次に、海を生かした地域振興についてお伺いします。
現在、今治市では、みなと再生事業の中心施設として、みなと交流センターの整備を進めています。ご案内のように、かつての今治港の全盛期は多くの定期航路があり、また多くの渡海船が寄港し、今治市の海の玄関として多くの人々でにぎわい、港から商店街、そして今治大丸へと動線ができていました。そして、時代は流れ、架橋の完成により、交通の流れが船から車へと変化し、大型フェリーを初めとする多くの航路が今治港から姿を消し、現在に至っています。
私の持論ではありますが、港というものは、船が泊まるから港と言えるのであって、船が泊まらなくなれば、ただの岸壁にしかすぎません。今治市のホームページに掲載されている「みなと再生事業推進の必要性」の部分では、「『交通』の港から『交流』の港を基本コンセプトに掲げ、市民や来訪者が憩い集うことのできる賑わい創出空間を実現すると伴に、『海事都市今治』に相応しい海の玄関口として整備するため」とうたわれていますが、海の駅の活用については触れられておりません。もちろん今治港も海の駅として登録されています。多目的ホールや自転車を中心とした観光情報ブースの設置なども大切ですが、海の玄関口として整備することからも、海の駅の活用もしっかりと考えていく必要があると思います。
そこで、お伺いします。まず1点目に、今治港の海の駅としての現状をお聞かせください。
また、昨年は、国内のみならず、海外からの参加もあった「瀬戸内国際ヨットラリー2014」が開催され、9月20日、広島県の広島観音マリーナを出発し、4レグ、約1カ月間かけて瀬戸内をめぐり、10月19日に大阪府の淡輪ヨットハーバーへ入港、解散となりました。関係者によれば、クルージングを一緒に楽しみ、陸に上がって観光地や名所旧跡を訪ねたり、ヨットラリー参加者と地元の人たちとも交流し、愛媛県で寄港した上島町においては、将来の船乗りを目指す国立弓削商船高等専門学校の学生たちとも交流されたということで、すばらしい体験になったということでありました。
また、瀬戸内は穏やかなイメージがあるが、潮流の影響があることにより、海の幸も豊富で、新鮮な魚介類を堪能でき、海外からの参加者を含め、国内からの参加者も、瀬戸内を訪れるたびに新たな魅力に驚きを感じているようで、微力ではあるが、離島の活性化などに協力できればと考えながら、瀬戸内国際ヨットラリーを毎年開催のイベントとすべく、ことしも9月5日スタートで準備が進められています。しかし、このヨットラリーを運営している関係者は、開催に当たっての課題として、瀬戸内には一部のマリーナやびょう泊地を除き、参加予定の20艇を収容できる泊地はなく、分散係留や分散ルートを考慮しているとのであります。
今治市におきましても、しまなみ海道をサイクリストの聖地としてPRしていますが、今治市をヨットの聖地として売り込むことも、日本国内のみならず、世界に対して来島海峡を活用した観光や地域活性化を進める上で重要になると考えます。
ちなみに、先ほど述べました昨年9月に実施されたヨットラリーでは、今治港も泊地として候補に挙がっていたそうですが、工事の関係で受け入れができないとのことであったと聞いております。そこで、2点目に、ことしの9月も瀬戸内国際ヨットラリーの企画・準備が進められていますが、要請があれば、今治市の海の玄関口である「いまばり海の駅」の知名度向上のためにも受け入れるべきであると思いますが、お考えをお聞かせください。
以上でございます。
3:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
4:
◯菅 良二市長 先ほど、FC今治の岡田オーナーのお話をいただきました。必勝祈願の場所に大山祇神社を選んでいただいた。実はこの土曜日でしたか、宮司さんとお話しする機会がありました。愛媛マンダリンパイレーツは伊豫豆比古命神社(椿神社)、それから、愛媛FCが厳島神社、そんなことが頭にありながら、今回、FC今治が大山祇神社で必勝祈願をというのは私どもとしても大変うれしい限りでありましたというお話でありますが、私にとってうれしかったのは、「せっかくだから、しまなみ海道を自転車で」と。我が今治市は、今、しまなみ海道をサイクリストの聖地として、何としてもこれを日本中に、世界中に認知していただきたいという思いがあります。そういった中でのご発案に感激いたしますとともに、何が一番おもてなしか、これはやっぱり一緒に走ることだと思ったわけであります。そして、その際に、ちょうど吉海支所の前を通るものですから、支所の皆さんがもしあそこで手を振ってくれたらどんなにかFC今治の選手も喜ぶのではないかと思っておりましたら、何と横断幕まで掲げて皆さんを歓迎してくれた。宮窪地区に行ったら、またここでも、ほら貝まで吹いて待ってくれていた。伯方地区の話は今の山岡議員のお話のとおりであります。「本当にそれぞれの地域でこんなにも我々を歓迎してくれる。そのことが本当にうれしいし、また責任も感じる」との岡田オーナーのお話でありました。私ども今治市は財政的には大変厳しいわけですけれども、心の支援、できることはやっぱりやっていきたいと強く思いました。どうぞ皆様方、一緒にFC今治、そして、いよいよ、将来の「なでしこジャパン」を目指す女子中学生も4月に来ることになります。皆で歓迎していただければありがたいと思います。
