続きまして、地域交通としての瀬戸内しまなみ海道についてお尋ねいたします。
1999年5月に全ての橋が開通したしまなみ海道、ことしで20周年となります。今週末には来島海峡サービスエリアがリニューアルオープンしますし、ことしの秋ごろまで、各種記念イベントが予定されているようです。地域住民にとっては、本州、四国へ渡る生活道の拡張として、観光客にとっては、唯一無二の瀬戸内の景色を堪能しながら渡ることのできるかけ橋として、そして、サイクリストの聖地として、国内外へその存在感を知らしめるまでになったのは、皆さんもご承知のとおりでございます。
一方、島嶼部に住んでいる者にとっては、定期航路もほぼ廃止となっている今、代替のきかない陸地部への生活道路として機能を果たしております。さかのぼって平成17年、島嶼部を含む旧越智郡との広域合併をした本市。その6月議会では早速、岡田議員によるしまなみ海道の通行料金についての質問があり、一部ご紹介いたしますが、島嶼部では、合併をすれば、何よりも通行料金が軽減され、同じ今治市民としての生活道として自由に合併市町村に行き来ができると、大きな期待と夢と希望を持った中、合併に至ったけれども、その利用料金は日常の生活レベルや住民感覚には割高であるという旨の
発言がありました。
当時、私はこちらに住んでおりませんでしたが、島民の皆さんの夢のかけ橋への希望に満ちた気持ち、また、反対に、恐らく料金のこともさまざまなうわさが飛び交っていたと思いますけれども、陸地部とともに今治市となった実感が湧かない疎外感など、これらの思いや表情がありありと目に浮かぶわけでございます。
あれから20年、政権の動向などにより紆余曲折ありましたが、現状は、例えば、一番遠い大三島インターチェンジから今治北インターチェンジまで、平日、普通車で片道1,520円、往復で3,040円かかることになります。通行料金だけでです。さらに、高速道路走行となりますと、ガソリンの減りやタイヤの摩耗も一般道より多くなると思います。そう思うと、架橋した当時の皆さんの思いとさほど変わらないのかなと思います。深刻な住民の声は、私自身も暮らす中で痛感しており、多く聞き及んでおります。例えば、より精密な検査や治療で陸地部の病院へ通院しなければいけないお年寄りも多いわけですが、そんな中、「病院通いでお昼までかかることもあり、弁当を買えばいいけど、数百円でも助かればと思って自分で弁当をつくって持っていくんだよ」という方がいたり、「今は体力があるからここにいるけど、足も悪くなると生活しづらいから、もう少し歳をとったらまちに出る」とか、また、移住を考える若い人でも、「大三島はいいところだけど、橋代を考えると外へ出ていきづらいな」ということでちゅうちょされる話も聞いたことがございます。
夢のかけ橋ができて、外へつながることができたことは大変すばらしいことです。しかし、開放されたことで島内需要で成り立っていたお店も減った中、同じ市域へ向かうのに高速道路の通行料金では、住民にとって往来するのにちゅうちょする面もあり、ある種、経済を理由とした孤立感や離島感を醸成させるという新たな問題があるのではないでしょうか。例えば、陸地部から島嶼部へ赴くとき、料金が安いと感じられたことがあるでしょうか。もし安いと感じるならば理由を教えていただきたいところですが、島嶼部から陸地部へは、レジャーや買い物といった用事だけでなく、陸地部まで赴かないと手続ができない事柄があったり、日常生活において島内で事が済まないこともあり自己負担が大きいと感じます。
考えてみれば、合併前はフェリー代のほうが高かったし、24時間好きなときに行き来することができなくて不便だったし、当時も、陸地部へ渡らないと手続できなかったこともあったでしょう。でも仕方がない、当たり前のことでした。それは、今治市がお隣のまちだったからです。もちろん時代も違うので、経済状況もかなり違うと思います。しかし、合併して、今治市の住民となった今、交通網も含め、地域格差の是正が当然されるであろうと期待するのは、自然な住民感情ではないでしょうか。合併して14年、同じまちに籍を置く人間として寄り添うことは難しいのでしょうか。これは地域格差を助長する根本的な思考であると、大げさではなく、私は考えております。よく市長もおっしゃっておられる「オール今治」、その精神を住民目線に立った政策として落とし込んでいただきたいと思いますが、本市の所見をお聞かせください。
次に、関係機関への要望と成果についてお尋ねいたします。先ほどご紹介しましたように、岡田議員を初めとした島嶼部在住の先輩議員を中心に、平成17年の市町村合併後から幾度となく一般質問で、しまなみ海道の通行料金引き下げの件については取り上げており、そのたびに答弁は、関係機関に強く訴えてまいる、要望を出してまいる、あるいは一層の利用促進を図ってまいるとのことでありました。実際には、どういった関係機関に向けて、どのような要望を行ってまいったのでしょうか。そしてどういった回答、また成果を得られたのでしょうか。ご説明ください。
次に、地域経済への貢献についてお尋ねいたします。このまちに暮らす住民が、より安心に、より幸せに暮らすための住民自治を守るのが自治体の役割であり、それをサポートするのが行政ではないでしょうか。本市は平成の大合併で、島嶼部から内陸の山間地まで広い市域を持つまちとなり、その合併数は愛媛県内では断トツ、全国で見ても上位に上ります。広域ならではの課題も深刻であり、新しい幹線道路の普及により、まちの中心は内陸に移ってきており、とりわけ、港町として栄えた旧今治市内の中心市街地の衰退に歯どめがきいていないのが現状です。しかしながら本市としては、中心市街地の活性にも長年予算を割きながら力を入れており、その施策に苦慮しているのがうかがえます。
そこで、1つ提案してみたいと思います。島嶼部の足を担う地域交通機関であるバスに出している補助のあり方についてです。島嶼部から今治方面行きのバスを利用する島民に割引を施すというものです。車で陸地部へ往来するよりバスのほうが圧倒的に利用しやすくなれば、利用客の増加が見込めるほか、現状、中心市街地に無料駐車場がほぼなく、自家用車だと行きづらいと感じる人の話をよく聞きますので、気軽にバスを利用できるようになると、中心市街地でのイベントや買い物もしやすくなるのではないでしょうか。毎年、本市に構えるバス会社には、赤字補填のための補助金が1億7,000万円ほど出されていると思いますが、地域住民が積極的に地域経済を支え、さらには、公共交通機関を使うことで排気ガスを抑制して環境への配慮にもつながり、そこに対して補助をしていこうということこそ建設的な補助金の出し方ではないかと考えますが、いかがお考えになられますか。ご所見をお聞かせください。
以上です。
3:
◯森 京典議長 答弁を求めます。
4:
◯菅 良二市長 黒川議員ご質問の地域交通としての瀬戸内しまなみ海道についてのうち、1番目の「オール今治」の視点に立った瀬戸内しまなみ海道のあり方についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
私は、市長就任以来、12の市町村が1つになった各地域に目を向け、それぞれの地域の持ち味を生かした活力の維持向上とあわせて、新市の一体感の醸成に努めてきたところでございます。市民生活に不可欠な地域交通でありますが、航路・バス事業者への支援を行うことで、公共交通機関の維持確保を図ってまいりました。しまなみ海道の通行料負担につきましては、長年にわたる関係機関等への粘り強い陳情・要望活動の結果、平成26年4月に、念願でありました全国の高速道路並みの料金を実現することができたものでございます。改めまして、国土交通省初め、各機関にご尽力いただきました、山本順三、井原巧、山本博司、3議員に感謝申し上げます。
