越前市議会 > 2019-06-21 >
06月24日-05号

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  1. 越前市議会 2019-06-21
    06月24日-05号


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    最終取得日: 2023-05-20
    令和 元年 6月定例会          令和元年6月越前市議会定例会(第5号) 令和元年6月21日の会議に引き続き、令和元年6月24日午前10時から会議を再開した。  =======================================1 議事日程┌─────────────────────────────────────────┐│           令和元年6月越前市議会定例会議事日程            ││                        令和元年6月24日午前10時開議 ││  第 5 号                                  ││ 第1 一般質問                                 │└─────────────────────────────────────────┘  =======================================2 本日の会議に付議した事件 日程第1 一般質問  =======================================3 出席議員(22人)     1 番 中 西 昭 雄 君         2 番 砂 田 竜 一 君     3 番 清 水 一 徳 君         4 番 桶 谷 耕 一 君     5 番 近 藤 光 広 君         6 番 橋 本 弥登志 君     7 番 小 玉 俊 一 君         8 番 吉 村 美 幸 君     9 番 加 藤 吉 則 君        10番 大久保 健 一 君    11番 吉 田 啓 三 君        12番 川 崎 俊 之 君    13番 題 佛 臣 一 君        14番 三田村 輝 士 君    15番 安 立 里 美 君        16番 大久保 惠 子 君    17番 城 戸 茂 夫 君        18番 小 形 善 信 君    19番 前 田 一 博 君        20番 前 田 修 治 君    21番 片 粕 正二郎 君        22番 川 崎 悟 司 君4 議  事        開議 午前9時59分 ○議長(川崎悟司君) これより本日の会議を開きます。  ================ △日程第1 一般質問 ○議長(川崎悟司君) 本日の日程に入ります。 日程第1一般質問を行います。 6月21日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。 まず、発言順位13番、三田村輝士君。 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) 皆さん、おはようございます。市民ネットワークの三田村輝士でございます。一般質問を行います。 まず初めに、5月1日に施行されました新元号令和にちなんだ万葉のまちづくりについてお尋ねをいたします。 令和は、万葉集の「初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す」、この万葉集から出典されたもので、日本古典から初めての採用となりました。令和の文字には、清らかで美しいといった意味が含まれております。新元号が令和と発表されますと、全国各地にある万葉ゆかりの地に注目が集まりました。万葉ゆかりの地、味真野地区には、中臣宅守狭野弟上娘子の2人の間で詠まれた愛の相聞歌63首が残されております。地区には万葉集に歌われた歌をテーマとする万葉の里味真野苑万葉菊花園、そして万葉館などがありまして、万葉の里味真野の拠点になっております。苑には2人の詠んだ代表的な相聞歌が万葉歌碑として配置をされております。 狭野弟上娘子の代表的な歌として、世界に誇れる情熱的な歌、「君が行く道の長手を繰り畳ね焼き滅ぼさむ天の火もがも」、あなたが行く長い道のりを、手くり重ねて焼き滅ぼしてくれるような、そんな天の火はないものかという、本当に情熱的な娘子の歌であります。これに対して、中臣宅守の代表的な歌では、「塵泥の数にもあらぬわれ故に思ひわぶらむ妹が悲しさ」、ちりやほこりの数にも入らない私ゆえに、落胆しているのであろう、あなたのいとしさよという、宅守の本当にせつない情熱的な歌です。また、味真野の地名が歌われてる歌では、「あぢま野に宿れる君が帰り来む時の迎へを何時とか待たむ」、味真野にいらっしゃるあなたが帰ってこられるときが来るのを、いつ目当てに待てばよいのでしょうかという、娘子のせつない歌であります。 こうした歌が63首、相聞歌として残されておりまして、その代表的な歌を毎年万葉まつりで朗唱しておりますし、高岡の万葉まつりに行ったときも朗唱しているわけです。地区には、味真野観光協会が創立30周年を記念して、万葉の里味真野苑を起点に本山毫摂寺を経由して城福寺、そして小丸城と、このルートを万葉ロマンの道と位置づけをして、63基の万葉歌碑道標を、地区民の皆さんの御協力をいただいて設置してあります。 味真野地区では、新元号にあやかって、静かな万葉ブームを巻き起こし、地域のまちづくりに生かしていきたいと考えていますけれども、この令和のブームはそう長くは続かないというふうに思います。それだけに、令和元年のことしの1年の取り組みが極めて重要だと思い、何点かお聞きをしたいと思います。 万葉集は、奈良時代に編さんされた日本最古の歌集であります。万葉の里味真野苑は昭和40年代に万葉集の研究の権威でありました犬養孝先生の監修をいただいて整備された公園であります。そして、平成の時代に万葉の里味真野苑に名称が変更され、ことしから令和という新しい時代を迎えました。万葉集を通じて、不思議なときの流れと縁を感じざるを得ません。 本市においても、地域住民と連携をして万葉文化を地域に、市内に、そして子供たちに広く広めていくことなど、一層の取り組みが強く求められているように思います。 そこで、本市における万葉文化について、現在取り組んでいる内容と今後取り組みたいと考えている内容についてお伺いをいたします。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) それでは、お答えさせていただきます。 新たな元号が万葉集ゆかりの令和に決まったことから、万葉館において特別展「新元号令和」を開催し、越前和紙を描いた梅花の宴などを展示しております。また、市観光協会では、新元号にちなんだしおりを、ノベルティグッズとして開発したり、ボランティアガイドを養成したりすることにより、受け入れ環境を整え、増加する観光バスに対応しているところでございます。 さらに今後、令和ブームに当たり、万葉の里をPRするお土産品の開発など、地域の利益につながる取り組みを進めていきたいと考えております。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) いろいろ取り組みはいただいてると思います。 次に、万葉館の隣には県の施設である資料館があります。現在は倉庫のようになっていて、とても残念に思いますけれども、この施設を県と連携をして活用をし、さらに深く万葉文化に触れることのできる施設にバージョンアップできないものか、このように考えます。気軽に体験できるような、そういう内容でもいいのかなというふうに思いますが、市のお考えをお聞きをいたします。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 現在の万葉館は、昭和49年に郷土資料館として整備され、小丸城跡出土品や伝統芸能「越前万歳」の衣装などを展示してきましたが、平成16年に市で全面改修し、万葉のロマンと恋の歌をコンセプトに、万葉時代に的を絞った展示施設としてリニューアルしました。隣接する県の施設につきましては、万葉館の収蔵庫として位置づけられており、展示施設としての用途、機能は持ち合わせておりません。 市では、繰り返しての答弁になりますが、平成16年の万葉館リニューアルを、万葉文化に触れることができる施設として、万葉のロマンと恋の歌をコンセプトに展示を行っているほか、万葉衣装の試着体験なども行っているところです。今後も、万葉館において万葉文化にちなんだ展示を行ってまいりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) 展示は改修してから非常によくなったというふうに思っております。それだけに、観光客、訪れる人もふえてきてるとは思いますが、資料館を単なる倉庫だけでなくて、県の施設ですので、県のお力もいただくということで、市で全面的に何かをするとまた大変ですが、県の万葉文化取り組みってほとんどないと思うんですよね。せめて、そこで市と県が連携をして万葉文化情報発信をさらに高めていただくと、こういうことは非常に私は大事ですし、県の役割としてもあってもいいのかなというふうに思います。今の万葉館が完結ということでなくて、そういう点もぜひお考えをいただけるとありがたいなというふうに思います。 新元号令和の出典元となりました万葉集が脚光を浴び、全国の万葉集ゆかりの地では、新しい時代の訪れを祝うとともに、万葉集を味わったり、まちづくりに生かしていこうという動きが活発になっております。本市の万葉館においても、職員の皆さんの工夫、アイデアで、今紹介がありましたけれども高岡市や奈良の犬養記念館、この協力もいただきながら大変よい展示がなされております。また、今も令和特別展が開催をされ、充実してきてるなというふうには思います。万葉文化を向上させるために、この万葉館に、万葉文化に造詣の深い方に館長に就任していただいてはどうかなというふうに思います。味真野地区では万葉まつりを初め、万葉歌碑の設置や万葉ロマンの道の整備、またヒガンバナの植栽、万葉の故地交流など、積極的に地域を挙げて万葉文化まちづくりに取り組んでいますが、なかなか万葉に精通した人がいない、こういう点では苦慮している状況です。 こうしたときに、その館長にアドバイザーになっていただき、御指導いただいて、地域と行政が連携をして万葉文化を深く掘り下げ、幅広い活動につなげていけたらなというふうに思っております。万葉館からの情報発信もさらに高まっていくのではないかなというふうに思うわけです。市のお考えをお聞きをいたします。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) お答えします。 万葉の里味真野苑比翼の丘に建つ2基の万葉歌碑は、著名な万葉学者である故犬養孝氏が揮毫をしています。また、昨年から奈良県の犬養万葉記念館の御協力を得て、犬養万葉記念館長であります岡本三千代氏を招き、講演会の開催や味真野苑を散策し、万葉集で詠まれた植物を観察するイベントなど交流を深めているところです。引き続き故地サミットなどを通して、万葉文化の交流を深め、広めていきたいと考えております。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) 味真野観光協会でも、特に積極的に万葉文化でつながりのある高岡市とは交流をしております。高岡万葉まつりは万葉集の4,536種全てを三日三晩かけて朗唱する壮大な祭りです。私たちも地域の仲間と毎年参加をし、朗唱し、そして全国の万葉の故地の皆さんとも親しく交流をしております。高岡市の伏木地区では、とても熱心に子供たち万葉文化を伝える教育を行っております。また、故地交流でもほかの自治体でも熱心に取り組んでる自治体はたくさんあります。本市も万葉中学校味真野小学校でも万葉文化を伝える教育を行っていただいてはおりますけれども、さらに深め、全市内に広めていただきたいと思いますが、市のお考えをお聞きをいたします。 ○議長(川崎悟司君) 西野教育委員会事務局長。 ◎教育委員会事務局長(西野吉幸君) 身近な地域が、この日本最古の歌集であります万葉集とゆかりがあるということを学ぶことは、子供たちにとっても大変誇りとなりますし、また意義あるものだというふうに認識をしているところでございます。 今、議員がおっしゃられました万葉中学校味真野小学校以外の小学校、市内全域にこの万葉集の文化を広める取り組みをしてはどうかというお尋ねでございますけれども、現在本市が使用しております中学3年生の国語の教科書におきまして、万葉集が掲載をされております。歴史や和歌の意味について学習をするというものでございます。また加えまして、県内の小・中学生に教材として使用するために配布しております古典音読・暗唱ノートというものがございます。その中の中学校版におきまして、先ほど議員がおっしゃられました狭野弟上娘子中臣宅守の間で詠まれました相聞歌、代表的な相聞歌が掲載をされているところでございます。 このように、既に市内の学校におきましては、授業を通して万葉の文化に触れる学習を行っているところでございます。今後も和歌が持っている日本語本来の美しい調べや表現の学びを通じ、郷土への愛着と理解を深める学習に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。
    ◆(三田村輝士君) いろいろと教育のほうで取り組んでいただいてることは御紹介いただいたとおりかなと、熱心に取り組んでいただいてることも事実だなというふうには思ってます。さらによろしくお願いしたいなと。 6月には100台近くの観光バスが万葉の里味真野苑を訪れるということになっております。万葉の里味真野苑散策コースには、比翼の丘や池のほとりに万葉歌碑が配置され、万葉集に歌われているヒガンバナやカタクリの花などもたくさん自生植栽もされております。万葉文化に触れ、自然を味わい、訪れた方の憩いの場ともなっております。味真野自治振興会では、味真野観光協会と連携をして、十数年前から毎年苑へのヒガンバナの植栽に取り組んできました。市の観光協会でも今ほど御紹介いただきましたボランティアガイドの要請も行っていただきまして、ここにいる加藤議員もそのガイドとして活躍をされてるということでありますが、一昨年にはまた恋のパワースポットも整備をいただきました。さらに、令和の出典となった歌に出てくる梅の木の植栽や遊歩道の整備など、公園の充実整備に大きな期待が寄せられているところでありますが、市の整備に対するお考えもお聞きしたいと思います。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) お答えいたします。 味真野苑は、万葉集に歌われているヒガンバナやカタクリなど多くの植物が植えられ、四季の風景を季節ごとに楽しむことができるように、万葉の里味真野苑花ごよみとして市ホームページでPRをしているところです。また、本年5月4日に令和の記念として、苑にて万葉集で詠まれた植物の観察会を開催しました。今後とも、四季の風景など万葉の里の魅力発信に努めるとともに、イベント等を通して、地元の期待に応えられるよう努めてまいりたいと考えております。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) 整備をして、45年たちましたので、いろいろと老朽化したところもありますし、親しまれてきてるだけに、さらによくしていけたらなという期待もあります。 観光客が来てくれることは本当にうれしいことでありますが、お土産や食べ物などの買い物をしてもらう仕掛けが実は不足しております。地元では商工会や観光協会、菊地球博の取り組みを通じて、特産品の開発に取り組んでまいりました。特産品をつくる会も組織したことがありますけれども、地域の取り組みとして、恋の万葉焼きやハンカチ、本の書籍をつくったり開発をしてきましたけれども、地元だけでは恒常的に販売していく特産品の開発にはなかなか限界があるなと感じているところです。地元と市が連携をして、お土産品や食べ物など買い物をしてもらう仕掛けがもう少しあってほしい、できる、そんなことがないかなというように思います。市のお考えをお聞きしたいと思います。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 地方創生の中、全国的にも伝統文化などの観光資源や町並み、空き店舗、古民家、地場産業等を活用した地域の取り組みは多数あります。今、議員御質問いただいております味真野の取り組みもその一つだと考えております。 その中に、全国的にも成功例や失敗例などさまざまあるようです。継続的に取り組んで成功するためには、議員御指摘のとおりお金を落としてくれる仕組みづくりが重要と考えておりますが、大変難しい課題であります。