というものがなくなったときにそのような雇用そのものも減少するんですね。ですから、雇用の問題も今後も保っていくためには、大事な港湾というものを大切に育てていく必要があるんではないかなというふうに思っております。これはやはりコンテナ貨物の伸びについても、もちろん過去、我々の施設が少ないときには十分な伸びがない時代がございましたけど、やはり港湾施設の整備が徐々に進んでまいりますと、現在のように日本の西の拠点港湾として十分機能をしておると。私どもこういう方向性はやはり都市政策上とっていかなければいけないと、このように考えておるところでございます。 109 ◯議長(稲員大三郎) 山崎市長。 110 ◯市長(山崎広太郎) アイランドシティを取り巻く環境は、御指摘のとおり厳しいと認識をいたしております。それは今の経済情勢等々含めて、そういう環境のもとに置かれているということでございますけれども、ただ、このアイランドシティの事業というのは何も土地をつくって、売ってもうかろうという考えじゃございませんで、必要だから新しい土地をつくるという事業に取り組んでおるところでございます。だから、私どもは現状を非常に悲観的に見るだけじゃなくて、やはり博多港の将来あるいは福岡市の将来というものを描きながら、この事業を正面から取り組ませていただきたいと、このように思っておるわけでございます。  そもそもこのアイランドシティの整備事業は、近代的な博多港湾を整備する必要があるということで踏み切った事業でございまして、400ヘクタールの半分は港湾関連の施設整備ということになるわけでございます。博多港につきましては、もちろん今、日本全体として経済的な状況は厳しい、日本全体的な数字の中で御指摘のとおりだと思います。余り今、物が動いていないというのもそのとおりかと思いますけれども、その中で、唯一とは申しません、東京港と博多港が、いわゆる生活港として輸入面で伸びておるという状況がございます。特に、アジアの経済、産業が伸びていけば、当然地理的にも近い博多港が物資の港湾として非常に大きな役割を務め得ると、そういう近代的な体質に脱皮させなきゃいけないということで、今アイランドシティの港湾整備事業にかかっておるということで御理解をいただきたいと、このように思っております。  そして、後背地に生まれた土地でございます。ここもまさに新しく今誕生しつつある土地として大変私は利用価値のある土地というふうに考えさせていただいておるわけでございます。新しいITであるとか、新しい医療分野とか、医療、福祉さまざまなテーマについて検討をさせていただいております。かつて、福岡市は本格的な埋立事業として、地行・百道をやりました。あのときも土地の分譲には大変苦労をしてまいったわけでございますけれども、今は非常に大きな役割を務めておるわけでございますが、私がこの地行・百道の土地よりも、このアイランドシティの方がよほど利用価値が高い、利用しやすい土地であると、このように考えておりまして、福岡市の将来のためにこの土地を生かしていきたいと、このように考えております。  厳しい状況でございますので、銀行団の動揺もございますけれども、銀行融資団とよく協議して、お互いに理解し合って福岡市の将来のために、この銀行団とひとつ手を組んでこの事業の遂行に当たっていきたいと、もちろん博多港開発とも共同して共同責任でこの事業に取り組んでいく決意でございます。以上でございます。 111 ◯議長(稲員大三郎) この際、10分間休憩いたします。                                         午後5時6分 休憩                                         午後5時22分 開議 112 ◯議長(稲員大三郎) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。今村恵美子議員。 113 ◯38番(今村恵美子)登壇 ふくおかネットワークを代表して、本議会に上程された議案のうち議案第227号、福岡市職員の公務員倫理に関する条例案、議案第238号、アイランドシティ地区コンテナクレーン設置工事請負契約の締結について、及び議案第222号、平成13年度福岡市公共用地先行取得事業特別会計補正予算案に対して質疑を行います。  まず、職員倫理条例についてですが、この条例をつくるに至った背景については、福岡市の行政にまつわる数々の不祥事に対して市民の厳しい批判がありました。その1つは自民党パーティー券事件で、市議からパーティー券のあっせんを依頼された交通局建設部長が地下鉄工事業者へあっせんしたことで政治資金規正法違反で処罰され、事業管理者は板挟みとなって自殺し、市議1人と主催団体も政治資金規正法違反で有罪判決を受けましたが、建設部長は第三セクターに天下りし、真相解明は途中で打ち切られ、政治倫理条例が政令市として初めて制定されました。そしてまた、筥松ポンプ場築造公共工事の入札をめぐる談合問題から、昨年、前総務企画局長が汚職事件で逮捕され、業者からの収賄が明らかになり懲戒免職処分となりました。そこでまた公共工事不正再発防止等調査特別委員会が設置され、職員倫理条例の必要性が指摘され、そのさなかに副議長が職員に圧力をかけて入札価格を聞き出し、業者に漏らし、見返りに現金を受け取るあっせん収賄容疑で逮捕され、辞職する事件が起きました。そのほかにも市職員による汚職事件あるいは教員の強制わいせつ事件など、枚挙にいとまがないほど福岡市は行政も議会も市民に対して信頼を損ねる事件を次々に引き起こしてきました。議員、市長対象の政治倫理条例もまだまだ不十分であり、改正が必要ではありますが、今回提案された職員倫理条例は最も市民に身近な存在の市職員のあり方について明確にし、信頼回復に向けてのきっちりとした姿勢がわかるものではなくてはならないと考えます。  そこでお尋ねいたしますが、職員倫理条例では対象に助役、収入役、企業管理者も含まれております。三役、企業管理者は選挙で選ばれるのではなく任命される身分ではありますが、市長同様に地方政治、行政の重要な意思決定にかかわり、広範な裁量権を持つことから、一般職職員では知り得ない情報に接することができ、それにより政治、行政運営に大きな影響力を及ぼすだけでなく、さまざまな利益や便益に近づく機会も多いのです。したがって、市長とともに自治体運営の中枢の座を占め、その権限と裁量権が大きいことから政治倫理条例の対象とすべきであります。なぜ三役、企業管理者を職員倫理条例の対象としたのか、お尋ねいたします。  次に、倫理原則の中に贈与に関する項目はありますが、公正な職務執行を妨げる行為、情報漏えいなど議員等による圧力などに関して含まれていませんが、どういう理由かお尋ねいたします。  また、福井市の職員倫理規程では利害関係者との接触に関する規制を、例えばゴルフなど明文化しているほか、福岡県では倫理行動規準に勤務時間外でも公務員として意識的に行動すること、入札等にかかわる事業者とは職務外の交際も禁止していますが、本市ではどうなのかお尋ねいたします。事業者等の定義について、福井市では許認可権を持つ場合、立入調査、補助金交付などの対象となる事業者や個人を利害関係者として位置づけしていますが、本市ではどう定義づけているのかお尋ねいたします。この倫理条例案には、報告書提出をしなかった場合などの罰則規定がありませんが、どのように考えられているのか、実効性あるものとなるのか、お尋ねいたします。  次に、政治倫理審査会についてお尋ねいたします。審査会の構成について、どのような比率で審査会委員を選ぶのか、選考基準はどのように考えているのか、お尋ねいたします。安易に選定することのないように市民が納得のいく人選が必要です。  次に、人工島に設置されるコンテナクレーン設置工事請負契約の締結に関する議案についてお尋ねいたします。  まず、今回提案されたコンテナクレーン設置工事請負契約についてですが、包括外部監査の資料では、平成15年にガントリークレーン2基供用開始となっています。今回なぜ3基も設置するのか、その理由と今後の設置予定をお尋ねします。当初2基と言っていたならそのとおりにして、状況に応じて次のを設置すべきではないのか、過剰設備ではないのか、お尋ねいたします。また、今回設置予定のコンテナクレーンの機能はどのようなものであり、香椎パークポート設置のものと機能や価格に違いはあるのかお尋ねいたします。今回の入札はどのように行われたのか、お尋ねいたします。  次に、人工島造成工事はほぼスケジュールどおり進んでいると聞いておりますが、人工島をつくっても総事業費4,600億円のうち、国の補助金を除いた約2,950億円分を分譲しなければ採算はとれません。現在のところ土地処分の見通しはどうなのか、何か具体的なものが出てきたのか、お尋ねいたします。また、土地処分のために10月、全庁的な取り組み体制がスタートしたと聞いていますが、新しい組織、例えば局などをつくって強化するということなのか、新しい組織づくりには費用もかかることから、その必要性について疑問があります。この組織についてはどのように動いているのか、内容についてお尋ねいたします。  また、先ほどもありましたけれども、人工島事業主体の1つ、博多港開発への融資を行っていた14銀行中、新生銀行と鹿児島銀行が採算性が不透明との理由で新規融資を停止しました。港湾局では、主力銀行ではなく、主力銀行がその分をカバーするので影響はないと答えられておりました。ところが今月4日、全融資銀行のトップである福岡銀行頭取が来年度以降の新規融資は未定で、計画の見直し次第で融資継続を判断すると発言されております。先に融資停止を決めた2銀行のうち新生銀行は債権回収に最もシビアで、エスビーシー問題で債権放棄に難色を示しているとも言われており、福岡銀行も開発破綻のエスビーシー債権放棄も絡んで人工島事業の将来性に不安を抱き始めたのではないかと思われます。ほかの銀行側にもこのような動きがあるのか、雪崩を打って銀行が手を引くという事態が発生するとも限らないのではないかと思われますが、こういう事態になっていることをどう考えられているのか、お尋ねいたします。  次に、人工島に関する情報公開についてお尋ねいたします。昨年度の港湾局の外部監査において、人工島事業を継続した場合の港湾局特別会計全体の事業収支を試算したところ、長期にわたって資金収支の赤字が続くこと、さまざまな事業リスクが存在することに懸念を示し、監査人は市に対して市民への説明責任を果たすように求められました。にもかかわらず福岡市は、平成12年4月、市民団体の人工島事業にかかわる港湾使用料の算定、取扱貨物量の推計、機能施設整備事業償還計画、市工区土地処分計画などの情報公開を拒否しました。これは一部公開だったのですが、そのほとんどは何もわからない黒塗り文書だったため、平成12年6月13日付で異議申し立てがあり、情報公開審査会は平成13年11月21日、さきの一部公開処分を取り消し、全面公開を決定しました。このように、大きな財政負担を伴う開発事業の必要性、妥当性に市民が税金の行方をチェックするために情報公開を求めるのは当然のことであり、情報公開の流れに逆らってきた港湾局は何を恐れていたのでしょうか。これを機に、これまでの態度を改め、情報公開を積極的に進めるべきと考えますが、今後どのようにしていくのか、お尋ねいたします。  次に、公共用地先行取得事業の今回の補正予算案の内容についてお尋ねいたします。この補正予算案は、香椎駅周辺土地区画整理事業にかかわるものとのことですが、香椎駅周辺土地区画整理事業は平成9年都市計画決定し、11年事業計画決定されています。この事業の内容、事業の流れ及び現時点までの進捗状況、全体の土地の取得状況はどのようであるのか、面積、割合についてお尋ねいたします。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。 114 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 115 ◯総務企画局長(渡部 晶) まず、倫理条例の関連につきましてお答え申し上げます。  助役等をなぜ職員倫理条例の方の対象にしたのかということでございますが、助役等につきましては、基本的にその身分ないし地位は、執行機関である市長の補助機関として、市長によって任命され、市長の指揮監督に服し、非違行為等があった場合には市長により懲戒や解職などの措置を受けるものでございまして、さらに服務規律については、市町村職員服務紀律などによりまして一般職の職員と同様の規律がなされているところでございます。したがいまして、助役等は一般職職員の延長線上にある者として職員の公務員倫理条例の対象としたものでございます。  次に、倫理原則についてのお問いでございますが、倫理原則につきましては、職員の倫理保持に関する事項のうち最も基本的な職員の心構えないし基本的な理念を定めたものでございます。個別具体的な事柄につきましては、別途規則になります倫理行動規準あるいは要綱等でそれぞれに応じて必要な定めをしてまいりたいというふうに考えております。  次に、福井市等の例等で禁止行為等についてどういうふうに定めるのかということでございますが、他都市において定められている利害関係者との接触に関する規制などにつきましては、本市におきましても今後検討を行っていく倫理行動規準において必要な定めを行ってまいりたいというふうに考えております。それから、福井市の方で利害関係者の定義づけがあって、本市ではどうかということなんですが、利害関係者につきましては、今後検討を行う倫理行動規準において、それとの関係に係る規制について定めていくこととなります。