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09月09日-04号

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  1. 福井市議会 2020-09-09
    09月09日-04号


    取得元: 福井市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-29
    令和 2年 9月定例会               福井市議会会議録 第4号            令和2年9月9日(水曜日)午前10時0分開議〇議事日程及び会議に付した事件 日程1 会議録署名議員の指名 日程2 市政に対する一般質問──────────────────────〇出席議員(31名) 1番 岩佐 武彦君   2番 酒井 良樹君 3番 山田 文葉君   4番 榊原 光賀君 5番 寺島 恭也君   6番 津田かおり君 7番 近藤  實君   8番 水島 秀晃君 9番 池上 優徳君   10番 福野 大輔君 11番 八田 一以君   12番 菅生 敬一君 13番 伊藤 洋一君   14番 泉  和弥君 15番 藤田  諭君   17番 田中 義乃君 18番 村田 耕一君   19番 片矢 修一君 20番 玉村 正人君   21番 堀江 廣海君 22番 下畑 健二君   23番 鈴木 正樹君 24番 奥島 光晴君   25番 今村 辰和君 26番 野嶋 祐記君   27番 堀川 秀樹君 28番 青木 幹雄君   29番 石丸 浜夫君 30番 見谷喜代三君   31番 皆川 信正君 32番 加藤 貞信君──────────────────────〇欠席議員(1名) 16番 中村 綾菜君──────────────────────〇説明のため出席した者 市長         東 村 新 一 君 副市長        西 行   茂 君 企業管理者      前 田 和 宏 君 教育長        吉 川 雄 二 君 都市戦略部長     桑 原 雄 二 君 総務部長       吉 田 修 二 君 財政部長       村 田 雅 俊 君 市民生活部長     牧 野   浩 君 福祉保健部長     齊 藤 正 直 君 商工労働部長     寺 井 道 博 君 農林水産部長     林   岳 宏 君 消防局長       松 田 光 広 君 上下水道経営部長   土 田 将 一 君 教育部長       塚 谷 朋 美 君──────────────────────〇事務局出席職員 議会事務局長     廣 瀬 峰 雄 議会事務局次長    松 井 優 美 議事調査課長     吉 田 裕 彦 議事調査課長補佐   塚 本 大 祐 議事調査課副主幹   田 原 弥 香 議事調査課副主幹   秦   宏 樹 議事調査課副主幹   新 町 祥 子 議事調査課主査    乘 竹 孝 幸────────────────────── ○議長(見谷喜代三君) 出席議員が定足数に達しておりますので,議会は成立しました。 よって,これより会議を開きます。 なお,本日の欠席通告議員は,16番 中村綾菜君の1名であります。────────────────────── ○議長(見谷喜代三君) それでは,日程1会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は,会議規則第88条の規定により,31番 皆川信正君,1番 岩佐武彦君の御両名を指名します。────────────────────── ○議長(見谷喜代三君) 次に,日程2 市政に対する一般質問を許可します。 それでは,1番 岩佐武彦君。 (1番 岩佐武彦君 登壇) ◆1番(岩佐武彦君) おはようございます。一般質問3日目のトップバッターを務めさせていただきます岩佐です。どうぞよろしくお願いいたします。 通告に従いまして,3点質問させていただきます。 まず1点目ですが,新型コロナウイルス感染症患者の救急搬送についてお伺いします。 現在,国内においては新型コロナウイルス感染症の拡大が続き,国民の生活を脅かす事態となっており,累計感染者数は7万3,000人を超えております。最近の感染者の状況については,無症状患者や感染経路不明者が増え続けており,街を歩けば目に見えない恐怖が隣り合わせていることを考えると,新しい生活様式の徹底を図ることが大変重要であると考えております。 このような状況において,新型コロナウイルス感染症の大きなリスクの中で,市民の安全・安心のため,命がけで仕事をしている救急隊員を含めた医療従事者の皆様に敬意を表し,感謝を申し上げます。 さて,福井県では,7月12日,75日ぶりに感染者が発生し,その後もカラオケ喫茶店ではクラスターが発生するなど,第2波と言われる新たな感染拡大の波が訪れており,先日,福井県感染拡大警報が発令され,一昨日にはこの警報が今月24日まで延長されたところでございます。 このような中,先般,沖縄県浦添市で119番通報を受けながら,患者さんの新型コロナウイルス感染を疑い,救急搬送が遅れた事例がありました。新聞記事によりますと,通報を受けた消防本部では,発熱情報から新型コロナウイルスの感染を疑い,意識や呼吸の状態など基本的な容体の確認をせず,保健所へ連絡するように促したとのことで,結果的にこの患者さんは残念ながら亡くなられました。 そこで,お尋ねいたします。 福井市消防局において,119番通報の段階で新型コロナウイルス感染を疑い,沖縄県の事例のように救急出動が遅れた事例はありましたか。また,119番通報時においてどのような対応を取っているのでしょうか。福井市においても多数の陽性患者が発生しておりますが,これまでに救急隊は新型コロナウイルス感染の疑いがある人を何人くらい搬送したのでしょうか。また,そのうち新型コロナウイルス感染者は何人いたのでしょうか。今や急病人だけではなく,交通事故やけがをされた方についても,新型コロナウイルスの感染を疑わざるを得ない状況であると思われますが,消防局ではこのような状況の中,救急搬送における感染防止対策をどのようにしているのか,お聞かせください。 次に,2点目の福井市小中学校の学校規模及び配置の適正化についてお尋ねいたします。 学校規模の適正化や学校の小規模化に伴う諸問題への対応を継続的に検討していくために,福井市学校規模適正化検討委員会が設置されました。この委員会では,少子化に対応した活力ある学級づくりを目的に,保護者等に対するアンケートを実施するとともに適正化に向けての会議を数多く開催していただき,本年5月に提言を取りまとめ,本市教育委員会に答申しました。その提言を読ませていただきましたが,検討委員会の先生方には,子どもたちの学びの環境としての適正規模に焦点を当て,児童・生徒の教育環境をよりよくするために議論を重ねていただいたことに,改めて感謝を申し上げます。しかし,小学校の適正規模の考え方として,今回の答申における小学校再編についての提案内容は,まさに現在複式学級になっている学校及び将来複式学級になると予想される学校を解消するためのものになっていると思います。なぜ複式学級は駄目なのか,全ての児童と保護者が複式学級の解消を求めているのか,再編を進めていく前にいま一度検討を深めていかなければなりません。 そこで,お尋ねいたします。 現在,複式学級が行われている学校数及び学級数を伺います。複式学級は,どのような状態が続くと編制されるのでしょうか。また,複式学級では,学習時間の約半分は他学年の指導をしているため,十分な学習時間が確保されていないというような記述がありましたが,一般的な複式学級の授業の進め方を伺います。 今回,この答申を拝見しますと,児童数の将来予測のみで判断し,学校の再編を検討していますが,校区の見直しも検討すべきではないでしょうか。例えば,現在児童数が多く,マンモス化している木田小学校ですが,国道8号から東部に当たる下馬町の児童を六条小学校に編入させれば,木田小学校の児童数緩和にもなるし,六条小学校の児童数も増加し,再編しなくてもいいかもしれません。また,将来再編された場合においても,これまで地区と校区は原則同一になっていましたが,今後は校区を見直し,児童たちの通学に配慮すべきだと思っております。 今回,私の地元である足羽第一中学校地区についても提言があり,東郷小学校,文殊小学校を拠点校とする2校化への再編の協議を進める必要があるとされていましたが,仮に再編することになった場合,上文殊小学校の児童が文殊小学校に通学するより東郷小学校へ通学するほうが近くて便利な町内もあります。また,六条小学校に通う下莇生田町の通称足羽団地の児童は,清明小学校へ通学するほうが近くて便利だと思っております。今後も柔軟な発想で積極的に校区の見直しを進め,少子化に対応した学校づくりのため,児童及び保護者の立場に立って検討していただきたいと思います。また,学校の再編が進みますと,若い世代の人たちは小学校のない地区に住むことをためらい,さらにその地域は人口減少,過疎化が加速していくのではないかと懸念しております。それぞれ御所見を伺います。 次に,3点目は,地域の宝である文殊山,槙山,三峯山,城山の整備についてお伺いします。 通告では,三峯山の「峯」という漢字をやまへんの「峰」としておりましたが,正しくは上に山がつく「峯」という字でした。訂正させていただきます。 福井市南東部の文殊地区,上文殊地区にまたがる文殊山,東郷地区の槙山,一乗地区の三峯山,そして清明地区の城山については,それぞれが地域の宝として多くの市民に愛され,地域の方々の尊い奉仕の精神により,長きにわたり整備などが行われております。 まず,文殊山ですが,泰澄大師が開山したといわれる越前五山の一つとして,信仰の山として親しまれております。この文殊山は登山道が広く整備されていることに加え,駐車場やトイレが整備されていることもあり,県内では登山客が一番多い山になっております。そして,地域の皆様の御協力をいただき,毎年4月24日には児(ちご)の火として文殊の「文」という字が山の上に浮かび上がります。また,11月3日には,子どもからお年寄りまで多くの参加者を集め,文殊やまのぼり大会が盛大に開催されております。 次に,槙山ですが,戦国時代には一乗谷城の出城があった場所で,現在は舗装された林道が整備され,車でも上がることができます。山頂には子どもの遊具やバーベキュー広場もあり,家族で楽しめる場所となっております。また,槙山を育てる会の皆様により,年間を通して草刈りなどの整備が行われ,毎年6月には槙山ウォークが開催されております。 次に,三峯山ですが,福井市と鯖江市の境にあり,南北朝時代の城の遺構が残っており,山頂からは一乗谷や福井平野を一望できます。鹿俣の文化と自然を守る会の皆さんにより登山道や案内板が整備され,三峯山登り大会朝倉トレイルランのコースにもなっております。 最後に,城山ですが,福井市杉谷町の南部に位置し,頂上からは北陸街道を見渡せるため,平安時代以降3回にわたり山城が築かれたそうでございます。清明まちづくり委員会の人たちが3年がかりで1.2キロメートルの登山道を完成させ,頂上からは360度の眺望が楽しめ,周囲の風景の案内看板や休憩できるベンチが数多く設置してあります。 福井市の南東部にある4つの山を紹介させていただきましたが,これらの山の共通点は,どの山も城跡などの歴史的ロマンが満載で,市民から親しまれ,多くの方に登られているという点です。そして,何よりも一番の共通点は,登山道の整備や草刈り,案内板や休憩場所の設置,また登山大会を開催するなど,長きにわたり地域の宝として磨いていこうとする住民の熱意とひたむきな努力が注がれている点です。 しかし,ハード面の整備等については,地域のボランティアの力だけでは限界があり,行政に頼らなければ実現できないこともたくさんあります。例を挙げますと,文殊山については避難小屋の整備,眺望の確保,槙山については子どもたちが遊べる木製遊具や作業林道の整備,三峯山については案内看板や駐車場の整備,城山については駐車場やトイレの整備など,数多くの要望があります。 福井市は財政再建中であり,またほかの地区からも様々な要望事項がある中で,全部を整備することはなかなか難しいと認識しております。しかし,僅かずつでもいいので,地域の要望に耳を傾け実現していただき,ひたむきに頑張っている地域の人たちの熱意や努力に応えてほしいと思います。御所見を伺います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。 (教育長 吉川雄二君 登壇) ◎教育長(吉川雄二君) 福井市小中学校の学校規模及び配置の適正化についてお答えいたします。 まず,複式学級のある学校についてですが,現在,本市の小学校50校中8校に複式学級が設置されており,その学級数は合計で18学級となっております。なお,本市の中学校では複式学級は設けておりません。 次に,複式学級の編制基準ですが,小学校で2年生と3年生とか,3年生と4年生のように,隣り合う学年の児童数が合わせて16人以下であれば複式学級となります。ただし,小学校1年生を含む場合は合計8人以下になると複式学級となります。 次に,複式学級での授業の進め方についてお答えします。 複式学級では,1人の教師が2つの学年に対して,1つの教室で同時に指導を行う形態の授業が行われます。その場合,教師は2つの学年を教室の前後や左右に分けて交互に渡り歩き,それぞれの学年を指導することになります。子どもたちにとっては,教師から直接指導を受ける時間,これを直接指導と呼んでおりますが,それと教師からの指示に基づいて個人またはグループで学習を進める時間,これを間接指導と言いますが,これらが交互に訪れることになります。教師にとりましては,行き来のタイミングも含めた2学年分の授業の準備や指導計画を立案する必要があり,極めて高度な指導技術が求められるものでございます。 次に,校区を見直すことや,校区を柔軟に設定することについてですが,検討委員会での大きな視点は学びの環境であり,校区について柔軟に検討することも,適正規模化の方策の一つだと考えております。子どもたちの学習環境や通学のことを十分に考慮し,保護者や地域の意向を伺いながら検討していくことも必要だと考えております。 学校の再編が進みますと,さらに人口減少が加速するのではないかということですが,検討委員会の答申でも,地域コミュニティーの活性化は極めて重要な案件であり,教育委員会だけでなく市の各部局や各種団体とも協働して推進していくことが不可欠であるとされているところでございます。 答申は,子どもたちにとっての望ましい学習環境の実現が狙いでありますが,実際に再編等を進める上では,まちづくりやまちおこし,施設の活用など,様々な視点から地域や関係団体と広く議論していくことが不可欠であると認識しております。今後,各地区で丁寧に御意見を聞いてまいります。 (消防局長 松田光広君 登壇) ◎消防局長(松田光広君) 新型コロナウイルス感染症患者の救急搬送についてお答えいたします。 本市では,119番通報の段階で,患者の新型コロナウイルス感染を疑ったことにより救急車の出動が遅れた事例はございません。 また,119番通報を受けたときの対応としましては,出動する場所,意識や呼吸などの症状を聞き取り,直ちに救急車を出動させております。出動後も引き続き,通報者からせきや発熱の有無,海外への渡航歴や県外での滞在歴を確認しまして,出動する隊員と情報の共有を図っております。 次に,救急隊が搬送した人数についてですが,9月8日現在,新型コロナウイルス感染の疑いがある方の搬送人数は49人で,そのうち3人の方の陽性を確認しております。 次に,救急搬送における感染防止対策についてですが,救急隊員は高性能マスクフェースシールド,感染防止衣,手袋を装着して出動しております。また,傷病者のマスク着用や必要に応じて救急車内をビニールシートで覆うなど,飛沫による感染防止を行っております。さらに,搬送後は車内をアルコール消毒するとともに,オゾン発生装置による滅菌処理も行い,2次感染防止の徹底を図っております。今後も,市民の皆様が安全で安心して暮らせますよう,感染防止対策を最優先に取り組んでまいります。 (商工労働部長 寺井道博君 登壇) ◎商工労働部長(寺井道博君) 文殊山,槙山,三峯山,城山の整備についてお答えいたします。 まず,文殊山につきましては,泰澄大師が開山して以来,信仰の山として親しまれており,市街地から近くアクセスがよいこと,また登山道が緩やかで登りやすいこと,さらに四季を通して多様な動植物を観察できることもあり,市内外から多くの登山客が訪れております。現在,福井市文殊観光協会等の地元団体が主体となって,登山道や駐車場,トイレ等の維持管理を行うとともに,文殊やまのぼり大会実行委員会によるやまのぼり大会等のイベントも実施されているところです。 また,槙山,三峯山,城山につきましても,歴史的,景観的に貴重な資源でございますので,それぞれの地域の誇りとして,地域住民が主体となったイベントの実施や関連施設の維持管理を行っております。 本市といたしましては,これらの地域活動に対して支援を行っているところであり,今後も地域と連携しながら,引き続き活動を支援してまいります。 (1番 岩佐武彦君 登壇) ◆1番(岩佐武彦君) いろいろと御答弁いただき,ありがとうございました。 3点目の山の整備について,もう少し話をさせていただきます。 いろいろな形で地域の要望を市に持っていきますと,例えばまちづくりの観点では,まち未来創造課が相手をしてくれる。そして,山の整備絡みですと林業水産課,観光という点からはおもてなし観光推進課という形で,いろんな課にまたがるため,それぞれが譲り合ってなかなか受け止めてくれないということもあります。悪く言えば,役所らしいたらい回しということもあるのかなと思っております。しかし,私が議員になってからは本当にいろんなことを聞いていただいておりますし,これからも地域のために,いろんな要望をしていきたいと思っておりますので,どうかひとつ,また前に進めていっていただきたいと思います。そのことが福井市の魅力アップにつながっていくのではないかと思っております。どうかひとつよろしくお願いいたします。要望です。 ○議長(見谷喜代三君) 次に,17番 田中義乃君。 (17番 田中義乃君 登壇) ◆17番(田中義乃君) 新生ふくいの田中でございます。通告に従い,2項目,お願いいたします。 来年の今頃の9月定例会では,このように申し上げています。東京オリンピックも盛大に,そして成功裏に開催されてよかった。1年半後に迫る北陸新幹線福井開業に向けて,いよいよ正念場である。あのコロナは一体何だったのだろう。もう過去のものになっている。そう願いたいところでございますけれども,今は大きな世の中の流れの節目で,観光は苦しみの中にいる。その観光復興についてお伺いします。 新型コロナウイルス感染防止のための旅行や帰省の自粛,観光施設の閉鎖,飲食店の営業自粛や様々なイベント等の中止により,観光産業は壊滅的なダメージを受けています。壊滅的というのは,売上げが2割,3割ダウンしているのではなくて,8割,9割,10割ダウンしているということで,ここから立ち直るのは容易なことではありません。 御承知のとおり,観光は旅行,宿泊,運送,飲食,イベント,土産等,極めて裾野の広い産業であり,観光が起爆剤となって新産業の創出や地域産業の活性化へと結びつく成長産業であります。また,北陸新幹線福井開業に向けた福井の交流人口の拡大,シティプロモーションの要になるもので,その影響は非常に大きなものがあります。今後,新型コロナウイルスの感染拡大が収束すれば,人々の不安も払拭され,本市には多くの観光客が戻ってくると確信しておりますが,事業者の皆様にはそれまで何としても持ちこたえていただかなくてはなりません。 そこで,この難局を乗り切るために,現在,国,県でも様々な施策が行われようとしておりますが,本市として今後どのような方針で支援を行っていくつもりなのか,何点かお伺いします。 まず,安心して観光を楽しめるよう,旅行による感染防止対策について,観光客,観光従事者,施設やサービスにおける感染症対策をどのように行い,またどのような指導をしているのか,伺います。 観光客も,感染リスクを感じながらでは旅を楽しめる雰囲気にはなり難いのが実情です。旅館では,従業員がお客様のかばんも持てませんし,客室に入ってもお茶のサービスも出来ないそうです。残念ながら,感染防止対策をしている状況では,おもてなしの質が低下していると言わざるを得ません。感染リスクの低い,新たなおもてなしを積極的に提供することが必要です。フィジカルには距離があっても,マインドディスタンスは近いといった新たな方策が必要です。サービスを禁止するだけではなく,指導,講習が必要ではないでしょうか。コロナ禍におけるホスピタリティー,おもてなしとはどういうものか,伺います。 今年のゴールデンウイークとお盆は,県知事の帰省自粛要請を市民,県民がしっかりと受け止めて行動したため,帰省客は大変少なかった。言わば帰ってくるなキャンペーンで,寂しい思いをしたお年寄りも多かったと思いますが,自粛が解けたら帰ってこいキャンペーンを打つべきではないでしょうか。帰省観光,里帰り観光というものを企画してはどうかと思いますが,御所見を伺います。 とはいっても,リモート里帰りというのがあって,画面越しに孫やひ孫と対面できたお年寄りは大変喜んだと聞きます。また会える日の楽しみもひとしおだと思います。私は9月5日に福井市観光協会とHISが企画する参加費3,980円のオンラインツアーに参加しました。事前に送られてきたお酒やおつまみを目の前にして,自宅で3時間,パソコンの画面上で常山酒造,米五,天たつ,越前蕎麦倶楽部をめぐった後,片町の「のちのち」で懇親会ということで,とても楽しいツアーでした。必ずリアルで訪れてみたいと思いましたし,県外からの参加者は必ず福井へ行くよと約束してくれました。こうした試みは,観光の新しいモデルになると思います。いろいろなジャンルで福井市のオンラインツアーを企画,支援していただきたいと思いますし,県外,特に福井市応援隊への働きかけが有効かと思いますがいかがでしょうか,御所見をお聞かせください。 次に,近年の国内観光において大きく伸びたのがインバウンドで,2012年には年間約840万人だった訪日外国人観光客が,2019年には約3,190万人にまで増え,その経済効果,訪日外国人旅行消費額の総額について観光庁は4兆8,113億円と推計しています。その反面,地域によっては外国人観光客が多過ぎて混雑するといった様々な弊害が生じ,観光公害という言葉まで生まれました。ところが,新型コロナウイルスの影響でインバウンドは壊滅状態となり,今後,世界的に渡航規制が解かれたとしても,インバウンドの客足が戻ってくるには数年以上かかると言われています。アフターコロナにおけるインバウンドに関しての今後の方針及び観光戦略について伺います。 2019年の国内旅行消費額は,日本人の日帰り旅行と宿泊旅行が約8割を占めており,新型コロナウイルスに関する民間企業の調査において,新型コロナの感染拡大が収束して自粛が解除されたらあなたはどんなことをしたいと思いますかという問いに,回答者の約半数に当たる48.9%が国内旅行に行きたいと答えています。特に,マーケット規模の大きい国内宿泊旅行市場の回復が重要になると思います。インバウンドと比べて日本人の国内宿泊旅行の1人1回当たりの観光消費額が少ないのは,宿泊日数が短いことにあります。観光消費額を増やすために国内旅行の宿泊日数を増やす取組,また長期滞在型の観光についての施策を伺います。 また,旅行においても,密を避けるという新しい生活様式が普及しなければなりません。これまでは,どうしても土日に集中して,宿泊も交通も密になりがちでしたし,受入れ側としても土日に集中すると人手が不足して,アルバイトなどによる慣れない対応でおもてなしに不足が生じるかもしれません。旅行日程の平準化,平日観光に対する支援が必要かと思いますが,いかがでしょうか。 平日を中心としたスケジュールで密を避けた観光として,自然を求める人々が増えると思います。自然体験ツアーの整備を進めて,大自然の中でトレッキングや星空を見るツアー,さらにラフティングやカヌーなどがこれまで以上に人気になっていくはずです。モノ消費からコト消費へというトレンドがありますし,コロナによる心理的な不安が解消されれば,観光は急激に回復すると思います。製造業などと比べると,かなり回復力が強い産業と言えます。観光はムードで動きます。観光産業の回復のためには,イベントやキャンペーンを打ってムードを変えていかなければなりません。福井市としても,観光ムードを誘発する施策を打っていただくことをお願いしたいと思います。そのムードを誘発するための一番の策は,やはり東京オリンピックの開催宣言なのです。 次に,新しい生活様式への対応についてお伺いしますが,昨日,おとといにあったほかの議員の質問と重複するところがありますけれども,私なりの視点で質問しますのでお願いします。 