例えば、意欲的に地域産業経営として新たに取り組むような場合であれば、創業の経営計画を含めた経営指導、販路拡大、商品開発などの産業支援など、商工団体と連携しての支援も考えられます。 内閣府地方創生推進事務局から稼げるまちづくり取り組み事例集「地域のチャレンジ100」などで事例紹介などもされておりますので、参考にしていただき、御提案や御相談をお願いしたいと考えております。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) おっしゃるように、なかなか難しい取り組みです。地元の取り組みをできるだけ後押ししていただけると非常にありがたいなと思っております。 最後に、市長に万葉文化まちづくりでお聞きしたいんですが、恋のパワースポットあるいは万葉館の整備など、非常に力を入れていただいておりますが、先ほど県の取り組みと触れましたけれども、さらに県にももう少し万葉文化を広めるというか、そういう取り組みに力をいただくという意味からも、資料館の整備も含めて県との連携について市長のお考えがあったらお聞きをしたいと思います。 ○議長(川崎悟司君) 奈良市長。 ◎市長(奈良俊幸君) 令和ということで、万葉集にすごくスポットが当たっていて、そのことを通して今回御質問いただいた趣旨は大変よくわかります。私どももできる限りこの万葉の、ある意味でブームに乗っかりながら、より多くの人が味真野の歴史や、あるいは取り組みまちづくりに共感を覚えていただいて、多くの方にお越しいただきたいと思っておりますけれども、ただ少し、きょうは御提言というか御質問の趣旨が、私は少し性急な部分が正直あると思ってます。これまで南越駅の開業に向けて県とともに周遊滞在型の観光の計画をつくったり、あるいは市独自でも工芸の里構想とか観光振興プランというのをつくって準備を進めてきたわけですから、今回のそういうことを含めてどうするんだってことであれば、市としてもある程度財源的なこととか、いろんな取り組みについて十分協議をし、そういうことを踏まえて県にも提言をしていかないと、なかなか県のほうも、趣旨はよくわかるけれどもってことで、聞きおきますということで終わってしまいかねないと思うんですね。ですから、どういうふうに持続的に万葉の取り組みを位置づけるかってことについての十分な考察というものがまず行われて、その上でどういう取り組みを進めていくべきかということを、財政的な面でも市のほうでじっくり考えて、その過程の中で市と県の役割を十分整理をして、市もこれだけ汗をかくから県にもお願いをしたいという形で手順を踏まないと、なかなか県としてもその趣旨を受けとめてくれないというふうに思います。 意図といいましょうか、お気持ちは十分理解をしますので、そういった議論をしっかりと積み上げていく過程の中で、県にいかにアピールできるかということが大きな問題になるだろうというふうに思いますので、まずは私どもも高岡を初め、いろんな取り組みについてはさらに情報を集めていこうとは思いますけれども、大いに地元のほうでも具体的な内容とか提言内容について詰めていただいて、そういうものをしっかりと積み上げた上でしかるべきタイミングでまた県にも要望する、そんなような手順だろうというふうに思います。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) 今の丹南の周遊型の計画であったり、南越駅の取り組みですね。その計画にどう連動させるかということも大事だろうなと思います。けれども、令和の時代に入って、すぐ1年、2年たってしまうので、やっぱりこのタイミングでまたちょっと切りかえ部分があってもいいのかなということで何点か提案をさせていただきました。すぐにそれが実現するということではなくて、そういうことを考えていく必要があるなという点での何点かの問題点ですので、取り組めるところは、それこそ中・長期的な問題もあると思いますけれども、市としても県を含めて取り組んでいただけると、さらに厚みが増すなあということで期待をしてます。よろしくお願いします。 次に、多面的機能支払交付金制度についてお伺いをします。 昔の農地は曲がりくねった水路と歩道で細かく区切られておりまして、非常に作業能率が悪かったわけでありますが、50年ほど前に機械化の進展とともに土地改良が進み、現在のような区割り、用排水路が整備をされてきました。しかし、近年その整備が老朽化したことから、国では平成19年から交付金を交付して農地、水などの資源や農村環境の良好な保全と質的向上を図る対策として、農地・水・環境保全向上対策に取り組むようになってきたわけであります。 私の町内でも、余川町みどりを守る会という組織をつくりまして、地域住民が支え合って、老朽化の激しい土地改良施設の修繕や草刈り、花の植栽などに取り組んできました。そのおかげもありまして、地域の農村の豊かな自然環境や景観が保たれてきております。 しかし、一方では高齢化の進展や事務の煩雑さなど、課題も浮き彫りになってきました。こうした現状を踏まえて、ことしから地域における農地、水などの資源や農村環境の良好な保全と質的向上を図る取り組みの継続性を保ちつつ、活動のさらなる質の向上を推進するために、多面的機能支払交付金制度の活動組織の広域化が進められてきました。 お聞きしますけれども、この広域化の取り組みの中で集約されてきた組織数、集落数、それから取り組み面積について、まずはお聞きしたいと思います。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) まず、多面的機能支払交付金事業について、三田村議員のお尋ねの中で細かく説明をしていただきました。ありがとうございます。 まず組織数でございますけれども、前年度には72の組織がございました。これが今年度からは12の組織に集約されることとなりまして、この中には従来取り組みをされていなかった7つの集落が新規に広域組織に加わることとなりました。参加集落数でございますが、合計で133となりました。取り組みの面積につきましては、前年度までの2,996.51ヘクタール、これが3,054.69ヘクタールまでふえたということでございます。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) はい、わかりました。 交付金についてお尋ねをいたします。 多面的機能支払交付金農地維持支払交付金として反当たり3,000円、そして資源向上支払交付金として反当たり1,800円が交付されます。この交付金を事業費として、それぞれの地域では老朽化が進む水路や農業施設の長寿命化、そして農地、水、環境の改善、こういった取り組みを行うわけであります。広域化を進める上で、各町内の集落委員会が地区を単位とした協議会を設立をしまして、土地改良区に設置された広域協定共同運営事務所に事務費のおおむね5%を事務委託費として支出する。そんな説明をこれまで受けてまいりました。共同運営事務所は各協議会からの事務委託費用を受けて、施設の長寿命化の業務や事務などを行うために人を配置し、事務所の運営費などを支出していくわけであります。 既に事業がスタートしておりますけれども、こんなことから共同運営事務所では、人の配置や事務機も設置されていると聞いております。しかし、いまだに交付金は支払われていないと、そういう状況です。また、この交付金がこれまで説明していた基準額どおりに交付されるのかどうかということも不透明だと聞かされております。現状は、4月以降の人件費や事務所運営費は土地改良区が肩がわりして支払っている状況だと聞いております。 こうした状況から、できるだけ早く交付金が交付されるべきだと考えます。お聞きしますが、交付金が交付される時期と、これまでの説明どおり間違いなく基準額が交付されるのかどうかお尋ねをいたします。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) 交付金の交付時期でございますが、毎年6月末を予定しておりまして、今年度もそのスケジュールで進んでございます。現在、県からの内示額につきましては、農地維持支払交付金資源向上支払交付金のうち共同活動費、これについては満額内示がいただけました。しかしながら、施設の長寿命化のための活動については基準額の66.1%、ほぼ3分の2の交付ということで内示をいただいておる状況でございます。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) 6月末には交付されるということです。しかし、この交付金が長寿命化については3分の2にという内示。共同運営事務所では既に事業のスタートに合わせて人の配置、事務機も設置されているということですので、当初の計画どおり、説明どおり、基準額どおりの交付がされないということになれば、広域化の取り組みに大きな支障を来すように思います。場合によっては、地区の協議会からの、先ほどおおむね9%と言いましたが、その事業委託率も高くなることも危惧されます。そのような事態になれば、各集落で計画していた事業ができない、縮小される、さらには住民負担が高くなるということで、そのような大きな影響を及ぼすというふうに思います。 共同運営事務所では、事務の委託費が削減されるような事態になった場合は、市が主体となって事務費の確保を行うことを前提に事務を受託するとの、そういう文書を市に提出したというような話もお聞きをしております。市として基準額どおり交付されない事態に対してどのように対処されるのか、お考えをお聞きをいたします。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) 御指摘のとおり、運営事務局の人件費とか事務機器など、固定経費が変わらないということでございますので、交付額が下がればその分割合も高くせざるを得ないのだろうというふうに思ってます。したがいまして、各地区協議会の負担は増すこととなってしまいます。 このことにつきまして、これまでこのような大幅な減額というのは従来なかったので、それから市の義務負担という部分も制度上ありませんので、予算措置もそもそもしてございません。国の財源100%でやっているものでございますので。したがいまして、国・県への重要要望に含めるなど、強く働きかけを急いでやってまいりたいと考えてるところです。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) 交付金の基準額が下がるということは、住民負担の増加につながるということになるというお話です。市の義務負担もないということになると、住民の負担に頼らざるを得ないと。そうすると、住民にしてみれば、約束が違うじゃないかということになるわけですね。ですので、今、県のほうに強く働きかけをしていきたいということですので、それはぜひお願いをしたいわけですが、市のほうとしても別な方法もないのか、あわせて検討もいただけたら非常にありがたいと思います。 次に、広域化の組織についてお尋ねをいたします。 私の住む余川町では、昨年広域化に向けて何回も会議をし、さまざまな説明もお聞きをしてまいりました。そして、ことしの1月には臨時総会を開いて、広域化に向けた住民の合意、承認も得てきたところであります。そして今年度に入って向こう5年間の、ことしに入ってといいますか、農業施設の長寿命化の要望事項もまとめ、共同事務所のほうに提出をし、そちらのヒアリングも受けてきたところであります。 お聞きしますけれども、広域化のこの取り組みは、これまで市が説明してきた内容のとおり順調に進んでいるのかどうか、進捗に問題はないのかお尋ねをしたいと思います。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) 広域の組織化につきましては、3月に今立地区で4つの組織、それから武生地区で5つの組織の合計9つの広域組織が設立されたところでございまして、当初計画していた組織全てが新広域組織に移行ができたと考えておりまして、既存の3組織と合わせまして12の組織となってるわけでございます。したがいまして、順調という認識でございますが、進捗につきましては、先ほども御説明申し上げましたが、予定どおり今月末に交付金の支払いができるという運びになってございますので、問題はないものと考えているところでございます。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) 今、今立4つ、武生地域5つの移行は順調にという答弁でしたが、私が聞いたところ、市内の一部に広域化の取り組みについて、広域化の共同運営事務所を設置することになりますが、その事務所が土地改良の事務所でないところで設置の準備が進んでいると聞いております。多面的機能支払交付金事業は、土地改良事業で整備した農道、農業用排水路などの維持補修を行っていくわけでありますから、これまでの市の説明、方針どおり土地改良と一体的な事業の推進が望ましいのではないかと思いますが、その点についての市のお考えをお聞きをいたします。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) おっしゃるとおり、この事業は土地改良区財産の施設の修繕ということでございますので、土地改良区との連絡調整というのは重要であるということでございます。事業を効率的に行えることから、これまで県や市並びに県の土地改良連合会が地元の説明に回って、その広域化の準備を進めていたわけなんですが、これまでの説明会の中においては、土地改良区と一体的な事業の推進が望ましいという考えで御説明を申し上げて回ったところでございます。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) 土地改良区と一体的な事業の推進が望ましいということを国、県、市も言ってきましたし、これからの考え方も変わらないということで確認をさせていただきましたが、広域化の推進に当たっては、今ほどもありましたが、農業施設の管理者は土地改良区になります。ですので、積極的な促進を促してきたということでありました。市も既存の土地改良区の事務所を活用することが効率的であると説明をしてきたということであります。 また、市から土地改良区に対して、活動組織の円滑な運営と負担軽減を図るために共同事務の委託を公文書で土地改良区に依頼をした、そういう経過もあるということが望ましいという、今の答弁になるのかなというふうに思います。 また、説明資料をよく見ますと、武生の5つの地区、それから今立の地区が土地改良区に事務所を置く組織図もこれまでの説明資料では提示をされていました。しかし、共同運営事務所土地改良事務所が異なるところになるような事態になりつつあるわけですが、そうしますと、これまでの国、県、市の指導、説明と異なる形になるわけであります。 さらに、長寿命化取り組みをする場合は、共同運営事務所は逐一土地改良区と協議をし、協議をしというのは、その施設が土地改良区の管理施設であるからですが、逐一協議をしなければならないし、承認を得るという行為も必要になってきます。そういうことを考えると、事務の効率が非常に悪くなるのではないかというふうに思います。特に問題になることは、そのことが住民の大きな負担にもつながってくると思います。 もう一つは、先ほどの交付率が下がるということの住民の負担に加えて、さらなる負担ということにも危惧されるわけですが、こうしたことに対して、市としては望ましい体制に戻すというか、その体制にするためにどのような指導を行っていくのかお聞きをしたいと思います。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) 広域協定の共同運営事務所土地改良区への事務を委託せずに、独自で運営するというふうに組織決定をされたことにつきましては残念ではございますが、その判断は組織としての判断でございますので、尊重すべきと考えてございます。市は事業の進捗を把握しながら、まだ始まったばかりでありますし、それから交付申請も順調に出していただいているってこともありますので、今後必要な対応があればしていきたいというふうに考えています。 また、広域協定との違反にならないかというお尋ねでしたかね。今のところ順調にいってますし、協定書もそのように変わってると確認をしてございますので、今のところは安心しているところでございます。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) そこの地域の住民が考え、合意を得てスタートしてるのだから、そこは望ましい形ではないかもしれないが尊重せざるを得ないということの答弁だったように思います。