今治市議会 2015-09-09
平成27年第5回定例会(第3日) 本文 2015年09月09日開催
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定例会(第3日) 本文
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発言者一覧 選択 1 :
◯松岡一誠議長 選択 2 :
◯古川孝利議員 選択 3 :
◯松岡一誠議長 選択 4 :
◯菅 良二
市長 選択 5 :
◯高橋実樹教育長 選択 6 :
◯松岡一誠議長 選択 7 :
◯古川孝利議員 選択 8 :
◯松岡一誠議長 選択 9 :
◯古川孝利議員 選択 10 :
◯松岡一誠議長 選択 11 :
◯岡田勝利議員 選択 12 :
◯松岡一誠議長 選択 13 :
◯菅 良二
市長 選択 14 :
◯高橋実樹教育長 選択 15 :
◯阿部 宏農水港湾部長 選択 16 :
◯白石卓夫市民環境部長 選択 17 :
◯三品貴裕上下水道部長 選択 18 :
◯垣谷光慶都市建設部長 選択 19 :
◯松岡一誠議長 選択 20 :
◯岡田勝利議員 選択 21 :
◯松岡一誠議長 選択 22 :
◯岡田勝利議員 選択 23 :
◯高橋実樹教育長 選択 24 :
◯松岡一誠議長 選択 25 :
◯岡田勝利議員 選択 26 :
◯松岡一誠議長 選択 27 :
◯岡田勝利議員 選択 28 :
◯三品貴裕上下水道部長 選択 29 :
◯松岡一誠議長 選択 30 :
◯岡田勝利議員 選択 31 :
◯松岡一誠議長 選択 32 :
◯岡田勝利議員 選択 33 :
◯松岡一誠議長 選択 34 : ◯森田 博議員
選択 35 :
◯松岡一誠議長 選択 36 :
◯菅 良二
市長 選択 37 :
◯高橋実樹教育長 選択 38 :
◯松岡一誠議長 選択 39 : ◯森田 博議員
選択 40 :
◯松岡一誠議長 選択 41 : ◯森田 博議員
選択 42 :
◯高橋実樹教育長 選択 43 :
◯松岡一誠議長 選択 44 : ◯森田 博議員
選択 45 :
◯松岡一誠議長 選択 46 : ◯森田 博議員
選択 47 :
◯松岡一誠議長 選択 48 :
◯松岡一誠議長 選択 49 : ◯山岡健一議員
選択 50 :
◯松岡一誠議長 選択 51 :
◯菅 良二
市長 選択 52 :
◯松岡一誠議長 選択 53 : ◯山岡健一議員
選択 54 :
◯松岡一誠議長 選択 55 : ◯山岡健一議員
選択 56 :
◯松岡一誠議長 選択 57 : ◯山本五郎議員
選択 58 :
◯松岡一誠議長 選択 59 :
◯菅 良二
市長 選択 60 : ◯村上伸幸健康福祉部長
選択 61 :
◯松岡一誠議長 選択 62 : ◯山本五郎議員
選択 63 :
◯松岡一誠議長 選択 64 : ◯山本五郎議員
選択 65 : ◯胡井裕志企画財政部長
選択 66 :
◯松岡一誠議長 選択 67 : ◯山本五郎議員
選択 68 :
◯松岡一誠議長 選択 69 : ◯山本五郎議員
選択 70 :
◯松岡一誠議長 ↑
発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初の
ヒットへ (全 0
ヒット) 1:
◯松岡一誠議長 おはようございます。ただいま出席議員32名であります。
これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の日程表のとおりであります。
日程1、会議録署名議員の指名を行います。
本日の会議録署名議員に、20番谷口芳史議員、21番石井秀則議員を指名いたします。
次に、日程2、一般質問を行います。
この際、申し上げます。
各議員の
発言は、申し合わせの
発言時間内においてお願いいたします。
通告者の
発言を順次許可いたします。
2番古川孝利議員。
2:
◯古川孝利議員 おはようございます。
発言の許可をいただきましたので、創政会の古川孝利が質問いたします。
私が広島市で小学校の教員をしていたころ、9月の初めは夏休みの宿題や絵日記などを見ていました。「この前の日曜日は家族で宮島水族館に行きました。タチウオが縦に泳いでいたり、ラッコが貝を割って食べたりするのがかわいかったです。アシカショーでは、アシカが鼻を使ってバスケットリングにシュートしました。とても上手でした。大きくなったらアシカの飼育員になりたいです」とか、「この前の土曜日、お母さんと妹と安佐動物公園に行きました。レッサーパンダがかわいかったです。象さんが手のかわりに鼻でリンゴをつかんでいました」。また、ある者は、「お盆におばあさんと植物公園に行きました。食虫植物といって虫を食べる植物があると知って驚きました。大きなハスの葉にも乗りました」とか、「この前の日曜日、おじいさんと比治山のまんが図書館に行きました。おじいさんが小学生のころ、『鉄人28号』や『鉄腕アトム』を読んでいたと聞いたので、読んでみるとおもしろかったです。たくさんの漫画が並んでいるので、また連れていってほしいです」とか、「この夏の天気のことを調べるため、江波山気象館に行きました。台風のこともよくわかりました。楽しい理科の実験もあり、また友達と来たいと思いました」。また、ある子は、「きょうは森林公園のこんちゅう館へ行きました。クワガタが好きな木はナラやクヌギだそうです。外国産のヘラクレスオオカブトはとても大きかったです」とか、「きょうは家族で基町のこども文化科学館へ行き、プラネタリウムを見ました。理科の時間に習った夏の大三角や天の川のことがよくわかりました。日本人の宇宙飛行士の特集をしていました。僕もいつか宇宙へ行ってみたいです」など、広島市とその周辺には、子供たちの豊かな心を育んだり、ものづくりの楽しさを知ったり、未知の世界を探求したりする心を育てる多くの文化施設がありました。
翻って我が今治市は、水族館、動物園、植物園、まんが図書館、気象館、森林公園、科学博物館、プラネタリウムといったものがありません。118万人都市の広島市と16万5,000人都市の今治市の子供のための施設を一緒にせよと言っているわけではございません。動物園だと愛媛県立とべ動物園に行けばいいし、科学博物館やプラネタリウムは新居浜市や西条市で体験できます。西条市では、西条市こどもの国という施設があり、そこにプラネタリウムがあります。ちなみに、プラネタリウムの意味は、天球上における天体の位置・運動を説明するための精密な構造を持つ光学装置、またその装置を備えた施設ですが、この夏の催しとして、「ドラえもん 宇宙ふしぎ大探検2 ~太陽系のひみつ~」が上映されていました。別の部屋では、日によって、「ものづくり体験教室」「電子工作 ~フラッシュライト2~」「おもしろ紙ねんど教室」「グラスアート教室」などが催されており、子供たちの好奇心や探究心をかき立てる内容だと思います。調べてみると、愛媛県内では西条市以外に5カ所あります。新居浜市、東温市、松山市、西予市、久万高原町です。愛媛県で人口第2位の今治市にないのが不思議で、残念でもあります。
そこで、質問します。プラネタリウムをつくったらいかがでしょうか。西条市くらいの規模で構いません。そこに実験教室や工作教室ができる設備をつくれば、ものづくりの今治市にふさわしい施設ができます。また、今治市は造船のまちでもあります。昔の船の旅では、夜間の航行は北極星など星に道案内してもらっていたのです。切っても切れない縁なのです。また、今治市のある保育園が遠足として西条市まで行き、活用していることを聞いています。小学生や中学生は、太陽、月、星の学習に大いに役立ちます。大人もお年寄りも、お孫さんと一緒に、勉強を兼ね、遊びに行くこともできます。
ちなみに、西条市こどもの国は昭和61年に建設され、8億8,339万5,000円だそうです。国からの補助金が約1億5,200万円、寄附金が2億円ということです。運営費は年間約2,800万円ということです。広島市こども文化科学館は昭和55年に建設され、12億5,228万1,000円です。国際児童年ということもあり、国からの補助金があったということです。管理費は年間約1億6,700万円、人件費も含んでいます。今治市にもぜひプラネタリウムをということで、答弁をお願いします。
3:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
4:
◯菅 良二
市長 おはようございます。一般質問の一番手、古川議員ご質問の文化施設についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
議員が小学校の教員をされていたころの夏休みの宿題や絵日記の話を踏まえ、子供たちの夢を育てること、心を育てることの大切さに関連してのご質問をいただきました。宮島水族館、私も懐かしい思いをいたしております。旧宮島町というのは、ご承知のように大変なドル箱がありましたが、今は残念ながら……。松山市も競輪で随分よかった時代が厳しくなってきているようでもあります。私は宮島水族館に行ったときに本当に心の底から驚きましたし、この町の規模でこれだけのことができてすごいなという夢を見たのも事実ですが、その後、大阪市に、また各地域に巨大な水族館、まさにだんだんにスケールの大きいものができてしまうと、既存の水族館が厳しくなってきたのも事実だと思います。
私どもは、今治市公会堂は耐震強度もあるよ、丹下作品でもあるし、これは残そうよといったことで、リニューアルで今回ああいう形で皆さんにお披露目ができました。一方で、近隣の市では新しい文化ホールで大変苦戦しております。それは、まさに東京オリンピックの影響、資材の高騰、人がいない、いろんなことで規模を縮小しながら取り組まざるを得ないのが実情だと思います。
株式会社ダイエーの創業者の中内さん、この方は大変な人物であったと思います。趣味はレジスターの音を聞くことと聞いております。ただ、あの人のすごかったのは、「開店したらその日から老朽化は始まるんだ」という哲学を持っていました。しかしながら、あの株式会社ダイエーをもってして、三越百貨店をはるかに上回る売り上げを誇っていた株式会社ダイエーが今現在どうなっているか。大変なことになっております。施設というものは1日たつと古くなってくる、老朽化してくる、維持管理に費用がかさんでくる。そういったことからも、慎重に事を運んでいかなければならないとも感じております。
そういった中で、我が今治市が進むべき道は何なのだろう。私はやっぱりハードよりもソフトに重点を置きたいと願っております。
昨年からのことについて振り返って少しばかり述べさせていただきます。
まず1つ目でございます。昨年の12月、市制10周年記念事業としまして、坊ちゃん劇場よる「鶴姫伝説」今治公演を我が今治市公会堂で開催いたしました。一般公演と学校公演がありましたが、そのうち学校公演におきまして、今治市内の小学校4・5年生、中学校1・2年生、合わせて約5,700名が生の舞台に引き込まれるように観劇しておりました。
2つ目としまして、平成22年より行われている劇団四季によります「こころの劇場」今治公演、これはグリーンピア玉川において開催されて、ことしの2月には今治市内の小学校6年生が「世界の名作小説から生まれた、愛と感動のミュージカル。『ふたりのロッテ』」を観劇いたしました。ここで驚いたのは、劇団員のほうがびっくりしたそうですが、スタンディングオベーション。「各地で公演するけれども、今治市の児童生徒はすばらしいですね。やりがいがありました」とお褒めの言葉をいただきましたというお話であります。きっと、本物の舞台を観劇し、芸術を愛し、楽しむ心を育み、豊かな感性を培うすばらしい機会になったと思っております。
