福井市議会 > 2015-11-10 >
11月10日-03号

  • ピロリ菌(/)
ツイート シェア
  1. 福井市議会 2015-11-10
    11月10日-03号


    取得元: 福井市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-29
    平成27年12月定例会               福井市議会会議録 第3号           平成27年11月10日(火曜日)午前10時0分開議〇議事日程 日程1 会議録署名議員の指名 日程2 市政に対する一般質問──────────────────────〇出席議員(31名) 1番 近藤  實君   2番 福野 大輔君 3番 菅生 敬一君   4番 瀧波  滋君 5番 池上 優徳君   6番 八田 一以君 7番 水島 秀晃君   8番 後藤 裕幸君 9番 村田 耕一君   10番 藤田  諭君 11番 田中 義乃君   12番 伊藤 洋一君 13番 片矢 修一君   14番 泉  和弥君 15番 玉村 正人君   16番 中村 綾菜君 17番 谷本 忠士君   19番 島川由美子君 20番 下畑 健二君   21番 堀江 廣海君 22番 鈴木 正樹君   23番 今村 辰和君 24番 野嶋 祐記君   25番 青木 幹雄君 26番 石丸 浜夫君   27番 堀川 秀樹君 28番 見谷喜代三君   29番 皆川 信正君 30番 吉田 琴一君   31番 加藤 貞信君 32番 西村 公子君──────────────────────〇欠席議員(1名) 18番 奥島 光晴君──────────────────────〇説明のため出席した者 市長         東 村 新 一 君 副市長        山 田 義 彦 君 副市長        清 水 正 明 君 企業管理者      西 行   茂 君 教育長        内 田 高 義 君 特命幹        中 西 賢 也 君 都市戦略部長     谷 澤 正 博 君 総務部長       高 山 浩 充 君 財政部長       玉 村 公 男 君 市民生活部長     木 村 郁 夫 君 福祉保健部長     港 道 則 男 君 商工労働部長     浅 野 信 也 君 農林水産部長     岩 崎 文 彦 君 建設部長       渡 辺 優 治 君 下水道部長      國 枝 俊 昭 君 工事・会計管理部長  山 本 浩 隆 君 消防局長       武 澤 正 美 君 企業局長       小 林 義 弘 君 教育部長       山 本 みどり 君──────────────────────〇事務局出席職員 議会事務局長     峠   尚 太 議会事務局次長    小 林 秀 樹 議事調査課長     廣 瀬 峰 雄 議事調査課主任    坂 下 哲 也 議事調査課主幹    阪 本 喜 浩 議事調査課副主幹   野 尻 和 弘 議事調査課主事    藤 本 喜 信 議事調査課主事    毛 利 真貴子────────────────────── ○議長(堀江廣海君) 出席議員が定足数に達しておりますので,議会は成立しました。 よって,これより会議を開きます。 なお,本日の欠席通告議員は,18番 奥島光晴君の1名であります。────────────────────── ○議長(堀江廣海君) それでは,日程1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は,会議規則第88条の規定により,30番 吉田琴一君,31番 加藤貞信君の御両名を指名します。────────────────────── ○議長(堀江廣海君) 次に,日程2 市政に対する一般質問を許可します。 なお,昨日も申し上げましたが,1回目の質問時間は総括質問方式により25分,2回目以降の質問時間は一問一答方式により5分です。質問は時間に留意され,重複を避け簡明に,答弁は質問の趣旨に沿い,簡潔かつ的確にされますようお願いします。 また,総括質問,一問一答ともに,質問,答弁は卓上のマイクを自分のほうに向けて発言をお願いします。 30番 吉田琴一君。 (30番 吉田琴一君 登壇) ◆30番(吉田琴一君) おはようございます。 市民クラブの吉田でございます。通告に従いまして4点質問させていただきたいと思います。 まず,本市の原子力災害に伴う広域避難者受け入れ訓練についてお尋ねいたします。 去る10月16日,昨年に引き続き,関西電力高浜原発での事故を想定した福井県原子力防災訓練が実施されました。ことしの主な訓練内容は,最初動対応訓練安定ヨウ素剤緊急配布訓練スクリーニング・除染訓練,緊急時モニタリング訓練などに取り組まれてきたということであります。 そこでお尋ねいたしますが,今回も本市は訓練に参加されたと思いますけれども,取り組み内容は昨年度と比較しましてどうであったのか,感想をお聞きしたいと存じます。 また,防災訓練には住民参加の避難訓練はなかったようでございますが,その理由はなぜなのかお尋ねいたします。 ところで,本市の地域防災計画原子力災害対策編では広域避難者の受け入れ態勢を講じることとなっており,こうした県の訓練を機に,本市独自の避難所開設訓練として広域避難者の受け入れ訓練も行うべきと考えますが,以下,何点かお尋ねしたいと存じます。 まず,スクリーニング及び除染についてでございますが,本市の候補地は,県立音楽堂駐車場県産業会館駐車場,福井市きらら館駐車場,越前水仙の里駐車場,美山アンデパンダン広場駐車場などを活用するとなっております。そこで,それぞれの会場においてスクリーニング及び除染の実動訓練を行うべきと考えますが,見解をお聞きしたいと思います。 また,原則,自家用車の場合の避難ルートとして,県道福井四ケ浦線から県道福井加賀線,国道305号から国道416号,県道福井四ケ浦線から県道福井加賀線,さらに国道158号などのルートが設定されています。これら避難道路の混雑を解消し,避難者をスムーズに移動させるため,誘導員の配置を考えているのか。 なお,配置を考えているのであれば,避難誘導などの実動訓練が必要と考えます。また,配備を考えていないのであれば,交通安全対策なども含めて誘導員の配置を図るべきと思いますが,御所見をお聞きしたいと存じます。 その他,関係市町の広域避難先として,福井市は敦賀市民約6万8,000人の収容避難所として指定されており,学校や公民館,そのほか公共施設等で避難者を受け入れることとなっております。苛酷事故の発生を想定し,いざというときの避難者受け入れ対応訓練は必要と考えますが,見解をお聞きしたいと存じます。 また,避難される要支援者及び要配慮者への受け入れ対応訓練,並びに学校や病院及び社会福祉施設などの施設における避難者受け入れ対応訓練なども必要と考えますが,見解をお聞きしたいと存じます。 そのほか,広域一時滞在並びに長期滞在も念頭に置いた避難所のあり方も視野に入れ,本市独自の避難者受け入れ対応策を考えておく必要があると考えますが,御所見をお尋ねしたいと存じます。 さらに,避難受け入れ者への安定ヨウ素剤緊急配布体制の確立と,服用を指示する実動訓練なども実施すべきと考えますが,これも見解をお聞きしたいと存じます。 次に,移住定住サポート事業の進捗状況と今後の対応についてお尋ねしたいと存じます。 さきの9月定例会において,人口減少対策の一環として,多世帯同居推進や住まい環境の充実,若年夫婦世帯等の家賃補助など,UIターン世帯を対象とした支援事業が決定されたことは記憶に新しいところでございます。さらに,この事業を紹介するため,10月10日号の市政広報で詳細が掲載されておりました。私は,前回もこの取り組みについて質問させていただきましたが,引き続きお伺いしたいと存じます。 多世帯同居リフォーム補助,多世帯近居住宅取得補助及び若年夫婦世帯等住宅応援家賃補助など,サポート事業の現段階での応募状況はどれくらいになっているのかをお尋ねいたしたいと思います。 また,引き続きこのサポート事業は継続して取り組んでいただけるものと考えますが,来年度以降の募集件数はどれくらいを考えているのか,お聞きいたします。 また,今回の支援については,先着順及び抽せんとなっているようでありますが,今後この支援決定方法については考慮すべきと考えます。したがいまして,次年度以降の支援事業に対し当初予算以上の応募が発生した場合,追加の補正予算で対応し支援拡大を図るべきと考えますが,御所見をお尋ねしたいと思います。 さらに,支援事業の内容で考慮すべきと考える点として,県内外に住んでいる人のUIターン者の支援に関しては,移住するため一旦同居生活が始まっても,移住の確認や,あるいは補助要件が整えば多世帯同居リフォーム支援事業として認めていくべきと思いますが,見解をお聞きしたいと思います。 次に,子ども・子育て支援新制度の現況と課題についてお尋ねしたいと存じます。 待機児童の解消を目指した国の子ども・子育て支援新制度が,本年4月よりスタートしてきたところでございます。この新制度の認定こども園は内閣府所管で一括認可され,国の給付金が受けやすくなったことが一番のメリットと上げられております。また,保育園からの移行に伴って運営面に余裕が出てきたことや,保育園児の退所問題も解決されるようになったなど,新制度の移行に対する評価の声も上がっております。一方,私立幼稚園では,新体制のスタートにより入園料の徴収に対する問題や金額にばらつきがあるなど問題も発生いたしました。 そこでお尋ねいたしますが,本市としては子ども・子育て支援新制度移行のメリット,デメリットをどのように考えているのかお尋ねいたします。 また,4月から子ども・子育て支援新制度に移行された私立保育園の認定こども園の数と,私立幼稚園から移行した認定こども園の数は,何施設あったのか。また,今後この認定こども園に移行を予定している施設はどれくらいあるのかをあわせてお尋ねしたいと思います。 また,この新制度がスタートされ半年以上が経過いたしましたが,私立保育園並びに私立幼稚園の認定こども園への移行に対する成果と問題点などを検証されていればお尋ねしたいと思います。 引き続き,私立保育園の現況と対応策についてお尋ねしたいと思います。 今回,子ども・子育て支援新制度は,待機児童の解消などを目的に施設整備を進めて保育の受け皿をふやすことや,保育士や職員の待遇改善及び配置の充実などが盛り込まれた制度となっていると伺っておりますけれども,特に深刻化する私立保育園の保育士不足についてお聞きしたいと思います。 これまでも,保育士の就業に伴う内容については大きな社会問題となっております。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によりますと,この10年間,民間施設で働く保育士の平均勤続年数は女性が7年から8年,男性が5年から6年前後であり,異常なほどの実態が浮き彫りにされております。また,全国のハローワークが潜在保育士を対象に行った調査では,保育士として働きたくない理由に賃金が希望と合わないと答えている人が最も多く,20代並びに30代で6割近くあると報告されております。 そこで,本市の潜在保育士は何人いるのか,また,この人たちの掘り起こし,いわゆる就業でありますけれども,本市はどのように考えてるのかをお尋ねしたいと思います。 また,この調査からもわかるように,仕事の割には賃金が安い,勤務時間が長い,持ち帰り仕事が多いという悪い風潮が社会全体に広がっており,何とかこの対策を講じていかなければならないと存じます。 また,そのほか離職者対策としては,退職する人の理由の中に,夢が持てない,園の運営方針などにおいて上司とうまくいかない,保護者とコミュニケーションがとれないなど,さまざまな問題がそれぞれの保育園の中に少なからず潜んでいると思われます。本市としても,これらの問題に積極的にかかわり,より一層,質のよい保育行政を目指し,的確に指導,助言していかなければならないと考えますが,御所見をお伺いしたいと思います。 最後になりますけれども,ガールズケイリン開催の結果と今後の課題についてお尋ねしたいと思います。 なお,昨日加藤議員も質問されておりますので,一部重複する部分については割愛させていただきたいと思います。それを除いた分で質問したいと思います。 きのうの質問の中で,来年度以降もガールズケイリンについては開催していきたいという答弁でございましたが,年間どれくらいの開催を考えているのか。また,ファン拡大に向けた新規顧客やリピーターの獲得など,今後の取り組む姿勢についてお尋ねしたいと思います。 さて,今回初めて競輪場に行った市民の方の御意見の中に,施設の建物など見た目が非常に悪い,要するに汚い,特に外壁やスタンドの椅子なども老朽化しており,改修できないものか,また,小さな子供が遊べるキッズルームがあってもよいのではないか,さらに,子供連れでも気軽に入場できるような施設に改善できないのかなど,意見が寄せられております。 そこでお尋ねいたします。福井国体の開催に向け,施設の改修事業に取り組まれていくものと存じますが,全体的な工事の内容と改修計画及び今回市民からいただいた御意見等も踏まえて御見解をお尋ね申し上げまして,私の質問を終わらせていただきます。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 私からは,子ども・子育て支援新制度の御質問のうち,新制度移行のメリットとデメリットについてお答えいたします。 メリットとしては3つあると考えています。1つ目は,幼保連携型認定こども園の法律上の位置づけが変わり,所管省庁の統一に伴う認可手続の簡素化等によって認定こども園化の促進が図られ,教育・保育の受け皿をふやすことができるようになった点です。2点目は,新制度における保育園,幼稚園,認定こども園に対する財政支援を市が一元的に行うことにより,各園の入園状況や運営状況を詳細に把握することが可能となった点です。3つ目は,一時預かりなどが地域子ども・子育て支援事業として法律上に位置づけられたことで,本市が実施する子ども・子育て支援事業を充実させていくことが可能となった点です。 なお,デメリットについては特にないと認識しておりますが,制度そのものが複雑であることから,新制度の内容が保護者や施設を運営する事業者に十分に理解されていない部分があり,今後も丁寧に説明を行うことはもとより,あらゆる機会を捉えて,制度内容について理解が深まるよう取り組みを進めてまいります。 (福祉保健部長 港道則男君 登壇) ◎福祉保健部長(港道則男君) 子ども・子育て支援新制度の残りの質問にお答えします。 初めに,新制度の移行に合わせ認定こども園に移行した施設の数ですが,計11施設で,私立保育園からの移行が10施設,私立幼稚園からが1施設です。 次に,今後の認定こども園への移行についてですが,ことし8月に行った各施設への意向調査では,平成31年度までの移行希望園は,私立保育園41園中37園,私立幼稚園14園中11園の計48園です。 次に,認定こども園への移行の成果ですが,これらの園で適切な職員配置を行い,事業に取り組む場合に,それに見合う運営費収入を得られる仕組みとなったため,職員を手厚く配置して,教育・保育の質の向上を図りやすくなりました。また,満3歳以上の子供は,保護者が働いている,働いていないにかかわらず利用でき,保護者の就労状況が変化した場合でも継続してその園に通園できることから,保護者にとって利便性が向上することとなりました。一方で,新制度に移行した施設では,複雑な申請手続など事務量がかなり多く,職員にかかる負担は増大しているものと思われます。 次に,潜在保育士の状況ですが,福井県で言いますと,平成26年4月現在で保育士資格者数が9,472人で,うち4,282人が就労しており,割合は約45%となります。本市での資格者数は統計がなく不明ですが,ことし4月現在,公私立合わせて1,532人が就労しており,同様の傾向にあると推測しております。潜在保育士の就労については,ハローワークにおける意識調査や平成23年度厚生労働省アンケート調査結果から,給与水準がその妨げの理由になっていることが見受けられます。このため,今年度から公定価格に含まれることになった処遇改善等加算において確実に給与改善が行われることを確認するため,施設から改善計画の提出を求め,その後,実績報告により検査を行うこととしています。保育士が賃金改善を実感できるよう,処遇改善の取り組みを着実に進めていきたいと考えております。 さらに,本市では,近年需要が高まっている障害児保育や低年齢児保育などに対し,保育士の加配や勤務条件の改善などが行えるよう各施設への補助金のあり方を見直し,着実に保育士の就労条件が改善されるよう取り組んでまいります。 次に,的確な指導,助言についてですけれども,国においても保育士の就労問題について,特に賃金水準格差をかねてから問題視しており,既に処遇を改善するための取り組みが行われておりますが,依然として全職種平均に比べ低水準にあることは認識しております。本市では,既に市独自の人件費補助を行っており,これら補助金が確実に職員の人件費に充てられるよう,事業者により一層の理解を求めるとともに,職員の給与実態についても十分把握し,補助金の執行について適切に指導,監督を行っていきたいと考えております。 また,各園における処遇等さまざまな問題に対し適切に対応し,市全体の保育の質の向上に向けて努めてまいりたいと考えております。 (総務部長 高山浩充君 登壇) ◎総務部長(高山浩充君) 私からは,まず今年度の福井県原子力防災訓練についてお答えいたします。 先月16日に実施されました福井県原子力防災訓練において,本市は初動対応訓練安定ヨウ素剤緊急配布訓練に参加いたしました。初動対応訓練では,県からのファクスによる情報伝達を踏まえ,原子力災害時における初動対応を確認いたしました。安定ヨウ素剤緊急配布訓練では,保健師を含めた10人の職員が参加し,本番に近い想定で,職員が配布役と住民役に分かれ,自家用車やバス等の車両により避難してきた住民の年齢や薬の服用状況を聞き取り,安定ヨウ素剤の服用の適否を判断し,適切に配布する手順を確認いたしました。昨年度までの本市の訓練参加は,県からの情報伝達訓練,図上訓練などが中心であったものに対しまして,今回は実動訓練であり,実際の対応につながるものと感じました。今後ともこのような訓練,研修を通じまして,多くの職員が知識を身につけ,経験を重ねてまいります。 次に,住民参加訓練が実施されなかった理由についてでございます。 当初は,防災機関による個別訓練後に住民参加の実動訓練が実施される予定でしたが,住民が県外へ避難する際の福井県広域避難計画要綱がまだ確定していないという理由で延期されたものでございます。 次に,本市の候補地でのスクリーニング及び除染の訓練についてです。 今回は高浜原発を想定した広域避難訓練として,県の要綱に基づき,県の健康福祉センター職員や電力事業者による住民スクリーニング訓練が,サンドーム福井駐車場と小浜市総合運動場の2カ所にて実施されました。市内にも5カ所のスクリーニング候補地があり,実動的な訓練も必要と考えておりますことから,本市の候補地での訓練実施について県に要請してまいります。 次に,避難ルートへの誘導員の配置についてですが,県の要綱では,県は警察,道路管理者,関係自治体と連携して誘導などの対応策について具体的な検討をすることとされていますので,本市といたしましては,誘導員など渋滞抑制対策を含む具体的な対策や方針について明示するよう,国や県に要望しているところでございます。 なお,実動訓練につきましては,関係機関の連携を確認するため必要ですので,関係機関の役割が決定次第,実施を検討してまいります。 次に,避難者受け入れの対応訓練についてでございます。 本市の原子力災害住民避難計画では,本市に被害がない場合,もしくは被害のおそれがない場合には,敦賀市民約6万8,000人を受け入れることとしております。平成25年度の県原子力防災訓練では,敦賀市白木地区からの避難者に見立てた敦賀市職員や消防団など計14人を羽生小学校で受け入れる訓練を実施いたしました。この訓練では,本市の職員が避難所を開設し,避難者受付や備蓄物資を配置し,敦賀市民受け入れの手順を確認しております。 次に,要支援者及び要配慮者の受け入れ対応訓練についてでございます。 県の要綱では,病院の入院患者,社会福祉施設の入所者等の避難先に,市内の医療機関や福祉施設が示されております。一方で,入所者の主な避難輸送手段となる車両が確保されておらず,県が引き続き検討,協議を行うこととしていることから,避難輸送の訓練とともに受け入れ対応訓練を実施するよう県に働きかけてまいります。 次に,長期滞在を想定した避難者受け入れ対応策についてでございます。 県の要綱と本市の避難計画は,原発からおおむね30キロメートル圏外,いわゆるUPZ外への避難が円滑に行われることを目的に策定されたものでございます。これらの計画では,UPZ外の県内市町は全て避難先となっているため,避難が長期化した場合は広域的避難先として福井県外への避難が想定されます。本市のみでの対応は難しいため,国や県に対しまして避難者の長期滞在時の対応を示すよう要望してまいります。 次に,避難受け入れ者への安定ヨウ素剤緊急配布体制の確立と服用を指示する実施訓練についてでございます。 安定ヨウ素剤の服用は,放射性ヨウ素が体内に取り込まれる前に服用する必要があるため,安定ヨウ素剤の配布場所は住民の避難ルート上に設けられ,適切なタイミングで速やかに住民等に安定ヨウ素剤を配布する計画となっております。避難者に対しまして配布場所で確実に安定ヨウ素剤を配布するための体制を整備するため,今後とも県と協議してまいります。 (建設部長 渡辺優治君 登壇) ◎建設部長(渡辺優治君) 移住定住サポート事業についてお答えします。 移住定住サポート事業につきましては,9月補正予算で予算化し,10月19日から募集を開始いたしました。10月末現在での応募状況ですが,多世帯同居リフォーム補助が4件,多世帯近居住宅取得補助が5件,若年夫婦世帯等住宅応援家賃補助につきましてはゼロ件となってございます。 