勝山市議会 2014-09-09
平成26年 9月定例会(第2号 9月 9日)
平成26年 9月定例会(第2号 9月 9日) 平成26年9月
勝山市議会定例会会議録第2号
平成26年9月9日(火曜日)
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平成26年9月9日(火曜日)午前10時開議
第 1 一般質問
本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
出席議員(16名)
1番 松 本 忠 司 君 2番 下 道 惠 子 君
3番 丸 山 忠 男 君 4番 松 山 信 裕 君
5番 帰 山 寿 憲 君 6番 北 沢 諭 君
7番 門 善 孝 君 8番 乾 章 俊 君
9番 山 内 征 夫 君 10番 倉 田 源右ヱ門君
11番 松 村 治 門 君 12番 北 川 晶 子 君
13番 加 藤 一 二 君 14番 山 田 安 信 君
15番 安 居 久 繁 君 16番 北 山 謙 治 君
欠席議員( 0名)
説明のため出席した者
市 長 山岸 正裕 君
副 市 長 松村 誠一 君
教 育 長 梅田 幸重 君
総務部長 大林 市一 君
企画財政部長兼財政課長 三屋 修一 君
市民・環境部長兼環境政策課長 平沢 浩一郎君
健康福祉部長兼健康長寿課長 竹内 富美子君
商工観光部長 水上 実喜夫君
農林部長 前田 茂 君
建設部長 佐々木 賢 君
会計管理者兼会計課長 宮塚 龍二 君
消 防 長 堂山 信一 君
教育部長 多田 栄二 君
総務課長 上出 康弘 君
未来創造課長 伊藤 寿康 君
福祉・児童課長 蓬生 慎治 君
商工振興課長 中村 千鶴子君
観光政策課長 山岸 善太郎君
農業政策課長併農業委員会事務局長
丸山 真寿 君
林業振興課長 松井 博文 君
建設課長 柳原 寛治 君
教育総務課長 谷出 雅博 君
監査委員事務局長 苅安 和幸 君
事務局出席職員
局 長 小 林 喜 幸
書 記 鳥 山 健 一
書 記 今 井 正 敏
午前10時00分開議
○議長(
倉田源右ヱ門君) これより本日の会議を開きます。
――――――――・――――――――
○議長(
倉田源右ヱ門君)
会議録署名議員は前回のとおりであります。
――――――――・――――――――
○議長(
倉田源右ヱ門君) 直ちに日程に入りまして、これより一般質問を行います。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 順次質問を許します。
○議長(
倉田源右ヱ門君) まず、門善孝君の質問を許します。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 7番。
(7番 門 善孝君 質問席登壇)
○7番(門 善孝君) 市政会の門善孝でございます。議長より許可を得ましたので、一般質問をさせていただきます。
まず冒頭に、山岸市長、市制施行60周年、まことにおめでとうございます。
8月31日に開催されました前夜祭、勝山市制60周年記念イベントにおいては、勝山高校を代表にした各種太鼓の共演は本当に見事なもので、若者たちが精いっぱい自己表現している姿に心から感銘を受けました。人間にとって、いろんな節目、節目、そのたびごとに自己を振り返り、節度のある行事や催事を行うことは、その人の人生をより意義深く味わいのあるものにすることであり、感動を受けた一人でございます。
それでは一般質問に入りたいと思いますが、議長に一問一答方式での許可をお願いいたします。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 許します。
○7番(門 善孝君) まず、
人口減少社会への取り組みについてでございます。
6月議会のテーマ、
日本創成会議発表の30年後の人口推計が大きな波紋を広げました。特に多くの自治体の運営が難しくなり、将来的に消滅する可能性があるとの表現が大きな議論を呼びました。
その後の日本農業新聞7月4日付けに掲載されたものでは、座長の増田氏によると、日本の半分近い自治体が消滅するという現実を直視するということで、非常にショッキングなことでございました。そのためには次のような対策を考えておくべきということで、政策的には地方で生まれ育った若者が出ていくのを抑制する施策、Uターン・Iターンしてくる若者を受け入れる条件の整備、若者が地域から流出する理由を正確に分析すべきである、自治体でもいろんなことをやってはいるが、なぜ効果が上がらないのか徹底的に検証する必要があるということで、例えば、地域の中核都市で若者が仕事を確保できれば、週末に故郷に帰って年老いた家族の介護をするように、東京に一極集中させるよりも地域の中核都市のほうが地域を支えるものとなり得るという論点でございました。
これらの提言を見て感じたことは、私が平成20年12月議会での一般質問において、勝山市からなぜ人口が減るのだろうか、その原因を追求すべきではないか、マイナス要因ばかりでなく勝山のよいところも調査してはどうかと思いまして質問をさせていただきました。
これに対し、市長からは、勝山市の熱い気持ちを持って答弁をいただいており、成熟した社会における新たなニーズ、もっと踏み込んで言えば、それはニーズ以上のウォンツを引き出さなければならない。市場経済を引っ張り牽引力を高めるため、地方のそこにしかないもの、つまり地方の強烈な個性で人を引きつけ、
人口減少社会にあっても地方が生きる施策を打ち出していくことが必要であると述べられております。
3期目の最初の議会答弁でございまして、市長としての考え方の根幹を言われたものと受けとめておりますが、人口動態調査についての理事者の答弁は、個人情報保護に十分配慮しながら、具体的な取り組みについて庁内で協議するということでございました。その当時から今日まで6年間経過しているにもかかわらず、人口動態での動きは基本的には変化しておらず、そのときの調査結果がどうであったのかとても気になるからでございます。
加えて、さきの
日本創成会議での提言にある、若者が地域から流出する原因、自治体でもいろんなことをやっているが、なぜ効果が上がらないのか等について徹底的に検証すべきとの指摘がなされているからでございます。
6年前の市長の答弁は、地方の強烈な個性で人を引きつけ、
人口減少社会であっても地域が生きる施策を打ち出していくという非常に格調の高いものであり、これらのことが総合計画に生かされ、順次施策として展開されるものと思っております。
もう既に6年も前に質問した内容であり、そのときの問題点を捉えた施策の展開が図られているものと思われますが、当時庁内で協議した結果と、このことに基づいた施策の展開による効果がどうであったのか。その後、策定された総合計画の中でどのような位置づけと方策により
人口減少社会へどのように対応しようとしているのかお尋ねいたします。
まず1回目は、この辺まででお聞きしたいと思います。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 山岸市長。
(市長 山岸正裕君 登壇)
○市長(山岸正裕君) 質問にお答えいたします。
人口減少社会が、ここ最近ですけども非常に、かまびすしくなってまいりまして、いろんな機会に取り上げられております。もともとは、本来そういった方向性にある姿を直視していなかったということが一番大きな要因ではないかと思っております。
しかしながら、それは今回発表があったことによってそのようなことが警鐘されているわけでありますけれども、我々は真に基礎自治体として生き延びるためにどうしたらいいかについては、今ほど質問があったように、随分前からそういうことについては対応なり、今後の勝山市のあり方について真剣に考えてまいりました。それが第5次勝山市総合計画の策定の中でしっかり取り組まれておりまして、これは平成20年5月から着手したわけでありますから、もう既に5、6年もたった時点で、国のほうではこういうことを言い出しているということで、我々と同じように真剣に考えている自治体は全てそのような対策を打ってきております。
しかしながら、なぜこのような現況であるかについては、基礎自治体なり地方自治体のもう範疇を超えている形でそういう事態が進んでいるわけでありまして、これは今、安倍内閣が新たな政策として打ち出そうとしている
人口減少対策、そういったものにシフトしていくといった考え方は、非常に遅まきながらではありますけれども、正しい方向であると思っております。したがいまして、結論から言えば、地方自治体の今やっていること、決して諦めてはいないけれども、これだけでは
人口減少社会に太刀打ちができないということであります。まずそのことを申し上げておきます。
先ほどの話に戻りますけれども、勝山市は平成23年度から10年間を計画期間とする第5次勝山市総合計画を策定いたしました。計画策定の前提として、平成17年、国勢調査をもとに過去の自然動態、社会動態を踏まえて、今後の社会経済環境の変化を見越した上で人口の変化を予測しております。その結果は、さらに人口減少が加速すること、また年少人口及び生産年齢人口が減少し、老年人口が増加するといった人口構成が急激に変化するという今回の
日本創成会議が示した数字に近いものとなっておるわけです。
第5次勝山市総合計画の政策は、当然ながら到来する
人口減少社会への課題にどう対処すべきかの視点に立って、特に20代から30代の今後結婚や出産を予定している年齢層及び都会で退職を迎え第2の人生を送ろうと考えている年齢層等や高齢者に対する積極的な展開を図るものとなっており、その推進に当たっても
人口減少社会への対応という視点を常に持ち続けていなければならないし、そうやってまいりました。
具体的施策として、定住人口の増加を図るため、住宅取得及び転入者の住宅家賃等に対する助成や、保育料軽減や
児童センター無料化などの子育て支援、企業立地に向けた助成制度の充実や地場産業の振興等による雇用対策、住みたくなる環境の整備、観光の振興、そして都会で退職を迎えた方々に第2の人生を勝山で過ごしていただくふるさと回帰を働きかけるなどのUターン、Iターン対策、高齢者が生きがいをもって自立して生き生きと生活できるような支援、
ふるさと勝山を誇りに思う子どもたちの育成など、さまざまな施策を展開しているわけであります。
今、
中部縦貫自動車道路の開通が間近になっておりますし、また北陸新幹線も着々とその進展をしておりまして、そういったことで東京とこの
ふるさと勝山市との距離が短くなるといったこともプラスの面で考えていきたい。これは前にも言っておりますように、都会で生活をしながらも、勝山でまた同じような事業を展開することができる、そういう環境にもなっていると思うわけであります。
したがいまして、東京での活動を地方の場に広げていくといったようなことも十分可能性がある、そういったことで新たな環境の変化によるニーズのミスマッチというものを今後も追及していきたいと思っております。したがいまして、今、国のほうでやろうとしているというのはまだちょっと早いかもしれませんが、我々地方が主張している東京一極集中の排除とか、西川知事が言っております、いわゆる事業税の地方での軽減といったような、そういう施策によってこれは今までの流れを少しでも食いとめていきたいと考えている次第です。
決して諦めることなく、今までやってきたそういう夢や希望を持った政策については、さらに国とか県の力を得ながらやってまいりたいと思っております。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 7番。
(7番 門 善孝君 質問席登壇)
○7番(門 善孝君) ありがとうございました。
今ほど出てました定住化対策について、ちょっと論点を絞りたいと思います。
7月4日の県民福井では、あわら市では人口増や市の魅力アップにつなげようと、市内に住民票を移した勤務者の留守を預かる県外の家族らに2万円相当の市特産品を贈るというユニークな取り組みを始めたとの報道がございました。申請すれば、最長5年間にわたり家族にプレゼントが届くとのことでございます。
7月10日の福井放送では、午後7時から得する人、損する人という番組の中で、日本全国住めば得する町というテーマで、
損得ランキング第1位の町で栃木県の那珂町のことが報道されておりました。この町に、例えば家を建てて20年間住み続ければそれがただでもらえ、評価額2,000万円の土地がただでもらえるということでございました。
7月16日の福井新聞では、全国知事会が
少子化非常事態宣言を打ち出したと報告されておりました。特に、今ほど市長のございました、福井の西川知事により国が法人実効税率の引き下げを検討している今この時期に、地方の法人税の税額控除を設け、減税額を東京より大きくすることで人と企業の地方移転を促進する、「人と企業の
地方移転促進税制」を創設するように提案したとのことでございました。
このように、続々といろんな提案がなされている中で、地方が生き延びるため、地方の特徴を創出するとした、以前、大分県の平松知事が一村一品運動を起こしておりますが、連綿と今日にまでこのようなことが続いているのではないかなと思っておりまして、なおかつその効果が上がっていないほど困難な課題であると感じております。
また最近では、国の段階でも人口減少に対する本格的な取り組みを図るようで、育児支援や地域活性化を拡充しようとしているようでございます。県の段階でも、現在の制度のすき間を補充するようなことや、組織間の横断的な特別チームにより対応するようで、市町段階では対策課を設置したり支援策を拡充するとの報道が相次いでおります。勝山市の施策は、既にこれらのことを想定しており、
子育て支援対策は全国トップの水準であると認識しております。
今ほど市長の答弁にありましたように、決して諦めないで、これらの基本的施策をこつこつと積み上げるということしか、今のところ勝山市には課された課題解決の方法はないようなそんな気がいたします。
現在の
定住化促進対策として、土地を購入し、または賃借し、住宅を新築した場合には100万円、この場合で土地を購入しない場合は50万円、中古住宅を取得した場合50万円、住宅をリフォームした場合50万円、民間住宅の家賃補助2万円、このほかにもリフォームした場合にはまた同じようなことがあるようでございますが、市ではこれらの
定住化促進対策を実施しておりますが、総合計画には定住化促進による転入者数の具体的目標は設定されており、現在の進捗状況あるいは目標達成状況を報告していただきたいと思っております。
○議長(
倉田源右ヱ門君)
佐々木建設部長。
(建設部長 佐々木賢君 登壇)
○建設部長(佐々木賢君) 勝山市
定住化促進事業の実績についてお答えいたします。
勝山市
定住化促進事業は、市の定住人口の増加を図るとともに、地域の活性化を目的として平成14年度から事業を開始、平成25年度末までに住宅取得に対する補助を220件、賃貸住宅の家賃に対する補助を46件実施してまいりました。
勝山市第5次総合計画における平成23年度から25年度末までの各事業の進捗状況でございますが、住宅取得補助においては、目標人数72人に対し実績76人、賃貸住宅の家賃補助においては、目標人数21人に対し実績27人となっており、いずれも目標値を上回る実績となっております。
しかし、賃貸住宅の
家賃補助事業については、申請後3年以内に住宅を取得していただき、勝山市に定住していただくことを最終目的としておりますが、対象者46名のうち3年以内に住宅を取得された方は4名にとどまっているなど、
家賃補助事業の定住効果は低いものと考えられ、今年度末をもって新規の受け付けは終了することにしております。
なお、住宅取得の補助に関しては、今後も積極的に広報かつやまホームページで広報活動を継続し、定住人口の増加を図っていきたいと考えております。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 7番。
(7番 門 善孝君 質問席登壇)
○7番(門 善孝君) 総合計画の中では、目標はおおむね達成しているという話でございます。
次に、地元企業への
就職祝い金制度と、それから永年
勤続報奨制度、これを一括していきたいと思います。
まず、地元企業への
就職祝い金制度についてでございます。
先日、大野市で人口の減少対策の一環と若者の流出傾向に歯どめをかけるべく、奨学金受給者が市内で暮らした場合は半額免除、結婚して夫婦で住んだ場合には全額免除するとした
Uターン優遇制度を実施するとの新聞報道がございました。
これまで議会の中でも再三にわたりこういった給付型の奨学金の優遇制度ができないかと提案をしたことがございましたが、奨学金の制度そのものが貸付制度であるため免除はできないとの繰り返しでございました。まさに大野市に先行されたというような思いが強く、非常に残念でございます。
そこで、定住化対策によって転入者数を増加させることも一つの方策ではございますが、現在でも減少傾向に歯どめがかからない状況から、UターンやIターンする若者をふやすことと、学業を卒業するときに市内の企業に就職させるような方策も必要ではないかと考えております。例えば、学業を卒業して勝山市の企業に就職するときに、勝山市から
地元企業就職お祝い金を支給し、地元の勝山市の企業に就職することの大切さと、勝山での人材の確保を図ることも必要ではないのかと思われ、この
地元企業就職祝い金制度を創設してはどうかとお尋ねいたします。
次に、永年
勤続報奨制度の実施についてでございます。
平成24年3月議会の一般質問の中で、勝山の企業に勤務する職員に対し10年、20年、30年、40年といった区切りの中で、永年勤続したことの意義に報いるため、報奨制度を創設してはどうかと提案したことがございました。これは商工会議所の事業の一環として、職員や従業員を大切にする施策として実施しているとのことであり、以前は食事を出したり盛大にやっていたようでございました。
ところが、最近では会社の経費節減対策とかいって表彰のみで、特別休暇や同期の卒業生同士の話し合いの時間すらもなくて、職場にとんぼ返りのような実態であると聞き及んでおります。市内の企業に20年あるいは30年勤続するということはなかなかできないことであり、そういった時期を捉えて夫婦で旅行するときの補助にクーポン券などを出すことにより、市内に勤務する人材の確保や勤労意欲を高めることにつながると思われ提案をいたしました。
ところが、市の具体的な方針は、勤労意欲を高める前段である雇用の確保につながる施策に重点を置いており、今後とも
ものづくり技術や
研究開発支援事業などの新産業の創造や創業支援を重点に実施したいとのことでございました。
総合計画の中では、雇用の確保につながる施策に重点を置いているとのことであり、総合計画の中にも平成27年の起業者数の目標は10人、企業誘致による
新規雇用者数は20人となっておりますが、その進捗状況はどのようになっているのかお尋ねをいたします。
今後の
人口減少社会に対応するためには、まずは人材の確保であり、地域を支える人づくりでございます。勝山市に在住して地元企業に長年勤続することの大切さと勝山市の人材を育成することの大切さは、人口減少を食いとめる手だてとして最も有効でないかと思われてなりません。
平成24年3月議会の一般質問で提案した永年
勤続報奨制度を実施することにより、勝山市は人を大切にする、あるいは企業の従業員を大切にするという施策を積極的に展開し、勝山のよさをアピールしてはどうかとお伺いいたします。
○議長(
倉田源右ヱ門君)
水上商工観光部長。
(
商工観光部長 水上実喜夫君 登壇)
○
商工観光部長(水上実喜夫君) 次に、
人口減少社会への取り組みについてのうち、Uターン・Iターン者の
地元企業就職者への祝い金制度の創設について及び永年
勤続報奨制度の実施について、あわせてお答えいたします。
まず現状を申し上げますと、勝山市では毎年4月に
勝山商工会議所の主催で、
新規学卒者就職激励会が開催されております。この激励会は、3月末に高校や大学、専門学校等を卒業し、勝山市内の企業に就職された方を対象としておりますが、本年4月の激励会には31名の出席がございました。激励会では、講師から社会人としての心構えを学んだり参加者同士の交流を図るとともに、関係者が新社会人としての門出をお祝いすることで、新規就職者の勤労意欲の向上を目的としております。ことし参加された31名の方々も、勝山市の事業所に就職され、今後の勝山市の経済を支えるとともに、活性化にも活躍されることが大いに期待されます。
平成5年度から若者の地元就職とUターン者の雇用の拡大を図ることを目的に、
地元事業者就職奨励金制度を制定し、市内事業者に就職した若者及びUターン者に対して就職奨励金を交付しておりました。しかしながら、平成16年度にその効果を分析した結果、動機づけの一端にしかなり得ず、残念ながら人口増にはつながらなかったことから制度廃止に至った経過がございます。
また、勝山市の事業所において長年にわたり職務に精励され、所属事業所の繁栄に寄与された方に対しましては、
勝山商工会議所において永年
勤続優良従業員表彰を行っております。
御質問のありました
地元企業就職者への祝い金制度の創設及び地元企業に長年勤続した人への報奨制度の創設につきましては、
人口減少時代に対応したさまざまな定住化促進に向けた政策協議の中で、その是非を含めて検討してまいります。いずれにいたしましても、勝山市では雇用の確保につながる施策に重点を置き、
各種支援制度を拡充しながら取り組みを行っております。
なお、第5次勝山市総合計画の始まった平成23年度から平成25年度までに、支援制度により新たに店舗を開設するなどした起業者の方を9名把握しております。平成26年度にはさらに3名の方が起業を予定されておりますので、本年度中に第5次勝山市総合計画における平成27年度の目標である10名が達成できる見込みとなっております。
また、市外からの企業誘致による
新規雇用者数は、目標の20名に対し8名となっておりますが、近年、勝山市が力を入れてきた市内の既存企業の増設による
新規雇用者数は21名となっておりますので、合わせて29名の新規雇用があったと考えております。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 7番。
(7番 門 善孝君 質問席登壇)
○7番(門 善孝君) 今ほどのお話でいろいろ目標には達成しているというお話でございました。ただ、平成25年度の主な施策の成果に関する説明書の中では、今ほどの答弁のような状況が報告されておりますが、それではなぜ人口減少に歯どめがかからないのか、その原因というのがどうであるのか、どうしても疑問で、勝山市の力のなさを露呈するような感じになるように思ってはいるんですけれども、そういったことを検証しないと次に手だてがないのではないかと。
先ほどの
日本創成会議で、若者が地域から流出する原因、自治体でもいろんなことをやっているが、なぜ効果が上がらないのかを徹底的に検証する必要があるとの指摘でございます。6年前の私の一般質問で指摘していることもございますが、先ほどの市長の答弁にありましたように、基礎自治体だけでは当然対応できるものではないと。とするならば、今後においては、国の方へそういった提議をすべきではないのかなと、提案をして、やはりそれを求めるべきではないのかなというように思いますし、その一つが西川知事のふるさと納税とか、あるいは支援策を打ち出していることもその一つではないのかと思います。
もう一つ、勤労意欲を高める前段である雇用の確保につながる施策に重点を置いているということで、今後とも
ものづくり技術や
研究開発支援事業などの新規産業の創造や創業支援を重点に実施したいとのことでございました。25年度の主要な施策の成果に関する説明書の中では、商工振興事業費全体が1,500万円程度、それほど雇用の確保につながる施策に効果があらわれているんだろうかなというように思います。工業振興助成金制度でも受給額が3,000万円と少し少ないのではないかなと考えられます。
現在の国の段階や県の段階で地方の再生とか振興対策を進めるといった言葉が頻繁に使われておりますが、一昔前までは過疎対策とか過疎地の地域振興といった言葉が使われていたのではないかなというように思われます。
ところが、平成の時代に入ってからは、国は地方交付税の削減を大胆に進めたため、はっきり申し上げて基礎自治体では過疎地の活性化といった言葉のみでは、実際の財源がないため、そこまで手が回らなかったのではないかなと思います。そこで、これまでのただ単なる活性化対策だけではなく、もう少し人材を確保するとか、従業員を大切にする町といったことに重点を置いてはどうかなと、今後において考えたいということでございますが、再度ちょっとお伺いしたいと思います。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 三屋企画財政部長。
(企画財政部長 三屋修一君 登壇)
○企画財政部長(三屋修一君)
人口減少社会への取り組みについての再質問についてお答えします。
勝山市は、確実に到来する人口減少を現実問題として受けとめ、子育て支援等に早くから取り組み、50年後、100年後までの持続的発展を目指すため、さまざまな施策を積極的に展開しております。にもかかわらず、人口減少に歯どめがかからないのは、市の施策だけでは幾ら頑張っても限界があるためだと認識しております。
日本創成会議の戦略プランによれば、人口減少の原因は出生率の低下と東京一極集中にあると言われています。また、人口減少にあわせ超高齢社会の到来による公的年金、医療保険、介護保険など社会保障制度の維持、人口構成の変化による労働力の減少などのさまざまな課題も同時に進行しています。これらの問題は日本全体の問題であり、一自治体で解決できるものではありません。今後、国レベルで示されるであろう少子化対策や東京一極集中から地方への分散化など、国が進める
人口減少対策にいち早く対応した政策を推進するとともに、第5次勝山市総合計画に基づき、ずっと住み続けたいと思えるまち、いつかは帰ってきたくなるまちであり続けるための政策を総合的に推進してまいりたいと考えております。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 7番。
(7番 門 善孝君 質問席登壇)
○7番(門 善孝君) 繰り返しになって申しわけなく思います。
ただ、きょうの福井新聞の中で、
人口減少社会に対応するため、県では女子力をアップしたいと。
Uターン促進事業に積極的に取り組むということで、本県の人口減少を食いとめることもねらいにした施策を打ち出そうとしておりますし、女子学生に県内就職のメリットや暮らしやすさをPRするようでございます。
ちょっとこの中で気になるのが、毎年2,000人以上の若者が進学などで県外に流出していると。2,000人という数字はすごいなと思います。特に女性のUターン率は10年前までは4割だったが、現在では2割までに大幅に減っている、半減しているということ、その原因を調べるということで、私自身もこの原因が何であるのかということに注目したいと思います。
それからもう1点、先ほど市の方でも給付型の奨学金ができないかという提案をしましたが、県ではいよいよそれに積極的に取り組むと。ちょっと見ますと、勉強やスポーツに意欲的な高校生を支援するために、低所得世帯を対象とした返済不要の奨学金制度、県希望応援奨学金といったものを新たに設けるという新聞報道がございました。高校3年間で64万8,000円、実際に基金が減るということでございますので、これ以上いろんなことを申し上げても、はっきり申し上げて、財政が裕福なところであればいいのですけれども、勝山市にも限度があるということは重々承知しておりますので、今後の理事者の皆さん方の健闘を祈りたいと思います。
次に、交通環境の整備、歩道の設置についてをお尋ねいたします。
最近の子どもたちの恐竜人気は物すごく、いろんなイベントにも恐竜がテーマとなっていることが多く見受けられ、依然として恐竜の人気が衰える様子が見られることはありません。そればかりか、恐竜博物館への入り込み客数はふえる一方であり、勝山市としては公園の管理上、喜んでばかりはいられない状態となっております。
毎年、混雑のピークはお盆の期間中でありましたが、ことしはそれほど深刻な状態にまで至っていないようでありまして、これは市当局の努力によって、さほど経費をかけずに、第2駐車場350台分、第3駐車場160台分の駐車場が増設されたことにより、恐竜博物館を取り巻く交通環境は大きく変化しているのではないかと思われてなりません。
先日の新聞報道によりますと、夏休み前までは昨年よりも少ない入館者数でありましたが、夏休み終了までには前年をも追い越して、4日の日には早くも40万人を記録したとのことでございました。特に夏休み期間中の入館者数が多く、特別展の開催や野外博物館のオープン、県外民間企業との連携イベントの実施などが影響しているものと思われ、交通渋滞がそれほどひどい状況ではなかったようであります。
ことしの交通の状況は、何かが変わっているように思われ、何であるのかは私自身わかりませんが、何かが変化しているようで最大の変化は駐車場の整備が功を奏しているのではないかと思われます。
当初、入り込み客数が40万人の目標でありましたが、それが既に70万人となっており、受け入れ施設等の条件整備が必要に迫られております。
今後の交通環境の整備は、例えば福井方面からは、これまでのパークアンドライドをどうするのか。交通渋滞を解消するための1本の道路への集中は避けるべきではないのか。それから、アプローチ道路は複数必要である。バイパス方式を採用した一方通行による流れをつくってはどうか。これは村岡地区の課題として議会の中で提起させていただいております。
次に大野方面からは、寺尾集落内の道路ができ、大野方面からのアプローチが可能となりました。村岡地区、特に寺尾地区の課題として、旧国道までの貫通を図るべきと提案してきましたが、理事者の皆様方の長い間の粘り強い取り組みにより実現したことには大いに感謝を申し上げます。
現在の東縦貫線と西環状線の交差点での右左折の一点集中は、流れが非常に悪い。また、大野方面からは、長山交差点で右折することにより交通の流れが円滑になるのではないかといったことで、これらのことを考慮した交通体系を構築すべきものと思われてなりません。
寺尾地区の問題でございますが、この寺尾地区の市道が最近貫通したために、大幅に交通量がふえたと。そして、非常に危険を感じるということでございます。市の努力によって道路が貫通できたのは、大いに評価するし感謝をしてはおりますが、この道を一刻も早く新国道に突き抜けてほしいということでございます。
今回、議会の中で市道の認定申請が出ておりますので、そういった取り組みもするということで市の姿勢を高く評価したいと思います。ただ、この市道が貫通したとしても、その道を水芭蕉までつけるべきではないかなと。あるいは市の施設間同士の連携道路としても必要なのではないかなと思われます。
お尋ねするのは、寺尾地区内での声として、交通量が非常にふえたので危険を感じるということで、この旧国道の市道を拡幅して歩道を設置する必要があると思いますが、道路の管理の観点からの取り組みをお尋ねいたします。
○議長(
倉田源右ヱ門君)
佐々木建設部長。
(建設部長 佐々木賢君 登壇)
○建設部長(佐々木賢君) 長尾山総合公園を取り巻く交通環境整備についてお答えいたします。
議員の御質問の中にもありましたとおり、年々ふえ続ける恐竜博物館への入り込み客数に対応するためには、駐車場の増設とともに長尾山総合公園周辺の交通環境の整備も必要であることは認識しております。