これからどんどん事業が進んでいく、あるいはことしから来年に変わっていく中で、やはり課題が見えてくるように思いますので、その点は尊重しつつも課題がどう出てくるのか、出てきた課題はどうあるべきなのかというのは、市の責任として、広域化を進めてきた行政としてしっかり見ていただいて、そしてそれは指導いただいたほうがいいのかなと思いますので、その点については期待をしたいと思います。よろしくお願いをします。 次に、3点目の質問になります。 会計年度任用職員制度についてお尋ねをいたします。 行財政構造改革プログラムの目標値では、市の職員数は600人以下を維持、このようになっておりますが、現在の市の職員数は何人になっているのかお尋ねをします。 ○議長(川崎悟司君) 小森総務部長。 ◎総務部長(小森誠司君) 本市の職員数でございますけれども、市行財政構造改革プログラムⅣで示しました、議員のほうからも御提示がありました600人以下を維持の目標に対しまして、平成31年4月1日時点で582人となっております。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) 582名ということですが、職員数は平成17年10月に両市が合併したときには741名おりました。それが582名まで減少してきております。13年間に159名減少し、21.5%の削減になっております。職員採用については、非常にいろいろと工夫をいただいて、優秀な職員を採用していただいてはおりますが、600人以下を維持となっている中、減少していくことも事実であります。人口当たりの職員数では、県内9市の中で2番目に少ない、この状況であります。 今年度の定年退職者数と、そして採用予定者数はどのようになっているのかお尋ねをします。 ○議長(川崎悟司君) 小森総務部長。 ◎総務部長(小森誠司君) 本年度の定年退職予定者数につきましては、24名となっております。採用予定者数については、退職者を補充する程度の人数を考えております。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) 24名の方が退職をするということです。退職者を補充する程度の人数というような答弁もいただきましたが、これは600名以下を維持するという、そういう目標に考えると、600名に近づけていくというふうな理解をしてもいいのかなと思いますが、その点についてのお考えをお聞きしたいと思います。 また、市役所には正職員だけではなくて非正規の方もたくさん働いていますが、どのような職種、職員がいて、その人数はどれだけなのかお尋ねをします。 ○議長(川崎悟司君) 小森総務部長。 ◎総務部長(小森誠司君) 本市の職員数につきましては、市行財政構造改革プログラムⅣに示している目標値の中で、今後も適正な人員配置を行っていきたいと考えております。 また、正規職員以外の職員につきましては、専門的な資格、技能、経験等を必要とする業務に従事する嘱託職員と、臨時的、定型的な業務に従事する臨時職員を配置し、業務の特性に応じ、それぞれ職員の役割分担を明確にしながら業務に従事していただいております。 なお、平成31年4月1日現在の嘱託職員数は103名、臨時職員数は255名となっております。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) 適切な人員配置、それは非常に正しいと思いますが、なかなか職場では本当に日々忙しい状況で仕事をしている実態もありますので、以前には600名に近づけるというようなこともお聞きをしたかなと思います。精いっぱい優秀な職員を一人でも多く採用いただけたらなというふうに思います。 今、答弁いただきましたけれども、正職員以外に嘱託職員が103名、それから臨時職員が255名ということで、この嘱託職員は福祉や教育などの専門特化した業務を行う職員ということで、嘱託職員の皆さんもそういう面では越前市の市民サービスを提供するためには重要な担い手になっているのかなというふうに思います。また、臨時職員も定型的かつ補助的な業務を行うということですので、この方たちも市民にとっての市民サービスの担い手としては大切な担い手になっているのかなと思いますが、加えて、例えば育休などの代替えという、そういう業務を行う臨時職員も任用されているわけであります。 それでは、これらの職員の勤務労働条件はどのように決められているのかお尋ねをします。国では平成29年5月、2年前になりますが、法律を改正をしまして、嘱託職員や臨時職員を対象にした会計年度任用職員制度という仕組みをつくったわけであります。この制度はどのような制度であり、該当する職員は越前市ではどのような職員になるのか、まずお尋ねをしたいと思います。 ○議長(川崎悟司君) 小森総務部長。 ◎総務部長(小森誠司君) 本市の嘱託職員、臨時職員の労働条件につきましては、それぞれに労働条件を定める要綱を制定し、最低賃金の動向や国の人事院勧告の状況を勘案しながら勤務労働条件を定めております。 また、会計年度任用職員制度についてでございますが、この制度は地方公共団体における行政需要の多様化等に対応し、公務の能率的かつ適正な運営を推進するため、臨時・非常勤職員について、任用等の適正化を確保し、労働条件や任期等を明確にするために創設される制度であります。全国の各自治体において条例を制定の上、令和2年4月から運用することとなっております。なお、本市では、議員のほうからも御紹介ありましたように、嘱託職員や臨時職員がこの制度の対象職員となります。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) 今ほどの答弁で、嘱託職員や臨時職員がこの会計年度任用職員制度の対象になるということであります。そして、これまでの要綱ではなくて条例を制定すると、ここで勤務労働条件を明確にするということだと思います。 総務省は、今回の法改正に関しまして、職務給の原則や均衡の原則に基づき、常勤職員を基礎として職務内容や職務経験などを考慮して給与水準を決定すると、このような通達といいますか、指示といいますか、方針が出ております。また、常勤職員よりも勤務時間が短い、例えばパートタイムであっても期末手当は支給すべきとしているわけであります。 お尋ねしますけれども、今回の制度施行、条例制定によりまして、現在要綱に示されている勤務労働条件よりその内容が後退することはないのかどうかお尋ねをします。 ○議長(川崎悟司君) 小森総務部長。 ◎総務部長(小森誠司君) 会計年度任用職員制度につきましては、全国の自治体でも条例を制定の上、先ほども回答させていただきましたように令和2年4月から運用することとなっており、本市におきましても、年度に条例案を上程したいと考えております。なお、勤務労働条件等につきましては、基本的に現制度より後退することがないと考えております。 ○議長(川崎悟司君) 三田村輝士君。 ◆(三田村輝士君) これまでの制度、中身よりも後退することはないということは理解をさせていただきました。もともとこの条例については、ことしの3月あるいは今回の6月議会かなという話も出てましたが、少しおくれてるようでありますけれども、そこはしっかり越前市民の市民サービスを向上する観点からも、働く人たちが意欲を持って働ける環境を整備していただくことを期待をして、私からの一般質問を終わりたいと思います。 以上です。 ○議長(川崎悟司君) 以上で三田村輝士君の質問を終了いたします。 次に、発言順位14番橋本弥登志君。 橋本弥登志君。 なお、橋本弥登志君の一般質問に関し、資料をお手元に配付いたしてありますので、御了承願います。 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 未馬会の橋本です。通告に基づきまして一般質問をいたします。 最初に越前市の財政についてお尋ねをします。 まず、自治体財政をどのような視点で見るのかということですが、一般的に現状把握、相対比較、経年分析の3つの視点からということになっていますが、いかがでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 大蔵企画部長。 ◎企画部長(大蔵稔雄君) 財政分析の視点についてのお尋ねでございます。 総務省の地方財政健全化及び地方債制度の見直しに関する研究会報告書によりますと、財政分析の視点は、総合的な分析や経年比較、類似団体比較、構成要素の内訳分析等を実施することが重要であると記されていることから、議員御指摘の現状把握、相対比較、経年分析の3つの視点からの財政分析は一般的であり、適切であると認識しております。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) では、その3つの視点から越前市の財政について確認をしたいと思います。 最初に現状把握です。 各種財政指標のチェックということですが、経常収支比率、公債費負担比率、実質公債費比率、将来負担比率。残高系のチェックとして地方債残高、債務負担行為額、各種基金残高などの項目になると思いますが、経常収支比率と地方債残高と各種基金残高の数値はどのようになっていますか。平成19年、24年、29年での数値でお示しください。 ○議長(川崎悟司君) 大蔵企画部長。 ◎企画部長(大蔵稔雄君) 経常収支比率等の現状把握についてのお尋ねでございます。 地方公共団体の財政指標として、平成19年度の決算から全国統一の健全化判断比率及び資金不足比率の公表に関する規定が用いられておりますので、平成19年度、24年度、29年度の順で、5年ごとの決算数値の推移を申し上げます。 まず、本市の経常収支比率ですが、85.5%、87.7%、88.7%となっております。 続きまして、市の一般会計地方債残高の推移は、358億8,000万円、395億7,000万円、445億3,000万円となっておりますが、臨時財政対策債、減収補てん債、合併特例債などの元利償還金への交付税措置などを考慮した将来の実質的な負担額は、平成19年度において約146億円、29年度においては約136億円と、約10億円減少しているということでございます。 次に、基金の残高でございますが、現在16の基金があり、積立基金の合計額で申し上げますと、66億6,000万円、90億1,000万円、62億5,000万円となっております。主な内訳としまして、財政調整基金につきましては17億3,000万円、30億8,000万円、24億5,000万円となっています。庁舎建設基金につきましては、10億1,000万円、18億1,000万円、14億9,000万円となっております。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) それでは次に、相対比較ということです。 ここでは、全国の自治体のうち、人口規模とか産業構造などがよく似ている自治体を類似団体と言っていると思いますが、そことの比較になると思います。この類似団体は毎年自治体数が変わるものでありますが、総務省のホームページに載っているかと思います。 そこで、主要な財政指標の比較はどうなっていますか。次の3つの指標でお示しをください。経常収支比率、実質公債費比率、財政力指数、これも先ほどと同じ年度での比較、そしてまた類似団体の中での順位もお願いをします。 ○議長(川崎悟司君) 大蔵企画部長。 ◎企画部長(大蔵稔雄君) 相対比較としまして、全国の類似団体との比較のお尋ねでございます。 越前市は都市Ⅱ-2という類型に分類されということであります。ここの類型は人口規模5万人から10万人未満、第2次・第3次産業人口比率が90%以上で、うち第3次産業単独が65%未満の自治体であり、全国において、平成19年度末時点で43団体、24年度末で20団体、29年度末で93団体あったということであります。 この類型の中で、まず財政力指数でございますが、これは高いほうがいいということでございます。これを比較しますと、順位を19、24、29年度の順に申し上げます。そして、全ていいほうから数えての順位で申し上げたいと思います。 財政力指数につきましては、まず43位中28位、20位中7位、93位中41位ということでありまして、中位に位置づけられております。この指数が高いほど普通交付税算定上の留保財源が大きいことになりまして、財源に余裕があると言えるということであります。 また、経常収支比率でございます。これにつきましては、低いほうがいいということでございます。43位中8位、20位中3位、93位中19位ということで、29年度の平均値が91.8に対し本市は88.7と、上位に位置づけられております。財政構造の硬直度が高くないことが分析されるということであります。 一方、実質公債費比率、これは低いほうがいいわけであります。これにつきましては、43位中27位、20位中13位、93位中77位ということでありまして、数値としましては平成19年度は13.3、24年度は11.8、29年度は10.8と一応減少傾向にあるということでございます。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 今の回答をグラフにいたしますと、このように、まずこれは経常収支比率の比較です。今ほど部長のお答えにあったような順位になっているかと思います。これが経常収支比率と、次に財政力指数の比較といいますか、類団の中の順位ですね。年度によって類団の数が変わっているという、これも上位にいるということであります。もう一つが実質公債費比率比較ということで、これも中位にあるということになってるかと思っています。 これは市のホームページの財政資料集の中に、当然いろんな数字が掲載をされています。類似団体の比較、そしてまた毎年の財政指標が掲載をされているものであります。 次に、3つ目に経年分析です。これまでの財政運営を複数年度のデータでチェックをするもので、収支状況、基金残高と残高比率、経常収支比率、普通建設事業債と地方債、公債費の推移、地方債残高比率、一般財源総額の状況などが上げられるものですが、越前市の場合はどのようになってますか。先ほどの年度で結構です。 ○議長(川崎悟司君) 大蔵企画部長。 ◎企画部長(大蔵稔雄君) 経年分析についてのお尋ねでございます。 越前市では、経常収支比率、実質公債費比率、財政調整基金残高、将来負担比率の4つの財政健全化指標について、市行財政構造改革プログラムにおいて目標値を設定し、将来を見据えた健全な財政運営に努めております。また、中期財政計画において、令和5年度まで指標の推移を試算しております。 まず、経常収支比率でありますが、平成19年以降、現在の目標値の95%以下で推移しておりまして、財政構造の弾力性が確保されていると分析しており、今後も目標値を達成しながら推移していくものと見込んでおります。 次に、実質公債費比率は、平成19年度の13.3%から29年度の10.8%まで目標値の15%以下で推移しており、健全性を保っていると分析しております。半世紀に一度のまちづくり事業の影響により、29年度から上昇に転じますが、今後も目標値を達成しながら推移していくと見込んでおります。 財政調整基金残高は、10億円以上を目標値としており、合併以来目標を達成しております。合併時約14億円だった残高は、将来を見据えた基金積み立てにより、23年度に最大約32億4,000万円となりました。現在は、半世紀に1度のまちづくり事業により減少傾向ですが、平成30年度末で26億5,000万円を確保しております。 最後に、将来負担比率につきましては、目標値を150%以下としており、合併時は149.6%でありましたが、徐々に減少し、平成25年度には83.7%となっております。半世紀に1度のまちづくり事業により、現在将来負担比率は増加傾向でありますが、南越清掃組合の新ごみ処理施設建設事業に係る地方債の借入額が最大となる令和2年度をピークに、その後徐々に減少していくものと見込んでおります。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 今ほどの数値もホームページに載っておりまして、ちょっとグラフにしてみました。テレビをごらんの方は非常に見にくいかと思いますが、素人がつくったグラフなんで、こういう程度になっています。 財政指数ですね。基準財政需要額から地方債の現在高というところがここに載ってます。少し感覚的に、このように経年といいますか、毎年こういう数値になっているという棒グラフの高さを見てもらうのでいいかなと思っています。 これが積立金です。積立金の基金積立額、繰上償還額、積立金取り崩し額ということで、27、28、29はやっぱり崩し額が大きいというところが見られます。 それと、これは歳入歳出の毎年、合併から平成17年度から29年度までの数値となっています。ほぼほぼ青が歳入総額で赤っぽいのが歳出総額ということで、これについても逆転現象はないという、そういった状況です。 これが実質の単年収支です。赤っぽいのが実質の収支で、緑が単年度収支ということで、下を向いてるグラフがマイナスというところです。