3つ目、5月には「第1回自衛隊ふれあいコンサートin今治」が今治市公会堂で開催されました。陸上自衛隊第14音楽隊が、もちろんすばらしい演奏で、会場の前列にいる中学生、高校生のブラスバンド部員に2015年度全日本吹奏楽コンクール課題曲の「天空の旅」の模範演奏を行うなど、とても熱気にあふれたコンサートとなりました。そこでおもしろいことに取り組んでくれました。イントロクイズ、最初の音で何の曲名か当てましょうということで、私はびっくりしたのですが、最初の「バン」という音だけで手が挙がるんです。そして、正確な答えを出す。この中学生、高校生の豊かな感性には私のほうが感動いたしました。
もう一つ、4つ目として、この夏休みの間に実施されました取り組みをご紹介させていただきます。8月19日から30日の間、今治市河野美術館において、アートクラブグランプリ(全国中学校美術部作品展)、いわゆる「アートの甲子園」の今治巡回展が四国で初めて開催されました。本当に中学生が描いた絵なのかと思うぐらいレベルの高い、すばらしい作品が数々展示されておりました。
こういったすばらしい作品展が本市で開催されたことは、今治市にとって喜ばしいことでありますが、何よりうれしかったのは、この全国を対象とした作品展において、今治市内中学生の応募した作品が入賞、入選、佳作として選考され、全国の入賞作品とともにこの巡回展において展示されたこと、そして、これらの作品を、子供たちを初めとして多くの市民の方々に鑑賞していただけたことであります。さらに、この期間中に開催されました、今治市出身で今治応援大使の画家MAYA MAXXさん、今治市内在住のアーティスト久保礼子さんのそれぞれのワークショップにおいても、参加した子供たちが真剣なまなざしで、そして、生き生きと目を輝かせて、絵を描いていたと聞いております。
こういった音楽、演劇、芸術など、さまざまな文化芸術を鑑賞し、体験する取り組みが、子供たちを初め市民の方々にとって楽しい思い出となり、また貴重な体験として心に残り、心を育て、夢を育てることにつながってくれればありがたいと思っております。今治市は独自の地場産業と文化施設を有しております。こういったことを踏まえながら、子供たちの夢や心を育むという視点を大切にし、これからの行政運営を行ってまいりたいと考えております。
なお、詳細につきましては教育長からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
5:
◯高橋実樹教育長 古川議員ご質問の文化施設についてお答えいたします。
実験室や工作教室を備えたプラネタリウム施設は、多くの子供たちの夢を育て、小さい時期から科学的思考、知的好奇心を育てるなど、科学教育に貢献できる施設であると思います。近隣には、ご質問にございました西条市こどもの国や、新居浜市にある愛媛県総合科学博物館などがございます。愛媛県総合科学博物館からは各学校に企画展等の情報提供があり、それぞれの学校で同施設を利用しています。実験教室や工作教室を併用して使用することにより、親子で楽しめる施設として好評であると伺っております。
今後の対応につきまして、ハードの観点とソフトの観点から述べさせていただきます。
ハード面についてでございますが、先ほど
市長が申しましたように、本市におけるプラネタリウム施設建設につきましては、今治市全体の施設整備の中で検討されるべきものであり、地理的に愛媛県総合科学博物館と競合する側面、また限られた財源のもと、慎重に検討していく必要があると考えております。
次に、ソフト面についてでございますが、子供たちの科学的思考や知的好奇心を育てるための本市の取り組みといたしまして、例えば、今治市伊東豊雄建築ミュージアムにおきましては、竹、段ボール等を使った建築ワークショップ、今治市大三島美術館におきましては、尾道市立大学美術学科と協力した木工細工ワークショップがあり、また、科学が大好きな子供たちを育てるために、理科教師が中心となって行っている科学教室「レッツ・エンジョイ・サイエンス」や、小学校5・6年生を対象に想像力、発想力を生かした工作教室「今治市少年少女発明クラブ」、そして、中学生に地域のものづくり産業に対する理解を深めてもらう「ものづくり体験講座」があります。この「ものづくり体験講座」は平成22年度から行われていますが、ことしも「船の仕事を学ぼう」をテーマに、中学校2年生を対象として、企業の協力をいただき、造船の仕事、電気の仕事、ものづくり工場見学、体験航海をそれぞれ実施する予定になっております。
今治市は、議員ご指摘のとおり、まさに造船のまち、ものづくりのまちでございます。今後もこういった取り組みを引き続き行い、さらに科学教室の一環として夜空の観察会を実施し、星座や実験、工作、ものづくりに興味を持ってもらえるような環境を整えていきたいと考えております。今治市には他市にない、多様で特徴的な美術館、博物館がございます。現在ある各施設を有効に活用した事業を行うと同時に、各学校におきましてもいろいろな実験や工作、体験学習を通して、主体的、意欲的な学習の充実に努め、「ものづくり都市今治市」の将来の人材育成につなげてまいりたいと考えております。
以上でございます。
6:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
7:
◯古川孝利議員 議長。
8:
◯松岡一誠議長 古川孝利議員。
9:
◯古川孝利議員 答弁の中で、今治市でも子供たちの科学的思考や知的好奇心を育てるため、今治市伊東豊雄建築ミュージアムで竹や段ボール等を使った建築ワークショップを、今治市大三島美術館では木工細工ワークショップを行っているということでした。科学教育の一環として夜空の観察会を実施することで、星や宇宙に興味を持つ子供が育つと思います。
また、プラネタリウムについては新居浜市に県立の立派なものがあり、年間8万4,000人もの入館者があったとのことです。私が考えるに、どちらも手軽には利用できません。今治市の陸地部の多くの子供たちや保護者にとって時間も金額的な負担も大きいと思います。新居浜市に行くには車でも1時間ぐらいかかるでしょうし、大三島は高速道路通行料金が往復で2,000円ぐらいはかかると思います。手軽に行けて、宇宙への夢を育てるプラネタリウムが今治市内中心部にあれば、夏休みなど毎日通っても、そう多くの負担にならないと考えます。
宇宙飛行士の油井さんは長野県川上村に生まれ育ち、それこそ村そのものがプラネタリウムのようなところで、手を伸ばせば星に手が届くようなところだそうです。そういうことで、小さいころから宇宙に興味を抱いていたと話していました。まさしく「環境が人をつくる」と申します。子供たちの夢を大きく育むプラネタリウムの施設の中に、「造船のまち今治」らしいコーナーとして、葉っぱやササでつくった船、かまぼこなどの木でつくった船、発泡スチロールの船などをつくるコーナーがあり、つくった船を浮かばせ、走らせたりするプールを備えている施設があればいいと考えます。今治タオルがいかに吸水性にすぐれた繊維であるかを実験できる部屋もあるといいと思います。
今治市はサイクルシティとして多くの観光客が訪れています。その人たちも必ず入館してみたいような施設を計画していただきたいことを要望しまして、私の質問を終わります。
10:
◯松岡一誠議長 再質問なしと認めます。
以上で古川孝利議員の質問を終わります。
次に、33番岡田勝利議員。
11:
◯岡田勝利議員 改めまして、おはようございます。清風会の岡田でございます。猛暑、酷暑から一転、朝晩はめっきり涼しくなり、スポーツ、行楽には絶好の季節になってまいりました。9月
定例会において一般質問をさせていただく機会をいただきましたので、
発言通告に従いまして、時間内において、現在危惧していること、日ごろから気にとめていることを質問させていただきますので、菅
市長を初め関係理事者の皆さんの簡潔明瞭で忌憚のないご答弁のほど、よろしくお願いいたします。
まず、教育行政について4点お尋ねいたします。
12市町村で平成の大合併をし、あっという間に年月が流れ、大きな節目の10年が経過いたしました。合併当初は18万人と言われていた人口も、現在では16万人余りとなり、平成37年には14万人、20年後には4万人減少して12万人を割り込むとまで言われております。少子高齢化には歯どめがかけられず、特に全国的に少子化が進む中で、小中学校の統廃合も余儀なくされてきているところです。
まず1番目でございますが、ことしの4月から統合された小中学校の状況について、統合当初におきましては、地域住民、そして保護者の方々は、通学問題を含めていろいろな事案について心配、危惧をしておられたようです。そこで、統合後の通学問題や教育環境、学校運営などについて、現状でのご所見をお伺いいたします。
2番目として、6月24日、学校教育法等の一部を改正する法律が公布され、現行の小中学校に加え、小学校から中学校までの義務教育を一貫して行う義務教育学校を新たな学校種として規定することになりました。そこで、今回の制度改正を今治市としてどのように受けとめ、今後どのように推し進めていこうと考えているのか、ご見解をお伺いいたします。
3番目として、児童虐待・いじめ問題等についてであります。
本件につきましては、毎日のようにいろいろと目に余る痛ましい出来事が報道されています。先般の7月の新聞報道では、平成26年度の愛媛県と20市町による児童虐待の相談対応件数は896件で、過去最多と発表されておりました。ちなみに、愛媛県では平成25年度のいじめ認知件数は、私立中学校・高校では14件、公立小・中・高校では662件あったそうです。岩手県の中学校2年生の男子生徒のいじめを苦にした自殺問題を初め、毎日のように、痛ましく、考えられないような死亡事件が全国各地で相次いで起こっています。
また、児童虐待事案につきましても、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト(育児放棄)、心理的虐待と、いろいろと異なりますけれども、いずれにいたしましても、毎日のように新聞、テレビ等で報道され、後を絶ちません。
愛媛県教育委員会は、「いじめの有無ではなく、教員は迅速でいかに組織的な対応をしていくかが最も重要である」とも言われておりますが、本市の子供たちの笑顔を守るべく、児童虐待といじめ問題等の現況と、今後の対応策についてのご所見をお聞かせください。
教育行政についての最後、4番目として、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部がことしの4月1日に改正されました。今回の改正に伴う本市の現在の取り組み状況と、今後の方向性についてのご見解をお聞かせください。
次に、行財政改革についてお尋ねいたします。
理事者が普通交付税と臨時財政対策債の合併による合併特例期間の終了を見据えて、今後の大幅な財源不足が憂慮される中、持続的な本市の発展を見据えた事業への取り組み、次世代への投資を可能にするために、まずみずから身を切ることから行財政改革に取り組んでいこうとしている中、一昨年の2月に、我々今治市議会としても「何とかしなくては」の思いの中で行財政改革特別委員会を立ち上げ、現在に至っていると思います。
行財政改革を推し進める中で、特に公の施設の見直しに関しましては、地域住民の方々にとって一番身近で関心の深い案件であるとともに、公の施設の見直し、そして事務事業の見直しをすることによって、市民の皆さんが今後大きな不便、負担とならないように、どうしても地域で必要な施設であるのであれば、公の施設としては廃止するけれども、普通財産としてどのようにすれば使い勝手のいい施設として残していくことができるか等について、担当の職員が誠意を持って丁寧な説明を尽くしていることと思います。
