令和 4年 3月定例会 令和4年第1回
四国中央市議会定例会会議録(第4号)議事日程第4号 3月10日(木曜日)午前10時開議 ※開議宣告 ※
議事日程報告日程第1
会議録署名議員の指名日程第2 一般質問 ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1
会議録署名議員の指名日程第2 一般質問 ────────────────出席議員(22名) 1 番 横 内 博 之 2 番 茨 木 淳 志 3 番 杉 浦 良 子 4 番 猪 川 護 5 番 三 浦 克 彦 6 番 眞 鍋 利 憲 7 番 飛 鷹 裕 輔 8 番 吉 原 敦 9 番 石 川 剛 10 番 眞 鍋 幹 雄 11 番 三 好 平 12 番 山 川 和 孝 13 番 三 宅 繁 博 14 番 谷 内 開 15 番 川 上 賢 孝 16 番 篠 永 誠 司 17 番 山 本 照 男 18 番 吉 田 善 三 郎 19 番 井 川 剛 20 番 原 田 泰 樹 21 番 谷 國 光 22 番 曽 我 部 清 ────────────────欠席議員(なし) ────────────────出席理事者 市長 篠 原 実 副市長 高 橋 誠 (総 務 部) 部長 安 部 弘 総務調整課長 古 東 圭 介 政策推進課長 石 川 光 伸 人事課長 石 川 元 英
総務調整課長補佐兼行政係長 薦 田 敬 宏 (財 務 部) 部長 高 橋 徹 管理課長 岡 崎 学 税務課長 白 石 直 樹 (市 民 部) 部長 大 西 賢 治 地域振興課長 高 橋 博 俊
市民窓口センター所長 山 崎 幸 美 生活環境課長 渡 邊 晋一郎 保健推進課長 高 橋 哲 也 (福 祉 部) 部長兼福祉事務所長 大 西 緑 高齢介護課長 細 川 哲 郎 こども課長 合 田 晃 友 (経 済 部) 部長 宮 崎 修 産業支援課長 大 西 信 也 観光交通課長 吉 岡 達 也 農業振興課長 岸 明 法 (建 設 部) 部長 今 村 昭 造 港湾課長 宮 崎 佳 三 都市計画課長 西 川 武 志 (水 道 局) 局長 宮 崎 啓 三 給水整備課長 庄 司 玉 男 (消防本部) 消防長 近 藤 英 樹 警防課長 岸 井 宏 次 (教育委員会) 教育長 東 誠 教育管理部長 石 川 正 広 教育指導部長 森 実 啓 典 教育総務課長 宮 下 浩 文化・
スポーツ振興課長合 田 秀 人 学校教育課長 渡 邉 真 介 ────────────────出席事務局職員 局長 東 澤 博 議事調査課長 青 木 鈴 子
議事調査課長補佐 篠 原 寛 将 議事調査係主事 大 西 重 成 議事調査係主事 亀 山 恭 弘 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時00分開議
○井川剛議長 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,お手元に配付の議事日程第4号のとおりであります。 ────────────────
○井川剛議長 日程第1,
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は,会議規則第85条の規定により,議長において三浦克彦議員,眞鍋利憲議員を指名します。 ────────────────
○井川剛議長 日程第2,昨日に引き続き一般質問を行います。 この際,申し上げます。 各議員の発言は,発言通告時間内においてお願いします。 順次質問を許可します。まず,横内博之議員。 〔
横内博之議員登壇〕
◆横内博之議員 皆様おはようございます。議席番号1番,会派みらいの横内博之です。どうぞよろしくお願いします。 3月8日の本議会において,ロシアによるウクライナへの侵攻に断固抗議する決議について,議員全員の賛成をもって可決されました。一刻も早く停戦,そして平和を取り戻せることを心から願っております。 今回,一般質問のテーマを選定するに当たり,新しいチャレンジをさせていただきました。
一般質問テーマ検討会と題して,SNSで参加者を募り,オンライン会議で一般質問のテーマについて意見をいただき,検討をするという取組です。 活発な意見交換をすることができ,そこで出てきたテーマが今回の一般質問につながっております。 そして,その検討会の様子は,後日,自身のユーチューブチャンネルを使って発信するという取組にもつなげました。 コロナ禍での対面接触を控えがちな状況だからこそ実践した取組ではありますが,こういった取組を行うことで,若い方々にも政治を身近に感じていただけることができると実感しております。 私の活動はさておき,ビジネスの場ではオンライン商談,福祉の場ではオンライン面会などというように,コロナ禍が急速にデジタル分野の普及を後押ししております。四国中央市議会でも
オンライン会議の試みが活発化しており,非常に喜ばしいことだと捉えております。 デジタル技術は,コロナ禍の日常を時には非常に豊かにする側面を持っています。また,離れた人や組織をつなげるデジタル技術は,東京一極集中の是正につながる可能性も広がっております。企業のBCP,事業継続計画の観点,テレワーク,ワーケーションなどの進展などで地方志向も高まってきております。 このように,デジタルには新しい価値を創造できる可能性に満ちあふれているということを伝えさせていただいたところで,質問項目1,DX,デジタルトランスフォーメーションの推進について話を進めさせていただきます。 今,国や県の大きな流れの一つがDXの推進です。愛媛県はDXに対する動きが非常に早く,2020年に愛媛県
デジタル総合戦略の策定,そして2021年に県と市町の連携によるチーム愛媛での愛媛県・
市町DX協働宣言をまとめ,連携体制をつくってきました。 そして,2022年度からDX実行プランを始動させるための布石として,今行われている県議会の今年度補正予算案で130億円規模のデジタル社会の形成を推進するための基金を設ける案が提出されていたり,来年度の当初予算案で約50億円の
デジタル関連予算を計上したりと,中村知事のDX推進における並々ならぬ覚悟が伝わってきております。 四国中央市のDX推進の概要については,先日の施政方針表明や代表質問の中でお答えされていたので,ここからはさらに詳しい内容について質問させていただきたいと考えております。 皆様御承知のとおり,国のデジタル庁では,省庁横断でデジタル化を進める権限を持つ組織となっていますが,私は四国中央市のDX推進係についても全庁横断でデジタル化を進める権限が必要ではないかと考えております。そして,同じデジタル分野を扱う情報政策課とのすみ分けが必要になるのではないかと思います。組織の具体的イメージについて教えていただけますよう,よろしくお願いします。 また,令和4年度の主要事業の一つであるDX推進事業について,職員の
デジタルリテラシーの向上を推進する記載がありました。これは恐らく職員全体に対して
デジタルリテラシーを底上げするという意味だと捉えておりますが,現状どのような課題があり,どのような施策を検討されているのか,具体的にお答えいただけますよう,よろしくお願いいたします。
○井川剛議長 篠原 実市長。
◎篠原実市長
デジタルリテラシーは全庁的な話になりますから,私のほうから総合的に答弁申し上げておきます。 携帯電話が普及してから一番アナログの電話と何が違ったか。それは,時間と場所と空間を越えるということです。ただ,困ったことに,ダイヤルの電話だったらどこからかけとるのかよく分かる。でも,携帯電話というのは,相手が全く見えない。どこからこういうふうにかかってきているのか分からないものですから,電話の先を想像することはなかなか難しい。 このデジタル化の
デジタルリテラシーというのは,御案内のとおり,リテラシーですから,理解力,あるいはまた認知力,受け手のほうに相当な能力が要求される。そのために日々の努力が要るということですから,その前提に立って申し上げておきます。 令和2年12月に国において
デジタル・ガバメント実行計画が改定されました。自治体が率先してデジタル社会の実現に向け取り組んでいくことが,国のほうからも求められている。愛媛県は中村知事が大好きですから,デジタル化はどんどん予算もつけて広まってくると思います。 DXの推進に当たって,議員が申されたとおり,全庁的な体制をつくらねばなりません。それと,令和4年度より設置するDX推進係において,全庁的なDX推進の中核組織を設置し,ビジョンを明確にした上で,DXの推進に取り組んでいきます。 推進する人は,DXを推進する上で今後有用な組織にしたい,こういうような発想でコミュニケーションをとっていきたいということであります。 その中核組織には,本市の
ネットワークシステム,
セキュリティー対策等を所掌する情報政策課も加わり,連携を図りながら,デジタル技術を活用したDXを進めていきます。 次に,
デジタルリテラシーの向上についてでございます。先ほど申し上げましたとおり,DXを推進する上で,情報通信技術を業務に生かす能力,
デジタルリテラシーの向上は欠かせないものであります。 現に
新型コロナウイルス感染症は,
ウェブ会議システムを使用せざるを得ない状況をもたらしましたが,今ではウェブ会議は通常業務における選択肢の一つとなっており,職員の
デジタルリテラシーの向上,業務効率化にもつながるなど,デジタル技術がもたらした効果を実感した次第であります。 DX推進による市民の利便性の向上と業務の効率化による行政サービスの向上は,今の社会情勢にあっては行政サービスの向上になくてはならないものでありますし,肝要な技術であります。 今後は,受け身の姿勢ではなくて,先進事例の情報収集や外部の専門家など,研修を積極的に行い,職員の
デジタルリテラシーの向上を図っていかなきゃならない。当然私なんかも勉強しなきゃならない,勉強しなかったら後れるということで進めていきたいと思いますので,ひとつよろしくお願いします。
○井川剛議長 横内博之議員。
◆横内博之議員 市長自らの御答弁ありがとうございます。 全庁的な体制になること,中核組織を設けること,そして情報政策課と連携をしていき,全庁挙げて研修等に励んでいくこと,理解できました。 先日大洲市が,DX推進計画の策定を一足早く完了しておりまして,記事になっておりましたが,全庁横断的な組織のワーキンググループが各事業に実行すると記載がありました。そのように推進できたらいいなと思っておりましたので,方向性が重なり,大変うれしく思っております。 また,大洲市では,副市長が
最高デジタル責任者,CDOを兼ね,CDOに対して専門的知見に基づき助言や支援を行うCDO補佐官として外部人材の登用をする計画となっております。 この計画のように,これからは
高度デジタル人材の需要が全国一斉に高まり,人材の争奪戦や育成の機運が高まると考えております。 そこで,具体的内容2となりますが,高度なデジタル人材を採用,育成していく計画について教えていただけますよう,よろしくお願いいたします。
○井川剛議長 篠原 実市長。
◎篠原実市長 この問題も私のほうから答弁申し上げておきます。 私は,非常にデジタルの関係で専門性を有する人材が要ることを非常に感じたのは,いろんなところへソフト的な事業を発注します。そのときに発注側のほうが,ソフトですから,相当の理解があって,どうして積算でこういうふうに必要になるということが分からなかったら発注できません,本来は。でも,当然地方自治体の人材は後れておりますから,そういうことが分からない。それでも何者か応札してもらって,そこで金額が出ると。それを検討する人が現在はほぼおらないと。新居浜の市長にも西条の市長にも申し上げたんですが,1人専門家を三市で雇うて,入札のときに立ち会うてもらおうやと。立ち会うてもらうだけで,恐らく年間数千万円も安くなるんじゃないかというのは私の意見です。 今現在はそれを超えて応札してくれる会社は,それを前提として当然事業を見てくれるものと私は思っておりますから,信頼できる業者しか指名なかなかできません。 人材の登用について申し上げておきます。 専門的な人材は,今おっしゃったとおり,民間から登用しており,総務省が策定した
自治体DX推進計画においても,推進体制の構築にデジタル人材の確保・育成が示されております。高度なデジタル人材の確保は,今申し上げたとおり,重要なポイントでありますし,要でもあります。その人の能力いかんで相当な幅が広がると。 でも,なかなか専門性というのは,我々アナログ人間みたいに1足す1は2というわけではありませんから,見極める人にも相当な能力が要求されると。 今現在,地方自治体においては,そういうことでそれぞれ悩みを抱えていると思っております。 本市では,令和4年度に実施予定としております
DX推進支援業務において,外部委託という形でデジタル技術の専門家にアドバイザーとして参画いただくように検討しているところであります。 先ほど横内博之議員が紹介いただきました県と市町の連携体制であります,愛媛県・
市町DX推進会議の取組の一つであります
高度デジタル人材の
シェアリング事業を令和4年度より実施予定であります。本市での取組と補完し合いながら活用してまいりたいと思っております。 DX推進におけるデジタル専門職の直接雇用については,今申し上げたとおり,現段階では,その人の能力を使いこなせる能力が役所に要求されます。そういうことも踏まえて,現在はまだ未定でございますが,そんなに遠い将来じゃなしに,専門的な人材を雇用するということは組織として要求されているんだと,私は思っております。 デジタルといいましても,めちゃくちゃ幅広いですから,個々の専門分野が異なりますので,本市の取組に合わせて適宜検討して,まずはその検討する人材を育成することは,私に課せられた大きな大きな任務だと思っております。 また,デジタル人材の育成につきましては,今年度開催された愛媛県
DX推進リーダー育成研修に参加いたしましたが,今後も積極的に専門研修へ参加し,高度な情報技術を各課におけるDX推進の取組をひもづける役割を担います人材を育成したいというふうにまずは思っております。ひとつよろしくお願いいたします。
