平成最後の夏、これまでとは違う自然界の異常な現象に、想定外という責任回避思想はもう通用しないことを感じました。人命を守るためにはどうするべきか。自然災害と一言にあらわしましても、地震、火災、津波、洪水、氾濫、土砂、暴風など数多くございます。災害へ備える第一歩は、自分が住む地域の災害特性を歴史から知ることであります。そこで、今治市において、過去にどのような自然災害の記録があったのかお示しください。
次に、砂防ダムについてお伺いします。これまでの経験や予測で今治地域にも砂防ダムが建設されていると思いますが、役割と管理はどのようにしているのかお尋ねします。
次に、災害発生時の情報伝達についてお伺いします。
1点目に、住民に避難を呼びかける際に、避難準備、避難勧告、避難指示という順序のレベルで発令されますが、日本語の難しさもあり十分にその緊急性が伝わらないというケースがあります。私も、指示より勧告の表現が言葉の重たさを感じるのですが、今後、的確な情報を伝えるために工夫を考えているのかお尋ねします。
2点目に、屋外スピーカーによる伝達です。伯方町での断水時の放送を伯方支所の駐車場で聞いておりましたが、原稿はゆっくり読んでいるのですが、スピーカーの音質が原因なのか、何を伝えているのかしっかり聞き取ることが難しかったと思います。スピーカーの音質を高めなければ、伝わるものも伝わりにくいと思いますが、どう対応するのかお尋ねします。
3点目に、コミュニティー放送についてお尋ねします。今後、今治市緊急防災情報伝達システムの一角を担うコミュニティー放送ですが、今回の災害でどのような役割を果たしていたのかお聞かせください。
4点目に、テレビの受信についてお尋ねします。緊急時の情報収集の手段としてスマートフォン、携帯電話、テレビ、ラジオ等が挙げられます。今治市は広島県と接する地域もあり、テレビも広島県の放送局が視聴できるということを聞いたことがありますが、いざというときには愛媛県の放送局の情報が重要と考えられます。放送局が交わる地域でも愛媛県の情報が入ってくるのか確認はされていますでしょうか。
次に、災害発生後の対応についてお尋ねします。家屋の損壊や農地の被害、崖崩れなど、お住まいの地域、世帯ごとに被災者生活への支援は異なってきます。生活再建に向け、修繕や公的支援などの個別に対応した情報は早くお伝えしてあげなければ安心できません。今治市としてどのように対応するのか、また、したのかお尋ねします。
次に、災害ごみの置き場所についてお尋ねします。質問の冒頭にも申し上げましたように、これからは想定外という言葉は許されません。平時より、想定した災害ごみ置き場の確保をしておかなければならないのではないでしょうか、お答えください。
次に、島嶼部における子供たちの学びの場の保障について、県立高等学校の存続について質問いたします。愛媛県においては、これまでに平成24年10月以降の全日制高等学校の再編整備について取り組まれていました。今治市内にある県立高等学校で、平成30年度基準該当校は、伯方高等学校と今治北高等学校大三島分校であり、伯方高等学校においては、入学生が平成28年度37人、平成29年度33人、平成30年度35人といずれも41人以上を達成できなかったので、平成31年4月に分校化することとなりました。また、今治北高等学校大三島分校は、平成31年度の入学生が31人以上を達成できなければ、平成32年4月に募集を停止するといった厳しい条件が愛媛県より突きつけられております。特殊な地理環境である今治市、島嶼部で生活する子供たちにも、高等学校で教育を受ける環境の保障、経済的負担の点からも、島嶼部にも今のまま高等学校を残すべきだと私は考えます。
そこでお尋ねします。本年7月24日に愛媛県立伯方高等学校で、8月31日に愛媛県立今治北高等学校大三島分校で、それぞれ振興対策協議会が開催されました。私は伯方高等学校振興対策協議会の理事であり、菅良二
市長は、今治北高等学校大三島分校と伯方高等学校の振興対策協議会の顧問であると伺っております。それぞれの地域での高等学校の存続は同じ気持ちであると思います。双方の努力でよい結果に結びつければいいのですが、生徒人数の奪い合いで共倒れにならないことを心配するところでございます。
市長はどのように思うのか、お考えをお聞かせください。
以上です。
5:
◯越智 豊議長 答弁を求めます。
6:
◯菅 良二
市長 おはようございます。若さいっぱいの山岡議員であります。きのう、私は高等学校の運動会に行って気をいただいた、元気、勇気をいただいた話をしました。そうしますと、けさの新聞、皆さんご承知のとおり、全米オープンテニスで錦織圭選手、大坂なおみ選手が男女ともにベスト4進出という快挙、もう一つ、エンゼルスの大谷翔平選手、右肘故障と伺っておりますけれども、見事に二発のホームラン、若者たちが本当にがんばっていると改めて感じております。我が今治市の新規採用職員も「やるぞ」という思いで、明日、のまうまハイランドで子供たちを中心にイベントがあります。残念ながら、明日は間違いなく雨だと言われておりますけれども、JAおちいまばりのご協力をいただいて、共同選果場でイベントは開催できる。そこで、24名の新規採用職員が子供たち、地域の皆さんにパフォーマンスを披露する。その後、玉川町に、女性グループの公民館活動にお邪魔し、そして男性の有志の皆さんがワラシシに挑戦ということも聞いております。それから「ふれ愛茶屋」で昼食をいただきながら、新規採用職員が何かを感じて帰ってくれたら。そういう催しを考えております。
ところで、山岡議員のご質問、とりわけ高校生の問題だと思っております。島嶼部における子供たちの学びの場の保障について、県立高等学校の存続についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
議員のご
発言にもありましたように、7月24日に伯方高等学校で、そして8月31日には今治北高等学校大三島分校で振興対策協議会が開催され、両校の存続や地域との連携などに関し、さまざまなご意見が出されました。私は、それぞれの地域から高校がなくなることで、近くに通える学校がなくなり、子供たちが地元で学べる環境が失われるだけでなく、地域のにぎわい、活力、連帯感までもが力を失い地域の衰退に拍車がかかることを何より懸念しております。これまでも地域の灯を消してはならないという切実な思いから、地域住民や卒業生、先生方が中心となり、ともに分校化とその後の存続に関してさまざまな努力を重ねてまいりました。愛媛県への働きかけはもとより、中学生やその保護者の皆さんにも、地元の高校へ通うことの意義や、旧今治市内からの通学も可能でありますので、豊かな自然と人情味あふれる島ならではの高校生活の魅力などを訴えてきたところでございます。伯方高等学校の生徒たちは、先日の今治伯方島トライアスロンに参加協力し、地域の皆さんとともに大会を盛り上げてくれたところであります。さらに、7月の災害ではボランティアとして汗を流し、被災された方の大変力強い手助けとなってくれましたことは、広報いまばり8月号の表紙のとおりでございます。そして大三島分校の生徒にあっては、伊東豊雄氏が大三島を中心として開催するイベントや研究会に参加するなど、それぞれが積極的に活動し、地域を元気にしてくれております。地域の方々が、彼ら高校生の若さあふれる姿を目の当たりにし、触れ合い、またともに感化し合うことは、地域住民の皆さんにとりましても大きなパワーを与えてくれているものと思います。学校の存続を願う地域の方々の強い思いも伺っております。そして、私もそれぞれの地域に根差した高校がこれから先も地域にあり続けることを強く願っております。
