今治市職員の障害者雇用の状況についてお伺いいたします。障害者雇用率の算定により、平成30年度は17名不足とありました。今回、広報いまばり11月号で、若干名募集とありましたが、現在の障害者の雇用状況をお聞かせください。障害者にとっても、誰もが働きやすい職場としての見本となるような今治市役所であってほしいと願っております。
4点目の質問は、子供の医療費助成制度についてお伺いいたします。
医療費助成の拡大については、どのようにお考えでしょうか。現在、愛媛県下で、子供の医療費助成で、通院も無料になっていないのは、松山市と今治市だけになっています。松山市の野志
市長は、11月18日の
市長選挙で、松山市で通院も中学校卒業まで無料にしていくと
発言されています。都市間での差が大きく、医療費無料化をしている西条市や松山市に人口が流出してしまうのではないかと思われます。
私も、たびたび、通院医療費の無料化をお願いしてまいりましたが、松山市のような、今治市の倍以上の人口を抱える自治体での医療費無料化が実現すると、今治市だけが取り残されてしまう結果となりますが、それでもまだ、医療費助成拡大について、今治市で実現は不可能でしょうか。お聞かせください。
5点目の質問は、下水道使用料についてお伺いいたします。
下水道使用料の今後の見通しについてお聞かせください。下水道使用料は、水道料金と一緒に2カ月ごとに請求されています。平成31年6月検針分から水道料金が改定されようとしています。下水道使用料は、今後どのようになるのか教えてください。生活が厳しい中、次々と値上げされることのないようお願いいたします。
6点目の質問は、学校法人加計学園についてお伺いいたします。
平成30年10月7日の理事長の記者会見について、
市長のお考えをお聞かせください。愛媛県議会は学校法人加計学園に説明責任を果たすことを求める決議を行い、愛媛県民も補助金支出にかかわる問題として加計学園理事長からの説明責任に注目する中で、10月7日、今治市で記者会見を行いました。2015年2月25日の安倍首相との面会について、「覚えていない」、「記憶にない」、また「愛媛県
文書も読んでいない」と答えています。「加計学園の渡邉良人事務局長が勇み足で事を前に進めるために」とか、「ふと思いついた」とか言っていますが、最初から、首相との面会を報告する予定になっていたから、愛媛県当局に、打ち合わせを申請しています。今回、愛媛県に対する知事の見解は、周知のとおりであります。同じく、協力・協同の関係にある今治
市長として、どのような見解を持たれたのか、お聞かせいただければと思います。
以上で質問を終わります。
3:
◯越智 豊議長 答弁を求めます。
4:
◯菅 良二
市長 おはようございます。
トップバッター、松田澄子議員ご質問の学校法人加計学園についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
岡山理科大学獣医学部におきましては、熱心な教職員、情熱あふれる学生たちが積極的に地域との交流を進めているところであります。ご承知のように、今月2日には、開学後初となる大学祭「第1回ゆめいこい祭」が開催されました。ご家族連れを中心に、予想をはるかに超える約1万人もの市民の皆さんの来場があり、応援をいただいた協賛企業・団体79社、それから各種企業・団体による模擬店の出店、市民によるステージイベントなど、大変な盛り上がりでありました。こんなにもたくさんの市民が、この今治市に大学ができて本当によかったと、そして、いかに大学誘致を熱望していたかを身にしみて感じることができました。市民の皆様に、大学を身近に感じていただけましたことは、大変意義深いことであると思っております。そして、学生たちにとりましても、獣医学部ならではの、骨格標本の展示や、動物ふれあい体験などを通じ、大勢の市民の皆様と交流を深めることができました。今後の彼らの地域交流活動において、大きな力になるものと思います。既に、有害鳥獣対策など、学生と地域住民との協働による、地域の課題解決に向けた取り組みも始まっているところでありますが、このたびの大学祭で出会った人や企業とのきずなによって、今後さらに交流が深まり、地域に大きく貢献されるものと強く期待しております。そして、5年後には、1,000人を超える学生が活躍する姿を見ることができます。さらに多くの市民の皆様から、大学誘致を決断したことを評価していただけるものと確信いたしております。
また、このたび、大学祭に合わせて、本市と岡山理科大学との包括連携協定、並びに本市と愛媛県獣医師会、岡山理科大学獣医学部との災害協定の締結式を行いました。災害時におけるペットとの避難が全国的な課題となる中、行政、大学、獣医師会の3者による災害協定は全国初の取り組みとなります。「ペットは家族の一員である」とのキーワードをもとに、災害時には、避難者がペットと同行避難できる避難所を大学施設に設け、飼い主がケージ等を持参いただければ、ペットと一緒の空間で過ごすことができます。愛媛県獣医師会には、負傷した動物の応急手当や、被災動物の保護などを、そして、大学には、学生・教職員に被災者の救助活動などをご協力いただくものでございます。7月の豪雨災害では、炎天下のもと、学生や教職員の皆さんが、ほぼ連日のように、災害ボランティアに従事していただきました。こうした連帯感、団結心が、予期せぬ災害時の自助、共助に生かされるものと考えており、このたびの大学、愛媛県獣医師会との連携・協力によって、さらなる防災体制の強化につなげてまいります。
さて、ご質問の理事長の記者会見についてでございますが、学園の信頼回復のためにも、理事長がメッセージを発信できたことは評価しております。学園におかれまして、コンプライアンスの徹底、ガバナンスの強化等、しっかりと体制を整えられるものと考えております。40年来の宿願でありました大学が、この今治市にようやく誕生いたしました。今、私どもがすべきことは、岡山理科大学獣医学部、今治明徳短期大学、今治看護専門学校、国立波方海上技術短期大学校、いわゆる高等教育機関と地域がともに発展できるよう、しっかりと前を向いて進んでいくことであると考えております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
5:
◯林 秀樹教育委員会事務局長 松田澄子議員ご質問の小中学校へのエアコン設置についての、体育館へのエアコン設置についてお答えいたします。
公立学校施設へのエアコン設置に関しまして、11月1日の衆議院予算委員会におきまして、柴山文部科学大臣から、「補正予算につきましては、最も児童が長時間を過ごす普通教室への設置を最優先としております。その上で体育館等への空調設置については、執行状況を勘案しつつ、各自治体からの要望も踏まえながら、状況を見きわめて対応していきたい」との答弁もございましたので、本市といたしましても引き続き、国の動向を注視してまいりたいと考えております。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