本年5月1日、瀬戸内しまなみ海道が開通して20年を迎えます。橋でつながったことで、住民の生活道路として利便性の向上のみならず、地域経済におきましても、広く観光や物流など、さまざまな面で恩恵を享受できていることはご承知のとおりであります。通行料金がまだまだ経済的負担となっていることは認識しております。その一方で、かつてのフェリー代と比べると、かなり負担は軽減されています。そして何より、救急搬送、消防活動、また災害発生時におきましても、天候や時間帯に左右されない迅速な対応が可能となりました。まさに劇的な変化であります。島嶼部に暮らす市民の生命を守るしまなみ海道は、かけがえのない大きな財産であります。
かつて、昭和36年秋のことです。古い議員にはお話をしたかもしれませんが、河野建設大臣が尾道市から今治市までの架橋地点の視察にお越しになり、まだ新しかった今治市公会堂で大演説会がありました。私は高校生でありました。話が聞きたくて、詰め襟でずっと聞かせてもらいました。昭和36年といいますと、昭和39年の東京オリンピックに向けて、新幹線、高速道路、そして代々木の体育館を初めとするさまざまな建築物、日本中が沸き立とうとしていた時期でもありました。建設大臣からは、「今の時代、あの日本アルプスをぶち抜いて、裏日本までトンネルを早くにつくる時代、四国に3本の橋、決して不可能ではない。私はその方向で全力を尽くします」と力強い言葉をいただきました。ご承知のように、本町の商店街に橋をかたどったアーチがその後できた。それから18年後に第1橋である大三島橋。愛媛県議会議員全員が、そして私ども末端の町議会議員も一緒に、旗を持って大三島橋を渡った記憶がございます。そして、それから20年後に全線開通。平成11年5月1日でした。長い年月、しかし、ある人の思い切った
発言がものを動かしてきた。河野建設大臣、本当に貴重なすばらしい人材が、ちょうどいいときに今治市に来てくれた。そのことを今も感謝しております。
ただ、この今の現状、喜んでばかりはいられません。光の部分、影の部分、当然あるわけであります。その影の部分に、しっかりと、私ども、目を見開いて、これからの取り組みを一生懸命しなければならないわけでございます。人口減少著しい周辺部においても、市民の暮らしを守り、活力を維持していくためには、外から人を呼び込み、にぎわいを創出する、交流人口の拡大を図っていくことも重要であります。
昨年秋に開催された「サイクリングしまなみ2018」、「瀬戸内しまなみ海道スリーデーマーチ」など、しまなみ海道の魅力を最大限に活用したイベントでは、内外からたくさんの方が訪れ、地域の皆さんも一緒になって運営を盛り上げていただいているところでございます。サイクリストの聖地しまなみ海道の魅力を国内外に発信し、多くのサイクリストが島嶼部を訪れているのをごらんになっていると思います。さらには、地域おこし協力隊員を初めとするさまざまな活動が広がっていく中で、各地で移住・定住にもつながっております。人が集まることで基盤が整備され、新たな産業や雇用が生まれ、こうした効果が暮らしにも還元されていく中で、住民の皆さんにも、自分たちがこの地域のともしび、明かりを守っていくんだという強い思いを持って、ともに取り組んでいただければありがたいと思います。地方において、人口減少対策は避けては通れない問題であります。地域の声に真摯に耳を傾け、市民の皆さんと一緒になって、陸地部、島嶼部、それぞれの地域の特色を生かした魅力ある活性化策を展開しながら、それぞれの地域の活力創出に向けて「オール今治」で取り組んでまいります。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いします。
5:
◯安井 孝産業部長 黒川議員ご質問の新たな外国人材の受け入れについてに関しまして、お答えさせていただきます。
まず、1番目の今春からの外国人材受け入れ拡大の動きに対する本市の見解についてでございます。このたび、出入国管理及び難民認定法が改正され、平成31年4月1日から施行されることに伴い、国は、特定技能の在留資格に係る制度の運用を開始いたします。これは国内の深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材確保のための取り組みを行っても、なお人材を確保することが困難な状況にある特定産業分野において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れていく仕組みを構築するものでございます。
ご承知のとおり、本市におきましても、外国人技能実習制度開始から今日に至るまで、基幹産業である繊維工業や造船・舶用工業の市内事業所におきまして、多くの外国人技能実習生等を受け入れてきた経緯がございます。そうした中、このたびの法改正により、外国人により不足する人材の確保を図るべき14の特定産業分野の一つに、造船・舶用工業が指定されました。日本最大の海事都市を標榜する本市におきましては、造船・舶用工業を中心とした海事関連産業が集積しており、裾野が広い労働集約型の産業として、今治地域の経済、雇用を支える主要な基幹産業となっております。しかし、一方で、本市の海事関連事業所におきましても、少子高齢化や生産年齢人口の減少に起因する若手就労者の確保、熟練工の高齢化による技術の継承等の課題が生じています。一定の専門性・技能を有する特定技能外国人の受け入れを拡大していくことは、受け入れ環境の整備等の新たな課題も生じますが、将来にわたり本市の造船・舶用工業の基盤を維持するために必要であると考えております。
次に、2番目の本市における外国人技能実習生の人数とその推移、今後導入される特定技能外国人の人数の把握についてでございます。外国人の在留資格に技能実習が認定されました平成22年度末時点での今治市内外国人住民数は2,042人で、うち外国人技能実習生は1,091人でした。その後も、徐々に増加傾向で推移し、平成31年2月末時点での今治市内外国人住民数は、1,094人増の3,136人で、うち外国人技能実習生も944人増の2,035人となっております。また、今後導入される特定技能外国人の人数につきましては、国が示している向こう5年間における全特定産業分野での受け入れ見込数の合計が34万5,150人で、そのうち造船・舶用工業分野では、向こう5年間における1号特定技能外国人の受け入れ見込数が、国全体で1万3,000人となっております。
次に、3番目の暮らしやすい地域社会づくりについてでございます。平成20年に、今治警察署を初め、国、県、市町の行政機関、各監理団体及び受け入れ企業から構成される外国人支援連絡協議会しまなみ支部を立ち上げ、外国人がこの今治市で快適に暮らせるよう支援を続けてまいりました。また、今治市国際交流協会におきましては、お花見やパーティー等の各種交流会や、外国人を対象とした日本語教室及び救命講習会等の開催、おんまくへの踊り連の参加等、市民との新たなコミュニティーの形成を図る活動を続けており、これらの事業には技能実習生も多く参加されているとお伺いしております。今後は、これまで培ってきた協議会等の連携に加え、今治市国際交流協会や外国語ボランティア等とも連携を強化し、各監理団体や受け入れ先企業等に向けて、外国人の相談窓口の周知徹底を図りますとともに、新たな啓発活動や情報提供を行うことにより外国人が安心して暮らせるサポート体制を築けるよう、さらなる支援を推進してまいります。
