北九州市議会 > 2015-12-04 >
12月04日-01号

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  1. 北九州市議会 2015-12-04
    12月04日-01号


    取得元: 北九州市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-02
    平成27年12月 定例会(第4回)議 事 日 程 (第1号)                          平成27年12月4日(金曜日)午前10時開会(開 会) ○ 諸報告  1 総務財政委員会の所管事務調査の報告について  2 報告第19号 専決処分の報告について  3 報告第20号 北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略の報告について  4 報告第21号 北九州市道路整備中長期計画(改訂版)に関する報告について  5 議員の派遣の報告について  6 陳情の付託について第1 会期の決定について第2 陳情の取り下げについて第3 議案第172号 北九州市行政不服審査会条例について第4 議案第173号 北九州市情報公開条例の一部改正について第5 議案第174号 北九州市個人情報保護条例等の一部改正について第6 議案第175号 行政不服審査法の施行に伴う関係条例の整備に関する条例について第7 議案第176号 北九州市職員の再任用に関する条例の一部改正について第8 議案第177号 地方公務員法の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例について第9 議案第178号 北九州市職員の給与に関する条例等の一部改正について第10 議案第179号 北九州市職員退職手当支給条例の一部改正について第11 議案第180号 北九州市議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例          の一部改正について第12 議案第181号 北九州市個人番号の利用に関する条例について第13 議案第182号 北九州市手数料条例の一部改正について第14 議案第183号 北九州市市税条例の一部改正について第15 議案第184号 北九州市スポーツ施設条例及び北九州市都市公園、霊園、駐車場等の設          置及び管理に関する条例の一部改正について第16 議案第185号 北九州市社会福祉施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について第17 議案第186号 北九州市健康づくりセンター条例の廃止について第18 議案第187号 北九州市病院及び診療所の専属薬剤師の配置並びに病院の人員及び施設          の基準に関する条例について第19 議案第188号 北九州市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部改正について第20 議案第189号 北九州市火災予防条例の一部改正について第21 議案第190号 北九州市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について第22 議案第191号 北九州市教育施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について第23 議案第192号 八幡東消防署移転新築工事請負契約の一部変更について第24 議案第193号 ひびきの小学校等複合施設新築工事請負契約の一部変更について第25 議案第194号 当せん金付証票の発売について第26 議案第195号 市道路線の認定、変更及び廃止について第27 議案第196号 鹿児島本線門司・小倉間仮称砂津架道橋新設工事委託協定の一部変更に          ついて第28 議案第197号 黒崎城石黒崎1号線道路改築事業に伴う鹿児島本線黒崎駅構内自由通路          新設工事委託協定締結について第29 議案第198号 市有地の処分について第30 議案第199号 指定管理者の指定について(北九州市立男女共同参画センター等)第31 議案第200号 指定管理者の指定について(北九州市立門司勤労青少年ホーム等) ~    ~第48 議案第217号第49 議案第218号 指定管理者の指定について(北九州市立おぐまの保育所等) ~    ~第56 議案第225号第57 議案第226号 平成27年度北九州市一般会計補正予算について第58 議案第227号 平成27年度北九州市卸売市場特別会計補正予算について第59 議案第228号 平成27年度北九州市渡船特別会計補正予算について第60 議案第229号 平成27年度北九州市競輪、競艇特別会計補正予算について第61 議案第230号 平成27年度北九州市土地区画整理特別会計補正予算について第62 議案第231号 平成27年度北九州市港湾整備特別会計補正予算について第63 議案第232号 平成27年度北九州市廃棄物発電特別会計補正予算について第64 議案第233号 平成27年度北九州市漁業集落排水特別会計補正予算について第65 議案第234号 平成27年度北九州市後期高齢者医療特別会計補正予算について第66 議案第235号 平成27年度北九州市上水道事業会計補正予算について第67 一般質問(散 会)会議に付した事件 ○ 諸報告  1 総務財政委員会の所管事務調査の報告について  2 報告第19号から  4 報告第21号まで  5 議員の派遣の報告について  6 陳情の付託について日程第1 会期の決定について日程第2 陳情の取り下げについて日程第3 議案第172号から日程第66 議案第235号まで日程第67 一般質問出席議員 (60人)   1番 田 仲 常 郎  2番 西 田   一   4番 村 上 幸 一  5番 後 藤 雅 秀   6番 日 野 雄 二  7番 新 上 健 一   8番 香 月 耕 治  9番 片 山   尹   10番 中 島 慎 一  11番 佐々木 健 五   12番 戸 町 武 弘  13番 井 上 秀 作   14番 渡 辺   均  15番 奥 村 祥 子   16番 鷹 木 研一郎  17番 佐 藤   茂   18番 宮 﨑 吉 輝  19番 上 野 照 弘   20番 吉 田 幸 正  21番 田 中   元   22番 奥 村 直 樹  23番 大久保 無 我   24番 白 石 一 裕  25番 浜 口 恒 博   26番 中 村 義 雄  27番 森 本 由 美   28番 森   浩 明  29番 三 宅 まゆみ   30番 福 島   司  31番 長 野 敏 彦   32番 世 良 俊 明  33番 松 井 克 演   34番 吉 河 節 郎  35番 桂   茂 実   36番 山 本 眞智子  37番 木 下 幸 子   38番 岡 本 義 之  39番 成 重 正 丈   40番 本 田 忠 弘  41番 渡 辺   徹   42番 村 上 直 樹  43番 木 畑 広 宣   44番 松 岡 裕一郎  45番 大 石 正 信   46番 八 記 博 春  47番 柳 井   誠   48番 波 田 千賀子  49番 藤 沢 加 代   50番 山 内 涼 成  51番 田 中 光 明   52番 荒 川   徹  53番 石 田 康 高   54番 平 原   潤  55番 加 藤 武 朗   56番 荒 木   学  57番 八 木 徳 雄   58番 佐 藤 栄 作  59番 三 原 征 彦   60番 山 本 真 理  61番 吉 村 太 志欠席議員 (1人)   3番 木 村 年 伸説明のために出席した者の職氏名 市長      北 橋 健 治  副市長    梅 本 和 秀 副市長     藤 原 通 孝  副市長    今 永   博 会計室長    松 原 英 治  危機管理監  原 口 紳 一 技術監理室長  吉 永 髙 敏  総務企画局長 柴 田 邦 江 企画・地方創生 担当理事    阿 髙 和 憲  財政局長   小 松   真 市民文化 スポーツ局長  大 下 徳 裕  保健福祉局長 工 藤 一 成 子ども家庭局長 近 藤   晃  環境局長   小 林 一 彦 産業経済局長  西 田 幸 生  建設局長   横 矢 順 二                  都市マネジメント政策 建築都市局長  大 関 達 也  担当理事   南   健 一 港湾空港局長  橋 本 哲 治  消防局長   川 本 一 雄 上下水道局長  諌 山   修  交通局長   小 坪 正 夫 病院局長    吉 田 茂 人  教育長    垣 迫 裕 俊 選挙管理委員会          人事委員会 事務局長    松 成 幹 夫  事務局長   淵   義 雄 監査事務局長  隈   乃理子職務のために出席した事務局職員の職氏名 事務局長    中 溝 明 弘  次長     松 本 久 寿 議事課長    中 畑 和 則          ほか関係職員                  午前10時5分開会 △日程第1 会期の決定について △日程第2 陳情の取り下げについて △日程第3 議案第172号から、日程第66 議案第235号まで ○議長(戸町武弘君) ただいまから、平成27年12月北九州市議会定例会を開会し、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事はお手元配付の議事日程により進行いたします。 日程に入る前に、諸報告をいたします。 まず、総務財政委員会から、お手元配付のとおり、所管事務調査の報告があっております。 次に、市長から3件の報告があっております。なお、それぞれの写しは各議員宛て送付しておりますので御了承願います。 次に、平成27年9月定例会で議決した議員の派遣のうち、お手元配付の議員派遣変更報告一覧表のとおり、4件の議員の派遣を議長において決定いたしました。 次に、陳情1件を環境建設委員会に付託いたしました。 以上、報告いたします。 日程第1 会期の決定についてを議題といたします。 お諮りいたします。会期は、本日から12月11日までの8日間としたいと思います。これに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、会期は8日間と決定いたしました。 次に、日程第2 陳情の取り下げについてを議題といたします。 陳情第84号については、取り下げ書が提出されております。 お諮りいたします。陳情第84号の取り下げについて、これを承認することに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。 次に、日程第3 議案第172号から、日程第66 議案第235号までの64件を一括して議題といたします。 提案理由の説明を求めます。市長。 ◎市長(北橋健治君) ただいま上程されました議案について御説明いたします。 条例議案20件、その他の議案34件、補正予算議案10件、合計64件であります。 初めに、条例議案等について御説明いたします。 まず、北九州市行政不服審査会条例については、行政不服審査法の規定に基づき、北九州市行政不服審査会の組織及び運営に関し必要な事項を定めるため、条例を制定するものです。 次に、北九州市情報公開条例の一部改正については、情報公開審査会の委員が守秘義務に違反した場合の罰金の額を引き上げる等のため、関係規定を改めるものです。 次に、北九州市個人情報保護条例等の一部改正については、いわゆるマイナンバー法等の一部改正に伴い、関係規定を改めるものです。 次に、行政不服審査法の施行に伴う関係条例の整備に関する条例については、行政不服審査法の全部改正に伴い、関係条例を整備するものです。 次に、北九州市職員の再任用に関する条例の一部改正については、地方公務員等共済組合法等の一部改正に伴い、関係規定を改めるものです。 次に、地方公務員法の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例については、法の一部改正に伴い、関係条例を整備するものです。 次に、北九州市職員の給与に関する条例等の一部改正については、本市人事委員会の職員の給与等に関する報告及び勧告、国及び他の地方公共団体の職員の給与等を考慮し、給料表、地域手当等の改定等を行うため、関係規定を改めるものです。 次に、北九州市職員退職手当支給条例の一部改正については、国家公務員退職手当法の一部改正により国家公務員の退職手当の調整額が改定されたので、これに準じた措置を講じるため、関係規定を改めるものです。 次に、北九州市議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部改正については、地方公務員等共済組合法等の一部改正に伴い、関係規定を改めるものです。 次に、北九州市個人番号の利用に関する条例については、マイナンバー法の規定に基づく個人番号の利用に関し必要な事項を定めるため、条例を制定するものです。 次に、北九州市手数料条例の一部改正については、住民基本台帳法等の一部改正に伴い、住民基本台帳カードの交付等に係る手数料を廃止するため、関係規定を改めるものです。 次に、北九州市市税条例の一部改正については、マイナンバー法の施行に伴い、申告書等の記載事項に個人番号及び法人番号を追加するため、関係規定を改めるものです。 次に、北九州市スポーツ施設条例及び北九州市都市公園、霊園、駐車場等の設置及び管理に関する条例の一部改正については、戸畑区浅生に市立浅生スポーツセンターを新設する等のため、関係規定を改めるものです。 次に、北九州市社会福祉施設の設置及び管理に関する条例の一部改正については、勤労青少年福祉法の一部改正に伴い、関係規定を改めるものです。 次に、北九州市健康づくりセンター条例の廃止については、特定の利用者を対象に個別のプログラムや実践の場を提供してきた健康づくりセンターについて、その役割を終えたため、同センターの設置等を定めた条例を廃止するものです。 次に、北九州市病院及び診療所の専属薬剤師の配置並びに病院の人員及び施設の基準に関する条例については、医療法の一部改正に伴い、病院の専属薬剤師の配置等の基準を定めるため、関係規定を改めるものです。 次に、北九州市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部改正については、八幡東消防署を移転するため、関係規定を改めるものです。 次に、北九州市火災予防条例の一部改正については、消防用設備等を設けなければならない防火対象物の範囲を改めるため、関係規定を改めるものです。 次に、北九州市消防団員等公務災害補償条例の一部改正については、非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令の一部改正に伴い、関係規定を改めるものです。 次に、北九州市教育施設の設置及び管理に関する条例の一部改正については、足原幼稚園ほか3園を廃止するため、関係規定を改めるものです。 次に、八幡東消防署移転新築工事請負契約の一部変更について及びひびきの小学校等複合施設新築工事請負契約の一部変更については、工事内容の変更等に伴い、当該工事の契約金額を変更するものです。 次に、当せん金付証票の発売については、平成28年度において本市が発売する当せん金付証票の発売総額の範囲を定めるものです。 次に、市道路線の認定、変更及び廃止については、市道路線の整備を図るため、路線の認定、変更及び廃止を行うものです。 次に、鹿児島本線門司・小倉間仮称砂津架道橋新設工事委託協定の一部変更については、一部工程のおくれにより、同協定の委託期間を変更するものです。 次に、黒崎城石黒崎1号線道路改築事業に伴う鹿児島本線黒崎駅構内自由通路新設工事委託協定締結については、当該工事委託協定を締結するものです。 次に、市有地の処分については、若松区響町一丁目に所在する市有地を工場用地として売り払うものです。 最後に、指定管理者の指定についての27件は、市が設置する公の施設について、それぞれ指定管理者を指定するものです。 続きまして、平成27年度北九州市一般会計、特別会計、企業会計の補正予算について御説明いたします。 今回補正いたします予算額は、一般会計で33億9,494万円の増額、特別会計で7,293万円の増額を行うこととしており、補正後の予算規模は全会計で1兆3,923億5,686万円となります。また、一般会計及び企業会計において、合わせて8億8,050万円の債務負担行為を設定しております。 最初に、一般会計補正予算のうち主なものについて御説明いたします。 今回の補正予算につきましては、響灘東地区における廃棄物処分場の整備に伴う漁業補償に関する経費を計上するほか、国の内示増に伴う市営住宅の前倒し整備に要する経費や、本年8月に発生した台風15号により被災した道路、河川などの復旧に要する経費を計上しております。 また、人事委員会の勧告等に基づく給与改定に伴う職員給の増額に要する経費を計上するほか、来年5月、G7北九州エネルギー大臣会合開催に向け、今年度中に必要となる経費や、カンボジア王国の首都プノンペン都との姉妹都市提携に要する経費を計上しております。 更に、女性の職業生活における活躍を支援する仮称女性活躍推進センターの開設等に要する経費を計上するほか、ひびきコンテナターミナルにおける大型客船の航行安全対策調査に要する経費や、台風15号の影響等もあり増加が見込まれる老朽空き家等の除却費の一部助成に要する経費を計上しております。 そのほか、小・中学校の給食調理業務委託契約に要する債務負担行為を設定しております。 次に、特別会計補正予算について御説明いたします。 卸売市場特別会計については、平成25年2月に発生した倉庫棟の火災に係る損害賠償請求訴訟の判決に備えるため、予備費を増額しております。 また、港湾整備特別会計については、台風15号により被災した太刀浦第1コンテナターミナルの被災箇所の復旧に要する経費を計上しております。 そのほか卸売市場特別会計など5つの特別会計において、人事委員会の勧告等に基づく給与改定等に伴う職員給の増額に要する経費を計上しております。 次に、企業会計補正予算について御説明いたします。 来年4月から開始する宗像地区事務組合水道事業包括業務の受託に伴う同地区水道施設の維持管理業務等の外部委託契約に要する債務負担行為を設定しております。 以上、上程されました議案について提案理由の説明をいたしました。よろしく御審議いただきまして、御承認賜りますようお願いいたします。 ○議長(戸町武弘君) ただいま議題となっております議案64件のうち、議案第175号から179号までの5件については、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めておりましたところ、お手元配付のとおり意見の申し出がありましたので、報告いたします。 ただいまから質疑に入ります。45番 大石議員。 ◆45番(大石正信君) 皆さんおはようございます。日本共産党の大石正信でございます。会派を代表して質疑を行います。 まず、議案第174号、北九州市個人情報保護条例等の一部改正について、議案第181号、北九州市個人番号の利用に関する条例について及び議案第183号、北九州市市税条例の一部改正について伺います。 今回の条例改正は、マイナンバーを利用するために国が定めている事務以外に、本市が社会保障、地方税、防災に関する事務等を取り扱うことや、執行機関の部局間で行っている情報連携をマイナンバー法施行後も引き続き行えるようにするなどのために所定の改正を行うものです。 我が党は、関連法案に対して、マイナンバー制度は納付に見合う給付の名のもとに、社会保障削減と税や社会保険料の徴収強化に使われる危険があり、加えて国民一人一人に原則不変の個人番号を決め、個人情報を簡単に照会できるシステムをつくることは、プライバシーの侵害、成り済まし犯罪を常態化させるおそれがあることから反対しました。 また、ことし5月、日本年金機構から125万件の年金個人情報が漏れたことは記憶に新しく、最近では厚生労働省情報政策担当参事官室長補佐が、情報関連会社に便宜を図った見返りに現金100万円の賄賂を受け取った事件や、茨城県取手市で住民票を発行する自動交付機の設定ミスで、誤ってマイナンバーを記載した住民票69世帯分を発行した事件に見られるように、情報漏えいを100%防ぐことは不可能であり、マイナンバー制度の運用開始を前に国民に大きな不安が広がっています。 以下2点質問します。 第1に、マイナンバー制度は導入費用3,000億円が見込まれながら、具体的なメリットも費用対効果も示されていませんが、議会、市民等に対し本市での費用対効果、予算額と職員の体制強化を明らかにすべきです。加えて、マイナンバーの導入により市民にどのようなデメリットが生じるのか、市民が自分のマイナンバー提示を拒否した場合や忘れた場合、各種の届け出を受け付けないのか、また、未提示の場合不利益はあるのか、答弁を求めます。 第2に、内閣官房における第9回マイナンバー等分科会で示されたマイナンバー制度利活用推進ロードマップ案では、3年後に銀行などの預金口座に任意でマイナンバーが付番されるほか、個人番号カードの利用を運転免許証、医師免許、教員免許、学歴証明書、お薬手帳にも拡大することが明らかにされており、国民がカードを持たざるを得ない状況にして、政府が国民を監視できる権限を強化しようとしており、近い将来、際限なくプライバシーが侵害されるおそれがあります。 また、何らかの原因で個人情報が流出すれば、市民のプライバシー侵害はもとより、不正な犯罪に市民が巻き込まれるリスクが高まることは言うまでもなく、将来の制度破綻が予想される中で、制度の運用開始は容認できるものではありません。マイナンバー制度は、国民にとって何のメリットもありません。国に対して中止するように求めるべきです。答弁を求めます。 次に、議案第186号、北九州市健康づくりセンター条例の廃止について伺います。 これは、生活習慣病予防等で市民が利用している施設、健康づくりセンターを廃止する条例です。市は、行革の中で健康づくりセンター廃止を決めると、その計画を一方的に市民に押しつけるだけのやり方に終始しています。利用者の皆さんからは、何とかセンターを残してほしいと市議会への陳情、署名が提出され、アシスト21内の保健・医療・福祉情報センターや講堂を利用できないかなど具体的な提案までされています。しかし、当局はこれら利用者の声について具体的な検討もされていません。 市は、健康づくりセンター廃止に伴い、代替となる6つの公共施設を紹介しましたが、いずれも健康づくりセンターの代替施設としての機能を有していません。例えば、市が紹介した施設の一つであるムーブのフィットネスルームは、定員30人で部屋は狭く、午前中の利用者は満員状態で、8人も人が入ると圧迫感があります。その他の施設においても、低料金で、医師の判断のもとでの生活習慣改善プログラム、トレーナーの指導などが行われる健康づくりセンターと同じ機能を持った施設はありません。 本市は、健康づくりセンターの廃止を初め、八幡市民会館、八幡図書館の移転整備、市立幼稚園の閉園など、当局が計画した内容を市民に押しつけるだけで、こうした手法は市民合意の形成といった重要な視点を欠いていると言わざるを得ません。こうした当局の手法について、市民から批判の声が広がっています。 さいたま市は、公共施設マネジメントの先進事例の一つとされ、総務省のホームページにもその取り組みが紹介されています。さいたま市においてマネジメントの責任者として取り組んできた西尾真治氏は、公共施設マネジメントについて、最大のポイントは市民、議会、庁内にわたる合意形成である。公共施設の老朽化をめぐる状況は極めて深刻であるが、あるべき論を振りかざすだけでは反対や抵抗を誘発し、結局遠回りをすることになる。取り組みの各段階において常に合意形成に気を配り、市民とともに着実に推進していくことが重要であると語っています。 本市は、当局の計画を市民に押しつけるだけのようなやり方ではなく、さいたま市のように市民、議会、庁内にわたる合意形成のあり方を学ぶべきです。公共施設のマネジメント方針についての答申では、市民の合意形成に十分配慮しながら進めるべきであるとしています。また、平成26年2月定例会で、我が党石田議員の質問に対して総務企画局長は、手法のいかんにかかわらず、各段階に応じて市民の理解と納得が得られるよう丁寧な対応をしていきたいと答弁しています。健康づくりセンターについても利用者との合意形成を前提に進めるべきです。 以下2点質問します。 第1に、健康づくりセンター利用者の皆さんは、仮称北九州市認知症支援・介護予防センターの整備には賛同されています。しかし、認知症・介護予防と一体となって行われるべき市民の健康づくりを進める健康づくりセンターの廃止は容認できません。政令市で最も高齢化が進む本市で認知症・介護予防、高齢者の健康づくりの分野で先進的な役割を果たすべきであり、健康づくりセンター廃止の方針を撤回すべきです。答弁を求めます。 第2に、本年9月議会で保健福祉局長は、丁寧に説明を行うことにより廃止についての理解を求めていきたいと答弁しましたが、実際には個別的な相談を行った程度です。具体的にどのように丁寧な理解を求める努力を行ってきたのか、答弁を求めます。 次に、指定管理者の指定について伺います。 指定管理者候補が選定され、指定管理者を指定する議案が提出されています。今回提出された議案の中には、社会福祉法人北九州市福祉事業団が特別養護老人ホームかざし園の指定管理者候補として選定されています。この指定管理者検討会の会議録によると、構成員から、人件費が一番多いのは介護職員の人件費だと思うが、提案資料では数字上5年間は昇給しないように見えるが、これでよいのかと質問が出され、応募者は昇給しないという意味ではないと言うだけで、資料の中からは賃金、労働条件などの労働環境は不透明なままです。 全国的に、民間にできることは民間に委ねるというかけ声のもと、民営化、民間委託、PFI、独立行政法人化などが進められてきました。自治体は、仕事を発注する際にコスト削減のみに目が向き、その結果、労働法制を守らずに不適切な労働環境で働かせる事業者も出てきました。平成18年に発生したふじみ野市のプール事故、大分県マリンカルチャー転落事故などが相次ぎましたが、これらは不適切な労働環境が原因であったことが指摘されています。 そこで、平成22年12月28日、総務省が全国の首長に出した通達では、指定管理者が労働法令を遵守することは当然であり、指定管理者の選定に当たっても、指定管理者において労働法令の遵守や雇用、労働条件への適切な配慮がされるように留意することとされています。こうした動きに対して各地方自治体は、指定管理者の選定における改善の動きが始まっています。具体的には、評価委員に社会保険労務士が必ず参加し、労働条件の法令遵守状況を調査するとともに、従業員へのヒアリングを通じた労働環境のモニタリングを通して一定の評価を行い、指定管理者の労働分野の問題点を洗い出して、労働条件審査報告書を自治体に提出するなど、指定管理者の労働環境の法令遵守が徹底されてきています。 そこで、質問します。 現在の本市の指定管理施設では、労働者の労働条件が不透明です。全国的に指定管理者の安全・安心の確保状況や、施設職員の労働環境を確認する労働環境モニタリングを行うなどの取り組みが行われています。福岡市では、指定管理者の労働者の賃金、労働条件が不透明であったことから、ことし3月にモニタリングマニュアルを改訂し、1、労働条件モニタリングの実施、2、利用者アンケート、3、指定管理者の改善指示・指導を行っており、そのために指定管理者評価委員の中に社会保険労務士を入れて労働条件をチェックするなど、制度の改善を行っています。本市においても全国的な指定管理者制度の改善の動きを参考に、社会保険労務士を評価委員に入れ、労働条件モニタリング実施などの指定管理者の労働環境の改善を行うべきです。答弁を求めます。 最後に、議案第226号、平成27年度北九州市一般会計補正予算のうち、学校給食調理業務の民間委託について伺います。 これで民間委託校は8校ふえ、平成28年度は111校となり、委託率は80.4%まで拡大しています。我が党は昨年2月議会、6月議会、12月議会で民間委託校における調理従事者の離職率の異常な高さを指摘した上で、民間委託に一貫して反対し、自校直営方式を求めてきました。しかし、教育長は受託業者内の雇用関係にかかわること、これまで大きな事故もなく、日々児童に安全な給食が提供されており、おおむね順調に運営ができておりますと同じ答弁を繰り返すだけで、まともな調査、検証もせずに民間委託の拡大を進めてきました。 平成21年に施行された公共サービス基本法では、公共サービスに従事する者に対して適切な労働条件を確保し、労働環境の整備を講じるように地方自治体に要請しており、この指摘に基づき学校給食調理業務の労働環境を見直すことが必要です。ところが、ことし10月、民間委託校で調理師が調理室内の手洗い場付近でおう吐し、小・中学校の給食の提供を中止する事案が発生しています。教育委員会は、ノロウイルスに対する通達などで、業者や従事者に危機管理に対する指導を行っているとしています。しかし、危機意識を備えておくべき従事者が調理室でおう吐するなど、教育訓練が徹底しないことを示すものです。このような事件が発生しても、おおむね順調に運営され、安全な給食が提供されていると言えるのですか。 以下、2点質問します。 第1に、そもそも委託契約書の10条13項では、従事者の異動、交代又は代替えを行うとするときには、従事者の熟練性を確保するために、必要最低限の範囲にとどめるようにしなければならないことを義務づけています。ところが、民間委託校の従事者の離職状況は、離職率が50%以上の学校が平成23年度10校、平成24年度12校、平成25年度20校でしたが、昨年の平成26年度には23校にまでふえています。この高い離職率の状況でも必要最低限の範囲と言えるのですか。 ある学校では離職率が120%になるなど交代が相次ぎ、栄養士が毎日学校に通って指導しなければならない異常な状態になっています。ことし8月の求人情報誌では、不足した調理従事者を補うために最低賃金の727円ぎりぎりの730円、未経験者大歓迎との求人が行われるなど、離職率は改善されるどころか、もはや一刻も放置できない状況であり、労働条件や従事者の熟練性の確保に大きな問題があることを示しています。 また、委託契約書にも違反し、離職率の高い原因でもある労働条件、環境について再調査を行うべきです。答弁を求めます。 第2に、平成19年の再評価委員会では、従事者の交代が多い状況であるため、受託者に従事者ができる限り交代しないように求めるとともに、交代に当たっては、業務体制の確保や新規配置者への教育訓練などに十分配慮するよう求める必要があると指摘しています。この再評価委員会が出されたのは8年前です。これは、この当時から従事者の離職率が高い状況であったことを示しています。 教育委員会は、8年も前から離職率が高いことを指摘されながら、まともな検証もせず、ただ順調に進んでいると繰り返すだけです。まともな調査や検証を行っていないことは、再評価委員会の指摘をほごにするもので大問題です。8年前から再評価委員会が指摘している、受託業者にできるだけ交代しないように求めることを行っているのか、マニュアルどおり教育訓練がされているのか確認すべきです。答弁を求めます。 以上で私の第1質問を終わります。 ○議長(戸町武弘君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 大石議員の御質問にお答えいたします。 私からは、まずマイナンバー制度について基本的な方針を述べさせていただきます。 マイナンバー制度は、社会保障・税制度の効率性、透明性を高め、国民にとって利便性の高い公平・公正な社会を実現するための社会基盤であります。マイナンバー法におきましては、地方公共団体の責務としまして、個人番号その他の特定個人情報の取り扱いの適正を確保するために必要な措置を講ずるとともに、個人番号の利用に関し自主的かつ主体的に施策を実施することが定められております。本市でも制度導入に向けた準備を進めてきたところであります。 制度導入に係る経費としまして、平成26年度、平成27年度の歳出予算では、情報システムの改修等に約8億2,000万円、通知カードの作成費用などに約3億4,000万円、合計で約11億6,000万円を計上しております。また、今議会において補正予算として、個人番号カードの交付事務補助に係る経費約3,000万円を計上しております。 次に、推進体制ですが、制度の円滑な導入を図るため、市長が本部長を務めるIT推進本部のもとに昨年10月、社会保障・税番号制度推進部会を設置しております。この部会は副市長をトップにマイナンバー制度に関係する局長で構成し、区役所の窓口対応や制度に関する広報活動、システムの整備、改修などの重要事項について、全体方針の決定、進行管理、横断的な課題の解決などに取り組んでいます。そのうち区役所窓口につきましては、業務が円滑に実施できるよう関係職員への研修を実施し、制度の周知徹底を行っております。更に、通知カードに関する事務に対応するための臨時職員を配置しており、今後も個人番号カード発行に備え、人員を増加するなど体制の強化を図っていくこととしております。 来年1月のマイナンバーの利用開始を目前に控え、11月下旬に開催したIT推進本部会議において、本部員であります全局長、区長、室長に対して窓口の対応や個人情報の保護について万全を期すよう、改めて指示したところであります。制度が円滑に運用され、市民に混乱が生じないよう、引き続き全庁一丸となって取り組んでまいります。 次に、指定管理者制度について御質問がございました。 指定管理者制度は、公の施設の管理に広く民間の活力やノウハウを生かすことで、提供するサービスの質の向上と、より効率的、効果的な施設運営を両立させようとするものです。この目的を達成するためには、指定管理者のノウハウや創意工夫を最大限発揮させることが重要であります。選定に当たりましては単にコスト面だけでなく、適切なサービスを提供できるかなどの視点も含め総合的な評価を行っております。 今回の選定においても提供されるサービス内容を評価し、提案額の高い団体が指定管理者候補として選定されているケースもあり、単に提案額だけで選定しているわけではありません。本市では指定管理者における労働関係法令の遵守につきましては、指定管理者選定時には雇用形態や勤務時間、人件費等が記載された人員配置計画表を提出させ、確認しております。指定管理期間中は、基本協定に基づき賃金台帳や雇用契約書などで労働基準法、最低賃金法など労働関係法令が遵守されているかどうか、その適正な履行を確認しております。このような仕組みとなっております。 更に、仮に指定管理者において労働関係法令違反の事実が明らかになった場合、市において是正の指示を行い、それに従わない場合は指定管理業務の停止や取り消しといった行政処分を行うこと、市との協定違反に基づく損害賠償を請求することという対応をとることとなります。本市ではこれらの取り組みを通じまして、今後とも適正な指定管理者制度の運用に努めてまいります。 なお、御提案の専門家を活用したモニタリング等の実施につきましては、福岡市など他の都市の事例も踏まえながら、その必要性を含め、どういうことができるのか研究してまいります。 残余の質問は、担当局長からお答えさせていただきます。 ○議長(戸町武弘君) 総務企画局長。 ◎総務企画局長(柴田邦江君) 私からはマイナンバー制度に係る残りの御質問に対して御答弁申し上げます。 まず、窓口での対応でございます。区役所の窓口では、市民がマイナンバーの提示を拒否したり忘れた場合でも届け出を受け付けることとなっております。このため、市民に不利益が生じることはなく、その他にも制度導入による特段のデメリットはないと考えてございます。 一方、市民のメリットとしては、福祉や年金等の申請の際、所得額証明書等の書類の添付が減ること、インターネットを通じて自分の社会保険料の支払い状況を確認できたり、制度改正のお知らせを受け取れることなどが見込まれております。 なお、本制度は国の機関、他の地方公共団体等が保有しております情報を連携することにより、その効果があらわれることから、費用対効果については、現時点でお示しすることは難しいと考えてございます。 また、御指摘の運転免許証等への利用拡大は、個人番号カードをICカードとして多目的に利用することが検討されているものでございます。また、個人番号カードには所得や健康状態といったプライバシー性の高い個人情報は記録されないため、政府の監視強化やプライバシー侵害などにはつながらないと考えてございます。 加えて、情報漏えいに関してでございますが、マイナンバーの漏えいに関しては、制度面とシステム面の両面から、さまざまな個人情報保護の措置がとられておりまして、仮に漏れたとしても、芋づる式に情報が漏えいしない仕組みとなってございます。 制度の中止を求めるべきという御意見でございますが、マイナンバー法につきましては、その法律において地方公共団体の責務が定められておりまして、また、マイナンバーの利用開始が間近に迫ってございます。こういったことから、円滑な運用に向けまして着実に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(工藤一成君) 健康づくりセンターの廃止につきまして御答弁を申し上げます。 健康づくりセンターにつきましては、6月議会において、平成27年度北九州市行財政改革推進計画の中で廃止する方針を御報告し、施設跡に設置する予定でございます、仮称でございますが、北九州市認知症支援・介護予防センターの整備予算を御承認いただいております。その後、9月議会において、健康づくりセンターの廃止理由や今後の健康づくり政策のあり方について御答弁させていただいております。 利用者の方々に対しましては、8月下旬に説明会を3回にわたって実施し、廃止理由や廃止までのスケジュール、今後の健康づくり政策のあり方などの説明を行い、理解を求めるとともに、さまざまな御意見を伺ったところでございます。 また、今後も継続して運動をしていただくため、市内の約50カ所の民間スポーツクラブ等や、市内6カ所の公共トレーニング施設、高齢者のための筋力向上トレーニング啓発教室などの市の健康づくり事業についての御案内を行っております。 更に、利用者の方々については、体力や年齢、希望する運動方法など、それぞれが置かれている状況やニーズはさまざまであるため、個別に相談を受けて各人に応じた相談をしていくことといたしました。具体的には、窓口において健康運動指導士等により、相談に来られた利用者一人一人の御要望に応じたトレーニング施設等を御案内するなど、これまで約100件の御相談を承っております。このように、健康づくりセンターの廃止につきましては利用者へ丁寧な対応を行ってきており、説明責任は十分に果たしてきたと考えております。 今後、急激に進む高齢化に対応するため、市民センターを拠点とした健康づくりや、公園で健康遊具を使用した健康づくりなど、誰もが身近な地域で気軽に介護予防を実践できる環境づくりに、より一層力を入れる方向へ政策転換を図っていくことといたしております。そのため、新たに設置をする仮称北九州市認知症支援・介護予防センターにおいて、思い思いの場所で気軽に取り組める運動や栄養のプログラム作成、地域への保健技術専門職等の派遣、実践指導などを行う仕組みを構築してまいります。 このようなことから、本市の高齢化の現状や限られた財源などを踏まえ、市内1カ所で特定の個人が継続的に健康づくりを行うという政策や、あるいは施設の運営につきましては発展的に解消することとし、健康づくりセンターを廃止したいと考えております。その上で、認知症や介護予防対策について、これまで以上に地域での取り組みを重視しながら進め、健康長寿のまちづくりに努めてまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 最後に私から学校給食調理業務の民間委託に関しまして、委託事業者の労働条件等について調査を行うべきという点と、委託業者に従事者ができるだけ交代しないように求めることや、教育訓練がされているのか、こういった確認をすべきであるとの御質問にお答えしたいと思います。 まずもって離職率という定義でございますけども、議員の御指摘の離職率につきましては、離職をした年間の延べ従事者数を年度当初に従事している調理員数で割った数字と理解しておりますが、そういう意味で離職率100%といいましても、1年で全員が入れかわっているということではございません。例えば、年度当初に12人の調理員数の学校で、3分の2に当たる8人が継続勤務をしまして、委託業務が安定的に履行されている場合でも、残りの4人が学期ごとに、例えば1回ずつしますと4掛け3の12回と交代になりまして、議員の言われる計算でいきますと100%の離職率になるということでございます。そういう意味で、この数字、この計算の数字だけを捉えて委託に問題があるということにはならないと考えております。 なお、民間委託事業者の異動や交代に当たりましては、あらかじめ従事者配置表及びその他資格要件などを証明する書類を教育委員会に提出させて、配置要件を満たしているかなどの確認を行っております。契約に伴う要件を欠いた状態になったことはこれまでございません。業務の履行の確保を図っているところでございます。 労働条件、環境の調査を行うべきとのことでありますが、従事者の離職、交代、賃金等は、従事者及び雇用主という受託業者内の雇用関係にかかわることであり、調査する考えはございません。当然ながら、従事者の適正な労働条件の確保は重要なことであり、最低賃金などの労働関係法令を遵守するよう契約でうたっているところであります。 しかしながら、教育委員会としましても、従事者の交代が頻繁に起こることは当然望ましくないと考えておりまして、契約書などで業務総括責任者は教育委員会が認める場合を除き、委託契約期間の初年度において変更してはならないこと、それから、従事者の異動、交代又は代替を行おうとするときは、従事者の熟練性を確保するために、必要最小限度の範囲にとどまるようにしなければならないこと、こういったことを定めるとともに、従事者の定着、育成を図ってもらいたい旨を業者のヒアリング等を通じて要請しているところでございます。 従事者の研修につきましては、委託当初の安定化を図るための事前研修や、各学期最低1回、技術、知識の向上のための研修を受託業者に義務づけており、その内容につきましては書面により確認をしております。途中で交代する従事者につきましては、当然衛生管理の研修を行うとともに、適宜OJTによる研修が行われているところでございます。 民間委託につきましては、平成16年度の本格実施以降、これまで大きな事故もなく、日々児童生徒に安全・安心でおいしい給食が提供されており、おおむね順調に運営できていることから、今後も行財政改革大綱に沿って民間委託を進めてまいるつもりでございます。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 45番 大石議員。 ◆45番(大石正信君) 第2質問をさせていただきます。 まず、指定管理者制度について再質問させていただきます。 答弁では、今後福岡市など他都市を参考にすると言われています。そもそも総務省の通達が出されているのは平成22年12月です。既に5年が経過をしています。本市はPFIや民間委託、独立行政法人化などコスト削減に取り組んできました。その結果、ここで働いている労働者は低賃金や非正規雇用、また、そのことによって介護の離職者、保育士などが人手不足に陥っているような状況になっています。本市の指定管理者制度では、このような労働環境が不透明であるということで、全国的には改善もされているし、今後検討していくと言われていますけども、それではここで5年間、どのような検討がされてきたのか、答弁を求めます。 ○議長(戸町武弘君) 総務企画局長。 ◎総務企画局長(柴田邦江君) 最初の御答弁でも申し上げましたように、指定管理者の選定をするときには、雇用形態、勤務時間、人件費が記載された人員配置表を提出させておりまして、それは検討会の中で委員の皆さんがごらんになっているところでございます。また、指定管理期間中は基本協定に基づきまして、さまざまな法律違反がないかどうかを遵守しております。これにつきましては、平成22年の通知より以前から実行しておりますので、平成22年通知以降も同様な作業を行っているところでございます。また、このほかにも年に1回、指定管理者を所管している局、それから、指定管理者を集めた研修会等も実施しておりますので、その中でも関係法令の遵守については指導させていただいているところでございます。以上でございます。
