令和2年 2月 定例会(第1回)議 事 日 程 (第2号) 令和2年3月16日(月曜日)午前10時開議(開 議)第1 議案第1号 令和2年度北九州市一般会計予算第2 議案第2号 令和2年度北九州市
国民健康保険特別会計予算第3 議案第3号 令和2年度北九州市
食肉センター特別会計予算第4 議案第4号 令和2年度北九州市
卸売市場特別会計予算第5 議案第5号 令和2年度北九州市
渡船特別会計予算第6 議案第6号 令和2年度北九州市
土地区画整理特別会計予算第7 議案第7号 令和2年度北九州市
土地区画整理事業清算特別会計予算第8 議案第8号 令和2年度北九州市
港湾整備特別会計予算第9 議案第9号 令和2年度北九州市
公債償還特別会計予算第10 議案第10号 令和2年度北九州市
住宅新築資金等貸付特別会計予算第11 議案第11号 令和2年度北九州市
土地取得特別会計予算第12 議案第12号 令和2年度北九州市
駐車場特別会計予算第13 議案第13号 令和2年度北九州市
母子父子寡婦福祉資金特別会計予算第14 議案第14号 令和2年度北九州市
産業用地整備特別会計予算第15 議案第15号 令和2年度北九州市
漁業集落排水特別会計予算第16 議案第16号 令和2年度北九州市
介護保険特別会計予算第17 議案第17号 令和2年度北九州市
空港関連用地整備特別会計予算第18 議案第18号 令和2年度北九州市
学術研究都市土地区画整理特別会計予算第19 議案第19号 令和2年度北九州市
臨海部産業用地貸付特別会計予算第20 議案第20号 令和2年度北九州市
後期高齢者医療特別会計予算第21 議案第21号 令和2年度北九州市
市民太陽光発電所特別会計予算第22 議案第22号 令和2年度北九州市
市立病院機構病院事業債管理特別会計予算第23 議案第23号 令和2年度北九州市
上水道事業会計予算第24 議案第24号 令和2年度北九州市
工業用水道事業会計予算第25 議案第25号 令和2年度北九州市
交通事業会計予算第26 議案第26号 令和2年度北九州市
病院事業会計予算第27 議案第27号 令和2年度北九州市
下水道事業会計予算第28 議案第28号 令和2年度北九州市
公営競技事業会計予算第29 議案第29号 地方公務員法及び地方自治法の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条 例の一部改正について第30 議案第30号 北九州市
土地開発基金条例の一部改正について第31 議案第31号 北九州市手数料条例の一部改正について第32 議案第32号 北九州市印鑑条例の一部改正について第33 議案第33号 北九州市芸術文化施設条例の一部改正について第34 議案第34号 北九州市無料低額宿泊所の設備及び運営の基準に関する条例について第35 議案第35号 北九州市
国民健康保険条例の一部改正について第36 議案第36号 北九州市食品衛生法に基づく公衆衛生上講ずべき措置の基準等に関する条 例の一部改正について第37 議案第37号 北九州市旅館業法施行条例の一部改正について第38 議案第38号 北九州市動物の愛護及び管理に関する条例の一部改正について第39 議案第39号 北九州市
公衆浴場法施行条例の一部改正について第40 議案第40号 北九州市社会福祉施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について第41 議案第41号 北九州市
放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準に関する条例の一 部改正について第42 議案第42号 北九州市
浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部改正について第43 議案第43号 北九州市が施行する土地改良事業に係る賦課金及び特別徴収金に関する条 例の一部改正について第44 議案第44号 北九州市
中央卸売市場条例について第45 議案第45号 北九州市
公設地方卸売市場条例について第46 議案第46号 北九州市都市公園、霊園、駐車場等の設置及び管理に関する条例の一部改 正について第47 議案第47号
北九州広域都市計画事業旦過
地区土地区画整理事業施行規程について第48 議案第48号 北九州市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正 について第49 議案第49号
北九州広域都市計画事業折尾土地区画整理事業施行規程の一部改正につい て第50 議案第50号 北九州市
港湾施設管理条例の一部改正について第51 議案第51号 北九州市水道事業、工業用水道事業及び下水道事業の設置等に関する条例 等の一部改正について第52 議案第52号
砂津長浜線道路改良工事(27-1)請負契約の一部変更について第53 議案第53号 公有水面埋立てによる土地確認について第54 議案第54号 町の区域の変更について第55 議案第55号 字の区域及び名称の変更について第56 議案第56号 基本財産の額の増加に係る
福岡北九州高速道路公社の定款の変更に関する 同意について第57 議案第57号 損害賠償の額の決定及び和解について第58 議案第58号
包括外部監査契約締結について第59 議案第59号 令和元年度北九州市
一般会計補正予算(第3号)第60 議案第60号 令和元年度北九州市
国民健康保険特別会計補正予算(第1号)第61 議案第61号 令和元年度北九州市
渡船特別会計補正予算(第1号)第62 議案第62号 令和元年度北九州市
土地区画整理特別会計補正予算(第2号)第63 議案第63号 令和元年度北九州市
港湾整備特別会計補正予算(第2号)第64 議案第64号 令和元年度北九州市
土地取得特別会計補正予算(第2号)第65 議案第65号 令和元年度北九州市
産業用地整備特別会計補正予算(第1号)第66 議案第66号 令和元年度北九州市
下水道事業会計補正予算(第1号)(散 会)会議に付した事件日程第1 議案第1号から日程第66 議案第66号まで出席議員 (56人) 1番 三 原 朝 利 2番 佐 藤 栄 作 3番 吉 村 太 志 4番 田 中 元 5番 吉 田 幸 正 6番 上 野 照 弘 7番 田 仲 常 郎 8番 宮 﨑 吉 輝 9番 井 上 秀 作 10番 佐々木 健 五 11番 中 島 慎 一 12番 鷹 木 研一郎 13番 村 上 幸 一 14番 山 本 眞智子 15番 木 下 幸 子 16番 渡 辺 徹 17番 村 上 直 樹 18番 中 島 隆 治 19番 渡 辺 修 一 20番 冨士川 厚 子 21番 金 子 秀 一 22番 木 畑 広 宣 23番 松 岡 裕一郎 24番 成 重 正 丈 25番 本 田 忠 弘 26番 岡 本 義 之 27番 森 本 由 美 28番 世 良 俊 明 29番 福 島 司 30番 三 宅 まゆみ 32番 中 村 義 雄 33番 河 田 圭一郎 34番 浜 口 恒 博 35番 白 石 一 裕 36番 大久保 無 我 37番 奥 村 直 樹 38番 藤 沢 加 代 39番 高 橋 都 40番 山 内 涼 成 41番 藤 元 聡 美 42番 出 口 成 信 43番 田 中 光 明 44番 石 田 康 高 45番 荒 川 徹 46番 戸 町 武 弘 47番 渡 辺 均 48番 香 月 耕 治 49番 片 山 尹 50番 日 野 雄 二 51番 奥 村 祥 子 52番 佐 藤 茂 53番 木 村 年 伸 54番 西 田 一 55番 讃 井 早智子 56番 村 上 さとこ 57番 柳 井 誠欠席議員 (0人)説明のために出席した者の職氏名 市長 北 橋 健 治 副市長 梅 本 和 秀 副市長 鈴 木 清 副市長 今 永 博 会計室長 石 井 佳 子 危機管理監 加茂野 秀 一 技術監理局長 村 上 純 一 企画調整局長 大 下 徳 裕 総務局長 小 林 一 彦 財政局長 小 牧 兼太郎 市民文化 スポーツ局長 久保山 雅 彦 保健福祉局長 高 松 浩 文 子ども家庭 局長 福 島 俊 典 環境局長 近 藤 晃 産業経済局長 鮎 川 典 明 建設局長 東 義 浩 建築都市局長 橋 口 基 港湾空港局長 辻 誠 治 消防局長 月 成 幸 治 上下水道局長 中 西 満 信 交通局長 池 上 修 公営競技局長 上 野 孝 司 行政委員会 教育長 田 島 裕 美 事務局長 小 石 佐 織職務のために出席した事務局職員の職氏名 事務局長 村 地 史 朗 次長 古 澤 玲 議事課長 馬 場 秀 一 ほか関係職員 午前10時00分開議
△日程第1 議案第1号から日程第66 議案第66号まで
○議長(村上幸一君) ただいまから、本日の会議を開きます。 本日の議事は、お手元配付の議事日程により進行いたします。 日程第1 議案第1号から、日程第66 議案第66号までの66件を一括して議題とします。 ただいまから代表質疑を行います。自由民主党代表、11番 中島議員。
◆11番(中島慎一君) おはようございます。自由民主党・無所属の会を代表いたしまして、ただいまから代表質疑を行います。よろしく御答弁をお願いいたします。
新型コロナウイルス感染症による患者が確認され、市議会でも、執行部の対応等を考えると休会やむなしとの判断をし、本日、2週間ぶりの開会となりました。本市でも、更なる感染拡大も考えられ、本市の相談体制や検査体制の強化や入院病床の確保など、非常に重要な局面を迎えていると思います。 本市では、今、社会動態プラスに向け、不断の努力を行っているときです。
新型コロナウイルス感染症の影響で、今後のまちづくりが絵に描いた餅にならないよう、我々市議会も一緒に頑張っていきますので、これからの対応にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 それでは、代表質疑に入ります。 まず、
新型コロナウイルス感染症についてお尋ねいたします。 私がこの壇上で
新型コロナウイルス感染症への対応を詳細に説明しても仕方ありませんので、簡単に触れますが、本市でも、政府の要請による市立学校の一斉臨時休業、公共施設の臨時休館、本市主催イベントの原則中止又は延期などを実施し、中小企業への経営相談窓口の設置などをしており、市議会でも、本会議場や委員会室でのマスク着用や、市民等の傍聴も自粛を求めています。現段階の対応で、仮に今後感染が収束していったとしても、やはり翌年度に影響を及ぼすものがあると思いますので、そういった視点でお尋ねいたします。 1点目ですが、学校の臨時休業、イベントの中止や延期、旅行のキャンセル、工場の操業停止などもあり、本市の経済にかなりの影響が出ると考えられます。また、
北九州商工会議所が地場企業に行ったアンケート調査では、7割超が、影響がある、今後影響がありそうと回答しています。 国でもさまざまな支援策を打ち出していますが、本市でも、市内の製造業や飲食店、給食業者などの中小企業の状況を把握し、来年度に向け、早急な経済対策を実施する必要があると思いますが、見解を伺います。 2点目ですが、学校では、春休みを含め1カ月という長期休業になり、児童生徒や保護者は精神的な不安を抱えたまま新学期を迎えることになります。新学期に入ってすぐに、そういった児童生徒や保護者をきちんとサポートすべきと考えますが、見解を伺います。 次に、令和2年度当初予算案を踏まえた今後の財政運営についてお尋ねいたします。 令和2年度当初予算案における財源調整用基金の取り崩し額は119億円、前年度の126億円から7億円減少しているものの、収支差を基金で補填する状況は続いています。市税などの一般財源等が限られる中、収支改善の取り組みで一般財源を生み出すことも示されています。しかし、人口が減少傾向にある中、財源をいかに確保していくのか、また、高齢化の進展に伴い、福祉医療関係の経費の伸びや、学校施設の老朽化対策などの経費の増加にいかにして対応していくのか、歳入歳出両面における課題への適切な対応が求められています。 今回の予算案を基礎に、現在判明している地方財政制度を踏まえ、一定条件下で5年間の試算を行った北九州市中期財政見通しが改定されました。扶助費や公債費などの義務的経費の増加が今後も見込まれる中、収支差は年々拡大傾向にあり、令和6年度には、基金残高は今回の予算案の基金取り崩し額とほぼ同程度になるなど、厳しい財政状況になるとされています。 このような状況の中、今後の町の成長につながる積極的な政策の実施と健全な財政の両立を実現するため、今回の予算案の編成ではどのような収支改善の取り組みを行ったのか、また、中期財政見通しを踏まえて今後どのような財政運営を行うのか、伺います。 次に、今後の本市のまちづくりについてお尋ねいたします。 私は、幾度となく、この町の将来について議論し、昨年もこの場で冒頭、将来を見据えたまちづくりにしっかりと取り組み続けることが大切だと述べ、本市の将来像や小倉都心部のあり方などを質問したところであります。 そのような中、1月24日に、
クロサキメイトビルを所有する
株式会社メイト黒崎が破産手続開始の申し立てを行ったという、今後のまちづくりに影響を及ぼすショッキングなニュースが入ってきました。
クロサキメイトビルは、駅前に立地し、昭和54年の開業当初から、周辺の商店街にも人を呼び込む、町のにぎわいの重要な存在であり、黒崎は本市の副都心として小倉とともに経済活性化の一翼を担ってきただけに、地元にも衝撃が走りました。 従来の駅前にある大型商業施設は、全国的に見ても、アマゾンなどのネット市場の拡大やロードサイドの大型店舗の台頭などで、取り巻く経営環境は厳しく、こうした変化に加えて、今回
クロサキメイトビルのテナント誘致が進まなかった理由には、建物が築40年以上と古く、耐震性能も不足していること、商業の延べ床面積が約10万平米と余りにも広く、時代にそぐわないものになっていたことが背景にあったと聞いています。 余り比較はしたくありませんが、福岡市では、天神ビッグバン、
博多コネクティッドといった、
クロサキメイトビルと同年代に建てられたビルを再開発するプロジェクトが進行しています。今回の
クロサキメイトビルをどうするのかを含め、今後の本市のまちづくりについてスピード感を持って考える時期に来ているのではないでしょうか。 そこで、お尋ねいたします。 1点目ですが、今回、裁判所から選任された保全管理人によると、2月末までに、現状のままで引き継いでくれる譲渡先が見つからず、事業譲渡は断念したとのことです。このまま4月末に閉店した場合、その後は不動産の処分を行うことになると思いますが、市は今後どのような対応をしていくのか、伺います。 2点目ですが、小倉都心部は、昨年から議論を行いましたIR、その事業者から高いポテンシャルがあるとの評価を受け、近年、IT企業等のオフィス需要が高まっています。一方で、低未利用地が点在し、中心市街地の約8%の31ヘクタールが低未利用地になっています。低未利用地が増加した場合、町のにぎわいや拠点機能の低下が懸念されると言われ、課題となっています。 黒崎副都心は、黒崎駅南北自由通路の開通や新駅舎の完成など、悪い話ばかりではなく、今こそ逆境を乗り越えて、前向きに物事を捉えていく必要があります。今回の件を契機に、小倉や黒崎など本市の核となる地域について、10年先、20年先といった将来を見据えたまちづくりが今後必要になってくると思いますが、見解を伺います。 次に、北九州空港の機能強化、利用促進についてお尋ねいたします。 北九州空港は、昨年度、空港利用者数が約180万人と過去最高を記録し、本市が目指す200万人にあと一歩になったものの、昨今の日韓関係や
新型コロナウイルスの感染拡大等により、今年度は170万人に届かない見込みですが、こういった情勢の中ではやむを得ないとも考えています。むしろ、減便や一時運休などが生じたものの、国際定期路線の継続が初めて4年目を迎えるなど、路線の安定化に向けた努力について、あわせて、航空貨物でも、ANA Cargoに加え、昨年11月に、大韓航空による2路線目となる定期路線も開設されるなど、国際旅客に対する逆風にめげず利用促進に取り組んでいる姿勢について、大いに評価されることだと感じています。 北九州空港の活性化は、本市の更なる発展に必要不可欠で、近年、福岡空港では、民間委託化を契機に大規模な機能強化や路線拡大等が計画されるなど、取り巻く環境は大きく変化しており、より一層の活性化を図ることが喫緊の課題となっています。こういった背景から、昨年9月、長年の懸案であった3,000メートル級滑走路の早期実現を初め、空港運営形態のあり方、福岡県との連携強化といった多くの事案を集中して審議するため、8年ぶりとなる
北九州空港機能強化・
利用促進特別委員会が立ち上げられました。その委員長を私が務めることになったわけでございます。 これまで、委員会開催や空港視察、県議会空港・
交通調査特別委員会との意見交換、滑走路延伸の早期実現に向けた国土交通大臣・財務大臣要望など、機能強化に向けた調査、活動に精力的に取り組んできたところであります。このような活動の成果、執行部の努力などを振り返ると、私は、滑走路の3,000メートル化は実現する見通しが立ったのではないかと思っており、実現するとさまざまな展望が開けてきます。市長には、3,000メートルの滑走路をどのように生かし、空港のみならず北九州全体の発展につなげていくのか、将来の大きな展望についての思いを語っていただきたいと思います。 そこで、お尋ねいたします。 1点目ですが、3,000メートル級滑走路の実現は、物流拠点空港への実現に向けて、より一層の推進力となると考えていますが、直近の課題を踏まえ、10年、20年といった中長期的スパンで航空貨物の展望をどのように考えているのか、伺います。 2点目ですが、将来展望という観点から、空港アクセスは、バスの充実とともに、軌道系の調査再開という命題も残されています。長期的な課題である軌道系の調査についても、来年度200万人を目指す中で、本格的な調査再開を行う準備として、必要な情報や他空港での事例などを整理しておく必要があるのではないでしょうか。また、目の前の課題として、バスを強化して、より一層、北九州空港の利用促進を図っていくべきと考えます。宿泊税の活用などでバスアクセス機能を強化すべきと考えますが、あわせて伺います。 3点目ですが、今年度から進めている
ネットワーク充実強化期間では、これまでの利用促進に加え、県とともに滑走路延伸など機能強化を目指していることなどから、北九州空港の役割が更に大きくなってくるものと考えられます。本市の将来ビジョンに加え、県の掲げる福岡県の空港の将来構想の実現のためにも、福岡県、また福岡空港と、より一層連携を深めていくことに意義を感じますが、見解を伺います。 次に、社会動態プラスに向けた取り組みについてお尋ねいたします。 昨年12月、第2期まち・ひと・し
ごと創生総合戦略が閣議決定され、2020年度を初年度とする今後5年間の目標や施策の方向性が取りまとめられました。本市でも、平成27年度に策定した北九州市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略により、少子・高齢化や人口減少という課題に真っ正面から向き合い、人を呼び込むため、地方創生の成功モデルを目指してさまざまな取り組みをこの5年間やってこられたと思います。その結果、暮らしやすさ、住みよさ、子育て環境など、全国的に評価されたと思います。 そこで、お尋ねいたします。 1点目ですが、第1期北九州市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略の総括と、3月末に策定予定の第2期北九州市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略に向けた市長の決意について伺います。 2点目ですが、人を呼び込むためには、まずは町の
ブランドイメージを上げることが大事であり、住みよく明るい都市イメージを国内外に積極的に発信していくことが必要です。ことしは、第5
世代移動通信システム、5Gのサービスが開始される予定です。例えば、町の
ブランドイメージ向上のために本市が行うPRについても、5Gを活用すれば、容量を気にせずリアルタイムに配信できるなど、さまざまな広がりがあると思います。町の
ブランドイメージ向上のために効果的に5Gを活用することについて伺います。 次に、
子ども医療費支給制度の拡充についてお尋ねいたします。 これまでも、本市は、子育て日本一を実感できる町の実現を目指して取り組みを進めており、NPO法人が全国の自治体の子育て支援の取り組みを調査した2018年度
次世代育成環境ランキングでは、8年連続で政令市第1位に選ばれています。これは、本市の子育て環境が高く評価された結果であり、大変喜ばしく感じています。 一方で、子供たちの健康保持と健やかな育成を目的とする
子ども医療費支給制度は、通院について、本市が小学校卒業までとしている中、全国の政令市を見ると、既に14都市で中学3年生まで助成を拡充しています。本市でも通院の助成対象を中学生まで拡充するためには多額の費用が必要であり、これを実現するためには県の制度拡充が不可欠であることから、自由民主党・無所属の会の議員団は、自民の会とともに、昨年12月、
福岡県議会栗原議長、
福岡県議会自由民主党福岡県議団松本会長、自由民主党福岡県支部連合会藏内前会長に対し、要望を行ってきたところであります。 そのような中、令和元年12月県議会で、自民党県議団の質問に対し、県知事が、令和3年度当初に
子ども医療費支給制度の助成を中学生まで拡充し、政令市に対する補助を中学生の部分について2分の1とすることを表明されました。県の制度拡充を機に、本市でも
子ども医療費支給制度を拡充すると聞いています。制度拡充に当たっての基本的な考え方をお聞かせください。 次に、教育行政についてお尋ねいたします。 昨年、第2期北九州子どもの未来をひらく教育プランを策定し、本年2月、教育プランをPRする短編ムービー3日間クラブを作成し、ユーチューブで公開するなど、これまでにない取り組みを行っています。教育プランの実現に向け、2月補正予算案、そして来年度予算案では、教育環境の更なる充実に向けたさまざまな取り組みが計上されています。 そこで、我が会派でも昨年10月に市長に対し予算要望を行った項目であり、教育プランのミッション5に掲げている未来を見据えた環境整備である、小学校への早期のタブレット導入の実施、そして、小・中学校の洋式トイレの増設についてお尋ねいたします。 1点目ですが、小学校への早期タブレットの導入の実施について、教育プランによると、本市のICT環境整備の状況を国の第3期教育振興基本計画の目標値と比較すると、
学習者用コンピューターの整備率、普通教室の無線LAN整備率、ICT支援員については、目標値に達していないそうであります。今回の学校のICT環境整備により、国の計画の目標値に達することができるのか、また、将来的にはタブレットを1人1台整備することが望ましいと思いますが、その整備に向けた考え方について伺います。 2点目ですが、小・中学校の洋式トイレの増設について、これまで本市では、平成10年度から平成22年度まで、
ハートフルトイレ整備事業などの取り組みを進め、平成24年度からは、防災の観点から体育館のトイレを中心に整備を行い、現在、小・中学校の洋式化率は53%となっています。一方、家庭では、国内での洋式トイレの普及率は約9割と言われ、実際に和式の使い方がわからない人も多いそうです。 このような状況を考えると、子供たちが学校でも安心して使用できるトイレ環境の整備を行うべきと考えます。ブロック塀改修や大雨による災害対策など、自然災害への対応などもあり、効果的に学校施設の環境整備を進めていくには、国の補助金等を積極的に活用すべきと考えます。 そこで、国の補助金である学校施設環境改善交付金の令和元年度の内定状況を伺うと、トイレ整備に関しては、本市の1校に対し、福岡市は35校で決定を受けました。小・中学校のトイレ洋式化に当たっては、学校施設環境改善交付金も積極的に活用すべきと思います。 この交付金の仕組みと、交付金で来年度に実施予定の学校トイレ整備事業について、そして、その事業の今後の展開について伺います。 次に、関門観光連携についてお尋ねいたします。 下関市では、関門観光の目玉としてジップラインを計画中です。ジップラインとは、ハーネスやヘルメットを身につけ、ワイヤーロープでぶら下がって滑りおりるアトラクションで、下関の火の山から門司港へと、関門海峡の絶景を見ながら滑走する計画になっています。門司港におりてくるため、着地付近には観光施設やお土産売り場の設置、トロッコ列車でレトロ地区や和布刈観光もあわせて体験してもらうことで、本市のインバウンド増加にもつながることになり、チャンスであります。 ただ、ジップライン建設には、下関市はもとより、海峡の上を飛ぶため、海上保安庁などの許可が必要であります。当然、着陸地点の自治体である本市の許可も必要となります。 ジップラインの実現に向け、関門観光連携の一環として大いに協力すべきと考えますが、見解を伺います。 次に、折尾地区総合整備事業についてお尋ねいたします。 折尾地区総合整備事業は、平成16年度から令和7年度まで20年以上にわたって総額840億円を投じる、本市の発展に重要な一大事業で、鉄道の高架化や幹線道路の整備、駅南側の宅地整備などを一体的に進め、学園都市の玄関口にふさわしいまちづくりを行っています。現在、鹿児島本線の高架工事と駅舎の建築工事が急ピッチで進められ、令和2年度末には、鹿児島本線の最終の高架切りかえや、かつての姿をほうふつとさせる復元駅舎の開業も予定されています。今後、折尾駅周辺が魅力的でにぎわいのある町として大きく発展していくには、鉄道の高架化により生まれる高架下の有効活用が大変重要で、地域の方々や学生などがより一層まちづくりにかかわっていくことが求められています。 平成30年2月定例会で、我が会派の鷹木議員が地域の皆さんの声を代弁して、高架下に市民の皆さんが集えて大きく利用できる施設の設置を要望させていただきました。また、平成30年度に市が行った折尾駅高架下利用アンケート調査にも、高架下にあるとよいと思う施設として、地域交流施設が上位に上がっています。 来年度予算にある高架下多目的交流施設の内容と整備スケジュールについて伺います。 最後に、公共施設マネジメントについてお伺いいたします。 平成28年に策定した公共施設マネジメント実行計画では、実施に当たって、まちづくりの視点を踏まえて取り組むこととされ、特に門司区の門司港地区と大里地区ではモデルプロジェクトと位置づけ、公共施設の再配置や移転、廃止後の跡地利用、町なかのにぎわいづくりが具体的に進められています。 そこで、お尋ねいたします。 1点目ですが、門司港地区では、門司港駅周辺に、行政や文化を主体とした公共施設を集約し、複合化、多機能化することで、利便性の向上や市民サービスの効率化を図ることとしています。また、公共施設を生かし、地域の活性化を図るという基本的な考え方で、具体化に向けた取り組みが進められており、1月、基本設計の素案が公表され、新しい施設の姿が少しずつではありますが見えてきたところであります。 門司港地域の複合公共施設を活用してどのようなまちづくりを進めていくのか、また、集約施設跡の利用、特に門司区役所について早目の検討が必要であると思いますが、見解を伺います。 2点目ですが、大里地域では、旧門司競輪場跡地を活用し、スポーツ関連の公共施設を集約して複合化、多機能化することで、市民サービスの効率化や公共施設に係るコスト縮減を図るとともに、魅力的な公園や居住空間の創出を図るという基本的な考え方で、具体化に向けた取り組みが進められています。居住ゾーンは既に開発事業者が選定され、大里地域でのモデルプロジェクトがいよいよ動き出しますが、今後の取り組みについて伺います。 以上で私の代表質疑を終わります。明快なる御答弁をよろしくお願いいたしまして、終わりとさせていただきます。
