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06月20日-02号

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  1. 松山市議会 2011-06-20
    06月20日-02号


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    平成23年 6月定例会                 平成23年          松山市議会第2回定例会会議録 第2号          ──────────────────             平成23年6月20日(月曜日)             ───────────── 議事日程 第2号   6月20日(月曜日)午前10時開議日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 承認第1号 松山市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例を定める専決処分の承認を求めることについて 承認第2号 松山市市税賦課徴収条例の一部を改正する条例を定める専決処分の承認を求めることについて 承認第3号 平成23年度松山市国民健康保険事業勘定特別会計補正予算(第1号)を定める専決処分の承認を求めることについて 承認第4号 松山市国民健康保険条例の一部を改正する条例を定める専決処分の承認を求めることについて 議案第47号 平成23年度松山市一般会計補正予算(第1号) 議案第48号 平成23年度松山市公債管理特別会計補正予算(第1号) 議案第49号 松山市中島諸島開発総合センター条例の廃止について 議案第50号 松山市道の駅条例の一部改正について 議案第51号 公有水面埋立について(泊漁港区域内地先愛媛県施行分) 議案第52号 市営土地改良事業県単独土地改良事業(農道)・片山地区)の施行について 議案第53号 市道路線の認定及び廃止について   (一般質問)   ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 承認第1号~第4号、議案第47号~第53号   ──────────────── 出席議員(44名)  1番  中 村 嘉 孝  2番  杉 村 千 栄  3番  宮 内 智 矢  4番  松 井 宏 治  5番  吉 冨 健 一  6番  大 塚 啓 史  7番  武 田 浩 一  8番  上 杉 昌 弘  9番  梶 原 時 義  10番  小 崎 愛 子  11番  渡 部   昭  12番  原   俊 司  13番  藤 本 公 子  14番  福 岡 玲 子  15番  渡 部 克 彦  16番  若 江   進  17番  山 本 昭 宏  18番  菅   泰 晴  19番  大 亀 泰 彦  20番  武 井 多佳子  21番  篠 崎 英 代  22番  友 近   正  23番  土井田   学  24番  砂 野 哲 彦  25番  雲 峰 広 行  26番  小 林 宮 子  27番  丹生谷 利 和  28番  八 木 健 治  29番  今 村 邦 男  30番  栗 原 久 子  31番  寺 井 克 之  32番  森 岡   功  33番  宇 野   浩  34番  猪 野 由紀久  35番  松 下 長 生  36番  松 岡 芳 生  37番  大 木 正 彦  38番  清 水 宣 郎  39番  川 本 光 明  40番  白 石 研 策  41番  大 西 弘 道  42番  池 本 俊 英  43番  田 坂 信 一  44番  中 西   智   ──────────────── 欠席議員(0名、欠員1名)   ──────────────── 事務局出席職員職氏名  事務局長     玉 尾 敏 彦  事務局企画官   秦   昭 彦  総務課長     清 水 美 惠  議事調査課長   渡 部 俊 明  議事調査課主幹  河 野 直 充  議事調査課副主幹 大 堀 英 世   ──────────────── 説明のため出席した者の職氏名  市長       野 志 克 仁  副市長      稲 葉 輝 二  副市長      山 口 最 丈  総務部長     山 本 昭 弘  総務部契約管理担当部長           藤 方   等  理財部長     平 岡 陽 一  理財部企画官   片 山 雅 央  総合政策部長   梅 岡 伸一郎  総合政策部水資源担当部長           池 内 昭 博  総合政策部坂の上の雲まちづくり担当部長           矢 野 大 二  財政課長     前 田 昌 一  市民部長     三 好 龍 彦  保健福祉部長   村 上   正  保健福祉部社会福祉担当部長           田 中 郁 夫  環境部長     江 戸 通 敏  環境部環境施設担当部長           若 田 吉 昭  都市整備部長   福 本 正 行  都市整備部開発建築担当部長           松 本 勝 志  下水道部長    越 智   誠  産業経済部長   藤 田   仁  産業経済部農林水産担当部長           田那辺 泰 典  産業経済部競輪事業担当部長           吉 野 隆 彦  消防局長     篠 原 一 志  教育長      山 内   泰  教育委員会事務局長嶋   啓 吾  教育委員会委員長 金 本 房 夫  会計管理者    上河内   孝  公営企業管理者  渡 辺 滋 夫  公営企業局管理部長津 吉 不二夫   ~~~~~~~~~~~~~~~~       午前10時0分開議 ○田坂信一議長 これより、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付の日程表第2号のとおりであります。   ──────────────── ○田坂信一議長 まず、日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第78条の規定により、議長において18番菅議員及び19番大亀議員を指名いたします。   ──────────────── ○田坂信一議長 次に、日程第2、承認第1号ないし第4号、議案第47号ないし第53号の11件を一括議題とし、上程議案に対する質疑とあわせ、一般質問を行います。 この際、申し上げます。各議員の発言は、申し合わせの発言時間内においてお願いいたします。 次に、傍聴人の皆様に申し上げます。傍聴される皆様は、傍聴席で拍手、その他の方法により賛成、反対の表明をしないでください。そのほか騒ぎ立てないようお願いいたします。 それでは、一般通告者の発言を順次許可します。まず、中西議員。 〔中西 智議員登壇〕 ◆中西智議員 松山維新の会の中西です。機会をいただきましたので、市政の当面する諸課題について一般質問いたします。市長を初め、理事者の適切な御答弁のほどを求めるものであります。特に、市長さんには初めて御答弁をいただくことになりますので、よろしくひとつお願いを申し上げたいと思います。質問に先立ち、このたびの東日本大震災による多くの被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げ、質問に入ります。 まず最初に、市長就任半年間の総括についてお伺いをいたします。現下の我が国の社会情勢は、不安定な海外経済やデフレ長期化、深刻化による円高や原油などの燃料価格の高騰、また依然として高水準にある失業率や雇用情勢の悪化など、先行き不透明な状況が続いております。特に、地方行政においては、社会保障費等の増大によって、財政状況が逼迫する中、セーフティーネットの強化や雇用対策といった市民生活の安定に向けた取り組みはもちろん、都市間競争が激しくなっている現在、それぞれの都市がまちの魅力を最大限に生かしながら、独自性のあるまちづくりを進めることが求められております。このような中、昨年11月末、野志市長は、10万を超える松山市民からの期待と声援を受け、第30代松山市長に当選されました。以来、本市の代表として、山積する課題に真摯に向き合い、一歩一歩着実に課題解決に向けて取り組んでこられております。この間、就任後10日余りという異例とも言える短期間での12月議会を初め、さまざまな行事がメジロ押しの年末年始、そして公約を盛り込んだ新年度予算の編成作業など、さまざまな課題に適切に対応されていると思います。そうした中、3月の定例会中に起こった東日本大震災は、これまでの想定をはるかに超える未曾有の大災害となっており、3カ月を経過した現在もなお、被災地では大変な状況が続いております。こうした想定外の事態にも、野志市長は、震災直後から、松山市被災地支援本部を設置し、緊急消防援助隊や給水車を初め多くの職員を派遣するとともに、支援物資や義援金の提供のほか、本市に避難された方々にも、きめ細かなかつ迅速な対応に努められてこられております。そこで、お伺いいたします。市長に就任されおよそ半年がたちましたが、これまでの取り組みや活動を通してどのようなことを感じられたのか、また今後のまちづくりについて就任前と比べて何か思いが変わったことがあるか、半年間を総括するという意味で、ここで改めて御所見をお伺いをしたいと思います。 次に、平成23年度6月補正予算の編成についてお伺いをいたします。震災による景気の後退の影響は、本市においても例外ではありませんが、被災された東日本の皆さんを元気づけていくには、もちろん松山が元気でなくてはなりません。そこで、「全国に誇れる、わがまち松山」をさらに推進していくため、どのような姿勢で平成23年度6月補正予算編成に臨まれたのかをお聞かせください。次に、平成23年度6月補正予算における特徴においてお伺いをいたします。市長就任後、公約に掲げ、1月にスタートしたタウンミーティングも、既に6回を重ねておられます。市民との対話を大事にされる市長の姿勢は、民間で仕事をされていたころと少しも変わらず、今も市民にとって身近な存在として感じられ、市民の皆さんにお約束をした公約の実現に向け、大いなる期待を寄せているところでございます。そこで、今回提案された6月補正予算において、どのような公約関連事業を盛り込まれたのかをお伺いをいたします。次に、「一人でも多くの人を笑顔に」の市政運営に取り組んでこられた野志市長において、近い将来発生が予想される東南海・南海地震に対する被害軽減への取り組みが本市でも必要であると同時に、今回の東日本大震災では、阪神大震災を上回る被害が発生しており、復旧、復興に向けて頑張っている被災地の方々が、一日でも早く笑顔になっていただけるような支援が必要ではないかと思います。そこで、今回提案された6月補正予算において、震災関連の対応をどのようにされたのかをお伺いをいたします。この項の最後に、地域経済活性化への対応等についてであります。四国財務局松山財務事務所が発表した県内の経済状況は、震災までは緩やかに回復をしてきたものの、先行きは震災による供給網の立て直しのおくれや原油、原材料高などのリスクがあるなど、地域経済に対する影響が懸念されております。そこで、今回提案された6月補正予算において、地域経済の活性化に向けてどのような対応をされたのかをお伺いをいたします。 次に、防災対策についてお伺いをいたします。去る2月、まつやま防災マップが全戸配布されたことは御案内のとおりであります。そうしたやさきに、東日本大震災が発生をいたしました。ふだん余り気にしない防災への備えについて、改めて日ごろの心構えの大切さを痛感し、思わず防災マップを手にしました。松山は、穏やかな気候風土と災害の少ない土地柄と言われておりますが、今や災害は忘れぬうちにやってくるといった異常な状況にあり、油断や根拠のない安心を払拭して、自分のことは自分でという自己責任が求められております。このたび発行のまつやま防災マップが、我々市民の安全・安心の手引書として大いに生かされることを願ってやみません。そこで、以下お伺いをいたします。第1点は、東日本大震災を受け、本市の地域防災計画や防災マップの内容の見直しについてどのようなお考えか、お聞かせください。第2点は、高潮、津波対策についてお伺いをいたします。松山地方には、津波による大きな災害が発生する根拠に乏しいとの考えからなのか、津波対策よりもむしろ台風時の高潮対策にシフトされているように思われます。三津浜を中心とした松山港沿岸域は、地盤が低いと考えます。現状の高潮対策事業で本当に大丈夫であるか、懸念されるところでありますが、津波対策に対する今後の対策をどう講じられるのか、考えをお聞かせください。