以上でございます。
6:
◯一色剛司都市建設部長 松田澄子議員ご質問の通学路におけるブロック塀についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
まず1番目、ブロック塀の安全確認についてでございますが、大阪府北部地震で、ブロック塀の倒壊により犠牲者が出たことを受けまして、各学校、保護者、また地域の皆様を通じて、通学路で倒壊の危険性があるブロック塀の把握を行ってまいりました。そして、当該ブロック塀の所有者には対応を求めるとともに、地域の見守り隊や、児童生徒及び保護者の皆様には、これら危険箇所の周知を迅速に行うことで、通学路の安全確認に努めているところでございます。
次に2番目、ブロック塀の安全対策についてでございますが、こうした倒壊の危険性があるブロック塀の所有者に対しましては、現地確認、調査を実施するとともに、安全対策の必要性を説明し、ブロック塀の維持管理方法についての指導を行っているところでございます。
本市では、ブロック塀の撤去、改修に対する補助金につきましては、現在のところ考えておりませんが、所有者の方々にはご理解もいただき、撤去、改修のご協力をいただいている事例もございます。
また、昨日の報道では、国も来年度からの補助拡充を検討しているようでございますが、その詳細は確定しておりませんので、今後、国の動向も十分注視してまいりたいと考えております。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
7:
◯矢野隆治総務部長 松田澄子議員ご質問の障害者雇用についてに関しましてお答えいたします。
ご質問の、今治市職員の障害者雇用の状況についてでございますが、広報いまばり11月号で、障害のある方を対象としまして、一般事務初級の正規職員を若干名募集し、現在、一次試験を終えたところでございます。また同様に、障害のある方を対象とした臨時職員の募集も行っております。このほか、障害のあるアルバイト職員・パート職員につきましても、ハローワークでの募集や就職説明会、今治市のホームページなどを活用して、随時募集を行っているところでございます。この結果、障害者雇用数で17名不足と、本年8月末に記者発表して以降、現時点で、障害のあるアルバイト職員は2名雇用しており、さらに2名の雇用を予定しているところでございます。今後とも、ハローワークや障害者就業・生活支援センターなどの関係機関と連携しながら、雇用率の達成はもちろんのこと、共生社会の実現に向け、より一層、障害のある方の雇用に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
8:
◯片山 司市民環境部長 松田澄子議員ご質問の子供の医療費助成制度についてお答えいたします。
9月議会でも答弁させていただきましたように、通院医療費助成を中学校卒業まで拡大した場合に必要となる経費につきましては、子供の医療費助成が地方単独事業であるため、全額今治市の一般財源を充てていくことになります。また、就学児以上の医療費を現物給付方式で助成した場合には、国民健康保険の国庫負担減額
調整措置、いわゆるペナルティーが引き続き適用されます。中学生までの医療費無料化は、毎年の支出が積み重なっていくことから、長期的な財政負担も考えておかなければなりません。本市では、小児科医の高齢化などにより小児科医院の閉院や休診など厳しい状況にあります。通院医療費の助成拡大は、地域医療への影響も考慮に入れて、引き続き、慎重に検討を続けていく必要があると考えておりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。
9:
◯阿部正志上下水道部長 松田澄子議員の下水道使用料の今後の見通しについてのご質問にお答えいたします。
今議会にて水道料金を改定する条例案を提出させていただいておりますが、水道料金と同時に徴収しております下水道使用料につきましては、平成26年度の消費税率の改定時を除きますと、平成25年10月に改定して以来、据え置いております。しかしながら、決算の状況を見てみますと、公共下水道事業会計、小規模下水道特別会計ともに、汚水処理原価を使用料で全額は賄うことができておらず、不足分に対して一般会計からの補助金で補っている状況となっております。現在、管理経費や将来の施設の更新費用の縮減を図るため、処理場の統廃合を順次推進しているところでございますが、下水道使用料につきましても検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
10:
◯越智 豊議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
11:
◯松田澄子議員 議長。
12:
◯越智 豊議長 松田澄子議員。
13:
◯松田澄子議員 6点目の質問の再質問ですが、加計学園への補助金の見直しに対して、市民からの声もありますが、どのようにお考えでしょうか。今治市は、この夏、大きな災害もありました。住みよいまちづくりのために、市民の大切な税金を使っていただきたいと思います。これ以上、財政が厳しくならないようにお願いいたします。
14:
◯越智 透企画財政部長 お答えいたします。
補助金は、今治市大学立地事業費補助金交付要綱において、事業目的に沿ったものであり、要綱に抵触するものではございません。また、学部設置認可に影響がないことは、文部科学大臣がご
発言しておりますので、補助金を見直す考えはございません。
以上でございます。
15:
◯越智 豊議長 再質問はありませんか。
16:
◯松田澄子議員 議長。
17:
◯越智 豊議長 松田澄子議員。
18:
◯松田澄子議員 小中学校のエアコン設置、ブロック塀の安全対策などの災害対策、子育て支援の医療費助成の充実など、命を最優先に、早急に取り組んでいただきたいと要望し、質問を終わります。ありがとうございました。
19:
◯越智 豊議長 再質問なしと認めます。
以上で松田澄子議員の質問を終わります。
次に、1番丹下大輔議員。
20:
◯丹下大輔議員 おはようございます。議席番号1番、権輿会の丹下大輔でございます。
本日は、通告に従いまして、AI、すなわち人工知能についてお尋ねいたします。