こうした思いから、8月31日の振興対策協議会、大三島分校のこれからを考える会におきまして、大三島分校は、来年度に31人以上入学しなければ2020年度から募集停止となり、在校生が卒業すれば廃校になるというまさに土俵際の状況にあるため、島嶼部の過疎対策、地域振興策の一環として、伯方高等学校を含め、何らかの支援ができないか、議会と相談しながら早急に考えたいといったことをお話しさせていただいたものでございます。本市といたしましても、高校存続による教育の振興、そして地域の活性化のため、どういった支援ができるかしっかりと検討してまいりたいと考えております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
7:
◯矢野隆治総務部長 山岡議員ご質問の自然災害についてのうち、1番目から4番目までに関しまして、お答えいたします。
まず、1番目の今治市において過去にどのような自然災害の記録があるのかについてでございます。過去の災害の記録につきましては、今治市地域防災計画に記載しておりますが、その中から主要な災害についてご紹介させていただきます。まず、地震災害といたしましては、平成13年芸予地震がございます。平成13年3月24日に安芸灘を震源として発生し、旧今治市で震度5強を観測、負傷者11名、住家の全壊1棟、半壊18棟、一部損壊6,159棟の被害を受けました。また、風水害といたしましては、昭和51年9月に台風17号により、5日間の降水量が玉川町鈍川で1,001ミリ、片山で564ミリにも達し、玉川町では谷山川、与和木川が氾濫して4名が亡くなられました。旧今治市でも死者4名、負傷者2名、蒼社橋や宮ヶ崎橋が落下するなどの大きな被害を受けました。記憶に新しいところでは、昨年9月17日の台風18号では、1日の降水量が玉川町木地で379ミリあり、蒼社川が氾濫危険水位に達したことから、蒼社川洪水浸水想定区域に避難勧告を発令しました。人的被害はほとんどなかったものの、床上浸水、床下浸水や農作物の被害など、また、道路、農業施設など公共施設で600件余りの被害があり、激甚災害にも指定されました。
続きまして、2番目、砂防ダムの役割と管理についてでございます。砂防ダムとは、小さな渓流などに設置される土砂災害防止のための設備の1つであり、いわゆる一般のダムとは異なり土砂災害の防止に特化したものであります。近年、ダムと区別化を図るため、砂防堰堤と呼ぶことが多くなっております。この砂防堰堤の役割としましては、大きく2つに分かれております。1つ目は、大雨等の際に発生する土石流などを砂防堰堤で食いとめ、下流への土砂の流出を防ぐものであります。2つ目の役割としましては、土砂がたまった後の効果があります。土砂がたまることで、河川の勾配が緩くなり水の流れが遅くなることで、川底が削られるという河道の侵食を防止する効果があります。また、大洪水により土砂が一気に流出したとき、川底が緩やかになっているため水の流れが遅くなり、下流への土砂流出を軽減する効果もあります。愛媛県では、基本的にはこのようなタイプの砂防堰堤を整備しており、一般的な管理としましては、定期的な巡視による構造物の崩壊の危険があるかなどの点検を行うことで対応しているものでございます。
次に3番目、災害発生時の情報伝達についてでございます。1点目でございますが、避難情報が住民の適切な行動判断のもとになるためには、情報が正確に伝達された上に、さらに、情報を受けた住民に正しく理解されることが求められます。避難勧告を初めとする避難情報の種類や意味について、出前講座、広報誌、ハザードマップなどを通して理解度を高めていくことを今後も継続して行っていくとともに、消防団、自主防災組織、自治会、民生委員等の皆様の地域での避難の呼びかけなどを通して、スムーズな住民避難に結びつけたいと考えております。
次に2点目、伯方町における屋外スピーカーの状況でございますが、既存の屋外拡声スピーカーは、伯方町に限らず、いずれも合併前に整備されたものであり老朽化が進んでおります。現在、緊急防災情報伝達システムの整備を進めており、情報伝達手段の再構築として、屋外拡声スピーカーや携帯電話、コミュニティーFMラジオ等あらゆる手段での迅速かつ的確な緊急情報の伝達を考えており、平成31年度末の完成を目指しているところでございます。
次に3点目、今回の災害でコミュニティー放送がどのような役割を果たしたかについてでございますが、今治コミュニティー放送いわゆるコミュニティーFMにつきましては、災害対策本部と連携し、今治市からの避難勧告等の発令、避難所開設や気象情報など、緊急情報や注意喚起などの放送を行っていただきました。また、平成31年度からは、災害時にコミュニティーFM放送を通じ緊急放送を受信して自動的に起動し、最大音量で緊急情報を伝える今治市緊急告知ラジオの導入を考えており、防災の重要な一翼を担っていただくこととなっております。
次に4点目、テレビ放送において、愛媛、広島県境における愛媛県からの情報の入手についてでございます。島嶼部のテレビ受信におきましては、地理的に広島県のテレビ局も受信できますが、愛媛県内のテレビ局も全ての局ではございませんが受信できます。NHKに関しましては松山放送局の電波が受信できることも確認しております。
次に4番目、災害発生後の対応についてでございます。平成30年7月豪雨災害におきましては、芸予地震以来の災害救助法の適用を受けました。また、被災者生活再建支援制度の適用、死亡弔慰金や義援金の支給、今治市独自の被災者生活等再建資金貸付制度の創設など、被災された方々に対する支援につきましては、本庁各課及び支所が一丸となって対応いたしております。なお、被災者には、罹災証明書の発行に当たっては、関係する申請書類も同封するなど、周知に漏れがないような事務処理も行ってきたところでございます。また、被災者にとって必要な情報につきましては、今治市のホームページにおいて常時情報提供しているところでございます。
以上でございます。
8:
◯片山 司市民環境部長 山岡議員ご質問の自然災害についてのうち、5番目の災害ごみの置き場所について私からお答えさせていただきます。