○議長(村上幸一君) 市長。
◎市長(北橋健治君) おはようございます。清水学童保育クラブで子供さんたちと一緒につくった手づくりマスクを外させていただきます。 まず、
新型コロナウイルスの対策について御質問がございました。特に、中小企業の経営状況を把握し、経済支援対策をどう考えるかという御質問でございます。 3月12日にはついにWHOがパンデミック宣言を行うという、世界規模の感染症となってまいりました。日本におきましては、1月16日に初の患者が確認されまして、本市においても3月1日に患者が1名発生いたしました。以降、政府は、感染拡大防止に向けまして体制の整備、教育分野を初め国民生活の一部に行動の自粛を要請、3月13日には改正新型インフルエンザ等対策特別措置法が成立したところであります。 この間、本市としましても、相談、検査、医療体制の充実、マスク16万枚の配付、イベントの自粛、休校、経済支援対策など、このような対策に鋭意取り組んできたところでございますが、この間、議事運営に当たりまして、市議会の皆様方にも特段の御配慮をいただいてサポートしていただいております。厚くお礼を申し上げたいと思います。 さて、市内企業への調査、経営状況でありますが、私ども大変心配をいたしております。この影響につきましては、1月下旬から、宿泊業、飲食業、小売業、製造業などを対象にして、訪問、電話によるヒアリング、また、商工会議所と共同でアンケート調査などを適宜行っております。 宿泊業では、今月以降は新規予約が入らず、キャンセルがふえており、この状況では客室の稼働率が2割から4割と大きく落ち込む見込みであります。飲食、小売業では、外出機会の減少に伴い、来客数、売り上げが3割から4割減少、中には6割減少している店舗があるなど、大幅に悪化しております。製造業では、中国の部品関係を中心にしたサプライチェーンの混乱によりまして、操業停止などの生産調整が発生など、既に大きな影響が出ております。 こうした中、国は2度の緊急対応策を公表いたしました。実質無利子無担保融資などの資金繰り支援に総額1兆6,000億円、雇用調整助成金の特例措置の拡大374億円、小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援、また、収入減があった世帯を対象とした緊急の小口資金の貸し付け1,763億円、終息するまでの間、観光地に魅力的なコンテンツの造成、多言語表示の充実、バリアフリー化など、観光客受け入れ環境の整備など4,300億円の財源措置を講ずるということにされております。 こうしたことを受けまして、本市としましても、まず、社会保険労務士が、国に提出する雇用調整助成金の申請書類の作成を支援するほか、経営、また資金繰りなどの融資についても相談できるワンストップの相談窓口を2カ所、AIMビルとテクノセンターに設置いたしました。また、本市融資制度の保証率を0.8%からゼロ%にいたしました。また、本市融資制度の最低金利となる0.9%を適用するなど、迅速な対応に努めております。 今後の経済対策であります。
新型コロナウイルスの影響は、日々刻々と変化をしております。今後、急ぎ商工会議所ともしっかり連携をして、市内の製造業、観光業、飲食サービス業などに対し、必要な経済対策に関するヒアリングを行い、国に要望をしてまいります。国は、緊急経済対策として、4月にも、定額給付金、ポイント還元、児童手当の拡充、旅行費の割引、中国依存のサプライチェーンの見直し支援などを行う検討に入ったという報道があります。これら国の経済対策は、自治体で行うことになる政策も多いことから、国の動きと連動して、遅滞なく取り組んでまいります。また、延期となったイベントや宿泊者増につながる新規イベントの開催、商店街の振興策など、企業などへのヒアリングを参考に、消費喚起につながる本市独自の振興策の検討も進めます。いずれにしても、経済活性化のために全力を挙げて取り組んでまいります。 次に、来年度当初予算案でどのような収支改善を行ったか、今後の財政運営の基本はどうかという御質問であります。 令和2年度の編成に当たりましては、喫緊の政策課題に適切に対応し、本市の成長を促し、将来の税源かん養につながる新たな政策を積極的に盛り込んでおります。一方で、既存事業の必要性、成果の精査により、歳出の伸びを抑制しつつ、歳入面では徹底した財源確保に取り組むことに心を砕きました。 具体的には、本市の成長を促す政策としては、オフィス環境整備や設備投資を促す助成制度の創設拡充による企業誘致の促進であります。また、北九州空港の航空貨物の拠点化や路線の誘致であります。また、国際展開も含めた環境ビジネスの推進、また、風力発電関連産業の総合拠点化、更に、U・Iターンや第2新卒など、若者及び外国人材の地元就職支援など、将来の税源かん養につながる政策を盛り込んでおります。 一方で、収支改善としましては、事業内容の精査など、持続的な事業の見直しや、職員数の削減、公共施設マネジメントの取り組みによる施設の廃止、宿泊税の導入など新たな財源確保、土地開発基金など保有する基金の有効活用など、歳入歳出両面からの収支改善に取り組み、一般財源ベースで22億円の財源を捻出しております。 今回改定いたしました中期財政見通しを踏まえますと、少子・高齢化の進展による社会保障関係経費や公共施設の維持補修費の増加などによって、収支不足が生じる傾向は続くと見込んでおります。新たな政策と収支改善の双方を、毎年度の予算編成の過程で着実に実現していくことが必要と考えております。そのため、今後も本市の成長を促し、将来の税源のかん養につながる政策へ重点化を図り、歳入面におきましては、国の補正予算などの有利な財源の活用や、市の未利用地の更なる売却、既存基金の整理統合による活用など、徹底した財源の確保に努めます。同時に、歳出面におきましては、選択と集中による事業のスクラップ・アンド・ビルドや、予算執行段階での不要不急な支出の抑制など、不断の収支改善を継続し、持続可能で安定的な財政運営の確立に努めてまいります。 次に、小倉、黒崎など本市の中核となっている地域について、将来を見据えたまちづくりが今後必要になると思うがどうかという御質問でございました。 本市では、元気発進!北九州プランにおいて、小倉都心部を200万人規模の北九州都市圏の中核として、また、黒崎副都心を市の西部地域における広域集客拠点として、まちづくりを進めることにしております。小倉都心部につきましては、昨年から行ってきたIRの議論におきまして、事業者の提案から、JR小倉駅新幹線口における土地の利用につきまして、大きな可能性があるということを再認識できたところです。また、工藤会総本部事務所の撤去に象徴されるように、暴力団情勢が劇的に変化を遂げたこともあり、高機能なオフィス需要の増加や民間による新たな開発が起こりつつあります。 一方、黒崎副都心ですが、メイト黒崎の破産の件に代表されるように、商業の環境が非常に厳しい局面を迎えております。商店街周辺におきましては、老朽化したビルや駐車場などの低未利用な土地が多い状況にあります。しかし、八幡西区役所跡地や黒崎ひびしんホール周辺などではマンションが建設され、あわせて、スーパーを初めとした生活利便施設の立地や、クリニックなどの医療機関の集積が進んでおります。最近では、駅に近い商店街周辺におきましても新たにマンションが建設されており、地区の居住人口は増加しつつあります。 御提案の小倉、黒崎以外でも、東田地区のスペースワールド跡地で、イオンモールが2022年春のオープンを目標に、アウトレットを核とした観光拠点施設の開発計画を進めております。御承知のとおり、東田地区には、いのちのたび博物館、環境ミュージアム、北九州イノベーションギャラリーなど、博物館の施設が集積していますが、これらに加え、新科学館をイオンモールの新施設敷地内に整備する予定です。 このように、小倉、黒崎や東田の3地区では、民間による開発の意欲や、都市イメージを大きく向上させる新たな変化が生じてきております。そこで、来年度早々に、関係局で構成する検討会議を庁内に立ち上げまして、関係者と意見交換を行いながら、将来の町の姿を議論し、まちづくり構想を策定していくことにしております。 次に、空港の機能強化、利用促進につき、3,000メートル級滑走路の実現について御提案がありました。 本市では、平成26年度に北九州空港将来ビジョンを策定し、将来像の一つとして、九州、西中国の物流拠点空港を掲げております。24時間空港の強みを生かし、貨物路線誘致や集荷に努めた結果、一昨年6月、ANA Cargoが、また、昨年11月には大韓航空が就航いたしました。また、本年1月には、特殊大型貨物の輸送で世界的な企業でありますロシアのボルガ・ドニエプル航空と、北九州空港利用促進に係る覚書を締結いたしました。 このように、路線が充実し、大型案件の引き合いもふえつつある一方で、滑走路の長さ不足のために大型貨物機の就航に至らなかった事例が発生しております。また、貨物専用エプロンや上屋が狭あいであり、空港周辺に物流事業者が立地していないという課題もあります。 こうした課題を解決するための起爆剤となるのが、滑走路の3,000メートル化であります。これにより、大型貨物機による北米、欧州等への直行便の運航が可能となります。新規路線の就航や貨物量の増加が見込まれます。路線数や貨物量が増加すれば、今後、土地成り化される広大なスペースも活用し、貨物専用エプロンと上屋の拡充や、物流事業者の集積につながることが期待できます。その上、大型貨物機が一定期間駐機できるようになれば、北九州空港を駐機拠点として世界へ貨物機を運航することが可能になります。将来的には、フェデックスやUPSに代表される、自社で航空機を保有し貨物の集荷から配送まで一貫して行う大規模物流事業者、インテグレーターの拠点となる夢も広がってまいります。加えて、こうした物流の拠点化が実現することで、航空貨物の主力である半導体、精密機械などを生産する企業を北九州市内に誘致するポテンシャルも飛躍的に高まると考えております。 このように、滑走路の延伸がもたらす物流の拠点化は、物流事業者の集積や製造業の誘致による産業振興、雇用増などの好循環をもたらし、まち・ひと・し
ごと創生総合戦略の実現にも大きく貢献し得るものであります。空港将来ビジョンで掲げた、九州、西中国の物流拠点空港の実現のためには、議員御指摘の滑走路の延伸が大きな推進力となります。今後も、関係機関、関係事業者との連携を密にしつつ、物流拠点化の実現に向けてまい進をいたします。 次に、社会動態のプラスに向けて市長の決意を問うという御質問でございました。 平成27年に策定した第1期の北九州市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略では、女性と若者の定着などにより社会動態をプラスにしていき、地方創生の成功モデル都市を目指すという基本方針に基づいて、若者の地元就職促進を初め、定住・移住やU・Iターン関連の取り組み、子育て支援など、全庁挙げて取り組んでまいりました。具体的には、九州・山口一円の大学、高専、工業高校などを訪問しまして市内企業や町の魅力をPRする学生就職応援プロジェクトであります。また、早い段階からのキャリア教育により地元企業への理解を深める北九州ゆめみらいワークなどを継続的に実施することで、若者の地元就職の促進に努めてまいりました。 また、定住・移住の推進に向けましては、移住希望者向けの会員制度である北九州市すまいるクラブや、本市での暮らしを体験していただくお試し居住、本市での就職希望者を支援するU・Iターン応援プロジェクトなどの取り組みを進めてまいりました。特に、社会動態プラスの実現に向けましては、トップセールスが重要と考え、企業誘致や市内企業への就職の流れを加速させるべく、私も企業や学校を訪問したほか、大学での講義なども行い、町の魅力をしっかりと伝える努力を続けております。 こうした取り組みの結果、令和元年の社会動態はマイナス365人、地方創生の取り組みをスタートした平成27年と比べると約85%改善しております。ただし、その内容は、外国人の転入が社会動態を押し上げている傾向にあり、日本人の転出超過は改善傾向にあるとはいえ、いまだ課題であります。 そこで、第2期の総合戦略の策定に当たりましては、特に若い世代の東京圏、福岡市等への転出に歯どめがかかっていない課題を解決するため、若者の定着、魅力ある仕事の創出の取り組みを強化することにいたしました。具体的には、IT関連企業など、若者が働きたくなる企業の誘致に向けて、オフィス環境の整備を行うビル所有者に対し、改修費用の一部を補助する制度を創設することにしております。また、若者の地元就職促進に向け、市内企業の採用力向上の支援や採用情報の発信強化に取り組むほか、市内企業の若手社員と学生との交流会やインターンシップの実施に加え、就職決定に大きな影響力を持つ保護者や教員などへのアプローチを実施するなど、市内学生の地元就職の取り組みを進め、若者が魅力を感じて働ける町の実現を目指してまいります。あと一歩のところまで来ております社会動態プラス、この目標に対しまして、私も先頭に立って、引き続き果敢に立ち向かってまいります。 次に、
子ども医療費支給制度の拡充について御質問がございました。 通院医療費の助成を更に拡充することにつきましては、多額の財源が必要となる上、県の助成対象は小学校6年生までとなっており、全額一般財源で賄う必要があるため、安定的な財源の確保が課題でありました。そのため、必要となる財源の確保のため、これまで国に対しては、助成制度の創設について働きかけを行ってまいりました。また、県に対しても、市議会の皆様に力強い後押しをいただきながら、助成対象を中学生まで拡充するよう強く要望してきたところであります。 このような中、令和元年12月の県議会におきまして、自由民主党の質問に対し、県知事が、令和3年度当初より助成対象を中学生まで拡充し、また、補助率は、中学生部分について、政令市も2分の1とするということを表明されました。これは、財源でいいますと、北九州市で2億円、福岡市で3億円、それ以外の市町で7億円、合わせて毎年12億円の大きな予算を必要とする決断であります。知事の英断に対して心から感謝を申し上げたいと思っております。 市議会自由民主党・無所属の会並びに自民の会はもとより、市議会各会派、そして藏内元会長を初めとする自由民主党福岡県議団や県議会各会派、福岡県など、御尽力いただきました全ての皆様方に、関係機関に、心から御礼を申し上げます。 今回の県の制度拡充により、中学生の医療費につきましても県から補助が得られるようになり、一定の財源が確保できることから、今後、議会の皆様の御意見も伺いながら、本市におきましても令和3年4月の制度改正を目指し、中学生の通院を助成対象とする
子ども医療費支給制度の拡充を進めてまいります。 次に、折尾地区総合整備事業につきまして、高架下多目的交流施設について御質問がございました。 折尾地区総合整備事業の実施に当たりましては、これまで地域住民や学生などからさまざまなアイデアや意見をいただきながら取り組んでまいりました。折尾駅高架下の施設については、平成30年度に、住民などを対象としたアンケート調査や地元大学生との意見交換を行ったところ、特に希望が強かったのが多目的交流施設でありました。市としましても、この事業により、町の姿が大きく変わる中、折尾の歴史、事業の経緯、成果を後世に伝えるとともに、今後のまちづくりを地域主体で進めていくため、拠点となる多目的交流施設の整備が必要と考えております。 そこで、今般、JR九州との協議により、新駅舎西側の高架下の一部を市が公共施設用地として利用できるようになりました。また、鹿児島本線本切りかえ後の令和3年度から高架下に施設整備が可能になる、こうしたことから、来年度予算に多目的交流施設の設計費を計上いたしました。 施設の内容でありますが、まず、折尾の歴史や整備事業の成果などを発信できる展示機能であります。また、地域住民などがまちづくり活動などで利用できる会議室機能であります。更に、誰もが気軽に立ち寄り利用できるフリースペースであります。こうしたイメージを考えておりまして、今後、地域住民や学生などからも意見を伺いながら、詳細を検討してまいります。 今後のスケジュールでありますが、来年度、実施設計を行い、令和3年度の工事を経て、隣接して整備する八幡図書館折尾分館とともに、令和4年度に施設をオープンする予定であります。この施設が、将来を見据えた住民主体の地域活性化やにぎわいづくりの拠点として幅広く活用されるよう取り組んでまいります。 残余の質問は、教育長そして関係局長からお答えさせていただきます。
○議長(村上幸一君) 教育長。
◎教育長(田島裕美君) 教育問題に関しまして3件お尋ねいただきましたので、順次お答えいたします。 まず、
新型コロナウイルス感染症について、新学期を迎えるに当たって児童生徒や保護者を精神的にきちんとサポートすべきとのお尋ねに対してでございます。 国の動向を受けまして、本市教育委員会といたしましては、子供たちの健康、安全を第一に考えて、感染の拡大防止を図るために、3月2日から3月24日までの間、小・中・高、特別支援学校の一斉臨時休業を決定したところでございます。一方で、議員御指摘のように、長期の休業措置に伴って、環境の変化や外出できないストレスなど精神的な不安を抱えた児童生徒や保護者への対応は、我々としても大変重要だと認識しております。 そのために、各学校におきまして、まさに本日3月16日からでございますが、来週月曜日23日までの間に登校日を設けまして、各学校で心のアンケートを実施して、児童生徒の心の健康状態を把握するなど、必要に応じた心のケアを行ったり、また、心身の健康保持に向けたリフレッシュ運動等を実施するために運動場などを開放したり、また、新学期に向けた生活リズムを整えるために、生活面や学習面での指導を行うこととしております。更に、休校中の学習などにおける不安を解消するために、教育センターのウエブページにおきまして、子供の学習面の活動を支援するために、休業中の家庭学習教材といたしまして、家庭のパソコンなどでダウンロードできる学習プリントを提供したり、あるいは、運動面の活動を支援するために、家庭でできるスポーツメニューを紹介したりするなど、児童生徒や保護者の不安に対応したさまざまな取り組みを行っております。 今後、新学期を迎えるに当たっても、児童生徒や保護者の不安に対応するために、学年末の教員間の引き継ぎをしっかりと行うとともに、必要に応じてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとも連携いたしまして、チーム学校として十分な対応を行っていくようにしてまいりたいと考えております。 続きまして、教育行政につきまして、ICTとトイレ整備の2点についてでございます。 まず、1点目です。小学校の早期のタブレット導入について、目標値と、整備の考え方についてお尋ねをいただきました。 平成30年6月に閣議決定をいたしました国の第3期教育振興基本計画におきまして、ICT利活用のための基盤整備に関する指標といたしまして、
学習者用コンピューターを3クラスに1クラス分程度の整備をすること、また、普通教室における無線LANの100%整備などが目標として上げられております。国の目標値に対する本市の状況でございますが、学習者用のコンピューターにつきましては、令和2年度当初予算に計上しております小学校及び特別支援学級向けのタブレット整備によりまして、約4.5人に1台の割合となります。また、普通教室における無線LANの整備ですが、令和元年度2月補正予算で予算計上を行いまして、来年度中には100%整備を目標としております。 ICTの支援員についてですけれども、国の目標では1校当たり月5回程度でございますけれど、本市では、従来の月に1回の派遣に加えまして、タブレットの整備事業の中で、5年間で30回の派遣を計画しているところでございます。これによりまして、国の目標値には現時点では及びませんけれども、タブレット配置の初期に集中して派遣することや、あるいは、ICTリーディング校での実績を踏まえた導入前研修などによりまして、効果的な活用を行いたいと考えております。 1人1台端末に向けての整備でございますが、昨年12月に文部科学省が公表いたしましたGIGAスクール構想の実現のために、国の計画では、令和2年度に校内ネットワークの整備を行って、令和5年度までには1人1台端末の整備を終えるということになっておりますが、本市におきましても、そのスケジュールに沿った整備を行う方針でございます。このため、補助の措置要件として示されております地方交付税を活用した3クラスに1クラス分の端末整備計画を含めました新たな整備計画を令和2年度中に策定いたしまして、国における財政支援を有効活用しつつ、令和5年度までには児童生徒1人1台の端末の整備を目指してまいります。 教育行政の最後でございます。学校施設環境改善交付金の仕組みと、今後の学校トイレ整備事業についてお尋ねをいただきました。 学校施設環境改善交付金とは、地方公共団体が学校施設の整備をするに当たりまして、その実施に要する経費の一部を国が地方公共団体へ交付するものでございます。文部科学省は、この交付金の交付に当たりまして、毎年6月ごろ、建築計画について地方自治体に調査を行います。この調査を最重要資料と位置づけて、翌年度の予算要求額を決定するものです。その後、財務省との折衝を経まして、翌年の4月に交付金額の内定を出すために、翌年度、国へ交付金申請をする場合には、必ずこの6月ごろの建築計画に計上しておく必要がございます。 このように、計画を提出して採択されるまでに1年弱を要して、採択時期のおくれは事業着手に著しい支障が生じることにつながります。このために、事業採択時期の早期化を、本市から国に対する提案や、あるいは全国施設主管課長協議会などを通しまして、国へ働きかけているところでございます。 予定しているトイレ整備についてでございますが、本市の令和2年度の建築計画におけますトイレ整備事業の申請は、小学校7校、中学校3校の合計10校を対象に行っております。現在、その採択待ちの状況でございます。 本市のトイレの洋式化率ですが、100%近くになっている学校がある一方で、最も低い学校では17%程度と、学校によって大層ばらつきがあるために、早急な対策を講ずる必要があると考えております。このため、今後、トイレの改修事業におきましては、床の乾式化や、換気扇や配管の改修までという全体的な改修ではなく、便器の洋式化とブースの改修のみを行うことによって、改善を早急に図ってまいりたいと考えております。 本市といたしましては、学校施設のトイレの洋式化は重要な課題であると認識しております。このために、事業を迅速に進めるためにも、今後とも国に対して国庫負担等事業量の確保や事業採択の早期化を働きかけてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(村上幸一君) 産業経済局長。
◎産業経済局長(鮎川典明君) まず、クロサキメイトについてお答えいたします。 メイト黒崎の保全管理人によりますと、2月末までの期限で営業譲渡先を探していたが、引受先が見つからず断念したということでした。本市としては、4月末の閉店に向け、テナントへの支援、雇用対策に全力で取り組んでいくこととしております。 具体的には、1月30日には、経営と雇用に関する相談窓口を設置しています。2月3日からは、市職員が80の全入居テナントを訪問し、移転の希望等のヒアリングを行っています。移転希望については、約6割の46店舗で、そのエリアは、黒崎周辺、駅前立地などの希望があってございます。従業員の方については、退職等の予定は全体の約4%であります。今現在、資金繰りやテナント移転先の案内など、個別具体的な相談に応じているところでございます。また、商店街への移転補助の拡充、融資保証料の全額補填といった支援メニューに加え、3月11日には、クロサキメイト内にテナントの経営相談窓口、従業員の方の再就職の相談窓口を設置しております。 今後の対応でございますが、まず、保全管理人に対しては、
クロサキメイトビルは駅前の一等地にあることを念頭に、黒崎の活性化につながり、町の顔にふさわしい処分先を選定していただくよう申し入れをしております。4月末の閉店後に、裁判所がメイト黒崎の破産決定を行い、裁判所が選任する破産管財人のもとで、
