鯖江市議会 2019-05-31
令和 元年 6月第418回定例会−05月31日-03号
令和 元年 6月第418回
定例会−05月31日-03号令和 元年 6月第418回
定例会
第418回
鯖江市議会定例会会議録
…………………………………………………………………………………………
令和元年5月31日(金曜日)午前10時02分開議
…………………………………………………………………………………………
〇
出席議員(19人) 2番 大 門 嘉 和
3番 山 本 敏 雄
4番
佐々木 一 弥
5番 福 原 敏 弘
6番
佐々木 勝 久
7番 小 竹 法 夫
8番 林 太 樹
9番 遠 藤 隆
10番 帰 山 明 朗
11番 石 川 修
12番 奥 村 義 則
13番 木 村 愛 子
14番 丹 尾 廣 樹
15番 平 岡 忠 昭
16番 末 本 幸 夫
17番 水 津 達 夫
18番 蓑 輪 昇
19番 玉 邑 哲 雄
20番 菅 原 義 信
…………………………………………………………………………………………
〇
欠席議員(1人) 1番 福 野 葵
…………………………………………………………………………………………
〇説明のため出席したもの 市長 牧 野 百 男
副市長 中 村 修 一
教育長 辻 川 哲 也
総務部長 藤 田 裕 之
政策経営部長 斉 藤 邦 彦
健康福祉部長 品 川 善 浩
産業環境部長 宮 本 昌 彦
都市整備部長 久 野 茂 嗣
教育委員会事務部長 福 岡 正 義
会計管理者 金 子 明 祐
監査委員事務局長 田 中 賢一郎
…………………………………………………………………………………………
〇
説明補助者として出席したもの
総務課長 小 原 勢津子
めがねのまちさばえ
戦略課長
服 部 聡 美
秘書広報課長 高 崎 則 章
財務政策課長 若 杉 敏 夫
社会福祉課長 無量小路美夏代
商工政策課長 乙 坂 薫
農林政策課長 徳 橋 圭 吾
土木課長 高 橋 正 幸
都市計画課長 長谷川 伸 英
教育審議官 鈴 木 和 欣
教育政策課長 吉 田 和 浩
生涯学習・
スポーツ課長 田 畑 雅 人
…………………………………………………………………………………………
〇職務のため出席したもの
議会事務局長 白 崎 光 男
議会事務局次長 九 島 隆
議会事務局参事 笠 嶋 忠 輝
議会事務局次長補佐 上 野 紀 子
…………………………………………………………………………………………
開議 午前10時02分
○議長(
佐々木勝久君) 皆さん、おはようございます。これより本日の会議を開きます。
御報告いたします。1番 福野 葵君から、都合により欠席の届け出が出ております。
本日の
議事日程はお手元に配付いたしましたとおりと定め、直ちに議事に入ります。
…………………………………………………………………………………………
△日程第1.
一般質問
○議長(
佐々木勝久君) 日程第1、
一般質問を行います。
発言通告書に基づき、順次発言を許します。
最初に、10番
帰山明朗君。
〇10番(
帰山明朗君)登壇
◆10番(
帰山明朗君) おはようございます。
市政同志会の帰山でございます。
質問通告書に基づきまして、自分なりの所感も交えながら順次質問をさせていただきたいと思います。
最初の質問は、
人口減少時代の
地域公民館における新しい
地域づくり・
地域課題解決に向けた
社会教育の推進についてです。
我が国は、少子化による
人口減少、急速な
高齢化、
グローバル化、いわゆる第4次
産業革命の進展など大きな変革の中にあります。
地域社会においても、
地域経済の縮小や
地方財政の悪化、医療、介護の需給の逼迫、
ひとり親世帯の増加等を背景とした貧困の問題、地域の
伝統行事などの担い手の減少、人と人との
つながりの希薄化による
社会的孤立の拡大など、さまざまな課題に直面しており、それは鯖江市においても例外ではないと言えると思います。
今後、
人口減少のさらなる進行や人生100年時代と言われる長寿化の中で、さらに大きな社会の変化が訪れようとしております。この人生100年時代には、高齢者から若者まで、全ての国民に活躍の場があり、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくる必要があります。
その重要な鍵を握る一つが生涯
学習社会の実現にあると考えております。これからは、一人一人が学びを通じて、その能力を維持、向上し続けることができるよう、誰もが生涯にわたり必要な学習を行い、その成果を個人の生活であったり、または地域の活動などに生かすことのできる生涯
学習社会の実現への取組をより強固に進める必要があると考えております。
教育基本法第3条においては、生涯学習の理念として、「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。」と規定されています。
生涯学習は、
学校教育もしくは
社会教育を通じた学習、そして
個人個人の学習やさまざまな活動から得られる学習をも含んでいく大変幅広い概念でもあると、そう考えておられます。
その中で、
社会教育については、
社会教育法において、「学校の
教育課程として行われる
教育活動を除き、主として、青少年及び成人に対して行われる組織的な
教育活動をいう。」と定義されています。これには体育およびレクリエーションの活動も含むとされています。
学校教育の領域を除いたあらゆる組織的な
教育活動を対象としているものであります。お一人お一人が、生涯にわたって多様な学習を行い、その成果を生かす実践の機会を提供するものとして、生涯
学習社会の実現に向けて、
社会教育は中核的な役割を果たすべきものであります。
社会教育はそこでの学びを通じて個人の成長も期待しています。またいろいろな人や他者と学び合い、認め合うことで相互の
つながりをも形成していくものであることがその特徴でもあると言われています。特に、他者との交流を通じて、新たな気づきであったり、学びであったり、もしくは活動への動機づけがさらに進み、より主体的な学びであったり、より活動が発展していくことが
社会教育の強みとも考えられています。
戦後の
社会教育は、このような強みを生かしながら、学び合ったり、支え合ったりする
地域づくりに貢献してきたと、そういう歴史を持っていると考えております。
今後、
人口減少など社会の大きな変化の時代を迎える中であっても、市民の方の主体的な参画による持続可能な
社会づくり、
地域づくりにつけて、この
社会教育はこれまで以上に役割を果たすことが大変重要視されている、そんな時代が来たと考えております。とりわけ地域における
社会教育は、一人一人が、そして
住民お互いが、住民とそして
地域社会、
コミュニティが、それぞれの局面において、それぞれの固有の特色や特徴を持っております。繰り返しになりますけれども、
地域住民の
地域コミュニティの発展のためには、こうした
社会教育は大変重要でありますし、そうした各地域での
社会教育の拠点的な役割を果たしている、その一つの施設が
公民館であろうと考えております。
そこで、お尋ねをしたいと思います。現状の市内各
地区公民館での取組の課題について、どのように把握をされ、どのように認識をしているか、まずお伺いをしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君)
福岡事務部長。
◎
教育委員会事務部長(
福岡正義君) おはようございます。
帰山明朗議員の御質問にお答えをいたします。
市内公民館での
地域課題解決に向けた取組の課題について、どのように把握し認識しているのかというお尋ねでございますが、本格的な
人口減少時代を迎える昨今におきまして、今後、自治体もそうでございますけれども、
地域コミュニティの持続といったことが大きな課題になってくると思われます。
そのような認識のもとで、これは平成29年3月に改定をさせていただきましたが、市の
教育大綱の中で、生涯学習・
地域コミュニティの
中核施設として役割を果たしています
公民館というものを、地域における生涯学習・
まちづくり活動を支援する場として
位置づけをさせていただきまして、その充実に努めることといたしております。
そのためには、
地域づくり、あるいは環境、
地域福祉、
防災教育など、各地域が抱える課題をまずしっかり把握することが必要でございますので、各地区の
公民館の館長を初め、職員はもちろんのこと、
社会教育委員の皆様、あるいは
運営協議会の皆様、各
地区区長会の方々といったような、
地域づくりと
地域課題の解決に携わっておられます全ての関係者がかかわるさまざまな会議、機会を捉えまして、
社会教育研究集会等の研修など通しまして、それぞれ
意見交換や
情報共有を行いまして、現状の把握に努めてきたところでございます。
取組の課題といたしましては、
地域ごとに、それぞれ
地域人材の発掘とか活用、あるいは防災力の向上といったような個別のいろいろな課題もあろうかと思いますけれども、各地区といいますか各館が共通の課題として抱えていらっしゃることといたしましては、各
公民館が取り組んでいる
地域課題自体が、
地域住民の皆様に十分周知されていない、あるいは浸透し切れていないといったこととか、あるいは、その地域におきまして、優先的に取り組むべき
地域課題が何であるのかということにつきまして、共通の認識が不足しているといったようなことが考えられると思います。
また、もう一つ具体的な課題といたしまして、
地域活動に主体的に参画される方々が一部に限られておりまして、住民の皆様もそうでございますが、かかわっていただける皆様におきましても、
高齢化に伴いまして、それを担っていただく人が不足している中で、いかに活動の裾野を広げて、いかに
公民館になじみの薄い方々をひきつけていくかといった取組が今後重要になるのではないかというふうに認識をしております。
○議長(
佐々木勝久君)
帰山明朗君。
◆10番(
帰山明朗君) 今、答弁の中で、教育の振興に関する施策の大綱について、平成27年に最初つくられまして、平成29年にも改定をされているわけですけども、そうしたことにも少し触れられておりました。
公民館の役割についても、この中でうたっていることに触れられたわけでありますけども、平成29年の教育の大綱についての改定の中で、
公民館についての大きな改定がなされたということであります。当時の議会の中でも、その改定についてはさまざまな議論も行われたのも、私自身も承知しているとこでありますけれども、それについて一点、確認をしたいと思っています。
ことし1月に、市長を座長とされる
総合教育会議が開催されておりまして、そうした
議事録についても、広く
ホームページ等でも公開されておるところでありますので、その会議録も拝見させていただきました。
その中、幾つかのテーマがありましたけれども、テーマの中の一つに、
公民館における
社会教育の進展ということも取り上げられていたところであります。その中で、
教育長の発言でありますけれども、
公民館の
位置づけを福祉であったり、防災であったり、
コミュニティの
地域づくりの拠点というような
位置づけを加えて示したときには、若干のあらがいといいますか、抵抗的なこともあったのも事実だというふうなことが
議事録に残っておりました。
これは、平成29年3月の鯖江市
教育大綱の改正において、
公民館の役割についての変更点として、生涯学習、
地域コミュニティの
中核施設としての役割を果たしている
公民館を、
地域づくりや環境、
地域福祉、
防災教育など
市民生活と密接にかかわり、
地域住民との協働が必要な活動も含めた生涯学習・
まちづくり活動を支援する場としての充実に努めるというふうに明文化したことを指しているところであります。
地域福祉、
防災教育など、いわゆる
市長部局で行われている仕事に関しても、
公民館の役割ということにはっきりと明文化した
