今治市議会 2015-09-10
平成27年第5回定例会(第4日) 本文 2015年09月10日開催
このように、子供たちの大切な未来を奪う病気であります。子供を持つ親からすれば、我が子に苦しい思いをさせないため、ワクチン接種をしてあげたいのが親心でありますが、ここで問題になるのが接種費用です。このワクチンは定期接種ではなく、任意接種で、接種費用は1回当たり1万2,000円から1万5,000円とも言われ、2回以上の接種が必要です。つまり、2回接種で費用は約3万円かかることになります。これは、子育て世帯にとって大きな負担となり、また、保護者の経済的基盤によって接種する乳児に有無の差が生じ、乳児の健康を守る意味合いからも問題があると考えます。日本小児科学会の「ロタウイルスワクチンの早期定期接種化に関する要望書」の中で、国の試算では日本の出生数を約110万人として、医療費以外の支出や労働損失も含めたロタウイルス感染症による1件当たりの経済的負担は、入院治療で17万6,798円、通院治療で5万717円とされており、総額では年間540億円にのぼると推定されています。この試算を今治市の出生数1,131人の比率から換算してみますと、ロタウイルス感染症による負担額は約5,550万円になります。ロタウイルス感染症に対する特異的治療法はないため、ワクチン接種による発症予防が唯一そして最も重要な感染制御のための方策となると述べております。
子育て支援は、国でも地方においても最重要施策であります。子供医療費の助成制度も全国の自治体間で競争が激しくなっていますが、治療行為を受けずに健康な日常を過ごすことができる予防対策は極めて重要であり、自治体にとっても、財政上、得策です。
そこで、予防医療を行うことにより、子育て世帯への負担も軽くなり、また医療費も削減できるというメリットがあるロタウイルスワクチンの接種の公費助成を行うべきと考えますが、ご所見を伺います。
次に、港湾緑地等についてお伺いします。
港湾緑地は、水際線の修景や港湾就労者、近隣住民の休息といった日常利用のほか、大規模災害発生後の避難スペース、緊急物資の一時保管など重要な役割を担っており、今治港の緑地は4地区に整備されています。中でも富田地区には親水緑地に併設して親水護岸や魚釣護岸、親水防波堤が整備されており、市民の憩いの場所であります。親水護岸が整備されている環境は、護岸と一体感のある織田が浜の白い砂浜とヤシの木が長く続き、前方には燧灘に面して標高約2,000メートル級の四国山地の連なりと、西条市の造船所の巨大クレーンや新居浜市の工場地帯の煙突も一望できます。また、瀬戸内の海には、目の前に比岐島や平市島など多島美な、すばらしい景観の中に整備されております。
親水防波堤や魚釣護岸では防護柵が設置されており、安心して親子で釣りを楽しんでいる姿をよく見かけます。親水護岸は自然との調和を意識した石積み護岸で、砂浜と一体となっており、近隣住民の散歩コースにもなっています。特に夏のシーズンには多くの市民のレジャースポットとしてにぎわっています。
先月末に、地域の環境美化奉仕活動に以前から熱心に取り組まれている住民から相談をいただきました。みずから率先して親水緑地の松林の枯れ葉除去を黙々とされている現場でお話を伺うと、親水護岸では数年前から、夏になると、施設利用者の一部の心ない人たちにより、花火やバーベキューの使用済み炭やごみが放置されています。また、自転車や車椅子以外の乗り入れが禁止されているにもかかわらず、乗用車が進入して警察より指導されたケースもあったそうです。
そこで、1番目、当局が把握されている利用状況及び管理体制についてお聞かせください。
親水緑地、親水護岸等には、炊事場等の設備が完備されていないにもかかわらず、所構わず火気を使ったバーベキューが行われております。そのため、砂浜や整備されたカラー舗装、木製ベンチ、石積み護岸等で汚損、損傷が至るところで見受けられ、市民の憩いの広場としての環境が劣悪な状況になっています。これらのマナーの悪さは、現場に看板等で明確に注意喚起を図る周知がなされていないのも1つの大きな要因かと思われますが、お伺いします。
今治港湾緑地として整備された今治地区の海岸公園は都市公園に位置づけられていることで、今治市公園条例により、たき火をし、また火気をもてあそぶことは禁止されています。ところが、富田親水緑地や親水護岸等は港湾施設に位置づけられているため、火気の使用を禁止することは規定されておりません。
そこで、2番目、親水護岸等の利用規定については、現状の利用形態をいつまでも曖昧な状態に放置するのではなく、火気使用を許可するのであれば、設備をしっかり整える必要があります。また、バーベキューを禁止にするのであれば、はっきりと明文化する必要があると考えますが、ご所見をお伺いします。
3:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
4:
◯菅 良二
市長 渡部
豊議員ご質問の高齢者肺炎球菌ワクチンの接種率の向上についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
渡部
豊議員、お母様がおられると今お話がありました。何歳かと思いながら……。実は私の母もことし無事に白寿を迎えることができました。米寿のときに家族でお祝いをしまして、「これは楽しいから、これから毎年やろうね」と言ったら、母が「いや、次は白寿のときでいいよ」と意気軒高でありました。棒高跳びの5メートルから10センチ刻みでいこうと思っていた私が、いきなり6メートルでいいよと言われたようなものでありました。
ところが、どうもきょうの話題の肺炎になったらしいということで、正直、どきっといたしまして、本会議2日目の質疑の後にのぞいてきますと、にこっと笑ってくれました。そして、心がけているのが、なるべく背中をさすったり、スキンシップですが、ちょうど酸素吸入をやっておりましたので、やむを得ず手をさすって。血色がよくなります。
そんなことで、やはり肺炎というのは本当に気をつけなければいけないと感じた矢先の今回のご質問であります。私からお答えさせていただきます。
まず1番目、昨年度の高齢者肺炎球菌ワクチン接種の取り組み結果についてでございます。
昨年10月1日から、高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンがB類の定期接種となっております。本市では、初年度の接種率につきましては4割から5割と想定しておりましたが、結果的には、平成26年9月現在の対象者約1万2,200名のうち、接種者は5,283名で、接種率が約43%、未接種者は約6,900名となり、ほぼ想定の範囲内であったと考えております。
次に、2番目の未接種者に対してハガキなど簡易的な方法で再度お知らせすることについてでございます。
昨年度は定期接種の開始に合わせ、10月1日号の広報誌及び今治市ホームページに接種に関するお知らせを掲載し、未接種者への周知を図るため、3月1日号の広報誌にも再度お知らせを掲載しております。平成27年度におきましても、接種に関するお知らせを4月1日号の広報誌や今治市ホームページに掲載いたしております。
今後、未接種者への周知や接種率の向上を図るため、高齢者インフルエンザの予防接種をお知らせするハガキや、健診事業、健康相談をご案内するチラシにあわせて記載したり、広報誌への掲載回数をふやしたりするなどして、未接種者の減少に努め、経過措置期間内の接種率の目標値60%を上回るよう取り組んでまいります。このような取り組みにより、高齢化と医療の高度化で、年々増大する高齢者の医療費の削減にもつながるものであると考えております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
5:
◯村上伸幸健康福祉部長 渡部
豊議員ご質問のロタウイルスワクチンの接種助成についてお答えいたします。
ロタウイルスワクチンの接種につきましては、平成24年11月に国立感染症研究所からロタウイルスワクチンに関するファクトシートが提出されたことを受けて、翌年1月に開催された厚生科学審議会予防接種部会においてロタウイルスワクチン作業班が設置され、予防接種の目的と導入により期待される効果、ワクチン製剤の現状と安全性などについて検討がなされているところでございます。
ロタウイルスワクチン接種費用の公費助成を行うことにつきましては、子育て世帯の負担軽減につながるとともに、接種の促進により発症時の重症化を防ぐという予防の観点も大事であると考えておりますが、予防接種部会のロタウイルスワクチン作業班による検討結果を待って、安全性等が十分確認された後、ロタウイルスワクチン接種が早期に法的に位置づけられ、定期接種となることが一番望ましいと考えておりますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
以上でございます。
6:
◯阿部 宏農水港湾部長 渡部
豊議員ご質問の港湾緑地等についてお答えいたします。
ご質問の1番目、富田地区の親水防波堤・親水緑地・親水護岸等の利用状況及び管理体制についてでございますが、富田地区の親水緑地には、富田親水護岸、富田魚釣護岸を合わせて600メートル余りの長さがございます。この港湾整備事業は、昭和62年に着手、平成7年に完成したものです。もとより、今治市内中心部には同様の施設はほかになく、完成後は、長年、市民の方々から愛されてまいりました。特に富田地区の皆さんには思い入れがある場所とお聞きしております。子供のころには愛護班活動で地域に守られ、地域の伝統ときずなを学び、大人になってからは、地域とつながり、守ることで子供たちを育てております。皆さんそれぞれに思い出がたくさんあるようです。このような中、近隣の方には日々の清掃をしていただくなど、そのボランティア精神には大変頭が下がる思いでございます。
まず、利用状況ですが、釣りだけにとどまらず、四季折々に思い思いのスタイルで余暇を楽しんでおられます。残念ながら、夏の季節になりますと少々マナーの悪い方もおられるようです。議員ご
発言のとおり、バーベキューの跡と思われる放置ごみなども見受けられ、苦情をいただくケースもございます。また、ミニバイクなどを乗り入れていることもあるようです。
次に、管理体制ですが、ここは港湾振興課の所管施設で、富田ふ頭事務所が中心となり、管理をいたしております。定期的な巡回と清掃を行っているものですが、こういった事情から、特に7月、8月には毎日清掃員を配置するとともに、6月、9月、10月もそのほかの月より清掃回数をふやすなどの対策をいたしております。
施設の損傷も把握いたしております。燧灘に面した埋立地でございますので、台風や地震などによる場合もございますが、明らかに火気によると思われるものもございます。利用者がその責において施設を破損した場合には原状を回復するよう請求いたしますが、どうしても原因者が特定できない場合もございます。そうした際には、利用者に危険が及ばないよう、港湾振興課で順次修繕してまいりたいと考えております。
続きまして、2番目の親水護岸等の利用規定についてでございますが、当然のことながら、施設を傷める行為は今治市港湾施設管理条例で禁じられております。本質的には、迷惑している人がいる以上、施設利用に制限をかけるべきであると思いますが、皆さんに気持ちよく楽しんでいただきたいと考えております。
議員ご
発言のとおり、今治市内の都市公園ではバーベキューを行うことはできません。ここにつきましては住宅から少し距離もあり、まずは禁止するのではなく、使用する方のマナーを醸成してまいりたいと思います。具体的には、現在は、ごみの持ち帰りを促す看板のみの設置でございますので、一歩踏み込んで、利用上の注意や公共の場であることが認識できる記載により、注意喚起を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
7:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
8:
◯渡部 豊議員 議長。
9:
◯松岡一誠議長 渡部
豊議員。
10:
◯渡部 豊議員 ご答弁、ありがとうございました。
今回、悪い事態が起こらないように事前に防ぐということで、予防というテーマで質問させていただきました。高齢者肺炎球菌ワクチンの接種については、接種率の向上、周知について具体的な取り組みの答弁をいただきました。さらに、想定接種率が60%とお伺いしましたが、これは毎年実施されているインフルエンザワクチンの接種率に近い目標であり、積極的な取り組みに感謝いたします。接種率の向上は今治市の高齢者の健康寿命の延伸につながるのみならず、医療費の削減という形で財政に返ってくるものと思っております。
また、親水護岸については、この近くに大型のショッピングセンターや、隣には食品製造企業の立派なヨーロッパ調の宮殿風の建築物があり、環境や利便性においては大変恵まれた場所であります。これからも憩いの場として市民が気持ちよく利用できるような維持管理をお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
11:
◯松岡一誠議長 再質問なしと認めます。
以上で渡部
豊議員の質問を終わります。
次に、10番渡辺文喜議員。
12:
◯渡辺文喜議員 発言の許可をいただきましたので、通告の順に質問させていただきます。ご答弁のほど、よろしくお願いいたします。
最初に、みなと再生事業についてお尋ねいたします。
この事業の中心となるのが、みなと交流センターだと思いますので、まず、質問の1番目として、みなと交流センターについてお尋ねいたします。
みなと交流センターは、当初の計画より若干のおくれが生じ、12月中ごろの完成とお聞きいたしておりますけれども、間違いはございませんでしょうか。
みなと再生事業は、当初、総額60億円もの予算を要し、賛否の分かれるところでしたが、菅
市長が英断され、当初の約半額、30億円での施工となりました。それでもなお市民の中には異論が多々あることも事実です。私は、「交通」の港から「交流」の港へ、その機能を変換する過程で、老朽化した今治港湾ビルをスリム化し、衰退する中心市街地を活性化する核になる施設として大変重要な施設と理解しているつもりです。しかし、船便が随分減少した今治港ににぎわいを取り戻し、中心市街地にその波及効果を生むのは決して容易ではないというのも事実だと思います。しっかりとした計画のもとに創意工夫が必要だと思います。
そこで、さらにお尋ねいたします。みなと交流センター建設の意義について、また、みなと交流センターを活用して、今治港周辺をどう活性化させる覚悟なのか、その決意をお聞かせいただきたいと思います。
次に、具体的にお尋ねいたしますけれども、今治港湾ビルから移転される企業は何社でしょうか。また、新たに、みなと交流センターへの入居を希望される商業テナントや事務所は幾つでしょうか。その数は想定内でしょうか。また、港湾振興課のような今治市の施設の入居はどのように考えておられますか、お尋ねいたします。
次に、維持管理についてお尋ねいたします。果たして1年間にどのぐらいの経費が必要とお考えでしょうか。また、運営方法は、直営での運営でしょうか、指定管理者制度の導入も視野に入れているのでしょうか、質問いたします。
質問の2番目として、今治港湾ビルの跡地に計画されているコンコースについてお尋ねいたします。当初は600メートルとお聞きいたしておりましたが、計画の変更はありませんか。また、どのような形状でしょうか、お尋ねいたします。