また、津波から避難ルートを一くくりに高台とするのではなく、どこどこの高台と具体的に明示しておくことなどが必要ではないかと、そのように考えますが、避難場所等の再検討についてお聞かせをいただきたいと思います。 次に、土砂災害に対する取り組みについてお伺いをいたします。去る3月11日発生した東日本大震災では、津波による被害がかつてないほど甚大でありましたが、土石流やがけ崩れなどの土砂災害も多数発生いたしております。また、近年、全国的に異常気象による局地的な集中豪雨が頻発しており、これが引き金となって、土砂災害の規模や発生件数も拡大をしております。本市におきましても、過去において、梅雨前線豪雨による土石流などによって、とうとい命が失われており、平成16年には相次ぐ台風によって、県内で土砂災害が多発し、戦後最大規模の被害も発生しております。そこで、急傾斜地崩壊危険箇所を多く抱える本市での土砂災害の防止のための具体的な取り組み状況についてお伺いをいたします。その1つは、ハード対策であります。今後60%の確率で発生が予想される東南海・南海地震などの大規模災害に備える観点から、危険箇所の早急な整備が重要と考えますが、本市の急傾斜地崩壊危険箇所防災対策事業の進捗状況と今後の見通しについてお伺いをいたします。その2つは、ソフト対策についてであります。災害発生時には、まず迅速かつ安全に避難することが重要であり、そのために自分自身が日ごろから災害に対する防災意識への関心と理解が大切と考えます。本市における土砂災害による被害の軽減を図るための取り組みについてお伺いをいたします。 次に、浸水対策事業についてお伺いをいたします。東日本大震災に象徴されるように、我が国は、自然的条件から災害が起きやすい国土となっており、このような巨大地震等の発生に加え、近年、気候変動に伴う集中豪雨の多発傾向など、都市の災害リスクの高まりが一層懸念されているところであります。本市におきましても、大きな被害が発生した都市型水害として記憶に新しいところでは、平成13年6月の梅雨前線豪雨において、総雨量263ミリを記録し、床上浸水116棟、床下浸水515棟の被害が発生いたしております。本市の浸水対策は、この集中豪雨を契機に、被害の大きかった市内の10地区を重点地区と位置づけて、おおむね10年を事業期間として、平成24年度の完成を目指して、雨水排水ポンプ場の建設や雨水幹線の整備に鋭意取り組まれていると聞き及んでおりますが、そこで、質問の第1点は、重点10地区の事業完了予定の平成24年度まで、本年を含め残り2年となった現段階において、各地区の完了のめどについて及びその事業の効果についてどのように認識されているのか、お伺いをいたします。第2点は、重点地区以外の取り組み及び想定以上の降雨時の対策についてであります。昨年7月の豪雨被害からもわかるように、宅地化の進展により、浸水被害が多数発生している状況にありますが、これらの地区においては、どのように取り組まれているのか、お伺いをいたします。また、今回の東日本大震災では、想定を大幅に超える被害となっており、あらゆる防災対策において、今後はこの教訓を踏まえて、想定外を念頭に置いた対策の取り組みがより一層求められると考えます。このような点から、近年多発しているゲリラ豪雨対策など、想定以上の降雨が発生したときの対策についてお伺いをいたします。第3点は、都市下水路の排水機能についてであります。公共下水道整備に先立ち、各地の浸水被害への対応の声が強く、雨水排水整備を早急に行う必要から、本市の都市下水路事業は、昭和40年、堀江地区を皮切りに、現在に至っております。1時間当たり35から40ミリの雨量に対応できる水路として、浸水被害解消に一定の効果が見られますが、近年では、道路の舗装化、田畑の開発等により、遊水池が減少し、都市下水路の負担が増大している状況であります。さらに、下水路の排水機能を悪化させる要因として、ヘドロの堆積による排水路の断面不足なども考えられますが、良好な排水機能を確保するため、日常の維持管理をどのようにしておられるのか、お伺いをいたします。 次に、本年3月末をもって地方卸売市場へと転換いたしました公設水産地方卸売市場についてお伺いをいたします。御承知のとおり、昭和56年9月、全国でも珍しい分離市場として、松山市中央卸売市場水産市場が開設され、以来長年にわたり、松山市民の台所として、また魚介類の効率的で安定した供給と適正な価格形成の確保を目指す、県内最大の流通拠点として、名実ともに中心的役割を担ってきたところであります。しかしながら、近年の水産市場をめぐる情勢は、食文化の欧米化による魚離れを初め、供給圏内の人口の伸び悩みや量販店の大型化による流通形態の変化などにより、市場取扱量はピークのときの約2万5,000トンから平成22年には1万3,000トンまで落ち込み、取扱金額の合計で210億円から106億円にまで激減し、卸売業者や仲卸業者など、市場関係者の経営が非常に厳しいものとなっているとうかがわれます。そのような中、国にあっては、卸売市場における取引規制の緩和及び適正な品質管理の推進、さらには卸売市場法の再編の円滑化等の措置を講ずるため、平成16年6月に、卸売市場を改正し、国策として、一定規模以下の中央卸売市場は、より柔軟な運営が可能である地方卸売市場へ転換するなどの市場再編に取り組むことが求められたのであります。本市においても、多くの関係者による検討協議を進めた結果、本年3月31日をもって、地方卸売市場に転換したものであり、松山市民はもちろんのこと、生産者を初め、卸売業者、仲卸売業者、鮮魚店や飲食店など、関係する多くの皆さんの転換効果に対する期待は大きいものと考えます。そこで、水産市場が中央卸売市場から地方卸売市場へと転換したことにより、市民の立場、また市場関係者から見た場合のそれぞれのメリットなどについてをお聞きしたいと思います。次に、三津の朝市の活性化についてお伺いをいたします。本市における魚市場の歴史は古く、一説によりますと、さかのぼること約540年前の応仁元年の伊予水軍の拠点として、港山に城塞が築かれ、港山城主となった河野通春が、城兵のための米穀、魚、野菜を漁師や農民から買い上げるようになり、この地に集合市場が形成され、それが三津の朝市の発祥とも言われております。昭和21年、魚問屋の合併を機に、当時として一段と人目を引く円型屋根の市場が建設され、魚の買い出しから飲食に多くの市民が集まる活気ある市場が形成されました。かつて三津の朝市は、江戸末期のはやりうたである伊予節においても、道後の湯と並び称せられるなど、幾多の変遷を経ながら、古来より本市の物流の一翼を担いながら、広く市民にも親しまれてまいりました。しかしながら、松山市中央卸売市場水産市場の開設に伴い、三津の朝市が水産市場へ引き継がれたことから、その役割を一時終えましたが、地元住民や昔を懐かしむ市民の熱い要望を受け、平成14年から三津の朝市の名を冠にした水産市場の一般開放が実施され、伝統ある三津の朝市が復活したように思われました。そのようなことから、現在に至っていることは、御案内のとおりであろうと思います。このような中、地域の宝であり、全国に誇れるブランドである三津の朝市に着目し、これらの活性化を公約に掲げ、実現に向かって力強く踏み出そうとしている野志市長の取り組みは、水産市場の三津浜地域の活性化はもとより、本市活性化の起爆剤としても大いに期待されるところであります。地域住民の間で、三津の朝市を核として、商店街を中心に三津のまち再生に向かって、子規が愛したまち三津浜と銘打って将来の姿を描き、まちおこしに熱心に取り組んでおられます。そこで、市長は、三津の朝市の活性化策をどのように考えておられるのか、あわせて三津の朝市の活性化を検討するに当たって、地元住民とどう連携していくのか、お聞きをいたします。また、場外市場の可能性についてでありますが、埠頭用地の利活用について、県との協議を進めてはどうかと思いますが、お考えをお聞かせください。 次に、観光客誘客についてお伺いをいたします。まず、先月、松山市が発表した観光客推定数についてでありますが、平成22年に松山市を訪れた推定観光客数は約588万4,000人で、平成21年に比べて約63万ふえております。このことは、国内の観光地で観光客数が停滞している中において、県内外、さらに外国から多くの人に訪れていただいた結果であり、今後も目標の600万人に向けて期待が寄せられているところであります。その増加要因といたしましては、宿泊を初めとする地元観光関係事業者のもてなしの提供や松山の魅力を熟知した観光産業関連事業者の送客サービスなど、観光に携わる関係者が、積極的かつ接続的に万全の受け入れ態勢で取り組まれてきた努力の成果であろうと、敬意を表するものであります。しかしながら、観光施設別の利用者を見てみますと、坂の上の雲ミュージアムを初め、松山城天守閣、子規記念博物館など、増加している施設が多いものの、いで湯と城と文学のまち松山を代表する道後温泉の入浴客数が111万7,000人で、平成21年に比べて約3万9,000人減少となっております。この道後温泉は、3,000年の歴史を誇る日本最古の温泉と言われ、またミシュランガイドブックで最高評価の3つ星を獲得した観光施設として、国内外で認知度が高まっているにもかかわらず、入浴客数が減少したことは、まことに残念でなりません。そこで、なぜ道後温泉入浴客数が減少したのか、その減少した要因を御説明願いたいのであります。本市観光シンボルである道後温泉は、松山城とともに、松山の観光産業を支えるかけがえのない観光施設です。また、昨年の民間の観光関連調査では、道後温泉が幅広い年齢層から高評価をいただき、もう一度行きたい温泉地として、全国のベスト5にランクインされています。こうした声を大切に受けとめ、魅力ある道後温泉を全国に発信していくことが、観光客増加、さらには道後温泉入浴客数の増加につながると考えます。また、東日本大震災の影響は、あらゆるところに及んでおり、観光関連産業を取り巻く環境もまた厳しい状況に置かれております。さらには、修学旅行など団体旅行は、行き先や旅行の内容に変化が見られ、防災学習や関連施設の見学といった場所に流れる傾向が顕著でもあり、野外学習や体験型の旅行なども注目されているようで、本市においても資源の発掘や広域連携による観光振興などの工夫も見られるものの、さらなる観光客誘致に取り組んでいただきたいと思います。そこで1つ、私見を申しますと、松山には見せる観光、つまりまちに銅像などのモニュメントが他観光地と比べると大変少ないように感じます。鹿児島市では、明治の群像を中心とした、銅像が各所で目に飛び込みます。境港市では、水木しげるロードが誕生し、妖怪のキャラクターモニュメントが大変人気を博しております。松山市も松山のまち並みモニュメント設置についてはどのように考えておられるのか、御所見をお伺いをしたいと思います。今後ともに地域間競争の激化などが予測されることから、本市においても引き続き魅力ある観光地づくりを進める必要があり、道後温泉入浴客数の増加を図るために、さらなる観光客誘客に向けた効果的な対策を講じることが重要と考えます。そこで、瀬戸内海隣県都市との広域観光連携による誘客の拡大を図ってはと思いますが、お考えをお聞かせください。 次に、教育行政について数点お伺いいたします。教育は人づくり、国づくりの礎であると言われます。まさに正しい教育を学ぶことによってこそ、心身ともに健全な人間形成がなされ、いかなる苦難をも乗り越える知恵と力が育成されます。東日本大震災は、未曾有の被害をもたらしました。この大震災は大きな悲しみでありますが、日本人の忘れかけた思いやり、助け合う連帯感など、美しい心を呼び起こし、日本人の底力を改めて知る機会となりました。しかし、一方、悲しみのさなか、日々の凶悪な事件も後を絶たないのが事実であります。こうした犯罪が生じるのは、道義の退廃による個々の質の低下が極めて深刻であるということも否めません。このことから、戦後レジームの脱却は急務であり、学校教育における道徳心の養成、家庭における親のしつけなど、まず欠くことができないと考えます。昭和52年、学校指導要領が改訂され、週1回道徳教育の時間が設けられました。以降どのような心の教育、精神教育が醸成されたのか、改めて検証しなければならないと思います。先人に感謝し、道徳心を培い、秩序を守り、伝統、文化をとうとぶ、正しい日本の歴史を学ぶことこそ、我が国に、ふるさとに誇りと愛する心を持てる人が育つものと確信しております。そのことを願いながら、以下お伺いをいたします。まず、中学校武道必修化についてお伺いいたします。いよいよ24年度から中学校では新学習指導要領が完全実施され、その中で、保健体育科では、相撲、柔道、剣道などを重点とした武道とダンスが必修科目となると伺います。