AIを初めとする最先端技術は、全世界に第4次産業革命を席巻し、空前のパラダイムシフトの大転換で、我々の生活環境は劇的に変容しています。また、AIに関する新聞やテレビ報道は活況を呈しておりますが、先週12月7日付の各社新聞朝刊でも、AIが、囲碁、将棋、チェスを制覇との記事が報じられました。かつて、囲碁では、AIソフト「アルファ碁」が、世界トップ棋士を60戦無敗の成績で破ったことはご承知のことと存じますが、今般は、最新ソフト「アルファゼロ」が、独学で3大対局を制し、AI技術の急速な進歩を裏づける根拠として、我々に衝撃を与えました。今やこれらの技術は、医療・介護の現場や金融業界を初め、自動運転の自動車開発などに応用され、社会的課題解決の
ツールとして実用化されており、政府も、AI、ビッグデータ、IoTの活用を推進し、2020年に、30兆円規模の関連市場の付加価値創出を目指すとしております。
他方、AIは、我々が生活を営む環境の中で、身近に存在しています。例えば、音声認識のシリや、自然言語処理を搭載したスマートフォンの普及、インターネット
検索エンジングーグル、お掃除ロボットルンバ、人間的感情を認識するロボットペッパーなど、既に我々の日常生活のパートナーとして浸透しており、これらの技術を享受する時代となりました。AIは決して遠い未来の神学論争ではない、むしろ国際的なコモンセンスとして人類の英知が体系的に構築され、もはや、AIなくして我々の生活が存立し得ない時代が目前に迫っていると言っても過言ではありません。
一方、AI技術は、民間部門にとどまらず、公共部門たる地方政府、すなわち自治体経営にも応用され、近年、全国各地の自治体で、AI元年と位置づけた、行政コスト削減と業務効率化による住民サービスの向上を導く事例が陸続と登場しています。
例えば、さいたま市では、毎年、300を超える保育施設に対し、入所希望者の約8,000名を割り振る作業で、これまで30名の職員が約50時間を要する膨大な作業量が、AIによる保育施設の割り振りで、わずか数秒で終了。これまで職員が割り振った内容と同等の結果が導き出されました。
千葉市では、道路損傷を自動的に診断するマイシティーレポートの実証実験を行い、AIを
利用した道路管理システムで、職員の目視点検よりもはるかに効率が上がり、広範囲の安心・安全な道路管理把握に成功しています。
また、大阪市では、戸籍関連業務で、職員支援にAIが活用され、市民の待ち時間短縮にも効果を得ています。
川崎市は、株式会社三菱総合研究所と連携し、AIによる24時間対話型の住民問い合わせ対応サービスの実証実験を実施。私も、先般、川崎市を視察いたしましたが、市民からは「24時間
利用できるので便利だ」との声や、「電話や窓口よりも気軽に情報を得られる」との声が多数寄せられ、若年層や子育て世代に対し、行政がより身近な存在となりました。
これらの取り組みは、都市部ではなく、むしろ、人口減少が急速に進展し、労働力人口と中間層が激減する地方こそ、率先してAI元年の扉を開き、導入を検討すべきではないかと考えますが、AIがもたらす本市への影響について、現状認識を伺います。
さて、本市も、全国他市と同様に、多様な市民のニーズに伴う行政需要は増大しております。さきの決算特別委員会でも、市職員数減少による住民サービス低下が指摘されていましたが、行財政改革により、今後も市職員の増員は見通しが立っていないのが現状であります。また、さきの今治市連合自治会と今治市議会との意見交換の場でも、さきの西日本豪雨災害を事例に挙げ、「懸命に支所職員にご対応いただいたけれども、決定的に人員が不足していた」との声も伺いました。職員数の減少に加え、今後退職されるベテラン職員の皆様方のノウハウ継承も深刻な課題であります。これらの課題は、将来を遠望したとき、本市の内部的ガバナンス機能を深刻化させるのみならず、本来なすべき、市民の問い合わせに対する的確かつタイムリーな情報提供や、迅速な対応にも影響が生じるおそれが懸念されます。市民生活の安定化を図るためにも、市職員の生産性向上と働き方改革は焦眉の課題でありますが、絶えず警鐘が鳴らされている、これら慢性的課題に対し、私は、今こそAIでできることはAIに任せ、市職員は職員でなければ取り組めない業務に注力するという発想と思考に転換し、AI導入に向けた本格的議論と検討の場が必要ではないかと考えます。
そこでお尋ねいたします。AIを導入することで、本市が抱える課題解決の効果と有用性について見解をお聞かせ願います。あわせて、本市でAI導入の事例がございましたらご紹介ください。
また、他市による先進事例は、少なくとも行政業務の改善が図られ、生産性とパフォーマンス向上に成果を得ており、その余裕的時間軸の中で、主体的にヒューマンパワーを、市民に向き合う業務に転換してございますけれども、本市の見解をお聞かせ願います。
最後に、AIを活用したまちづくりについてお尋ねいたします。
AI技術は、本市のまちづくりや、地域活性化にも応用可能な分野であり、新たな成長を生み出す可能性を秘めています。本市は、国内初め、海外のサイクリストが集うサイクリングの聖地。今後も海外の観光客が本市を訪れる中、観光戦略上の課題は言語、すなわち言葉であります。しかしながら、AIによるチャットボットシステムによって、多国言語和訳行為も可能となります。
また、さきの西日本豪雨災害で多くの被害をもたらした土砂崩落も、リアルタイムに土壌水分の変化をモニタリングし、崩落を検知する崩落監視センターや、高松市では、豪雨によるため池氾濫を未然防止する、ため池水位確認システムの実証実験も行われ、本市の防災・減災対策への貢献も期待できます。
有害鳥獣被害も本市が抱える大きな課題でありますが、有害鳥獣捕獲監視サービスが開発され、住民の不安払拭と見回り軽減につながり、適切な捕獲対策を可能とするシステムも存在するなど、AI技術の
利用性と応用性は、必ずや本市のまちづくりに貢献されるものと考えます。
他方、愛媛県も、AI技術を積極的に導入した各施策の検討が始まっています。中村時広愛媛県知事は、第356回愛媛県議会
定例会にて、「AIを初めとした新技術は、さまざまな社会的課題を解決する
ツールとして期待されており、これらを積極的に活用する視点が欠かせない」と答弁され、平成30年度当初予算で、AI、IoT等新技術関連施策に約1億円に上る予算を計上されました。愛媛県内の産学金官連携によるコンソーシアム設置を初め、災害発生時に被災状況を早期把握する災害分析システムの導入、ビッグデータ活用による県民の健康づくり、庁内事務の効率化を目指した会議録自動作成システムなどに取り組むとしており、これら愛媛県の動向は、AIを活用した本市のまちづくりを検討・推進する上で、参考にすべき取り組みと考えます。
そこでお尋ねいたします。これらの愛媛県の動向も踏まえ、AIを活用したまちづくりの展望について本市のお考えをお聞かせ願います。
以上でございます。
21:
◯越智 豊議長 答弁を求めます。
22:
◯菅 良二
市長 丹下議員ご質問のAI(人工知能)についてのうち、1番目、AIが与える本市への影響についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