質問の3番目として、コンコースとの兼ね合いもありますが、桟橋についてお尋ねいたします。現状の航路は主に第2桟橋と第3桟橋が使用されていますけれども、みなと交流センターの建設によっての変更等はあるのでしょうか。また、海の駅はどうなのでしょうか、お尋ねいたします。
質問の4番目に、国の出先機関の合同庁舎についてお尋ねいたします。以前には、合同庁舎の建設が計画されているようにお聞きしていましたが、その進捗状況はどうなっていますか、お尋ねいたします。
次に、平成26年度文部科学省に採択されました「地(知)の拠点整備事業」についてお尋ねいたします。
昨年8月12日の愛媛新聞に、愛媛大学と今治明徳短期大学が「地(知)の拠点整備事業」に採択されたことが報道されていましたけれども、本事業は、ご案内のとおり、大学等と地域社会が連携し、全学的に地域を志向した教育・研究・社会貢献などを進める大学等を支援することで、地域の課題解決に資するさまざまな人材や情報、技術が集まる地域コミュニティーの中核的存在としての機能強化を図る官と学の連携事業となっていますが、平成26年度の採択数は、大学は全国で24件、短期大学は1件、高等専門学校は1件とお聞きいたしておりますけれども、短期大学としては、本市の今治明徳短期大学が唯一、1校採択されています。そして、今、その今治明徳短期大学が取り組んでおられる事業が4事業10活動だそうですが、その4事業とは、「幼児教育」「介護福祉」「製菓・調理」「食物栄養」の4つです。そして、今治市が本事業を通じて取り組むべき地域の課題に、「子育て支援の場(地)の整備・提供」「島しょ部で顕著な高齢化と障がい・疾病・医療費の増大」「文化の保存・継承面での地域格差、後継者不足」「栄養と食習慣に関する正確な知識の教育普及」が挙げられています。
そこで、1番目の質問ですけれども、大学と地元自治体が連携して取り組む事業であるこれら4つの事業に今治市がどのようにかかわり、大学にどんな協力を期待し、どのような分野で、どのように成果を生み出し、どのように課題を解決しようとしてこられたのか、既に1年が経過していますので、成果としてお示しいただけるものがあればお示しいただきたいと思います。
また、2番目の質問ですが、この事業は、平成30年度までとお聞きいたしておりますけれども、今後の取り組み等についても質問させていただきます。
3番目の質問ですが、採択されて約1年が経過いたしました。大学が熱心に取り組まれている事業ですし、今治市にとっても非常に有意義な事業です。一人でも多くの市民に参加していただき、その恩恵を享受していただくためにも、今後、積極的に周知、広報活動していく必要があろうかと思いますが、そのことについてもご所見をお聞かせください。
最後になりますが、「四国八十八カ所霊場と遍路道」の世界遺産登録についてお尋ねいたします。
地方創生が言われ、それぞれの地域でそれぞれの特色を生かしたまちづくりが言われる今、我々のまちには四国八十八カ所遍路道文化という貴重な財産があります。県境や市町村の境を超えた共通の概念での地域づくりの中で、1,400キロメートルにも及ぶ遍路道は、時を経ても変わらず人の心を癒し続ける日本の心に出会える旅だと思いますし、伝統ある「四国八十八カ所霊場と遍路道」は、現代人の人間性回復の場ともなっており、今も全国からの巡礼者が年間20万人とも言われています。そんな財産を生かして世界遺産化を考えること、また、それに向けての活動は、まさに真の地域づくり、まちづくりそのものだと思います。「四国八十八カ所霊場と遍路道」を世界遺産にすることの国民的願望は富士山等に次ぐものであり、まだ世界遺産がない四国地方からの世界遺産の誕生を心から願うものであります。
そんな中で、既に平成22年には世界遺産登録推進協議会が設立され、昨年6月3日には四国知事会が「『四国八十八箇所霊場と遍路道』に関する四国4県緊急アピール」を出され、産学官民が連携して、平成28年度の世界遺産暫定一覧表記載に向けて行動することが確認されましたし、「四国八十八箇所霊場と遍路道」は四国が誇るべき貴重な財産であるとともに、地域の人々が一体となってお接待という、全ての人を温かく受け入れる文化を育んできたものであり、生きた文化資産として本来の四国遍路のすばらしさを幅広く周知し、一体となって取り組むとされています。
幸い、ことし4月24日には「『四国遍路』~回遊型巡礼路と独自の巡礼文化~」が文化庁によって日本遺産として認定されました。また、観光庁による広域観光周遊ルート形成計画の認定に四国遍路が含まれました。また、先日の新聞報道では、既に世界遺産に登録されているスペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」があるガリシア自治州と協力協定を締結したことが報じられてもいます。
これらのことが弾みとなり、世界遺産登録推進協議会の活動が活発化してきたことも事実です。この世界遺産登録推進協議会には、四国4県と57の市町村が参加され、経済界からも6団体が、さらに大学から国立大学を初め7つの大学が参加されておりますが、特に愛媛大学は法文学部を中心に25名もの先生が「四国遍路・世界の巡礼研究センター」を設立され、取り組まれています。もちろん民間からも、最初に声を上げた「『四国へんろ道文化』世界遺産化の会」を初め8団体が参加され、産官学民合わせて90もの団体が活動中です。
世界遺産登録推進協議会の活動の中心は多々ある問題点の解決ですけれども、今、それらの解決に向けて4つの部会を設け、活動中です。その4部会とは、「受入態勢の整備」「資産の保護措置」「普遍的価値の証明」「普及啓発」の4部会ですが、一番大切なことは、行政も含め関係団体と札所寺院との意思疎通を図りながら、機運の醸成の取り組みだと思います。
私は、今治市が四国で5番目の都市であること、札所寺院が6カ寺もあること、島四国や半島四国なども存在し、お接待の文化が根差した、おもてなしのまちであることなどから、57市町村の先頭に立って世界遺産登録に向けて取り組んでいただければと念じ、質問に立たせていただきました。
まず、1番目の質問として、お尋ねさせていただきますけれども、この取り組みに対する今治市の姿勢ですが、教育委員会文化振興課でなく、企画財政部企画課の職員が各種会合に参加されていますが、その意図はどこにありますか。
2番目の質問として、平成22年の設立後、世界遺産登録推進協議会の一員として今治市が独自にどのような取り組みをなされたのか。さきに紹介した4部会の取り組みで、どの部会で、どのような取り組みがなされているのか、お尋ねいたします。
最後に、3番目の質問として、世界遺産化に向けて、世界遺産登録推進協議会との連携を含め、さまざまな仕掛けやアピールが必要だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。また、世界遺産化に向けての活動の中で、まちづくりにどう生かしていくお考えなのか、お尋ねいたします。
以上、ご答弁のほど、よろしくお願いいたします。
13:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
14:
◯菅 良二
市長 渡辺文喜議員ご質問の、みなと再生事業についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
これまで幾度となく、みなと再生事業推進の基本的な考え方につきましてご説明させていただいていますが、当初、みなと再生委員会からご提言のありました海事ビジネスセンター建設ありきの考え方から、中心市街地を含むまちづくり全体の中で、港がどうあるべきかを幅広く検討した上で、今の今治港に本当に必要な施設を整備していくという方針転換をするとともに、事業規模につきましてもできる限り縮減に努めてまいりました。特に、みなと再生事業の中核施設となります、みなと交流センターにつきましては、今治市議会を初め、国、愛媛県、その他関係機関はもちろん、地元経済界や市民の皆様とも長い時間をかけて協議を重ねながら、事務手続きを順次進め、現在、来年度の供用開始に向けて着実に工事を進めているところでございます。
また、今後、このみなと交流センターと並行して整備される海のコンコース等、それぞれの施設が市街地と海をつなぎ、人や情報が集まる結節点としての機能を果たすことで、市民の皆様の継続的な利用が促進され、多様な交流が生まれる空間として進化することを期待しています。そして、市民の皆様が今治市のまちづくりの起点となったこの今治港を誇りに思い、強い一体感の持てる市民広場の実現に向けて引き続き事業推進を図ってまいりたいと考えています。
渡辺文喜議員ご心配のことは私自身も就任当初から感じておりました。そして、今治港はどうあるべきか、みなと交流センターはこれでいいのか、そういったことを随分と悩んでもいました。松山観光港にも行ってまいりました。立派な施設ができております。しかし、大きな定期航路を失い、広島港と松山観光港との定期航路は健在でありますが、本当にあの大きな施設・建物が、阪田三吉ではありませんが、「銀が泣いている」、そんな思いでも見てまいりました。
ただ、松山市高浜町の松山観光港と今治港が一番違う点は、我々の地域は商店街、中心市街地が隣接している。この違いはやっぱり生かさなければいけない。しかし、どう考えても60億円は大きいのではないか、もっと縮小した中で考えていくべきではないか、そんな思いがいたしました。方針転換というのは非常に難しく、ご承知のように新国立競技場が、どれほどの論争があって、そして混乱して白紙撤回まで行ったか、これが如実に示しております。そういった中で、内部協議を進めながら、今現在進めております。
ただ、うれしいことに、あの施設の中に、あってはならない災害が起きたときの備えになるFMラヂオバリバリが入ってくれますし、もっとうれしいのは、次の世代を担う今治JC(今治青年会議所)の事務所が入り、若者が出入りする、こういったこともうれしいお話であると思っております。
定期航路を失った、しまなみ海道の光と影の「影」の部分、これをどう我々は捉えていくかということにつきまして、例えばヨットハーバーとか、ヨットが出入りする、クルーザーが出入りする、こういったことも期待したい。そうした中で、中心市街地への導入、こういったことも図っていくことができたらと、そんな思いでこれからも……。いよいよ目の前にできつつあります。しっかりと、今治港、そして中心市街地、今治市役所、JR今治駅、こういったところへ視点を置きながら、今後とも頑張ってまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
15:
◯阿部 宏農水港湾部長 渡辺文喜議員ご質問の、みなと再生事業について私からお答えいたします。
ご質問の1番目、みなと交流センターについてでございますが、みなと交流センターの建設は、技術面での難易度が高い構造である上に、資材調達、技能労働者の確保が難しい状況が変わらない中、工期である本年12月15日の完成に向け、着実に進捗いたしております。
みなと交流センターへの入居予定者につきましては、施設規模を計画するに当たり、現在の今治港湾ビルや、みなと再生事業区域内から入居を希望される方の意向調査をして決定いたしました。したがいまして、おおむね想定どおりの方が入居される見込みで、10社の移転と2社の新規入居を予定いたしております。
今治市の施設といたしましては、港湾管理者としての港湾振興課とレンタサイクルの施設が予定されております。レンタサイクルについては、サイクリングターミナル同様、自転車の貸し出しや返却が行える施設となる見込みでございます。このほか、3カ所の商業施設については、今後、公募により入居者の決定をしてまいる予定でございます。
次に、みなと交流センターの維持管理でございますが、基本的には今治港湾ビルと同様に、港務機能は直営で、清掃業務などは委託を予定いたしております。したがいまして、経費については従前と大きく変わらないものと想定いたしております。
続きまして、2番目のコンコースについてお答えいたします。
海のコンコースは、当初の計画に従い整備される予定で、これまでの説明に変わりはございません。幅14.5メートル、長さ600メートルございまして、海からのアクセスを受けとめ、まち側へとつなぐ交通の結節点であるとともに、イベント会場としての利用も視野に入れた、余裕のある、大通りのような広場でございます。
3番目の桟橋についてでございますが、みなと交流センターが完成いたしますと、1階の最も北西側に切符売り場が設置されます。桟橋とみなと交流センター、バスターミナルの位置関係を勘案し、利用者に最も利便性が高まるよう、航路ごとに、フェリーについては乗り場を小型フェリー施設へ、高速艇については乗り場を第1桟橋へ変更を図るべく、協議を進めております。海の駅につきましては、引き続き第2桟橋を利用してまいります。
続きまして、4番目の国の出先機関の合同庁舎についてでございますが、合同庁舎は、みなと再生事業の一つの柱と考えております。今治海上保安部が本年10月末までに今治市役所横のNTT西日本今治ビルへ転居いたします。今治海事事務所は本年11月23日までの予定で、こちらは旧城東小学校へ転居いたします。これらの官庁が一時的にも今治港を離れるわけでございますが、勤務される方に加えて、諸手続に窓口を訪れる港湾関連業者や市民にもご不便をおかけすることになります。港の再生、つまりは今治港ににぎわいを創出するために、早期の事業着手を国に働きかけてまいります。
以上でございます。
16:
◯渡辺英徳総務部長 渡辺文喜議員ご質問の「地(知)の拠点整備事業」についてにつきましてお答えいたします。
1番目、どのようにかかわりどのような成果があったかでございます。
本事業は、文部科学省が平成25年度から実施している事業でございまして、事業の目的は議員ご
発言のとおりでございます。今治明徳短期大学は平成26年度に本事業に応募し、全国の大学などからの申請数246件に対し、採択数26件という極めて狭き門をくぐり、採択を受けました。平成26年度、短期大学としては全国で唯一の採択となったということはご案内のとおりでございます。採択事業名は「しまなみの生活と文化を守り育てる人づくり・つながりづくり」で、事業期間は平成26年度から平成30年度までの5カ年、国から今治明徳短期大学への補助金総額は約4,400万円となっております。
事業採択に当たりましては、自治体との連携、協力が求められていること、また、今治明徳短期大学とは教育や文化、人材育成、まちづくりの分野などで今治地域のさらなる発展のため連携、協力をするために、包括連携協定を締結していることもあり、文部科学省で行われました面接審査には、今治明徳短期大学の野口学長や教授の皆様とともに、本事業の本市の総括窓口であります総務調整課職員も同席しております。
昨年9月には、子育て支援課や高齢介護課など庁内関係課が集まり、今治明徳短期大学と連携のための協議会を立ち上げ、本年7月にも同協議会を開催し、今治明徳短期大学から平成26年度の事業報告並びに平成27年度の事業計画の説明を受け、今後の連携のための協議を行ったところでございます。
取り組みに当たりましては、議員ご
