福井市議会 > 2016-02-29 >
02月29日-02号

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  1. 福井市議会 2016-02-29
    02月29日-02号


    取得元: 福井市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-29
    平成28年 3月定例会               福井市議会会議録 第2号           平成28年2月29日(月曜日)午前10時1分開議〇議事日程 日程1 会議録署名議員の指名 日程2 市政に対する一般質問──────────────────────〇出席議員(31名) 1番 近藤  實君   2番 福野 大輔君 3番 菅生 敬一君   4番 瀧波  滋君 5番 池上 優徳君   6番 八田 一以君 7番 水島 秀晃君   8番 後藤 裕幸君 9番 村田 耕一君   10番 藤田  諭君 11番 田中 義乃君   12番 伊藤 洋一君 13番 片矢 修一君   15番 玉村 正人君 16番 中村 綾菜君   17番 谷本 忠士君 18番 奥島 光晴君   19番 島川由美子君 20番 下畑 健二君   21番 堀江 廣海君 22番 鈴木 正樹君   23番 今村 辰和君 24番 野嶋 祐記君   25番 青木 幹雄君 26番 石丸 浜夫君   27番 堀川 秀樹君 28番 見谷喜代三君   29番 皆川 信正君 30番 吉田 琴一君   31番 加藤 貞信君 32番 西村 公子君──────────────────────〇欠席議員(1名) 14番 泉  和弥君──────────────────────〇説明のため出席した者 市長         東 村 新 一 君 副市長        山 田 義 彦 君 副市長        清 水 正 明 君 企業管理者      西 行   茂 君 教育長        内 田 高 義 君 特命幹        中 西 賢 也 君 都市戦略部長     谷 澤 正 博 君 総務部長       高 山 浩 充 君 財政部長       玉 村 公 男 君 市民生活部長     木 村 郁 夫 君 福祉保健部長     港 道 則 男 君 商工労働部長     浅 野 信 也 君 農林水産部長     岩 崎 文 彦 君 建設部長       渡 辺 優 治 君 下水道部長      國 枝 俊 昭 君 工事・会計管理部長  山 本 浩 隆 君 消防局長       武 澤 正 美 君 企業局長       小 林 義 弘 君 教育部長       山 本 みどり 君──────────────────────〇事務局出席職員 議会事務局長     峠   尚 太 議会事務局次長    小 林 秀 樹 議事調査課長     廣 瀬 峰 雄 議事調査課主任    坂 下 哲 也 議事調査課主幹    阪 本 喜 浩 議事調査課副主幹   野 尻 和 弘 議事調査課主査    堀 井 信 也 議事調査課主事    毛 利 真貴子────────────────────── ○議長(堀江廣海君) 出席議員が定足数に達しておりますので,議会は成立しました。 よって,これより会議を開きます。 なお,本日の欠席通告議員は,14番 泉和弥君の1名であります。 日程に入ります前に諸般の報告を行います。 去る2月23日の本会議において予算特別委員会に付託しました第1号議案 平成28年度福井市一般会計予算,第103号議案 平成27年度福井市一般会計補正予算を初め,各会計当初予算及び補正予算議案については,予算特別委員長からの依頼により,お手元の調査依頼案件表のとおり,所管の各常任委員会に調査依頼をしましたので,御報告します。────────────────────── ○議長(堀江廣海君) それでは,日程1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は,会議規則第88条の規定により,7番 水島秀晃君,8番 後藤裕幸君の御両名を指名します。────────────────────── ○議長(堀江廣海君) 次に,日程2 市政に対する一般質問を許可します。 議長に発言の通告がございましたので,順次指名します。 なお,1回目の質問時間は総括質問方式により25分,2回目以降の質問時間は一問一答方式により5分です。質問は時間に留意され,重複を避け簡明に,答弁は質問の趣旨に沿い,簡潔かつ的確にされますようお願いします。 また,総括質問,一問一答ともに質問,答弁は卓上のマイクを自分のほうに向けて発言をお願いします。 23番 今村辰和君。 (23番 今村辰和君 登壇) ◆23番(今村辰和君) 皆さん,おはようございます。 一真会の今村でございます。3月定例会のトップバッターとして質問に立たせていただきます。ほのかに緊張感を味わいながら,通告に従い,順次,質問に入らせていただきますので,理事者の方には明確で端的な御答弁をお願いいたします。 まず,市長の3期目の市政運営についてお尋ねいたします。 東村市長は,昨年12月の市長選挙において,私のビジョン「希望と安心のふくい実現」を掲げ,多くの市民の皆様から負託を受け,3期目の当選を果たされました。福井に生まれ,育ち,福井とともに歩んでこられた60余年,誰にも負けない福井への愛情,強い決意と熱い情熱を持って取り組んでこられたこれまでの実績が,市民の皆様の支持につながったものと,まずはお祝いを申し上げます。 さて,市長3期目の4年の任期の間には,平成30年に福井しあわせ元気国体が開催され,その後には北陸新幹線の福井開業が控えております。まさに「全国に誇れる『ふくい』」を発信する絶好のチャンスであり,その実現に大変な期待が寄せられています。 そこで,ビジョンの4つの柱について,幾つかお尋ねいたします。 まず,「安全で魅力あるまち」の中に位置づけられた,「次代に向けた県都の顔づくり」についてであります。 長年の懸案であった福井駅西口中央地区の再開発ビル,ハピリンにつきましては,紆余曲折を経て,4月28日にようやくグランドオープンを迎えることになりました。グランドオープン後には,このハピリンを核とする福井駅周辺に多くの人々に訪れていただき,新たなにぎわいの創出につながることが期待されております。 しかしながら,新たなにぎわいの創出は,再開発ビルができ上がってからが正念場です。県都の玄関口における交流の拠点として有効に活用し,育てていくことが重要であり,その周辺にも波及させていかなければなりません。ハピリンを中心とした福井駅周辺において,今後,どのように魅力を高め,にぎわいをつくっていくのか,お尋ねいたします。 また,この柱には,「個性豊かで笑顔あふれる地域づくり」が掲げられております。とりわけ,私がこれまで何度か質問させていただいた過疎地域や限界集落の活性化については,どれだけ具体性を持って,迅速かつ柔軟に施策展開ができるかが鍵になります。市長の3期目のスタートに当たり,これからの地域づくりに向けた考え方や具体的な取り組みについて,改めてお尋ねいたします。 さらに,この柱には,「災害に打ち克つ強靱な街づくり」が位置づけられ,国土強靱化地域計画を策定し,取り組みを進めるとあります。本市の山際は,土砂災害警戒区域などに数多く指定されていますので,事業要件は厳しく,また,莫大な事業費を要することもあって,対策は遅々として進まないというのが現状であります。当該計画の具体的な内容をお尋ねするとともに,当該計画を策定することで土砂災害等に対する対策が推進されるのか,あわせてお聞かせください。 2番目に,「安心して暮らせる社会」についてお尋ねいたします。 この柱では,「『まち・ひと・しごと』総合戦略に基づく人口減少対策の推進」として,女性が個性と能力を発揮して希望する活躍の実現が位置づけられ,また,「子育て環境の充実」という方向性も示されております。この2つは,共稼ぎ率と出生率が,ともに全国トップクラスであり,女性の社会進出と少子化対策の先進地域とも言える本市にとって,極めて重要な方向性であると思っております。 しかしながら,その具体的な取り組みになりますと,女性を取り巻く環境の改善や女性起業家への支援,あるいは待機児童ゼロの維持や子ども医療費助成の継続といったことが列挙され,従来の枠組みを超えて進めようという意気込みが感じられません。福井の持っている強み,よいところを最大限生かすというビジョンの観点に立つと,もっと斬新な,かつ手厚い取り組みが必要だと考える次第ですが,御所見をお伺いいたします。 また,この柱では,「環境にやさしい社会づくり」として,ごみの発生抑制と資源としての活用に引き続き取り組み,今後,再整備が必要となるごみ処理施設について検討を進めるとしています。本市のごみ処理のかなめであるクリーンセンターは,平成3年に稼働し,25年が経過しようとしています。この間,平成12年度に排ガスの高度処理施設の工事を行い,平成19年度には蒸気関係と運転監視システム,さらには平成23年度から平成26年度にかけて大規模な改修を行ってきました。これまで施設に重大なトラブルがあったとはお聞きしておりませんが,やはり機械設備である以上,寿命が来ることは当然であると考えます。 先日,新クリーンセンター建設に係る基本的な考え方として,新たにごみ焼却施設を建設するとお聞きしましたが,再度,確認のため,現在稼働しているクリーンセンターはいつまで使用できるのか,また,新しいごみ焼却施設をいつまでに建設する計画でいるのか,お尋ねいたします。 そもそも,ごみ焼却施設を建設するのではなく,現在のクリーンセンターを修繕しながら,将来も継続して使用することはできないのでしょうか,あわせてお伺いいたします。 次に,平成28年度当初予算案において,ごみ処理施設整備事業として1,200万円が計上されていますが,その内容をお尋ねいたします。 また,ごみの焼却処分につきましては,鯖江広域衛生施設組合福井坂井地区広域市町村圏事務組合とのかかわりもございます。新しいごみ焼却施設を建設するということになれば,その関係も見直しが必要と考えますが,御所見をお伺いいたします。 さらに,気になるのが建設費であります。新しいごみ焼却施設の建設費がどれくらいかかるのか,その根拠とあわせてお尋ねいたします。 現在のクリーンセンターは,岡保地区に立地しており,全く新たな地区に建設するとなると,時間も費用もさらにかかるように思われますが,建設予定地についての考えをお聞かせください。 3番目の「未来に拡がる元気な産業」の柱から,「総力を挙げた『ふくい』のイメージアップ,観光の推進」についてお伺いいたします。 昨年3月14日の北陸新幹線金沢開業の波及効果は本市にも及んでおり,一乗谷朝倉氏遺跡においては過去最高となる100万人以上の観光客が訪れたと聞いております。新幹線には,観光や産業の振興に大きな役割が期待される一方で,これまで観光,ビジネスで1泊していただいていた方々が日帰りになってしまう可能性も内包しております。やはり時間をかけて楽しめる場所,観光やビジネスを目的として本市に来られる方々を引きとめる場所が必要であり,そのことは観光地の磨き上げに尽きると思われます。 確かに,一乗谷朝倉氏遺跡は越前海岸と並ぶ本市観光の代表格になってきたと感じていますが,まだまだ十分とは言えません。北陸新幹線福井開業に向け,どの観光地を磨き上げていくべきと考えているのかお伺いいたします。また,これに先立つ平成30年の福井国体開催を見据えたイメージアップと観光推進に対する戦略についても,あわせてお聞かせください。 4番目の「希望と誇りに満ちた教育」についてお尋ねいたします。 次の世代を担う子供たちは地域にとっての宝であり,その子供たちが学力,体力ともに全国トップクラスの実力を持っていることは,まさに本市の強み,よいところであり,これをさらに伸ばしていかなければなりません。「全国に誇れる教育環境の充実」としてどのような施策を展開していくおつもりか,お尋ねいたします。 最後に,ビジョン実現のための財政運営についてお尋ねいたします。 いかにすぐれたビジョンであっても,必要な財源が確保できなければ,絵に描いた餅にすぎません。合併から10年が経過し,地方交付税の特例措置も段階的に縮減されるとのことでありますので,今後の財政運営はますます厳しくなることが予想されます。 加えて,福井国体の開催や北陸新幹線福井開業などへの対応を図りつつ,人口減少,少子・高齢化への対策もあわせて行っていかなければなりません。市長が目指す「全国に誇れる『ふくい』」の実現に向けて,今後4年間の取り組みに対する財政運営の見直しをどのように考えておられるのか,お伺いいたします。 また,長年にわたって行財政改革に取り組んできたことを考えますと,従来の職員削減や事務事業の見直しといった歳出削減の取り組みによる削り代は既に限界であり,新たな収入源を模索し,歳入をふやすことが重要となります。 先般,自然史博物館分館においてネーミングライツを導入いたしましたが,今後さらなる工夫,努力が必要となります。新たな歳入確保の見直しと今後の取り組みの意欲をお聞かせください。 次に,組織機構の改正についてお尋ねいたします。 昨年12月の市長選挙で示されたビジョンでは,これを実現するため,時代の変化に対応できる行政組織の構築がうたわれ,今定例会において国体推進部の新設を初めとする組織機構の改正についての議案が上程されております。この改正内容に対して幾つか質問いたします。 今回の組織機構の改正案では,総務部,市民生活部,商工労働部の3つの部内において,それぞれ局が新設されております。行政組織における一般的な概念としては,部を統括したものが局という認識ですが,今回の案では,それが逆になっております。 また,まち未来創造室には,課内室として中核市準備室が設置されます。こうした一般的な概念と合致しない複雑な形態が,本当に市民にわかりやすい簡素で効率的な組織と言えるのか,まず,お尋ねいたします。 次に,総務部内に設置する未来づくり推進局についてです。 未来づくり推進局を新設する目的としては,地方創生に向けた取り組みの推進と地域の特色を生かした誰もが安心して暮らし続けられる地域づくりを上げておられます。そして,局内に新設するまち未来創造室には,人口ビジョン及び総合戦略を担当させるとしています。 しかしながら,人口ビジョン及び総合戦略は,市の全部局にかかわる内容であり,市の総合計画とも密接にかかわるものと思っています。室レベルで申し上げますと,総合政策室との役割の違いが見えないということになりますし,あえて部の下に局を設け,指示系統にワンクッションを入れることの理由もよくわかりません。総務部長と未来づくり推進局長の役割にどのような違いがあるのか。また,人口ビジョン及び総合戦略に係る業務を総合政策室から切り離す理由,この2点をお尋ねいたします。 さらに,未来づくり推進局を設置する目的の一つとなっている地域づくりには,安全が入っていません。まちなかのハード整備に莫大な予算をかける一方で,地域づくりをソフト事業だけで済ませようとしているかのように感じてしまいます。 加えて,この地域づくりは,全市的に推進しているとしておられますが,地域担当職員制度の具体的な中身が見えてまいりませんし,継続される総合支所との関係をどのように整理されておられるのかもよくわかりません。これら3つについて御所見をお伺いいたします。 次に,市民生活部内に新設する危機管理局についてお尋ねいたします。 本市の危機管理体制の大きな特徴として,災害から地域社会を守るための自主防災組織があります。そして,自主防災組織の母体となっているのが自治会です。今回,市民生活部内に危機管理局を新設し,総務部危機管理室を局内に移管する理由として,自主防災組織との連携が上げられていますが,自主防災組織のベースとなっている自治会を所管する総務部から危機管理部門を切り離すことが,なぜ自主防災組織との連携強化につながるのか,お尋ねいたします。 また,危機管理室の業務には,総務部長をセンター長とする災害情報センターや,市長を本部長とする災害対策本部の設置があります。私の感覚からすれば,こうした業務は,花の3階族,実質的な筆頭部に当たる総務部にあってこそふさわしいものと感じており,市民生活部に移管して災害情報の収集や本部の立ち上げが本当に大丈夫なのかと心配になります。この点についても御所見をお伺いいたします。 それと,このことに関連して,もう一点質問いたします。御承知のように,危機管理と消防は災害への対応や防災等との面で密接な関係にあり,このことは,これまでの人事交流の現状を見ても明らかとなっています。現行の本市議会の常任委員会においては,危機管理室,消防局ともに総務委員会に属していますが,危機管理局が市民生活部内に設置されますと,危機管理局は教育民生委員会に属することになろうかと思います。全国的に見ますと,確かに危機管理部門と消防部門が異なる常任委員会に属しているケースも見受けられますが,委員会審議の内容を考えると,違和感を覚えるのも事実であります。今回の組織機構の改正に当たって,この点をどのように考え,整理してこられたのか,理事者の見解をお聞かせください。 次に,商工労働部内に新設する観光文化局についてお尋ねいたします。 文化とは,自然に人の手が加わることによってその歴史が始まると言われています。教育施設に位置づけられてきた博物館や美術館には,その過程をつまびらかにし,後世に残していくという重要な役割がございます。今回,観光文化局の新設にあわせ,これらの施設が教育委員会事務局より移管されるわけですが,私は,これら教育施設が,集客や市のイメージ向上という名目のもとに,あたかも人寄せパンダのように扱われることになるのではないかと危惧していますし,教育施設としての役割を失い,文化行政の質の低下につながるのではないかと懸念しております。教育目的だけに縛られない,自由な発想のもと,幅広い活用を図っていくとのことですが,教育目的の運営をどのような形で担保していくのかお尋ねいたします。 また,現在,おもてなし観光推進室となっている本市観光部署の最近の組織機構の変遷を見ていますと,平成25年度には,それまでの観光開発室から観光推進課へ,翌平成26年度にはおもてなし観光推進室へと名称が2度も変わっていますし,室から課に一旦降格させたものを再び室に格上げもしています。その一方で,地元が実施する観光誘客の取り組みに対して,十分な支援ができないというていたらくでございました。 こうした状態を考えますと,幾ら組織機構を改めようとも,本市の観光行政が推進される気がしないのでありますが,御所見をお伺いいたします。 本市のまち・ひと・しごと創生総合戦略における基本目標の筆頭は,福井の産業の強みを生かし,働く場を創出することにあります。さらに,5年間で1,000人の新たな就業の場を創出することを目標に掲げ,企業立地数や創業者数を業績の評価指標としておられますが,先般の地域の活力創造対策特別委員会における企業立地の受け皿づくりに対する商工労働部の考えをお聞きしていますと,全く実現するとは思えません。商工労働部において組織機構の改革を行うのであれば,まさにこの部分が必要だと考える次第でありますが,御所見をお伺いいたしまして,私の総括質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 市政運営についてお答えいたします。 まず,ハピリンを中心とした福井駅周辺の魅力の向上とにぎわいの創出についてですが,ハピリンには商業施設や観光施設,セーレンプラネットなど多様な施設が整備されることから,にぎわいや交流をつくり出すとともに,福井の魅力を情報発信していく拠点として有効に活用してまいります。 それとあわせて,平成28年度より,福井駅東口において東西交通の円滑化を図るため,県が実施するえちぜん鉄道高架化事業及びえちぜん鉄道福井駅の整備とあわせて,暫定整備中の東口広場整備を進めます。 また,北通り東口線などの道路整備や東口御園通りを初めとする歩行者専用道路も整備してまいります。 このほかにも,中央公園再整備や福井駅と中央公園をつなぐ県庁線,また,福井県農業会館の前の道路整備を引き続き進めます。 さらに今後,福井国体の開催や北陸新幹線の開業を控え,民間の投資意欲が高まりつつあることから,優良建築物等整備支援事業による土地利用の共同化や空き店舗での開業に対して支援するほか,民間活力を生かしたまちづくりのためのガイドラインを策定していきます。 加えて,美のまちふくいプロジェクトを初めとする民間主体のまちづくり活動への支援を行い,ハードとソフトの両面から魅力を高め,にぎわいの創出を図ってまいります。 次に,これからの地域づくりについてお答えいたします。 少子・高齢化の進行,連帯意識の希薄化など,社会環境が変化する中で,地域を取り巻く課題はそれぞれ異なり,複雑かつ多様化しております。これらの課題を解決するためには,それぞれの地域の実情に応じたきめ細かな支援により,誰もが安心して暮らし続けられる地域づくりを全市的に推進することが必要と考えています。 具体的な取り組みとしましては,総務部内に未来づくり推進局を設け,その中のまち未来創造室において,これまで各課で行ってきた地域コミュニティー,地域振興,過疎地域対策などの業務を一元化し,地域振興施策の総合的な推進を図ります。 自治会活動へのさまざまな支援を初め,地域の特色と知恵を生かしたまちづくり活動を支援する地域の魅力発信事業を実施するほか,中山間地域においては,地域おこし協力隊を増員するとともに,集落支援員を継続して配置します。 また,地域コミュニティーの維持,活性化や,定住・交流人口の増加を目指す里地・里山活性化事業にも取り組みます。 さらに,地域の実情に応じた助言などを行う地域担当職員制度を導入し,地域の方々との連携を図りながら課題解決に努め,地域の活性化や魅力向上を図ってまいります。 次に,「全国に誇れる教育環境の充実」についてお答えいたします。 私は,これまで教育を市政運営の柱の一つに掲げ,教育環境の整備や子供の健全育成に特に力を入れてまいりました。人口減少を克服し,地方創生をなし遂げるためには,まずは,未来を担う子供たちを地域でしっかりと育てることが重要です。 本市の子供たちが全国トップクラスの学力を維持してきた背景には,子供たちの真面目さや教師の熱心さに加え,学校,家庭,地域の強い連携があります。 本市は,ほとんどの地区に,1つの小学校と1つの公民館があり,学校が教育とともに防災や学童保育,地域の交流の場となり,公民館と強いつながりを持ちながら地域のコミュニティーの中心として機能しています。 また,3世代家族や祖父母が近くにいるといった家庭環境に加え,地域の大人たちがさまざまな形で子供たちを支えている活動があります。 この地域の教育力と地域とともにある学校づくりが,本市の教育の強みであり,全国に誇れる教育環境だと考えています。 こうした教育風土を今後も確実に継承し,学校,家庭,地域が一体となった教育を実現するために,地域の方々による教育ボランティアの導入や登下校時の見守り活動など学校を支える地域の活動を支援し,学校と地域の連携,協働をさらに進めていきます。 また,地域に開かれた学校運営を進め,地区の行事や活動に児童・生徒の参加を促すとともに,子供たちが将来に向けた夢や希望を持つため,企業の協力によるキャリア教育とふるさと福井に誇りと愛着を持てるよう,本市の自然,歴史,文化,産業,食,暮らしなどに関する郷土学習を推進します。 さらに,本市では,グローバル化に対応し,外国語活動に子供たちが早くなれ親しむことができるよう,平成16年からALTを採用し,英語教育の充実に努めてきました。 国は,平成32年度から小学校5,6年生に教科として英語を導入しますが,本市は,先行して引き続き小学校にALTを派遣します。また,小学校3,4年生に対しては,本市の姉妹友好都市交流を活用した福井市文化交流大使,FCAを派遣し,外国の文化に触れ,視野を広めながら英語に親しむ学習を推進します。 加えて,普通教室の授業においてタブレット端末を使用できる環境を整えることで,ICT教育を推進し,応用力や表現力の育成を図ります。 これらの教育施策については,昨年,新たな教育委員会制度として設置しました,私と教育委員が方向性を共有する総合教育会議において協議を行い,実施してまいります。 なお,他の御質問には,担当部長から回答させていただきます。 (市民生活部長 木村郁夫君 登壇) ◎市民生活部長(木村郁夫君) 「安心して暮らせる社会」のうち,総合戦略に基づく女性の活躍と「子育て環境の充実」の取り組みについてお答えいたします。 全国に比べて共稼ぎ率が高く,結婚や出産後も働く女性が多い本市においては,まず,負担となっている女性の育児,家事に対するサポートを充実し,働きやすい環境整備を行うことが重要となっております。 さらに,女性が活躍の場を広げたり,より責任のある立場を選択できるなど,その希望に合わせた生き方を支援することが必要と考えております。 そのため,今年度,輝く女性の未来予想図事業では,対象を若い女性に特化し,高校生,短大・大学生,新社会人といったライフステージごとに実施いたしました。その内容も,それぞれの興味関心に応じた出前講座やセミナー,卒業生によるディスカッションなど,きめ細かなものとするなど,これまでにない新しい観点をもって事業展開しております。 また,地域での子育て支援の充実を図るため,現在の施策を確実に実施するとともに,子育て中の親子へのさらなる支援として,子育て支援センターの増設や子供の一時預かりや家庭支援を行うすみずみ子育てサポート事業の拡充を行ってまいります。 次に,新しいごみ焼却施設についてお答えいたします。 まず,現クリーンセンターの使用期限についてですが,福井市クリーンセンターは平成3年の稼働以降,平成12年度から平成21年度にかけて3回の大きな修繕を行い,平成23年度から平成26年度にかけては延命化のための大規模改修工事を行ってきました。 しかしながら,施設の中枢設備である焼却炉本体やボイラー,蒸気タービン発電機などは更新しておらず,これらの耐用年数を35年程度としますと,平成37年度末までの使用が限界であると考えております。 したがいまして,新しい焼却施設は平成38年度から稼働できるよう計画しております。 次に,現クリーンセンターを修繕して継続使用することについてですが,クリーンセンターには年間約360日,7万トンのごみが搬入されており,3基ある焼却炉の点検整備を行いながら,1カ月サイクルで順次切りかえ,通常2基で焼却処理を行っております。 継続使用となりますと,先ほど申しました焼却炉本体やボイラーの更新が必要となります。施設を稼働しながらごみを受け入れ,更新を行うことは,技術的には不可能ではないと考えますが,限られた施設内での作業となり,安全面を考慮すると極めて困難な工事となります。 また,この改修工事では,焼却能力の変更が行えず,さらなるエネルギーの活用やCO2の削減が困難なため,国の交付金は見込めません。将来のごみ量に応じて焼却能力の見直しを行い,省エネルギー効果にすぐれた新施設を国の交付金を活用して建設するほうがよいと考えております。 次に,平成28年度の事業内容でございますが,まず,本市のごみ処理施設の基本的な考え方や整備方針について検討していただくために,専門家や学識経験者のほか,市民の方などで構成する委員会を設置いたします。そして,本市のごみ処理の現状と課題を整理し,将来のごみ量の推計,最新のごみ処理技術の動向及び市内での建設候補地選定のための基礎調査などを行い,委員会の意見を参考に,新ごみ処理施設整備計画を策定してまいります。 また,国の交付金を受けるために必要な循環型社会形成推進地域計画の策定をあわせて行います。 次に,2つの広域組合との関係についてですが,福井・美山地区の燃やせるごみは福井市クリーンセンターで,燃やせないごみは福井坂井地区広域市町村圏事務組合清掃センターで,越廼・清水地区のごみは鯖江広域衛生施設組合鯖江クリーンセンターでそれぞれ処理をしております。 また,各施設でのごみの受け入れ条件の違いから,福井・美山地区と越廼・清水地区ではごみの分別が異なっており,市内でごみ分別が統一されていないという状況にあります。 