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12月06日-02号

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  1. 福井市議会 2010-12-06
    12月06日-02号


    取得元: 福井市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-29
    平成22年12月定例会               福井市議会会議録 第2号           平成22年12月6日(月曜日)午前10時1分開議〇議事日程 日程1 会議録署名議員の指名 日程2 第114号議案 平成22年度福井市一般会計補正予算 日程3 第115号議案 平成22年度福井市下水道事業会計補正予算 日程4 陳情第20号 B型肝炎訴訟早期全面解決を求める意見書提出について 日程5 市政に対する一般質問──────────────────────〇出席議員(33名) 1番 下畑 健二君   2番 峯田 信一君 3番 奥島 光晴君   4番 島川由美子君 5番 堀江 廣海君   6番 鈴木 正樹君 7番 田村 勝則君   8番 今村 辰和君 9番 塩谷 雄一君   10番 青木 幹雄君 12番 西本 恵一君   14番 堀川 秀樹君 15番 野嶋 祐記君   16番 後藤 勇一君 17番 高田 訓子君   18番 巳寅 令子君 19番 石丸 浜夫君   20番 稲木 義幸君 21番 川井 憲二君   22番 見谷喜代三君 23番 皆川 信正君   24番 石川 道広君 25番 松山 俊弘君   26番 宮崎 弥麿君 27番 山口 清盛君   28番 吉田 琴一君 29番 谷口 健次君   30番 栗田 政次君 31番 加藤 貞信君   32番 近藤 高昭君 33番 西村 公子君   34番 中谷 輝雄君 35番 田辺 義輝君──────────────────────〇欠席議員(1名) 13番 浜田  篤君──────────────────────〇説明のため出席した者 市長         東 村 新 一 君 副市長        吹 矢 清 和 君 企業管理者      嶋 田 伸 行 君 教育長        内 田 高 義 君 特命幹兼都市戦略部長 藤 岡 啓太郎 君 総務部長       宮 木 正 俊 君 財政部長       清 水 正 明 君 市民生活部長     巻 田 信 孝 君 福祉保健部長     鈴 木 八 束 君 商工労働部長     小 林 利 夫 君 農林水産部長     岩 永 弘 行 君 建設部長       滝 花 正 己 君 下水道部長      岩 本   巖 君 工事・会計管理部長  小 柳 和 則 君 消防局長       宇都宮 規 昭 君 企業局長       大 良 和 範 君 教育部長       滝 波 秀 樹 君──────────────────────〇事務局出席職員 議会事務局長     矢 野 文 雄 議会事務局次長    山 先 勝 男 議事調査課長     松 川 秀 之 議事調査課主任    玉 村 公 男 議事調査課主幹    木 村 恒 昭 議事調査課副主幹   谷 本   修 議事調査課主査    藤 井 啓太郎 議事調査課主査    笹 野 直 輝 議事調査課主査    大久保 友 美 議事調査課主査    木 本 貴 博 議事調査課主事    村 上 奈津美────────────────────── ○議長(栗田政次君) 出席議員が定足数に達しておりますので,議会は成立しました。 よって,これより会議を開きます。 なお,本日の欠席通告議員は13番 浜田篤君の1名であります。 日程に入ります前に諸般の報告を行います。 去る11月30日の本会議におきまして予算特別委員会に付託しました第72号議案 平成22年度福井市一般会計補正予算を初め各会計補正予算議案については,予算特別委員長からの依頼によりお手元の調査依頼案件表のとおり,それぞれ所管の各常任委員会に調査依頼をしましたので,御報告します。────────────────────── ○議長(栗田政次君) それでは,日程1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は,会議規則第81条の規定により,17番 高田訓子君,18番 巳寅令子君の御両名を指名します。────────────────────── ○議長(栗田政次君) 次に,日程2及び日程3を会議規則第35条の規定により一括議題とします。 事務局に朗読させます。 (事務局朗読)日程2 第114号議案 平成22年度福井市一般会計補正予算日程3 第115号議案 平成22年度福井市下水道事業会計補正予算 ○議長(栗田政次君) 提出者の提案理由の説明を求めます。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) ただいま上程されました第114号議案 平成22年度福井市一般会計補正予算案及び第115号議案 平成22年度福井市下水道事業会計補正予算案につきまして御説明を申し上げます。 このたび,国におきまして円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策として編成した補正予算が11月26日に成立したことに伴い,本市におきましても社会資本整備総合交付金及び農山漁村地域整備交付金に関係する施策を速やかに実施するため,追加して提案する次第であります。 歳入歳出予算の補正では,一般会計で3億7,880万円,下水道会計で4億円を追加するものでございまして,補正後の予算額は,一般会計で1,014億8,491万3,000円,下水道会計で167億2,000万円,総額で2,036億5,786万6,000円となります。 それでは,その内容につきまして申し上げます。 第1に,道路整備事業です。 市民の皆様から特に要望の多い道路の舗装,改良及び橋梁の補修を実施するため1億8,900万円を追加し,安全で快適な生活環境を確保します。 第2に,公園整備事業です。 東山運動公園の設備が老朽化したことから,空調やボイラー設備を更新するため9,400万円を計上し,市民の皆様が快適に施設を利用できる環境を提供します。 第3に,林道整備事業です。 林道6路線の開設をさらに促進するため9,580万円を追加します。 第4に,下水道整備事業です。 分流区域内の汚水幹線及び汚水準幹線の管路を布設するとともに,合流式下水道区域における降雨時の雨水一時貯留設備を築造するため4億円を追加し,公共用水域の水質を保全します。 なお,これらに対応する一般会計の歳入としましては,国庫支出金で1億4,985万円,県支出金で6,311万2,000円,繰越金で33万8,000円,市債で1億6,550万円を計上しております。何とぞ十分に御審議の上,妥当なる御議決を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(栗田政次君) ただいま説明のありました第114号議案及び第115号議案について質疑を許可します。 (「なし」と呼ぶ者あり) 御質疑なしと認めます。よって,質疑を終結します。────────────────────── ○議長(栗田政次君) 次に,日程4を議題とします。 事務局に朗読させます。 (事務局朗読)日程4 陳情第20号 B型肝炎訴訟早期全面解決を求める意見書提出について ○議長(栗田政次君) それでは,先ほど上程しました第114号議案及び第115号議案,陳情第20号については,お手元に配付しました付託案件表のとおり,それぞれ教育民生委員会及び予算特別委員会に付託します。────────────────────── ○議長(栗田政次君) 次に,日程5 市政に対する一般質問を許可します。 議長の手元に発言の通告が参っておりますので,順次指名します。 なお,質問時間は再質問,再々質問を含めて30分です。質問者は時間に留意され,質問は重複を避け簡明に,また理事者は質問の趣旨に沿い,簡潔かつ的確に答弁されますようお願いします。 9番 塩谷雄一君。 (9番 塩谷雄一君 登壇) ◆9番(塩谷雄一君) おはようございます。市民クラブの塩谷雄一でございます。 毎回一般質問をさせていただいているんですけれども,トップバッターですと,また違った緊張感があるなと思います。理事者の皆様方,よろしくお願いいたします。 通告に従いまして順次質問させていただきます。 まず初めに,足羽川ダムについて質問させていただきます。 足羽川ダム問題については,ことしに入ってからも多くの議員から質問がされています。 足羽川ダム問題についてでありますが,最近,これまで経験したことのないようなゲリラ豪雨による被害が全国各地で毎年のように発生しており,治水対策は本市において必要不可欠と考えます。それだけに,足羽川ダム整備についても,福井市にとって治水・水防対策上,大変重要な問題だけに市民の安心・安全の確保を最優先にと考える今日,早期整備が急務と考えます。 本市は,平成16年に豪雨災害で甚大な被害を受けました。今の私が住む地域は雨水貯留管ができたといえども,少し強い雨が降ると,やはりあの豪雨災害を思い出します。甚大な被害を受けた福井市だからこそ,ダム建設への必要性を強く訴えるべきと考えます。本市のこれからの取り組みについて,足羽川ダムの必要性をどのように考えているのかをお伺いします。 また,足羽川ダム建設促進における現状はどのようになっているのか,重ねてお伺いいたします。 次に,経済対策について質問させていただきます。 政府の緊急経済対策,日本銀行の4年3カ月ぶりの実質的なゼロ金利政策,政府・与党がこの対策を実施することで円高阻止やデフレ脱却を目指したと言えます。エコポイントの対象拡充や地方が公共事業に使える地域活性化交付金は,景気の下支え役にとどまる可能性があります。従業員を解雇せず,休業などにとどめた企業に支払われる雇用調整助成金の条件緩和も盛り込まれましたが,これもやはり新規雇用の創出につながるものとは,なかなか考えにくいです。 経済対策について,そこでまず3点の質問をさせていただきたいと思います。 初めに,生活保護問題ですけれども,市民のセーフティーネットとしての生活保護が大変重要性を増している今日,過去3年間の推移状況,また類型別の状況,本市としてどのような対応をしているのか,お伺いいたします。 次に,緊急雇用対策ですが,助成金,労働者保護を図るための内定取り消しの対応,離職,解雇問題,緊急人材育成支援など,対策をさまざま進めてまいりました。 現在の厳しい経済情勢のもとで企業をめぐる環境も厳しさを増している状態にあり,やむなく労働条件の引き下げや希望退職者の募集,解雇など,雇用調整を行わざるを得ないとする企業も見られます。 私も民間企業でしばらく仕事をしてまいりましたが,当時も景気が悪く就職難でしたが,今日ではこれほど雇用の不安を感じる人が多い時代を私は初めて経験しています。終身雇用体制の崩壊,規制緩和による非正規社員の増大,さまざまな要因があると思います。この雇用不安を取り除かない限り,個人消費もふえず,景気回復はおくれ,また子供を安心して産み育てることができず,少子化対策も有効に機能しないということになります。 雇用保険や労働派遣法の法改正など,国の制度改革を待つ必要はありますが,福井で働く者の雇用は福井が守り,市民一人一人の雇用不安を取り除く,福井市独自の緊急雇用対策が強く求められております。本市として現在の雇用情勢をどのように考えておられるのか,お伺いいたします。 また,今後の雇用対策をどのように進めていくのか,お伺いいたします。 最後に,福井市の成長戦略についてお伺いいたします。 この激動の時代,経済界や産業界,地域との連携,そして福井らしさを生かしたまちづくりが必要と考えます。少子・高齢化の進展や環境・エネルギー制約の高まりなどの社会的課題への対応を新たな成長市場にしようとする考え方など,国,県の動向を注視するとともに,そうした戦略に即した施策が本市の経済の成長に結びつくものとなるよう,国に対して本市の新たな事業展開などについて積極的に働きかけていかなければならないと考えます。今後の本市の向かうべく方向,成長の戦略があればお伺いいたします。 私からの質問は以上です。御清聴ありがとうございました。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) まず,足羽川ダムについての御質問にお答えをいたします。 平成19年2月に策定されました九頭竜川水系河川整備計画では,足羽川の計画流量を毎秒2,400立米としております。下流部については河道掘削などの足羽川激甚災害対策特別緊急事業が完了し,計画流量毎秒1,800立米を確保しております。しかし現在,上流部で毎秒600立米の洪水調整を行うためのダムが未整備であり,下流域における治水安全度を高めるためには足羽川ダム建設が必要不可欠と考えております。 次に,足羽川ダム事業の現状について申し上げます。 9月28日に国土交通大臣より近畿地方整備局長に対し,直轄ダム事業の検証に係る検討が指示されました。 足羽川ダムの検証については,11月18日付で近畿地方整備局長から本市へ,足羽川ダム事業関係地方公共団体から成る検討の場への参加依頼があったところです。この検討の場において,ダム本体案を含む幾つかの治水対策案を立案し,学識経験者,流域住民,流域自治体からの意見募集を重ねて対応方針案を決定し,国土交通省へ検討結果を報告することとなっております。なお,この検討の場は本年度中に開催されると聞いているところです。 次に,経済対策についての御質問のうち,今後の本市が向かうべき方向についてお答えします。 市町村は基礎自治体であり,地域の実情,ニーズを的確に把握し,市政に反映できる強みを持っております。こういう厳しい時代だからこそしっかりと地域社会に軸足を置き,みずからの足元を見つめて将来を見据えた成長戦略を描いていかなければならないと考えています。 現下の厳しい経済状況の中,福井市が元気を取り戻すために何をするかということですが,福井には優秀な中小企業が多くあります。市内,県内にあるこれらの企業が協力し合うことにより,例えば,わざわざ遠いところから部品等を運ばなくても済むような効率的な産業構造が構築されます。現在,産学官の連携や第6次産業の推進,工業団地の意見交換会などに取り組んでおりますが,こうした取り組みが新しい製品の開発など,競争力の強化につながればと思っています。 一方,本県の有効求人倍率は10月で0.90倍と,4カ月連続で都道府県別トップです。また福井出身の若人は優秀で,これまでにも世界に羽ばたいている人がたくさんいらっしゃいます。現在の雇用環境には厳しいものがありますが,多くの優秀な若者に本市の中小企業で仕事をしてもらうことで企業も強く大きくなり,それがまた雇用を生み,福井を元気にするというよい循環をつくっていくことになると考えているところです。 (商工労働部長 小林利夫君 登壇) ◎商工労働部長(小林利夫君) 経済対策についての御質問のうち,緊急雇用対策についてお答えいたします。 まず,現在の雇用情勢をどのように考えているかでございますが,福井県の10月の有効求人倍率は0.90倍となっており,前年同月比で8カ月連続の増加となり,持ち直しの動きが見られます。しかし来春大学等卒業者の求人数は減少しており,特に若年者の雇用失業情勢は依然として厳しい状況にあると感じております。 次に,福井市独自の雇用対策についての御質問ですが,市町単位での雇用対策は非常に難しいのが現状でございます。そうした中で,本市では就職に役立つ情報を発信するメールマガジンや,企業情報を紹介するサイト,ふくいおしごとネットの開設で,主に若年者の雇用促進を図っているところでございます。 雇用対策につきましては,平成21年度から平成23年度までの事業でありますふるさと雇用再生特別基金事業及び緊急雇用創出事業に取り組んでおりますし,平成23年度でも積極的に基金事業を活用してまいりたいと考えております。 (福祉保健部長 鈴木八束君 登壇) ◎福祉保健部長(鈴木八束君) 経済対策についての御質問のうち,生活保護世帯の増加についてお答えいたします。 まず,生活保護世帯の過去3年間の増加推移状況生活保護世帯類型別の状況についてでございます。 議員御承知のとおり,本市の生活保護受給世帯につきましては年々増加しておりまして,平成19年度末で932世帯であったものが,平成20年度末には1,054世帯,平成21年度末には1,310世帯になっており,平成22年度10月末時点では被保護世帯数は1,379世帯となっております。 これを世帯類型別に見ますと,高齢者世帯が594世帯で43.4%,母子世帯が48世帯で3.5%,障害者世帯が130世帯で9.5%,傷病者世帯が370世帯で27.0%,その他の世帯が228世帯で16.6%となっております。中でもこの2年の間に稼働年齢層にありながら職につけない,仕事がないといった理由等により生活保護が必要となったその他の世帯数は,平成19年度末の53世帯に対して228世帯と,4.3倍にふえております。 こうした被保護世帯の増加率は平成21年度に比べると若干緩やかにはなってきておりますけれども,増加数の最大伸び率を示しているその他の世帯の増加につきましては,景気低迷や雇用環境の悪化などを要因としており,引き続き厳しい状況が続くものと考えております。 生活保護受給者の増加に伴い生活保護費も年々増加しておりまして,平成22年度では約34億1,800万円の決算を見込んでおりまして,今回の補正予算案においても3億2,800万円を追加計上させていただいたところでございます。 財源内訳は,国が4分の3,市が4分の1の負担となっておりまして,市の負担額は平成22年度の決算見込みでは約8億5,000万円を見込んでおります。リーマン・ショック前の平成19年度の市の負担額5億2,000万円と比較して約3億3,000万円の増加となっており,今後も市の財政負担が増加していくものと懸念をいたしております。 次に,生活保護世帯の増加に対する対応についての御質問にお答えします。 本市では,稼働能力を有する生活保護者に対してケースワーカーが家庭訪問し,生活相談や就労指導,ハローワーク等への就労活動に同行するなど支援を行っております。また,昨年度から専門的な就労支援員を配置し,生活保護者の能力や意欲に沿った就労援助や指導等を徹底して行うことで生活保護受給者の経済的自立に向けて取り組んでおります。 今後とも,生活保護者が抱える就労への不安や傷病,家庭環境等の生活上の諸問題に対して,関係機関と連携をとりながら自立した生活が取り戻せるように積極的に取り組んでまいります。 ◆9番(塩谷雄一君) 自席で再質問をさせていただきたいと思います。 まず,生活保護の問題ですけれども,リーマン・ショック後も約3億3,000万円ですか,市の負担額が,2年たった今もなお増加傾向にあるということで懸念されているという答弁でしたけれども,それですと,先ほど言われたケースワーカーが担当する範囲やその世帯数がかなり多くなるかと思います。それについての対応として,ケースワーカーの増員が私は必要かと思うんですけれども,今,ケースワーカー1人当たりの生活保護世帯数,その負担割合はどのぐらいになっているのか,答弁いただきたいと思います。 そして次に,経済対策ですけれども,市独自というのは確かに難しいかと思います。けれども,市長にぜひ聞きたいんですけれども,経済対策というのは福井市のよさを伸ばす,弱いところを補てんするぐらい強いところを伸ばすべきと私は思うんです。 では福井市の強みとして,先ほど言われていた中小企業が元気になることが建て直しになるという答弁をされておりましたが,その先ほど言っていた中小企業の産業間のつながりだけでなくて,もう少し具体的に,その強みを増すための施策,成長戦略があればお示ししていただきたいと思います。 ◎福祉保健部長(鈴木八束君) ケースワーカーの増員が必要との再質問をいただきましたが,10月末現在でケースワーカーの1人当たり担当世帯につきましては106世帯となっております。社会福祉法によりますケースワーカー標準担当世帯数につきましては1人当たり80世帯が標準ということになっておりますので,10月末現在でケースワーカーが13人でございますので,約5人不足しております。 ただ,不足してはおりますけれども,生活保護に支障があってはなりませんので,そういった中でも精いっぱい取り組みを進めておりますので,今後ともしっかりやっていきたいと思います。よろしくお願いします。 ◎市長(東村新一君) 先ほどもお答えいたしましたとおり,また議員が御指摘になっておられるように,国の成長戦略事業を推進していくような,そういう部分,例えば環境に関する機器の開発とか,こういうことは非常に重要だとは思いますが,なかなか一朝一夕にいくものではありませんし,これまでのいわゆる積み重ねがどの程度まで来ているのかも,企業によってみんな違っています。 そういう中で,先ほどお答えしたように,それぞれの企業間の連携,特に中小企業の場合には自分たちの持っているノウハウをほかのところへ出さないという,逆に言うとちょっと閉鎖的な部分もあるわけですが,このあたりのところを,やはり皆さんが何をやっておられるのか,そしてそのはざまになっているのはどういうことなのかということで,意見交換が十分にできるようなことが行われるようになると,当然そこで新しいものの必要性を認識されることもあって,このあたりが十分にできる環境づくりをしながら,そして必要があるものについての開発をしていっていただく。これは当然それぞれのところにそういう得手な部分がありますので,そこをやはり伸ばしていただくことが必要ではないかと思っております。 ◆9番(塩谷雄一君) 福祉保健部長から生活保護の問題でケースワーカーが5人ほど不足しているということでしたが,何かあってはいけないということなんですけれども,何かあってからでは,これは遅いです。本当の市民のセーフティーネットとなる部分ですから,まずこの人数を増員する予定があるのか。先ほどは生活保護世帯が増加傾向にあると,それを懸念していると言われているので,もしかしたらその答弁は,来年もふえていくのではないかとも受け取られます。ふえていくのではないかというのに,その増員をしないというのは,これは矛盾ですよね。ですので,増加傾向にあるんでしたら,増員するべきだと私は思いますので,これについての考え方があるのかどうか,お伺いいたしたいと思います。 また,市長も今御答弁いただいたとおり,市のホームページの市長の部屋に「住みたい・住んでみたいと感じられるようなまちづくりを取り組んでいきますので変わらぬ御支援と御協力」と書いてあるように,私たちもやはり市長の強いリーダーシップのもとで,どういった福井市を導いていくのかというのがこれから求められていくと思います。やはり強い信念で,この福井市の経済を立て直す,ほかの市や国や県にフォーカスするのではなくて,やはり福井市をこうするんだという強いリーダーシップでこの福井市を導いていってほしいと私は思いますので,これは要望にさせていただきたいと思います。 ◎総務部長(宮木正俊君) ケースワーカーの増員ということでございます。これは全体の限られた人員の中で我々は考えてまいりたいと思います。当然5人が必要だということになれば,幾らかの増員というのは必要かとは考えてございます。全体のこれからの人員配置の中で考えてまいりたいと思ってございます。 ○議長(栗田政次君) 次に,26番 宮崎弥麿君。 (26番 宮崎弥麿君 登壇)