発言のとおり、「子育て支援の場(地)の整備・提供」や「文化の保存・継承面での地域格差、後継者不足」など地域の4つの課題を設定し、これら課題解決のために、大きくは「幼児教育」や「介護福祉」の分野など4事業を実施し、10の活動事業を展開してまいりました。
具体的な活動事業でございますが、平成26年度は年度途中の採択でもあり、実質的には昨年10月から6カ月間の活動となっている中、地域の子育ての広場であります「めいたんパーク」を、本市児童館職員が実技指導などを行う中、昨年度は15回開催し、延べ500名の親子が参加するなど、学生にとりましては保育やコミュニケーション技術を磨くことにつながり、参加者にも非常に好評であったとお聞きしております。このほか、今治史談会の村上会長によります今治市の歴史についてのオープン授業や、本市の歴史や方言などを集積し、若い世代へ伝承するためのコミュニケーション
ツールとして紙芝居の作成、野菜料理教室での特産品の開発講習会の開催など、地域の課題解決に向けた取り組みが行われました。
これら事業実施に当たりましては、当然のことながら、主体は今治明徳短期大学となりますが、全ての事業ではございませんが、本庁関係課職員のみならず、島嶼部地域で実施しました事業では支所職員も協力しているところでございます。また、本市といたしましては、本事業を通しまして、今治明徳短期大学には「人材の育成輩出」と「知の共有と社会還元」を期待しているところでございます。
活動成果といたしましても、学生が公開講座や地域イベントに参加することで、地域に興味を持ち、再発見があったこと、また、今治明徳短期大学で学習した専門知識、技術を地域の皆さんに伝えることができたと聞いております。
2番目、今後の取り組みについてでございます。
まず、本事業は国からの補助期間終了後も事業の継続が求められております。今回、文部科学省への事業申請時には5年間の事業実施計画を作成しておりますが、より具体化しております平成27年度事業につきましてご説明を申し上げます。
本年度は、以前から本市と一体で開催されております大学公開講座や学生による清掃活動などのボランティア参加、島四国への参加を通したバリアフリーマップの作成に向けた調査、中高年層を対象とした健康教室や食生活改善に役立つアドバイスなど、既に実施あるいは計画されているところでございます。また、今後、今治明徳短期大学とさらなる連携ができないか、庁内関係各課で検討を行う予定でもございます。
3番目、今後の広報活動はについてでございます。
本年10月31日には「地(知)の拠点整備事業シンポジウム」が今治明徳短期大学で開催されますので、広報今治10月号で市民の皆様にも広くお知らせする予定でございます。今後とも、機会を通じまして本事業の周知を図り、市民参加のもと、今治明徳短期大学との連携を進める中で、本市の課題解決のために取り組みを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
17:
◯胡井裕志企画財政部長 渡辺文喜議員ご質問の「四国八十八カ所霊場と遍路道」の世界遺産登録についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
まず、1番目、担当課についてでございます。
「四国八十八カ所霊場と遍路道」の世界遺産登録に向けましては、四国の経済界、四国八十八ヶ所霊場会、大学、行政が連携して、多方面での取り組みが重要であるため、愛媛県では企画部門が担当しており、本市では企画課が担当しております。遍路道を生かして地域活性化を図るため、企画課が窓口となり、文化振興課を初め関係各課と調整しながら、全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、2番目、世界遺産登録推進協議会の4部会とのかかわりについてでございます。
議員ご紹介の世界遺産登録推進協議会に参加の57市町村は、4部会のうち、「受入態勢の整備」と「資産の保護措置」の2部会の構成員として活動しております。構成員としての本市の取り組みといたしましては、啓発用パンフレットの配布により機運の醸成を図るとともに、遍路道沿線の便益施設の調査や情報提供により、気持ちよくお遍路ができる環境整備に取り組んでおります。
また、本市独自の取り組みではございますが、来月2日から3日間の日程で開催されます「瀬戸内しまなみ海道スリーデーマーチ」におきまして、今治市内の札所6カ寺をめぐる「おへんろコース」を設定いたしております。全国から訪れる参加者に遍路のすばらしさを味わっていただきたいと考えております。
次に、3番目、まちづくりにどう生かしていくかについてでございます。
本市では、最近、自転車で巡礼するお遍路さんが増加しております。また、外国人のお遍路さんも多く見かけるようになりました。議員ご
発言のとおり、四国遍路は日本遺産の認定に続き、外国人旅行者向けの広域観光周遊ルートに選定され、さらにはスペインの世界遺産があるガリシア自治州と協力協定を締結するなど、国内外から注目を集めております。国内外から訪れる多くの方々を快くお迎えするため、これまで途切れなく受け継がれてきたお接待の文化と遍路道の文化財的な価値を伝承していくとともに、愛媛県が進める自転車新文化と本市の伝統文化が融合した本市独自の魅力を国内外に情報発信することで、さらなる交流人口の増加に努めてまいりたいと考えております。
今後とも、世界遺産登録を実現すべく、四国が一体となり活動してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
18:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
19:
◯渡辺文喜議員 議長。
20:
◯松岡一誠議長 渡辺文喜議員。
21:
◯渡辺文喜議員 大変丁寧な説明をありがとうございました。
みなと交流センターについては、前向きに捉えたいと考えております。
商業施設の入居についてですけれども、先般の視察で、札幌市の「北海道さっぽろ『食と観光』情報館」にお邪魔いたしましたが、福祉コーナーの福祉ショップに北海道内の150もの福祉施設でつくったお菓子であったり、パンであったり、小物であったりが販売されており、競争原理も働き、商品のクオリティーも高く、非常に人気だという説明を受けました。
そこで、障害福祉課とも連携、相談しながら、今治市内の全ての福祉施設の協力をいただき、福祉ショップの出店を検討してみてはいかがかと思いますけれども、再質問いたします。
22:
◯阿部 宏農水港湾部長 お答えします。
福祉ショップの出店につきましては、商業施設のテナント公募に当たり、
選択肢の一つとして検討してまいります。
以上でございます。
23:
◯松岡一誠議長 再質問はありませんか。
24:
◯渡辺文喜議員 議長。
25:
◯松岡一誠議長 渡辺文喜議員。
26:
◯渡辺文喜議員 もう一つ提案したいのですけれども、ロビー等に掲示板を充実させて、今治市内外で開催されるスポーツイベント等の情報提供と、その結果等を掲示することを検討してみてはいかがでしょうか。サッカーであったり、野球であったり、バスケットボールであったり、ソフトボールであったり、陸上であったり、いろんな大会の周知、チラシの配布、結果の掲示等を小まめにすれば、興味を持たれている人たちは自然に足を運ぶのではないかと考えますけれども、そんなコーナーを設けることは不可能でしょうか、質問いたします。
27:
◯阿部 宏農水港湾部長 お答えします。
スポーツイベント等の情報提供とその結果等の掲示につきましては、みなと交流センター内に設ける予定の掲示板や情報発信コーナーを利用できないか検討してまいります。
以上でございます。
28:
◯渡辺文喜議員 議長。
29:
◯松岡一誠議長 渡辺文喜議員。
30:
◯渡辺文喜議員 ありがとうございました。
先ほどの答弁でレンタサイクルの施設も入るということでしたけれども、現在、今治港にある自転車の乗り捨て場には外国語の表示がありませんけれども、新たにできる、みなと交流センターの施設には外国語の表示もお願いしておきたいと思います。これは要望しておきたいと思います。
また、先日の新聞報道によりますと、愛媛県が提案され、誘致に動くとされている海上技術安全研究所の造船の研究6部門と試験施設について、みなと再生事業の中で、コンコースを短くしてでも候補地として手を挙げていただきたいと思っておりましたけれども、質問の打ち合わせ等の中で、海水での実験は無理ということをお聞きいたしました。今治港への誘致は実現できないようですし、にぎわいづくりにも貢献できないようですけれども、海事都市今治として早急に候補地の選定をしていただき、試験施設等の誘致に愛媛県と連携し、積極的に取り組んでいただきますようにお願いしておきたいと思います。
次に、「地(知)の拠点整備事業」についてですけれども、平成26年度の活動報告書も見せていただきましたけれども、第三者評価委員会の意見にも、「もっと早く知っていれば活動に協力できた」「老人クラブの活動に学生のアイデアを入れるとよりよい活動になった」「いろんな情報の提供やボランティア活動にも積極的に参加してくれて、大変いい」「活動の範囲が広く、大変いい活動がなされている」等の意見がたくさんありました。一人でも多くの市民に届きますように、今後の広報活動をお願いしておきたいと思います。
「四国八十八カ所霊場と遍路道」の世界遺産登録についてですけれども、担当課は企画課で、やはり営業戦略として、経済効果などを考えた上で企画部門が担当したということだろうと理解しますけれども、世界遺産に登録されることによって、またそれまでの過程において観光入込客数の増加、これに伴う観光収入の増加、雇用の増加、税収の増加など、地域にもたらされる地域振興の効果や経済波及効果は、まちづくりに大きく寄与するであろうと考えます。もちろん世界遺産に登録されることがゴールではなく、長期間にわたり、保護や管理、また監視などが必要ですし、目先の利益や不利益を論じるのではなく、そのバランスを考えながら保全意識を高める必要もあると思います。答弁いただいたように、文化振興課や観光課など関係各課が連携をしっかりしながら取り組んでいただきたいと思います。
世界遺産登録推進協議会の構成員として市町村が活動している「受入態勢の整備」部会についてですけれども、「みち案内表示シート」の設置は基礎自治体において行うとあります。また、歩き遍路の利用する遍路道については検討を継続的に進めるともあります。
そこで、幾つか提案させていただきますけれども、お遍路さんが安心・安全に歩ける対策として、トイレや、あずまやを含む休憩場所、宿坊や遍路宿などを記したマップの作成を検討してみてはいかがかと思いますけれども、ご答弁をお願いいたします。
31:
◯胡井裕志企画財政部長 お答えいたします。
遍路道周辺のトイレマップにつきましては、世界遺産登録推進協議会のホームページに掲載しておりまして、スマートフォンで
検索でき、お遍路さんに好評いただいております。休憩場所や宿泊施設等のマップにつきましても、今後、ホームページの充実を世界遺産登録推進協議会に働きかけていきたいと考えております。
以上でございます。
32:
◯渡辺文喜議員 議長。
33:
◯松岡一誠議長 渡辺文喜議員。
34:
◯渡辺文喜議員 次に、今、大変人気になっているゲストハウスみたいなものを、遍路道沿いにある空き家を活用して、「お遍路ハウス」のような取り組みについて調査や研究をしてみてはどうかと考えますけれども、いかがでしょうか。
35:
◯胡井裕志企画財政部長 お答えいたします。
本市では、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づく空家等対策計画を策定するために、現在、空き家の実態調査を実施しているところでございます。この実態調査と連携しながら、お遍路さんの受け入れ態勢や移住希望者への空き家の紹介など、空き家の利活用を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
36:
◯渡辺文喜議員 議長。
37:
◯松岡一誠議長 渡辺文喜議員。
38:
◯渡辺文喜議員 もう一つ、サイクリストのためのサイクルオアシスが非常に充実してきましたけれども、そのサイクルオアシスに「お遍路さんもオーケーですよ」の表示、また、一歩進んで、お遍路さん独自の「お遍路オアシス」の設置も可能かと考えますけれども、今後の取り組みはどうでしょうか。
39:
◯胡井裕志企画財政部長 お答えいたします。
サイクルオアシスは、今治市内陸地部に現在13カ所ございます。議員ご提案のとおり、お遍路さんのオアシスとしても利用していただけるよう、愛媛県や関係者に働きかけていきたいと考えております。
以上でございます。
40:
◯渡辺文喜議員 議長。
41:
◯松岡一誠議長 渡辺文喜議員。
42:
◯渡辺文喜議員 最後に、答弁をいただいた中にもありましたけれども、「瀬戸内しまなみ海道スリーデーマーチ」での「おへんろコース」などで、「四国八十八カ所霊場と遍路道」の文化の中で、今治市が育てたおもてなしの心、お接待の心を子供たちにも継承していただきたいと思いますけれども、札所寺院のある校区の児童との交流などは何かできないものでしょうか、再質問いたします。
43: ◯鎌田達治教育委員会事務局長 お答えいたします。
現在、札所寺院のある校区の児童は、学習活動の一環として住職のお話を伺ったり、写生会、清掃活動などを行ったりするなど、寺院との交流は行っております。今治市に、いにしえより伝わるおもてなしの心を継承することは、今治市を愛し、誇りに思う子供たちを育むことにつながると思いますので、今後、こうした活動の中で、寺院を訪れる方々との交流についても考えてみたいと思います。
以上でございます。
44:
◯渡辺文喜議員 議長。
45:
◯松岡一誠議長 渡辺文喜議員。
46:
◯渡辺文喜議員 ありがとうございました。
お接待等で、優しい心や郷土を誇りに思う心、ふるさとを愛する心等が必ず生まれると思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
これで私の質問の全てを終わります。ありがとうございました。
47:
◯松岡一誠議長 再質問なしと認めます。
以上で渡辺文喜議員の質問を終わります。
次に、20番谷口芳史議員。
48: ◯谷口芳史議員 それでは、通告に従いまして質問を行います。
本年4月に施行されました生活困窮者自立支援法の中の生活困窮世帯の子供に対する教育支援についてお伺いいたします。
生活困窮世帯の児童生徒は、その経済的な問題により、学力の低下、問題行動や、場合によっては、いじめなどの問題が起こりやすいと考えられております。それゆえ、生活困窮世帯の児童生徒を早期に発見し、必要な支援を行わなければなりません。そのために、自立支援事業と教育委員会などの関係部署は密な連携が必要となってきます。
学校の中では、教師はもちろんですが、学校に配置されているスクールソーシャルワーカーが重要な役割をいたします。スクールソーシャルワーカーは、相談支援員と情報を共有、交換し、福祉による支援の必要な児童生徒の発見や、家庭を含めた支援につなげていくなど、教育と福祉の連携に重要な役割を担っています。
そこで、1番目に、本市におけるスクールソーシャルワーカーの現在の配置とその活動状況についてお聞かせください。
次に、2番目、生活困窮世帯の児童生徒に対する学習支援についてです。