マイナスが何年かあるということですが、そういった大きな影響はないという、そういったものになっています。 この上に、経年変化が大体少し概念的といいますか、概略的にわかるかなと思っていますが、順調に推移してるというふうに今ほど回答をいただきました。 それではここで、これまでの視点から見たときに、2018年の豪雪が直接的な原因と言われたある県内自治体の単年度赤字決算はどのように生まれたのか分析をしていますか、お聞かせください。 ○議長(川崎悟司君) 大蔵企画部長。 ◎企画部長(大蔵稔雄君) 2018年の豪雪によりまして、県内自治体であった実質赤字決算についてのお尋ねでございます。 一般会計の実質収支が赤字になった近隣市の平成28年度末の財政調整基金残高は約20億円でございました。そして、29年度当初予算の財源として、8億円を取り崩すこととしておられました。 また、同年度の3月補正予算において、社会保障費の精算などで、さらに約4億5,000万円を取り崩すこととなったため、大雪時の残高は約7億4,000万円でございました。その残額全てを大雪による除雪関連の経費等に充当してもなお財源が不足したことにより、当該団体の一般会計の実質収支が赤字になったと認識しております。すなわち、当該自治体は、自治体規模に比べまして財政調整基金が少なかったなど、財政の弾力性が低く、非常に厳しい財政運営を強いられていたものと理解しております。 なお、本市におきましては、健全財政を維持していたということで、昨年2月の大雪の際に、財政調整基金を新たに取り崩すことなくやりくりができたということでございます。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 確かに今のようなお答えでいいかなと思っていますが、代表的な要因として、公債費プラス扶助費による財政の硬直化、財政基金残高の準備不足などであります。 ちなみに、越前市と比較しますと、その当該市は26万人の人口を抱えておりますが、先ほどの財政基金、総額での積み立てが越前市で60億円あったときに、その年は人口26万でも60億円、同じような金額、財調にしてもほぼ同様な金額が積み立てられているということであります。これまでの長い間の財政運営に赤字の要因が多くあったというふうに思っております。財政運営の弱点を見つけるのが決算分析と言われておりますが、その分析等、毎年の総括が不足していたものというふうに思っております。 では、これまでの越前市の財政運営の中で越前市の課題はどのようなものがあったのか、そしてそれをどのように乗り越えてきたのかお示しください。 ○議長(川崎悟司君) 大蔵企画部長。 ◎企画部長(大蔵稔雄君) 市の財政運営の課題とそれをどのように乗り越えてきたのかというお尋ねでございます。 現在、越前市では、新庁舎の建設や北陸新幹線(仮称)南越駅の周辺整備、南越清掃組合新ごみ処理施設建設など、半世紀に一度のまちづくり事業を進めておりますが、これまで積極的な国、県の補助制度の活用、市債においては、後年度に交付税措置される合併特例債や公共事業等債等の有利な起債を活用、さらには社会基盤整備基金や財政調整基金等の計画的な積み立てによる財源確保に努め、健全財政を維持してまいりました。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 健全財政に努めてきたということでありますが、それでは越前市の財政運営をこれからも続けるのか、健全に運営してきたということでありますが、今後についてはいかがでしょう。 ○議長(川崎悟司君) 大蔵企画部長。 ◎企画部長(大蔵稔雄君) 今回提示させていただきました各種財政指標からも、本市は健全で計画的な財政運営に努めていることを御理解いただけたものと思います。 今後も引き続き行財政構造改革プログラムに基づき、最少の経費で最大効果を上げることができるよう、人、物、金、情報の資源を洗い出し、選択と集中によって限られた資源の最適配分を行い、健全財政の維持に努めてまいりたいと思っております。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) そうですね。最初に言いましたように、3つの視点から見ると、越前市の財政は健全だというふうに思っておりますが、しかし財政をめぐる市民の意見、議会での質問では、越前市の財政に危惧を抱くといったそういったものがあるかと思いますが、このような意見に対しましても今後とも丁寧でわかりやすい説明をお願いしたいと思いますし、そしてまた常日ごろの市民に対する、先ほどホームページには財政指標とか、指数、類団の比較等が載っておりますが、もうちょっと違った切り口でわかりやすい表示のほうが市民にとっては誤解を生まないといいますか、そんなことがあると思いますので、これからも健全財政を目指した財政運営を求めまして、次の質問に移ります。 それでは次に、食育についてをお聞きします。これからの取り組みを確認をしたいと思います。 最初に、現状認識といたしまして、これまでの食育の取り組みの中で課題はどのようなものがあったか、そしてまたそれらの課題に対してどのような取り組みを行ってきたのかお聞かせください。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) 課題ということからまず申し上げます。 食育は、生産者や消費者などの関係団体、あるいは地域との連携によりまして、継続した取り組みが重要であると考えているところでございます。しかしながら、例えば市の食生活改善推進員会や市の消費者グループ連絡協議会、こういったところで食育の啓発や実践を行っていただいてる団体などがあるんですけれども、こういった団体数が比較的少ないということ、あるいはその団体の中でも後継者不足が課題であるという認識がございます。 また、課題に対してどのような取り組みをというお尋ねだと思いますが、食育の推進につきましては、市食と農の創造ビジョンに基づきまして、生産者や農業団体、地域と連携する中で取り組みを進めてきておりまして、例えば市まるごと食の感謝祭では、食に関係する団体の参加、あるいはごはん塾の開催など、さまざまな企画を設けておりまして、継続して地元越前市内の食と農に触れ合う場を提供しているところでございます。 食育について啓発や実践する後継者が不足しているという課題につきましては、食育の重要性を理解しまして、意欲的に活動していただける方や団体をこの市まるごと食の感謝祭などを通じまして、食育の担い手の発掘を図っているというのが現状でございます。今後も継続してこういった取り組みを進めてまいりたいと考えています。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 確かに総合計画の評価の中でも、まるごと食の感謝祭っていいますか、そういったイベントのところが記載をされておりましたが、やはり人材も不足しているということでありますので、日常的ないろんな方々との話し合いといいますか、そういったことが大切かなというふうに思っています。 それでは次に、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されておりますが、この登録された理由は何だと思われますか。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) ユネスコの無形文化遺産に登録された理由ということでございますが、平成25年、2013年に、日本人の伝統的食文化として和食が登録されたと認識してございます。その理由としましては、日本人の伝統的な食文化という意味での和食であって、日本人が抱く自然の尊重の精神を体現した食に関する社会的慣習として、特定の調理法や具体的なメニューではなく、和食全体をめぐる日本の文化が登録されたものということでございます。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) そうですね。ユネスコの登録が2013年12月4日という。和食ということで登録名称がされております。日本人の伝統的な食文化ということで、世界の中で5番目の登録であったというふうに聞いております。 それでは、和食とはどのようなものかお示しください。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) 農林水産省が、ただいまのユネスコ無形文化遺産に登録申請した際に定めた和食の定義ということで、4つ挙げられておりました。 1つ目が多彩で新鮮な食材とその持ち味の尊重、2つ目が栄養バランスにすぐれた健康的な食生活、3つ目が自然の美しさや季節の移ろいの表現、4つ目が正月などの年中行事との密接なかかわりの4点でございました。 日本各地には、地域に根づいた多様な食材がございます。これらの豊かな自然に育まれた素材の味わいを生かすため、さまざまな調理技術や調理道具がこれまで発展してきたということでございます。 また、会席料理などに代表される調度品、あるいは器、料理に添えられた草花を通じて、季節や自然の美しさを表現することも和食を語る上で欠かせない要素の一つであろうかと考えてるところです。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 今ほどお答えがあったように、和食は4つの視点から評価されていて、また単に料理の種類とかジャンルを指す言葉ではなくて、食にかかわる習慣や文化そのものだというふうに言われています。 また、和食が健康的な食文化として注目される大きな理由の一つは和風だしにあるということです。審議監、和風だしって御存じですか。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監
    農林審議監五十嵐達哉君) はい。かつおぶしやら昆布やらでとったおいしいだしだと思っております、シイタケとか。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 大体合ってるんではないかと思っていますが、カツオの、出ましたけど、本物の味、食材を使ってだしをつくっていくという、それが和風だしということでありまして、それでは次に食育とはどのようなことかお示しください。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) 近年、核家族化が進み中食や外食がふえるなど、食を取り巻く社会の状況が大きく変化しております。これに加え、日々忙しい生活を送る中で、食の大切さはともすると忘れられがちであると言われています。食育基本法においても、子供たちが豊かな人間性を育み、生きる力を身につけていくためには何よりも食が重要であり、食育を生きる上での基本と位置づけています。 本市では、市食と農の創造ビジョンにおきまして、食を単に健康な身体をつくるだけでなく、心を育み、食への感謝や食そのものが命を学ぶ重要な機会であると捉え、体と心を育む潤いのある食の実現を基本構想の一つとして食育の推進を図っているところです。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 確かに食とか食文化を通して健康な心と体をつくるための教育というふうに定義づけされておりまして、食育基本法が2005年6月に制定をされました。これから教育現場、そして自治体、家庭などで実践するように、食育推進計画が実行をされているということです。 ちなみに、この間、福井県の食育リーダーの研修会に参加をしたときに、福井県のほうは令和元年から令和5年までの5年間の第3次ふくいの食育・地産地消推進計画というものを策定をしております。基本理念が福井の食を通じて健康で豊かな生活をつないでいくという、こういった理念を持って取り組みを進めるということであります。いろんな予算づけもしていくというところでありまして、また子供たちは食を通してどんな子供たちに育ってほしいかという、そういったこともその中で追求していくっていいますか、そういった取り組みを行っていくというふうなことで、もう既に第3次の推進計画をつくって取り組みを始めているというところであります。 現代は、誰もがいつでもどこでも食べたいものを食べられる豊食の時代を迎えたのがつい最近でありまして、またいつの間にか豊かな食が、飽食になって、今や崩食に至ったというふうに言われております。食べ過ぎによる肥満、生活習慣病が蔓延をしているということを言われております。朝食を抜き、昼食だけでなく夕食さえも外食、コンビニに頼りがちな状況がふえてきたというふうに言われております。食が豊かになったのに、欠食、偏食により、人々の健康が害されてるというふうに言われております。欲望の赴くままに食事をする恐ろしさがありますが、かつては、私が小さいときでもありますが、茶わんに米一粒も残してはいけない、偏食はしていけないなどの食卓のしつけがありました。今はこのようなことが少なくなってきたのかなと思いますが、このようなこともあって食育が重要になってきたというふうに思われますが、これについては、審議監、いかがでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) ただいま議員御質問の中でも、家庭でのそういった食事に対するしつけというものも、私にも小さいときの記憶としてございました。米つぶに神様が3人いるとか、そういったのはおばあちゃんに習った記憶がございます。そういったことも食育の一つだろうなというふうに思っています。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) これからの取り組みも現状をよく把握をして、今ほどの審議監のお答えがありましたようなところも取り組みを進めていくというそういったことが大事かなと思っていますし、また課題を整理しながら取り組むことが大切だと思っております。 そこで、食養という考え方はいかがかなという、これは私の提案でありますが、お手元の資料にもあると思いますが、昔ながらの一汁三菜に梅干しと漬物が基本という。何か我が家のきょうの朝食にちょっと似ておりますけど、栄養学だけに頼るのでなく、玄米菜食かつ日本古来の伝統的な食事、粗食の習慣、自然に寄り添った正常かつ安全な食べ物の3つの条件を満たすことで天寿を全うするという考え方です。食事を正せば、病気、不調知らずの体になれるということでしょうか。今食べるものが20年後の体をつくるというふうに言われております。いかがですか。審議監、これについての見解をお願いします。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) 食養という言葉で、私も勉強させていただきました。食育の祖と言われている本県出身の石塚左玄先生の提唱のお言葉というふうに調べたら出てまいりまして、この中で、「日本の食物は穀物が主体であり、草食や肉食に過ぎることなく、その土地にその季節にできたものを食べよ。」と説いていらっしゃいます。 議員御指摘のこの食養という考え方につきましても、現在見直されている日本型食生活、いわゆる和食に代表されるようなことだと思いますが、あるいは昔ながらの伝承料理など、本市が進める地元の農産物を使った食育や地産地消の推進、こういったものにつながっている考えかなというふうにも思っております。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 先ほど言いましたように、先日福井県の研修会に参加をしたときに、東京のほうの中央のほうの講師の方が、林先生とおっしゃるんですけど、食を通してどんな子供に育ってほしいかというところの中で、ともに食べるとか、旬を楽しむとかって、多彩で新鮮な食材を味わう。そしてまた、その中に一汁三菜という、そういったところも入っておりまして、自然を尊重しながら郷土の料理を楽しむ、大事にするという、そういった取り組みが大事というふうに言われておりました。そういった取り組みの中で、食を通して子供にそんなことがわかってもらえるようにという、そんなことをおっしゃってましたので、ぜひ食養という言葉だけではなくて、そこに書いてある基本的なところをこれからも追求をしていただきたいなというふうに思っています。 そしてまた、別の視点で見ますと、伝統的な日本古来の食事を支えているのが農業ではないかと思います。特に小規模農業、家族農業がその食を支えているのではないかと思います。2017年、国連総会により採択されました家族農業の10年、2019年から2028年の取り組みでありますが、食料の安全保障と栄養貢献における家族農業、牧畜及び小規模農家の役割の認知度を高めたもので、日本政府も家族農業の活性化策を講じることとしています。日本全体の家族農業、農業経営体に占める割合として、2015年調査では138万経営体のうち134万経営体が家族経営体と。97.6%が家族農業という、そういった数値が出ているということであります。