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06月07日-03号

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  1. 北九州市議会 2019-06-07
    06月07日-03号


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    令和元年 6月 定例会(第2回)議 事 日 程 (第3号)                          令和元年6月7日(金曜日)午前10時開議(開 議)第1 議案第68号  令和元年度北九州市一般会計予算第2 議案第69号  令和元年度北九州市国民健康保険特別会計予算第3 議案第70号  令和元年度北九州市食肉センター特別会計予算第4 議案第71号  令和元年度北九州市卸売市場特別会計予算第5 議案第72号  令和元年度北九州市渡船特別会計予算第6 議案第73号  令和元年度北九州市土地区画整理特別会計予算第7 議案第74号  令和元年度北九州市土地区画整理事業清算特別会計予算第8 議案第75号  令和元年度北九州市港湾整備特別会計予算第9 議案第76号  令和元年度北九州市公債償還特別会計予算第10 議案第77号  令和元年度北九州市住宅新築資金等貸付特別会計予算第11 議案第78号  令和元年度北九州市土地取得特別会計予算第12 議案第79号  令和元年度北九州市駐車場特別会計予算第13 議案第80号  令和元年度北九州市母子父子寡婦福祉資金特別会計予算第14 議案第81号  令和元年度北九州市産業用地整備特別会計予算第15 議案第82号  令和元年度北九州市漁業集落排水特別会計予算第16 議案第83号  令和元年度北九州市介護保険特別会計予算第17 議案第84号  令和元年度北九州市空港関連用地整備特別会計予算第18 議案第85号  令和元年度北九州市学術研究都市土地区画整理特別会計予算第19 議案第86号  令和元年度北九州市臨海部産業用地貸付特別会計予算第20 議案第87号  令和元年度北九州市後期高齢者医療特別会計予算第21 議案第88号  令和元年度北九州市市民太陽光発電所特別会計予算第22 議案第89号  令和元年度北九州市市立病院機構病院事業債管理特別会計予算第23 議案第90号  令和元年度北九州市上水道事業会計予算第24 議案第91号  令和元年度北九州市工業用水道事業会計予算第25 議案第92号  令和元年度北九州市交通事業会計予算第26 議案第93号  令和元年度北九州市病院事業会計予算第27 議案第94号  令和元年度北九州市下水道事業会計予算第28 議案第95号  令和元年度北九州市公営競技事業会計予算第29 議案第97号  地方独立行政法人北九州市立病院機構に係る中期計画の認可についての          専決処分の報告について第30 議案第98号  地方公務員法及び地方自治法の一部改正に伴う関係条例の整備に関する          条例について第31 議案第100号 北九州市芸術文化施設条例の一部改正について第32 議案第101号 北九州市都市公園、霊園、駐車場等の設置及び管理に関する条例及び北          九州市スポーツ施設条例の一部改正について第33 議案第102号 北九州市都市公園、霊園、駐車場等の設置及び管理に関する条例及び北          九州市スポーツ施設条例の一部改正について第34 議案第103号 北九州市民生委員の定数を定める条例の一部改正について第35 議案第104号 北九州市立病院の利用料金等に関する条例の一部改正について第36 議案第105号 北九州市衛生施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について第37 議案第106号 北九州市産業観光施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について第38 議案第107号 北九州市農業委員会の委員等の定数に関する条例の一部改正について第39 議案第108号 北九州市中央卸売市場条例の一部改正について第40 議案第109号 北九州市公設地方卸売市場条例の一部改正について第41 議案第110号 北九州市都市公園、霊園、駐車場等の設置及び管理に関する条例の一部          改正について第42 議案第111号 北九州市小倉都心小売商業振興特別用途地区建築条例の一部改正につい          て第43 議案第112号 北九州市営住宅条例の一部改正について第44 議案第113号 北九州市港湾施設管理条例の一部改正について第45 議案第114号 北九州市火災予防条例の一部改正について第46 議案第115号 北九州市水道条例の一部改正について第47 議案第116号 北九州市工業用水道条例の一部改正について第48 議案第117号 北九州市下水道条例の一部改正について第49 議案第118号 北九州市水道用水供給事業に係る水道用水の料金に関する条例の一部改          正について第50 議案第119号 北九州市自動車事業使用料及び手数料条例の一部改正について第51 議案第120号 市道路線の認定、変更及び廃止について第52 議案第121号 市有地の処分について(散 会)会議に付した事件日程第1 議案第68号から日程第52 議案第121号まで出席議員 (56人)       1番 三 原 朝 利  2番 佐 藤 栄 作   3番 吉 村 太 志  4番 田 中   元   5番 吉 田 幸 正  6番 上 野 照 弘   7番 田 仲 常 郎  8番 宮 﨑 吉 輝   9番 井 上 秀 作  10番 佐々木 健 五   11番 中 島 慎 一  12番 鷹 木 研一郎   13番 村 上 幸 一  14番 山 本 眞智子   15番 木 下 幸 子  16番 渡 辺   徹   17番 村 上 直 樹  18番 中 島 隆 治   19番 渡 辺 修 一  20番 冨士川 厚 子   21番 金 子 秀 一  22番 木 畑 広 宣   23番 松 岡 裕一郎  24番 成 重 正 丈   25番 本 田 忠 弘  26番 岡 本 義 之   27番 森 本 由 美  28番 世 良 俊 明   29番 福 島   司  30番 三 宅 まゆみ   32番 中 村 義 雄  33番 河 田 圭一郎   34番 浜 口 恒 博  35番 白 石 一 裕   36番 大久保 無 我  37番 奥 村 直 樹   38番 藤 沢 加 代  39番 高 橋   都   40番 山 内 涼 成  41番 藤 元 聡 美   42番 出 口 成 信  43番 柳 井   誠   44番 田 中 光 明  45番 荒 川   徹   46番 石 田 康 高  47番 渡 辺   均   48番 香 月 耕 治  49番 片 山   尹   50番 日 野 雄 二  51番 戸 町 武 弘   52番 佐 藤   茂  53番 奥 村 祥 子   54番 西 田   一  55番 木 村 年 伸   56番 讃 井 早智子  57番 村 上 さとこ欠席議員 (1人)   31番 森   浩 明説明のために出席した者の職氏名 市長     北 橋 健 治  副市長    梅 本 和 秀 副市長    松 元 照 仁  副市長    今 永   博 会計室長   石 井 佳 子  危機管理監  加茂野 秀 一 技術監理局長 村 上 純 一  企画調整局長 大 下 徳 裕 総務局長   小 林 一 彦  財政局長   小 牧 兼太郎 市民文化 スポーツ局長 久保山 雅 彦  保健福祉局長 高 松 浩 文 子ども家庭 局長     福 島 俊 典  環境局長   近 藤   晃 産業経済局長 鮎 川 典 明  建設局長   東   義 浩 建築都市局長 橋 口   基  港湾空港局長 木 本   仁 消防局長   月 成 幸 治  上下水道局長 中 西 満 信 交通局長   池 上   修  公営競技局長 上 野 孝 司                 行政委員会 教育長    田 島 裕 美  事務局長   小 石 佐 織職務のために出席した事務局職員の職氏名 事務局長  村 地 史 朗  次長      古 澤   玲 議事課長  馬 場 秀 一          ほか関係職員                  午前10時00分開議 △日程第1 議案第68号から、日程第52 議案第121号まで ○議長(村上幸一君) ただいまから、本日の会議を開きます。 本日の議事は、お手元配付の議事日程により進行いたします。 日程第1 議案第68号から、日程第52 議案第121号までの52件を一括して議題といたします。 ただいまから代表質疑を行います。自由民主党代表、11番 中島議員。 ◆11番(中島慎一君) おはようございます。ただいまより自由民主党・無所属の会を代表いたしまして代表質疑を行いたいと思います。 本年2月に自由民主党・無所属の会の団長に就任し、代表質疑のトップバッターとしてここに立たせていただきますことを心から光栄に思い、そして、感謝申し上げる次第であります。よろしくお願いいたします。 まず、質疑に先立ち、我が町の発展に向けて全力で取り組んでいただきたいという思いを込めて、北橋市政4期目に期待することについて述べたいと思います。 市長が初当選された平成19年当時は、少子・高齢化、人口減少、景気低迷、暴力追放など、その中で市長は市民目線に立った政策を次々に打ち出し、これまでの間、次世代環境ランキングでは8年連続全国1位、市政評価では防犯、暴力追放運動の推進が4年連続1位になるなど、子育てや安全・安心といった暮らしやすさ、住みよさという面で市内外から高い評価を受けております。 また、昨年アジア地域で初めてSDGs推進に向けた世界のモデル都市に選定され、国際社会からも高く評価を受けているところであります。更に、北九州空港の国際定期便の誘致や、ひびきコンテナターミナルでの大型クルーズ船の入港受け入れなどの取り組みにより、本市への外国人観光客は7年連続で過去最高を記録いたしました。 こういった取り組みを通してイメージアップを図るとともに、東日本大震災では西日本の自治体で唯一、震災瓦れきの受け入れを行いました。一部に強い反対がある中、被災地の復興を思い、大変大きな決断をされました。現在も被災地への支援を続け、被災地の復旧、復興に貢献していることを市民の一人として大変誇りに思う次第であります。 しかし、リーマンショックによる景気低迷などで、長年本市経済の中核を担ってきた西日本車体工業の解散、東芝北九州工場の撤退、スペースワールドの閉鎖など人口問題にも影響する事態も発生いたしました。本市では、社会動態プラスに向けたさまざまな取り組みを行っていますが、若い世代、とりわけ今後を支えていく子育て世代の流出が多いことが気になります。 私は、この人口問題は、ただ単に働きたい、仕事がないということだけではなく、少しきつい言い方をすれば、都市としての魅力がない、この町が将来どのような町になっていくのか、その姿が見えてこないという思いが求心力を薄れさせていった結果ではないかと思います。正直、10年後、20年後にこの町に何ができてどのような人が集まっているのか、イメージが湧いてきません。最近ではメディアに取り上げられ、住みやすい田舎と言われていますが、本市は日本で13番目の大都市であります。大都市として将来に向かってどのような町にしていくのか、何に力を入れていくのか、政策の柱をはっきりと示し、発信し、共有していく必要があります。こんな町にしたいというものがきちんと見えてくれば、おのずと関心が高まり、内外から人や投資を呼び込む機運も高まるのではないでしょうか。 今後の将来像が見えず、必要な投資をやめてしまったら、今以上の発展はありません。人は新しいものに引かれ、引きつけられます。10年、20年先の将来を託す世代から、時代おくれの陳腐な都市と評されることがないよう、将来を見据えたまちづくりにしっかりと取り組み続けることが大切だと思います。 市長の4期目に期待することは、まさにこの町の将来の発展のため、10年後、20年後のビジョン、将来像を明確にしていくことではないかと考えます。そういった視点から代表質疑を行いたいと思います。 まず初めに、令和元年度予算への思いと予算案の特徴についてお尋ねいたします。 令和元年度の一般会計予算案は、国の防災・減災、国土強じん化のための緊急対策の推進に伴う臨時措置への対応などにより、5,743億9,100万円となっています。景気の緩やかな拡大の影響により過去最大となった市税予算額を反映し、一般会計の規模は、対前年度比113億9,000万円、2.0%の増、過去2番目の規模になる大変積極的な予算となっています。本年5月に令和を迎え、次代を見据えたまちづくりに改めて取り組む第一歩となる年であり、この予算では、若い世代にこの町の未来の姿を見せるためにも、本市の人口増、経済成長につながる投資を行っていくことが重要であると考えています。 今回の予算の中身を見ていくと、風力発電関連産業の総合拠点化を初め、北九州空港や北九州港の利用促進、本市の産業の強みを生かした企業誘致、産業振興など、今後の本市の成長に向けて必要と私たちが考える予算が随所に盛り込まれており、本市の躍進につながる予算になっていると評価しています。若い世代が夢をかなえ、あらゆる市民が安心して暮らせる日本一住みやすい町の実現につながる政策を実施するに当たり、予算案の策定に相当な苦労をされたことは想像にかたくありません。市長の尽力に敬意を表します。 令和元年度予算案の提案に当たって、北橋市長が込められた思いと、今回の予算の特徴についてお尋ねいたします。 次に、宿泊税についてお尋ねいたします。 福岡県と福岡市が5月24日トップ会談を開き、宿泊税について合意がなされたとの発表がありました。合意内容は福岡市域内における課税額について、納税者の負担を踏まえ、県市双方の合計税額を原則として200円とする。その課税額については、福岡県が50円、福岡市が150円とする。賦課徴収を一本化し、福岡市が一括して行うということで、宿泊税では全国初の二重課税となります。福岡市以外は県税として一律200円を徴収し、そのうち半分の100円を地元市町村に交付し、残りの100円は宿泊事業者への補助など県全体の観光振興に充てるということでした。 今回の決定は、福岡市と同じ政令市であり、北九州空港や北九州港、そして、九州で博多駅に次ぐ乗降客数を誇る小倉駅など交通拠点を抱え、ゲートウエーとしての一定の機能と役割を果たしている本市との政令市間のバランスを欠くものになるのではないかと思います。 現在、我が国への外国人観光客は急増しており、2008年に835万人だったものが、10年後の2018年には3,119万人に達しました。国はオリンピック・パラリンピックが開催される来年には4,000万人の外国人観光客が訪れることを目標とし、さまざまな政策に取り組んでいます。 本市でも外国人観光客は2018年には69万1,000人、そのうち宿泊客は29万3,000人と前年度に比べて35.4%増加しています。昨年10月には日本新三大夜景都市として認定を受け、ことし3月に門司港駅のグランドオープン、小倉城天守閣がリニューアルするなど、ますます本市を訪れる観光客はふえていくと思います。本市の経済の発展には観光振興は重要であり、より一層施策を強化していくことが求められます。そのためには、観光振興のための安定的な財源確保が必要であると考えます。 そこで、2点お尋ねいたします。 まず1点目ですが、今回の合意は、県が主体となって取り組むべき施策を、福岡市内では福岡市が主体となって行うということが根拠となっています。本市も同じようなゲートウエー機能の役割を果たしていると思いますが、見解を伺います。 次に、2点目ですが、本市を中心とした周辺地域の観光振興を行うため、同じ政令市である福岡市と同様に、本市が独自に課税を行っていくことを早急に検討すべきであります。宿泊税について今後どのようなスタンスで検討していくのか、市長の決意を伺います。 次に、北九州市の将来像についてお尋ねいたします。 冒頭に述べましたように、この町の将来の発展に必要なことは、将来像を明確にすること、つまり10年後、20年後の姿を示すことだと私は思っております。本市の基本構想・基本計画である元気発進!北九州プランでは、ビジョンは示されていますが、幅広くいろいろな分野を網羅しているため、例えば10年後に我が町がこうなっている、20年後の町の姿はこうで、そこに向けて今からこのプロジェクトを進めることとしているなど、誰もがイメージできる具体的な町の姿やビジョンが、いま一つはっきりしていないのではないかと感じているところであります。 人口減少が続く中、若者や女性の定着する魅力ある町になっていくには、住みたい、住み続けたいと思わせる具体的な将来像を発信していくことが重要だと思います。私は、タテ割りになりがちな市の施策に横串を刺し、総合的な視点で市の戦略を打っていくことを期待し、企画調整局の創設を提唱し、実現いたしました。ただ、今の企画調整局は企画を打ち出すというより、どちらかといえば調整にウエートを置いているように感じてなりません。今こそ政策立案の中枢を担う企画調整局が中心となって、これからどういう町になっていくのか、どういう特徴を持った町にしていくのか、将来を見据えた町の具体的な姿を打ち出すときではないでしょうか。 10年後、20年後に我が町が活気にあふれ、誰もが豊かな暮らしを続けている理想の町になっているためには、特に力を入れて取り組むテーマを基幹プロジェクトとして打ち出し、この4年間で軌道に乗せていくことが重要だと考えますが、御見解を伺います。 次に、北九州空港の活性化についてお尋ねいたします。 平成30年度の北九州空港の利用者数は、過去最高の178万人に達しました。近年の利用者数の伸びは著しく、3カ年で50万人近く増加になっています。国際定期便の相次ぐ就航や九州唯一の国際貨物定期便の就航と、着実に経済振興につながっていることは、非常に喜ばしいことと思います。 平成25年、私は北九州空港の将来の指針となるビジョンの策定を促す質問をいたしました。その結果、平成26年12月に北九州空港将来ビジョンが策定され、1点目に九州・西中国の物流拠点空港、2点目に北部九州の活発な交流を支える空港、3点目に航空関連産業の拠点空港という3つの将来像が示されました。 これまでビジョンに沿った着実な施策が展開されるとともに、平成27年の県知事と市長とのトップ会談では、今後3年間を北九州空港将来ビジョン推進強化期間とし、路線誘致や集客に弾みがついて、旅客数は3年連続過去最高を更新いたしました。また、航空貨物は、KPIである航空貨物取扱量3万トンへの道のりは大変厳しいものの、ANA Cargoの就航が実現し、国際貨物取扱量が過去最高を記録するなど、これまでの執行部の努力に敬意を表するものであります。 昨年度で推進強化期間は一区切りを迎えたものの、これまでの取り組みをより一層推し進め、200万人、また、それ以上となる利用者で、更なる活性化を図る必要があると考えています。北九州空港のポテンシャルは、このレベルでとどまるものではないという信念が私にはあります。まだまだ発展の余地があると感じており、その意味では持てる能力を100%発揮できていないと感じています。 そこで、3点お尋ねいたします。 まず1点目ですが、推進強化期間を終え、先日開催された県知事と市長のトップ会談では、令和3年度までの3カ年をネットワーク充実強化期間とし、連携を図っていくとお聞きしたところであります。この3カ年の取り組みの総括、また、KPIである空港利用者数200万人の達成に向けた取り組み姿勢、また、200万人達成後の北九州空港の新たな方向性についてどのように考えているのか、市長の意気込みをお聞かせください。 次に、2点目ですが、3,000メートル級滑走路への延伸は、平成21年度から要望を重ねておりますが、いまだ実現に至っておりません。空港島の長さは4,000メートル以上あり、延伸の余地は十分にあります。築城基地による広域レーダー管制に移行してからは、空域問題も大きな障害ではないと考えています。3,000メートル級滑走路がないため、誘致を逃した貨物便も数多くあるとお聞きしております。この問題は、市長も公約として掲げており、ぜひ任期中に目途をつけてほしいと思います。3,000メートル級滑走路の実現に向けた取り組みの現状と、公約実現に向けた市長の決意をお尋ねいたします。 次に、3点目ですが、現在国の空港経営改革の基本的な方向性は、空港の本来のポテンシャルを十分に発揮させるため、これまで滑走路やターミナルビル、駐車場、それぞれが分離して運営されてきた事業について、一体的かつ機動的な経営とすることが望ましいとするものであります。 そのような中、運営権事業の移行について、仙台空港、高松空港に加え、本年4月から隣接する福岡空港でも開始され、更には熊本空港でも優先交渉権者が決まるなど、全国的に経営改革に向けた取り組みが進んできております。特に、民間委託開始から一定期間を経過した仙台空港、高松空港の事例を見ると、旅客ターミナルビルの増改築など、さまざまな先行的な整備拡充がなされ、航空ネットワークの強化や空港利用促進、また、地域ブランドの発信力強化が図られるなど、民間委託の効果があらわれているところであります。 更に、福岡空港では、事業者が福岡県の空港の将来構想の実現に向けた協力を行うことを提案概要に含めており、4月の民間委託キックオフの中で、早速FIAC、福岡国際空港株式会社の構成企業である西日本鉄道株式会社から、小倉南区にある中谷営業所を乗り継ぎ拠点とする福岡都市圏と北九州空港間のアクセス強化策が公表されました。広域にわたる北九州空港利用者の利便性向上に資する施策であり、私は大変高く評価しています。運営形態にかかわらず、FIACの今後の提案も期待されるところであります。 私はこれまで何度か、北九州空港をどう考えていくのか、方針について伺ってきました。執行部からは、福岡空港との連携を意識して、経営一体化を含む民間委託化も選択肢の一つとして、具体的な戦略を検討する時期に来ているとの答弁をなされた記憶がございます。更に、昨年は福岡空港の選定結果を踏まえ、北九州空港の将来の経営形態を考えるべく、国の先導的官民連携支援事業などを利用して、将来想定される空港の運営形態ごとにメリット、デメリットを明らかにして論点を整理するとのことでしたが、調査結果と福岡空港の動向、また、FIACの提案概要を踏まえて、今後どのような方針でこの問題に臨もうと考えているのか、御見解を伺います。 次に、本市の顔である小倉都心部のあり方についてお尋ねいたします。 小倉都心部は北九州200万人都市圏の中核として、商業やビジネス、観光、行政機関など、より多くの高い都市機能が集積しており、周辺市町村域を含む広域エリアに対し、さまざまな都市サービスを提供しているところであります。平成23年度から小倉家守構想により小倉都心部の遊休不動産をリノベーションで再生し、都市型ビジネスを集積する取り組みを進めています。また、ミクニワールドスタジアム北九州のオープンや小倉城天守閣のリニューアル、そして、再開発事業によりJR小倉駅小倉城口に隣接した24階建てのビルがことしの秋オープン予定、北九州の台所である旦過市場の再整備も来年度から着工を念頭に動き始めているところであります。更に、日本銀行を初めとする金融機関、行政機関、商工会議所などビジネス活動を支える各種機関が集積、東九州自動車道の開通により、大分方面への事業活動の拠点として、支店や営業所を設置する動きが出始めていると聞いています。 立地適正化計画では、目指す町のイメージとして、小倉都心を北九州都市圏の中心核であり、周辺の市町村も含めた都市圏や国内外をも対象とする高次の都市機能の集積、維持、向上を図る地域と位置づけています。この都心部がどう見えるかで本市のイメージが決まると言っても過言ではないでしょう。 そこで、3点お尋ねいたします。 まず1点目ですが、北九州都市圏の中心核として、小倉都心部にどのような都市機能を集積させ、都市イメージの向上を図ろうとしているのか、お尋ねいたします。 次に、2点目ですが、小倉都心部で大変好立地にある小倉合同庁舎跡地の活用についてどのように考えているのか、見解を伺います。 次に、3点目ですが、立地適正化計画には、都心部などにおける取り組みとして、大学等の誘致や整備促進が掲げられています。西日本工業大学や専門学校などが町中にあり、日常的に若者の姿を駅や商業施設などでよく見かけ、それだけで町に華やかさや活気をもたらしてくれます。これまでの大学や専門学校の都心部集積に対する評価、更なる誘致に向けて今後どのような取り組みをしていくのか、お尋ねいたします。 次に、人口問題についてお尋ねいたします。 本市は、東京での移住促進セミナー、お試し居住、SNSを利用した情報発信など、さまざまな取り組みを行っていますが、同時に住みたいと思う場所を積極的に提供していくことも、人口増対策には必要ではないかと考えます。平成2年と平成30年の小倉北区の総人口を比較すると、約9%マイナスですが、城内、大手町、浅野三丁目など、都心部全体では約1.32倍の人口増加となっています。特に、増加が著しい城内や大手町は、紫川や勝山公園の整備などにより町並みが激変し、住みたくなる居住空間が創出された成果ではないかと考えているところであります。 逆に、郊外の旧新興住宅地などでは、ところどころに空き家が点在するいわゆるスポンジ化が進んでいます。このままでは徐々に徐々に空き家が増加し、いつの間にか人が住んでいないゴーストタウンになる危険性があります。今こそ強みを最大限生かし、弱点を補う思い切った政策を打つ必要があるのではないかと思います。 そこで、2点お尋ねいたします。 まず1点目ですが、利便性の高い都心回帰の流れの中、都心部の住宅需要は高まっています。この機運を生かして積極的に住宅開発を促す政策を実施すべきと考えますが、見解を伺います。 次に、2点目ですが、郊外の旧新興住宅地の空き家対策として、試験的にエリアを限定し、点在する空き家のリノベーションを推進する事業を実施することで、子育て世代の流入を促し、多世代が居住するモデル地区の創出を図ってはどうかと考えますが、見解を伺います。 