以上でございます。
6:
◯一色剛司都市建設部長 黒川議員ご質問の地域交通としての瀬戸内しまなみ海道についてのうち、2番目の関係機関への要望と成果についてに関しまして、お答えさせていただきます。
瀬戸内しまなみ海道は平成11年5月1日に全線開通いたしました。開通当初は、基本料金の20%割引となる特別料金が適用され、平成15年7月からは基本料金の28%割引となる新特別料金、また、ETC車限定の5.5%割引などが適用されておりました。合併後の新今治市は、山間部から島嶼部まで広い市域を有することとなりましたが、同じ行政区域内の移動において高い通行料金の負担は、今治市民にとりましては深刻な問題でありました。
この負担を少しでも軽減することは重要な課題と位置づけ、平成17年度からは毎年、市民が利用しやすい料金体系の導入に向けた要望を国土交通省、本四高速株式会社、国会議員初め、関係機関に対しまして、尾道市や関係市議会議長、商工会議所、商工会の皆様と共同で実施してまいりました。その成果といたしまして、平成19年8月からの休日割引、平成20年9月からの休日の50%割引、さらには、平成21年3月からの生活対策を目的とした通勤割引や深夜割引などが実現してまいりました。ただし、これら各種割引制度は、国及び愛媛県を初めとした本四架橋関係10府県市による年間800億円もの出資を前提としたものでありました。
この間も、要望活動は毎年継続してまいりましたが、このような中、料金体系の抜本的な見直しとして、本四高速の建設債務を他の高速道路の収入や債務とあわせて管理していくプール制が導入されました。また、全国の高速道路の料金水準を整理・統一するという方針のもと、基本料金が一般の高速道路と同一水準まで大幅に低減され、平成26年4月から、全国の高速道路と同一の新たな料金体系が実現されることとなりました。今治市といたしましては、従来、受益者負担の考えのもと、本四高速の利用料金だけでは負担できない債務の返済を、全国の高速道路の利用者で背負っていただく形で現行の通行料金が設定された現状からいたしますと、大きな成果であると捉えております。これを受け、平成26年1月に、国土交通省、本四高速株式会社ほか、お世話になった方々を訪問いたしまして、基本料金減額のお礼を申し上げるとともに、諸般の情勢には注視しながらも、これ以降の公式な要望活動については控えているものでございます。
以上でございます。
7:
◯越智 透企画財政部長 黒川議員ご質問の地域交通としての瀬戸内しまなみ海道についてのうち、3番目の地域経済への貢献についてに関しまして、お答えさせていただきます。
生活交通バス路線運行費の助成は、市民の生活の足として必要不可欠な公共交通の維持確保のため、利用者数の減少により運賃収入が運行経費に満たない生活交通バス路線を対象に、欠損額の一部をバス事業者2社に対して支出しているところでございます。瀬戸内海交通株式会社が運行している島嶼部と陸地部を結ぶ急行バス路線の運賃は、1キロメートル当たりの運賃の基準となる単価が、経営努力によりまして、陸地部区間に比べ低く設定された上、それに距離を掛けたものからさらに割引されたものとなっており、また、しまなみ海道の通行料金の加算もございません。この路線は、運行経費以上の運賃収入があることから補助の対象となっておりませんが、この貴重な黒字路線や貸し切りバス等の利益が、他の生活交通路線等の欠損額の補填財源となり、バス路線網の維持にも貢献しているところでございます。
本市といたしましては、市民の皆様に、今後とも公共交通機関であるバスの積極的な利用をお願いするとともに、限られた財源を有効活用するためにも、地域にとってふさわしい、持続可能な公共交通の姿を調査研究し、補助金が効率的で効果的な支援となるよう、補助のあり方についても検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
8:
◯森 京典議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
9:
◯黒川美樹議員 議長。
10:
◯森 京典議長 黒川美樹議員。
11:
◯黒川美樹議員 ご答弁ありがとうございました。
まず、外国人労働者の受け入れについてですけれども、この8年ほどで、今治市内外国人住民は1.5倍、そして技能実習生はほぼ2倍の増加となっています。この勢いですと、今春からの法改正で、その数も加速することも十分考えられます。造船業界もそうですが、本市の基幹産業となるタオル業界でも、今治タオルのブランドは実習生を守ることで守られる、そう自慢できるまちづくりを、官民が一体となり目指していくべきだと思います。しかしながら、国として、労働開国と銘打ったものの、議論を深めず、見切り発車に近い状態で、基準がまだ若干判然としない中、その動向を注視するのはもちろんでございますが、受け入れ自治体としては、住民となる外国人も、地域住民も、皆が安心して過ごせるよう、また労働者だけではなく、インバウンドでの外国人観光客も見込んだソフト面の環境整備、こちらもすぐにでも取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
そして、再質問を続けてさせていただきます。地域交通としての瀬戸内しまなみ海道についての2番目、関係機関への要望と成果についてでございます。ご答弁によると、平成26年1月を最後に要望活動を終了しているようですが、平成26年以降も各議員がしまなみ海道の通行料金値下げの質問を行っており、しばらくの間、それまでと同じようにご答弁では、要望してまいるという旨の
発言が見られましたが、これについてご説明をお願いいたします。
12:
◯一色剛司都市建設部長 黒川議員の再質問につきまして、私からお答えさせていただきます。
ご質問の答弁の時期は、一般の高速道路と同一とする新たな料金体系が導入された平成26年とその翌年の質問かと思われますが、平成26年4月からの新料金制度が始まった当時は、さらなる値下げの可能性を検討していた時期でもあったものと思われます。ただし、本四高速の債務を全国の高速道路利用者に負担していただいている状況等を考慮いたしますと、これまで継続してきた公式の要望活動のこれ以上の成果は、この時点では困難であると判断したものでございます。しかしながら、地域住民の皆様の熱い思いを受ける中、引き続き諸般の情勢の動向には十分に注意を払ってまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
以上でございます。
13:
◯森 京典議長 再質疑、再質問はありませんか。
14:
◯黒川美樹議員 議長。
15:
◯森 京典議長 黒川美樹議員。
16:
◯黒川美樹議員 ご答弁ありがとうございました。
近年の高速道路の料金体系は、政権に左右されてきた経緯もありますし、まだ、値下げの可能性に希望を持ってのご
発言ということで理解いたしましたが、
発言に関しましては、議事録にも残るという点で、誤解の少ないよう、テンプレートでは困りますが、慎重にかつ誠意を持って今後もお答えいただきたいと思います。