    ◆26番(宮崎弥麿君) 新政会の宮崎でございます。 久しぶりの質問でございますから,ちょっと年をとってはいますけれども,緊張しています。それから,私の質問は,すべて市長の思いや考えをお尋ねするものでありますから,答弁はすべて市長にお願いしたいと,まずもってお願いしておきます。 それではまず,まちづくりに対する市長の基本姿勢についてをお尋ねいたします。 平成19年12月に東村市長が第16代の福井市長に就任して,今月23日をもって丸3年を経過することとなります。 当時市長は,マニフェスト希望と安心の福井新ビジョンを掲げ,その実現を市民に対する公約として選挙に臨まれたわけですが,この3年の間に基本方針や部局マネジメントといった個別の施策,具体的事業に関するものは更新され,進行管理も行われてきたようですが,肝心の市長の政策の原点であるべきマニフェストの全体像は,多くの行政課題の中に埋没し忘れ去られてしまった感が否めないように思っております。 平成23年度は,市長にとって1期目の最終年度であると同時に仕上げの年となります。そこで,1期目の最終年度を迎えるに当たって,改めて市長のまちづくりに対する考え方をお伺いすることと,あわせて市長が考える福井市づくりの目標,その達成状況についてもお尋ねしたいと思います。 加えて,年末から年明けにかけては平成23年度の予算編成作業が佳境を迎えることとなると思いますが,平成23年度の予算編成の考え方と,何を重点項目にするかについても答弁をお願いいたします。 次に,安全・安心のまちづくりについてをお尋ねいたします。 希望と安心のふくい新ビジョンのサブタイトルには,家族が笑顔で暮らせるふくいを創りますとあります。マニフェストにもありますように,笑顔の基本には市民の一人一人が安心と安全を実感できる町であることが必要であると思います。 市民生活にかかわる安心・安全といいますと,まず災害に対する備えがありますし,次に生活を脅かす犯罪や近年の新型インフルエンザ問題,食物汚染,生活環境の悪化,子供を育てる環境,さらには年金等を含めた生活の基盤など,極めて多方面に及ぶこととなります。 こうした中で,まず,危機管理の意義をどのように考えているのか,公すなわち行政の役割を含めてお伺いいたします。 また,本市の安全・安心対策として,この3年間に取り組まれた内容とその実績についてもお尋ねいたします。 次に,福井市の男女共同参画についてお尋ねいたします。 男女共同参画社会というのは,男女が社会の対等な構成員として,みずからの意思により社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され,よって男女が均等に政治的,経済的,社会的及び文化的利益を享受することができ,かつ,ともに責任を担うべき社会と定義されているように思います。 男性も女性も性別にかかわりなく,その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は,我が国の最重要課題とされております。したがって,このことは福井市においても市政運営の中で最重要課題としての取り組みがなされることは当然であると思います。 これを受けて,国では平成11年6月23日,国,地方公共団体,そして国民による取り組みを総合的かつ計画的に推進するため,男女共同参画社会基本法が公布施行され,さらに同基本法第13条により,平成12年12月12日には男女共同参画基本計画第1次が閣議決定されましたし,5年後の平成17年12月27日には,同基本計画第2次が閣議決定されております。福井市においても次々とこの基本計画に基づいた計画が策定されておるようであります。 ところで,2006年に世界経済フォーラムが発表した男女格差報告によれば,日本は世界115カ国中79位と,途上国以下の評価とされております。日本女性が責任を伴った影響力のある仕事についている割合や,国政への参加率が低いといった実態が浮き彫りとなり,男女共同参画の分野において日本は後進国と言われていることが明らかになっております。 そこで,第2次基本計画では10項目の重点事項を盛り込み,さらには政策方針決定過程への女性の参画の拡大を図るなど,積極的な女性参画の取り組みを進めているものであります。 また,地方公共団体等における取り組みの支援では,2020年度までに指導的地位に女性が占める割合が,少なくとも30%になるようとの目標を定め,県に対し市町村への指導を強化するよう要請をしていると聞いております。 このように,国においても最重要課題として位置づけしている男女共同参画について市長のお考えをお尋ねするものであります。 さらに,福井市の管理職の登用や各種委員会での女性委員の登用の実態と,今後の基本となる考え方についてもあわせて御答弁をお願いいたします。 次に,夫婦別姓についてお尋ねいたします。 民主党政権は,一たんはあきらめたかに見えました選択的夫婦別姓制度を柱とする民法改正案を次の国会に提出する準備をしていると聞いております。 その概要によると,夫婦は婚姻時に同姓か別姓かを選ぶが,別姓の場合,子供の姓は夫婦どちらかの姓に統一し,一たん同姓か別姓かを決めた後は変更できない,婚外子への相続を嫡出子と同一化する,女性の再婚禁止期間を6カ月から100日間にするなどが上げられているようであります。また,同法案の制定を目指す推進派は,その理由を女性の社会進出のためとしておりますが,現在女性の社会進出上の不利益は旧姓の通称使用の拡大によりほぼ解消されております。 別姓推進派である千葉景子前法務大臣は,かつて「結婚を何でお国に届けなくてはいけないの」とか「戸籍は個人個人の登録さえすればそれでいいんじゃないの」などと述べていると聞いております。また,社民党の代表である福島瑞穂前少子化対策担当大臣は「子供が18歳になったら家族解散式をやりたいわ」「別姓の夫婦が多くなれば,外見上では事実婚なのか法律婚なのかわからないと思いますし,私はわからない方がよいと思います」と述べておるようであります。 このように別姓推進派は,この法案が可決された後,最終的に戸籍をなくし,家族をばらばらにしようとしていると言えるのではないかと思っております。現在青少年による悲しい事件が多発しており,家族のきずなの重要性がますます叫ばれております。大人の勝手な権利の主張が,ますます子供たちを不幸にすることになるだろうと心配しているものでもあります。 鳩山前総理大臣は「私も前から基本的に夫婦別姓に賛成だ」と表明しているとのことでもありますし,この選択的夫婦別姓制度は必然的に親子の別姓をもたらします。家族の一体感,家族のきずなを象徴するファミリーネーム,家族同姓は絶対守るべきであると私は思っております。 選択制という言葉にだまされてはならないのであります。子供に選択の自由はありません。生まれたときに親が姓を決めてしまうからであります。選択制だからと軽率に判断することは,日本の将来を考えて極めて危険きわまりない行為であると私は思っております。 平成19年,ユニセフが世界じゅうの子供を対象に幸福度調査を実施したところ,孤独を感じると答えた子供は29.8%おり,日本は断トツの1位であったようであります。子供たちの心を無視したこの民法改正案には,子供たちを守り健全育成を図るためにも断固反対すべきと考えております。 そこで,この夫婦別姓についての市長の考え方を聞かせてください。 最後に,外国人の参政権についてお尋ねいたします。 民主党政権は,特別永住者や一般永住者,約91万人に参政権を付与する永住外国人地方参政権法案を国会に提出するための準備を急いでいると聞いております。 この法案は,地方参政権に限定されているので国民主権の根幹を揺るがすものではないとの意見があります。しかし,外国人に地方参政権を付与することは明確に憲法に違反するものであります。最高裁判所は平成7年,「公務員を選定,罷免する権利を保障した憲法第15条1項の規定は,権利の性格上,日本国民のみをその対象とし,右規定による権利の保障は,我が国の在住する外国人には及ばないと解するのが相当である」との判決を下しております。つまり,参政権は国民固有の権利と規定した日本国憲法に明確に違反していることになるわけであります。 しかも,外国人地方参政権法案は,地方に限定されているとはいえ,国政と地方政治の境界は明確ではなく,自衛隊や原発などの安全保障政策やエネルギー政策など,地方政治の中のものであっても国政や国益と密接に結びつくものもあります。また,一昨年の北京オリンピック聖火リレーのとき,数千人の中国人留学生が,本国からの指示でもあったのでしょう,長野に結集し,チベットの人権弾圧を正当化するデモを行いましたが,長野に中国の国旗が乱立した一種異様な光景は,当時テレビ等で放映されており,記憶に新しいものであります。 今回の法案は,韓国籍永住者などの特別永住者42万人,そのほか一般永住者約49万人にも付与する方針とのことであります。この一般永住者とは日本に10年以上在住している外国人で,中でも中国人が14万5,000人とトップであり,その中国人永住者は毎年1万人ずつ増加しているということであります。その結果は,我が国の教育行政が内政干渉されたり,国土の領有権が脅かされる等のおそれが十分であります。 政府は,我が国土と国民の財産を守る重大な責務を負っております。我が国に批判的な外国勢力の意向を受けた永住外国人に地方自治や国政が左右されるようなことがあってはならないのであります。 そこで,市長に外国人への地方参政権付与についてどのように考えておられるのか,お尋ねいたします。 以上で私の質問を終わります。よろしくお願いいたします。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) まず,私の考える福井市づくりについての御質問にお答えいたします。 その目標と達成状況についてです。 目標として掲げたマニフェスト希望と安心のふくい新ビジョンにつきましては,その達成を図るため,任期4年間に取り組む内容を平成20年2月に,希望と安心のふくい新ビジョン実現のための基本方針として定め,各種事業に取り組んでおります。 その進捗状況につきましては,平成20年度,平成21年度の取り組み状況を検証するため,外部の専門家による中間検証を行い,先日報告書を公表したところであります。 検証の結果,進捗が順調と言える評価S,A,Bは,全71項目のうち53項目であり,全体としておおむね良好であるとの評価を得ました。特に成果が上がっている分野としては,教育支援プランの策定や教育ウイークの実施などの教育に関する分野や,一乗谷朝倉氏遺跡のPRなど観光に関する分野があります。その一方で,進捗がおくれている項目としては,北陸新幹線の認可や福井駅西口中央地区市街地再開発事業が上げられます。 就任後の経済の落ち込みが予想以上であったこと,また政権交代があり,国の施策の方向が変わったことなど社会経済情勢の影響が大きく,進捗がおくれているものもありますが,マニフェストの実現に向けて今後も努力してまいります。 次に,平成23年度の予算編成の考え方と重点項目についてお答えいたします。 平成23年度は,「希望と安心のふくい新ビジョン」実現のための基本方針が最終年度を迎えることから,目標達成に重点を置いた予算編成を行ってまいります。 項目別で申しますと,まちづくりでは,お年寄りや子供,学生が手軽に利用できるよう,人に優しい市内全域の交通ネットワークを整備することとしており,平成21年度からは美山地域,海岸部,清水地域において地域バスの運行を開始しております。引き続き郊外の拠点駅,バス停等を中心に全域交通ネットワークの整備に取り組みたいと考えております。 また,中心市街地の活性化を図るため,空き店舗対策としての中心市街地チャレンジ開業支援事業や,まちなか居住を支援するまちなか住まい事業,さらに優良建築物等の整備に対する支援等を行ってまいりました。今後とも,にぎわいのまちづくりに向けた施策に取り組んでまいります。 教育,子育てでは,学校施設の耐震化やトイレの整備等を積極的に進めてきたところですが,中でもD,E判定の校舎の耐震化は平成23年度中に完了する予定となっております。引き続き学校施設の改修を行うとともに,安居中学校,中藤小学校の建設などにも取り組み,教育環境の充実に努めてまいります。 また,子育て環境の向上,男女共同参画社会の推進のため,放課後児童クラブ,放課後子ども教室の設置を進めてまいりました。今後も,子供たちの成長に役立つ運営のため,地域の方々の協力を得ながら運営してまいります。 産業では,本市観光の柱である一乗谷朝倉氏遺跡,まちなか,越前海岸の観光素材に磨きをかけ,また,周辺の市町と連携して魅力ある広域観光周遊コースを設定したほか,一乗谷朝倉氏遺跡と永平寺を結ぶシャトルバスの運行なども実施してきたところです。特に,一乗谷朝倉氏遺跡を題材とした観光イメージアップ素材を作成し全国発信を行った結果,平成22年に遺跡を訪れた観光客は既に64万人を超え,前年に比べ約35%の大幅な増加があり,一定の成果を上げることができたと思っております。 また,越前海岸においては,恵まれた自然やおいしい食をどのように売り出すかについて地元と意見交換会を開催し,協議を重ねているところです。 こうした観光への取り組みをさらに推進し,交流人口の増大による地域の活性化を図ってまいります。特に来年は,NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」が放映されますので,この機会をとらえ積極的に福井市のイメージアップと観光誘客に努めたいと考えております。 そのほか,地域特産品の品質向上と生産拡大に取り組んでまいりました。特に農商工連携の取り組みとして,六条大麦や金福スイカなど,将来性のある福井の農産物16品目をふくい一押しの逸品に認定するとともに,市内や県内の原料による認定加工品制度により普及を図る支援をしているところです。 地域資源を生かした産業の育成は今後も重要な課題であり,新たな商品開発への支援も含め,積極的に推進したいと考えております。 健康福祉では,健康寿命を長くするため,ウオーキングやスポーツレクリエーションといった日常的な運動の場を提供してまいりました。今後も健康づくり市民運動としての展開を目指して,スポーツイベントへの参加者の広がりやスポーツ活動の機会拡充を図ってまいりたいと考えております。 また,がん,生活習慣病対策として予防活動を強化するほか,早期発見,治療のため,健康診断の受診率向上に取り組みます。 さらに,これらの施策を進めるほか,地域経済の活性化を図るため,国,県の政策に適切に呼応し,中小企業への支援や雇用対策等の経済対策についても積極的に推進してまいりたいと考えております。 今後とも,地方財政計画や,国,県における予算の動向を的確に見きわめた上で,議会での御審議や市民の皆様からの声にも十分に意を配しながら,真に市政の発展と市民生活の向上に結びつく効果的で無駄のない予算編成に取り組む所存でございます。 次に,安全・安心のまちづくりについての御質問についてお答えします。 まず,危機管理の意義と危機管理行政の役割についてお答えします。 危機管理の意義とは,市民が安全で安心して暮らせるように日ごろから不測の事態や不安を解消するため適切な対応を行うことであり,万が一,自然災害等が発生した場合には,被害を最小限にするため迅速,的確に対応することと考えております。 また,今後の行政の役割としては,福井地震や福井豪雨などの教訓を風化させることなく,これまで国内外で発生したさまざまな危機事象を念頭に,日ごろから福井市のどこが,何が危険なのか,さらにその危険を回避するにはどのような措置が必要なのかを具体的にシミュレーションし,警察や消防,各地区の防犯隊や自主防災組織等と連携を図りながら危機に備えるとともに,必要な安全対策を施していくことであると考えています。 次に,安全・安心対策としてこれまで取り組んできた内容と実績についてお答えします。 安全・安心は大きく2つに分かれると考えます。 1つは,地震,水害,火災,交通事故,犯罪といった災害等に対して安全・安心であるということです。これらについては,自主防災組織の育成促進,災害時要援護者対策の推進,足羽川や日野川の改修促進,災害に備えた森づくり,川づくり,学校の耐震化などに取り組んできました。 もう一つは,暮らしのセーフティーネットとしての安全・安心です。この分野では,生活困窮者への対応や地域コミュニティーの活性化,地域密着型の介護サービスの整備などに取り組んできました。 次に,達成状況ですが,学校の耐震化など目標以上に達成できた項目もありますし,自主防災組織の育成促進や防災情報システムの整備,浸水対策としての雨水貯留管整備なども順調に進んでいます。 その一方で,課題として残されている項目としては,足羽川ダムの整備促進や支川の河道拡幅,急傾斜地対策などのほか,国で検討が行われている年金や医療制度などが上げられます。 現時点で進捗がおくれている項目について目標が達成できるよう取り組んでいくことはもちろんですが,地域の意見をよく聞いて,きめ細やかな取り組みが必要であると考えています。今後とも市民の目線に立って安全・安心なまちづくりを進めていきたいと考えています。 次に,福井市の男女共同参画についてお答えします。 本市は平成10年に男女共同参画社会の形成を目指すため男女共同参画都市福井宣言を行い,家庭,地域,職場など,あらゆる分野において男女がともに参画し,ともに築く,優しさと活力ある福井を目指してきました。また,福井市第3次男女共同参画基本計画においては,男女の自立と平等にかかわる意識の醸成,女性と男性のあらゆる分野への対等な参画,男女均等な機会と待遇の条件整備など,5つの目標を掲げ,特に家庭,地域,職場における意識の醸成に取り組んでいます。 私は男女共同参画と少子化対策は車の両輪と考え,未来を担う子供たちの育成と,働く女性の応援の2つを基本にし,家族が笑顔で生き生きと暮らせる福井の創造を目指しているところです。 これまでは,男女共同参画・子ども家庭センターの設置や第2次次世代育成支援対策推進行動計画の策定を行い,子育て環境の整備などの取り組みを進めてきました。 このような取り組みにより職場や地域などにおける意識醸成は進んできたものと存じます。しかしながら,家庭での子育ての役割分担などにおいては意識の醸成はいまだ十分ではないと考えているところです。家庭での推進につきましては,行政の取り組みだけでは困難なことから,今後は市民,市民組織の協力をいただきながら推進していきたいと考えております。 今後とも,男女があらゆる分野で対等なパートナーとして生き生きと暮らせる男女共同参画社会づくりを推進してまいりたいと存じます。 次に,夫婦別姓についての考え方についてお答えいたします。 先月22日に官房長官を議長とする政府の男女共同参画会議が第3次男女共同参画基本計画案を公表しました。 その計画案には「選択的夫婦別姓の導入に向けた民法改正について引き続き検討を進める」と明記してあります。これは,7月に首相に提出された答申における民法改正が必要から引き続き検討を進めるに表現が変わっています。報道によれば,与党内の異論に配慮したとのことで,夫婦別姓については人によって考え方が異なり,単純に結論が出る問題ではないということがうかがえます。 また,議員御指摘の青少年の健全育成の観点からは,夫婦と親子の関係は家族の根幹をなすものであり,そして家庭は家族との触れ合いを通じて基本的な生活習慣や生活態度を身につける教育の場,心の安らぎを得てあすの力を生み出す憩いの場であると考えております。希望と安心のふくい新ビジョンの中でも,家族が笑顔で暮らせるふくいを創ると申し上げておりますように,私は家族のきずなは子供にとって非常に重要なものであると認識しており,夫婦別姓については慎重に検討されるべきものであると考えております。 次に,外国人への参政権付与に対する考え方についてお答えいたします。 外国人の参政権についてもさまざまな意見や課題があります。永住外国人に参政権を付与するかどうかは,我が国の社会のあり方や国の制度の根幹に大きな影響を与える可能性があると考えられ,国民全体で十分な議論を尽くしていくことが必要で,これもまた安易に結論を導き出すような問題ではないと認識しています。 この問題については,今後も国会においてさまざまな議論がなされると思いますので,関心を持ってその動向を見守っていきたいと考えていますが,グローバル化が進む今日の社会にあって,将来の日本を考えますと,従来とられてきた国家間での制度がバランスがとれている相互主義の考え方は重要ではないかと思っています。 なお,詳細部分につきましては関係部長から回答させていただきます。 (総務部長 宮木正俊君 登壇) ◎総務部長(宮木正俊君) 男女共同参画のうち,女性職員の管理職への登用状況についてお答えいたします。 平成22年度は,次長級4人,課長級5人,副課長級12人の合計21人を管理職として登用しております。さらに管理職の補佐的役割を果たします主任職につきましては43人を登用しており,管理職と主任の合計数では64人と,合併当初の平成18年度の29人を大きく上回る状況でございます。 また,管理職全体に占める女性職員の割合を見てみますと,消防吏員を除く職員の割合で,平成18年度に7.3%であったものが平成22年度では8.6%と,年々その割合もふえてきております。 次に,女性管理職をふやすための取り組みでございますが,まず1つ目は,女性職員の業務範囲の拡大でございます。企画立案やスタッフ能力などが求められる部署を初め,多様な部署に配置し,若い時期から幅広い仕事が経験できる環境づくりに努めているところでございます。 2つ目といたしましては,研修を利用した取り組みでございます。市町村職員中央研修所の女性リーダー育成研修への派遣を初め,自治大学校の幹部候補者養成研修への派遣,さらには今年度の新規研修メニューである国立大学法人政策研究大学院大学修士課程コースへの派遣など,県外への研修機関へ積極的に若手,中堅の女性職員を派遣しております。 今後も,これらの取り組みを積極的に推進することで女性職員の昇任への意欲をさらに高めながら,男女がバランスよく管理職として活躍できる組織づくりに努めてまいりたいと考えております。 (市民生活部長 巻田信孝君 登壇) ◎市民生活部長(巻田信孝君) 男女共同参画についての御質問のうち,各種委員会での女性登用についてお答えいたします。 本市の審議会,委員会におけます女性の登用率につきましては,昨年度末106の委員会等で平均35.5%でございました。その内訳は,福井市消費者生活モニターなど6つの委員会では70%以上,50%以上70%未満といたしましては福井市男女共同参画審議会など25の委員会でございます。30%以上50%未満は福井市公共事業等評価委員会など32でございまして,その他30%未満は福井市水防協議会など43でございます。 これらの各種委員会につきましては,それぞれの条例等により委員の構成や団体が定められているところでございまして,構成比率に反映されにくいものがございます。しかしながら,今後も各種委員会での女性登用につきましては全庁的に取り組んでまいりたいと存じますので,よろしくお願いいたします。 ◆26番(宮崎弥麿君) 市長にたくさん答弁していただいてありがとうございます。余りたくさんしゃべらせるなという顔が見えるようなので,ちょっと申しわけないかなという気もいたしました。 まちづくりについて市民の皆さん方から,市長はどういう福井市をつくりたいのかが見えてこないという声が非常にふえてきております。したがって細かい,いろいろ具体的にはこういうことをやったというような説明をいただきましたけれども,究極はこういう町にしたい,福井をこういう方向に持っていきたいというようなものが見えてこないからだろうと思っております。 市長はいろんなことをやっているけれども,それが市民の皆さん方に伝わっておらないのかなという気もいたしますし,またJR福井駅西口再開発の仕事,あるいは新幹線の誘致,そういったことに力を向けられて,ちょっと全体のまちづくりの方向性がわからなくなっているような思いがいたしております。 私は平成9年に市議会に来て最初の質問をさせていただいたときに,福井のまちづくりの中で各地区のブロックごとのといいますか,東西南北,そういった地区ごとのまちづくりについてお尋ねをさせていただきました。 その中で,橋南地区のまちづくりについても橋南地区をどういう町にしてくれるのかというような質問をいたしましたときに,橋南地区は非常に重要な地区だから真剣になってこれから橋南地区のまちづくりを考えていきますという答弁を,最初に当時の酒井市長からいただきましたけれども,それから後,3人目の市長,東村市長でございますが,具体的に橋南地区のまちづくりについてはわからない。どういう方向へ持っていってくれているのかということがわからない。 特に西木田から花堂までの旧国道8号,今は県道ですね。それの拡張についてもお尋ねいたしましたけれども,それについての動きも全く見えない。いろんな面で橋南地区のまちづくりが見えてこないということであります。したがって,市長はまちづくりをどういうふうに考えておられるのか,きょうお尋ねしたわけでございます。したがって,各地区のまちづくりについても意を配っていただけたらいいかなと思っております。 それでは,危機管理については,なかなか広範囲でございますし非常に難しゅうございます。みのり地区の場合,雨水貯留管を配置していただいて,雨が降るたびに夜中でも私は一応,地区を回りますけれども,今のところ水がつくというところはほとんどありません。 先日も2時あるいは4時ごろ,みのり地区を回りましたけれども,そこを通った方が,最近水がつかないので安心して寝ていられますということでございました。安全・安心への一歩であると思っております。 ただ,福井豪雨のときに八幡山で山崩れがありました。三,四軒の家に土砂が土水ごと流れ込んできて,それの改修に相当時間がかかりましたけれども,八幡山も草木が根上がり状態で,いつ崩れるかわからないような状態でございます。そういったことについても,先ほど市長の説明のとおり,危険な箇所の調査を十分にやっていただきたいと思いますし,また加茂河原の笏谷石の採掘場跡の陥没の問題についても加茂河原1丁目の自治会と社北地区自治会連合会長と一緒に要望書を出しておりますが,その答えがまだ来ておりません。年内にはいただけるようではございますけれども,これらももう2カ月近くたつかと思いますので,そういったことについても迅速に対応していただけたらありがたいと思います。 それから男女共同参画について,総務部長から管理職の登用の状況をお答えいただきましたけれども,女性の管理職の登用が少ないように思います。市役所の女性職員全員を,なるべく早急に育てていただいて,何年か先にはそのひな壇に1人ぐらい座れるように,そういうような育成をしていただけたらありがたいかなと,そうすると職員も意欲が出るのかなと思っております。 それから夫婦別姓について,これについては最近の新聞でも,ここにちょっと持ってきましたけれども,子供に対する虐待ですね。母親が子供の育て方がわからないから子供をそういう施設へ預けて逃げていってしまうということが東京などでも何件もあるようでございます。そして子供が死亡する約6割以上が母親の加害,そういう行為からであるようであります。したがって,母親が自分の権利を主張する夫婦別姓,これについては子供をまず育てる,その責務を果たすことから考えていただきたい。そうでなかったら,生まれたばかりの子供がかわいそうではないか。子供が寒い冬のベランダへ放り出された,あるいは食事を与えない,そういう記事を見るたびに,年寄りの私でありますけれども,なぜそういう社会になったのかと思います。 そして,夫婦別姓についても,私の権利が先だと,教育者の中にもそういう発言をされる方がおる。そういうことからいうと,学校教育についても教育委員会できちんと教師の指導もしていただいて,子供を育てる,それが第一だということを教えていただけたらありがたいと思います。 外国人の参政権についてもなかなか難しいですけれども,やはり日本の国は我々日本人が守る,日本人のものであるということが先でありまして,仲よくやりましょうと友愛の精神よりも,私は日本人自身が自分の国を大事にするところから始まらなければならないだろうと思っております。 ちょっと話をいたしましたけれども,これに対して答弁していただけるものがあれば答えてくだされば結構ですし,答弁がなければ要望として終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ◎市長(東村新一君) まず,地域別のまちづくりというお話がございました。 先ほども答えの中のそれぞれの地域の方の御意見を聞いて,きめ細やかに安全対策等はしていく必要があるというお話をさせていただきましたけれども,確かにまだ自席のところからいろいろとお話を聞いていることがすべて対応がとれているわけではありません。 特に近年では,今ほど言われたような問題点につきましても,財政状況が非常に厳しい中で,それに対応するためには非常に大きなお金がかかるというものについて即座に対応がとれるかということになりますと,なかなかとれないものが多々あります。そういった財政状況とのバランスというものも市政運営を行っていく上においては非常に重要になってまいりますので,実施をするかどうか,また当然それはどこがやらなければならないのか,国か県か市かというような問題も整理をしながら進めていかなければならないものが多くなっていると考えております。 