このようなことから、食と農を一体化したプランを策定することには賛成であります。 そこで、食育を進めるのに家族農業の支援は必要というふうに考えておりますが、いかがでしょうか。 また、越前市における家族農業の状況はどのようになっているかお示しください。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) まず、本市の農業の状況から申し上げたいと思いますが、経営面積が1ヘクタール未満の小規模農業者について調べましたところ、平成30年度の水田台帳によりますと、市全体の耕作者数が3,153人、このうち2,528人で全体の80.2%が小規模な農業者という認識になろうかと思います。先ほど御紹介いただいたのは97.6%ですので、80%というのは非常に少ないほうかなと思いますが、これは農地の集積が進んできていることの裏返しかなというふうにも考えられます。 また、支援が必要と考えるがということでございますが、その考え方につきましてですが、家族農業は多様な農業の一つとして、本市でも重要なものと認識をしております。社会経済や環境、文化といった側面で重要な役割を担っていると思っておりまして、小規模農家、あるいは女性農業者が特に農業、農村生活の改善に貢献するものと認識してございます。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 現時点で家族農業の支援策というものは何かありますでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) 直接家族農業というものについて支援するということではないんですが、小規模の農機具とか、それから新規就農者を農業後継者として誘致するとかということで、地域の農業を保つというところでの広い意味での支援というふうに考えています。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 支援というのは、具体的なものがありましたら少し挙げていただきたいと思います。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) 繰り返しになりますが、家族農業に対する直接的な支援というメニューは用意してございませんので、役に立つ支援を組み合わせて応援させていただいてるという認識でございます。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 今ほど農業の支援といいますか、農家への支援策はたくさんあるのではないかなと思っていますが、割と小規模な農家に対する支援が、非常に面積基準とかが大きくて、なかなか小規模な農業者には向かないところもあったりして、そういったところももう少し見直しをしていくという方向性があると、家族農業をますますこれからもしっかりと維持していく、そのことが耕作放棄地などの減少にもつながるかなというふうに思いますので、そういったことについてはまた今後とも研究をしていきたいなと思っております。 それで、次に食育を進めるに当たりまして、市民との協働が大切ではないかなと思っております。 そこで、日常的な取り組みをお願いするという意味で、各地区に食育の発信拠点、そういった取り組みをする拠点を位置づけて、地域から食育を進めるということも大切ではないかなと思っておりますが、いかがでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) 食育の発信拠点というような観点から申し上げますと、各地域におきましては、市の食育推進事業を委託しているんですけれども、例えば減塩食の推進とか、食生活改善推進員さんなどが活動されていまして、各地区自治振興会におきましても、みそづくりや料理体験教室、こういった食育とか地域に密接した活動、取り組みを行っていただいてるところでございます。これらの拠点というのが各地区の公民館などが主でございますので、これらの各地区の取り組みについて、さらなる情報発信を上手につなげていくことで地域における食育の発信拠点という位置づけになっていくかなというふうに思います。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 地域のそういった拠点については、公民館ということを言われておりましたが、今までは公民館とか、そういった振興会に対して食育についての具体的な取り組みをお願いするとか、そういったことはありましたか。 そしてまた、今後、この食育の拠点を公民館にお願いするとか、振興会にお願いするとか、そういったことは考えられないでしょうか。具体的な取り組みを一緒にやっていこうという、そういった理事者からの投げかけをしていくということは考えられませんか。 ○議長(川崎悟司君) 五十嵐農林審議監。 ◎農林審議監五十嵐達哉君) その中身としましては、市食と農の創造ビジョンの中で、実践プログラムとしまして各地域の取り組み、あるいは公民館での取り組み、そういったものを市全体で共有しまして、数値目標を持ちながら実践しているということでございますので、そういった共有はされているという認識でございます。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 共有はされているということでありますが、なかなか振興会とか公民館、食に対してどういった取り組みを具体的にやってるかという、そういった掘り起こしなり調査がこれから必要かなと。さらなる連携が必要かなと思っておりますので、その点についてはまたよろしくお願いしたいと思います。 先ほど、食について、飽食のことで申し上げましたが、一方で最近では明るい兆しもあるというところであります。子供の孤立した食を防ぐための子供食堂などの取り組みがあったり、また食べきり運動という、越前市も行ってるかと思いますが、食べきり運動も出てきたり、そしてまた学生の朝食をとるための支援を行ったり、そういった取り組みがたくさん行われてきたりすることもあって、食の問題と真摯に向き合おうとする人がふえているということは明るい兆しではないかなというふうに思っております。食についてはまだまだ多くの課題があり、また取り組むべきことが多いと思いますが、私もいろいろ学びながら、いろいろと提案をしていきたいと思っております。 それでは次に、最後になりますが、サイン計画についてお尋ねをします。 ここで言うサインは、公共施設等への案内標識を指しておりますが、旧武生市において、道しるべ計画、公共サイン計画を策定し、案内標識等を設置をしているというふうに思いますが、その計画の概要はどのようなものでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 伊藤建設部長。 ◎建設部長(伊藤邦明君) 旧武生市の公共サイン計画につきましては、統一化したデザインの公共サインの設置を行うことで、市内観光地、公共施設、イベント会場等の訪問者に対して的確な誘導と景観に対する意識向上、イメージアップを図るため、平成6年度に学識経験者や有識者で構成する専門委員会を設置しまして、武生市公共サイン計画を策定したところでございます。 本計画では、市境に設置するゲートサイン、自動車等を対象とし、目的地まで誘導するルートサイン、中心市街地を対象とし、目的地を記載する活動拠点サイン、史跡名所等に、名称、いわれ等を記載する史跡名所等表示サインなどを位置づけたところでございます。 なお、色彩についても紫式部の生きた平安時代の十二ひとえのかさねの色の中から紫色をベースにしてきたところでございます。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) いろいろなサインがあるということであります。 そしてまた、色彩についても統一したものを計画をしてきたというところでありますが、合併後、その公共サイン計画はどのように継承され整備をされてきましたか。 そしてまた、現時点でそれらについての課題はありますでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 伊藤建設部長。 ◎建設部長(伊藤邦明君) 合併後のサイン設置を伴います代表的なまちづくり取り組み事例といたしましては、平成20年度から24年度において、卍が辻、タンス町周辺地区で整備しましたまちなか回遊コースサイン77基を設置しました。 また、五箇地区の神と紙の郷回遊コースサインについても27基を旧武生市公共サイン計画で位置づけました、紫色をベースにした色を継承し整備をしたところでございます。 課題につきましては、まだ詳細な現状調査を行ったわけではございませんので、あくまで想定でございますが、サインの設置状況、維持管理状況、表示内容の更新状況等の課題が想定されていると考えています。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 越前市の50年に1度のまちづくりも終了するのではないかなというふうに思っております。戸谷片屋線も開通して、また中心市街地へのアクセス及び南北幹線道路の河濯線も整備をされ、さらに外国人観光者もふえているというふうに聞いております。新たな時代に対応したサインの設置や表示内容の更新が必要と考えますが、今後どのように計画をいたしますか。 ○議長(川崎悟司君) 伊藤建設部長。 ◎建設部長(伊藤邦明君) 今後、新たな時代に対応したサイン設置につきましては、現在第3期中心市街地活性化基本計画に基づきまして、市民が安心して快適に暮らし、来訪者にも誇れる町の顔づくりとして、本庁舎建設や(仮称)市民センターの整備等を進めておりまして、目的地へ的確に誘導するための機能として、サインの設置や表示内容の更新は重要であると認識をしております。 サインの設置に際しては、平成20年度に策定しました越前市景観計画の景観形成の方針に基づきまして、周辺環境と調和した統一感のある町並みの形成に努めてまいりたいと考えています。 なお、本年度中に表示内容が更新されていないサインを含めまして、現状を調査した上で、施工内容、施工期間を定めた実施計画を来年度中にも作成してまいりたいと考えております。 ○議長(川崎悟司君) 橋本弥登志君。 ◆(橋本弥登志君) 具体的な調査等計画を今後行うということでありますので、ぜひよろしくお願いします。 どうしても道路標識というと、越前市だけでなくて、広域で計画をしていかないと中途半端なサインとなってしまうというふうに思われます。他の管理者との協議が必要かつ重要だと思っております。ぜひ広域的な視点とわかりやすいサインを意識して、今後の計画的な対応をお願いしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(川崎悟司君) 以上で橋本弥登志君の質問を終了いたします。 暫時休憩いたします。 再開は午後1時といたします。       休憩 午前11時35分       再開 午後 0時59分 ○議長(川崎悟司君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次に、発言順位15番、吉村美幸君。 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。 子ども・子育て環境の一層の充実について、実践プログラムの元気な人づくりについてお聞きします。 保育園・幼稚園を初めとして、越前市の子育て環境は、関係者の努力によって極めて高い水準であると言われています。総合戦略の中で、安心して妊娠、出産、子育てができるように、妊産婦や乳幼児等に継続的、包括的な支援を提供し育児不安の解消を図るとし、乳幼児把握は100%を達成しています。 また、子育て世代包括支援センターの機能を定着させ、妊産婦、乳幼児等の実情を把握としておりますが、子育て世代包括支援センターの具体的な取り組み事業についてお聞きします。 ○議長(川崎悟司君) 山崎市民福祉部理事。 ◎市民福祉部理事(山崎智子君) 子育て世代包括支援センターにおきましては、妊娠の届け出をされてから出産、子育て期まで、市内外のさまざまな関係機関と連携しまして、情報提供や育児相談などの相談支援体制を整えるとともに、切れ目ない支援を行い、安心して出産や子育てができる環境づくりに努めております。具体的に申し上げますと、産前・産後サポート事業として、保健師が家庭訪問を行い、出産や産後の生活に不安がないか寄り添い支援をしております。産後も地域で安心して子育てができるよう医療機関とも連携しております。 産後の赤ちゃん訪問では、赤ちゃんの成長などの相談や母親の産後鬱チェックを行うなど相談支援に取り組み、母親が産後に身体の回復に不安がある場合、また育児不安がある場合には、助産所や医療機関でデイサービスやショートステイなどのサービスが受けられる産後ケア事業も行っております。 また、5カ月児セミナーでは、歯のケアや離乳食の話、支援制度の紹介や個別相談を行い、育児不安の解消に努めております。 その他、乳児健診として、1カ月、4カ月、9から10カ月、その後3回の幼児健診を行う中で、支援の必要な方については個別相談に応じております。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 今、丁寧に説明いただきましてありがとうございます。 妊産婦などについて、妊娠から出産、子育て期にわたる切れ目のない支援を行い、安心して出産や子育てができる環境を整えてることがわかりました。 まず、妊娠したら届けをする、親子健康手帳や妊婦健診の受診票を受け取り、そこから支援が始まるということですよね。出産したら出生届を出し、その時点で市民課で予防接種予診票や乳幼児健康診査票のつづりを交付されます。産後ケア事業もしっかりされていることなんですけれども、保健師による育児相談などの体制も整っているということですね。 乳幼児に関しては、生後5カ月セミナーや離乳食のアドバイス、また1カ月、4カ月、9カ月、10カ月を対象にした医療機関で健康診査を受けられ、また乳児保健指導があり、母子健康診査事業があるということがわかりました。 では、乳幼児の歯科健診はいつごろからされるのか、お聞きします。 ○議長(川崎悟司君) 山崎市民福祉部理事。 ◎市民福祉部理事(山崎智子君) 幼児歯科健診につきましては、1歳6カ月児健診において実施しております。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 1歳6カ月から歯科と内科健診が行われるのかと思いますけれども、子供によっては乳歯の生える時期というのは違うと思いますね。ちょっと早目だったら6カ月、7カ月ぐらいから乳歯ができてくるというところの辺で、この6カ月、7カ月の時期と1歳6カ月健診での歯科健診についてどのようにして支援をされてるのか、お聞きします。 また、越前市の乳幼児の虫歯の状況をお知らせください。 ○議長(川崎悟司君) 山崎市民福祉部理事。 ◎市民福祉部理事(山崎智子君) 今ほど議員の言われましたように、乳歯は生後六、七カ月ごろから生え始めるため、乳児期からの保護者への支援は重要と考えております。 そこで、本市では、5カ月児セミナーの中で歯やお口のケアについての指導を開始しております。また、最初の奥歯が生えるころの1歳6カ月児健診の中では、仕上げ磨きの方法や間食についての指導、歯科健診、相談を実施しております。 次に、乳歯で虫歯のある子の割合につきましては、平成29年度の統計になりますが、1歳6カ月児では、市は1.59%、県は1.18%、国は1.47%となっております。6歳児では、市は49.0%、県が53.6%、国は41.5%でございます。 また、本市では3歳児健診を3歳7カ月で実施しておりますので、その時点で虫歯のある子の割合は24.3%、県が17.3%、国は14.4%となっております。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 今乳幼児の虫歯の状況をお聞きしまして、平成29年度で越前市が国、県よりも高い数字が出てるのではないかなと思うんですけれども、1歳6カ月の歯科健診ではちょっと遅いのではないかなと思います。乳児相談とともにブラッシング教室、離乳食、おやつの与え方などについての指導は、幼児の低年齢化が必要だと思います。栄養指導も、歯に悪いものを食べさせない、甘いものは虫歯になります。早い時期からの虫歯の予防指導が必要だと思います。6歳児の虫歯のない子供をふやすために、早期の予防のための支援が必要だと思いますけれども、このあたりについてのお考えをお聞きします。 ○議長(川崎悟司君) 山崎市民福祉部理事。 ◎市民福祉部理事(山崎智子君) 乳歯の虫歯予防につきましては、保護者が子供の歯やお口に対して関心を持つことや、虫歯予防のための正しい知識が必要になります。 