クロサキメイトビルの土地、建物の不動産を含め、財産が処分されていくこととなります。このため、本市としては、まず、他の地権者との合意形成の推移を見守るとともに、地元関係者からの要望に対してはしっかりと耳を傾け、黒崎の町の活性化につながるよう、できる限りの支援をしてまいります。 続きまして、ジップラインについてお答えいたします。 本市はこれまで、下関との連携を行っており、関門海峡花火大会や巌流島フェスティバルなど、さまざまな分野で官民一体となった事業を行ってきております。議員御案内の関門海峡のジップラインは、関門海峡にワイヤーを張り、下関の火の山からハーネスをつけワイヤーにぶら下がって和布刈地区におりてくるもので、下関の民間事業者が計画し、建設、運営していくと聞いております。また、着地点の和布刈からは、トロッコ列車や関門連絡船などを活用した4時間程度の関門周回コースプランの販売や、着地点の和布刈地区において地元の特産物のPRなども行う計画で、本市の観光振興にも寄与するものとなっております。実現すれば、民間事業者の計画では、年間2万人程度の新たな観光客が訪れることになります。その利用者に、門司港レトロ地区だけではなく、小倉城や皿倉山などの本市観光地を回遊していただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。 また、ジップラインは、特に欧米人に人気があり、関門海峡の景色がSNSを通じて発信され、世界に売り出すコンテンツになると考えられます。今後も、関門の両市が連携してさまざまな情報を発信することによって、関門のブランド化と観光客誘致を積極的に進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(村上幸一君) 港湾空港局長。
◎港湾空港局長(辻誠治君) まず、北九州空港の軌道系アクセスとバスアクセスに関する御質問についてお答えいたします。 北九州空港アクセス鉄道については、空港利用者への利便性向上を目的に、平成13年度から、事業化へ向けた検討を行ってきました。平成22年度に取りまとめた検討結果では、事業採算性を確保するためには、ある条件のもとでの設定で、最も事業採算性のよい新門司を通る在来線型では約300万人、新幹線タイプである高規格型では約810万人の航空旅客数が必要であるという結果を得ております。これを踏まえ、調査は平成22年度で一旦休止し、航空旅客数が200万人を超えた際に検討を再開するということにしております。 他の空港では、近年の訪日旅客の増加や空港経営改革などの社会情勢の変化を踏まえた動きも見受けられます。北九州空港についても、調査から10年近くたち、空港を取り巻く環境も大きく変わってきております。まずは、空港利用者数200万人を目標に全力で取り組み、状況を見ながら本格的調査に着手したいと考えております。来年度は、その事前準備として、既存検討ルートの現地調査などを行い、環境変化の確認を行いたいと考えております。 次に、アクセスバスについては、来年度、宿泊税を活用して、小倉線を1日10往復増便するための予算を計上しています。人手不足という課題はあるものの、ことし10月からの増便を目標に、例えば20分置きなど一定間隔で運行するパターンダイヤも、運行事業者とともに検討していきたいと考えております。 いずれにしても、鉄道やバスによるアクセス機能の強化の検討を進め、北九州空港の更なる利便性向上へ向けて取り組んでまいりたいと考えております。 続いて、北九州空港と福岡県、福岡空港との連携に関する質問についてお答えいたします。 本市の北九州空港将来ビジョンや、福岡県の空港の将来構想では、本市、福岡県、ひいては九州全体の発展に寄与できるよう、増大し多様化する航空需要に幅広く応えるべく、福岡空港と北九州空港の役割分担と相互補完を基本的な考えとしております。この考えに基づき進めてきた取り組みの成果を踏まえ、昨年の市長と福岡県知事とのトップ会談において、今年度から3年間を新たに北九州空港の
ネットワーク充実強化期間と位置づけ、今以上に緊密に連携を図り、路線誘致や集客に取り組むことを合意いたしました。 また、昨年4月から福岡空港の運営を行っているFIAC、福岡国際空港株式会社が、マスタープランや事業計画において、福岡空港の発着枠を超えるエアラインを北九州空港へ誘導することなどを掲げています。本市としては、北九州空港の将来の運営形態の検討に際し、どのような活性化策が提案されるのか、注視をしているところであります。 また、北九州空港には、ANA Cargoに加え、昨年11月には大韓航空による国際貨物定期便が就航したところであり、物流拠点化に向けて、福岡県と連携して集荷促進等に取り組んでおります。更に、本年1月には、本市と福岡県が連携して、ロシアのボルガ・ドニエプル航空と北九州空港の利用促進に係る覚書を締結するなど、北九州空港の物流拠点化に向け、大きなインパクトを与えたものと実感しております。これによって、九州全域、西中国の貨物を広く取り込んで国内外へ輸送する拠点として、大きな可能性が出てきます。これは、県内のみならず九州全体の発展に寄与するという福岡県の構想の実現にもつながります。 いずれにしましても、福岡県、福岡空港との連携を今まで以上に密にし、更なる北九州空港の活性化に努めてまいりたいと考えております。以上になります。
○議長(村上幸一君) 企画調整局長。
◎企画調整局長(大下徳裕君) 3点、順次お答えいたします。 まず、社会動態プラスに向けた取り組みのうち、町の
ブランドイメージ向上のために効果的に5Gを活用することについてでございます。 5Gは、第5世代の移動通信システムとして、超高速、超低遅延、多数同時接続といった特徴を有しております。このような特徴を踏まえて、情報発信の分野では、例えば博物館や観光地のバーチャルツアー体験、バーチャルリアリティーを活用した移住体験、祭りや大規模イベントなどの臨場感あふれるライブ中継といった活用が想定をされます。 本市では、本年の1月にNTTドコモと、5Gやビッグデータの活用についての連携協定を締結しまして、5GやXRといった新技術を活用し、小倉城での観光実証イベント、リフレッシュ休暇などをとりながら仕事が行えるワーケーション体験会といった事業に、全国に先駆けて取り組んでいくこととしております。5Gは、産業やまちづくり、医療、防災などの多くの分野で変革をもたらすことが見込まれております。また、情報発信の分野におきましても、SNSやユーチューブに次ぐ新たな情報ツールを生み出す可能性を秘めております。このため、NTTドコモとの実証事業を踏まえつつ、この春から開始をされます大手通信事業者の5G商用サービスの先行事例も調査しながら、都市
ブランドイメージを含め、5Gがどのような分野で導入可能かなど、調査研究に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、公共施設マネジメントのうち、まず、門司港地域のまちづくりについてでございます。 複合公共施設の整備予定地は、門司港駅舎や九州鉄道記念館に隣接し、栄町商店街、門司港レトロ地区の観光施設、海峡ドラマシップなどの施設がございます。また、最近の動きとして、旧JR九州本社ビルを活用した宿泊施設や、港湾用地に温浴と商業の複合施設の計画もあり、広域観光拠点として魅力ある集客施設が数多く存在をしております。複合施設がこれらの施設と緊密に連携することで、新たなにぎわいや市民活動が創出され、相乗効果が期待できます。門司港地域の中核施設として、歴史、文化を生かし、訪れたい町、住みたくなる町を目指してまいりたいと考えています。 今年度、基本計画を踏まえまして、簡易型のプロポーザルを行いました。基本設計の事業者を選定いたしました。この技術提案をもとに、関係者と調整をいたしました結果、施設利用者の利便性、にぎわいづくり、それとレトロ地区の景観に配慮した施設配置計画に変更し、基本設計の素案といたしました。今後、この素案をもとに、施設を利用する市民や団体との意見交換に加え、複合公共施設に必要な機能、役割、使い方などを議論するワークショップを開催しまして、多くの市民が愛着を持つ新しい複合公共施設となるよう、市民意見を把握しながら基本設計を取りまとめたいと考えております。 また、集約施設の跡地利用、特に門司区役所について御指摘がございましたが、国の登録有形文化財に指定をされておりまして、歴史的な価値や眺望を生かした門司港地域の活性化につながる活用が望ましいと考えております。このため、来年度、利活用に関しての具体的な提案などを求めますサウンディング調査を実施し、その結果を踏まえて、利活用策について検討を行うこととしております。 最後に、大里地域のまちづくりについてでございます。 大里地域では、令和10年度ごろを目標に、民間事業者による新たな居住空間、多方面から多くの市民が憩いの場として訪れる公園、健康づくりに寄与する周辺の体育施設を集約した複合公共施設を整備するもので、多様な世代が住む、にぎわい空間のあるまちづくりの実現に向け取り組んでいるところであります。このうち、居住ゾーンにつきましては、公募型プロポーザルにて選定いたしました第一交通産業グループから、戸建て住宅20戸、電気自動車用の充電用の駐車場を備えた共同住宅80戸の整備と、食品や日用品などを幅広く扱う商業テナントを整備する複合開発の提案を受けました。この計画は、居住人口の増加に加えまして、環境負荷の軽減や地域住民の利便性向上などのさまざまな効果があり、令和5年度の完成を目途に開発が進められる予定でございます。 次に、大里公園の拡張、リニューアルにつきましては、子供たちが楽しく安全に遊べる遊具や、スポーツ、レクリエーション、イベントなどにも活用できる芝生広場などを整備する計画で、今年度、既に工事に着手しておりまして、令和5年度の完成を目指し、工事を進めてまいります。 最後に、周辺のスポーツ施設を集約する複合公共施設につきましては、対象施設の更新時期が到来した年度、令和5年度となりますけども、整備に当たりましては、各施設の方向性等を踏まえ、今後、具体的な内容を検討することとしております。 なお、整備に着手するまでの間は、暫定的な広場として活用することとしており、令和3年度に一般公開したいと考えております。 いずれにいたしましても、この門司区の2つのプロジェクトは本市の先導的な事例となることから、今後とも、懇話会を初め市民や議会の意見を踏まえ、門司区全体の活性化に資するように進めてまいります。答弁は以上でございます。
○議長(村上幸一君) 11番 中島議員。
◆11番(中島慎一君) ありがとうございました。時間が多少ありますので、空港のことを少しお話しさせていただきたいと思います。 昨年も私が代表質疑で言いましたけれども、若い人たちが次の世代に向かって夢を抱く、描く、そんな町にしたい、そのためには空港を明るいものにしなければならない、特に3,000メートル化をすることによってあらゆる可能性が北九州市に広がってくるということを言いましたので、ぜひとも市長もその辺のところを考えていただいて、3,000メートルに恐らくなると思いますけれども、そうなった折には、どういう夢が広がってくるのか、その思いがありましたらぜひ言っていただきたいと思います。
○議長(村上幸一君) 市長。
◎市長(北橋健治君) 先ほどの答弁でも、これからいろんな可能性が3,000メートル化が実現すると広がるということで申し上げたところでございますが、かつて衆議院議員のころに、超党派の議員連盟がスタートいたしまして、北九州空港の早期開港に向けて、麻生太郎会長を先頭にみんなで汗をかいたことがございました。あのころもよく臨海コンビナートと言われましたが、これからは臨空コンビナートの時代がやってくるなあと。空港が、人、物、いろんな流れというものを大きく左右する時代がやってくると。この空港というのは、北九州の将来の大変大きな可能性のかかったプロジェクトなんだと。当時から、それぞれの各党の議員の皆さん方と一緒になってやってきたわけであります。ただ、実際は、新たな確実な需要がないと、この滑走路の延伸のインフラ投資というのは慎重を期さざるを得ないという、そういう国土交通省の内規もございまして、いかにしたらこの新たな確実な需要を我々なりにつくり、それを政府に見ていただいて、ゴーが出るかということで、苦心をして、今日に至ったところでございます。 先ほど申し上げましたように、MRJの、実際のところもっと早く、数年ぐらい前にはプロジェクトがスタートするという予測もございましたけども、必ずそういうものもうまくいくと思いますし、そして、空港のあるところに、特に貨物、24時間であるということの強みというのは、モノづくりと同様に物流という意味におきまして大変大きな可能性、つまり雇用、経済の富という意味におきまして大変重要な拠点になっていくものと確信を持っております。ぜひ先生方のお力をおかりいたしまして、北九州市民の悲願でもございますので、3,000メートルになれば、洋上風力や環境や、ほかの都市には見られない大きな強みとして、西日本でも最大級のポテンシャルを持った社会インフラが実現に向かっていくわけでございますので、ぜひそれを実現して、次の地方創生の大きなステップを踏み出したい、このように考えております。
○議長(村上幸一君) 11番 中島議員。
◆11番(中島慎一君) ありがとうございました。大きな夢を語っていただきまして、ありがとうございます。 3,000メートル化、恐らくなると思いますけれども、これで終わりではありません。3,000メートル化になった折に、調査費がつきます。そしてその後に、RESAによって滑走路の延長ということもあります。それに向かって、まだまだしなければいけないことがたくさん我々議会には残されておりますので、空港特別委員会委員としてもそれに向かって走り出そうと思っておりますので、御協力のほどよろしくお願いします。 それと、コロナウイルスですけれども、市民の皆さん方がいろんな意味でパニックになっております。特に情報量という面では、大変そこのところがありますので、記者会見の時間等々を置いて、いつその情報を流していくかということはしっかりと市民の皆さん方の様子を見ながら発信していくことを心からお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。よろしくお願いします。
○議長(村上幸一君) ここでしばらく休憩いたします。再開は午後1時といたします。 午前11時30分休憩 午後1時00分再開
○副議長(岡本義之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 代表質疑を続行いたします。公明党代表、14番 山本議員。
◆14番(山本眞智子君) 皆様こんにちは。テレビをごらんになっている皆様、公明党の山本眞智子でございます。
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、議会としても、開会中の定例会の日程を変更し、一般質疑を取りやめて対応させていただいていますが、このようなことは議員生活20年目にして初めてでございます。また、本市におきましても、今のところ感染者1名に抑え込んでいますが、いつどこで新たな感染が起こるかわからないという大変な状況の中、市長をトップに執行部が一丸となり、感染拡大の防止に向けた対策を初め、
新型コロナウイルスに関するあらゆる事態の対応に昼夜にわたって奮闘されていることに心から敬意を表します。 一日も早く事態が収束し、市民の皆様の平穏な生活が取り戻せるよう、私たち議員も執行部の皆様とともに力を合わせてこの難局を乗り越えてまいりたい、このように決意しているところであります。一日も早い終息を切に願いまして、公明党議員団を代表して代表質疑を行います。 まず初めに、
新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いします。 昨年12月以降、中国を発生源とする
新型コロナウイルスが世界各地で急速に広がり、依然として感染拡大が収束する見通しは立たず、アジア地域を初め欧米においても大規模な感染が確認され、世界的な感染拡大のリスクが非常に高まっております。日本国内においても、水際での対策を講じてきていますが、複数の地域で、感染経路が明らかでない患者が散発的に発生しており、政府や各自治体において、急速な感染拡大を抑制する対策が講じられております。 3月1日には、本市で初めて
新型コロナウイルスの感染者が確認され、警戒感が一層強まりました。その翌日、3月2日からは、政府からの要請を受けて、全ての市立小・中・高、特別支援学校を臨時休業とし、それに伴い、市内132の放課後児童クラブでは朝8時半からの利用を可能としています。また、市内でのイベント開催については、市主催のものは原則中止又は延期、市以外が主催するイベントについては中止又は延期の検討を要請するなど、さまざまな場面で感染拡大を防ぐための対応がなされていますが、一方で、そうした現場や家庭においては混乱が生じていることも事実であります。 また、本市経済についても、宿泊業や飲食業、小売業では予約のキャンセルが相次ぎ、運輸業では輸送人員が大きく減少、製造業では部品調達等が困難になるなどの悪影響が出ている中、市内事業者向けのワンストップ相談窓口を設置し、中小企業融資の信用保証料をゼロにするとともに、貸出金利を0.1%引き下げる融資制度を開始するなどの対策に乗り出しました。刻一刻と状況が変化する中で、市として必要な情報を迅速に収集するとともに、効果的な対策を継続的に実施できるよう最大限努力いただきますことを要望し、3点お伺いいたします。 1点目に、
新型コロナウイルス感染症に対する緊急の対応として、本市も相談体制の充実や検査体制の強化など、これまでも鋭意取り組んできました。今後、年度をまたいで、感染拡大防止策や経済対策など、本市としても
新型コロナウイルス感染症によるさまざまな影響への対策が求められます。 こうした中、対策を強化し、継続的に実施していくために、どのように財源を確保していく考えなのか、お聞かせください。 2点目に、WHOの知見によると、潜伏期間は1日から12.5日とされており、未感染者については14日間にわたり健康状態を観察することが推奨されています。また、2月27日、政府は、国内の感染拡大を防止するために、この1~2週間が極めて重要な時期であるとの見解を示しました。 市内で感染者が発覚した3月1日から、本日でおよそ2週間となります。その間、本市では、感染拡大を防止するためのさまざまな対策に取り組んできましたが、正念場とされる2週間が経過し、市長は現在の状況をどのように受けとめておられるのか、見解をお伺いします。 3点目に、2003年に流行したSARSや2009年の新型インフルエンザなど、今や、いつこのような新型ウイルス性疾患が猛威を振るうかわかりません。今回のことを教訓とし、この先また起こり得る事態に備えた感染症への対策は、本市にとって大変重要であると考えます。
新型コロナウイルス感染症が終息を迎えた段階で、今回生じたさまざまな課題を見詰め直し、将来に向けて感染症対策を強化すべきであると考えますが、見解をお伺いします。 次に、令和2年度予算案についてお伺いします。 本市では、少子・高齢化、人口減少という厳しい状況の中、地方創生の成功モデル都市に向け、若者定着のまちづくりを進めています。昨年は、九州初上陸となる平成中村座小倉城公演の開催や、国指定重要無形民俗文化財に指定された小倉祇園祭の小倉祇園太鼓が400周年を迎えるなど、多くの市民が町のにぎわいを体感することができました。また、ラグビーワールドカップにおけるウェールズ代表チームのキャンプ時の公開練習では、本市のおもてなしを世界に発信することができました。同時に、NPO法人の調査で、本市の子育て環境が高く評価されるなど、本市の都市ブランドの向上も進んでいます。今後もこうした取り組みを確実に進め、本市の発展につなげていただきたいと強く望んでいます。 令和2年度当初予算案を見ると、~SDGs未来都市への挑戦~住みたいまち北九州実現予算をキャッチフレーズとして、誰もが安心して住み続けられるまちづくりを進めるなど、本市が抱えるさまざまな課題に的確に対応されています。特に、高齢者等が住みよいまちづくりの推進や、子育て、教育環境の更なる充実、健康寿命の延伸等にも積極的に取り組むなど、私たちの強い思いがしっかりと反映された内容となっており、評価できるものになっています。 そこで、2点お伺いします。 1点目に、今回提出された令和2年度当初予算案は、北九州市まち・ひと・しごと総合戦略に基づく取り組みなどを着実に推進し、元気発進!北九州プランの総仕上げとして、誰もが住みたい、住み続けたいと実感できる町の実現にまい進するとしていますが、この予算案の中において市長が特に特徴的と考える施策についてお伺いします。 2点目に、本年4月から宿泊税の課税が始まりますが、初年度となる令和2年度の税収は2億7,500万円と見込まれています。我が党はこれまで、この財源をしっかりと観光施策に生かしていただくよう要望してきました。しかし、現在、
新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化しており、我が国を訪れる外国人観光客が減少するとともに、国内においても外出を控える動きが強まっています。本市では、観光客のみならずビジネスの宿泊者数も激減しているとのことですが、こうした中、宿泊税の税収が見込みどおり確保できるのか、私自身心配しているところです。 観光振興の財源としてしっかり税収を確保していくために、どのような対策が必要と考えているのか、見解をお聞かせください。 次に、第2期北九州市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略についてお伺いします。 本年1月31日に総務省が公表した2019年の住民基本台帳人口移動報告では、埼玉、千葉、東京、神奈川で構成する東京圏は、転入者が転出者を14万8,783人上回る転入超過でありました。これで東京圏の転入超過は24年連続となります。一方、名古屋圏や大阪圏は転出超過であったことから、人口の東京一極集中がより鮮明となる結果となりました。 この東京一極集中を是正し、地方創生につなげるために、本市においては平成27年度より第1期北九州市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略を策定し、社会動態をプラスにするという基本方針に基づいて、さまざまな取り組みを推進してまいりました。地方創生の取り組みを始めた平成27年からの社会動態を比較しますと、減少幅は大きく改善し、戦略期間の最終年となる令和元年は、プラスにはならなかったものの、マイナス365人と、5年間の中で最も転出超過数が小さい結果となり、我が会派としては、本市の地方創生の取り組みに一定の成果があったものと認識しています。しかしながら、依然として転出超過の状況が続いており、第2期を迎える北九州市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略において、プラスまでもう一息となったこの流れをとめることのないよう、更に取り組みを強化することが必要であると考えます。 そこで、2点お伺いします。 1点目に、第1期総合戦略の最終年に社会動態がマイナス365人という結果になったことについて、市としてどのように受けとめているのか、また、社会動態を更に改善するため、令和2年度においてどのような施策をお考えになっているのか、御見解をお伺いします。 2点目に、東京一極集中の是正で注目すべきことの一つは、女性の動向であります。政府の分析によると、地方出身の女性は、進学や就職で一旦東京圏に転入すると、定着する傾向が男性に比べて強く、結婚、出産後も地元に戻る動きが少ないとのことであります。理由は幾つか上げられますが、地元企業に対して、希望する仕事がない、責任ある仕事を任せてもらえないなどのマイナスイメージを持つ女性が多いと言われております。 国の男女共同参画基本計画の中でも、地方創生における女性の活躍推進を上げており、女性活躍の視点が欠かせません。したがって、女性が活躍できる環境を整え、女性の持っているマイナスイメージを払拭していくことが、地域の将来にとって極めて重要であると考えます。 そうした中で、本市の第2期総合戦略の基本目標では、女性の活躍を推進することが新たに明記されました。これは、市としてこれまで以上に女性の定着に向けた取り組みを強化していくという決意のあらわれではないかと考えますが、女性の活躍について明記した市長のお考えをお聞かせください。 次に、GIGAスクール構想の実現に向けた本市の取り組みについてお伺いします。 昨年12月、文部科学省は、GIGAスクール構想として、学校ICT環境の抜本的な改善と、ICTを効果的に活用した、子供たちを誰ひとり取り残すことのないよう公正に個別に最適化された学びや、創造性を育む学びの実現を目指していくことを打ち出しました。特に、子供たち1人1台のコンピューター端末と、学校の高速大容量の通信ネットワークについては、特別なものではなく、令和の時代における学校のスタンダードとして、当たり前のものとして整備していくこととされています。 また、昨年6月には、学校教育の情報化の推進に関する法律が成立し、国や自治体が、学校教育の情報化の推進に関する施策を総合的、計画的に策定、実施する責務が明確化されています。今や、仕事だけでなく日常生活を含めて社会のあらゆる場所で、ICTの活用は当たり前のものとなっています。これからの時代を生きていく子供たちにとって、ICTは切っても切り離せないものであることは論をまちません。 ことし4月より小学校から順次全面実施となる新しい学習指導要領でも、情報活用の能力を、学習の基盤となる資質能力としています。ICTを適切に使いこなす力は、今や読み書きそろばんと同じ位置づけと言えます。 