そこで,鯖江広域衛生施設組合については,鯖江クリーンセンターと本市クリーンセンターの更新時期が同時期となることから,市内のごみ分別の統一を図ることと,あわせて経費の削減を図るため,平成38年度の新施設稼働のタイミングで撤退する方向で考えております。 福井坂井地区広域市町村圏事務組合については,燃やせないごみの処理施設を本市で新たに建設するよりも,今までどおり福井坂井地区広域市町村圏事務組合清掃センターの施設で処理をするほうが経済的に有利であることなどから,引き続き現体制を継続してまいります。 次に,建設費の概算についてですが,現在,150億円を見込んでおります。これは,新クリーンセンターの焼却規模を1日当たり300トンと想定して,ほかの市の建設費の実績から建設単価を1トン当たり5,000万円と設定し,算出したものです。 最後に,建設場所についてですが,候補地の選定に当たっては,周辺環境への影響やごみ収集車が往来する道路経路,ごみ収集運搬コストなど環境面や経済面,また,現施設のその後の活用,あるいは隣接するプールの運営などさまざまな観点から決定することが必要であり,現在,検討しているところです。 いずれにしましても,ごみ焼却施設は,市民生活にとってなくてはならない施設であると認識しておりますので,慎重に進め,確実に建設できるよう推進してまいります。 (商工労働部長 浅野信也君 登壇) ◎商工労働部長(浅野信也君) 「総力を挙げた『ふくい』のイメージアップ,観光の推進」についてお答えいたします。 平成30年の福井国体,平成34年の北陸新幹線福井開業などを見据え,現計画である福井市観光ビジョンを2年前倒しして改定することといたしました。今年度末には,福井市観光振興計画を策定し,通過型観光から交流滞在型観光への転換を強力に推進してまいります。 観光地の磨き上げについては,引き続き,一乗谷朝倉氏遺跡,まちなか,越前海岸の3つを主要な観光地として磨き上げてまいります。 特に,一乗谷朝倉氏遺跡については,本市の別格の観光地と位置づけ,日本一の戦国城下町のフィールドミュージアムを目指して,魅力向上に取り組みます。 ことし4月からは,タブレット端末を利用したARシステムの運用開始や,福井駅,一乗谷朝倉氏遺跡,永平寺をつなぐ一乗谷朝倉特急バスの増便など,滞在型,周遊型の観光を目指した取り組みを行ってまいります。 また,福井市のイメージアップを図るため,平成28年度からは観光大使を任命します。さらに,良いとこ動画事業では,福井の歴史,自然,食や文化などを素材とした,例えば地元住民と触れ合いながら老舗店をめぐるような,福井の魅力を伝える動画を制作し,ユーチューブなどを活用して発信してまいります。 あわせて,福井を訪れた方に,また来たいと思っていただけるよう,おもてなしの運動の推進や体験・交流型の五感に響く観光メニューの充実にも取り組んでまいります。 (財政部長 玉村公男君 登壇) ◎財政部長(玉村公男君) 今後の財政運営についてお答えいたします。 本市におきましては,福井国体や北陸新幹線開業など大きな節目となる契機を目前にし,市勢の発展や本市の魅力を全国に発信する足がかりのときと捉えております。この機を逸することなく,本市の魅力向上や移住・定住人口の増加,地域の活性化に向けて,ビジョンや総合戦略に掲げた各種施策にしっかりと取り組んでいかなければなりません。 一方,財政状況は,本格的な景気回復には至らない経済情勢を鑑みますと,自主財源であります市税の大幅な増収は期待できない上,地方交付税の縮減や子ども・子育て,高齢者福祉などの社会保障費の増大,さらには公共施設の老朽化対策への対応など,今後も厳しい財政運営になるものと考えてございます。 このため,これまで以上に事業の選択と集中に取り組み,今やるべきことを着実に推進してまいります。 また,事業の実施に当たりましては,民間活力の導入やクラウドファンディングの活用,ふるさと納税のさらなる推進,公共施設内での広告事業など,新たな財源確保に積極的に取り組んでまいります。 来年度は,第七次福井市総合計画策定の年であります。あわせて策定する実施計画におきまして,これまでの事業成果の検証と財政シミュレーションをしっかりと行いながら,計画的かつ持続可能な行財政運営の推進に努めてまいります。 (総務部長 高山浩充君 登壇) ◎総務部長(高山浩充君) 私からは,まず,国土強靱化地域計画についてお答えいたします。 国土強靱化とは,あらゆる大規模自然災害を念頭に,どんなことが起ころうとも最悪の事態に陥ることが避けられる強靱な行政機能や地域社会を事前につくり上げるものでございます。 本市では,国土強靱化地域計画の策定について,国のガイドラインに基づいて大規模自然災害がもたらす最悪の事態の設定や,その最悪の事態を回避するために現状の施策に問題があるかどうかの評価及びその対策について検討を進めているところでございます。 大規模な土砂災害につきましても,国土強靱化地域計画に位置づけることで国からの支援を受け,県と連携し,その対策を着実に進めていきたいと考えております。 次に,組織機構の改正についてお答えいたします。 今回新設する局につきましては,地方創生や人口減少問題の克服,インバウンドの拡大や北陸新幹線福井開業を見据えた対応など,本市の将来を左右する最重要課題に対して,迅速かつ着実に事業を推進するために設置するものでございます。 また,人口ビジョン・総合戦略に掲げる事業を全庁体制で強力に推進し,的確な進捗管理を行うため,現在の総合政策室とは別に,新たな司令塔として理事級の局長を置く未来づくり推進局を設置するものでございます。 なお,総務部長は,未来づくり推進局のほか,職員の人事管理を担当する職員課や,総合計画や行財政改革など市政の重要事項全般を担当する総合政策課など,総務部全体を総合的に指揮統括してまいります。 組織につきましては,ホームページや市政広報を通じて市民に周知するとともに,所属内の室につきましては,表示をわかりやすく工夫するなど丁寧な対応をとってまいります。 次に,地域づくりについてですが,道路や下水道といった生活インフラの整備,河川改修などの浸水対策,また,土地改良事業や林道整備,漁港整備などの農林水産業の基盤強化といった必要なハード整備につきましては,今後もしっかりと進めてまいります。 あわせまして,未来づくり推進局では,地域担当職員制度を活用し,住民主体の地域づくりを支援してまいります。 なお,地域担当職員は,市内49の公民館地区全てを対象として,まち未来創造室から専任職員1人と,地域の実情に詳しい職員を地域専門職員として2人程度配置いたします。活動内容ですが,地域の会議等に出席して,課題解決に向けて必要な行政の情報やノウハウを提供し,地域住民の自発的な活動を支援してまいります。 また,合併地区におきましては,総合支所が中心となって,まち未来創造室と緊密な連携をとりながら,地域の特色や資源を生かした地域づくりを推進してまいります。 次に,自主防災組織でございますが,その多くは自治会を中心に運営されております。 今後,取り組みの継続性やノウハウの蓄積といった点をさらに進めていくため,引き続き自治会と連携しながらボランティアやNPOとの交流を図るなど,自主防災組織の体制強化を支援することで,地域の安全で安心なまちづくりを一層推進してまいります。 次に,災害発生時の体制ですが,これまでどおり,まずは危機情報センターを設置して正確な情報収集を行い,必要に応じて市長を本部長とする災害対策本部を設置して,全庁体制で万全な対応をとってまいります。 また,市議会の常任委員会につきましては,これまでも必要に応じてそれぞれの委員会に出席してまいりましたが,今後も同様に対応してまいります。 次に,観光文化局についてですが,今回移管いたします各施設の運営に当たりましては,総合教育会議等を通じて教育委員会と緊密な連携をとりながら,文化財や教育施設としての適切な活用や保存に努めてまいります。また,文化振興につきましても,生涯学習や学校教育に十分配慮してまいります。 なお,本年度内に策定する福井市観光振興計画におきましても,養浩館庭園や一乗谷朝倉氏遺跡を初め,美術館,博物館との連携による体験・交流型観光の推進を掲げておりまして,観光と文化が融合した事業の推進に努めてまいります。 最後に,企業立地につきましては,福井市企業立地戦略に基づき,今後,強力に推進するため,新年度から商工労働部の商工振興課内に新たな組織の設置を検討してまいります。 ◆23番(今村辰和君) 自席にて2点ばかりまとめて再質問をさせていただきます。 クリーンセンターの建設につきましてですが,今ほどの答弁では,大体平成38年,約10年後ぐらいに稼働を予定しているということで,今ここで的確な答弁を求めるのはちょっと酷かなと,そんなことを思いながらも,2点ばかり質問をさせていただきます。 まず1点は,今後のクリーンセンターの建設予定地が現在の場所より大きく変わった場合,東山健康運動公園の温水プールとのかかわりはどのようにしていくのか。 そして,もう一点は,新しいクリーンセンターが建設された場合,今後さらにふえていくと予想されます鳥獣害対策ですが,新しい焼却施設にこれら小動物の焼却炉の設置を予定されているのか,この2点について質問をさせていただきます。 ◎市民生活部長(木村郁夫君) 2点御質問をいただきました。 まず,最初の東山健康運動公園のプールのことについてですけれども,このプールは,クリーンセンターから送られてくる温水を熱交換してプールとか冷暖房などに利用しております。当然,その供給可能な範囲から遠く離れた場合には,熱供給ができなくなりますので,個別にボイラーを炊かなければならなくなります。現在でも炉が点検等で停止しているときには,専用のボイラーでお湯を沸かしているという状況にあります。 最近,灯油の値段は随分安くなりましたけれども,それでも燃料代としては新たにボイラーで炊いた場合には1日当たり約13万円ほどかかる。年間にすると4,400万円ほどかかるということになります。こういった維持管理の点を考えますと,確かに運営していくのはちょっと難しいのかなと考えております。 したがいまして,東山健康運動公園のプールのことも十分に考慮しながら,建設候補地については検討していきたいと考えております。 2点目の小動物のことについてですけれども,ごみ焼却炉というのは,ごみを連続的に入れて,ごみが次から次へと燃えていくという形で,それで安定した燃焼ができる形になりますので,そこに大きな動物の塊が入ることは適切な燃焼という点からすると芳しくないということになります。したがいまして,動物の焼却は専用のバーナーで焼却するのが一般的となっておりまして,全国的にも,クリーンセンターのようないわゆる普通のごみ焼却施設で成獣,例えば大きなイノシシを何頭も焼却しているという例はほとんど見当たりません。 したがって,つくる予定の新しいごみ焼却炉で動物の成獣を燃やすことは適切ではないと考えております。ただし,今,委員から御質問がありましたように,近年のイノシシとか鹿など有害鳥獣の処分については対策が急務となっておりますので,動物専用炉のあり方につきまして,今後市民生活部と農林水産部が連携しながら検討していきたいと考えております。 ◆23番(今村辰和君) 最後に,要望をさせていただきます。 今ほどの小動物の処理ということでございます。御案内のように,実は今,狩猟期間以外の小動物の処理は,報酬を払って大体地元の方に穴を掘っていただき,そして埋めていただくということになっているわけでございますが,イノシシとか鹿とか,ああいう大きなものになりますと,かなり大きな深い穴を掘らなければ埋設できない。なかなか労働力がないということで,非常に皆さん,困っている。また,浅く掘ると,それが掘り返されるということで,焼却施設はぜひともつくっていただきたいと要望します。 それともう一点,今回の組織機構の改正が本当に市民に安全と安心をもたらす改正として市民の方々に評価されますことを期待申し上げまして,質問を終わります。 ○議長(堀江廣海君) 次に,24番 野嶋祐記君。 (24番 野嶋祐記君 登壇) ◆24番(野嶋祐記君) 皆さん,おはようございます。 志政会の野嶋祐記でございます。志政会のトップということで,ただいまから質問させていただくわけでございますが,先ほどの今村議員と通告内容はほぼ同様ではありますけれども,私の視点からお尋ねさせていただきたいと存じますので,よろしくお願いしたいと思います。 まず,市長は,昨年12月13日の選挙におかれまして見事な成績で3期目の当選を果たされました。これから4年間,福井市のかじ取り役として,厳しい社会情勢ではありますが,しっかりと未来を見据え,市長の持てる経験と実績を十分発揮していただきまして,市政をしっかり推進していただきたいと心から願っております。また,選挙後初の定例会ということも踏まえまして,通告に従いまして質問させていただきます。 まず,市長が考える3期目の市政運営についてお尋ねいたします。 昨年12月の臨時会におきまして,選挙後改めて市長が掲げられたビジョン,「希望と安心のふくい実現」についてお聞かせいただきました。これは,4つの政策を柱とした内容であり,第1の柱は,「安全で魅力あるまち」,第2の柱は「安心して暮らせる社会」,第3の柱は「未来に拡がる元気な産業」,第4の柱は「希望と誇りに満ちた教育」ということであり,住みよさ,子育て,教育環境など福井の強みをさらに磨き上げ,今後,予定される福井国体や北陸新幹線の福井開業を捉え,しっかりと全国にアピールしていきたいということでありました。また,それぞれの地域にある自然や食,伝統,文化など豊かな資源を生かし,魅力ある地域づくりを進める必要があるということも言われておられました。 私も,市長の言われることにつきましては全く同感であり,先ほども言いましたとおりそのようなことをしっかりと実現して推進していただきたいと心から願っている一人であります。 ことしの3月末には,西口駅前広場も新しいバスターミナル,あるいはまた電停が供用開始されます。また,田原町駅でのえちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線の相互乗り入れも始まります。紆余曲折はありましたが,市長も非常に御苦労された西口駅前広場と隣接した西口再開発ビルのハピリン,あるいはまたハピテラスも4月にオープンとなり,福井駅前もその様子が大きく変わります。また,福井駅前でのビルの建てかえなど,民間投資も活発になる兆しが多く見られます。観光客の入り込み数も,昨年は北陸新幹線の金沢開業効果もあり,多くの方に訪れていただきました。 そこで,新年度の予算編成を終えた今定例会で,今の現状を踏まえ,お尋ねしたいと思います。 1つ目は,これからの4年間でどのような福井市のまちづくりを目指されるのですか。できるだけ具体的に市長のお言葉で市長の思いをお聞かせいただきたいと思います。 今定例会初日の提案理由説明でも,市長は,「安全で魅力あるまち」,「安心して暮らせる社会」,「未来に拡がる元気な産業」,「希望と誇りに満ちた教育」,先ほども言いましたけれども,この4つの柱を推進していく旨の説明を改めてまたいただきました。また,地方創生は,自分たちの未来を自分たちの力で切り開くことです。いよいよ私たちの創意工夫,本気度,そして本市の持つ底力が問われる時代であり,今後も規制緩和や権限の移譲,特区制度などを活用して取り組んでいきたいという市長からの力強い説明もいただいたところでございます。 これらの説明も踏まえ,今後,どのようにこの4年間で市政を推進されていかれるおつもりか,先ほども言いましたとおり具体的にお聞かせいただきたいと思います。 また,関連して,中核市移行についても,平成31年4月を予定しているとのことでありますが,どのようなスキームで,どのようなことを具体的に進めていかれるおつもりか,お聞かせいただきたいと思います。 2つ目は,平成28年度の施策の特徴,あるいはまた予算編成でのポイントというところであります。これも,今回,市長の思いを予算のどこに反映されたのか,できるだけ具体的にお聞かせいただきたいと思います。 また,平成28年度に策定される第七次福井市総合計画の実施計画につきまして,特にどのようなところに重点を置いてこれからまとめていかれるおつもりかということもあわせてお聞かせいただきたいと思います。 次に,組織機構の改正についてお尋ねいたします。 市長は,さきの12月臨時会において,3期目に向けた考え方の中で,時代のニーズに合った行政組織の構築と行財政改革のさらなる推進を図るとおっしゃっておられました。今回のこの組織機構の改正は,まさにその一環であると私は理解しております。 福井国体の開催や北陸新幹線福井開業人口減少対策など,喫緊の課題に対応するために組織機構の改正を行うということではありますが,大規模な改正であると率直に感じております。 そこでお尋ねいたします。 1つ目として,まず,今回の改正の必要性についてお聞かせいただきたいと思います。 今回の改正は,総務部,市民生活部,商工労働部,建設部,教育委員会事務局,そして新設の国体推進部と,多岐にわたっております。非常に大幅な改正ということになりますが,なぜこのタイミングで改正することが必要なのか,そこを丁寧に御説明いただければと思っております。 2つ目として,各部の機構改正について,統廃合された部署や新設されたものなどがありますけれども,総合的には新たな局体制で局がふえ,室や課についてもふえたように率直に感じるわけでございますが,いかがでありましょうか。 また,業務については,より細分化されたということになるのでしょうか。御所見をお聞かせいただきたいと思います。 今回の組織機構の改正で,特に力点をどういうところに置かれたのかということも,あわせてお聞かせいただければと思っております。 また,関連して職員の定員適正化計画に伴い,計画的な削減を進めているものと理解しておりますが,今回の機構改正での職員の配置については,その人員削減計画の中での影響というものは受けないのでありましょうか。ちゃんと適正に配置ができるのでありましょうか。概括的でも構いませんので,そのことをお聞かせいただきたいと思います。 それから,これは,先ほど今村議員の質問をお聞かせいただいた中で少し思ったものですが,今回の新たな組織機構の改正のポイントの一つに東京事務所の設置ということがあるかと思います。考えておられる東京事務所の具体的な場所,あるいは,その役割,それからまた,その事務所の規模も含めて,今,どのようなことをお考えになり,それを推進されるのかも,できればお聞かせいただきたいと思っております。 3つ目として,今回の組織機構の改正に際して,現時点での課題についてお聞かせいただきたいと思います。 私の勝手な心配かもしれませんが,各フロアでのレイアウトなど,これはかなり工夫が必要ではないかとも考えます。教育委員会事務局から商工労働部に移ったり,部から部へ移るところもかなりございます。そういうところでのレイアウトもかなり工夫が必要ではないかということも考えます。 また,新設される局や課など,職員配置はわかりませんけれども,市民にわかりやすい簡素で効率的な組織と説明されていましたが,いかがお考えなのでありましょうか。お聞かせいただきたいと思います。 それから,今回の組織機構の改正は,先ほども言いました東京事務所などの新設,あるいは中核市移行に向けた要素もこれは非常に強く感じるわけでありますけれども,財政的な面から考える経費的な側面や,国からの交付税等も含めた市当局での課題というものは,どのようなことをお考えになっているのでしょうか。 さらに,この組織機構の改正について,課題といいますか,問題といいますか,今現在,市としてそういうものをどのように考えておられるのか,あわせてお聞かせいただきたいと思います。 以上をもちまして私の総括質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 私からは,今後の4年間で目指す福井市のまちづくりとその進め方についてお答えいたします。 地域社会に深刻な影響を与える人口減少問題に直面する中,本市の明るい未来を築くために必要なことは,未来を担う子供たちが希望を持ち,誰もが安心して暮らせる全国に誇れる福井を実現することであります。 そのために,福井が持つ強みやよいところの活用,市民の皆様との協働による地域力のアップ,スピード感のある戦略的な政策の3つを基本姿勢としてまちづくりを進めてまいります。 具体的には,本市の強みである住みよさ,充実した子育て環境や教育環境をさらに磨き上げるとともに,これらの福井の魅力を全国に発信し,本市への新しい人の流れをつくります。 また,地域の実情に応じ,さまざまな課題に適切に対応するために,地域担当職員制度を設け,地域と市役所がともに手を携えて,個性豊かな地域づくりを進める,新たな連携の形をつくってまいります。 さらに,本市が国に提案し,実現することとなった移住を促すための空き家に対する旅館業法の規制緩和や,サービス付き高齢者向け住宅に関する計画策定の権限移譲など,地方から国を変える意気込みで特徴あるまちづくりを進めてまいります。 4月28日にはハピリンのグランドオープン,その先には福井国体開催北陸新幹線福井開業などを控え,本市がさらに飛躍するまたとない機会である今こそ,将来を的確に捉え,スピード感のある戦略的な市政運営を進めながら,全国に誇れる福井の実現を目指してまいります。 次に,中核市移行の進め方についてお答えします。 円滑に中核市移行を進めるため,平成28年度は,私を本部長とする推進本部を立ち上げるとともに,総合調整を行う中核市準備室を設置します。また,今後,県の協力が不可欠であることから,連絡会議を設置して本格的な協議を開始します。 平成29年度から平成30年度にかけては,専門職員育成のための県との人事交流や移譲事務の引き継ぎを行うとともに,市議会の議決をいただくなど法的な手続を進めてまいります。 これらの取り組みや市民生活面でのメリット等については,市民の皆様にあらゆる機会を通じ,わかりやすく周知し,御理解をいただけるよう努めてまいります。 さらに,観光や産業振興,移住促進などの広域的な連携について,周辺市町と協議を行い,中核市移行後の速やかな連携中枢都市圏の形成を目指してまいります。 他の御質問につきましては,担当部長から回答させていただきます。 (財政部長 玉村公男君 登壇) ◎財政部長(玉村公男君) 平成28年度の施策のポイントについてお答えいたします。 新年度予算は,「希望と安心のふくい実現」に掲げる人口減少対策や活力ある地域づくりに向けた各種施策をスピード感を持って取り組むために,「『ふくい』への新しい人の流れの実現」,「全国に誇れる『ふくい』の実現」,「個性豊かで笑顔あふれる地域の実現」の3つの柱を最重点に編成したところでございます。 1つ目の「『ふくい』への新しい人の流れの実現」では,本市の強みやよいところを全国に発信する事業やU・Iターンの支援など,定住人口の増加のための事業を実施してまいります。 2つ目の「全国に誇れる『ふくい』の実現」では,まちなかで身近に自然と出会える足羽山の再整備や一乗谷朝倉氏遺跡へのアクセス向上に向けた特急バス運行に取り組むなど,観光,歴史,文化における福井の貴重な資源を磨き上げてまいります。 3つ目の「個性豊かで笑顔あふれる地域の実現」では,地域が取り組むさまざまな活動への支援を強化するだけでなく,市職員が地域の人たちと連携し,地域の課題解決を図ってまいります。 これらの取り組みにより,福井の持つ魅力をさらに高め,全国に発信することで,定住,交流人口の増加と地域の活性化につなげてまいります。 次に,第七次福井市総合計画の実施計画についてですが,この計画は,総合計画の将来都市像を実現するための具体的な事業計画として策定していきます。 策定に当たりましては,これまでの事業成果の検証と財政シミュレーションをしっかりと踏まえながら,福井市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略に掲げた人口減少の克服と地方創生の実現に向けて,各施策の具現化に重点を置きます。 さらに今後,建物施設やインフラ施設などの老朽化対策に継続的に取り組む必要がある中で,文化会館整備など本市の将来の発展に向けた事業や,市民生活に密着した事業などについても,その必要性や緊急性を見きわめながら,計画に位置づけてまいります。 (総務部長 高山浩充君 登壇) ◎総務部長(高山浩充君) 私からは,組織機構の改正についてお答えいたします。 まず,今回の改正は,福井国体開催北陸新幹線福井開業人口減少対策など,直面している喫緊の課題への対応に向けたものでございます。 複雑で多岐にわたるこれらの重要課題に対して,新たな組織体制のもとで未来につながる全国に誇れる福井市を目指し,スピード感を持って着実に施策の推進に努めてまいります。 次に,組織機構の改正についてでございますが,市政の重要課題であります地方創生に向けた取り組みや人口減少対策の推進を初め,市民と協働した安全で安心なまちづくりの推進及び観光と文化を融合した戦略的なシティープロモーションによる観光誘客の促進を最大の目的として,未来づくり推進局,危機管理局及び観光文化局を新設いたします。 なお,改正後は,現段階では1部3局3所属の増加となります。これは,関連の深い業務を整理,一元化するなど効率化を図るとともに,国体推進部の新設及び今ほど申し上げました3局のほか,中核市準備室,保健所準備室など喫緊の課題に対応するために専門の担当部署を設け,市政の重要課題への適切な対応を図ったものでございます。 次に,職員配置への影響についてでございますが,本市では,平成27年度からスタートした第4次定員適正化計画に基づき,行政需要に応じためり張りのある職員配置を行っているところです。 今回の改正に当たりましても,定員適正化計画にのっとった上で,喫緊の課題を抱えている所属など行政需要をしっかりと見きわめ,任期付職員なども活用しながら,組織として最大限の能力を発揮できる人員配置に努めてまいります。 次に,組織機構の改正による各フロアのレイアウトについてですが,これまでも市民サービスに直結した所属につきましては,わかりやすいレイアウトとなるよう配慮してきたところでございます。 今回の改正におきましても,限られたスペースの中,市民の皆様にわかりやすい配置に努めるとともに,業務の関連性についても配慮してまいります。 次に,東京事務所開設に当たりましては,事務所の賃貸料や維持費等の新たな費用が生じますが,中核市移行に向けて,各中央省庁及びその他関係機関との関係強化を図るとともに,首都圏でのタイムリーな情報発信による観光誘客やU・Iターン,企業立地の取り組みなど,東京事務所の設置に伴う効果は大変大きいと考えております。 なお,場所につきましては,中央省庁に近いこと,また,交通の便などを考慮しまして,市政会館を予定しております。広さは30坪程度を考えてございます。 ◆24番(野嶋祐記君) ありがとうございます。自席にて少しだけ再質問をさせていただきたいと思います。 市長からも,この4年間でということで御答弁いただきました。しっかりとその計画に向かって推進していただきたいと思いますし,財政的にも非常に厳しい中,中核市移行というものもこれからいろんな課題もあると思います。また,周辺市町なども含めた広域連携事業というものもあると思います。そういうものもしっかりとまた,うまく話をまとめながらといいますか,リーダーシップをとっていただいて,中核市移行に向けて,広域連携も含めて推進していただきたいということは,要望ということでお願いさせていただきたいと思います。 それから,今ほど総務部長から東京事務所の件で御答弁いただきました。ありがとうございます。あと,場所とその坪数ということではお聞かせいただきましたが,職員配置として,例えば何人ほどを配置するのかというのも,今考えておられるものでお聞かせいただきたいということを思いますのと,東京事務所を設置していくということになれば,当然経費的な面が増大していくということは否めない事実であります。そこは国から,あるいはまたいろんなところからいろんな情報をタイムリーに収集するということで,これはもう仕方ない部分だと思いますが,これからそういうものについても,地方交付税等も含めて,国から財政的な支援があるのかどうか,あるいはまた,中核市移行に向けての財政的なシミュレーションなどもこれからされていくのだろうということは思うわけであります。非常に概括的な話になりますけれども,もし中核市に移行したときに,財政的な部分というのは今の規模から考えていくとなかなか厳しくなっていくのかなと,非常につかみ的な話で申しわけありませんが,私は思うわけでありますが,そういうことももしお答えいただけるのであればお聞かせいただきたいと思います。 それから,東京事務所の位置づけでありますけれども,今は総務部づけということで東京事務所を考えておられるということであります。これは,将来的なことも含めてですが,福井県などは,総合政策部づけの東京事務所ということになっているかと思います。もし積極的にという意味で考えれば,例えば将来的に都市戦略部づけの東京事務所とか,都市戦略部の位置づけというものも含めて,総合政策的な調整を都市戦略部で担っていくのかということも,今,都市戦略部を筆頭部として位置づけられておられますので,そういうところのお考えもあわせてお聞かせいただければありがたいと思います。 ◎総務部長(高山浩充君) 何点か東京事務所について御質問をいただきました。 まず,1点目の職員配置についてでございますけれども,東京事務所の配置でございますが,所長,副所長,そして職員1人の3人に,現地のプロパー職員1人の4人体制を現在予定しております。 それから,経費の面でございますが,地方交付税等の財政措置があるのかという御質問だったかと思います。この東京事務所に係る経費につきましては,地方交付税の措置はございませんが,先ほど申し上げましたように,東京に事務所を常設するといったことから,いろんな意味で金額には換算できない大きなメリットがあるだろうと考えてございます。 それから最後に,都市戦略部づけというお話がございました。現在,総務部といいますか,派遣職員については職員課づけということで考えているわけでございますが,やはり今回の総合戦略に係るいろんな事務を向こうでやっていただくということも大きな仕事でございます。それからまた,ふるさと納税につきましては,今後,総務部で担当していきたいと考えております。 これらのことを考えますと,現時点では,総務部と連携をとって進めていきたいと思っておりますが,この東京事務所については,全庁的な関連がございます。特に総務部に偏ったとか,そういうことではなくて,総務部づけではございますが,全庁的な視点で役割を果たせるようにしていきたいと思います。