もう一つ、フリー乗降制についての質問もありました。これはまた後ほど関係理事者から答弁させていただきますけれども、ありがたいのは、実際に運転されている乗務員からお年寄りの現状を見て、「何とかしたいね」という気持ちを持ってくれたことであります。いわゆる住民目線。我々公務員が一番心していることでもありますけれども、それをバス会社の乗務員からお話しいただけた。これは、もっとたどっていけば、皆さん、バスに乗られたこともあると思いますが、島嶼部の小中学生は、乗るときには「おはようございます」「こんにちは」と運転手さんに声をかけます。そして、おりるときには「ありがとうございました」と。やはり、ここらに起因しているのかとも思っております。いわゆる人間関係、こういったものが非常に濃い、そのことがフリー乗降制の話につながっているのではないかと思います。ありがたいことであるし、こういったことも大切にして、これからの行政運営も住民目線を心していきたいと思っております。
ところで、山岡議員ご質問の海を生かした地域振興についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
本市は港とともに発展してきたまちでございます。中心市街地の活性化に向けたみなと再生事業により施設整備を進め、みなと交流センターを中心に、にぎわい創出を目指し、市民の皆様の関心がより港に集まりますよう取り組んでいるところでございます。
しまなみ海道開通後、従来の交通機能である船の定期航路が著しく減少してまいりました。このため、本市への観光、交流の窓口として海の駅を開設するとともに、クルーズ船誘致にも取り組んでおります。こうした新たな取り組みをすることで地域活性化にもつなげてまいりたいと考えております。
1点目の今治港の海の駅の現状についてでございますが、今治市外からのクルージングによる観光や休憩の際の周辺散策等を目的として、平成22年7月、今治港に「いまばり海の駅」と宮浦港に「いまばり・みやうら海の駅」を開設いたしました。両施設の利用船舶数は、開設初年度が141隻でございましたが、3年後の平成25年度は300隻と順調に増加いたしております。
2点目の瀬戸内国際ヨットラリーの受け入れについてでございます。
現在、今治港内港におきましては、平成31年度まで物揚場等改修事業に伴う工事を行っており、一度に多数の船を受け入れることは困難な現状でございます。そのため、昨年に開催された大会では「いまばり・みやうら海の駅」で受け入れをさせていただき、参加者から景観や利便性のよさなど、喜びの声をいただきました。また、昨年と同様の理由で、本年開催される大会につきましても「いまばり・みやうら海の駅」において受け入れの予定となっております。今後も、2つの海の駅を有効に活用し、より多くの皆様に利用していただき、喜んでいただける海の駅にしていきたいと考えておりますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
その他のご質疑、ご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきます。よろしくお願いします。
5:
◯胡井裕志企画財政部長 山岡議員ご質疑、ご質問の議案第14号「平成27年度今治市船舶交通特別会計予算」についてと、島嶼部におけるバス路線についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
まず、議案第14号「平成27年度今治市船舶交通特別会計予算」についてでございます。
ご承知のとおり、現在、みなと交流センターの建設を行っておりますが、施設が完成いたしますと、1階の最も北西側に船舶用の発券所(切符売り場)が配置される予定でございます。現在、関前航路のフェリー利用者は、港南東側の切符販売所にて切符を購入し、浮き桟橋である第3桟橋から乗船しておりますので、みなと交流センターの供用開始に合わせて接岸場所を変更しない場合、切符を購入した後、200メートル余りの距離を移動する必要が生じてまいります。このため、利用者の利便性を考慮した結果、現在、第3桟橋に接岸しておりますフェリーについては、小型フェリー施設へ接岸場所を変更することになっております。
1つ目の船の改造の内容と理由についてでございますが、現在、フェリー「第二せきぜん」は前方より浮き桟橋にエプロンをおろし接岸しておりますが、この接岸場所の変更によりまして、小型フェリー施設に側面から接岸し、可動橋にエプロンをおろすこととなります。しかしながら、現在の「第二せきぜん」には、側面より岸壁に安全に接岸する設備がないため、これを可能にする前後2台の電動ウインチを製作する改造費700万円を計上させていただいております。