そこで、その対策の一環として、勝山市では寺尾区内の旧国道である市道5−45号線と国道157号までの約100メートルの区間について、平成27年度から平成31年度までの5カ年の計画期間となる地域再生整備計画道整備交付金事業の申請を行い、来年度、事業採択になればバイパス道路を整備し、渋滞の緩和を図る予定をしております。
議員お尋ねの市道5−45号線の歩道設置につきましては、今ほど申し上げましたバイパス道路が完成、供用された後の交通量及び車両の動線等を検証し、その結果を踏まえて検討したいと考えております。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 7番。
(7番 門 善孝君 質問席登壇)
○7番(門 善孝君) もちろん旧国道に、現在の市道ですけども、確かに新しい道路がもし貫通した場合には、その交通量を見てということも可能でございますけども、寺尾区民からすればやはり危険を感じると。非常に狭いんですね、あの道路も。国道から市道を譲り受けるときに、条件でもうちょっと広くしてもらったらどうかなという思いもしたんですけども、現在はあのとおりでございます。ですから非常に危ないと。
新国道の歩道の状況を見てみますと、なぜかしら古宮地蔵の前で終了しておりまして、国道と市道の交差点は非常に広い三角形の形で交差しております。歩行者の安全を確保できるものだろうかというような疑問がわきます。現在設置してあるのは、道路上に区画線で仕切られており、歩行者がどこを通るのか不明確となっております。車の通行には、やはり区画線を通ればよいのですが、歩行者や自転車にとっては歩道があればより明確となります。
そこで、現在の国道に設置してある歩道を、いわゆる古宮地蔵の前で終わっている歩道を、市道の入り口付近、LPガスの充填所付近まで延長できないか伺います。
○議長(
倉田源右ヱ門君)
佐々木建設部長。
(建設部長 佐々木賢君 登壇)
○建設部長(佐々木賢君) 議員御質問の箇所は、現在、区画線の表示による車両の進入を制限しておりますが、さらなる安全性の向上の確保ができないか、歩道の延伸も含めて国道157号の道路管理者であります奥越土木事務所と協議し、要望してまいります。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 7番。
(7番 門 善孝君 質問席登壇)
○7番(門 善孝君) また、県のほうと協議してください。
そこで、先ほど申し上げた東縦貫線と西環状線の交差点の右左折が一極集中しているということで、実際にことしのお盆の日に行ってみたんですけども、やはり左折車がいっぱいであると右折車が入れないといった状況でございました。現在、長山交差点で右折のための車線を広げる工事を実施しております。今、何であそこの右折車線を広げるのか。私が思うには、これは東縦貫線と西環状線の交差点の右左折の一極集中を避けるためのものではないかと思われますので、その辺、対応がどんなものであるのか。
これは県の段階で、長尾山総合公園を取り巻く交通の流れを円滑化するために見直しが進んでいるのではないかなというように私は憶測をいたしました。その辺で県の情報が入っていないのかどうか、県との情報交換をその辺でしているのか、そういったことをお尋ねいたします。
○議長(
倉田源右ヱ門君)
佐々木建設部長。
(建設部長 佐々木賢君 登壇)
○建設部長(佐々木賢君) 現在、奥越土木事務所が施工しております長山交差点の右折レーンのトンネル側の延伸は、国道157号への導入に対する渋滞緩和対策でありますが、将来的には、先ほど申し上げました寺尾区内のバイパス道路の完成供用後には、長尾山総合公園アクセスへの渋滞対応にもなるものと考えます。
長尾山総合公園周辺の円滑な交通の流れを確保するためには、国道及び県道の管理者であります奥越土木事務所と市道管理者である勝山市、さらには勝山警察署等の関係機関との連携が必要であり、今後も関係機関が情報を共有し、その連携を図ってまいります。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 7番。
(7番 門 善孝君 質問席登壇)
○7番(門 善孝君) 全体計画の中の一環であるというお話でございました。どうも見ていると、そうではないかなと思っていたんですけれども、やはり県のほうではそれを進めてきていると。今後の情報交換を密にして対応していただきたいと思います。
こういうような交通渋滞対策は、勝山市は経験しております。というのは、スキージャムに40万人来たときに、非常に路線が渋滞をしたと。夜中のことですから、余り表には目立たなかったのではないかなと思います。
ことしは、先ほどからどうも交通の流れが今までと変わっている、渋滞が余りないということで、そんなことは駐車場がふえたからという思いはしますけれども、どうもそれだけではないんじゃないかなと。今までの渋滞の影響が出てきているんではないかと不安感を覚えます。これは私の憂いだけでございますので、やはり今後は恐竜博物館をその目的に従った運用というのか、対応というのか、例えば開館時間の工夫とか、夜間の開館とか、そういったことも考えられないかと思います。それ全体をまとめてパークアンドライド、円滑な交通の流れがどうであろうか、便益施設の整備がどうであろうか、そういった全体をまとめてよりよい方向へ導いていただきたい。そのためには、私どもにも情報提供をお願いしたいと思いますので、そういったことを提起させていただきます。
もう1点、市内の遊休宅地のミニ公園化でございます。
最近は新築住宅の着工がめっぽう少なく、古い住宅を取り壊す状況が目立っております。その跡地はというと、いろいろな事例があるようで、砂利を敷いて車の駐車場にしたり、地面に除草シートを張って、その上に木材チップを敷いて草が生えないようにしたり、場合によってはそのまま放置されて草ぼうぼうの遊休地となっております。このような遊休地対策というか荒地対策は、勝山ばかりでなく地方の自治体の人口減少傾向を象徴するような事例であり、住宅密集地の中に突然あらわれる草ぼうぼうの遊休地は、地域の衛生管理上や見た目以上に迷惑なものとなっておりますが、土地の管理者からはそれ以上にお金をかける余裕がないといったことがうかがえます。
市の住宅に関する補助制度の中に、老朽危険住宅の解体に対する補助制度があり、この対象となるためには解体後の跡地を多目的広場として10年以上勝山市に無償提供することが条件となっております。
これまで市街地の中で、市が区画整理等で造成した都市公園のほかは中央公園と長山公園だと思いますけども、その程度ではないかと。例えば長山公園の場合には、昼夜を問わず人目に触れにくく、不審者からは防ぎ切れないところでございます。市街地の中の公園等の広場のない地区、例えば長山とか、あるいは沢、芳野の一部、元町近辺等、身近に利用できる公園が欲しいといった声があり、ちょっとしたたまり場というか、子どもを遊ばせておく場が欲しいという声に応えるため、土地所有者の同意が必要であると思いますが、例えば200坪ぐらいの空き地をミニ公園化できないか。これは親御さんが長山公園へ行っても、山の上で人目につきにくい、非常に不安であるといった声が聞かれましたので、そういったミニ公園化できないかお伺いいたします。
○議長(
倉田源右ヱ門君)
佐々木建設部長。
(建設部長 佐々木賢君 登壇)
○建設部長(佐々木賢君) 市内遊休地のミニ公園化についてお答えいたします。
地方の人口減少化による空き家の増加に伴い、空き地も増加している状況は勝山市においても同様であり、特に市街地においてその傾向が目立つようになっております。空き地の管理は大きな課題であり、管理されない空き地は雑草が生え荒廃し、住民の関心が薄れ、ひいては住民同士のきずなの弱体化のおそれもあります。
このような中、空き地の有効活用として、議員提案のミニ公園化は住民の憩いの場、子どもたちの遊び場として一つの活用方法であり、高齢者の方々からも憩いの場としての要望もございます。土地所有者の同意も必要でございますし、数多くの空き地をどう整理するか多くの課題もありますが、まず空き地の実態の把握を進めた後、ミニ公園化も含めた空き地の対策を進めてまいります。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 7番。
(7番 門 善孝君 質問席登壇)
○7番(門 善孝君) 空き地の対策を進めていただけるというお話でございますので、今後に期待をしたいと思います。
以上をもって私の一般質問を終わります。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 次に、丸山忠男君の質問を許します。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 3番。
(3番 丸山忠男君 質問席登壇)
○3番(丸山忠男君) 市政会の丸山でございます。私は、6点について質問をさせていただきます。
まず最初に、勝ち山夏物語・かちやまワッショイについてであります。
勝ち山夏物語のメーンイベント、かちやまワッショイが8月14日、ゆめおーれ勝山屋外ステージと元禄線で開催されました。凝った衣装をまとった踊り手、チームごとにパレード形式とステージ形式で演舞を披露し、集まった市民や観光客を十分に楽しませてくれました。
また、参加チームはただ楽しむだけではなく、優勝を目指して目標とするグランプリを競い合い、真夏の太陽を受けて動き回りますから、かなりの迫力となって観客に伝わりました。私も十分に楽しませていただきました。
ところで、このかちやまワッショイと同じ形式のいわゆるよさこいですけども、北は北海道から南は九州まで、全国各地で約850カ所以上で楽しんでいるようです。各地で夏の催しとしてどこでも盛り上がっているのですけども、私はぜひともこのかちやまワッショイを来年以降も勝ち山夏物語のメーンイベントとして続けて、よりにぎやかしくやってほしいと思っております。
しかしながら、最初のころのほうは参加団体がもう少し多かったのではないかとこのように思っているのですけども、それとも多過ぎたので少し減らしていこうとしているのか、また観客の市民の皆さん方の関心のほどはいかがなのか、そういうことで次の事項について質問をいたします。
まず1点目は、来年以降の取り組みについてであります。ことしは市制60周年で、記念行事として実施しましたが、にぎやかしくするのはことしで終わりなのかというのが1点目でして、2点目は、継続するならば参加団体をふやすための工夫、参加団体から参加費をとるのではなくて補助金を出してはどうのか。特に毎年、小学校のチームが出てくるんですけども、ことしは2チームでしたけども、子どもの衣装代にお金が結構かかるようです。これの補助をこれまでは学校関係の補助金から捻出していたとお聞きしているのですけども、それがことしが最後で、来年からは補助をもらうのが厳しいと、そういうふうにお聞きしています。小学生のチームが出てこないと父兄も出てきませんので、観客の人数も減るのではないかと危惧しております。この辺のところで善処していただけないのかと思うのです。
この参加者をふやす方法、いろいろあると思うんですけども、町民運動会のような形にすると、各地区対抗となって盛り上がるのではないか。また、小・中学校の対抗というのをすると、さらに小学生、中学生の盛り上がりもあるのではないかということで、このような点でお尋ねをいたします。
大きな2番目は、全国学力テストについてであります。
文部科学省が4月に全国の小学6年生と中学3年生の全児童生徒を対象に実施しました全国学力・学習状況調査の結果が、8月25日に公表されました。福井県の児童生徒の平均正答率は、小学校と中学校の各4科目のうち基礎知識を問う小学国語Aの全国9位以外は3位までに入りました。特に中学の数学Aと数学B、国語Bは全国1位で、7年連続で全国トップクラスの成績を上げています。そこで一つ目の質問でございますけども、同テストの意義について、勝山市教育委員会としての見解及び今後の対応についてお伺いいたします。
2点目は、これを公表するのかどうかということについてであります。この公表するかどうかという判断は分かれるところです。全国的には慎重派が大勢とのことですけども、福井県は原則的に公表するということを申し合わせているとしています。福井市や高浜町は公表する。大野市、永平寺町、池田町、南越前町は公表しない。勝山市は、あわら市、若狭町、おおい町と同じく未定としていますが、その対応について教育長の見解をお伺いいたします。
大きな3点目は、小・中学生の携帯電話やスマートフォンに対する教育委員会としての考え方についてであります。
これは今の全国学力テストにも関連するのですけれども、ゲーム時間が長いほどこの学力テストの平均正答率が低い。平日に携帯電話やスマートフォンで1時間以上通話やメール、インターネットをするのは、小学6年生では15.1%、中学3年生で47.6%に上っております。このスマートフォンなどでゲームをする生徒の割合も、福井県は全国平均よりも低くなっていると。また、これに関連しては、新聞をほぼ毎日読むと答えた生徒の成績は高成績であるとも言われています。
そこで、小学生に対する指導、中学生に対する指導、この携帯電話、スマートフォンについては昨今の新聞並びにマスコミ等をにぎわしておりますので、そういったことにつきまして考え方をお尋ねいたします。
大きな4点目は、通学路の安全、特に夜間における照明についてであります。
これは二つに分けまして、小学生に対してはどうなのか、中学生に対してはどうなのかということでございますけども、特に2点目の中学生に対してでありますけども、クラブ活動をする子どもたちが、夏の日の長い間はいいんですけども、冬になりますと日が短くなってまいりますので、そうしたときに子どもが遅くなるのを父兄が非常に気になる。また、場合によっては車で迎えにいかなければいけないという声も聞かれております。
私も近所の人から言われてのこういったお尋ねですけども、中部中学校からの帰り道、滝波川沿いをずっと私も歩いてみますと、まあまあの明かりはついていますけれども、果たしてこれでいいのかなと思いました。そしてまた、父兄のほうもそのことについて、あれでいいのかなということを気にしていますので、そのことについてちょっとお尋ねしたいと思います。
大きな5点目は、子どもの虫歯予防のためのフッ素処置についてであります。
これにつきましては、フッ素というものに対する考え方、大きく二つに分かれてしまいます。それをしなきゃいけない、したほうがいいとするものと、やはりそれは毒性が強くて危険であるとすることも聞いております。したがいまして、この勝山市における現状についてお尋ねをしたいと思います。
最後に6点目でありますけれども、SNS、ソーシャルネットワークサービスと言うのだそうですけども、これを活用した清掃活動についてお尋ねをいたします。
まず、福井県の取り組みについてでありますけども、平成26年度、今年度からごみ拾いなどの清掃活動の情報をインターネットで発信できるソーシャルネットワークサービスのピリカを活用した環境美化活動に全国で初めて福井県が取り組みました。この9月1日から実施されております。
県民や県内の企業や団体、自治体などに登録を呼びかけ、ごみ拾いの報告や発信、利用者同士の交流を推進する専用のホームページも開設しました。このピリカについては、東京のIT企業が平成23年に開始したサービスで、投稿はリアルタイムで一覧表示され、清掃活動を行った場所や人数などを写真とともに投稿する。クリーンアップ福井大作戦について、従来書面によって行っていた実施結果報告をピリカを通じて行うこととしました。
ホームページでは、県全体で拾われたごみの総量を集計して表示し清掃活動のイベント情報や活動を行った企業や団体のリストも掲載するとしています。学校にも利用を呼びかけ、学校の活動をホームページで特集することも計画しているようです。
SNSを活用した社会貢献活動の事例では、千葉市が平成25年に、市民がスマホを使って道路の破損や不法投棄などを写真やコメントで投稿する仕組みの実証実験を行っています。投稿は、インターネット上の地図に表示され、それを見た市の担当部署や市民ボランティアが対応するとしています。
不法投棄やポイ捨ての対策は、これまで条例制定や見回り、罰金などが多かったそうですけども、この成果が上がりにくい中、非常に効果的ではないかと思われます。活動やごみの量に対するポイントの付与ややる気を高める工夫も提案したいと思います。そこで、勝山市のこれに対する取り組みについてお尋ねをいたします。
まず、1回目の質問はこれで終わります。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 山岸市長。
(市長 山岸正裕君 登壇)
○市長(山岸正裕君) 勝ち山夏物語、かちやまワッショイについてお答えをいたします。
ことしで13回目を迎えたかちやまワッショイ2014は、市内からの5チーム、市外からの7チーム、計12チームが参加して、元禄線での2回のストリート演舞とゆめおーれステージでの演舞が披露されました。
また今回は、福井市で開催されているフェニックスまつりのヨサコイイッチョライで昨年入賞した上位3チームをゲストとして招待をし、ゆめおーれステージでの迫力ある演舞を披露していただきました。
勝ち山夏物語を初めとする今夏の一連の行事の中で、かちやまワッショイはその後の納涼花火大会とともに、市民を対象ににぎわいを創出する中心的なイベントであったと考えております。
しかしながら、ピーク時と比較いたしますと参加チームが半減し、特に市内の小・中・高校からの参加も減少し、市民の見学者も減少してきていることは否めない事実であります。開催日が旧盆と重なる点や県内で主流となっているヨサコイイッチョライとのルールの違いなどは、参加しにくい理由として過去の参加チームから指摘されてきております。
今回招待した3チームに対しまして感想をお聞きしたところ、どのチームもゆめおーれステージのすばらしい環境と見学者の多さに高い評価をいただいたところであります。しかし、一般参加としての出場をしているチームからは、お盆とはいえ平日の昼から行われる演舞には、メンバーを集めることが大変難しいということでありました。
来年度のかちやまワッショイの取り組みについて、今後、参加チームとの意見交換会や実行委員会の反省会などの意見を参考にして夏休み期間中に行われる一連のイベントの時期や内容などを検証する中で、市として検討してまいります。御提案いただいた参加チームへの助成や参加チームをふやすための取り組みにつきましても、勝ち山夏物語全体の中で市として検討してまいります。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 梅田教育長。
(教育長 梅田幸重君 登壇)
○教育長(梅田幸重君) 教育委員会関係で大きく3点の御質問をいただきました。
最初に、全国学力テストについてお答えいたします。
まず、テストの意義と今後の対応についてであります。
全国学力・学習状況調査は、毎年4月に小学6年生と中学3年生を対象に行われ、教科は国語と算数・数学の2科目、それぞれ基礎知識を問う問題と応用問題に分かれております。また、そのテストとあわせて子どもたちの家庭における生活状況や学習状況、さらには学校の授業に関することなどを初めといたしまして、70以上の質問項目に答える調査も実施しております。
この学力調査の目的は、その結果を今後の教育に生かしていくものでありまして、これまでも傾向や課題を分析し、各学校において各児童へのより効果的な学習指導につなげるとともに、保護者へもその状況をお伝えして、子どもたちの学習環境向上への理解と協力をお願いしているところであります。
学校においては、児童生徒が確かな学力を身につけるべく日々努力しているところでありますが、その成果や問題点を把握する上でこの全国学力・学習状況調査は意義のあるものと受けとめておりまして、今後とも参加・活用していきたいと考えている次第であります。
そこで、この学力調査の結果公表をどのように対応するのかについてであります。
これまで文部科学省では、学力調査の結果を都道府県単位までの公表にとどめ、学校別の成績公表等を禁じてまいりました。しかし、一部首長からの強い指摘を受け、今年度から、結果公表については市町村の判断に委ねるということになったところであります。そのため、その対応について福井県内の市町教育長会議において協議・検討を重ね、その結果、学校別の成績は公表しないこと、公表期日は国の公表後1カ月程度の期間とするなどを前提といたしまして、県内市町ごとに結果を公表するという申し合わせをしたところであります。
ただ、市町単位の平均正答率を数値で示すことについては異論も多ございました。それは、仮に県内の市町がそろってその平均正答率を公表いたしますと、いわゆる毎年の順位が明瞭になりまして、その結果といたしまして、競争といいますか、そうした過度の動きが出てくる、そしてそれは教育上好ましくない、そういった観点からであります。したがいまして、この数値の公表につきましては、それぞれの市町の判断によるということにしたところであります。
そこで、勝山市においても、これまでの教育委員会での協議と市町教育長会議の議論を踏まえまして、今年度の学力調査の結果を公表していきたいと考えております。その内容や公表方法については、これから十分検討いたしますが、小学校及び中学校それぞれ勝山市全体として、それについて平均正答率は数値表示によらない方法で全国や県平均との比較などをしながら、市内の小・中学校における習熟度の状況、そして課題の分析と対応策、また現在の子どもたちの学習環境に関する状況等について、わかりやすくポイントを整理していきたいと考えているところであります。
勝山市の教育方針として、いわゆる知・徳・体バランスのとれた生き抜く力を育むことを掲げている中におきまして、学力調査の結果公表によって、いたずらに一部の教科に偏重した競争心をあおったり、児童生徒への心理的悪影響につながったりすることのないよう十分留意すべきであり、いい形で保護者を初め市民の皆さんの教育への関心をさらに高める、そういった効果が得られるように対応していきたいと考えるところでございます。
次に、携帯電話やスマートフォンに対する教育委員会としての考え方についてお答えいたします。
小学生、中学生には、基本的に携帯電話やスマートフォンを学校へ持ってこないよう指導しております。ただ実際には、保護者の考え方や各家庭の生活スタイルによって、携帯電話やスマートフォンを所持している児童生徒もおり、小学生に比べ中学生はその所持率が高い傾向にございます。そこで教育委員会といたしましては、毎年、教職員を対象に情報モラル研修を実施し、それを受けて全ての小・中学校において、道徳や学級活動等の授業を中心にしてネットマナーやネットいじめについての学習をしております。
また、全ての小・中学校で児童生徒及び保護者を対象に、勝山警察署と協力をして「ひまわり教室」という名称で情報モラル教室を開催し、保護者の方にも学んでいただく機会を計画し、また実施しているところであります。
なお、全国学力・学習状況調査の結果からも、テレビゲームで遊ぶ時間や携帯電話・スマートフォンの利用時間は、いずれの教科でも長くなるほど正答率が低くなるという傾向が見られました。このことからも、携帯電話やスマートフォンなどの機器やメディアとのつき合い方を考えていく必要があり、さらに子どもたちへの指導・教育に努めてまいります。また、家庭における保護者の協力を得ることも不可欠ですので、今後も学校を通して保護者の皆様方に啓発活動を継続してまいりたいと考えております。
最後に、通学路の安全、特に夜間における照明についてお答えいたします。
児童生徒の安全な通学につきましては、日ごろよりPTAの方々や地域のボランティアの皆様方に多大な御尽力をいただき感謝申し上げるところでございます。通学路の安全確保に向けては、平成24年度に関係機関と連携して通学路の合同点検を実施し、必要な対策の協議や危険箇所改良などの対応を行ってまいりました。さらに今年度は、勝山市通学路交通安全プログラムを策定いたしまして、今後、継続的に対策を進めるための手順等を定めたところであります。
また、今年度も各学校から挙げられた危険箇所等の合同点検を5月に3日間かけて、警察、奥越土木、市の建設課、教育委員会、学校、PTA関係者と実施いたしたところであります。この合同点検によって明らかとなった対策必要箇所につきましては、今後の対応を検討し、具体的な改善を行っているところでございます。
部活動等で帰りが遅くなる中学生にとって、暗い夜道は大変危険でございます。今後は、さらに保護者や学校などからも情報をいただきながら、必要に応じ教育委員会として関係部局に改善を要請していきたいと考えているところでございます。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 竹内健康福祉部長。
(健康福祉部長 竹内富美子君 登壇)
○健康福祉部長(竹内富美子君) 子どもの虫歯予防のためのフッ素処置についてお答えします。
現在、市では虫歯予防事業の一環として、3歳児健診時に保護者の希望により歯科医師が直接子どもの歯にフッ素を塗っています。また、勝山市歯科医師会と共催で無料歯科健診を年1回開催し、希望者にフッ素塗布を行っています。
また、奥越健康福祉センターでは、未就学児に対してフッ化物水溶液を用いてブクブクうがいを行うフッ素洗口を行っております。希望する保育園・幼稚園の保護者を対象に説明会を開催し、保護者の同意を得た上で無料でフッ素洗口を実施しており、平成26年度は6保育園で行っております。フッ素による虫歯予防を行うとともに、今後も正しい歯の磨き方や虫歯予防のための食生活についても、あらゆる機会を捉えて周知してまいります。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 平沢市民・環境部長。
(市民・環境部長 平沢浩一郎君 登壇)
○市民・環境部長(平沢浩一郎君) SNS、ソーシャルネットワークサービスを活用した清掃活動についてお答えをいたします。
福井県では、平成30年の福井国体開催に向け、より一層の環境美化活動を推進するため、ことし4月からソーシャルごみ拾いサービス「ピリカ」を試行的に運用を始め、9月から実際に清掃美化活動の周知とPRへの活動を始めました。このピリカは、個人、団体がスマートフォンやタブレットで利用できるアプリソフトで、ごみを拾った写真を投稿することで、いつ、どこで、どんなごみが、どれくらい拾われたかが自動で記録・集計され、県内外さらには世界にこの情報を発信できるというものです。特に若い人たちが楽しみながら、あるいはゲーム感覚で環境美化活動に参加することのできるユニークな取り組みであると考えております。
9月1日から福井県は、このピリカと連動したホームページを開設し、美化活動の周知とPR、さらにこの活動への意識を醸成するとともに、参加者の情報交換の場となることを目指しております。
勝山市内においては、青年会議所主催のクリーンアップ九頭竜川や市内小中学校の河川清掃活動を初め各地区、集落においても清掃活動が積極的に行われております。先週は、漁業協同組合様において、九頭竜川の清掃を実施していただいております。大変感謝をしております。
勝山市として、このような市民や団体の活動等において、県のピリカを活用することについて周知し、県のピリカを利用した環境美化活動との連携を図ってまいりたいと考えております。ただ、インターネット特有の秘匿性が高いことからのなりすましや、行為自体の真偽性を確認するすべがないこと、また勝山市でごみ拾いが集中しますと、ごみが多いというマイナスイメージにもなるおそれがあることなど、課題があることも十分理解しておかなければならないと考えております。
また、勝山市では既に市が運営するフェイスブックを活用した情報発信も行っており、今後ともさまざまな清掃活動を広く市民の皆様に知っていただき、ごみを捨てない、捨てさせない活動を展開し、ごみのないクリーンなまちづくりを目指していきたいと考えております。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 3番。
(3番 丸山忠男君 質問席登壇)
○3番(丸山忠男君) ありがとうございました。
最初の市長にお答えいただいた勝ち山夏物語、かちやまワッショイについてでありますけれども、ぜひこの意見交換会を進めていただいて検討していただきたいのは、やはり先ほど申し上げましたように、参加団体から参加費をとるというのもいいのかもしれませんけども、子どもたちのそういった参加を応援するという形のところでは、何か助成金についてお骨折りいただきたいなと思うわけです。
それともう一つは、これは担当部長にお尋ねいたしますけども、私もこの担当者にも聞きましたし、それからまた私自身も、市長も一緒にごらんになったわけですけども、子どもたちの演舞が終わりますと、保護者もみんなのほうについていきますから、一気に潮が引いたような感じになるわけです。その辺のところを、先ほど申し上げましたように何か寂しいので、市民の方に何とか集っていただけるような、市民が一緒になって遊ぶというのか、楽しめるようなかちやまワッショイにしていただきたいものですから、そこに関するちょっと工夫なり、お考えていただいているものを御披露いただけませんでしょうか。
○議長(
倉田源右ヱ門君)
水上商工観光部長。
(
商工観光部長 水上実喜夫君 登壇)
○
商工観光部長(水上実喜夫君) 再質問にお答えいたします。
かちやまワッショイにつきまして、いろんな応援をしていただいていることにまず感謝を申し上げたいと思います。
市長の答弁の中でもありましたように、ちょうど始めました13年前は、実は20団体が参加してスタートし、ピーク時には23団体。勝山高校、そして南高校、南部中学校、中部中学校、そして幾つもの小学校が参加する中で、大勢の御父兄に来ていただいた時代がございます。
そういった中で、一つはやはり少子化、この状況の中で、各学校での活動が非常に難しくなってきた。特に小規模校では難しくなってきたという課題はあろうかと思います。
もう一つは、今ほど御紹介の中で、全国で850のこういった大会が開かれている中ですが、はやり13年間、これを続けてきますと、どうしても市民の方の中にも、少しずつ変化を求める、そういった意見も出てきています。
そういった中で、市長お答えしましたように、かちやまワッショイというものはしっかりと踏まえながら、このような競技の形が本当にいいのか、それとも御提案いただいたように参加していただいて、そして楽しんでいただく、見ていただくような工夫、こういったことも交えながら、そのほかの夏のさまざまなイベントとひとつあわせながら、時期、そして場所、規模、開き方につきまして、また市としまして関係者の皆さんの御意見をしっかり聞きながら協議していきたいと思います。
かちやまワッショイにつきましては、この13年間、非常に市民の方に盛り上げていただいている、よさこい系としましても非常に人気のあるイベントになっているという認識はしっかり持っているところでございます。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 3番。
(3番 丸山忠男君 質問席登壇)
○3番(丸山忠男君) ぜひとも、ことしは12チームでしたけども、以前のようなにぎわいを取り戻すような参加団体がふえるような、そういう方向性でいっていただくように検討していただきたいと思います。何とぞ小学校のチームがもう出てこないというようなことのないように、何か工夫をしていただきたいと思います。