次に、SDGsの視点を踏まえた学校教育についてお尋ねいたします。 2015年、国連サミットで持続可能な開発目標であるSDGsが採択され、日本でも2030年に向けて目標達成すべき課題として取り組んでいくことになりました。 そのような中、本市は2017年、第1回ジャパンSDGsアワード特別賞を受賞、2018年、OECDよりSDGs推進に向けた世界のモデル都市にアジア地域で初めて選定されました。更に、同年SDGs未来都市に選定され、北九州市SDGs未来都市計画を策定し、取り組みを推進しているところであります。 SDGsの達成に向け、産学官民がそれぞれ連携しながら推進していくことが大切であるとしており、北九州市立幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校、高等学校などもSDGsクラブの会員となって、活動の促進を図っていくと聞いています。 教育はSDGsの目標4、質の高い教育をみんなにに位置づけられ、教育が全てのSDGsの基本であり、全てのSDGsが教育に期待していると言われています。先日行われた北九州市総合教育会議で、2023年度までの教育施策の方針を示す北九州市教育大綱が策定され、この大綱でもSDGsの視点を踏まえたシビックプライドの醸成を基本方針に掲げておられます。その中で、市全体で子供の教育を支える5つの目標のうち1つは、新たな時代を切り開く力の育成とあり、そのために学校においてSDGsの視点を踏まえた教育を推進し、持続可能な社会の構築に向けた国際目標であるSDGsを理解し、実践できる子供を育成するとあります。 そこで、お尋ねいたします。 今年度、本市がSDGsの視点を踏まえてどのような教育を進めていくのか、また、どのようにしてシビックプライドを醸成していくのか、見解を伺います。 次に、東京2020オリンピック聖火リレーについてお尋ねいたします。 いよいよ来年にはオリンピック・パラリンピックが、1964年以来56年ぶりに日本で開催されます。そのような中、先日東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会から、東京2020オリンピックの聖火リレー実施市区町村と順番、セレブレーション会場などが発表されました。我が町北九州市が聖火リレーの実施市町村に選定されるとともに、門司港がセレブレーション会場に選定されたことは非常に喜ばしいことであり、北九州市民、門司区民として大変誇らしく思う次第であります。誘致活動など大変な御苦労があったかと思います。これまでの関係者の御尽力に感謝を申し上げる次第であります。 聖火リレー実施自治体、セレブレーション会場に選定されたということで、一歩前進いたしました。詳細なルート、聖火リレーのランナー、セレブレーションの内容などについては、今後福岡県に設置されている実行委員会において検討されるとお聞きしているところであります。56年ぶりに日本で開催されるオリンピック聖火リレーの開催自治体及びセレブレーション会場に選定された今回の発表を受けて、市長の率直な思いをお聞かせください。 以上で第1質問を終わらせていただきたいと思います。明快なる御答弁をよろしくお願いいたします。 ○議長(村上幸一君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) おはようございます。中島慎一議員の御質問にお答えいたします。 まず、当初予算に込められた思い、そして、予算案の特徴について御質問がございました。 この編成に当たりまして、本市の直近の動向でありますが、外国人の観光客、空港の利用者の数が過去最高を記録しております。また、地価では商業地の上昇が続いており、一部住宅地も上昇に転じております。また、誘致企業による投資額がふえつつあります。このように好循環の兆しが見え始めているわけであります。 令和という新たな時代を迎えまして、この好循環を更に加速すること、次代に向けまちづくりの歩みを力強く進めたい、そういう思いで、重点的に取り組む4つの柱に沿ってさまざまな政策を盛り込んだところであります。 その第1の柱には、人や投資の流れを加速させる経済成長戦略の実行を掲げております。今後の市の成長や経済の活性化につながる政策を前面に打ち出し、予算規模の面でも過去最大となる市税収入見込み額を背景として、積極的な予算を編成いたしました。 本市の強みであります環境、エネルギー、ロボットなどリーディング産業の振興によりまして、企業の集積や魅力のある仕事を創出するため、響灘地区エネルギー関連産業の拠点形成に向け、洋上ウインドファーム整備の本格化を初め、企業、大学としっかりと連携をした産業用ロボットの研究開発で、地域のモノづくり企業の生産性革命を支援すること、そして、介護ロボットなどを活用した先進的介護の実証に取り組むことであります。 次に、空港、北九州港の活用によってインバウンド、物流の拠点化を一層推進し、観光振興、企業立地を加速するため、福岡県との緊密な連携のもとで新規の国際、国内定期便を誘致し、貨物の拠点化、滑走路延伸の実現に向け、貨物便誘致に加え、通関体制の構築に係る助成を新設します。同時に、北九州港の利用促進につながる国内外の船会社、荷主企業などへの補助を強化いたします。更に、観光やMICE等の振興を通じて一層の町のにぎわいを創出し、消費の拡大を図るため、日本新三大夜景都市の認定を契機に小倉都心地区のライトアップ、周遊型観光の促進を初め、ミクニワールドスタジアムで初めてとなるコンサートや、整備が完了した小倉城での平成中村座小倉城公演の開催とともに、インバウンドの増加に対応したキャッシュレス環境を整備いたします。 結びに、若者、外国人など多様な人材の活用により定住・移住を促進するため、若者の地元就職につながるオフィスや社員の住環境の整備に関する新たな仕組みを検討し、また、九州、山口一円の大学、高専、工業高校などを訪問して、本市の企業や町の魅力を発信するほか、若者の声を収集する担当ラインを設置し、市内の大学生などが本市の未来予想図を作成、発信する未来創造プロジェクトを実施いたします。同時に、中小企業と高度外国人材との交流事業を通じて、人材不足に直面する市内中小企業の外国人の人材受け入れを支援いたします。 これらの政策を通じまして経済活性化を図り、人口の社会動態をプラスにつなげ、若者を初め市民が本市の成長、住みやすさ、暮らしやすさを実感できるまちづくりを進めてまいりたいのであります。 次に、宿泊税について御質問がございました。 観光産業の振興は交流人口を増加させ、にぎわいを生み、地域の活性化に大きく寄与いたします。宿泊業、飲食業、小売業など幅広い産業分野に、雇用の創出と経済波及効果をもたらす重要な政策であります。 本市ではこれまで福岡市と同様にゲートウエー機能を強化してまいりました。具体的には空と海の玄関口、北九州空港や北九州港の整備、また、新規の国際、国内定期便、クルーズ船の誘致、また、広域観光に資する小倉駅や北九州空港の観光案内所の整備運営、また、小倉城や門司港レトロなど観光エリアのバス駐車場などの環境整備、また、MICEに関する施設の整備や誘致体制の強化、また、海外の旅行会社へのセールスや招へいツアーの実施、更に、関西国際空港や海外ウエブサイトなどでの外国人観光客向けのPRなどを行ってまいりました。 この取り組みにより観光客の数が伸びてきているという成果が出つつあります。加えて、今後オリンピック・パラリンピックや大阪万博など世界的なイベントが控えております。その受け皿となる観光政策の充実、強化は喫緊の課題であり、そのための安定的な財源が必要であると考えます。 これまで福岡県からは、県が課税する200円のうち100円を北九州市に交付金として配分し、残る100円を県が広域観光につながる事業を行う経費に充てる、こういう方向で検討したいという説明を受けておりました。一方、本市としましては二重課税にならないかという観点も含め、福岡県と福岡市の協議の動向を見守ってきたところです。 そのような中、5月24日、県知事と福岡市長とのトップ会談におきまして、広域観光に資するゲートウエー整備など一部事業が重複することから、福岡市域における課税額については双方の合計税額を原則として200円とし、福岡県が50円、福岡市が150円とする内容で合意されました。今回の合意は、福岡市と同じくこれまで県のゲートウエーとして、九州の玄関口として一定の機能と役割を果たしてきた政令市として大変重たく、意味のあるものと受けとめております。 いずれにしても、税金をいただくということは、事業者を含め関係者の御理解、御協力が必要不可欠であります。そのため、6月中に課税を念頭に入れた有識者による検討会を立ち上げ、精力的に検討を進め、9月議会を目途に方向性を出すようにしたいのであります。 次に、空港の活性化につきまして、今後の空港の新たな方向性について御質問がございました。 推進強化期間の3カ年が経過しました。御承知のとおり北九州空港を取り巻く状況は一変いたしました。私にとりましても想像を超えるもので、これは単なる追い風ではなく、市議会、財界を初め各界の皆様の御支援、御協力のたまものであり、この場をおかりいたしまして心から感謝申し上げたいと思います。 この期間は、県、市が予算を集中し、本市におきましては空港部局を増員して推進体制を強化いたしました。他空港とのし烈な競争環境の中、県、市が緊密に連携しながら誘致、集客に鋭意取り組んでまいりました。その結果、目に見える形で福岡空港との役割分担、相互補完が進み、大幅にインバウンド旅客が増加するなど、空港のポテンシャルが大いに高まったと考えます。具体的には、誘致インセンティブを引き上げ、積極的な路線誘致を行った結果、2年半ぶりに国際定期路線が就航し、あわせて地方都市同士を結ぶ路線など独自の誘致活動が評価され、国の訪日誘客支援空港に認定されました。貨物におきましても、ANA Cargoによる国際貨物定期便が新規就航し、本市が標ぼうする貨物拠点空港の実現に向けた弾みとなりました。 一方で、町なかのにぎわい創出にも貢献している国際線について、利用者が増加しているものの、安定化に至る利用率に届いていないという課題も残されております。路線の安定化、また、利用者200万人の達成に向け、これまで取り組んできた既存路線に対する運航支援や集客対策の強化、更なる誘致活動が必要であるという強い思いで、県知事とのさきのトップ会談に挑んだところであります。 会談におきましては、これまで3年間の成果を確認するとともに、既存路線の維持と更なる路線獲得によるネットワークの強化を実現するため、新たに今後3年間、緊密に連携して取り組んでいくことで合意をしたところです。北九州空港の発展のために、ともに汗を流そうとの趣旨を知事が話していただき、私としては大変心強く感じました。今後も航空会社に対する運航支援、就航先における路線PRによるインバウンド向けの認知度の向上、更には北九州都市圏域でのPRや営業活動を強化し、アウトバウンドの集客を増加させることで利用率を向上させ、路線の定着化を目指したいのであります。 また、福岡空港におきまして、発着枠、利用時間が限られる中、就航、増便が困難な状況に対応した戦略的な誘致を推進いたします。具体的には、国際線では中国、東南アジア路線、国内線では成田路線など24時間運用可能なメリットを生かしながら、誘致に取り組んでまいります。 今後の新たな方向性についてであります。旅客や貨物の対策に加え、3,000メートル級滑走路の実現や災害時のアクセス機能確保など、北九州空港のポテンシャルを最大限発揮できるような環境を整えていくことが必要であります。また、長期的な視野に立ち、北九州空港が更に発展していくためにどういう運営形態が最適なのか、市議会や福岡県を初め関係機関、財界などと意見交換を行っていきたいのであります。 いずれにしても、北九州空港将来ビジョンの着実な遂行のために、福岡県、地元関係者の皆様とともに手をとり合ってまいりたいと考えます。 3,000メートル級滑走路の実現に向けた取り組みについて御質問がございました。 北九州空港の滑走路延伸を含む施設や機能の拡充については、今日まで市議会を初め各界の皆様の御協力を得、国に対する働きかけを鋭意行ってまいりました。その結果、小型機スポットの増設、貨物専用機エプロンの整備などが実現しています。滑走路延伸は、長距離路線や大型機の就航が可能となるだけでなく、24時間運用という特徴とあわせれば、福岡空港にない機能を備えることとなり、北九州圏域にとどまらず、より幅広いエリアの振興につながることから、優先的に取り組むべき項目と考えております。これまで国に対しましては、滑走路の長さ不足のため大型貨物機就航の実現に至らなかった事例などを中心に、実績とポテンシャルを示してきたところであります。 RESAの整備が課題となりつつあります。RESA、ランウエー・エンド・セーフティー・エリアの略であります。この国の管理空港におきましては、航空機が離着陸する際、滑走路を越えてオーバーランした場合などに、人命の安全を守り、航空機の損傷を軽減させるため、着陸帯の両端に設けられるRESA、滑走路端安全区域を国際基準に合わせて確保することにしております。北九州空港の場合、南側に滑走路をずらす手法で安全区域を確保するため、その整備とあわせた滑走路延伸工事の実施が非常に効率的ではないかと国に提案しているところです。 また、本年2月に開催したシンポジウムにおきまして、民間の事業者から北九州空港での大型貨物機事業の展開に向けた関心の表明があるなど、3,000メートル級滑走路の必要性に関する理解と意識が高まってきたところであります。 あわせまして、貨物拠点空港である関西国際空港が昨年の台風21号で被災した際、同じ24時間運用であり、貨物専用便が就航する北九州空港におきまして、貨物の振りかえ輸送の受け入れを行いました。こういった経験を生かしつつ、北九州空港の持つポテンシャルを最大限引き出すためにも、大型の貨物専用便の就航を可能とする滑走路の延伸が必要だと考えられます。この機会を逃さぬよう、今後はこれまで取りこぼした事例に加え、顕在化している具体的な需要や潜在需要などをもとに、3,000メートル級滑走路が実現できた場合の効果を算定し、示しながら、国への要望を鋭意強めてまいりたいのであります。 次に、人口問題に関連をいたしまして、空き家対策を強化してはどうかという御質問がございました。 郊外の旧新興住宅地につきましては、高度経済成長期において本市の人口増加の受け皿として重要な役割を果たしてまいりましたが、現在ではその一部において空き家が見受けられます。また、住民の高齢化、若い世代がいないなど、町の活力の維持向上が課題の一つと認識をしております。 本市の空き家対策の取り組みですが、危険な空き家の除却に加え、空き家の売買、賃借の手助けをする空き家バンク、また、空き家を新たに取得した方にリフォームの補助を行う住まいの安全安心・流通促進事業など、個々の空き家を活用する事業を積極的に推進してまいりました。しかし、個別案件での対応であり、面的なまちづくりへのアプローチとはなっていなかったと考えております。 このため、今年度は新たな取り組みとして、このような地区からモデル地区をまず選定をいたしまして、空き家所有者の意向調査や生活スタイルに合わせて間取りを変更するリノベーション事業者などと意見交換を行い、空き家の利活用を通じて、議員の御提案でもあります子育て世代を呼び込む町の活力向上策などについて検討を行うこととしております。この取り組みでは、市と事業者が協働、コラボレーションするため、より多くの空き家所有者に対しての信頼度が向上いたします。このことから空き家の面的な利用が促進されるものと期待をしております。 空き家のリノベーションの推進につきましては、旧新興住宅地における子育て世帯も含めた多世代共生のまちづくりに有効と考えております。今回のモデル地区での取り組みを着実に成功させ、その他の旧新興住宅地を初め町なかの空き家などに幅広く展開できるよう、力を入れて取り組んでまいります。 今後も安全・安心な居住環境の実現に向け、空き家の利活用を進めることで、町の持続性の向上を図り、人口増対策につなげていきたいと考えております。 東京2020オリンピック聖火リレーについて御質問がございました。 本市では、オリンピック・パラリンピックをスポーツ振興や国際交流の絶好のチャンスと捉え、キャンプ地や聖火リレーの誘致を進めてまいりました。とりわけ聖火リレーについては、市民にとってオリンピックが記憶に残る貴重なイベントになると考え、精力的に関係者へ働きかけを行ってきたところです。具体的にはJOCへ要望を行うとともに、福岡県に対しても、平成29年12月の県知事とのトップ会談や平成30年10月の県に対する提案活動におきまして、聖火リレーや関連イベントの実施を要望してまいりました。 今回の聖火リレーはIOC、また、組織委員会の方針によって全国を複数のルートに分けるのではなく、一筆書きのルートで聖火をつなぐこと、また、スポンサーや警備の車両とともにゆっくり進むこと、また、自治体間の移動は車両で行うことなど、1964年東京五輪とは実施方法が異なります。前回と比べ、1自治体当たりの走行距離、時間が大幅に短縮されることになりました。このような方針に基づいて、組織委員会や県の実行委員会では、限られた時間の中で、できるだけ多くの人々が見に行くことができるルートが検討されたと聞いております。 そのような中、6月1日、聖火リレーの大まかなルートが組織委員会から発表されました。発表によると、聖火リレーは来年の3月26日に福島県を出発し、東日本大震災、九州北部豪雨の被災地、世界遺産、観光名所など全国を121日間かけて回り、開会式へとつなげられます。本市に関連する内容としては、本州へつなぐ九州最後の自治体として5月13日、北九州市でリレーを行うこと、聖火到着を祝うセレブレーションを関門海峡ミュージアム前のイベント広場で行うことが決定いたしました。 今回の聖火リレーは、1964年の東京五輪と比べ、各自治体における走行距離、時間が大変短くなっております。前回見られた方からすると、少し残念に感じられると思います。しかし、この決定は市民、関係者の熱い思いや、これまでの取り組みが実を結んだもので、名誉なことであり、うれしく思います。また、応援していただいた市議会を初め関係の皆様方にお礼を申し上げます。 コースの詳細、ランナーの選定、セレブレーションの内容などにつきましては、今後福岡県の実行委員会において検討されることになっております。早速福岡県と協議を進めてまいります。 聖火リレーを通じて、我が町北九州からオリンピックの機運を高めていくとともに、夢を描く次世代の子供たちの心や市民の記憶に残るイベントにしていきたいと考えております。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(村上幸一君) 中島議員より、答弁前に質疑内容の修正をしたいと要求を受けております。議長としてそれを認めます。11番 中島議員。 ◆11番(中島慎一君) ありがとうございます。1点訂正したいと思います。先ほど国連が定めた持続可能な社会に向けた17の開発目標をエスディージーエスと申し上げましたが、一般的にはエスディージーズと言っておりますので、訂正させていただきます。エスディージーズでございます。以上です。 ○議長(村上幸一君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(大下徳裕君) 2点御答弁を申し上げます。 まず、北九州市の将来像について、特に力を入れて取り組むべきテーマを基幹プロジェクトとして打ち出し、軌道に乗せていくことが重要だという点でございます。 誰もが豊かな暮らしを続けていける理想の町にしていくためには、地域経済の更なる活性化や町の魅力の一層の向上を図りながら、将来を担う若者に選ばれる町を目指していくことが重要でございます。そのためにまず行うべきことは、経済成長戦略の加速であります。若者が夢を持って働ける雇用環境の創出を目指し、風力発電関連産業の総合拠点化、北九州空港将来ビジョンの着実な推進、ロボットの最先端の研究開発、アジアに向けた水、環境ビジネスの推進など、本市の強みを生かした戦略的なプロジェクトを着実に推進することであります。 次に、若者を引きつける魅力ある町にするためには、観光、文化、スポーツによるにぎわいの創出が重要であります。日本新三大夜景都市への選定などを契機とした観光インバウンドの推進、交流人口の増加、2020年に本市で開催します東アジア文化都市に向けた文化芸術、スポーツの振興の更なる充実などによりまして、新しい人の流れを呼び込んでまいりたいと思います。 更に、若者の定住・移住を促進していくためには、若者の声を総合的に収集し、積極的に本市のまちづくりに生かしていくことが大切であります。そのため、本年4月に新たに設置をいたしました若者を専門に担当する部署を中心としまして、庁内横断的な推進体制を構築するための市長を本部長とします推進本部や、若手職員を主体としたプロジェクトチームを設置し、大学生など若者の生の声を把握するための若者座談会の開催や意識調査、こういったことを行いまして、若者の声を積極的に取り入れながら、各種政策に効果的に生かしていくとともに、未来につながるプロジェクトについても議論をしてまいりたいと考えております。 次に、小倉都心部のあり方のうち、大学や専門学校の都心部集積に対する評価と誘致に向けた取り組みについてでございます。 小倉都心部の高等教育機関としては、平成18年、西日本工業大学小倉キャンパスが開設し、533名の学生が在籍をしております。専門学校としましては、九州医療スポーツ専門学校を初め麻生情報ビジネス専門学校、製菓・医療九州ビジネス専門学校など13校あり、留学生も含め約4,300名の学生が在籍をしております。こうした小倉都心部にある大学、専門学校により、こくらハロウィンや紫川を埋め尽くす水上イルミネーションなどのイベントへの参加、北九州マラソンでのボランティア活動、地域との交流、ショッピング、文化、観光、レジャーなど多くの学生が町のにぎわいづくりに貢献をしております。 しかしながら、今後の大学の運営につきましては、国の中央教育審議会答申で18歳人口の減少を前提に教育改革を進め、規模の適正化について検討する必要があるとされておりまして、新たな大学の開設は難しい環境にあると考えます。 一方で、専門学校はここ10年で、時代のニーズに合った資格取得のための学科など2校4件の新増設がありまして、720名の定員増加となっております。また、最近では留学生に対応した多様な学科を用意し、ITやホテル、観光、国際ビジネスを目指す一定数の留学生が学んでおりまして、定員枠を増加する専門学校も出てきております。 本市といたしましては、市内外から、より多くの若者を呼び込み、活気のある小倉都心部のにぎわいにつなげるため、学科の新設や定員枠の増加も含めまして、専門学校などに積極的に働きかけてまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(村上幸一君) 港湾空港局長。 ◎港湾空港局長(木本仁君) 北九州空港に関する御質問のうち、空港の運営形態の方向性についてお答えいたします。 本年4月、FIAC、福岡国際空港株式会社が福岡空港の運営を開始いたしまして、マスタープランや中期事業計画等を公表するなど、具体的な計画が明らかとなってまいりました。 北九州空港に関しましては、福岡空港で発着枠を取得できない、又は利用時間外の就航を希望するエアラインや貨物を北九州空港へ誘導するなど、これまでの提案概要どおりの内容でありました。また、昨年公共施設の運営に関する内閣府のガイドラインが改定され、自治体の出資が原則禁止されたことから、福岡空港との経営一体化、つまり福岡県が出資するFIACが北九州空港も運営するということが原則不可能となったところでございます。 一方、昨年度実施いたしました先導的官民連携支援事業の調査におきましては、空港運営手法の選択肢は現体制の維持か民間委託への移行の2つに大別されます。そのうち民間委託への移行の場合には、運営主体についてFIACとの資本関係の強弱によりまして2つの体制を想定し、それぞれの特徴と課題を整理いたしました。 調査結果は間もなく公表となる予定でありますが、選択肢1つ目の現体制の維持ならば、インフラ施設の維持管理面では国のノウハウを活用できるといった特徴がありますが、民間委託した他空港の活性化により相対的な地位が低下するおそれがあります。 2つ目の民間委託に移行し、FIACとの資本関係が薄い事業者が運営する場合には、福岡空港以外の空港連携による活性化が期待されますが、福岡空港の発着回数の容量が増加した際の影響が懸念されるところであります。 3つ目の民間委託に移行し、FIACとの資本関係が強い事業者が運営する場合には、事業者が地域事情に精通し、効果的な利用促進策が期待されますが、福岡空港の経営を優先してしまう可能性があるなどのメリット、デメリットが整理されたところであります。 いずれにしましても、民間委託する場合、運営権対価や提案内容の優劣で事業者を決定するプロポーザル方式でありますため、地元の意向だけで落札事業者を選択することはできないところであります。効果的な運営権事業が実現するためには、民間委託が先行する空港に参画している国内外の主要企業等が、競争によるすぐれた提案を持って多数参画する必要があります。そのためには、例えば3,000メートル級滑走路など、北九州空港の魅力が向上する機能確保に向けまして、国への働きかけを継続する必要があることが改めて確認されたところであります。 今後は、調査で明らかとなりました運営形態のメリット、デメリットにつきまして財界や事業関係者との意見交換を十分に行いながら、北九州空港の運営に対する民間企業の理解と関心を高め、本市として望まれる空港の運営形態の方向性をまとめてまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(村上幸一君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(橋口基君) 御質問のうち2点についてお答えさせていただきます。 