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03月05日-03号

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  1. 福井市議会 2013-03-05
    03月05日-03号


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    平成25年 3月定例会               福井市議会会議録 第3号           平成25年3月5日(火曜日)午前10時1分開議〇議事日程 日程1 会議録署名議員の指名 日程2 市政に対する一般質問──────────────────────〇出席議員(31名) 1番 中村 綾菜君   2番 田中 義乃君 3番 後藤 裕幸君   4番 伊藤 洋一君 5番 玉村 正人君   6番 片矢 修一君 7番 藤田  諭君   8番 村田 耕一君 9番 泉  和弥君   10番 谷本 忠士君 11番 堀江 廣海君   12番 奥島 光晴君 13番 峯田 信一君   14番 鈴木 正樹君 15番 島川由美子君   16番 下畑 健二君 17番 田村 勝則君   19番 今村 辰和君 20番 石丸 浜夫君   21番 青木 幹雄君 22番 西本 恵一君   23番 野嶋 祐記君 24番 堀川 秀樹君   25番 見谷喜代三君 26番 皆川 信正君   27番 谷口 健次君 28番 宮崎 弥麿君   29番 吉田 琴一君 30番 山口 清盛君   31番 加藤 貞信君 32番 西村 公子君──────────────────────〇欠席議員(0名)──────────────────────〇説明のため出席した者 市長         東 村 新 一 君 副市長        山 田 義 彦 君 副市長        清 水 正 明 君 企業管理者      嶋 田 伸 行 君 教育長        内 田 高 義 君 特命幹兼都市戦略部長 越 智 健 吾 君 総務部長       滝 波 秀 樹 君 財政部長       高 山 浩 充 君 市民生活部長     吉 村 政 兼 君 福祉保健部長     吉 村 義 昭 君 商工労働部長     小 倉 芳 樹 君 農林水産部長     平 林 達 也 君 建設部長       谷 川   茂 君 下水道部長      前 川   孝 君 工事・会計管理部長  太 田 善 律 君 消防局長       塚 本 政 敏 君 企業局長       西 行   茂 君 教育部長       南 澤 和 子 君──────────────────────〇事務局出席職員 議会事務局長     吉 村 匡  議会事務局次長    山 先 勝 男 議事調査課長     玉 村 公 男 議事調査課副課長   前 田 誠一郎 議事調査課主幹    坂 下 哲 也 議事調査課副主幹   谷 本   修 議事調査課副主幹   藤 井 啓太郎 議事調査課副主幹   笹 野 直 輝 議事調査課主査    野 尻 和  議事調査課主査    秦   裕 美 議事調査課主査    宇 野 英 孝────────────────────── ○議長(見谷喜代三君) 出席議員が定足数に達しておりますので,議会は成立しました。 よって,これより会議を開きます。────────────────────── ○議長(見谷喜代三君) それでは,日程1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は,会議規則第88条の規定により,27番 谷口健次君,29番 吉田琴一君の御両名を指名します。────────────────────── ○議長(見谷喜代三君) 次に,日程2 市政に対する一般質問を許可します。 なお,昨日も申し上げましたが,質問時間は再質問,再々質問を含めて30分であります。質問者は時間に留意され,質問は重複を避け簡明に,また理事者は質問の趣旨に沿い,簡潔かつ的確に答弁されますよう,強く重ねてお願いを申し上げます。 15番 島川由美子君。 (15番 島川由美子君 登壇) ◆15番(島川由美子君) おはようございます。公明党の島川由美子でございます。 それでは,通告に従いまして一般質問を行います。 まず最初に,高齢者施設の防火対策についてお尋ねいたします。 これは昨日今村議員からの質問もございましたが,私なりの視点で質問していきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 認知症の高齢者が入居する長崎市のグループホームで2月8日の夜に火災が発生しました。4人の命が奪われるという痛ましい事故でありました。 2009年3月の群馬県渋川市の老人施設,2010年3月の札幌市の認知症高齢者グループホームの火災でも多くの犠牲者が出ました。夜間の発生で職員が手薄の上,スプリンクラーが設置されていなかった点は今回も共通しております。 2000年の介護保険法施行に伴い設置された認知症グループホームは,当初の800施設から1万施設余りまで急増しております。防火対策への重い責任を設置者は改めて認識しなければなりません。要介護者がほとんどの高齢者施設では,スピーディーな避難が難しいのは明らかであります。夜間はなおさらと言ってよいと思います。 3年前の札幌市のグループホーム火災を受けて厚生労働省では設置義務のない施設にも補助対象を広げましたが,それでも経営体力のない業者には負担が重いという現実があります。その負担を入居者にかけることになれば,介護が必要な入居者が締め出されてしまうことも考えられます。高齢化がますます進む中,これらの介護施設,認知症グループホームの防火に必要な施設や人的な手当てをしていかなければ,このような悲劇が繰り返されることになります。 消防局の査察の結果につきましては,昨日今村議員への答弁の中で既に,市消防局としては立ち入りの緊急査察を行い,違反がなしであったということ,全てのグループホームスプリンクラーが設置されていたとの答弁がございましたので割愛させていただきます。 それでは,そのほかの認知症グループホーム以外の高齢者施設の防火対策についてはどのように取り組まれているのかをお尋ねしたいと思います。 また,ともすれば施設の防火対策にばかり目が行きますけれども,在宅介護,地域包括ケアを進めている現在,高齢者の住宅の防火対策に取り組むことが大きな課題となってまいります。消防局として高齢者の住宅などに対してどのような防火対策を行っているのかをお尋ねいたします。 次に,市民の健康と命を守るための質問をいたします。 まず最初に,微小粒子状物質いわゆるPM2.5対策についてお尋ねいたします。 先月環境省は大気汚染が深刻な中国からの飛来が問題になっている微小粒子状物質PM2.5による健康への悪影響を減らすため,大気中濃度が高い日に外出や屋内の換気を控えるように市民に呼びかけることを盛り込んだ暫定指針の骨子を取りまとめたとの報道がございました。また,2月22日には県内各市町の担当者による微小粒子状物質(PM2.5)関係者連絡会が行われたとのことですが,どのような協議が行われたのかをお聞きいたします。 福岡市では3月15日から濃度を測定し,市内での観測データをもとにPM2.5の大気中の濃度の予報を始めており,23日には濃度の平均値が国の環境基準を超えるという予報を発表し注意を呼びかけました。 福井市として,市民の健康を守るため具体的にどのような取り組みを考えられておられるのかをお尋ねいたします。 次に,AEDの保管状況についてお尋ねします。 市内に設置されているAEDは,消防,小・中学校,幼稚園,保育園などの公共施設以外にも多くの施設に設置されております。このAEDの保管保証温度は各メーカー,おおむね5度Cから40度Cとなっているようであります。寒冷地などの冬季に5度C以下になる地方では,AEDは十分な機能を発揮しない場合があるということであります。また,0度C以下になると,体に張りつける水分の多いパッドが凍ってしまい,直接肌に密着しないことなどによりAEDの機能の発揮を妨げ,迅速な救助を行えないことになります。 本市に設置されているAEDは何台あるのかをまずお尋ねいたします。 その設置されているAEDについては,どの部署が管理されているのか。例えば,ふぐあいが起きるような高温や低温になる場所や環境に設置されているものはないのかをお尋ねいたします。 次に,消費者教育の推進についてお尋ねいたします。 昨年8月,消費者教育推進法が成立いたしましたが,この背景には,年々悪質化して巧妙化している振り込め詐欺や未公開株などの架空の投資話を持ちかける利殖勧誘事犯悪質リフォームなど特定商取引事犯などの一般消費者を狙った悪質商法の蔓延があります。おれおれ詐欺,架空請求詐欺,還付金詐欺などの振り込め詐欺はピーク時よりも減少しているものの,2011年には6,233件の発生が認知されております。おれおれ詐欺は,むしろ増加しており被害総額は127億円を超えております。 被害者は60歳代以上の高齢者が9割を占めており,架空請求詐欺は30歳代以下が4割近くに上るなど,全世代で被害を受けている実態がうかがえます。このため若い世代からの消費者教育が必要となっております。 消費者教育推進法は,巧妙化する詐欺や悪質商法から消費者みずからが身を守り行動する知識と能力を養う教育を幅広い年代,場所で行うことが狙いであります。そのために学校や地域,事業所及び事業者団体などにおける消費者教育の推進,そのための先進的な取り組みなどの情報を収集,提供するとともに,収集した情報を消費者教育の内容に的確,迅速に反映するとしています。 また,有識者や消費者代表が消費者教育の効果的な推進方法について語り合う場として消費者庁に消費者教育推進会議,地方自治体に消費者教育推進地域協議会を設置するとしております。 悪徳商法などから消費者である市民を守るために,何点かお尋ねいたします。 まず,本市の振り込め詐欺,架空請求詐欺,利殖勧誘,特定商取引などの被害の相談件数についてお尋ねいたします。 次に,学校における消費者教育の推進,そのための教職員への研修の実施についてお尋ねいたします。 地域における消費者教育の推進,特に高齢者や障害者及びその支援者への消費者教育はどのように取り組んでいるのか,お伺いいたします。 地方自治体に義務づけられた消費者教育推進地域協議会の設置と今後の展開については,どのようにお考えかをお尋ねいたします。 次に,福井市地域防災計画についてお尋ねいたします。 東日本大震災より,はや2年目の3月11日がやってまいります。いまだに避難所での生活を余儀なくされておられる方がいることを思うと,被災された地域,また被災された皆様の生活の復興への道はまだまだとの感があります。 私どもはこの未曽有の大震災を決して忘れることなく,我が地域の安心・安全へ,これまでの想定をはるかに超える自然災害に対応すべく,市民の命と財産を守るために地域防災計画の見直しに知見を結集して取り組まなければなりません。 今回の見直しの中で,以前より私が提案してまいりました女性の視点の反映,女性の参画推進に努めることが明記され,さまざまな場面での女性の視点の大切さを地域防災計画の見直しの要点の一つとされております。 そこで,具体的にどのように女性の参画を進めていくのか,何点かお尋ねいたします。 防災会議の女性委員の数は変更はありませんね。避難所開設時の市職員はその約半数が女性と伺っておりますが,これについてもお尋ねいたします。 地域の防災リーダーは自治会長が兼務されていることが多いですし,ほとんどが男性で占められておりますが,女性の割合はどれぐらいでありましょうか。また,この防災リーダーに女性をふやす取り組みについてもお尋ねいたします。 避難所開設時の市職員の対応は,その職員自身が被災することも考えられ,やはり地域での実践的な避難所の開設訓練が必要となります。日ごろから地域の女性リーダーの育成,意識改革が必要であります。女性防災リーダー育成のための特化した防災研修に取り組んでいただきたいと思いますが,お尋ねいたします。 日中,若い世代が仕事で地域を離れると,地域にいるのは高齢者や乳幼児ということになります。その地域に確実にいる頼れる存在が中学生であります。中学生の防災意識を高めるための実践的な防災教育に力を入れるべきであると思いますが,お尋ねいたします。 次に,市内外から通学している高校生の帰宅難民対策と学校の防災備蓄対策にはどのように取り組まれているのかをお尋ねいたします。 また,通勤されている方の帰宅難民対策についてはどのような取り組みをお考えかをお尋ねいたします。 続きまして,妊婦健診についてお尋ねいたします。 母子の健康状態を定期的に確認するための妊婦健診の公費助成が2013年度から恒久的制度に変わることになりました。補正予算ごとに期限つきの妊婦健診支援基金の延長を繰り返すのではなく,恒久化して本予算に組み込むべきであるとの私ども公明党のこれまでの主張が実ったものであります。 妊娠は本来病気ではないため,健診には公的な医療保険が使えないため経済的な理由から妊婦健診を受けず,産気づいて初めて医療機関を訪れる,いわゆる飛び込み出産が問題となっていたことや,出産の高齢化で健康上の注意が必要な妊婦の増加からも妊婦健診の重要性が増しておりました。 2007年以降,財政支援が段階的に拡充され,地方交付税による公費負担回数が5回分に拡充され,2009年度から残りの9回分についても支援基金によって公費助成が充実して,本市におきましても14回の公費助成に取り組み3年が経過いたしました。 そこで,これまでのこの取り組み実績と平均の受診回数についてお尋ねいたします。 予算計上額と決算額についてもお尋ねしたいと思います。また,1人当たりの予算額をお伺いいたします。 この予算の未執行分が相当ありますけれども,これをお母さんの出産後1カ月健診の公費助成に使うことができないのかをお尋ねいたします。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (消防局長 塚本政敏君 登壇) ◎消防局長(塚本政敏君) 高齢者施設の防火対策についての御質問にお答えいたします。 グループホーム以外のその他の地域密着型施設の防火対策についてでございますけれども,グループホームと同様に定期的に防火査察を実施し,避難訓練指導を行うとともに,機会を捉えまして施設関係者を対象に研修会を開催しております。 また,この研修会では高齢者が使用いたしますパジャマ,布団のシーツ,枕カバーなど,身の回りの繊維製品につきまして防炎製品を使用するよう指導を行っているところでございます。 特に宿泊を伴います入所施設におきましては,小規模社会福祉施設における避難訓練等指導マニュアルに基づきまして,職員が少ない夜間においての火災発生を想定しました訓練指導を,また,日帰りの通所施設におきましては職員の少ない時間帯においての火災発生を想定しました訓練指導を行うなど,それぞれの施設の実態に応じまして防火対策を講じております。 次に,高齢者が住む住宅等に対する防火対策についてでございますけれども,消防局では毎年春と秋に行っている火災予防運動期間中に消防職員と消防団員が協調いたしまして,一般住宅及び共同住宅の各戸を訪問いたしまして住宅用火災警報器維持管理状況ガスコンロ等の厨房器具,ストーブ等の暖房器具などの使用状態を診断しているほか,住宅用消火器の設置や防炎製品の使用につきましても指導を行っているところでございます。 特にひとり暮らしの高齢者宅につきましては,火災予防運動期間中に消防職員が個別に訪問いたしまして,一般住宅等の防火診断と同様の防火チェックを行うほか,喫煙状態,仏壇の灯明などの使用状況,寝室からの避難経路につきましても診断いたしまして防火指導を行っているところでございます。 以上のように,これらの防火診断等で高齢者が住む住宅等に対しましても防火対策を行っているところでございます。今後も火災から高齢者等を初め,市民の命を守るために住宅防火の諸施策を積極的に推進してまいります。 (市民生活部長 吉村政兼君 登壇) ◎市民生活部長(吉村政兼君) PM2.5対策についてお答えいたします。 2月22日に行われた県内各市町の担当者による微小粒子状物質(PM2.5)関係者連絡会での協議内容につきましては,国が都道府県等を対象として開催した会議の概要報告とPM2.5についての福井県における監視体制についての説明がございました。 国の会議の概要報告としましては,PM2.5についての基本的な説明や,全国の監視体制の現状と測定結果,今後の国の対応等についての説明がなされました。 その中で,国から常時監視を義務づけされている都道府県,政令指定都市,中核市などに対して監視体制の充実について協力要請があったことや,住民への注意喚起を盛り込んだ暫定指針を検討していくことが報告されました。 また,福井県の監視体制につきましては,測定結果を県のホームページで公表するとともに,現在,福井市豊島2丁目に1カ所設置している固定観測局を,3月からは県内6カ所にふやし,固定局6局,移動局1局の体制で監視を行っていくとの説明があり,本日から稼働しております。 次に,市民の健康を守る取り組みについてお答えいたします。 環境省が,PM2.5の大気中の濃度が環境基準値の2倍を超えると予測された日に都道府県が注意喚起を呼びかけるとした指針を示しました。 指針によりますと,1日平均のPM2.5濃度が大気1立方メートル当たり70マイクログラムを超えることが予測された場合に,不要な外出,屋外のでの激しい運動,部屋の換気を自粛する注意喚起を行うとのことでございます。特に高齢者や子供,また心臓や呼吸器に疾患のある人たちには,健康に影響を受けやすいとして注意することが望ましいとしております。 本市の取り組みとしましては,指針に基づき県から注意喚起が発令された場合は,ホームページはもちろん,防災行政無線の使用や小・中学校,公民館等への連絡をするなど,緊密な庁内連絡体制のもと,市民に対し注意喚起を図ってまいります。 次に,消費者教育の推進についてお答えいたします。 まず,本市の振り込め詐欺,架空請求詐欺利殖勧誘事犯特定商取引事犯などの相談件数についてお答えいたします。 消費者センターに寄せられる相談のうち,平成24年度は2月26日現在で,振り込め詐欺に関する相談は4件,架空請求詐欺に関する相談は70件,利殖勧誘に関する相談は323件,特定商取引法に関する相談は678件となっております。 次に,高齢者や障害者及びその支援者の方への消費者教育の推進についてお答えいたします。 現在消費者センターでは,消費生活相談員等が地区団体などからの依頼を受けて消費トラブル防止のための講習会を行う出前講座を実施しております。その依頼の多数が地区デイホームからであることから,高齢者に対する有益な消費者教育の場となっております。また,包括支援センターからの依頼もございますので,高齢者を支援する方への消費者教育に資する場ともなっております。 一方で,消費者教育の推進に関する法律の施行に伴い,地方公共団体は,高齢者,障害者を支援する者,民生委員,社会福祉主事介護福祉士等に対し研修を実施したり情報を提供することが求められております。 今後は,消費者センターが中心となって,福祉,教育関係機関と連携を深め,研修会の開催や出前講座の活用により消費者教育の一層の推進を図ってまいります。 消費者教育推進法では,市町村の区域における消費者教育を推進するため消費者教育推進地域協議会を組織し,構成員間での情報交換や調整をしたり,市町村消費者教育推進計画を策定するよう努めなければならないとなっております。 現在国では消費者教育の推進に関する基本的な方針の策定に向け準備が進められておりますが,決定の時期等,詳細は今のところ不透明となっております。市町村としましては,国の基本方針を踏まえ計画を定める必要があることから,今後この方針の公表を受けて,消費者教育推進地域協議会について関係機関による協議を進めてまいりたいと考えております。 (教育長 内田高義君 登壇) ◎教育長(内田高義君) 消費者教育の推進についての御質問のうち,学校における消費者教育の推進と,そのための教職員への研修についてお答えいたします。 学校においては,社会科や家庭科,総合的な学習の時間などに消費者教育が実践されております。 例えば,小学校5年生,6年生の家庭科では,物や金銭の大切さに気づき計画的な使い方を考えることや,身近な物の選び方,買い方を考え,適切に購入できることについて指導しております。また中学校でも,自分や家族の消費生活に関心を持ち,消費者の基本的な権利と責任について理解することや,販売方法の特徴について知り,生活に必要な物資,サービスの適切な選択,購入及び活用ができることを指導しております。 一方,教員の研修に関しましては,本年度は県の教育研究所の研修で消費者教育の授業づくりの講義や,アオッサ内の消費生活センターを見学するといった内容の講座が実施されております。 (福祉保健部長 吉村義昭君 登壇) ◎福祉保健部長(吉村義昭君) AEDの保管状況についてお答えいたします。 まず,本市が管理していますAEDは,現在306台でございます。 次に,AEDはどの部署が管理しているかについてですが,各施設の所管課及び管理者が行っております。 また,設置している場所につきましては,冬季に低温になる屋外ではなく,施設内や事務所の中で保管しております。 これまでも必要時にその機能を発揮できるよう日常的な点検を行うなど,適切な管理を徹底するよう関係所属,施設などへの周知を図っております。 次に,妊婦健診についてお答えいたします。 まず,妊婦健診の平均受診回数は,平成22年度は11.2回,平成23年度は11.5回でした。 次に,予算計上額と決算額及び1人当たりの予算額についてお答えします。 平成22年度の予算額は2億2,700万円で決算額は2億211万8,000円でした。平成23年度は予算額2億2,500万円で決算額は2億1,149万9,000円でした。なお,1人当たりの予算額は全て14回受けた場合の受診費用といたしまして9万7,590円になります。 また,出産後,母親の1カ月健診を公費助成できないかという御質問ですが,母子保健法に基づく妊婦健診と1カ月児健診につきましては,それぞれ公費助成をしておりますが,出産後,母親の1カ月健診につきましては現在のところ助成対象とはしておりません。出産後の母親の健診費用の助成につきましては今後,近隣都市の状況を参考にし研究してまいりたいと考えております。 (総務部長 滝波秀樹君 登壇) ◎総務部長(滝波秀樹君) 福井市地域防災計画についてお答えいたします。 まず,女性の参画促進をどのように進めていくかについてでございます。 東日本大震災では避難所を運営するメンバーの大半が男性であり,女性専用の更衣室やトイレ,あるいは授乳室の確保や化粧品,生理用品などの女性特有の物資の要望がうまく伝わらず,女性が大変苦労したことが反省点として上げられております。また,実際に福井に避難されてきています女性の方からも同様のことをお聞きしております。 このようなことから避難所生活や支援物資には女性の視点,女性の声が届く仕組みづくりが必要でございますので,今回の見直しでは女性の視点の反映や女性の参画について新たにつけ加えたものでございます。今後,避難所運営マニュアルなど各種マニュアルを見直す際には,女性の視点を取り入れてまいります。 また,女性の参画につきましては,自主防災組織の研修会,防災訓練,避難所運営図上訓練いわゆるHUG等で参画の重要性や必要性について啓発してまいります。 次に,防災会議の女性委員の人数でございますけれども,委員56人のうち3人でございまして,変更はございません。 避難所開設時の女性職員につきましては806人中428人と,約53.1%でございます。 また,地区の女性防災リーダーは25人で,割合にいたしますと約2%となっております。 次に,女性防災リーダー育成のための研修についてでございます。 昨年11月に男女共同参画を推進いたしますNPOの代表を講師としてお招きしまして「災害と女性」をテーマに,女性対象の防災研修会を開催いたしました。今後も引き続き女性の防災リーダー育成に取り組んでまいります。 次に,中学生に対します防災教育の取り組みについてお答えいたします。 若年層の防災教育におきましては,まずは,自分の身は自分で守るという自助意識とともに,共助という意識を持たせることが必要でございます。 さきの東日本大震災において「釜石の奇跡」と言われましたように,中学生が率先して避難することで周囲の人たちの避難を促し,結果的に多くの人の命が救われたという事例や,中学生が避難所において物資の配布でありますとか高齢者の手助けを行ったような事例もございました。 このように中学生に対しましても年齢に応じた役割が果たせることを意識づけることが重要でございますので,本市ではその一環といたしまして,消防局が行っております中学生を対象としました救急救命講座などを通して共助の考え方を防災教育に取り入れたいと考えております。 最後に,帰宅難民対策でございます。 今回の見直しの中では,企業に対し従業員を一定期間事業所内にとどめ置くことや必要な物資の備蓄をすることなど,帰宅困難者対策を行うことにつきまして盛り込んでおります。 また,高校生への対応につきましても,学校が企業と同様の対策を進めていただきたいと考えております。 なお,主要な交通結節点である福井駅周辺におきましては,帰宅困難者がある程度は発生することが予想されますので,駅周辺の公共施設等を活用するなど,その対策を講じてまいります。 ◆15番(島川由美子君) それでは,自席から要望と再質問をさせていただきます。 ただいまは,るる御答弁いただきましてありがとうございます。 まず最初に,消費者教育の推進についてということで,学校の教員への研修は行っているとお聞きいたしました。 この若い世代にさまざまなことが起きておりまして,例えば,ソーシャルゲームの何十万円もの請求が届いたとか,またいろんな著作権のこととかで問題が多岐にわたっているわけであります。また,次から次へと手を変え品を変えといいますか,さまざまなそういうトラブルに見舞われるということも最近は非常にふえてございます。特に,小学生から高校生といった,もちろん若い世代の皆さんにもそうですけれども,そういう最新の情報を,やはりしっかり的確に取り込むといいますか,といっても,先生方は非常にお忙しい毎日を送っておられますので,先生方に自分でそういうものを調べなさいとか,またそういう情報を把握しなさいとかということではなく,特にそういう部分ではしっかりとした研修を行っていただいて,そういう最新の情報を取り込めるように,やはり子供たちにも,またもちろん全ての世代にも,消費者教育の中で的確に取り組んでいただきたいと感じております。 そういう面では,そういう専門の事業所といったところからの情報の取り入れということも非常に大事なことなのではないかと思っておりますけれども,そのあたりのことについてはどのように対応を考えておられるのか,質問したいと思います。 次に,AEDの保管状況ということで,各施設,各部署においてこの保管もしっかりされているということを今お聞きいたしました。 室内に置いてある間は多分大丈夫だろうと思いますけれども,例えば,貸し出しするときとかはどうなのかということを1点,お聞きしたいと思います。 極端に高温とか,極端に低温になる場合に,それを保管する保管庫というものが新しく出ているということをお聞きしましたので,そういう場合だけでもそういうものに入れることも考えられるのではないかと思いますけれども,いかがでしょうか。 次に,妊婦健診についてでございますけれども,平均11回ということでございました。1人当たりの予算が14回で9万7,590円になっているということでございました。 国からの指針としては,妊婦健診14回で平均12万円という,これだけの金額を使うようにということになっているとお聞きしておりますけれども,この予算計上と決算額を見ますと,やはりかなりの未執行分が出ているということもございます。 お母さんの出産後1カ月健診についてどのような認識をお持ちなのかをお聞きしたいと思います。 以上,お願いします。 ◎教育長(内田高義君) ただいまの研修の御質問にお答えいたします。 