本会議初日、冒頭での菅
市長の挨拶の中で、公の施設の見直しについてのお話があり、これは答弁が重複するかもわかりませんが、あえて質問させていただきます。
まず1番目として、効率的な行政サービスへの改善に向け、整理統合を含めた公の施設の見直し「公の施設等評価及びあり方方針」の策定に至った経緯を改めてお聞かせください。
次に、2番目として、現在「E」評価と判定されている111施設の地元住民、利活用者への説明会においての理解度と統廃合に向けての現在の進捗状況、合わせて「E」評価となってはいるけれども、公の施設として存続を希望する地域から署名活動が起こり、理事者に提出されているとお聞きいたしておりますが、その施設の利活用の実態と地元の皆さんとの話し合い状況、合わせて現状での存続を希望している施設の対応策と今後のあり方について、理事者としてどのような取り扱いをしていこうと考えているのか、ご所見をお聞かせください。
次に、鳥獣被害問題についてお尋ねいたします。
7月19日に発生した、自作品で安全対策が不十分であった電気柵の感電事故は、2組の家族のうち7人が死傷した、あってはならない、恐ろしく痛ましい出来事でありました。本件のその後の調査では、アジサイの花壇を獣害から守ろうとしたこととはいえ、電気柵の技術基準を定めた電気事業法を逸脱していたことによる、不法で不適切な行為であったようです。
日本で電気柵を使い始めて60年以上の歴史がありますが、これまでに適正な電気柵で感電死した事故は1件もなかったようです。私も現在は3基の電気柵をイノシシ、タヌキ被害防止のために、完璧とまではいきませんけれども、夜間だけ必要に応じて設置して、鳥獣被害防御対策を行っています。
そこで、お尋ねいたします。
まず1番目、愛媛県、市町の補助制度を活用した電気柵の設置箇所、総延長はどのくらいあるのか、わかっている範囲でお示しください。また、今回のような事故を二度と起こさないための安全対策が行われていると思いますが、これらの再点検と改善指導等の安全事項の周知徹底はどのように行っているのか、ご所見をお聞かせください。
2番目に、カラス捕獲の箱おり設置後の維持管理体制についてお尋ねいたします。
宮窪地域でカラス捕獲の箱おり設置者のお話をお聞きするところによりますと、カラス捕獲の箱おり設置費用は、人件費別で資材代が約20万円余りで設置できるそうです。なお、捕獲実績といたしましては、平成25年度はカラス565羽、平成26年度は373羽を捕獲しているとのことです。
しかし、これには毎日の捕獲用の餌の確保と段取り、そして、捕獲後の処分等、日々の労力と手間が大変なようです。私も何度か現場を見に行き、お話も聞かせていただき、鳥害被害を少なくするためには最善の捕獲方法だと思い、以前から今治市農業委員会の小委員会、そして農政部会等でも紹介、提案させていただき、議論はされてまいりましたけれども、最終的に設置後の維持管理を誰がやるのかといったときに、正直なところ、誰もが二の足を踏んでいるのが現状で、なかなか前に進みません。
そこで、お尋ねいたしますが、カラス捕獲の箱おり設置後の維持管理体制についてのご見解をお伺いいたします。
次に、一般廃棄物処理について3点お尋ねいたします。
まず、1番目といたしまして、新しく建設中のクリーンセンター(ごみ焼却場)の供用開始に向けての建設工事の進捗状況について、現状をお聞かせください。
2番目として、下水道整備の普及状況についてであります。快適な日々の生活、公共用水域の水質保全等、よりよい自然環境を守ることが最も大事なことだとは思いますが、現在の本市の下水道の普及率をお示しください。
続いて、3番目ですが、合併浄化槽の運営状況についてであります。地域の実情によって合併処理浄化槽によるし尿処理をされている方は現在どのくらいおられるのか。また、水洗トイレのし尿(汚水)だけを処理する単独処理浄化槽と、し尿(汚水)や生活雑排水を合わせて処理する合併浄化槽の適正な運営状況と、今治市の公共下水道計画に基づいた今後の見通しについてのご見解をお伺いいたします。
最後に、瀬戸内しまなみ海道についてお尋ねいたします。
西瀬戸自動車道、通称「しまなみ海道」の通行料金問題につきましては、12市町村での大合併をいたしました平成17年の6月
定例会で初質問をさせていただいてから今回で10回目の質問となりますが、西瀬戸自動車道、通称「しまなみ海道」の当初の料金設定では、多額の建設費の問題等々で、海峡部では一般高速道路の普通区間の10倍以上、全線においても他の高速道路と比べ3倍強と極めて割高であることは現在まで質問の都度申し上げ、実情は皆さん十分ご理解いただいていると思っております。建設費に伴う出資金を2年間延長することを条件として、昨年4月から通行料金が見直され、新料金が設定されたことはご案内のとおりであります。しかし、我々しまなみ海道沿いの島民は、近隣の島に行くにも現在は船便がなくなり、代替のない、本州、四国に渡る唯一の生活道として西瀬戸自動車道を利用せざるを得ない状況となりました。
そこで、通行料金の問題ですが、当初は3倍強と言われていたのだから全国共通の高速道路料金となるのであれば、これは少なくとも以前の3分の1ぐらいにはなるのではないかと。こうなれば、島民にとっては気楽に今治市内の行き来ができ、経済的な負担が減り、大変ありがたいことと大きな期待をしておりました。しかし、いざふたをあけてみると、高速道路が、普通区間、大都市近郊区間、海峡部等特別区間の3種類に分けられ、かなり高かった海峡部等特別区間の料金単価が普通区間並みに引き下げられず、普通区間の4倍以上となっており、我々が思っていた高速道路全国共通とは大きくかけ離れております。
しまなみ海道は海峡部の距離が長いので、海峡部等特別区間の料金単価が通行料金に直結することは言うまでもありません。結果的には、平日朝夕の通勤時間帯と土日・祝日においては消費税分が転嫁されたものの、ほぼ据え置きとなり、平日の昼間におきましては確かに以前より負担が軽くなり、大変ありがたく思っておりますが、島民にとっては今治市内の行き来には二の足を踏まざるを得ない状況です。
そこで、お尋ねいたしますが、まず1番目として、全線開通後のしまなみ海道の通行量の推移はどのようになっているのか、わかっている範囲でお示しください。
次に、2番目として、島民の足、生活道としての現在の通行料金を、今治市としてどのように捉えているのか、ご見解をお伺いいたします。
最後に、瀬戸内しまなみ海道についての3番目として、島民の足、生活道として唯一の交通手段となる、しまなみ海道の通行料金軽減に向けての陳情・要望活動と今後の展望についてのご所見をお聞かせください。
以上、ご答弁のほど、よろしくお願いいたします。
12:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
13:
◯菅 良二
市長 岡田議員、多岐にわたって、4年分まとめて質問されているのかと思うほどの中身の濃い課題を私どもに与えていただきました。
私からは、行財政改革についてに関しましてお答えさせていただきます。
まず1番目の効率的な行政サービスへの改善に向け、整理統合を含めた公の施設見直し「公の施設等評価及びあり方方針」策定経緯についてでございます。
本市は全国的にもまれな広域合併により、愛媛県下で最も多い800を超える公の施設を保有することになりました。このことにより、類似の機能を有した施設を多数保有することになり、これらの中には、住民ニーズの多様化による施設の設置目的と利用実態の乖離など、施設の運営面においての課題が顕著にあらわれ、財政面においても、維持管理経費の増大に加え、今後集中する多額の更新費用等が見込まれるなどの多くの課題を抱えることになりました。
今治市のホームページにも掲載しておりますが、総務省が提供するソフトを活用した試算値によると、平成24年3月31日現在における公の施設810のうち、担当課において将来に向けて運営方針を策定済みまたは策定中の施設グループである小中学校等、及び法令上の規制により今後のあり方を議論することが適さない施設グループである自然公園等を除く調査対象706施設を維持するためには、今後40年間の将来的な修繕や建てかえ等に要する更新費用としまして、年平均50億3,000万円が必要となる見込みであります。また、人口減少や少子高齢化の進展、域内経済の縮小傾向等の要因により、年々本市の財政状況は厳しさを増す中、普通交付税の合併算定替による加算額の減額につきましては、全国の合併自治体と一緒に行ってまいりました要望活動等によって、ある程度回復できる見通しとはなったものの、削減されることに変わりがなく、将来的な財政状況等を勘案し、行政のスリム化、効率化への取り組みが喫緊の課題となっております。
このような厳しい状況を踏まえ、将来を担う次世代へ大きな負担を先送りすることなく、市民の皆様に継続的に住民サービスを提供するためには、今回の公の施設の見直しは取り組まざるを得ない、そして、先延ばしにできない重要な課題であることから、市民の皆様にご不便をおかけすることにはなりますけれども、苦渋の判断をさせていただいたものでございます。
2番目の現在「E」評価と判定されている施設の地元説明会における施設利用者等の理解度と進捗状況、合わせて現状のままで残してほしいと署名が出ている施設の今後の対応策についてでございます。
今回、「E」評価と判定された111施設につきましては、公の施設としての位置づけは廃止となりますが、直ちに取り壊したり、利用できなくなったりするということではありません。条例上の設置目的にとらわれない普通財産に切りかえることにより、地域住民、利用者団体ともに一体となって連携を図ることで、新たな地域コミュニティーの再生、形成が図られ、地域の誰もが気軽に利用できるよう、施設の利活用を検討していくことも大きなテーマと考えております。
現在、本庁担当課を中心に支所と連携し、利用者の皆様に公の施設の廃止についてご理解をいただくために説明、協議を進めておりますが、現在、廃止条例が議決済みまたは用途を廃止済みの施設は12施設となっております。その12施設を除く99施設につきましては、廃止についておおむねの理解をいただいた施設だけではなく、協議中の施設も含め、全て本
定例会の各所管の委員協議会におきまして進捗状況等についてご報告させていただく予定でございます。
なお、施設の存続を求める署名が提出されました地区の「E」評価施設につきましては、公の施設としての位置づけを廃止することについてご理解をいただくべく、丁寧な説明に努めているところでございます。
今後とも、公の施設の廃止後の利活用策については、地域住民や利用者の皆様のご意見に真摯に向き合い、行政も一緒になって知恵を出し合い、ご理解をいただけるよう議論を尽くしてまいりたいと考えております。
今回の取り組みにつきましては、次世代を支える子供たち、孫たちが暮らす将来に課題を先送りすることなく、明るい展望を切り開くためにも、また既に「公の施設等評価及びあり方方針」に基づき、苦渋の決断で廃止について合意を得た施設との公平性を担保するためにも、不退転の決意をもって全ての職員が一丸となり、市民の皆様のご理解とご協力を得ながら、確実に取り組みを進めてまいりたいと考えております。そのためにも、廃止となった施設の利活用策も含め理解を得るべく、引き続き真摯にかつ丁寧な説明を何度も積み重ねることにより、理解が進むよう努力してまいりたいと考えております。議員各位におかれましても、こうした取り組みの意図をお酌み取りいただき、市民の皆様のご理解とご協力を得られるように、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