次に、全国学力テストについてでありますけども、確かに公表するというのは非常に勇気が要りますし、私たちも福井県がこれだけいい成績をとってるんだから、さぞかし勝山もいいだろうという思いで公表をしていただきたいという気持ちはありますけども、確かに今、教育長が言われたように、ただ単に競争心をあおってはまたいけないと。学力だけが人生の全てではないので、そういったところで非常に難しいものがあります。今お尋ねしてお聞きしましたとおり、そういった方向性で行っていただきたいと思いますけども。
もう一つお尋ねするのは、もうちょっと具体的にABC評価でするのかとか、数字はいかんのならば、どういった方向で優劣というのか、そういうものを表示するのか。それは言えませんか。ちょっとそれのところを、言えないなら言えないで結構ですけども、この公表の仕方、もうちょっと教えていただけませんか。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 梅田教育長。
(教育長 梅田幸重君 登壇)
○教育長(梅田幸重君) 他県の自治体の事例では、数字にかわりまして二重丸、丸、あるいは三角、黒三角とか、そういった全国平均と比べてどうだといった表示の仕方もあります。県内の市町においても、そういった方式を倣うところもあるかもしれませんけれども、この勝山市においてどういう形で御理解いただけるようにするのか、これはまた教育委員会で十分議論をいたしまして、そして妥当な形で整理をしていきたいと考えておりまして、現時点ではこういう形というものはまだ決めておりませんので御了解いただきたいと思います。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 3番。
(3番 丸山忠男君 質問席登壇)
○3番(丸山忠男君) わかりました。それ以上は聞かないでおきます。
二重丸とか丸とか三角といったら競馬の予想みたいになりますから。それは別といたしまして、適切な処置をしていただきたいと思います。
3点目のスマートフォン、携帯電話、基本方針をお聞きしましたけども、このスマートフォンにつきましては、非常に子どもたちにとって余り持たせて芳しくないという報告をいろいろ昨今のマスコミを通じて取り上げていたりしますので、私たちも自然と関心を持ってしまうんですけども、これにつきまして、各地では子どもと一緒に、また父兄と一緒になってこのスマートフォンについて、持つのか持たないのか、また見るのか見ないのかというよりも、制限をして親子で話し合う、また先生と一緒に話し合って、子どもの意見を尊重しながら、どの辺まで見せるのか、時間を決めてとかいろいろな方法、各地方でもって取り組んでいるようです。その辺のところで勝山のほうは教育長として、部長としてでも結構なんですけども、このようにしていくんだという方向性を出せたらお聞かせ願いたいなと思います。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 梅田教育長。
(教育長 梅田幸重君 登壇)
○教育長(梅田幸重君) 携帯やらスマホを学校へは持ってこさせないようにという指導をしておりますけども、それだけではだめなんですよね。要は下校後に、特に御家庭でもってそれを使う時間が長いと、こうしたことがいろいろな問題を生じさせているということです。
勉強の面でも、結局、お家へ帰ってから宿題あるいは予習、復習というのが非常に大事なんですけども、スマホ、携帯によってそういう時間が少なくなる、さらには就寝時間も随分遅くなる。その結果として、翌日の授業に身が入らないといった悪循環、こういった問題が生じてますし、そしてもう一つは、いわゆるラインという方式の中では、友達の関係が非常に難しくなる、いじめが発生する、そういった非常に深刻な問題も全国的にふえておりますので、まさに学校外での使い方というものをしっかりと子どもたちが理解し、それを実践する必要があると思います。そのためには、子どもたち本人への教育も当然、学校でこれからさらに力を入れてまいりますけど、保護者の皆さんの協力が必要だと思います。
そういった意味で、先ほど御答弁申しましたけど、警察の御協力をいただいて、保護者や子どもと一緒に勉強する、そして機会も設けておりますけども、これからさらに、特に専門家の方から保護者の皆さんへの説明とか講習とか、そういったものを手厚くしていくべきではないかなと思っております。そうしたことで、それぞれ保護者の皆さんは、自分のお家のお子さんが大事ですから、そういった観点からもしっかりとこれまで以上に対応進めていきたいと思っております。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 3番。
(3番 丸山忠男君 質問席登壇)
○3番(丸山忠男君) おっしゃるとおりなんです。私は、子どもに携帯電話を持たしてはいかんと言ってるのではなくして、ある程度持たさないかん。例えば、小学生に普通の携帯電話を持たせて、GPS機能のついたもので、もし万が一のときにそのGPS機能がついた携帯電話でもって探知できるといういい面もありまして、親はどうしても子どもの急な病気等について、学校を離れてしまって帰る途中でも起きた場合においてそういった連絡ができるという点においては、これはやっぱり有効な手段であると思うんです。
ですから、そういった面で功罪いろいろありますので、一概にそういったものを規制するというもあれですけども、やはり今おっしゃっていただいたような、そういう親子でとか、御近所でとか、父兄間同士でとか、そういう話し合いの場をまた持つということは非常に大事ではないかなと思います。
それから、この間も小学生の子ども2人が屋上から飛びおりるということもありましたし、ライン等で悪口、子ども間同士のいじめとかもいろいろありますので、本当に気をつけていかなければいけない、そういった対応は非常に難しいものがあると思いますので、今後ともよろしくお願いしたいなと思います。
それで、この通学路の安全、特に夜間における照明については、私の近所の人が非常に気にして、本当に安全なのということを言うわけです。彼いわく、何かあったら済まんよとこういうようなことを、私を見たらこう言われるので、そんなことは起きたら困るので起きないですよと言ってますけども、そういったものにおいて、これは教育委員会だけではなくして、いろいろなものが絡みますので、今度22日に交通対策協議会もありますので、またそういった場面においても質問をさせていただいて、皆様と全員でそういうものを解決してきたいと思っております。
5番目の子どもの虫歯予防のためのフッ素処置については、先ほど部長から答弁いただきましたように、現状をちょっと教えていただきたかったものですからお尋ねいたしました。
最後に、SNSを使った清掃活動について、部長が先ほどお話しいただきましたとおり、スマホで簡単に撮って、そしてそれを送って、ここにごみがあるよということになると思うんですけども、確かにこれを活用することによって、何、勝山ってこんなにごみが多いのというふうなことになってしまったらまたいかんのですけども、非常にいい手だてだと思うんです。
先ほど言いましたように、条例とかそういう罰金がどうのこうのとかというものでなくして、こういったもので通報すると。また、こうしてこんなごみがありますよと言ってすれば、不法投棄が減っていくだろうし、そしてまた環境面から勝山は非常に力を入れているわけですけども、そういう環境活動もさらに一歩増進するのではないかと思います。ぜひ、このソーシャルネットワークサービスを利用して、よりよい方向に行くように、また行政面において御指導していただければいいのかなと思います。
また、クリーンアップ九頭竜川については、非常に私たちも関心を持っておりますし、また今後ともそれに前向きに検討しきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
以上で私の質問を終わります。
○議長(
倉田源右ヱ門君) 暫時休憩いたします。
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午前11時41分 休憩
午後 1時01分 再開
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○副議長(帰山寿憲君) 再開いたします。
○副議長(帰山寿憲君) 午前に引き続き一般質問を続行いたします。
○副議長(帰山寿憲君) 山田安信君の質問を許します。
○副議長(帰山寿憲君) 14番。
(14番 山田安信君 質問席登壇)
○14番(山田安信君) 日本共産党の山田安信です。
今回も一問一答で質問しますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(帰山寿憲君) 許可します。
○14番(山田安信君) まず、勝山市の観光戦略について質問します。
勝山市は、恐竜博物館やスキージャムに来ている観光客を市街地に誘客する、そのために中心市街地を散策してもらうことが必要だと考えて、本町商店街などの道路や大清水公園、ゆめおーれなどの整備を多額の資金をつぎ込んで実施してきました。ところが、ハード整備だけでは市街地誘客ができず、さらに集客のために多彩なイベントを、これも多額の資金を投入し、市民のマンパワーにも頼って取り組んできました。
しかし、中長期的に見ると、勝山市の限られた財源やマンパワーでは、この取り組みが大きな負担になり、かなり限界に達しており、今後は地元消費に結びつけるもっと効果的な方向に大胆に転換することが必要になっていると感じます。
私はこの課題を考えるときに、どこに転換の可能性と条件があるのかを冷静に見ることが必要だと考えます。これまでの勝山市の観光戦略は、通過型から滞在型に転換することを目指してきました。しかし、勝山市内に滞在させようとすることが本当に効果的なのか。滞在にこだわらず通過型という現状を生かした戦略は考えられないのか、検討する必要があると考えます。
少し事情は違いますが、例えば大規模なショッピングモールは多額の資本を投入して長時間滞在を目指しますが、一般的なスーパーマーケットでは通過型を前提に野菜コーナーを入り口に配置し、鮮魚や精肉コーナーを店舗の一番奥に配置して、お客さんが店内全体を歩く動線を考慮しています。私はここにヒントがあると感じます。
中部縦貫自動車道が福井から大野まで開通することを考えると、この可能性はあると考えます。今のままでは、関西方面のお客さんは勝山インターと恐竜博物館を往復して、市街地への流れはできません。しかし、帰りに大野インターまで足を延ばしても、帰りの時間は10分程度の違いですから、この流れがつくれれば、恐竜博物館から大野に向かうルート上には、国道157号沿いに越前大仏や平泉寺を経由するコース、さらに旧国道や西縦貫線など市街地を経由するコースができ、勝山市は細長い町ですから、ほぼ市街地全体がアクセスルートに含まれ、このルート上に飲食店など観光客が消費する場所が広がるのです。
これまでのような多額の税金を使って市街地への誘客を図るという発想を大胆に転換して、勝山市の財政負担を軽くしながら、勝山と大野を通過する大きな流れをつくることに重点を切りかえる。このために周辺自治体との相互互恵を重視する。こうした観光戦略の大転換が必要だと考えますが、市長の見解を伺います。
この発想は、大野市との連携にとどまりません。恐竜博物館は、奥越地域に建設されたことは、総合的に見て適切な選択だったと感じます。恐竜博物館の県外からの来館者は、多くの県内自治体を通過するので、福井県の観光戦略にとっても、県内自治体の観光政策にとっても、観光客が長いルートを通過することは効果的なのです。
永平寺町も従来の参拝客に加えて新たな観光客増が見込めますし、宿泊も芦原温泉などを利用してもらう、越前海岸や東尋坊も新たな観光客増が期待できます。行きも帰りも嶺南地域に立ち寄ることも広がるはずです。
こうして、福井県の奥座敷まで来られた観光客が、周辺自治体でも消費をするという構想を持ち、立地自治体の勝山市もその立地条件を生かして、他の自治体の要請を受けて観光宣伝の応援もする、これが必要だと考えます。こうすれば、県内自治体にとっても、恐竜博物館の入館者がふえることが、各自治体の利益にもなり、福井県が積極的に長尾山周辺に投資することも県民から支持され、結果として勝山市にも利益になるのです。こうした発想の転換が必要と考えます。
大切なことは、立地する勝山市が自分たちだけの目先の利益を考えるのではなくて、周辺自治体とどのように相互互恵を図るか、このことが重要になっていると考えますが、市長の見解を伺います。
新たな誘客増対策も、どこに転換の可能性と条件があるのかを冷静に見ることが必要です。勝山市が持っている一番の財産は、長尾山などの土地です。この長尾山で、民間企業から動く恐竜を設置したいとの提案が寄せられていますが、これは新たな動きです。USJやディズニーランドでも、コカ・コーラやJRなどのオフィシャル企業がテーマ館を設置し、集客の核になっています。恐竜博物館がテーマパークになることは、長期的に見て危険性があるので注意が必要ですが、アカデミックさを重視しながら、勝山市の所有する土地を賃貸して、福井県と連携しながら公園内を充実する、この可能性が出てきたと感じます。
もう一つ、勝山市が持っている財産は、十分に利用できていない公共施設です。これまでも私は、市内の体育館などを雨天時の休憩場所として遠足などに貸し出すことを提案してきましたが、これもさらに活用方法が広げられる可能性があると感じます。例えば、ことしは市民会館で開催しました恐竜ショーを、新体育館建設で統廃合を検討している既存の体育館を、これも賃貸で貸し出して活用できないか、検討の余地があると思います。私は、このように既存の資産を有効に利用して、お金をかけずに勝山市に訪れた人のニーズに応える事業に特化する、この転換が必要だと考えます。
平泉寺も、どこに観光客がふえる可能性があるかを見ると、白川郷などがターゲットだと思います。たまたま静岡と名古屋方面から勝山市に来られた方の話を聞きましたら、観光で白川郷に行き、そのまま東海北陸自動車道でUターンするのはもったいないので、帰りに白山スーパー林道を通って平泉寺に来たという話でした。白川郷には、東北や信越方面からも観光バスがどんどん来ており、この客層は恐竜博物館よりも平泉寺に来る可能性が高いと考え、私は東京で宣伝するより白川郷で宣伝したほうが効果的ではないかと提案したことがありましたが、これから北陸新幹線が開通することで、富山や金沢からレンタカーを利用する観光客がさらにふえることが予想されます。
るるぶ等の観光雑誌は都道府県ごとの観光案内になっており、白山を一周する観光情報を提供することが観光客へのサービスにもなるし、さきに指摘したように、勝山と大野を結ぶこのルートに大きな流れができ、勝山市にとっては最も効果的な取り組みであり、ここにこそ重点を置く必要があると考えます。そこで、新たな観光客をふやす対策について市長の見解を伺います。
もう一つの課題は、市民のマンパワーをイベント集客型から消費拡大型に切りかえることです。
市制60周年記念のイベントに多額の税金をつぎ込みましたが、市民からも「事業の目的がわからないし、費用対効果も疑問だ」との声が聞かれます。集客数が少なくて、イベントに出店している方からも、「もうけようとは思わないが、こんなイベントでは出店したくなくなる」との嘆きの声も出ています。私は、長期的に見て、イベントのあり方は抜本的な見直しの時期に来ていると感じますが、市長の見解を伺います。
恐竜の駅については、私は勝山市が整備すべきではないと考えます。休日や夏休み集中型の集客では、通年型の店舗では採算がとれず、結局、勝山市が赤字補填する危険性が高く、この現状を考えると、駐車場などに上下水道や電気設備だけを整備して、観光客が集中するときだけ、うまいもん祭りのようにテント店舗などで対応するのが現実的だと考えます。しかも新たな施設をつくって市内の店舗を圧迫しては、結局、町はよくなりません。
私は、市内の業者が店舗を新築したり、改修したり、新たなメニューを開発したり、混雑情報を観光客にお知らせするような、市内の店舗をもっと応援して観光客にサービスを提供することに、思い切って支援することこそ必要だと考えますが、市長の見解を伺います。
○副議長(帰山寿憲君)
水上商工観光部長。
(
商工観光部長 水上実喜夫君 登壇)
○
商工観光部長(水上実喜夫君) 勝山市の観光戦略についてお答えいたします。
まず、御質問のありました、大野市との相互互恵並びに周辺自治体との連携についてお答えいたします。
福井県立恐竜博物館は、県内外のファミリー層を中心に、昨年度の入館者数が70万人を超え、かつやま恐竜の森での恐竜化石発掘体験も含め県内屈指の観光スポットとなっております。本年度は7月19日にオープンした野外恐竜博物館の利用者数が順調に伸びていることもあって、恐竜博物館につきましても昨年度を上回る入館者数で推移しております。
勝山市の観光戦略では、この恐竜博物館への観光客にどのようにして市内で消費していただき、地域産業の活性化に寄与していただくかが長年の課題となっているところです。市は以前より、恐竜博物館に訪れた観光客を市内の他の観光資源やまちなかへ誘導するため、商工会議所や観光協会と協力し、ゴールデンウイークや夏休みを中心に恐竜博物館前での観光案内を行ってまいりました。
特に本年は8月3日から17日までの15日間、市民会館を会場に開催した恐竜ライブショー「ダイノアライブ」をまちなか誘客の核として位置づけ、周辺では飲食物販テントの「恐竜weekサマーフェスタ」を開催いたしました。また、あわせましてこの期間、市内の代表的な観光資源で利用可能なクーポン券つきのチラシを連日恐竜博物館前で配り、誘客に努めるとともにイベントによるまちなかへの集客効果の測定並びに検証を実施してまいりました。
こうした状況の中、隣接する大野市とは2市で構成する奥越前観光連盟を初め環白山広域観光推進協議会、加賀越前広域観光推進協議会、白山ユネスコエコパークなどを通じて観光連携を図っているところです。恐竜博物館前の観光案内でも、環白山広域観光推進協議会で製作した周遊イラストマップなどを用意して、大野市など周辺観光スポットへの案内を実施していますが、中部縦貫自動車道の延伸なども見据え、大野市との一層の連携を検討してまいります。
また、福井県を代表する観光スポットである恐竜博物館前で案内を求めてくる観光客のニーズは、多岐にわたり勝山市、大野市といった奥越の観光地のパンフレットだけではなく、永平寺や芦原温泉、さらには小浜市など嶺南地方に関する観光客からの問い合わせも非常に多くなってきております。
現在の恐竜博物館への入館者は、近県、京阪神、中京方面からの観光客が中心となっておりますが、高速交通体系の整備に伴い、首都圏などさらに遠隔地からの観光客が増加すると考えられます。今後は、福井県全体の観光資源としての恐竜をキーワードに、他自治体との連携を戦略的に進めてまいります。
本年は、これまでの組織的な広域観光に加えて、あわら市及び小浜市との間でそれぞれ新たな観光連携を検討しているところでございます。全国的にも名の通った温泉地として知られるあわら市とは、来年2月初旬に東京の大手ホテルでメディア関係者などを対象とした食談会を2市合同で開催し、あわら市の芦原温泉と勝山市の平泉寺や恐竜をキーワードにした観光連携について協議を予定しております。
また、小浜市とはそれぞれ越前と若狭を代表する歴史文化のまちであり、山と海との異なる魅力を持つ相互補完ができる自治体として、今後、観光分野での連携を模索してまいります。こうした周辺自治体との相互互恵については福井県も推進しており、今後は新たな自治体との連携の枠組みも視野に入れながら、勝山市としても積極的に進めてまいります。
次に、新たな観光客をふやす対策についてお答えします。
まず、長尾山総合公園内での民間資本を活用した施設整備など公園内の充実につきましては、現在検討を進めています長尾山総合公園の再整備の中で、福井県の恐竜キッズランド構想とも十分に調整を図りながら連携してまいりたいと考えております。使い切れていない公共施設の活用につきましては、観光分野だけではなく勝山市全体の中で検討すべきテーマであると考えますが、活用方法として提案いただきました市民会館で開催した恐竜ライブショー「ダイノアライブ」につきましては、ほとんどの入場者から高い評価をいただくなど、観光資源としての非常に大きなポテンシャルを実感いたしました。あくまで運営事業者の意向いかんではありますが、来場者の動線や駐車場の確保など総合的に研究する中で考えてまいります。
また、平泉寺への誘客について白川郷などとの連携はできないかとの御質問ですが、白山平泉寺はファミリー層を中心として人気のある恐竜博物館とは違い、歴史、文化、宗教、自然などに関心のある壮年層、高齢者層、さらには近年は若い女性層にも隠れた人気があります。石川県の加賀馬場、岐阜県の美濃馬場、あるいは白川郷や福井市の一乗谷朝倉遺跡など、歴史、文化をキーワードとする観光資源と連携することで、新たな魅力を提供できると考えております。
周辺自治体が協力し、白山を一周するような流れにつきましては、環白山広域観光推進協議会や白山ユネスコエコパーク協議会など、白山を取り巻く自治体が参加する組織の中でスタンプラリーを取り入れるなど、周辺にある道の駅へのパンフレット配置を含め、観光客への周知に努めるなど観光誘客を目指してまいります。
次に、イベントのあり方の見直しについてお答えいたします。
この夏は、ダイノアライブ、恐竜weekサマーフェスタ、かちやまワッショイ、ダイノソニック、勝山まちなかストリートフェス2014など、8月を中心に数多くの観光イベントが開催されました。
また、市制施行60周年関連のイベントも多数実施され、それぞれのイベントに対し市民や観光客の参加、そして来場がありました。それぞれの集客イベントが市民や帰省客を対象としたにぎわい創出のためのイベントなのか、それとも市外、県外からの誘客による地域経済活性化のためのイベントなのか、目的を明確にする中で開催時期や期間、場所等を考慮し、参加者の意見もお聞きしながら、整理、統合、新設も含めて検討してまいりたいと考えます。
次に、恐竜の駅は勝山市が整備すべきではないについてお答えいたします。
ゴールデンウイーク期間中に恐竜博物館前において商工会議所が設置した飲食物販のテント市は、大変多くの観光客でにぎわいました。また、同じく恐竜博物館前においては、NPO法人恐竜のまち勝山応援隊がテントでの物販を常時行っておりますが、こちらも土曜日、日曜日を中心に多くの観光客が利用されております。
一方、ダイノアライブに合わせて市街地で実施した恐竜weekサマーフェスタのテント市は、不順な天候の関係もあって十分な集客を実現できませんでした。こうした結果から、勝山市の現状を踏まえ、観光の産業化に向けた課題の整理や方針を進めてまいります。
本年度は、さらに県新規補助事業の「おもてなし商業エリア創出事業」の申請を検討し、観光客をターゲットとした店舗の改修などへの支援を検討したいと考えております。今後も観光の産業化、地域経済への寄与を念頭に置き、市内事業者への支援に努めたいと考えます。
恐竜の駅につきましては、こうした観光政策全体の中で市議会とも十分に協議しながら、その方向性を検討してまいります。
○副議長(帰山寿憲君) 14番。
(14番 山田安信君 質問席登壇)
○14番(山田安信君) それでは次に、深刻な生産者米価の暴落について質問いたします。
勝山市でも今稲刈りが進んでいますが、ことし、農協が農家に支払う概算金が、過去数年間と比べて暴落しています。福井県産のハナエチゼンは、昨年は1俵1万500円だったのが、ことしは8,700円と1,800円も下落し、コシヒカリも1俵1万2,000円だったのが、ことしは1万円と2,000円も下落しています。しかも例年ですと、精算金として追加払いがありましたが、この状況では追加払いは期待でいないという深刻な事態です。
農水省の調査によると、玄米1俵の生産原価は1万6,000円で、そのうち約3割の4,800円が労賃部分とされていますから、1万1,200円以下だと労賃はゼロで、さらに肥料などの原材料費さえ持ち出しになってしまいます。このままでは、農家は米をつくればつくるほど赤字が膨れ上がるという深刻な事態になっています。しかも、稲作は勝山市の地域経済の基盤となっている産業であり、生産者米価の暴落は農家だけの問題ではなくて、勝山市民全体にとっても死活問題です。
政府は、電気料金は電力会社の利益も加えた原価を保障して利用料金を決めているのに、米の価格は、国際競争だといって利益どころか、再生産に必要な労賃さえ得られないという事態をさらに悪化させるような政策を進めており、こんな政府の対応は異常だと考えますが、市長の見解を伺います。
この米価暴落の背景には、JA全農や米卸売業者が昨年米の在庫約40万トンを過剰に抱え、これを投げ売りする状況があります。御飯用の米の需要は年間800万トン程度ですから、この5%程度の過剰米を政府は買い上げて、飼料米に回すなどして生産者米価を安定させることが緊急の対策だと考えますが、市長はこうした対策を政府に求める考えはないか見解を伺います。
自民党と公明党の与党の安倍内閣は、生産調整を達成した農家への交付金をことしから半減し、2018年からは国による米の生産調整を廃止するとしています。このようなTPP締結を前提に、国の需給調整責任を放棄し、農家に自己責任を迫る政策は日本の農業を破壊します。3年前の東日本大震災のときは、スーパーの棚から米がなくなり、米不足だと大騒ぎしたことを政府は忘れてしまったのでしょうか。市長は、政府に生産調整を達成した農家への交付金はもとに戻し、さらに生産調整の廃止は中止を求める考えはないか見解を伺います。
私の集落でもイノシシ被害に遭い、しかも米価が暴落して、「来年は田んぼをやめる。もう田植え機もコンバインも売りたい。」という声が聞かれます。専業農家などでも、稲作が採算割れで補助金まで削減されたら、規模拡大などできません。従来の農業政策の延長線だけで対応していては農地の集積もできず、耕作放棄地がふえる危険があります。農地を農業だけで活用できないなら、新たな発想が必要です。全国では、農地で太陽光発電をする際に、日陰で生育する朝鮮ニンジンを栽培して、二つの事業を組み合わせて収益性を上げるという取り組みも始まっていると聞きました。
勝山市農業公社がチャレンジ事業で取り組んでいる行者ニンニクなども、日陰作物ですからこれも期待できますし、ヤギによる草刈管理も手間をかけずに管理をする対策として、勝山市農業公社だけでなく今全国でも取り組みが始まっています。こうした取り組みだけでなく、新たな事業にどんどんチャレンジする、勝山市はこの取り組みをモデル事業として積極的に財政的にも支援する、これが必要だと考えます。
そこで、離農者がふえ、農地の集積もできず、耕作放棄地がふえる危険があるという深刻な事態に対し、勝山市はどのような対策を講じる考えなのか、市長の見解を伺います。
○副議長(帰山寿憲君) 前田農林部長。
(農林部長 前田 茂君 登壇)
○農林部長(前田 茂君) 新聞報道などによりますと、平成26年度産米の概算金が出始め、コシヒカリを初めとする主力銘柄が1万円を割っており、JA全農にいがたは、一般コシヒカリを1万2,000円と決定したと報じています。この状況は、これまで最安値だった平成22年産米より1,000円下回る超低水準であり、生産者の意欲が急激に低下することも心配されています。特に担い手は、相場急落の影響をまともに受けることになります。こうした生産者米価の低水準化が全国的なものであるならば、その対策は国が対応すべきものと考えます。
次に、米価対策についての質問にお答えします。
国は、来年度概算要求において、米価下落に一定補填を行う収入減少影響緩和対策、通称のナラシ対策ですけども、の措置を講ずるとしています。ナラシ対策は、農家と国が1対3の割合で財源を拠出し、当年度の収入が標準的収入を下回った場合、差額の90%を補填するものです。
さらに新たな特例措置として、平成26年産米については、面積要件や農家の財源拠出もなしで、収入減少分の34%程度の補填が受けられるもので、ナラシ対策に加入していないけれども、国の直接支払交付金に加入し、米の生産調整に参加した農家が対象になります。
次に、米の直接支払交付金についての御質問にお答えします。
国は、従来、米の生産数量目標に従って生産する農家や組織に対して、1反当たり1万5,000円を交付しておりましたが、平成26年産米から交付額を半減させ、平成29年産米までの時限措置としています。その振替拡充として国は、一つ目、水田だけでなく畑・草地を含めて農地を維持することに対する多面的機能支払いの創設、二つ目として、主体的な経営判断による水田フル活用を実現する水田の有効活用対策の拡充、三つ目として、コストダウン・所得向上を図るための構造政策(農地集積)の拡充等を行うこととしています。
こうした支援策は、米価や農家所得に大きな影響を与えることから、米価の推移を踏まえつつ、再生産が可能な農業の体制強化に向けて必要な措置が図られるよう、関係者と一緒に国等へ働きかけていきたいと存じます。
次に、耕作放棄地抑制への取り組みについてお答えします。
勝山市では、勝山市農業公社が中心となって新規チャレンジ事業として獣害に強い作物や勝山の気候条件に合う作物の作付などの取り組みを進めています。
イノシシの忌避剤としてハバネロの活用実験や彼岸花をあぜなどに植えて、その効果を検証する取り組み、あるいは在来水稲品種のシシクワズを作付し、その被害の有無の把握とともに飼料用米にできないかなどの検証の実施、勝山の気候条件になじむ行者ニンニクやタカキビ、モチ、アワなどの在来種の栽培実験なども行っています。このような対策を通じて、耕作放棄地などで生産が可能となり、勝山市における農業体制の強化が図られるよう努めてまいります。
○副議長(帰山寿憲君) 14番。
(14番 山田安信君 質問席登壇)
○14番(山田安信君) 私が提案した古米の23年米の買い上げ、これについても政府の要望事項にぜひ組み込んで、JAとも一緒になって取り組まないと、投げ売りが始まったら新米の価格が下落するのはもう目に見えてますので、東電なんかは事故を起こしたら全部税金で支援して政府は下支えをしているわけですから、そういう国策としてやる必要性がもうあると私は思います。
次に、勝山市が再生可能エネルギー発電に取り組むことについて質問します。
私は、これまでも耕作放棄地や遊休地をメガソーラー発電に利用できないかと提案をしてきました。勝山市が迅速な対応をされて、勝山市が所有する土地を賃貸して、市内の業者がメガソーラー発電に取り組むことになったことは評価しています。雪国でもこのメガソーラー発電事業が市内の業者でも取り組めるという、この実績をさらに発展させることが必要だと思います。
今回の事業化で、費用負担の少ない土地を確保すること、さらに雪対策の費用負担が少ないこと、また設備投資資金を確保すること、この三つの課題が克服できれば、さらに事業を広げるめどが立つことが明らかになりました。
さきに指摘をしたように、今後、市内で耕作放棄地がふえることが予想され、これも農地を農業だけで利用するには限界があります。しかし、農地を利用するには農業者でなければ農地を取得できないとか、農地の利用には制限があることとか、貸したい人と借りたい人の契約をどうするかなど、土地はあっても利用するにはさまざまなハードルがあってなかなか実現しないというのが現実です。