    ○議長(戸町武弘君) 45番 大石議員。 ◆45番(大石正信君) 答弁ありがとうございます。改善されてきたと言われますけども、なかなか資料の中では見えない、また、評価委員会の中にも専門家である社会保険労務士が入っていない、そういうことから全国的に評価委員会の中に社会保険労務士が入って、労働環境のモニタリング、事前に提案書を見て、それをそうされているかどうかというのをヒアリングを行って、そして、これが自治体にその結果について、労働環境が確かに守られているかどうなのかについて報告されているようになっていますので、今後全国的なものを参考にして、ぜひ改善していただきたいということを要望しておきます。 次に、健康づくりセンターについて、私はことし9月の本会議、そして、予算特別委員会市長質疑、そして、この12月議会でも同様に健康づくりセンターの廃止問題について質問してきました。しかし、局長の答弁は、3カ月がたったにもかかわらず、全く変わっていません。9月議会では丁寧な説明を行っていくと言われましたけども、利用されている方々はアシスト21の中のいろんな部屋を使ってできないのか、そういう具体的な提案がされているわけですよ。しかし、個別的なあっせんの相談しかやっていない。丁寧な説明をすると言いながらこのような程度で、本会議答弁にこれ反しているんじゃないか、本会議答弁を守るべきではないかと思いますけども、このことについての答弁をお願いいたします。 ○議長(戸町武弘君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(工藤一成君) 利用者の皆様に対しましては、8月に行いました説明会におきまして、これまで申し述べてきました健康づくり政策の転換、あるいは民間のスポーツクラブが増加しているようなこと、あるいは利用者の固定化、偏在化あるいは公費負担等について説明を行ってきているところであります。その後、個別の相談対応ということで、健康づくりセンターの窓口においていろんな御意見をお伺いしております。今現在の答弁で100件相談対応させていただいていると申し述べましたけれども、それ以外にも個別にいろんな御意見は承っております。この健康づくりセンターの廃止につきまして、賛否いろいろな御意見を伺っております。その中で丁寧な対応を個別にさせていただいているという状況でございます。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 45番 大石議員。 ◆45番(大石正信君) これまでも説明会を3回やられたと言われていますけども、それも利用者のほうから説明会をやってほしい、そういうことで3回説明会をやった程度ですよ。今やられているのは、次のあっせんについてどうするかという個別的な相談だけでしょう。やはり具体的な提案がされている、利用者の皆さんから。そうであるならば、きちんと説明会を開催するなどやっていくことが丁寧な説明じゃないでしょうか。 また、時代のニーズに合わなくなった、方針を転換すると言われましたけども、現にここでは高齢者の皆さんが毎日健康づくりをされ、そして、生きがいの場にもなっている。それを時代に合わなくなったからということで転換するのはおかしいと思います。またこれから地域で、公園で器械を使わなくてもやるということですけど、これは今後の問題でしょう。現に利用されている方々の意見を踏まえていく、これをするのが当たり前じゃないでしょうか。 本市の行革とは、市が決めた計画を一方的に進める、これが行革ですか。市民との合意形成と言われますが、市民に市が計画した計画を一方的に押しつける、これでは市民合意と言えません。なぜ計画段階から市民との協働、合意を目指そうとしないのか。例えば期間を限定して当局の計画を示し、市民の意見を聞き折り合いをつけていく、先ほどさいたま市の例も出しましたけども、当局の計画をただ提示するだけではなくて、庁内、議会、そして、市民と一体となってやっていくことが、結局は遠回りではないんだということも説明、紹介してまいりました。全国の先進事例になっています。公共施設のマネジメントということでこれから進められていく、こういう方針についても、そういう意味での丁寧な説明、市民との合意を進めていく、このことを強く要望して意見とします。 次に、学校給食調理業務の民間委託について質問いたします。 教育長はさっきの答弁でも、12人のうち8人が今のまま継続勤務をしている、あとの4人は1学期ごとにかわっていけば12で100%入れかわるだけの問題であって、この数字だけを捉えて民間委託に問題があるとはならないんだと言われました。しかし、ここで離職率が50%、100%でやられている、そこに大きな問題があるんじゃないんですか。 平成25年度のある小学校では、この学校の調理員の基準定数は4人と定められています。常勤者2人が勤務し、あとの常勤者2人は8人分のパートで回しているんです。ところが、ベテランの従事者4人全員が全て1年間に入れかわっています。また、業務責任者、この調理業務の全ての責任者ですよね、これが9月30日、10月31日と1年間に3人も入れかわっているんですよ。業務責任者というのは調理業務の責任者、いわゆる大量調理を行っているベテランの調理師ですよ。そういう方が1年間に3回もかわっている。常勤者も1月1日に2人が離職したために、12月2日に1人の常勤者を配置するなど、離職が相次いでいるじゃないですか。パート勤務者も10月11日に1人のパートが離職し、1月1日に3人が同時に離職し、2月1日に1人が離職するなど、パートの2人を除いて8人が交代しているんですよ。教育長、10人中8人が交代しています。これ異常じゃないですか。これを大したことがないと言えるんですか。特段問題はないと言えるんですか。教育長の答弁と実態はかい離しているんじゃないんですか。余りにも教育長の答弁は現場の実態を踏まえていない、こういう答弁だと思われます。教育長の再答弁を求めます。 ○議長(戸町武弘君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 今、事例に挙げられました学校でありますけども、これは確かにこの学校についてはそういうことがございました。今、100校少しになっておりますけども、その中でいろんな事例がありますけども、私ども全体として大きな問題はないと言っています。今挙げられました事例につきましては、確かにこの年は離職が非常に多かったということで、いろんな課題がありました。ただ、この場合でも子供たちへの給食の提供という観点で、これは企業の、業者の努力もありまして、何とか確保して特段提供に問題があったことはないということであります。 全体としては、先ほど言いましたけども、離職率50%以上のという計算をされましても、ほとんどのところが業務責任者あるいは常勤の方は継続的に勤務されている場合が多くて、パートさんが少し入れかわりが大きいと、そのことで計算上そういうふうに大きくなるということはあるわけで、そういう意味で、全体として民間委託そのものに問題があるとは考えていないところでございます。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 45番 大石議員。 ◆45番(大石正信君) 教育長は、この学校は特段問題があったと、離職率が高かったと。しかし、全体を通して見れば特段問題がないと言われました。本当にそうだと、私は委託契約書の10条では、従事者の熟練性を確保するため、必要最小限での範囲にとどめなければならないと、調理師の安定的な確保を義務づけています。これを守らせるのが教育委員会の仕事だと思います。 ところが、先ほど紹介した学校では、従事者の9割が相次いで離職したために、平成26年1月には栄養士が1月9日、10日、14日、15日、16日、21日と連続して学校を訪問しなければならない状態になっています。栄養士が学校を訪問した際に記録する、こういう学校給食訪問記録というのを教育委員会からいただきました。もうほとんど黒塗りの状態になっています。何か私たちによほど明らかにされていない、したくない内容があったのかわかりませんけども、この中を見てみると、新業責は学校給食大量調理の経験がなく、新業責とは新しい業務責任者のことですが、大量調理の経験がなく、釜をまぜたことがない、○○さんが横について釜のまぜ方を教えていた、その他帳票の書き方、ミーティングの仕方を教え、本日のミーティングは○○さんが実施と書いています。いわゆる業務責任者というのは調理のベテランでなければいけないわけですよ。大量調理ということをしていく、そういう方が初めて釜を回した、また、ミーティングの仕方もわからなかったから他の方が教えてあげたということを言っているんですよね。 そもそも業務責任者が1年間に3回も交代をする、これは異常です。委託契約書の中でも業務責任者は3年以上の調理経験を有すると書いています。そういうところから見ても、明らかにこれはこの契約書に違反をしている、教育長は離職率の数字だけ捉えて、委託に問題があるとは考えていないと言われましたけども、現場では問題が起きているんではないんですか。だからこそ私はきちんとした検証、調査をすべきだと。その結んだ契約書がきちんと守られているかどうか、これを確認するのは教育委員会の仕事じゃないんですか。再度調査をするということで答弁していただきたい。 ○議長(戸町武弘君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 個別の今までの委託の中で、最も離職率が大きかったのが事例に挙げられた学校でありますけども、その学校についても先ほど申し上げましたとおり、もちろん好ましいことではありませんけども、子供たちへの給食の提供という点で問題があったわけではございません。 検証してないということをおっしゃいますが、私どもとしては日常的な子供たちに最終的にきちっと給食が提供できているかという履行確認につきましては、各学校の校長、そして、栄養教諭を中心に行っておりますし、それから、委託校について児童生徒へのアンケートをとって、特段味がどうこうということで問題があるとも考えておりませんし、それから、保護者試食会等も行ってきております。以上のことから、日常的に検証も行ってきておりますので、改めて検証するということは考えておりません。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 45番 大石議員。 ◆45番(大石正信君) 特段そこのところだけが問題であって、委託校全体には問題がないと。問題が起きないように現場の調理師だとかが頑張っているんじゃないんですか。問題が起きたら改めて調査をするんですか。教育長、必要最小限の範囲というのは、教育委員会はじゃあ何%というんですか。私たちの数字の捉え方がおかしいみたいなことを言われるんですけども、じゃあ50%ですか、100%ですか。そういう具体的な根拠があるんですか。問題が起こってからじゃあ調査するんですか。問題が起きないように現場で頑張っているからこそ、こういうことについて対処しているんじゃないんですか。こういう離職率が大きく起こっているという問題の背景の中に労働環境、そういう問題があるんじゃないんですか。指定管理者の問題についても、労働環境のモニタリングをするだとかいろいろ言われていますけど、なぜそういう、委託契約書が守られてなければ踏み込んでそのことを確認する、そのことをするのは当然でしょう、教育長。 ○議長(戸町武弘君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 私どもも民間委託が完璧で問題がないということはもちろん申し上げておりません。個別にはいろんなトラブルはありますし、それは直営でも同じであります。トラブルがあることもありますし、事故があることも、軽微な事故ですけどもあることはそれはあるわけです。しかしながら、指導すべき点があればそれをきちっと受けとめて、それをきちっと指導して改善していく、これが委託の場合の基本的なスタンスであります。 必要最小限は何人かと、何%かと、これはなかなか簡単には言えません。例えば委託校において、業者が必要な人数以上に訓練のためにパートさんを少し余分に入れるといったこともありますし、それはケース・バイ・ケースで、どの程度が必要最小限かというのはなかなか言いがたいところであります。要は、委託について全く問題がないということを言っているわけじゃなくて、課題があればその都度きちっと指導し、対策をとっていくということでございます。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 45番 大石議員。 ◆45番(大石正信君) その必要最低限の規定がないと、とりあえず今のところ問題がないからと言われましたけども、私が指摘しているのは、離職率が確実にふえてきているんだと。平成23年度は10校、平成24年度は12校、平成25年度は20校、平成26年度は23校と、この3年間で倍にふえているわけでしょう。そこにある背景をきちんとつかむ必要があるんだと。だから、ちゃんと検証する、再評価委員会を立ち上げる、そういう形でその契約書が履行されているかどうか、これを確認するのが当たり前でしょう。私はやはりこういう実態が、黒塗りされているからなかなかわからないんですけども、やはりそこの中に現場に踏み込んでないからわからないわけですよ。しかし、その離職率の状況で見ると何か問題が起こっている、人間関係なのか、賃金や労働条件なのか。まず教育長はこの離職率がふえていることは認めますか。 ○議長(戸町武弘君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 離職率の定義そのものが我々はちょっと理解がしにくいので、例えば別の学校で10人の当初の従業員のうち8人がずっと年間契約、勤務していても、残りの2人のところで例えば2回、3回とパートさんの確保に御苦労されたときには、それが50%以上の離職率になるわけで、そのことをもって議論するのは少し理解ができないということでございます。 ○議長(戸町武弘君) 45番 大石議員。 ◆45番(大石正信君) ブラック企業の定義の中に、労働環境がひどく自主退社が多いという定義があります。ブラック企業の定義はないということも言われていますけども、近年そういった、やはり労働環境に大きな問題があるんだというようなことも指摘されているわけであって、やはり私としてはきちんと調査をして、そして、再々評価委員会を設置するなど、今の労働環境についてきちんと調査をすべきだと強く要求しておきます。 次に、マイナンバー制度について伺います。 先ほどの答弁では、市民が各種の届け出をする場合、自分の番号を市民課に提示しなくても、各種の届け出については何ら不利益はないんだと、今までと変わらないんだという答弁だったと思うんですけども、費用対効果、これを出すのは難しいと、デメリットを示せないと言われましたけども、政府はマイナンバー制度について試算を出しております。これも業務構築費用に3,000億円、ランニングコストに毎年300億円、本市でも11億6,000万円、税金を使って導入しているにもかかわらず費用対効果はわからない、これは問題だと思うんですよね。これだけの金額を投入して、情報漏えいやプライバシーの侵害、本当にデメリットはないのか、また、100%プライバシーの侵害がないと言えるんですか。答弁を求めます。 ○議長(戸町武弘君) 総務企画局長。 ◎総務企画局長(柴田邦江君) まず、窓口対応についてでございます。窓口の本人確認につきましては、番号法施行令、施行規則で定められておりまして、個人番号カードとか通知カードが提示を受けることができない場合は、住民基本台帳で確認するなどの代替措置をとらなければならないとされておりまして、市の窓口でもこの規定に基づきまして拒否することはない、受け付けるということになっております。そういった点でデメリットはないと考えてございます。 費用対効果につきましては、国の試算もございますけれども、この制度につきましては先々国や他の自治体との情報連携が進むと、だんだん効果があらわれてくるということで、今の段階で、費用何億円に対して効果が何億円ということはお示しはできないと考えてございます。 それから、情報漏えいに関してでございますけれども、これまでも何回か御答弁を申し上げましたけれども、制度面とシステム面でさまざまな取り組みをしております。成り済まし防止のために必ず顔写真がついたもので確認をするとか、システムを扱う職員は限定をする、また、システム面でもそれぞれのシステムについてはインターネットと隔離した、離れたところのシステムの中で回す、そういったさまざまな取り組みを今制度として進めてきているところでございます。 100%漏えいがないのかということに対して、こういったシステムの世界でございますので、100%ございませんということはなかなか難しいんですけれども、さまざまな局面を想定して私ども今措置を講じているところでございます。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 45番 大石議員。 ◆45番(大石正信君) 100%情報漏えいを防ぐことは不可能だと認められました。私もそう思います。情報が一度漏れれば、それが商売として使われて、そして、プライバシーの侵害になっていく、そういうおそれがあるんだということです。 例えば先ほど紹介しましたように、日本年金機構が125万人分の年金情報を流出させたこと、セキュリティー管理が万全でないことが明らかになりました。諸外国でも、アメリカでは年間900万件の成り済まし犯罪が起き、国防省は社会保障番号を停止しています。韓国では1960年代に導入し、7年間に2億人の個人情報が流出するなど個人番号が流出し、成り済ましによる不正還付やクレジットカードを偽造、不正使用する事件が多発し、国際的にも社会問題になっています。 また、政府は将来的に健康保険証、自動車登録、パスポート取得など民間分野でも広く利用できるように考えている、2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックの入場確認はマイナンバーを利用し、政府の監視下にある国民だけ入場を許すという統制社会の計画もされています。だから、100%この情報漏えいを防ぐということは不可能であります。 全国中小企業団体連合会、全中連がことし10月に内閣府、国税庁、厚生労働省と省庁交渉を行って、先ほど言われたカードを提示しなくても不利益はないんだということについて御存じなのか、また、そういう通知が来ているのか、御存じであればそのことについて答弁を求めます。 ○議長(戸町武弘君) 総務企画局長。 ◎総務企画局長(柴田邦江君) 窓口での代替手段をとるということについては規則で定められておりますので、特段通知がなくてもそれに基づいてやるということでございます。 個々の取り組み分野におきまして、国から何がしかの通知が来ているのかということでございますが、個別の分野におきまして、細かな事務手順について国から通知が来ているケースがあると伺ってございます。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 45番 大石議員。 ◆45番(大石正信君) 先ほども省庁交渉の中ではカード番号の取得は強制ではない、カードを取得しないことで罰則はないんだと、確定申告書に番号未記載でも受理し、罰則や不利益はない、番号を取り扱わないことで国税上の罰則や不利益はない、労働保険の書類に番号が記されなくても受理し、罰則や不利益はない、こういうふうに私ども確認しております。 それでは、マイナンバー制度の中で、この条例の中にもありますように、また、マイナンバー制度が目的としている公正・公平な社会を実現する、公正な給付と負担の確保、このことは何でしょうか。答弁を求めます。 ○議長(戸町武弘君) 総務企画局長。 ◎総務企画局長(柴田邦江君) 国が示しておりますマイナンバーに関する資料等にも書かれてございますけれども、マイナンバーの活用によって所得や他の行政サービスの受給状況が把握しやすくなるということでございます。公平・公正な社会ということですけれども、負担を不当に免れることや不正な受給の防止という一方、本当に困っている方々にきめ細かな支援ができる、こういった社会と広報の文書の中には書かれてございます。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 45番 大石議員。 ◆45番(大石正信君) マイナンバー制度についての目的、狙いがことし6月に閣議決定された骨太方針2015では、マイナンバー制度の活用等により税・社会保険料徴収の適正化を進める、医療保険、介護保険ともにマイナンバー制度を活用することなどにより、金融資産など保有状況を考慮に入れた負担を求める仕組みを検討するとはっきり書いています。このようにマイナンバー制度を使って個人単位できめ細かく負担増と給付の削減を進める、このおそれがあると。いわゆる自分の預金や金融資産、また、固定資産税などについて、それがあれば税や社会保障で徴収を強化していく、こういう狙いがあるんだということですね。 だからこそマイナンバー制度、こういう問題の狙いがあり、情報漏えい、また、成り済まし詐欺、こういう問題があるからこそ、国に対してこういう問題については中止するように強く要請すべきです。私どもはこれがそういう状況であるから反対する、このことを強く要望、提起をして終わります。 ○議長(戸町武弘君) 進行いたします。50番 山内議員。 ◆50番(山内涼成君) 議場の皆さんこんにちは。日本共産党の山内涼成です。私は会派を代表して議案質疑を行います。 初めに、議案第178号、北九州市職員の給与に関する条例等の一部改正について伺います。 人事委員会の勧告制度は、地方公務員の労働基本権が制約されていることの代償措置として設けられているものであり、本市職員の給与水準を社会一般の情勢に適応させるよう、市内民間事業所の従業員の給与水準との均衡を図ること、いわゆる民間準拠を基本に市長と議会に対し勧告を行う制度です。この民間準拠を基本に勧告を行う理由として、職員も勤労者であり、職務の対価としての適正な給与の確保が必要である中で、その給与は民間企業と異なり、市場原理による決定が困難であることから、労使交渉などによりその時々の経済・雇用情勢などを反映して決定される市内民間事業所の従業員の給与に準拠して定めることが最も合理的であり、職員を初め広く市民の理解を得られる方法であるとしています。 本年の給与勧告等のポイントは、月例給においては民間給与との較差解消のため833円、0.20%引き上げるものの、若年層に重点を置いたものとなっており、期末勤勉手当は0.1月分引き上げ、勤勉手当に配分する、また、給与制度の総合的見直しを平成28年4月から実施するとしています。 人事委員会は、本市職員と民間従業員との給与調査で、企業規模、事業所規模ともに50人以上の市内民間事業所406事業所のうち、無作為抽出された158事業所について、人事院と県人事委員会と共同で調査したとしていますが、人事院と県人事委員会はどのように関与しているのでしょうか。 また、若年層に重点を置いた引き上げとしていますが、初任給については民間の大学卒が19万8,503円、本市の行政職の上級が18万6,018円と較差の是正が進んでいません。優秀な人材の確保のためにも民間並みに較差を縮める必要があるのではないでしょうか。見解を伺います。 次に、給与制度の総合的見直しについて伺います。 昨年8月に人事院が勧告した国家公務員の給与制度の総合的見直しは、民間賃金の低い地域における官民給与の実情をより適切に反映するため、平均で俸給表の水準を2%引き下げ、官民の給与差を踏まえた50歳代後半層の俸給表の水準を最大で4%引き下げるとし、これに伴ってそれまで3%から18%となっていた地域手当の支給割合を、東京都特別区など最大20%に引き上げるものです。 しかし、地方公共団体の約75%は、この地域手当は非支給地域に属しています。そもそも本市には人事委員会制度があり、地域の民間賃金の水準をより的確に反映されているはずです。国家公務員給与の地域間較差の見直しに準拠する必要は全くなく、本市の勧告では地域手当は3%に据え置かれ、給料表の水準のみ平均2%、最大で4%の給料水準の引き下げとなれば、職員の単なる生涯賃金の引き下げと人件費抑制にしか捉えられず、労働基本権制約の代償措置としての人事委員会の信頼は得られません。 また、地方公務員の給与は民間賃金の指標となっていることから、負のサイクルを引き起こし、地域経済にも影響します。国の総合的見直しは、本来地域ごとの民間賃金をより的確に公務員給与に反映させるための制度です。本市においては、地域の民間給与水準が本市職員の給与水準を上回ったことにより、本市職員の給与水準を引き上げる勧告を行いました。その一方で、人事委員会として事実上、民間給与を下回る国の制度導入を勧告するのは、人事委員会制度そのものに不信感を抱くことになりかねません。見解を求めます。 次に、報告について伺います。 まず、これからの人事・給与制度についてです。今回、人事委員会が行った職員の給与等に関する報告及び勧告では、これまでも職員の能力及び実績を適切に評価する人事評価制度の実施と、その結果を人事配置や給与などに反映してきたところであり、職員の士気高揚や組織活力の保持のため、引き続き適切な人事・給与制度についての検討を行う必要があるとしています。 国は2009年10月、国家公務員に対して新たな人事評価制度を本格実施し、2010年6月には勤勉手当への評価結果を反映させ、2011年1月から昇給への評価結果の反映という流れを経て、2016年4月から改正地方公務員法が施行されます。この改正地方公務員法のポイントは、能力及び実績に基づく人事管理の徹底です。 1つ目は、能力本位の任用制度の確立として、任用、採用、昇任、降任、転任の定義を明確化するとともに、職員の任用は職員の人事評価その他の能力の実証に基づき行うもの、2つ目には、職員がその職務を遂行するに当たり、発揮した能力及び掲げた業績を把握した上で行われる人事評価制度を導入し、これを任用、給与、分限その他の人事管理の基礎とする、3つ目には、分限事由の明確化として、その一つとして、人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務成績がよくない場合と明確化するなどです。 この制度導入の目的は、民間の手法を取り入れ、職員の能力や実績を的確に把握した適材適所の人事配置や、めり張りのある給与処遇の実現と、業務遂行意欲を向上させることによる公務能率の一層の増進をうたっていますが、そもそも民間と公務には組織の目的の違いがあります。民間は利潤の最大化を目的とし、市場がシグナルとなり、目的を達成したかどうかが明確になります。 一方、公務においては住民の満足度の向上を目的とし、多種多様な住民ニーズを満たしているかどうかを把握することは非常に困難で、仕事の成果が見えにくく、評価する側もどのように評価するべきか不明です。ましてや評価する側の恣意的な評価や納得できない人事がまん延すれば、職員の自由な発想は埋没し、職員間の協調性はそがれ、士気は下がり、市民サービスにも影響を及ぼすことになります。人事・給与・評価制度についてどのような検討がなされているのか、また、その課題についてどのような認識を持っているのか、見解を伺います。 次に、雇用と年金の接続について伺います。 本市における再任用制度は、国家公務員の高齢雇用対策として、2001年から始まった公的年金の基礎年金部分の支給開始年齢の65歳への段階的引き上げに対応し、同年度に60歳定年後の継続勤務のための任用制度を受けて、同様の趣旨で導入されたものです。当初は、60歳で定年後、年金と合算して70%程度の賃金設定とされていたために、年金支給が段階的に引き上げられている現在は、60歳で定年後には賃金はおおむね50%に据え置かれたままで、無年金で生活を強いられています。再任用の職員は現場では定数として位置づけられ、他の職員と同様の仕事をこなし、長年の経験を生かし行政サービスに貢献していることを考えれば、余りにも理不尽です。 2010年の人事院勧告では、民間の定年以降の賃金は定年退職前の70%程度、30数万円が支払われていることが報告されています。更に、民間では高年齢雇用継続基本給付金の制度が用意され、定年退職後に働く者に対する所得の激減を緩和する措置もあります。無年金の期間が発生することを知りながら問題を放置し、本年も引き続き調査研究を進めるにとどめるのではなく、早急に定年後の賃金水準を民間並みに引き上げ、年金との接続可能な制度に改善すべきです。見解を伺います。 次に、仕事の見直しと時間外勤務の削減について伺います。 時間外勤務の削減については、報告の中でも触れられているとおり、職員の健康保持はもとより、女性職員の活躍やワーク・ライフ・バランスを推進するための環境整備として必要不可欠です。しかし、その実態は部署により異なる時間外勤務時間や、1時間ぐらいなら申請しないなどのサービス残業、年次休暇のとれない職場など、解決されていない問題は山積しています。上司は超勤の削減を迫りますが、休めば自分の仕事がたまるだけ、時間外勤務時間は人より多くなれば勤務評価につながるのではないかなど、実際の職場の環境は数字にあらわれていない職員の苦悩に満ちています。 任命権限や所属長は、この実態を踏まえた環境整備を行うための意識改革と、時間外勤務の適正管理に努めなければなりません。一向に進まない時間外勤務の削減についての見解と、今後どのように仕事の見直しに取り組むのか、答弁を求めます。 また、平成27年度の職員全体の29.8%を占める臨時・嘱託職員も臨時的、補助的な位置づけであるにもかかわらず、時間外勤務を強いられている現実も無視できません。本来、臨時的、補助的な位置づけであることから、時間外勤務など想定していないために、ほとんどの嘱託職員の所定内労働時間は週30時間となっています。労働基準法では、週40時間を超えた場合に割り増し賃金を支払わなければならないとされており、週30時間を超えても週40時間までは割り増し賃金が支払われていません。臨時的、補助的な職として所定内労働時間を週30時間に設定して、安い賃金で雇用し、時間外労働が生じたら、通常の時間単価で10時間分働かせていることになります。 時間外勤務が生じる職場で任用されている嘱託職員は、職員と同じ所定内労働時間に改めるべきです。若しくは週30時間を超えた時点での割り増し賃金率を設定し、時間外労働時間と位置づけるべきと考えますが、見解を伺います。 次に、勤務環境の整備について伺います。 本市においては、平成23年4月に策定した北九州市職員の心の健康づくりのための計画第2期に基づき、職員のメンタルヘルスに関してさまざまな施策を実施してきた結果、精神疾患による休職者は減少傾向にあるものの、休職中の職員の約7割は精神疾患によるものとなっています。 精神疾患は、一度患うと長期化や再発を繰り返すことも少なくないことから、1次予防の取り組みが重要になります。本年12月から労働安全衛生法の改正に伴い、作業員50人以上の事業者にはストレスチェック制度の導入が義務づけられます。北九州市職員の心の健康づくり計画第2期の最終年度となり、これまでの施策に対する評価、検証を十分に行った上で、次期計画において更に効果的な取り組みが期待される中で、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する1次予防を主な目的としたストレスチェック制度に本市としてどのように取り組むのか、見解を伺います。 次に、議案第191号、北九州市教育施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について伺います。 北九州市行財政改革大綱に基づき、公立幼稚園では幼児教育の課題解決に必要な教育・研究実践機能を担うこととし、そのために必要な園数で運営することにより、本市幼児教育の維持向上に努めることを目的として、現行の8園から4園に縮小するとしています。 本市の公立幼稚園の特徴は、第1に小学校との人事交流により、小学校での教員経験がある幼稚園教諭を配置していること、第2に近隣に小学校や特別支援学校があり、行事や教員相互の交流が比較的容易であること、第3に幼稚園及び小学校、特別支援学校における教育が北九州市子どもの未来をひらく教育プランにおいて連続性、一貫性を持って構成されているため、校種間連携の場合に体系的な教育を組織的に行うことができること、第4に子ども家庭局や保健福祉局、市の機関との連携を図りやすいことなど、公立ならではの強みを持っています。 これまでの公立幼稚園における成果は、幼稚園教育要綱に基づいた多様な教育活動を展開するとともに、文部科学省や国立教育政策研究所の調査研究委嘱、全国幼稚園教育研究会の全国大会や研究発表会など、幼児教育に関する研究を行ってきました。そして、その成果を公開保育や私立幼稚園との教育課程合同研修を通して広く発信するなど、本市の幼児教育水準の維持向上に一定の役割を果たしてきました。 北九州市教育委員会は、平成27年5月に公表した公立幼稚園の今後の方向性の中で、昭和40年から昭和50年代にかけて、ベビーブームによる幼児数の増加に伴い、就園機会の地域格差の是正などを目的に、各区に公立幼稚園を設置してきた。現在では私立幼稚園が市内に91園、休園中の6園を除きますが、あり、通園バス等を利用することにより市内全域を通園エリアとしてカバーしていることから、就園機会の格差は解消していると考える。また、平成26年度の公立と私立を合わせた園児数は、全ての行政区で認可定員を下回っている。更に、全市合計では認可定員2万125人に対して、園児数は1万4,055人となっており、認可定員に対する充足率は69.8%と6,000人を超える余裕が生じていることからも、市内幼児の幼稚園への就園機会は確保されていると考えられる。こうしたことから、公立幼稚園における単なる就園機会の提供という役割は終えつつある。しかし、近年の幼児教育においては、基本的な生活習慣の欠如やコミュニケーション能力の不足、自制心や規範意識の不足や発達障害などの早期発見、早期支援の充実、また、小1プロブレムと言われる小学校生活への不適応などの課題が指摘されている。こうした幼児教育の課題解決のために求められる教育・研究実践に取り組み、その成果を広く私立幼稚園等に発信し、本市全体の幼児教育水準の維持向上に努めることは、教育委員会の責務であると考えるとしています。 私は、その時代が求める課題に応えることが公の役割だと思います。今、子供の貧困や子育ての困難が広がる中で、質の高い幼児教育の提供が求められています。そして、その教育を誰もが平等に受けることができるようにするためにも、現行の8園の公立幼稚園は存続させるべきです。 アメリカの国立小児保健・人間発達研究所のデータでは、保育の質が子供の発達にどう影響するかを世帯の年収別に見ると、年収が高い世帯では保育の質による子供の発達に余り差はありません。ところが、経済的に苦しい世帯では、保育の質が子供の発達に大きく影響し、質の高い保育を受けることで子供の発達における格差を緩和できるとし、格差は雪だるま式に累積するため、経済的に恵まれない層も含めて幼児教育・保育の質を高めていくことが社会保障政策的にも意味があることを指摘しています。これまで公立幼稚園の特徴を生かし培った質の高い幼児教育の研究成果の発信力を低下させ、平等に就学前教育を受けることができる公立幼稚園を廃止すべきではありません。 そこで、2点伺います。 現在、就園奨励費補助は年2回に分けて保護者に助成されていますが、生活保護世帯等はもともと所得が少ない中で、更に就学前教育を受けるために生活費を削らなければなりません。公立幼稚園がなくなれば2.3倍となる私立幼稚園の保育料は負担が大きく、私立幼稚園に行かせることはできません。また、公立幼稚園は段階的に保育料を引き上げるとしていますが、質の高い幼児教育を広く提供できる場が狭められることになります。見解を伺います。 単なる就園機会の提供という公立幼稚園の役割は終わりつつあるとしていますが、これまで幼児教育の必要性を教育委員会の責務と位置づけ、その役割を担ってきた公立幼稚園をこれ以上削減すべきではないと考えますが、見解を伺います。 以上で私の第1質問を終わります。 ○議長(戸町武弘君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 山内議員の御質問にお答えいたします。 時間外勤務の削減はなぜ進まないのかと、また、今後どのように仕事の見直しに取り組むのかという御質問がございました。 健全な市政の運営を進めるためには、それを担う職員が心身ともに健康であることがその大前提であります。本市におきましては職員の健康維持増進やワーク・ライフ・バランスの実現のため、時間外勤務の削減に継続的に取り組んでまいりました。具体的には、総務事務などの見直しなど全庁的視点からの事務改善の推進、年に2カ月定時退庁を行うノー残業マンスの実施、所属長に対する時間外勤務の適正管理の通知など、さまざまな観点から時間外削減に取り組んでまいりました。その結果、ピーク時でありました平成11年度と比較しますと、平成26年度には25.6%の削減を達成しております。 一方で、18時以降の退勤時には守衛室前のタイムレコーダーを使用させるなど、退庁管理を徹底するとともに、退勤時間のデータを活用し、時間外勤務申請が適正になされているか調査するなど、いわゆるサービス残業等の防止も図っております。 しかしながら、平成23年度以降の時間外は、ほぼ横ばいの状態にあるため、より一層の削減に向けた努力が必要と考えております。そこで、今後継続強化する全庁的な取り組みとして、予算や人事に関する事務などの見直し、ノー残業マンスの拡大、課長職を対象としたタイムマネジメントなど、時間外勤務削減のための研修、時間外に行われるイベントに従事する際などの勤務時間の柔軟な運用などに取り組むこととしております。 また、時間外勤務を削減するに当たりましては、職員個人の努力に頼るのではなく、組織として仕事をマネジメントすることが重要であります。このため、職場ごとの取り組みとして、会議の進め方の見直しや資料のスリム化などによる業務効率の向上、時間外勤務状況の見える化、業務分担の適正化などによる職場環境の改善、事業の更なる効率化や必要性の再検討などによる抜本的な仕事そのものの見直しなども進めます。時間外勤務の削減につながる仕事の見直しを行っているところであります。 職員の健康保持、ワーク・ライフ・バランスの実現にとりまして、時間外勤務の削減は重要な取り組みであります。このため、今後とも継続して取り組んでまいります。 次に、ストレスチェック制度に本市としてどのように取り組むのかという御質問がございました。 本市では国の指針などを踏まえ、平成20年4月に北九州市職員の心の健康づくりのための計画第1期を策定して、更に、平成23年度からは第1期計画を継承する形で第2期の計画を策定し、メンタルヘルス対策に取り組んでまいりました。全国の政令市の状況を見ますと、長期病休者、休職者とも、かつては北九州市は、平成21年度でございますが、非常に多いという時期がございました。9位であります。しかし、それから着実に低減してまいりまして、現在は15位というところに来ております。本年はこの第2期計画の最終年度であります。専門家による評価と分析を行い、おおむね良好であるとの評価を受けるとともに、今後はより一層の啓発教育に努めることとの提言も得ております。 