14:
◯高橋実樹教育長 岡田議員ご質問の教育行政についてお答えいたします。
まず、ご質問の1番目、統合校の状況についてでございます。
今治市内中心部の小学校については、学校を中心に半径2キロメートル以内でありますが、片道45分かけて通学している児童もおります。4月当初は、なれない通学で交通マナーが守れないなど、地域の方からのご指摘もございましたが、教職員の現地指導や地域の見守り隊の巡回等によって現在は改善されております。また、島嶼部の中学校については、バス通学の生徒をめぐり、一部の部活動で練習時間帯を考えなければなりませんが、学校が配慮しており、おおむね問題はないと認識しております。
教育環境、学校運営につきましては、統合前は児童生徒の人間関係が固定化されていることが多く、学習面でも話し合いが停滞しがちでございましたが、統合後は、人数がふえたことで社会性の育成を推進するとともに、授業における活発な意見交換を通して、思考の深まりやコミュニケーション能力の向上を図ることができてきているようでございます。児童生徒自身も友達がふえたことを素直に喜ぶとともに、複数の学級ができたことによって学級の仲間意識が向上し、運動面、学習面においてクラスで競い合うなど、切磋琢磨する態度が身についてきているようでございます。また、教職員は新しい学校のスタートをしっかりしていこうと高い意識を持ち、やりがいを持って教育活動に励んでいます。保護者や地域の方々も、人数がふえたことで知り合いがふえ、組織に活気が生まれ、さらに、「統合した学校は大変だろう」と学校に対する協力体制も充実し、より円滑な学校運営ができていると認識しております。
次に、ご質問の2番目、義務教育学校についてでございますが、このたびの学校教育法改正による義務教育学校の創設は、近年求められてきた小中学校の系統立てた連携の重要さを踏まえ、地域の実情や児童生徒の実態に配慮しつつ、設置者が主体的に判断できるよう、制度上の
選択肢をふやしたものでございます。従来の「6・3制」から「4・3・2制」「5・4制」など、柔軟な学年段階の区切りも可能となり、いじめ、不登校等の中1ギャップ解消にも効果があると考えられているところでございます。
今治市といたしましては、義務教育学校の創設を見据えながら、まず小学校段階から中学校段階への9年間の学びを一体のものと捉え、発達段階を踏まえた、系統的で継続的な教育を実践する小中連携教育の充実に6年前から積極的に取り組んでいるところでございます。
小中連携教育を全ての小中学校で取り組んでおりますが、一例として、朝倉小学校と朝倉中学校は隣接しているという立地条件がございます。朝倉小学校及び朝倉中学校はそれぞれ別個の学校でありますが、共通の教育目標を設定し、合同行事、合同学習、出前授業などを実施し、教育課程の共通部分に関して小中学校の教職員、そして児童生徒の交流を積極的に行っているところであります。
こうした小中連携教育の取り組みを全ての学校で実施しており、学習面では小中学校の指導の段差の解消に努め、基礎・基本の確実な定着を、そして生徒指導面ではできるだけ不適応の状況が起きないよう配慮し、小中学校の接続が円滑に行えるよう実践しているところでございます。
次に、ご質問の3番目、児童虐待・いじめ問題等についてお答えいたします。
まず1点目、児童虐待の状況と今後の対応策についてでございますが、もし学校で児童虐待の疑いがあると判断した場合は、全教職員で情報を共有し、できる限り事実の確認に努めております。さらに、児童虐待の可能性が高い場合には、子育て支援課や愛媛県福祉総合支援センターに連絡して、相談するようにしております。重大な事案につきましては、学校と子育て支援課、愛媛県福祉総合支援センター、警察、教育委員会が緊密に連携し、適切な対策を講じているところでございます。また、毎月、要保護児童対策地域協議会を開催いたしまして、関係機関が集まり、児童虐待等の疑いがある要保護家庭につきまして、情報交換や対策について話し合いを行い、連携を深めているところでございます。
次に、2点目、いじめ問題の状況と今後の対応策についてでございます。
平成18年、本市において中学生がみずからの命を絶つというまことに痛ましい出来事がございました。教育委員会ではこのことを重く受けとめ、二度と起こしてはならないとの決意のもと、さまざまな対策を講じているところでございます。
まず、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、ハートなんでも相談員等の派遣や、いじめ相談ホットラインの設置などの相談体制の充実に努めております。また、平成25年9月のいじめ防止対策推進法の施行を受け、昨年7月に今治市いじめ防止等のための基本的な方針を策定いたしました。全小中学校では、その方針に基づき、学校いじめ防止基本方針を策定し、いじめの未然防止、早期発見、いじめが起こったときの措置、対応について詳しく規定しており、その概要版はホームページにも公開されているところでございます。
いじめは、どこの地域、どこの学校にも、誰にでも起こり得るという危機感を持って、未然防止、早期発見、早期解決に向け、今までの取り組みを見直しながら、目の前にいる子供の命をしっかりと守っていきたいと考えております。今後は、小中学校、そして地域、警察など関係機関との連携を密にすることで、児童生徒を、学校だけではなく、地域全体で見守る体制づくりに努めていく所存でございます。
次に、ご質問の4番目、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正に伴う本市の現在の取り組み状況についてお答えいたします。
今回の改正のポイントは4つございます。1点目は新教育長の設置、2点目は教育委員会の透明化、3点目は総合教育会議の設置、4点目は大綱の策定でございます。
1点目、2点目につきましては、法改正に伴い、本市の関係例規は改正しておりますが、現在の教育長の教育委員としての任期の間は経過措置の適用により、改正前の規定が適用されております。
3点目の総合教育会議、4点目の大綱の策定につきましては、あわせてお答えいたします。
総合教育会議は、
市長と教育委員会が教育に関する大綱の策定、教育条件の整備など、重点的に講ずべき施策、及び児童生徒等の生命・身体の保護など緊急の場合に講ずべき措置について協議、調整を行う場として、
市長が主宰するものでございます。平成27年度第1回目の総合教育会議は、去る7月14日に開催され、
市長と教育委員5名で当会議の運営方法について、また教育に関する大綱の策定に向けての意見交換等を行いました。意見交換をする中で、今治市の子供たち、地域への思いを確認することができました。これから
市長と教育委員会が総合教育会議を通じて、さらに連携を強化し、教育に関する大綱を策定し、未来を担う子供たちのための教育施策をしっかりと進めてまいりたいと思います。次回は11月ごろに開催を予定しております。
以上でございます。
15:
◯阿部 宏農水港湾部長 岡田議員ご質問の鳥獣被害問題について私からお答えいたします。
まず、1番目の電気柵の設置状況と事故防止策の徹底についてでございますが、平成16年度以降に今治市の補助制度を活用して設置された電気柵は371件、9万7,772メートルとなっております。本市におきましては、今回の事故発生報道を受けまして、それらの現地確認及び聞き取り調査を行った結果、電源についてはバッテリー、電池がほとんどで、家庭用電源を利用したケースは31件ありましたが、この31件については全て漏電遮断装置が設置されており、適切な安全措置がとられておりました。
なお、補助制度を活用していない電気柵が存在する可能性も考えられますことから、9月1日号の広報誌において安全対策についての記事を掲載し、より一層の注意喚起を促しております。
次に、2番目のカラス捕獲の箱おり設置後の維持管理体制についてでございますが、愛媛県内自治体の状況を確認したところ、別途委託補助をしている市町はございません。いずれの自治体においても維持管理の経費については報償費の中でお願いしております。維持管理については、捕獲者だけでは限界がございます。一般の方でも資格者の開催する講習を受講することで捕獲のための餌やりや見回りが可能となりますので、地域の皆様にも参加していただく体制づくりを検討してまいります。
以上でございます。
16:
◯白石卓夫市民環境部長 岡田議員ご質問の一般廃棄物処理についての1番目、クリーンセンター(ごみ焼却場)の新施設供用開始に向けての建設工事の進捗状況について、及び3番目の合併浄化槽の運営状況についてお答えさせていただきます。
まず、1番目の新ごみ処理施設建設工事の進捗状況についてでございます。
昨年より進めております埋設廃棄物対策工事につきましては、現在、最後のブロックの埋設廃棄物の掘削、撤去を行っており、10月中には工事が完了する予定でございます。造成工事につきましては、敷地北側の調整池がほぼ完成したところであり、引き続き、のり面等の工事を含め、土木工事を進めてまいります。本体建設工事につきましては、当初の予定どおり、本年10月には工場棟の建設工事に着手の予定でございます。今後とも、各工程において調整を行いながら慎重に工事を進め、平成30年3月の完成を目指して全力で取り組んでまいります。
次に、3番目の合併浄化槽の運営状況についてお答えさせていただきます。
本市で合併処理浄化槽により、し尿処理されている方は、平成25年度末で約2万人程度と想定しています。また、浄化槽の維持管理につきましては、引き続き、法定検査を実施している愛媛県浄化槽協会と連携し、適正な維持管理を指導するとともに、ホームページや広報誌などにより、適正な管理の大切さを啓発していきたいと考えております。
水環境の保全につきましては、今後とも、生活排水処理基本計画、愛媛県全県域下水道化基本構想、今治市の公共下水道計画に基づき、円滑に事業を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
17:
◯三品貴裕上下水道部長 岡田議員の一般廃棄物処理についてのご質問のうち、2番目、下水道整備の普及状況についてお答えいたします。
平成27年度5月現在の下水道普及率は71.1%となっております。ご指摘のように、下水道事業は生活環境の改善と公共用水域の水質保全などを目的に整備を行っているところでございます。今後は、老朽化が進んでまいります施設の改築更新事業とのバランスをとりながら、未普及地域の解消及び普及率の向上に向け、計画的に事業を実施してまいりたいと考えております。
以上でございます。
18:
◯垣谷光慶都市建設部長 岡田議員ご質問の瀬戸内しまなみ海道について私からお答えさせていただきます。
まず1番目の全線開通後の通行量の推移についてでございますが、しまなみ海道の通行量につきましては、本四高速が今治市から尾道市までの7つの橋ごとに通過した自動車の台数を計測しております。7つの橋全ての合計になりますが、全線開通した平成18年度は約2,126万台で、生活対策として休日割引の上限1,000円が開始されました平成21年度は約2,919万台と大幅に増加しております。上限1,000円が終了しました平成23年度は約2,923万台で、その後、年々少しずつ増加し、平成26年度は約2,991万台で過去最高の通行量となっております。