昨年12月に結果が公表された、OECDが実施したPISA2018、生徒の学習到達度調査2018年調査では、我が国の子供たちの読解力の低下が話題となりましたが、今回の調査ではコンピューターが本格的に活用され、これまでの読解力に加えて情報活用能力も求められる調査でした。加えて、我が国の子供たちが学校の授業でデジタル機器を利用する時間はOECD加盟国中で最下位である一方、学校外では、ネット上でのチャットやゲームを利用する頻度がOECD平均よりも高く、その増加の程度が著しいことが明らかになるなど、今回のPISA調査は、ICTをめぐる我が国の子供たちの現状と課題が浮かび上がるものとなりました。 ICTの活用により、授業の中心が教師から子供たちになり、誰ひとり取り残されることなく、学びへの興味関心を高めることや、主体的、対話的で深い学び、アクティブラーニングを効果的に実践することができるなど、子供たちが一人一人の理解度や興味関心に応じた学びを受けられるようになります。本市の子供たちが、予測不可能な未来の社会を自立して生きていくとともに、これからの地域や社会の作り手となっていくためには、新たな技術革新や社会変革に対応した学校教育は不可欠であり、そのための早急なICT化が求められています。 そこで、3点お伺いします。 1点目に、文部科学省のGIGAスクール構想の実現のための事業の概要と、本市の令和2年度当初予算案に計上されている教育用タブレット端末整備、令和元年度2月補正予算案に計上されている小・中・高校・特別支援学校の校内通信ネットワーク整備事業の具体的内容についてお伺いします。 また、文部科学省のGIGAスクール構想に対応していくため、本市も積極的に取り組んでいくべきと考えますが、今後、児童生徒1人1台に向けてどのように取り組んでいくつもりなのか、お伺いします。 2点目に、ハードが整備されても、それが教育の現場で効果的に使われなければ意味がありません。教師がICTを効果的に活用できるためにどのように取り組んでいくおつもりなのか、お伺いします。 3点目に、最近では、親の知らないところでSNSなどを使い、さまざまなネット犯罪に巻き込まれる子供がふえていることから、子供たちにICT機器を使わせることによって有害な情報に触れてしまうのではないか、SNSを通じた被害に遭わないか、ネットいじめやネット依存につながるのではないかなど、懸念の声も聞こえてきます。これからの教育の現場でICTを活用していくに当たっては、子供たちがICTを適切に使いこなしていくことができるよう、情報モラル教育の充実や有害情報対策などに取り組んでいくことが一層重要になると考えますが、見解をお聞かせください。 次に、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援についてお伺いします。 我が国では、近年、核家族化や晩婚化が進んでおり、その結果、子供の出産に当たり孤立する母親がふえていると言われています。結婚が遅い場合は高齢出産になることが多く、出産におけるリスクが高まります。仮に心身の状態が不安定になったとしても、自分の親が高齢で介護を受けているような場合には、実家などにも頼れず、孤立することになります。十分な手助けを受けられずに、育児不安や孤立感が解消できなければ、鬱状態や児童虐待などにつながる可能性があると言われます。 特に産後については、子育てに忙しい母親の健康は後回しにされがちで、出産直後は鬱病にかかる女性が多く、日本では、出産した女性のうち9.8%に産後鬱の症状が見られると報告されています。また、産後鬱のような症状がある約80%もの女性が未受診のままの状態でいるとされており、こうした状況を踏まえ、産婦健診の必要性が叫ばれてきました。 このような状況を踏まえ、成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律、いわゆる成育基本法が、令和元年に施行されました。国は、成育基本法を踏まえ、地域における切れ目のない妊娠、出産等の支援を推進するとしています。 我が党はこれまで、市議会での質問を通して、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援の拡充を力強く訴えてまいりました。その結果、妊婦健診公費助成の充実、のびのび赤ちゃん訪問やペリネイタルビジット事業の実施などさまざまな取り組みにより、支援の拡充が図られましたが、今後は、課題が浮き彫りになってきた産後の母親の支援を含め、本市の支援体制をより一層強化していただきたいと切に望みます。 そこで、3点お伺いします。 1点目に、母親が孤立することなく安心して子供を産み育てられるように、今後、本市では、産婦健診や産後ケアを含め、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制をどのように構築していく考えなのか、お伺いします。 2点目に、出産後の母と子への心身のケアや育児相談などを行う産後ケア事業については、母子保健法が改正され、市町村の努力義務とするなど、事業自体が初めて法律上で明確になりました。そうした中、本市の令和2年度予算案では、産後ケア体制強化事業が新規事業として予算計上されていますが、その取り組み内容について、特に産婦健診後の産後ケアについて詳しくお聞かせください。 3点目に、国は令和2年度末までに、妊娠期から子育て期にわたるまでのさまざまなニーズに対して総合的相談支援を提供するワンストップ拠点、子育て世代包括支援センターを
全国展開するとしています。本市では、区役所の健康相談コーナーと子ども・家庭相談コーナーを、組織の垣根を越えたワンストップの相談窓口として、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を実施しているとのことですが、例えば産後の母親が体調に不安があるときに、相談先としてこのどちらかのコーナーを思い浮かべるかといえば、正直なところわかりづらく、なかなか難しいのではないかと思います。 そこで、子育て世代の方々が必要とする支援をしっかりと受けられるように、現在区役所に設置されている窓口を子育て世代包括支援センターと表示するなど、市民が相談しやすいワンストップ窓口にするとともに、その窓口を市民にしっかりとPRしていただきたいと考えます。見解をお伺いします。 次に、黒崎副都心の今後についてお伺いします。 1月24日、井筒屋黒崎店などが入居しているビルの運営会社メイト黒崎が破産申請をしたというニュースが報道され、衝撃が走りました。その後、2月末まで営業譲渡先を探したものの見つからなかったため、4月末にメイト黒崎ビルを閉鎖するとのことです。 こうした中、デパートで働く婦人からは、これからどうなるのですかと聞かれ、また、80歳を過ぎた婦人からは、夫に先立たれひとり暮らしです、カルチャーセンターに通うことが私の生きがいです、何とか残してくださいと頼まれました。私としては、昨年の5月までで閉店する計画もあった井筒屋黒崎店が、規模を縮小して経営を続けていただけに、残念でたまりません。そのビルには、デパートの井筒屋、書店、80にも及ぶテナント、1,000人の受講生を持つカルチャーセンター、350人が働くコールセンター等が入居しており、黒崎副都心の顔として、なくてはならない商業施設です。 振り返れば、黒崎副都心では、2008年7月に国から中心市街地活性化基本計画の認定を受け、それに基づき、ハード、ソフトの両面から官民一体でまちづくりに取り組んできました。具体的には、2001年に開業したもののわずか1年半で閉鎖したコムシティの再生を初め、文化・交流拠点地区として、八幡西図書館、黒崎文化ホールなどを整備したほか、黒崎駅前のふれあい通りやペデストリアンデッキ、そして、撥川の整備にも取り組みました。中心市街地活性化基本計画の期間終了後も、黒崎駅南北自由通路の整備や駅舎のリニューアル、北口駅前広場の整備などに取り組みました。このように、本市がこれまで取り組んできたまちづくりにより、居住環境の向上などが図られ、その結果、町なか居住が進むことで居住人口が増加するなど一定の成果が出ていることは事実ですが、今回のメイト黒崎の破産申請は、黒崎の副都心としての位置づけを揺るがす、余りに大きな出来事であったと思います。 こうした事態を受け、市として黒崎副都心の今後のあり方を真剣にスピード感を持って検討していく必要があると考え、2点お伺いします。 1点目に、黒崎では中心市街地活性化基本計画に基づき、歩行者通行量、居住人口、空き店舗率などの目標を定めて取り組みを進めた結果、一定の成果があったとのことでありましたが、あれから6年がたちました。現時点ではどのような状況なのか、お伺いします。 2点目に、5市合併25周年を迎えた1988年に策定し2005年を最終目標としたルネッサンス構想で、小倉、黒崎はそれぞれ都心、副都心に位置づけられたと聞き及んでいます。あれから30年以上が過ぎ、人口減少、高齢社会を迎えた本市では、経済や社会を取り巻く環境が大きく変わりました。その中で、井筒屋黒崎店の縮小、そして、大きな痛手となった今回のメイト黒崎の破産申請というピンチを乗り越え、時代の変化に沿った新たな黒崎副都心を築いていくことができるか否かは、今後のまちづくりの方向性をどのように定めるかにかかっています。 若者を初め多くの人が住みたい、住み続けたいと思うまちづくりを行っていくために、教育、文化、経済、環境、医療、交通などのさまざまな分野に関する人々のニーズや専門家の意見などにしっかり耳を傾け、地に足をつけた検討を行って方向性を定めるべきと考えます。お考えをお聞かせください。 次に、観光によるにぎわいづくりの推進についてお伺いします。 2019年の日本人国内旅行者数は、延べ5億8,666万人で、前年比4.4%増、うち宿泊旅行が3億1,142万人で前年比7.0%増、日帰り旅行が2億7,524万人で前年比1.7%増となっています。本市においても、観光産業を地域経済の成長を支える極めて重要な産業として、これまでさまざまな観光振興施策に取り組んできており、一昨年の観光客数は延べ2,319万人で、とても多くの観光客が本市を訪れています。 こうした中、令和2年4月1日より、本市が独自で課税する宿泊税が実施されます。これにより、約2億7,500万円の税収が見込め、国からの補助事業等も合わせると約4億5,500万円の財源になります。今後、本市に更に多くの観光客を呼び込むためには、受け入れ環境の整備など課題も多い中で、この宿泊税の財源を十分に生かしていけば、本市の観光施策を更に充実させることが可能になります。本市の観光施策が充実することで、これまで以上に多くの観光客が本市を訪れることを期待し、2点お伺いします。 1点目に、宿泊税による税収をしっかりと確保していくためには、本市に宿泊していただく方をふやしていくことが必須であり、ここで大きな鍵を握るコンテンツが夜型観光ではないかと考えます。そこで、宿泊税の財源を活用して夜型観光をどのようにグレードアップしていくつもりなのか、見解をお伺いします。 2点目に、一昨年10月、本市は日本新三大夜景都市として認定されました。本市には、広大なパノラマ夜景が見渡せる皿倉山、若戸大橋のライトアップや工場夜景、門司港レトロなど、ほかにはない夜景観光の資源がたくさんあります。そこで、これらのすばらしい夜景観光資源を点ではなく線で結び、相乗効果により、お互いの魅力を高められるように、ストーリーを設定して回遊性を持たせるなど、観光客の滞在時間をより長くするような取り組みが必要になってくるのではないでしょうか。見解をお伺いします。 次に、就職氷河期世代の支援についてお伺いします。 これまで日本では、戦後の第1次ベビーブームで団塊世代が生まれ、その子供である団塊ジュニアが1970年前半の第2次ベビーブームで生まれました。そういった流れから考えれば、いずれ団塊ジュニアの子供たちが生まれ、第3次ベビーブームが起こると考えられてきましたが、第3次ベビーブームは起こりませんでした。この背景には、団塊ジュニアとその後のポスト団塊ジュニアの世代で急速に晩婚化、未婚化が進んだことがあると言われています。 この広い意味での団塊ジュニア世代の多くは、いわゆる就職氷河期世代と呼ばれる、1993年から2004年ごろに高校や大学を卒業した人たちで、約1,700万人に上ります。バブル経済の崩壊後、企業や団体はみずからの生き残りに必死で、正規雇用の新規採用や給与支出を抑制しました。更には、労働力の非正規化を進めたことで、若年世代の雇用や経済状況が悪化し、働きたくても働けない、幾ら働いても必要な収入が得られない、結婚したくても結婚できない若者が多く生まれ、それが現在まで引き続いて影響を及ぼしています。 このような状況の中、国は、支援が必要な就職氷河期世代を100万人程度と見込み、就職氷河期世代の正規雇用を30万人ふやすため、今後3年間の集中支援プログラムを実施することとしており、昨年12月には、就職氷河期世代支援に関する行動計画2019を発表し、3年間で総額650億円を上回る予算が確保されました。本市においても、昨年12月定例会で、我が会派の冨士川議員の質問に対し、既に大手2社が就職氷河期世代の雇用を進めると表明しており、更なる掘り起こしのために協力してくれる企業を応援企業として登録し、出口一体型の就職支援で、一人でも多くの正規雇用として働けるよう取り組んでいくとのことでした。 そこで、2点お伺いします。 1点目に、令和2年度新規事業として、就職氷河期世代就職支援事業として400万円が計上されていますが、詳しい事業内容をお伺いします。 あわせて、応援企業の登録について、進捗状況をお聞きします。 2点目に、平成29年度就業構造基本調査によると、本市の就職氷河期世代は約11万9,000人で、そのうち不本意非正規雇用者は約4,900人、4.1%、通学、家事を除く無業者は6,600人、5.6%です。不本意非正規雇用者よりも多い無業者の中には、ひきこもり状態にある方、生活に困っている方、親の介護で大変な方などさまざまな事情があるため、個々人の状況に合わせた、より丁寧な寄り添い支援が必要となります。 特に、ひきこもりの方々については、社会復帰が困難な状況にあることを十分に配慮し、支援を強化していく必要があります。そのためには、ひきこもりの支援を行っている保健福祉局と、雇用政策を担っている産業経済局が連携し、3年間という集中支援期間に取り組みを強化していただきたいと考えますが、見解をお伺いします。 最後に、
子ども医療費支給制度の拡充について、午前中、中島議員の質疑で取り上げられていますので、公明党からは要望いたします。 公明党は、平成30年4月から3カ月にわたり、全国の国会議員、地方議員による100万人の訪問・調査運動に取り組みました。子育てに関するアンケートでは、経済的な負担を軽減してほしいとの要望が多く、子育て支援策の更なる充実が望まれています。特に、
子ども医療費支給制度は、子供たちの健康保持と健やかな育成を図るために医療費を助成する制度であり、安心して子供を産み育てることができる環境づくりのためにこの制度が果たしている役割は大変重要だと考えます。 本市では、平成28年10月に、通院費の助成対象を小学校就学前から小学6年生まで拡充し、入院費については中学3年生までを無料としました。しかし、本制度の更なる拡充を望む声は依然として高く、我が会派としても、これまで議会での質問や毎年の予算要望を通して制度の拡充を求めてきたところです。 こうした中、昨年12月に福岡県は、これまで小学6年生以下を対象にしてきた子供の医療費支給制度について、令和3年度からは中学3年生までを対象とすることとし、中学生の医療費助成については、政令指定都市を含む市町村への補助率を一律2分の1にする方針を示しました。本市においても、福岡県が示した制度改正の方針を踏まえ、令和3年度からは中学生の通院費も助成の対象とするとお聞きしましたので、ぜひ市民にとって、よい制度にしていただくようお願いいたします。 以上で私の第1質疑を終わります。
○副議長(岡本義之君) 市長。
◎市長(北橋健治君) 山本眞智子議員の御質問にお答えいたします。 まず、
新型コロナウイルス感染症対策についてであります。 この対策を強化、継続するためには財源が必要であると、どう確保していくかという御質問でありました。 現在、感染症の拡大が市民生活に大きな影響を与えております。状況は日々刻々と変化しておりますが、まずは感染拡大防止、収束に向けた対策に全力を挙げて取り組み、市民生活や地域経済への影響を最小限に食いとめることが肝要であります。 そのため、本市では、まず、市立学校の臨時休校に伴う放課後児童クラブの受け入れ時間延長と、新たな保護者負担の全額補填につきまして、予備費約9,000万円を活用して実施いたしました。そのほか、帰国者・接触者相談センターの設置や、PCR検査に必要な機器の増設、経営相談窓口の設置、中小企業融資の保証料の全額補填など、必要となる対策について、既存の予算を活用し、迅速に対応してまいりました。これらに伴う財源としましては、本年3月10日に示された国の緊急対応策において、国庫負担金や特別交付税の措置が講じられることになっており、これらを最大限活用してまいります。 今後の本市の対応でありますが、引き続き、PCR検査体制の充実など、感染拡大防止策と医療提供体制の整備に加えまして、中小・小規模事業者に対する強力な資金繰り対策、観光業への対応など、今回の感染拡大防止策に伴って生じた事業活動の縮小や雇用への対応などを迅速に進める必要があると考えておりまして、状況に応じ、予備費などを機動的に活用いたします。同時に、政府による自粛要請の終了時期を見きわめつつ、また、今後、国が更なる経済対策を来年度早々に示すことも想定いたしまして、補正予算の編成も視野に入れ、本市独自の経済対策も含め、政策の検討を早急に進めてまいります。その際は、今後想定される国の財政支援はもとより、財源調整用基金などを活用してまいります。 今後とも、感染の状況や地域経済の動向を十分に注視し、必要な対策にちゅうちょすることなく取り組むとともに、継続的な対策を推進するため、必要となる財源の確保に努め、感染症拡大防止、市民生活の安定、経済支援等に迅速に取り組んでまいります。 次に、感染症対策につきまして、現在の状況をどう受けとめるか、また、終息を迎えた段階での将来に向けての対策の強化についてどう考えるかという御質問でございました。 昨年12月に中国で発生した
新型コロナウイルス感染症は、アジア地域へと広がりを見せ、その後、中近東、ヨーロッパへ、瞬く間に世界の100を超える国と地域へと拡大しております。国内では、1月16日、初めての患者を確認後、感染拡大防止に向けた対策を講じているものの、各地で感染が拡大し、大規模イベントが相次ぎ中止となるなど、国民生活に大きな影響を与えております。 本市におきましても、3月1日、1例目となる患者が確認され、市民に不安な思いが広がっていることは十分承知しておりまして、感染拡大の防止対策に鋭意努めております。具体的には、相談、医療、検査体制の整備に加えまして、市立学校の臨時休業、小学校の臨時休業に伴う放課後児童クラブの開設及び無料一時受け入れ、また、市有施設の臨時休館、市主催イベントの中止又は延期、また、医療機関や高齢者・障害者施設、放課後児童クラブ等へのマスクの配付などに取り組み、関係者の皆様の御理解と御協力のもと、スムーズに実施することができました。この場をおかりしまして、感謝を申し上げます。 国の専門家会議では、現在の状況は爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度持ちこたえているが、長期的には国内での流行を一旦抑制できたとしても、しばらくはいつ再流行してもおかしくない状況が続くと見込まれるとの見解が示されております。本市におきましては、1例目の患者発生後、保健所が患者の行動歴の調査や濃厚接触者の把握など、積極的疫学調査に努めてまいりました。また、関係者には14日間の健康観察を行ったほか、必要な方にはPCR検査を実施した結果、現状では感染拡大は認められておりません。しかし、国の専門家会議の見解を踏まえると、警戒を緩めることなく、感染防止対策を継続していかなければなりませんが、社会経済機能への影響についても十分配慮する必要があると考えます。
新型コロナウイルス感染症は、現時点では有効な治療薬がないことや、ワクチン等による予防対策が行えないことから、社会活動を自粛するなどの感染拡大防止対策が中心となっております。これまでに本市が講じてまいりました医療体制の整備や市有施設の臨時休館、市主催イベントの中止又は延期、マスク、アルコール消毒薬の確保などの取り組みにつきましては、今回の感染症が終息を迎えた段階で、改めて、感染症や危機管理などの専門家の意見を聞きながら検証してまいります。 次に、令和2年度予算案につきまして、高齢者、子育て、健康寿命の延伸などについて、特徴と思われる政策について御質問がございました。 令和2年度予算は、SDGs未来都市のトップランナーとしての取り組みを一層推進して、誰もが住みたい、住み続けたいと実感できる町の実現に向け、元気発進!北九州プランに掲げる各種の政策をもう一段磨き上げ、積極的に盛り込むという思いで予算編成に臨んでおります。高齢者などが住みよいまちづくりを推進するための特徴的な政策としては、おでかけ交通の事業者に対する運行助成を拡充するほか、実施地区の大幅な拡大や利用しやすい料金への見直しなどを実施することで、公共交通空白地域における高齢者などの生活交通を確保し、持続的な地域交通の確立に取り組むものであります。また、健康寿命の延伸など、人生100年時代に対応したまちづくりを目指し、歯周病検診の受診率向上のため、自己負担額を1,000円から500円に引き下げるモデル事業を実施するとともに、長寿社会での働き方の多様化に対応し、高齢者の就業率向上、人手不足の解消を図るため、潜在的に働く意欲のあるシニア層の就業促進事業を実施いたします。 子育て世代に目を向けますと、子育て環境の更なる充実を図るため、児童相談所で急増する相談に対応した人員体制の強化や、NPO法人への業務委託化によるきめ細かな対応などを行います。また、出産後の母子に対する心身のケアや育児のサポート、産婦健康診査などへの支援など、産後ケア体制の強化を行います。また、教育環境の更なる充実のため、スクールソーシャルワーカーなどの専門人材の増員や、NPO法人への委託による伴走型支援などを強化し、不登校対策の総合的な取り組みを推進いたします。また、国の経済対策も活用し、令和元年度2月補正予算と合わせ33億円の予算を計上し、市立小・中・高、特別支援学校へ高速大容量回線やネットワーク機器などを導入するとともに、全ての小学校にタブレット端末を整備することで、学校のICT環境整備を推進いたします。 このような政策を着実に実施し、元気発進!北九州プランの総仕上げに取り組むことで、本市の魅力を更に高め、誰もが住みたい、住み続けたいと思う町の実現に向けて取り組みを進めてまいります。 次に、まち・ひと・し