次に,来年度以降の募集件数についてですが,今後の応募が多数の場合,今年度以上の件数を補助できるよう取り組んでまいります。また,応募多数の場合の予算措置については,補正予算での対応を検討する中で,県に対しましても支援枠の追加配分を要望していきたいと考えております。 次に,多世帯同居リフォーム補助は,UIターン世帯につきまして一旦同居生活が始まっている場合なども,同居開始から6カ月以内の申請であれば新たに同居するものとみなし,補助の対象といたします。 (商工労働部長 浅野信也君 登壇) ◎商工労働部長(浅野信也君) 競輪のファン拡大に向けた今後の取り組み等につきまして,まずお答えいたします。 ファン拡大に向けた事業といたしまして,今年度は2回,ガールズケイリンを開催いたしました。また,ふくいオトナ博での車券購入方法の説明やレース予想体験など,また競輪場内では初心者ガイダンスコーナーを設け,新規ファンの拡大に努めてまいったところでございます。競輪の運営につきましては,新規ファンの開拓は非常に重要でございます。次年度に向けまして,ガールズケイリンの開催も含め,ファン拡大の施策につきまして検討を加え,新たなファン獲得に向けて今後も積極的に取り組んでまいりたいと思います。 次に,福井国体開催に向けた施設改修の工事内容と改修計画についてお答えします。 来場者の安全を確保するため,耐震基準を満たしていない中央スタンドの改修を最優先課題として取り組んでおりまして,本年度,詳細設計を行っているところです。工事内容は,柱や壁及び屋根の耐震補強を行うもので,福井国体が開催される平成30年度までの完成を目指してまいります。また,施設全体が老朽化しておりますので,お客様に喜んで来場してもらえるよう,できる限りのリニューアルを行ってまいります。キッズルームの設置につきましては,これまで福井競輪場へ来場するお客様に小さな子供連れは見られず,必要性を感じておりませんでした。しかしながら,今回のガールズケイリン開催時には子供連れが何組か見受けられました。ほかの競輪場で設置をしている例もございますし,今後も一定の来客が認められるのであれば検討したいと考えております。 ◆30番(吉田琴一君) 自席で要望並びに再質問をしたいと思います。 まず,要望でございますけれども,原子力災害に伴う広域避難者受け入れ態勢の訓練ということでの質問に対しまして,現況的にはまだまだ充実していかなければならない点があると今お聞きしたわけでありますが,災害はいつ何どきやってくるかわからないというようなこともあります。そういった意味では,訓練ごとに反省するのではなくて日々そういう要望活動をしていくということをひとつぜひお願いしておきたいと思います。 それから,移住定住サポート事業の関係でございます。特にこれは多世帯同居リフォーム事業に関してでございますけれども,先ほど建設部長から6カ月まで有効ですよという答弁をいただいたんですが,正直6カ月ではなかなか難しい。家を改築するか,あるいはまた家庭の事情によって,やはり家族に少し合わないからリフォームしようかとかいろいろ考える場合もあるかもしれません。ですから,この6カ月という区切りを,例えば1年にするとか2年にするとか,もう少し基準緩和といいますか,そういったことを考えていく必要があるのではないかということも思っておりますし,聞くところによりますと,各世帯近居住宅取得補助事業においては2年間有効だという事情もあります。できればそれと合わせるぐらいの形の中で対応していただけるといいのかなと思うんですが,そこら辺の考え方について,再度答弁をお聞きしたいと思います。 ◎建設部長(渡辺優治君) ただいまの多世帯同居リフォーム補助の対象が,同居が始まってから6カ月以内という期間についてのお尋ねでございます。 繰り返しになるかもしれませんが,この制度につきましては新たに多世帯で同居するために必要なリフォームに対する支援という基本的な考えに基づきまして,一定の対象期間の設定が必要であるといった考えから,これは県の制度に基づき,その制度を利用しております他市町ともに,今のところ6カ月という対象期間でお願いしているものでございます。これにつきましては,申請される市民の皆様のニーズ等を常に把握しながら,固定ではなくて年度単位で見直していく必要はあろうかと考えますが,当面この基準での運用を考えてございます。 ◆30番(吉田琴一君) 今回スタートしたばかりですから何ですが,ぜひ,現況を把握して,そしてまた,県の事業でもありますけれども,さきの答弁で絶えず県にも強く要望していっていただけるということですので,あわせてここら辺の確認ももう一度していただけるとありがたいなと思います。要望にとどめます。 それからもう一点でございますが,保育園の現況対応の中で,特に,賃金だけが全てとは言い切れない部分もあろうかと思うんですが,やはり何といってもそれがベースになっているという状況も聞いております。市もいろいろ援助しているという状況も今福祉保健部長が答弁されておりますけれども,これは,国がやっていないからなかなか難しい部分もあるのかもしれませんが,市独自の方法で指導体制を強化していこうとするならば,モデル賃金体系みたいなものがあれば,そういった部分を含めて指導といいますか助言ができるのではないか。1つは,公立保育園がありますけれども,そこら辺の実態と比較してどうなのかということを考えれば,そういう賃金ベース,モデル賃金体系をつくることは容易にできるのではないかとも思ったりします。ですから,これはひとつ今後の検討材料として十分酌んでいただきながら,課内で調整し,そしてまた検討していただきたいと思うんですが,これは要望というか,そういった考え方を含めて,一言福祉保健部長からお聞きしたいと思います。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 今議員からも御発言いただきましたように,まず賃金の改善について取り組んでいるところでございます。その他の労務環境も含めて,保育園の労働環境については日々改善しなければいけないと思っておりますので,その御意見のとおりやらせていただきたいと思います。 また,モデル賃金につきましては,もちろん公立がある中で私立の施設ということになるかと思います。私立保育園については,きのうからも御発言の中にありましたように,それぞれの園でいろんな事情があるかと思います。民間保育園の連盟もございますので,そちらとまた協議させていただきたいと思っております。 ○議長(堀江廣海君) 次に,32番 西村公子君。 (32番 西村公子君 登壇) ◆32番(西村公子君) 日本共産党議員団の西村公子です。私は,市民から寄せられた声や要望を市政に反映する立場から一般質問を行います。 第1に,中核市移行についてお尋ねいたします。 東村市長は,さきの9月定例市議会最終日に中核市移行を表明し,先日の会派説明で基本的な考え方や,平成31年4月を目標として作業を進めていくことを明らかにしました。市民は,中核市とは何か,中核市に移行したら何がどう変わるのか,全く内容がわからないため,市長の表明は余りにも唐突だという受けとめ方です。国の制度がことし4月に変わり,特例市が廃止され,中核市の要件が緩和されて,2020年4月1日までの5年間に限り人口20万人以上に緩和されることになったことや,従来の特例市の事務権限を引き続き保持するとともに,都市の規模に応じて都道府県の事務権限の一部を移譲する制度であることを,市長の態度表明の前に,まず市民に説明することが必要だったのではありませんか。 国の制度が変わったことで,全国的に中核市移行を目指す自治体がふえていることも承知していますが,当時の全国特例市市長会のアンケートでは,調査研究をしている,あるいは調査研究を予定しているところが最も多く,中核市への移行を希望しない市も2市ありました。調査研究をしているところでは,議会の特別委員会等での議論を行ったり,市民への情報公開を優先して市民からの意見を聞くなど,市民の理解を第一に考えた対応がされています。市民への説明と理解を得る前に市長が態度表明されたことは問題だと考えますが,いかがですか。市長の見解をお尋ねします。 市の説明では目標年度を4年後としていますが,中核市移行に伴う事務権限の事務移譲が1,320ということですから,職員の大変な労力と財源が必要となります。一般的に,身体障害者手帳の交付期間が短くなることなど市民サービスが一部充実すると言われていますが,一方で,保健所の設置に係る負担が大きいことに苦慮している自治体が多いと言われています。市民にとって中核市に移行するメリット,デメリットについてどのようにお考えですか,お聞きいたします。 また,確実に自治体の負担がふえますが,どれほどの財源が必要なのか,お尋ねいたします。 全国的に財政負担が厳しいことから,保健所を設置していない自治体もあると聞きます。保健所だけでなく,全体として権限移譲ありきでなく,県がこれまでどおり担うような対応も求めていく必要があると考えますが,いかがお考えですか,お尋ねいたします。 国が中核市移行を推進するのは,地方交付税等の削減が狙いだという指摘もあります。既に中核市に移行している自治体では,大幅な職員削減や給与削減を行っているところもあります。また,合併を視野に周辺自治体に協議を呼びかけているところもあります。このような職員削減や市町村合併をさらに進めることにつながるのではないかという見方もありますが,東村市長の見解をお尋ねします。 第2に,北陸新幹線延伸に関する諸問題についてお尋ねします。 この間,自民党や県,市は福井駅先行開業を要望してきましたが,日本共産党の福井県地方議員が国への要望,政策レクチャーを行った際に,国は,九頭竜川橋梁は困難,出水期の工事は少ないとして難色を示しました。財政的な負担も大きく,金沢-敦賀間で2,200億円と言われる建設費に加えて,さらに数百億円がかかるとも言われています。さらに,えちぜん鉄道の福井駅乗り入れができないためシャトルバス運行になることで利便性が低下するなど,無理や無駄を重ねる先行開業は市民の理解を得られるものではなく,やめるべきだと考えます。市は,それでもまだ先行開業を求めるのですか。今後の見通しをどのようにお考えか,市長の見解をお尋ねします。 市民が本当に望んでいるのは,特急を残してほしい,在来線の利便性をよくしてほしいということです。市は,JR,国,県に対して,市民の立場に立ってこのことを強く求めるべきだと考えます。市の見解と見通しについてお聞きします。 北陸新幹線建設に対する県民,市民の声は,以前市民団体が行ったアンケート調査でも,少なくない県民,市民が反対と回答しています。本来なら,国,県,市は事業全体について,建設費の負担,第三セクターの負担,並行在来線の買い取りや利便性など情報公開した上で理解を求めることが必要ですが,これらの重要な問題が明らかにされていません。市として情報公開が必要,重要だという認識をお持ちですか,お尋ねします。 新幹線建設に伴う埋蔵文化財発掘調査事業が来年1月から行われると聞きましたが,JR福井駅東口の駐車場が使えなくなるということです。1日およそ1,500台が利用しているもので,利用者である県民,市民の利便性,周辺の商店等への影響も心配されています。市として何らかの対応が必要ではありませんか,見解と対策についてお尋ねします。 第3に,TPP大筋合意の内容と市民生活への影響,並びに福井市林業水産業プラン(素案)についてお尋ねします。 環太平洋経済連携協定,TPP交渉は,10月5日,日本を含む参加12カ国の閣僚会議が,当初の日程を再三延長した上での大筋合意となりました。政府は10月20日,大筋合意の概要を明らかにしました。市場開放分野では全品目の95%,農林水産品では81%で関税を最終的に撤廃するというものです。過去のどの協定でも関税を撤廃したことのない834品目のうち395品目,約47%が新たに関税撤廃の対象となります。 関税が維持された品目でも,国別枠を新設し,関税を段階的に削減するなど輸入を大幅に拡大することになります。米では,米国向けに当初3年間は5万トン,13年目以降は7万トン,オーストラリア向けには当初3年間は6,000トン,13年目以降は8,400トンの無関税輸入枠を設定するというものです。牛肉では,TPP発効時に現行38.5%の関税を27.5%に削減し,その後段階的に削減し,16年目に9%まで下げ,セーフガードも4年間発動がなければ廃止するとしています。重要5品目だけ見ても,約3割が関税を撤廃されることになっている上,特別枠まで設けて輸入拡大を図ろうとしています。 さらに,これまでに関税を撤廃したことのない農林水産品も,834品目の半分近くを即時あるいは一定の期間で撤廃するという驚くべき内容です。小豆,コンニャクなどの畑作物,リンゴ,サクランボ,ブドウなどの果実,鶏卵,鶏肉などの畜産品,各種合板や建築用木工品などの林産物,ノリ,昆布,アジ,サバ,ブリなどの水産物など,多岐にわたっています。工業製品も最終的に関税を全廃します。関係者が青天のへきれきと言うほど,農業と地域経済に大きな打撃を与えるものです。政府が決めた食料・農業・農村基本計画で食料自給率を引き上げるとしていることにも逆行するものです。 他方で,自動車の関税は日本がゼロに対して,アメリカの日本車に対する関税は,乗用車で15年目から削減を開始して25年目に撤廃,トラックは30年目に撤廃と,余りにも不公平な内容となっています。まさに大筋合意は,日本国民の利益と経済主権をアメリカや多国籍企業に売り渡すものであり,断じて認めることはできません。 安倍首相は,TPP大筋合意について農業分野を含めて国益にかなう最善の結果を得ることができたとの認識を示していますが,農業関係者や消費者団体,国民の受けとめ方とは大きくかけ離れたものと言わなければなりません。日本農業新聞の農政モニター調査では,国会決議違反との回答が69%に上り,大筋合意を評価,またはどちらかといえば評価するという回答は2割に届かず,内閣支持率とほぼ同じだと報道されています。福井県内のJAからも,福井県の農業経営に大きな影響を及ぼす内容で断じて容認できない,聖域確保を求める国会決議をほごにするものだと憤りの声が上がっています。 市長は,TPP大筋合意の内容をどのようにお考えですか。また,国会決議に反する内容だという認識をお持ちですか,お尋ねいたします。 大筋合意の内容は農林水産業だけではなく,雇用や医療,保険,食品安全,知的財産権など国民の生活,営業に密接にかかわる分野に広く影響を及ぼします。マスコミでは,食料品の価格が下がることで国民から歓迎されるという一面的な報道も見られますが,多くの国民からは,食料,食品の安全性を心配する声が多く聞かれます。ですから,全国の消費者団体では特定非営利活動法人日本消費者連盟や主婦連合会,パルシステム生活協同組合連合会などが反対の声明を出しています。その他,医療関係者や労働組合等からも批判の声が上がっています。TPP大筋合意による市民生活への影響についてどのようにお考えですか,お尋ねします。 日本農業に壊滅的被害を与え,国民の食と安全,医療,地域経済と暮らしに深刻な影響を及ぼすTPPから撤退し,市として国に調印中止を求めるべきだと考えますが,市長の見解をお尋ねします。 市は,農業活性化プランをことし2月に策定しました。しかし,農家戸数は現状でも減り続けており,担当課の資料を見ると,平成17年の7,598戸から5年後の平成22年には5,944戸となっています。新規就農者は,ここ5年間で20人しかいません。この現状について市はどのように受けとめておられますか,お尋ねします。 また,担い手の育成として法人化や農地の集約化を稲作の強化策の中心に位置づけていますが,それで本当に強化できるのか疑問です。稲作農家の悩みは,再生産できないほどに下落している米価,経費負担の増加ではありませんか。このような事態を招いたのは国が米政策から撤退してきたからであり,市としても国が責任を果たすよう求める姿勢が必要だと考えますが,いかがお考えですか,お聞きいたします。 林業,水産業についても従事者,就業者が年々減少し,林業では10年前と比較して17人減の107人,水産業は同様に115人減の182人となっています。市では,現在国の政策転換に合わせて来年度から5年間の福井市林業水産業プラン策定作業を行っています。このプラン(素案)で位置づけられていることは,林業でも水産業でも新たな担い手の育成です。そのための具体策が重要なことは言うまでもありませんが,これまでの取り組みがどうだったのか検証を行うとともに,林業であれば,桜や竹林など木のオーナー制度などを取り入れたり,グリーンツーリズムなども検討してはどうでしょうか。自然の大切さや地域のよさを知ってもらうことや訪れてもらう人をふやすことが重要で,幅広い取り組みが必要だと考えますが,今後の取り組みについてお尋ねします。 また,水産業では,越廼の漁港でのさかなまつりなどは大変人気のあるイベントですが,漁港を活用した取り組みをふやして地域のよさをアピールし,市民のニーズを取り入れた活性化策を打ち出していくことが大事ではないでしょうか。また,就業者をふやしていくには,ブランド化や漁獲量をふやして,やりがいのある仕事として認知されることが必要だと考えますが,今後の具体策についてお尋ねします。 第4に,学校施設のトイレ改修についてお尋ねします。 先日,障害を持つ高齢者の方から要望が寄せられました。その内容は,地区の敬老会が学校の体育館で行われているが,いつもトイレに困っている。洋式トイレが一つもなく全て和式トイレなので,少しでも洋式トイレに改善してほしいというものでした。学校施設はふだん子供たちが使うものですが,特に体育館は地域の行事や投票所になる場合もあり,災害時には避難所になり,さまざまな方が利用される施設です。自分でトイレに行けるかどうかは人間としてのプライドにかかわる大変重要なことであり,ぜひ市民の声に応えていただきたいと思います。市では体育館のバリアフリー化とあわせてトイレ改修を行っていますが,これまでの実績と未改修の数はどれほどか,お尋ねします。 また,校舎のトイレ改修についても実績と未改修は何カ所か,お尋ねいたします。 今年度で耐震改修事業が終了するので,来年度から予算もふやして対応していただきたいと考えますが,いかがですか。見解と今後の対応についてお尋ねいたします。 以上で私の総括質問を終わります。 (総務部長 高山浩充君 登壇) ◎総務部長(高山浩充君) 中核市移行についての御質問にお答えいたします。 中核市移行につきましては,平成26年度から庁内で部局横断組織を設置し,先行事例や県からの情報収集により研究してまいりました。その結果といたしまして,さらなる市民サービスの向上と,人口減少社会や地域間競争に打ち勝ち,活力ある地域づくりを進める上で移行が不可欠であり,さらに,その効果の早期実現を目指したいとの考えのもと,平成31年4月という移行目標期日を設けました。市民の皆様に対しましては,今後県との協議の中で得られる具体的な情報をお示ししながら,わかりやすく説明し,御理解いただきたいと考えております。 次に,中核市移行によるメリットにつきましては,昨日加藤議員の御質問にお答えいたしましたとおり,行政サービスの一元化と迅速化,市民サービスの充実,市民の健康や財産を守る体制づくり,特色あるまちづくりの推進,県都としての役割を果たすための機能強化などがございます。また,移行に支障となるデメリットはないと考えておりますが,今後,財源の確保,組織体制の整備,保健所の機能,専門職の確保などの課題について県と協議を進めながら整理し,解決を図ってまいります。 また,移譲事務に係る経費につきましては,地方交付税により財源措置されます。 また,保健所につきましては,中核市移行に伴う移譲事務を実施するために必要であり,全ての中核市が設置しております。さらなる市民サービスの向上と,人口減少社会や地域間競争に打ち勝ち,活力ある地域づくりを進めるためには,中核市への移行により移譲される事務権限の活用が必要であると考えております。 また,中核市移行に伴う職員の削減は予定しておらず,事務移譲へのスムーズな対応,また市民サービスのさらなる向上に向け,必要な職員の配置を行ってまいります。 なお,市町村合併については考えておりません。 (特命幹 中西賢也君 登壇) ◎特命幹(中西賢也君) 北陸新幹線延伸に関する諸問題についての御質問にお答えします。 まず,福井駅先行開業についてですが,8月28日に発表された与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム福井駅先行開業等検討委員会による検討結果では,2年の工期短縮の可能性はあるとしながらも,九頭竜川橋工事やえちぜん鉄道高架事業の工期短縮方法など,専門家による検証等もさらに必要と思われることから,既に設置されている整備新幹線に係る政府・与党ワーキンググループにおいて詳細検討を行うことを要請するとされました。そのため,福井駅先行開業のためには,引き続き詳細な検討が必要であると考えております。 次に,並行在来線への特急の乗り入れについて,JR西日本は否定的な考えを示しております。そのため,現行どおりの特急の存続については困難だと思われます。一方で,並行在来線についてはどのような列車をどのように走らせるかは今後の検討課題であり,利用者の利便性を高め,魅力ある並行在来線となるよう検討してまいります。 次に,並行在来線に関する費用負担や利便性については,福井県並行在来線対策協議会で検討されます。費用負担については,他県の状況を見ると出資金や経営安定資金に対して一定の負担があると考えられます。しかし,本市がいつどの程度負担するかについては,まだ議論がなされておりません。利便性についても,ダイヤや運賃など具体的な議論はまだなされておりません。今後検討が進み,これらについて決まりましたら,情報を提供してまいります。 最後に,JR福井駅東口の駐車場についてお答えします。 JR西日本は,現在駅周辺における代替駐車場の確保に努めているとのことです。本市といたしましては,代替駐車場の確保の状況を見ながら,アオッサ地下駐車場や福井駅東パーキングなど周辺駐車場の案内方策を検討してまいります。