    ○議長(堀江廣海君) 次に,27番 堀川秀樹君。 (27番 堀川秀樹君 登壇) ◆27番(堀川秀樹君) 市民クラブの堀川でございます。通告に従いまして,4点質問させていただきますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。 まず最初に,インバウンドの取り組みとトップセールスによる成果の想定数値及びハピリンの免税手続一括窓口を開設することの必要性についてお尋ねしたいと思います。 平成27年度は,福井市が海外に向け,大きなアクションを起こした年となりました。台湾にターゲットを絞り,インバウンド事業として商工労働部と農林水産部がそれぞれ取り組み,東村市長によるトップセールスの費用も含め,約528万円余りの支出をしているわけでございます。この取り組みは,直接成果が数値としてあらわれる事業であり,とてもやりがいを感じることができるものであると思い,大いに期待申し上げるところでございます。 そこで,このインバウンド事業とトップセールス事業におけるそれぞれの目標額や目標人数はどのように設定されているのでしょうか,お尋ねいたします。 また,この両事業が実施されて以後,6カ月間でどのような成果が上がり,どう分析されているのでしょうか。重ねてお尋ね申し上げます。 次に,この2つの事業の成果は,平成28年度においてもさらに大きくあらわれると確信しておりまして,四季折々の景色や料理を楽しみ,伝統古来のたくみのわざや歴史に親しみ,福井人のおもてなしを感じていただきながら気持ちよくお買い物をしていただいているシーンが福井のあちらこちらで数多く見られることでしょう。ただし,こうなるためには,大事な条件をクリアしなくてはなりません。それは,免税手続一括窓口の開設であり,さらに,その開設場所がわかりやすく,かつ行きやすいところでなくてはならないということでございます。これは,インバウンドに取り組む自治体では絶対条件でありまして,福井市が努力して外国人を呼び込んでいても,免税手続ができないようであればお金は落としてもらえません。もちろん客単価の高い店舗は,独自に免税店の許可を受け,個別対応は十分可能ではありますけれども,時たま高価なものが売れるだけの手続のされていない店舗や,単価は安いけれども外国人の好む雑貨が数多くあるお店,また,日本らしさの漂う小物やお土産用の菓子等を扱う店は,個人で免税の許可をとっていても客単価的に規定額に達しないといったことが起こるわけでございます。つまり,いろいろなお店で買い物をして,その合計が規定額を超えていても,免税対象にならないということになりますと,トラブルやクレームが発生し,外国人は買い物をしなくなり,悪影響になると思うわけでございます。 これが,消費税10%になるとなれば,なおさら影響は大きくなりまして,例えば2万円で2,000円戻るか戻らないかは大変大きな問題だと思います。さらに申し上げますと,外国人は訪れるまちのどこに免税店があり,どこに免税手続一括窓口があるかを事前にリサーチしてから来日するということでございます。事前に福井の状況を知ったならば,福井に来ることをキャンセルすることも想定されますし,その条件はあっという間に広まってしまうでしょうから,インバウンドやトップセールスで努力されてきたことが残念な結果となりかねないと私は思います。 しばらく様子を見てからと思っているようであるならば,今年度のインバウンド事業の成果にも,その影響が出て,期待が持てないと言われても仕方がないと思います。 そこで,この一括窓口の必要性について御所見をお尋ねしたいと思います。 そもそも私は,ハピリンの中に免税手続一括窓口を設けるものと思っておりましたけれども,語学が堪能で,事務能力が高い職員を雇うだけの余裕がないということで見送られたと聞きました。私が残念なのは,なぜそこで,免税手続の手数料などから得られる利益で人件費が賄えるほどの処理件数を扱うような運営にしていくことを考えなかったのかということでございまして,アオッサやプリズム福井,そして各商店街に呼びかけ,商工労働部がコーディネーターとしてまち全体を対象とした免税手続一括窓口を開設するのであれば,わかりやすく,行きやすい場所に外国人も安心して向かえるのではないでしょうか。立ち上げの際に福井市がコーディネート役をしていたとしても,その窓口の運営はほどなくひとり立ちできると考えますけれども,御所見をお尋ねしたいと思います。 次に,ハピリンの出店店舗への期待感とそのラインアップについてでございます。 いよいよハピリンの全容,全景も見えてまいりましたので,市民の皆さんの期待感も高まってまいりました。特に大屋根とガラスフードに囲まれたハピテラスの壮観さは,人々の目を引き,利用客の笑顔やイベントの主催者のやる気が大きなにぎわいを生み,歓声が聞こえてくるといった想像をかき立てます。 さきの12月定例会では,期待感あふれるハピリンに対して,一体どのような店舗がオープンするのか,そのラインアップについて質問させていただきました。しかし,残念なことに,そのときは具体的な店舗名につきましては,一般的に商業施設の場合はオープン直前に発表することが通例ということで,発表を控えたいとの御答弁でありまして,公にはしていただけませんでした。 そこで,ハピリンオープンまで2カ月を切った,文字どおりオープン直前の今定例会で改めてお尋ね申し上げますが,ハピリンの商業施設のラインアップ,入居状況をお知らせください。 また,聞くところによりますと,まだ床が埋まっていないエリアが1階に1カ所,2階に5カ所あるやに聞いております。 そこで質問ですが,その床はどのように対処されるのでしょうか。同じようなことがアオッサのときも生じました。オープン時には2階フロア全体をクローズといたしまして,その後,短期間で入居者を決め,ほとんど無条件のような状態で無理やり空きエリアを埋め,グランドオープンにこぎつけたといった最悪の前例があるわけであります。 結局,このときの条件問題からリーシングが破綻し,入れかわりの負の連鎖から脱却できず,大変な状況が続いている状態であります。このようなことがないように,以前より指摘させていただいてまいりましたけれども,オープンを目の前にして床を埋めることを最優先としたことへの代償となったことは明らかでありまして,ハピリンについてはそこは十分に注視していただきたいと思います。 そこで提案ですけれども,直近の情報として6件のあきがあるということであります。もしいまだにあきの状態が続いているようなことであれば,埋めることを優先せず,情熱のある,足腰のしっかりした出店者を求めるスタンスで臨んでいただきたいと思います。御所見をお尋ねいたします。 続きまして,福井駅西口及び東口における駐車場減少による買い物客や商業者への悪影響についてお尋ねいたします。 これは,先般,福井新聞にも記事が載っておりましたが,北陸新幹線の整備に伴う埋蔵文化財発掘調査の開始とともに福井駅東口の駐車場が使えなくなり,マイナス130台,さらに福井マンテンホテル駅前の建設によりましてプリズム福井リパーク駐車場第2が消滅し,マイナス68台となり,一気に198台もの駐車場がなくなった影響は大きく,プリズム福井の売り上げは北陸新幹線金沢開業の効果が十分に見られるにもかかわらず,全体では20%近くの減であると聞いております。駐車場不足は深刻な状況にあると考えます。 もっとも商業者が自分のお客様のために駐車場を用意することは筋であるとは思いますけれども,現在,スペースがなく,地下や立体的な方法での策しか残されていないのも事実でありまして,改善策は行政手腕にかかっていると言ってもよいでしょう。今後,民間投資が見込まれる中,青空駐車場への建設計画も増加すると思われ,ますます駐車場不足の負のスパイラルが広がると考えます。その対策が急務と思いますが,御所見をお尋ねいたします。 最後に,こしの国ケーブルテレビ事業の民間移譲についてお尋ねいたします。 2月16日に開催されました福井市議会議員全員協議会におきまして,福井市側より説明があり,福井市と永平寺町で構成するこしの国広域事務組合が運営するこしの国ケーブルテレビ事業を民間に移譲する方針であることが公表され,翌日の新聞にこの記事が掲載されました。さらにまたその翌日には,こしの国広域事務組合の議案説明が開催されたわけでございまして,その席上,永平寺町選出の議員より,本来,こしの国広域事務組合議会において議論し,進めていく案件であるにもかかわらず,3月25日に開催予定でありますこしの国広域事務組合議会を前に,あたかも移譲が決定したかのような報道につながるような発言が福井市からあったことはまことに遺憾であり,こしの国ケーブルテレビ視聴者からの問い合わせに苦慮しており,困惑しているとの発言がございました。 問題点は,こしの国広域事務組合議会での方向性を示す前に,その情報が流れたことに加え,料金格差による大幅な負担増が生じることについての議論もないまま話が進んでしまっていることにあります。現在,このこしの国ケーブルテレビの利用料は月額1,512円,対して移譲先とされました福井ケーブルテレビの利用料は2,808円で,その差額は何と1,296円にもなります。これがもし福井ケーブルテレビに額をそろえるとなると,実に86%の値上げとなります。ただし,これはテレビが1台であった場合の話であり,こしの国ケーブルテレビが固定の料金で契約しているのに対して,福井ケーブルテレビはテレビの台数によって増額となる契約となっておりますがゆえ,御家庭にテレビが平均二,三台あると考えると大変な負担額となるわけであります。 毎年の財政負担と老朽化に伴う財政負担を考えれば,民間移譲に反対するものではありませんけれども,福井市選出の今村議員,青木議員,堀川の3名で協議した結果,3月25日のこしの国広域事務組合議会の開催までに3週間余りもあり,不安視する需要家の方々に対して何らかの対応が必要との結論に達しましたので,あえてここで一般質問に立たせていただきました。御所見をお願い申し上げまして,私の質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。 (商工労働部長 浅野信也君 登壇) ◎商工労働部長(浅野信也君) インバウンド事業とトップセールス事業における取り組みと成果の想定数値についてお答えします。 昨年7月の台湾へのトップセールス事業においては,目標人数等の設定はしておらず,旅行関係者に福井市の観光PRをすることで本市を知っていただき,旅行商品の造成につなげることを目標としておりました。 本日2月29日から3月2日にかけまして実施しております台湾旅行エージェント招聘ファムツアーを通しまして一乗谷朝倉氏遺跡や養浩館庭園など福井市の観光素材を台湾の旅行関係者などにPRし,海外からの誘客を進めております。 このようなインバウンドの取り組みに関する成果目標として,現在策定中の福井市観光振興計画に外国人宿泊者を平成26年の5,200人から平成32年には1万6,000人までふやすことを掲げております。 次に,トップセールス実施後の成果についてですが,具体的な数値での効果があらわれるのはまだ先になると考えております。しかし,実施後の反響として,トップセールスでつながりが生まれた旅行会社には,実際に福井へ視察に訪れたり,永平寺,東尋坊などとあわせて一乗谷朝倉氏遺跡も含めた旅行商品の造成を企画しているところもあると聞いております。 また,エバー航空からは,機内情報誌等を活用した情報発信についての提案もいただいており,これらはトップセールスでのPRの成果であると考えています。 本日からのファムツアーにおきましても,18社という多くの旅行関係者の参加をいただいております。地元宿泊業者,物販事業者などとの商談会を開催し,本市でのお土産の購入といった消費活動につながるよう努めてまいります。中には意欲的に独自に施設の視察をしたいという要望も承っております。 このように,継続的に情報提供を行い,さらなる福井市への誘客につなげてまいります。 次に,免税手続の一括窓口の必要性並びに市がコーディネート役を果たすことについてお答えします。 福井県によりますと,平成28年2月現在,福井市内の免税店は15店舗,そのうち中心市街地では4店舗が営業しています。 経済産業省や福井県は,免税手続用の設備に係る経費の一部を補助するなどして,商業者の自発的な免税対策の支援をしています。市内の商業者も,これらの支援を活用するなどして自主的な取り組みを行っているところでございます。 外国人旅行者が本市でのショッピングに魅力を感じ,市内における旅行消費をふやす動機づけとして,免税手続の一括窓口の開設は有効であると考えております。 しかしながら,免税手続の一括窓口を設置しようという機運が十分ではありません。そうした機運が出てくれば,コーディネート役を担ってまいります。 (都市戦略部長 谷澤正博君 登壇) ◎都市戦略部長(谷澤正博君) ハピリンの商業施設についてですが,商業床を運営する福井駅西口開発株式会社によりますと,入居する全てのテナントを公平公正かつ効果的なタイミングで告知するとしております。具体的なテナント名につきましては,3月末に公表される見込みです。 業種につきましては,1階は福井の食材を生かした飲食やお土産物,海産物,スイーツなどといった食の物販などで構成され,2階は飲食に加え,物販やサービス系の店舗などで構成されるとのことです。 また,北陸初出店となる飲食店舗も入るとしており,大いに期待しているところでございます。 なお,3月の中旬には,賃貸借対象の全区画でテナントとの賃貸借契約の締結が完了する見込みです。 次に,駐車場の減少についてお答えします。 福井駅周辺に極めて近い駐車場の稼働率が高いことは,十分認識しております。しかしながら,駅周辺は,民間による土地需要が多い中,本市が駐車場としてまとまった土地を確保することは困難であると考えております。 一方,少し離れた駐車場には余裕がありますので,そういった余裕のある駐車場への誘導案内方策について,民間事業者と協議してまいります。 また,西口バスターミナルの開業や福井鉄道駅前線の延伸によりまして,福井駅の交通結節機能が強化され,バス,電車利用者の利便性が向上されますことから,公共交通機関の利用なども積極的に呼びかけてまいります。 最後に,こしの国ケーブルテレビ事業の民間移譲についてお答えいたします。 こしの国ケーブルテレビ事業は,本市と永平寺町で構成するこしの国広域事務組合の事業であり,組合議会で議論されるものでございます。今回,組合の今後の事業形態にかかわることから,議員全員協議会で御説明させていただきました。 民間移譲につきましては,決定しているものではなく,料金につきましても現行の水準を維持できるように,今後,組合議会で議論させていただきたいと考えております。 ◆27番(堀川秀樹君) 自席にて再質問させていただきます。 まず,免税手続一括窓口の必要性についてですけれども,今現在,福井で免税手続ができる店舗につきましては,今ほど御答弁があったとおりなんですが,全国で一番立ちおくれていると言われているような状況です。ですから,それに追いつき,追い越すためには,その倍も3倍ものスピードで追い上げないと間に合わないということがあります。機運が十分でないという御答弁がありましたが,機運が十分でないのは,取り組みが遅かったからだと思います。商業者の方々にインバウンドの重要性,インバウンドに取り組むことによってたくさんの外国人の方々が福井にお越しになってお買い物をされるということが,まだ周知されていないということが1つ。それから,今ほど御答弁に力強い言葉がありました。平成32年には外国人宿泊者を1万6,000人にふやしてみせるということであります。当然,その経過の中で,毎年増加していくことが裏づけとしてあるんでしょうけれども,そういったこともしっかりと市民の方々に,商業者の方々にお伝えすることによって,その機運は高まると思いますが,今,そういったことがほぼできていないのではないかと思うわけです。 今,外国人の人たちに福井においでいただいて,お買い物をしていただく。高価な買い物をした際には,その店舗で免税手続がされているわけなんですけれども,質問にもありましたように,ある程度の買い物をして,金額が重なって,一定額を超えないことには免税手続ができないということになるわけですから,せっかくおいでいただいた外国人の人たちが3店舗,4店舗でお買い物をして,その金額が1万円を超えても,そこに対応できる一括窓口がないために免税手続ができないとなれば,福井を目指してお越しになる方々はどんどん減っていってしまう。そのマイナスのスパイラルが生じてしまうと思うわけです。インバウンドの御努力をされているわけですから,もう既に外国人の方々がお見えになっているということでありますけれども,現在その方々に対するサービスにも対応していないということです。そこをしっかりと見据えていただいて,福井市がコーディネートすることによって免税店を確立したものにすることが急務であると思いますが,いま一度御答弁をお願いします。 ◎商工労働部長(浅野信也君) 今ほど答弁も申し上げましたが,今後,外国人の方々にPRしながら福井にたくさんお越しいただきたいということです。今回の福井市観光振興計画(素案)の中でもうたってございますが,当然今おっしゃるようにお見えになった方をしっかりお迎えする体制も必要だと考えてございます。 その中で,この免税店というもの,そしてまた小さなお店が何店舗か集まった一括の窓口というものの必要性も十分理解してございます。 私どもは,今回の福井市観光振興計画(素案)の中では,お見えになった方々への案内看板のことであるとか,福井市内のWi-Fi環境であるとか,それから各店舗におけるチラシとか商品メニューの作成の支援とか,今,いろんなことを考えてございます。このような取り組みをしっかりやりながら,お店のことも含めまして盛り上げていきたいと考えてございます。 ◆27番(堀川秀樹君) ぜひお願いします。 それから,ハピリンのラインアップでございますが,つい最近まであきのあったスペースが埋まったことは喜ばしいことでありますけれども,先ほども申し上げましたように,一抹の不安を拭いきれないわけでございまして,今後とも注目していきたいと思います。 そこで,現在,聞き及んでおります出店者からすると,当初進めてきましたコンセプトとは方向性が違っていると思います。アオッサを引き合いに出して申しわけありませんけれども,各店舗の個性を生かしたおしゃれで品格漂う女性を意識したコンセプトを打ち上げておきながら,実際にはフードコートを共有した多目的飲食フロアになってしまって,それが残念な結果だったということもアオッサの失敗例としてあるわけです。 ですから,そのようなことにならないようにぜひともお願いしたいと思います。コンセプトについて,いま一度お尋ねします。 ◎都市戦略部長(谷澤正博君) ハピリンのコンセプトでございます。 1階でございますけれども,福井の特色でございます海や山の幸を生かしながら,観光客にも味わっていただけるように,食べる食というのと,特色の色というものをかけ合わせて福井「色」の玄関口とコンセプトを打ち出しております。それから,2階でございますけれども,今ほど堀川議員がおっしゃったように,1人でも,またカップルやファミリーでも過ごせる空間としました。特に女性を意識しまして,ここで楽しんでいただける場といたしまして,楽しんで立ち寄っていただけるゾーンというコンセプトでございます。 ○議長(堀江廣海君) ここで暫時休憩します。午後1時から再開します。             午前11時55分 休憩──────────────────────             午後1時1分 再開 ○副議長(石丸浜夫君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 質問に入ります前に,総務部長から発言を求められておりますので,発言を許可します。 ◎総務部長(高山浩充君) 先ほどの野嶋議員の再質問の中で,一部答弁漏れがございましたのでお答えさせていただきます。 中核市移行による財政への影響についての御質問でございましたが,移譲事務に係る経費につきましては,基本的に国からの地方交付税により財源措置されるということになっておりますので,移行による財政への影響はないものと考えてございます。 ○副議長(石丸浜夫君) それでは,一般質問を続けます。 次に,19番 島川由美子君。 (19番 島川由美子君 登壇) ◆19番(島川由美子君) 公明党の島川由美子でございます。通告に従いまして質問を行います。 まず最初に,健康寿命の延伸と医療費の適正化についてお尋ねいたします。 高齢化の進展と医療の高度化によって医療費は年々増加しており,国民健康保険制度を将来にわたって安定的に運営していくためには,医療費の適正化に対する取り組みを強化していく必要があります。 本市の国民健康保険につきましては,一般会計からの繰り入れ,約2億2,500万円を保険税負担緩和措置として当初予算案に計上し,税率の改正を行うとしております。 本市の国民健康保険事業の現状と課題について伺います。 2013年6月,閣議決定された日本再興戦略において,国民の健康寿命の延伸というテーマの中で,予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくりとして,データヘルス計画の策定が盛り込まれました。 厚生労働省は,2015年度から全ての健康保険組合に対してデータヘルス計画の作成と実施を求めるとしております。 それとともに,市町村が同様の取り組みを行うことを推進するとしております。 既にデータヘルスに取り組んでいる保険組合などの事例が厚生労働省より発表されておりますが,多くの自治体で重点分野として取り組まれております。 事例の中には,積極的にデータヘルスを導入することによって,医療費の適正化に効果を発揮し,国保財政の改善に成功した自治体もあります。中でも,先進的な事例が広島県呉市で,呉方式としてレセプトの活用によって医療費適正化に成功し,注目を集めております。 呉市は,人口24万人で,65歳以上の人口比率が31%に上り,同規模人口の都市では高齢化率が全国1位で,当然医療費も膨れ上がり,1人当たりの年間医療費が41万3,000円という状況でありました。危機感を募らせた同市は,医療費適正化に本格的に乗り出し,まず着手したのが国保加入者のレセプトのデータベース化でありました。患者に処方された医薬品や診療内容を把握し,独自に分析した上,ジェネリック医薬品の利用促進を図った結果,薬剤費の削減額の累計は5億円超になったということであります。 また,そのほかにも,保健師や看護師による訪問指導なども重点的に行い,糖尿病の重症化による腎不全により透析を行うと,医療費が1人当たり年約600万円かかると言われておりますが,その糖尿病の重症化を食いとめることで,本人にも国保財政にも大きな効果があったということであります。 また,月15回以上受診している頻回受診者や,同じ病気で月3つ以上の医療機関を受診している重複受診者などを抑制することにも効果を発揮しております。 本市におきましても,データヘルス計画を今年度中に策定予定とお聞きしておりますが,今後,レセプト・健康情報等を活用したデータヘルスをどのように推進していくお考えかお伺いいたします。 奈良県生駒市では,2009年度に市民1人当たりの年間医療費が30万円を超え,県内トップとなり,2010年4月,医師会や薬剤師,市民らが参加する医療費等適正化検討部会を設置いたしました。2011年1月,ジェネリック医薬品の利用促進を盛り込んだ提言を受け,推奨薬局認定制度などに取り組み始めました。 推奨薬局認定制度で認定された薬局は,ジェネリック医薬品の調剤割合が55%以上で,備蓄数が200品目以上の薬局となっており,市のホームページや広報で広く周知され,処方実績の多いジェネリック医薬品のリストが市から提供されております。 生駒市のジェネリック医薬品の普及率は,約4年間で21.5ポイント増加の55.1%となり,累計約1億4,600万円の薬剤費の削減となっております。こうした取り組みにつきましては,行政と医師会等の協力が欠かせません。 本市における医師会や薬剤師会との連携についてはどのようになっているのか,お尋ねいたします。 厚生労働省は,急激な高齢化で医療費がふえ続ける中,ジェネリック医薬品の普及に取り組んでおり,2020年度末までに普及率80%以上の目標を掲げ,2016年度からは価格も引き下げられる方針ということです。 本市におきましても,ジェネリック医薬品の使用については,差額分通知など取り組まれておりますが,その効果についてお尋ねいたします。 本市における過去3年間のジェネリック医薬品の使用率,数量ベースの利用率をお聞きいたします。 国民健康保険の財政運営の責任が,平成30年度から都道府県に移行すると報じられております。保険税の徴収や特定健診は市町村に残すということのようであります。都道府県に移行することによって,何がどのように変わるのか。役割分担はこれから詰められるものと思いますが,現段階でわかっていることがあればお聞かせください。 この項目の最後ですけれども,特定健診の受診率向上とメタボリックシンドローム改善者に対する保険税の減額措置について,本市の対応をお聞かせいただきたいと思います。 次に,認知症対策についてお伺いいたします。 