位置づけをされた中において、こうしたことが
社会教育施設である
公民館の中で適当なのか、もしくは職員さんの配置、
業務量の適正化、そうした中でも十分なことができるんであろうか、そうした心配の声もあったことも事実でありますし、そうしたことも議論されたと思っています。
その当時の議会の答弁の中で、
牧野市長も、あくまで現在の
公民館の中の実態に沿った、やっていることを改めて明文化したものだということを前置きされながらも、こう発言もされています。御理解には大変時間がかかることは承知しているが、
十分周知徹底を図って理解を求めてまいりたいと述べられています。そしてまた、これらについて、今後10
公民館、もちろん10地区それぞれで温度差があるので、それを埋め合わせるためにも、相当努力をしていきたい。そうした面で、職員さんの
待遇改善というものも、必要があれば十分考えることも必要であろう、こう述べられていたところであります。
その後、約2年間が経過したわけでありますけれども、この
教育大綱の追加の中でいろいろな議論がなされたこの点につきまして、何か現状、もしくは理解の深まり等々について、御所見があればお伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君)
辻川教育長。
◎
教育長(
辻川哲也君) 29年に
教育大綱を改正しまして、生涯学習のみならず、
まちづくり、防災、福祉などの住民と密接にかかわり合う活動の拠点とするというようなことを入れさせていただいて、最初の
教育大綱の
公民館長会議での説明のときには、今、
帰山議員が御指摘のような、やはり従来の
社会教育の範囲とは違うのではないかというふうな御意見もいただいたのは事実でございます。
その後、生涯学習の
基本方針にも毎年定めていって、説明をさせていただいている中で、今現在は徐々に御理解をいただいてきている。
社会情勢の変化というのもあるんだろうと思うんですけども、徐々に理解をしていただいていると思っております。
特に、昨年、
北中山公民館が地区のいろいろな資源を生かした
まちづくり活動に積極的に取り組んでおられて、
優良公民館として表彰を受けたと、ああいうふうな例も大きな
きっかけになっているのではないかと思っております。
防災拠点とか福祉の拠点という形で
位置づけたおかげで、おかげかどうかちょっとあれですけども、
防災協議会というのが各地区にございまして、その設置が進んできておりまして、今現在、7地区で立ち上がっているということで、やはり地区の
人たち、地域の
人たちの
防災意識の向上というんですか、
自主防災の向上に寄与しているのかなということと、もう一つ、地域支え合い推進員を配置いたしまして、最初はなかなか見えてこないというようなこともございましたけども、ようやく福祉の支え合い推進員さんが、それぞれの地区のサロンの設置の支援とかサロンとか集いの場とか集まりの場とか、いろいろな所を足で回っていただいて、冊子にまとめていただいて、今度それを各区長さん方にフィードバックして、こういうことをやっていますから参加してみませんかというふうなことを、今やり始めているということでございますので、それらも少し見える形になってきたのかなというふうには感じております。
そういう点で、最初は若干、
社会教育の範疇からは逸脱しているのではないかというような御意見もありましたけども、今は、それぞれの地区の
まちづくり応援団とか
まちづくり委員会などを中心として、理解が深まっているというふうには感じております。
以上です。
○議長(
佐々木勝久君)
帰山明朗君。
◆10番(
帰山明朗君)
社会教育法自体が戦後間もなくでき上がってきた中で、後ほどの質問の中で触れていきますけども、
中教審の答申であったり、いろいろな中で、こうした
社会教育施設の
あり方自体も少しずつ考え方が広がっておりまして、
市長部局もしくは
教育委員会も、いわば一体となったようなリンクしたような活動が求められているのも事実でありますし、そうした中で、鯖江市がこうした活動を
公民館の役割の中に入れているのも一定の理解はしているところであります。
しかしながら、職員さん自体、これまでの答弁の中でも、やはり地域の中でのそうした
公民館の中核的な役割を果たすためのコーディネーターであると。コーディネーター的な機能を果たしていくんだということが求められているわけですし、その役割が与えられているわけですけども、そうした中で、過重な
業務負担にならないかということも心配するところであります。
現在は、
人手不足の背景の中で、
公民館の職員さん、誰か募集をしたいということの中でも、なかなかその募集に対して出てこないと。そうしたことも
業務量、もしくは待遇の点についても、ともすると、やはり一度見つめ直す点もあるかもしれないとも考えておりますので、その点については御検討をお願いしておきたいと思います。
今、国においては、昨年6月に、第3期の
教育振興基本計画が策定されたところであります。生涯学習に関しては、生涯学び活躍できる環境を整える、これを基本的な方針の一つに掲げられました。先ほども申し上げましたけれども、人生100年時代を見据えた推進であるというふうに捉えています。また、昨年3月には、文科省の大臣から
中央教育審議会に対し、
人口減少時代の新しい
地域づくりに向けた
社会教育の
振興方策について諮問が行われ、去る12月に答申が行われているところであります。答申の中では、
社会教育を基盤とした
人づくり、
つながりづくり、
地域づくりの
重要性について述べられているところであります。
今ほど
教育長も申されたとおりでありますけども、
公民館等の
社会教育施設には、
地域活性化、
まちづくりの拠点、地域の
防災拠点などとしての役割も強く期待され、そして役割も与えられているのも事実であります。
住民参画による
課題解決であったり、
地域づくりの担い手の育成に向けて、住民の
学習活動を支援する機能を一層強化していくことが求められるようになっているところであります。
こうした時代の中での
地区公民館における新しい
地域づくり、
課題解決に向けた
社会教育の推進を図るために、鯖江市において、
地区公民館が今後果たすべき役割を改めてここで明確にしておく必要もあると考えております。
そこでお尋ねしたいと思います。今申し上げました第3期の
教育振興基本計画および昨年12月の
中教審の答申も踏まえた中で、鯖江市のこれからの地域における
公民館の求められる役割について、御所見があればお伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君)
福岡事務部長。
◎
教育委員会事務部長(
福岡正義君) 国の第3期
教育振興基本計画および平成30年12月に
中教審から答申されました「
人口減少時代の新しい
地域づくりに向けた
社会教育の
振興方策について」を踏まえて、地域における
公民館の役割についてとのお尋ねでございますけれども、第3期の
教育振興基本計画におきましては、人口の減少、
高齢化あるいは
技術革新といった
社会状況の激変を踏まえまして、今後の
教育政策の基本的な方針を定めております。
その中の一つに、議員も御指摘いただきました、生涯学び、活躍のできる環境の整備といったものが挙げられてございます。また、
社会教育における
地域コミュニティの維持、活性化への貢献、あるいは
地域課題解決のための学びの推進とそのための
社会教育施設の効果的な活用の
重要性といったものも掲げられてございます。
また一方、
中教審からの
社会教育の
振興方策に関する答申におきましては、
地域コミュニティの衰退が社会全体の課題となる中で、新たな
社会教育の方向性というところで、「開かれ、つながる
社会教育の実現」というのを提示されております。具体的には、住民の主体的な参加の
きっかけづくり、あるいはネットワーク型の行政の実質化といったものが内容でございます。それと
社会教育を基礎とした
人づくり、
つながりづくり、
地域づくりの一層の充実を図ることがうたわれてございます。
その最も代表的な実践の場であります
公民館ということでございますけれども、これまでの学びの場としての役割に加えまして、今後は学びを学びだけで終わらせない。住民が主体的に
地域課題を解決するために必要な学習を推進させる役割、住民がその学習の成果を
地域課題解決のために実践の活動につなげていく役割、あるいは
地域コミュニティの維持と持続的な発展を推進するセンター的な役割、コーディネートをする役割と申しますか、また具体的に、先ほど来上がっておりますけれども、地域の
防災拠点といった幅広い役割が期待されているところでございます。
こうした流れは、先ほども申し上げましたけれども、市の
総合教育会議において、平成29年3月に改定を行いました
教育大綱の中におきましても、
公民館の役割を生涯学習・
地域コミュニティの
中核施設から生涯学習・
まちづくり活動を支援する場といったものに変更しましたのも軌を一にするものでございました。
これらも踏まえまして、本年度、
令和元年度の鯖江市生涯
学習基本方針におきましても、
地区公民館を拠点とした
人づくり、
つながりづくり、
地域づくりの推進、
地区公民館における
地域課題解決に向けた
社会教育の推進といったものを項目として追加いたしまして、地域の
中核施設である
地区公民館を、
市民生活と密接にかかわり、
地域住民と協働が必要な活動も含めました生涯学習・
まちづくり活動を支援する場として取組を充実していきたいと思っております。
○議長(
佐々木勝久君)
帰山明朗君。
◆10番(
帰山明朗君) それでは続いてお尋ねしたいと思います。今、求められる役割について御答弁いただいたわけでありますけれども、こうした役割を今後
公民館が果たしていくために必要な具体的な方策についての御所見をお伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君)
辻川教育長。
◎
教育長(
辻川哲也君) 今後の
公民館に求められる役割を果たしていくための具体的な方策というお尋ねでございますけども、大変多くの、しかも幅広い役割が
公民館には求められている、こういう状況で、まずは今現在、各地区がそれぞれの地域の実情に応じた自主的な取組をしていただいておりますけども、それをまず第一に推進していくことだというふうに考えております。
先ほども申し上げましたけども、
北中山公民館にて自主的な
まちづくりの委員会が設置されて、住民が主体となって
まちづくりに取り組んだ
地域課題解決型の取組が評価されて、文科省の
優良公民館に選ばれたということでございましたけども、北中山に限らず、各
地区公民館とも、それぞれの実情に応じて
まちづくり委員会、その中には福祉部会とか環境委員会とか防災委員会とか分かれているところもあると思いますけども、そういうような形で取り組んでいただいておりますので、それをまずは着実に進めていくことが肝要ではないかと思います。
それに加えて、今度、これからは新しい課題というのも生まれてくると思いますので、そういう新しい課題とか実情というのを的確に捉えながら対応していくという活動も必要になってくるのではないかと思います。それには、やはり住民としっかりと連携しながら、あとは学校なんかとも結びつきをしっかりしていただいて活動を進めていくというのが、これからの取組の必要なことになってくるのかなというふうに思っています。
それともう一点は、先ほど
帰山議員さんもおっしゃっておられましたけども、多様で複合的な
地域課題に取り組んでいくには、やはり
市長部局との連携ですかね、この辺が一番重要な方策というんですか、それをしっかりしていかないとなかなかうまく進んでいかないのではないかと思っておりますので、その辺は今後とも
市長部局としっかりと連携をとりながら、
公民館を支援していきたいという考えでおります。
あと各
地区公民館、すばらしい活動をしていただいておりますので、その