また,女性の登用が少ないと思うというお話でございますが,これは,今いわゆる管理職に多用されるような年齢区分といたしましては,どうしても市役所の職員になっておられる女性の数が少ないということがあります。これは,県もそうだと思いますけれども,ほかのところも一緒ですが,その当時,女性が採用されてこなかったという経緯もありまして,なかなか一挙にその比率を上げることが難しいということがありまして,今若いうちから女性が協働して一緒にやれるような体制をつくって進めているところであります。 あと,夫婦別姓あるいは参政権の問題等につきましては,議員御指摘のことをまた念頭に置きながら我々も考えてまいりたいと思っております。 ◆26番(宮崎弥麿君) 発言をしないでおこうと思ったんですけれども,ちょっとだけ参考に話をさせてもらいます。 10月だったと思うのですが,京都へ日本女性会議2010きょうとという会議に行ってきました。これは男女共同参画会議でございますけれども,まあ二,三千人に上るような大変多くの方が出席して,その1割か2割ぐらいが男性だったかなと思いますけれども,大変なパワーでございました。あれを見たら男性より女性のほうが力があるのかな,熱意があるのかな,そんな思いもしたものですから,今回すぐに取り上げさせていただきましたけれども,女性を育てるということも考えて対応していただけたらありがたいと思います。 危機管理について,これについてはことし兵庫県神戸市のほうで危機管理の研修がございました。これは全国市長会主催の会議でございましたけれども,福井市から私一人が出席させていただきました。長岡市は過去にそういう被害を受けているということで議会からも議長以下十数人来て,大変にぎやかでございました。前にお会いした方もおりまして,歓談もさせていただきましたけれども,非常に力を入れているところと力を入れていないところの差が出ているのかなと,そんなふうに思いましたが,福井県からは参加者が少なかったですけれども,それでも小浜市長が来られておりましたし,福井市も危機管理について大事だと思うなら,そういうところへも職員を派遣して勉強していただけたらありがたいと思っております。 来年は鹿児島らしいですけれども,今,鹿児島は桜島の危機管理対策,これをまちづくりに生かそうという動きをしているようであります。それの発表もございましたけれども,危機管理をただ危機管理としてとらえるだけでなく,まちづくりに生かそう,桜島の噴火をまちづくりに生かそうという取り組みもしておりました。そういったこともあわせて,これは参考までに聞いていただければ結構で,答えは要りませんけれども,福井のまちづくりをきちんとした方向へ進めていただけたらありがたいと思います。 以上でございます。ありがとうございました。 ○議長(栗田政次君) 要望ですか。 (宮崎弥麿君「はい,要望です」と呼ぶ) 次に,27番 山口清盛君。 (27番 山口清盛君 登壇) ◆27番(山口清盛君) 志成会の山口でございます。2,3点ほど質問させていただきます。 まず,地籍調査及び生態系保全についてお伺いしたいと思います。 まず,地籍といいますと,昔にさかのぼること戦国時代,豊臣秀吉が全国統一をなし遂げた後,田畑を1筆ごとに広さをはかり,土地の石高を定める太閤検地が全国規模で行われました。これが日本で最初の土地調査であったかと思われます。その後,明治時代に地券を発行して,所有権を確定し,それに納税義務を課し,課税基準を従来の収穫量から地価に改め,従来の物納を全廃し金納にする,いわゆる地租改正が行われました。この地租改正でできた地図が現在の公図の基本になっていることは御承知のとおりと思っております。 しかし,この公図は土地所有者が測量を行い,官吏がこれを検査するといったものであり,また当時の測量技術の精度が低かったため,現状を正確にあらわした地図とは言えないものでした。 そこで,昭和26年に地籍調査法が制定され,これに基づく地籍調査が強力に推進されてきております。近年の地籍調査は角度と距離を同時に測定するトータルステーションのほか,GPSなどを利用して,より正確な測量が行われています。 この地籍調査を行うことにより,隣地との境界も明確になり,土地の売買,さらには地籍調査の成果を基礎データとしたまちづくりの計画がスムーズに実施されるなど,土地取引の円滑化や行政の効率化などの点に数多くのメリットが出されてきてます。 しかし,この調査の実績を全国的に見ますと,平成15年の資料でございますが,全国平均こそ46%となっていますが,沖縄県の99%を最高として,大阪府に至っては2%,ほとんど実施されていない状況です。各自治体の力の入れようによってばらつきがありますが,福井県も全国平均を大きく下回る12%となっております。 現在福井市では中新田町において地籍調査を行っているとお聞きしますが,その進捗率と中新田町のほかに地籍調査を行う自治会があるのかどうか,あわせてお聞きします。 また,地籍調査といいますと,都市基盤や農業基盤の整備が実施されていない市街地や農地を連想しますが,山村地域においても土地に関する多くの課題があると思われます。それは,土地所有者の高齢化や村離れの進行によって,管理者すなわち現地の境界に精通した人が減少し,山林の荒廃とあわせて,土地の境界がわからない状況が深刻化しています。現在復元性の極めて低い地図は存在しておりますが,今後地籍調査を実施しようとしても境界の確定すらできなくなる可能性も生じてくるのではないでしょうか。 他方,最近では山林が荒廃しているためか,また最近の異常気象によるものかわかりませんが,山村部でなく市街地においてもクマやイノシシなどの有害鳥獣の出没が頻繁にあり,至るところで農作物の被害や人的被害を発生しております。 野生生物の被害を軽減するために自然環境における生態系保全が必要であり,山林に落葉樹,それもカキの木やドングリの木など,実のなる落葉樹を植栽することによって野生生物と共存できる環境を整えることが重要になります。そのためにも,境界がわからないため管理ができない,山が荒廃する,さらに境界がわからなくなるといった悪循環を断ち切り,山林を管理できる環境に整えなければなりません。 山村地域における地籍調査のあり方と事業展開について御所見をお伺いするとともに,野生生物の被害を軽減するために生態系保全に対する見解もあわせてお伺いします。 次に,足羽川ダムについてお尋ねします。 足羽川ダムにつきましては,これまで何人もの議員が質問し,また今回塩谷議員も質問されましたが,私のほうからは地域主導の立場から質問させていただきます。 昨年7月に自民党から民主党に政権がかわったことにより,国は足羽川ダムを含む48カ所のダム事業の一時凍結を表明しました。 当時,流域自治体の間では戸惑いと反発が広がりましたが,馬淵国土交通大臣が就任したことによって,ダムの凍結の象徴であった群馬県八ツ場ダムも凍結から見直して,政府の態度も軟化してまいりました。しかしながら,できるだけダムに頼らない治水への方向転換を進める政府は,依然として足羽川ダムを初めとする全国84のダム事業を検討対象としています。 時同じくして,福井県内では越前市の吉野瀬川ダムや若狭町の河内川ダムも検討対象となり,10月28日に両ダムの検討会が開催され,吉野瀬川ダムにつきましては第2回の検討会がつい最近開催されたとお聞きしています。 足羽川ダムにつきましては,今さら検討するまでもなく,学識経験者や住民を含めた九頭竜川流域委員会で論議を重ねて整備方針を定めてきた経緯があります。福井豪雨に対する足羽川激甚災害対策特別緊急事業によって既に河床掘削,堤防補強等を行っており,河川改修でやれる毎秒1,800トンは既に対応して了解しております。足りない部分毎秒600トンをダムで補うということになっていたはずです。仮に,これ以上,市街地に堤防のかさ上げや遊水地等の貯留施設をつくっても下流域に何らかの影響を与えることは免れませんし,また福井市は貫流する3大河川にはそれぞれ一級河川,中小河川が存在しており,そこにポンプが設置されていますと,そのポンプにも負担がかかってくることになります。 国はダムに頼らない治水案として,国の検証基準である堤防のかさ上げ,遊水地や放水路,雨水貯留施設の整備,土地利用規制など,ダム以外の治水案を複数作成し,厳しい財政情勢を背景としてコストを最も重視する方針を決めているとしておりますが,いずれの手法も流速を速めて下流への到達時間を早める方策としてしかとらえられません。 私は以前,国土交通省OBの方から治水の基本となる考え方をお聞きしたことがあります。それは,中小河川が対象ではありましたが,河川改修は要りませんということでした。と申しますのも,河川改修することにより下流域に負担がかかるからであります。上流には上流の役目,下流には下流の役目があるとのことです。 ダムの建設の約束は,自民党,民主党と意見を交わしたわけではなく,国との約束であり,政権がかわったからといって見直すことはあってはならないと思います。国の見直しについて,地域から,また流域自治体からどのような提言をしているのか,お伺いします。 次に,西口再開発ビルについてをお聞きします。 子育て支援について,今急速な少子化に早急に対応していく必要があるかと思います。こうした見通しを踏まえて,すべての子供,すべての家族を国民みんなで支援する社会づくりを目指し,平成19年2月に官房長官の下に,「子どもと家庭を応援する日本」重点戦略検討会議が設置され,約1年間の論議を経て,同年12月に「子どもと家族を応援する日本」重点戦略として取りまとめられました。 平成20年1月,政府に社会保障国民会議が設置され,その分科会の一つとして,少子化,仕事と生活の調和を論議する持続可能な社会の構築分科会が設けられました。その中間報告では,重点戦略に沿ったものとなっており,少子化対策への思い切った財源投入の必要性,保育等の子育て支援サービスの利用者視点に立つため,きめ細かな運用面での改善策の推進等の検討が提言されました。 こうした社会保障国民会議の中間まとめを踏まえて,総理より,社会保障の機能強化のための緊急対策について5つの安心プランを取りまとめるよう指示され,平成20年7月に取りまとめられました。 その内容は,待機児童が多い地域を中心とした保育所の緊急整備,子ども交付金の創設による認定こども園の総合的な財政支援の充実と制度改革の検討,地域密着型の一時預かり事業の充実等,今後,保育サービス等の子育ての社会的基盤の整備が行われるとしております。現状での地域福祉を前進させなければならないと思います。 そこで,西口再開発ビル内に子育て支援事業を併用して,仮称でございますが福井市中央児童館を設置してはどうでしょうか。 なぜなら,福井市は福祉の機能で全国トップクラスだと思います。全国ボランティアフェスティバルの第2回大会が福井市体育館とフェニックスプラザで紀宮様の御臨席のもと開催されました。 現在福井市では児童館が29館建設され,児童クラブも19施設運営されております。全国では平成20年度,放課後児童クラブは79万5,000人,児童館は4,700カ所あります。福井市の児童館は29館で全国の0.6%ですが,福祉の町をアピールできるのではないでしょうか。また,子供の活動の発表の場として活用も考えられます。御所見をお伺いしまして,私の質問を終わります。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 私からは足羽川ダムについての御質問にお答えいたします。 国の見直しについて地域,流域自治体からどのような提言をしているかについてですが,議員御指摘のとおり,九頭竜川水系河川整備計画では,下流部の河床掘削等による河川整備と,上流部のダムによる洪水調整との組み合わせにより流量を確保することとしております。 このうち,河川整備につきましては,平成21年度までに足羽川激甚災害対策特別緊急事業により既に計画流量を確保しておりますが,ダムによる洪水調整につきましては,県と連携し平成16年の福井豪雨被害を踏まえた事業促進について国に対し強力に提言を行ってまいりました。 今後は,国から参加依頼のあった足羽川ダム建設事業の関係地方公共団体から成る検討の場において,引き続き県と歩調を合わせ推進に向けた結論を早急に出すよう強く求めていく考えであります。 (農林水産部長 岩永弘行君 登壇) ◎農林水産部長(岩永弘行君) 地籍調査及び生態系保全についての御質問にお答えします。 まず,中新田町における地籍調査の進捗率についてでございますが,中新田町の地籍調査は平成21年度から平成23年度までの3カ年の事業で,平成22年度末での進捗率は事業費ベースで申しますと82%となる見込みでございます。 また,中新田町のほかに地籍調査を行う自治会があるかとのお尋ねでございますが,地籍調査に関する自治会からの相談は年に一,二件ありますが,この事業は個人の資産に関係するものであることから,自治会の中で合意形成を図ることが難しく,現在のところ,中新田町のほかに地籍調査を行いたいという自治会はございません。 なお,地籍調査事業の実施には市民の理解と協力が不可欠なことから,市の広報紙などを活用し事業のPRに努めてまいります。 次に,山村地域における地籍調査のあり方と事業の展開についての御質問でございますが,山村地域につきましては,不在地主なども増加しており,平地以上に自治会の合意形成を図ることが困難という課題がございます。 一方,林野庁が実施している森林整備地域活動支援交付金事業による境界の明確化という制度があります。これは地籍調査のように公図や登記簿の修正まで行うものではなく,また,自治会の同意も必要とされておりません。このようなことから,現在市としては県及び各森林組合と連携し,集落や森林所有者に理解と協力を求めながら林野庁の事業を活用して境界の明確化を促進していきたいと考えております。 次に,野生生物による被害を軽減するための生態系保全に対しての御質問でございますが,昨今,野生生物による被害がふえている要因の一つとして,本市においても戦後の植林最盛期に針葉樹による人工造林が推進され,えさとなる広葉樹林が減少したことが考えられます。 森林の持つ生物多様性や二酸化炭素の吸収,水源涵養など,多面的機能を今後も維持していくためには,広葉樹を植林し野生生物と共存できる山林としての環境を整えることが重要と考えております。また,そうした森林整備を進める上でも森林の境界を明確化していくことが必要不可欠と認識しております。 (特命幹兼都市戦略部長 藤岡啓太郎君 登壇) ◎特命幹兼都市戦略部長(藤岡啓太郎君) 西口再開発ビルに中央児童館を設置する御提案についてお答えいたします。 まちなかに子育て支援に関する施設を設置することは,福祉の観点のみならず,まちなかの活性化にも貢献するものと考えております。 現在の再開発計画にも市関連施設として子ども一時預かり所を位置づけておりますし,県議会9月定例会で方向づけしていただいた県施設にも子供がサイエンスを楽しく学ぶという要素がございました。今後再開発事業の方向づけをしていくに当たっては,御指摘の趣旨を受けとめながら取り組んでまいります。 ◆27番(山口清盛君) 今1点目の地籍調査のことでございますが,非常に福井市はおくれているんです。昔は土地改良をするための地籍調査をやったこともございますし,非常に集落におかれましては2割,3割と縄延べがあるということで嫌がっているのではないかと思っております。しかし,それも早急にやはり着手してもらわないと,いろんな問題が出てくると思います。 それと,山林におかれましては,やはり生態系を維持するために,もう少し植林計画を立てたらどうかということをひとつ要望しておきます。 また,ダムのことでございますが,今の国土交通省のやり方というのは,ただ水を速く流せればいいんだということです。そうした場合に,長野県が脱ダム宣言をやったときに,被害をこうむるのは新潟県なんです。水の流れを速くする,それからダムを大きくする,そのいっときの水で必ず新潟県は被害をこうむると,そういうことも考えていないといけません。だから上流には上流の役目として大切な問題があると思うんです。だからダムをつくってきれいな水を常時流してあげようということも環境整備の一環だろうと思います。 そういうことを国土交通省自体が言っていること自体がだめだと,政権がかわるたびにそう言っている。だからそういうことをもう少し,地域主権のきょう現在でございますから,どしどしと福井は福井として提言すべきではないかと思っておりますので,期待しております。 それと,西口再開発ビルの問題ですが,児童福祉とか子育て支援とか,今非常に大事な時期にあるかと思います。やはり県の計画においてもエンゼルランドふくいの一部を移転するとか,また恐竜博物館の一部を西口再開発ビルに入れるとか,いろんな話があるかと思います。私も大いに賛成するわけですが,やはりそういうことをやれば,児童館みたいなものを一つ持ってくれば,そこでイベントをやる,子供の発表会をやると,これは文化の向上につながることだろうと思うんです。子供のときからそういう知恵を教えていく,こういうことも非常に大事かと思っております。中央児童館を,仮称でございますが,そういうことも検討してはどうかという要望にかえさせていただきますので,十分御検討されますように心からお願い申し上げます。 ○議長(栗田政次君) ここで暫時休憩します。午後1時より再開します。             午前11時43分 休憩──────────────────────             午後1時2分 再開 ○副議長(川井憲二君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 一般質問を続けます。 次に,22番 見谷喜代三君。 (22番 見谷喜代三君 登壇) ◆22番(見谷喜代三君) 一真会の見谷でございます。通告に従いまして2点ばかり質問をさせていただきます。 まず,福井駅西口中央地区市街地再開発事業に関してお尋ねいたします。 この1年間,福井駅西口再開発事業はNHKの事業参画を前提に1棟型から分棟型に再開発事業の計画を変更し,導入する施設についても,6月定例会においては市の施設として観光関連施設,総合ボランティアセンター,子ども一時預かり所及び多目的ホールの施設案が示され,9月定例会では県もサイエンスを楽しく学ぶ体験型施設の施設案がおおむね決まるなど,着実に事業の実現に向け取り組みが進んでいると考えていたところであります。 あとは,NHKの正式な参画表明があり,年内には本格的に事業が動き出すと思っていたやさき,11月11日のNHKの進出が難しくなったとの市長の記者会見での発言は大変な驚きであり,また非常な落胆を持って受けとめるところであります。 順調に進んでいると思っていただけに大きな疑問が残ります。NHKが参画困難と判断した理由は何か,これまでの分譲マンションが隣接している場所では将来にわたって住民からの苦情などのリスクが大きいというNHK側からの説明では,とても納得できるものではありません。 そこでお尋ねいたします。 このような状況の中,市長はNHKの懸念に対し最大限の努力をし,引き続き参画を強く要請していきたいとの発言をしておりますが,NHKとは現在どのような交渉をしているのか,その交渉内容をお聞かせいただきたいと思います。 一方,県や再開発準備組合は,このような事態を招いたのは市の責任であり,市が責任を持って精力的に対応するように,また市の動きを見守ることとしたいが,年内にはNHKの可能性について結論を出してほしいとのことですが,私はこの緊急事態に当たって,経済界を含めた4者が一丸となってNHKに再要請したり,今後の方針について知恵を絞るべきと考えております。 そもそもこの再開発事業は,平成14年に開発基本構想を策定し,県,市,経済界,地元地権者が一体となって取り組んできた事業のはずです。しかし都市計画決定の延期やシティーホテル誘致断念など,これまでの経過の中で起きた大きな混乱については,その都度,市だけが矢面に立って対処させられたように感じております。 再開発事業は民間の事業ではなかったのか。11月22日の議員全員協議会では,理事者側は,事業主体はあくまで再開発準備組合と答えておりました。確かに駅前の活性化のために市が積極的に西口再開発事業に関与することは必要だと思いますが,福井駅は県都の玄関口であり,西口駅前広場とあわせて整備することによって,にぎわいを取り戻し集客力を向上させる,また,民間の投資意欲を好転させていくことは地元の再開発準備組合,県,経済界も同じ思いのはずであります。 そこでお尋ねいたします。 今回の問題は,この事業が頓挫しかねない緊急事態であります。今こそこの局面の打開に向け,事業主体である再開発準備組合を初め,県や関係者も,もっと積極的に事業を推進するために汗をかくべきと考えますが,市長の御所見をお伺いいたします。 最後に,これまで福井市では,御屋形地区から始まり三の丸地区,手寄地区と,3つの再開発事業が行われてきておりますが,いずれの事業も計画から事業完成までには紆余曲折があり,また相当の年月がかかっております。再開発事業は多くの関係者と調整をしながら進めていく事業であり,しかも経済が低迷している中で大変難しいものであると私は感じております。 この西口再開発事業も大変難しい時期を迎えておりますが,8年後の平成30年には二巡目の福井国体も計画されており,やはりタイムリミットはあるものと思います。県都の玄関口整備のため,市長には,引き続き関係者とともに全力で取り組んでいただきたいと思っております。 そこでお尋ねいたします。 仮にNHKの参画が困難と判断した場合,全体像の大幅な見直しが必要かと思いますが,その際,駅前には真に何が必要なのか,だれのために行うのか,いま一度再整理したほうがよいのではないでしょうか。現計画のままでNHKの部分に何を入れるかと考えるよりは,かえって早くまとまるのではないかと考えておりますが,御所見をお伺いいたします。 次に,介護保険制度について質問いたします。 高齢化や核家族化の進展等により要介護者を社会全体で支える仕組みとして,平成12年4月より介護保険制度が導入されました。導入以来10年を経過したわけでありますが,この間,制度改正も踏まえ,各種介護サービスの充実や介護施設の整備が図られ,制度も定着してきたように思います。 現在急速な少子・高齢化社会が進展する中,本市の65歳以上の高齢化率は23.52%となっており,今後さらに,2015年,平成27年には,いわゆる団塊の世代の方が65歳以上となることから,高齢化率は28%を超えると予測されております。また介護を必要とする要介護認定者は1万人を超えたと聞いております。 このような状況の中,本市においては,平成21年度から平成23年度の3年間を期間とする第4期福井市介護保険事業計画に基づき,介護が必要な高齢者の方々に施設や在宅の介護サービスが確実に行き渡るよう,細心の体制整備に努めておられることと思います。 ところで,先月来,新聞社各社が今後の介護保険制度のあり方に関する記事を取り上げ紙面をにぎわしておりますが,国においては平成24年度からの第5期福井市介護保険事業計画における介護保険制度見直しに向け,厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会介護保険部会において議論が重ねられ,11月25日には介護保険制度の見直しに関する最終的な意見の取りまとめが行われたとのことです。 その制度の見直しの中で,特に市民の関心を集めたのは,介護保険料に関することではないかと推測しているところであります。 国によれば,制度発足以降,介護サービス利用は予想以上に拡大しており,財源確保策が実現しなければ,平成24年度からの65歳以上の方の介護保険料は1カ月平均5,200円程度と試算しており,私も本市の高齢者の保険料の負担が重くなることは間違いないのではないかと危惧しているところであります。 そこでお伺いいたします。 予想以上に介護サービス利用がふえる中,本市においてもその対応を図るため,次期計画,つまり第5期福井市介護保険事業計画を策定されることと思いますが,策定作業などのスケジュールはどのような予定になっているのかをお伺いいたします。 次に,本市において現在1カ月の基準額が4,400円の介護保険料となっておりますが,次期保険料はアンケート結果などを見ると5,000円が限度ではないかと思われます。平成24年度からの第5期福井市介護保険事業計画において,一体幾らの介護保険料と見込まれておられるのかをお伺いいたします。 以上で質問を終わります。ありがとうございます。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 福井駅西口中央地区市街地再開発事業について,まずNHKとの交渉内容をお答えいたします。 NHKにおいては,マンション住民からの苦情など,中・長期的なリスクがあることを主たる理由として,現プランでの参画は難しいとのことですが,今後の展開を考えるためには,具体的にどのような理由で参画できないかについて,より詳細な考え方をお聞きするとともに,どのような計画変更ならば再検討の余地があるのかを確認することが不可欠でありますので,これに関する質問をNHK本部に投げかけているところであります。 市としては,NHKからの回答を受け,早期に事業の方向づけができるよう取り組んでまいります。 次に,事業主体についての御質問ですが,西口再開発事業は再開発事業組合が事業主体となることを想定していることは御指摘のとおりです。ただ,本事業は県都の玄関口の重要なプロジェクトであることから,再開発準備組合や市のみならず,県,商工会議所も含めた4者の事業委員会において事業の方向性を取りまとめてきたところであります。 県においては,NHKの参画を念頭に9月の県定例会で建設の方向性を示していただいたところですが,これは本事業が県全体の視点からも非常に重要であると御理解をいただいたものと認識しております。 現在NHKとの交渉は厳しい状況になっておりますが,県,商工会議所には早期事業化のため引き続き御支援をお願いしたいと考えております。 なお,仮にNHKの参画の可能性がないと判断した場合には,県都活性化対策特別委員会でも御指摘がありましたが,全体像の見直しを行う必要がございます。その際は,御指摘のように駅前に必要な機能など,原点に戻った検討をということも必要かと存じます。まずはNHKとの問題を再整理しなければなりませんが,議員御指摘のこともしっかり腹に据えて考えてまいりたいと考えております。 (福祉保健部長 鈴木八束君 登壇) ◎福祉保健部長(鈴木八束君) 第5期福井市介護保険事業計画についてお答えいたします。 初めに,策定スケジュールについてでございます。 介護保険事業計画は,介護保険法に基づき3年を1期として策定するものであります。