2025年には,認知症の方が約700万人となり,高齢者の5人に1人の割合になると推計されております。 政府は新オレンジプラン,認知症施策推進総合戦略を策定し,新オレンジプランの中では,認知症の人の意思が尊重され,できる限り住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指すことを基本的な考え方としております。 今後,ますます認知症の方が増加し,身近な地域に住み続けることが考えられることから,認知症への理解を深めるための普及啓発は欠かすことができません。 また,認知症の疑いのある高齢行方不明者の増加が社会問題となっており,県内でも昨年,福井県警に96人の行方不明の届け出がありました。これらに対応するために認知症行方不明高齢者事前登録制度に取り組まれ始めましたけれども,この制度についてお伺いいたします。 認知症の患者数がふえる中,地域ぐるみで認知症への理解を深め,同居する家族が安心できるまちづくりを目指して,全国で取り組みが広がっている認知症高齢者ひとり歩き模擬訓練が,昨年,本市の社南地区で行われました。今後は市内全地区で取り組んでいただきたいと思いますが,お考えをお伺いいたします。 認知症は,早期発見,早期治療により進行をおくらせることも可能であると伺っております。認知症の早期発見の大切さや,相談先をパソコンやスマートフォンなどで誰でも知ることができる認知症簡易チェックサイトの開設についてお考えを伺います。 認知症を知るきっかけづくり,認知症への関心を深めるツールとして使われている自治体もあります。全ての市民に見ていただき,認知症に関心を持っていただけるように,市のホームページ上に開設してはいかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。 次に,認知症の早期発見に欠かせないかかりつけ医の認知症対応研修の参加状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。 介護施設職員による入所者への虐待事件がニュースで大きく取り上げられ,胸を痛め,不安に思われている市民も多くおられます。介護施設職員の皆さんは,常に大変な環境の中で,一生懸命働いておられるにもかかわらず,このような事件が起きたことに対して,どのような対策が可能でしょうか。 本市では,入所介護施設の職員に対する認知症の方への対応についての指導にどのように取り組まれているのかお伺いいたします。 次に,全ての女性が輝く社会づくりについてお尋ねいたします。 3月8日は,国際女性の日となっております。1977年の国連総会において決定されたこの日の起源は,今から112年前の1904年3月8日に,アメリカのニューヨークで働く女性たちが婦人参政権を求めてデモを行ったことにさかのぼります。日本では,女性が生涯を通じて健康で,充実した日々を過ごすことを支援するために,あす,3月1日からの1週間を女性の健康週間として,毎年社会全体が一体となってさまざまな活動を展開しております。 さて,市長の所信には,人口減少社会を克服し,活力ある地域を創出するために若い女性の定住と活躍が欠かせないとありますが,具体的にどのような施策を進めていくのか,お伺いいたします。 地域創生の本格展開として来年度から進められる,ふくい「魅える化」プロジェクトは,どのような取り組みでしょうか。また,輝く女性の未来予想図事業につきましては,今年度の取り組みの成果と来年度の展開についてお伺いいたします。 次に,女性の職業生活における活躍の推進に関する法律,いわゆる女性活躍推進法について伺います。 昨年11月,国から行動計画等のガイドラインが示されました。女性活躍推進法では,福井市も特定事業主として3月末までに数値目標を含んだ行動計画を策定し,推進していくこととなっておりますが,その進捗状況と数値目標についてお伺いいたします。 また,女性活躍推進法では,推進計画の策定が努力義務とされておりますが,福井市では策定の予定はありますでしょうか,お尋ねいたします。 また,国では,第4次男女共同参画基本計画が,平成27年12月25日に閣議決定されました。計画では,長時間労働や転勤が当然とされる男性中心の働き方等を前提とする労働慣行を変更することや,女性活躍推進法の着実な施行により,女性の採用,登用推進のための取り組みを強化することなどを強調しております。 福井市におきましても,国に準じた男女共同参画基本計画が策定されると思いますが,今後の予定と新計画の重点項目についてお伺いいたします。 このいずれの計画も,女性が輝く社会のために不可欠なものであり,何よりも市長のリーダーシップが必要であります。福井の女性が活躍するために,これらの計画を実効性のあるものにしていただきたいと思います。御所見を伺います。 次に,居住推進支援事業についてお尋ねいたします。 この事業では,まちなか地区への居住の誘導や市内全域の住環境の向上を図るため,各種住宅支援を行います。特に人口減少対策としてU・Iターン世帯を対象にした支援の拡充を行いますとしており,まちなか住まい支援事業,移住・定住サポート事業,空き家ストック循環利用促進事業の3つの事業が掲げられています。 まちなか住まい支援事業につきまして,補助メニューとして7つ掲げられておりますけれども,それぞれ何件の補助を予定しているのか。また,その補助額についても伺います。 移住・定住サポート事業,空き家ストック循環利用促進事業につきましても,それぞれ何件を予定しているのか伺います。 これらの事業につきましては,新年度に事業の拡大が図られておりますが,前年度の実績と,どの事業について拡大されたのかをお聞きしたいと思います。 次に,このまちなか地区の範囲についてお尋ねいたします。 この範囲の拡大についての御要望をお聞きしておりますけれども,お考えをお尋ねいたします。 最後に,学校教育についてお尋ねいたします。 窓ガラス飛散防止対策事業につきましては,新年度予算案に3,800万円の計上をいただきました。拠点避難所に位置づけられている小学校体育館の窓ガラス飛散防止対策につきましては,子供たちの安全対策が進むことを心より感謝申し上げます。 新年度に6校が実施校として上げられておりますが,今後の事業の進め方につきましてはどのようにお考えか,お伺いいたします。 まず,災害時に避難所としての機能を果たす体育館の窓ガラスについては,市内全校で順次行い,その後に,子供たちへの安全対策として,校舎の窓ガラスの飛散防止対策も必要と考えますが,どのように取り組まれるのか,お伺いいたします。 次に,今月22日に開催されました市長と教育委員による市総合教育会議におきまして,小・中学校の適正規模化についての協議が行われたとの報道がありました。 昨年1月に文部科学省が示した方針では,小・中学校では一定の集団規模が確保されることが望ましいとされております。 少子化による児童・生徒の減少対策だけではなく,地域コミュニティーとの密接な関係にある小・中学校の適正規模化,適正配置について,どのような協議がなされたのか,お聞きいたします。 また,本市の考え方についてもお尋ねいたします。 また,市長の思いもお聞かせいただきたいと思います。 以上で私の総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 私からは,女性の職業生活における活躍の推進に関する法律,いわゆる女性活躍推進法に基づく推進計画及び男女共同参画基本計画の策定についてお答えいたします。 本市では現在,平成24年度から平成28年度までの5年間を計画期間とする福井市第4次男女共同参画基本計画に基づき,男女が性別にかかわりなく,その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現を目指して,さまざまな施策に取り組んでいます。 来年度が計画の最終年度となっていることから,現在,仮称でありますが,福井市第5次男女共同参画基本計画の策定準備に取りかかっているところです。 昨年9月には,市民の意識と実態を把握するため,男女共同参画に関する福井市民意識アンケート調査を実施し,調査結果をまとめました。 この調査結果を踏まえ,平成29年3月には新計画を策定します。 なお,女性活躍推進法に基づく推進計画については,男女共同参画基本計画の改定に合わせ,一体のものとして策定します。 こうしたことから,本市の新計画の策定に当たってはあらゆる分野における女性の活躍を重点事項として明確に位置づけていきます。そのほか,家庭や職場における男性の意識改革,男女共同参画の視点での防災なども計画の柱とし,全ての女性が輝く社会づくりにつなげてまいります。 ほかの質問については部長からお答えいたします。 (市民生活部長 木村郁夫君 登壇) ◎市民生活部長(木村郁夫君) 輝く女性の未来予想図事業についてお答えいたします。 本事業は,10代から20代の若い女性に特化し,福井での就職や仕事,結婚や出産,子育てに対する意識を高めながら,ライフプランやキャリアデザインを描き,自身の生き方を考えるきっかけづくりを目的としております。 午前中の今村議員の質問にもお答えしましたとおり,今年度は,高校生編,短大・大学生編,新社会人編の3つのライフステージに分け,出前講座やセミナーを初め,卒業生によるパネルディスカッションなど学校の協力も得ながら,さまざまな形式で実施してまいりました。 例えば,福井大学においては,地元福井の企業で働く女性や育休中の男性をお迎えし,福井で暮らすことをテーマに,就職,結婚,子育て,家庭と仕事の両立などについて,自身の経験談を交えながら語っていただきました。学生にとっても,身近な卒業生の話ということもあって,皆さん熱心に話を聞いておられました。 終了後に実施したアンケートでは,9割を超える方々が,将来福井で就職または結婚や子育てをすることに関心を持てたとの回答を得ております。 また,ことし1月には,総括編として,福井で活躍している女性起業家と著名な女性弁護士をお迎えし,福井できらきら輝きながら働き,結婚,出産,子育てをする秘訣などについて講演していただきました。 参加した女性約250人が,講師の生き方や考え方に共感し,多くの参加者がみずからも頑張ろうという気持ちを持つことができ,一定の成果を得たと考えております。 平成28年度は,今年度の成果を踏まえ,これまでの各学校への出前講座に加えて,新たに活躍している女性の情報発信と女性を取り巻く男性,企業の応援に取り組んでまいります。 活躍している女性の情報発信については,さまざまな分野で活躍する福井の女性たちのライフスタイルや考え方を紹介する「福・女のススメ」というものを作成し,冊子やインターネット上に発信することで,将来自分が輝きながら働くための参考としていただきます。 また,女性を取り巻く男性,企業の応援については,女性の活躍を推進するためには家庭や職場における男性の応援が必要であることから,パパのためのイクメン養成セミナーや女性活躍推進に取り組む企業の事例報告会を開催し,社会全体で女性を応援する機運が高まるよう努めてまいります。 (総務部長 高山浩充君 登壇) ◎総務部長(高山浩充君) 私からは,まず,ふくい「魅える化」プロジェクトについてお答えいたします。 福井市まち・ひと・しごと創生総合戦略では,福井の魅力を活かし,新しい人の流れをつくることを基本目標の一つとして,住みよさを初めとした本市の魅力のPRや積極的な情報発信による移住・定住の促進を図ることとしています。 この目標の実現に向け,ふくい「魅える化」プロジェクトでは,まず,県外在住の本市出身者など,外の目を持つ福井人を交え,地域の人には当たり前でも外の目から見るととても魅力的に思える,ほかにはない福井ならではの魅力を考え,これをキャッチコピーやロゴといったものでデザインいたします。 次に,そこでデザインした福井ならではの魅力を使って,メディアやそこから派生するパブリシティーやSNSなど,より効果的な発信方法によるプロモーションを展開し,福井に対する認知,関心を高めてまいります。 さらに,福井に関心を持った県外の方に対しまして,福井の生活環境を知っていただくための空き家を活用した暮らし体験や地域資源を生かしたビジネスを考える起業家支援プログラムを実施し,移住や交流につなげてまいります。 次に,女性活躍推進法に基づく本市の特定事業主行動計画でございますが,これまでに市職員の女性管理職の割合や男性職員の育児参加の状況などのデータを整理したほか,職員に対するアンケートを実施し,仕事に対する意識の把握などを行いました。 現在は,これらから得た課題に対する具体的な対応策の取りまとめなどを行っており,年度内に策定いたします。 この計画では,全ての職員が能力を発揮し,生き生きと活躍できる職場の実現を理念といたしまして,女性職員の政策形成への参画の拡大や,働きやすい職場環境づくりを進めてまいります。 数値目標としましては,女性管理職の割合や男性職員の育児休業取得率を計画に盛り込みたいと考えております。 今後さらに,配属先の拡大や積極的な登用を行いまして,女性ならでは視点や豊かな発想を市政運営に反映させるとともに,女性が能力を発揮できる職場づくりを進めてまいります。 (福祉保健部長 港道則男君 登壇) ◎福祉保健部長(港道則男君) 健康寿命の延伸と医療費の適正化についてお答えします。 まず,本市の国民健康保険事業の現状ですが,被保険者の高齢化や医療技術の高度化などにより,保険給付費が増加しており,平成16年度以降は単年度収支の赤字が続いています。 このため保険給付費である医療費の抑制や国保税の収納率向上に取り組んでいるほか,平成22年度以降,一般会計からの繰り入れによる赤字解消に努めてまいりましたが,平成26年度末で約29億4,000万円の累積赤字となっています。 このような状況の中,被保険者の保険税負担が過大とならないよう,医療費を抑制していくことが大きな課題と考えております。このためにベジ・ファースト運動などの健康づくり事業やがん検診,健康診査などの予防事業に取り組んでいきます。 次に,データヘルス計画ですが,今回の計画を策定するに当たり,国保データベース等の分析から,被保険者1人当たりの医療費が国と比較して高く,また,被保険者1,000人当たりのレセプトの件数は,生活習慣病関連では循環器系,糖尿病が国と比較して多いということがわかりました。 高血圧や糖尿病などの生活習慣病は,特定健診を受診することで予防や早期発見につながりますが,福井市の健診受診率は年々上昇しているものの,県内では低く,特に四,五十歳代が低いことが課題となっています。 そのため,計画の目標を,健康づくりに取り組む市民がふえること及び四,五十歳代の健診受診率が上がり健診の継続受診者がふえることとしました。 今後は,これらの目標を達成するため,ずっと健康101宣言,元気体操21を市民に周知することで健康への関心を高めることや,働く世代に向けた健康教室の実施,若い世代に向けたフレッシュ健診の拡大などを通して啓発を図っていくことなどに取り組みます。 次に,医師会や薬剤師会との連携ですが,本市では,ジェネリック医薬品の利用促進策の一つとして,薬局でジェネリック医薬品を希望することを薬剤師に伝えるための希望シールを保険証送付時に同封し,配布しています。 福井市医師会に利用促進をお願いするとともに,福井市薬剤師会には昨年10月から,薬剤師が被保険者の保険証等にシールを貼付することやジェネリック医薬品の利用を勧めることをお願いしているところです。 そのほか現在,福井県国民健康保険団体連合会が,福井県医師会,福井県歯科医師会,福井県薬剤師会等とジェネリック医薬品の利用促進や健康づくり推進に向けた連携協定を締結することを検討しており,本市も,連合会の一員として県内の他市町とともに,これらに取り組んでまいりたいと考えています。 ジェネリック医薬品の使用率についてですが,これは,後発医薬品のある先発医薬品の数量と,後発医薬品の数量をもとに算出するため,数量ベースの利用率と同じ意味です。 本市の国民健康保険における過去3年の使用率は,平成24年度が45.7%,平成25年度が48.0%,平成26年度が53.0%と順調に伸びてきております。 次に,財政運営の都道府県移行についてですが,国民健康保険事業は,現在,市町村が保険者として運営しています。ことし1月に国が示した都道府県国民健康保険運営方針策定要領(案),いわゆるガイドライン(案)の中では,平成30年度以降は,都道府県と市町村が保険者となり,都道府県が財政運営の責任主体として中心的な役割を担い,市町村は保険給付,保険税の賦課・徴収,保健事業などの事業を担うとなっています。 また,市町村が担う事務の種類や性質によっては,当該市町村が単独で行うのではなく,より広域的に実施することにより効率化することが可能なものもあるとも記載されております。 今後,県が平成29年度までに国民健康保険運営方針を策定されますので,その中で県と市町の役割が協議されていくことになります。 最後に,保険税の減額措置についてですが,現在,特定健診は1,300円以下の安価で受診でき,メタボリックシンドローム改善のための特定保健指導は無料で利用できます。 被保険者が特定健診を受診した場合やメタボリックシンドロームを改善した場合に,生活習慣改善の自助努力の対価としてさらに保険税を減額することは,それ以外の人の負担をふやすことになり,理解が得られないものと考えます。 次に,認知症対策についてお答えします。 まず,認知症行方不明高齢者事前登録制度は,認知症で行方不明になるおそれのある高齢者の見守りのほか,行方不明時の早期発見や保護などのための制度であり,今月,2月1日から開始しています。 これまで13人の方に登録していただいており,氏名,住所,身体的特徴などの情報を管轄の警察署,地域包括支援センター,いわゆるほやねっと,民生児童委員が共有し,効果的な見守りにつなげています。 また,行方不明の際には,50の事業者及び9つの地域団体で構成する福井市あんしん見守りネットワークに対して情報を提供し,早期発見,保護のための捜索活動に生かしています。 さらに,本制度に登録した際には,登録者を確認できる番号がプリントされた反射材ステッカーをお渡しし,靴などに張るようお願いしております。引き続き本制度をより広く周知することで,地域住民による見守り活動などへつなげていきたいと考えています。 次に,認知症高齢者ひとり歩き模擬訓練は,認知症の人に出会うことを想定した声かけを体験し,認知症の正しい理解と接し方を学ぶ事業で,平成26年度から実施しています。これまで宝永地区,社南地区で行っており,現在,六条地区を対象に実施に向けて準備を進めているところです。 本市としては,この取り組みにより地域住民の方々の認知症への理解が深まるとともに,認知症の人に優しいまちづくりにつながることから,重要な施策と位置づけています。 今後は市とほやねっとが中心となり,地域の団体や住民,あんしん見守りネットワーク協力事業所等の協力も得ながら,全地区で開催したいと考えています。 次に,認知症簡易チェックサイトの開設についてですが,本市では,現在,認知症の1次検診として認知機能の低下の有無が確認できるチェックリストを郵送し,調査を実施しています。 返信いただいた回答を判定し,その結果を通知する際には,簡単なコメントや予防のポイントのほか,必要な方に2次検診の受診券を同封するなど,早期の発見及び対応につなげられるよう努めています。 また,初期症状を判定するためのチラシを作成し,ほやねっとや薬局など気軽に相談できる専門家がいる場所に設置しています。 早期発見の機会をさらに拡大することは重要と考えており,ホームページなど市民の方が利用しやすい掲載場所について,今後,認知症簡易チェックサイトを導入している自治体の取り組み状況や実績を調査し,その効果を検証してまいります。 次に,かかりつけ医の認知症対応研修についてですが,本市では,認知症2次検診の診断ツールであるMMSE検査の研修会を平成17年度から開催しており,これまでに医師の方では96人,ほかに看護師,臨床心理士の方が受講しています。 また,県では,かかりつけ医認知症対応力向上研修を平成18年度から開催しており,これまでに県内で279人,うち市内で116人の医師が受講しています。 今後は,これらの研修の受講を広く勧奨することはもとより,医師会と連携して,受講したかかりつけ医の情報を市民に周知し,さらなる活用を図ってまいります。 最後に,介護施設の職員に対する指導についてですが,施設職員に対しては,市が委託している認知症の相談支援や技術提供の専門家である認知症地域支援推進員が随時相談に応じ,助言を行っています。 また,施設管理者に対しては,市が定期的に実施する実地指導や集団指導の中で,研修の実施など職員の資質向上のための取り組みを行うよう指導しています。 さらに,福井市介護サービス事業者連絡会では,市と共同で年2回の研修会を開催しており,今月6日には,働きやすい職場づくりや人材確保をテーマに先進事例の講演と意見交換を行ったところです。 今後も認知症地域支援推進員の相談活動の周知等に努めるとともに,施設職員が認知症の人への対応力を向上できるよう,研修等に取り組んでまいります。 (教育部長 山本みどり君 登壇) ◎教育部長(山本みどり君) 教育についての御質問のうち,窓ガラス飛散防止対策事業についてお答えします。 学校体育館の窓ガラスは,地震時にガラスが割れて飛散した場合,避難所運営に影響が出ることから,拠点避難所に位置づけられている小学校の体育館を対象に飛散防止対策を計画的に実施することとしました。 整備内容としましては,飛散の危険性がある一般的なガラスを対象に飛散防止フィルムを張り,対策を施すこととします。 今後の事業の進め方としましては,まず,来年度はガラス面積が大きい6校を対象に実施し,再来年度以降も順次進めていく予定です。 次に,校舎の窓ガラスの飛散防止も必要ではないかとの御質問についてですが,窓ガラスの飛散防止には,フィルムを張る以外にも,合わせガラスや網入りガラスなどを使用する方法があります。どの方法が適切なのか,現状を把握し,費用面も考慮しながら検討してまいります。 次に,総合教育会議での小・中学校の適正規模化に関する協議についてお答えします。 文部科学省は,平成27年1月に,公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引を策定し,それぞれの地域の実情に応じた最適な学校教育のあり方や学校規模を主体的に検討することを求めているところです。手引に示されました標準学級数は,小・中学校とも12学級以上18学級以下であり,本市には,小学校50校,中学校23校ある中で,標準学級数を上回る学校は,小学校6校,中学校1校,下回る学校は,小学校31校,中学校10校であります。 なお,平成33年度までの児童・生徒数の見込みによりますと,当面,学級数の大きな変化はないと考えられます。 協議の中で教育委員からは,子供たちにとって何が一番よいことなのか考えるべきだ。自治会や公民館との区割りとも関係しており,時間をかけて検討しなければならないなどの意見が出ました。 今後,小・中学校ごとの問題点を整理し,学校適正規模化を含めた本市の望ましい教育環境のあり方について総合教育会議の中で議論を深めてまいります。 (建設部長 渡辺優治君 登壇) ◎建設部長(渡辺優治君) 居住推進支援事業についてお答えいたします。 まちなか住まい支援事業の補助上限額と予定件数につきましては,2世帯型戸建て住宅の建設及び購入に対します補助上限額は100万円です。また,共同建てや小規模集合住宅建設補助及び戸建て住宅などのリフォーム補助につきましては50万円で,合計35件を見込んでおります。 新年度は新たにU・Iターン世帯に対しまして,それぞれ20万円を加算いたします。 また,若年夫婦世帯等家賃補助につきましては,月当たり1万5,000円で,34件を見込んでおり,新年度は新たにU・Iターン世帯に対しまして,月1万円を加算いたします。 これらまちなか住まい支援事業の平成26年度の実績でありますが,2世帯型戸建て住宅建設補助は8件,リフォームに対する補助は,戸建て住宅が6件,共同住宅が2件で,家賃補助につきましては13件です。 次に,移住・定住サポート事業についてですが,多世帯同居リフォーム補助は上限80万円で20件,多世帯近居住宅取得補助につきましては50万円で,20件を見込んでおりまして,さらにU・Iターン世帯に対しては,それぞれ20万円を加算いたします。 また,若年夫婦世帯等住宅応援家賃補助は,月当たり2万5,000円で,13件を見込んでおり,U・Iターン世帯に対しましては,月当たり1万円を加算いたします。 また,新年度は新たにU・Iターン若年夫婦世帯等住宅取得補助を設け,50万円で10件を見込んでおります。 今年度設けました移住・定住サポート事業の実績でございますが,多世帯に対する補助につきましては,同居リフォームが4件,近居住宅取得が5件,住宅応援家賃補助につきましては1件でございます。 次に,空き家ストック循環利用促進事業につきましては,空き家リフォーム補助は上限30万円で4件を見込んでおります。U・Iターン世帯に対しましては20万円を加算いたします。空き家流通アドバイザー派遣は1万円で10件を見込んでおります。 新年度,新たにU・Iターン世帯に対しまして空き家購入は50万円で2件,空き家居住家賃補助につきましては月当たり2万5,000円で,5件を見込んでおります。 平成26年度実績ですが,空き家リフォームは2件,アドバイザー派遣は5件です。 これらの住宅施策を通じまして,新年度はさらに移住・定住の促進のためにU・Iターン世帯を対象とした施策を拡大してまいります。 次に,まちなか地区の範囲拡大についてでございますが,この事業は,まちなかのにぎわい創出を目的とした事業でございますので,都市計画マスタープランにおいて位置づけられています625ヘクタールのまちなか地区を範囲として,新年度もこの範囲で事業を継続いたします。 なお,見直しについての考え方でございますが,本事業につきましては,平成25年度から平成29年度までの5カ年を計画期間といたします福井市都心居住推進プランに基づきまして事業を実施しているところでございます。 したがいまして,今後,事業経過の検証を行いながら,次期計画に反映してまいることとしております。 最後でございますが,市全域を対象といたしました事業としては,今ほど答弁申し上げましたけれども,移住・定住サポート事業及び空き家ストック循環利用促進事業を行ってまいります。 ◆19番(島川由美子君) それでは,自席で要望と再質問をさせていただきます。 まず,認知症対策について,先ほど簡易チェックサイトの開設については,現在,ほかの自治体で行われているところを調査するということで,本市も取り組みを進めていただけるということでございました。私どもの会派で,認知症簡易チェックサイトを開設している寝屋川市に視察に行かせていただきました。ここは8月から開設されておりまして,最初は新聞とかいろんな報道があって,1万2,000件以上のアクセスがありました。その後どんと減るかなと思ったら,毎月約3,000件以上のアクセスがずっと続いているということで,かなり多くの方が認知症に対して関心を持たれ,また,認知症チェックということに関心を持たれているということで,思わぬ効果があったということをお聞きいたしました。また,このサイトを開設するに当たり,医師会からもぜひ取り組んでほしいということがあったということで,現在,順調にこの事業を進めているということでございました。ぜひとも取り組んでいただきたいと思います。 先ほど福祉保健部長から,これまではチェックリストを配布し,それを返信していただいて,それからその方に対応するということでお話がありましたけれども,もし返信がなかった場合については,その方への対応というのはどのように行われているのか,ひとつお伺いしたいと思います。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 認知症の簡易チェックサイトにつきましては,以前も議員から国分寺市の例なんかも含めて御紹介いただいたと思っています。