新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークが推進され,在宅勤務を導入する企業が増えてきました。テレワークに移行した従業員の満足度も高く,民間企業の調査によるとコロナ収束後のテレワーク継続希望率が69.4%,特に若い年代や女性の間で継続希望率が高く,20代女性では79.3%に達しております。テレワークは単なる感染症対策としてだけでなく,多様な働き方を可能にする仕組みとして,職場の業務改革として推進されているのではないかと思います。 民間においては,特に大都市からテレワークが進んでいるようですが,今後は民間企業との間で行う業務でもテレワークやリモート会議が不可欠になると思われるので,詳細について何点かお聞きいたします。 まず,9月補正予算では,在宅型テレワーク環境整備事業で50人分のテレワーク環境を整備するための費用が計上されております。対象業務は,企画立案,資料作成,契約事務,各種照会・回答などとし,対象者は,中学校就学前の子どもを養育する職員,自宅で配偶者,父母,子等を介護する職員,けが,病気等のため通勤困難な職員,妊娠中の職員などとなっており,育児や介護に関わる方の働き方改革のためのテレワーク推進であると思います。 今回の予算措置では端末を50台購入し,50人程度が対象ということです。県では400人分を想定しているようです。今後,アフターコロナになってもテレワーク環境の整備をどの程度まで進めていくのか,お伺いします。 テレワークでは,自宅等で業務ができるというメリットがある反面,働いている人が目の前にいないだけに,職員には自己管理能力が求められます。また,目に見える結果だけが着目され,その成果でもって評価されてしまい,業務態度等の途中過程はないがしろになってしまうなど,適切に仕事の成果を評価することが難しいと考えます。これらの課題に対し,テレワークを実施するための運用方法の整備が必要だと思いますが,御所見をお伺いします。 次に,リモート会議環境整備事業についてです。外部機関とのリモート会議の促進が目的ということですが,どのような団体とどのような業務について実施するのか伺います。また,アフターコロナになっても範囲を拡大していくのか,方針を伺います。 次に,テレワークにおいて,押印が必要な書類があるためどうしても出社しなければいけないといったケースが起こっているようです。これもまた,新型コロナ感染防止というよりは職場のデジタル化,業務改善という要素が強いのですが,押印を必須としない脱判この要求は高まっています。 福井市においては,まだまだ相当数の書類に押印が求められているようですが,押印省略はどこまで進んでいるのでしょうか。また,テレワークにおける押印はどのようにされているのでしょうか。 福岡市では2020年度中に,これまで押印が必要だった書類のうち,約7割を押印不要にする方針を示しています。福岡市長は,判こが押されているからといっても書面の内容が本人の意思であるかどうかは判断できないとして,押印の必要性に疑問を呈しています。民間企業では,筆跡が残る自署のほうがセキュリティーは高いという声もあります。例えば,保険業界では既に大半の契約を署名だけで結ぶことが出来ます。銀行業界では,新生銀行のほかネット銀行などでの口座開設には押印が必要ありません。民間企業では,このような脱判この動きが加速しており,今後も止まることはないでしょう。印鑑が完全になくなることはないと思いますが,福井市としても利用者の負担軽減のために,押印が必要な書類以外は署名のメリットを生かして脱印鑑を進めるべきだと思いますが,御所見をお伺いします。 このように,幅広い業務をデジタル化することによって,同時に業務改革を成し遂げ,従来では得られなかった価値が生まれ,競争的優位が実現できるようになるということです。現在,テレワークにおいては,Zoomをはじめとするウェブ会議が盛んですが,様々な付加価値を持たせることができます。例えば,AIによる議事録の自動作成です。音声認識技術によるリアルタイム書き起こしツールを使うことで,参加者が発声するのと同時にその内容がテキストに変換され,画面上に表示されます。利用者は表示されたテキストを修正し,その場で議事録をまとめることができます。会議終了直後に決定事項が共有され,業務の効率化やスピードアップが実現できるというものです。また,ミーティングにおける意思疎通が音声と同時に文字でも行われるため,聴覚に問題を抱える人も参加できます。ウェブ会議が浸透すれば,議事録作成の業務も簡略化できると思いますが,福井市の御所見を伺います。また,様々なアプリやAIを活用した取組は重要だと考えますが,御所見を伺います。行政が活用することで,民間への普及も進むと思います。活用すれば,利点も欠点も見えてきます。ぜひ,御検討ください。 最後に,移住・定住促進ですが,先日の報道によりますと,総務省が8月27日に公表した7月の住民基本台帳人口移動報告で,東京圏(埼玉,千葉,東京,神奈川)から他の道府県への転出が転入を1,459人上回り,人口流出に当たる転出超過となったということです。東京一極集中に歯止めがかかったという形です。これはコロナ疎開,リモート移住の影響だと思われます。まさに,感染者の多い都市部を避ける地方回帰の流れが始まったと言えます。コロナ収束後もテレワーク推進の流れから不要な出張は減少し,リモートオフィスなどのワークスタイルが定着するでしょう。福井市においても,さらなる移住・定住を促進するチャンスだと思いますが,御所見をお伺いしまして,私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 私からは,観光復興についての御質問にお答えします。 観光客や観光事業者における感染症対策についてですが,まず観光客に対しては,マスクの着用やキャッシュレスの利用,健康チェックなど,旅行者による感染防止のための留意事項を啓発する,新しい旅のエチケットポスターを市内全宿泊施設に掲示し,旅行者自身の行動意識が高まるよう努めているところです。 また,宿泊事業や交通事業をはじめとする観光事業者に対しては,各業界団体が作成した安全対策ガイドラインを通知し,それぞれの業態に応じた感染症対策の徹底をお願いしております。さらに,観光事業者における安全対策を徹底するため,5月専決補正予算において宿泊施設安全対策等奨励事業を創設し,消毒液の配置や施設の消毒,利用者名簿の作成など,宿泊施設における感染対策を促しました。また,6月専決補正予算では,タクシーや観光路線バスにおける消毒等に対する奨励事業を設け,交通機関における感染対策等に取り組んでおります。 次に,感染症に対応したホスピタリティー,おもてなしについてお答えします。 感染症が拡大する状況において,まずはお客様の立場に立ち,安心して施設を利用いただけるよう感染防止策を徹底することが重要ですが,その一方で,旅行者にとっては不便と感じる面も出てくることが考えられます。 観光事業者には,これまでどおり旅行者に満足いただけるよう,感染症対策と併せたおもてなしの充実に努めていただくことが必要と考えております。このため,本市では,6月専決補正予算において宿泊サービス付加奨励事業を創設し,宿泊事業者による新たなおもてなしサービスへの取組を促進しているところです。今後も観光振興計画に基づき,市民総ぐるみでおもてなしの充実・強化を図ることで,本市を来訪する方に「福」を感じていただける観光を目指してまいります。 (商工労働部長 寺井道博君 登壇) ◎商工労働部長(寺井道博君) 観光復興についての御質問のうち,残りの質問にお答えいたします。 自粛が解けた際の帰省観光等につきましては,6月専決補正予算におきまして,首都圏在住の福井市応援隊の帰省観光及びSNSによる情報発信を促す観光プロモーションを実施する予定でしたが,7月以降,首都圏で感染が拡大したことから,現在実施を見合わせているところでございます。今後,首都圏との往来自粛が解除されるなど,感染症の状況が落ち着いた場合には,速やかに事業を実施してまいります。 次に,オンラインツアーの実施についてですが,東京事務所では6月6日に福井市応援隊等の首都圏在住者を対象に,市内の酒屋や酒蔵とオンラインで結び,福井の酒造りについて学ぶウェブ飲み会を開催いたしました。さらに,9月12日には,北陸新幹線福井開業に合わせたフルマラソン開催への機運醸成につなげるため,皇居ランと食にまつわるオンライントークを組み合わせたイベントを開催する予定でございます。今後も引き続き,本市を訪れたくても訪れることができない方々に対しまして,ふるさと福井を感じていただけるようなジャンルのオンライン企画を実施してまいります。 次に,アフターコロナにおけるインバウンド観光についてですが,我が国の訪日外国人観光客数は,本年4月から7月までいずれも前年同月比99.9%減となっており,インバウンド観光はまさに壊滅的な状況でございます。今後,インバウンド観光が回復するにはかなりの時間を要すると思われますが,北陸新幹線福井開業を見据えたインターネット等による情報発信や外国人旅行者の受入環境整備等につきましては,着実に進めてまいります。 次に,今後の観光戦略についてですが,現在,国内の延べ宿泊者数は,前年同月比で5月が84.9%減であったのが,7月の速報値では56.4%減となっており,国内旅行は徐々に回復傾向にあります。また,国外におきましては,入国制限等の措置が講じられ,日本人の海外観光は困難な状況となっていることから,これまでの海外での観光消費が国内に向けられる可能性が高くなっております。このような中,本市におきましても,これまで以上に国内旅行による観光需要が高まることが予想されることから,まずは国内を視野に入れた観光誘客の回復に取り組む必要があると考えております。 次に,長期滞在型旅行や平日観光の促進についてですが,本年6月に閣議決定した観光白書では,新型コロナウイルス感染症の拡大につながる密集を防ぐため,特定の時期や場所に観光客が偏らないよう,休暇取得の分散化や新たな旅行スタイルを検討することとしております。また,ゴールデンウイークや夏休みなど長期休暇の分散化や家族等少人数で滞在型の観光をするスタイルの定着も重要であるとされております。さらには,密を避ける生活様式の普及により,平日観光のニーズが高まることも想定されます。このような中,本市におきましてはイベントの開催やツアーの誘致等による観光誘客に加え,滞在時間の延長につながる周遊観光や,年間を通して個人でも楽しめる体験観光メニューの充実に努めてまいります。 (総務部長 吉田修二君 登壇) ◎総務部長(吉田修二君) 新しい生活様式への対応についてのうち,テレワークについてお答えします。 まず,テレワーク環境整備をどの程度まで進めるかについてですが,テレワークは職員の多様な働き方の実現に加えて,新型コロナウイルス感染症などの危機状況においても,業務を継続していく上で重要な取組であると考えております。そこで,9月補正予算では,まず50人がテレワークを利用できる環境を整備してまいります。その上で,テレワーク対象業務の範囲や規模等について,利用状況や職員の声などを踏まえながら,引き続き検討してまいります。 次に,テレワークの運用方法の整備についてお答えします。 テレワークには,業務成果の適切な評価のほか,勤務状況の把握が困難であることや,一人で業務に取り組むことからくる孤立感の解消といった課題があります。テレワークの導入に当たりましては,これらの課題への対応として,所属長や同僚職員との電話連絡やメール等を使ったコミュニケーションを図るとともに,実施報告書等を通じた業務経過を含む成果物の把握や評価,勤務状況の管理など,適切な運用方法を整備してまいります。さらに,導入後は職員向け研修等を通じてテレワークの活用方法を周知するほか,適宜運用方法を改善していくことで,より効果的にテレワークを実施してまいります。 次に,印鑑省略についてお答えします。 公文書に用いる公印につきましては,市が作成した文書であることを認証する重要な役割を持っております。このため,発送する文書には原則として公印を押印することとなります。ただし,報告,照会,回答,その他法的効果を生じない文書や案内状,礼状等の文書で軽易なものについては,公印を省略することができることとしております。また,日々大量に押印が必要な住民票や市税通知などの文書については,事務処理上の効率化に資するため,電子印影による印刷処理を行っております。今後も公印管理におけるセキュリティーに万全を期した上で,事務の効率化を適宜図ってまいります。また,テレワークにおける公印の使用につきましては,公印の管理上の観点から,現状,テレワークにおいて行える業務として認めておりません。 次に,市に提出される書類等に求められる押印の考え方についてお答えいたします。 先般,菅生議員にお答えしたとおり,国の法令などにおいて押印が義務づけられている場合以外は,その提出する書類の目的に応じて押印の要不要を判断していくことになります。例えば,特別定額給付金の申請においては,本人が申請する際には署名のみとしており,住民票等の交付申請においては,自署であれば押印を不要とするなど,臨機応変に対応しております。今後とも,押印の省略につきましては,提供する市民サービスの内容を十分に踏まえ,その是非を判断し,利用者負担の軽減に努めてまいります。 次に,移住・定住の促進についてお答えします。 内閣府が今年5月から6月にかけて実施した,新型コロナウイルス影響下における生活意識・行動の変化に関する調査によりますと,若年世代を中心に生活意識等の変化が見られ,特に東京23区在住の20歳代では,約35%の方が地方移住への関心が高まったと回答しております。また,村田議員にもお答えしましたように,本市の移住相談件数は,8月末時点で78件と昨年同時期と比較して2倍以上となるなど,本市への移住に関する関心も高まっており,移住促進に向けた好機であると捉えております。 こうしたことから,遠隔地からでも顔が見えるオンライン移住相談の開始や,民間の移住支援サイトを活用した情報発信を行うなど,きめ細かな対応を行っております。加えて,テレワークで仕事をする移住者も対象とした,新たな移住支援制度の経費を9月補正予算に計上しているところです。さらに,越廼サテライトオフィスを活用し,ワーケーションを推進するなど,場所を選ばない柔軟な働き方にも積極的に対応しております。これらの取組を一体的に推進することで,この好機を逃すことなく,着実に本市への移住促進につなげてまいりたいと考えております。 (都市戦略部長 桑原雄二君 登壇) ◎都市戦略部長(桑原雄二君) 新しい生活様式への対応についての御質問のうち,残りの御質問についてお答えします。 まず,リモート会議環境整備事業についてですが,この事業は離れた場所でも会議や打合せができるように,市役所以外の外部機関などとのウェブ会議システムと,市役所内部でのテレビ会議システムの導入を行うものです。 新型コロナウイルス感染拡大防止のため,国,県,民間などの会議や研修などは,ウェブ会議で開催されることが増えてまいりました。本市におきましても,国が開催する会議や県の市町連携会議,民間の方々との打合せなどの業務での利用促進を図ってまいりたいと考えております。また,アフターコロナにおいても,ウェブ会議は移動に係る時間や経費の削減にもつながることから,働き方改革の一環として,会議,研修,打合せなどについて利用を促進してまいりたいと考えております。 次に,議事録作成業務の簡略化についてですが,これまで議事録の作成につきましては,録音した会議内容を聞いて文字起こしを行っておりましたが,ウェブ会議の議事録作成機能を使用することにより,作成に係る時間の削減が図られることから,働き方改革にも一定の効果があると考えております。しかし,使用するソフトなどによって音声を文字に変換する精度に差が出ることもあるため,今後とも研究してまいりたいと考えております。 次に,アプリやAIの活用についてですが,本市では平成30年度に策定した福井市ICT利活用推進計画に基づき,IoTやAIなど先進情報技術を活用し,業務効率化や窓口業務のサービス向上を推進しております。また,市民の生活スタイルや働き方の多様化に伴うニーズに対応するため,今年度はAIチャットボットを導入し,窓口手続に関するスマートフォンからの問合せに,土日や夜間を含め24時間対応したいと考えております。事前に手続の内容を確認できることで,手続の効率化,所要時間の短縮が見込まれ,市民サービスの向上が図られます。今後も引き続き,アプリの導入やAIの活用について研究してまいります。 (17番 田中義乃君 登壇) ◆17番(田中義乃君) 御答弁ありがとうございました。 福井市では,ワーケーションという考えの中で越廼地区にサテライトオフィスを設置しており,これからも推進していくということで,大変いいことだと思います。 鯖江市では,まちなかにサテライトオフィスを設置しております。特に,東京に本社がある企業のサテライトオフィスを誘致するということが肝腎かと思いますけれども,お考えをお聞かせください。 また,サテライトキャンパスというものもありますが,東京への進学もコロナの影響で非常に厳しい状況にあると聞いておりますので,大学のサテライトキャンパスを福井に誘致するということは大変重要な課題であると思いますし,政府としても設置を推進しているとお聞きしております。福井市としても検討すべき課題だと思いますが,いかがでしょうか,御所見をお伺いします。 ◎商工労働部長(寺井道博君) まず,本市へのサテライトオフィスの誘致についてですが,新型コロナウイルス感染症の影響によりまして,企業のリモートワークへの転換,またBCP対策の一環として,首都圏から地方へのオフィス立地に関する動きがあることや,北陸新幹線福井開業に向け中心市街地へのオフィス立地のニーズが高まっていることが想定されます。 そのため,本年6月に首都圏等のICT関連企業に対し本市への立地をPRするとともに,立地意向を把握するためのアンケート調査を行い,誘致活動に取り組んでいるところでございます。 今後も,このオフィス立地に関する情報を幅広く収集しまして,本市への立地を積極的に働きかけてまいりたいと考えております。 (17番 田中義乃君 登壇) ◆17番(田中義乃君) 最後に要望いたします。 新型コロナによって新しい生活様式がもたらされて,リモートワークやサテライトオフィスなどという働き方が広がったわけでございますが,こういったことが今後一挙に進むと思われます。企業にとっては,オフィス等を地方に分散することによって,危機管理やコストの削減,優秀な人材の確保につながり,BCP対策にもなります。新型コロナは一旦は収まるかもしれませんけれども,将来的には新しい感染症が次から次へとやってくるということを念頭に置く必要があると思います。 東京など大都市圏への一極集中から地方分散,今こそ福井にとってチャンスです。市長が掲げる「福いいネ!」を旗印に,市長のトップセールス,そして福井市民全員が福井のセールスマンとなることによって,新しい人の流れを福井に呼び込む斬新な戦略を立てて確実に実行されますよう要望を申し上げまして,質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◎総務部長(吉田修二君) 再質問の中で,大学のサテライトキャンパスの誘致について答弁をしておりませんでしたので,答弁させていただきます。 若者の東京一極集中を是正し,地方への新しい人の流れを生み出していくためには,大学等のサテライトキャンパスの誘致も有効な手段の一つになるものと考えております。 また,国が今年7月に閣議決定したまち・ひと・しごと創生基本方針2020におきましても,東京圏の大学等の地方へのサテライトキャンパスの設置推進が盛り込まれているところでございます。サテライトキャンパスの誘致に当たりましては,その施設の用地や建物をどうするのか,あるいは既存の地元大学にどのような影響を与えるのかなど,整理すべき課題も少なくないものと考えております。 今後,大学等のサテライトキャンパス誘致という手法を念頭に置いて情報収集を行うとともに,国の動向にもしっかりと注視してまいります。 ○議長(見谷喜代三君) 次に,5番 寺島恭也君。 (5番 寺島恭也君 登壇)
    ◆5番(寺島恭也君) 一真会の寺島でございます。通告に従いまして,質問をさせていただきます。 新型コロナウイルス感染拡大で外出自粛が続く昨今,福井市に県内で初めてとなる商用水素ステーションの建設が予定されているとの報道があり,これからの社会が大きく変わっていくのだろうとの思いから,未来のための今 これからのエネルギーと環境について,新型コロナウイルス感染拡大による生活様式の変化を踏まえ,質問させていただきます。 商用水素ステーションは,現在,31都道府県に計131か所あり,県内では昨年12月,敦賀市内に開所した太陽光発電による水素製造装置を組み合わせたシステムの実用化に向けた実証実験用の水素ステーションの1か所だけです。水素ステーション設置の目的は燃料電池自動車に燃料となる水素を補充するためで,2050年に二酸化炭素,CO2の排出量実質ゼロを目指している県の長期ビジョンに沿ったものでございます。ガソリン,軽油,LPガス,天然ガスを燃料として走る自動車が主流でしたが,充電したバッテリーをエネルギーとして走るPHV等の電気自動車も多くなってきております。また,水素をエネルギーとして走る燃料電池自動車の開発が進み,それらを普及させるため多額の支援金を国や県が支出しているようでございます。走行時にCO2を出さないなど,温室効果ガス排出削減に向け,電気自動車だけでなく燃料電池自動車も含めた幅広い電気エネルギー技術の普及に取り組んでいるようです。トヨタ自動車と本田技術研究所は,水素で走る燃料電池バスで発電した電力を災害時にも供給できるよう,移動式の発電・給電システムの実証実験を共同で始めるとの報道もございました。 ここで質問です。 福井市に水素ステーションが設置される計画ですが,市として今後支援していくのか,市の御所見をお伺いします。また,エネルギーの多様化が進む中,水素エネルギーや再生可能エネルギーに対する市の御所見をお伺いします。 次に,発電といえば原子力発電が主流でしたが,福島での原子力発電所の事故後,全ての原子力発電所が一時停止となり,安全基準の見直しに伴う大規模改修工事の遅れや,近隣住民の同意が得られない状況が続き,いまだに多くの原子力発電所が再稼働していないのが現状です。そのため,石炭などの火力発電や水力発電だけでなく,太陽光発電,風力発電,小水力発電など,再生可能エネルギーの普及拡大が期待されます。 ここで質問です。 現在建設が計画されている新クリーンセンターでは,収集や受入れしたごみを利用した発電等を行うと思いますが,市の御所見をお伺いします。 次に,市の環境についてお聞かせください。 福井市には,戦前,戦後,多くの繊維工場がありました。時代の流れにより,繊維産業の主流は化学繊維や化学染料へと大きく変わっていきました。私が幼少の頃は,近くの河川にきれいな水ではなく,日によって色とりどりの汚水が流れていたのを記憶しております。水質汚染や悪臭をはじめとした環境問題が取り沙汰されましたが,今では環境基準が設けられ,それが守られるようになりました。しかしながら,環境基準はクリアしていると思いますが,地域住民はもとより,漁業従事者や釣り愛好家などからは,工場からの排水や臭いをもっと改善していただきたいとの声があるのも事実でございます。 ここで質問です。 染色工場等への対応について,市の御所見をお伺いします。 8月21日の新聞に,福井大学と石川県の私立大学と大阪府の化学工業会社の産学共同研究グループが,これまで染色が困難だったポリプロピレン繊維を水を使わない超臨界二酸化炭素染色と呼ばれる方法を用いて染めることができる特許を取得したとの報道がございました。ナイロン繊維やポリエステル繊維に代わる,安価で耐久性に優れた繊維がポリプロピレン繊維で,これから普及が進むと期待されているそうです。 ここで質問です。 このような先進的な研究開発に対する市の御所見をお伺いします。 ここまでエネルギーと環境のことを質問させていただいたのは,福井市の魅力をより向上させ,今よりもっと幸福度を上げていきたいとの切なる願いからです。御存じとは思いますが,今月4日に2020年版の全47都道府県幸福度ランキングが発表され,福井県は引き続き1位でございました。今後も福井市のイメージをよくし,アピールしていくことが必要ではないでしょうか。 新型コロナウイルス感染拡大は全国に広がり,企業活動に大きな影響を及ぼしております。各企業は,安定的な企業活動並びに雇用を維持するため,リモートワーク等を導入し,従業員の働き方の見直しを行っております。また,首都圏に立地している企業では,生産活動拠点の地方への分散を検討しているということも耳にしております。 