また,西口バスターミナルの開業や福井鉄道駅前線の延伸によりまして福井駅の交通結節機能が強化され,バス,電車利用者の利便性が向上することから,さらなる公共交通機関の利用なども呼びかけてまいります。 (農林水産部長 岩崎文彦君 登壇) ◎農林水産部長(岩崎文彦君) TPP大筋合意などに関する御質問についてお答えします。 TPP大筋合意におきましては,対象となる農林水産物2,328品目のうち約81%に当たる1,885品目で,最終的に関税が撤廃されることとなりました。一方,米,麦などの重要5品目については,関税撤廃の例外に加え,国家貿易制度,関税割り当ての維持,セーフガードの確保,関税削減期間の長期間化など,一定の影響緩和策も導入されました。また,農産物に関しては,他の参加国の平均関税撤廃率98.5%に比べて低いことから,国は国会決議に違反しない内容におさまっているとの見解を示しており,本市としましてもそのように認識しております。 次に,市民生活への影響についてですが,国は11月中に,TPPで影響が懸念される国内農業への対策等について総合的なTPP関連政策大綱(仮称)を策定し,来年1月の補正予算及び平成28年度当初予算で支援を講ずることとしています。また,現在国において影響額について試算中であり,具体的な内容については不明確であります。本市といたしましても,国の対策等を注視しながら県や関係団体と連携し対応してまいります。 次に,TPP協定の調印中止を国に求めるべきではないかについてですが,調印に当たっては,今後,国会で審議されることから,国が適正に判断するものと考えております。 次に,農家戸数の現状ですが,平成17年から平成22年に減った大きな要因は,担い手などへの集積率が平成18年の40.6%から平成22年は52.4%に上がったことによるものです。 なお,本市では,農業従事者の高齢化が全国より進んでいることや新たな後継者の就農が少ないことから,新規就農を含めた担い手の確保や育成は重要と考えております。今後,新たな担い手の確保に向け,経済面,技術面での幅広い支援制度や成功事例を周知することに加え,本市の魅力を積極的に発信することで,県内外から新規就農者の呼び込みを図ってまいります。 次に,米政策を国に求めるべきではないかについてですが,米価下落の要因は米の在庫水準が高いことにあります。こうしたことから本市では,県,JAと連携し,確実に需給調整を進めることで米価の安定を図るとともに,おいしい福井米づくりや水田フル活用の取り組み,さらに園芸を取り入れる取り組みを支援することにより,農業所得の保持を図ることが重要と考えております。本市としましても,国が進める農地の集積,集約化によるコスト縮減の取り組みや,園芸などの複合経営の取り組みを推進するとともに,今後,国が打ち出すTPP対策などを活用し,本市農業の活性化に取り組んでまいります。 次に,福井市林業水産業プラン(素案)についてお答えします。 林業についてですが,本市林業を振興するため,基本方針を伐って使って守る森づくりの推進と定め,資源の利用期を迎えている人工林の適切な手入れの実施や,森林資源を活用しながら多面的機能を発揮できる森林づくりを進めるため,10年,20年先の森林,林業を見据え,5年間の計画として,伐る森林整備の促進,森林資源の利活用の拡大,守る森林・林業の展開の3つの政策を定めたところです。 新たな担い手の育成においては,自己所有林の伐採などをみずから実施する自伐林家の育成が今後の本市林業の推進に重要なことから,守る森林・林業の展開に位置づけるとともに,今後とも国の「緑の雇用」事業の活用や,就労相談会の開催などの広報を実施することにより,新規就労者の確保を図ってまいります。 また,森林機能学習の場を拡大するため,新たに森林活用施設の整備を行うとともに,地域住民などで構成される活動団体による,森林と触れ合うことで理解を深める森林環境教育の実施を支援してまいります。さらに,里山の整備を進めるため,林家を対象とした林業技術講習会の開催を支援してまいります。 また,水産業についてですが,基本方針を持続可能な水産業の推進と定め,水産資源の確保・増殖を図るつくり育てる漁業の推進や,魚食の普及や新たなブランドの構築による水産物の販売強化の促進,漁家所得の向上や新規就業者の確保による継続的な漁業経営の推進の3つの政策を定めたところです。 水産業活性化の取り組みにおいては,市内小学生の漁業への関心を高めるため,越廼漁業協同組合で定置網の引き上げ体験を行っております。さらに,都市住民との交流の場として漁港施設を利用したイベントなどの開催を行っているところです。今後とも,福井市漁業協同組合,越廼漁業協同組合において小・中学生を対象とした魚さばき教室を実施するなど,魚食普及の啓発活動を継続して行っていくとともに,中央卸売市場と連携して,親子が魚に親しむ機会を提供してまいります。 最後に,やりがいのある仕事にすることについてですが,現在,福井県漁業協同組合連合会や福井商工会議所などと連携し,本市や越前町沖で水揚げされるアカガレイを福井のブランド越前ガレイとして首都圏での販売促進につなげるため,鮮度を保持する活け締めや神経抜きなど水産物の付加価値向上を進めているところです。あわせて,今後も効率的なつくり育てる漁業を展開し,水産資源の保全を図りながら漁獲量の向上に取り組みます。 また,水産業の就業者を確保するため,県が今年開講したふくい水産カレッジで漁業の知識や技術等の習得ができること,また未経験者も受講できることを周知していくとともに,県外市外からの受講希望者に対し,居住場所のあっせんなど住居支援に取り組んでまいります。 (教育部長 山本みどり君 登壇) ◎教育部長(山本みどり君) 学校施設のトイレ改修についてお答えします。 体育館におけるトイレの洋式化改修の実績と未改修の数ですが,全69体育館のうち,現在53の体育館が完了しており,今年度中に7体育館を改修する予定です。年度末には60の体育館が完了し,残り9体育館となります。 次に,校舎のトイレの洋式化改修の実績と未改修の数についてですが,全902室のうち,現在625室が完了しており,残り277室となっております。 最後に,来年度からの見解と今後の対応についてですが,学校のトイレにつきましては,生活環境の変化により洋式トイレの需要が増加していることを踏まえ,平成12年度から平成19年度までを第1段階として,各学校で最も改善が必要なところについて集中的に改修工事を実施しており,全学校の各階に1室,洋式トイレを設置してまいりました。平成22年度からは第2段階として増設工事を行っており,現在は第六次福井市総合計画に基づき,計画的に進めております。 また,そのほか計画的な工事とは別に,故障した場合や,障害のある児童・生徒が必要とする場合など,学校の実情に合わせて洋式トイレの設置を行っております。今後も,校舎につきましては第七次福井市総合計画に位置づけ,計画的にトイレの洋式化を進めてまいります。また,体育館につきましても学校体育館バリアフリー対策事業の中でトイレの洋式化を進め,来年度以降,残り9体育館を実施してまいります。
    ◆32番(西村公子君) 自席で再質問をさせていただきます。 まず,中核市移行についてです。スケジュールを見ると,平成29年度中に市議会,県議会の議決,県の同意が必要としています。実際には1年余りで市民への周知も県との協議もやらなければならないということになるのではありませんか。 ◎総務部長(高山浩充君) 現状から見ますと,市議会,県議会の議決,県の同意までにはまだ2年近くあるのではないのかなと思っているんですけれども,この中でしっかりと県との協議等を進めて,また市民の御理解もしっかりいただいていきたいと思っております。 ◆32番(西村公子君) 県との協議をやりながら市民への周知も行うといっても,全体的な姿が見えないのにどうやって周知するのかといった大きな疑問があります。また,市民の理解,合意についてどのようにお考えですか。どのような取り組みをしていくのかということもお聞きしたいです。 ◎総務部長(高山浩充君) 市民の皆様には中核市移行の目的とか効果とかといったものをしっかりとわかりやすくお伝えしていくことが大事だと思っております。そういったことから,今後市のホームページとか市政広報に中核市移行に関する取り組み状況を掲載します。そのほか出前講座などのさまざまな機会もございます。そういったものを活用して周知を図っていきたいと思います。 また,現在,人口ビジョン・総合戦略の素案についてのパブリックコメントを募集してございます。この素案の中に,基本目標の4,県都として中心的役割を担うとともに,時代に合った住みやすいまちを創造するというのがございますが,この基本的方向の一つとして,中核市へ移行し,圏域全体の発展を牽引するということを掲げております。こういったことで,総合戦略とあわせて,現在広く意見も募集しているところでございます。 ◆32番(西村公子君) しかし,その県との協議をやりながら市民に理解を得るといっても,全体像が見えなければ理解を得るというのもなかなか厳しいのではないかと指摘しておきたいと思います。 それから,中核市の目的に自主性,自立性とあります。権限移譲の財源は地方交付税により措置されると今おっしゃっているわけですが,国は地方交付税の削減を進めたい,進めているということから,以前も市町村合併等を推進してきたわけです。将来的にその交付税措置により財源が確保される見通しが本当にあるのかといったところも,大変重要な点ではないか。いかがでしょうか。 ◎総務部長(高山浩充君) 財源についてのお話でございます。 移譲事務全体の経費の詳細な試算につきましては,今後県との協議の中で整理していきたいと思っておりますけれども,これまでの先行都市の調査から,平成26年度ベースで試算しますと必要な財源は18億円程度と考えております。これについては地方交付税で措置されると考えております。先行都市の状況を見ましても,こういった地方交付税等で不足は発生していないとお聞きしております。 ◆32番(西村公子君) しかし,全体として中核市移行を見ると,大変財源不足になっているというところも見受けられます。 それから,県との協議ですけれども,1,320の事務について画一的に全ての移譲を義務づけられているのかどうかについて,まずお伺いします。 ◎総務部長(高山浩充君) 事務の移譲につきましては,中核市移行に伴い法的に移譲される部分とそれ以外の部分があろうかと思います。ですから,その法的な部分については移譲されるということで今度県と細かいところを詰めていくわけでございますが,それ以外の部分については,本市の事務効率の面とか,また市民サービスの面から,県としっかり協議する中で決めていくということになろうかと思います。 ◆32番(西村公子君) すると,1,320の事務のうち,法的な部分というのは大体どれぐらいになるのか。その他の部分についての県との協議というのは,全て移譲ありきで進めるというのではなく,県が今までどおりそのまま継続してやると捉えればいいのでしょうか。 ◎総務部長(高山浩充君) 1,320といいますのは法的な部分の事務の数でございまして,それ以外として,県単で実施しているいろんな事業等については今後県との協議の中で進めていくということになります。 ◆32番(西村公子君) つまり1,320を超える,どれぐらいになるのかわからない膨大な数の事務の移譲だということです。これについては移譲ありきで進められないように強く要望します。 それから,北陸新幹線延伸に関する問題です。9月の県議会の様子を拝見しますと,福井駅先行開業についての言及はありませんでした。なかったと聞いています。事実上,先行開業は無理だという見方になっているのではありませんか。 ◎特命幹(中西賢也君) 福井駅先行開業につきましては,まだ検討の余地が残っているということでございますので,今後の検討次第ではどうなるか,可能性があるという見方もあるし,可能性がないという見方もあるということになると思います。 ◆32番(西村公子君) 市民に対して,そういういかにもできそうなことをずっと言い続けるというのは私は問題だと思います。 それから,埋蔵文化財発掘調査事業に関して,JR西日本が福井駅東口の駐車場の代替駐車場を検討しているということでしたが,場所はどのようになるのか,それはいつごろから切りかえをするのか。まだ今のところ,あそこが使えなくなりますという表示もありません。そういったことについて,どのようにお考えでしょうか。 ◎都市戦略部長(谷澤正博君) 今の福井駅東口の駐車場につきましては,JR西日本が持っているものでございまして,代替駐車場の場所につきましては,先ほど特命幹がお答えしたように今JR西日本が探しているところでございます。埋蔵文化財の発掘調査をして,それから平成34年度までは,あの場所を使えないということになるのかなと思っております。 ◆32番(西村公子君) 市民の利便性が低下しないように強く求めます。 それから,TPPですけれども,今の農林水産部長の答弁はとても承服できるものではありません。国と同様に国会決議に反しないなどといったことがよくぞ言えたものだと思います。農家の方,あるいは関税が撤廃される業種,業界の方,そういった方の声を本当にお聞きになっているのでしょうか。 ◎農林水産部長(岩崎文彦君) 今ほどの農家の方の声を聞いているのかというお話ですが,JAの会長の話として国会決議を守っていないのではないかということも報道で書かれておりますけれども,こちらが聞いている中では,全員が全員守っていないと考えているということではなくて,守られているものと考えているとか,守られていないと考えているとかという両方の御意見がございました。 ◆32番(西村公子君) その程度のことでは本当に市民の声を反映できないということですよ。ですから,農家の方はもちろんですけれども,TPPで影響を受ける業界,団体の方からも,ぜひ広く声を聞いていただくということがまず第一に重要だと思いますので,そのことを強く求めておきます。 それから,4つ目の学校施設のトイレ改修ですけれども,来年度以降,体育館のトイレ改修についてもまだ継続して進めるということですが,どれぐらい進めていくのか。来年度は幾つ改修をやるのかという点についてお聞きします。 ◎教育部長(山本みどり君) 残り9体育館におきましては来年度以降ということで,早期に対応していきたいと考えております。 ◆32番(西村公子君) 校舎についてはどうでしょうか。 ◎教育部長(山本みどり君) 先ほど御答弁させていただきましたけれども,現在第六次の総合計画期間中でありまして,第六次福井市総合計画に載っている学校につきましては計画どおり進めてまいりますし,平成29年度から始まります第七次福井市総合計画につきましても,トイレの洋式化については計画的に整備を進めていきたいと考えております。 ◆32番(西村公子君) そうすると,大体年間どれぐらいという計画になりますか。 ◎教育部長(山本みどり君) 計画ですのではっきりは申し上げられませんけれども,現在の第六次福井市総合計画では1年に1校という形で進めております。 ◆32番(西村公子君) そういうスピードでは全体的に対応が遅くなると思うので,早急に対応していただきたい,予算措置していただきたいということを強く申し上げます。 ○議長(堀江廣海君) 次に,7番 水島秀晃君。 (7番 水島秀晃君 登壇) ◆7番(水島秀晃君) 志政会の水島秀晃です。通告に従い,質問させていただきます。 今地方創生という名のもとに,全国各地,各市町がこぞって生き残りをかけた人口争奪戦が繰り広げられようとしております。福井市におきましても例外ではなく,これからの数年間は,特に北陸新幹線の延伸に伴い交流人口の増加も見込める中,隣県のおこぼれをいただくのではなく,本市独自の魅力を存分に発揮できるまちづくりを行っていく大事な時期に差しかかっております。大海原を航海する船に例えるなら,目的地がわからず漂流し遭難する難破船ではなく,しっかり目的地を見定め,どんな嵐をも乗り越えていく船にならなければならず,船長の的確かつ大胆なかじ取りが要求されるときでもあります。そのような中,三たび出馬を表明された市長に心から敬意を表します。ぜひとも市長のお言葉もお聞かせいただければと願います。 私からの質問は3点ございます。まず1つ目は,地方創生についてであります。 まち・ひと・しごと創生本部の長期ビジョン,総合戦略によれば,長期ビジョンでは,人口減少時代の到来に当たり,1,東京一極集中の是正,2,若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現,3,地域の特性に即した地域課題の解決という3つの基本的視点をもとに,国民の希望の実現に全力を注ぐことが重要とし,将来にわたって活力ある日本社会を維持するとあります。 また,総合戦略では,人口減少と地域経済縮小の克服,「しごと」が「ひと」を呼び,「ひと」が「しごと」呼び込み,「まち」に活力を取り戻す,まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立という考え方のもと,「地方における安定した雇用を創出する」,「地方への新しいひとの流れをつくる」,「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」,「時代に合った地域をつくり,安心な暮らしを守るとともに,地域と地域を連携する」という4つの基本目標を掲げております。 それらをもとに作成された地方版総合戦略において,福井市の基本目標を先日市長より聞かせていただきました。その中でも特に,5年間で1,000人の就業の場を創出することと,転入・転出者数の均衡,高い出生率の維持ということに関しまして具体的な取り組みをお聞かせください。 また,これまでに取り組んでいるものに関しましては,その成果も含めてお願いいたします。これから新たに取り組むものに関してのものとは分けて御答弁いただきますようお願いいたします。 また,他の市町での事例などがあればお聞かせください。 地方創生の成功事例で私の知り得るところの町を1つ挙げさせていただきます。NHKなどテレビ等でも取り上げられたこともあり,有名な事例ですので知っておられる方もいらっしゃるとは思いますし,そうでなくても,既に視察に訪れているか聞き及んでおられることとは思いますが,島根県の海士町というところがございます。そこは,コンビニエンスストアもなければショッピングモールもない,本土から船で二,三時間かかる隠岐諸島にある島です。その町には,なぜか勝ち組と呼ばれる人が移住してまいります。人口2,400人ほどですが,この5年で新規定住者がふえ,そのほとんどが20代から40代の働き盛り,しかもソニーなどの大企業や,一橋大学など,いわゆる一流大学卒の経歴を持つ人たちがどんどん集まってきていると言います。その数246世帯,361人だそうです。 10年前は財政破綻や過疎化の危機に瀕していたこの町が,今全国から注目を集めるまでに変わったのは,一人の町長からでした。この町長は,当選後にまず自分の給料をカットしました。すると,次々と自分もカットしてくれとの申し出があり,2億円の人件費削減に成功します。そのお金を島の未来への投資のために使います。子育てや結婚支援金,Iターン,Uターン者のための町営住宅づくりなどですが,そこから攻めに転じます。お金がない,制度がない,前例がないという中で,ないものはないと開き直り,責任は全て私がとるから何でもやってみてくださいと呼びかけたのです。 すると,どんなことでもやってみようという機運が高まり,それを町が全力でサポートするという体制が整ってきたのです。商品開発研修生制度や高校魅力化プロジェクトなどが立ち上がり,よそから来た研修生と島の有志が開発した天然塩や,脱サラした新島民と島の若者が手がけたイワガキ,一橋大学を卒業後,海士町で干しナマコの加工会社を立ち上げ中国に輸出を始めた若者,お土産屋の社長がつくったサザエのレトルトカレー,地元の建設業者が立ち上げた隠岐牛ブランド,高校魅力化プロジェクトのプロデューサーは元ソニーの人材育成担当,また,そのほかにも島の活性化の一翼を担う人がどんどん出てきているとのことです。 町は直接的なお金の援助はしておりません。その理由として,若い人たちは都会の生活に疲れたり,海士町に仕事があったから来たのではなく,新しい仕事をつくりに来ている。地域貢献をしたいという目的意識がはっきりしていて,彼らをお金でつなぎとめることはできないと言い切ります。国の補助金は一切使わず,外からお金を稼いで経済を潤しており,この町の成功のポイントは,町長が大筋を決め,島の内外の人に任せ,行政はサポーターに徹しているというところで,それが創意工夫や活力を見出していると言ってよいと思います。 海士町は今,保育園から高校まで島全体で教育する教育のブランド化や,海藻をバイオ燃料にする研究などにも取り組んでおります。教育,バイオ燃料などは福井市の最も目指すべきところでもあると思いますし,特に教育に関しては,それを売りにする自治体も徐々にふえてくると考えられます。福井市も広報を含め本気で取り組んでいかなければ,お株を奪われてしまう日が来るかもしれません。 余談ではありますが,福井市の後期の職員採用試験におきましても,大学卒の事務行政の募集定員2人のところに,何と154人もの応募があり,実に倍率が77倍であったということは聞き及んでいるところではございます。このようなことは過去に例がなく,これはいかに今4年制大学を出て就職するのが困難であるかということを物語っており,福井で就職したいのに働き口がなく,県外に就職している学生が多くいることを認識しなければならない重要な指標であると思います。 また,4つ目の基本目標として,市長より平成31年4月に中核市移行を目指すとお話がありました。これまで答弁いただいたこと以外で,中核市に移行する際やその後の県との連携をどうお考えになっているのか,お聞かせください。 そして,最終的に本市はどのようにしてこの熾烈な都市間競争を生き抜いていくのか,どのようなビジョンでまちづくりを進めていくのか,具体的にお示しいただきたいと思います。 