消費者関係のトラブルということに限定しますと,先ほどのような答弁になるんですけれども,実際に学校では,ネット犯罪とか,今の時代に合った本当にいろいろなトラブル,問題が出ております。その中で当然消費者関係のトラブルも出てくるといったことで,それ以外に各学校では,特にひまわり教室とか,警察と連携した青少年の犯罪防止に向けての教室とか,そういったいろいろなところと連携した研修をする中で,当然消費者関係のものも出てくると理解していただければ結構かと思います。 したがいまして,教科としては家庭科の時間なんかでしていますけれども,実際には今の時代に合ったトラブルというのは学校の授業だけで教える範囲以外にこういったことがありますといった具体的な事例については,そういった機関等との連携の中での研修会で生徒たちに身につけさせていっているということでございます。 ◎福祉保健部長(吉村義昭君) 2点御質問いただいたかと思います。 まず,AEDの保管についてでございますが,保健センターとスポーツ課で貸出用のAEDを貸し出しております。 今ほど議員も言われましたように,高温になるような場合も十分考えられますので,それぞれの所管,借りられた場合には保管を含めまして,徹底するように指導していきたいと思っております。 それから,まず妊婦健診の11回という回数でございますが,妊婦健診を14回受けていただくためには,妊娠11週までに妊娠届を申請していただいて母子健康手帳の交付を受けていただくことが肝心でございます。その回数が14回に至っていないというのは,流産された方,また早産をされた方,また先ほどの妊娠届の申請がおくれた方ということです。それから,お二人目になりますと,1回健診を受けないという方もおられるようでございます。そういうことで11回というように,平成23年度は11.5回でございますが,14回受けていないというのはそういう原因もあるようでございます。今後とも,妊娠11週までに妊娠届を申請していただくよう啓発もしていきたいと思っております。 それから,母親の1カ月健診でございますが,先ほども答弁させていただきましたが,近隣の都市で実施しているところもございます。大体3,000円から5,000円ぐらいというふうにお聞きしておりますが,あくまでもこの妊婦健診の費用の執行残額が出たからこの事業に充てるということではなく,新たな事業として取り組むことが可能かどうか,そういうところを含めまして研究していきたいと考えております。 ◆15番(島川由美子君) AEDの保管についてはしっかり取り組んでいただきたいと思いますし,保管するだけではなくて,やはりこれを使えるようにしっかり研修といいますか,そういうことにも全庁的に取り組んでいただけたらと思います。 今妊婦健診,またお母さんの1カ月健診のことについても,研究するという御答弁をいただきました。 お母さんは,出産後鬱とか,またそこまでいかなくても,マタニティーブルーといいまして,出産後のその期間というのは非常に不安定といいますか,幸せな思いもあるんですけれども,新たな命を育てていく中で非常に心身ともに疲れ切って,やはりいろんな不安なども抱えながらの1カ月を送っています。お母さんの1カ月健診というのは,医者にいろんな体のことももちろんそうですけれども,精神的な部分も同じように診ていただく大事な健診ともなります。本市において14回で9万7,590円という予算をつけてしっかり取り組んでいただいていることもよく存じておりますし,この11回というのも早産とかそういうことで14回全てを使えなかったということもよく存じ上げてはおりますけれども,赤ちゃんというのはお母さんが健康でないと赤ちゃんも健康にすくすく育たないということもございますので,このお母さんの1カ月健診にも実施に向けて検討だけではなくてしっかり取り組んでいただきたいと思います。要望にかえさせていただきます。 また,消費者教育のことに関しましても,事業者からのいろんな情報提供とか,また授業の中でもいろんな部分で取り組まれているということも今お聞きいたしましたが,子供たちがそういうものに巻き込まれないように,そのための教育でありますので,その部分は,また学校の中でもしっかり取り組んでいただきたいと思います。 以上で終わります。 ○議長(見谷喜代三君) 次に,11番 堀江廣海君。 (11番 堀江廣海君 登壇) ◆11番(堀江廣海君) 一真会の堀江でございます。通告に従いまして一般質問を行います。 かつて漢字の「町」を使った「町づくり」という言葉は,国主導のもと,県や市町村が実施する都市整備や都市計画のことを示し,文字どおり「町をつくる」といったハード優先の整備という意味合いを持っていたようであります。 ところが,昨今の平仮名を使った「まちづくり」という言葉になりますと,その主体は単に行政だけでなく,市民,住民がそれを担う場合や,協働という官と民が一体となった形態,NPOといった新たな組織等々,さまざまな広がりを見せ,その意味するところをソフトとハードを含めた地域をよくする活動と捉えますと,福祉や教育までをも含めた行政がかかわるべき全般における行為,活動をあらわすことになろうかと思います。 そこで,本市のまちづくりにおける課題を人づくり,物づくり,都市づくりの3つの視点からただしてまいりたいと思います。 まず,人づくりについてですが,我が国は戦後60年余りを経る中で大変大きな変貌を遂げてまいりました。 一時期は世界第2位の経済大国と言われるまでに至り,1億総中流という言葉ができるほど物質的な豊かさを謳歌してまいりました。しかしその一方で,国民一人一人の意識も変わってきたようです。日本人としての本質が変転し,私たちの価値尺度は善か悪か,正か邪か,損か得か,楽かつらいかに移行したと言われています。 また,かつて私たちは「省みて恥なきか」という言葉を常に心にとどめ,日常生活の規範にしてまいりました。ところがいつの間にか,何か間違いや悪いことがあると,政治が悪い,経済が悪い,教育が悪いというように,自分以外のところで犯人捜しをする他罰性という性癖が身についてしまったようであります。その結果,現在の社会は,社会の構成員に権利意識はあるが,義務の意識のない社会,誰もがやりたい放題にやる社会と評されていますし,みずから道を切り開くことなく,早いうちから自分の将来を見限ってしまう人をふやしているように思います。 現に,学級崩壊やモンスターペアレントといった教育現場の問題,ニートの増加といった社会現象,除雪の際の電話回線がパンクするほどの苦情等々,至るところに社会のゆがみ,危険信号が見て取れるのではないでしょうか。 学力,体力ともにすぐれた子供たちを育む学校教育,教養を高め,心身の健康増進と生活文化の振興を目的とした社会教育,これら2つは,人づくりの両輪と言えようかと思いますが,ともに人としてのあり方,心のありさまといった視点から見たとき,必ずしも十分に機能しているとは言いがたいように感じています。 加えて,第六次福井市総合計画,市長のマニフェストを拝見しても,この視点にかかわる政策,施策は希薄なように感じています。 「しつけ」という言葉は,漢字で美しい体と書きます。懐古主義から申し上げるわけではありませんが,美しい人としてのあり方,美しい心のありさまといった,かつて私たちが普通に求めていた事柄にいま一度向き合う必要があると考える次第ですが,御所見をお伺いします。 人づくりについての2点目は,職員の人材育成についてお尋ねします。 まちづくりにおいて住民主体,協働の取り組みを進めるためには市民,住民との合意形成が不可欠であり,まちづくりのルールであるさまざまな制度の本質をお互いに理解をし合うことが重要になります。そのために必要なものは市民と行政の間で互いに意思を通じ合えるコミュニケーション能力と制度の本質まで理解した専門的な知見です。しかしながら,従来からの本市の業務,事務の処理は前例踏襲的に引き継がれる,あるいは法令墨守的に取り扱われることが多く,制度の本質に立った柔軟な運用や使いこなしの面が弱いように感じています。 平成24年度版の部局マネジメント方針を拝見いたしますと,職員の意識改革と人材育成の項目に,職員の能力,意識,意欲の向上を図るための取り組みとしてさまざまな研修を実施することと,自主的な資格取得や通信教育等の受講を支援することが上げられています。実際に手厚く研修を行い,自主学習の体制も整えておられるようですが,それぞれの行政分野における専門的な知見を強化するための研修はどのようなものがどの程度用意されているのか,また,何人が参加しておられるのか,平成23年度と平成24年度の2カ年の実績をお伺いします。 また,人材育成の手法として,新採用職員にはジョブローテーション制度が用意されています。この制度は3年を目安として窓口業務,企画,許認可といった異なる業務に当たらせるものと理解していますが,幅広く市の業務を取得させるという点で見れば一定の効果が見込める制度だと思います。 しかしその一方で,所属内においてさまざまな事柄を判断すべき管理職が所属内の業務を知らない,専門的な知見を有さず,担当者が横にいないと話もできないといった事例も見受けられます。 所属長を配置するに当たって,過去の経験や職歴をどのように考えているのか,人事上の配慮,方針といったものがあればお尋ねいたします。 さらに,部の次長の職は,部長を補佐するとともに部全体の業務を把握できる立場にあります。しかし本市の実情は,いわゆる部長心得的な役割にある次長の職が機能していないように感じています。次長職の配置に当たってどのようなお考えをお持ちか,御所見をお伺いします。 次に,物づくりについてお尋ねします。 福井らしさとは何かと問われると,豊かな自然があって食べ物がおいしくてと,ここまでは続きますが,ううん,特徴がないところが福井らしさかなとなってしまいます。かつての繊維王国福井といった本市のイメージ,福井らしさを形づくるまちづくりが求められます。 最近物づくりという言葉が生産や製造を意味するものとして盛んに使われるようになってきました。単純な流れ作業によって生み出されるものというよりは,高度な技術を背景とし大事につくり上げられたもの,誇るべきものといったニュアンスが込められているように感じています。 県の産業労働部が実施している企画に「『実は福井』の技」があります。これは県内企業のすぐれた物づくりの技術や情報を紹介するもので,市内53の企業が該当しています。 また,本市にも同様の企画があり,「福井市ものづくり」として市内10の企業が紹介されています。グローバル化といったことが言われ,低コストを求めた製造業の海外流出が続きますが,こうしたオンリーワンの技術を育み,集積させることこそ,激化する国際競争の中で製造業を国内につなぎとめ,地域活力の向上に寄与する施策でありますし,本市のイメージアップ,福井らしさの確立にも資する施策と言えるのではないでしょうか。 ものづくり支援事業といった取り組みもなされているようですが,日本に,いや世界に冠たるオンリーワンの技術を育むための取り組みとしては,余りにも寂しい限りであります。 物づくりについての2点目ですが,農産物についてお尋ねします。 私たちは福井らしさとはと聞かれて,食べ物がおいしいと胸を張ります。何があると聞かれると,米,コシヒカリにハナエチゼンと答えます。日本穀物検定協会が発表した2012年度産の米の食味ランキングでは,福井のコシヒカリとハナエチゼンが特Aの評価を受けました。適期田植え等に取り組まれてきた農家の方々の努力に頭の下がる思いがいたします。それとあわせて,コシヒカリのふるさととして,ようやく名と実が一致し,大変喜ばしいニュースであるとの感想を持ちました。 ところが,米のほかにはと聞かれると,後が続きません。金福スイカに銀福スイカ,生食サラダニンジンでは,それは何だということになってしまいます。残るふくい「一押しの逸品」,木田チソから六条大麦の16品目を順番に上げても,なるほどとうなずく方はまずいらっしゃらないと思います。 以前にも議会の質問で同じことを申し上げましたが,岡山の白桃,松坂・米沢の牛,山梨のブドウ,長野・青森のリンゴ,鳥取の梨,こうした地域を代表する産物をつくり上げ,育て上げていくことが重要ではないでしょうか。そのためにも園芸センターはバイオテクノロジーを活用した新品種の開発や園芸技術支援といった機能を,より一層強化する,あるいは畜産や養鶏といった新たな分野に進出するなどして,地域の柱となる産品の開発,普及に戦略的に取り組んでいただきたいと考える次第ですが,御所見をお伺いします。 次に,都市づくりについてお尋ねします。 まず,全域公共交通ネットワークについてですが,先般えちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線の相互乗り入れの基本的な考え方が示されました。 平成25年度と平成26年度の2カ年で相互乗り入れや多頻度運行,関係する駅,ホームの改修を行い,利用者の安全性,利便性を高めることによって本市の都市交通戦略に位置づけた南北幹線軸の形成,強化が実現することになります。 ところが,その一方で東西幹線軸,特にバス交通に対する取り組み姿勢が見えてまいりません。昨年末に京福バスナビ,バスロケーションシステムの運用が始まり,市民が求める公共交通の改善策のうち,主として定時性に関する課題が解決され,確かに利便性は高まったようであります。しかしながら,市民が最も求めている運行本数の増加については全く道筋が見えていないというのが実情かと思います。 東西幹線軸の強化,特にバスの運行本数の増加について,どのようなお考え,施策をお持ちなのか,お伺いいたします。 2点目は,相互乗り入れが実施された場合の課題への対応についてお尋ねします。 1つ目です。路面電車の区域内に右折車が進入し電車の進行が遮られますと,電車は警笛を鳴らしますが,これがまた大変うるさい。 路面区間の運行本数が増加しますと,安全性はもとより,町の環境の点からも定時性の点からも,信号によって自動車と電車が適切に分離されることが望ましいわけですが,右折直進分離信号は現在毛矢交差点等の一部にしか導入されていないように思います。相互乗り入れが実現する時点で,必要な全ての交差点での導入が可能か,お伺いいたします。 2つ目です。路面電車の区域があるフェニックス通りは自動車交通にとっても南北幹線軸であり,大動脈と言えます。 ところが,一部に未整備の区間があるため新木田交差点の付近は常に渋滞が発生するポイントとなっていますし,大名町交差点の北側も電車電停のホームがあることで道路幅員が絞られ,同じように渋滞を招く結果となっています。 新木田交差点付近の渋滞への対応は,単に信号処理の改善だけでなく,時間帯による車線構成の変更も検討する価値があるように思われます。また,大名町交差点の電停を改良するのであれば,歩道の改良も含め自動車交通の円滑化も視野に入れた取り組みをお願いしたいと考える次第ですが,対応の考え方をお尋ねします。 3つ目です。路面電車区間の主な交差点部分は,敷石から線路と一体となったブロック製品に交換され,歩行者や自動車の円滑な通行が可能となりました。 しかしながら,依然として残る敷石区間では,車のハンドルがとられたり,歩行者の足元が危うくなることがあります。今回の相互乗り入れとあわせて,路面電車区間の自動車や歩行者の通行環境が改善されるのか,お伺いいたします。 4つ目です。今回の相互乗り入れでは,あわせて低床型車両の導入も図られるとのことです。 機動性がよい,バリアフリー対応で人に優しいといったすぐれた点もあることは認めますが,その一方で,雪国福井において一昨年のような積雪があったとき,従来の車両以上に走行に対する影響が出るのではないかといった心配があります。この点について,どのような対応が検討されているのか,お伺いいたします。 全域交通ネットワークの3点目です。 全域交通ネットワークの実現には,東西南北の幹線軸の形成,強化とあわせて,地域バス,フィーダーバスの運行をどこまで広げられるかが重要となります。地域バスに対する取り組みの現状と課題,今後の対応をお伺いいたします。 また,殿下地域コミュニティバス運行協議会が,公共交通の利用拡大に寄与している団体として中部運輸局長表彰を受賞したといった報道もありましたが,それぞれの地域が地域の特性に応じた工夫をしながらバスを走らせています。 時間帯に間に合わせた走行ルートを考え,混雑時の利用のルールをつくり,広報活動もみずからの手で行う。地域コミュニティバスを走らせることは地域の力の結晶と言えるかと思います。 ところが,市の担当者はどうしても利用者数,乗客数といった目先の数字を重視いたしますので,地域の方々は,それがあたかもノルマであるかのように受けとめてしまいます。 全域交通ネットワークの実現は地域の力で走らせる地域コミュニティバスがあってこそ達成できるものであります。数字の推移だけに目くじらを立てることなく,いま少し温かい心,包容力を持って見守っていただきたいと思うわけですが,御所見をお伺いいたします。 都市づくりの2点目として,県都デザイン戦略についてお尋ねします。 さきの12月定例会では,県都デザイン戦略に掲げられた施策,事業の実現に向けた強い意思表明がありました。 ところが最近,県都デザイン戦略(案)の説明があった際,総事業費の試算や裏づけとなる財源の検討があるのかとお尋ねしますと,していないとのことです。 県都デザイン戦略は,短期,中期,長期に分けられ,県庁や市役所の移転が長期的事業であるためどうなるかわからない,事業費の試算までは必要ないといった声もありますが,きちんとした最終目標,町が向かう方向が明らかであるからこそ,短期,中期に位置づけられた事業にも意味が出てきます。 そこでまず,県都デザイン戦略に掲げられた施策,事業の総事業費としてどの程度を見込んでおられるのか,改めてお尋ねします。 次に短期,福井国体が開催される2018年までの5カ年を目安として位置づけられた施策,事業についてお尋ねします。 県都デザイン戦略に位置づけられた施策の数で申し上げますと,中央公園の再整備や山里口門の復元を初めとして,重複しているものもありますが,おおむね30件弱,二十数件になろうかと思います。 駅周辺整備の一環として継続して取り組むハード整備や公共空間を利用した再整備は,財源をいかに確保するかが課題ではあっても,具体化に当たってはそれほど困難は伴わないように思います。一方,景観誘導に代表されるソフト事業は,規制を伴うことを考えますと,よほど手綱を締めて取り組まねば実現はおぼつかないように思います。 県都デザイン戦略の実現に向けた県との連携,また市内部での進行管理をこれからどのように考えておられるのか,お尋ねします。 まちづくりについての最後の質問になります。 まちづくりを人,物,都市という3つの視点に分けて質問してまいりました。しかしながら,実際の現場ではこの3つが複雑に絡み合いながら進んでまいります。 例えば企業誘致,これに関しては,雇用や税収の増加,都市としてのイメージアップ等々,地域の活性化,活力向上を図るため,全国の自治体がしのぎを削っております。まさにまちづくりの総力戦と言えようかと思います。 企業に来ていただくためには,まず必要な社会基盤が整備されていることは当然のこととして,都市としての魅力が必要でありましょう。また,企業活動を支えるためのさまざまな支援体制,これも不可欠であります。そして何より,市の発展,繁栄のため企業に来ていただくという熱意が必要不可欠であります。 企業誘致に関してはよくトップセールスという言葉が使われます。これはなぜでしょうか。 決められた枠組みの中でしゃくし定規に条件闘争をしていても,まず企業誘致はできません。反対に,企業に来ていただくためには何をしなければならないかを考え,それを実現する必要があるからだと思います。 であれば,企業誘致に当たる職員の一人一人は,トップセールスマンとしての自覚,心構えを持っていただかなければなりません。企業誘致に当たる職員の心構えはどうあるべきと考えておられるのか,また,本市の職員にその心構えができているのか,御所見をお伺いいたします。 以上で終わります。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 私からはまちづくりについての3点目,都市づくりの御質問のうち,東西幹線軸となるバス交通と地域コミュニティバスについてお答えいたします。 まず,バス交通の運行本数の増加についてでございますが,都市交通戦略に掲げる6方向の公共交通幹線軸のうち,北西,南西,南東の3方向につきましては,路線バスを主体にサービス水準の向上を図ってまいります。 現在は国,県及び沿線市町とも協調し,地方バス路線等運行維持事業による欠損補助を行いながら本数を維持しているところであります。これにより,都市交通戦略が目標水準として掲げる1時間当たりの運行本数,具体的には周辺市街地につきまして1ないし3本,農山漁村地域につきまして1ないし2本をおおむね充足している状況であります。 昨今の幹線道路の整備等に伴うマイカー利用の増大によって幹線バス路線を取り巻く環境は非常に厳しい状況にございますが,今後も幹線バスとしての機能を維持していけるよう,国や県,沿線の各市町とも連携しながら,しっかりと支援してまいります。 次に,地域コミュニティバスに対する取り組みの現状と課題,今後の対応に関する御質問にお答えいたします。 地域の皆様の取り組みによって走らせる地域コミュニティバスは,現在5地域で運行しております。このうち,ことしの9月末日で試行運行期間を満了する4地域につきましては,これまでの運送実績に基づき今後の継続運行の可能性を見定めることになりますが,現時点では,殿下地域を除き,現行の運行継続基準の達成が非常に厳しい状況でございます。具体的には,運行1回当たりの平均乗車人数,収支率,欠損額の3項目全てを達成する必要がございますが,このうち収支率について目標とする20%に対し10%から3%と,大きく下回っている状況です。 最後に,数字の推移だけで判断せずに温かい心で見守るべきとの御質問にお答えします。 地域コミュニティバスの運行経費の大半が行政からの欠損補助金であることに鑑みますと,ニーズがある地域において効率的な事業とすべきとの観点から一定程度の数値目標を設定することは必要であると考えております。 一方で,交通弱者の生活を支える基本インフラとしての機能があることも御指摘のとおりであり,熱意のある地域の必要なサービスは維持されるべきとの考えのもと,それぞれの地域とも協議しながら制度の見直しを行っているところです。 その具体的な内容でございますが,一定の運行に要する経費につきましては,収支率を算定する際に経費から除外することを考えており,結果的に収支率の基準緩和になると考えております。 また,移動ニーズが時間的,空間的にもまばらであるなど,定時定路線での運行が難しい農山漁村地域や中山間地域を念頭に,デマンド型の運行継続基準を新たに設ける予定でおります。 これらの見直しによって,ことし9月末で試行運行期間を満了する4地域,いずれの地域も10月以降,何らかの形で運行を継続してまいりたいと考えているところです。 (特命幹兼都市戦略部長 越智健吾君 登壇) ◎特命幹兼都市戦略部長(越智健吾君) まちづくりについての3点目,都市づくりについてのうち,まず右折直進分離信号の導入についてお答えします。 右折直進分離信号の導入につきましては,軌道内に停車した右折車による電車の進行妨害を解決する有効な方法であることから,県は福井鉄道福武線とえちぜん鉄道三国芦原線との相互乗り入れに関する事業検討会議の中で定時性確保の対策の一つとして掲げております。その導入箇所につきましては,現在関係者が検討を進めているところでございます。 次に,自動車交通の円滑化を視野に入れた信号処理及び電停改良への取り組みについては,県は電車の定時性確保と円滑な自動車交通確保の観点から電停の再配置を含めた対策を調査検討しているところであり,効果の高いものから実施していくこととしており,本市としても早期実施を県に要請しているところです。 なお,時間帯による車線構成の変更,いわゆるリバーシブルレーンにつきましては,全国で例があることは承知しておりますが,この福井縦貫線については既に道路拡張をする都市計画決定がされており,本市としましては県に対し路線全体での改良を強く要望しているところです。 次に,路面電車区間における自動車,歩行者の通行環境の改善についてでございますが,敷石区間については築50年以上が経過していることから著しく老朽化しており,自動車,歩行者の通行環境の改善は重要な課題であると認識しており,福井鉄道福武線地域公共交通総合連携計画で必要な施策として上げられております。 相互乗り入れ事業には敷石の改善は含まれておりませんが,相互乗り入れ事業の機会を捉えて,その改善について関係者と協議してまいります。 最後に,相互乗り入れに導入される低床型車両の積雪時の走行への影響についてお答えします。 福井鉄道におきましては,平成17年度と平成18年度の2年にわたって車両の多くを低床型車両に更新しておりますが,雪害対策実施要綱を設けて積雪時における除雪や輸送体制に万全を期すこととしており,低床型の車両であっても積雪対策は十分確立されているものと理解しております。一昨年の大雪の際にも,ほかの鉄道よりも早く運行を再開しております。 今回低床型車両が導入されるえちぜん鉄道においても,必要な対策がとられるものと考えております。 (総務部長 滝波秀樹君 登壇) ◎総務部長(滝波秀樹君) 都市づくりのうち,県都デザイン戦略についてお答えいたします。 まず,総事業費のお尋ねでございます。 今回の県都デザイン戦略は,県都の目指す姿と実現イメージを提示するものと位置づけており,あわせて短期,中期,長期に区分して具体的方策を示しております。 中・長期の事業につきましては,どのような形で具体化していくのか,その時点の社会経済情勢を含めて判断する必要がございますので,現時点では全体の事業費や財源を算出することは困難なものと考えております。 次に,県との連携,市内部での進行管理についてお答えいたします。 県都デザイン戦略策定後は,将来にわたりプロジェクトの実施内容やスケジュールの調整といった進行管理を行うため,県と市とで推進会議を設置したいと考えております。 この中で,県と市の役割の明確化,財政面での支援方法を協議するなど,県と市が連携し一体的に推進してまいります。また,市内部におきましても関係所属による横断的な組織を設置することで庁内一丸となったマネジメント体制を整えたいと考えております。 続きまして,人づくりについてお答えいたします。 まず,職員の専門的な知識強化のための研修の実施状況でございます。 主なものといたしましては,公的な研修機関でございます市町村職員中央研修所,全国市町村国際文化研修所,国土交通大学校,自治大学校,日本経営協会への派遣研修がございます。 その内容につきましては,防災,税,環境,福祉,監査など事務系のものから,土地利用,道路,建築などの技術系のものまで多岐にわたっており,平成23年度は35種類のテーマに26の所属から35人が,平成24年度は41種類のテーマに33の所属から41人が参加しております。なお,これらの研修を受講した職員につきましては,その研修内容を所属職員が共有できるようフィードバック研修の実施を義務づけております。 また,福井県自治研修所におきましてもパワーアップ研修の中で危機管理,民法,地方公会計や訴訟法務など,一部で直接業務に関係する専門研修を実施しており,平成23年度には58人が,平成24年度には40人が受講しているところでございます。 今後もこれらの研修を継続するとともに,平成24年度からスタートいたしました市政出前講座にも積極的に職員が出向くなど,市民とのコミュニケーションの機会づくりに努めてまいります。 次に,所属長を配置するに当たっての人事上の方針についてお答えいたします。 所属長には高い知識と豊富な経験は無論ですが,強いリーダーシップと高度なマネジメント能力が求められます。したがいまして,所属長の配置に当たりましては職歴や個性,能力などを総合的に判断して対応しているところでございます。 また,新しい発想やスピード感,実行力が期待できます若手職員の登用と,女性の目線による企画立案や施策の展開が期待できます女性職員の登用を視野に入れているところでございます。 最後に,次長職の配置に当たっての考え方についてお答えいたします。 次長の主たる役割といたしましては,部局長と所属長との間の縦の調整と,部局内の所属長間の横の調整がございます。組織の指揮命令系統の中の潤滑油として,部局としての目標をスピード感を持って決定し実行するための重要なポストでございます。 行政ニーズが複雑多様化する現在におきまして,部局をまたいだ取り組みが必要となる課題も多く,次長の役割は一層重要なものになってまいります。 部局横断的な課題につきましては必要に応じて次長級職員を所属長とします室を設置して対応しているところでございますが,部局をまたいだ所属間の調整を役割にしております室長に対しまして,次長には部局間の高度な調整が求められます。 今後とも,次長を担当する職員に対しましてはその役割を十分に認識させるとともに,組織としましても指揮命令系統の円滑な運用に心がけてまいりたいと存じます。 (商工労働部長 小倉芳樹君 登壇) ◎商工労働部長(小倉芳樹君) 都市づくりについての御質問のうち,企業誘致の心構えについてお答えいたします。 雇用の確保や地域の活性化の面におきまして,県外企業の誘致や,今ある企業の流出を防ぐことが重要であることは十分に認識しております。このため,本市関係所属の職員が一丸となり,先見性を持った企業誘致に当たらなければならないと考えており,また,そのような心構えを持って企業誘致に当たっております。 ところで,昨今においては一部上場の優良企業とされてきた企業であっても,業績によっては,規模縮小や統廃合によって地方から撤退する例もございます。したがいまして,企業誘致は自治体にとって十分なメリットを有している一方で,リスクを伴うことも否定できません。 こうしたことから,企業誘致に当たる職員は,将来福井の経済にとって有望な企業であるのか,また,限りある財源の投入など,どこまで支援できるかなど,多面的な視点を持って関係所属と連携しながら企業誘致を行っているところでもございます。 なお,こういう一般的な状況と,誘致が具体化してきた場合とでは交渉内容に違いが出てまいります。相手方が何を望んでいるのか,市としてその具体的条件をクリアすることが可能なのか,また企業誘致が行われることで雇用などの経済効果があるのかなどを見きわめた中で対応策を考え,誘致につながるよう粘り強い交渉を行っていきたいと考えております。 次に,物づくりについてのうち,オンリーワン技術を育むための支援についてお答えいたします。 本市では,まちづくりの一翼を担う物づくり企業,特に福井の物づくり産業を支えます中小企業が行う新技術や新製品の開発を支援しております。しかしながら,近年,技術の高度化,複雑化が進み,その技術を実用化することが困難となってきております。 そこで,平成24年度より革新的技術実用化支援事業を創設いたしまして,開発された革新的な技術が実用化に結びつき,世界へ羽ばたいていけるよう,実証,試作品製造に必要となる測定装置や工作機械などの設備導入に対し支援を行っております。 本年は,医療分野への新規参入を図る市内繊維製造業者が実施します世界初となる絹製人工血管開発事業に係る設備投資について支援を行っておりまして,今後事業化,量産化につながっていくことを期待しているところでもございます。 さらに,新年度予算では物づくり企業の設備投資意欲の向上,国内立地の促進を図るため,中小企業者等設備投資促進事業を創設いたしまして,比較的規模の小さい設備投資を行います中小企業,小規模事業者の支援を実施してまいります。 今後も引き続き本市産業を支える物づくり企業の支援を行い,物づくり福井の成長力を高め,産業の活性化を図ってまいりたいと考えております。 (農林水産部長 平林達也君 登壇)