また、2つ目の改造に必要な期間とその間の代船の確保についてでございますが、取りつけにつきましては、平成28年6月のドックに合わせて実施する予定でございますので、その際、通常のドックより6日間程度の期間が必要になろうかと考えております。平成28年度の予算とはなりますが、代船の確保も含め万全を期したいと考えております。
次に、島嶼部におけるバス路線についてでございます。
停留所以外でも路線上の任意の位置でバスに乗降できるフリー乗降制の実施につきましては、事業者から四国運輸局への届け出を必要とし、交通量等を考慮し、安全に停車できる区間等について、届け出が受理され、実施可能となります。
本市では、現在、陸地部のバス路線を運行しております瀬戸内運輸株式会社におきまして、玉川線、朝倉線、波方循環線、及び小浦・大浜線の一部区間に限って実施されており、主に高齢者の降車時での利用があるようでございます。
一方、お尋ねの瀬戸内海交通株式会社が運行する島嶼部におけるバス路線についてでございますが、現在、フリー乗降制を実施している区間はございません。その理由でございますが、島嶼部では停留所の間隔を陸地部と比較して長いところで約500メートルごとと短く設定しており、さらには、民家のあるところでは約200メートルから300メートルごとに多く設置し、利用者の利便性の確保を図っていることに加えまして、島嶼部特有の道路幅員が狭いところが多く、安全に停車できないなどの事情や、フリー乗降制の導入によって高速バスや急行バス、船舶との接続が時間どおりの運行とならないことが危惧されるなど、条件的に困難な面があるようでございます。
しかしながら、利用者からフリー乗降制導入への要望があることは瀬戸内海交通株式会社でも認識していただいており、利用者の高齢化が進む中、さらなる利便性の向上を図るため、フリー乗降制の導入の可能性を検討していただいているところでございますので、本市といたしましても、引き続き、フリー乗降制導入へ向け要望してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
6:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
7:
◯山岡健一議員 議長。
8:
◯松岡一誠議長 山岡健一議員。
9:
◯山岡健一議員 それでは、まず、再質疑に入りたいと思います。
「第二せきぜん」に関することですが、使用を予定している可動橋は、以前、協和汽船株式会社が使用していた両頭型のフェリーに対応したものであると思いますが、果たしてその可動橋が「第二せきぜん」に合うのかどうかお聞かせください。
10:
◯胡井裕志企画財政部長 お答えいたします。
浮き桟橋に前方よりエプロンをおろして接岸するこれまでの方法と比べまして、可動橋である小型フェリー施設へ接岸する場合、潮の満ち引きにより、可動橋の高さの調整や係船ロープによる船舶の固定など、接岸作業における陸上での業務に時間や手間が必要となってきますので、人員の配置を含め、現在、外部に委託しております業務内容等を見直し、安全な係船作業に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
11:
◯松岡一誠議長 再質疑、再質問はありませんか。
12:
◯山岡健一議員 議長。
13:
◯松岡一誠議長 山岡健一議員。
14:
◯山岡健一議員 もう1点、再質疑をいたします。
現在、その可動橋は単頭型のフェリー「第八おおしま」が使用していますが、船員さんの話によりますと、着岸の際に風の影響を受けやすいなど、その型のフェリーを着けるのは難しいと聞いたことがあります。お客様を乗せて運航するわけですから、事故など何かあってはいけません。また、当然ながら、責任は船長が負うことになることからも、今回の発着場の変更が大きなプレッシャーになることも考えられます。安全運航に対して何か策は考えているのかお尋ねします。
15:
◯胡井裕志企画財政部長 お答えいたします。
急な強風の影響等で接岸が困難な場合が予想されますが、船長の判断で、安全・確実な方法として浮き桟橋への接岸を可能とするなど、四国運輸局等関係機関と協議をしながら、事故のない安全運航に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
16:
◯松岡一誠議長 再質疑、再質問はありませんか。
17:
◯山岡健一議員 議長。
18:
◯松岡一誠議長 山岡健一議員。
19:
◯山岡健一議員 次に、瀬戸内国際ヨットラリーについて再質問いたします。
瀬戸内国際ヨットラリーのことしの参加予定は20艇でありますが、全て「いまばり・みやうら海の駅」で収容可能なのかお聞かせください。
20:
◯阿部 宏農水港湾部長 お答えします。
「いまばり・みやうら海の駅」の第1桟橋は延長120メートル、両側で240メートルございますので、ヨット20艇程度の受け入れは可能だと考えております。
以上でございます。
21:
◯松岡一誠議長 再質疑、再質問はありませんか。
22:
◯山岡健一議員 議長。
23:
◯松岡一誠議長 山岡健一議員。