平成26年度に労働安全衛生法が改正されました。職員のメンタルヘルス不調の未然防止、1次予防を目的に、医師、保健師などによる心理的な負担の程度を把握するための検査、ストレスチェックを年1回実施することが事業者に義務づけられました。ストレスチェックは調査票を用い、ストレスの程度を点数化し、評価するという方法で実施することとなっております。 制度のポイントとしては、まず、検査の結果高いストレスと判定された職員から申し出があれば、医師による面接指導を実施すること、次に、面接の結果に基づき必要に応じ就業上の措置を講ずること、第3に、努力義務でありますが、組織単位の集団分析の結果を踏まえ、職場環境の改善に活用することなどであります。本市ではストレスチェックを平成28年度から始まる第3期計画の主要な事業と位置づけております。来年度に向けて実施方法などのルール策定や職員への周知、情報提供などを行うこととしております。 議員御指摘のように、メンタルヘルス対策におきましては、1次予防の取り組みが大変重要と認識しております。高ストレス者へのケアにとどまらず、ストレスチェックを受けた職員が自分のストレスの状況を知り、セルフケアのきっかけとなるよう、事前の周知啓発に努めるとともに、多くの職員に受検を促したいと考えております。また、職場単位のストレス要因の分析を活用し、職場のストレスを軽減させる職場環境改善の実施方法も検討してまいります。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(戸町武弘君) 人事委員会事務局長。 ◎人事委員会事務局長(淵義雄君) 私からは、まず民間給与実態調査における人事院等の関与の問題と、初任給の民間との較差についての御質問についてお答えいたします。 人事委員会では、市職員の給与と市内民間事業所従業員の給与との水準を比較するため、民間事業所において各従業員に支払われた給与月額等の調査を人事院が定めた全国一律の方法により、人事院及び県人事委員会などと共同で実施しております。調査の内容は、4月分給与、初任給、賞与、給与改定状況などでございまして、調査対象は企業規模、事業所規模ともに、50人以上の市内民間事業所から人事院が無作為に抽出した事業所となっております。 実際の調査に当たりましては、調査を効率的に行うため、人事院及び各人事委員会が分担して各事業所を訪問し、実地で調査を行っているところです。また、この調査で得られたデータを人事院が取りまとめて、そのうち市内分につきまして、本市人事委員会が提供を受けているところです。 初任給の公民較差につきましては、近年民間給与実態調査の結果、市職員の初任給が民間の初任給を下回っている状況であることは認識しております。人事委員会といたしましては、昨年に引き続き本年も公民給与較差解消のための給料表の改定に当たっては、若年層に重点を置いた改定を行う必要があると言及したところです。しかし、人事委員会といたしましては公民較差が0.2%、833円と小さい状況にあって、初任給部分を一気に引き上げることは給料表の構造上、また、較差原資内での改定という制約からは技術的に困難であると思われますので、初任給の公民較差解消までは具体的に言及していないところです。 続きまして、給与制度の総合的見直しの勧告につきまして御質問をいただきました。 昨年、人事院が給与制度の総合的見直しを勧告したことを受けまして、人事委員会といたしましても昨年、国の改定内容や他都市の見直し状況などを勘案し、本市の給与制度及び本市職員の実態を踏まえながら、本市における給与制度の見直しの必要性や実施方法などについて調査研究を進める必要があると報告しました。地方公務員の給与に関しましては、地方公務員法により生計費、国及び他の地方公共団体の職員の給与、民間事業者の給与などとの均衡を図らなければならないとされており、人事委員会といたしましては、従来から給与制度は公務としての類似性から国の制度を基本とし、給与水準は、市内民間給与を重視する中で給与勧告を実施してきたところです。 昨年の国における給与制度の総合的見直しは、給与制度全体において世代間、地域間の給与配分の見直しを行う中で、俸給表構造を変更するものであり、単なる俸給水準の引き下げではなく、制度面での見直しという側面も有します。また、他都市においても、給与制度の総合的見直しに向けた取り組みがなされている状況のもと、人事委員会といたしましては法における給与決定原則に照らしまして、国に準じた見直しは必要であるとの結論に至り、勧告を行ったところです。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 総務企画局長。 ◎総務企画局長(柴田邦江君) 私からは職員の給与に関する御質問のうち、残りの質問に順次お答え申し上げます。 まず、人事・給与制度の検討状況でございます。 行政需要が高度化、多様化する中で、市民ニーズに的確に対応していくためには、職員一人一人が困難な課題を解決する能力を持ち、高い業績を上げることがこれまで以上に求められてございます。こうした状況の中、人事評価制度は任用、給与、分限その他の人事管理の基礎となるとともに、職員の能力開発においても重要な役割を果たしてございます。 本市の人事評価制度は、定期評定制度と目標管理制度の2つの制度を基本としております。定期評定制度については実績だけではなく、責任感や協調性など職務への取り組み姿勢を評価するとともに、評価の結果を適材適所の人事配置や上司によるOJTに活用しているところでございます。また、成果を重視する目標管理制度につきましては、対象を管理職に限定をしておりまして、各職員に求められる役割、職責に応じて制度を運用してございます。 今回、地方公務員法が改正されまして、制度の円滑かつ適切な運用のため、評価の客観性、透明性を高める取り組みを充実させるよう要請がございましたが、本市においては既に恣意的な評価や評価のばらつきを防止するための評価基準の公表や、希望者等への評価結果の開示、また、人事評価に関する苦情に対して迅速かつ的確に対応するための苦情相談制度についても整備しているところでございます。 今後は、定期評定制度について、現在の評定項目を検証するとともに、職員にとってよりわかりやすい具体的な評価基準となるよう、見直しを検討しているところでございます。 また、平成26年2月に策定をいたしました北九州市行財政改革大綱では、人事評価制度の再構築を進めながら、評価結果を昇給や勤勉手当に反映し、より充実させることといたしております。その取り組みといたしまして、主に管理職を対象に人事評価結果に応じて昇給幅にきめ細かく差をつける制度、いわゆる査定昇給制度を実施するとともに、被評定者みずからが数値目標等を設定し、その達成度が評価される目標管理制度を拡充するなど、本人の頑張りや努力の積み重ねを正当に評価した上で、給与面でその違いが実感できるような仕組みづくりを行ってございます。 今後とも職員が高いモチベーションを持って職務遂行ができるよう、職員の声にも耳を傾けながら、よりきめ細やかな取り組みを展開してまいりたいと考えてございます。 次に、再任用職員の給与についての御質問にお答えいたします。 再任用制度につきましては、年金支給開始年齢が段階的に引き上げられることにより、雇用と年金の接続を図り、60歳代前半の職員の生活を支えること、定年退職者が長年培ってきた知識、経験を公務内で活用することという観点から、国におきまして平成13年4月に導入されておりまして、本市においては国の制度に準じて平成14年度に導入したところでございます。 再任用職員の給与につきまして、国は長期勤続雇用を前提とする定年前の職員とは異なり、職務に応じて単一の俸給月額を設定しておりまして、本市におきましても国と同様に職務に応じた単一の給料月額としてございます。 本市の再任用職員の給与水準でございますが、国の再任用職員との均衡等を考慮して決定をしてございます。国の再任用職員の給与は、現在主任級の再任用職員の年間給与が300万円台半ばであるのに対し、本市においても同様の水準となっておりまして、民間企業における高齢層従業員の年間賃金、これは320万円から386万円とされておりますが、それともおおむね均衡を図れていると考えてございます。 政府は平成28年度までに、人事院が国会及び内閣に行いました、定年を段階的に65歳までに引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申し出、この申し出を踏まえまして、定年の段階的引き上げや再任用制度の活用の拡大、その他雇用と年金の接続のための措置を講ずるということについて検討するものとされてございます。 このような中で、人事院は本年の報告で、再任用職員の給与について、民間企業の再雇用者の給与の動向等を踏まえ、引き続きそのあり方について必要な研究を行うこととしておりまして、人事委員会も本年の報告の中で国における検討状況を注視し、引き続き調査研究を続けていく必要があると言及しているところでございます。再任用制度は国に準じていることから、本市としても今後の人事院、人事委員会の検討状況や他都市の動向等を注視しながら、引き続き調査研究を続けてまいりたいと考えてございます。 最後に、嘱託職員の時間外勤務に対する報酬についての御質問にお答えいたします。 本市では、地方自治法の要請である簡素で効率的な組織・人員体制の確立を念頭に、きめ細かな人員配置を行ってございます。配置に当たっては、職員に過度な負担がかからないように配慮することが重要であるため、行財政改革の進捗等に合わせ、市全体の仕事量を見きわめながら慎重に対応してございます。その中で、市が直接実施する必要がある業務につきましては、正規職員による対応を基本としつつ、専門的知識や資格、経験を要する業務、また、短時間で業務処理が可能な業務について嘱託員を配置するなど、効果的かつ効率的な行政運営に努めているところでございます。 議員御指摘の嘱託員の勤務時間につきましては、地方公務員法で国及び他の地方公共団体との均衡が求められております。本市では法の趣旨に基づくとともに、従事する職務の内容等も考慮した上で、おおむね週30時間としておりまして、これは国や他の自治体と同様でございます。 また、報酬は労働基準法を初め関係法令に基づき、正規職員の給与との均衡を基本に、職務内容や困難度に基づいて決定をしております。更に、仮に時間外勤務が発生した場合には、労働基準法の定めるところに従い、時間外勤務手当に相当する報酬を支給しているところでございます。 本市においては、嘱託員の勤務時間の設定や報酬の支給等に当たって、地方公務員法や労働関係の法令等を遵守しながら適切に行っていると認識をしてございます。いずれにせよ、嘱託員の皆さんの処遇改善や時間外勤務削減に向けた取り組みを推進していくことは、極めて重要だと認識しております。今後とも仕事そのものの見直しや仕事の進め方の見直しに取り組むなど、きめ細かな対応に努めてまいりたいと思います。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 私からは、公立幼稚園の問題に関しまして、まず、質の高い幼児教育の場が狭められるんではないかということで、保育料の件に関してお答えいたします。 御案内のとおり、本年の4月から子ども・子育て支援法が施行されまして、子ども・子育て支援新制度への移行に伴い、公立幼稚園も私立幼稚園と同一の制度で運営されることになりました。新制度では、幼稚園の保育料は保育所と同様に保護者の所得に応じて保育料が設定される、いわゆる応能負担という仕組みが導入されております。したがいまして、自治体が運営する公立幼稚園の保育料についても、私立幼稚園との均衡を図ることとなっております。このため、今後の本市の公立幼稚園の保育料についても新制度に移行する私立幼稚園と同額とすることとし、本年6月の議会で御承認をいただいたところでございます。 保育料の引き上げに当たりましては、現在本市の公立幼稚園の保育料、月額7,700円でございますが、これが新制度へ移行する私立幼稚園よりもかなり低い金額であることから、激変緩和のために平成28年度から3年間で段階的に保育料を引き上げる経過措置を行うことにより、保護者負担の軽減を図ることといたしました。このほか、今年度までに入園しました在園児の保育料は、卒園まで現在の額に据え置くこと、更に、現在徴収しております入園料5,550円でありますが、これについては廃止することとしております。 また、生活保護世帯でありますが、これは保育料は無料であります。市民税非課税世帯につきましては大幅に軽減した金額、月に3,000円となっておりますが、この場合でもひとり親家庭は無料であります。それから、2人目の保育料につきましては半額、3人目以降については無料となっております。このように保護者の状況に応じた負担軽減を図る仕組みとなっております。 このように、公立幼稚園につきましては、保育料引き上げに当たりまして、生活保護世帯等の経済的に困窮している家庭の負担軽減に十分配慮しておりますが、私立幼稚園につきましても国基準額より軽減した保育料の設定や就園奨励費補助により、低所得者などに配慮した軽減措置が図られているところでございます。 次に、幼児教育を担ってきた公立幼稚園をこれ以上削減すべきではないという御意見でございますが、今回の公立幼稚園見直しの背景でありますが、まず、本市の3歳から5歳の幼児数は、昭和50年度には約5万5,000人でありましたが、現在はその4割程度に減少しております。公立幼稚園の園児数は、昭和50年度には1,773人でありましたが、今年度は310人と大幅に減少しております。それから、市内の幼稚園児のうち98%、今年度のデータでありますが、1万3,626人は私立幼稚園に通っており、全体の98%を私立幼稚園が担っております。 園児1人当たりの本市の財政負担額は、昨年度、平成26年度の決算ベースで、公立が105万円に対して私立は12万円と公私間で大きな格差が生じております。一方、行財政改革の取り組みにおきましては、民間にできることは民間に委ねるとの視点から、研究実践機能を担うために必要な園数で運営する方向ということで、公立幼稚園が位置づけられておりまして、その方向でこれまで検討を進めてまいりました。 こうしたことを踏まえまして、今後の公立幼稚園の体制につきましては、まず、本市の幼稚園の定員に対する充足率は、公立と私立を合わせても7割程度であり、供給は満たされていること、複数の課題に対応するには一定の園数が必要なこと、それから、地域的なバランスに配慮する必要があること、こういったことを総合的に勘案し、半数の4園は必要であるとの結論に達したところであります。 今後は、存続する4園におきまして、1つは幼稚園教育要領に基づいた保育のあり方や教材の作成、また、特別な教育的配慮を要する幼児への対応、更に、小学校教育への円滑な接続、こういったことに関する教育・研究実践に取り組むこととしており、これは今後の公立幼稚園の役割だと考えております。 こうした教育・研究実践の成果を活用して、教育センターを中心に、従来から実施しております私立幼稚園の教員も対象とした資質、能力の向上及び人材育成に資する研修、それから、公開保育や研修での発表、ホームページの充実などによる情報発信、未就園児を対象とした園庭開放や子育て相談の実施、家庭や地域に対する幼児教育の重要性に関する広報啓発の推進、こういったことに取り組みまして、本市全体の幼児教育水準の維持向上に努めることが教育委員会の責務と考えており、存続する4園でしっかり取り組んでまいりたいと思います。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 50番 山内議員。 ◆50番(山内涼成君) 第2質問に入ります。 まず、人事院と県人事委員会のかかわり方について伺います。 人事委員会は今回の勧告に当たって、民間事業所406事業所のうち無作為抽出した158事業所について、賃金の調査をしたとなっておりますが、企業規模別事業所数で見ると、50人以上100人未満から3,000人以上の企業規模、5段階に分けて各規模から調査結果を得たとしていますが、昨年に比べて50人以上100人未満の一番小さい事業規模への調査件数が6件ふえて、事業規模500人以上の調査件数は19件も減っています。 また、本市の人事委員会は国から指定された事業所を調査するだけと聞きましたが、本当でしょうか。 ○議長(戸町武弘君) 人事委員会事務局長。 ◎人事委員会事務局長(淵義雄君) 調査をするだけということで、取りまとめも、どういうところを調査するかというのも人事院で決めております。 ○議長(戸町武弘君) 50番 山内議員。 ◆50番(山内涼成君) 今までの認識からすれば、やはり人事委員会が指定をして、そして、そこに調査に伺うという認識を私はしておったんですが、もう国が指定したところ、一方的に指定したところに対して調査に行くだけと。それではやはり単なる人事院の北九州の出張所にしかなり得ないということなんですよね。それではやはり正確な地域給与水準というのははかれないんじゃないかなと。やはりこれは見直していくべきだと思いますし、初任給について、高齢層の賃金引き下げ、民間水準を引き合いに出しながら、民間と大きな差がある初任給については長らく手つかずの状態です。早急な見直しが必要だと思うんですが、民間のやり方は、やっぱり優秀な人材を確保するために初任給に大きな比重を置いているんです。やっぱりそういう意味からも技術的に困難ということではなくて、やはり見直しの検討を今後も進めていく必要があると思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 それから、総合的見直しについてでございますが、給与水準そのものの変更ではないはずです。これは単なる配分の見直しなんですね。ですから、この制度自体、人事委員会制度がある本市に持ち込むこと、これは結果的に意図的に給与を引き下げるものではないか。来年度の勧告では、民間給与との較差は本年以上に広がることになりかねません。それとも民間給与水準が下がることが見込まれるというのでしょうか。お伺いします。 ○議長(戸町武弘君) 人事委員会事務局長。 ◎人事委員会事務局長(淵義雄君) 現段階で来年の民間の給与改定の状況はちょっとわからないですし、また、総合的見直しによる給料水準の引き下げ幅につきましても、今回条例で提案されておりますものは、現給保障による経過措置が予定されておりますので、具体的な見込み等については申し上げることはなかなか難しいかなと思います。 それから、前回の給与構造改革時、平成18年に行ったんですが、これも国に準じて給与水準の見直しを行いましたけども、市内民間企業との均衡は毎年の人事委員会勧告、民間との給与の較差を調べる中で、4月の時点で調べますので、そこで較差を解消して均衡は毎年とれていると認識しております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 50番 山内議員。 ◆50番(山内涼成君) いずれにしてもこの総合的見直しの導入によって本市の給与が引き下がることは間違いありません。そして、来年度どういう勧告になるのかということはわからないけれども、これは較差が広がるということになるんではないかと思われます。 私は、この人事委員会制度ですね、やはりこれは今までにも増して充実させるべきであろうと思いますし、職員の人事委員会に対する信頼感が薄れるものだと思いますので、これは職員の士気にもかかわります。総合的見直し、これは撤回をすべきだと申し上げておきます。 それから、再任用制度についてです。 今、定数内管理されている賃金、50%に抑えられている中で、いいように使われているとしか思えない、この声が多く聞かれております。定年後の収入という面では民間のほうが進んでおります。昨日、ホンダが自動車会社では初めてとなる65歳までの定年延長を発表しました。60歳から65歳までの間に定年を自由に選択でき、定年後も直前の賃金の80%で継続できる仕組みです。同様に、豊富な経験を生かして重要な戦力としては民間と変わりないはずなのに、なぜ公務においては放置されているのでしょうか。早急に対応すべきです。 具体的にどのような検討がなされているかというのは、先ほど答弁がございましたので控えさせていただきますが、加えて総合的見直しによって来年4月に再任用となる職員は、大きな減額を受けることとなります。もともと年金との接続を条件にして、国の制度が導入された制度です。制度の趣旨に沿って早急に労働組合と協議して改善すべきだと考えます。よろしくお願いいたします。 それから、嘱託職員の時間外勤務についてですが、今は全体の3割を占める嘱託職員が、臨時的、補助的な雇用でありながら、時間外勤務を余儀なくされていることは看過できません。しかも、所定内労働時間を超えても割り増し賃金が支払われることはありません。法定内とはいえ、所定内労働時間を超えたら割り増し賃金率を独自に設定している自治体はたくさんあります。任命権者の考え方一つではないでしょうか。雇用契約時間を超えて働いていただくためには、それなりの対価を支払うべきだと思いますが、もう一度見解を伺います。 ○議長(戸町武弘君) 総務企画局長。 ◎総務企画局長(柴田邦江君) 先ほども御答弁いたしましたけれども、嘱託職員の給与につきましては国に準拠したものとしておりますし、時間外をしたときの報酬につきましても、労働基準法の範囲内できちんと対応していると考えております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 50番 山内議員。 ◆50番(山内涼成君) あくまで臨時的な雇用となっておるわけですから、これを30時間という所定内労働時間を設定した以上は、やっぱりその30時間を超えるべきではないと考えるんです。やはりこのグレーゾーンと言われるこの10時間に対して、やはり本市が先進的に割り増し賃金率を決めていくのも一つの策だと思いますので、ぜひ御検討を願いたいと思います。 それから、公立幼稚園の廃止問題について伺います。 教育長から答弁があったんですが、まず、就園奨励費補助金、これを受けるためには毎月の保育料を納めなければならないんです。そうしないとこの補助額は、上限がありまして、保育料以外では受け取れないという仕組みになっています。私立ではバス代とか給食代とか制服代、これまた教育方針によってさまざまな費用がかかる。だから生活保護や生活の厳しい家庭には月の負担が大きいということになるんです。その部分についてもう一度答弁願えますか。 ○議長(戸町武弘君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 就園奨励費という仕組み上、これは所管は、私立幼稚園の場合は子ども家庭局になっておりますけども、後から返ってくるという仕組みでございますが、仕組み上そういうことになっております。一旦ということでありますが、仕組みとして理解をいただきたいと思います。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 50番 山内議員。 ◆50番(山内涼成君) 仕組みとして理解をした上で尋ねたんですが、ちょっとわけのわからない答弁だったんですが、当局は保護者説明会を30回行ったとしていますが、理解していただいたという認識はございますか。 ○議長(戸町武弘君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 5月にこの計画を公表して以来、30回余りやってまいりました。もちろん保護者の中にはいろんな意見がございますが、私どもとしてはその中で一番の保護者の方の懸念は、障害のある子供さんをお持ちのお母さん、お父さん方が不安がないかどうかと、ここの問題だったと思います。 この件に関しましては、先日市長の記者会見の中でもお話がありましたけども、私ども来年度の予算要求として心配のないようにということで、特別な支援を要する子供たちを受け入れる私立幼稚園、今でもたくさん受け入れていただいているわけですけども、より受け入れやすくするための教員配置を手厚くする仕組み、それから、専門家などによる相談体制を充実させること、そしてまた、保護者へ情報提供を充実させる、こういったことについて取り組みたいということで予算要求をしております。こういったことで保護者の皆様方の不安はかなり解消されるのではないかと思っております。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 50番 山内議員。 ◆50番(山内涼成君) 先日の報道の分が今説明をされましたが、特別支援教育に取り組む私立幼稚園を支援する制度を検討しているということで報道がされました。まず、モデル園を決めて来年度から実施の予定としています。現在、何らかの支援を受ける必要があると見られる子供は約270人いるとのことです。最近の傾向としては今後ふえていく可能性があります。 本市は、支援が必要な子供を受け入れた場合に、教育の人件費として、園児1人につき年間30万円を補助するモデル事業を検討しているという報道がなされました。もともと公立幼稚園の廃止問題から端を発した問題であります。今、1園当たり5,000万円かかるといって廃止をするということなんですが、これ、後で公立を残しておけばよかったななんていうことになりかねませんか。 ○議長(戸町武弘君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 先ほど御答弁いたしましたように、既に全体の98%の子供さんは私立に通っておられるわけですから、8園を今回4園にするということでも、その4園で公立の役割をきっちり果たしていくということで考えております。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 50番 山内議員。 ◆50番(山内涼成君) 特別支援教育に取り組む、この報道に関しての話なんですね。いいですか。 ○議長(戸町武弘君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 特別支援教育につきましては、誤解のないようにということでお願いしたいんですが、現在でも私立幼稚園で相当数の子供さんを受け入れていただいております。したがいまして、あたかも全て公立が特別支援の子供さんを受け入れているというようなことではないわけで、それをより受け入れやすくするためにということでの今の案でありますので、私立幼稚園と公立幼稚園が一緒になって、しっかり受け入れられる体制ができると思っております。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 50番 山内議員。 ◆50番(山内涼成君) 私立幼稚園の先生も、少子化で園児獲得のために預かり保育や2歳児からの受け入れなどで負担が大変ふえてきています。その割に給料が低く、退職される先生も多いそうです。一方で、公立幼稚園は小学校教員の経験がある先生が多いので、先生の実体験から小学校生活まで見通した子供の成長にアドバイスをしてくれるそうです。やはり保護者にとっては保育料の問題、これが重くのしかかってまいります。私立幼稚園に通うとなると2.3倍の保育料のほか、制服代やさまざまなオプションにより保護者の負担が更に大きくなってまいります。これでは経済的に余裕のない家庭は、幼児教育を諦めざるを得なくなります。これに対する助成制度の拡充、これを更に求めていきたいと思っています。 行財政改革とは、公共サービスを削ってでも効率化を優先させるものなのでしょうか。一体誰のための行財政改革なのでしょうか。北九州市の将来を担う子供たちから幼児教育の場を奪わないために、公立幼稚園の存続を強く求めて質疑を終わります。 ○議長(戸町武弘君) 以上で質疑は終わりました。 ただいま議題となっております議案64件については、お手元配付の議案付託表のとおり所管の常任委員会にそれぞれ付託いたします。 ここでしばらく休憩いたします。再開は午後1時といたします。                  午後0時20分休憩                  午後1時2分再開 △日程第67 一般質問 ○議長(戸町武弘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第67 一般質問を行います。2番 西田議員。 ◆2番(西田一君) 皆さんこんにちは。一般質問のトップバッターでございますが、ゲゲゲの鬼太郎、子供のころ本当によく見させてもらいまして、おもしろいアニメだと思います。妖怪大百科とか何冊も持っていました。もちろん作家は水木しげるさんでございます。当時、ゲゲゲの鬼太郎の中では、人間に敵対する妖怪たちを鬼太郎がやっつけるというような設定でございましたが、今思えば、おごった人間に対して怒ってくる妖怪たち、人間社会に対する警鐘もあったのかなと思っております。今の妖怪アニメはちょっと違っておりまして、番組の最後では妖怪と仲よしになると、何の番組かはあえて言いませんが、我が家の部屋の片隅にも妖怪メダルが1つ2つ落ちていたりします。何はともあれ、水木しげるさんの御冥福を祈るわけでありますが、水木さんが生前こんなことをおっしゃったそうです。暗くなって、夜妖怪を怖がるなんていうのは平和な世の中だからこそだ、戦争になったらそういうことは、そんな余裕はないんだよという言葉をかみしめて一般質問に入りたいと思います。 それでは、まず前回から引き続いての質問テーマになります北九州市版CCRCの推進体制についてお尋ねします。 日本は少子・高齢化の進展に伴い、人口減少社会に突入しています。その中で東京一極集中が進んで地方の衰退が懸念されています。これを是正するために地方からの人口流出を防ぎ、地方への移住、定住を進めなければなりません。 ここで改めてCCRCについて簡単に御説明申し上げます。CCRCとは、コンティニューイング・ケア・リタイアメント・コミュニティーの略称です。高齢者が元気なうちに新たなコミュニティーへと移住し、万が一介護が必要になっても、その場所で持続してケアを受けながら暮らしていくことです。アメリカでは既に2,000カ所、75万人が暮らしているようです。ただ、北九州市版のCCRCの推進に当たっては、何も高齢者に限定することはありません。50代の方でも40代の方でもライフスタイルに合わせて本市への移住、定住を希望する皆様に第2の人生のステージを準備させていただくことが大切であると考えます。 現在、全国的な地方創生の流れを受け、首都圏では地方移住の機運が高まっています。前回も申し上げましたが、東京圏から地方への移住、定住を提唱する日本創成会議は、医療・介護体制が整っているお勧め移住先として北九州市を上げてくれています。いわばお墨つきをいただいたのですから、これを生かさない手はありません。 地方自治体の中には、首都圏における移住相談窓口の設置、移住セミナー、相談会の実施などを行う都市が急激にふえてきており、いわば移住希望者の奪い合いの様相を呈していると言っても過言ではありません。例えば、島根県は平成4年度を定住元年と位置づけ、公益財団法人ふるさと島根定住財団を設立し、本年度はふるさと島根定住推進事業として6億7,000万円を超える予算を計上するなど、各種移住促進策を展開しています。 また、鳥取県は平成19年に人口が60万人を割ったことを契機に、岡山県と共同で新橋駅にとっとり・おかやま新橋館を設置するなど移住対策を強化しています。新橋といえばSL広場、サラリーマンの聖地とも言われています。その新橋に進出してPRするというのはいいセンスだと思います。このように各自治体が積極的にPRすることによって、少しずつ成果を上げているようです。 こうした状況の中、本市への移住を促進するには、住まい、仕事など総合的なPRを効果的に展開することが必要不可欠であると考えます。加えて、本市が日本版CCRCの推進を初め各種施策をいかに積極的に推進したとしても、首都圏を中心とする移住希望者に対して効果的なPRをすることができなければ、他都市との競争に打ち勝つことはできないと考えます。本腰を入れて移住、定住に取り組まなければなりません。 そこで、質問します。 まず、北九州市版CCRCの現在の進捗状況についてお尋ねします。 次に、本市が移住、定住を推進するに当たって、首都圏でどのようにPRを行っていこうと考えているのか、見解を伺います。 次に、移住促進の情報発信及び移住相談の対応については、さまざまな手法が考えられます。中でも既存の首都圏本部の機能を生かした情報発信、相談体制の構築は、効果的なPRを行う上で有効な方法の一つであると考えますが、見解を伺います。 更に、移住希望者に対して北九州市版CCRCの具体的な説明をするに当たっては、わかりやすい移住モデルを提示することが極めて重要であると考えます。今後どのようにして官民一体となって移住モデルの形成を図っていくのか、見解を伺います。 次に、大規模スポーツ大会のキャンプ地誘致についてお尋ねします。 大規模スポーツ大会の誘致については、昨年北九州市大規模国際大会等誘致委員会を官民協働で立ち上げ、2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致や、その他大規模国際スポーツ大会の誘致に取り組んでいます。こうした取り組みを市議会としても応援していくため、本年6月議会において全議員賛同のもとスポーツ振興議員連盟を立ち上げ、積極的な協力体制を整えたところです。 先般開催されたラグビーワールドカップイングランド大会では、日本代表の活躍によりジャパン旋風が全世界を駆けめぐり、本市出身の山田章仁選手のサモア戦でのわざありのトライは、多くの市民に感動を与えてくれました。ラグビー人気もうなぎ登りで、ラグビーチームに加入する子供たちも全国的にふえているようです。 このように、スポーツは人々を元気にし、勇気づけ、郷土に対する誇りの醸成にも大きく寄与するものです。世界3大スポーツの祭典が2019年と2020年に続けて日本で開催されるという絶好の機会に、この北九州市でスポーツムーブメントを起こし、スポーツを通じた元気なまちづくりを推進していくことは重要です。 現在、誘致委員会では本市の施設や備品、交通利便性等の優位性などを生かして、年度内には誘致対象国や競技種目の絞り込みを行い誘致活動を進めると聞いています。しかし、一方では国内の各都市でオリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致の動きも活発化しており、新聞報道によれば岐阜県のフランスや栃木県のオーストラリア、静岡県のモンゴルなど具体的に対象国や競技種目を絞り込み、誘致活動を進めている自治体もあるとのことです。更には、国内のラグビー熱の高まりにより、ラグビーワールドカップキャンプ地誘致合戦も一層激しくなることが予想されます。 誘致には当然予算が伴うものであり、しっかりとした戦略を持って誘致するという視点が重要です。また、都市間競争を勝ち抜き、誘致を成功させるためには、さきの議会でも当局から答弁があったように、施設面や組織体制など受け入れ環境の整備も含めて、機を失することがないよう、スピード感を持って事に当たることも必要です。 そこで、お尋ねします。 まず、2019年ラグビーワールドカップ及び2020年東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致について、現在の進捗状況を聞かせてください。 次に、キャンプ地誘致は一過性の盛り上げではなく、将来の本市の発展につなげていくことが重要であると考えますが、見解を伺います。 次に、地域エネルギー拠点についてお尋ねします。 東日本大震災における福島第一原発の甚大な事故は、電力を初めとする日本のエネルギーのあり方について大きな転換点となりました。また、2016年度には一般家庭も含めた電力の自由化が始まり、電力分野にも本格的な市場競争原理が導入されます。 そこで、本市では市民生活や産業活動を支えるために、自治体として安定・安価なエネルギー供給に一定の責任を持つことを目的として、地域エネルギー拠点の形成を推進しています。この事業は、更なる企業誘致や雇用の促進の観点から、本市の成長戦略として位置づけられています。私はこれまでもさまざまな機会に関連の質問をしてまいりましたが、改めて地域エネルギー拠点化推進事業について具体的に御説明申し上げます。 まず、若松区響灘地区に広大な事業用地が広がっています。そこには液化天然ガスや石炭の輸入基地があるために、高性能の火力発電所の立地に適しています。また、目の前には響灘が広がり、洋上風力発電、つまり発電用の巨大風車を大量に設置することができ、相当量の再生可能エネルギーをつくり出すことも可能となっています。このような本市の持つ再生可能エネルギーや基幹エネルギーの立地ポテンシャル、また、スマートコミュニティの実証を通じた省エネの知見などを生かし、市内企業に低炭素で安定・安価なエネルギーを供給し、本市産業界の海外企業などとのコスト競争を支援することで企業活動の継続性を強化することとしています。本市の計画では、最終的に高性能火力発電と洋上風力発電等で約300万キロワットを見込んでいます。 そこで、お尋ねします。 地域エネルギー拠点化推進事業のこれまでの進捗状況を聞かせてください。 次に、先日西部ガスさんが火力発電の計画を見直すという新聞記事が掲載されました。これが本当なら本市の成長戦略を大きく揺るがすことにもなりかねません。西部ガスさんの計画見直しについて、現在市が把握している情報をお聞かせください。 次に、西部ガスさんの火力発電の計画見直しについて、一部の報道では、西部ガスさんの火力発電の電気の販売先として想定している電力会社が、受け入れに慎重な姿勢を示していることが要因とのことです。電力の全面自由化を目前にして、つまるところ既存の電力会社の都合に振り回されるのでは、自由化の流れに水を差しかねません。自治体として市民生活や産業活動に責任を持つという崇高な目的も大きく損なわれてしまいます。地域エネルギー拠点化推進事業は、響灘地区の立地優位性を生かし、発電所の集積を進めている事業であり、このような状況では安定・安価な電力の供給ができなくなる可能性もあると懸念されますが、見解を伺います。 最後に、行財政改革についてお尋ねします。 先日、行財政改革の一環として、北九州市公共施設マネジメント実行計画の素案が公表されました。本市は、50年前に門司、小倉、戸畑、八幡、若松の旧5市が対等合併して誕生しました。それ以来50年間、旧5市の均衡を図りながら公共施設の整備を進めてきました。その結果、市営住宅、小・中学校、市民センター、図書館、スポーツ施設などさまざまな公共施設が市の隅々にまで整備されました。現在では本市の公共施設の保有量は、人口1人当たり約5平方メートルとなっており、政令市の中で最大であり、政令市平均値の1.5倍となっています。それら公共施設の多くは昭和40年代から昭和50年代にかけて整備されており、建築後30年を経過した施設が半数を超えています。こうした施設の一部は既に老朽化が進んでおり、近い将来大規模改修や更新が必要となってきます。 そこで、現在の公共施設を全て保有し続けた場合、将来的に大規模改修や更新にどれくらいの費用がかかるのか、総務省モデルをベースに試算したところ、今後40年間で約1兆2,040億円が必要という結果となりました。これを年平均に換算すると、毎年301億円が必要となります。一方、近年本市が公共施設の大規模改修や更新に要している経費は、年平均で約80億円となっており、先ほど申し上げた301億円とは余りにも大きな開きがあります。 本市は政令市の中でも最も高齢化が進み、現役世代が減少する中で、保健福祉分野に毎年多額の予算を費やしているところです。その影響で、こうした公共施設の維持、更新に係る経費をふやすことは不可能と言ってもよいでしょう。そのために今回公表したのが公共施設マネジメント実行計画の素案です。 まずは、マネジメントの必要性を市民の皆様によく御理解いただくことが重要です。ここでは個別の施設のマネジメント計画に触れることはしませんが、施設の数は膨大で、施設の所管はさまざまな局に及んでいます。ここでマネジメント計画の素案から幾つか例を挙げます。 まず、建築都市局が所管する市営住宅です。施設保有量は405施設で、戸数にして3万2,847戸あります。床面積にして施設全体のおよそ38%に上っています。これを40年後に約2万戸にまで減少させると、戸数の削減率で38%、延べ床面積の削減率で31%となります。ただし、どこの市営住宅をいつまでに削減するのかは素案には書かれていません。 次に、教育委員会が所管する小・中学校です。少子化に伴い児童生徒数が減少しており、学校によっては1学年につき1クラスしか編制できないところが生じています。教育効果の向上と教育環境の整備を図るために、将来にわたって小学校では12から24学級、中学校では9から24学級を回復することが見込めない小規模の学校については、学校統合により学校規模の適正化を図ることとしています。 本市においては、地域コミュニティーは小学校区ごとに形成されており、校区によって成り立ちや行事などがさまざまです。今後学校を統合するに当たっては、校区の自治連合会など地域の皆様との合意形成に努めなければなりません。また、統合によっては校区は広範囲となります。児童生徒によっては長距離通学となるため、通学バスなどの支援も必要になるかもしれません。 次に、市民文化スポーツ局が所管するスポーツ施設です。スポーツ施設におけるマネジメント計画に当たっては、各施設をまず第1に、国際大会あるいは全国大会などの大規模大会を誘致可能とする拠点になるような施設、第2に、県大会、市内大会などの一般競技大会の施設、第3に、日ごろの練習や健康づくりの場としてのその他の施設にそれぞれ分類しています。 国際大会や全国大会などの大規模大会の誘致や開催は、町の知名度やイメージアップのほか、集客力向上などに伴う経済効果を生み、町のにぎわいづくりや活性化につながります。そのため、大規模大会を開催できる施設については存続をします。 