次に,小・中学校における土曜授業についてお伺いいたします。 学校週5日制になって,かなりの時間がたっていることと思います。私たちが小学生のころは,土曜日は半ドンで午前中は4時限目まで授業があり,それが当たり前でしたし,土曜日は午後から友達と野球や缶蹴りなど,校庭や公園でたくさん遊んだ記憶があります。日曜日よりも,むしろ土曜日が来るのが待ち遠しかったようにも思います。親にとりましても,全ての子供たちにとりましても,そのほうがよかったようにも感じます。まず,いつごろから学校週5日制になったのか,その経緯と,学校週5日制が目指しているものについてお伺いいたします。 文部科学省では,平成25年3月に土曜授業に関する検討チームを立ち上げ,土曜授業のあり方について検討し,同年9月にまとめております。それによりますと,土曜日において,これまで以上に豊かな教育環境を提供し,その成長を支えるとしており,設置者の判断により,これまで以上に土曜授業に取り組みやすくなるよう,学校教育法施行規則の改正等を行うとされており,同年11月に改正がなされております。 また,地域や企業の協力を得て活動する土曜日の教育活動推進プロジェクトや土曜学習などの事例も見られます。土曜授業は,子供たちは全員参加し,児童・生徒の代休日を設けず,土曜日を活用して教育課程内の学校教育活動を行うという,私たちが子供のころの形態そのもののことであります。それに対しまして,土曜学習は希望者が参加するというものです。 今,日本PTA全国協議会におきましても,土曜授業,土曜学習について声高に叫ばれております。児童・生徒の土曜日の過ごし方を見直し,土曜授業を実施したという全国の小・中学校は,平成24年度の実績で2,767校だったものが,平成26年度は見込みではありますが5,359校にも上るとしており,さらに土曜日の課外授業,土曜学習を含めますと1万658校にも上り,全国の公立の小・中学校3万校の約3割で行われていることになります。土曜学習の担い手である土曜学習応援団に登録している企業,団体,大学等は509にも上っていて,その機運も高まっております。 そこで,現在の福井市の状況と考えをお聞かせいただきますようお願いいたします。 また,他市町の事例もあわせて教えてください。 そして,今後福井市としてどのように考えていくのか,その所見をお伺いいたします。 最後に,3つ目として,未就学児のいる家庭への支援についてお伺いいたします。 私は常々,本市は子育てするには最高の市であると思っております。日本一の子育て環境や教育環境をうたって若い子育て世代の移住を呼びかけ,定住人口をふやせるとさえ思っております。そのような環境にありながらも,最近では若い夫婦の核家族化も進んでおり,子育てに不安を抱えながら,また経済的な面からも働きに出て,日々子育てと仕事に,さらに家事に追われながら子育てをしていらっしゃる方も少なくないのが現状ではないかと思われます。 そこで,未就学児のいる家庭への経済的支援はどのようなものがあるのか,お伺いいたします。 また,子供を保育園などに入れ,働きに出る家庭への配慮として必要なのは,子供を預けた親が安心してフルタイムで働けることが最大の支援であると考えます。小さい子供に一番多いのが急な病気です。朝,園に子供を預け,昼に子供が熱が上がったり急な病気になったときには,親は会社を早退したり休んだりしなければなりません。これではフルタイムで雇ってほしいと意向を示しましても,現実的にはなかなか厳しいものがあるのも事実です。 保育園側の立場といたしましても,親御さんが迎えに来てくれないと負担がかかりますし,双方にもよくない状況です。時には,お金を払っているのだから,そちらで何とかしてほしいと訴えてくる親御さんがいるのも事実です。とんでもないことだと思う方もいらっしゃるかもしれませんが,その前に,その方たちも必死で働き,余裕がなくなっていることにも思いをはせなければいけないと思います。もし,そこで公的機関の補助で病院に連れていってくれる支援があったならば,園にも親御さんにも,何より子供たちにとってとてもよいことで,三方全てよしということになるのではありませんか。 そこで,お尋ねいたします。 保育園において園児が急病になった際や病気が数日にまたがる場合に,保護者が安心してフルタイムで働ける支援はどうなっているのか,お答えいただきたいと思います。 以上が私の総括質問です。御清聴ありがとうございました。 ○議長(堀江廣海君) ここで暫時休憩します。午後1時から再開します。             午前11時45分 休憩──────────────────────             午後1時1分 再開 ○副議長(石丸浜夫君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 理事者の答弁を求めます。 (総務部長 高山浩充君 登壇) ◎総務部長(高山浩充君) 私からは,地方創生についてお答えいたします。 まず,就業の場の創出や転入転出数の均衡,高い出生率の維持に係る取り組みについてお答えいたします。 県外への転出超過傾向に歯どめをかけるためには,本市への人の流れをつくること,働く場をつくることを同時に進めていくことが重要であります。これまで本市では,新技術や新製品の開発など物づくり企業への支援や,自身で事業を起こす起業家への支援など,企業力の強化,働く場の創出に努めてまいりました。また,学生や保護者向けの就活セミナーの開催や都市圏での移住相談会を実施するなど,人の流れをつくることもあわせて進めてきたところでございます。 事業効果だけでなく,さまざまな社会的要因があるとは思いますが,近年,転出者数から転入者数を差し引いた本市の転出超過数は減少傾向となっております。今後新たな販路開拓への支援や企業立地への取り組みを進めるなど,さらに働く場を創出していくとともに,都市生活者に対して本市の住みよさを積極的にPRし,また本格的な移住定住のきっかけとなるよう短期的なお試し居住に対する支援を強化するなど,本市への新たな人の流れをつくってまいります。 また,高い出生率の維持につきましては,本市のすぐれた子育て環境が基本となるものと認識しています。待機児童ゼロの保育園運営や,各地域における放課後児童クラブの学童保育,中学校卒業までの医療費助成など,本市がこれまで行ってきた子育て環境の充実のほか,安全・安心なまちづくりの積み重ねにより,毎年度の住みよさランキング等において全国的に高い評価をいただいているところです。今後,住みよさ,子育て環境など,これまでつくり上げてきた本市の強みを生かし,さらに若者に出会いの場を提供する縁活支援の充実や出産後の女性の再就職の支援などの取り組みを進め,結婚から出産,子育てに至るまで切れ目のない支援に努めてまいります。 次に,ほかの市町での事例についてでございますが,どの自治体の総合戦略におきましても,自然動態,社会動態両面からの施策を盛り込んでいるところでございます。特に外からの転入をふやすという視点においては,どの自治体においてもUIターンの支援が大きな柱となりますが,それぞれの自治体間で限られた人口の取り合いをすることは,地方都市における人口減少の解決策としてそぐわないものと考えております。今後,県や周辺市町と連携し,大都市圏を対象とした施策を展開していくことが,より重要となってくるものと考えています。 次に,中核市移行における県との連携についてですが,まず移行時における連携としましては,移譲事務のスムーズな引き継ぎのために,県と十分な協議,調整を行ってまいります。特に高い専門性が求められる移譲事務について,移行の前後に県と人事交流を行うなど,十分な引き継ぎが行われるよう県に要請してまいります。また,移行後においては,職員の能力や専門性を高めるための情報交換や,感染症や大気汚染など広域的な対応が求められる業務につきましては県と連携することが,より効果的,効率的であると考えます。 次に,都市間競争やまちづくりについてお答えいたします。 今後一層厳しくなる都市間競争を生き抜き,勝ち抜くために,周辺市町との連携も深めながら,本市に住んでいる人や本市を訪れる人,全ての人に福井のよさを実感してもらえるような未来につながる,全国に誇れるまちづくりを進めてまいります。そのためには,総合戦略に掲げる人口減少対策に資する事業のみならず,福井国体の開催や北陸新幹線福井開業などを視野に入れ,あらゆる施策を総動員し,そのときの時勢に合わせ必要となる事業のほか,本市の未来を見据えた中・長期的な事業展開などに複合的に取り組んでいくことが重要であると考えております。 (教育長 内田高義君 登壇) ◎教育長(内田高義君) 小・中学校における土曜授業についてお答えします。 まず,学校週5日制ですが,平成4年9月から月1回,平成7年4月からは月2回という形で段階的に実施され,平成14年度から完全実施となり,今年度で14年目になります。これは学校,家庭,地域社会の役割を明確にし,それぞれが協力して豊かな体験活動の機会を子供たちに提供し,生きる力を育むことを狙いとしています。 次に,土曜授業についてですが,文部科学省は土曜,日曜,祝日といった土曜日等の教育活動を3つに分類しております。まず1つ目は,児童・生徒の代休日,いわゆる振りかえの休みを設けずに,土曜日等を活用して教育課程内の学習を行うものです。これを土曜授業と呼んでおります。学校週5日制になる前の半ドンの土曜授業が,この形と同じだと思います。2つ目は,土曜日等に希望者を対象として学校で学習等の機会を提供する土曜日の課外授業です。そして3つ目は,教育委員会,社会教育施設や企業,いわゆる学校以外のものが主体となって,土曜日等に希望者に対して学習等の提供を行う土曜学習,この3つがあるわけです。これを文部科学省では土曜日の教育活動と呼んでおり,その中には土曜授業,そして土曜の課外授業,土曜学習の3つに分かれてるということでございます。 そこで,本市の状況でございますが,もう皆さん御存じのように,本市の小・中学校では授業参観や学校祭等の学校行事を土曜日等に実施して,地域や保護者の方に学校開放を行っております。この場合,月曜日などに振りかえの休みをとっておりますので,厳密にはこれはもう文部科学省が定義している土曜授業にはならないというところでございますけれども,福井市としてはそういったことがこれまでも長い間やられておりますし,非常に定着してるので,我々としては土曜の授業というと,そういったイメージが強いのかなというぐあいに思っています。 そして,2点目の土曜の課外授業につきましては,昨年度の取り組みは小学校で1校,中学校で11校ございました。また,学校以外のものが主体となって行っている土曜学習につきましては,例えば市立図書館,博物館,公民館等の社会教育施設が小・中学生に向けて体験活動などを取り入れたさまざまな取り組みを実施しており,学校でもチラシ等を児童・生徒に配布して参加を促してるところです。 全国の取り組み状況でございますが,文部科学省の平成26年度の調査によりますと,全国で土曜授業を実施予定の小学校は17.1%,中学校は18.3%でした。土曜の課外授業は小学校が3.9%,中学校が6.5%,土曜学習は小学校が23.9%,中学校が8.6%でした。その内容は,保護者や地域住民への公開授業,運動会,体育祭等の学校行事,外部人材等を活用した道徳,総合的な学習の時間,特別活動などといったものに多く見られました。また,土曜授業を行う理由として,9割近くが開かれた学校づくりを上げております。県内の様子ですけれども,これはいずれも嶺南地区でございますが,文部科学省の研究指定を受け土曜授業に取り組んでいる学校があります。内容としては,年間10回程度,土曜日の午前中に授業参観やインターネットによる学習を保護者や地域の方々と一緒に実施しているというぐあいに伺っております。 そういった中で,幾つか課題も見えてきているということです。具体的には,土曜日にスポーツ少年団などの試合とかといったものに参加する児童・生徒への対応,そして出欠の取り扱いです。それからもう一方,今度は教員の立場になりますと,先生方の勤務対応,いわゆる振りかえができないということでございます。子供たちは振りかえないけれども,やはり先生方は労働基準法の中で仕事をしていますので,それを無視するわけにはいきません。午前中4時間なら4時間の振りかえをとるのに,子供は来ているけれども先生が振りかえをとるわけにはなかなかいかないといった問題点なんかもあるように伺っております。そういったことで,県内で幾つかの学校が文部科学省のそういった指定を受けているということでございます。 最後に,今後福井市としてどのように考えていくのかについてですが,本市では平成17年度より中学校区教育に取り組んでおります。その中で組織的,計画的に教育活動を進めており,土曜授業という形はとらなくても,小中連携や学校,家庭,地域社会を結びつける活動に積極的に取り組んできております。したがいまして,文部科学省の定義している土曜授業であるかどうかは別にしまして,これからも学校,家庭,地域社会が連携し,土曜日等を活用して豊かな教育環境の充実を図るために,さまざまな取り組みを行ってまいります。そして,福井市の子供たちにこれからの時代を切り開いていくために必要な資質,能力を育ませていきたいと考えております。 (福祉保健部長 港道則男君 登壇) ◎福祉保健部長(港道則男君) 未就学児のいる家庭への支援についてお答えします。 初めに経済的支援ですが,金銭などによる直接的な支援と,それ以外の間接的な支援があります。直接的な支援としては,児童手当,児童扶養手当,子育て世帯臨時特例給付金の支給,及び子育て応援クーポンの発行があります。児童手当は,養育者に対し3歳未満の児童1人当たり月額1万5,000円,3歳以上から未就学児には1万円,養育者が所得制限額以上の場合は,児童1人当たり一律5,000円を支給するものです。児童扶養手当はひとり親世帯に対し支給しており,手当額は本年度より2.4%引き上げられています。子育て世帯臨時特例給付金は,児童手当の受給者に対し,本年度は3,000円を支給しています。 一方,間接的な支援としては,子ども医療費の助成,ひとり親世帯の医療費助成,ふくい3人っ子応援プロジェクト,母子父子寡婦福祉資金の貸し付け及び母子父子世帯の税法上の所得控除があります。子ども医療費の助成では保険適用分について,同様に,ひとり親世帯の医療費の助成では親子ともに保険適用分の医療費を助成しています。ふくい3人っ子応援プロジェクトでは,本年度から保育料無料化の対象を就学前までの第3子以降に拡大し,保育園児に加えて幼稚園児も無料化の対象としました。 次に,保育園において園児の体調が悪くなった場合についてお答えします。 病状に応じて別室で布団を敷いて休ませたり,様子を見ながら頭やわきの下を冷やすなどの対応をしております。同時に,保護者に電話で状態を連絡し,医療機関での受診が必要な場合は保護者に迎えをお願いしております。保護者がすぐに迎えに来られない場合もございますので,そのときは保育士が付き添い,検温や水分補給を行いながら保護者の迎えを待ちます。さらに,容体に急な変化がある場合は,保護者や嘱託医,子育て支援室の保健師等と連絡をとりながら救急車の出動を要請するなど,適切な対応に努めています。 また,病気の治療や回復が数日に及び,保護者が看護できない場合には,市が指定する病院において一時的な預かり保育を行う乳幼児健康支援デイサービスという制度があります。 ◆7番(水島秀晃君) それでは,自席にて再質問させていただきます。 まず,学校週5日制に関しましてお尋ねいたします。 今ほど福井市の状況,また目指すもの等を教育長よりお話しいただきましてありがとうございます。そして,今スポーツ少年団という話も出ましたけれども,子供たちが今,土曜日,日曜日,特に土曜日にはスポーツ少年団の活動をしている子,そしてまた家で閉じこもるというか,ゲームをしたり,余り活動的でない子,いろんな子がいるわけでありますが,土曜学習ということがその地域によっても変わるわけです。やはりそれが福井市全体の子供たちの未来をこれから創造していく上で,毎週とは言いませんけれども,例えば隔週とか本当に月に一回でもいいので,みんながそろって授業を行うとか,また全員がそろう場があるとありがたいなと思います。そのスポーツ少年団とか子供たちによっていろいろ状況が変わるということに関してはどのようにお考えでしょうか,お願いいたします。 ◎教育長(内田高義君) 既に動いているといった状況の中で,今後,土曜授業をどうしていくかということかと思いますけれども,実際スポーツ少年団なんかで活躍,活動している子供たちもおりますし,またスポーツから離れて文化面でいろいろと学んでる子もおります。いろいろな状況の子供たちがいる中で一番心配されるのは,閉じこもっていたり何にも趣味がない子供たちです。そういった子供たちに何か活動させる場をということで,放課後子ども教室ですか,土曜日なんかに地区の人たちが子供たちを集めて,いろいろな講座を計画してやってくださっている地区も幾つかあるように伺っています。 そういったことも含めて,これは今議員がおっしゃったように地域の状況もかなり違いますので,逆にどの程度まで共通してできるのか。あるいは,その地域に特化した形での取り組みといったことは,やはりこれまでも中学校区教育なんかも始めたときに,それぞれの学校文化,地域の文化というものの上に立って進めてくださいということも申しておりますので,地域の文化等も踏まえながら,これまでの状況,スポーツ少年団でも地域によってどの種目の競技が盛んだというのもあると思います。あるいは文化施設の整っている地域,そうでない地域といったこと全て含めて,福井市全体として今後どうしていくかということになっていきますので,これは大変大きな問題にもなってきます。またいろいろな方面の方からの御意見も伺いながら,今後考えていきたいというぐあいに思っております。 ◆7番(水島秀晃君) ありがとうございます。本当にいろんな親御さんに,いろんな考えがあると思います。それで,土曜授業をすることが,また土曜の学習をすることが,どのような成果や効果があって,また,目指すものが親子で触れ合う時間とか自然と触れ合う時間とかとなると,そういったことができない状況にあるのも事実でありますので,またこれからそういったことも考えて,福井の教育のトップである教育長によろしくお願いしたいと思います。 次の質問に移らせていただきます。 若い世代の親御さんへの支援でございますが,先ほども御答弁いただきましたように,やはり子供が病気になったときには,どうしても保育園で長い時間見なくてはいけないとかといった状況がある中におきまして,救急車まで呼ばなくても何か,介護タクシーではありませんけれども,市の認定を受けて送迎してくれる制度があれば,親や保育士たちは助かるのではないかと思います。その点に関しましては,現行制度で,またこれからフルタイムで働けるように考えていく上で,少しでも考慮していただける余地はありますでしょうか。お願いいたします。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 現状としましては,例えば保育園等でけがをして出血しているというような状況のときには,タクシーを使って病院に連れていくということも実際やっております。ただ,風邪とかそのような,何といいますか,出血を伴わない状態のときには,タクシーを使ってとか公的補助の中で病院に連れていく制度というのは,今は市にはございません。 このような中,先月,県でふくい創生・人口減少対策戦略が打ち出されておりますけれども,その中で仕事と子育ての両立環境を充実するとして,小学校や保育園等で子供が病気になった際には病院などへ送迎する民間サービスの導入というものが打ち出されております。この制度につきましては,保護者にかわって医療機関に園児を連れていくことになるんですが,そのときの園児の状況や体質,あるいはこれまでの病気の既往歴等,いろいろ医師に正確に伝えなければいけない情報がございますけれども,これが的確に伝えられるかどうか,あるいは制度設計等でほかに検討すべき必要な点がいろいろございます。これらのことがございますので,来年度以降の県の成長戦略に合わせた事業化にあわせ,本市でも事業が円滑に導入できればいいということで,県とも協議しながら,この点について進めていきたいと思います。 ◆7番(水島秀晃君) ありがとうございます。ぜひ,そういったタクシーの件にしましても,市が助成するなりして,負担がかからないということが本当にどれほど大切であるかということも思いますので,またこれからあわせて御検討いただきますようよろしくお願いいたします。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(石丸浜夫君) 次に,19番 島川由美子君。 (19番 島川由美子君 登壇) ◆19番(島川由美子君) 公明党の島川由美子でございます。4点にわたって質問させていただきます。 まず最初に,「健康ふくふくプラン21」素案についてお尋ねいたします。 本市では,平成17年,福井市の健康増進計画として,健康ふくい21を策定いたしました。これは,平成12年に国民が主体的に取り組める新たな国民健康づくり運動として国が策定した健康日本21と,親子が健やかに暮らせる社会づくりを目指すための健やか親子21を踏まえて策定されたものであります。市民一人一人がその人らしく豊かな生活を送るための健康づくり運動を総合的に推進し,充実した人生をその目標としております。 本年度は健康ふくい21の計画最終年度となり,新たな健康増進計画として,現在,健康ふくふくプラン21を策定中であります。健康ふくふくプラン21の策定に当たり,これまでの健康ふくい21で実施されてきた取り組みの成果,また課題についてどのように総括され,新たな計画につなげられたのか。また,どのようにこの計画を進められるのかをお尋ねいたします。 市民一人一人が健やかな生活習慣を送るとともに,社会全体が協働して健康づくりの環境を整える,若い世代から健康への関心を高め,健康的な生活習慣の習得を図り,生活習慣病の発症と重症化を予防することで,健康寿命の延伸,生活の質の向上を図ることを目的とするとしております。 