新制度においては、貧困の連鎖を防ぐために、生活保護受給世帯を含む生活困窮世帯の児童生徒に対する学習支援や、保護者への進学助言を行う学習支援事業を実施することとなっております。平成26年度は全国184の自治体において取り組みをされており、学習教室においての学習支援や進学の助言、相談などを行っております。
例えば、高知市では生活保護受給世帯の中学生を対象とした学習支援事業を実施しており、就学促進員が定期的に家庭訪問をし、保護者へ事業参加への働きかけを行い、教員OB、大学生などの学習支援員が週2回程度、高知市内5カ所で学習支援を実施しております。平成25年度は中学生271人が参加し、中学校3年生は全て高校へ進学したようです。
また、新居浜市でもモデル事業としての学力向上学習支援事業として「放課後まなび塾」を開き、新居浜市内2カ所で小学生を対象に行っており、これは、希望する子供たちに宿題や授業の予習、復習等の個別学習をさせることで学習習慣を身につけさせ、学力の底上げを行っております。本市もこのような事業を行うべきと思いますが、お考えをお聞かせください。
さて、昨年もお示しいたしましたが、本市の年齢別人口をグラフにしてみました。見てみますと、ちょうど赤丸をつけておりますところに23歳を底にしたグラフのくぼみがあります。実は、昨年よりもへこみが強くなっております。これは明らかに若い世代の人口の流出ですから、このくぼみがこれからの子育て世代となっていくわけですので、これより下の年齢層が若干ふえても、この減少部分の影響が出てくると思われる0~3歳の減少がさらに大きくなることは十分に考えられます。それに歯どめをかけるためにも、若い子育て世代の本市へのIUJターンにさらに力を入れる必要があると思います。
さて、新聞の連載記事に、都会での子育てで保育園のあきがなく、朝夕のラッシュ時の電車で、片道45分かけて子供を送り迎えし、都会での子育てに限界を感じて地方への移住を決めた人の話がありました。また、私のところへの相談で、「子供ができたので今治市に帰って子育てがしたい」「こちらの方が保育園、子育ての事業が充実しているので帰りたい」という相談がこれまで何件かありました。
このように、「子育てをするなら地方で」とか、今治市出身の方で「戻って子育てをしたい」と思っている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。しかしながら、仕事や住むところなどの問題で諦めている人も多いと思います。現実問題として、都会で仕事をしながら、こちらで就職活動などの移住活動はほぼ不可能と思われます。それら若い世代のニーズに応えるためにも、またそのニーズを掘り起こすためにも本市は力を入れていかなければなりません。
そこで、お尋ねいたしますが、まず、本市に移住したいという方の相談窓口はどのようになっているのでしょうか。特に若い世代などでネックになっている就職の問題などはどのように考えているのかをお聞かせください。また、若い世代へ本市での暮らしをアピールするためにも、ホームページなどを使った発信をどのように行っているのか、また、していくつもりなのかをお聞かせください。
以上です。
49:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
50:
◯菅 良二
市長 谷口議員ご質問のIUJターン支援についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
現在、今治市への移住希望者からの相談体制については、島嶼部、陸地部の支所地域を中心に、地域振興課及び各支所の産業建設課が移住相談窓口として各種相談に応じております。そうした中、移住交流推進事業において本市への移住、定住を促進するため、主体的に移住者の受け入れに取り組む地域の団体等に対して支援を行っているところでございます。
本年度は、NPO法人「しまなみアイランド・スピリット」に対して、島嶼部地域における空き家情報バンクの運営、空き家に関する相談や案内、空き家体験ツアーの開催、移住フェアの出展等に対する支援を行っております。また、本市への移住希望者で就業を希望されている方には、ハローワークや「ジョブカフェ愛work」のふるさと愛媛Uターンセンターのホームページを紹介させていただいております。
なお、今年度、今治地区産業雇用促進協議会と連携して就職支援ホームページを立ち上げ、中小企業を中心に今治市内企業の情報や就職支援情報など、本市に関心を持つ若い世代に対して情報発信していく予定でございます。
愛媛県では、愛媛県立今治工業高等学校に造船学科の新設を進めていただいており、こうした取り組みを通して、本市の主力産業であります造船業に若い人材が集まっていただけるものと期待しております。さらに、今秋にはイオンモール今治新都市が1,000人をはるかに超える人材の募集を開始するため、雇用も飛躍的に増大いたします。折しも今週発売の朝日新聞出版の『AERA』という雑誌の特集で、今治市は「移住しやすい街110」に選ばれ、愛媛県内では最も移住しやすいまちとされています。こうしたメディア情報も本市の魅力の発信に活用させていただきたいと考えております。
本市は、瀬戸内海の温暖な気候、豊かな風土に培われた、台風や地震などの災害の少ない、とても住みやすいまちであります。さらには、子供を持つ若い世代へは、マイ保育園事業や子育てファミリー応援ショップ事業、愛媛県内初の不育症の治療に対する補助など、今治市独自のきめ細かな子育て支援事業を展開し、充実した受け皿づくりにも地域が一体になって取り組んでいるところでございます。また、豊かな自然や古い歴史を持つ祭りや伝統文化のほか、世界に誇れるサイクリストの聖地しまなみ海道など、多様な地域資源がございます。そうしたことから、これから子供を育て、今治市をふるさととし、幸せな生活を送りたいと思う若い世代を少しでもふやしていくよう、今後とも地域の皆様とともに今治市の魅力や住みやすさを全国に発信していきたいと考えております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
51: ◯鎌田達治教育委員会事務局長 谷口議員ご質問の生活困窮世帯の子供への支援についてお答えいたします。
まず1番目、スクールソーシャルワーカーについてでございます。
現在、スクールソーシャルワーカーは、元教員4名を、今治市内中心部の小学校と中学校計5校、教育委員会が所管する適応指導教室の計6カ所に配置しております。スクールソーシャルワーカーは、問題を抱える子供への個別相談や家庭訪問、保護者への支援、ケース会議の開催や教員への助言、外部関係機関とのネットワーク構築や連携、調整などの役割を担っております。
具体的な実践事例としまして、学級担任を初め、教職員の面会がかなわない不登校生徒に対し、スクールソーシャルワーカーが中心となって、学校、教育委員会、子育て支援課、福祉総合支援センター等の間で連携した結果、当該生徒の安否確認と家庭での様子を確認することができ、その後も連携して継続した支援ができているケースがございます。
また、集団による学習に不適応な発達障害の疑いのある児童の事例ですが、保護者の障害に関する理解が十分でなく、学校に対する協力が得にくい家庭に対し、スクールソーシャルワーカーによる丁寧な支援の結果、保護者の孤立感や不安感が軽減され、その後、学校との連携、協力ができているケースもあります。
このように、スクールソーシャルワーカーは、学校だけでは解決しにくい問題について、学校、保護者、関係機関との連携において重要な役割を果たしております。今後、スクールソーシャルワーカーの配置が段階的に拡充されていくことにより、一層充実した支援ができるものと考えております。
次に、2番目、学習支援についてでございます。
学校では、生活困窮世帯の児童生徒について家庭状況を把握しておりますが、そうした家庭の子供たちを含めて、教育的配慮や個別支援を必要とする全ての児童生徒に対し、基礎的、基本的な学力を身につけさせるとともに、生きる力を育むための指導、支援を行っております。そうした取り組みの一つとして、今治市においては嘱託非常勤講師や学習アシスタントを各学校に配置し、授業を中心に全教育活動、さらに放課後の活動においても一人一人のニーズに応じた、きめ細かな学習支援に取り組んでおります。
学習支援事業について高知市と新居浜市の実践例をご紹介いただきましたが、こうした事例をさらに調査し、今後、本市においてどのような支援ができるのか、関係部局と連携しながら検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
52:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
53: ◯谷口芳史議員 議長。
54:
◯松岡一誠議長 谷口芳史議員。
55: ◯谷口芳史議員 ありがとうございます。
余談ですけれども、ふだんこの席は顔が映らないので不満なのですが、このシャツに限りましては、背中がしっかりと映る席ですので、カメラさん、しっかりとアピールしておいてください。
それでは、再質問に移ります。
最初に、生活困窮世帯についてですけれども、聞いたところによりますと、生活困窮世帯の児童生徒の数は、今治市では1,000人を超えているということでありました。その数の割には、相談、支援の核となるスクールソーシャルワーカーが、答弁にありましたが、わずか4名ということです。比率でいいますと、1人が250人を見ないといけないということになります。これは余りにも少な過ぎます。本来は各学校に1人の配置が理想的だと思うのですけれども、せめて9年間しっかりと面倒をみられるように、中学校区に1人程度は配置が必要ではないかと思いますので、これはぜひとも増員をお願いいたします。
また、「放課後まなび塾」事業の実施、これは、きめ細かな指導ということも考えまして、また、自主的に勉強を進めていくということで、塾の形になりますけれども、これもぜひ実現の検討をよろしくお願いします。
次に、IUJターン支援についてですけれども、先ほどお示ししませんでしたが、データがある他市の図です。これも本当に、先ほどの小さいのと比較してもらったらわかりますが、今治市と全く同じような形をしておりますが、このV字の部分だけが明らかに鈍っております。ほとんど同じ格好をしているのに、ここだけが違うんですね。これは聞いたところによりますと、若い世代を呼び込むためにかなり大胆な施策を用いてアピールして、その結果かどうかわかりませんけれども、そのようなことをしていると聞きました。今治市も本当に、目玉となるような施策を行って、それを核にしてアピールするぐらい、例えばですけれども、本市に若い世代が移ってくれたときには、生活が安定するまでの間、保育料は無料にするとか、3年間無料にするとか、そういう目玉になるような事業をぜひともお願いして、それをアピールの核としてしっかりと宣伝して、都会から今治市へまた帰ってきたいという方々の支援となるような事業をお願いいたしまして、私の質問とさせていただきます。
56:
◯松岡一誠議長 再質問なしと認めます。
以上で谷口芳史議員の質問を終わります。
次に、16番越智
豊議員。
57: ◯越智
豊議員 それでは、質問通告に従い、幾つか一般質問いたします。
農業振興について質問いたします。
1番目に、TPP(環太平洋連携協定)交渉について質問いたします。
TPP(環太平洋連携協定)交渉で日米の協議が先般行われ、特にアメリカとの米協議について最終調整がなされ、主食用のアメリカ産米5万トンを輸入する無関税の枠を協定発効直後に新設し、10年以上かけて7万トンに拡大する考えが示されましたが、輸入は義務化されず、需要に応じた取引をするとされ、現状より輸入が増加することは生産農家の反発が強く出ると考えられます。
TPP(環太平洋連携協定)交渉の主導役である日米の2国間協議は最大の懸案事項に解決のめどをつけ、前進すると言われていましたが、交渉に参加している12カ国全体では、カナダの乳製品の市場開放や知的財産などが難航しているようであります。
米の市場開放においてアメリカは、20年以上にわたり要求をしてきましたが、TPP(環太平洋連携協定)交渉でも、当初は関税撤廃を求める原則論で強く迫っていました。しかし、本格的な開放を果たせず、決着される見通しとの報道がありました。米の市場開放の要求を本格化させたのは、1993年に合意した関税及び貿易に関する一般協定(GATT)ウルグアイ・ラウンド交渉であります。当時、我が国は農業団体の声を背景に「一粒たりとも日本には入れない」との方針を掲げていました。その米が、日本市場の閉鎖性の象徴と非難があり、交渉の末、米の最低輸入量(ミニマムアクセス)を義務づけ、それ以外の輸入も関税を支払えば可能にする部分開放を受け入れさせられ、しかし、我が国は輸入米に高い関税をかけ、国内の生産農家を確保してきました。
TPP(環太平洋連携協定)交渉でも、米は聖域中の聖域との姿勢を堅持していますが、状況は変わり、米価の長期的な下落傾向と円安で輸出の可能性が見えてきたのも現実であります。しかし、生産者米価の下落、耕作放棄地の増加、担い手不足等々、農業環境は依然厳しく、課題が山積しているのも現状であり、次の幾つかについて質問いたします。
1点目に、TPP(環太平洋連携協定)交渉とその対策について。2点目に、生産者米価下落傾向と米の再生産価格について。3点目に、耕作放棄地の増加に伴う対策についてお尋ねいたします。
2番目に、農地中間管理機構について質問いたします。
農地中間管理機構は、平成25年12月に「農地中間管理事業の推進に関する法律」及び「農業の構造改革を推進するための農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する等の法律」が成立し、農地利用の集積・集約化を行う農地中間管理機構を各都道府県に創設し、農地中間管理機構の設立にあわせ、遊休農地解消措置の改善や、青年等の就農促進策の強化、農業法人に対する投資の円滑化等を講じるものとされています。
「農地を借りたい方へ」「農地を貸したい方へ」と発信していますが、規模の小さな農地を借り受け、大規模経営を目指す農業者や企業に貸し出す農地中間管理事業の貸し付け実績が、平成26年12月末時点で示され、年度目標の約3%にとどまっていることが明らかになり、生産者への周知不足から、制度が定着していないのが大きな理由とのことでした。今後の運用や制度の見直しなどの議論が必要と言われています。
全国において農地中間管理機構が借り受けた農地はかなり多く、いまだに貸し付けられていないのが現状ではないでしょうか。今治市ではどうでしょうか。1点目に、年度目標と実績についてお尋ねいたします。
市長は、ことし3月
定例会の施政方針の中で、「農業政策については、若い世代が希望を持てる強い農業と美しい活力ある農村をつくり上げるため、意欲ある新規就農者に対する支援と、地域の担い手農家や集落営農組織への支援並びに農地中間管理機構を活用して、農地の集約化や日本型直接支払制度の推進を図る」等々を語られましたが、次の幾つかについてお尋ねいたします。
2点目に、農地中間管理機構の活動実態について。3点目に、農地中間管理機構の組織と事業内容について。4点目に、制度の周知徹底と今年度の取り組みについてお尋ねいたします。
次に、学校教育について質問いたします。
1番目に、小中学校の道徳教育について質問いたします。