24:
◯山岡健一議員 海の駅の今後の展望も考え、ヨットラリーだけでなく、少数のクルージング等で訪れる人たちも積極的に受け入れ、みなと交流センターを軸に、人の集まる港を目指すことが今後の課題であると思います。自転車のしまなみ海道としては認知度も高く、軌道に乗っていますので、海のしまなみ海道としても発信するべきであるということを述べさせていただき、私の質問を終わります。
25:
◯松岡一誠議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で山岡健一議員の質疑、質問を終わります。
次に、20番谷口芳史議員。
26: ◯谷口芳史議員 本会議質疑、質問の最後の登壇者です。この後は誰もおりませんので、じっくりと、よい答弁をどうかよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして、質疑、質問を行います。
最初に、議案第10号「平成27年度今治市一般会計予算」についてのうち、1番目に、歳出3款2項1目利用者支援事業費についてお伺いいたします。
この事業は、子供や保護者に教育・保育施設や子育て支援事業の情報提供、相談事業などを行うようでありますが、どのような場所で、どのような形で行っていくのかをお聞かせください。また、今治市内の何カ所ぐらいで行っていくのかをお聞かせください。また、「利用者支援事業」という事業名では何を行っているのかが保護者の方にはよくわからないと思います。どのような事業を行っているのか、周知方法などについてはどのように考えているのかをお聞かせください。
2番目に、歳出3款2項3目施設型給付費についてのうち、多子世帯の保護者負担の軽減についてお伺いいたします。
これまでも本市では多子世帯への負担軽減のために、保育料を第2子は半額、第3子は全額の軽減を行っておりましたが、今回、軽減を3号認定の第2子、第3子の判定に含める兄弟を18歳未満に拡大しております。
そこで、お聞きいたしますが、まず、対象となる子供は4月から何人いるのかお聞かせください。また、それにより、今治市の負担は幾らになるのかお聞かせください。また、対象となる3号認定の子供が3号認定から外れる3歳になったときには、軽減措置はどのようになるのかをお聞かせください。
今回、多子世帯への負担が軽減になるのは子育て支援の意味からも非常によいとは思いますが、例えば3人の子供がいる家庭で、年齢によっては負担がだんだんふえてくる場合もあり得ます。保育料はその子が卒園するまでは同じであるべきだと思いますが、お考えをお聞かせください。また、その場合、今治市の負担は幾らになるのかをお聞かせください。
3番目に、歳出3款2項3目地域子ども子育て支援事業費についてお伺いいたします。
この事業は、子ども・子育て支援新制度への移行に伴い、地域子ども・子育て支援事業を充実させるとのことですが、具体的にはどのような事業が行われるのでしょうか。また、新規の事業とのことですが、これまでの地域子ども・子育て支援事業とはどのように異なっているのかをお聞かせください。
4番目に、歳出3款2項3目地域型保育給付費についてです。
これは、さきと同じく子ども・子育て支援新制度への移行に伴い、小規模保育事業等への給付を創設するものです。そこで、どのような施設に対して給付を行うのかお聞かせください。また、本市では対象となる施設はどれぐらいあるのかをお聞かせください。
次に、子育て支援についてお伺いいたします。
まず1番目は、今治市子ども・子育て支援事業計画についてです。
以前の計画より5年が経過し、昨年度より新たに5年に向けて計画されており、パブリックコメントも終わり、新年度までには策定されると思いますが、1点目として、先ほど質問した新規事業を含めて新たに策定された事業はどのようになっているのかをお聞かせください。
また、子育てに関しましては、今、国でも新たな施策を次々と打ち出しており、本市といたしましても、計画に基づいて実施していくことも大事ですが、これまで本市は子育ての施策においては国を上回るような施策を行っていたのですから、計画を柔軟に変更していくことも重要と思いますが、お考えをお聞かせください。
2点目に、児童健全育成についてお尋ねいたします。
私の毎回の子育ての質問では必ず加えておりますが、新しい計画でも児童健全育成の中では児童館は最初に位置づけられ、その役割は子育て支援においては非常に重要であります。私は、児童館は地域ごとに子育ての中心となる施設として配置するべき施設であると考えております。また、児童センターのように子育ての中心施設を設けている自治体もあります。本市も児童館の充実に力を入れていただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。
2番目に、子育て世代包括支援センターについて質問いたします。
最初に、「ネウボラ」という聞きなれない言葉ですが、子育て支援について簡単に説明いたします。