このように、しまなみ海道が全線開通した後の通行台数は年々増加しており、全線開通年度と昨年度を比較しますと1.4倍の伸び率となっている状況でございます。また、愛媛県側の来島海峡大橋、伯方・大島大橋、大三島橋を個別に見ましても同じような傾向で推移しております。
次に、2番目の島民の足、生活道としての現在の通行料金を、今治市としてどのように捉えているのかについてでございますが、現行の通行料金につきましては、ご承知のとおり、本四高速の建設債務を他の高速道路の収入や債務と合わせて管理していくプール制を導入し、あわせて、全国の高速道路の料金水準を整理、統一するという方針のもと、昨年4月に改定されました。
今治市としましては、詳細な内容まで全て納得しているわけではございませんが、スケールメリットを生かした料金体系となっており、他の高速道路に負担を背負っていただいた形で現行の通行料金が設定された状況を捉えますと、トータル的には一定の評価をいたしております。地域住民、諸先輩の架橋運動へのたゆまぬ努力が実を結び、昭和45年には本四公団が発足、経済状況に翻弄されながらも総事業費約7,500億円を投じて平成18年に全線開通しました、しまなみ海道によって、いつでも海を渡ることができる利便性に感謝するとともに、より一層市民の生活道路として利用できる環境づくりに努力してまいりたいと考えております。
次に、3番目の島民の足、生活道として唯一の交通手段となる、しまなみ海道の通行料金軽減に向けての陳情・要望活動と今後の展望についてでございますが、しまなみ海道通行料金の軽減につきましては、割引制度を含めた全国統一の料金体系や高速道路全体での債務返済計画が確立された現状においては、しまなみ海道に限定した軽減措置、いわゆる割引制度の導入は極めて困難な状況にあると受けとめており、中長期的に広範囲な視点で取り組まざるを得ないと考えております。
しまなみ海道が市民の皆様にとって、ほかに代替のない、唯一の生活道路であることは十分認識しておりますので、今後も引き続き、通行料金の軽減につきましては、国、本四高速など関係機関に要望してまいりたいと考えておりますので、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
19:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
20:
◯岡田勝利議員 議長。
21:
◯松岡一誠議長 岡田勝利議員。
22:
◯岡田勝利議員 それぞれの質問に対しまして詳細なご答弁をいただきました。
まず、教育行政についてでございますが、その中で2番目の質問、義務教育学校について再質問させていただきます。
先ほどの答弁において、今治市においては義務教育学校の創設を見据えた上で、当面は小中連携教育を推進していくというご答弁をいただきましたが、将来的に義務教育学校の創設となった場合、小中学校(6・3制)においては、小学校卒業後に現在の愛媛県立今治東中等教育学校へ進学することは可能だと思いますけれども、これが、学年の区切りが柔軟になり、例えば従来の「6・3制」から「4・3・2制」あるいは「5・4制」に編成した場合において、義務教育学校から中等教育学校への進学はどのようになるのか、お考えを再質問させていただきます。
23:
◯高橋実樹教育長 お答えいたします。
先ほどお答えしたとおり、今治市においては、当分の間は現在の小学校6年間、中学校3年間という枠組みのもと、小中連携教育を継続してまいりますので、これまでどおりの進学の流れで問題はございません。
なお、ご質問の将来的な義務教育学校から中等教育学校への入学についてでございますが、小学校6年間に当たる義務教育学校前期課程など教育課程に関することや配慮すべき事項につきましては、今後、省令等で定めるとの文部科学省からの通知がございますので、今治市といたしましては、詳細につきましては省令に基づき検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
24:
◯松岡一誠議長 再質問はありませんか。
25:
◯岡田勝利議員 議長。
26:
◯松岡一誠議長 岡田勝利議員。
27:
◯岡田勝利議員 ご答弁、ありがとうございました。いずれにいたしましても、子供は地域の宝です。平成27年4月から自治体の教育委員会制度が改正され、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築、地方公共団体の長と教育委員会との連携の強化、地方に対する国の関与の見直し等の抜本的な改革が行われることとなっております。将来の今治市を背負ってくれる子供たちの人材育成のための教育問題は、今治市総合教育会議を通して、教職員と保護者、地域の皆さん、そして理事者と我々議会とが一丸となって、いじめ問題など緊急事態の発生時には迅速かつ的確に対応できますように、子供たちにとってよりよい教育環境が構築されていくことが何よりも大事なことであると思っております。今回の教育委員会制度の改革に大きな期待をいたしておりますので、どうか今後ともよろしくお願いいたします。
次に、行財政改革について、
市長よりいろいろと詳しくご答弁をいただきました。いずれにいたしましても、愛媛県内では最も多い800を超える公の施設の今後の維持管理費や多額の更新費用を考えると、現在、「E」評価と判定されている公の施設の統廃合、今後の施設のあり方につきましては、将来の子供、孫たちに大きなツケを残さないためにも、今どうすることが最も重要であるかを真剣に考え、前向きに取り組む案件であると思います。地元住民、利活用者には丁寧な説明をしていただき、今治市全体のこと、次世代のこと等も十分考慮した上で、地域の利活用者がどのような形で必要な施設として残していくことができるか、お互いに知恵を出し合い、議論を交わし、ある程度のご理解をいただける結論が見出せることを切に願い、期待いたしております。
次に、鳥獣被害問題についてでございますが、先日、8月22日の新聞報道で、農林水産省の調査では、鳥獣害対策で設置している全国の電気柵約10万件のうち、不法行為とまではいきませんが、不適切な案件が7,090件、そのうちの9割を超える約6,700件が、適切な危険表示がされていなかったようです。
先ほどいただいた答弁では、本市の現地確認及び聞き取り調査におきましては、不適切な設置はなかったとのことで安心いたしましたが、いずれにいたしましても、不適切な設置によって人体に大きな影響を及ぼす事故が二度と起こらないように、適切な電気柵設置の周知徹底と、より一層の注意喚起をお願いします。
また、今治市内各地域、特に島嶼部におきましては、深刻な農業後継者不足の中、過疎化に歯どめがかけられず、耕作放棄農地の急増に加え、それに追い打ちをかけるように鳥獣被害問題に悩まされ、困っております。有害鳥獣の捕獲数につきましては、先ほどの答弁では年々増加しているようですけれども、それでもまだまだ農業被害については多発傾向で深刻です。今後も積極的に鳥獣被害対策の取り組みをしていただくとともに、地域ぐるみとなった捕獲体制づくりを前向きに推進していただきますよう要望させていただきます。
次に、一般廃棄物処理についていろいろとご答弁をいただきました。2番目の下水道整備の普及状況について再質問させていただきます。
先ほどの答弁では、下水道普及率は現在71.1%となっているようでございますが、現在の水洗化率と、マンホールポンプ詰まり等で対応に困っているともお聞きいたしておりますが、どのようなことが原因なのか、わかっている範囲でお聞かせ願えたらと思います。
28:
◯三品貴裕上下水道部長 お答えします。
まず、下水道の水洗化率でございます。供用開始区域内人口に対する水洗化済みの人口の割合になりますが、平成26年度末で90.5%となっております。
続きまして、マンホールポンプの故障や誤作動の原因についてのお尋ねでございますが、家庭から流される紙おむつ、布、ビニールといったトイレットペーパー以外の不適切な異物の流入によるものが多くなっております。参考までに、異物の流入により対応が必要だったものが平成26年度で168件ございました。これまでも故障等トラブルの多い地区につきましては、広報誌にチラシを入れるなど、市民への協力を呼びかけてまいりましたが、今後につきましても、正しい下水道の利用につきまして啓発に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
29:
◯松岡一誠議長 再質問はありませんか。
30:
◯岡田勝利議員 議長。
31:
◯松岡一誠議長 岡田勝利議員。
32:
◯岡田勝利議員 ご答弁、ありがとうございました。
現在のところ、マンホールポンプ詰まりは、紙おむつ等、不適切な異物の流入が故障、トラブルの原因であるようでございます。海や河川の水質汚濁を悪化させないように、自然環境を守り、生活環境の保全をしていくことによって、「快適で住みよいまち今治市に住んでみたい」、また、「今治市に定住していてよかった」と実感できる今治市構築に向け、我々市民一人一人が決められたルールをしっかりと守り、適正な運用に心がけなければいけないと思っております。今後、適正な使用についての周知徹底をよろしくお願いいたします。
また、1番目のクリーンセンター(ごみ焼却場)建設工事も、当初は埋設廃棄物等で心配いたしておりましたけれども、現在のところ予定どおり順調に工事が進んでいるとのことで、早期完成を願っています。
いずれにいたしましても、誰もが快適で気持ちよく生活していく上においては、ごみ問題、し尿処理対応は日々避けて通れない、市民の皆さんとは密接な関係の業務ではないかと思います。平素の作業は地味で目立たない仕事だと思いますが、大変重要な事業だと思っておりますので、施設の維持管理、運営面におきましても、いざといったときのことも想定しながら、万全な体制づくりをしていただき、迅速かつ適切な対応ができますように、関係事業者とも連携を密にしていただき、持ち場、立場においてスムーズかつ適切な運営をしていただきますように、引き続いて今後ともひとつよろしくお願いいたします。
最後、瀬戸内しまなみ海道について詳細なご答弁をいただきました。この中で、2番目、3番目の西瀬戸自動車道、通称「しまなみ海道」の通行料金軽減問題につきましては、これは今治市だけの問題ではないので、大変難しい案件ではございますが、我々島民にとりましては、船便もなくなり、代替のない、唯一の生活道です。海上部門での建設費が多くかかっていることや、今後の維持管理費のことも十分承知いたしております。無料化とまでは申しませんが、我々島民にとっては、現況においては代替道路のない、唯一の交通手段である生活道としての配慮もぜひお酌み取りいただき、また四国、本州の垣根を大きく取り払い、物流、観光、そして人と人との交流の輪がますます広がるように、せっかくつくった道路ですので、宝の持ち腐れとならないように広島県とも連携、連絡を密にして、国、愛媛県、本四高速など関係機関への働きかけをぜひ引き続いてしていただき、誰もが利用しやすい通行料金となりますように重ねての要望とさせていただきます。
最後に、しまなみ海道の通行料金軽減問題につきましては、現在までの質問のたびに申し上げておりますけれども、私も、しまなみ海道沿線で生まれ育った島民の一人として、本件につきましては、代替のない生活道としての公平かつ適正、妥当な通行料金の改定をしていただける納得のいく答えが出るまで諦めず、議員として、また市民の代弁者として、