    農林水産部長(平林達也君) 園芸センターにおいて地域の柱となる産品の開発,普及に取り組むべきではないかとの御質問についてお答えします。 これまで園芸センターは,野菜,花,果樹等の栽培試験や土壌分析,生産指導等の役割を担ってまいりました。 本市特産の越前水仙については今年度園芸センター内に分室を設け,その振興策を検討してきたところですが,平成25年度から栽培農家の収入増加を図るため市場の需要に応じて出荷することができるよう,促成栽培や抑制栽培の技術を用いて開花期を調整する研究に取り組むこととしたところでございます。 また,園芸センターで開発した金福スイカの作付を拡大するためには苗の量産化が課題となっていたことから,今年度メリクロン苗による増殖というバイオ技術を用い,その量産化にめどをつけたところです。今後は,金福スイカ栽培説明会を開催することによって栽培に意欲的な農家を掘り起こすとともに,現地巡回などの生産指導を強化することで作付農家の拡大に努めてまいります。 さらに,近年消費者の需要が高く生産拡大が見込めるミニトマトや直売所で需要があるにもかかわらず地場産品が出回らないスイートコーンなどについて,ビニールハウスを用いた促成栽培の実証圃を設置し,実績を示しながら農家の取り組みを促すことで地場産農産物の出荷拡大と農家の所得向上に取り組みます。 生産の広がりをもたらし地域を代表する農産物を生み出すためには,生産者,生産団体と十分な協議をし,生産体制を整えることを視野に入れた取り組みが必要と考えられます。こうしたことから,平成25年度より農林水産部においては農業協同組合等と協働し,本市の農産物の特産化に向けて,市内の地域ごとに特性に応じた生産推奨品目の選定に取り組み,その品目の生産拡大に向けた支援策を検討することとしております。 こうした農産物の特産化に向けた取り組みの中で,園芸センターは生産推奨品目の品種選定試験や栽培技術指導の役割を担うことになると考えております。 (教育長 内田高義君 登壇) ◎教育長(内田高義君) まちづくりについての御質問の中の人づくりについて,私からは美しい人としてのあり方,美しい心のありさまに向き合うことについてお答えいたします。 私はこの御質問への答弁を考えているとき,今の人たちに,あなたにとって最初の先生は誰でしたかと問いかけたとき,どのような答えを返してくるのか,誰をイメージするのか,想像してみました。 私にとっての最初の先生は幼稚園や小学校の先生と答える人もいるでしょうし,病院の先生と答える人もいるでしょう。しかし,最初の先生は母親ですと自信を持って答えられる人はどれだけいるでしょうか。 一般的なイメージとして,昔の母親は,冷たい水でおむつを洗い,夜中に起きてお乳を与え,愛情いっぱいに子供たちを育ててきました。そして,父親は一家の大黒柱として家族を支えるために一生懸命働きました。子供たちは,そうした両親の背中を見て育ち,成長するにつれて感謝と尊敬の念を大きくしてきたのです。 また,自分がこの世に生をうけたのは両親のおかげ,そのまた両親である祖父母のおかげ,さらには先祖のおかげと,お年寄りを大切に思いやる心や先祖を敬う気持ちも,家族とのかかわりの中で自然に育まれてきました。そして,命のとうとさと,かけがえのない自分の存在に気づかされ,人のため,社会のために役立つ人間としての成長が図られてきたのではないでしょうか。 このように親が子を思い,子が親を思い,社会の最小単位である家庭,家族の中で子供にとっての最初のしつけがなされてきました。最初のしつけが家庭でなされるのは,今も昔も同じです。 また,子供は親や地域の人の姿を見て育ちます。私も子供のころに親や地域の人たちが常に世間に恥ずかしくない生き方をすることを口に出して言ったり,心がけていたことなどが今も心に強く残っています。 価値観の多様化から,これまでのよき風習も変化し,感謝や尊敬の念,我慢する心といった人としてのあり方や心のありさまの美しい部分も次第次第に失われてきたのではないかと感じているところです。 人は,よくも悪くも環境に大きく左右されて育っていきます。人としてのあり方や心のありさまについて常に自問自答しながら子供たちのよき手本となれるよう,失われてきた人としての美しい部分の回復に努めていきたいものです。 子供は親の後ろ姿,先生の後ろ姿,大人の後ろ姿を見て育つものです。 ◆11番(堀江廣海君) 今ほどまちづくりについて3つの観点からいろいろお伺いしました。 昨今福井市では都市交通戦略,第2期中心市街地活性化基本計画,県都デザイン戦略といった都市づくりに関連した計画が策定されまして,さまざまな説明も聞いておりますが,行政に携わる人たちの意欲,力強さに欠けているように感じております。 私は効果のはっきりしない相互乗り入れ,いつ終わるとも知れない中心市街地の活性化,長期の実効性が見えない県都デザイン戦略という認識を持っており,そもそもこうした計画の策定は学識経験者等の参画を得て委員会形式で議論されることが多く,このことが災いして各計画の中に本市行政のトップである市長の思いが果たして込められているのであろうかと思っております。その結果が職員の態度のそこかしこにあらわれているように感じています。 またなんですが,「『せぬがよき』文化の黄昏」という本を思い出しました。これは東京大学経済学部出身の竹内宏という人が書いた本であります。 自己抑制の美徳というか,主張する強烈な自我を欠いているというか,我が町福井というほどの意気込みが感じられない。市民にとって真にためになる本市まちづくりの課題について,いま一度お伺いしたいと思います。 それから商工労働部長,撤退する企業もあるとのお言葉でした。まさにそのとおりです。福井駅前から大名町にかけて戦前から店舗を開いている店が何軒ありますか。 ◎総務部長(滝波秀樹君) 堀江議員からはせぬがよきという言葉を引用されまして,本市の職員の資質でありますとか,仕事への意欲についての再質問をいただきました。 せぬがよきとは,私としましては,芸人の演技の達者な方があえてその技巧を抑えてみせることで自己抑制,あるいは謙譲の美徳が発揮されるというふうに理解しておりますが,自己抑制が必ずしもよいというものではございません。時と場合においては自己主張といいますか,個性を出していくことも必要だと感じております。 本市におきましても,困難な仕事のある職場を敬遠する,目立たず消極的な行動をとる,そのような職員が少なからず存在いたします。 私どもが求めております職員像は,福井をよくしていくために,市民のために,自分の頭で考え判断し行動する,率先して汗をかく,常に改善を考え,卓越したアイデアを出していく,そういう個性的で行動的な積極的な職員を求めるものでございます。 職員は本市にとりまして財産,資産でございます。その資産も磨かなければ劣化し,言い方は悪いですが,不良債権化してしまう。職員の劣化を防ぐためにも管理職が市民のために率先して行動していく,職員のやる気を引き出す,そしてモチベーションを高めるということが一番重要であると私どもは思っております。そういう意味では,管理職の役割は非常に大きなものがございます。 ちょっと御紹介させていただきますが,ソニーの創業者でございます盛田昭夫さんがその著書でございます「MADE IN JAPAN」という書物の中で,こう述べられております。「日本の企業は個性的な社員を好まないために,協調とコンセンサスという言葉でごまかす場合がある。コンセンサスばかり強調する役員や管理職は,社員の才能を引き出し彼らのアイデアを統合する能力が自分にはないと公言しているのに等しい」と,こういうことでございます。まさに箴言であると私は思っております。 自治体の部長は,民間で言いますと執行役員でございますし,課長は民間で言いますと部長職でございます。本市の管理職が物事を行うに当たりまして市長の意を十分に酌み取って,しっかりと腹に据えた上で判断し行動していただくように切に願うものでございます。 ◎商工労働部長(小倉芳樹君) 戦前から開いている店舗の数についての御質問でございますが,現在把握しておりません。 ただ,老舗と言われております企業が幾つもございます。これは今数を把握しておりませんけれども,一番多いのが京都であり,福井の場合は3位でしたか,上位のほうにあると記憶しております。 ○議長(見谷喜代三君) よろしいですか。 (堀江廣海君「はい」と呼ぶ) ここで暫時休憩します。午後1時から再開します。             午前11時49分 休憩──────────────────────             午後1時1分 再開 ○副議長(野嶋祐記君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 一般質問を続けます。 4番 伊藤洋一君。 (4番 伊藤洋一君 登壇) ◆4番(伊藤洋一君) 志政会の伊藤でございます。通告に従いまして質問いたします。 下水道事業について,まず浸水対策についてお伺いいたします。 平成16年7月に発生した福井豪雨は,私たちの住む福井市に未曽有の被害をもたらしたことはいまだ記憶に新しいところです。わずか4時間の間に174.5ミリメートル,1時間当たりの最大降雨量は75ミリメートルを記録し,その結果,足羽川左岸堤防が決壊し,市内至るところが甚大な被害を受け,その後,被災した箇所では何日も泥まみれの復旧作業を強いられていました。あのときの記憶は,9年目を迎えた今でも被災をした人々の心の中から消えることは決してありません。 この福井豪雨を契機に,福井市では雨水貯留管の建設など,浸水対策事業に本格的に取り組んでいただいたことから,それまでは大雨のたびに道路冠水などの被害が至るところで見られましたが,その後は,強い雨に対しても大きな被害が発生することはほとんどなくなったと記憶しております。 しかしながら,昨年9月6日,短時間で局地的に非常に激しい雨が降る,いわゆるゲリラ豪雨によって1時間当たりの最大降雨量が62.5ミリメートルに達し,特に市街地においては床下浸水が123件という大きな被害が発生してしまいました。 昨年の9月定例会では,このゲリラ豪雨関連の質問が集中し,私も質問をさせていただきました。そのときの理事者の答弁は,現時点ではこれ以上の大規模な施設整備は困難であるため,今後は設置した雨水貯留施設の効果をどのように高めていくかを検討していくというものでございました。 あと3カ月もすれば梅雨の時期がやってまいります。多くの市民が浸水の不安を抱えながら暮らしているということを念頭に置いて,改めてお尋ねさせていただきます。 まず,計画以上の降雨があった場合,いまだに大きな浸水被害が発生している地区と,その原因について教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。 次に,雨水貯留管の整備が浸水被害の軽減に大きな効果をもたらすことは,先ほども申し上げたとおりでございますが,雨水貯留管以外ではポンプ場の更新も大きな効果が期待できると聞いております。具体的にどのような計画なのか,お聞かせいただきますようお願いします。 また,既に行われているポンプ場の更新により被害が軽減している事例はあるのでしょうか。有効な手だてがあるならば,被害の大きな地域にも新たにポンプ場をつくることはできないのか,その点も御所見をお伺いいたします。 ところで,昨年の12月に行われた衆議院議員総選挙において政権が交代し,自公による新しい政権が誕生し,安倍内閣が発足いたしました。このたびの新しい政府による平成25年度の予算案には,地域における総合的な事前防災,減災対策を支援するメニューが盛り込まれております。これにより福井市における浸水対策の強い追い風になるものと期待を寄せております。 そこでお伺いいたします。 市は下水道の浸水対策について,今後どのように計画し取り組んでいくのか,お尋ねいたします。 次に,下水道施設の老朽化対策と地震対策についてお尋ねいたします。 昨日の今村議員の都市インフラ整備についての質問と重なりますが,下水道事業に特化して質問をさせていただきます。 昨年12月に山梨県の中央自動車道笹子トンネル内で天井板が崩落し,9人の方が犠牲になるという痛ましい事故が起こりました。この事故の原因として,長い年月の経過に伴う施設の老朽化が指摘されておりますが,全国各地の公共施設に対して大きな問題を投げかけた形となっております。 ここで,福井市の下水道に目を向けてみますと,管路,ポンプ場,処理場など,私たち市民が安全で快適に生活をしていく上で必要不可欠な施設には相当な年数を経過し著しく老朽化しているものもあるようです。中には,全面的な更新や補修を行ったりしている施設もあるようです。さらに,大規模な地震が発生した場合には,これら老朽化した下水道施設に対してさらに大きなダメージを与えることが懸念されます。重要なライフラインが機能停止することで公衆衛生上の問題,雨水の排水障害による浸水被害,マンホールの浮き上がりによる交通機能の阻害などが発生し,市民生活に対して深刻な影響を与えることになりかねません。 このように,一日たりとも停止することが許されないこれらの下水道施設の機能を確保していくために,福井市は地震対策を含めた老朽化への対応としてどのような取り組みを行っていくのか,お聞かせください。 最後に,産業活性化と下水道整備のかかわりについて質問いたします。 現在福井市では平成32年度における人口普及率100%の達成を目指して下水道整備を進めていると聞いております。下水道が整備されますと,快適な生活環境が継続的に確保できるため,市民にとって下水道はとても重要なライフラインの一つに位置づけられていることは論をまたないところでございます。 一方,下水道の整備は企業に対しても大きな影響を与えます。企業が立地を検討する場合,高速道路や幹線道路までの所要時間や距離といった交通アクセスと並んで,電気,ガス,上下水道といったライフラインを初めとした社会資本の整備状況は重要な判断材料ともなります。中でも下水の排出先の確保は企業にとって大きな問題であるということは言うまでもありません。 交通アクセスにすぐれているエリアとして,市を南北に縦断している国道8号沿線が上げられます。実際このエリアには多くの店舗や事業所が立地し,商業業務の集積が進んでおります。このうち,付近の市道や県道にはほとんど下水道が整備され,これらの道路に面している企業は下水道を使用できますが,国道8号だけに面している企業は下水道を使用したいにもかかわらず,一部の場所ではいまだ合併処理浄化槽での排水を余儀なくされているところがあると聞いております。 そこでお伺いいたします。 国道8号における公共下水道の整備状況はどうなっているのか,まだ整備されていない,もしくはおくれている箇所があればその理由をお聞かせください。 また,今後市周辺部に下水道整備が拡大されていくと思いますが,市街地の国道8号沿線は下水道整備することが計画されている区域です。店舗や事業所が連檐している商業業務集積地にこそ下水道を整備し,周辺環境を良好にすることで産業の活性化を図るべきと考えますが,今後の計画についてもあわせてお尋ねさせていただきます。 以上,過去の内容と重複する部分もあろうかと思いますが,下水道事業が市民生活や社会活動,経済活動に及ぼす大きな影響力をいま一度認識されて,前向きな答弁をお願いいたしまして,私の質問を終わります。ありがとうございました。 (下水道部長 前川孝君 登壇) ◎下水道部長(前川孝君) 下水道事業についてお答えいたします。 まず,いまだに大きな浸水被害が発生している地区とその原因についてお答えいたします。 昨年9月6日のゲリラ豪雨の際,床下浸水などの大きな被害が発生した地区といたしましては,みのり1丁目,桃園2丁目,木田町,木田2丁目,町屋1丁目,幾久町,そして城東1丁目などがあります。 浸水の原因といたしましては,本市の計画降雨強度の1.5倍となる1時間62.5ミリメートルという大雨によって下水道管及び雨水幹線の排水能力並びに雨水貯留管の貯留能力を超えたことから,地形的に周辺の地盤高よりも低い箇所に雨水が集中したこと,また一部の地区では河川の溢水などが上げられます。 次に,被害の軽減に大きな効果があるポンプ場の更新計画についてお答えいたします。 合流式下水道区域のポンプ場は大雨時にはその排水区の雨水を河川に排出する構造となっております。本市では,この下水道ポンプ場の更新を浸水対策の柱の一つとして位置づけ,取り組みを進めております。 具体的に申し上げますと,福井豪雨後に改定された足羽川への雨水排出量を増強する計画につきましては,既に河川管理者である福井県から同意を得ておりまして,足羽川へ排出する築後50年以上経過したポンプ場の全面的な建てかえを行う際には,排水能力を増強したポンプに入れかえていくというものでございます。 平成25年度の予算として設計業務費等を計上いたしました加茂河原ポンプ場の更新に当たりましては,既存の約2倍の能力を持つ排水ポンプの設置を予定しております。これとあわせて,新たな排水ポンプの能力が最大限発揮できるよう,大きな浸水被害が発生している足羽・桃園地区などから雨水を直接ポンプ場に導水するためのバイパス管の整備を行い,ポンプ場が受け持つ排水区域の浸水被害の軽減を図っていきたいと考えております。 次に,ポンプ場の更新により被害が軽減している事例と,新たなポンプ場の整備についてお答えいたします。 具体的な事例といたしまして,平成23年度に供用開始した泉橋北詰の佐佳枝ポンプ場がございます。このポンプ場が受け持つ排水区域にある日之出地区は大雨のたびに浸水被害が発生しておりましたが,特に被害の度合いが大きかった木田橋通りのNTT西日本ビル付近でも,整備後は目立った浸水被害は発生しておりません。このことはポンプ場の更新に際してポンプの排水能力を約2.3倍に増強し,あわせて駅東方面からポンプ場へ導水する日之出雨水バイパス管を整備したことによる効果が大きいと考えております。 次に,新たなポンプ場の整備についてですが,河川管理者には,堤防の強度を確保し沿線住民を洪水から守るため,堤防に設ける水門やポンプ場からの放流施設などは,統廃合に努めるものとする考えがございます。また,新たなポンプ場を整備するためには用地取得という大きな問題もあります。さらには,老朽化が著しいポンプ場の更新という喫緊の課題もございます。まずは既設のポンプ場の更新を計画的に行いながら,排水能力の増強に取り組んでまいります。 次に,今後の浸水対策の取り組みについてお答えいたします。 まず,ハード対策といたしましては,これまで整備してきました雨水貯留施設や排水ポンプの効果をより高めるため,集水及び排水機能の増強,雨水専用管の新設や道路排水施設の改修など,効果が高いと見込まれる対策に早急に取り組んでまいります。また,雨水の吐き出し先がなく,連続排水ができないところでは,新たな雨水貯留施設等の整備の可能性について検討してまいります。さらに,老朽化したポンプ場の更新も計画的に進めてまいります。 一方,浸水被害を低減するためには地域住民の自助,共助の取り組みが大変重要になります。雨水ます流入口付近に物を置かない,あるいは落ち葉などの除去を行うといった日ごろの管理を促す啓発活動に取り組むとともに,吸水性土のうの保管場所や取り扱い方法の周知などの防災意識向上にも努めていくなど,ハード対策と並行してソフト対策にも力を入れてまいります。 加えて,平成25年度には,これらの取り組みを緊急かつ重点的に実施するため各地区ごとの具体的な浸水対策やスケジュール,さらには住民と連携した,より効果的な雨水浸水対策に関する計画をつくっていく必要があると考えております。 平成25年度の予算には,今後作成する計画の一部を先行する形にはなりますが,雨水貯留管の設計業務や圧送管及びポンプ増強工事などに要する費用として約1億3,400万円を計上しております。 次に,地震対策を含めた老朽化対策への対応についてお答えいたします。 まず,下水道管の老朽化への対応です。 本市は最も下水道整備が早かった合流式下水道の区域を対象に,主として市単独で経過年数による管の老朽化の状況に応じた布設がえや,既設管を利用した管更正を行ってまいりました。 こうした中,平成20年度には国において下水道長寿命化支援制度が創設され,ライフサイクルコスト最小化の視点を持った予防保全的な計画に基づく管路の改築,更新に国の補助制度を活用することが可能となってまいりました。このため平成23年度に足羽川より南の合流式下水道区域において管路の老朽化の状況を調査し,対策の緊急度が高いと判断されました約4.4キロメートルに対して長寿命化計画を策定し,現在この計画に基づき,布設がえや管更正の工事を行っているところでございます。 また,平成25年度には,北部排水区の文京,春山地区において長寿命化計画の策定を予定しており,順次計画のエリアを拡大しながら老朽化への対応を進めていくとともに,耐震性にすぐれた塩化ビニール管や継ぎ手材料を採用することなどによって耐震性の向上にも取り組んでまいります。 次に,処理場やポンプ場などの施設,設備についてでございます。 施設等につきましても,従来は主として市単独で更新,修繕,改築を行い,機能の維持に努めてまいりましたが,国の長寿命化支援制度が創設された以降は,下水道施設として特に重要度の高い日野川浄化センターや境浄化センター,ポンプ場において劣化状況調査を行い,平成22年度に45の機器を対象に長寿命化計画を策定し,現在この計画に基づく改築,更新を進めております。 また,今年度は日野川浄化センターなど処理場6カ所とポンプ場3カ所の機器を対象に長寿命化計画を追加策定しているところであり,今後は順次計画の対象を拡大し,老朽化への対策を進めてまいります。 一方,耐震化への対応といたしましては,耐震基準が変更された平成9年以前に建設されました施設について,機能の重要度や地震における復旧の迅速性などの評価に従って耐震化を進めております。特にポンプ場につきましては昭和20年,30年代に建設された木造の施設もあり,耐震補強の工事ができないため,順次更新にあわせ耐震化を進めているところであります。 次に,国道8号沿線の公共下水道の整備状況についてお答えいたします。 現在国道8号沿いの下馬,板垣付近などでは整備がおくれている箇所が点在しております。その理由につきましては,国道8号の車道部には,スリップ事故を回避する観点からマンホールを設置しないことが望ましいとされており,下水道管はできるだけ歩道部分を占用して工事を行うことで計画しております。 国道8号の歩道の標準幅員は3メートルとなっておりますが,地上部には植樹帯があり,地下には水道管,NTTケーブル,国土交通省の通信情報ボックス,さらには農業用水の大型管渠など,複数の占用物が埋設されております。工事を行うためには障害となるこれら地下埋設物の移設が必要となりますが,容易には移設できない現状がございます。このため,下水道整備の要望があっても,要望される期限内に下水道工事を完成することが非常に難しく,過去において要望に十分応えられなかったものであります。 最後に,この国道8号沿線の商業集積地における今後の下水道計画についてお答えいたします。 下水道管の整備には,道路面から掘削し所定の位置に管渠を埋設する開削工法や,地中に管渠を圧入し所定の位置に管渠を布設する推進工法がございます。これらのほかに,管路の埋設の深さを浅くしてポンプで圧送する方法や,これら複数の工法を組み合わせた方法なども考えられます。 歩行者や通行車両の安全確保,商業者の営業活動への影響を考慮し,どのような方法で歩道内の工事が可能か,現在検討を進めているところであります。今後,国道8号沿線で既に商業施設を立地しておられる方や立地を計画しておられる方の希望をお伺いしながら,道路管理者である国土交通省と協議を重ね,整備に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(野嶋祐記君) 次に,2番 田中義乃君。 (2番 田中義乃君 登壇) ◆2番(田中義乃君) 一真会の田中でございます。通告に従いまして2項目お伺いいたします。 まず,福井市の成長戦略についてお伺いします。 経済再生を最優先課題とする安倍首相は,いわゆるアベノミクス,大胆な金融政策,機動的な財政政策,民間の投資を引き出す成長戦略の3本の矢によって経済を成長させていくとの方針を示し,2012年度補正予算案に盛り込む緊急経済対策を決定しました。 経済再生に向け10.3兆円の国費を投入,政策金融などを含む事業規模は20.2兆円となり,新年度予算案と合わせて15カ月予算と位置づけ,切れ目のない予算執行で持続的な経済成長につなげる狙いです。これによって実質GDPを2%程度押し上げ,60万人の雇用創出効果を見込んでいます。 これまでのところ,金融市場は円安,株高に反応しておりますが,今後も安倍政権への追い風が続くかどうかは未知数であります。