ところが、勝山市は農地を提供するための対策が整っています。勝山市農業公社が取り組んできた農地あっせん事業を利用すれば、農地としては行き受けてもらえない農地をこれをあっせんして、費用負担の少ない土地を確保するという大きな課題を打開する可能性が高いと考えますが、市長の見解を伺います。
しかも農地は、二つ目の課題である雪対策を簡単に克服することができます。水田には農業用水路が必ずあるので、田んぼに水を張れば融雪ができるわけです。あとは事業資金を調達するという課題が解決できれば、事業化のめどが立ちます。
メガソーラー発電は、現在、買い取り価格が20年間保証されており、災害などの被害がなければ採算がとれる事業なので、民間資本も大規模に進出してきます。しかし、銀行などは融資の際に担保や保証人を求めるので、資金力のない地方の事業者や個人では資金調達が非常に困難です。そこで全国では、広く住民から資金を集めるなどの取り組みが進んでいます。
勝山市でも、地元で資金を調達するために、まず市民の皆さんにお金を出そうと思ってもらえる仕組みづくりが必要だと考えます。例えば、電気の地産池消で地域経済からのお金の流出をとめて地域経済の循環を活性化する、しかも放置していては何の価値も生まない土地を有効に利用する、さらに環境に優しい地域をつくる、こうした勝山市の過疎というマイナスを逆手にとって勝山市を元気にする、こうした勝山をよくする事業に市民の持っている資金を積極的に提供してもらう、まさに地域貢献として訴えれば資金提供の動機づけになるのではないかと考えます。
銀行に預けていても金利はつかないし、元本さえ保証されるなら協力したいという方はいるのではないかと思います。こうした事業を推進するため、行政、さらに地権者、市内の事業者、これをつなげる組織として再生可能エネルギー利用公社というようなものを設立することも効果的だと考えます。
今必要なことは、こうした事業プランを立案し、市民の知恵と経験を結びつける、この役割を勝山市が担うことだと考えます。課題を整理した調査書を早急に作成することが必要で、問題が明確になれば課題を解決する対策を検討することができますし、共通認識にすれば知恵を出す人が出てくるし、力を発揮する人材も発掘できます。
そこで、勝山市が事業化のこの調査と検討を早急に行う考えはないか、市長の見解を伺います。
○副議長(帰山寿憲君) 前田農林部長。
(農林部長 前田 茂君 登壇)
○農林部長(前田 茂君) 勝山市が再生可能エネルギー発電に取り組むことについてのうち、農業公社の農地集積事業の活用についての御質問にお答えします。
農地を転用することなくメガソーラーなどを設置することにつきましては、耕作放棄地など農地の有効活用として期待される反面、特例の適用の考え方の整理などの課題も多くあることや、多目的利用の糸口になるようなことが危惧されています。その一方で、勝山市農業公社は農地を自分で耕作できない人の情報を集め、その情報をもとに各地域の認定農業者などの担い手にあっせんし、両者合意のもと利用権の設定を行っています。
議員の御提案は、公社が農地として引き受けてもらえない農地をメガソーラーの用地としてあっせんすることで、費用負担の少ない土地を確保することができないかとのことですけれども、今後、具体的事例をもとに、さきの課題の検討を進めたいと考えています。
また、雪対策として農業用水を利用した水田の水張りの御提案についてですが、従来からの慣行による水利用、水利権の話ですけども、この課題もあることから同様に個別に議論を進めたいと存じます。
○副議長(帰山寿憲君) 平沢市民・環境部長。
(市民・環境部長 平沢浩一郎君 登壇)
○市民・環境部長(平沢浩一郎君) 勝山市が再生可能エネルギー発電に取り組むことについてのうち、事業資金の調達対策と事業化の検討と推進についてお答えをいたします。
太陽光発電の設置に必要な経費は、設置箇所の状況にもよりますが、仮に家庭用で屋根に4キロワットの発電能力の設備を設置した場合でも約160万円、産業用で50キロワットの発電能力の設備であれば約2,000万円が必要であるとされており、初期投資額が大きいことが導入する上での一つの課題になっています。
太陽光発電の設置に必要な資金を調達する方法として、県外の自治体で民間組織が中心となって市民からの資金をファンドによって集めている事例があります。その先進的な取り組みをしているのが長野県飯田市です。飯田市では、平成16年におひさま進歩エネルギー株式会社と飯田市の公益的協働事業として、市の所有する施設の屋根に太陽光発電を設置する事業を開始いたしました。飯田市から会社に1億6,000万円の補助金を出して南信州おひさまファンドを立ち上げ、太陽光発電設置のための市民出資を募り、それらの資金をもとに市内の施設に太陽光発電を設置してきました。
飯田市では、このファンドを立ち上げ運用できた要因を、20年間にわたる行政財産の目的外使用許可を実施したことで事業の安定性を確保し、市民ファンド事業の信用を確保したこと、さらにそれが市中金融機関の融資に当たっての信用確保につながったと分析しています。また、日照時間が長く積雪量も少ないことから、発電量が多いという地理的・気候的条件が恵まれたとも言われています。
飯田市では、その後平成19年に新たに民間のおひさまエネルギーファンド株式会社が設立され、市民出資エネルギー事業を全国展開して個人住宅への太陽光発電の設置も進めてきています。これらの事業を進める上では、市民出資、行政との連携、地元金融機関との連携全てをNPOが主体となってコーディネートしているということであります。
飯田市の事業を分析した自治体の資料によりますと、市民ファンドを集めて太陽光発電の設置を今後も進めるためには、今後の売電収入等の保証が100%あるわけではないので、そのリスク管理をしなければならないこと、また初期の事業には国の補助金が投入された側面があり、補助金がなくなると同様の事業が成り立つかどうか検討する必要があること等を課題として挙げています。
また、議員からお話のありました元本を保証するとなりますと、出資法に準じた対応が必要となりますし、市民ファンドを組織する場合、第2種金融商品取引業としての登録など、一定の専門知識が必要であり、核となる組織の構築、ファンド組織の準備、専門知識の習得に時間を要することも新たに取り組む場合の課題であるとしています。
新聞報道によりますと、ことし5月には資金管理が不適切であるとして、証券取引等監視委員会がおひさまエネルギーファンド株式会社に対して行政処分するよう金融庁に勧告する事案も生じていますので、運営会社の事業のあり方には十分配慮しなければならないと考えています。
また、飯田市の公共施設に太陽光発電を設置する際には、契約書に太陽光発電を設置した施設の建てかえや移転等の際には、契約継続に配慮するという規定が盛り込まれており、あらかじめ耐震性や防水工事との関係、さらに将来的な施設の使用計画など、設置に適した施設を慎重に抽出する必要があります。このようなことから、もしも広く市民から資金を集める組織を設置する場合には、出資者から信用される事業を構築できるよう十分研究し、準備を進めなければならないと考えています。
一方、民間の資金を生かして太陽光発電を設置するという手法の一つとして、越前市が実施した公募による屋根貸しでの太陽光発電施設の事例がございます。越前市は平成24年度に、公共施設屋根貸しによる太陽光発電設備普及事業を立ち上げ、民間事業者による太陽光発電の設置を募集したところ、対象とした九つの施設のうち五つの施設での設置が実現し、昨年から順次発電が始まっています。太陽光発電事業の実施には、その設置場所、日照条件、資金調達、そして当市においては積雪対策が重要な課題となっています。
これらの課題を整理する中で、飯田市のように広く市民から資金を集める手法や、越前市のように民間の資金を直接活用する手法など、その他の手法も含めた、どのように進めれば勝山市に適した事業として取り組むことができるのか、先進事例の情報収集や専門家の意見等もお聞きする中で、事業化の可能性について調査・研究を進めてまいりたいと思います。
○副議長(帰山寿憲君) 14番。
(14番 山田安信君 質問席登壇)
○14番(山田安信君) 次に、消費税8%の増税の影響と10%への増税について質問いたします。
4月に消費税を8%に増税した影響で、4月から6月期の国内総生産(GDP)が、1月から3月期に比べて6.8%大きく落ち込み、特にGDPの6割を占める個人消費は前期比5%も減り、比較資料がある1994年から20年間で最大の落ち込みになっています。しかも、8月28日に総務省が発表した7月の家計調査によると、1年前に比べ、6月は3%マイナスだったのに、7月はマイナス5.9%と、さらに消費支出の減少が大きくなっています。
アベノミクスは、金融政策の誘導で株価が上がって大企業や金持ちはもうかったものの、庶民は円安でガソリンが高騰し、消費税の負担がふえ、実質賃金は13カ月連続で減り、年金も減らされるなど生活を直撃しています。しかも、消費税増税による景気落ち込みを防ぐために、莫大な大型公共投資をばらまき、全国でも入札不調が続出し、勝山市でも新体育館建設で大幅に市民負担がふえてしまいました。
そこで市長は、アベノミクスで勝山市の地域経済は、どこに市民にとってよい効果があらわれていると考えているのか。また、どこに悪影響があらわれていると考えているのか見解を伺います。
安倍首相は、消費税増税は国の財政破綻の防止と社会保障の財源をつくるためという説明を繰り返してきました。一方で、トヨタ自動車の豊田社長が、「私が社長就任以来、ことし初めて法人税を支払った」と述べ、莫大な利益を上げ、内部留保をふやしてきたトヨタ自動車が、税金をこれまで1円も払ってこなかったことが明らかとなり衝撃が走りました。
ところが経団連は、さらに来年度から法人税を値下げせよと政府に迫り、安倍内閣がこれを実行しようとしていることに怒りさえ感じます。景気対策として自動車減税を実施して自動車産業を支援してきたのに、自分さえよければいいというような態度が許されるでしょうか。大企業には減税をし、庶民には増税する、これが安倍内閣の税制政策ではないでしょうか。
安倍首相は、景気回復には気持ちが大事などと発言していますが、庶民には、気持ちで浪費する余裕などない、これが実際ではないでしょうか。この状況で、8月以降に消費が回復する要素がどこにあるんでしょう。アベノミクスは完全に失敗をし、日本経済を消費不況の逆スパイラルに落とし込んでしまった可能性が高くなっています。
ところが、公明党の山口代表は、消費税の10%の増税は予定どおり実施すべきだと発言したと、マスコミが報じました。こんなことをしたら、今でも深刻な地方の経済は立ち直れなくなります。消費不況を拡大する消費税の10%増税は絶対に行わないように、地方の立場から声を上げるべきですし、アベノミクスで莫大な利益を上げた大企業や大資産家に、応分の負担を求める税制に切りかえるように提言すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
消費税の増税などは論外ですが、消費税を増税しなくても、今の消費不況を打開する景気対策が必要になっており、政府も政策の手詰まりもあって地方の努力を応援するとして、地域活性化・効果実感臨時交付金がこの9月補正予算で約9,000万円、勝山市に交付されました。勝山市は、これを一旦予定していた公共工事の財源として充てましたが、これで浮いた財源を勝山市の経済対策に使うことが必要です。
しかし、これまでのような公共工事のばらまきで景気回復を図るという政策は、既に完全に破綻していますから、ここは勝山市の知恵の発揮どころです。そこで市長は、この約9,000万円の財源でどのような景気対策を考えているのか、さらに今後、政府や県にどのような景気対策を提言していこうと考えておられるのか、見解を伺います。
○副議長(帰山寿憲君) 松村副市長。
(副市長 松村誠一君 登壇)
○副市長(松村誠一君) 御質問のありましたアベノミクスによる地域経済の効果についてお答えいたします。
第2次安倍改造内閣は、3日の初閣議で、東日本大震災からの復興加速や地方の創生、外交・安全保障の立て直しなど、7項目に取り組むとする基本方針を決定いたしました。その冒頭で、「日本は再び力強く成長できる。」「世界の中心で活躍できるとの自信を取り戻しつつある。」と述べる一方、「しかし、その実感が日本の隅々まで行き渡っているとは言えない、我々が進める改革はいまだ道半ばである」ことも認めています。
2013年の日本経済は、アベノミクスに沸きました。世界経済の持ち直しにも後押しされまして、円安による輸出品の競争力改善、株高を背景とする消費マインドの改善、緊急経済対策による公共投資の拡大が景気回復を意識させ、翌年度などの国税収入増にもプラスとなりました。2014年は、消費税率引き上げが影響して、経済指標などはマイナスにシフトする場面も見られましたが、政府の財政支出拡大などで、現在、国はデフレ脱却とプラス成長を目指しております。
そして、今の地域経済に目を向けますと、北陸財務局福井財務事務所が7月に発表いたしました福井県内経済情勢では、県内経済は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が見られるものの、緩やかに回復しつつあると分析。個人消費についても、緩やかに回復しつつある。設備投資についても26年度は増加見通しとなっているとしていますが、住宅建設は全体では前年を下回っている。新設住宅着工戸数は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動によりまして全体では前年を下回っている。公共事業においても、全体では前年を上回っている。生産は横ばいとなっているとしており、まだ景気が好転しているとは言いがたく、回復基調に向けて道半ばであります。
一方、企業収益は26年度は減益見通しとなっているとし、企業の景況感では全産業で「下降」超に転じているとして、民間企業の中でも楽観視できない状況にあると思われますが、雇用情勢は改善しているとして有効求人倍率は上昇、新規求人数も前年を上回っていることから、よい兆しも見えるとされています。
しかし、地方への効果が遅い、景気のよさが感じとれないとされる原因には、やはり中央集権的な日本の行財政制度と同じく、企業のシステムもまた本社機能が東京に集中していることが起因されると考えております。雇用、賃金など地方と中央の格差是正が求められますし、国は太平洋側の今後の震災リスクなどもありまして、企業を地方へ移転する施策の検討に入りましたが、元気な地方創生には、ひとづくり、しごとづくりが不可欠でありまして、国は人口の偏在是正など構造的な課題解決に取り組む必要があると感じております。
そして、国の経済対策や改革をより効果的に実現するためには、私どももまた全国市長会などで議論を深め、地方から真摯に提言していくことでより地方創生の早期実現に寄与したいと考えております。
次に、10%への増税は反対すべきについてお答えいたします。
消費税率の引き上げについては、平成24年8月に可決、成立した「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」及び「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律」により、消費税率が本年4月に8%となり、来年の10月には10%に引き上げることが明記されております。
増税は国民に新たな負担を求めるため、個人消費の落ち込みによる景気への影響が心配されますが、一方で、この消費税率の引き上げによる増収分の使途については、年金、医療、介護、少子化対策のためのいわゆる社会保障4経費に充てるものとされ、社会保障の充実・安定と、そのための安定財源確保を目的とする待ったなしの財源でもあります。増税に対する慎重な議論を重ねるとともに、財政再建もまた経済対策を支える屋台骨であることを認識していく必要があります。
次に、御質問の地域活性化・効果実感臨時交付金についてお答えいたします。
国の25年度補正予算により、平成26年度当初予算に計上する予定でありました建設事業を平成25年度に前倒しして、早期発注による経済効果の即効性に加え、前倒しする事業費のほとんどが国庫補助金と交付税措置のある市債で賄われることにより、市の負担の軽減と地域経済の波及効果を目的として実施されました。
さらに、国の補正予算により前倒しした事業費から、国庫補助金などの特定財源を控除した市負担金分に対して、財政力指数に応じた率とこれまでの行財政改革に取り組んできた努力に応じた加算率を合計した27.9%分の8,998万2,000円が、地域活性化・効果実感臨時交付金として交付される予定です。
交付金の使途については、今定例会の補正予算案に上程しており、この交付金につきましては、適債性のある普通建設事業にしか充当することができませんので、具体的には、当初、事業費の財源として起債を充てることにしていた事業のうち、交付税措置のない起債を充当する事業に今回の交付金を充当して、少しでも起債を減らすことにより将来の勝山市の健全財政に資するものと考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 14番。残り時間は短くなっております。
(14番 山田安信君 質問席登壇)
○14番(山田安信君) 健全財政のために9,000万円を使ったというだけでは済まないと私は思います。景気対策で今後、健全財政にしたこの9,000万円をどう使うかということが必要だということを、これは予算委員会等でもまた指摘をさせていただきます。
最後に集団的自衛権、時間がありませんので簡単に述べます。
市長は、5月にマスコミアンケートで、立法府による憲法9条の改正ではなくて、行政府の解釈だけで認めることは立憲主義にそぐわないと答えられたようで、私たちも地方自治の立場から評価しています。
さらに、この個別的自衛権と集団的自衛権の決定的な違いは、日本への武力攻撃がなくても他国のために世界中で武力行使をすることにあります。安倍首相は、これまでと何も変わらないと言いわけしていますが、その場しのぎの言いわけなどは通用しません。しかも、自民党の石破氏は、「国を守ることが意に反した奴隷的な苦役だというような国は、国家の名に値しない。徴兵制が奴隷的な苦役だという議論にはどうしても賛成しかねる。」と述べており、憲法9条の解釈を勝手に変える勢力が、憲法18条の解釈を変更しないと誰が保障できるのでしょうか。石油や地下資源などの経済権益のために命をかけることを拒否したら、国賊と言われて投獄され虐殺される、そんな国に舞い戻る戦後レジームからの脱却などまっぴらごめんです。
さらにこの武力行使には、安倍首相は、石油の供給や日米関係に重大な影響がある場合でも武力行使があり得ると答弁しております。安倍首相は、武力行使は限定的などと説明していますが、一旦戦争になったら、日本の都合で限定的にとめられる保障などありません。そこで市長は、この集団的自衛権行使容認の閣議決定には、この立憲主義の問題以外にどのような問題があると考えられているのか、見解を伺います。
さらに、自衛隊への高校卒業予定者の名簿は、どんな項目を提供し、どんな形で提供しているのか説明を求めます。私は、こんな提供はやめるべきだと考えますが、少なくとも本人や保護者の同意を得るべきだと考えますが、見解を伺います。
○副議長(帰山寿憲君) 松村副市長。
(副市長 松村誠一君 登壇)
○副市長(松村誠一君) 集団的自衛権行使容認の閣議決定についてお答えいたします。
安倍内閣は、7月1日の臨時閣議で集団的自衛権の行使を容認するために憲法解釈を変える閣議決定をいたしました。
首相は、「現行の憲法解釈の基本的な考え方は何ら変わることはない。」と述べていますが、これまで歴代の内閣は、長年にわたり一貫して憲法9条の解釈により、我が国が直接攻撃された場合の個別的自衛権は認め、集団的自衛権は禁じるという解釈を示していたため、今回の閣議決定で憲法の改正は行わないまま、これまでの解釈を根本から見直すことは国民の理解を十分に得られるのかどうか懸念されるところでございます。
我が国は、過去において悲惨な戦争を経験しております。このような悲劇を二度と繰り返さないためにも、日本は国民の安全と平和を維持し、また平和国家として世界に貢献することが重要であると考えております。平和を願う国民の理解が得られるよう十分に議論し、平和主義の原則が恒久的に維持されるよう願うものです。
次に、自衛隊の高校卒業予定者の名簿提供についてお答えします。
自衛官募集に関する事務については、自衛隊法第97条及び自衛隊法施行令第120条並びに住民基本台帳法第11条の規定に基づき、自衛隊大野地域事務所から入隊適齢者について住民基本台帳の閲覧請求があった際には、住民基本台帳法の閲覧規定に基づき、その氏名、生年月日、男女の別及び住民の4情報について閲覧のみさせ、名簿の提出は一切行わず、手書きにより転写をしていただいております。
○副議長(帰山寿憲君) 14番。
(14番 山田安信君 質問席登壇)
○14番(山田安信君) 以上で質問を終わります。
○副議長(帰山寿憲君) 次に、下道惠子君の質問を許します。
○副議長(帰山寿憲君) 2番。
(2番 下道惠子君 質問席登壇)
○2番(下道惠子君) 2番、かつやま龍馬の会、下道惠子でございます。議長のお許しが出ましたので、これから5件を質問させていただきます。
1項目め、婚活支援の専門課増設について。
全国的な人口減少が言われておりますが、結婚しない、または何らかの理由で結婚できないという生涯未婚率がふえてきていることも要因の一つです。
勝山市では、男女の自然な出会いの場を創出するために、福祉・児童課のくろすかつやま事務局において、男女出会いの交流イベント事業を毎年されています。ことしも「ほやほや来ねんの、かつやま2014」と題して、先日の9月6日から7日と野菜収穫や乳搾りを実施されています。また結婚相談室では、相談員10名の方が相談を受け付けしていて日々御苦労されているようです。しかし、人口が年々減少する現状におきまして、行政だけでなくもっと市民を巻き込んで、勝山市全体で本腰を入れる時期が来ているのではないでしょうか。
例えば、富山県の南砺市では、3年前に「婚活応援団・なんとおせっ会」という会を、市民を含む116名で結成しました。市長さんが会長、議員も会員になっているそうです。そして、ことしの4月に婚活と定住促進の課ということで、南砺で暮らしません課という課を増設しました。増設したきっかけを担当の方にお聞きいたしました。南砺市では、以前より「婚活倶楽部なんと」という25歳以上から50歳未満までの独身男女が入会できる、入会金・年会費も無料の安心な結婚相談あっせん倶楽部がありました。その倶楽部の主催で平成24年にTBSテレビにおいて、ナインティナインのモテナイの南砺市でお見合い大作戦という番組に参加。婚活倶楽部に入会している南砺の男性と、全国各地から集まった本気で結婚したい花嫁候補の女性たちとが、大集団お見合いをしました。そこで17組のカップルができ、うち2組が結婚できたそうです。たった1日での成果では、2組はたくさんだったですね。
そこで、それならと婚活だけを扱う「婚活応援団・なんとおせっ会」という会をつくり、本格的に婚活を支援していくことにしたのだそうです。そして、以後この集団お見合いを毎年、南砺市独自で企画、昨年も14組のカップルができ、2組結婚しています。加えて、相談員なんとおせっ会さんの日々の大事な活動ですが、「写真お見合い会〜縁結び会議」といいます。縁結び会議とは、なんとおせっ会さんがお勧めの独身男女の身上書、お見合い用写真を持ち寄って、それから代理人となってお見合いの交渉を行うものです。ことしの8月24日の会議では、13組が写真お見合いをしました。まだその後の結果は出ていませんが、おつき合いしているカップルもいるようで、その成果は期待できそうだと言われておりました。
この活動を始めてから昨年の7月で38組が成婚を達成し、目標を48組としているところで、この専門の課を増設したということです。それで、勝山市も南砺市のように市全体で独身男女の支援をすべきと思い、婚活支援の課を設けたり、相談員さんも10名から少しふやしたらいいのではないかと思いましたが、市のお考えをお伺いいたします。
次の項目、2番目、「認知症」の理解度を深める徘回模擬訓練について。
今、全国で認知症の方は約460万人と言われています。そんな中、認知症のある高齢者の徘回が問題になっています。施設に入所していても、介護士がちょっと目を離したすきに外へ出てしまったり、在宅介護で家にいて、家族の買い物に行った留守中に出ていってしまったり、そしてそのまま自宅に帰れず行方不明になる方もふえています。また、側溝に転落して亡くなられたり、冬季では凍死したりする悲しい事故もたまにニュースになったりします。
警察に通報して見つかった本人の話を聞きますと、ただ目的もなくさまよい歩いていると思われがちですが、そうではなく、その人なりのちゃんとした理由があるのです。例えば、野菜をとりに畑に行ったが、帰り道がわからなくなったとか、定年退職したんですけれども、会社に行くと言って出てきたが、会社がわからずうろうろしていたなどと、本人にとっては朝であろうと、夜中であろうと、それが現実の世界であって、真剣に目的のために外へ出たのです。ということは、帰り道がわからなくなった時点において、もしも誰かが不審に思い話しかけてあげたりして気づいてあげれば、もっと早く施設や自宅に帰ることができるのではないかということがわかってきました。
全国には、安心して徘回できるまちを目指して、自治体で一般市民を巻き込んで徘回模擬訓練をしている地域があります。この福井県では、敦賀市だけなんですが、昨年10月24日に本町1丁目自治会の協力で2回目の訓練をしました。
訓練では、まず地域包括支援センターの職員さんから、認知症の理解と対応の仕方を学びます。それから、町内に散らばって歩きます。そして、認知症高齢者役の方がうろうろと歩いているのを見つけたら、声かけ体験をします。声かけと簡単に言いますが、これがなかなかすぐにはできないものです。あの人の行動が何かおかしいなと目配りする意識と、声をかける勇気が必要です。また、正しい声かけをしないと、認知症の方を心配させたり怒らせたりしてしまいます。徘回時の本人の気持ちに配慮した声かけや見守りができるように訓練します。
・・・・家族が認知症ということを世間に広めたくないため、本人を家に閉じ込めて表に出さない、そんな家庭もあると思います。自治体を挙げて訓練をすることは、家族を安心させることにもなります。今まさにこのような活動が大切なのではないかと思いますが、市のお考えを伺います。
3項目め、「足こぎ車椅子」の導入について。
足こぎ車椅子とは、従来の車椅子の足元に自転車のようなペダルがついていて、軽く踏むだけで車体が動き、自分の足で行きたい場所へ行けるという、今とても注目されている介護用の車椅子です。仙台市のベンチャー企業が開発して、販売展開に至っているところです。実は2年前に私もこれを知りまして、介護保険の対象になるかどうか健康長寿課に調べてもらったんですけれども、ちゃんと対象という結果が出ました。ただ、少々値段が高いこともありまして、なかなか普及していないとのことでした。
それがことしの7月、実は福井新聞にこの会社の概要と足こぎ車椅子の記事が出ました。それで、すぐに問い合わせをしまして、現物を持ってきてもらい乗ってみました。思ったより小型の車椅子で、本当に軽く、ちょっとペダルを踏むだけで動きます。そして、片足さえ動けば、もう片足も自然についてきて、両足でこいでいるような感覚があります。これにより、知らぬ間に歩行障害のリハビリをしていることになるのだそうです。
また、足はマジックテープのついたベルトで固定するので、途中ずれたりはしません。操作は片方の手だけで動かせる方向転換用ハンドルとブレーキで簡単にできて、狭い場所も小回りがききます。自転車というより三輪車に乗っている感じです。風に乗って走っているという感覚だとありましたけれども、本当にそのとおりです。
この足こぎ車椅子については、人間の自然に備わった反射行動の一つで、体が不自由でも座れば自然に足を動かしてしまうという習性を利用しています。実際に脳梗塞の後遺症で寝たきりだった人に乗ってもらったところ、現在は自分で買い物をしたり旅行をしたりできるようになったそうです。
これまでの車椅子は移動機器でしたが、これは障がいのある足を積極的に動かすことで機能の回復が期待できる最先端のリハビリ機器と言えます。足は使わないと能力が低下しますし、筋萎縮などにより動く足でさえも動かなくなります。それを回復させる足こぎ車椅子は、今までの常識を破った介護機器です。リハビリをしても自分で歩けないと思い込んでいる方にもう一度希望を与え、新しいことにチャレンジする勇気をくれる足こぎ車椅子を市で導入し、施設で利用してもらったり、個人の方にレンタルできるようにできたらと思いますが、市のお考えを伺います。
4項目め、中学校の職場体験の事前学習について。
市では、中学生で職場体験をするのは授業の一環として以前より続けられていると思います。保育園で保育士の体験だったり、和菓子店でお菓子製造の体験、または市内の織物会社にて機織りの体験など、いろいろ受け入れてもらっていると聞いていますが、まず学校として職場体験の前に生徒たちに対してどのような事前学習をして体験に臨ませているのかをお聞きします。
昨今、全国的に有名であっても、例えば賃金が高く大きな会社であっても実はブラック企業であるという事実が、最近テレビや新聞で報道されています。ブラック企業とは、若者を初め労働者を過酷な労働時間で休みもとらせず働かせ、使い捨てにする企業です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・入社した際には、将来を期待した会社だったはずです。会社の中身をよく調べず、単に給料が高いからという理由で仕事先を選んではいけないということを早くから教えておくことが、これからは必要になってきたのではないでしょうか。
また、勤務時間や年休など労働条件は確かなものかなども、高校生になってからでは、現在ほとんど進学校が多い中、大学へ入ることが先決になって、就職に関する知識はどうしても後になるのではと思いますので、中学校から教えておくとよいと思うのです。
また、性別を理由とした差別がないかどうか確認することも必要です。育児・介護休業法の規定に沿っているかどうか、出産や子育てによる理由で退職などの風習がないかどうかなど、家庭を持った女性に対する不利な条件がついていないか、その職場に理解があるかどうかなども調べることも、女性にとっては真剣に考えるべき内容です。
このような、実際に就職するための知識を体験学習の際にもう少し内容を詳しく学ぶ必要があると思うのですが、教育委員会、市としてのお考えを伺います。
5項目め、最後になります。勝山市の観光を経済活性化につなげる取り組みについて。
平成26年度8月現在の恐竜博物館の入館者数が、累計約40万人を突破したと発表になりました。このままいくと80万人になるような勢いもあります。
なぜこんなに伸びたのかと博物館の方にお聞きしてきましたが、まず、県が恐竜に力を入れまして、あちこちで宣伝していることもあります。行く行くは100万人構想を立てていることでも、これからの力の入れぐあいの行方を感じるところです。
そして、昨年の「恐竜を掘ろう」の映画や、子どもたちに人気のある「獣電戦隊キョウリュウジャー」の映画による影響も確かにあったそうです。こんなにはやっている恐竜博物館が勝山の敷地にあるため、他の市の方々の目には必ずと言っていいほど、恐竜博物館イコール勝山市の観光の目玉であり、市の経済がすごく潤っているんだろうというふうに思われているみたいですが、現実はそうでもありません。