保健体育科の目標は、心・技・体としてとらえ、生涯にわたって運動に親しむ資質や能力を育て、健康保持、増進のため、実践力の育成と体力の向上を図り、明るく豊かな生活を営む態度を育てることとあります。武道は、我が国固有の文化であり、多くのスポーツが試合で勝利することが目的となっている中、礼に始まり礼に終わる、いわゆる相手を尊重する一連の武道の精神や心・技・体の基本動作やわざを身につけることは、非常に大事なことであると考えております。私も松山相撲連盟の一員として、小学校への土俵の設置に汗をかき、微力を尽くさせていただいたあのころが懐かしく、感慨深く思い出されます。武道必修の目的を十分果たすための実施に当たって、どういった指導方法が考えられるのか、指導者の能力、資質などが問われます。生半可な指導では、逆効果となり、生徒の精神向上が図られるのかどうだろうか、心配であります。そこで、お伺いする1つは、学校体育において、道徳をどうとらえて指導しているのかであります。健全な身体に健全な心が宿ると申しますが、学習指導要領にあらわされる体育教育での道徳心の高揚を図る上で、どのように道徳をとらえ指導しているか、お伺いをいたします。その2つは、武道必修化を控えたこれまでの活動状況、特に相撲場についてどう対応するのか、これからのスケジュールなど、本市の武道必修化に向けての取り組み状況についてお聞かせください。第2点として、本市の児童生徒の体力、運動能力の低下についてお伺いをいたします。将来を担う子どもたちが、生涯にわたり運動、スポーツに親しむことは、元気で明るい生活を営み、活力ある社会を築く上で極めて重要な施策であります。しかし、その子どもたちの体力、体格が低下しているとの報告にいささか危惧の念を抱きます。児童生徒の体力は、年々低下しており、その一つの要因として、週休2日制が導入され、体育授業は年間105時間から90時間に減少し、毎日の運動量が低下したことが上げられます。また、保護者を初めとする国民の意識の中で、外の遊びやスポーツの重要性を学力の状況と比べて軽視する傾向が進んでいることや、また生活の利便性や生活様式の変化によって、日常生活における体を動かす機会の減少を招いたことなどが考えられます。文部科学省が1964年より実施している体力・運動能力調査によりますと、小・中学生の体力・運動能力は、昭和60年ごろをピークに現在まで低下傾向が続いており、種目によってできる子とできない子の二極化が進んでいると指摘されております。現在の子どもの結果をその親の世代である30代前と比較をしますと、ほとんどのテスト項目で、子どもの世代が親の世代を下回っております。一方で、身長、体重など、子どもの体格について比較してみますと、逆に親の世代を上回るといった結果となっており、このように体格が向上しているにもかかわらず、体力・運動能力が低下していることは、身体能力の低下が深刻な状況になっていると言わざるを得ません。また、最近の子どもたちは、靴のひもも結べない、スキップができないなど、自分の体を操作する能力の低下も指摘されております。子どもの能力の低下は、将来的に国民全体の体力低下につながります。生活習慣病の増加やストレスに対する抵抗力の低下などを起こすことが懸念され、社会全体の活力が失われるという事態に発展をしかねません。このことからも、今日の社会においては、野外で遊んだり、スポーツに親しむ機会を意識して確保していく必要があり、家庭、地域はもちろんのこと、学校教育の場で、児童生徒の体力・運動能力を把握した上で対策を講じていく必要があると考えております。そこで、本市の児童生徒の体力・運動能力について、何点かお伺いをいたします。平成22年度に実施された全国体力・運動能力、運動習慣等調査では、本市においては、小学校では13校、中学校から6校が抽出され、調査が実施されたようですが、本市の児童生徒の体格や運動能力は、全国、また県内の状況と比較してどのような状況になっているのかをお聞かせください。また、体力低下防止策として、今日までどのような対策が講じられたか、新学習指導要領による体育時間がどう割り当てられ、どのように期待できるか、体力・運動能力向上に向けての本市独自の取り組みについて教えていただきたいと思います。第3点として、運動場の芝生化と児童生徒の運動能力向上の効果についてお伺いします。地球温暖化防止対策の一つとして、緑のネットワークなど一段と進んでおりますが、本市の緑被率は、都市計画区域で、合併前の69.2%、市街地で31.2%と伺っております。今や市民の緑に対する意識も高く、庭先には緑のカーテンも見受けられ、壁面緑化、屋上緑化なども進んでいるようであります。もちろん学校校庭などの緑化も考えて取り組んでいられると存じます。そこで、市長の公約で上げておられる学校の運動場芝生化と運動能力向上への効果についてお聞かせください。その2つは、運動場芝生管理についてであります。水不足が深刻である松山市にとって、応分の水使用を伴う芝生化は、水の確保が前提と考えますが、どのような手段が考えられるのか、運動場芝生管理についてお伺いをいたします。第4点として、小・中学校耐震化についてお伺いをいたします。学校施設は、自然災害の避難所の拠点であり、近い将来起こり得る災害に備えた対策がとられております。本年国の第1次補正予算決定に伴い、耐震化予算1,013億円を受け、耐震化率を昨年4月の73.3%から約86%になることが予測されますが、本市では平成19年度に策定された第1次校舎緊急耐震化事業に引き続き第2次校舎耐震化事業として平成23年度から33年度までの11年間に計画的に校舎の耐震改修を行うとしております。そこで、お伺いします。国の補正を受け、耐震化率13%の上昇と予測されているが、本市の進捗についてはどれぐらいの耐震化向上が見込まれるのか、また耐震化向上が進む中で、天井や照明器具などの落下事故が多発しております。校舎耐震化に伴い安全対策を図る必要があると考えますが、どのような対応を考えておられるのか、お聞かせください。次に、本市防災教育についてお伺いをいたします。先般発生いたしました東日本大震災での子どもたちの機転をきかせた行動によって、被害を免れたと報じられている記事が強く印象に残っております。それは、岩手県釜石市の釜石中学生の連携した避難対応によって、小・中学生、地域住民等生徒268名を含む2,921名全員が、大津波の押し寄せる中、一人の被害者も出さなかったということでございまして、日ごろからの防災意識の徹底した防災教育の効果のあらわれであると言えると思います。釜石小学校では、日ごろより合同避難訓練を行い、3つの教えをもとに訓練が行われております。1つ、高いところよりも高台へ逃げる、自分の身は自分で守れ、2つ、想定を信じるな、3つ、互いに声をかけ合い、状況によりベストを尽くせという徹底した教育が、このたびの信じられぬような奇跡をもたらしたものと考えます。そこで、本市では、年間を通して、どのようなときにどれくらいの時間、防災教育に当てておられるのか、本市防災教育についてお聞かせください。 次に、国民健康保険について質問をいたします。国民健康保険制度は、相互扶助の精神にのっとり、市町村住民を対象として、病気やけが、出産時など、保険給付を行う非常に重要な社会保険制度であると認識しており、国保に加入している方々の年齢構成が高いことや所得水準が低いなどの構造的な課題があります。このような課題について、国では、国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議の場を設けて、議論をされており、社会保障改革に関する集中検討会議の中では、社会保障と税の一体改革に向けて、現在も具体的な検討がなされておりますが、私は高齢化の急速な進行に加え、医療技術の目覚ましい進歩などで増加し続ける医療費に対して、国民皆保険制度を維持していくためには、抜本的な医療制度改革は必須の条件であると認識しております。そこで、質問の第1点は、国民健康保険料の改定についてであります。本年4月に開催された松山国民健康保険運営協議会において、国民健康保険事業の健全化について協議がなされ、平成23年度の国民健康保険料については、増額改定が必要であるとの意見で一致し、4月20日に市長に対して国民健康保険事業の健全化に係る意見及び要望等として答申が行われたと聞き及んでおります。今回の改定は、長引く景気低迷や雇用情勢の悪化、そして医療費の現状や今後の維持といった厳しい現実を直視し、制度維持のためには保険料の増額改定はやむを得ないとの結論になったと理解をしております。そこで、先般6月3日に告示された平成23年度の保険料率について、具体的な内容や数値をお聞かせください。次に、第2点として、平成23年度保険料改定後の収支状況の見通し及び今後の国保財政の健全化についてであります。国民健康保険制度は、その性質上、景気の悪化の影響が大きく、高齢者の方々の加入割合も多いことから、保険給付費が増大する傾向にあり、厳しい財政状況が続くものと推察しております。こうした中、今後の保険給付費などの動向を踏まえて、平成23年度の収支見通しはどうか、また今後の国保財政の健全化に向けた取り組み、保険給付費の抑制策について、それぞれどのような策を講じられるのか、お伺いをいたします。 最後に、松山市発注工事に関する裏金疑惑問題についてお伺いをいたします。この問題は、今年の3月4日付の新聞に、「松山市工事で裏金か」という見出しで大きく報じられた後、これまで何度も新聞やテレビ等で報道されてきたところであります。その内容とは、松山市が発注した複数の工事で、工事代金に上乗せする方法により、数千万円の裏金をつくり出し、そこに元市職員が関与しているというものでありました。こうした状況の中、これら一連の報道によって市民の関心も高まっており、理事者はもちろんのこと、議会においても市民からの信頼を損なうことのないよう、この問題に対して全力で取り組まなければならないと考えております。そこで、次の4点についてお伺いをいたします。まず1点目ですが、この問題が報じられてから現在まで3カ月の間、市としてさまざまな調査に取り組んでこられたと思います。そこで、今回の調査に際して、市としてどのような調査方針で臨まれたのか、この問題に対する基本的なお考えをお聞かせください。また、現時点での調査の進捗状況についてもあわせてお聞かせ願います。続いて、2点目ですが、工事費への不正な上乗せの事実はなく、すべての工事が適正に事業執行されていたとする松山市の調査報告に対して、新聞報道等では、孫請会社等当事者への調査が行われていないことについて疑問を呈する内容が見受けられております。私自身もテレビのニュース番組で、疑惑解明に協力するため、いつでも話をするという内容を話されておることを記憶しております。市は、この方から聞き取りを行っていないと伺っておりますが、こうした点が新聞報道などにより批判を受ける理由と思われますが、協力を申し出ている関係者に対して、聞き取り調査を行わないのは何ゆえでしょうか。市の聞き取り調査に対する考え方をお聞かせください。次に、第3点目ですが、専門委員についてお尋ねいたします。今回の市の調査においては、職員による内部調査結果についてさらに外部の専門家に検証していただくため、4名の専門委員を委嘱しておりますが、地方自治法上、その位置づけが審議会等とはやや異なると伺っております。そこで、専門委員とはどのような制度なのか、お尋ねをいたします。また、専門委員として法律の専門家である弁護士、会計の専門家である公認会計士、そして学識経験者として法学部教授及び工学部教授を選任されましたが、その選任はどのようにされたのか、またそれぞれの委員の役割はどのようなものなのか、お伺いをしたいと思います。最後に、これまで報道機関により、市職員の倫理上不適切な行為に関する内容や市幹部のかかわりを聞いたという発信があったという内容が報じられるなど、さまざまな情報が入りまじっております。市民の方々には、問題が非常にわかりにくくなっているのではないかと危惧いたしておりますが、こうした状況も踏まえて、今回の問題について、市民に対する説明責任についてどのような考えを持っておられるのか、お答えをいただきたい、このように思います。 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。よろしく御答弁のほどお願いいたします。 ○田坂信一議長 これより、答弁を求めます。野志市長。 〔野志克仁市長登壇〕 ◎野志克仁市長 中西議員に、私から半年間の総括及び6月補正予算編成について並びに水産市場の転換についてのうち、三津の朝市の活性化について、教育行政のうち、運動場の芝生化について、松山市発注工事に関する問題のうち、調査方針と基本的な考え方及び調査の進捗状況並びに調査に対する考え方及び説明責任についてお答えいたします。 