○井川剛議長 横内博之議員。
◆横内博之議員 御答弁ありがとうございました。理解いたしました。 これからも市町,そして県との連携をしながら
高度デジタル人材の確保と育成に取り組んでいただけたらなと思います。よろしくお願いいたします。 続きまして,具体的内容3,行政手続のオンライン化について話を進めます。 DXの推進において,行政手続のオンライン化も併せて行っていくと思いますが,これによって不便になるようなことがないように進めなければなりません。 今後どのようなサービスをオンライン化していこうとしているのでしょうか。また,オンライン化に合わせて住民に対してデジタル教育も進めていくと思いますが,どのような方にどのように進めていく予定でしょうか,教えていただけますよう,よろしくお願いいたします。
○井川剛議長 高橋 誠副市長。
◎高橋誠副市長 お答えいたします。 行政手続のオンライン化につきましては,総務省において策定した
自治体DX推進計画の重点取組事項の一つとして掲げられております。 特に国民の利便性向上に資する手続として,子育て関係の児童手当等の現況届や介護保険関係の要介護・要支援認定の申請など,計27手続について,令和4年度末を目指して,
マイナンバーカードを用いてのオンライン手続が可能となるよう,
マイナンバーカードの普及と併せてオンライン化に取り組んでまいります。 そのほか,窓口での手続に関しても,申請を簡易に行えるタブレットの導入などの検討を進め,市民の皆さんに利便性を感じていただける取組を積極的に行ってまいりたいと考えております。 また,手続のデジタル化を進める一方で,デジタル技術に不慣れな方がいらっしゃることも忘れてはならないと思いますので,令和3年度も実施いたしましたが,携帯事業者と連携した
スマートフォン教室の開催や,県・
市町DX推進会議の取組である
デジタルディバイド対策を積極的に活用し,継続的にサポートできる体制を整えてまいります。 窓口のデジタル化が進みましても,スマートフォンなど情報端末をお持ちでない方に対して,申請窓口においてタブレット等に触れてなれ親しんでいただき,また職員が申請サポートを行うなど,市民の皆さんが負担に感じることがないよう努めてまいりたいと考えております。
デジタル社会構築の基本理念である誰一人取り残さない人に優しいデジタル化を目指し,市民サービスの向上に取り組んでまいります。
○井川剛議長 横内博之議員。
◆横内博之議員 副市長,御答弁ありがとうございました。 積極的に取り組んでいくということで,理解いたしました。 1月29日の愛媛新聞に,今年度からDX推進に着手している西条市の取組が掲載されておりました。その中で,
高齢者向けスマートフォン活用講座の状況が書かれておりましたが,市の担当者のコメントとして,活用したいという意識は高いが,平均的なスキルは想定よりも低かったと課題が示されていました。 高齢者向けのデジタル教育というのは大変で,すぐに成果につながらない,または使い勝手がよくないと思われる可能性はあるかとは思いますが,県とも連携しながら,より効果的な施策の展開をよろしくお願いいたします。 続きまして,具体的内容4,日本一の紙のまちの
ペーパーレス推進について話を進めます。 市で取組を始めたSDGsの観点も含めて考えると,DXの推進によってペーパーレスにも取り組んでいくのだと思います。とはいえ,四国中央市は日本一の紙のまちですので,紙産業の中でも特に印刷用紙をつくっている会社に配慮すると,ペーパーレスを声高に言いにくい側面もあるんではないかと思います。 紙とデジタル,どうすみ分けて,ペーパーレスをどのように推進をしようと考えておりますでしょうか。現状のお考えを聞かせていただけますよう,よろしくお願いいたします。
○井川剛議長 高橋 誠副市長。
◎高橋誠副市長 お答えいたします。 ペーパーレスの推進に関する御質問ですが,市役所の業務においては,市の外部・内部の事務処理を問わず,紙を中心とした事務が大部分を占めております。 その中で,DX推進による
ペーパーレス化は,少なからず進展するものと考えており,SDGsの観点からも,
ペーパーレス化は推奨すべき取組であると認識しております。 現在導入している
文書管理システムによる電子決裁やウェブ会議等が増えていく中で,紙の資料,印刷用紙の使用枚数の減は,市全体で見れば僅かな変動にとどまる状況ではありますが,将来のデジタル社会の構築により,長期的な視点で見れば,印刷や情報関係の紙の使用量は大幅に削減されることも想定されます。 現在のところ,紙とデジタルのすみ分け,
ペーパーレス推進の明確なビジョン等はございませんが,今後のDXの取組の進捗状況に合わせて検討していく必要があると考えております。 その一つの視点としまして,議員御指摘のとおり,紙関連の製造品出荷額等において16年連続で日本一の本市として,DXによる行政,ビジネスの
ペーパーレス化に対する奇手,妙手はなく,印刷用紙関連の紙の需要が縮小する潮流には,残念ながらあらがうことは困難と考えており,DXに対して紙は分が悪いと思っております。 しかしながら,これは少し違う話にはなるんですが,DXよりもさらに大きな視点のSDGsの面から見ますと,環境関連の脱プラスチックの流れにより,紙の新しい利用の形が大きく広がろうとしているのは御案内のとおりでございまして,紙のまちとしては,持続可能な循環型社会の動きの中に必ずや活路を見いだせるものと信じております。 したがって,本市の地場産業の持続的発展への取組も重要施策でございますので,SDGsへの取組やDX推進の進捗状況等に応じて,今後,企業の動向もうかがいながら,
ペーパーレス化の方向性を見定め,DXの推進に鋭意努めてまいりたいと考えております。
○井川剛議長 横内博之議員。
◆横内博之議員 御答弁ありがとうございました。理解いたしました。 企業とよく議論をして,紙産業の維持とSDGsの観点,DXの観点との整合性をうまくとっていくことを切に願っております。 企業の理解を得られるならばの話なんですけれども,恐る恐るペーパーレスに取り組んでいくのではなくて,日本一の紙のまちのペーパーレスチャレンジというようなポジティブな,そして一見矛盾するようなキャッチコピーをつくって,
シティプロモーションと連動させていくような取組も面白いのではないかと考えております。ぜひ御検討ください。 それでは,質問項目2,中学校の校則について話を進めさせていただきます。 近年,校則にまつわる議論は全国各地で行われており,様々な学校で校則改定の動きが出てきて,ニュースになっております。 四国中央市においても,ある中学校で制服改定の議論が進んでおり,生徒はもちろん,地域の方々を巻き込んで,どの制服がいいかを投票するという新たな試みがスタートしています。 先日,候補となる制服の展示が行われていたので,私もお伺いし,地域住民の一人として投票させていただきました。 そこで,模造紙に手書きで書かれてあった制服改定の狙いという文章がすばらしかったので,ここで読ませていただきます。
性的マイノリティーとされる生徒にとって,男女別になっている制服や校則は,学校生活を送る上で大きな精神的負担や苦痛,悩みにつながっています。そのような生徒や防寒対策など機能面に配慮し,男女で区別しない新しい中学校の制服を導入します。同時に,これまで男女で分けてきた校則や教育活動を見直し,改善することにより,多様性を認め合い,誰もが安心して生活できる学校づくりを進めていきますとありました。 この取組を推進した3年生にもヒアリングさせていただきましたが,生徒が主体的に動いており,すばらしい取組だと感じ取っております。 昨年の6月議会で私がLGBTなどの性的少数者への対応について質問をさせていただいた際に,本市で採択する中学校の教科書でLGBTについて紹介していることや,各学校単位で理解促進に取り組んでいるとの答弁がありましたが,少なからずそういった取組も関係しているかと思います。 その中学校の生徒の皆さん,教職員の皆さん,PTAの皆さんがすばらしいのはもちろんですが,教科書を取り入れた教育委員会の判断も含めてすばらしいことだと考えております。 昨年6月,文部科学省から,校則見直し等に関する取組事例という表題で事務連絡がありました。その中の文章を抜粋して読ませていただきます。 学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況は変化するため,校則の内容は,児童生徒の実情,保護者の考え方,地域の状況,社会の常識,時代の進展などを踏まえたものになっているか,絶えず積極的に見直さなければなりません。 校則の内容の見直しは,最終的には教育に責任を負う校長の権限ですが,見直しについて児童生徒が話し合う機会を設けたり,PTAにアンケートをしたりするなど,児童生徒や保護者が何らかの形で参加する例もあるほか,学校のホームページに校則を記載することで見直しを促す例もあります。 また,校則の見直しは,児童生徒の校則に対する理解を深め,校則を自分たちのものとして守っていこうとする態度を養うことにもつながり,児童生徒の主体性を培う機会にもつながります。 少し省略します。 別添の取組事例も参考にしながら,引き続き学校や地域の実態に応じて校則の見直し等に取り組んでいただきますよう,よろしくお願いしますというような形で,文部科学省としても見直しを促しております。 また,校則の見直しを通じて生徒自身の成長機会に変えていくことも推奨しております。 現在の校則は,それぞれの地域が抱えてきた個別の事情の中で,その時々の関係者の皆さんが苦労をされ,いろいろな経緯を踏まえながら,今の形が出来上がっているとお聞きしております。 しかし,自分の母校の現在の校則は,私が中学生だった25年前とあまり変わっていないように見えます。実際はどうなのか。また,そのほかの中学校はどのような状況にあるのか気になるところであります。 ここで,まずは具体的内容1,校則を改定する手順について質問します。 四国中央市の中学校では,どのような手順で校則を改定していっているのでしょうか,教えていただけますよう,よろしくお願いいたします。
○井川剛議長 森実啓典教育指導部長。
◎森実啓典教育指導部長 本市の状況について御説明させていただきます。 中学校の校則につきましては,学校が教育目的を実現していく過程におきまして,生徒が遵守すべき学習上,生活上の規律として定められるものでございまして,教育目的を達成するため必要かつ合理的範囲内において制定されるべきものでございます。 生徒におきましては,心身の発達過程にあること,それから学校が集団生活の場であることなどから,学校には一定のルールが必要であると考えております。 また,学校教育におきまして,社会規範の遵守について適切な指導を行うことは,教育上極めて重要なことでございまして,校則の見直し等につきましては,大変教育的意義を有しております。 本市の中学校におきまして,校則を改正する手順は,おおむね次のような形になります。 まず,生徒が校則の変更を要望したいと考えたときには,各学級で行う学級活動というのがございますが,そちらの場でそれぞれの意見を述べることになります。 それぞれの学級では,生徒から出た意見について,学級委員を中心に話合いを進め,各学級の中で意見を集約することになります。 その結果,学級の代表意見としてふさわしいと認められた場合には,各学級からの要望事項として,クラス代表等による代議員会と言われる組織の審査を経て,最終的には生徒総会へ提出されることになります。 生徒総会では,様々な事柄,校則以外にも議題が上がりますが,校則に関する内容につきましては,学級からの要望事項の一つとして取り扱われることになります。 校則についての要望事項は,生徒全員で話し合い,意見をまとめ,検討事項として校則検討委員会へ提出されることになります。 そして,校則検討委員会は,各中学校に設置をされておりまして,開催の頻度につきましては学校によって違いがありますが,年1回から3回程度と聞いております。 なお,生徒や保護者から要望があった際には,随時開催することもあるようでございます。 参加者は,生徒,教職員,保護者の3者という学校が多く,参加者全員が学校をよりよくするためにという共通認識の下で,要望事項の細部まで丁寧に検討を重ねていくということでございます。 校則検討委員会での決定事項は,校長の承認を経て,最終的に校則が改定され,実施されるというのが手順の内容でございます。
○井川剛議長 横内博之議員。
◆横内博之議員 御答弁ありがとうございました。ちゃんと校則を変えるための仕組みがあること,理解いたしました。 続いて,具体的内容2,生徒が意見を出しやすい体制づくりについて進めていきます。 先ほど私が中学生だった25年前とほとんど変わっていないように見えるとお伝えしましたが,私より少し上の世代では中学生が荒れていたという理由もあり,校則を厳しくすることで統制をとっていたという話をある学校関係者からお聞きしました。 実際に各校の校則を見ると,当時の規制した髪型の名称等もあり,面影が残っています。時代を遡ると,1990年代に全国的な流れもあり,丸刈り校則や体操服のブルマが一斉に改定されていった流れがありました。その後,大きく変わっていないのではないかという疑問があります。 現状把握のためにできるだけ生徒の声を拾いたいと思い,市内の中学校5校の生徒17名に,校則についてのヒアリングをさせていただきました。 その声は,例えばくるぶしが見えるソックスを認めてほしいとか,前髪が眉毛にかかるのを認めてほしいといった容姿に関するものから,コロナ禍で換気しているため,膝かけをしていても教室が寒い。登下校中しか認められていないウインドブレーカーを授業中でも着られるように認めてほしいといったコロナ禍ならではのもの,女子もズボンをはけるようにしてほしいというジェンダー平等に関する意見まで,多岐にわたりました。 そして,認めてほしいことを生徒会や先生に対して発信しているかと問うと,校則に厳しい先生がいるので,声を上げても無駄だと思い,諦めに近い声がほとんどでした。 ヒアリングした生徒数が17名と決して多いわけではないので判断がつきにくいのですが,今回のヒアリングした生徒の多くが校則検討委員会に至るまでの仕組みを理解できていなかったのか,もしくはうまく生徒の意見を反映する仕組みが運営されていないのか,その辺りに疑問が残っています。 そこで,質問です。 生徒が意見を出しやすい体制づくりについて,どのような状況になっているかを教えてください。 特に,校則検討委員会の実施状況やアンケート調査の実施状況,生徒間で話し合う機会の提供状況など,どの程度学校間で違いがあるのか,教えていただけますよう,よろしくお願いいたします。