その定義につきましては、基本的には国家公務員倫理法や他都市の条例と同様に、職員が携わる許認可、補助金の交付、行政指導、契約等の事務の相手方を利害関係者と位置づけることになるものと考えております。それから、実効性についてでございますが、罰則規定につきましては、罰則というのは公共の秩序の維持を目的とした法令上の義務の履行を担保するための最強の手段でございまして、他の手段によって当該義務の履行を担保することが期待できるような場合にまで用いるべきではないというふうに考えられているところでございます。本条例や今後定める倫理行動規準による義務の履行を担保するためには、地方公務員法に基づく懲戒処分などの措置で十分であると考えているところでございます。なお、国家公務員倫理法や他都市の倫理条例、さらには本市の政治倫理条例においても罰則を設けているものは見当たらないところでございます。  それから、審査会の構成についてでございますが、倫理審査会の委員につきましては、学識経験者及び市民のうちから任命することといたしておりますが、その比率につきましては、おおむね半分ずつが適当ではないかと考えております。また、選考基準としては、御指摘のように、市民の皆様が納得のいくものが必要というふうに認識いたしておりまして、今後慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 116 ◯議長(稲員大三郎) 前港湾局長。 117 ◯港湾局長(前  博) まず、コンテナクレーンの数でございますけれども、国際港湾は、今荷役時間の短縮というのが大きな課題になっておりまして、香椎のパークポートでも4基のうちのクレーン3基を使って荷役するケースがふえております。今後も港湾関係者の時間短縮のニーズが非常に高まっておりますし、そのための施設整備の要請が大変強いということ、あるいは単独バースでの運用になることなどから、今回3基のクレーンを設置するものでございます。それから、今後の設置予定でございますけれども、これにつきましては今後の就航状況あるいは物流の動向、さらに利用していただく方々のニーズ等をさらに細かくつかみながら、必要なときに、一番効率的なときに設置をするべく今後検討してまいりたいと考えております。それから、コンテナクレーンの機能でございますけれども、香椎パークポートに設置しているクレーンと比べまして、船舶の大型化に対応するため機能強化をいたしておりまして、一回り大きなクレーンとなっております。入札の方法でございますけれども、8社による指名競争入札が行われまして、香椎パークポートのクレーンよりも安い価格で落札をされております。  それから、土地分譲の見通しでございますが、博多港開発が施行いたしております住宅用地、現在住宅開発にかかわる基本方針などの検討を市と一緒になって進めております。また、住宅開発事業者との具体的な中身についての協議も進めておりまして、こういうものをぜひ早期にまとめまして、平成14年度中に分譲を開始いたしたいと、このように考えております。
     それから、市の工区でございますけれども、平成15年度から外貿コンテナターミナルをオープンするべく努力をいたしておりますが、その背後の港湾関連用地につきましては、外貿コンテナターミナルの供用開始後、必要なインフラ等の整備をいたしまして、速やかに分譲を開始したいと、このように考えております。  それから、具体的な話ということでございますけれども、博多港はコンテナ貨物が伸びておりまして、広域的な交通アクセスというようなこともすぐれているという状況の中で、もう1つはやはり現実に土地が姿を見せてきつつあるということから、ユーザーの方々のいろんなお申し出と申しますか、具体的なお話が舞い込んできております。これは、1つ1つ具体的な協議を今後進めて実現に向けて努力をいたしてまいります。  それから、組織でございますが、平成14年度の組織あるいは人員等については、これから市の内部での作業になるわけでございますけれども、港湾局といたしましてはアイランドシティ整備事業を積極的に推進していくため、やはり局内の推進体制と申しますか、そういうものをやはり柔軟かつ効率的な体制にしていきたい、あるいは強化をしていきたいというふうに考えております。この辺については、具体的な14年度に向けての対策として可能であれば実現をさせていきたい、このように考えております。  それから、博多港開発の関係でございますが、融資団のうちの2行につきまして新規融資が実行されておりません。両行ともおのおの社内事情等も抱えておられるようでございます。この未実行分につきましては、協調融資銀行団の中で対応していただいておりますし、引き続き融資の実行も受けておるというのが現状でございます。このアイランドシティ事業の推進については、融資というものが非常に大きなウエートを占めておりますので、今後とも融資団等の理解を得るように努めながら事業を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 118 ◯議長(稲員大三郎) 高都市整備局長。 119 ◯都市整備局長(高 泰久) 香椎駅周辺土地区画整理事業についてお答えいたします。  まず、今回の公共用地先行取得事業の補正内容でございますが、減歩緩和目的としまして9億3,000万円の増額補正をお願いするものでございます。その内容としましては、用地費及び補償費でございまして、取得面積といたしまして約600平方メートルを予定しております。  次に、本事業の内容、進捗状況についてでございますが、本事業につきましては交通拠点性の強化、既存商業の高度化及び居住環境の向上を図るために、平成25年度の事業完了を目指して取り組んでいるものでございまして、整備内容としましては幹線道路、駅前広場、区画道路、公園などの一体的整備による総合的なまちづくりを行うこととしております。また、事業の流れにつきましては、これまで地元の皆様の御意見、御要望を反映させながら計画づくりに努めてまいっておりまして、御質問のように平成9年11月に都市計画決定、平成11年10月に事業計画決定を行っております。現在は用地の先行取得を進めておりまして、その後に換地設計と仮換地の供覧を行った上で順次仮換地を指定しながら建物の移転や工事に着手することとしております。  次に、土地の取得状況でございますけれども、現在行っております減歩緩和のための用地の先行取得の状況としまして、必要面積約2万5,500平方メートルに対して、平成13年11月末までに約1万5,000平方メートルを取得しております。割合としましては、全体の約6割となっております。また、地区内では小宅地等に対する対策用地としましては、土地開発公社資金を活用して用地の取得を進めておりまして、平成13年11月末までの取得済みの面積は約6,200平方メートルとなっております。以上でございます。 120 ◯議長(稲員大三郎) 前港湾局長。 121 ◯港湾局長(前  博) 答弁漏れがございましたので、追加して答弁させていただきます。情報公開に関する御答弁でございます。  御質問のように、審査会の公開が適当との判断がございまして、この審査会の判断を尊重いたしまして公開をいたしております。アイランドシティ整備事業につきましては、民間の事業活動などの情報も含まれておりますけれども、やはり可能な限り情報公開を推進していくという立場でもって今後事業を進めてまいりたいと、このように考えております。 122 ◯議長(稲員大三郎) 今村恵美子議員。 123 ◯38番(今村恵美子) 今、職員倫理条例の件ですが、助役等の贈与等の報告についてですけれども、やはり私どもは政治倫理条例に含まれるべきだというふうに思っておりまして、贈与等の報告についても親族以外の者からの贈与、接待について3万円以上を報告することになっていますが、市長に準じた権限を持つ以上は、所得報告のほかに資産報告も当然すべきと考えますが、どのように考えられているのか、お尋ねいたします。  また、企業管理者についても一般職並みの5,000円以上の報告というのは不適切であり、権限などからして市長同様、贈与等3万円の贈与報告を行うとともに、資産報告も行うべきではないのか、なぜ企業管理者をこのような扱いにしたのか、お尋ねいたします。  また、福井市を例にとりますけれども、利害関係者からの不当な要求や圧力があれば上司に報告するよう義務づけられ、上司に報告し、なおかつ倫理審査会に報告する義務がありますが、本市においてはどのような対応を考えているのか、別途定める倫理行動規準に含まれるのか、お尋ねいたします。  また、先ほど審査会についてですが、市民の審査委員については、市民の信頼を得るという観点から加えることが求められております。しかし、第三者として審査すべきという意味で公正を期すためには一般公募すべきと考えますが、公募の考えがあるのか、お尋ねいたします。  また、職員倫理審査会は政治倫理審査会と委員が兼ねるということはないのか。審査の対象が対立的立場になることも想定されることから、委員会としての独立性が保たれなければならないと考えますが、どのようにされるのかお尋ねいたします。また、倫理審査会設置までのスケジュールは早いにこしたことはないんですけれども、どのように考えられているのか、お尋ねいたします。  次に、人工島です。人工島の主な目的は港湾機能の充実と言われております。人工島の港湾施設が完成し、港として機能するためにガントリークレーンを設置するわけですけれども、さっき言われましたように、急いで、やっぱり早くつくっちゃうわけですよね。で、使用料収入が入ってくるのは、これまで言われたとおり平成15年と想定しているのか、お尋ねいたします。博多港の貨物の取り扱い量はふえているものの、北九州の響灘で大規模な港湾整備が進められており、2003年までに水深15メートル、幅350メートルが2バース、水深10メートルで幅170メートルのが2バース設置予定されており、2010年までに北九州港と響灘で150万TEUの貨物量を扱う予定と言われております。さらに、2020年には響灘で水深15メートルから16メートルの6バース、水深15メートルの4バース、水深10メートルの2バースをつくる計画もあります。北九州市が港湾施設の規模を拡大して先に稼働することを考えれば、現在までの貨物取り扱い量がそのまま維持できるかどうか。また、港湾使用料などの値下げ競争が激化することも予想され、過剰な施設整備となるのではないかと思われます。北九州との競合については、これまで取り扱い品目が違うから問題はないと答えられてきましたけれども、アジア諸国が世界の生産基地となっていく中で、日本からの輸出が飛躍的に伸びるとは考えられず、また消費財の輸入も、先ほど原田議員もおっしゃいましたように経済動向とか、それから少子・高齢化、九州の経済圏の規模からして、総量としていつまでふえるか、そういうことは期待できないんじゃないかと、今後の見通しは厳しく見ていくべきではないかと考えますが、どのようにお考えか、お尋ねいたします。  さっきおっしゃいましたように、港湾設備が新しくふえれば貨物もふえるという単純な楽観的な見通しというのは、もう今の時代はとても通用しないというふうに考えます。人工島の土地分譲の第1段階の住宅地部分の分譲開始もいよいよ来年度に迫ってまいりましたけれども、交通アクセスなど備えたとしても現在の経済情勢では土地分譲は困難とのディベロッパーの声も聞こえてきます。そこで、市が期間限定の土地利用、いわば一時的に市が買い上げるといったやり方でしのごうという方針もあるようですが、それは事業としては成り立たないということと同じことです。それでもそうするしかないというふうに考えられているのか、お尋ねいたします。  また、銀行融資の問題については、銀行側と協議していると、理解を求めたいというふうにおっしゃっておりますけど、どのような協議がなされているのか、お尋ねいたします。  また、情報公開審査会が市長あてに人工島に関する情報を全面開示すべきという決定を出したにもかかわらず、1週間も市長に届いていなかったことについて報道がありました。市長は情報公開を進められてきているというふうに認識はしておりますが、事業推進の責任者である市長に港湾局は情報をどうして渡さなかったのか、お尋ねいたします。市民団体と聞くと、何でも反対の勢力と受けとめがちな古い体質が露呈されたとも報道されておりますけれども、自分たちに不利なことは市長にも隠そうということでは人工島事業への批判はますます強まるばかりです。市長と港湾局の意思疎通はどうなっているのか、改めてお尋ねいたします。  次に、せんだって12月2日には和白干潟まつりが開かれまして、約500人の人々が和白干潟に集い、ミヤコドリとかダイシャクシギとかハマシギ、スズガモなどの野鳥観察を楽しみましたが、ミヤコドリは過去最低の3羽、人工島着工以前1,000羽もいたカンムリカイツブリは20羽、特にウミガモ類が激減しています。人工島の中にできた疑似湿地にはクロツラヘラサギ、ハマシギ、ツクシガモなどがおりますけれども、このまま放置しておけば乾燥して消滅してしまいます。和白干潟を守るためには、後背地として現在の疑似湿地がよりよい状態で保全されなければなりません。人工島に野鳥公園をという市民団体の声も上がっておりますが、小泉内閣が自然再生型公共事業を進める一環として、環境省が人工島の野鳥公園設置に乗り気だとも聞いております。