ここで質問です。 首都圏に立地する企業に福井の住みよさなどの強みをPRして,本市への企業誘致を積極的に推進すべきと考えますが,市の御所見をお伺いします。 福井県は,福井県民衛星プロジェクトに取り組んでいるほか,福井県工業技術センター等には,日本有数の実験設備が整備されており,宇宙関連産業の立地に特に適しているのではないかと考えております。 ここで質問です。 福井市への宇宙関連産業の誘致を積極的に推進してはいかがかと思いますが,市の御所見をお伺いします。 次に,効果的な情報発信と移住・定住の推進についてお伺いします。 福井市は,先日発表されました住みよさランキング2020において全国5位となり,昨年より順位を1つ下げたものの,依然として高い評価を受けております。私は生まれてからこの方ずっと福井で暮らしておりますので,当たり前過ぎてあまり気づいておりませんが,福井には豊かな自然環境,おいしい食など,全国に誇れることがたくさんあります。私は,福井が一番住みよいまちだと自負しております。 にもかかわらず,人口が減り,特に若者がどんどん県外に出ていってしまうという福井市の現状を見ると,全国に誇れるはずの福井市の魅力を十分に伝え切れていないのではないかと考えます。やはり,福井市は,東村市長と同じく,自己アピールが下手だと言わざるを得ないと感じます。 北陸新幹線福井開業という百年に一度のチャンスが目の前に迫った今,市長をはじめとして,市職員は当然でございますが,我々議員も含め,市全体で福井市の魅力を全国に発信していかなくてはならないと考えます。 そのような中,先日,福井市のイメージロゴ,「福いいネ!」が発表されました。この「福いいネ!」に込められた想いを拝見しますと,実力はないわけじゃないのに目立たないとか,ポテンシャルはあっても押しが弱いせいかまだまだ地味などと書かれています。キャッチフレーズの「いまの時代,自分からアピールしなきゃ!」とは,まさにおっしゃるとおりでございます。受け身に回って,アピールできずに埋もれています。新型コロナウイルス感染拡大により,地方での暮らしに注目が集まっている今,ぜひ,「福いいネ!」をうまく活用して福井市の魅力を発信していただきたい。そうすることで,福井のファンが増え,本市への移住・定住の促進にもつながると考えます。 ここで最後の質問です。 今後,移住・定住を進めるため,「福いいネ!」の活用をどのように考えているのか,市の御所見をお伺いします。 最後になりますが,市民だけでなく,県内外から来られた方々に「福いいネ!」と言ってもらえるように,一緒に頑張っていきたいと思います。御清聴ありがとうございました。 (副市長 西行茂君 登壇) ◎副市長(西行茂君) 私からは,これからのエネルギーと環境についての御質問のうち,水素ステーションに対する今後の支援についてお答えいたします。 水素ステーションは,燃料電池自動車に水素を充填する設備で,ガソリンスタンドと同様の施設であります。燃料電池自動車は,充填した水素と酸素の化学反応によって発生した電気エネルギーを使ってモーターを動かし走るため,有害な排出ガスを出さない次世代のエコカーでございます。 本年度,灯明寺地区に県内で初めて建設される商業用水素ステーションは,本市においてモデル事業となる先進的な取組であることから,循環型社会づくり支援事業による補助を検討しているところでございます。 また,今後は環境フェアなどイベント等で燃料電池自動車のPRを積極的に行うとともに,本市といたしましても公用車として導入を検討するなど,水素エネルギーの普及促進に努め,脱炭素社会の構築に向けた取組を行ってまいります。 (市民生活部長 牧野浩君 登壇) ◎市民生活部長(牧野浩君) 環境関連の残りの御質問にお答えいたします。 まず,水素エネルギーや再生可能エネルギーに対する本市の考え方についてでございますが,水素は,燃やすときや電気をつくるときに二酸化炭素を排出しないという特徴があるため,水素エネルギーは地球温暖化防止に貢献できる次世代のエネルギーとして,国は実用化と普及に力を入れております。 本市においては,これまで平成29年度に設立されました福井県水素ステーション整備可能性調査検討会に参画するなど,水素エネルギーの普及と利用促進に努めてまいりました。また,再生可能エネルギーは,太陽光や風力,地熱,水力など,地球温暖化の原因となる二酸化炭素を出さず,枯渇しない再生できるエネルギーでございます。 国は,平成30年7月に閣議決定された第5次エネルギー基本計画において,今後の中・長期的なエネルギー政策では,火力,水力,原子力など,様々なエネルギー源を組み合わせる必要があるとしております。その中で,再生可能エネルギーにつきましては,2030年に向けてエネルギー源の構成比率として,目標値である22%から24%を達成した上で,2050年までには温室効果ガスを80%削減するという高い目標値に向けて,この再生可能エネルギーが主力となるよう目指しております。 本市におきましても,太陽光発電や太陽熱温水器の設置,屋上緑化や家庭内の電気機器を一括管理,コントロールすることによって消費エネルギーを抑制するシステムでございますHEMSといった,環境に優しい設備の導入に対する支援を実施してまいりました。また,公民館や小学校の屋根などに太陽光発電設備を設置しているほか,廃棄物の焼却熱や下水処理で発生する消化ガスを活用した発電設備,木質バイオマスボイラーを導入するなど,再生可能エネルギーの普及,導入に努めてきました。 水素エネルギーや再生可能エネルギーの利用は二酸化炭素排出量の削減につながることから,現在策定中でございます第4次福井市環境基本計画にも盛り込み,今後も引き続き,普及促進に取り組んでまいります。 次に,新しいクリーンセンターにおけるごみ発電についての考え方についてですが,ごみは貴重なエネルギー源であることから,新施設では効率のよい最新の設備を導入することで,ごみの焼却の際に発生する熱エネルギーを最大限に活用することとしております。この熱エネルギーにつきましては,現在のクリーンセンターと同様,隣接する東山健康運動公園のプール及び場内で必要な設備への熱供給を行います。また,熱エネルギーを活用して発電を行いますが,現施設では施設稼働に見合った発電能力となっているものを,新施設では発電能力を向上させ,積極的に売電することで環境負荷の低減を図ることとしております。 次に,染色工場等への対応についてですが,染色工場からの臭いや排水につきましては,そのほとんどが大気汚染防止法や悪臭防止法,水質汚濁防止法の規制基準を遵守する必要がございます。 本市では,これらの法令に基づいて定期的に立入検査を実施し,規制基準が守られているかどうかを確認しております。また,地域住民から臭いなどの問合せがあれば,その都度現場を調査するとともに,状況に応じて事業者への指導も行っております。 今後も引き続き,染色工場などに対して定期的な立入検査や現場調査を行うほか,環境に配慮した事業活動を行う企業の育成を目的としました研修会の開催など,意識の向上を図り,事業者のさらなる努力を促すことで,地域住民の生活環境の保全や公害の未然防止に努めてまいります。 次に,水を使わない繊維染色の研究開発についてでございますが,染色工場では地下水を大量にくみ上げるため,地盤沈下や地下水の枯渇といった問題を引き起こすことが懸念されます。また,市内の河川につきましては,現在は環境基準を満たしているものの,染色過程で発生する染色排水が河川に排出されている状況でございます。 今回開発されました染色技術は,水を使わず,染料と二酸化炭素を高温,高圧にして繊維を染め上げる技法とのことでございます。この技術が実用化された場合,地下水の使用や染色排水がなくなり,河川等への環境負荷の低減につながるものと考えられます。本市は繊維産業が盛んであり,染色工場も多いため,今後とも,このような先進的な技術の研究開発について注視してまいります。 (商工労働部長 寺井道博君 登壇) ◎商工労働部長(寺井道博君) 首都圏からの企業誘致についてお答えいたします。 本市では,福井市企業立地戦略に基づき,繊維産業や化学産業をはじめとする製造業の立地や,ICT関連産業等のオフィスの立地を中心に,企業誘致に取り組んでおります。 首都圏に立地する企業を誘致するためには,まず本市の認知度を高めることが重要でございます。日本総合研究所が発表しています全47都道府県幸福度ランキングにおきまして,福井県は労働環境や教育力の高さなどが高く評価され,平成26年,平成28年,平成30年,令和2年の調査において4回連続で1位となっております。これに加え,今後の北陸新幹線福井開業と,中部縦貫自動車道県内区間の全線開通などにより,3大都市圏へのアクセスがさらに向上することや,電気料金が安価であることなどの本市の強みを広くPRし,福井への関心を高めてまいります。また,首都圏に立地する企業の新たな生産拠点の設置や移転のタイミングを的確に把握し,タイムリーに働きかけていくことも重要です。今後も,首都圏で開催される企業立地フェアへの出展や企業訪問を通じまして本市のPRに努めるとともに,立地に向けた情報を把握し,企業誘致に努めてまいります。 次に,宇宙関連産業の誘致ですが,福井県工業技術センターは,国内でも有数の超小型人工衛星試験設備が整備された拠点となっており,本市に宇宙関連企業が立地するメリットは大きいと考えております。 このため,市内に立地する製造業やICT関連企業に対しまして,県と連携して福井県民衛星プロジェクトやふくい宇宙産業創出研究会の取組をPRすることで宇宙関連産業への関心を高めていくとともに,市外に立地する宇宙関連企業の動向を把握し,今後の企業誘致につなげてまいります。 (総務部長 吉田修二君 登壇) ◎総務部長(吉田修二君) 移住・定住促進のための「福いいネ!」の活用についてお答えします。 先般公表しました本市のイメージロゴ,「福いいネ!」は,北陸新幹線福井開業という絶好の機会を逃すことなく,多くの方に福井を知ってもらい,興味を持ってもらえるようにと制作いたしました。 今後,首都圏に向け,PRグッズやイメージ動画を使って情報を発信するなど,「福いいネ!」を積極的に活用し,本市の魅力発信に取り組んでまいります。 なお,新型コロナウイルス感染症が拡大する中,地方移住への関心が高まっており,全国の自治体において,移住者の獲得を目指す動きが活発化しております。 このような状況において,本市が移住先として選ばれるためには,まずは興味や関心を持っていただくことが重要であり,本市をアピールするために,見た目のインパクトがある「福いいネ!」の活用は効果的であり,移住の促進においても大変有効なツールであると考えております。 今後,ロゴやキャッチフレーズを移住促進イベント等でポスターやのぼりなどに活用するほか,移住関連サイトなどに動画を掲載し,視覚的に印象づけ,関心を持っていただくことで,本市への移住のきっかけになるようにと思っております。 加えて,市民や市内の企業,本市出身の県外大学生の皆様などにも,「福いいネ!」を周知することで関心を引き,福井のよさを再認識していただくとともに,その方たちからもどんどん「福いいネ!」を発信していただき,市内外に福井のいいところを伝えていただければと考えております。 地方移住への関心が高まっているこの好機を逃さぬよう,情報発信を強化するとともに,移住を後押しするための支援金や,きめ細かな移住相談などにより,着実に移住・定住につなげてまいります。 (5番 寺島恭也君 登壇) ◆5番(寺島恭也君) 御答弁ありがとうございました。まさにそのとおりだと思っております。 まず,発信という意味合いで,福井市のおもてなし観光推進課はフェイスブックに「いごこち満点!ふくい」というアカウントを持っております。福井市の職員は,2,000人以上いらっしゃるんですけれども,フォロワー数は1,474人。「いいね!」の数は3桁になったことがないという状況が,いまだに続いているようでございます。昨日,野嶋議員の質問に対する答弁でもおっしゃっていたように,COCOAについては市職員約2,600人のうち,2,200人以上が既にインストールしているという状況であるにもかかわらず,フェイスブックのフォロワー数はいまだに1,474人。これは今朝の段階での数字ですので増えているかもしれませんが,職員並びに市民の皆さん,また県外の方々にもフォローしていただけるように,これからも頑張っていただけたらと思う次第でございます。 本日,市役所正面玄関を入って左手の柱のところに「福いいネ!」のPRコーナーがございました。しかしながら,そこにはシールのシートがございましたけれども,御自由にお持ち帰りくださいとかの案内は何もない。皆様方がこれから頑張ってPRをしていこうという気持ちは十分に伝わっておりますけれども,なかなかPRできていないというのが現状かと思います。私どもも協力させていただきますので,職員には「福いいネ!」をより宣伝していただきたいということを要望します。ありがとうございました。 ○議長(見谷喜代三君) 次に,10番 福野大輔君。 (10番 福野大輔君 登壇) ◆10番(福野大輔君) 一真会の福野大輔です。通告に従いまして,一般質問をさせていただきます。 まずは,特定業種に対するPCR検査について。 新型コロナウイルス等影響対策特別委員会でも言及させていただきましたが,改めて質問いたします。 東京都内において,繁華街の特定業種に対するPCR検査が推進されていることはよく知られていることかと存じます。区役所によって対応が異なりますが,一例として,特定業種を対象に区がPCR検査の機会を提供することとし,全店舗に呼びかけ,検査に必要な費用は区が負担し,都に対して財政支援を要望しております。本市においても,特定業種に対して積極的にPCR検査を推進することは,クラスターの発生を抑制し,繁華街に対して安心感が生まれることでにぎわいの取戻しにつながると考えます。委員会では,PCR検査を受けて陰性の反応が出たとしても,その時点において陰性であり,将来にわたって陰性であることを保証するものではないという答弁がありましたが,全くそのとおりであります。だからこそ,特定業種においては,高頻度でPCR検査を積極的に受けていただくことが,クラスター発生抑制と繁華街のにぎわいの取戻しにつながると考えます。福井県内全体において,検査可能件数を1日最大768件にするとのことですので,特定業種を対象にしたPCR検査の実施は十分可能ではないでしょうか。 本市において,特定業種を対象としてPCR検査を高頻度で受けてもらうことは,クラスターの発生抑制と繁華街のにぎわい取戻しにつながり,一石二鳥とも言えると考えますので,県に支援を求めることも含め検討をお願いしたいと考えますが,本市の御所見をお聞かせください。 次に,新型コロナウイルス感染者に対する誹謗中傷について。 新型コロナウイルスによる感染防止のための施策や冷え切った経済を立て直すための支援策は当然必要なことであり,今定例会においても多くの議員から質問されております。しかし,それと同時に重要なのが,万が一新型コロナウイルスに感染した場合の誹謗中傷対策ではないかと考えます。もちろん,新型コロナウイルスに罹患することは怖いことでありますけれども,人によってはそれ以上に周りからの誹謗中傷が怖いという方も多いかと思います。感染者の自宅に対する落書き被害ですとか,感染者を出していなくても長時間,夜間営業をしているお店への誹謗中傷もあります。聞くところによると,市内のある地区で感染者が出た際に,地区内への全戸配布によって感染者が発生したことの通知が入ったそうです。誰もが感染し得る新型コロナウイルスですが,このようなことはあってはならないと考えます。 今回,児童・生徒の感染も発表されましたが,学校内でのいじめも心配されます。マスコミの方々にも,誹謗中傷をしないように呼びかける記事を出したり放送をしていただくなどの協力も必要かと思います。また,行政としての対応も必要かと思います。新型コロナウイルスの誹謗中傷に対する本市の考え方,対策をお答えください。 次に,キャッシュレス決済の推進について。 経済産業省は,現在,約30%であるキャッシュレス決済の比率を,2025年までに40%に引き上げることを目標にしております。生産性の向上と利用者の利便性向上の観点から,福井市においても推進するべきであると考え,社会情勢の変化も踏まえ,お伺いします。 税金や水道料金等の支払いの際,スマートフォンアプリを使用したキャッシュレス決済について,現行の取組状況,利用者数,今後拡大していくのかについてお答えください。 公共施設窓口における各利用料の支払いや市役所窓口における手数料の支払い等についても,少額決済の手段としてキャッシュレス決済を導入するべきであると考えます。現金以外の選択肢が増えることで,事務の軽減にもつながります。また,新型コロナウイルスの感染拡大防止にもつながります。導入する自治体も,急速に拡大しております。本市においても,昨年秋に観光文化局が所管する7施設の入場料についてキャッシュレス決済を導入しましたが,観光施設以外でも広めていくべきと考えますが,現在の検討状況をお伺いします。 次に,オンライン・郵送で完結する行政手続の推進について質問いたします。 新型コロナウイルスへの対策を契機として,行政手続等の簡素化,オンライン化を進めるべきであります。市役所が開庁している時間に,混雑,待ち時間が生じないように,市民の皆様が直接来庁される機会を減らしていくべきではないかと考えます。 福岡市では,引っ越し手続のオンライン予約サービスを始め,市役所のロビーで待たなくてよくなりました。引っ越しの手続は事前に全部オンラインで終わらせて,予約した時間に役所に行けば,本人確認とサインだけの数分で手続が完了します。書かなくていい,待たなくていい,そして役所の確認作業は事前に全部終わっているという,全国初の取組がなされました。最後に対面で本人確認をすることだけは国の法律で決まっておりますが,インターネットを使える人は窓口での待ち時間もなくなります。同様に千葉市では,市民の窓口での滞在時間を減らすための施策を実施。転入届などをインターネットで事前申請した市民を優先的に受付窓口に案内する試みを4月中旬から始めたほか,呼出番号等が表示されたモニターの映像をユーチューブで配信しています。 福岡市や千葉市のように,行政手続のオンライン化,簡略化を進めてはどうかと考えますが,御見解をお伺いします。また,既にオンライン対応済みの取組などをお聞かせください。 インターネットを使えない人向けには,郵送対応が重要となります。現状の郵送対応の状況と今後の見通しについて,御見解をお伺いします。 以上で私の一般質問を終えます。御清聴いただきまして,ありがとうございました。 (教育長 吉川雄二君 登壇) ◎教育長(吉川雄二君) 児童・生徒の感染による誹謗中傷に対する考え方及び対策につきましては,皆川議員,山田議員にもお答えいたしましたが,学校における人権教育を進めますとともに,感染者や濃厚接触者等への偏見や差別が生じないよう,引き続き学校や保護者に強く要請してまいります。 また,学校復帰後の児童・生徒に対しましては,担任や養護教諭等を中心としたきめ細かな相談の実施や健康相談等の実施,スクールカウンセラー等による支援を行うなど,全校体制で感染者や濃厚接触者の心のケアに努めてまいります。 (総務部長 吉田修二君 登壇) ◎総務部長(吉田修二君) 本市の新型コロナウイルスの誹謗中傷に対する考え方,対策についてお答えします。 県が実施しました新型コロナウイルス感染症の県内第1波の患者への聞き取り調査によりますと,23%の方がSNSなどで誹謗中傷を受けたと回答しております。 誹謗中傷は人権問題であるだけではなく,感染者やその家族の方々が誹謗中傷による差別や偏見を恐れ,保健所の積極的疫学調査に協力せず,結果として,感染経路や濃厚接触者の特定が遅れ,感染の拡大につながりかねません。また,自身の命が危険にさらされる苛酷な状況で奮闘されておられる医師や看護師など,医療従事者の方々への差別や誹謗中傷は絶対にあってはならないことです。 これまで本市では,感染者や医療従事者,さらにはその家族の方々に対して差別や誹謗中傷を行わないよう,広報紙やケーブルテレビはもとより,市長自らがホームページやSNSで市民の皆様に向け,呼びかけを行ってまいりました。 また,9月1日付で,市内の全48地区の自治会連合会長に対し,地域内での差別や誹謗中傷が行われないよう,改めて文書で御理解と御協力をお願いしたところです。 現在,県内では感染拡大警報が発令中であり,まだまだ予断を許さない状況が続いています。新型コロナウイルスへの感染は誰にでも起こり得ることであり,市民の一人一人が冷静に考え,絶対に差別や誹謗中傷を行わないよう,今後もあらゆる媒体を通じて強く訴えてまいります。 次に,キャッシュレス決済の推進についてお答えします。 キャッシュレス決済の導入は,一人一人のライフスタイルに応じた決済手段の選択肢を広げるものであり,市民サービスの向上につながる取組であると考えております。 まず,観光施設以外の公共施設についてですが,今年1月に使用料等を徴収する40の市有施設を対象に,キャッシュレス決済の導入についてのアンケートを実施いたしました。 そのアンケート結果では,導入意向ありと回答した施設は,足羽山公園遊園地や一乗谷朝倉氏遺跡復原町並など,5施設でした。一方で,導入意向なしと回答した施設は,市体育館や聖苑,児童館など,35施設でした。導入を希望しない理由としては,主な利用者が児童・生徒であり,キャッシュレス決済の手段を持っていない場合が多い,使用料を前払いする施設であるため,キャンセルが発生した場合,事務が煩雑になり,利用者にも負担がかかるなどがありました。導入の意向を示した足羽山公園遊園地では,5月19日からノートなどのグッズ販売にPayPayでの支払いができるようになっています。施設特有の事情もありますが,今後,導入に当たっての課題を整理するなど,キャッシュレス決済の導入に向けて取り組んでまいります。 次に,住民票等の手数料におけるキャッシュレス決済についてですが,他都市の例では,千葉県習志野市や三重県松阪市で電子マネーやクレジットカードなどでの決済を導入しているほか,金沢市においても来年2月を目途に導入するとのことです。 国は,自治体窓口でのキャッシュレス決済の普及を促進しており,また市民からキャッシュレス化についての問合せもあることから,本市においても今後,導入について検討してまいります。 次に,オンライン・郵送で完結する行政手続の推進についてのうち,郵送対応の状況と今後の見通しについてお答えします。 本市では,現在,婚姻や出生などの戸籍届出,国民健康保険や介護保険,児童手当,子ども医療など,多くの手続で郵送による申請,届出が可能となっております。 しかしながら,転入届や転居届など,実際の居住関係を正確に記録する必要がある届出や,詳細な状況把握が必要な手続については,本人確認や聞き取り,面談などにより状況を確認するため,窓口において対応しております。市民の方が来庁せずに手続を行えることは,感染症の拡大防止のみならず,市民サービス向上のためにも重要であります。そのため,郵送対応可能な手続の拡大や周知に向けて,検討,対応を進めてまいります。 (都市戦略部長 桑原雄二君 登壇) ◎都市戦略部長(桑原雄二君) 本市での行政手続のオンライン化についてお答えします。 先日,菅生議員にもお答えしましたが,本市では平成30年4月に福井市ICT利活用推進計画を策定し,この計画の中でマイナンバーカードを活用したマイナポータルや,平成19年3月に県の主導で県内市町が連携して導入した福井県・市町共同利用電子申請・施設予約システム,いわゆるふくe-ねっとでの子育てワンストップサービスの実施など,行政手続のオンライン化について取組を推進しているところです。 このふくe-ねっとで現在オンライン化されている主な手続は,児童手当の現況届や妊娠届,教育・保育施設の利用申込みの手続のほか,職員採用候補者試験の申込みや住民票の写し交付申請など19手続あり,今後も担当所管と協議しながら,オンライン化を推進していきたいと考えております。 (財政部長 村田雅俊君 登壇) ◎財政部長(村田雅俊君) 税や水道料金等に係るキャッシュレス決済についてお答えいたします。 本年9月1日現在,市・県民税,固定資産税,軽自動車税,国民健康保険税,水道料金等について,PayPay請求書払い,支払秘書,LINE Pay請求書払いの利用が可能となっております。 令和元年度における税のスマホ決済の利用実績といたしましては,約1,000件,2,700万円で,件数,税額ともに全体の0.1%程度の割合となっております。なお,水道料金等については,本年度からスマホ決済サービスをスタートしたところであります。 スマホ決済サービスは大変便利なツールであると認識しており,今後,普及に努めていきたいと考えておりますが,その一方で,税において税額ベースで4割強を占め,確実に収納に結びつく口座振替もキャッシュレス納税手段の一つとして定着しており,まずは口座振替のさらなる利用促進を図ってまいりたいと考えております。 (福祉保健部長 齊藤正直君 登壇) ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 特定業種に対するPCR検査についてお答えします。 特定業種における高頻度の検査については,皆川議員,菅生議員にお答えしたとおりですが,検体の採取等により医療従事者の負担が非常に懸念されます。また,全国的に見て,クラスターは繁華街の特定業種に限らず,多様なところで発生しています。さらに,PCR検査の結果が陰性ということで,感染防止対策がおろそかになることも危惧されます。このようなことから,感染が疑われる方や医師が検査を必要と判断した方を積極的に検査し,感染拡大防止に努めているところです。なお,仮にクラスターが発生し,感染の広がりが懸念される場合には,対象範囲を拡大して検査を実施してまいります。 (10番 福野大輔君 登壇) ◆10番(福野大輔君) 御答弁いただきまして,ありがとうございました。 通告ナンバー3と4,行政におけるキャッシュレス化であったり,市役所に訪れなくてもインターネットや郵送で手続が完了するということについてですけれども,市民の利便性のみならず,やはり今,こういったコロナ禍において,市役所に人が集まらない,また支払い時にお札や硬貨を触らないことでコロナ対策にもつながると思います。今回のコロナ禍を一つの契機として,縦割り行政ではなく横断的に全ての部署で必要性がないか,ぜひ見直していただきまして,市民の利便性が少しでも向上するよう働きかけていただければと思っております。ありがとうございました。 ○議長(見谷喜代三君) ここで暫時休憩します。午後1時15分から再開します。             午前11時49分 休憩──────────────────────             午後1時15分 再開 ○副議長(片矢修一君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 一般質問を続けます。 次に,23番 鈴木正樹君。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) 日本共産党の鈴木正樹です。私は新型コロナの災禍の中にあってこそ,市民の命,暮らし,営業を守るために全力を尽くす市政を求めて質問を行います。 新型コロナウイルスの影響と対策について,まず1つ目に訴えたいのは,PCR検査の対象を拡大することです。 先月25日に新たに7人の新型コロナウイルス感染症の陽性が確認されたことを皮切りに,感染が拡大し,13人,16人と1日当たりの県内の陽性者数を2日連続で更新し,県も第2波であることを認めました。この第2波の感染者の多くが県外の滞在歴がありません。感染経路が不明なままとなっている方もいます。家庭内感染が広がっていること,感染経路不明者がいることから見ても,市中感染が起こっていることを否定できません。福井県や福井市では,PCR検査陽性者が発見されると,その濃厚接触者とともに,その周囲で接触があった可能性のある方を幅広く検査するという対応を行ってきました。政府の定義する濃厚接触者よりも,幅広い方を検査の対象としていることは一定の評価をするものです。しかし,このやり方はあくまで症状がある方を検査し,その方が感染していることが分かってから,その周囲を検査することとなります。無症状であっても感染するのが新型コロナですから,感染が分かったときには既に周囲に感染を広げた後ということになります。 市中感染が広がっている可能性がある現在も,症状が出た人を検査の出発点とするやり方で感染の広がりを効果的に防げるのでしょうか,答弁を求めます。 この問題に対して,PCR検査の拡大に乗り出す自治体が出てきました。誰でも,いつでも,何度でもという水準まで検査を拡大しようと模索を続けているのが,全国でも有名となった世田谷区です。区長の保坂展人氏は,インタビューや記者会見でPCR検査の拡大について,検査の拡大は経済対策です。安心して街を歩ける,行動できることなしに経済の活性化はない。社会的検査といった幅広い検査が必要だと提唱しています。 東村市長は,社会的検査の意義をどうお考えですか。これまでの陽性が確認された方の周辺を検査するという枠組みから一歩飛び出し,PCR検査を希望者には定期的に受けられるようにすべきではありませんか。リスクの高い高齢者,医療・介護従事者や保育士といった人と触れ合う仕事に従事している人は,定期的な検査を行うなど,今までよりも幅広く検査を行うべきではありませんか,答弁を求めます。 先日,市内の医療機関に入院した患者さんが,入院した後に新型コロナに感染していたことが分かりました。その方が入院していた病室が偶然個室だったため,濃厚接触者の発生や大規模な院内感染とはなりませんでしたが,これが多床室であったら院内感染を引き起こしかねなかったのではないでしょうか。この間,県内,市内の病院や介護施設では,施設内の消毒の徹底をはじめ,家族であっても面会を制限するなど,徹底した感染対策を行っています。しかし,施設の責任者は,もし新しく入ってくる利用者さんや入院患者さんに感染者がいたらあっという間に院内感染につながる。新たな入院,入所を受け入れることに恐怖やプレッシャーを感じる。もし,うちの施設で感染者が出て,院内感染が広がったら,スタッフの確保や施設の運営だけではない,その後の風評被害で地域や利用者から忌避され,施設が経営していけるか分からないと語っています。世田谷区や千代田区では,区独自にPCR検査の対象を拡大し,区内の介護施設の新たな入所者と,施設職員の定期的な検査の実施を進めています。 このような動きとPCR検査拡大を求める国民の声を受け,厚生労働省は8月18日,感染者が多数発生している地域においては,医療施設,高齢者施設等に勤務する者や新規入院・新規入所者等について,当該施設で感染者がいない場合であっても検査の対象にできると行政検査の対象者を自治体判断で大きく緩和できることを事務連絡しました。せめて希望する医療や介護,保育施設の従業員の定期的なPCR検査を可能にし,利用者や患者の入院,入所時にはPCR検査を行うようにすべきと考えますがどうでしょうか。こういう処置を行わないまま,院内感染,施設内感染が起きた場合,できることをやらなかった行政の責任は重大だと考えますが,その点をどうお考えになるのか,答弁を求めます。 PCR検査の拡大に国が道を開いたことは一定の評価ができるものです。しかし,その検査拡大の判断がいまだに自治体任せ,国として抜本的に拡大し,その予算も持つというはっきりした立場には立ち切っていません。PCR検査拡大の方針を国として決めること,その予算措置をすることを,保健所を持つ福井市として国に求めるべきと考えますがどうでしょうか,答弁を求めます。 2つ目に訴えるのは,医療や介護への経営支援です。 前回の定例会でも報告したように,医療や介護従事者の状況は深刻です。6月4日,福井県医師会は491の医療機関のうち,291の医療機関から回答を得て,その減収状況の調査結果を発表しました。4月は外来など入院外の診療報酬が全体で19.5%,入院は14.2%の減です。特に,耳鼻咽喉科では43.5%,小児科40.5%,内科で25.3%の減で,新型コロナの影響で病院経営が苦境に立たされていることがうかがえます。会見で,県医師会会長の池端医師は,第2波に備えて医療機関への早急な経営支援を求めています。私たち議員団の調査でも,市内の医療機関は5月になって少し回復したものの,1割ほどの減収が続いています。医療関係者は,感染がまた増えれば患者が減り減収になる,このままでは病院や介護施設の倒産が出かねない,感染の危機と対峙してきた職員に夏のボーナスが出せなかったことや減らしたことへの不満は根強い,どこでそれが爆発しないか綱渡りだとその深刻さを語っています。第2波,第3波の影響で,また医療や介護施設で減収が出る。新型コロナと戦うどころか,病院や施設の経営を守れるか分からない。こんな状況を放置して,一体どうやって新型コロナのパンデミックと戦うのでしょうか。6月定例会でも述べたように,医療機関や介護施設の経営を支援することは,感染防護を進めていくための医療や介護スタッフを確保する上で非常に重要です。ところが,いまだ国も県も市も,医療機関や介護施設の経営を十分に支援できる具体策は出せていません。医療や介護施設の減収状況をどのようにつかんでいますか。医療や介護施設への経営支援の給付,またその支援スキームをつくるよう政府に求める御意志はありますか,答弁を求めます。 3つ目に訴えるのは,市民の暮らしへの支援です。 政府が新型コロナを受けて,国民1人当たり10万円を給付した特別定額給付金ですが,その対象者は今年4月27日までに住民基本台帳に記録された方となっており,それ以降に生まれた子どもについては給付の対象となりません。しかし,今も新型コロナの感染拡大と深刻な影響は続いており,実態に合いません。そこで,全国の自治体では,政府の臨時交付金を活用し,4月28日以降に生まれた子どもについても,所得制限なしで給付の対象とする対応を行っています。県内でも,勝山市が子ども1人当たり10万円,坂井市は5万円を給付しています。福井市としても,4月28日以降に生まれた子どもに所得制限なしの給付を実施すべきと考えますがどうでしょうか。また,国民健康保険税や市民税などの納税の猶予や減免を政府も行っていますが,その周知を積極的に行うべきと考えますがどうでしょうか。新型コロナの影響による特別猶予や減免制度があることを納付書に目立つように記載すべきと考えますがどうでしょうか,答弁を求めます。 さて,感染防護の名の下に,福井市は市施設の利用者の氏名を名簿にして提出させています。利用した市民からは,机や椅子などの消毒やマスクの着用などは分かるが,名簿の提出は気持ちが悪い。氏名だけ出しても,もし陽性者が出たら,連絡は私たち主催者がすることとなり,名簿を出す意味がないとの声が上がっています。感染防護のために協力をお願いすることは当然ですが,主催者側が連絡先を把握し,もし陽性者が発見されたときには,参加者への迅速な連絡への協力を義務づけることで対応すべきです。県の施設は,このやり方を基本としており,市内施設でも公民館などはこのやり方に切り替えました。ほかの市施設でも名簿提出はやめるべきと考えますがどうでしょうか。 4つ目として,市内の中小零細企業への支援を強めることです。 福井県内でも,また感染が拡大し,その影響はいまだ終わりが見えません。ところが,国,県,市の中小企業への支援の中心は,いまだに融資を受けやすくする,資金を借りやすくするというものであり,新型コロナの影響が長引く中で,借金が基本の支援のままで中小零細企業が救えるか,地域の経済が守れるか問われています。6月定例会の一般質問でも述べたように,持続化給付金については,福井市も加わる全国市長会で,政府にはっきりと5割減収の条件緩和と200万円の給付額の増額を求めています。これは持続化給付金の5割以上の減収という条件が厳し過ぎること,200万円の給付では少な過ぎるということではありませんか。その認識を改めて問います。 本定例会には,福井市の指定管理施設を休業協力金や営業協力金で支援するための予算が提案されています。どちらも減収率などの条件はなし,その上限額も休業協力金は1,000万円,営業協力金は5,000万円を上限としており,減収分の9割を補填するとしています。新型コロナによる自粛の影響は,公であれ民間であれその深刻さは変わりません。それなのに,公の施設なら減収率は関係なく,5,000万円を上限にして減収分の9割を補填するのに,民間なら5割減収という条件付の上,支給される金額は最大でも200万円というのは一体どうしてですか。市が施設の指定管理者にそうしているように,本来新型コロナによる自粛の影響への支援は,公か民間かを問わず,その損失に匹敵する支援が望ましいのではありませんか。政府に対して持続化給付金の条件緩和とその上限額の増額をさらに強く求めるべきと考えますがどうでしょうか,答弁を求めます。 5つ目は,学生への支援を強めることを求めるものです。 このたびの新型コロナの大学生への影響は深刻です。福井大学でも,在学生の3割以上が日本学生支援機構の教育ローンで借金しており,アルバイトで学費や生活費を補填しながら学生生活を成り立たせている学生が数多くいます。新型コロナの影響で,アルバイト収入が減れば,学費や家賃など生活費を支払えなくなり,学生生活自体が成り立たなくなるのです。新入生は大学生活が始まった4月からずっとオンライン授業,ほかの学生との交流がないため友達もできません。お互いを励まし合う環境もつくれないことも,退学を考える要因となっています。福井大学や市内大学の学生の状況をつかんでいますか。返さなくていい奨学金制度を市としてもつくり,今こそ学生への支援を強めるときではないでしょうか。家計が苦しくなっている学生の支援のために,市が支援を強化した場合,国の臨時交付金が充当できるのではありませんか。そのような支援を検討しないのか,答弁を求めます。 最後に,消費税減税についてです。 もうけでなく,売上げに係る消費税が市内中小企業にとって重い足かせとなっていることは言うまでもありません。新型コロナの影響が長引く中,消費税減税の声はさらに高まっています。これまで消費税減税への明言は避けてきた立憲民主党の枝野代表は,先日初めて消費税について,税率を下げることや一時的にゼロにすることは一つの考え方だと語り,消費税減税を政策として検討していることを明らかにしました。政府与党,自由民主党内からも消費税減税の声が上がり,今や新型コロナによる経済への打撃を緩和し,その回復を願うなら消費税減税にも踏み込むべきだとの声は,日本共産党から自由民主党まで党派を超えた声となっています。ぜひ,ここで地方からも減税の声を上げていただきたい。消費税減税を思い切って国に求めていただきたいと思いますが市長はどのようにお考えですか,答弁を求めます。 次に,コロナ禍における原発防災について質問します。 8月27日,福井県は新型コロナウイルス流行下での関西電力大飯原発3号機,高浜原発4号機の同時事故を想定し,原子力防災訓練を行いました。今回の訓練でも,地震による道路の寸断や風向きの変化による放射性物質の流出状況の変化などで,職員の参集や想定していた避難所にたどり着けなくなるといった想定外の事態は考慮されていません。これで本当に原発事故に対応できるかは,そもそも疑問です。その上,コロナ感染を恐れ,一般住民の訓練参加者はたった50人ほどでした。昨年の訓練参加者約1,000人と比べるとあまりに少なく,実際の避難に生かせるかは疑問を抱かざるを得ません。 この訓練内容について福井新聞では,「感染,被爆 反する対策」,「情報共有 難しさ露呈」との見出しで記事が書かれ,県民福井では,原発事故避難とコロナ対策について「両立の難しさ浮き彫り」,「訓練参加者 不安の声」との見出しで紹介されています。訓練に参加したたった50人の住民の移動を見るだけでも矛盾が噴出しています。50人のうち,約30人がバスに乗って移動しましたが,3密を避けるためには,たった30人でも4台ものバスが必要です。原発が実際に事故を起こし,大規模な避難が必要となったときには,移動手段が足りなくなることは誰の目にも明らかです。その上,少しでも早く原発から離れなければならないのに,車内にコロナ感染防止のための飛沫防止シートを取り付けてから出発しなければならない。バスでの移動は,放射能を防ぐため,窓を閉め切っての移動となりました。参加者からは,これではコロナにかかるか放射能でやられるかだと,諦めとも取れる不安の声が出ています。バスに乗って避難先へ行っても問題は尽きません。今回明らかになったのは,避難先の施設のスペースが足りないという問題です。感染防護のため,間仕切りを設置せねばならないこと,家族ごとの距離を取るため,今までよりもスペースを空けなければならないということで,大人数を収容できる避難スペースを確保するにはこれまでに想定されている避難所だけでは足りません。 今回の避難訓練の結果から分かったのは,コロナ禍の下で原発事故からの迅速で安全な避難などあり得ないということではありませんか,答弁を求めます。 私は,原発を運営する電力会社が平時に何をやっているかを見ても,危なくてしようがないということを指摘したいと思います。 今年2月,日本原子力発電が敦賀原発2号機の原子力発電施設のその直下に活断層があることを示すデータを改ざんしていた疑いがあることが明らかになりました。それまで未固結,硬く結びついていないとして活断層であることを示していた生データを,固結,硬く結びついていると無断で書換え,2012年と2015年に発掘した地質データについて,フィルム状の粘土を挟在する,つまり柔らかい粘土層が挟まっているとの活断層を示す記録が数か所削除されていました。原子力規制委員会は,元のデータの書換えは絶対にやってはならない倫理的な問題だと書換えや削除を批判していますが,日本原電は別の方法で観察した結果だなどと言い訳をしています。 今回の訓練の対象となった関西電力については,3月定例会で関西電力の組織的隠蔽体質と県や県警の調査の不十分さを述べたところですが,いまだ金銭受領問題の全容の解明とその解決にまともな道は開かれていません。それどころか,関西電力は先月26日,金品受領問題が起きていた当時,その内容を監査役として事前に知っていたにもかかわらず,株主総会に知らなかったと虚偽報告した佐々木茂夫氏に損害賠償を求めないと発表しました。組織的隠蔽に関わった役員に甘いという体質のままです。また,先月末には,元会長であった森詳介氏が経営陣に圧力をかけていたことも明らかになりました。今,うそと汚い金にまみれた原発をコロナ禍というこの危機の中でも動かし続けていいのか,それを傍観する行政でいいのかが問われています。県内原発の再稼働に反対し,せめて新型コロナが収束するまでは原発を止めるよう,県や国,関西電力に求めるべきと考えますがどうでしょうか。 以上で私の1回目の質問を終わります。 (福祉保健部長 齊藤正直君 登壇) ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 新型コロナウイルスの影響と対策についてお答えします。 まず,感染の広がりを効果的に防げているのかについてです。 現在の新型コロナウイルス感染症に関する検査は,菅生議員にお答えしたとおり,感染の連鎖を食い止める上で効果があったものと考えております。 次に,社会的検査の意義と,定期的な検査を行うなどの検査体制の拡充についてです。 渡航前,施設入所前,介護や保育,教育現場などの社会的検査のニーズが高まっていることは報道等から承知しているところです。なお,検査体制の拡充については,菅生議員にお答えしたとおりです。 次に,入院,入所時のPCR検査の実施については,国の新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組において,検査体制の抜本的拡充が示されており,検査対象等の詳細について今後の国の動きを注視してまいります。 なお,院内感染,施設内感染への対応については,これまで厚生労働省から感染拡大防止のための各種通知を県や本市を通して医療機関や福祉施設に周知し,適切な対応をお願いしてきたところです。具体的な対応としまして,各施設における利用者及び職員の日々の検温や,医療専門スタッフによる健康状態のチェックに加え,入館時の手指消毒などを行っています。さらに,利用者の家族との面会や関係業者の施設への立入りを制限し,外部との接触を最低限にとどめるなど,様々な感染防止に向けた取組を実施しております。今後も,これらの感染拡大防止のための取組を継続していただくよう,院内感染,施設内感染防止の徹底について周知に努めてまいります。 次に,国に対するPCR検査拡大と,その予算措置に対する要望についてお答えします。 検査を拡大する際には,検体採取を含めた医療体制の充実を併せて考える必要があります。先ほど申し上げました,国の新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組の中で検査体制の抜本的拡充が盛り込まれていることから,今後の国の動向を注視してまいりたいと考えております。 次に,医療や介護施設への経営支援の給付やそのスキーム作成を国に求めることについてお答えします。 医療機関や介護施設は,社会生活の基盤となるもので,新型コロナウイルス感染症の発生下においても市民の健康や安全を守るため,医療や介護サービスを継続することは非常に重要です。その上で,まず医療機関や介護施設の経営状況についてですが,医療機関の減収については,皆川議員にお答えしたとおり,県医師会の調査等により一定程度理解しています。現状を受けての医療機関への融資や助成金については,国において職員への慰労金の支給や,県において新型コロナウイルス感染症対応資金や経営安定資金による融資を行っています。さらに,県は9月補正予算において,さらなる医療体制確保のため,空き病床の補償引上げや必要な設備整備支援を打ち出しております。また,本市においては,県の経営安定資金を利用する事業者への利子補給を行っております。 加えて,国が経営の悪化している医療機関に対し,官民ファンド,地域経済活性化支援機構を通じて本格的に支援に乗り出す方針を固めたことを受け,地域経済活性化支援機構と独立行政法人福祉医療機構が連携し,経営状況が厳しくなっている医療機関等に対する経営ノウハウの提供や,無利子・無担保融資等を通じて地域の医療・福祉サービスの提供体制の維持,強化を支援していくとの動きがあるところです。今後も引き続き,国や両機構の動きを注視してまいります。 一方,介護施設については,本市が介護事業所に支払っている介護給付費で見ますと,感染者が増加した4月と5月の利用分については,前年同月比で認定者1人当たり約1,300円の減となっているものの,6月利用分については約4,100円の増となっております。また,国において,新型コロナウイルス感染症における介護サービス事業所の人員基準等の緩和や,通所介護事業所等での介護報酬算定の特例,感染対策に係る必要な経費の補助,職員への慰労金支給など,サービスを継続させるための支援を行っているところです。 本市としては,施設からの要望に応じて感染防護用品を提供するなどの支援に取り組むとともに,国や県,市の助成制度について適宜周知を図り,相談にも対応しております。地域の医療や介護サービスを維持していくことは,全国的に重要な課題であることから,各事業所の状況や国の動向把握に努めながら,必要に応じ,全国市長会等を通じて国や県に対して要望してまいりたいと考えております。 次に,新型コロナウイルス感染症の影響による国民健康保険税の減免制度の周知についてお答えします。 今回の減免制度については,6月定例会における条例改正の議決後,まず市のホームページ及び市政広報等で周知を行いました。さらに,国民健康保険に加入されている全世帯に対し,確実に周知を図るため,7月中旬に発送した令和2年度の国民健康保険税納税通知書に減免制度に係るお知らせを同封したところです。また,減免に関する相談に応じられるよう,保険年金課に専用の窓口を設置し,被保険者の個々の事情を十分にお伺いし,対応しています。今後とも,様々な機会を通じ,制度について周知してまいります。 次に,市内の大学生への新型コロナウイルスの影響をつかんでいるかについてお答えします。 新型コロナウイルスの感染拡大により,家計が急変し,大学生活を続けることが困難になったり,オンライン授業が続き,友人との交流もできず,思い描いていた大学生活とは異なるなど,学生への影響があることは報道等から承知しているところです。しかし,退学せざるを得なくなるなど,影響の実態については個人の事情もあるため,把握することは困難であると考えております。 現在,新型コロナウイルスの影響を受けて経済的困難に直面している学生等に対して,国は経済的な理由で進学を諦めずに済むよう,低所得世帯を対象に授業料,入学金の減免や返済不要の奨学金を支給する高等教育の修学支援新制度を本年4月から開始しております。さらに,学費等を賄っていたアルバイト収入が大幅に減少した学生等を対象とした,学びの継続のための学生支援緊急給付金を5月に創設しております。 市が独自に新たな新型コロナウイルスに対応する奨学金などを創設した場合,地方創生臨時交付金の活用は可能と考えられますが,既に国の充実した各種支援制度があることから,まずはそれを活用していただきたいと考えております。また,奨学金をはじめ各種支援制度については引き続きホームページ等を通じて周知してまいります。 (財政部長 村田雅俊君 登壇) ◎財政部長(村田雅俊君) 納税の猶予と減免についてお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症に伴い,本年度国が創設した徴収猶予の特例制度につきましては,市のホームページや市政広報に掲載したほか,サービスセンター,連絡所及び総合支所の各窓口に制度の概要を記載したリーフレットを配置するなど,市民の皆様に周知を図ってきたところです。また,市民税の減免につきましては,納税者からの電話や窓口等で問合せに対して制度の概要や申請の方法等の説明を行っております。今後,新型コロナの影響により市民税の納付に困っている方に向けて,ホームページや市政広報等において制度の周知を行っていきたいと考えております。 次に,消費税についてお答えします。 消費税は,地方交付税の財源となっていることに加え,地方消費税分2.2%のうちの1%分を除いて,全て年金,医療及び介護の社会保障給付並びに少子化対策に要する経費に充てられています。 国の予算における社会保障関係費は,10年前に比べ約1.3倍となっており,本市の令和2年度の扶助費の予算も,10年前と比較して約1.5倍に増加しています。今後,高齢化の進展に伴い,さらなる増加が見込まれます。 現在,新型コロナウイルス感染症により社会経済は大きな影響を受けていますが,その一方で社会保障制度を次世代に引き継ぎ,安心して子どもを産み育てられる社会を実現するには,安定的な税収の確保が重要であるため,消費税の減税を政府に求めることについては考えておりません。 (総務部長 吉田修二君 登壇) ◎総務部長(吉田修二君) 特別定額給付金の対象外となる子どもへの給付についてお答えします。 特別定額給付金事業は,新型コロナウイルス感染症による経済活動の急速な縮小に伴い,困窮している家計への緊急的な支援策として実施されました。本年4月27日を基準日として,住民基本台帳に記録されている方を対象に,国が定める基準に基づき,全国一律に実施されたものです。 一方で,本市は,子ども・子育てに関する対策として,これまで地方創生臨時交付金等を活用して,対象児童1人当たり1万円を支給する,福井市子育て世帯応援給付金をはじめ,学校,保育施設,放課後児童クラブ等における感染症防止対策を講じてまいりました。このほか,市内中小企業者を支援する制度融資利子補給金事業やがんばれ福井応援券事業,売上げが激減した宿泊事業者を支援する宿泊事業者支援事業など,地域経済を支えるための対策も講じております。 さらに,今回の9月補正予算では,県と連携した中小企業への休業等要請協力金の支給や,地域鉄道事業者,路線バスの運行事業者に対する経営支援など,地域経済や市民生活に欠かせない事業について提案しております。 限られた財源の中で,これらの事業を着実に実施していく必要があることから,特別定額給付金事業で対象外とされた方に対して,市独自で改めて支援を行うことは考えておりませんが,今後も地域経済活動をしっかりと下支えするとともに,感染拡大防止に全力で取り組むことで,市民の安全と暮らしを守ってまいります。 (商工労働部長 寺井道博君 登壇) ◎商工労働部長(寺井道博君) 市有施設の利用者名簿の提出についてお答えいたします。 現在,地域交流プラザ及び研修センターでは,施設利用者に新型コロナウイルスの感染が生じた場合,速やかに感染拡大防止策を施せるよう,国が取りまとめる各種施設におけるガイドラインに準じて,利用者の皆様の健康状況の確認並びに名簿の提出について御協力いただいております。なお,提出いただいた名簿の保管,廃棄につきましては,福井市個人情報保護条例に基づき,厳正に管理しているところでございます。一方で,改めて名簿を毎回提出していただくことは,利用者の皆様に御負担をおかけしてしまうことと認識しており,今後は施設利用における感染拡大防止を第一に考えた上で,施設利用の負担軽減について検討してまいります。 次に,新型コロナウイルスの影響と対策のうち,持続化給付金についてお答えいたします。 国の持続化給付金は,前年同月比で事業収入が50%以上減少した月があるなど,新型コロナウイルス感染症により特に大きな影響を受けた事業者が対象となっており,収入減少率が50%に満たないため,持続化給付金の支給対象とならない事業者及び減収相当分が200万円を超える事業者が存在することは認識しております。 コロナウイルス感染症の影響を受ける中小企業の支援としましては,持続化給付金のほかに,売上減少により地代や家賃が大きな負担となっている事業者に対しましては家賃支援給付金による支援,1か月の売上高が前年同月に比べ20%以上減少している小規模事業者等に対しましては小規模事業者等再起応援金による支援,休業または営業時間短縮を要請した事業者に対しましては中小企業休業等要請協力金による支援を行っております。また,飲食店や小売店の応援のためのがんばれ福井応援券の販売を行うなど,新型コロナウイルスにより事業者が受けている影響の内容によって,国,県,市で様々な支援策を実施しているところであり,持続化給付金を含めて総合的に中小企業支援を行っているところでございます。 指定管理者に対する支援についてですが,市は指定管理施設の設置者であり,設置者として安定した施設の運営,維持管理を行う必要があるために指定管理者に協力金を給付するものであり,中小企業支援の一環で事業全般に使える給付金として広く給付する持続化給付金とは趣旨が異なるものでございます。 企業の経営につきましては,今後も厳しい状況が続くことが予想されており,これまで同様,今後も国,県の動向を見極めながら中小企業支援について検討していくとともに,支援の充実については全国市長会等を通じまして国に要望してまいります。 (市民生活部長 牧野浩君 登壇) ◎市民生活部長(牧野浩君) コロナ禍における原発防災についてお答えいたします。 コロナ禍の下で,原発事故からの迅速で安全な避難などあり得ないのではないかについてでございますが,今回の訓練は国と県が策定いたしました原子力災害における新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインに基づきまして,避難者の検温やバスへの分乗,間仕切りの組立てなど,新型コロナウイルス感染症流行下における被曝からの防護措置の手順を確認し,災害時に迅速で安全な避難が行えるよう実施したと聞いております。 県は,訓練の講評におきまして,感染防止のため,1人当たりのスペースを広く取る必要があることから,より多くの避難所が必要であるなどの課題を上げており,今後,県の防災会議にて検証結果が公表される予定となっております。 次に,県内原発の再稼働に反対し,せめて新型コロナが収束するまでは原発を止めるよう,県や国,関西電力に求めるべきではないかということについてですが,国の施策として進められてまいりました原子力政策の方向性につきましては,国が責任を持って立地県及び立地市町とその自治体の住民に対して十分な説明を行い,十分な理解を得た上で判断すべきと考えるところでございます。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) 再質問します。 PCR検査の拡大について,本来はどうあるべきかということをもう少しはっきりさせるために,基本的なことから再質問したいと思います。新型コロナは,無症状でも感染しますね。 ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 現在の知見では,症状発症前2日間程度は感染する可能性があると見られておりまして,感染者が発生した場合,その間の行動等を調査しているところでございます。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) ということは,現在の県や市のやり方では,症状が出た方が病院,接触者外来などに来て,PCR検査を受けて陽性だと分かってから,その後でやっと周辺調査ですね。そうすると,感染が分かった時点では,既に周囲に感染を広げた後ということになりませんか。 ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 可能性があるだけということでございまして,確実に無症状の間に感染を広げたかどうかということを確認しているわけではございません。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) もう一つ確認します。 新型コロナにかかってはいても,無症状の方やせきや微熱があったとしても,つらくなくて病院に行くほどでもないという方は,今の県や市のやり方だと検査にも来ないという可能性があるのではないですか。 ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 本市も県もそうですけれども,そういった症状がありましたら,すぐ帰国者・接触者相談総合センターに電話していただくなり,最寄りの医療機関に電話していただくなりしてほしいということをお願いしているところでございます。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) 質問したことにきちんと答えていただきたい。陽性だと分かった頃には感染が広がっている可能性があるということ,それとそもそも無症状や症状が軽いなら,検査すら受けに来ないという可能性があるのではないですか。 ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 一人一人のことになりますと,私からこれはこうだということをはっきりと申し上げることはできません。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) 否定もできないんですね。つまり,陽性だと分かった頃に感染はもう広がっている。そもそも,無症状なら検査にも来ない。今の検査のやり方のままなら,無症状や症状が軽い感染者が感染を広げ続ける。感染のリンクを断ち切れない。だから,第1波が終わっても,第2波,第3波と感染の波が繰り返し起こるんです。その上,国民に幅広く検査が行われていませんから,検査数が少な過ぎて感染が地域でどんな広がりを見せているか,その全体像もつかめない。結果,感染が広がってからの対症療法。つまり,場当たり的な対応を繰り返さざるを得なくなるんです。国民を幅広く対象として,戦略的に検査を拡大することの必要性は明らかだと私は思います。しかし,これはあくまで政府の仕事なんです。福井市には今すぐやらなければならない分野がある。それが医療や介護の分野だと私は思います。先ほど指摘した厚生労働省の8月18日付事務連絡文書の問8の質問内容とその回答は非常に大事なことなので,一度全部読み上げてください。 ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 新型コロナウイルス感染症に係る行政検査に関するQ&Aについて,その2ということで出されている文書だと思いますが,そちらの8番目の質問文と回答を全て読み上げますとかなりの文章量になってしまいますので,取りあえず質問文と回答の要旨だけ読み上げさせていただきます。感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては,医療施設,高齢者施設等に勤務する者や新規入院・新規入所者等については,当該施設で感染者がいない場合であっても,当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者として,行政検査の対象としてもよいか。答えといたしまして,貴見のとおりですとあります。ただ,医療施設や高齢者施設等について,行政検査の外部委託を積極的に考慮すること,新規入院・新規入所者や重症化リスクのある者の入所状況等を勘案して計画的に検査を実施すること,そのほかいろいろなことが書かれております。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) 要点を今読み上げていただいたんですが,それと大事なところは,施設内における新型コロナウイルス感染者の感染拡大防止のため,幅広く行政検査を実施していただくことは可能ですので,適切に実施いただくようお願いいたしますと書かれた部分です。その上で,外部委託もしたらどうか,計画もつくったらどうかということまで書いてある。まさに,感染者が多数発生した保健所管内では,介護や病院施設を幅広く行政検査することを厚生労働省がお勧めしているのではないですか。 ◎福祉保健部長(齊藤正直君) この文書についてでございますが,大前提といたしまして,今ほどの質問文の冒頭にもありましたように,感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においてはとの条件がついています。この条件の解釈ですけれども,冒頭にどういったものが行政検査の対象になるかということが書かれていまして,その中で当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由がある者という項目があります。その当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由がある者の解釈といたしまして,特定の地域や集団,組織等において,関連性が明らかでない患者,俗に言う市中感染により,どこで感染したか分からない感染が発生し,かつ,クラスター連鎖が生じやすいと考えられる状況にあると認められる場合における当該地域や集団,組織等に属する者という解説もございますので,そういうことを含めますと,もう少し対象となる条件が厳しくなるのかなと。実際に,それを適用したい場合には,当然,こういう状況なんだけれども,本当に行政検査の対象としていいかを問い合わせて対応しないといけないかと思っております。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) 地域というのはどれぐらい広く見ていいのですか。 ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 保健所管内ということが前提ですけれども,これも御存じかと思いますが,8番の解説の中に,医療施設や高齢者施設等に加え,当該地域が生活圏域にある者が勤務,入院,入所する施設を含めて考えて差し支えないことという事項も書かれています。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) 非常に地域を広く見ていいと書いてあるんですよ。そして,当該施設で感染者がいない場合であっても,行政検査の対象としてもいいと書いてあるんです。これだけのことを厚生労働省がなぜ言うかというと,病院や介護施設にまで感染が広がったら,重症者が多発し,ただでさえ疲弊している医療や介護労働者をさらなる災禍に巻き込んでいくことになる。本当に医療や介護の体制の弱体化に直結する問題だからです。先日,福祉保健部長は山田議員の質問に対して,こういう介護とか医療現場の検査について,県と課題の洗い出しや相談もしたいと言及されました。私は実施のための検討が必要だと考えますがどうですか。 ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 先日も答弁させていただいたんですが,8月18日の今ほどのQ&Aに引き続きまして,8月28日に新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組というものが出されております。これは国の新型コロナウイルス感染症対策本部でつくられた文書でございますので,厚生労働省のものより扱いがもう一つ上になるわけですが,その取組の解説を見ますと,同じように感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては,言わば一斉・定期的な検査の実施を都道府県に対して要請するという文言がございます。この厚生労働省のQ&Aからもう一歩踏み込んで要請するという書き方に変わっておりますが,実際のやり方については全く示されておりません。また,日本医師会等も非常に危惧しております。報道等によると,日本医師会と厚生労働省が話をした段階では,医療機関に負担がかからないやり方を考えていかないといけないということを厚生労働省も言っているというような記事もありました。そういうことを踏まえて今後どういった形で進んでいくか分かりませんが,この新たな取組が出たということで県と一緒になって検討していかないといけないと思っております。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) ぜひ,県としっかり協議していただきたいと思います。たくさんの子どもたちを毎日だっこし,御飯を食べさせたりもして濃厚接触が避けられない保育士さん。全国的にも,この保育士への定期的な検査を実施する自治体が増えています。こういう保育士も,ぜひ検査対象に加えていただくことが必要と思いますがどうでしょうか。 ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 社会的検査の必要性が叫ばれているということについては,報道等で一定の承知はしていると答弁差し上げたところでございます。これも今後の取組の中にいろんなことが書かれておりますので,国の動向を見極めながらどこまで拡大していくかについても今後状況を把握していきたいと思います。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) こういう分野を拡大しても,行政検査ですから市の持ち出しはないですね。 ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 先日もお答えいたしましたが,行政検査という扱いになれば全額国と自治体で検査費用を負担することになります。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) 財政負担なく拡大はできるんです。8月18日付の事務連絡の時点で,既に拡大できるという状況ではあります。ですから,私はいち早くこの医療,介護,保育の分野への拡大は議論し,具体化するべきだと思うんです。しかも,財源的にはそれほどかかりませんから,いち早い実施のためにやろうと思えばできるということだと思います。ぜひ,実施のための県との協議をしっかりやっていただきたいと思うんですが,改めてその見解を問いたいと思います。 ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 昨日も高齢者の入所者の数を概算で3,000人とお答えしたところでございます。幾ら順番に計画的にやると言いましても,3,000人の方を調査するというのは並大抵のことではございません。また,調査結果を伝えることにつきましても,先日来クラスターが発生しまして,福井県全体ですけれども,1日に200件以上のPCR検査を行う日が何日間かございました。大体福井市は半分,100件ほどのPCR検査を出しているわけですが,100件のPCR検査を出すと,その後の検査結果の通知,あなたは陰性でしたよとか,陽性ということになりますともっといろんな行動調査をしていかないといけないということで,保健所の負担が非常に重くなります。もうそれだけで1日たってしまうということになります。それがまた,毎日毎日続いていくと,濃厚接触者の健康管理も含めて,前日,前々日などそれぞれの日から14日間の積み重ねになりますので,今一番大きいのは,答弁申し上げました医療従事者の検体採取の負担,そして検査結果後の保健所の負担,そういったものをどうクリアできるのか。今,委託という話が出ておりまして,これも昨日ちょっと御紹介しましたけれども,東京などでは民間委託でやるという話が出ていますが,地方自治体ではそこまで民間が育っていないということもあります。ただ,今,冬に向けて福井県でも民間でPCR検査ができるよう,県が補助しているところです。そういった状況を鑑みて,福井県においてはどういった課題があるか,どういった対応方法が取れるか,そういったことを当然県と検討していきたいと思っております。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) ぜひ,できるだけ早く実施できるように頑張っていただきたいということをお願いさせていただいて,質問を終わります。 ○副議長(片矢修一君) 次に,4番 榊原光賀君。 (4番 榊原光賀君 登壇) ◆4番(榊原光賀君) 一真会の榊原です。通告に従いまして,質問させていただきます。 まず1点目,本市における無料Wi-Fi環境についてお伺いします。 Wi-Fiを導入するメリットは,利用者の満足度を上げることだけではなく,Wi-Fi導入後の効果を検証することで,利用者の動向など多種多様な情報を得られることです。観光地の集客など,マーケティングに生かすこともできます。 Wi-Fiに何回接続されたか,結果として観光客がどれくらい増加しているのかなど,定量情報を振り返って効果を検証することも有効であり,また定期的にアンケートを実施するなど,利用者の具体的なニーズや訪日の意図などを明らかにして,データと突き合わせることでさらなる需要を生み出すことが可能です。 一般社団法人全国地域情報化推進協会の自治体業務におけるWi-Fi利活用ガイドブックの事例の一つとして,福岡市ではビッグデータ,オープンデータの取組に向けて個人情報やアクセスログの取得の同意を得た上で,利用状況やアンケート集計について個人を特定できない形式に処理した情報をオープンデータとして公表しているということです。 また,複数の自治体や企業が連携して提供する訪日外国人向けWi-Fi接続サービスでは,ダウンロードの際,個人情報の保護に関する法律,いわゆる個人情報保護法の規定に従い,情報の利用目的に同意した上で,利用者属性や行動経路などの情報の取得,分析を行い,マーケティング情報として活用することで,各分野での訪日外国人へのサービスの向上に生かす仕組みを提供しているという事例がありました。 本市においても,9月補正予算の事業内容の中で,地域公共交通緊急支援事業の旅行者受入環境支援や,地域文化観光推進事業では,一乗谷朝倉氏遺跡と県の資料館を文化拠点とした通信環境の整備として,道路内に無料Wi-Fiスポットを設置するとあり,Wi-Fi環境が充実していくことは大変うれしい限りですが,もう一つ踏み込んだ利活用についてお伺いします。 本市において,導入後の効果検証はどのように行っていくのか,またこれらから得られるデータをどのように活用していくのか,併せて御見解をお伺いします。 次に,ふくいの農林水産物ECサイト開設事業についてお伺いします。 経済産業省商務情報政策局情報経済課の電子商取引に関する市場調査では,令和元年,国内のBtoC-EC,消費者向け電子商取引の市場規模は19.4兆円に拡大しており,令和元年の国内のBtoB-EC,企業間電子商取引の市場規模は353兆円に拡大しています。また,EC化率は,BtoC-EC6.76%,BtoB-ECでは31.7%と増加傾向にあり,商取引の電子化が引き続き進展しています。 インターネットは既に企業の経済活動や国民の生活に深く根づいており,総務省の通信動向利用調査によれば,2019年時点でインターネットの人口普及率は89.8%,インターネット人口は2013年より横ばいが続いていましたが,2019年には9割に迫るところまで増加しているとのことです。この背景には,若年層や高齢者層でのインターネット利用が伸びたことが考えられ,インターネット人口は今後も引き続き高い水準で推移していくものと想定されています。 また,ここ数年,スマートフォンの利用が急激に拡大し,2019年には63.3%と昨年に引き続きパソコンを上回り,インターネットの利用はスマートフォンが中心となっており,EC事業者をはじめインターネットビジネスを展開する事業者は,スマートフォンを第一に想定したコンテンツやサービスづくりが重要な時代になってきております。 さらには,近年,インターネット広告の広告費全体に占める比率が上昇しており,2019年の総広告費は6兆9,381億円,うちインターネット広告費は2兆1,048億円と初めて2兆円を突破し,全体の30.3%を占めるまでに拡大している現状があります。テレビメディア広告は1兆8,612億円であったことから,インターネット広告が初めてテレビメディア広告を上回ったと言えます。これは,日常的にインターネットを利用していると,その趣味,嗜好等,より欲しい情報がある程度入ってくる環境を考えれば,多くの企業,事業者がインターネット広告を利用していることは容易に想像できます。 2019年にインターネット広告費がテレビメディア広告費を上回ったという事実から,メディアの中でインターネットが中心になる時代が本格的に到来しているのではないかと想像できます。