次に、一般競技大会の施設は大会用の施設として、また、利用者の身近な施設として広く活用されることから、更新時期を迎えたものは再配置や集約の拠点として再整備を行うなど、適正規模の確保を図ります。 日ごろの練習や健康づくりの場としてのその他の施設については、他施設への集約、利用の効率化や学校、民間施設の活用などにより集約などを行いつつ、サービス水準の維持を図ります。例えば、現在整備中の戸畑D街区のスポーツ施設については柔剣道場、弓道場、テニスコートなど別々の施設を集約して1カ所にまとめ、個別の機能の存続と維持管理コストの削減を両立させます。 このように、全施設のうち約25%を占める小・中学校については適正規模の基準が示されているために、今後具体的な議論の道筋を見通すことができます。スポーツ施設については戸畑区において既に集約化が進んでいます。また、門司区については集約化のモデルが示されました。今後、ほかの区において同様の手順で進められるのでしょう。しかし、総面積のうち最大の約38%を占める市営住宅に関しては、どの住宅をいつまでにという具体性が欠けているように思います。 そこで、まず小・中学校の規模適正化についてお尋ねします。適正規模の基準が示されているために、どの学校が対象になるか推測が可能になります。具体的な学校名を明示するまでのスケジュールを教えてください。 また、学校の統廃合を進めるに当たっては、丁寧な市民説明が不可欠です。市民説明を都市マネジメント政策室が行うのか、あるいは教育委員会が行うのかも含めて、市民にどのように説明するのか教えてください。 次に、市営住宅については、どこの住宅をいつ廃止するのかなど、削減に向けた具体的なスケジュールを教えてください。 学校やスポーツ施設に比べて市営住宅の削減計画の具体性が欠けた状態では、建築都市局の中にある都市マネジメント政策室が、同じ建築都市局が所管する市営住宅に余り踏み込んでいないイメージを持たれかねません。教育委員会や市民文化スポーツ局との公平性が保てるのか、見解を伺います。 以上で私の第1質問を終わります。 ○議長(戸町武弘君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 西田議員の御質問にお答えいたします。 まず、北九州市版のCCRCの推進についてお答えいたします。 本市の地方創生の総合戦略におきましては、定住、移住に関する政策は重要な柱の一つと位置づけております。雇用、住宅、子育てなどの多岐にわたる政策を総合的に推進するため、9月1日付で総務企画局地方創生推進室の中に定住・移住促進担当ラインを新設いたしました。そして、副市長をトップとした北九州市の定住・移住推進本部を設置しております。 とりわけCCRCに関しましては10月1日、市内の関係機関が理解を深めることを目的に、事業者や団体を対象とした北九州市版CCRC推進セミナーを開催し、国の取り組みや他の都市におけるCCRC関連施設の事例の紹介を行いました。先月の13日には北九州市まち・ひと・しごと創生推進協議会の中に住宅、保健福祉、NPOなどをメンバーに加えた定住・移住推進部会を立ち上げ、北九州市版CCRCの推進に向け、全市的な枠組みなどの検討を開始いたしました。同時に、事業化に向けた具体的な議論などを行う場として、関係の企業、団体を含めた北九州市版CCRC推進会合を設置し、官民一体となった推進体制を構築いたしました。 定住、移住を推進するに当たりまして、首都圏でのPRにつきましては、本市の政策や魅力などを発信するホームページや、本市への移住を実現するために必要な情報をわかりやすくまとめたガイドブックの作成にも取りかかっております。加えまして、アクティブシニアの方々が活躍できる場などを提供し、安心した老後を過ごしていただくため、現在首都圏などの移住希望者や本市にゆかりのある企業、地元企業を対象に、年内にも移住ニーズの調査を行うこととしております。 また、首都圏における移住希望者向けのセミナーの開催も重要と考えております。今月は本市主催の北九州移住セミナーin東京を開催し、来月には福岡県主催のふくおか移住・定住フェアにも参加し、首都圏から移住促進に向けてPRすることにしています。 シティプロモーション首都圏本部、かつての北九州市の東京事務所であります。この本部におきましても前回議員から御指摘いただきました、東京に支部を持つ北九州市内の学校の同窓会を初め、かんもん北九州ファンクラブなど自主的な組織に対して、積極的なPRを行っているところであります。来年2月には、首都圏などに在住する本市ゆかりの方々を対象とした第8回の北九州市応援団の集いにおきましても、本市の魅力や移住に関する情報を発信していくことにしております。 こうした情報の発信と並行しまして、移住希望者の問い合わせにきめ細かく対応できる相談体制を構築する必要があります。他の都市においては、利便性のよい場所に事務所やアンテナショップを設置し、地元の物産品の販売、PRなどとあわせ、移住希望者の相談を受け付けるなど総合的なPRを行っているところもあります。首都圏において移住促進に取り組む姿勢を強力にアピールする上で、どのような機能が首都圏本部に必要となるのか、他の都市の事例を参考に検討してまいります。 こうした取り組みを推進する上で、議員御指摘のとおり、移住希望者にわかりやすく移住モデルを提示することは極めて重要と考えます。日本版CCRCであります生涯活躍のまち構想の実現に向けましては、政府の日本版CCRC構想有識者会議がこれまで9回にわたって実施されています。10月30日の会議では、生涯活躍の具体的なイメージ、今後のスケジュールなどが示され、今後有識者会議の議論を踏まえ、年度内に国の方針が打ち出されると聞いております。 北九州市版のCCRC推進に向けましては、官民一体の組織である定住・移住推進部会において、国内先進事例の視察、推進会合への有識者の招へいなどを計画しております。今後は国の動向を踏まえ、こうした具体的な取り組みを通じて、移住モデルの形成に鋭意努めてまいります。 次に、大規模スポーツ大会のキャンプ地誘致についてお答えいたします。 本市では官民一体となった誘致委員会をプラットホームとしまして、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致に関する豊富な情報と人脈を持ち、国際大会誘致業務に精通した民間事業者と連携しながら誘致活動を進めております。議員御指摘のとおり、対象国の絞り込みに当たりましては、本市のこれまでのさまざまな国際交流の実績や人脈を活用し、キャンプ地誘致を通じ、将来にわたりスポーツ、文化、経済、学術などさまざまな分野の交流促進につなげることができるよう検討を行ってまいりました。 先月末に開催された誘致委員会では、オリンピック・パラリンピックについて、環境や上下水道、フィルムコミッションなど良好な関係を築いてきた東南アジアをターゲットとすること、ラグビーワールドカップについては、現時点では日本大会に向けた各国代表チームの体制づくりが進められているさなかで、対象国の絞り込みは検討中ですが、これまでの誘致活動の中で関係を深めてきた英国に対し誘致活動を進めてまいりますという、当面の方向性が合意されたところであります。 まず、オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致につきましては、私自身大使館と連携したロケ地誘致のプロモーションに出席するためタイ王国を訪問した際や、ビジネス展開を目指す企業を紹介するためインドネシア共和国を訪問した際には、それぞれスポーツ関係部門の責任者に直接トップセールスを行いました。 現時点の成果として、タイ王国に関しては、スポーツ分野全般を総括するスポーツ・オーソリティー・オブ・タイランドと、ナショナルチームのキャンプを契機としたスポーツ全般の交流について、年明けにも覚書を締結する予定であります。また、インドネシア共和国につきましてもキャンプ地誘致について前向きな議論ができ、今後視察団の受け入れ、スポーツ交流に関する覚書の締結に向けた協議を進めているところであります。 一方、このようにオリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致の実現性が高まりつつあるものの、キャンプで必要となる施設、設備面など早急に検討すべき課題も浮上しています。特に、スポーツ施設のうち、桃園公園内にある市内唯一の公認50メートルの屋内プールは老朽化も著しく、更新時期を迎えていることもあり、キャンプ地誘致の進捗を踏まえて、その前倒しの検討を指示したところであります。 次に、ラグビーワールドカップのキャンプ地誘致につきましては、これまで日本一利便性の高い北九州スタジアムを最大の武器として、市議会の御協力もいただきながら、組織委員会を初め駐日大使館など関係各所にトップセールスなどを行ってまいりました。また、英国名誉領事で本市在住のローレンス・チヴァス氏に、英国本国や大使館の御理解を得て本市の参与に御就任いただきました。今後、同氏の御協力もいただきながら、英国チームへの直接的な誘致活動を展開することとしています。 更に、本市スポーツ大使であるラグビー元日本代表箕内拓郎氏、また、現役日本代表でさきのワールドカップでも華麗なトライを決めた山田章仁氏の両氏を初め、ラグビー関係者の皆様にも御協力いただいているところです。 議員御指摘のとおり、両大会のキャンプ地誘致は今後ますます都市間競争が激しくなることが予想されます。誘致を成功させるためには今後組織体制の強化も図りつつ、施設や国際基準の備品を初めとした環境の整備、また、宿泊、語学ボランティア、医療などの支援体制や受け入れに向けたさまざまな課題の解決にスピード感を持って取り組み、スポーツを通じた元気なまちづくりにつなげてまいりたいと考えております。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(戸町武弘君) 環境局長。 ◎環境局長(小林一彦君) 地域エネルギー拠点について3点御質問いただきました。順次お答えさせていただきます。 まず1点目が進捗についてでございます。北九州市は風況のよさを生かした風力発電や、メガソーラーなどの再生可能エネルギーの拠点となっていること、高効率火力発電の最先端技術開発を行っていること、響灘地区にLNG、石炭の輸入基地を有していることなどから、平成19年に経済産業省から次世代エネルギーの総合拠点として第1号認定を受けるなど、従来からエネルギー拠点の優位性がございました。加えまして、東日本大震災を契機といたしました電力供給のひっ迫を経験し、市民生活、産業活動を支える観点から、地域として一定の責任を果たすことが必要と考え、平成24年度から地域エネルギーの検討に着手したところでございます。 そこで、平成25年度には国、県、市、地元産業界、学識経験者で構成されます北九州市地域エネルギー推進会議を設立いたしました。この会議では、民間の洋上風力や高効率火力発電所の集積と、地域エネルギー会社の設立という2つの方向性が示されたところでございます。それ以降、この方向性で示された取り組みを進めてございます。 風力発電の進捗状況でございます。NEDOの実証事業として浮体式洋上風力発電1件、7,450キロワットです。陸上風力発電1件、6,600キロワット、高効率火力発電の状況でございますが、高効率LNG火力発電1件、最大160万キロワット、高効率バイオマス混焼発電2件、各11.2万キロワットの合計5件が、現在までに地域の環境保全に配慮するための環境アセスメント手続に着手しております。また、地域エネルギー会社の設立では、株式会社北九州パワーが地元企業等の参画を得まして12月1日に設立され、来年4月からの営業開始を目指しているところでございます。 このように、地域エネルギー拠点化推進事業は着実に進んでいると考えてございまして、引き続き北九州市の特性を生かしたエネルギー供給による産業振興と雇用創出の実現を図ってまいりたいと考えてございます。 2点目に、西部ガスの件についてお答え申し上げます。 西部ガスは、響灘地区において平成26年11月にひびきLNG基地を完成させ、従前の倍以上の天然ガスを取り扱える企業となりました。こうした優位性も生かしまして、平成26年1月に響灘地区におけるLNG火力発電所の事業化調査を開始し、同3月に最大160万キロワット規模の発電所設置の環境アセスメント手続に着手しております。環境アセスメント手続は順調に進んでおりまして、現在4段階あるうちの3段階目に当たります環境影響評価準備書を作成しているところでございます。 西部ガスの火力発電計画見直しについて、現在市が把握している状況はという御質問でございますが、西部ガスからは、事業化調査を継続している段階であり、当初発表した平成32年度の事業開始目標自体は変わっておらず、現在も検討を進めている。報道発表されている同日の会見もこれまでの延長線上であり、これまでと違った方針を決定、表明したものではないと聞いてございます。 電力は産業活動、市民生活に不可欠なものであり、発電所の必要性は従来どおりでございます。また、発電所の立地場所としての響灘地区の優位性も何ら変わらないと考えてございます。今後も西部ガスの発電所の建設が順調に進むことを期待しており、市としてもできる限りの支援を行ってまいりたいと考えてございます。 3点目でございます。安定・安価な電力供給ができなくなる可能性が懸念されるが、どうだという御質問でございます。 既に御答弁申し上げましたけども、地域エネルギーの拠点化は響灘地区の優位性を生かした民間発電事業者の集積と、北九州パワーによる地域への電力供給の2つを柱として取り組みを進めているものでございます。1つ目の響灘地区への発電所の集積は、各事業者がこの地区の優位性を生かし、みずからの判断で立地の検討、建設を進めているところでございます。これにより発電した電力を既存の電力会社に卸すのか、需要家に直接小売するかなどについても、各事業者が自社の経営方針により判断するものと考えているところでございます。 一方、御指摘の地域への安定・安価な電力供給につきましては、株式会社北九州パワーが事業主体となります。市の焼却工場のごみ発電に加え、将来的には響灘地区の高効率火力発電などの発電事業者からその一部を比較的安価に買い取る、仕入れるということになりますが、そのことによりまして、その電力を市内の中小企業を初めとする事業者に供給することで実現を図ることとしております。 これら西部ガスや他の高効率火力、洋上風力など発電所の集積と北九州パワーを活用した電力供給は、本市の地方創生の観点からも九州地域の発展の観点からも大変重要な事業であることから、今後ともその実現に向け全力を尽くす考えでございます。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 私からは行財政改革に関連しまして、小・中学校の規模適正化の具体的なスケジュール、そして、市民説明のあり方についてお答えいたします。 全国的な少子化の中で、本市におきましても児童生徒数が減少し、それに伴い学校の小規模化が進んでおります。このため、教育委員会では昭和62年から子供たちの教育効果の向上と教育環境の整備を図るために、計画的に学校規模の適正化に取り組んでまいりました。しかし、更なる少子化の進展など、この間の社会情勢の変化に対応するために、平成26年3月に新たな学校規模適正化の基準を策定し、また、ことし平成27年5月には、学校ごとの児童生徒数の将来推計などを示した学校規模適正化白書を公表したところでございます。 そこで、今年度でありますけども、この白書をもとに行政区単位で、PTAや自治会の役員に学校規模適正化の長期的な展望への理解を深めていただくための出前講演を行っているところでございます。 今回出されました公共施設マネジメント実行計画の素案では25年後、平成52年の時点で、予測でありますけども、小学校で11学級以下、つまり各学年2クラスが確保できないと思われる学校、そして、中学校では8学級以下、各学年3クラスが確保できない、こういう見込みの小規模校95校について、今後40年かけて2校を1校に統合した場合、47校閉校と、こうなりますので、その場合の試算を公表しているところでございます。 今後の学校規模適正化の推進に当たりまして、来年度でありますが、来年度は既に現時点で小規模な学校を中心に施設の収容能力や老朽度、通学距離や通学路の状況などの基礎的なデータを整理するとともに、学校長へのヒアリングなどを通して地域の状況を把握し、検討を進めたいと考えております。こうした検討を踏まえ、早期に着手する幾つかの学校について具体的な学校統合の素案をまとめ、関係者との協議を経て個別計画を策定し、公表したいと考えております。 個別計画の公表後は、教育委員会におきまして保護者や地域の皆さんを対象とした説明会を開催し、その際には過去実施された学校統合で議論になった点あるいはその解決策、それから、その後の学校統合の後の評価、こういったことを紹介するなど丁寧な説明を心がけ、具体的な学校統合への理解促進を図ってまいりたいと思います。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 都市マネジメント政策担当理事。 ◎都市マネジメント政策担当理事(南健一君) 私からは行財政改革についてのお尋ねのうち、市営住宅に関する2点、削減に向けた具体的なスケジュールはという点と、具体化しないと市営住宅について踏み込んでいないイメージを持たれかねないという点につきまして、あわせてお答えさせていただきます。 公共施設マネジメントは、市民の財産である公共施設を再構築する中で、将来における財政負担を軽減するとともに、将来のニーズを見据えて時代に適合したものにするための取り組みでございます。今回の素案では、分野別の公共施設のあり方について基本的な考え方をお示しするとともに、廃止を検討する具体的な施設に言及しております。 市営住宅のマネジメントにつきましては、市営住宅が建設や維持管理に要する費用を家賃収入で回収する仕組みになっておりますことから、既存住宅は適切な維持管理を行い耐用年数まで活用すること、利便性や居住性が高いものなどについては、法定耐用年数を超えまして80年まで活用するように長寿命化を図ること、その一方で今後の集約、建てかえは現在計画中の約1,000戸など最小限のみのものといたしまして、耐用年数を経過する市営住宅の廃止を順次進めること、それから、平成50年ころからの大幅な戸数の減少に対しましては、民間住宅を活用することなどによりまして、必要なサービス水準を維持することとしております。こうした取り組みを進めることで、40年後の保有戸数は約2万戸程度となる見通しでございます。 御質問の削減に向けた具体的なスケジュールを、ということにつきましては、市営住宅は約400団地、1,500棟と施設数が非常に膨大であることから、本編のほうには10年ごとの保有戸数の推移、それから、耐用年数の到来施設数のみを記載しておりますけども、実は資料編のほうにおきまして、耐用年数の到来する具体的な団地名を年代別に掲載させていただいております。 それから、市営住宅の削減ということで申しますと、維持管理費を家賃収入で賄っておりますことから、他の施設と異なりまして可能な限り耐用年数を延長して活用し、その後に廃止していくということにしております。この40年間の削減量でございますが、市営住宅は全体の保有量の約4割を占めておりますけども、削減量で見ますと全体の6割を市営住宅が占めておるということになっております。 今後、市営住宅の廃止に当たりましては、これまで同様、入居者への事前説明など行った上で、理解と協力を得ながら丁寧に進めていく考えでございます。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 2番 西田議員。 ◆2番(西田一君) 御答弁どうもありがとうございました。 まず、市長からCCRCと大規模大会については、かなり踏み込んだ御答弁をいただきました。ありがとうございます。 1つまずお聞きしたいのが、先ほど御答弁にありましたように、地元でもCCRCに興味をお持ちの民間業者さんとかに、セミナーを行ったりしてきたということなんですが、地元の事業者へのセミナー説明会は、周知はどのように今までされてきたんでしょうか。まずお尋ねします。 ○議長(戸町武弘君) 企画・地方創生担当理事。 ◎企画・地方創生担当理事(阿髙和憲君) 事業者への周知ですけども、それはその業界の団体を通じて市役所から、関係部署から周知をしております。企画のほうから周知をしております。 ○議長(戸町武弘君) 2番 西田議員。 ◆2番(西田一君) 例えば、我々議員に対しては、こういったセミナーとか説明会をしますということは、当然事前にお知らせいただいているわけなんですが、例えばそういった団体についても、入っている業者さん、入ってない業者さんいらっしゃると思いますんで、団体のみに周知をするというのは、ちょっと市民に幅広くという意味では、もうちょっと配慮したほうがいいのかなと思いますけど、どうお考えですか。 ○議長(戸町武弘君) 企画・地方創生担当理事。 ◎企画・地方創生担当理事(阿髙和憲君) もちろんそのように考えております。まだ定住、移住、CCRCの取り組みを始めたばかりでございます。今から弾込めをして北九州市の計画を練り上げていくわけでございますけども、今これ、セミナーとかそういうので声かけを始めて、セミナーの実施も始めたところですが、だんだん練り上げていく中で、そういう声かけもだんだん広げていきたいと考えております。 ○議長(戸町武弘君) 2番 西田議員。 ◆2番(西田一君) 私も先日担当の部署にお尋ねしたら、とにかく広く御参加いただきますよということでしたので、今の御答弁のように今後進めていただけたらなと思っております。 それと、市長の御答弁で、例えばアンテナショップのような、そういったことをやっている自治体もあると伺いました。私もぜひそういったものも含めて御検討いただきたいなと思っております。 今、行財政改革を進めておりまして、なかなかお金が今までよりたくさん出ないということもありますが、例えば連携中枢都市圏の構想に当たっては、地方創生に絡んで国から交付税が加算されるので、これは一応恒久財源にはなるわけで、本市については年間2億円ぐらいが国から来るわけなんですが、そういった財源も新たにできますので、財源も含めて御検討いただきたいなと思います。 大規模誘致の活動についてもそうなんですが、例えばいわゆる東京事務所ですね。例えば各省庁との調整であるとか、あるいは国会議員の事務所との調整であったり、あるいは企業誘致の活動であったりとか、従来業務に加えてラグビーワールドカップ、それから、オリンピック・パラリンピック、更には来年のエネルギー大臣会合と、かなりやっぱりノルマというか、負担がふえていると思います。そこはぜひチームとして1人でも2人でもと私は思っております。これ期間が限定されています。ずっとそこに置いておく人員では決してないと思いますので、例えばラグビーに例えれば、ウイングが一人でもふえたら圧倒的にやっぱりチームとして有利にはなるわけですから、そういった人員についてもぜひ御検討いただきたいなと思いますが、いかがですか、人員については。 ○議長(戸町武弘君) 梅本副市長。 ◎副市長(梅本和秀君) 今ウイングの話をされましたけども、ラグビーというのは15人でやって、ウイングが1人ふえるとフォワードが1人減るということになろうかと思います。私ども人員の配置については、適材適所かつ選択と集中の中で取り組んでまいりたいと考えておりますので、今の御指摘も含めて検討を続けていきたいと思います。 ○議長(戸町武弘君) 2番 西田議員。 ◆2番(西田一君) そうですね。ウイングが1人ふえると当然、例えばフォワードは1人減りますよね。失礼しました。 CCRCのモデルの検討についてなんですが、例えば住宅展示場とか、あるいはマンションのモデルハウスとかに行くと、いろんなオプションもつけて、もうすぐにでも欲しくなる、買いたくなるような、そういう展示をして迎えてくれるわけなんです。やはり首都圏でPRするにしても、具体的にその町のその場所に行って生活すると、どういう豊かな生活が送れるのかというのを、やはり東京の人とかにも示してあげる必要というのは、これ絶対あると思います。 今までセミナーとか相談会とか、あるいはいろんな取り組みをやっているCCRC、もう既に日本にCCRCと言っていい地域ってあるんですが、そこに見に行ったりしているわけなんですけど、やはり肝心なのは、この北九州に移住、定住というのは、すごい決断だと思うんです。やはり北九州に住むに当たっては、こういった場所でこういった生活が送れますよというモデルというのは、少しでも早くつくってお示しすることが肝心だと思います。ぜひモデル形成も急いでいただきたいなと思います。 それと、今度ラグビーワールドカップの話になるんですが、山田章仁選手、ちょっと自慢になるんですけど、私の高校、大学の後輩に当たりまして、同じ進路でも人生がえらく違っているわけで、僕も頑張らないといけないなと思うんですが、先日山田選手が北九州に帰ってきて、がい旋パーティーに私も顔を出させていただきました。そこで山田選手の高校のときのラグビーの監督の先生がスピーチでこんなことを言っていました。山田選手は高校のときに既にラグビーのトップリーグ、プロリーグで自分は頑張りたいと明言していたという明確な目標を持っていたようです。 特に高校の話になるんですが、私の卒業した高校というのは、彼の母校でもあるんですが、非常に厳しい軍隊教育でございまして、毎日先生方から浴びせられる、軍隊に例えましたんで、銃弾や爆弾をいかにかいくぐるかということに終始した3年間でありまして、そういった厳しい学校だから、もちろんラグビーだけじゃなくて勉強もしっかりしないといけないと、そういった学校で彼がそんな明確な目標を持っていたというのは、僕はある意味奇跡に近いことなのかなと思っております。 やはり普通の人だと、そこそこの才能があっても長い将来のことを考えると、なかなかプロ野球とかラグビーのプロ選手とかという明確な目標って持ちにくいのかなと思っております。というのが、やはりけがをして人生を棒に振るということもあるでしょうし、あるいは経済状況にチームが影響されるということもあります。そういった意味では、才能のあるそういった子供あるいは生徒が、勇気を持ってそういった世界に飛び込めるような後押しというのを行政でもぜひやっていただきたいなと思います。 先ほど行財政改革の話もしましたが、お金がない中で、じゃあどういった支援するのという話なんですが、例えば市のホームページですね、ホームページのトップに今顔写真が出ているのは北橋市長だけなんですが、そこにそういった有望な子供たちの写真を載せて市民の皆さんに知ってもらうと、市民全体に応援してもらうと、おまえのことはみんなで後押しするぞと、後の人生も精いっぱい支援するからというようなメッセージを送ってあげるべきだと思うんです、例えばですね。そういったことについて何かお考えでしょうか。
    ○議長(戸町武弘君) 市民文化スポーツ局長。 ◎市民文化スポーツ局長(大下徳裕君) 議員御提案のジュニア選手の育成のお話かと思います。本市ではやはりジュニアの選手が非常に優秀な選手がたくさんおります。昨年も市民スポーツ賞の受賞者ですが、市民、団体も含めてですけど68名、そのうち44名が高校生以下でございます。ジュニアスポーツのレベルの高さというのが非常にあるかと思います。 この中でプロのスポーツとか、あるいはオリンピックを目指している選手もおろうかと思いますけども、現在やっておりますのが夢・スポーツ事業ということで、そういったクラブに指導者を派遣してやっている事業がございますけども、議員御提案の励みになるような取り組みというのもできればやっていきたいと思っております。それによって少しでもトップになれるような選手に育っていけるようなことを願って、検討してまいりたいと思います。 ○議長(戸町武弘君) 2番 西田議員。 ◆2番(西田一君) ぜひ子供たちとか、そういった選手が夢を持って頑張れるような環境を引き続きつくってあげていただきたいなと思います。 次に、地域エネルギー拠点化事業についてお尋ねします。 先ほど御答弁がありましたけど、西部ガスさんは計画の変更はないというお返事だったように伺いましたが、この確認は例えばどなたがされたんでしょうか。局長が直接されたんでしょうか。 ○議長(戸町武弘君) 環境局長。 ◎環境局長(小林一彦君) 私ども新聞報道をよく存じ上げております。その中でそういった報道もあっているようだがどうだということを私どものラインの部長が確認をしております。 ○議長(戸町武弘君) 2番 西田議員。 ◆2番(西田一君) どなたが確認したかということをなぜ伺ったかというと、やはり西部ガスさんの火力発電所というのは、今回のこの地域エネルギー拠点の一番の基幹発電所、トータルのかなりの部分を火力発電所が占めるわけです。これが万が一、計画が変更とかということになると、この事業、つまり成長戦略に直結するような事業が根本的に計画が覆されると。部長が御確認されたのもいいんでしょうけど、例えばいろんな調整とか準備とかあるかもしれませんが、ここはひとつ市長が電話の一本でもかけて、おいおいどうなっているんだ、ちゃんとやってくれるよねというような確認はしてもいいんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(戸町武弘君) 梅本副市長。 ◎副市長(梅本和秀君) まず、西部ガス、エネルギーの拠点化構想があります。その中で西部ガスが大規模な火力発電をされるということが表明されました。ただ1つ、ぜひ御理解をいただきたいのは、今現在の西部ガスさんの判断というのは局長が言ったとおりなんですけども、これから先どうなるかということと、このエネルギー拠点化構想がそれでだめになるということは、また違うということをぜひ御理解いただきたいと思います。西部ガスさんの御判断というのは、結局160万キロワットを発電したとき、それがどこで売れていくのかということなんですね。これは発送電分離だとか小売自由化の中で、どこに買っていただけるかというふうなことになりますので、その判断というのはあくまでマーケットの判断だと思います。したがって、これが今後変わっていくということは、それは十分あり得ると思います。可能性としてはあり得ると思いますけども、そのことがこの構想ににわかに影響が出てきて、構想がすぐに破綻するとかだめになるということではないということだけは、ぜひ御理解をいただきたいと思います。 ○議長(戸町武弘君) 2番 西田議員。 ◆2番(西田一君) もちろん構想がそこで頓挫するということはないんでしょうけど、やはり私も従前から当局から御説明は受けていますが、来年度のやっぱり電力の全面自由化というのは、僕は市民にとって、本当に一般市民にとって非常に望みのある自由化になると思うんですけど、そういった中で市内に高効率の火力発電所ができて、要するにトータルの電力で言えばやはり十分に、余分に供給する力があるわけですから、最終的には市民が1円でも安く電力を買えればいいなと思っております。そういう意味では西部ガスさんがやはりちょっと規模を縮小しますとかということになると、めぐりめぐって一般市民の消費、家計にも影響するのかなと思っているんですけど、そこはどうお考えですかね。 ○議長(戸町武弘君) 梅本副市長。 ◎副市長(梅本和秀君) 多分電力料金というのがどうやって決まっていくのかという話で考えますと、西部ガスさんのLNGの発電所の計画が縮小する、縮小しないということとは電力料金の体系というのは、それこそまさに自由化ということになりますので、直接的には関係ないと思います。 ○議長(戸町武弘君) 2番 西田議員。 ◆2番(西田一君) いずれにしても、せっかくの地域エネルギー拠点事業でありますから、ぜひ計画が変わらないにこしたことはないと思いますんで、引き続き西部ガスさんとも協力して進めていっていただきたいなと思います。 最後に、行財政改革における都市マネジメントなんですが、実はもう午前中からこの議論は始まっていることを南理事、お気づきですか。公立幼稚園の問題、これも僕はある意味では公共施設のマネジメントの一環なのかなと思っております。例えば教育委員会は、きょうの午前中、既に活発な議論をやっているわけなんですよ。ただ、市営住宅については、確かに、あれはさっき白書のことをおっしゃっていたんですかね。個別の市営住宅について載っているというのは白書のことですか。 ○議長(戸町武弘君) 都市マネジメント政策担当理事。 ◎都市マネジメント政策担当理事(南健一君) 済みません。素案というのは本編と概要版と資料編とありまして、その資料編のほうには、年代別に団地名を具体的にずっと入れさせていただいておりますということでございます。 ○議長(戸町武弘君) 2番 西田議員。 ◆2番(西田一君) きょうの午前中の議論にもありましたけど、施設利用者、つまり幼稚園の例えば保護者であるとか、そういった関係者なんでしょうけど、例えば説明会をして、いろんな意見をいただいて、その中で当局は苦労して進めているわけなんですよね。当然、市営住宅についてもそういった、例えばここの市営住宅はいつごろに廃止します、ついては住民の皆さん、済みませんけど移転先なんですけど、例えばそこは民間の住宅をお借りして活用するのかとか、いろんな方法はあるんでしょうけど、そういった議論を一刻も早く進めるべきだと僕は思うんですけど、いかがお考えですか。 ○議長(戸町武弘君) 都市マネジメント政策担当理事。 ◎都市マネジメント政策担当理事(南健一君) 市営住宅は、私どもお聞きしている中では、今までも建てかえとかでずっとそういう、今あるところから出ていただいて、また移ってということが起こっておりますけども、2~3年前ぐらいからこういう計画がございましてという御説明に入っていると聞いております。今後、やっぱり廃止に当たっては同じような手続で地元、団地に説明に入って、こういう形になりますということが必要なんだろうと思います。 それともう一つは、将来的な話としては、ずっと何年ごとにこうとなりますので、大体何年ぐらい先にはどの団地がということがおわかりいただけるのかなというのは考えております。 ○議長(戸町武弘君) 2番 西田議員。 ◆2番(西田一君) ぜひそういった議論もどんどん進めていただきたいなと思います。 以上で私の質問を終わります。 ○議長(戸町武弘君) 進行いたします。38番 岡本議員。                (議長退席、副議長着席) ◆38番(岡本義之君) 皆さんこんにちは。公明党議員団の岡本でございます。質問項目が大変多くなりましたので、早速質問に入りたいと思います。 初めに、本市における空き家等への対策についてお伺いします。 本市では平成26年3月に空き家等対策基本指針を策定後、市民に身近な区役所での設置による相談窓口のワンストップ化や、地域との連携による老朽空き家実態調査の実施を初め、老朽空き家等の除却費に対する補助事業の拡充や、空き家対策推進に関する啓発、また、不動産流通団体との連携による空き家バンク制度を創設し、良好な空き家の流通促進にも努め、成果を上げてきました。そして、平成27年度及び今後の取り組みとして、空家等対策の推進に関する特別措置法が本年施行されたことを受け、法に基づく空家等対策計画の策定や北九州市空き家条例の制定に取り組むとともに、法の内容や所有者の責務について周知徹底を図っていくこととしています。 そこで、4点お尋ねします。 1点目に、老朽空き家実態調査の結果を踏まえた危険度の高い空き家について、平成27年内をめどに行うとされた固定資産税課税情報の内部利用による所有者の把握と、是正の助言、指導の実施状況についてお聞かせください。 2点目に、国土交通省は所有者がわからないなど対処が難しい空き家の対策を進めるため、2016年度に先進的な取り組みを行う市町村を支援するモデル事業に乗り出す方針を固め、第三者が空き家の管理や処分を行う民法の財産管理人制度の活用を進めると聞いていますが、モデル事業への応募に向けた対応を考えておられるのか、見解をお聞かせください。 3点目に、山口県の市長会では、空家等対策特別措置法上の空家等の定義を変更し、区分所有の長屋建て住宅や共同住宅も含めるよう国に要望する決議を採択しました。これは、長屋建て住宅や共同住宅は一戸でも居住者がいる場合、特措法の空家等に定義されないため、こうしたケースにも特措法を運用できるように求めたものです。本市においてもこうしたケースがあるのではないかと思いますが、該当する空き家の実態と国への要望を行う考えはないのか、見解をお聞かせください。 4点目に、東京都世田谷区では、行政代執行に至る前に区が撤去を代行したり緊急措置を行うことを可能とする、空家等対策特別措置法の規定に区独自の規定を上乗せした条例素案をまとめ、来年2月の区議会に提出するそうです。空き家の所有者が病院や高齢者施設に入所していて、やむを得ず指導に従えない場合などに柔軟に対応し、早い段階で所有者が撤去や修繕などの代行を区に依頼できるようにするとのことです。本市が制定を目指す空き家等への対策を円滑に推進する条例にもぜひとも取り入れるべきと考えますが、見解をお聞かせください。 次に、身体障害者用自動車改造費の助成についてお伺いします。 本市の自動車改造助成事業では、助成が受けられる対象を、本市に居住する満18歳以上の者で、身体障害者手帳を所持している重度の上肢、下肢又は体幹機能障害者であり、就労等のため、みずからが所有する自動車の一部を改造する必要がある者としており、就労等を目的としない自動車の改造は助成の対象外となっています。 一方、他の政令市では通学や通院、買い物など社会参加等全般を目的とする自動車の改造経費を補助対象としているところが13都市あり、本市のように就労等のみに限定しているところは2都市しかないとのことです。 そこで、お尋ねします。 重度身体障害者の利便性や社会参加の促進を考えると、就労等以外の目的であっても助成の対象とすべきではないかと考えますが、当局の見解をお聞かせください。 次に、本市における児童虐待防止への取り組みについてお伺いします。 厚生労働省によると、全国の児童相談所が平成26年度に受けた相談対応件数は、前年度比20.5%増の8万8,931件で過去最多となりました。また、本市の児童相談所に当たる北九州市子ども総合センターでの相談対応件数は、前年度比19.5%増の454件となっており、児童1万人当たりの対応件数は、平成13年度以降最も多かった平成18年度の28.7件を上回る29.7件となっています。 こうした虐待問題の深刻化を踏まえ、児童虐待の防止策を論ずる厚生労働省の有識者委員会では、11月12日、新たな国家資格を持つ専門相談員を設けるべきとの見解をまとめたほか、児童相談所の負担軽減に向け、通報の緊急性に応じて警察、児童相談所、市町村などに対応を振り分ける仕組みが必要との考えも示し、年内には報告書を取りまとめることとしました。これを受けて厚生労働省では、児童福祉法や児童虐待防止法などの改正案を早ければ来年の通常国会に提出するとのことです。 さて、本市ではこれまで虐待の早期発見、迅速かつ適切な対応及び児童への支援のための連携強化を図るため、児童虐待防止推進事業として、要保護児童対策地域協議会の開催や児童虐待問題連続講座の実施、また、法律研修会の開催や児童虐待対応リーダー養成研修を実施してこられました。また、平成26年度からは、中核的な小児救急病院等に児童虐待専門コーディネーターを配置し、地域の医療機関からの児童虐待対応に関する相談への助言を行うなど、児童虐待対応体制の整備等を図るための児童虐待防止医療ネットワーク事業も開始しています。 そこで、3点お尋ねします。 1点目に、本市の児童虐待相談対応件数や通告件数が平成23年度から増加傾向にあることを踏まえ、これまでの児童虐待防止推進事業の取り組みをどのように評価されているのか、お聞かせください。 2点目に、児童虐待防止医療ネットワーク事業について、虐待に対応するための体制整備の状況と、配置された専門コーディネーターによる助言件数を初めとする実績をお聞かせください。 3点目に、全国的には児童相談所が医師から意見を聞くという国の定めた制度が活用されない中、法医学を児童虐待の見逃し防止に生かす臨床法医学が注目され、大学内に専門の組織を置く動きが出てきたとの報道がありました。千葉大学法医学教育研究センター長の岩瀬博太郎教授は、臨床医はけがを治すのが仕事だが、解剖を通じて死者から学ぶ法医は、人体に傷ができた原因を探ることになれていると説明しています。こうした臨床法医学との連携を視野に入れた研究、準備を進めておくべきと考えますが、見解をお聞かせください。 次に、科学的根拠に基づく教育政策の必要性についてお伺いします。 教育経済学者の中室牧子慶應義塾大学准教授は、著書「学力」の経済学の中で、文部科学省が毎年実施している小・中学校の全国学力・学習状況調査の都道府県別順位は、学校教育の成果をはかる指標としてはほとんど意味がないと主張しています。同氏によると、学力の分析に使う教育生産関数のアウトプットは学力、インプットは教員の数や質、課外活動や宿題などの学校の資源と、親の年収や学歴、家族構成などの家庭の資源であるが、子供の学力の半分が家庭や本人の要因で決まり、学校の資源は授業時間数を除き、ほとんど統計的に有意な影響を与えなかったとの研究結果がある。しかも、学力テストは公立校が中心で私立校の参加が少なく、政策判断に有用な情報はほとんど得られないと指摘しています。一方で、遺伝や家庭の資源など子供自身にどうしようもないような問題を解決できるポテンシャルを持つのは教員であることが、あまたの実証研究の中で明らかになっていることも紹介しています。 また、財務省は2014年10月に、公立小学校の1学級35人の少人数学級を見直し、40人学級に戻すべきだと主張するとともに、35人学級を導入した2011年以降、いじめや暴力行為が変化していないとのデータを示した上で、86億円の費用削減になると説明し、一方の文部科学省がきめ細かい指導ができなくなると反論したことについても、両者ともに信頼できるデータや分析に基づくエビデンス、証拠を示さないままに35人学級の継続が決まったとしています。 