さて、続きまして、また質問させていただきます。同じく地域交通としての瀬戸内しまなみ海道についての3番目、地域経済への貢献についてでございます。現在、赤字補填されているのは、例えば島嶼部なら、島内バスといった生活交通バス路線ということで理解いたしました。今回、生活道としてのしまなみ海道について改めて考えたり、また、今回いただいた答弁を聞いて感じていることは、地域公共交通機関の維持だけではなく、積極的な活用がキーポイントになるのではないかということです。しまなみ海道を含む高速道路を車で通行する際、ETCが当たり前になっている現在、交通費を現金で支払わねばならないというのが、1つのハードルにもなっています。1つの例として、ICカード決済の導入を考えるなど、より利便性と収益を高める政策を早急に検討、実施していく必要もあるかと思いますが、例えば、昨年の9月議会で質問させていただいた今治市地域公共交通活性化協議会などで、島嶼部の地域交通についても取り扱われるのでしょうか。お伺いいたします。
17:
◯越智 透企画財政部長 お答えいたします。
ICカードの導入は、市民の利便性向上につながる1つの手段であるとは思いますが、既に導入している事業者の例を見てみますと、イニシャルコスト、ランニングコスト、いずれも莫大な費用が必要でございます。導入の可否を判断するのはバス事業者ではございますが、費用対効果の面で、今治市としても実現は難しいかと思います。また、今治市地域公共交通活性化協議会では、島嶼部を含めました今治市全域を対象としており、まちづくりと一体となった、地域にとってふさわしい、持続可能な公共交通ネットワークの再構築に向けた協議を進めております。
以上でございます。
18:
◯森 京典議長 再質疑、再質問はありませんか。
19:
◯黒川美樹議員 議長。
20:
◯森 京典議長 黒川美樹議員。
21:
◯黒川美樹議員 ご答弁ありがとうございました。
確かにICカードの導入費用は多額になるでしょう。バスの保有台数によっても随分と違うようですが、数千万円ではきかないようです。現在発足している今治市地域公共交通活性化協議会では、島嶼部も含まれ、地域にふさわしい、持続可能な公共交通ネットワークの再構築に向けた協議を進めているとのことで、今後、人口減少、インバウンド、交流人口の増加と見込んだときに、福祉的な側面と、地域経済を循環させる仕組みづくりとなるように、モデル地区なども設定しながら、実施に向け積極的に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
続いて、再質問、1番目の「オール今治」の視点に立った瀬戸内しまなみ海道のあり方についてでございます。地域交通としての瀬戸内しまなみ海道について市の見解をお伺いいたしました。人口減少時代であることは、私も最低限、理解を示すところでございますが、島民全てが各種にぎわいにかかわっているわけではなく、日常生活を普通に送っている人が大半でございます。その中にあって、地域住民が住みやすさを実感しながら心地よく暮らすことが、まちとしての魅力に直結いたしますし、それに寄り添い、サポートするのが行政のあり方ではないでしょうか。例えば、わかりやすい一例として、外国の話で恐縮でございますが、福祉や教育政策が充実していると言われるスウェーデンでは、消費税が25%ですが、教育費は大学まで無料、医療費も18歳以下無料で、
成人の自己負担も抑えられており、介護面も安心して受けられる制度が整っているそうでございます。それを考えると、日本というのは、消費税1つとってみても、社会福祉保障に充てると言われておりますが、明確に国民が、私たちが払った税金がここに生かされているという実感を持っている人がどのくらいいることでしょう。
国の話は大き過ぎると思われるかもしれませんが、小さい地方自治体だって全く同じことが言えると思います。島民にとってしまなみ海道は生活道ですが、通行料金の負担が観光客と同じでも、ほかの面でちゃんと還元されていると実感できるような政策が、例えば施されていれば、もっと納得する部分もふえるのではないか。もしくは、既にあるのであれば、よりわかりやすく丁寧に説明していく必要があるのではないでしょうか。菅市長も、これまで国への働きかけというところで、さまざまなご活動に尽力してくださったことと思います。ありがとうございます。
しかしながら、先ほど申しましたように、合併して14年、島民の思いは余り変わっていないように感じるのです。通行料金は、政権の動向に一喜一憂してきたけれども、生活道として、陸地部と比較したときに、経済的格差につながるほど自己負担が大きいのであれば、自治体が施策を講じる必要もあると思います。過去の一般質問で、今治市では、しまなみ海道をより身近な生活道路として利用できる環境づくりのため、より一層の努力をしてまいるとのご答弁がありました。にぎわいの創出の裏で、毎日この土地に暮らす人々の声に真摯に耳を傾けて生まれたような、例えば、福祉や教育の面などで、島民に限定した施策が現在あるのでしょうか。ありましたらご教示ください。よろしくお願いいたします。
22:
◯越智 透企画財政部長 お答えいたします。
瀬戸内しまなみ海道の通行料金の軽減に向けた取り組み、ごみ処理施設、し尿処理施設の建設、安全・安心な水道水を供給するための水道事業なども、島嶼部の皆様に限定した施策ではなく、島嶼部の皆様を含めた「オール今治」として、そういった観点から展開してまいりました。厳しい財政状況の中、もちろん、できること、できないものがございます。今後も地域の声に真摯に耳を傾け、各種施策を推進してまいります。
以上でございます。
23:
◯森 京典議長 再質疑、再質問はありませんか。
24:
◯黒川美樹議員 議長。
25:
◯森 京典議長 黒川美樹議員。
26:
◯黒川美樹議員 ご答弁ありがとうございました。
「オール今治」、それ1つとってみても、視点がいろいろとあるのだなと、改めて勉強になりました。この広い今治市域において、施策の優先順位を決めていくのは並大抵のことではないと思いますが、そこをあえて生活者の視点で言わせていただきたいと思い、今回質問に起こさせていただきました。
私がいつも持っている思いとしまして、小さな声に耳を傾け、生きづらさを抱え続ける人が減る社会を目指したいというのがあります。先ほど来、いや合併以来申すのには、島嶼部に住む市民にとりまして、しまなみ海道は生活道として機能しているのです。代替のきかない生活道で高速道路料金を日常的に支払うことの負担が大きいことは十二分にご承知の中、また、陸地部でないとできないこともあったりする中で、例えば、学生が部活動で市内の学校との交流に赴く際や、陸地部の塾へ通いたい学生、または妊婦の定期健診、検査が必要な通院時など、これらは一例ですが、通行料金を一部補助するとか、全部が全部と言わなくとも、島嶼部の住民が同じ今治市の市民として、隔たりを少しでも減らすような生活基盤の支援策を具体的に検討していただきたいと強く要望いたしまして、私の本日の質問を終わります。
ありがとうございました。
27:
◯森 京典議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で黒川美樹議員の質疑、質問を終わります。
次に、15番谷口芳史議員。
28: ◯谷口芳史議員 公明党の谷口芳史です。通告に従いまして、質問を行います。