5月の連休や夏休みに恐竜博物館に来る観光客は、多くが家族連れで子どもが主役です。恐竜博物館以外には興味がないことが多いと思うのです。だから、なかなかまちなかまでおりてきません。ですから、まちなか誘客の原点をもう一度見直してみる必要があると思います。
経済を活性化するためには、観光客にお金を落としてもらう方法を考えねばなりません。例えば、町の中で恐竜のグッズを売っているお店がありませんかと聞かれたらどこを御案内しますか。少しならゆめおーれ勝山で売っています。恐竜博物館の中では、恐竜グッズが店内いっぱいに並べられています。結構高価な恐竜のフィギュアがどんどん売れているのです。そして、恐竜博物館のレストランのメニューを見ますと、DINO恐竜の巣カレー、化石発掘オムハヤシライス、きょうりゅうランチなど、ほとんどが恐竜メニューです。こんな楽しいお子様向けのメニューを準備しているお店がまちなかに欲しいと思うのです。勝ち山おろしそばや勝ち山ボッカケ、どちらも大人向けです。子ども目線のメニューとかを考えてみたらどうでしょうか。
そして、またこうしたお店をふやしていくことによって、まちなかに家族連れが目を向けるのではないかと思います。これから、こうした恐竜のメニューやグッズの販売などについても提案していき、経済活性化を図るべきと思いますが、市のお考えを伺います。
これで1回目を終わります。
○副議長(帰山寿憲君) 竹内健康福祉部長。
(健康福祉部長 竹内富美子君 登壇)
○健康福祉部長(竹内富美子君) 婚活支援の課の設置と結婚相談員の増員についてお答えいたします。
まず、結婚相談員について御説明いたします。
勝山市においても、結婚相談員10名の方々が毎週木曜日に相談に応じています。最近の傾向としては、夜間相談に本人がみずから相談に訪れる件数が多くなり、相談者のメンタル面も含めて丁寧に相談を受けています。また、相談室での来所相談だけでなく、電話相談、独身の方がいるお宅に訪問したり、相談に来られた方に似合う方がいないか探して歩くなど、ことし4月から8月までに20件のお見合いを実施いたしました。
また、勝山市の相談員は、相談員間で相談方法の研修会を開くなど自己研さんにも励んでおり、相談員間の情報交換会で縁結び会議のようなものは、以前から県内や奥越管内で相談員により実施しており、まさにおせっかいさんとして活動いただいております。その地道な活動の結果、今年度は2組が結婚しました。また、現在交際している方もいるように報告を受けております。
人口約5万4,000人の南砺市の相談員は登録者が116名のようですが、実質活動者は20名程度であり、情報交換は周辺の市町村に相談員の制度がないために、市の相談員のみで行っていると南砺市の担当者からお伺いしました。人口規模と比較して、南砺市の実質的な相談員の数と勝山市の相談員の数を比較しても同等数と考えられます。単に相談員をふやすことで相談者の個人情報が流布しないか、また相談員としての資質が確保できるか、現在の10名の相談員を確保するのも難しい中で、果たして新たななり手がいるのかなど課題があります。したがって、まず現状の相談員の資質をより向上させたり、相談者がより相談しやすい環境をつくること、情報交換会の場の工夫などが重要と考えております。
次に、婚活支援の課設置の市の考え方についてお答えします。
現在、福祉・児童課社会福祉グループが結婚相談事業を担当しております。結婚相談事業が主業務の担当職員として嘱託職員を配置し、イベント企画や相談員の研修・交流会の段取りを行っております。この担当職員が婚活イベントの参加者に、まさにおせっかいであるアフターフォローをしております。当市が行っているアフターフォローができる少人数参加型のイベントを今後も継続的に実施してくことが、成婚件数をふやしていく方法であると考えております。
したがって、現状でも主業務の担当職員を配置しており、若者世代の定住促進、そして子育てしやすい環境を図るために市役所全体で施策を実行しており、新たな課を設置するより各課連携をとりながら、今後も婚活への支援をしていくことが重要であると考えております。
次に、認知症の理解度を深める徘回模擬訓練についてお答えします。
初めに、認知症高齢者の勝山市の現状は、平成26年4月1日現在1,086人で、高齢者のおよそ10人に1人の割合となっており、年々その数はふえております。そのような中、市では平成26年度より新たに物忘れ検診や物忘れ相談会を実施し、認知症の早期発見と早期対応ができるよう支援しております。
認知症の理解度を深めるための普及啓発としましては、認知症サポーター養成講座を開催し、小・中学生を含めた市民の方を対象に寸劇を交えて講座を開いており、平成26年6月末現在で延べ869人、認知症サポーターを養成しております。今年度は、ミュージカル劇団ドラゴンファミリーによる認知症劇の制作と公演も予定しております。また、地域においては、自主防災組織や地区と連携し、高齢者の見守りや認知症に関する講座を開催し普及啓発に努めております。
平成25年11月には、市内6事業所、1協会と「地域見守り活動協力に関する協定」を結ぶとともに、市の水道の検針員と連携し、地域の見守り活動を実践しております。平成25年度は事業所より6件の連絡があり、地域包括支援センターが訪問し、安否の確認や相談に当たりました。
行方不明高齢者の捜索につきましては、現在、県が広域的な情報共有のあり方を検討しておりますので、市としましてもこれに合わせて、市の見守りネットワーク体制を検討していく所存です。徘回模擬訓練につきましては、地域や事業所等の見守り活動の高まりの中で検討していきたいと存じます。
次に、「足こぎ車椅子」の導入についてお答えします。
介護保険制度において、車椅子のレンタルは必要な方には1割負担で利用できるようになっており、議員御提案の足こぎ車椅子についても、介護保険制度のレンタルの対象品目となっております。購入すれば20万円から30万円と高額なものになり、メンテナンスの費用も別途かかりますが、介護保険制度のレンタルを活用すればメンテナンスも込みで1カ月1,500円程度となります。市としては、購入まではできませんが、高齢者の集まる場などで福祉用具業者と連携して、足こぎ車椅子の紹介などできる機会を設定できないか検討してまいります。
○副議長(帰山寿憲君) 梅田教育長。
(教育長 梅田幸重君 登壇)
○教育長(梅田幸重君) 中学校の職場体験に関する御質問にお答えいたします。
勝山市では、三つの中学校の2年生が合同で、例年10月下旬に3日間、“地域に学ぶ「14歳の挑戦」”という名称で職場体験学習を計画・実施しております。近年、およそ80から90カ所の事業所に受け入れの御協力をいただき、生徒はその中から自分が体験したい職種を選び、3日間の体験学習を行っているところであります。
この職場体験学習のねらいは、働く方々の勤労を重んじる姿勢や態度に触れる中で、働くことの意義やとうとさ、そして社会で必要となる礼儀や規律ある態度を学ぶことにあります。地域の方々から直接体験を通して学ぶこの機会は、中学校3年間を通したキャリア教育の中で欠かすことのできない大変重要な実践となっております。
その事前学習といたしまして、1年生時には職業調べと職場見学を行います。生徒自身が興味を持った職業について調べ、学年の仲間と発表会を通して意見を交換することで、職業に対する考え方を深めます。その上で、保護者が勤める職場等で1日程度の見学を行います。
そして2年生になると、地域に学ぶ「14歳の挑戦」に向けた具体的な事前学習に入ります。勝山市にはどのような産業・企業があるのかを調べ、勝山市の多様な企業の活動を学びます。その後、自分が体験したい職場を選び、自分がお世話になる職場ではどのような資格や技能が必要なのかなども調べるとともに、社会で必要とされる礼儀やマナーについても学びます。
そして、この3日間の体験を終えた後には、そこで身をもって学んだ内容について各自がまとめ、学年で発表会を開き、お互いの経験を共有することでさらに学びを深める活動を行っております。同時に、お世話になった職場の方々へ実際にお礼状を書くという学習も行っております。また、生徒たちは職場体験学習を通して正しい勤労観や職業観の基礎を身につけるだけでなく、自分の
ふるさと勝山市にはすばらしい企業があるということを学習するという効果も出ているところでございます。
このように、勝山市の中学生は地域に密着した体験的な職業学習を系統的・組織的に行っているところであります。その上で、3年生になりますと、将来の職業選択の基礎となる学習として、社会科公民の授業の中で働くことについてさらに踏み込んだ学びを展開しておりますので、議員御指摘の幾つかの点につきましては、この授業の中でしっかり教えて込んでいく必要があろうと考えております。
今後も教育委員会といたしましては、関係者の御協力をいただきながら、子どもたちがさまざまな貴重な学びを得ることのできるこの職場体験学習に力を入れていきたいと考えている次第であります。
○副議長(帰山寿憲君)
水上商工観光部長。
(
商工観光部長 水上実喜夫君 登壇)
○
商工観光部長(水上実喜夫君) 次に、勝山市の観光を経済活性化につなげる取り組みについてお答えいたします。
勝山市
ものづくり技術・
研究開発支援事業では、恐竜及び恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークをメーンテーマとする事業については、平成23年度から補助率を従来の2分の1から3分の2に引き上げ、事業者の皆さんの創意工夫による恐竜関連商品の開発・販売をバックアップしております。
これまでにこの事業を活用した事例は、恐竜GAOバーガー、勝ち山ボッカケ、恐竜ようかん等があり、これらの商品につきましては、現在も個々の店舗やイベント等に出店して販売されております。今年度は、新たにグッズ関係で恐竜柄のキルト刺しゅうの子ども向け衣服や恐竜プリントのバッグ類の製造販売の申請があり、市場調査を行いつつ夏のイベントに出店し、販路開拓に努めている事例もあります。市といたしましては、今後も商品の開発・販売は事業者の意欲と創意工夫を第一に考え、補助金制度の活用を奨励し、事業者を側面から支援してまいりたいと考えます。
また、市の経済活性化に係る取り組みでございますが、今年度、
勝山商工会議所が主体になり、観光産業アクションプラン協議会を立ち上げました。この協議会は、勝山の観光をビジネスとして捉え、売上拡大を図ることで消費・生産・雇用につなげるという観光の産業化に向けた取り組みを行うことを目的としております。協議会には、勝山市観光協会、JAテラル越前、市内の三つのNPO法人であります恐竜のまちかつやま応援隊、市民活動ネットワークかっちゃまHUB、まちづくり勝山が参画し、福井県おもてなし商業エリア創出事業による観光産業に関連する個店の改修などに一体的に取り組み、勝山市観光振興ビジョンに沿って観光戦略の推進による観光の産業化を目指しています。
このように、民間事業者や団体がみずからやる気と創意工夫により観光客を対象とした経済活動を行う機運が高まってきている中で、市といたしましても同協議会に参画し、商工会議所等関連団体と連携し、各種補助事業や融資制度の利用促進、国県事業等の情報提供、広報など、多方面から支援してまいりたいと考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 2番。
(2番 下道惠子君 質問席登壇)
○2番(下道惠子君) それでは、今ほど御答弁いただいたことに関しての私の感想などを述べさせていただきます。
まず、2番目の「認知症」の理解度を深める徘回模擬訓練から申し上げます。
この訓練は、各地で広がってきている訓練の一つなんですけれども、全国では行方不明者が1万人ほどいるそうなので、幸いなことに福井県におきましては、現在身元がわからない認知症高齢者はいないということなんです。ただ居所がわからなくて届け出を出されている人は、昨年1年間で79人いると警察の資料で挙がっています。うち7名は死亡確認されまして、あとの方々は住民らからの民間通報か、警察の職務質問でわかったということです。これは8月の福井新聞の記事に出てたわけなんですけれども。
それで、先ほどの敦賀市での徘回模擬訓練の様子などを担当課の方にちょっと伺ったんですが、地域包括支援センターの職員さんが徘回者役をしまして、頑固な認知症の人ということで市内をうろうろ歩き回ったそうなんです。それで地域の市民の方が見つけて声かけ体験をしました。体験した方に感想を伺いますと、本当に声かけをするときに勇気が要ると。ちゃんと答えてくれないと、もうどうしていいかわからないとか、会話が続かない、中には今までその場で見つけたこともあるんだけれども、迷って声をかけられなかったけれども、今回で自信がついたという方もいらっしゃったそうです。声かけと簡単に言うんですけども、本当に実際行うとなると難しいようです。
そして徘回者役の方、包括支援センターの方ですが、急に呼びとめられて行く手を妨げられると嫌な気分がしたとか、見ず知らずの人に根掘り葉掘り聞かれると答えたくないと思ったとか、訓練でありながらも聞き方によっては不愉快な思いをさせてしまうんだということがわかったそうです。やはり正しい声かけをしないと、認知症の方を心配させたり怒らせたりしてしまうことがあるようなので、訓練はしておいたほうがいいという御意見をいただきました。
また敦賀市のほうでは、徘徊等SOSネットワークという県内でも越前市と大野市と3市だけは構築している徘回時の緊急ネットワークを持っています。自治体、医療機関、警察、生活関連企業、家族などが連携してつくっています。もし徘回している人が出たり見つけたら、すぐにメール配信して、それぞれで探してもらうシステムだそうです。勝山市も地域見守り活動協定として、郵便局さんとか新聞販売店の方と連携しているということですのでまだ安心なんですけれども、もしこのような訓練もしたら、地域において認知症に対し理解度を深めていく上ではいいのではないかと思いまして提案させていただきました。今後御検討いただきたいと思います。
次、足こぎ車椅子のことですけれども、市内のある業者さんに聞きましたところ、私よりも早く取り扱われた実績がございまして驚きました。これも2年前に、私も何だろうと思っていたときに、この足こぎ車椅子のことを知られて、医療機器としては画期的なものだと思ったんだそうです。それで、早速1台、仙台から取り寄せて乗り心地を試されて、ある施設に行って、中を自由自在に動き回れるということでデモをされた。足のリハビリにもなりまして、この車椅子は寝たきりになりかけた方のためには本当に間違いなく喜んでもらえると確信されたそうです。
歩行障害を負って車椅子生活が基本となった人たちの多くは、足の筋肉を回復するために別の何らかの方法でリハビリを継続する必要があります。今までの車椅子は、どちらかというと移動するための機器でした。電動でないと1人では移動も困難です。在宅だと家族の手を借りるか、病院へ行くにはタクシーに乗らなければいけません。それが、この足こぎ車椅子は片方の足だけが麻痺している場合であればこぐことができまして、片方を動かすと完全麻痺している足の筋肉までもがついて動くのだそうです。
業者さんも早く皆さんにお勧めしたかったそうなんですけども、2年前には製品が国内でできないというか追いつかなくて、そのままになってしまったという話を聞いてきました。今回、このことで実はお話しまして、前向きに再度検討していただけそうなので、今後、ケアマネジャーさんを通して介護機器の中の一つである、足こぎ車椅子をレンタルできる日も近いのではないかと期待しているところです。
中学校の職場体験の事前学習についてですが、今説明がありましたように、まず職場体験の必要性ということを調べたんですけれども、文部科学省が言っているのは、生徒が直接働く人と接することによりまして、職業の実情をつかみながら望ましい勤労観、職業観を身につけるとしています。社会的ルールやマナーを会得することでもあります。学校での学習と実際の職場との連携によって、改めて親の仕事に対する理解や尊敬などが生まれます。また、地元への愛着心や誇りをも持つことができるのではと書いてありました。先ほどお聞きしたとおりだと思いました。
私が心配しておりました労働条件については、3年生で社会科の公民の中で職業的なこととか男女共同参画のことなども勉強するとも伺いましたので、本当に安心いたしました。中学生の時期として、仕事をする意味などを職場体験で皆さんに学びとってもらって、その後段階を踏んで現状をわかっていただきたいと思っております。
勝山市の観光を経済活性化につなげる取り組みについてですけれども、恐竜博物館の入館者数が最初のころ25万人だったんですけども、どんどん増加してきまして70万人、次は80万人を目指しているところで、2000年にオープンしまして14年目に入るんですけれども、勝山市民、私も含めてなんですが、恐竜のまちとして自覚してきたというのか、市民がうたってきたのは最近になってからのような感じがいたします。それでさっきもおっしゃった、やっと市民の皆さんの中で恐竜にちなんだメニューとか特産物、いろんなことを開発されてきてどんどんふえてきました。
私が気持ち的に焦るのかもしれませんけれども、国体までに間に合うのかなという心配もありましていろいろなことを提案させていただいたわけなんですけれども、開発も進めながら、そういう博物館で売っているようなものも市内にあれば、お店のメニューに加えてちょっと横に置いてもらうだけでも、家族連れを呼び込める可能性が高いのではないかなと思ったわけです。せっかくの恐竜博物館の観光客を市外に見送ってしまわないように早くキャッチして、勝山市の経済活性化を図る方策を立てていく時期だと思うのです。それには、前から言っております、計画も出ております恐竜の駅も一役買えるのではないかと期待しているところです。
最後になりますが、婚活支援の専門課の増設についてですけれども、先ほどの相談員の10名さんがすごく頑張っているということを伺いまして、いろいろな個人情報のこととかありまして、なかなかふやすのは難しいとお聞きしたんですけども、一つだけお伺いしたいのですが、南砺市のほうでは結婚相談あっせん倶楽部「婚活倶楽部なんと」という市がやっている結婚あっせん所に現在40名ほど登録されているということでした。勝山市では、何名の方が登録されているかお伺いしたいと思います。
○副議長(帰山寿憲君) 蓬生福祉・児童課長。
(福祉・児童課長 蓬生慎治君 登壇)
○福祉・児童課長(蓬生慎治君) ただいまの再質問にお答えします。
南砺市では、安心な結婚相談やあっせんをしてもらえるために、婚活倶楽部なんとで独身の男女が登録しているとのことです。勝山市では、その役割が結婚相談室であり、現在72名の方が登録しております。
○副議長(帰山寿憲君) 2番。
(2番 下道惠子君 質問席登壇)
○2番(下道惠子君) 南砺市の住民が5万人ちょっとありまして、こちらは2万5,000人で72名というとちょっと多いかなと私は思いまして、何とかいい御縁ができるように、その10名の相談員の方々、また市民を巻き込んでこれから頑張っていただいて結婚していただくと、人口もそれなりにふえると私は思います。
もう一つ、結婚相談室、夜もずっとやっていらっしゃるということ、それから最近、親御さんではなくて本人さんが依頼に来るということが結構多いともお聞きしましたので、その第2、第4木曜日にやっている結婚相談の日、それを広報とかホームページには出てはいるんですけれども、なかなか若い方が見るチャンスもないかと思いますので、例えばですが、チラシなどを各家庭に入れるとかもっと宣伝したらいいのではないかと思いました。そんなことも今後検討していただきまして、そして結婚相談員の10名の方々の今後ますますの活躍をお願いして質問を終わらせていただきます。
○副議長(帰山寿憲君) 暫時休憩いたします。
―――――――――――――――――――――――
午後 2時46分 休憩
午後 3時01分 再開
―――――――――――――――――――――――
○副議長(帰山寿憲君) 再開いたします。
○副議長(帰山寿憲君) 次に、松山信裕君の質問を許します。
○副議長(帰山寿憲君) 4番。
(4番 松山信裕君 質問席登壇)
○4番(松山信裕君) 創政会・公明の松山です。議長よりお許しをいただきましたので、質問させていただきます。
昭和29年9月1日、1町8村が合併して人口3万9,000人余りの勝山市が誕生いたしまして、大きな節目の市制施行60年の記念の年を迎えました。記念式典では、郷土芸能、中尾御夫妻のトーク、また各大使の皆さんのメッセージがあり、花を添えていただきました。きょうまでの60年の歩みを振り返り、先人に感謝し、これからも「小さくてもキラリと光る誇りと活力に満ちた
ふるさと勝山」を市民の皆さんと一緒につくっていきたいと思います。
それでは、私のまちづくりの三つのテーマ、住みやすいまち、市民がつくるまち、誇れる勝山ブランドから、コミュニティFMについて、自主財源確保、資金調達について、勝山市の防災関係について、計3つの質問をさせていただきたいと思います。なお、今回は一問一答でお願いしたいと思います。
まず、コミュニティFMについてお伺いいたします。
コミュニティFMとは、おおむね市区町村を単位とする小出力20ワット以下のFMラジオ放送局として、平成4年1月に制度化された地域メディアであると定義され、総務大臣の免許を受けて運用されている民間の放送局です。函館市のFMいるかが最初の事例で、その後、急速に普及が進み、平成26年4月現在、全国のコミュニティ放送局は284局となりました。
当初、コミュニティ放送は地域の情報化という目的で開設されましたが、今やその目的だけではなく、まちづくり、市民運動の情報交換の場となり、さらには災害時に不可欠の地域情報インフラとしても大きく注目されています。そして、地域の商業、行政情報や独自の地元情報に特化し、地域活性化に役立つ放送を目指しています。このようにコミュニティ放送は、地域社会の発展にとってまことに有用な存在となりつつあり、「防災および災害時の放送」、「地域密着」、「市民参加」がコミュニティ放送のコンセプトとなってきています。
コミュニティ放送局が注目を浴びて増加したきっかけは、平成7年1月17日未明に発生した阪神淡路大震災でした。そして、その後の新潟県中越地震においても注目を浴び、東日本大震災の被災地では、被災地にあるコミュニティFM局や臨時災害FM局が震災発生直後から情報の発信を行い、被災者の生活支援と地域の一体感を高めることに大いに貢献をいたしました。このように、「防災および災害時の放送」におきましては、緊急災害時において多重な情報提供手段と情報伝達手段を確保する災害FMの機能を果たすことができます。
二つ目は「地域密着」、平常時において地域のイベント、市役所からのお知らせなど地域に密着した情報をリアルタイムに提供し情報発信していくことで、地域の振興、地域産業の活性化を推進いたします。特に勝山市におきましては、観光情報と道路渋滞情報にも大いに寄与するものと確信いたします。
「市民参加」においては、暮らしに密着した生活関連情報、医療情報などの地域情報が共有でき、地域の人が必要としている情報が得られ、市民の福祉増進に役立てるとともに、豊かで安心なまちづくりの実現と町の活性化に大きな影響を与えると思います。
このようにコミュニティFMは、地域の特色を生かした番組などを通じて、地域のきめ細やかな情報発信のみならず、災害時や緊急時の情報提供手段の一つとしても有効なメディアであり、地域活性化に寄与するものと考えますが、防災、観光、まちづくりのそれぞれの観点からどのような見解をお持ちなのかお尋ねいたします。
また、平成26年2月に特定非営利活動法人市民活動ネットワークかっちゃまHUBが、勝山市におきまして初めての市民主導かつ参加型のNPOとして誕生いたしました。この法人は、勝山市民や来訪者に対して、勝山市を初め奥越前の魅力や旬の地域情報を発信する事業を行い、勝山や奥越前の魅力を十分に味わってもらうことでファンをふやし、訪れる人、住む人をふやすことに貢献し、地域社会の発展と活性化に寄与することを目的としています。そして、勝山市の魅力や情報を持っている「モノ・コト・ヒト」とその情報が欲しい「モノ・コト・ヒト」を、かっちゃまHUBが中心になり、つながるメディアを開設していきます。HUBは車軸の中心のことであり、つなげる働きを持ったものの意味だそうです。
現在は、勝山の魅力PR事業としての勝山組曲と市民活動ネットワーク支援事業を中心として活動されています。そして、防災、地域メディア創造事業として、コミュニティFMの開局を目指しています。これまでも、勝山情報の収集、発信、交流の活動を行っており、メディアとして月1回、現在は第1土曜日、11時から1時間の定期放送を、コミュニティFMであるたんなん夢レディオさんから放送し3年目になりました。また、インターネットでの生放送をユーストリームにして配信し、放送した動画はユーチューブにアップしてあり、いつでも見ることができます。この放送は市民の皆さんの参加型で行われており、楽しい地域密着の放送を発信し、スタッフの皆さんもボランティアで運営しています。現在、開局に向け、みずから資金を集める活動を行っているところです。
コミュニティFMの分類ではNPO型とされ、ほかには第3セクター型、純民間型の三つに分類することができます。また、設立基準の規制緩和が進み、法人格を有する企業者のほか組合など団体でも開局できます。放送義務は小規模事業者でも運用ができ、最近は安価な放送機器の流通や中古機材の流通によってコスト削減が図られ、イニシャルコストも抑えられるようになってきています。自力でインターネットラジオを運営されながら、コミュニティFMについても検討を進められてきたところ、いよいよ開局に向けて具体化に動き出されたと伺っております。開局の機運が高まってきています。
また、これからのまちづくりには、このように市民の皆さんが創設しましたNPO法人を育てることも必要と考えます。官民協働の役割ができるNPOはとても大事です。このような観点も踏まえ、市としてのかかわり、そして支援する考えはございますか、このことについて市の考えをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○副議長(帰山寿憲君) 山岸市長。
(市長 山岸正裕君 登壇)
○市長(山岸正裕君) コミュニティFMの開局支援についてお答えします。
コミュニティFMにつきましては、市内の特定非営利活動法人である市民活動ネットワークかっちゃまHUBが開局の準備をしていると伺っております。特定非営利活動法人市民活動ネットワークかっちゃまHUBは、勝山に新しい地域ネットワークをつくることを目指して、「勝山組曲」事業や市民活動ネットワーク支援事業を行っているほか、情報発信として月1回の放送をユーストリームによる動画でインターネット配信すると同時に、県内のコミュニティFMの先発組であるたんなん夢レディオで生放送を行っております。しかし、現状では市民への認知度がまだまだ十分でないと思われます。そこで、特定非営利活動法人市民活動ネットワークかっちゃまHUBの認知度を上げて、コミュニティFMに対して市民の関心を高めていく必要があると思います。
コミュニティFM開局のためには、事業主である特定非営利活動法人市民活動ネットワークかっちゃまHUBが、所管官庁である北陸総合通信局に向こう5年間のしっかりした経営計画を提出しなければ免許が認可されないためです。このことは、全国各地でコミュニティFMが多数開局している中で、一部の事業者が出資者の経営不振等により放送中止に追い込まれているという現状が背景にあるものと思われます。すなわち、一旦開局にゴーサインを出したものの、数年で放送ができなくなるようなことのないように、しっかりとした経営計画をつくることが求められているわけであります。この点は、中長期的なNPO育成の観点からも大切なことだと考えております。
勝山市といたしましては、コミュニティFMが勝山市の地域防災や観光などについて、どのように効果的に力を発揮できるのか及び経営計画と運営体制をどのようにしていくのかを見きわめて、その上で市としてその活用について検討していきたいと考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 大林総務部長。
(総務部長 大林市一君 登壇)
○総務部長(大林市一君) コミュニティFMについての御質問のうち、私からは地域防災の観点からの見解についてお答えをいたします。
コミュニティFMは、放送局の設置基準が緩和されたことにより、小規模事業者でも運営できるようになった放送局となっております。そのため、放送するための出力は最大20ワットと小さく、狭い地域での運用を目的としております。勝山市での運用を考えた場合、市街地、つまり平地部はほぼ全域をカバーできますが、山間部では電波が届かず放送が聞こえない地域が発生すると思われます。よって、市内全域に防災情報が伝達できないため、コミュニティFMのみに頼った防災情報発信は難しいと考えております。したがいまして、防災情報の発信媒体として防災行政無線、携帯メール、テレビ、ラジオ等のあらゆるメディアによる情報伝達手段を今後研究していく必要があると考えます。
○副議長(帰山寿憲君)
水上商工観光部長。
(
商工観光部長 水上実喜夫君 登壇)
○
商工観光部長(水上実喜夫君) コミュニティFMについてのうち、観光振興の観点からお答えいたします。
仮にでございますが、市内で地域に密着したコミュニティFMが開局されて、市内全域あるいは近隣の大野市、永平寺町の一部をエリアとしてさまざまな情報を提供していただけるとすれば、観光面では大きな効果が期待できると考えます。
具体的には、繁忙期における混雑が常態化している恐竜博物館や左義長などの大規模イベント時における駐車場の空き情報、あるいはスキージャム勝山のリフト稼働状況などを、観光客が目的地に向かう車両の中でリアルタイムに確認できるようになり、スペースに余裕のある駐車場への誘導や他の観光施設への周遊あっせんが可能となります。また、観光イベントや講演会の告知に活用することで、参加者の増加を図ったり、講演内容を放送することで多くの市民に対する情報提供が可能となり、地域活性化にもつながります。
また、FM電波による放送と同様の内容をインターネット網で同時に配信するFMサイマル放送を実施することで、市内の不感地帯対策と全国に向けた情報発信があわせて可能となります。ユーチューブなどを活用すれば、リアルタイムでの視聴に加え、バックナンバーの視聴による誘客、市民への告知についても期待できます。さらに移動放送車などの活用を図ることが可能であれば、近隣自治体も含めて観光地、観光イベント会場からの情報発信が可能となり、広域的な観光客の周遊に向けた新たな観光面での展開についても期待できると考えます。
○副議長(帰山寿憲君) 三屋企画財政部長。
(企画財政部長 三屋修一君 登壇)
○企画財政部長(三屋修一君) コミュニティFMのうち市民参加の観点についてお答えします。
コミュニティFMは、市民参加こそが重要なキーワードになっていくものと考えます。市民が積極的に参加することによって、コミュニティFM局との親密性が生まれ、地域のコミュニケーションが促進され、さらには市内の地域間連携にもつながるものと考えます。
県内外のコミュニティFMの成功事例を見ても、さまざまな市民参加の形がとられているようで、まちの活性化の役割を担っているようです。このように、コミュニティFMは大勢の市民の方がかかわることで、まちの活性化につながる可能性を持っているものであると考えています。
○副議長(帰山寿憲君) 4番。