道徳とは、モラルとも表現されますが、人々が、善悪をわきまえて正しい行為をなすために、守り従わなければならない規範の総体であり、外面的・物理的強制を伴う法律と異なり、自発的に正しい行為へと促す内面的原理として働きます。つまり、第1に、善悪の判断を与えるものであり、第2に、道徳は規範であります。第3に、道徳は内面的原理であり、第4に、正しい行為へと促す、つまり人格の陶冶をもたらすものです。また、老子によれば、道徳を支えているのは「道」と「徳」ということになります。善とは何か、悪とは何か。人は自分の心の中の悪の問題に悩み、善悪を越えた慈悲や恵みが説かれるようになり、「小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり」と言われるように、本来の意味は、自己満足のための善意が行われたものであったとしても、結果的に人を傷つける大悪を生み出すことがあり、また、それに対して本気で相手のことを考えて行う大善は時として厳しく、情け容赦のない態度と誤解されることがあります。しかし、努力をすれば、次元の異なるよい結果を生み出すということで、道徳は他のことを生かすことにあると考えられるでしょう。
規範とは何か。規範とは行動や判断の基準であり、お手本のことではないでしょうか。道徳は、本来、普遍的な原理に基づくものと考えていいと思います。
人格の陶冶とは何か。陶冶とは、人の性質や能力を円満に育て上げることであり、善悪の判断や規範と内面的な原理を育て、正しい行為へと促し、そのための精神的な生活習慣として身心の行動や言動によって人格の陶冶を促されると考えられています。
道徳教育は、幼少時から学習し、さまざまな分野を学び、教科外活動であった道徳が教科に格上げされ、道徳教育が大きな転換期を迎えています。道徳教育において、成熟した市民を育てる教育として生かさなければならず、道徳の名称は定着してきており、柔軟に捉え、倫理観や哲学など、市民性という内容が重要だと考えられます。
文部科学省では、「考える道徳」として、特定の価値観を押しつけるのではないとしています。近年では、我が国の社会の構造が変化し、労働市場が流動化する中、自己解決する能力が必要になっていると考えられます。「考える道徳」では、10年以上になる総合的な学習的な時間の蓄積が生かされ、先生方は、総合的な課題を子供たちと一緒になって考える能力は高く、総合的な学習の時間でやろうとしたことを道徳の教科の中で広げていることは大変大事なことだと思います。
日本の道徳は、明治5年(1872年)に尋常小学校で「修身」として教科が置かれ、明治23年(1890年)には親孝行とか公に奉仕などの徳目に基づき、道徳教育が行われるようになり、戦前は国家主義的な「修身」で、戦後は教科ではなく、「道徳の時間」として行われていました。その後、昭和33年(1958年)に再度、「道徳の時間」として小中学校で教えられるようになりました。
ことし3月には、文部科学省において新学習指導要領が示され、特別の教科として道徳が実施されるとのことですが、教科書検定基準に基づく「考える道徳」「議論する道徳」を目指す趣旨を踏まえ、教材は特定の見方や考え方に偏らない公正な取り扱いをして、子供たちが多面的、多角的に考えることのできるような教材が望ましいと思います。この教材の選定は、必要に応じて教育委員会がかかわることができるのでしょうか。
道徳は、先ほど述べたとおり大変デリケートで重要な教科であり、私たちは子供たちのお手本にならなければならないと思います。モラル、良心によって大きな事案の解決に至った報道記事がありましたので、紹介させていただきたいと思います。それは、私は遺族の一人としてですが。
「520人の死者を出した日航ジャンボ機墜落事故から8月12日で30年となった。日本では1972年に警察庁と運輸省の間で、事故調査は犯罪捜査に支障を来さないようにするとの取り決めが結ばれている。日航ジャンボ機墜落事故後、パイロットら当事者は航空事故調査官の聴取に応じたとしても、現状では真実を話さないおそれがあったにもかかわらず、これまで話が聞けたのはパイロットら当事者のモラルが後押ししたから。人間として、パイロットとしての良心がそうさせた。航空機の安全性は向上している。」との報道記事であり、そのことが事故原因の究明につながったとありました。私は、二度とこのような事故が起きてはならない、モラルとは何か、道徳とは何か、良心とは何かが改めて示されたような思いをしています。学校教育の中において、道徳教育、モラルが大事な位置づけにあると私は確信しています。そうした意味から、次のことについてお尋ねいたします。
1番目に、小中学校の道徳教育について。2番目に、小中学校の道徳の教材について。3番目に、小中学校の道徳の学習指導要領についてお尋ねいたします。よろしくご答弁のほどお願いします。
58:
◯松岡一誠議長 暫時休憩いたします。午後1時から再開いたします。
午後 0時03分
──────────
午後 1時00分
59:
◯松岡一誠議長 会議を再開いたします。
休憩前に引き続き、一般質問を行います。
越智
豊議員の質問に対する答弁を求めます。
60:
◯菅 良二
市長 越智
豊議員ご質問の農業振興についてのうち、2番目の農地中間管理機構についての1点目、年度目標と実績についてと、4点目、制度の周知徹底と今年度の取り組みについてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
まず、1点目の年度目標と実績についてでございますが、国は農業経営の規模の拡大、農地の集団化、農業への新規参入を促進することで、農地利用の効率化を図り、農業の生産性を向上させることを目的に、農地中間管理機構を各県に設置することとしております。
今治市としての年度目標は特に定めておりませんが、農地の有効利用を図ることは重要であり、国の重点施策として位置づけられていることもあって、農地の出し手、受け手それぞれに対し、積極的に制度の活用を働きかけてまいりました。その結果、平成26年度の実績は、法人が1団体、新規就農者が4名で、愛媛県下の市町で一番多い14ヘクタールとなっており、特に新規就農者にとりましては、長期間農地を借り受けることができ、先を見据えた農業投資が可能になったというご意見をいただいております。
なお、今治市といたしましては、一人でも多くの新規就農者に定住していただくため、農地のお世話から施設整備などの支援を切れ目なく行ってまいりたいと考えております。
次に、4点目の制度の周知徹底と今年度の取り組みについてでございますが、農地中間管理事業の周知徹底に向けて、地域の現場を熟知している組織や団体とさらに連携し、事業についての研さんを高め、関係各位や議員各位のご協力をいただきながら、農地中間管理事業の周知及び推進に取り組んでまいりたいと考えております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
61:
◯阿部 宏農水港湾部長 越智
豊議員ご質問の農業振興についてのうち、
市長答弁以外のご質問に私からお答えいたします。
まず、1番目のTPP交渉についてのうち、1点目のTPP交渉とその対策についてでございますが、TPP交渉につきましては、現在も交渉中であり、その動向に注視してまいりたいと考えております。
また、その対策につきましては、本市の水田農業の現状を踏まえ、基盤整備事業等にも取り組んでおりますが、水田は作物をつくるだけではなく、洪水調整や地下水涵養などの役割も担っており、地域の水田農業を守っていけるよう、新たな施策の創設を愛媛県や国に要望してまいりたいと考えております。
次に、2点目の生産者米価下落傾向と米の再生産価格についてでございますが、米価につきましては下落傾向にあり、特に昨年は玄米60キログラムが1万円を切り、再生産価格を割り込む状態でありました。特に中山間地域におきましては平野部に比べ経費がかかり、より経営が厳しい状況であり、中山間地域等直接支払制度など各種支援事業を活用してまいりたいと考えております。
次に、3点目の耕作放棄地の増加に伴う対策についてでございますが、今回のTPP交渉の内容は水田農家にとっては死活問題であり、耕作放棄地がふえることが予想されます。しかし、当分の間は地域のご協力もいただきながら、多面的機能支払交付金などを活用して、耕作放棄地の発生の防止などに努めてまいりたいと考えております。
続きまして、2番目の農地中間管理機構についての2点目の農地中間管理機構の活動実態についてでございますが、平成26年度は農地中間管理事業の初年度ということもあり、政府の目標に対し、著しく低い実績にとどまっております。その理由といたしましては、人・農地プランにおける農地中間管理事業の位置づけが不十分であること、農業者への農地中間管理機構の事業の啓発が不足していること、農地の出し手農家の抵抗感があること、農地条件整備事業との連携が不足していることなどと分析されております。一方では、農地中間管理機構を通さない利用権設定は増加傾向にあることから、農地中間管理機構を介しての農地の出し手、受け手の掘り起こし作業や両者のマッチングを進める必要があると今治市としては考えております。
次に、3点目の農地中間管理機構の組織と事業内容についてでございますが、農地中間管理機構につきましては、公益財団法人えひめ農林漁業振興機構内にありまして、愛媛県下において機構集積協力金などを活用して支援することにより、農地の貸し借りの推進をすることが主な事業内容でございます。
以上でございます。
62: ◯高橋実樹教育長 越智
豊議員ご質問の学校教育についてお答えいたします。
1番目、小中学校の道徳教育についてでございますが、道徳教育は、自己の生き方を考え、主体的な判断のもとに行動し、自立した人間として他者とともによりよく生きるための基礎となる道徳性を養うことを目標としており、「道徳の時間」をかなめとして、学校教育全体を通じて行うものでございます。
各小中学校におきましては、現在、それぞれの学校教育目標に応じ、児童生徒の実態に即した年間計画を立て、実施しているところでございます。また、道徳主任会においては共通の教材で道徳指導案を作成するとともに、小中学校において道徳授業研究会を行うなど、道徳の授業の実践力を高める取り組みを進めております。
2番目、小中学校の道徳の教材についてお答えいたします。
例えば、議員の地元、玉川地域の鴨部小学校と九和小学校でも、同じ地域内ではございますが、学校の教育目標に基づき、それぞれの年間計画を立て、それに基づいた教材を使用しております。このように、各学校では学校の教育目標に基づき、児童生徒の実態や保護者、教師の願いなど、重点を置く内容項目により、自校の学習に適切な教材を
選択し、系統的かつ計画的に学習を行っているところでございます。
使用教材といたしましては、文部科学省発行の「私たちの道徳」や読み物資料、愛媛県教育委員会発行の「『愛』ある愛媛の道徳」、愛媛県人権教育協議会発行の「きょうだい」と「ほのお」のほか、地域の特色を生かした自作教材や、各出版会社が発行している副読本等を組み合わせ、指導を行っております。
3番目、小中学校の道徳の学習指導要領についてお答えいたします。
平成26年10月の中央教育審議会答申を受け、本年3月、学校教育法施行規則及び学習指導要領の一部が改正され、「特別の教科 道徳」として道徳科が位置づけられました。今回の改正は、いじめの問題への対応の充実や、発達の段階をより一層踏まえた体系的なものとする観点からの内容の改善、問題解決的な学習を取り入れるなど、指導方法の工夫を図ることなどを示したものでございます。道徳科全面実施は、小学校が平成30年度、中学校が平成31年度となっております。学習指導要領改訂という大きな転換期でございますので、その趣旨をしっかりと受けとめ、十分な準備と計画を立てて実施していきたいと考えております。
あわせて、議員が言われるとおり、道徳は今後ますます重要な教科となります。私たち大人も子供たちの人生のお手本として生きていかなければなりません。子供は大人のかがみとも言われています。地域の皆様を初め議員各位、関係機関の皆様におかれましても、今後とも今治市の子供たちの健全育成のためにご協力を賜りますようお願いいたします。
以上でございます。
63:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
64: ◯越智
豊議員 議長。
65:
◯松岡一誠議長 越智
豊議員。
66: ◯越智
豊議員 おおむね私の意図するところのご答弁をいただいたと私は感じております。いろいろとこれから再質問をさせていただきます。
まず初めに、TPP交渉についてでございますが、次のような内容がありました。これは、農家の跡取りである息子と2人で農業をやっている方のコメントです。「TPP交渉が締結されるとどうなるんだろう。日本の水田農業はどうなるんだろう。これ以上の米価暴落は死活問題だ」と載っています。「自民党は『ブレない。TPP断固反対』を掲げて衆議院選挙を勝ち抜いた政党だ。しかし、与党となるや、TPP交渉を推進する政党に変わってしまう。さらに『米、麦、牛肉、豚肉、乳製品、甘味資源、これらの関税は撤廃しないと公約して政権を構築している。これにたがう交渉はしない』」と言われています。その後、各種農業団体は、国会決議の遵守を求める集会や要請を相次ぎ行いました。JA全中や全国農業会議所などが参加して、政府・与党の代表者に向け、現場の切実な思いを込めた意見表明がされました。その中で、TPP(環太平洋連携協定)交渉における重要農産物5品目の聖域を守るとした国会決議をどのように思いますか、再度お尋ねいたします。
67:
◯阿部 宏農水港湾部長 お答えします。
多くの農業団体や農業者は、重要農産物5品目の聖域を守るとした国会決議の遵守を強く求めており、これからの農業がどうなるのかという現場の切実な思いを鑑み、地域農業の振興に取り組む今治市としても、できる限り国会決議を守るよう、関係諸国との粘り強い交渉を願うものでございます。
以上でございます。
68:
◯松岡一誠議長 再質問はありませんか。
69: ◯越智
豊議員 議長。
70:
◯松岡一誠議長 越智
豊議員。
71: ◯越智
豊議員 TPP交渉が締結されれば、生産者米価の下落というのは当然避けて通れないような報道がなされています。2004年の食糧法の改正によって、政府米、自主流通米制度が廃止になって、自由米となった昨今、生産者が値段をつけ、皆さんに買っていただいているという状況下、きょうの答弁の中にありましたが、今は60キログラム当たり約1万円、しかし、TPP交渉が締結されれば60キログラム当たり約4,000円から5,000円になるのではなかろうかという報道もあったように思います。これからこの地域、中山間地域、島嶼部、当然、今治市内各地の米価、生産者の方々はこれから大変な時期が来るのだと危惧しております。そうした中で、先ほど答弁がありましたように、そういった制度、施策をしっかりと生かしてほしい、このように思います。
次に、
市長からも答弁がありました農地中間管理機構について、私の思いを少しばかり述べさせていただきます。
これについては、なかなか大変かとも感じております。この農地中間管理機構ができて、まだ初年度ということもありますので、この農地中間管理機構ができた背景については、競争力の強い農業をつくるため、政府の「日本再興戦略」の中において、全農地に対する担い手が利用する農地面積を現状の5割から8割に拡大することを目標とされ、10年後に目指す姿を示しています。これは本当にできるのかというクエスチョンもあります。しかし、見守っていきたい、このように思います。