ネウボラとは、フィンランドで全ての自治体にある子育て支援を行う施設です。ネウボラとは、フィンランド語で「ネウボ(neuvo)=アドバイス」「ラ(la)=場所」という意味であり、妊娠から出産、子供が生まれた後も基本的には6歳まで切れ目なくサポートを提供する総合的な支援サービスであります。ネウボラには保健師や助産師がおり、ネウボラで支援をするための特別な教育も受けております。
このフィンランドのネウボラを参考にして、日本版ネウボラを2015年度より実施しようとしているのが東京都文京区の「文京区版ネウボラ事業」であります。妊娠・出産期から育児期までの子育て支援を充実させ、総合的な相談や支援体制をワンストップで対応するものであります。保健サービスセンターには母子保健コーディネーターを配備し、妊産婦や家族のニーズを踏まえて、医療機関などの関係機関と連携して必要な情報やサービスを提供するそうです。
今、インターネットなどで情報が氾濫、混乱している中で、ワンストップで、また継続しての相談や対応ができることが重要になります。親子を一貫してサポートするワンストップ拠点「子育て世代包括支援センター」が2015年度には全国150カ所で整備される予定と聞きました。この日本版ネウボラについて本市のお考えをお聞かせください。
3番目に、進学時などの資金援助について質問いたします。
この時期になると、母子家庭のお母さんなどから子供の進学資金の相談が毎年のようにあります。銀行などで借り入れができない家庭などでは、母子父子寡婦福祉資金や社会福祉協議会の生活福祉資金の借り入れ、また、日本学生支援機構の奨学金の借り入れ方法しかありません。しかしながら、どの借り入れも申し込みまで数週間以上の時間がかかるために、入学金などを急ぐ場合、相談を受けに来たときには借り入れが間に合わないなどの場合があります。保護者がお金の準備に苦労して、制度を知らないために、借り入れの相談に来たときには時間がたっている場合が多いのです。
そこで、先ほどのネウボラのように、相談窓口の一本化や、それらの周知の方法も検討しなければなりません。また、制度上、愛媛県等への確認も必要ではありますが、場合によっては今治市の決済で先に立てかえなどはできないものでしょうか。本市のお考えをお聞かせください。
最後に、インターネットによる公金支払いについてです。
本市のふるさと納税が、ウエブサイト「ヤフー・ジャパン」の中にある「ヤフー・公金支払い」に登録し、昨年は、かなりの成果があったとお聞きしました。サイトをのぞいてみますと、愛媛県内だけでも県と6市町が登録しており、全国では数多くの自治体が登録をしているようであります。
そこで、まずお伺いいたしますが、1番目に、登録を行った効果はどれぐらいであったかお聞かせください。また、インターネットのサイトなど、新しい募集方法は行っているのかお聞かせください。
この公金支払いサイトを見てみますと、自動車税、住民税、固定資産税、国民健康保険税、介護保険料、水道料金、施設利用料などの税や公金の支払いのタグが設けられております。また、数は少ないですが、保育料、墓地使用料、給食費、公営住宅費などを登録している自治体もおります。
この最大の利点は、パソコンやスマートフォンなどがあればどこでも料金の支払いができるので、ひとり暮らしなどで銀行などの支払いの窓口に行く時間のない人が24時間支払いできる点であります。もちろん銀行引き落としにしておけば問題ないと言いますけれども、支払い日や残高の問題もあります。
2番目に、インターネットバンキングもかなり普及している時代ですので、収納率を上げるためにもこのような公金の支払い方法も検討していくべきと思いますが、お考えをお聞かせください。
以上です。
27:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
28:
◯菅 良二市長 谷口議員、さまざまな観点からご質問いただきました。子育て支援についてのうち、3番目の進学時などの資金援助について、これは別の理事者が答弁させてもらいますけれども、つい先般、この中にもご一緒に参加された議員がおりますが、松山市で「参議院議員山本順三君を励ます会」がございまして、今の文部科学大臣と加戸元愛媛県知事の対談がありました。そして、今、新たなる格差といいますか、戦後、本当にずっと日本の一番いいところは、イギリスなどと違って、頑張った者が報われるというか、中央官僚にもなれるし、いろんな場で活躍できる。それは貧富の問題ではなく、頑張った者がと。ところが、今ごろになりますと、東京大学入学者の6割は親の年収が1,000万円以上だと。私も聞いて「ああ、そうなのかな」と。要は、学習体制というものが十分にできているお子さんが圧倒的に有利であるというお話もございました。