まず1点目、小倉都心部のあり方のうち、都市機能集積と都市イメージの向上、それと小倉合同庁舎跡地の活用についてお答えいたします。 本市では、都市計画マスタープランにおきまして、小倉都心部を200万人の人口を有する北九州都市圏の中核として、また、国際化時代の交流拠点としてまちづくりを進めることとしております。 また、立地適正化計画におきましては、商業施設、スタジアム、文化ホール、劇場、映画館など不特定多数の方が利用する施設で床面積が1万平方メートルを超えるもの、国、県、市の庁舎、区役所、基幹図書館、病床数が200床を超える病院、学生数が500名を超える大学などを誘導する施設と定め、小倉都心などに都市機能の集積を図っております。 これらのよりレベルの高い都市機能の集積とあわせまして、外国人観光客の受け入れやMICE誘致などによる交流人口の増加を初め、人、物、情報の活発な交流によるにぎわいの創出、町なか居住の促進と安全で安心な快適で便利に暮らしやすい質の高い都市環境の整備、魅力的でゆとりと風格のある都市景観の形成などに取り組んでおります。更に、民間事業者などによる魅力的な夜間景観づくりや交通事業者との協働によるループバスの運行など、公民連携によるソフト面の取り組みも推進しております。 お尋ねの小倉合同庁舎跡地は、この小倉都心部の城内地区に位置する面積約9,600平方メートルの財務省所管の国有地でございます。財務省ではこの国有地の処分につきまして、今月26日を期限として、地方公共団体に対しまして取得などに関する意向調査を行っております。当該国有地を含む城内地区の土地利用につきましては、地区計画を定めまして、市民文化の振興や観光の魅力増進に向け、既存の中央図書館や公園などの公共施設、市民が憩える交流施設などを基本とした土地利用を進めることとしております。 この城内地区及び周辺におきまして、本市はこれまで小倉城、松本清張記念館、中央図書館などの歴史文化施設、勝山公園や大門木町線などの並木道など、緑豊かで子育て、健康づくりにも資する憩いの空間、マイタウン・マイリバー整備事業による紫川河畔の親水空間、リバーウォーク北九州を初めとした商業や事務所機能の集積など、都心部にふさわしいまちづくりを進めてまいりました。このような状況を踏まえまして、当該国有地につきましては、これまで行ってきたまちづくりと調和させるとともに、将来を見据え、小倉都心部の更なる魅力の向上を図っていくべきと考えており、まずは財務省に対して取得希望の回答をしたいと考えております。 当該国有地の活用につきましては、周辺では子供が増加していること、小倉都心部において観光客が増加していることなど、近年のトレンドを適切に見据えた上で、既存の公園機能を拡充、補完する施設などの整備を考えております。本市の顔であります小倉都心部につきましては、小倉合同庁舎跡地の活用も含めまして、躍動的で魅力豊かなまちづくりを進め、更なる都市イメージの向上を図ってまいります。 次に、人口問題について、都心部の住宅開発を促す政策の促進についてお答えします。 本市では、人口減少下におきましても地域の活力を維持増進し、都市を維持可能なものとするためコンパクトなまちづくりを進めてまいりました。平成29年4月に公表した北九州市立地適正化計画では、都市機能誘導区域や居住誘導区域を定め、商業や医療、福祉などの都市機能とともに、住宅などの集積を図ることで利便性が高く、安全でにぎわいを感じることができる町なか居住の推進に取り組んでおります。町なか居住の取り組みとしましては、民間開発を誘導するため、地元勉強会などの参加や活動を支援、施設の設計や整備費の一部補助などを行っております。 現在、小倉駅小倉城口では、小倉駅南口東地区第一種市街地再開発事業が実施されておりまして、店舗や業務用事務所とともに住宅が建設されております。住宅は既に完売と聞いておりまして、都心部の住宅需要は高いと感じております。民間の住宅開発を促す取り組みとしましては、市街地再開発事業のほか、小倉都心部における容積率の緩和、優良建築物等整備事業、住むなら北九州定住・移住推進事業などを行っております。 今後とも町なかの居住を推進し、民間事業者と協働して、こういった施策にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。以上です。 ○議長(村上幸一君) 教育長。 ◎教育長(田島裕美君) 最後に、SDGsの視点を踏まえた学校教育についてお答えいたします。 SDGsは、国際社会が2030年までに持続可能な社会を実現するための目標で、北九州市では一丸となって取り組んでおります。教育は全てのSDGsの基礎であるとも言われておりまして、教育を通して児童生徒に持続可能な社会の担い手としての資質、能力を育むことが必要でございます。 本市の学校では、これまでも持続可能な開発のための教育、いわゆるESDでございますけれども、ここの点に着目して環境アクティブ・ラーニングや農村宿泊体験学習などを行ってまいりました。今後はこうしたさまざまな学習活動をSDGsに示される17の目標の視点から再整理をしまして、SDGsの視点を踏まえた教育を推進していく必要がございます。 具体的には、環境教育や国際理解教育、キャリア教育や福祉教育など多方面の学習を通してアプローチをしていく必要があると考えております。先進的な取り組みをしている学校では、例えば環境教育としては、大蔵川における水質や生物調査を行い、地域の方々の大蔵の自然に対する誇りや保全に向けての思いに触れて、町のよさや魅力を実感する学習をしております。これは大蔵小学校の例でございます。 また、国際理解教育ではJICAの研修員の方々との交流活動において、英語を使って異国の文化を学ぶとともに、日本文化のよさを再認識する学習を行っております。これは菊陵中の取り組みでございます。こういった教育が行われております。 このような先進的な取り組みを市内全ての学校に広げていくことによりまして、各学校の実態に応じて実践できるようにして、SDGsの視点を踏まえた教育を充実させていかなければならないと考えております。SDGsの誰ひとり取り残さないという理念に基づきました教育活動を通して、子供たちが本市の魅力を感じ取り、本市に対する誇りや愛着を持って、将来ふるさとに貢献する人材を育ててまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(村上幸一君) 11番 中島議員。 ◆11番(中島慎一君) 御答弁ありがとうございました。エスディージーズですね。 まず、第2質問、要望をさせていただきたいと思います。 空港島の更なる活性化のために実績を上げているこの時期だからこそ、将来を見据えた次の一手を打つ時期だと、チャンスだと思っております。私自身、空港の発展には充実したハード、ソフト両面からの空港アクセス対策が喫緊の課題であると思っております。 近年では、空港利用者の増大によってバスに積み残しが発生しているという事態も頻繁に起きているようでございます。また、今後300人規模の中・大型機が新たに定期便化すれば、これまで以上にバスの台数が連なって、スムーズな対応ができなければ、路線誘致も前に進まないという状態が起こるのではないかと、あわせて思っておるところであります。 あわせて、大規模災害による、自然災害による連絡橋断絶時の機能強化という観点からも、複数のアクセス手段を確保することも必要性が見え始めているところでございます。200万人達成が目の前に迫った中、軌道系アクセスを含む複数の交通手段による交通アクセス機能強化に向けた本格的な検討再開を切に要望しておきます。 特に、軌道系アクセスに関しては、時間がかかる問題でありますので、しっかりと地元経済界とタッグを組み、北九州空港軌道系アクセス期成委員会などをつくって、設置して国への働きかけやアクセス方法、ルート検討などに着手していただきたいと、これは強く要望しておく次第でございます。 次に、空港島第3工区についてであります。 投資の必要性は質疑でも述べましたが、私はこの投資を空港島にしてはいかがかと思います。空港島は南北に4,125メートル、東西に900メートル、373ヘクタールの広さを有しており、そのうち空港として利用しているのは160ヘクタールだけであります。ここに事業所や倉庫、工場、また、ホテル、ショッピングセンターの誘致、更には住宅開発などを行えば、地域活性化の新しい拠点となるのではないかと考えているところでございます。空港の乗降客を含め、日常的に空港島を利用する人がふえることで、軌道系アクセスの早期整備につながるという期待も広がってくるのではないでしょうか。 空港島の利用、活性化に向けた鍵を握るのは、将来を十分に秘めた未しゅん工地である第3工区であります。約75ヘクタールの広大な用地であり、就航に関するさまざまな産業やにぎわいをもたらす施設が立地するという種地であるわけであります。その一方で、第3工区は新たな土砂処分場の見通しがつくまで延命化されると私の記憶にはありますが、延命化されるたびに本市の発展が先送りされているような、そんな気がしてなりません。この広大な土地が活用できなければ、航空機関連産業誘致、また、広大な、広範囲な技術、人材の集積も集客施設の立地もかなわず、北九州空港将来ビジョンの実現に向けたステップを歩むことは到底できないと思います。空港を核とした新たな人、物、交流を生み、本市の更なる経済発展のためにも一日も早くしゅん工にこぎつけていただきたいと思います。そのためには、まず、市が思い描く第3工区の活用方法の青写真を早急につくっていただきたい、それをもって国に対する要望を強めていただきたいと思っているところであります。これは強く要望しておきます。 空港島の利用、活用という点で第2質問を行いたいと思います。 IRの誘致の可能性についてであります。 先月、北九州中小企業経営者協会が中心となり、約20の団体と個人が参加し、IR誘致を目指す北九州IR推進協議会が設置されました。今後、市長に誘致表明を要請すると言われていますが、現段階では市長はニュートラルという表現を使っております。当然、IR誘致に関しましては、民間投資で数千億円規模の開発が行われるので、本市の起爆剤になることは間違いありません。しかし、ギャンブル依存症や治安が悪くなるといった話もあり、市民の方々もさまざまな考えをお持ちであることでありますので、それだけに慎重な判断が要ると思っております。 そこで、お尋ねいたします。 ニュートラルからドライブにギアを入れかえるには、まず知ることが大事だと思います。私も一度IR事業者に会ってお話をする機会がありましたが、市としてまだお話をされたことがないのではないでしょうか。市長、一度IR事業者と会ってお話をしてみてはいかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。 ○議長(村上幸一君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) IR施設につきましては、国が基本方針を定めて、いよいよ具体的にこのことが進むと言われているんですが、少し方針の発表を先へ送るということもございまして、この制度の詳細設計がどうなるのかというのを見きわめたいという思いが1つあります。従来からメリットあるいはデメリットを指摘する声もありますが、そうしたことも踏まえまして、引き続きニュートラル、慎重に対応していくということにしていたわけであります。 その中で先月、このIR推進協議会、民間の皆さん方の団体が設立をされました。民間の中にこのIR誘致を目指す動きがあるということなども踏まえまして、本市としてもさまざまな形で情報の収集、調査研究を続けていきたいと考えております。 詳細なIRに関する情報を得るためには、実際に海外でこのIRを運営されている事業者へのヒアリングなど、そういう情報収集が大事だろうと思っております。よく言われていることは、場所は一体どこであろうか、また、軌道系アクセスなどはどうなるんであろうか、また、将来もしもというときにリスク負担はどうなるんであろうかと、そういう課題は広く指摘されているところでもあります。まずはそうした事業者へのヒアリングを行って、しっかりとお話を聞くということではないかと。そして、その課題を整理するように事務方には指示をしているところです。そういうものを踏まえて自分がどうするか考えたいと思います。
    ○議長(村上幸一君) 11番 中島議員。 ◆11番(中島慎一君) ぜひ一度お会いして、その考え方を聞いていただきたいと思っているところでございます。 もう時間がありませんので、質問はやめて、空港の民間委託化ですけれども、港湾空港局長が今話を聞いていると、どうも民間委託のほうに傾きつつあるのではないかと聞こえましたが、今、日本全国、空港が民間委託化に向けて非常に盛り上がっている最中であります。何を行うにしてもタイミングが大切でありますので、このまま時間をかけていくと、北九州空港だけが置いていかれるという可能性もありますので、ぜひとも早急にその結論を出していただきたいと思います。すばらしいポテンシャルを有しているこの空港が次のステップを踏むための一番大切な時期でございますので、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、もう時間も参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(村上幸一君) ここでしばらく休憩いたします。再開は午後1時といたします。                  午前11時30分休憩                  午後1時00分再開 ○副議長(岡本義之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 代表質疑を続行いたします。公明党代表、14番 山本議員。 ◆14番(山本眞智子君) 皆様こんにちは。公明党の山本眞智子でございます。本日はお忙しい中、傍聴にお越しいただきありがとうございます。 市長が4期目に就任され、初めての本予算議会となりました。さまざまな新規事業が盛り込まれていて、この議場が明るくなったように、本市の未来に明るい兆しを感じています。日本一住みよいまちづくりに向け、昨年政策協定を締結させていただきましたので、公明党議員団もしっかり取り組んでいく決意でございます。 市長におかれましては、力強いリーダーシップで本市のかじ取りをお願い申し上げまして、公明党議員団を代表して代表質疑を行います。 初めに、令和元年度予算案についてお伺いします。 本市では、少子・高齢化、人口減少という厳しい状況の中、地方創生の成功モデル都市を目指してさまざまな取り組みを進めています。昨年は、若戸大橋、若戸トンネルの無料化の実現や日本新三大夜景都市への選定、また、八幡病院、総合療育センター、小倉南図書館、子ども図書館など市民の暮らしを支える拠点施設が相次いで開所するなど、令和という新たな時代を迎え、次なるステップにつながる大きな成果が上がっています。 その結果、NPO法人の調査で本市の子育て環境が高く評価されるとともに、全国紙や全国放送で本市の魅力である暮らしやすさや住みよさが多く取り上げられるようになりました。また、SDGs未来都市や東アジア文化都市に選定されるなど、本市の都市ブランドの向上も進んでいます。今後もこうした取り組みを確実に進め、本市の発展につなげていただきたいと強く望んでいます。 市長は4期目の就任に当たり、洋上風力発電産業の拠点化、企業誘致や観光客増など、今後重点的に取り組む政策を示されました。令和元年度当初予算案を見ると、人や投資の流れを加速させる経済成長戦略の実行、町の魅力や活力を生み出す文化・スポーツの振興、安全・安心のまちづくりなどを柱に、こうした重点政策を積極的に推進するための経費が盛り込まれているとともに、昨年12月、市長と我が会派で、SDGs未来都市の推進による住みよいまちづくりをテーマに締結した政策協定書の内容がしっかりと反映されるものとなっており、評価できるものであります。 また、市税収入の伸び等を反映し、若者や外国人等、多様な人材の活用による定住人口の拡大や、子育て、教育環境の更なる充実などにも積極的に取り組み、本市が抱えるさまざまな課題にも的確に対応されていることに敬意を表するものであります。 北橋市長にはぜひその手腕を発揮していただき、誰もが住みよい町の実現に向けた政策を更に推進していただくことを期待し、質問を2点と要望を1点行います。 1点目に、今回提案された令和元年度当初予算案は、令和という新たな時代を迎え、あらゆる市民が安心して暮らせる住みよい町を実感できるよう、本市がこれまで進めてきたまちづくりの歩みを更に加速し、力強く進めるとしていますが、この予算案の中において市長が特に特徴的と考える施策、いわゆる目玉施策についてお伺いします。 2点目に、公明党はこれまで、大規模自然災害等から本市の市民の生命、財産を守るためには、国土強じん化が必要である旨を訴え、本会議では地域計画の策定について質問をしました。本年度の予算規模が過去2番目の規模となった要因の一つに、国の防災・減災、国土強じん化のための緊急対策の推進が上げられていますが、具体的にどのような取り組みを進めていくための予算となっているのか、また、その取り組みにより、どれだけ安全・安心が図られるのか、お聞かせください。 3点目に、本市の新たな税収となる宿泊税について要望いたします。 北橋市長は、5月29日の定例記者会見において、宿泊税の課税を検討する会議を設置する方針を発表されました。既に新聞等では、福岡県と福岡市がそれぞれ課税する方向で合意したとの報道がなされています。検討会議では、この合意内容を前提に、事業者や有識者を交えて、課税の必要性や使途について議論を行うとお聞きしました。本市が独自で課税することとなった場合には、一定の税収が見込めるため、その財源を十分に生かして、観光施策を更に充実させることができるよう、しっかりと検討を進めていただくことを要望いたします。 次に、多文化共生社会の推進についてお伺いします。 外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が4月1日に施行されました。厚生労働省によると、日本で働く外国人は昨年10月末時点で約146万人、このうち単純労働を主に担っている留学生と技能実習生らは65万2,000人です。深刻な人手不足に対応するため、新たな在留資格、特定技能が設けられ、国は5年間で最大約34万人の受け入れを見込んでいますが、人手不足の見込み数は約145万人に上ると言われています。 この外国人労働者の受け入れに対しては、人手不足が解消し経済が活性化するというプラスの面と、生活習慣の違いで地域社会のトラブルがふえる、治安が悪化するというマイナス面があると考えている人が多いようです。本市の外国人市民の数は、平成27年12月末では1万1,618人でしたが、昨年12月末には1万3,236人となり、年々増加傾向にあります。また、国籍も多様化し、韓国、朝鮮、中国、ベトナムを初め91カ国・地域出身の人が住んでいます。 本市の外国人市民のうち、半数が永住者、特別永住者で、ほかに留学生が約20%、技能実習生が約10%です。今後、外国人労働者がふえていくことが予想され、国際化は一層進んでいくと考えられます。国際化が進めば進むほど、お互いの文化の違いを認め合い、対等な関係を築き、ともに生きていく多文化共生社会の推進が求められます。 そこで、2点お伺いします。 1点目に、今年度の予算案には、4月にオープンした、外国人の相談に応じる北九州市多文化共生ワンストップインフォメーションセンターの設置、運営に関する経費を初め、災害時の支援や共生社会の環境整備といった、外国人の受け入れ促進に関する経費が新規事業として計上されています。私は、外国人との共生社会を築いていくためには、外国人との交流に興味のある人のみならず、市民全体で外国人を受け入れていくという意識を醸成していくことが重要と考えます。今年度の新規事業が、こうした意識の醸成の第一歩となることを期待し、具体的な取り組み内容についてお伺いします。 2点目に、本市は社会動態のプラスを目指し、北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略を推進し、人口減対策の強化に努めてきましたが、ことし1月から4月までの社会動態の累計はマイナス1,494人となり、前年同期比で転出超過が710人ふえたと発表がありました。一方、外国人の留学生や技能実習生はわずかですがふえており、人口減少の抑制に貢献しています。今後も外国人の留学生や技能実習生、また、改正出入国管理法の施行により、外国人労働者が確実にふえていくと思われます。 本市においても、サービス業を初めとするさまざまな業種で人材不足が深刻と言われている中、こうした外国人人材を積極的に活用していくべきと考えます。そのためには、市内企業においてどれくらいの人材不足が発生しているのか、また、今後どれくらい発生する見込みなのかをシミュレーションし、市内企業と外国人材を効果的にマッチングさせるための政策を検討すべきと考えますが、見解をお聞きします。 次に、響灘における風力発電関連産業の総合拠点化の推進についてお伺いします。 政府は、昨年7月策定の第5次エネルギー基本計画において、再生可能エネルギーについては、2030年のエネルギーミックスにおける電源構成比率の実現とともに、確実な主力電源化への布石としての取り組みを早期に進めるとの文言を記載しており、今後再生可能エネルギーが更に重要な電源として認識されてきます。 現在、本市は響灘地区において風力発電関連産業の総合拠点化を推進しており、2022年度からの大規模洋上ウインドファームの着工が予定されています。また、風力発電設備のメンテナンス技術員トレーニングセンターを誘致するなど、関連産業の集積促進も図っており、私としてもこれらが市の未来を支える基幹産業となるよう大いに期待しています。 このような流れの中、昨年6月、洋上風力発電産業の一大拠点として成功しているドイツのブレーマーハーフェンに視察に行き、民間企業、行政、市議会の3者で調査してきました。ブレーマーハーフェンは失敗を積み重ね、15年間で現在の洋上風力の総合拠点として着実に発展し、2万人の雇用が創出されたとの説明を受けました。再興した事例に接し、本市の基幹産業になるとの大いなる期待が持てました。 また、昨年発行された九州経済調査月報10月号で、独立行政法人経済産業研究所上席研究員の岩本晃一氏が書かれた、響灘地区洋上風力産業拠点の形成による地域振興・雇用創出に関するレポートの中に、最悪のシナリオと最良のシナリオという記述があります。若干引用させていただくと、最悪のシナリオでは、日本の風車メーカーが台湾に進出、台湾の港湾で風車の組み立てを終え、台湾から響灘に出荷し、そのまま洋上で建設、響灘港湾での加工組み立て等は行わず、台湾から西日本の洋上風力プロジェクトに向けて出荷、響灘における風車の組み立てが終われば、響灘での仕事は保守点検を除き、ほとんどなくなる。 一方、最良のシナリオでは、風車メーカーが響灘港において、地元から部品を調達して風車を加工組み立て、響灘の洋上で風車を建設、響灘から台湾、韓国、西日本の洋上風力プロジェクトに向けて出荷し、響灘における風車の組み立てが終わっても、台湾、韓国、西日本での洋上風力プロジェクトが継続する限り、響灘から出荷が続く。やがて、台湾、韓国、西日本における保守点検、部品交換、能力増強による建てかえへと続き、響灘からの出荷が継続する。 私は、この最良のシナリオこそが本市の目指す洋上風力産業拠点のあるべき姿ではないかとの観点から、3点お尋ねいたします。 1点目に、響灘における風力発電関連産業の総合拠点化構想の進捗状況をお伺いします。 2点目に、現在若松区の響灘地区の沖合では、最大44基の着床式洋上風力発電装置を設置する計画が進んでいます。本年1月にはSEP船の北九州港母港化が発表され、5月には浮体式風力発電実証運転も始まるなど、拠点化に弾みがつきました。前述の最良のシナリオどおりに進めば、今後かなりの経済効果、雇用効果があると予想され、北九州市発展の起爆剤になると期待しています。そこで、今後の展望についてお聞きします。 3点目に、昨年12月、北九州市立大学とドイツのブレーマーハーフェン大学が、風力発電を中心とした再生可能エネルギー分野での学術交流協定を締結しました。再生可能エネルギー分野での人材育成や共同研究など大いに期待できると考えますが、今後具体的にどのような取り組みを行う計画なのか、お伺いします。 次に、下関北九州道路の早期整備についてお伺いします。 本州と九州を結ぶ大動脈となる道路は、開通後45年を経過した関門橋と、開通後61年を経過した関門トンネルの2本のみであり、昨今、各地で災害が多発している状況を考えると大変ぜい弱であります。我が党の秋野公造参議院議員は、2015年2月に国会でこのことを取り上げ、当時の太田昭宏国土交通大臣に下関北九州道路の必要性について質問しました。関門海峡と幅がほぼ同じ東京都の荒川には、10数本の橋がかかっていることなどを例に挙げながら、非常に具体的な質問をし、その後太田大臣は現地を視察、実際に車で関門トンネルを走っていただき、対面2車線であることに驚いておられました。 また、現在の石井啓一国土交通大臣は、下関北九州道路については、既につながっている関門トンネルや関門橋のバイパス機能の確保など、他の5つの海峡横断プロジェクトとの違いがあると認識していると述べられ、下関北九州道路の早期整備の重要性を認識されました。 これらの課題に対応するため、下関北九州道路について、一昨年度から本市を含む福岡県、山口県、下関市の各自治体、経済界により調査検討が実施され、本年4月にその成果が市議会建設建築委員会に報告されました。その内容は、概略ルートについて、地域の意見を踏まえた結果、両市を最短で結び、混雑緩和が期待できる下関市彦島迫町付近から、小倉北区西港町付近を結ぶルート帯が望ましく、構造形式について、地域住民、企業の意見を参考に橋りょう案が比較的優位であると結論づけられました。 今後は、地質等の詳細調査の実施及び高度かつ広範な専門的知見をもって検討を深め、整備手法については、民間と段階的、継続的な対話や民間と公共のリスク分担が必要であり、関門橋、関門トンネルとの一体的な管理運営が効果的であるとまとめられています。 