公民館同士の横の連携、情報の共有化というのも図っていただいて、あそこではこういうことをしている、ここではこういう取組もしてるよというようなことを館長会議なんかでも出し合っていただきながら、しっかりと地域の実情に応じた取組を展開していくことが求められるのではないかなというふうに考えております。
○議長(
佐々木勝久君)
帰山明朗君。
◆10番(
帰山明朗君) 今、
教育長おっしゃった中に、ネットワーク型行政の実質化ということもうたわれていた中、部長の答弁にも、
教育長にもありましたけども、やっぱり
市長部局との連携を強化していく中で、
つながりづくり、もしくは
人づくり、
地域づくりを強化していく考えもあるんだとおっしゃっておりました。僕も本当にそのとおりだと思っています。特に、鯖江市においては、市民主役の考え方が浸透してきている中で、いわば、
公民館が行う地域支援団体との
社会教育、そしてまた全然別個ではありませんけれども、
市長部局の中で中心的に取り組まれている市民主役事業の中でのいわゆるNPO、市民活動グループ、もしくは高校生等々、いろいろな方々が多様な主体の中で行っている
まちづくりが相互に大変発展している、日本の中でも先進的なまちだと思っています。
そうした中で、ともすると、
市長部局の中で市民主役という名のもとに行っている活動であっても、いわば
社会教育と捉えられるものもあるというふうに感じておりますけども、それがそれぞれリンクしていない部分もあろうと思っています。
先ほど、
つながりづくりという中では、
公民館の職員さん、
公民館長さん、もしくは地縁団体の方たちとの
意見交換を通じてというところありますけれども、
市長部局の中にも、
まちづくりに携わっているNPO団体、もしくは任意団体がいっぱいあるわけでございますので、そうした方たちの
つながりも深めていくことが、
社会教育という壁を打ち破るような、本来の求める
人づくり、
地域づくり、それによる
まちづくりにつながっていく、これが新しい時代の
社会教育のあり方ではないかと思っておりますので、その点については御努力をお願いしたいと思っています。
また、
社会教育の推進の中で、いわゆる
社会教育・生涯学習に参加したことがない、それが何でかというアンケートを取っています。各地区の
公民館にかかわる方とお話ししていますと、若い
人たちの参加がなかなか来ない。ある意味、固定化された
人たちが活動していて、新しい人の参画がないということが挙げられています。内閣府の世論調査によりますと、41.3%の方が、「学習したことがない。」、いわゆる生涯学習に参加したことがないと答えております。この理由として一番多かったのが、「
きっかけがない。」これが15%を占めていたそうです。こうした中では、
社会教育の中、
公民館を中心に行っていく活動も、やはり広い方たちと情報を共有したり、もしくは発信をしたりしていく。少し活動が見える化していく、そういう活動も、ともすると大事なのかなと思っています。
教育委員会がどうだというんではないんですけれども、やっぱりSNSであったり、いろいろな多様な媒体を使っての情報発信等々についても、ともすると
社会教育というのは、そうした分野がちょっと苦手なところもあるのかなというふうに見えますが、そうした活動の見える化というのも、今度新しい
人づくり、
つながりづくりの
きっかけにもなろうかと思いますが、こうした活動の見える化については、何か御所見ございますか。
○議長(
佐々木勝久君)
福岡事務部長。
◎
教育委員会事務部長(
福岡正義君)
教育委員会におきましても、それぞれの
地域課題の解決とか各地区の取組、そういったものをホームページあるいは
社会教育研究集会とか、機会のあるごとに、担当の
公民館関係者もそうですけれども、一般の参加いただく市民の皆様に機会を捉えまして、情報として取組状況をお伝えするというような取組をやっております。今、議員からも御提案ございましたけども、SNSとか最近はさまざまな媒体がある中で、
教育委員会としても、そういったものに努めてまいりたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君)
帰山明朗君。
◆10番(
帰山明朗君) 人生100年時代というものを迎えていく中で、一人一人がいかに幸せな人生を歩んでいけるのか。人口が減ってきたり、もしくは
高齢化が進んできたり、
地域経済がともすると縮小していく中で、また人と人との
つながりが希薄化をしている、そうした中で、今後さまざまな課題がより一層浮かび上がってくると思います。その
課題解決に向けて、
社会教育というものがどのような形で寄与することができるのか、今後ますます大切だと考えています。
今質問させていただきました、こうした新しい時代における
公民館における活動等々については、今後の推進に一層期待をしまして、次の質問に移りたいと思っています。
次の質問は、地域との協働による高等
学校教育改革推進事業についてであります。今議会の
牧野市長の提案理由説明の中で、地域との協働による高等教育改革推進事業の地域魅力化型の分野において、全国から58件の応募がある中、鯖江高校が20校の一つに選ばれ、地域魅力型事業として、県内唯一の指定校となったと述べられています。
これ、ちょうど5月30日の福井新聞でありますけども、丸岡高校に地域協働部ができ上がったということが、大きく写真入りで出されておりました。丸岡高校も、いわゆるグローカル型、鯖江高校が選ばれた地域魅力化型とは違う形で、県内で指定された学校だと聞いておりますけれども、新聞記事を拝見しておりますと、地域の活動の中での高校生がこういうことになっていくんだなということで大変興味を引いたところであります。
そうした中で、我が鯖江市の中でも鯖江高校さんが進められようとするこの事業でありますけども、まずお伺いさせていただきたいと思います。
地域との協働による高等
学校教育改革推進事業とはそもそも何なのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君)
牧野市長。
◎市長(牧野百男君) 事業の概要でございますけども、文科省の事業で3カ年の委託事業なんです。3カ年で予算枠は1,200万なんですが、これ、全て10分の10国庫で、非常にありがたい事業なんです。私のところも、今、高等学校との協働による地域魅力創造というのは、これまでも幾つか事業着手しておりますんで、そういったものが評価されたものでもございますし、また高校再編に伴う鯖江高校の
位置づけという点からも、非常にありがたい事業として受けとめております。これは、新高等学校学習指導要領によりまして、地域から人材を育成する、そういった教育改革を地方から推進していこうということが一つの流れにあるんです。
それと、高等学校を地域振興の核にしようという方向も今は出ているんです。高等学校の機能強化、それを地域と協働の中で進めようと、こういう事業なんです。そういったことで、非常に鯖江にふさわしいなと思って喜んでるんですけども、地方創生の観点からも、地域の産業、うちの場合はものづくり産業が多いんですが、それと文化、こういったものを地域の学校で学んでいただくということは、これは将来的に大変大きな財産になってくるんですね。
といいますのは、一つには、そういった地域を志向できる学生さんが必ず出てこられますね。そういった地域を志向できる学生さんが、将来的には首都圏へ行かれても、必ず地域に根差したそういったことを思っていただいて、あらゆる分野で活躍される。いわゆる社会全体を分厚く支えるといいますかね、そういった人材に育ってくれることは間違いないんですね。そういうようなことで、これからの鯖江にとっては大変ありがたい事業だと思っております。
この事業は、とにかく今、地域の課題を高校生がどういうふうに捉えるか、いわゆるマッチングの問題ですね。これが、どういうふうにわかってくれるかということが一つ大きい課題になるんですが、ということは、高校生と自治体と産業界、こういった、そのほか幾つかわけでございますが、そことのコンソーシアムを構築する、これが一つの条件にもなってくるんですね。そういったことで、これまで私のところが鯖江高校とやってきた事業というものが高く評価されたのは、私は間違いないと思っているんですが、58校から20校の中に選ばれたのは、そういった地域との協働が既に進んでいると。
一つには、鯖江市役所JK課にも、鯖江高等学校も4人くらいですけども、これまで参画をしていただいております。その後、withにも、今、鯖江高校の卒業生も参画していただいております。それから、うちの市民主役事業の若者部会SAN、これにも鯖江高校の学生さん、参画してくれてますね。そういったもので、もちろん竹部さんの主催しているHana道場なんかでも、IchigoJamにも高校生の方が参加して、一緒に地域一体となって、鯖江高校の学生さんが地域にどんどん入ってくれてるんですわ。これが非常に評価されているんですね。
それともう一つ大きいのは、ことし3年目を迎えるんですが、デジタルパンフレット事業、もうホームページのトップページからアイコンでリンクできるようになっておりますんで、もうごらんになられた方もいらっしゃると思いますけども、これはパナソニック財団の地域振興型の事業としても採択されているんですが、鯖江市と協働の中で、すばらしいパンフレットをつくったんです。一遍ごらんになっていただけるとわかると思いますけれども、これは産業あり、文化あり、観光あり、そして自分たちが思う鯖江の課題、こういったものを発表しているんですね。これは動画もありますし、英文、あるいは英語での訳、そういったものもされておりますので、高校生としては大変すばらしいできばえになっているんですね。これらも、今後ももちろん続けていただけるんですが、こういった連携事業が非常に評価されたんですね。それで非常にありがたいと思っております。
これからは、いわゆる高等学校と自治体と産業界等とのコンソーシアム、共同企業体ですね。そういったものをつくるということで、来月13日に商工会議所と鯖江高校と鯖江市と連携協定を結ぶことになっているんです。そういったことで、今後とも、行く行くは鯖江高校1校になりますので、高校再編を迎えて、
地域づくりの核として、鯖江高等学校が機能強化できるような、そういった応援体制というものを鯖江からつくっていきたい。そういった思いで、今回の事業というものは非常に喜んでおります。
また、議員各位の御支援等もよろしくお願い申し上げます。
○議長(
佐々木勝久君)
帰山明朗君。
◆10番(
帰山明朗君) 5月24日の、これもまた新聞ですけれども、いわゆる地方創生に関する第2期となる2020年〜2024年度の施策を検討してきた政府の有識者会議が5月23日に報告書を公表したとされておりますが、そうした地方創生の中での施策としても、高校で人材育成ということが書かれているわけであります。この新聞をちょっと引用させていただきますと、人材の育成・確保に重点を置くように要請したと。「高校生を対象に、地域の産業や文化への理解を深める教育をすれば、進学や就職で首都圏に転出しても将来的なUターンが期待できると強調した。」というふうにあります。まさに、今市長、鯖江市の中で、市として期待したいことということの中の一つが地方創生と。こうした国の考え方の中でも示されている。そうしたことが、こうした事業の中の大きなことなのかなというふうにも考えています。
しかしながら、高等
学校教育改革推進事業の指定をされた企画評価会議というものが、指定を踏まえた所見というものも出されています。こうした事業を行うことで、「高等
学校教育の充実とそれを通じた地方創生が実現するであろうことに大きな期待を抱いている。」としています。優先すべきものは、まずもって生徒の学びの充実であると。そして本事業を通じ、地方創生が図られることは大いに歓迎すべきことではあるが、地域のために生徒があるのではなく、生徒の学びを通じて地方創生が実現されることに留意も必要であるというふうにも書かれています。