そういった中,このインターネットを用いたSNSの利用目的として最も多いものを見てみますと,従来からの知人とのコミュニケーションのため,次に多いのが,知りたいことについて情報を探すためで,前年よりも6.2%増加しており,このことから消費者は興味のある商品を従来の検索サイトのみならず,SNSで検索しており,SNSで接点を有する人物や趣味,嗜好,考え方などが一致する人物等からの情報収集の上,購入の意思決定を行う購入行動様式が既に広く浸透している可能性があります。そのような動向を踏まえ,EC業者がSNSを自社ビジネスに活用する取組も多くなってきており,SNS上での自社商品のアピール,消費者の趣味,関心に応じた能動的な情報の発信,市場動向や商品の評価等の収集,分析などが行われており,世界で利用者を集めるフェイスブック,インスタグラムの広告収入の推移を見てみますと,近年3か年においていずれも右肩上がりで拡大しているという現状が分析されております。 本市が取り組むECサイト開設事業には,コロナウイルスの感染拡大により売上高の大幅な減少などの影響が生じている生産者を支援するためECサイトを開設し,その特性を生かした情報発信,販路開拓を行うとありましたので,市内の通販業者やウェブマーケティング会社にECサイトの運用についてお聞きしました。また,生産者からも話を聞き,双方のこれまでの課題や今後の取組などをお聞きしますと,多く課題が見えてきました。多くの課題がある事業といえども,ぜひとも成功してほしいと願っております。 そこでお伺いします。 本市のECサイト開設事業の特色はどのようなものになるのか,御所見をお伺いします。また,ECサイトを開設された際,ユーザーに対してどのような広報を行っていくのか,併せてお伺いします。 次に,ふくいの農林水産物魅力PR動画作成事業についてお伺いします。 SNSを広告手段として活用する動きが続いており,事業者にとってSNSは事業戦略上重要性を増していると言えます。フェイスブック,インスタグラム,LINE,ツイッターといったSNSは,それぞれ利用者数,利用者層,利用目的,利用シーンが異なった性格を帯びており,おのおのの特性に沿った活用が重要と考えられ,既にコミュニケーションツールとして人々の日常生活に深く浸透しています。私自身もインスタグラムが検索エンジンと化しており,観光名所,飲食店,商品やサービス等を見る際には活用しているのが現状で,SNSの重要性を,本市としてもしっかりと検証していかなければならないと感じております。また,多くのフォロワーを有し,他者の商品購入の意思決定にも影響を与えるインフルエンサーも登場しており,SNSのECへの影響を検証していく必要があると感じています。 そこでお伺いします。 ECサイトと連携することが見受けられますが,その他の媒体を活用した連携はどのように検討されているのか。また,本市でも多くのSNSのアカウントを作成していますが,それらとはどのように連携させていくのか,併せて御所見をお伺いします。 次に,障害者就労継続支援事業所についてお伺いします。 9月補正予算には,新型コロナ感染拡大により影響を受けている就労継続支援事業所の生産活動を下支えすることにより,障害者の働く場及び利用者の賃金・工賃を確保しますとありました。対象施設は,令和2年1月以降,生産活動収入が相当程度減収している就労継続支援A型・B型事業所で,持続化給付金や持続化補助金,家賃支援補助金,その他本事業と内容が重複する国の支援を受けている場合は除くとあります。 事業概要を見てみますと,持続化給付金,小規模事業者持続化補助金と類似している点が多く,制度の違いが理解しづらいように感じます。 そこで,お伺いします。 今回の障がい者就労継続支援事業所生産者活動活性化支援事業とこれまでの持続化給付金,小規模事業者持続化補助金ではどのような違いがあるのかお伺いします。 また,持続化給付金,小規模事業者持続化補助金等の国の支援を受けた事業所の割合はどれほどあるのか。あわせて,今後,市内就労継続支援事業所の生産活動の低下が懸念されているとのことですが,現時点でA型・B型事業所の中で1か月の生産活動収入が前年比50%以上減となる,または連続する3か月の生産活動収入が30%以上減少した期間がある事業所の割合と今後の見込みについてお伺いします。 次に,対象経費には生産活動を存続させるための必要な固定経費等,通信販売,宅配,ホームページ作成等,新たな販路を拡大するのに要する費用とありました。新たな販路拡大を支援することは重要なことと考え,通販,宅配,ホームページなどの重要性が高まっていくことが想像できます。 そこでお伺いします。 今の時代,ホームページを作成すると同時にしっかりとしたウェブ戦略を立てることが求められていますが,このようなコンサルティングに係る費用やウェブ広報費は本事業の対象経費として適用されるものなのか,本市としての御所見をお伺いします。 最後に,幾つかの事業所にお話を聞いてみますと,売上げという観点よりもコロナウイルス感染拡大防止による労務管理に関する負担が増えており,生産活動に大きな影響があるという意見がありました。本市においても,市内事業所の状況をしっかりと把握し,確実な政策を打つためのことと十分理解しておりますが,一方で注意喚起を呼びかける通知,案内文,またアンケートなど,情報過多になることで労務負担,事務負担が増えているといった現状もあるようです。コロナ感染拡大防止に向けて必要な情報を事業者へ案内し,受けた事業者はできる限りその内容に沿っていくという意見もありましたが,一方で事業にあまり関係のない案内なども通知されていることがあるようです。できれば,ある程度の情報の仕分をして,しっかりと情報提供していただけるとありがたいという声もあり,急いで回答を求めるものを分かりやすく通知することや,手続の簡素化,省略化など,行政と事業者がお互いに負担を減らす取組を検討できないか,本市の御所見をお伺いしまして,私の読み上げによる質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 (副市長 西行茂君 登壇) ◎副市長(西行茂君) 私からは,本市における無料Wi-Fi環境についての御質問にお答えいたします。 地域公共交通緊急支援事業の旅行者受入環境支援についてですが,これはえちぜん鉄道及び福井鉄道が,国,県,沿線市町の支援を受けて,田原町駅等の拠点駅に無料Wi-Fi環境を整備することにより,鉄道利用者の目的地までの経路検索や,観光地情報の取得等の利便性の向上を図るものであります。また,地域文化観光推進事業につきましては,地元や行政等で組織しました一乗谷朝倉氏遺跡活用推進協議会が文化庁の認定を受け,今後5か年にわたり遺跡の魅力創出につながる各種事業を展開する中で,今年度,無料Wi-Fi環境の整備を行うものでございます。 これらによりまして,スマートフォンでの情報取得やSNSの発信,さらにはAR,拡張現実,あるいはVR,仮想現実の映像と音声による戦国城下町の疑似体験が可能となるネットワーク環境が整い,観光客の利便性とともに満足度の向上が図れるものと考えております。いずれの事業とも,導入後の効果検証とデータの利活用につきましては,先行事例等を参考にしながら,それぞれの協力機関等と検討してまいります。 (農林水産部長 林岳宏君 登壇) ◎農林水産部長(林岳宏君) ふくいの農林水産物ECサイト開設事業についてお答えいたします。 新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛等の影響で,レストランや百貨店などに直接卸している生産物や加工品の売上高の減少などが生じております。そんな中,ECサイトなど,インターネット上で商品を販売するウェブサイトを通じた電子商取引が活発化しております。この事業は,ウィズコロナ,アフターコロナ社会において,消費者と生産者とに対し,新たな販売・購入手段を提供するものです。 まず,開設するサイトの特色ですが,生産者の思いや生産過程など,消費者に安心・安全を与える情報を発信する生産者の顔が見えるサイトを作成いたします。さらに,ふくいの農林水産物魅力PR動画を掲載し,農林水産物そのものの魅力のみならず,生産に携わる人や生産,加工などの作業風景,地元ならではの調理方法など,食に関わる様々な魅力を発信していきます。 また,生産者に対しては,消費者の消費動向などの市場分析のフィードバックや今後の販路・商品開発につながる有益な情報を還元いたします。 次に,ECサイトのユーザーへの広報方法についてですが,開設と同時に購入者へのプレゼントキャンペーンを実施するとともに,本市のホームページやSNS及び首都圏メディアを活用して広報してまいります。また,東京事務所のネットワーク,福井市応援隊や各県に存在する県人会組織などへの売り込みを実施してまいります。 続きまして,PR動画作成事業についてお答えいたします。 そのほかの媒体を活用した連携についてですが,県内テレビ局や新聞社などにおいて,動画の紹介や各種SNS上での発信などを想定しております。また,首都圏メディアやインフルエンサーなど,発信力のある媒体との連携を検討しているところでございます。 次に,本市展開のSNSとの連携についてですが,基本的には農林水産部のSNSにて作成する動画を積極的に発信していくことを考えております。また,作成する動画は,北陸新幹線開業に向けた食の魅力発信動画としても活用してまいりたいと考えております。 (福祉保健部長 齊藤正直君 登壇) ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 障害者就労継続支援事業所についてお答えします。 まず,障がい者就労継続支援事業所生産活動活性化支援事業と国の他の支援策との違いについてですが,本事業は生産活動収入が前年同月比50%以上減少,または連続する3か月で前年同月比30%以上減少した事業所に対し,生産活動の実施に必要な経費について,1事業所当たり最大50万円を補助するものです。 一方,持続化給付金は,売上げが前年同月比50%以上減少した者に対し,事業全般に使える資金として,法人には最大200万円,個人事業者には最大100万円が支給されるものです。また,小規模事業者持続化補助金は,売上減少に関係なく,小規模事業者の販路開拓の取組を支援するものであり,最大150万円補助されるものです。 次に,持続化給付金等の支援を受けた事業所の割合及び現時点で生産活動が減少した事業所の割合と今後の見込みについてです。 令和2年7月に生産活動活性化支援事業の所要額を算出するため,市内の就労継続支援A型及びB型事業所を対象にアンケート調査を行ったところ,全ての事業者が持続化給付金,小規模事業者持続化給付金を受けていないと回答がありました。その理由としては,コロナ禍においても障害福祉サービス事業所は事業継続が基本であり,通常のサービスが提供できない場合も電話等による代替サービスを可能としているため,全体の事業収入はそれほど減少していないことが考えられます。また,生産活動収入が減少した事業所の割合ですが,全体の約3割である18事業所において,前年同月比50%減または連続する3か月の同月比30%減との回答がありました。今後,新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては,生産活動収入が減少する事業所がさらに増えるものと見込んでおります。 次に,本活性化支援事業の対象経費ですが,生産活動の存続,再起に向けて必要な経費であり,就労支援事業会計から支出すべき費用が対象となります。ウェブ戦略のコンサルティング費用やウェブ広報費についても,新たな販路拡大等に要するものであれば補助対象になると考えられますので,その旨の周知に努めてまいります。 最後に,新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う事業者に対する各種通知や調査についてですが,事業所の負担が増大していることは十分理解しているところです。急いで回答を求めているものについては,メールの件名等でお示しするとともに,国の通知等で手続が簡略化できるものについては,その内容の周知を行っています。例えば,障害福祉サービスを利用するに当たっては,相談支援員が利用者の自宅や事業所を何度か訪問しなければなりませんが,新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から,電話等のリモートによる接触機会の軽減を図ることができることとなっております。こうした具体的事例を挙げ,分かりやすい形で事業所に再度周知してまいります。今後も,事業者に対し必要な情報を適切に提供するとともに,事業所と行政双方の負担が軽減できるよう,手続の簡素化,簡略化に取り組んでまいります。 ○副議長(片矢修一君) 次に,24番 奥島光晴君。 (24番 奥島光晴君 登壇) ◆24番(奥島光晴君) 新生ふくいの奥島でございます。私たち新生ふくいは,去る8月に十分なコロナ感染予防対策の下,公聴公報市政報告会を実施いたしました。御参加いただいた市民の方々から貴重な御意見を多数いただいたところでございます。いただいた御意見を参考にさせていただき,このたびは男女共同参画とコロナ禍における避難所についてお尋ね,要望をさせていただきますので,特に明快な御答弁をお願いするものでございます。 それでは,男女共同参画基本計画の現状と今後の展望についてお尋ねいたします。 男女共同参画都市宣言は,平成10年3月16日に北陸初,全国で14番目に制定され,家庭,地域,職場で男女が共に参画することで,優しさと活力ある福井を目指す内容となっております。 そこで,社会のあらゆる分野の意思決定の場に男女が対等に参画できるよう,意識啓発事業や審議会等への女性登用,雇用均等,待遇の確保と促進事業等を継続的に実施されたこととお聞きいたしております。 そうした努力の結果,職場での男女共同参画への意識は浸透してきたように思われるが,地域ではまだまだ男性が外向きで,女性は内向きとの考え方が改まっていないように感じるとの声もある中,地域での男女共同参画への意識の向上策として,福井市男女共同参画推進地域事業に取り組み,男女共同参画推進員を各公民館単位で男女1人ずつの計2人,市全体では総数98人を委嘱し,生活に最も身近な地域で男女共同参画に関する啓発活動をされているようでございますが,その御苦労と課題,展望についてお尋ねいたします。 さらに,本市では「全国に誇れる男女共同参画都市ふくい」を推進し,実現するために,平成29年度から令和3年度を計画期間とし4つの基本目標を掲げた福井市第5次男女共同参画基本計画を策定され,現在進行中とお聞きしております。 基本目標Ⅰに,あらゆる分野における女性の活躍を掲げ,現在職場等における多様化した課題の解消には,男性中心で進められる政策や方針決定過程へ女性も参画し,意見を十分に反映させる社会づくりが必要だとしております。 基本目標Ⅱには,仕事と生活の調和が図られた社会の実現を掲げ,本市の女性があらゆる分野において活躍するためには,仕事と生活の調和,いわゆるワーク・ライフ・バランスを進めることが最重要課題と位置づけております。 基本目標Ⅲでは,男女共同参画社会の実現に向けた意識の醸成を掲げ,男女共同参画社会の実現に向け,幼少期から高齢者まで幅広く男女共同参画意識の醸成を図る必要があると提唱しております。 基本目標Ⅳでは,安全・安心な暮らしの実現を掲げ,男女がその個性と能力を十分に発揮し,生き生きと暮らす社会を実現するためには,心身ともに健康を維持することはもとより,男女の人権を尊重しなければならないと提言しております。 これら4つの基本目標の推進は,来年度3月までとなっており,計画終了年度前の現在,その成果と今後の展望をお答えしていただくのはいかがかとは思いますが,何か御答弁があればお願い申し上げます。 今年はコロナ禍の中において,テレワーク,ステイホーム等により,夫婦が家で一緒に過ごす時間が増えたことで女性の負担が増えていると聞いております。今こそ男女がお互いを尊重し,喜びも責任も分かち合うことが重要と考えます。「全国に誇れる男女共同参画都市ふくい」の総合的な今後の展望も併せてお伺いします。 次に,コロナ禍における避難所開設についてお尋ねいたします。 今年も既に過日の台風第10号をはじめ,全国各地で大きな自然災害が発生しております。犠牲になられた方々の御冥福を心を込めてお祈り申し上げるとともに,被災された方々にお見舞いを申し上げ,一日も早い復興,復旧を心より願うところでございます。今年は特に海面水温も高く,台風第10号のような大きな台風が多数発生し,日本への上陸も多く予想されております。 そこで,まず防災無線についてでありますが,昨年10月の台風第19号での千曲川の氾濫,堤防決壊により北陸新幹線の車両が水没する甚大な被害は記憶に新しいところでございます。水戸市においても,那珂川の氾濫で渡里町は大きな水害を受けましたが,防災無線でその避難情報を得ることのできた住人は僅か20%にとどまり,ほかの住民は全く聞こえなかったそうであります。雨風の中では,当然そうだろうと容易に推測できるところでございます。そこで,その対策として水戸市は防災無線にサイレンを付加したとのことであります。 本市も,平成23年に防災行政無線を整備されました。サイレンもついており,先進的なものでございます。それでも,聞こえにくいというのは現実であります。関係部局がその改善策を模索していることは承知おきしているところではございます。しかしながら,これといった得策はないのではと危惧しております。そこで,本市では,防災専用ダイヤルで市民が直接問い合わせる方策を実施しており,電話番号も覚えやすいニッコリフクイシ,25-2914だそうですが,市民の利用についてはどの程度か,お伺いします。また,その他避難,災害情報を市民にいち早くお知らせするツールはどのようなものがあるのかをお尋ねいたします。 次に,避難所開設についてです。 私は委員会等を通じ,関係部局の説明を受け,ある程度理解し,安心しておりますが,コロナ感染の疑いのある人とない人が密になる不安等をお持ちの市民の方々も多くいらっしゃると思いますので,いま一度その対応,対策について御説明をお願いいたします。避難所までの距離も,お年寄りの足では無理かなと思われる所もあるようでございますが,御一考いただけると大変ありがたいと思います。御所見をお伺いします。 備えあれば憂いなしであります。いろいろな対策,準備が空振りに終わることが最も望ましいことであります。あらゆる対策,準備が空振りになることを祈りつつお尋ねいたしました。 次に,コロナ禍における教育課題についてであります。 まず,過日,本市の小学校と中学校それぞれ1校で1人ずつのコロナウイルス感染が確認されました。その後,当該学校の先生,児童・生徒151人のPCR検査の結果は全員陰性であり,ほっと胸をなで下ろしたところでございます。この結果は,行政の迅速かつ的確な対応と,学校内で手洗い,マスクの着用,3密回避等を徹底していただいた先生方,そして家庭における子どもたちへの日頃の御指導のたまものと深く敬意と感謝を表するところでございます。 それでは,質問に入らせていただきます。 昨日の山田議員,津田議員の質問と若干重複する部分があるように思いますが,私の教員経験の拙い知見と思いと視点,観点からお尋ねさせていただきますので,御答弁をよろしくお願いいたします。 新型コロナ感染対策として,突然,学校休業を国から要請され,全国の多くの小・中学校,高等学校はおおむね3月3日頃から5月31日頃まで休校措置を取ったところであります。休校中の子どもたちへの対応が自治体により様々で,6割もの保護者が不平等感を感じているというアンケート結果もあるようです。本市としてできる限りの対応をされたと思いますが,どういった対応をされたのかお伺いします。 休校中の取組として,最も効果的なものはオンライン授業と考えられますが,公立学校で双方向のオンライン授業に対応できたのは,全国で5%だったと聞いております。オンライン授業に対応できる公立学校が5%も存在することに驚きを感じております。公立の小・中学校のオンライン授業は,先生のスキル,家庭の機器の整備状況等もあり難しいと思われますが,本市の考え方をお尋ねいたします。 休業明けで,授業についていける子とついていけない子の二極化になってきており,学習意欲の差が広がったとも言われております。このことは,休業中の家庭での生活に起因していると言う専門家もいるようですが,御所見をお伺いします。 通常であるならば,本市においては4月から9月までの夏休み期間約1か月を除く約5か月で前期が終了するところを,約3か月で前期の学習内容を終わらせることに無理があると思うところであります。まして,前年度3月分のやり残した授業もあり,先生方の御苦労は計り知れないところであり,本当に頭が下がる思いでございます。 文部科学省は,今年度修得すべき事項を,次年度あるいはその先にずれ込んでもよいという方針を打ち出しておりますが,地方自治体の教育委員会は,今年度修得すべき事項は今年度で習熟せしめたいと考え,先生方にプレッシャーを与えている教育委員会もあるやにお聞きしております。スピードアップして授業を進めなくてはならないので,机間巡視もできず,子どもが理解したかどうかの確かめは,ここまで分かりましたかの一言のみで次の単元へと進んでいくようであります。子どもは,分かりませんとなかなか手を挙げることはできないのであります。分からないことを分からないと手を挙げることを評価することも大事と思いますが,いかがでしょうか。 小学校の7割以上の先生は,教育委員会の指導で教師としての自由度が足りないと感じているそうです。この単元はもっと時間をかけて指導したい,この子にはこうしてあげたいと思っても,時間がないのでできないようであります。その上,子どもたちが下校した後,先生方は校内の消毒作業があるようです。それも,当初は次亜塩素酸ナトリウム液のため,アルコール消毒液と違い手間暇もかかりかなりの重労働だったと聞いております。保護者の中には,お手伝いをしたいとの申出をした方もいたのですが,感染防止上断られたという事例もあるようです。先生方には,今こそ教育に専念できる環境づくりをしてさしあげ,できるだけ子どもたちに寄り添っていただくべきと考えますが,御所見をお伺いします。とにかく,未曽有の危機状態の中にある学校に対して,もっとお金と先生を導入すべきと強く願うところでございます。学校は次代を担う人づくりの大事な場であることを,我々大人は決して忘れてはいけないのであります。 次に,6月より本格的に通学し始めた小学校1年生について申し上げます。 小学校2年生以上の児童は,それぞれ学校生活の長い短いはあれど,どうにか学校生活に慣れていると思われます。一方,小学校1年生は,本来なら3月末頃まで認定こども園あるいは幼稚園に通い,4月からは小学校へスムーズに入学する運びのところが,3月は休園,4月,5月は休校で,約3か月間団体生活から離れ,家庭での生活を過ごしたため,6月から学校生活に入ったのですが,なかなか学校になじむことのできない子もいたのではないかと危惧するところであります。そうした子どもにはどう対処されているのか,お伺いします。 例年ですと,授業を午前中だけで終えて下校する日も多く取り,学校に徐々に慣れる時間をつくっていけるのですが,今年はその日数も少なく,授業時数のみを追っている気がしてなりません。学習内容を理解せぬまま次へ進むために,分からないことが増えるばかりで学びの楽しさが分からなくなり,学校嫌いになっては大変であります。子どもたちにとって楽しい学校であってほしいものであります。何か御所見があれば御答弁ください。 次に,夏休みについてお尋ねいたします。 全国の小学校から高等学校まで,夏休みは期間も日にちもいろいろでした。石川県では,金沢市の小・中学校は40日間ほどの休みがあり,輪島市の小・中学校では9日間だったと聞いております。本県でも,越前市では8月8日から8月16日,本市では8月1日から8月16日といったようにばらつきがありますが,その理由をお聞きいたします。今後,また冬休みもありますが,授業時数ではなく理解度,楽しい学校行事等を視野に入れ,冬休みの有効活用を期待するものであります。子どもたちはコロナで本当に困窮を極めているのですから,少しでも楽しい学校生活を送ってほしいと思うばかりであります。 次に,子どもたちの学校生活についてお伺いします。 子どもたちのリアルな声として,一人で縄跳びをするのはつまらない。マスクで耳が痛い。マスクで相手の表情やリアクションが見えない。3密回避で友達と話ができない。給食も,無言でただ食べるだけで楽しくない。友達にタッチしてはいけないので,友達との距離が空いた感じで独りぼっち感がある。なぜ自分たちだけがこういう目に遭うのかという感がある。クラス間で差があると感じる。窓に向かって歌うのは変だ。授業も忙しく,進む量が多くて大変なので,学校に行きたくない。