国に対しても長い時間をかけて早期整備を要望してきた結果、今年度の予算成立時には、国による直轄調査を実施することも公表され、大きく前進していくものと喜んでいるところです。また、マスコミが行った地元住民への聞き取り調査でも、下関北九州道路が必要との声が多いとの結果が報道されました。我が会派も本道路の早期整備が必要と考えており、私自身、議連に参加して国に対して要望を行ってきました。下関北九州道路の整備目的、役割などを考えると、早期整備に向けて歩みをとめることなく、その取り組みをスピードアップさせていく必要があると考えます。 そこで、同道路に関する今後の取り組みについて3点お尋ねします。 1点目に、下関北九州道路の早期整備に当たっての北橋市長の見解をお聞かせください。 2点目に、今年度、国が実施する直轄調査がどのように行われるのか、その内容についてお伺いします。 また、地元自治体の役割分担や早期整備を図るための取り組みについてお聞かせください。 3点目に、下関北九州道路の調査に当たっては、既存道路とどのように接続するのか、円滑な交通流動が確保されるか等の検討が必要になると考えられますが、地元自治体としてどのように取り組むのか、見解をお伺いします。 次に、児童虐待防止についてお伺いします。 虐待によって子供が亡くなる不幸な事件が後を絶ちません。昨年は東京都目黒区で5歳の女の子が、ことしは千葉県野田市で小学4年生の女の子が、それぞれ虐待を受けて亡くなり、社会に大きな衝撃を与えました。 これらの痛ましい事件を受け、国において乳幼児健診未受診者、未就園児の安全確認調査や、過去に虐待を受けた子供たちの緊急安全確認が実施されました。加えて、児童虐待防止対策を強化するため、5月28日に衆議院を通過した児童福祉法等改正案には、家庭内でしつけと称した体罰が虐待につながっている実態を受け、親などによる体罰の禁止を明記し、民法の懲戒権のあり方については施行後2年をめどに検討するとしています。ほかに、DV対策と連携を強化、一時保護などの介入と保護者支援を行う職員の分離、弁護士が常時児童相談所に指導、助言できる体制整備、医師と保健師を1名以上配置するなどの強化策が盛り込まれています。 また、予算、制度運用面での対応を取りまとめた抜本的強化対策には、学校における虐待防止体制の構築や警察との連携強化、全都道府県における情報共有システムの構築に加えて、保護された子供の自立支援の強化が盛り込まれています。国挙げての子供の命を守る社会づくりが急がれます。 一方、本市では議員が中心となって策定した北九州市子どもを虐待から守る条例が4月1日に施行され、17日には北橋市長を筆頭に、議員らで小倉駅周辺で条例の内容を周知する街頭活動を展開しました。子供の命を守るために、市挙げての取り組みが急がれます。 そこで、お伺いします。 1点目に、本市においても、これまで虐待により子供のとうとい命が奪われた事件等が起きています。最近では、父親が子供3人にスタンガンを押しつけた事件、子供の髪をつかんで振り落とし、けがをさせた事件が起きており、虐待事件が後を絶ちません。こうした中、今議会には、子どもを虐待から守る条例の施行後、初となる予算案が提出されていますが、まずは本市で絶対に虐待を起こさせないという市長の決意と、その取り組みについてお伺いします。 2点目に、野田市の事件ではDVがあったと報じられているように、虐待とDVとは密接な関係があることから、今回DV防止法もあわせて改正されると聞いています。本市には、民間のDVシェルターがあり、今後ますます役割が大きくなると思われます。また、行政の避難施設でもDVの一時保護を含め、受け入れを行っていますが、これらの施設が今後もしっかりとDV被害者への支援を行うことができる体制整備が必要です。今後の市の対応をお聞かせください。 3点目に、北九州市子どもを虐待から守る条例の前文には、子供には、生まれながらにして、その一人一人がかけがえのない存在として認められ、幸せになる権利があります。子供には、愛されて育つ権利、守られる権利、安心して自分の感情や思いを表現する権利がありますとうたわれています。これは、子供の人権を保障する国連の子どもの権利条約に基づくものであり、日本は批准して25年になります。その国連の子どもの権利委員会より本年2月に、子供への暴力や虐待が相次いでいる日本に対し強い懸念が示され、虐待防止に取り組むよう勧告がなされました。 本市は、誰ひとり取り残さないを理念に、全ての人が平等で豊かな生活を送ることができるよう、SDGs未来都市の推進に取り組んでいます。そうした本市だからこそ、子供は親の所有物ではない、子供の人権も大人と同じように尊重されるべきという意識が市民にしっかりと根づいていくように、人権教育や啓発活動に積極的に取り組んでいくべきと考えますが、見解をお聞かせください。 次に、空き家対策の取り組みについてお伺いします。 平成30年10月実施の住宅・土地統計調査によると、国内の住宅総数に占める空き家の割合は過去最高の13.6%で、戸数も最多の846万戸に上り、全国的に空き家対策は喫緊の課題となっています。同調査における本市の空き家率についても今年中には公表されると聞いていますが、5年前の調査時点でも14.3%と高い数値になっており、本市においても空き家対策は待ったなしの状況であります。 平成27年5月に空家等対策の推進に関する特別措置法が全面施行されたことを踏まえ、本市においては、平成28年度に北九州市空家等対策計画の策定及び北九州市空家等の適切な管理等に関する条例が制定され、総合的な空き家対策に取り組んでいます。特に危険な放置空き家については、各区役所でワンストップ窓口を設け、相談を受けるとともに、所有者等に対しては、平成31年3月末時点で法律に基づく代執行1件を含む857件の是正指導が完了しており、1,904件に是正指導が続けられています。老朽空き家の除却補助も1,670戸に上るなど取り組みが進められています。 また、平成26年度から実施している空き家バンクについては、これまでに242件登録され、そのうち144件が成約するなど、空き家の活用も図られています。その一方で、空き家に関する相談の中には、現在住んでいる家について、人生の最期に向けた準備、いわゆる終活の一環で、空き家にならないようにどのように処分したらよいのかというものや、相続に関するものなどもあり、空き家に関する問題は多岐にわたっています。 本市では、人口減少や高齢化等の進行に伴い、今後も空き家の増加が見込まれることから、空き家対策により積極的に取り組んでいくため、昨年4月に空き家活用推進室が新設され、新たな取り組みが進められています。 そこで、3点お伺いいたします。 1点目に、空き家に関する問題は、相続や管理に関することに加え、終活など多岐にわたるため、それらの相談に対応できる体制づくりが必要と考えますが、見解をお伺いします。 2点目に、これまでの取り組みとして、空き家対策は空き家の老朽化が進む前に利活用するなど、空き家をふやさない取り組みが大切であると考えますが、空き家バンクのほかに、現在取り組まれている空き家活用の内容についてお伺いします。 3点目に、新たな取り組みとして、令和元年度予算案では空き家等活用推進事業として、空き家活用の総合的な取り組みを推進することとしていますが、その新たな取り組みの内容についてお伺いします。 最後に、公明党が推し進める重点政策の一つの柱である、子供、若者、女性、障害者、性的マイノリティーなど、誰ひとり置き去りにせず誰もが輝く社会の実現に向けて、2点お伺いします。 1点目に、特別支援教育の推進についてお伺いします。 先月行われた総合教育会議において北九州市教育大綱が策定されました。この大綱においては、SDGsの視点を踏まえた教育を進めていくことがうたわれており、特に市全体で子供の教育を支える5つの柱には、SDGsの誰ひとり取り残さないという理念のもと、障害のある子供への支援が掲げられています。 教育委員会においては、これまで北九州市子どもの未来をひらく教育プランに基づき、平成29年に特別支援教育推進プランを策定し、特別支援教育の充実に取り組んでいると承知しています。教育的ニーズの多様化に対応するために、発達障害等で読むことに困難がある子供が、マルチメディアデイジー教科書を利用することができるようになったこと、新たな学びの場として、本年4月から特別支援教室として、いわゆる校内通級の仕組みのモデル実施を開始したこと等を聞き、これらを積極的に進めていただきたいと思っているところです。 また、特別支援学校と小・中学校、高等学校との交流及び共同学習として、障害のある子供とない子供が一緒にスポーツや文化活動をする心のバリアフリー事業などにも取り組んでいると聞いています。施設、設備面の充実として、平成28年度には門司総合特別支援学校及び小倉総合特別支援学校を開校し、現在小池特別支援学校等の整備に着手するとともに、小・中学校における特別支援学級の設置にも取り組んできたと聞いています。 更に、特別支援学校において看護師等を配置し、緊急時対応体制を整備して、医療的ケアの必要な児童生徒への対応も行っていると聞いています。本会議においても、特別支援教育に関する予算が計上されています。更には、現在教育大綱を踏まえ、新たな教育プランも策定しているところと聞いています。今後、より一層の特別支援教育の充実が期待されます。 そこで、初めに、今議会に提案された予算案においては、特別支援学校へのタブレット端末の導入が提案されていますが、特別支援教育におけるタブレット端末導入によって期待される効果についてお聞かせください。 次に、特別支援教育を充実させていくためには、教職員の専門性を高めていくことはもちろん、特別支援教育を必要とする子供の支援の充実が重要と考えますが、特別支援教育の支援体制の充実についてお聞かせください。 2点目に、人権施策について伺います。 我が党は、これまでの本市の人権施策について高く評価すると同時に、更なる取り組みの加速を要望してまいりました。昨年9月議会で我が党の成重議員から性的少数者、いわゆるLGBTの方々への支援策として、パートナーシップ制の導入及び当事者やその家族が安心して相談できる専門相談窓口の設置、市営住宅への入居要件の緩和に向けた検討状況の質問に対し、市長及び関係局長から、いずれも前向きな答弁をいただいたところであります。 その後、本年2月19日に開催された北九州市人権施策審議会において、本市のLGBT支援策の検討状況として、パートナーシップ宣誓制度の7月導入、時期を合わせ、性同一性障害に関する相談窓口の設置や、市営住宅の入居要件緩和を実施することを報告したと聞いています。 そこで、まず、今後LGBTに係る課題の解決に向け、本市はどのような取り組みを行っていくのか、見解をお伺いします。 また、昨今の本市を取り巻く人権課題には、LGBTを初めセクハラ、パワハラ、高齢者や児童虐待などさまざまなものがあり、複雑化しています。北九州市はSDGs未来都市として、このようなさまざまな人権課題の解決に向け積極的な啓発等に取り組んでいます。 こうした中、我が会派も委員会提出である北九州市子どもを虐待から守る条例の制定に関与するなど、人権課題の解決への取り組みを進めているところであります。しかし、これらの取り組み結果がタイムリーに人権行政指針に反映されないのは残念でなりません。市の取り組みを内外に示すためにも、施策が大きく前進したときには指針の改定をしてはいかがかと思いますが、見解をお伺いいたします。 以上で第1質疑を終わります。 ○副議長(岡本義之君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 山本眞智子議員の御質問にお答えいたします。 まず、予算案の特徴、いわゆる目玉政策について御質問がございました。 この予算案は、次代を見据えたまちづくりに改めて取り組む第一歩といたしまして、若い世代がこの町で夢をかなえ、あらゆる市民が安心して暮らせる住みよい町を実現するため、各種政策を積極的に推進するという思いで編成に臨みました。 政策はどれも大変重要なものであります。その全てについて力を入れて取り組む所存ではありますが、その中でも目玉政策と思えるものを幾つか紹介をさせていただきます。 まず、文化・スポーツの振興によって町の魅力、活力を生み出す、この項目であります。日中韓3カ国において実施されております東アジア文化都市の開催に向けまして、2020年3月の開幕式典を皮切りに、1年を通じてさまざまな文化芸術交流事業を実施いたします。また、本市の強みである映画、漫画、アニメなどメディア芸術の国際的な創造拠点の形成に向けまして、アジアMANGAサミットなど国際的なイベントを実施いたします。 次に、安全・安心のまちづくりです。昨年の豪雨災害により被害が発生した中小河川改修を初め、地震などによる倒壊などを未然に防止するため、ブロック塀の改修を行うなど、豪雨、地震災害等から市民の命、暮らしを守る防災対策を推進することです。また、新たな高齢者の生活交通確保対策としまして、最寄りのバス停、駅が遠い地域で、タクシー事業者との連携による乗り合いタクシーの実証実験を実施いたします。 子育て環境の更なる充実では、幼児教育・保育の無償化を本年10月から実施するとともに、保育士の雇用確保、働きやすい環境の整備を目指し、保育所などを運営する法人と連携し、保育士宿舎に入居する保育士の家賃費用を最長5年間、1人当たり最大月額5万円補助するものです。また、児童虐待防止への対応を更に強化するため、子ども総合センター及び区役所子ども・家庭相談コーナーの体制を強化するとともに、4月に施行された北九州市子どもを虐待から守る条例の周知啓発に努めます。 教育環境の充実では、学校が抱える諸課題に法的助言を行うスクールロイヤーを新たに配置し、スクールソーシャルワーカーや部活動支援員など体制を充実させます。また、全中学校と特別支援学校にタブレット端末を整備し、発展的な協働型、双方向型の学習や情報活用能力の育成に取り組みます。 次に、健康で長寿の社会づくりの推進など、福祉、医療の充実では、糖尿病など生活習慣病に関する啓発や減塩推進の取り組みなど、健康寿命プラス2歳に企業や関係団体と連携して取り組みます。 また、成年後見制度の利用を促進するため、新たに中核機関を設置し、発達障害の特性のある就学前の子供の早期支援システム構築に向けた研究事業を実施します。 このように今回の予算案には多くの重要政策を盛り込んでおりますが、これらの政策を積極的に推進して、元気発進!北九州プランの総仕上げを図り、住みよい町の実現に向けて精いっぱい前進をしてまいりたいのであります。 次に、経済成長戦略の一環として、洋上風力発電のファームの推進について御質問がございました。 私も平成29年10月にブレーマーハーフェンを訪問しました。本市が目指す姿と今後取り組むべき方向を再認識したところです。 風力発電関連産業の総合拠点化については、響灘に風車の実証事業などを誘致する第1フェーズ、また、響灘に大規模な洋上風力発電事業を誘致する第2フェーズ、更に、総合拠点の形成に向け、基地港湾整備や市場開拓などを行う第3フェーズを通じて段階的に取り組んでいます。 進捗状況であります。第1フェーズの風車実証事業では、民間事業者により物流倉庫兼メンテナンストレーニングセンターや3.3メガワット級洋上風車2基が臨海部に整備されるなど、順調に進んでおります。 第2フェーズとして進めております響灘洋上ウインドファーム事業では、ひびきウインドエナジー社が令和4年度の着工に向け、海域調査や環境アセスメントの手続などを行っております。一方、採用する風車の機種に関しましては、欧州メーカーによる高性能化や大型化など、その開発スピードには目覚ましいものがあります。そのため、発電事業者においては発電効率の向上を初め、自然条件やメンテナンス方法なども踏まえ、鋭意検討を行っており、風車の機種の選定については、もう少し時間を要すると考えております。 第3フェーズであります。風力発電関連産業の総合拠点化を進めるため、基地港湾整備や市場開拓などの取り組みを行っております。本市は洋上風力発電の普及拡大を支える西日本唯一の基地港湾を目指しております。ことしの3月、公共事業評価の手続を終え、今回予算案にその整備費を計上しております。また、市場開拓については、西日本地域を中心に活動を行っており、特に九州の海域で洋上ウインドファーム事業を計画している事業者や自治体と、響灘地区の基地港湾の利用について具体的な協議を行っております。 次に、本事業を北九州市発展の起爆剤とするため、今後の展望について2点申し上げます。 1点目は、国内の洋上風力発電の普及拡大についてです。この点については、一般海域での洋上風力発電の長期占用を可能とする手続を定めた法律、いわゆる再エネ海域利用法が本年4月1日に施行されました。これによって日本近海での洋上ウインドファームの実現に向けて国を挙げた取り組みが始まったところであります。本市としましては、市場が拡大していく中で、これから整備する基地港湾が響灘にとどまらず、西日本エリアの洋上ウインドファーム事業の基地港湾として活用されるよう、戦略的なセールスに取り組んでまいります。 2点目は、風力発電関連産業の集積についてです。本市では、総合拠点の核となる基地港湾の整備を進めており、令和4年度にはウインドファーム事業の着工を予定しております。これらを契機に、風車部品の輸移出入、海陸物流、ターミナル運営、巨大な洋上風車の事前組み立て、洋上での風車の建設など多くの関連産業が創出されると期待をしております。 近年、欧州では洋上風車の新規導入に落ちつきが見え始めている一方、日本を初め台湾、韓国などアジアにおける洋上風力発電市場は拡大が見込まれております。このような市場の変化に伴い、アジア地域において洋上風車の生産拠点の立地が進むことが期待されます。近隣の各国・地域との部品の供給体制構築の可能性も踏まえ、本市では主要パーツの組み立て工場の誘致を進め、サプライチェーン構築のための環境整備を図ります。 議員御指摘のとおり、ブレーマーハーフェンでは洋上風力の拠点となることで多くの雇用を創出したと言われております。本市におきましても、産業の裾野の広い風力発電関連産業の集積や港湾の利活用の促進によって雇用の創出、税収の増加、ひいては本市経済の発展につなげてまいりたいと考えております。 次に、下関北九州道路の早期整備に関する御質問がございました。 下関北九州道路は、北九州市と下関市の都心部を結び、関門地域における既存道路のネットワークの課題の解消や、本州と九州を結ぶ大動脈であります関門トンネル、関門橋の老朽化への対応と代替機能の確保、更には循環型ネットワークの形成により、さまざまな分野における関門地域の一体的発展を支える重要な道路であります。 このため、この道路の実現に向け、山口県、福岡県、下関市、そして、本市の2県2市を初め経済界、地元関係者とともに長い間政府に対して要望を重ねてまいりました。更に、2県2市の議会では、下関北九州道路の早期整備に関する意見書が平成28年度までに議決され、関係機関が連携し、長年にわたりあらゆる機会を通じて本道路の重要性、必要性を訴えてまいりました。この間、太田国土交通大臣、石井国土交通大臣に一度ずつ御視察をいただきました。大変感謝をいたしております。 この取り組みが実りまして、この2年間、国の道路調査費補助を受け、地域において下関北九州道路に関する調査検討を進め、本年3月、概略ルートなど構造形式、整備手法の観点から成果を取りまとめ、国に対し丁寧に説明を行いました。その結果、道路の早期整備の必要性を御理解していただき、本年3月29日、今年度国が直轄調査に着手することが正式に公表されました。今後、調査検討を進めるに当たりましては、これまでの地域での基礎的な調査検討の成果を踏まえ、ルートや構造形式など詳細な検討やPFIの活用など、官民連携による効果的な整備手法の検討などが必要であり、国の高度な技術力や多岐にわたる知見が不可欠と考えております。 市長といたしましては、国が必要性、重要性、緊急性を御理解いただき、直轄調査を実施するという御英断をいただいたことは、下関北九州道路の早期実現に向けまして、もう一つ上のステージに上がることになり、大変感謝いたしております。 また、昨年7月の豪雨災害で、九州縦貫自動車道と北九州高速道路が同時に通行どめとなった際は、門司区を中心に一般道路が大渋滞するなど、本州と九州を結ぶ交通が大混乱に陥り、市民生活や企業活動に大きな影響を及ぼしました。改めて本州と九州を結ぶ関門間の安定した道路の確保の必要性を認識させられたところです。この道路を一日でも早く整備できるよう、スピード感を持って最重点に取り組む必要があると強く感じております。 現在、国の直轄調査に協力するため、2県2市で協議を始めたところです。今後、国の調査内容が示された際、国と関係機関の役割分担を明確にし、必要な調査検討を深めてまいりたいのであります。今後も下関北九州道路整備促進大会を開催するなど、下関北九州道路の実現に向けた地元の機運を更に盛り上げていくとともに、国、県、経済界と協力して、また、党派を超えた議員各位の御理解を賜りながら、着実に事業の推進を図ってまいりたいのであります。 次に、児童虐待防止について御質問がございました。 児童虐待につきましては、幼い命が失われるという痛ましい事件が全国で相次いで発生しており、解決すべき喫緊の課題であります。本市では昨年12月議会におきまして、議員提案による北九州市子どもを虐待から守る条例が全会一致で可決され、4月1日施行されました。議会におきましては、全会派から選出されたメンバーによるプロジェクトチームが合計11回もの検討会議を経まして、条例を作成していただきました。議員各位の熱意と御尽力に改めて敬意を表するものであります。 この条例では、市、市民、関係機関等の責務を定めるとともに、虐待の未然防止、早期発見、早期対応、虐待を受けた子供及び虐待を行った保護者への支援などを定めております。また、学校、保育所、病院、警察など関係機関との連携強化、児童相談所などの体制整備や人材育成などを定めております。子供を虐待から守る政策を総合的に推進する内容であります。今年度は、児童虐待対応を行う職員体制の強化及び条例の周知啓発など、未然防止や早期発見に重点的に取り組みます。 職員体制の強化として、具体的には4月から子ども総合センターに児童福祉司5名を増員するとともに、警察OBである児童虐待防止担当官1名を配置いたしました。また、本庁に児童虐待防止の専任ラインを新設し、部長、係長各1名を配置いたしました。更に、9月から区役所子ども・家庭相談コーナー2カ所に面前DVなどに対応する嘱託職員を1名ずつ追加配置する予定であります。 次に、条例の周知啓発など未然防止、早期発見の取り組みとしまして、具体的には公共施設などでの啓発活動やポスター掲示を積極的に行います。条例施行後の4月には、私も議員の皆様と御一緒に小倉駅構内で啓発活動を行いました。また、条例パンフレットを全戸配布するとともに、内容をわかりやすく解説したPR動画やハンドブックを作成し、出前講演や研修などで活用いたします。 更に、児童虐待防止推進月間であります11月には、講座や行事などでの周知啓発や、市政だよりへの特集記事の掲載を予定しております。加えて、相談につなぐ取り組みを強化するため、24時間子ども相談ホットラインのPR用カードを保護者向け、子供向けに分けて作成し、市内全児童とその保護者に配布をいたします。 児童虐待は、子供の命に危険を及ぼす最も重大な権利侵害であります。行政、市民、関係機関が一体となり、その撲滅に向け取り組むことが重要であります。子供を虐待から守る条例が施行され、虐待を防止しようという機運が町全体に広がりを見せ始めております。これを契機に、できるだけ多くの市民に条例に込められた社会全体で子供を守るという強い思いと、それに向け全力で取り組むという決意を訴えていきたいのであります。何よりとうとい命を守ることを第一に、子供の安全と健やかな成長が守られる、児童虐待のないまちづくりにしっかりと取り組んでまいりたいのであります。 189、イチハヤク、3桁のダイヤルは全国共通のダイヤルであります。お住まいの地域の児童相談所につながります。365日24時間の対応であります。匿名でも構いません。とにかく子供を虐待から守るためには情報提供、速やかな通告が何よりも重要だと思います。189、このPRの徹底に努めたいと思います。 次に、誰もが輝く社会の実現に関し、LGBTにつきまして御質問がございました。 本市では、基本構想・基本計画であります元気発進!北九州プランに掲げた人権文化のまちづくりを進めるため、平成17年11月、北九州市人権行政指針を策定し、あらゆる人権課題の解決に向け積極的に取り組んでまいりました。人権を取り巻く状況は国際化の進展等に伴い多様化しております。性的少数者、いわゆるLGBTの方々への支援についても人権施策の重要な課題と位置づけ、その取り組みについて検討してきたところです。 議員お尋ねの7月からのLGBTの方々への支援策のうち、まず、パートナーシップ宣誓制度の導入であります。これは、一方又は双方が性的少数者である2人の方が一定の要件を満たした上で、互いを人生のパートナーと宣誓した場合、人権推進センターにおいてパートナーシップ宣誓書受領証を交付するものです。7月1日に開始いたします。この制度は、婚姻と同等の法的効果はありませんが、既に制度を導入している他の都市の例を見ても、当事者の方々にとって価値観や個性の違いを認められたと感じ、生き方を後押しするものと考えております。 次に、市営住宅への入居を可能とする取り組みについてです。市営住宅に入居できる同居親族要件に、パートナーシップ宣誓書受領証を交付された方を新たに追加するものです。今議会において条例改正議案を提出させていただいております。施行予定は8月1日であります。 更に、専門相談窓口の開設であります。精神保健福祉センターにおいて、医師、保健師、臨床心理士等が性同一性障害についての悩みを持つ市民からの相談に応じ、診断、治療の流れの説明や、診断対応可能な医療機関の情報提供などを行うことにしております。7月以降の開設予定です。 なお、これらの支援策については、市政だより、ホームページなどで広く周知をしてまいります。 