そういった意味におきまして、育英資金、こういったものが非常に重要だとも思っておりますが、我が今治市にあっては、おかげさまで、本当に旧波方町時代、また今治市でも河野育英会奨学金と檜垣育英会奨学金があるわけであります。もちろん社会福祉協議会を初め他にいろいろありますけれども、そういった中で、私が一番ありがたかったなと思うのは、例えば1億円とか3億円とかという原資で、ところが、この金利というのが今は非常に低いものですから、求められていることになかなか対応できない中で、檜垣育英会奨学金は、前にも申し上げましたが、今治造船株式会社の株を私どもにご寄附いただいて、そして、その配当金で毎年、数多くの高校生、大学生を送り出すことができている。これは本当にいいところに目をつけていただいた、また私ども、今治市民にとってありがたい制度を設けていただいたということを強く感じております。こういったことを今後ともいろんな角度から見ていただければ本当にありがたいわけであります。この答弁につきましては、後ほど関係理事者が申し上げます。
私は、子育て支援についてのうち、1番目、今治市子ども・子育て支援事業計画についての1点目、新規事業についてに関しましてお答えさせていただきます。
本市におきましても、核家族化や地域におけるつながりの希薄化等、子育てを取り巻く環境は大変厳しくなっており、その結果、子育てに対する不安や負担が増大し、結婚や子供を持つことに対する意識や価値観の変化などもあり、急速な少子化が進行するといった深刻な社会的状況にあることはご承知のとおりでございます。
そのような中、取り巻く環境の変化に対応した、子供の健やかな育ちと子育てを社会全体で支援する環境を整えるため、一昨年来、今治市子ども・子育て会議において、子ども・子育て支援事業計画の審議を重ねていただき、先般、計画案の答申がなされたところでございます。その計画案では、「子どもを育てる環境」「子どもが育つ環境」「子育ち・子育てを支えるまちづくり」という視点から8つの施策の方向性を定め、134事業を通して、その実現を目指すこととしております。
新規事業につきましては、利用者支援事業など、議員ご
発言の事業を初め、子育て中の母親のワーク・ライフ・バランスを目指すマザーズ・ジョブ・サポート事業や、子供と母親の健康の確保のための不育症治療への助成事業等がございますが、それぞれ「仕事と家庭の両立」や「健康であるために」といった各施策の中に位置づけて実施するものでございます。
新しい取り組みは、取り巻く社会環境の変化にも即応することや、既存事業の検証を踏まえた効果的なものであることから、今後、事業計画の推進に当たっては、柔軟かつスピード感を持ってその実現化を進めたいと考えております。
その他のご質疑、ご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきます。よろしくお願いいたします。
29: ◯大成和幸健康福祉部長 谷口議員ご質疑、ご質問の議案第10号「平成27年度今治市一般会計予算」について、及び子育て支援についての1番目の2点目と、2番目及び3番目にお答えいたします。
まず、議案第10号「平成27年度今治市一般会計予算」についての1番目、歳出3款2項1目利用者支援事業費についてでございますが、この事業は、子ども・子育て支援法の規定に基づきまして、教育・保育施設や各種の子育て関連事業の中から適切なものを
選択して円滑な利用に結びつけることができるよう、情報提供や相談、助言を総合的に行うものでございます。
事業の実施場所につきましては、平成27年度は、まず旧今治市内2カ所の地域子育て支援拠点事業所において、本市のサービスを熟知した子育て支援員を複数名配置して事業をスタートさせ、平成28年度には、さらに旧郡部1カ所での開設を予定しております。事業の周知方法につきましては、広報誌やホームページへの掲載のほか、リーフレットを作成し、母子健康手帳の交付時や地域子育て支援拠点事業所等の子育て関連施設での配布など、きめ細かい周知を検討してまいります。
2番目の歳出3款2項3目施設型給付費についてのうち、多子世帯の保護者負担の軽減についてでございます。
本市ではこれまでも多子世帯の負担軽減を図ってまいりましたが、今回の制度改正を機に、3歳未満の乳幼児がいる世帯の経済的な負担の軽減のため減免制度を拡充し、18歳までの兄・姉がいる世帯については、第3子以降の3歳未満児の保育料を無料にすることといたしました。例えば、第1子が中学生、第2子が小学生、第3子が2歳児から成る3人兄弟の場合、第3子の保育料は、今までは全額負担となっておりましたが、新たな取り扱いでは無料となります。また、第1子が小学生、第2子が4歳児、第3子が2歳児から成る3人の兄弟の場合、今までは第2子については全額負担、第3子については半額負担となっておりましたが、新たな取り扱いでは、第3子については無料となります。第3子以降の在園児が満3歳に達して以降は今までの取り扱いと同じになります。
なお、新たな取り扱いによって保育料が無料となる方は約100名、今治市の新たな負担は約3,500万円になると見込んでおります。
また、保育料をその子が卒園まで同じにするように、仮に兄・姉の年齢に関係なく、3人目以降の児童全てについて無料化するとして保育料収入を試算したところ、約8,000万円の減収が見込まれ、財政的な影響も大きく、今後、国の動向を注視しながら対応してまいりたいと考えております。
次に、3番目、歳出3款2項3目地域子ども子育て支援事業費についてでございます。