現在、環境省との協議があっているのか、本市としても野鳥公園について検討されているのか、前向きな検討を行う時期に来ているのではないか、そのことについてお尋ねいたします。  次に、香椎駅の周辺土地区画整理事業ですが、先ほど公共用地として予定地の60%を取得したというふうに言われておりますが、面的整備をするために必要な民有地の60%ではないですね。非常に少ない。香椎駅周辺土地区画整理事業は前年度繰り越しも6億数千万円と多額に上るような状況でありながら、さらに予算をつけてまで進める必要があるのか、お尋ねいたします。  土地の取得は、住民の合意があって進んでいくわけですけれども、なかなか土地取得が困難な状況にあるというふうに聞いております。反対の意思を表明している住民も多く、土地区画整理審議会委員にも地権者の52.56%の支持で反対を表明している市民が当選し、審議会も公開され、傍聴もできるようになるなど民主的に審議が進められていると聞いております。しかし、その一方、土地の取得に焦る余り、市の職員が亡くなられた地権者のお通夜の日に、遺族に土地の相続人はだれか、後はどうするのかなどと言ってきたということを聞きました。遺族や反対を表明している市民からの抗議で、都市整備局長は事実関係を認めて、配慮が足りなかったことをおわびされております。そのほかにも、事業計画についての地元説明会資料に県知事の認可という手続について記載し、それがなされていないのではないかという指摘に対して、慌てて記載ミスであったとおわびと訂正をされています。このように、市民合意をとりつつ進めるという方針であるにもかかわらず、市民に不信感を与え続けているようでは、この先のめどが立たないのではないかと推察いたしますが、今後の見通しについてお尋ねいたします。 124 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 125 ◯総務企画局長(渡部 晶) 倫理条例についてお答えいたします。  まず、助役等も資産報告もすべきではないかということでございますが、助役等につきましては日常的に市長の指揮監督を受けていることや、国においてもプライバシーへの配慮から最上級公務員でございます各省事務次官などにも資産の報告は義務づけられていないところなどを考慮すると、資産の報告を義務づける必要はないものと考えております。  次に、企業管理者についてどうかということでございますが、企業管理者につきましては、特別職でございますが、その職務権限は担任する公営企業にのみ及ぶものでございます。市政全般にわたる広範な職務権限を有する助役、収入役とは異なると考えられております。また、地方公営企業法でこの企業管理者については規定がございますが、そちらの方は企業管理者の服務について地方公務員法の一般職に関する服務の規定を準用しているというようなことでございまして、一般職と同様の取り扱いをすることが適当ではないかというふうに考えておるところでございます。  それから、福井市の例との関係でございますが、職員が情報の漏えいなど不当な要求を受けた場合の措置につきましては、何らかの対応方策を検討する必要があると考えており、しかるべき対応を図ってまいりたいというふうに考えております。  それから、審査会の委員の選任の件についてでございますが、倫理審査会の委員につきましては市民の皆様にも納得いただける公正な選出方法を慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。  それから、職員倫理審査会の委員と政治倫理審査会の委員の兼ね合い等についてでございますが、政治倫理審査会の委員は、議会の議決を得て選任された人格高潔で相応の識見を備えた方々でございます。公務員倫理審査会の委員は、それらの方々も含め広く適任と思われる方々の中から最適な方を選任してまいりたいというふうに考えております。  それから、審査会設置までのスケジュール等についてでございますが、倫理審査会につきましては、来年4月から条例を施行するためには、それまでに倫理審査会の意見を聞いて倫理行動規準を定めるという規定になっております。したがいまして、この本議会で条例を成立させていただければ、その成立、制定後できるだけ速やかに人選を行い、設置をしたいというふうに考えております。以上でございます。 126 ◯議長(稲員大三郎) 前港湾局長。 127 ◯港湾局長(前  博) まず、コンテナクレーンの使用料につきましては、外貿コンテナターミナルは15年度に供用いたしますので、同年からの使用料収入を予定いたしております。  次に、貨物量のお尋ねでございますが、御承知のとおり博多港、北九州港、下関港は中枢国際港湾として位置づけがされております。しかし、港の利用というのは背後の都市の力あるいは動向、ユーザーの利便性、そういう経済的な要素が強く働くわけでございまして、それぞれの港の特色を生かしながら、いわば協調と競争、こういう関係でいく必要があろうかと思っております。博多港の外貿コンテナ取り扱い貨物量につきましては、平成12年以前の過去5年で約31万TEUから約51万TEUまで増加をいたしておりまして、ことしの7月に策定をいたしました港湾計画の目標年次、平成20年代前半におきまして約68万TEUと推計をいたしておるところでございます。現状を踏まえますと、68万TEUというのは適切な推計ではないかと考えております。  それから、期間限定型の土地利用でございますが、期間限定型の土地利用と申しますのは、恒久的な土地利用を行うまでの間、土地の有効活用を図る、またまちの成熟を促進するということのために、後年度において分譲を予定している土地について一時的な貸し付けを行う手法でございます。アイランドシティについては、効率的な事業運営を行うための手段として、期間限定型の土地利用を初め、土地の分譲あるいは土地の有効活用方策等多方面の検討をしつつ事業を展開していく、このように考えております。  それから、融資についてどのような協議がなされておるかということでございますが、金融機関を取り巻く状況あるいは経済社会状況は大変厳しい状況で、事業が非常に厳しい状況にあるというのは先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、何はともあれ事業のスキームは融資団からの安定的、継続的な融資が前提となっておりますので、協調融資銀行団等に対しまして、その事業の必要性、重要性なども十分御認識いただきまして、今後ともこれまでどおりの融資が継続されるよう協議を行っているところでございます。  次に、情報公開審査会の市長の報告のおくれというお尋ねでございます。審査会の答申につきまして、港湾局として内容を検討いたしまして、その方向性を整理した上で報告したいと、このように考えておった次第でございます。事業の推進等については、当然に市長とも十分意思の疎通を図りながら事業を進めているところでございます。  それから、野鳥公園の件でございますが、野鳥公園につきまして現在環境省からの具体的な協議などはあっておりません。野鳥公園の整備につきましては、私どもも当初から計画ございまして、エコパークゾーンの中の野鳥公園として、野鳥公園だけではなくて、和白干潟あるいは前面の海域なども視野に入れて、専門家あるいは関係部局とも意見を聞きながら、今後の望ましい整備のあり方等について、時期も含め検討していく、このように考えてございます。以上でございます。 128 ◯議長(稲員大三郎) 高都市整備局長。 129 ◯都市整備局長(高 泰久) 香椎駅周辺土地区画整理事業における今回の補正の必要性についてでございますが、平成12年度の用地取得費につきましては、用地交渉等に日時を要しましたことから、その一部を御質問にありましたように繰り越しておりましたが、現時点においては既に執行は完了しております。また、平成13年度の当初予算につきましてもほぼ執行の見込みがついている状況にありますので、今回の補正によってなお一層の事業の進捗を図るものでございます。  次に、市民に不信感を与えている中での今後の事業の見通しはどうかという御質問でございますが、香椎駅周辺のまちづくりにつきましては、事業の各段階における所要の手続、手順の中で、地元の皆様の御意見や御要望を反映しながら計画づくりを進めてきております。また、平成13年の3月には地元の地権者の中から選ばれた委員等によって構成されます土地区画整理審議会を設置いたしまして、地元の御意見を伺いながら事業を進めているところでございます。今後の事業の見通しでございますが、減歩緩和のための用地を平成13年度末までに全体で約1万8,000平方メートル取得する予定でございまして、その取得割合は必要面積全体の約7割となります。なお、今後とも地元の御理解と御協力をいただきながら事業を進めてまいりますが、その実施に当たりましては、御指摘の件に対する反省も踏まえまして、さらに慎重かつ適正な事業執行に努めるとともに、地元との信頼関係に配慮しながらまちづくりを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 130 ◯議長(稲員大三郎) 今村恵美子議員。 131 ◯38番(今村恵美子) 先ほどの職員倫理条例の件ですけれども、これはぜひ審査会の委員には市民公募をお願いしたいと思います。スケジュール的には急がれるかもしれませんけれども、やはり公正な人選がされない限りは、この審査会の意味がないと思っております。また、先ほど私ども申しましたように、政治倫理審査会と、そしてこの職員倫理審査会を含めてというふうに人選の中でおっしゃっていましたけれども、そうではなくて、やはり独立性を保たなければいけないというふうに考えますので、ぜひそこのところを検討していただきたいと思います。  そこで、条例の周知徹底についてですけれども、職員、事業者、市民へどう周知徹底させるのかがこの職員倫理条例を制定した意義にかかわってくると思います。それぞれどのような方法で周知徹底させようと考えられているのか、説明会とか具体的にスケジュールも含めて考えられていることをお答えいただきたいと思います。  次に、人工島の将来については、経済は好転の兆しも見えない状況で、銀行からも事業見直しが迫られているところですが、外部監査で指摘された部分の見直しも含めて大幅な事業計画の見直しが必要と考えます。今、銀行の方と協議をされていると、その必要性とか、それから重要性について一生懸命訴えて、融資を安定的、継続的につないでいくことをお願いされるということですけれども、しかし、事業計画の見直しを迫られているということで、その検討が年内にもされるというふうに報道されておりますけれども、それは検討されているのか。されているのなら検討の方向性についてお尋ねいたします。大規模事業点検で人工島事業は採算性がとれる年次を先延ばしして続行しようとしたものの、見通しの甘さがあるということはこれまでも再三指摘してまいりました。先日、情報公開された文書を見ますと、やはり港湾局の計画は余りに甘く、非現実的と言わざるを得ません。市民団体でシミュレーションした結果、このまま事業を継続すると、基金を取り崩した上に2,300億円を超す債務を抱えることになると指摘されております。ここに至って融資銀行が手を引いたり見直しを示唆されるなど厳しい現実に直面していることを真摯に受けとめ、この際建設を一たん中止し、根本から見直すことを求めます。  次に、香椎駅周辺土地区画整理事業は、そもそもの計画段階から市民の意見を十分聞かないままに強行されたために、コミュニティーが分断され、まちは活気を失っております。土地の買い上げも、今6割とおっしゃいましたけれども、実際にはそんなことないんですね、6%ぐらいです。進まず、まち中は歯の抜けたような状況が広がっています。古い商業地で高齢者も多い市街地で先の見通しの立たない事業を継続していても、だれもが明るい将来が描けないままでおります。事業予算を凍結して、一からどのような香椎のまちづくりをしたいのか市民中心に話し合うところから取り組み直してはどうかとお尋ねいたします。最後に、市長に人工島整備事業及び香椎土地区画整理事業について御所見をお伺いして、議案質疑を終わります。 132 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 133 ◯総務企画局長(渡部 晶) 周知徹底あるいはスケジュールということでございますが、議員御指摘のとおり、倫理条例成立いたしますれば、倫理条例を真に実効あるものとするためには、職員はもちろん事業者や市民の皆様に周知を図り、その趣旨と内容を十分に理解してもらうことが必要であると考えております。これは、倫理条例につきまして有識者の懇談会をこれまでやらせていただいておりましたが、その場でも有識者の方々から強く御指摘があったところでございます。条例の成立とは直接関係ございませんが、今月末には課長職以上の職員につきましては、公務員倫理につきまして研修を実施させていただく予定としております。その他今後説明会の開催や市政だよりへの掲載あるいはパンフレットの作成、配布など有効かつ適切な方法をよく検討して実施してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 134 ◯議長(稲員大三郎) 前港湾局長。 135 ◯港湾局長(前  博) アイランドシティ整備事業でございますけれども、何度も申し上げておりますように、福岡市にとって大変大事な事業であると考えております。