認知症につきましては,そういう症状が出た場合,御本人もそうですけれども,家族とか地域に対する影響が非常に大きいと思いますので,こういうチェックサイトの開設については十分検討してまいりたいと思います。先ほど答弁させていただきましたチェックリストにつきましては,郵送で送らせていただいて,それを返信していただいてからの判定ということなので,返信していただかないといけないということにはなりますけれども,返信いただけていない方については,重ねて返ってきていないということなんかをチェックしながら十分に対応していきたいと思います。 そのほか,認知症につきましては,いろいろ取り組みをさせていただいていますので,その中でまず,そういう認知症の症状が出る方を早期に発見するということが取り組みとして非常に大切だと思いますので,そのようなことを意識しながら取り組ませていただきたいと思います。 ◆19番(島川由美子君) 何かちょっとお返事がよくわからない部分がありますね。送り返されない方への対応というのがすごく大事かと思うんです。送っていただける方は,そこで認知症ではないかとか,その前段階にあるのかどうかというのは,それでチェックができると思うんですけれども,送られてこない方にどのように対応していくのかということをこれからまたいろいろな施策で対応していただきたいと思いますし,このチェックサイトなどもお使いいただく中で,またその先の相談窓口や医者につなぐことができるようなものにしていただきたいと思うんです。チェックサイトのカスタマイズはいろいろできるということもお聞きしておりますので,市が一番使い勝手がいい,そういう形のものにしていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。 それから,学校のことでございます。まずは,体育館のガラスの飛散防止に取り組んでいただけるということでした。その後,校舎に関しましても,同じ形ではないかもしれないけれども,少しずつ取り組んでいくということでよろしいでしょうか。 ◎教育部長(山本みどり君) 取り組んでいきたいと考えております。 ◆19番(島川由美子君) ぜひともよろしくお願いいたします。 以上で終わります。 ○副議長(石丸浜夫君) 次に,11番 田中義乃君。 (11番 田中義乃君 登壇) ◆11番(田中義乃君) 一真会の田中でございます。 私は,2項目質問させていただきます。 まず,福井市の観光についてでございますが,午前中に今村議員から観光についての総括的な質問がございましたので,私は,それを受けまして詳細について随時質問をさせていただきます。 昨年の3月14日の北陸新幹線金沢開業からもうすぐ1年がたとうとしております。JRによりますと,昨年の10月から12月に行われました北陸デスティネーションキャンペーンでは,JRの利用者数や北陸3県の主要観光施設入り込み状況は開業後の半年を上回り,北陸3県が一体となった地域ブランドを発信する意義あるデスティネーションキャンペーンになったとしております。 福井市では,特に一乗谷朝倉氏遺跡の年間観光客入り込み数が平成27年11月末時点で前年同期比56.6%増の106万2,900人となり,統計開始以来,初めて100万人を突破しました。入り込み数,伸び率ともに,県内の主要観光地の中で突出しております。 そこで伺いますが,金沢開業以降の福井市内の主要観光地の入り込み状況はどうでしょうか。そして,その結果の原因をどのようにお考えになっておられますか,お伺いいたします。 次に,金沢開業の一番の恩恵を受けたと思われる一乗谷朝倉氏遺跡についてお伺いいたします。 一乗谷朝倉氏遺跡は,特別史跡,特別名勝,重要文化財と国の三重指定を受けており,国内有数の文化的価値の高い貴重な遺跡であり,観光地としての価値は十分なんですが,なかなか見学者にその価値が伝わりにくく,歴史的空間としての魅力を体感することが難しい状況にあると言われてきました。 また,JR福井駅から約10キロメートル離れており,公共交通アクセスが不十分で,交通手段も自家用車の利用が8割以上で,公共交通機関の利用は1割未満となっております。滞在時間も1時間未満の滞在が約60%。見学施設や解説が少なくて,戦国時代の城下町をイメージしづらく,楽しめない。また,飲食,休憩スペースが少ない等と言われてきたわけでございますけれども,それに対しまして福井市が,これまでも,また今後もさまざまな施策を計画されていることも承知しており,あえてお聞きいたしますが,まず,この年間100万人の入り込みに対してどれだけの観光消費額があったとお考えでしょうか。お伺いいたします。 次に,本年度は,昨年10月に一乗谷ディスカバリープロジェクトのメンバーの協力で,一乗谷レストラントがオープンしました。食は,老舗料亭の開花亭が担当し,遺跡の中のレストランとして大変興味を引くわけでございますが,その後の状況についてどうなのか,お伺いします。 また,来年度には,かつての戦国大名の館などがタブレット端末の画面で楽しめる一乗谷朝倉氏遺跡ARシステムの導入が予定されていますが,具体的な内容についてお伺いします。 また,バイオリニストの葉加瀬太郎さんは,一乗谷ディスカバリープロジェクトのメンバーに任命されており,福井市の依頼を受け,昨年9月末には一乗谷のテーマ曲「悠久の一乗谷」を作成されました。また,この曲をBGMにして,一乗谷朝倉氏遺跡のプロモーションビデオも作成され,福井市のホームページのトップページで紹介されております。ユーチューブでもアップされていますけれども,これは1週間ほど前ですが,2,800回程度しか視聴されておりませんでした。私としては,この「悠久の一乗谷」という楽曲は,とてもすばらしい,聞けば聞くほどすばらしいと思っておりまして,皆さんに聞いていただき,PRをしていただきたいと思うわけでございますが,この曲をもっと広めていくためにどのような施策をとるのかをお伺いいたします。 次に,広域観光の施策として永平寺との連携についてお伺いいたします。 県と永平寺町,永平寺の3者が連携して総事業費23億円をかけて実施する永平寺門前の再構築プロジェクトに森ビル株式会社が参画しております。2019年のプロジェクトの完了を目指すということで,観光名所である永平寺の集客力の向上を目指し,外国人観光客にも対応できる宿泊施設20室の整備,1600年代の古地図に基づく旧参道の再生,無電柱化,また旧参道との一体的な永平寺川の修景,ゲートウエーとなる観光案内所などの整備など,4件の整備事業に取り組むとされております。 このプロジェクトを通して,2014年に47万人だった永平寺の参拝者数を5年間で65万人に,10年間で80万人にふやす計画ということであります。 こうした計画がある中で,一乗谷朝倉氏遺跡と永平寺とは客層も非常に似通っており,連携は大いに有効だと思いますが,御所見と具体的な施策についてお伺いいたします。 次に,観光地のバリアフリー化について伺います。 今後,観光地としても,高齢者や障害者に配慮した観光施策は重要となります。観光という観点からのバリアフリー化整備の現状と課題について,御所見を伺います。 また,高齢者や障害者が楽しめる観光スポット,周遊コースの情報提供をホームページや観光ガイドを通じて積極的に行っていく必要があると考えますが,御所見を伺います。 次に,滞在型観光について伺います。 近年の観光動向やニーズは大きく変化しており,観光客の関心はその地域の歴史や伝統文化,自然,それらに育まれた暮らしに対して向けられるようになり,地域に滞在して,住民との交流や暮らしの体験を強く求める滞在交流型になってきました。また,過疎化でふえ続ける空き家や空き店舗,耕作放棄地や休耕田,手入れの行き届かない山林などの遊休資産が眠っています。 これらの定期賃貸や共同利用権の設定など,都市住民の手をかりながら,再生,利活用していくことが可能にもなります。 こうした滞在交流型観光は,福井のよさを引き出し,全国,世界にPRできると考えますが,滞在交流型観光についての御所見を伺います。 次に,インバウンド関連でございますが,今後の市長のトップセールスに大きく期待しているところでございますが,外国人旅行者の動向,要望をよく理解するためには,在日外国人へのアプローチが必要かと思います。外国人の方のネットワークを活用して,福井の魅力をPRしてもらったり,また,小・中学校の授業や公民館などで外国語や国際交流の話をしていただいて,そうすることによって国際交流が広がり,インバウンドにもつながっていくのではないかと思います。 福井市の国際交流の取り組みについてお伺いいたします。 次に,若者の雇用についてお伺いいたします。 1990年代前半のバブル崩壊以降の20年間は,雇用破壊,賃金破壊と呼ばれ,若年層の非正規雇用の割合はこの20年間で2倍となり,約3割は非正規雇用で,若者の賃金,所得が下がり続けています。失業率も,40歳代や50歳代に比べて非常に高く,ニート,フリーターがふえ,若者の3割が年収200万円以下となっており,2009年の調査では,自分の給料だけで生活できる若者は47%となっており,親の援助を受けなければ生活できない状況になっています。 当然,生活に余裕がなく,そのため将来に希望が持てず,結婚,出産に踏み切れない若者がふえ,少子化の一因ともなっております。 日本の将来を担う若者が,仕事を通して将来に希望を持てず,雇用が疲弊していることは重大な問題であります。若い世代には,適正な職場で働きながら,息長く経験を積める場を提供する政策が必要だと思います。 福井市におきましても,若年者雇用を積極的に推進すべきであると考えます。そこでお聞きしますが,本市における若者の失業者数,失業率,非正規雇用の比率等,雇用の実態をお尋ねいたします。 こうした若者雇用が疲弊する原因は,社会保障費削減を目的とした65歳定年化,定年制廃止等が若者雇用にしわ寄せとなっているとも言えると思いますが,厳しい企業の生存競争の中で,利益追求のみを目指す企業理念,派遣や非正規雇用に頼り,人材を育てようとしない企業モラルの低下があると思います。 近年,長時間労働や達成困難なノルマを強いて,嫌ならやめろと入社間もない社員を離職に追い込み,若者を使い捨てにする,いわゆるブラック企業がふえていると言われております。企業の利益追求のため,法的,人道的に許されない方法で若者を窮地に陥れるこのような手法は,決して許されるものではありません。 福井市としましては,このブラック企業というものをどのように位置づけ,その存在を把握されているのでしょうか,お伺いいたします。 早期離職者の増加に対しましても,企業の責任は非常に重いと思います。企業の社会的責任には,雇用,納税,事業による社会貢献,この3つが上げられると思いますが,今後におきましては,当然ながらコンプライアンス遵守の徹底,そして社員教育,人材育成が重要視されてきています。特に中小企業におきましては,社員満足なくして顧客満足なしであり,若者雇用と人材育成はセットで考えるべきであり,若者の人材の育成が今後の企業業績を左右していくと私は確信しております。 そこで質問ですが,結婚や出産,子供の学費負担を含む子育てなど,若い世代の経済負担は非常に大きく,若年労働者へのより手厚い賃金体系を考えていかなくてはなりません。また,非正規労働者の処遇改善や正規労働者への転換,キャリアアップ支援などにも力を注いでいかなくてはなりません。国は,フリーター,ニートを半減する政策,若者応援宣言企業政策をとっております。若者を雇用した企業や人材育成に対する支援,若者のキャリアアップ支援など,企業へのインセンティブにはどのようなものがありますか。若者の雇用促進に向けての本市の施策についてお聞かせください。 さて,福井市と福井労働局は,2月10日,福井市・福井労働局雇用対策協定を結びました。市の現状をより労働行政に反映させ,福井市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略に掲げられた人口減少や雇用への対策を効率的,一体的に推進するのが狙いで,運営協議会を4月に立ち上げ,U・Iターン者数や就職先の紹介数など,数値目標を定めて取り組むということであります。 具体的には,市や福井労働局,ハローワーク福井が連携して,県内外での就職セミナーや保護者対象の就職相談会を開き,若年層を中心にU・Iターンを促進させるものであります。 市は,昨年の夏,県内外の大学生を対象にU・Iターンに向けた合宿型セミナーを実施しました。新年度も開催を検討しているところでございまして,ハローワーク網を活用して全国にPRする考えということで,女性の活躍や障害者雇用の推進も重点事項とされているところでございます。 また,昨年6月には,福井銀行と産業振興に関する連携協定を締結しました。これは,福井市と福井銀行が相互の人的・知的資源の活用を図り,協働して事業を展開することにより,まち・ひと・しごとの創生と地域経済の持続的好循環の確立に向けた取り組みを戦略的に推し進めることを目的としております。 特に,創業,新事業創出,販路開拓の支援,企業立地の推進,中心市街地の振興に関することが盛り込まれ,金融サービスの提供を通じた地域における持続的雇用の増加,地域産業やコミュニティーへの取り組みをさらに強化しているところでございます。 そこで質問でございますが,この2つの連携事業において,福井市ではどのような体制で取り組み,どのような成果を求めていくかについて伺います。 また,実際に雇用や処遇改善,所得拡大に直結する経営者団体など,雇用側の団体との連携についても御所見を伺います。 また,福井市はまち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略で600人の創業による雇用を創出する目標を立てました。その具体的な戦術について,どのように取り組みを行うかをお伺いいたしまして,私の総括質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。 (副市長 山田義彦君 登壇) ◎副市長(山田義彦君) 福井労働局及び福井銀行と連携した取り組みについてお答えさせていただきます。 福井労働局との雇用対策協定につきましては,労働局及び商工労働部を中心に運営協議会を4月に設置いたしまして,若者の就職支援,また企業の人材確保対策など連携して実施する事業の計画策定から評価までを行いたいと考えております。協議会以外におきましても,担当者によります打ち合わせ会議なども頻繁に行いまして,状況に応じた柔軟な対応を行ってまいりたいと考えております。 本市が抱える雇用問題について,そうした場で共通な認識を持って取り組むことで,福井労働局やハローワーク福井の施策に本市の意向を反映させることが可能となりまして,地方創生に係る雇用対策や地域産業活性化策を強力に推進できるものと考えているところでございます。 また,福井銀行との産業振興に関する連携協定についてでございますが,昨年6月24日の協定締結後,福井銀行からは経営企画グループ地域創生チーム,本市からは商工振興課が中心となりまして,産業振興連携プロジェクトチームを立ち上げたところでございます。これまでに6回の連絡会議を開催させていただいて協議を進めさせていただいております。 これまでに企業立地情報の共有や本市の補助金と銀行の融資を組み合わせた一体的な支援,また銀行のネットワークで集まった市内事業者のニーズに対し,効果的な支援ができるよう,各種制度の見直しを行ってきたところでございます。 今後はこれらの取り組みをさらに強化させていただいて,創業者への支援,企業の販路開拓,またマッチングなど,市内事業者の役に立つさまざまな支援を行うことで,地域経済の底上げ,活性化につなげてまいりたいと考えております。 (商工労働部長 浅野信也君 登壇) ◎商工労働部長(浅野信也君) 若者雇用の残りの質問にお答えします。 まず,本市における若者の雇用実態についてですが,本市のみのデータはございませんので,平成26年福井県就業実態調査年報から県のデータをお答えいたします。 本県の15歳から34歳までの若者の失業者数は3,400人,失業率は3.4%です。また,非正規雇用の割合は24.4%になります。 次に,ブラック企業についてですが,その定義については,厚生労働省でも示されておりませんが,一般的な特徴として,労働者に対して極端な長時間労働やノルマを課すこと,賃金不払い残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低いこと,このような状況下で労働者に対して過度の選別を行うことなどが言われております。これらの特徴に該当する企業が,いわゆるブラック企業という位置づけになると思われます。 本市では,労働相談を実施する中で,このような企業の実態把握に努めており,労働基準法違反が疑われる内容の相談を受けた場合には,指導権限を持つ労働基準監督署など関係機関への相談を促しております。 次に,若者の雇用促進に関する本市の施策についてお答えいたします。 本市では,企業へのインセンティブをより効果的に働かせるため,平成25年度から福井市若年者正規雇用奨励事業を実施しております。これは,学卒未就業者や離転職を繰り返すなど就業困難な45歳未満の若年者を,国のトライアル雇用から引き続き6カ月以上正規雇用をした市内中小企業に対して奨励金を交付するものです。 平成27年度は,1月末現在で41社に奨励金を交付し,51人の正規雇用につながりました。また,平成28年度から非正規雇用で働く35歳未満の若年者を正規雇用に転換後,引き続き6カ月間正規雇用し,国のキャリアアップ助成金の支給が決定した市内中小企業に対しまして,福井市独自に国の支援額の半額を追加支給する福井市若年者キャリアアップ助成金事業の新設を予定しております。 次に,雇用側の団体との連携についてお答えします。 U・Iターン就職の促進を図る事業として,今年度本市が実施いたしましたふくいU・Iターンサマーキャンプでは,福井県中小企業団体中央会,福井県経営者協会,福井青年会議所と実行委員会を立ち上げ連携して事業を実施いたしました。経営者団体が加わることで,企業訪問や経営者との座談会など,企業を巻き込んだ取り組みも円滑に進めることができました。 このほかにも,各種制度の周知などにおきまして,経済団体の協力により効果を上げているところでございます。 今後も必要に応じて,企業や経営者団体と連携し,事業を効果的に実施してまいります。 次に,600人の創業による雇用創出目標を達成するための戦術についてお答えいたします。 本市におきましては,これまでも福井商工会議所や特定非営利活動法人アントレセンターと連携し,創業者に対してさまざまな支援を行ってきております。 目標達成に向け,平成28年度から福井市起業家支援セットメニューでは,女性起業家に対する補助限度額を増額します。また,中心市街地開業促進事業では,対象業種にデザイナーやクリエーターなどの都市型産業を追加し,創業者向けの制度融資では自己資金の要件を撤廃するなどして支援を強化してまいります。 次に,福井市の観光についてお答えします。 まず,北陸新幹線金沢開業後の観光客入り込み数ですが,平成27年3月から12月までの観光客入り込み数は約365万人で,前年比23%増となりました。本市の3つの主要観光地,一乗谷,まちなか,越前海岸におきましても,一乗谷では57.4%,まちなかでは12.6%,越前海岸では13.9%の増となり,市内全エリアで観光客が増加いたしました。 その原因といたしましては,北陸新幹線金沢開業や北陸デスティネーションキャンペーンの開催により,北陸の注目度が全国的に高まり,これまで関西,中京方面が多くを占めていた観光客層に加え,関東方面の観光客がふえたことが考えられます。 次に,一乗谷朝倉氏遺跡の観光消費額についてですが,福井県が実施した観光動向調査の平均観光消費額をもとに推計しますと,約50億2,000万円となります。 次に,一乗谷レストラントの状況についてですが,遺跡の中でゆっくりとくつろぎながら本格的な地元食材のコース料理を食べることができることを最大の売りとしております。 また,料理専門誌や旅行雑誌,BSテレビの旅番組などで数多く取材をしていただいたこともあり,県外からこのレストランを目的に来ていただいた方も多いとの報告を受けております。 さらに,4月から大手旅行会社が企画する一乗谷ツアー商品においても,昼食場所として新たに組み入れられたとお聞きしておりますので,今後も文化財を活用しながら,一乗谷朝倉氏遺跡における福井の食の発信地となるよう,しっかりと取り組んでいきたいと思います。 次に,ARシステムについてですが,現在,システム構築の最終テスト段階に入っており,4月10日に一乗谷朝倉氏遺跡で開催されます越前朝倉糸桜まつりからの運用スタートを予定しております。 最新のダブレットを使い,唐門がある御館エリアと復原町並エリアにおいて合計16カ所のポイントを設け,高度な映像技術により戦国時代の建物を復元したり,当時の人々の暮らしやにぎわいを再現します。 さらに,一乗谷の自然の美しさを伝えるために,四季の風景をボタン一つで切りかえができる工夫を施しております。 また,視覚的に楽しむだけでなく,日本語と英語による遺跡ガイドの機能や歴史を学ぶことができるクイズラリーの機能を備えており,遺跡を楽しむ一つのツールとして活用してまいります。 次に,「悠久の一乗谷」の活用についてですが,現在,一乗谷朝倉氏遺跡復原町並と一乗谷レストラントでこの曲を流しております。 今後,この曲をさらに広めていくために,増便を計画している一乗谷朝倉特急バスの中や福井駅西口再開発ビルハピリンの大型ビジョンでのPR上映,各種大会,コンベンション等でのオープニングムービーなどでの活用について,関係者と協議しながら進めてまいります。 次に,一乗谷朝倉氏遺跡と永平寺の連携についてですが,永平寺は距離的にも近く,また,歴史や文化に興味がある人をそれぞれ観光のターゲットにしていることから,連携することでより大きな観光効果を得ることができると考えております。 そこで,これまでは広域観光における出向宣言の中で,お互いにPRをしたり,越前朝倉戦国まつりと永平寺大燈籠ながしを組み合わせたツアー商品も販売されております。 平成28年度からは,より一層連携を図るため,福井駅から一乗谷朝倉氏遺跡と永平寺を結ぶ一乗谷朝倉特急バスを一年中運行させてアクセスを強化し,観光客の利便性向上を目指していきたいと考えております。 次に,バリアフリーの現状についてですが,観光施設や宿泊施設のバリアフリー化につきましては,スロープや多目的トイレを整備して,利便性向上に努めており,主な施設については,おおむね整備できているものと考えております。 しかし,観光トイレにつきましては,洋式トイレが整備されていないところもございますので,本年度はトイレ5基を洋式化しており,来年度以降も順次改修に努めてまいります。 また,福井へ訪れる観光客には高齢の方も多いことから,バリアフリーの観点からだけでなく,おもてなしの面からも,高齢者や障害のある方が市内での観光を楽しめるよう情報発信に努めてまいります。 次に,滞在交流型観光についてですが,各自治体が観光振興に積極的に取り組む中で,ほかの地域との差別化を図り,福井ならではの魅力を発信するために非常に重要だと考えます。 一乗谷朝倉氏遺跡の隣に位置する東郷地区では,地元住民が主体となって年間を通じたまち歩きツアーの実施やヒョウタンを使ったランプづくりやピザづくりなどの体験教室を開催しております。また,地域の空き店舗を活用したアンテナショップ「こびり庵」も平成23年度に整備され,地域の食材を使った料理の提供や地域の魅力発信を行っております。さらに,今年度は,アンテナショップや体験教室としての機能向上を図るため,施設の改修も行われました。 こうした地元住民主体の取り組みが,越前海岸地区などにも広がっていくよう市としても支援していきたいと考えております。 (市民生活部長 木村郁夫君 登壇) ◎市民生活部長(木村郁夫君) 福井市の観光についてのうち,国際交流の取り組みについてお答えいたします。 本市では,国際社会に対応できる人材育成を目的として海外姉妹友好都市に中学生を派遣する福井市ジュニア大使派遣事業を毎年実施しております。 また,小学校5,6年生には,ALTによる外国語活動,小学校3,4年生には米国フラトン市,ニューブランズウィック市より招聘した福井市国際文化交流大使,通称FCAによる国際理解を深めるための授業を実施しております。 さらに,保育園,幼稚園でも,FCAによる交流事業を行っており,幼少期から多様な文化に触れることで,すぐれた国際感覚の育成を図っております。 このほかFCAによるフェイスブックを活用した福井市の紹介記事の掲載や,公益社団法人ふくい市民国際交流協会が実施している地域交流促進事業では,福井市に在住する外国人市民が公民館や児童館,福祉施設に赴き,地域住民と交流することで,国際交流,異文化理解を促進しております。 これらに加えて来年度からは,福井市に在住の外国人を対象としたモニターツアーを実施し,外国人の目線から見た福井市のインバウンド環境の現状分析と外国人観光客へのアプローチ方法を探ります。 さらに,外国人観光客が訪問する観光地を選定する手段として,インターネット動画の閲覧が多い傾向にあるため,本市のPR動画を多言語で作成し,ユーチューブでの配信を予定しているところです。 今後とも国際交流を通じた取り組みを進めることで,インバウンドの強化に努めてまいります。 ◆11番(田中義乃君) どうもありがとうございました。 一乗谷朝倉氏遺跡の100万人を超えた観光客入り込み数に対して,ちょっと前の資料ですが50億円という経済効果があったということです。1人当たり5,000円ですかね。これは,まだまだ伸びる可能性は十分に残されていると思います。比べるのはおかしいんですけれども,永平寺は一乗谷朝倉氏遺跡の半分ぐらいの入り込み数で約47万人,昨年は50万人を超えていると思いますが,半分の入り込み数に対してお土産屋さんは20軒ほどありますし,飲食店も20軒ほど,旅館も5軒ほどあるということで,お金を落とす仕組みはもう本当に十分過ぎるぐらいあります。これは,観光地としての歴史も違いますし,どちらかといえば永平寺は安定期に入っている観光地ですし,一乗谷朝倉氏遺跡はこれから成長していく観光地だと思われるわけですけれども,せっかく来ていただいた方にお金を落としていただくというのも満足につながることでございますので,一乗谷朝倉氏遺跡の観光消費額をふやすためには何が足りないのか,今後,何を整備していくのかについて御所見をお伺いします。 ◎商工労働部長(浅野信也君) 一乗谷朝倉氏遺跡で観光消費額をふやすために足りないものといいますのは,やはり今おっしゃいましたような食べるところ,お土産などを買うところ,そして泊まるところがない,非常に不足していると認識してございます。一乗谷朝倉氏遺跡は重要文化財等に指定された特殊な場所でありまして,遺跡の中では施設の整備が大変難しいという状況にもございます。 今年度は,遺跡内に食べるところを今ある施設を改修するという形で一乗谷レストラントを開くことができました。それから,遺跡周辺では,買う場所ということで,昨年の4月には一乗谷あさくら水の駅を道の駅としてリニューアルオープンさせていただくなど,そのような部分で少し整備してきました。 今後は,福井県が平成32年の夏までに日本最大級の中世の都市遺跡を有する博物館の開館を目指しているとお聞きしてございます。その中には,カフェレストランやミュージアムショップというものが備わるともお聞きしてございます。これから観光をやっていく上で,二次交通をしっかりやっていく。それから市内の観光地の魅力を高めることによりまして,一乗谷朝倉氏遺跡を訪れていただく多くの観光客の皆様を市内のほかの観光地へ誘導していく。それから,市内にはお泊まりする場所もたくさんございますので,市内での宿泊を促していくという形で,福井市全体に観光消費額の増加が広がっていくように努めてまいりたいと考えてございます。 ◆11番(田中義乃君) ありがとうございます。 