具体的には、延長保育事業及び一時預かり事業に係る経費を計上したものでございます。延長保育事業につきましては平成27年度以降もそのまま継続する予定でございます。
なお、今回、新規事業として整理しておりますのは、現行の私立幼稚園の預かり保育を幼稚園一時預かり事業として、同じ地域子ども・子育て支援事業ではございますが、保育所とは別枠で新設したことによるものでございまして、9カ所の幼稚園での実施を見込んでおります。
次に、4番目、歳出3款2項3目地域型保育給付費についてでございます。
地域型保育給付は、3歳未満の乳幼児の保育の量の拡充を図り、小規模保育事業を充実するため、今回の制度改正で新たに法律の中に位置づけされたものでございます。本市では、平成27年度の地域型保育給付について、小規模保育事業A型の事業所2カ所(定員30名)と、事業所内保育事業所1カ所(定員40名)を見込んでおります。小規模保育事業は、6人から19人の範囲を定員とする小規模の保育を行う事業所ですが、さまざまな形態からの移行が円滑に行われるよう、施設規模や人員配置等により、A型、B型、C型の3類型が制定されております。本市では現在のところA型のみで、B型、C型の事業所は見込まれておりませんが、今後とも制度の周知に努め、普及を図ってまいります。また、事業所内保育事業は、企業等が主に事業所の従業員の子供を対象に実施するものですが、地域の保育を必要とする子供も利用できるように、その枠を設けることになっております。
次に、子育て支援についてお答えいたします。
1番目の今治市子ども・子育て支援事業計画についてのうちの2点目、児童健全育成についてでございますが、本計画では、子供たちの人間性や社会性を育むための活動に取り組み、子供たちの健全育成を推進するため、児童館を拠点とした事業の展開や、今治市の地域資源を活用するなどした諸事業を実施していくこととしております。それとともに、放課後児童クラブやその他地域の教育力の向上を図るための活動、そして、各種の相談活動なども子供たちの健全育成には欠くことのできない取り組みであると認識しております。児童館につきましては、多くの機能を有し、健全育成推進のために有効な施設でもありますので、公の施設としての課題もございますが、「おでかけじどうかん」や「じどうかん☆バリっこフェスタ」などにも今後、力を入れ、十分にその機能を発揮できるよう努めてまいりたいと考えております。
続いて、2番目の子育て世代包括支援センターについてでございます。
議員ご
発言のネウボラをモデルに、国の総合戦略の中でも母子保健医療対策の一環として、総合的相談支援をワンストップで提供する子育て世代版の包括支援センターを整備しようと計画されているところでございます。
本市におきましては、先ほどご説明いたしました利用者支援事業の実施により、子育て世帯のニーズに対する総合的相談支援を一括して実施することが高いレベルで可能になると考えてもおりますが、今後、先進地の事例も研究し、子育て世代包括支援センターなど、より効果的な形での、妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援の実現を探ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
最後に、3番目の進学時などの資金援助についてでございます。
進学時における公的な資金援助については、国の教育ローンや、母子・父子家庭等を対象とした愛媛県の母子父子寡婦福祉資金を通じ、家庭の経済的負担の軽減等を図っているところでございます。進学時にこれら資金の貸し付けを受けるに当たっては、申し込みから実際に資金が振り込まれるまでに数週間から1カ月半程度の時間を要するのが通常であり、ご指摘のように、合格から入学金振り込みの期限が2週間程度しかない場合には、資金の種類や書類審査の状況等によっては納付が間に合わないケースが発生してまいります。本市といたしましては、資金の借り入れ手続の迅速化に努めるとともに、各学校とも協力し、早い段階での資金計画の作成や借り入れ相談の実施などについて周知に努めたいと考えておりますので、ご理解をお願い申し上げます。
以上でございます。
30:
◯胡井裕志企画財政部長 谷口議員ご質問のインターネットによる公金支払いについてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
1番目のふるさと納税の効果についてでございますが、「ふるさと納税今治」の収納方法といたしましては、金融機関で納付書を使って納める方法と、インターネットを利用してのクレジットカードによる納付の2通りがございます。クレジットカードによる納付は平成24年9月から採用しておりまして、「ヤフー・公金支払い」を運営しておりますヤフー株式会社を指定代理納付者として指定しております。