長期的に着実に事業を進めていくということが必要であるというふうに思います。そこで、いろんな計画というのは、時がたてばリニューアルをし、実態に合わせていかなければいけないということから、現在の社会経済情勢等あるいは土地に対する動向の変化、そういうものに十分加味したアイランドシティの付加価値を高めるような事業計画の検討を現在行っているところでございます。なお、私どものシミュレーション、2,300億円の債務というおただしでございましたけれども、現状で収支、これまでも調うような事業計画をつくることが第一だというふうに考えております。以上でございます。 136 ◯議長(稲員大三郎) 高都市整備局長。 137 ◯都市整備局長(高 泰久) 香椎駅周辺土地区画整理事業の実施に当たりましては、これまでも地元の皆様の御意見や御要望を反映させるとともに、平成11年度には大規模事業点検を行って事業の効率的、効果的な執行に努めてまいりました。また、現在地元から御要望の多い先行取得用地の有効活用につきまして、地域のコミュニティーの形成や商店街のにぎわいの持続という観点から、積極的に取り組んでいるところでございます。さらに、これまで地元の方々が中心となってまちの活性化等について検討してこられました結果、平成13年11月に香椎地区副都心振興プランを策定され、市に対して御提案いただいておりますので、この地元のプランを今後反映させながら、市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的な推進を図る、いわゆる中心市街地活性化の基本計画を策定していく予定にしております。今後とも地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、香椎駅周辺のまちづくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 138 ◯議長(稲員大三郎) 山崎市長。 139 ◯市長(山崎広太郎) アイランドシティの事業でございますけれども、私は先ほども御答弁申し上げましたように、福岡市の将来果たすべき大きな役割のために欠くべからざる事業であると、こういうことで、今各界各層といいますか、世界の最先端の状況を、動きを、そういう絵を描ける方々のいろんな知恵を今いただいてきておる状況でございます。必ず私ども、この土地を活用できる、そういう土地利用が可能である、このように考えておりまして、その辺のところをやはりほとんど、博多港開発部分は銀行融資で行っているわけで、融資団としっかり手を組んで、この事業の遂行を、完成を目指して取り組んでいく決意でございますので、よろしくお願いいたします。  香椎の方につきましては、かなり事業も進捗してまいったわけでございますけれども、やはり東の副都心、駅前と操車場地区との土地区画整理事業を一緒に進めているわけでございます。特に駅前は、いわゆる商業の集積が既に、非常に密に、もう既に集積している土地でございまして、そこに高架事業を絡ませて新しい副都心にふさわしいまちをつくろうということで、商店主の皆さんと私どもよく連携をとって、少なくとも生きたまちでございますので、その辺を十分考慮しながら事業を円滑に進めていくように努力をしてまいりたいと、このように考えております。 140 ◯議長(稲員大三郎) 三原修議員。 141 ◯55番(三原 修)登壇 民主・市民クラブを代表し、議案第227号、福岡市職員の公務員倫理条例案、議案第210号、平成13年度一般会計補正予算案中、緊急地域雇用創出特別交付金について質問を行います。大分重なっておりますので、答弁は重なるところは簡単によろしくお願いいたします。  最初に、議案第227号、福岡市職員の公務員倫理に関する条例案について質問いたします。  まず、本市は今回の公務員倫理条例を作成するに当たって、どのような考えのもとに今回の条例を作成したのか、また先行して倫理条例を制定している他の自治体の倫理条例との大きな違いは何か教えていただきたいと思います。  次に、条例文の中の質問ですが、まず適用対象の一般職の範囲はどこまで含むのか。適用対象の中に本市は特別職を対象にしているが、その理由は何か。倫理審査会は、既存の人事委員会を使って実施している他都市が多い中、本市は第三者機関の倫理審査会を設置する理由は何か。贈与等の報告の中で5,000 円以上、3万円以上というのは金銭だけなのか、ビール券のたぐいはどうなるのか。贈与等の報告の中で、企業管理者及び課長級以上の一般職職員が事業者等から贈与等を受けたときについて準用するとありますが、その中の事業者等というのはどういうことか教えていただきたい。また、国の国家公務員倫理審査会の権限と、本市が設置する福岡市職員倫理審査会との権限の違いは何か。贈与等報告書の閲覧に対しての制限はあるのか。倫理監督者はどの単位で、またどのレベルの方を配置するのか教えていただきたいと思います。市の施策に準じて必要な施策を講じる団体として、土地開発公社と住宅供給公社を考えているとのことのようですが、高速道路公社はなぜ対象団体としないのか。また、財団法人、社団法人、社会福祉法人に対して本市の倫理条例が制定されたらどうするのか、あわせて教えていただきたいと思います。  次に、議案第210号、平成13年度一般会計補正予算案中、緊急地域雇用創出特別交付金について質問します。  まず、直近の失業率、雇用のミスマッチの状況はどうなっているのか。今回成立した平成13年度の補正予算における厚生労働省の雇用対策関係の予算と主な実施項目は何か。また、前回11年度補正予算から13年度末までに実施された緊急地域雇用創出特別交付金の補助額は9億9,600万円余でしたが、今回の補正予算から16年度末までに実施される補助限度額の総額は幾らなのか。緊急地域雇用対策要綱はありますか、教えていただきたい。次に、前回の国の雇用創出目標は何人の目標に対してどうだったのか。今回の国の雇用創出人数は何人ですか。また、本市の実施事業の結果はどうだったのか。就業者数が幾らで、その中の新規雇用者数はどうだったか。その事業が終了した後、継続雇用につながった事業があったのか。前回実施した緊急地域雇用創出特別交付金の交付要件と今回の要件の違いは何か。前回本市が実施した雇用創出の事業を今回の要件に当てはめてみて実施できる事業はあるのか、あわせて教えていただきたいと思います。  以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて質問いたします。 142 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 143 ◯総務企画局長(渡部 晶) まず、倫理条例についてお答えします。  どのような考え方のもとに条例を作成したのかということでございますが、今回提案しております倫理条例案につきましては、先般の前総務企画局長による不祥事のようなことが未然に防止し得るような実効性あるものであるということを目指すとともに、他方におきましては、職員の高い士気を保持し得るようなものであることを基本に策定したところでございます。  他都市の条例との大きな違いにつきましては4点でございまして、一般職の職員でなく助役などの特別職も対象としたこと、倫理原則において職員の倫理観の高揚を促す積極的な規定を置いたこと、3番目として贈与等報告書については提出されたものはすべて市民の閲覧に供することとしたこと、報告書の審査は人事委員会でなく新たに設ける審査会で行うこととしたことなどでございます。  適用対象の一般職の範囲でございますが、教育長、臨時的任用職員、外郭団体等への出向中の職員などを含めすべての一般職職員に適用することといたしております。それから、適用対象に特別職を含めた理由でございますが、既に市長については政治倫理条例が定められておりまして、今回一般職職員について倫理条例を制定する以上、助役等についてもその倫理保持に関する定めを設けることが当然に必要であるというふうに考えたためでございます。倫理審査会を設置する理由でございますが、人事委員会の権限が及ばない助役等の特別職も適用対象としたこと、それから外部委員によるチェックを行うことなどによる透明性の一層の高まりというようなことを考えたことによるものでございます。  それから、贈与等報告の対象となるものでございますが、金銭、物品その他の財産上の利益の供与を報告の対象としておりまして、金銭だけではなく商品券などの有価証券、物品はもちろん、およそ財産的価値を有するものであればすべて報告の対象となります。  事業者等の意義でございますが、事業者等とは法人その他の団体及び事業を営む個人といたしておりまして、いわゆる事業活動を営んでいる者すべてが対象となります。  それから、国と市の審査会の権限の違いでございますが、国の審査会は、独立の行政機関である人事院のいわば外局として設置されたものでございまして、職員の懲戒など固有の行政執行権を保有する機関とされております。一方、本市に設置する審査会は、地方自治法によりまして執行機関の附属機関として設置するものとなるため、独立固有の行政執行権は保有し得ないものとなっております。  それから、贈与等報告書の閲覧についてでございますが、国や他の自治体におきましては1件5,000円を超え、贈与等について提出された報告書のうち1件2万円を超えるもののみ閲覧に供することとされておりますが、本市においては提出された報告書のすべてを閲覧に供することとしております。  それから、倫理監督者につきましては、任命権者ごとに任命権者に次ぐ上位の一般職職員を充てることを考えております。  それから、高速道路公社についてですが、市が出資している法人で、その職員がいわゆるみなし公務員とされているものは市に準じた施策を講じるというふうにしているところでございますが、福岡北九州高速道路公社につきましては、県それから北九州市とともに出資をして設立した法人であることから、本市の条例で規制するのは適当でないと考えているところでございます。  それから、財団法人等についてでございますが、当該法人の職員は公務に携わる公務員とはみなされておりません。したがいまして、今回の倫理条例において特段の定めはいたしておりませんが、各法人の業務内容に応じた当該職員の倫理の保持は必要であると考えられます。したがいまして、必要に応じまして、外郭団体経営委員会などを通じ助言、指導などを行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 144 ◯議長(稲員大三郎) 永松市民局長。 145 ◯市民局長(永松正彦) まず、失業率でございますが、総務省が11月30日に発表した本年10月の全国の完全失業率は5.4%で統計史上最悪となっております。  次に、雇用のミスマッチにつきましては、福岡労働局の本年10月の集計によりますと、本市を含む福岡地区の職業別の有効求人倍率では、特に事務的職業、管理的職業が0.15倍と低く、これらの職業を希望する人は多いが、求人が少ないため就職が困難な状況にあります。一方、保安の職業は1.75倍、専門的、技術的職業は0.80倍と高く、これらの職業は求人が多いため、他の職業と比較して比較的就職しやすい状況であると言えます。また、年齢別の有効求人倍率は50歳から54歳で0.15倍、55歳から59歳で0.13倍、60歳から64歳で0.07倍と特に低く、中高年齢の方々の就職状況は非常に厳しい状況でございます。  次に、国の平成13年度補正予算における雇用関係の予算は総額約8,770億円で、その実施項目の内訳は、新たな緊急地域雇用特別交付金の創設として3,500億円、再就職の促進と失業者の生活の安定として5,088億円、民間活力の活用による職業紹介機能の充実として64億円、職業能力開発の拡充として118億円となっております。続きまして、本市が今回の補正予算から平成16年度末までに実施する事業の補助金の限度額でございますが、各都道府県への交付金は現在のところ国がまだ正式に示しておりませんが、本市への補助限度額は前回の約10億円に対して、今回は約15億円になると福岡県より説明を受けております。また、交付要綱につきましても、正式に国から示されておりませんが、厚生労働省の同事業の実施要領案及び福岡県の説明では、交付要件が厳しくなった以外は前回の交付要綱と同じ内容であると聞き及んでおります。  次に、前回の特別交付金における国の雇用創出目標人数と実績でございますが、約30万人の雇用創出目標に対しまして、実績として約31万人が見込まれております。また、今回の国の雇用創出目標人数は50万人強でございます。  次に、前回の本市の実績でございますが、合計46事業実施をいたしております。その中で雇用、就業者数が1,283人、そのうち新規雇用者数は919人の見込みであります。なお、事業終了後に継続雇用につながった事業があったかとの御質問でございますが、継続雇用の状況につきましては追跡調査を行っていないため把握をいたしておりません。  次に、交付要件の前回と今回の相違点でございますが、前回は実施事業は雇用創出効果の高い事業が要件でございましたが、今回は地方公共団体の計画全体で事業費に占める人件費の割合がおおむね8割以上で、また全就業者に占める新規雇用者の割合は4分の3以上という新たな要件が加わっております。また、前回本市が実施した事業が今回の要件でできるかとのお尋ねでございますが、人件費の割合がおおむね8割という要件を満たす事業はかなり絞られるものと考えております。なお、今回議案に上げさせていただいております教育委員会の3事業は前回も実施している事業でございます。  申しわけありません。保安の職業が1.75倍と答弁いたしましたけど、1.73倍でございます。御訂正をお願いします。以上でございます。