厚生労働省は、2月28日に、全国の乳幼児健診の未受診者や未就園児のうち、昨年、全国で2,936人の子供が目視などによる安全確認ができなかったとの調査結果を発表いたしました。これは、昨年、5歳の女の子が虐待死した痛ましい事件を受けて、全国の自治体が調べていたものです。対象は乳幼児健診未受診者や幼稚園、保育所、小中高校に通っていない子供で、昨年6月時点で自治体が安全を確認できていなかった子供が何と1万5,270人で、調査を進めた結果、2,936人が安全確認できなかったと報告されています。
そこで、お伺いいたします。本市においてもこの調査を行ったと思いますけれども、6月の時点で安全が確認できていなかった子供はいたのでしょうか。そして、その後、どのような調査を行い、また、最終的に安全を確認できなかった子供はいたのでしょうか。お伺いいたします。
また、厚生労働省は、児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づき、2019年度から2022年度までの4年間で、全市町村に子ども家庭総合支援拠点を設置するとし、設置運営に国庫補助金による支援を行うと発表いたしました。この子ども家庭総合支援拠点は、子供が心身ともに健やかに育成されるよう、子供及び妊産婦の福祉に関し、必要な実情の把握に努め、情報の提供を行い、家庭その他からの相談に応じ調査及び指導を行うとともに、その他の必要な支援に係る業務を行うとあります。本市におきましても、この子ども家庭総合支援拠点を、遅くとも2022年度までには設置しなければなりませんが、今後どのように進めていくのか、お考えをお聞かせください。
さて、両親とも働いている共働き家庭やひとり親家庭にとって、保育所での延長保育、休日保育、一時預かりや小学校の放課後児童クラブなどは、子供の昼間の居場所づくりとして、大事な支援となっております。しかしながら、他市などで問題になってきているのが、保育所を卒園してから小学校に入学するまでの間でその支援を受けられないという問題です。卒園後は預かることができなかったり、入学後まで放課後児童クラブなどに入ることができなかったりして、その間2週間ぐらいが、子供が昼間1人になるのです。祖父母が近くにいれば、預けることもできますが、そうでなければ、その間の仕事は休まなければいけません。本市での実態はどのようになっているのかお聞かせください。
次に、ひとり親家庭などへの相談事業についてです。ひとり親家庭の場合、昼間には仕事で働いており、正規の雇用ではないために変則的な時間帯での仕事の人も多く、また、本人や子供の病気などで金銭的な問題に陥ったりすることもあるようです。私のところに相談に来た人でも、もう少し早目に相談してくれていればという方もおり、それまで相談できる人がいなかったとか、どこに相談すればよいのかわからなかった、また、相談に来る時間がなかったということを早く相談に来られなかった理由として言っております。本市の相談の窓口としては子育て支援課などがあり、そこにスタッフも配置されております。しかしながら、先ほどの、仕事の都合などで市役所などに来れる時間も少ない、また、市役所には行きづらいという人もいます。最近では、SNSなどを利用した相談窓口を実施しているところもあり、またスマートフォンのアプリで、子育て全般の情報提供、また相談などを行っているところもあります。本市も、もう少し気軽に、またいつでも相談ができる体制を考えるべきと思いますが、お考えをお聞かせください。
さて、この冬もインフルエンザが猛威を振るい、2回以上インフルエンザにかかった人もいるようです。最近はおさまりかけてはいますが、まだまだ油断はできません。特に、今が受験期である中学校3年生、高校3年生に関しては、インフルエンザにかかることは、勉学の妨げになるばかりか、受験当日に当たれば一生を左右することにもなりかねません。当然のことながら、予防接種は受けておくべきと思いますが、自分は大丈夫と思っているのか、金銭的な問題なのか、予防接種を受けていない生徒もいるように見受けられます。他市ではこれらの受験期の生徒に対して、予防接種の費用の補助を出しているところもあるようです。高齢者に対しては、インフルエンザにかかることが命にかかわることもあると思いますけれども、1回の接種で1,000円の負担としております。未来のある子供たちが、生涯の大事なこのときを棒に振ることがないように、また、この時期の子供たちへのインフルエンザ予防接種を受けやすい環境にするためにも、接種に対しての助成を検討すべきと思いますが、お考えをお聞かせください。
最近、SNSなどを使っての、いじめや自殺相談を行っている自治体が全国に広がっております。これまでは、電話による相談が主でしたが、今どきの子供たちは、電話を使わずにラインなどのSNSをコミュニケーションの手段としていることもあり、SNSなどを利用して相談の受け付けなどを行うことで、気軽に相談できる環境をつくり、また、それによって大事な命を救える機会がふえると言えます。文部科学省のSNS等を活用した相談事業の結果報告では、電話による相談件数の約26倍もの相談件数があったとの報告もあります。政府も事業を行う自治体に対しての補助の予算を組んでいるようであります。愛媛県でも導入を検討しているようでありますが、本市におきましても導入された際の体制などを検討すべきと思いますが、お考えをお聞かせください。
以上です。
29:
◯森 京典議長 答弁を求めます。
30:
◯菅 良二市長 谷口議員ご質問の子供の虐待防止についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
本市におきましては、「みんなで育つ・育てるあした(次世代)のいまばりへ」を基本理念に、子供の健やかな育ちを支えるとともに、市民一人一人の希望がかなえられる社会を実現していくため、日々さまざまな子育て支援に取り組んでおります。児童虐待に関するニュースが連日のように報道され、それを耳にするたびに胸が張り裂ける思いであるのは、皆様方も同じだと思います。保護者の身勝手な行動によって被害を受けるのは、いつも弱い立場の子供たちです。保護者の責任は言うまでもありませんが、子供たちを虐待から救い出し、命を守ることは、何よりも優先されることであり、行政や地域など、周りの大人に課せられた重要な責任であります。
広報いまばり3月号をもうごらんいただいたと思います。表紙がちょっと変わっております。「i.i.imabari!(アイアイイマバリ)」のロゴであります。その10ページ目をもうごらんいただいたかと思います。「こんにちは市長です」、毎月、思いの一端、また、こういったイベントを今治市ではやってきた、その感想等々を述べさせていただいておりますが、今回取り上げたのは、あの千葉県野田市の小学校4年生女子児童の、本当に気の毒な虐待であります。前半はそのことを、そして私が随分昔に見た「鬼畜」という映画、あの事件を見て鮮烈な記憶を思い起こしました。そのことも率直に書かせていただきました。そして、最後、これが大事なんですが、親子のきずな、私たちはついつい、親子といえば子供、もちろんそれもとても大事。一方で親、我々から見ると親が、今、どういう状況にあるかといったことも、あわせて考えなければならない。子育てが済んだ。やれやれ、今度は親の介護。でも、やっぱり私たち、親への熱い思いといったものは忘れないようにしましょうねという思いを今回書かせていただいております。親子のきずなとは、そういった非常に意味のあるものでもあります。
子供の虐待を防止するためには、関係機関や地域との連携をより密接に行い、虐待の早期発見、虐待情報への迅速・的確な対応が必要であります。そして、子供の安全・安心を第一に考えながら、子育てをしている世帯の気持ちに寄り添った支援を進め、子供たちの笑顔と元気な声があふれる今治市を守っていかなければなりません。