先生に焦りを感じる。授業はみんなで話し合い,学びを深めたいなどと,子どもたち子どもたちなりに思いがあるようであります。我々大人は,今はコロナ禍にあるのだから仕方がない,我慢しなさいとの対応では済まないと考えます。子どもたちにとって大事な3つの間,時間,空間,仲間が欠落した状態であります。こうした子どもたちの学校生活の現状を,少しでも向上させる方策をどのようにお考えなのか,お尋ねいたします。 最後に,コロナによる家庭経済が教育に与える影響についてお伺いします。 家庭の経済的環境が教育に学力格差,あるいは教育格差として与える影響は大きいものと考えられます。コロナにより経済的に苦しくなり,通っていた塾もやめなければいけない子どももいると聞いております。休校明けの授業についていける子は塾通いの子が多いようで,学習意欲もあるようだと分析する専門家もいます。塾へ行けなくても,子どもの学習意欲を喪失させることなく向上させる教育が必要であります。どのようにすることで子どもの学力格差,教育格差を生まず,学習意欲を高めることができるとお考えですか,お尋ねいたします。 前にも申し上げましたが,子どもたちに大きな影響を与えるのは先生であります。このコロナ禍の今こそ,先生方に余分なことを強いることなく,教育に専念していただくことは大変重要と考えております。先生方の元気こそが子どもたちの元気ですから,先生方の多忙の解消を切にお願いするところでございます。 9月補正予算案では,学習環境の充実に1億2,453万7,000円が計上されております。この額は,教育環境向上に十二分とは思いませんが,先生方や子どもたち,そして保護者への思いやりやおもんぱかりが感じられ,敬意と感謝を表するところでございます。予算案の中,修学旅行キャンセル料補助事業では4,400万円が計上されております。これによって保護者の負担がなくなる見込みなのかどうかをお伺いします。 教育は,国家百年の計と言われております。どうか,今こそ米百俵の精神で,先生方,子どもたちのために特段のさらなる財政支援,あるいは人的支援をお願い申し上げ,質問を終わります。ありがとうございました。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 私からは,男女共同参画基本計画の現状と今後の展望についてのうち,まずこれまでの取組並びに第5次男女共同参画基本計画に基づく取組内容,成果,展望についてお答えします。 本市では,男女共同参画を推進するため,女性の地位向上や女性の社会参画促進を目指し,平成15年に男女共同参画社会をめざす福井市条例を制定し,積極的に取り組んでまいりました。その成果として,平成17年以降は女性の就業率が上昇し,女性の社会参画への機会も増え,活躍する場が少しずつ広がってまいりました。しかしながら,男は仕事,女は家庭などの固定的な役割分担意識が根強いこともあり,働く女性にとっては家庭での負担が大きく,ワーク・ライフ・バランスが図られていない状況が見られます。 こうした中,平成29年には,令和3年度までを計画期間とする福井市第5次男女共同参画基本計画を策定し,全国に誇れる男女共同参画都市ふくいを基本理念に,4つの基本目標のもと,全庁的に各種施策を進めているところです。 特に福井は,女性の就業率及び共働き率が全国1位という特徴があることから,多くの女性が個性と能力を十分に発揮できるよう働きやすい環境づくりに重点的に取り組んでいます。具体的には,企業や働く女性向けに,女性が働きやすい職場づくりや,キャリア形成や管理職への意欲向上を図るセミナー等を実施し,意識改革を図っています。また,ワーク・ライフ・バランスの推進や子育て支援,女性の活躍促進に取り組む市内企業を子育てファミリー応援企業として登録し,その取組内容のPRや市発注の契約に対しての優遇措置等の支援を行っています。さらに,市が設置する各種審議会や委員会等において,政策,方針決定過程での女性参画の拡大を目指し,女性登用率アップに向け,私が先頭に立ち,全庁的に取り組んでいます。これらの取組により,市内企業での意識の変革や,女性が働きやすい環境整備の推進にもつながっていると感じています。計画の最終年度に向け,さらなる女性活躍の推進やワーク・ライフ・バランスなど,計画に掲げる各種施策の着実な推進に努めてまいります。 次に,今後の展望についてお答えします。 男女共同参画社会とは,男女が互いを尊重し,職場,学校,家庭,地域などの社会のあらゆる分野で,性別に関わりなく,その個性と能力を十分に発揮し,喜びや責任を分かち合える社会のことです。これまでの取組により,徐々に理解が進んでいると感じておりますが,男女共同参画社会を実現するには,息の長い取組が必要であると考えております。 なお,このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い家族の在宅時間が増えたことにより,女性の家事,育児,介護等に係る負担がこれまで以上に増大したという声がある一方,男性が女性の負担に気づくきっかけとなり,料理や育児を実践する男性も増えたと聞いております。こうした状況を好機と捉え,家庭内での役割分担による女性の負担軽減や,さらなる男性の家事,育児,介護等への参画が進むよう引き続き意識啓発を図ってまいります。 また,企業においては,テレワーク等の普及により,育児や介護などで時間に制約のある女性にとっても,在宅勤務など多様な働き方が可能となってきており,女性活躍の加速化が期待できます。このコロナ禍での新しい働き方についての先進事例等を企業へ周知,啓発することで,この流れを一過性のものとせず,定着するよう努めてまいります。 今後も継続的な取組を行い,誰もが性別に関わりなく個性と能力を十分に発揮し,共に役割を担うことで幸せを実感できることができる福井の実現を目指したいと考えております。 (総務部長 吉田修二君 登壇) ◎総務部長(吉田修二君) 男女共同参画基本計画の現状と今後の展望について,残りの質問についてお答えします。 現在,本市では公民館区ごとに男女各1人,計98人の男女共同参画推進員を委嘱し,家庭や地域における意識の醸成に努めております。具体的には,自治会活動や避難所運営等の地域活動に女性ならではの視点を加えていけるよう,それぞれの地区の皆さんに対し,女性の各種活動への積極的な参画をお願いしております。また,女性が地域活動へ参画するには,家庭での負担軽減が鍵となるため,男性の家事,育児への参画に向けた出前講座やパネル展,各種講演会等も企画,運営し,性別や年代に応じた啓発活動を行っております。しかしながら,自治会など地域においては慣習,しきたり等がいまだ根強く残っており,男女共同参画意識がなかなか浸透していかないことに大変苦労していると聞いております。市といたしましても,推進員の方々は,地域の男女共同参画意識を高める牽引役であることから,推進に対するアドバイスや相談を丁寧に行い,地域における男女共同参画意識の機運醸成につなげてまいります。 (教育長 吉川雄二君 登壇) ◎教育長(吉川雄二君) コロナ禍における教育課題についてお答えいたします。 まず,臨時休業中の子どもたちへの対応についてでございます。 本市では,県教育委員会が作成いたしましたふくいわくわく授業の学習動画を子どもたちが家庭学習で活用できるよう取り組みました。また,動画を視聴する環境がない家庭には,DVDデッキとディスクを貸し出して,全ての児童・生徒が動画を見られるように配慮いたしました。各学校においても,児童・生徒が各自で家庭学習に取り組めるように予習や復習の課題等を作成し,分散登校時や下足箱等を利用して配布,回収するとともに,適切にチェックや評価をしたところでございます。 次に,オンライン学習への考え方についてです。 今回のオンライン学習は一方向でありましたが,本来は双方向であることが望ましいと考えております。しかしながら現段階ではオンライン学習を行う環境整備が追いついておりません。今後は双方向でオンライン学習ができる環境整備を進めていきたいと考えるところではございますけれども,双方向でのオンライン学習は,私はあくまでも補助的な学習形態であり,何よりも教師と子どもたちが学校の中で対面し,実際に言葉を交わしたり表情を読み取ったり,多様な意見に触れ合うことで学習の効果が上がり,そういったことがより深い学びにつながるものだと考えております。 今年6月には,本市の全児童・生徒の家庭に対して,家庭でインターネット動画を利用した学習活動が可能であるかどうかという調査を行いました。その結果,家庭でのインターネットの動画視聴が困難な児童・生徒は小学校で15.6%,中学校で10.1%でした。さらに,双方向のオンライン学習を実施するには,家庭内で高速大容量通信ができる環境整備が必要であり,現状では双方向オンライン学習を行うことができる十分な環境にないと考えられます。津田議員にもお答えいたしましたとおり,引き続き国に全国一律のオンライン学習が可能な環境整備について要望してまいります。 次に,休業明けの子どもの学習の二極化は,休業中の家庭での生活に起因するのではないかということについてでございますが,6月の学校再開時には,休業中の家庭での生活の乱れが取り戻せない児童・生徒がいたことは承知しているところでございます。こうした現状に対応するため,市教育委員会といたしましてもスクールカウンセラーを活用したり,個別に丁寧な指導をしたりして,一人一人をしっかりとフォローアップするよう,各小・中学校にお願いしたところでございます。 次に,授業中に分からないと手を挙げることについてでございますが,教員や教科によっては授業の進度に差があるということは承知しているところですけれども,授業時数は教育委員会としてはしっかりと確保したということ,無理なく学習の遅れを取り戻すために次年度に学習内容を繰り越すことも可能であるといったことを,校長会等を通じて学校にも伝えまして,特に急いで授業を進めることがないよう,引き続き指導をしてまいりたいと考えております。また,分からないときに分からないと言える,こういった教室での雰囲気づくり,環境づくりも大事だと思っておりますので,その点についても引き続き指導してまいりたいと考えております。 次に,先生方が教育に専念できる環境づくりについてでございますが,本市では小・中学校の教員の事務作業補助や消毒作業を行う学校運営支援員を増員したり,配置日数の増加を行ったりして教員の負担を軽減しているところでございます。引き続き,教員が子どもたちに向き合う時間,授業の準備に充てる時間をしっかり確保できるように取り組んでまいりたいと思います。 次に,学校になじむことができない小学校1年生への対応についてですが,本市では毎年,幼稚園,保育園,認定こども園と小学校の教員たちが連携をいたしまして,前年度末に小学校の1日体験入学でありますわくわく交流デーを設けたり,新年度初めには各園から入学する子どもたちが小学校の生活にスムーズになじむことができるようにする,スタートカリキュラムといった取組を行っております。ただ,今年度はコロナ禍によりまして,卒園後から2か月余り小学校が臨時休業となったために,6月当初は登校渋りをする子も確かに見られました。しかし,スタートカリキュラムの取組をより充実させまして,各小学校では学校生活に慣れるよう個別に子どもや保護者に丁寧に対応したことによりまして,現在ではほとんどの子どもが順調に学校生活を送っていると認識しております。 次に,子どもたちにとって楽しい学校であってほしいということでございますが,コロナ禍で学校生活には多くの制約が生じておりますが,どの学校でも内容や方法に工夫を凝らして,体育大会,文化祭などの行事を行うなど,できるだけ楽しい学校生活を味わえるような取組を工夫しているところでございます。 次に,夏休みについてですけれども,夏休み期間は市町ごとの学校管理規則によって定められておりますので,その期間はばらばらで一律ではございません。今年につきましては,特に本市では,授業時数の確保に留意しながら,子どもや教職員の休養時間もしっかり確保したいということを考えまして,8月1日から8月16日のおおむね2週間を夏休み期間と設定したところでございます。 次に,子どもたちの学校生活や学習意欲の向上のための方策についてでございますが,先ほども申しましたけれども,コロナ禍により様々な活動が制限されているところではありますが,学校ではこの状況の中でできることを教職員が考えるだけでなく,子どもたち自身にも考えさせるといったことで,子どもたちが少しでも主体的に,前向きに活動できる工夫をしているところでございます。また,修学旅行や学校祭などにおいても,状況を見て,教員と子どもたちが意見を出し合って,工夫しながら計画を立てる学校もあるなど,感染症対策を十分に行った上で子どもたちの学びの機会を可能な限り保障しながら進めているところです。 また,子どもたちの学習意欲を高めるために,子どもたちが分かったとかできたとかといったことが実感できる授業づくりに日々取り組んでいただきたいということをお願いしています。コロナ禍であっても,分かる授業,楽しい授業を心がけ,ICT機器や動画等を活用するなどして,引き続き子どもたちの意欲を高める工夫をしてまいります。 最後に,修学旅行のキャンセル時の保護者負担についてでございます。 旅行業約款により,出発の8日前までにキャンセルをした場合,旅行代金の2割をキャンセル料として支払うこととなっております。このため,保護者の負担ができるだけ生じないよう,各学校の修学旅行のキャンセル料を旅行代金の2割を上限として補助するための補正予算を計上させていただいたところでございます。これにより,修学旅行を中止したという場合であっても,保護者の負担は極力なくなる見込みでございます。 (市民生活部長 牧野浩君 登壇) ◎市民生活部長(牧野浩君) コロナ禍における避難所開設についてお答えいたします。 まず,防災専用ダイヤルの利用についてでございますが,本市では平成24年12月から災害時に防災行政無線から流れた放送内容を,防災情報自動応答テレホンサービスにより,電話番号25-2914,ニッコリフクイシで確認できるようになっております。利用件数につきましては,運用開始以来,現在までに累計で約5,800件でございます。 次に,避難,災害情報を市民にお知らせするツールについてでございますが,本市では防災行政無線のほか,緊急速報メールや放送事業者などに情報を提供するLアラート,登録制の防災気象情報メール,防災アプリ,ホームページ,ツイッター,フェイスブック等の様々な媒体を活用し,市民への情報伝達に努めております。また,今年度更新される県の災害情報インターネットシステムに合わせ,本市の防災行政無線のシステム改修を行い,入力した避難情報を自動音声にて防災行政無線から市民の皆様に,より迅速にお伝えいたします。 次に,新型コロナウイルス感染の疑いがある方とそれ以外の方の避難所における対応についてでございますが,石丸議員にお答えしたとおり,本市では6月上旬から当面の間,風水害時に1番目に開設する避難所を一部の地区を除きまして,従来の公民館から小学校の体育館に変更いたしております。避難所の入り口では,避難者全員に手指の消毒や検温,問診を実施し,発熱やせきなど,感染が疑われる方は,体育館以外の校舎の一部に避難していただき,それ以外の方は体育館に避難することでお互いが接触しないよう配慮することとしております。ただし,校舎の一部に感染が疑われる方の避難スペースが確保できない場合につきましては,体育館内に段ボール製の間仕切りを設置いたしましてスペースをつくり,区分することとしております。このほか,避難所内の定期的な清掃や消毒,窓開けや大型扇風機を使用して換気を行うなど,感染予防に努めてまいります。 このほか,避難所では,これらの様々な感染症対策に対応するため,これまで各地区に2人配置しておりました避難所対応員に加え,今年度新たに2人の避難所初期対応員を増員するとともに,それらの職員を対象に感染症対策に関する研修を6月中旬に実施いたしました。また,自主防災組織連絡協議会に対しまして,感染症対策を踏まえた避難所運営マニュアルの見直しに関する研修会を全地区対象に実施いたしました。この研修会を受けて各地区では,避難所開設・運営訓練や研修を行っているほか,本市では地区の要望に応じまして,出前講座により避難所の運営方法について周知しております。さらに,避難所における感染症対策といたしまして,マスクやアルコール消毒液のほか,段ボール製間仕切りや非接触型体温計,大型扇風機,簡易ベッド,アルミロールマットを全地区の避難所に配備しております。また,避難所スタッフ用のフェースシールドや医療用ガウン,使い捨て手袋なども併せて配備しております。今後は,避難所での寒さ対策といたしまして,保温性の高い折り畳み式ブランケットを配備したいと考えております。 次に,お年寄りの避難についてでございますが,災害が発生する前から避難所の場所や洪水浸水想定区域,土砂災害警戒区域等が一体的に掲載されております防災ハンドブックで避難経路と避難先を確認し,より安全で迅速な避難を行っていただきたいと考えているところでございます。 本市では,災害時の避難に不安を持つ高齢者等を支援するため,自治会や自主防災組織などが中心となりまして,地域で助け合う制度でございます福井市避難支援プランへの登録を推進するほか,自治会と民間企業等における一時避難場所の提供に関する災害時応援協定の締結に向けた取組も支援しているところでございます。 また,災害時には生命を守るために安全な場所に移動していただくことが最重要であることから,避難所だけではなく,安全な場所に住んでいる親戚や知人宅,ホテルや旅館等への避難や,建物の2階以上に避難をする垂直避難についても有効な手段であり,これらの避難方法についても周知してまいります。 (24番 奥島光晴君 登壇) ◆24番(奥島光晴君) まず,男女共同参画につきましては,市長から力強い御答弁を賜りました。本当に,ますます男女共同参画が進んでいくのではないかと期待感を持っているところでございます。女性の視点というのは,もちろん行政の施策もそうですが,まちづくりにおいても本当に重要なことと考えております。今問題になっている,あるいは課題になっている学校再編につきましても,ぜひそういった女性の声をお聞きするといい案が出るのではないかと期待するところでございます。 それから,教育についてですけれども,学校の休業中は教育委員会をはじめ各先生方には本当に子どもたちには手厚くしていただいて,大変喜んでいると思っております。また,教育長がおっしゃられましたオンライン授業はあくまでも非常時のものであって,やはり教育はフェース・ツー・フェースでございますので,そういった点でまた御配慮いただくとありがたいと思っております。教育長はいつも授業時数を十分確保しているとおっしゃっています。もちろん授業時数を費やすことは大変大事なことですけれども,一番大事なことは,やはり文部科学省からはこの単元は何時間,この単元は何時間でやりなさいとの指導が来るんですが,それをこっちは短くてもできるな,こっちは長めにしないといけないなという先生方の裁量を持って,子どもたちの理解度を十分に見てあげてほしいということです。また,今年入学した小学校1年生も順調に通学しているということで,大変安心いたしました。 それから,避難所の件では,本当に今テレビを御覧の福井市民の皆様には,おお,これで安心,自分たちが頑張れば何とかうまくいくなと実感していただいたと思っております。一つだけお願いすることがあるとすれば,九州を襲った台風第10号によりまして,避難所へ行ったけれども満員で断られたという方がいらっしゃるとのテレビ報道,新聞報道がありましたので,当然そこら辺りの情報も精査しながら,あるいは現状を把握しながら,本市においてもそういう対策,対応をお考えいただくと市民もさらに安心感が増すのではないかと思っておりますので,よろしくお願い申し上げます。 以上でございます。ありがとうございました。 ○副議長(片矢修一君) ここで暫時休憩します。午後3時45分から再開します。             午後3時30分 休憩──────────────────────             午後3時45分 再開 ○議長(見谷喜代三君) 休憩前に続き会議を再開します。 一般質問を続けます。 次に,9番 池上優徳君。 (9番 池上優徳君 登壇) ◆9番(池上優徳君) 一真会の池上でございます。 一般質問3日目の最後になりますと皆さん大分お疲れのようですけれども,私にとっては1年半振りの一般質問になります。ほどよい緊張感とやる気満々で臨んでまいりたいと思いますので,どうかひとつよろしくお願いします。とは言いましても,一番最後ということで,多くの議員と質問が重複しております。私なりの視点から質問させていただきますけれども,答弁は割愛していただいて結構です。 それでは,コロナ禍における対策について質問いたします。 本年1月に国内で新型コロナウイルスの感染者が確認されて以来,新型コロナウイルス感染症は我が国に戦後最大の危機,未曽有の国難をもたらしています。新型コロナウイルスを根絶させることは当面難しいという前提のもと,安全な医療体制を確保して感染防止を図りながら,市民,県民の安全な生活を取り戻し,経済を回復させるためのあらゆる対策を講じていかなければなりません。5月には緊急事態宣言が解除され,徐々に社会経済活動が再開されつつありましたが,7月中旬以降,新規感染者が増加し,再び全国に大きな影を落としており,今後,感染防止に一層の取組が必要とされています。 そういった中,自由民主党福井県支部連合会の政務調査会は,7月30日に福井県医師会,福井県看護協会などの医療関係団体と,8月20日には経済団体とそれぞれ意見交換会を持ち,現状と課題,要望などをお聞きしました。その内容に基づき,質問いたします。 1,安心できる医療・福祉体制の確保について幾つかお伺いします。 まずは,実効性のある感染防止対策の強化が求められます。感染者の早期発見,早期隔離はもとより,行動履歴調査,濃厚接触者追跡調査を徹底して行えるように保健所体制をさらに強化し,また今後,抗原検査や抗体検査など,国が新たな検査方法を採用する場合には,検査キットの供給体制を十分確保すべきと考えますが,御所見をお伺いします。 次に,医療提供体制の強化ですが,感染患者の受入れに当たり,現在の病床確保料単価や休止病床補償単価は本来の収益に見合うものではなく減収が生じます。このため,休止病床の補償料の単価の引上げや病院の実勢価格の採用などにより,各医療機関に対する確実な補償が必要となってきます。 また,新型コロナウイルスの感染を懸念した一般患者の受診控えにより,病院,診療所の別なく診療報酬が大幅に減少し,医療機関は厳しい経営状況に直面しています。地域の医療提供体制を維持していくため,医療機関への緊急融資や助成金交付,診療報酬単価の見直しを国に要請すべきと考えます。また,本来対面により行う訪問看護等でも,感染防止や患者,利用者の不安解消のため,オンラインによる症状確認や健康観察を行う必要が生じています。現状ではオンライン看護という診察が設定されていないため,緊急時の対応としてオンライン看護への診療報酬を新設するよう,これもまた国に要請するべきと考えます。 これらの医療分野の課題については,本来県が主体となって取り組む内容なのかもしれませんが,中核市となり保健所を持つ本市が積極的に県と連携を取り,国に要請していくことが求められています。これらについて御所見をお伺いします。 次に,医療用物資や軽症,無症状の陽性者向け施設の確保についてですが,第1波の感染拡大期において,国からの医療物資の供給に遅れが生じたことにより多くの医療機関等において物資が枯渇しました。社会不安を助長させた教訓を生かし,感染拡大中の現在において,物資,宿泊施設を確保できるのか,また対応に遅れが生じないのか,お伺いします。 次に,医療従事者等への支援ですが,国は第2次補正予算に,新型コロナの対応に当たった医療従事者や介護施設職員らへの慰労金を盛り込みました。しかし,保育所や社会的養護関係施設等の児童福祉施設は支給の対象外とされ,全国社会福祉協議会などを中心に,新型コロナウイルス禍に対応している保育所・児童福祉施設の全職員へ慰労金の支給を求める緊急要望を国に提出したようです。 保育所等には,緊急事態宣言以降も社会を支える基盤の一つとして事業継続の要請がなされ,衛生資材の確保もままならない中,感染予防対策を徹底しつつ保育サービスを提供してきました。さらに,地域で感染が急激に広がる危機的な状況下でも,子育て中の看護師,医師等の子どもを受け入れ続けるなど,社会機能の維持と生命を守る人たちのために保育を継続してきました。全国で50か所以上の保育所等で陽性者が発生しており,感染への不安を感じながら保育を継続している保育所等の全職員への支援として,各自治体も応援金などを創設する動きもあるようです。国に動きがないようであれば,本市も独自の支援策が必要と思いますが,御所見をお伺いします。 