今、市長がコンソーシアムをつくっていく、もちろん生徒さんが主役なわけでありますけども、高等学校、行政、そして産業界、商工会議所と三位一体となって連携協定を結んでいく中で、それぞれの思い、期待もあるかと思います。私自身も、議員として、この事業に、やはり地域を担う学生たちが育っていって、そして地域に残ってくれる、もしくは戻ってきてくれる。こうした活動をしてくれる生徒たちに育ってほしいな、そんな期待感十分なんですけれども、この所見を読むと、まず主役は生徒たちなんだな。生徒たちの主体的な学びも応援していかなくちゃいけないな。そういう視点が大事なのかなという考えも持ったところであります。
いずれにしろ、これから始まっていく事業でありますので、いろいろなことをこれから三者で話し合い、進めていくものだと思っています。
市長から、今、いろいろとこの事業についてお話いただきましたけれども、質問の通告の中では、地域魅力化型について、同校で取り組もうとする事業概要、鯖江市が本事業に期待すること、もしくは本市のかかわり、実施体制についても、通告はさせていただいたところでありますが、今、
牧野市長の御答弁の中で、そうしたものも包括されていたものとも考えますが、何か補足があるようでしたらお願いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君) 宮本
産業環境部長。
◎
産業環境部長(宮本昌彦君) 補足というほどではございませんが、改めてもう一度簡単に説明させていただきたいと思います。
まず、この地域魅力化型についてでございますけども、こちらは、
地域課題の解決学習を各教科や各科目、総合的な学習で行うと同時に、それらを互いに密接に関連させながら、教科、科目を超えた横断的な学習を進めることによりまして、地域ならではの新しい価値を育成することを目的とした取組でございます。
鯖江高校が取り組もうとする事業概要といたしましては、先ほど申しましたとおり、3カ年事業ということでございまして、地元のNPO法人、それとまた鯖江高校の同窓会などといった関係者との結びつきを強めまして、地域と協働する高校教育のモデル、それはすなわち鯖江型高校教育、オール鯖江を構築し、総合的な探求の時間だけでなくて、全教科、科目でも地域教材を活用したカリキュラムの開発、授業実践を行うこととなってございます。
具体的にどういったことなのかということでございますけども、現在の1年生を中心といたしました3年間のプログラムを編成してございまして、まず1年次には、探究学習を進めるためのスキルアップ事業に取り組んでまいります。それがどういったものかと言いますと、集団でアイデアを出し合う中で、一つの発想がまた別の発想を生んでいくというような手法を用いまして、みずから考える力を身につけていくと。また、数多くのアイデアをグループ化しながら、問題解決の道筋を明らかにする手法を通じて、プレゼンテーション能力を身につけていくと。また、生徒自身が興味、関心のある出来事の情報収集を通じまして、論理的な思考力を身につけていくということとなっております。
また、2年、3年次には、それぞれが培った能力をもとに、グループごとに地域と協働しながら
課題解決活動や、また興味のある地域の物事を研究しながら、そして、最終的には中間発表、最終発表を順次行う内容となってございます。
今後の本市とのかかわり、実施体制についてということでございますけども、まず目標に向けてでございますが、先ほども申されたかと思いますが、鯖江高校は市民との結びつきを深めまして、本事業を推し進めていくということになってございまして、高校生が鯖江市の歴史、文化、産業などに対しまして広く興味を感じながら理解を深めていくことで、地域への愛着と誇りを持つ高校生、これはひいては、若者づくりとしての土台づくりになるのではないかなと考えてございます。
また、鯖江市には、まち・ひと・しごと創生総合戦略というものがございますけども、その基本目標の一つでございます「若者が住みたくなるまちの創造」に合致するものでもあるかなと考えておりますので、将来的には、
地域コミュニティを支える人材の育成につながると、非常に期待をしておるところでございます。
次に、本市とのかかわりについてでございますけども、こちらのほうは、商工政策課内にありますにぎわい推進室が窓口となりまして、鯖江高校側が本事業を進めるに当たりまして、生徒みずからが気づき、考え、興味のある
地域課題やテーマに基づきながら学習をする上におきまして、その内容に沿った人材、企業、また地域団体の紹介を行うというような役割を果たすと。また、そのほかにも、市職員にも、今まで多岐にわたる
まちづくりのスキルとか知識を持った
人たちもおりますので、その者たちとも協力するなど、生徒自身の自由な発想を尊重した上で、より深く学べる環境づくりをサポートしていきたいと考えてございます。
○議長(
佐々木勝久君)
帰山明朗君。
◆10番(
帰山明朗君) これから始まっていく事業でありますので、私自身も、市長も、部長のほうからも答弁ありましたけれども、やっぱり期待をしていきたいと思っております。
最後に一点なんですけれども、鯖江市においては、小学校、中学校の産業体験であったり、いろいろな講師さんに来ていただいてのふるさと教育、ものづくり教育を推進されてきたところであります。それは市の
教育委員会、また産業界、もしくは
市長部局等が学校とも連携しながら、そうしたものづくり教育を進められてきたわけでありますけれども、こうした高等学校との連携事業においても、そうした市の
教育委員会が中心となって行われています小中学校でのものづくり教育とリンクしていたもの、小中高と、こうしたことが進められていくような取組になっていけばいいとも期待をしておりますけれども、あくまでこれから始まっていく事業でもありますし、高等学校の学びという場で行われることでありますので、そうした期待感だけ申し上げて、今回の私の質問を終わらせていただこうと思います。
○議長(
佐々木勝久君) 以上で10番
帰山明朗君の
一般質問を終了いたします。
次に、11番 石川 修君。
〇11番(石川 修君)登壇
◆11番(石川修君) 市民創世会の石川 修でございます。我々の議員の任期の最後の議会でありまして、その
一般質問のラストということで、しっかりと務めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
今回は、働き方改革についてお伺いをしたいと思っております。まず最初に、この働き方改革についてでございますけれども、まず率直に、市の所見およびこの制度の中身についてお伺いいたしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君)
牧野市長。
◎市長(牧野百男君) 制度全体につきましては、これから詳細にわかってくるんだろうと思いますが、働き方改革の国の考え方といいますか、どういったことで、こういったことが提言されるのかということでございますけれども、経過から言えば、平成26年の内閣官房でできた働き方改革の実現推進室ですかね、これをつくったときに、1億総活躍社会の実現というのを安倍総理掲げておりましたので、一言で言えば、1億総活躍社会を実現するということなんでしょうね。
平たく国のほうで言われていますのは、長時間労働をなくして、労働生産性を高めて、仕事の満足度を高めるといいますか、そういったことだろうと思いますね。そういった方向に向けて、これから、関連法も施行されたものも一部ございますので、そういう労働関連法の、8つの関連法がございますので、そういった方向を踏まえて、市としての今後のあり方というものも考えていかなければならないのかなと。
ただ、質問の趣旨とちょっと外れるかもわかりませんが、国の考え方の中で、特に鯖江の場合は、女性活躍社会というのを標榜しておりますので、この働き方改革の中での女性活躍社会をどうやって実現するか、こういったものを鯖江からロールモデルとして発信できるような、そういった取組にも重点を置いていきたいという考え方でございます。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) 市長は、女性の活躍云々ということもおっしゃられたんですけれども、制度の中身については、ちょっと今御答弁がなかったんですけども、誰か御答弁されるんでしょうか。
○議長(
佐々木勝久君)
牧野市長。
◎市長(牧野百男君) 働き方改革の制度の中身については、国会論議の場でいろいろと議論されているんですが、一つには、時間延長の部分は、今の関連法の8法の中でも既に施行されているものもございますので、こういったものは大企業対象なんですね。それを中小企業対象、来年度から、そういったもので対象になるわけでございますが、ここから8つの関連法が、それぞれ時期的なものはこれから決めるんですね。進んでいるのは、労働時間だけ進んでいるんです。そういった中で、今、鯖江市のほうでどうこう進めるということにはまだ参っておりませんので、まだ対象にもなっておりませんので、これからの推移を見きわめながら、十分、鯖江市として対応してまいりたいと思っております。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) 今、進んでいるものもあれば、これからのものもあるということでございましたけども、進んでいるものとしては、今の長時間労働の是正、これについてはもう進んでいるんだと。そのほかに、来年度から会計年度任用職員制度、こちらのほうも、今、市としてもそれに合わせて取り組んでいると。もう一つは、多様な働き方の実現ということで、この件につきましても、これはちょっとどうなのかなというところありますけども、この一応三本柱と言われるようなところで、今、働き方改革というのが行われようとしていると認識しております。
その中で、まず最初に、正規、非正規雇用の不合理な処遇差の是正ということでお伺いしていきたいと思いますけれども、市は、会計年度任用職員制度に向けまして、昨年度よりヒアリングを各課にて行い、職務内容の確立であったり、責任の範囲などを設定し、処遇差の是正、こういったものに取り組もうとしておりまして、現在は9月議会に向け、条例であったり規則を検討しているというところでございます。
ですので、この法改正における、実際的にはやっぱり人件費が上がるということが一番の問題でもあるんですけども、この人件費の増額であったり、人件費が上がるということは、それに合わせまして、福利厚生費等も上がってくるのは明らかなんですけども、この増額の金額が最終的に出たのかということと、また臨時、非正規職員の適正数というものもしっかりと洗い出しをするんだということを述べておりましたけれども、こういった職員数につきましても試算が出たのでしたらお示しいただきたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君) 藤田
総務部長。
◎
総務部長(藤田裕之君) 来年度以降、会計年度任用職員にかかる人件費はどのくらい増額になるのかとのお尋ねでございますが、それと人員のことなんですけども、現在、国が、平成30年10月に示しました会計年度任用職員制度の導入に向けた事務処理マニュアルに基づきまして、臨時職員の職の再設定や給与等の格付など、鋭意作業を進めているところでございます。
議員御指摘のとおり、給与のほかに、各種手当等の支給など、人件費は増額になるとも想定されますが、現段階では、実態に即した調整をしておりまして、お示しできる段階には至っておりません。
一方、会計年度任用職員の対象となる職員数につきましては、平成29年度の臨時職員を基準に考えますと、業務委託や退職、事業の廃止などにより、対象から外れる者を想定し、510人余の臨時職員が会計年度任用職員の対象になるものと考えております。