近年、AI分野における技術の発展は目覚ましいものがあり、実証実験の段階から、徐々に、実用化の段階に来ているものと把握しております。社会生活においても、話しかけると電源の入り切りやチャンネル変更ができる家電製品など、AI機能が搭載された製品も、生活に浸透してきており、多くの方が日常でAIを活用する時代になったと感じておられるのではないかと思います。政府が本年6月、閣議決定した「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」におきましては、自動運転の実証実験を進め、2020年度までに、交通の便が悪い過疎地で無人の自動運転バスの運行開始を目指すほか、ビッグデータを活用し、トラックの空き状況や小売店の販売実績といったデータをもとに、農家が収穫時期を
調整し、農業の生産性を高めるシステムの運用などが掲げられております。
こうした流れの中で、自治体の行政事務においてもAIの活用が進んでいくものと考えております。既に、道の駅や商業施設では、インバウンドに対応した自動翻訳機が使われております。市の窓口でも、そうした機器の活用ができるのではないかと思っております。
しかしながら、自治体におけるAI技術の導入は、まだまだ実証段階にあり、技術や機器の普及も進んでいない状況にあります。先般の、スマートフォン提供サービスの遮断事故の報道などを見ておりますと、通話やメールが不通になるだけでなく、飛行機やコンサートの電子チケットが使えなかったり、交通系カードのチャージができなかったりと、想像以上に大きな影響が生じております。行政事務におけるAIの導入には、こうしたサービス提供者側によるシステムダウンや、災害等による停電といったことも考慮する必要がございます。ICT化の流れの中で、行政事務へのAI導入も進展していくものと思っておりますが、行政サービスを切れ目なく提供しながらAIを活用していくには、さらに研究を重ねる必要がございます。今後、そうした検討も行ってまいりたいと考えております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いします。
23:
◯矢野隆治総務部長 丹下議員ご質問のAI(人工知能)についてのうち、2番目から4番目に関しまして、私からお答えいたします。
まず、2番目のAI導入による課題解決の効果についてでございます。市役所業務について、一例を申し上げますと、例えば、人工知能を活用した自動会話プログラム、チャットボットが普及すれば、市民の皆様がオンラインで24時間365日問い合わせすることができるため、日中、市役所への手続が難しい、特に仕事や子育てで忙しい方などの負担軽減につながるものと考えております。このほか、音声テキスト化技術を活用し、多くの業務で必要とされる議事録作成の支援や、各種画像解析技術による状況把握支援などにより、事務の効率化が図れるのではないかと考えております。なお現在、本市においては実証実験を含め、全国で紹介されているようなAI等の技術的な
利用実績はございませんが、一部部署では、人工知能を備えたソフトウエアのロボット技術により、定型的な事務作業を自動化・効率化できるRPAの導入に向けた検討を行っております。
次に、3番目のAIを通じた行政事務効率化と市民サービス向上についてでございます。議員ご
発言のとおり、一例として、災害早期予測システム等が実用化されれば、隠れた災害リスクなどが事前に予測でき、災害時に不足しがちな人員を迅速に振り向け、避難活動による減災、さらには早期復旧などにつながるものと考えております。
次に、4番目のAIを活用したまちづくりについてでございます。今後、AIを活用することにより、将来的には、地域が抱えるさまざまな社会的課題、例えば、災害発生や天候不順への対応や予測、在宅介護や遠隔医療での
利用、農業の振興、地域交通の確保等、さまざまな分野に少なからず貢献し、地方での暮らしの質の向上にもつながってくると考えております。
なお、AI等の情報技術というものは日進月歩であり、個々の自治体では、活用に向けた情報収集に限界があると認識しております。こうした状況を受けまして、現在、愛媛県の県・市町連携推進本部において、新たな連携施策の創出に向け検討中の項目として、ICTを活用した行政事務・サービスの効率化を目指す施策の情報共有及び横展開の検討を設けております。これは、愛媛県内他市町と連携し、AI活用セミナーの開催や、ICTを活用した行政事務等の効率化のための情報共有体制の構築などを行うものでございます。今後構築される県内他市町との情報共有体制を有効に活用し、他団体の実証検討の結果を鑑みながら、本市における活用の可能性、方策を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
24:
◯越智 豊議長 以上で答弁は終わりました。再質問はありませんか。
25:
◯丹下大輔議員 議長。
26:
◯越智 豊議長 丹下大輔議員。
27:
◯丹下大輔議員 AIについての認識、今、日進月歩の技術の進歩、それに伴ってのさまざまな私たちの生活の変容と、民間部門では相当このことが導入されているという部分で、本市への導入を含めて、見解をお聞かせいただいたところでございますけれども、問題の意識、そして、今後活用していかなければならないという認識については共有できたと思ってございます。愛媛県は、先ほどご紹介申し上げましたように、ことしの当初予算でAI導入について予算化されました。お隣の西条市においても、ことし、庁内の部局の中で、AIとは何か、また、AIがこの地域にどのような貢献をしていくのかという検討をするワーキンググループが立ち上がったと思ってございます。私は、これから先、AIというものを意識せざるを得ない時代に完璧に入ったと。その中において、本市においてもAIについて検討を始めていただく、そのきっかけをおつくりいただきたかったと、こんな思いで質問させていただいたところでございますが、再質問といたしまして、今後、AIの導入を検討していく場として、先ほど、矢野部長のご答弁にもございましたとおり、愛媛県・市町連携推進本部というのが1つのきっかけになるのかと私は思っているのでありますが、この愛媛県・市町連携推進本部において、本市において、本格的なAI導入のスタートとなるのか、検討の場となり得るのか、その見解についてお聞かせ願います。
28:
◯矢野隆治総務部長 お答えいたします。
愛媛県・市町連携推進本部において新たに発足される協議検討機関を最大限活用し、愛媛県及び県内他市町と積極的な情報共有に努め、愛媛県や他市町での先進事例等も踏まえ、検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