今回の災害では、発災後、速やかに今治市内5カ所に指定仮置き場を設け、被災した住家等で発生した土砂まじりの瓦れきや片づけごみなど災害ごみの受け入れを行い、業者委託によって分別し、運搬、処分を実施しております。陸地部では東鳥生岸壁を、島嶼部では吉海町のバラ公園奥物揚げ場、伯方町の最終処分場跡地、上浦町の井口港物揚げ場、大三島町の大三島中学校跡地の5カ所で、被災箇所等を勘案し、近隣の公共用地を条件に選定いたしました。災害ごみの置き場所については、今回の経験を踏まえ、しっかりと検証し、今年度予算にて策定中の災害廃棄物処理計画の中に生かして、慎重に検討の上選定し、平時より備えてまいりたいと考えております。なお、現在、仮置き場での受け入れもほぼ終わり、分別できたごみから順次運搬、処分を進めているところでございます。
以上でございます。
9:
◯越智 豊議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
10:
◯山岡健一議員 議長。
11:
◯越智 豊議長 山岡健一議員。
12:
◯山岡健一議員 情報伝達において、今回の7月の災害で、西瀬戸自動車道とか瀬戸大橋とか、とまった記憶があります。そこで、コンビニエンスストアのお弁当やパンの物流がストップしていたという情報もありますし、私も移動する際に、インターチェンジまで行って通行どめに気づいたということもありますので、交通情報なども情報伝達の1つに加えていただければと思います。再質問はありません。
以上で私の質問を終わります。
13:
◯越智 豊議長 再質問なしと認めます。
以上で山岡健一議員の質問を終わります。
次に、17番近藤
博議員。
14:
◯近藤 博議員 それでは、通告の順に従いまして質問したいと思います。西日本の豪雨災害、猛暑災害、台風、ここに来て北海道の地震災害と地球が大変おかしくなってきております。災害に遭われた地域の方々には心よりお見舞い申し上げたいと思います。
さて、9月になり涼しくなってまいりました。しかし、異常な猛暑は来年以降も続くと予想され、早い時期から猛暑対策を講じておく必要があります。財政負担の大きい小中学校の教室へのエアコン設置についてであります。この質問は6月議会でもありました。その後、菅官房長官が記者会見において、政府における小中学校へのエアコン設置の財政補助を検討すると発表し、また、文部科学省は、猛暑が続く中、子供の健康と安全への配慮から、2019年度の概算要求で公立小中学校の危険なブロック塀の改修、教室のクーラー設置等対策費として例年の3.5倍の約2,400億円を盛り込んだとの報道がなされました。また、暑さの対策として、冬休みを短くして夏休みを長くするなど、いろいろなことを検討するとのことでもあります。国の補助制度が成立すれば、今治市も補助制度に乗っかり、全学校にエアコン設置していただきたいと思いますが、お考えをお伺いいたします。さきの報道によると、砥部町は、国庫補助が決定すれば2019年度の着工を目指したいとあり、児童の安全を第一に考え取り組みたいとされております。私はそのとおりだと思っております。
次に、全ての学校にエアコンの設置をすれば、工事費も含め、概算の額は幾らくらいになるのか、また、小中学校合わせて何教室あるのかお尋ねいたします。
松山市の例を見ますと、78校で初期費用が約58億8,000万円、1校当たり約7,500万円かかるそうです。松山市の例からすると、今治市の小中学校41校で、単純に松山市の1校当たりのコストを用いて計算すると、約31億円となりますが、そのくらいの費用は見込んでいるのでしょうか。お伺いいたします。
次に、エアコン設置のスケジュールについてであります。既にスケジュールは立てているのでしょうか。新聞報道によると、今治市は、設置の意思表示は示しているが今後数年はかかると報道がありました。それでは児童の健康が保たれないし、授業にも身が入りません。報道に出たように、まだ数年も先の話なのか、また着手して何年計画で完了させるのか、今治市民は最もここのところが気になるところでありますので、今治市の行政の前向きな答弁をお伺いしたいと思います。
松山市の事例からしますと、落札業者決定まで、準備期間として3年ほどの期間を要し、また施工期間は2年から3年かかり、全校にエアコン設置できるのは平成31年1月だそうです。ましてこの猛暑、国が補助制度を設けるとなれば、全国一斉にエアコン設置に各自治体が動き始めます。メーカーの機器製造のおくれ、職人不足が懸念され、ますますエアコン設置まで時間を要してまいります。公立の小中学校の設置率は、全国平均49.6%、愛媛県は5.9%と大きく下回り、今治市は3.4%にとどまっております。お隣の香川県は97.7%と高く、東京都に次ぐ2位、松山市は来年1月までに全校の8割の設置、西条市は来年夏までに中学校の設置、小学校は再来年中に設置、新居浜市は2018年度に小学校、1年おくれで中学校に取りかかるとされております。また、全国的には市町村長の考え次第だとの報道もあり、
市長の早い時期の決断を望むものであります。前のスケジュールについての質問に重複しますが、設置時期について、
市長のお考えをお伺いしたいと思います。
次に、エアコン設置の事業方法についてと業者の選定方法についてお伺いいたします。このことについても、松山市の事例からしますと、PFI方式を採用し、13年間のメンテナンス契約を結んでいるようです。また、エネルギー種別は、都市ガス、電気で実施しており、また業者の選定方法は、大学の教授3名、校長、教育委員会の5名で審査したようであります。至急、このことについても議論する必要があると思いますが、松山市方式を参考にしてはどうでしょうか。理事者の考え方をお伺いいたします。
次に、小中学生の熱中症対策についてお伺いいたします。地球温暖化に伴い異常な猛暑となり、政府はこの猛暑を災害であると発表されております。100年後には4℃の気温上昇が予想されております。そのような中で、愛知県豊田市では小学校1年生の男子児童が死亡しており、平成30年7月、全国では5万4,220人が病院へ搬送され、そのうち死者数は133人であります。搬送者最多は大阪府の4,432人、東京都4,430人であり、愛媛県は682人、死者数は3人だそうです。4月30日から8月26日までの累計では、過去最多の8万9,305人に上っており、そのうち155人が命を落としております。また、気象庁は、ことしの豪雨と猛暑を異常気象の連鎖と呼んでおり、来年以降、条件が重なればさらに暑くなると予測しております。エアコンの設置は急がれるでしょう。そこでお伺いいたしますが、今治市内の緊急搬送された児童数と、猛暑により学校で体調が悪くなったりして保健室に行った児童数をお尋ねいたします。