    146 ◯議長(稲員大三郎) 三原修議員。 147 ◯55番(三原 修) 2問目に入ります。  まず、職員倫理条例案についてでありますが、倫理条例そのもの自体にはいろいろありましたが、ずっと各先生方の質問もありましたので、それはちょっと置いておきまして、その次に倫理条例が制定された後、倫理行動規準というのを作成することになりますが、その倫理行動規準はどこに視点を置きながら作成するのか。その中に大体出てくるだろうと思います利害関係者の範囲はどう考えているのか教えていただきたい。また、今職員の皆様が出前講座など市民のもとに出向き、積極的にいろいろな声や意見を聞いていると思いますが、このようなことは大変よいことだと私は思っております。そのような行動が今回作成される倫理行動規準で、せっかく市民のもとへ出ていっていることが制限されることがないのか。そして倫理行動規準は基本的には事細かく禁止項目を記載するのでなく、チェック機能をどう働かせるか、また上司に対して報告、相談のあり方をどうするのかなど責任体制をはっきりとさせることが私は大事なことだと考えておりますが、所見を伺いたいと思います。  次に、緊急地域雇用創出特別交付金についてであります。先ほどは、前回実施した事業の後のフォローは余りされていないということでありましたが、前回実施した事業では新規雇用が発生していないようですが、今回事業を選択するに当たって、将来新規雇用が発生する事業を選択するつもりですか。また、事業を選択するに当たっての本市の基本的な考え方は何か教えていただきたい。  今回の補正予算を使って進路指導等の指導員を配置するとお聞きしておりますが、前回の雇用対策のときにも実施をされていると思います。この就職の環境が悪い中、雇用対策の交付金がなくても継続して配置をしてもよかった事業だと思いますが、なぜ継続して指導員を配置しなかったのか。今の時期から進路指導支援事業を実施しても、ほとんどの企業では採用が終了しており、今さらという感じがします。進路指導支援事業は来年度から実施でもよいのではありませんか。また、緊急的に雇用の創出をするということであるならば、情報教育アドバイザー派遣事業に今年度は特化し、雇用人数をふやす方がよいと考えますが、所見を伺いたいと思います。基本的には、雇用創出は民間の活力をもって実施していくべきであると考えております。  今回の雇用創出特別交付金は、公的分野における緊急かつ臨時的な雇用の創出を図るとうたっているため事業の選択の幅が少ない。こういった使途の制限に対しては国の方へ強く言っていく必要があると考えます。しかし、今それを言っても仕方がありません。この交付金を将来の雇用創出のために有効に使う必要があると思っていますが、今回の要件に照らし合わせてみると、公的分野での雇用の創出と言われてもなかなか見つからないと思います。そこで、原局だけで事業を考えるだけでなく、公的分野での仕事の一翼を担っているNPO団体と連携しながら新規雇用ができる事業がないかどうか検討する必要があると思いますが、所見を伺いたいと思います。  以上で2問目を終わります。 148 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 149 ◯総務企画局長(渡部 晶) 倫理条例についてお答えいたします。  倫理行動規準の作成の視点でございますが、倫理行動規準については、条例が成立いたしましたその後に倫理審査会を設置して、その意見を伺いながら慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。その視点でございますが、不祥事の防止に真に効果を有するものであるとともに、職員の職務に対する使命感の自覚と高揚を促すようなものとすべきというふうに考えております。  それから、利害関係者の範囲でございますが、これは具体的には行動規準において決めることになると思いますが、国家公務員倫理法や他自治体の倫理条例などを踏まえまして、職員が携わる許認可、補助金の交付、契約、行政指導などの相手方を利害関係者として扱う必要があると考えております。  それから、出前講座などがやりにくくなるんじゃないかということでございますが、倫理行動規準において規制を行う必要がありますのは、市民の疑惑や不信を招くような職員の行為でございまして、そのようなものでない限りは一切無用な制限がなされたり職員が萎縮したりすることがないようにしなければならないものと考えております。なお、条例第3条の倫理原則において、「職員は……積極的に市民の意見及び要望の把握に努め、民主的な行政の運営に当たらなければならない。」というふうに定めております。出前講座はもちろん、市民の皆様の御意見については積極的に伺ってまいりたいというふうに考えております。  それから、チェック機能の点でございますが、議員御指摘のように倫理条例及び倫理行動規準を運用していくに当たっては、チェック、報告、相談といった組織全体としての体制の整備が肝要と考えております。新たに設ける倫理審査会や倫理監督官といったものを有効に活用していくとともに、管理職員への研修、啓発を進めていく必要があるものというふうに考えております。以上でございます。 150 ◯議長(稲員大三郎) 永松市民局長。 151 ◯市民局長(永松正彦) まず、今回の事業選択に当たっての基本的な考えでございますが、議員御指摘のとおり、雇用の創出は民間の活力をもって実施していくのが基本でありますが、現在の厳しい経済状況の中で、民間活力による雇用の創出が難しいことから、今回の特別交付金により公的分野での緊急かつ臨時的な雇用の創出を図るものでございます。このため、新規雇用者の雇用期間は原則6カ月未満など厳しい要件があり、将来の雇用につなげることは難しい面がございますが、雇用期間終了後にその雇用経験を生かして安定した雇用につながることに留意しながら、雇用創出効果が高く、また本市として実施する必要性が高い事業を選択してまいりたいと考えております。  次に、NPO団体と連携しながら事業を検討すべきではないかとの御質問でございますが、NPO、いわゆる民間非営利組織は独自性を生かして多様な社会貢献活動を行っており、今後その活動を通じた新たな雇用の発生が期待をされております。このためNPO等の意見も聞きながら、新規雇用創出の可能性や共働のあり方について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 152 ◯議長(稲員大三郎) 生田教育長。 153 ◯教育長(生田征生) 教育委員会の前回の事業は、平成11年度から平成12年度まで実施をしておりますが、これは高等学校において生徒、保護者の進路相談や、あるいは教職員への進路相談能力向上のための助言、指導などを行う進路相談カウンセラー派遣事業を実施したものであります。高等学校の進路指導の充実を図る上で一定の成果を上げております。また、養護学校におきまして就労先や職場実習先の開拓や、あるいは教員、生徒への助言、指導を行う養護学校就職指導員派遣事業を実施いたし、養護学校高等部の就職促進を図るなどの成果を上げたものであります。これらの事業を市単独で継続するかどうかにつきましては、本市の財政状況も踏まえ、事業により得られました成果を生かしながら、担当教員を中心に取り組めば進路相談や、あるいは就職指導の充実強化が図られると判断をし、継続をしなかったものでございます。  それから次に、進路指導支援事業を今の時期に実施しても効果がないのではないかというお尋ねについてですが、高等学校におきまして、年間を通じて同趣旨の事業を実施いたしました平成12年度の12月末の就職内定率は56.6%ということで、希望者の約半数程度でございましたが、年度末においては92.0%となっております。このようなことから、就職が決まっていない未決定者に対する求人開拓等による就職活動の支援は、年度末まで継続して行うことが有効であると考えております。また、同じように、養護学校におきましても年度末まで生徒に応じた実習先を確保する努力を続けることが有効であり、また必要であると考えます。したがいまして、情報教育アドバイザー派遣事業と同様に高等学校進路指導支援事業や養護学校就職支援事業につきましても、本年度のこの時期から事業を開始することに意義があるものと考えておりますので、よろしく御理解をお願いいたします。 154 ◯議長(稲員大三郎) 三原修議員。 155 ◯55番(三原 修) それでは最後ですが、職員倫理条例案についてであります。  基本的に職員の多くの方のモラルが低いとは、私は決して思っておりません。ただ、今回いろんな経緯がありまして、一部の人が引き起こした事件が発端となって倫理条例の制定をしなければならなくなったと私は認識しています。倫理条例自体を否定するつもりはありませんが、この倫理条例を制定することで職員の皆さんが萎縮し、今までつき合ってきた方々との関係がぎくしゃくしては今後の市の活動にも影響が出てくるのではないかと私は思います。そこで、実際に職員の皆様が行動していくときの基準となる、先ほど言いました倫理行動規準の作成に当たっては、私は職員を信頼した前提で、今行っている市民の皆様との対話活動に支障がないような行動規準を作成していただきたいと思いますが、この件は市長より御所見をお伺いしたいと思います。  次に、緊急地域雇用創出特別交付金についてであります。  前回もそうでしたが、今回の緊急地域雇用創出特別交付金の事業内容を聞いてみても、将来の雇用につながる事業はなかなか見えてきません。結局は臨時的つなぎの雇用にしかならないように思われます。確かに、今の雇用状況を見たときには、臨時的にしろ少しでも雇用状況が改善されるのであればありがたいことかもしれません。しかし、このような小手先の臨時的つなぎ雇用をやっていても雇用状況の根本的な解決にはつながらないと思います。そこで、本市は今の雇用状況をどう認識し、今後この雇用状況を積極的にどう改善していくつもりなのか、また今の行政の体制では不十分だと考えます。体制の強化を含め、どう考えているのか、最後に市長より御所見を伺い、質問を終わります。 156 ◯議長(稲員大三郎) 山崎市長。 157 ◯市長(山崎広太郎) 倫理条例の関連でございますが、今後条例制定後、倫理行動規準というものを検討するわけでございますけれども、御指摘のとおり、いわゆる市の職員というのは市民や民間の皆さん方と数多く、できるだけ多く接触して民意を酌み上げていくというのが基本的な、これから特に求められる行動だと思いますので、それに支障になるようなものであってはならない。むしろ積極的に市民と接触するということでなければならないと、このように思います。ただ、倫理条例をつくることによって、制定することによって、市民や民間の皆さん方が市の職員の立場を理解して、そして理性ある応対をいただけるという大きな利点も生まれてくると、このように期待をしているところでございます。十分御趣旨を踏まえて、この規準づくりを行いたいと考えております。  それから、雇用の問題でございますけれども、御指摘のとおり将来の雇用につながる事業を探すということがなかなか難しい状況だと、このように考えております。基本的には、やはり福岡のいわゆる活力というか、いろんな事業を幅広く展開して、そこに雇用の場が広がっていくということが基本だろうと、このように思っておりまして、まず地場中小企業の振興ということに取り組ませていただいています。この12月に始めさせていただきました緊急の経営安定融資制度、これにいたしましても、やはりこれはもう年末ですから、必ずこれは人件費に結びつくと。それがいわゆる購買力につながっていく、景気の振興に必ずつながるという認識を私どもは持たせていただいておるところでございます。その他さまざまな地場企業の振興に取り組ませていただいております。また、新たに情報関連産業などの新産業の振興あるいは創業の支援、新しい事業を興しやすいまちにしようとか、それから新たな企業立地の促進など新たな産業興しに、今経済振興局を中心にさまざまな活動を行っておるところでございまして、結局そのことが私は本市の雇用の拡大につながるということで進めさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。 158 ◯議長(稲員大三郎) この際、10分間休憩いたします。                                         午後6時39分 休憩                                         午後6時54分 開議 159 ◯議長(稲員大三郎) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。高山博光議員。 160 ◯61番(高山博光)登壇 議案第227号福岡市職員の公務員倫理に関する条例案について、質問を行います。国においては平成11年8月9日、国家公務員倫理法が成立し施行されています。また、地方自治体においては47都道府県のうち8道県が、また12政令市のうち2市が職員の倫理保持に関する条例を制定していると聞き及んでおります。それらの国や地方自治体の条例を見ますと、おおむね同じような内容でありますが、本市の条例案には非常に傑出した部分があります。