また、人権行政指針の改定のお尋ねについてであります。 現指針については、人権を取り巻く国内外の状況変化に対応するため、平成29年度に一部改定を行っております。この改定後の指針については、おおむね5年ごとに見直していくことにしておりましたが、議員御指摘のとおり、LGBTに関する新たな支援策に取り組むこと、また、大きな社会問題となっている児童虐待について、昨年市の子どもを虐待から守る条例を制定し、取り組みを進めていること、また、平成29年度、障害者差別解消条例を制定し、共生社会の実現を目指すこととしております。これらの政策を効果的に推進するため、北九州市人権施策審議会の意見をお伺いした上で、改定する方向で検討いたします。 今後もLGBTを初めとする各種人権政策をより一層推進し、国籍、性別、年齢などに関係なく、多様性が認められる社会の実現に努めてまいりたいと思います。 残余の質問は、教育長、関係局長にお答えさせていただきます。 ○副議長(岡本義之君) 建設局長。 ◎建設局長(東義浩君) 令和元年度予算についての御質問のうち、防災・減災、国土強じん化のための緊急対策の推進の具体的な取り組みと、それによりどれだけ安全・安心が図られるのかについてお答えいたします。 本市は、大規模な自然災害に対しまして想定されるリスクを幅広い視点で洗い出した上で、今後の取り組みの重点化や優先度などを取りまとめた北九州市国土強靱化地域計画を平成29年12月に策定し、さまざまな施策を推進しているところでございます。このうち都市基盤の分野では、洪水や土砂災害対策、陸上交通ネットワークの整備などに取り組んでおります。 このような中、平成30年7月豪雨や台風21号、北海道胆振東部地震による甚大な被害を受け、国は平成30年度の補正予算から令和2年度までの3カ年に、防災・減災、国土強じん化対策として緊急的な予算措置を行うこととしております。この措置を含めた国の令和元年度予算における公共事業費は6兆9,000億円と、前年と比べて15%の増加となっております。 一方、本市では防災・減災、国土強じん化の取り組みを更に進めるため、積極的に国の補助予算の確保に努め、今回の議会に国土強じん化に伴う臨時措置分85億円を上積みした予算案を提出してございます。この予算によりまして、道路街路事業では道路構造物の長寿命化を図るため、橋りょう、トンネル、モノレールの点検、補修、耐震補強や、災害発生時においても物流機能が維持できるよう、戸畑枝光線や恒見朽網線などの整備による交通ネットワークの構築を、また、河川事業では浸水被害を防ぐため、紫川の河道掘削や相割川の護岸改修などの治水対策の推進を、更に、公園事業では災害時の避難場所となる曽根豊岡地区公園や皇后崎公園などの防災拠点の整備を一層進めたいと考えてございます。 今後も災害に強いまちづくりに向けてこれらの事業を着実に推進し、市民の安全・安心の確保に努めてまいります。以上です。 ○副議長(岡本義之君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(大下徳裕君) 多文化共生社会の推進のうち、今年度新規事業が予算案として計上されておりますが、外国人を受け入れていくという意識で、具体的な取り組み内容についてお答え申し上げます。 本市では、これまでも外国人市民も暮らしやすい多文化共生のまちづくりに向け、多言語による生活情報提供や行政手続等のコミュニケーション支援、日本語学習の支援など、これまで幅広く取り組みを進めてまいりました。今年度におきましても、生活全般の情報提供や相談を一元的に行う北九州市多文化共生ワンストップインフォメーションセンターの開設、運営や、災害発生時に外国人からの相談に迅速かつ正確に対応するための災害対応多言語コールセンターサービスの導入など、14カ国語以上に対応するサービスを新たに開始し、外国人市民に向けた情報提供や相談対応の体制を強化していくこととしております。 一方で、議員御指摘のとおり、多文化共生社会の実現のためには、受け入れ側の日本人市民の理解を深めていくということも大変重要でございます。このため、これまでも市民センターなどにおきまして、国際交流員等による外国文化の紹介や異文化の理解のための講座開催、また、広報紙や広報番組による多文化共生の取り組み紹介等を行ってまいりました。最近では、本年5月15日号の市政だよりにおきまして多文化共生のまちづくりを特集し、市内の外国人市民や地域の活動などを紹介したところでございます。 更に、今年度は外国人市民と共生が進んでいる地域の活動事例集を作成し、周知します。また、外国人が増加している地域におきまして、外国人市民と日本人市民との交流会や多文化共生研修、こういったことを新たな取り組みとして実施することとしております。 今後も引き続き外国人市民の状況やニーズをしっかりとつかみ、国際交流協会やボランティア、また、市関係部局と連携をしながら、外国人市民と日本人市民がともに暮らしやすい多文化共生のまちづくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(岡本義之君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(鮎川典明君) 企業と外国人材とのマッチングについてお答えいたします。 本市の生産年齢人口は平成27年時点で55万9,000人であり、20年後には約10万人減少する見込みであります。有効求人倍率も高い水準を維持しており、人手不足は今後とも深刻になるものとシミュレーションしております。 平成30年度の北九州市雇用動向調査では、従業員の過不足状況の質問に対し、不足していると回答した企業が全体の約6割となっており、年々増加傾向にあります。こうした中、本市では若者、女性や高年齢者に加え、高度外国人材と市内企業とのマッチングを支援する取り組みなどを行っております。具体的には、企業側の意識の醸成を目的としたセミナー、合同会社説明会での留学生と市内企業とのマッチングサポート、韓国の大学生と市内企業との交流会や、韓国内で開催される就職面接会参加ツアーなどを行っています。 また、市内のロボット関連企業などがタイのパンヤピワット経営大学からインターンシップを受け入れ、本年6月に4社、5名が就職するなど、市内企業も外国人材の獲得に努力しています。 一方で、外国人材を雇用するに当たっての課題としては、職場内での円滑なコミュニケーションが図れるか不安、慣習や文化の違いなどから職場内の規律に自信がない、あるいは受け入れには環境整備などで新たなコストが発生するなどの声を企業から聞いております。今後ふえていくと予想される外国人材の受け入れに備え、まずは市内企業のニーズや課題などを丁寧にヒアリングし、市内企業と外国人材の出会いの場の創出、就職のための手続支援、人材派遣会社との連携など効果的にマッチングさせるための政策を検討、実施してまいります。以上でございます。 ○副議長(岡本義之君) 環境局長。 ◎環境局長(近藤晃君) 北九州市立大学とブレーマーハーフェン大学の交流協定の件についてお答えします。 風力発電関連産業は設計から設置、保守、点検まで裾野が広く、オペレーションやメンテナンスなど幅広い職種の人材が必要でございます。このため、風力発電関連産業のみならず、大学など教育機関と密接な連携のもとに人材育成を図っていくことが必要と考えてございます。 洋上風力発電の先進地でございますドイツのブレーマーハーフェンでは、大学に風力発電関連の人材育成に関する専門のコースを設置し、更には大学院の修士課程も準備されているところでございます。また、風力発電が盛んな地域の特徴を生かしまして、地元の風力発電関連企業が大学において講義を行ったり、インターンシップを受け入れるなど、企業と大学の密な連携のもとに風力発電施設の設計や施工、維持管理に至るまで、風力発電の人材育成の拠点を形成しているものでございます。 このため、議員御指摘のとおり、昨年12月でございますが、北九州市立大学はブレーマーハーフェン大学と学術交流協定を締結いたしました。この協定に基づく交流活動でございますが、まずは今年度中に研究者による共同研究、これを開始する予定でございます。具体的には、風車は故障や事故などによりまして、メンテナンスのための停止時間が長くなるといった課題などがございますことから、これらの改善をテーマに取り組んでいく計画でございます。 また、インターネット回線を活用したブレーマーハーフェン大学における講義の遠隔受講について検討を行うとともに、ブレーマーハーフェン大学から関係者を招へいし、北九州市で風力発電に関するワークショップやシンポジウムを開始する予定でございます。将来的には、学生の交換留学や単位互換、研究者のための研究設備の相互利用の検討を行うほか、国内外の動向を踏まえた共同研究プロジェクトなど幅広い交流により、風力発電を中心とした再エネ分野の人材育成を図る予定でございます。 また、本市では平成30年度から北九州市立大学の授業でございます未来を創る環境技術において、風力発電をテーマとした講義を主に1年生を対象に実施しているほか、市内工業大学、高専においても環境・エネルギー関連科目の中で風力発電に関する講義を行ってございます。あわせて、北九州市立大学を初め市内3大学などが連携し、ブレーマーハーフェン大学の先進的な取り組みを参考にした人材育成プログラムの開発あるいは企業へのインターンシップなどの検討を始めたところでございます。 今後とも先進的な再エネ人材育成ノウハウ、研究成果を持つブレーマーハーフェン大学を初め各大学などとの連携を進め、我が国における風力発電を中心とした再エネ人材育成、研究の拠点を目指してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(岡本義之君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(橋口基君) 2点についてお答え申し上げます。 まず1つ目です。下関北九州道路の早期整備のうち、既存道路との接続、それから、円滑な交通流動の確保についてお答えします。 下関北九州道路につきましては、国の技術的支援をいただきながら、下関北九州道路調査検討会におきまして調査検討を進め、本年3月にその成果を取りまとめたところでございます。そのうち、概略ルートにつきましては、地域の意見を踏まえ、暮らし、産業、物流、観光の観点に加え、災害時における関門橋や関門トンネルの代替路としての機能確保から、下関市と本市を最短で結び、混雑緩和も期待できる小倉北区西港町付近から下関市彦島迫町付近を結ぶルートが望ましいとして、調査検討会で推奨するルート案を整理しました。 詳細ルートにつきましては、今年度から行われる国の直轄調査の中で検討されることとなります。本市としては、本道路の役割である暮らし、産業、物流、観光の振興を図るとともに、近年頻発する災害時にも機能する信頼性の高い道路網を構築するには、一般道はもとより北九州高速道路とも接続は必要であると考えております。今後は、国が行う直轄調査と調整を図りながら、下関北九州道路と既存道路を接続した際に交通渋滞を引き起こさないような接続位置や道路の断面構成など、関係機関と協働して具体的に検討し、議会の御意見も聞きながら進めていきたいと考えております。 続きまして、空き家対策の取り組みについて一括してお答えします。 まず、相談に対応できる体制づくりについてです。 空き家に関する市民からの相談につきましては、平成26年度より各区役所に窓口を設置して対応してまいりました。しかし、御指摘のとおり空き家に関する相談は、相続や登記などに関することなど多岐にわたっているため、専門的な知識を必要とする相談については十分な対応ができていないものもありました。 このため、本年2月に司法書士会や宅建協会など専門家6団体と協定を締結いたしまして、空き家活用推進室で相談などの専門相談についても助言などを行える体制を整えたところでございます。この専門的な内容の相談につきましては、3月と4月、この2カ月間で80件もありまして、不動産の売買、賃貸、相続放棄、空き家の家財処分や管理など多岐にわたる相談に応じております。 このほかに設計事務所や解体業、不動産業者などを会員に擁する一般社団法人北九州空き家管理活用協議会におきましても、国の空き家対策のモデル事業の採択を受けまして相談会を開催しております。この協議会では、市と連携しながら民間ならではのノウハウを生かして、それぞれの空き家に合った具体的な利活用を提案し、解決に向けてコーディネートをするなど、実践的な対応を行っております。今後も空き家に関する相談につきましては、その時々で必要とされる体制を整え、加えて民間とも連携して、引き続き空き家に関するさまざまな相談に丁寧に対応してまいります。 次に、空き家バンクのほかの空き家活用の取り組みについてです。 空き家対策につきましては、老朽化を未然に防ぐために適切な管理を促進するとともに、空き家をふやさない積極的な取り組みが重要になってきます。このため、空き家をふやさない取り組みにつきましては、昨年度に空き家対策推進室を新設し、新たに4つの事業を立ち上げて、空き家活用や放置予防などの取り組みを推進しております。 具体的には、空き家の活用策として、新たに空き家を取得又は賃貸した方にリフォーム補助を行う、住まいの安全安心・流通促進事業を昨年7月から開始しました。これに加えまして、空き家を住宅以外の用途に転用して利用していただく、空き家を活かす地域共生マッチング事業を昨年11月から開始しました。 このほか空き家の放置予防策としては、空き家管理にお困りの所有者に対して、市内にある専門の管理事業者を紹介する空き家管理事業者紹介制度を創設しました。更に、ケアマネジャーが所属するNPOケアマネット21と協定を締結しまして、高齢者が施設に入所する際にケアマネジャーから本市の空き家相談へつないでもらう留守宅の放置予防啓発事業を、いずれも本年3月から開始しております。 また、本年2月15日号の市政だよりに空き家活用の特集記事を掲載したところ、多くの問い合わせをいただいておりまして、事業周知を含め、引き続き空き家をふやさない取り組みを積極的に進めてまいります。 最後に、新規事業、空き家等活用推進事業について御答弁します。 これまで空き家をふやさない取り組みといたしまして、個別相談や空き家の利活用、放置予防など、個々の空き家に対応した事業に取り組んでまいりました。しかしながら、空き家になる前に早い時期から空き家問題を幅広く市民に啓発する場がない、町なかで前面道路が狭くて建てかえが進まないエリアや、高齢化が進む旧新興住宅地の一部のエリアでまとまった空き家がふえているなどの課題があるため、今年度の空き家等活用推進事業におきまして、これらの課題に対して2つの取り組みを行うこととしております。 1つ目は、空き家の未然予防のために必要な相続の問題など、幅広い知識を得られるセミナーを開催するもので、市主催で行う新たな取り組みでございます。2つ目は、一定のまとまった空き家が見られるエリアからモデル地区を選定し、新たな開発や空き家の魅力を高めるリノベーション活用などに向けて、空き家所有者の意向調査及び住宅事業者等の意見交換を行うなど、複数の空き家の面的対策を進めることとしています。これらの新たな取り組みを進めることで、空き家の利活用や放置予防など、個々の取り組みとあわせて総合的に空き家をふやさない取り組みを推進してまいりたいと思います。以上です。 ○副議長(岡本義之君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(福島俊典君) 児童虐待防止について、2つの御質問に対して御答弁申し上げます。 まず、民間DVシェルター及び行政の避難施設に対する今後の市の対応についてでございます。 本市においてはDV被害者が行政の避難施設に入所する場合、母親と子供を一緒に施設に受け入れることとなっておりまして、現在施設に入所しているケースの多くが、子供が面前DVなど心理的虐待や身体的虐待を受けている状況でございます。そのため、これらの施設では母子支援員や少年指導員が常駐して一般的な相談対応や就業支援など、自立に向けたサポートを行うとともに、DVや児童虐待により精神的に影響を受けているケースについては、心理療法士によるカウンセリングを実施するなど、心のケアもあわせて行っているところでございます。 また、民間DVシェルターにおいては、主に単身世帯のDV被害者に対しまして、日常生活用品の支給など生活面の支援に加えまして、弁護士や警察への同行など、自立に向けたきめ細かなサポートを行っているところでございます。本市としましては、こうした民間DVシェルターに対する運営支援もあわせて実施しているところでございます。 また、国におきまして、千葉県野田市の児童虐待死亡事件を踏まえまして、いわゆるDV防止法などの改正法案が今国会に提出されており、児童相談所とDV関係機関が連携して対応することを明確にしてございます。 DV被害者の避難施設は、児童虐待及びDV防止の観点から、今後ますます重要な役割を担うと考えており、今後も国の動向や施設入所者のニーズを踏まえ、避難施設が継続的かつ安定的な運営のもと、DV被害者に対し必要な支援を提供できるよう、関係機関と連携しながらしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 次に、子供の人権に対する教育、啓発について御答弁申し上げます。 子どもの権利条約は、基本的人権が子供に保障されるべきことを国際的に定めたものであり、日本も1994年に批准しております。2019年2月、国連子どもの権利委員会は日本政府に対しまして、緊急の措置をとるべきものとして、あらゆる体罰の禁止や、子供が自由に意見を表明する権利を保障することなどを勧告いたしました。 こうした中、国においては児童虐待防止の抜本的強化対策や、保護者などからの体罰禁止を定めた児童福祉法などの改正法案が、今国会に提出されているところでございます。また、改正法施行後は、子供の意見表明権を保障する仕組みについて検討することとしております。 議員御指摘の子供の人権に関する教育、啓発につきましては、子供への最も重大な人権侵害であります児童虐待を防止するためにも、北九州市子どもを虐待から守る条例の周知啓発とあわせて行うことが効果的であると考えております。具体的には、子どもの権利条約にうたわれ、虐待防止条例の前文にも盛り込まれております、生きる、育つ、守られる、参加する、この4つの権利につきまして、今年度策定いたします条例のハンドブックやPR動画の中でわかりやすく解説し、研修や出前講演で活用いたします。 また、11月の児童虐待防止推進月間に予定しております市政だよりの特集記事の掲載や啓発事業の中で周知を図ってまいります。更には、24時間子ども相談ホットラインのPR用カードに記載し、市内全児童とその保護者に配布することなどを行ってまいります。 また、地域での人権の約束事運動や、保育士、幼稚園教諭や放課後児童クラブ指導員などへの研修、本市作成の人権教育教材集、新版いのちを活用した教育などを通じまして、改めて子供の人権に対する意識を高めてまいります。 今後とも子供の人権を尊重していくという意識が市民に一層根づいていくよう、教育、啓発にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(岡本義之君) 教育長。 ◎教育長(田島裕美君) 最後に、特別支援教育におけるタブレット端末の導入の効果と支援体制の充実について、2点につきましてあわせてお答えいたします。 新たな特別支援学校小学部・中学部学習指導要領では、タブレット端末などの情報手段になれ親しみ、積極的に活用できるようにすることが規定されまして、全面実施に向けた準備段階に入っております。特別な支援を必要としている子供は、障害の状態等によりまして情報の収集や処理、表現や発信などに苦手さがあるため、ICT機器の活用は子供の大きな可能性を広げるものと期待できます。 導入により期待される効果ですが、常時タブレット端末を接続できる環境によりまして、例えば知的障害のある子供は、絵や写真等を提示する学習支援アプリを活用して、一人一人に応じた理解を促進できたり、あるいは肢体不自由のある子供は、文字の音声変換による意思伝達などのコミュニケーションツールとして活用することで表現が豊かになります。また、議員御指摘のマルチメディアデイジー教科書も子供一人一人が手元で活用できるようになりまして、更に普及が拡大できます。こういったさまざまな教育効果が期待できます。 次に、特別支援教育の支援体制の充実に向けた取り組みの中身でございます。 まず1点目としまして、医療的ケアの必要な子供のために、肢体不自由特別支援学校に今年度4月から看護師2名を増員し、9名体制といたしました。人工呼吸器や酸素療法など、より高度な医療的ケアも含め、子供の学校生活の安全と保護者の負担軽減に努めているところでございます。 2点目ですが、小・中学校などにおきましては、介助が必要な子供の学習や生活面の介助を行う介助員を26名から30名にふやしました。子供の学習や学校生活の指導補助などを行う学習支援員を37名から50名と増員し、こういった形で教育的ニーズの多様化に対応することとしております。 今後とも特別支援教育を支援する多様な人材を配置するとともに、ICT機器活用の効果などを検証しながら、一人一人に着目した連続性のある指導支援の充実を目指してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(岡本義之君) 14番 山本議員。 ◆14番(山本眞智子君) 御答弁ありがとうございました。 初めに、響灘における風力発電関連産業の総合拠点化ということで市長から答弁いただきました。第1フェーズ、第2フェーズ、第3フェーズと順調に今進んでいる、先ほど質問した中に最良のシナリオと質問させていただきましたが、そのシナリオどおりに進んでいるという認識を受け、大変安心しているところです。 この洋上風力に関しましては、日本人誰も経験したことがない、日本初の事業ということで、いろんな面で大変なこともいっぱいあるかと思いますけれども、ぜひスピード感を持って進めていただきたいということと、それから、1901年に官営八幡製鐵がこの北九州に来て、日本の近代化がそこから進められてきたわけですが、これに並ぶ基幹産業になるということは、ブレーマーハーフェンに行って確信してまいりましたし、また、しっかりそういう流れに行くことを期待しております。 そして、1点ですけれども、私は今回ブレーマーハーフェンに行って勉強もしてきましたし、また、この質問するに当たりまして勉強もしましたけれども、市民には余り知られていないのではないか、特に女性や子供たちには大変まだ洋上風力が建っているわけでもないし、わかりづらい、でも市挙げて応援体制も組んで、市挙げて取り組んでいくからには、どれほどすごい事業なのか、市民に向けてその周知や広報、そして、見学もされているかと思いますが、その辺をやっていただきたいと思っております。要望としておきます。 次に、下北道路についてでございますけれども、絶対必要な道路との答弁で見解は一致しておりますが、実際に関門橋と関門トンネルでは老朽化が進んでいて、メンテナンスの工事とか事故等で通行どめになることも多いかと思いますが、実際年間どのぐらいの通行どめとかがあるのか、まずそこを教えてください。 ○副議長(岡本義之君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(橋口基君) その答弁をさせていただく前に、ちょっと先ほどの私の答弁の訂正をさせていただければと思います。 空き家対策の取り組みにつきましてお答え申し上げましたけども、空き家活用推進室と表現するべきところを空き家対策推進室と御答弁差し上げた箇所がありましたので、ここにおわびして訂正させていただきます。 御質問の通行どめの回数でございますけども、関門トンネルで平均して2日に1度程度通行どめが発生しております。関門橋でございますけども、雪、それから、風、事故などによりまして大体1年に1回程度通行どめになっております。以上でございます。 ○副議長(岡本義之君) 14番 山本議員。 ◆14番(山本眞智子君) ありがとうございます。関門トンネルでは2日に1度、そして、関門橋では雪とか風とかで1年に1回という、ちょっとびっくりしておりますけれども、門司区選出の渡辺議員からしょっちゅうこのことは、慢性的に門司区は渋滞が続いていて大変なんだということは聞いておりますし、また、実際市長からも話があっておりましたけれども、昨年の豪雨のときに九州道、新門司と小倉東インターのところで通行どめになり、私も用があって、この議会棟から長野に行って、それから、九州道に乗るときに、下の道路に長野のインターで一般道におりる長蛇の列に遭いまして、改めて通行どめになるということはこういうことなんだなということを実感して、ぜひともこの新しい道路というのは災害時における代替道路として必要なんだということを認識させていただきました。 また、今のところ橋りょうが優位とのことですが、現在の関門橋は特殊車両、例えばクレーン車とかが通れなくて、業界は大分までクレーン車を運んで船に乗せて、そして、本土というか、下関のほうに行くというのを聞いておりますけれども、新しい橋りょうになった場合には、クレーン車等が通るような頑丈な橋というのは考えていらっしゃるのか、そこをちょっと教えてください。 ○副議長(岡本義之君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(橋口基君) まだ橋りょうと決まったわけではございませんけども、今般道路法の改正によりまして、重要物流道路の指定というものができるようになりました。この重要物流道路というのは背高の国際海上コンテナ車、これが特車の申請なしに、許可なしに通行できる、そういった規格で整備できるようになります。なので、私どもも下関北九州道路につきましては、この重要物流道路の指定をいただきたいということで、国に対して要望を差し上げております。今後ともそういった重要物流道路の指定を目指して取り組んでまいりたいと思います。 ○副議長(岡本義之君) 14番 山本議員。 ◆14番(山本眞智子君) ありがとうございました。ぜひそう進めていただきたいと要望しておきます。 それと、本市と下関市というのはつながりは非常に深いわけで、歴史的にも深いですし、また、通勤、通学でも多くの方が往来しております。そして、今地方創生や地域活性化という観点からも、県を越えて広域連携のモデル地域にもなっておりますので、ぜひこの関門の連携、その地域が発展することは、本当に九州にとっても下関にとっても大きな意味あることでありますので、一日も早い整備というのを期待したいと思っております。 次に、児童虐待についてですけれども、市長もいち早くアピールしていくという、また、自分もまた全面的にいろんなところに出ていってというような話もいただいたかと思います。1点、国において野田市の虐待がDVに非常にかかわっているという判断から、DV被害者を保護する民間シェルターというのは今まで新聞もそうですし、かかわっている北九州の民間シェルターもそうですけど、資金不足がずっと言われておりますし、人手不足も言われています。そういう意味から、北九州で行っている民間のDVシェルターがお金のこと心配なくして、きちっと支援をできるような体制づくりというのをお願いしたいと思っております。 また、虐待した親は加害者にという形になりますが、この親も幼少のころに虐待を受けている、強いて言えば被害者でもあるというようなことも言われている中で、本市も再発防止プログラムを行っていると思いますが、その再発防止の取り組みについてお聞かせいただければと思っています。 ○副議長(岡本義之君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(福島俊典君) 虐待した親への再発防止プログラムとしましては、子ども総合センターにおいてペアレントトレーニングを実施しているところでございます。これは、子供とうまくかかわれずに悩みを抱えている保護者を対象に、虐待再発防止を目的とした治療的教育プログラムでございます。 児童福祉司が虐待対応の中で保護者とかかわりながら信頼関係を構築し、徐々に動機づけをしていく過程を経て受講につなげていくものでございます。虐待をする保護者は、みずからの行為を虐待と認めない、認めても支援に拒否的である場合が多く、受講に向けた動機づけは容易ではございませんが、今後とも保護者との信頼関係の構築など、地道な支援、指導を通じて受講につなげていきたいと考えております。 また、今回児童福祉法の改正がございまして、その法改正を踏まえまして、国の動きにも留意しながら、より効果的な再発防止に向けた対策を検討していきたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(岡本義之君) 14番 山本議員。 ◆14番(山本眞智子君) 議員が中心になってつくった条例につきまして、先ほどの民間DVを支援している北九州シェルターは、ムーブフェスタの市民企画事業の中で、議員さんと市民が一緒に学ぶということで企画を立てておりますので、プロジェクトチームにかかわった議員と参加して、この条例のことを話してまいりますので、ぜひ市長も時間があったらお越しいただければと思っております。 そして、しつけは体罰が要らないという認識を社会全体で共有するためにも、市挙げて周知啓発に取り組んでいきたいと思っております。 あと最後に要望になるかと思いますが、外国人の相談に対応する多文化共生ワンストップインフォメーションセンターが設置されて喜んでおりますが、今までの相談事の中で困っていることとして、例えば固定資産税とか市県民税の納税とか、あるいは国民健康保険の通知書とか、特に困っているのが学校からの通知、これが多文化対応になっていないので困っているというお声をいただいております。相談体制ができているので、そこに行けばいいかと思いますが、きちっとこの辺も多言語化に対応していただきたいと思いますけれども、答弁あったら教えてください。 ○副議長(岡本義之君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 多言語化対応、よく検討させていただきます。 それと、DVシェルターの件ですが、せっぱ詰まった市民を守るため大変御苦労いただいていることに深く敬意を表したいと思います。一度私視察に行かせていただきますので、よろしくお願いいたします。 ○副議長(岡本義之君) ここで15分間休憩いたします。                  午後2時31分休憩                  午後2時46分再開 ○議長(村上幸一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 代表質疑を続行いたします。ハートフル北九州代表、28番 世良議員。 ◆28番(世良俊明君) 皆さんこんにちは。市議会ハートフル北九州の世良俊明です。私は会派を代表して、ただいまから質疑を行います。北橋市長を初め関係当局の皆様の簡潔で明瞭な御答弁をお願い申し上げる次第です。 去る1月の北九州市長選挙で北橋市長は、日本で一番住みよい町に、SDGs未来都市としてトップランナーへのメーンスローガンのもと、1、誰ひとり取り残さないSDGsのトップランナーへ、2、文化創造都市へのチャレンジ、3、経済成長戦略の加速で人口の社会動態プラスを達成、4、元気発進!北九州プランの総仕上げ、5、行財政改革は立ちどまらないの5つを柱とした政策大綱を掲げて市長選挙を戦われ、見事4期目の当選を果たされました。 北橋市長の1期目の選挙から北橋市長を支え、ともにまちづくりを進めてきた私たちハートフル北九州は、4期目においても政策協定のもと、会派として市長を推薦して選挙に臨んできました。まずは、北橋市長の4期目の御当選をお喜び申し上げるとともに、私たちハートフル北九州として、今後とも本市議会において、多くは温かく、時には厳しい議論も交わしながら、北橋市長とともに人に優しく元気な町北九州市の実現に向けて一層まい進する決意でありますことを申し上げて、以下質疑に入りたいと思います。 まず、上程されました議案のうち、令和元年度北九州市当初予算案の全体像についてお尋ねします。 北橋市長は、令和元年度当初予算案について、令和元年度は次代を見据えたまちづくりに改めて取り組む第一歩となる年であり、若い世代がこの町で夢をかなえ、子育て世代から高齢者まで、あらゆる市民が安心して暮らせる住みよい町を実感できるようにとの思いを込めて、人や投資の流れを呼び込み町の魅力を更に高める、日本一住みよいまち実現予算をキャッチフレーズとしたとされ、5月31日の提案理由説明の中でも新しい時代の幕あけに当たり力強い決意を述べられました。 私は、市長の御提案を暮らしやすさや子育てのしやすさなど、これまで達成した成果を維持、充実させながら、地域の歴史や資産を生かして経済を活性化させ、次世代の若い人々、また、その次の世代の人々まで、誰もが安心してこの地で暮らしていく、まさに持続可能な都市として北九州市を引き継いでいこうとの強い決意を込められたものと受けとめました。 そこで、まず、令和元年度予算編成に当たって、そこに込められた北橋市長の思いについてお尋ねします。 その上で、次に、北九州市当初予算案の特徴について伺います。 提案されました令和元年度当初予算案は、一般会計5,743億9,100万円、特別会計、企業会計と合わせた総額は1兆1,792億600万円となっています。このうちの一般会計歳入では、市たばこ税の若干の減などが見込まれるものの、県費負担教職員制度見直しに伴う税源移譲の平年度化で、個人市民税が19億円増額となるほか、法人市民税、固定資産税など主要な税目で増収が見込まれることから、市税は昨年を2.2%上回る1,754億円と過去最大となりました。 改めて申し上げるまでもなく、市税を初め一般財源の確保は、年々過去最大を更新している子育てや介護などに不可欠な福祉、医療関係経費を確実に賄う上でも、本市財政の最重要課題であると言っても過言ではないと考えます。 そこで、お尋ねします。 新年度一般会計予算案歳入のうち、一般財源等の確保について、市長はどのような努力と取り組みをされて計上されたのか、御見解を伺います。 また、ここで宿泊税について伺いします。 宿泊税については、先日福岡県は別途独自に導入を図る福岡市と合意し、それぞれ6月議会に関連条例案を提案するとの報道がありました。県税は当然ながら県下全域にかかるものであり、北九州市内でも200円の宿泊税を賦課徴収することになると思われます。県は宿泊税の導入に当たり、関連業者等へのヒアリングやアンケートを実施しており、北九州市内でも一定のコンセンサスが既に図られていると考えています。北橋市長も検討を進めると表明されていますが、同じ政令市である本市としても、独自課税についてスピード感を持って県と協議をしていくべきと考えますが、御見解を伺います。 次に、一般会計歳出では、幼児教育・保育の無償化に伴う21億円増や児童扶養手当で11億円の増、障害児通所入所支援事業11億円、障害福祉サービス事業の9億円の増などのほか、国の防災・減災、国土強じん化のための緊急対策の推進に伴う臨時措置での85億円増などにより、前年度比プラス114億円、2.0%の増となり、三セク債を発行した平成27年度に次ぐ過去2番目の規模となりました。 このうち公共事業を賄う投資的経費については、総合療育センター再整備が終了したことによる減少要因はあるものの、学校施設大規模改修事業などが増額となること、また、国の防災・減災、国土強じん化のための緊急対策による大幅増により、前年度比14.5%、79億円増の631億円となりました。 もとより、道路や河川、橋りょう、上下水道などを改修、整備し、防災・減災対策を進めて、あらゆる災害に備え市民の命を守る事業の重要性は改めて強調するまでもありません。新年度では、こうした主に国の補助事業を活用した都市基盤整備事業が前年度比19.6%増の376億2,400万円となる見込みであるとお聞きしています。 一方で、私は公園などの住環境整備や、福祉、文化施設の改修など、市民の身近な要望に応えつつ、地元企業の受注拡大につなげて地域経済の活性化にも寄与しようとする市民生活密着型公共事業の事業量確保にも十分な気配りが必要なのではないかと考えます。 そこで、お尋ねします。 一般会計投資的経費のうち、市民生活密着型公共事業の確保について、市長はどのように配慮して予算を計上されたのか、御見解を伺います。 次に、企業会計のうち、公営競技事業会計についてお伺いします。 昨年4月、これまでの競輪、ボートレース事業に地方公営企業法を全部適用し、公営競技局が新設され、新年度は公営競技局として初めて編成した予算となりました。 その公営競技事業会計予算では、営業費用の減や企業債償還金の減などにより、予算規模は前年度より約116億円減の986億5,200万円となりましたが、新年度も公営競技事業会計からは一般会計に15億円を繰り出すことになっています。また、総務省通知に基づく中長期的な経営の基本計画として、この3月に策定された北九州市公営競技事業経営戦略では、新年度を含む今後5年間で60億円以上を一般会計に繰り出すことを目標とするとされています。 そこで、お尋ねします。 公営競技事業会計として、本市の競輪、ボートレース事業を今後とも長期的に安定的な経営を維持し、市財政に貢献するという公営競技本来の使命を果たすために、どのような観点で予算編成をされたのか、今後の見通しとあわせて御見解を伺います。 この項の最後に、令和元年度予算案を踏まえた今後の財政見通しについてお伺いします。 中期財政見通しは、市財政の現状を踏まえ今後の市政運営の参考にするため、一定の条件下で当面の5年間の試算を行うもので、一昨年から都度改定し、当初予算提案時に示されています。まずは、今回も予算編成で御多忙な中、これを改定作成し公表されたことに、中期財政見通しの作成を提案してきた会派の代表として、心から敬意を表したいと思います。 この中期財政見通しによれば、この間の経営改善の取り組みにより、平成29年度当初予算時点での財政見通しでは、5年後には年度末基金残高が96億円となる見込みでしたが、今回の見通しでは同時期となる令和3年度見込みで206億円を維持できる試算となっています。福祉、医療に係る扶助費や公債費の増加等が今後も見込まれる中で、経営改善を進めながら持続的な財政運営の確立に努力されてきたことを高く評価したいと思います。とはいいながら、今回示された中期財政見通しによれば、5年後の令和5年度には基金残高が今より半減し128億円になると見込まれるなど、財政見通しは依然として厳しいものと言わざるを得ません。 そこで、お尋ねします。 今回示された本市中期財政見通しについて、この間の2回の改定を通して示されてきた収支の改善は、主にどのような要因によるものであったか、経営改善の取り組み内容とあわせてお伺いします。 また、今後の財政見通しについての御見解をお聞かせください。 続いては、主要施策についてお伺いします。 まず最初に、SDGs未来都市のトップランナーへの挑戦についてお伺いします。 北橋市長は、政策大綱の中で第1番目に、誰ひとり取り残さないSDGsのトップランナーへを掲げ、オール北九州でチャレンジするという決意を表明されました。SDGs、持続可能な開発目標は、国連の全ての加盟国が採択し、2030年までに発展途上国のみならず、先進国も取り組むこととした17の達成すべき目標ですが、このうち地方自治体でのSDGs達成に向けた取り組みは、社会、経済、環境の三側面を統合的に取り組みながら、人口減や地域経済縮小など地方が直面する課題を克服し、まち・ひと・しごとの創生と自律的好循環を確立するものとして大きな期待が寄せられています。 昨年、国からSDGs未来都市に選定された本市では、同8月に北九州市SDGs未来都市計画を策定して、真の豊かさにあふれ、世界に貢献し、信頼されるグリーン成長都市を目指すとして、先導的な取り組みを始めていますが、まだまだ始まったばかりだと言わなければなりません。 自治体SDGsガイドライン検討委員会が昨年3月に発行した、私たちのまちにとってのSDGs-導入のためのガイドライン-によると、自治体がSDGsを導入するには、1、SDGsの理解、2、取り組み体制、3、目標と指標、4、アクションプログラム、5、フォローアップと、5つのステップを踏みながら段階を追って進めることが重要だとされています。新年度予算案の説明の中でも、市民とSDGsの理念を共有するとともに、元気発進!北九州プランに掲げる各種の政策をSDGsの17のゴールと照らし合わせながら推し進め、人に優しく元気なまちづくりの総仕上げを図りますとしています。 そこで、お尋ねします。 本市のSDGsの取り組みの現状は、前述の5つのステップのうち現在はどのような段階にあるのか、お尋ねします。 既に一昨年、環境基本計画をSDGsに関連づけて改定し、副題を環境首都・SDGs実現計画としていますが、今後は市の基本構想・基本計画である元気発進!北九州プランを初め、各個別計画についてもSDGsとの関連づけや、各指標の設定、評価やフォローアップの仕組みづくりなどが求められると思われますが、今後の取り組み方とあわせて御見解をお伺いします。 続いては、令和元年度予算案の4つの柱に沿って伺います。 第1の柱は、人や投資の流れを加速させる経済成長戦略の実行でありますが、2点伺います。 1点目に、響灘洋上風力発電拠点化推進事業についてです。 新年度予算案には、洋上風力発電の建設に係る基地港湾整備事業費として6億7,000万円が計上されています。また、新規事業として風力発電設備を基地から積み出し、海洋に設置する特殊作業船、SEP船の基地化に伴う調査費用も計上されました。長さが1枚60メートル以上もするブレードや、それをローター軸に連結するハブ、連結された増速機、発電機などを収納するナセル、これらを支えるタワーなど、どれもが100トンから500トンもの重さを持つ部品を組み立てて積み出す基地の整備が、いよいよ本格的に始まることになります。 そこで、お尋ねします。 この基地港湾整備の完成には、整備期間約2年、27億円程度が必要とお聞きしていますが、日本初の洋上風力ファームの中核としての基地の機能と整備の狙い、供用までのスケジュールについてお伺いします。 また、日本初の洋上風力発電ファームの成功には、国の更なる強力な支援が不可欠だと思います。本事業の成功に向けた国への要望はどのように行っているのか、お伺いします。 2点目は、北九州空港の整備活用についてです。 市長は、去る5月21日、小川県知事との約1年半ぶり5回目のトップ会談を行った際、北九州空港の利活用について、昨年度まで3年間取り組んできた北九州空港将来ビジョン推進強化期間の成果が出ており、引き続き福岡県がバックアップすることで合意したとの趣旨で報道されています。 そこで、まず、福岡県は今後の北九州空港の利活用促進にどのような支援を行うとされているのか、トップ会談の内容も含めてお尋ねします。 次に、滑走路の延伸についてですが、3,000メートル化が可能となる地盤改良工事も終了して7年以上がたちました。航空機の離着陸の安全のため、滑走路両端に設ける滑走路端安全区域、RESAの整備も行われることになります。滑走路の延伸とRESA2つの工事は同時に一体的に行われるほうが、明らかに迅速で効率的だと考えますが、これを意思決定するには、やはり利用の拡大や需要の掘り起こしが必要だと思います。特に、貨物便の拠点化が鍵となると思われますが、昨年6月からのANA Cargoによるアジア主要4都市への週5便の貨物定期便就航は、順調に推移しているとお聞きしています。 一方で、必要十分な滑走路がないために取り逃がしている多くの需要もあるのではないかと考えます。的確なアピールと強い要望を行って、滑走路の延伸に具体的な前進を図ることが必要だと考えますが、御見解を伺います。 更に、アクセス鉄道についてです。 私は、昨年2月議会の質疑で、北九州空港の軌道系アクセスについて、空港利用客200万人の到達が近づいている状況も踏まえ、東九州新幹線ルート上の整備を前提として、その実現可能性について、改めて検討を開始してはどうかと提案し、木本港湾空港局長からは、調査の休止以降、社会情勢にも変化があり、採算性確保の方法や、東九州新幹線を含めたルートの再選定など検討していくとの答弁がありました。アクセス鉄道の調査再開に向けて、その後の検討状況をお伺いします。 続いては、第2の柱、町の魅力や活力を生み出す文化・スポーツ振興についてのうち、東アジア文化都市の取り組みについて伺います。 北橋市長は、かねてより文化は人を豊かにし、町を元気にすると言われてきました。本市が創造都市を目指すことによって、都市イメージの飛躍とにぎわいづくりを図るとされており、その中心的取り組みが来年行われる東アジア文化都市2020北九州です。これは、日中韓の3カ国から選定された都市が連携して、都市間交流を含むさまざまな文化芸術事業を集中的に実施するもので、7回目となる来年の日本の開催都市に北九州市が選定されました。 現在、韓国の開催都市がほぼ決定し、ほどなく中国の開催都市が選定されれば、プレ事業の実施など準備が本格化します。既に決定している開幕式典は来年の3月28日であり、今年度中の実施となります。本年3月にART KITERU! KITAKYUSHUをキャッチフレーズに同事業の基本構想は発表されていますが、今後新年度予算確定の後、基本計画、実施計画が策定されるとお聞きしています。東アジア文化都市の事業では、広範な市民参加と交流、とりわけ若い世代の交流と学び合いが大変大事だと考えますが、そう考えると、事業の準備には一定の時間を要すると思われます。 そこで、お尋ねします。 この秋から始まるプレ事業や開幕式、コア期間中の事業、また、日中韓相互の幅広い市民交流事業などはどのように決定し、実施していくのか、現在検討中の主な内容と今後のスケジュールについて御見解を伺います。 第3の柱は、安全・安心のまちづくりですが、ここで2点伺います。 1点目は、日本トップクラスの安全・安心なまちづくりのうち、工藤会総本部事務所の撤去についてです。 北橋市長は、これまでも日本で最も犯罪の少ない町を目指すとし、暴力団本部事務所の撤去など、引き続き暴力追放運動を継続すると強い決意を述べてこられました。昨年、市が固定資産税滞納による工藤会総本部事務所の土地、建物を差し押さえて以降、工藤会側から事務所売却の申し出があったため、本年2月、資産価値査定のための立ち入りなどを実施してきました。工藤会総本部事務所の撤去は、この間の市民一丸となって取り組んできた暴力追放運動のシンボルとも言え、実現すれば、暴力や犯罪のない安全・安心のまちづくりが一層前進するものと期待されます。 そこで、お尋ねします。 福岡県警による頂上作戦から、ことし9月には5年を迎えようとする中、市として工藤会総本部事務所の撤去にめどをつけることが求められていると思いますが、御見解をお伺いします。 2点目は、自然環境の保全と利活用促進事業についてお伺いします。 本市は大都市でありながら、ズグロカモメなど多数の鳥類が飛来する曽根干潟やスナメリの生息する周防灘、ガシャモクの自生やベッコウトンボの生息、国天然記念物としての平尾台の自然など、豊かですばらしい自然環境を有しています。このすぐれた自然環境を保全し、新たな課題へ対応を進めるため、本市では平成17年に政令市初めてとなる北九州市自然環境保全基本計画を策定し、同計画はその後も、生物多様性基本法やCOP10による愛知目標の設定などを踏まえ、平成28年には第2次北九州市生物多様性戦略として改訂され、都市と自然との共生という理念の実現を目指す取り組みが続けられてきました。こうした中、新年度予算には環境局が新たに取り組む事業として、自然環境の保全と利活用促進事業に630万円が計上されています。 そこで、お尋ねします。 本事業は、市内の希少野生生物の生息状況の調査のほか、本市の自然環境の魅力を内外に発信するものとお聞きしていますが、事業の内容についてお伺いします。 最後の第4の柱は、住みよい町の実現、元気発進!北九州プランの総仕上げですが、ここでは4点伺います。 1点目は、子育て環境の更なる充実のうち、幼児教育・保育の質の向上及び無償化の推進についてです。 私はこの間、質疑に立つたびに保育の質を向上させ、安全で安心な保育の実現を求めてきました。北橋市長も、本市の保育レベルの高さや現場の皆様のたゆまぬ研さんについて、十分な理解をお示しいただき、その拡充に努力を続けてこられました。その結果、本市では昨年度当初の待機児童のゼロに続いて、10月にもゼロを達成するなど待機児童の解消も図られてきました。 少子化の時代にあって、今後も一定の保育需要はあるものの、本市の保育サービスは量的にはほぼ充足しつつあるものと判断します。今後は、量的な拡充から、保育サービスの更なる質の向上に重点を置いていくべきではないかと考えますが、まず、御見解をお伺いします。 また、新年度予算案には、消費税の値上げに伴い、国が10月から実施しようとしている幼児教育・保育の無償化のための経費、21億3,000万円が計上されました。全世帯を対象に3歳から5歳の利用料の無償化を図るなどを内容とする今回の措置ですが、いまだ多くの課題が存在します。詳しくは予算特別委員会等、後の議論といたしますが、例えば保育所の現場においては、給食費が無償化の対象外となっているため、保護者の負担方法がこれまでと変わる点や、徴収を園が行うことになれば、現場の事務量がふえ、新たな負担となることなどが懸念されています。無償化による保護者の給食費負担方法の変更に伴う混乱や、現場の事務の負担増などは極力避けるべきと考えますが、今後の対応策についてお伺いします。 2点目は、教育環境の更なる充実のうち、特別支援教育の充実についてです。 新年度予算案には、令和2年度の供用開始を目指す小倉総合特別支援学校や小池特別支援学校の整備費に6億6,000万円、特別支援教育介助員や特別支援教育学習支援員の配置拡充等に3億9,000万円が計上されたほか、新たなモデル事業として特別支援教室の設置のための予算も計上されました。 このうち特別支援教室の設置事業については、通常の学級に在籍している特別な支援を必要とする児童で、これまでは保護者の送迎で他校に設置された通級指導教室に行って特別な指導を受けていたものを、児童の在籍する小学校に特別支援教室を設置して、指導教員が巡回する形で特別な指導を実施するものだとお聞きしています。特別支援教育については、我が会派はこれまでも、その拡充を求めながら、通級指導教室の改善などについても議論してきましたので、今回のモデル事業の成果に期待したいと思います。 そこで、お尋ねします。 今回の特別支援教室設置事業は、より多くの特別な指導を必要とする児童が支援を受けることができるほか、送迎など保護者の負担も軽減されるなどとお聞きしていますが、モデル事業導入による期待される効果をどのように考えているのか、御見解を伺います。 3点目は、健康で長寿の社会づくりの推進のうち、健康寿命プラス2歳の推進についてです。 健康上の理由で日常生活が制限されることなく生活できる期間、健康寿命の延伸については、これまでも我が会派の議員を含め、本議会でも毎回多くの議論がなされてきたほか、北橋市長もオール北九州で健康づくりを進めるという強い意欲を表明されてきました。新年度予算案では、健康寿命延伸に向けた具体的取り組みの一つとして、健診の受診促進を含めた関連予算1,020万円が計上されています。 そこで、まず、市長公約に掲げる健康寿命2歳延伸に向け、今後どのように取り組まれるのか、御見解をお伺いします。 また、本市の各種健診については、特定健診については、専門職による個別受診勧奨などの努力により、年々受診率が上昇し、平成29年度には政令市で5位となりましたが、受診率は約36.1%であり、目標の60%にはほど遠い現状があります。また、がん検診については、内視鏡による検診が実施されたため、胃がん検診の受診率は上昇しているものの、子宮がん、乳がんなど他の検診では全ての種類で受診者、受診率ともに減少が続いています。 そこで、お尋ねします。 生活習慣病予防、重症化予防を図る特定健診を初め、全国平均よりも高く死因の第1位であるがんの早期発見、早期治療につながるがん検診など、各種健診の受診率向上に重点を置いた取り組みが大変重要だと考えますが、御見解を伺います。 