日本人の死因の約6割を占めるのが生活習慣病であります。特に日本人の国民病と言われているがんは,2人に1人がかかり,3人に1人ががんで亡くなっております。しかし,このがんも早期発見,早期治療により,生活習慣病の発症,重症化を予防することは可能になりました。特定健診やがん検診を定期的に受けること,また保健指導を受けて生活習慣を見直すことにより,健康寿命を延ばすことが可能となります。本市におきましても,特定健診を初めとしてさまざまな健康診査が行われておりますが,健診の種類にはどのようなものがあるのか,お尋ねいたします。 これまでの受診率の実績と新たな受診率の目標はどのように設定されているのかをお尋ねいたします。 本市が実施している特定健診及びがん検診の受診券の発行対象者について,またその受診券が送付される時期についてお尋ねいたします。 次に,無料クーポン券による検診はどのようなものがあるのか,お尋ねします。また,対象者についてもお聞きいたします。 がん検診の受診勧奨が実施されておりますが,どのような方を対象として行われているのか,お尋ねいたします。 国の方針では,胃がん検診について,今後胃部エックス線検査だけではなく胃内視鏡検査を取り入れることになっておりますけれども,本市ではどのようにお考えか,御所見を伺います。 また,これまで実施してきた胃がん検診で,バリウムの誤嚥などによる事故の有無についてもお尋ねいたします。 次に,胃がんの原因となるピロリ菌検査による胃がんリスク検査の導入についてはどのように考えられているのか,お尋ねいたします。 さまざまな理由で検診未受診の方がおられますが,受診できるように環境整備が必要と考えます。受診率向上への今後の取り組みについてお尋ねいたします。 次に,たばこの喫煙はさまざまな疾患の原因となり,本人はもとより,周囲の人の受動喫煙による健康被害のほうが重症となる症例があります。特に妊婦やその家族など,また職場などの周りにいる人々の喫煙には厳重な注意が必要となります。禁煙や受動喫煙防止の推進のため,市が実施していることをお伺いいたします。 次に,学校の防災対策についてお伺いいたします。 教育委員会の部局マネジメント方針によりますと,本市の小・中学校の耐震化につきましては,C判定の学校耐震補強事業が本年度末で完了予定となっておりますが,それとともに防災対策として非常に重要となる非構造部材の耐震化工事につきましてはどのように進められているのか,お伺いいたします。 災害時には地域の避難所となり,また,平時は子供たちが1日のほとんどの時間を過ごす学校の体育館や校舎の非構造部材の耐震化,落下防止などの取り組みとともに,窓ガラスの飛散の危険性につきましては,当初より議会の中でも発言,要望してまいりましたが,窓ガラスの飛散防止のための取り組みについては,これまで進められておりません。飛散防止フィルムやシートを張ることで飛散防止に取り組んでいる自治体もありますが,本市としては今後どのように取り組んでいかれるのか,お聞きいたします。 次に,各小・中学校に備えられている消火器具や防災備品等の整備,点検はどのように行われているのかをお伺いいたします。 避難袋や避難はしご,消火栓や消火器,感知器,防火扉や防火シャッター等は,いざというときに使えるような状態になっているのかをお聞きしたいと思います。 また,企業や団体などのように学校職員の自衛消防隊とも言うべきものは組織されているのかどうか,お伺いしたいと思います。 また,屋内消火栓の取り扱いなどの訓練の実施状況についてもお聞きします。 次に,女性の視点での地域防災・復興についてお尋ねします。 従来,防災分野は,男性,成人,健常者の視点から構築されてまいりましたが,現福井市地域防災計画には女性の視点が多く取り入れられておりますことは高く評価しております。これまで本市が被災してきた福井地震,福井豪雨,その後の災害における経験,知見が男女共同参画の視点からどのように生かされているのかを,まずお尋ねいたします。 本市の防災における意思決定機関である福井市防災会議委員への女性の登用については,福井市防災会議条例第3条第5項第9号の「その他市長が防災上特に必要と認める者」として女性の登用はできないかをお尋ねいたします。 例えば栄養士,学校長,薬剤師,民生児童委員などの女性の専門職や地域のリーダーの皆さんが考えられますが,御所見をお伺いいたします。 現在,本市におきまして1,142の自主防災会が結成されておりますが,自治会長が兼務している場合がほとんどであるため,女性会長は20人,0.175%にとどまっております。多様な視点を取り入れる観点から女性役員をふやす取り組みを進めることはできないのか,お伺いいたします。 自主防災組織における女性参画の実態調査や女性防災リーダーの育成,研修及び外国人対象の防災研修も必要と考えますが,御所見をお伺いいたします。 また,女性だけの防災訓練の実施についても必要と考えますが,御所見を伺います。 地域の防災対策として近隣地区のネットワークづくりは非常に重要と考えますが,このような取り組みをされている地域があるのか,お尋ねいたします。 最後に,代読・代筆支援についてお尋ねいたします。 高齢化の進展に伴い,視覚障害者のみならず,視力が低下した高齢者など読み書きに支障がある人への支援の必要性が訴えられております。日常生活を送る上で,読むこと,自分の意思をあらわすための書くことは,必要不可欠の行為と言えます。しかし,視覚障害者や視力の低下した人,高齢者などにとっては,これが十分に保障されているとは言えない状況にあります。 このような読み書きに支障がある人への支援は,共生社会の実現に向けても重要な課題となります。そこで必要となるのが,目の不自由な人を対象とした代読,代筆などの読み書き支援の充実であります。例えば金融機関や自治体などから送られてくる通知など,社会生活を送るために必要な書類を受け取っても,目が不自由なため確認できないという事態に悩む人は少なくありません。 東日本大震災では,多くの被災者が避難生活を送る中で,避難所などに掲載された各種情報がみずから読めず,周囲に読んでくれる人もいなかったため,必要な救援物資を受け取ることができなかった高齢者や障害者がいたとの指摘もあります。あらゆる物事に関する情報化の流れが進展した今日,情報を正確に得て発信することは極めて重要と言えます。 平成23年に成立した改正障害者基本法に,読み書き支援サービスを行う人の要請,派遣を国や自治体に求める規定が盛り込まれ,さらに,平成25年に施行された障害者総合支援法の実施要綱に,自治体が行う支援の一つとして代読や代筆が明記されました。 今後,読み書きが困難な方への支援の必要性は一層高まると考えられます。本市におきましても,プライバシーを確保できる専門の支援員の養成に取り組み,代読,代筆支援を必要とする人への支援の仕組みをつくる必要があると考えますが,御所見をお伺いしまして,私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 私からは,健康ふくふくプラン21の御質問のうち,健康ふくい21の総括と,どう新たな計画につなげていくかについてお答えいたします。 健康ふくい21の総括ですが,健康課題に応じた指標の達成状況を評価しており,幼児期においては,起床時間や就寝時間,テレビを見る時間などで正しい生活習慣の定着が見られたほか,成人期では,自分の歯を目標本数有する人の割合や喫煙率,飲酒率等で改善が見られました。しかし,その一方で,運動習慣のある人の割合や日常生活における歩数がいずれも減少し,20歳代男性で肥満の割合の増加が大きいこと,30歳代で1日の野菜摂取量が少ないことなど,若い世代から生活習慣病につながる要因があらわれています。 これらの分析に基づいて,次の3点を新たな計画での重点課題としています。1点目は,身体活動・運動の取り組み強化です。身近で気軽に運動習慣を習得し,継続していくことが必要です。2点目は,若い世代に対する健康づくりへの支援です。特に20歳代,30歳代の人に対し,健康に関心を持っていただくための具体的なきっかけづくりや意識づくりを支援していくことが必要です。3点目は,職域への働きかけです。働き盛りである若い世代の人に健康への関心を持っていただくために,家庭や地域はもとより,職場という環境の中で健康づくりを支援していくための整備が必要です。平成28年度からの新計画である(仮称)健康ふくふくプラン21では,これら3点の重点課題を踏まえ,健康的な生活習慣の推進と定着,生活習慣病の発症予防と重症化予防,健康づくりを支援する社会環境の整備を基本目標とし,市全体で健康づくりに取り組むよう策定を進めていきます。 (福祉保健部長 港道則男君 登壇) ◎福祉保健部長(港道則男君) 健康ふくふくプラン21の残りの質問にお答えします。 初めに,本市が実施している健康診査ですが,特定健診,一般健診,及び長寿健診があります。また,がん検診としては,胃がん,肺がん,大腸がん,乳がん,子宮がん,前立腺がんがあります。そのほか,肝炎ウイルス,骨粗鬆症,歯周疾患の検診があります。 次に,受診率ですが,特定健診は平成25年度で26.7%です。がん検診は平成26年度で胃がん9.6%,肺がん18.5%,大腸がん23.7%,子宮がん38.8%,乳がん25.9%です。新たな受診率目標については,これまでの実績や国の目標値などを参考にしながら,適切に設定してまいります。 次に,受診券の発行対象者についてですが,特定健診は40歳以上の国保加入者,長寿健診は後期高齢者医療制度加入者,一般健診は40歳以上の生活保護受給者です。これらの対象者に加え,がん検診では社会保険に加入している市民税普通徴収者も対象としています。ただし,子宮がんは20歳から39歳の方,乳がんは40歳から69歳の方について,加入保険に関係なく全ての女性に受診券を発行しています。受診券は集団検診の日程に合わせて,5月,6月,8月の3回に分けて発送しています。 次に,無料クーポン券ですが,大腸がん,子宮がん,乳がん,肝炎ウイルス,骨粗鬆症,歯周疾患において発行しています。対象年齢は,大腸がんが41歳から61歳までの5歳刻み,子宮がん21歳,乳がん41歳,肝炎ウイルスは40歳以上の5歳刻み,骨粗鬆症は40歳から70歳の5歳刻みの女性,歯周疾患は40歳から70歳の10歳刻みの方です。 続いて受診勧奨ですが,国,県の補助事業を利用して,電話や通知による勧奨を行っています。対象者ですが,特定健診は未受診者全員,がん検診は大腸がんが50歳代,乳がんが40歳代,子宮がんが30歳代の未受診者です。 次に,胃がん検診ですが,厚生労働省は本年9月に,市町村が実施する胃がん検診として,これまでのエックス線検査に加え内視鏡検査も推奨し,対象年齢を50歳以上,検診間隔を2年に1回とする中間報告をまとめました。本年度中に正式決定されれば,来年4月からの検診に反映する見通しです。本市といたしましても,国の動向を見ながら実施に向けて県と協議を重ねてまいります。 次に,本市の胃がん検診による事故の有無についてですが,バリウムが排せつされず腸内で固まり,腸閉塞やせん孔を起こした事例がこれまで2件ございます。バリウムが誤って気管に入ってしまう誤嚥事故はありません。 次に,胃がんリスク検査の導入についてですが,この検査は胃がん検診受診のきっかけづくりや胃がんの発症予防につなげられるため,県では既に本年度から補助事業を開始しています。このことから,本市では平成28年度からの実施に向けて協議を進めています。 次に,受診率向上のための取り組みですが,特定健診は年齢や受診歴に応じて文面を工夫した通知を発送しています。また,電話での受診勧奨は対象者数を前年度の約3,000人から,本年度は倍の約6,000人にふやして実施します。がん検診については無料クーポンの送付,休日検診の実施,テレビやチラシ等での広報,地区健康教室での受診勧奨などに取り組みます。未受診者についても業務委託等を活用し受診勧奨を行うほか,新たに大腸がんの未受診者に対し,個別通知による勧奨を実施します。 また,特定健診やがん検診などを受診することにより得点を得る健康ポイント事業をさらに周知し,検診受診のきっかけにしたいと考えております。加えて,駆け込み需要や目新しさによる受診意欲を促すため,特定健診やがん検診を年度末に大きな会場で行うことや,検診当日に結果が出る項目を参考に検診会場その場で健康相談を行うことなど,来年度に向けて受診や相談がしやすい環境の整備を検討しているところです。 次に,禁煙と受動喫煙防止についてですが,喫煙は周囲の人にも健康被害を引き起こすことから,特に若い世代を対象とした啓蒙活動に取り組んでいます。婚姻届提出時には,たばこが健康に与える影響を記したチラシを配布しており,また妊娠届提出時には,妊婦本人と家族の喫煙状況を確認し,必要な方にはたばこの害について説明を行っています。さらに,未成年からの禁煙,受動喫煙防止を目的に,小・中学生を対象としたたばこと健康ポスターを募集しており,入選作品の展示を通して,広く市民の方々にたばこと健康について考えていただく機会としています。今後も,健康教室などさまざまな機会を通して広く啓発を継続してまいります。 次に,代読・代筆支援についてですが,視覚に障害がある方に対しては,障害者総合支援法に基づき,在宅時には居宅介護の家事援助サービスとして,郵便物等の代読,手紙やアンケート等の代筆のサービスを提供しています。また,外出の際には移動時の支援を行う同行援護サービスにおいて,代読,代筆の支援を行っています。そのほか,65歳以上のひとり暮らし等高齢者登録者のうち低所得者の方を対象に日常生活上の軽作業を援助する,えがおでサポート事業によるサービスを行っています。本市としては,これらのサービスを御利用いただくことでニーズに対応できると考えております。 なお,専門の支援員の養成については,社会福祉法人福井県視覚障害者福祉協会が,居宅介護サービス等の従事者を対象に代読や代筆の研修を実施しており,毎年約20人が受講しています。今後も必要に応じた支援に努めてまいります。 (教育部長 山本みどり君 登壇) ◎教育部長(山本みどり君) 学校の防災対策についてお答えします。 学校の非構造部材の耐震化については,平成25年度に文部科学省の要請を受け,落下した場合の危険性が高いとされる体育館の天井材,照明器具,つり上げ式バスケットゴールの落下防止対策を平成25年度から平成27年度の3カ年計画で進めているところであり,今年度末で完了する予定です。 次に,窓ガラスの飛散防止についてですが,現在飛散防止フィルムを張った場合の費用や対象範囲などの課題を整理しているところであり,小学校の体育館が災害時の避難所に指定されているところが多いことを踏まえ,前向きに検討してまいります。 次に,小・中学校の消火器具や防災備品等の整備,点検についてですが,小・中学校の消防用設備については消防法により設置,点検,報告する義務があり,半年に1回の機器点検と,1年に1回の総合点検を行っています。さらに,3年に1回,その結果を管轄する消防署に報告しております。これらの消防設備は点検でふぐあいが発見されたときに修繕を行い,有事の際には全て使える状態になっております。 次に,学校職員の自衛消防隊の有無についてのお尋ねですが,本市の小・中学校においては,年度当初に校長を隊長として自衛消防隊を組織しております。また,屋内消火栓や救助袋の取り扱い訓練については,小学校23校,中学校9校において年1回もしくは二,三年に1回の訓練を実施しております。これらの訓練については,今後定期的に実施するよう指導してまいります。 (総務部長 高山浩充君 登壇) ◎総務部長(高山浩充君) 女性の視点での地域防災・復興についてお答えいたします。 まず,災害における経験や知見が男女共同参画の視点からどのように生かされているかについてですが,東日本大震災では避難所を運営したメンバーの大半が男性であったため,女性専用の更衣室やトイレ,あるいは授乳室の確保や化粧品,生理用品などの女性特有の物資の要望がうまく伝わらず,女性が大変苦労したことが課題として上げられたことから,女性の視点での検証が重要となりました。このことから,平成24年度の地域防災計画の見直しでは,避難所運営の女性参画や,自主防災組織育成に際し女性の参画促進に努めることなどを新たに加えました。また,防災ハンドブックで女性に配慮した避難所運営の必要性を周知したほか,平成26年度から各地区で作成している避難所運営マニュアルにおいて,避難所運営に女性役員にも参画していただくなど,男女共同参画の視点を取り入れております。 次に,福井市防災会議委員への女性の登用についてですが,この会議は,国土交通省近畿地方整備局福井河川国道事務所などの指定地方行政機関や日本赤十字社福井県支部などの関係機関のほか,市長が防災上特に必要と認める団体から選出された委員により組織されております。現在,56人中女性委員は3人と少数であることから,新たな女性団体等からの委員選出を検討してまいります。 次に,自主防災会の女性役員をふやす取り組みですが,本市では,自主防災組織連絡協議会の役員を対象とした中核リーダー研修会において女性役員の登用を呼びかけております。また,女性の防災意識の高揚を図るため,女性を対象とした研修会を実施するほか,各地で開催している出前講座を通して,地域の防災活動への女性参加を要請してまいります。 次に,自主防災組織の女性参画の実態につきましては,現在把握しておりませんが,今後自主防災組織連絡協議会を通して調査を行ってまいります。また,新たに自主防災会の女性会員を対象としたリーダー研修会を開催いたしまして,女性防災リーダーの育成にも努めてまいります。 外国人を対象とした防災研修は,毎年開催しておりまして,平成26年度は16回開催し,147人が参加いたしました。また,女性のみの防災訓練についての御提案ですが,避難所運営や要配慮者の避難支援等において管理責任者に男女を配置するなど,女性の視点をより防災対策に反映できる訓練を実施することにより,女性リーダーの育成等につなげてまいります。 次に,近隣地区のネットワークづくりにつきましては,木田地区と豊地区,及び麻生津地区と清明地区において人的派遣や物資などの支援につきまして相互支援協定を締結し,地域防災力を高めております。 ◆19番(島川由美子君) 丁寧な御答弁をいただきましてありがとうございました。 再質問させていただきますけれども,学校の防災対策ということで,ガラスの飛散防止は今検討していて,取り組む方向でやっていくということでよろしかったのですね。 また,私の聞き漏らしかもしれませんが,学校にある屋内消火栓の取り扱いの訓練というのも実施されているのかどうか,1点お尋ねいたします。 ◎教育部長(山本みどり君) 屋内消火栓と救助袋の取り扱い訓練も,小学校23校,中学校9校において実施しているということでございます。 ◆19番(島川由美子君) 二十数校ということで,全校はやっていないということでしょうか。やはり全校でやっていただける方向でお願いしたいと思うんですけれども,その点いかがですか。 ◎教育部長(山本みどり君) 10月末現在で小学校23校,中学校9校ということで御報告させていただきましたが,防災訓練と申しましても,まだほかに地震,津波,火災,それから不審者対応とかいろいろな訓練を実施しておりまして,なかなか全ての訓練をするということは少し無理があるのかなとは思いますけれども,この屋内消火栓と救助袋の取り扱い訓練については大変重要な訓練だと認識しておりますので,学校には定期的に実施するように指導してまいりたいと考えております。 ◆19番(島川由美子君) ぜひともよろしくお願いいたします。 市防災会議の委員に女性の登用を検討するということで御答弁をいただきました。さまざまな視点を持った方が委員としてこの市防災会議の中に入っているということが非常に重要なことだと思っておりますので,この点もよろしくお願いいたします。 次に,代読・代筆支援についてでございますけれども,これから視覚障害の方だけではなくて認知症の方とかもふえてくるのは,もう想像にかたくありません。何が郵便ポストに入っているのかわからない,封をあけても何なのかわからないという方も,これからどんどんふえてくるのではないでしょうか。そういう方への支援ということも取り入れていただきたいと思うんですけれども,この点どのようにお考えでしょうか,お尋ねいたします。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 今議員御発言のとおりだと思いますが,まずは先ほど御説明させていただいたサービス等の御利用をいただければと思っております。ただ,基本的にその方の周りにそういうことを御支援いただける方がいるのかいないのかということでございます。いない方の中で,例えばひとり暮らしの高齢者の方がいらっしゃるということになると,ふだんの見守りの中でそういうことも配慮しておりますし,先ほど御紹介したサービスも御利用いただけるということでございますので,まずそういう御支援が必要なのかどうかというところを情報として確実に捉えるようにさせていただき,先ほどのサービス等につなげるようにしていきたいと思います。その上で,ほかのサービス等が必要な場合もあるかと思いますので,そういうケースについてはまた検討させていただきたいと思います。 ◆19番(島川由美子君) よろしくお願いいたします。情報は命綱と言いますが,先ほども申し上げましたけれども,避難所なんかで例えば張り紙があってもわからなかった。みんなが同じものをいただける場にあっても,それがわからなかったということも事例としてありました。こういうことがないように,さまざまなサービスを皆さんにお受けいただけるように,そのあたりよろしくお願いしたいと思います。 最後に,健康診査のさまざまな取り組みについて,先ほど細かく言っていただきましたけれども,例えばデータヘルスを活用した取り組みといいますか,これからこの健診のさまざまな情報を使った取り組みということは本市としてはどのようにお考えなのか,お尋ねいたします。 ◎福祉保健部長(港道則男君) データヘルスにつきましてはKDB,いわゆる国保のデータベースを活用した形でデータヘルス計画を今策定しております。