発言の機会がある都度、今後も質問を続けてまいりたいと思っておりますので、引き続いてどうかよろしくお願いいたします。
いただいた時間も残り少なくなりましたので、以上で今回の私の質問を終わります。
33:
◯松岡一誠議長 再質問なしと認めます。
以上で岡田勝利議員の質問を終わります。
次に、13番森田博議員。
34: ◯森田 博議員
発言通告に従って質問させていただきます。ご答弁のほど、よろしくお願いいたします。
郷土の先人についてお伺いいたします。
今治市は合併してから、はや10年が経過しました。広範な市域は、美しい島々の島嶼部及び市街地、そして起伏に富んだ山間部で形成され、面積は約420平方キロメートル、人口は7月末で約16万5,000人のまちとなっています。今治市が現在に至るまで、旧越智郡、旧今治市において、産業、土木、文化など多方面にわたり多くの先人たちの工夫と努力が積み重ねられてきたことはご承知のとおりであります。
先日、愛媛県生涯学習センターへ行ってまいりました。この中にある愛媛人物博物館は、愛媛県ゆかりの偉人・賢人178人の関係資料や遺品を展示し、その業績や生涯を紹介しています。ことし4月には、常設展示に新たな偉人23人を加え、リニューアルしました。そのうち今治市関係者は、今治藩家老・作家の江嶋為信、能島村上水軍頭領の村上武吉、書家の村上三島、建築家の丹下健三、先日ラジオから「蝶々夫人」の歌声が流れ、聞くことができたオペラ歌手の今井久仁恵、そして、愛媛県人初の体操競技オリンピック選手としてロサンゼルス大会とベルリン大会に連続出場した武田義孝の以上各氏6人が新たに加わり、紹介されていました。
また、これまで紹介されている今治市関係者は次の方々であります。反戦平和論者で「日本の良心」と呼ばれた東京大学総長の矢内原忠雄、今治城主・築城の名手の藤堂高虎、今治タオル創始者の阿部平助、伊予ネル創始者の矢野七三郎、俳人・塩田庄屋の村山一志、理科教育の貢献者で植物研究家の八木繁一、名医にして特異な名画家の山本雲渓、洋画家の野間仁根、小説家の徳冨蘆花、文芸評論家の片上伸、俳人・教育者の村上壺天子が紹介されており、合わせて17人であり、今治市関係者の人物はわずかという印象を受けました。
今治市には、将来にわたり子供たちに語り継ぐべき忘れてはならない郷土の偉人がたくさんおられます。私は、ここに偉大なる先人の3例を紹介させていただきます。
その1人目は、「日本人ここにあり」が流行語となり、歌にまで歌われた村上久米太郎氏。吉海町津島の生まれで、今も島に胸像が建ち、碑文が残ります。昭和9年のこと、所は満州、ハルビン発新京へ向かう列車が匪賊に襲われます。虐殺、奪略、暴行、凌辱の限り、無残な状況です。匪賊はアメリカ人2人を含む9人の人質をとって逃げます。その一人にハルビンの役所に勤務する村上久米太郎がいました。隠れ家に潜む匪賊に軍隊警察が人質の救出作戦を行う。「日本人はいるか?」の叫びに、銃を頭に突きつけられた人質は声を出せない。村上久米太郎はそのとき、「日本人ここにあり」と大声で救出隊に知らせます。人質は無事救出されました。久米太郎は顔面に銃撃を受けますが、幸い命は取りとめます。国内は久米太郎の勇気と決断をたたえ、アメリカからは「日本人にして初めてなし得る麗しい自己犠牲」と、感謝と称賛の声が届きました。私は、平成25年10月15日に初めて吉海町津島の地を訪れ、胸像の前に立ち、感慨深いものが込み上げてきました。
2人目は、日本海員道のかがみ、菅源三郎船長を思い起こしていただきたいのであります。船長は菊間町で生まれ、西条中学校から東京商船学校に学び、世界の海で活躍します。昭和17年5月13日、長崎港外で触雷、沈没します。船とともに海中に沈みますが、浮上し、救出されます。この事件は日本海軍の機雷敷設の商船に対する通知に不備があり、菅船長に何ら瑕疵がないことは明らかになります。
事後処理が全て終わった1週間後、自決します。遺書いわく、「かくせねば日本海員道が相立たぬ」。海に命をかけた船長の最期に、これぞ船乗りのかがみと、その銅像が旧菊間町に、母校の西条中学校(現在の愛媛県立西条高等学校)に、石像が東京商船学校(現在の東京海洋大学)にあり、今も後進に「海員の責任とはかくあるべし」と教え続けています。
ここで一言申し添えさせていただきますが、今治市教育委員会発行、今治市PTA連合会編集の今治市小中学校の主な行事つきの平成27年度PTAカレンダーで「いまばり偉人伝~『海員道の鑑』とたたえられた船長~菅源三郎」を取り上げているカレンダーがこれであります。
ご紹介する最後の人物も海の男です。菅船長とともに海事都市今治にふさわしい船乗りの魂の顕現です。住村博士船長、大西町生まれ、今治中学校から神戸高等商船学校に進み、戦中・戦後を通じ、海運界で活躍します。
昭和45年2月、鉱石運搬船「かりふぉるにあ丸」船長としてロサンゼルスから和歌山港に向かう途中、千葉県野島崎沖で大暴風雨に遭遇。船体に亀裂が走り、傾斜が激しく、救命ボートもおろせない状況になります。翌日、ニュージーランドの船に救出されますが、乗員4名と船体、積み荷の全てを失った責任を負って、部下船員の脱出の懇願にもかかわらず、船に残り、命運をともにしました。ふるさとの藤山健康文化公園に胸像が建立され、職務に殉じた志がたたえられています。
今治市が誇れる先人の功績を紹介しましたが、郷土が誇るべき人物は、ほかにも産業・経済界、政官界、教育、地域活動などいろいろな分野で活躍し、後世への遺産としてその功績を残した人物は多数に上ります。しかし、合併10年を迎え、今治市の子供たちがどれだけ地域の偉人を知り、先人を誇りに思っているのか憂慮しております。
そこで、1番目は、今治市として、郷土の誇りである先人たちについてどのように考えているのか、お伺いいたします。
次に、平成18年の教育基本法の改正は、第2条「教育の目標」として、豊かな情操と道徳心などとともに伝統と文化の尊重を掲げ、我が国と郷土を愛する態度の涵養をうたっています。また、平成27年3月に改正された学習指導要領に基づき、道徳が教科化され、これからも子供たちに郷土愛を育む心の教育として重要になってきます。
平成27年度の今治市の学校教育の指針にも、今治の教育として、「郷土今治を支え発展させてきた人々の力や心を礎に、学校教育の一層の充実を図ります」と明記されています。
そこで、2番目ですが、現在、今治市の学校において、郷土の偉人たちに関する学習はどのように行われているのでしょうか、現状についてお伺いいたします。
3番目の質問は、今治市として、各地域の発展に尽くしてきた多くの人物を子供たちに語り継いでいくための方法と、あわせて今後の取り組みについてお伺いいたします。
以上です。
35:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
36:
◯菅 良二
市長 森田議員ご質問の郷土の先人についてのうち、1番目の郷土の先人たちについてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
ただいまの森田議員のご
発言を聞き、議員の郷土愛の深さ、そして先人に対する熱い思いを感じました。先日の「21世紀型スキル教育シンポジウム」でも申し上げましたが、私も以前よりいろいろな場で子供たちに、郷土愛を育み、伝統、文化を継承していくことの大切さを申し上げております。そして、私の座右の銘でもございます「愛郷無限」、この強い思いを、子供たちはもちろん、今治市内の隅々にまで確実に届けたいと思っているところでございます。
現在の今治市があるのは、まさに多くの先人たちのたゆみない努力のおかげでございます。綿々と続いてきた地域の歴史、伝統、文化、そしてこのかけがえのない美しい自然を次の世代へしっかりと引き継いでいくことが、今ここに生きる私たちに課せられた未来への大きな責任であると考えております。
先ほど3名の実例、村上久米太郎氏、菅船長、住村船長、お三方のお話をいただきました。先般、韓国でのセウォル号船長のぶざまな姿、また地中海での豪華客船のイタリア人船長のあのていたらく、あれをテレビで私どもは見ながら、菅船長、住村船長の海員魂といったものを改めて強く感じております。
10月24日、ちょうどテクスポート今治で「今治タオルフェア」が行われますが、万障繰り合わせて、菅源三郎船長を顕彰する会には、ぜひとも出席したいと考えております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
37:
◯高橋実樹教育長 森田議員ご質問の2番目、学校における学習の現状についてお答えいたします。
教育という仕事は、子供を自分の足で歩けるようにすることであります。その根底には、将来、今治市に残っても、今治市を離れても、「私は郷土に対して何ができるか」を考える子供に育てたいという思いがございます。私の願いは、子供に今治市で育ったことに誇りを持ってもらい、アイデンティティーを確立してほしい。変化の激しい21世紀社会をたくましく生き抜いてほしい。根っこは同じでございますけれども、この2つでございます。これをもとに、今治市で学び、今治市を誇り、今治市を語れる子供を育てていきたいと考えています。
そこで、今治市の郷土の偉人に関する学習についてでございますが、まず小学校3年生、4年生の社会科において、今治市教育委員会発行の副読本「今治のくらし」を中心に行っております。その中では、蒼社川の流れのつけかえ工事を行った河上安固氏や朝倉古谷台地の開発を進めた長井忠五右衛門氏、道路づくりで島民の命と生活を守った大三島の光円和尚などが紹介されております。子供たちは、進んで地域のために働き、困難を乗り越え、多くの人々の命を救った先人の功績を調べ、語り継ぐ学習をしております。また、それぞれの地域により、総合的な学習の時間や道徳の時間において、地域教材として、その地域で語り継がれている人物について学んでいる学校もあります。そして、これらの学習を通し、先人の地域に尽くすとうとい精神のおかげで、今の自分たちの命が過去から今へ、そして未来へつながっていくことや、現在の住みよい今治市がつくられてきたことを学んでおります。
以上のように、各学校におきましては、それぞれの地域の実態に合わせ、地域の先人の功績を学ぶことにより、ふるさとに対する誇りと愛情を育むよう取り組んでいるところでございます。
次に、3番目のご質問、今後の取り組みについてお答えします。
先日開催されました今治市総合教育会議において、
市長から、今治市を誇りに思う子供を育てたいという熱い思いを聞かせていただきました。教育委員会といたしましても、先ほど申し上げましたとおり、地域の先人の功績を学び、伝える方法を検討しておりましたので、
市長の思いをしっかりと受けとめ、現在、今治市教育委員会の事業として、小中学校の教員による今治市の偉人資料集作成委員会を立ち上げております。この資料集は、現在の今治市の礎を築いた地域の偉人の功績を顕彰し、また、その方々の思いを今治市の誇りとして語り継ぎ、未来の今治市の発展への力となるよう、記録として残すものでございます。
12市町村が合併した現今治市には、子供たちに語り継ぎ、今治市の偉人として後世に残しておきたい方々が非常に多くおいでます。現在、その資料収集と編集作業の準備をしているところでございます。
以上でございます。
38:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
39: ◯森田 博議員 議長。
40:
◯松岡一誠議長 森田博議員。
41: ◯森田 博議員 郷土の先人たちについては、