(4番 松山信裕君 質問席登壇)
○4番(松山信裕君) 御答弁ありがとうございました。
まず、このコミュニティFM、かっちゃまHUB、本当に3年目になるわけですが、非常に努力されているNPO法人だと思っております。何よりも今、市長も御答弁いただいたように、彼ら、彼女たちもまず認知度を上げることが一番だとよくわかっておりまして、常にそういったことを心がけて活動をされておられます。
そしてまた、事業計画につきましては、いろいろと専門家の方々に御相談、そして御指導を受けながら、しっかりしたものを今進めていくということで、それを見ながら市のほうもできるところ、できないところ、はっきりと整理していただきまして、支援を考えて、現時点の段階ではこうですが、これからの活動いかんによってはいろんなことを考えていっていただきたいと思います。
そしてまた、今、防災、観光、まちづくりの観点から御答弁いただきました。
まず、防災に関しましては、本当にコミュニティFMを使った災害FMラジオ、これが非常に威力を発揮しておりまして、佐賀県武雄市におきましては、災害ラジオを配布しております。そうしたことによって、防災は防災で行けばいいんですが、もしもFMができれば、安心・安全の補完として十分に使えますし、広島県ではスピーカーももちろん整備しているんですが、そっちも使っていこうと。そして、それによりメールにおいては見なければいけない。そしてまた、スピーカーによっては聞かなきゃいけない。しかし、そのスピーカーも今はサッシが入っていますから、なかなか聞き取れないといった苦情を今、市民の皆さんからお聞きしております。それがきれいな音源で入ってくれば、非常に安心・安全の補完装置として働くと思います。
そして、災害FMの最大の特徴は、災害が起きてこちらから放送したいときにオンになってくれるんですね、寝ていても。それによって皆さんに確実に情報が伝達できる、そういったことでFMは東日本大震災以降、いろいろな市で使われているというのが現状でございますので、そういった面からも一度しっかりと考えていただきたいと思います。
そしてまた、観光の面、これは言うまでもなく恐竜博物館、夏休み、そしてゴールデンウイーク時の非常な渋滞です。これからも高速がつながり、例えば鹿谷インターの下でコミュニティFM局かつやまの幾つに合わせてください、そうすれば道路情報または観光情報が聞けますよということをしておけば、結構聞いてくれると思うんです。そして、それによって交通渋滞の緩和、そしてまちなか誘客の大きなコンテンツとなるのではないかと期待しております。
そしてまた、まちづくり、今部長おっしゃっていただきましたが、市民のこの今からのまちづくり、そういった面には、もしもこのFMがあれば、いろんな使い方ができて、皆さんも参加ができる。そういったことによって、地域固有の情報がしっかりと伝達できる、これは今からの21世紀のコミュニティ、まちづくりにおいては必須だと私は思います。
まだまだいろんな面でお話ししたいのですが、今の段階でできること、できないこと、そしてかっちゃまHUBさんにもこれからの計画をしっかりと練っていただき、一つ一つ問題をクリアしながら、皆さんと一緒に協働して進めてまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。
次に、自主財源確保、資金調達についてお伺いをいたします。
現在、全国の地方公共団体の多くが財政難の状況に追い込まれている中、本市も例外なく財政難の状況が続いています。そんな中で勝山市もみずからの身を切る思いで行政改革に取り組んでおります。平成25年度から第2次勝山市行財政改革実施計画に沿って、行革のさらなる取り組みを推進し、経費の節減などに積極的に取り組んでおります。
今後においても、超高齢化社会と人口減少による急激な社会経済情勢の変化が見込まれ、住民ニーズの多様化・高度化、地方分権の進展などの行政需要はふえ、ますます税収の財源確保が困難になってきます。その対応のために、税収以外の自主財源の確保を考えていかなければなりません。
まずそこで、クラウドファンディングの活用についてお伺いします。
クラウドファンディングは、不特定多数の人からインターネット経由で資金を集める行為で、クラウドというのは群衆、大衆のことです。ファンディングとは資金調達という意味で、それを組み合わせた造語であります。ものづくりや音楽、映画、社会貢献などのプロジェクトを実現したい市民や団体は、クラウドファンディング事業者のサイト上にプロジェクトの内容や目標金額、募集期間等を投稿し、ソーシャルメディアを通じて全国の支援者に支援を呼びかけます。プロジェクトの内容に賛同した全国の支持者は、インターネットを通じクラウドファンディング事業者に支援金を振り込みます。プロジェクトを実行するために必要な資金をネット上から集める仕組みです。寄附と異なっているのは、数千円から数万円の出資額に応じてプロジェクト事業者から支援者に振り込んだ支援金の額に応じた一定のものや何らかのリターンがあることです。
クラウドファンディングは、資金提供者に対するリターンの形態によって大別されます。金銭的なリターンのない寄附型、金銭リターンが伴う投資型、プロジェクトが提供する何らかの権利や物品を購入することで支援を行う購入型があります。日本においては、資金決済に関する法律等によって個人間の送金や投資が制限されていることから、購入型のクラウドファンディングが普及しています。
資金配分方式には、即時支援型、プロジェクト等の目標金額に達しなくても、集まった支援金は起案者が全部受け取ります。また、All or Nothing型、募集期間内に目標金額に達するとプロジェクトが成立し、支援金が起案者に対し支払われますが、設定した目標金額が集まらなければ支援金は決済されず、1円も挑戦者に入ってこない資金配分方式です。名前のとおり、AllかNothingなわけです。この二つがありますが、我が国では不十分な資金調達ではプロジェクトの遂行が難しくなって、支援者のリターンも不可能になるとの考えから、All or Nothing型を使用しているプラットフォームが多いです。
今、自治体主体のクラウドファンディングにより資金調達が始まっています。鎌倉市は、平成25年11月に全国で初めて観光施策整備事業「かまくら想い」プロジェクトとして観光ルートの案内版の設置費用をクラウドファンディングによる資金調達を行い、多くの鎌倉ファンの応援によりまして22日間で目標の100万円を集めました。
この事業は、鎌倉市を訪れる方々により快適に、より楽しく観光していただけるよう、ジャスト・ギビング・ジャパンを通して、鎌倉が好き、鎌倉を応援したいと思っていただける鎌倉ファンの皆様からの寄附を募り、10カ所に観光ルート板を設置するプロジェクトでした。このルート板を設置するには1基約10万円が必要で、1口1万円を募り、寄附していただいた方のお名前を新設するルート板に刻むという鎌倉市の取り組みでした。
ほかには大阪市のベンチャー企業の創出、中小企業による新規事業展開の支援などや、夕張市のグラウンドの芝の張りかえなどが自治体の例として挙げられます。また、IPS細胞の研究で有名な山中教授や、最高齢エベレスト登山を達成したかつやま“ときめき”大使の三浦雄一郎さんも、この手法で資金調達をしました。
クラウドファンディングは、自治体事業の予算確保のための新たな手法としてもなり得るのではないかと考えます。財源確保の一つの施策として検討すべきではないかと思いますが、市の所見をお聞きいたします。
まず、これで1回お願いします。
○副議長(帰山寿憲君) 山岸市長。
(市長 山岸正裕君 登壇)
○市長(山岸正裕君) クラウドファンディングにつきましては、今ほど説明がありましたように、不特定多数の大衆から資金調達をすることを基本思想に、市場に存在する資金提供側の個人や投資家と事業を実施するために資金調達が必要な法人や個人を、プラットフォーム運営事業者と呼ばれる仲介業者がインターネット上に構築したプラットフォームを介して結びつけることを基本的な事業モデルとして成立をしております。金融機関や投資家だけではなくて、不特定多数の大衆から事業活動に要する資金を調達するという仕組みは、近年急速に拡大しておりまして、民間だけではなく地方自治体でも取り組みが始まっております。
今ほど他の市の例もありましたけれども、他府県においても広まっている、取り組まれているという例もございます。地方自治体がこのクラウドファンディングに対してどのように関与するかによって、その目的が変わってくると考えられます。例えば、市内において新規に起業する方を支援することを目的とした政策に取り組もうとした場合に、起業に必要な資金をクラウドファンディングによって調達することが考えられます。
これまでのわがまち助成事業に取り組まれてきた団体の中から、事業化を目指す場合に使われる方法の一つとなり得るのではないかと思います。この場合の地方自治体の関与は、起業希望者へクラウドファンディング事業者の紹介、公式ホームページへの掲載やフェイスブックなどの公式ソーシャルネットワーキングサービス上でのPR活動を行うことにより資金調達を支援するという形になると考えられます。
そのほかにも地方自治体がプラットフォーム自体を組成・運用したり立ち上げを支援したりといったような関与の仕方もありますし、地方自治体自身がプラットフォームを活用し、政策に必要な財源を直接調達するということも考えられます。
地方自治体が政策に必要な財源を広く一般の方から調達するという仕組みは、これまでもふるさと納税などでその手法が用いられております。この地方自治体が関与するクラウドファンディングは、ふるさと納税のような仕組みをインターネットを活用し広く資金提供を呼びかけることでもあると考えます。
本日の新聞報道によりますと、福井県においても、このほどクラウドファンディングで集めた寄附金を、ふるさと納税として事務処理できる手法を年内に導入すると発表しておりまして、私としては非常に注目いたしておりまして、勝山市でも花月楼のような歴史的建造物の復元や空き家の改修等に適用できないかということで、今後、県の事業の内容が明らかになり次第、それを検討していきたいと考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 4番。
(4番 松山信裕君 質問席登壇)
○4番(松山信裕君) ありがとうございます。
本当にちょうどきょう、福井新聞に載っておりましたので、クラウドファンディングが皆さんの目に触れたと思います。こうして時代とともにいろんな、先ほどの山田議員のときにもファンドの話があり、いろんなこの資金調達法が考えられ実行されてきております。
後でもふるさと納税に触れるんですが、クラウドファンディングもふるさと納税も寄附のお金でございます。欧米、特にアメリカのほうでは、寄附社会、寄附文化が非常に根づいておりますのでぴったりくるのでありますが、まだまだ日本の文化には入ってきたばかりで、これからという気がします。
しかしながら、どんどんその時代に合った仕組みを考えていくことがまず大事だと思います。そしてまた、市の職員の方みずからが企画して、立案して、このクラウドファンディングを活用することによって、企画力の勉強やいろんな面で今後の市の施策にプラスになっていくんではないか、そういったことで少額の資金からしっかりと始めていって、もちろんそれをやりながら市民の団体、NPOさんもそうですし、ほかの皆さんにもこういった仕組みがあるんだよということを教えてあげていただきたいと思いますし、また一緒にやっていくのもいいかと思いますので、今後、こうしたクラウドファンディング、言うなれば公民連携の、PPPですね、これは、資金調達法として有効だと考えますので、しっかりと1回、皆さんと一緒に勉強していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
そこで、ふるさと納税についてお伺いします。
ふるさと納税は、ふるさとの思いを具体的に応援できる制度で、本県の西川知事が提唱した制度です。平成20年に地方税法の改正法案が成立し、ふるさと納税制度がスタートしました。地方の提案が国の制度として実現したことは、非常に画期的なことです。ふるさと納税、正確にはふるさと寄附金、地方間格差や過疎などによる税収の減少に悩む自治体に対しての格差是正を推進するため導入され、制度がスタートしてから6年、都道府県と市町村を合わせた寄附件数は、平成20年度では5万件でしたが、平成24年には12万件となっています。総額12億6,000万円を超えました。
また最近は、寄附者への地元の特産物やさまざまなグッズなどが送られることがテレビやマスコミで紹介され、ふるさと納税への関心が高まっており、全国のさまざまな自治体が工夫を凝らした活動を行っています。また、政府は来年度にふるさと納税を拡充する方針で、寄附の上限を2倍に引き上げ、手続も簡素化するとのことです。
勝山市でも、平成21年度から恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークなど五つのコースの使途を選択、指定できるようになっています。寄附金はふるさとルネッサンス基金、勝山市福祉基金に積み立て、それぞれの事業に活用されています。
その後、一般質問で各コースの充実を図ることもさることながら、今後、勝山市が行っていく事業、例えば環境自治体会議開催、または新体育館建設などのような事業にも使途を指定できるような仕組みが重要だと提案いたしました。そして、現在は新体育館建設コース、東日本大震災救援・支援コースが加わりました。この制度を定着させていくためには、各自治体はこれまで以上に寄附者とのきずなを深め、ふるさとの応援団としての関係づくりに努力していかなければなりません。
ふるさと納税への対応は、自治体により大きなばらつきや温度差がありますが、寄附を通じて地域づくりに貢献したいと思ってもらえるような、ふるさとの深い結びつき、魅力的な施策・政策を打ち出せるか、自治体の善政競争を促す側面があることを忘れてはなりません。
そこで、まず平成20年度から本市のふるさと納税の件数と寄附額、今現在の寄附者総数と寄附金額、大口寄附、コース指定寄附などの内訳はどのようになっているのか、またどのような事業に活用されているのかをお伺いいたします。
2番目、勝山市としてふるさと納税、その結果についてどのように評価され、ふるさと納税制度のさらなる積極的な活用やPRについて、今度どのようにお考えになっているのかお伺いをいたしたいと思います。
○副議長(帰山寿憲君) 三屋企画財政部長。
(企画財政部長 三屋修一君 登壇)
○企画財政部長(三屋修一君) ふるさと納税についてお答えします。
先ほどありましたように、クラウドファンディングも一部ということで思っております。ふるさと納税は、現住所地以外の自治体への寄附、特に自分のふるさとを離れて生活されている方が、ふるさとの自治体に寄附をすることでふるさとを応援したい、ふるさとのために役に立ちたいという思いを形にし、あわせて寄附者の現住所地における住民税などが軽減できる制度であります。
平成20年度から平成26年9月5日現在までの6年半余りの間で、勝山市におけるふるさと納税の実績では376件、9,470万円余りとなっています。このうち1件1,000万円を超える大口寄附は4,450万円となり、これら大口寄附を除く寄附金は1年当たり平均約770万円となっております。
主なコース別の内訳を申し上げますと、新体育館建設コースに対して620万円余り、すこやか・かつやまコースに対して670万円余り、目指そう世界遺産白山平泉寺コースに対して110万円余り、特に用途指定のないものは2,490万円余り、福井県の窓口を通じては870万円余りとなっております。
また、主な活用事業といたしまして、26年度当初予算では、歴史オリエンテーリングや白山文化研究会講演会、東日本大震災復興支援事業、にこにこ妊婦奨励金、ゆめおーれ勝山イルミネーション事業、わがまち魅力発酵事業等に充てられております。
次に、県内17市町で比べてみますと平成25年度まででは寄附金額でトップクラス、特に人口1人当たりの寄附金額では1位あるいは2位となっております。また、東京勝山会や関西勝山会を初めとする本市御出身の方の御寄附が多く、リピーター率が高くなっております。さらに今年度につきましては、新規の方が45%にも上っており、今年度より始めました寄附額に応じて勝山の特産品を詰め合わせた勝山組曲を特典としてお送りする事業の効果があらわれているものと思われます。
今までに行ってきた勝山市出身者やゆかりのある方へのPRを地道に行ってきたことが勝山市のふるさと納税が県内でもトップクラスの結果を生み出しており、
ふるさと勝山に愛着を持っていらっしゃる方が多いということを認識しております。引き続き勝山市御出身者の方や御縁ができた方や、約1,800人のふるさとサポーターへのふるさと納税PRを行っていきたいと思います。
さらには、平成26年7月に西川福井県知事がふるさと納税制度の拡充の提案をされ、政府がその導入を積極的に検討したいと答えたと聞いております。これが実現すれば、ふるさと納税がさらに加速するものと思われますので、勝山市といたしましては、寄附者へのふるさとへの思いがさらに強くなるような活用策について検討していきたいと考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 4番。
(4番 松山信裕君 質問席登壇)
○4番(松山信裕君) ありがとうございます。
今お伺いしたら1億円弱ですか、すごい金額だと思います。こうして
ふるさと勝山へ思いを持っていらっしゃる方がたくさんおられることは本当に誇りに感じると思います。こうしてやっとこれが寄附文化の一つとして根づいてまいりました。これを今後ともしっかりとしていくことがこれから大事だと思います。
そこで一つ、再質問をしたいのですが、このふるさと納税制度を活用した市民活動支援についてちょっとお伺いします。
全国の例では、このふるさと納税を使って、使い道案で市民の代表者が会議で使途を決める、使い方を決める取り組みで予算から決算まで行っているという例がございます。勝山市におきましては、ふるさと納税によって寄せられた寄附者の思いを政策に反映させるために、先ほどの寄附コース、7つのコースの中で指定でき、また何を使ってもいいですよというコースもありますが、そして使い道、使途は勝山市が決めて活用しています。
勝山市のほかの市民提案の補助金としましては、御存じのようにエコミュージアムのわがまち魅力事業などがあって、いろんな方がここに応募されていきます。
しかしながら、近年、女性の申請内容がエコミュージアムの理念に当てはまるか疑問な事業が出ていることも事実です。さらにはまた専門的な領域にかかわる分野もあります。そしてまた、ほかの市民団体やNPO、また個人が市のため、地域のため自主的に活動をされておられます。
ふるさと納税はこうしたまちづくりを応援するために寄附されたお金です。市民みずからが考え実施する公共性のある事業や、専門的な活動に対しても、まちづくりを応援すること、そして寄附者の思いを尊重する、この二つの観点により市だけが使途を決めて予算にするだけではなく、市民みずからが使途を決められる補助金制度などの仕組みを考え、ふるさと納税による寄附金を交付することができないのか、この点についてちょっとお伺いしたいと思います。
○副議長(帰山寿憲君) 伊藤未来創造課長。
(未来創造課長 伊藤寿康君 登壇)
○未来創造課長(伊藤寿康君) ただいまのふるさと納税についての再質問にお答えをいたします。
現在、勝山市におきまして、ふるさと納税していただいた寄附金のうち、コース指定をいただいた寄附金につきましては、コースの目的に沿った事業の財源として活用させていただいております。
また、コース指定のない寄附金につきましては、予算編成の中で使途、つまり充当する事業を決定しております。その中で、わがまち助成事業にふるさと納税でいただいた寄附の一部を充当させていただいております。
わがまち助成事業は、エコミュージアムの理念に沿った事業を市民の方の自由な発想で募集し、これを市民中心の審査会を開催し、審査するプロセスを経て補助金を決定する形をとっております。ただし、若者や女性が新たに取り組む事業に対して助成する新規チャレンジという部門が現在ございまして、この中に、現状といたしましてエコミュージアムの理念から若干離れているのではないかと思われるものもあるのが事実でございますので、そういった助成を決定する上で悩ましい点もあるのが事実でございます。
そこで、こういった市民の方々からの多岐にわたります事業に対しての支援として、ふるさと納税された寄附金の一部を使い、市民と行政が協働して使途を決定できるような仕組みにつきまして、ほかの先進の自治体を参考にいたしながら、今後研究をしてまいりたいと考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 4番。
(4番 松山信裕君 質問席登壇)
○4番(松山信裕君) ありがとうございます。
本当に、今、課長がおっしゃったように、市と市民が協働して決められることも考えていきたい、研究していきたいところで、本当にこれによってまた一つ、ふるさと納税に対しても皆さんの考え方も広まり深まると思いますし、ふるさとを応援していただける方の思いを反映されることが、本当にこれから大事になってきています。
そしてまた、先ほどちょっと触れましたが、最近は本当にふるさと納税をしますと、大変な豪華な景品サービスがついてくる場合もございます。総務省が、この間、特産品の送付については適切な常識を持って対応してくださいという通知を出したほどですが、でも反対から見れば、それを言ったことで地場産業の振興につながり、そして知名度アップにもつながるというのも現状でございます。
これから勝山市は、勝山組曲を送っておられますが、リピーターの方、毎年納税をしていただける方、こういった方にはもうちょっと何か考えていただけないかなと思っております。こうしたことで、今後、そういったことも考えながら、ふるさと納税の知名度アップ、そして寄附者の思い、そういったことをどういうふうに受けとめて使うのかを皆さんと研究してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、「勝山市の防災関係」についてお伺いします。
勝山市では、平成12年から3年間で災害時要援護者支援システム、また全国瞬時警報システムJ−ALERT、防災行政無線の整備、庁舎耐震補強工事等のハードの事業を完成させました。また、提言しました自主防災組織育成に対する補助金制度も、平成21年度から創設していただきました。
また、多くの防災士の方を養成でき、今後は自主防災組織の育成、防災訓練、防災教育などのソフト事業、いわゆる地域全体の防災力をどう底上げするのか、どう引き出していくのか、それをまとめてどう活用していくのかが重要な課題となっております。そして、平成25年8月の国の災害対策基本法の改正に伴い、ことし6月に新規に原子力災害に関する事項を追加、また避難所に関することの変更など、勝山市地域防災計画が大幅に修正されました。
まず、自主防災組織の現状と育成の課題についてお伺いします。
平成21年度から創設されました自主防災組織ですが、現在、勝山市では各地区に53組織と95の自衛消防隊と12の婦人自衛消防隊が組織されており、地域防災の一翼を担っておられます。
さらに自主防災組織におきましては、今年度中にあと2組織が設立されるとのことです。今後は、自分たちのまちは自分たちで守るという自助・共助に基づく地域の防災力を高めることがますます重要になります。防災組織づくりには、地域住民の防災に対する十分な理解が欠かせませんし、地域の実情に合った体制がつくられることが求められます。
23年度には、自主防災組織補助金が設立事業、活動事業に拡充され、活動が展開しやすくなりました。本市では、これまで取り組んできた自主防災組織の結成促進は大きな成果を上げ、自助、共助、公助に基づく防災対策の強化につながっているものと高く評価するところであります。
そこでまず、現在の組織率はどうなっているのか。
各自主防災組織の活動状況やさまざまな取り組みについて、市として把握しているのか。
各自主防災組織の課題、問題をどのように捉えているのかをお伺いします。
そして2番目に、避難行動要支援者についてお伺いします。
国の災害対策基本法の改正に伴い、災害時要援護者の避難支援ガイドラインが、「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」として全面的に改定されるなど、国における対策が強化されました。
これまで使われていた災害時要援護者というかわりに、高齢者、障害者、幼児、乳幼児、そのほかの特に配慮を要する人を要配慮者と言い、そのうち災害が発生し、または災害が発生するおそれがある場合にみずから避難することが困難な者で、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るために、特に支援を要するものを避難行動要支援者ということになりました。そして、市町村に避難行動支援者名簿の作成が義務づけられ、名簿の情報が本人の同意を得た上で情報提供をしますが、災害が発生した場合は同意がなくても必要な個人情報を提供できるとしています。
勝山市におきましては、既に平成20年に災害時要援護者避難支援計画を策定し、災害時要援護者登録を初め災害時要援護者情報を整備して、避難支援体制を構築しています。
現在、運営をされてきました災害時要援護者登録は、同意方式や更新が課題ですが、市が目標とする登録数に対してはどれぐらいの登録率なのか、また個人情報保護など、現状の課題をどのように捉えているのか。
そして、今回の災害対策基本法改正による市の災害時要援護者支援事業の変更があるのか。
そして、来年度の名簿作成に向けての準備をどのように取り組んでいくのか。
以上について、市のお考えをお聞きします。
○副議長(帰山寿憲君) 大林総務部長。
(総務部長 大林市一君 登壇)
○総務部長(大林市一君) 勝山市の防災関係についての御質問のうち、自主防災組織の現状と育成の課題についてお答えをいたします。
勝山市の自主防災組織は、平成22年度に設立されました、鹿谷町保田及び立川町を皮切りに平成23年度には34団体、平成24年度には11団体、平成25年度に4団体、そして今年度は2団体が設立され、現時点では53団体となっております。地区数を基準とした組織率は、市内112地区のうち50地区で組織され、その率は45%となっており、世帯数を基準とする組織率は59%となっております。
次に、各自主防災組織の活動状況や取り組みについて、市としてどのように把握をしているのかについてお答えをいたします。
自主防災組織は、各地域において自主防災組織「設立事業」補助金や「活動事業」補助金を活用して活動していただいております。毎年交付される活動事業補助金に対し実績報告書を提出していただき、その報告により活動状況や取り組み内容について把握をしております。また、各組織の活動に私どもの担当職員が出向き、防災講座などを積極的に行い、自主防災組織の活動に直接参加することにより、現場の状況も把握しております。
次に、各自主防災組織の課題、問題についてどのように捉えているのかについてお答えします。
市内では53の組織が設立されていますが、それぞれの組織において活動内容に差がありまして、議員が住んでおられる芳野区では、4つの自主防災組織が設立され非常に活発に活動されておりますが、組織は設立されているものの、避難訓練等の実施にとどまる地区もあることも事実で、活動内容の底上げを行う必要があると考えております。
また、今後人口減少が進めば、組織の担い手が減少していき、組織自体の活動に影響することも懸念されます。今後、このような問題に取り組んでいき、組織活動の維持・活性化を図っていき、防災対策を強化していく必要があると考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 竹内健康福祉部長。
(健康福祉部長 竹内富美子君 登壇)
○健康福祉部長(竹内富美子君) 次に、避難行動要支援者についてお答えします。
まず、現在の災害時要援護者登録率につきましては、目標とする数は要介護3、4、5の方と障害者手帳など1、2級を持っている方、ひとり暮らしの高齢者、日中1人になるなど時間帯により支援が必要となる方など登録を希望する方を含めて、平成25年度で3,036名となっています。このうち要援護者登録をしている人は2,306人で、登録率は約76%となっております。
次に、個人情報保護など現状の課題としては、これらの方からは個人情報の提供に同意を得ていますので、登録票や名簿を区長、町内会長、班長、自主防災組織の代表、民生委員等に配付しておりますが、班長など末端まで配付した場合、班長は年度ごとに順番で交代している地区が多く、高齢者の方になる場合もあり、1年間書類の保管をすることが困難な方もおります。したがって、区の希望に応じてファイルの配付を区長のみとしている区もあり、配付方法については今後検討していく必要があると考えております。
次に、今回の災害対策基本法の改正により、災害時要援護者支援事業の大きな変更についてはございませんが、災害時要援護者登録から避難行動要支援者登録と名称が変更されたこと、区に提供する名簿の内容や登録対象者の規定も地域防災計画の中で明記することになりました。登録活動が7年目を迎え制度も定着していることから、名簿、登録対象者や登録方法を大きく変える予定はありませんが、名称が変更することになりますので混乱しないよう市民に周知していく予定です。
名簿作成については、国は市担当部局より避難行動要支援者本人に郵送や個別方法など、直接働きかけることとしておりますが、勝山市では避難行動要支援者を含む全市民に対し、区の御協力のもと直接本人に確認をとっておりますので、作成方法については変更する予定はありません。
現在、平成26年6月に勝山市地域防災計画の見直しを受けて、国から示されている「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」を参考に、市民に定着した現在の災害時要援護者登録方法とすり合わせをしながら、来年度の登録時期に間に合うよう勝山市避難行動要支援者避難支援計画を策定しており、その中で名簿作成の準備を進めております。
○副議長(帰山寿憲君) 4番。残り時間が。
(4番 松山信裕君 質問席登壇)
○4番(松山信裕君) 今ほどいろいろな、名前が変わるだけで皆さんはちょっと困惑されるので、しっかりと周知をしていただきたい。また避難所の名前も、指定とかいろいろ変わってくるので、しっかりと周知をしていただきたいと思います。
そして今、自主防災組織の、実はこれを再質問したかったんですが、これ静岡県でつくっています自主防災組織の自己診断・評価カルテというやつです。そして、これで点数を入れると、自分の自主防災組織の評価が出てまいります。これは静岡県仕様なんで、これの中身を見てみますと、勝山市仕様にも十分にかえられますので、これを導入していただいて、各組織に送っていただいて、一回自分の現状を知ってもらうこと、まずそれが大事だと思います。
そして、自主防災組織を結成するのが目的ではなく、これから活動していくのが基本的な考えだと思います。そして、これからはすき間のない防災対策をしっかりとしていかなければならないと思いますし、防災士でお世話になった富士常葉大学の学長さんの言葉で、「備えには終わりがない」ということで、これをしっかりと心に刻みながら、これからも安心・安全で暮らせる勝山市を皆さんと一緒につくってまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