○井川剛議長 森実啓典教育指導部長。
◎森実啓典教育指導部長 生徒からの校則に関する意見は,先ほど答弁で申し上げたように,それぞれの学級の中で生徒が要望するものにつきましては,最終的に生徒総会での採択が必ず要ることになりますが,採択を経て,校則の改定に関する要望事項として校則検討委員会に回されて協議されるということでございます。 生徒総会を経た校則検討委員会に加えて,ほかの手続によって同委員会を開催する場合もあるようでございます。その際には,生徒の声を拾い上げる工夫として,お尋ねのありました校則に関するアンケートを年複数回実施し,それを直接校則検討委員会に議題として上げる場合もございます。 また,コロナ禍の寒い時期に窓を開け換気をする際,膝かけ等を使用可能としたいといった要望を持った場合,生徒の健康維持や安全の確保に関わる事項,また緊急を要する事項あるいは軽微な身だしなみ等につきましては,随時見直しを行い,職員会議等でも検討しながら変更をする場合もあるということでございます。 校則の見直しにつきましては,市内全ての中学校でアンケート等,いろいろなプロセスにおきまして同様な手続を行っており,令和2年度からの2年間で,市内全ての中学校で校則に変更があったと報告を受けております。 コロナ禍ではございますが,今年度も大変積極的に校則について検討しまして,10か所余りに変更を加えた学校もございます。 これにつきましては,生徒のほうから意見を出しやすい環境が学校の中に整っていることをうかがわせる事例かとも思います。 個々の生徒がもし校則を変更したいという要望があったときには,全ての学校におきまして,先ほど申しました大変民主的なプロセスを経るということになります。 ですから,逆に言いますと,生徒たちの中で希望する内容が大変説得力のあるものでないと,なかなかクラスや生徒総会で採用されないといった事実もあるようでございます。 今後につきましても,生徒の意見はもちろんのことなんですが,保護者,地域の方々からの声を取り入れながら,よりよい校則となるよう,各学校において積極的な見直しが行われていくものと考えております。
○井川剛議長 横内博之議員。
◆横内博之議員 御答弁ありがとうございます。 各校形は違えど,生徒が意見を出しやすい体制づくりに取り組まれているということで理解いたしました。 ただ,私が生徒にヒアリングした中で,諦めに近い声が多かったので,校則検討委員会までの仕組みの理解や,意見を反映する難易度など,まだまだ課題があるのだと感じております。 そして,私が今回校則に関して調査した中で,最も課題だと感じたのが,やはりLGBTなどの性的少数者への対応です。 6月議会でも申し上げたのですが,LGBTなどについて様々な調査結果を見ると,日本全人口の3%から10%程度存在していると推察することができます。仮に3%だとしてもクラスに1人程度存在する確率となっております。様々なタイプの方がいるので,先生や生徒から見て分かりやすい方もいれば,分かりにくく言い出しにくいという方もいるのが現状だと思います。ですので,顕在化していなくても,性自認と校則の間でとてもつらい思いをしている生徒がいるということを前提に,今後は校則を検討いくことが必要だと考えております。 SDGsを推進していく本市では,ジェンダー平等に向けての取組は避けては通れない課題だと思います。難しい課題ではありますが,どうぞよろしくお願いいたします。 続いて,具体的内容3,ルールメーキングを取り入れた教育について進めさせていただきます。 ルールメーキングとは,生徒主体で校則を見直す取組のことで,認定NPO法人カタリバという団体を中心に2019年頃から広がってきている取組です。 経済産業省の未来の教室実証事業にも採択されており,大きな成果を上げております。 大まかにお伝えすると,校則の見直し活動を支えるコーディネーターを学校に派遣し,校則改定に向けたプロジェクト全体像の設計や校則見直しにおける生徒,先生,保護者などとの対話づくりの伴走など,生徒,先生にとって,よき相談役として学校現場での取組を支援しています。 教育委員会が中心となり,自治体内の複数校でルールメーキングを行う取組も始まっており,体制づくりなどのサポートを行っているそうです。 そして,こういった校則見直しの取組は,主権者教育にもつながります。主権者教育とは,簡単に言うと,社会問題を自分ごととして捉え,自ら判断し,行動していく主権者を育成する教育です。選挙の投票率を上げるための取組としても注目されております。 主権者教育の観点も交えて,学校を社会の縮図と例えながら校則の見直しを進めていくのがいいと考えております。 学校を社会の縮図と例えると,校則は市の条例と似た側面があります。生徒一人一人は市民一人一人と見立てることができます。生徒会は生徒の代表なので,市民の代表である私たち市議会議員と似ております。もちろん先生方は市の職員。そして校則の責任者である校長先生は市長と例えることができます。 こういった例え話を生徒に伝えながら,今行っている校則の改定は,社会で行われる政治と非常に似ているんだと理解してもらう。そういう過程を経て校則が改定されたら,生徒たちの成功体験にもなりますし,政治に興味を持つきっかけにもつながると思います。 また,話合いを何度もしていくことで,生徒自身のコミュニケーション力や主体性,論理的思考など,社会で必要とされる力も身につきます。私が毎回お伝えしているキャリア教育の観点からも有効な取組だと考えております。 あえてルールメーキングを教育プログラムとして位置づけ,積極的にディスカッションをする。そうすることで生徒たちが成長する機会をつくることができます。そして,中学生活に諦めではなく,希望を持つことにつながり,もっと生き生きと過ごすことができ,それがポジティブな記憶に変わるのではないかと考えております。 そこで,質問です。 ルールメーキングを取り入れた教育について,市教育委員会としてどのようにお考えか,教えていただけますよう,よろしくお願いいたします。
○井川剛議長 東 誠教育長。
◎東誠教育長 お答えいたします。 御指摘のルールメーキングは,学校の校則やルールについて,対話的な見直しを行うことで,生徒があらゆる活動に主体的に参画する学校をつくっていこうとする取組であります。 そして,それらを通して生徒の社会性を育むとともに,主体性を持って物事に向き合う豊かな人間性を養うことを目的として取り組まれているものと認識をしております。 先ほど議員さんからも紹介がありましたが,令和2年度から,ある中学校で始まった制服の改定への取組は,令和5年度の実施を目指して,現在その検討を重ねている最中であると聞いております。 多様性を認め合い,誰一人として悲しい思いをする人がいないようにとの思いに立ち,男女により校則が違うことが正当なのかどうかを見直そうという生徒自身の声がきっかけとなり始まった取組であるとのことです。 生徒へのアンケートのみならず,保護者や地域の声にも耳を傾け,新しいルールを主体的に形づくっていこうとする典型的なルールメーキングの事例でございます。 このような活動は,議員御指摘のとおり,生徒に自己存在感を高め,共感的な人間関係を醸成し,自己決定の場を持つことで自己の可能性の開発を援助するいわゆる生徒指導の3つの機能とも合致するものと考えています。 例年各中学校では,学年の初めに学級のルールづくりを行います。自他を尊重し,みんなが安心して過ごせる学級をつくるためには,どのようなルールが必要なのか,生徒が主体的に考え,議論し,明文化します。自分たちが決めたルールを教室に掲示し,学級の核として大切にしていきます。このような活動もルールメーキングと言えるのではないでしょうか。 校則についても同様に,生徒だけでなく,学校,保護者,地域が協力し,それぞれが主体的に意見を交換することを通してよりよいものに変えていけるような取組を,これからも教育活動の中で継続してまいりたいと考えております。
○井川剛議長 横内博之議員。
◆横内博之議員 教育長,ルールメーキングについて前向きな御答弁ありがとうございます。 先日,制服を変えていく学校の3年生に話を聞いた際に,生徒会通信や校則検討に至る経緯を記録した資料も見せていただきました。その中では,先生方も
性的マイノリティーについての検証を行っていたり,性の多様性についての授業参観を行うなど,積極的な行動で生徒たちをサポートする様子がうかがえました。 このように,校則や制服の改定には先生方の理解が不可欠です。先ほど話した文部科学省の事務連絡の内容のとおり,生徒や保護者の意見に耳を傾けるだけではなく,社会の常識,時代の進展を踏まえたものになっているか絶えず積極的な見直しが必要だと思いますので,教職員の皆さんに対して校則について研修等,理解を促す取組をしていただけますよう,よろしくお願いいたします。 今回,校則について一般質問をしようと思ったきっかけは,保護者の声からです。県外から嫁いできた保護者からすると,四国中央市の校則はとても厳しく感じるそうです。例えば下着の色の指定はもちろん,部分的な線や糸の色まで指定されていることなどを上げられていました。 また,四国中央市で生まれ育ち,都会に進学していった方は,四国中央市の校則はとても厳しかったんだという気づきがあり,地元で子育てをすることに対してネガティブな感情を持ったそうです。 とはいえ,今回は下着の指定を撤廃せよとか,眉毛の手入れを認めてあげてほしいといったそういう要望を申し上げるのではなく,あくまでも生徒が意見を出しやすい体制をつくるための質問をさせていただいた次第です。ぜひ前向きに御検討いただけますよう,よろしくお願いいたします。 続いて,質問項目3,第3次総合計画の立案について話を進めていきます。 私は,四国中央市において最も課題だと捉えているのは,人口減少問題です。そんな私が待ちに待ったデータが先日公開されました。それは,令和2年度国勢調査です。5年に1度の調査であり,今後の人口予想について大変重要な意味を持つデータですので,公開を待ちわびておりました。 その中で,四国中央市の人口は,国立社会保障・人口問題研究所が予想していた2020年の人口8万4,227人を大幅に下回り,8万2,754人となっており,推計よりも1,473名も減少している結果となっておりました。このままいくと2060年5万1,261人という推計になっている現状よりもさらに悪化する可能性があり,市の目標人口である6万5,000人には遠く及ばない結果になってしまうのではないかと,大きな危機感を抱いております。 そんな中,第3次総合計画の策定を進めているわけですが,これまで以上に危機感を持って取り組むことが必要ではないかと考えております。 まずは策定方法について,これまでと変更する点や変更する理由などを教えていただけますよう,よろしくお願いいたします。
○井川剛議長 石川光伸政策推進課長。
◎石川光伸政策推進課長 お答えいたします。 第3次総合計画は,令和4年度内の策定に向けて,現在策定を進めておりますが,計画期間につきまして,現在の第2次総合計画では8年としていたものを,第3次では10年としております。これはまちづくりの指針となる普遍的な理念や将来像を長期間にわたって市民,事業者,行政が共有することが望ましいとの判断によるものであります。 構成は,第1次,第2次と同様でありまして,第1次から受け継がれてきた理念,市民一人一人のしあわせづくりの応援を引き継ぎまして,現在の基本構想を基に策定を進めております。 大きな変更点といたしましては,人口減少・少子化対策として策定している第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略も同じく令和4年度に改定時期を迎えることから,次期総合戦略を包括いたしまして,人口減少・少子化対策にも力点を置いた総合戦略を策定してまいります。 策定に当たりましては,市民アンケートや総合計画審議会で御意見をいただくとともに,次代を担う高校生にアンケートやワークショップで協力をいただきながら策定作業を進めております。 議員御指摘の人口減少には我々も大変危機感を抱いております。 また,御案内のとおり,行政を取り巻く環境は目まぐるしく変容し,様々な課題が山積しております。 そのような中,議員の皆さんのお力添えをいただきながら,子供たちの未来に元気なふるさとを築くため,子供たちが誇りを持って住み続けたいと思える魅力ある四国中央市となるよう取り組んでまいります。
○井川剛議長 横内博之議員。
◆横内博之議員 御答弁ありがとうございます。引き続き広く市民の意見を聞いて取り組んでいただけますよう,よろしくお願いいたします。 続いて,具体的内容2,2060年の目標人口について話を進めていきます。 ここでは,今回の国勢調査の結果を踏まえ,どのような分析がされているのか,そして第3次総合計画にどう反映させようとしているのか,お伺いできればと思います。 四国中央市まち・ひと・しごと創生第2期総合戦略では,先ほど申したように,目標人口を6万5,000人として戦略を策定してきております。 しかし,仮に2060年に人口6万5,000人を維持できたとしても,高齢者の割合が高まり,現役世代や子供たちが減少し続けると,社会の維持に困難を来してしまいます。そのため,私は目標人口に加えて,生産年齢人口や年少人口を目標に据えることを何度かお願いしてまいりました。 こういった観点を踏まえて,2060年の目標人口について,どのようなお考えなのか,教えていただけますよう,よろしくお願いいたします。