さて、ご質問の子供の安全確認についてでございますが、本市におきましては、保健師による乳幼児健診や主任児童委員による赤ちゃん訪問などにおいて、子供の安全を確認しております。面談がかなわなかった場合でも、他のさまざまな機会を通して確認しているところでございます。昨年6月時点において、2名の子供の確認ができておりませんでしたが、現地調査の実施及び入国管理局への照会により、出国中であることを確認し、本市におきましては、全ての子供について確認ができております。したがいまして、厚生労働省が発表した、全国で安全確認ができなかった子供の数の中に、今治市は含まれておりません。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますが、その前に、先ほどご質問がありました、島嶼部地域といったことに限定したお話でありましたが、企画財政部長からお話がありました。その中に含まれているんですが、一言だけつけ加えさせていただきますと、私たちが市民生活をしていくに当たって、一番大切なのは、やっぱり命の水、それから、必ず出るごみ処理、し尿処理、この大きな3つの眼目が、企画財政部長の答弁のとおり行われております。具体的に申し上げます。海水淡水化装置でご苦労が絶えなかった関前地域の岡村、小大下につきましては、中村知事、それから広島県の湯崎知事、呉市長のご理解をいただいて、あのような形で呉市からの通水が可能になり、安全な方向づけができております。一方で、吉海町におきましても、あの台ダムの建設当時は5町でやる、そういう思いでありましたが、簡易水道の起債、借金が多いといったことで、やむなく吉海町が後になりました。しかし、合併後、おかげさまで、あの土地改良区、それぞれの皆さんのご理解をいただいて、今、しまなみ送水が完成しております。できてしまえば当たり前のように思ってしまうのが人間でありますが、そういったことに思いをいたして、本当に感謝の気持ちで、毎日おいしく水をいただいてほしい。そんなことも強く感じましたので、一言つけ加えさせていただきます。
31: ◯石丸 司健康福祉部長 谷口議員ご質問のうち、子育て支援についてお答えさせていただきます。
ご質問の1番目、子ども家庭総合支援拠点の設置についてでございます。厚生労働省の連絡会議におきまして、虐待防止に係る市町村の相談体制や専門性の強化を進めるため、支援が必要な家庭からの相談対応や必要な調査訪問等による継続的な支援を行う子ども家庭総合支援拠点を、2022年度までに全国の市町村に設置する方針が示されたところです。現在、本市における虐待防止への対応は、子育て支援課内にこども家庭相談室を設置し、相談員を配置しておりますが、今後、国から示された設置基準に従いまして、関係各課とも連携を図りながら、順次体制を整えてまいりたいと考えております。
2番目のご質問、保育所などから小学校への進学時の支援のギャップ(隙間)についてでございます。今治市内の保育所などにおける、卒園
式後の保育につきましては、3月末日まで保育を実施しているところでございます。それから、放課後児童クラブにつきましても、保育所などとの連続性を考慮いたしまして、新1年生についても、4月1日から受け入れてございます。今後も支援のすき間が発生しないように、関係機関への指導を進めてまいります。
3番目のご質問、ひとり親家庭相談事業については、現在、子育て支援課のこども家庭相談室に相談員を配置して対応しております。電話相談だけで解決する事案もございますが、複合的な相談となることが多く、できるだけ直接お会いしてご相談を受けることが大切であると考えております。また、閉庁時であっても、できる限り相談者の都合のよい時間を設定し、対応しているところでございます。議員ご
発言の、もう少し気軽に、また、いつでも相談ができるような体制につきましては、相談者の利便性に配慮した利用方法について、さらに検討を進めてまいりたいと存じます。
4番目のご質問、中学校3年生、高校3年生へのインフルエンザ予防接種の補助についてでございますが、受験生へのインフルエンザ予防接種に対する公費助成につきましては、今後の国の動向や先行している他市の状況などを慎重に見きわめ、検討する必要があるものと考えております。
以上でございます。
32: ◯八木良二教育長 谷口議員ご質問のいじめ、自殺相談についてのSNSなどを使った子供の相談事業についてに関しまして、お答えさせていただきます。
SNSなどを使った子供の相談事業につきましては、平成29年9月に、長野県にて、無料通信アプリ、ラインを利用した相談活動が全国で初めて実施されました。文部科学省でもその効果を検証し、平成29年度に、原則、都道府県や政令指定都市を対象とした補助金制度が設けられました。その後、都道府県や政令指定都市を中心に、全国の自治体にも順次広がりつつあると報道されております。先進事例によりますと、SNSは子供のコミュニケーション手段の中心となってきており、相談内容を周囲に聞かれず、場所を選ぶ必要もなく、気軽に相談が可能なことから、電話等に比べると多くの相談が寄せられております。また、電話では拾い上げることができにくかったSOSを見逃さず、速やかに対応できるなど、子供たちの相談事業へのハードルを下げる効果が期待できると報告されております。しかしながら、SNSを使った相談は、電話相談とは異なる課題が考えられますことから、今後、先進事例も参考にしながら研究してまいりたいと存じます。
以上でございます。
33:
◯森 京典議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
34: ◯谷口芳史議員 議長。
35:
◯森 京典議長 谷口芳史議員。
36: ◯谷口芳史議員 子供の安全確認、それと進学時の支援のギャップについては、今治市では、他市のようなことがありませんでしたので、今後もこのような問題が起こらないようにしっかりとお願いいたします。
インフルエンザ予防接種の補助についてですけれども、他市では1人1,000円助成しているところもあるようです。本市だと約2,800人の子供に1人1,000円です。全学年ではなく、全子供でもありません。大事な子供たちの大事な時期に対しての助成ですので、次のシーズンのときには、何とか導入の検討をお願いいたします。
SNSなどを使った子供の相談事業、また、先ほどもちょっとだけ上げましたけれども、ひとり親等への相談事業ですけれども、SNSというのは、敏感に、また速やかに相談がぱっとできるという利点があります。子供もそうですけれども、親御さん等々でも忙しい方々、もっともっと気楽に相談を受けていただきたいという意味で、このSNS等を使っての相談事業を立ち上げていただきたいと。愛媛県などの広域なエリアでは、地域の実情に合ったきめ細かな対応などができにくい、このように思いますし、また、本当はしっかりと面談して相談を受けるということが大切と思いますので、それでも、まず一番最初に、敏感に、速やかに相談を受けるということの意味で、SNSの導入、親に対してもですけれども、子供に対しても導入を検討していただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
37:
◯森 京典議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で谷口芳史議員の質疑、質問を終わります。