現在は平成21年度から平成23年度までを期間とする第4期福井市介護保険事業計画に基づき,介護が必要な高齢者の方々に介護サービスが適切に提供されるよう,市が指定する地域密着型のサービスを初め,県と連携し在宅の各種サービスや施設サービスなどの体制整備に努めているところでございます。 第5期福井市介護保険事業計画におきましては,平成24年度から平成26年度までの3年間における各種介護サービスについて,介護の必要な方々が円滑にサービスを利用できる体制づくりに向けた取り組みや基盤整備目標量,必要となる事業費などを定めていく必要がございます。 ただ,次期計画は保険料設定などに関する制度改正が伴うため,新しいサービス等を含めた方向性が年内にも示される予定になっておりまして,現段階において具体的な内容をお示しすることはできません。 しかしながら,この介護保険事業計画は,老人保健福祉計画と一体的に作成するため,保健・福祉・介護の関係者を初め学識経験者や市民団体の代表等で構成する策定委員会を設置し,多方面から幅広く高齢者の方々の保健・福祉・介護についての施策の具体的な方向づけを行っていきたいと考えております。 時系列で申し上げますと,まず,今年度内に計画策定の準備作業として本市の高齢者の状態や地域の課題を把握するため,9つの日常生活圏域ごとに高齢者のニーズ調査を行い,調査集計及び分析を実施する予定でございます。 次に,来年4月には,第6次福井市老人保健福祉計画・第5期福井市介護保険事業計画策定委員会を設置し,必要に応じ,専門部会の開催や高齢者の関連施策の調査等を行ってまいります。 夏ごろからは,国が提示する介護保険基本指針案やワークシート等に基づき,綿密にサービスの見込み量や保険料の分析を行い,県のヒアリングも経て,必要となる保険料等の算定を行っていく予定でございます。 また,来年12月ごろまでに市民説明会を行い,計画案全体の概要を幅広く市民に周知した上で計画の最終案を取りまとめ,その後,市内部の調整,介護保険条例の改正等を踏まえ,平成23年度内には新たな計画をお示しする予定となっております。 次に,第5期福井市介護保険事業計画における65歳以上の高齢者の介護保険料の見込みについてお答えいたします。 現在の第4期福井市介護保険事業計画においては,介護給付費の増加が見込まれる中,基準額を第3期と同額の月額4,400円に据え置いたことや,保険料段階を7段階から9段階としたことなどによりまして,できる限り市民の負担が少ない保険料を設定することができました。 第4期の保険料の試算では,第1号被保険者1人当たり月額約4,800円を超える保険料が必要でございましたが,国の制度である介護従事者処遇改善臨時特例交付金や介護給付費準備基金の取り崩しを第4期中に行うことによって約400円の保険料を軽減することが可能となった次第でございます。 第5期の保険料につきましては,厚生労働省案によりますと,介護報酬とは別枠で措置していた国の介護従事者処遇改善臨時特例交付金制度の終了に伴い,介護従事者の賃金維持を図るための介護報酬の引き上げ等も検討されておりまして,また高齢者の増加などに伴う給付費の増加が見込まれますことから,現行の保険料より高くなることが予測されます。 今後,国の制度改正に向けた動向を注視していくとともに,限られた財源の中で負担と給付のバランスのあり方を第5期福井市介護保険事業計画策定作業の中で十分検討してまいりたいと存じます。 ◆22番(見谷喜代三君) 要望になるかとは思いますけれども,課題の多い市政の中で,この西口再開発事業も重要なものと思いますけれども,この問題につきましては部局一丸となって取り組んでいただいて,市長のマニフェストにも家族が笑顔で暮らせるふくいづくりとありますけれども,市長が笑顔で今度の,次の記者会見に臨まれるように,ひとつ努力をしていただきたい。そうすれば,また市民の方も安心するのではないかと,そのように思います。 それと,介護保険ですけれども,今後限りある介護保険の財源の中でどのように施策を打ち出していくのかが最も重要な課題と考えます。介護が必要となっても,必要なときに必要なサービスが受けられる,切れ目のないサービスが提供できる介護保険であるように,今後の第5期福井市介護保険事業計画の策定作業を進めていただきたいと,そのように要望をして,私の質問を終わります。 ○副議長(川井憲二君) 次に,12番 西本恵一君。 (12番 西本恵一君 登壇) ◆12番(西本恵一君) 公明党の西本恵一でございます。通告に従いまして一般質問を行います。 まず,本市のグランドビジョンというか,またはグランドデザインについてお伺いしてまいります。 10月22日,西川県知事は,記者会見におきましてまちづくりについて大要,以下のように述べられておりました。 まだ福井駅西口中央地区市街地再開発事業が,こういった問題がなかったときでございますので,冒頭知事は西口再開発事業についても述べているわけですが,「これからの課題ですが,福井市を例にとると,西口再開発事業の方向性は見えてきたわけですが,駅周辺のにぎわいとか,福井の中心部の方向づけについては,西口だけの議論では十分な解決ができないというのは当然であり,こうした西口の再開発事業,あるいはアオッサから西武福井店にかけての誘客動線の確保,今さまざまな努力も進めていただいている駅前商店街の魅力創出,さらに今後新幹線の問題もあり,この地域全体を広くとらえていくこと,全体的な議論が極めて重要かと思います。要するに,これまで東西駅前広場や連続立体事業,あるいは西口地下駐車場など,駅周辺のまちづくりということを福井市と一緒に進めてきましたが,さらに,より大きな全体性を持った議論といいましょうか,検討を進める時期に来ているのではないかと思います」,また,細かく福井城趾,中央公園,柴田神社等なども触れられまして,「地域全体の検討を始める時期ではないかと思っており,そういう方向で臨んでまいりたいと思っております。きょうはそういう基本的な姿勢を申し上げたということです。今後市とも十分相談をし,民間の協力も得ながら,県都の新しいデザインといいますか,再設計というのが必要だろうと思います」,こういうふうに述べておられました。 この記者会見内容については,私はインターネットで何回となく拝見いたしました。どう考えても,これは本来市長が語るべき範疇の内容だと思いながら聞いていたんですが,一方で,県知事がこういうふうに述べられたということは,県が市に積極的に御協力いただける,そういうふうにも受け取れまして,非常にありがたい発言かなという思いもあったんですが,まず,この知事の記者会見に対する市長の御所見をお伺いをさせていただきます。 先日,先週の県議会で知事は,この記者会見の内容について質問を受けて,新時代の都市改造というふうにも言及をしておりました。知事の述べたこの地域の範囲というのは,福井市が策定しました都市計画マスタープランにおいて,いわゆるまちなか市街地ゾーン及び広域商業業務ゾーンになります。これらまちなか地区にぎわい交流拠点において,福井市は整備方針を定めているわけでございます。 また,狭義の意味では,中心市街地になりますので,平成19年に策定した福井市中心市街地活性化基本計画においては,その理念「出会い,暮らし,遊びが彩るまちづくり」をうたっている場所になるわけでございます。 知事の記者会見から判断をいたしますと,福井市の定めたこれら整備方針や理念はグランドビジョンでもグランドデザインでもないのではないか。再設計し,新しいデザインを出すように促しているようにも受け取れる内容でございます。 私も残念ながら明確な福井市のまちなか地区グランドビジョンがまだまだ見えていない状況でございます。したがいまして,ぜひグランドビジョンをお示しいただいて策定していただきたいと考えますが,御所見をお伺いいたします。 続きまして,国庫補助事業にかかわる事務費の経理状況に対する会計検査院からの指摘についてお伺いいたします。 平成15年度から平成20年度の国土交通省及び農林水産省所管の国庫補助事業の事務費について不適正な経理処理,補助対象外の経費の支出があったと会計検査院から指摘されました。 福井市が指摘を受けた金額は,国土交通省所管で約2,837万円,農林水産省で約701万円,合計約3,538万円となっております。 まず,これら不適正な経理処理のうち,差しかえについてお伺いいたします。 業者に故意に虚偽の内容の書類を提出させて,実際には契約した物品とは異なる物品に差しかえて納入させていたものが約504万円とあります。これは明らかに意図的なものと私は考えておりますが,実際具体的にどのような事実があったのでしょうか,幾つかの例を挙げてお示しいただければと思います。 次に,同じように指摘を受けた敦賀市では,架空伝票を処理して業者口座に公金をプールする預けが約200万円見つかるなど,悪質な操作も明らかになったという報告が報道されておりました。 今回福井市は会計検査院からの指摘はなかったんでしょうけれども,この預け金はないと断言しておりますけれども,どのような検査の結果,このように断言しておられるのか,御所見をお伺いいたします。 さて,今回不適正な経理処理が発生した原因について,本市の説明によりますと,国庫補助事業に対する会計処理に関する認識が十分でなかった,また国庫補助事務費には当該年度の補助事業の施行に直接必要な経費に限られるという認識が十分でなかったとしております。しかし,私にはどうしてもその理由は理由になっていないように思えます。なぜ専門的に従事しておられる職員や上司が理解できないのでしょう。再度,なぜこういった不正な経理処理があったのか,その理由をお尋ねいたします。 次に,今後の対策につきまして,福井市の説明によれば,経理適正化委員会を組織し原因を分析するとともに,すべての国庫補助事業について確認するため,外部委員の助言,検証等を受けながら全庁的な自主調査を早急に実施するとしております。また,この調査結果に基づき,不適正な経理処理の原因を明らかにし,再発防止策を確立し,さらに,発生した市の損失については職員による返還を行うとともに,職員の処分についても厳正に対処し,これらの対応は本年度中での完了を目指すとなっております。 敦賀市では,事務処理問題調査委員会を発足し,市に物品を納入した業者から仕入れ帳簿と,市側の支出伝票を照合させ,厚生労働省,文部科学省に対象を拡大し,帳簿と伝票を照合し,架空や虚偽の発注や納入がなかったか調査するとの報道がなされておりました。 そこで質問でありますが,こういった不正経理をなくすために,具体的に現在どのような対策が進行中なのか,お教えください。また,今後の対策を本年度中に終わらせる体制をとっているとのことでありますが,私は敦賀市のように委員会を発足させ,帳簿や納入物品に突き合わせを行い,さらに国庫補助すべてにわたって行うべきだと考えますが,御所見をお伺いいたします。 最後に,監査体制についてお伺いいたします。 本来ならば,今回の不正処理は監査で発見し指摘しなければならない内容だとも思います。しかし現実的にそこまで検査するには,とても現在の監査事務局体制では人数が不足していて対応もできず,権限も小さいのが現状だと思われます。せいぜい検査できてもサンプル調査,いわゆる抜き取り調査をするしかない状況であります。これは国庫補助だけの検査だけではなく,市の外郭団体や補助金を支出している団体のチェックにも同様のことが言えます。 明らかに監査事務局の体制と権限は弱いと思っております。事務局の体制を強化すべきだと考えますが,御所見をお伺いいたします。 続いて,福井市版事業仕分けについてお伺いいたします。 私は,平成18年12月定例会におきまして,岡山市の事例を引きながら,一般質問の中で申し上げたことがあります。それは財政が厳しい折,理事者だけの事業の判断だけではなく,市民に訴え,市民の声を聞き,その上で事務事業の仕分けを行い,もっと大胆に改革に切り込んでいくべきではないでしょうか,市民による意見を直接伺う機会をつくったらどうでしょうかという提案をさせていただきました。その意味では,今回事務事業を市民目線で評価する福井市行政改革推進委員会と福井市行政評価委員会,いわゆる外部評価委員会による外部点検作業については,市民の目線で事業を判断する一つの実験的手法として評価したいと思っております。 さて,今回行った11事業の仕分けについて,委員会のあり方,よかった点や,また課題のあった点など,いろいろ気がつかれた部分があったのではないかと思われます。来年から3カ年は,多くの事業を取り扱うことになると思いますが,今回の事業仕分けについてどのように評価されているのか,どのような点を改善しなければならないのか,御所見をお伺いいたします。 また,今回の判定で見直しや廃止が多数を占めた納税組合の奨励金など,原則として来年度予算に反映させる方針というふうに報道ではなっておりましたが,どのような形にされるのでしょうか,御所見をお伺いいたします。 また,来年度からの本格運用では,3カ年で1,200余りの事業を対象に仕分けをしてまいります。単純に考えれば,年間400ぐらいの仕分けが必要となるわけでございますが,実際,そのすべてを仕分けをするのかどうか。とてもその数はできないとすると,抽出するということになりますが,どのように抽出していくのか,委員会のあり方も含めて御所見をお伺いいたします。 続きまして,福井駅西口中央地区市街地再開発事業についてお伺いいたします。 今回のNHK参画が困難になった件につきましては,私はずっと申し上げてきたことがあります。それはNHKが最初からこの再開発事業にはマンションがあることをわかっているにもかかわらず,今さらになってそのことを理由に参画を困難というのは,NHKが,少し誠実さに欠けるのではないか,こう申し上げてきたところでございます。 しかしこの間,この11月11日から3週間余り,市民の声を聞いてまいりますと,また民間の立場から見ますと,民間の場合,大きなプロジェクトがあって,そこでそのプロジェクトがつぶれれば,会社の根幹存続も揺り動かすような,そういった大事態であります。こういったことから,今回のものを民間の物差しに当てはめますと,大きなプロジェクトを進め,いざ契約寸前まで来たときに突然顧客からプロジェクトは中止します,あなたの会社の提案には問題がありましたと告げられた場合,その理由がどうであれ,民間であれば,リーダーは責任をとるものです。 私は何人か,いろんな民間の社長とこの件の話をする機会がありましたが,その社長たちは,民間であれば,左遷か降格だ,最悪首だと,そういうふうにも言っておりました。民間は結果がすべてであり,過程を問いません。私はもし今回市の詰めの甘さがあるとすると,そこに問題があるのではないか,そういうふうに思っているわけでございます。 さて,話は変わりまして,市長は今後の対策について,現計画を再整理してNHKと交渉するとおっしゃっておられますが,いつまでに,またいつこの交渉をされるのでしょうか,また結論をいつまでに出される予定なのでしょう,御所見をお伺いいたします。 私は,NHKがおっしゃる,いわゆる50年後,大変なリスクを負うことになる可能性があるということで,もうマンションとこのNHKとは共存しない,そういうふうに断言しているものと思っております。したがいまして,再整理,それもしていただいて結構ですけれども,並行して,どちらかというと,もうすぐに次の段階に進むべきだと私は考えております。 先ほども見谷議員に対する御答弁の中で,全体像をもう一度考えていかなければならない,どういう機能が必要なのかとありましたが,私もそのとおりだと思います。 しかしながら,具体的に現実的な話を申し上げますと,今後の選択肢は幾つもございません。1つは,再開発事業を中止してJR福井駅西口をこのままにしておく,それはあり得ない話です。また民間に床を購入してもらう,実はこれも困難であったからNHKを誘致されたんではないかと思います。今もしNHKが進出されなくなったとすれば,その空き場所に民間で埋めていくというのは大変厳しいと思います。 もちろん再開発準備組合や,また商工会議所,県等と含めて,どうしていくのか,この西口再開発事業が,50年後もしっかりと県都としての機能を有する,玄関口の機能を有するために,そのことをしっかり詰めていかなければならないわけでございますが,現実的には私はとり得る方法はこの2つに集約されるのではないかと思っております。 それは,大きな大きな決断を要するものでございます。1つは,これは県とも協議が必要ですが,いわゆる県と市で,NHKが入る予定だった床を購入し全体の規模はもう少し小さくする,もしくは,生活創庫跡を県,市で購入する,この2つの方法でありますが,大変な方法でございます。もしこのほかに方法があればお示しいただければと思っております。 なお,時間的なリミットは,何年も何年も考える時間があれば結構でございますが,もう寸前にあるものと思っております。したがいまして,NHKの誘致については早期に判断し,新たなステップ,前へ進むことを進言させていただきますが,御所見をお伺いしたいと思います。 最後に,福井鉄道福武線とえちぜん鉄道三国芦原線との相互乗り入れについてお伺いいたします。 11月29日,第3回事業検討会議がありました。第2回事業検討会議で提示された乗り入れ案から,乗り入れの時間帯,乗り入れ駅,乗り入れ区間,乗り入れ回数などを変えまして,利用者数増加と運用経費削減につながる運行案に修正したと理解をしております。しかし,一番重要だと思われるLRTを導入する採算計画や費用対効果が不明なままでございます。 今回相互乗り入れによる運行経費の増加は,2つの事業者で約4,700万円の1割から2割減になるという試算が報告されました。ということは約4,000万円,その金額に対して単純に1人1回当たりの利用単価を200円と設定しますと,2つの事業者が20万人の利用者増が必要となるわけでございます。1日平均に直すと550人の増加になります。 こういった数字から考えると,相互乗り入れによる利用者増は本当に見込めるのだろうか,費用対効果が本当にあるのだろうか,むしろ2つの会社の赤字をふやすだけではないか,それはとりもなおさず,えちぜん鉄道においては沿線市町の負担を増すことにならないだろうかという疑問が出てまいります。 11月30日の日刊県民福井の報道によれば,福井鉄道株式会社の村田社長は「採算はとれると思う」,えちぜん鉄道株式会社の見奈美社長も「お客をいかにふやすかに注目して,早く実現させるべきだと思う」と語っておられるところから,この相互乗り入れに対する利用者増の目算があるのだとは思われます。 実際には,今後利用者数目標とか,また収支計画の見通しが年明け,年度内に出され,その数字で福井市も事業化の見通しを図ると伺っておりますが,もしこのときに,費用対効果に見込みがないとした場合,県に対して事業化の断念も申し入れることも考慮されているのかどうか,御所見をお伺いいたします。 なお,県は相互乗り入れについて,あくまでも利用者の利便性向上や公共交通機関を生かしたまちづくりのためであり,えちぜん鉄道の高架化とは切り離していると述べられておりますが,当然ながら,相互乗り入れはどうであれ,えちぜん鉄道勝山永平寺線が高架化することは決定事項であり,高架化とともにえちぜん鉄道三国芦原線は福井鉄道福武線に乗り入れする計画であります。したがって,相互乗り入れはともかく,将来的には,えちぜん鉄道から福井鉄道福武線への乗り入れは実現しなければなりません。 ところが,今回の相互乗り入れ運行案を見ると,6時から15時の間において田原町駅を経由して福井鉄道福武線に乗り入れ,福井駅前へ行くえちぜん鉄道の運行案が見当たりません。特に6時から9時の間はダイヤが過密な時間帯であり,少なくとも数便は福井駅前まで乗り入れなければならないと思われます。これは,いわゆる勝山永平寺線の高架化事業が実際に着手をされたときに考えるということで理解してよろしいのでしょうか,御所見をお伺いいたします。 以上でございます。御清聴ありがとうございました。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) まず,西川福井県知事の記者会見に対する所見についてお答えいたします。 まちづくりは市が主体的になって進めるべきだと考えておりますが,県都の活性化を実現するためには県の協力が必要な部分も多く,これまでも県に対してさまざまな要望をしてまいりました。 知事も福井駅西口中央地区市街地再開発事業が福井市の大きな課題と考えておられ,その西口再開発事業の方向性が整理されたという前提で,次に対応しなければならない県都の課題として表明されたものかと思っております。したがいまして,今後とも県都としてのまちづくりにぜひ応援をしていただきたいと考えております。 次に,グランドビジョンの策定に関する御質問にお答えします。 私は平成19年12月の市長選挙に当たって,希望と安心のふくい新ビジョンを掲げ,その中で高感度コンパクトシティの理念に基づいて都市計画マスタープランの見直しに市民の皆様とともに取り組むとしたところです。 実際,昨年度都市計画マスタープランを改訂し,「自然環境との共生・調和を基本とした水と緑あふれる都市,中心市街地と地域拠点が公共交通ネットワークにより有機的に結ばれた都市」を都市の将来像として掲げたところです。 また,以前から引き継いできたまちづくりの課題がいまだ解決されない中で,今改めてグランドビジョンを策定するつもりはありませんが,人口減少社会に突入し,右肩上がりの都市を拡大していく状況ではないことから,既存ストックの有効活用や機能の効果的な再配置により,都市全体を再構築していくということが,現在福井市のとるべき方向性であると考えております。 (副市長 吹矢清和君 登壇) ◎副市長(吹矢清和君) 国庫補助事業に係る事務費の会計検査院からの指摘についての御質問をいただいております。 11月5日に会計検査院から平成21年度決算検査報告が内閣総理大臣に行われ,その中で福井市についての会計実地検査の結果もありました。 その内容といたしましては,本市の国庫補助事業関連事務費の執行並びに精算につき一部に不適正な経理処理があったというものでございます。 この事実の重みを真摯に受けとめておりますとともに,このような事態となりましたことを,ここで改めまして議員各位と市民の皆様におわびいたします。まことに申しわけありませんでした。 それでは,まず差しかえについてお答えします。 これは,例えば,事務用品販売業者からトナーカートリッジ等の消耗品を購入したこととして支払いを行い,実際には事務用いすや書庫,OAスクリーンやデジタルカメラなどが納入されていたというようなことであります。今回503万円余りがこうした差しかえとして指摘されております。 次に,預け金はなかったとしていることについてです。 今回の検査結果報告は,本年3月に行われました国土交通省と農林水産省が所管する国庫補助事業を対象としたものでありまして,その方法は,市の支払い証拠書類と支払い先事業者の納品等関係帳簿との突合,これによりましてなされたところです。これによりまして,預け金は認められなかった次第でございます。 次に,発生原因についてです。 補助事業に係る予算はすべて執行しなければならないという意識,補助事業の施行とは直接関係ないものの,財源を少しでも有効活用したいという考えがあったこと,さらには,補助対象範囲について国の見解と若干のずれがあったことが主な原因として上げられます。 次に,対策についてです。 このたびの検査を受け,私副市長を委員長とする経理適正化委員会を組織し,原因の分析,再発防止策,今後の調査方針等について検討しました。 現在,ほかにも同様な事例がないかとの観点から,今回の検査対象となった所管省庁以外の厚生労働省や文部科学省なども含め,すべての国庫補助事業を対象に事務費の執行状況について全庁的な調査に着手しているところです。 実施に当たりましては,支払い証拠書類の調査とあわせ,事業者への書面の調査や関係帳簿との突合も行ってまいります。あわせて弁護士や会計士などをメンバーとする外部委員の助言や検証もいただくこととしています。これらの結果を踏まえまして,年度内を目標に最終的な対応方針と再発防止策を確立してまいりたいと考えております。 次に,監査体制についてです。 現在監査事務局では7人の職員が事務に従事しておりまして,研修を受講しつつ専門的知識の向上に努めるとともに,監査委員の御指示のもと,日々の事務処理を行っているところでございます。 監査事務を行うに当たりましては,法律や財政を初めとした幅広い知識,社会の動向,変化をも見る洞察力ある視野が必要であると考えております。 今後も職員の一層の能力向上を図りますとともに,職員の配置につきましては,他市の状況も踏まえながら,限られた総職員数の中から適材適所の配置に努めていきます。 以上,いただきました御質問につきましてお答え申し上げました。このような事態が二度と発生することのないよう,厳正に対処してまいりますので,御理解を賜りますようお願い申し上げます。 (総務部長 宮木正俊君 登壇) ◎総務部長(宮木正俊君) 福井市版事業仕分けについての御質問にお答えいたします。 まず,報道で福井市版事業仕分けという名称が使われておりますが,国が実施しております事業仕分けのように財源捻出等を主眼とするものではなく,市民ニーズや公共サービスの担い手が多様化するなど,社会情勢が変化していることから,改めて市が事務事業を実施する必要性,有効性を点検するために実施したもので,外部点検という表現をいたしております。 今回対象となった事務事業につきましては,市民目線での御意見や御提案がいただけたと考えております。このことは職員の意識改革につながるとともに,全体的な行政評価にも生かしていける有効な手段であると考えております。 また,改善すべき点といたしましては,1事業当たり30分程度の時間では短かったことや,関連する事業を含めた点検を行う必要があることだと考えております。 次に,来年度予算へどのように反映させるのかとの御質問についてでございますが,現在委員会の意見を受け,平成23年度事業にできる限り反映させるよう,各担当部署において検討を行っているところであり,ほかの事業とは別にヒアリングを行い,今後の予算査定の中で十分に検討することとしております。 最後に,来年度以降の対象事業の抽出はどのように行うのかとの御質問ですが,この外部点検につきましては,平成23年度から平成25年度までの3カ年にわたり実施する予定でございます。平成23年度については,一定期間継続している市民対象ソフト事業を対象にして外部点検の実施を予定しているところでございます。 