4点目は、障害者福祉の推進についてです。 新年度予算案には、障害者差別解消法及び一昨年12月に制定した障害を理由とする差別をなくし誰もが共に生きる北九州市づくりに関する条例に基づいて、市民への啓発や相談、紛争防止に取り組むとともに、障害者差別解消支援地域協議会の運営等を行う予算1,184万円が計上されています。法と条例の趣旨が十分に理解され、特に社会の中にあるバリアを取り除く何らかの対応が必要な場合の合理的配慮の提供について、市はもとより、市民、民間事業者の皆さんなど幅広い理解が求められます。 しかし、平成31年3月の本会議で我が会派の中村議員も指摘したように、市の事業として実施した小倉城入り口のバリアフリー化でさえ不十分さが見られるなど、ハード、ソフトともにいまだ多くの課題があるのが現実です。 そこで、お尋ねします。 新年度では、障害を理由とする差別をなくし、誰もがともに生きる北九州市を実現するため、どのようなことに重点を置いて取り組むのか、御見解をお伺いします。 以上で私の第1質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(村上幸一君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 世良俊明議員の御質問にお答えいたします。 まず、予算編成に当たっての市長の思いについて御質問ございました。 この予算案は、キャッチコピーをつくるときに、人や投資の流れを呼び込むと、町の魅力を更に高めるというフレーズにいたしまして、それが市民多くの方々のいい町のイメージというのはやっぱり住みやすい、暮らしやすいということではないかと、最近のメディア、雑誌等でよく都市の比較ランキングが出ますけれども、つまるところ、住みやすい町ということを尺度にしているように思いました。そこで、日本一住みよいまち実現予算と名づけたところであります。どの方も安心して暮らせる住みよい町を期待しているわけでありまして、そういう市民の心情に心を砕いて予算編成をしたところであります。 SDGsという片仮名をキャッチコピーにすることについては、いろんな意見があると思います。ただ、国連が、よくあれだけ対立、抗争を繰り返す議論の中で、全会一致で世界の目標を決定したということは、大変歴史的に意義深い、画期的なことであると思います。同時に、日本政府もその国連社会、国際社会の中でSDGsの達成に全力を尽くす決意を表明しているわけであります。既に地方自治体においてもモデル都市、未来都市を選んで、しった激励をされているところであります。 この17のゴールを見ていくと、誰しも納得のいく、もっともな政策理念ではないかと思います。つまり、それは住みやすい社会をつくるということと表裏一体をなしているように思います。そこで、SDGsの未来都市を目指すということを一つの予算編成のフレーズにいたしまして、そこでトップランナーを目指そうということであります。 2030年を当面の目標に国連はスタートしているわけでありますが、10年後であります。恐らく投資家、世界のマーケット、金融市場におきましても、そういう方向に努力をする企業に対して評価が高まって、そこにマネーも流れていくという時代が近づいているんではないかと思います。つまり、このことは市民にとって暮らしやすい町、世界が共通目標に掲げていて、アジアのトップランナーを目指しているということの内外の評価に合わせまして、私は市民にとっても実感として、いい暮らしを実現できるという目標につながり、同時にそれは新しい経済、投資、人の流れを呼び込むという決定的に重要な尺度になっているんではないか、そんな期待感、思いを込めて編成をしたところであります。 それには多くの人の理解と参加が必要であります。市民や企業といかにしてこの理念を共有していくかと、オール北九州としてのこのチャレンジを前に進めるかということで、まずはSDGsクラブということで余り敷居の高くない会員の活動を、例えば表彰や助成を行う、また、小学校3年生以上の児童や生徒が、あるいはその保護者が非常にわかりやすいと思うような教材、資料をつくっていく、こうしたことから始めようとしているわけであります。 さて、同時にたくさんの政策を進めていくに当たりまして、このSDGsの17のゴールと照らし合わせまして、その目標達成に向けて進めていくということをPRし、重点的に取り組むべき4つの柱に沿っていろんな政策を盛り込んでいるわけであります。 この1番目の経済成長戦略の実行におきましては、魅力ある仕事の創出、若者、女性、外国人人材の定着、定住・移住の促進、企業誘致などを着実に形にすると、そして、人口の社会動態プラスにつなげるということであります。そこにはインバウンドの増加、新三大夜景都市の認定を契機とした町のにぎわい創出に努めることが含まれます。 2番目の柱、文化・スポーツの振興であります。政府に募集があって提案する過程で、改めて本市には文学、映画、漫画、その他文化芸術の資源が実に豊かな町であるということを誇りに思い、実感をしているところであります。この東アジア文化都市の事業は九州では初めて、大阪以西では初めての試みであります。オリンピックイヤーでありますので、たくさんの方がお越しになる、これをうまくPRしますと相当にぎわい創出につながると期待をします。 そして、ヨーロッパの都市には文化芸術によって落ち込んだ地域経済、冷え込んだ経済を立て直そうという動きが国境を越えて散見をされておりまして、注目をされております。この創造都市というフレーズでありますけれども、これを北九州も一つの目標に掲げてチャレンジしていこうということであります。スポーツ大会の誘致開催、スポーツでの町の活性化を図ることです。 3つ目の安全・安心であります。何といっても防災・減災対策に集中的に取り組むことであります。そして、暴力団排除に全力を尽くしてまいりましたが、あわせまして、そもそも犯罪の最も少ない町を目指す、それはもう国民の悲願だと思います。そうした市民力を結集して、こうした目標にチャレンジをして実現をしていくということ、また、学校や公共施設の老朽化対策、市民生活に身近な公共事業を重点的に行う、また、今後増加が見込まれると言われております外国人市民が安心して共生社会の中で暮らせる環境、こうした多文化共生社会を目指すものであります。 4つ目の柱、元気発進!北九州プランの総仕上げであります。福祉、医療、子育てなど、人に優しく元気なまちづくりの総仕上げという観点から予算を編成しております。 このようにこの予算案、SDGsの理念を市民、企業と共有してオール北九州でチャレンジをしていくと、それを本市の新たな都市ブランドの推進力にしようと、そのことが人口の社会動態プラス、経済の活性化に直結をするという思いで編成をしてきたところであります。今後とも住みよい町の実現に向けて全力を挙げてまいります。 次に、宿泊税について御質問がございました。 本市の独自課税について、スピード感を持って県と協議すべきだという御所見も承ったところです。 観光産業の振興は交流人口をふやします。にぎわいを生み、地域の活性化に大きく寄与いたします。雇用の創出、経済波及効果を考えますと、重要な政策であります。 これまで内外から多くの観光客を呼び込むために、国際、国内定期便やクルーズ船の誘致、旅行会社へのセールス、招へいツアー、また、商店街振興、ライトアップなど観光資源の磨き上げ、産業観光、工場夜景ツアー、新たな観光商品の開発、また、関西国際空港や海外ウエブサイトなどでの外国人観光客向けのPRなどを行っております。その結果、平成29年度は観光客の数、宿泊客の数、観光消費額などが過去最高を更新しております。 この取り組みによって観光客数が伸びてきているという成果が出つつあることに加え、オリンピック・パラリンピック、大阪万博、世界的なイベントも控えております。受け皿となる観光政策の充実、強化は喫緊の課題、そのために安定的な財源が必要であります。 これまで福岡県からは、この県が課税する200円のうち100円を北九州市に交付金として配分し、100円を県が広域観光につながる事業を行う経費に充てる、そういう方向で検討したいという説明を受けていたわけでありますが、本市としては二重課税にならないかという観点も含めて、県と福岡市の協議の動向を注視してまいったところです。 こういう中、5月24日のトップ会談によって、原則として200円課税をし、福岡県が50円、福岡市が150円とするという内容で合意がなされたところです。今回の合意は、福岡市と同じくこれまで県のゲートウエーとして、九州の玄関口として一定の機能、役割を果たしてきた政令市としまして大変重く、意味のあるものと受けとめております。 また、宿泊税で最も影響を受ける市内の関係業界からも、本市で受け取った宿泊税は本市の観光政策の中で一体的に活用してもらいたいという意見が多かったのであります。県は旅行業者などにアンケート、ヒアリング、パブリックコメントも実施しております。本市におきましても宿泊税に対する一定の周知は図られていると認識をしております。県や福岡市の検討会の議論の上に本市での検討を進めまして、県とはスピード感を持って協議を進めていきたいと考えます。9月議会を目途に方向性を出すようにしたいのであります。 先ほど取り組みに対する成果のところで平成29年度と言いましたが、正しくは平成29年にはであります。おわびして訂正をさせていただきます。 次に、空港の利活用促進への支援、トップ会談の内容について御質問がございました。 振り返りますと、平成27年当時であります。国際線が就航しておりません。北九州空港の利用者数は130万人程度でありました。一方で、訪日外国人の主要な受け皿となっている福岡空港が混雑空港に指定され、新規就航、増便が大変困難になるという情報を得ました。 そこで、私は平成27年12月のトップ会談におきまして、旺盛な航空需要に幅広く応えるべく、県内の2空港の役割分担と相互補完を強力に進める必要性を強く訴求いたしました。県と本市のより緊密な連携による北九州空港の活性化方策を知事に提案し、合意することとなったわけです。その合意のもとで昨年度までの3カ年間、北九州空港将来ビジョン推進強化期間ということで、県とともに緊密に連携を図り、路線誘致、集客対策を実施してきました。 さきに開催された県知事との第5回目のトップ会談では、1番目の項目として、空港の発展に向けた取り組みの強化を話題としました。まず、私からは空港将来ビジョン推進強化期間と位置づけ、県、市が連携して利用促進に取り組んだ結果、中国、韓国、台湾を結ぶ国際線6路線が新たに就航し、30万人を超える方に御利用いただくなど、大きな成果を上げていることに感謝の意を表しました。同時に、これまでの成果を生かし、北九州空港の更なる発展のためには、既存路線の定着と新規路線の開拓がまだまだ必要ということを知事に強く訴えました。 具体的には、就航後3年目までとしておりました航空会社に対する運航の支援を、3年を超える期間も対象とする新たな支援策の創設や、福岡空港への就航が困難な航空会社に対し支援の上積みなど、より一層の財政措置についてお願いをしました。これを受け知事からは、本市からの要請のとおり、就航路線の維持と更なる路線獲得に向けた支援策の必要性について理解をしていただいて、北九州空港のネットワークの充実、強化に向けまして、今後3年間、市と連携していく方針であるという回答を得たところであります。 あわせまして、空港の滑走路3,000メートル級への延伸や大規模災害時の海上アクセスなど、空港機能強化に向けた国への要請活動についても連携を図ることで合意をいたしました。更に、空港の将来の最適な運営形態の検討についても、緊密に連携を図っていくことをお互いに確認できたところであります。いずれにしても、これまで同様、福岡県、福岡空港との連携を密に図り、北九州空港の利活用促進に全力で取り組んでまいります。 東アジア文化都市の検討中の主な内容、今後のスケジュールについて御質問がございました。 本市は文化芸術の持つ力を生かし、都市の発展を図る創造都市を目指しております。東アジア文化都市2020北九州の開催を通しまして、シビックプライドの醸成や文化観光政策の推進、都市イメージの飛躍につなげていきたいと考えております。 東アジア文化都市の開催に向け、ことしの3月には市民各界から成る実行委員会を立ち上げ、準備を本格化したところであります。第1回の実行委員会では、開催趣旨やスケジュール、コア期間事業、市民企画事業などを盛り込んだ基本構想を策定いたしました。今後は8月に基本計画、12月に実施計画を策定し、開幕に向け鋭意準備を進めることにしております。 今年度前半、まずは市民に開催を周知するため、ロゴマークを市民投票で決定するほか、ホームページの開設、メディアを通した情報発信などを積極的に行うことにしております。秋以降はプレ事業として、北九州国際音楽祭にアジアの著名な演奏家を迎えるほか、アジアMANGAサミット、これは九州では初めてになると思います。こうしたイベントなどを開催いたします。これに加え、さまざまな文化芸術イベントにプレ事業の冠づけを行い、開幕に向けた機運の醸成を図ってまいります。 来年3月28日、北九州芸術劇場におきまして開幕式典を行うことにしております。式典では、日中韓がそれぞれ行うトップアーティストによる舞台公演で、北九州を題材にした新作の日本舞踊を披露するほか、高校生や子供たちに参加していただく企画も検討しております。また、開幕式典に先立ち、食をテーマにしたシンポジウムの開催や、北九州ゆかりの料理人や食材を使った食文化の全国発信など、食に関するイベントを中心にオープニングを盛り上げていきたいのであります。 夏と秋には集中的に事業に取り組むコア期間を設けております。夏のコア期間では、伝統芸能をテーマに日中韓の伝統楽器による競演や日本舞踊の創作作品の公演を予定しております。 秋のコア期間では、SDGsの17の目標を現代アートで表現するアートフェスティバル、ART for SDGsの開催、また、メディア芸術では北九州ポップカルチャーフェスティバル、北九州国際漫画大賞などのイベントや、北九州フィルムコミッション支援作品などを中心にした国際映画祭を開催することであります。文学におきましては、日中韓の文学者を招いてのシンポジウムや朗読会、文学と他の芸術分野と連携した講演の開催、また、本市ゆかりの作家の映画の上映などを検討、企画しているところであります。また、障害者の自立と社会参加を促進する障害者芸術祭の開催も検討しております。 結びに、日中韓の交流事業でありますが、東アジアの未来に向けて、文化芸術を通した交流や学び合いは、特に若い世代にとって非常に重要であります。中国、韓国の開催都市については、ことし8月ごろ仁川広域市で行われる日中韓文化大臣会合において正式に発表される見通しです。決定次第、交流の内容について早急に詰めてまいります。 開幕式まで約9カ月、今後さまざまな準備を加速度的に進めていくことになります。市民や関係の皆様、産業界など多様な主体を巻き込みながら、事業の成功に向けて、ともに進んでまいりたいのであります。 健康寿命を2歳延伸することについて御質問がございました。 本市の健康寿命は、厚生労働省の研究グループによりますと、平成22年から平成28年の6年間で、男性が3.5年延びて71.93歳、女性が1.8年延びて74.01歳となりましたが、全国平均にはまだ届いておりません。全ての市民が健やかで心豊かに生活できる社会を目指すためにも、健康寿命の更なる延伸が求められております。このため、昨年3月策定の第2次北九州市健康づくり推進プランのスローガンであります健康寿命の2歳延伸を4期目の公約に掲げたところです。 健康寿命の延伸のためには、健康づくりに加え、生きがい、社会参加、高齢者就労の3本柱を推進することが必要であります。そのため、昨年8月、部局横断的な推進体制として、関係局長などで構成する健康(幸)寿命プラス2歳推進本部会議を設置しております。 同月、市内の保健医療団体、経済労働団体、地域団体などに協力を呼びかけ、市民一丸となって取り組みを推進するため、各団体の代表で構成する健康(幸)寿命プラス2歳北九州サミットを開催し、市と参加した20団体がこの共同宣言を行いました。サミットでは、2022年までに目指す姿としまして、がん検診受診率10%以上の増加、国保特定健診受診率及び特定保健指導実施率60%、運動習慣者の割合10%以上の増加、高齢者の地域活動への参加割合の増加、高齢者の就職決定数の向上など8項目を提示し、各団体がそれぞれの強みを生かした取り組みを進めることにしています。 健康づくりに関する具体的な取り組みで、昨年度はウオーキング、健康イベントに参加し、ポイントをため、アンケートに答えることで景品抽せんに参加できるスマートフォンアプリ、GO!GO!あるくっちゃKitaQの開発運用、また、家庭環境などによる子供の健康格差、虫歯などであります。この健康格差の縮小を目的とした保育所や子ども食堂などへの歯科医師、歯科衛生士の派遣などの事業をスタートしております。 今後は、糖尿病、高血圧症など生活習慣病の予防や、たばこ受動喫煙対策などを強化するため、令和元年度予算では新たに運動習慣の定着、健康情報の提供、啓発のためのGO!GO!あるくっちゃKitaQの機能、コンテンツの充実、また、高血圧症予防のための関係団体と連携した減塩の啓発や塩分チェックシートの普及、また、減塩メニューの提供など、市民の健康づくりを応援するきたきゅう健康づくり応援店の店舗数の更なる増加、これは現在764でありますが、それをまずは900店舗以上にしようということであります。 また、世界糖尿病デーに合わせた効果的な啓発イベント、健康増進法改正に伴い受動喫煙の防止対策が必要となる事業所、飲食店、市民への普及啓発などの経費を計上しております。今後ともさまざまな団体と連携し、オール北九州で市民の主体的かつ積極的な健康づくり活動を支援し、市民の健康寿命の延伸を図ってまいりたいのであります。 残余の質問は、関係局長、教育長からお答えさせていただきます。 ○議長(村上幸一君) 財政局長。 ◎財政局長(小牧兼太郎君) 当初予算案につきまして、まず、一般財源等の確保に対する努力と取り組みについてお答えいたします。 本市にとって地方交付税や地方税などの一般財源の確保は非常に重要な課題であります。今年度もさまざまな取り組みを行ってまいりました。地方交付税等に関しましては、社会保障の充実等含めた地方の財政需要への的確な対応をとるべきということ、地方税に関しては都市税源の充実、強化を図るべきということ、こういった要望を指定都市市長会を通じて行ったところでございます。その結果、国が策定した平成31年度地方財政計画におきまして、前年度を上回る地方一般財源総額が確保され、一定の成果が得られたものと考えております。 また、今回提案させていただいた本予算案におきましても、市税や地方交付税等の一般財源総額については、当初予算としては過去最大の額を見込むことができました。また、税収等の増につながる取り組みとして、未利用市有地の売却、公共施設の使用料等の見直し、事業の選択と集中、国庫補助負担金や充当率が高い地方債の活用など、財源の捻出にも努めたところであります。 更に、経済の活性化、町のにぎわいを創出する政策など、人口動態をプラスにつなげ、将来の税収増に向けた取り組みにつきましても積極的に予算に計上しております。今後も地方財政制度の動向を注視しつつ、適切な対応を国に求めていくとともに、行財政改革大綱に基づく経営改善の取り組みを通じまして、一般財源を確保してまいりたいと考えております。 次に、市民生活密着型公共事業の確保についてお答えいたします。 令和元年度予算におきましては、国土強じん化に対応した都市基盤整備を進める一方で、市民に身近な中小河川等での防災対策や公共施設の老朽化対策も着実に推進しております。例えば、豪雨災害から市民を守る緊急対策事業、健康づくりにつながる桃園市民プール整備、安全で安心な教育環境のための学校施設老朽化対策、築30年以上が経過し老朽化した若松市民会館、生涯学習センターの大規模改修工事などに係る経費を算出いたしまして、市民生活密着型公共事業につきましては、前年度より18億円増の256億円を確保したところであります。 この結果、本予算案におけるこの市民生活密着型公共事業の投資的経費全体に占める割合は40.5%となっておりまして、重点化を始める前の平成19年度と比べて17.9ポイント増加、ほぼ倍増に近いこのペースを維持しております。 また、市民生活密着型公共事業は工事の発注規模が比較的小さいため、市内の中小企業が受注しやすく、経済対策としても期待できるものであります。平成29年度の建設工事における市内企業の受注額は322億円、全体に占める割合は92.6%となっており、平成19年度と比べ割合は19ポイント増加し、地元企業への発注拡大は着実に進んでおります。今後とも市民生活密着型公共事業の重点化を進め、十分な事業量を確保することで市民の身近な要望に対応するとともに、地域の経済の活性化に努めてまいりたいと思います。 次に、中期財政見通しにおける収支改善要因、それから、今後の財政見通しについてお答えいたします。 中期財政見通しは、毎年度の当初予算を基礎として当面5年間の試算を行っておりますが、平成29年度の策定以降、毎年度の予算編成段階で具体化した収支改善や制度改正を随時反映させてきております。その結果、平成29年度策定時の最終年度、これは令和3年度になりますが、と今回改定した見通しを比較しますと、歳入面におきましては出資金の返還、受益と負担水準の見直しによる使用料等の増、地方創生推進交付金など国県支出金の確保による増、消費税率引き上げに伴う地方消費税交付金の増などを反映させたことによりまして、見込み額は22億円改善いたしております。 歳出面におきましては、退職手当や特勤手当など人件費の見直しや、施設統廃合による運営費の削減、選択と集中による事務事業のスクラップ・アンド・ビルドなどを反映して歳出の伸びを抑えた結果、見込み額が62億円改善いたしております。 加えて、予算執行段階におきましても、使い切りを行わないといった不要不急の支出の抑制など効率的な執行を徹底し、歳出不用等を捻出しております。この結果、平成29年度策定時点での令和3年度基金残高見込み額96億円は、今回改定した見通しでは206億円に改善いたしました。 しかしながら、今後も福祉、医療関係経費の増加傾向が続くことなどから、依然として収支差は拡大する傾向には変わりがありません。慎重な財政運営が必要な状況は続くものと考えております。したがって、今後とも北九州市行財政改革大綱等に基づく行財政改革に取り組むとともに、毎年度の予算編成の中で財源の確保や歳出の見直しを行い、持続可能で安定的な財政運営の確立に努めてまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(村上幸一君) 公営競技局長。 ◎公営競技局長(上野孝司君) それでは、当初予算案のうち公営競技事業会計に関する御質問にお答え申し上げます。 本市の競輪、ボートレース事業については、経営体制を強化し、地方財政の改善など公営競技本来の使命を果たしていくために、平成30年4月1日から地方公営企業法の全部を適用し、企業管理者による経営責任のもと、両事業を実施しているところでございます。 地方公営企業として中長期的な視野も踏まえた経営を行い、安定的かつ継続的に収益を確保していくために、令和元年度から10年間を計画期間とする北九州市公営競技事業経営戦略を本年3月に策定いたしました。本戦略では、企業理念と目指すべき将来像を明確にするとともに、前期5年間を通して収益金83億円以上、一般会計繰出金60億円以上とする数値目標を掲げ、その達成に向けた取り組みを進めていくこととしております。 本戦略の第1年次に当たる令和元年度の公営競技事業会計当初予算では、ボートレースのビッグレースであるSG競走がないことなどもあり、予算規模は昨年度より減少をしております。こうした状況の中でもボートレースのグレードレース、GⅠダイヤモンドカップ競走の開催や競輪祭のナイター開催、ミッドナイト競輪などによって収益を確保するとともに、安定的にレースを開催するための施設や設備の改修、競輪競艇整備基金の活用による企業債の償還を着実に行う予算編成を行っております。結果として、一般会計繰出金については、本戦略で予定していた13億円を上回る15億円を計上し、昨年度と同額を確保することができました。 今後の見通しにつきましては、本戦略に基づいた経営を行うことで、安定的かつ継続的に収益を確保していくことは可能だと考えており、現時点では前期5年間の中期目標を達成できる状況にあると考えております。以上です。 ○議長(村上幸一君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(大下徳裕君) SDGs未来都市の推進につきまして、2点の御質問に一括してお答え申し上げます。 まず、第1ステップでありますSDGsの理解を深めるために、平成30年6月、SDGs未来都市に選定されたことを契機にキックオフイベントを開催し、SDGsの普及PRを本格化させました。これまでの普及活動によりまして、市民の関心や理解度が確実に高まっていると感じております。 2つ目のステップであります取り組み体制といたしましては、市長を本部長としました庁内推進本部を設置したほか、さまざまなステークホルダーが参画する北九州SDGsクラブを創設するとともに、取り組みの方向性や推進に対する御助言をいただくSDGs協議会も設置をいたしました。今年度、更に全市一丸となった取り組みを進めるため、SDGs推進室を設置したところでございます。 3つ目のステップであります目標と指標の設定につきましては、国連が掲げます232の指標に対しまして、政府は日本独自の指標を設定していくこととしております。本市におきましてもこの国の動向を見据え、今年度、本市独自の目標や指標の設定に着手してまいりたいと考えております。 4つ目のステップでありますアクションプログラムに向けましては、まず、予算編成とあわせまして、主な事業とSDGsのゴールのひもづけを行いました。今後、各局が分野ごとに策定をしております個別計画とゴールの関連づけを行いたいと考えております。 