29:
◯越智 豊議長 再質問はありませんか。
30:
◯丹下大輔議員 議長。
31:
◯越智 豊議長 丹下大輔議員。
32:
◯丹下大輔議員 ありがとうございます。
恐らく、本市においても、AIを導入する、あるいはAIに対してどう意識していくかということは、今後、きょう、明日ではなく、恐らく5年後、10年後、遠望する未来のその先に検討しなければならない課題だと思います。ぜひ、この愛媛県・市町連携推進本部で、本市においてもAI導入に向けた検討のスタートとなることを期待したいと思いますし、一方で、このAIというのは、今、日本の労働市場の49%が、今後AIによって仕事が奪われる。こういうセンセーショナリズム的な部分もございますし、最近『AIvs.教科書が読めない子どもたち』という国立情報学研究所の新井紀子先生が執筆された本も出ておりまして、AI時代に対する教育のあり方というものも問われ、このAIを意識しなければならない時代となりました。そこで、愛媛県の本部でもご検討いただくと同時に、ぜひ、私は、今治市、本庁の中で、このAIをどう活用するか、どう生かしていくのか、AIとは何か、そのことを根本的に、根源的にご議論いただく場をぜひ本市としても設けていただきたい、このことを最後にご提言、ご提案申し上げまして、きょうのところは私の質問を終えたいと思います。
33:
◯越智 豊議長 再質問なしと認めます。
以上で丹下大輔議員の質問を終わります。
次に、14番渡部豊議員。
34: ◯渡部 豊議員 通告に従い質問いたします。ご答弁をよろしくお願いいたします。
初めに、高齢者肺炎球菌ワクチン接種事業についてお伺いします。
肺炎は日本の死因の第3位を占める重大な疾患です。肺炎は高齢になるほど重症化しやすく、高齢化に伴い、年々死亡者数も増加しています。特に高齢者の死亡率が高い肺炎予防のための定期接種制度が、平成26年10月から開始されました。私は平成27年9月議会でワクチン接種事業について質問いたしましたが、今年度でこの事業も終わるので、再度質問いたします。
平成26年度から始まった肺炎球菌ワクチンの定期接種制度は、5年間で65歳以上の全人口をカバーする経過措置期間を設け、対象者は、65歳から100歳までの5歳刻みの各年齢になる方で、生涯に1回だけ、制度を活用した接種が可能であります。国としては、5年間、毎年同じ年齢の方を対象に実施することで、65歳以上の全員の接種を目指しており、これまで65歳以上の全ての対象者に接種が与えられましたが、今年度が経過措置の最終年度であります。平成31年度以降は、対象者が65歳のみとなる予定で、66歳以上は定期接種の対象から外れることになります。
そこで、高齢者肺炎球菌ワクチン定期接種事業に関する本市の取り組みと成果について、また、平成31年度以降の取り組みについてお伺いします。
1番目に、今回の高齢者肺炎球菌ワクチン定期接種事業に関しては、65歳以上の接種を底上げするチャンスでありましたが、平成26年度から29年度の本市の定期接種対象者の接種率(対象者数と接種者数)をお聞きします。
2番目に、厚生科学審議会の感染症分科会予防接種部会のワクチン評価に関する小委員会の報告書では、65歳の方全員に高齢者肺炎球菌ワクチンを接種することで、1年当たり約5,115億円の医療費削減効果があると試算されております。本市の人口に置きかえると、どれくらいの削減効果になるのかお尋ねします。
3番目に、接種率を上げて肺炎を予防することは、高齢者の健康寿命の延伸につながるのみならず、国民健康保険の医療費削減にも寄与できると考えられます。また、平成30年7月豪雨に関する感染症関連情報として、国立感染症研究所の感染症疫学センターから公表されていますリスクアセスメント表によると、「肺炎球菌ワクチンの定期接種対象者で未接種者は、避難生活が長期にわたる場合は接種を検討する」とされており、災害に備えた感染症対策の観点からも、未接種者対策は重要だと思います。そこで、接種できなかった市民のための対策として、救済措置をとるべきではないでしょうか。ご所見を伺います。
4番目に、平成31年度から新制度での運用となりますが、対象者への周知方法や、接種率向上に向けた取り組みをお伺いします。
次に、死後届け出手続の一元化についてお伺いします。
市民から、「葬儀の後の市役所での手続は実に煩雑だ」とお聞きします。個々の家族状況によって違いがありますが、どんな人であっても、「家族が亡くなるとこんなにもやることがあるのか」というぐらい、死亡に関する手続が必要になります。死亡届を初めとして、国民健康保険、国民年金、介護保険、税金関係など多数の課にまたがります。ご家族を亡くされ、喪主となり、精神的にも、体力的にも相当負担が重なるとき、せめて市役所での手続だけでも、市民の負担軽減を図るべきではないでしょうか。
こうした手続を一括して手助けする窓口の開設が、静かに広まっています。その先鞭をつけた大分県別府市では、平成28年5月に「おくやみコーナー」をスタートさせています。松山市、三重県松阪市、兵庫県三田市、神奈川県大和市も同様の窓口を開設しています。別府市のおくやみコーナーでは、まず、お客様シートに死亡者の氏名や生年月日を書き込んでもらい、職員がデータを入力すると、必要な手続が導き出され、関係書類が一括して作成されます。遺族は、どの課でどんな手続をするのかを記した一覧表をもとに説明を受け、窓口に行きます。死亡者の情報を伝えられた各窓口では、事前に準備して、「お待ちしていました」と迎えるそうです。体が不自由な場合は、職員がおくやみコーナーに出向くこともあり、これらによって、必要な時間は3割から5割短くなったようです。人口約12万人の別府市で、おくやみコーナーの
利用件数は、今年度、1,500件近く、市民から「非常に助かった」と好評のようです。
さて、本市では平成20年10月から、本館1階ロビーに新設した証明書発行専用窓口において、窓口ワンストップサービスを開始しています。私も各種証明書の申請を行った際に、1つの窓口で、同じ職員により、受付、交付、手数料支払いまで、対面対応で完結していただき、窓口での親切な対応に、「ありがとう」と自然に言葉が出ます。
そこで、本市でも、平成29年度に2,333人が亡くなられており、市民サービスの改善をもう1歩進めて、別府市で行われているように、おくやみコーナーを設けてはどうでしょうか。家族を見送り、一番気分が落ち込み寂しいときに、市民の負担軽減とともに、心を込めて寄り添う対応ができる窓口があればと思います。ご所見をお伺いします。
35:
◯越智 豊議長 答弁を求めます。
36:
◯菅 良二
市長 渡部豊議員ご質問の死後届け出手続の一元化についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
議員ご