本当に思い切った施策を期待するわけでございますけれども,一乗谷ディスカバリープロジェクトの最終ページには,もしここに渋~いホテルがあったとしたら,戦国時代にタイムスリップできる,日本の美しい原風景に浸れるホテルがあったとしたらと締めくくられておりますが,あったとしたら一乗谷朝倉氏遺跡はどうなると思いますか。 ◎商工労働部長(浅野信也君) そのようなすてきなホテルがあれば,一乗谷の魅力がさらに高まって,もっと多くの皆さんにお越しいただいたりお泊まりいただけるのではないかと思います。 ◆11番(田中義乃君) 最後に要望でございますけれども,ぜひ民間の宿泊施設の誘致ということを考えていただきたいと思います。 新しい福井市観光振興計画には,数値目標が掲げられておりますけれども,それぞれの地区にどれだけの人が来て,どれだけ宿泊し,どれだけのお金を落としていただけるかということが計画であります。来訪者数が多くても宿泊や消費が少なくてはそこに産業というものは成り立たないわけでございますので,何が弱いのか,何が問題なのかをしっかりと計画の中でやっていただいて,このPDCAをしっかりと回していただくように要望して,質問を終わらせていただきます。 ○副議長(石丸浜夫君) 次に,4番 瀧波滋君。 (4番 瀧波滋君 登壇) ◆4番(瀧波滋君) 志政会の瀧波でございます。通告に従いまして何点か質問させていただきます。 まずは,除雪についてお伺いします。 毎年,本市においては,除雪を必要とする降雪を想定して,市民の日常生活や産業経済活動に支障を来さないように,道路交通の確保について,国,県及び関係機関と連携を図りながら,効果的な除雪作業を実施するため,建設部内に建設部長を本部長とする除雪対策本部を設けて,降雪を克服しようとしています。それから,除雪作業は,深夜から早朝にかけて始まるので,市民の皆様には仕事の大変さがわかりにくいと思います。 それを踏まえて,二,三点,質問させていただきます。 まだ少し寒さが残っているものの,除雪を必要とする降雪はもうないと思っていますが,除雪に関する予算はどれくらいか,お伺いします。 道路除雪にかかわる約300人の職員の皆さんは,天気予報を見ながら24時間体制で業者の方々と降雪に備えていると思います。また,市役所の道路課と市内を7ブロックに分けて除雪基地を設けていますが,先日,私が住む地区を担当する第3ブロックの除雪基地である福井南消防署に行きましたが,市民の皆様にはその場所に除雪基地があるというのがわかりにくいという印象を受けました。市民が除雪作業についての問い合わせをする際には,道路課や除雪基地に確認することになると思いますが,市民に対し,除雪基地がどこにあるのか,どのように周知しているのでしょうか。 除雪作業における市民からのお問い合わせや苦情は,降雪によって違いがあると思いますが,ことし何件くらいあったのかお伺いします。 次に,市民雪置き場支援事業について資料をいただきまして,気がついたことを何点かお伺いします。 自治会が土地所有者から空き地を排雪場所として借りた場合,その賃借料の一部を補助金により支援するとうたっておりますが,今年度,補助金の申請は何件あったのでしょうか。 市のホームページでは,市民雪置き場支援事業の補助金の交付は福井市が一斉除雪を実施した場合に限りますとありますけれども,私は,除雪作業がなくても幾ばくかの貸借料を支援すべきと考えますが,いかがでしょうか。 次に,ショッピングセンターでの期日前投票の成果と課題についてお伺いします。 私は,昨年の6月定例会の予算特別委員会で選挙の投票率が上がる手だてとしてショッピングセンターなどに期日前投票所を設けてはどうかと質問させていただきましたが,市は年末の市長選挙から,福井市役所,すかっとランド九頭竜,森田公民館,防災センター,美山総合支所,越廼公民館,清水総合支所の7カ所に,新たに飯塚町のアピタ福井店,大和田のラブリーパートナーエルパ,花堂のショッピングシティベルの3カ所のショッピングセンターを加えた,期日前投票所を開設されました。多くの人々に投票に来ていただきたいと思いますが,新しく開設した期日前投票所に投票に来られた人数をお伺いいたします。 また,近くのショッピングシティベルの投票所を見に行ったときには,スタッフの対応範囲以上に投票に来られて,お待たせしたと聞きましたが,現状をお伺いいたします。 次の選挙のときも,今回と同じショッピングセンターを考えておられるのでしょうか,お伺いします。 前回までありました治水記念館と南体育館は,なぜ取りやめになったのでしょうか。お伺いします。 最後の質問になりますが,足羽川左岸(橋南地区)のまちづくりの取り組みについて,幾つかお伺いします。 まずは,3月定例会の開会に当たり,初日に市長が述べられた所信の一端に,地域の活性化や課題の解決に向けた取り組みを積極的に行ってまいりますとありました。私たちが住んでいる福井市南部地域は,福井駅周辺のような整備がされておらず,特に足羽地区,豊地区,木田地区は,中心部に極めて近い土地柄であるにもかかわらず,都市整備が後回しになっているとしか思えません。私は,市として南部地域にあるショッピングシティベルやいろいろな施設を考えながら,橋南地区の特性を生かしたまちづくりのグランドデザインを少しでも早く作成できないものかと考えております。 そこで,市として橋南地区のまちづくりについてどのようにお考えか,お伺いします。 また,地域の核となるショッピングシティベルを中心に,文殊地区のデマンド型タクシー文殊山号があると思いますが,現在の利用状況はいかがでしょうか。 やはり私は,都市計画道路福井縦貫線における新木田交差点から南側の区間の道路拡幅が,橋南地区の発展には最も欠かせない点だと思いますので,毎年いろいろな方面から県に要望されているとは思いますが,地元の人が少しでもつち音が聞こえてきて実感がわくような施策を要望します。 そこで,現在,どのような状況になっているのか,お伺いします。 以上で私の質問は終わらせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。 (建設部長 渡辺優治君 登壇) ◎建設部長(渡辺優治君) 除雪に関する御質問についてお答えいたします。 まず,除雪に関する本年度の予算についてですが,当初予算で機械整備費などを含めまして4億338万3,000円を計上し,3月補正予算案におきまして除雪回数の増加によりまして1億6,500万円を計上しておりまして,合計しますと5億6,838万3,000円となります。 次に,市民に対する除雪基地の所在の周知方法でございますが,11月下旬に市内全戸に配布いたします雪国の快適生活7カ条のチラシや市のホームページにおきまして,除雪基地を設置する施設と電話番号を掲載をしております。 次に,これまで市民から寄せられました除雪に関する要請や苦情の件数につきましては,本年度約370件ございます。 ちなみに市民からの要請や苦情の主なものといたしましては,除雪作業によってできます玄関先や駐車場の前にあります雪の塊の除去,それから除雪の実施状況に関する問い合わせなどが上げられます。 次に,市民雪置き場支援事業の補助金の申請件数でございますが,3つの自治会と1つの団体から計4件の申請を受けております。 最後に,雪置き場の賃借料の支援拡大についての御質問でございますが,本事業につきましては,狭い市道沿いの住宅密集地におきまして空き地などを利用いたしまして自治会や市の道路除雪の雪置き場として使用した場合に,自治会等に対し補助金を交付する事業でございます。 この事業は,除雪で雪置き場として使用された場合のみを対象といたしておりますので,市において除雪作業を行っていない場合の支援につきましては考えてございません。 (選挙管理委員会事務局長 丹尾信一君 登壇) ◎選挙管理委員会事務局長(丹尾信一君) ショッピングセンターでの期日前投票の成果と課題についてお答えいたします。 まず,昨年12月の市長選挙におけるショッピングセンターでの期日前投票者数は1万3,612人で,期日前投票者数全体の58.1%でございました。 次に,ショッピングシティベルにおける投票所の状況についてでございますが,最も投票者が多かった時間帯は,投票日前日の土曜日の15時から16時の間で,1時間に273人の方が投票されました。一時的に40人程度の方が並ばれ,投票終了まで10分程度お待ちいただくことがございました。 今後,よりスムーズな投票をしていただけるような投票所の運営に努めてまいります。 また,次の選挙におきましても,ショッピングセンターに期日前投票所を設置する予定です。買い物のついでに気軽に投票できた,明るい雰囲気で投票しやすかったなど好評だったことから,駐車場やスペースなどの課題はございますが,新たな施設の設置も検討してまいります。 最後に,期日前投票所の変更についてですが,市内の期日前投票所の手薄な地域をカバーするため,9カ所から10カ所とし,有権者の皆様にとって,より投票しやすい環境とするため,治水記念館をアピタ福井店に,南体育館をショッピングシティベルに移設いたしました。 (都市戦略部長 谷澤正博君 登壇) ◎都市戦略部長(谷澤正博君) 橋南地区のまちづくりについてお答えいたします。 本市の市街地南部には,JR北陸本線,福井鉄道福武線といった鉄道やフェニックス通りが南北に通っており,足羽三山を初めとする自然や歴史的資源,福井県立音楽堂や福井市美術館といった文化施設,福井赤十字病院を初めとする医療施設,ショッピングシティベルといった大型商業施設が集積しております。 本市の都市計画マスタープランでは,地域を支える拠点として,公共交通の利便性が高く,日常生活に必要な機能の集積を誘導する場所として地域拠点を位置づけており,市街地南部地域におきましては,ベル前駅周辺を地域拠点としております。 今後の市街地南部のまちづくりにつきましては,この地域拠点の形成と市街地の緑豊かな自然と鉄道等の公共交通を生かし,歴史と文化が調和した交流のあるまちづくりを進めていきたいと考えております。 次に,文殊山号の利用状況についてお答えいたします。 運行を開始した昨年10月からことしの1月までの4カ月間で,利用者数は1,019人となっております。1カ月当たりの平均利用者数は255人となっておりまして,再編前の路線バス,生部みのり線の161人と比較いたしまして,約6割増加しております。 最後に,都市計画道路福井縦貫線の対応についてお答えいたします。 福井縦貫線,通称フェニックス通りの新木田交差点から南に約1.5キロメートルの区間につきまして,慢性的に渋滞しており,本市といたしましても,長期間にわたり整備されない状態で放置しておくことはできないと認識しております。そのため,整備主体であります県に対し,毎年,早期整備の要望を行っているところであります。 このことに対して県では,拡幅する必要性は認めておりますが,県も福井国体開催北陸新幹線福井開業を見据え,さまざまな道路事業を抱えていることから,早期に完成することは難しいとしております。 本市といたしましても,今後も県に対して早期整備の要望を強く行ってまいりたいと考えております。 ◆4番(瀧波滋君) 自席にて発言させていただきます。 再質問はございませんが,先ほどの私の質問の案件が届いて,市民の皆様とともに住みよいまちづくりに反映されますよう要望して,終わります。 ○副議長(石丸浜夫君) ここで暫時休憩します。午後3時10分から再開します。             午後2時52分 休憩──────────────────────             午後3時11分 再開 ○議長(堀江廣海君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 一般質問を続けます。 次に,13番 片矢修一君。 (13番 片矢修一君 登壇) ◆13番(片矢修一君) 市民クラブの片矢修一でございます。それでは,私は,通告に従いまして4点質問させていただきます。 まず最初に,フェニックス・プラザへの市民福祉会館機能移転について御質問いたします。 このたび市民福祉会館は,老朽化及び耐震性の問題で取り壊し,フェニックス・プラザへの機能移転が行われることとなりました。しかし,市民福祉会館は,福祉行政の拠点として重要な役割を果たしてきました。このたびのフェニックス・プラザへの機能移転は,福祉行政の後退だという声も聞こえてまいります。 市民福祉会館には現在,福井市社会福祉協議会事務局,福井市ボランティアセンター,福井市障害者生活支援センター,福井県共同募金会福井市会,文化・市民福祉会館管理事務所,福井市ふれあい公社,福井市身体障害者福祉連合会など多くの福祉機能を持った団体が入っておられます。 平成26年の予算特別委員会で,玉村委員への福祉保健部長の答弁で必要なバリアフリー化を約束していただいておりますが,移転後もスペース,備品,設備等それぞれの団体と話し合いながら十分な配慮をよろしくお願いいたします。 そこでまず,お伺いいたします。 今回,フェニックス・プラザ施設整備事業に1億5,080万円の予算が計上されましたが,その内容をお示しください。 次に,フェニックス・プラザへ移転後の問題ですが,今までは各団体が総会や役員会などで会議室や研修室などを使用した場合に,減免措置をしていただいたと聞いておりますが,移転後も継続して適用していただくのかお伺いいたします。 さらに,駐車場の問題ですが,このたびハートフル駐車場を6台整備すると聞いておりますけれども,どの位置に整備するのか。また,施設までの動線のバリアフリー対応はできているのか,屋根つきなのか,料金はどうなのかお尋ねいたします。 また,現在ある立体駐車場のハートフル駐車場の料金は減免措置をしていただけるのか。さらに,施設への動線に段差や階段があり,車椅子の方は大きく遠回りをしなければいけません。ぜひ改修をすべきと考えますが,御所見をお伺いいたします。 大勢の人が使用する場合,例えば,身体障害者福祉連合会などの総会などのとき,駐車料金の減免や立体駐車場の東側にある関係者の駐車場を使用できないのか,また,西側にも10台ほどの駐車場がありますが,現在,トレーニングルームの利用者専用となっているようです。しかし,いつも余裕があり,使い方を再検討すべきと考えますが,いかがでしょうか。 フェニックス・プラザには,田原町駅が隣接しており,えちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線の相互乗り入れや福井鉄道駅前線の福井駅西口交通広場への延伸など,障害者の電車利用が多くなると考えられます。そこで,駅舎は電車利用の際,あるいは駅舎から本施設までの動線のバリアフリー化について十分なのか,お伺いいたします。 最後に,2年後の福井しあわせ元気大会には,多くの障害者を迎え入れなければなりません。福井に来てよかった,また来たいと思っていただくような,障害者にも優しいおもてなしができるよう心からお願いいたします。 続きまして,財政健全化についてお伺いいたします。 健全財政計画は,平成18年11月に平成19年度から平成28年度までの10年間における財政収支の試算を行い,策定されました。しかし,その見通しは,歳入においては,市税収入を当時は日本経済が景気回復基調にあることや国の税収見通しを踏まえ,平成18年度決算見込み額をベースとした計画期間中の伸び率を0.5%として,平成28年度は489億円と試算されていました。また,歳出においては,公債費をとりますと128億円と試算されております。 また,この健全財政計画は,第六次福井市総合計画の実施計画の策定に合わせて平成24年に改定されました。平成20年秋のリーマン・ショックや国全体の景気状況などを踏まえ,平成28年度の市税収入は439億円,公債費は141億円と試算し直されました。しかし,このたび上程された平成28年度一般会計当初予算案では,市税収入は446億円,公債費は194億円となっています。 市税収入は改善されていますが,やはり公債費は大きく悪化したままです。まずは,この5年間の試算の数字をしっかり守りながら推移していく必要があったと考えます。まず,その要因についてお伺いいたします。 次に,財政運営上,注視すべき4つの指標についてお聞きいたします。 まず第1に,プライマリーバランス,つまり歳入から市債発行額を引いた金額と歳出から公債費を引いた金額の差で,基礎的な財政収支のことですが,これを黒字化すること。 第2に,経常収支比率,これは,市税や普通交付税などの使途が特定されていない経常的な収入が,人件費,扶助費,公債費など経常的な支出にどの程度充てられているかを示す指標で,財政の弾力性をあらわしていますが,平成22年度の87.8%以降,毎年上昇しておりますけれども,95%以下に抑えること。 第3に,公債費比率ですが,財政規模に対して公債費に充当する一般財源がどの程度占めるかを示す指標で,これも年々上昇しており,平成28年度の指標は15%以下に抑えること。 最後の指標の市債残高ですが,市債は住民の福祉の向上に寄与する公共施設の整備等に要する経費を,後年度にわたって負担することにより,世代間の受益と負担の均衡を図る機能を要しています。 地方交付税の代替財源として創設された臨時財政対策債や交付税算入が大きく有利な起債である合併特例債の発行により,市債残高は増加が見込まれております。 改訂された健全財政計画には,平成28年度の臨時財政対策債を除く市債残高を1,000億円以下にすることが,目指すべき水準であると明記されております。 そこでお伺いしますが,これらの4つの指標について,平成28年度の当初予算案では守られているのかどうか,お伺いいたします。 また,その実現に向けた取り組みとして大事なのは,まず,歳出の縮減です。事務事業の見直し,新規事業の抑制,人件費の削減の3つが取り上げられていますが,その判断基準として,1,市民に求められているか,2,市が提供すべきか,3,民間に移せないか,4,効率を高められないか,5,財政難の中でもなすべきか,の5つの方針のもとにしっかり費用対効果,後年度負担を検証し,スクラップ・アンド・ビルドの原則に立ち,選択と集中を推進していただきたいと思います。 また,歳入の確保に関しては,市税収入の確保として,滞納整理の強化や債権回収の推進,また公有財産の積極的な売却や貸し付けによる有効利用,さらにふるさと納税等の新たな収入の確保など,積極的に取り組むべきと考えます。 このようなことを踏まえて,次の財政健全化計画について,基本的な考え方や数字のあり方についてお伺いいたします。 我々には,その指標が達成されたとしても健全な財政運営だということが判断できません。いわゆる類似団体との比較を行っていただき,財政再建団体に決してならないよう,財政健全化計画を策定し,確実に実行していくよう求めますし,我々議員もしっかりチェックしていくことをお誓いいたします。 次に,福井市観光振興計画(素案)についてお伺いいたします。 まず,福井市の現状の把握についてお聞きいたします。 平成27年の数字は,北陸新幹線金沢開業の効果が大きく,一乗谷朝倉氏遺跡の入り込み数が初めて100万人を突破し,まちなかでも過去最高を記録いたしました。また,関東地区からの観光客が全体の3割近くを占め,これまで福井の観光客は関西,中京地区からが大半を占めておりましたが,今後もふえていくと思われます。 また,旧福井市観光ビジョンの効果目標に,平成29年には観光消費額の30%アップを目指しますとありましたが,このたびの北陸新幹線効果で,ことし2年早く達成できました。 しかし,このような数字は,まさに新幹線バブルではないかと考えられます。2年目のジンクスという言葉もあります。この北陸新幹線金沢開業効果は,何年続くと考えていらっしゃるのか。1年が経過すると,反動で落ち込むとは考えられないのか,御所見をお伺いいたします。 次に,数値目標の中で,平成32年の目標値が上げられておりますが,平成27年の実績に対して数値が低いように思われます。市内観光客入り込み数や市内観光消費額など,102%から110%までの数値が羅列してあります。このすばらしい計画内容から考えますと,もっと積極的な数値目標を設定すべきではないかと考えますが,御所見をお伺いいたします。 数値目標の中で,観光消費額の数値の出し方ですが,観光客入り込み数に県が出した平均観光消費額を掛けた数字で出しているようですけれども,それではお土産で消費した額,あるいは食事で消費した額,宿泊で消費した額など,その明細がわかりません。それらは,今後,観光政策を作成する中で必ず必要な数字だと思われます。市としてぜひ調査することが必要と思われますが,お考えをお聞かせください。 次に,福井市の課題として,福井市民が福井のことを知らない,自信がない,オール福井で観光に取り組む体制ができていない,観光客増加に対応するための環境整備が不十分,福井を楽しむ仕掛けが不足している,観光地としての認知度が低い,広域観光とインバウンド観光が急務など,多くの課題が上げられております。 これに対して,問題解決に向けた5つの施策の方向性を示し,その基本施策として17の施策を掲げ,それに対して具体的な行動計画を示しております。その中で,幾つかお伺いいたします。 まず,観光地の環境整備で,多くの観光資源の磨き上げが上げられております。新規事業として市民の憩いの空間としての足羽山の整備とあります。現在の足羽山の状況を考えますと,どういったものを観光資源として打ち出し,どういった整備をするのか,見えてきません。当初予算案に1億2,080万円が計上されていますが,その内容と最終的にどういった足羽山を目指しているのか,お尋ねいたします。 次に,このたび観光客入り込み数が100万人を超えた一乗谷朝倉氏遺跡の整備ですが,こちらも当初予算案で,一乗谷ブランドイメージ向上事業に3,315万3,000円,一乗谷朝倉特急バス運行事業に630万円,一乗谷朝倉氏遺跡整備事業に1,260万円が計上されております。 イメージ向上の政策の中で一番効果的であったのが,ソフトバンクのCMであったと思います。現在でも,カイくんのお父さんシリーズは続いておりますが,一乗谷の表示やロケ地とはなっておりません。ぜひもう一度,一乗谷を舞台とした映像ができればと考えますが,御所見をお伺いいたします。 次に,特急バスですが,どういったバスが何便出るのか,また料金はいくらか,そして何人の乗客を見込んでいるのかお伺いいたします。 また,このたび県は,福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館(仮称)を建設することを発表し,市がその用地取得及び市道などの移設を進める予算案が計上されました。博物館の建設と運営は県が行うと認識しておりますが,市はどのようにかかわるのか,今ある資料館との関連性も踏まえ,お尋ねいたします。 次に,まちなかの観光の魅力向上の施策の中で,交通利便性の向上というのがございます。 まず,観光バス駐車場の整備が上げられておりますが,どこに予定しているのかお伺いいたします。 また,観光周遊バスの運行とありますが,ほかの観光地などを訪れますと,重要なおもてなしの要素と考えられます。どういったルートをお考えなのか,お尋ねいたします。 次に,祭りやイベントの活用について,福井しあわせ元気国体,福井しあわせ元気大会,東京オリンピック,パラリンピックの機会を最大限に活用して,福井への観光誘客につなげていきますとありますが,その中で2020年に開催される東京オリンピックの事前キャンプの誘致を推進するとともに,海外チームだけではなく,チームジャパンの事前キャンプなども視野に入れた誘致活動を展開しますとあります。このキャンプ誘致は,県ではなく,市町で行うと聞いております。既に名乗りを上げている市町も出てきておりますし,競争も始まっているようです。 今現在,何か決まったことや動きがあるのかお尋ねいたします。 最後に,この福井市観光振興計画(素案)は,多岐にわたり,いろいろな方面から考察し,また多くの部局を巻き込んだ大変すばらしい計画になっていると評価いたします。 この計画の最後にあるように,役割分担と推進体制,進行管理を市民,各種団体,事業者,福井観光コンベンションビューロー,行政が,それぞれの立場を生かし,オール福井の体制で多様な意見を取り入れながら進めていくことが必要です。そして,新しくつくられる福井市観光振興計画推進委員会(仮称)で,できるだけ民間の力や知恵を集め,PDCAサイクルを繰り返し,観光施策を持続的に改善し,5年後にはこの計画にあるようなすばらしい観光都市になっていることを切に願います。 最後に,福井市景観計画及び福井駅・城址周辺地区まちづくりガイドライン(素案)についてお伺いいたします。 我が県都福井は,戦災,震災から約70年が経過し,県庁舎,市庁舎を含め,今後順次,建物や都市インフラの更新時期を迎えることが想定されます。 また,地域間競争が激しさを増す中,県都として魅力を高めるとともに,都市力を向上させていくことが必要とあります。このことから,福井県と福井市は,平成25年3月に,県庁舎,市庁舎を移転,再配置し,福井城址公園を整備することを掲げ,県都のまちづくりについて指針となる考え方を示した県都デザイン戦略を策定いたしました。また,先日の県議会では,県庁舎移転について,五,六年以内に本格検討が必要となり,2030年ごろが建てかえの時期となるという考えを知事が表明いたしました。 そこで,このたび提案されましたまちづくりガイドラインの役割は,エリア特性,地域課題を踏まえ,住民,事業者,行政が共有すべきまちの方向性,将来像を示すこと。まちづくりにおいて配慮,検討していただきたい事項を示すこと。住民,事業者などと行政がまちづくりにおいて話し合いを進めるための手引きとすることとし,アーバンデザインを取り入れたまちづくりを誘導していきます。 また,本市では,より魅力のある個性豊かな美しい福井のまちを創造するため,平成20年3月に福井市景観計画を策定し,あわせて本景観計画を運用していくために必要な事柄を定めた福井市景観条例を制定いたしました。そこでは,福井都心地区特定景観計画区域として,養浩館庭園周辺ゾーン,都心部・中央1丁目・浜町通りかいわいゾーンでそれぞれの地域の特性を生かした景観形成基準を設けております。 また,福井県も,このたび福井県野外広告物条例施行規則の見直しを行い,より厳しい基準としたり,対象地域を広げました。 そこでまず,お伺いしますが,これらの条例,計画,ガイドラインは,しっかりリンクされているのか。また,県との情報交換や役割分担はどうなのか,お聞きいたします。 次に,このガイドラインでは,対象地域を8つのエリアに分け,それぞれの特性を生かしたまちづくりや景観方向性を示しています。この方策ですと,それぞれのエリア別のまちづくりとなり,地区全体の景観に統一性やストーリー性が見えてきません。しかし,まちの将来像として,歴史と誇りを受け継ぎ,潤いとにぎわいに満ちた,風格のある県都の創造とあります。もう一度対象地区全体のイメージやデザインに,まちの将来像にある歴史という概念を入れるべきと考えます。現状の特性を考えると難しい面もあると思われますが,長いスパンで策定し,10年後,あるいは県庁が移転し,城址公園が整備されたときには,地区全体が歴史が感じられる町並みになるよう考えますけれども,御所見をお伺いいたします。 また,そのためには,現在のこのガイドラインの役割に書かれている話し合いを進めるための手引きとするということでは,なかなかまちづくりが進んでいかないように感じます。ここはもっと行政が,まちづくりや町並み形成がスピード感を持って行われるよう中心となり,その原動力となるべきと考えますが,御所見をお伺いいたします。 とはいえ,市民のまちづくりへの参加と誇りの醸成は重要だと思います。民間発意のまちづくりとして,有志による発意から事業化推進組織を設立すること,つまりまちづくり勉強会を開催しながら地権者などのまちづくりへの関心を高め,参加意識の育成と地域が主体となった事業推進組織の設立を図りますとあります。県もふるさと福井景観づくり懇談会を設け,民間の意見を取り入れております。本市としては,どういったメンバーで組織をつくり,どういったことを話し合うのか,お伺いいたします。 