今後も、国、県から示される具体的な方針を参考にしながら、鯖江市としての方向性を見出していきたいと考えております。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) 金額についてはまだ出てないんだということでしたけれども、我々、改選がありますので、次の議会のときには、条例、規則等を出してこられる中で、金額がいまだに出ていないというのは、果たしてどうなのかなという思いがあります。
ただ、この中身についてちょっと詳しくお伺いしたいと思います。今日まで非正規職員の方々は、職種によっては昇給があったり、賞与の支給も違ったりしてきているんですけれども、こういったところにつきましては、今後どういうふうにされていくおつもりなんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君) 藤田
総務部長。
◎
総務部長(藤田裕之君) 非正規職員雇用労働者の雇用形態には多職種にわたるが、職種が違う職員を今後どのようにしていくのかとのお尋ねでございますけれども、現在の臨時職員は、本庁内における事務補助職員のほか、保育士や相談員など、さまざまな職種や待遇によって雇用されております。会計年度任用職員制度事務処理マニュアルによりますと、週15時間30分以上勤務する方に支給される期末手当やフルタイム勤務が月18日以上ある月が6カ月を超えるに至り、その後も引き続き、当該勤務時間により勤務することを要することとされている場合に支給される退職手当など、個人によって新たな手当が支給される場合もあります。
一方、臨時職員の職種につきましては、約40種類に及んでおりまして、これらの有資格者や専門的知識を要する業務従事者など、職務内容に応じて精査をする中で、現在、給与等の格付を行うべく、関係各課と調整を行っているところでございます。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) 今回のこの法律の改正における、やはり一番の、先ほども申し上げましたけれども、人件費の高騰ということが一つの大きな問題でありまして、今、
総務部長のほうからも、その支給基準のほうもお示しをいただいたわけでございますけれども、賞与は週15時間30分以上、退職金につきましては、フルタイムで月18日以上の勤務で6カ月を超えた場合には退職金が支給されると、こういうふうな決めになっているということでございます。
つまり、現在の状況を見ましても、鯖江市の非正規の方というのは、ほとんどの人がこういったことに該当してくる場合というのが多いんじゃないのかなと、このように率直に思うわけなんですけれども。また、退職金におきましては、半年か1年雇用なのかわからないですけれども、ずっと継続して雇用されますと、ずっと積み上げていくらしいんですよね。そうすると、その退職金がいつお支払いすることになるのかというのは、その方が辞められるまでわからないと。そういうような中で、退職金も積み増しをしていくという形になると、こういったこともお聞きしているところでございます。先ほど、人件費のことはわからないと、まだ試算は出てないということでしたけれども、今現在の試算より、やはり後年度の試算というのは、かなり金額的にも変わってくる可能性というのは、非常に含みのある計算をしなければならないなというところがあると思うんですけれども、そういった試算というのは、やはり合わせてしていかなければならないと思いますけれども、いかがお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君) 藤田
総務部長。
◎
総務部長(藤田裕之君) 確かに、今現在の臨時職員さんの給与等よりは増額になるものと考えておりまして、いろいろな職種、そして専門的な知識を持っていらっしゃる方とか、そういう業務の内容に応じて試算しているところでございまして、いろいろなパターンというとおかしいんですけども、そういうような業務をしておるところでございます。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) そういった中で、職務内容を確立した上で、正規職員と非正規職員との給与という部分ですね、そういった中で、責任であったり、年功と言われるものをある程度加味していいんだというような中で、そこの中で差があるのは仕方がないということも示されていたと思うんですけども、ただ実際的に、この非正規職員を、同一労働、同一賃金という中で推しはかる中で、先ほど申し上げました賞与だったり退職金の基準となりますのは、やはり給与だと思うんですけども、こういった基準となる給与を正規職員のどういった方々とのポジションに合わせていくんだと、そういった考え方については、今お考えがあるんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君) 藤田
総務部長。
◎
総務部長(藤田裕之君) 今ほど申し上げましたように、どういった所に格付ということですよね。やはり、現在、臨時職員として働いている勤続年数とか専門的知識を考慮したようなところで、今、会計年度任用職員の給与の表を作成しているところなんで、これは職員の給与表に準じて作成しているところなんですが、それを今、どこに格付するかというのを作業している段階でございます。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) 先ほどいろいろな実例をおっしゃられたんですけど、例えば、保育所でいいますと、今現在、非正規でも担任を持ってお勤めになられている方もいらっしゃいますし、そういった方ですと、かなり、私、是正をしなければならないなとも思うところなんです。ただ一方で、事務補助ですね、例えば、この本庁内にいらっしゃる非正規職員さん、これ、果たして一体誰に合わせるのかなと。同一労働というのをどういった方と合わせるのかなと、そういったところで、私にはちょっと見えない部分というものが正直ございます。
また、全体として、資格を有して、資格を必要とする職種であったり、また年齢的なものであったり、やっぱり経験的なものであったり、そういった方々が、いろいろな方が入ってきますと、いわゆる給与表と言われるものをつくるんだろうと思うんですけど、それは、かなり細分化されたものをつくらなければ、その実態に合わせることというのは不可能だと思うんですよね。
そうしますと、そういった作業をやって、9月なりの議会のときにしっかりとした説明責任を果たして提示してこようと思いますと、この二、三カ月はかなりハードな作業をしなければならないのじゃないかなと思うんですけれども、果たして9月議会に、今、試算もできていない状況で、議案として出せるんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君) 藤田
総務部長。
◎
総務部長(藤田裕之君) 9月議会に間に合うのかとの御質問でございますけれども、地方公務員法および地方自治法の一部を改正する法律の公布に伴いまして、来年の4月2日から会計年度任用職員制度が施行されるということに伴いまして、逆算しまして、9月議会には上程しなければ間に合わないというような考えの中から、現在、鋭意作業を進めているところでございますので、今後の募集とか内容の細かいもの、そういうものを鋭意努力して進めているところでございますので、御理解いただきたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) しっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、やはり我々のほうも、しっかり判断したいと思いますし、そこでお勤めになる方にしましても大事な問題でございますので、しっかりと早目に示せるように取り組んでいただきたいと思います。
また、今ほど来申し上げております人件費の高騰に対する対策といたしまして、3月の議会におきましても、水津議員の質問に対する答弁の中で、職務というものの仕分けというのも必要なんですけども、今の事業をそのままするんでは人件費は上がるだけになってしまうと。そういった中で、やはり事業の見直しは図っていかなければならないわけですし、事務事業評価ということもしていくんだと。やめるものはやめる。そして、民間に任せられるものは民間に任せていくんだというような答弁をされていたと思うんですけれども、実際的に、そういった作業が進んだのかということなんですけれども、民間に任せるべきものはこれぐらい出てきましたとか、その一方で、包括的にこの部分は全体的に任せてしまうんだと、そういったものが出てきたのかということなんですけども、そういったことについてはどういった御認識になられているんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君) 藤田
総務部長。
◎
総務部長(藤田裕之君) 民間委託ができるかなど、市の事業についての精査はしているのかにつきましてのお尋ねでございますけれども、現在、会計年度任用職員への移行に伴う勤務条件、給付に関する検討を行いながら、関係各条例等の整備を行っているところでありますが、こうした作業とは別に、情報統計政策課と総務課が連携して、業務改革にかかわるヒアリングを今月中から行い始めたところでございます。
これは、職員の
業務負担軽減と国が進める行政手続のデジタル化への対応によります市民サービスの維持向上を目指し、業務のプロセスや職員の担うべき業務を明らかにし、業務の効率化の策を検討するために行っているものでございます。
このような過程を通しまして、職員みずからが民間委託できる業務の洗い出しやRPA、ロボティック・プロセス・オートメーションという手法を用いた業務の自動化など、庁内における事務改善や新技術の導入にも積極的に取り組むとともに、業務マニュアルの見直しを実施しておるところでございます。
また、外部委託につきましては、既に市民窓口課、上下水道課においては、包括的な業務委託を行ってきたところでございます。庁内における事務改善や新技術の導入にも積極的に取り組むとともに、現在、各課で行っております業務精査の作業の中に、包括的なものはございませんけれども、事務改善レベルで委託できる事業があれば、率先して検討してまいりたいと考えております。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) 包括的に委託するものは、やはり今のところないんだということで、ただ一方で、そういった事務改善レベルで、この事業に特化して出すということはお考えになられているということだったと思うんです。その一つなのかわからないですけども、市民主役事業に向くものがないかということで、各課のほうに聞いているみたいですけども、それはそれで結構なことなんですけども。ただ、いずれにいたしましても、やはり民間に任せるということに関してですけれども、これは斉藤部長にちょっとお伺いしたいと思います。現在行っているものも含めまして、今回の法改正によりまして、指定管理であったり外部委託、そういったもの、いろいろあるんですけれども、人件費部分というものの見直しにつきましては、全てにおいてかかわってくる問題になるんだろうと思っております。そのほかにも公共事業におきましても、やはり同様のことが言えるわけでございまして、そうしますと、鯖江市全体としまして、今後の民間への発注であったり委託事業につきましては、この積算根拠というものを変えていかなければならない、このように思うわけなんですけども、いかがお考えでしょうか、お伺いします。
○議長(
佐々木勝久君) 斉藤
政策経営部長。
◎
政策経営部長(斉藤邦彦君) 働き方改革が推進されることによって、市の財政にどのような影響が及ぶのかといったような視点のお尋ねかと思います。