次に、戸田市教育委員会は、夏休み中において猛暑日と予測があれば、プールの全面禁止とし部活も禁止しております。福岡市では、7月26日以降屋外にあるプールは136校全て禁止、その理由は児童を熱中症から守るためとされております。今治市は使用禁止措置をとっているのでしょうか。お尋ねいたします。
次に、学校によりまちまちのようでありますが、ペットボトルの教室への持ち込み、登下校時の帽子の着用、タオルの持ち込み、熱中症対策について教育委員会の指導はどのようにされているのかお伺いいたします。
次に、市営中央体育館への冷房設置についてであります。えひめ国体に向け、多額の費用をかけ市営中央体育館も改修工事をしました。冷房設置については今治市民の声も多く出ておりました。しかし、アリーナには冷房設置したものの、トレーニング室、弓道場、格技室には設置されませんでした。今でも体育館利用者の多くから、エアコンを設置してほしいとの声があります。大型扇風機を何台も置いておりますが、何しろこの猛暑、温風機になって気分が悪くなっております。今後の計画についてお伺いいたします。
次に、小中学校のトイレの洋式化について質問いたします。この問題も何度となく質問されてきました。平成25年6月、平成26年9月、平成27年6月と平成28年3月議会での質問では、小中学校のトイレ設置状況について質問されております。理事者の答弁においては、小中学校の各階に1基の洋式トイレを整備するように努力するとありました。そこで質問いたしますが、現在のトイレの洋式化率をお伺いいたします。
平成28年度文部科学省の公立小中学校トイレの調査では、全便器数約140万個で、そのうち洋便器数は約61万個43.3%、和便器数は約79万個56.7%であります。学校設置者1,799自治体の整備方針では全体の85.2%、1,533自治体が、和式より洋式トイレを多く設置していくとされております。一般家庭において洋式トイレは常識的で、子供たちは和式トイレにはなれてなく、トイレに行くのを躊躇し、お漏らしをしていじめに遭った子供もいるとも報道されております。洋式のほうが衛生面や節水面ですぐれており、国も洋便器を推奨しております。また、学校は災害があったとき避難所になるため、お年寄りからも洋式トイレを求める声も多いようであります。そこで質問いたします。今年度の学校のトイレ改修計画の予算額についてお伺いいたします。
また、今年度洋式トイレへの改修設置台数は何カ所予定されているのかお伺いいたします。
余談になりますが、9月補正予算、この議会において、耐震不足から本庁舎整備計画策定業務委託料860万円が計上されております。しかし、平成27年から平成29年にかけ、防災拠点施設等整備工事として総事業費5億8,800万円にて整備しており、このうち第1別館は、全面足場をかけ、外壁の防水、吹きつけ工事を済ませております。スケジュールを立てていないから二重手間で二重に費用がかかるのではないでしょうか。その費用があれば、何カ所もトイレの改修ができたでしょう。このことについては本当に残念でなりません。また、エアコン設置と同様にトイレの改修についてもスケジュールを立てて、そのスケジュールを市民にも示していただきたいものだと思っております。
以上でございます。
15:
◯越智 豊議長 答弁を求めます。
16:
◯菅 良二
市長 近藤議員ご質問の小中学校へのエアコン設置についてのうち、1番目の全学校へのエアコン設置について、4番目の設置のスケジュールについて及び5番目の
市長の考え方についてに関しまして、あわせて私からお答えさせていただきます。
小中学校へのエアコン設置につきましては、本年4月に学校環境衛生基準が改正されたことも踏まえまして、さきの6月議会において積極的に検討し、しっかりと取り組んでいくとお答えさせていただきました。その後、本年7月に、あの世界に誇るトヨタ自動車株式会社の城下町、愛知県豊田市におきまして、小学校1年生の男子児童が熱中症で亡くなるという大変悲しい出来事が起きたこともあり、児童生徒の保護者や地域の皆様から、普通教室へのエアコン設置について強い要望をいただいております。先般の中学生議会でも、中学生から質問を受け、できるだけ早期に全小中学校にエアコンを設置できるよう取り組んでいくとお答えしたところでございます。議員ご
発言のとおり多額の費用が必要な事業でございますので、国の交付金の採択を受けて実施したいと考えております。交付金事業として実施する場合、設置までに数年かかるものと見込んでおりますが、現在リース方式も交付金対象に加えるよう国に対する要望も上がっており、それらを勘案した補助制度の拡充や早期設置の促進に向けた予算の増額も期待されるところでございます。そうした状況の中、より適切な手法で、1年でも早い設置完了に向けて作業を進めるよう指示しているところでございます。先般、環境省の補助制度を活用し、CO2排出削減対策モデル事業として整備を行った三重県鈴鹿市の視察も行ったところでありますので、経済性や整備手法など、比較検討しながら児童生徒の教育環境の整備に取り組んでまいります。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いします。
17:
◯林 秀樹教育委員会事務局長 近藤議員ご質問の小中学校へのエアコン設置についてのうち、2番目、3番目と6番目、そして小中学生の熱中症対策についてと市営中央体育館への冷房設置についてと小中学校のトイレの洋式化についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
まず、小中学校へのエアコン設置についてでございます。2番目の費用についてでございますが、現段階では試算はいたしておりませんが、松山市が約58億9,000万円、西条市が約19億8,000万円でございますので、議員ご
発言の数字に近いのではないかと考えております。
3番目、小中学校の教室数についてでございますが、平成30年5月1日現在、小中学校合わせまして、普通教室が493室、特別教室等741室、合計で1,234の教室がございます。
6番目の事業方法、業者の選定方法についてでございます。事業方法はPFI方式、リース方式、直営方式などが考えられますが、直営方式は整備や維持管理の面で負担が大きいなど課題が多く、リース方式は現在の制度では国の交付金対象とはなりません。議員ご提言のPFI方式で国の交付金採択を受けようとすると、さまざまな手順、手続が必要となります。愛媛県下でPFI方式を採用した松山市や西条市など先進事例もございますので、参考にしながら事業方法についても検討してまいります。今治市は、島嶼部が中国電力株式会社、陸地部が四国電力株式会社であるなど、他市町村にはない特殊性もありますので、より適切な事業方法や業者選定を行ってまいります。