初めに、今回の東日本大震災によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に対しまして、心からお見舞いを申し上げます。 昨年11月、多くの市民の皆様からの御支援、御支持をいただき、松山市民のために働く機会を賜りました。私はその責任の重さをしっかりと受けとめ、市民の皆様の声にこたえたい、その目線で市政運営に当たりたいとの思いから、この半年間、皆様方の御協力をいただきながら、何事にも全力で、かつ前向きに取り組んでまいりました。そのことに対し、大きな評価をいただきましたことに、まずお礼を申し上げます。今時代はまさに大きな転換期を迎えており、かつてのような高い経済成長に基づく税収の伸びが期待できない状況の中、政治や経済に対する先行き不透明感から来る雇用情勢の悪化、少子高齢化の進行に伴う社会保障費の増加など、地方自治体を取り巻く社会経済環境は、これまで以上に厳しい局面が憂慮されています。加えて、さきの東日本大震災の影響は、まだまだはかり知れないものがあり、今後これまで以上に英知を結集し、柔軟でかつ機動力を生かしたまちづくりが求められると考えております。私も先般、宮城県南三陸町の佐藤町長さん訪問し、今議会に提案しております支援車両の提供や市民の皆さんからの応援メッセージをお届けするとともに、現地で支援活動を行っている本市の職員を激励してまいりました。また、実際に現地を見せていただきましたが、震災から既に3カ月が経過しているにもかかわらず、町内の至るところには瓦れきが散乱し、生々しい災害のつめ跡が見られますし、何よりも多くの被災者の皆さんが、依然として厳しい避難生活を余儀なくされている状況を目の当たりにし、改めて全国的かつ長期間にわたる支援が不可欠であることを実感するとともに、行政として、そこに住む人々の生命と財産を守ることの大切さを再認識したところです。 お尋ねの半年間の総括についてでありますが、まちづくりは何といっても市民の皆さんが主役です。そこで、市長就任後、いち早くタウンミーティングの開催に着手し、1月の五明地区を皮切りに、北条、中島、堀江、桑原、雄郡と、既に6つの地区において、地域の魅力やさまざまな課題など関し、市民の皆さんから直接生の声を聞くことができました。今後とも引き続きこのタウンミーティングを通して、市民の皆さんとしっかりと向き合い、それぞれの地域に即した対応策や地域と行政との役割分担などについて一緒に考え、話し合ってまいりたいと考えております。また、就任以来、東京や大阪といった大都市圏での旅行商品説明会を初め、横須賀市、札幌市、さらに台湾の台北市松山区を訪問し、精力的に農林水産物ブランドや観光交流事業のトップセールスを行い、いずれも成果を上げたほか、市民生活においては、ワクチンによる予防が有効とされる子宮頸がんなどのワクチン接種を、県内の市の中でいち早く実施いたしました。加えて、妊婦の口腔疾患やそれに伴う低体重児の出生予防を図るための個別妊婦歯科健康診査についても全額助成を開始したところです。さらには、次代を担う子どもたちのコミュニケーション能力の向上を図るため、小中学生スクールミーティングも新たにスタートし、これまで順調に進捗しております。ことしの秋には、城山公園において、地産知招の新たな取り組みとして、松山産の農林水産物や商工業製品など、さまざまな産品を市内外にPRする産業まつりを実施するべく、現在準備を進めているところであり、こうした公約に掲げた事業を1つずつ着実に実行することにより、一人でも多くの人に笑顔になっていただきたいと考えております。私は、昨年まで一市民として、また民間企業の人間として、市政を外から見てまいりましたが、スピード感のある、そして何よりも市民サービスを大切にした行政運営に大いに共感いたしておりました。また、自治体の長には、組織を率先する強いリーダーシップやコスト感覚が常に求められますし、都市の将来を見据えた先見性や行動力が不可欠です。そうしたことから、私は、愛する松山のために、身を粉にする覚悟で、これまで市政運営に臨んでまいりましたし、今後とも市民の皆様の声を大切に、市民主役のまちづくりを追い求めてまいりたいと思っております。最後に、この半年間のさまざまな活動を通して、改めて市長の職は、市民生活のみならず、産業経済、教育、福祉、環境、都市整備など、あらゆる分野にわたっており、適切で幅広い判断が求められるものだと実感をいたしました。それだけに、大いにやりがいを感じる仕事であり、これまで以上にこの大好きな松山を全国に誇れる魅力と活力のあふれるまちにしたい、また一人でも多くの人に笑顔になっていただきたいと意を強くしたところでございます。 次に、平成23年度6月補正予算編成についてお答えをいたします。未曾有の大災害をもたらした東日本大震災は、人と人が助け合い、協力することの大切さを私たち大人だけでなく、子どもたちの心にも教えてくれたのではないかと思っております。それは、私が市長就任後、公約事業としてスタートした小中学生スクールミーティングにおいて、児童みずからが、被災地のため、自分たちにできることをテーマとして選び、今は瓦れきの山かもしれないが、花が咲けば元気が出るので、花の種を送ろうとか、自分たちの表情がわかるビデオレターでメッセージを送りたいといった自分の考えをしっかりと発言し、実現化していこうという姿から感じ取ることができたからです。そこで、今回の補正予算においては、まず震災により落ち込んだ日本経済を立て直し、被災地を元気づけていくためには、地方経済の活性化が不可欠であるとの認識のもと、本市ができる持続可能な経済活動を活発にするとともに、被災地支援策に取り組むことにより、被災された東日本の皆さんへ松山から元気と笑顔を届けられることを願いつつ編成することにいたしました。また、私が市民の皆様にお約束した「一人でも多くの人を笑顔に 全国に誇れる、わがまち松山」の実現に向けて、当初予算に引き続き、公約に基づく政策的予算を積極的に計上することに加え、震災の影響が懸念される地域経済の活性化には、絶え間ない経済対策が必要であることから、事業の前倒しによる追加経済対策にも配慮したところでございます。 次に、公約関連事業についてでありますが、まず本市では、南海地震などに備えるため、厳しい財政状況の中、第1次小・中学校校舎耐震化事業に取り組んでいるところでございます。しかし、国の内外で大きな地震が起こるたび、残りの校舎の耐震工事に少しでも早く着手し、市民の安全・安心を確保していきたいとの思いから、第2次校舎耐震化事業の当初計画を6年前倒して着手することにいたしました。また、都市全体の価値や魅力の向上を図り、都市そのものに対する信頼や好感を市内外から獲得し、選ばれる都市として発展していくため、その指針となる都市ブランド戦略ビジョンの策定に着手するとともに、本市の多彩な魅力や価値を、情報発信力の高い首都圏などから効果的に全国へ発信するシティーセールスに取り組むことにいたしました。さらに、風早レトロタウン構想については、北条地区で開催したタウンミーティングにおける御意見や御要望を踏まえ、鹿島の再生、活性化に弾みをつけるための諸施策に取り組むことにいたしました。次に、震災関連の対応についてでありますが、まず、今回の地震発生に伴い、被災地支援としていち早く非常用食糧や飲料水、毛布などの物資を提供したことから、今後の備えとして、その補てんを行うことにいたしました。また、同じ松山という名がつく空港を持つ御縁から観光交流を進めてきたことがきっかけとなり、台北市松山区にあるボランティア団体の松山慈祐宮などから、被災地支援のために本市に託されました義援金を有効に活用し、被災地で必要とされている給食運搬車や給水車などの車両を宮城県南三陸町に対して贈呈することにいたしております。さらに、昭和56年5月31日以前に着工された木造住宅について、耐震診断を実施した上で行う耐震改修工事については、新たに改修経費の一部を支援するなど、でき得る限りの震災対策を講じることにいたしました。最後に、地域経済活性化への対応についてでございますが、本市はこれまでも機会あるごとに市単独の経済対策を実施してきたところであり、疲弊した地域経済の底上げをするため、年度後半において実施を予定していた市単独事業について、可能な限り前倒しして実施することにいたしました。また、震災後の全国的な旅行自粛の影響により、観光客の落ち込みが顕著であったことから、これまで取り組んできた修学旅行の誘致に加え、新たに松山を研修先としてPRしていくため、松山はいくを組み込んだ企業研修旅行の誘致に向けた支援を行うなど、観光産業の振興につなげていくことにいたしました。今後におきましても、一人でも多くの市民の笑顔を求め、公約の実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、水産市場の地方卸売市場への転換についてのうち、三津の朝市の活性化についてお答えをいたします。まず、活性化策をどのように考えているのか及び地元住民などとどのように連携していくのかについては関連がございますので、一括してお答えいたします。三津浜地区は、坂の上の雲サブセンターゾーンに位置づけられており、三津の朝市や古いまち並み、三津の渡しなど、多くの宝が残されております。近年では、まちおこしを目的に、シーフードバーベキューや古いまち並みとグルメ散策など、多彩な地域イベントが開催されるなど、地域全体でまちづくりの機運も高まっております。また、4月には、本市が進めるまち歩き商品の松山はいくの新しいコースが三津浜に誕生し、そのモニターとして私も参加いたしましたが、「子規が愛した街・三津浜を目指して」をテーマにした地元の皆様のまちづくりにかける熱意を直接肌で感じたところでございます。そこで、このサブセンターゾーンを活性化していくためには、三津の朝市を市民や観光客が集い、にぎわう拠点とすることが大切であり、その核として、人、物、情報の多様な交流機会が創出できる場づくりを進めるとともに、地域内にある旧家や句碑などの観光資源を回遊する動線づくりを行うことが、三津浜地域はもとより、市全体の観光や地域経済の活性化につながると考えております。今後、三津浜地区の活性化を検討するに当たっては、三津の朝市活性化検討委員会を設置することにしておりますが、地元の熱意を十分反映させるためにも、三津浜地区まちづくり協議会や水産市場運営協議会のメンバーに参画をいただき、地元関係者との緊密な連携を図りながら、より市民に親しまれ、喜んでいただける三津の朝市を目指してまいりたいと考えております。次に、埠頭用地の利活用についてでございますが、水産市場は、県の港湾用地内に位置し、その周辺も県の埠頭用地に指定されておりますので、その利活用については、今後設置予定の三津の朝市活性化検討委員会などの意見を踏まえ、県とも十分な協議を重ねてまいりたいと考えております。 次に、教育行政についてのうち、運動場の芝生化についてお答えをいたします。学校の運動場の芝生化につきましては、私の7つの公約のうち、「誇れる子育てで笑顔に」の中で、PTAや地域全体で取り組んでいただけたらという願いのもと掲げさせていただいております。私は、先日、坂本幼稚園の芝生の植えつけに、園児や地域の皆さんとともに参加させていただき、地域の方々の熱意に触れ、大変うれしく思いました。そこで、まず運動場の芝生化と児童の体力との関連についてでありますが、芝生化促進に取り組んでいる鳥取県では、芝生化前、ストレスが多かった子どもたちのストレスが減り、大人数で遊ぶ子どもがふえた、不登校が減ったなどの報告もなされており、コミュニケーション能力の向上につながっているものと考えられます。このほかほこり対策、熱中症対策への効果なども報告されております。さらに、平成21年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査では、小学校でのグラウンドの材質と体力合計点との関連について調査がなされておりまして、天然芝のグラウンドは、全体の3.9%と少数ではありましたが、天然芝の学校は、土のグラウンドの学校に比べ、体力合計点が高まる傾向が見られており、運動場の芝生化は、子どもたちの体力向上にもさまざまな面から効果があるものと考えております。次に、運動場の芝生管理と水の確保についてでありますが、学校、保護者、地域の方々が、みんなで芝生を育てる意識を持って協力体制をつくっていただける地域の学校などに整備することを前提としていることから、地域が一体となって、芝刈りなどの管理をしていただくこととしており、そのための機材、肥料などは支給することにしております。