発言のとおり、死亡に伴う各種の手続につきましては、わかりやすく、また、負担の少ないものにしていく努力や工夫とともに、ご遺族への気配り、心遣いが大切であると考えております。現在、窓口では、ご遺族が手続に来られた場合、市民課や保険年金課、また高齢介護課などの職員が丁寧に説明し、チェックリストを使って必要な手続をご案内した上で、担当職員同士が連絡を取り合い、事前に情報共有を行うことで、なるべくご遺族にご負担をかけないよう努めているところでございます。
実は、5年ほど前のことですが、市民から心温まるメールをいただきました。その方のご主人が突然亡くなられ、まさに茫然自失。ちょっとして、手続がいろいろ要る。どうしても市役所に行かなければいけない。そして、市民課に手続に来られたのです。そのときに、窓口の職員がとても親切に対応してくれた。市民課の手続が済んだ後、次は保険年金課にご案内しましょうと言って、そこで要点だけ係の職員に話して、あとはといったことで。本当に暗闇の中に一筋の光を見出した、そんな思いがして、本当にうれしかった。一言どうしても
市長にその声を届けたいと。本当に私もぐっときました。突然大切なご家族を亡くされたときの悲しみ、喪失感は、よくわかるような気がしております。
その一方で、ぜひ考えなければならない、私自身もそうなのですが、昨今、終活という言葉があります。元気な間、生きている間に、身の回りの整理をできるだけやっておく。私も、おじが102歳の手前まで生きて、図書館などに通ったり、元気な姿を見ながら、あと30年頑張るぞという思いがありますが、生身ですから、やはりこういう備えはしておく必要があると強く感じております。いわゆる地主がたくさんいるけれども、何しろたくさんの相続で、今治市内にいればいいけど、ほとんど外に出ている。その一つ一つを追跡しながら、1人ずつの確認を、了解を、そういったことを考えたときに、やはり元気なうちに、ちゃんとそういったことはやっておくべきだと思います。どこに何があるのかわからないではなくて、ちゃんと整理して、後の者が困らないようにしておくといったこと、それはご指摘のとおりであります。こういったことを大切にして、元気なうちにちゃんとしておく。そうすることによって、せっかく血を分けた兄弟が、これを機に何かしらおかしくなるというのは、よく世間で聞きますが、そういったことも含めて、きちんと親としてやっておくべきだということを強く感じている。今、そういった心境でもあります。
先ほどのおくやみコーナーの設置につきましても、少しでもご遺族の負担を軽減し、また、お気持ちに添えるように、全国の先進的な事例を参考に、しっかり調査研究してまいりたいと考えております。ご指摘もっともだと思っております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきます。よろしくお願いします。
37: ◯石丸 司健康福祉部長 渡部豊議員ご質問の高齢者肺炎球菌ワクチン接種事業についてお答えいたします。
まず、1番目の定期接種対象者の接種率についてでございます。本市の定期接種の接種率は、平成26年度、対象者数1万2,247人に対し接種者数5,283人で、接種率は約43.1%、平成27年度は1万1,693人に対し3,993人、34.1%、平成28年度は1万2,601人に対し5,379人、42.7%、平成29年度は1万2,835人に対し5,415人で、42.2%となってございます。
次に、2番目の医療費削減効果の試算についてでございます。渡部議員ご
発言の1年当たり約5,115億円の医療費削減効果に対しまして、本市で平成30年度中に65歳になると見込まれる人口約2,200人に置きかえて試算いたしますと、1年間で約6億4,000万円になります。
次に、3番目の未接種者への救済措置についてでございます。全国的な接種率が40%程度であると見込まれますことから、未接種者への救済措置につきましては、国の厚生科学審議会予防接種基本方針部会などで、協議が現在なされております。今後の国の動向を注視してまいりたいと考えてございます。
最後に、経過措置終了後における対象者への周知方法や接種率向上についてでございます。接種対象者への周知につきましては、これまでどおり、今治市のホームページや広報誌においてお知らせするほか、予防接種記録カードと案内文を個別に送付いたします。また、高齢者インフルエンザの接種案内時に、肺炎球菌ワクチンの未接種者に対しましても、案内文をあわせて送付するといった取り組みを継続するとともに、健康教室、高齢者向けのイベント等でチラシを配布するなど、接種率の向上に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
38:
◯越智 豊議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
39: ◯渡部 豊議員 議長。
40:
◯越智 豊議長 渡部豊議員。
41: ◯渡部 豊議員 ご答弁、ありがとうございます。
先ほど、
市長の答弁をいただきました。私の母も年をとりましたが、何と93歳。ありがたいことに、五、六年前から老人保健施設に入所させていただいており、週2回、私も、母に10分、15分会いに行っているわけですけど、ありがたいことに本人は100歳まで頑張ると、まことにうれしい言葉が再々返ってきます。ただ、年齢です。いつ何が起こるかわかりません。私が喪主となるんでしょうから、対策はきっちりと、常日ごろからしておきたいと思います。ありがとうございます。
今回の高齢者肺炎球菌ワクチン定期接種制度は、高齢者の肺炎予防と、ワクチン接種による肺炎の医療費削減効果が期待され、導入されたものだと思います。平成26年度から平成29年度の接種率が平均40.5%とありましたが、接種できなかった方を救済できることは、本市の高齢者の健康寿命延伸につながるのみならず、保健医療の削減という形で財政にも返ってきます。また、平成31年度から65歳の方だけが対象になる予定です。接種期限を過ぎた後に、接種したかったが知らなかったという高齢者を1人でも減らせるよう、ぜひ、積極的な取り組みをしていただきたいと思います。
おくやみコーナーに関しましても、フロアのスペースや人員の制約もありましょうが、市民サービスの向上のために、積極的な取り組みを期待したいと思います。
最後にもう1点、今治市では、平成29年度に2,333人が亡くなられたと。このうち、国民年金の各種手続をされた方が1,422人となっております。この国民年金の窓口は障がい福祉課と対面になっておりまして、その間の通路が非常に狭うございます。私も常日ごろから庁内をうろうろしますけれども、極力、通路は市民に威圧感を与えてもいけないという思いで、避けるようにしております。今後、できるのであれば、この窓口の改善を要望いたしまして、私の質問とさせていただきます。大変ありがとうございました。