物価だけが上がって,企業が利益を賃金に分配しなければ,生活は苦しくなるばかりですし,財政の積極的な活用は一時的な効果はあるものの,ただでさえ巨額の債務が一段とふえるマイナス面もあります。つまり3本目の矢の一つである成長戦略の実行が鍵を握っています。幾ら金融緩和をしても,目標である経済成長のためには民間消費と企業の投資,生産を活発にしないと意味がありません。 2月15日の日本銀行福井事務所の発表によりますと,福井県の景気は横ばい圏内の動きとなっています。公共投資も横ばい,有効求人倍率の改善傾向には足踏みが見られ,金融緩和政策の中でも銀行への預金は個人,法人を中心に前年を上回り,銀行からの貸し出しは個人,法人向けの減少等から前年を下回っています。まだまだ景気が回復しているという実感は乏しいわけですが,今後の福井市の景気動向についての御所見を,まずお伺いいたします。 福井市が成長していくためには,やはり雇用と所得の向上が重要です。 まず,平成24年経済センサスによりますと,福井市の雇用は他都市と比べ,建設業,製造業が低く,卸売業・小売業,宿泊・飲食,サービス業が多いことがわかります。また,平成22年の国勢調査によりますと,福井市の15歳以上の就業者における非正規雇用の割合は,他都市と比べて就業率が低い業種で低く,建設業で12%,製造業で21%となっています。それに対して,就業率の高い業種では非正規雇用の割合が高くなっています。卸売業・小売業で40%,宿泊・飲食で71%,サービス業で36%と,非正規雇用の割合が高くなっていることがわかります。 正規より非正規雇用のほうが給料が低いことは知られておりまして,福井市では第2次産業から第3次産業へ転換が進むにつれて勤労者の所得が減少しているのではないかと思います。 また,福井市の2人以上の勤労世帯での家族1人当たりの年収は福井県の平均より低い結果となっています。 そこで,福井市として,正規雇用の割合をふやすための施策についてお伺いいたします。 次に,民間企業が主役となる福井市の成長戦略についてお伺いします。 成長戦略では,その中核は規制緩和と言われています。2月18日付の福井新聞では,政府は農業に対し従来の発想を超えた大胆な対策を講じるとし,成長産業と位置づけてさまざまな規制緩和を行い,改革を加速させる考えを示しました。 米を中心とした大規模農業,高付加価値の野菜,果樹生産など,農業輸出額も倍増の1兆円を目指すとしており,今後の農業はハイテク産業であり,情報産業であり,技術を世界に輸出する産業になると期待されています。 成長分野と申しますと,環境,エネルギーや医療,介護,地域で言えばアジアと思い浮かびますけれども,福井市における成長分野,成長戦略についての所見をお伺いいたします。 また,そのためにどのような計画を進めているかについて教えてください。 関連して,クール・ジャパンについてお伺いいたします。 クール・ジャパンは,かっこいいニッポンと呼ばれ,世界で注目される日本のコンテンツやファッション,日本食や伝統工芸など,日本独自の文化,伝統の強みを産業化し,官民連携によって国際展開することであります。特に漫画やアニメなど,ポップカルチャーが人気ですが,急速に評価を高めているのが日本の食であります。 日本料理は,ヘルシー志向という世界の食のトレンドに合致し,世界的な日本食ブームが起きています。油を使わず,うまみを中心とした料理は世界でも日本料理だけで,会席料理は1食当たりの食品数が65品目で約1,000キロカロリーですが,フレンチなら23品目で2,500キロカロリーになるということで,日本料理は低カロリーでヘルシーであると世界中のシェフから注目されるということでございます。 日本料理だけでなく,外国料理との相性のよさが認識されつつあるのが日本酒です。テレビでも報道されておりましたが,ニューヨークのミシュランガイドつきジャパニーズ・ダイニングでは,毎晩セレブたちがテーブルの上で日本酒ソムリエのサービスとともに100ドルも200ドルもする日本酒のボトルがあけられています。お客様は今世界で最もクールなのは日本食であり,日本酒だと断言しているとのことであります。 こうして日本の米や野菜,果物,日本酒などは高い付加価値を持って高値で輸出されています。アジア,中国では大気汚染,地下水の汚染が進み,安全で安心な日本の食料は今後ますます世界からの需要がふえ続けると思います。 福井市にも米,野菜など,すぐれた食材が多数あります。しかしながら,まだまだ福井市はPR不足のようです。 稲田行政改革担当大臣はクールジャパン戦略大臣にもなられ,最近では鯖江の黒縁の眼鏡をかけてPRをされています。 市長におかれましては,これまでも福井市の売り込みについて御尽力されてこられましたが,今後より一層のトップセールス,広告塔として「クール・フクイ」推進を熱望いたしますが,どのように戦略を講じられているのか,お伺いいたします。 一真会では,西口再開発ビルを地産地消の拠点にすべきと提案してまいりました。産業,文化,科学技術,教育と,まとめて福井の優位性を発信できる施設とすべきと考えておりますが,市長のお考えをお聞かせください。 次に,県都デザイン戦略についてのうち,福井城址公園整備計画についてお伺いいたします。 昨日の玉村議員の質問と重複するところもございますが,私なりの視点でお願いします。 県都福井市は,震災,戦災から60年がたち,都市全体がリニューアルをする時期に来ており,県庁舎,市庁舎を含み,今後順次更新時期を迎えることが予想されます。 県都デザイン戦略によりますと,福井城址を城下町福井の最も重要な歴史資源として生かし,県都の新しいシンボルとするため,県庁舎,市庁舎を移転,再配置し,福井城址公園として再編するとされています。 県都デザイン戦略では目標年次について短期を福井国体開催,中期を北陸新幹線敦賀開業,長期を2050年と位置づけています。建物の耐用年数の違いもあり,県庁舎移転などは長期計画であるということは理解しておりますが,まず,お堀の中の県庁舎,県議会議事堂,県警察本部庁舎の築年数,耐用年数についてお伺いいたします。 姉妹都市である熊本市の熊本城は熊本城復元整備計画で計画内容が広範囲かつ多岐にわたり,また莫大な事業費を要する計画のため,城域を本丸,保存復興ゾーン,二の丸,緑の遊園ゾーン,三の丸,歴史・学習体験ゾーン,古城,観光客のエントランスゾーン,千葉城,文化交流ゾーンと,5つのゾーンに区分し,それぞれのゾーンに見合った整備を効果的に進めています。 また,計画を短期,中期,長期に分けて整備を進めるとし,平成10年度から平成20年度の短期計画としては南大手門を初め5つのやぐらの復元を行いました。中期計画では,平成20年度から平成29年度までの10年間で築城400年祭の開催や本丸御殿の復元整備をしました。本丸御殿大広間は平成20年に復元完成し,建設費54億円のうち12億円を2万7,000人の寄附を募った熊本城復元基金から支出しており,復元計画が多くの市民から高い評価を得ていることがわかります。 金沢城にも触れておきますが,戦後の昭和24年,金沢城址に金沢大学が開学され,お城の中の大学のキャンパスとして占用されました。大学は平成7年に郊外に移転,平成8年には石川県が国から金沢城址を取得し金沢城址公園として整備を開始,平成11年には金沢城の復元整備事業の第1期工事を着工,平成18年度からは第2期整備事業に取り組んでおります。平成24年度には橋爪門の復元整備に着手し,現在,壁板や平瓦の寄進を募集しています。 このように復元計画を進める上で大切なことは,市民の意識を高め,市民協働による取り組みが重要ですが,福井でもこれまでも長年にわたり巽やぐら建設の一口城主の募集運動など,民間団体による動きが見られましたが,ここに来て,余り聞かれないようでございます。市民の機運を醸成するためにどのような方策を考えているのか,お伺いいたします。 福井でも県都デザイン戦略に福井城址公園の整備とあり,やっと今始まったばかりという感がします。具体的方策として,短期,中期,長期と掲げられておりますが,余りわくわくする夢のあるビジョンが感じられないように思います。 お城を整備する都市は多いわけですから,違いを明確にしないと都市間競争に勝てないわけです。整備や復元の目的や効果,活用策を常に念頭に置いた検討が必要であります。福井市の中心部の観光の核として生かしていくためには相当インパクトのあるものが必要ではないかと思います。 また,市民や民間の協力を得るためには観光客を何万人にふやすとか,観光収入をどれだけふやす等の方針も必要です。今後,2050年,そして22世紀に向けて具体的で夢とロマンのある長期計画,福井城復元計画をじっくりと腰を据えてつくるべきだと思いますが,いかがでしょうか。 福井城址復元に当たっての市民協働の取り組みにおいて,江戸時代の大名がつくった大名庭園を伝承,保存しようとする全国大名庭園サミットに福井も参加したらどうかという声があります。全国の有名な庭園を守る民間の団体が行うもので,毎年1回,各地持ち回りで開催されています。福井も養浩館庭園や一乗谷朝倉氏遺跡,福井城址などの整備,保存について課題とされることも多く,参考になることも多いと思います。絶好のPRの機会でもあり,市民の機運向上につながる事業であると思いますが,行政の強力な支援が必要であります。全国大名庭園サミット参加についての御所見をお伺いします。 最後に,中央公園についてお伺いいたします。 私は中央公園のイメージは,冬のイルミネーションしか頭に浮かばないのですが,結構入り組んでいて陰に隠れるところも多く,防犯上も課題があると聞きます。また,地域のイベントなどにも使いにくいという声も聞きます。 現在中央公園はどのように利用されていて,どのような課題があるのでしょうか。 今後,中央公園は,福井県民会館跡地を含め,石垣の遺構を生かした歴史が感じられる緑の多い開放的な公園整備をするとうたわれておりますが,整備される中央公園のコンセプトについてお伺いいたします。 以上で私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 私からは,福井市の成長戦略についての御質問のうち,「クール・フクイ」の推進と,西口再開発ビルについてお答えいたします。 「クール・フクイ」の推進,つまり福井の魅力をいかに市外に発進していくかということになろうかと思います。 福井の魅力として一乗谷朝倉氏遺跡や養浩館庭園といった歴史資産,風光明媚な越前海岸などの自然,福井の米や野菜などの食材,越前そばや越前ガニなどのおいしい食が上げられます。 まず,これらの素材を市民全体で再認識し,自信を持って全国にPRするとともに,福井を訪れる皆様を温かくおもてなしすることが重要であると考えています。 ところで,昨年10月には東京国際映画祭のオープニングで出演者とともにグリーンカーペットを歩かせていただく機会を得ましたが,その際,全国紙などにも取り上げられ,福井を全国にアピールすることができたと思っております。 今後も観光,食の売り込みなどについて機会があるごとに市民の皆様の先頭に立ち,福井のトップセールスマン,広告塔として福井のPRに努めてまいります。 次に,西口再開発ビルについてお答えします。 本市にはおいしい食を初め,繊維などに代表される地場産業,地元に根づいた伝統芸能などの文化,さらには全国トップクラスの学力にあらわれている教育,人づくり,ボランティア精神など,全国に誇れるものが数多くあります。 こうした福井の魅力を再開発ビルの屋根つき広場,多目的ホール,自然科学学習施設や観光関連施設などで一層魅力的なものに育んだり,内外に発信したりしていきますが,施設単体での運用にとどまらず,各施設の相互連携のもと,一体的に魅力発信を図ってまいります。そして,県都の玄関口に立地していることを生かし,効果的なシティープロモーションを進めてまいります。 (商工労働部長 小倉芳樹君 登壇) ◎商工労働部長(小倉芳樹君) 福井市の成長戦略に関するその他の御質問にお答えいたします。 まず,福井市の景気動向についてでございますが,内閣府が平成25年2月27日に発表しました月例経済報告によりますと,「先行きについては当面一部に弱さが残るものの,輸出環境の改善や経済対策,金融政策の効果などを背景にマインドの改善にも支えられ,次第に景気回復へ向かうことが期待される」とあります。 また,県が平成25年1月に調査いたしましたふくい街角景気速報によりますと,景気の現状判断は12月と比べ小売,製造業において改善される一方,サービス,非製造業においては横ばい,あるいは低下しております。しかし,今後の先行き判断におきましては,全ての業種において改善されるという調査結果が出ており,本市を含む福井県におきましても政府の経済対策への期待感が強くあらわれていることから,今後市内中小企業への波及効果も期待できるものではないかと考えております。 次に,正規雇用の割合をふやすための施策についてお答えいたします。 平成23年11月に公表されました平成21年経済センサス基礎調査によりますと,本市の非正規雇用割合は23.9%となっており,全国の28.5%よりも低いものの,県の22.7%と比較しますと,やや高い割合となっております。 国では,緊急経済対策として失業中などの若者を雇い職業訓練を実施した企業に月15万円を最長で2年間支援し,さらに正社員として採用しますと年50万円を最長で2年間支給する制度を実施する方向でございます。 そのほか,国では正規雇用へのきっかけづくりの事業としまして,職業経験の不足などから就職が困難な45歳未満の求職者を原則3カ月間試行的に雇用するトライアル雇用事業を実施しておりまして,事業主に対して1カ月4万円の奨励金が支給されております。 福井市では,新年度からこの国のトライアル雇用事業による45歳未満の若年者を引き続き正社員として雇用し,6カ月を経過した段階で事業主に対し対象労働者1人につき12万円の奨励金を支給します若年者正規雇用奨励金事業の実施を予定しております。 今後とも各事業のPRに努め,若年者の正規雇用化を促進してまいります。 次に,成長分野,成長戦略と,そのための計画についてお答えいたします。 本市といたしましても,環境・エネルギー関連分野,医療・健康関連分野,情報関連分野やインターネット通販の普及を背景に物流関連分野などが成長が見込まれる分野であると認識しております。このような成長分野に対する産業振興策として,革新的技術実用化支援事業を実施しております。 この事業は,国の成長戦略に位置づけられた環境・エネルギー関連や医療・健康関連の分野において国などの支援を受けて開発しました革新的技術であり,あと一押しで事業化が実現する技術を持つ中小企業者に対し,実証,試作品製造,評価試験に必要な機械装置の導入に係る経費を補助するものでございます。 この支援を通じ,事業の実用化や新製品の量産化への橋渡しを行い,福井の技術が世界に広がる福井ドリームの実現を目指していきます。 企業誘致の施策としましても,成長が見込まれます環境関連,健康関連,情報関連,物流関連などの産業に合わせた企業立地の助成制度を設けております。また,これらの産業にターゲットを絞り,県外企業にアンケート調査を行い,その結果に基づきながら企業訪問等の誘致活動を行っているところでもございます。 今後も産業の動向に気を配り,成長が見込まれる産業を見据えながら,期待のできる分野に対しまして戦略的な支援や誘致活動を行ってまいりたいと考えております。 (総務部長 滝波秀樹君 登壇) ◎総務部長(滝波秀樹君) 県都デザイン戦略についてお答えいたします。 まず,県庁舎,県議会議事堂,県警察本部庁舎の築年数,耐用年数についてでございます。 県庁舎は昭和56年9月に建てられ,築31年が経過しております。県議会議事堂は昭和41年6月に建てられ,築46年が経過しておりますが,平成18年に耐震補強工事が実施されております。県警察本部庁舎は昭和63年3月に建てられ,築25年が経過しております。 耐用年数を築後60年といたしますと,残りは県庁舎では29年,県議会議事堂は14年,県警察本部庁舎は35年となります。 次に,市民の機運醸成の方策についてでございます。 県都デザイン戦略では県民,市民とともに公共空間をつくり上げる仕掛けづくり,城址内の御門ややぐらの復元等に対する寄附の募集,まちづくりの将来像や情報の共有によります機運醸成を掲げております。特に福井城址内の御門ややぐら等の復元に当たりましては,その実現のために市民,県民と行政が協働して取り組んでいくことが重要であると考えております。 平成20年の御廊下橋復元の際には,市と県が整備推進委員会を組織し,ワンコインサポーターやヒノキ板の購入といった運動を展開し,機運を盛り上げてまいりました。今回もこのような運動を参考に市民,県民に働きかけてまいりたいと存じます。 次に,長期計画の作成についてでございます。 県都デザイン戦略では,福井城址,中央公園などを一体化した福井城址公園を長期的に整備するものと位置づけておりまして,御門,やぐら,天守閣などの復元による歴史をしのぶ空間,豊かな緑と開放的で明るい憩いの空間,活動・文化の空間の3つの機能を持った公園にしたいと考えております。 特に歴史をしのぶ空間は,まちなかの観光の核となるものでございますので,整備に当たっては目的,成果を十分に踏まえた計画策定が必要かと考えております。 次に,全国大名庭園サミットについてでございます。 このサミットは,大名庭園民間交流協議会が主催し,特別名勝庭園,名勝庭園を守る各地の市民団体が庭園を生かしたまちづくりなどについて話し合い,交流をするものでございます。 サミットの福井開催については,市内の団体が提案されていると聞いておりますが,本市といたしましては,市内の歴史的遺産の紹介やPRにつながるものとして支援について検討したいと考えております。 最後に,現在の中央公園の利用状況,課題及び整備のコンセプトについてでございます。 中央公園は昭和48年から昭和52年にかけて,まちなかに潤いをもたらす公園として整備されたものでございます。年間を通して市民集会,イベント,各種事業活動の場として,さらには遠足の休憩場所などの憩いの場として多くの市民に活用されております。 しかしながら,全体的に閉鎖的であり,樹木が大きく鬱蒼としており,東側土塁が福井城址との一体感を遮断しているなど,課題も指摘されております。 整備のコンセプトといたしましては,芝生を基本とし,フラットで開放的な,また緑が多く,福井城址と一体的に歴史がしのばれる公園を考えております。 ○副議長(野嶋祐記君) 次に,20番 石丸浜夫君。 (20番 石丸浜夫君 登壇) ◆20番(石丸浜夫君) 志政会の石丸でございます。 越前ガニのシーズンも終わりに近づき,暖かな春の到来とともに越前海岸ではワカメがとれる時節になりました。磯の香りがするワカメは褐藻類コンブ目チガイソ科の海藻で,メカブが大変おいしく,ビールのつまみに最適な逸品であります。3月定例会終了後は皆さんもぜひ新鮮なワカメを食べに越前海岸へおいでください。 それでは,通告に従いまして質問をいたします。 まずは,本市の自主財源と依存財源についてお尋ねいたします。 景気の低迷による市税収入の減少や少子・高齢化による社会保障費の急増など,自治体経営は過去に体験したことのない状況に直面していると考えられます。 本市におきましても,平成25年度一般会計当初予算の歳出規模は社会保障費の増加により1,039億円と,過去2番目の規模となっていることから,市税や国庫補助金などの財源はきちんと確保していくことが大変重要であると考えます。 そこでお尋ねいたします。 本市の当初予算における市税などの自主財源と,国庫補助金などの依存財源の割合が過去3カ年間においてどのように推移しているか,近隣の金沢市や富山市との比較をあわせてお聞かせください。また,それらを踏まえ,本市の状況について御所見をお伺いいたします。 自主財源と依存財源については,自主財源が多いほど財政上は望ましいものと考えますが,本市の厳しい財政事情に加え,地域の活性化や特色あるまちづくりを行うためには国庫補助金の確保は大変重要になると考えます。 2月26日に可決された国の補正予算の中には,例えば,地域の魅力の発信,観光の振興という項目で176億円が計上されております。本市の3月補正予算の中に,これに該当する事業はないように見受けられます。このような各種国庫補助金を有効に活用すべきと考えますが,本市は国庫補助金を確保するためにどのような活動をしているのか,お聞かせください。 次に,地域の元気臨時交付金事業についてお尋ねいたします。 今回可決されました国の補正予算は,日本の経済再生に向けた緊急経済対策事業を実施するものであり,この中には地方の経済対策として地域の元気臨時交付金約1兆4,000億円が計上されております。 本市においては,今回平成24年度3月補正予算と平成25年度当初予算を合わせて約61億2,000万円の緊急経済対策事業が予算化され,そのうち地域の元気臨時交付金を使った事業が約15億4,000万円計上されております。 そこでお尋ねいたします。 地域の元気臨時交付金はどのような事業に使えるのでしょうか。また,地域の元気臨時交付金を使った本市の緊急経済対策事業はどのような分野に重点的に配分し,どのような事業を行うのか,お聞かせください。 次に,安全・安心なまちづくりについてお伺いいたします。 マスコミの報道によりますと,国外の状況ですが,先般北朝鮮により核実験が強行されました。昨年の4月及び12月には事実上のミサイル発射を行い,日本を初めアジア各国,アメリカ合衆国などの間に緊張感を生んでおります。 また,中国との間では尖閣諸島をめぐり自衛艦に対しての射撃用レーダーの照射といった一触即発の緊張した関係にあります。 竹島をめぐる問題に関しても,韓国との間で摩擦を生んでおります。 さらに,先日ロシアのチェリャビンスクに直径17メートル,重量にして1万トンの隕石が落下しました。幸いにも人口密集地でなく,湖に落ちたため,さしたる被害は出ておりませんが,それでも1,000人を超える人がけがをしたと聞いております。この隕石は広島型原爆に換算すると約30倍ということです。 このように人為的に生み出されている危機的状況や自然界からの脅威に,我々日本国民,福井市民がいつ巻き込まれるかもしれないという危機感を最近特に感じております。 こうした危機的状況に対しては,本来は国家が対処すべき問題であります。国民の安全や財産を守ることは日本国の第一の責務であると考えております。 ところで,国の責務はさておきまして,地方自治体においても住民の安全・安心を守る責務がございます。福井市においても第六次福井市総合計画で政策目標に事故,災害などに強い安全・安心な町をつくることを掲げており,具体的に幾つかの施策や実施計画を盛り込み,数値目標も設定しております。 また,東日本大震災を教訓にした福井市地域防災計画も改定されます。災害時においては自助,共助,公助の3つにより対処しなければいけないと私自身も認識しております。 そこでお尋ねします。 まず,第1点目として,自助の観点からお聞きいたします。 地域防災計画は行政側の災害に対する予防,応急対応などのバイブルであると認識しております。しかし,災害時には7割が自助により命が助かっているというデータがあります。また,一般の市民は福井市の地域防災計画に興味を持って隅々まで読む方は少ないと思われますので,今後どのように市民に浸透させ,自助の意識向上を図るおつもりか,お伺いいたします。 2点目は,共助の観点からです。 今回改定される福井市地域防災計画の中では,東日本大震災の教訓を反映するとのことですが,阪神・淡路大震災や東日本大震災の際には,自治体を初め消防,警察など公的機関による救援よりも近所の人の救助により命が助かった事例が多かったようです。 今回の福井市地域防災計画の改定の中で,共助の中心的存在である自主防災組織に関する内容についてはどのように見直しされたのか,お伺いいたします。 最後に,3点目として公助の観点からお尋ねいたします。 市民の安全・安心を守るため,平成25年度当初予算の中でどのような視点で予算編成がなされたのか,また今後,安全・安心なまちづくりをどのように推進していくお考えなのか。 以上3点について御所見をお伺いいたします。どうも御清聴ありがとうございました。 (副市長 清水正明君 登壇) ◎副市長(清水正明君) 私からは国と地方の関係についての御質問のうち,地域の元気臨時交付金についてお答えいたします。 今回創設されました地域の元気臨時交付金は,地域経済の活性化や雇用創出などを目的とし,市単独の建設事業の財源として活用できるものでございます。 交付金の活用に当たっては,道路や河川整備等の社会インフラ整備のほか,緊急性や必要性が高く,かつ早期に執行可能な事業に重点を置いたものといたしました。 具体的な実施事業についてでございますが,非常用貯水装置の整備,小・中学校の耐震補強,浸水対策などの防災・減災対策に11事業,学校及び公民館整備等に3事業,道路整備や橋梁かけかえ等に10事業,基幹公園の整備等に6事業,土地区画整理事業1事業,水道管やガス管の老朽化対策などに2事業,その他フェニックス・プラザの改修や体育施設の改修などに27事業の合わせて60事業につきまして交付金を幅広く活用し,市民生活に密着した社会基盤の整備を早急に進めてまいります。 今後事業の実施に当たりましては,国の緊急経済対策の趣旨を踏まえ,速やかな事業推進を図り,地域経済の活性化に努めてまいります。 (財政部長 高山浩充君 登壇) ◎財政部長(高山浩充君) 私からは国と地方の関係についての御質問のうち,まず自主財源と依存財源の推移につきましてお答えいたします。 歳入総額から自主財源を差し引いたものが依存財源となりますので,ここでは歳入総額に対する自主財源の割合であります自主財源比率を用いてお答えさせていただきます。 本市における自主財源比率の過去3年間の推移でございますが,平成23年度当初予算では50.9%,平成24年度は50.6%,平成25年度も同じく50.6%となってございます。 近隣都市の状況でございますが,金沢市は平成23年度が53.7%,平成24年度が54.7%,平成25年度が55.3%で,富山市はそれぞれ49.5%,51.0%,52.9%となってございます。平成25年度において比較いたしますと,金沢市より4.7%,富山市より2.3%低くなっております。 この要因でございますが,市民税収入の割合が金沢市が21.5%,富山市20.1%に比べまして,福井市は17.9%と,若干低いこと,また人口30万人以上の中核市などにおいて賦課されます事業所税が本市にはないことなどが影響したものと考えております。 次に,国庫補助金の確保についてお答えいたします。 事業の実施に当たりましては,国や県などの補助制度を最大限に活用しまして,財源の確保と効果的な事業の推進に努めているところでございます。 国に対しましては,市長初め担当部局が地元選出国会議員や各省庁に直接出向きまして事業の必要性や内容につきまして説明を行うなど,積極的な要望活動を行いまして補助金の獲得に努めております。今後も補助制度についての情報収集,また要望活動を積極的に行いまして財源の確保に取り組んでまいりたいと思います。 (総務部長 滝波秀樹君 登壇) ◎総務部長(滝波秀樹君) 安全・安心なまちづくりについての御質問にお答えいたします。 まず,市民への自助意識の浸透,向上についてでございます。 阪神・淡路大震災や東日本大震災の際に倒壊した家屋で生き埋めになった人の約7割が自力で脱出されたか,家族により救出されております。災害の発生直後には自治体を初め警察や消防などの公的機関による迅速な救助は期待できないことから,自分の生命を守るための必要最低限の備えは日ごろから確保しておく必要がございます。 今回改定いたします福井市地域防災計画では,市民みずからが自分の命は自分で守るため,非常持ち出し品の準備や避難場所,避難路の周知,災害発生時の危険箇所の周知などに加えまして3日分の食料の備蓄,トイレットペーパーなどの備蓄,家族内の連絡体制の確保,あるいは家具の転倒防止策などを追加しております。 さらに,日ごろから災害への備えを怠らぬよう啓発を図るため,平成25年度には防災ハンドブックを作成し,市内全戸に配布する予定であり,自助の大切さを見やすく,わかりやすく盛り込んだものにしたいと考えております。 また,防災関係の市政出前講座につきましても,さらに内容を充実させ,市民の自助意識の向上を図ってまいります。 