最後のステップでございますフォローアップにつきましては、各個別計画が掲げます指標の進捗管理を行うことでフォローアップにつなげてまいります。 このようなことから、現在は3つ目のステップに取りかかる段階にあると考えておりますが、引き続き理解を深めるための普及活動を行うとともに、クラブの活動を活性化してまいりたいと考えております。こうしたSDGsの取り組みを進めることで、本市が直面しております地域課題の解決を図り、日本一住みよい町の実現を目指してまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(村上幸一君) 港湾空港局長。 ◎港湾空港局長(木本仁君) 洋上風力発電に関する御質問と空港に関する御質問に対してお答えいたします。 まず、洋上風力発電につきまして、基地港湾の機能と整備の狙い、供用までのスケジュールについて、また、国への要望状況についてあわせてお答えいたします。 本市は平成22年度から推進しておりますグリーンエネルギーポートひびき事業において、響灘地区の風力発電関連産業の総合拠点の形成を目指しております。この中で風車部材を取り扱える基地港湾を総合拠点化の核となるインフラと考えております。基地港湾では、重厚長大な風車部材を荷揚げし、ヤード内に運搬して保管をいたします。また、ヤード内でタワーの事前組み立てを行い、特殊作業船SEPへ積み込むといった通常の港湾荷役とは異なる作業が行われます。このため、基地港湾は耐荷重性を持った広いヤードや岸壁を備える必要がございます。この基地港湾が整備されることで、本年1月に決定したSEPの母港化とあわせ、総合拠点化を構成する機能の一つであります風車積み出し拠点としての環境が整うこととなります。 一方、国では本年4月1日に一般海域での洋上風力発電の長期占用を可能とする手続を定めた法律、いわゆる再エネ海域利用法が施行されました。これにより日本近海での洋上ウインドファームの実現に向けて、国を挙げた取り組みが始まったところでございます。 本市の基地港湾は、響灘洋上ウインドファーム事業にとどまらず、SEPが運航可能な西日本エリアの多くのウインドファーム事業に活用されることを目指しており、法の施行に先行して、これまでも基地港湾のセールスを戦略的に実施してきたところでございます。スケジュールについては、洋上風車の開発スピードが目覚ましいことを踏まえ、風車メーカーや海洋土木事業者との協議や他地域の情報収集を行いながら、最適な施設設計を行っているところであります。今年度この設計を終え、現地工事にも入ることとしており、計画的に工事を進め、令和4年度の供用開始を目指します。 国への要望につきましては、本市から一般海域での洋上風力発電に関する詳細な制度設計、また、洋上風力発電産業の総合拠点に必要となる施設の整備に対する支援などの提案を行っているほか、響灘エネルギー産業拠点化推進期成会などにおいても同様の要望活動を行ってきたところであります。これら一連の要望活動は、さきに述べた再エネ海域利用法施行の後押しにつながったものと考えております。 また、本年4月には衆議院経済産業委員会の中で、国土交通省から地域ごとに基地港湾の機能強化を図るとの発言があるなど、本市に追い風が吹いていると感じているところであります。本市の基地港湾が西日本地域における拠点機能の役割が果たせるよう、引き続き国に対する要望活動も行いながら、まずは基地港湾の整備を着実に進め、風力発電関連産業の総合拠点化の実現を図ってまいりたいと考えております。 続きまして、空港に関する御質問のうち、滑走路の延伸についてお答えいたします。 北九州空港の機能向上につきましては、これまで国に対する働きかけを行ってきたところであります。3,000メートル級への滑走路延伸につきましては、滑走路の長さ不足のため大型貨物機就航の実現に至らなかった事例を含め、具体的な需要、実績、ポテンシャルを示してまいりました。また、議員御指摘のとおり、北九州空港においてはRESA、滑走路端安全区域の整備とあわせた滑走路延伸工事の実施が非常に効率的ではないかと国に対して提案をしております。 北九州空港は、九州で唯一の24時間空港であり、九州最大規模の自動車、電子機器などの産業集積地を背後圏に抱えていることから、航空貨物拠点化を標ぼうし、取り組みを行ってまいりました。貨物拠点空港に向けては、ANA Cargo誘致実現のほかにも、旅客便の貨物スペースを活用した生鮮貨物や国際貨物の羽田経由による海外輸出、大型貨物専用機によるチャーター便の運航や、海上空港の特徴を生かしたシーアンドエア輸送などに取り組んでおります。 一方、北九州空港は通関体制が整っていないことが課題であり、そのため一旦福岡空港で貨物を通関させてから、北九州空港に転送せざるを得ませんでした。これに対しまして、この5月、民間企業の協力を得て太刀浦にある施設を活用し、貨物の通関を行い、北九州空港に搬入するトライアル事業を行い、問題なく貨物の輸出手続が実現しました。今後、このスキームの実績を積み上げていくことで、北九州空港への貨物直接搬入と通関体制構築を目指してまいります。 今後は、このようなさまざまな取り組みを通じて、貨物拠点空港としての存在感を示しつつ、これまでの具体的な逸失事例に加え、顕在化している需要をもとに、3,000メートル級滑走路が実現できた場合の利便性や経済効果を示しながら、国への要望を強めてまいりたいと考えております。 続いて、アクセス鉄道に関する御質問にお答えいたします。 北九州空港アクセス鉄道につきましては、空港利用者への利便性向上を目的に、平成13年度から事業化に向けた検討を行ってまいりました。平成22年度に取りまとめた検討結果では、事業採算性を確保するためには、国の補助につきまして成田アクセス鉄道並みの補助率3分の1を適用し、更に、需要拡大方策を想定するという設定で、新門司を通る在来線型では約300万人、新幹線タイプである高規格型では約810万人の航空旅客数が必要であるという結果を得ております。これを踏まえ、調査は平成22年度で一旦休止し、航空旅客数が200万人を超えた際に検討を再開することとしております。 東九州新幹線のルート上に整備する案は、空港利用者の定時性、速達性を高め、より広域から集客でき、航空旅客の底上げにつながることから、昨年2月議会で空港アクセス鉄道については航空利用者数が200万人を超えた際に検討を再開すること、及び調査の再開に当たっては採算性確保の方法や東九州新幹線を含めたルートの再選定など検討してまいりたいと答弁申し上げました。 一方、同じ九州内においても、熊本県が熊本空港への鉄道延伸構想を明らかにするなど、近年の空港経営改革の社会情勢の変化を踏まえた動きも見受けられるところでございます。北九州空港につきましても調査から10年近くたち、空港利用者数が180万人に迫るなど大幅に増加をしてきたことから、調査の再開を視野に必要な情報収集に努めてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、県との強い連携のもと、強力に推進しております旅客数200万人を一日でも早く達成し、空港アクセス鉄道の調査を再開できますよう、利用促進に全力で取り組んでまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(村上幸一君) 市民文化スポーツ局長。 ◎市民文化スポーツ局長(久保山雅彦君) 安全・安心のまちづくりについてのうち、工藤会総本部事務所の撤去のめどとの質問にお答えいたします。 工藤会総本部事務所につきましては、まず、所有者が滞納している市税債権を保全するため、昨年末、同事務所の差し押さえ処分を行うとともに、副市長をトップとしたプロジェクトチームを立ち上げました。ことしに入りまして、同所所有者の代理人から事務所を売却処分したい、民間事業者への売却は難しいため、売却先は市又は公益的な団体としたい、また、売却代金は、経費などを控除した残金を民事損害賠償訴訟の原告の賠償額に充当することとしたいとの申し入れを受けております。この申し入れを受けまして、プロジェクトチームでは同所の現地調査を行うとともに、所有権移転の方法や撤去後の活用方法など、あらゆる方策について具体的に検討を行っているところでございます。 検討内容につきまして詳細をお話しすることは控えますけれども、現在事務所の売却代金を賠償金に充てる仕組みについて代理人と協議を進めるとともに、将来的な土地の活用方法について民間事業者に対する聞き取りを行い、興味を持った事業者に対しては購入に向けた働きかけを行っているところであります。 今後も一日も早い事務所撤去に向けて、引き続き市議会、市民、事業者の御理解、御協力をいただきながら、県、警察、県暴追センター等と一体となってしっかりと進めていきたいと考えております。以上です。 ○議長(村上幸一君) 環境局長。 ◎環境局長(近藤晃君) 自然環境の保全と利活用促進事業についてお答えいたします。 議員お尋ねのこの事業でございますけども、曽根干潟、平尾台における環境調査、そして、市域内の希少生物に関する調査などを実施するものでございます。 まず、曽根干潟につきましては、これまで底質調査、生物調査など定期的に実施してまいりました。その一方で、近年曽根漁港道路や都市計画道路の着工など、干潟の周辺環境の変化もございまして、13年ぶりに今回鳥の行動に関する詳細な調査を行う予定でございます。 次に、平尾台でございますが、こちらにつきましては昨年に引き続きまして、今回も四季を通じた希少植物の生息状況の調査を実施するものでございます。ちなみに、昨年に実施いたしました秋期、秋の調査では、福岡県レッドデータブックなどに掲載されております18種の希少植物などが確認をできたところでございます。更に、市域内の希少生物につきましては、福岡県レッドデータブックや各種の環境調査報告書などの文献を活用し、その生息状況を把握するものでございます。 これらの希少生物の調査結果につきましては、開発行為の環境アセスメントの際に希少生物の保全に向けた意見を述べるため、そのデータベースなどとして活用したいと考えてございます。これら曽根、そして、平尾台希少生物の調査結果につきましては、パンフレットやポスターの作成、体験型エコツアーの開催などを通じまして、積極的に市民の皆様等に情報発信してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(村上幸一君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(福島俊典君) 住みよい町の実現のうち、保育関連の2つの質問に御答弁申し上げます。 最初に、保育について更なる質の向上に重点を置くべきという質問についてでございます。 本市においては、元気発進!子どもプラン第2次計画に基づき、平成27年度から保育所の新設、小規模保育事業の拡充などに着手し、現在までに3,113名分の定員拡大を行ってまいりました。こうした取り組みにより、待機児童につきましては本年3月は142名で、前年同月から半減いたしました。また、9年連続で4月時点の待機児童ゼロに加え、昨年度は初めて10月時点においてもゼロとなったところであります。 一方、これまで国基準を上回る保育士の配置や第三者評価の実施など、本市独自の取り組みによって、保育の質の向上に努めているところであります。とりわけ第三者評価に関しましては、その実施率が全国平均53.5%に対しまして、本市は95.1%となっており、多くの保育所が高い評価を得ているところであります。 このように、本市としては保育の量的な拡充と質の向上の両面において一定の成果を上げていると考えております。今後、障害児保育の更なる充実を図るため、保育士の加配基準を拡充することや、保育士の雇用確保を図るため、保育士宿舎借り上げ支援事業を今年度予算に計上するなど、保育の質の向上に関して更に強化を図っていくこととしております。 また、今後の保育の受け皿の確保については、現在策定中の元気発進!子どもプラン第3次計画を踏まえまして、適切に対応していきたいと考えております。今後とも子供の健康及び安全を確保するために必要な対策を図りながら、子育て日本一を実感できる町の実現に向け、取り組んでまいりたいと考えております。 次に、保育所における無償化に伴う取り扱いの変更についての今後の対応策について御答弁申し上げます。 保育所における給食費の取り扱いについて、これまでは御飯などの主食は家庭から持参し、おかずなどの副食費は保育料の一部として、いずれも保護者に負担していただいておりました。今回の幼児教育・保育の無償化で保育料の負担はなくなりますが、主食及び副食費につきましては引き続き保護者に負担していただくとともに、その徴収については保育所が行うというのが国の基本的な考え方でございます。 このように、保育料は無償となっても、保護者は保育所に対して副食費を支払わなければならないことなど、保護者に対して事前に十分な説明が必要と考えており、現在国の作成しましたチラシなどを使って保護者へ周知する準備を進めているところでございます。 また、国による保育関係者との意見交換会などでは、副食費の徴収を保育所が行うこととなった場合、滞納者が多く出れば施設の運営にも影響が出るとの意見が出されております。このため、国において低所得世帯への配慮といたしまして、年収360万円未満の世帯などについては副食費を免除し、その分は保育所への給付に加算されることとなっております。更に、滞納者に対する市町村のかかわり方について、現在国において検討がなされているところであり、その結果も踏まえて本市も必要な対応を検討したいと考えております。 いずれにしましても、給食費の負担方法の変更などについては、保護者や保育所に対し、市が責任を持って丁寧な説明や周知を行うとともに、保育所における新たな事務負担については、他都市の動向にも留意しながら、公定価格上の加算を設けるなどの負担軽減策を国にしっかり要望してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(村上幸一君) 教育長。 ◎教育長(田島裕美君) 特別支援教室の設置により期待される効果についてお答えいたします。 これまでの支援方法では保護者による送迎が必要なために、保護者の負担が大きいという課題がございました。このため、小倉北区をモデル地区として巡回指導教員が地区内の小学校を巡回して、通常の学級に在籍する発達障害等のある児童に対して個別の指導を行います特別支援教室の導入に着手したところです。具体的には、小倉北区の清水小学校を拠点校としまして、5名の巡回指導教員が区内21の小学校を巡回いたします。 期待される効果ですが、数点ございます。まず、保護者による送迎の負担が解消されること、そして、他校に通う必要がなくなるため、対象児童が通常の学級での授業を最大限受けることができること、また、巡回指導教員が通常の学級で学習している対象児童の様子を確認することができるために、担任との連携が深まって指導の効果を高めることができること、更に、対象児童がいない学校も巡回することで、本来だったら支援を受ける必要があった児童を把握して、より多くの児童に対する指導支援に結びつけることができること、こういった効果を考えております。 今後は、今回のモデル実施の状況を踏まえまして、より多くの児童が必要な支援を受けることができるように、準備の整った区から順次広げていって、特別支援教育の充実に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(村上幸一君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(高松浩文君) 最後に、2点の御質問にお答えしたいと思います。 まず1点目に、特定健診、がん検診などの受診率向上のための取り組みについてでございます。 まず、特定健診におきましては、昨年度から、より高い効果が見込まれます保健師や介護士などの専門職による個別受診勧奨の全市展開を開始するとともに、受診率の低い若い世代への働きかけを強化するため、40歳と50歳の市民に送付している受診勧奨はがきをわかりやすい内容にするなど、受診率の向上に努めております。 また、がん検診の受診率の向上につきましては、平成29年度から実施しております乳がん検診車の巡回回数の増加、協会けんぽの被扶養者の特定健診とがん検診の同時実施、業界団体が実施する研修会等への出張検診などに加え、今年度は新たにギラヴァンツ北九州のホームゲームでのピンクリボンキャンペーンに乳がん検診車を派遣する、スマートフォンアプリのGO!GO!あるくっちゃKitaQに検診機関や集団検診の日程が検索できる機能の追加など、さまざまな機会を捉えた検診の場の提供や啓発の充実を検討していきたいと思っております。 今後とも市内の保健医療団体、経済労働団体、教育団体、地域団体などと連携した受診促進の強化により、特定健診を含めた各種健診の受診率向上に努めてまいりたいと思います。 失礼いたしました。先ほど看護師のところを介護士と言いました。訂正させていただきます。 続きまして、次に障害を理由とする差別をなくし、誰もがともに生きる北九州市を実現するための取り組みについて御答弁申し上げます。 障害者差別解消の取り組みとして、障害者差別解消法や平成29年12月に施行されました本市条例に基づき、これまで障害者差別解消相談コーナーや障害者差別解消委員会の設置など、相談から解決までの一貫した体制整備などを行ってまいりました。障害者差別解消相談コーナーにおきましては、昨年度103件の相談が寄せられ、相談者の方や事業者等の意見を聞き取り、関係者間の調整を行うなど丁寧に対応してきているところでございます。 当事者の方や御家族の相談事例の中には、法や条例の趣旨、障害や障害のある人に対する理解不足に起因すると思われる内容も多くありました。そのため、今年度は市政テレビや市政だよりの特集ページを活用した広報、各区の自治会や商工会議所などへの積極的な出前講演等の実施、障害を理由とする差別の解消に向け、すぐれた取り組みを行っている事業者等への表彰制度の創設など、市民、事業者に対する周知啓発に重点を置くこととしております。そのほか市有建築物のバリアフリー化等をより一層推進するため、障害当事者団体の意見を反映させる新たな仕組みに取り組んでまいりたいと思っております。 今後も障害や障害のある人への理解の促進に特に重点を置き、積極的な取り組みを進めながら、共生社会の実現を目指してまいります。以上で答弁を終わります。 ○議長(村上幸一君) 28番 世良議員。 ◆28番(世良俊明君) 御答弁ありがとうございました。残された時間で質疑を続けたいと思います。 そこで、まずお尋ねしたいのは、宿泊税についてであります。 御答弁では、宿泊税について、県からは税額が200円で、うち100円を交付する内容で実施したいとの説明があったと、5月24日の県と福岡市の合意を受けて、福岡市と同様のゲートウエー機能を果たしている政令市、本市としては合意は重く意味があるものであって、本市としては有識者による検討会を設置して、スピード感を持って9月議会にも一定の方向を出したいという御趣旨の答弁だったかと思います。 この間、福岡県では宿泊税については平成30年7月から11月にかけて、東大名誉教授の神野直彦先生を委員長とする福岡県観光振興財源検討会議が4回の会議を開いて検討されてきたと思います。この間、この委員会の中では、県内の旅館ホテル業界の代表や北九州の商工会議所の会頭なども委員として入られてきて、したがって先ほどの質問は福岡県による宿泊税の導入自体については、本市を含めて関係者の合意、コンセンサスはほぼとれているのではないか、そういう認識でいいのではないか。そこで、本市における宿泊税の検討については、導入の是非というものではなくて制度設計の部分、つまり交付金の配分の仕方ですとか事業規模の税率、そうしたものをスピード感を持って検討する必要があるのではないかという趣旨でお尋ねをしたわけであります。 そこで、お尋ねですが、先ほどの一定の方向性についてでありますけれども、6月以降、福岡県とも協議を進めた上で、9月には課税する宿泊税の内容等を議会に示す、そういう趣旨で答弁されたということで理解してよろしいでしょうか。 ○議長(村上幸一君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(鮎川典明君) 最初我々が想定したことと違って、福岡県と福岡市が合意したわけであります。それに伴いまして、今回議会では6月中に検討会を立ち上げ、9月をめどに方向性を出すお答えをさせていただいております。検討会においては新たな税を課税するとなれば、北九州市が単独で課税するとなれば、やはり検討会を設けて、なおかつ福岡県との協議も同時並行して必要になってまいります。したがいまして、早急に検討会の委員を決め、そして、資料を整理し、スピーディーに検討して議論をし、同時に県と協議する、そういうことでございます。9月をめどに一定の方向性を出したいと思っております。以上でございます。 ○議長(村上幸一君) 28番 世良議員。 ◆28番(世良俊明君) ありがとうございました。 もう一点お尋ねなんですが、報道によれば福岡県と福岡市の合意では、200円の税額のうち福岡市が150円、県は50円ということですが、小川県知事は福岡市以外については県が200円を徴収して、市町村には100円を配布するということが原則だとの立場を強調したとされております。何だか福岡市だけが例外であるような話なんですが、しかしこれでは福岡市と本市との格差が生じていくことになって、市民の理解、納得は得られるものではないのではないかと思います。 さきの検討会の報告書でも、例えば17ページだったと思いますが、今後の課税自主権に基づき市町村が独自に宿泊税を導入する場合には、中略、特例措置などを検討するなど慎重に検討することが必要ではないかとあります。つまり、この報告書では課税自主権に基づいて市町村が独自に宿泊税を導入する場合を想定しているのであって、福岡市だけ例外を認めるなどという記述にはなっておりません。あくまでも本市の課税自主権が認められるべきであって、課税自主権に基づいて本市が課税をして、その税率と配分については福岡市と遜色のない内容として県と協議を行うべきだと考えますけども、御見解をお願いしたいと思います。 ○議長(村上幸一君) 副市長。 ◎副市長(梅本和秀君) 今議員おっしゃるとおりでありまして、小川知事、県のほうにも150円と50円になるかどうかという話は別問題として、これからの協議の中で、課税自主権としてどういう配分がいいかということの協議が1つあると思います。 ただ、もう一つは、この検討会の中で我々が課税するということの意味、それを何に使うかということも含めて、この検討会では検討していくということになろうかと思います。以上でございます。 ○議長(村上幸一君) 28番 世良議員。 ◆28番(世良俊明君) わかりました。ぜひ速やかに強力な協議を行っていただきたいと思います。 そこで、北九州空港の滑走路の延伸についてなんですが、先日国土交通省の航空局の空港計画、空港技術課の方々とお目にかかってヒアリングをさせていただきました。地盤改良が済んで大分時間がたって、滑走路端安全区域、RESAの整備も行われることになる、これも同時に一体的に進めたほうがいいというのは、どう考えてもそうですよねと申し上げましたが、実は私たちもそう思っていますということをおっしゃるんですね。ただ、RESAだけでも数十億円かかりますし、北九州の場合は24時間使いながら工事をするので、時間も費用もかかると。延伸の必要性については、特にやはり貨物の需要の高さ等についてアピールしていくことが重要ではないかというようなお話をいただいたのであります。先ほどからの御答弁もありましたけれども、機運といいますか、理解も深まっているんだと思うんですね。 先ほど御答弁では、この機を逃さずに取りこぼした貨物の量など、この間の調査をもとにして3,000メートルにした場合の効果を具体的に算定して示しながら、国への要望を改めて強めていきたいというような御答弁があったと思いますが、これは具体的にどのような形でまとめながら、国に対する要望をされるということを考えておられるのか、具体的なことがあれば教えていただけますか。 ○議長(村上幸一君) 港湾空港局長。 ◎港湾空港局長(木本仁君) 今の御指摘でありますが、今まで国に対しましては、御指摘ありましたように実現に至らなかったような事例も含めて、実績といったところをポテンシャルとしてお示ししてきたところでありますが、今後具体的な引き合いがあった事例はもちろん、また、企業へのヒアリングもかけておりまして、滑走路を延長した場合に発生するであろう経済効果といったものを、より説得力を持ったような形で示していきたい、まとめていきたいと考えております。 実際のところ、九州でありますとか山口、また、広島といったところの工場から海外向けに空路で出す貨物について、荷傷みが少ないということで、近くの北九州空港から出したいという話もヒアリングでつかんでおりますので、そういったものをうまく反映できるようにしていきたいと思っております。以上です。 ○議長(村上幸一君) 28番 世良議員。 ◆28番(世良俊明君) わかりました。ぜひ強力な取り組みをお願いしたいと思います。 時間がなくなってまいりました。SDGs未来都市について、私もSDGsの取り組みというのは、地方の地域課題を抱える地方自治体がその課題を解決しながら、自律的な好循環を具体的につくり出すための現在最も重要な行政ツールだと思っております。先ほど御答弁がありました。わかりやすい指標などを含めてこれから示しながら、設定しながら取り組みということでございましたので、ぜひ広範な市民の皆さんと議論しながら、課題解決に資する意欲的な取り組みということにしていただければと思います。また、さまざまな議論をこれからもしていきたいと思います。 時間がなくなりましたので、終わります。ありがとうございました。 ○議長(村上幸一君) 本日の日程は以上で終了し、次回は6月10日午前10時から会議を開きます。 本日はこれで散会いたします。                  午後4時16分散会...