一応今年度中に策定する計画でございますので,その計画に基づいた新たな取り組みというものもまた打ち出していきながら,進めていきたいと思っています。 ○副議長(石丸浜夫君) 次に,22番 鈴木正樹君。 (22番 鈴木正樹君 登壇) ◆22番(鈴木正樹君) 日本共産党議員団の鈴木正樹です。私は,市民の暮らしと地域経済を応援し,その安全を守るために質問を行います。 まず,介護保険制度の問題について質問いたします。 介護保険制度が見直されるたびに,保険料やその利用料負担がふえ続けてきました。介護保険料の基準額は今期は6,100円で,発足当時の月額3,300円から倍近くにふえました。介護サービスの利用料は,施設の食費,部屋代など,以前はなかった自己負担もふえ,市内の老人保健施設では,介護保険制度発足当初は要介護3の利用者の自己負担額は月額6万円以下で済んでいたものが,現在では多床室でも9万7,000円,個室なら13万円から14万円と,1.5倍から2倍以上に膨れ上がりました。市内の介護施設に聞き取り調査を行ったところ,年金が少なく利用料を払うことができず,必要なサービスの利用を控える方や利用料の滞納を繰り返すなど,必要な介護を受けることができない事例があることを語ってくれました。 このような中,介護保険制度の負担軽減措置の中で最も差し迫った状況の救済措置である境界層措置の利用件数がふえています。境界層措置とは,介護保険料やそのサービスの利用料によって,生活水準が生活保護以下となることを防ぐために負担額を減免する制度です。この境界層措置の利用が平成24年度までは1件から2件だったのに対し,平成25年度以降は10件を超えています。 境界層措置は,この制度が知られていないことに加え,財産や収入の調査,親族からの支援の有無の調査など生活保護を受けるのと同等の調査が行われるため,親族とのあつれきを生みかねず,よほどのことがなければ申請しません。それでも利用数がふえてきたのは,高齢者の貧困の広がりと介護の負担がふえ続けることによって,このままでは必要な介護すら受けることができないという深刻な事態が広がっているからです。生活保護の申請と同等の,親族にまでの調査を受け入れることを条件としてもなお,境界層措置の利用件数が伸びている理由について市は一体どのように考えておられるのか,その答弁を求めます。 市民が必要なサービスが受けられるように介護保険料の減免の拡充と,施設やサービス利用料への減免の拡充を強く求めます。 介護保険料の徴収は,基本は年金天引きです。ですから,介護保険料を滞納し得るのは,基礎年金部分が月額1万5,000円以下の方だけです。年金が生活保護以下の水準の方でも,本人が生活保護の申請をしない限りは,有無を言わさずその年金から天引きされます。天引きで介護保険料を徴収しているため,事実上,介護保険料を滞納するのは,天引きすることができないほど年金が少ない方や無年金者という特に貧しい高齢者に限られます。 その滞納者が介護が必要となったときには,滞納期間に応じて機械的に給付制限という通常の3倍の3割負担を求める罰則が科せられることとなります。生活保護以下の少ない年金で保険料も払えない高齢者やその家族が,どうして通常の3倍の利用料を支払えるでしょうか。事実上,保険料が払えないほどの貧困世帯には,生活保護を申請しない限り,まともに介護保険を利用することすら許さないという冷徹な制度となっているのです。 私たち日本共産党議員団に相談に来られた方の中に,小さな工場のわずかな収入で食うや食わずの状況の中,介護保険料が払えなかった自営業者の社長さんがいました。脳卒中で倒れたお母さんの介護を仕事の合間に必死でしていましたが,脳の障害によってお母さんは寝返りが打てません。そのため,仕事の合間の介護だけでは褥瘡,いわゆる床ずれを防ぐことができず,何度も繰り返していました。腰やお尻,おなかに床ずれができて,じゅくじゅくの傷ができると医療での治療が必要となるので,訪問看護や往診で治療や寝返りが行えます。しかし,床ずれが治ると医療サービスとしての訪問がなくなります。結果,3割負担の介護サービスの負担が重くて払えず,ヘルパーの入る回数を減らし,また床ずれを繰り返します。何度も何度も繰り返し,自分の母親のお尻やおなかに床ずれ傷ができ,穴があく。それでも,行政はルールどおりに3割負担を求め続けました。余りに冷たい仕打ちだとは思われませんか。まず,その感想について答弁を求めます。 国に対して,介護保険料のペナルティーの解除については自治体の判断で柔軟に行えるよう要請すべきではないでしょうか。国に求める意思があるか,答弁を求めます。 全国では今年度から,要介護度が要支援の方への総合事業が始まり,福井市では平成29年度からスタートするとしています。この総合事業は要支援への介護サービスを自治体に丸投げするものであり,その実施についてさまざまな問題があります。その準備状況はどうか,問題点についてどう捉えているのか,答弁を求めます。 介護労働者の労働の大変さに比べ,その賃金が安く,離職者が絶えないことが深刻です。国の制度で介護職員処遇改善交付金による制度はありますが,この改善額は月額にして1万7,000円程度です。ところが,福井県の全産業の平均賃金が月額29万円台であるのに対し,介護職員の平均賃金は20万円台で約9万円の開きがあります。市内施設でお話を聞いたところ,男性の介護職員は結婚するとやめていく傾向が強いそうです。今の給料では家族を養っていけない,こう言われれば引きとめることができない。職場の柱となってもらいたい有能な職員ほどやめていく,これでは介護現場の職場づくりができない。経営者の方や施設の方は頭を悩ませておられました。 最近では,介護従事者の不足により,介護保険制度はあっても,その労働者の不足から必要な介護を受けられない事態が生まれかねないと,研究者からも警鐘が鳴らされています。その待遇改善は急務です。国にさらなる待遇改善を求めるとともに,福井市としても介護労働者の待遇改善の独自の補助を行うべきではないでしょうか,答弁を求めます。 次に,原発再稼働と原発防災及び避難計画の周知について質問します。 NHKが10月2日から4日にかけて,高浜原発の再稼働についてと題するアンケート調査を行いました。この調査は,高浜町と高浜原発の周辺自治体,そしてその他の地域の福井県民,そして関西地域の4グループから,合わせて3,154人の回答を得たものです。このアンケートの結果が公開されていますが,新しい規制基準の上でも住民の避難が必要となる事故が起こると考えるかとの問いに対して,福井市を含む福井県民は,大いにある,ある程度あると思うと答えたのは73.8%となり,私たちの地域でも,避難が必要になる深刻な被害を受ける可能性があるとの不安を市民が抱いていることが明らかになりました。 それと同時に,同地域のアンケート結果は,再稼働に賛成が41.7%,反対は52%と反対が過半数を上回り,電力事業者から十分な説明を受けたと思うかとの問いに対し,余り受けていない,全く受けていないと思うが合わせて70.1%,高浜原発の再稼働について自分たちの意見が反映されていると思うかとの問いには,余り反映されていない,全く反映されていないと答えたのが合わせて72.5%となりました。高浜原発や大飯原発などの再稼働について住民は不安を抱いており,納得していません。その合意はつくられていないし,その説明すらまともにされていない,これが市民の受けとめです。これでは原発の再稼働など論外です。市長は,このようなアンケートの結果を見て,再稼働への住民の合意はできているとお考えですか,答弁を求めます。 このような中で原発の再稼働など認めようもないことは当然です。関西電力や政府が進めている高浜原発の再稼働に反対すべきではありませんか,答弁を求めます。 福井市民の不安の声に応え,安心・安全に責任を持つという立場は,原発の再稼働に賛成,反対の立場を超えて共通のものです。福井市として,その具体的責任を果たすべきです。原発の再稼働について福井市の同意を得ることを条件とするよう,国や県,関西電力に求めるべきではないでしょうか。 福井市民は,まともな説明を受けていないという方が多いのが実情です。関西電力や国,県は,その説明責任を果たすべきです。高浜原発の再稼働について,関西電力や国,県に福井市内で住民への説明会を開くよう要請すべきと考えますが,どうでしょうか。答弁を求めます。 NHKのアンケートから見えてくるもう一つの問題点は,原発の防災計画が周知徹底されていないとともに,その計画が信頼されていないことです。避難が必要となる深刻な原発事故について,7割を超える方があり得ると考えているのに対して,自治体がつくっている計画についての意識はどうか。NHKの調査は高浜町とその周辺地域に限られたものですが,あなたの住んでいる自治体の避難計画で安全に避難できると思うかとの問いに対して,余りできないと思う,できないと思うが過半数を超えています。知らないという方が周辺自治体で7割を超えています。原発により近い地域でさえ周知徹底が進まず,自治体の計画に対して安全に避難できないと多くの住民が考えており,この福井市ならなおさらのことだと考えます。政府の計画は,原発から30キロメートル圏外の住民については避難の必要性をほとんど考えておらず,その計画も進んでいません。この点についても住民意識とかけ離れています。避難計画を初めとした原発防災計画の周知徹底が進まない,信頼が得られていない理由はどこにあると考えているのか,答弁を求めます。 福井市としても防災計画の周知徹底を進めるべきと考えますが,どのように進めていくつもりか,その取り組みについて答弁を求めます。 市民の意見を反映して実効性ある計画への見直しを行うべきではないでしょうか。 私たち日本共産党議員団は,安定ヨウ素剤の全戸配布や,放射能被害に感受性の強い子供たちが集まる小・中学校,保育園,幼稚園などに重複配備することを求めてきました。このような地域や施設で,防災訓練時に安定ヨウ素剤を実際に手にとりながら服用の手順を説明するなどすれば,その防災意識の向上にもつながります。全戸配布と子供たちの集まる施設への配備について検討を強く求めるものです。どうでしょうか,答弁を求めます。 最後に,第3次福井市環境基本計画と再生可能エネルギーの促進について質問します。 福井市は,現在第3次福井市環境基本計画を改定するためパブリックコメントを実施するなど,その見直し作業を進めてきました。先日,議会にもその素案が示されましたが,私は2つの点に弱さがあることを指摘したいと思います。 その第1は,二酸化炭素など温室効果ガス削減の取り組みについて,公共交通の利用促進に意欲的な具体策が検討されていないことです。まちなかレンタサイクルや電動バイクシェアの社会実験などはあるものの,公共交通の利用促進には意欲的な具体策が上げられていません。よって,公共交通の利用者数の目標も約4%の増加と,低い目標です。全国の状況を見ると,福井市よりも過疎化が進み,もっと状況が悪いところでもバスや電車の料金の思い切った引き下げを実施し,利用者をふやしているところはたくさんあります。これまで,バス代など公共交通の思い切った値下げが重要であることを求めてきましたが,そのような取り組みを強く求めます。 公共交通の利用促進を進めるに当たり,敬老パスなど高齢者への優遇制度の拡充を強く求めます。姉妹都市である熊本市を初め,全国各地の自治体が敬老パスなど高齢者への割引制度を市の財源も投入して拡充,実施しています。熊本市では,70歳以上の高齢者はバスや電車の料金が8割引きとなるさくらカードという敬老パスを発行しており,その免除額のうち5割を熊本市が負担しています。しかし,福井市は高齢者が公共交通の利用料を割り引く制度に全くお金を出していません。今ある高齢者の割引は,全て事業者の経営努力によるものです。このような思い切った敬老パスの導入を検討していただきたいと思いますが,どうでしょうか。答弁を求めます。 最近,相次いで高齢者の深刻な自動車事故がテレビのニュースで取り沙汰されました。認知症で入院されていた方ですら免許を持ったまま運転を続けていたなど,びっくりする事態が報道されています。しかし,公共交通の行き届かない地方において,高齢者の免許返納を促すことは特別の難しさがあります。福井市で75歳以上の高齢者の中で免許を返納した方の数は,平成27年に180人で全体の1.5%にすぎません。免許の返納を促すことは返納後の公共交通の利用者増にもつながり,安全のためにも公共交通の利用促進のためにも,市として促進すべきです。しかし,福井市は免許を返納しても公共交通の割引が全くされません。免許返納を促進するために,免許を返納した高齢者への公共交通の割引制度をつくるべきではないでしょうか,答弁を求めます。 公共交通の利用者増による温室効果ガスの削減とともに,安全対策のためにもその実施を強く求めるものです。 環境基本計画についてもう一つ指摘したいのが,再生可能エネルギー発電の普及,促進をもっと総合的に進めるべきということです。第3次福井市環境基本計画の素案では,自然環境や里山の維持というような計画や再生可能エネルギー発電を促進する計画はありますが,それぞれが別々となっており,お互いの関連性が見えてきません。また,小さな河川や急峻な地形に小規模な水力発電所をつくる小水力発電については触れられてもおらず,ほとんど検討されていないように感じます。小水力発電は,水利権の問題があるものの,水をせきとめるわけではないので,その権利関係を整理し,農業用水とのすみ分けや問題の解決は可能なはずです。 全国の進んでいる取り組みを見ると,再生可能エネルギー促進を農業や里山の維持と結びつけて進めています。農業は,どうしてもその収入が収穫期に集中し,それ以外の時期は収入がないため,収入のある時期が偏ります。そこで,作物の生育を阻害しない程度の遮光率で太陽光発電を畑に設置したり,遊休地や耕作放棄地での太陽光発電,また,集落営農組織や土地改良区による小水力発電の共同管理など,再生可能エネルギーの売電が,収入を得られる時期が偏る農業者にとって年間を通して収入を得る一つの方策となっています。 政府が現在打ち出している計画の中でも,原子力発電への依存率を大幅に引き下げ,二酸化炭素削減のため再生可能エネルギーへシフトしていくことは必然の流れと捉えられており,再生可能エネルギーの促進はエネルギーの地産地消につながるという観点から,大企業や研究者からも,再生可能エネルギー産業の第1次産業化を政治的に位置づけて促進すべきとの意見が出るほどです。福井市の環境基本計画は,この点の検討が弱いように感じます。福井市の豊かな自然と農業の維持とあわせた再生可能エネルギーの開発,普及,促進を求めるものです。 耕作放棄地対策と一体でソーラー発電施設をつくるなど,農業や里山保全と一体で進める方策の研究や検討を行っていただきたいと思いますが,どうでしょうか。その中で小水力発電の設置も検討すべきではないでしょうか,答弁を求めます。 さて,環境基本計画では,市が国に対してどう働きかけるかという視点が書かれていません。しかし,現在の再生可能エネルギーの売電や送電は,電力会社の意向でその買い取りや送電を際限なく拒否できる制度です。これでは地域で再生可能エネルギーを育てていっても,配電設備を握っている電力会社の意向で,その成長と発展が左右されかねません。この福井の地域で再生可能エネルギーの発展を本気で進めようと思うなら,国に対して物が言えるかどうかは切実に問われる問題です。国に対して,再生可能エネルギーの全量買い取りを含めた持続可能な再生可能エネルギーの買い取り制度を求める意思があるのか答弁を求めて,私の総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (福祉保健部長 港道則男君 登壇) ◎福祉保健部長(港道則男君) 介護保険制度についてお答えします。 まず,境界層措置についてですが,これは生活保護を申請された方,または受給されている方が,介護保険の利用者負担や保険料の減額を行うことにより生活保護受給に至らないと認められる場合に,生活保護の要否判定において適用されるものです。措置の件数は平成23年度2件,平成24年度1件,平成25年度10件,平成26年度11件です。このような傾向にある理由としては,平成24年以降,いわゆる団塊の世代が65歳を迎えられたことにより,65歳以上である第1号被保険者の数が,平成23年度の約6万4,000人から平成26年度約7万1,000人に増加していることがまず上げられます。 次に,介護保険料と利用料に関する減免についてですが,保険料は,世帯の課税状況,本人の所得状況を勘案して,その段階を決めることになります。現在の保険料は,国の標準的な保険料段階9段階に対し,本市では独自に12段階に細分化して,保険料率も国の0.5から1.5に対して,本市では0.35から2.0と広く設定し,特に低所得者に対する軽減を図ってきています。加えて,今年度から新たに国の軽減策を活用して,第1段階の保険料率をさらに0.05引き下げ,0.30としています。そのほか,災害により住宅等に著しい損害を受けた場合や,生計を主として維持する方の収入が著しく減少した場合などに保険料の減免を行っています。 次に,施設やサービス利用料についてですが,現在,所得の低い方を対象として,国の制度により自己負担額の軽減が図られています。具体的には,食費,居住費の負担額を軽減する特定入所者介護サービス費,社会福祉法人等が食費,居住費を含む利用負担額を原則25%軽減する軽減制度,1カ月の利用者負担額が定められた上限額を超えた場合に支給される高額介護サービス費,世帯内で1年間に介護保険と医療保険の両方の利用負担金額を合算して上限を超えた場合に支給される高額医療合算介護サービス費の支給により,自己負担額の軽減が図られています。 また,本市独自の策として,平成15年度から居宅サービス利用者の利用者負担を50%軽減する居宅サービス利用者負担軽減事業を実施しています。本市としても,特に低所得者層が無理なく保険料や利用料を負担できるよう,公費の負担割合を含めて制度が見直されることは重要であると考えています。このため,国の責任において低所得者に対する利用料の軽減策を講じるよう,引き続き全国市長会を通して国に要請してまいります。 次に,ペナルティー,つまり給付制限についてですが,これは通常1割または2割の利用者負担割合を3割とするもので,保険料を納期限までに納付せず,また督促や催告,納付相談などに応じていただけない滞納者に対して行うものです。個々の事情により期限内に納付することが困難な場合には分納等にも応じていますので,まずは御相談いただくようお願いします。 また,給付制限の解除ですが,介護保険法及び同施行令の規定により,生活保護を受けている場合や境界層措置を受けている場合,罹災した場合,生計を主として維持する者の収入が前年と比べて著しく減少した場合に行っています。これまでに,平成24年度2件,平成25年度7件,平成26年度2件の計11件解除し,負担割合を1割に戻しています。解除の理由としては,生活保護受給が9件,境界層措置適用が2件です。 さきにお答えしたとおり,低所得者については既に介護保険料の軽減,利用者負担額の軽減も行っています。また,介護保険制度は,高齢者の自立を支援するという基本的な考えに立ち,高齢者自身が保険料を納め,必要な保険給付を受けるという考えであることから,国,県に対し,自治体独自の判断による給付制限解除について要望することは考えておりません。 次に,新しい総合事業の準備状況と課題についてですが,今年度から介護予防・生活支援サービス検討会議を設置し,住民主体で提供するサービスのあり方などを検討しています。会議の構成員は,自治会連合会や地区社会福祉協議会等の地域団体や介護保険サービス事業者等です。平成29年度の事業開始に向け,担い手の確保などが課題と考えられますので,今後はそれらの解決を図ってまいります。 次に,介護労働者の待遇改善についてですが,国は平成21年度から処遇改善に係る交付金を創設しました。その後,平成24年度には,交付金にかわる継続的な対応策として介護報酬の中に処遇改善加算制度が導入されました。平成27年度の介護報酬改定では,さらに介護職員の賃金や労働環境の改善を一層進めるため,加算額等の拡大が行われたところです。このため,当面はこの制度を確実に実施することとし,本市独自の待遇改善を行う予定はありませんが,介護従事者の確保や育成,定着のためには,事業所の勤務環境の改善が重要であると認識しておりますので,引き続き制度の拡充を国に要望してまいります。 (総務部長 高山浩充君 登壇) ◎総務部長(高山浩充君) 原発再稼働についての御質問にお答えいたします。 まず,高浜原発の再稼働に対する住民の合意についてですが,国が責任を持って住民に対しわかりやすく丁寧に説明を行うことが住民の合意につながるものと考えております。 次に,原発の再稼働に対する本市の考え方でございますが,これまでも申し上げているとおり,国が原子力施設の絶対的な安全性を確保すること,また,万全の防災体制,防災対策を確立すること,さらに,国が責任を持って立地県及び立地市町村とその自治体に居住する住民に対し十分な説明を行い,十分な理解を得た上で判断されるべきと考えております。 次に,本市の同意を原発の再稼働の条件とするよう国などに求めるべきではないかについてですが,原発の再稼働に当たり,現行では地元同意に関する法律上の規定はなく,立地自治体と事業者が結ぶ安全協定が事実上の根拠となっております。そのため,再稼働に関する地元の同意については,安全協定に基づき,立地県及び立地市町村とその自治体に居住する住民に対し理解を求めることが必要になると考えています。本市といたしましては,再稼働に関するルールやプロセスを国が責任を持って明確に示し,広く国民の理解を得ることが必要であると考えており,国や県に対し,安全協定の法制化を含めたあり方を明示するよう,引き続き要望してまいります。 次に,高浜原発の再稼働に係る福井市民への説明会についてですが,本市は高浜原発からはUPZ外に位置していることから,まずは安全協定を締結している立地自治体や,高浜原発からUPZ内に位置する自治体の住民に対する関西電力や国の動向を見守る必要があると考えております。 