次に,今回の福井市地域防災計画の改定の中で,共助の中心である自主防災組織に関する見直しの内容についてでございます。 東日本大震災の際には,避難所運営や要援護者の避難において自主防災組織や,その母体となります自治会などが重要な役割を果たしたという教訓がございます。 さらに,長期にわたる避難生活を強いられます場合,女性の視点に立った避難所運営も必要との指摘があることから,今回の見直しでは,自主防災組織育成計画や災害時要援護者安全確保計画におきまして,自治会長や民生・児童委員及び各種団体間における日ごろからの連携,協力体制を構築すること,避難所運営に当たっては,女性の参画促進に努めること,災害図上訓練いわゆるDIG,避難所運営ゲームいわゆるHUGなどを通じてふだんから共助の意識向上を図ることなどを追加しております。 本市といたしましても住民の助け合いの精神に基づく自主防災組織が災害発生直後における救難救助活動において大きな役割を果たすことができるよう,今後も支援してまいります。 最後に,公助に関する御質問にお答えいたします。 まず,平成25年度当初予算編成の視点についてでございます。 1点目といたしまして,災害対応の拠点施設となります公共施設等の耐震化を図るために,中消防署の建てかえに6億7,000万円,消防団の地区分団詰所の建設費として3,700万円を計上しております。 2点目といたしまして,災害時の初動において重要な役割を持つ救助工作車や泡原液搬送車などの消防車両の整備をするため1億6,900万円を計上しております。 3点目に,避難所としての機能を向上させる観点から,飲料水を確保するための非常用貯水装置の整備費といたしまして8,730万円,災害時マンホールトイレの整備費として580万円を計上しております。 4点目に,津波に対しては迅速な避難が必要となることから,避難路新設地区のルート選定を行う基本設計費や海抜表示板,避難誘導標識の設置費用として480万円を,既設の避難路のグレードアップなどを図るために1,550万円を計上しております。 次に,今後の安全・安心なまちづくりについてでございます。 まず,ソフト面では,学校教職員を対象といたしました出前講座の実施,中学生を対象とした救急救命講座の開催,原子力防災に関する職員研修などを予定しております。 また,ハード面では,公共施設の耐震化の推進,非常用貯水装置や災害時マンホールトイレの整備による避難所機能の向上,河川改修や下水ポンプ場の改築,更新などによる浸水被害の軽減,解消,津波避難路や避難誘導標識等の整備による迅速な避難,モニタリング機器等の資機材の整備によります原子力災害時の的確な対応,災害時の初動対応に重要な消防関係の各種車両の整備などを予定しております。 加えまして,災害時の応援協定の積極的な締結,的確かつ迅速な判断に必要となる気象情報や防災情報収集手段の再構築についても予定してございます。 本市は,戦災,震災,水害,豪雪など,多くの災害を克服しながら安全・安心なまちづくりを進めてまいりました。いつどこででも起こり得る自然災害に対しまして,今後とも高い危機管理意識を持ち,万全の態勢を構築してまいります。 ◆20番(石丸浜夫君) 自席で再質問をさせていただきます。 今副市長は15億4,399万6,000円のこの緊急経済対策費は幅広く使うことができる予算だからということで,学校並びに公園や公民館施設等社会基盤の整備に充てたという答弁がございました。 私は考えるんですけれども,今福井市はだんだん市税収入が減少している中で,やはり税収対策のとれるといいますか,部門といいますか,経済効果につながるような,そういう補助をすべきではないかと思います。 当然社会基盤整備としての学校や防災対策は必要ではあります。必要ではありますけれども,今こういう時期に,税収が上がるような,そういうところへ補助していくこと,当然雇用対策等につながっているということもわからないではないんですけれども,言ってみれば,企業誘致だとか,物づくりだとか,そしてまだまだおくれている観光施設とか,いわゆる収入につながるような補助金に充てるのはいかがかなと感じるわけです。 そういう意味から,今後北陸新幹線,中部縦貫自動車道が開通し,何とか福井の魅力を全国に知らしめるためにも,そういうふうな道路設備,整備等も含めまして,お考えがあれば御所見をお聞かせください。 ◎財政部長(高山浩充君) 今回の地域の元気臨時交付金を企業誘致とか観光施設の整備等に充てることで税収確保につなげていくことが必要なのではないかといった御質問かと思います。 今回の地域の元気臨時交付金につきましては,その充当先が市単独の建設事業の財源となってございます。こういったことから,道路,河川,そういった社会インフラの整備が主になってございますが,その中でも観光振興といたしまして亀島の遊歩道の改修整備事業や国見岳森林公園の整備,また越前水仙の栽培実証事業等にもこの交付金を活用させていただいております。 また,企業誘致等の中小企業に対する事業につきましては,当初予算の中でいろいろと対応させていただいている状況でございます。 ◆20番(石丸浜夫君) 先ほど国への陳情,要望等は,市長が一生懸命行っているということでお答えをいただきました。 福井新聞の紙面なんかを見ていますと,県は知事や議長も写真に写っていて,議会のほうも理事者と一緒に陳情要望しているとお見受けするわけですけれども,市の場合は,市長の顔はよく見えるんですけれど,議長が写真に写っているのは余り見たことがないので,やはり政権与党が,自民,公明両党という形の中で,我が議長も自民党の党員です。やはり両輪のごとくということをこれまで何回も言われています。市長,議長ともに,また経験豊かな議長経験者も,ともに地域のために,福井市のために要望活動をしているのかどうか,またしているのならどういうときにしたということがあれば,お答えいただきたい。これは要望でも結構ですが,こういうことをしているんだということがあれば答弁をお願いします。 ◎市長(東村新一君) 従来から私どもが東京等に要望に参りますときには,議会の議長あるいは委員会の委員長とも御一緒させていただいて要望活動をしてきたところですけれども,政権交代がありまして,そういう枠組みの中での,そういう形での要望というのが非常に難しくなったところがございました。 またさらに政権交代がありましたので,これからの状況を見きわめながら,一緒に行けるところは一緒に行かせていただくというような形で進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(野嶋祐記君) 次に,3番 後藤裕幸君。 (3番 後藤裕幸君 登壇) ◆3番(後藤裕幸君) 志政会の後藤でございます。通告に従いまして質問をさせていただきたいと思います。 まず,有害鳥獣対策への取り組みについてお伺いいたします。 さて,本市においては市民の安全・安心のために,目的別に多くの事業に取り組んでいる中で,特に東日本大震災を踏まえて緊急避難放送を行う設備等の整備や公共施設の耐震構造化の促進を図り,またハザードマップ等を作成することによる市民への安全と予測可能な災害への取り組みも含めた対策を急速に推進しているところだと思います。 いつ起こるかわからない中での災害対策が講じられることについては,財政的にも非常に厳しい中でありますが,スピード感を持って今後も推進していただきたいと思います。 しかし,自然災害による大きな災害がいろいろと起こる中で,自然災害に匹敵するくらい,近年有害鳥獣による被害が大きくなってきていると感じております。特にここ数年,住民からの有害鳥獣の苦情も多く聞く中で,今までにも何人かの議員による議会での質問や住民からの要望活動があったと思います。 本市においては,有害鳥獣対策業務については昨年の4月,林業水産課内に有害鳥獣対策室が設置されました。今日まで,取り組む事業等をいろいろ検討され,いかに事業を展開するのかを協議されてきたと思います。その意味からも室の設置はタイムリーに,よき判断,決断をされたと思います。 そこで,有害獣被害防止対策事業についてお尋ねいたします。 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律で第1条目的では「鳥獣の保護を図るための事業を実施するとともに,鳥獣による生活環境,農林水産業または生態系に係る被害を防止し,あわせて猟具の使用に係る危険を防止することにより鳥獣の保護及び狩猟の適正化を図り,もって生物の多様性の確保,生活環境の保全及び農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保及び地域社会の健全な発展に資することを目的とする」と,なっております。 農作物への被害は,個人または複数で農地周辺に電気柵等を設置し鳥獣の侵入を防止していることで,何ら対策を講じていないところから見れば,被害は少なくなっていると思います。 しかし近年,鳥獣は住民の日常の暮らしを脅かしており,道路や水路といった公共施設,また農業用排水路,農地等の路肩,山ののり面等を掘り起こして踏み荒らす行為が拡大しています。時には,自動車との衝突事故等も多く発生していると聞き及んでおります。 このような事例での対策には,山際に侵入防止柵を連続して設置し,人間の生活圏に入れないように鳥獣を山に封じ込める対策が最大の効果があると思われます。 今後は,今までの電気柵設置より,それ以上の効果が期待されるネット柵設置が推進され,地域住民の連携が必要になってまいります。そして,地域連携によるネット柵設置後も,豪雨,強風,雪,雑木処理,草刈り,木くず等の除去等の管理,そしてイノシシによるネットのかみ切り,潜り込み,柵の転倒等の確認や修繕等の適正な管理が恒久的に必要となってきます。 さらに,防除対策とあわせて,個体数を減少させるための有害鳥獣の捕獲を行い,埋設などの処分を行うことが必要となります。 これらの管理は,個人ではなく集落全体で行う必要があるため,被害に遭っている集落では地域で連携した対策を行うための鳥獣害対策協議会の設立を視野に入れた協議を慎重に行っております。 福井市では,山際の集落を対象に地元説明会を開催し協議会設立を促していると聞いておりますが,現在本市において協議会設立の動きが幾つあるのかをお尋ねいたします。 さらに,協議会を設立した場合,市からどのような支援があるのかをお尋ねいたします。 また,集落単位の鳥獣害対策協議会の設置は農林業の振興のためだけではなく,それぞれの地域を有害鳥獣から守るために推進しているものと考えてよろしいか,御所見をお伺いします。 次に,有害獣被害防止対策事業の補助率等についてお尋ねいたします。 ネット柵を設置する費用の負担率ですが,お聞きするところによりますと,県補助が2分の1,市補助が6分の1ということは,地元負担は3分の1となります。これを見る限り,高齢化率の高い山沿いの過疎化が進んでいる地域住民に多額の費用負担を強いるものであり,今の補助率では地元の方々の理解を得るのは難しく,被害軽減対策の目的達成には,ほど遠いと感じます。 地域によっては非農家の方々の理解も難しく,全ての住民からの理解と経費負担には無理があると考えられます。ましてや,完成しても管理まで任せるようなことでは大変な苦労が予想されます。 事業自体の効果は十分あると思いますが,設置費用や管理に係る負担の軽減を図ってほしいと私自身は思っております。御所見をお伺いします。 次に,イノシシの捕獲おりの設置事業についてお伺いいたします。 現在地域住民の方々からイノシシが出没するとの相談があった場合,市としてはどのような対応をしているのか,お尋ねいたします。 また,イノシシの捕獲おりの購入に当たり,農家組合から助成を求められた場合,市はどのような支援をしているのか,あわせてお尋ねいたします。 次に,ハクビシン等の中型動物による被害への取り組みについてお伺いいたします。 有害鳥獣の被害の中で数年前から問題になっているかと思いますが,近年またところどころでハクビシン等の出没の話を耳にすることが多くなってきております。ハクビシンは一般に外来生物と考えられていますが,移入時期がはっきりしないため外来生物法には指定されていないということでございます。 しかし,実態としては以前より問題となっている主に郊外での農作物被害にとどまらず,都市部での一般家屋への進入が年々増加傾向にあり,屋根裏等での騒音被害とふん尿被害等が多く発生しております。特にふん尿は悪臭やカビの発生の原因になるだけでなく,衛生的にも問題があると思います。そこで,その対策を確立し早急に駆除等を行うことが必要だと思います。 そこで,ハクビシン等の中型動物による被害への取り組みについてお尋ねいたします。 ここ二,三年前からで結構ですが,ハクビシン等による被害等の報告はどれくらいあるのか,お尋ねいたします。 また,ハクビシン等の中型動物駆除の実績があればお答えください。 また,ハクビシン等を発見した場合,どのように対応したらよいのか,その方法等もあわせてお尋ねいたします。 質問は以上で終わります。ありがとうございました。 (農林水産部長 平林達也君 登壇) ◎農林水産部長(平林達也君) 有害鳥獣対策への取り組みに関する御質問についてお答えします。 まず,本市における集落単位での鳥獣害対策協議会設立の動きについてお答えします。 今年度から有害鳥獣対策室では集落ぐるみで鳥獣害対策を行うための組織である鳥獣害対策協議会を立ち上げるため,市内の山際集落を対象に地元説明会を開催してきました。その結果,2月26日現在協議会を立ち上げた集落が27集落,立ち上げを予定している集落が30集落,立ち上げを検討している集落が9集落ございます。 今後は,協議会の立ち上げを予定あるいは検討している集落に説明に出向き,より多くの集落が協議会を立ち上げるよう努めていきたいと考えております。 2点目として,協議会を設立した場合の市からの支援についてお答えします。 まず,市民みずからが狩猟免許を取得し,猟友会と一体となって捕獲を実施することにより,より効果的な駆除が行えることから,狩猟免許試験受験料,更新料に対する支援を行うとともに,これまで年1回の開催であったアライグマ捕獲従事者養成講習会を,協議会を設立した集落に出向いて開催してまいります。 また,集落の住民が被害防止対策に関する知識を身につけ,集落に適した対策を実施するために地域リーダー育成研修会の開催,県,関係機関と連携しての専門家による技術指導や被害防止対策の情報提供を行ってまいりたいと考えております。 3点目として,集落単位の鳥獣害対策協議会の設置は,それぞれの地域を有害鳥獣から守るために推進しているのかとの御質問についてお答えします。 鳥獣害対策を効果的に進めるためには,住民が個々に対応するのではなく地域ぐるみで対応することが重要であると考えており,農業被害だけではなく生活被害にも対応するため,地域の住民が一体となった協議会の設立を推進しております。 鳥獣害対策は一つの集落だけではなく,複数の集落が連携して取り組むことがさらに有効であると考えられることから,集落並びに地域が連携するよう働きかけを行っているところです。 4点目として,ネット柵の設置費用や管理に係る負担の軽減についてお答えします。 ネット柵の設置費用に係る補助については電気柵などの他の事業に比べて補助率を高くしておりますが,防除効果を高めるため近隣集落と連携してネット柵を設置する集落に対しては,市の補助率を4分の1に引き上げることで地元負担を3分の1から4分の1に軽減することを検討したいと考えております。 また,ネット柵設置後の下草刈りや簡易補修等の管理につきましては,農地・水保全管理支払交付金による支援の対象となっておりますので,負担を軽減するためにはこれらの制度を有効に活用していただきたいと考えております。 5点目として,イノシシが出没した場合の市の対応と,イノシシの捕獲おりの購入の際の農家組合に対する市の支援についてお答えします。 イノシシが出没した場合,被害を受けた農家等からの捕獲申請に基づき,福井県猟友会高志支部会員で構成する有害鳥獣捕獲隊が市の所有する捕獲おりを速やかに設置する体制を整えております。また,積極的に防除対策に取り組む農家組合が捕獲おりを購入する際には,市として費用の2分の1を補助することとしております。 6点目として,ハクビシンなどの中型動物による被害報告件数と駆除実績についてお答えします。 中型動物による生活被害の報告件数と駆除実績は,平成21年度報告件数69件,駆除実績110頭,平成22年度112件119頭,平成23年80件80頭となっており,平成24年度は2月末現在で151件196頭となっております。 最後に,ハクビシンなどの中型動物を発見した場合の対応の方法についてお答えします。 中型動物による家屋侵入被害対策としては,動物を生活区域周辺に近づけないよう,ごみの始末や収穫しない農作物の除去などを徹底して行うことが必要です。また,家屋へ侵入されないよう,床下や軒下を閉塞することも重要な対策の一つです。 被害が発生した場合には,市民の皆様からの通報に基づき,職員が現地確認を行った上で有害鳥獣捕獲隊が現地に出向き,おりによる捕獲に努めております。 ◆3番(後藤裕幸君) それでは,自席から一,二点,私の考えを述べたいと思います。要望になるかもわかりませんが,お聞き願いたいと思います。 地元での説明会においては,先ほど私が質問の中で言ったとおりでしたが,福井市の補助率も6分の1から4分の1にすることも検討したいというお答えをいただきました。福井市の取り組む姿勢が少し見えているかなと私は感じております。 ただ,ことしの2月頭の時期では13団体ぐらいが鳥獣害対策協議会の設立について協議していると聞いておりましたけれども,今お聞きしましたところ,結構な数が出てきているので,少しびっくりしております。 やはり福井市は美山地区から始まって越廼地区までずっと山伝いがございますので,距離的にはすごい距離になるかと思いますし,これについてもこれまでは農林サイドでの事業という形で考えておられるようですが,私自身は,やはりこれも一つの自然災害というふうな認識を持っております。 今までのこういう農林水産部の事業は受益者負担というのが前提で,いろいろなものがたくさんあろうかと思います。これが自然災害となったという認識を持てば,もう少し行政の支援がいただけないかと思います。やはり先ほど言ったように,本当に福井市は山伝いにずっと市街地ができておりますので,延々とすれば,本当に長い距離になります。今問題になった地域では,ざっと見積もっても6キロメートルというような計算になっております。 そういう意味で,ネット柵については高さ2メートルというふうな説明も受けておりますけれども,地域によって高さの制限,また設置箇所,設置方法等がいろいろ変わるかもわかりませんけれども,それについても,やはり福井市として,規制を余りかたくしないで,できるだけひとつ温かい支援をお願いしたいと思います。 最後になりますけれども,本当にこれからこういうものも市民に対する本当の支援策として大きな施策になりますので,これからの予算措置においてもこういうところにどんどん入れていただいて,安心な地区にしていただきたいと思っております。 要望で終わります。 ○副議長(野嶋祐記君) 次に17番 田村勝則君。 (17番 田村勝則君 登壇) ◆17番(田村勝則君) 通告に従いまして2点,お尋ねいたします。 まず第1に,越前水仙の里温泉波の華についてお尋ねいたします。 波の華はここ1カ月ほど休館しております。地元の人たちや,温泉ファンの人たちのために,現在どのような方向で進んでいるのか,これから先,いつ開業できるのかということを,このケーブルテレビ放送を通じて伝えてほしいと思います。 次に,国民宿舎鷹巣荘についての質問に移ります。 かつて私も越廼村の時代に旅館をやっていました。その当時,越廼村にもレストランや旅館また民宿など三十数軒が営業しておりました。それなりにもうかっていたと思います。それが今では20軒ほどが廃業しております。寂しくなって,現在越廼地区の観光は結構廃れているのであります。こんな中で,私は同業者として,また経験者として質問いたしますので,よろしくお願いいたします。 国民宿舎鷹巣荘についてお聞きしたいと思いますが,さきの新聞紙上に鷹巣地区,国見地区,越廼地区の旅館業者が鷹巣荘の改修,運営継続に反対している旨の記事が記載されていました。ちょっとしたうねりを感じているところでございます。 国民宿舎鷹巣荘は,昭和44年に完成し,以来四十数年が過ぎようとしています。この間,市や地元の思い入れとは裏腹に,利用者の減による経営難や設備の老朽化など,廃館に追い込まれても仕方がなかった状況でありました。これら幾多の問題を抱えながらも,それを乗り切る方策をめぐらし,観光宿泊施設として今日に至っております。 平成5年に温泉を採掘しました。加熱,加水することもなく,また泉質もよく,源泉かけ流しの温泉風呂として非常に評判がよかったことと思います。口コミで温泉の評判が広がったことは,まだ記憶に新しいものです。 バブル崩壊後の長き不況による税収減により,公共施設が財源を圧迫することになりました。また,公の施設のあり方の見直しの中で,議員が鷹巣荘を名指しして,建てかえや改築してまで営業していく必要があるのかという検討,費用対効果からの検討,住民が現在も望んでいる施設なのかどうかの検討が必要であると認識しているという意見に,理事者から,公共施設は市直営や委託しているものの中で,将来廃止すべきものをチェックする必要もある。さらに,費用対効果も含め計画的な修繕を行うことによって費用の削減と老朽化対策を図っていくと答えている。こういう事情の中,公共施設の廃止もあり得るという発言もありました。 平成17年度から民間事業者の持つ経営能力を活用し,多様化する住民のニーズに合わせた,よりよいサービスが提供できるようにと指定管理者制度を導入し,民間に業務を委託しました。改築もあわせて行い,利用者もふえ,経営的に黒字に転じております。 所管課の所見では,設備面での不自由さ,建物の老朽化などマイナス要因が多いものの,季節に合わせた企画の提供やサービス向上により利用者の満足度を高めている。福井市のイメージアップと観光誘客につながっていることを期待しているとございます。 そして,平成25年3月末に指定管理期間を終えるということですが,平成20年には耐震診断を行っています。結果,耐震性がかなり劣るD判定と認定され,経年劣化,老朽化が著しく,建物本体が補強の困難な状況になっている。地震の際には建物の崩壊は否めないとしています。 市として,一度は鷹巣荘を取り壊さざるを得ないと発表しました。しかしながら,比較的安価に短期間で整備ができる減築と耐震補強を行う方針を決め,公共の宿,源泉かけ流しの温泉,食べ物や眺望など,魅力的な宿泊施設を目指す方針を決めました。比較的安価に短期間で整備ができることまでは知らされていましたが,そのこと以外は知らされておりません。 私は,一度,開業以来から振り返って収支のバランスはどうだったか,地元,市外,県外の利用者はどうなのか,市民が求めているのか,地元の住民また民宿,旅館業者はどう考えているのかなどを検証し,リフォームによる部屋数の減による収支のバランスにおける費用対効果,耐震強化後にいずれ起こり得るだろう修繕費や改修費など,長い期間で見た総合的な判断も必要だと思います。 当然市として検証されたと思いますが,そのことを公に示し,営業の継続が可能か,また廃業のほうがいいのかという判断を多くの関係者に委ねるべきだと考えております。 地元の越前海岸旅館組合の組合員は,年々減少しております。今営業している経営者は,現設備のまま,ぎりぎりのところで踏ん張っている状態です。設備投資や改築などにはとても踏み切れるものではありません。多額の費用をかけて改築する鷹巣荘は,少なからずとも旅館組合員が納付した税金が含まれています。組合員は自分たちが納めた税金が自分たちの生活を脅かそうとしていると感じているのではないでしょうか。 国民宿舎の成り立ちやこれまでの現状,いきさつなどを十分に理解している住民にも,指定管理者制度を導入までして開業するなら廃止して,地元の旅館業者に力を発揮させればいいのではと考え,もったいないことをすると思っている人も少なくないと聞いています。 市にとって耳ざわりで好ましくない声が聞こえるのは,そもそも減築,リニューアルすることの決定を見るまでのプロセスが地元住民に見えなかったことが原因ではないかと思いますが,納得していただくことや御理解していただくことの努力をいま一度考慮してみてはいかがでしょうか。 くどいようですが,費用対効果面から,また経営面で先細りがある程度見えているならば廃館するとか,そうでないなら,同業種の理解を得るための方策や協力体制を考えるなど,客の奪い合いにならないよう配慮していくのが公としての使命であります。 異議を唱える人たちが望まれていることだと思いますが,今からお聞きする質問は,後先になるかもしれません。また,さきに質問があったかもしれませんが,細かくお答え願いたいと思います。 まず,オープン以来,黒字赤字を含めて経営的,利用者数から見て満足できるか,満足できたと判断する年数はどれくらいあったのか。内訳として温泉源を採掘してから,指定管理期間分は何年分が含まれているのかもお答えください。 また,指定管理者制度の導入決定時の年間宿泊者数と事業収益の目標達成ぐあいはどうか,また,歳入から歳出を引いた純事業収益は幾らあったのか。年々上向きになっているのか。指定管理期間の目標の達成率はおおむね数字であらわすと何%か。 宿泊者受け入れ人数にも増減がありましたか。増減があったならば,どのような状況と理由であったのかもお答え願います。 利用者数の推移ですが,分析すると県外,県内,市内の割合は,どのような割合ですか。この10年間はどうでしたか。 また,国民宿舎の定義を教えてください。 確かに鷹巣荘は風光明媚な越前海岸の魅力をふんだんに楽しめる景勝地にあります。また,嶺南や嶺北の観光地を訪れる県外客が1泊するには絶好の位置にあり,大いに恵まれていると思いますが,果たして実態はどうでしょうか。県外からの大型バスの激減,自家用車の素通り等,その効果は余り望むものではないのが現状です。 そこで,福井市を訪れる観光客の人数を教えてください。その中で越前海岸を訪れた人数も,概算でよろしいですからお答え願います。 減築,整備をして,日帰りで温泉を利用する者の受け入れも考えているようですが,国民宿舎として宿泊しない利用者の受け入れも可能な範囲であると判断しているのか,日帰り利用者には入浴料や食事代も見込んでいるのかなどについてお答え願います。 また,公営の国民宿舎については利用者の減少,老朽化,行政改革等により廃止される設備もあると聞いていますが,全国での廃止数と,どのような廃止条件,判断があったのか,お答えください。 公共施設等の建設や改築などを実施しようとする際,昨今は必ずと言っていいほど費用対効果での判断を迫られます。私はそれだけの判断ではあってはならないという考えも持っております。 お聞きします。 鷹巣荘の継続運営を行おうとする決定は,県外の観光客誘致につながるからなのか,それとも見込んでいる県外の観光客がいるから継続するのか,それとも市内に必ず国民宿舎がないといけないのか,ステータスなのか,お答え願います。 先ほど地元で見直してほしいとか,考え直してほしいとの声があることをお話ししましたが,市ではそのような声があることはいつごろ知ったのでしょうか。 また,地元では,新聞や市議会だよりを見て初めて鷹巣荘の今後の方向性や計画を知ったといいます。市長は今後の進め方として跡地の有効利用を地元の意見を伺った上で基本構想を作成していく旨を発言しましたが,地元住民の意見を伺う機会をいま一度持ちませんか。あわせて,決定に至るまでのプロセスを事細かにお答え願います。 減築した場合は50人程度宿泊できる計画ですが,1部屋に1人または2人の利用者も見込んでいるのか。繁忙期にそのような利用者がいることも考えられます。これまでの利用者の1室の利用人数の平均をお答えください。 そういったことを含め,費用対効果をどのように見込んでいるのか,耐震補強や改修整備に投じた費用は何年ぐらいで取り戻せると考えているのか。減築,リニューアルの費用も含めてお答え願います。 四十数年を過ぎても多額の費用をかけ耐震補強をすれば,使用可能であることは理解できますが,その後の耐用年数とか利用者に応じた改修や,当然起こり得る修繕などは避けられるものではありません。 