更に、日本では教育政策に科学的な根拠が必要だという考え方はほとんど浸透していないが、米国では2001年にブッシュ政権下で成立した落ちこぼれ防止法には、科学的根拠に基づくとのフレーズが111回も使われており、この法律で米国の教育政策は大きくかじを切り、2002年に教育科学改革法が制定されたことによって、自治体や教育委員会がみずから積極的に教育政策の効果を科学的に検証し、そこから得られた知見が、自治体や国など全体の政策とされるようになっていることを紹介しています。 さて、平成25年度の我が国の文教予算は、15年前と比較すると20%以上も減少しています。日本の教育に対する政府支出は国際的に見て低い水準にあるので、教育にもっとお金をかけるべきだと主張もある中で、本年10月、財務省は全国の公立小・中学校の教職員定数について、現在の教育環境を維持しつつ、児童生徒数の減少を踏まえ、2024年までに約3万7,000人を削減することを前提に、文部科学省と協議する方針を打ち出しました。教育予算は将来への先行投資であり、子供たちのため、また、教育現場で働く方たちのためにも客観性がある研究データの蓄積により、より効果ある教育政策を実施していくことが今求められているのではないでしょうか。 そこで、2点お尋ねします。 1点目に、勉強家の教育長も既に紹介した「学力」の経済学をお読みになっていらっしゃるかと思いますが、著者の言うアメリカで当たり前となっている科学的根拠に基づく教育政策の必要性についてどう考えていらっしゃるのか、見解をお聞かせください。 2点目に、著者が進めている研究に対し、当初世間の教育関係者等の対応は冷たく、時には教育は数字ではかれない、教育を知らない経済学者の傲慢な考えだとの辛辣な批判を浴びることもあったそうです。しかし、今では多くの自治体や教育委員会、学校、学習塾、教育関係の非営利法人などから、一緒に共同研究をやっていきましょうと声をかけられるようになり、研究の幅が一気に広がりを見せているとのことです。教育長、実際に共同研究を実施している他都市等の状況を調査し、ぜひとも本市でも中室牧子准教授との共同研究の可能性を検討してみてはと思いますが、見解をお聞かせください。 次に、本市のいじめ対策についてお伺いします。 文部科学省の問題行動調査によると、全国の小学校が平成26年度に認知したいじめは、前年度より3,973件多い12万2,721件で、3年連続で過去最多を更新しました。中・高などを含む全体では18万8,057件で、過去2番目に多かったとのことです。岩手県矢巾町で中学校2年の男子生徒がいじめを苦に自殺したと見られる問題を受け、教育委員会などに再調査を求めたところ、当初の集計より全体で約3万件ふえたそうです。また、小学校でのいじめ認知件数は、大津市のいじめ自殺事件を受け、平成24年に前年度の約3倍に急増し、その後は毎年過去最多を更新しており、認知件数は深刻ないじめの問題が起きると増加する傾向にあると言われています。 このような実態となった要因について文科省の担当者は、小学校にもいじめ認知のノウハウが伝わり、軽微ないじめでも把握しようと努めているのではないかと述べており、各教育委員会からは、統一形式のいじめ発見アンケートと面談を実施し、いじめられていることを訴えやすくした、初期段階のものを積極的にいじめと捉えるように意識したといった項目が多く上がったそうです。 さて、本市ではいじめは人間として絶対に許されない、どの学校でもどの子にも起こり得るとの認識のもと、いじめの未然防止、早期発見、早期対応に努め、いじめが解消するまで継続した対応を行うという方針です。北九州市いじめ防止基本方針に基づき、地域社会全体でいじめの問題に取り組むこととし、児童生徒への対応、指導、学校の対応能力向上と支援、関係機関との連携強化を柱に、いじめ撲滅に向けたさまざまな取り組みを行っています。 そこで、3点お尋ねします。 1点目に、問題行動調査による本市のいじめ認知件数は、平成24年度から平成26年度までの間の3年間で中学校では181件、172件、139件と減少し続け、小学校では98件、58件、71件と一旦減少したものの、平成26年度に増加に転じた実態を、これまでの本市のいじめ撲滅への取り組みに照らしてどのように総括しているのか、お聞かせください。 2点目に、学校におけるいじめの問題に対する日常の取り組みについての調査では、地域の関係機関と連携協力した対応を図ったと答えた小学校は全国で24.4%となっており、外部と協力して問題に取り組む動きが鈍いとの結果が出ていましたが、本市において全小学校でこうした連携が図られているのでしょうか。取り組みの実態をお聞かせください。 3点目に、平成27年度に実施している保護者と学ぶ児童生徒の規範意識育成事業について、福岡県教育委員会はその実施要綱を定め、規範意識育成学習会の実施と実施対象、学習テーマ及び学習内容、選択方法などを示しています。その中で、学習会のうち1回は児童生徒と保護者が同席して学ぶ形態の学習会として実施する、また、1回は専門的な知識を有する有償外部講師を招いた学習会を実施するとなっています。本市でこれまで実施されたこれら2つの形態による規範意識育成学習会について、実施済み校数、児童生徒と保護者の参加者数や、どのような有償外部講師を活用したのか等お聞かせください。 次に、本市における中学校の硬式テニス部設置の実態についてお伺いします。 先日、錦織圭選手の活躍で硬式テニスをやる子供が急増したが、中学生になるとテニスをやめる子が少なくない。部活がある中学校が少ないことが一因とされる。なぜ日本の中学校は硬式テニス部に消極的なのかとの新聞記事に出会いました。前から気になっていたので読んでみると、中学校の硬式テニス部がふえない理由として、日本中学校体育連盟、中体連への未加盟が障壁となっていることが上げられていました。硬式テニスが日本中体連へ加盟されるには、全国9地域中6地域の中体連への加盟が条件で、現在は北海道、関西、四国、九州だけでしか加盟しておらず、その条件を満たしていないとのことでした。 ところで、既に加盟済みの九州地域中体連に所属する福岡県中体連のホームページには、確かに硬式テニスの名がありました。そこで、福岡県内の市町村立中学校の平成27年度部活設置状況を調べてみましたら、全336校中男子が92校で27.4%、女子が54校で16.1%でした。これは軟式テニス部の男子54.5%、女子65.8%の設置率と比べると圧倒的な少なさです。ちなみに、県立高校における硬式テニス部の設置率を見ると、男子が58.5%、女子が51.1%となり、大きく増加しています。恐らくこれは全国的な傾向だと思われます。 さて、本市における中学校の硬式テニス部の設置状況をお聞きしたところ、現在全62校中、男子が14校で22.5%、女子が11校で17.7%の設置となっており、県全体の設置率と比較すると男子は下回り、女子は若干上回っている程度です。しかも、部が常時設置されている学校は全くなく、社会体育施設等で活動しており、中体連の大会に本人、保護者が参加を希望し、校長がその参加を認め、教員が顧問として引率だけはするといった状況です。 そこで、2点お尋ねします。 1点目に、新規に硬式テニス部を開設するには、少子化や顧問教員不足、練習場所の確保等、経費と手間のかかる問題があることは認識していますが、このような本市の設置率や学校内に全く部がない状況をどのように考えているのか、見解をお聞かせください。 2点目に、全国高等学校体育連盟、いわゆる高体連に登録されている硬式テニスの競技人口は、2014年度でサッカー、バスケットボール、陸上に次ぐ第4位で、10万人を超える規模となっています。これを踏まえると、中学校に硬式テニス部があれば、やりたいと思っている子供たちはたくさんいるのではないかと考えます。 そこで、これまで小・中学生を対象に、中学校の部活のスポーツ種目に関する希望調査を行ったことがあるのか、もしなければぜひとも調査を実施すべきと考えますが、見解をお聞かせください。 最後に、戸畑のまちづくりについてお伺いします。 これまで戸畑区の中心部分に位置する区役所周辺地区では、A、B、C、Dと4つの街区に区分し、福祉・文化 ふれあいの戸畑核となるよう計画的な整備が行われてきました。区内に点在する老朽化した9つのスポーツ施設を戸畑区役所に隣接する学校跡地に集約し、市のスポーツの拠点として整備するD街区も現在着々と建設工事が進んでおり、完成が待ち望まれています。平成28年度には施設のうち体育館、室内温水プール、武道場、弓道場、テニスコート、駐車場が供用開始となり、都島展望公園の新野球場完成後には多目的グラウンドの整備も開始され、平成29年度末には全面供用開始の予定であります。これで区内のまちづくり団体等、約20団体の代表者から成る戸畑まちづくり構想検討会の皆さんが、熱い熱い思いを込めて10カ月余りの検討を重ね、平成9年に行政と区民が一体となって策定した戸畑まちづくり構想のいわゆるハード整備は、一部を除き大枠の整備が完成へと近づくことになります。 そこで、お尋ねします。 D街区整備完成時には完成記念式典も行われると思いますが、私はそれだけで済ませるのではなく、その機会に残りのハード整備の推進と肝心なソフト施策の充実の取り組みに向けて、戸畑区民が心を一つにしていく契機となるよう、市の強力なバックアップのもと、戸畑区を挙げての一大イベントを実施してはいかがと考えます。くしくも戸畑駅周辺再整備の目玉として整備されたウェルとばたの開設15周年の節目とも重なりますので、ぜひ記念の一大イベントとして思い切って実施すべきと考えますが、市長の見解をお聞かせください。 以上で私の第1質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(山本眞智子君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 岡本議員の御質問にお答えいたします。 まず、空き家対策についてであります。 空き家対策は喫緊の課題と認識しており、国の法制定を待つことなく、昨年の3月に策定した空き家等対策基本指針に基づいて強力に推進してまいりました。地域にさまざまな影響を及ぼす空き家問題の解消を図るためには、本市の老朽空き家の実態を把握することが必要ということから、昨年度調査を実施しました。この調査は、市が把握しております老朽空き家と、約200の地区、校区の自治会などの協力により情報が得られた空き家について市が現地調査を行い、危険度などを判定いたしました。その結果、調査した7,296件のうち危険ありと判定したものは3,397件、危険なしは3,899件でした。更に、危険ありと判定したもののうち、危険度の高いものが651件、中程度のものが1,376件、低いものが1,370件でした。 お尋ねの税情報の利用につきましては、まずは危険度の高い651件について実施し、所有者の特定を進めているところです。現在、所有者を特定し、指導文書を送付したものが277件、そのうち13件の解体が完了しております。残りの374件についても年内を目途に指導文書を送付する予定であります。 今後は、危険度の高い空き家に対する助言、指導を強めるとともに、中程度のものについても所有者の特定を行ってまいります。老朽空き家の問題は、まちづくりにとりまして重要な課題でありますので、スピード感を持って取り組んでまいります。 児童虐待防止への取り組みについて御質問がございました。 全国の児童虐待相談対応件数の昨年度の速報値は8万8,931件で過去最多でありました。また、直近、平成25年度の死亡事例報告件数は63件であります。連日、幼い命が奪われる痛ましい事件が後を絶たない状況を見ますと、深い悲しみや心の痛みを感じるとともに、憤りを覚えるものであります。 こうした状況の中、深刻化する児童虐待を防止するため、本市では発生の予防から早期発見、早期対応など多くの関係機関との連携を図り、全力を傾注してさまざまな取り組みを行っております。 まず、予防の観点からは、各区の保健師などが乳児家庭全戸訪問事業、ハローベビーサポート事業などを通じまして、子育ての不安や悩みを聞き適切な助言を行うほか、子ども総合センターでは相談が気軽にできるよう、24時間365日体制で電話相談の窓口を設けております。 早期発見の観点では、保育所、小・中学校などを対象とした児童虐待対応リーダー養成研修や、地域の医療機関における虐待の早期発見、また、その後の適切な対応能力の向上を図る児童虐待防止医療ネットワーク事業、更に、市民を対象とした児童虐待問題連続講座や出前講演によって通告義務の周知を図っております。 虐待対応では、子ども総合センターと各区役所が原則として48時間以内に安全確認を行い、生命の危険があるような場合は職権による一時保護を行うなど、児童の安全確保を最優先に対応しております。また、要保護児童対策地域協議会を設置して、学校、保育所、医療機関、警察、民生委員などと情報の共有を行い、緊密な連携に努めております。子ども総合センターを中心として予防、早期発見、早期対応に取り組んできたことで、虐待通告件数が前年度比37%、200件増加しております。市民や関係機関の意識は確実に高まっております。 その結果、従来介入が困難でありました社会的に孤立した世帯にもいち早く介入できるようになったことや、学校、保育所など子供に直接かかわる機関の初期対応能力が向上したことなど、虐待の予防や重篤化・重症化の防止について効果が上がっております。更には、一時保護を行った人数は平成23年度に比べ10%増加し、子供に身の危険が差し迫っている場合などにおいて、警察と協力して対応する件数も平成23年度に比べ3倍に増加するなど、子供の命を守る取り組みは格段に前進しております。 児童虐待は、子供の命に危険を及ぼす最も重大な権利侵害であります。一人でも多くのとうとい命を守るためには行政、市民、関係機関が一体となって、児童虐待の撲滅に向け取り組むことが極めて重要であります。今後とも市の総力を挙げ、児童虐待防止に全力を尽くしてまいります。 児童虐待防止医療ネットワーク事業の体制、また、専門コーディネーターによる助言件数などについて御質問がございました。 このネットワーク事業は、地域の医療機関における虐待の早期発見や、その後の適切な対応能力向上を図るため、市立八幡病院を拠点病院と位置づけ、児童虐待専門コーディネーターを配置し、まず医療機関からの児童虐待に関する相談への助言や、児童虐待の対応能力向上のための研修会の開催、そして、医療機関相互で情報交換できるネットワークづくりの推進などを行っております。そのため、拠点病院である市立八幡病院を中核に、小児救急に対応できる5つの基幹病院、更には地域の医療機関から成る児童虐待防止のための医療ネットワークの構築を目指しております。 議員お尋ねの体制整備の現状につきましては、現在児童虐待防止医療ネットワークの拠点病院の市立八幡病院に院内委員会を設け、症例検討を初めとしたスタッフのスキルアップに取り組み、筑豊地区の拠点病院として実績を上げている飯塚病院との症例研究会をスタートさせるなど、市立八幡病院が今後拠点病院としての機能を十分発揮できるよう体制整備を進めております。 更に、当該ネットワークを構成する地域の医療機関から、市立八幡病院へ児童虐待を疑われる事案について情報提供が円滑に行われるよう、市の医師会などにおいてこの事業の周知を行い、虐待によるけがの特徴などをまとめた児童虐待防止マニュアルの作成、周知を行ってまいりました。 その結果、現在までに児童虐待専門コーディネーターへの相談が56件あり、その内訳としては八幡病院内からの相談が47件、地域の医療機関などからの相談9件となっております。また、その内容は身体的虐待に関するものが18件、ネグレクトに関するもの18件、心理的虐待に関するもの1件となっており、そのうち子ども総合センターへの通告につなげることができたものが13件ありました。 具体的な事例ですが、この児童虐待専門コーディネーターへの相談をきっかけに、熱湯によるやけどの治療が中断していた、いわゆる医療ネグレクトの子供を早期に発見、治療の上、保護することができた事例もあります。既に一定の成果を上げているところです。 今後とも市内の医療機関の虐待を見きわめる視点やスキルの向上を図り、拠点病院を中核に基幹病院、地域の医療機関相互のネットワークの構築に向けて体制の整備に努めてまいります。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○副議長(山本眞智子君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(大関達也君) 私からは空き家等の対策について3点の質問に順次お答えいたします。 1点目に、財産管理人制度の活用についてであります。 国土交通省の先駆的空き家対策モデル事業は、専門家などと連携し、十分な先例がない空き家の先駆的な取り組みを行う市町村に対して、その実施等に要する費用を支援するものとして、平成28年度予算概算要求に盛り込まれております。具体的には、空き家の所有者や相続人がわからない場合に、弁護士や土地家屋調査士などと協議会を設置し、財産管理人制度を活用して、所有者以外の第三者が空き家の管理や処分することに係る費用、また、行政代執行費用の差し押さえ、徴収等に係る費用を支援するものであります。 空き家等の所有者の把握に当たりましては、税情報や登記情報を活用して調査しているところでありますが、実際には所有者の所在が不明で接触できない場合、また、法定相続人を含め所有者が死亡している場合など、所有者の不明、不在により対応が進まないケースもあります。本市としましても所有者の不明、不在の案件への対応が、今後の空き家対策を進める上での課題の一つであると認識しておりまして、法律や不動産などの専門家の意見を伺いながら、財産管理人制度の活用について研究してまいりたいと考えております。 2点目に、空家等の定義の見直しについてであります。 本市が昨年度に実施した老朽空き家実態調査では、長屋建て住宅は1戸ごと、また、共同住宅は1棟ごとに空き家の状況を判定しております。そのため、今回の調査では一戸でも居住者がいる共同住宅の実態について把握できておりませんが、長屋建て住宅や全戸が空き家の共同住宅のうち危険ありの空き家は734件ありました。 空家等対策特別措置法では、建築物の一部が使用されている場合は空家等に該当しないことから、1戸でも居住者がいる長屋建て住宅や共同住宅の空き家につきましては、この法による対応ができないということになっております。そのため、空家等に該当しない建築物につきましても、建築基準法などの他の法令や条例により対応するよう、国のガイドラインなどに示されております。 本市は、建築基準法に基づき、危険箇所の改善の指導ができる特定行政庁でありますことから、これまでもこの権限により、老朽危険家屋に対する指導を行ってまいりました。今後も特別措置法の対象とならない長屋建て住宅や共同住宅の空き家につきましても、個々の状況を踏まえ、建築基準法のほか、他法令の目的に沿って適切に対応したいと考えております。 3点目に、空き家の撤去や修繕などの代行についてであります。 世田谷区空家等の対策の推進に関する条例、これ素案でございますけれども、これは安全代行措置として、空き家の所有者などがやむを得ない事情により是正に関する助言、指導に対応できない場合に、区長に対して自己の負担において当該措置の代行を依頼することができるとしております。 本市の空き家条例は、法の内容を補完するものとし、具体的には危険箇所を緊急的に除去するなどの安全措置に関すること、また、特定空家等について諮問する審査会に関すること、更に、特定空家等に対する勧告後の氏名等の公表などを盛り込むことを検討しております。 議員御提案の撤去や修繕などの代行措置につきましては、本市においても今後同様なケースが想定されますことから、先行している自治体の取り組み状況を調査し、条例案を作成する中で検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(山本眞智子君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(工藤一成君) 身体障害者用自動車改造費の助成につきましてお答え申し上げます。 本事業は昭和50年に開始した事業でございます。当時困難であった重度障害者の就労の促進を目的とした事業でございますが、近年高齢の障害者等の増加に伴い、自動車利用による就労以外の買い物や通院等の社会参加のニーズも増加していると認識をいたしております。このようなニーズに対応し、自動車改造の助成対象を就労以外に拡大した場合、利用者の増加に伴う新たな財源の確保が必要となってまいります。 一方、障害者の社会参加の促進のための支援といたしましては、そのほかにも手話通訳や要約筆記といったコミュニケーションに係る支援、更に、生活の基盤となる就労や就労後の職場定着のための支援等々、さまざまな要望やニーズが寄せられております。このため、自動車改造の助成対象の拡大につきましても、限られた財源の中で障害者の社会参加をどのように促進していくかという全体的な視点で、優先度を考えながら研究を行ってまいりたいと考えております。以上です。 ○副議長(山本眞智子君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(近藤晃君) 私からは臨床法医学との連携について答弁させていただきます。 児童虐待事案の対応の中には、被虐待児童に傷、あざなどがあっても、保護者が虐待を認めないため原因がはっきりせず、対応に苦慮するケースがございます。特に、乳幼児揺さぶられ症候群など外傷がない場合には、受傷に至る原因や経緯につきまして、保護者の説明と医学的所見との間に大きく食い違いが見られるケースもございます。 このような場合におきまして、本市におきましては、子ども総合センターが保護者の聞き取りや医療機関の診断をもとに事実確認に努めまして、虐待の判断を行っているところでございますが、受傷の原因がどうしてもわからない場合には、医療ネットワーク事業の拠点病院でございます市立八幡病院の協力を得まして、小児科医などにセカンドオピニオンを依頼するなど、原因究明に努めているところでございまして、職権による一時保護など、子供の安全確保を最優先に対応させていただいております。 また、職権による一時保護の後、引き続き保護者が虐待を認めず、子供を保護者のもとに帰すことのリスクが極めて高いケースにつきましては、児童養護施設への入所措置などを検討することになりますけども、保護者が入所について同意しない場合には、家庭裁判所に審判を仰ぐなど法的対応を行っているところでございます。 このように、保護者が虐待を認めないケースにおきまして、受傷の原因を医学的見地から究明することは極めて重要でございます。本市の医療ネットワーク事業におけますセカンドオピニオンに加えまして、議員御指摘の臨床事例に精通した法医の判断を仰ぐことは、大変有意義なことであると考えているところでございます。児童虐待の対応困難ケースが増加する中で、専門的見地からの的確な判断に基づきまして更に適切な対応を行うためにも、大学医学部内に設置されております法医学教室との連携について検討し、子供の命を守る体制を更に強化してまいりたいと考えているところでございます。以上です。 ○副議長(山本眞智子君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 教育行政に関しまして大きく3つの御質問をいただきましたので、順次お答えいたします。 まず、科学的根拠に基づく教育政策の必要性でございます。 学力向上施策など教育施策をより効果的なものにするためには、個人的な体験や特殊な体験だけが取り上げられるのではなく、客観的なデータを踏まえて行うことが重要であると考えております。ただ、データに基づいて施策の立案を行う場合には、教育の目的は知徳体をバランスよく育成するのでありますから、データで捉えがたい側面、例えば関心、意欲、態度、道徳性、こういったことについて施策の成果が見過ごされる可能性があろうかと思います。 また、ある施策について信頼性の高い効果測定を行うためには、その施策が実施された場合と実施されなかった場合とを、子供たちを相手に比較するということがありますが、そういうことができるケースは非常に限られているという問題もあります。 それから、統計的に有効であるとされた取り組みは、あくまで有効である場合が多いということでありまして、一人一人へ実際に適用した場合に必ずしも効果があるというわけではないという、こういった点に留意をする必要があるかと思います。 御紹介いただきました「学力」の経済学でありますが、夏ごろでしたか発売されまして、私もすぐ読みました。教育委員会の内部でもみんなで読みました。共感するところも結構多うございまして、例えば学力に対して家庭や地域等も影響を与えること、あるいは学習意欲、忍耐強さ、やり抜く力といったいわゆる非認知スキルを育む就学前の教育は重要である、こういったことについては大変共感したところであります。 本市におきましては、これまでもさまざまなデータを収集、活用して施策を立案しておりますけども、例えば学力向上につきましては、大学の教授や小・中学校の校長、保護者代表などから成る会議を開催いたしまして、さまざまな専門的な立場から多面的に検討を行っております。また、全国学力・学習状況調査の結果のデータを活用して、学力と生活習慣、学習習慣、こういった相関関係などを分析しているところであります。更に今年度は、新たに実施いたします市独自の学力状況調査の結果の活用が今年度からできますので、同一集団の経年変化を捉えるといったこともできるようになると思います。 この共同研究につきましてでありますけども、これは先方の先生の御都合もありますので、この場でなかなかお答えしにくいところでありますけども、少なくとも専門家の意見を伺いながら、きちっとデータを分析して教育政策をよりよいものにしていきたいと考えております。 次に、いじめ対策についてであります。 本市での小・中学校を合わせたこの3年間のいじめの認知件数の総数は減少傾向にありますが、平成26年度は小学校高学年で若干増加をしております。その背景には、1つはアンケートやその後の面談などの取り組みを丁寧に行ったことにより、児童がより訴えやすくなったこと、それから、初期段階のものや、ごく短期間で解消したものも積極的にいじめとして捉えるよう教職員の意識が変化してきたこと、それから、今回は文部科学省が、いじめと判断しなければならない具体的な事例というのを示しましたので、これまで人間関係のトラブルとして私どもで捉えていたものをいじめとして報告したこと、こういったことが増加の原因かと思います。 関係機関との連携でありますが、市内全校で学校いじめ防止基本方針を定めて、教職員が初期の段階で認知し、校内で情報の共有を図るとともに、スクールカウンセラーなどとともに積極的に連携するといった早期解決に努めておりますことから、結果として関係機関との連携協力に至る前に適切に対応できているものが多いと。こういうことで、数字として必ずしも関係機関との連携が上がってないということだと思いますが、体制は十分に整っておりまして、積極的に連携を図った事例を幾つか挙げますと、子ども・家庭相談コーナーから情報提供があり、いじめの問題が判明したケース、あるいは各警察署に配置されているスクールサポーターが来校したときに、いじめの問題について相談を行ったケース、こういったことがございます。 お尋ねの県の事業であります規範意識育成学習会でありますが、大変有意義な事業だと思っております。今年度は、年度中には全ての学校で実施される見込みであります。11月末の現在の実施済み校は、対象校全体のうち小学校で約85%、中学校で87%が実施済みでございます。参加者数は児童生徒が延べ約5万3,000名、そして、保護者が約3,200名となっております。今後も引き続きいじめ問題の克服に向け学校や保護者、関係機関と一層連携を深めながら取り組みを推進し、児童生徒が安心して楽しく健やかに成長できる学校を目指してまいりたいと思います。 最後に、中学校における硬式テニス部の設置でございます。 まず、中学校の部活動の現状でありますが、市内全ての中学校において毎年2月に、新入生と保護者を対象としまして学校説明会を実施しております。その中で部活動の紹介や体験入部などを行いまして、各中学校の部活動の現状を知らせております。 部活動の開設につきましては、各中学校の生徒数や顧問である教職員の配置状況、施設といった学校の状況に応じて、開設する部活動を決定しております。現状では1校の平均で大体11から12の部活動が開設をされております。また、卒業するまで生徒の活動を保障するという観点から、既にある部活動を維持、継続することがどうしても優先されております。 小・中学生を対象とした中学校の部活動のスポーツ種目に関する希望調査でありますけども、生徒や保護者の希望どおりに開設することができないということも多いのが現実でございますので、全員に対する調査を行っていないところでありますが、説明会等で個別に生徒や保護者から部活動の新設の希望があった場合には、顧問や外部講師の可能性あるいは活動場所などを総合的に考慮して、新設をするかどうかを判断しているところでございます。 更に、地域のスポーツクラブなどで活動している生徒から、中学校体育連盟の大会への参加希望があった場合には、校長が中学校体育連盟への部活動としての登録を認め、多くの競技で大会参加ができるようになっておりまして、そういう活動の場が与えられているところであります。 そこで、テニス部でありますが、質問にも幾つか御紹介されましたが、本市におきまして軟式テニス部は男女合わせて36校に開設されておりまして、部員が全部で1,850人となっております。これまでも長年にわたって本市の中学校体育連盟にその種目が登録され、大会が開催されてまいりました。 一方で、硬式テニス部でありますが、平成25年度に県の福岡県中学校体育連盟に種目が登録されまして、平成26年度から県大会が開催されております。本市におきましては男女合わせて19校で126名が活動しておりますが、今年度より市内大会が開催されたために、今後登録数がふえることが予想されます。 なお、開設しております19校は、実際に学校での活動をしているわけではございませんで、生徒は地域のスポーツクラブなどで活動しております。県全体を見まして、校内で活動している公立の学校は筑後地区の2校だけとなっております。 各学校では、少子化や顧問教師の不足などさまざまな問題を抱えておりまして、生徒や保護者の期待に応えられないといったケースも少なくございません。そのために、地域のスポーツクラブなどで活動し、中学校体育連盟の試合にも参加できるという現在の仕組みは、生徒や保護者の期待に応えられるだけでなく、教職員の負担軽減という意味からも一つのあり方として有効ではないかと考えております。これは、例えば水泳競技あるいは体操や新体操、空手、こういった種目も同様のケースが多うございます。ぜひこの辺は御理解いただければと思います。 しかしながら、学校内で活動する硬式テニス部の新設につきましては、注目度も高まっておりますので、生徒や保護者から学校に対して希望がありました場合には、指導できる顧問あるいは外部講師、入部希望の生徒数、施設、こういったことを総合的に考慮して校長が個別に判断していくことになると考えております。今後も多くの生徒、保護者のニーズに応えるとともに、保護者の理解、協力を得ながら部活動の振興に努めてまいりたいと思います。以上でございます。 ○副議長(山本眞智子君) 市民文化スポーツ局長。 ◎市民文化スポーツ局長(大下徳裕君) 私からは戸畑区のまちづくりにつきまして御答弁を申し上げます。 平成9年に策定をいたしました戸畑区まちづくり構想は、戸畑区民と行政が一体となりまして、21世紀に向けた戸畑区のまちづくりの方向性をまとめたものでございます。多様な顔を持つやすらぎと豊かさのある住宅都市を基本目標に、戸畑駅の周辺地区、戸畑区役所の周辺地区、牧山海岸の周辺地区など5つの地区につきまして整備計画を策定いたしました。 戸畑区役所の周辺地区では、福祉・文化 ふれあいの戸畑核を基本テーマに、A、B、C、Dの4つの街区の整備を行うことといたしまして、これまで小学校、消防署、区役所、高齢者向けの市営住宅、保育所、図書館などの整備を順次進めてまいりました。来年度には、区内に点在していますスポーツ施設を集約するD街区の整備が一部を除いて完了しまして、戸畑区の再生を図るまちづくり構想にとって一つの節目を迎えることとなります。スポーツ施設のオープンに当たりましては、利用者や関係団体にも御参加をいただきまして、オープニングの式典を実施したいと考えております。 戸畑区では、御指摘のとおりハード面の整備が整ってきたことから、これらを踏まえまして、今後もコミュニティー活動の活性化や健康づくり、安全・安心のまちづくり、伝統文化を生かしたにぎわいの創出など、ソフト施策の更なる充実を図ることが重要になってまいります。生まれ変わった町並みや施設を生かして、戸畑がまちづくりのテーマに掲げます心豊かで快適な生活が楽しめる文教の町を目指して、住民の主体性を尊重しながら、さまざまな施策の推進に努めてまいりたいと考えております。 なお、イベントにつきましては、これらの施策を進める中で地元の皆様の意見を伺ってまいりたいと思っております。以上でございます。 ○副議長(山本眞智子君) 38番 岡本議員。 ◆38番(岡本義之君) 第2質問をさせていただきたいと思います。 初めに、戸畑のまちづくりについて御答弁いただきましたけども、一大イベントの実施については、地元の意見を聞きながら検討していきたいという話をいただきましたけど、しっかり本当に5市合併以降、戸畑がどんどん廃れているという中で、戸畑を思う人たちが集まって検討会の中ででき上がってきた戸畑まちづくり構想です。大方そのハード面の整備が終わるということで、今回こういう提案をさせていただきましたけど、しっかり御意見を聞いていただいて進めていただきたいなと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 それから、中学校の硬式テニス部の設置について御答弁いただきました。私も中学校は軟式テニス部で、高校で硬式テニスです。今では考えられない、昔は痩せていましたのでやっていましたけども、もし中学校で硬式テニスがあったらどうだったのかなと思いがありました。その中で、今回日本発祥と言われている軟式テニスと共存しながら、やっぱりオリンピック競技にも硬式テニスは入っておりますし、共存しながら中学校でこういったスポーツができるように、また、いろんなスポーツを小学校から中学校に上がるときに子供たちが選べる環境づくりが必要じゃないかなと、そういう思いもいたしまして質問をさせていただきました。 今、硬式テニス部をつくりたい学校関係者と支援する団体、企業を結びつけて道具とかコート、指導者などの支援を呼びかける活動、これは中学校に硬式テニス部を増やそうの会という会があって、そういう活動をされていて支援されているみたいなんですけども、先ほど教育長もおっしゃったみたいに、しっかり行政だけじゃなく、中学校側だけじゃなくて民の力も活用しながら、ぜひ部活設置数をふやしていただきたいのと、やはり希望をかなえられないからアンケート調査はと言われましたけど、やっぱり皆さんの思いが盛り上がってくることも大事かと思うんで、一度はこのスポーツ種目に関する希望調査の実施をぜひしていただきたいことを要望させていただきたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきますけど、まず、空き家対策ですけども、先ほど財産管理人制度の活用のモデル事業等について質問させていただきました。空き家対策には除却だけでなく適正な管理と、その利活用が重要なことは皆様も思っているとおりと思うんですけども、一般社団法人空き家管理士協会というところが、所有者のかわりに適正に管理できる専門家を育成するための民間資格を創設して、これは認定のみならず、合格者を対象とした実地研修を通して管理士のレベルアップを図っているそうです。今、国の動きと合わせて志願者が増加傾向にあるとのことなんですが、研修を受けたある不動産業者の方は、地方の人口減は深刻だが、空き家が賃貸や中古住宅の市場に回れば移住者もふえるはずと、空き家管理のNPO法人設立を目指しているそうです。 また、徳島県では空き家の劣化状況から利活用を判定する独自の基準をつくって、建築士を空き家判定士として養成し、現地に派遣し、基準に基づき所有者への補修費用の補助事業等も検討中だという情報があります。本市が進める良好な空き家住宅の流通促進のためにも、こうした空き家の適正管理や利活用の可能性を判定するような専門家の育成支援というのは重要になってくるかと思いますが、御見解をお聞かせください。 ○副議長(山本眞智子君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(大関達也君) まず、良好な空き家について、例えばCCRCといいますか、移住をされる方のための活用ということもちょっと議員からお話がございました。この良好な空き家の活用につきましては、北九州市で空き家バンクというのを創設しております。これは先ほど言いましたように、不動産事業者と連携して中古住宅の流通を促進するということ、それと何よりも老朽空き家になることを未然に防止するということになると思います。実績といいますか、これらの取り組みで31件ほどの新たな活用がなされているという状況でございます。 まず、移住うんぬんの関係につきましては、議員の御提案の内容を含めて幅広く取り組んでまいりたい、その制度を活用しながらと。そう思います。それと、我々この空き家の対策についてはいろんな自治体、いろんな関係機関とどのような取り組みが非常にいいのかということについては、いろんな情報交換等もしながらやっていますので、そういうことも踏まえながら、この空き家対策についてはちゃんと取り組んでまいりたいと思っています。以上でございます。 ○副議長(山本眞智子君) 38番 岡本議員。 ◆38番(岡本義之君) ありがとうございます。市長も空き家対策は本市にとっても重要な取り組みであるというお話をされました。国の動きや各地の先進的な取り組み、しっかりアンテナを張っていただいて、本市にとって有効な取り組みであれば積極的な活用をお願いしたいと思います。 次に、身体障害者用の自動車改造費の助成についてですが、先ほどいろんな団体からのいろんな要望もある中で、優先順位を考えて研究していきたいという局長の答弁がありました。端的に言って、いわゆる社会参加全般を目的とした助成を実施している13都市と本市の違いは何でしょうか。 ○副議長(山本眞智子君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(工藤一成君) 13都市と本市の違いということでありますけれども、これ基本的にはいろんな各都市に沿革があって現在の状況ということでございます。障害者の方の社会参加ということについては、当局といたしましても差別解消という法も施行されますので、今後非常に重要になってくると思っております。施策としては推進していきたいと思っておりますが、全体の予算のバスケットの中で優先順位を考えながら取り組んでいきたいと思っております。以上です。 ○副議長(山本眞智子君) 38番 岡本議員。 ◆38番(岡本義之君) 局長の思いはわかりました。ありがとうございます。かつて北九州市の市の駐車場を利用料を減免するに当たって、市内居住の方しかだめという規定がありまして、他市から来られた方が非常に残念な思いをしたということを紹介して、今では市外から来られても減免していただくようになりました。そういった優しい思いで、一刻も早くこういった社会参加全般にも、目的でも利用できるように、ぜひとも推進をお願いしたいことを要望しておきたいと思います。 次に、児童虐待のお話の中で、専門コーディネーターの助言件数が56件で、八幡病院内からは47件、地域の医療機関から9件というお話がありましたけど、今回のこの医療ネットワーク事業の目的から考えて、各地域の医療機関の対応力の底上げに効果を上げているかどうか、率直な意見を聞かせてください。 ○副議長(山本眞智子君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(近藤晃君) 答弁でもちょっと申し上げたんですけども、平成26年6月に事業をスタートいたしまして、将来的なネットワークは、拠点病院である八幡病院と、小児科救急に対応できる5つの基幹病院、そして、地域内の医療機関という3層構造のようなネットワークを目指しておるところでございます。今、拠点病院のスキルアップということでお答え申し上げました。まだ9件ということでございますけども、拠点病院、基幹病院の機能が発揮できるように、今スキルアップを中心にやって、並行して相談に対応するというようなことをしておりますので、将来的には早期にネットワーク構築をした上で、十分効果を発揮できるように今取り組んでいるところでございます。 ○副議長(山本眞智子君) 38番 岡本議員。 ◆38番(岡本義之君) ありがとうございます。局長には先ほど臨床法医学との連携、活用については、しっかりやっていきたいという前向きな答弁をいただきましてありがとうございました。この臨床法医学の可能性について、日本大学の内ケ崎准教授は、児童虐待だけでなくドメスティック・バイオレンス、いわゆるDVやレイプの防止に関心のある医師を、なり手不足の法医学の分野に呼び込むきっかけになるのではないかと期待をしているんですけども、行政とか国がそういった活用を進めれば、そういった分野にも活用範囲が広がるんじゃないかなと思いますんで、ぜひとも頑張っていただきたいなと思います。 時間も余りありませんが、いじめ問題について、先ほど教育長の答えの中でちょっと私聞き逃したのかもしれませんけど、どういう有償外部講師を活用したのかということ、たしか漏れていたと思うんで、聞かせていただけますでしょうか。 ○副議長(山本眞智子君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 先ほど失礼しました。答弁が漏れておりました。