次に、小中学生の熱中症対策についてでございます。まず1番目、熱中症により体調を崩した児童生徒数についてでございます。熱中症と思われる症状を訴えて保健室に来室した児童生徒数は、1学期中は延べ508名、うち病院等で熱中症の診断を受けた児童生徒が37名、救急車により緊急搬送された児童生徒が4名でございます。症状としては全て比較的軽度で、翌日には元気に登校しております。
次に2番目、プールの使用についてでございます。プールを使用する際には、一般に、水泳の授業において適温とされる水温31℃以内での活動が望ましいと指導しております。なお、水温の関係でプールの使用を中止した学校もございます。
続いて3番目、教育委員会による指導についてでございます。児童生徒の健康確保のために各学校に指導している主なものについて説明させていただきます。可能な範囲で、教室に扇風機や送風機、またはよしずやすだれの設置、運動場等にミストシャワーを設置するなどの工夫をすること。クールネックやクールマフラー、ハンドタオルを水に濡らし、首や頭などに巻きつけたり、うちわの使用を認めたりすることによって体温の上昇を防ぐこと。ポカリスエットやOS-1などの熱中症対策飲料水を持ってきてもよいこととし、小まめに水分補給させること。運動会の練習については暑さを考慮し、開会式、閉会式を初め、各プログラムの内容を見直し、運動会練習が短時間で済むよう工夫すること。環境省等が発表している暑さ指数が31℃以上の場合は、体育の授業や課外活動、部活動等は原則禁止することなどでございます。また、環境省からの熱中症対策関係のマニュアルやパンフレットを全小中学校に配布し、研修の徹底、救命救急の講習会の開催などの対策を講じております。2学期以降も、児童生徒の命を守る、健康を守ることを最優先に熱中症対策が十分に行われるよう、引き続き指導を継続してまいります。
次に、市営中央体育館への冷房設置についてでございます。昨年開催されましたえひめ国体に向け、競技会場となる市営中央体育館、市営球場等の改修を行いました。議員ご
発言のとおり、市営中央体育館全体への冷房設置の市民の要望がありましたが、各種の主要な大会が開催されておりますアリーナに限り冷房設備を設置したものでございます。今後の計画につきましては、今治市全体の中でバランスを考慮しながら検討してまいりたいと考えております。
次に、小中学校のトイレの洋式化についてのうち、まず1番目、学校トイレの現状についてですが、平成30年4月1日現在の洋式化率は、小学校で21.40%、中学校で27.32%でございます。2番目、今年度の改修計画について、3番目、基数について、これについては、あわせてお答えいたします。今年度にトイレの改修を行う学校は、大規模改修を行っている常盤小学校で、20基の改修予定でございます。大便器の洋式化のほか小便器や手洗い等も改修を行いますので、これらを含めたトイレ全体の改修経費になりますが、約5,100万円でございます。
以上でございます。
18:
◯越智 豊議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
19:
◯近藤 博議員 議長。
20:
◯越智 豊議長 近藤
博議員。
21:
◯近藤 博議員 小中学校へのエアコン設置についてであります。世界歴代最高気温は、何と58.8℃と信じられないくらいの気温を記録したのが、イラクのバスラ。2番目はアメリカのデスバレーで56.7℃、何と地面で目玉焼きができるような異常な気温でございます。ちなみに、ことしの7月23日に、埼玉県熊谷市で41.1℃が記録されております。世界中が異常な気象に見舞われ、まず飛行機も飛べない、停電、山火事等被害が続出しております。私たちの子供のころより地球が熱くなっているのは、まさに間違いございません。猛暑から子供たちや孫を守っていただきたい、児童の命を守るのは行政の役目だと私はそう思っております。何とぞ理事者の方々には、エアコン設置は早急に予算をつけていただき、設置に向けて進んでいただきたいと思っております。先ほどの挨拶の中で、
市長はいろいろなところにイベントに行かれるようですが、熱中症にはくれぐれも気をつけてください。
次に、市営中央体育館の冷房設置については、先ほどの答弁からしますと、全市の中でバランスを考慮して検討してまいりたいとのことでありました。前向きに対応していただけるものと私は受け取りましたので、役所言葉では終わらないように前向きに検討していってもらいたいと思います。これは要望しておきます。
次に、トイレの洋式化についてですが、平成28年3月議会での
発言では、小学校21.11%、中学校24.83%とのことでありました。先ほどの答弁を聞いていますと、それほど伸びてはいない。そこで質問いたしますが、学校の改修工事にあわせてではなく、単独予算にてお願いしたいと思いますが、そうでないとトイレの洋式化はなかなか進みません。単独予算にてお願いしたいのですが、この点についてはいかがでしょうか、お尋ねいたします。
22:
◯林 秀樹教育委員会事務局長 お答えいたします。トイレの洋式化についてでございますが、さらに検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
以上でございます。
23:
◯越智 豊議長 再質問はありませんか。
24:
◯近藤 博議員 議長。
25:
◯越智 豊議長 近藤
博議員。
26:
◯近藤 博議員 再度お尋ねしますが、来年度のトイレの改修はどのような状況ですか。学校数と箇所数、これがわかればお教え願いたいのですが、いかがでしょうか。
27:
◯林 秀樹教育委員会事務局長 お答えいたします。来年度のトイレ改修予定でございますが、これから予算編成に取りかかるものでございますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
以上でございます。
28:
◯越智 豊議長 再質問はありませんか。
29:
◯近藤 博議員 議長。
30:
◯越智 豊議長 近藤
博議員。
31:
◯近藤 博議員 ご丁寧な答弁ありがとうございました。だけどもう少し中身のあるような答弁はできないのでしょうか。「これから予算編成ですからご理解を」、こう言われても理解できませんよ。お願いしておきたいのは、先ほども言ったように、教育委員会においては、前向きにトイレの改修費の予算計上をぜひともお願いいたしまして、以上で私の質問を終わります。
ありがとうございました。
32:
◯越智 豊議長 再質問なしと認めます。
以上で近藤
博議員の質問を終わります。
次に、14番渡部豊議員。
33: ◯渡部 豊議員 皆さん、おはようございます。通告に従い、防災・減災を図るための質問をいたします。ご答弁をよろしくお願いいたします。
7月の西日本豪雨災害では、今治市でも広い地域で住民が予想もできなかった被害をこうむり、お二人がとうとい命を失いました。亡くなられた方のご冥福をお祈りし、被災者にお見舞い申し上げます。台風や大雨による豪雨災害が頻発するたびに指摘されているのが住民の逃げおくれの問題です。西日本豪雨では自治体の避難情報などの意味が十分に理解されていなかったとされております。