お聞きします。 減築,リニューアル後の耐用年数はどのくらいを見込んでいるのか。また,使用の要望による修繕や経年劣化による修繕などを含めた費用はどのように考えているのか。耐震補強や修繕に投じた費用は何年くらいで取り戻せると考えているのか。減築,リニューアルの費用も含めてお答えください。 以上で質問を終わります。 (商工労働部長 小倉芳樹君 登壇) ◎商工労働部長(小倉芳樹君) まず,越前水仙の里温泉波の華の休業についてお答えいたします。 波の華は,2月14日から休館しております。この原因につきましては,温泉をくみ上げる源泉ポンプの故障でございまして,波の華への温泉の配湯ができなくなったためでございます。 このポンプの故障は,温泉井戸に何らかの原因で異物が滞留し,それがポンプに詰まったことによるものとの報告を受けております。現在滞留物の分析,温泉の水質検査を実施するなど原因究明に努めており,その結果を踏まえ適切な処置を実施してまいります。 調査期間は1カ月程度を要するため長期休業を余儀なくされており,お客様に御迷惑をおかけしておりますが,できる限り早く再開できるように努めてまいります。 次に,国民宿舎鷹巣荘についてお答えいたします。 まず,鷹巣荘の経営状況についてでございますが,平成17年10月の指定管理者制度導入前後で大きく変わりましたのが特徴的でございまして,それまでの赤字経営から黒字経営に転換しました。そして納付金を納めていただいておりますので,満足と言えます。 その満足という期間につきましては,本年3月末までで指定管理者制度導入後7年6カ月になるということから,その7年6カ月が満足と言える期間だと認識しております。 次に,指定管理者制度導入の目標達成状況についてでございますが,指定管理者制度導入後の平成18年度の年間宿泊数は1万3,102人であり,指定管理者が応募の際に設定した目標であります1万1,500人と比較しますと113.9%となっております。また同様に,事業収入実績は1億7,706万8,000円であり,目標の1億5,601万円と比較しますと113.5%となっており,宿泊者数及び事業収益ともに目標を達成しております。 純事業収益とその変動でございますが,利用者数が平成20年度から減少してきております。経営に工夫を凝らしていただきながらも,収益は少しずつ減少してきているものと考えております。 また,指定管理者が応募の際に設定した目標の達成率につきましては,平成18年度から平成23年度の期間中の平均で,宿泊者数は96.3%,事業収入につきましては97.8%となっております。 次に,宿泊者受け入れ人数の増減についてでございますが,指定管理者制度導入以降の平成18年度,平成19年度と増加し,その後減少に転じ,平成21年度,平成22年度にはリーマン・ショックの影響による景気後退も受けまして,前年度と比べまして平成21年度は約7%,平成22年度は約10%減少しました。しかし,平成23年度は約2%の増加となったところでございます。 次に,利用者数の県外,県内,市内の割合でございますが,データ的には現在平成20年度以降の県外と県内の別で持っておりますので,申しわけございませんが,平成20年度以降のデータで述べさせていただきます。 平成20年度には54%であった県外客の割合が平成21年度には71%,平成24年度には81%と,大きく増加してきております。 次に,国民宿舎の定義でございます。 国民宿舎とは,自然公園や国民保養温泉地等の自然環境にすぐれた休養地に建てられた宿泊機能を有する施設のことでございます。 昭和31年,当時の厚生省が制度化したもので,日本国民の健全なレクリエーションと健康の増進を図り,国民の誰もが低価格で,しかも快適に利用できることを目的としたものでございます。 建設に係る費用は厚生年金保険積立金還元融資や国民年金特別融資を受けることができるというものでしたが,平成12年度にこの制度は廃止されております。 国民宿舎は,その名称での信頼から安心して利用できる宿泊施設ということで,知名度と人気を有しているものでございます。 それから,越前海岸を訪れます観光客の人数でございますが,平成24年度は速報値では51万人という数字が出ております。 次に,日帰り温泉利用客を受け入れることはできるのかについてでございますが,日帰り温泉利用客の受け入れは可能でございます。先ほども申し上げましたとおり,日帰り温泉施設のみの施設となりますと国民宿舎という名称は使うことができませんが,国民宿舎であっても日帰り温泉は可能だと御理解していただきたいと思います。 次に,全国の国民宿舎の廃止数また廃止判断につきましては,社団法人国民宿舎協会によりますと,平成15年から平成24年までに86の施設が廃止され,現在は全国で118施設となっております。 主な廃止の判断としましては,老朽化による廃館,民間事業者への売却等でございます。 次に,地元からの見直しの声についてでございますが,本年2月になって初めて一部の旅館業者から見直してほしい,考え直してほしいとの要望をお聞きいたしました。 しかしながら,これまでも答弁いたしておりますように,旅館業者の方々も加入されております地元自治会連合会,商工会からの要望もございまして,鷹巣荘の存続は地元の総意であると受けとめております。地元の強い要望,施設の有効活用,さらには国民宿舎という名称から知名度や人気も高く,観光振興の面からも必要であるとの考えから減築による再整備の方針を示し,地元自治会連合会からの同意を得ております。そういったことから減築の方向で進めていきたいと考えております。 議員からその他の御質問をいただいておりますが,データ等の持ち合わせがございませんので,また後ほど回答させていただきますことをお許し願いたいと思います。 ◆17番(田村勝則君) 先ほど国民宿舎の定義を教えていただきました。 国民宿舎の定義の中で,日本国民の健全なレクリエーションと健康の増進を図り,国民の誰もが低価格で快適に利用できることを目的として昭和31年に制度化されたと答えられました。 その中で,今鷹巣荘の近くの畑の中で大規模太陽光発電事業を考えていらっしゃいます。それと,あそこにはレクリエーションの基地として,釣り堀や農園,ミニ体育館,テニスコートなどがありましたが,これはリニューアルして,また使えるのでしょうか。これが使えなかったら国民宿舎という名前は廃止しなければなりません。ただの鷹巣温泉です。この意見に対してお答え願えますか。 ◎市長(東村新一君) 従来から全体的には,市が借り入れた部分も含めてリゾート開発という名のもとに福井市が保有していた土地でありますけれども,鷹巣荘が建っている部分につきましては,その中の一部であります。近隣に,今御指摘の釣り堀のようなものが残っていたり,あるいはミニ体育館であったものが残っていたりということはございますけれども,これらについても土地の利用形態は,今後まだ検討しなければならないと考えております。 したがって,これらの施設そのものは鷹巣荘とは別物でありますので,鷹巣荘と一体的な施設とは理解しておりません。 ◆17番(田村勝則君) 鷹巣荘と一体とは考えていないということですが,さっきも言ったとおり,国民宿舎とは,自然公園や国民保養温泉地,それにプラス健全なレクリエーションと健康の増進を図り国民の誰もが低価格で,しかも快適に利用できることを目的として昭和31年に制度化されたということです。ここにひっかかるのではないかということを言っているんです。 そして,私が細かく質問しているのは,多分宿泊施設を持つ経営者や地元の住民が知りたがっていることだと思っています。 今までお答えいただいたことを地元説明会でいち早くお知らせし,営業継続でも廃業でも,今後どのように進めていくことがいいのか,どのようなことが地元のためになるのか,観光振興につながるのか,判断すべきではないかと思います。 定めたことを説明会で理解していただくだけでは納得させられないと思います。私も質問のお答えを聞きながら,納得と判断がつかなく,だんだん反対の意見に回ってきました。 それで,ひとつ理事者に申し上げます。この問題はスタートラインに立って,いま一度考え直してはいかがでしょうか。即答えは要りません。今答えても同じです。よく考えてからで結構ですから,お答え願います。 先日,ロシアのプーチン大統領が北方領土の問題で新聞に載っていました。あれはどちらも勝たずに,どちらも負けず,相撲で言う引き分けというようなニュアンスの題目でした。 それで,これも引き分けではなく,スタートラインに立ってもう一度地元の業者,地元の住民と話し合いをして,結果どうなろうと,話し合う場を持ってお互いに納得できる答えを出していただきたいと思います。 ◎市長(東村新一君) 健全なレクリエーション施設とか健康の増進ということが,先ほど申されました釣り堀であるとか,ミニ体育館がなければならないというものではなくて,バーベキューの広場であるとか,あるいは温泉施設であるというものが十分にそれをクリアできる施設であると理解して,従来からその形の中で国民宿舎としての位置づけをとらせていただいております。 それから,この問題は,2年前に指定管理期間を2年間延ばしながら,その間にどうするかを検討するということで,昨日もお答えしましたように,平成23年10月ぐらいからの議論であったかと思っております。 したがって,今回減築の工事をするにしても一旦,休業しなければならないわけですけれども,今お話のあるように延ばしていけばいくほどさらに休業期間が延びてしまうという大きな問題を抱えます。 先ほどもお答えさせていただいたように,県外からの利用者が非常に高い,81%というような数字を持っています。 今福井市では,観光の拠点を一乗谷朝倉氏遺跡,それから越前海岸,そしてまちなかと,3つに分けてやっていこうというふうに取り組んでいるわけです。 先ほども商工労働部長が答えましたように,指定管理者制度を導入してから,やっと黒字経営になってきた。また地域の方たちもそこを集客施設としながら,いろいろと地域おこしの事業を行ってきた。そういう思いの中で,地元の皆さんは何とかこれを残してほしいというような話であったと私は理解しております。 そういう中で,短期間で改修しながら,そして観光の拠点として活用していくということにおいては,従来からもいろいろと検討してまいりましたけれども,その中では,この方策が一番いいという判断をしている次第です。 ○副議長(野嶋祐記君) ここで暫時休憩します。午後3時40分から再開します。             午後3時24分 休憩──────────────────────             午後3時41分 再開 ○議長(見谷喜代三君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 一般質問を続けます。 22番 西本恵一君。 (22番 西本恵一君 登壇) ◆22番(西本恵一君) 公明党の西本でございます。 それでは,通告に従いまして質問いたします。 まず,平成25年度当初予算案についてお伺いします。 まず最初に,有害鳥獣対策事業のカラス対策についてお伺いいたします。 昨年JR福井駅東口周辺で多くのカラスが飛来するようになったと聞いておりましたけれども,ことし1月に入りましてから新幹線高架の電線を初め,私の住んでおります日之出地区の一部地域でもカラスの群れが襲来するようになってまいりました。電線下の道路にはふんがまき散らされ,沿線住民の朝の仕事はふん掃除から始まっております。なぜこの地域にカラスが襲来するようになったのでしょうか。 このカラスが襲来するようになった1月中旬といえば,ちょうど福井駅西口中央地区市街地再開発事業によるビル解体が始まった時期と重なります。市街地再開発事業によってカラスの飛来する場所が変わり,不気味な景観を市街地につくり出し,ふん害や鳴き声による騒音の被害をもたらした可能性があると思われます。 来年度予算案の有害鳥獣対策事業の中にカラス対策がありますが,どのような内容を考えられているのでしょうか。 さらに,大変困難だと思われますが,この地域への対策を要望しますが,御所見をお伺いいたします。 続いて,通学路危険箇所についてお伺いいたします。 1月25日,国土交通省が発表したデータによれば,福井市の通学路における緊急合同点検の実施学校数は17校,危険箇所数と対策必要箇所数はそれぞれ39と報告されております。この点検実施校及び危険箇所はかなり少ないように思われますが,この点について理由をお伺いいたします。 また,通学路の安全確保の認識を地域で共有する観点から,対策必要箇所や対策内容など,ホームページで公表するように国は求めております。しかし,県内11の市町及び金沢市や富山市などが公表しているにもかかわらず,福井市は公表をしておりません。その理由を教えてください。 最後に,市長の当初議案の提案理由の中で,通学路危険箇所について今年度に実施した緊急合同点検を踏まえ対策を講じるとされております。国の平成24年度補正予算として通学路等の交通安全対策等で137億円が計上されましたが,この国庫補助事業を利用しているのかどうか,さらに,通学路危険箇所について具体的にどのような対策を行う予定なのかをお伺いいたします。 続いて,学校耐震化についてお伺いいたします。 文部科学省では,平成27年度までのできるだけ早い時期に学校施設の耐震化完了を目指すという目標を掲げており,国の平成24年度補正予算で公立学校の耐震対策等に対応するため1,884億円を計上し,事業計画の前倒しを図っております。当初議案の提案理由の中では,C判定についての学校耐震補強工事について,各種防災・減災対策制度を積極的に活用し,事業進捗のスピードアップを図っていくとしておりますが,具体的に今までの予定と比べて何が変わるのか,御所見をお伺いしたいと思います。 4点目,浸水対策についてお伺いいたします。 昨年の9月6日,福井市の1時間当たりの計画降雨強度43.1ミリメートルを大きく上回る62.5ミリメートルの雨が降り,市内の各所で浸水がありました。地球温暖化やさまざまな環境の変化がゲリラ豪雨を降らせる要因となっており,今後もこれ以上の大雨が降る可能性が高いと予想されております。 そこで,これも同じく市長の当初議案の提案理由の中で,浸水頻発区域における都市型浸水対策や河川浸水対策及び下水道事業における雨水貯留管や貯留槽,ポンプ場整備などの雨水浸水対策を計画的に実施していくとなっておりますが,具体的にどのように取り組まれるのか,御所見をお伺いいたします。 続いて,大きく2番目の施設マネジメントについてお伺いいたします。 先般福井市施設マネジメント基本方針を示され,その対策として施設情報を一元管理し,サービスのあり方や施設の総量をコントロールしていくなど,4つの指針の推進を掲げられました。 方針そのものは理解しておりますが,私が最も知りたいのは,具体的にどの施設をいつどのようにしていくのかという詳細な計画であります。 特に1962年に建設された市役所別館は以前から指摘されておりますが,耐震診断がE判定であり,危険な建物となっております。この別館には福祉保健部や市民生活部などの職員が常駐し,多くの市民が訪れる場所となっております。もしやの大震災によって崩れ落ちて多くの人命が損なわれる可能性が高く,早急の対策を実施すべきだと思います。 昨日,大規模改修をして長寿命化を目指すと答弁されておりましたが,いつ実施されるのか,どのように考えておられるのか,お伺いいたします。 また,それ以外の施設についても,少なくとも築30年以上たったものについては具体的な計画を早期に示すべきだと思いますが,いつこの計画が出されるのか,御所見をお伺いいたします。 なお,本市の学校施設については,建築後30年以上経過した建物が全体の約6割以上になっており,校舎等の老朽化が深刻な状況となっております。 文部科学省が昨年8月に公表した学校施設老朽化対策ビジョン(仮称)の中間取りまとめによれば,老朽化対策の今後の進め方として中・長期的な整備計画の策定,建物の長寿命化,規模の適正化などの重点化の必要性を示しております。 こうした検討結果を踏まえ,国の平成25年度予算案では,建物の耐久性の向上やライフラインの更新等への補助を行う長寿命化改良事業を導入されると聞いております。この事業を活用することで通常学校施設は40年程度で改築や建てかえがなされているものが,技術的には70年から80年程度の使用が可能となり,改築と比較をすると,工事費のコスト面だけではなく,廃棄物が抑制されるなど,環境面においてもメリットが生じるとされております。 そこで,本市でも中・長期的な整備計画を策定の上,長寿命化改良事業を積極的に活用し,効率的かつ効果的に対策を進めるべきと考えますが,学校施設の老朽化の現状と今後の対策についてお伺いいたします。 続いて,発達障害のある生徒の特別措置についてお伺いいたします。 2005年発達障害者支援法が施行され,これを受けて徐々に発達障害のある子供たちへの支援が進んでおり,大学受験のセンター試験におきましても,高機能自閉症,アスペルガー症候群,学習障害,注意欠陥・多動性障害,広汎性発達障害の生徒への特別措置が認められ,一昨年から実施されております。 この特別措置とは,1つ目として試験時間の1.3倍延長。2つ目として問題の文字を1.4倍に拡大をする。3つ目として別室での受験。4つ目として注意事項の文書による伝達。5つ目として,会場の入り口まで付き添いができる。最後に,マークシート方式ではなく,回答欄にチェックで回答ができるといったものでございます。ただし,こういった特別措置に対して他の受験生から批判が出る可能性があることや,一人一人の障害の程度には差があり,障害の状況を数値などで示すことが困難であるため,出願のときは障害の状況を示す医師の診断書や状況報告,意見書を提出しなければなりません。 本年度のセンター試験では,チェック解答で35人,それ以外で115人の志願申込者があったようですが,センター試験全体の志願者は57万人余りですから,そのうちの0.03%弱にとどまっております。小・中学校の通常クラスで6%前後の発達障害の子がいると推定されておりますので,その割合からすると,まだまだ少ないと言えます。 さて,これまで述べてきたのはハードルの高い大学受験の話でございます。大学受験よりも,はるかに受験生が多い高校受験については,発達障害のある受験生に対する特別措置は今のところありません。 発達障害のある人の中には,読み書きができなくても,特定の分野で大いに才能を発揮するケースがあることが知られておりますが,その可能性の芽を摘まないためにも,人生で初めての受験になる高校入試において,発達障害であるがゆえのバリアがあるのであれば,できるだけ取り除く必要性があると思っております。 そこで,高校受験にも大学受験のような特別措置が受けられるように高等学校を所管する福井県とともに,検討していただけたらと思いますが,御所見をお伺いいたします。 続いて,福井市自然史博物館分館についてお伺いいたします。 1月9日,マスコミ報道によりプラネタリウムが自然史博物館分館になり,基本計画策定検討委員会が発足したことを知らされました。ずっとこのプラネタリウムを議論してきた私たち議員には何の説明もないまま,いつの間にか自然史博物館分館となり,コンセプトも教育的要素が強いものに変わり,来館者数の目標も2倍の10万人になっていました。できれば議会に対してもう少し丁寧な説明をいただきたかったと思うのでありますが,市長はこのことについてどのように思われているのか,まずお伺いしたいと思います。 また,最高の教育施設は最高の観光施設になるとおっしゃっておられますが,他の施設との差別化や誘客の方法など,まだまだ観光面の取り組みが弱いように感じます。2本の柱の1本である観光に対しての意気込みについて御所見をお伺いいたします。 次に,6月までに基本計画を策定するとなっていますが,しっかりとした調査や検討期間もないままに,本当にすばらしいものができるのかを懸念しております。このスケジュールの妥当性についてお伺いいたします。 次に,管理運営体制についてお伺いいたします。 昨年の5月の西口再開発対策特別委員会では,理事者から管理運営体制は直営で考えており,来年度には人事異動を踏まえた人員確保,または公募をしながら広く選定していく方法や,ヘッドハンティングをして来年度に人員を模索する方法もある。平成26年度,平成27年度の2カ年で職員の研修や勉強会を行って育成していく計画であるとお答えになっています。しかし,半年後の11月の公共交通・まちづくり対策特別委員会では,今後専門家を含めた検討会をつくって基本計画を策定する中で検討すると変化をしてきております。 私は直営で職員を雇用し,人材を育てると受けとめているのですが,来年度の人事にもかかわることでありますので,管理運営体制について改めてどのようにお考えなのかをお伺いいたします。 さて,この分館の常設展示場ですが,ぜひともリピーターの多い本物志向の展示場にしていただきたいと思っております。 先日,JAXAへ視察に行ってまいりました。このJAXAの中にあります常設展示場であるスペースドームでは,歴代の人工衛星や宇宙ステーションきぼうのレプリカなどの展示物があり,私も大変興味津々で見てまいりました。しかし,何回も来るような場所ではないように感じました。 こういった常設展示場に何回も足を運ばせるには,ほかにはない更新性,可変性のある展示が重要になってまいります。 そう思っていたさなか,第2回福井市自然史博物館分館基本計画策定検討委員会で委員の中城智之福井工業大学准教授から,福井を宇宙に一番近いまちにする企画が提案されました。リピーターや全国から人を呼び寄せるための画期的な内容だと評価しております。 先日福井工業大学あわらキャンパスに行かせていただきましたが,そこには国内でも有数の10メートルのパラボラアンテナがあり,NASAの人工衛星の環境データを受信し,赤潮の発生予測など,地域に役立つ環境情報の発信を行っております。 また,3月1日の日本経済新聞北陸版に,このパラボラアンテナのことが大きく取り上げられておりましたが,このアンテナは複数の衛星からの受信に対応でき,特に普通のアンテナでは不可能なXバンド電波を受信できるため,本年,他の大学が打ち上げる7つの人工衛星など,来年までに合計9つの人工衛星データを受信する提携が結ばれるとのことであります。さらに,今人工衛星を使った事業や研究に乗り出せば,全国から引く手あまたになるであろうとのことです。 さらに,縦,横,高さ50センチメートル以内の超小型人工衛星であれば,JAXAがロケットを打ち上げる際に相乗り小型衛星として搭載することが可能になっており,例えば福井工業大学と福井市が共同で超小型人工衛星を打ち上げれば,大いなる話題をつくることが可能となります。 そこで,データを受信する機能はこの福井工業大学のアンテナを利用させていただき,さらに人工衛星に積んだカメラなどの操作を行う送信アンテナを足羽山の自然史博物館本館に設置するなど,それぞれの送受信データを西口再開発ビルに電送するようにすれば,本物の天体データや地球上の環境データを随時見せる衛星管制センターを展示スペースに設けることが可能になります。 超小型人工衛星や送受信網,衛星管制センターなど設置に費用はかかりますが,一方で,こういった設備ができることで,全国から人工衛星やアンテナを借用するための依頼が来て,有料の運用サービスとして引き受けることができるようであります。 また,JAXAでは,一般からの衛星利用に対してオープンラボを公募しており,年間最大3,000万円を負担して共同研究する機関を求めております。さらに,同じくJAXAでは,企業の支援で解決してほしい技術課題があり,ビジネスにつながる支援を行いたい一方で,JAXAが提携先を求めていることを地方の企業が知らない可能性があるので,ぜひ自治体に産業連携へのサポートをしていただきたいという要望がありました。 市民から疑問符の寄せられたプラネタリウムであります。ぜひとも設置してよかったと思われるようなすばらしい施設にしていただきたいし,多くの人を呼び寄せる工夫を凝らし,そのためであれば多少の予算を惜しむことなくかけるべきだと思います。 産学官でタッグを組みながら,展示スペースやドームシアターで本物を見せる取り組みを展開し,ぜひとも宇宙に一番近いまちの実現に向けて検討していただきたいと思いますが,御所見をお伺いいたします。 続いて,冬季学校グラウンドの活用等についてお伺いいたします。 雪が降る時期以外は,大風によりグラウンドの砂が家の中に舞い込んでき,大雨時には赤土が流出し,春と秋の樹木による大量の花びらや落ち葉など,小・中学校のグラウンド周辺にお住まいの方で,迷惑だと感じておられる方は少なくありません。 そこで,せめて住民サービスとして,冬の間の積雪時はグラウンドを使用できないのだから周辺道路の排雪場所としてグラウンドを利用させてほしいとの周辺住民からの声が上がっております。日ごろいろいろ周辺住民に迷惑をかけていることも考え,グラウンドのフェンスの一部を可動式にして周辺道路の雪の排雪場として利用できるようにならないか,御所見をお伺いいたします。 また,春や秋の季節は桜などの花びらや落ち葉で周辺住民は困っております。道路上に出るため,安全確保を最優先とすると中学校に限定されると思いますが,生徒の町を美しくする心の醸成を兼ねて,これらの時期に生徒が清掃をするように指導できないか,あわせて御所見をお伺いいたします。 最後に,地区敬老事業についてお伺いいたします。 超少子・高齢化やマンション化などにより自治会加入数は減少し,一方で高齢化率は増加しております。したがって,地区の敬老事業を運営する団体は収入が減少する一方で,敬老会対象者がふえ,年を経るごとに苦しい財政運営を強いられております。 そこで,私の地域では,財政上の課題から,これまで75歳であった敬老会参加対象者を昨年1歳,そしてことしはさらに1歳引き上げて77歳としました。今年度長寿福祉課ではこういった現況を見たのか,地区で開催されている敬老会に対して各公民館にアンケートを行っております。このアンケートの目的と結果,課題,さらに改善点が見つかったのであれば,御所見をお伺いいたします。 最後に,市は地区敬老事業に対して補助をしておりますが,運営団体の減収傾向がこれからも続くため,さらなる補助の上乗せができないか,あわせてお伺いいたします。 以上でございます。御清聴ありがとうございました。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 私からは福井市自然史博物館分館についての御質問のうち,これまでの説明の経緯と観光の観点についてお答えいたします。 西口再開発ビルに整備するプラネタリウムにつきましては,平成23年度から議会においてどういう施設にするかなど多くの質問をいただいてまいりました。 私や関係部長からは観光としての機能を持たせることも申し上げておりますが,足羽山の自然史博物館の機能の一部を移転することや,都市のステータスを高めるためによいところを伸ばし,不足しているところを補っていくことが大切で,教育は今後もしっかりと伸ばしていかなければならないことから,プラネタリウムは教育施設としての役割も大変重要である旨を回答させていただきました。 今般分館という位置づけは初めて出させていただきましたが,国立天文台やJAXAなどとの連携をしていくためには博物館の位置づけが重要であり,本市の自然史博物館分館として条例に規定することを考えております。 さらに,本施設は県都の玄関口に立地するミュージアムとして福井の魅力をドームシアターで創造,発信するまちなかの観光資源としても活用してまいります。 魅力のある教育施設は観光資源になるという考えのもと,自然史博物館分館を重要なまちなか観光の拠点と捉え,今後観光については専門家の意見をお聞きして進めてまいります。 なお,来館者の目標につきましては,ドームシアターに展示スペースを併設する計画といたしたことから,当初の見込みを見直したところです。 今回分館の位置づけや検討委員会のメンバーについて具体的な説明が不足しておりました。今後は丁寧な説明に努めてまいります。 (教育部長 南澤和子君 登壇) ◎教育部長(南澤和子君) 福井市自然史博物館分館についての御質問のその他のお尋ねについてお答えいたします。 まず,基本計画の策定スケジュールについてですが,自然史博物館分館の計画につきましては,これまで専門家へのヒアリングや調査を行い,昨年末,市の基本方針を作成いたしました。 