○井川剛議長 石川光伸政策推進課長。
◎石川光伸政策推進課長 お答えいたします。 目標人口6万5,000人は,令和2年3月に第2期人口ビジョンにおいて決定されたものでありますが,平成30年度に国立社会保障・人口問題研究所が公表した当時では最新の人口推計を参考としており,また決定から2年しか経過していないこともあり,その目標値を据え置くこととしております。 人口推計は,これまで国勢調査の実施から3年後に示されていることから,令和2年国勢調査を反映した数値は令和5年に示されるものと見込んでおります。 よって,その推計値を踏まえ,第3次総合計画の改定時に,目標人口の見直しを検討する必要があると考えております。 議員御指摘のとおり,本市の直近5年間の人口減少は予想以上に進んでおり,その要因は,少子化と社会減の進行によるものであります。 生産年齢人口の今後の推移は,出生数,子供の数に大きく影響し,地域社会や産業の活力に直結するものと認識しておりますことから,第3次総合計画の人口目標として,議員御指摘の生産年齢人口と年少人口の目標値を示すこととしております。 引き続き建設的な御意見をいただければ幸いです。
○井川剛議長 横内博之議員。
◆横内博之議員 ありがとうございます。 生産年齢人口,年少人口の目標を設定するということ,大変うれしく思っております。 当たり前のことではありますが,計画において目標数値というのは,大きな意味を持ちます。そして,その目標数値を達成するために有効な施策を検討していくことが重要ということで,具体的内容3,人口減少対策につながる施策の展開について話を進めます。 これまでまち・ひと・しごと創生第2期総合戦略では,人口減少対策につながる施策を記載し,KPIを設定して動いてきました。 その中で,どのようなことが課題になっているのか,またどういった施策が人口減少対策に有効なのか,現状把握できていることをお聞かせください。
○井川剛議長 安部 弘総務部長。
◎安部弘総務部長 お答えします。 現在の総合戦略につきましては,人口減少の抑制と地域活力の向上に向けた施策を網羅するものとして,出会い・結婚・子育て支援から若者のUIJターン促進や移住・定住環境の整備,産業支援,シビックプライドの醸成,関係人口創出まで広範な内容となっております。 国においても総合戦略を策定し,対策を進めているものの,人口減少に歯止めがかからず,東京圏への一極集中が続く中,本市でも人口減少が予想以上に進んでおり,既存の対策では期待どおりの効果が得られていない状況であります。 このような状況を踏まえ,昨年から人口減少・少子化対策プロジェクト会議を設け,全庁を挙げて効果的な事業の検討を進めております。 近年の少子化は,婚姻数の減少と相関しているとの分析結果もあることから,今後は他市の成功事例も参考にしながら,結婚につながる出会い支援を強化するとともに,従来とは見る角度を変えて,子育て環境の充実や若者のUIJターンの促進対策を検討したいと考えております。引き続き全庁体制で取り組んでまいりたいと考えております。
○井川剛議長 横内博之議員。
◆横内博之議員 御答弁ありがとうございます。 私自身,まち・ひと・しごと創生第2期総合戦略は施策が32個もあり,その施策が重要なのかどうなのか,ちょっと分かりにくいような気がしております。 例えばですが,西条市の無料移住体験ツアーのような看板となる重要施策を四国中央市でも設定し,もっと分かりやすく,めり張りのある計画にしていくのがよいのではないかと考えております。 決して無料移住体験ツアーをまねするという意味ではなく,めり張りを大切にしてほしいという意味です。 私は,四国中央市ではUターン施策が最も大切だと感じておりますので,毎度毎度話を出しますが,キャリア教育の充実にもっと施策と予算を投下し,企業を巻き込みながら日本一キャリア教育が充実しているまちを目指していくのがよいのではないかと考えております。 また,2014年頃に消滅可能性都市という衝撃的な発表があり,世間を騒がせました。地方自治体において20歳から39歳の女性の数の重要性を考えるきっかけとなったと思います。 今回の国勢調査を見ても,20から39歳の男性は7,133名いるのに対し,女性は6,513名と,男性よりも女性が620名も少ない結果となっております。ぜひ女性が住みたいまちとなり,人口減少問題に有効な一歩を踏み出していただきたいと考えております。 続いて,具体的内容4,
シティプロモーション戦略との連携について話を進めていきます。
シティプロモーション戦略との連動についてどのように検討しているか,現状をお聞かせください。お願いします。
○井川剛議長 篠原 実市長。
◎篠原実市長
シティプロモーションについて私のほうから答弁申し上げておきます。 最近,
シティプロモーションという名前が今年の流行語大賞ぐらいとるんじゃないかぐらい一人歩きしております。 簡単に言えば,まちをプロモートすることですから,それぞれいろんな知恵が要る。
シティプロモーションの戦略の策定は,四国中央市の活力維持・発展のために取り組むもので,具体的な目標は,戦略策定時に決定していくこととなりますが,一般的には,魅力や資源のブランディング,ブランド化による都市イメージや認知度の向上,移住者や定住者の増加,交流人口や関係人口の拡大などを目標とするものであります。 また,総合計画の理念も,市民が幸せを感じられる質感の高いまちづくりのため,(質問時間終了の合図)地域の活力向上と発展,魅力を高めることを目指すものであります。 市の魅力や価値を高めるために,市民のシビックプライドの向上が重要な要素になります。市内でのプロモーションも併せて行い,内を磨き,そして外へ効果的に発信していくことが必要と考えております。 したがいまして,横内博之議員御指摘のとおり,
シティプロモーションの推進においては,移住・定住の観点や総合計画との連携はもちろんのこと,本市を総合的に発信していくものであることから,関係部署が連携して密に全庁挙げて取り組む必要があります。それは極端に言うたら,職員一人一人がどれだけの能力を持っているかということが問われるというように思っております。よろしくお願いします。
○井川剛議長 以上で横内博之議員の質問は終わりました。 10分間休憩します。 ──────────────── 午前11時02分休憩 午前11時11分再開 ────────────────
○井川剛議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に,谷内 開議員。 〔谷内 開議員登壇〕
◆谷内開議員 おはようございます。 会派みらい,公明党の谷内でございます。私が愛読している本の中に,平和ほど尊きものはない,平和ほど幸福なものはない,平和こそ人類の進むべき根本の第一歩であらねばならないとあります。 今まさにこの言葉と対極にあるのが,ウクライナの惨状でございます。誰人であれ,人を傷つける権利などありません。ウクライナの方々に一日も早く平穏な日々が戻ることを切に願うものであります。 本日は,男女共同参画計画,企業版ふるさと納税,市民サービスの向上についての3項目を質問させていただきます。 最初に,男女共同参画計画について3点質問をさせていただきます。 男女共同参画社会とは,男性も女性もお互いにその人権を尊重し,能力を十分に発揮できる社会の実現を目指すものです。 本市も,四国中央市総合計画を上位とした個別計画として,2015年から2024年までの10年間に32項目の数値目標を決め,取り組んでおられます。 計画が策定されてから今日まで,世界や日本においても男女共同参画社会の状況は大きく変化してきました。女性の活躍だけでなく,障がいのある方の社会参加や性的指向・性自認への理解促進,多文化共生などの取組がなされてきました。 また,
新型コロナウイルス感染症拡大は,社会の在り方や価値観に大きな変化をもたらしました。 そこで,最初の質問は,本市のこれまでの取組についてお伺いをいたします。
○井川剛議長 高橋博俊地域振興課長。
◎高橋博俊地域振興課長 これまでの男女共同参画推進の取組についてお答えいたします。 本市では,平成28年2月に第2次四国中央市男女共同参画計画を策定し,まず庁内に推進本部を設置しました。その下部組織として,男女共同参画社会づくりに向けた庁内推進体制を担う幹事会及び担当者会議を置き,部局間の連携を図ることとしました。 その上で,各所管において32項目の数値目標を設定し,その目標達成に向けて全庁的に取り組んでいるところです。 また,諮問機関として男女共同参画審議会を設置し,関連施策についての調査・審議をお願いしています。今年度は,市民くらしの相談課,保健推進課の事業についてヒアリングを行い,審議会委員の御意見・御提案をいただいたところです。 その他の具体的な取組としては,本市の各種審議会等への女性委員の登用を推進しているほか,啓発活動では,平成28年度から高校生セミナーを毎年開催し,平成29年度には,個人版ロールモデル冊子を作成,セミナー等で配付いたしました。 さらに,令和元年5月には四国中央市男女共同参画推進ネットワーク会議TOMONIを設置し,構成メンバーのこれまでの多彩な活動や経験,人的ネットワーク等を活用し,幅広い啓発活動に取り組んでいるところです。 今後も,より多くの市民の皆様に参画いただき,男女共同参画社会の実現に向けた啓発活動等の事業推進に努めたいと考えております。
○井川剛議長 谷内 開議員。
◆谷内開議員 ありがとうございました。 今御答弁の中で,全庁的な取組で32項目の推進に取り組まれていること,また各種審議会の女性登用や高校生セミナーの開催などネットワーク会議などを活用して活発な啓発活動に取り組んでいるという御答弁がありました。大変によく分かりました。ありがとうございました。 新聞報道では,2020年の女性の自殺者は前年度より15.4%増え,政府が閣議決定した2021年度版の自殺対策白書には,コロナ禍の状況を分析し,特に働く女性らが追い詰められている実態も明らかになったとしています。 これまで家事,介護,看護,育児など家庭においても,社会においても,一番大変な部分を担ってきたのが女性であります。 一昨日の愛媛新聞の記事には,無意識の差別は変わりにくい。現状を知り,問題を意識しなければ未来は変わらない。人口の半数超えの女性が生きやすく,能力を発揮しやすい社会は,男性や少数派の人にとっても生きやすいと掲載されておりました。まさに女性に支えられて成り立ってきたと言っても間違いではないと思います。 来年度は,男女共同参画社会の実現に向けて,学校や企業での啓発活動に企業版のロールモデル誌や動画にも予算を計上されております。 2点目は,啓発活動についてお伺いをいたします。
○井川剛議長 高橋 誠副市長。
◎高橋誠副市長 啓発活動についてお答えいたします。 本市では,毎年6月23日から29日までの男女共同参画週間に合わせて市民交流棟に懸垂幕を掲揚し,市民への啓発に努めております。 また,若い世代への啓発のため,平成28年度から毎年,様々な観点からのテーマを設定し,市内の高校生を対象に高校生セミナーを開催しています。 令和2年度には,先ほどの答弁で御紹介いたしました本市の男女共同参画推進ネットワーク会議TOMONIの主催により,四国中央テレビの協力を得てトークライブを開催し,LINEで市民公募した意見を番組内で紹介しながら,生中継で男女共同参画を考えるパネルディスカッションを放送いたしました。 令和3年度は,男女に関することに限らず,日常の疑問に焦点を当て,川之江高校演劇部に御協力いただき,日常生活でふと感じる疑問を演じたショートムービー3本を制作しました。その演劇をTOMONIのメンバーが観賞し,本音を語るトーク番組を現在ユーチューブ市公式チャンネルとコスモステレビで放映中です。 コロナ禍の影響で,現在はテレビやインターネットを活用した啓発活動が中心となっておりますが,
新型コロナウイルス感染症が収束した際には,しこちゅ~ホールでの講演会をはじめ,様々な啓発事業の展開を図りたいと考えております。 そして,令和4年度の新たな取組として,男女共同参画の啓発や女性活躍に力を入れている多様な市内企業10社程度を取材し,市内で働く現役世代の方のインタビュー動画や啓発冊子を作成する予算を計上したところです。 完成した動画については,市のホームページに掲載するほか,学校や企業での男女共同参画の啓発に活用するとともに,啓発冊子については,市内の高校生や専門学校生に配付するほか,首都圏での就職説明会等,あらゆる機会を通じて広く配布する予定としております。
○井川剛議長 谷内 開議員。
◆谷内開議員 詳細な御答弁ありがとうございました。 私も川之江高校の演劇部の身近に感じる疑問というのを見ましたけども,ある中で,ふだん何も気づかなかったことが,見ることによってああなるほどなと分からせてくれるような劇で,大変よかったと思います。また多くの方に見ていただきたいと思います。 それから,女性のそういう活躍に力を入れている企業にも働きかけをして紹介をしていきたいということでもありました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。 最後に,女性視点の避難所運営についてお伺いをいたします。 近年,自然災害が激甚化,頻発しており,防災・減災をさらに進めることが求められています。 内閣府男女共同参画局は,昨年5月,各自治体が防災・復興計画を整備するための男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針を策定しました。 そして,女性を防災・復興の主体的な担い手として位置づけ,女性の視点を取り入れた避難所運営のポイントなどを示しました。 そして,防災・復興に関わる意思決定の場に女性の参画を求めることや,災害から受ける影響やニーズが性別によって違うことを配慮するよう強調しています。 しかし,現実には女性が地域の役員に就く等への理解が後れていたり,災害時の避難所運営に女性の視点が生かされにくいということも指摘されております。それが明日3月11日で11年目を迎える東日本大震災での教訓です。 3点目は,女性の視点での避難所運営についてお伺いをいたします。