また、かん水が必要なことから、芝生化を行う学校や幼稚園には、雨水利用の施設や地下水の利用施設を整備し、節水に心がけた管理を行うことにしており、今後につきましては、みんなで芝生を育てるとの共通の意識を持ち、今般実施した坂本幼稚園での芝生化を参考にしながら、芝生の管理に取り組みたいと考えております。 次に、松山市発注工事に関する問題のうち、市はどのような調査方針で臨まれたのか、またこのことに対する基本的な考え方、現時点での調査の進捗状況、関係者への市の聞き取り調査に対する考え方及び市民に対する説明責任についてお答えいたします。まず、市の調査方針と基本的な考え方についてでありますが、今回の問題は、本市の発注工事において、工事代金に上乗せする方法により、裏金を捻出していたという新聞報道が発端でありました。そこで、今回の調査では、公金が適正に支出されていたのかどうか、つまり適正に工事が施工され、その対価として適正な金額が支払われていたのかどうかを検証することを目的に、不正に対しては厳しい姿勢で臨むという原則のもと、迅速かつ徹底した調査を行うことを基本方針としてまいりました。 次に、調査の進捗状況でありますが、報道直後、速やかに本市の保有する工事関係書類の保存状況を確認した上で、下水道部長を委員長とする調査委員会などを設置し、市内部に対する調査と元請業者などへの調査を並行して進めてまいりました。調査に際しては、膨大な工事関係書類の確認と検証、また多数の関係者に対する聞き取りといった作業を、職員が懸命に取り組んでまいりました。その結果、調査委員会などでは、市が発注した工事費への不正な上乗せなどの事実はなく、適正に事業執行されていたとの結論に至り、去る5月11日に、私に対して調査報告書が提出され、同日議会の松山市発注工事解明調査特別委員会へも御報告させていただいたところでございます。さらに、この調査報告につきましては、第三者からの評価を受ける必要があると考え、現在、弁護士、公認会計士並びに学識経験者として、自治法、行政法専門の大学教授及び工学専門の大学教授の計4名の専門委員が検証作業を進めている状況であります。 次に、関係者への市の聞き取り調査に対する考え方についてでありますが、本市といたしましては、下請業者や孫請業者の契約は、民間業者同士の商取引であるため、聞き取りなどを市が直接行うことは適切でないとの判断から、こうした関係者への聞き取り調査については、市と直接契約関係にあった元請業者を通じて行うなど、可能な限りの手段を講じておりますが、最終的には、専門委員の御意見を参考にしながら、適切に対応してまいりたいと存じております。 そこで、御質問にある関係者の方に対しましては、報道などにより、犯罪の可能性があるとの指摘を受けている問題でありますので、人権上の問題に配慮しながら、慎重に対応せざるを得ないと考えており、調査協力への明確な意思を確認させていただくために、これまで定例記者会見などの場を通じて、御来庁いただければお話を聞かせていただきますと再三お伝えしているところでございます。 最後に、市民に対する説明責任についてでありますが、今回の問題につきましては、市として説明責任を果たすために、これまでさまざまな調査を行い、現在、専門委員により調査報告書の検証が行われていることから、その結果を整理した上で説明すべきであると考えております。なお、職員倫理の点につきましては、人物が特定できた場合には、可能な範囲で事情聴取することなどにより、事実確認を行った上で、別途適切な対応をするよう、既に指示いたしております。また、市幹部のかかわりを聞いた旨の発言があったとの点につきましては、一方的な言い分のみで直ちに判断するのではなく、調査の検証結果などを踏まえ、総合的に判断し、適切に対応してまいります。 そのほかの質問につきましては、関係理事者のほうからお答えさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。 ○田坂信一議長 村上保健福祉部長。 〔村上 正保健福祉部長登壇〕 ◎村上正保健福祉部長 中西議員に、国民健康保険についてお答えいたします。 まず、国民健康保険料の改定についてでありますが、平成22年度の最終決算見込みにおいて、歳出のおよそ7割を占める保険給付費が、前年度に比べ約12億5,000万円、率にして3.7%増加したことや、国保加入者からの保険料収入が、前年度に比べ約1億4,000万円、率にして1.4%の減少となったことで、会計全体として赤字となり、去る6月3日に23年度保険料率の増改定を告示したところでございます。そこで、このたびの主な改定内容についてでありますが、1人当たりの年間平均保険料は、当初賦課時点で8万6,150円となり、前年度に比べ6,379円の増で、改定率は7.99%となっております。また、保険料の上限を定めております賦課限度額につきましても、国と同様の基準となるよう、医療分と高齢者支援分を1万円、介護分は2万円を引き上げており、限度額引き上げの適用世帯は、現在の所得状況等から勘案しますと、2,749世帯で、約6,000万円の増収を見込んでいるところでございます。 次に、今後の収支見通し及び国保財政の健全化についてのうち、保険給付費等の動向を踏まえた収支見通しについてでありますが、保険給付費は、22年度の診療報酬の引き上げによる影響や加入者の年齢構成が高い国保の構造的な課題と相まって、今後も増加傾向と予測しております。そこで、23年度におきましては、過去3年間の伸び率を参考に、今年度の必要額を3.0%増の額にして、約10億円の増額を見込んで算定しておりますが、季節性インフルエンザの影響など、さまざまな要因によって大きく変動することも予想されますことから、今後におきましても、その動向を迅速に見きわめ、適切な会計運営につなげてまいりたいと考えております。次に、国保財政の健全化に向けた取り組み及び保険給付費の抑制策についてでありますが、財源確保のための保険料の徴収に関しましては、国保加入者の公平性を確保するため、より一層の収納体制の強化が必要でありますことから、職員や徴収嘱託員による納付指導を強化し、特別な事情もなく長期にわたって保険料が未納となっている方には、資格証明書の発行や財産調査による滞納処分を行うなど、国保運営の健全化に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。また、保険給付費の抑制策につきましては、これまで実施しております医療費適正化のための診療報酬明細書の点検を初め、重複受診者への訪問指導や疾病予防のための各種保健事業に加え、今年度から保険料納入通知書の発送にあわせ、医療費削減に一定の効果があるジェネリック医薬品の希望カードや啓発のためのパンフレットを送付し、医療費の抑制に努めており、今後におきましても、中・長期的な削減効果のある各種施策の展開について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 福本都市整備部長。 〔福本正行都市整備部長登壇〕 ◎福本正行都市整備部長 中西議員に、防災対策についての2点目の高潮及び津波対策についてのうち、現状の高潮対策で大丈夫か、また津波に対する対策についてお答えいたします。 松山港沿岸域は、まつやま防災マップにおいて、高潮、津波浸水警戒区域に指定されており、現状の護岸では、高潮、津波による被害が生じるおそれのある区域と認識しております。そこで、松山市地域防災計画では、管理者が海岸保全施設の整備促進に努めることとなっており、管理者である県においては、南海地震を想定した津波の高さよりも、台風時における高潮のほうが高く、高潮対策を講ずれば津波対策にもなることから、高潮対策事業を実施しているところであります。特に、過去に高潮被害を受けた梅津寺、高浜地区においては、国の補助を受け、護岸や離岸堤を建設するなど、海岸高潮対策事業を行っております。本市といたしましても、今回の東日本大震災を受け、今後発生することが想定される南海地震などに備え、災害防止対策を実施することが急務であると認識しておりますことから、愛媛県市長会や四国港湾協議会など、さまざまな機会をとらえ、管理者である県や国に対し、高潮、津波対策の促進について引き続き強く要望してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 越智下水道部長。 〔越智 誠下水道部長登壇〕 ◎越智誠下水道部長 中西議員に、土砂災害、浸水対策事業並びに松山市発注工事に関する疑惑のうち、専門委員に関することについてお答えをいたします。 まず、土砂災害のうち、防災対策事業の進捗状況についてでありますが、県の補助を受け本市が実施するがけ崩れ防災対策事業が541カ所、国の補助を受け県が実施する急傾斜地崩壊対策事業が53カ所あり、合計594カ所のうち、整備済みは359カ所で、整備率は60.4%でございます。また、今後の見通しについてでありますが、この事業は、両事業とも、地元からの申請に基づき実施するものであり、近年の整備状況としましては、がけ崩れ防災対策事業が、県費補助の減少に伴い、年間三、四カ所の整備に、また急傾斜地崩壊対策事業においても、年間一、二カ所の整備にとどまっていることから、事業の完了には長期間を要する状況となっております。こうしたことから、県内20市町で構成されている愛媛県砂防協会より、県に対し、事業予算のより一層の増額要望を行うとともに、今回の東日本大震災を受け、県が実施する急傾斜地崩壊対策事業とあわせ早期整備が図られるよう、今まで以上に強く要望していくこととしております。次に、土砂災害による被害の軽減を図ることについてでありますが、これまで実施してきましたポスターやパンフレットによる住民や災害時要援護者関連施設等への防災意識の啓発活動はもとより、定期的なパトロールによる危険箇所の点検強化及び地元や関係機関等との情報交換を密に行うなどの取り組みをさらに充実させ、住民の生命、財産の安全確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、浸水対策重点10地区の事業完了目途についてですが、本市の浸水対策は、時間雨量40.5ミリを基準として整備を進めているところであり、これまでに大可賀地区とロープウエー街の2地区について整備が完了しておりますほか、天山、朝生田、西石井、高岡、和気、新浜の6地区については、当初の計画どおり、平成24年度に完成できる予定であります。なお、和泉地区と中須賀、古三津地区におきましては、ポンプ放流に伴う河川管理者との協議や用地の取得に伴う支障物件の移転などに時間を要しましたことから、全体完成に二、三年程度のおくれが生じる見込みですが、目標の平成24年度までには、先行整備したバイパス幹線を雨水貯留管として供用開始し、事業効果の早期実現を図ることとしています。また、事業の効果についてですが、本市に大きな被害をもたらした平成13年6月梅雨前線豪雨の時間最大雨量に匹敵する46.5ミリを記録した昨年7月の豪雨において、重点10地区の被害棟数が、床上浸水ゼロ、床下浸水26棟となっており、単純比較はできないものの、平成13年の被害棟数である床上浸水71棟、床下浸水259棟に比べると、一定の効果があらわれているものと思われ、今後重点10地区すべての整備が完了いたしますと、浸水被害に対する安全度がより一層高まるものと認識いたしております。 次に、重点地区以外の取り組みについてですが、これまで被害の大きかった和泉北や空港通りなどの雨水管渠の整備を初め、松山北部や北条地区において、雨水計画の見直しを図り、排水施設の改築、更新を行うなど、浸水被害のさらなる解消、軽減に向けた取り組みについても実施することといたしております。また、想定以上の降雨が発生したときの対策についてですが、近年多発している局所的な集中豪雨、いわゆるゲリラ豪雨対策については、これまでのハード整備に加え、ソフト面での対策が有効であると考えられます。このため今年度より優先度の高い地区から順次浸水想定区域や避難情報等を記載した内水ハザードマップの作成に取り組み、予想される浸水状況を知っていただくことで、被害を最小限にとどめるとともに、防災意識の向上にも活用してまいりたいと考えております。 次に、都市下水路の維持管理についてですが、水路にヘドロが堆積しますと、流水が阻害され、雨水の排除に支障を来すため、日ごろから巡回点検を行い、ヘドロが堆積している場合には、順次しゅんせつを行っているところであります。今後におきましても、排水路の良好な維持管理に努め、災害に強いまちづくりを目指すとともに、市民生活の安全・安心の確保に取り組んでまいりたいと考えております。 最後に、松山市発注工事に関する疑惑のうち、専門委員制度についてでありますが、この制度は、複雑、多様化する行政課題に対応するために、外部の専門家の知識を活用するための制度であり、各委員が個別に答申を出していただく点が、合議制の機関である委員会や審議会の制度と異なる部分であります。