繰り返しになりますが、本市では子供の歯やお口のケア、離乳食や歯の相談などを5カ月児セミナーにおいて指導を開始しております。また、2歳6カ月児歯科健診、3歳児健診におきましては、歯科健診だけでなく、歯科保健指導や虫歯予防のためのフッ化物塗布を実施しており、さらに3歳児及び4歳児に対しましては、歯科医師会の協力のもと、市内歯科医院でフッ化物塗布を無料で行うなど、虫歯予防に対する支援に努めております。 今後も、歯科医師会等と連携しまして、早い段階からの虫歯予防対策を推進してまいります。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 5カ月児セミナーではいろんな御指導をいただけるということで、若いお母さん方に虫歯あるって聞きますと、いや、3歳のときはなかったんだけどねって、今歯の治療をしてフッ素を塗っている、これがただだから助かってますって言われたんですけれども、今フッ素を塗るというと、これも私は、ごめんなさい、最近わかったんですけれども、小さい子供を持ってるお母さんたちが、そういう虫歯にならないための予防というのがあるということが皆さんわかっていらっしゃればいいんですけれども、わかってない方もおられるのかなと思うんですけれども、そこら辺をまたしっかり指導していただきたいと思います。 次に、乳児に対する事業にブックスタートがありますが、どのような内容なのか、お伺いいたします。 ○議長(川崎悟司君) 出口市民福祉部理事。 ◎市民福祉部理事兼教育委員会事務局理事(出口茂美君) ブックスタートの御質問ですが、本市における事業名は「夢をはぐくむはじめのいっぽ」事業としまして、5カ月児セミナー会場におきまして、絵本ボランティアの方が親子の前で絵本を開いて読み聞かせを行い、絵本を開く時間の楽しさを体験していただき、絵本1冊をプレゼントする事業です。 この事業は、本と出会い、読書の楽しさを知るきっかけづくりとなりますし、また親子の愛着形成の一助となっています。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) ブックスタートは、赤ちゃんと保護者が心を触れ合うひとときを持って、すばらしい事業だと思います。 越前市には、絵本作家でかこさとし先生やいわさきちひろさんもおられました。 かこさとしさんは、武生の豊かな自然に恵まれながら、伸び伸びと満ち足りた子供時代を送ることができたのは、振り返れば僥倖と呼ぶような貴重な得がたい経験ができたと書き残されています。僥倖というのは、また追加されてるんですけれども、偶然に得る幸せのことだそうで、かこさとし先生がこの越前市にすごい思いを持っていたことの一つだと思います。 また、いわさきちひろさんも、1971年に「となりにきたこ」という絵本を書いてます。主人公、ちいちゃんのお話なんですけれども、ワンちゃんのぽちは引っ越ししてきた隣のワンちゃんとはすぐお友達になれたのだけれども、ちいちゃんは男の子と仲よしになれなかった。でも、ぽちが仲よしになったから私も仲よしにならないといけないなということで、次の日にちいちゃんは男の子とお友達になれた。そのお話を1971年にいわさきちひろさんが「となりにきたこ」ということで本を書いていらっしゃいます。まさに今のダイバーシティを想像されたような絵本です。 幼いころに出合う絵本がかこさとし先生の絵本であったり、いわさきちひろの絵本であることは、非常に子供の将来にプラスになると考えますので、5カ月児セミナーでは両作家の絵本を紹介していただくことを提案いたします。 5カ月児セミナーはとても大事だと思います。離乳食のこと、栄養指導のこと、お母さんの子育てに対する不安を気軽に話しながら指導を受けられる環境は大切です。 先日生涯学習事業の開講式で講演会を聞きに行きました。教育長もおられたんですけれども、福井県出身の方で宮内庁に看護師長として長年お勤めになられた、今、和文化教養塾を開催されている中川直美さんの講演です。 その中で彼女が言うのは、しつけというのは社会に出る前に身につけるべきで、生活習慣をしっかりつけることの大切さを言われてました。お母さんのおなかにいる胎教のときから必要で、ゼロ歳からのしつけが大事とのことでした。今、中川直美先生は和文化教室を経営されておられますが、今の若い人を見て、挨拶のしっかりできない学生、後始末ができない子供が多いと嘆いておられました。後始末とは、次のことの始まりであるとも言われていました。また、別の講演会では、言霊が大事だと言われてました。言葉の魂です。ちっちゃい赤ちゃんにお利口さんだね、頑張ってるね、頑張ったねとか、ともかく褒め言葉を赤ちゃんの時代から声をかけることは、大きくなったときに素直な大人に成長するそうです。 令和に入り、ことし5月末には川崎市で犯人と思われる51歳の男性は長らく引きこもっていたと報道されました。また、その4日後、近所の小学校の運動会の音にうるさいと口にした44歳の男性が父親に殺されるなど、家庭内暴力、痛ましい事件が数多く報道されています。 幼児期の小さなさりげない言葉が、そして周りの大人のちょっとした思いやりの環境が大切です。私は、この幼児期から、ぜひ生きる力を育む教育を教育ビジョンに織り込むべきかと思います。これについての所見をお伺いいたします。 ○議長(川崎悟司君) 出口市民福祉部理事。 ◎市民福祉部理事兼教育委員会事務局理事(出口茂美君) 幼児期は、生活や遊びといった直接的、具体的な体験を通して、人として、また社会の一員としてよりよく生きていくための生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な時期です。 核家族化や少子化の進行、地域の中での人間関係の希薄化など、幼児を取り巻く社会環境が変化しており、幼児教育の中で健やかな成長を促していくことはとても重要なことと捉えています。 現在改定を行っています市教育振興ビジョンにおいても、主体的な生活態度や創造的な思考など、生きる力を育む教育の充実について、改定委員会において協議してまいります。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 子供たちに創造性を育むという視点については、遊びは大切だと思います。遊びが冒険心を生み、思いやりも芽生えてくることになります。生きる力が育つ第一歩だと思います。 好評のだるまちゃん広場に、1日1回、2回、子供たちに創造性を養える場としての取り組みの必要性を感じます。子供は遊びを通して人とのかかわりを学び、成長し、そして将来の社会を担うことを学ぶ大きな教育現場です。だるまちゃん広場は、豊かな発想力を持った子供たちがみずから判断できるすばらしい子になってほしいと、かこさとし先生が監修されました。広場を訪れた子供たちに遊びを通して学ぶことの楽しさを知っていただくとの思いが山ほど織り込まれています。しかし、現状を見ますと、場所の提供に終わっているように思います。遊具を動かすことで、さらに子供たち、親子連れが集うこともわかりますが、ただの遊び場になるのでなく、遊ぶとはまさに生きる力を育むことです。 越前市子ども条例には、生まれたときからそれぞれが一人の人間としてかけがえのない存在と書かれています。全ての子供の自立を実現するために、この条例が制定されました。その中で、就学前や小学校低学年を対象とした学びから創造性を得るという視点が記載されてることは、すばらしいことです。この視点に立っての具体的な取り組みであってほしいと思いますが、御所見をお伺いいたします。 ○議長(川崎悟司君) 出口市民福祉部理事。 ◎市民福祉部理事兼教育委員会事務局理事(出口茂美君) 市子ども条例では、教育の充実に関する取り組みといたしまして、子供がみずから遊び、かつ学ぶことができる教育の推進を掲げています。 だるまちゃん広場には、大型複合遊具があるからすのパンやさんルート、トランポリン遊具や平面噴水があるだるまちゃんルート、地球生命の歴史ルート、越前市ゆかりの人物碑ルートの4つのルートを設定しまして、それぞれのルートには子供たちが遊びながら学ぶことのできる仕掛けを盛り込んでいます。 これらの仕掛けを通して子供たちに学ぶことの楽しさをもっと知っていただくために、今年度よりだるまちゃん広場を10倍楽しもうと題し、たくさんの仕掛けを紹介したチラシを作成し、公園の管理事務所、図書館、はぐもぐ、スターバックスコーヒーや、かこさとしふるさと絵本館らくなどで配布しています。 このように、だるまちゃん広場は、子供たちが遊びながら学ぶことのできる仕掛けを随所に盛り込んでおり、市子ども条例の趣旨に沿った取り組みができるすぐれた施設として、就学前や小学校低学年児童の校外活動の場としても活用しています。 広場でのさまざまな取り組み以外にも、子供たちが自分のペースで遊び、学べる環境の中で創造性を養うことが重要であると認識しています。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 今ほど丁寧な回答をいただきました。ありがとうございます。 仕掛けをしたりチラシをつくったり、公園とかも、体育館、図書館なんかにチラシを置かれるということなんですけれども、置いていただいただけでは子供たちは余りよくわからないと思うので、やはりちょっと御案内いただくとか、まず口コミが一番なんですね。チラシを山ほどつくっても、なかなか越前市のすばらしい事業を本当にわかってない方がいっぱいいらっしゃいますので、ぜひともフェース・ツー・フェースぐらいの極端なやり方で広報していっていただきたいと思います。 次に、実践プログラムの人間性を高める教育の充実に対する質問です。 将来の夢や目標を持たせる小学生、中学生の内容について触れたいと思います。地元の神山小学校では、良質な粘土に恵まれた山地を利用して、現存する鬼瓦の鬼師の北川鬼瓦の歴史を学んだり、瓦工場を見学、探求し、そして瓦を使って花器という体験学習などを行っております。また、今立の岡本小学校の4年生は、自分たちの卒業証書の材料を自分たちの手で育てています。2年後の6年生のときには、自分たちが育てたトロロアオイで卒業証書をつくるらしいです。こうした大きい目標、ちっちゃい目標は別にして、こうした目標から大きな夢への第一歩となることが生きる力の教育だと思います。越前市では小学校の卒業証書は全て自分ですくことになっておりますが、材料から育てて卒業証書をつくるのはこの岡本小学校の児童だけです。これは、まさに生きる力の一例かと思います。このようにそれぞれの地域の特性を生かした取り組みをビジョンにどう生かしていくのか、お知らせください。 ○議長(川崎悟司君) 西野教育委員会事務局長。 ◎教育委員会事務局長(西野吉幸君) 今ほど吉村議員から神山小学校と岡本小学校の取り組みの事例が紹介されたところでありますけれども、本市におきましては全ての小・中学校において地域の特性を生かした取り組みを行っておりますので、幾つか御紹介をさせていただきます。 王子保小学校では、王子保駅を拠点とした地域活性化を合い言葉に、武生セントラルライオンズクラブと協働した駅の清掃活動やホームでの朝の挨拶運動、地区の宝を紹介するパンフレットの作成や配布などを行っております。この地区の宝を探し、紹介する取り組みについては、大虫小学校でも行っており、先日新聞報道がされたところでございます。 また、味真野小学校では、校歌にも歌われております地元にゆかりの継体天皇について調べ、歴史を紹介した冊子を今年3月に発刊をしたところでございます。 ほかにも、南中山小学校での薬師寺奉納を核とした赤米づくり、武生第五中学校でのスイカ栽培の収益によるドジョウの寄附など、地域の特性を生かしたユニークな活動が行われているところであります。 現在改定を行っている市教育振興ビジョンにおきましても、ふるさとを愛し、地域の発展の担い手として活躍のできる人材の育成について改定委員会で協議をしていきたいと考えているところでございます。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 越前市内のあちこちの小学校、中学校で地元の宝、特性を生かして、ふるさとを愛するという教育をされているということを、多分そういうすばらしいことをやってるってことを余り皆さん御存じじゃないかなと思うんですけれども、本当に頑張っていただいて、どんどんまたPRしていただきたいと思います。 次に、夢ある子ども育成事業についてお聞きします。 夢ある子ども育成事業は、日本サッカー協会を活用した事業だと思いますが、この日本サッカー協会だけでなくて、特に福井県越前市なんかは茶道、華道とかの文化系の事業もたくさんあります。その文化系の事業を夢ある子ども育成事業に追加されることを考えてないのか、お聞きします。 お花を生けるとき、一枝を切るとき、命を切るという教育にも結びつく一面があります。また、必ず物には表と裏があることも、お花を生けることで学べる効果もあります。 この体育系とは違った夢ある子ども育成事業の取り組みについての考えをお聞きします。 ○議長(川崎悟司君) 西野教育委員会事務局長。 ◎教育委員会事務局長(西野吉幸君) 今ほど議員御紹介いただきました夢ある子ども育成事業では、日本サッカー協会のこころのプロジェクト「夢の教室」のほかにも、学校における文化、体育活動を支援する夢レベルアップチャレンジ事業、授業で学習した知識、技能を生かしたロボットの設計、製作、物づくりに対する興味、関心を高めるロボットコンテスト、ほかにも市内企業の協力によるモノづくり出前講座を行っているところであります。出前講座の中には、和紙づくりやようかんづくり体験など文化系のプログラムも用意されており、児童・生徒から好評を得ているところであります。 ただし、今ほど議員おっしゃられました茶道、あと華道、そういったところは、道具や人材、和室等の場所も必要となりますので、小学校におけるクラブ活動の充実等で補っていきたいと考えているところであります。 なお、学校の授業以外にも、市文化協議会が夏休み中に実施しております小・中学生体験学習「あそぼう・まなぼう」での茶道や華道などの講座、地区公民館で開催しております放課後子ども教室のほか、文化団体が実施している書道展や俳句大会、囲碁教室などにも多くの小・中学生が参加しております。 さらに、町なかの商店等で実施しております街ゼミにおきましては、今年は夏休み期間中に子供たちを対象とした取り組みも展開される予定でございまして、学校以外のさまざまな場面で活動の幅が広がっているというふうに言えると思います。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 学校以外でのいろんな教育をされていて、子供たちの生きる力というのは教室以外で学ぶこともたくさんあると思いますので、またこれを推進していっていただきたいと思います。 次に、2018年度食育白書は、子供の健全な食習慣の形成のためにも、今後親になる若い世代が食への意識を高める必要があると促している内容が発表されました。 この背景には、小・中学生に朝、朝食を食べないとする割合が高くなっているからと言われています。子供の食習慣の形成は、それぞれの家庭の問題ではなく、社会全体で取り組むことが必要とも指摘しております。そうなりますと、教育ビジョンでも食習慣に触れるべきかとも思いますが、お考えをお聞きします。 ○議長(川崎悟司君) 西野教育委員会事務局長。 ◎教育委員会事務局長(西野吉幸君) 学校生活全体を通しまして、心身ともに健康、安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるような食育を推進していくことは大切であると考えているところでございます。 今回改定する市教育振興ビジョンには、食に関する正しい知識と望ましい食生活が子供たちの身につくよう、改定委員会において議論し、食に関する指導の充実を図ってまいりたいと考えております。 なお、これまでも行ってきている取り組みといたしましては、学校での給食やスクールランチで、食育に関する知識を深めるとともに、地場産品を100%使用した献立の日を設けるなど、子供たちに地域への愛着を持つきっかけづくりをしているところでございます。そのほか、家庭科の授業において、バランスのよい食事を心がけることを学んだり、給食やスクールランチのメニューを通して、異国の食文化を学んだりする取り組みを行っているところでございます。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 食育、物を食べるときにこの材料がどこでとれたとか、どういうふうにつくられてるとか、やはり食べるときのきっかけのときに食についてのしっかりした教育というのを、学校給食の時間が一番それにかかわるときかなと思うんですけれども、しっかり食育についてもさらにまた進めていっていただきたいと思います。 朝食を抜く理由には、寝る時間が不規則で、朝食を食べる時間がない傾向があると言われています。