○井川剛議長 安部 弘総務部長。
◎安部弘総務部長 女性視点の避難所運営についてお答えいたします。 本市の避難所運営は,地域住民,特に自主防災組織や防災士,自治会役員が中心となって避難所を運営していくこととなっております。 これまで全国各地で起きた大規模災害時における避難所運営の在り方を教訓に,男女共同参画の理念を基本とした避難所運営を図るため,平成30年に本市においては避難所運営マニュアル,令和2年に避難所運営マニュアル
新型コロナウイルス感染症対策編を作成し,ともに被災時の男女のニーズの違い等により,男女双方の視点に十分配慮した内容としております。 具体的な内容といたしましては,乳幼児連れ,単身女性や女性のみの世帯等のエリアの設定,間仕切り用パーティション等の活用による居住場所の区分け,昼夜を問わず照明をつけて安心して使用できる男女別のトイレ,更衣室,物干し場や授乳室の設置によるプライバシーの保護と安心・安全の観点からの対策を講じたものとなっております。 これらの取組を,より実効性のあるものとするために,避難所運営に関わる女性リーダーを養成するため,愛媛県防災士養成講座において,女性の積極的な受講をお願いしているところです。 本市におけるこの養成講座で防災士を取得された方は,令和4年3月1日現在501人で,うち女性が137人となっております。これは率にして27.3%で,全国平均16.7%,愛媛県平均20.6%と比較しても,女性の方の取得率が高い状況でございます。 今後,市といたしましては,この数字に甘んじることなく,避難所運営組織に参画できる女性防災士を引き続き養成するとともに,避難所の運営・管理体制の充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。
○井川剛議長 谷内 開議員。
◆谷内開議員 御答弁ありがとうございました。 東日本大震災で課題だった問題に十分配慮したマニュアルが作成されていることを今お伺いいたしました。また,本市の防災土501名のうち137名が女性であるということは,まさに本市の誇りとするところであります。引き続きよろしくお願いしたいと思います。 次,2点目の企業版ふるさと納税について2点お伺いをいたします。 ふるさと納税といえば返礼品に人気のある自治体などが報道されているのを目にします。本市も多くの方からふるさと納税の御支援をいただいており,大変ありがたいことだと思っております。 今回の質問は,地方創生事業に対して,地域活性化に貢献した企業の税負担を軽くする企業版ふるさと納税についてお伺いをいたします。 企業から寄附を集めようとする自治体が現在増えております。寄附集めには国の認定が必要で,認定自治体の数は2月9日時点で1,194自治体です。約1年間で2.8倍に急増しました。昨年から税の軽減割合を引き上げ,手続も大幅に簡素化した効果が出たのではないかと思います。 1回当たり10万円以上の寄附が対象となり,税額控除の特例措置は令和6年までの期間となっております。それぞれの自治体としては,厳しい財政運営の一助にと期待をしております。 本市にも現在2社の企業から企業版ふるさと納税に寄附していただいております。 令和3年2月にいただいた寄附846万7,000円は,令和3年度から3か年で行う事業に使われるようであります。 また,令和3年11月にいただいた寄附300万円は,令和4年度から活用されるようでございます。 最初に,現在の寄附の進捗状況と今後の活用方法についてお伺いをいたします。
○井川剛議長 大西 緑福祉部長兼福祉事務所長。
◎大西緑福祉部長兼福祉事務所長 お答えいたします。 まず,令和3年2月の寄附につきましては,子育てわくわく体験事業として,公立18園,私立7園の年長児626名が自然体験事業,伝統産業体験事業,食育事業の3つの事業を体験しました。 自然体験事業では,地域の自然の中でネーチャーゲームを体験し,伝統産業体験事業では,紙すきによるランチョンマットづくりの経験や水引細工を使ったうちわづくりの体験をしました。 食育事業では,残念ながら
新型コロナウイルス感染症拡大により調理の実施が難しく,代替事業といたしまして漁業協同組合の市場で生きた魚に触れる体験等を実施いたしました。 残り2か年につきましても,年長児を対象に実施し,小学校就学前の幼児期から本市の自然や特産物に深く触れることで,本市の魅力を肌で感じ,シビックプライドの醸成につなげてまいります。 次に,令和3年11月の寄附につきましては,子育て支援アプリ導入事業,子育てガイドブック作成事業,子ども食堂運営支援事業を予定しております。 子育て支援アプリ導入事業では,妊娠・出産・子育て支援に関する情報や子育て関連イベント情報等を発信するアプリを導入し,子育て支援環境の充実や子育て家庭の健康保持を図ります。 子育てガイドブック作成事業では,男性の主体的な家事・育児参加を推進するための啓発冊子を作成し,市内企業へ配付して,企業による男性の育児と仕事のライフ・ワーク・バランスの積極的な推進を図ります。 子ども食堂運営支援事業では,経済的理由や家庭の事情によって栄養のある食事を取ることができない子供たちの食の支援や,様々な事情を抱える家庭や子供たちのために,地域での居場所づくりを目的に運営している子ども食堂を,継続的で充実・安定したものにするため,運営の一部を支援いたします。 今後も企業版ふるさと納税を活用し,家庭や地域における子育て支援や幼児教育の充実に努めてまいります。
○井川剛議長 谷内 開議員。
◆谷内開議員 詳細な御答弁ありがとうございました。 子育て支援に幅広い活用をされていることが大変よく分かりました。 例えば山形県南陽市では,コロナ禍で生活に影響を受けている同市出身の学生を支援するための食の支援事業で,若い世代との新しいつながりをつくり,将来Uターンなどで人口拡大につなげようとしております。 2点目は,今後の見通しについてお伺いをいたします。
○井川剛議長 篠原 実市長。
◎篠原実市長 この問題について,私のほうから答弁申し上げておきます。 御案内のとおり,企業版のふるさと納税制度は,自治体にとっては新しい新規事業でありまして,また貴重な財源となる方途であります。 ただ,対象は市外に所在する企業からの寄附に限定されます。企業探しや営業活動が必要となるものであります。 そのことからして,本市においては,積極的な寄附の獲得に向けて,地元の伊予銀行及び愛媛銀行の2行とそれぞれ寄附企業紹介サービスの契約を2月に締結いたしました。 今後の活用事業につきましては,結婚の支援体制の充実や子育て環境の整備,
シティプロモーションや特産品のブランド化,人口減少対策や地域活性化を目的とした地方創生事業に活用したいと考えております。 企業から寄附をいただくためには,企業が応援したい事業を企画立案することが重要な要素となります。 また,事業の情報発信においては,SDGsとの関連性もPRし,企業の寄附意欲を高められる工夫も必要であります。企業側もそれなら応援してやろうかというような気持ち,情熱になりますように,知恵を絞りながら具体的検討を重ね,そしてそのことが市民サービスの向上や地域活性化につながるように努めてまいりたいと思っております。ひとつよろしくお願いします。
○井川剛議長 谷内 開議員。
◆谷内開議員 市長,御答弁ありがとうございました。 市長の御答弁の中でも,本市に魅力ある事業を策定して,企業から応援したいと,こういう事業をつくっていきたいと。 また,そのためにも,残念なのは,四国中央市内にはたくさんの企業があるわけですが,寄附ができるのは四国中央市以外の企業でないと寄附はできないというところが今回のところで,そこで銀行と提携しながら企業の応援をいただくというお話がありましたので,またよろしくお願いしたいと思います。 3点目の最後の質問,市民サービスの向上について2点お伺いをいたします。 今回のコンビニ交付の質問については,私,平成29年3月に質問して,今回2回目の質問になります。 本市の
マイナンバーカードの申請数は,平成29年2月現在で5,245件,交付数は4,482件で,人口に対して交付率は5%でした。 コンビニ交付とは,各種証明書の写し等の証明書を交付できるシステムです。コンビニエンスストアに設置されている多機能コピー機に
マイナンバーカードを挿入し,カードの電子証明書の暗証番号を入力することにより本人確認を行い,交付されるものです。 また,近年では,気候変動に伴う台風や豪雨等による大規模な災害などが頻発し,さらに激甚化する自然災害に効果的・効率的に対応するため,ICTを活用した新たなサービスを活用することが,社会基盤の構築のために重要であると思います。 さらには,コロナウイルス感染症の影響により,災害と感染症に複合的に見舞われる事態も想定されます。今後その深刻度が増すことが懸念されるようになったことで,その重要性が一段と高まってきております。 本市も県内で最初にコンビニ交付を導入した宇和島市に職員を派遣され,導入する場合の初期費用は2,500万円程度必要との試算もされておりました。 平成29年当時,コンビニ交付を実施している自治体は377の市町でした。 そこで,最初に本市の現在の
マイナンバーカードの交付数と全国のコンビニ交付の現状についてお伺いをいたします。
○井川剛議長 篠原 実市長。
◎篠原実市長 この問題も私のほうから答弁申し上げておきます。
マイナンバーカードの交付数は,本市における交付数,本年1月末現在2万5,339件,交付率が29.65%となっております。全国平均が41.72%でありますから,まだまだ到底届いておりません。 国は,令和4年度末までに全国民にカードが行き渡ることを目指しておりますので,本市も
マイナンバーカードの普及拡大に努めておりますが,通常の窓口申請に加え,企業・団体等を訪問し申請受付を行う出張申請サポートも行っております。 次に,コンビニ交付を実施している自治体でございますが,本年2月末現在で,全国で1,741市区町村のうち917の自治体が実施しております。全体の約5割であります。 なお,愛媛県内では松山市,宇和島市,伊予市,東温市,今治市,西条市,新居浜市,松前町,砥部町の7市2町がコンビニ交付を実施しております。
○井川剛議長 谷内 開議員。
◆谷内開議員 ありがとうございました。 市長も出張サポートもしながら
マイナンバーカードの交付率を上げていく努力もされているようでありますけれども,何といっても市民の皆さんの
マイナンバーカードを取得しなければいけないという一つの意識の高揚も大事でありますし,先ほど,横内博之議員の答弁の中でも,将来的には27ぐらいの証明書発行にもつながっていくということでもありました。ですから,早く
マイナンバーカードを取得していただくということが大事になってくるのではないかと思います。 さきにも述べましたように,自治体は自然災害などにより家屋などが破損した場合,その程度を判定し証明する罹災証明を発行しなければなりません。災害時の移動は困難を極める上,災害時には窓口の人手不足も想定されることに加え,コロナウイルス感染症拡大防止の観点からも,クラスターを発生させない,また来庁者を減らすことも大事であります。そういった意昧でも,早いコンビニ交付の実施が求められると思います。 最後に,本市のコンビニ交付についてのお考えをお伺いいたします。
○井川剛議長 山崎幸美
市民窓口センター所長。
◎山崎幸美
市民窓口センター所長 本市のコンビニ交付についてお答えいたします。 本市では,平成29年からコンビニ交付導入の検討を行ってまいりましたが,実施には至っておりません。 検討事項としましては,必要経費や費用対効果,運営方法などを調査研究してまいりましたが,
マイナンバーカードの普及が前提であるとのことから,早期の導入は見送った経緯がございます。 しかしながら,議員御指摘のとおり,
マイナンバーカードの利活用によって,住民一人一人がデジタル化の恩恵を享受することが求められるようになり,コンビニ交付導入の必要性も高まってきたと認識しておりますので,導入へ向けた具体的な計画など,予算面を含めた検討を進めているところでございます。
○井川剛議長 谷内 開議員。
◆谷内開議員 ありがとうございました。 大変前向きな御答弁をいただきましてありがとうございます。早い導入に期待を申し上げて,質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○井川剛議長 以上で谷内 開議員の質問は終わりました。 ただいまから休憩に入ります。 再開は午後1時とします。 ──────────────── 午前11時43分休憩 午後1時00分再開 ────────────────
○井川剛議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に,猪川 護議員。 〔猪川 護議員登壇〕