今回、この制度を採用した理由といたしましては、検証していただく調査委員会等の報告書の内容について、専門的な分野が多岐にわたり、その内容も複雑であることから、各委員が専門とする分野について、それぞれ意見を述べていただくことが適切であると考えたためであります。 次に、委員の選任方法についてでありますが、弁護士については愛媛弁護士会に、公認会計士については日本公認会計士協会愛媛県部会に推薦を依頼したほか、学識経験者については大学を通じて、地方自治法や行政法、また工学を専門分野とする大学教授の就任を依頼したものです。また、それぞれの委員の主な役割でありますが、弁護士の方には、民間業者間の商取引等について、公認会計士の方には、公金の流れ等について、法学部教授の方には、入札、契約等の手続等について、工学部教授の方には、工事の設計、施工などについてそれぞれ適正であったかあるいは違法な点や不明朗な点がなかったかを検証していただくとともに、民間業者間の契約や金銭の使途について、市が関与することの適否についても意見や助言をいただくことといたしております。今後は、市民の皆様の御理解を得るため、4人の委員全員の答申とそれを踏まえた市の結論とをあわせて公表し、丁寧に説明を行ってまいりたいと考えております。 以上で、答弁を終わります。 ○田坂信一議長 藤田産業経済部長。 〔藤田 仁産業経済部長登壇〕 ◎藤田仁産業経済部長 中西議員に、観光客誘客についてお答えをいたします。 まず、平成22年の入浴客数の減少要因についてでございますが、先般観光客推定表において公表いたしました道後温泉入浴客数111万6,534人の内訳は、本館が76万88人、椿の湯が35万6,446人であり、対前年比では、本館は98.1%、1万4,930人の減であるのに対し、椿の湯は93.7%、2万4,088人の減でありました。このように、本館よりも利用者の多くが市民である椿の湯の利用者数が減少していることや、道後温泉宿泊者数あるいは他の主要観光施設の利用者数が増加していることを勘案いたしますと、観光客の利用が大きく落ち込んだとは想定しがたく、むしろ民間の温浴施設へのシフト、さらには猛暑による夏場の温泉離れなどの要因により、市民の利用が減少したものと思われます。 次に、松山のまち並みモニュメントの設置についてでございますが、まち並みモニュメントは、市民に対して、地域の観光戦略や集客テーマの共有化を図るとともに、観光客に対しては、まちの魅力を演出する意味において効果的な媒体の一つであると認識をしております。また、新たなものを設置し、誘客を図る方法もございますが、坂の上の雲のまちづくりを進めてきた本市といたしましては、今地域にある資源に目を向け、磨き上げ、光輝かせながら、新たなまちの魅力として発信していくことも重要であると考えています。幸い正岡子規、柳原極堂、高浜虚子など、多くの俳人を輩出し、俳句文学が大切に継承されてきた本市には、全国でも例を見ない数多くの句碑、文学碑や観光俳句ポストがございます。まずは、まさに俳句の都松山を象徴するこれらの資源を地域の強みとして最大限に活用し、ガイドつきまち歩き松山はいくのコースにも組み込む中で、旅行商品として提案する一方、市民にも参画を促しながら、俳都松山のブランド化へ向けて、着実に歩みを進めていきたいと考えております。 最後に、瀬戸内海都市との広域観光の連携についてでございますが、本市におきましては、瀬戸の内海は、広島地域と松山を隔てるものではなく、つなげる道であるとの考えに立ち、瀬戸内・松山構想を描いた上で、広島県を初めとする広島地域の関係行政や経済団体、そして航路を管轄する船舶会社やJR各社等に働きかけ、合意を取りつけながら、瀬戸内海を回遊する魅力ある商品の造成と航路のパッケージ化等、移動動線の活性化へ向けて精力的に取り組んでまいりました。その第一弾として、宮島、呉、松山を航路で結ぶ瀬戸内はいくるーずという旅行商品が誕生し、新たな松山の着地商品としてあわせて先月24日に大阪で開催された秋へ向けた旅行商品の説明会において、関西圏の旅行会社の幹部の方や企画・造成責任者など約170人に対して、市長みずからがトップセールスを行ったところであります。このプロモーションの反響は非常に大きく、これまでも造成されることのなかった瀬戸内海の魅力を前面に出し、世界遺産や名湯道後温泉などを組み合わせた新しい形の旅行商品の展開へ向けて、確実な一歩を踏み出したところでございます。九州新幹線の全線開通、四国ににぎわいをもたらせたドラマブームの鎮静化、さらには昨日をもって高速道路の特別割引が終了するなど、観光客の誘致へ向けて今後ますます厳しい情勢が待ち受けておりますが、これまでの取り組みで培った商品開発力、営業力、ネットワークを生かしながら、さらなる誘客につなげ、本市の地域経済を牽引する観光産業の振興を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 田那辺農林水産担当部長。 〔田那辺泰典農林水産担当部長登壇〕 ◎田那辺泰典農林水産担当部長 中西議員に、水産市場の地方卸売市場への転換についてのうち、市民及び市場関係者のメリット等についてお答えをいたします。 中央卸売市場として30年の歴史を刻んできた水産市場は、平成23年3月31日をもって、公設水産地方卸売市場として新たに出発したところであります。地方卸売市場へ転換したことに伴う主な変更点といたしましては、所管が国から県へ移ることとあわせ、一定ルールのもと、地域の実情に合った取引に関する規制を緩和することが可能となります。そこで、市民のメリットについてでありますが、小回りがきくといった地方卸売市場の特性を最大限に生かすことにより、消費者ニーズに応じたきめ細かな品ぞろえや地元住民等との交流を通じた親しまれる市場づくりなどが上げられます。また、市場関係者のメリットにつきましては、さまざまな提出書類の削減や競り人試験の廃止など、事務手続の簡素化による効率的な市場運営を初め、新規に買出人となる条件を緩和することで、事業規模の小さな鮮魚店や飲食店等の参入促進による市場の活性化などを考えております。今後とも市民の台所として、引き続き安全・安心に留意しながら、より新鮮で良質な魚介類の安定供給に努めるとともに、地域に根差した市場づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 篠原消防局長。 〔篠原一志消防局長登壇〕 ◎篠原一志消防局長 中西議員に、防災対策についてのうち、本市の防災計画及び防災マップの見直しについて並びに津波対策についてのうち、避難場所の再検討についてお答えします。 まず、地域防災計画の見直しについてでありますが、このたびの東日本大震災を受け、国の中央防災会議に専門調査会が設置され、ことしの秋をめどに、地震、津波対策が取りまとめられることとなっております。さらに、これを受け、国の防災基本計画が修正される見込みであり、これに基づく愛媛県の地域防災計画を踏まえて、松山市地域防災計画の見直しを行うこととしております。また、本市が作成しております避難所運営などの職員向け応急対策活動マニュアルにつきましては、今般の大震災を教訓に、現在、独自に修正等の検討を行っているところであります。次に、防災マップの見直しについてでありますが、防災マップは、5年ぶりに内容の更新を図り、昨年度末に全戸配布したところでありますが、今後、津波浸水区域や想定震度などが見直されるような場合には、避難の目安となる等高線の追加表記を行うなど、再検討し、市民の皆さんにも改めて周知できるよう対応してまいりたいと考えております。 次に、津波からの避難場所の再検討でありますが、このたびの東日本大震災では、想定をはるかに超える津波により、多くの犠牲が発生しております。こうしたことを踏まえ、本市におきましても、沿岸域の浸水が想定される地域につきましては、具体的な避難経路や避難場所などをあらかじめ選定しておくことが重要であると認識をしておりますので、浸水想定区域を含めた沿岸部の自主防災組織や自治会などに、研修会等を通じて、ハザードマップの作成及び地域の実情に応じた避難ルートや避難場所の選定を行っていただけるよう啓発するとともに、官民一体となったさらなる取り組みの強化に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 山内教育長。 〔山内 泰教育長登壇〕
    ◎山内泰教育長 中西議員に、教育行政についてのうち、市長が答弁した残りの部分についてお答えをいたします。 まず、武道必修化についてのうち、学校体育でどのように道徳心をとらえ、指導しているかについてですが、体育の授業では、自己確立、他人とのかかわり、自然とのかかわり、社会とのかかわりといった4つを道徳の視点にとらえ、指導をしており、中でも集団競技では、人への思いやりの心を、集団演技では、友情のとうとさなどの道徳心が培われているものと考えております。また、これらの指導過程においては、学習活動や学習態度への配慮を行い、適切に指導を行ってきております。次に、武道必修化を控えた活動状況でございますが、平成21年度から文部科学省の武道必修化に向けた地域連携指導実践校事業を受託し、これまでに毎年4校を実践校に指定し、それぞれの地域の指導者が、外部指導者として、体育担当の教員とともに授業を実施しながら、武道指導者の育成に取り組んでまいりました。その結果、教師の指導力向上や生徒の武道への意識の醸成等が図られておりますことから、本年度は5校を実践校に指定し、完全実施に向けての準備を進めております。なお、相撲を希望する4校のうち3校は、既に相撲場を設置しており、残る1校につきましては、学校の希望により、体育館等に相撲用マットを敷くなどして対応することとしております。また、今後のスケジュールでございますが、実施に当たっては、武道具等の備品類も必要となりますので、本年5月に履修調査を実施したところ、柔道を履修する学校が14校、剣道を履修する学校が16校、相撲を履修する学校が4校、なぎなたを履修する学校が2校となっており、これらの武道具等の購入についても、あわせて準備を進めてまいりたいと考えております。 次に、体格や運動能力を全国と比較してどのような状況であるかについてでありますが、昨年度の全国体力・運動能力調査結果によりますと、体格では、本市小学校5年生並びに中学2年生ともに、全国、県平均とほぼ同じ水準となっておりますが、体力においては、実技8種目の合計点が、小学校で1.0から1.8ポイントマイナス、中学生では1.5から2.5ポイントマイナスと、いずれも全国、県平均を若干下回る結果となっております。次に、体力・運動能力向上に向け、本市独自の取り組みについてでありますが、昨年度より全国に先駆けた本市独自のモデル事業として、椿小学校の体育館に、電子黒板4台を初めとした情報通信機器を設置するとともに、教員が手軽に実技指導に活用できるデジタル教材を、愛媛大学や松山市小学校体育連盟と連携して作成したところでありまして、現在、これらを活用する中で、児童みずからが自分の動きを目で確認し、教員が画面でより効果的な実技指導ができるなどの成果があらわれてきているところであります。今後さらに児童生徒の興味を引き出すための教材内容について調査研究を進めるとともに、新学習指導要領では、保健体育の時間が年間90時間から105時間に復活されましたことから、体育分野の体力、技能、知識のうち、体づくり運動等にふえた時間を割り当てるなどし、さらなる授業の充実を図りながら、体力の向上に努めてまいります。また、職員提案制度から実施に移行した本市独自の中学校での運動部活動における外部指導者派遣事業についても、引き続き拡充していくとともに、今年度より体育専任の指導主事も配属し、これまで以上に学校現場との連携を密にして、生徒の運動能力を最大限に引き出してまいりたいと考えております。 次に、小・中学校の耐震化についてでありますが、本市の学校施設の耐震化は、平成19年1月に、松山市学校施設耐震化推進計画を策定し、まず災害時の緊急避難施設となる体育館は、平成20年度に完了しており、引き続き耐震性能の低い校舎53棟の耐震化を、第1次校舎緊急耐震化事業として計画的に実施しております。平成21年度には、地震防災対策特別措置法の改正による補助率のかさ上げを活用し、計画の前倒しを図ったことから、平成19年度の計画策定時で64.7%の耐震化率は、平成23年度において80.9%になる予定です。しかし、全国の公立小・中学校の耐震化率は、平成22年度の国の予算措置で耐震化を促進したことにより、約83%になる予定であり、さらに23年度の国の予算が執行された後には約86%になる見込みであります。