ごと創生総合戦略、この第2期の基本目標に女性の活躍を推進すると明記した考えについて御質問がございました。 女性が活躍する社会の実現は、地方創生の観点からも極めて重要と認識しております。第1期の総合戦略におきましても、女性活躍の視点を踏まえ、女性と若者の定着により社会動態をプラスにという基本方針のもとで、さまざまな取り組みを進めております。 一方、令和元年における本市の日本人の社会動態は改善傾向にあるものの、いまだ転出超過であります。特に、20代の女性の福岡市への転出超過数は、男性と比較すると約2倍の開きがあります。 女性活躍推進に向けては、議員御指摘のとおり、女性が活躍できる環境の整備と、女性の地元企業に対する理解を進めることが重要であります。働く側の女性に対する支援とともに、受け入れる側の事業主に対する働きかけ、この両輪で取り組むことが必要であります。 これまで、女性の就業を促進するため、国、県、市が連携し、女性の働くをワンストップで支援するウーマンワークカフェ北九州を設立し、就職先あっせんや、女性管理職のスキルアップ、創業支援などに取り組んでまいりました。令和2年度は、これまでの活動に加え、更なる利用促進と、潜在的な就業希望者の啓発のため、八幡西区役所における出張相談の拡大や、SNSなどの充実を図ることに加えまして、創業支援についても、創業後10年程度までの方に対象を広げ、より専門性を高めるなど、これまでよりも踏み込んだ支援に取り組みたいと考えております。 事業主に対しては、働きやすい町北九州をつくることを目指し、企業トップによる北九州イクボス同盟を平成29年に設立いたしました。このイクボス同盟では、経営者や管理職の意識改革を図るセミナーの開催などに加え、新たに、女性や若者などの求職者に向けた同盟企業のPR会を実施することにしております。未加盟企業の参加を促すなど、イクボス同盟の拡大を図り、企業の働き方改革を更に後押しすることで、男女ともに働きやすい職場づくりを促してまいります。 このような市の女性活躍に対する姿勢も踏まえ、第2期の総合戦略においては、女性に重きを置いた第1期の基本方針を維持しつつ、基本目標にも女性の活躍という文言を加え、市の認識を明確に示したところであります。令和2年度からの次期戦略におきましても、引き続き、女性活躍や子育て支援、更には働き方改革など、総合的に地方創生の取り組みを進めることで、それぞれの女性が存分に力を発揮できる社会の実現を目指してまいります。 次に、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援について御質問がございました。 近年、核家族化や地域の結びつきの希薄化などに伴い、孤立感、不安感を感じ、出産直後の健康面での悩みや育児不安を抱える妊産婦も少なくないと認識しております。このため、本市では平成28年度から、区役所の健康相談コーナー、子ども・家庭相談コーナーを子育て世代包括支援センターと位置づけ、子育てに関するワンストップ窓口として、妊娠、出産、産後、育児の段階に応じ、切れ目のない支援を実施しております。 具体的には、妊娠期からの支援としましては、例えば妊娠届の際に保健師などの専門職が面接を行い、不安への相談対応や、子育て支援の情報などについて説明し、若年妊娠などのリスクを抱える妊婦に対しては、必要に応じ、訪問などを行っております。このほか、定期的な妊婦健診の際、産科医などが妊産婦の心身の不調や家庭の問題などを察知した場合、区役所に通報し、区役所はこの世帯を訪問するなど必要な支援を行うハローベビーサポート北九州事業を実施しております。 出産後の支援としましては、生後4カ月までの乳児がいる全ての家庭を訪問するのびのび赤ちゃん訪問事業を実施し、親子の状況を把握して適切な助言を行い、必要な家庭には保健師が訪問するなど、きめ細やかに相談支援を行っております。更に、子育て期の支援として、子育てに関する情報提供や育児の相談、ひとり親家庭の相談など、子育て家庭のさまざまな不安、悩みを受けとめ、安心して子育てできる環境づくりを進めております。 こうした中、妊娠期から子育て期までの切れ目のない医療、福祉の支援を推進する成育基本法の成立を受けまして、母子保健法の改正が行われました。改正法では、出産直後の母子に対し心身のケアや育児のサポートを行う産後ケア事業が市町村の努力義務とされました。そのため、本市としては、令和2年度は新たに産婦健診事業及び産後ケア事業などを実施し、出産後の母子に対する支援を更に充実していきたいと考えております。産婦健診事業で、産後鬱など心身の不調を早期に発見し、支援の必要な産婦については産後ケア事業につなぎ、きめ細やかな心身のケアを図ってまいりたいのであります。このような取り組みにより、妊娠期から出産後までの切れ目のない支援体制が更に厚みを増して、政令市でトップレベルの体制を構築できると考えております。 また、これらのサービスは、子育て世代包括支援センターがコーディネートを行うことになっております。議員御指摘のとおり、この設置場所及び機能を市民にしっかりと周知することが非常に重要と考えております。今後、子育て世代包括支援センターの設置場所及び機能について、市政だよりでの広報や母子健康手帳などへの掲載を行うとともに、新たにリーフレットを作成し配布するなど、認知度向上の取り組みを強化してまいります。あわせて、区役所内にわかりやすい案内表示を行うなど、市民が相談しやすいワンストップ窓口になるよう努めてまいります。 今後とも、妊娠、出産、子育て期の切れ目のない支援にしっかりと取り組みまして、子育て世代の皆さんが利用しやすく、さまざまな悩みに対応できる、実効性のある子育て世代包括支援センターを目指してまいります。 黒崎副都心の今後について御質問がございました。 本市では、都市計画マスタープランにおいて、黒崎副都心を北九州都市圏西部の広域の核としまして、都市機能の充実、強化と、質の高い都市環境の形成を図ることとしています。黒崎副都心におきましては、国から中心市街地活性化基本計画の認定を受け、平成20年度から平成25年度までの間で、コムシティの再生、文化・交流拠点地区の整備、ふれあい通りの整備、旧長崎街道の歴史文化を生かした祭りやイベントの開催など、ハード、ソフトの両面から官民一体で事業を行ってまいりました。 議員お尋ねの計画終了後の状況でありますが、黒崎駅南北自由通路や駅北口駅前広場の整備、また、地域の意向を踏まえたみち再生事業など、必要な公共インフラについては引き続き着実な進捗を図っております。また、八幡西区役所跡地の開発や黒崎駅舎リニューアル、安川電機ロボット村の整備など、民間とも連携し、開発の支援などを行ってきました。ソフト面におきましても、商店街や地域と連携を図り、若手の商店主が専門店としての知識などを伝授する黒崎まちゼミや、1,000人を超える児童が集まり職業体験する黒崎こども商店街、また、地元の企業と商店街が連携した大乾杯大会の黒崎96の日など、にぎわいづくりに取り組んでまいりました。 これらの取り組みで、黒崎地区ではマンションの建設が進み、あわせて、スーパーを初めとした生活利便施設の立地や、クリニックなどの医療機関の集積が進んでまいりました。今回のメイト黒崎の破産申請はまことに残念でありますが、一方で、黒崎地区の居住人口の増加が示しているように、生活環境が整った便利な住みたい町としての魅力を高めつつあります。また、昼間の歩行者通行量は減少しているものの、夜をメーンに営業する飲食店などが新規出店するなど、一定のニーズは保たれております。商店街の空き店舗の割合は、おおむね横ばいで推移しております。 このように、黒崎の町は大きく変化してきており、こうした状況を踏まえますと、将来の町の姿を議論していくべきときだと考えます。そこで、来年度早々にも庁内に検討会議を立ち上げまして、まちづくり構想の策定に着手していくことにしております。策定に当たりましては、黒崎にかかわる方々の意見に耳を傾けながら議論を深めていきたいのであります。 就職氷河期世代の支援について御質問がございました。 現在30代半ばから40代半ばの就職氷河期世代は、希望する就職ができず、不本意ながら非正規で仕事についている、あるいは無業の状態にあるなど、不安定就労などを余儀なくされている方が少なくありません。国の調査、平成29年の就業構造基本調査によりますと、本市の就職氷河期世代、調査時は35歳から44歳であります、この世代は約11万9,000人であり、国の推計値6.3%から算出すると、本市の支援対象者は約7,500人でありました。本市が就職氷河期世代6,000人を無作為抽出して実施した就業意向調査では、約3.8%の229人が正規就職の支援を希望し、市全体に置きかえると約4,500人となります。したがって、支援対象者は4,500人から7,000人程度と考えております。 こうした状況を受けまして、本市が従業員20人以上の約4,500事業所全てに採用意向の調査を行ったところ、1,600件以上の回答があり、そのうち約74%の1,200事業所以上が、就職氷河期世代の正規雇用の意向を示すなど、大変関心が高いことがわかりました。来年度は、この調査結果をもとに、正規雇用化に向けたマッチング支援を積極的に展開してまいります。具体的には、正規雇用の意向を示す企業に、就職氷河期世代応援企業として求人情報を提供いただきます。また、回答をいただいていない約2,900の事業所には、再度、商工会議所と連名で協力を依頼するなど、応援企業の更なる掘り起こしに努めてまいりたいのであります。 一方で、支援を希望する方に対しては、小倉と黒崎の若者ワークプラザ北九州、また、戸畑の高年齢者就業支援センター、計3カ所に新設する就職氷河期世代就業相談窓口を案内してまいりたいのであります。加えて、市政だより、テレビなどを通して幅広くお知らせをし、相談窓口へ誘導していきたいのであります。相談窓口では、新たに配置する統括カウンセラーを中心に、相談者の適性やニーズを丁寧にヒアリングし、資格取得支援や、ニーズに応じた応援企業を紹介いたします。また、就業中の方でも来所しやすいよう、日曜日の開設、平日夜間の時間延長を行うなど、相談しやすい環境も整備いたします。 経済の先行き不安が高まる中、本市としても、不本意に非正規雇用で働く方などが一人でも多く正社員として活躍していただけるよう、国や県、商工会議所、市内企業と連携して取り組んでまいりたいのであります。 残余の質問は、教育長、関係局長からお答えさせていただきます。
○副議長(岡本義之君) 産業経済局長。
◎産業経済局長(鮎川典明君) 宿泊税の収入確保についてお答えします。 宿泊税は、初年度、2億7,500万円を見込み、これを含む4億5,500万円を、宿泊税を活用した観光振興予算として計上しています。主な事業は、宿泊者増につながる取り組みや受け入れ環境の整備で、テレビ番組での観光情報発信、宿泊助成、小倉駅観光案内所の機能強化、北九州空港アクセスバスの増便など15の事業を予算化しています。 議員御指摘のとおり、現在、
新型コロナウイルス感染拡大によって観光客が激減し、イベントや大規模な宴会の中止などで宿泊事業者が窮地に陥っていることは承知しております。今月以降は新規の予約が入らず、キャンセルがふえており、この状況では客室稼働率が2割から4割と大きく落ち込むと聞いてございます。 本市では、このような事態に対応するため、市の中小企業融資の金利を最低の0.9%に引き下げ、信用保証料無料化を実施、雇用調整助成金の申請や資金繰り等の融資を支援するため、社会保険労務士や中小企業診断士が常駐するワンストップ相談窓口を市内2カ所に設置などで、市内の中小企業を支援しております。国の観光業に対する緊急対応策では、観光需要が回復するまでを観光の助走期間と位置づけ、反転攻勢へ向けた魅力的な観光コンテンツの造成や、観光客の受け入れ環境の整備などが事業化されています。本市においても、この国の動向に沿って、反転に向けた準備を行うとともに、鎮静化後は、国の経済対策を積極的に活用しながら、宿泊者増につながるイベントや観光キャンペーン等を優先的、集中的に行う必要があると考えております。 今後も、
新型コロナウイルスに関する内外の状況に対応し、スピード感を持って、宿泊税による事業を効果的に実施することで宿泊者を増加させ、税収を確保してまいりたいと考えています。 続きまして、夜型観光のグレードアップ、また、夜景観光資源を点でなく線で結び、観光客の滞在時間を長くする取り組みについてお答えします。 夜景観光等の夜型観光の推進は、ナイトタイムエコノミーとも言われ、消費額の大きい宿泊や飲食につながるため、地域経済の活性化にとって大変重要であります。本市ではこれまで、モノづくりの町の特徴を生かした工場夜景と、ライトアップされた若戸大橋が楽しめる工場夜景観賞クルーズ、陸と海の両方からの夜景を組み合わせた高塔山と工場夜景をバスと船でめぐる夜景観賞バスミニクルーズ、小倉駅及び下関の双方から発着し、ライトアップの整備が進む門司港レトロや下関の夜景スポットを一周する夜景観賞バス、皿倉山までの往復バスと皿倉山ケーブルカー、スロープカーがセットになった小倉都心部からのミニバスツアーなどを実施しております。このような取り組みは大変好評でありまして、多くのマスコミに取り上げられ、本市の夜型観光は貴重な観光資源となっております。 令和2年度には、夜景観光資源のグレードアップとして、大パノラマの夜景が広がる皿倉山ケーブルカー、スロープカーの年間を通じた夜間運行、ホテルと連携した小倉発着の皿倉山夜景観賞シャトルバスの運行、皿倉山プレミアム夜景の日としてイベントを実施、大正ロマンを感じる門司港レトロの更なるライトアップ、若戸大橋のライトアップの改修など、さまざまな事業を実施することとしております。また、本市ならではの観光資源を組み合わせ、ストーリー性を持たせた回遊性を高める取り組みといたしまして、世界遺産の官営八幡製鉄所関連施設や門司港、若松南海岸などにある産業遺産めぐりと最先端の工場が集積する沿岸部の工場夜景クルーズを組み込んだモノづくりの町北九州市を堪能するコース、皿倉山と門司港レトロの2カ所にある恋人の聖地で趣の異なる夜景を楽しむロマンチックな夜景めぐりコースなどのモニターツアーを実施し、観光客の誘致と滞在時間の延長につなげてまいりたいと考えております。 今後、より一層、夜景資源の磨き上げや情報発信に努め、本市ならではの夜景観光を推進し、更なる宿泊客の増加を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(岡本義之君) 企画調整局長。
◎企画調整局長(大下徳裕君) まち・ひと・し
ごと創生総合戦略のうち、第1期の戦略最終年、令和元年における社会動態の結果の受けとめと、令和2年の施策について御答弁いたします。 令和元年の社会動態は、議員御指摘のとおりマイナス365人で、平成27年と比較すると約85%の改善、社会動態プラスまであと一歩というところまで来ております。この要因は、外国人が1,452人の転入超過であることが大きく寄与しております。日本人の社会動態につきましては、これまでの地元就職の促進や定住・移住の関連の取り組み、企業誘致など、総合戦略に基づくさまざまな取り組みにより、改善傾向にあるものの、1,817人の転出超過となっております。これを年代別の推移で見てみますと、40代以降や15歳未満は改善傾向にあります。子育て世代やシニア層の定着が進みつつありますけども、20代、30代は、東京圏や福岡市などへの就職を機とした転出に歯どめがかかっていないという状況でございます。 このため、令和2年度は、若者の地元就職に向けまして、新たに、大学生の地元就職促進等に取り組む市内の大学等に対しまして、1校当たり1,000万円を上限とする助成制度を創設するほか、市内企業の採用力向上の支援や採用情報の発信強化に取り組むこととしております。更に、定住・移住を一層推進するため、北九州市で暮らしを体験していただきますお試し居住や、本市での就職希望者を支援いたしますU・Iターン応援プロジェクト、こういったことの実施に加えまして、市内での移住相談機能を拡充するなど、本市に移住してもらうための取り組みを強化いたします。また、首都圏や福岡都市圏を重点的に、本市の住みやすさや充実した子育て環境の情報発信を進めていきます。 引き続き、社会動態プラスに向けて、オール北九州で全力を挙げて取り組んでいきたいと考えてございます。以上です。
○副議長(岡本義之君) 教育長。
◎教育長(田島裕美君) 教育関連といたしまして、GIGAスクール構想についてお尋ねをいただきました。 まず1点目としまして、GIGAスクール構想の概要、また、本市の予算案の事業の具体的な内容、そして、今後の取り組みについてお答えいたします。 本市の令和2年度当初予算案の事業についてですが、平成30年度から、国は、教育のICT化に向けた環境整備5か年計画を示しました。その中で、3クラスに1クラス分、言いかえますと3人に1台の
学習者用コンピューター整備を目標としました。一方、本市でございますが、教育用のタブレット端末の整備事業を進めておりまして、今年度はまず中学校と特別支援学校に、来年度令和2年度は小学校と特別支援学級への配備を行いたいと考えております。 こうした状況の中で、文部科学省は、昨年12月にGIGAスクール構想を発表いたしました。その構想では、令和5年度までに1人1台端末及び高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、多様な子供たちを誰ひとり取り残すことなく、公正に個別最適化された学びを持続的に実現させるとなっておりまして、国の目標が大きく変化してきております。 2月補正予算案の事業についてですが、GIGAスクール構想の実現のために、国の令和元年度補正予算に、校内通信ネットワークの整備と児童生徒1人1台端末の整備の2つの補助事業が準備されております。校内通信ネットワークの整備につきましては、補助対象となるのは今回の国の補正予算限りであります。また、その整備が、今後の端末整備、つまり残りの3分の2の部分でございますが、そこに関する補助の前提条件となっております。そこで今回、2月補正予算に、国の補助事業を活用いたしました校内通信ネットワーク整備事業を計上して、全教室に高速大容量の通信回線と固定式の無線アクセスポイントを整備するとともに、端末の充電を行う電源キャビネットの整備などを行うとしております。 今後、本市といたしましては、GIGAスクール構想の実現に向けて取り組みを進めることが重要だと考えております。このため、3クラスに1クラス分の端末整備計画に加えまして、教員スキルの向上などのフォローアップ計画を含みました新たな整備計画を令和2年度に策定いたしまして、国における財政支援を有効活用しつつ、機を逸することなく、児童生徒1人1台の端末の整備を目指したいと考えております。 続きまして、教師がICTを効果的に活用できるための取り組みと、子供たちへの情報モラル教育や有害情報対策について、まとめてお答えいたします。 ICTを活用できる教員の育成でございますが、ICT教育環境の整備を進めると同時に、今年度、中学校教員のICTスキルの向上に向けた研修を実施しております。具体的にですが、各学校へ指導主事を派遣いたしまして、全教員を対象に、ICT機器の操作方法や授業での活用方法などの校内研修を行っております。現場からは、当初はICT機器の基本的な操作や活用する授業場面について不安があったけれども、研修を通じて、授業のさまざまな場面で活用できるという声を多く聞いておりまして、効果を上げております。 更に、導入後、学力向上推進教員によりますICTを活用したモデル授業を学校の内外に公開するなど、各学校におけるICT活用に向けた研究も行っております。今後、ICTの環境整備に合わせた研修の充実を更に図ってまいりたいと考えております。 続きまして、情報モラル教育についてですが、現在、道徳科において、情報社会における正しい判断力や、相手を思いやる心、ルールやマナーを守る態度など、学習課程に位置づけて実施をしております。更に、中学校の技術家庭科では、情報社会における危機回避の理解や、情報セキュリティーの知識や技能を身につける学習を行っております。 有害情報対策については、これまで保護者に対しても、携帯電話やスマートフォンの安全に関するリーフレットを配付したり、専門家を講師として招いて、生徒指導の担当者や、あるいは保護者を対象としましたスマートフォンやSNSの危険性についての研修を行って、家庭内のルールづくりやフィルタリング設定などを啓発しているところでございます。今後も、児童生徒のICT機器の活用とあわせまして、情報モラル教育についても、時代の変化に対応した充実をこれから更に図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(岡本義之君) 子ども家庭局長。
◎子ども家庭局長(福島俊典君) 妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない支援についてのうち、産後ケア体制強化事業の取り組み内容について御答弁いたします。 本市はこれまで、出産後の母子に対して、養育支援訪問事業やペリネイタルビジット事業を実施し、支援を行ってまいりました。令和2年度は、産後ケア体制強化事業といたしまして、新たに産婦健診事業、産後ケア事業、多胎児家庭支援事業を実施するなど、更なる支援の強化を行いたいと考えております。 具体的には、産婦健診事業は、産後鬱の予防や新生児への虐待予防などを図る観点から、出産後間もない時期の産婦に対する健康診査に係る費用を助成するものであります。産後1カ月までに産婦健診を実施し、母親の身体的機能の回復や精神状態の把握を行い、支援が必要と認められる産婦に対しまして、次の段階の産後ケア事業につなぐこととしております。 産後ケア事業は、出産後、家族などから支援が受けられず、母親の心身の不調や育児不安がある方などを対象に、母子が病院や助産所などに宿泊する宿泊型、母子が日中施設に通う通所型、自宅に助産師などが訪問する居宅訪問型といった3つのメニューを準備することによりまして、母親の心のケアや体調管理、休養の機会の提供、育児や授乳方法の指導などを行うものであります。また、多胎児家庭支援事業は、生後4カ月までの乳児家庭を訪問するのびのび赤ちゃん訪問事業に、双子や三つ子の育児経験者が同行し、多胎妊産婦の育児の負担感や孤立感の軽減を図るものであります。 今後、産後ケア体制強化事業にしっかり取り組みまして、安心して子育てができるよう、出産後の母子を支援してまいりたいと考えております。以上です。
○副議長(岡本義之君) 保健福祉局長。
◎保健福祉局長(高松浩文君) 最後に、就職氷河期世代の支援についてのうち、ひきこもりの支援を行っている保健福祉局と雇用政策を担当している産業経済局との連携について御答弁いたします。 本市では、ひきこもり等の、社会生活を営む上で困難を抱えている方を支援するため、ひきこもり地域支援センターすてっぷの運営や子ども・若者応援センターYELLの設置を行うほか、区役所の窓口や精神保健福祉センターなどにおいても、ひきこもりに関する支援などを行っております。これまでに、すてっぷやYELLでは、相談支援のほか、社会参加や仕事体験などができるよう、交流事業やサークル活動、ボランティア活動等の取り組みを行っており、中には、こうした支援を通じて就労に結びついたケースもございます。しかし、8050問題などを背景に、ひきこもり支援の必要性が高まっており、さまざまなケースに、よりきめ細やかに対応していくために、すてっぷについては、令和2年度よりスタッフを3名から4名に増員するための予算を計上し、体制強化を図ることとしております。 議員お尋ねの就職氷河期世代への支援については、国が令和2年度から3年間の集中支援プログラムを実施することとしておりまして、これに先駆け、福岡労働局や福岡県が、昨年12月に、ひきこもり支援団体や経済団体等で構成する官民協働のプラットフォームを設置し、本市もこれに参加しております。この取り組みでは、不安定な就労状態にある方から、社会参加に向けた支援を必要とする方までを対象としており、相談支援やマッチング支援など、それぞれの段階に応じたメニューが想定されております。本市では、プラットフォームによる取り組みのほか、今後、産業経済局が開設を予定している就業相談窓口や、そこに配置される統括カウンセラーとも連携を図りながら、ひきこもりの方の個々の状況に合わせた総合的な支援を行っていきたいと考えております。以上で答弁を終わります。
○副議長(岡本義之君) 14番 山本議員。
◆14番(山本眞智子君) 御答弁ありがとうございました。私からは、要望と第2質疑をさせていただきます。 まず初めに、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援につきましては、産後鬱の予防とか、あるいは新生児に対する虐待を防止する観点から、我が市におきましても産婦健診をやるということの答弁をいただきました。本当にありがとうございます。 ここからは質問なんですが、産婦健診については令和2年ですが、令和2年のいつから、また、どういった形で実施されるのか、そして、対象者は何人なのか、そして、1回ということで、子供を産んだ後の1カ月の間に1回受診するというような形の考え方でいいのか、そしてあと、産婦健診の助成券ですけれども、今、妊婦健診は14回の助成券が1冊につづられておりますが、この産婦健診の助成券というのは母子健康手帳か何かに盛り込まれるという形を考えたらいいんでしょうか、教えてください。
○副議長(岡本義之君) 子ども家庭局長。
◎子ども家庭局長(福島俊典君) 産婦健診の助成につきましては、実施方法などにつきまして関係機関と調整の後、令和2年10月より実施予定でございます。健診は、出産した産婦人科等で行うこととなります。対象者は、出産後1カ月以内の全ての産婦で、1回の助成を予定しております。令和2年度は10月からの開始であることから、対象者数は3,500人程度と見込んでおります。通年になれば、約7,000人ということになります。 それから、産婦健診の助成券についてでございますが、令和2年度は、妊娠届け出時に母子健康手帳と同時に交付を行いたいと考えております。令和3年度からは、母子健康手帳にとじ込む予定としております。以上です。
○副議長(岡本義之君) 14番 山本議員。
◆14番(山本眞智子君) ありがとうございました。 産婦健診の結果で支援が必要なら、宿泊型とか通所型とか訪問型とかという形で、母親のレスパイトや、育児の仕方とかを教えてくださるかと思うんですけれども、具体的にはどういう、病院でとか、あるいは診療所とか助産院で行われるとかというのは、もうはっきりしているんですか。わかったら教えてください。
○副議長(岡本義之君) 子ども家庭局長。
◎子ども家庭局長(福島俊典君) 産後ケア事業の受け入れ先についてでございますが、市内にある産婦人科と助産所を予定してございます。空きベッドの活用が必要になりますので、具体的には、今後、関係機関と調整していくこととしております。現時点では、まだ未定でございます。以上です。
○副議長(岡本義之君) 14番 山本議員。
◆14番(山本眞智子君) ありがとうございます。 本年1月、公明党会派女性3人で、沖縄県の助産師会が運営している母子未来センターを視察してきました。ここは、さまざまな課題を抱えている、特に若年妊産婦を対象に、助産師会が、妊娠、出産、育児に関する相談対応や生活支援等を実施することで安全・安心な居場所づくりを提供しているところで、自立に向けて支援を行っております。若年妊産婦なら24時間いつでも対応し、子供が3歳になるまで支援を行っている、そういう施設でございました。 本市においても、10代の出産件数が全国平均を上回っている、これが大きな課題かと思いますが、そういう特に支援が必要な若年妊産婦、先ほど多胎児家庭の支援とかありましたけれども、安心して子育てできるような産後ケア事業の取り組みを重ねてお願いしたいと思っております。 また、今、高齢者の総合相談窓口、地域包括支援センターというのがしっかり認知されてきて、市民の方からも高齢者の御相談をいただいたら地域包括支援センターに行きなさいという形のお話をさせていただいておりますが、これが今度は子育て世代包括支援センターという形で表示してくださる、また、パンフレットとかつくって周知してくださるということでございますので、安心して相談に行けるような仕組みづくりというのは本当にありがたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 それから、就職氷河期に関してですけれども、先日、福岡労働局と地元の経済団体などは、ことし4月からの3年間で新たに正社員として8,000人を雇用するほか、現在は非正規社員として働いている7,500人を同じ企業で正社員に切りかえるなど、約1万5,000人の正規雇用を目指すとニュースで流れました。そして、ひきこもりなど長期にわたって働いていない人についても、370人以上を就職につなげるというニュースも流れました。 本市としては、ある程度この3年間集中でと言われているわけですので、目標を持って、なかなか難しいと思いますが、目標を持って取り組むことが必要かと思いますが、これを受けて本市はどのような目標を掲げて進んでいくおつもりなんでしょうか。