◆猪川護議員 議席番号4番,会派みらい,猪川 護です。よろしくお願いします。 四国中央市は,コロナ禍においても,しっかり税収を確保できる基盤のしっかりしたまちだと思います。それは,過去の頑張りが今実を結んでいるだけで,今後を保障するものではありません。取り巻く環境が激しく変化している中,強い基盤を維持していくためには,今このタイミングでやっておかなくてはならないことを本日のテーマとさせていただきました。 教育,産業における人の問題,新宮地域の活性化について質問をさせていただきます。よろしくお願いします。 それでは,最初の質問,教員不足について質問をさせていただきます。 2月1日の新聞に,昨年の4月時点で公立校教員2,558人不足,全国の5.8%に当たる1,897校で休職補充困難という記事が掲載されていました。愛媛県でも,小学校の4.8%に当たる13校で14人,中学校では1.6%の2校で2人,特別支援学校では27.3%の3校で10人不足しております。 文部科学省から教員の重要性について,教員の職務は人間の心身の発達に関わっており,子供たちの人格形成に大きな影響を与えるものである。教育は人なりと言われるように,学校教育の成否は教員の資質能力に負うところがあると発信されています。 子供ファーストで考え,行動してくれる先生がたくさんいるような学校では,子供たちは学ぶことが楽しく,進んで学校に行くようになると思います。 また,目標に向かって頑張る生徒も多くなり,学校全体がすばらしい学びの場となると思います。そして,何より子供たちの明るい将来にもつながっていきます。本当に教員という職業は使命感や責任感が必要で,子供たちの未来に影響を与える,とてつもなく意義のある仕事だと思います。 現在の教育現場を取り巻く環境は,特別支援学級の増加に加え,昨年小学校全学年を40人から35人学級にしていくという改正法が成立しました。その影響で今後5年間に1万3,500人の教員が必要となってくるものの,教員の成り手が減っています。 採用人数の増減はありますが,公立小学校の採用倍率が,2000年12.5倍だったものが,2021年には過去最低の2.6倍になっています。現在教員が不足している学校においては,校長や教頭先生が教壇に立ち,穴埋めをしているところや,自習しているところもあるようです。 そこで,今後35人学級制度が本格化していく中で,教員の充足度,また年代別教員数の構造,将来発生する教員不足のリスクとその対応についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○井川剛議長 東 誠教育長。
◎東誠教育長 お答えいたします。 本市の教員配置につきましては,現在までのところ,年度初めに小中学校で必要な教員を配置できないという事態は発生しておりません。 しかし,教職員の年代別構造を見ますと,現状ではベテラン教員の大量退職に伴い,新規採用教員が増加し,また中堅層は採用が少なかった時代の影響を受け,他の世代に比べて薄い構成になっております。 今後は,これまでベテラン教員が培ってきた優れた教育実践やノウハウを中堅教員,若手教員へ引き継いでいく体制づくりや,将来の年齢構成を踏まえ,中堅教員,若手教員の育成に向けて取り組んでいく必要がございます。 加えて,若手の割合が高まりますと,産休や育休を取る率が高くなり,今まで以上に講師の人材確保や,退職されたOBにさらなる協力を依頼していかなければならないと考えております。 また,現在は教員免許更新制により,教員免許に10年の有効期限が設けられておりますので,一度退職された方に復帰をお願いした際に,免許が失効しているという理由でお断りされる場合もございます。 しかし,その制度が今年の7月に廃止される方針が示されましたので,これまでのような人材確保への影響が緩和されるものと期待をしておるところでございます。 教員不足については,全国報道されているとおりであり,本市においても安心できる状況にないことは理解しております。 市教育委員会としてできることは限られておりますが,子供たちが将来教職に憧れを持つことができるような教育や教師との出会いとなるよう努めることも大事であると考えております。
○井川剛議長 猪川 護議員。
◆猪川護議員 東教育長,ありがとうございました。 今後,教育現場を回してきたベテラン教員が大量に退職となり,中堅層が薄い状態になると,教育現場はさらに厳しい状態になることが予測されます。 今年7月から教員免許更新制度が廃止となり,復職へのハードルが下がることはよいことだと思いますが,教員の数だけではなく質も問われてくると思います。特に若手教員の教育,育成がポイントになろうかと思います。同時に,講師の確保と教員OBの協力を取り付けることも大事なことだと答弁がありましたが,まさにそのとおりだと思います。 続いて,質問1-2に移ります。 教員不足の原因が,教員を目指す人が減ってきたということに加えて,中途退職者が増加していることも影響しています。何と中途退職者は通常の退職者の約半分に当たる年間1万7,000人もいます。加えて教員の精神疾患休職者は9,452人,精神疾患による離職者は1,100人にも上るようです。 福井県では,中学校教員の過労自死に対して公務災害と認定,県や町が賠償金を支払っているというような社会問題にもなっています。 現在教員をやめたいと思っている人が教員全体の20%もいるというデータもあります。 その原因はどこにあるのか。教員の仕事が忙し過ぎるというのが一番の原因となっています。時間外労働が,過労死ラインを超えている教員が全体の60%もいます。学校で働いている時間が,1日平均で小学校教員が11時間54分,中学校教員においては12時間30分とほぼ半日,それでも処理できず,小学校教員は週5時間,中学校教員は週4時間,家に持ち帰って仕事をしています。それだけやっても処理できずに,小学校教員は2週間に1回以上休日出勤をしている割合が約4割,中学校教員においては毎週休日出勤している人が約75%と,本当に苛酷な労働環境になっています。 しかし,残業時間がそのまま残業代として支給されるかといえば,そうではありません。昭和41年に策定した給与の4%を上乗せする代わりに残業代を支払わないという法律によって上限が決められています。苛酷な労働時間に加えて,多様性を持つ子供や保護者への対応においても,より丁寧な指導が必要となっています。 そこで,教員の中途退職者の現状と労働環境がどうなっているのか,お尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。
○井川剛議長 東 誠教育長。
◎東誠教育長 お答えいたします。 まず,本市の教員の退職者の状況について申し上げます。 平成28年度から令和2年度の5年間に退職した113名のうち,定年退職者が約65%,勤務年数20年以上の勧奨退職者が19%,普通退職者が15%という状況にあり,本市では,中途退職者が退職者数全体の半分に当たるということはございません。 しかし,学校教育の現状を見てみますと,小学校の英語の教科化やICTを活用した授業など,急激に変化する社会に伴った様々な教育改革に対応できる教員の資質・能力の育成が求められております。 また,学校教育に対して短時間に目に見える教育成果を上げることが求められる傾向もございます。 加えて,一昨年からは
新型コロナウイルス感染症対策などの新たな課題も増えております。 このような状況の中で,教職員の労働環境を改善することは大変重要なことであると考えています。 まず,労働時間の実態把握を正確に行い,改善に生かすことが必要ですので,本市におきましては,出勤・退勤時間の管理をパソコン上で行い,毎月市内教職員全員の勤務状況について市教育委員会への報告を義務づけております。 これにより,超過勤務や休日出勤なども少なくなってきていますが,依然として個人差はございます。 また,教員自身の意識を変えることも大切だと考えています。教員の仕事に対する満足度というのは,時間短縮だけではない場合もありますが,教員は子供のためにという考えの下,業務を削減せず,頑張り過ぎるところがあると思います。 長時間労働に慣れてしまい,時間外でも仕事を続けることが常習化しないよう,学校においては一人一人の状況ややりがいなども聞き取りながら改善を図っているところでございます。 また,学校,家庭,地域の本来果たすべき役割について,地域や学校によっても事情が異なり,一概に固定的な役割分担の方向性を示すことは困難ではありますが,いずれにしても,今後は社会全体として子供の教育を支えることがますます重要になっていきます。そのような意味においても,来年度から市内小中学校で導入するコミュニティ・スクールの機能を生かし,保護者や地域住民の学校運営への参画を進め,理解と協力を得ながら教育活動を進めることが,教員の労働環境改善にもつながるものと考えております。
○井川剛議長 猪川 護議員。
◆猪川護議員 東教育長,ありがとうございました。 取り巻く環境の変化に追従すべく,教育現場も変化していかなくてはならないことがよく分かりました。 また,教員は真面目で頑張り過ぎるところがあるとのことでしたが,私もそのとおりだと思います。 昔は24時間働く企業戦士がもてはやされていましたが,時代が変わり,時間で評価されるのではなく,労働時間を守った中で生産性を高め,結果を出すことが評価されるようになってきました。コンプライアンスが強化され,上司が部下の時間管理を行うことが役割責任となってきています。残業も申請し,承認してもらわないとできなくなっています。そして,設定した残業時間をオーバーすると,そのリーダーの評価が悪くなるところもあるようです。そういう意味では,校長先生や教頭先生にしっかり指導,管理をしてもらうことが必要だと思います。 そして,管理するだけではなく,抜本的に残業を削減するため,言われるとおり,社会全体として子供の教育を支えることが重要で,保護者や地域住民の学校運営への参画がキーワードだと思います。 続いて,質問1-3に移ります。 繰り返しになりますが,年間1万7,000人の教員が中途退職されています。経験を積んでこられた教員が中途退職をされることは,教育現場において大きな痛手となります。年代別では25歳から35歳の中途退職人数が一番多くなっています。 その時期,女性教員は妊娠,出産,育児など,人生におけるハイライトがあります。中でも子育てが非常に大変で,多忙な教員の仕事との両立ができないと判断し,離職を選ぶことが多いというデータもあります。 子供を育て上げるためには,父と母が必要なように,男性教員,女性教員とも必要です。 しかし,子育て期間に中堅レベルとなった女性教員が中途退職されることが多く,大きな損失を生んでいるように思います。 小学校教員は8時から16時45分までが就業時間と規定されていますが,現実は交通当番,日直として7時30分までに学校に行っておかなくてはなりません。また,17時から会議があるときもあるというようなことを聞いています。 現在時短で働くことも選択できるのですが,教職員の数が少なく,時短分をフォローする体制が築けていないために,時短をしたくても時短を選択することができない人もいるようです。 このような環境下で教員を続けていくためには,親の支援が必要となってきます。地元に親が住んでいるところでは支援のハードルも低くなりますが,遠くに親が住んでいるところは支援してもらうこともできず,本人への負担がより大きくなっています。現在は地元出身の教員も少なくなってきており,支援がもらえない状況になっています。一番手間のかかる幼少期の子育て期間だけ教員をやめ,その後復帰しようとしたとしても,もう一度採用試験を受け直す必要があり,長時間労働が待っているために復帰を断念してしまう,そのようなことが現在の教員不足につながっているのではないかと思います。 教員不足に対して地域独自で対策を取っているところもあります。福井県では,週1回のノー残業デーの設定,印刷などを補助する支援員の採用,また帰宅時間を書いたポップを机に張りつけ,教員の意識改革も行っています。 茨城県の守谷市では,市が年間7,363万円を予算化し,市内全小学校に教員OBを雇用,専門教員を担当してもらう。3学期制を2学期制に変更,デジタルツールの活用などで印刷物の削減を行い,残業時間が半減しました。 丸亀市でも,市の予算で小学校教員1名,中学校教員17名を採用しております。また,全学校に学校司書教員も配置しています。 観音寺市においても,市の予算で小学校教員1名,中学校教員1名,非常勤で小学校,中学校で各1名を採用しています。 35人学級が本格化していく中,中堅で戦力となる女性教員を中途離職に追い込まないためにも,教員の数を増やし,育児を持つ女性教員が,時短勤務ができるような体制づくりが必要かと思いますが,教員の中途離職を防ぐための対策についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○井川剛議長 森実啓典教育指導部長。
◎森実啓典教育指導部長 お答えいたします。 教員の中途退職の防止についてでございますが,長時間労働という環境の改善,教員の負担軽減の方策を講じることが必要であると考えております。 その対策といたしまして,例えば先ほどもありましたが,週1回のノー残業デーを設定し,当日は職員室の前面の黒板に掲示したり,あるいは教職員それぞれで定時退庁日を最低でも週1回設定するように促したり,職員室内に帰るボードというのを設置いたしまして,そのカレンダーにマグネットで各自が表示するなど,教員への意識づけを図っておるところでございます。 また,先ほど申し上げました教員免許更新制度が廃止されますことは,多忙な教員の負担軽減にもつながるものと期待をしております。 人的支援につきまして,今年度は国のコロナ対策補助事業として,教職員が行う感染対策や校内掲示物の作成,印刷などの事務作業を補助するスクール・サポート・スタッフの配置があり,現場では大変助かったとお聞きしております。 また,本市におきましては,特別支援教育の支援員あるいは小規模複式学級の教育支援員の配置なども,他市と比較しても多数の人員が配置されており,それぞれ活躍をいただいているところです。 さらに,コミュニティ・スクールの活用によりまして,児童生徒の登下校の見守り,学校環境整備,学校支援ボランティアによる実技教科指導の補助などを行っていただく学校も増えております。 学校現場におきましてこれらの人的支援につきましては,教職員の負担軽減にも大変大きく寄与しているところでございます。 加えまして,ICT機器の活用による業務の効率化,時間短縮等,適正な勤務時間の設定等を進めるとともに,教員の働き方改革につきまして,保護者や地域の皆様の御理解が得られるよう,丁寧に説明することも必要であると考えております。 また,議員の御質問にもございましたように,育児休業から復帰する教員にとりまして,子育てと仕事の両立に相当な労力が必要でありますし,休業中に変革が進んでいる現場環境に対応できるのかどうかといった不安感などもございます。 そのような状況にある教員への支援は,大変重要であると捉えております。 時短勤務制度の活用,また育児と仕事に係る悩みなどを教員が共有し,働きやすい職場環境づくりをバックアップできるよう,各校で管理職あるいは衛生推進担当教員の研修等に,今後も積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○井川剛議長 猪川 護議員。