本市における平成23年度で計画している校舎を含めた耐震化率は84%となり、全国平均より約2%下回ると予測しております。今後は、国の動向を見ながら、さらなる計画の前倒しを図るなど、耐震化の促進に努めてまいりたいと考えております。次に、地震災害時での天井や照明器具の落下防止等の安全対策についてでありますが、学校施設の耐震化において、地震時に落下する事例が多い体育館の照明器具を、ワイヤーによる二重の落下防止策やステージの天井落下防止の改修のほか、ガラスの飛散防止や劣化したコンクリート部の改修など、非構造部材の耐震化も同時に実施し、施設の安全性の確保に努めております。 最後に、防災教育について、本市ではどのようなとき、どれぐらいの時間、防災教育に当てているのかについてでありますが、各小・中学校におきましては、特別活動の時間を使い、年度の初めに避難経路について確認するとともに、各学期1時間程度、火災、地震などを想定した避難訓練を行うことにより、児童生徒の危険回避能力の向上に努めております。また、各教科でも防災に関する学習を行っており、その時間数は、学年により異なりますが、主に社会科では、自然災害を防ぐ、自然災害やその対策などで25時間程度、理科では、大地の変化、自然の恵みと災害などで30時間程度小・中学校を通して学習しております。今回の東日本大震災を受け、また予想される南海地震に備え、防災意識の重要性を一層自覚し、いざというときに生きる力やともに助け合う心が児童生徒に身につくよう努めてまいります。 以上でございます。 ○田坂信一議長 以上で、答弁は終わりました。 次に、福岡議員。 〔福岡玲子議員登壇〕 ◆福岡玲子議員 東日本大震災から100日が過ぎました。死者、行方不明者2万3,000万人余りと言われています。改めて被災された皆様へ、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。今なお多くの方々が避難生活を余儀なくされております。被災者目線の復旧、復興が進んでいくことを心から願っております。また、本市におきましては、このたびの大震災に学び、できる限りの備えに力を注ぎ、市民のとうとい生命と安心・安全を守るため、本市の施策が進んでいくことを願い、一般質問を行います。 3月11日の東日本大震災の数日後、市民の方から私のもとへ電話が入りました。兄弟家族が茨城県から被災して松山まで避難してきた。市営住宅に入りたいと市に問い合わせたところ、罹災証明が必要と言われ、地元の市役所に連絡したら、混乱状態で証明が出せる状態ではないと言われた。その状況を松山市に話して、やっと市営住宅の入居が決まった。初めの余りにも形式的な対応に、もう少し当事者の身になった温かい対応をしてもらいたかったとの苦情のお電話でした。被災された方が、松山まで避難してくるのにも大変なことだったと推測されます。相手の立場に立った丁寧な対応が望まれます。この御家族のように、身内を頼るなど松山に避難された被災者の方も少なくないとお聞きしています。そこで、現在松山市に避難した被災者の方たちは、どのように掌握され、その数はどれくらいになりますか。また、どのような支援を松山市として行ってきましたか。今後、この方たちが、もと住んでいた自治体の情報を受け取ったり、義援金や支援金を受け取るために、本市としてどのような支援をしていかれますか、今後の生活再建への支援は、どのようになっていくのですか、あわせてお伺いします。 次に、被災者支援システムの導入・運用についてお伺いします。被災者支援システムは、平成7年の阪神・淡路大震災で壊滅的な被害を受けた兵庫県西宮市が独自に開発したシステムです。先月5月、私たち公明党愛媛県本部において、災害に強い我がまち、我が地域づくりの推進のため、防災対策委員会を発足させました。そして、5月23日には、県下の公明党議員16名で、西宮市にあるこの被災者支援システムの全国サポートセンターへお話を伺いに行ってきました。被災者支援システムは、災害業務支援の中核をなすシステムで、被災者の氏名、住所等の基本情報に加え、家屋を含む被災状況全般を管理します。罹災証明はもとより、各種支援制度や義援金の処理等にも対応し、さらには避難所関連、緊急物資管理、仮設住宅管理、犠牲者遺族管理、復旧復興関連、倒壊家屋管理のそれぞれのシステムと連動し、各種情報共有しており、総合的な管理が可能とのこと。端末に住民の氏名を打ち込んで検索すれば、被災関連情報を瞬時に探し出せ、その都度、基本台帳の情報と照合する手間が省けます。住民の生命と財産を守るために、住民第一で取り組まれた必死の思いが、被災者支援システムとして形になったことがセンター長のお話からうかがえました。西宮市は、他の自治体でも利用してもらおうと、市販のパソコンなどでも動作するよう汎用化、平成20年、総務省は、同システムをおさめたCD-ROMを全国の自治体へ無償配布しました。今回の東日本大震災後、3月18日には、民間事業者でも利用できるように、システムの設計図であるソースコードを公開しました。しかし、このたびの東日本大震災前までに、同システムの導入の申請があったのは約220自治体にとどまり、被災した東北地方では、ほとんど導入自治体はありませんでした。今回の震災後、被災者の情報を一元的に管理する被災者台帳の必要性への認識が高まり、同システムの導入の申請をする自治体がふえ、5月26日現在で300に達したと伺っています。災害発生時、何よりも人命救助が最優先です。しかし、その後は、きめの細かい被災者支援が求められます。被災者台帳をいかに素早く立ち上げるか、これは住民の生命、財産を守ることへつながります。中でも、家を失った住民が生活再建に向けてなくてはならないのは罹災証明書です。罹災証明を発行するためには、住民基本台帳と家屋台帳、そして被災状況を確認して新たに作成した調査結果、この3つのデータベースを突き合わせる必要があります。本市においても、この3つのデータベースは独立して存在します。仮に、このたびのような大きな災害が起きた場合、本市においても大量の罹災証明書の発行が必要となると思われますが、今のままでは確認作業に手間取り、被災者を長時間待たせるなど、負担を強いることになりかねません。震災後に同システムを導入した宮城県山元町では、システム導入により、この3つのデータベースが統合され、ここに住家の被災状況を追加すると、罹災証明書がスムーズに発行でき、罹災証明の申請件数に対する発行件数は、既に約9割に上っています。同町保健福祉課によると、一度情報登録してしまえば、一元管理により、義援金の支給などについても再度申請の手続は要らない。行政にとっても、住民にとっても助かると罹災証明書だけでなく、義援金、支援金の支給、固定資産税の減免等においても、同システムが効果を発揮していることを語っています。一方、被災した東北のある市では、4月下旬、罹災証明の発行申請をするため、市民が市役所に長蛇の列をなし、何時間も待っている状態だったそうです。担当者は、このシステムがあるのは知っていたが、まさか使うことになるとは。同システムに住民基本台帳や家屋台帳のデータをあらかじめ入力して整えておけば、罹災証明書の発行をもっと早くできたのではないかと、震災から罹災証明の申請受け付けまでに1カ月以上かかった現状を後悔したそうです。さらに、震災以外の運用の例として、新型インフルエンザの発生のとき、また台風による水害のときにも、このシステムを活用したとのことです。このシステムは、GISとの連携で、さらに活用場面も広げられ、広域避難の問題、災害要援護者への対応など、今後の発展的な利活用が期待できます。同システムは、西宮市職員が、災害のさなか、まさに被災した住民のために、必要に応じて開発したもので、高いIT能力のある職員がいなければできないわけではありません。また、職員が立ち上げ、運用すれば、コストもかかりませんし、仮に民間企業に委託した場合でも、導入費用は数十万円と聞きます。新たな設備としては特に必要なく、既存のパソコンがあれば十分対応できるそうです。今回の震災で、改めて平時から災害時に住民本位の行政サービスが提供される体制づくりを進める必要が高まっています。そのために、阪神・淡路大震災の教訓と実践に裏打ちされた同システムを平時に導入・運用していくことが極めて有益だと考えます。現在、総務省は、全国避難者情報システムとともに、被災者支援システムの活用を地方自治体に促していると聞き及びます。危機管理部門、情報部門、防災部門と全庁的な取り組みを強く要望いたします。市民の生命と財産を守り、さらに市民への対応がたらい回しとならないように、同システムを検証し、運用していただきたいが、御所見をお伺いいたします。 次に、災害時要援護者の地域での支援についてお伺いします。去る6月13日、愛媛県において、第1回社会福祉施設ネットワーク会議が開催され、各福祉施設の持つ防災対策マニュアルの見直しを始めていくことについての提案があったとお聞きします。そこでは、施設側の要望の声に、入居者の避難には地域の力をおかりしたいとありました。本市の自主防災組織の中には、災害時要援護者の把握や独自の防災計画、防災マップを作成するなど、積極的な取り組みをされているところがあると伺います。地域に住む災害時要援護者の避難とともに、福祉施設の入居者の避難にも、自主防災組織のさらなる力を発揮していただき、地域ぐるみの備えをしていくことが望まれます。今後、各福祉施設の防災対策マニュアルの見直しに当たり、市としてはどのような支援をしていかれますか。また、地域での災害時要援護者に関する情報の把握と共有、そして地域への支援の要請と啓発に当たり、これを推進するために、市としてどのように取り組まれますか、お伺いします。さらに、災害時における要援護者の避難場所となる福祉施設の確保は、どのように進んでいますか、お伺いします。 次に、公立学校施設の防災機能の向上と防災教育についてお伺いします。大規模地震等の災害発生時、学校施設は、地域住民のための応急的な避難所となる役割を担っています。そのために、耐震性の確保はもちろんのこと、食料、生活必需品等を提供できるように必要物資を備蓄するなど、避難生活に必要な諸機能を備えることも求められています。平成7年に阪神・淡路大震災を経験した神戸市と、平成19年に新潟県中越沖地震を経験した柏崎市の両教育委員会が、震災時に避難所となった学校を対象に、防災拠点として学校に必要なものを学校関係者に聞き取り調査し公表したデータを見てみますと、防災拠点としての学校に必要なものとして、生活必需品の備蓄、トイレ、浴用施設等の整備、通信施設の充実、テレビ、ラジオ、避難所用の直接給水などが上げられています。現在、各自治体においても、耐震化工事によって、学校施設の耐震性能を強化するとともに、避難所としての学校施設の防災機能向上のためのさまざまな取り組みが進められています。福岡県北九州市では、避難住民にリアルタイムで防災情報を提供できるよう、北九州市消防局と北九州市電設協会が協定を結び、小・中学校体育館等の避難所に、指定された施設を対象に、テレビアンテナ配置に向けた事前調査、接続用ケーブルの設置など、避難所でもテレビを視聴できる環境整備をボランティアで実施します。また、避難所が停電した場合には、同協会が発電機を搬入するほか、被災者救助のための資機材も無償で貸し出すという取り組みがされております。また、神奈川県伊勢原市では、広域避難所に指定されている小学校に、さまざまな防災機能を備えた複合プールを設置。防災機能の内容は、プールの水から2,000人分の飲料水を確保できる浄水装置、マンホールを利用した仮設トイレ、シャワーなどの電力を賄う非常用発電機や食料品などの備蓄倉庫を設置したそうです。学校施設の防災機能の整備財源については、文部科学省の補助金のほか、内閣府や国土交通省の制度も活用できますが、余り認知されておらず、ほとんど利用されていないとも聞き及びます。例えば、マンホールトイレシステムの整備では、国土交通省の下水道地震対策緊急整備事業、浄水型プールの整備では、公立文教施設整備費、プールや井戸への浄水器の設置では、防災対策事業債など、国の財政支援制度があるようです。これらを積極的に活用して、いざというときに住民の避難所として十分機能できるよう、公立学校施設の防災機能を向上させる取り組みをしていただきたいと思います。以下、本市の公立学校施設への取り組みについてお伺いします。初めに、本市における公立学校の耐震化の進捗状況についてお伺いします。また、このたびの6月補正予算における第2次小・中学校校舎耐震化事業について、その内容と事業終了までの計画についてお伺いします。次に、マンホールトイレ設置の取り組みについてお伺いします。震災時は、トイレ難民の大量発生が深刻な問題になります。