また,当然のことながら,感染者や医療従事者への偏見,差別という社会的圧力が生じないように特段の配慮が必要と思いますが,共感やねぎらいの言葉などとともにどのようなことができるのか,お伺いします。 次に,避難所における感染症対策ですが,これから台風の時期を迎えます。台風以外にも様々な災害における避難所の感染症対策として,マスク,消毒液,間仕切り,非接触型体温計などの資機材整備並びに場合によっては,ホテルや旅館の借り上げ等の仕組みを構築すべきと思います。今回の補正予算で避難所への対応に係る経費が計上されておりますが,避難所等,災害時の感染症対策は万全なのか,お伺いします。 これからの季節,インフルエンザの流行期を迎えます。今冬の新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行を見据え,厚生労働省は8月26日に65歳以上の高齢者や医療従事者にインフルエンザワクチンの優先的な接種を呼びかけることを決めました。高齢者など,重症化リスクの高い方に対して優先的な接種を呼びかけることで,接種機会を逃さないよう体制整備を進めるようですが,日本感染症学会は,新型コロナとインフルエンザの同時流行を最大限に警戒すべきとして,医療関係者,高齢者,ハイリスク群の患者のワクチン接種を強く推奨すると同時に,小児,特に乳幼児から小学校低学年へのインフルエンザワクチン接種についても,強く推奨すると提言していることを踏まえ,中学生までの子どもにインフルエンザ予防接種の助成をすべきと思いますが,御所見をお伺いします。 最後に,感染防止対策のさらなる徹底として,感染防止策を確実に遂行し,感染防止に資するため情報共有を図ることが効果的と考えますが,保健所としてどういったことをしているのか,お伺いします。 次に,中小企業・小規模事業者への支援についてお伺いします。 8月4日に発表された福井県内経済情勢では,県内経済は新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況が続いているものの,一部では下げ止まりの動きが見られる。先行きについては,感染拡大の防止策を講じつつ,社会経済活動のレベルを段階的に引き上げていく中で,各種政策の効果もあって,厳しい状況から持ち直しに向かうことが期待される。ただし,感染症が地域経済に与える影響に十分注意する必要があるとされておりますが,企業の中には,どん底だった4月と比べると業績はよくなっているが,7月中旬以降は第2波の影響も出てきたとの意見も聞かれます。経済活動の自粛,縮小,消費マインドの低迷,世界規模での需要減少を受けた生産調整などを背景に,業種,規模を問わず企業経営は悪化しています。県内企業においては,事業継続と雇用維持に懸命に取り組んでおられるものの,もはや企業経営は努力の限界を迎えつつあるようです。様々な制約がある中で,特に中小企業,小規模事業者は事業存続の危機に直面する状況に陥っており,倒産,廃業,解雇を最小限にとどめるためにも,継続的な支援や景気浮揚策が不可欠であると思われます。 こうした状況において,現行の給付金,資金繰り,雇用維持に向けた支援策等の円滑な実行と一層の拡充を図りながら,足元の窮状を乗り切る政策を講じていくとともに,ウィズコロナ,アフターコロナを見据えた事業モデルの転換や,新たなビジネスに挑戦する事業者への支援を同時に推進していくことが重要であると考えます。特に,2年7か月後に迫る北陸新幹線福井開業,また同時期に中部縦貫自動車道大野油坂道路の開通を控え,来訪者の受皿となる観光業や飲食サービス業を中心とした地域経済活力の維持,発展に向けた取組が望まれています。 1,感染リスクの正しい理解と市民,県民を対象とした消費喚起事業の実施について。 経済回復には,需要喚起が大変重要であります。事業者においては,感染防止対策に努力していただいているところではありますが,消費者の新型コロナウイルスに対する過剰反応や過剰萎縮が消費行動を鈍くしている一つの要因とも思われます。消費活動の活性化のためには,消費者が感染リスクを正しく理解し,安心してお店を利用できる環境を整えることが重要と考えますが,御所見をお伺いします。 また,がんばれ福井応援券や飲食クーポン券の発行,域内観光の需要喚起を図るべく,ふくいdeお泊りキャンペーンの継続実施など,福井県民を対象とした大規模な消費喚起事業を実施し,甚大な被害を受けた飲食業,観光関連業への集中的な追加支援策が必要と思います。今回の補正予算に,おいしい福井の冬・お泊りキャンペーン事業として7,600万円が計上されております。具体的な内容をお教えください。また,このような取組を継続していくかどうかについてもお伺いします。 2,中小企業対策予算の確保,拡充及び経営相談体制の強化について。 新型コロナウイルス感染症の長期化は避けられない中,県内企業の事業継続及び持続的な発展に向けて経済再生を最優先し,補正予算あるいは次年度以降における中小企業対策予算の十分な確保,拡充が必要であると考えますが,御所見をお伺いします。 また,商工会議所に経営相談窓口が設置されていますが,新型コロナウイルスの影響などにより,中小企業からの相談が増加しています。商工会議所の相談体制の現状についてお伺いします。 3,新しい挑戦へと向かうための事業再生,事業承継に向けた支援強化について。 新型コロナウイルス感染症の影響で事業継続が困難となる中小企業,小規模事業者の増加が想定されます。事業再生のためには,金融機関との調整をはじめ,取引先との関係整理や事業譲渡の検討など専門的な支援が必要となります。事業継続が困難となった中小企業,小規模事業者等の経営者が再チャレンジするためには,事業再生に向けた支援が重要と考えますが,御所見をお伺いします。 また,事業承継,事業譲渡でコロナ危機を乗り切ろうとする中小企業が増加するものと想定されます。事業再生と同様に,事業承継に向けた支援も重要と考えますが,事業承継の円滑化に向けた支援について御見解をお伺いします。 4,ウィズコロナ,アフターコロナを見据えたDX支援について。 新型コロナにより,デジタルトランスフォーメーションが加速していきます。各企業においても,この社会変化に対応したビジネスに転換していくことが必要不可欠になります。企業内のIT人材の養成や非対面での売上確保に有効なeコマースの展開や,デジタル技術を活用した新商品,新サービスの開発など,新しい生活様式や新たな消費ニーズを踏まえた新しいビジネスモデルに挑戦する事業者の取組の支援について御見解をお伺いします。 5,風評被害防止と感染防止策,ビジネス目的による受検環境の整備について。 感染者に対する誹謗中傷や風評被害を防止し,人権を守るためには広報,啓発活動にとどまらず,相談センターの開設やインターネットでの監視,警告の発信など,徹底した対策が求められています。条例制定を含め検討が必要と思いますが,御所見をお伺いします。 また,業務に伴う出張等のビジネス目的でのPCR検査は,基本的に保険適用外の検査であり,費用も高額なため,中小企業が適宜容易に活用できる環境にありません。そのため,感染リスクの高い業界における集中的なPCR検査の受検の仕組みづくりが併せて必要と考えます。感染者の早期発見と職場内の2次感染を防止するため,ビジネス目的による民間PCR検査の積極的実施に向けて,検査費の助成についてはどのようにお考えになっているのか,お伺いします。 6,雇用調整助成金の緊急対応期間,特例措置の年度末までの延長について。 新型コロナウイルスの先行き不透明感が強まっている中,本市の企業は大企業の影響を受けやすく,景気の動向にタイムラグが生じることから,今年12月まで延長する予定の緊急対応期間,特例期間を来年3月末まで延長するよう国に要望するとともに,中小企業,小規模事業者に対しては,申請手続の簡素化が進んだ助成金の利用促進を広く周知,普及すべきと考えますが,御所見をお伺いします。 7,人材確保のための支援について。 中小企業,小規模事業者にとって,人材の確保は絶えず経営課題となっていますが,コロナ禍においては大企業を解雇された優秀な人材が求職しているケースがあります。資金的な余裕がないことを理由に中小企業等がこのチャンスを逃さないためにも,新たな雇用に対する支援策が必要であると考えます。御所見をお伺いします。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (副市長 西行茂君 登壇) ◎副市長(西行茂君) 私からは,コロナ禍における対策のうち,中小企業,小規模事業者への支援についてお答えいたします。 まず,雇用調整助成金の特例措置の延長についてですが,国は8月28日に特例措置を本年12月末まで延長することを発表したところであります。この特例措置は,新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の縮小を余儀なくされている企業にとって,従業員の雇用を守るための強力な支援策であると考えております。 本市といたしましても,特例措置のさらなる延長について,時期を捉え,中核市市長会などを通じて国へ要望してまいります。 次に,雇用調整助成金の利用促進の周知・普及についてお答えいたします。 特例措置が始まった今年2月の段階では,休業等の計画届を事前に提出するなど,数多くの複雑な書類を作成する必要がありましたが,4月以降,申請手続が簡素化され,これにより申請件数及び支給決定件数が増加しております。特に,雇用調整助成金につきましては,企業が雇用を維持する上で非常に有効な支援でありますので,市のホームページや企業情報発信サイトでありますふくいおしごとネットに関係情報を掲載するなど,様々な機会を捉えて広く周知に努めてまいります。 次に,新たな雇用に対する支援策についてです。 新型コロナウイルス感染症の影響により,従業員が解雇される事案が増えており,今後さらなる失業者の増加が懸念されます。本市では,新型コロナウイルス感染症の影響により,解雇された失業者を正規雇用した中小企業の事業主を支援する失業者正規雇用緊急奨励事業をこのたびの9月補正予算に計上しております。今後も,これらの取組を着実に推進することで雇用の安定化を図ってまいります。 (商工労働部長 寺井道博君 登壇) ◎商工労働部長(寺井道博君) 中小企業,小規模事業者への支援についての御質問のうち,残りの質問にお答えいたします。 まず,消費行動の活性化につきましては,新型コロナウイルス感染拡大により,外出せずに飲食,買物を済ませる巣籠もり消費が常態化してきた一方,外食や旅行など外出型消費が大幅に減少しております。さらに,8月下旬以降,県内に第2波が広がり,8月27日には福井県感染拡大警報が発令されたことで,消費行動がさらに慎重になっている状況にあります。 消費者が安心してお店を利用できる取組としては,現在,県が感染拡大の抑制と社会経済活動の維持を両立するため,各事業者が感染拡大予防のガイドラインを遵守していることを示した感染防止徹底宣言ステッカーを店舗に掲示する取組を実施しております。市民の皆様には,店舗入店時にステッカーの掲示を確認すること,さらにマスクの着用や手洗い,消毒を徹底することで感染リスクが小さくなることを改めて認識していただく必要があると考えております。また,事業者の皆様には,ステッカー掲示とそれに基づく感染予防対策をさらに徹底していただくこと,ステッカーはもちろんインターネットやSNSを活用した消費者に対する広報により,消費者により安心感を持ってもらうことが大切だと考えております。 次に,おいしい福井の冬・お泊りキャンペーン事業についてですが,事業内容につきましては皆川議員にお答えしたとおり,北陸新幹線福井開業を見据え,福井の魅力が堪能できる冬に多くの観光客に来訪していただき,観光消費額の拡大につなげることを目的としております。11月6日から来年1月31日までの期間中に,市内宿泊施設で利用できる5,000円のクーポン券を,本県及び北陸新幹線沿線の石川県,富山県,長野県内のコンビニエンスストアにおきまして2,000円で販売するものでございます。 次に,この取組を継続していくことについてですが,この事業は北陸新幹線福井開業を見据えたプロモーション事業でありますが,このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大により,とりわけ大きな影響を受けた観光事業者を支援することにもつながるため,その財源につきましては,国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用することとしております。したがいまして,本事業を継続することについては,本市財政への影響を考慮しながら慎重に検討しなければならないと考えております。 次に,中小企業対策予算の確保,拡充についてお答えいたします。 社会経済活動のレベルが段階的に引き上げられ,消費・生産活動など県内経済情勢は一部で下げ止まりの動きが見られてきた矢先,県内の感染者増加に伴い福井県感染拡大警報が発令され,県民,事業者には感染防止対策の徹底が改めて求められているところであります。今後,影響の長期化,拡大も懸念されており,新型コロナウイルスの影響を見極めながら,事業承継,新製品開発支援など,これまで継続している中小企業者支援に加えまして,本市経済を担う中小企業者等の状況に即した支援策を検討してまいります。 次に,商工会議所の相談体制の現状についてですが,福井商工会議所では,中小企業相談支援センターにおきまして,主に中小企業者からの経営相談等に応じております。新型コロナウイルスの影響に伴う相談の増加に対しましては,職員を増員し対応しております。また,現在は国の支援制度を利用し,外部から相談員の派遣を受け,中小企業者からの相談に対応しているところでございます。本市といたしましても,福井商工会議所に対しまして商工相談事業への補助を継続して行っており,商工会議所が中小企業者の相談に適切かつ迅速に対応できるよう,今後も継続して支援してまいります。 次に,中小企業者の事業再生に向けた支援についてお答えいたします。 事業再生意欲を持ちながらも,事業継続が困難な中小企業者に対する事業再生への支援は重要であると認識しております。一方,事業再生には専門的な知識が必要であり,事業再生に向けた支援は,経済産業省が各都道府県に設置している中小企業再生支援協議会が行っております。福井県内では,福井商工会議所に協議会が設置されており,新型コロナウイルスの影響により事業再生を目指す中小企業の返済猶予のための計画を作成するなど,中小企業者の事業再生を支援しているところであります。本市の経営相談窓口における相談の際に,この協議会を紹介するなどして中小企業者の事業再生を支援してまいります。 次に,事業承継の円滑化に向けての支援についてお答えいたします。 経営者の高齢化が進む中で,中小企業者の休廃業,解散件数は増加傾向にあり,これまで中小企業が培ってきた事業や経営資源が散逸することを防ぐ事業承継の支援は,非常に重要と考えております。 本市では,事業承継につきまして,弁護士,税理士などを対象とした事業承継セミナーを実施しているほか,現在,ふくい嶺北連携中枢都市圏におきまして,福井県事業引継ぎ支援センター,各市町,商工会議所,商工会が一体となりまして,市町を越えたマッチングを行うなど,中小企業者の事業承継を連携して支援する体制の整備を進めているところでございます。今後も事業承継への独自の取組を継続するとともに,関係機関,他市町と協力しながら,全国的課題であります事業承継への支援を強化してまいります。 次に,新しい生活様式や新たな消費者ニーズ等を踏まえた新しいビジネスモデルに挑戦する事業者の取組への支援についてお答えいたします。 新型コロナウイルスの影響により,非対面型ビジネスモデルへの転換,テレワークの推進など,新しい生活様式に合わせた新たな取組を行う中小企業者が増加しております。国の小規模事業者持続化補助金は,ホームページの作成などITを活用した販路開拓の取組のほか,新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える影響を乗り越えるためのサプライチェーンの毀損への対応,非対面型ビジネスモデルへの転換,テレワーク環境の整備などの取組に対して支援するものでございます。国の持続化補助金には,換気設備など感染防止対策に要する費用に対しまして上限50万円で全額を国が負担する事業再開枠が創設されており,業種別ガイドラインに沿った感染防止対策も行うことが可能となっております。本市では,これら国の持続化補助金に上乗せして補助する小規模事業者持続化実行支援補助事業を行っており,新しい生活様式に対応した前向きな事業者への支援を今後も着実に実行してまいります。 次に,ビジネス目的のPCR検査についてですが,本市のPCR検査の考え方としまして,濃厚接触者をはじめ,少しでも感染のおそれのある場合や,医師が検査を必要と判断した場合は全てPCR検査を行い,感染拡大防止に努めております。不安解消のための検査も大事ではありますが,希望する全ての人を対象とした検査につきましては,検体の採取等で医療従事者の負担の増加も懸念されることから,現在は感染拡大防止のための検査に注力しているところでございます。そのため,出張前や出張後などといったビジネス目的での検査に対して,助成することは考えておりません。 (総務部長 吉田修二君 登壇) ◎総務部長(吉田修二君) 中小企業・小規模事業者への支援のうち,感染者に対する誹謗中傷等の防止についてお答えします。 本市は,平成20年3月に策定した福井市人権教育・啓発方針に基づき,市民の人権意識の高揚を図り,人権に対する正しい認識を広めるため,国,県と連携し,全庁的な啓発活動に取り組んでおります。その方針の中では,人権擁護の観点から,あらゆる差別や偏見を解消するための教育,啓発に努めることとしております。人権という普遍的な価値を啓発していくためには,国や県,また全庁的に協力して取組を進めることが必要となります。そのため,関係機関としっかり連携して,誹謗中傷等の解消に努めるとともに,福井市人権教育・啓発方針の改定などについても,庁内関係所属から成る人権施策推進会議において検討してまいりたいと考えております。 次に,安心できる医療・福祉体制の確保のうち,感染者や医療従事者への偏見,差別を生じさせないためにできることについてお答えします。 皆川議員や福野議員にもお答えしたとおり,広報紙やホームページ,SNSなど,あらゆる媒体を通じて感染者や医療従事者,またその家族に対する偏見や差別,誹謗中傷を絶対に行わないよう,強く市民に訴えてまいります。 また,新型コロナウイルスへの感染は,誰にでも起こり得ることを周知していくとともに,アオッサでのブルーライトアップなど,医療従事者への感謝の気持ちを伝える取組を今後も続けてまいります。 (福祉保健部長 齊藤正直君 登壇) ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 安心できる医療・福祉体制の確保についてのうち,まず保健所体制のさらなる強化についてお答えします。 4月の第1波の際には,本庁や県の兼務職員など,通常の44人体制から最大で25人増員の計69人体制で業務を行ってきたところです。感染が落ち着いてきた6月以降,順次通常体制に戻したところでしたが,直近の感染拡大を受け,新たに兼務職員36人や部内応援職員により,毎日5人が交代で保健所の調査業務支援等に当たっています。さらに,福井県が8月3日に帰国者・接触者相談総合センターを設置し,県内の相談業務を一元化したことにより,保健所は積極的疫学調査や濃厚接触者の健康観察に注力できる体制となりました。 また,検査キットの供給体制についてですが,福井県は第2波に向けた対応として,PCR検査可能件数を民間検査機関も含め,1日当たり768件に拡大予定であり,行政検査に必要な検査キットの確保もできているとのことです。さらに,インフルエンザとの同時流行に備え,PCR検査と抗原検査を合わせた検査能力として,1日当たり3,000件を目指し,検査キットの供給体制を整える方針も打ち出されております。今後も,国が新たな検査方法を採用する場合には,県と連携し,検査体制の整備に努めてまいります。 次に,医療機関への緊急融資や助成金交付については,鈴木議員にお答えしたとおりでございます。患者自らの受診控えによる医療機関の減収については全国的な課題であるため,県が国に対して医療機関も含めた各事業者への経営改善策を講じるよう強く要請しているところであり,本市としては県と連携して必要な要請を行ってまいりたいと考えております。 次に,物資,宿泊施設の確保についてお答えします。 医療機関の物資については,県において寄附の受付窓口を設置し物資を確保するとともに,ウェブ調査や個別調査により医療資機材の在庫状況を把握し,不足が生じている医療機関へ個別に配布しております。また,宿泊施設については,県において現在75床が確保されており,必要に応じてさらに70床追加するとされています。今後も県と協力して,必要な量の確保に努めてまいります。 次に,保育士に対する本市独自の支援策についてお答えします。 国の第2次補正予算におきまして,医療従事者や介護施設職員に対して慰労金の支給が盛り込まれましたが,保育所等の児童福祉施設の職員につきましては対象外となりました。しかし,新型コロナウイルス感染症が流行する状況下においても,保育園等は常時開園しており,保育士等は直接子どもと触れる必要があるため感染リスクがあることや,消毒作業も行う必要があることから,心身の負担は増大しているものと思われます。そのため,本市としては国の第2次補正予算に盛り込まれた新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を活用し,感染症対策業務に伴う手当や,勤務時間外に消毒,清掃等を行った場合の時間外賃金などを9月補正予算案に計上したところでございます。また,県においては,今9月定例会に子どもと直接対応する保育士等に慰労金を支給する予算案を提出しております。本市としましては,詳細が分かり次第,早期に支給されるよう,県と連携し,周知等に努めてまいりたいと考えております。 次に,中学生までの子どもに対するインフルエンザ予防接種の助成についてですが,日本感染症学会は,今年の冬,新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行を最大限に警戒すべきとしています。新型コロナウイルスに関する検査や感染防止対策なども同時流行の対策として効果があると考えますが,このことにつきましては皆川議員にお答えしたとおりでございます。インフルエンザ任意予防接種については,予防接種法上,行政から対象者に接種勧奨を行う対象ではありませんが,国は65歳以上の高齢者や医療従事者,乳幼児から小学校低学年などの方が希望する場合に,接種の機会を逸することのないよう優先的な接種を呼びかけることについて議論しています。本市としましては,これらの国の動向について適時情報を提供するよう努めてまいります。 最後に,情報共有を図るために市保健所としてできることについてですが,感染防止徹底宣言ステッカーの周知や新型コロナウイルス接触確認アプリ,COCOAのインストールのお願い,食品衛生講習会における感染対策の啓発及び現地調査の機会において感染対策のアドバイス等に取り組んでおり,さらなる周知に努めてまいりたいと考えております。 (市民生活部長 牧野浩君 登壇) ◎市民生活部長(牧野浩君) 避難所等の災害時の感染症対策についてお答えいたします。 先ほど奥島議員にお答えしたとおり,マスクやアルコール消毒液のほか,段ボール製間仕切りや非接触型体温計,大型扇風機,簡易ベッド,アルミロールマットを全地区の避難所に配備しております。また,避難所スタッフ用のフェースシールドや医療用ガウン,使い捨て手袋なども併せて配備しております。今後は避難所での寒さ対策といたしまして保温性の高い折り畳み式ブランケットを配備したいと考えているところでございます。 また,本市では,かんぽの宿福井と災害時における協力に関する協定を締結しており,屋内外における避難場所の提供や浴場を開放しての入浴の提供,炊き出しを中心とした非常食の提供等の協力をしていただけることとなっております。さらに,国から各市町に対し避難者の受入れが可能なホテル,旅館などのリストが提供されており,要請に応じて避難場所の提供等の協力をしていただけるようになっております。 ○議長(見谷喜代三君) 以上をもちまして通告による発言は全部終了しました。よって,市政に対する一般質問を閉じます。 以上で本日の議事日程は全部終了しました。 これをもちまして散会します。             午後4時27分 散会 地方自治法第123条第2項の規定により,本会議の顛末を証するため,ここに署名する。福井市議会議長福井市議会副議長署名議員署名議員...