規範意識育成学習会についての有償外部講師でありますが、NPO法人の子どもとメディアの公式インストラクターあるいは県立大学の教授、こういった方々に来ていただいております。以上です。 ○副議長(山本眞智子君) 38番 岡本議員。 ◆38番(岡本義之君) 龍谷大学の松浦教授は、いじめは閉じられた関係性の中で起こり、教員の力だけではなかなか防止が難しいと。初期段階で摘み取る教員の努力と、同時に学外講師を招いて、生徒が客観的に自分を見詰められる場を設けることが必要だという話をされています。 それで、今注目を浴びているのが、特に人権の視点から、いじめが大切な権利を傷つける行為であることを伝える弁護士の活用であったりとか、劇団が学校を訪問して、演劇を通していじめを考えさせる活動などが効果を上げて、今注目されていると聞いています。特に、この弁護士さんの活用では、教師のいつになく真剣な表情が印象的だった、担任と弁護士では生徒への伝わり方が違うのかもしれない。生徒の感想としては、こんなにじっくりいじめを考えたのは初めて、人権を傷つける行為だとよくわかったと。また、この劇団の責任者の方は、演劇を通していじめられている人の心の景色を知ってほしい、いじめの傍観者がいなくなるまで活動を続けたい。いじめを実際受けた子供たちに自分のことを語っていただいて、即興的にプレーバックシアターという手法で、これはアメリカで始まったそうですけど、そういった取り組みをやっていることで効果が上がっているというお話を聞いております。ぜひ今紹介いただいた有償外部講師のほかに、こういった方も活用していただきたいと思いますが、意見があれば。 ○副議長(山本眞智子君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) いじめ防止に対しては、非常に有効的な方策がたくさんあると思います。御指摘の、御提案の点も含めていろいろと工夫をしてまいりたいと思います。以上です。 ○副議長(山本眞智子君) 38番 岡本議員。 ◆38番(岡本義之君) 終わります。 ○副議長(山本眞智子君) ここで15分間休憩いたします。                  午後3時1分休憩                  午後3時21分再開 ○議長(戸町武弘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。 一般質問を続行いたします。30番 福島議員。 ◆30番(福島司君) ハートフル北九州市議会議員団を代表して一般質問を行います。 まず、公共施設のマネジメントについてお伺いします。 公共施設のマネジメントについては、本年5月に北九州市公共施設マネジメントの考え方、方向性が示され、11月には公共施設のマネジメント実行計画の素案が発表されました。今後、市民説明会の開催やパブリックコメントを経た後、来年2月には成案をまとめると聞いています。 そこで、3点お伺いします。 第1に、公共施設白書データの分析結果では、施設の稼働率の結果について指摘されていますが、今後のマネジメントを検討していく上でなぜ稼働率が低いのか、その要因について分析することが必要だと考えますが、見解を伺います。 第2に、素案では施設保有量削減及び財政負担軽減の見通しは出ていますが、廃止又は他施設へ集約された施設の跡地利用の基本的な考え方、また、売却益をどのように見積もっているのか、見解を伺います。 第3に、大里地域のモデルプロジェクトについてお伺いします。 大里地域の再配置スケジュールでは、競輪場跡地の整備について、門司陸上競技場は廃止し、跡地の西側をスポーツ施設ゾーンと位置づけることとしています。スポーツ施設の整備は平成30年代後半で、それまでは広場として暫定利用することとなっています。そして、その他の部分は公園としての利用と住宅地として活用することとなっています。特に、住宅の整備については平成29年度からと、スポーツゾーンの集約、再配置より前倒しで売却整備するとしています。 御承知のとおり、大里地区は門司区の人口の半数を抱え、住宅密集地域です。その中で大里公園、競輪場跡地は唯一残された大規模な公共空間であり、市民にとっても大切な財産です。門司陸上競技場のフィールドは行政が整備しない中でも、老人クラブのグラウンドゴルフ大会や少年サッカー、中学校の陸上部、陸上フィールド競技の練習などに利用されてきました。 マネジメント方針にもあるように、効率的に多目的に利用できるものとして整備するのであれば、施設だけではなく、さまざまなスポーツやイベントに利用できる多目的グラウンドも整備すべきであり、そもそも住宅地には適していないと考えます。これまで門司競輪場の廃止から10年以上放置され、スポーツ施設の整備が更に10年後となれば、20年が経過することとなります。この時間を考えるならば、住宅整備の民間売却だけを急いで前倒しするのではなく、競輪場跡地の全ての公共施設の再配置が終わった段階で判断してもよいのではないかと考えますが、見解を伺います。 次に、県費負担教職員の給与負担等の権限移譲についてお伺いします。 県費負担教職員の給与負担等の権限移譲については、平成25年11月14日に指定都市と関係道府県において、国が地方財政措置を検討し、適切に講じることを前提として、道府県から指定都市へ個人住民税所得割2%の税源移譲をすること、移譲時期については平成29年度をめどに可能な限り早期に行われるよう、実務的な検討、準備を進めることで合意し、平成26年5月28日に成立した地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律、いわゆる第4次一括法を受けてこの間協議が進められてきています。 今回の権限移譲に当たっては、学校現場に混乱を生じさせることなく、また、県費負担教職員に不安を与えることなく、県から指定都市へ混乱なくスムーズに移譲することが求められています。そのためには、さまざまな課題について整理あるいは整備していかなければなりませんが、本市にとって最も大きな課題は財源の確保だと考えます。 指定都市としても平成28年度国の施策及び予算に関する提案の中で、県費負担教職員の給与などの負担、定数の決定、学級編制基準の決定等、県費負担教職員制度に係る包括的な権限が指定都市に移譲されることに伴い、必要となる財源について、現在道府県が提供している教育行政の水準を維持できるよう、教職員給与はもとより、移譲に係る事務関係経費を含めた所要額全額を適切かつ確実に措置することを求めています。 また、本市議会においても9月定例会で、県費負担教職員制度の見直しに伴う適切な地方財政措置を求める意見書を全会一致で可決しています。 そこで、2点お伺いします。 第1に、平成29年4月1日に予定されている権限移譲に向けて、関係者の中で協議が進められてきていますが、これまでに整理された課題及び残された課題についてお伺いします。 第2に、財源確保に向けた取り組みとその見通しについて見解を伺います。 次に、総合防災訓練の成果と課題等についてお伺いします。 10月25日の日曜日、県立門司大翔館高校を拠点に、藤松校区において北九州市総合防災訓練が行われました。また、9月5日の土曜日には門司区総合防災訓練が松ヶ江中学校を拠点に、松ヶ江北校区において開催されました。防災訓練は市や区、地域、あるいはマンション、企業などさまざまなレベルでそれぞれの目的を持って行われていると思います。 市や区の総合防災訓練では、消防を初め関係機関、住民が参加する中で行われていますが、従来は消防を初めとした防災関係機関の訓練の成果を見学するという意味合いが強かった感じがします。しかし、最近は住民が防災訓練の主体者として参加し、避難誘導の実践や防災意識を高めることを重視しているように感じます。東日本大震災以降、地域防災計画も大きく見直し、住民自身が自分の命は自分で守る、そして、地域で守るという防災意識を徹底していくことは大変重要なことと考えます。 そこで、3点お伺いします。 第1に、市や区の総合防災訓練の目的及び成果と課題について伺います。 第2に、市の総合防災訓練では門司大翔館高校の生徒、門司区総合防災訓練では松ヶ江中学校の生徒が参加しましたが、子供たちが果たした役割と成果について伺います。 第3に、防災訓練に参加した住民の皆さんの声はどのようなものであったのか、お聞かせください。 次に、ジュニアリーダーの養成についてお伺いします。 ジュニアリーダーの養成は、全国的には子ども会が中心になって自治体と連携して取り組んでいます。公益社団法人全国子ども会連合会では、中学生、高校生をジュニアリーダーの対象者として、初級、中級、上級それぞれのカリキュラムと認定制度を持っています。それに基づいて各県市区町村で養成に取り組んでいるところでございます。研修を通じて目指すジュニアリーダー像は、1つ目は、指導機能を学びグループ指導の能力を備える、2つ目には、援助機能を学びグループ育成の役割を果たす、3つ目には、みずからも学ぶ存在として自己啓発と技能習得に励み、指導者としての基礎を築くものです。 本市では、子ども会を初めボーイスカウト、ガールスカウト、海洋少年団などの青少年団体との懇談会を設置するとともに、学生や社会人を中心とするシニアリーダーを組織し、成人式や心豊かな少年を育てる市民大会などで、その役割を発揮させていただいていると認識しています。全国的にも本市においても青少年団体の数や構成員が減少する中で、次世代の地域社会を担う人材育成の機能も低下してきています。ジュニアリーダーの養成については大変重要な課題となってきています。 そこで、2点お伺いします。 第1に、子供たちの活動に対して指導、援助する身近な指導者としてだけではなく、次世代の地域社会を担う人材育成という視点からも、ジュニアリーダーの養成は必要と考えますが、基本的な見解を伺います。 第2に、本市においてもかつてはジュニアリーダー養成事業を子ども会に委託していましたが、現在はありません。形態、方法は別にして、本市独自でジュニアリーダーの養成のカリキュラムと認定制度をつくる考えはないか、見解を伺います。 次に、門司港レトロの活性化とまちづくりについてお伺いします。 門司港レトロは行政の計画的な事業展開により、ことしでグランドオープン20周年を迎えました。この間、レトロ地区を訪れる観光客数は平成15年の255万人をピークに伸び悩む中、平成20年7月に、平成30年度までのおおむね10年間の計画、門司港レトロ観光まちづくりプランが策定されました。このプランは、観光振興とまちづくりの視点で計画づくりを行うことによって、門司港レトロの活性化を図るというもので、観光客数や観光消費額、レトロ中心地区の居住人口、商品販売額の数値目標を掲げ、さまざまな事業が取り組まれてきました。 今では、JR門司港駅を筆頭に関門海峡ミュージアム、九州鉄道記念館、出光美術館、松永文庫がある旧大連航路上屋、林芙美子記念室がある旧門司三井倶楽部、わたせせいぞう氏のギャラリーがある旧大阪商船、ブルーウィングもじ、旧門司税関、国際友好記念図書館、和布刈地区にはノーフォーク広場、世界平和パゴダ、古城山、和布刈神社、関門国道トンネル人道、旧福岡食糧事務所門司倉庫、和布刈塩水プール、清滝地区には三宜楼、門司区役所、風師山等があります。また、レトロ地区と和布刈を結ぶ観光列車、遊歩道、そして、レンタサイクルや人力車など多くの観光資源を有し、本市を代表する観光地となっています。 しかしながら、平成26年次北九州市観光動態調査によると、門司港レトロ地区への観光客数は209万人、和布刈地区は13万人となっています。 そこで、3点お伺いします。 第1に、門司港レトロ観光まちづくりプランの進捗状況と今後の見通しについてお伺いします。 第2に、和布刈地区ではめかり会館、国民宿舎めかり山荘が閉鎖され、公共施設マネジメントでは和布刈塩水プールも廃止検討の対象になっていますが、和布刈地区の観光振興、まちづくりについてどのような検討をされてきたのか、見解を伺います。 第3に、観光客の皆様に気持ちよく滞在していただき、また、お越しいただくためには、ハード、ソフト両面のおもてなしが大変大切です。連休中や日祝日、イベント開催日などは駐車場が不足する状況も多く見受けられますが、新設された民間駐車場などを知らないケースもあります。そこで、門司港レトロ周辺の駐車場の設置場所と、空き情報を知らせる案内板等の設置が必要と考えますが、見解を伺います。 以上で第1質問を終わります。 ○議長(戸町武弘君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 福島議員の御質問にお答えいたします。 まず、総合防災訓練の成果と課題について御質問がございました。 災害時における被害を最小限にとどめるためには、防災関係機関の適切な対応はもとより、市民一人一人が自分の命を守るため、適切な判断や行動を行うことが重要であります。このため、本市ではさまざまな災害の教訓や地域の特性を踏まえ、住民参加型での市の総合防災訓練や各区における防災訓練を行っております。 本年度、門司区では海から近い松ヶ江北校区において、約240人の住民参加のもと、津波による災害を想定した避難訓練等を行いました。また、市の総合防災訓練では、昨年8月の広島市の豪雨による土砂災害の教訓等を踏まえ、同様の土砂災害を想定し、緊急速報メールを活用した住民の避難訓練や、消防や警察など関係機関が連携した救助・救出訓練などを20機関、約300人、参加住民など約800人で行いました。 これらの訓練における具体的な成果としては、土砂災害における防災機関の役割や連携が明確となったこと、自治会の緊急連絡網が活用され検証されたことなどがあります。そして、何よりも訓練の実施に当たり、地域や学校が事前の準備段階から積極的に参画し、大変多くの方々が訓練に御参加いただき、地域全体で取り組んだことが最大の成果だと考えております。特に、松ヶ江中学校や門司大翔館高等学校の生徒たちには、避難の誘導や救急搬送訓練の補助などに取り組んでいただき、将来を担う若者たちのきびきびとした真剣な取り組みは大変に心強く、参加者からも高く評価されておりました。 加えて、訓練には自治会に入っていない方々も参加しております。今回の訓練を契機に自治会へ新規に加入された方も出るなど、地域の自治会活動への関心が高まっております。これを受けて、地元自治会では未加入者で訓練に参加した方々に対し、町内会ごとに加入促進の働きかけを行うなど、地域コミュニティー強化のための新たな動きも出てきております。 また、訓練に参加した住民からは、日ごろからの備えの大切さや訓練を行う重要性について認識したとの声が届いております。おおむねよい経験になったという評価であったと認識しております。 なお、これらの意見を積極的に酌み上げるため、現在市の総合防災訓練については、地元自治会の方々や関係機関に対しアンケート調査を実施しております。その成果を来年1月中旬までに取りまとめ、検証していくことにしております。 災害から命を守っていくためには、何よりもそれぞれの地域、各年代、全ての市民の防災意識を向上させていくことが必要と考えております。このため、このような防災訓練に加えまして、児童生徒を対象とした防災教育プログラムの実施や災害図上訓練、地域ごとの防災計画の策定を行うみんなde Bousaiまちづくりモデル事業など、年代ごと、地域ごとの多様な取り組みを住民参加のもとで継続的に行うことで、本市の総合的な防災力の強化に努めてまいりたいと考えております。 次に、門司港レトロの活性化について御質問がございました。 まず、観光まちづくりプランの進捗状況と見通しであります。 この門司港レトロ観光まちづくりプランは、平成20年7月に策定しました。おおむね10年間を目標年次とし、門司港レトロの観光振興とまちづくり双方の観点から、ソフト、ハード両面にわたる81の事業を掲げております。これまでの進捗状況については、門司港レトロ観光列車の運行や関門地区の周遊乗車券、関門海峡クローバーきっぷの発行、旧大連航路上屋の活用など18の事業が完了しました。また、旧JR九州本社ビルの活用や関門連携の強化、海外からの旅行商品造成の働きかけとプロモートの実施など55の事業に着手済みであります。両方合わせると実施率は9割を超えております。 また、プランでは観光客数の50%アップや観光消費額20%アップ、レトロ中心地区の居住人口10%アップなどの数値目標を設定しております。その後、観光客数の算定方法につきましては、国の指導によって平成23年から観光庁が定める共通の基準に変更いたしました。比較できる平成23年以降の数値で見ますと、レトロ地区と和布刈地区を合わせた観光客の数は平成23年が213万人、平成26年が222万人と微増であります。レトロ地区の観光消費額も平成23年が109億円から125億円へと伸びております。また、レトロ中心地区の居住人口はプラン策定後も4,700人前後で推移しており、全市的に人口が減少する中、横ばいとなっております。 今後の見通しでありますが、特に和布刈地区や西海岸地区の魅力向上、商店街地区への回遊性の向上、町なか居住の推進などに取り組んでいきたいと考えております。そのため、宿泊観光客の増加や関門連携が課題と認識しております。ライトアップによる夜の魅力向上や関門連携の中で、門司港に宿泊する周遊ルートを工夫したいと考えております。また、今月レストランをリニューアルオープンする門司港ホテルとも連携して取り組んでまいります。 ことし、門司港レトロはグランドオープンから20周年を迎えました。地域の皆様の協力のもと、北九州芸術劇場、また、北九州市立文学館と共同で門司港「揺らぎ」の芸術祭を開催いたしました。今後は文化芸術も重要な観点と捉え、門司港レトロの磨き上げとして、アートや文化を生かしたまちづくりをより一層推進したいと考えております。 また、レトロ地区では、かき焼き祭りやカレーフェスティバルなど食のイベントも大変好評であり、多くの来場者が訪れております。今後も有効な集客の手段として、地元と連携して取り組んでまいります。 門司港レトロは、本市を代表する観光地から、福岡県を代表する観光地へと成長してまいりました。今後も観光とまちづくりが一体となった新たなにぎわいを創出していきたいと考えております。 次に、和布刈地区の観光振興などについて御質問がございました。 和布刈地区のにぎわいづくりは、門司港レトロ観光まちづくりプランの中でも主要な政策の一つに位置づけ、さまざまな検討を行いながら事業を進めております。このプランでは和布刈地区は瀬戸内海国立公園の一部に指定され、土地の利用規制や建物の用途、建築規模などの制限がありますが、関門海峡の歴史や眺望を生かした公園として再整備することや、民間活力を生かした飲食・物販施設など観光施設の整備などについて取り組むことにしております。 これまでの取り組みでありますが、門司港レトロ中心地区のにぎわいを回遊性の向上で和布刈地区にも波及させるため、門司港レトロ観光列車の運行や、終点の関門海峡めかり駅付近の公園の整備を行いました。また、和布刈地区での観光客の滞在時間を延長することで経済効果を高め、民間投資の誘引となるよう、展望台や観潮遊歩道、サイクリングロードの整備など魅力向上に努めてまいりました。今後は、プランに掲げた関門海峡めかり駅周辺などで関門海峡の眺望を生かした飲食・物販施設などの具体化に向けて、可能性のある民間事業者に積極的に働きかけてまいります。 なお、めかり山荘跡地については、宿泊施設の誘致や情報収集に努めてまいりましたが、宿泊施設の経営を希望する事業者が見当たらないことから、当面は休憩スペースや広場として、施設の公園と一体的に活用できるよう検討してまいります。 一方で、門司港レトロ中心地区では宿泊施設のニーズや進出について問い合わせがあります。まずはこの地区での誘致について検討してまいります。 門司港レトロ事業を進める上で、観光地としての更なる魅力アップや観光客の増加、宿泊客の増加を推進するためには、和布刈地区全体の魅力向上が不可欠であります。今後も英知を絞り、官民一体となって積極的に取り組んでまいります。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(戸町武弘君) 都市マネジメント政策担当理事。 ◎都市マネジメント政策担当理事(南健一君) 私からは、公共施設のマネジメントにつきまして3点御質問をいただきましたので、順次お答えさせていただきます。 1点目に、今後のマネジメントの検討の上では、稼働率が低い要因について分析することが必要ではないかという点でございます。 本市の公共施設マネジメントは、市民の安全・安心を確保し、子供や孫の世代が安心して暮らせる地域社会を築いていくため、真に必要な公共施設を安全に保有し続けることを目的としております。このため、市民全体の財産であります公共施設を時代に適合させ、多くの市民に効果的に活用してもらうための取り組みを進めることとしたところでございます。 今回の計画策定におきまして、公共施設白書を作成し、また、利用実態調査を行ったところ、大半の市民利用施設で稼働率が5割未満であること、また、多くの施設では午前、午後、夜間といった大まかな利用区分であることに対して、実際の利用時間は短時間になっていることなどがありまして、更に活用できる余地があるということが明らかになってまいりました。そこで、今回の実行計画では、無駄なく施設を利用することで稼働率を高めまして、これまでのサービス水準を極力低下させずに、保有量の縮減を目指すことといたしました。 なお、今回の計画策定におきましては、現在の施設の利用状況を基本としておりまして、複数の施設の集約、複合化の可能性を検討いたしました。稼働率が低い要因の分析までは行っていないところでございます。 しかしながら、今後個別施設の集約を進めていく際には、より詳細な利用実態調査とともに、議員に御指摘いただきました稼働率の低下につながる要因の分析を行う必要があると考えております。そうした調査、分析をもとにいたしまして、より利用しやすい施設となるように取り組んでまいりたいと考えております。 2点目に、廃止、集約した施設の跡地利用の基本的な考え方、また、売却益をどのように見積もっているかという御質問をいただきました。 今回の実行計画では、施設の廃止や集約によって生じました余剰資産は一元的に管理し、まちづくりの視点を取り入れながら、民間売却を基本としつつ、積極的な利活用を図るということを基本的な考え方としております。そのためには、まちづくりの観点から、余剰資産をどのように活用すべきか検討することが重要でございまして、例えば廃止施設をリノベーションし、町ににぎわいを生み出す新たな集客施設として転用する、あるいは他の公共施設の再配置用地とする、また、地域の活性化に必要な機能を導入する、そういった条件をつけまして売却するなど、さまざまな活用策を検討していく必要があると考えております。 今回の財政負担軽減見通しの試算におきましては、この余剰資産の売却益の見積もりは行っていないところでございますが、これは余剰資産の具体的な活用方法が定まっておりませんので、そのうちどの部分が売却可能なものになるかという見込みが非常に難しいためでございます。しかしながら、これらの余剰資産の売却などによる収益が、今後増大してまいりますさまざまな行政需要に対応して、本市の持続可能で安定的な行政運営に向けた貴重な財源になるということは十分認識しております。このため、施設の集約、再配置を積極的に進めまして、できる限り早期に余剰資産の利活用を図るように取り組んでまいりたいと考えております。 3点目に、大里地域の再配置についてお尋ねいただきました。 大里地域につきましては、廃止後10年以上経過しました旧門司競輪場がありまして、早期の解体や跡地活用が望まれております。また、その周辺には体育館や柔剣道場などのスポーツ施設が点在しております。今回の素案では、旧門司競輪場について平成28年度から解体撤去を行うことといたしまして、その跡地に大里地域のスポーツ施設を複合化して集約することを計画しております。この再配置の実施時期につきましては、集約対象となる施設の更新時期を考慮いたしまして、10数年先の平成30年代後半を見込んでいるところでございます。 一方で、門司区では人口の減少と高齢化が進展をしておりまして、また、斜面地の住宅が多いということから、平地での住宅地の確保というのが課題の一つとなっております。旧競輪場の跡地は、商店街に近いなど生活利便性にすぐれ、住宅地としてのポテンシャルも高いため、この一角に居住ゾーンを計画したところでございます。こうした住宅の整備は町のにぎわい、活性化に寄与することから、早期の実施が望ましいと考えております。 また、旧競輪場の跡地は約4ヘクタールと広く、住宅の整備やスポーツ施設の集約を図りましても、その残った分、それ以外の部分で、一部に高低差はありますが、あさの汐風公園と同規模の約6,000平米の広場を確保することができます。地域のイベント、グラウンドゴルフなど、こういったもので利用できるものとなっていると考えております。 こうした考え方に基づきまして素案を公表したところでございまして、今後は議会や地域の方々の御意見を伺いながら、町全体の活力が高まりますよう、大里地域の公共施設の再配置に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 私からは県費負担教職員の権限移譲に係ります課題について御答弁いたします。 今回の権限移譲によりまして、現行の教職員の任命権などの人事権を指定都市が有する一方で、教職員定数や学級編制基準の決定、給与等の負担は道府県が行うといった制度上のねじれが解消されます。そして、これまで県との協議が必要でありました教職員の配置等に関して、権限移譲後は本市の判断で各学校の課題や保護者のニーズ、地域の実情等に応じた迅速な対応が可能になります。 その一方で、課題でありますけども、5,000人を超える教職員の給与費や事務関係経費等の財源の確保、それから、市と県で異なる教職員の給与制度等の勤務条件の整備、それから、給与支給に必要となる人事・給与システムの短期間での構築といった、整理、解決すべき多くの課題がございます。これらの課題解決に向けまして、これまでも指定都市市長会を初め指定都市教育委員・教育長協議会など、指定都市が一体となって、国に対して必要な財政措置を講じるよう要望してきたところでございます。 また、権限移譲後の勤務条件等につきましては、校長会や教職員組合など、学校関係者の意見を聞きながら検討を進めているところであります。具体的には給料表や諸手当、勤務時間、休暇制度、福利厚生制度等につきまして、市関係部局との協議もあわせて進めているところでございます。 人事・給与システムにつきましては、現行の県のシステムを活用することができるようになりまして、権限移譲までの短期間ではありますが、鋭意その構築に取り組んでいるところでございます。権限移譲までの限られた時間の中、残された課題は多いというのが正直な状況でございますが、引き続き他都市とも連携しながら、国に対する要望を行うとともに、今回の権限移譲が本市の学校教育の充実につながるよう、学校関係者の意見も聞きながら、市関係部局が一体となって取り組みを進めてまいりたいと思います。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 財政局長。 ◎財政局長(小松真君) 私からは県費負担教職員の給与負担等の権限に係る財源確保について御答弁いたします。 権限移譲後の教職員の給与費等は、義務教育費国庫負担金と県から移譲される個人住民税所得割2%分の税源、更には地方交付税による地方財政措置により賄われることとなっております。 議員御指摘のとおり、権限移譲に伴う財源確保は重要な課題であると認識をしておりまして、従前より全指定都市共同で行います国の施策及び予算に関する提案、いわゆる白本要望などを通しまして、所要額全額が適切かつ確実に地方財政措置されるよう、適宜国に要望しているところでございます。 また、本年度より指定都市市長会財政担当課長会議を定期的に開催いたしまして、実務者レベルにおいても国の動向や各都市の状況について情報を共有しつつ、指定都市が足並みをそろえて国への要望などを進めているところでございます。 権限移譲に伴う財源に関しましては、国会においても教育制度の運営に支障が生じないよう地方財政措置をしっかりと講じていく、移譲された事務、権限が円滑に執行できるよう対応していくといった総務大臣答弁がなされているところであり、今後国において検討が進められ、適切な地方財政措置が講じられるものと考えております。平成29年4月に予定されている権限移譲に向けまして、国の動向を注視しつつ必要な財源が確保されますよう、引き続き他の指定都市と連携して要望を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(戸町武弘君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(近藤晃君) 私からはジュニアリーダーの養成についての基本的な見解と認定制度についてのお尋ねにお答え申し上げます。 ジュニアリーダーは、毎年各区で開催されます子どもまつりなど、小学生を中心とした子供たちが主役の行事において、活動の支援を行う中学生や高校生たちでございます。子供たちにとりましてはお兄さん、お姉さんのような身近な存在でありまして、子供たちを見守り温かく指導、助言していただいているところでございます。そして、子ども会などの地域活動を主催する団体の指導者など、大人と子供たちとの橋渡しの役割も担っているところでございます。 本市といたしましては、このようなジュニアリーダーは地域活動を支えるキーパーソンであると認識をしております。議員御指摘のとおり、次世代の地域社会を担う人材といたしましても、その養成は大変重要であると考えているところでございます。今後、より多くの子供たちが自主的、主体的に地域活動に参加をし、将来ジュニアリーダーとして、さまざまな場面で活躍していただきたいと考えているところでございます。 議員お尋ねの本市におけるジュニアリーダーの認定制度につきましては、現在北九州市子ども会連合会がジュニアリーダー養成事業として実施をしているところでございます。参加する中・高生は1年を通して危険予知トレーニング、野外活動、更にはイベントの企画、立案、こうしたカリキュラムを経て、スキルに応じて初級、中級、上級という資格が認定されることになっております。平成27年4月現在、17人のジュニアリーダーが登録をされているところでございます。 市といたしましては、当該事業を本市のジュニアリーダー養成に係る認定制度と考えておりまして、これまでも実施主体である北九州市子ども会連合会に対しまして、一定の支援を行ってまいりました。本市といたしましては、今後とも当該認定制度の充実、更には学校や地域への周知を図ることで、より多くのジュニアリーダーを育てていきたいと考えているところでございます。 また、本市におきましては、ジュニアリーダーの経験のある大学生や社会人で構成されます、青少年育成シニアリーダー会議、ぽんてが組織をされております。成人式や市民センターまつりなどで、さまざまな地域活動で御活躍をいただいているところでございます。ジュニアリーダーからシニアリーダー、そして、青少年育成団体の指導者へと、子供たちが成長段階に応じて町に誇りや愛着を感じながら、地域で生き生きと活動してもらうとともに、彼らの活動が地域で広く認められるような環境づくりに、これからもしっかりと取り組んでいきたいと考えているところでございます。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(西田幸生君) 最後に、私からは門司港レトロの活性化とまちづくりについてのうち、案内板等設置の見解についてお答えいたします。 門司港レトロでは年間300件ほどのイベントが開催され、アンケート調査によれば、来場者の約6割が自家用車などでの来場であります。門司港レトロ地区及び周辺には公共669台、民間499台の合計1,168台分の駐車場があり、このほかに西海岸駐車場横の空き地を臨時駐車場として約600台分を増設すれば、約1,800台分の駐車が可能であり、おおむね充足していると考えております。 駐車場の場所案内については、民間の駐車場もあわせてインターネットにより門司港レトロインフォメーションのホームページからの検索や、各種イベントの開催チラシ、マスメディアを通じた周知を図っておるところでございます。また、大型イベントの開催時などでは、これまでも状況に応じて沿線での駐車場案内員の配置や公共交通機関での来訪を促すなど、イベント主催者などの柔軟な運用で対応してきたところであります。 しかしながら、議員御指摘のとおり、空き駐車場がある場合でも、来訪者が地理に不案内なために1つの駐車場に集中することや、時間帯によっては待ち時間が発生する場合がございます。このような場合の対応につきましては、御提案の駐車場の設置場所と空き情報を知らせる案内板の設置のほか、インターネットに接続できるパソコンや携帯電話、VICS、道路交通情報通信システム搭載のカーナビゲーションで提供する方法もありまして、今後駐車場事業者や関係部局と費用対効果も含めて研究してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 30番 福島議員。 ◆30番(福島司君) 答弁ありがとうございました。 まず、公共施設のマネジメントについてお伺いをしたいと思いますが、まず確認をさせていただきたいと思います。実行計画の素案が出されまして、先般門司区で説明会があり、今後各区で説明会を行うということで聞いています。来年2月にパブリックコメント等をして成案をつくると。きょう具体的なものも、特に大里地区のモデルプロジェクトについて、民間への売却についての私の意見を言わせていただきましたが、少なくとも基本的な考え方を市民の皆さんに提示をして、より具体的な御意見、提案を伺うということで、今から意見集約を図るということで、あくまで基本的な考え方を提案したという理解でいいのか、いやもうこれは8割方固まった意見ですよと、あと一部意見を聞いて手直しする程度ですよと、そういう認識なのか、その辺の見解をちょっとお聞かせください。 ○議長(戸町武弘君) 都市マネジメント政策担当理事。 ◎都市マネジメント政策担当理事(南健一君) あくまで素案という形でございますので、さまざまな御意見、これまでお聞きする中、議会を初め市民の説明会、それから、アンケート等もいろいろとらせていただきまして、その中で今現在、こういう考え方がいいんではないかということで出させていただいているものでございます。何が何でもこれで、素案として出した以上、このまま実施するという考え方ではございません。 ○議長(戸町武弘君) 30番 福島議員。 ◆30番(福島司君) その確認、前提の上で更にお伺いをしたいと思います。 まず第1に、施設の稼働率の結果、これを単に数字だけではなくて、今後のマネジメントの中でやっぱり要因について分析をする、これを取り上げさせていただいたのは、先般の門司区での説明会でも参加者から意見が出ていましたように、使いたくても使えないと。例えば利用条件とか、また、物理的な、例えば今回のマネジメントでは、例えば青少年施設等は特定目的を外して有効に施設利用ができるようにと、そのことは私も賛成です。 そういう意味でいけば、例えば青少年施設であれば例えば少年自然の家、当然子供たちが対象になりますから長期休暇とか土日とか、そういう期間が限定されます。そういう意味では当然稼働率は下がるわけです。そういう意味では単に数字が低いから使われてないということではなくて、やっぱり使いたくても使えない、例えば集中して土日に申し込みがあってなかなかとれない、そういう現状もありますから、例えば今後、門司港地区も大里地区も施設を集約して、できるだけ有効に使うという提案ですけども、やっぱりなぜ使われてこなかったのかしっかりしないと、また立派な施設はつくっても稼働率は上がらないという、そういう心配もしています。 そういう意味では、多目的に、例えば大里地区でも柔剣道も含めて使うと。だけど実際にその場で関係団体が利用するときにいろんな摩擦があります。そういうのもやっぱりきちんと現場の実態、声を把握して、そうした施設整備、そして運営、そういうものをしていくことが大切だと考えていますので、ぜひ先ほどの話ではより詳細にまた調査をし、よりよいものにしていくということだったんで、ぜひその方向でお願いをしたいと思います。 それから、今までもそうなんですが、きょう午後の質問でも進め方の問題で意見が出ていました。先ほどの質問での意見も、今回都市マネジメント政策室が実行計画素案を出して成案をまとめると。それを受けて、例えば教育委員会は学校施設の具体的な計画をつくって進める、あるいは市営住宅は建築都市局が40年間を見据えてまた具体的な、ちょっとそういうふうに進め方については答弁があったのかなと。そうしたときに都市マネジメント政策室がどこまで責任を持つのか、所管局がどこまで責任を持つのかがちょっとわかりづらいところがあります。 端的に1つお聞きしたいのは、来年2月に成案ができて以降、当然それにのっとって各局が具体化してスケジュールもつくっていくのかなと思うんですけども、都市マネジメント政策室は今後、極端に言えば今後40年間残って全体の調整を図っていくのか、その辺がどのように考えられているか、ちょっとお聞きしたいと思います。どこまで責任を持つのか。 ○議長(戸町武弘君) 都市マネジメント政策担当理事。 ◎都市マネジメント政策担当理事(南健一君) この素案をつくるまでにもずっと各局、一番利用実態とかあり方とかに詳しいわけで、私どもは皆様の声を聞くと同時に、意見交換をずっとさせていただいてまいりました。その上で素案という形でまとめておりますので、一緒に全体として個別の分野別計画もつくってきたと考えております。 今後の進め方といいましても、個々の施設をどうするかというプランは各局とまた一緒につくっていかなければいけないんですが、例えば社会情勢の変化、財政的なものもありましょうし、人口もそうでしょうし、ライフスタイルとかもろもろの中でどう対応していくのか、あるいは全体としてそれをどう調和するのかというような考え方は、やっぱり持っておく必要があるんだろうと思います。どういう組織が今後そういう部分を担うのかというのは、ちょっとはっきりしないところがございますが、施設の所管のところとか、そういうところで緊密に連携をとりながら一緒にやっていくということになるんだろうと考えております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 30番 福島議員。 ◆30番(福島司君) なぜお聞きしたかというと、通常は各局連携してやりますという答弁になるわけですね。だけど現実は、例えば大里地区でも大里柳市民センター、門司図書館の大里分館、連携どころじゃない、それぞれの所管で耐用年数とかを受けて建てかえると。それは固定化をして、それは動かさない中でまたマネジメントをせざるを得ない。さっき言った民間売却の公園部分もそうなんですけども、先に売却してしまったら、残された土地の範ちゅうでしか、もうこれしかありませんと、新たに買う財政もなければ、そういうふうになりがちなんですよね。だから、今言うようにどこが責任を持つかと。 例えば市営住宅一つとっても、削減計画は、方向性は出ましたけども、例えば有効活用するという意味でいけば、例えば障害者や高齢者のグループホームとして市営住宅を活用できないかと今までもありました。活用できないことはないんですけども、いろんな条件があって実質使えないという、そういった、例えば市営住宅であっても保健福祉とか、やっぱり高齢者福祉とか、そういったところと連携して、公共施設を有効に活用していく、そうしたときのマネジメントを恐らく各局は自分の局の所管分は一生懸命当然考えますし、やるでしょうけども、横断的なマネジメントをどこが責任を持つのか、その辺が少し過去の経過から見ると、連携はすると言いつつ、なかなか連携できてないんではないかという思いがありましたので聞いたところです。 そういう意味では、いつまで今の、例えば今永副市長を置いて都市マネジメント政策室が、どこまで残るかとかは別にしても、しっかりやっぱりマネジメントをどこが責任を持ってやるかというのは、しっかりしていただきたいと思っています。 ○議長(戸町武弘君) 今永副市長。 ◎副市長(今永博君) 今回、計画策定につきましては私が中心となってやったわけでございます。これ、計画を立てただけでは何もなりません。これをいかに実行していくかというのが一番重要な点だろうと思っているところでございます。そういう意味で各局にはお話をしておりますし、素案の今後の課題のところに書かせていただきましたけども、5カ年の実行計画、これをきちっと施設分野別につくっていこうと、PDCAサイクルを回して着実に実施していこうということにいたしております。 更に、40年というふうに長い期間かかりますので、10年ごとには計画の改定、更に、中間年度には見直しといったものをやっていきたいとも考えております。 また、取り組みの体制でございます。議員がおっしゃったように、これは各局にまたがることでございますし、きちんとした各局の連携、情報の共有といったものが必要となります。そういった意味で推進組織というものをきちんと、どういう形になるかは別としまして、マネジメントを推進する組織というものをきちんとつくっていきたいと思っております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 30番 福島議員。 ◆30番(福島司君) ありがとうございました。今から当然市民を含めた意見を聞きますので、この場では後は要望にさせていただきたいと思いますが、1つは今後集約をされて、廃止又は他施設へしたところの売却益、まだ計算はされてないということで、基本的な今後の考え方をお聞きしましたので、ぜひその方向でお願いをしたいと思います。 やっぱりいつも言われるように総論賛成、各論反対、いろいろ意見はあると思います。ただ、こうした売却益もやっぱり有効にこのマネジメントの中で、別に全てというつもりはありませんが、やっぱり活用をしていく、そのことで市民の皆さんの理解を得ていく、そのことも大切ではないかと思っていますので、ぜひそういう方向でお願いをしたいと。 