御指摘のとおり,すべての事業を外部点検にかけることは困難でありますので,外部の有識者で構成される行政改革推進委員会での御意見を伺いながら事業選定を行っていきたいと考えております。 (特命幹兼都市戦略部長 藤岡啓太郎君 登壇) ◎特命幹兼都市戦略部長(藤岡啓太郎君) 福井駅西口中央地区市街地再開発事業についてお答えいたします。 まず,NHKとの協議につきましては,市から,現プランで参画困難な具体的理由や,どのような変更なら参画の可能性があるかについて,改めて質問を投げかけており,現在NHK本部において御検討をいただいているところです。 次に,NHKが参画しない場合の代替案についてお答えいたします。 再開発事業を組み立てるに当たっては,地権者がどのような条件を希望するかなど,さまざまな要素が関連いたします。御指摘いただいたような案も選択肢かもしれませんが,現在はNHKとの再交渉を第一に進めているところです。 現在NHKに対しては,早急に事態を打開したいという旨もあわせてお伝えしておりますので,一定の時間内で御回答をいただけるものと考えております。市としましては,NHKの回答を受けた上で関係者とも調整しながら方向づけをしてまいります。 福井鉄道福武線とえちぜん鉄道三国芦原線との相互乗り入れについての御質問にお答えいたします。 相互乗り入れの事業化に当たっては,まず利用者にとって利便が向上することが重要です。収支見通しや費用対効果についての確認も必要ですが,相互乗り入れだけでなく,利用促進策をあわせて実施することにより利用者増を目指すということが基本であると考えております。 相互乗り入れの事業化には,えちぜん鉄道の高架化について明確な方向づけが必要と考えておりますが,高架化が完成するまでは一定の時間を要することが考えられます。先日の事業検討会議では,相互乗り入れ事業のみで可能な運行案が提示されたと認識しているところです。 御指摘のように,えちぜん鉄道高架化が一部修正案により完成する際には,改めて運行計画を検討する必要があると考えております。 ◆12番(西本恵一君) それでは自席において再質問をさせていただきます。 まず,グランドビジョンについてお伺いさせていただきますけれども,先ほども一般質問の中で申し上げましたように,知事は都市改造が必要であると,これは先週の県議会でお答えになった内容です。この知事の発言に対するお二人の方からの質問に対しての答弁の中であった内容として,「都市構造が戦後60年たち更新時期に来ている。具体的なテーマや議論の進め方は市と相談する必要があり,民間の参画も促さなければならない」というふうにもおっしゃってました。また,先ほど私が申し上げましたように,再設計が必要なんだと知事がおっしゃっておりました。 そういう意味で言いますと,市長が先ほどグランドビジョンは策定する必要性はないとおっしゃってましたけれども,知事は,グランドビジョンという言葉が適切かどうかわかりませんが,設計は必要だというような話ではなかったかと思いますが,これについてもう一度御返答いただきたい,これが1つ目です。 2つ目ですけれども,亡くなられた坂川前市長がいらっしゃったときにも同じような質問をさせていただいたんですけれども,今中心市街地には福井駅付近連続立体交差事業や,土地区画整理事業など,いろんなものを含めて約1,500億円の事業費がつぎ込まれました。そしてなお,今西口再開発ビル等もあるわけでございます。やはり何のためにこの中心市街地を活性化しなければならないのか,これについて改めて市民から問われます。私は私なりに返答申し上げておりますけれども,市長はなぜこの中心市街地活性化をしなければならないのか,これについて簡便に,また,適切にという言い方はおかしいんですけれども,市民の皆さんがわかるような形で御返答をいただければと思います。だから市は中心市街地に力を入れなければいけないんだということで理解していただけるような,そういった内容の御答弁をいただければと思います。 続いて,西口再開発ビルについてのお話でございますけれども,私もこの話をいただいたときに,現計画が一番ベストだと今でも思っております。NHKが入って住居もある。もし本当に多少の条件変更だけでこれが可能であれば,それが一番適切だと思っておりますけれども,ただ50年後,こういったいろんなリスクがある,電磁波の件ですとか,また景観の件ですとか,だから厳しいんだというふうに返答されたということは,いわゆるマンションがある中で,これをまた改めて前言をひっくり返して,いや,これだったら大丈夫だという,そういった答えがいただけるとはなかなか思えない。 そういう意味では,もちろんこれはこれでしっかりとした回答を得られればいいですけれど,私自身は,もうほとんどこういったものには労力をかけないで,早く進めなければいけないので,ぜひしっかりと検討をしていくことが片方では必要ではないかと思っておりますので,それについても何か御答弁があればお願いしたいと思います。 あと最後に,相互乗り入れについてですが,実はこれ特命幹兼都市戦略部長がおっしゃられたように,費用対効果とかだけで判断していいのかどうかということは,実は私も疑問に思っています。なぜかというと,やはり公共交通を使う,そのことがやはり問われています。なるべく環境面やいろんな面で高齢者もこれからたくさん中心市街地に通ってきていただくことも含めると,この公共の足として2つの鉄道というのは重要です。そういう意味では相互乗り入れというのは一つの大きな活性化として重要なものというふうに思ってはおります。 例えば,これは金沢工業大学のコーディネーターの小松先生がおっしゃっておりましたけれども,いわゆる地方都市におけるモビリティーに関する議論がこれから必要になるでしょうと。 ホノルルの町なかはバスを中心とした公共交通が頻繁に走っている。ただし現地の新聞によると年間1,000億円を超える財政赤字が新知事にとって大きな課題の一つと報じられている。また,ヨーロッパの公共交通は財政支援を前提に定時性が維持されている。日本はそのあたりがあいまいなままに上下分離方式等が導入されていってしまっている。またそれぞれの地域住民が選択するライフスタイルがかぎになる。アメリカではポートランドの選択が有名である。いわゆる広域行政府が中心に住民投票を実施して,町なかへの車の流入を規制し,LRTなどの公共交通の充実を選択したというような形で,財政だけの,いわゆる収益だけの話でなくて,おっしゃられたようにこういった視点も必要なことは私もよくわかっております。 そういった意味では,いわゆる利用者増を目指していくためにしっかりと取り組んでいただく,これは要望で結構でございますけれども,しっかり取り組んでいただきたいということを要望させていただきます。 ◎市長(東村新一君) まず,グランドビジョンの件でありますけれども,先ほどもお答えいたしましたように,知事も,今の福井の県都としてあるべき問題点としては,西口の再開発事業が大きな課題であるということを,まず考えておられます。それが一応解決されたというか,整理がされたという前提で次のステップを表明なさったわけですけれども,その後,今のNHKのような問題にもなり,要は,まだ西口の再開発の方向性が整理し切れていないということであります。 私も先ほど申し上げましたように,西口の再開発事業が今の中心部においては大きな課題であると認識しております。これがまずは完成されるということが必要だと思っておりまして,そのときのいろいろな議論,そういうふうなものも踏まえながら次のステップ,展開を考えていく必要があるんだろうと認識しております。 そして,そのことはとりもなおさず,今西口の問題を片一方で検討していくんだというお話でございますけれども,これも従来から市の施設を何にするかというような御議論をいただく中で,あそこにはどういうふうなものが必要なんだというようなこともいろいろ御意見として承っております。そういうものを整理をしていくということは,並行しながらある程度はできるところがあると思っておりますけれども,やはり先ほど来,お返事させていただいている中にもありますように,4者でのいろいろな話し合いということも必要になってまいりますので,そういったものを踏まえて形をつくっていきたいと考えています。 それから,中心市街地をなぜ活性化しなければならないのかというお話ですが,これは今ほどもえちぜん鉄道のお話がございましたけれども,やはり公共交通の結節機能を一番持っているというところがこの中心市街地であるということで,将来的には,これもまた広域な公共交通の部分を含めて交流人口がいろいろと町を活性化させていくという前提に立ちますと,やはりそういった意味での中心部が活力あるものになっていく必要があると認識しております。 ◆12番(西本恵一君) 今お答えになりました中心市街地の活性化がなぜ必要なのか,これは今の市長の答弁からしますと,なかなか市民の方は理解できないのではないかと思うんですけれど,やはり財政面ですとか,雇用の面ですとか,固定資産税の件ですとか,いろんなことに触れながら,やはり市民にもう少し丁寧に説明していくべきだと思います。 今の公共交通の件,私もそれは一部にはあると思いますけれど,それを全体的にきちんと説明していかないと,やはり同じような議論が起こってくるわけで,先ほど言いましたように私は私なりに説明はしていますけれど,ぜひ市長がどう思っているのかということをお聞きしたかったということでして,もっと全般的にその必要性,ああだからというふうに,みんなが得心いくような説明をしていただければと思うので,これについてもう一度質問したいのと,先ほどのグランドビジョンについてですが,知事がそうおっしゃってるのかというのは,非常に私は疑問ですけれどね。 ある面で言うと,グランドビジョンが最初にあって,その中で西口という議論さえあります。並行して進めるというのもある。西口が先だというのもどうかなという思いも私はありまして,少なくとも現時点では並行して進めるべきではないかと思いますが,これについては一つの意見として申し上げておきたいと思います。 最初の質問だけ御返答いただければと思います。 ◎市長(東村新一君) 逆に,後のほうの御指摘のほうからお答えいたしますが,今,西本議員も御指摘のとおり,財政状況の厳しい中で,すべてを並行してやっていけるというものではないという前提に立ちますと,やはり従来からの課題として大きな位置づけのあるこの問題をまず整理しなければならないというところがポイントになってくるのではないかと思っています。 当然,知事がおっしゃられたという中にも,浜町かいわいあたりの問題であるとか,いろんなことが出ていますが,それはそれで,我々のところとしても,今手をつけている部分もございますので,そういうふうなものと,全体的にもう一度整理をしてみて,その上でどうしていくかということが必要なんだろうと思っております。 それから,中心市街地の議論は,当然その都市間競争の問題であるとか,あるいは今,固定資産税の問題にも言及しておられましたけれども,それは当然いろいろな側面から見ていかなければならないところはあります。 ただ,今特に急いでやらなければならないという意味においては,まず新幹線の誘致を進めておりますけれども,これとの関係もありますし,それから当然,中心部については新幹線の問題も含めたところとして,土地区画整理事業も進めております。 したがいまして,そういう土地区画整理事業を,もちろんこれはえちぜん鉄道の高架化の問題も当然入ってくるわけですが,そういう中で,この問題を早く進めていかなければならない,ほかの計画との整合性も当然にあるということです。 ○副議長(川井憲二君) 次に,15番 野嶋祐記君。 (15番 野嶋祐記君 登壇) ◆15番(野嶋祐記君) 志成会の野嶋でございます。通告に従いまして何点か御質問をさせていただきます。 まず,浸水被害対策についてお伺いいたします。 平成16年7月の福井豪雨以降,市民の浸水被害に対する意識はこれまで以上に高まってきました。激甚災害指定を受け,足羽川の改修整備を行われ,また浸水緊急対策事業にも着手し,河川の改修,ポンプの整備などを進めてこられました。また,内水対策としても雨水貯留施設整備なども行われ,おおむね平成21年度末にこれらは一区切りの完了ということになったようでございます。 また,ハード整備とあわせて,自主防災組織の促進やハザードマップの作成など,ソフト面での取り組みも積極的に行われてきたところでございます。 このような状況を踏まえて何点かお尋ねいたします。 まず,河川のはんらんについてお聞きいたしたいと思います。 市内の市街地には,はんらんということを抱えている河川も多いわけでございますが,特に今回私のほうからは,私の住んでいる地区にも流れております底喰川についてお尋ねいたしたいと思います。 近年では,雨の降り方もゲリラ豪雨などと言われるように,超局地的に集中して強い雨が降るようになりました。市内には年に何回かはんらんする河川も本当にたくさんありますが,私の住んでいる地区を流れる底喰川もそういう状況であります。 9月16日の集中豪雨でも,早朝にはんらんいたしました。床下浸水も含め20軒程度あり,大きな被害が地区の中で出たわけでございます。 河川の本体改修事業につきましては,県事業で進めていただいておりますが,予算の関係もあり,なかなか進まない状況であり,最上流部までは今後おおむね20年たってもまだ整備ができないというような見込みであります。 その上流部であります準用河川の部分につきましては,市の整備で進めていただいており,遊水地の整備等も積極的に進めていただいております。市として遊水地の整備など,対策事業を進めていただいておることに関しましては感謝をいたしておるところではございますが,現実として9月16日の雨の程度ではんらんをするという状況では,地域住民は強い雨が降るたびに不安におびえる日々が続くわけであります。 このような状況を本市としてどのようにとらえているのか,率直な御意見,御所見を,まずお伺いいたします。 そして,底喰川については遊水地の整備のほか,今後どのような浸水対策を考えておられるのか,あわせてお聞かせいただきたいと思います。 また,最上流部付近では,底喰川に普通河川として北川,また開発川が合流しており,形態としても非常に複雑な構造になっております。これらの河川もはんらんすることから大きな被害にさらにつながっていくと思われます。北川や開発川の浸水対策を講じていただければ,被害の軽減もできると思われますが,御所見をお伺いいたします。 次に,下水道等の容量不足による内水被害についてお尋ねいたします。 このことも河川のはんらん同様,ゲリラ豪雨など,市内の多くの箇所で道路冠水が見られるのが現状であります。これは河川のはんらんもさることながら,多くは下水道管がパンク状態になり,道路がため池状態になってしまっているものであり,ところにより,逆流して下水から吹き上げているというようなところもあります。 さきにも述べた雨水貯留施設整備も推進され,現在では以前よりは浸水被害が緩和されていることも理解しております。しかしながら,先ほど言いました9月16日の雨程度でも道路冠水をした箇所も現実的にあるわけでございます。まだまだ不十分と思われますが,まず当日の被害状況はどのようなものであったのか,お知らせいただきたいと思います。 そして,今後内水被害に対する対策をどのように進めていかれるおつもりか,御所見をお伺いしたいと思います。 また,今後はハード整備とあわせて,さらなるソフト面での整備も必要と考えております。例えば,土のうの砂はどこにあるのか,浸水被害後は衛生面の観点から消毒等は必要なのか,あるいは消毒用の薬剤はどうすればよいのかなど,具体的なことになると意外と知らない人たちが多いように思います。浸水被害時の土のうなどの備えや消毒等についての対処について,自治会や自主防災会への啓発もさらに推し進めることも必要と考えます。今後どのように考えておられるのか,御所見をお伺いいたします。 次に,先ほど西本議員のほうからも御質問がございましたが,福井市版事業仕分けについて,一部重複するところもございますが,私なりの視点でお聞きをしたいと思います。 9月の福井市行政改革推進委員会・福井市行政評価委員会の合同会議で11事業を選定し,事務事業の必要性や有効性を外部点検するということから,10月20日から3日間にわたりまして福井市版事業仕分けが行われたわけでございます。 この外部点検は,今年度を試行期間として,来年度より3カ年で1,200余りの事業を対象として実施をしていくということをお聞きしております。 まず,今回の評価に関してお尋ねいたします。 点検作業の3日間は活発な市民目線での意見が出されたとお聞きしております。それぞれの事業評価についても厳しい意見もあったことは理解はしております。 そもそも,この福井版事業仕分けを行うこととなったのは,どのような経緯からなのか,まずはお聞かせいただきたいと思います。 次に,今回の評価,これも先ほどとほぼ重複するところではございますが,どのようなものが,どのような事業を取り上げられたのか,そしてまた,どのような状況であったのかをお聞かせいただきたいと思います。 そして,今回のこの仕分け作業を終わられて,どのように評価されておられるのか,御所見をお伺いいたします。 次に,予算への反映と課題についてお尋ねいたします。 委員から出された結果を受け,新年度予算に反映するとしておりますが,必ず反映させるのか,厳しいものもあるのか,どの程度のことを現在として考えておられるのか,まずお聞かせいただきたいと思います。 また,今回の作業を終えられて幾つかの課題も浮き彫りになったと思います。多くの事務事業から評価する事業を絞り込むプロセスが明快でないというように思われます。また,関連する複数の事業で成果があるものもあるはずであります。これらの場合,全体を把握できるようにしないと,1つの事業のみで判断してしまうのでは整合がとれない場合も想定されると考えられます。また,今後3年間で1,200もの事業を評価できるのか,疑問もあります。 このようなことを踏まえ,今後の課題をどのようにとらえておられるのか,また,どのような形で来年度に向けて対処されるおつもりなのか,お伺いいたしまして,私の一般質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。 (建設部長 滝花正己君 登壇) ◎建設部長(滝花正己君) 浸水被害対策についての御質問のうち,河川のはんらんについてお答えいたします。 まず,9月の降雨での河川はんらんについて,現状をどのようにとらえているかでございます。 9月16日の降雨によります底喰川流域の町屋地区などの市民の方々には床下浸水や道路冠水など,市民生活に多大なる御不便をおかけいたしました。 福井地方気象台のデータによりますと,9月16日の町屋地区の雨量計では,午前1時から午前2時までに時間当たり20ミリメートル,午前3時から午前4時に14ミリメートル,午前5時から午前6時にかけまして30ミリメートルの集中的な降雨でございました。 市では,これまで県管理の底喰川の流出を少しでも抑制するために,平成15年12月にJR北陸線より上流部を準用河川として認定し,市の事業において開発町に9,100立米の貯水能力を有する暫定遊水地を整備しております。本年6月から8回貯水しており,下流域への抑制効果があったと考えております。 次に,今後の浸水対策としましては,この遊水地のさらなる整備検討を行う一方で,市場周辺土地区画整理事業区域内に1万3,000立米の調整池を平成24年度までに整備予定であり,このことも下流域の被害軽減になると考えます。 なお,底喰川への流入抑制といたしまして,上流域の農家組合の方々に農地からの排水抑制を本年10月に依頼をさせていただいたところです。 次に,北川や開発川の浸水対策につきましては,底喰川同様に市外市内を流れており,整備に対する制約も多くありますが,ソフト面を含めて被害軽減に努力をしていきたいと考えております。 また,県では,底喰川の未改修区間におきまして河川の流下能力を阻害する立木や雑草は伐採を本年度内に行うと伺っております。さらに,市として,根本的な解決策でございます底喰川の河川改修が一年でも早く整備できますように,国及び県に底喰川流域の実情を強く訴えてまいります。 (下水道部長 岩本巖君 登壇) ◎下水道部長(岩本巖君) 浸水被害対策の御質問のうち,下水道等内水被害についてお答えいたします。 まず,9月16日の被害状況についてでございますが,先ほど建設部長が申しましたように,多量の雨が特定の地域に集中的に降る,いわゆるゲリラ豪雨でございました。 当日の被害状況は,市の調査によりますと町屋1丁目で15棟,春山2丁目で1棟の床下浸水があったほか,フェニックス通りや松本4丁目などの市道で道路冠水が4件ございました。また,底喰川流域では,外水はんらんによる浸水被害があったことは認識してございます。しかし,雨水貯留管を整備したその他の地区では,幸いにも道路冠水など内水被害発生の報告はありませんでした。 次に,内水被害対策としては,昨年度までに市内11カ所に雨水貯留管を整備し,施設の容量不足などを補うための対策を行ってまいりました。今後の内水被害対策といたしましては,雨水貯留管の効果をより高めるために流入口の改善,応急ポンプの常設化など,地域の実情に合わせ必要な対策を講じてまいりたいと存じます。 さらに,幾久,大願寺地区など道路冠水が頻発している地域では,道路管理者と協議を進め,雨水の一時貯留効果も考慮し,自由勾配側溝などを布設してまいります。加えて,下水道合流改善事業として,来年度から乾徳遮集バイパス管などを整備し,さらなる施設の充実を図り,内水被害の軽減に努めてまいります。 次に,ソフト面の整備についてお答えいたします。 現在,洪水や浸水の発生時の避難場所や土のうの配布場所等を記載したハザードマップを作成し,市民の方々に配布をしてございます。今後毎年行われている自主防災組織のリーダー研修会等でさらなる活用を促してまいります。 また,土のう袋や土のう用の砂の配置場所をホームページなどで広報しておりますが,合流地区においては,内水被害が想定される場合には水に浸すと膨らむ土のうを自治会に配布してございます。 また,消毒剤の配布につきましては,市民からの要望があった場合は,福井市の保健センターで対応することとなってございます。 今後は,これらの取り組みにつきまして,市民の皆様にわかりやすいよう周知啓発の工夫をしてまいります。さらに,土のうの利用法につきましては,地域の防災訓練などにおいて市民の方々に体験していただくことで,災害時の迅速な対応が可能になるような体制づくりに努めてまいります。 (総務部長 宮木正俊君 登壇) ◎総務部長(宮木正俊君) 福井市版事業仕分けについての御質問にお答えいたします。 まず,なぜ福井市版事業仕分けを行うこととしたのかの御質問についてでございますが,本市では,これまでも事務事業評価の取り組みにおいて行政関与の必要性,効率性,有効性の観点から所属評価を行い,あわせて平成20年度からは福井市行政評価委員会で,これは外部委員でございますけれども,評価を行ってきたところでございます。さらに,本年2月に策定いたしました福井市行財政改革指針において平成22年度以降も既存の行政サービスの再点検に取り組むこととし,その取り組みの中で事務事業の見直しを進めているとしたところでございます。 こうしたことから,今年度からは特に必要性,有効性の観点で事務事業の点検を進めることとし,その取り組みにおいては,これまでの実施してきた外部評価を外部点検として活用することで,市民の視点から事務事業の見直しの取り組みを進めていくこととしたものでございます。 次に,今回の評価はどのようなものであったかとの御質問についてでございますが,今年度は試行として11事業について,外部有識者により構成される福井市行政改革推進委員会及び福井市行政評価委員会の委員による外部点検を行い,9事業については事業縮小,改善,継続,強化の意見をいただいたところでございます。また,委員の意見が分かれたことから,委員会としての結論を出すには至らなかった事業が2事業ございました。 次に,今回の事業仕分け作業をどのように評価しているのかとの御質問についてでございますが,点検を行った委員からは,外部の視点からの検証を求める市の姿勢を評価する意見をいただいております。 市といたしましても,対象となった事業について市民の視点からの参考となる御意見や御提案をいただくことができ,職員の意識改革につながるとともに,事務事業の点検を行う上で有効な手段であると考えております。 次に,結果をどの程度新年度予算に反映させるのかという御質問についてでございますが,現在委員会の意見を受け,平成23年度事業への反映について各担当部署において検討を行っているところです。今後の予算編成作業の中で外部点検対象事業については,特にヒアリングを実施し,点検結果をできる限り予算に反映させていく予定をしております。 次に,事業を絞り込むプロセスが明快でなく,関連事業を含めて評価すべきではないかとの御質問についてでございますが,対象事業の選定方法については,今後点検者となる委員の意見を伺った上で検討していく予定としております。 また,今回の外部点検において,点検対象事業の関連事業についても委員からの質問が及ぶ場面があったことから,今後は関連事業を含めての点検についても検討していきます。 最後に,課題と考えていることは何かとの御質問についてでございますが,今回の3日間にわたる試行で,1事業当たり30分の予定で1日3事業から5事業を対象として点検を行いました。試行の結果,十分な点検を行うためには,もう少し時間をかけることが必要との意見があり,対象事業数及び時間配分の検討と,先ほどの関連事業を含めた点検の検討が必要であると考えております。 ◆15番(野嶋祐記君) 自席にて再質問と要望をさせていただきたいと思います。 まず,浸水被害対策ということで河川のはんらん,底喰川ということで具体的にお聞きをさせていただきました。 言ったとおり,本川の部分については今のところの進捗状況でいけば20年でも終わらないのではないかという状況であり,上流部については市のほうで十分努力していただいていることは先ほども言ったとおり評価しています。しかしながら,その20年間,この状況のまま,年に何回か水がつくのは,もう仕方ないんだというのは私としては非常に理不尽でたまりません。 市内には,市街地の中で幾つかの河川で,やはり事業の進捗に対するスピードが非常に遅いために被害をこうむっている河川も多くありますけれども,本当に河川の改修事業は時間がかかる中で,その間,我慢しなさいというわけにはもういかないと思います。ですから,市のほうでもできることを最大限の努力をしていただきたい。 