直接的には、今ほど説明もありました本市の会計年度任用職員の制度を導入することによりまして、また民間企業の労働単価が引き上げられると、そういうことも想定されますので、本市の人件費はもとより、市が発注する工事費、委託料、また物品の購入単価、そういったものが上昇するということによりまして、歳出面におきまして、市の財政に影響が出るというようなことも想定されております。
また一方で、民間の方の給料が上がると、そういったことも想定されることによって、景気が浮揚して、それによって歳入面で、市民税であったり法人市民税なんかもふえるのではないかといったような見方もされておりますし、一方で、逆に、この働き方改革で残業を減らせということで収入が減ると、そういうことによって購買意欲が減ったりとか、企業さんの労働にかかる人件費がふえることによって、企業の体力が低下するといったようなことでマイナスの面も一面では考えられるのではないかということを今は想定しております。
いろいろな形でその影響は出てくるかと思うんですけれども、この同一労働同一賃金という適用につきましては、会計年度任用職員については来年からの適用になりますが、中小企業につきましては令和3年からの適用となりますので、ちょうどその先を見越して、我々も国とか県の情報、また近隣市町の動向なんかも精査しながら、財政への影響を精査してまいりたいと考えております。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) 今回の法改正は総務部における直接的な人件費の増という部分にとどまらず、やはり、今ほど申し上げました間接的な各課にわたるものも含まれてくると思っております。
本来ですと、ここで来年度予算に対する全ての影響額というものが出てるんでしたらということもお伺いしたかったんですけども、先ほどの人件費が既に出てないというところで、それは無理なんだということは理解しますけれども、ただ、そういったどれぐらいのパイでかかってくるかという金額がわからないと、非常に不安ではないのかなというのもあるんですね。その辺は1日も早くきちんとした試算を出すべきだと思っておりますし、また経常経費が人件費の中でかかってくるということは、つまり財政の硬直化というのが進むということにもつながるんですね。そうしますと、財源のそこに対する補填というものはどこでしていくんだということも考えなければならないと思うんです。
そういうところについては、何か今、思いというのはあるんでしょうか。
○議長(
佐々木勝久君) 斉藤
政策経営部長。
◎
政策経営部長(斉藤邦彦君) まだ国の方向性として、はっきりした示されたものはないんですけれども、例えば、会計年度任用職員に対しまして期末手当を支給すると、そういったふうなことも検討されているようですが、それに対しては、国も
地方財政措置を講ずると、そういったような情報も我々のところに入っておりますので、今後、国とか県、またそういう関係のところの情報なんかをよく精査した上で、財政への影響が少なく済むように考えてまいりたいと考えております。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) では、次に移らせていただきますけれども、長時間労働の是正という中でお伺いしていきたいと思います。長時間労働の是正というものを考えたときに、まず大事になってくるのは、やはりこの役所内にいる職員数の適正配置ということを考えなければならないと思うんですけども、見て回りますと、特に慢性的に残業している部署、大体定時で帰れる部署、いろいろあるようでございます。今回、この法改正によりまして、非正規職員さんというのは、そういったことに合わせてふやしたりということは、まず多分、今後不可能だろうと、そういった思いの中で、そんな中でもやはり残業というものを減らしていかなければならないと。だから、慢性的に残業している人が、それを補うための非正規職員さんを雇うこともできず、でも、残業を減らしなさいと、そういうようなことが今言われているわけでございまして、もう一つ言えば、有休もしっかり消化させなさい、こういうようなことも言われてるんですね。
先ほど来申し上げておりますけど、効率化を図るという中で、民間に委託ということも一部考えられてるんですけど、その民間の委託ということにつきましても、やはり限定的なものでしかないと。そういった中で、こういった長時間労働というものの是正を図った上で、市が行う、今まで行ってきている市民サービスというものを果たして維持できるのかと、こういったことなんですけども、いかがお考えでしょうか、お伺いします。
○議長(
佐々木勝久君) 藤田
総務部長。
◎
総務部長(藤田裕之君) 市民サービスを維持していくためにはということの御質問でございますけれども、現在、事務事業を見直す中で、時代とともに複雑多様化する市民ニーズを的確に見きわめることが大事だと思っていますし、それに対してスムーズな対応することが大事だと思っております。
その中で、業務効率化の意識を常に職員が持つということが大切でございまして、働きやすい職場づくりを目指しまして、質のよい公共サービスが提供できるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) そういった改革がなされている中で、市はことしは機構改革をされたわけなんですけれども、課であったり室というものをふやす中で、機能強化が図られたわけなんですけれども、この働き方改革における今後の状況というものを考えますと、職員数の適正配置であったり、また事業の見直しにおいても、こういった部署というものも再度考えなければならないのではないかと、このように思うところがあるんですけれども、そういったことについてのお考えはどうなんでしょうか、お伺いします。
○議長(
佐々木勝久君) 藤田
総務部長。
◎
総務部長(藤田裕之君) 機構改革をことし行いまして、今後も考えていくべきではないかというような御質問だと思うんですけれども、議員御指摘のとおり、事務の統廃合や組織のスリム化が求められていることは事実でございます。
行政運営を行う上で、限られた人的資源の中、多様な住民ニーズや複雑多様化する行政課題に的確に対応していくためには、生活者の視点に立ち、行政施策を立案していくことが求められます。こうした住民ニーズは年とともに変わることが想定されまして、その時々で察知しまして、住民からの要望に応じた対策が機構改革につながっていくものと考えております。
今年度の機構改革では、先ほどお答えいたしましたけれども、積極的なシティプロモーションの展開や持続可能な開発目標の理念を達成するための基礎となる、女性が働きやすく活躍しやすい環境整備を進めるため、職員が最大の能力を発揮できる体制を整備いたしました。今後も少数精鋭体制ではございますけれども、会計年度任用職員となり得る臨時職員の皆様とともに、最大のサービス業としまして、効率的運営や業務改善の推進に一層取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) できるんならいいですけども、行政へのニーズというのは狭まることないんですね。いろいろなところ、多種多様化していっているんで、やっぱり広がっていくしかないんですよね。そういった中で、どこまでしていくかという判断も今後していかなければならないと思うんです。今ほどのこういった改革の中で、果たしてどこまでやっていけるんだということを考えますと、本当に疑問符しかないようなところとか、もうどうやっていくのかと心配になることばっかりなんですね。
そんな中で、役所として機能強化されたというのは、それは結構なんですけども、ただ、それが維持していけるのかというと、この状況ですと本当に難しいと思うんです。その辺もしっかりと考えていただきたいなと思います。
また、この長時間労働の代表的なものとして、ちょっと教員のことについて触れさせていただきたいと思うんです。長時間労働の是正によるものになるんだろうと思いますけれども、今までのように地区のイベントとか、そういったところになかなか協力できないんだと、そういった旨の発言をされてきているともお聞きしております。
地域の人にしてみれば、今まで学校と地域というのはいろいろと連携していこうということで、私が記憶しているだけでも、十数年はこういったスタイルというのは非常に強くやってきたと思うんですけれども、ただ、地域の人にしてみれば、一方的に学校側から、そういうふうに縁切りじゃないですけど、そう言われたように映っている部分も地域の人にはあるようでございまして。学校さん、この間まで一生懸命やってくれたのに、何で急にこうやって距離を置くようになってしまったんだと、そういった不信感みたいなものも出ているとお聞きしているんです。
ですので、やはり、こういった学校と地域とのあつれきというんでしょうか、そういうものが生まれないようにしていかなければならないと思っておりますけれども、いかがお考えになられているんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君)
辻川教育長。
◎
教育長(
辻川哲也君) 教員の業務改善の推進でございますけども、御承知のとおり、ことしの2月に県の
教育委員会から、福井県学校業務改善方針、それから部活動のあり方に関する方針が策定されまして、各市町、
教育委員会、それから学校へ通知があったところでございます。
方針の概要は、2019年から2021年までの3年間で、時間外勤務月80時間以上の教員をゼロにすること、それから年次休暇平均取得日を年間11日以上にすることを目標にして定めております。この方針を受けて、鯖江市でも、ことしの4月から、鯖江市の方針を今策定すべく取り組んでいるところでございます。
また、県の
教育委員会のほうから、保護者の方に対しても、業務改善の御理解をいただくために、各学校で、県が作成したリーフレット等を配付しているところでございまして、保護者の方の理解を得ながら進めようとしているところでございます。
今御指摘の児童・生徒の地域行事への参加の見直し、これにつきましては、県の方針でも、学校で取り組むべきことというような形のところに
位置づけられてはおりますが、その一環として、各学校の校長先生方がお考えになって進めていこうとされているんだろうと思うんですけれども、とにかく、これまで、御指摘のとおり、学校と地域との密接なかかわりによって、
学校教育自体もサポートしていただいたというような経緯も踏まえますと、やはり地域の取り組んでいらっしゃる方々の御理解、御説明というのは十分にさせていただきながら進めていかなければならないと、これは私も思っておりますので、その点も十分、策定する中で考えていきたいというふうには思っております。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) ぜひ、今までと同様に、お互いに助け合いながら運営していけるようにお願いしたいと思います。また、もう一個、部活動なんですけど、部活動におきましても、それぞれの学校であったり、種目であったり、担当の先生であったり、取組の差というものがどうも出てきているようなこともお聞きしております。やはりそこで活動している生徒であったり、その保護者さんとの考え方というんですか、そういうようなところにも大分乖離というんでしょうか、思いが離れてきている部分というのも見受けられるとお聞きしているんですけども、こういったことについてもどのようにお考えになられているんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君)
辻川教育長。
◎
教育長(
辻川哲也君) 部活動につきましては、これも2月に県の
教育委員会のほうで、部活動のあり方に関する方針というのが策定されまして、各市町の
教育委員会、それから各学校へ通知があったところでございます。