次に、具体的な農地中間管理事業の内容は、農地中間管理機構が農地を借り受け、必要に応じて圃場の条件整備を行い、農地を集約して担い手に貸し付けるものであるということでございます。また、農用地利用配分計画の案づくりに向けた農地中間管理機構からの事務の委任が今治市当局にされていると考えます。農地等の情報や地域の実態をよく知っているのは、地域の農業者や地域のリーダーだと思いますので、その方々も活用し、これからそういったことを前向きにやってほしいと思います。
次に、道徳に関して、私もこれは大変大事な教科、これから人間形成していく上において、子供のころからのこういった教育が本当に大事になると考えております。いわゆる道徳心とか、私が小学生のころには、朝のホームルームでの「一日一善」という言葉を記憶しております。きょうは何かいいことをしようではないかという教育であったと思います。
認知能力(IQ)も確かに大事だと思います。そうしたことの中で、道徳の教材については、先ほど答弁がありましたとおり、各学校によって異なり、道徳が教科として実施されるのは小学校では平成30年度、中学校では平成31年度からとのことですので、道徳の教材は関係機関の方々により選定されますが、より一層の研さんを高めて、適切な対応を期待しております。
以上で質問を終わります。
72:
◯松岡一誠議長 再質問なしと認めます。
以上で越智
豊議員の質問を終わります。
次に、28番加藤明議員。
73: ◯加藤 明議員 まず、海上技術安全研究所の誘致についてお尋ねいたします。
今治市の地場産業と言われる造船業ですが、国土交通省の「海事レポート2015」の中で、「我が国の造船業は、裾野の広い労働集約型産業として地域の経済・雇用にも貢献している非常に重要な産業である。製造業の海外生産が進行する中、造船業は国内に生産拠点を維持し、地域経済、雇用において中核的な役割を担っている」と書かれております。また、第2期海洋基本計画でも、造船業界の最重要課題として、今後厳しくなる海洋汚染防止の環境問題などにも国としても積極的に支援し、海外での受注においての国際競争に勝ち残っていく施策を打ち出しております。そのように、国としても重要な産業としての位置づけから、造船業界にさまざまな支援が検討されております。
一方、国内においての人口減少、東京一極集中の是正という課題解決の方策として、「まち・ひと・しごと創生法」の制定を受けて、地方創生に向けた諸施策の取り組みが始まっております。その流れとして、今月、9月1日付の新聞でも報道されましたし、4日の開会日の
市長の招集挨拶の中でも触れられました海上技術安全研究所の誘致に向けた動きだと思います。
今までの経過を内閣府のホームページで見てみますと、平成26年12月27日の閣議決定により、「地方への新しい人の流れをつくる」ということから、企業の地方拠点強化、企業等における地方採用・就労の拡大、政府関係機関の地方移転といった主要な施策が決定されております。それを受けて、政府機関、これには独立行政法人等の関連機関も含む中で、地方が目指す発展に資する機関について、平成26年度内に各府省庁が所管している研究機関・研修所等のリストを作成し、平成27年度には、地方創生に資すると考えられる政府関係機関について、誘致のための条件整備の案を付して機関誘致の提案を行う。また、平成28年度以降、その具体化を図っていくとあります。
それを受けて、平成27年3月3日、道府県宛て通知として「政府関係機関の地方移転に係る道府県等の提案募集要綱」が出されております。その目的として、「地方の自主的な創意工夫を前提に、それぞれの地域資源や産業事情等を踏まえ、地方における『しごと』と『ひと』の好循環を促進することを目的とする」とあります。また、提案記載事項として、「1)誘致を希望する機関の名称」「2)誘致先予定地」「3)誘致の必要性・効果」を挙げることとなっております。これを受けて、今回、愛媛県により海上技術安全研究所の誘致の申請を行い、先日の新聞報道になったものと思います。
造船関連の方に話をお伺いしても、「実現すれば大変ありがたいことで、水槽実験は初期船舶性能計算に不可欠で、近年、IMO決議のEEDI規制をクリアするためには曳航水槽実験が不可欠になったので、新設計の全船適用で地元業界にとっては大きなメリットです」とのことでした。
また、先般、今治工業高等学校への造船コース新設の準備として、愛媛県の9月補正予算に5,052万円が計上されたと報道されておりましたが、今治工業高等学校への造船コースの設置においても、海上技術安全研究所のような試験研究機関が地元にあることによって教育の質の向上にも大きく貢献してくれるものと思います。
そこで、質問として、8月31日の提案に至るまでの経緯をお尋ねいたします。次に、今後、誘致実現に向けて今治市の考え方と、愛媛県と今治市の取り組みについてお尋ねいたします。
次に、湯ノ浦地区の活性化についてお尋ねいたします。
これにつきましては、6月議会で古川議員も質問されておりますけれども、私の観点から質問させていただきます。
今回、湯ノ浦地区の活性化を取り上げますのは、平成27年1月に、しまなみ海道周辺「道の駅」として今治湯ノ浦温泉が重点「道の駅」として選定されたこと、もう1点は、平成27年5月に、環境省のホームページで今治市の湯ノ浦温泉も指定を受けております国民保養温泉地として新たな指定のニュースが目についたことであります。
神奈川県箱根町の芦之湯温泉が国民保養温泉地として全国で92番目、神奈川県内では初めての指定ということで、鎌倉時代から湯治場として機能し、「箱根七湯」の一つとしても知られる芦之湯温泉では、今回の指定を受け、知名度アップと観光客の増加に期待を寄せたという記事が目につきました。
この2点により、今治市の湯ノ浦地区も、今後のことを考えた場合、基本的な考え方を整理しておく必要があるのではないかと思い、一般質問として取り上げさせていただきました。
今治市の湯ノ浦温泉も平成6年4月28日に四国で初めて国民保養温泉地として指定を受けております。また、湯ノ浦温泉は昭和51年に開発された比較的新しい温泉地ではありますが、昔から光明皇后ゆかりの湯として、良質の温泉が出る湯治場として知られていたという記述があり、周辺はもとより、周桑地域や温泉郡等からも利用され、利用する人々は農産物、海産物で入浴のための料金を支払っていたと記されております。
国民保養温泉地とは、温泉の公共的利用増進のため、温泉利用の効果が十分期待され、かつ、健全な保養地として活用される温泉地を「温泉法」に基づき、環境大臣が指定するものであります。その条件として、泉効が顕著であるとか、湧出量が豊富であることや、環境衛生的条件が良好であることとか、付近一帯の景観がすぐれていること等の選定基準があり、おおむねこれらを満たしている必要があります。
湯ノ浦地区の開発の経緯は、昭和52年7月に愛媛勤労総合福祉センターとして、雇用・能力開発機構が、今治湯ノ浦ハイツを開設しております。また、その後、勤労者が健康増進を図るための施設としての野外活動施設や桜井総合公園等の整備も進められ、昭和57年1月からは、今治ビーチハイツ湯ノ浦温泉保養地として全25区画が今治市土地開発公社により発売開始されております。また、平成元年7月8日にはクアハウス今治がオープンし、厚生労働大臣認定の温泉利用型健康増進施設として運営されております。また、桜井サイクリングコースとして、道の駅「今治湯ノ浦温泉」から頓田川河口の赤灯台がある唐子遊泳場までの6キロメートル余りのコースも整備され、看板が設置されております。
このように、今までにかなりの投資を行って整備されてきておりますので、新たな大きな投資は余り必要ないと思われます。東からの玄関口としてソフト面で充実し、情報発信をしていけば、今後、活性化につながるのではないかと思います。学生の合宿なども見受けられるように、多目的広場やテニスコート、パークゴルフなど、素材はいろいろとあるのではないかと思います。折しも、今治湯ノ浦ハイツの中央監視装置の老朽化による更新が予算計上されておりますし、6月の産業環境委員協議会でそのあり方についての協議もあったようですが、法的ないろいろな規制もある中、湯ノ浦地区全体のあり方を考えておかなければいけない時期だと思います。今治市としての基本的な考え方をお尋ねいたします。
以上です。
74:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
75:
◯菅 良二
市長 加藤議員から2つの大きな課題についてのご質問がありました。私からは、湯ノ浦地区の活性化についてお答えさせていただきますが、その前に、海上技術安全研究所につきまして若干の思いを。詳しいことはまた産業部長がお話をすると思います。
今回の安倍内閣の東京一極集中の是正、これは、何としても地方でできることは地方にといった思い、この一つが海上技術安全研究所です。実は私も就任して間もなくに、担当係長だったと思いますが、一度ぜひ三鷹市へ行ってもらいたい、曳航水槽を見てほしいと。だから、他の用務のときに時間を割いて見に行ったことがあります。「なるほどこういうものか。しかし、でっかいものだな。こんなものはなかなかに今治市の単独事業なんてとてもできるものではない」と思っておりました。今回、この話が出てきたときに、愛媛県の中村知事も、他のことは全て捨てて、曳航水槽、海上技術安全研究所にかけたいという大変強い思い、これは強力な援軍だと思っております。
そして、もう一つ援軍が欲しいのは、今治地域だけでなくて、西日本各地の造船所。今、1年以上待たなければ試験ができないという状況ですから、きっと造船所の皆さんも「この指とまれ」と言えば、一緒に行動をとってもらえるものと思っております。できるだけ早い時期に。何しろ内閣府は非常に乗り気であっても、肝心の国土交通省がどうなのかという問題もありますから、できるだけの仲間と一緒にこの問題に全力で体当たりして、海事産業のさらなる発展に寄与できるように努力したいと思っております。
私からは、先ほど申しましたように、湯ノ浦地区の活性化についてにお答えさせていただきます。
さきの6月議会の産業環境委員協議会において、湯ノ浦及び沖浦地区にある宿泊・運動施設などが相互に連携し、スポーツ合宿の誘致、FC今治、JFAアカデミー今治による試合や大会、さらに、3月に開催した「今治湯ノ浦温泉シクロクロスin桜井」のような地域密着型イベントなどで活性化を図るという基本方針、いわゆる湯ノ浦地区コミュニティゾーン形成事業についてご説明しました。この中で、FC今治につきましては、2月以降、さまざまなメディアに取り上げられ、本市の情報発信にも大きく貢献していただいております。さらに、岡田武史オーナーが掲げる「物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会」「次世代に生きる子供たちや若者たちが“夢や希望”を持てる社会」の実現という企業理念のもと、今治市内の少年団や中学校、高校への指導、幼稚園や保育園を巡回してのサッカー教室開催など、サッカーの普及活動はもちろん、他のスポーツ支援や教育活動支援、また今治市内の地域活動にも積極的に取り組み、活気あるまちづくりに貢献していただいておりますことは大変ありがたいことだと感謝しております。
湯ノ浦地区におきましても、ホームゲームの際には臨時駐車場を設けることでにぎわいが戻ってまいりました。そして、来る9月13日、20日の日曜日には、四国サッカーリーグ優勝をかけた、まさに天王山のホームゲームが開催されます。FC今治も1日中楽しめるイベントを企画しておりますが、湯ノ浦地区の各施設もこれと連携し、さまざまなサービスの提供を予定しております。また、この8月には育成世代の国際サッカー大会である「BARI CUP(バリカップ)2015」が桜井海浜ふれあい広場サッカー場で開催され、U-10(アンダー10)からU-15(アンダー15)まで4つの年代別に計49チーム、918名の選手が本市を訪れてくれました。そのうち4チーム、69名は、韓国、中国、台湾からの参加でございました。今治市内中心部のホテルのみならず、湯ノ浦地区も宿泊やレセプション会場となり、サッカーというスポーツを通して草の根の国際交流が展開されました。私もレセプションに参加させていただきましたが、子供たちが言葉や国籍の壁を超え、ゲームや遊びを通して、すぐに打ち解ける様子を間近で見て、深い感銘を受けました。まさに国際交流により地方創生に貢献するというFC今治ビジョンがいよいよスタートしたと思っております。
加藤議員からは、重点「道の駅」今治湯ノ浦温泉と国民保養温泉地の提言もいただきました。道の駅「今治湯ノ浦温泉」は国土交通省と一体で整備されましたが、昨年度、全国の重点「道の駅」に選定されたことにより、湯ノ浦地区はもとより、本市の東の玄関口としての機能充実が必要と考えています。今年度中に国土交通省が駐車場トイレの一部ウォシュレット化や、駅舎内の観光インフォメーション機能充実を目的としたタブレット端末の設置を予定しております。
次に、国民保養温泉地の指定には、温泉の効能、湧出量及び温度と保養地としての周辺の環境が条件となり、四国で指定を受けておりますのは湯ノ浦温泉と香川県の塩江温泉郷の2カ所のみとなっております。湯ノ浦温泉は風光明媚な瀬戸内海国立公園区域に隣接し、また、周辺には公園やスポーツ・レクリエーション施設、多目的温泉保養施設、いわゆるクアハウス今治が整備されておりますので、こうした環境面、施設面のメリットを、豊かな自然の中で安らぎや療養を求めるファミリー層、高齢者の方々、そして合宿希望の学生など幅広い層にPRしていく必要があると考えております。
議員ご
発言のとおり、湯ノ浦地区につきましては、開発許可制度により、建物の用途制限がかかるという土地利用上の制約がございます。この秋の愛媛県
市長会の会場が、今治湯ノ浦ハイツでございます。従来、秋の愛媛県
市長会の会場は松山市と限定されておりましたが、一度ぜひ今治市に皆さんにお越しいただきたいといったことで実現いたしました。今治湯ノ浦インターチェンジの近くにあります。ですから、松山自動車道、今治・小松自動車道を利用して本市を訪れる場合に、宇和島市からも、四国中央市からも、松山市に行くのとそんなに時間的には変わらない。交通の便が非常にいいと改めて私自身感じている次第でもございます。
こうした地の利を生かして、まずはこれまで述べたように合宿やFC今治などによるスポーツ需要を追い風に、既存の施設や観光資源を総合的に組み合わせた活性化策を「今治市まち・ひと・しごと創生総合戦略」にも位置づける予定でございます。そして、その実現に向けて、関係機関並びに関係団体と連携し、交流人口の増加と誘客促進につながる具体策を取りまとめてまいりたいと考えております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきます。よろしくお願いいたします。
76: ◯渡邊 徹産業部長 加藤議員ご質問の海上技術安全研究所の誘致についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
本議会の