また,連携が重要な国立天文台に検討委員会の委員として協力を求めてまいりました。 スケジュールにつきましては,収蔵資料を持たない分館であることから,新規の博物館建設よりは検討項目も少なく,妥当であると考えております。 本年1月に委員の委嘱を行ったところですが,本年6月ごろの策定を目標に作業を進めてまいります。策定の過程では,パブリックコメントも実施して広く市民の御意見もいただきたいと考えております。 次に,管理運営体制についてお答えいたします。 自然史博物館の本館は全体を統括し,生物学と地学の分野を担当します。分館は天文学を担当するとともに,西口再開発ビルの立地を生かして商業や観光とつながる活動を行います。 運営方法につきましては,商業施設等との連携や他の観光施設と組み合わせた誘客事業を効果的に行うためには,指定管理者制度を導入して民間のノウハウを活用することが最適であると考えております。指定管理者の導入には,企画力や専門性の確保などの課題もあることから,検討委員会でしっかり協議してまいります。 続きまして,宇宙に一番近いまちについてです。 検討委員会では委員の方々から大変熱心な夢のある御提案をいただいております。議員御指摘の産学官の連携につきましては,大学や企業との協力関係を築きながら開館後も継続して積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 また,JAXA等と連携した事業や人工衛星からの情報をリアルタイムで表示するような展示についても前向きに検討してまいります。 一方で,足羽山の自然史博物館へのパラボラアンテナの設置と,また超小型人工衛星の打ち上げなどは多額の経費が必要なことから,JAXAなどの宇宙開発機関との連携や国の制度の利用などを研究しながら中・長期的な視点を持って取り組む必要があると考えております。御提案につきましては,今後設置に必要な期間や経費,その効果についてよく研究していきたいと考えております。 次に,平成25年度当初予算についての御質問のうち,通学路危険箇所対策についてお答えいたします。 まず,緊急合同点検実施校数及び危険箇所数が少ない理由については,次の2点が上げられます。 1つ目に,従来より各学校におきまして教職員や保護者による通学路の一斉点検等を行い,学校ごとに安全マップを作成し毎年見直しを行っていること,2つ目に,対策を要する危険箇所については,学校や自治会等から要望を受け,その都度関係機関と連携をしながら対応していることでございます。 そうした中で今回の緊急合同点検実施要請を受けまして,小学校に対し危険箇所調査を実施した結果,危険箇所数は150カ所ありました。 今回の点検では,この中の通学路の変更や児童・生徒,保護者への注意喚起,見守りや付き添いの強化等で対策しているものを除き,緊急合同点検を希望した17校39カ所について実施したところでございます。なお,このほかの危険箇所についても警察等関係機関と連携し,随時点検を実施しております。 次に,緊急合同点検の結果の公表についてお答えいたします。 国土交通省が示している結果の公表につきましては,方法は問わないとされておりまして,学校や地域住民への周知の観点から市町村の判断に委ねることとなっております。 通学路の危険箇所を掲載した地図等をホームページで掲載することにつきましては,多くの人の目に触れ,待ち伏せ等の不審者発生のおそれもあるため,安全・安心が最優先であるとの判断から緊急合同点検を実施した学校に対する通知をもって公表といたしました。なお,この通知の中で学校を通じて保護者会等での情報の周知,児童・生徒への交通安全指導の徹底を依頼しているところでございます。 続きまして,国庫補助事業を利用していないのかとのお尋ねについてですが,通学路に関する対策としては,平成24年度と平成25年度の当初予算で実施することとしております。 なお,平成24年度では路側帯の設置や拡幅,路面標示の設置などを実施いたしました。また,平成25年度でも路側帯の設置や外側線の引き直し等を予定しております。 通学路につきましては,今後も学校や地域の方,関係機関との連絡を密にし,安全確保に努めてまいります。 続きまして,学校耐震化についてお答えいたします。 C判定の耐震補強事業は第六次福井市総合計画において平成28年度までの事業計画となっておりますが,さらなる安全性を確保するため,平成27年度末までに完了することを目標とし,前倒しして実施いたします。 平成24年度補正予算では12校19棟,平成25年度当初予算では4校8棟,合わせて16校27棟を予算計上させていただきました。 これまでにD,E判定の年間工事数は12棟前後のペースで耐震化を進めてまいりましたが,今後3カ年は,平成27年度末までの完了を目指して年間30棟前後のペースで取り組んでいきたいと考えております。 続きまして,施設マネジメントについての御質問のうち,学校施設の老朽化の現状と今後の対策についてお答えいたします。 学校施設の現状につきましては,ほとんどが昭和40年代から50年代に建設したものであり,築30年以上経過した建物の面積が全体の6割以上を占めている状況です。過去において大規模改造工事を実施しており,築30年以上が経過しているものの,現時点では建物として支障があるものではありませんが,御指摘のとおり,計画的な保全による施設の長寿命化は必要であると考えております。 しかしながら,現時点では第六次福井市総合計画の学校施設の整備方針に基づきC判定の耐震化を平成27年度完了に向けて急ピッチで進めるとともに,老朽化が著しく耐震性の劣る明道中学校の改築工事等を優先的に行っているところです。 今後の対策については,現在文部科学省におきまして老朽化対策ビジョンを作成しているところであり,年度内に最終的なビジョンがまとめられるとのことですので,その結果を参酌した上で,今後の対策を検討していきたいと考えております。また,福井市施設マネジメント基本方針に基づき,市有施設全体の中で計画していきたいと存じます。 次に,発達障害のある生徒の特別措置についてお答えいたします。 発達障害のある生徒が受験するに当たり,特別な配慮をしていく必要があるのではないかということにつきましては,発達障害児専門支援者検討会や特別支援教育関係者の会議で話題に出ることがございます。 県立高校入試制度のあり方に関係することなので,今後県との会議等の中で話題にしていきたいと考えております。 最後に,冬季の学校グラウンドの活用策についてお答えいたします。 学校グラウンドの使用につきましては,福井市立学校施設使用規則に基づきまして,学校教育上,支障のない範囲において社会教育及び社会体育の振興や児童・生徒の福祉の増大等の用途の場合に目的外使用として許可しているものでございます。 学校グラウンドへの排雪ですが,多くの雪をグラウンドに積み上げることになりますと,ぬかるみが長引き,学校の授業に支障の出る場合が想定されます。また,車両等がグラウンドに乗り入れるような場合には,グラウンドが荒れてしまいます。したがいまして,冬期間に校庭を排雪場とすることについては学校教育上,支障のない範囲での使用という原則に照らしますと難しいものと思われますが,豪雪の際など,緊急避難的に使用するような場合については弾力的な対応が必要と考えます。 次に,児童・生徒への清掃の指導についてですが,桜の花びらや落ち葉については,学校によってかなり状況が異なります。 清掃は教育の一つとして有効と考えられますので,児童・生徒が安全に取り組める場所であれば,児童会・生徒会の委員会活動やボランティア活動,ふだんの清掃活動の一環として取り組むよう,地域との連携を含めて,今後とも各学校に働きかけてまいります。 (農林水産部長 平林達也君 登壇) ◎農林水産部長(平林達也君) 私からは有害鳥獣対策について2点お答えします。 まず,カラス対策の内容についてお答えします。 カラス被害を減らすためには,何よりもカラスの個体数を減らすことが重要であります。このため本市としては,カラスのねぐらとなっている市中心部の八幡山に平成6年度に固定式おりを1基,平成22年度に移動式おりを1基設置し,カラスの捕獲に努めているところです。平成25年度からは,さらに移動式おりを1基増設し,一層の捕獲に努めたいと考えております。 また,平成25年度におきましては繁殖期のカラスの巣を撤去することで繁殖を抑え,個体数の増加抑止にも努めてまいります。 次に,福井駅東口周辺のカラス被害の対策についてどのように考えるのかとの問いにお答えいたします。 カラスはこれまで八幡山周辺で羽休めをしていましたが,昨年末から福井駅西口周辺へ,1月下旬には福井駅東口周辺へ羽休めの場所を移しております。このように羽休めをする場所が移動する要因を県の自然保護センターなどの専門機関に問い合わせましたが,確かな原因は不明とのことでした。 これまでカラス被害が多い地区では住民の協力を得ながらごみの集積場の適切な管理に努めるとともに,北陸電力株式会社と協議の上,電線に鳥よけの水糸を設置してまいりました。福井駅東口周辺におきましてもカラスが襲来する状況を見きわめながら,北陸電力株式会社や住民の方々の協力を仰ぎ,同様の対策を実施していきたいと考えております。 なお,野生鳥獣の生息環境の管理や被害防除については専門的な知見からの対策が必要とされることから,国に対してその調査研究を行うよう,これまでどおり全国市長会を通じて要望していきたいと考えております。 (建設部長 谷川茂君 登壇) ◎建設部長(谷川茂君) 雨水浸水対策のうち,河川浸水対策については,護岸の整備やかさ上げなど河川改修による断面の拡大やバイパスルートの整備の対策があり,さらに本川の河川改修に時間を要したり,また,困難な場合には調整池等の整備が考えられます。 平成25年度は,馬渡川,寄場川,荒谷川,北山川等で河川改修により断面の拡大を行い,つくし野排水,上野川でバイパスルートの整備をいたします。 また,町屋,開発地区の浸水常襲地区については,一級河川底喰川の改修には相当の時間を要するので,流入河川に調整池等の検討を行うとともに,準用河川底喰川の遊水地の整備を進めてまいります。 これらの費用といたしまして,平成25年度当初予算で約1億4,000万円の予算を計上しております。 (下水道部長 前川孝君 登壇) ◎下水道部長(前川孝君) 雨水浸水対策の具体的な取り組みについてお答えいたします。 先ほど伊藤議員の御質問にもお答えしましたが,昨年9月6日のゲリラ豪雨を踏まえ,これまで整備してきました雨水貯留施設や排水ポンプの効果をより高めるため,集水及び排水機能の増強,雨水専用管の新設や道路排水施設の改修など,効果が高いと見込まれる対策に早急に取り組んでまいります。 また,雨水の排出先がなく,連続排水ができないところでは,新たな雨水貯留施設等の整備の可能性について検討いたします。さらに,老朽化したポンプ場の更新も計画的に進めてまいります。 これらの取り組みを緊急かつ重点的に実施するため,各地区ごとの具体的な浸水対策やスケジュール,さらには住民と連携した,より効果的な雨水浸水対策に関する計画を平成25年度につくっていく必要があると考えております。 平成25年度に実施する主な事業につきましては,今後作成します計画を一部先行する形になりますが,幾久地区においては雨水貯留管の設計業務及びこれに関連する下水道管整備工事などを,木田,春日地区では貯留水を早期に排出するための圧送管新設及びマンホールポンプ増強工事を予定しております。また,西木田,みのり地区においては早期の排水手法や新たな雨水貯留施設の可能性の検討業務を,さらに足羽,桃園地区では老朽化した加茂河原ポンプ場の更新にあわせたバイパス管整備の設計業務を予定しております。 加えて,浸水被害を軽減するためには地域住民の御協力もお願いしなければなりません。そのため新たな吸水性土のうの配備なども行ってまいります。 これらの費用といたしまして約1億3,400万円の予算を計上し,浸水対策に取り組んでまいります。 (財政部長 高山浩充君 登壇) ◎財政部長(高山浩充君) 私からは施設マネジメントについての御質問にお答えいたします。 まず,別館につきましては,県都デザイン戦略の中で将来的に市庁舎を移転し,福井城址公園として整備する計画としておりますことから,現在耐震化とあわせて大規模改修を行い長寿命化する方向で検討を始めております。 耐震化の手法としまして,減築による耐震補強や免震による新たな技術を活用した手法もあり,工事中の庁舎機能確保といった面や経費の面もあわせて,どういった手法がよいのかについて調査を進めているところでございます。 この調査結果を整理した上で,平成25年度において結論を出し,その後設計,施工と順次進めてまいる計画でございますが,できるだけ早い施設整備に努めてまいりたいと考えております。 次に,市施設のマネジメントに関して具体的な計画をいつ示すのかとの御質問でございます。 今回策定しました福井市施設マネジメント基本方針は,市全体の施設をマネジメントしていく上での基本的な考え方,取り組み方針を整理させていただいたものでございます。 そこで,新年度より,まず全庁的な検討体制を整備し,各施設の事業運営に係るコストや利用状況といった情報を一元化するとともに,この方針に基づいた全庁的な視点で施設区分ごとの考え方を整理する中で,地域施設の複合化や広域施設の集約化などについて慎重に検討を進め,各施設ごとの方針を取りまとめてまいります。 なお,具体的な計画づくりのスケジュールにつきましても,新たな検討体制の中で整理をしてまいりたいと考えております。 (福祉保健部長 吉村義昭君 登壇) ◎福祉保健部長(吉村義昭君) 地区敬老事業についてお答えいたします。 まず,アンケートについてですが,超高齢社会の中で高齢者が健康で安心して生きがいを持って生活を送ることが大切になっております。そのためには地区の高齢者を敬愛し,地区民で敬老精神の涵養を図るために実施する敬老事業は今後ますます重要になってきます。 しかし,高齢化率が年々高くなる中で,高齢者の趣味や余暇の過ごし方が多様化したことにより,敬老事業への参加者が伸び悩み,固定化する傾向にあります。 そこで,各地区で行っております敬老会を初めとする敬老事業の取り組み実態を把握し,今後の事業内容の充実を図ることを目的として,ことし1月に市内49地区の敬老事業実施者に対しましてアンケート調査を行いました。内容につきましては,事業の周知方法や参加者をふやすために行っている地区での取り組みなど34項目の調査といたしております。 アンケート結果につきましては,現在回収の途中でございますが,寄せられたアンケートの中で,地区敬老会の改善といたしまして,会場を変更したことで参加者数が増加した,抽せん会を最後に行うことで途中で帰る人が少なくなったなどの御意見をいただいております。集計が終わり次第,各地区の敬老事業実施者にお知らせさせていただく予定でございます。 なお,市といたしましても,昨年4月に先進事例の発表会を開催し,他地区の取り組みを参考とする機会を設け意識向上を図っております。今後も地区同士の情報や意見を交換する機会を設け,運営方法や内容の充実につながるよう努めてまいります。 次に,地区敬老事業補助金についてでございますが,補助金は毎年4月1日現在の地区の75歳以上の高齢者数に応じまして15段階の地区割額に,地区の75歳以上の高齢者数に基準額を乗じた金額を合算したものとなっております。 各地区では,この市からの補助金と自治会や地区社会福祉協議会からの助成金を合わせて運営を行っておられます。今後も効率的な事業運営をしていただく中で,現状の補助金で対応していただきたいと考えておりますので,御理解をお願いいたします。 ◆22番(西本恵一君) それでは,自席にて要望と質問をさせていただきます。 まず,通学路の危険箇所についての点でお伺いしたいんですけれども,実は,福井県全体としては162校,それから緊急合同点検実施箇所数が567カ所というような数になっております。福井県で567カ所です。ということは,福井市は3分の1の学校が集積されているので,それに見合う,そういった数がないといけないのではないかという思いがあって,少ないのではないかということを申し上げたところでございます。それが毎年のその通学路の点検の状況が教育委員会に上げられて,しっかりと対策を行っているということであれば,全く問題はないと思いますけれども,まず,この中で,今上げましたこの39カ所に関して,なぜ私は公表しているか,していないかということにこだわっているかといいますと,私の認識の範囲では,2月26日に国庫補助事業として,137億円予算が計上されましたけれども,公表している自治体がこの国庫補助事業を使っていいと理解しているからでございます。そういう意味では,通学路の路肩の修正とかいろいろされるということでしたけれども,公表していなくても,この平成24年度の補正予算を使ってそういうことができると認識すればいいのかどうか,それについて,まずお伺いしたいと思います。それが1つ目です。 それから,敬老事業についてですけれども,実はこの敬老事業というのは,御存じのとおり,今もありましたように地区社会福祉協議会とかという形での負担もありながらやっております。実はこの地区社会福祉協議会の収入面なんですけれども,先ほど申し上げましたように年々減っております。その中で,自治会に入っていない参加対象者というのは敬老会の方でもたくさんいらっしゃいます。その方も含めて,自治会に入っている人だけで,そういった人たちの負担まで行っている。 例えば,私の住んでいる日之出地区で言いますと,実は自治会加入率は福井市の加入率よりかなり低くて,福井市は自治会加入率が80%弱ですが私の地区になりますと68%です。3分の2の人で賄っているという状況でございます。これは日之出地区はマンション化が非常にあるということも含めて,こういった状況になっていると思うんですけれども,年々財政状況を見ていると非常に厳しい。その中で,やはり運営を工夫しながらやっていかなければならない。 さっきアンケートの結果として,抽せん会をやりましたというのは私のところでことし初めてやりました。最後までたくさんの方がその会場に残られたということで,非常によかったと思っているところでございます。やはり敬老会の方は,これはもう本当にお祝いでございますので,多くの方に参加していただく,そのことが大切だと思っておりますけれども,当然ながらお持ち帰りのお土産を出しているわけでございまして,多くの方に参加していただければいただくほど,費用がかさんでくるということがございます。 そういった意味で,先ほどは75歳以上の高齢者数に応じて15段階に分けて出しているということでございました。確かにその人数に応じて出しているということで納得するということもあるんですけれども,もう一度その内容について,補助金の内容について考え直していただけないかと,ふやしていただけないかということを含めて再質問をさせていただきたいと思います。 それから,施設マネジメントのところで市役所の別館でございますけれども,先日公明党会派で,こういった老朽施設による補償問題ということで東京でセミナーを受けてまいりました。市がわかっていながらその施設を直さないことによって,何か災害があったときには補償問題に発展します。物すごい莫大な金額になりますというようなセミナーでございました。 当然ながら,そういったことよりも,何よりも人命が一番大切でございます。生活に困った方や障害をお持ちの方,さまざまな方が来られる別館でございます。平成25年度中にはそれを決めるということでございまして,今後スケジュールを考えられるということでございますが,一日でも早い改修をお願いしたいと,これは要望で結構でございます。 それから,自然史博物館分館の超小型人工衛星,これにつきましては,教育長,教育部長も御存じのように10センチメートルぐらいの人工衛星で1,000万円,50センチメートル四方で約6,000万円ぐらいだったかと思います。 それから,受信アンテナは大きいほどいいんですけれども,送信アンテナはテレビアンテナみたいに小さくていいらしいんです。小さいほうがその精度が高いということも聞いております。 だから,そんなに高額になるだろうかという思いがありますし,これによって,先ほど言いましたように,全国の他大学からいろんな依頼,いろんな企業からも依頼を受けて,有料でサービスを引き受けることも可能ですので,ぜひともこれは検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。 ◎教育部長(南澤和子君) 通学路に関する平成24年度の補正予算についての御質問がありました。 それで,今回緊急合同点検をした中でも,この緊急合同点検の危険箇所につきましては県土木事務所,警察,そして福井市がそれぞれ対応することとなりました。 それであと,現在福井市がまだ対応できていないのが5カ所ございます。その中で,平成24年度の現在ある予算で対応が可能なものがあるのと,それから,まだ地元との協議が残っておりまして,調い次第対応するということもございましたので,今回この平成24年度の補正予算は使わなかったということでございます。 ◎福祉保健部長(吉村義昭君) 敬老事業の補助金の話でございますが,現在アンケート調査をやっております。その中で敬老会以外の事業で苦慮している点というところで集計をとっておりまして,その運営資金が少ないというようなデータもいただいております。 そういうことで,この結果を一度参考にさせていただきまして,事業効率化が図れるようにするにはどういう形で補助金を持っていっていいのか,検討させていただきたいと思いますが,先ほども効率的な事業運営をしていただきたいという話もさせていただきました。その中で,地区によってはたくさんの事業,敬老事業,敬老会以外の事業をやっておられますので,そこら辺もひとつ地区として十分検討していただく材料にしていただけるように,並行して考えさせていただきたいと思います。 ◆22番(西本恵一君) 通学路の件ですけれども,私が問いたかったのは,実は公表しなかったがゆえに,いわゆるそれを怠ったがゆえに国の補助金が使えなかったということになると非常にまずいというようなことを私は知りたかったわけでございまして,これを使えばもっともっといろんな通学路の点検箇所,緊急合同点検箇所が直せたのではないかという思いからです。恐らくまだたくさんあると思います。私の地域でもまだまだ残ったままでございます。 そういった意味において,この対策は,大切なことでございますので,しっかりとやっていっていただきたいということをお願いしたいと思います。要望で結構でございます。 ○議長(見谷喜代三君) この際,あらかじめ会議時間を延長します。 次に,9番 泉和弥君。 (9番 泉和弥君 登壇) ◆9番(泉和弥君) 一真会の泉でございます。 通告に従いまして平成24年度補正予算及び平成25年度当初予算案についてとふくいブランド化への戦略についての2点についてお伺いいたします。 まず,平成24年度3月補正予算及び平成25年度当初予算案についてです。 昨日の片矢議員と重複する点もありますが,私なりの視点からお伺いします。 まず,私たちはよく市の予算をわかりやすく理解するために億円を万円に置きかえた形で家計簿に例えられた広報紙などを目にすることがあります。 そこで思うのは,例えば,平成24年度当初予算では,福井家は金融機関から165万円借り入れをし,ローン返済を154万円しています。平成25年度当初予算では金融機関から158万円借り入れをし,175万円を返済しているということになるでしょうか。毎年軽自動車1台分を借金し,同じくらいの返済をしていることになります。 ほかにも医療費──これは扶助費ですが──として200万円以上の出費があり,福井家の家計を預かるものとしてはなかなかの苦労が必要であろうと推測されます。福井家の一員としては,収入が減り,毎年の借金やローン返済,その他の出費額を見るにつけて,本当に将来にわたって大丈夫なのか,できるだけ細かく確認する必要があると考えます。 さて,もとの単位に戻りますが,平成25年度当初予算案では,対前年比0.6%増の1,039億900万円が計上され,平成23年度に次ぐ過去2番目の規模となっています。平成25年度予算編成の基本方針にもあるように,福井市の財政状況について,決算見通しは歳入の根幹をなす市税で減収が見込まれる上に扶助費などの義務的経費増が予測されるなど,依然として厳しい状況が続いている中,積極的な予算編成であると思います。 国は,日本経済再生に向けた緊急経済対策に基づく平成24年度補正予算と一体的に編成されたいわゆる15カ月予算として平成25年度予算が編成されており,本市の予算編成においても国の緊急経済対策に適切に呼応し,地域の元気臨時交付金を活用しながら平成24年度補正予算と平成25年度当初予算を一体的なものと位置づけていることから,私も両方の予算案を関連づけしながら目を通し,市債,公債費の部分を中心に何点か,お伺いしたいと思います。 まず,平成24年度3月補正予算案では,一般会計で48億7,010万3,000円が増額されています。そのうち20億8,760万円が市債で賄われ,平成24年度の市債の総額は187億3,910万円となります。結果,市債残高が過去最高の1,427億円となる見込みで,第六次福井市総合計画実施計画の健全財政計画における平成24年度値1,423億円を上回っています。 一部報道の記事では,平成25年度は計画値1,456億円に対し1,429億円となる見通しであり,今後の見通しに大きな影響はないとのコメントが書かれていましたが,本市は福井国体までとする福井駅西口中央地区市街地再開発事業,さらには北陸新幹線延伸など,各種大型事業が待ち構えています。健全財政計画にあるような平成27年度の市債残高値1,493億円をピークとした見通しを描かれるのか,御所見を伺います。 また,これから先の大型事業によって若い世代に多額の借金を背負わせるわけにはいきません。直近の償還の期限や利率など,償還方法はどのようになっているのか,お伺いいたします。 次に,平成25年度当初予算案から市債,公債費に関連してお伺いします。 市民が市政広報などで平成25年度予算案のみを見た場合,平成24年度よりも6億8,840万円少ない市債額と20億9,153万4,000円多い公債費により,平成24年度よりも借金する額が少なく,返済が多くできたという形に見えますが,補正予算を含めた15カ月予算で見れば,市債の残高は実質値増となるとの,昨日の片矢議員への答弁であったかと思いますが,それでよろしいでしょうか。 また,平成25年度当初予算案の市債額158億1,630万円のうち臨時財政対策債の合計が54億円あります。市債に占める臨時財政対策債の金額,割合は年々増加傾向にあり,臨時財政対策債の元利償還金は後年度の地方交付税に理論的に全額算入されるとはいえ,地方債の扱いであることに変わりはなく,注視が必要と考えております。本市の考え方と今後の見通しを伺います。 最後に,先ほども言いましたが,本市は福井国体までとする福井駅西口中央地区市街地再開発事業,さらには北陸新幹線延伸や市庁舎の改築など各種大型事業が待ち構えています。 だからといって,私たちが住む地域,コミュニティーの維持を図るためにはそれぞれの地域での社会基盤整備や住民サービスの低下は許されません。義務的経費が歳出全体に占める比率が平成23年度当初では51%,平成24年度は53.1%に,さらには平成25年度は55.2%となったことについて,厳しい財政状況の中,持続可能な財政運営の見地からどのように評価されていますか,お伺いします。 次に,ふくいブランド化の戦略についてお伺いします。 市長は3月定例会初日の本会議,当初議案の提案理由説明の中でふくい「一押しの逸品」に認定されている農産物や「おいしく食べよう!ふくいの恵み」の認定加工品の販売拡大,中小企業が開発した商品のふくいブランド化を推し進めると述べられていました。 本市においては,ふくい「一押しの逸品」事業において付加価値が高い,または,生産はあるが利用法が知られていない福井の生産物を選定,公表し,レストランで料理としての提供や,加工業者による新たな商品の開発を促すことにより農商工連携を進め,需要を喚起する取り組みが進められてきました。今年度はマーケット戦略室において販売拡大促進事業を行うこととなっています。 