そこで初めに、避難準備・高齢者等避難開始を発令した後の対応について。このたびの豪雨災害により、吉海町泊地区、伯方町有津地区では、とうとい命が奪われました。同地区には、それぞれ7月6日11時25分と17時10分に、避難準備・高齢者等避難開始が発令されています。今治市地域防災計画では、「避難の準備情報、勧告又は指示の発令を行った場合、市は直ちに対象地域の住民に伝わるよう、あらゆる手段を活用する。なお、防災行政無線等で避難を呼びかける際は、予想される被害の大きさに応じて放送内容に違いを持たせるなどにより緊迫感を持たせ、住民の避難を促す工夫をする」としていますが、今回の災害で発令が出された地域では、避難行動を高めるためにどういった対応がなされたのかお聞きします。
次に、住民への災害情報や避難指示などの周知徹底について。今治市では7月5日から7日までの間で出された豪雨災害による警報は、大雨警報、洪水警報、土砂災害警戒情報の発表と避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告、避難指示が発令されました。しかし、警報対象地域に住んでいる方より、テレビを見ているとテロップで警報が流れたが、どこがどのように危険なのかわからなかったので避難行動を起こさなかったとの声もお聞きしました。また、防災のかなめとなる関連用語が多過ぎてわかりにくいのが実情ではないかと思います。一人一人がみずからの命を守る、早目の行動を起こせるための災害情報や避難指示などの徹底のあり方についてお伺いします。また、防災時に自力で移動が困難な高齢者や障害者などの避難対策についてもお伺いします。
次に、ハザードマップの活用の仕方や、災害への危機感を持ってもらうための対応について。大規模な洪水や土砂災害が広範囲で起き、多くの犠牲者を出した西日本豪雨で、改めて見直されているのがハザードマップの重要性です。甚大な被害が出た岡山県倉敷市真備町地区の浸水地域は、倉敷市が作成した洪水・土砂災害ハザードマップの想定とほぼ重なっていました。専門家は改めて重要性を認識し、災害時には一人一人が当事者意識を持って行動をとる必要があると指摘しています。ハザードマップの作成、周知は、2005年に義務化されて以降各自治体で取り組みが進みました。今治市も、地域の特性に応じた洪水・土砂災害防災マップ、地震防災マップ、津波防災マップ、ため池ハザードマップを作成し、全戸に配布したりホームページで周知しています。土砂災害では土石流や崖崩れの危険性が高い場所も記載されています。課題はその存在を知っている住民が少ないことです。浸水被害に遭った真備町の住民男性は「そんなものがあったのは知らなかった」との記事を目にしました。私も出前講座を利用して防災研修を何度か行い、参加者に防災マップの確認をしますと「あったような気がする」、その程度の返事しか聞いたことがありません。また、知ったとしても実際に被害が起きない時間が長くなると危機感が薄れてしまうという問題もあります。住民に日ごろからハザードマップの活用の仕方や、災害の危機感を持ってもらう対応が急がれますが、ご所見をお聞きします。
次に、災害が想定される区域における自主防災組織の状況について。私は本市の防災士育成事業により2011年に防災士を取得して以来、目標としてきたのは自主防災組織の結成です。昨年1年間、自治会長として役目を果たす中で、組織を結成することができました。現在は、いかに地域住民の防災意識を高めていくか試行錯誤しております。今治市は、自主防災組織の育成強化において、「防災アセスメント結果より大きな被害が想定される地域においては、自主防災組織の結成と育成強化を積極的に推進する」としています。そこで、ハザードマップ等で示されている災害想定区域内の住民組織である自主防災組織の結成状況と、災害発生を想定した活動状況をお聞かせください。
次に、地区防災計画の作成の現状と、今後の普及に向けた取り組みについて。2011年の東日本大震災では、行政の防災計画(公助)に、個人や家庭での備え(自助)と地域のコミュニティーにおける自発的な防災活動(共助)をかみ合わせる重要性が指摘されました。2013年に改正された災害対策基本法では、共助による防災活動推進の観点から地区防災計画制度が盛り込まれています。地区防災計画は、地区居住者や事業者などが、実情に応じた防災活動の計画を立てて、市の地域防災計画の一部として提案することも可能です。計画では、災害時に誰が、何を、どれだけ、どのようにすべきかを作成することで、地域の防災意識と防災力の向上を目指しています。この制度の普及のため、内閣府では平成26年度から28年度に全国で44カ所のモデル地区を選定し、専門家をアドバイザーとして派遣する等、さまざまな支援を行いました。このたびの豪雨災害で土砂崩れにより多数の住宅が被害に遭いましたが人命を失うことのなかった松山市の高浜地区は、平成27年度にモデル地区に選定され、防災力の向上を図っていました。そこでお伺いします。本市においても地区防災計画の策定については、共助の強化により地区の防災力を向上することを目的としています。地域の防災課題を住民みずからが考えて計画を作成することで災害による被害の軽減や迅速な復旧・復興につながる地区防災計画の策定の現状と、今後の普及への取り組みについてお伺いします。
次に、水害対応タイムラインについて。台風や豪雨による大規模水害に備えるため、自治体などが事前にとるべき対応を時系列でまとめたタイムラインの導入が各地で広がっています。タイムラインは、台風などあらかじめ予測できる災害に対して、行政や自治会などが、いつ、誰が、何をするのかを整理しておく仕組みです。2012年に米国を襲ったハリケーンでは被害を軽減したことで注目され、日本でも各自治体がつくるようになりました。そこで、東予地方局今治土木事務所大規模氾濫に関する減災対策協議会の資料には、蒼社川の洪水時に防災行動をあらかじめ定める水害対応タイムラインを、平成33年度までに作成するとしていますが、本市の取り組み対応についてお伺いします。また、頓田川等の今治市内河川については、今年度から水害危険性周知河川の設定に向け検討するとしています。設定後の対応についてもお伺いします。
次に、マイ・タイムラインについて。住んでいる場所や家族構成、年齢などによって災害対策が異なることから、みずからの行動計画を時系列で定めておくマイ・タイムラインをつくる動きも出始めています。茨城県常総市では、関東東北豪雨で鬼怒川下流部の堤防が決壊し多くの住民が逃げおくれた反省を踏まえ、全国で初めて自治体として作成を推進しています。先般の西日本豪雨の洪水被害を見ましても、自分の命は自分で守るマイ・タイムラインの作成により「逃げおくれゼロ」に向けて取り組むことが重要であると考えますが、ご所見を伺います。