市長からは「愛郷無限」という言葉をいただきました。現代社会はグローバル化が進み、世界に羽ばたく人材の育成が大切だと言われています。今治市から世界で活躍する人材が出ることはもちろん喜ばしいことですが、世界に向いてのみではなく、自分が生まれ育った今治市にも目を向け、グローバルとローカルをつなぐことができるグローカルな今治人を育んでいくことが必要です。そのために、今治市のよさをしっかりと次の世代へ引き継ぐことが肝要であると私も考えております。
次に、学校においては、郷土の我々の先人が決して自己保身に走らず、他人のため、社会のため、勇気を持って献身的な努力をしたさまを事実として学習し、子供たち一人一人が郷土愛と自信を育んでいくことが大切だと思います。学校現場において、郷土の礎をつくり上げてきた先人たちについて、今後も語り継ぎ、ふるさとを誇りに思う子供たちを育てていただきたいと思います。
そこで、ご答弁いただいた今治市の偉人資料集について再質問いたします。
資料集の内容と活用方法についてお伺いいたします。
42:
◯高橋実樹教育長 お答えいたします。
今治市の偉人資料集には、今治市内各地域の業績等を調査した先人から100人程度を選定して掲載する予定でございます。また、予算面などで可能であれば、資料集は、平成29年度に全小中学校及び今治市立図書館、公民館に配付したいと考えております。
以上でございます。
43:
◯松岡一誠議長 再質問はありませんか。
44: ◯森田 博議員 議長。
45:
◯松岡一誠議長 森田博議員。
46: ◯森田 博議員 明確なご答弁をいただき、大変心強く思っております。まだまだ多くの先人がいるわけですが、今治市の偉人資料集には100人程度を選定し、掲載するとのことで、かなりのボリュームで充実した内容になろうかと思います。その中で、全小中学校のみならず、今治市立図書館、公民館に配付することで、私は、まだまだ知らない先人、また名前は知っているけれども、どのような功績があったかわかりにくい部分がある先人を周知することができると考えます。大人たちにも、郷土の先人に思いをはせ、末永い顕彰をし、忘れてはならない偉業をたたえ、掘り起こすことで地域活性化の力を生み、次なる世代に向け大きな一歩となることを大いに期待し、以上で質問を終わります。
47:
◯松岡一誠議長 再質問なしと認めます。
以上で森田博議員の質問を終わります。
暫時休憩いたします。午後1時から再開いたします。
午前11時53分
──────────
午後 1時00分
48:
◯松岡一誠議長 会議を再開いたします。
休憩前に引き続き、一般質問を行います。
次に、5番山岡健一議員。
49: ◯山岡健一議員 私からは四国の新幹線構想についてお尋ねします。
まず、日本の新幹線の歴史は、昭和39年(1964年)に東京-新大阪駅間の開業から始まり、平成23年(2011年)の九州新幹線の延伸により、日本列島は北は青森県から南は鹿児島県までの間、直線で新幹線により結ばれています。
また、ことしの3月に開業した北陸新幹線は記憶にも新しく、今治市民も実際に乗ってみた方も多くいらっしゃると思います。私もことしの夏、仕事で富山県に行くことがあり、富山県議会議員と北陸新幹線についてお話をすることができました。経済効果については、新型車両等で話題性もあり、にぎわいもあったが、地方都市にとっては、人口が大都市へ流れていくストロー現象を心配しており、約1兆8,000億円の建設費のうち、富山県の負担が約3,000億円ということから、これから20年以上、毎年100億円を超える借金の返済が待っていることなど、財政上の心配もされていました。
また、他の交通機関、航空路線にも当然ながら影響があり、全日空の富山-羽田便の利用者は、ことし4月から7月で前年比42.4%の減、航空券の販売額も新幹線に対抗した影響で57.5%の減と、大幅な収益の悪化は経営上の問題があり、来年度以降は減便など、抜本的な見直しが必要であるとのことでした。
さて、ここから四国の新幹線構想についてに入ります。
このことは過去にも新聞などで取り上げられ、このような構想があるということはご存じの方も多いと思います。私もいろいろと調べていく中で、「四国の鉄道高速化連絡会」が作成された資料では、新幹線の必要性や四国にもたらす効果など、大変詳しく、わかりやすく掲載されています。新幹線となりますと、車両やレール幅などの建設規格もあり、全国新幹線鉄道整備法の定義では、「その主たる区間を列車が二百キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道」となっていることからも、在来線とは明らかに異なり、新しい路線を建設する必要があると考えられます。
そこで質問ですが、先ほどの北陸新幹線でも述べましたが、多大な建設費の自治体負担や既存の公共交通機関に対する影響など、課題はあると思います。また、基礎調査の結果における3つのルート概要を見てみましても、今治市に新幹線がとまる気配は全くありませんが、この四国の新幹線構想について今治市としてはどのように考えられているのか、お聞かせください。
以上です。
50:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
51:
◯菅 良二
市長 山岡議員ご質問の四国の新幹線構想についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
現在、今治市といたしましては、愛媛県及び県内全市町で組織する「愛媛県鉄道高速化促進期成同盟会」に参加し、愛媛県内への新幹線の早期導入等による鉄道高速化を促進するとともに、高速化に伴う在来線の整備促進及び愛媛県内の在来線の安全かつ安定的な運行確保のための課題解決を図り、もって地域の振興発展に寄与することを目的に取り組んでいるところでございます。
四国への新幹線の導入に向けた取り組みにつきましても、平成26年5月より、基本計画から整備計画への格上げに向けて必要な調査の実施要望をいたしております。昨年12月にリニア中央新幹線が着工、さらには、ことし3月に北陸新幹線が開業し、今年度末には北海道新幹線が開業するなど、新幹線の整備が着々と進む一方、四国においては依然として基本計画のまま取り残されている状況にあり、全国で唯一、空白地帯となっております。
四国への新幹線の導入が実現すれば、対本州や四国内のアクセスが向上し、またビジネス、観光、文化面での交流促進にも効果が見込まれ、本県や四国全体のイメージアップにつながるものであると期待されております。
しかしながら、議員ご
発言のとおり、想定される四国新幹線ルート案については、本市はルートから取り残されていることから、在来線の維持確保を含め、既存の公共交通機関への影響を考えると、もろ手を挙げての賛成まではいたしかねるものでございます。特に、新幹線の整備には莫大な費用が必要であり、加えてその維持費につきましても多額になることから、その財政負担についても考えておかなければなりません。
一方、新幹線ルート案から外れる市町にとっては、ストロー現象などにより、地域経済環境の変化が起こり、人口流出等に拍車がかかることが懸念されます。
本市といたしましては、在来線の維持確保を第一に考え、接続時間の短縮等に向けた在来線の線形改良や踏切の解消、駅の適切な配置等のJR予讃線の活性化対策及び災害への対応力の向上等のための老朽化対策への支援の拡充を引き続き要望していくことが重要であると考えております。
今後とも、新幹線導入がもたらす地元への経済波及効果についても十分検証し、慎重に対応していきたいと考えておりますので、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
52:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
53: ◯山岡健一議員 議長。
54:
◯松岡一誠議長 山岡健一議員。
55: ◯山岡健一議員 私も四国の新幹線構想については、可能性と夢を追うことは大変よいことであると思いますが、やはり慎重に対応するべきであると思っております。新しい交通体系ができることによりまして、既存の公共交通機関に影響を及ぼすことは明らかであります。先ほどの
市長の答弁にもありましたように、JR予讃線などの、今現在、今治市民の足となっている交通機関の維持確保を第一に考え、また、これから計算されると思われます建設費等における自治体負担などの財政上の問題や、今治市におけるメリット、デメリットを十分に検証し、慎重に対応していくべきであると私は考えております。
以上で私の質問を終わります。
56:
◯松岡一誠議長 再質問なしと認めます。
以上で山岡健一議員の質問を終わります。
次に、34番山本五郎議員。
57: ◯山本五郎議員 まず、立花保育所の民営化についてであります。
今治市は立花保育所の民営化を打ち出しています。立花保育所は、昭和45年(1970年)建設、築45年が経過し、耐震化が求められています。児童数は定員100名。平成27年4月1日現在の入所児童数は93名となっています。この耐震化をするには騒音や仮園舎に財政的負担がかかるなど、事業推進の妨げになることから民営化を行うというものであります。
民営化の手法は、1、公募とプレゼンテーションを平成27年9月ごろに実施する。2、今治市子ども・子育て会議専門部会を設け、応募者の中から平成27年11月ごろ選定をする。新しい認定こども園は平成28年度に建設。平成29年4月1日に開園する。立花保育所は平成29年3月31日をもって廃止とする。さらに、今治市は立花保育所を廃止し、新しい認定こども園を新設、民営化を進める根拠に財政効果を挙げています。
立花保育所は、耐震改築整備費なら5億円かかる。新しい認定こども園建設の補助対象額は1億4,520万円で、そのうち国が2分の1、愛媛県が4分の1、今治市が4分の1で、今治市の負担額は3,630万円となります。
さらに、運営コストでは、公立保育所の平均的運営経費は人件費と維持管理費で約8,000万円、これに対する保育料収入は約2,000万円、差し引き約6,000万円の財政負担となっています。これに対し、民間の認定こども園では、立花保育所規模では約7,000万円。これを国が2分の1、愛媛県が4分の1、今治市が4分の1で、今治市の負担は約1,750万円になると言われています。
質問の1番目は、公営と民営化の差についてであります。さきに説明した公営では5億6,000万円、民営化では5,380万円となるが、なぜこうなるのか質問いたします。
質問の2番目は、保護者への説明についてであります。民営化するに当たっては保護者の同意を得ることが何よりも優先されなければなりませんが、話し合い、同意が得られているのかどうか質問いたします。
質問の3番目は、児童福祉法についてであります。児童福祉法第24条第1項、市町村の保育実施義務について、市町村は保育を必要とする子供を保育所において保育しなければならないと規定する条文は、保育に対する市町村の責任を明確に規定するだけにとどまらず、認可保育所の存在、公立保育所の重要性を示すものでもあります。
同法第24条第1項がある限り、これからも保育所は保育所のままであり続けられます。政府にとっては目の上のこぶになっているのです。したがって、保育所の民営化は児童福祉法第24条第1項になじまないと言えます。民営化は中止すべきではありませんか。質問いたします。
次に、地方創生についてであります。
質問の1番目は、地方創生の取り組み方針についてであります。