その概要は、部活動の時間は、平日は2時間程度、休日3時間程度、週当たり平日1日、土日いずれか1日を部活動休養日とすること。ただし、週末に大会参加等で活動した場合には、休養日をほかの週に振りかえて、土曜日、日曜日、祝日または振替休日において、年間52日以上の部活動休養日を確保するというようなことを目標にしておりますので、大会前に、ちょっと込み入った日程のときには次の週にとか、翌々週に休ませるというような措置をとるようにということで、これは県の中体連とも協議して策定をしたというふうなことでございます。この方針を受けまして、鯖江市でも3中学校の校長先生方とも協議しながら、部活動の取組に当たっているところでございます。
今御指摘のとおり、不公平とか、保護者の方の熱心な御意見とかというのもあるわけでございますけれども、それらについても、やはりある程度足並みをそろえてやっていく必要もございますし、県内の大会に出る場合に、ほかの市の状況もきちっと水準を合わせながら取り組んでいくということが必要でございますので、今後の取組については、その点も考慮しながら進めていきたいと思っております。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) 教員の多忙化解消というのは、私、賛成をしておりますので、それについては別段異論はないんですけれども、ただやり方というんですか、そういったことを間違えますと、今まで築き上げてきた信頼関係とかそういったことを崩してしまうことにも
つながりかねませんので、ぜひとも慎重に進めていただきたいと申し上げておきたいと思います。
次に、多様な働き方の実現ということでお伺いしたいと思いますけれども、多様な働き方の実現とは言っているんですけども、ただ、採用試験をもって入庁されてこられた正規職員さんと非正規職員さんとが全て一緒になるということは、やはり難しいと、単純に考えても難しいんだろうなと、このように思うわけでございますけれども、ただ同一賃金という中で、賞与も一定水準になり、そして有休も消化し、退職金まで言及してくるとなりますと、果たして境目というのが本当になくなってくるんだろうなと思いますし、果たしてそれでいいのかなというふうな両方の思いが、私、正直あるんです。ただ、非正規の職員さんが、やはり今まで、賃金が安いから上げなければならないとか待遇をよくしなければならないというのは、我々議会のほうから出ておりましたので、こういったことにつきましては特段反対するものではないですし、そういった方々の待遇がよくなるということは喜ぶべきことなんだろうと思っております。
ただ、その一方で、正規職員に対するしっかりとした職務内容と責任を明確にする、そういったことも必要だろうと思っておりますし、またモチベーションをしっかりと保てるような作業というものもやはり一方ではしていかなければならないと、このようにも思っているところであります。
ただ、今回のこの法改正によりまして、公務員の採用の
あり方自体が問われるんじゃないのかなと思っておりまして、鯖江市は正規より臨時、非正規のほうが多い、そういった状況の中で、今ほど申し上げてまいりましたけども、職務内容を確立させた上で、人件費はやはり押さえていかなければならない。そういった中で事業も維持していかなければならない。そういったことを思いますと、正規職員自体を採用せずに、正規職員と非正規職員でしたら、正規職員はどうしても給料高いですから、高い給料の人を採用せずに、かわりに非正規の方をふやしていくんだと、こういうような考え方もできるんですよね、今後のことにつきましては。
そうしますと、今までも、非正規と正規のバランスというものにつきましては異常だと市長もおっしゃられていましたけど、そういったことの中で、一方では、こういった法律改正によりまして、御旗じゃないですけれども、この非正規雇用というものを後押ししていくんだと、こういったことにつながらないのかなと私は心配をしているわけなんです。ですので、この公務員自体の本質というものも問われるんだろうなと、そこまで行ってしまうんではないのかと、そういうふうに思うところでもございます。
今後の正規、非正規の採用のあり方ということと職員数のあり方について、どのようにお考えになられるんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君) 藤田
総務部長。
◎
総務部長(藤田裕之君) 今後の職員の採用のあり方と職員数の件につきましてなんですけれども、職員数は、今、正規職員400人、臨時職員500人を超える方々に支えられておりまして、市民サービスを提供しているのが現状でございます。
確かに、今の400人という職員の中では、業務ニーズ的には少ないんではないかなというふうに思っていますけれども、やはり限られた人数の中で最大の市民サービスをしていかなければいけないというふうに思ってまして、また、会計年度任用職員も、今510人、採用するというようなことで予定を立てているところでございますけれども、本当に多種多様化している市民ニーズの中で、業務を整理しながら、そして働きやすい環境をつくって、市民の方々にサービスを提供していきたいというふうに考えております。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) 市長にちょっとお伺いしたいと思いますけれども、今回のこの法改正、私、どちらかというと、民間ベースがきついような気がして仕方ないと思っているんです。ただ、公のこういった職場で、非正規とはいえ、今の公務員に準ずる立場でお勤めいただいているんですよね。そういった中で、そういうような立場の方が、この働き方の自由度というんですか、こういったことをどこまで求めることが適切なんだというか、私、これ、どうも私自身は判断が正直できないところでもあるんですね。やはり公務員としてのあるべき姿というのもあると思いますし、一部労働者としてもそういうふうな考え方というのもあるんだろうと思うんですけど、だから、そのはかりというのは、非常に難しいところがあるなと、私は思っているんです。そういった中で、こういうふうに法律が進んでいくんでしたら、この中でもやっぱりやっていかなければならないのは現実なんだろうと思っています。
ただ、先ほど来申し上げておりますけども、そういった中で、やはり人件費は抑えなければならない、そして人もふやすこともできない、事業も減らせない、長時間労働も是正しなければならない、そして市民サービスも維持していかなければならない。こんなことを全部やろうとしますと、どんなことをしたらできるのかなといいますと、全くもって私のような者ではそういった知恵はないんですけれども、市長は、こういった中で、今後の行政運営におきまして、さまざまな取捨選択というものは必然的にやっていかなければならないことはたくさん出てくると思うんです。
そういった中で、市長、何か思いというものはございませんか、お伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君)
牧野市長。
◎市長(牧野百男君) 難しいですね。いろいろとお聞きしたいことはよくわかるんですが、うちの職員も大変なんです、正直言うて。国は全くスキーム示してないんですね。僕は矛盾点たくさんあると思う、口説きじゃないですよ。口説きじゃないですけども、職員の苦労を思って言うんですが、一つには長時間労働をなくしていこうというんでしょう。そして労働生産性上げようというんでしょう。そこで仕事の満足度を上げようというんでしょう。3つとも矛盾点だらけなんですよね。その3つを解決する、いわゆるウィン・ウィン・ウィンの関係をつくろうというんでしょう。僕はできるはずないと思うんですね。
一方で、今、財務省なんかも言うているのは、まだ3万人削減しようというんでしょう、人が足らんというところに。国のやっている政策そのものがわからないんですよね。労働形態も各自治体、まちまちですから、自治体に任せるというんですが、ある程度のスキームは、僕は国が示すべきだと思うんですね。これ、市長会でもいつも議論になっているんですが、いまだに示してないですね。
働き方改革関連法の8法の中でも、進んでいるものもあれば、遅れているものもあれば、一体性が全くないんですね。全くやりとりがないんですわ。そういった中で、今、施行日だけ、来年4月からやれって、今の会計年度の職員のやつはね。官庁ベースはそれでやれというんですよ。民間は令和3年までということなんですが。非常に酷なスケジュールなんですよ。そういった中でやろうということで、各自治体、県のほうにも、何とかスキームを示してほしいということも言うているんですが、なかなかこれらが、時期的なものと法の整備とが全く合ってないんですね。で、これができないんですが、言いわけにはなりますけれども。ただ、いまだに国の委員会の中で議論していることばっかりなんですね、御質問の点はね。ですから、答えられないというのは全く申しわけないんですが、そういった事情があるということも考えていただきたいと思っているんです。
行く行くは、確かに1億総活躍社会の中で、安倍総理が平成26年に改革実現室をつくってやっているんですから、26年からやっていて、いまだに何も進んでないんですよ、正直言うて。改革実現室の意見聴取を幾つかやりましたが、アンケート調査もやりましたね。僕は何一つ改革していないと思うんですよ。それの一つのあらわれ方が、一つの例を申し上げれば、大企業で、ことしの4月から時間労働の制限、やりましたわね。月40何時間で年間何時間か忘れましたが、そういうような時間制限があって、今、そのあおりが来ているのは中小企業なんですよ。
そのウィン・ウィンの関係をつくろうということ自体、僕は無理だと思うんですね。そういった中で、やっぱり僕のところとしては、あくまでも、これだけ市民ニーズと多様化、複雑化するような実態の中で、今の人員のままでやろうというのは到底無理なんですわ。
これは、私は、前々から進めている市民主役事業ですね、行政の事務というのは、うちらでも大体800近くあるんですわ。その800近くの事務を、市民の方々に、市民参加と協働の中で何とかお手伝いしていただきたいというような方法しか、僕はないと思うんですね。
いろいろと議員御指摘の、予算的な見直しの点も御指摘ございましたけども、そういったものは改善する中で、市民の参加の中で行政を担っていただく。そういった中で、事務職員が余りかかわらずにできるような、今、行政事務の委託の中で60ほど民間委託させていただきましたが、全くもう私どもの職員が携わらずにすばらしい事業として展開しているのも、まず数は少ないですけども、少しずつ出てきてるんですね。そういったことをこれからは広めていくことが、まず行政の維持、いわゆる自治体が持続できるかどうか、こういったことにかかってくると思いますね。
そういった面で、非常に期限が迫っていて、御質問の点にお答えできないのが非常に多いんですが、これは、もう少し国と県にも要望をして、何とかスキームを一つ示していただく。そうでなければ、各自治体みんなが必死になってると思うんです。もちろん困ってると思います。僕のところでも、職種だけでも40近くあるでしょう。それをまとめようというんでしょう、それは無理ですよ。そういった中で、仕事の満足度で、その中で、仕事を軽減せなあかんのやでね。そういったことで、非常に厳しいとは思いますけども、厳しいけども、もう時限が決まっておりますので、そういったことに向けて、また改選後にはなりますけども、9月議会には、何かお示しできるような方向を何とか出したいと思いますので、そういった点で御理解をお願い申し上げたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) しっかりとした形のものが出てくることを願っておりますし、時間もあれなんで、ちょっと次に進めさせていただきたいと思います。