20年間という長い,20年以上たっても終わらないであろう本川の部分に対しては十分最善の努力をしていただきたいということで,先ほど言った北川や開発川も,ソフト面も含めてというようなお話でございますが,具体的な部分で早急に対策を御検討いただいて対応していただきたいということを考えておりますので,これは強く要望をしておきたいと思います。 それから,下水道等による内水被害についてでございますが,今後の内水対策ということにつきましては,道路側溝等の一部対応,あるいはまた合流区域での下水の改善というようなことでございますが,これらもなかなか表向きには目に見えない部分なので,地下の下水道管にしても側溝にしても目に見えない部分なのでわかりにくい部分があろうかと思いますが,できるだけきちんとした計画の中で,我々に対しても,ある程度経過も含め随時説明をしっかりといただきたいと思いますので,これは要望というか,議会に対しても今こういうことを考えてるんだと,こういうことをやっていくつもりだと,市全域として合流区域をこういうふうにしていくんだというのをある程度,全部ができてからというよりも,過程の中で私はきちんと説明をいただきたいと思います。これは,できれば回答をいただきたいと思います。 それから,ソフト面での土のうとか消毒というようなことなんですけれども,これは具体的な話でありますけれども,私としては,例えば,浸水被害が多いところでは,やはり公民館というものを十分に活用していただければいいのではないかと思います。 市のほうに言っていただければ保健センターなどで消毒剤もお分けしますというようなお話でしたが,そういうことではなくて,浸水被害が多い地域というのはある程度限定されると思いますので,そういうところについては,やはり消毒剤,あるいはまた土のうについても公民館の中で,主事さん,あるいはまた関係者の人たちに十分周知徹底をした上で,やはりホームページや市に問い合わせてくれればわかりますということではなくて,日常的に公民館の中でそういうものも指導,あるいはまた配置もしていただければ,より区民に対しては丁寧な親切な対応だと思いますが,お考えをお聞かせいただきたいと思います。 それから,事業仕分けについてですけれども,これは西本議員の質問にもいろいろと御回答はいただいたわけでありますが,今後の進め方として時間配分であるとか,そのプロセスについてということで御答弁をいただいたわけでありますけれども,これらについてもどういう形で今後進められるのか私はわかりませんが,報告書とか,どういう形で今後またホームページなり文書で配付されるおつもりかわかりませんが,きちんとした形で,ある程度まとめたものを配付,あるいはまたホームページで掲載していくということもしっかりしていただきたいと思いますので,よろしくお願いしたいと思います。 ◎下水道部長(岩本巖君) ただいまの御質問は,今後下水道の将来計画ということも見据えてどういうふうにやっていくのかということだと思いますけれども,下水道につきましては,平成15年度の基本構想に基づきまして,今未普及並びに下水道の合流改善の事業を進めているわけでございます。 今度,平成26年度から,また新たな地域を進めていく上で,皆様と御相談をしながら進めていくということで,エリア協議会というのもつくっていきますので,そのたび必要となるものについては皆さんと御相談をさせていただきたいと考えてございます。 また,今回浸水対策事業の中で,補正予算の中で境浄化センターの旧最初沈殿池がございまして,そこの部分を滞水池として,今整備を進めていきたいということで,今回補正予算にも上げさせていただきました。これによりまして,また浸水被害の軽減が図れると考えてございます。 また,今消毒剤等を公民館等に配置してはどうかということも御提案をいただきましたので,また関係部署と協議しながら進めていきたいと思ってございますが,地域防災計画の中では,一応そういう浸水被害があった場合には対応できる体制はつくっていると,私も思ってございます。 土のうにつきましては,必要となるところにはある程度配布をしてございますので,また公民館等に啓発等の配布した事情の説明もさせていただきたいと存じます。 ◎総務部長(宮木正俊君) 外部点検の結果の報告でございますが,これは,先ほど答弁させていただきましたように内部で検討してございます。これを受けまして,特別にヒアリングを行い,そして新年度予算で反映させていく。 この結果等につきましては,報告書または検証資料ということで,また委員会等に報告を行い,またホームページにも載せてまいりたいと思ってございます。 ○副議長(川井憲二君) ここで暫時休憩します。午後3時から再開します。             午後2時41分 休憩──────────────────────             午後3時1分 再開 ○議長(栗田政次君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 一般質問を続けます。 次に,18番 巳寅令子君。 (18番 巳寅令子君 登壇) ◆18番(巳寅令子君) 市民クラブの巳寅令子でございます。通告に従いまして3点,質問させていただきます。 まず,就学前の子供の支援についてお伺いいたします。 今,国のほうで子ども・子育て新システムが検討されています。少子化が言われて久しい一方で,共働き世帯の増加などで保育所利用児童数は年々増加してきています。就学前児童が育つ場所を見ると,平成18年度総務省,文部科学省,厚生労働省各省の統計ですが,3歳児の70%以上,4歳以上児はほとんどが保育所か幼稚園に通っています。また都会を中心に保育所待機児童がふえ,現行の保育制度が転換期を迎えているのは明白です。 私はすべての子供に質の保障された保育,教育が保障されなければならないと思います。 そこで,本市の保育,幼児教育行政についてお伺いいたします。 まず,本市の幼稚園,保育園の現状と今後の見通しについてお伺いいたします。 本市においては,公立の幼稚園は周辺部だけですが,小学校に併設なので小学校1年生へのスムーズな移行ができるというよい面がある一方で,長時間保育を希望する保護者が多くなり,保育園へ残る児童もふえているという課題もお聞きします。今後の見通しがわからずに不安を抱えている教員や保護者も多いと思います。 政府は保育所,幼稚園を一体化した(仮称)こども園の制度設計を行うためワーキングチームでの検討を開始しました。一体化は有意義であるという意見の一方で,移行期間やナショナルミニマム,資格などの検討課題を指摘する声も多くあります。子供の最善の利益を保障することを中心に,施設,内容,人ともに,すべての子供に質の担保された保育や教育を実現できる基準となるよう十分な審議を願いたいものです。 11月初旬に子ども・子育て新システム検討会議の事務局から出された幼保一体化構想の原案,利用補助に当たる幼保一体給付──仮称ですが──の原案については,さまざまな方面から反対意見も出ているようです。その後,(仮称)こども園について考えられる複数案が出されましたが,本市としても,ただ国の動向を待っているだけでなく,福井市の就学前の子供たちの支援をどうすべきか,実情に合った改革をしていくべきではないでしょうか,御所見をお伺いいたします。 また,子供の育ちを社会全体で支援していくのは大切ですが,やはり保護者が子育てにかかわる保障をするのが第一だと思います。 育児をするお父さん,イクメンがことしの流行語の一つになりましたが,まだまだ育児にかかわる男性は少ないのが現実です。それに,育児休暇を十分とれないお母さんもいて,子供を保育所にゼロ歳から預けなくてはいけないということを考えると,企業に対する指導や支援も必要ではないでしょうか。 国も市も,子育て応援ファミリー企業の認証をしておられますが,中小企業にとってはなかなか厳しいものがあるということをお聞きします。補助金を出すなどの支援も国全体として考えるべきではないかと私は思います。本市の取り組みと御所見をお伺いいたします。 2点目に,放課後児童クラブについてお伺いいたします。 本市の小学校においては,ほとんどの学校で児童館での放課後児童会,公民館やほかの施設を利用した放課後児童クラブを利用しています。小学校低学年の児童のうち,働いているなどの理由で放課後保護者が家庭にいない子供を対象に子供の居場所を提供しているということです。 まず,本市の放課後児童会,児童クラブの実情についてお伺いいたします。 さて,本市の小学校では,軽度発達障害などを持つ気がかりな子供たちへの支援として特別支援コーディネーターや,いきいきサポーターが配置され,子供たちの支援に大きく寄与しています。またカウンセラーも一部配置されていますし,教職員も研修を受け,校内での支援会議も持たれています。 学校を終え,放課後児童会や放課後児童クラブへ行く子供たちの中にも当然気がかりな子供はいるわけですが,その子たちへの支援はどのようにされているのでしょうか,お伺いいたします。 学校では緊張している子供たちですが,放課後になると気が緩み,羽目を外すことも多くなるのではないかと危惧されます。そのような中での子供の指導や支援をしなければならないのですから,本当に大変なお仕事だと頭が下がります。 市として,研修や指導はもちろん,人的支援を充実すべきだと思いますが,いかがでしょうか,御所見をお伺いいたします。 3点目に,環境保全と農林水産業についてお伺いいたします。 福井市環境基本計画改定版(案)が出されました。「福井市の自然や都市環境を守り育て,将来に伝えていきます」「地球規模の環境問題に対応していくため,持続可能な社会づくりを進めていきます」「全員が協力して計画を推進していきます」という方向性を持って取り組むというものです。 環境保全に関しては,1次産業である農林水産業分野での取り組みも大きなウエートを占めています。国土保全,自然環境の保全は,私たちが生活する上で基盤となるものです。また,ことしは国連が定めた国際生物多様性年で,10月には名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議が開催されました。地球上の多彩な個性を持ったさまざまな生き物のつながりを学び,多様な生き物とのかかわりを考え,ともに生きることのできる豊かな地球環境を守ろうということを考えるよい機会だったと思います。 私たちの食べ物は,生き物の営みからの恵みであり,農林水産業は多様な生き物のかかわりを利用した活動と言えます。 日本の農林水産業は,多様性豊かな里地,里山などをつくり,多様な動植物の生育環境を提供し,生物多様性の保全に大きく貢献してきました。特に本市は,豊かな田園,森林,海を誇れる都市と言えます。しかし,近年耕作放棄地の拡大や森林の荒廃などが目につくようになってきました。 市としても環境保全の観点からさまざまな取り組みをされているとは思いますが,農林水産業においてはどのように進めておられるのか,現状と今後の方向性についてお伺いいたします。 私は生ごみ処理についての視察で佐賀県にある生ごみ110番体験農場を視察してきました。そこでは,酵素の利用で残菜などの生ごみを竹の粉とまぜ合わせて有機肥料にしていました。今竹林が放置され,いろいろな被害も出ています。竹の有効利用にもなり,いい方法だと思いました。 また,生ごみからつくられた有機肥料は立派なピーマンをつくっていました。地域ごとに有機肥料をつくり,有機栽培をして収益を上げることも考えられるのではないでしょうか。 さらに,県総合グリーンセンターで木質ペレットの視察もしてきました。実際に間伐材の利用促進により森林を保全していくことにもつながり,有効だと思いました。 県では県産材を公共施設などにふんだんに利用しており,県土木事務所でも応接用の机,いすやつい立てなどが県産材でできており,温かみがあってとてもいい感じでした。 さまざまな取り組みを参考に,本市の農林水産業においてはどのような環境保全の取り組みができるか,検討をしていただきたいと思いますが,いかがでしょうか,御所見をお伺いいたします。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (教育部長 滝波秀樹君 登壇) ◎教育部長(滝波秀樹君) 就学前の子供の支援についての御質問のうち,本市の幼稚園の現状と今後の見通しについてお答えいたします。 まず,幼稚園の現状でございますが,本年5月現在で公立幼稚園の数は20園,園児数は261人となっており,また私立幼稚園の数は20園で園児数は2,435人となっております。 幼稚園は,幼稚園教育要領に準じまして義務教育及びその後の教育の基礎を培っているところでございます。私立幼稚園では建学の精神に基づいた特色ある教育を行っており,一方,公立幼稚園では,小学校と併設しているため小学校教育へのスムーズな移行が図られるという特徴がございます。公立,私立ともそれぞれの長所があり,保護者や地域の方々からはその教育に対しまして確かな評価を受けていると考えております。 しかしながら,近年少子化の流れに加えまして,保護者の就労や家庭の事情により保育園を希望する保護者もふえてきていることから,幼稚園に通園する子供は減少してきておりまして,社会経済情勢を考えますと,今後も減少傾向が続くものと推測いたしております。 (福祉保健部長 鈴木八束君 登壇) ◎福祉保健部長(鈴木八束君) 本市の保育園の現状と今後の見通しについてお答えいたします。 福井市内には保育園は76園あり,そのうち公立保育園が35園,私立保育園が41園となっております。この76園の公私立保育園に入所している児童数は,本年4月現在で7,519人となっております。市内の就学前児童であります生まれたばかりの赤ちゃんから小学校に入る前までの子供の数は,同じく4月現在で1万4,936人となっており,就学前児童の50.34%の子供たちが保育を必要とし,保育園での保育を受けております。 また,年齢別に見てみますと,ゼロ歳児から2歳児までの低年齢児が2,708人おり,入所児全体の36.0%となっております。これは10年前の平成12年の1,823人,入所児全体の30.6%と比べますと,人数で885人,入所児全体に占める割合で5.4%増と,低年齢児の保育は急速に増加いたしております。今後も核家族化や就労状況により,早朝からの長時間保育及び低年齢児保育希望は増加するものと考えております。 このように,市内の半数以上の児童が保育を必要としていることや,低年齢児の保育が求められておりますことから,現在福井市公立保育園民間(定員)移譲実施計画に沿って保育環境づくりを進めているところでございます。 次に,幼保一体化についてお答えいたします。 国においては,子ども・子育て新システム検討会議で,幼稚園,保育園に関する新しいシステムが検討され,幼保一体化を目指したこども園,仮称でございますが,これについて考えられる複数案を11月16日に示したところです。 また,幼稚園の所管が文部科学省,保育園の所管が厚生労働省でありますことから,今後国からは幼保一体化に関する根拠法,設置運営基準,教育・保育の内容基準等が示されてくるものと思われます。 このような流れの中,本市といたしましては,平成23年度から開設されます認定こども園での幼保の連携と円滑な運用に取り組みますとともに,国,県の動向や近隣市町における幼保一体化への流れを注視しながら,地域の実情や保護者のニーズを的確に把握し,望ましい幼児教育・保育について検討してまいりたいと考えております。 続きまして,放課後児童クラブについてお答えいたします。 まず,放課後児童会と児童クラブの実情でございますが,ことし4月現在,放課後児童会が28カ所で1,297人,児童クラブが19カ所で522人,合計では47カ所で1,819人の登録児童数となっております。特に本市の目標であります小学校1,2年生の完全入会という点で見ますと,小学校1年生の児童2,232人のうち登録児童数が742人となっており,その割合は約33%,小学校2年生では2,445人のうち658人の登録で約27%となっており,おおむね3人に1人を放課後児童クラブで受け入れていることになります。 次に,放課後児童会や児童クラブは,社会福祉法人やNPO法人,地区運営委員会など,地区ごとに運営主体が異なっておりますけれども,発達障害など気がかりな児童への対応につきましては,各放課後児童クラブと小学校とが連携し,情報交換をしながら,児童一人一人の個性に合わせた対応をいたしております。運営主体によっては,指導員に対して発達障害に関する研修に参加させるなど,指導員の資質向上に努めていただいているところでございます。 本市では,今年度からすべての放課後児童クラブを対象にした研修を開始したところでございますが,初年度ということもあり,まずは全児童クラブ共通の安全管理をテーマに実施いたしました。 放課後児童クラブ事業に関する研修課題はたくさんあると認識いたしてはおりますが,発達障害などの気がかりな子供たちへの対応というテーマにつきましては優先的に取り入れてまいります。 一方,ことし7月に市内の全児童クラブが加入した連絡協議会が発足しておりまして,この連絡協議会でも指導員の研修を実施していく意向であると聞いております。児童クラブ連絡協議会の活動を支援する中でも,気がかりな子供たちの対応について取り組むよう働きかけていきたいと考えております。 (商工労働部長 小林利夫君 登壇) ◎商工労働部長(小林利夫君) 就学前の子供の支援についての御質問のうち,育児中の父母が休暇をとりやすくするための企業に対する指導,支援についてお答えします。 男女ともに子育てをしながら働き続けられる社会を目指し,育児・介護休業法が改正され,平成22年6月30日に施行されています。 原則として,子育て中の短時間勤務制度や残業免除,父親の育児休業の取得促進,子の看護休暇制度の拡充などが義務づけされています。経済的支援措置としては,国,県において一定の条件がありますが,育児休業給付金の支給や育児休業中の社会保険料の免除,育休応援企業サポート事業等,各種事業が既に整備されております。 本市におきましては,本年度から事業所訪問員が市内中小企業を中心に訪問して,求人情報を収集しており,これと同時に,各企業に対してこれらの制度の周知を図るとともに,十分に利活用できるよう指導及び啓発活動を実施しています。 仕事と子育てが両立できる職場環境づくりに向け,今後もさらに努力してまいります。 (農林水産部長 岩永弘行君 登壇) ◎農林水産部長(岩永弘行君) 環境保全における農林水産業の現状と今後の方向性についてお答えします。 農林水産業は,生産活動を通じ国土の保全や生態系の維持など多面的機能を発揮しており,環境保全に貢献するものと考えております。 農業におきましては,従来に比べ化学肥料や農薬の使用量を2割以上削減した取り組みを行う生産者,すなわちエコファーマーをふやすことを進めております。 県におきましては,平成25年産までに福井米をエコファーマー米としていくことを目標に掲げており,それまでにJAへ出荷する稲作農家はすべてエコファーマーになれるよう,本市としてもJAと連携しながら積極的に取り組んでいます。こうしたことで環境負荷の低減にもつながると考えております。 なお,議員御指摘の生ごみの農業への活用につきましては,給食センターや市内の飲食店から出た約474トンの生ごみを脱水等により堆肥化し,約190トンの堆肥として園芸肥料に活用しております。 次に,林業につきましては,森林は生物多様性保全,二酸化炭素の吸収,国土の土砂災害防止,水源涵養など,環境保全につながるような多面的機能の保全に貢献しております。そのため,本市としては間伐や枝打ちといった森林整備の促進に取り組んでいるところでございます。 また,水産業については,水産資源加工等の観点から,河川や海岸線の清掃,また山から流れ出る河川の水が海の魚介類の栄養源となっていることから,漁業者等が中心になって山に木を植えるといった取り組みも行っております。 農林水産業の継続は,環境の保全にもつながることから,本市といたしましては,これまで以上に第1次産業の振興に努めてまいりたいと考えております。 ◆18番(巳寅令子君) 自席で再質問させていただきます。 まず,放課後児童会,児童クラブの件ですけれども,指導員に対する研修というものを行っている,これは非常に大事なことですし,ありがたいと思います。今後も,やはり気がかりな児童の扱いといいますか,その子への支援というものには非常に専門的な知識というか,そういうものも必要ですし,ぜひともこの研修を市としても続けていっていただきたいと思います。 それと,やはり小学校におけるいきいきサポーターみたいな指導員といいますか,補助してくれる方の人的配置ですね,そういうことをしなければ,やはりなかなか現場では対応できないと思いますので,そういう点での支援というものは,現状どうなっているのかということをお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(鈴木八束君) 児童クラブの指導員に対する研修につきましては,市といたしましては,先ほども申しましたけれども,次年度以降優先的な課題として取り上げまして実施をしてまいりたいと考えております。 それから,指導員に対する人的な支援でございますが,今のところ,そういった制度は設けておりません。 ただ,今年度から保育カウンセラー事業等が始まりました。そういった中でも,気がかりな子,気になる子の取り扱いにつきまして,保育園,小学校と連携しながら取り組んでいくことになっておりますので,そうした中でも児童クラブの指導員たちとの連携が図れないか,今後検討してまいりたいと考えております。 ◆18番(巳寅令子君) 今保育カウンセラーの活用ということをおっしゃってくださいましたが,そういうことも非常に大切で,せっかくいい制度をつくったんですから,その活用は進めていただきたいんですけれども,やはり今後の課題として,いわゆる指導員の人的支援,人数的にやはり1人いるのといないのとでは随分違いますので,そういうことも考えていただきたい。それはやはり市からの指定管理料の増額とかというところにもつながるとは思いますけれども,そういうこともぜひとも検討していただきたいと思います。もしそれについて御意見,御答弁ありましたらお願いします。 ◎福祉保健部長(鈴木八束君) 指導員に対する人的支援といいますか,そういったことにつきましては,今後市独自の気がかりな子に対する指導等の研修をとりあえずやらせていただきたいと思いますし,そうした中で新たな課題が見えてまいりましたら,必要に応じてまた検討させていただきたいと思っております。 ○議長(栗田政次君) 次に,31番 加藤貞信君。 (31番 加藤貞信君 登壇) ◆31番(加藤貞信君) 市民クラブの加藤でございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 「不死鳥のねがい」福井市市民憲章についてお尋ねいたします。 本市の市民憲章は,市民の心のよりどころとして昭和39年に制定されました。この制定に至る背景には,昭和20年の戦災,昭和23年の大震災,さらには水害と,たび重なる災禍を乗り越え,町の復興を遂げてきた本市の輝かしい歴史があることは皆さんも御承知のとおりです。 昭和27年には,これらの復興を記念して福井復興博覧会が開催され,都市基盤整備や産業開発が着々と進み,さらには高度経済成長の波に乗り,市民生活は,より豊かで便利なものとなってまいりました。 一方,外面的復興,物質的繁栄にあわせ,市民の内面的精神面の充実が伴わなければ真に住みよい郷土の建設は不可能であることから,市民一人一人が社会の一員として自覚を高め,温かく思いやりのある人間性の高揚を図ることが課題となっていきました。 そこで,市民が力を合わせ,輝かしい復興をなし遂げた不屈の精神を,燃える郷土愛を,市民憲章として制定し,後世へ受け継いでいくこととなったのです。 この福井市市民憲章のタイトルである「不死鳥のねがい」は,先ほど申し上げました福井復興博覧会のシンボルマークが不死鳥であったことに由来しています。不死鳥はエジプトの伝説上の霊鳥,フェニックスのことであり,死期が来るとみずから火中に入って焼かれ,その灰から再生すると言われています。 フェニックスといえば,ことしチリで起こった落盤事故で地下に閉じ込められた33人を救出するためのカプセルにその名がつけられたことも皆さん記憶に新しいのではないでしょうか。 たび重なる災禍に屈することなく,何度も立ち上がってきた福井市民の努力が永遠の命を有する不死鳥の姿に似ていることから,不死鳥が福井市民及び福井市のシンボルになっているのです。 以上のような経過をたどり制定された市民憲章は,これまで市が行う会議や各種団体の会合,また各地区の行事などで冒頭に参加者による唱和が行われてきました。また,花,苗の街頭即売会を通した花いっぱい運動の推進,市民一斉清掃運動に代表される福井市を美しくする運動の推進,さらには,支部である各地区公民館を中心とした地区独自の推進運動によって広く市民に対し市民憲章の普及啓発が図られてまいりました。 これらの経緯を踏まえ,市長にお伺いします。 市民憲章制定からことしで46年が経過いたしましたが,市長はこの市民憲章が市民の間にどの程度浸透しているとお思いでしょうか。加えて,市民憲章に対する市長御自身の思いや考えをお伺いします。 次に,実践目標についてお伺いします。 実践目標は,市民憲章制定から45年を迎えた平成21年1月,5つの項目ごとに設定されました。 実践目標を申し上げますと,1つ目は「あいさつは まず私から 声かけよう」,2つ目は「家族そろって 早ね早おき朝ごはん」,3つ目は「マイはし マイカゴ マイバッグ」,4つ目は「鍵かけ と 一戸に一灯防犯灯」,5つ目は「見てふれて 知ろうふくいの 文化と歴史」となっております。 そこで,この実践目標について質問いたします。 まず1点目に,実践目標の設定に至った経緯について,いま一度お聞かせください。 次に,2点目として,この実践目標の設定期間は平成21年1月から平成23年3月までとなっておりますが,これまでどのように取り組んでこられたのか,今日までの具体的な取り組み状況についてお聞かせください。 最後に,3点目として,実践目標の見直しについてお伺いします。 今年度実施した市民意識調査の結果が先日公表されました。この中で実践目標に関する市民の認知度を調査していますが,約40%の市民が知らないと回答しております。 そこで,現在の実践目標は平成23年3月31日までとなっておりますが,この低い認知度の中で,それ以降,どのようにしていくのか,御所見をお伺いします。 