安倍政権は、「まち・ひと・しごと創生法(地方創生法)」を掲げた5カ年計画である総合戦略と長期ビジョンを決定いたしました。その狙いは、世界で一番大企業が活動しやすい地域をつくることにあります。安倍政権はTPP交渉を推進し、労働者派遣法の改悪、福祉の切り捨てなど、構造改革を推進しています。
さらに、自民党は選挙公約で、「道州制の導入に向けて、国民的合意を得ながら進めてまいります。導入までの間は、地方創生の視点に立ち、国、都道府県、市町村の役割分担を整理します」と述べています。道州制は、国の仕事を外交、軍事などに限定し、社会保障や教育、地方自治に関する責任を投げ捨てる国家の大改変であると思いますが、今治市は地方創生をどのように受けとめているのか、お伺いいたします。
質問の2番目は、総合戦略の策定体制、スケジュール、取り組み内容についてであります。
「まち・ひと・しごと創生法」が2014年11月28日に公布され、2015年度から2019年度までの各地方自治体の地方人口ビジョンと地方版総合戦略を策定するスケジュールになっています。しかも、その策定期間は2015年度末、来年3月末までとなっています。国の地方創生には問題はありますが、走り出した以上、地方自治体としては、地方創生事業を主体的に利用して、住民と地域の利益を増進させることが必要です。地方人口ビジョンと地方版総合戦略の策定は、あくまで努力義務ですが、策定しない自治体には国の地方創生関連の交付金が交付されないため、策定しないわけにはいきません。ことし10月末までの早い時期に策定する地方自治体に対しては交付金が上乗せされる仕組みになっていますが、総合戦略の策定体制、スケジュール、取り組み内容について質問いたします。
以上です。
58:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
59:
◯菅 良二
市長 山本議員ご質問の地方創生についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
1番目の地方創生の取り組み方針についてでございます。
昨年の消滅可能性都市の発表が全国に衝撃を与え、非常に危機意識が高まった状況の中、制定された「まち・ひと・しごと創生法」で示された地方創生の目指すべき方向性は、東京一極集中の是正と人口減少の克服でございまして、中央集権体制を見直し、地方分権体制を構築する道州制とは理念が異なるものと認識しております。
本市におきましても、地方創生の理念のもと、仕事づくり、人の流れ、結婚・出産・子育て及びまちづくりに係る各政策分野を盛り込んだ総合戦略を策定し、人口減少の克服と地域活性化につなげる取り組みを進めてまいりたいと考えております。
2番目の総合戦略の策定体制、スケジュール、取り組み内容についてでございます。
総合戦略の策定におきましては、まず、人口ビジョンの作成により、本市の人口動態について実態を把握した上で検討する必要がございます。民間シンクタンクであります日本創成会議の人口推計、いわゆる増田レポートでは、本市は東予地方で唯一の消滅可能性都市とされました。本市の人口動向を分析した人口ビジョンでは、3大都市圏のみならず、近隣自治体への人口流出、特に若年層の女性の流出が顕著であり、総合戦略において対策を講じなければならない最大の課題であると考えております。
策定体制につきましては、国から設置を求められております産業界、行政機関、教育機関、金融機関、ワーク・ライフ・バランスの専門家、メディアなど、「産官学金労言」により構成する推進組織といたしまして、今治市ふるさと共創・共生ビジョン懇談会を立ち上げ、各界各層における課題や対策につきましてご意見を頂戴する体制を構築しております。また、今治市総合計画の策定と合わせまして、市民検討会議を初めとする市民参画組織や市民アンケートなどを通じ、できるだけ多くの市民の皆様からご意見を伺いながら、施策を取りまとめているところでございます。
次に、スケジュールにつきましては、議員ご
発言のとおり、本年10月末までに地方版総合戦略を公表すると、1,000万円を上限として交付金が上乗せされる仕組みとなっております。今後は、議員の皆様はもちろん、近日中にパブリックコメントを実施し、市民の皆様からもご意見をいただき、また、国、愛媛県の総合戦略も勘案しながら、10月末に公表いたしたいと考えております。
次に、取り組み内容についてでございますが、既に3月議会におきまして補正予算計上させていただきました、いわゆる地方創生先行型交付金を活用した事業を初め、平成28年度に新設される予定の国の新型交付金の活用を念頭に、分野横断的な施策としております。この新型交付金の交付対象はソフト事業に限定されており、先駆的優良事例となるものが採択される見込みであり、地方が2分の1を負担する必要があるため、実効性の高い事業に絞り込んで取り組んでまいりたいと考えております。
今後、優先順位をつけながら、必要に応じて、年次ローリングの中で事業の入れかえなどをしていくことにもなろうかと考えております。代表的な取り組みといたしましては、さきの報道発表にもございましたように、海事都市今治の一層の振興を図るための今治工業高等学校への造船学科の新設や、国立研究開発法人海上技術安全研究所の誘致に向けた愛媛県と連携した取り組み、今治タオルの海外アンテナショップの出店への支援、サイクリングやスポーツを通じた交流人口の拡大に取り組んでまいることとしております。
なお、議員各位には、今議会におきまして、「今治市人口ビジョン(案)」及び「今治市まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)」についてご説明させていただきますので、ご意見を賜りますようよろしくお願いいたします。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
60: ◯村上伸幸健康福祉部長 山本議員ご質問の立花保育所の民営化についてお答えいたします。
ご質問の1番目、公営と民営化の差についてでございます。
平成16年度、国の一般財源化措置によりまして、公立保育所の施設整備及び運営費は全て保育料と一般財源で対応することになりました。これに対して、私立の場合は国、県の補助金が交付されますので、その分だけ、公立の場合よりも私立の方が市の負担が少なくなるものでございます。
次に、2番目の保護者への説明についてでございます。
民間事業者の選定については、今後、今治市子ども・子育て会議施設選定部会での審査、選定作業も残されておりますので、事業者が選定された後に保護者説明会を開催いたしたいと考えております。立花保育所の現状、これまでの経緯、認定こども園の制度などについて情報提供し、保護者の皆様の不安を招かないよう努めてまいりたいと思っております。
次に、3番目の児童福祉法についてでございます。
児童福祉法第24条第1項では、保育に欠ける児童を市町村は保育所において保育しなければならない旨を規定しておりますが、ここでいう保育所には公立も私立も含まれるものでございます。また、同法第56条の7では、社会福祉法人その他の多様な事業者の能力を活用した保育所の設置または運営を促進する際の規定もあることから、児童福祉法において公立保育所を民営化することは可能であると考えております。今後、先ほど申し上げましたように、保護者の皆様への丁寧な説明も行いながら、立花保育所の民営化に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
61:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
62: ◯山本五郎議員 議長。
63:
◯松岡一誠議長 山本五郎議員。
64: ◯山本五郎議員 先ほどの保育所の問題について言えば、児童福祉法第24条第1項、これは絶えず政府側と国民側で綱引きがされている。政府は何とか児童福祉法第24条第1項をなきものにしたい、こういうふうにされていますので、ぜひ、地方自治体の立場としても、子供の保育を守っていくという立場からも、これをなくさせないよう引き続き頑張っていただきたいと、このように思います。
次に、地方創生について、小泉内閣時代に進められた平成の大合併で、3,232あった市町村が1,727自治体にまで減少しました。実に47%の減少であります。今治市は12市町村の合併で、新設合併では全国で最も多く、編入合併を含めると全国の3位となっています。
大合併を総括した総務省の
文書では、住民のサービスの低下につながったなどの否定的な評価が多かったこと、全国町村会も国の合併推進策の問題点を指摘しています。なぜ全国町村会がこういう批判を行っているのかというと、小さい自治体ほどこういう影響を受けているということが言えます。
さらに、平成の大合併を進めてきた張本人である元総務省地方制度調査会長の西尾勝氏は、「当時は合併を推進する立場だったが、結果を見ると大失敗だったと言わざるを得ない。それぞれの地域の自治を守る方策を考えるべきだった」、このように述べています。
私は、この地方創生が平成の大合併と酷似しているように思えて仕方がありません。平成の大合併の二の舞にならないようにしていただきたいと思うのですが、どのように考えているのでしょうか、質問いたします。
65: ◯胡井裕志企画財政部長 お答えいたします。
地方創生の理念につきましては、先ほど
市長が答弁いたしましたとおり、東京一極集中の是正と人口減少の克服でございます。一方、平成の大合併は、自治体を広域化することによって行財政基盤を強化することが目的でございまして、理念が異なるものと認識いたしております。
本市といたしましては、大規模合併の効果として、行政運営の効率化を進めながら、合併により周辺部となった地域の活性化や、人口流出の抑制を重要課題として、地方創生の実現に取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。
以上でございます。
66:
◯松岡一誠議長 再質問はありませんか。
67: ◯山本五郎議員 議長。
68:
◯松岡一誠議長 山本五郎議員。
69: ◯山本五郎議員 地方創生についてでありますけれども、先ほど
市長からの答弁にありましたように、東京一極集中の是正と人口減少の克服。ところが、これが出されてから、これは推進しなければならないという声はわずかになっています。大部分が、東京一極集中の是正と人口を地方に移すと言われてもやりようがない、このように言われているではありませんか。こうした地方創生、まさに官僚が地方の声を聞かなくて、机上の構想で発表し、マスコミに乗せて推進するというやり方は、まさに転換すべきではないでしょうか。
さらに、増田レポートが発表されました。これは、東予地方の中で唯一、今治市が消滅可能性都市とされているわけですけれども、これが発表されて、「何で今治市に消滅可能性があるんだ」という声ももちろん起こっています。私は、地方自治体が、この今治市が消滅するなどということは思っておりません。しかし、思ってはいないけれども、それの対策は具体的に必要だということだと思います。ぜひそういう立場で頑張っていただきたいと思います。
以上で私の質問を終わらせていただきます。
70:
◯松岡一誠議長 再質問なしと認めます。
以上で山本五郎議員の質問を終わります。
明日、定刻から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後 1時37分 散 会
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