最後に,このガイドラインは,まちづくりの進捗状況や社会情勢の変化,公共事業の進捗などを考慮しながら,本ガイドラインの内容を更新していきますとあります。ぜひ,前で申し上げた民間を巻き込んだ審議会等の組織を有効に活用し,柔軟で,かつスピード感のあるまちづくりが進み,まずは2年後の福井国体,そして6年後の北陸新幹線の開通のときには,県外のお客様に最高のつるつるいっぱいのおもてなしが,美しい町並みとともにできることを祈念いたします。 これで私の総括質問を終わります。ありがとうございました。 (副市長 清水正明君 登壇) ◎副市長(清水正明君) 財政健全化についてお答えいたします。 まず,公債費についてでございますが,健全財政計画では,普通会計ベースで借換債を除いて141億円となっておりますけれども,平成28年度当初予算額では,一般会計で128億円,普通会計ベースでは133億円で,計画値より下回っております。 次に,財政指標につきましては,プライマリーバランス,経常収支比率,公債費比率は,いずれも健全財政計画に定める目標を達成する見込みでございます。 しかしながら,市債残高につきましては,予算ベースで1,067億円で,計画の1,000億円を上回る見込みであり,目標達成が困難な状況となっております。 これは,東日本大震災を踏まえた学校や保育施設の耐震化といった急を要する防災・減災対策など,当初の計画で想定していなかった事業に起因するものでございます。 なお,今後の予算執行に当たりましては,効率的かつ効果的な事業実施により,事業費の縮減を図り,市債発行の抑制に努めてまいります。 次に,次期の財政健全化計画についてでございますが,新年度に第七次福井市総合計画実施計画の策定とあわせ,計画推進のための財政的裏づけとして策定してまいります。 その策定に当たっての基本的な考えとしましては,経済情勢や将来負担を考慮するとともに,市税を初め各種補助金や新しい財源などをしっかりと捕捉しながら,実施計画に位置づける施策が実現可能となるよう取りまとめてまいります。 なお,財政指標につきましては,経年変化が把握でき,類似団体との比較が容易な指標として,現在の計画と同様に,プライマリーバランスや経常収支比率,公債費比率,市債残高の数値を用いてまいりたいと考えております。 (福祉保健部長 港道則男君 登壇) ◎福祉保健部長(港道則男君) フェニックス・プラザへの市民福祉会館機能移転の御質問のうち,移転後の減免措置についてお答えします。 福祉関係団体がホールや会議室を利用する場合ですが,現在と同じ基準である100%減免を適用してまいります。 次に,駐車料金ですが,現在,各種団体については,コンサートや総会などで駐車場を利用される一般利用者との公平性を図るため,減免しておりません。移転後も同様の取り扱いとなりますが,身体障害者の方などについては減免を考えています。 また,関係者駐車場については,ホールを利用する主催者や立体駐車場に入れないバス,トラック用の駐車場として確保しているため,通常は利用できませんが,催しが予定されていない場合には,身体障害者の方の使用について配慮いたします。 (総務部長 高山浩充君 登壇) ◎総務部長(高山浩充君) 私からは,フェニックス・プラザの施設整備の内容と新設するハートフル駐車場についてお答えいたします。 平成29年度に市民福祉会館の機能をフェニックス・プラザに移転することから,障害者や高齢者に優しい施設に整備するための費用として,平成28年度当初予算案に1億5,080万円の予算を計上しております。 その整備内容でございますが,館内につきましては,各階のトイレを車椅子の方も利用可能となるように改修し,また,ボランティアルームを配置する4階には,身障者等に配慮したトイレを増設いたします。 そのほか,手すりや点字ブロック,音声誘導チャイムなどを整備いたします。 また,新たに無料のハートフル駐車場をフェニックス・プラザ正面南側に6台分整備し,うち4台分については屋根を設置するとともに,駐車場から正面入り口までのバリアフリー化を行います。また,福祉大会などの催しの際には,正面入り口で車の乗りおりができるよう,車寄せの整備も行います。 さらに,雨天,降雪時の来館者に配慮しまして,正面入り口から田原町駅方面に向かう通路に設置するシェルターの設計を行うほか,1階に社会福祉協議会等の事務所,4階にボランティアルームを整備いたします。 次に,立体駐車場内のハートフル駐車スペースについてですが,フェニックス・プラザ正面広場にハートフル駐車場を6台確保することから,通常時はこの駐車場で十分対応できるものと思われますけれども,さらに多くの利用が生じた場合には,立体駐車場内のハートフル駐車場へ案内し,身体障害者の方などにつきましては,料金を減免する方向で考えています。 また,立体駐車場1階の北側階段のスロープ化につきましては,建物の構造上スペースが狭く,適正な勾配を確保できないといった状況でございます。 最後に,トレーニングルーム専用駐車場についての御質問でございますが,利用状況等を踏まえまして,今後,検討してまいります。 (都市戦略部長 谷澤正博君 登壇) ◎都市戦略部長(谷澤正博君) 私からは,田原町駅舎や電車利用の際のバリアフリー化についてお答えいたします。 電車につきましては,障害者の方や高齢者の方が移動しやすいよう,LRV,いわゆる低床車両の運行を行っております。 駅舎につきましても,点字ブロックの設置や車椅子に対応したトイレの整備を行っております。 今後は,田原町駅周辺整備におきまして,バリアフリーに対応するとともに,駅とフェニックス・プラザの間の市道に横断歩道を設置するなど,動線の確保を図ってまいります。 また,フェニックス・プラザ敷地内につきましても,シェルターの整備にあわせて,スロープ設置などを行ってまいります。 次に,福井市景観計画及び福井駅・城址周辺地区まちづくりガイドライン(素案)についてお答えいたします。 福井市景観計画は,景観法に基づいて定める計画で,本市の景観形成に係る方針を定めるとともに,建築物の建築や工作物等の設置に際して,守るべき基準を設けております。 しかしながら,良好な景観を形成するためには,景観法の規制によらない部分においても,地域の実情に応じた規制や誘導が必要となることから,景観条例やまちづくりガイドラインが必要となります。 今回,策定するまちづくりガイドラインは,法や条例による規制に至る前の個別協議における手引書でありまして,福井駅,城址周辺地区におきまして,民と官が協働で,より積極的に良好な景観の形成に取り組むことを目的の一つとしていることから,景観計画及び景観条例との整合は図られております。 屋外広告物につきましては,県の屋外広告物条例によって,その設置について規定されており,本市では,屋外広告物を景観を構成する重要な要素の一つと捉え,景観計画において色彩や規模など屋外広告物の内容について規定しております。 また,今回の福井県屋外広告物条例及び施行規則の改正に当たっては,県と情報交換をし,内容を把握しているところでございます。 次に,歴史が感じられる町並みについてですが,まちづくりガイドラインでは,これまでのまちの成り立ちを踏まえ,8つのエリアに区分するとともに,エリアごとの特徴や長所を伸ばし,地区全体の魅力を高めていくことを基本的な考えとしております。 そのため,城址という城下町福井を象徴する最も重要な歴史資源を有する福井城址公園エリアでは,歴史を核とした風格のある城址景観を形成するとしておりますが,業務ビルが立地している中央大通りやフェニックス通りに面したエリアでは,緑豊かな風格ある見通し景観の形成を目指すとし,また,中央1丁目の中心商店街エリアでは,商業の集積を生かした魅力やにぎわいの創出を目指すとするなど,エリアごとの個性を生かしたまちづくりを進めてまいります。 次に,スピード感を持った対応でございますけれども,福井駅・城址周辺地区は,県都の玄関口に位置していることから,福井国体までに一定の基盤整備を完了することとしております。 その後は,民間の投資意欲の高まりを踏まえ,民間のまちづくりに対する取り組みの支援をしていくこととなります。 しかしながら,民間のまちづくりは,権利者を含めた関係者の合意が必要となり,また,まちづくりに伴う責任も権利者が負うこととなります。 したがいまして,市といたしましても,できる限りの支援をしますが,その調整や話し合いのため,一定の時間を要することはやむを得ないと考えているところでございます。 次に,事業化推進組織の設立につきましては,まちづくりガイドラインで掲げた目標を実現する手法の一つである共同化事業を念頭に置いています。 したがいまして,そのメンバーにつきましては,共同化事業を目指すエリアの住民と地権者,さらには開発事業者が含まれることもあります。 話し合いの内容といたしましては,共同化事業の採算性や町並みの更新,オープンスペースの確保,防災性の向上,道路環境の改善等が考えられます。 次に,福井市観光振興計画(素案)のうち,足羽山に関する御質問にお答えします。 平成28年度に実施します足羽山魅力向上事業につきましては,ハード事業として足羽山頂上付近の駐車場不足に対応するため,植物園前に駐車場を整備するとともに,老朽化の著しい道路舗装の更新等を行います。 ソフト事業といたしましては,足羽山公園遊園地の動物ふれあいイベントに合わせまして,市民参加によるアジサイの植樹を行います。 また,山頂への交通手段といたしまして,4月の桜の時期には京福バスがさくら号を運行していますが,来年度からは3月と5月から11月までの土日,祝日に,まちなか観光周遊バスを運行してまいります。 足羽山は,まちなかの里山として四季折々の自然が楽しめる散策路,食事どころであるお茶屋,家族団らんの場である動物園,眺望を楽しむスポットといった魅力的な観光資源の宝庫であり,年間を通してさまざまなイベントも実施しております。 そこで,これらのさまざまな情報を一元管理し,多種多様な媒体を利用し,広く情報発信してまいります。 次に,最終的な足羽山の姿についてでございますが,足羽山・足羽川周辺空間再形成基本構想において,足羽山をまちなかで身近に自然に出会える空と森の出会い空間,愛宕坂や水道記念館周辺を歴史と文化の学び空間として位置づけております。 これらそれぞれの特徴や地域資源を生かし,磨きをかけることで,市民や観光客にとって魅力的な空間を形成することとしております。 来年度は,この構想を具体的に進めていくために必要な方策について,施設や事業を所管する関係所属で構成する検討会で議論し,福井国体や北陸新幹線福井開業に向けて,足羽山のより一層の魅力向上に向けた計画を作成してまいります。 (商工労働部長 浅野信也君 登壇) ◎商工労働部長(浅野信也君) 福井市観光振興計画(素案)についてのうち,新幹線の開業効果についてですが,平成27年は北陸新幹線の金沢開業効果もあり,本市の観光客入り込み数は,前年比25%増となりました。しかし,今後,開業効果は徐々に薄れていくため,観光客入り込み数が減に転じる可能性もあると考えています。 福井市観光振興計画の数値目標については,新幹線の開業効果が一時的であることを前提に設定しています。積極的な観光施策により入り込み数の減少傾向に歯どめをかけるとともに,福井国体などの大型イベント開催に向けた施策を積み重ねていき,5年後には入り込み数をさらに伸ばしていこうということで設定した目標でございます。 観光消費額につきましては,福井県が実施した観光動向調査の平均観光消費額をもとに推計しており,内訳として宿泊費,お土産品代,その他の入場料等も示されておりますので,本市独自の調査は考えておりません。 なお,平成27年の福井市の観光消費額231億円の内訳を県の平均観光消費額の内訳から計算いたしますと,宿泊費97億円,お土産品購入費80億円,その他入場料等54億円となります。これらの統計結果を参考に,市内の宿泊やお土産品購入消費が増加するよう観光施策を進めてまいります。 次に,一乗谷を舞台にした映像についてです。 映像の内容や撮影地は,あくまで映像制作者が決めることではありますが,映画,テレビ番組,CMの誘致や撮影支援を行う福井フィルムコミッション事業に力を入れることで,映画,テレビ,CM等で一乗谷が取り上げられる機会をふやしていきます。 次に,一乗谷朝倉特急バスについてですけれども,現在は冬季を除く土日,祝日に1日3便運行していますが,これを1日6便に増便いたします。また,これまで運行していなかった平日と冬季の土日,祝日には,新たに1日3便運行いたします。 なお,増便するバスの大きさ及び料金については,現行と同様なバスで,乗車券は往復800円となる予定です。また,乗客数については,現在の運行体制で,1便当たり平均四,五人の乗車実績がありますので,同じくらいの乗客数を目指してまいります。 次に,観光バス駐車場についてですが,福井駅周辺には大型バスの待機場,駐車場が不足していることから,現在,具体的な設置場所について検討しているところです。 また,観光周遊バスにつきましては,土日,祝日にまちなかでの運行を予定しています。福井駅東口から南通りに出て,北の庄城址公園近くを通り,泉橋を渡って足羽山に行きます。その後で,桜橋を渡り,浜町,片町を通って,郷土歴史博物館,福井城址を経由し,福井駅東口に戻るルートを考えています。歩いて回ることが難しいまちなかの観光地をつなげ,回遊性の向上を図ってまいります。 (教育部長 山本みどり君 登壇) ◎教育部長(山本みどり君) 一乗谷朝倉氏遺跡の博物館整備についてお答えします。 仮称ではございますが,今回,県が整備を計画しております福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館につきましては,遺跡の入り口にあって,これまで十分でなかった展示・ガイダンス機能を強化し,あわせてミュージアムショップやカフェレストラン等を設置するなど,見学者の利便性,快適性を重視した施設になると伺っております。 また,現在の資料館につきましては,博物館整備に合わせてリニューアルし,文化財の収蔵機能を充実させるとともに,中世都市遺跡を解明する中核的な研究拠点としての役割も果たしていくと伺っております。 こうした中,本市といたしましては,一乗谷朝倉氏遺跡の文化財,観光資源としての重要性に鑑み,県が博物館の整備を予定している用地の取得及び市道,用水路等の移設を担ってまいります。 また,県との連携を強化し,今後も一乗谷朝倉氏遺跡のさらなる魅力向上と誘客を推進してまいります。 次に,東京オリンピックの事前キャンプ誘致状況についてお答えします。 平成30年の福井国体の2年後に東京オリンピック,パラリンピックが開催されることから,スポーツ振興に向けては絶好の機会であると考えており,昨年5月に公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に対し,事前キャンプ誘致の意思表明をいたしました。 事前キャンプ誘致に際しましては,各競技団体及びホテルなどの宿泊施設の民間企業の協力が不可欠となってまいります。 現在は,各競技団体及び宿泊施設との受け入れ意向等についての協議を順次行っているところでございます。 今後は,宿泊施設の了承,各競技団体の意向などを十分に踏まえて,誘致競技を決定してまいります。 その後は,使用施設が国際基準等に適合しているかを中央競技団体による確認を受けた上で,同委員会のキャンプ候補地ガイドによる情報発信を行ってまいります。 ◆13番(片矢修一君) 御答弁ありがとうございます。 まず一つ,足羽山の整備のことでございますけれども,都市戦略部長は足羽山には多くの観光資源があるとおっしゃいましたが,今の現状を考えますと,春の桜は非常に評価いたしますけれども,それ以外は観光資源としてどうなのかということも見えております。この1年間で,そういった足羽山の全体的な整備の計画をするということですので,将来の足羽山はどういったものかということを踏まえながら,しっかり計画を進めていっていただきたいと本当に思います。 そういった中で,まちなか観光周遊バスの話がございました。今聞きますと,周遊バスはかなりいろんなところを回っていいなと思いますけれども,これの料金と運行頻度はどういったものか,お伺いいたします。 ◎商工労働部長(浅野信也君) まちなか観光周遊バスでございます。 料金は200円を考えてございます。1日乗り放題は500円ぐらいにしていきたいと思ってございます。 運行頻度は, 35分間隔ぐらいで,1日16便ぐらいを今,計画していこうと考えてございます。 ◆13番(片矢修一君) それだけの便数が出ればかなりいいのではないかなと思います。ぜひ広報していただいて,多くの観光客が乗るようになったらいいなと思いますので,よろしくお願いを申し上げます。 あと,このたびの市民福祉会館機能のフェニックス・プラザへの移転についてでございますけれども,福井市身体障害者福祉連合会の方といろいろお話をさせていただきました。車椅子の方でございますが,その方とお話しする中で,総括質問の中にもありましたけれども,電車に乗る際,ステップが出て,そこに乗るわけなんですが,実際はもう少しが高くて自分で上がれないということがあって,運転手に助けに来ていただけるそうでございます。それはそれでいいと思うんですけれども,それが身障者の方には,逆に遠慮するという気分になってしまうそうでございます。今後,車掌が1人つけばいいなとも思います。田原町駅の駅舎には1人駅員がつくのかなとも思いますが,その辺,そういった車椅子の方の電車利用について何か御意見,こうやりたいということがあればお伺いいたします。 ◎都市戦略部長(谷澤正博君) 駅のバリアフリーの件でございますけれども,今,福井市内には,えちぜん鉄道の駅が17駅ございまして,その中でバリアフリー化がされているのは9駅しかございません。全体的に言いますと,今言ったように手助けといいますか,運転手やえちぜん鉄道ですとアテンダントが手助けするわけですけれども,なぜするかというと,電車とホームの間に少しすき間があるわけです。ですから,車椅子で乗車しようとしても,ちょっと乗れないということで,全ての駅で,議員もおっしゃったように運転手,それからアテンダントが手助けしているという状況でございます。 当然,バリアフリー化されていれば自力でホームに行けるわけですけれども,バリアフリー化されていない駅も結構ございまして,そういったところにつきましては,やはり事前に連絡していただいて,そしてその乗車時間に駅員を配置して手助けをするという状況でございます。 ◆13番(片矢修一君) 私も実は時々,えちぜん鉄道を使わせていただきますけれども,私の家の近くの追分口という駅で乗るわけなんですが,そこは全くバリアフリー化されていなくて,1メートルぐらいの高さがあるホームには階段で上がらなければいけない。イコール,車椅子の方は使えないというのが現状だと思うんです。これから福井しあわせ元気大会もございますから,そういったことに向けた駅のバリアフリー化については,何か御計画はございますか。 ◎都市戦略部長(谷澤正博君) 駅を全てバリアフリー化するというのは,本当に非常に大きな課題だと思っています。当然構造上とか,それからバリアフリー化をするためには土地の問題等々もございます。こういった問題を考えますと,早期に整備するということはちょっと困難かなと考えておりまして,これまで同様,やはり運転手,それから社員をそういうところに配置して,手助けしていくというのが最良かなと考えているところでございます。 ◆13番(片矢修一君) そういうことも大事と思いますので,できるだけこれも周知していただく。あるいは,ボランティアの活用ということもあると思いますので,そういった面でしっかり手当てをしていただいて,障害者に優しいまちづくりをお願いしたいと思います。 あと一つですが,総括質問でも申し上げましたけれども,県議会で県庁舎の移転が話題となりまして,知事の答弁では,2030年ごろではどうかということでございます。我々,本市の計画では,市庁舎の移転でございますけれども,今,別館の改修もしているところでございまして,県都デザイン戦略では2050年までと。あるいは,施設マネジメント計画では,2040年ぐらいかなという気はしているんですけれども,そういったことで,県が2030年に動くということであれば,できれば市もそれに合わせ込んだほうがいいのではないかなとも思います。それについての御見解があれば,お願いいたします。 ◎都市戦略部長(谷澤正博君) 先ほどの県議会での知事の答弁の中では,五,六年たったら考えるという話ですけれども,その話については我々はまだちょっと具体的な内容は聞いておりません。したがいまして,我々としましては,やはり県都デザイン戦略でうたっております2050年をめどにして,県庁,市役所の移転というものを考えていかなければならないなと思っているところでございます。 ◆13番(片矢修一君) 実業界からもいろんな提案があり,早めてほしいという要望もあると思います。県都デザイン戦略は2050年ということでございますけれども,そういったことも考えながら,もっといろんな審議会なり話し合う場をつくって,早目にできるものならしていただきたいということを要望いたしまして,私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(堀江廣海君) 次に,22番 鈴木正樹君。 (22番 鈴木正樹君 登壇) ◆22番(鈴木正樹君) 日本共産党議員団の鈴木正樹です。私は,市民の困難に寄り添い,地域経済を本気で応援する市政を求めて質問を行います。 まず,福井市の貧困対策について質問します。 実質賃金が全国では4年連続で減少し,福井県毎月勤労統計調査でも,平成26年度に続き,平成27年12月までの平均も前年度比1.4%の減少となり,2年連続で減少する見込みです。アベノミクスと銘打った政府の経済政策も,ふたをあけてみれば日本銀行に国債を買わせ,赤字国債を乱発し,円の通貨としての信頼と価値を下げることによって株価が値上がりしたように見せかける実態なき経済政策であったことが露呈してきました。政府の進めた物価の上昇と断行された消費税増税などの負担の増加は,市民の暮らしを追い詰め続けています。 このような中,政府が生活保護基準額を引き下げたにもかかわらず,福井市の生活保護受給世帯は,平成22年度の1,448世帯から現在1,888世帯へとふえ続けており,福井市での貧困の広がりを物語っています。 私は,数々の深刻な貧困の実態を語ってきましたが,市民からの生活相談に乗り続けてきたその経験から,安倍政権の経済政策の実態のない空虚さと,その矛盾から貧困がさらに広がるさまを肌で感じてきました。 このような中,自治体が地域で行う福祉行政や貧困対策のあり方は,これまで以上の重要な意義を持ってきています。貧困対策の具体的問題に入る前に,市長が,貧困対策は単なる弱者救済を超えて,地域経済の底上げと持続的発展に不可欠な施策であると考えているのかどうか,見解を求めます。 さて,この間,国保税が払えず保険証が取り上げられ,病院に行けない深刻な事例を紹介してきましたが,保険証があっても医療費が払えず病院にかかれないというケースが生まれています。国民健康保険法第44条では,このような事態を避けるべく,一部負担金の減免ができることとなっています。しかし,この福井市では,世帯の収入が生活保護基準以下でなければ病院での支払いは減免されません。これでは,実際の対象者が極めて限られると同時に,生活保護に至らなくとも,実際の生活状況は生活保護を下回るケースが生まれています。 先日,福井新聞にもそのような記事が載りました。市内で認知症の妻の介護をしながら,少ない年金を切り詰めて生活している70歳代後半の高齢者夫婦は,医療費の負担を合わせても生活保護基準をわずかに上回るため,生活保護も使えず,国民健康保険法第44条の一部負担金の減免も受けられません。収入は少なく,生活はぎりぎりなため,認知症の妻の介護保険サービスの利用は諦めざるを得ませんでした。私も,本人とお話をさせていただきましたが,親族を頼ることもできず,自分が倒れたら妻を見てくれる人がいない,妻より早く死ぬわけにいかないが,葬式を挙げてやることもお金がなくてできない。出口の見えない苦しさを語っておられました。 このような事態を防ぐため,多くの自治体が生活保護基準の収入を10%から20%上回る基準で医療費の一部負担金を減免しています。金沢市では,生活保護基準の120%までを対象にして,医療費の一部負担金を独自に減免しており,富山市は,国民健康保険法第44条の制度で,生活保護基準の110%までを減免しています。隣の坂井市も,110%まで減免しています。 福井市でも,生活保護基準の120%まで一部負担金の減免を行うべきだと考えますが,どうでしょうか。答弁を求めます。 次に,生活保護相談窓口の改善について質問します。 先日,地域福祉課の窓口を訪れた70歳代の女性は,年金が少なく,親族からの支援も期待できず,生活に困っているという内容をケースワーカーではない相談員と1時間以上にわたって相談していました。ところが,相談者は生活保護の申請もせず,帰されてしまいました。私がその方と相談したところ,生活保護の相談に行ったのだが,結局だめだったとおっしゃっておられました。この方は,年金受給額は生活保護基準額を下回り,親族からの支援も何度も断られており,生活保護の対象となり得る方です。 現在,福井市は,窓口に来た相談者には,まず,ケースワーカーの資格を持たない相談員に対応させることとなっております。その後に,ケースワーカーにつなぐべきかどうか判断させています。しかし,生活保護の相談に来た方をケースワーカーにつなぎもせず,1時間以上にわたって延々と話をして,そして帰してしまう。これでは,結果的に生活保護の申請を窓口で拒むことになるのではないでしょうか。 生活保護は,あらゆる制度の中で,市民の命と暮らしを守る最後のとりでです。それゆえ,窓口に訪れた相談者に生活保護を受けられないという誤解を抱かせ,申請を受け付けないことは,故意でなくとも絶対にあってはなりません。 生活保護が必要な困窮した市民に生活保護を申請できないと誤解を抱かせてはならないという認識があるかどうか,まず,答弁を求めます。 このような行き違いを防ぐためにも,生活保護申請用紙を窓口に置いた上で相談を行うべきではないでしょうか。 この間,繰り返し提起してきたように,相談員で対応するのではなく,ケースワーカーの数を増員して,初めの相談からケースワーカーが対応できるようにすべきではないでしょうか。 少し細かい話になりますが,生活保護受給者は,NHK受信料が免除されます。そこで,生活保護受給決定時にNHKの免除申請用紙を渡して,その手続が徹底されるようにすべきと考えますが,どうでしょうか。答弁を求めます。 貧困対策の中で,世代を超えた貧困の連鎖が問題視されています。富裕層の子供は大学進学率も高いが,貧困層は大学進学率が低く,中卒,高校中退の割合が高い。貧困層の父母の子供たちの所得が,また貧困レベルである割合が高い。数々の調査の結果が,貧困という重い鎖が世代を超えて継承されていくことを立証しています。 このような中,子どもの貧困対策の推進に関する法律が制定され,その1つとして,全国で低所得世帯に対する無料の学習塾などの学習支援が行われています。この福井市でも,市内4カ所で児童館などを使って生活保護世帯や就学援助を受けている世帯の子供を対象に無料塾を開催し,新年度の予算では,もう一カ所ふやすことを計画しています。昨年度,国の補助率が引き下げられたことによって,全国では規模の縮小や閉鎖もある中,逆に開催場所をふやして拡充することを私は大いに評価したいと思います。 貧困を連鎖させない教育支援として,もう一つ重要視していただきたいのが,大学進学への金銭的な援助です。 株式会社ライセンスアカデミーが全国の高校の進路指導担当教諭に調査を行った結果,大学に行きたくても行けない生徒たちは,学力より学費,経済面の制約が強くなってきたと思いますかとの問いに対し,とてもそう思うが19.3%,ややそう思うが52.8%で,合わせて7割を超えています。