42:
◯越智 豊議長 再質問なしと認めます。
以上で渡部豊議員の質問を終わります。
次に、2番黒川美樹議員。
43: ◯黒川美樹議員 それでは、通告に従いまして、本日最後の質問をさせていただきます。2番、新生会の黒川美樹でございます。
まず、昨年6月議会の一般質問で取り上げさせていただきました、愛媛県版イクボス「ひめボス」の取り組み状況についてお尋ねしたいと思います。
改めてイクボスについては、昨年ご答弁いただきましたところから引用いたしますと、「職場でともに働く部下のワーク・ライフ・バランスを考え、その人のキャリアと人生を応援しながら組織の業績も結果を出しつつ、みずからも仕事と私生活を楽しむことができる上司のことを指します」とのことでした。
今も、この議場内外で、多くの上司という立場の方々に見守られる中で言うのも僣越ではございますが、全国的にも、パワハラやセクハラといった上の立場である者によるハラスメントが、特にこの数年、ニュースでも多く取り沙汰されるようになりました。これまでの時代では許されていたことや、抑えられてきた社会の常と言われてきたことが、これからの時代では覆される予見もございます。もちろん、これは上司だけの問題ではなく、自分が身を置く環境にかかわる全ての人に言えることで、ほかとの違いを、善悪や強弱という二極化にし、多様性を認められないような社会では、人々の心身は疲弊し、頑張れと言われても頑張れない、人に優しくできないと、心を患ったり、前向きな気持ちを保つことが難しくなってしまいます。これらを聞いて、大げさだ、甘えているとお考えの方もいらっしゃることでしょう。しかしながら、こうした時代の変化とニーズにより、イクボスを含めたワーク・ライフ・バランスが重要視されることとなったのは、現実でございます。職場環境は、構成員それぞれがお互いによりよい関係を築き、健全な心を持って仕事に臨むことで、より高いパフォーマンスを生み出すと思います。そのリードをするのが、まさに管理職の皆さんで、「ひめボス」以前から実践されていた方もいらっしゃると思いますけれども、昨年から実際に、「ひめボス」として取り組まれてみての感触と職場の環境の変化、それを踏まえての今後の課題についてどのようにお考えかお聞かせください。
多様な人材の登用とマネジメントについて、前の質問と関連でございますが、もう少し踏み込んで、自治体職員の環境と質についてお尋ねしたいと思います。
総務省が公表している、地方公共団体における多様な人材の活躍と働き方改革に関する研究会のレポートによりますと、平成27年8月に、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、いわゆる女性活躍推進法が成立し、各地方公共団体は女性活躍に関する定量的目標や取り組みなどを定めた特定事業主行動計画の策定が義務づけられた後、同年12月には、第4次男女共同参画基本計画が閣議決定され、都道府県、市町村、それぞれについて、女性職員の登用の目標が設定された。また、平成28年4月に施行された、能力・業績に基づく人事管理の徹底を図る、地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律、いわゆる改正地方公務員法により、各地方公共団体は、能力・業績に基づく人事管理の徹底を図る人事評価制度の導入が義務づけられることとなった。さらに、年金支給開始年齢の段階的引き上げに伴う再任用の実質的な義務化や、臨時・非常勤職員の活用拡大等、近年において、公務を支える職員は多様化しているとの見解が示されております。
こういった時代の流れにあっては、国民、市民が捻出した税金や拠出金を元手に運営される自治体の職員の質を高めるとともに、多様性を認め合える寛容な社会の実現に寄与されたいと思うところでございます。
また、女性活躍推進の大きな社会的ムーブメントの中にあって、本市におきましては、実際に市内外で活躍されている女性の姿も多く見られますし、本市職員の採用において、多様な人材を確保するため、男女を問わずさまざまな採用試験を実施していると聞き及んでおりますが、一方で、役所の管理職人事とか議員というものは、いまだ女性が圧倒的に少ない状況でございます。適材適所は男女ともに大切なことでありますが、社会の仕組みとして鑑みたとき、女性職員が昇任をちゅうちょするような職場環境や状況が続いた場合、自治体として、必要とする幹部職員を十分育成、確保できなくなるおそれがあるほか、政策の意思決定に、女性の視点が反映されにくくなるなど、自治体経営上の問題が生じる懸念が出てまいります。
また、一般事務だけでなく、保育、給食調理、図書館職員、看護師、看護補助員、学童保育、ケースワーカーなど、多岐の職種に広がる非常勤職員の処遇についても、多角的に考慮していく必要があり、昇任実績のある女性職員がまだまだ少ない現在、ロールモデルになる職員の育成にも今のうちから取り組まなくては、ほかにおくれをとるだけでなく、最悪、間に合わないといった事態も考えられます。
そこで、多様な人材の採用と登用についての本市のお考え、また、女性職員の登用と育成の認識、その取り組みについてお聞かせください。
44:
◯越智 豊議長 答弁を求めます。
45:
◯菅 良二
市長 黒川議員ご質問の愛媛県版イクボス「ひめボス」の取り組みについてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
本市におきましては、平成29年2月、私自身が、愛媛県下全自治体の首長と合同で「ひめボス宣言」を行いました。その後、同年6月には、特別職と課長級以上の職員を対象とした働き方改革研修会を開催し、研修会終了後に「ひめボス宣言」をいたしました。平成30年度にも、課長級に昇任した職員11人に対して研修を実施し、必要な知識を深めた上で、「ひめボス宣言」を行ったところでございます。宣言を行いましてからは、管理職員が、それぞれの職場で行動目標を定め、部下職員のワーク・ライフ・バランスを支援するための取り組みを実施しております。また、理解度を自己診断するひめボスセルフチェックを実施し、「ひめボス」としての理解度向上に努めているところでございます。
こうした取り組みによりまして、アンケート結果からも、「課長が仕事以外の悩み事も親身になって聞いてくれて、子育てのために配慮してくれた」、「今まで以上に業務の効率化を意識するようになった」といった声が上がっております。職員のワーク・ライフ・バランス実現に向けた意識も高まり、働きやすい職場環境へと変化しつつあると感じております。