次に、災害時受援体制の強化を図るための受援計画策定について。2016年4月に発生した熊本地震は、余震、本震により多大な被害をもたらしました。中でも熊本県の空の玄関口、益城町は最も被害が大きかった所です。益城町は、発災後8カ月間の応急対応を検証した報告書には「災害業務に卓越した専門知識を有した職員を、交通整理や清掃業務に従事させるなど問題が発生した」と、全国から応援に駆けつけた自治体職員を活用し切れなかった反省がつづられています。政府はこれまでに自治体の地域防災計画などで、災害時の支援の受け入れ体制を事前に定める受援計画を位置づける努力規定を設けています。さらに、計画の必要性を周知して策定を促すため、昨年3月に災害時受援体制に関するガイドラインを作成しました。改めて指摘するまでもなく、地震はどこでも起こり得ます。想定される南海トラフ巨大地震が発生すれば、被災自治体だけでは対応し切れず広域支援が不可欠です。受援計画を作成し受援力を高めることは、支援する側の力を最大限に発揮することにつながり、早期の復旧・復興にも直結するものと考えますが、ご所見を伺います。
最後に、ブロック塀の安全対策についてお伺いします。
通学路におけるブロック塀の実態調査と安全対策について。6月の大阪府北部を震源とする地震により、高槻市で小学校のブロック塀が倒壊し、通学中の女児が下敷きになって死亡する痛ましい事故が発生しました。これを受け、今治市では149施設の安全性に問題があるブロック塀のうち、59施設の対策工事費を9月補正予算案に計上されています。その中に、緊急対応が望まれる今治市内の小中学校18校も含まれております。スピード感を持って子供の安全を守る緊急対策に、私は高く評価いたします。大阪府北部地震では、通学路沿いの民家のブロック塀が倒壊し、80歳の男性も犠牲になりました。こうした悲劇を繰り返さないためにも、通学路の民間施設や住宅に設置されているブロック塀の実態を調べて、万全の対策を急がねば、登下校の安全は確保できないと考えますが、ご所見を伺います。
次に、倒壊するおそれがあるブロック塀の所有者への危険性の周知について。ブロック塀の中には、設置されてから長期間経過しているものも少なくありません。現在の耐震基準に合っているかどうか、いま一度再確認する必要があります。もし、不適合だったり劣化が進んでいれば人命を奪う凶器と化します。倒壊のおそれのあるブロック塀の所有者に対して、その危険性を伝えるのは行政の責任であると考えますが、ご所見を伺います。また、法律で定められた点検ポイントを所有者に理解してもらい、耐震診断の実施を促す取り組みも進めるべきです。お考えをお聞きします。
次に、倒壊するおそれがあるブロック塀の撤去に係る費用に対する補助について。大阪府北部地震の教訓を踏まえ、自治体では危険なブロック塀の撤去費などを助成する動きが広がっています。地震に遭った関西地域では、多くの自治体が7月から補助制度を始めています。例えば、撤去費や軽量フェンスなどの新設費用を補助する大阪市は、今年度と来年度に限り補助限度額を5万円上積みし、迅速な対応を促す工夫をしています。また、鎌倉市では、市が危険であると指導や勧告した民間所有のブロック塀などを対象に、撤去費用を半額補助する制度(上限10万円)を2008年度から導入しており、その後も制度の拡充を行っています。一部の自治体が民間の建物に設置されているブロック塀の撤去、改修にかかる費用を助成するのは、これまでも大規模地震時に倒壊し数々の犠牲をもたらしてきたことへの対策であり、何よりも犠牲者を出さない安全確保のためです。本市のブロック塀等の撤去を促す補助制度について、ご所見を伺います。
以上。
34:
◯越智 豊議長 答弁を求めます。
35:
◯菅 良二
市長 渡部豊議員ご質問の地域の災害対策についてのうち、2番目と3番目に関しまして、私からお答えさせていただきます。
まず、2番目の住民への災害情報や避難指示などの周知徹底についてでございます。刻々と変わる気象情報や避難勧告等の緊急情報など、行政はこれらの重要な情報を、正確にわかりやすく住民に伝えることが必要であり、住民の皆様は、そうした情報をしっかり受け取り行動していただくことが重要であります。本市におきましては、災害情報等の伝達手段として、防災行政無線、有線放送、テレビ、携帯電話やコミュニティーFM等による周知と消防団等による呼びかけによりまして、緊急情報の周知徹底を図っているところでございます。さらに今後は、現在整備中の緊急防災情報伝達システムにおいて、緊急告知ラジオの導入も考えているところでございます。このほか、皆様ご承知のとおり、平成22年度から自衛隊OBを危機管理室長に配属し、市民の皆様の防災意識を高めるために出前講座の実施を積極的に行っております。また、配慮を要する方の避難対策におきましては、地域において避難行動要支援者名簿を用いまして、地域の助け合い、共助により避難支援していただくことが重要となってまいります。
次に3番目、ハザードマップの活用の仕方や、災害への危機感を持ってもらうための対応についてでございます。自分の住んでいる地域にはどんなハザード(危険)があるか、ハザードマップ等で確認して、ふだんから認識すること、すなわち正しく恐れることが大事であり、刻々と変わる気象情報に対してどのような行動をとるべきか、ふだんから考え家族で話し合っておくことが大切であります。また、小中学校では、防災マップづくりや避難訓練の際にハザードマップが役立っていると伺っております。このように、今治市が配布しておりますハザードマップを十分にご活用いただくとともに、今後とも出前講座や防災教育などを通して市民の皆様の防災意識の高揚に努めてまいりたいと考えております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますのでよろしくお願いします。
36:
◯矢野隆治総務部長 渡部豊議員ご質問の地域の災害対策についてのうち、1番目と、4番目から8番目までに関しまして、お答えいたします。
まず、1番目の避難準備・高齢者等避難開始を発令した後の対応についてでございますが、気象庁からの気象情報に基づき、吉海町全域、伯方町全域に避難準備・高齢者等避難開始を発令し、同時に避難所を開設して避難者の受け入れ体制を築きました。その後、吉海町では防災行政無線にて気象状況の変化に応じて注意喚起を行い、伯方町有津地区では消防団が各戸を回って避難を呼びかけております。
次に、4番目の災害が想定される区域における自主防災組織の状況についてでございます。本市では27校区全てに何らかのハザードが存在しており、自分の地域は自分で守るという趣旨のもと自主防災組織を結成していただいております。結成率は平成30年8月1日現在で71.9%でございます。南海トラフ巨大地震や風水害を想定して、各自主防災組織は、計画的に、避難訓練、避難所開設訓練、災害図上訓練など、さまざまな防災訓練を熱心に行っておられます。