○副議長(岡本義之君) 産業経済局長。
◎産業経済局長(鮎川典明君) 本市の就職氷河期対策で、アンケート等をやって、支援対象者は一応北九州市では4,500人から7,000人と申し上げましたけれども、4,500人の場合は2,000人、7,000人になった場合は3,000人を目指しております。それで、370人の場合でございますが、これは地域若者サポートステーションで、あるいはその方たちが進学、アルバイト、正社員で、このうち北九州に何人そういった方がいらっしゃって雇用を望んでいるのかわかりませんので、目標を今言うことはできないんですけども、過去にここから正規雇用につながった例もあると聞いていますので、伴走支援といいますか、一緒になって支援していくことで成功体験を積み上げて、ノウハウを積んで、一人でも多く正規雇用につながるように、本人の希望に沿うようにやってまいりたいと思います。以上でございます。
○副議長(岡本義之君) 14番 山本議員。
◆14番(山本眞智子君) 私の周りにも、就職氷河期世代の方で引きこもっていらっしゃる方がいらっしゃいます。御本人が一番つらいのでしょうが、御家族の方も大変つらい思いをされております。実際に、本市も地域ひきこもり支援センターすてっぷとか、あるいは民間の支援施設、若者応援のYELLとかで支援してくださっておりますが、この就職氷河期の集中3年間で国が予算を確保してやるというんですから、その時を逃さないで、本市においてもこのひきこもりに関して力を入れていただきたいなと思っております。 特に、実際には本市は就職氷河期だけじゃなくして、全体から見たら多分4,000人ぐらいの引きこもっていらっしゃる方がいると認識しているわけですが、実際にすてっぷとかYELLとかに相談に行かれている方って何人かおわかりですかね。少ないと思うんですけれども、教えてください。
○副議長(岡本義之君) 保健福祉局長。
◎保健福祉局長(高松浩文君) すてっぷにおける、まず相談件数が、平成30年度では約2,288件でございます。その中で、実際の人数が285名です。また、今年度、非常に相談件数がふえているんですけども、今年度の4月から1月末までは317名の方が相談を受けてこられております。また、そのほかにも、本市の地域包括支援センターで、これはちょっと古いんですけども、平成29年度にかかわった高齢者の世帯の中で、ひきこもり状態の方が53名いたというような状況をつかんでおります。以上でございます。
○副議長(岡本義之君) 14番 山本議員。
◆14番(山本眞智子君) ありがとうございます。 この引きこもっていらっしゃる方に、国としては、個々人に合わせてアウトリーチで訪問して支援をということを打ち出しているんですけれども、実際どこにどういう方がいるかわからないとアウトリーチもできないということで、これは岡山県の総社市ですけど、民生委員とか福祉委員の皆様がよく地域のことを御存じで、その人たちが匿名で、こういう人たちがいらっしゃるということで当たっていって、実際にそれが実態調査となって、何人の方がいらっしゃって、その中から社会参加していったという新聞記事を見ました。本市もこの時を逃さないで、ぜひ一人一人に寄り添った支援という観点から実態を調べるのが必要じゃないかと思いますが、この辺どのようにお考えでしょうか。
○副議長(岡本義之君) 保健福祉局長。
◎保健福祉局長(高松浩文君) 確かに、まずどれぐらいの数どこにいるかというのは非常に重要なことで、まさに地域包括センターでの状況についても、これはいろいろな民生委員とかいろんなところからの情報で得たものでございます。ただ、実態調査をやる上では、ひきこもり状態にある人の世帯が非常に難しいとか、あと、今議員が言われたように、ひきこもりの方の状態を悪化させるおそれがあるので非常に慎重な対応が必要であるとか、例えばアンケート等で無作為でアンケートを送る場合に、ひきこもりの人からの回答が限られた数になるおそれがあるので大規模に調査をやらないといけないというような種々の課題がございますので、そのあたりは慎重にやる必要があるかと思います。 我々としては、すてっぷでの相談支援機関とか、その相談を通じて実態を今把握しておりますので、まさにひきこもりにある方に、伴走型で丁寧な対応をしっかりやっていきたいと思っております。以上でございます。
○副議長(岡本義之君) 14番 山本議員。
◆14番(山本眞智子君) ありがとうございます。よろしくお願いします。 あと、黒崎副都心の今後についてですけれども、先ほどの答弁で、黒崎は市の西部地区の広域の核となって今日まで来ましたということですけれども、今後、私としては、黒崎地区を黒崎副都心として見てまちづくりをしていくのかどうなのか。中には、もう副都心としてのあれがないんじゃないかという声もたまに聞くことがあるんですけれども、この辺をどのように考えてまちづくりを進めていくおつもりなのか、見解があったら教えてください。
○副議長(岡本義之君) 建築都市局長。
◎建築都市局長(橋口基君) 黒崎でございますけども、市の基本構想でございます元気発進!北九州プラン、これに副都心と位置づけられております。そういうことで、副都心として、そして、北九州都市圏の西部の中心核として、今後まちづくりを進めていきたいと、構想を考えていきたいと考えております。以上です。
○副議長(岡本義之君) 14番 山本議員。
◆14番(山本眞智子君) ありがとうございました。私としては大変うれしい一言で、しっかりその観点で進めていただきたいなと。いろんな人の意見を聞いて、また、今の少子化に対してとか、あるいは人口減少、こういう社会を踏まえて、きちっとしたまちづくり、コムシティの場合は10年かかりましたが、ぜひスピード感を持って検討していただきたいと思っております。 最後に、時間もなくなってまいりましたけれども、
新型コロナウイルス感染症対策については、本当に市長を初め奮闘してくださっていること、感謝いたします。今後は、社会生活も徐々に戻していかないといけないというふうな考えもある中で、きちっとした情報のもと、的確で効果的な対策を打っていただきたいなと、そんなふうに思っております。一日も早い終息に向けて、みんなで頑張りたいと思っております。以上です。
○副議長(岡本義之君) ここで15分間休憩いたします。 午後2時30分休憩 午後2時46分再開
○議長(村上幸一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 代表質疑を続行いたします。ハートフル北九州代表、28番 世良議員。
◆28番(世良俊明君) 皆さんこんにちは。ハートフル北九州の世良俊明です。私は、会派を代表して、ただいまから質疑を行います。北橋市長を初め関係当局の皆様の簡潔で明瞭な御答弁をお願い申し上げ、早速質疑に入ります。 まず最初に、
新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 昨年12月、中国湖北省武漢市で初めて患者が確認された
新型コロナウイルス感染症は、国際的に感染が広がり、日本でもことし1月16日に、国内で初めての
新型コロナウイルス関連肺炎患者が確認されました。以降、国内の感染者は日に日に拡大し、2月13日には、
新型コロナウイルスによる初の死亡者も確認されました。2月20日には福岡市でも感染者が確認され、今月1日には本市でも初の感染者が確認されました。 本市においては、比較的早期の段階から、市民や医療機関への情報提供を開始し、北九州市健康危機管理計画に基づく本部体制の整備や医療機関との連携、また、24時間対応の相談窓口の設置などの対策が進められてきました。また、刻一刻と変わる状況に対し、市長を本部長とした北九州市
新型コロナウイルス感染症対策会議を都度開催し、全庁的対応を進められていることを、私は評価し、敬意を表するものであります。 特に、本市における感染者の発生を背景に、国の要請を受け決定した市立学校の臨時休業と、それに伴う放課後児童クラブ等による児童の受け入れ体制の整備など、保健福祉局、教育委員会、子ども家庭局を初め関係当局の皆様方には非常に難しい判断が求められる局面であったものと推察いたします。引き続き、
新型コロナウイルス感染症のまん延を食いとめるべく、取り組みを進めていただきたいと思います。 そこで、お尋ねします。 まず、本市における
新型コロナウイルス感染症の様相と、これに対する相談、検査、医療体制の現状はどうなっているのか、改めてお示しいただきたいと思います。 そのうち、特に検査体制については、国のPCR検査基準の運用に地域で相違があったことから、必要な検査が適切に受けられるのかとの不安が本市においても生じてきました。このような中、3月6日からのPCR検査の保険適用に伴って、帰国者・接触者外来の医師の判断による検査の実施が可能となるほか、検査機関の拡充が準備されているとお聞きしていますので、この点、今後どのようになるのかを含めて御見解を伺います。 また、今重要なことは、市民に対して正しい情報を的確に提供し、悪質なデマや誤った情報による風評被害や無用の混乱が起こらないよう対策を進めていくことだと考えます。そこで、厚生労働省、福岡県あるいは福岡市などとも正確な情報を共有しつつ、市民に対してはどのように情報を発信していくのか、責任ある情報発信体制についての御見解を伺います。 次に、令和2年度北九州市当初予算案について伺います。 北橋市長は、令和2年度当初予算案において、重点的に取り組むべき4つの柱を掲げ、キャッチフレーズを~SDGs未来都市への挑戦~住みたいまち北九州実現予算とされました。4つの柱は、文化・スポーツの振興などによる町のにぎわいの創出、経済成長戦略の実行、安心して住み続けられるまちづくり、元気発進!北九州プランの総仕上げと、さまざまな角度からの施策をちりばめた、バランスのとれた予算案であると評価いたします。直面する
新型コロナウイルス感染症対策などの課題はあるものの、その終息後の取り組みを含めて、日本一住みよい町北九州の実現に向け、決意を新たにされているものと思います。 そこでまず、令和2年度当初予算案に込められた北橋市長の思いについてお尋ねします。 その上で次に、令和2年度当初予算案の特徴について伺います。 上程されました令和2年度北九州市当初予算案は、一般会計5,703億円、特別会計、企業会計を合わせた合計は1兆2,081億円となっています。このうち一般会計は、令和元年度2月補正予算への前倒しによる投資的経費の減などにより、対前年度比41億円の減となったものの、過去3番目の予算規模となりました。一般会計では、歳入のうち市税については、個人市民税、固定資産税、都市計画税において増収が見込まれ、宿泊税の課税開始により、対前年度比8億円の増と、過去最大となりました。 私は、本議会でも、市税を中心とする一般財源の確保は、年々過去最大を更新している福祉医療関係経費を着実に賄う上でも、本市財政における最重要課題だと繰り返し申し上げてきたところでありますが、その点で気になりますのが法人市民税であります。新年度予算案における法人市民税は、国の税制改正の影響等で、対前年度比24億円も減少します。かつて200億円を超えた時期もあった本市の法人市民税は、近年では120億円程度を維持してきたわけですが、それが更に落ち込むことになります。国の税制改正が地方自治体の財源確保にも大きな影響を与えていると言わざるを得ません。 こうした中で、本市は、昨年10月、指定都市市長会の一員として、令和2年度税制改正に当たっては、大都市特有の財政需要に対応する法人市民税の拡充についても要望してきたと伺っています。 そこで、お尋ねします。 本市は、令和2年度予算編成に当たり、法人市民税の配分割合の拡充強化について、国に対してどのような要望をしてきたのか、成果と課題をあわせてお尋ねします。 次に、臨時財政対策債についてお尋ねします。 令和2年度当初予算案の地方交付税等870億円のうち、臨時財政対策債の発行額は250億円となっています。臨時財政対策債は、国の地方交付税への財源不足対策として、本来交付されるべき地方交付税の一部を地方債として地方自治体が借り入れることとしたもので、平成13年度から導入されました。この地方債の元利償還金については、後年度にその全額が交付税措置されることとはなっていますが、本市においても20年間で年々残高は積み上がり、令和2年度予算案では3,977億円と、当初の60倍以上の額となっています。 交付税措置がされた臨時財政対策債は、各自治体が減債基金に積み立てて、必要な財源を確保するものとされていますが、福岡県など一部自治体では、その積立額に不足を生じており、不足分が他に流用されてきた実態が指摘されています。その場合、不足額が多額に上ると、後年の財政運営に支障を及ぼしかねないリスクとなるため、自治体には適正な市債管理が求められていると言えます。 そこで、お尋ねします。 本市における臨時財政対策債の交付税措置とその償還はこれまでどのように行われてきたのか、今後の見通しとあわせてお尋ねします。 この項の最後に、財源調整用基金についてお尋ねします。 令和2年度当初予算案では、市税等の一般財源の増や、売り上げが好調な公営競技事業会計から昨年度を5億円上回る20億円の繰入金などを活用して、積極的な歳出予算を編成する一方で、継続的な事業費の見直しや、土地開発基金の活用など財源確保の取り組みによって、財源調整用基金の取り崩し額を119億円と、昨年度より7億円減少させたとされています。この結果、当初予算案と同時に示された中期財政見通しでは、令和2年度末の財源調整用基金の残高は251億円になると見込まれています。 中期財政見通しは、私たち会派の強い要望によって、平成29年2月以降、毎年改定されて公表されているものですが、平成29年に示された見通しでは、令和2年度末の基金残高は今回の見通しよりも約100億円少ない159億円となるかもしれないとされていました。その意味で、中期財政見通しを策定して活用し、全庁を挙げて事務事業の見直しや財源確保対策を進めてこられた市長を初め関係当局のこの間の御努力に深く敬意を表するものです。 そこで、お尋ねします。 令和2年度当初予算案では、年度末に251億円と見込まれる財源調整用基金残高は、今後生じる歳入歳出の収支差を不用額や一定の収支改善を見込んでも、5年後の令和6年度には130億円までに減少すると見込まれていますが、更なる収支改善に向けて今後どのような取り組みを行っていくのか、御見解をお伺いします。 続いては、主要施策について、4つの柱に沿って数点ずつお尋ねします。 最初の柱は、文化・スポーツの振興などによる町のにぎわいの創出であります。 まず、東アジア文化都市2020北九州については、本市にとって、ことし一番の大きな取り組みであります。いよいよ今月末に開幕を迎えようとしていたところでの
新型コロナウイルス感染症拡大の影響による開幕式典の延期表明は、北橋市長におかれても極めて残念な思いでおられることと拝察いたします。 本事業は、文化芸術を生かしてまちづくりを行う創造都市・北九州の実現に向けて、さまざまな事業展開を通じてその推進を図るものであり、私も、例えば音楽事業における、世界最高峰と言われるウィーンフィルハーモニー管弦楽団の招へいや、新規事業として予算化された北九州市ジュニアオーケストラを派遣する国際交流事業などにも、大いに期待を寄せているところであります。
新型コロナウイルス感染症対策に伴って、さまざまなイベントの中止や延期がされている中ではありますが、感染症のまん延が一日も早く収束し、計画されている一連の文化交流事業ができるだけ早期に実施されることを切に願っています。 市民文化スポーツ局におかれましては、見きわめが大変難しい状況だとは思いますが、引き続き強力に東アジア文化都市2020北九州を推進していただくよう御努力をいただきたいと思います。この点は要望といたします。 次に、観光やMICE等によるにぎわいの創出について伺います。 令和2年度予算案には、新年度から課税される宿泊税、見込みでは年間2億7,500万円とのことですが、これを活用した観光振興関連予算4億5,500万円が計上されました。本事業では、小倉駅3階の総合観光案内所の改修やWi-Fiの面的整備などとともに、新規事業の小倉城周辺歴史文化観光磨き上げ事業として1,000万円が計上されています。 私は、昨年9月議会で北橋市長に今後の小倉城観光振興についてお尋ねし、北橋市長からは、小倉城リニューアル後の入場者数は1.6倍となった、今後はタイムリーな情報発信で、小倉城と小倉城庭園を合わせた入場者数の目標を35万人としたいと答弁されておりました。これもまた、
新型コロナウイルス感染症の拡大により、大きな影響が危惧されるところではありますが、感染症終息に伴う新年度以降の取り組みに大いに期待しているところであります。 そこで、お尋ねします。 本事業は、小倉城の持つ歴史的、文化的資源の掘り起こしや、更なる文化的資源の発信のために、大河ドラマと連動した企画展や講演会を開催するとともに、テレビ局やSNSを通したPRのほか、季節に応じたイベントを開催するものとされていますが、本事業の具体的内容とその狙いについてお尋ねします。 続いて、第2の柱、人や投資の流れを加速させる経済成長戦略の実行について伺います。 第1に、北九州空港の整備について伺います。 北九州空港の整備については、私は昨年6月の代表質疑でもお尋ねし、特に滑走路の3,000メートル化の実現には、RESA、滑走路端安全区域の設置工事を考慮すれば決して時間の余裕がないことなどを指摘し、早期に具体的前進を図る必要性や、鉄道アクセスの検討を再び早期に開始することなどを求めてきました。その後、9月には、本市議会としても8年ぶりの特別委員会となる
北九州空港機能強化・
利用促進特別委員会が設置され、今後の課題研究と国への要望活動を続けてきたところであります。 また、市議会では、ことし1月に、政策立案支援事業にかかわる講演会として、アジア成長研究所の八田達夫理事長の講演が行われましたが、八田先生からは、そもそも航空時代の到来に対応したことが福岡市の繁栄の要因であり、既に限界を超えてしまっている福岡空港の容量不足の壁を破るための連携こそが、北九州空港利用拡大、そして北部九州の経済成長の鍵であるとの御教示をいただき、改めて意を強くいたしました。また、北九州空港と連絡するアクセス新幹線の建設こそが福岡空港の容量の壁を破る方法であり、その整備は十分に採算ラインを超えるとの御指摘などは、大変興味深い内容でありました。 そこで、お尋ねします。 まず、3,000メートル級滑走路早期実現に向けた北橋市長の決意をお伺いします。 また、アクセス鉄道の検討については、昨年の私の代表質疑に対して、木本前港湾空港局長からは、北九州空港についても調査から10年近くたち、空港利用者数が180万人に迫るなど大幅に増加してきたことから、調査の再開を視野に、必要な情報収集に努めるとの御答弁をいただきましたが、新年度におけるアクセス鉄道調査の再開についての御見解を伺います。 次に、5G導入活用可能性調査事業についてお伺いします。 5G、第5
世代移動通信システムは、携帯電話などに用いられる次世代通信規格の第5世代目を指す言葉ですが、高速大容量、高信頼・低遅延通信、多数同時接続という3つの特徴を持っています。日本の移動体通信は、1979年に日本電電公社が自動車電話のサービスを開始して以来、およそ10年ごとに進化し続け、第5世代の5Gでは、現在の4Gに比べて通信速度が20倍、遅延速度は10分の1以下、同時接続台数が10倍になるとされ、全てのものがインターネットとつながるIoT技術の進展とあわせて、経済社会のあらゆる面にわたる進化、発展、変革に大きな貢献をしていくことが期待されています。具体的には、高度に臨場感のある映像配信や、没入感の高いVR・AR体験や、遠隔手術などの遠隔操作技術、自動運転など、多方面での活用が期待されています。 そんな中、去る1月24日、北九州市は株式会社NTTドコモとの間で、5G、ビッグデータの活用によるSDGs達成に向けた連携協定を締結したとお聞きしています。協定に基づく主な取り組みとしては、官民データ連携による本市の観光振興等におけるEBPM、データに基づく政策立案の実証実験、2つ目に、5GやXRを活用した仕事とリフレッシュ休暇が体験できるワーケーション環境の設置、3つ目に、小倉城におけるXRを活用した集客実証イベントの開催、4つ目に、IoTやAI、5Gなど最先端技術に関する勉強会やセミナーなどを開催することとなっているそうであります。 そこで、お尋ねします。 5G社会が到来して、IoT、AI技術を活用しながら大きく社会が変化しようとしている中、本市としては、地域課題解決や産業競争力強化など、本市の経済成長に資する5Gの活用についてどのように考えているのか、御見解をお伺いします。 次に、若者の市内企業就職支援関連予算についてお伺いします。 新年度予算案には、若者にも魅力ある職場を創出する取り組みとして、創業支援やオフィスリノベーション補助金、円滑な事業承継のためのM&Aモデル事業、給与アップで人手不足解消!労働生産性向上サポート事業など、多くの新規事業が掲げられました。 私は先日、2月6日に東京で開かれた北九州市応援団の集いに参加させていただきましたが、その際、北九州市の勝算、人口減少社会における成長戦略と題して特別講演をいただいたデービッド・アトキンソン氏のお話を興味深くお聞きしました。氏は講演の中で、多様な視点を持った観光政策の推進の必要性とともに、非常に小さい規模の企業がふえてしまった日本の経済社会の中で、本市でも今後は生産性の向上やM&Aなどにより、中小企業が規模を大きくしながら、賃金が上げられる中堅企業へと成長していくことが重要なのではないかと強調されたものと受けとめました。その点で、新年度に計上された中小企業支援の方向性は、氏の提案されている、労働生産性を上げて企業の規模を拡大し、賃金の高い中堅企業を目指せとの方向性と通底しているのではないかと感じています。 そこで、お尋ねします。 新年度予算案に盛り込まれた中小企業の成長支援策について、基本的な考え方と狙いについて見解をお伺いします。 次に、3つ目の柱である、誰もが安心して住み続けられるまちづくりについてお伺いします。 まず最初に、高齢者の生活交通を確保するおでかけ交通支援事業と関連する事業についてお伺いします。 おでかけ交通事業は、バス路線廃止地区や、バス路線のない高台地区、高齢化率が市の平均を上回る地区などで地域住民の交通手段を確保するため、採算性の確保を前提として、地域住民、交通事業者と市がそれぞれの役割分担のもとで連携してマイクロバスやジャンボタクシー等を運行するもので、平成12年に八幡東区枝光で開始されて以来、現在までに市内7地区で実施されています。新年度は、この制度について、交通事業者への支援を拡充するとのことですが、その内容と、支援拡充に至った背景と狙いについてお伺いします。 次に、生活交通に関連して、北九州市交通事業についてお尋ねします。 上程されました令和2年度