平成26年度の2月末までの収納実績によりますと、インターネットによる申し込みが92%、そのうちクレジットカードによる納付が77%を占めております。金融機関に出向くことなく、休日でも24時間その場で決済が完了しますので、全国から寄附をされる方にとりましては利便性が大変高く、寄附金増収の一因と考えております。また、所要の経費につきましても、1,500円の月額料金と寄附金の1%プラス消費税で、経済的な設定となっております。
なお、ふるさと納税の他の収納方法としまして、コンビニ収納や、パソコン、ATM等を利用して納付する「Pay-easy(ペイジー)」などがございます。今後、寄附者が納めやすい環境を一層整えるため、クレジットカード納付に加えて、こうした新たな収納方法を採用した、ふるさと納税専用サイトの導入を進めてまいりたいと考えております。
一方、2番目の他の公金の支払いについてでございますが、議員ご
発言のとおり、インターネットによる市税等の公金支払いにつきましては、自宅のパソコンや携帯電話による「ヤフー・公金支払い」などを利用したクレジットカード払いによって収納方法が多様化し、市民の利便性が向上することは承知しているところでございます。
しかしながら、クレジットカード会社からの代理納付を消し込むためのシステム開発費や手数料が必要になり、収納コストが上がってしまうことや、代理納付した後で精算できなかったときにはクレジットカード会社に返金しなければならない等の問題点がございます。そのため、今後とも他の自治体の状況も注視しながら検討を重ねてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
以上でございます。
31:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
32: ◯谷口芳史議員 議長。
33:
◯松岡一誠議長 谷口芳史議員。
34: ◯谷口芳史議員 市長から最初に奨学金についてお話しいただきました。東京大学の話、裕福な家庭から進学されている方が多いということですが、逆に最近は「貧困の連鎖」という言葉もあります。お金がなければ進学も諦めなければいけないということのないような奨学金制度の充実ということでございますけれども、その制度を知らないという方がいっぱいいるということ、また、お金は借りたら返さなければいけないということがありますが、最近は国でも返済不要の奨学金制度等々もいろいろと考えているようであります。自治体としても、これからも奨学金についてはどんどん力を入れていただきたいと。また、返済をしなくてもいい奨学金というものに取り組んでいる自治体もあるようでございます。そういうところをまた検討していただいて、望む学校にどのような状況であろうとも行けるような家庭への援助を考えていただきたいと思います。
また、子育て支援について、国でもいろいろ力を入れていただいております。しかしながら、やっぱり、今は地方創生ということで、自治体が率先してやらなければ国もお金を出していただけないということにもなっております。子育てに関しては、我が市は本当にどこにも負けていないと私もずっと思っておりましたが、近年はどの自治体もどんどん子育てに力を入れて、追いついてきている、追い越されているのが実態ではないかと思います。財政も大変ではございますけれども、今治市の未来のためにも、子供にお金をかけていただきたいと思います。
また、子供たちが生き生きとしていなければ、その地域に未来はございません。そのためにも、子供が輝いて、しっかりと勉強に、また遊びに臨めるような環境をどうかつくっていただいて、子供たちが明るい声で地域を走り回っているという今治市、また旧今治市の周辺の合併した旧11町村に関してもそのような施策をぜひお願いしたいと申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
35:
◯松岡一誠議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で谷口芳史議員の質疑、質問を終わります。
以上で通告による質疑、質問は終わりました。
これをもって議題に対する質疑及び一般質問を終結いたします。
次に、日程3、付議事件番号1、議案第10号「平成27年度今治市一般会計予算」ないし付議事件番号60、請願第23号「住民の安全・安心を支える国の公務・公共サービス体制の充実を求める意見書提出の要望について」、以上60件の委員会付託を行います。
以上60件は、お手元に配付の委員会付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託したいと思います。付託事項についてご異議ありませんか。
( 「異議なし」と言う )
ご異議なしと認めます。
よって、委員会付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたします。
3月26日、定刻から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午前11時02分 散 会
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