次に、9番野間有造議員。
38: ◯野間有造議員 それでは、通告に従いまして、2月7日に菅市長出席のもと開催されましたスポーツ振興特別委員会にて表明された今治市営スポーツパークの施設整備方針について質問させていただきます。
広さ約4.8ヘクタール、土地取得に12億400万円を要した当該用地に関しては、平成26年12月議会において、今治市営スポーツパークの残りの施設整備に関しては、陸上競技場とサッカーコート、サブのサッカーコート整備を基本に今後検討してくださいと、新都市開発整備特別委員会委員の総意として、委員長報告がなされておりますのはご案内のとおりでございます。また、陸上競技団体と株式会社今治.夢スポーツ双方からも、それぞれ要望書が出されておりました。表明されました方針は、今治市営スポーツパーク用地をサッカー専用スタジアム整備のために無償で貸与し、陸上競技場については、別の場所での整備を今後検討するとのこと。
そこで、お尋ねいたします。陸上競技場兼サッカー場ではなく、サッカー専用スタジアムでなければならない合理的な理由をお聞かせください。
次に、土地の無償貸与についてお伺いいたします。「地方公共団体の財産は、条例又は議会の議決による場合でなければ、これを交換し、支払い手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けてはならない」、「地方公共団体の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて最も効率的に、これを運用しなければならない」と地方財政法第8条や地方自治法第237条にも記されているように、原則として、財産を適切に管理し、財産価値の最大化を図る努力をするのが当然の行為と考えます。このたびの今治市営スポーツパーク用地においては、土地を所有する者、その土地を使用したい者とで交わされる契約として、土地を無償で貸与、土地を有償で貸し付け、土地を無償で譲渡、土地を有償で売却、そして公民連携の新しいモデルとして注目されているガンバ大阪のホームフィールド、吹田サッカースタジアムがある吹田市が行った、いわゆる吹田方式というスキームと、少なくとも5つの
選択肢が考えられますが、その中の無償で貸与という
選択の妥当性をお示しください。
Jリーグは、昨年12月12日、スタジアム整備において、一定の条件下で猶予期間を認めるなどの、Jリーグクラブライセンス制度にかかわるスタジアム基準の改定を行いました。この改定によりまして、ライセンス取得の期間が大幅に短縮され、施設整備については、猶予を持って臨めることとなりました。具体的には、ライセンス申請時に工事に着工しており3年以内に施設が完成可能であれば、上位ライセンス取得が可能、さらに、整備するスタジアムが、Jリーグの掲げる理想的なスタジアムであれば、5年の猶予を認め、上位のライセンスが取得可能となりました。
このたびの方針は、外形的には、12月5日に株式会社今治.夢スポーツが提出した要望書を機に協議、検討し、わずか2カ月後の2月7日に方針の表明であります。先ほどの特例で、施設整備における猶予期間が認められるようになったことなどを考えますと、もう少し時間をかけて庁内協議を行ってもよかったのではないかと個人的には思っております。Jリーグは通常、6月にライセンス申請の受け付けをし、9月に翌年のライセンスを交付しますが、今治市はどのようなスケジュール感を持って2月の方針表明に至ったのか、お考えをお聞かせください。
最後に、無償貸与の検討をされている土地の60%は、現在、FC今治がホームゲーム開催時に約800台分の駐車スペースとして利用し、残りの40%、約500台分のスペースは、今治市営スポーツパーク内のテニスコート及びサッカー場利用者専用臨時駐車場として利用されております。合計約1,300台分の駐車スペースでございます。この場所に新たに収容人数1万人以上のスタジアムが建設されますと、1,300台分の駐車スペースが消失する反面、今まで以上の駐車スペースが必要になると思われますが、誰がどのように駐車スペースを確保し整備をするのか、また、別の場所での整備を検討される陸上競技場において、新たに用地を取得しなくても済むような適地はあるのかなど懸念材料はございますが、今治市において、スポーツパーク用地を民間企業に無償で貸与し、サッカー専用スタジアムが建設されることにより発生する新たな公費負担をどの程度予見されているのか、お尋ねいたします。
以上で質問を終わります。ご答弁のほど、よろしくお願いいたします。
39:
◯森 京典議長 答弁を求めます。
40:
◯菅 良二市長 野間議員ご質問の今治市営スポーツパークの施設整備方針についてのうち、1番目、サッカー専用スタジアムの整備についてと3番目、方針決定の時期についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
昨年12月、FC今治を運営する株式会社今治.夢スポーツの岡田武史会長から、今治市営スポーツパークを候補地として、サッカー専用スタジアムを民間資金を活用して整備するため、用地の貸与の要望がございました。今治市営スポーツパークにおきましては、過去に、愛媛FCのホームスタジアムの議論がございました。8年前でございますが、当時も、陸上競技場兼サッカー場ではなく、臨場感や集客力を考え、サッカー専用スタジアムの整備についての議論が進みました。私も、愛知県での愛媛県人会を活用させてもらいまして、豊田市の専用スタジアム、一方で、皆様ご存じの瑞穂公園陸上競技場、いわゆる陸上競技場の中でサッカーができる、そういった2つを、しっかりご説明いただきながら視察させていただいた経緯もございます。しかし結果的に、肝心の松山市周辺のサポーターは、愛媛FCの移転といったものにはかなり冷ややかでありましたこと、それから、整備費、維持管理費、この大きな負担を私どもがするとなったら大変です。そういったことから、平成25年、最終的に愛媛FCの今治市への移転計画は断念させていただきました。サッカー専用スタジアム、陸上競技場兼サッカー場のいずれにしましても、今治市が公共施設として整備する場合は、多額の投資に加え、長期にわたる管理コスト、これが後々の世代に負担をかけてしまいます。そのことにも留意しなければなりません。
今回、その当時と異なっておりますのは、本市をホームタウンとするFC今治がJリーグの頂点を目指して活躍していること、そして、整備費や維持管理費を民間で負担するという提案がなされていることであります。何より、FC今治のスタジアム構想は、サッカーの興行にとどまらず、教育プログラムや健康プログラム、野外体験教育等を提供し、さらには、防災拠点機能といった公共性もあわせ持っております。市民の皆様の健康増進と安全・安心にも貢献するものと考えております。
新都市第1地区には既にイオンモール今治新都市が開業し、続いて、日本食研ホールディングス株式会社の宮殿工場の建設も始まっております。これができますと、産業観光としての役割も大きい。もちろん雇用も期待されます。早稲田大学が行ったアンケート調査によりますと、愛媛県外からの入場者が増加しており、今治市内商業施設や宿泊施設、観光施設との相乗効果による経済波及効果も期待されます。FC今治は、JFLトップの入場者、1試合平均3,081人、スタジアム集客率も、トップの約61%を誇っております。集客力の高い、新たなサッカー専用スタジアムが建設されれば、新都市第1地区におけるにぎわいと交流の創出拠点の柱の1つになるものと考えております。実際にアンケート調査でも、スタジアムに足を運ぶ動機として、クラブが地域に貢献していると回答した割合が増加しており、FC今治としても、スポーツ、健康、教育をキーワードに、地域貢献にさらに力を入れる考えを持たれております。今治市内を代表する企業を初め、スポンサー件数が約280社と、産業界からも大きなバックアップを得て、このように地域で愛されるFC今治であるからこそ、きっとスタジアム構想が実現できると考えた次第でございます。