交通事業会計予算案では、収益的収支は黒字としつつも、資本的収支は1億3,239万円の赤字、単年度資金収支は1億5,094万円の赤字が見込まれ、令和2年度にはバス路線の見直しや10人乗りバスの導入などの経営改善を進めることとしているものの、依然として厳しい経営状況が続いています。今後の経営のあり方については、令和3年度から令和7年度までの第3次北九州市営バス事業経営計画を新年度に策定することとされていますが、本年2月の北九州市営バス事業あり方検討会議の報告では、乗り合いバス収入の増加には至っていない、運転士不足は解消されていないとしつつも、民営化しても大きく収支が改善する見込みはない、全力で経営改善に取り組み、公営バス事業者としての役割を果たしていきたいと結論づけたものと理解いたしました。これでは、総じてこれまでの姿勢と変わらないのではないかと、私は物足りなさを感じてしまいます。 全国のバス交通事業者は、公営、民間を問わず、独占禁止法の適用緩和などの法整備の動きを背景に、厳しい運転士不足に対応する共同経営やバス運行体制の一体化など、地域特性に応じた試みを開始しています。 そこで、お尋ねします。 新年度に策定される第3次北九州市営バス事業経営計画は、近年のバス事業の環境変化に対応する各地の取り組みなども視野に入れ、市民のためのバス網の充実と、総合的でシームレスな公共交通事業の拡充に向けた検討を加えながら策定されるべきと考えますが、御見解をお伺いします。 次に、日本トップクラスの安全・安心なまちづくり関連予算について伺います。 私は、昨年の代表質疑でも、特定危険指定暴力団5代目工藤会総本部事務所についてお尋ねし、その撤去は、この間の市民一丸となって取り組んできた暴力追放運動のシンボルであり、早急に市として工藤会総本部事務所の撤去にめどをつけることが必要だと主張してきました。その後、昨年11月には、市や工藤会、所有者など関係者の間で事務所撤去に関する合意がなされた後、早速、撤去作業が開始され、本年2月には同事務所の解体、撤去、整地が終了したところであります。まずは、この間、北橋市長を初め市関係者及び暴力のない町実現を願う多くの市民の皆様の御努力に改めて心より感謝を申し上げたいと思います。本当に御苦労さまでした。 今後は、所有権が移った同事務所跡地の活用が課題となるわけですが、去る2月6日、新聞各紙には、工藤会本部跡 福祉拠点になどの見出しが躍りました。報道によれば、同跡地の活用をめぐり、NPO法人抱樸が、現在の土地所有者である民間企業から土地を購入し、子供から高齢者まで全世代型の地域共生拠点として再生させる希望のまちプロジェクトを展開するとされています。 そこで、お尋ねします。 北橋市長は、工藤会総本部事務所撤去に至ったこの間の取り組みについてどのような感想をお持ちか、改めて伺います。 また、同跡地を活用したNPO法人抱樸による希望のまちプロジェクトについて、市として今後の支援策などは検討しておられるでしょうか、御見解をお伺いします。 次に、4つ目の柱、住みたい町の実現、元気発進!北九州プランの総仕上げについて伺います。 このうち、幼児教育・保育の質の向上、待機児童対策の推進について、私は昨年の代表質疑でも、次期子どもプランに関連して、これまでの取り組みで必要な保育の量的充実はほぼ達成し、今後は本市保育の更なる質の向上に力を入れるべきではないかと申し上げたところですが、いよいよ新年度から、元気発進!子どもプラン第3次計画が進められます。新年度予算案には、保育所整備による入所定員の拡大や、予備保育士雇用費補助など保育士の確保による質の向上、民間保育所の3歳以上児の副食材料費補助などの関連予算が計上されています。 そこで、令和2年度の保育施策の推進に当たっては、子供たちの命を守る安全・安心な保育現場を実現するため、保育の質の向上という観点に着目して、一層の格段の御努力をお願いしたいと思います。この点、今回は要望とさせていただきます。 次に、教育環境の更なる充実のうち、GIGAスクール構想の実現について伺います。 5Gの社会が到来し、全てのものがインターネットでつながるIoTやAI技術の活用などにより、大きく変革する社会に対応するため、教育現場でも、新しい学習指導要領では、子供たちの情報活用能力は、学習の基盤となる資質能力の一つであると位置づけられ、今後の学習活動において積極的にICTを活用することが想定されています。こうした中、昨年12月、国において、1人1台端末及び高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、多様な子供たちを誰ひとり取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させるGIGAスクール構想が打ち出されました。 そこで、本市でも、今議会に提案された令和元年度2月補正予算案に、GIGAスクール構想の実現に向けた小・中・高・特別支援学校の校内通信ネットワーク整備事業32億円が計上され、まずは1人1台の端末導入を前提としてのネットワークの強化など、環境面での整備を大幅に進めることとされています。私も平成28年の代表質疑で、ICT活用を進めるリーディングスクールを取り上げ、タブレット等を整備した学校教育の推進について議論してきた一人として、GIGAスクール構想の実現は積極的に進めていただきたいと願っています。 そこで、補正予算に計上された、同構想の実現に向けた校内通信ネットワークの整備について、今後整備される具体的内容と期待される効果について伺います。 また、当初予算案に計上された教育用タブレット端末整備については、先行して整備された全中学校、特別支援学校における活用状況とその効果についてお伺いします。 次に、子ども読書活動の推進について伺います。 本市の学校や地域における子供の読書活動は、平成27年6月議会で議員条例として議決された北九州市子ども読書活動推進条例に基づき、平成28年2月には第3次北九州市子ども読書活動推進計画を策定して、7施策36事業に取り組んできました。その計画も、令和2年度で最終年度を迎えます。新年度には、学校図書館職員を7人増配置して63人とするほか、学校における読書活動や、一昨年12月に開館した子ども図書館を拠点とした子ども読書活動の推進のための予算として4億1,317万円が計上されています。 そこで、お尋ねします。 5年計画である新北九州子ども読書プランが最終年度を迎えようとするとき、教育長はこの間の取り組みをどのように評価されているでしょうか。最終年度の取り組みの狙いとあわせて御見解を伺います。 また、本市の子ども読書活動推進の基本となっている北九州市子ども読書活動推進条例には、その第18条で、市は、この条例の施行の日から5年を超えない期間ごとに、市の施策がこの条例の趣旨に沿って推進されているかどうかを評価し、この条例の必要な見直しについて検討を行うものとするとし、第2項では、見直しに当たっては推進会議の意見を聞くものとすると規定されています。 そこで、お尋ねします。 教育長は、同条例に沿って、今後、子供読書にかかわる市の施策を評価するとともに、付属機関である子ども読書活動推進会議に意見を聞いて見直しの検討を行うこととなりますが、これをどのように進める予定なのか、御見解をお伺いします。 次に、障害者差別解消・共生社会推進事業について伺います。 令和2年度予算案には、障害者差別解消法及び障害を理由とする差別をなくし誰もが共に生きる北九州市づくりに関する条例に基づいて、市民への啓発や相談、紛争防止に取り組むとともに、障害者差別解消支援地域協議会の運営を行うための予算が昨年に続いて計上されています。 私は、昨年の代表質疑で、市の事業として整備した施設のバリアフリー化でさえ不十分さが見られたと指摘をして改善を求めたのですが、その際、高松保健福祉局長は、市有建築物のバリアフリー化等をより一層推進するため、障害当事者団体の意見を反映させる新たな仕組みに取り組んでいきたいと答弁されていました。その後、保健福祉局内では、答弁に基づいた検討がなされ、昨年末までに、対象市有建築物の新築時等に際して当事者団体と意見交換を行う流れが整理をされて、今後、本格的に実行されるとお聞きしています。 そこで、お尋ねします。 本市の市有建築物新築時などのバリアフリー化について、この間どのような検討がなされ、どのような手順が確認されたのか、また、それはどのように関係部署に共有されようとしているのか、御見解を伺います。 最後に、国民健康保険特別会計について伺います。 国民健康保険制度については、法改正に伴い、平成30年度から、都道府県が財政運営の責任主体となるいわゆる都道府県単位化が行われました。福岡県においては、都道府県単位化を円滑に進めるためとして、県と県内60市町村の協議の場として福岡県国保共同運営準備協議会を立ち上げ、その協議会の総意として、国保事業費納付金の算定においては、制度改正後3年間、被保険者の保険料負担に直接影響を与える市町村の実質的な財政負担を上昇させないという激変緩和措置を講じるものとしてきました。その結果、本市の国保運営においても、被保険者の1人当たり保険料を県単位化以前と同水準に据え置いた上で、決算補填等目的の繰り入れをしないで運営ができていました。 ところが、このような中、去る1月29日に開かれた福岡県国民健康保険運営協議会において、この激変緩和措置を1年前倒しして見直しを実施する旨の答申が県知事に対してなされました。私は、保険給付費が年々増加している現実を見ていると、この激変緩和措置が本当に実行可能なのかと当初から懸念をいたしておりましたし、本市の担当者の皆さんも、県との協議などでは、同様の懸念を表明されてきたとお聞きしています。県は、保険給付費が予想外に増加する一方、前期高齢者交付金が大きく減少したなどが見直しの理由としていますが、見直しの結果、据え置きされていた納付金が来年度から急に増加し、保険料の急増につながることが強く懸念されます。 この事態に際しては、県単位化による財政運営の責任者としての福岡県に対して、被保険者の負担が極力軽くなるように、また、県全体の保険給付費の抑制についても今後しっかり努力するよう強く要請するべきだと考えます。その上で、本市としてできることは限られると思いますが、この際、本市被保険者の負担を軽減するために、保険者としてできる限りの努力をしていただきたいと強く求めておきたいと思います。 そこで、お尋ねします。 まず、今回、県による国保事業費納付金の激変緩和措置の見直しを受けて、本市の来年度の保険料が、先日開催された北九州市国民健康保険運営協議会で提案されました。そこで、この激変緩和措置の見直しに対する市長の見解と、見直しを受けて設定された本市保険料に対する考え方をお伺いします。 また、県では、1人当たり保険給付費は今後も一貫して伸びていくと推計しています。そこで、令和3年度以降の本市の国保事業費納付金や保険料の見込み、そして、今後の対応策について御見解をお伺いします。 以上で私の第1質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(村上幸一君) 市長。
◎市長(北橋健治君) 世良議員の御質問にお答えいたします。 まず、
新型コロナウイルス感染症対策についてであります。 この感染症を取り巻く現状でありますが、中国で発生したこの感染症は、その後、周辺諸国へと拡大し、日本国内でもことし1月、初の患者が発生以降、国内各地で連日、感染者が発生し、世界的にも感染の広がりが続いております。3月1日には、本市で1例目となる
新型コロナウイルス感染症患者が発生いたしましたが、保健所において、患者の行動歴などの調査を行い、濃厚接触者の把握などに努め、関係者の健康観察を行うなど迅速に対応した結果、現時点では市内での新たな患者は確認されておりません。しかし、現在の国内の発生状況を踏まえますと、警戒を緩めることなく、感染防止対策を継続していかなければなりません。また、社会経済機能への影響についても配慮していく必要があると考えます。 議員お尋ねの相談窓口については、2月1日、外国語にも対応した専用ダイヤルを設置し、全国でも早い段階から、24時間体制で市民の不安払拭に取り組んでまいりました。2月7日からは、帰国者・接触者相談センターに位置づけ、
新型コロナウイルス感染症に関するさまざまな相談に応じております。例えば、国内の患者発生地域へ行ったので検査を受けたいとか、屋外のイベントであれば参加してもよいか、また、微熱が続いているがどこの医療機関を受診したらよいか、このように、3月12日までに4,256件の相談を受け付けました。更に、2月20日の県内初の患者確認後には、回線数を2回線から5回線に増設するなど、相談体制の強化を図りました。 検査体制であります。この
新型コロナウイルス感染症の診断に必要なPCR検査は、北九州市保健環境研究所で行っております。研究所では、今後の検査の増加に備え、ウイルス専門の検査担当職員を増員するとともに、検査の効率化によって、1日当たり最大24検体から48検体へ検査対応能力を増強したところであります。また、3月中をめどに、新たな検査機器の導入につきましても準備を進めております。導入後は、1日最大96検体の検査が可能となります。更に、大規模な集団発生に対応するため、福岡県及び福岡市と、検査に関する連携協力体制を整えております。 3月6日からは、PCR検査が保険適用されたことにより、帰国者・接触者外来の医師がPCR検査の実施を必要と判断した場合は、保健所を介さずに民間の検査機関で実施が可能となりました。これを受け、福岡県では、本市を含む行政、医療関係者などで構成する調整会議におきまして、民間の検査機関でPCR検査を実施する仕組みを整備したところであります。 医療体制につきましては、北九州市医師会や市内の16の協力医療機関で構成する感染症対策連絡会を設置して、随時協議を行っております。現在までに、平日は、成人を対象に6病院、小児については2病院が帰国者・接触者外来として対応していただいているほか、今後の感染者の増加に備え、入院患者の受け入れ医療機関の調整を行ったところであります。 議員御指摘のとおり、最近、誤った情報が流され、市民が困惑していることは承知をしております。市民に正しい情報を発信するためには、時々刻々と変化する状況を的確に把握する必要があります。厚生労働省、福岡県、福岡市とも、常に情報の共有を図っております。 情報発信につきましては、本市の患者発生状況、相談件数、PCR検査の実施件数など、対応状況をホームページで随時公表しております。市政だよりやSNSなどを活用して、手洗いやせきエチケットなどの感染予防を啓発しております。このように、市民が知りたい情報をタイムリーに発信することが重要と考えております。 私も、感染症対策会議や記者会見などさまざまな機会を通じて、市民に情報やメッセージを発信してまいりました。今後も、市民の不安を解消するため、積極的に発信してまいります。 国の専門家会議では、国内においては爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度持ちこたえているという見解を示しております。本市としても、引き続き、市民の命と暮らしを守るため、緊張感、スピード感を持って、感染拡大防止に向け、全力で取り組んでまいります。 次に、令和2年度当初予算案に込めた市長の思いについて御質問がございました。 令和2年度予算は、SDGs未来都市のトップランナーとしての取り組みを一層推進して、誰もが住みたい、住み続けたいと実感できる町の実現に向け、元気発進!北九州プランに掲げる各種の政策をもう一段磨き上げ、積極的に盛り込むという思いで予算編成に臨んだところです。その中で、特にほかの都市と比較して注目、評価されております環境分野における取り組みを、SDGsが掲げる17の目標達成に向けた重点政策に位置づけ、新たな政策や拡充策を盛り込んでおります。 SDGsの推進には、市民や企業などの主体的な動きを加速させていく必要があります。こうした中、市内の高校における探究学習などの取り組みや、昨年11月に実施された竹を活用したイベント小倉城竹あかり、市内金融機関15社による地域の中小企業のSDGs経営支援など、民間による動きも活発化しております。このような全国に先駆けた本市の取り組みを今後も創出し、SDGs達成に向けた北九州モデルとして全国に発信するため、高校生の活動発表会の開催や、市民センターの活動支援などによる人材育成を行うとともに、市民が気軽に参加しSDGsを実感できるシンボル的な取り組みの創出を支援してまいります。 また、産業都市でありSDGs未来都市である本市は、昨今世界的な問題となっている地球温暖化やプラスチックごみなどの環境問題解決に向けた取り組みを進めるため、家庭用指定ごみ袋のバイオマスプラスチック化や、海岸清掃の実施による市民啓発、東南アジアにおける国際貢献の取り組みなどを実施します。更に、林道の整備、放置竹林の解消に向けた取り組みや、国内産木材利用の推進、普及啓発など、森林環境保全事業などを実施いたします。 特に力を入れた主な政策でありますが、高齢者などが住みよいまちづくりを進めるため、おでかけ交通の事業者に対する運行助成を拡充するほか、実施地区の大幅な拡大や、利用しやすい料金への見直しなどを実施して、公共交通空白地域における高齢者などの生活交通を確保し、持続的な地域交通の確立に取り組むことです。また、教育環境の更なる充実のため、スクールソーシャルワーカーなどの専門人材の増員や、NPO法人への委託による伴走型支援などを強化し、総合的な不登校対策に取り組むことです。更に、人や投資の流れを加速するため、オフィス環境整備や設備投資を促す助成制度の創設や拡充による企業の誘致であります。また、北九州空港の航空貨物の拠点化や路線の誘致であります。また、国際展開も含めた環境ビジネスの推進であり、風力発電関連産業の総合拠点化、また、U・Iターンや第2新卒など若者及び外国人材の地元就職支援など、本市の成長を促す政策を進めてまいります。 このような政策を通じて、誰ひとり取り残さないというSDGsの理念を市民や企業と共有し、オール北九州でチャレンジを続け、本市の新たな都市ブランドの構築や、人口の社会動態プラスの実現、経済活性化などにつなげ、誰もが住みたいと実感できるまちづくりにまい進してまいります。 次に、経済成長戦略の中で、空港の3,000メートル級滑走路早期実現について御質問がございました。 3,000メートル級滑走路の早期実現に向けては、これまで国から、新たな確実な需要が必要だと指摘を受けてきたわけであります。その指摘に対応すべく、路線の誘致や集荷に鋭意努めてきた結果、一昨年6月にはANA Cargo、昨年11月には大韓航空が就航し、ことしの1月には、特殊大型貨物輸送で世界的な企業であるロシアのボルガ・ドニエプル航空と、北九州空港利用促進に係る覚書を県とともに締結をいたしました。こういった実績は、北九州空港のポテンシャルが高く評価されたあかしであり、滑走路延伸の実現に向けた大きな後押しとなると考えております。 また、滑走路の長さ不足のため大型貨物機の就航に至らなかった事例に加えまして、関係する企業へのヒアリングにより、潜在的なニーズを把握してまいりました。長年の要望活動に加え、これらの成果やニーズを取りまとめ、滑走路延伸に向けた国への働きかけを強めているところであります。 直近では、昨年11月、商工会議所会頭、市議会議長、
北九州空港機能強化・
利用促進特別委員会委員長とともに、国土交通大臣及び財務大臣に要望活動を行いました。先月には、県市合同要望といたしまして、県知事、県議会議長、市議会議長とともに、国土交通大臣に要望活動を実施いたしました。要望活動を実施する中で、北九州空港のポテンシャルや滑走路延伸の意義を国としても十分に認識していただいていることを実感しております。改めて、市議会や地元財界の御尽力に感謝を申し上げます。 空港将来ビジョンで掲げた九州、西中国の物流拠点空港の実現のためには、議員御指摘の滑走路延伸が大きな推進力となります。悲願であります3,000メートル級滑走路実現に向けて、引き続き全力で取り組んでまいりたいのであります。 次に、おでかけ交通事業の拡充内容、その背景と狙いについて御質問がございました。 本市では、持続可能な公共交通ネットワークの再構築を図るため、北九州市地域公共交通網形成計画に基づき、おでかけ交通への支援強化など30の政策を推進しております。その一つであるおでかけ交通事業は、これまでも、運行継続のための財政的な支援として、車両の購入、運行経費に対する助成など、支援の拡充に努めてまいりましたが、沿線人口が減り、運賃が値上げになり、世代交代による認知不足などもあって、利用者が年々減少する傾向にありました。このため、昨年度から、おでかけ交通の新たな利用促進策として、お得な定期券、回数券の導入などを進めており、新たに導入した地区では利用者の数が前年度を上回るなど、効果が出始めております。 このように、財政的支援、利用促進策などさまざまな取り組みを進めておりますが、おでかけ交通の助成制度は導入後15年が経過しております。昨年の建設建築委員会の報告書においても、新たな施策について検討すべき時期にあるという指摘がありました。 そこで、将来的にも持続可能とし、公共交通空白地域の縮小を図るためには、更なる支援策の改善や新たな施策が必要と考えております。このため、来年度予算に、高齢者の生活交通を確保するおでかけ交通支援事業として、今年度の約4倍となる1億400万円の予算を計上したところであります。 この中で、おでかけ交通の運行支援助成額の上限を現行の2倍へ引き上げ、バス事業者が車両を小型化し路線を維持する取り組みに助成をし、ラストワンマイル実証事業を踏まえた他の地区への本格運行などに取り組むことにしております。あわせまして、高齢者や車椅子の方など誰もが利用しやすいユニバーサルデザインタクシーの導入支援制度の創設も行いたいと考えております。これらの取り組みによって、既存のおでかけ交通事業やバス路線を維持していくとともに、新たな地区への導入により、公共交通空白地域が縮小され、地域の生活交通の確保や高齢者の外出機会の創出にもつながると期待をしております。 今後とも、地域や交通事業者と連携をして、これらの施策を推進し、地域の生活交通を守っていく取り組みを積極的に進めてまいります。 次に、工藤会事務所撤去に至ったこの間の経緯、また、跡地活用への市の支援策について御質問がございました。 本市では、いっとき、暴力団によると思われる、市民を標的にした事件が相次ぎました。最愛の御家族や御親族、御友人を失われた方々のお気持ちを思いますと、今なお哀惜の念にたえません。ここに改めて心より哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。 当時のことを思い起こすと、本市には重い暗雲が垂れ込めたように大きな不安が広がり、緊張が高まっておりました。また、対外的には、暴力の町のイメージが広がり、観光の振興や企業の誘致など経済活動にも大きな支障を来す状況でありました。 そのような中、平成26年に始まった県警察によるいわゆる頂上作戦をきっかけに、県警察、市民、事業者、市議会、市が一丸となって、暴力追放の動きを加速させていったのであります。そして、本年2月、ついに、暴力団のシンボルであり拠点であった総本部事務所は取り壊され、更地となりました。 これまでのことを思い起こすと、万感胸に迫るものがあります。県警察を初め全国の警察の皆様には改めて感謝を申し上げますとともに、市民、事業者、市議会の皆様の勇気ある行動に改めて敬意を表します。 今回の撤去事業に当たりましては、公金を投入することなく、また、売却益が暴力団側に渡ることのないような仕組みづくりや、跡地の転売先探しなどを慎重に進めてまいりました。厳しく難しい交渉でありましたが、民間事業者による跡地の購入、土地の売却益を県暴追センターが預かり、工藤会による事件の被害者へ直接振り込む仕組みの確立など、当初の方針に沿った結果を得られたことに安どしております。また、跡地につきましては、NPO法人抱樸が、希望のまちプロジェクトと銘打ち、地域共生社会の拠点を整備するため、現土地所有者である民間事業者と土地売買の話を進めていると聞いております。まさに今、暴力団事務所の跡地が希望の町として新たに生まれ変わろうとしているのであります。 事業の具体化はこれからだと伺っておりますが、市としましても大いに期待しております。できる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。今回、暴追のシンボリックな事業である総本部事務所の撤去を実現することができましたが、今後も手綱を緩めることなく、暴力のない、日本一安全・安心な町の実現に向け、全力で取り組んでいく方針であります。 次に、激変緩和措置の見直しにつきまして、本市の保険料についての御質問があったところであります。 国民健康保険の県単位化に当たりましては、福岡県による激変緩和措置によって、これまで1人当たり保険料を据え置くことができました。しかし、県は、当初の見込みに反し保険給付費が増加したこと、公費の減少、更に、今後の1人当たりの保険給付費が一貫して増加していく見込みであることから、激変緩和措置の3年間実施が困難になり、見直しが行われました。 今回、激変緩和措置が1年前倒しで見直され、本市の令和2年度の納付金が今年度より約12億円増加し、被保険者の保険料を上げざるを得ない状況となりました。市町村国保は、被保険者の平均年齢が高いため、医療費の水準が高く所得水準が低いという構造的な問題があります。急激な保険料の値上げは、被保険者の生活に大きな影響を与えるため、配慮する必要があると考えております。 国民健康保険の保険料は、被保険者の保険給付費を賄うための医療分、また、後期高齢者医療制度を支援する後期高齢者支援金分、また、40歳から64歳の方が負担する介護納付金分から構成されております。後期高齢者支援金分と介護納付金分については、県が示した納付金から決められた公費を差し引いて、残りを対象者で負担するという一定のルールに基づいて決定されるものであります。 今回、医療分につきましては、本市独自の激変緩和措置を行うため備えておりました繰越金を活用し、令和元年度1人当たり保険料額と同額に据え置くことにいたしました。その結果、納付金の増額分をそのまま保険料に転嫁した場合1万1,652円増に比べ、1人当たり保険料の伸びを半分以下、4,994円増に抑えることができたものであります。具体的には、令和2年度の1人当たり保険料は、今年度に比べ、医療分は据え置き、後期高齢者支援金分は1,638円ふえ、介護納付金分は3,356円ふえることとなりました。 福岡県が今回の激変緩和措置の見直しにあわせて行った令和3年度以降の将来推計でありますが、これによると、医療の高度化や高齢化の進展などによって、1人当たりの保険給付費は継続して増加していくと見込んでいます。今後も、必要となる保険給付費が増加すれば、県が算定する納付金総額は増加することになり、納付金を賄うためには、被保険者に賦課される保険料を上げざるを得なくなります。 今後の対応であります。こうしたことから、今後も被保険者の負担を抑制できるよう、国や県に対し、更なる国庫負担の引き上げや医療保険制度の一本化などの改革を引き続き要望するとともに、納付金や保険給付費の増加を抑制するため、医療費適正化などに取り組んでまいりたいと考えております。 残余の質問は、教育長、関係局長からお答えさせていただきます。
○議長(村上幸一君) 財政局長。