また,農林水産部の福井市農林水産加工品認定事業「おいしく食べよう!福井の恵み」では,生産,加工,販売を一体的に行う6次産業の育成につなげていく事業と伺っています。 今までも2つの事業は情報の共有や各種イベントなどでの出店,販売など,相乗効果を高める取り組みがなされていたと思いますが,その効果はどのように評価されているのか,お伺いします。 先日私たち一真会は,静岡県三島市産業振興部農政課から三島市の6次産業化に対する取り組みをお聞きする機会がありました。その席上で「三島にはこれといったブランド,名称がなく困りました。福井には越前ガニといった全国ブランドがあり,うらやましいです」との話がありました。 また,ある新幹線に乗った際の車内雑誌に目をやると,越前坂井辛みそばが信州のそばや深大寺そばと並んで記事になっていました。また,越前坂井うららの極味膳なるものもいろいろなメディアに取り上げられています。 一方で,ほかの会合に出席した際「私は長年東京に住み,福井から来たと言うと,九州からですか,東北からですかとかと言われ,福井の認知度の低さを痛感してきた」と言われていた方がおりました。 福井という名前は知らないけれど,越前はまだ知られているのだろうかと,ふと思います。福井だけの名前では確かにインパクト,印象に欠けるようにも思います。 三島市の話に戻りますが,三島市では箱根西麓三島野菜,箱根西麓三島牛というブランドを使い,商品開発と販路拡大に取り組まれていました。当然,箱根西麓三島野菜のホームページを持ち,野菜の魅力はもちろん,開発した商品や食べることができるお店の紹介,イベント情報など盛りだくさんです。それぞれの開発した商品発表時には市長みずからがプレス発表やPR活動に参加したりするそうです。 三島市産業振興部農政課の方と別れ際に「これから見ててください,まだまだいろいろやっていきますから」と楽しそうに,そして自信満々に言われていたことが強く印象に残っています。 市長は当初議案の提案理由の説明でふくいブランド化を進めると言われていましたが,今年度の予算のどこに推し進める力が秘められているのか,お尋ねします。 もっともっとふくいブランドを高め,販路を拡大していくにはどのような戦略を描いていますか,お答えください。 次に,農業の6次産業化についてもう少しお尋ねします。 地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律(六次産業化法)が平成23年3月1日に施行され,農林水産業の振興に向けた6次産業化の取り組みが求められています。 人口減少や高齢化など農林漁業の衰退が叫ばれる中,1次産業に2次(加工),3次(販売,観光)の機能を持たせることで1掛ける2掛ける3イコール6次産業化を図り,農山漁村の所得,雇用の拡大につながる狙いがあると言われています。 本市においても,農林漁業者みずからの農林水産加工,流通,販売の取り組みを拡大し,食品製造業などさまざまな業種との連携,協働による,農産物などを活用した,より付加価値の高い商品開発や販路拡大,新たなサービスの形成など,6次産業化の取り組みを促進しているところだと思いますが,現在本市において何らかの支援事業,補助を受けている経営体数は幾つありますか。また所得や雇用の拡大等,本市における現状と課題をどのように捉えているのか,お伺いします。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (財政部長 高山浩充君 登壇) ◎財政部長(高山浩充君) 私からは平成24年度3月補正予算及び平成25年度当初予算案についてのうち,まず今後の市債残高の見通しについてお答えいたします。 平成25年度末市の債残高見込みは約1,429億円で,健全財政計画における計画額1,456億円を約27億円下回っております。 また,臨時財政対策債を除く市債残高につきましても約1,037億円で,計画額1,064億円を下回っております。 今後福井駅西口中央地区市街地再開発事業等の大型事業進捗に伴う財政需要も見込まれますが,第六次福井市総合計画実施計画に基づきまして計画的に事業を実施することによりまして,同計画の健全財政計画に掲げる平成28年度における目標額1,000億円の達成に努めてまいりたいと考えております。 次に,市債の償還方法と平成25年度末の市債残高についてお答えいたします。 平成24年5月に借り入れました直近の市債の借入条件でございますが,借入期間が10年から20年,借入利率が0.6%から1.3%でございます。 また,平成25年度末の一般会計における市債残高見込み額は約1,379億6,000万円で,前年度と比べ約4億7,000万円の増となってございます。 続いて,臨時財政対策債に対する考え方と今後の見通しについてお答えいたします。 議員御指摘のとおり,臨時財政対策債につきましては地方交付税の代替措置として発行するもので,その元利償還金につきましては全額が後年度地方交付税の基準財政需要額に算入されるものの,今後の公債費の推移には十分留意していく必要があると考えております。 このことから,地方交付税の法定率の引き上げ等を含めた地方交付税制度の抜本的な見直しにつきまして,全国市長会を通じて引き続き国に対して強く求めてまいります。 次に,義務的経費についての御質問にお答えいたします。 義務的経費につきましては年々増加している状況にございます。この主な要因は,障害福祉,介護福祉及び生活保護などの社会保障関係経費のいわゆる扶助費の増によるものでございます。 義務的経費の増加は財政の硬直化につながることから,これらの推移につきましては十分留意していく必要があると考えております。今後は人件費の継続的な縮減や低利な市債への借りかえを積極的に進めることによりまして,義務的経費の抑制に努めてまいりたいと考えております。 (商工労働部長 小倉芳樹君 登壇) ◎商工労働部長(小倉芳樹君) ふくいブランド化への戦略についてのうち,ふくい「一押しの逸品」育成事業と農林水産加工品認定事業の相乗効果についての評価についてお答えいたします。 本市の特産農産物を活用した加工品や料理メニュー開発等を支援しますふくい「一押しの逸品」育成事業及び地元の農林水産物を用いた加工食品の販売を促進します農林水産加工品認定事業では,これまでふくい春まつりや大和田げんき祭りといった市内のイベントに出店し,商品の認知度向上を図ってまいりました。その効果もありまして,平成22年度,平成23年度の農林水産加工品認定事業において認定された商品の売り上げは認定前と比較して増加しております。 今年度は農商工がさらに連携を行い,農林水産物を加工した新商品開発や商品の売上増加を促進するため,ものづくり支援事業で商品開発を支援し,開発しました商品を農林水産加工品認定事業において認定しております。 また,ふくい「一押しの逸品」育成事業で開発された商品につきましても積極的に認定して販路開拓支援を行っているところでございます。 今後は商工労働部におきまして商品開発支援や加工品認定を行いまして,これまで農林水産部と分かれていた窓口を一本化することで,より効果的に事業を展開し,商品の認知度向上,売上増加につながるようPRに努めてまいりたいと考えております。 次に,ふくいブランド化への予算対応とその戦略についてお答えします。 今年度までふくい「一押しの逸品」育成事業で開発されました加工品や,農林水産加工品認定事業で認定されている商品につきましては,認知度向上を目的に,市内で開催されますイベント等に出店し周知を図ってまいりましたが,新年度予算では商品の販路開拓を図るため地域産品販路拡大促進事業を創設いたします。 商品のブランド化を図るためには,まず地元福井での認知度向上,消費拡大が重要であると考えております。そこで,市内スーパーマーケットなどに商品を販売する特設スペースを一定期間設置しまして,商談機会や取引機会の増加,消費者への商品紹介機会の拡大を図ります。加えて,ふるさと逸品フェスタなど,市内で開催されますイベントにも出店しながら商品の周知を図ってまいります。 また,県外で開催されますさまざまな物産展にも出展し販路拡大を支援してまいりたいと考えております。 さらに,ふくいブランド開発支援事業では,地域の特産物として認定されている農林水産物や伝統技術,伝統工芸品,また自然資源や歴史,文化といった観光資源などを活用し,お土産品市場をターゲットとした商品開発,販売の支援を行ってまいります。これらの事業を通し開発された商品が福井のブランドとして全国に周知されますよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 (農林水産部長 平林達也君 登壇) ◎農林水産部長(平林達也君) 私からはふくいブランド化への戦略について2点,お答えします。 まず,6次産業化の支援事業,補助事業を受けている経営体数は幾つあるのかとの質問にお答えいたします。 本市で六次産業化法の認定を受け事業に取り組んでいる方は,米の栽培から米粉パンなどの加工販売までを一貫して行うとともに農家レストランを運営している農業者と,魚をぬか漬けなどに加工して販売している女性漁業者グループの2事業者であり,国のアドバイザー派遣制度を活用して商品開発や販路開拓に取り組んでいます。 また,去る2月28日に規格外ミディトマトを活用した商品の加工,販売に取り組む事業者が新たに認定を受け,今後国の制度を活用した事業展開をしていく予定となっております。 一方,本市では6次産業化に取り組む14の経営体に対しまして,野菜乾燥機,真空パック機,かき餅カッターなどの加工機械や加工場などの整備に係る経費の一部を補助しております。 次に,所得や雇用の拡大等,本市における現状と課題をどのように捉えているのかとの質問にお答えします。 本市には自社販売所と農家レストランを法人経営化することで雇用を大きく伸ばした農業者や,かき餅の加工販売事業にアドバイザーの助言を取り入れ短期間で売り上げを伸ばした女性農業者グループといった事例が出始めておりますが,その数はまだまだ少ないのが現状です。 今後は,このような事例や6次産業化への道筋をまとめたパンフレットを作成し,事業者の取り組みレベルに応じた研修会を開催するとともに,国のアドバイザー派遣制度の活用を奨励することなどを通じて所得や雇用の拡大につながる,一つでも多くの事業を支援していきたいと考えております。 ◆9番(泉和弥君) 自席にて再質問をさせていただきます。 あと一点,要望がありますが,まず,平成24年度予算のところの市債の残高,臨時財政対策債に関して,これは要望ですが,昨年の10月2日,決算特別委員会においても同じような議論がされていまして,同じようにお答えをいただいているところがあるかと思うんですけれども,この臨時財政対策債,ぜひとも先ほど言われたように,市長も一生懸命国へ行って交付税措置をという話をされているとは伺っていますが,これから先,やはり本当に返してもらえる,つけてもらえるのかどうかという不安を持ちながら臨時財政対策債を借りるのは,少しどうかと思いますので,ぜひとも交付税化につながるようにしていただきたいと思っています。よろしく,また国のほうにお伝えください。 それから,ふくいブランド化についてですが,2011年3月初版,福井県立大学の双書「ふくいブランドとフードシステム」という中にも,いろんな市場調査,消費者からいうとやはり越前ガニは,もうどこへ行ってもトップレベルのブランド品だと思われているようです。越前という言葉がつくといいのかなとちょっと思ったんですが,やはりブランド化に向けては,積極的に行動する官のセクターが福井にあるかないかで変わるとこの本には書かれております。やはりその官のセクターと積極的に活動する企業,地元民の必要性というのもある。それでないとなかなかブランド化に取り組む土壌づくりというのが非常に時間がかかると言われています。 ぜひともその辺をお考えいただけたらなあと思うんですが,例えば,先ほども出ました坂井市の商工会の越前坂井の辛みそばや極味膳,勝山市では中尾彬,池波志乃の夫妻を観光特使として勝ち山おろしそば,大野市では先ごろ,結の故郷元年と位置づけた越前おおのブランド戦略に基づいた推進事業を当初予算案の中に組み入れております。そういう中,本市においても,やはりブランド戦略を描く推進母体となる組織,団体が必要ではないかと思うんですが,御所見をお伺いします。 それから,6次産業化についてですが,やはり何事業かされていると,それから14事業所がいろんな機械を,支援を受けているというお話ですが,こちらも,例えば先ほど出てきた三島市は,6次産業化推進協議会というものをつくって地域全体で取り組んでいました。それから広島県の世羅高原では広域的ではありますけれども,世羅高原6次産業ネットワークというものを行政がバックアップしながら活動しているという話も聞いております。 農家は,やはりやりたい,やってみたいという気持ちがあっても,なかなかノウハウがわからなかったり,資金が足りないなどの理由で生産のみに終わっているところがいっぱいあります。生産性を高めて将来の農業に夢や希望が語られるような形にするためには,もう少し踏み込んで,各団体それから業者,地元の農家がネットワーク化を図って進める協議会や研究推進組織というものも必要ではないかと考えています。御所見をお願いします。 ◎商工労働部長(小倉芳樹君) 今御指摘の食に関するブランド化のことも出ておりますけれども,福井では昨年もいろんな食の場で,ひね鶏といったものを展示,PRしようということもやっておりまして,いろんな市内のタウン誌なんかでもPRしております。 ただ,ブランド化をしていくには,やはり地元にいかに認知されるものか,そして愛される,またブランド化へ持っていくためのストーリーというものも必要かと思います。そして,やはり地元の人に愛されるためには地元のこういった業者の方とか愛好家の方が中心になっていっていくと,そこをまた我々行政がバックアップすると,そういうことも重要ではないかと認識しております。 そういった団体とかブランド化が生まれますと,我々も積極的な支援に努めてまいりたいと考えております。 ◎農林水産部長(平林達也君) 6次産業化を進めていくための推進組織となるようなものを考えてみてはどうかという御質問をいただいたと思います。 私ども農林水産部におきましては,今年度庁内の部局横断的課題対応班を形成いたしまして,どのような連携のもとに6次産業化を進めていったらよいのかということを研究してまいりました。 そうした中で,6次産業化に向けてのパンフレットをつくるということにしたところでございます。その中では,6次産業化に絡んでくるさまざまな機関,例えば国の北陸農政局の福井地域センターでありますとか,あるいは中小企業団体中央会にあります福井6次産業化サポートセンターでございますとか,あるいは市の商工労働部,そういったところと連携をとって,このパンフレットを使った研修会等を実施していくというように考えているところでございます。 また,このパンフレットをつくっていくに当たりまして,福井市内で6次産業化に取り組んで,そこそこうまいぐあいに事業が進んでいると捉えられる事業を整理いたしまして,そういった方々の情報などもいただくような形にしております。 こういう取り組みを今後続けていく中で,そういう組織づくりを将来の課題として捉えていきたいと思います。 ◆9番(泉和弥君) 再々質問になりますが,商工労働部長,どうも積極性が見られないというか,寂しいなと思いました。ひね鶏,まあ何だという感じなんですけれども。 きのう1点だけ,商工労働部長がおっしゃったと思うんですけれども,越前ガニにこだわりますけれどね,ズボガニをPRしたいということを言われていたではないですか。越前ガニが11月から3月近くまで福井で食べられるということをもっと積極的にPRすることができるのではないですか。 ひね鶏って,何ですかね。それはそれとして,ぜひもっとPRするものを考えるということも必要かと思いますので,よろしくお願いしたいと思います。 それから,6次産業の点,農林水産部長はいろいろと苦労されるかと思いますが,例えばパンフレットだけつくって,みんなに配るというのではなくて,私たちが望むのは,例えば先ほどの三島市の話ではないですけれども,やはり行政マンがコーディネーター役でうまく取り計らうとか,そういう積極的な姿勢を私たちは求めています。パンフレットでどうですかというのではなく,もう少し前へ踏み込んで活動をしてもらえないかという気持ちがあります。 例えば,今年度の予算で言いますと,6次産業化普及促進事業は91万円ですよ,91万円です。一体それでどこまで踏み込んだ活動ができるのかという思いがします。 福井市の推奨品育成支援事業は43万6,000円,地域を生かす特産品対策事業は60万円が90万円になりました。農産品販路開拓支援事業は50万円が40万円です。伝統の福井野菜支援事業は64万5,000円です。 ふくいブランドで売れると思ってすごく力を入れてるのは福井のお米ですよね。8,660万円が1億1,485万円に,さらに強化するという気持ちは,お米はあるんですけれど,ほかのものが非常に何か寂しいなという思いがします。 もう一点,商工労働部長,ふくいブランド開発支援事業とお答えになられたのがあるんですけれども,これふくいブランド育成事業でしょうか。そこだけちょっと違っていたかと思いまして。 ただ,私が思うのは,やはり福井は本当に行政がほかの業者と,もっと汗をかくべきではないかと思いますので,ぜひそこをしっかり押さえて,これから平成25年度,仕事をやりましょう。よろしくお願いします。 ○議長(見谷喜代三君) 要望でよろしいですか。 (泉和弥君「要望でお願いします」と呼ぶ) 次に,30番 山口清盛君。 (30番 山口清盛君 登壇) ◆30番(山口清盛君) 地方分権化時代における自治会の運営について御質問します。 日本国憲法が保障します地方自治の本旨は,団体自治と住民自治という2つの概念を基本としています。 近年地方分権が進む中で団体自治については国から県,また県から市町村への権限移譲が加速しております。 一方,住民自治においては地域の住民みずからが地域のことを考え,地域の課題を解決することが求められておりますが,これを推進するために地方議会の活性化はもちろん,地域住民自治の根幹をなす市民の市政への積極的な参加,協力が不可欠であります。そのために市民活動の最終単位となる自治会の充実強化を図る必要があると私は考えます。 しかしながら,今日の自治会においては生活環境の変化や価値観の多様化による未加入世帯の増加や,自治会に加入していても活動には消極的な住民がふえていること,さらに役員の任期が短いために引き継ぎが円滑にされないなど,多くの課題を抱えており,その機能の低下が危惧されております。 そこでまず,今日の本市の自治会加入状況とその背景について市の御所見をお伺いします。 ところで,自治意識や住民同士の交流が希薄化していく中で,平成7年の阪神・淡路大震災や,2年前の東日本大震災の際は,地域住民相互の助け合いや人と人とのきずなが重要視されたことは記憶に新しいところでございます。大災害に対して被災直後に公的な支援を期待することに限界があり,自助,共助がまず求められます。 本市におきましても,戦後間もなく昭和23年6月の福井大地震や翌月に発生した九頭竜川の堤防の決壊による水害,昭和28年の豪雨や台風による水害,近年は平成16年の福井豪雨,また昭和38年,昭和56年の豪雪などにより甚大な被害がもたらされました。これらの被害において地区住民が近隣互助の精神のもと,団結して危機に立ち向かい,速やかな復興を果たして,今日の不死鳥福井を築いてまいりました。 今後におきましては,地球温暖化による水害等が多発することも想定されることから,災害に対しての市民の安全で安心して暮らせるまちづくりが進められるには,日ごろから地域住民相互のつながりを醸成することが不可欠であると考えております。 しかしながら,戦時中,国策の末端組織に組み込まれたことへの反省や,平成17年4月の最高裁の判決で自治会の加入は強制される団体ではないとの判断が下されました。行政の自治会へのかかわり方が非常に難しくなってきています。そのため本市においても市民に対する加入促進の啓発活動や防犯灯設置の補助金といった側面的な支援活動にとどまらざるを得ない状況にあることは承知しております。 しかし,高齢社会が進む中,地域住民のコミュニティーを維持活性化し,ひいては地域住民自治を推進していくためには,行政が市民に対して自治会の加入や自治会活動への参加を呼びかけるとともに,適正な役員の任期を指導するなど,自治会の活動に対してもっと積極的に働きかけることが必要であると思いますが,市の御所見をお伺いします。 次に,地域住民を支えている自治会を単位として結成されている自主防災組織について質問いたします。 東日本大震災を踏まえ,昨年9月に政府は南海トラフ地震による被害想定として,最悪の場合,死者32万人が出るなど,国民の生命,財産,インフラは極めて深刻な打撃を受けるという予測を発表しました。 このようなリスクを強く意識するとともに,阪神・淡路大震災や東日本大震災が残したさまざまな教訓等に学びながら,防災意識を高め,自然災害を最小限にとどめるなどの減災対策は非常に重要であり,未来に生きる人々のための貴重な財産になるものと信じております。 さて,減災のためには,先ほど述べたように大震災時には公的な支援には限界があり,それを補うものに自助,共助があり,自助の大切さを啓発して地域の共助を担う組織が自主防災組織であると理解しております。 そして,この自主防災組織の基盤となるのが自治会であり,地域コミュニティーでありますが,昨今の住民の共同体的な連携が希薄化し地域コミュニティーが後退している現状を鑑みますと,自主防災組織についても同様な状況にあるのではないかと感じております。 組織の結成率が高くても,仏つくって魂入れずといった状況では,想定される大地震,津波,風水害や土砂災害などの大規模災害のときに自主防災組織の機能が効果的に発揮できないのではないかと危惧する次第であります。 東日本大震災の後,政府や防災専門機関等が災害の危険性をさまざまな形で発信している今,時期を失うことなく,自主防災組織のような住民による自律的で効果的な防災活動体制を整えておくことは焦眉の急であり,喫緊の課題であると考えております。 市といたしましても,今まで自主防災組織の活動等について指導,育成に取り組み,活性化を図られていることは十分承知しておりますが,所々奔走しても方向性を誤ると,災害時の実効性が乏しくなりますので,市といたしまして自主防災組織の今後のあり方などをどのように考えているのか,御所見をお伺いします。 以上で終わります。 (副市長 山田義彦君 登壇) ◎副市長(山田義彦君) 私からは自主防災組織についての御質問にお答えさせていただきます。 災害に対する記憶は時間とともに薄れがちでございまして,長期間にわたり防災意識を保ち,緊張感を持ち続けるのは難しいものでございます。そうしたことから,共助の中心となります自主防災組織には継続的に活動いただくことが何よりも重要であると考えております。 災害時に迅速で効果的な活動ができます自主防災組織を育成するために,行政によります地域の特性に応じた啓発活動,また資機材の整備のための支援はもちろん大切でございまして,これまで本市におきましても取り組みを進めてきているところでございます。 しかしながら,災害発生直後において救出,救助活動等の最も重要な役割を担っていただきますのはそれぞれの地域を熟知しておられる方々でございますので,自治会の日ごろの活動を通じて近隣のきずなを深めていただきますとともに,それを基盤として自立して自主的に活動ができます自主防災組織を今後とも育成してまいりたいと考えております。 (総務部長 滝波秀樹君 登壇) ◎総務部長(滝波秀樹君) 地方分権時代における自治会の運営についてお答えいたします。 まず,本市の自治会加入状況の推移とその背景についてでございます。 自治会の加入率は平成24年4月1日現在79.4%で,5年前でございます平成19年の82.0%,3年前平成21年の80.8%と比較いたしますと,減少傾向にございます。 自治会の加入率は全国的にも低下しておりまして,その背景といたしましては,経済生活圏の広域化や地域とのかかわりが希薄化していること,また市民の生活様式の多様化や個人主義の風潮などから地域における交流や地域の問題にかかわることを避ける傾向にあることなどが上げられ,本市におきましても同様の状況にあると考えております。 次に,自治会加入への啓発や自治会活動に対する働きかけについてお答えいたします。 自治会は地域の親睦や共通の問題解決を図るため地域住民で組織されました任意の団体でございまして,御承知のとおり,行政が市民に加入を強制できるものではございません。 しかしながら,東日本大震災の被災時の救助やその後の避難所生活におきまして地域コミュニティーの重要性が再認識されていることから,本市といたしましても市民が安全で安心して暮らせるまちづくりに自治会が果たす役割は非常に大きなものと認識しております。 このため加入促進のパンフレットや自治会ガイドブックの配布及び行政嘱託員研修会の開催などを通して自治会における互助の精神や自治意識の高揚に努めているところでございます。 また,自治会の円滑な運営も非常に重要でありますことから,自治会長などの役員の任期につきましては複数年継続して務めていただくことや段階的な役員の交代などを検討することについて,市自治会連合会を通じて提案してまいりたいと存じます。 ところで,今後ますます多様化する住民,市民ニーズに対応していくためには自治会と行政との連携,協働が不可欠でございますので,市民の主体性に基づいた地域活動や取り組みを協働の視点で支援することを目的に,平成22年3月に地域コミュニティー機能保持,活性化のための支援策を策定いたしまして,小規模自治会の合併など,自治会組織の運営の強化に取り組んでいるところでございます。 また,自治会加入率を高めるために,集合住宅に対しましては自治会設立に向けた説明会を開催し,子供を持つ若い保護者に対しましては就園就学前の健康診断時を捉えまして自治会加入と自治会活動への参加を呼びかけております。 今後も自治会に対しましては補助金等の財政的な支援とともに,これらの施策を積極的に展開いたしまして,市民との協働による住みよいまちづくりを進めてまいりたいと存じます。 ◆30番(山口清盛君) 自席で二,三,要望したいと思っております。 私も非常に年齢もいきまして,福井地震も体験しております。当時私は小学校5年生やったんですが,やはり近隣がもう助けてくれ,助けてくれと,消防活動ができないんですね。それを助けながら行くと一夜が明けてしまう。だから消防活動はなかなかできなかったんです。そういうふうなことを思いますと,やはり近隣の互助の精神というのは非常に大事ではないかと思っているんです。やはり家族の安否,それから近隣の安否,これが一番大事ではないかと思っております。 私もいろいろデータを見ますと,九頭竜川が大体4年に1回か5年に1回破堤しているんです。家屋の流出とかが大体1,000戸以上と,非常に多いんです。平成23年の9月には相当多かったんですが,やはり駅前までが水についていると,1週間後まで水が引かないんですね。 だから,そういうふうなことを考えますと,やはり防災意識というものは非常に大事ではないかなと,このように思っておりますので,今後皆さん方もひとつ防災を重点的に考えていただきまして,市民の安全なまちづくりに寄与していただきたいと,これは要望しておきますのでよろしくお願いします。 以上で終わります。 ○議長(見谷喜代三君) お諮りします。 本日の市政に対する一般質問はこの程度にとどめ,延会したいと存じますが,これに御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれをもって延会します。             午後5時41分 延会 地方自治法第123条第2項の規定により,本会議の顛末を証するため,ここに署名する。福井市議会議長                   平成  年  月  日福井市議会副議長                  平成  年  月  日署名議員                      平成  年  月  日署名議員                      平成  年  月  日...