次に,環境問題についてお伺いします。 福井は,越山若水と言われるように,豊かな自然と海や山の幸に恵まれた住みよい町と高い評価を得ております。私はこのような住みよい町を子々孫々まで伝えていくことが重要な使命だと考えております。 一方,私たちを取り巻く環境は,地球温暖化やさまざまな生き物の生息環境の危機など,地球規模の環境問題による影響を受けております。 特に近年,地球の温暖化が原因と思われる現象が世界的に数多く見受けられます。例えば,北極などの氷が溶けることでホッキョクグマが絶滅の危機にさらされたり,農業や漁業でも野菜や果実の栽培に適した地域の北上や,魚の漁場が変わったりするなど,大きな問題となっております。また,ことし10月に奄美大島で豪雨が発生するなど,異常気象による豪雨災害が国内外において発生しております。 このような,すべての国や地域において温暖化防止対策を進めていくことが肝要であると考えます。 昨年コペンハーゲンで開催された第15回気候変動枠組条約締約国会議(COP15)や,ことし6月福井で開催された日本APECエネルギー大臣会合などにおいても,温暖化防止や低炭素エネルギーの活用に向けた議論が行われたところですが,そのような動きの中,今後地域でもどのように取り組みを進めていくかが重要だと思います。 先般,環境・エネルギー対策特別委員会の先進地視察として,環境モデル都市に指定されている横浜市の取り組みを見てまいりました。 横浜市では,ハマ債風車という風力発電の事業を行っているのですが,その進め方が工夫されており,市民向けに市債を発行して建設費用に充てているほか,事業運営には協賛企業が協力しているとのことでした。横浜市民の環境意識の高さもさることながら,新技術の導入というハードルの高い取り組みに対して,行政が市民や企業の力をかりて一体的に進めている点が印象的でした。また水素燃料電池自動車も見せていただきましたが,走行時には水蒸気しか出さないので環境にとても優しく,性能もガソリン車とほとんど変わらないものの,やはりコストが高いというのがネックであるということでした。 このように環境に関する新しい技術や製品はいろいろありますが,社会に広く進めていく上では,コストなどの課題がありビジネスとして成り立ちにくいことから,今後は産学官が連携して広く取り組んでいくことも必要だと思います。 本市においても,環境基本計画に基づいてこれまでにもさまざまな施策に取り組んでこられましたが,今後もさらなる取り組みが求められております。現在は計画の改定作業を進めているとのことですので,その考え方について何点か,お尋ねします。 改定に当たりましては,人口減少や少子・高齢化,経済状況の悪化など,本市を取り巻くさまざまな社会背景を計画に反映していくことが重要であると考えています。 そこでまず,このようなことを受けて,今回の新たな計画で大きく変更していることがあればお示しください。 また,これからのまちづくりは,公共の力だけで進めていくのは困難であり,環境の分野だけでなく教育や福祉など,さまざまな分野においても市民協働の考え方などが,より強く求められてきております。 このようなことも踏まえ,地球温暖化などのさまざまな問題に対して対応していくためには,新たな方向性を明確にしていくことが必要だと思われますが,そこで,市民協働のもと,どのように取り組んでいくのかについて考え方をお伺いします。 最後に,計画を着実に進めるためには全体的な体制もわかりやすく示していくことが重要だと思いますが,推進体制についてどのような考えを持っておられるのか,御所見をお伺いします。 以上で私の通告による一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 「不死鳥のねがい」についての御質問のうち,私からは市民憲章について実践目標設定の経緯も含めお答えいたします。 市民憲章は,各地区において地区文化祭や体育祭といったさまざまな活動の場における唱和,そしてプログラム等への掲載により多くの市民の皆様に定着しているものと思っています。 しかしながら,市民のお一人お一人がこの憲章の意義を再認識して,日常生活の中でこの憲章を身近に感じ,手軽に実践していただくためには,より具体的なものが必要であるとの思いから,平成21年,制定から45年を迎える節目として,5つの項目ごとに実践目標を設定していただきました。 今後も,市民の皆様が市民憲章について,より理解を深めるとともに,日々の生活の中で,その精神を行動に移していただけるよう,さらなる啓発活動を行ってまいります。 また,不屈の精神を受け継ぐ本市の市民憲章は,その5項目がすべて「すすんで」という言葉から始まることからもおわかりのように,その制定及び今日までの推進活動において,常に市民の自主性を重んじています。 私は,この市民みずからが積極的に行動することが,数々の災害から復興を遂げてきた不死鳥福井の強みであると確信をしております。この憲章の前文にもありますとおり,「力をあわせ不屈の気概をもって」郷土を築いてこられた先人たちの精神を後世に受け継ぎ,さらに発展させていくことが私たち福井市民の使命であると考えています。 幾多の災害から立ち上がったという実績に裏打ちされた,全国的にも類を見ない市民憲章である「不死鳥のねがい」の理念を今後とも力強く推進してまいりますので,皆様のさらなる御協力をお願いいたします。 (教育部長 滝波秀樹君 登壇) ◎教育部長(滝波秀樹君) 「不死鳥のねがい」についての御質問のうち,実践目標についてお答えいたします。 実践目標の設定に至った経緯につきましては,先ほど市長から御答弁申し上げたとおりでございますので,実践目標の今日までの具体的な取り組み状況につきましてお答えいたします。 まず,全体的な取り組みといたしましては,実践目標の周知啓発を図るため,市政広報,市のホームページ,行政チャンネル等において,市民憲章を掲載する際には実践目標もあわせて広報をしております。 また,今年5月からは各地区におきまして主な行事における市民憲章唱和の際に,実践目標もあわせて唱和することとしております。 個々の項目ごとの取り組みといたしましては,まず,第1項目めの「あいさつは まず私から 声かけよう」と,第2項目めの「家族そろって 早ね早おき朝ごはん」につきましては,家族ふれあいタイム推進事業において取り組んでおりまして,絵手紙コンクールの実施,啓発用CDや啓発用マグネットの配布により周知をしているところでございます。 第3項目めの「マイはし マイカゴ マイバッグ」では,各種行事の中でマイはしやマイバッグの配布を行っており,さらには,福井市における買い物袋持参推進及びレジ袋削減に関する協定を福井市くらしの会,事業者,福井市の3者が締結し,買い物袋持参運動を推進しております。 第4項目めの「鍵かけ と 一戸に一灯防犯灯」につきましては,防犯隊のパトロール時に鍵かけ運動及び一戸一灯運動の呼びかけ,またチラシ配布による周知啓発活動を行っていただいております。 第5項目めの「見てふれて 知ろうふくいの 文化と歴史」では,福井学の事業の推進や郷土学習事業を実施しておりまして,さらには,今年7月より本市の7つの文化施設におきまして,毎月第3日曜日の家庭の日,11月3日の文化の日,2月7日のふるさとの日に無料開放を行っております。 最後に,実践目標の見直しについてお答えいたします。 本年度実践目標の設定期間が終了いたしますことから,次の展開を考えるに当たりまして,実践目標が市民の方々にどの程度浸透しているのか,また2年間の活動の成果を検証すべく市民意識調査を実施したところでございまして,その結果,「知っている」が28.3%,「聞いたことがある」が22.9%,「知らない」が39.4%,残りの9.4%が不明,いわゆる回答なしという結果でございました。 このことから,市民の方々の認知度はいまだ不十分と考えられますので,来年度以降の実践目標のあり方も含めまして,「不死鳥のねがい」推進協議会におきまして現在検討を始めているところでございます。 (市民生活部長 巻田信孝君 登壇) ◎市民生活部長(巻田信孝君) 環境問題についてお答えいたします。 初めに,環境基本計画の変更点についてお答えいたします。 現行の環境基本計画は,策定してから10年が経過し,この間,本市を取り巻く社会情勢も大きく変化してきたところでございます。特に世界人口の増加や経済発展に伴うエネルギーの大量消費による温暖化など,地球規模の環境問題が顕著となっているところでございます。 また,本市は豊かな自然や美しい景観などに恵まれており,このような環境を守り,次世代の子供たちに受け継いでいくことが重要な視点だと考えているところでございます。 新たな計画につきましては,現在パブリックコメントを実施しておりまして,今後環境審議会からの答申を受け,庁内で決定し,本市の計画としてまいりたいと存じます。 今回の変更点の1点目といたしましては,社会情勢に柔軟に対応していくため,計画期間を現行の20年から5年間としたところでございます。 次に,取り組みの進め方につきましては,これまでの緑のカーテンなど,市民参加で取り組んできたところでございますが,市民協働の位置づけを,より明確にしたところでございます。 また,取り組みの方向性につきましては,身近な自然環境を守り育てていくこと,地球規模の環境問題への対応の2点に,わかりやすくまとめさせていただいたところでございます。 1点目といたしましては,川や海,山などの豊かな自然を保全し,多様な生き物を守り育て,将来に伝えていくことにございます。例えば,水辺や緑と親しみ触れ合う活動などを進めてまいりたいと存じます。 次に,2点目といたしましては,温暖化などの地球規模の環境問題に対応するため,身近な取り組みから始めていくことでございます。取り組みの例といたしましては,過度な自動車利用から公共交通機関への転換,太陽光発電など再生可能なエネルギーの導入,ごみの減量や資源化などに努めてまいりたいと存じます。 今後は,これらの取り組みを通じまして,よりよい環境の創造を図ってまいりたいと考えております。 次に,市民協働による取り組みについてお答えいたします。 取り組みを進めていくためには,家庭や職場,地域における身近な活動が第一歩だと考えているところでございます。また,今回の改定では,計画の方向性を共有し,お互いの特性を生かしながら対等な立場で協力していくことで相乗効果が生み出される協働の精神のもと,推進していくことを目指しているところでございます。 今後は,このような考え方に基づきまして,市民,市民組織,事業者,行政について,それぞれの役割を明確にし,各主体が連携,協働しながら取り組みを進めてまいりたいと存じます。 最後に,推進体制についてお答えいたします。 本計画を着実に推進するために,市民,市民組織,事業者,行政で構成いたします推進会議を新たに創設したいと考えております。この会議では,全体的な推進状況や各主体の取り組み状況の調査検討を行うとともに,新たな取り組みや啓発などに努めてまいりたいと存じます。 また,本市は先導的な役割を担い,推進会議や環境審議会などの意見も踏まえ,環境に優しい持続可能な都市を目指してまいりたいと存じます。 ◆31番(加藤貞信君) 自席で何点か要望させていただきます。 まず,市民憲章については,市長からの御答弁をいただきましたが,御案内のとおり,市民憲章は世の中を明るく,よくするためにあり,法律は世の中を悪くしないためにあると言われております。そのため,この市民憲章の意義を理解し行動規範を取り入れる,また日々思い浮かべ唱和する市民がふえれば,おのずと世の中がよくなり,また福井市民の一員として自覚を高め,燃える郷土愛がはぐくまれるものと思います。 これは繰り返しになりますけれども,しかし,そういったところで,やはり福井市民としては100%理解しているというとあれですけれども,市民憲章はやはり知っていると,国民としては君が代を知っているとか,学校の校歌を知っているとかというように,やはり市民としては最低市民憲章は市民として心のよりどころとして,この制定されたものと精神的なところで規範として知っておかなければならないのではないかと思いますので,あらゆる機会を通じて,当然,この実践目標もあわせてもっと認知度を上げるために普及活動に頑張っていただきたいと思います。またその中で実践目標ですけれども,やはり今認知度も低いということでございますので,市民が知らない間に,また次の実践目標が出てくるのではいかがかと思いますので,そこらは十分今の市民意識調査ですか,そういったものも検討して,内部でいろいろ検討しながら,やはりもうしばらく市民に理解を深めて,この実践目標でいくのか,そういったところをきちんと検討検証していただきたいと思います。 それと,市民憲章が市民にだんだん根づいていくためには,子供のころから根づかせていくのが必要ではないかと思います。小さいころからそういった,郷土愛がだんだん根づいてくれば,やはりすばらしい福井をつくろうとか,そういった若者もだんだんふえてくると思いますし,そしてまちづくりにも活気も出てくると思います。 やはり郷土福井へ戻って働こうと,大学生のUターンも郷土のために働こうということで,子供のころから根づいていくとそういうことももう少しアップすると思いますし,たとえ県外に残っても,故郷を思う気持ちが深ければ,ふるさと納税もしてみようかという気持ちにもなるのではないかと思います。やはり子供のころから市民憲章なんかは根づかせる,親しむことが肝要だと思いますので,また子ども会活動とか小・中学校の全体朝礼などでも唱和することをお勧めするといいますか,望みます。 それから,環境基本計画ですけれども,今後の計画では市民や企業も協働して役割分担をして進めていくということですけれども,やはりその中心になるのは行政で,その行政がしっかりリーダーシップをとっていただきたいということで,今緑のカーテン云々というのもありましたけれども,市役所では余り緑のカーテンを見たこともありませんし,またマイはし運動とかカーセーブデーなど,以前から取り組んでいるようですけれども,まだまだ個人差,温度差がいろいろあるようで,やはりそういったことも全庁的に取り組んでいただいて,市民や企業に対しても先導的な役割を発揮していただきたいと思います。 それから,次世代エネルギー,今のエネルギー問題についてですけれども,横浜市ではいろんないいものを見せていただきましたが,水素燃料電池自動車なんかは本当に加速もいいし,本当にいいんですけれども,1台1億円もするということで,大変こういった再生可能なエネルギーとか,新エネルギーに取り組むのは本当に大事なんですけれども,コストがかかるということで,やはりそこらが課題ではないかと思います。 そういった点では,例えば,今福井でも福井大学では窒化物系の半導体材料を素材として,高い交換率が期待できるタンデム太陽電池の開発を行っていると聞いております。こういった先進的な研究も行われておりますので,こういった大学やいろんな企業もあろうかと思いますので,産学官の連携をもっと密にして取り組んでいただくことを要望して終わりたいと思います。 ○議長(栗田政次君) 次に,6番 鈴木正樹君ですが,資料配付の依頼がございましたので,許可しました。 それでは,6番 鈴木正樹君。 (6番 鈴木正樹君 登壇) ◆6番(鈴木正樹君) 日本共産党議員団の鈴木正樹です。私は,この不況の中にあって市民の暮らしや中小企業を応援し,地域経済を守ることを強く求める立場から質問を行います。 まず,TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について質問いたします。 菅内閣は,TPPに参加するための協議を始めるとしています。TPP参加によるメリットを享受することができるのは,自動車,電機などの輸出大企業であり,これらの一部の大企業の要求に政府がこたえようとするものです。 既に日本の農産物の平均関税率は,きょうお配りした資料の2にもつけましたように,主要国の中でも2番目に低く,TPPに参加するというのは,外国の安い農作物への関税を撤廃することにほかなりません。 太平洋を囲む国々で自由貿易,関税撤廃が行われれば,日本農業や地域経済がどんなことになるのか。農林水産省の試算では,TPPの加盟により外国から安い農林水産物が大量に輸入されることになり,国内農産物の生産額は4兆5,000億円減少,農林水産関連産業は8兆4,000億円減少,農業の多面的機能が3兆7,000億円規模で失われ,約350万人の雇用が全国で失われる。食料自給率は現在の40%から13%まで低下するとしており,TPPの加盟により日本農業が瀕死の状態に追い込まれ,地域経済に深刻な影響を及ぼすことは間違いありません。 福井県議会において示された県の試算では,460億円ほどになる県内農業生産額のうち,その3分の2,約300億円が失われるとのことです。そのほか林業,水産業,そしてそれらと結びついた地元の関連産業や農林水産業が持つ多面的機能を合わせれば,この福井でも地域産業が衰退し,多くの雇用が失われ,深刻な事態が引き起こされることは明らかです。一部の輸出大手の大企業の利益のために日本農業や地域経済を犠牲にすることは許されません。 今世界有数の小麦の輸出国であった中国,ロシア,インドなどが世界有数の小麦の輸入国へと転落し,多くの環境学者が地球温暖化による干ばつなどで世界規模の飢饉の可能性を示唆する中,自国の国民の命に直結する食料や農業だけは,政府の責任で守り,自由貿易の対象とはしない食料主権の流れが強まっています。内閣府の行った日本の食料自給率に対する意識調査では,食料自給率を高めるべき,どちらかというと高めるべきと答えた方の割合は9割を超えており,日本農業を守り,食料自給率を高めることは国民全体の願いです。 このような中で,JAは日本農業を守れと,国に対してTPPに参加するなと強く要請しています。12月4日の福井新聞でも,このような全面広告が福井県のJAグループから出されました。全国町村会も11月4日にTPP参加の撤回を国に要請し,今月1日の全国町村長大会ではTPPへの参加に反対する特別決議を行いました。また農業委員会全国会長代表者集会でもTPPへの参加に反対する決議を満場一致で採択しています。 福井の農業や地域経済を守り,この日本の食料問題へのまともな責任を政府に果たさせるために,福井市としてもTPPの参加に反対を表明し,国にTPPに参加しないことを要請すべきと考えますが,どうでしょうか,見解を求めます。 次に,地元業者の仕事づくりとして住宅リフォーム助成事業について質問を行います。 3月定例会,6月定例会で繰り返し取り上げている住宅リフォーム助成事業ですが,いち早く取り組んでいる自治体では,木造住宅の耐震化の促進,よりよい住環境の整備促進,中小企業の仕事がふえ雇用の確保につながるなど,住民からも中小業者からも喜ばれていることが報告されています。何よりすばらしいのは,住宅リフォーム助成事業が,この不況の中にあっても自治体の行う補助額の10倍から20倍という経済波及効果を確実に生み出し,雇用の創出に結びついていることです。 この不況のときだからこそ思い切って経済対策として福井市でも取り組むことを改めて強く求めるものです。 これまで市は,中心市街地への移住促進のためのまちなか住まい事業を行っている,県が行う県産材を使っての住宅建設への補助,国が行う住宅エコポイント事業などで住宅リフォームへの補助は十分と考えているという答弁でした。 しかし,全国で住宅エコポイント制度が行われていても,173もの市町村がこの住宅リフォーム事業を行っています。また,秋田杉で有名な秋田県は,県産材の利用促進に大がかりに取り組んでいる県であります。その秋田県が住宅リフォーム全般をターゲットとした事業に取り組んでいます。この厳しい不況から何とか地域の経済を守りたいという,このような自治体としての取り組みを,この福井でも行うべきではありませんか。 福井市としての市内の地域経済についての認識を問うとともに,この厳しい経済状況だからこそ,地元業者の仕事づくりのために思い切った施策が必要だとは考えませんか。市長の見解と答弁を求めます。 さて,岩手県宮古市が住宅リフォーム事業では,11月末で2,517件の申請があったとのことです。この福井市で行っているまちなか住まい事業の申請は,一体何件あったのかを明らかにしてください。 この厳しい不況の中でどうやって財源を捻出するかは非常に重要な課題ですが,私はその財源は,あると考えます。昨年の決算では,福井市は財政調整基金を27億円積み立てています。ことし数億円を取り崩す計画ですが,それでも20億円余りを残すこととなります。このうち数千万円を取り崩してリフォーム助成事業を実施することは十分に可能です。 また,この住宅リフォームに取り組んでいる自治体に聞いたところ,固定資産税の増収分や地域経済の活性化による影響で税収が潤う効果も期待できるとのことです。やろうと思えば,この福井市でもすぐにでも始めることができます。厳しい経済状況だからこそ,住宅リフォーム助成事業を行い,地域の仕事づくりに取り組むことを強く求めるものです。 次に,公契約条例と市が発注する業務の下請業者への対応について質問いたします。 この間,議会でも繰り返し取り上げてきたように,福井市の発注した工事の下請業者から,工事を丸投げで請けることになった,支払い額を一方的に切り下げられたなど,下請業者がその弱い立場で泣かされている状況を報告してきました。 この点において,最近この福井市でもよい経験が生まれました。市が発注した建設工事の2次下請に入った業者から,福井市に対して,1次下請の会社から一方的に支払い代金を切り下げられたという訴えが市に出されました。私がこの2次下請の社長とともに市に対して対応を求めたところ,担当課から,福井市が発注した工事のもとで下請への支払いを一方的に切り下げることは許されない,下請会社同士でしっかりと話し合いを行い適正な支払いを行うことを,元請も含めて働きかけを行っていただきました。結果,まともな支払いがされたとのことです。担当課の課長に頑張っていただいたおかげで,下請業者が泣かされずに済んだわけです。 まず,最低限このような対応を全課で行っていただく必要があると私は考えますが,どうでしょうか,見解を求めます。 さて,この間,福井市が発注した業務や工事の中で,下請業者から元請等との不正や支払いのトラブルの報告が一体どれくらいあったのかを工事検査課に調べていただいたところ,この2年間の中で,私がかかわったこの1件だけとのことでした。 下請業者は仕事をもらっているという弱い立場にあるため,元請などからの横暴や違法状態を行政に訴え出ることは非常に困難です。この不況下の中にあって,たった1件しか下請業者からの報告や相談がないというのは,下請業者がいかに物言えぬ弱い立場に立たされているかを物語っているとは思いませんか。市としての認識と見解を求めます。 下請業者にとって仕事をもらっている元請等の不正を告発するというのは,ある意味,自分の会社をつぶしかねないほど危険なことです。この問題を根本的に解決するには,市としての公契約条例の制定と,それに伴う具体的施策を整える必要があり,市として公契約条例の制定を行うべきです。見解を求めます。 この点において強く,もう一つ求めたいのは,公契約条例の制定を待たずとも,今すぐに行える施策をしていただきたいということです。 北海道の小樽市では,一方的な単価の切り下げなど,下請業者が泣かされる事態を未然に防ぐため,市が発注した業務や工事の支払いが元請から提出された契約書類どおりに行われているかどうかを下請業者のすべてに,市役所職員が直接電話で確認することとなっています。福井市でもこのような対応を行うべきではありませんか。見解を求めます。 それと同時に,市として下請業者への相談窓口を開設するとともに,相談窓口を開設したことを市内業者にお知らせし,不正の報告を受けやすい体制を整えるべきではないでしょうか,見解を求めます。 次に,国民健康保険事業について質問いたします。 決算の討論でも指摘したように,現在の福井市の国民健康保険事業の運営は,払える能力を大きく超えた国保税を市民に課すという運営が行われ続けている結果,国保加入世帯3万5,870世帯のうち7件に1件,5.216世帯が保険税を滞納,その4件に1件,1,245世帯が保険証を取り上げられ,資格証明書となっています。 このような中で,福井市はことしの7月から国保税の平均16%という大幅な値上げを行いました。毎月の収納額と収納率を去年と比べたところ,収納額は約5%ふえたものの,逆に収納率は1%以上,下がっています。これは支払わねばならない国保税の額がふえた結果,払いたくても払えない人がふえているということではありませんか。これではさらなる滞納者をふやし,保険証の取り上げである資格証明書の発行世帯をさらにふやすことになり,この間,たびたび繰り返されてきた必要な医療すら受けることができないという悲惨な事態をさらに拡大させます。 さらなる一般会計からの繰り入れにより国保税の値下げを強く求めます。 福井市では,国の行う低所得者への7割減免などの減免制度を行っていますが,それでも高くて払えないという状況が解消されてはいません。生活保護基準の1.3倍までは免除するなど,低所得者への国保税の減免制度を拡充するべきです。見解を求めます。 さて,ことし9月,国は国民健康保険における一部負担金の減免制度の基準をつくりました。しかし国が示した基準は,収入は生活保護基準額以下で,貯蓄は生活保護基準の3カ月以下,そして入院分のみ認めるという非常に不十分なものです。 これまで既に一部負担金の減免制度を持っている自治体の多くは,生活保護基準の1.3倍等の基準で対応しているところが多く,しかも入院は認めるが外来は認めないというのはほとんどありません。 福井市の就学援助制度では,お金がないから学校に行けないという事態を生み出さないため,生活保護基準額の1.3倍までを認めています。 市民の命にかかわる国保の分野でも,国が認める範囲の減免はすぐにでも取り組むと同時に,収入基準額においても生活保護基準の1.3倍までの拡充や,外来医療も認めるべきではありませんか。市としての見解を求めます。 最後に,加茂河原地区での住宅地の陥没事故について質問いたします。 ことし4月,加茂河原1丁目の民間地において,幅2メートル,深さ4メートルにも及ぶ陥没事故が起こりました。この陥没事故以来,この地域の方々は,私の家でも陥没があるのではないかという不安な日々を送っています。 地域住民からは,まずとにかく調査を早くしてほしいという声が聞かれています。自分たちが住む,その土地の地下がどんな状態になっているのか,この後,どんな危険があるのか,その予測も立たないことに言いしれぬ不安を感じておられます。