◆猪川護議員 森実教育指導部長,ありがとうございました。 これで教員不足のテーマは終了しますが,本市でも教員への意識づけ,教育援助員の配置,コミュニティ・スクールの活用,ICT機器の活用,育児休業からの復帰に当たっての配慮など,いろいろな仕掛けを行っていること,すばらしいことだと思います。 最初の答弁にあった,子供たちが将来教職に憧れを持つことができるような教育や教師との出会いも大事という言葉は,非常に重要なことだと思います。 地元出身のよい教員がたくさんいる地域は,地元愛の醸成にもつながり,教員の負担軽減にもなります。子供の将来に大きな影響を及ぼすのは教員です。四国中央市の将来を担うのは子供たちです。どうぞよろしくお願いします。 それでは,質問2の産業のテーマに移りたいと思います。 四国中央市は,紙の出荷額16年連続日本一を誇る紙のまちです。有形固定資産高,中堅事業所数が四国ナンバーワン,従業員数,付加価値額は四国ナンバースリー,製造品出荷額は四国ナンバーフォーと,産業基盤がしっかりしたまちであるがゆえに記録を伸ばし続けているのだと思います。その強い産業基盤によって,1人当たりの税収は愛媛県下ナンバーワンとなっております。宇和島や大洲に対しては約1.7倍となっています。 また,過去5年間で人口が4.4%,労働者人口においては6.7%も減少している中,市民税,固定資産税を含む全ての税収で6%,所得税と連動する市民税はなんと10%も伸びています。積極的な投資をしながら利益を生み出し,それを社員に還元していることの表れだと思います。 ここまで強くなった産業界ではありますが,その背景にはダム建設や湾外整備,用地確保など大型インフラへの投資を行ってきたことや,成長を牽引してきたリーダーの存在があると言えます。 先人の血のにじむような努力によってもたらされた結果だと思います。田を耕し,種を植え,芽が出て,花が咲き,最終的に実がなり,収穫イコール利益を生み出すまでには,たくさんの手間と時間がかかります。現在四国中央市は強い産業基盤を有するまちとなっていますが,その背景にある行政が行ってきた産業支援策と実績についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○井川剛議長 篠原 実市長。
◎篠原実市長 この問題に答弁する前に,先ほどの教員の採用の問題について,私のほうの所見だけ申し上げておきます。 御案内のとおり,公立の小中学校の先生の採用と人事そして給料は,全部県の教育委員会の専権事項になっております。 でも,猪川 護議員言われたとおり,近年いろんな状況の中で,私どももよく議会と相談しながら,市で単独に先生を採用して,そしてどうしてもこの学校には先生,人手が要るというときには,市単独に採用した先生を派遣するというようなことは,近未来現実的になってきているとは思います。 ただ,それまでには大きな負担がありますから,関係機関,特に県の教育委員会,文部科学省,みんながよく相談しなきゃなりませんけれども,いずれ近い将来そういうことになってくる可能性はあるというふうに思っております。 それでは,行政が担ってきた産業支援対策について申し上げておきます。 私は,四国中央市の我々の行政を中核で担っている人間としての務めは,このまちが産業群として先人が血のにじむような努力で先輩含めて政治,経済,行政と力を合わせてその基盤をつくってきたということにあると思いますし,我々の仕事は,この経済基盤をより強固にして次のジェネレーションの産業人,市民に渡してやることと私は思っております。 そして,今申し上げた港湾,道路,そしてダムの大型インフラで1つずつ過程を見ると,大変な御苦労いただいておる。 その中でも,近年,私が市長になって五,六年,今の時期に常に工業用水が足りない。慢性的な渇水で苦労しております。いずれこれも,投資は要りますけれども,人間の知恵と,そして経験と,今年の冬はこの程度の降雨量しかないと。そのためにはどうしても夏場にこの程度の水は確保しておかなきゃならないというようないわゆる人工知能を使って予測を立てて,1回紙をすいて流すだけじゃなしに,それをもう一度ろ過して使うというようなことが現実論として必要になってくるときがあると私は思っております。 今申し上げたとおり,近年この地理的条件を生かして物流拠点や事務所,工場などの新設及び増設する支援として,新たに雇用された従業員の数に応じて最長5年間,固定資産税相当分を奨励金として支給する企業立地促進奨励金制度の創設や,本市初となる内陸型の工業団地となる津根工業団地の造成等,ハード,ソフトの面においても取り組んでおります。 これは今現在も常に進行中でありまして,企業の皆さん方,まさに必死でやっているとおり,行政もそれに備えて常に前を向いて努力しなければならないと。 今回,当初予算をつけていただきました川之江地区の姫ケ嶽のところの埋立てもその一環であります。 また,物づくりの支援は,商品の企画開発そして企画開発に対する知識やノウハウを習得するビジネスセミナーの開催や,より専門的な指導,助言を必要とする,その支援機関である中小企業基盤整備機構と連携して専門家を派遣する経営クリニック事業などを行っております。 ただ,私どももユニ・チャームをはじめ大王製紙,大企業はあります。でも,現実は売上げでいったら10億円から70億円ぐらいまでのそうした企業群が城の石垣の間を詰めるようにしてこの地域の経済,雇用を支えてくれている。私はそれがこのまちの産業群の力だと思っておりますので,ひとつよろしくお願いします。ありがとうございます。
○井川剛議長 猪川 護議員。
◆猪川護議員 市長自らの御答弁ありがとうございました。 教員不足への対応についてもよく分かりました。 合併以前の大型インフラ整備に加えて,直近ではソフト・ハード面ともに頑張っており,両面で行政が地元の産業をフォローしていることがよく分かりました。市場や地元産業界からのニーズを吸い上げながらインフラ投資が先手で対応できていること,本当にすばらしいと思います。 続いて,質問2-2に移ります。 紙のまちナンバーワンを維持していくポイントに,紙づくりにたけた人材や開発力ある人材を育成していく,また最先端の技術を創出していくことがポイントだと思います。 そういう意味では,市内に愛媛大学の産業イノベーション学科紙産業コース,大学院のバイオマス資源学コース,イノベーションセンターがあることはすばらしいことだと思います。 紙に関する学びの場,産官学のメンバーが議論できる場がある。その場で紙に関わる企業と研究機関が連動し,差別化された技術を生み出していく。また,実践的なプロフェショナル人材を育て上げることができる。地元の人材が地元にある愛媛大学で学び,地元の企業で活躍するというすばらしい仕組みが構築できていると思います。 これからは産官学がしっかりと連動して技術力を高め,グローバル競争に勝ち残れる企業でないと生き残ることはできなくなると思います。 そこで,質問です。 これまでの本市と愛媛大学の連携や実績,今後のさらなる産官学の連動体制の強化について,戦略があれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○井川剛議長 篠原 実市長。
◎篠原実市長 この問題も私のほうから答弁申し上げておきます。 御案内のとおり,愛媛大学農学部の大学院をつくるときに,前市長の井原さんに働いていただき,そして愛媛大学の先生方,非常な御苦労いただいてできました。 それから内村先生が中心になって,私は個人的な意見を言えば,イノベーションセンターまで大学院から内村先生の人格と識見,人間の包容力で頑張ってきた,その辺の成果だというふうに思っておりますし,それゆえに大学院をつくるときに,イノベーションセンターをつくるときにも民間の土地も予定の倍くらいあつまった。 そして,必要とあらば地元の企業も応援するから頑張ってくれということで先生のけつをたたいたというようなことがありました。 先生のところでは,御案内のとおり,大学院をつくってから紙産業イノベーション学科・紙産業コース,そして大学院,研究機関と,今全てそろってきました。 その過程の中で,今申し上げましたように,平成27年からは地域連携・研究支援室長として市職員の派遣を始め,市から派遣された職員も内村先生と一緒になって紙センターで頑張ってくれております。 これより愛媛大学のイノベーションセンターで学んだ学生が研究者として,またそれぞれの企業の社会人として,それぞれの企業で頑張ってくれておりますし,研究の成果も上がっております。 そして,ありがたいことに,産官学の連携といたしまして,平成25年四国経済産業局,四国産業・技術振興センター,愛媛県紙パルプ工業会と連携して紙の総合マッチングサイト四国は紙國ができました。 このサイトには,現在,紙関連企業が171社登録されております。これまで373件の相談が寄せられ,そこから多くの商談が成立したと聞いております。 この紙産業に特化したマッチングサイトをさらに充実させて,販路開拓や全国からの紙製品に対するニーズや問合せに対応できるよう,より強固な産官学の連携体制を図っていきたいと思っておりますし,そのために我々も必死の努力が要ると思っております。よろしくお願いいたします。
○井川剛議長 猪川 護議員。
◆猪川護議員 篠原市長,答弁ありがとうございました。 愛媛大学,大学院,研究センターの誘致,拡大展開してきたこと,その実現に向け頑張ってこられた方々には大変な苦労があったと思います。特にリーダーの内村先生には頭が下がる思いです。 競合の紙産業都市からすれば,この仕組みは喉から手が出るぐらい欲しくたまらないものだと思います。マッチングサイトである四国は紙國というツールもあり,差別化された武器はそろっていると思います。今後はこれらの武器を活用してさらなる優位性を築いていくことだと思います。そのためには,さらなる産官学連動がキーだと思います。 続いて,質問2-3に移ります。 現在四国中央市の企業は強く,コロナ禍においても成長を遂げています。 しかし,その成長が今後も続くかといえば,それはなかなか難しいことだと思います。先日西条市のアサヒビールの工場が来年1月に閉鎖すると発表がありました。工場が閉鎖されると税収がなくなるだけではなく,従業員の雇用が失われます。西条市のふるさと納税の返礼品の柱となっていたアサヒビールが扱えなくなり,寄附額が約4億円ダウンするそうです。1998年の操業開始をしてから25年目にしての撤退です。何が起こるか分からない,先が読めない時代になってきています。 今回はコロナの影響によるところが大きいとは思いますが,地元にしっかり根を生やしている地元の企業であれば,本社が地元にある,技術力ある人材を保有している,また地元愛もあり,もう少し違った判断もあったのではないかと思います。 現在四国中央市の製造業は,社員4人以上の事業所が330あります。このうち社員30人以上のものは100事業所あり,これは松山98,高松93を抑えて四国一となっています。行政としても地元の企業を大切にする。地元の会社が地元で経営できるように先手,先手で手を打っていくことが大事だと思います。 工場用地については,城山下の造成計画がスタートされるなど,既に手が打たれていますが,労働力という面においては大きな課題があります。四国中央市では毎年約1,000人近くの人が定年退職となっています。現在生まれてくる赤ちゃんが約500人,地元に残ると思われる7割,350人全員が就職したとしても650人不足してしまう事態となります。 対策としては,外国人,高齢者,女性の活用,企業としても生産性を高める努力などが必要になろうかと思います。 今治市の今治工業高校では,機械造船科をつくるなど,今治造船に入って即戦力になれるような仕組みをつくり上げています。それ以上に人材確保が大きな目的だと思います。 四国中央市としても,少子化対策を行うことに加えて,人材流出を防ぐ,高齢者,女性が働けるような職場環境に改善していく,人材のデータベース化など,いろいろな対策を推し進めることが必要であると思います。近い将来発生する労働者不足に対しての戦略について伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○井川剛議長 宮崎 修経済部長。
◎宮崎修経済部長 お答えいたします。 議員御指摘のとおり,今後ますますの労働者不足が懸念されておりますが,その人材確保策といたしましては,若い世代に地元企業の魅力を知ってもらうことを目的に,中学生を対象としたものづくり体験講座や高校生の紙産業PR事業などの地域産業人材定着事業を,就職前のキャリア教育として行っております。 また,県立土居高校においては,紙のまちづくりコースが開設されており,地域に根差した人材の確保に期待が寄せられております。 ほかにも,市の企業メールリストを活用して集約した市内企業の採用情報を四国内の大学等に提供する就活情報提供事業をはじめ,企業合同就職説明会を松山で開催するなど,企業人材の確保に努めております。 実際に企業合同就職説明会に参加し,その後の採用内定につながる者もいることから,一定の効果を得ていると考えております。 今後におきましても,市民,特に若い世代に対して,紙のまち資料館などの活用により,郷土の誇りである紙産業の歴史や文化について伝承し,市民が郷土に愛着と誇りを持つことで,将来本市への就職及び定住につながり,さらなる日本一の紙産地として維持発展していくために取り組んでまいりたいと思っております。
○井川剛議長 猪川 護議員。