今後の課題についてでございますが、これまで以上に働き方に制約のある職員がふえることも考えられます。子育てだけでなく、親の介護、本人の病気など、個々の事情に応じた多様な働き方ができる環境、また、それを認め合い、支え合う職場風土をつくることが必要であると考えております。今後もこうした取り組みを継続し、私も含めた「ひめボス」が推進役となって、多様な働き方ができる職場環境の構築に努めてまいります。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いします。
46:
◯矢野隆治総務部長 黒川議員ご質問の多様な人材の登用とマネジメントについてに関しましてお答えさせていただきます。
まず、1番目の多様な人材の採用と登用についての本市の考え方についてでございます。
採用に関しましては、正規職員の一般事務職の採用試験において、これまでの筆記試験を試験科目とした採用方法を基本としつつ、従来の方法では採用できなかった、多様な人材を採用するという観点から、スポーツや文化、学術の分野での実績や、青年海外協力隊などでの国際貢献活動の経験を受験資格とした特別枠や、民間企業等での職務経験を受験資格とした民間企業等経験者枠を設け、面接重視の手法で、多種多様な人材の採用に努めているところでございます。
また、登用につきましては、これまで家庭の事情などにより働き方が制約され、能力を十分に活用できなかった職員に対して、働きやすい職場環境を整え、男女を問わず、能力に応じた職に登用することが必要であると考えております。
次に、2番目の女性職員の登用と育成についての認識についてでございます。
今治市においては、平成28年3月に、特定事業主行動計画を策定し、計画の中で、ワーク・ライフ・バランスの推進、子育てと仕事の両立推進、女性職員の活躍推進の3つの基本方針と、それぞれに数値目標を設け、具体的な取り組みを実施しております。
その中で、女性職員の活躍推進については、3つの数値目標を設けております。1つ目が、上級試験における女性職員の採用割合を30%程度、2つ目が、係長級に占める女性職員の割合を20%以上、3つ目が、課長補佐級以上の管理職員に占める女性職員の割合を10%以上とすることとしており、いずれも期限は平成32年度末に設定しています。これらの目標についての平成30年度の状況は、女性の採用割合は30.6%、係長級の女性割合は20.7%、課長補佐級以上の女性割合は9.9%となっており、おおむね達成が可能な状況でございます。
一方で、第4次男女共同参画基本計画で国が設定した成果目標は、平成32年度末までに、係長級の女性割合が35%、課長級以上の女性割合が20%であり、達成に向けては、今後も女性の登用を進める必要がございます。
女性職員の活躍推進に関する具体的な取り組みとしては、女性職員を対象とした女性ブラッシュアップ研修を実施し、ライフプランに応じたキャリア形成支援等を行ってまいりました。また、今年度からは、女性の活躍を支援する立場にある管理職員に対して、女性活躍支援研修を実施しております。
そのほか、出産、育児期の支援については、支援制度を網羅したガイドブックを作成し、個人の事情に応じた制度を
利用できるよう取り組んでおり、先ほどのご質問にもありました「ひめボス」の取り組みもその一環であると考えております。
こうした取り組みを継続し、発展させていくことで、女性のみならず多様な人材を開発し、さまざまな価値観に対応できる組織体制を構築してまいりたいと考えております。
以上でございます。
47:
◯越智 豊議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
48: ◯黒川美樹議員 議長。
49:
◯越智 豊議長 黒川美樹議員。
50: ◯黒川美樹議員 ご答弁いただき、ありがとうございました。
日本は、戦後、経済や自分たちの暮らしを立て直すために、皆が一丸となって、がむしゃらに経済発展という大きなベクトルに向かって働いてまいりました。その結果、世界的な先進国となったわけですけれども、経済優先社会がもたらした、少子化問題、広がり続ける格差、オイルショックやバブル崩壊、リーマンショックといった不況、また、時を重ねるようにして起きてきた大規模な自然災害を通して、同じほうを向いて、がむしゃらにやっていくという時代は、もうとっくに終わっており、改めてそれぞれの幸せのあり方について考え、いろいろな人がいるからこそ成り立つこの社会で、多様な生き方を尊重し、助け合っていく時代であると気づき、そして、ようやく移行し始めたところなのではないかと思います。その中で、公務の運用についても、時代に即した柔軟な対応が、特に近年求められるようになってきたのではないかと思います。本市におかれましては、ご答弁にもありましたように、従来の方法では採用できなかったような多様な人材を確保するために、さまざまな専門的な経験を積まれた方や、筆記試験より面接を重視した採用に取り組まれているとのことで、今後の行政運営にもよい影響を与えることを期待いたしております。
また、平成28年4月からの女性活躍推進法の全面施行に合わせて、本市では、同年3月に、特定事業主行動計画が策定されたとのことで、数値目標を掲げられておりますが、女性職員自体は増加傾向であるのに対し、昇任となると、まだまだ二の足を踏んでいるようでございます。前述いたしました、地方公共団体における多様な人材の活躍と働き方改革に関する研究会の報告には、自治体アンケート等で、女性職員が昇任をちゅうちょする理由として、男性職員よりも育児等家庭における負担が大きいことから仕事と家庭の両立が困難になること、仕事を両立している先輩職員が身近にいないこと、上位職に求められる能力を発揮する自信がないことということで、いまだ根強く、このような社会情勢が反映された結果が出ております。
2017年、地方公務員法と地方自治法が改正され、2020年4月から自治体の非常勤職員は、会計年度任用職員として制度が導入されることになっており、さらに、自治体職員の処遇や働き方が変容していくことになろうかと思います。1人でも多くの職員が、憲法を遵守する全体の奉仕者として、生きがいを持って仕事に臨めるようポジティブな意識を持って職場環境の整備を推し進められ、ワーク・ライフ・バランスの取り組みの一つである「ひめボス」の活動も、部下とのコミュニケーション不足にならぬようしっかりと現場に落とし込んでいただき、今治市全体の空気をともにつくり上げていただけますよう要望を申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
51:
◯越智 豊議長 再質問なしと認めます。
以上で黒川美樹議員の質問を終わります。
明日、定刻から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午前11時35分 散 会
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