それと、3番目の競輪場跡地の民間売却は、さっき言った、先に売ってしまえばもう固定化されます。そういう意味ではもう御承知と思いますけど、門司駅前でも大里地区は、本当に空き地ができればマンションが建つというか、行政が売らなくても何ぼでも今マンションが建っています。だからといって人口がふえているわけではありませんけども、そういう意味ではやっぱり市民の財産、そういう意味で時間をかけてじっくり検討をしていただきたい。 なぜそう言うかといえば、先ほどグラウンドゴルフの関係も出ました。現在提案されている広場程度では、グラウンドゴルフ1コートとれるぐらいがいっぱいではないかと。やはり門司競輪場、陸上競技場跡地の広さ、これがあれば、例えばグラウンドゴルフ4面、そうしたら土日でも複数の団体等が一緒にそこで、だから一つの陸上競技場の広さを1回に1団体だけ貸すということじゃなくて、まさに多目的に有効に活用する、イベントにも活用する、あるいはそうした子供たちのサッカーとか、そういったものにも活用する、そうしたこともやっぱりぜひ検討していただきたい。 この間も私もいろいろ聞いていますが、例えば私の出身校ですが、緑丘中学校、マーチングの全国大会で金賞を木屋瀬中学校と一緒にとらせていただきました。中学校の吹奏楽も音を出して隣近所迷惑で、なかなかやっぱり工夫しながら生徒たち頑張っています。特にマーチングになれば最低30メートル四方のスペースがないと練習もできません。しかも音を出します。そういう意味ではこうした競輪場跡地、スポーツ・文化施設を集約して、より思い切り練習に励める、そういう意味においても、私は住宅には向いてないんではないかと考えていますので、ぜひ今後の検討に入れていただきたいと要望させていただきます。 次に、県費負担教職員の権限移譲の関係ですが、財政局長にお伺いしたいんですが、今の流れでいけば、当然枠組みは全部決まって、全額国、県が見てくれれば一番安心なんですが、そういう見通しを持っているかどうか、まずお聞きします。 ○議長(戸町武弘君) 財政局長。 ◎財政局長(小松真君) 先ほども御答弁させていただいたとおり、今後国において検討が進められまして、適切な地方財政措置が講じられるものと考えております。ただ、現段階では財源措置の具体的な内容は国から示されておりません。そのため、国において適切な地方財政措置が講じられますように、他の指定都市と連携をして現在要望しておるところでありますし、今後も要望していきたいと思っております。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 30番 福島議員。 ◆30番(福島司君) 枠組みは決まっているんですが、もともと県費教職員で、県が独自に負担すべき性質のものがありますよね、今まで県独自で負担してきた、教職員に対する。それが例えば政令市、北九州市に移った場合、県が今まで負担していた分がそのまま県から本市に財源が移されるのかどうか、その辺の交渉というか話し合いはされているんですか。 ○議長(戸町武弘君) 財政局長。 ◎財政局長(小松真君) 全体的なスキームを申し上げますと、県には今現在、国からの国庫負担金が入っております。それと住民税、今のところ県税に入っている分の住民税が2%分指定都市に移譲されると。その中で現在、それと先ほど申し上げたように、交付税等による地方財政措置、この3つの財源の仕組みの中で、現在県が教職員の給与、負担している経費を賄うということであります。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 30番 福島議員。 ◆30番(福島司君) 今、個人住民税所得割2%の移譲とかはもう決まっていますけども、私が聞く限りでは、それだけでは不十分、言い方は悪いですけど、市の持ち出しはやっぱりあるというふうに。そういう意味では当然県の負担3分の1とか、それぞれの負担割合が決まっています。それが今まで、要は県が負担してきた分をそのまま県がじゃあ本市に、それが全部2%の枠に入り切れるならいいですけども、入り切れないんではないかという不安を持っているところでございます。 そういう意味では、これも要望にしたいと思いますが、ぜひ教育委員会と財政局、もちろん市長をトップに、できるだけ本市の財政負担がなく、スムーズにこの県費負担の教職員が移行できるように、これからも頑張っていただくようにお願いをしておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、ジュニアリーダーの養成については、もうあと時間がありませんから、要望だけにさせていただきたいと思います。基本的な見解をありがとうございました。問題は、具体的にどうするか、いろんな課題があるというのは承知をしています。ぜひ北九州の子供たち、別に全員強制するわけでもないですが、要はやっぱりこうした地域でのボランティアとか、自分らの後輩、子供たちと一緒にやることが好きな子、そうした子供たちに広くやっぱり呼びかけていただいて、そして、次世代の指導者になるような、その第一歩としてこのジュニアリーダー制度、大変大切な取り組みだと思いますので、ぜひ今後とも力を入れていただきたいと思います。 最後に、レトロですが、市長から思いは聞かせていただきました。問題は、そのとおりになるかどうかが一番不安なわけで、ぜひ市長が先ほど答弁された思い、方向性をよりしっかりしたものにしていただければと。もう時間がありませんからこれ以上言いませんが、やはり和布刈地区あるいは清滝地区、レトロ中心地区、やっぱり全体の回遊性を高めて、そして、もっともっとおもてなしをする体制を整えていただいて、活性化を図っていただければと思います。終わります。 ○議長(戸町武弘君) 進行いたします。46番 八記議員。 ◆46番(八記博春君) 皆さんこんにちは。日本共産党の八記博春です。会派を代表して一般質問を行います。 初めに、PCB処理のトラブルについてお尋ねします。 まず、本市との協定値を超えるベンゼンの排出についてです。 PCBの処理施設排出口で、10月14日に本市がベンゼンの行政測定を行ったところ、本市とJESCOとの協定値の11倍を超えるベンゼンが検出されました。JESCOは平成26年2月ごろから排出口の閉塞が頻繁に発生するようになったため、平成26年4月から本市に届けることなくクーラーの冷却水の通水を停止、そのため油分の除去が十分に行われず、活性炭のベンゼン吸着能力が低下したと考えられるとしています。JESCOは届け出について、法的義務はないもののとわざわざ強調し、本市にも相談せず、1年半にわたって実施していたと報告するなど、責任の重大さを感じさせない発言までしています。 高濃度ベンゼン排出について3点指摘をします。 第1は、今回の件は単なる作業ミスではなく、JESCOの北九州事業所がトップも含め事業所ぐるみで長期にわたり事実を隠蔽し、それが本市の調査で明らかになったということです。 第2は、単に事実を隠蔽していたのではなく、監視会議でも事実を覆い隠していました。本年1月の監視会議では、監視委員が北海道事業所に視察に行った際、北海道事業所でベンゼン濃度が上昇したことが取り上げられ、原因は設計で定められた作業を停止していたことにあったと報告されました。これを受けて本市の監視会議で委員からJESCOに対して、本市においても基本設計を遵守してほしいとの要望が出されました。また、別の委員からは、ベンゼン濃度が上昇したときに、北海道のJESCOの発言の中に節約というキーワードが入っていたことが気になるとの発言があり、これに対してJESCOは、北九州においても平成18年に高濃度ベンゼンが出たので、吸収剤の交換頻度を設計以上に高めた、だから節約という考え方はない、むしろ安全の方向で交換頻度を高めていると答えています。ところが、このときにはJESCOは既にクーラーの冷却水を停止していました。せっかく北海道事業所に視察に行き、その教訓をもとに北九州事業所のベンゼン濃度問題を問いただされたにもかかわらず、隠蔽を続けたことは極めて悪質だと思います。 第3は、問題になった排出口では、以前からベンゼン濃度が高い値を検出していました。ベンゼンは、多くの排出口では不検出であり、高くても1立米当たり6ミリグラム、ここでは平成23年度は不検出、平成24年度は最大1ミリグラムでした。ところが、平成25年度は10ミリグラム、平成26年8月は22ミリグラム、平成27年1月には32ミリグラムも検出されていました。まさに桁違いの高濃度です。本来ならこの異常値にJESCOは機敏に対応しなければなりませんでした。しかも、その原因は、クーラーへの冷却水停止にあったことを十分承知していたからです。JESCOはこのような異常なベンゼン濃度上昇を何の説明もなく監視会議に報告し、本市もベンゼン濃度が基準値内のため、異常に気がつかなかったことも指摘しておきます。 次に、私は9月の決算特別委員会でも取り上げたPCB処理のトラブルについて述べます。 私のところにPCB処理事業所内でトラブル隠しなどが日常的に行われているとの内部告発が寄せられましたので、その内容を環境局に伝え、調査をお願いしましたところ、9月16日付で環境局から内部告発の内容をほぼ認める次のような回答が寄せられました。 平成26年ごろより処理過程で発生したPCBに汚染された運転廃棄物の保存量がふえたため、発生現場に一時保管をしていた。汚染廃棄物をサンプリング調査して低濃度、高濃度汚染を選別し、低濃度汚染物については焼却処理している。真空加熱炉の配管の溶接部にピンホールが発見され、PCBのにじみが確認されたことがある。コンデンサーを真空加熱炉の専用容器に入れて処理したところ、破裂現象による専用容器の変形や、扉からの搬出が困難な状態が発生した。平成26年10月、二次洗浄設備でポンポン菓子が破裂したような異音が発生し、ふたが浮いた。原因は揮発した洗浄液のガスと空気の混合により、洗浄槽内の圧力が一時的に上昇したことによるものと考える。平成27年8月、真空加熱炉の排気用吸引ファンを稼働したところ、通常70度の排気処理用活性炭吸着槽からの排気温度が230度に上昇し、警報装置が察知した。原因は、活性炭に吸着した鉄やアルミ等の酸化反応による発熱と考える。5年前にも同様の現象を経験しているという内容でした。 この回答にはたくさんの問題点が含まれています。具体的には、厳重な保管、管理が求められているPCB汚染物なのに、普通のごみのように扱われていたこと、高濃度のPCBについては極めて厳格な処理が規定されているのに、それをサンプル調査で判別していたこと、溶接部にピンホールが発見され、PCBが漏れていたこと、扉からの搬出が困難なほど容器やコンデンサーが変形する破裂が発生していたこと、揮発した洗浄液のガスと空気の混合により、福島原発の水素爆発のように洗浄槽内の圧力が上昇し、ポンポン菓子が破裂したような異音が発生してふたが浮いたこと、活性炭に吸着した鉄やアルミが使い捨て懐炉のように酸化反応を起こし、温度が230度に上昇し、警報器が作動したこと、しかもこれらの事実は本市にも監視会議にも一切報告されず、内部告発によってようやく明らかにされたという点です。 市長は、JESCOとの間で環境保全に関する協定書を結んでいます。その中で、事故発生時等の措置には、別に定める緊急措置手引書に従い、規定により講じた必要な措置及び原因調査等の結果を北九州市に報告するものとするとしています。前述のトラブルは、緊急措置手引書の異常現象通報範囲基準表に定めた異常現象の範囲に該当するものが多く含まれています。ところが、JESCOは本市への報告も行っていませんでした。こうした行為は、本市との協定書に反するものです。 私は、かねてから北九州での事故報告は重大なものばかりであり、報告件数が少な過ぎると感じていました。ところが、JESCOは事あるごとに、北九州事業所におけるトラブルが少ないことを自慢していました。1月の監視会議では、JESCOは全国5カ所の事業所のトラブルは201件なのに、北九州のトラブルは15件で、全国の7.5%にとどまっていると自慢しています。監視委員から、北海道事業所がトラブルとヒヤリ・ハットがとても多いのは、トラブルとヒヤリ・ハットを逐一上げるシステムができているからだと説明を受けたが、全国5つの事業所全てで、ヒヤリ・ハットもトラブルも逐一上げるシステムになっていると認識している旨の発言があっています。 しかし、北海道ではトラブルなどを逐一上げるシステムがあるかもしれませんが、本市ではトラブル件数を逐一上げるシステムはありません。本市でも軽微なトラブルも監視会議や本市に報告させるべきではありませんか。お尋ねします。 次に、妊娠、出産を理由にした不当な扱いを意味するマタニティーハラスメントについてです。 働く女性が妊娠、出産をきっかけに職場で精神的、肉体的な嫌がらせを受けたり、妊娠、出産を理由とした解雇や雇いどめで不利益をこうむったりする、いわゆるマタハラが広がっています。先月17日には最高裁が初めて違法と判断した差し戻し控訴審判決で広島高裁は、一審判決を変更し、原告の請求を認める逆転勝訴の判断を下しました。厚労省が初めて行った調査結果も先月公開され、妊娠、出産した派遣労働者の48%、正社員でも21%がマタハラを経験したことがあると答えました。マタハラを経験したと答えた人のうち、正社員などを含む20%が解雇されたと回答するなど、深刻な実態が浮かび上がりました。 安倍内閣は一億総活躍を掲げ、出生率を1.4から1.8に引き上げるとしていますが、子供を産み育てやすい社会の実現を抜きに目標を達成することはできません。 こうした中、私のところに西原ゆかりさんという方から、私の思いを市長へ訴えてください、お願いいたしますというメールが寄せられました。西原さんは、市内のデイサービス施設で利用者や同僚との関係も良好で、毎日楽しく働いていました。結婚して8年、子供を授かることを諦めていましたが、妊娠していることがわかり、すぐに職場の所長に報告をしました。翌日、所長と面談したところ、所長から、妊婦として扱うつもりはない、妊娠がどうのとかは関係ない、制服も入らんような状態でどうやって働くの、子供を抱えて働くリスクを背負えるのか、一生懸命働かなければやめてもらう、雇用の更新はありませんなどと言われました。 また、パワハラもひどくなり、所長に話しかけても何も答えてもらえず、無視されました。他のスタッフには新しい制服が支給されましたが、西原さんは制服ももらえず、古い制服のままでした。給与改定の面談も西原さんだけ実施されませんでした。医師からは、重量物の運搬や高いところへの物の上げおろしなどは禁じられていましたが、入浴の介助や市営住宅の5階まで利用者が転倒しないように支えての階段の上りおり、車椅子や介護用歩行器を抱えての階段の上りおりなど、それまでと何ら変わらない働き方を強いられました。そして、医師から切迫早産であることを告げられました。これらは、男女雇用機会均等法や労働基準法に明確に違反する行為です。やっと子供を授かったのに、子供をつくるべきではなかったのか、妊娠は悪いことなのかと悩むようになりました。やがて、仲がよかったスタッフからも無視されるようになり、精神的にも追い込まれ、西原さんは鬱病と診断されました。 本市が発行している北九州市こそだて情報に記載されている、医師等からの母体又は胎児の健康保持等について受けた指導を職場に的確に伝達するために、母子健康手帳の母性健康管理指導事項連絡カードを御利用くださいというメッセージに従い、医師から禁止項目を記載していただき、所長に提出し改善を求めましたが、所長も西日本エリア本部長も統括も、その存在さえ知りませんでした。西原さんは、今の状態を何とかしてほしいと市長への手紙を何度も送りました。しかし、回答は国や県や市の相談窓口を御利用くださいというものでした。労働基準監督署や区役所にも何度も訪問や電話をしました。話をしましたが全く解決できませんでした。そして、今西原さんは裁判を闘っています。 市長にお尋ねします。 厚労省の調査でも明らかなように、西原さんの事例は氷山の一角にすぎません。妊娠、出産という最も祝福されるべき崇高なことがゆがめられ嫌悪される、こうしたマタハラによって多くの北九州市民が苦しんでいます。西原さんのように、裁判をしなければこの問題の改善を求めることができないのでしょうか。行政としてやるべきこと、できることをもっと行うべきではないでしょうか。答弁を求めます。 次に、生ごみ堆肥の回収事業についてです。 生ごみを減量化するためには、生ごみの水切りが極めて有効です。水切りを行うことでごみの重量を下げることができます。そして、焼却場で水分を気化するための燃料を節約することができます。この水切りとあわせて有効な対策は、生ごみを各家庭で乾燥させたり堆肥にすることです。 私は集合住宅に住んでいますが、以前ベランダで生ごみの堆肥化を行っていました。段ボール箱を使い微生物を活用した堆肥づくりは、驚くほどの力で生ごみを立派な堆肥に変えてくれました。その自家製の堆肥をベランダの植物に与え、非常に満足していましたが、時がたつにつれて壁に突き当たってしまいました。それは、堆肥がたくさんでき過ぎて、とてもベランダだけでは使い切れなくなったのです。このようなわけで、我が家での堆肥化は挫折しました。 しかし、この難題に多くの自治体が果敢に取り組んでいます。久留米市では自家処理できない乾燥生ごみを市の施設に持ち込み、1キロを1ポイントで引き取ってもらい、4ポイントで季節の野菜と交換しています。ごみ袋が小さいもので済むようになった、燃やせるごみに出さなくてよくなったとの感想も寄せられています。長野市でも余剰堆肥を回収し、市の公園などで活用し、希望者にも配布しています。名古屋市では、自家処理できないものを事業用堆肥工場に持ち込むというモデル事業を平成22年から行っています。東京都小金井市では乾燥生ごみを無料戸別回収しています。市が個人宅に訪問し回収して民間の堆肥化施設に持ち込み、堆肥を市民や農家に無料で配布したり、畑を使った農業イベントに使っています。このほか札幌市や神奈川県大和市など多くの自治体で堆肥を回収し、活用する事業を行っています。 本市でも集合住宅でもできる方法を工夫する必要があります。コンポストや堆肥化を呼びかけるだけでなく、他都市の経験にも学び、堆肥化を拡大、持続する仕掛けを検討すべきではありませんか。お尋ねします。 最後に、資源ごみ袋の無料化についてです。 以前、ごみの収集運搬処理は税金で賄われていました。これは廃棄物の処理及び清掃に関する法律で、一般廃棄物の収集運搬及び処理は市町村に義務づけられているからです。本市におけるごみ袋の市民負担額、すなわちごみ袋の購入費は平成25年度では年間約19億円ですが、製造費や保管、配送、販売等の経費は4.3億円であり、その差額約14億7,000万円は一般会計に収入として計上されています。 本市のホームページでは、ごみ袋を有料化する理由として、減量意識の向上とリサイクル・分別の仕組みの充実の2点を上げています。ところが、近年ごみの資源化が停滞若しくは後退し、ごみの量もふえています。千葉市ではリサイクル等推進基金制度をつくり、ごみ袋の売上金として市民から集めたお金をごみ減量とリサイクルのために全額還元し、それでも毎年黒字を計上し、基金はふえ続けています。千葉市では平成26年度で家庭ごみ、粗大ごみの袋の売り上げが14億5,000万円、一方支出は指定袋の製造、保管、管理費や紙おむつ世帯への無料配布、高齢者支援、ごみステーション管理支援、不法投棄対策などの家庭ごみ運営に8.7億円、生ごみ処理機や食用油の回収費、古紙や布類の回収などに1.9億円で合計10.8億円、収入から支出を差し引いた基金残高が単年度で4億6,000万円と大きな黒字になっています。 本市でも以前は基金として別会計で運用していましたが、わかりにくいという理由で今の形になりました。しかし、現状はごみ袋代が市民に還元されているという感覚が薄い上に、還元額も十分ではありません。ごみ袋有料化の目的が減量意識の向上とリサイクル・分別の充実にあるのならば、本市においても千葉市のように基金制度をつくり、一般会計と区別して管理すべきではありませんか。 特に、資源ごみ袋については無料化すべきです。本市における缶、瓶、ペットボトル、プラスチックの収集運搬費を除く施設費、選別等の経費は5.4億円です。一方、資源としての売上額は2.8億円、資源ごみ袋収入は2.5億円で、合計5.3億円となっており、ほぼとんとんです。つまり、資源ごみについては市の持ち出しがないわけです。 そこで、私の提案は、千葉市のように本市でも家庭ごみ袋の収入16億5,000万円と、ごみ発電における自家発電効果23億8,000万円を活用し、資源ごみ袋代を無料にしてはいかがでしょうか。家庭ごみの袋代で資源ごみの袋代を無料にすることにより、家庭ごみを何でも突っ込んでしまうのではなく、無料の資源ごみに入れて出す意識がより向上し、リサイクルが進むのではないでしょうか。答弁を求めます。 ○議長(戸町武弘君) 市長。
    ◎市長(北橋健治君) 八記議員の質問にお答えさせていただきます。 まず、PCB処理のトラブルについて基本的な考えを述べます。 今回のPCB処理事業につきましては、市として厳しく臨む姿勢であります。12月1日、丸川環境大臣に会いまして、今回の事件に対する地元の思いを率直に伝え、国として責任を持って処理の安全性を確保するよう直接申し入れを行いました。 なお、これに先立ち11月26日には、梅本副市長から環境省の事務方責任者に同趣旨の申し入れを行っております。 その申し入れ内容でありますが、具体的には、まず北九州のPCB処理事業所が、安全対策上必要な設備の一部を市に無断で1年半にもわたりとめて、有害物質を排出したことはまことに遺憾であること、更に、社内ルールにも違反していたことが判明し、コンプライアンス、ガバナンスの観点から問題であること、また、PCB処理事業の安全性はフェールセーフ、セーフティーネットの考え方に支えられており、今回それがソフト、ハード両面から守られなかったことは、市民の安全の信頼を揺るがすもので、非常に重く受けとめていること、このままでは稼働は困難であり、原因究明と再発防止を初め総合検証を行った上で、北九州事業所のみならずJESCO本社、国、そして、本市も含めた安全確保体制を再構築し、処理の安全性が担保されることが必要であること、環境大臣におかれては失った市民の信頼をこれから取り戻していくために、この事業についてリーダーシップを発揮していただき、PCB処理事業の安全が担保されるよう、本市と二人三脚で尽力していただきたいこと、以上要請を行ったところであります。 これに対して環境大臣からは、北九州市の皆様の御理解があってPCB処理ができていることに大変感謝している。そのような中、今回市との協定を超えるベンゼンを排出したこと自体が重いことに加え、1年半という大変長い期間にわたって市に報告せず、信頼関係のもとに仕事をしているというJESCOの意識が足りなかったことや、社内の手続がおろそかにされていたことは非常に大きな問題と受けとめており、大変遺憾であると。大臣みずからJESCOの社長に対し、徹底したガバナンスの見直しを早急に行い、特に、このようなことが起こる企業風土がなぜ生じたかを検証すること、これができない限り信頼を取り戻すことはできず、みずからも納得しないと指示したということであります。そして、市の納得がなければ進めないものであり、環境省としても北九州市と二人三脚で信頼を取り戻せるように頑張っていくと、以上の回答をいただいたところであります。 現在、本市におきましては、職員によるJESCOの立入調査などを行うなど、原因究明や再発防止策を含めた総合検証を行っているところであります。こうした検証を踏まえ、JESCO、国、そして、本市といった関係者が総力を結集した安全確保体制をソフト、ハード両面から再構築することが重要であります。今後、これらの一連の取り組みを通じてPCB処理の安全性が担保され、施設の再稼働が認められるかどうか、市民の安全・安心を確保するため、慎重に判断してまいりたいと考えております。 次に、生ごみ堆肥の回収事業について御質問がございました。 本市では、ごみの減量・資源化を促進するため、平成18年、市民1人当たり家庭ごみ排出量を平成15年度比で20%削減、また、リサイクル率25%以上を目標に掲げ、家庭ごみ収集制度の見直しを行いました。平成23年度には北九州市循環型社会形成推進基本計画を策定し、家庭ごみ量を平成32年度までに平成21年度比で7%削減すること、リサイクル率を35%に向上するなど、更に高い目標を掲げて取り組みを行っているところであります。 その結果、平成26年度には家庭ごみ量は市民1人当たり495グラムという中間目標を1年前倒しで達成していること、また、家庭系のリサイクル率についても33%を超えて高い水準を維持しており、これらの成果は市民の皆様の御理解、御協力のおかげと深く感謝しております。 今後一層の家庭ごみの減量・資源化を進めるには、家庭ごみの約半分を占める生ごみ対策が重要であります。このため、本市ではまずは発生抑制のため使い切り、食べ切り、水切りの3切り運動を推進しております。どうしても発生する生ごみにつきましては、これを堆肥化することがごみ減量の有効な手段でありますから、生ごみの堆肥化に関する市民講座を開催し、リサイクルを推進しております。平成21年度の事業開始以降、これまでに100回、約4,200人の市民の皆様が受講されております。 本市では現在、循環型社会形成推進基本計画の中間見直しを進めており、環境審議会で御審議いただいております。この中で生ごみ削減策を検討項目として取り上げており、委員からは堆肥の活用先の確保が重要であること、集合住宅における生ごみコンポストの推進策を研究すべきであることといった御意見をいただいております。例えば、ごみステーションのそばに生ごみコンポストを使った花壇をつくるような仕組みを検討してはどうかなどの具体的な提案もいただいております。 現在でも、ふれあい花壇・菜園事業や市民センターの花壇、菜園におきまして、生ごみからつくった堆肥が活用されております。集合住宅など堆肥の利用先がない人が取り組みやすいよう、今後は堆肥を活用している事業を広く市民に周知するなど、堆肥をつくる人と使う人を結びつける仕掛けが必要だと考えております。いずれにしても、生ごみを含めた今後のごみ減量・資源化の方策について、現在審議中の基本計画の中間見直し作業の中で十分検討してまいります。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(戸町武弘君) 環境局長。 ◎環境局長(小林一彦君) 私から、まず、PCB処理のトラブルについてのうち、本市でも軽微なトラブルでも監視会議や本市に報告されるべきではないかという点についてお答え申し上げます。 北海道PCB処理事業所におきましては、軽微なトラブルについてもトラブル事象に至らないふぐあい事象等ということで、毎月件数と内容を室蘭市に対して報告しております。また、北九州市では監視会議に当たるものですけども、北海道PCB廃棄物処理事業監視円卓会議に件数を報告しているということでございます。このほか、北海道PCB処理事業所内にありますPCB処理情報センターにおいては、軽微なものを含め、トラブル事象について来場者が閲覧できるようになっているということでございます。 議員御指摘の点につきましては、この北海道PCB処理事業所の事例も参考にしつつ、今回の事案の原因究明と再発防止策を含めた総合検証を行う中で、本市においてもJESCOとの情報共有のあり方を含め、市の指導監視体制についても見直すべきところは見直し、改めるべきところは真摯に改めてまいりたいと考えてございます。 続きまして、資源ごみ袋の無料化についてのうち、指定袋の手数料収入をもとに基金制度をつくり、一般会計と区分して管理すべきではないかという質問にお答えいたします。 ごみの指定袋の手数料を基金として活用する事業は、平成10年度の有料指定袋制度の導入から平成17年度末まで、手数料収入の一部、年間5億円を積み立て、生活に密着した市民や地域の環境活動を支援する指定袋基金活用事業として展開しておりました。しかしながら、その仕組みについて基金の収支の内容が予算、決算時の資料ではわからないこと、市民生活に身近なところに還元するために事業を始めたが、一般施策の事業との区別がつきにくく市民にわかりにくいこと、基金事業の財源を袋の手数料収入と製造流通経費の差額を積み立てるとしていたことから、ごみ処理事業において利益が出ているかのように誤解されている場合があることといった課題について議会などから御指摘を受けました。 そこで、手数料収入は全額をごみ処理経費に充当することを明確にした上で基金事業を終了させ、平成18年度からは従来の基金事業の趣旨、内容を基本的に継承しながら、市民が主体となって取り組む環境活動を重点的に支援する事業を行ってきたところでございます。ごみの指定袋収入をもとにした基金制度を改めてつくる考えはございません。 なお、現在もごみの減量・資源化に取り組む市民等の活動に応えるため、平成27年度で申し上げますと、古紙の集団資源回収奨励金やまち美化ボランティアへの助成、ごみ散乱防止用ネットの購入補助といった環境活動と地域コミュニティー活性化関係に約6億円、ESD活動支援や環境首都検定といった環境人材育成関係に約2億円などの支援を行ってございます。 これからもごみの減量・資源化や環境活動に取り組む市民の励みになるよう、きめ細かい支援を行っていきたいと考えております。今後も、ごみ処理経費や市民の環境活動への支援内容をわかりやすく示すなど、市民の一層の理解、協力をいただけるように努めてまいりたいと思っております。 最後に、資源ごみ袋を無料にすべきという質問に対してお答え申し上げます。 本市では、家庭ごみ収集制度の見直しを行いました平成18年度に、家庭ごみに加え資源化物についても有料指定袋制度を導入いたしました。資源化物の指定袋については、リサイクルにも処理経費がかかっており、市民のコスト意識を高めてもらいたいということ、資源化物とはいえ大量にリサイクルするのではなく、発生を抑制するリデュース、リユースが重要であることから有料としたところでございます。また、資源化物の指定袋の料金については、家庭ごみの実質半額程度にすることで、ごみの減量や分別を進めるほど市民負担が減ることから、リサイクルの動機づけになるとの考え方によって決定しているものでございます。 この収集制度の見直しでは、資源化物の有料化とあわせまして、分別・リサイクルの仕組みの充実として缶、瓶、ペットボトルの収集方法の変更や、プラスチック製容器包装の分別回収等を行っております。この結果、家庭ごみの減量・リサイクル率は目標を上回る成果を継続しております。現在の仕組みについて市民の理解は得られていると考えており、資源化物の指定袋を無料化する考えはございません。 なお、資源化物は処理経費に見合う収入があるとの御指摘がございましたが、資源化物の処理については、収集運搬から選別に係る一連の処理工程で11億円の経費を要しておりまして、収支が見合っている状況ではございません。また、家庭ごみを含めたごみ処理全体の処理経費は132億円でありまして、指定袋による収入は全額をごみ処理費用に充てているところでございます。今後もごみの減量・リサイクルの更なる推進に向け、市民の理解と協力を得られるよう努めてまいります。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 総務企画局長。 ◎総務企画局長(柴田邦江君) 私からは、マタニティーハラスメントについての御質問に御答弁申し上げます。 マタニティーハラスメントは、妊娠、出産、産前産後休業、育児休業等を理由に解雇、雇いどめ、降格などの不利益な取り扱いを行うものであり、妊娠、出産の喜びや不安を抱えながら仕事に臨む女性の尊厳を著しく傷つける、許されない行為だと思っております。そのため、国では男女雇用機会均等法や育児・介護休業法などに基づき、違反や雇用管理に問題があると考えられる場合は、事業主に対して報告を求め、又は助言、指導、勧告を実施し、それでも是正されない場合には企業名を公表するということとしております。また、現在マタニティーハラスメントの防止に向け、法制度を含めた対応を検討する旨を示しているところでございます。 一方、県の労働者支援事務所においても、マタニティーハラスメントを含む労働相談や個別労使紛争の調整、仲介などを実施してございます。 本市の取り組みとしましては、これまで男女共同参画センタームーブでのハラスメント防止研修会や性別による人権侵害相談、就労応援相談などを通じて、マタニティーハラスメントの防止に取り組んでございます。また、この11月からは若者ワークプラザ北九州を中心に、社会保険労務士による労働相談を週1回程度実施するなど、取り組みの拡充を図ってきているところでございます。 更に、来年5月のオープンに向けて現在協議中でございます仮称女性活躍推進センターにおきましては、国、県、市の3者が緊密に連携を図りながら、女性の職業生活に伴うさまざまな状況にワンストップで相談支援を行うこととしてございます。 市は、労使紛争や事業主に対する指導等の権限を有してはございませんが、このセンターを拠点に国や県と連携し、このような相談内容に対してもきめ細かな対応を行ってまいりたいと考えてございます。加えて、本市が実施するセミナーや各種会議等におきましても、経営者や労働者に対するマタニティーハラスメント防止の啓発にも積極的に取り組んでいくつもりでございます。 誰もが働きながら安心して子供を産み育てる社会の実現は非常に重要な課題でございます。マタニティーハラスメントを初めあらゆるハラスメントによって、女性が仕事を続けるということを断念することのないよう、また、女性が活躍できる働きやすい職場環境づくりに向けて一層取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 46番 八記議員。 ◆46番(八記博春君) まず、生ごみの堆肥化、そして、集合住宅等でもなかなか困難な状況がありますので、ぜひいい方向に持っていっていただきたいと要望しておきます。 それから、資源ごみ袋の無料化についてですけれども、私は本当は今の家庭ごみ袋、これも全部無料化すべきだと思っております。なぜならば、本日第1質問でも述べましたように、もともと廃掃法で市町村の責任で行うということです。その中でやっぱりインセンティブだとか、そういうことで有料化したと。しかし、その割にはやっぱりかなり高額で負担も大きい、そういった点でとりあえずきょうは資源化ごみだけでもと言いましたけれども、つれない回答でしたので、今後もこの問題を引き続き取り上げていきたいと思っております。 次に、マタニティーハラスメントの問題について第2質問を行います。 まず、お尋ねしたいんですけれども、先ほど私が紹介しました西原さんの件、きょうも傍聴に本人見えているわけですけれども、あのような事例があったとした場合、これは人権侵害行為であると考えているのか考えていないのか、まず市長の答弁をお願いします。 ○議長(戸町武弘君) 総務企画局長。 ◎総務企画局長(柴田邦江君) 御質問にあった件でございます。今係争中の個別の事案ということなので、具体的なお答えは差し控えますけれども、一般論といたしまして、御質問の中にあったように、妊娠、出産を事由として不利益取り扱いを示唆するような発言、妊娠、出産、育児関連の権利を主張しづらくするような発言、就業環境を害する行為、給与の不利益な算定などを行った場合は雇用機会均等法、育児・介護休業法に違反する可能性がございます。また、女性が請求したにもかかわらず、妊婦の簡易業務転換を行わなかった場合には、労働基準法に違反する可能性があると考えてございます。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 46番 八記議員。 ◆46番(八記博春君) 私の質問の答えになっていませんが、私の質問は、これが人権侵害に当たるかどうかをお尋ねしているんです。 ○議長(戸町武弘君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(工藤一成君) 人権担当は当局でございますけれども、今総務企画局長がお答え申し上げましたように、一般論といたしまして、マタニティーハラスメントというのは人権侵害に当たるものと考えております。そのように理解をいたしております。 ○議長(戸町武弘君) 46番 八記議員。 ◆46番(八記博春君) そうなんですね。厚労省が通達を出しました。このQ&Aが出ているんですけども、妊娠、出産、育児等の事由を契機として不利益取り扱いが行われた場合は、原則として妊娠、出産、育休等を理由として不利益取り扱いがなされたと解され、法律違反だと、こういうふうに明確に述べています。 そして、もう一つ、本市の北九州市男女共同参画社会の形成の推進に関する条例、これに明確な規定があります。第7条に、人権侵害行為の禁止という項目があります。性別による差別的な取り扱いにおいて、相手方に身体的、精神的苦痛を与える行為が人権を侵害する行為であることを認識し、これを行ってはならない。もう明確なんですね。ですから、このマタハラというのは法律にも違反している、そして、人権侵害です。これを市の条例でも明確に認めています。 更に、11条では、市長は差別的取り扱いによって人権が侵害された場合の相談を処理するために、関係機関と連携して適切な措置を講ずるよう努めるものとするとあるんですね。先ほどの質問でも引用しましたけれども、この方は市長に対して市長への手紙を出す、そして、市政提案箱にも連絡をする、そして、区役所にも何度も行っております。 先ほど答弁の中で係争中だからという話がありました。なぜ裁判をしなければならなくなったのか、ここは物すごく大事だと思うんです。結局、相談だけでは解決しないんです。だから、裁判をせざるを得ない。考えていただきたいんですが、妊婦が原告になって、今働いている会社を相手に裁判を行うというのは本当に大変なことなんですね。私は、いろいろきれいごとはありますけれども、そうじゃなくて、もっと北九州市がみずからの問題としてこうした問題の解決のために働くべきだと思うんです。 答弁にもありましたけれども、国は注意をして改めなければ企業名を公表すると言っております。こういうことを国がしっかり言ってくれているわけですよ。そしたら、そういうことを相手方にきちっと知らせて改善を図る。それは人権侵害なんですよ、そして、これは法律違反なんですよ、そういうことをしっかり対応していくということが重要だと思うんですけども、いかがでしょうか。 ○議長(戸町武弘君) 総務企画局長。 ◎総務企画局長(柴田邦江君) 今おっしゃられましたように、私も答弁いたしましたけど、国、県、市でそれぞれできること、できないことがございます。市としては直接に労使紛争の解決とか、事業主に対する指導というようなことの権限を有してございませんので、本来そういった権限を持っている国や県と、まさに来年になりましたら、同じようなところでワンストップで一緒にやっていこうということを始めたいと考えてございます。 働く女性が今ふえておりますので、そして、マタニティーハラスメントの問題、非常に重大化しておりますので、市としてもそのような状態を見過ごすということではございません。ただ、できるところ、できないところがございますので、できるところときちんと連携をしながら対応してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 46番 八記議員。 ◆46番(八記博春君) 先ほども労使紛争の権限を市は持っていないと言われました。しかし、同時にきめ細やかな対応を行ってまいりたいと言われました。結局、きめ細やかな対応というのは相談窓口を紹介すると、彼女の場合も国、県、市の相談窓口に行きなさいという指導だったんですけど、ところが繰り返しますけども、北九州市の男女共同参画条例には、市長は適切な措置を講ずるよう努めるものとするとなっています。この適切な措置というのは、単によその窓口を紹介することだけなのかということです。 それから、このたび第3次男女共同参画基本計画というのが発表されました。冒頭挨拶で市長は、人口減少と少子・高齢化に対応し、男女共同参画社会の実現が不可欠です。欠かすことができない重要なことだと。北九州ですよ、これね。だから条例と基本計画をつくったと。男女の人権の尊重などに重点的に取り組むと誰が言っているか、北橋健治というサインしてあるんです。先ほどの答弁と違うんじゃないですか。私は、言っていることとやっていることが違うんじゃないかと言いたいんです。やっぱりそうやって苦しんでいる市民、しかも氷山の一角ですよ。具体的にこの問題で何とかしてほしいと、そして、裁判までやる人というのは本当に少ないんです。そういう勇気のある人にやっぱり北九州がほかの窓口を紹介するだけではなくて、きちんと支援するということが必要じゃないんですか。市長答弁お願いします。市長のこと言っていますので。 ○議長(戸町武弘君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 市長への手紙を調べてみましたけれども、該当は今のところ見つかっていないという報告をまず受けております。それはそれといたしまして、このセクシュアルハラスメントの問題というのは、これは大変重要な課題であると認識しております。 先ほど男女共同参画について触れられましたが、その趣旨で、市としてやるべき今後の行政につきまして計画を立てて実施しております。そこでは、書いてありましたように、直接企業に対して監督、指導、指導に従わない場合の企業名の公表といった、そういう直接的な権限は国にあって市にはないわけです。県の労働支援センターはあっせんをしていると聞いておりますが、そこで我々市として何ができるかということで、このセクシュアルハラスメントをなくしていくために、関係方面に出向いて講演活動をやったり講師を派遣したり、あるいはできることについて相談の実施でありますとか、そういうことをやっているということでございます。 今回、国、県、市、市民から見るとどこがどういう権限を持っているのかは見えにくいことはいっぱいあると思います。