まず,いち早く調査を行うべきではありませんか。見解を求めます。 さて,この問題は,本来なら採掘業者である株式会社越前石の責任で調査し,その上で地域住民に対する補償を行うべきですが,株式会社越前石は登記上残っているだけの有名無実の会社であり,株式会社越前石の責任で調査や補償が行われる可能性は皆無です。だからこそ地元自治会は福井市に対して,7月に調査や必要な補償を求めたのです。市として,この声にこたえるべきです。それと同時に,この問題について福井県に対してもその責任を果たすよう求めることも重要です。 この地域の地下で大昔から笏谷石の採掘が行われ,広大な空洞が広がっており,昭和40年6月には福井大学の研究者らが笏谷石の採掘によって,この地域の地下が異常な状態にあり,その危険性を指摘した論文を発表しました。しかし,その後,昭和43年,福井県は加茂河原前山土地区画整理組合に対して住宅地としてのこの地域の開発を許可し,そして株式会社越前石に対して笏谷石の採石の許可を出したのも福井県です。 福井県としても,この問題に責任があるのは当然であり,県としても地域住民の安全・安心を守る責任を果たすべきではないでしょうか。市の見解を求めます。 また,福井市として福井県に対して共同して調査や補償を行おうという働きかけを正式に行ってきたのかどうか,その考えはあるかどうかの答弁を求めます。 これで私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (農林水産部長 岩永弘行君 登壇) ◎農林水産部長(岩永弘行君) TPP参加に対して反対を表明し,国にTPPに参加しないことを要請すべきとの質問にお答えします。 TPPにつきましては,輸出面において一定の経済効果が見込める反面,議員御指摘のように,農業生産を初め地域経済,社会や労働者の雇用などに及ぼす影響が大きいことから,国において産業全般を考慮し,慎重な対応をとる必要があると考えております。 こうした中,去る11月18日に開催されました全国市長会の平成23年度国の施策及び予算に関する提言において,農業の振興に関し関税撤廃を原則とするTPPのあり方に関する議論に当たっては国内の農業に及ぼす影響を十分考慮し,喫緊の課題である農業農村整備や食料自給率の向上などに支障が生じないよう十分に配慮するとともに,関係者からの意見を踏まえ慎重に対応することを決定し,11月24日に農林水産省など関係機関へ要請をしております。 この問題につきましては福井市だけの問題ではないことから,県や他の自治体と歩調を合わせながら取り組んでいくべきものと考えております。 (建設部長 滝花正己君 登壇) ◎建設部長(滝花正己君) 私からは,住宅リフォーム助成事業についてお答えいたします。 まず,市内の地域経済についての認識はどうかとの御質問でございますが,北陸財務局が11月29日に発表いたしました北陸経済調査によりますと,管内の最近の経済動向は厳しい状況にあるものの,穏やかに持ち直しているとしています。しかしながら,現実には市内中小企業の経営環境は依然として厳しい局面が続いていると認識しております。 次に,住宅リフォームに関する助成事業につきましては,国において平成21年12月より住宅エコポイントが導入されており,順調な進捗状況も手伝い,平成22年9月10日に閣議決定された経済対策におきまして,住宅エコポイント制度の延長が盛り込まれたと伺っております。 また,福井県においては,秋田県と同様に県産材を活用したふくいの住まい支援事業や省エネリフォーム事業が取り組まれているところで,これに加え,緊急住宅取得促進利子補給制度が10月から開始されたと聞いております。 本市といたしましても,まちなか住まい支援事業や耐震改修補助制度やバリアフリーの助成事業を実施しております。したがいまして,これらの国,県,市の取り組みについて市民や施工業者,建築士に積極的にPRを重ね,リフォーム需要の増大を図りたいと考えておりますので,新たな住宅リフォーム制度の助成については,今のところ考えておりません。 次に,まちなか住まい支援事業の申請件数についての御質問ですが,メニューとしまして,共同建て住宅,2世帯型戸建て住宅,戸建て住宅リフォーム及び共同住宅リフォームがございます。平成21年度には合わせて15件,また平成22年度におきましては,12月現時点でございますが11件の申請を承認しております。 (財政部長 清水正明君 登壇) ◎財政部長(清水正明君) 私のほうからは住宅リフォーム事業の財源として財政調整基金を取り崩してはどうかとの御質問についてお答えいたします。 財政調整基金は,地方財政法第4条の3の定めにより,地方公共団体における年度間の財源の不均衡を調整するため積み立てが義務づけられている基金です。 地方公共団体の財政は,経済の不況などにより大幅な税収減に見舞われたり,災害発生などにより思わぬ支出の増を余儀なくされることもございます。このような予期しない収入の減少や支出の増加に対応できるよう,地方財政法第4条の4では,経済事情の変動などによる財源不足,災害による経費,緊急に実施することが必要となった大規模建設事業など,やむを得ない理由による経費,それから財産の取得のための経費,起債の繰上償還,これらのいずれかに充てる場合に限り財政調整基金の取り崩しが認められております。 したがいまして,議員御提案のような,個々の事業に対応するために取り崩すものではございませんので,御理解いただきたいと存じます。 次に,公契約条例の制定についてお答えいたします。 本市における公共事業の契約については,地方自治法や建設業法,また公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律などの関係法令に基づき適正な執行に努めているところでございまして,労働諸条件については労働基準法,最低賃金法,労働安全衛生法などの労働関係諸法により,その確保が図られているものと考えております。 本市においては,これまでにも低価格受注への対策として最低制限価格の引き上げ,工事の前払い金の上限撤廃,中間前金払い制度の導入などの施策を行っております。 また,工事担当課におきましては,施工管理における下請関係の確認を行っておりますし,元請業者と下請業者間における請負契約締結状況なども検査を実施しております。 したがいまして,現状では公契約条例を制定するといったところまで考えておりませんので,御理解願いたいと存じます。 (工事・会計管理部長 小柳和則君 登壇) ◎工事・会計管理部長(小柳和則君) 市が発注する業務の下請業者への対応についてお答えいたします。 請負業者の支払い等のトラブルに関しましては,本来は当事者間で解決すべきものかとは存じますが,現状では市に相談があった場合には,下請届により施工体制を把握している工事発注課で対応しております。したがいまして,このような相談等につきましては,引き続き各工事発注課で適切に対応してまいります。 次に,下請業者が弱い立場に立たされているのではとの御質問についてでございますが,下請契約につきましては,建設業法に基づき業者間で書面による対等な契約を結ばなければならないとなっており,下請届,下請契約書の写しを提出させ,下請状況を把握するとともに,施工管理の徹底を図っているところでございます。 今後とも,請負業者には指導を含め適正に対応してまいりたいと存じます。 (福祉保健部長 鈴木八束君 登壇) ◎福祉保健部長(鈴木八束君) 国民健康保険事業についてお答えいたします。 国保税の値上げは,収納率低下を招き滞納者をふやしており,さらなる一般会計からの繰り入れを行い値下げすべきではないかとの御質問でございます。 平成22年度の国保税の収納率,収納額の状況を見ますと,10月末時点で国保税の収納率は前年度比0.9%下がっておりますが,収納額は前年度比約1億1,000万円伸びており,このことは国保の健全運営について引き続き多くの被保険者に御理解をいただいているものと考えているところでございます。 こうした中,一般会計からの繰り入れにつきましては,累積した赤字解消などのため,現在毎年度3億円の繰り入れをすることといたしており,その増額につきましては,国保が特別会計で運営され,他の公的医療保険制度と同じく相互扶助,受益者負担を原則にしていることや,厳しい財政状況の中で他の事業への影響を考えるとき,市民の方々から御理解を得ることはなかなか困難と考えております。 国保税を値下げすべきとの御指摘につきましても,毎年国保財政を検証し,税率について見直しを行うことといたしておりますが,年々保険給付費が膨らむ一方で税収は伸び悩むという現状をかんがみるとき,当面は難しいと考えております。 次に,低所得者への国保税の減免制度を拡充すべきとの御質問でありますが,議員御指摘のとおり,低所得世帯への軽減措置といたしましては,これまでも所得額に応じ7割,5割,2割の減額賦課を行っております。また,本年4月からは国による国保税の軽減措置として非自発的な理由により失業した人について,前年の給与所得を100分の30として算定する軽減措置がスタートしております。さらには,この軽減措置が失業保険の加入者に限られておりましたことから,本市独自のものとして,自己都合によるものでない事業の休廃止,納税義務者の死亡や長期入院など,自己の責めによらない事由によって所得が激減し生活が著しく困難になった場合の減免制度を本年7月から設けております。 こうした中,低所得者においてさらなる減免制度を拡大,創設した場合は,その減免相当分の税額を他の被保険者に転嫁することとなり,厳しい財政状況を御理解いただき,税率改定をお願いした中,新たな減免は他の被保険者の理解を得ることが難しい状況にあると考えております。 次に,一部負担金の減免制度についてお答えします。 福井市でも早急に一部負担金の減免制度をつくるべきとの御質問でございますが,本市におきましても,このたび国から基準が示されましたので,現在制度の創設を検討しているところであり,平成23年度からの開始を目指したいと考えております。 しかしながら,国の基準を上回る制度をつくるべきとの議員の御指摘の点につきましては,その拡充部分と,国の補てん以外の残り2分の1部分の財源は保険税で賄うこととなり,さらなる税負担を招くものとして被保険者の理解が得にくいと考えますので,国の基準に沿った形での制度創設をしたいと考えております。 (総務部長 宮木正俊君 登壇) ◎総務部長(宮木正俊君) 加茂河原地区の住宅地の陥没,土地陥没についてお答えいたします。 加茂河原1丁目,4丁目で施工された加茂河原前山土地区画整理事業は,昭和44年5月に県の事業認可を受け,昭和56年7月に事業が完成しております。 これまで土地区画整理区域内において,平成8年10月,平成20年6月に宅地内で空洞が発見されております。また,本年4月24日に宅地内の空洞への土砂流出による陥没事故が発生しております。 本年4月の陥没事故に対し,社北地区自治会連合会,加茂河原1丁目1の組自治会の連名で陳情書が提出され,その内容は,採石跡の実態調査をしてほしいという要望であります。 現在,栃木県宇都宮市での大谷石採石場跡の陥没,岐阜県御嵩町での亜炭坑の陥没を参考に,その責任の所在,調査する場合にはその方法,範囲,費用等について慎重に検討をしているところであります。 なお,要望のあった自治会には,早い時期での回答ができるよう努めてまいります。 ◆6番(鈴木正樹君) 自席にて再質問をさせていただきます。 まず,TPPのことについてなんですが,きょう分けさせていただいた資料にもつけさせていただきましたが,資料をちょっと見ていただきたいんですが,農林水産部長の答弁では,国に対して慎重な対応を求めていくという答弁でした。 そういう態度で福井市がいいのかどうかということが私は今問われていると考えています。慎重な対応というのは,このTPPの参加に対して反対か賛成か,きちんとしていないということです。慎重に判断しているという状態は,二者択一の中で選んでいるんではなくて,どっちでも選べる状況なんです。そういうことを求めるだけにとどまっていいのかということが今求められていると思うんです。 まず,先ほど質問の中でも紹介させていただいたように,既に日本は主要国の中で11.7%と,アメリカに次いで関税が低くなっていると,EUに比べても先進国の中でも物すごく関税が低くなってるんです。そういう状況の中で,国はTPPに参加しようかということを言い出したんです。 その上,3枚目の資料を見ていただいてわかるように,TPPに参加して自由貿易が促進される国々はニュージーランドとペルーとアメリカとオーストラリアです。このうち3国は日本とFTAを結んでいます。TPPに加盟することになって,新たに関税が撤廃される国々というのはどんどん自分のところの安い農作物を日本に輸入させようと考えている国がほとんどなんです。こういう現実を見ていただいた上で,本当に福井市が慎重な対応を国に求めているだけで,日本の農業,福井の農業を本当に守れるのかというところが問われていると思います。 そういうことを言ってられないということだから,全国の市町村会や農協や農業委員会がはっきりと反対を表明し,要請しているのではありませんか。福井市もそういう態度で臨むべきではありませんか。この点でもう一度,これを踏まえて答弁をお願いします。 住宅リフォームの問題ですが,今まちなか住まい事業の申請件数を報告していただきました。去年が15件,ことし11件ということでした。 岩手県宮古市っていうのは,この福井市に比べると4分の1もないぐらいの規模の都市なんです。ところが,ここでやっている住宅リフォーム助成事業は,リフォーム全般を認めていますから,既に2,517件です。明らかに福井市よりも申請件数が多いんです。 ちょっと参考に,秋田県と福井県を比べてみますと,福井県の県産材活用による申請件数,住宅の建設の申請件数はリフォームと新築合わせて年間400件ほどです。秋田県の制度はリフォームの助成事業の申請件数1万2,832件。明らかに経済波及効果に雲泥の差が出ているわけです。 ちょっとお聞きしたいんですが,こういうリフォーム事業を行っているところでどんな経済波及効果が起きてるか,この不況の中でもどういう効果を発揮しているかということをちゃんと調べていただいた上で検討していただいているのですか。私はちょっとその辺を疑わざるを得ないなと思うんです。 こういう不況のときで,現状,いまだにやはり厳しいと認識しているという答弁がありました。厳しいと認識しているなら,やはり先進自治体でしっかりこうやって応援してるんだから,こういうことをやはりやるべきではありませんか。もう一度答弁をお願いします。 それと,財政部長,財政調整基金は緊急事態に備えるものであって,施策に利用するものではありませんと言われました。何か施策に利用できないような言い方なんですが,違いますよね。施策に利用しようという政治的判断があればできますよね。ちょっと答えてください。 下請業者の対応について,済いません,答弁漏れが少しあったと思うんですが,まず相談窓口をつくっていただけるのかどうかということ。それと,各課で対応するということであれば,そういうことを対応しますということを市内の業者にお知らせする,こういう通知を送っていただくという対応を行っていただけるのかどうか,この点を聞いたんですが,答弁がありませんでしたので,しっかりと答弁をお願いしたいと思います。 それともう一つが,北海道小樽市の状況をお話しして,財政部長から答えていただいたように,下請業者も含めて工事の書類,契約の書類が出ている,金額が載っているものが出ているというのは,私も知っています。知っているので,それを電話をかけて確認していただけるかどうかということを私は確認したかったんです。それについても答弁をお願いします。 これはどうしてかといいますと,小樽市の職員の方にお聞きすると,この電話をかけるというのが大事なんだとおっしゃるわけです。どうしてなのか。下請業者ともそうやって契約するたびに市役所の職員が連絡をとり合っているから,元請やその上請にとってみれば,下請をたたいたりすると,そのときに報告されるのではないか,そういう思いが出てくるわけです。だから未然に下請たたきや下請泣かせを防ぐ手だてとして効果的に機能している。それにはやはり書類だけを提出させるんではだめなんです。小樽市では書類だけを提出させるだけでは防げなかったから市役所職員のほうからお電話もおかけすると,こういう対応をやっているわけです。市としてもやっていただけるかどうか,答えてください。 もう一つですね,国民健康保険事業のことで,国の行っている事業に上乗せは行わないと答弁をされました。 厚生労働省が先日出したQアンドAを見てみました。ある自治体からこんな質問がぶつけられています。収入が生活保護基準以下,貯蓄も生活保護基準額3カ月以下,そして入院が必要ということになれば,これはもう生活保護の対象になるのではありませんかということを厚生労働省に質問している自治体があるんです。 これは私,痛いところを突いているなと思うんです。ここまで収入の要件が生活保護と接近していて,入院のみということになると,やはりほとんど生活保護の対象となってしまう。減免の対象は,ほとんど生活保護の対象になってしまうから,減免に対象になってくる方がなかなかあらわれないと,この減免制度は何のためにつくったのかということになるのではありませんか。 それと,この間,何度も悲惨な実態を報告してきている中で,こういうことを繰り返さないためにも低所得者に対応した減免制度は必要ではないのかということを質問させていただきました。答弁としては市民の理解が得られないということでしたが,私は市民の理解が得られないということはないと思うんです。必要な医療すら受けることができなくて死んでしまう,亡くなってしまう,取り返しのつかない事態になってしまう,そんなことを望んでいる市民は,私はいないと思いますよ。私はそういう意味では,市の認識が間違っているのではないかと思います。 ただでさえ保険料がもっと値上げされるということはだめだとおっしゃいました。私もそう思います。だから国保税でやるのではなくて,一般会計からの繰り入れでぜひ行っていただきたいと思います。 加茂河原の土地陥没について質問いたします。 検討しているということでした。それでは聞きたいのですが,地元自治会が求めているような調査や補償をする方向の検討なのか,それともしない方向の検討なのか,どちらでしょうか。 私は担当課の方や課長といろいろと詳しくお話をさせていただきましたが,やはり民間地なので立ち入れないというような話で終わらせようとしているのではありませんか。そういうことは私は許されないと思います。 昭和40年に福井大学の研究者が出した論文の中でこういう一節があります。笏谷石の採掘場の危険性について細かく分析がされていまして,笏谷石の製品として価値があるもの,つまり掘り出していくものというのは,均質な素材のものが多いと。そうすると,残るのは不均一な岩石が残り,その間の均一なものを削り取っていきますから,もろい不均一なものが残って,その間は空間になってしまうと,しかもそういう空間が広大にあると,これは危険だということが報告されて,しっかりと書かれています。 危険がありつつ住宅地として開発を許可してしまったことについて,行政が別に責任をとらなくていいんだという立場をとってしまったら,住宅の開発許可の権限をなぜ公的な行政が持っているのかという,その根本の問題が崩れ去ってしまうのではないですか。危険があることを予測できたにもかかわらず,県や行政として,住宅としての許可を許してしまった。これの過失は私は行政にも応分にあると思います。福井県とともに福井市もしっかりと調査や補償を行うということが必要だと思いませんか。もう一度答弁を求めます。 ◎農林水産部長(岩永弘行君) TPPについてでございますが,地方六団体の一つであります全国市長会の決定の中では,喫緊の課題である農業農村整備や食料自給率の向上,特にこれは国のほうでも10年後50%を目指している,そういうものに支障が生じないようにということを前提にいろいろと関係者から意見を踏まえ,慎重に対応するというような中身で決定しております。 本市といたしましても,市長会の一員として,現在同じような歩調で取り組んでいるところでございますが,国におきましては先月11月30日に経済連携の推進と農業振興の両立を図る,目指すものとして,食と農林漁業の再生推進本部を設置し,その実務者レベルでの会議であります食と農林漁業の再生実現会議,ここには,JA全中の代表である会長も参画して,今後議論を深めていくということになっておりますので,こういった国の動きなども踏まえながら対応してまいりたいと考えております。 ◎建設部長(滝花正己君) 経済効果に関する再質問でございます。 リフォームという視点で本市の施策を見ますれば,福祉保健部のバリアフリー関連の補助を推進しております。これらと合わせますと,平成21年度で約770件,平成22年度は10月末時点で約540件の申請が出ておりますので,一定の効果はあると考えます。 また,先ほどの国や県と連携した住宅政策事業における補助事業とあわせまして,学校など公共施設の耐震改修事業など,公共事業の発注を下げないように努力をしているところでございます。 ◎財政部長(清水正明君) 御質問の財政調整基金が個々の施策に利用できるのではないかという御質問でございますけれども,財政調整基金の中で,確かに著しい財源不足とか,緊急に実施することが必要となった大規模工事とか,そういうことでの取り崩しはできるとなってございます。 それで,財政,予算編成の中でそういった全体を見た中で不足した場合にはそういう取り崩しを行っておりますけれども,今御提案いただいた住宅リフォーム事業,この部分を取り上げてこれに充てるから財政調整基金を崩せという,そういうことはできないと解釈しております。 それから,小樽市の例でございますが,6月定例会で公契約条例について,要綱でもいいから調査をするようにという議員の御提案がありましたので,現在調査をしているんですけれども,その中で,小樽市にも聞いております。 小樽市の契約課では,そういった問い合わせは直接していないとお聞きしております。ただ,工事契約のときに適正な施工の確保をしてくださいといった趣旨の通知文といいますか,依頼文とか,そういうのはお渡ししてると,そのときに確認してるのではないかと思っております。 いずれにしましても,そういったことも含めまして,再度調査していきたいと思います。 ◎工事・会計管理部長(小柳和則君) 相談窓口をつくるのかどうかということでございますけれども,このことにつきましては,先ほど申し上げましたように,各工事発注課において適切な対応をするということで対応が可能だと思いまして,つくる考えはございません。 また,この対応することについての市内業者等へのPRといいますか,宣伝につきましても,各工事ごとに打ち合わせ簿をつくって相談しておりますので,改めてそういう対応をするということを通知することは考えてはおりません。 しかしながら,私どもは工事の施工中に工事監察ということで現場チェックを行っておりまして,それらはこれからも継続していきたいと思います。ただ,すべての工事に行くわけではございません。その工事中に施工中の工事場所について,適宜あるいはピックアップして幾つかの種類の工事について,実は監察しておりますので,この中で充実を図っていきたいと考えております。 ◎福祉保健部長(鈴木八束君) 一部負担金の減免制度を国の基準以上にすべきではないか,その財源といたしまして一般会計からの繰り入れをふやしてはどうかとの御質問でございますが,一部負担金の減免制度につきましては,生活保護など福祉政策の適用に至らない場合の緊急避難的措置でございまして,医療費の支払いが困難となった場合の最終的な手段であると認識いたしております。 病院の窓口で一時的に高額な負担をしなくても済む高額療養費貸付制度や,入院された方への限度額認定証という制度が整備されておりますので,条件の緩和を行うことは国保財政が大変厳しい中,市民の納得を得ることは困難であると考えております。 ◎総務部長(宮木正俊君) 陥没の件でございます。 私の答弁の中で「その責任の所在」ということを申し上げたと思います。この責任の所在が県にあるのか,市にあるのか,または両方にあるのか,またないのかということを法律的にどうなのかということを今検討してございます。 民間地云々と,先ほど言われましたけれども,これについても今検討している最中でございます。結論については早い段階で申し上げたいと思っております。 ○議長(栗田政次君) 質問の残り時間は1分34秒です。 ◆6番(鈴木正樹君) 1つは,小樽市のことを調査していただいてるということなんですが,契約課ではやっていないと聞きましたが,私が調べたところでは,建設部のほうでやっていると聞いています。 そういうことを,やはりやらないと未然に防ぐことができないということなので,わざわざ直接工事を見に行くのは非常に手間がかかりますが,電話ぐらいは私はやったらどうかなと思いますので,これはもう一度強く求めておきます。 それと,加茂河原地区の陥没のことですが,やるかやらないか,責任の所在も含めて,だれが責任をとるべきかを検討してるということでした。それは,市のほうが,やはりこういう経緯がありますから県とともに解決するという立場で,どこが責任を一番負うべきか,そういう視点で考えていただく必要が私はあると思うんです。その責任の所在も検討しているということですが,もう民間地だから,その住人に責任を負わせてしまえばいいという話になりかねないので,そういうことはやめてほしいという立場で,最後に質問したそれについて答弁を求めます。 ◎総務部長(宮木正俊君) その辺の責任の所在,これは当然法律的な問題が出てきます。税金を使うことでございますので,やはりその辺はきちんと検討する必要があろうということでございます。 ○議長(栗田政次君) ここでお諮りします。 本日の市政に対する一般質問はこの程度にとどめ延会したいと存じますが,これに御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれをもって延会します。             午後4時54分 延会 地方自治法第123条第2項の規定により,本会議の顛末を証するため,ここに署名する。福井市議会議長                  平成  年  月  日福井市議会副議長                 平成  年  月  日署名議員                     平成  年  月  日署名議員                     平成  年  月  日...