◎財政局長(小牧兼太郎君) まず、法人市民税の配分割合の拡充強化について、国に対してどのような要望をしてきたのか、また、その成果と課題についてお答えいたします。 法人市民税に係る税制改正が行われたその趣旨は、地域間の税源の偏在性を是正し、財政力格差の縮小を図るものとされ、具体的には、法人市民税法人税割の税率を引き下げ、その引き下げ分全額を国税として交付税の原資とし、地方交付税を増額することにより、地方公共団体間の格差の是正を図るものと承知しております。この税制改正による本市への影響額は、約17億円の減収となっております。一方、これらの改正に伴う市の減収分の補填措置として、法人事業税の一部を県から市に交付する法人事業税交付金が創設され、その額は約10億5,500万円となっております。 なお、この改正に伴いまして、交付税の原資が確保されたことなどの効果により、本市における来年度の臨時財政対策債の予算額は、前年度に比べ30億円抑制することが可能となりました。 また、本件に関するスタンスは指定都市で一致しておりまして、指定都市市長会として昨年10月に行った国要望の中で、法人市民税の配分割合の拡充強化などについて要望を行ったところであります。しかしながら、これらの要望につきましては、都市部と地方部の地方公共団体間において意見が分かれる問題であることなどから、令和2年度の税制改正では、法人市民税の配分割合が拡充されることにはなりませんでした。 今後の課題でありますが、大都市特有の財政需要に対応していくため、地方公共団体間の財政力格差の是正については、法人市民税などの地方税収を減ずることなく、国税からの税源移譲や地方交付税の法定率引き上げなど、国の責任において行うべきとの要望を引き続き行ってまいりたいと考えております。 次に、本市における臨時財政対策債の交付税措置とその償還について、今後の見通しも含めお答えいたします。 臨時財政対策債は、地方財政収支の不足額を補填するため、各地方公共団体が発行する地方債であり、元利償還金相当額についてはその全額を後年度地方交付税で措置されることとされております。本市における臨時財政対策債の元利償還相当額に対し、地方交付税で措置された額の合計は約1,390億円となっております。一方、将来の市債の償還に備えた公債償還基金への積み立てを含めた元利償還金は約1,475億円と、約85億円上回る見込みであります。そのため、本市においては、国が措置した臨時財政対策債の元利償還相当額に対する地方交付税について、いわゆる流用しているという状態にはございません。 今後の見通しでありますが、現在、発行残高は3,977億円の見込みとなっております。本市としては、その元利償還相当額については今後も確実に地方交付税で措置されるものと考えておりまして、国の動向と地方交付税の措置状況は引き続き注視していきたいと考えております。また、将来世代の負担が過大にならないように、将来の臨時財政対策債の償還に備えて計画的に基金に積み立てていくこと、これを引き続き着実に行ってまいります。 次に、中期財政見通しにおける基金残高を踏まえた今後の収支改善の取り組みについてお答えいたします。 本市では、平成29年度に中期財政見通しを策定以降、歳入歳出両面から収支改善を具体化してまいりました。平成29年度策定時の見通しと今回改定した見通しを比較しますと、歳入面においては、宿泊税の新設、景気の緩やかな拡大による市税の確保、消費税率引き上げに伴う一般財源の増、土地売払収入や特定目的基金繰入金の活用、出資金の返還や受益と負担の水準の見直しによる使用料の増など、上振れを実現してきております。一方で、歳出面において、人件費の見直し、施設の統廃合、事務事業のスクラップ・アンド・ビルドなどを反映して、一般財源の伸びを抑えることができました。その結果、平成29年度策定時点の令和2年度基金残高見込み額159億円は、今回改定した見通しでは251億円に改善をいたしております。 しかしながら、今後の社会保障関係の増加傾向、不透明な景気動向を踏まえると、慎重な財政運営が必要な状況は続くものと考えております。そのため、今後も本市の成長を促し、将来の税源のかん養につながる政策への重点化を図っていくとともに、歳入面においては、国の補正予算の活用、市未利用地の更なる売却、既存基金の整理統合による活用など、徹底した財源確保を図ります。同時に、歳出面におきましては、事業のスクラップ・アンド・ビルドや、執行段階での不要不急の支出の抑制など、不断の収支改善を継続し、持続可能で安定的な財政運営の確立に努めてまいります。以上です。
○議長(村上幸一君) 産業経済局長。
◎産業経済局長(鮎川典明君) まず、小倉城周辺歴史文化観光磨き上げ事業についてお答えいたします。 小倉城は、昨年3月末にリニューアルオープンし、2月末までに22万6,000人が入場し、54年ぶりに10万人を突破しています。また、小倉城庭園の入場者も7万5,000人で、合わせて30万人を超えています。そのうち外国人が約2割を占めるなど、海外でも広く認知されるようになっております。 新たな取り組みとして、天守閣やしろテラスを活用し、ユニークベニューや天空の映画館、夜景とお酒が楽しめるナイトキャッスルなどのイベントを行うほか、歴史ブログ小倉城ものがたりのホームページ掲載や、SNSでの情報発信など、ICTを活用したPRも積極的に行っております。 小倉城周辺歴史文化観光磨き上げ事業は、小倉城が持つ歴史的、文化的資源を掘り起こし、それをテーマに、わかりやすく楽しめる催しを行い、多くの方に入場していただくことを目的としております。ことしは、大河ドラマ麒麟がくるに合わせて、主役の明智光秀と深い縁がある細川家にスポットを当てたさまざまな催しを計画しています。具体的には、大河ドラマと関連したNHKの歴史セミナーを誘致しているほか、いのちのたび博物館の学芸員と連携して、細川家に関する展示の企画や展示品の借用等について協議しています。また、いのちのたび博物館で編集した小倉城と城下町の歴史の出版に合わせ、広大な総構えによって守られた城郭や、切石を使わない野面積みの石垣などに関する専門家の講演会や、細川家が日本で初めて醸造したと言われる伽羅美酒、ワインの一種のイベントも開催したいと考えています。 小倉城周辺のにぎわいづくりに関しては、市と指定管理者、民間企業や団体が協働して催しを企画実施したいと考えており、季節に合わせたイベントのほか、6万人が来場し好評を博した小倉城竹あかりや小倉城城まつりもグレードアップしていきたいと考えております。このような事業を、新たに始める観光情報を発信するテレビ番組でのPRをしていくほか、インターネットやSNSを通して広く情報発信することで、小倉城の魅力を広く知っていただき、内外から多くの観光客を誘致してまいりたいと考えております。 続きまして、中小企業の成長支援策についてお答えします。 市内企業の大多数を占める中小・小規模企業は、地域経済のかなめであり、雇用を支える重要な役割を担うものと認識しています。そのため、本市では、新成長戦略や中小企業振興条例に基づいて、経営相談や融資、技術開発、販路開拓、創業支援はもとより、労働生産性の向上や事業承継など、社会情勢に対応したきめ細かな成長支援策を実施してきています。具体的には、新規設備の固定資産税を3年間ゼロにする特例事業、経営の安定化や競争力強化を目的とした産業用ロボット導入支援、技術開発助成金を活用した新技術、新製品の開発促進、喫緊の課題である円滑な事業承継の促進、ジェトロや貿易協会と連携した海外展開支援などを行っております。 令和2年度予算では、持続可能な産業都市として更なる成長を続けるため、これまでの取り組みに加えて、労働生産性の向上による賃金の上昇や、事業承継、M&Aなどによる企業規模の拡大支援などに重点事業として取り組むこととしております。具体的には、労働生産性向上と給与アップを図るため、モノづくり補助金の活用支援や資格取得への助成を行う給与アップで人手不足解消!労働生産性向上サポート事業、中小企業の事業承継、M&Aを支援し、企業規模拡大による労働生産性、競争力向上を図る事業承継のためのM&Aモデル事業、将来性のある中小企業などに対して、証券取引所や金融機関等と連携し、企業規模の拡大や新規上場を目指す未来の株式上場企業育成事業などに取り組むこととしております。 今後とも、中小企業などの抱える課題解決に向けた施策を積極的に推進し、企業の労働生産性の向上により、企業の規模を拡大し、従業員の賃金上昇や雇用の増加につなげてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(村上幸一君) 港湾空港局長。
◎港湾空港局長(辻誠治君) 北九州空港のアクセス鉄道調査の再開についてお答えいたします。 北九州空港アクセス鉄道については、空港利用者の利便性向上を目的に、平成13年度から事業化へ向けた検討を行ってまいりました。平成22年度に取りまとめた検討結果では、事業採算性を確保するためには、国の補助について、成田アクセス鉄道並みの補助率3分の1を適用し、更に需要拡大方策を想定するという設定で、最も事業採算性のよい新門司を通る在来線型では約300万人、新幹線タイプである高規格型では約810万人の航空旅客数が必要であるという結果を得ています。これを踏まえ、調査は平成22年で一旦休止し、航空旅客数が200万人を超えた際に検討を再開することといたしました。 調査の再開についてですが、昨年6月議会で、北九州空港についても調査から10年近くたち、空港利用者数が180万人に迫るなど大幅に増加をしてきたことから、調査の再開を視野に、必要な情報収集に努めると答弁がございました。まずは、空港利用者数200万人を目標に全力で取り組み、状況を見ながら本格的調査に着手したいと考えております。来年度は、その事前準備として、既存検討ルートの現地調査などを行い、環境変化の確認を行いたいと考えております。 いずれにしても、鉄道を含むアクセス機能の強化の検討を進め、北九州空港の更なる利便性向上へ向けて取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(村上幸一君) 企画調整局長。
◎企画調整局長(大下徳裕君) 経済成長戦略のうち、5Gの活用についての本市の見解でございます。 国の提唱しますSociety5.0、これを実現するためには、5Gの高度な通信環境が極めて重要でございます。5Gにつきましては、高速で大容量、高信頼・低遅延、多数同時接続という特性から、工場内の産業ロボットを有線から無線接続へ切りかえることによります配置がえや工程変更への柔軟な対応、工事現場における遠隔操作の建設機械の導入、スタジアムでの高精細映像コンテンツのリアルタイム配信など、生産性の向上や付加価値の高いビジネスの創出に弾みがつくものと考えられております。 一方で、国から5G免許を取得した通信事業者の計画では、令和3年までに都道府県に1カ所以上の基地局を設置し、令和6年までに全国を10キロ四方の約4,500メッシュに分割し、その5割から9割の範囲で基地局を設置するということにされております。本市として、5Gを利活用できるエリア、分野を検討しておく必要があると考えております。また、大手通信事業者のほかに、企業や研究機関等が5G環境を独自に構築できるローカル5Gの制度を活用し、九州では初めて九州工業大学が戸畑キャンパス内において5G環境を構築し、民間企業と産学連携のもと共同研究に取り組むといった動きもございます。 本市といたしましては、NTTドコモとの連携協定に基づく実証事業も踏まえつつ、この春から開始されます大手通信事業者の5G商用サービスの先行事例も調査しながら、5Gがどのような分野、エリアで導入可能か、調査研究を取り組んでまいりたいと考えております。以上です。
○議長(村上幸一君) 交通局長。
◎交通局長(池上修君) 誰もが安心して住み続けられるまちづくりのうち、新年度に策定されます第3次北九州市営バス事業経営計画についてお答えさせていただきます。 本年度、北九州市営バス事業あり方検討会議を開催し、平成28年度から令和2年度までの5カ年計画で実施しています第2次北九州市営バス事業経営計画の取り組み内容及び結果の評価検証を行うとともに、今後の市営バス事業の経営形態及び市営バスの今後の取り組みについて検討を行ったところでございます。あり方検討会議の意見を踏まえまして、関係局長で構成いたします今後の市営バスの運営方針に関する庁内協議会において、少子・高齢化の進展や人口減少の中、地域交通をどうすれば維持できるのか、そのためには公営交通はどうあるべきかという視点で協議を行ってまいりました。 当協議会としましては、公共交通機関の役割が増大していく中、今後の経営改善策が着実に実行されれば、中期的に収支均衡は図られると判断され、引き続き交通局が、市民の暮らしを支える地域の足として、その役割をしっかりと果たしていくべきとされました。それを踏まえまして、令和3年度以降の新たな5カ年計画を新年度に策定することといたしました。 次期計画におきましては、バスロケーションシステムやモバイル乗車券の導入、また、ノンステップバスの導入促進などにより、議員御指摘の公共交通のシームレス化を推進することとしており、また、今般導入する10人乗り車両を活用いたしまして、これまで大型バスが運行できなかった高台地区などの路線開設も今検討しているところでございます。加えまして、近年のバス事業を取り巻く厳しい経営環境にも対応するため、新たな試みを開始しています各地のバス事業者の事例も参考にしながら、可能なものにつきましては積極的に取り入れる必要があると考えております。 交通局といたしましては、平成28年度から続く赤字経営という結果を重く受けとめるとともに、厳しい経営環境であるということは十分認識しております。今後とも、市民の生活の足を守るため、粘り強く経営改善に全力で取り組み、その役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えています。以上でございます。
○議長(村上幸一君) 教育長。
◎教育長(田島裕美君) 教育関連で2つお尋ねいただきました。 まず、GIGAスクール構想の実現についてお答えいたします。 2月補正予算に計上いたしました校内通信ネットワーク整備事業では、国の補助事業を活用して、高速大容量の通信を可能とするための通信回線や、全教室で利用可能な無線アクセスポイント、更には、端末の充電を行う電源キャビネットなどの整備を行うこととしております。今回の整備によりまして、校内での通信が高速大容量通信対応のものになりまして、多くの児童生徒が一斉に動画視聴を行うなどの場面においても、通信速度等の面で問題が生じることなく、円滑に教育活動を行うことができるものと考えております。 タブレット導入の効果でございますが、本年度はタブレット端末を、中学校では各学校に12台程度、特別支援学校では各学校に18台程度導入いたしました。具体的な活用事例として、中学校におきましては、例えば保健体育の授業で、バレーボールの実技を撮影した画像を確認して、改良点をお互いグループで指摘し合うことで技術の向上につなげたり、あるいは、発表ソフトを使って、各グループで話し合った意見を全体で共有して、ほかのグループの意見と比較することで、お互い考えを深める活動を行ったりというふうな活用をしております。特別支援学校におきましては、現在主に研修を行っている最中ですが、先行的に導入している事例といたしましては、肢体不自由の学校で、子供の動きの動画を撮って、よい姿勢が保持できているかどうか振り返る自立活動を行ったり、あるいは、知的障害の学校において、国語の学習アプリを使って、平仮名入力で音声を出力する学習を行っておるなどの取り組みが行われております。実際にタブレットが配付されてから余り時間はたっておりませんけれども、既に、目的に沿って効果的な活用が行われて、教育効果が上がっているものと考えております。 次に、新北九州市子ども読書プランの評価と最終年度の狙い、また、子ども読書活動推進条例の見直しの検討をどのように進めるのかという点の御質問に対してでございます。 北九州市子ども読書活動推進条例に基づきまして、平成28年2月に策定しました新北九州市子ども読書プランでは、令和2年度までに7施策36事業に取り組むこととしております。この間、大きな動きとしまして、条例に基づき整備しました子供の読書活動の推進拠点となります子ども図書館が平成30年12月に開館いたしました。連日、多くの子供たちが訪れて、読書に親しんでおります。 子ども図書館には、学校図書館支援センター機能があります。学校図書館職員やブックヘルパーの研修、あるいは学校向けの団体貸出図書セットの充実など、学校における子供の読書活動の推進に現在努めております。また、地域の子供たちのために、読み聞かせボランティアバンクを再構築して、地区図書館を通じまして、各地域の子育て関連施設に読み聞かせボランティアを派遣するなど、地域における子供の読書環境の充実にも取り組んでおります。このように、条例に基づき策定いたしました読書プランの各施策を進めた結果、子ども図書館を中心としまして、学校図書館及び地区図書館と三位一体で取り組んでいく子供の読書活動推進体制の体系化が進んだと評価しております。 議員お尋ねの北九州市子ども読書活動推進条例の見直しの検討につきましては、来年度初めに子ども読書活動推進会議を開催して、条例に基づくこれまでの事業の進捗状況を確認していただくこととしております。更に、現行の読書プランの各事業について、成果や課題等について御意見を伺って、令和3年度からの次期の読書プランについて協議する予定としております。 次期読書プランの策定スケジュールでございますが、令和2年度の秋ごろまでには素案を作成して、令和2年度中には成案を策定したいと考えております。その間、適宜、市民の御意見を伺ったり、議会にも報告をいたしながら、より実効性のある次期読書プランを策定したいと考えております。来年度、現行の読書プランの最終年度を迎えますけれども、引き続き、学校、地域、家庭において、更に子供の読書活動が推進されるよう、しっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(村上幸一君) 保健福祉局長。
◎保健福祉局長(高松浩文君) 最後に、本市の市有建築物新築時などのバリアフリー化について御答弁申し上げます。 市有建築物については、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律及び福岡県福祉のまちづくり条例の基準により、バリアフリー化を進めてまいりました。市有建築物のバリアフリー化に当たっては、法令による基準と、障害のある人などの使い勝手とのかい離を埋めるため、これまでも、障害当事者団体との意見交換を一部の施設で実施してきましたけども、実施手続に統一的なルールがなかったため、意見交換を行う施設と行わない施設がある、意見交換の実施時期が遅く意見が反映されないことがある、意見が反映されたか確認できないなどの課題がありました。 このため、平成31年3月に、基本・実施設計時や開設前の内覧時などにおいて障害当事者団体との意見交換を行うことやその手順について全庁的に通知するとともに、4月以降、障害当事者団体と協議を重ね、対象とする市有建築物の選定の方法や意見に対する進捗状況の管理、また、設計内容等に関する情報管理など、当事者団体と協働して意見交換を行う仕組みづくりを進めてまいりました。こうした仕組みづくりを通じて、今年度は、仮称平和資料館や新科学館等の新規建築物のほか、大規模改修を行う東部斎場など5つの建築物について意見交換を行い、トイレの仕様や、屋外からの施設へのアクセス、また、障害のある人に配慮した休憩スペースや避難時の誘導案内などの具体的な意見をいただき、設計に反映させるなどにも取り組んでおります。 このように、意見交換の手順については一定の整理がついたことから、今後は、継続的な取り組みに向け、要綱によるルール化を検討するなど、市有建築物のバリアフリー化の一層の推進と共生社会の実現に取り組んでまいりたいと考えております。以上で答弁を終わります。
○議長(村上幸一君) 28番 世良議員。
◆28番(世良俊明君) 御答弁ありがとうございました。それぞれにいろいろ議論をしたいところがございますが、若干の残りの時間で、
新型コロナウイルス感染症対策についての質問をさせていただきたいと思います。
新型コロナウイルス感染症対策でありますけれども、本日午前1時現在で、日本で感染した人などはついに804人となりました。また、クルーズ船帰国者の患者さんと合わせて1,530人となったわけであります。感染の拡大が続いています。世界でも、アメリカやスペイン、イタリアなど、少なくとも15の国と地域で非常事態や緊急事態が宣言されており、日々刻々と状況が変化をしていると思います。この変化に的確に対応して取り組むことが求められていると思います。 先ほど御答弁にもありましたように、本市では、1月29日のPCR検査開始以降、3月1日の陽性患者の方とその周辺の検査を含めて、3月10日までに本市関連のPCR検査が合計259件実施されたと報告されています。このうち陽性と確認されたのは、小倉南区の運転手さんお一人で、あとは全てが陰性であったと報告がされています。これを見る限り、本市においてはいわゆるクラスターは発生しておらず、感染が次々に連鎖をしていくというような状況は現状では起きてはいないのではないかと確認できるものと思います。ただ、油断はできないと思います。これからまだどんな事態が発生するか、十分に注意を払いながら、次の段階に備えることが必要だと思っています。 特に、今回のPCR検査の保険適用という検査の流れの変更というのは、今後の陽性患者の増加を想定しているもので、そうなった場合、現在の市内の感染症指定機関16床だけでは不足する事態が予想されます。大阪等では既にさまざまな試みがされようとしているとお聞きしていますが、軽症患者さんがベッドを占有して重症患者の治療に支障が出るなどがないようにするためには、適切なトリアージなども必要になると思います。こうした中で、今後起こり得る陽性患者さんの多発期の医療体制の強化については、市は既に医師会や市内16の医療機関と協力体制について相談されてきたとお聞きしております。 そこで、この点どのような協力体制が整ってきたのか、今後の拡大期、これからの拡大期に備える検査や医療の体制について、考え方があれば教えていただきたいと思います。
○議長(村上幸一君) 保健福祉局長。
◎保健福祉局長(高松浩文君) 医療体制でございます。まず、外来と入院に分けて御説明したいと思いますけれども、まず外来の医療体制につきましては、今、第1答弁でありましたように、平日は成人が6病院、小児が2病院という体制で、当初は1病院しかありませんでしたけども、拡充しておりました。今後の患者の増に対しまして、帰国者・接触者外来を更に増設するということを考えていきたいと思っています。また、更に大幅に患者がふえた場合につきましては、これは厚労省からも通知が出ておりますけども、一般の医療機関で、必要な感染予防対策を講じた上で診療する体制を整えることになりますので、一般病院にも医療機関にも御協力をお願いするということ。 それから、入院の医療体制でございます。現在、13病院が入院の体制に御協力いただくということを表明いただいておりますけども、これにつきましても、受け入れ体制の病院をまず拡充するということが第1点、更に大幅に患者がふえた場合は、これも一般の医療機関においても一定の感染予防対策、部屋を分けるとか入り口を分けるとか、院内感染が起こらないようなことを十分に考えた上で入院の受け入れ体制を確保するということを今考えておりまして、これはまさに、医師会とか医療機関で構成される、我々、感染症の連絡会というのを持っておりまして、その中で随時状況に応じて検討し判断していきたいと考えております。以上でございます。
○議長(村上幸一君) 28番 世良議員。
◆28番(世良俊明君) ありがとうございました。今後の見通しというのはまだ依然として不透明ではありますけども、どんな状況においても、わかりやすい相談体制、それから、迅速な検査の実施、適切な医療の提供ということにぜひ今後一層の努力をお願いしたいと思います。 ただ、そのときに、市民の皆さんの御理解が不可欠だと思います。この検査の流れや、相談、検査、医療の流れというのがどのような形で進んでいくのかということに対して、まだまだ市民の皆さん全体の御理解はなかなか進んでいないのではないかと。PCR検査がすぐにできるのではないかというような御相談もありますし、そうしたことに対して、今のルールをどのような形で進めていこうとしているのかということに対して、周知をぜひお願いしたいと思います。 特に、それは医療関係者もそうだと思いますね。クリニック、診療所の先生方に受診といったときに、そのクリニックの先生方が御理解を余りなさっていなくて、自分から医療センターに話してやるみたいな話が出てみたり、もう来ないでくださいという話になったりという事例が見受けられますので、医療関係者の皆さんについても医師会を通じた情報共有というのをきちっとしていただけるような努力をお願いしたいと思います。 それと、もう一つですが、経済対策についてでありますけど、時間が若干ないですが、この間の御答弁もありましたが、大変大きな影響が本市経済についても及ぼしつつあると思っています。先ほど御紹介のあったとおりでありますが、政府が3月10日に
新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第二弾を発表しましたけども、例えばフリーランスの方々等について、本当に必要で効果的と思われる緊急の小口資金貸し付けなどの全貌というのはまだ詳しいことがわかっていないので、なかなかその内容が不透明という状況があると思います。 こうした中で、本市はワンストップ相談窓口を設置して、保証料をゼロにするですとか、あるいは、さまざまな独自の支援策を開始されたということでありますが、ぜひこれについても北九州独自の支援策を、これから国が出されるということになっていくかと思いますが、例えば補正予算が4月だとしても、私たちの補正予算が6月ということになったら、緊急な対応が難しいということがあろうかと思いますが、その点については、先ほど財源対策も含めて若干答弁があったと思いますけども、いま一度、そういう迅速な経済支援体制を進めるためにどのような形で市は考えていくのかということについて、基本的な考え方をお示しいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(村上幸一君) 副市長。
◎副市長(梅本和秀君) 経済対策の話ですけども、まず、国がどういう方向でどういうことをやるのかということを十分に見きわめる必要がありまして、その上で、新年度、例えば今、世良議員がおっしゃったように、通常であれば6月の議会ということがありますけれども、必要に応じてはそれよりも前にまた議会の皆さんとも御相談をしながら、臨機応変に対応していきたいと思っております。以上でございます。
○議長(村上幸一君) 28番 世良議員。
◆28番(世良俊明君) ありがとうございました。時間がなくなってまいりました。ぜひこれからも本市の財政の見通し等についても十分に留意をされた上で、適切で可能な規模での効果的な財政出動を含めて対応をお願いしたいと思います。 時間が来ましたので、終わります。以上で質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(村上幸一君) 本日の日程は以上で終了し、次回は3月17日午前10時から会議を開きます。 本日はこれで散会いたします。 午後4時16分散会...