このようなことから、今治市営スポーツパーク用地の無償貸与を前提に、FC今治が行うサッカー専用スタジアムの整備を基本として検討していく方針を、先般のスポーツ振興特別委員会において表明したものでございます。
次に、方針決定の時期についてでございます。ライセンス取得の猶予期間の適用は、基準を満たすスタジアムを既に着工しているか、もしくは具体的な整備計画を示すことが前提条件にあります。正式に判断するための具体的な計画を今治市に提供いただくためにも、現段階での方針を表明したものでございます。今後、魅力あるスタジアムの実現に向けて、建設、運営主体の経営基盤、事業計画、資金計画等、具体的な情報をできるだけ早く議会にお示しし、ご判断いただきたいと考えております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いします。
41:
◯越智 透企画財政部長 野間議員ご質問の今治市営スポーツパークの施設整備方針についてのうち、2番目の土地の無償貸与についてと4番目の新たな公費負担についてに関しまして、お答えさせていただきます。
まず、土地の無償貸与につきましては、議員ご
発言の吹田方式は今後の検討課題とする中で、現段階では、先ほど市長答弁にありましたように、十分に公益性があり無償と考え、また、今回のスタジアム用地は今治市営スポーツパーク用地の一部であり、今治市営スポーツパーク全体の施設管理をしていく上で貸与するということを考えたものでございます。
次に、新たな公費負担についてでございます。サッカー専用スタジアムになった場合の駐車場につきましては、今治市営スポーツパーク内の他施設利用者の利便性を確保した上で、高橋ふれあいの丘の市有地3区画、約1,300台を駐車できる土地をお貸しすることになろうかと思います。また、周辺のFC今治スポンサー企業の駐車場や、シャトルバスの活用なども考えているものと想定しておりますので、現段階で新たな公費負担は考えておりません。
一方、今治市陸上競技協会からは、同じく今治市営スポーツパークにおいて、全天候型多目的総合グラウンド整備の要望がございます。まずは、陸上競技の人材育成や将来構想など、陸上競技団体の考え方をしっかりと聞かせていただき、今後、場所や規模、財源など、具体的に検討してまいりたいと考えております。今後とも、さまざまな検討課題があろうかと思いますが、議会と相談しながら取り組む所存でございますので、ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
42:
◯森 京典議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
43: ◯野間有造議員 議長。
44:
◯森 京典議長 野間有造議員。
45: ◯野間有造議員 2月20日の臨時議会において、特別委員会の委員の構成も変わりましたので、本日、反すうの意味も含めまして質問させていただきました。ご答弁の中にも現段階での方針と述べられておりましたが、まさに議論が始まったばかり。今回の方針も、議論をスタートするための呼び水的な第一手を指されたと私は認識しております。記憶では、今までスポーツ振興特別委員会に提出された資料には、株式会社今治.夢スポーツが提出した要望書と、デロイトトーマツコンサルティング合同会社がスポーツ庁に提出予定の報告書の概要の2種類と記憶しております。
政府も、スポーツビジネス、スタジアム・アリーナビジネスを成長戦略の1つとして位置づけてはいますけれども、まだまだ、やはり国内においてのスタジアムビジネスは課題が多いように感じてもおります。
ご答弁にもありましたが、今後さらに事業計画、また資金計画、そしてまた公益性の是非、費用対効果もろもろ、やはりわかった時点で、活発な協議の土台となるように、積極的にスポーツ振興特別委員会にご提示願いたいと改めて要望させていただきますとともに、スポーツ振興特別委員会での活発な議論が行われますことを期待申し上げまして、私からの質問を終わります。
どうもありがとうございました。
46:
◯森 京典議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で野間有造議員の質疑、質問を終わります。
以上で通告による質疑、質問は終わりました。
これをもって、議題に対する質疑及び一般質問を終結いたします。
次に、日程3、付議事件番号1、議案第12号「平成31年度今治市一般会計予算」ないし付議事件番号45、陳情第5号「ライドシェアの導入について慎重に検討し、安全かつ安心なタクシー事業の活性化に必要な諸施策を求める意見書提出の要望について」、以上45件の委員会付託を行います。
以上45件は、お手元に配付の委員会付託表のとおり、それぞれの委員会に付託いたしたいと思います。付託事項についてご異議ありませんか。
( 「異議なし」と言う )
ご異議なしと認めます。
よって、委員会付託表のとおり、それぞれの委員会に付託いたします。
次に、日程4、付議事件番号46、議案第56号「教育委員会委員の任命について」を議題といたします。
当局から提案理由の説明を求めます。
47:
◯菅 良二市長 ただいま提案いたしました追加議案につきまして、ご説明申し上げます。
議案第56号「教育委員会委員の任命について」でございます。教育委員会委員4名のうち、藤井信子委員の任期が平成31年3月26日をもって満了いたします。後任に、仁志川由香里氏を議会の同意を得て任命いたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
以上です。
48:
◯森 京典議長 以上で当局の説明は終わりました。
これより議題に対する質疑に入ります。
質疑の通告がありませんので、これをもって質疑を終結いたします。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております議案第56号については、委員会付託を省略したいと思います。これにご異議ありませんか。
( 「異議なし」と言う )
ご異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
これより討論に入ります。
討論の通告がありませんので、これにて討論を終結いたします。
これより、番号46、議案第56号「教育委員会委員の任命について」を採決いたします。
本件は原案に同意することに賛成の議員の起立を求めます。
( 賛成者起立 )
起立全員と認めます。よって、議案第56号は原案に同意することに決定いたしました。
3月28日、定刻から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午前11時44分 散 会
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