生活リズムが乱れていることも大きな原因だと思いますが、健全な食習慣についてどう指導して、改善していくのかも気になります。よい食習慣は、一生の宝です。これについて教育長はどう見ておられるのか、所見をお伺いいたします。 ○議長(川崎悟司君) 西野教育委員会事務局長。 ◎教育委員会事務局長(西野吉幸君) 本市におきまして、朝御飯を食べている子供たちの割合は、これまでの調査結果によりますと、95%以上と、学校での指導の成果もあり、高い水準で推移してきております。 食育は、あらゆる世代に必要な取り組みで、特に子供たちにとっては、心身の成長、人格の形成に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い、豊かな人間性を育んでいく基礎となるものと考えております。 学校教育におきましては、食育を知育、徳育、体育の基礎となるべきものと位置づけ、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められております。そのため、各学校において、給食週間や栄養教諭などによる指導など、さまざまな機会を通じ、取り組みを進めているところでございます。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 子供が生き生きと健康な生活ができるのは、何よりもうれしく大切なことと思います。幼児期に起きる、寝る、食べる、遊ぶ、快いリズムで暮らすことも大事です。幼児期からの一層の子育て環境を整備することを、教育ビジョンになることを期待します。 この教育ビジョンの改定が進められてるとお聞きしますが、それに関して質問させていただきます。 本年は、子供の人権を国際的に保障する子どもの権利条約を日本が批准して25年になるそうです。しかし、日本では、いまだに課題が多いことも指摘されているようです。特に、子供に関するあらゆる措置について、子供の最善の利益を一番に考慮すること、子供に影響が及ぶ全ての事柄について、子供の意見を聞き尊重することも求められています。 具体的に言いますと、まちづくり、学校運営でも、子供の意見を聞き、子供の最善の利益を考えなければならないということです。子供の意見を聞くということを常に意識するような大人の認識を改めなければならないときが来ています。今回の教育ビジョンにこの権利に基づく対応がとられるのか、関心があります。この点についてお考えをお聞きします。 ○議長(川崎悟司君) 西野教育委員会事務局長。 ◎教育委員会事務局長(西野吉幸君) 今ほど議員御紹介いただきました子どもの権利条約は、子供の基本的人権を国際的に保障するために定められた条約であります。18歳未満の子供を権利を持つ主体として位置づけています。同条約では、子供の権利として、1つ、生きる権利、2つ、育つ権利、3つ、守られる権利、4つ、参加する権利の4つがうたわれておりますが、本市におきましては潤いと活力のある共生社会を築くため、知・徳・体の調和のとれたあすを担う人間の育成を目指しているところでございます。 その指針となります教育振興ビジョンにおきましては、児童・生徒や地域の実態を踏まえながら、豊かな人間性を育み、一人一人の個性、能力を十分に伸ばす取り組みが具体化されたものとなっております。子どもの権利条約に基づく対応は十分になされていると考えているところでございます。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 子どもの権利条例は幾つかあるんですけれども、まず健康に生まれ、成長し、生きる力、教育を受ける権利、暴力や搾取から守られる権利、意見を表現する権利が定められています。 これからは、今までのように大人の視線で守っていく、考えていくというのではなく、子供自身の考えを直接聞くことは当然だということになっていく時代になります。また、この視点に立っての教育ビジョン策定をお願いして、次の質問に入ります。 次の質問です。 瓜生産業団地造成事業中止について。 この質問に入る前に、一言言わせていただきます。この6月議会は、非常に緊張感が感じられません。市長と副市長は、質問中にこそこそ話をされていて、時々笑顔でいるのも見受けられます。傍聴されている方やケーブルを見ておられる方からも不愉快と言われます。この50億円もの事業が中止になった案件が議員から質問される大事な議会です。8名の議員がこの案件で事前通告をしている6月議会なのに、全く緊張感がないように見受けられます。これは、市民をも無視、意識してないことになるのかと思います。このことをお伝えして、瓜生産業団地についての質問に入ります。 この案件については、本当に皆さんが質問されてきまして、ほとんどの回答をいただいてます。そこで、多分回答は同じかなと思うんですけれども、若干変更して質問させていただきます。 今まで7人の方がいろいろ質問されて、しっかりメモりました。担当部長、市長の回答もしっかりメモりました。その中で、もう皆さん方に言い尽くされましたので、私なりの感じた質問をさせていただきます。 これまでの質問の中で、市長、副市長がなぜ現場に一度も行かれなかったという質問に対して、担当部署からは、地権者と歩み寄れる状況ではなかった、市長からは、優秀な担当者から現場に出向くタイミングではなかったとの回答をいただいてます。これに関して間違いはなかったのか、確認いたします。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 先日もお答えしたとおり、間違いございません。
    ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 担当部長は間違いがなかったということで、改めて市長、間違いがなかったかどうかお聞きします。 ○議長(川崎悟司君) 奈良市長。 ◎市長(奈良俊幸君) 私はたしかそこのところに優秀なというのはつけてなかったと思うんで、それは違うところの話で、私どもがこの間2,100億円ぐらい出荷額を伸ばしたことに対して市の職員が頑張ったと、職員を余り批判ばっかりされておられましたけれども、非常に私どもの職員も頑張ってるということを御説明したときには触れたかもしれませんが、私がそこに行く行かないの話のところにはそういうところの、使った記憶はございません。記憶はございません、そのときに。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) ごめんなさい。その優秀なというのが間違いなくよそのところで答えられて、この案件については優秀という言葉をつけてなかったということですよね。 最終的には市長、副市長は現場の地権者のところには行っていないというふうな回答をいただいてるんですけれども、これは間違いないですかね。 ○議長(川崎悟司君) 奈良市長。 ◎市長(奈良俊幸君) 以前答弁してると思いますけれども、私はいつでも誰とでもお会いする用意はあるということで、そのタイミングも含めてよく検討するように現場のほうには求めておりました。しかしながら、私がお会いしても合意形成に決してプラスにならないということが現場の判断でありましたので、その判断に基づいたということであります。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 今の質問に対して、市長も担当部長も間違いはなかったということですね。 平成30年に事業が決まり、8月にはそれぞれ説明会があったとのことなんですけれども、全体の雰囲気を見るのじゃなくて、初めての説明会には絶対行くべきだったと思います。説明会で、10万平米で40億円程度の事業に対して、誰かの質問で回答いただいてる中で、税収が見込まれ、雇用も生まれ、越前市が発展するという思いを言われてますが、それは地元の皆様方に市長の熱い熱い熱い思いを説明すべきではなかったかと私は思います。地権者の方は親からいただいた土地をどうするこうするという中で、やはりトップの方の熱い思いがあれば、また結果も変わったのかなと思います。 報道によりますと、ごく一部の地権者の御理解が得られなかったことが強調され、中止理由となっています。この御理解を得られなかった地権者の方は絶対売らないのか、値段が合えば売るのか、代替地を求められたのか、中止になった今、市民の皆さんにも説明すべきかと思います。これについてお伺いいたします。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 個別の交渉の内容につきましては、お答えは差し控えさせていただきます。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) じゃあ、いつの時点で公表させていただけるんですか。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 特定の個人との交渉記録に関しましては、お答えは差し控えさせていただくということでございまして、情報公開等に照らし合わせましても、そこら辺どは慎重に扱っていくべきものと考えております。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) だから、中止になるまでにほぼいろんな情報なんかをいただいて、いや、もう大分皆さんに理解をいただいてるんですという説明を受けながら、最終的に一部という方が売られないというところら辺で、その一部というのが全体の何割なのか、そこら辺の情報もいただけないんでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 一部と表現しておりますのは、人数を申し上げますと個人が特定される可能性がありますので、そういった表現をさせていただいております。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 個人情報というところで明確にならないということですね。わかりました。 先般、大久保議員の質問の中で、今後のこの特別会計において支出するのは地元の補償費とのことで、そのための交渉が進んでるとお聞きしましたが、どの程度のどの段階なのか、お聞きします。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 先日もお答えしておりますが、事業中止後の地権者への対応といたしましては、5月21日以降、地権者の皆様への戸別訪問を行いながら、耕作、借地料補償や個別の事情がある場合などの必要な補償などを含め、話し合いをさせていただいております。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) そうですね。5月何日とかに地元に行かれてるってことなんですけど、その補償費というのは大体どれぐらいとかという、想像も全くつかないんですが、お聞きします。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 先ほどもお答えしましたとおり、耕作補償や借地料補償など、そういったものがメーンでございますので、金額についてはまだ確定していないということでございます。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 測量設計等委託料の2,803万円と協議中の耕作補償の額について、耕作補償の詳細が決定した後に一般会計からの繰り入れによる補正予算を議会に上程するとの回答をいただきました。 いずれにしても、一般会計から市税等の財源の一部を繰り出すこととなります。当然、市民の皆様からは市長に対する批判は出てきます。持ち出し額は5,844万円と補償費とのことですが、市民の方は全く納得はしません。市長が頭を下げただけで済むということでもないと思いますし、今までの議論でもありましたように、何らかの政治責任をとっていただかないと市民の方も納得しません。これについてお伺いいたします。 ○議長(川崎悟司君) 奈良市長。 ◎市長(奈良俊幸君) これも以前答弁させていただいておりますけれども、本市の場合はおかげさまでこれまで産業振興で非常に大きな成果を出してきました。今回その産業振興で信頼を失ったということは本当に申しわけないことで、瓜生町の皆様や地権者の皆様を初め、多くの方々におわびを申し上げたいというふうに思っております。その失われた信頼というのは、当然仕事を通して、特に今回産業振興という非常に実績を残してきた分野での失敗でありますので、私を先頭に全職員一丸となって、この分野で改めてしっかりと実績を残し、信頼を回復していくことが責任を果たす道だというふうに考えているところであります。 ○議長(川崎悟司君) 吉村美幸君。 ◆(吉村美幸君) 責任のとり方には、この前片粕議員の言われたやり方もあると思います。市民の皆様の血税によって支出されるのですから、瓜生町の皆様の御理解と同様に、越前市民にも納得いただかねばなりません。 今、工業統計で相当の結果を出されたと、今までにも何度か答弁されています。このことを持ち出して説明されることに、市民の方からもおかしいとの声も出ております。私もおかしいと思います。企業の皆様の努力のたまものです。越前市の発展のためにかじ取りをするのは市長の当然の仕事です。産業団地造成事業の中止とは別問題です。この瓜生産業団地事業の中止につきましては、今までの議員の質問に対しての答弁に市長の反省も熱い思いも全く伝わってきません。市長、副市長の政治責任について、スピード感を持って賢明な判断を求めまして、この事業中止についての質問を終わります。 これで私の6月の一般質問を終わります。 ○議長(川崎悟司君) 以上で吉村美幸君の質問を終了いたします。 次に、発言順位16番、清水一徳君。 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) 未馬会の清水です。発言通告に従って一般質問をいたします。 私は、インバウンド事業について質問をいたします。 先般30年度の越前市総合計画達成度評価報告書では、32政策全てがA評価という高評価を受けました。その中のインバウンド事業においては、事業推進の方向として産業観光を軸に、越前ブランドを構築、発信や伝統的工芸品に係るデザイナーやシェフ等の専門家、その予備軍及び伝統的工芸品に関心を寄せる一般旅行者をターゲットとする活性化計画案を提示、その方向性に沿って観光商品づくりやグローバルプロモーション、受け入れ環境の整備、地域事業者との連携を総合的に進め、インバウンド事業を推進していくとありました。これは、昨年国の地方創生推進交付金を活用して調査分析した結果を受けての本市における方向性について取りまとめ、本年度から具体的に事業を推進していくという3月議会での内容であると思われます。 このインバウンド事業は、越前市にとって、伝統産業並びに町なかの活性化をするに当たり、大変有意義な事業となるはずです。 そこで、先般の3月議会で策定した計画の内容を確認した折、有識者による妥当性の検証や助言を経てブラッシュアップし、つまり磨き上げて事業内容等を検討していくとの返答でしたけれども、現在はどのような状況なのか、お願いいたします。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) お答えさせていただきます。 インバウンド事業につきましては、昨年度に本市が取り組む事業の方向性として、地方創生推進交付金を活用し、計画を策定しております。これは、委託事業者である株式会社JTBがその専門性をもとに策定した本市への提案であり、いわば本事業推進のたたき台となるものでございます。 本年度は、その計画を踏まえまして、市観光協会と業務委託契約を締結の上、観光事業による地域づくりマネジメントについて高い識見を持つ専門家の助言を得ながら事業内容を検討し、その監修のもと、事業を決定していったところでございます。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) その地域づくりマネジメントとの会合の中で、具体的にどのような事業を実施するんでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) お答えいたします。 本年度は、大きく分けて4つの事業を実施してまいります。内容は、伝統的工芸品産地振興に係る事業、産業観光を中心としたインバウンド事業、受け入れ環境の整備等の事業、インバウンドによる地域づくりマネジメント事業、この4つの事業を実施していきたいと考えております。 まず、伝統的工芸品の産地振興に係る事業につきましては、業務委託先の市観光協会が伝統的工芸品の産地振興を行う地域商社としての役割を行う事業として展開してまいります。 2つ目の産業観光を中心としたインバウンド事業では、本市に外国人観光客をふやすためのプロモーションの実施や旅行商品の開発等を実施し、伝統的工芸品の購入額の増大を含む観光消費額の拡大を行うことができるよう取り組んでまいります。 