例えば、本市の条例案では助役、収入役、企業管理者などの特別職を適用対象とされており、国やほとんどの自治体が一般職のみを対象としているのと比べると画期的ともいえ、執行部の不祥事防止に対する取り組みの真摯な姿勢がよくあらわれているものと高く評価いたします。また、5,000円以上の贈与等について提出された報告書について、国や他の自治体が一部2万円以上のみ公開することとしているのに対し、本市条例ではすべてを公開することとされており、行政の透明性の確保や情報公開に対する執行部の努力の姿勢が見てとれるのではないかと評価しております。本市の条例案は全国の先駆けともなる厳しさを持った職員倫理条例だと思い、重ねて高く評価いたします。市民の信頼を揺るがすような不幸な事件が相次いでおりますが、この条例を的確、厳正に運用し、二度とこのような不祥事が起きることのないよう全力で取り組まれんことを切に要望します。  ところで、主な外郭団体の長についてです。例えば、福岡地区水道企業団について述べます。福岡市が58.31%出資した団体で、企業長も市のOBで、以下職員さんも多数出向しています。しかし、福岡地区水道企業団の議会は地方公営企業法第40条により議決権限を有していません。例えば、先般の海水淡水化プラントの発注についても議会は報告を受けて議論はいたしましたが、最終的には3点の要望をまとめ、企業長に提出しただけです。238億3,500万円の発注に際して、また海淡プラント総事業費440億円のうち85億5,000万円の出資金を負担するのに、企業団の議会は議決権を有していません。それだけに企業長の責任は重いと思います。ここの責任者である企業長を初め、もっと主要外郭団体等の責任者を適用対象として取り込めないのかと思います。この点の考慮についてどう思われますか、お伺いいたします。とにかくも全国に先駆けての当市の職員倫理条例案ですが、その真摯な取り組みに拍手を送ります。  時間が遅くなりましたので、この1問で質問を終わります。よろしくお答えください。 161 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 162 ◯総務企画局長(渡部 晶) 水道企業団の企業長や外郭団体のトップの倫理保持について、市の条例で規制を行うことはできないかというお問いと思いますが、今回、提案しております条例案は、全体の奉仕者として公務に携わる公務員たる本市職員の倫理の保持を目的としたものでございます。水道企業団の企業長につきましては、企業団自体が本市とは別個の独立した特別地方公共団体であります。そうしたことから本市職員としての任務を保有しない企業長について、本市の条例により規制を行うことはできないところでございます。どうぞ御理解をお願いしたいと存じます。  また、本市が出資をしている財団法人等の外郭団体の役員につきましては、本市職員としての身分を保有する者については、今回の倫理条例が適用になるところでございますが、それ以外の者については条例の適用はなく、また、今回定める条例が公務に携わる公務員に関するものであることにかんがみると、それらについて規制を行うことは適当ではないと考えておるところでございます。なお、各法人においても業務内容に応じた職員の倫理が求められるものと考えられます。必要に応じまして、外郭団体経営委員会などを通じまして各団体において、しかるべき対応を行うよう助言、指導等を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 163 ◯議長(稲員大三郎) 金子義定議員。 164 ◯60番(金子義定)登壇 本員は12月定例市議会に上程されております議案第227号福岡市職員の公務員倫理に関する条例案、議案第231号福岡市市税条例の一部を改正する条例案、議案第210号平成13年度福岡市一般会計補正予算案のうち教育委員会関係分に関連し、議案質疑いたします。  まず、議案第227号福岡市職員の公務員倫理に関する条例案でありますが、提案理由では「本市職員の職務に関する使命感の自覚と高揚を促すとともに、職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する市民の信頼を確保するため、職員の公務員としての職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講じる必要がある」となっています。  そこで、本員は広い意味における公務員の倫理、我々を含む特別職の政治倫理について、所見を申し述べるところであります。本員は、この壇上に立ちまして、実にむなしさを感じておるものであります。それは例のパーティー券事件における特別委員会設置の議会審議中、今回問題となっております元総務企画局長事件は、本議会で熱心に審議、議論されておった最中に、業者との癒着による行為が行われておったのであります。また、前副議長によるあっせん収賄容疑事件は、市長と我々市会議員の政治倫理に関する条例の審議をしている最中に、業者より賄賂を受け取ったという容疑であります。このことを考えると、何のための熱心な審議であったのかむなしさを禁じ得ないものであります。本議場におられる議員各位におかれましても、また理事者の福岡市幹部の皆さんも本員と同様、ふんまんやる方ない気持ちであると思うものであります。本条例案は、本員を含む議会より早期に制定すべきとの議論があり、執行部においても早期に制定の姿勢を示してはおられましたが、上程が約1年近くおくれたのであります。この間に今申し上げた事件で、執行部と議会において2名の逮捕者が出たのであります。議会人として、市民にまことに申しわけなく残念の一言であります。  そこで、質問の第1点は、なぜ上程が1年近くおくれたのか。その間の説明は一切あっていないが、執行部は何をしていたのかと思うのであります。これについての御説明を願います。  質問の第2点は、条例案文を読んでも具体的な制約や禁止行為はわからず、施行細則を同時上程すべきであったと考えますが、これを上程されていないのはいかなる理由なのか、お伺いするものであります。また、この施行細則に類する倫理行動規準の制定はいつになるのか、あわせてお伺いをいたします。  質問の第3点は、条例第4条中「職務に利害関係を有する者との接触」とありますが、利害関係を有する者とはいかなる者か具体的にお示し願いたいと思います。この質問については、さきの質問者と合致しておりますが、局長の答弁がページが狂ってどうかなったらいけませんので、改めて確認の意味を含めてお尋ねをしておきたいと思います。  質問の第4点は、国、県の公務員と市職員の接し方についてのあり方でありますが、これは条文に規定されていないようですが、この関係はどのようになるのか、お尋ねをいたします。  質問の第5点は、市職員と本市会議員の接し方についてであります。この関係も条文にありませんが、いかに考えておられるのか、お伺いをいたします。  質問の第6点は、市職員の公務員としての私生活のあり方についてでありますが、これは(倫理原則)の項で第3条第4項に「職員は、常に公私の別を明らかにし」と記されている以外は、私生活のあり方については条例案文に記載されていません。このことはどう考えておられるのか、お示し願いたいのであります。  次に、議案第231号福岡市市税条例の一部を改正する条例案であります。提案理由では「地方税法の一部改正に伴い、高齢者向け優良賃貸住宅である貸家住宅に対する固定資産税の減額措置に係る申告手続を定める等の必要がある」となっています。しかし、この条例案文を読んでも何が何かさっぱりわかりません。提案原局の担当部署以外は、他の部署の職員でも全くわからんと思いますよ。詳しく具体的に内容を御説明願います。  次に、議案第210号平成13年度福岡市一般会計補正予算案中、緊急地域雇用対策事業補正額2,265万円余の中で、高等学校進路指導支援の市立高校4校で223万8,000円の補正となっています。そこで、質問の第1点は、この進路指導支援の概要についてお伺いするものであります。質問の第2点は、近年の社会の不景気を受けて高等学校卒業者の就職率が極端に下がっていると報道されていますが、市立4校のここ5年間の就職率の推移について、全国、県内、市立高校別にお示し願います。  以上で1問を終わり、2問目からはお許しをいただき、自席にて質問いたします。 165 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 166 ◯総務企画局長(渡部 晶) お答えを申し上げます。  職員の倫理条例の提案のおくれについてでございますが、職員の倫理条例につきましては、国家公務員倫理法の成立の後、検討を進めておりましたが、国や他都市における運用状況の動向や公共工事不正再発防止等調査特別委員会での御議論を踏まえ、本市における最適な条例案を策定すべく有識者等による懇話会の意見を伺ってまいったところであり、このたびようやく案がまとまったものでございます。  それから、施行細則、倫理行動規準の関係でございますが、職員の具体的な禁止行為等の詳細につきましては、国が基本的枠組みを定めた法律の制定後に政令において定め、他都市も条例制定後に規則において定めたのと同様、本市におきましても条例制定後に条例に基づいて設置する倫理審査会の意見を伺った上で定めたいと考えております。なお、条例及び倫理行動規準はできますれば、来年4月から施行したいというふうに考えておりまして、職員等への周知を図る必要があるため、倫理行動規準につきましては、当然慎重な検討も必要でございますが、一方でできるだけ速やかに制定する必要もあるというふうに考えております。  それから、職務に利害関係を有する者というものでございますが、こちらにつきましては4条におきまして「市長は……倫理原則を踏まえ、職員の職務に利害関係を有する者からの贈与等の禁止……その他市民の疑惑や不信を招くような行為の防止に関して職員が遵守すべき事項に関する規則……を定める」というふうにしておりまして、この職務に利害関係を有する者の具体的意義につきましては、今後そういうことで規準の中で定義していくことになります。国や他都市の動向、例も踏まえまして、職員が携わる許認可、補助金の交付、契約、行政指導などの相手方をこれに位置づけることになるものと考えられます。  それから、国、県の公務員とのあり方ですが、国や県の公務員との関係につきましては、国や県も法人であることから、倫理条例上の事業者等々に該当いたします。本市職員が、もしそれらの国、県の事業等の利益に関連して贈与や接待を受けた場合には、贈与等の報告を行う必要が生ずるというふうに考えられます。なお、国や県の職員を利害関係者として取り扱い、そもそもそれとの接触を規制するか否かについては、今後、倫理行動規準を検討する中で慎重に検討してまいりたいと考えております。  それから、市議会議員の方との接し方についてでございますが、議員の皆様との関係につきましては、議員の皆様は条例上の事業者等には当たらないと解しております。また、今後定める倫理行動規準においても利害関係者には当たらないこととなると考えられるため、特に従来と違いが生じることはないというふうに考えられます。ただし、議員の皆様が事業者の利益のために、例えば、会社の経営者として行動されるような場合には、その限りにおいて倫理条例、倫理行動規準による規制を受けることになります。規制というのは公務員側がそういう規制を受けることになります。それから、職員の私生活のあり方に関してでございますが、私生活の問題につきましては、市職員は当然勤務時間外においても公務員としての自覚を持ち、みずからの行動が公務の信用に影響を与えることを認識して行動する必要があるものと考えております。ただ、一方におきまして、公務員といえども、私生活における自由は保障されるべきでございまして、条例や規則といった法規によって私生活のあり方まで規制するのは適当でないと考えているところでございます。以上でございます。 167 ◯議長(稲員大三郎) 一丸財政局長。 168 ◯財政局長(一丸孝憲) 今回の市税条例の改正につきましては、平成13年度地方税制改正に伴う条例上の規定の措置等を行うものでございます。まず、高齢者向け優良賃貸住宅関係でございますが、高齢者の居住の安定確保に関する法律が公布されたことを踏まえまして、平成16年3月31日までに新築された高齢者向け優良賃貸住宅のうち一定のものについて、新築後5年度間、固定資産税の3分の2を減額することとされたところでございます。今回の条例の改正は同措置を受けようとする者がすべき申告について規定するものでございます。  次に、特定優良賃貸住宅関係でございますが、平成6年1月2日から14年3月31日までの間に新築された特定優良賃貸住宅につきましては、新築後5年度間は固定資産税の3分の2を減額する措置が平成6年度より講じられております。このたび同措置につきまして、その適用を受けることができるものは、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づく地方公共団体の補助を受けたもののうち、主要構造部を耐火構造とした地上階数3以上で、かつ敷地面積300平方メートル以上であるものとされたものでございます。このことに伴い、適用を受けようとする者がすべき申告について、市税条例を一部改正するものなどでございます。以上でございます。 169 ◯議長(稲員大三郎) 生田教育長。 