次に,避難計画の周知徹底や見直しについてですが,住民の避難計画につきましては,県が平成26年3月に広域避難計画要綱を作成したことから,本市といたしましてもUPZ内に居住する住民が迅速かつ円滑に避難できるよう,平成27年1月に福井市原子力災害住民避難計画を作成いたしました。本計画の作成に当たり,UPZ内の越廼,殿下,清水西,清水南地区の自治会の会合等に直接出向きまして,避難場所等の協議や避難方法等の説明を行いました。また,越廼地区や清水地区の地域審議会においても説明を行っており,周知は図られていると考えます。 現在,避難計画につきましては,より実効性が高まるよう具体的な対策や方針を明示すること,また住民への説明責任を果たし不安解消に努めることを国,県に対し要望しており,今後,新たな考え方や施策が示された場合には,住民と協議し,速やかに計画の見直しを行い,周知徹底を図ってまいります。 次に,安定ヨウ素剤の配備についてですが,国は原発から5キロメートル内,いわゆるPAZ内の住民につきましては,全面緊急事態に至った場合,避難の際には速やかに安定ヨウ素剤を服用するため,事前に配布する必要があることとしております。また,UPZ内の住民につきましては,全面緊急事態に至った場合,屋内退避を行い,原子力施設の状況や緊急時モニタリングの結果に基づきまして,必要な場合に服用することとしております。この国の考えを踏まえ,県も現段階におきましては本市の住民に対し安定ヨウ素剤の事前配布は行っていない状況にありますので,現在,本市におきましてはUPZ内の住民分の安定ヨウ素剤を各公民館や清水保健センターに配備している状況にございます。 また,小学校や保育園など子供たちが集まる施設への安定ヨウ素剤の配備につきましては,UPZ外に居住する住民分も含め,国,県との連携や適切な服用体制の構築などが大変重要となりますので,今後,県との協議を行うとともに他自治体の状況なども調査してまいります。 (都市戦略部長 谷澤正博君 登壇) ◎都市戦略部長(谷澤正博君) 敬老パス事業についてお答えします。 現在,市内の公共交通における高齢者向けのサービスといたしましては,京福バスのいきいき定期,福井鉄道のハッピーフリー乗車券,えちぜん鉄道のサポーターズクラブのゴールド会員割引,福井鉄道バスの半割パスがあります。いずれも運行事業者独自のサービスでありまして,その内容もさまざまでございます。敬老パスというのは,高齢者を対象に,安い料金で複数の公共交通機関を利用できるものという趣旨だと思われますが,この創設には複数事業者の料金を精算する仕組みの構築が難しく,また多くの財源が必要という課題があります。本市といたしましては,今後も二酸化炭素削減に向けた公共交通の利用促進のため,全ての市民の利便性向上に取り組んでまいります。 次に,免許を返納した高齢者に対する割引制度についてお答えいたします。 免許を返納した高齢者の割引制度につきましても,創設には複数事業者の料金を精算する仕組みの構築が難しいといった課題がございます。しかしながら,高齢者の深刻な自動車事故も多発していることから,先進自治体の取り組みを研究してまいります。 (市民生活部長 木村郁夫君 登壇) ◎市民生活部長(木村郁夫君) 小水力発電を含む再生可能エネルギーを農業分野などと一体で進める方策についてお答えいたします。 第3次福井市環境基本計画の素案においては,農山村に存在する未利用資源を利活用することで地域の活性化につなげるため,地域に役立つ再生可能エネルギー導入の取り組みを支援することとしております。また,国においても,農林業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギーを促進し,農山村の活性化を図るため,農林業としての土地利用等と再生可能エネルギー促進との適正な調整を可能にするルールを明確化するなどの取り組みを行うこととしております。 一方,小水力発電につきましては,本市では平成24年度に福井市再生可能エネルギー導入促進協議会を設置し,地域における再生可能エネルギーの普及に向けた検討を行いました。その結果,小水力発電は水路の落差や水量,設置できるスペースなどの条件から設置できる場所が限られ,費用対効果の観点からも設置が困難であるなど,多くの課題も見つかりました。こうしたことから,今後とも国の動きを注視するとともに,太陽光や小水力などの再生可能エネルギーの設置に適した地区などから要望があれば,地域の代表者や事業者,行政などから成る組織を立ち上げ,農林水産部とも連携して,可能性について検討していきます。 次に,国へ再生可能エネルギーの全量買い取りを求めることについてですが,電気は需要と供給を一致させていなければならず,需要に対して供給が多過ぎても停電の発生など電気の安定供給に支障を来すおそれがあることから,今回の固定価格買取制度の運用見直しとなりました。本市といたしましては,国に対し,再生可能エネルギーの一層の普及拡大を図るため,導入促進に向けての水利権の緩和など法制上の措置を,また買い取り価格や設置補助などの財政上の措置を集中的に行うよう,平成28年度の重要要望書に盛り込んでおります。今後とも長期的なエネルギー政策のあり方や目指すべき社会像,政策の方向性など,国の動向を見ながら地球温暖化対策の推進に努めてまいります。 ◆22番(鈴木正樹君) 自席にて再質問を行います。 まず聞きたいのが,境界層措置の利用件数について,平成24年度までは1件とか2件だった,少なかったものが,10件を超えているということについて,団塊の世代がふえたからだという理由づけをされてました。ただ,それまでと比べて5倍,10倍にふえているわけです。団塊の世代がふえたということだけでは説明がし切れないと思うんですが,その点についてはどのようにお考えですか。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 境界層措置適用の件数でございますけれども,先ほどの繰り返しになって申しわけございませんが,平成23年度,平成24年度は1件か2件,平成25年度,平成26年度については10件と11件ということで,1が10になる,11になるということで,確かに大きくふえてはおります。この中で,先ほどお伝えしたように第1号被保険者の数が平成23年度の6万4,000人から平成26年度は7万1,000人にふえているということです。あわせて,この間の生活保護などにつきましても,平成23年度で言いますと被保護者の方が2,033人だったものが平成26年度には2,426人にふえているということなんかもございます。先ほど御答弁させていただいたように,境界層措置適用については生活保護の要否判定の中で適用されるものでございます。このように,第1号被保険者がふえたこと,あるいは生活保護者がふえて,その要否判定の中で境界層措置が適用されたと理解しています。 ◆22番(鈴木正樹君) それとともに,サービス利用の負担が非常にはね上がってきているということの影響も私はしっかり見る必要があるのではないかと思います。 介護保険の罰則の給付制限について少し深く議論したいと思うんですが,介護保険の給付制限というのは,保険料の滞納期間に応じて機械的にかけていくということになっていますね。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 保険料を請求させていただいて2年間納付がないということになりますと,まず給付制限ということが考えられます。ただ,先ほども言いましたように,給付制限も全ての方にかけているわけではなくて,生活保護とか,境界層措置適用の方,あるいは収入なんかも勘案して,それを解除している場合もございます。 ◆22番(鈴木正樹君) いろいろしているんですけれども,基本的には2年以上の滞納の中でかけていくということです。先ほどから議論しているように境界層措置,つまり生活保護を下回る状況にならないようにという措置が一応ある。これが唯一と言えるほどの最終的な救済措置になってくるわけです。しかし,残念ながら本当にこれで救済されるのかという問題が残ります。その点を明らかにしたいので,生活保護の捕捉率というものについてお聞きします。 生活保護の捕捉率というのは一体何なのか。あと,日本の現状が先進国の中ではどうなのか,お答えください。 ◎福祉保健部長(港道則男君) まず,捕捉率でございます。 捕捉率というものにつきましては,生活保護の基準以下の世帯で実際に生活保護を受給している世帯の割合ということです。生活保護を受給できる方の中で,実際受けていらっしゃる世帯の割合と理解しております。この捕捉率につきましては,国会のやりとりの中でも安倍首相の回答があるんですけれども,原則として本人等の申請に基づいて生活保護を開始することとされており,実際に本人等の申請がなければ,当該本人が生活保護の受給要件を満たすかどうか確認することが困難であるということで,把握していないとのことでございます。これについては福井市にも当てはまると思いますので,捕捉率の言葉の理解としてはそういうことですけれども,捕捉率そのものについては不明と理解しています。 ◆22番(鈴木正樹君) 日本弁護士連合会が出している「今,ニッポンの生活保護制度はどうなっているの?」というパンフレットがあります。この中に研究者の捕捉率が出ています。日本は15%から大体18%,ドイツが64%,フランスが91%,イギリスは47から90%,スウェーデンが82%ということです。先進国の中で日本は生活保護を受けられるのに受けない方というのが圧倒的に多いんですね。どうしてか。基本的には生活保護の収入,資産の要件が非常に厳しいということと,生活保護受給者を差別する日本独特の心理や風土も影響していると言われてます。生活保護を申請するというのは非常にプライドが傷つけられることです。私がさっき事例で挙げました社長さんは,部長の皆さんと同じ50代です。自分がやっている工場と自宅の土地が資産としてあるので,生活保護の申請をしても通りません。だから境界層の措置も受けられない。自宅や工場を処分するかというと,そんな恥ずかしいことはできないと50代の社長さんはおっしゃって,生活保護の申請も諦めざるを得ないということです。同世代として,私は聞きたいんです。こういう方々に対する,そんな生活保護の申請は余りに高いハードルだと感じませんか。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 生活困窮者の方に対して生活保護という制度があるということでございます。今議員おっしゃるように,御本人の意思というものはまず確認させていただきますけれども,当然生活保護が適用されるべき方には市としては生活保護を適用すべきと思っておりますので,なるべく御本人の理解を得ながら,そういう制度を適用させていただきたいと思います。 それと,給付制限につきましては,先ほども答弁させていただいたように保険料を納めていない場合に給付制限をさせていただくわけですけれども,それぞれの所得の状況,あるいは収入の状況,家庭の状況に合わせて分納等をお約束いただいて,それを履行していただければ給付制限をかけることはありませんので,そのような分納等,納付の相談をまずしていただくことが大切だと思います。 ◆22番(鈴木正樹君) 給付制限をかけた後に生活が困窮しているとわかった場合はどうするのですか。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 給付制限をかけた後に生活困窮がわかった場合ということでございます。それについても,それぞれの状況というのをまず把握させていただきながら相談に乗らせていただきたいと思います。 ◆22番(鈴木正樹君) 相談に乗って給付制限は外せるのですか。生活保護を申請しない限り外せないのではないですか。 ◎福祉保健部長(港道則男君) それぞれの状況があると思いますので,それぞれの状況において判断させていただきたいと思います。 ◆22番(鈴木正樹君) 生活保護を申請しなくても外せるのですね。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 先ほども言いましたように,納付相談をしていただいて,分納等を約束していただいて履行していただくことによって外すことはできると思います。 ◆22番(鈴木正樹君) 非常に認識が甘いのではないかと思うんですが,ずっと払えなくて,しかも,本当に食うや食わずの状況で何とか経営をつないでいる中小企業の社長さんたちも実際にいるわけです。そういう方が実際に3割負担の給付制限を受けていて,お母さんが何度も何度も床ずれを繰り返すという実例があるから,柔軟に判断できるようにしてくださいということを言っているんです。そういうふうに判断してくれるということなのですね。 ◎福祉保健部長(港道則男君) それぞれの世帯の状況等を勘案しながら,必要な方については生活保護の申請をお願いするし,それ以外の方法等についても,あくまでも状況に応じて判断させていただくということでございます。 ◆22番(鈴木正樹君) では,解除もそういうことで柔軟にやっていただきたいと思います。 原発の防災について質問します。 NHKのアンケートの結果は先ほど報告させていただいたとおりで,担当課にも渡しております。先ほど住民合意には丁寧な説明が必要だという答弁がありました。だったら,関西電力や国に対して,福井市民に直接説明する場を設けてほしいということを,そういう丁寧な説明を求めるべきではないでしょうか。その点についてはどうでしょうか。 ◎総務部長(高山浩充君) 福井市民への説明ということでございますが,先ほども少し申し上げましたけれども,まずは立地県,立地自治体,安全協定を締結している自治体に居住している住民の方々への説明が必要だと考えております。 ◆22番(鈴木正樹君) 再稼働の前に福井市民に対しても説明が必要だという認識ですか。 ◎総務部長(高山浩充君) 今ほど申し上げましたように,立地県,立地自治体が先ではないかということでございます。 ○副議長(石丸浜夫君) ここで暫時休憩します。午後3時10分から再開します。             午後2時58分 休憩──────────────────────             午後3時11分 再開 ○議長(堀江廣海君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 一般質問を続けます。 次に,13番 片矢修一君。 (13番 片矢修一君 登壇) ◆13番(片矢修一君) 市民クラブの片矢修一でございます。それでは,通告に従いまして,きょうは2点質問させていただきます。 まず,地域福祉政策について質問いたします。 オアシスプラン2015が,オ,お互いに,ア,安心して,シ,幸せで,ス,健やかに過ごしていただくための計画として,この平成27年度から3年間の計画期間で策定され,現在進んでいるところでございます。急速に長寿命化が進み,本市の高齢化率は約26%,さらに,10年後には30%を超え,その後も上昇していくことが見込まれています。また,75歳以上の後期高齢者は現在約13%ですが,これも10年後には4万4,412人,17.6%と,大幅な増加が予測されます。 そこでまず,このプランの内容について質問いたします。 この計画の基本理念として,高齢者が健康で生きがいを持ち,住みなれた地域の中で支え合いながら安心して生活を送れる社会づくり,つまり地域包括ケアシステムの構築とあります。3つの施策の方向が打ち出されております。その第1の高齢者の生きがいと健康づくりでは,元気な高齢者が積極的に社会参加し,支援を必要としている高齢者を支える仕組みをつくるとともに,できるだけ長く健康で自立した生活が送れるよう健康づくりを強化しますとあります。その中の個別施策の1つの生きがいづくりで行われている事業についてお伺いいたします。 まず第1に,介護サポーターポイント制度ですが,大変よい取り組みだと思いますし,このポイントをためる行為は介護のボランティアを始めるきっかけとして有効な制度だと考えます。しかし,まだ十分周知されておらず,私の周りには取得している人が少ないように感じます。まず,どういった制度なのか御説明していただき,どのぐらいの人が取得しているのか,さらに今後のふやす方策をお伺いいたします。 次に,生活支援コーディネーター,つまり地域支え合い推進員のことをお伺いいたします。 この制度は,生活支援サービスの担い手となるボランティアなどの養成や活躍する場の確保,関係者間の情報共有や連携の体制づくりなどを行いますとありますが,どういった人がなっており,地域に何人程度配置されるのか,お伺いいたします。 3番目に,地域の元気な高齢者が気軽に集まり,趣味活動や軽スポーツを行う場所として,いきいき長寿よろず茶屋がありますが,これも介護予防のためにも大変有効な事業と感じます。今現在,何カ所設置されているのか,また,今後どのぐらいふやしていく予定があるのか,お聞きいたします。 また,就業機会の充実のためシルバー人材センター事業を拡充するとありますが,現在の会員数はどれだけか。さらに,今後の会員拡大の予定をお伺いいたします。 次の個別施策として,健康づくりと疾病予防とあります。その中から質問いたします。 できるだけ長く健康で自立した生活を送り,健康寿命を延ばすには,寝たきりや認知症の主な原因である脳卒中を初めとした生活習慣病を早期発見,予防することが大事とされ,そのためには,健康に関心を持ち,自分の健康状態を知るために健康診査,がん検診を受けることが重要とあります。現在,各地区の公民館で集団健診が行われております。地域の高齢者にとっては大変ありがたい事業で,地元の公民館でも多くの住民の方が受けておられます。 そこで,この検診に対する本市の補助制度はどうなっているのか,また,もう少し補助額をふやせないのか,お伺いいたします。 次に,重篤化するおそれのある感染症の発症及び重症化を予防するために,高齢者のインフルエンザ及び肺炎球菌ワクチンの予防接種を実施しておりますが,どのような補助を行い,自己負担等があるのか,さらに,これももっと補助額をふやせないのか,お伺いいたします。 また,健康づくり活動の推進のための事業に健康チャレンジ登録事業がありますが,どういった事業なのか,どのぐらいの方がチャレンジしているのか,これもお伺いいたします。 2つ目の施策の方向として,高齢者が支え合いながら安心して生活できる環境整備について質問いたします。 このたび,日常生活圏域とほやねっと(地域包括支援センター)の担当エリアの見直しが行われました。私の3月定例会の一般質問の答弁では平成29年度までに行うということでしたが,このたび,来年4月から今までの9カ所から13カ所に増設されることとなりました。見直しの時期が早まることは歓迎すべきことと思いますが,それぞれの準備態勢や周知のこと,さらに変更に対する地元への説明や理解などを考えると,早計のようにも思われます。早まった経緯と地元への説明,理解が十分であったのか,お尋ねいたします。 このたび,ほやねっとの受託法人の公募が行われ,事業者が決定いたしました。そこで,この選考はどのように行われたのか,そしてどのくらい応募があったのか,お尋ねいたします。 また,センターによっては,そのエリアの中心地ではない場所やバスなどの公共交通も十分でないところも多いようです。このような声に対してどういった対応をするのか,御所見をお伺いいたします。 また,エリア区分は地域住民の支え合いの基本であり,長い歴史的経緯を持つ自治会連合会や中学校区,地区社会福祉協議会などの福祉関係団体の区域と一致していない状況であるようです。今後こういった問題についてどういった方向性なのか,お伺いいたします。 次に,ほやねっとの活動状況ですが,総合相談件数は約2万件とお聞きしております。まだまだ少ないように思います。地域住民からも,どこに相談すればいいのか私に相談されることがあります。これらについての分析と,今後のほやねっとの周知,広報の対策をお伺いいたします。 次に,介護保険制度の制度改正に伴う市町村の役割の一つとして地域ケア会議の推進がありますが,個別のケースを解決するものと,個別ケースを積み上げて地域全体の課題を発見し解決するものがあります。しかし,地域課題の発見につなげる個別ケースの検討数が確保できない現状です。 そこで,どのぐらい実施されているのか,回数をお聞きいたします。 また,生活圏域毎の多職種連携会議の開催を通じて,「顔の見える」関係づくりを支援し,地域ケア会議の円滑な開催につなげますとありますが,この会議の内容をお伺いいたします。 また,多職種とありますが,どういった職種なのかもお答えください。 次に,日常の軽作業サービスの提供として,えがおでサポート事業があり,これも非常に親切で,ひとり暮らしの高齢者にとっては大変ありがたい事業と思われます。この事業の内容と件数をお聞きいたします。 また,地域バスの整備,地域コミュニティバス,コミュニティバスすまいるの運行支援を行うとありますが,どういった支援を行い,運行本数をふやす計画があるのか,お尋ねいたします。 また,ほやねっとの役割として,福祉全体の総合窓口として活用することができないのか。障害者福祉,児童福祉,生活保護など,福祉全体の総合相談窓口としてワンストップの機能を持たせるべきと考えますが,御所見をお伺いいたします。 最後に,地域福祉政策は,医療政策や住宅政策,あるいは地域振興,そして民間企業など行政の縦割りを排除した公民連携の仕組みづくりが欠かせないと考えます。地方分権一括法が2000年に施行され,既に15年が経過しています。20世紀は,経済社会システムにおいて行政が大きな役割を担った時代でした。しかし,経済社会が成熟するにつれ,個人の価値観は多様化し,行政の一元的判断に基づく上からの公益のための活動の実施では,社会のニーズが満たされなくなりました。そして,現在,官民の役割分担の見直しが行われ,民間企業と並んでNPOなどの民間セクターが重要な役割を担いつつあります。 