市長の招集挨拶でも触れさせていただきましたけれども、議員ご案内のとおり、現在、国におきまして推進しております地方創生の一環といたしまして、東京圏への過度の一極集中を是正するための取り組みとして、地方創生に資すると考えられる政府関係機関の地方移転に係る提案を、8月末日を期限として東京圏(1都3県)以外の道府県に対し、募集しておりました。これを受けて、先般、愛媛県知事より国立研究開発法人海上技術安全研究所の一部機能を今治市へ誘致する提案がなされたところでございます。
近年、国際的な海上輸送で船舶から輩出される温室効果ガス、CO2の削減などの規制強化に対応し、将来的な船舶の受注を確保するため、地域の造船各社では、日々、研究開発を行っているところでございますが、こうした規制をクリアするためには、曳航水槽での実証が必要となっております。しかし、国際的な基準を満たす研究施設が全国的に不足しており、研究した技術を実用化に至るまでにかなりの時間を要するなどの問題を抱え、かねてより業界からは本研究機関の誘致に関する要望があり、今回、数多くある移転候補機関のうち、愛媛県からの唯一の提案へつながったものと考えております。
今後、この提案に基づきまして、まち・ひと・しごと創生本部において、移転の効果・必要性、機能の確保・向上等について、国の関係府省庁や提案者である愛媛県等とのヒアリングを行いながら、政府関係機関移転に関する有識者会議の意見を聴取し、本年12月には国の担当チームによる提案に対する評価と対応方針が取りまとめられ、本年度末には国において政府関係機関移転の基本方針が決定する予定でございます。
折しも本年5月には本市におきまして国際海事展「バリシップ2015」が過去最大規模で盛況のうちに開催され、この勢いをそのまま海事産業界の持続的な発展へつなげていくため、今治市といたしましても、この海上技術安全研究所の本市誘致について、国に対し、愛媛県並びに地元造船業界の皆様と協力して積極的に働きかけてまいります。
日本有数の海事クラスターを形成する本市において唯一欠けている研究機関設置は、その重要性が高く、今回の誘致が実現すれば、迅速で効率的な研究開発が可能となり、本市のみならず、瀬戸内圏域を中心に、日本の造船界全体の国際競争力を強化していくことになるほか、研究機関に多くの優秀な若い人材が集うものと期待しております。
以上でございます。
77:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
78: ◯加藤 明議員 議長。
79:
◯松岡一誠議長 加藤明議員。
80: ◯加藤 明議員 海上技術安全研究所の誘致が実現すれば、造船業界の飛躍、発展のきっかけづくりとなり、ひいては業界の発展、雇用の確保、若者の定着等、まさに地方創生のモデルとなり得る可能性がありますので、財政負担もあると思いますが、ぜひとも愛媛県と連携をとりながら、実現に向けて誘致活動を強力に推し進めてほしいと思います。要望しておきます。
湯ノ浦地区の活性化につきましては、湯ノ浦地区と一くくりで言いましても、それぞれの所管課は、今治湯ノ浦ハイツ、道の駅は観光課、クアハウス今治は健康推進課、桜井総合公園は公園緑地課、周辺体育施設は体育振興課と、所管課も多岐にわたっております。もちろんいろんな角度から施策を推進するのもいい面もありますが、窓口の絞り込みや訴求していく1つのイメージづくりをしていく必要もあるのではないかと思います。例えば、健康づくりの拠点、スポーツの拠点など、イメージづくりにも工夫を凝らしていただきまして、ぜひとも活性化につなげていただければと思います。
以上で私の質問を終わります。
81:
◯松岡一誠議長 再質問なしと認めます。
以上で加藤明議員の質問を終わります。
次に、25番福本琢美議員。
82: ◯福本琢美議員 最後になりましたが、本日は、まず初めに、ペット(犬・猫・その他動物等)について質問させていただきます。
1番目に、「放置ふん」についてどのようにしているかでございます。
私ごとではございますが、犬とのつき合いは誰にも負けないと自負しております。そして、雨であろうが、風が吹こうが、家にいる限りは朝と夕方、四、五十分、犬といつも散歩しております。その散歩のときには常に持ち歩くものがございます。懐中電灯と、ふん専用の持ち帰り道具でございます。「早起きは三文の徳」といいまして、多少、そういうことで警察に拾得物を届けたこともございます。
さて、散歩中の公園で、「放置ふん」には大変悩まされます。ましてや、それを踏んだときの悔しさや腹立たしさはどのように言っていいかわからないぐらいのところがあります。そして、この散歩のことでございますが、公園緑地課だと思うのですけど、公園内の樹木や街路樹等に消毒をされております。犬は散歩のとき、マーキングしますので、必ずなめるわけです。そのときに犬の体調がおかしくなったと犬友達から連絡がございまして、ちょっと問題
発言がございました。それは何かというと、そういう消毒をしたときには、目につくところに「消毒をしました」と表示してもらえないだろうかということがありました。確かにこれはということで、すぐ対応していただき、事なきを得たことがありますので、これはつけ加えさせていただきます。
そして、「放置ふん」について非常に有名なのが大阪府泉佐野市でございます。泉佐野市は「放置ふん」を取り締まる条例があり、「放置ふん」対策に年間約1,000万円の予算を組んでおります。その財源として、飼い主に対する犬税を検討していましたが、現在は断念しております。愛媛県内では、新居浜市の自治会が飼い主のマナー向上へ、「放置ふん」の横に啓発カードを置いて警告する「イエローカード作戦」を実施しています。
この「放置ふん」は世界各国でも悩まされております。例えば、スペインのブルネテでは、広告会社と組み、「放置ふん」を飼い主に宅配するキャンペーンを展開し、パリでは35ユーロ(約5,000円)徴収の徹底で効果を上げているそうでございますが、どこともイタチごっこで、実績が上がっていないのが実情でございます。
さて、本市においても公園内に「マナーを守り、ふんは持ち帰りましょう」の看板がございます。この看板を少し大き目の看板に変えて、「ふんを放置した人には罰金が科せられます」とか「ふんを持ち帰らない人は動物を飼う資格がない」というように強い言葉で表現してもいいのではないかと思います。
そこで、先ほどの泉佐野市でございますけど、「人が動物を通じて他人に迷惑をかけない」との考え方に立って取り組んでいる泉佐野市環境美化推進条例。愛玩動物のふんを放置すれば罰則があるように、本市においても条例制定に取り組むべきであると思います。そして、広報誌においても、「放置ふん」について啓発していただきたい。このことについてどのようにお考えになっているか、お聞きいたします。
2番目に、捕獲した犬・猫の対応はどのようにしているかについてお尋ねいたします。
本市では、飼い犬の狂犬病予防注射と登録が義務づけられております。平成26年度の新規の犬の登録数は632匹、予防注射数は6,124匹、犬の登録数は1万401匹。登録費用の内訳は、狂犬病予防注射料が2,450円、狂犬病予防注射済票交付手数料が550円、畜犬登録費が3,000円でございます。合計6,000円かかるわけでございます。
狂犬病の蔓延は予防注射の接種率が70%以上でないと防げないと言われております。我が国では、50年、狂犬病がないと言われておりますが、そういうことで、接種しなくても問題がないと思っている人がおいででございます。この件についてはもう少し徹底すべきだと思います。
さて、私を含め最近では犬を室内で飼う方がふえております。飼いやすいから、どちらかといえば小型犬でございます。そして、散歩から帰ったら、必ず首輪を外してやります。今までなら、首輪のない犬・猫は、野良犬、野良猫のように言われておりましたが、今は全く違っていますので、注意しなければならないと思います。
ここで、愛媛県動物の愛護及び管理に関する条例の第11条(公示及び処分)で、「知事は、法第35条第3項において準用する同条第1項本文の規定により犬若しくは猫を引き取ったとき、又は法第36条第2項の規定により犬、猫等の動物を収容したときは、その旨を規則で定めるところにより、2日間公示するものとする。」「2 前項の公示期間満了後1日以内に、当該犬、猫等の動物を引き取らなければならない。」「3 知事は、前項の期間内に所有者又は占有者が当該犬、猫等の動物を引き取らないときは、これを処分することができる。」とあります。
さて、家からいなくなった犬や猫ですが、捜すのにこの庁舎本館前の掲示板を見ますか。また、捕獲し、収容期間が3日間で実際のところ捜し切れるかどうかだと思っております。幾ら犬や猫といえども、捜す者にとっては、家族一人が突然いなくなったのと同じぐらい寂しく苦しい時間を過ごさなくてはならないのです。そして、引き取り手があらわれないときには「これを処分することができる」と書いているということは、殺処分です。余りにも残酷で悲しいこととは思いませんか。
そこで、捜す手順でもあればと思いまして、私ごとでございますけど、チラシをつくらせてもらいました。こういうチラシでございますけど、ちょっと見ていただいたらわかるのですが、これは自分でつくったものです。迷子犬と迷子猫の捜索手順ですけど、まず一番最初には問い合わせてください。それは1つ目は今治市役所生活環境課、2つ目は愛媛県今治保健所、3つ目には今治警察署。まずいなくなったらこれです。そして、公示場所は今治市役所前の掲示板となっております。そのときには、犬・猫、体型、性別、色、尾の形、そして捕獲場所、日付と時間が書かれております。できましたら、こういうことをやっていただきたい。そして、それを予防接種時とか動物病院等に配っていただいたら少しでもそういうことが少なくなるのではないかと思いますので、このことについてどのように対応しようとしているか、お聞かせください。
3番目に、ペット(犬・猫・その他動物等)に特別住民票を発行してはどうかという質問をさせていただきます。
ペットといっても、犬や猫を初め、小動物、鳥、爬虫類等、非常に範囲が広いものでございます。ペットを飼われている方は、誰に何を言われても、ペットは最高の友であり、子供であるわけです。何かにつけて自慢をしたいです。その上、従順で賢くて、言葉を理解できると信じております。
2014年のアニコム損害保険株式会社の調査によると、7歳以上の高齢犬が53.4%、年代別飼育率は50代が最多の20%、高級ドッグフード市場は431億円、また、愛犬にかける年間平均支出が35万9,151円。その内訳は、病気などの治療費に8万912円、餌代が4万7,983円、美容代(トリミング代)が4万2,740円、それと、もう1点は、ペットの保険料が3万8,052円。そして、子育てを終えた夫婦やひとり暮らしの高齢者が喜びや安らぎを求めて飼う実態が見えてくると。
少し角度を変えさせてもらいますと、ペットの一時預かりサービスつきマンション、ドッグラン設置の賃貸マンション、猫を飼うことが入居条件の猫マンションが松山市には既に登場しております。また、住人の7割が愛犬と暮らすマンション等、行き着くところが見えないペット経済になっているのが現状でございます。私もその一人でございますけれども、ペットに財布のひもが緩んでいくのは当たり前ではないかと思っております。
そして、ここで、ペット好きの者としてはどうしても手に入れておきたいものがございます。それがペットの特別住民票でございます。このペットの特別住民票は、バリィさんの特別住民票を参考にさせていただきました。これは皆さんご存じのようにバリィさんの特別住民票でございます。これにはお金はかかっていないと思います。
そこで、私はペットの特別住民票をつくってみました。「ワンちゃん特別住民票」といいまして、氏名が福本クロ、世帯主が福本琢美、誕生日、住所、そして住民になった日、こういうものですけれども、
市長、見ておいていただけますか。これがあるのとないのとでは非常に違うと思います。それと、もう1点だけお話ししておかないといけないのは、必ず写真を張るということを忘れないでください。これが自慢なんです。これがステータスだと思います。この費用はどれぐらいかかるかといいますと、紙代は約10円、ラミネート加工だったら約50円だと思います。写真は自分のですから、これでできて、自分の部屋に張って自慢すればいいではないですか。
ここで、もう1点ですけど、注射のときにいただく鑑札があるんですけど、それはご存じでしょうか。こんなに小さいんです。これではわからないと思います。犬につけろと言うのも無理です。猫につけるのも無理です。そこで、これをちょっと考えてみました。これは今治交通安全協会に行きましたら必ずくれますよ。ここが反射鏡になっています。これに犬の名前を書きまして、裏に自分の犬の住所。これはどこがいいかといったら、反射鏡と、もう一つは、こうやって回るんですね。年をとったら自分でつけていても構いませんけど。それは冗談といたしまして、犬にこれをつけておくということは非常に大事だと思います。本当にもらったこれではできません。それだけは覚えていただきたい。
そして、今回、このペット特別住民票を発行するに当たり、手数料として1,000円徴収してはどうだろうかと提案したいんです。これを持つことによって、犬友達ではないですけど、情報交換もできます。何とぞ、このペットの特別住民票についてのサービスを始めていただきたい。この件についてお尋ねいたします。
次に、これも動物に関することでございますけど、学校における動物飼育活動についてお聞きします。
今回、この質問のヒントをもらったのは、「いきものがかり」という名前を聞きました。皆さん、「いきものがかり」は聞いたことがありますか。多分、音楽が好きな方は「いきものがかり」というのは聞いたことがあると思います。僕はこの「いきものがかり」のことを知らなかったんです。何の意味かわからなかった。ちょっと聞きますと、「何を言っていますか。これはグループで有名な」ということで、こんな名前をつけるのかと。
ここで皆さん方に言いたいのは、この「いきものがかり」を知ったというのは、今治産のマフラータオルが、「いきものがかり」がコンサートをするというので5万枚出ています。もっと出ているはずです。私が知っているだけで5万枚ですから。ということは、この「いきものがかり」というのはそんなにいいのかという感じでございました。
それは置きまして、私たちの小さいころには、生き物係ではなくて、学校のお世話係みたいなのがあって、そのときには、ウサギや鶏や小鳥やヤギも飼われていたと思います。いつか鹿児島県の奄美大島に行ったときにはヤギがいたはずです。「そのヤギはどうするんですか」と言ったら、「最後にはいただきます」と言っていましたけどね。
それはそれとしまして、私なりに、学校でなぜ動物飼育が必要かと申しますと、まず1点目は、命の大切さは、言葉だけでは通じないと僕は思っております。生き物を飼えば、いつかは死を迎えます。そして、新しい命の誕生を見ることになります。私は犬の死を子供たちと見守ったことがあります。それは大きなため息をつきますよ、何度も。そして、いつかは呼吸が速くなり、その次には、だんだん小さくなる。本当に涙ながらにさすったことを覚えております。そういう中で、死の悲しみや命のとうとさは体験しなくては語れないのではないでしょうか。
そして、2点目、毎日の餌やり、小屋の掃除などで世話をすることにより、思いやりや責任感や観察力がついてきます。動物と触れ合うことで本当の大切さを学ぶのではないでしょうか。現実に動物に触れる体験を一度もしないで大きくなった子供がいると聞いたこともございます。残念なことです。例えば、親が動物を嫌えば子供も嫌うということもあるそうでございます。