あしなが育英会の遺児調査でも,就職を希望する高校生の50%が生活苦から進学を断念しています。家庭が貧しいという経済的理由で,大学への進学を断念せざるを得ない事態が広がっています。 独立行政法人日本学生支援機構の調査によれば,平成24年の奨学金を受けている学生の割合は52.5%と,2人に1人,福井大学でも調べていただいたら,3人に1人が奨学金を受けています。学費の値上がりと親の収入の低下によって,奨学金を受けなければ進学できない,経済的な理由で進学を諦める事態が広がっているんです。大野市では,無利子の奨学金制度を独自に実施しています。ぜひ福井市でも,無利子の奨学金制度や返さなくてもよい給付制の奨学金制度をつくるべきだと考えます。 東村市長が,予算の提案理由でも述べたように,福井市の人口流出の一つの要因に,県外の大学に進学後,福井市に帰ってこないということが大きな理由の一つとなっています。そこで,福井市で就職した場合,奨学金の全額や一部,利子について返済を援助する制度をつくれば,福井市に帰ってくる人口減少対策と貧困対策をあわせて行える有効な対策だと考えますが,どうでしょうか。見解を求めます。 貧困対策について,最後にふれ愛園の民営化について質問します。 ふれ愛園は,身寄りのない子供や高齢者の住む施設として市の直営で運営されてきましたが,市はふれ愛園を民間に移譲する方針を出しています。私は,民間移譲に反対する立場から質問を行います。 この間,福井市はさまざまな民営化を進めてきました。しかし,民営化のリスクについて,まともな検証がされていません。指定管理施設では,業者みずからが作成した計画をまともに実施しない。防火管理者など安全管理の責任者の配置について,法律違反が繰り返し放置される。人員体制について質問するたびに回答が異なり,さらには議会で質問すると決算の報告書を書き直す。事実上,業者に丸投げで,市はその運営の実態が見えなくなっていることは明らかです。民間にさまざまな委託を行えば,市の技術職員がその技術を磨く場を失うこととなり,現場の実態や業者の不備を見抜く力が失われていきます。 このような民営化によるリスクの検証が十分されていないのではないでしょうか。民営化のデメリットについて,どのように検証しているのか,答弁を求めます。 市は,ふれ愛園の民間移譲についての会派説明では,市が直接実施するのではなく,福祉制度の調整機関としての役割を果たすと説明しました。しかし,現在でも調整役としての任務は担っています。ふれ愛園の民間移譲は,市が直接にその受け入れ施設を担うという役割を民間に委ねて放棄するものであり,福祉行政の明らかな後退であることを指摘しておきたいと思います。 私は,生活相談に取り組んできましたが,その内容は,借金や税金の滞納,保険証がなく病院にかかれない,家庭内暴力に生活保護など,どれも困難なものばかりです。しかし,一人一人の相談者と向き合い,その苦しみの一つ一つにじかに触れながら歩んできたからこそ,制度の不備や問題の深刻さを生々しく市と議論することができたのです。市民の苦しみにじかに触れる仕事をしているのか。その困難にどこまで深くかかわっているかは,福祉に対する姿勢とあり方を大きく左右するものです。私は,自分の経験から,ふれ愛園のような困難を抱えた方々を受け入れる施設を福井市自身が直営で行うことの重要性は明らかだと考えています。 もう一つ問題なのは,現在,ふれ愛園は運営費に4億1,000万円かかるところ,措置費としての収入は半分以下の2億円です。福井市は,民間移譲すれば民間が措置費のみの2億円で運営するとしています。市がやれば4億円以上かかるものが,半額以下で運営できるのは,人件費を低く抑えるからではないでしょうか。答弁を求めます。 半額以下でやろうと思えば,必然的に人員体制を薄くし,給与も下げることは避けられません。そこで働く方々のストレスは強まります。 昨今,ニュースでも,利用者に暴力を振るう,爪を剥がす,死に至らしめてしまうなど,福祉施設職員からの利用者への虐待が数多く報道されていますが,このような虐待も,そのストレスや労働に見合わない低賃金で働かされることが拍車をかけていると指摘されています。 このような民間移譲を計画すること自体,無責任ではないでしょうか。 ふれ愛園には,社会的にも経済的にも困難を抱えた方々,子供や高齢者が入所しています。このような施設こそ,行政が直営でやるべきではないでしょうか。答弁を求めます。 次に,地域経済を守る取り組みについて質問します。 福井市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略を見て,私は,新幹線建設による観光客増加など,外から来てお金を落としてもらう観光や,中核市への移行などは示されているものの,今ある福井市の産業や経済をどう守り育てるのか,それをどう強化するのかという視点が弱いと感じています。 この間,少なくない経済の研究者から,地方自治体における狭い範囲でのお金や物の流れを重視する施策の重要性が指摘されています。それは,私たちの生活における消費行動をつぶさに観察すれば,日々の暮らしの中で自分たちのお金が地域の外へ流れ出しているからです。例えば,福井の暮らしには欠かせない自動車ですが,県内には自動車会社の本社はありません。私たちの自家用車の購入による利益の多くは,県外に流れ出ていきます。冷蔵庫や洗濯機といった生活に必要な電気機器の大企業の本社も,もちろんありません。スーパーマーケットへ行けば,県外からのものがあふれています。大企業の本社は大都市圏に集中しているため,地方の消費行動自体が大都市圏へお金が流れ出していく構造をはらんでいます。 このような中で,地方自治体は意図的にその地域の中でお金や物が還流する仕組みをつくらなければ,大都市への一極集中と地方の衰退は避けられないと警鐘が鳴らされています。 しかし,福井市の昨年度の民間委託の契約のうち,3,000万円以上の高額なものについて見ると,合計額41億7,000万円のうち,市外の業者との契約が13億9,000万円余り,支社などはあるが,本社は県外である準市内との契約は11億円で,合わせると24億9,000万円,約6割が市外の業者との契約となります。 契約額が大きいものは,県外に本社を置く大手しか事実上入れないことも多く,民営化の推進が県外への利益流出を助長しています。 このような経済的流出を放置すれば,それにつられて産業の衰退や物,人の流出を助長することになります。 福井市の地域内からのお金の流出を防ぐ,地域内の経済循環の重要性について,市はどう認識しておられるのか,その見解を求めます。 市内,地域内の経済循環,経済還流をつくる上で,地域の企業活動への支援を強めることが重要であることは言うまでもありません。それゆえ,私たち日本共産党議員団は,福井市の中小零細企業への支援,振興をさらに強める上で,そのバックボーンとなる条例の制定を求めてきました。 中小企業振興条例の制定とその必要性について,どうお考えなのか,答弁を求めます。 この間,市内業者に発注された住宅リフォームに助成金を出して,市内業者の仕事をふやす取り組みを提案しています。全国では,取り組む自治体がふえ続け,その数は半数を超えようとしています。地元業者に仕事が回りやすくなれば,地域の中での経済循環を強めることになります。 市内業者の幅広い住宅リフォームを対象とした助成制度の創設を改めて求めるものですが,どうでしょうか。答弁を求めます。 福井市は,自他ともに認める中小零細企業のまちです。ところが,福井市が発注する小規模な修繕を地元の登録業者に振り分ける小規模修繕業務登録制度の活用が低いままです。契約課の調査によれば,福井市の小規模修繕対象業務の件数は,1,305件であったのに対し,市が登録業者に発注した数は174件であり,まだ13%とわずかです。力を入れている自治体では,8割を超す小規模修繕業務を地元の登録業者に請け負わせています。 小規模修繕業務登録業者をふやすとともに,市の小規模修繕における登録業者の請負割合や請負額をふやしていただきたいと思いますが,どうでしょうか。 この間,福井市として市内企業のインターネットによる情報提供サイトの作成を提案してきましたが,商工振興課のつくった福井市ものづくり企業縁活サイトは,発足したものの,市内1,300社の製造業の中で登録企業数は104社とまだ8%にすぎません。 もっと多くの企業に参加していただきたいと思いますが,その取り組みをどのように強化されていくのか,答弁を求めます。 地域経済を守る取り組みとして最後に強調したいのは,公契約条例の制定です。 福井市内の指定管理者の中でも給与の遅配があるなどのうわさを聞きます。また,この間,福井市が発注した工事の下請に入った業者から,元請から仕事を丸投げされ,元請がつくるはずの書類まで下請の私が書いていると,その書類を見せられ,書類には元請が判こを押すところだけが空欄となっていました。元請の仕事は,ここに判こを押すだけだとおっしゃっていました。私が,市に名乗り出てはどうかと言ったら,そんなことをすれば仕事がなくなると悔しそうに語っておられました。過去には,市の工事で孫請の会社が工事に入っていることを市が全く把握していなかった事例もあり,市と交渉させていただいたこともありました。 市の指定管理施設の労働者の給与の遅配,市の発注した工事における下請への工事の丸投げ,報告なしでの下請への工事の発注,これらは明らかな違法行為であり,あってはならないことだと考えますが,どうでしょうか,見解をまず求めます。 市は,そのような情報を得ているのか,答弁を求めます。 私は,過去2期を振り返ってみても,市の公共サービスの担い手での違反行為やワーキングプアが生じることを防ぐ取り組みは不十分だと感じています。調査体制の見直しが必要ではないでしょうか。答弁を求めます。 先日22日,NHK「クローズアップ現代」では,「広がる労働崩壊・公共サービスの担い手に何が」と題して番組が報道されました。公共サービスの担い手の中でも,保育を初めとした福祉や公共事業の担い手に低賃金労働が蔓延し,ワーキングプア状態が広がっている実態を鋭く告発した見応えのある内容でした。 この番組内では,全国で公契約条例を制定する自治体がふえていること,そして,その取り組みが紹介されていました。東京都の多摩市では,公契約条例を制定し,取り組みを進めていった結果,末端の下請業者にまで賃金の支払い状況を確認するようになりました。その結果,職種によっては,手取りが1.5倍にふえたと現場の作業員がインタビューに答えています。 福井市でも,公契約条例の制定と現場労働者の労働環境を市が直接に調査する体制づくりが必要ではないでしょうか。答弁を求めます。 以上で私の総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (福祉保健部長 港道則男君 登壇) ◎福祉保健部長(港道則男君) 福井市の貧困対策についてお答えします。 少子・高齢化に伴う労働力人口が減少する中,地域経済を支えていくためには生活困窮者への就労支援による自立支援や将来の経済社会を担う子供の貧困の連鎖を断ち切るなどの対策を講じることが重要であると認識しています。 次に,国民健康保険の一部負担金の減免についてですが,平成22年9月に国がその取扱基準を示しており,本市においても平成23年4月に一部負担金減免取扱要綱を制定しました。 国の基準では,失業等により収入が生活保護基準以下に減少し,預貯金が生活保護基準の3カ月分以下である世帯に対し,一部負担金を減免することとしており,その2分の1が国から交付金として交付されます。 この基準を上回る制度に拡充した場合,拡充分の全額を被保険者からの国保税で賄うこととなるため,さらなる税負担が生じることになります。 したがいまして,生活保護基準を上回る拡充は,今のところ考えておりません。 次に,生活保護の申請については,生活保護法第2条で,全て国民はこの法律の定める要件を満たす限り,この法律による保護を無差別平等に受けることができると規定してあり,誰にでも申請権は認められたものです。 今後とも引き続き適切な窓口の対応に努めてまいります。 次に,申請用紙についてですが,申請者の利便を考え,窓口に設置します。 次に,ケースワーカーの配置についてですが,本市では,専門職である社会福祉士を継続して採用しており,地域福祉課には過去5年間,社会福祉士を毎年1人増員,平成24年度からは面接相談員も2人配置しています。 今後も継続してケースワーカーと面接相談員の連携のもと,適切に対応してまいります。 次に,NHK受信料免除制度についてですが,相談に来られた際に生活保護制度の説明を記載した「保護のしおり」を活用して,NHK受信料などの免除制度について説明しています。 生活保護申請認定されるケースでは,免除制度に必要な書類をお渡しして,提出していただいています。 次に,ふれ愛園の民営化についてお答えします。 まず,民営化によるリスクとデメリットについてですが,ふれ愛園を除く県内8カ所の養護老人ホーム及び4カ所の児童養護施設は,全て社会福祉法人が運営しています。 運営主体に官民の違いはあっても,養護老人ホーム,児童養護施設は,それぞれに県が定める設備及び運営の基準に関する条例に基づいて運営されており,職員についても,資格要件を満たした専任職員の配置が規定されています。 また,養護老人ホーム,児童養護施設の指導監査,社会福祉法人に対する施設監査を県または市が定期的に実施しています。 さらに,それぞれの施設長や職員が参加する福井県老人福祉施設協議会,福井県社会的養護施設協議会において,福祉の課題や人材育成,法改正等についての研修や情報共有を行っています。 これらのことから,民営化によるリスクやデメリットはないものと考えます。 次に,移譲後の運営費についてですが,養護老人ホーム,児童養護施設ともに,措置費で賄われます。 措置費は,主に事務費と生活費から成り,事務費は人件費や管理費に,生活費は入所者の生活に必要な費用に充てるもので,国が基準を定めています。 移譲先は,社会福祉法人としており,この国の基準に基づき,移譲後も適切に運営されるものと考えます。 最後に,施設の運営についてですが,運営主体が社会福祉法人であっても,県または市の指導監査や施設監査などで,運営内容や入所者の処遇等について適切に指導します。 また,行政の役割が施設サービスの直接提供から福祉サービスの支援体制などの全体調整機能へと変化しており,現在の民間移譲計画を着実に進めていきたいと考えています。 (商工労働部長 浅野信也君 登壇) ◎商工労働部長(浅野信也君) 奨学金の返済を援助する奨学金制度の創設についてお答えします。 福井県の平成28年度予算案の中に,U・Iターン奨学金返還支援事業が新規事業として予定されています。これは,県外大学生を対象に奨学金の返済を支援し,県内企業への就職を促進するものです。 本市では,この事業に類似した奨学金援助制度は考えておりませんが,学生の市内企業への就職をサポートするため,保護者向けの就活応援セミナーや就活相談会の開催,また県内外の大学生などが地元企業の経営者と語り合い,地元企業の魅力を知ってもらうための地元企業魅力発見セミナーの開催により,市内企業への就職促進を図ってまいります。 次に,地域経済を守る取り組みについての御質問のうち,まず,地域内の経済循環の重要性についてお答えします。 地域内での経済循環,地域外からのお金の獲得は重要であると考えております。しかし,福井市内の企業で最終製品をつくっている企業は少なく,福井市域内だけでの経済循環は難しいのが現状でございます。 本市としても,市内企業に成長してほしいと考えており,市内企業の研究開発,人材育成,設備投資,販路拡大などの取り組みに対しまして,さまざまな支援策を講じているところです。 また,市内企業の増設,移設に対する助成金の交付要件を緩和するとともに,本社機能の本市への移転を推進するため,管理業務部門の立地に対する助成を新設する福井市企業立地促進条例の全部改正案を本定例会に提案しているところです。 次に,中小企業振興条例の制定とその必要性についてお答えします。 中小企業振興条例は,法的な位置づけがなく,制定されている他市の条例を見ると,基本理念,行政の役割,中小企業の役割,市民の役割,基本的な施策などで構成されており,その内容は具体的なものではなく,理念的なものがほとんどでございます。 条例は制定しておりませんが,本市が現在行っている商工施策の多くは,市内企業の多くを占める中小企業向けの対策であり,中小企業者のニーズに合った具体的な支援を行っています。 今後も継続して中小企業者の支援を行っていきたいと考えています。 次に,福井市ものづくり企業縁活サイトの登録企業をふやす取り組みの強化についてお答えします。 現在,物づくり企業へ直接訪問したり電話をかけたりして登録をお勧めしております。また,2月27日に福井テレビの「福いっぱいテレビ」でも御紹介したところでございます。 今後とも製造業が多く集まる展示会での広報活動など,商工団体や金融機関,関連団体等との連携を図り,登録業者の増加に努めてまいります。 (建設部長 渡辺優治君 登壇) ◎建設部長(渡辺優治君) 住宅リフォーム助成についてお答えいたします。 本市が行っております住宅リフォームに関する助成制度につきましては,まちなか住まい支援事業,移住・定住サポート事業,それから空き家リフォーム支援事業等,その政策に応じた助成を行っているものでございます。 その業者選定に当たりましては,住宅リフォーム助成の申請者の皆様が住宅リフォームの経済性や業者の技術力等を考慮した上で業者決定を行っておられます。そういったことから,本市が市内業者との契約を条件につけるということにつきましては,適当ではないと判断しているものでございます。 (財政部長 玉村公男君 登壇) ◎財政部長(玉村公男君) 私からは,まず,小規模修繕業務登録業者の活用についてお答えいたします。 小規模修繕業務登録業者は,本市が発注する50万円以下の修繕業務の発注を希望する業者で,工事,物品,業務委託等の入札参加資格者名簿に登載されていない小規模の市内業者でございます。 修繕業務の発注の際には,小規模修繕業務登録業者への優先的な発注を各所属に依頼いたしております。 しかし,修繕業務は突発的に発生する場合が多く,早期に対応が必要なため,過去に修繕を行った業者に発注することが多いのが現状でございます。 これまでも市政広報やホームページを通じ,新たな業者登録の呼びかけを行ってきましたが,今後も関係各課への制度の周知を図り,小規模修繕業務登録業者への発注を拡大できるよう取り組んでまいります。 次に,指定管理施設の労働者の給与の遅配や下請工事の丸投げ,報告なしの下請工事の発注については,あってはならないことですし,そういった情報は得ておりません。 また,指定管理施設については,各所管課及び専門家によるモニタリングを行う中で,労働環境についても確認いたしております。 次に,公契約条例の制定と労働者環境の調査体制づくりについてお答えいたします。 本市における公共工事や業務委託等の契約については,地方自治法や建設業法,公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律などの関係法令に基づき,適正な執行に努めています。 また,労働者の賃金など,個々の労働条件は,労働基準法や最低賃金法等の労働関係法令により,その確保が図られ,業者間においては,下請代金支払遅延等防止法などが適正に遵守されていると考えております。 本市の工事の入札においては,低価格受注への対策として,最低制限価格率を平成25年4月から3年連続で引き上げるとともに,平成26年4月からは,設計金額の一部を控除する,いわゆる歩切りを廃止してございます。 また,特例措置として,平成26年2月からは,毎年,労働者に適正な賃金が確保されるよう,市場の実勢価格を反映した労務単価での契約を行っております。 今後は労働者に適正な労働報酬が支払われているかの確認作業の体制や,それに伴う行政コストの増大など,先行事例での課題もあることから,引き続き調査研究してまいります。 (工事・会計管理部長 山本浩隆君 登壇) ◎工事・会計管理部長(山本浩隆君) 私からは,地域経済を守る取り組みについての御質問のうち,下請工事に関することについてお答えします。 市の発注工事において,受注者が下請業者に工事を一括下請することや報告なしの下請をさせることは,建設業法,公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律及び福井市工事請負契約約款で禁止されております。 また,その調査体制につきましては,工事発注課が受注者からの通知によりまして施工体制のチェックを行いますとともに,工事検査課は,工事施工中の工事監察をすることで,現場での施工体制や下請契約の確認を行っております。 なお,今のところ,調査体制の見直しは考えてございません。 ◆22番(鈴木正樹君) 自席で再質問させていただきます。 まず,ふれ愛園について聞いておきたいんですけれども,私は,人件費をかなり抑えることになるのではないのかと聞いたんですが,その点についてお答えがありませんでした。人件費がかなり抑えられるということ,削減されていくのではないかということについて,どのように予測されているのか,答弁を求めます。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 先ほど答弁させていただきましたように,措置費の中でそのような経費も支出されることになります。冒頭にもお答えさせていただきましたように,ふれ愛園以外の県内施設につきましても,社会福祉法人がこの基準に基づいて運営されています。同様に,ふれ愛園も良好な運営をしていただけるものと考えております。 ◆22番(鈴木正樹君) 今まで4億1,000万円でやっていたものを半分以下の措置費だけでやってもらうということになれば,人件費を削らざるを得なくなるのは,必然的なことだろうと誰でも予測がつくことです。いろいろおっしゃってはいるんですが,結局人件費を大幅に削って,運営を民間に委ねて放棄していくということになるわけです。これは本来ならやはり福井市が直接運営するということを重視すべきだと思います。 5分しかないので次に行きますが,国民健康保険法第44条のことについてです。一部負担金の減免について,やらないということでした。まず,認識をお聞きしたいんですが,生活保護基準にぎりぎり至らないけれども,その収入は非常に低く,苦しい世帯では,実際には生活保護を下回るような生活状況が生まれるということが,この間,いろんな貧困の調査からも明らかになっているわけですが,福井市としては,そういうケースが存在するということはあり得ると考えているのかどうか,答弁を求めます。 ◎福祉保健部長(港道則男君) そういう方につきましては,主に地域福祉課の窓口で御相談をさせていただきます。そのときに生活の状況,収入の状況等をお聞かせいただくわけでございますけれども,その生活の状況に応じて収入額を積算し,扶助の基準額を算出して,実際にお聞きしたその収入との比較の中で判断させていただいております。 ◆22番(鈴木正樹君) 聞いたことに明確に答えていただいていないんですけれども,やはり実際にそういうことが起きているから,私は質問させていただいているんです。先ほど述べた70歳代の高齢者の夫婦ですが,年金の受給額は生活保護基準の102%で,たった2%だけ上回っているんです。奥さんは一日中目が離せないほどの認知症で,要介護度は要介護3です。しかし,要介護度が出ていても,介護サービスは全く利用できません。利用料を払うお金が出てこないからです。生活保護なら,医療や介護の利用料の負担は基本的には無料になるので,こういうことは起きません。認知症で要介護3で,介護サービスが使いたくてもお金がなくて使えない。医療費の負担も苦しい。これは生活保護以下の状況ではありませんか。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 個々の事例についてはちょっとお答えしにくいところがございますけれども,夫婦お二人の世帯ですので,それぞれの収入をお聞かせいただく。また,預貯金等,資産等についてもお聞かせいただく。それらの状況を総合的に判断し,生活保護基準を上回るか上回らないか,その辺を含めて判断させていただいております。 ◆22番(鈴木正樹君) 今回,私がこの70歳代の夫婦を質問で取り扱わせていただいたのは,この方は福井市に国民健康保険法第44条の一部負担金の減免を申請しましたが,結果は却下されましたね。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 重ねてですけれども,個々の事例についてはちょっとお答えしにくいところがありますが,委員がおっしゃるようなことに近い事例を聞きますと,やはりその収入につきましては,預貯金の状況等もお聞きして,生活扶助基準を上回っているという判断をさせていただいたものと理解しています。 ◆22番(鈴木正樹君) たった2%ですよ。たった2%生活保護基準を上回ったからはねられたんです。 教育部長,小学校や中学校の就学援助制度は,生活保護基準の130%まで認めていますね。生活保護基準だけに限定せず,30%上乗せする理由は何なのか,お答えください。 ◎教育部長(山本みどり君) 就学援助につきましては,経済的な理由により就学が困難な児童・生徒に対して,学校で必要な費用の一部を援助する制度でございます。該当される方につきましては,要保護児童・生徒,準要保護児童・生徒でございまして,準要保護の認定基準につきましては,年間所得の合計金額が生活保護基準額の1.3倍未満の方と規定させていただいております。 この認定基準でございますけれども,全国市町村教育委員会財務事務担当者会議におきまして,生活保護基準額の1.3倍という目安が示されておりまして,この基準に基づきまして福井市もさせていただいているということでございます。 ◆22番(鈴木正樹君) お金がなくて,学校のいろんな支出が出せないということが,生活保護基準を下回らなくても起き得るということだから,経済的な理由で教育の機会均等が失われてはいけないということで,就学援助では生活保護基準に30%上乗せして対応するんです。 お金がなくて病院に行けない,介護サービスを受けられない。まさに経済的な理由,お金の問題で命の平等が脅かされる事態だと私は思うんですね。こういう制度の穴はあってはならないと思うんです。生活保護基準をたった2%上回ってはじかれてしまう。こういうことでは,だめなのではないですか。これは,やはり制度の穴は何とか塞ぐ努力が必要ではないですか。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 先ほども答弁させていただきましたように,平成22年に国が取扱基準を示しております。福井市もそれに準じて要綱を制定し,それに基づいて運用をさせていただいています。 ◆22番(鈴木正樹君) ほかの自治体でもやっていますし,やろうと思えばやれないことではありません。先ほど金沢市の事例を紹介しましたが,金沢市は,国民健康保険法第44条だけではなくて,金沢市の独自の制度で20%上乗せして医療費の一部負担分を見るという制度もつくっています。本当に命の平等を守るためにぜひそういう制度をつくっていただきたいということを強く求めて,質問を終わります。 ○議長(堀江廣海君) お諮りします。 本日の市政に対する一般質問はこの程度にとどめ,延会したいと存じますが,これに御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれをもって延会します。             午後4時54分 延会 地方自治法第123条第2項の規定により,本会議の顛末を証するため,ここに署名する。福井市議会議長                   平成  年  月  日福井市議会副議長                  平成  年  月  日署名議員                      平成  年  月  日署名議員                      平成  年  月  日...