3つ目の受け入れ環境の整備等事業では、多言語対応のホームページの開設や動画、パンフレット等の制作のほか、二次交通の実証実験、宿泊拠点の整備促進、外国語ボランティアガイドの育成等により、継続的な外国人観光客の受け入れ態勢の整備を行ってまいります。 最後、4つ目でございますが、インバウンドによる地域づくりマネジメント事業では専門家をアドバイザーとして起用し、伝統的工芸品の産地振興に資するインバウンド事業の取り組みについて、地方創生推進交付金の事業期間終了後も継続して行うことができるよう、その推進体制の整備等を行ってまいります。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) 伝統的産業というものを中心にこのインバウンド事業を推進していくということでありますけれども、その整備をするに当たって専門人材について外部から派遣、または募集を検討することとなっていましたけれども、これについてはどのようになっているでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 専門人材につきましては、7月に外部からの派遣として、インバウンド実務に精通し、かつマネジメント経験もある人材について、株式会社JTBから市観光協会に出向を受け入れ、事業を統括してもらうことになっております。 また、今年度は、伝統的工芸品の産地振興を行う地域商社としての役割を行う事業における専門人材の募集については行わず、伝統的工芸品の新商品開発やその海外販路開拓のための海外展示会、見本市への出展や新商品開発の助言、販路開拓先の紹介、勉強会等を行う業務につきましては、産地に精通し、実績のある事業者や研究機関に委託して、早急かつ確実に各産地の振興に貢献していきたいというふうに考えております。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) 専門家としてJTBという話がございましたけれども、JTBというのは本当に専門家でございます。ですから、インバウンド、そういった事業に対して精通していることは間違いないというふうに思いますけれども、このインバウンド事業、越前市において将来的にも非常に重要な案件だというふうに思います。ただ国の予算を使って2年間で終わらせる事業ではないと考えます。そのときに、このインバウンド事業を推進するに当たって、中核となる、先頭に立って、先頭になってやるのはもちろん市長ですけれども、その専門的な知識を持った、そういった方を公募によって採用するということは考えられなかったのでしょうか、お尋ねします。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) インバウンド事業を活用して、本市の観光振興に資する基盤を整備することが必要であると考えております。 人材の確保については、性急にこれを行うことではなく、継続して当市の産業や観光振興に貢献できる人材像を明確にし、慎重に検討していくことが重要と考えております。 越前市にとって継続的にインバウンド事業に取り組むことができる体制を構築できるよう、人材活用も含めて、市観光協会の機能強化を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) このインバウンド事業の予算執行をするに当たって、以前は観光協会に委託してということでございますけれども、予算の配分とかそういったことはどうなっておるんでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 事業委託につきましては、観光協会へ事業委託をするということで、観光協会の中で、事業を先ほどの大きい4つに整理した中で各事業について執行もしくは委託というような形をとっていくということでございます。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) その中で、観光協会が全てを責任を持って予算執行をするということでございましょうか。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 観光協会との業務委託につきましては、本年度1億4,000万円ということで業務委託を行っておりますので、その中で事業を執行していただく。当然委託する市側の要望に沿った形ということで、体系はそのように整備させていただいたように理解しております。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) 非常に大きな予算なんですね、1億4,000万円。その中で、この4つの事業というものを推進する中に当たって、やはりその配分というものはしっかりとお決めになっているのか、現段階でお願いします。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 先ほど御説明しました4つの大きな事業を整備した際に、その大きな4つの中での事業の大枠の目安というものは定めておりますが、がちがちという考え方ではなくて、柔軟にやりとりができるような形、総枠で1億4,000万円というような、効果があるところに重点的に行っていくというような予算執行を考えております。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) そうしますと、事業を遂行するに当たって、その場その場で予算が発生すればそういう予算を執行するというやり方なのでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 済みません。私の説明がちょっと不十分でしたら申しわけないんですけれども、そういう行き当たりばったりというお話ではなくて、あくまで大きい方向性を定めた中に事業を細分化しておりますので、その事業について執行していくということでございます。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) このインバウンド事業という中では、いろいろ内容的にも伝統産業を生かしたインバウンド事業という中で、またいろいろな業界からもそういう要望というものがあろうかと思います。 私は、6月6日の新聞に福井大教授の湊七雄さんという教授の記事がありました。この湊教授は、まちづくりをアート・イン・レジスタント、要するにアーティスト・イン・レジデンスという事業でまちづくりを提言されております。越前和紙、福井県和紙工業協同組合、これも今ブランディング化を進めまして、そのアーティスト・イン・レジデンスというものの事業に対して力を入れようとしております。 その中で、アーティスト・イン・レジデンスというのは、国内外からアーティストを招聘して、一定期間、その期間を作品制作と、そうしたものをして、そして展示するという、全国でも60カ所ぐらい現在やっておる。身近なところで言えば、隣の滋賀県、大津市のBIWAKOビエンナーレという2年に1遍のそういう美術展というものをやっております。これは、近江八幡市でやってるんですね。昔の近江商人の家屋、それが空き家となったところや工場、そうしたところをキャンパスとして世界各国から、今現在では80名ぐらい、そういうアーティストがそこをキャンパスとしていろいろな作品を展示している。つまり、そうすることによって、空き家対策、本来ならば朽ちていく文化財的な建物に対しても、きれいにした上で、そしてアーティストの作品を展示してやっていくというような、そういう使い方もあるというふうにあります。 こうしたアーティスト・イン・レジデンスというものをぜひとも取り上げていただきたいんですけれども、そういう考えはないでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 今年度におきましては、先ほど御説明しましたとおり、方向性を定めて、これからスタートするところでございますので、今議員から御紹介いただいたような内容につきましても、ことし、来年と2カ年この事業を実施してまいりますし、交付金が終わってもインバウンド事業は継続していくものでございますので、その中でまた新たに検討をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) よろしくお願いします。 そして、先ほどの話の中で、伝統的工芸品産地振興事業の取り組みとして、新商品の開発という話がございましたけれども、具体的にはどのようなことでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 研究機関への委託によりまして、その視点を生かした海外にも販路を開拓できるような新商品を地域の伝統工芸品関連事業者と協働して開発していきたいと考えております。 また、ワークショップの開催や流通事業者へのヒアリングも行いながら、海外に売れる商品を開発してまいりたいと考えております。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) そういう事業というものは、今回8月に行われます千年未来工藝祭とかそうしたところで、いろいろと消費者とそしてメーカー、そうしたものとのマッチングでそういう商品を生み出そうとしておられるのしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 千年未来工藝祭に限らず、そういった機会があるところにそういった新商品をどんどん出していっていただくような取り組みをしていきたいと考えています。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) この伝統的工芸品の産地振興の取り組みを行う中で、越前市だけではなくて、この周り、丹南地区、この丹南地区のほかの伝統工芸との連携は必至だと思いますけれども、どのような取り組みをなさっておられるのか、お聞かせください。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 丹南地域の5産地連携につきましては、県のものづくりプロジェクト、産業部のほうが中心になってやっておりますけれども、そういったところで勉強を進めてるところでございます。 また、今回丹南地域の国指定の伝統的工芸品として、御存じのとおり、越前漆器、越前焼がございますけれども、本市内産地とあわせてPRを行うことで、より伝統的工芸品を多数抱えるエリアとしての魅力を際立たせることができ、結果として本市の訪日外国人の増加や伝統的工芸品の購入促進につながると考えております。 このことについては、先ほど今年度大きく分けて4つの事業を実施するとお答えしましたけれども、そのうちの一つ、産業観光を中心としたインバウンド事業の中で、プロモーションや旅行商品開発を連携して行っていきたいと考えております。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) ぜひとも越前市が中心となって、丹南地区というものを取りまとめるべき立場であるというふうに私は思います。 その中で、丹南広域観光協議会において、今、丹南地域周遊滞在型観光推進計画が策定されておりますけれども、こうした取り組みとの連携というものはどのようになっているのか、お聞かせください。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 丹南地域の5市町が連携して取り組む丹南地域周遊滞在型観光推進事業については、北陸新幹線(仮称)南越駅開業に向けて観光客数を増加させ、地域の観光消費額を拡大するために、令和4年度まで取り組む事業でございます。 本市単体で令和2年度まで集中して取り組むこのインバウンド事業とは、事業の実施主体や事業期間、観光客のメーンターゲット層などが丹南地域周遊滞在型とは異なりますけれども、どちらも丹南地域で実施する観光消費額の拡大を図る事業でございます。 本市としましては、継続的にインバウンド事業に取り組むことができるよう、先ほども申しましたが、市観光協会の機能強化を図り、旅行商品の開発やプロモーション等にとどまらず、丹南地域の観光振興の持続的な体制づくり、それらについて連携してまいりたいと考えております。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) ぜひともよろしくお願いしたいというふうに思います。 そして、産業観光を中心としたインバウンド事業について、産地にお金が残る、落ちるというような取り組みはどのようになっておりますか。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) お答えいたします。 産業観光を中心としたインバウンド事業では、本市に外国人観光客をふやすためのプロモーションの実施や旅行商品の開発等を実施することとしており、そのことにより伝統的工芸品の購入額の増大を含む観光消費額の拡大が行うことができるよう取り組んでまいります。 具体的には、産地を周遊し、伝統的工芸品の購入拡大につながるような体験メニューの開発や、プロモーション、旅行会社へのセールス、またそれらを促進するためのパンフレットなどの多言語の発信ツールを作成し、域外からの消費額を高めることができるよう取り組んでまいります。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) インバウンド対策には、工芸の里構想推進やこれからの越前和紙などの産地が取り組んでいこうとすることとともに、インフラ整備などをしっかり後押しするような取り組みを各産地によく意見を聞きながら進めてほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 今回の取り組みにつきましては、市工芸の里構想を踏まえ、伝統的工芸品の産地振興につながるものとなっております。外国人の誘客としても、産業観光を中心として、本市に来訪した外国人が伝統的工芸品を購入することを促進するようなことが基本となっております。産地の意見によく耳を傾け、持続的な取り組みとなるよう事業を推進していきたいと考えておりますので、御理解のほど、また御協力のほどよろしくお願いいたします。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) この周遊ということで交通体系、そうしたものはどのように考えておられるのか、お聞かせください。 ○議長(川崎悟司君) 小泉産業環境部長。 ◎産業環境部長小泉陽一君) 交通体系につきましては、このインバウンド事業の中でも実証実験等を検討してまいりますので、その中でまたいろいろと研究課題を追求していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(川崎悟司君) 清水一徳君。 ◆(清水一徳君) 車で回るというものはありますでしょうし、また自転車で回るということもあるでしょう。我が未馬会の中西議員は村国山からパラグライダーで飛んで、この市内を見渡して、どこを回ろうかというような、そういう使い方もあるんじゃないかなというふうに思います。ぜひとも考えていただきたいなというふうに思います。 インバウンド事業、私は越前市にとって本当に将来に役に立つという事業を展開していただきたいというふうに思います。これからも私は、このインバウンド事業に対して、もちろん参画もさせていただきたいし、意見も述べさせていただきたいというふうに思います。 最後に、令和という元号に変わって私は最後の一般質問になりました。令和という元号、先ほど三田村議員がおっしゃられたように、万葉集からの出典でございます。令和の令という字は、よい、すぐれたという意味があるというふうに聞き及んでおります。さらに、その状況になるように積極的に準備する、向かわせるという意味があり、和という言葉は、私の好きな十七条の憲法、聖徳太子の十七条の憲法の第1条、和をもってたっとしとなす、この和、つまり平和の和という意味にほかならず、日本がみずからの平和と世界の平和に向けてリーダーシップをとっていくという意味のあらわれではないかなというふうに思います。 我が越前市においても、新たな令和の時代にふさわしく、このインバウンド事業を近隣との協力、協和をもってよりよい施策を積極的に推進、実行されるように私も見守り、参画させていただきたいと思います。 これで私の一般質問は早いですけれども終わらせていただきます。
    ○議長(川崎悟司君) 以上で清水一徳君の質問を終了いたします。  ================ ○議長(川崎悟司君) 本日はこれをもって散会いたします。 次会は7月3日午後2時から再開いたします。        散会 午後2時08分...