さて、動物との触れ合いを通じ、児童が主体的に計画し、責任感と自信を持つようになったことから、不登校児童に世話を依頼したところ、復帰のきっかけになったと新聞に書かれています。ただ、こういう新聞記事もありますけど、本当にいいことばかりが書かれていまして、それだけではなくて、問題があるのは、休日や長期の休暇等の世話をどのようにしているのか。そのために先生の負担がふえてはいないか。また、動物のけがや病気の対応、小屋の修理等で子供や先生のやることが多くなって、手が回らなくなったらだんだんやめていくのが現状ではないでしょうか。そういうことでPTAや地域の人々の協力がなくてはできない活動だと思っております。
そこで、質問させていただきます。1番目に、餌代、けがや病気のときの治療費はどのように対応しているか。2番目に、地域の人、獣医師との協力はどのようにしているかお聞かせください。
最後の質問に参らせていただきます。動物愛護基金についてでございます。
日本では、年々減少しているとはいえ、年間約16万2,000匹の犬や猫が殺処分されております。この数をいかに減らすことが大きな課題かと言われております。愛媛県動物愛護センターで殺処分された猫は、2014年度、3,619匹が収容されて、3,044匹が殺処分されております。どのようにお感じになりますか。
次も猫の話題でございます。愛媛県下のことですけど、猫が多い島として有名になった大洲市の青島をご存じでしょうか。住民が16人、猫が150匹から160匹いると言われております。高齢者が多い島で猫を世話することは大変な問題を抱えることになります。大洲市の市民生活課は、「避妊・去勢手術を進める場合、青島に限って大洲市の予算支出は地域公共性の観点から考えておらず、各種団体の協力を得ていきたい」とコメントしております。
さて、ここでドイツの動物愛護団体を紹介します。この動物愛護団体の保護施設は全国にあり、1年間に保護する動物は延べ1万2,000匹を超すそうです。捨てられたり、飼い主からはぐれたりした犬・猫だけでなく、馬や牛、イグアナや蛇も保護し、引き取り手があらわれるまで世話をするそうでございます。治る見込みがない病気で安楽死させる以外、施設で一生を終えるそうでございます。また、日本のようなペットショップはほとんどなく、犬や猫を飼いたければ、ブリーダーや保護施設から譲り受けるのが一般的で、犬を飼うためには犬税を払わなければなりません。それが年間120ユーロ(約1万6,000円)です。この保護施設は動物愛護団体が運営し、年約700万ユーロ(約9億8,700万円)の予算のほとんどを寄附金で賄っているということです。
そこで、動物の愛護及び管理という特定目的のための寄附金を募り、将来的には基金としてそれらを財源とした施策を推進してもらいたい。具体的には、犬や猫の殺処分をなくすための取り組み、犬や猫の「放置ふん」対策や啓発の取り組み、猫の不妊手術費用の助成、学校における餌代、けがや病気の治療費、ドッグランの整備費等、動物愛護施設のさらなる推進に市民として協力したいと思えるような事業に用いるべきだと思っております。また、必要でなくなったドッグフードやキャットフードの受け付けも、できればやっていただきたい。動物愛護に使途が限定されるものであれば寄附をしたいという声は必ず上がってくると思います。この件についてどのようにお考えになっているか、質問させていただきます。
以上でございます。
83:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
84:
◯菅 良二
市長 9月議会一般質問の大トリ、ベテラン議員の福本議員ですから、恐らく皆さん、どんな質問が、かねての政治信条がいよいよここで発表されるのかと固唾をのんでいたと思いますし、私もいささか構えておりましたが、舞の海の「猫だまし」、ちょっとそんな感じもいたしますけれども、ご本人、何しろ愛護精神、動物の愛護については非常に強い思い、そんなことも感じさせていただきました。
ご質問の動物愛護基金についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
ペット、特に犬や猫は私たちにとって身近な動物であり、家族の一員として生活に潤いや喜びを与えてくれており、飼い主にとってはかけがえのない存在となっております。人と動物の共生する社会の実現を目指して、動物の愛護及び管理に関する法律、通称「動物愛護管理法」が制定されました。この法律では、飼い主にその動物が命を終えるまで適切に飼い育てることが明記されておりますが、やはり、飼い主の不注意により逃げてしまった、高齢や病気になったりして飼えなくなった、転居により手放さなくてはならなくなった等の理由により、行政が捕獲または引き取ることとなった結果、殺処分され、天寿を全うできない犬及び猫が毎年かなりの数に上っております。
動物愛護基金でございますが、昨今のペットブームによる犬及び猫の増加を考えれば、行政においては動物愛護推進事業を積極的に進める必要があると思います。しかし、いずれの自治体も財政的に非常に厳しいため、なかなか動物の部門まで予算措置が困難な現実があります。そこで、住民や事業者から寄附を募り、特定目的基金を設置し、必要な財源を確保してはとのご提案だと思います。なお、この制度については、京都市や尼崎市等に実例がございます。
ふるさと納税の例もありますように、動物愛護に使途が限定されるのであれば寄附を行いたいという方もおいでになると思います。行政あるいは民間の動物愛護団体等のいずれが基金を設置すれば、より適切かつ効果的であるか等を含めまして、今後の検討課題とさせていただきたいと思いますので、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきます。よろしくお願いします。
85: ◯白石卓夫市民環境部長 福本議員ご質問のペット(犬・猫・その他動物等)についてお答えさせていただきます。
まず、ご質問の1番目、「放置ふん」についてどのようにしているかでございますが、マナーの悪い一部の飼い主に見られる「放置ふん」によって美しいまちづくりが妨げられ、市民の生活環境が悪化することは行政といたしましても看過できない問題であると考えております。
「放置ふん」については、犬・猫、特に飼い犬を散歩させている場合に、飼い主において、ふんの後始末ができているかということになろうかと思われます。動物愛護管理法は、動物の命の大切さを国民一人一人が認識すると同時に、その飼い主には、生活環境に害を与えたり、人に迷惑をかけたりしないような適正な飼養を求めております。また、この法律に基づき定められた愛媛県動物の愛護及び管理に関する条例では、「飼い犬を訓練し、移動し、又は運動させるときは、汚物を処理するための用具を携行するとともに、飼い犬が公園、道路その他の公共の場所においてふんを排泄した場合には、直ちに当該ふんをその場所から除去すること」が定められております。愛媛県内では、環境モデル都市である松山市が、松山のまちをみんなで美しくする条例の中で、公共の場所での飼い犬の「放置ふん」を禁止しており、罰則も設けられております。しかし、全国的に見ても、罰則や過料を科しても実際にその適用は困難なようでございます。
本市では、広報誌を利用して、ふんの後始末について繰り返し注意喚起を行っており、また、直接被害をこうむっている方に対しては、ふんの持ち帰りを促す看板の貸し出しを行っております。議員ご提案の看板の表現等については、何か工夫ができないか検討してまいりたいと存じます。
また、持ち帰ったふんにつきましては、臭気の発生や固形物が漏れ出さない方法で小袋等に封入していただければ、可燃ごみとして収集できます。しかしながら、「放置ふん」に対する市民からの苦情も寄せられておりますので、今後も粘り強く啓発活動を続けてまいりたいと思います。ご理解をいただきますようお願い申し上げます。
ご質問の2番目、捕獲した犬・猫の対応はどのようにしているかについてでございますが、狂犬病は、我が国では昭和32年以降発生しておりません。現在でも、世界では年間約5万5,000人が死亡している人畜共通感染症であり、予防注射の徹底を図っていく必要がございます。
次に、犬・猫の捕獲等については、狂犬病予防法のもとに犬の捕獲を、動物愛護管理法により犬・猫の引き取りを行っており、また、猫の捕獲については両法に規定がないため実施しておりません。捕獲または引き取りを行った犬及び猫の保管、返還及び譲渡につきましては愛媛県の事務となっており、当該犬及び猫については今治市内の施設に一時的に収容し、定期的に愛媛県動物愛護センターへ送致を行っております。また、今治市では、送致する段階で所有者の判明しない犬については、狂犬病予防法の規定に基づき、性別、特徴及び捕獲日時・場所等の情報を2日間公示するとともに、公示後の引き取り期間として1日の猶予を設けております。加えて、保健所、警察署等と連絡を取り合い、飼い主の発見にも努めております。
なお、愛媛県動物愛護センターにおいても、飼い犬の可能性のある犬については、すぐに殺処分を行うことをせず、飼い主からの問い合わせに備えていると聞いております。
小さな命を守るためにも、公示のあり方や、迷い犬、迷い猫が発生した場合の関係機関への通報手順の周知については、議員ご提案のチラシも含めて、どのような方法が適切であるかを検討してまいりたいと存じます。
いずれにいたしましても、狂犬病を含む犬の危害防止を目的とする狂犬病予防法と、人と動物の共生する社会の実現を目指す動物愛護管理法のはざまで、現場では難しい対応を強いられているのが実情でございます。
ご質問の3番目、ペット(犬・猫・その他動物等)に特別住民票を発行してはどうかについてでございますが、これまで特別住民票は、市区町村が当該自治体の活動に貢献したとされる人や動物、キャラクター等に対して交付されてきました。本市では、「ゆるキャラグランプリ2011」で準グランプリに輝いたバリィさんに、平成24年、第1号の特別住民票が交付されております。
大変ユニークな発想であり、現在の畜犬登録のデータに写真を加えた形式のものを飼い犬以外の動物にも広げ、特別住民票として発行してはどうかとのご提案と思われます。また、この制度を活用すれば、早い段階で不明動物の所有者の発見を容易にし、特別住民票の発行を有料とすれば、その収益を動物愛護事業に役立てることができ、殺処分の減少にもつながってくると思われます。
しかしながら、個人情報管理の問題、またその他の動物を含めるとなりますと、種類も多く、何分、全国的にも事例がない試みでありますので、民間の動物愛護団体での取り組みも含めて、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。
以上でございます。
86: ◯高橋実樹教育長 福本議員ご質問の学校における動物飼育活動についてお答えいたします。
1番目、餌代、けがや病気のときの治療費はどのように対応しているかと、2番目、地域の人、獣医師との協力はどのようにしているかですが、関連がございますので、あわせてお答えさせていただきます。
議員ご
発言のとおり、飼育活動は、命の大切さ、愛する心、思いやりの心などの情操教育に効果があり、児童生徒の健全な育成に役立つと評価されています。中でも大切なことは、実際にさわってみて、初めて命の温もりを感じ、その生死を見届ける経験や体験を通じてこそ、まさに生命尊重や動物愛護の心が育まれるものと考えます。
残念ながら、近年は動物由来感染症などの影響により、動物を飼育している学校が減少しています。現在では、亀やウサギなどの小動物を数校で飼育しているのが現状です。しかし、理科や生活科でほとんどの小学校が教室内でメダカや昆虫などを飼育し、子供たちが世話をしている学校は多くございます。子供たちは、水のかえ方、虫かごの中の環境、餌のやり方など、試行錯誤しながら、親身になって世話をしています。学校を訪問したとき、子供たちが目を輝かせて、メダカやチョウの卵の成長の様子を観察しておりました。命ある生き物でございますので、一生懸命世話をしても、死にも直面いたします。生命のとうとさを、子供たちは座学の学習だけでなく、そういった体験でも学ぶことができます。
また、飼育数は少ないですが、ウサギを例に挙げますと、飼育しているのは小学校のみで、その世話は児童、教職員が輪番で行っております。餌につきましては、児童や教職員の家庭の余り物、また近くのスーパーや八百屋などで不要になった野菜を分けてもらっていることもあります。そして、地域の方がわざわざ餌をお持ちいただいている学校も多いようです。
次に、けがや病気への対応について学校に確認しましたが、獣医師に診ていただいた事例はございません。動物由来感染症やアレルギーの問題がありますが、巡回動物園を利用したり、「のまうまハイランド」などの管理がしっかりしている外部の施設を訪問したりして、動物との触れ合いを通じ、情操教育を推進している学校もございます。
今後、地元の獣医師から動物愛護や命の大切さを学んだり、健康管理や衛生管理等に関する内容も含めてご指導やご助言、支援等をしていただける方法はないか検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
87:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
88: ◯福本琢美議員 議長。
89:
◯松岡一誠議長 福本琢美議員。
90: ◯福本琢美議員 環境美化推進条例は、本市においても発議をもってすれば条例制定できると思いますので、皆さん方の協力を得て進めたいと思います。よろしくお願いします。
最後に、ペット特別住民票の発行や動物愛護基金設立に向けて、広報誌で広く市民の皆さん方に知らせていただき、理解していただいて、賛同を得るように進めていただきたい。そうすることにより、環境、動物にも優しい今治市を発信することができると思います。明日からと言わず、きょうからまず皆さん方で一歩前進しようではございませんか。よろしくお願いします。
終わらせていただきます。
91:
◯松岡一誠議長 再質問なしと認めます。
以上で福本琢美議員の質問を終わります。
以上で通告による一般質問は終わりました。
これをもって一般質問を終結いたします。
次に、日程3、付議事件番号1、議案第96号「平成27年度今治市一般会計補正予算(第2号)」ないし付議事件番号24、陳情第19号「地方財政の充実・強化を求める意見書提出の要望について」、以上24件の委員会付託を行います。
以上24件は、お手元に配付の委員会付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたしたいと思います。
付託事項についてご異議ありませんか。
( 「異議なし」と言う )
ご異議なしと認めます。よって、委員会付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたします。
9月18日、定刻から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後 2時29分 散 会
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