170 ◯教育長(生田征生) お尋ねの高等学校進路指導支援事業につきましては、現在の厳しい雇用情勢の中で、本市高等学校の進路指導の充実を図るために、国において新たに創設をされました緊急地域雇用創出特別交付金を活用して実施をするものでございます。その概要といたしましては、社会経験豊かな民間企業の退職者などを雇用いたしまして、市立高等学校4校に各1名を進路指導員として配置をいたしまして、生徒が希望する職種や業種の新規求人開拓や、あるいは教員への企業情報の提供など、就職活動の支援を行うものでございます。また、就職か進学かなどの進路につきましても、職業体験に基づいて生徒、保護者や教職員への助言指導を行うものでございます。  それから、市立4校と全国、福岡県内、高校生のここ5年間の就職率の推移についてでございますが、平成8年度と平成12年度、いずれも3月末現在の就職内定率を比較をいたしますと、全国が8年度が93.8%、12年度が89.2%、福岡県内は88.7%と84.6%、市立4校では97.6%と92.0%ということになっております。そのため、全国ではこの5年間で4.6ポイント、福岡県内では4.1ポイント、それから市立高校でも残念ながら5.6ポイントそれぞれ下がっているという状況でございます。以上です。 171 ◯議長(稲員大三郎) 金子義定議員。 172 ◯60番(金子義定) 答弁を受けて再度質問するものであります。  まず、公務員倫理条例についてであります。先般、本員はこの件も含め、京都市の視察に行ってまいりました。本市の条例案は施行細則の同時上程ではないので、京都市を含む他都市との比較は難しいのでありますが、逐次質問してまいります。京都市がいち早く公務員倫理条例を制定したのは、京都市建設部長の汚職事件における逮捕から、職員の事件関与に飛び火し、強く公務員倫理が求められたという背景があります。そこで、簡単な比較表をつくってみましたところ、適用対象、倫理原則──これは職員の責務についてでありますが、これについては福岡市の方がさきの質問もあっておったように、助役、収入役、企業管理者にも適用することとなっており、一歩踏み込んだ形にはなっております。また、管理監督、職員の責務については京都市は、1つ、部下職員に対し倫理の保持のために必要な指導をする。2つ、非行を発生させないよう、職務の執行方法を常に検討し、改善を図る。任命権者の責務、これは、倫理保持のための研修の推進に努めるとなっており、以上2点については本市には条項がありません。このことについての御見解を問うものであります。これが質問の第1点であります。  質問の第2点は、所得等の報告の件であります。第6条第1項に「助役、収入役は前年分の総所得金額などについて、所得等報告書を毎年、市長に提出しなければならない」となっていますが、局長、部長、課長についても、情報公開はしなくてよいが、任命権者に提出することとすることについて検討がなされたのか、なされなかったのか、お尋ねいたします。なぜ本員がこの条項を問うておるかというと、毎年提出させることにより課長職以上の職員の公務員倫理は飛躍的に向上すると思うからであります。  質問の第3点は、違反行為に対する措置についてでありますが、京都市は、懲戒処分その他の措置をとるものとする、となっております。本市の条例案文ではこの条項は一切ありません。条例の甘さを感じるものでありますが、いかに考えられるか、お伺いするものであります。  質問の第4点は、職員における公務員倫理確立のためには、職員研修が重要だと言われております。その中で本市の職員研修所は南区の屋形原にあり、地の利が悪く、また老朽化しておりましたので、移転新築を本員は過去の議会で何度となく要望してきたところでありますが、執行部は金がない金がないと言って、土地だけは博多区東平尾に確保はいたしましたが、いまだ移転に至っておりません。現研修所を修繕し修繕し使っておるのであります。そこで、今後の研修所の移転のあり方について今現在どう考えておられるのか、お伺いするとともに、他都市の研修所の施設の構造や延べ床面積、築年数、研修収容人員についてあわせてお尋ねするものであります。  質問の第5点は、オンブズマン制度についてであります。オンブズマンという言葉を聞くと何か告発機関のように思われていますが、そうではありません。全国でいち早く川崎市はオンブズマン制度を取り入れています。その提言書を読んでみますと、「1809年にスウェーデンで始まったオンブズマン制度は、1955年にデンマークがスウェーデンの制度をモデルとしてこの制度を導入したのが契機となり、第2次世界大戦後、急速に世界に普及した。デンマークの法体系や内閣制度は、イギリスなどと類似の大臣責任制を原則とする議院内閣制を採用しているので、オンブズマン制度がデンマークにおいて機能するのであれば、西欧諸国にも移転可能であると考えられたためである。デンマークの制度の強い影響を受けて、1962年にニュージーランドが英語圏諸国の中で最初にオンブズマン制度を創設したが、このニュージーランド・オンブズマンが世界のモデルとなり、その後、イギリス、カナダ、アメリカ及びオーストラリアなどのオンブズマン制度化に強い影響を及ぼした。1960年代にはノルウェー、タンザニア、イギリスなど8カ国で11のオンブズマン制度、これは国、州、都市をあわせてですが、設置され、さらに1970年代は約18カ国で62以上の制度が誕生している。このようにオンブズマン制度は世界に広まってはいるが、これらのうちには廃止されたものはほとんどなく、むしろ拡充されて現代国家における行政統制や市民による行政苦情を取り扱うための、なくてはならないシステムに発展しているということができる」となっております。  また、同じ提言書の中に、オンブズマンの意義と特質について、次のように書かれています。「オンブズマンは、人権を擁護するため市民が申し立てた行政苦情を調査する法的権限を持ち、かつ、行政を監視する任務を持つ役職であって、法律など所与の基準にしたがって行動するだけでなく、あらゆる苦情に対し自らの識見と信念に基づいて最善の解決をはかるべきものであるから、人格が高潔で識見に優れた人が選ばれる。一般に「苦情処理人」、「調停者」、「市民擁護者」、「お目付役」という役割をもつと理解されている。オンブズマンについては総じて次のような特質が認められる。第1に、オンブズマンは立法府に置かれるものと行政府に置かれるものとがあり、前者を議会オンブズマン、後者を行政オンブズマンというが、いずれにおいても中立的、独立的に職権を行使することができるよう特別の配慮がなされている。第2に、オンブズマンは、市民からの苦情に基づいて事案を調査し、自己の識見と信念に従い関係機関に対し行政の非違の是正や制度の改善を求める権限を有する。ただし、裁判所と違い、行政決定を取り消したり破棄する法的権限は認められない。第3にオンブズマンは自分のイニシアチブでも職権を発動することができる。彼は適宜行政機関を巡察したり、新聞記事等からも情報を得て調査を開始することができる。各国の実績を見ても、行政運営の変更、法の改正を必要とするような重大な事案をオンブズマンが職権でとりあげている例が少なくない。第4にオンブズマンは市民の苦情に対し、簡易な手続で迅速にかつ無料でその処理にあたる」となっております。  さらに、提言書にはオンブズマンの機能と任務について次のように書かれております。「オンブズマンの主要な機能は、ア、市民からの苦情の処理、イ、行政監視、ウ、行政改善にかかる意見の陳述などである。」アとして苦情処理については、「今日、市民は、福祉、交通、健康、安全、災害防止など、さまざまな面で行政上の規制を受けたり、租税その他の負担を課され、また、逆にさまざまの公共サービスを享受している。市民の生活が行政との接触を深めれば深めるほど、市民の中には自分の身近な行政上の扱いに苦情をもつ場合が増えてくる。そこで市民の苦情を受け止めるための行政に対する苦情申立ての窓口が必要となってくる。オンブズマンは、市民の利益を擁護するため市民の立場にたって苦情を簡易・迅速にしかも無料で、中立的立場に立ち客観的に調査し、調査の結果、行政上の措置に不当な点を見出した場合には、その是正を勧告して、苦情申立人の救済をはかることをその第一の任務とする。イ、行政監視、福祉国家の時代に入り行政機構が複雑になり、不服申立て、訴訟など伝統的な行政監視の装置が十分な機能を果たせなくなったため、新しい行政監視の方法が必要とされてきたオンブズマンは、常時行政全般を公正、中立的立場で監視し、そこに問題があればその改善を求める職務を有するものであり、その機能に多大の期待が寄せられている。ウ、行政改善、オンブズマンは苦情調査や職権調査の結果、行政上の扱いに欠陥とかミスが生じた原因が、条例(国に設置されたオンブズマンの場合には、法令も含む。)や規則、その他行政運営に関する制度上の欠陥にあると判断した場合には、条例、規則、行政運営など制度自体の改善につき意見を申し述べることができる。一般的な制度改善のための意見の陳述もオンブズマンの重要な任務と考えられる。」このように提言書は書かれています。  行政におけるオンブズマン制度の導入の第一のメリットは、行政に対する市民のいろんな苦情処理に直接市職員が対応する時間を省くことでしょう。諸問題の発生で市民や業者と接触するうちに情が移り、不正へとつながっていくこともあると考えれば、諸問題があればオンブズマン事務局に行っていただくよう伝えるだけでいいのであります。ついては、本市もこの制度を導入し、煩雑な苦情処理は職務の円滑化を図る上でも、不正防止の上でも重要なことでありますから、よくよく研究検討され、導入を図る考えはないのか、お伺いするものであります。  次に、議案第231号の市税条例の一部改正のことですが、質問の第1点は市内でこの条例を適用される高齢者向け優良賃貸住宅の戸数を何戸と推定しているのか。これによって、固定資産税の軽減における金額は幾らかお尋ねいたします。  質問の第2点は、この制度の適用を受けるには建物における新築をしなければならないと考えますが、建てる前に事前に相談する窓口はどこで、また、その適用になる必要条件についてお示し願いたい。  質問の第3点は、適用した場合の3分の2の固定資産税の軽減金額と高齢者向け優良賃貸住宅の建設費用を考えるとどれだけの恩恵を受けるのか、お尋ねいたします。  質問の第4点は、現行制度では新築の場合の固定資産税の一部軽減制度は5年間だけ2分の1になっています。今回の場合、これを3分の2軽減するということですが、また、整備基準の戸数を5戸以上とするという要件もあり、オーナーにとっては、さほどのメリットはないのではないかと思います。これは国の制度によるものと聞いておりますが、現在、建築局におけるバリアフリー等を含む高齢者住宅の官の施策、すなわち市営住宅と民への建築指導助言とを比較すると、この制度を建築局としてどう考えているのか、お尋ねいたします。  次に、議案第210号平成13年度福岡市一般会計補正予算のうち教育委員会関係分についてですが、答弁がありましたように、本市の市立高校の就職率は県内や全国よりもいいとはいえ、年々就職内定率が下がっております。社会情勢が大変厳しいことはよくわかりますが、今日まで市立4校における就職指導支援対策はいかにとってこられたのか、お尋ねをいたします。  以上で2問を終わります。 173 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 174 ◯総務企画局長(渡部 晶) 倫理条例の関係でございますが、京都市にある規定が本市にない理由でございますが、御指摘のように、京都市の条例については、管理監督職員や任命権者の責務に関し規定がなされております。ただ、それらは当然のことを確認的に規定したものと思われまして、また一方、国家公務員倫理法や他の多くの自治体の条例には同様の定めはございません。そういうことで本市の条例案には定めていないものでございます。しかしながら、重要なことではございますので、条例の施行規則を定める際に参考にさせていただきたいというふうに考えております。  それから、局部課長に所得等報告書の提出を求めることについての検討はあったのかどうかということでございますが、これにつきましては検討はいたしましたが、一般職の職員は助役等に比べ贈与等の報告を詳細に提出させるようにしていることや、プライバシー保護の要請が大きいと考えられることから、定めるのは適当でないと判断したものでございます。  それから、京都市の条例の懲戒処分等の規定でございますが、これは倫理条例や倫理行動規準に違反する行為というものは、法令違反ないし信用失墜行為に当たることになります。そのため、地方公務員法上、当然に懲戒処分の対象となるものでございます。したがいまして、違反行為について懲戒等の措置を行う旨の確認的な規定は定めておりませんが、懲戒処分を行った場合は、その概要を公表することについて本市の条例案の方で定めさせていただいているところでございます。  それから、研修所の関係でございますが、現研修所は築後31年を経過して老朽化しておりまして、研修所も手狭で不足しておりますことから、平成7年に博多区東平尾に建てかえ用地を先行取得しているところでございます。しかしながら、財政状況が大変厳しい状況にございまして、現研修所の移転、建てかえ事業につきましても着手に至っておりません。職員研修所の建設につきましては、現在及び将来の財政状況を勘案しながら検討せざるを得ないと考えております。他都市の研修施設の状況でございますが、京都市の方は、その研修ごとに市の施設を借り上げるということで、専用の施設は持っていないようでございますが、その他の政令市につきましては、研修所専用施設があるものやビル内のフロアを利用しているものなど、さまざまあるようでございます。12政令市では延べ床面積が1,000平米から4,000平米、築年数が35年から5年、収容人数が約200人から750人となっております。なお、直近でつくったのは横浜市なんですが、横浜市の研修センターは平成8年に開設されておりまして、鉄筋7階建ての3階から7階部分で、延べ床面積は約4,000平米、収容人数は765人となっておるところでございます。  それから、オンブズマンについてでございますが、苦情処理の高度化ということにつきましては、今後の本市の大きな行政課題の1つだというふうに考えております。市民の苦情などに対応するための現行の措置といたしましては、不服申し立て制度を初め、地方自治法による直接請求、住民監査請求、それから平成11年度から新たに導入されました外部監査制度などがございます。また、市役所に寄せられる市民の声をデータベース化し、市民の苦情などを職員が共有するシステムも導入いたしたところでございます。さらに、DNA運動によって顧客志向を徹底し、これらを通じて市民の意向を市民の立場で受けとめ、行政施策に反映させてまいりたいと考えております。御指摘のオンブズマンにつきましては、これは議員御指摘の川崎市のほか、直近におきましては札幌市の方で十分な検討を踏まえた上で導入したところというふうに承知しております。オンブズマン制度については関心を持って研究してまいりたいと考えております。以上でございます。 175 ◯議長(稲員大三郎) 一丸財政局長。