民間への影響と対応ということでございますけれども、今、世界情勢を見ますと、米中貿易戦争、またイランの原油禁輸とか、非常に混沌としているわけなんですけれども、国内情勢も、10月から消費増税が始まるというような中で、中小企業には1年の一部猶予があるとはいえ、先ほど来申し上げているような同一労働同一賃金と、そういった中で、この働き方改革が非常に重くのしかかってくる状況でございます。
鯖江市内は製造業がやはり多いわけでございまして、今のこの状況に照らし合わせてみますと、原材料が高くなったり、景気動向、消費税がどうなるんだという中で、ましてや人材が不足しているという中で、市内の製造業の方々というのは今回のこの働き方改革を迎えるということで、賃金も上げなければならないんだろうという不安を持っているわけでございます。ただ、それが製造原価に転嫁できればいいんですけれども、なかなかそういった作業も非常に難しいという中で、企業の経営者の方は、非常にこの改革に対しまして落胆というんでしょうか、市内の製造業の方は、そのように思われている方が多いと認識をしているんですけれども、市としての認識はどのようなものでしょうか、お伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君) 宮本
産業環境部長。
◎
産業環境部長(宮本昌彦君) 本市経済を支えております製造業におきまして、賃金上昇とか生産性低下が見込まれる中、価格転嫁が困難な現状についての意見はということでございますけれども、働き方改革の中で、長時間労働の改善とか非正規雇用の改善対策などということがうたわれている中で、本市におきましては、4人以下の事業所が非常に多いという現状がございまして、働き方改革を受け入れることというのは、なかなか困難な状況だと考えております。
その中で、価格転嫁が困難な状況を打開していくというような点におきましては、やはりオンリーワンの技術を磨いていく。すなわち、みずからが売れるものをつくり、そしてみずからが売っていくというような体制を整えまして、収益力を上げていくというようなことが非常に重要だと考えておりますが、なかなか難しい現状ではあるのではないかとも考えられます。
そういったことも含めながら、労働者のワーク・ライフ・バランスの確保であるとか、労働者の意欲につながっていくような、そういった生産性の向上も期待できるものもあるかと思いますので、そういったことを、また市の中で考えながらやっていきたいと考えております。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) 今、会社側に立った話をさせていただきましたけども、一方の労働者側にいたしましても、やはり残業代が減ったり、会社自体の収益が悪化しますと、賞与の減額であったり、手当分の見直しとかもされるのではないかということで、非常に減収に対する不安というのも、労働者側も持っているともお聞きしております。それを補おうとして、いろいろな副業とかということも始めようとされる方もいらっしゃるようでございますけれども、副業におきましても、就業規則とかにひっかかることもあるようでございますし、また副業したとしても、労働時間はふえたんだけど賃金はふえないと、そういったところにも懸念があるともお聞きしているところでございます。
そういった中で、企業における働き方改革や将来的な労働力不足の対応策として、国は省力化を進めるために、機械化やIoT化というものをうたっているようでございますけれども、鯖江は中小企業がほとんどでございますので、その商業規模であったり、会社規模などを考えましても、こういったことで対応するというのは非常に難しい問題なんだろうと思っております。結局はマンパワーでしかないと、こういうことだと思います。鯖江市として、今後、こういった働き方改革に対する国の方針を踏襲するというのであれば、こういった機械化であったり、IoT化というものを図るための研究機関であったり、開発補助制度などを確立しなければ、なかなか市内の中小企業では難しいというふうに私は思っております。
ですので、こういったことを国や県へと要望すべきでありますし、また、市単独でも考えられるんでしたら考えていくべきと考えますけれども、いかがでしょうか、お伺いします。
○議長(
佐々木勝久君) 宮本
産業環境部長。
◎
産業環境部長(宮本昌彦君) 市内企業へのAIとかIoTの活用をもっと国や県に働きかけをすべきではないかというようなお尋ねだと思います。
国、県におきましても、AI、IoTの導入によります生産性向上を目指して補助金等が整備されてございますが、今後、働き方改革を進める上で、新たな助成制度につきましては、国なりの動向を見ながら整備とか充実を図っていけるように要望していきたいと、このように考えてございます。
また、市の取組といたしましては、昨年度、鯖江商工会議所とも協議をする中で、IoTに関するセミナーやモデル企業での実証などを実証してございますし、また身の丈に合った投資によるIoTの活用でも十分な作業効率化が図れることが確認できてございます。
これらの取組を参考にしながら、市内企業へのAI、IoTの活用を進めるべく、今年度より新たに、市独自といたしましても、AI、IoT等の導入支援の助成制度を設けてございます。
また、本市相互連携協定を締結しております福井工業大学が、ことしの4月1日に「AI&IoTセンター」を設けてございますので、今後、こちらの活用も含めまして、市内企業への普及に努めていきたいと考えてございます。
○議長(
佐々木勝久君) 石川 修君。
◆11番(石川修君) さまざまお取組いただいているようでございますし、またそういった補助制度等もあるようでございますけれども、やはり、そういったことの充実強化というものは、今後もしっかり図っていただきたいと思います。また、この制度の中身については、なかなか市内の業者さん、わかってらっしゃらない方も多いようでございますので、そういったことも市や商工会議所の広報でわかりやすくお知らせいただきたいと思いますし、また相談窓口等も設置をしていただけたらよりよいのではないかと思います。
そして、企業さんが、例えば、社会保険労務士等に、就業規則等の作成であったり、改正というものを依頼するときには経費というものもかかってまいりますので、そういったことの補助制度であったり、さまざまな減税等々、いろいろな視点で、少しでも市内の企業さんがこれに対応できるように、担当課としてもしっかり今後取り組んでいっていただきたいと、このように申し上げたいと思います。
最後にもう一度、市長にお伺いしたいと思いますけども、結局、毎度の事柄なんですけれども、国というのは、都市部の、特に大企業を中心とした一つの物差しでしか図らないことが多いんではなかろうか、私は、このように思っているわけでございまして、その中に、やはり地域であったり職種であったり、規模などというものを考慮した形跡というものはほとんど感じられないというのが毎回のことであります。全くもって、今回も机上の空論というんですか、そういうような感覚を持っていたし方ないんですけれども。
思い起こしますと、小泉政権のときに、構造改革とかという中で、雇用形態の崩壊を招いてワーキングプアというものに拍車をかけたと言われております。そして、弱者切り捨てのもと、大企業優遇政策というものが今日まで繰り返されてきているとも感じているわけでございまして、安倍政権になりましても、都市部の大企業中心の考え方というものは全くもって変わってないような気がしまして、耳障りのいい、中小企業、地方とかという話はよく聞くんですけれども、結局は安易な景気浮揚というもののまやかしを、都市部であったり、大企業でつくり上げているのが現状ではなかろうかと思っております。そして、地方へは、全くもって景気の循環というものは、今日までされてないとも思っております。
毎回のように、こういった景気動向であったり、制度改正のもとであおりを食うのは、結局こういった地方なんですね。やはり、このような現状を国が変えなければ、今後いずれは、こういった地方というものは経済上も人口の上におきましても成り立っていかない、衰退というものに拍車がかかってくるとも思っております。
国は地方創生とかいろいろ言ってはおりますけれども、今回の働き方改革だけではありませんけれども、全国を一律で推しはかるような、そういったものというものは、今の日本では私は成り立たないと、このようにも思っております。
そういった中で、国の依存財源に頼る自治体の首長として、そして、今日まで、地方から国を変えるんだと、いつも市長おっしゃられてますけど、そういう意気込みを持って取り組んでいる市長として、こういった国の感覚についてどう思われるのか。そして、こういった地方の現状を、今後、国にどのようにして伝えていくのか、最後にお伺いしたいと思います。
○議長(
佐々木勝久君)
牧野市長。
◎市長(牧野百男君) 財源なき改革なんですよね、国のやっていることは。お題目は全ていいんです。確かに地方創生というのはやっていかなあかんでしょう。ただ、今、財源の面では、どっちかというと国よりも地方のほうが安定しているんですね。プライマリーバランスにしても地方のほうがずっと安定していますから。一方で、地方でもしものことがあって、災害対応とか、あるいは不慮のときに対応する基金というのは、財源の補填がないもんで、先が読めないもんですから、その中で持続できる自治体経営をやれというんですから大変なんですよね。
そういったことで、財源なき改革というような言われ方をしているんですが、今回もそうですね。その会計年度任用職員にしても、負担のことは何一つ触れてないですね。地方交付税の枠は全くふえてないんです。ただ、事業費補正をして、ほかの所へ回すだけなんですね、やりくりをしているんですわ。その分はつけた、つけたというんですが、全くその恩恵は、自治体は受けてないんですね。
自治体は、大変苦労して基金をためてるんですよ。日本の高齢者と全く同じだと思います、今の自治体は。先が読めないから、お金ためておかなどうしようもないんですよ、持続できないんですよ。そういったことは、僕らも、市長会では、そういうようなことを申し上げているんですが、国もないんですよね。国も地方よりまだ苦しいんですよね。ですから、そういったものをどうするかということなんでしょうね。ですから、今、SDGsなんかでも、持続できる自治体経営というものが大きな課題になっているんですが、果たして、自治体が、この
人口減少期の中で持続できるかというと、もう識者が言われているように、半数の自治体はだめになるんでしょう。恐らく、それはもう自明の理だと思います、このまま行ったら。
ですから、これらの改革についても、今簡単に、テクノロジーで人員削減するって、財務省は簡単に、3万人切ってまえって言いますけど、そんなことはできるわけないと思いますね。そんな血の通わない行政なんていうのは、これは本当に無意味ですよ。
そういったことをやっていくためには、僕は、市民の皆さんに参加と協働、そういった中で、自治体をどうやって持続させるか。そういうような方向をこれから見きわめていくことが大変必要なんだと思いますね。ですから僕は、鯖江から、横着な言い方ですけども、地方から国を救う。地方から国を救うしか方法ないでしょうから、そういった面で、地方から国を救うようなロールモデルというものを幾つか出せたらなと思ってるんですが、そういう高い志は持ってるんですわ。今後ともそういったことで提言はしていきたいと思っております。
○議長(
佐々木勝久君) 以上で、11番 石川 修君の
一般質問を終了いたします。
以上で通告による質問は終わりました。関連質問はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
佐々木勝久君) ないようでありますので、これをもって
一般質問を終結いたします。
以上で、本日の
議事日程は全て終了いたしました。
次の本会議は6月10日午前10時から開くこととし、これをもって散会いたします。お疲れさまでした。
散会 午前11時54分...