以上、私の一般質問を終わります。
○副議長(帰山寿憲君) 本日の会議は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。
○副議長(帰山寿憲君) 次に、北川晶子君の質問を許します。
○副議長(帰山寿憲君) 12番。
(12番 北川晶子君 質問席登壇)
○12番(北川晶子君) 創政会・公明の北川晶子です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
今回は一問一答で質問を行いますので、よろしくお願いいたします。
一つ目は、女性の活躍促進についてお伺いいたします。
今月3日に発足した安倍改造内閣で注目を集めたのは、過去最多の5人となった女性閣僚です。安倍首相は、いよいよみずから掲げる経済政策アベノミクスを新たな段階に進め、景気の回復の実現を全国に波及させるため、新成長戦略の中心に据えた女性の活躍と地方の人口減少や経済を立て直す地方創生の強化に取り組みます。
女性の活躍は、これからの日本の成長に欠かせない重要なテーマの一つです。政府は、6月に閣議決定した新成長戦略に社会の指導的地位に占める女性の割合を2020年までに3割以上とする目標を設定しました。将来的な人口減少を見据え、労働人口を確保するには女性の社会進出が不可欠であり、女性の活躍支援は地方創生にもかかわってきます。
今後、我々はこれまでに経験したことのない人口減少、超少子化、超高齢化社会を迎えようとしております。家庭や地域、社会における女性のあり方をより積極的なものにすることが、これからの厳しい時代を乗り切る大きな方策であると言われています。
勝山市においても、民間研究機関
日本創成会議がまとめた試算では、若年女性の流出により消滅の危機に直面する自治体の対象となっております。若年層の流出を防ぐためにも、女性の活躍促進への取り組みは重要になってきます。私は6月定例会においても、女性や若者の活躍等について質問をさせていただきましたが、改めて1点目として女性の活躍促進策の方針について、市長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(帰山寿憲君) 三屋企画財政部長。
(企画財政部長 三屋修一君 登壇)
○企画財政部長(三屋修一君) 女性の活躍促進策の方針についてお答えいたします。
人口減少が進み、少子高齢化による人口構成が急激に変化する中、50年、100年先まで持続可能なまちづくりを進めるためには、これまで男性が中心となって担っていた分野での女性の活躍が求められています。
安倍内閣においては、女性の力は我が国最大の潜在力であるとして、女性の活躍を成長戦略の中核に位置づけています。先ごろ組閣された第2次安倍改造内閣でも5名の女性が閣僚に起用され、女性の活躍促進を前面に打ち出したところです。
また、本年6月に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2014−未来への挑戦」においても、女性の活躍推進が大きな柱に掲げられ、育児・家事環境の拡充、企業等における女性の登用を促進するための環境整備、働き方に中立的な税制・社会保障制度等への見直し等の施策に取り組むとされております。
勝山市においても、これまでも女性の活躍を促進するための政策を推進してまいりました。働きながら安心して子どもを産み育てられるよう、保育料の軽減や児童センターの無料化などの子育て支援策に早くから力を入れてまいりました。また、政策方針決定過程への女性の参画を図るため、平成33年度の審議会等への女性登用率の目標数値を40%に定め、女性委員の登用を進めた結果、平成26年7月1日現在の女性登用率は29.7%となっております。さらに地域における女性の活躍を促進するため、毎年秋に実施しております各地区の区長会と市長の語る会への女性の参加を呼びかけた結果、年々少しずつではありますが女性の参加者が増加してきております。
今後も、将来にわたって持続可能なまちづくりを進めるために、女性の活躍促進を重要課題と位置づけ、第5次勝山市総合計画及び第2次勝山市男女共同参画基本計画に基づき、女性が社会や地域で活躍できるよう、さまざまな施策に取り組んでまいります。
○副議長(帰山寿憲君) 12番。
(12番 北川晶子君 質問席登壇)
○12番(北川晶子君) 前向きな御答弁をいただきました。
今回、私はやはり女性のワークということで、働く職場にいかに女性が働きやすいかということについての質問をぜひさせていただきたいと思って登壇させていただいたわけですけれども、この女性の働き方に関しては、ワーク・ライフ・バランスの推進というものが大変重要になってきますので、2点目にワーク・ライフ・バランスの推進についてをお伺いいたしたいと思います。
ワーク・ライフ・バランスとは、誰もがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や家庭、地域、自己啓発等にかかる個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができるよう、仕事と生活の双方の調和の実現を言います。以前は女性の社会参画は家庭崩壊を引き起こすのではないかという誤解もありましたが、女性の社会進出が大いに求められる中、ワーク・ライフ・バランスの推進がますます重要になってきております。そこで、ワーク・ライフ・バランス推進について当市の認識をお伺いいたします。
○副議長(帰山寿憲君) 三屋企画財政部長。
(企画財政部長 三屋修一君 登壇)
○企画財政部長(三屋修一君) 女性の活躍促進についてのうち、ワーク・ライフ・バランスの推進についてお答えいたします。
勝山市では、共働き世帯が多い状況にありますが、依然として職場や家庭、地域では男女の固定的な役割分担意識が残っています。また、長時間労働を前提とした仕事中心の男性が多い中、男女ともに仕事と育児介護や家事などの家庭生活、地域活動、自己啓発などさまざまな活動のバランスがとれた生活がしにくい状況にあります。
今後、人口減少が進む中、さらに女性の社会参画が求められていますが、それには十分な育児・介護休業や短時間勤務、テレワーク、在宅就業などの柔軟な働き方が選択できる環境整備が必要です。あわせて男性の働き方の見直しや男性の育児・家事参加の促進、それに対する職場の意識改革も必要です。
年齢や性別にかかわらず、多様で柔軟な働き方が選択でき、健康で豊かな生活のための時間が確保できる、仕事と生活の調和のとれた社会を実現することは、
人口減少社会を迎えた日本の経済を支える上で大変重要であると考えております。
平成25年3月に策定しました第2次勝山市男女共同参画基本計画では、計画を推進するための視点の一つにワーク・ライフ・バランスの推進を掲げております。今後も第2次勝山市男女共同参画基本計画に基づき、男女がともにゆとりを持ち、生涯にわたり健康で自分らしく豊かな生活を送ることができる社会の実現を目指してまいります。
○副議長(帰山寿憲君) 12番。
(12番 北川晶子君 質問席登壇)
○12番(北川晶子君) 今、当市の認識をお伺いいたしました。
仕事は暮らしを経済的に支え、生きがいや喜びをもたらすものです。それに加え、今、男女を問わず仕事をしながら子育てや家庭での時間も大切にしたいと考える人が大変ふえてきております。そうした働く人の価値観やライフスタイルの変化に対応して働き方を見直し、仕事と生活の調和を図る考え方や取り組みが、今般、大変重要視されるようになってきたと言われております。ワーク・ライフ・バランスの推進によって、働く人は仕事の密度を高めて時間を生み出し、それを仕事以外の時間に振りかえることが可能となってまいります。そうすることで、仕事とともに家庭や地域での活動も自立させることができ、自分の望むバランスで自分らしい人生を送ることができると言われています。
また、企業は仕事の中のワーク・ライフ・バランスを取り入れることで無駄を見直し、業務の効率化を図ることができるということで、生産上の向上が大変見込めることができます。さらに、家庭や社会貢献を重視する企業として、その企業そのものが大変社会的イメージの向上にもつながってくるというのが、このワーク・ライフ・バランスの取り組みの大切なところではないかと思っております。
いろいろな方の質問をお聞きする中で、やはり勝山市にとっても今、自主防災組織とか、また地域高齢者の見守りを地域で取り組むという、地域に振られてくるその取り組みが大変ふえてきておりますので、担い手を確保していくというその必要性が大変重要になってくる場合に、働き方の見直しをすることでやはりこの地域、社会の人のために役に立つ、貢献をするということが、つまりはそれをしたことで自分自身を高めることが、また仕事にきちんと結果として現れてくるというのは、そういうワーク・ライフ・バランスの基本的な考えだと思っておりますので、これから
人口減少社会が進んでいく中で、こういう取り組みをして、担い手の確保にしっかり取り組んでいく必要があるのではないかと思っております。
そこで、行政としてワーク・ライフ・バランスというのが、まだまだ市民の中には周知されていないといいますか、聞いてもなかなか内容が理解されていないということもありますので、要望といたしましては、商工会議所さんのそういう協力も得ながら、企業とか事業者、また団体等への出前講座などの開催とか、またこれからはホームページや広報誌での周知をお願いしていきたいなと思っております。これがワーク・ライフ・バランスについての要望でございます。
次に3点目に、働きやすい職場環境の整備についてをお伺いいたします。
人口減少や少子高齢化が進む中、働きやすい職場環境を整え、女性がその意欲と能力を発揮することは、経済や地域の活性化に必要なこととして、県では女性の就業率、共働き率が日本のトップクラスであることから、子育てしやすい環境づくりや女性のゆとりの時間の創出など、仕事も家庭も充実した女性リーダーとして生き生き活躍できる社会づくりを進め、さまざまな事業を行っております。
当市としても、
人口減少対策の一つとして、女性が働きやすい職場環境整備への支援が必要だと思いますが、当市の御所見をお伺いいたします。
○副議長(帰山寿憲君)
水上商工観光部長。
(
商工観光部長 水上実喜夫君 登壇)
○
商工観光部長(水上実喜夫君) 次に、女性の活躍促進についてのうち、働きやすい職場環境についてお答えいたします。
我が国における女性の社会進出に対する支援の取り組みは、1985年に男女雇用機会均等法が成立したことをきっかけに本格的にスタートし、その後、女性の社会進出につれて、その働き方や支援の取り組みも多様化してきております。
今ほどの御指摘のとおり、福井県におきましては女性の就業率が全国2位、そして共稼ぎ率が全国1位とともに全国でもトップクラスであり、女性労働者は県内企業の成長、そして存続にとって欠かすことのできない存在になっているとお聞きしております。
また、少子高齢化、
人口減少社会に伴い労働力が不足する時代を迎え、企業にとって優秀な人材の確保が重要な経営課題ともなっております。出産、子育てのために一旦退職された方に対する再雇用制度の導入も推奨されております。経験や技能を持った人材の定着、女性労働者の意欲向上、優秀な人材確保といった観点から、再雇用制度は女性自身にとっても企業にとっても大きなメリットがあります。
また、勝山市では女性の社会進出と働き続けやすい環境づくりに向け、企業訪問を行った際に企業内での環境改善の取り組みについてお聞きしております。その中には、男性が多い職場のため女性への声かけに配慮し、コミュニケーションを心がけている、あるいは職場での男女のコミュニケーションに努め、業績アップにつなげるため日ごろから会話を多くし親睦会や研修を行っているといった企業もありました。また、社員からの要望でトイレの洋式化を行ったといったハード面の整備に取り組まれた企業もございました。
職場環境の改善には、そこに働く労働者の努力と女性が生き生きと活躍できるための企業の努力が必要不可欠ではありますが、市といたしましても国や県の支援制度を周知するとともに、このように日々の努力を続けておられる企業や労働者の皆様の意見に耳を傾け、環境改善に取り組む市内の企業についてホームページや市広報等で紹介し支援するとともに、職場の環境改善に向けて啓発に努めてまいります。
○副議長(帰山寿憲君) 12番。
(12番 北川晶子君 質問席登壇)
○12番(北川晶子君) 御答弁ありがとうございました。
今回は女性の働きやすい職場環境の整備が、実は地元企業への就職を促し、最終的に人口減少の対策に大きく貢献していくのではないかと思い質問をさせていただきました。
実は先ほど門議員も言われておりましたけれども、本日の福井新聞に、
人口減少対策に女子力というふうな大きな見出しが出ておりまして、県外女子学生の
Uターン促進事業は本県の人口減少を食いとめるのがねらいである、県内企業に勤める女性が都市部に出向き、県内の就職のメリットや暮らしやすさをPRするというふうに書かれておりました。この取り組みにも、PRということですから、勝山市もその企業の職場環境整備というのは、そのUターンにはとても必要な対策になってくるのではないかなと、改めて強く感じました。
そこで、県が取り組んでいる、実は女性ネットという、これは御存じだと思うんですけれども、この事業に参加している地元の二つの企業がありまして、実は松文産業株式会社様とアボットジャパン株式会社勝山事業所、この2社がふくい女性ネットという事業に取り組んでいます。
このふくい女性ネットというのはどういうことかと申しますと、県内の企業、事業所、団体等で活躍中の女性が相互交流、自己研さん、事業等における女性の活躍促進を目的として、講演や交流事業、情報発信事業に取り組んでおられると書いてあります。そして、その女性リーダー論なんかを学びながら、人材を育成していくということで、実はこの二つの企業にちょっとお聞きしてみました。そうしたところ、松文産業様は、4年前より女性の職員1人が毎年毎年参加をし続け、女性リーダーの登用や女性の働きやすい職場環境整備に取り組んでおられ、現在4人の副班長さん、ちょっとその副班長さんというのはどういうお仕事の内容か、ちょっとそこまでお聞きしなかったんですけれども、登用されているということで女性リーダーが4人生まれておられるとお話をされていました。
そしてまた、アボットジャパン株式会社勝山事業所は、ほかにも県が支援する女性職員が中心となる企業内プロジェクトチームというのが、今、県が大変取り組んでおりまして、福井県の中で5社だけ選ばれた中の1社となっております。
大分以前になるんですけれども、県の男女参画・県民活動課というところで、大石さんという課長様にいろいろ女性職員が中心となる企業内プロジェクトチームということでお話をお伺いしたところ、大変アボットジャパン株式会社勝山営業所が本当に積極的に取り組んでいると、県内でもトップクラスですと言われました。
このアボットジャパンさんは、皆さんも御存じのとおり、やっぱり本社がアメリカでございますので、どうしてもそういう女性政策というか、企業の中の女性の活躍という対策では、以前から取り組んでおられるんだなというのは思っておりましたけれども、先日、私は会社を訪問させていただきまして、二人の女性リーダーより取り組みをお伺いしてまいりました。一つは、ワーキングウーマン・エンパワメントプロジェクトということで、エンパワメントとは自分らしい生き方を学び取る力、また経済的に自立できる力、政策方針決定の場に参画する力、国際社会に活躍する力をつけることと言われました。
また、このWWEPは全女性従業員のためのプロジェクトであるという、メンバーが全女性従業員の代表であり、全女性従業員のために、またそれは男性も含めた全従業員のために活動をしているということで、これは以前に講演を聞きに行ったときも、やはり女性だけのプロジェクトを進めるということは、女性ばかりがそういう恩恵を受けているということが大変職場で活動しにくいというお話を、講演の時にも講師の方が言われておりまして、まさしくアボットさんも女性だけではなく、成功した鍵というのは、男性も含めた全従業員のために活動したということを言われておりました。
スローガンとしては、スマイル全開、明るい職場づくりに貢献ということで言われておりました。それで、私も大変感動してといいますか、とてもいい取り組みだなと思ったのは、これはどこの職場も、この役所もそうですけれども、関係してくるのかな、参考になるのかなと思ったことは、実は表彰制度というものがありまして、一つは、360度・サンキューカードという取り組みをされております。これは、目的といたしましては、日ごろの感謝の気持ちを形にして渡す、もらうことで勝山事業所内のコミュニケーション活性化を促す、また感謝する、されていることを意識することで、さらなるよい言動、行動、業務につながり、今以上に優しく気配りのできる魅力的な人がふえることを期待するというふうになっております。これは方法としては、カードに必要事項を記入し直接手渡す。カードの発行を事務局に申請をする。半年ごとにカード発行数の上位5名の表彰も行うというふうに言われております。
この事業は内部だけではなくて、入ってこられる業者とか、来られた方にも対象ということで、ここはアボットさんが特別こういう取り組みは先進的にやっておられますけれども、各国のありがとうという言葉をここに書きまして、早速私が行きますというお電話をさせていただいて、もう行ったときはすぐに、「本日は御多忙中、来社いただきありがとうございました。勝山市の女性躍進推進に少しでもお役に立てれば幸いです。今後とも何とぞよろしくお願いいたします。」という、こういうカードをさっとくださるんです。もう本当にすばらしい取り組みだなと思いました。
それから、この取り組み以上に私がとてもいいなと思ったのが、ベスト・エンプロイヤー・アワードといいまして、一般社員の視点で見た頑張っている人、つまり表面で頑張っている人は目立つんですけれども、なかなか影で目立たないが、会社にとても貢献をしているという従業員を選んで表彰するということで、この受賞者は自分が評価されていることを実感でき、モチベーションのアップにつながる。これは、方法としては全従業員がそういう頑張っている従業員を、言うと投票するということで、年間20人を対象としているそうです。生産業務にかかわる従業員が投票し、そして対象者もまた生産業務にかかわる全ての従業員ということで、2012年から2014年の間に表彰者は70名いたと。中には何回も表彰される方がいらっしゃるけれども、3回までということで、3回以上は殿堂入りという中で、この360度サンキューカード、それからベスト・エンプロイヤー・アワードという表彰制度の取り組みが、いずれの表彰制度も周りの人に関心を持ち、いいところを見つけ評価することを考えることが日常になることを期待されておられます。
結果として、勝山工場全体のモチベーションアップにつながるということで、やはり影で頑張っている人たちをどう激励し、その人たちも全て社員がどう意欲を持って仕事に取り組むかということのこの取り組みに、大変すばらしい取り組みだなということで、これも効果が出ているとおっしゃっておりました。
今の若い方というのは、申しわけないんですけれども、背中を見て覚えろとか、命令的なそういう強い言い方ではなかなか一人一人の本人のいい力が発揮しにくいと。いいところを見つけて、これもあれですけれども伸ばすことで能力が発揮され、最終的にはこれが企業のモチベーションのアップにつながり、いい仕事ができるというふうに言われておりました。
これはちょっと余談にはなるんですけれども、お二人のリーダーの方と1時間半ほどお話をさせていただく中で、実は1人は石川県からこの会社のその社風といいますか、この取り組みは大変いいということで来られまして、大野に定住されました。もう1人の方も大野に定住されているわけなんですけれども、その人たちが勝山市のいろいろな観光とか環境、また教育、福祉の積極的な、とてもその先進的な取り組みに勝山市ってとても頑張ってるねということを何度も申されていまして、私たち地元の人間のほうが何かぴんと、こういうこと言うと申しわけないんですけれども、大変他市から見ればうらやましがられているのかなと、取り組む職員の方は大変な思いをされていらっしゃるとは思いますけれども、ちょっとうれしい話だったかなと思います。
このように、アボットジャパン様のこういう先進的な取り組みを、私は勝山市の企業に全部実践をしなさいと、そういうことを今申し上げているわけではないのでありまして、これから
人口減少対策として雇用という問題が一番若い方たちに大きな問題になってきますので、勤めて本当によかったなと思えるような、そういう企業への今からその努力が必要ではないかなということで、できるところから取り組んでいただきたいなと思っております。
それで、この質問の最後にはなりますけれども、地方創生ということで、これはやっぱり官民挙げて取り組まなければ、行政だけ一生懸命取り組んでいてもなかなかこれは進むものではありませんので、企業の方にもこれから少しずつこういう取り組みの大切さを訴えていただいて、今、部長もホームページとか広報誌でもワーク・ライフ・バランスとかいろいろなことを周知していっていただけるということでしたので、行政としてもしっかりとこれから企業の働きやすい職場環境に向けて、できることから取り組んでいっていただきたいなと思っております。
次に、空き家対策の推進についてお伺いいたします。
空き家は、景観上の問題だけではなく、敷地へのごみの不法投棄や不審者の侵入、放火の要因になるほか、災害時に倒壊して避難や消防の妨げになるおそれがあります。こうした危険性をはらむ空き家に対して、当市も指導、勧告、命令、行政代執行など行うための条例を施行し対策に取り組んでおられます。そこで1点目に、当市における空き家の現状をお伺いいたします。
○副議長(帰山寿憲君) 大林総務部長。
(総務部長 大林市一君 登壇)
○総務部長(大林市一君) 空き家対策についての当市における空き家の現状についてお答えいたします。
現在、勝山市が把握しております空き家は、4月の時点で専用住宅、店舗併用住宅、倉庫などを合わせまして約440棟あります。このうち管理がなされていない廃屋は92棟ありました。空き家の情報は、各区長に情報収集をお願いし、各区長から報告をいただいた情報をもとに市の担当職員がその現場を確認しております。
また、空き家の管理が不十分で隣の家に著しい危険を及ぼすおそれがあるときには、所有者または管理者の情報を調べ、勝山市空き家等の適正管理に関する条例に基づく助言等を行っており、昨年度の助言数は8件となっております。市の助言により所有者や管理者が適切な管理を行っていただけない場合には、建築基準法に基づく指導を福井県奥越土木事務所に依頼をしており、昨年度の指導数は4件となっております。これらの指導の結果、所有者から具体的な回答があった件数は4件で、実際に対策がなされたのは1件にとどまりました。空き家対策は、所有者や管理者の理解を得ることが最も重要であり、今後とも継続した取り組みが必要であると考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 12番。
(12番 北川晶子君 質問席登壇)
○12番(北川晶子君) 私は、これまでにも平成12年の12月、23年の3月、25年の12月の定例会で空き家対策について質問をさせていただいております。空き家の増加が地方、都市部を問わず本当に今、深刻な問題になっております。人口減少が進む中、とりわけ地方において空き家の上昇が顕著になっていると思われます。
実は総務省が7月29日に発表した2013年の住宅・土地統計調査によると、全国の空き家数は820万戸に上り、住宅総数に含める割合も13.5%で過去最高になったと伺っております。そこで2点目に、当市におかれましても、人口減少に伴いますます空き家がふえると思われますが、今後の予防から跡地の活用をどのように考えておられるのかお聞かせください。
○副議長(帰山寿憲君)
佐々木建設部長。
(建設部長 佐々木賢君 登壇)
○建設部長(佐々木賢君) 勝山市では、空き家対策の一つとして、老朽危険空き家解体事業を平成25年から開始しております。本事業は、老朽化して危険な状態になった空き家を解体することにより、地域の安全性の向上を図るため、また解体後の敷地を多目的広場や冬季の雪押し場として利用させていただくことを目的とした制度であります。
本事業の対象になるかどうかの事前相談を平成25年度は4件、26年度は現在までに3件受け、危険度の判定を行いましたが、いずれも危険空き家には該当せず実績はありません。今後も継続してホームページや広報等により制度の周知を図り、この制度を活用していただきたいと考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 12番。
(12番 北川晶子君 質問席登壇)
○12番(北川晶子君) 今の部長の御答弁では、25年度、26年度と合計で7件ありましたが、危ない危険な空き家には該当しないということで安心をいたしました。
実はこの空き家に関しましては、条例等もつくらせてはいただきましたが、あくまでも管理責任というものはやはり所有者にあるということは明らかでありますが、これから人口減少が進む中で、またますます空き家が古くなってくるということで、管理が不十分で近隣に迷惑をかけている場合などは、やはり行政がしっかりと指導すべきであると思います。
しかし、実際のところはさまざまな難しい問題が多々ありまして、なかなかスムーズに進まないのも現実ではないかと思っております。皆様も御存じのとおり、対策の障害としてまず所有者の把握の難しさ、そして撤去費用の負担、また自治体の責任だけで行政代執行などを行った場合の訴訟のリスクなどを指摘されると思います。空き家を撤去して更地にすると、住宅が建つ土地の固定資産税が軽減される特例措置、最大で更地の6分の1が受けられなくなるため、所有者があえて空き家を残したままにしているということも取り壊しが進まない原因になっているということは皆様も御存じのとおりだと思います。
そのために、実は政府はこのほど、年末の税制改正に向けて住宅用地の固定資産税を軽減する特例措置を見直す方向で検討に入ったことを伺っておりますので、当市におかれましても税制改正の折には、やはり速やかに対応をしていただきますように要望したいと思います。やはりこの空き家問題というのも、未来の子どもたちにその負担を押しつけてというか、残すということはなるべく避けなければならない大きな政策課題の一つだと思いますので、しっかりと対応をお願いいたしたいと思います。
次3点目に、当市において空き家の利活用に向けてインターネット上で物件情報を公開し、仲介する宅建業者に紹介をする空き家情報バンク制度を導入しておられますが、その成果についてお伺いいたします。
○副議長(帰山寿憲君)
佐々木建設部長。
(建設部長 佐々木賢君 登壇)
○建設部長(佐々木賢君) 空き家情報バンク制度の導入の成果についてお答えいたします。
この制度は、平成18年度から導入され、25年度までで11件の登録があり、そのうち7件が契約成立をしております。
○副議長(帰山寿憲君) 12番。
(12番 北川晶子君 質問席登壇)
○12番(北川晶子君) 部長の答弁では、18年度から25年度までに7件が成立したということですが、実は私、空き家を売りたい、また欲しいという方の要望を結構お聞きしまして、今回この質問をするにつけても、つい2日前、私のところにたまたま空き家の持ち主から、中古物件を探していらっしゃる人があったら紹介してほしいという実はお電話で要望がありました。いろいろ私も空き家を探している方を知っておりますのでお聞きしたところ、探しておられる方の条件と今回売りたい方の条件が合わなかった点、それは子どもさんの学校の問題で、校区の範囲がちょっと違うので成立はしなかったわけですけれども、その方にお話をしたところ、こういう空き家情報バンク登録制度の説明をさせていただきましたら知らなかったんです。
実は空き家を売りたい方、欲しい方の成立率を上げるというのは、物件数が多くないとなかなかそこの成立というのは上がっていかないということで、行政としてもう少し空き家バンク情報制度の周知を積極的にお願いをしたい。福井県のバンク情報を調べますと、中心市街地とかいうところの空き家の情報は3件ほどですか出てたんですけれども、田舎の方というふうなところは1件もそういう情報バンクには登録をされてなかったんですけれども、よく歩きますと田舎の方にはかなり空き家もありますので、空き家情報バンクに情報登録をしていただけるような周知を積極的にお願いしたいと思いました。
そもそも空き家情報バンクというのは、自治体などが地元の空き家情報や移住に関する情報をインターネット上などで公開することによって、全国から入居者や購入者を募り、地域に住民を呼び寄せることによって地域活性化を図ろうとする取り組みであるとお聞きしているわけですけれども、なかなか成立というのはうまくいかないということもお聞きいたしておりますけれども、今言われましたように、多くの物件があるということが成立条件の大きな要素になってくると思いますので、ぜひ登録をすることの知らない人への周知をしっかりと広報誌などでこれからお願いをして図っていただきたいなと思います。これについてちょっと御答弁をいただけたらと。お願いします。
○副議長(帰山寿憲君)
佐々木建設部長。
(建設部長 佐々木賢君 登壇)
○建設部長(佐々木賢君) 空き家情報バンク制度の周知につきましては、議員から御提案ありましたとおり、広報かつやまやホームページなどを通じて周知、呼びかけをしていきたいと思います。
○副議長(帰山寿憲君) 12番。
(12番 北川晶子君 質問席登壇)
○12番(北川晶子君) それでは、周知をしっかりお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(帰山寿憲君) 暫時休憩いたします。
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午後 4時49分 休憩
午後 5時01分 再開
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○副議長(帰山寿憲君) 再開いたします。
○副議長(帰山寿憲君) 次に、乾章俊君の質問を許します。
○副議長(帰山寿憲君) 8番。
(8番 乾 章俊君 質問席登壇)
○8番(乾 章俊君) 大変お疲れでございますけれども、いましばらくおつき合いをくださいますよう、よろしくお願いいたします。
勝山市の未来を拓く会の乾章俊です。議長より質問のお許しをいただきましたので、以下4項目にわたって質問をさせていただきます。一問一答でお願いします。
それでは最初の防災について、土砂災害。
最近、雨の降り方が変わってきていると言われます。1時間に50ミリの雨といいますと、バケツをひっくり返したような物すごい雨と表現してきましたが、その雨の回数が20年前に比べて現在は1.5倍になっているとの記録統計が出ておりますように、確かに雨の降り方が変わってきております。原因は、やはり地球の温暖化であると専門家は警告を発します。