    176 ◯財政局長(一丸孝憲) 高齢者向け優良賃貸住宅の軽減措置は、平成13年8月5日以降に新築されたものに適用されますが、現在のところ、この対象となる家屋は新築されているという情報は得ておりません。したがいまして、平成14年度においては固定資産税の減額対象となる家屋はないものと考えております。  次に、固定資産税の減額の要件につきましては、1、高齢者の居住の安定確保に関する法律の規定による認定を受けた高齢者向け優良賃貸住宅であること、2、居住部分の床面積の割合が家屋の2分の1以上であること、3、1戸の居住部分の床面積が35平方メートル以上280平方メートル以下であること、4、地上階数3以上の耐火または準耐火構造であることとなっております。恩恵につきましては、高齢者向け優良賃貸住宅制度は、その建築費用等の一部を補助することとなっておりますので、割高となる部分については基本的にはこの補助により補えるものと考えております。これに加えまして税の軽減措置がございますので、事業負担の軽減が図られると考えておるところでございます。以上でございます。 177 ◯議長(稲員大三郎) 大森建築局長。 178 ◯建築局長(大森邦明) 高齢者向け優良賃貸住宅を新築する場合の事前相談窓口は、高齢者向け優良賃貸住宅の事業を担当する建築局住宅政策課になります。また、高齢者向け優良賃貸住宅としての認定要件の主なものは整備戸数5戸以上、1住戸当たりの面積が原則25平方メートル以上、構造が耐火構造または準耐火構造で、バリアフリーなどの高齢者仕様であることなどであります。また、この制度をどうとらえているのかということでありますが、今後増加する高齢者世帯の安定した居住を進めるために行政と民間が役割分担と協力をしながら、高齢者向けの住宅供給を進める必要があるという福岡市住宅審議会の答申を踏まえまして、現在施策を進めているところでございます。行政と民間の分担といたしましては、市は高齢者向けの市営住宅を供給する一方、民間事業者にバリアフリー化された高齢者向けの優良な賃貸住宅の供給を促すため、建設費及び家賃の一部を補助するという誘導手法を行っておるところでございます。また、高齢者世帯への住宅供給が円滑に行えるよう、民間事業者に対する指導助言も必要と考えております。以上でございます。 179 ◯議長(稲員大三郎) 生田教育長。 180 ◯教育長(生田征生) 市立高校の就職指導につきましては、各学校におきまして、学校長を中心に進路指導担当者や、あるいは学級担任が組織的、計画的な進路指導体制を整えまして、生徒の就職希望の実現に努めておるところでございます。具体的にはハローワークと連携をした求人情報の収集や、あるいは早い時期からの職場訪問等によります求人の掘り起こしなどについて一層の強化、充実を図るとともに、生徒に対して就職面接の指導や社会人講師の招致によります職業人としてのマナーの指導等を行っております。教育委員会におきましては、福岡労働局職業安定部などが実施をいたします新規高卒者就職面談会についてや、あるいは職業意識形成支援事業などのさまざまな情報提供を行うなど、学校の就職指導に対する支援を行っているところでございます。以上です。 181 ◯議長(稲員大三郎) 金子義定議員。 182 ◯60番(金子義定) 最後の質問になります。  まず、公務員倫理条例案のことですが、元総務企画局長事件の福岡地方裁判所での公判を本員はずっと傍聴してまいりました。その中で強く感じたのは金と女の絡みであります。まさに、いつの世も同じだなと思ったのであります。事の発生は家庭内の不和が発端となり、金と女におぼれていくのではないかと強く感じた次第であります。いつも言われることですが、家庭円満が第一であります。特に公務員や議員は心しなければなりません。その意味において、健全な私生活の確立と人生は、いついかなるときでも危険が伴っているということを常々心に命じ、自分の身の安全は健全な自分の精神にあるということを肝に銘じること、議員や市の職員は市民のお手本となるよう、たゆまざる自己研さんといいますか、おのれを磨き上げる努力といいますか、人間修行をしなければなりません。三たび市政に絡む不祥事が発生しないよう心から念じるものであります。今後の職員研修においては職場研修を含め、私生活の面でも指導、研修の強化を図られるべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。これが、質問の第1点であります。  質問の第2点は、職員研修所の件でありますが、他都市の研修所の状況は局長から答弁がありました。聞いておると、最新の研修施設もあり、立派なものだと思うものであります。やはり職員が伸び伸びとした環境で職員研修を受けるべきであって、早期移転を再度訴えるものでありますが、お考えをお伺いいたします。  次に、オンブズマン制度につきましては、これは政治倫理条例つくるときに本員は視察をいたしております。数年前の話でありますけれども、川崎市に参りまして、平沼ビルというのがあるんですが、その平沼ビルの中にオンブズマンの事務局があります。橋本さんという参与が出てこられまして、私の話、熱心に聞いていただきました。橋本さんはなぜそんなに熱心ですか、と私が尋ねると、実は金子議員さん、私は筑後の黒木の出身です。そして、高校は鳥栖に参りました。ですから、九州からこうして訪ねてきてくれるということは大変うれしいことでありますので、と3時間ぐらいお話をしたのでございますが、この制度というのは当面金がかかるように見えますが、実はオンブズマンさんというのは2人おられまして、1人の月額の歳費が77万円です。2人おられます。1人は元東京高検の検事長をされた方がなられたり、弁護士会の会長さんをされた方がなられたりして、実に威厳のあるオンブズマンの部屋がちゃんと1人ずつございます。そして、事務局がありまして、もう何もかんもオンブズマンさんに会うというのではありません。金子議員さん、お会いになりますか、ということでしたが、いや、きょうはもうやめておきましょう、と言うて、あなたとだけ話をすれば大体わかります、というふうなことで帰ってきたのでございますけれども、行政がこれを嫌うのは行政監視が入っておるから、これが非常にアレルギーになっておるのではないかと思うわけであります。理事者の皆さん方も、行政監視やら、されると、ということで、どうかもう毛嫌いの状況にありますが、そうではないということを先ほど申し上げたわけです。住民にとっても行政にとっても、議会は請願ということがありますから、請願審査で事を片づければある程度はよろしゅうございますけれども、職員の皆さんは──私もずうっとそうつき回りよりますよ、庁内を。そうつき回りよると、いろんなところに市民が来て、いろんな話をしたり、怒ったり、テーブルたたいたり、教育長のところは元の係長さんが刺されたりしたでしょう、ああいうことがあったり、いろんなことがあるとにどれだけ──きのうも土木局に行ったら、ある課長が電話しよりましたが、何の電話な、と言うたら、実は地元から苦情なんです、出てこいと言われよりますと。局長出てこいと、局長出てこんなら部長出てこいと、おまえのような課長じゃつまらんというておごられよると。そんな状態がずうっと続きよりますよ、庁内の中は。どれだけそれにエネルギーを使っておりますか、皆さんが。そういうオンブズマン制度をつくれば、威厳のある法律家のオンブズマンさんですから、あちらに行ってくださいと言うただけで、もうそれで事があらかた済むとですよ。私たちはそういう窓口じゃありませんからということが可能なわけです。ですから、札幌も川崎のこの例を勉強して取り入れて、煩雑さを省くため、そしてまた、不正の防止のために引きずり込まれんようなことで考えて導入したと思うんです。ですから、渡部局長さん、あなたは非常に若いから新進気鋭でしょう。ですから、これは川崎とか札幌に担当の職員を法律的に非常に詳しいエキスパートを派遣して徹底的に研究して、それはつまらんならつまらんでいいとです。研究せにゃいかんですよ。しかし、将来はそういうふうになってくるというのを本員は思うわけです。ですから、そういうことであります。  次に、市税条例の一部改正に関連し、高齢者住宅のバリアフリー化については本格的な高齢化社会を迎えるに当たり、行政として市民や民間への指導助言体制の充実強化は大切な施策であると考えるものであります。ついては、大森局長さん、充実したスタッフの配置を願うものでありますが、御所見をお伺いいたします。  最後に、生田教育長には、教育委員会関係の市立4校の進路指導の中での就職指導支援対策は年々就職内定率が下がる中、これから先も4校のレベルアップと充実強化に取り組まれんことを強く要望いたしまして、以上で本員の質疑を終わります。 183 ◯議長(稲員大三郎) 渡部総務企画局長。 184 ◯総務企画局長(渡部 晶) まず、研修の強化でございますが、職員は全体の奉仕者として市政全般に対する市民の期待や信頼にこたえられるよう、常日ごろから公務員としての自覚と意識を高めておく必要があると考えております。このため、職員研修所では新規採用職員研修、係長研修、課長研修の各階層別研修の中で公務員倫理研修を実施するとともに、毎年5月、6月を公務員倫理の職場研修推進月間として設定いたしまして、全庁一斉の職場研修を実施しているところでございます。また、不祥事を防止するには職場だけでなく、私生活の面でも公務員としての節度ある行動をとることが重要でありまして、常日ごろから職員を指導する立場にある管理職の職責が重要であると考えております。  そこで、今回改めて管理職に対しましては、公務員としての職務と倫理を認識させるため、12月25日、26日に課長級以上の全職員を対象とした公務員倫理についての特別研修を実施することにしております。今後とも市民の期待や信頼にこたえられる職員の育成を図るため研修の充実に努めてまいりたいと考えております。  それから、研修所の建てかえについてでございますが、職員研修に当たっては研修の中身はもちろんのことでございますが、研修所のあり方ということも大変重要なものであるというふうに認識しております。ただ、しかしながら、財政事情が大変厳しく、計画中の他の施設整備についても全市的に見直しを行っている中、現段階では職員専用の研修施設を建設することは大変困難な状況であると思います。引き続き検討をしてまいりたいと考えておりますが、そこら辺の御事情を御理解いただければというふうに思います。以上でございます。 185 ◯議長(稲員大三郎) 大森建築局長。 186 ◯建築局長(大森邦明) 高齢者住宅への市民、民間に対する指導、助言体制について、お答えいたします。今後、高齢社会に向けて高齢者仕様の住宅の整備等ハードと、居住者、事業者への支援などのソフトの両面からの対応が必要と考えております。市民や民間への指導、助言につきましては大変重要でございまして、現在、建築局の住宅相談コーナーに2名の相談員を置き、バリアフリー改造等の相談、助言を行っておりますが、今後とも積極的に推進してまいります。以上でございます。 187 ◯議長(稲員大三郎) 以上で質疑を終結いたします。  ただいま議題となっております議案29件は、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  以上で本日の日程は終了いたしました。次の会議は、明12日午前10時に開きます。本日はこれをもって散会いたします。                                         午後7時48分 散会 Copyright (c) FUKUOKA CITY, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...