そういった意味で、私も公約に掲げまして、日本で初めてですが、国、県、市がワンフロアで、ワンストップで対応できるようになれば、こうしたときにも、これが国のほうでこうやっていろいろと具体的に案内をすることもできるだろうと思います。我々は現在の法令のもとで、市としてセクシュアルハラスメント、マタハラをなくすために精いっぱいの努力を続けていきたいということです。 ○議長(戸町武弘君) 46番 八記議員。 ◆46番(八記博春君) 先ほどの局長の答弁と変わらない答弁なんですけども、私は介護施設というのは市が認可すると、そういう施設なんですね。やっぱりそういう市と介護施設の立場、それから、そこで人権侵害が行われている、法律違反が行われている、そのことを市民が北九州に訴えた場合に、相談した場合に、もっと積極的に行うべきではないかと言っているんです。 それで、例えば第三次高齢者支援計画にかかわる市民意見に対する市の対応というのが、ホームページを探しておりましたら出てきました。そこで市民から、介護職が利用者家族からハラスメントで精神的に傷つき、退職するケースがある、取り組みが必要ではないかという質問が出ているんですね。今回の場合は施設とそこで働く人ですけども、この事例はそこで働く介護職の人と利用者の中のハラスメントで、ちょっと違うわけですけども、これに対して北九州市は、利用者からの苦情相談で過剰なものについては正しい利用方法を指導していると書いているんです。これ公表されているんですよ、北九州のホームページでね。やっているんです。やっていると書いているんです。できるんじゃないんですか。いかがですか。 ○議長(戸町武弘君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(工藤一成君) 介護施設における介護担当者の介護職の心のケアの問題については重要だと考えております。その枠の中でそのような、議員御指摘のような事案があった場合には、介護事業者と当局で話し合いをして、介入をすべきところは介入をしていきたいと考えております。 ○議長(戸町武弘君) 46番 八記議員。 ◆46番(八記博春君) ぜひ介護の職場の人たちと業者と話をしてもらいたい。先ほど紹介しませんでしたけど、事業者の務めというのも書いているんですよ、条例の中にね。ですから、条例を守れということは十分言えるんです。よろしくお願いしたいと思います。 次に、PCBの問題についてです。 PCBの問題については、ベンゼンが出て、報告では健康を害する濃度ではないという説明がやられています。私はそれはいかがなものかと思っているんです。昭和46年に当時の労働省が、本市の三菱化成黒崎工場においてベンゼンと同じ芳香族のベンジジンにより労働者がぼうこうがんになって、死者が7名、労災認定患者が61名、要注意者は371名に及んだということを明らかにしました。そして、この事件を受けて翌年、労働安全衛生法が成立をしました。そして、それにはベンゼンも指定されたわけですけども、こういう歴史を持つ北九州で、今度のPCBでベンゼンが出たと、これは人体に影響するんじゃないよと、そういうことをのうのうと言うというのはいかがなものかと。もう怒りを持ちます。きょうも傍聴席にはこの問題をもう何十年も闘った方が参加しております。指摘をしておきたいと思います。 それで、JESCOのことですけども、ちょっと紹介しておきます。JESCOの谷津龍太郎という社長は、当社は安全・確実と情報公開を基本として、安心して暮らせる環境の保全と創造に全力を尽くしてまいりますと述べております。それから、JESCOの基本理念には、1番目は環境と安全を優先します、2番目には、これおもしろいんです。私たちは隠し事をしませんと書いてある。管理者が率先して、都合の悪いことほど早く報告する風土をつくりますと言っているんです。 先ほど答弁の中で、環境大臣が企業風土がなぜ起こったのかという話がありました。風土なんですよ、これ、JESCOの風土。環境大臣も言うようになぜこんな風土が起こったのか。しかし彼らが外向けに言っているのは、都合の悪いことほど早く報告する風土をつくります、そして、3番目はルールを守りますと。私は本当に言っていることとやっていることが違う、こうした言葉と裏腹に誠実さも緊張感も欠けていると思っております。 それで、私が問題にしているのは、事故は起こるものですね。起こるものだという認識を持っております。ですから、どうやってなくすのか、それはもう繰り返し言われているようにハインリッヒの法則だと思うんです。1つの重大災害の後ろには29件の軽微なトラブルがあって、その下には300件のヒヤリ・ハットがあると。だからヒヤリ・ハットと軽微なものを全力で潰していけば、重大災害を潰すことができるということであります。しかし、そのことについて北九州はやられてないんです。やられてないだけではなくて、私、今度監視会議の議事録をいろいろ読んでみました。そしたら、監視委員の皆さんは真剣で鋭い監視を行っています。本当に感心しました。 その中で、こういう話があるんですね、監視委員から。重篤なトラブルに至らないトラブル、つまり軽微なトラブルも公開する必要がある、繰り返し委員の人たちはこういうことを求めているんですよ。ところが、JESCOは機械トラブルは毎日のように起こるんですと。ヒヤリ・ハット的なものはたくさんあるんですと。ヒヤリ・ハットは、運転会社とJESCOで毎月その対策を行っているんですよと言って、結局は軽微なトラブルの公開を拒否しているんです。そして、それを環境局はずっと認めてきたんです。まさに隠し事をする体質なんです。 さっき北海道の話だけやられましたが、東京では600件を超えるヒヤリ・ハットの件数が全部報告されています。それから、監視会議の中身を見ますと、よその事例が載っているんですが、東京も大阪も北海道も軽微なものについては発表しているんですね。もう一つ紹介したいのは東京です。その前に、ごめんなさい、JESCOはトラブル公表ガイドラインというのを決めているんです。重大なものから1、2、3、そして、3未満については地元の所管監督庁の意向も踏まえて各事業所が公表を行うと。だから、JESCOは地元の北九州市と話してもっと公開してもいいと言っているんです。それを使って東京なんかは3未満のトラブルは東京都と江東区に報告し、速やかに監視会議に当たる安全委員会に報告して必要な助言をいただくと、こういうことをずうっとやっているんです。私は、やっぱりこれを軽微なトラブルについてもきちんと報告させるべきだと思います。 実は私の質問は、これ3回目なんです、同じ質問。9月の特別委員会でもしました。その後市長質疑でも行いました。しかし、市長からはノーの答弁がありました。通報を要する範囲に該当しない軽微なものであったと、だから適切な措置がされていると認識していると、北九州に報告する必要がないと言われました。私は、こういう姿勢だからJESCOから足元を見られると思うんです。 先ほどの答弁でも、明確に軽微なトラブルについて公表するという答えが出てきませんでしたけれども、JESCOはこの件で北九州市にも環境省にも出した報告書の中でこう言っているんです。今後、重大なトラブルにつながりかねない対応や軽微な事案について、本市に対して報告及び相談の徹底を図ります、もうJESCOはやりますと言っているんです。それなのに、まだこの場でやらせたいと言わない。私はおかしいんじゃないかと思います。 ○議長(戸町武弘君) 環境局長。 ◎環境局長(小林一彦君) 必要最低ラインをどこまでに引くのかということを、原因究明をしっかりした中で、どうするということをしっかりやっていきたいという考え方でございますので、現在そこのところを一生懸命究明して、その原因対策に努めていくということを模索しているところでございます。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 本日の日程は以上で終了し、次回は12月7日午前10時から会議を開きます。 本日はこれで散会いたします。                  午後5時21分散会             総務財政委員会報告書                            平成27年11月18日北九州市議会議長 戸 町 武 弘 様                      総務財政委員会委員長 西 田  一 本委員会は、次の事件について調査を終了したので、北九州市議会会議規則第101条の規定により報告します。                      記1 調査事件 ○ 地方創生について   我が国における急速な少子高齢化の進展に対応し、人口減少を克服するととも  に、東京圏への一極集中を是正し、地方創生に取り組んでいくため、国において  は、平成26年に制定したまち・ひと・しごと創生法に基づき、「まち・ひと・し  ごと創生総合戦略」を策定し、地方創生に関する施策を展開することとしている。   本市においても、少子高齢化・人口減少問題は重要な課題であり、地方版総合  戦略として、「北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定に取り組むこと  としている。   本委員会は、地方創生の重要性に鑑み、本市の総合戦略の策定に向けて、地方  創生について調査を行うこととした。2 調査の経過及び結果 ○ 平成27年3月10日 総務財政委員会   第1回北九州市まち・ひと・しごと創生有識者会議の開催結果について、当局  から説明を受けた。   主な説明内容は、国のまち・ひと・しごと創生長期ビジョン及び総合戦略、本  市の人口動態及び地方創生の取り組み、会議での主な意見に関するものであった。 ○ 平成27年4月17日 総務財政委員会   第2回北九州市まち・ひと・しごと創生有識者会議及び第1回北九州市まち・  ひと・しごと創生推進協議会の開催結果について、当局から説明を受けた。   有識者会議に関する主な説明内容は、本市のまち・ひと・しごと創生の考え方  の整理、「地方創生先行型」交付金を活用した事業の実施、会議での主な意見に関  するものであった。   推進協議会に関する主な説明内容は、国の地方創生に関する取り組み、本市の  人口動態及び地方創生の取り組み、会議での主な意見に関するものであった。 ○ 平成27年5月15日 総務財政委員会   第3回北九州市まち・ひと・しごと創生有識者会議の開催結果について、当局  から説明を受けた。   主な説明内容は、本市の総合戦略骨子(素案)、会議での主な意見に関するもの  であった。 ○ 平成27年6月24日 総務財政委員会   第4回北九州市まち・ひと・しごと創生有識者会議の開催結果について、当局  から説明を受けた。   主な説明内容は、本市の総合戦略(素案)、会議での主な意見、国家戦略特区提  案「北九州市スマートシティ創造特区」に関するものであった。   また、総務財政委員会として、本市の総合戦略に関する意見を取りまとめてい  くことを決定した。 ○ 平成27年7月1日 総務財政委員会   第2回北九州市まち・ひと・しごと創生推進協議会の開催結果について、当局  から説明を受けた。   主な説明内容は、本市の総合戦略(案)、会議での主な意見に関するものであっ  た。 ○ 平成27年7月14日 視察(北海道北広島市)   北広島市では、平成26年度からファーストマイホーム支援制度及びおためし移  住事業を開始し、両事業を通じた住宅購入世帯に対する経費助成及び移住体験の  モニター発信等により、移住定住促進に取り組んでいる。 ○ 平成27年7月16日 視察(北海道千歳市)   千歳市では、平成27年度から5ヵ年を計画期間とする移住・定住促進のプロジ  ェクトを策定し、同プロジェクトに基づく結婚活動応援事業、不妊治療費助成事  業、移住相談窓口のワンストップ化等により、移住定住促進に取り組んでいる。 ○ 平成27年8月5日 総務財政委員会   本市の総合戦略(案)に対するパブリックコメントの実施について、当局から  説明を受けた。《北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)の概要》 ◇基本方針   女性と若者の定着などにより社会動態をプラスにしていき、地方創生の「成  功モデル都市」を目指す ◇基本目標  ① しごとの創出  ② ひと「新しい人の流れをつくる」  ③ ひと「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」  ④ まち「時代に合った魅力的な都市をつくる」 ◇政策パッケージ  ① 北九州市にしごとをつくり、安心して働けるようにする  ② 北九州市への新しいひとの流れをつくる  ③ 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる  ④ 時代に合った魅力的な都市をつくる  ⑤ 地方創生推進のための国の施策への対応《各委員の意見要旨》  ・地元就職率の向上を目指し、中学生及び高校生、さらに未就学者及び未就業   者への職場体験の実施が必要ではないか。  ・中小企業振興条例の趣旨を生かし、市内の資源を活用する企業の情報発信等   に取り組むとともに、キャリア教育における産業と消費の循環に対する理解   の促進が必要ではないか。  ・小規模企業振興基本法等に基づく振興計画の策定、商工会議所との連携等に   よる小規模企業の振興が必要ではないか。  ・地域エネルギー会社による各世帯への安価で安定的な電力供給が必要ではな   いか。  ・東京の一極集中を是正し、本市へのアクティブシニアの移住を促進するため、   CCRC実施拠点の整備等による日本版CCRCの実施が必要ではないか。  ・公営競技場を観光資源として活用するとともに、まちのにぎわいづくりのた   めに競技未開催期間の施設の利活用が必要ではないか。  ・不妊に悩む夫婦に対する支援として、高額な不妊治療費に伴う経済的負担に   対する軽減策が必要ではないか。  以上の意見を踏まえて総務財政委員会としての意見を取りまとめることを決定 した。 ○ 平成27年8月19日 総務財政委員会   本市の総合戦略に関する総務財政委員会としての意見を取りまとめた。   後日、正副委員長において担当局に対し、総合戦略の策定に当たり同意見を踏  まえた検討を要望した。  ┌───────────────────────────────────┐  │                                   │  │     北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略に関する意見     │  │                                   │  │ 我が国は、世界に先駆けて人口減少・超高齢社会を迎えており、国として、│  │この喫緊の課題に対し、総力を挙げて取り組んでいくため、平成26年にまち・│  │ひと・しごと創生法を制定し、まち・ひと・しごと創生に関する施策を総合 │  │的かつ計画的に実施していくこととしている。              │  │ 同法に基づき国において策定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」 │  │では、東京一極集中の是正等による人口減少と地域経済縮小の克服、まち・ │  │ひと・しごとの創生と好循環の確立を基本的な考え方として掲げ、自立性等 │  │の政策5原則に基づき地方創生に関する施策を展開することとしている。  │  │ こうした国の動きに合わせ、本市においても、地方創生の成功モデル都市 │  │を目指し、「北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定に取り組んで│  │おり、総務財政委員会としても、地方創生の重要性に鑑み所管事務調査を行 │  │ってきた。                              │  │ これまでの調査の経過を踏まえ、同総合戦略の策定に当たっての本委員会 │  │としての意見を次のとおり取りまとめた。                │  │                                   │  │1 地元就職率の向上を図るため、小学生から大学生まで、並びに若い世代 │  │ の未就学者及び未就業者に対し、年齢階層に応じた職場体験やインターン │  │ シップ等の地元企業への理解を深める取り組みを充実すること。     │  │2 地元企業の情報発信、販路開拓の支援、官民による地元企業からの調達 │  │ 促進とそれに伴う経済波及効果に関するキャリア教育における理解の促進 │  │ など、市内の中小企業及び小規模企業の振興策を推進すること。     │  │3 平成28年度の電力の完全自由化に伴い、安価で安定的な電力の供給を目 │  │ 指し、地域エネルギー会社による地元企業のほか各世帯への電力供給を視 │  │ 野に、地域エネルギー拠点化を推進すること。             │  │4 首都圏等からのアクティブシニアの移住を促進するため、移住支援制度 │  │ の構築及びCCRC実施拠点の整備等に取り組み、全国に先駆けて日本版 │  │ CCRCのモデル実施を推進すること。                │  │5 観光客誘致及びまちのにぎわいづくりのため、観光資源として公営競技 │  │ 施設を積極的に活用するとともに、競技未開催期間の施設の利活用を推進 │  │ すること。                             │  │6 不妊に悩む夫婦にとって、高額な不妊治療費に対する現状の国の支援策 │  │ では、経済的負担が十分に解消されておらず、負担軽減策を充実すること。│  └───────────────────────────────────┘ ○ 平成27年10月5日 総務財政委員会   本市の総合戦略策定に伴うパブリックコメントの実施結果、パブリックコメン  ト及び総務財政委員会の意見を踏まえた総合戦略(案)の修正内容、修正内容を  反映した総合戦略(成案)について、当局から説明を受けた。   総務財政委員会の意見については、職場体験等のキャリア教育の推進、中小企  業の振興、日本版CCRCの推進、公営競技施設の活用及び不妊治療の支援に関  する意見の趣旨が成案に反映された。 ○ まとめ   国が少子高齢化・人口減少の課題に直面する中、特に高齢化率が政令市の中で  最も高く、昭和54年をピークに一貫して人口減少が続いている本市としては、し  ごとを創出し新しい人の流れをつくるなど、全力で地方創生に取り組む必要があ  る。   この地方創生に向け、議会、市民、有識者等からの幅広い意見を踏まえて「北  九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略」が策定されたところであり、この総合  戦略に基づき、基本目標の達成に向けて各種施策が着実に推進され、本市が地方  創生の「成功モデル都市」となることを期待する。                            議員派遣変更報告一覧表(平成27年9月定例会議決分)┌───────────────────────────────────────┬───────────────────────────────────────┐│                  変更後                  │                 変更前                   │├───────────────┬────────┬───────┬──────┼───────────────┬────────┬───────┬──────┤│   派遣議員(団体名等)   │   目 的   │  場 所  │ 期  間 │   派遣議員(団体名等)   │   目 的   │  場 所  │ 期  間 │├───────────────┼────────┼───────┼──────┼───────────────┼────────┼───────┼──────┤│総務財政委員会        │大都市財政の実態│東京都千代田区│ 平成27年 │総務財政委員会        │大都市財政の実 │東京都千代田区│平成27年  ││ 井上秀作議員        │に即応する財源の│(自由民主党)│ 11月25日 │ 井上秀作議員        │態に即応する財 │(自由民主党)│11月中の1 ││               │拡充に関する政令│       │      │               │源の拡充に関す │       │日間    ││               │指定都市税財政関│       │      │               │る政令指定都市 │       │      ││               │係特別委員会によ│       │      │               │税財政関係特別 │       │      ││               │る要望運動   │       │      │               │委員会による要 │       │      ││               │        │       │      │               │望運動     │       │      │├───────────────┼────────┼───────┼──────┼───────────────┼────────┼───────┼──────┤│総務財政委員会        │大都市財政の実態│東京都千代田区│ 平成27年 │総務財政委員会        │大都市財政の実 │東京都千代田区│平成27年  ││ 浜口恒博議員        │に即応する財源の│(民主党)  │ 11月18日 │ 浜口恒博議員        │態に即応する財 │(民主党)  │11月中の1 ││               │拡充に関する政令│       │      │               │源の拡充に関す │       │日間    ││               │指定都市税財政関│       │      │               │る政令指定都市 │       │      ││               │係特別委員会によ│       │      │               │税財政関係特別 │       │      ││               │る要望運動   │       │      │               │委員会による要 │       │      ││               │        │       │      │               │望運動     │       │      │├───────────────┼────────┼───────┼──────┼───────────────┼────────┼───────┼──────┤│総務財政委員会        │大都市財政の実態│東京都千代田区│ 平成27年 │総務財政委員会        │大都市財政の実 │東京都千代田区│平成27年  ││ 成重正丈議員        │に即応する財源の│(公明党)  │ 11月19日 │ 成重正丈議員        │態に即応する財 │(公明党)  │11月中の1 ││               │拡充に関する政令│       │      │               │源の拡充に関す │       │日間    ││               │指定都市税財政関│       │      │               │る政令指定都市 │       │      ││               │係特別委員会によ│       │      │               │税財政関係特別 │       │      ││               │る要望運動   │       │      │               │委員会による要 │       │      ││               │        │       │      │               │望運動     │       │      │├───────────────┼────────┼───────┼──────┼───────────────┼────────┼───────┼──────┤│総務財政委員会        │大都市財政の実態│東京都千代田区│ 平成27年 │総務財政委員会        │大都市財政の実 │東京都千代田区│平成27年  ││ 柳井誠議員         │に即応する財源の│(日本共産党)│ 12月1日 │ 柳井誠議員         │態に即応する財 │(日本共産党)│11月中の1 ││               │拡充に関する政令│       │      │               │源の拡充に関す │       │日間    ││               │指定都市税財政関│       │      │               │る政令指定都市 │       │      ││               │係特別委員会によ│       │      │               │税財政関係特別 │       │      ││               │る要望運動   │       │      │               │委員会による要 │       │      ││               │        │       │      │               │望運動     │       │      │└───────────────┴────────┴───────┴──────┴───────────────┴────────┴───────┴──────┘                写                           北九人委調第298号                           平成27年12月2日北九州市議会議長 戸 町 武 弘 様                            北九州市人事委員会                          委員長 河 原 一 雅  人事委員会の意見の申出について 平成27年11月27日付け北九議議第71号をもって意見を求められた下記の議案については、当委員会として異議はありません。                記 議案第175号 行政不服審査法の施行に伴う関係条例の整備に関する条例につ         いてのうち、北九州市職員の給与に関する条例の一部改正及び         北九州市職員退職手当支給条例の一部改正について 議案第176号 北九州市職員の再任用に関する条例の一部改正について 議案第177号 地方公務員法の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例に         ついてのうち、北九州市職員の給与に関する条例の一部改正、         北九州市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正及び北九         州市立の高等学校及び幼稚園の教育職員の給与等に関する特別         措置に関する条例の一部改正について 議案第178号 北九州市職員の給与に関する条例等の一部改正について 議案第179号 北九州市職員退職手当支給条例の一部改正について                   議 案 付 託 表                                    平成27年12月定例会総務財政委員会┌──────┬───────────────────────────────────────┐│ 議案番号 │             件           名             │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第172号  │北九州市行政不服審査会条例について                      │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第173号  │北九州市情報公開条例の一部改正について                    │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第174号  │北九州市個人情報保護条例等の一部改正について                 │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第175号  │行政不服審査法の施行に伴う関係条例の整備に関する条例について         │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第176号  │北九州市職員の再任用に関する条例の一部改正について              │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第177号  │地方公務員法の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例について        │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第178号  │北九州市職員の給与に関する条例等の一部改正について              │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第179号  │北九州市職員退職手当支給条例の一部改正について                │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第180号  │北九州市議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一     ││      │部改正について                                │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第181号  │北九州市個人番号の利用に関する条例について                  │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第182号  │北九州市手数料条例の一部改正について                     │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第183号  │北九州市市税条例の一部改正について                      │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第184号  │北九州市スポーツ施設条例及び北九州市都市公園、霊園、駐車場等の設置及     ││      │び管理に関する条例の一部改正について                     │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第192号  │八幡東消防署移転新築工事請負契約の一部変更について              │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第193号  │ひびきの小学校等複合施設新築工事請負契約の一部変更について          │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第194号  │当せん金付証票の発売について                         │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第199号  │指定管理者の指定について(北九州市立男女共同参画センター等)         │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第226号  │平成27年度北九州市一般会計補正予算についてのうち所管分            │└──────┴───────────────────────────────────────┘建築消防委員会┌──────┬───────────────────────────────────────┐│ 議案番号 │             件           名             │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第188号  │北九州市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部改正について       │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第189号  │北九州市火災予防条例の一部改正について                    │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第190号  │北九州市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について             │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第226号  │平成27年度北九州市一般会計補正予算についてのうち所管分            │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第230号  │平成27年度北九州市土地区画整理特別会計補正予算について            │└──────┴───────────────────────────────────────┘環境建設委員会┌──────┬───────────────────────────────────────┐│ 議案番号 │             件           名             │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第195号  │市道路線の認定、変更及び廃止について                     │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第196号  │鹿児島本線門司・小倉間仮称砂津架道橋新設工事委託協定の一部変更につい     ││      │て                                      │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第197号  │黒崎城石黒崎1号線道路改築事業に伴う鹿児島本線黒崎駅構内自由通路新設     ││      │工事委託協定締結について                           │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第226号  │平成27年度北九州市一般会計補正予算についてのうち所管分            │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第232号  │平成27年度北九州市廃棄物発電特別会計補正予算について             │└──────┴───────────────────────────────────────┘保健病院委員会┌──────┬───────────────────────────────────────┐│ 議案番号 │             件           名             │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第185号  │北九州市社会福祉施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について       │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第186号  │北九州市健康づくりセンター条例の廃止について                 │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第187号  │北九州市病院及び診療所の専属薬剤師の配置並びに病院の人員及び施設の基     ││      │準に関する条例について                            │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第200号~ │指定管理者の指定について(北九州市立門司勤労青少年ホーム等)         ││  第217号 │                                       │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第218号~ │指定管理者の指定について(北九州市立おぐまの保育所等)            ││  第225号 │                                       │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第226号  │平成27年度北九州市一般会計補正予算についてのうち所管分            │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第234号  │平成27年度北九州市後期高齢者医療特別会計補正予算について           │└──────┴───────────────────────────────────────┘教育水道委員会┌──────┬───────────────────────────────────────┐│ 議案番号 │             件           名             │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第191号  │北九州市教育施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について         │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第226号  │平成27年度北九州市一般会計補正予算についてのうち所管分            │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第235号  │平成27年度北九州市上水道事業会計補正予算について               │└──────┴───────────────────────────────────────┘経済港湾委員会┌──────┬───────────────────────────────────────┐│ 議案番号 │             件           名             │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第198号  │市有地の処分について                             │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第226号  │平成27年度北九州市一般会計補正予算についてのうち所管分            │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第227号  │平成27年度北九州市卸売市場特別会計補正予算について              │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第228号  │平成27年度北九州市渡船特別会計補正予算について                │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第229号  │平成27年度北九州市競輪、競艇特別会計補正予算について             │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第231号  │平成27年度北九州市港湾整備特別会計補正予算について              │└──────┴───────────────────────────────────────┘経済港湾委員会(続き)┌──────┬───────────────────────────────────────┐│ 議案番号 │             件           名             │├──────┼───────────────────────────────────────┤│ 第233号  │平成27年度北九州市漁業集落排水特別会計補正予算について            │└──────┴───────────────────────────────────────┘...