先般の広島市で起きた土砂災害のすさまじい映像には、大きな衝撃を受けました。3時間に217ミリという猛烈な豪雨といいますから、想定をはるかに超えるもので、まことに恐ろしいことです。広島市の場合、水を含むと崩れやすいとされる、真砂土と呼ばれる風化花崗岩が被害を大きくしたとも指摘されています。がしかし、その後の専門家の調査によりますと、あれだけ多量の雨が降れば、地質に関係なく崩れる。日本の山ならどこでも起こり得ると警鐘を鳴らします。そのことは、崩れにくい堆積岩でも崩壊が起きることを、山から崩れ落ちてきた断面からの石が照明しているといいます。
とはいうものの、真砂土のもととなる花崗岩など、水を含むと崩れやすい土質かどうかを、あらかじめ知っておくことはとても大切です。そこでお尋ねしますが、当市の大地を支える地盤の土壌の性質は、水に対してどのような反応を示すのかお伺いをいたします。
加えて、これから台風とともに停滞する秋雨前線の季節を迎えますが、土の中の水分、つまり地盤が緩んでいるかどうかが危険への重要な判断材料になると思いますが、警戒警報等についての対応をお聞かせいただきたいと思います。
○副議長(帰山寿憲君) 大林総務部長。
(総務部長 大林市一君 登壇)
○総務部長(大林市一君) 防災についての、特に土砂災害に関する御質問についてお答えをします。
広島市の土砂災害の際に、風化花崗岩の真砂土が被害を大きくしたとの報道がありましたが、福井県内では敦賀市や美浜町、若狭町、越前市などでその分布が確認されております。当市のジオパーク推進室で、勝山市の地質について確認をしたところ、山地の多くが安山岩で構成されているとのことでした。しかし、広島市のような時間雨量100ミリを超えるような大雨が数時間にわたってふれば、市内の至るところで大規模な土砂災害が発生する可能性が高く、十分な警戒が必要であることには変わりありません。
次に、土の中の水分量と警戒警報等の体制についてお答えをします。
平成20年5月より、気象庁は大雨警報等の基準に土砂災害や水害の発生と相関が高い土壌雨量指数という新たな指標を導入いたしました。これは降った雨が土の中にどれだけたまっているかを雨量データから指数化したもので、地表面を5キロメートル四方の格子、つまりメッシュと言いますけども、それに分けまして、それぞれの格子で指数を計算しており、勝山市においては土砂災害に関する大雨警報の発表基準は、この土壌雨量指数が105を超えたときとなっております。
また、土砂災害に関する大雨警報が発表されている状況で、土砂災害発生の危険度が非常に高まったときに、気象庁と県が共同で土砂災害警戒情報を発表します。土砂災害警戒情報は、市町村長が避難勧告等の災害応急対応を適時適切に行うことを大きな目的としております。
勝山市では、土砂災害に関する大雨警報が発令され、土砂災害警戒情報判定メッシュ情報で大雨警報の土壌雨量指数基準を超えた時点で避難準備情報を発令し、さらに土砂災害警戒情報が発表された場合などで避難勧告を発令することとしております。
○副議長(帰山寿憲君) 8番。
(8番 乾 章俊君 質問席登壇)
○8番(乾 章俊君) 広島市のあの土砂災害以降、自然災害に対する報道が随分ふえておりますけれども、専門家は温暖化によって、日本の周囲は海なので水蒸気が多くふえまして、それによって激しい雨が多くなると警告をしております。1時間に30ミリ以上の雨を激しい雨、80ミリ以上の雨を豪雨と言いますが、将来、当市がこのような豪雨に見舞われる可能性も否定できない、そんな異常気象になってきていることを私たちは十分理解しなければなりません。
そこで、最近の異常気象による自然災害が頻発している状況をどのようにお感じになり、また今後どのように対応されていこうとされるのか、今のお気持ちをお聞かせください。また、当市の現在の土砂災害警戒区域より危険性の高い区域の特別警戒区域の状況につきましても、あわせてお尋ねをいたします。
○副議長(帰山寿憲君) 大林総務部長。
(総務部長 大林市一君 登壇)
○総務部長(大林市一君) まず最初に、土砂災害警戒区域及び特別警戒区域についてお答えいたします。
土砂災害防止法は、土砂災害から国民の生命を守るため、土砂災害のおそれのある区域について危険の周知、警戒避難体制の整備、住宅等の新規立地の抑制、既存住宅の移転促進などのソフト対策を推進するため平成17年に制定され、この法の中で土砂災害警戒区域及び特別警戒区域が位置づけられております。土石流における土砂災害警戒区域は、土石流の発生のおそれのある渓流の扇頂部、つまり谷筋から平地に出てきたところを扇頂部と言いますけれども、そこから下流で勾配が2度以上の区域で、通称イエローゾーンと言われております。
同じく特別警戒区域は、建築物に損壊が生じ、住民等の生命または身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められた区域で通称レッドゾーンと呼ばれております。土砂災害特別警戒区域の場合、住宅の新築などの特定の開発行為に対して規制がかかることにもなります。
勝山市では、土砂災害防止法に基づく土石流の警戒区域は247カ所、そのうち特別警戒区域の指定は176カ所となっております。そのほかに急傾斜地の警戒区域は266カ所、そのうち特別警戒区域は247カ所、地すべりの警戒区域は19カ所となっており、合計しますと警戒区域は532カ所、そのうち特別警戒区域が423カ所となっております。また、これらは市内全域で指定されておりまして、市内112地区のうち実に65地区で警戒区域、特別警戒区域の指定がなされています。
質問のありました、今回の広島市の大災害を教訓に、今後市としてはどのように考えているのかとの質問に対しては、まずこの警戒区域の指定と市民への周知については、今回の広島市の大災害で、改めて重要なことであるということを認識しております。
当市におきましては、平成16年度より地元説明会を行い、住民の理解を求め、区域指定の手続を進めてまいりました。しかし、今回の大災害を契機に再度市民の皆さんが、自分の住んでいる地域がどのような地形にあって、土砂災害が起こる可能性がある場所なのかを知っていただくために、早急に各地区に出向き、説明会を行いたいと思います。
一方、その周知とともに、万が一そのような災害の発生が予想された場合の避難についても、適切な避難行動がとれるように、訓練を通じて指導していきたいと考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 8番。
(8番 乾 章俊君 質問席登壇)
○8番(乾 章俊君) 災害は忘れたころにやってくると言われてきましたけれども、今はもう災害はいつでも確実にやってくると改めなければならない状況になってきておりますので、その点、十分対応をよろしくお願いいたします。
次に、2番目の電線の地中化についてお尋ねいたします。
以前から、私は福井方面から当市に入ってくる進入道路は、霊峰白山を背景に品格のある美しい山々、そして心和む田園風景が広がるあの景観は当市の宝であり、何とかして現状を保護・保存し後世に残していかなければならないと申し述べてきました。それはドイツのロマンティック街道の理念、つまり街道にはコンクリートの建造物は見えない。静かでのどかな田園風景が続く中、郷愁を感じさせる古城が時折見えてくる。そんな現代人が味わうことができなくなってきている風景を大切にするという、その理念をモデルとして当市の美しい景観を守っていかなければならないと強く思ってきたからであります。
そして今、行政の積極的な取り組みによりまして、景観条例が設置され、道路から100メートルは届け出なしには建造物の許可はされないという、全国でも非常に先進的な成果を上げられ、現在に至っていますことはまことにすばらしく、大いに誇っていいことだと高く評価をしております。
既にこれまで設置してあった看板も大分少なくなってきております。ただ自分の所有地であれば自然景観にマッチしたものでなくとも、従来の内容の看板のままでいいという点は改善されなければなりませんが、それはこれからの課題としまして、問題は電柱・電線が以前からそのままの状態にございまして、今なお景観を著しく阻害していることです。
このたび国は、景観の改善、大災害時に倒壊した電柱に避難や物資輸送を妨げるリスクを抑えるねらいもあり、来年度から特に人命にかかわる防災を優先し、自治体が管理する緊急輸送道路からの地中化を進める方針を固めたとのことであります。つまり、電柱の新設が禁止となります。そこで提案しますが、国の助成制度を御確認いただき、当市においては、景観条例設定区域の幹線道路を優先して、既存の電柱の地中化を計画的に進めるべきと考えますが、いかがかお聞かせください。
○副議長(帰山寿憲君)
佐々木建設部長。
(建設部長 佐々木賢君 登壇)
○建設部長(佐々木賢君) 電線の地中化についてお答えいたします。
勝山市には、エコミュージアムにより見出された数多くの地域資源があります。すばらしいふるさとの原風景や眺望景観を保全し、未来へ継承していくことが私たちの重要な責務であると考え、平成23年3月に景観計画を策定いたしました。
この景観計画では、景観行政を進める上で良好な景観の形成のための基本的な方針、行為の制限に関する事項等を定めており、市民、団体、行政が一体となって美しい自然景観や眺望景観、固有の歴史景観などを市民共通の貴重な財産として未来へと残し、さらにこれらと調和のとれた景観の形成を進めていくものです。
議員御指摘の福井方面から幹線道路沿いの地区については、重点的に景観の保全と形成を図っていく必要のある地区として位置づけ、特定用途制限地域の指定により土地利用の制限を行い、勝山市を印象づけるすばらしい眺望景観を阻害する道路附属物や屋外広告物の適正な誘導に努めております。
電線の地中化についてでございますが、電線の地中化は市街地の幹線道路や安全で快適な通行空間の確保、災害の防止などとともに良好な景観・住環境の形成や歴史的町並みの保存などを図るものであり、議員が提案されている景観条例設定区域の幹線道路も対象になるものと考えます。
しかしながら、電線の地中化は多額の事業費がかかるため、より一層効率的な推進が求められており、勝山市においては、今後、市街地幹線道路の大規模改修や一定エリアの整備等において、例えば、大蓮寺川改修に伴う元禄線の勝山橋からの地中化などを計画したいと考えております。
なお、電線の地中化は道路管理者だけで実施できるものではなく、電力及び通信事業者の費用負担の合意、地元関係者の方々などとの協議が必要であり、以上の点を踏まえながら、今後検討していきたいと考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 8番。
(8番 乾 章俊君 質問席登壇)
○8番(乾 章俊君) 電線の地中化につきましては、既に勝山市では大仏前のあの通りが電線の地中化を既にしてあるという実績がございますので、今後とも計画的に前向きに取り組んでいただきますようお願いしたいと思います。
それでは、3番目の改正鳥獣保護法と鳥獣対策強化についてでございます。
農作物に深刻な被害を与えているイノシシなどの有害鳥獣の捕獲を促進し、生息数を適正規模に減少させることを盛り込んだ改正鳥獣保護法が去る5月に成立しております。内容は、野生動物の保護だけでなく、管理を目的にするなど被害対策に本腰を入れていくとのことであり、集団で組織的に不足する業者の認定制度を創設することなども含まれています。この保護だけでなく管理を目的にするということは、捕獲するという意味を含んでおります。
この法の改正により、当市の特にイノシシ対策など、これまでの対策がさらに強固なものになると期待をいたしますが、どんな捕獲体制の強化になるのか、今後の実行計画を含めてお尋ねします。
農家の皆さん、今、お米の収穫を前にしてめちゃくちゃにしてしまう、この特にイノシシにはほとほと困り果てておられます。何とかせにゃいかん、何とかしてほしいとの悲痛な叫びが伝わってまいります。何とか期待に応えるような対策を強力に進めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
○副議長(帰山寿憲君) 前田農林部長。
(農林部長 前田 茂君 登壇)
○農林部長(前田 茂君) 改正鳥獣保護法と鳥獣対策強化についてお答えします。
鳥獣保護法がことし5月に改正され、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律と改められました。管理並びにというのが正式名称の中に追加されたということです。
この改正は、野生鳥獣の法的な管理の側面が強調され、農林水産物に被害を及ぼしている野生鳥獣の個体数や生息域を適正な水準に減少させることを目指しているものであることから、鳥獣害対策についても対策強化が図られるものと期待しております。
今後、県において鳥獣の管理を含めた鳥獣保護管理事業計画が策定され、具体的な取り組みが明らかになってきますので、計画に基づき県、猟友会と連携して、実効性のある対策になるよう努めてまいります。
○副議長(帰山寿憲君) 8番。
(8番 乾 章俊君 質問席登壇)
○8番(乾 章俊君) 村部の方と話をしておりますと、その地区では、ある地区ですけれども、夕方になるとイノシシが集団で決まったところから入ってきて、また違うところから出ていくといいます。それも毎晩でございます。この話を私聞きまして、出てくる夜間帯に確実に捕獲する方法がないものかと思いました。現在、当市はおりによる捕獲を積極的に進めておりますが、それはそれでもちろん結構ですが、1回に8頭、それも年に2回生まれるんですから、とても追いつかない状況であると思います。
そこでお尋ねしますが、ある地域では、夜間でも見える暗視装置をつけた銃で、夜間に有害鳥獣を駆除することを検討していることを知りました。実際にそれを実行に移すとなりますと、安全の問題や管理機関の法的な問題が生じてきますので、まだ実行できていない。しかし、具体的な検討を進めているとおっしゃっておられます。確かに地区の皆さんを初め関係機関との十部な協議、安全対策が必要であることはよく理解できますが、だからといってこのままいつまでも放置しておくことは許されません。人的被害を及ぼす危険性すら迫ってきていますので、あらゆる安全対策を整えながら対策を検討すべきではないのでしょうか。そこで、乱暴な言い方になりますが、駆除に決定的に効果を上げる方策として、今申し上げた夜間の捕殺についてどのようにお考えかお尋ねいたします。
○副議長(帰山寿憲君) 前田農林部長。
(農林部長 前田 茂君 登壇)
○農林部長(前田 茂君) イノシシの活動する夜に駆除することなど、確実な方法がとれないかについてお答えいたします。
イノシシは夜間に活動することが多く、その時間帯に出没する箇所で待ち伏せするという御提案だと思います。しかしながら、先ほど議員もおっしゃいましたが、現行では夜間や集落の周辺で安全が確保できないような場所では銃の発砲はできないということになります。
また、活動が夜になって出てくるということですけども、必ずその時間に出てきてくれるかどうかという議論もありますので、夜中じゅう人を配置できるかといった手配の問題もあります。ただ、今回の鳥獣保護法の改正によって夜間でも銃を発砲することが一定の範疇で認められることになっておりますので、あとは人家から一定距離離れた場所での山際というようなところであれば、議員のおっしゃるような夜間で暗視装置を使って銃で捕殺をするという形になるかと思うのですが、そういう可能性は十分あるかと思っておりますので、そういうやり方がちゃんと安全に適切にできるように、県と猟友会とよく相談して前向きに対応できるように検討を今後ちゃんとやっていきたいと思っております。
○副議長(帰山寿憲君) 8番。
(8番 乾 章俊君 質問席登壇)
○8番(乾 章俊君) よろしくお願いします。
実はほんのつい先日なんですけれども、猟師の方と話をしていましたら、びっくりするような話が返ってきました。それは、クマの捕殺となりますと、1頭で数十万円の収入につながるのだそうで、猟師は競ってクマを捕殺します。一方、イノシシとなりますと、安価な日当が入るたけで、しかも埋めねばならない作業が伴いますので、猟師の皆さん、表面的には発言しませんが、イノシシは敬遠するというのが実態なんだという言葉であります。
今後、日本シカは、実はまた日本シカが非常に繁殖しておりまして、イノシシよりも繁殖力が強く、最近物すごい勢いで付近の山にふえているそうで、深刻な被害が間もなく出てくると言っておられました。いずれにしましても、イノシシの捕獲、これからふえてくるシカに対して現在の対策では農家の皆さんの期待にとても応えられないのではないかと思います。金額を上げればいいという問題ではありませんが、成果を上げるためにもある程度の金額の増額を考えてもいいのかと思います。有害鳥獣捕獲に確実に効果が上がる、実態に即した対応をぜひ進めていただきたいと思いますが、その辺を踏まえましていま一度お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○副議長(帰山寿憲君) 前田農林部長。
(農林部長 前田 茂君 登壇)
○農林部長(前田 茂君) 捕獲に対する手当等の見直しだとか、そのほか鳥獣害に対する効果のある手法をどんなものを考えているかという御質問だと思います。
手当だとか財源につきましては、もともと捕獲対策だとか被害を受けないようにする、要はネット柵だとか電気柵だとかそういったようなものを含めて、鳥獣害対策の必要な経費については県のほうにいつも農林部としては一番の最優先事項ということで予算については確保をお願いしておるところです。そういうことも含めまして、十分なお金が確保できるように努めてまいりたいと思います。
また、それ以外の手法としましては、イノシシの電気によるとめ刺しだとか、移動おりを使ったとめ刺しをするだとか、その他いろいろなほかのやり方も含めて、効率的にやれる方法も含めて検討をしております。
また、来年度要求に向けてどのようなことができるか、また検討をさせていただいて、予算の理事者内の調整をした上で、議会とも御相談させていただいて、うまくやれるように調整をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(帰山寿憲君) 8番。
(8番 乾 章俊君 質問席登壇)
○8番(乾 章俊君) どうかよろしくお願いいたします。
それでは最後4番目の観光産業の振興についてでございます。
国の助成事業の活用ということで挙げさせていただきましたけれども、恐竜博物館におみえになる来訪者が、冷夏にもかかわりませずことしも増加しておりますことは、まことにありがたいことでございます。
ある若者と話をしていましたら、遠方から家族で見学に来たが、勝山では昼食をとるところがないので弁当持参で来たとのことです。昼食をとるところがないことはネットで全国に知れ渡っていると言っていたことが気になります。
一方、宿泊の当市の現状ですが、18の宿泊施設がある。一晩の収容可能宿泊人数は1,244人で、昨年の宿泊客は7万8,000人、年間を通して部屋の稼働率は、ニューホテルは30%から50%程度とのこと。スキージャムでも50%台と聞いております。しかし、ホテル経営には60%から70%が必要と言われております。季節によって土曜日、日曜日、そして祝祭日や夏休みは高い利用率となりますが、年間を通してとなりますとなかなか採算に合わないという実態が見えてまいります。全国の飲食チェーン店はその辺のことをよく既に調査済みでございまして、したがって一時あれだけのお客さんで混雑するのに、平日は少ないので採算が合わず進出してこないということになっております。
そこで私たちは、まずはこのアンバランスを解消するために、平日の客をいかにしてふやすという対策を真剣に考えなければならないのではないかと考えます。取り組むべきさまざまな解決策はいろいろ考えられると思います。それには恐竜博物館だけでなく、当市の持つ潜在力をさらに掘り起こし、磨きをかけ、質の高い平日でも観光客が多く訪れる魅力的な観光地を目指して計画的に諸般の取り組みを着実に推進することが肝心と考えます。そのためにも、まずは財源の確保に全力を挙げねばなりません。
安倍内閣は、地方創生を目玉として、これから具体的な施策の作成作業に入りますので、それらの動向も見きわめながら、多面的に当市の観光振興に係る財源確保に努力していただきたいと思います。時間はそんなにありませんが、十分に納得できる誇り高い内容の立派な計画書作成に全力を挙げていただきたいと願っております。お考えをお聞かせください。
○副議長(帰山寿憲君)
水上商工観光部長。
(
商工観光部長 水上実喜夫君 登壇)
○
商工観光部長(水上実喜夫君) 観光産業の振興についてのうち、今ほどの国の助成事業の活用についてお答えいたします。
県立恐竜博物館には、昨年度70万人を超える観光客が全国各地から訪れ、県内屈指の観光スポットとなっております。訪問者の内訳を見ますと、子どもを伴った家族連れがほとんどで、土曜日、日曜日、ゴールデンウイークなどの連休、そして夏休み期間中には非常に多くの観光客でにぎわいますが、今ほど御指摘のあったとおり、平日となりますと訪れる人は極端に少なくなると、これが大きな課題となっております。
いずれにいたしましても、博物館からまちなかや市内の他の観光地への誘客、これは以前から市の課題の一つとなっており、本年度は恐竜ライブショーのダイノアライブ、そして夏フェスのダイノソニック、この二つを観光戦略としての誘客イベントとして実施しましたが、この二つのイベントに対しましては、全国市町村振興協会の市町村振興事業を掘り起こすための助成事業、この申請を行いまして、全体事業費1,000万円に対しまして300万円、30%の財源の確保をしたところでございます。
今後も、イベントやさまざまな根本的な観光振興事業を対象としました国、県、さらには財団や民間企業からの助成制度についての情報の収集につきまして、庁内にあります政策調整幹会議等を積極的に活用する中で、財源の確保に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 8番。
(8番 乾 章俊君 質問席登壇)
○8番(乾 章俊君) この国の助成事業の活用の中で、広域観光圏についてお尋ねをしたいと思うんですけれども、この夏、ある観光地を調べまして驚きましたのは、補助100%を含めまして多くの国の助成事業を活用していることがわかりました。
その地域は、なぜこんなに助成があるのかとお聞きしますと、当地区は広域観光圏に入っているので、国からお金が来るのだとの回答が返ってきました。私は以前、平成21年6月の一般質問で、広域観光圏に入るべきと提案いたしました。それは、この認定を受けると観光客の来訪、滞在に成果が見込まれる事業への補助金の交付、宿泊施設に係る設備投資に対する財政支援、または社会資本整備の支援や農林水産省が実施する農山漁村活性化プロジェクトなどとの連携に係る支援等を受け入れることができるからであります。その際の御解答は、大野勝山地区広域行政事務組合を中心に検討を重ねたが、特に2泊3日以上の滞在型観光を促進することが必須とされていることからその目途が立たず、今回は見送ることにしたとの答弁でありました。結果として、福井、あわら、坂井、永平寺町の3市1町が福井坂井広域観光圏推進協議会を設立し、現在に至っていると理解をいたしております。
一方、当市が関連しております環白山広域観光推進協議会や、ふくいやまぎわ天下一街道広域連携協議会では、肝心の国からの財政支援はございません。そこでお尋ねしますが、新幹線の開通、中部縦貫道の開通が見込まれる中、恐竜ブランドとして国内はもとより国際的に知名度が高まって、さらなる来場者の増加が確実に見込まれるなど、当市を取り巻く観光状況は5年前と大きく変わってきております。実は私はここで広域観光圏加入について再考すべきではないかという提案を申し上げる予定でしたが、つい先日、既に勝山市は加盟をされているんだということをお聞きしました。全く知りませんでした。その広域観光圏加入の経過、現状の活動等についてお伺いいたします。
○副議長(帰山寿憲君)
水上商工観光部長。
(
商工観光部長 水上実喜夫君 登壇)
○
商工観光部長(水上実喜夫君) 今ほどの再質問にお答えいたします。
当時御質問いただいたときに御答弁したところですが、その後、私ども、今御指摘がありましたように、いわゆる福坂広域観光圏に大野・勝山の奥越前観光連盟として加入をしております。したがいまして、奥観連を通じて負担金を払い運動を進めているところでございます。
この状況について一部確認したところ、確かに当初はかなりの国からの助成が入ったんですが、今はかなり細ってきていると。こういうふうなところで活動そのものが若干細っている部分があるというふうにお聞きしております。
今回、御指摘いただく中で、私どももこういった組織的な広域、あるいはさきにお答えしましたような県内の他の自治体と連携をした観光連携、こういったことを考えていく中で、今ほど御指摘を受けました観光広域圏の活動についても、いま一度積極的に発言する中で、御趣旨に沿うような活動になるよう、また国からの助成をとってくるような、そういったことに努めてまいりたいと考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 8番。
(8番 乾 章俊君 質問席登壇)
○8番(乾 章俊君) 今ほど申し上げましたように、その地域から、国から受けている助成事業の一覧表もいただきました。それに比べて、福井県の場合、広域観光圏に加盟しているのに、今部長からのお話では、前はあったんやけども、今はもう細くなってきている。しかし、ことし私が訪問したところは、一覧表でA4の紙にぴしっとたくさん書いてあるんですね。これはやはり国は非常にバランスを欠いた取り組みではないかと思う。だから、その部分を福井県あるいは広域組合はもっと主張すべきではないかと、熱意がないんではないかなというふうに疑いたくなってしまったりするんですけども、その辺のことは申し上げるものではございませんけれども、加盟している自治体として、堂々とその辺の意見を発言していただきまして、何とかあっちがあんなんやのにこっちがほとんどないというのは、それはバランスを欠いた国の政策でございますので、強く主張していただきたいということを要望したいと思います。回答は結構でございます。
次に、人材の確保と養成でございますけれども、観光振興を着実に進めるには、財源の確保とともに人材の確保・養成が重要であると思います。当市の場合、特に観光産業振興に関しましては経験不足でございますし、また今日の社会情勢も随分と大きく変化してきておりますので、官民挙げて両方の立場からの幅広い人材の確保・養成が喫緊の課題であるというふうに思います。
そういったことで、経費の問題もございますけれども、観光産業を活性化させるために、あるいはまた経済効果を高めるための人材の確保と養成について、今の段階でどのようにお考えなのかということをお尋ねいたしたいと思います。
○副議長(帰山寿憲君)
水上商工観光部長。
(
商工観光部長 水上実喜夫君 登壇)
○
商工観光部長(水上実喜夫君) 今ほどの人材の確保についてお答えいたします。
市では、観光振興ビジョンに基づきまして、戦略的に観光振興を推進するため、平成23年11月より商工観光部内に観光プロデューサーを配置しております。その具体的な業務といたしまして、観光振興ビジョンに基づき、恵まれた観光資源と施設の魅力をさらに高め、連携する仕組みをつくり相乗効果を発揮するなど四つの事業を担当していただいているところでございます。
観光プロデューサー起用による成果といたしまして、勝ち山おろしそば大使など観光特任大使の選任及びその活用による勝山市の知名度のアップがあります。具体には以前から食通の間で評価が高かったおろしそばを勝ち山おろしそばと銘打ちブランド化して、中尾彬さん、池波志乃さん御夫妻を勝ち山おろしそば大使として委嘱しました。さらに東京女子流を恐竜大使に、アーバンギャルドの浜崎容子さんを音楽大使に、ダンスロイドをWeb大使にそれぞれ委嘱し、さまざまな機会に観光PRをしていただいております。
平成25年度、26年度の2カ年、音楽フェスティバル「ダイノソニック」を企画し、市内はもとより全国から多くの若者の来場によって大変活気づきました。あわせて勝山菓子組合の協力を得る中で、東京女子流をモチーフに恐竜ようかんの開発・販売にもこぎつけております。また、本年度は恐竜ライブショー「ダイノアライブ」を企画するとともに、旅行業者とタイアップした旅行ツアー化なども手がけております。
以上のように新しい観点に立った大規模イベントの企画を初め大手旅行業者やエージェントとの交渉を担当したほか、にぎわいのイベントから脱却し、観光を産業化するためといった発想の転換など、市職員への啓発による効果などがありました。
現観光プロデューサーの委嘱期間が本年10月末となっていることから、これまでの成果を引き継ぐとともに、今後は都市圏を初めとする県外からの一層の誘客も視野に入れ、おもてなし産業の育成を図ると同時に、観光の産業化、観光業界・旅行業界とのつながりのある新たな人材の確保に努めていきたいとそのように考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 8番。
(8番 乾 章俊君 質問席登壇)
○8番(乾 章俊君) 最後になりましたが、推進組織体制についてお伺いいたします。
観光振興のためには、お金と、そして人とともにそれら事業を確実に実行し、成果を上げていくための推進組織体制のあり方が重要であると思います。観光推進に関して、これまでの関係団体に加えて、ありがたいことに観光振興の一役を担っていただけるNPO法人が新たに発足しておりますことはまことにありがたいことで、新しい息吹、活気を感じます。
そこで、当市全体の観光振興を力強く推進させるには、それぞれの関係団体の連絡調整を含め全体を活性化させていくための工夫が必要であると思いますが、組織体制強化についてどのようなお考えをお持ちかお聞かせください。
○副議長(帰山寿憲君)
水上商工観光部長。
(
商工観光部長 水上実喜夫君 登壇)
○
商工観光部長(水上実喜夫君) 今ほどの推進組織体制の強化についてお答えいたします。
本年4月に、
勝山商工会議所の呼びかけで商工会議所、勝山市、観光協会、JAテラル越前、ふくい産業支援センターのほか、NPO法人まちづくり勝山、同じく市民活動ネットワークかっちゃまHUB、同じく恐竜のまち勝山応援隊などのまちづくり関係者が参画し、今後も増加が予想される観光客を対象として事業を活発化し、観光産業を新たな基幹産業の一つと位置づけることを目指した観光産業アクションプラン協議会が発足しました。発足して間もない協議会ですが、観光を産業化するために商工会議所が中心となり、民間組織主体で現状打破に向け、みずからが何とかしなければならない、何とかしたいと危機感と意欲を持って協議が進められているところでございます。
今後、同協議会には、今ほど申し上げました観光プロデューサーの成果を引き継ぐ人材を初め市の観光部門、商工部門の職員が積極的に参画し、おもてなし産業の活性化を図る中で、今後の勝山市の観光振興を担っていく推進体制の構築に向け、官民が一体となって検討してまいりたいと考えております。
○副議長(帰山寿憲君) 8番。
(8番 乾 章俊君 質問席登壇)
○8番(乾 章俊君) どうもありがとうございました。
観光産業の振興につきましては、本当に勝山市にとりましては新しい大切な重要な課題でございますので、市民みんなで盛り上げてまいりたいと思います。
以上を申し上げまして、私の質問は終わります。
○副議長(帰山寿憲君) 以上で本日は散会いたします。
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午後 5時53分 散会...