次に、5番目の地区防災計画の作成の現状と、今後の普及に向けた取り組みについてでございます。本市では地区防災計画は作成しておりません。しかしながら、その重要性は議員ご
発言のとおりでございます。年間100件近くの出前講座や避難訓練などを行い、地域の中に入り、危機意識の啓発を行っているところでございますが、今後、先進地の状況を踏まえ、地区防災計画の作成について、研究検討してまいりたいと考えております。
次に、6番目の水害対応タイムラインについてでございます。東予地方局今治土木事務所管内における水害防止や軽減のため、また大規模氾濫に備えた減災対策のため、議員ご
発言の東予地方局今治土木事務所大規模氾濫に関する減災対策協議会が、昨年度、今治土木事務所に立ち上げられました。ご案内の水害対応タイムラインは、この協議会の中で、今後作成していくものと考えております。また、水害危険性周知河川の設定及び避難勧告等を発令する際の目安となる基準水位や、これら設定後の対応につきましても、今後検討を行っていくものでございます。
次に、7番目のマイ・タイムラインについてでございます。自分の命は自分で守る自助が一番大切であり、あらゆる状況をシミュレーションして、家族で話し合って行動を決めておくことが重要であります。「逃げおくれゼロ」を目指して、今後、出前講座等で市民の皆様への啓発をしてまいりたいと考えております。
最後に、8番目の災害時受援体制の強化を図るための受援計画策定についてでございます。議員ご
発言のとおり、南海トラフ巨大地震のような大規模災害が発生しますと、政府は被災地の要請を待たないで避難者への支援のために必要不可欠と見込まれる物資を調達し、被災地に物資を緊急輸送してまいります。また、協定先等からの提供及び全国から応援職員や災害ボランティアが集まってまいります。せっかくの支援を無駄にしないためにも、また、初動から復旧・復興まで対応していくためにも、受援計画の作成は重要であると考えております。今後、先進地の事例を参考にしながら具体的に検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
37: ◯一色剛司都市建設部長 渡部豊議員ご質問のブロック塀の安全対策についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
まず1番目、通学路におけるブロック塀の実態調査と安全対策についてでございますが、大阪府北部地震でブロック塀の倒壊により犠牲者が出たことを受けまして、文部科学省から全国の教育委員会に対して、通学路の安全について防災・防犯・交通安全の3つの観点から見直しを実施するよう要請がありました。実態調査についてでございますが、現在、教育委員会において、各学校から安全対策必要箇所の提出を依頼しているところでございます。今後、安全対策必要箇所について、教育委員会、警察、道路管理者、学校、保護者代表者等が連携、協働して、通学路の合同点検を実施し、倒壊の危険性があるブロック塀の対策が必要な箇所を抽出することにより危険箇所の把握に努め、保護者や児童生徒に周知してまいります。
次に2番目、倒壊するおそれがあるブロック塀の所有者への危険性の周知についてでございます。ブロック塀の適切な維持管理については、広報誌や今治市ホームページへの掲載、市役所窓口でのパンフレットの配布、専門家による相談窓口の紹介等を行い周知に努めているところでございます。また、ブロック塀の安全性の確保や適切な維持管理については、建築基準法においても所有者の責任において行われるものとされております。本市では、法令に基づき、倒壊するおそれがあるブロック塀を把握した場合は、所有者を調査の上で行政指導を実施し、所有者による適切な維持管理を促しております。
次に3番目、倒壊するおそれがあるブロック塀の撤去にかかる費用に対する補助についてでございます。大阪府北部地震発災以降、市民の皆様からは、ブロック塀に関してさまざまな相談をお受けしております。主な相談内容といたしましては、倒壊するおそれがあるブロック塀に関する通報や、ブロック塀の基準を知りたい、点検・除却できる業者を紹介してほしいといった相談となってございます。ブロック塀の撤去費に対する補助に関しましては、数件ではありますが問い合わせがあったという状況でございます。議員ご
発言のとおり、通学路や災害時の避難路、救助活動の確保を図るため、倒壊のおそれがあるブロック塀の撤去費に対する補助制度を創設して、安全対策を促していく方法もあると承知はしておりますが、まずは所有者に対する一層の周知、啓発、指導を行い、また、学校、地域住民の皆様のご意見等をお聞きしながら、適切な維持管理に向けた取り組みを推進することで、安全・安心に暮らすことができるまちづくりを進めてまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
以上でございます。
38:
◯越智 豊議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
39: ◯渡部 豊議員 議長。
40:
◯越智 豊議長 渡部豊議員。
41: ◯渡部 豊議員 今回の質問は、今治市地域防災計画に基づいて質問を行わせていただきました。地域防災計画は、
市長が防災会議に諮り、防災のために必要な行政の対策を定めた計画のことであります。これに対しまして、今回質問させていただきました5番目の地区防災計画は地域の実情に応じた、地域の自発的な活動により行政と家庭とをつなぐものであります。ご答弁では、地区防災計画は作成していないと非常に正直なご答弁をいただきました。また、その重要性は認識していると安心しております。先進地の事例も踏まえ、地区防災計画の作成について、今後検討してまいりたいというご答弁をいただきましたが、私自身今後大いに期待したいと思っております。また、8番目の受援計画の策定についてでありますが、受援計画の策定についても重要であると認識していただいております。また、今後具体的に検討していくとの答弁もいただきました。ただ、現在の日本国内での災害発災状況を見ますと、待ったなしの対応が必要であります。この受援計画についても早期の作成を望みまして、私の質問を終わります。
以上でございます。
42:
◯越智 豊議長 再質問なしと認めます。
以上で渡部豊議員の質問を終わります。
9月10日、定刻から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午前11時38分 散 会
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