◆猪川護議員 宮崎経済部長,答弁ありがとうございました。 就職前のキャリア教育,土居高校に紙づくりコースなど,地域に根差した人材確保をしていることや,行政がプロデュースするリクルート活動においてもしっかりやられていることは理解できましたが,今までのやり方だけでは人材不足を回避するまでには至らないと思います。追加で対策を打つ必要があります。 例えばですが,都会で働いている地元出身者に対して,家を建てる前のタイミングでUターンを促すような仕掛けや,定年退職で地元に戻ってくるような人に対して,人材のマッチングサイトで新たな仕事の場を見つけてもらえるような仕掛けを検討されてみてはと思います。 続いて,質問2-4に移ります。 今後も産業が成長し続けるためには,時代の変化に追従できるような企業でなくてはなりません。それは製造業だけでなく,農業や漁業,商業においても同様です。新たなビジネスを起こすことも必要だと思います。時代はSDGs,DX,グローバルへと変化しています。 そして,コロナ後,農業が成長分野になるとも言われています。ネット環境がそろえば,どこででも働くことができる時代となってきました。教育もどんどんデジタル化されていくように思います。今後さらにデジタル化によって新聞紙や雑誌などの紙媒体は減少していきます。このままでは紙産業が傾斜産業になるリスクもあります。 しかし,紙は環境に優しく,紙の用途拡大というチャンスもあります。セルロースナノファイバーというこれからの素材開発もどんどん進んでいくと思います。それらの素材を使った新たなビジネス,事業を立ち上げていく,時代にマッチした事業を四国中央市で起こしてもらう必要があります。 そこで,本市として起業家を呼び込む戦略とスペシャリティーな人材の育成,確保について伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○井川剛議長 安部 弘総務部長。
◎安部弘総務部長 お答えします。 本市では,起業を考えている市民向けに,基本的な経営ノウハウの習得を支援する起業塾を開講しておりますが,市外からの起業家やスペシャリストを呼び込む仕組みはないのが現状であります。 しかしながら,時代が大きく変化する今日,豊かな発想力や専門的知見を有する人材が,市内において産業分野に限らず,教育や文化をはじめ幅広い分野で活躍することは,地域の活性化のみならず,新たな事業の創出による雇用の増加や,仕事の選択肢の拡大による定住・定着やUIJターンの促進にもつながるものと考えています。 さらには,分野を越えた協業によるシナジー効果や,起業家やスペシャリストが活躍できるまちとして,本市の魅力の向上に寄与することも期待できます。 したがいまして,そのような人材が活躍できるまちづくりに向けて,関係課や関係団体とも連携を図りながら,テレワーク人材や副業人材の獲得,国の専門人材派遣支援制度等の活用,専門性の高い人材を呼び込むための仕組みづくりについて,必要に応じて検討していきたいと考えております。 併せて,何より本市の若者の育成が肝要であり,幸い本市は,創業された先人や事業を承継された方々による知恵と努力により,恵まれた経済社会が築かれております。起業や新規就農などにより活躍されている方もいらっしゃいます。そのような産業界の御協力を得て,また大学との包括連携を活用しながら,産官学連携の下,高い専門性を養う人材育成にも取り組んでいく必要があると考えております。
○井川剛議長 猪川 護議員。
◆猪川護議員 安部総務部長,ありがとうございました。 これで産業に関わる話を終わりにしますが,四国中央市は地元に根を生やした企業がたくさんあります。時代が大きく変化する中,リーダーが起業家精神を貫き,グローバルな競争を勝ち抜いてきた結果だと思います。この伝統を守り,継いでいくことが大事であり,そのためには,答弁にもありましたが,若者の育成がポイントになると思います。 これまで四国中央市の産業を支えてこられた先輩社員が講師となり,継承する仕組みをつくり上げることも必要ではないかと思います。 それでは,質問3の新宮地域活性化のテーマに移りたいと思います。 現在の新宮地域の人口は884人,高齢化率がなんと56.2%もあります。10年前の人口が1,345人,5年前が1,070人でしたので,加速度的に人口が減っていっています。 これまでは過疎地区と認定され,国から支援をもらいながらまちづくりを行ってきましたが,その認定もあと5年で切れてしまいます。抜本的な対策,一歩踏み込んだ対策を講じなくてはならないタイミングに入ってきたのではないかと思います。 行政としても,過疎地域持続的発展計画を作成し,いろいろ対策は講じているものの,いま一歩結果につながっていないように感じています。 新宮には,たくさんの魅力的なポイントがあります。物産としても新宮茶や霧の森大福があります。また,新宮インターチェンジを持つ利便性の高い場所でもあります。 しかし,現実は厳しい状況が続いております。新宮茶は人不足で,労働人口の高齢化や品質の確保や生産体制が取れず,売上げは毎年ダウンを続けています。ピーク時からすると30%もダウンしていると聞いています。 また,うま茶振興協議会が設立され1年となりますが,コロナの影響で目に見えるような成果を収めるまでには至っていないように思います。 そこで,質問ですが,新宮茶及びうま茶振興協議会の現状と対策についてお教え願いたいと思います。よろしくお願いします。
○井川剛議長 篠原 実市長。
◎篠原実市長 私のほうから,うま茶振興協議会について申し上げておきます。 御案内のとおり,新宮には茶工場を持つ3つの事業所があり,そしてお茶の魅力は,それぞれ努力しておりますけども,昨年農協も含めまして新宮・富郷ブレンド茶を商品開発し,限定で300袋つくりました。県庁には私の分から80個送っておきました。 ただ,常々現状を見ると,新宮のお茶の産地としても人工的に力を入れないと衰退していく。茶畑の下草だけでもなかなか刈り取れない。そういうピンチに陥っております。 霧の森にやまびこという運営会社があります。おととしからやまびこにお茶を専門につくる社員が今は4人おります。半分はほかの仕事,半分はお茶の関係の仕事をやっているという状況であります。その子たちが早く一人前にお茶をつくる職人になってもらったら,そこを拠点にして広げていくというようになりますけど,なかなかうまくいかないのが現実であります。 先ほど申し上げましたお茶のブランド名の愛称は,広報紙やホームページなどで募集しましたが,全国から456点の応募がありました。 寄せられた作品の中で,地域のイメージに合う文言を選定し,名称を決定いたしております。 これに伴う名称の商標登録の手続がこのたび完了しましたので,本年5月下旬に新しいブレンド茶を発表する際にブランド名も披露する予定であります。その準備を所管でしております。 ブランド名の披露をきっかけに,今後さらに新たな需要を開拓して販路の拡大に取り組んでいきます。 生産体制につきましては,茶園の実態調査を行い,各お茶畑の現状を把握し,その中で優良園地の活用,老朽化した茶樹の植え替えなどを円滑に進めてまいりたいと思っております。 また,担い手の育成につきましては,茶工場などで茶業を体験し,お茶をつくることに関心を持っていただく,それが非常に大事でありますので,そのことが就業のきっかけになるように,お茶の産業に関心のある20歳以上の方を対象に,2日間の研修生の募集を行っております。 担い手不足は重要な課題でありますので,今後一層うま茶振興協議会などで意見集約を行い,県の農業指導班等関係部署と協力しながら連携を図って頑張りたいと思います。ひとつよろしくお願いします。
○井川剛議長 猪川 護議員。
◆猪川護議員 篠原市長,答弁ありがとうございました。 お茶のブランド名が確定するのが5月下旬,やっと本格展開できるようになります。時間はかかりましたが,その分よいものができている。しっかり準備ができたのではないかと思います。大いに期待しています。 また,答弁にもありましたが,売上げを上げるためには品質をしっかり守り,そして供給体制をつくり上げることが大きな課題になると思います。 お茶が新宮地域を支える産業になれるか否かは,今年が勝負の年になろうかと思います。よろしくお願いします。 続いて,質問3-2に移ります。 先ほども話をしましたが,新宮地区にはいろんなスポットがあり,それぞれが魅力あるスポットだと思いますが,中でも一番ポテンシャル,影響力があるのが霧の森・霧の高原だと思います。 昨年末,新宮出身の真鍋淑郎博士のノーベル賞受賞などフォローの風も吹くも,コロナが来客数に影響しているではと懸念します。 これまで霧の森大福というすばらしい商品が霧の森の事業を牽引してくれていましたが,なかなか次のヒット商品が生まれていないようにも思います。コロナ禍における霧の森・霧の高原の状況とコロナ後の戦略について,教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○井川剛議長 高橋 誠副市長。
◎高橋誠副市長 お答えいたします。 最初に,霧の森・霧の高原の経営状況及び来客者数についてお答えいたします。 令和3年度2月期までの全体の売上高は約4億4,000万円,来客者数は約20万4,000人となっており,コロナ禍以前の令和元年度の同時期と比較しますと,売上げで約1億100万円の減,来客者数で約10万1,500人の大幅減で,半減となっております。 唯一通販部門においては,全国的な巣籠もり需要の拡大の恩恵に浴し,約2,261万円の増収となっておりますが,総体的には非常に厳しい経営状況が続いております。 また,売上げとともに経営の生命線である人材確保についてですが,コロナ禍以前より新宮地域におきましては,若年層の人口流出等による著しい人口減少と高齢化が進んでいることから,地元採用は極めて困難である上に,通勤の不便さなどの要因により,地区外からの応募も厳しい状況となっており,従業員の確保には苦労しているところでございます。 そうした中,霧の森を運営する株式会社やまびこにおきましては,現在従事している人材の雇用維持,有能な人材育成を最重要課題として位置づけ,本部に人事専門の担当者を配置するなど,会社全体の社員教育を徹底し,資質向上に努めるとともに,経営戦略に精通した外部人材の登用や,老朽化した施設のリニューアル等,人材と施設双方の機能強化が不可欠であると考えております。 次に,コロナ後の販売戦略についてお答えいたします。 猪川 護議員御指摘の霧の森大福に次ぐ新たな地産商品の開発といたしましては,フレーバーティーを使ったスイーツの商品化や,過去売れ筋であった洋菓子商品を復活させ,それらを目玉商品とし,主に関西圏域の大型商業施設やデパート等に積極的に出向き,遠隔地での顧客の確保,口コミによる宣伝効果を生かした出張外交販売を展開して新商品の知名度アップを図りたいと考えております。 また,これと並行して,コロナ禍の期間,ネット通販の売上げが好調であったことから,SNS等において工夫を凝らしたPR活動を推進し,出張外交販売と通信販売の両面から販路拡大に努めてまいりたいと考えております。
○井川剛議長 猪川 護議員。
◆猪川護議員 高橋副市長,答弁ありがとうございました。 コロナの影響で来場者数が半減,その中でも通販部門は3倍の伸びということでいい結果だったと思います。 答弁に,スイーツを開発できる,プロモーションできる,観光の専門家,人材を確保できるということが大事なことだと思います。そのとおりです。 それでは,最後の質問に移ります。 先ほども説明しましたが,新宮には大自然があり,魅力あるポイントがあります。コロナ後,観光を軸に新宮地区に人を集めることができれば,雇用が増え,新宮茶の売上げも上がります。四国中央市の道の駅としても活用できます。 徳島の神山町では,教育を軸としてまちおこし,仁尾町では観光を軸としてまちおこし。成功要因は,若手リーダーが中心となって,まちおこしをしたことにあります。若手現地メンバーが中心となってまちおこしをしていくことが大事だと思います。 新宮地域でのまちおこしの対策,その推進体制について教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○井川剛議長 大西賢治市民部長。
◎大西賢治市民部長 新宮地域のまちおこし対策とその推進体制についてお答えいたします。 新宮地域では,過疎地域持続的発展計画を昨年9月に策定いたしまして,地域の特性を生かした観光交流の促進や生活環境の整備など,計画的な事業推進を図ることといたしております。 その計画の根幹となる基本目標には,霧の森を核として,地域内の観光資源等を有効に活用し,さらなる交流人口の拡大を図ることを明記しており,先ほどもお話ありましたように,霧の森は単なる観光施設にとどまるものではなく,新宮地域活性化の礎となる貴重な社会資源であると認識いたしているところでございます。 この地域は,新宮村の時代から地域の特性を生かした数々の自主的な取組により,住民と行政が一丸となって活性化を図ってこられましたが,過度に高齢化が進んだことにより,持続可能な地域づくりの推進体制を再構築することが喫緊の課題となっております。 本市の施策等に対しましては,新宮町地域づくり協議会を通じて地域住民の御意見を酌み上げる仕組みとなっておりまして,同協議会の場においても将来を見据えた建設的かつ活発な御議論をお願いしたいと思います。 また,地域おこし協力隊も非常に重要な存在でございまして,若い隊員の企画力や情報発信力にも大きな期待が寄せられていることも御案内のとおりでございます。 議員御提案のとおり,地域おこしにおきましては,ふるさとに対する若者の熱い思いを原動力とすることが最善でございまして,さらには,それに共振・共鳴する地域内外のエネルギーを効果的に推進力に変換するコーディネート機能が求められます。 新宮地域は,世界ブランドのノーベル賞科学者のふるさととして,将来にわたって輝き続けるには,地元の若手リーダーや地域おこし協力隊とともに,伴走型の協力者を一人でも多く増やせるような情報発信や環境整備ができるよう,市民,議会,行政が協働の理念により,それぞれの役割を果たすことが肝要であると考えますので,引き続き御指導を賜りますようお願いいたします。(質問時間終了の合図)
○井川剛議長 猪川 護議員。