これまで行政により担われてきた公共を,これからは市民,事業者,行政の協働によって行う考え方を新しい公共と言い,その考え方が自治体経営にとってとても重要と考えます。このたびの介護保険制度改正で,予防給付が市の地域支援事業に移行し,市独自の介護予防事業が展開できることとなりました。まさしくこの新しい公共の考えのもと柔軟な発想で,これからの超少子・高齢化社会に市民が安全・安心に,そして生きがいを持って暮らせる地域福祉政策を,一体となってとっていただくことを強く要望いたします。 次に,公共施設の設備,備品の更新について質問いたします。 10月27日の新聞に,公立小・中学校の消防点検の状況を会計検査院が調べたところ,福井県など20府県の3,000校余りで,消防設備の劣化や一部の自動火災報知機が動かない等の不備が見つかったのに,修繕や交換をしていない等の問題が見つかり,点検後3年以上放置していたところもあったという報道がございました。不備のある設備や施設が多いため,一部の自治体では修繕などに必要な予算の確保が追いつかなかったとも見られています。特に消防設備は,もし火災が起これば,児童・生徒の大事な命を救うことができないということも考えられます。報道では,福井県内では全ての市町で見つかったとありますが,このような事案が福井市の施設で指摘されたのか,お伺いいたします。 次に,現在どのように点検され,劣化した設備に対してはどう対応しているのか,お伺いいたします。 また,小・中学校の設備では,ほかに放送設備,保健衛生のための設備など,また備品では,体育関係の用具,音楽関係の楽器,あるいは理科の実験器具なども劣化による更新が必要と考えられますが,どのような計画を立てて行っているのか,お伺いいたします。 次に,ほとんどの公共施設にAEDが設置されていますが,バッテリーの消耗により入れかえが必要な時期が来ているものが多いと考えられます。そのチェックと管理体制,さらには予算措置についてお伺いいたします。 また,その他の公共施設を考えると,例えば児童館などの子育て支援施設,地域の社会教育や交流の中心である公民館,さらには博物館や図書館などの文化施設などの設備,備品等の更新について計画的に行われているのか,お伺いいたします。 また,先日,福井市スポーツ推進委員協議会主催の福井市民ニュースポーツフェスタが行われ,多くの市民がニュースポーツを楽しみましたが,それぞれの体育館に置かれているスポーツ用具は乏しく,また古い型のものも多く,福井市体育館からそれぞれの体育館へ運び出しておりました。これらニュースポーツの用具は,スポーツ推進委員協議会の会計から支出し,毎年ふやしているのが現状です。前の質問にも関連しますが,生涯スポーツの推進も地域福祉政策には欠かせないものです。こういったものにもぜひしっかり予算をつけていただきたいと思いますが,御所見をお伺いいたします。 最後に,公共施設自体の老朽化や更新については福井市施設マネジメント計画によって示されていますが,施設が保有する設備及び備品についてはどのようなマネジメント計画を立てて行っているのかお伺いして,私の総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (副市長 清水正明君 登壇) ◎副市長(清水正明君) 私からは,設備及び備品のマネジメント計画についてお答えいたします。 まず,公共施設の設備のうち,建物自体と一体的にかかわる給排水設備や電気設備については,施設の長寿命化を図る上で重要な設備であることから,施設マネジメント計画において計画的に大規模改修を行うことを位置づけております。一方で,放送設備や備品などにつきましては,それぞれの施設によって必要なものが異なり,また種類によって耐用年数なども違っております。そのため,設備及び備品のマネジメント計画は作成しておりませんが,それぞれの所管において適正な維持管理を行うとともに,必要に応じて計画的に更新してまいります。 (教育部長 山本みどり君 登壇) ◎教育部長(山本みどり君) 小・中学校の消防設備についてお答えします。 平成25年度の会計検査による調査の結果,全国的な小・中学校施設の消防設備の問題が公表されました。本市においては,自動火災報知機が作動しないなどの重大な事案はありませんでしたが,軽微なものとして,屋内消火栓設備のホースの更新時期の遅延,避難誘導灯の球切れなどが小・中学校30校で該当しております。 次に,消防設備はどのように点検,対応しているかについてですが,消防設備は消防法により設置,点検,報告する義務があり,半年に1回の機器点検と,1年に1回の総合点検を行っております。点検により自動火災報知機が作動しないなどの重大な故障等が判明した際には,速やかに改修を行っております。また,会計検査で指摘を受けた項目のうち,屋内消火栓設備のホースにつきましては更新計画を作成しており,平成29年度までに解消します。さらに,避難誘導灯などにつきましても取りかえや修繕をしております。それから,小・中学校の消防設備以外の設備,備品の更新については,学校から毎年8月に優先順位を考慮した要望を提出してもらい,9月に実態調査を行った上で,翌年度更新しています。そのほか,緊急時には随時更新を行うなど,必要に応じて対応しております。 次に,そのほかの公共施設の設備及び備品の更新についてお答えします。 設備や備品は,業務委託による設備点検や,製造業者が示す更新を要する期間を参考に状態を確認し,安全面における緊急性を勘案しながら,ふぐあいへの対応や更新を行っております。今後も設備や備品の状態を適切に把握しながら,計画性を持って更新を行い,安全で安心な施設管理に努めてまいります。 次に,体育館に置かれているスポーツ用具についてお答えします。 地域体育館については,建設されて以来,大規模なスポーツ用具の更新は行っていないことから,老朽化していることは認識しております。使用頻度や備品の状態等を勘案した上で,必要に応じて順次更新できるように努めてまいります。 (福祉保健部長 港道則男君 登壇) ◎福祉保健部長(港道則男君) 初めに,AEDについてお答えします。 AEDは5年リースで,平成26年度と平成27年度で合計298台を更新しています。AED本体の耐用年数は7年であり,リース契約には保守点検に加え,バッテリーを含む消耗品の更新が盛り込まれているため,リース期間中での入れかえは必要ないと考えております。リース以外で設置しているAEDにつきましては,それぞれの所属において更新漏れがないよう管理を行っています。なお,保健センターにおいては,2年に1回,市有施設のAED設置状況調査を行っており,あわせてAEDを所有している所属に対して,AED本体,バッテリー及びパッドの使用期限を確認し,適切な管理を行うよう周知しております。 次に,地域福祉政策についてお答えします。 まず,介護サポーターポイント制度ですが,介護認定を受けていない高齢者が市内の介護保険施設等でボランティア活動を行った場合に,その活動時間に応じてポイントを付与する制度で,活動を通した地域貢献と活動者自身の介護予防を推進するものです。1時間の活動に対して100ポイントが付与され,年間5,000ポイントを上限として,現金や東山健康運動公園等の利用券に交換することができ,9月末現在で280人が活動しています。今後は,ボランティアが地域の高齢者を積極的に支援していくことが求められていることから,在宅高齢者への支援も制度の対象となるよう,活動範囲の拡大を検討してまいります。 次に,生活支援コーディネーターですが,地域支え合い推進員とも呼ばれ,本市では,国の養成研修機関の研修を受講した職員1名を,ことし4月に地域包括ケア推進課に配置したところです。国の示すガイドラインでは,地域においても生活支援コーディネーターを配置することが示されており,今後の配置については,介護予防の推進や多様な生活支援サービスについて検討する介護予防・生活支援サービス検討会議の中で協議してまいります。 次に,いきいき長寿よろず茶屋ですが,現在市内26カ所で設置されています。今後は地区の要望等をお伺いしながら設置を進めてまいります。 続きまして,福井市シルバー人材センターについてですが,会員数は9月末現在で2,198人です。当センターでは,今後も人材派遣事業や生活支援事業など,より多様な就業機会を提供し,会員の拡大につなげていく予定です。本市としましても,センター事業の充実が図れるよう支援してまいります。 次に,検診に対する補助制度についてですが,検診費用は安いもので1,592円から,高いもので1万2,340円です。これに対する自己負担額は,特定健診では40歳から64歳が1,300円,65歳から74歳が1,000円です。がん検診では,胃がん,子宮がん,乳がんが1,000円,肺がん,大腸がんが500円となっております。実際の検診費用より約1,000円から1万1,000円程度安くなっています。また,特定健診は,40歳から70歳の5歳刻みの方,及び市民税非課税世帯の方が無料で受診できます。75歳以上の方の長寿健診及びがんの集団検診についても無料です。さらにがん検診では,大腸がん,子宮がん,乳がんで特定の年齢の方に無料クーポン券を発行しています。当面は現在の取り組みを継続していきたいと考えております。 次に,高齢者予防接種の補助内容ですが,インフルエンザは2,100円を公費負担し,自己負担額を2,000円,肺炎球菌は約4,000円を公費負担し,自己負担額を3,800円としています。さらに,生活保護受給者及び市民税非課税世帯の方に対しては全額公費負担しており,自己負担はありません。今後も接種費用の半額程度の公費負担を継続していきたいと考えています。 続いて,健康チャレンジ登録事業ですが,この事業は,市民が主体的に健康づくりの取り組みを実践していただけることを目的としており,食事や運動などのチャレンジ目標を自分で考え,登録し,実行していただくものです。平成20年度から実施しており,今年度からは福井ふく2(ふくふく)健康ポイント事業という名称に変えて,より幅広い年代の方が健康づくりに関心を持って取り組んでいただけるよう,健康診査の受診と健康づくりの取り組みによりポイントをため,ポイント数に応じて抽せんで健康グッズが当選する事業としております。10月末現在の応募人数は44人ですが,応募期間は平成28年1月15日までであり,また,ポイントがたまった時点で応募していただく仕組みであるため,今後,応募者が増加することを見込んでいます。 次に,ほやねっと(地域包括支援センター)のエリアの見直しについてですが,オアシスプラン2015の中では,施行時期を計画期間中としています。ほやねっとの課題である地域包括ケアシステムを構築するための地域との連携強化や,担当するエリアの高齢者人口の格差を是正する取り組みを進め,平成28年度から新しいエリアでのサービス提供を開始することとしました。 なお,見直しに当たっては,オアシスプランに関する市内4カ所での説明会やパブリックコメントを通して,市民の方々の理解を得られるよう努めたところです。今後は,来年4月までに十分な引き継ぎを行うとともに,新しいほやねっとの周知を図ってまいります。 次に,ほやねっとの受託候補者の選考については,学識者や医療,介護の専門職などの第三者で構成する選定委員会を立ち上げました。22法人,32事業者の応募があり,公正性,中立性の確保策や,職員の配置,運営に関する方針等について,申込書類及び面接により選定委員会が審査を行い,候補者を決定いたしました。 次に,ほやねっとの設置場所についてですが,全て幹線道路に近い立地となっており,加えて看板等を設置して利用者の利便を図ってまいります。また,担当エリアが広い場合には,相談所,これはブランチとも呼びますけれども,それを設置いたします。 次に,ほやねっとのエリアについてですが,地域包括ケアシステムを円滑に構築するため,今後,各関係団体との協議を重ねながら調整を図ってまいります。 続きまして,ほやねっとの相談についてですが,平成26年度の相談件数は2万862件で,前年度より増加しています。相談の内容は,介護保険関係が45%,福祉サービス関係が11%となっており,これら介護や生活支援のサービスに関する内容が半数以上を占めています。来年4月にはほやねっとを増設し,担当エリアを見直すことから,相談等に混乱が生じないよう広報するとともに,地域関係団体に対する説明を行いながら周知に努めてまいります。 次に,地域ケア会議についてですが,高齢者個人に対する支援の充実と,それを支える社会基盤の整備を目的に,平成26年度は44回開催しており,地域課題の検討が16回,個別ケースの検討が28回です。個別ケースの検討については,さらに地域ケア会議以外のケース会議を164回開催しており,関係者との日常的な情報共有,協議とあわせて,地域課題の検討につなげています。 次に,多職種連携会議についてですが,構成員は在宅医療や介護に従事する医師や歯科医師,リハビリ職,栄養士,訪問看護師,病院の連携担当者,ケアマネジャー,訪問介護従事者,地域包括支援センター職員などです。この会議では,事例に応じてその他の職種も出席し,実例をテーマに各職種の専門的な支援や連携のあり方について協議し,相互理解を図っています。 続きまして,えがおでサポート事業についてですが,65歳以上のひとり暮らし等高齢者登録者で,市民税非課税または均等割のみの方を対象としています。公益社団法人福井市シルバー人材センターを事業委託者としており,買い物代行や室内の掃除などの軽作業を1時間250円の自己負担で利用できるサービスで,昨年度は延べ1,142人の方が利用しています。 次に,地域バスなどの運行支援についてですが,地域バスについては,美山,越廼及び清水地域において市が運営しています。地域コミュニティバスについては,地域の運行協議会が運営主体であり,運行しているバス事業者に対し,市が直接運行経費の補助を行っています。運行本数については,地域バス,地域コミュニティバスともに現在増便の計画はありませんが,今後も利用者の多様なニーズを踏まえ,地域の実情に応じたサービスの提供を行ってまいります。コミュニティバスすまいるについては,まちづくり福井株式会社が行っている運行にかかる経費に対する補助を行っております。運行本数については,現在,増便の計画はございません。 最後に,ワンストップ相談窓口についてですが,ほやねっとには既に高齢者に関する相談のほか,同居する障害者の子に関することなど,福祉全般に関する相談が寄せられています。高齢者以外の相談については専門機関につなぐなど,相談者の利便を図っています。このような中,ワンストップでの相談窓口については,国が本年9月に策定した新たな時代に対応した福祉の提供ビジョンの中で自治体ごとの整備を計画していることから,今後その動向を注視し,適切に対応してまいります。 ◆13番(片矢修一君) それでは,自席で再質問させていただきます。 まず,公共施設の設備等の更新ですが,今,消防施設は,法令に基づききちんとやっている。しかも,もし不備があれば素早く対応を開始するということで安心したわけなんですが,これもスピードが大事だと思いますので,その辺,手抜かりなくよろしくお願いいたします。 小・中学校の設備の中で,我々がよく耳にするのが放送設備のことでございまして,小・中学校は,例えば地区の体育祭であったり,体育館では文化祭であったり祭りであったりと,使わせていただいております。私の住む地区でもふれあいまつりは体育館でやるわけなんですが,放送設備が余りよくないということで音響の業者を呼んでいるといったこともありますし,例えば卒業式なんかはもし不備があったら大変なことになりますので,調査して,不備なところは至急改修していただきたいと思いますけれども,それについてのお考えをお伺いいたします。 ◎教育部長(山本みどり君) 先ほど御答弁させていただきましたけれども,毎年8月に学校に調査させていただいております。優先順位をつけているということもありますけれども,その学校の優先順位を見まして,学校に出向きまして現地調査させていただいておりますので,また不備なところについてはしっかり予算措置をしていきたいと考えております。 ◆13番(片矢修一君) よろしくお願いいたします。 次に,地域福祉のことですが,実はことし5月の市政広報に,「地域であんしん見守り活動」という記事が載っておりました。その中で,いわゆる見守りあるいは支え合いを地域でやっていただきたいということも書いてありますけれども,最終的に福井市あんしん見守りネットワーク発足ということで,いろんな業者にお願いしてネットワークが発足しましたという記事が載っていました。実は我々の地元の地区では,もう去年から,こういった支え合い,見守り活動の制度をつくろうと,地区社会福祉協議会の役員であるとか自治会の役員が中心となって,いろいろやっているところでございまして,その中の自治会の役員からもう福井市あんしん見守りネットワークができたのなら,これは要らないのではないかという意見が出たそうでございます。市の考えは当然そうではないと思います。地域でやってほしいという考え方だと思いますけれども,それについて,まず御意見をお伺いします。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 議員の御意見の中にあるとおり,福井市あんしん見守りネットワークをつくったわけでございます。このネットワークの方々で見守る対象としましては,高齢者や子供たち,それから認知症の高齢者ということになります。あんしん見守りネットワークで見守ることはもちろんですけれども,それだけで全てを見守ることはできないと思いますので,このネットワークに参加いただく事業者をふやす中で地域の方の見守り活動とも連携しながら,より確実に見守っていくことが大切だと思っています。 ◆13番(片矢修一君) 地域のいわゆる元気な高齢者にうまく活動していただいて,支え合い,見守りをやっていただきたいというのが我々も思うところですし,市もそういったことで手伝っていただければと思っているものと思います。防災について,市の強力なリーダーシップでそれぞれ自主防災組織を立ち上げることができました。地区ごとには自主防災組織連絡協議会がもう100%できているということでございますので,そういったふうに,見守りあるいは支え合いの組織というんですか,制度というんですか,そういったものを各地域で立ち上げていただくように指導する,あるいはそれをバックアップする,あるいは補助するというのが我々行政の役割ではないかと思いますけれども,そういった考えに対して御所見をお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(港道則男君) おっしゃるとおりだと思います。先ほどのネットワーク等,それから地域団体の方のそういう活動,見守り活動ということではなくて,ふだんからそういう方たちのためにちょっと気を配るという活動が非常に大切だと思います。 なお,福井市としましては,あんしん見守りネットワークの今後ということで述べさせていただきますと,24時間営業されているコンビニエンスストア,それからよく町の中を巡回されておりますタクシー,あるいはバス事業者,これらの方が通常の業務の中で,高齢者の方などが立ち寄る機会が多いところを見守ることができると思いますので,そういうところに活動範囲を広げていきたいと思っています。 ◆13番(片矢修一君) 今,こういったことをやろうとしている地区が多いようなので,ぜひ市としてはそれを調査していただいて,できる限り助けていただきたいと思いますので,よろしくお願いします。 1つだけ質問ですが,介護サポーターポイント制度は,これもポイントというのは非常にいろんなことで有効なやり方だと思いますけれども,280人というのはいかにも少ないのではないかなと思います。これをもっと市民に周知して,多くの方がこれをもって介護のボランティアに参加するというシステムをぜひつくっていただきたいと思いますけれども,もう一度御所見をお願いします。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 議員がおっしゃるとおりで,この活動を通して御自身の介護予防ということもございます。先ほどのサポーターの活動数としては280人程度ということでございますが,サポーターに登録していただいている数としては,平成26年度末でも770人ほどいらっしゃいます。まず登録者数をふやす,それから登録者の中で実際に活動していただける方をなるべくふやす。その方法としては,活動の場所とか内容を,その登録された方により合ったものということを考えながら進めていかなければいけないと思っています。 ◆13番(片矢修一君) 地域の活動の中でいきいき長寿よろず茶屋がありますけれども,そこで活動している方なんかは,もう全てこのポイントを与えられるようなシステムにしたらどうかと思いますが,いかがでしょうか。 ◎福祉保健部長(港道則男君) 今年度から,高齢者の方のごみ出しなんかもテストケースとしてポイントが付与される活動として広げています。先ほど答弁させていただきましたように,これからは在宅高齢者に対するサービスなどにも広げていかなければいけないと思います。あるいは今議員がおっしゃったことなども考慮しながら,少しでもポイントが付与される活動に参加していただくというより,自分の介護予防を健康づくりから進めていくという観点で,この事業に取り組んでいきたいと思います。 ○議長(堀江廣海君) お諮りします。 本日の市政に対する一般質問はこの程度にとどめ,延会したいと存じますが,これに御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれをもって延会します。             午後3時52分 延会 地方自治法第123条第2項の規定により,本会議の顛末を証するため,ここに署名する。福井市議会議長                   平成  年  月  日福井市議会副議長                  平成  年  月  日署名議員                      平成  年  月  日署名議員                      平成  年  月  日...