断水が起こると、水洗トイレが使えなくなり、仮設トイレを使うことになりますが、汚物が急速にたまるため、衛生状態の悪化を招いてしまいます。この問題は、健康への2次被害も引き起こします。新潟県中越沖地震では、自動車の中で避難生活をしていた人の中に、エコノミー症候群で命を落とす人もいました。車内で長時間同じ姿勢を保った上、トイレの使用を避けるために水分補給を減らしたことが原因と見られています。震災時のトイレ対策として、マンホールトイレを導入する地方自治体がふえていると聞き及びます。下水道に直結したマンホールを用意しておき、いざというとき、その上に簡易トイレを設ける仕組みですが、これが有効に機能するためには、下水道の耐震対策が不可欠であります。そこで、本市のマンホールトイレ設置への取り組みについてお伺いします。あわせて、本市の下水道の耐震整備の進捗状況と今後の計画についてお伺いします。さらに、生活必需品の備蓄についてお伺いします。現在の備蓄場所に、公立小学校も数カ所入っておりますが、これに加え、公立学校を備蓄場所にしていくことについて御所見をお伺いします。また、飲料水の確保について、本市の取り組みをお伺いします。次に、防災教育についてお伺いします。釜石市の奇跡と言われた岩手県釜石市の防災教育について調べてみました。東日本大震災で壊滅的な被害を受けた太平洋沿岸部釜石市は、死者、行方不明者が約1,300人に上ったが、市内の小・中学生は、独自の防災教育が功を奏し、ほぼ全員が無事に避難することができたと言われています。徹底されたのは、津波防災教育の3原則で、1、想定を信じるな、2、ベストを尽くせ、3、率先避難者たれだそうです。子どもを通じて家庭に防災意識を広げるとともに、いざのとき、自分の命を守ることの意識が大変高かったことに、防災教育の重要性を学ぶことが多いと思いました。避難経路、避難場所、家族が離れ離れで被災したときの安否確認の仕方など、ふだんからの備えが進むよう、今後さらなる防災意識の高揚が必要と思われます。防災教育を受けた子どもは、防災意識を家庭へと広げていくことができます。そこで、今後の本市の防災教育の取り組みについてお伺いします。また、防災ずきんの活用についてお伺いします。横浜市では、学校入学前に、保護者に向け、防災ずきんの購入を呼びかけているそうです。ふだんは教室の自席のいすに置いているそうですが、防災訓練の折には、子どもたちは頭を保護するためこれをかぶって訓練をしています。避難のときには、まず頭を守ることが大事だという意識づけにとても効果的だと思いました。関東方面の小学校では、かなり普及しているとお聞きします。松山市においても、この防災ずきんの備えをするようにしてはどうでしょう、御所見をお伺いします。さらに、MACネットシステムの活用についてお伺いします。市の防災訓練において、MACネットシステムを活用して、地震災害を想定した情報配信や生存者の安否情報の収集を行ったことがあるとお聞きしました。今回のような大震災のとき、安否確認を急ぐ余り、慌てて自宅に帰ろうとして、かえって被害が大きくならないともいえません。大震災の後、学校と保護者の決め事をつくり、保護者が迎えに来るまで学校から帰さないとしたところもあるそうです。本市もMACネットシステムで安否確認ができることをさらに啓発するとともに、災害時における学校と保護者の連携ももう一度再確認してはどうでしょうか、御所見をお伺いします。 次に、木造住宅の耐震診断と耐震改修についてお伺いします。本補正予算案に、木造住宅耐震改修等補助事業が計上されました。私たち公明党は、毎年の予算要望の重点要望事項に、震災時建物等の直接被害から生命を守るため、住宅の耐震改修助成制度の創設を掲げ、要望してまいりました。また、議会質問においても、繰り返し訴えてまいりました。このたび市民の生命と財産を守る施策として前進したことをうれしく思います。南海地震が今後30年以内に起きる確率は60%程度。次は3連動型で発生する可能性が高いという専門家の指摘もあります。発生による松山市の被害予測は、全壊1万3,000棟、半壊4万6,000棟、出火件数60軒、死者600人、負傷者1万4,000人と言われております。本市の一般住宅の耐震化率は約70%。全国平均は80%とお聞きします。約4万5,000戸が倒壊のおそれのある家と言われております。松山市においては、平成16年10月から、新耐震基準が適用される以前に建築された木造住宅の耐震診断に係る補助事業を開始しました。さらに、平成17年6月から、耐震化の相談窓口も設置されました。そこで、これまでの耐震診断補助事業の取り組み状況についてお聞かせください。あわせて、本市の耐震診断補助事業を活用された方については、耐震診断後の状況把握をされてきたとのことですが、その内容についてお聞かせください。さらに、このたびの木造住宅耐震改修補助事業における補助制度について、その内容と市民への周知についてお聞かせください。耐震化は、甚大な被害をこうむった阪神・淡路大震災の最大の教訓にもかかわらず進んでいないのが実情であり、宮城県、静岡県では、住宅改修委員会を設置し、耐震診断から耐震補強工事という一連の流れを誘導する仕組みを構築し、住宅の耐震化を進めていると聞き及びます。これまでも我が会派の議員からも要望させてもらったのですが、本市においても、関係機関の参画を得て、市民住宅耐震化戦略委員会を設置し、個人住宅の耐震化を促進するため、実効力のある戦略を策定されてはどうでしょうか、御所見をお伺いします。次に、松山市における事業継続計画(BCP)の策定状況についてお伺いします。東日本大震災を機に、BCP、事業継続計画が注目を集めています。BCPとは、地震のような大規模な災害やテロといった不測の事態が発生しても、企業や行政機関が重要事業を継続できるよう、事前に立てておく計画のことです。事業継続に重点を置いていることが、一般的な防災対策とは異なります。地方自治体においては、地域住民の生命、生活、財産の保護だけでなく、行政サービスの維持、保健や福祉への対応、緊急時、被災時における道路、水道、港湾等の復旧、整備などといった観点から、BCP策定の取り組みが広がっています。神奈川県平塚市は、先ごろ平塚市業務継続計画(BCP)地震対策編を策定したとのこと。市の全組織を対象とする同計画は、切迫性が高く、被害が大きいと考えられる神奈川県西部地震を想定、非常時において優先的に継続すべき通常業務を選定し、各業務の担当部局が、それぞれの実情に応じて非常時優先業務をできるだけ早く復旧、継続できるよう、具体的なマニュアルの作成に取り組むことを明記しているということです。さらに、企業におけるBCPも重要です。経済活動は、取引の連鎖で、企業被災の影響は、地元だけでなく、広い範囲に及ぶからです。さきの新潟中越沖地震では、自動車部品メーカーの工場が被災し、国内自動車メーカー12社の生産が一時停止する異常事態に陥ったことから、BCPが大きく注目され、BCPを策定する企業がふえてきたとのこと。今回の震災で、その問題点が浮き彫りになり、見直しの機運も高まっていると聞き及びます。東京都では、平成20年11月には都政のBCP地震編が、平成22年3月には、同インフルエンザ編が策定され、さらに昨年度からは中小企業・団体のBCP策定を無料で支援する事業も始められたと聞き及びます。この都の事業に参加し、BCPを策定した企業では、東日本大震災でもその効果が確認されたと聞き及びます。松山市においても、松山市地域防災計画(震災対策編)において、BCP策定の基本方針等が示されています。災害時において、行政機能が一時的にでも失われることを含めて、万全の準備をする必要があるのは言うまでもありません。松山市においても、早急に検討していくべきではないでしょうか。庁舎の損傷など、災害による損害を想定した上で、事業の継続を可能とするための手段や方法を取り決めておくBCPの策定への本市の取り組みについてお伺いします。 次に、市営住宅駐車場契約の要件緩和についてお伺いします。本市において、平成21年度から5カ年計画で市営住宅の駐車場の整備が行われております。これは、市有財産の適正な管理と民間賃貸住宅との均衡から、事業としてスタートとしたものですが、昨年度は三光団地ほか4団地において整備され、また今年度は6団地において整備される予定であると聞き及びます。この事業が、議会で可決された後、市営住宅の住民の方から、駐車料金がどのくらいになるのか不安であるとの声が寄せられました。これについては、住民への丁寧な説明とともに、低所得の方に駐車料金の負担が大きくならないよう、我が会派としても要望してまいりました。ことし2月、いよいよ3月からの駐車場の有料化のスタートに当たり、説明会に出席した住民の方から、苦情と要望が私どものもとへ寄せられました。まず、住民の不満は、広く住民に説明会への参加を呼びかけながら、行ってみると車を所有していない住民に対しては、初めから対象外のように扱われたことです。高齢者のこの方は、これまで1世帯に1スペースの駐車場が割り当てられていたのが、これからはどうなるのか、不安で説明会に行ったところ、門前払いのようでつらかったとのこと。高齢者だけで暮らし、子どもや孫が様子を見に来てくれたり、遊びに来てくれるのが何よりの楽しみの日々の中、来訪者の車を置くスペースをこれからは心配しなくてはならないのか、駐車料金を払ってでもスペースが欲しいと思っているのに、その話にもならなかったのです。また、車を所有していない別の高齢者の方は、介護サービスを利用するときには、事業所のほうから、介護サービス側の車を置くスペースはあるかと必ず聞かれる。市のほうも、フリースペースを用意するというが、十分に用意されるのかが心配であるとの不安もお聞きしました。この市営住宅は、市内中心部から離れたところに位置し、周辺に民間の駐車場があるような環境ではありません。高齢者の孤立を防ごうと社会に呼びかけている中、高齢者に冷たいのではないかと言われました。ほかにも、我が会派の議員のもとに、今まで2台目の車も駐車場に置けていたのに、駐車場を整備したため、駐車できる台数が少なくなって置けないという苦情も寄せられておりました。さらに、駐車場の契約に当たり、保証人の印鑑登録証明書が求められ、なかなか保証人が見つけれず、書類が提出できない方も少なくないとのこと。3月の有料化が数日後に迫り困っておられました。この議案、条例案に我が会派も賛成しましたが、その運用に当たり、入居者の皆さんに十分に理解されることと、市民目線の要望を吸い上げることは大切なことです。私ども会派に寄せられた苦情、要望については、担当課にお知らせし、また委員会でも質問、要望をしておりました。そこでは、他市の状況を調査し、本市として条件のハードルの高いところ、住民の思いを十分に酌み取れていなかったところを検討していくとのお答えをいただいておりました。そこで、他市の状況と比較して、本市の運用の仕方についてどのような検討がなされたのか、お聞かせください。保証人の条件、入居者に限った契約などについて、どのように対応されるのでしょうか。住民への丁寧な説明会を持ち、住民の意見をよく聞き取ってほしいが、今後の取り組みについてお聞かせください。 次に、障がい者福祉施策についてお尋ねします。現在、国においては、障害者自立支援法を平成25年8月までに廃止し、仮称障がい者総合福祉法を制定し、新たな仕組みを創設する方針を既に打ち出し、現在、障害者制度改革推進会議において議論を重ねているところです。その障がい保健施策を見直すまでの間において、障がい者や障がい児の地域生活を支援するため、利用者から批判の多かった応益負担の見直しや障がい児支援の強化などが盛り込まれた障害者自立支援法の一部改正案が昨年の12月に成立しました。この改正に当たり、私ども公明党は、障がい者の自立した生活を実現するため、現場の声を生かし、改善できる点はすぐ見直すべきと推進してまいりました。本市においても、障がいのある方の就労機会と地域生活の場を確保・創出するとともに、支援体制のさらなる充実をしていくことが望まれます。障がい者の地域基盤となるグループホームやケアホームなどの整備、サービス従事者の処遇改善などによる福祉人材の確保や地域相談支援体制の整備が急務であり、これまでの取り組みの検証が重要であると考えます。そこでまず、改正障害者自立支援法のうち、既に実施されている障がい者の範囲の見直しについてお尋ねします。発達障害者支援法が平成16年に成立したにもかかわらず、これまで制度の谷間にあり十分なサービスを受けることが困難であった発達障がいが、障害者自立支援法の対象となることが明確化されました。これに当たっては、本市はどのような取り組みを行ったのか、お聞かせください。また、障がい児支援の強化のうち、これまでは18歳に達すると、在学中にもかかわらず、児童デイサービスが突然利用できなくなり、私のもとへも保護者の方から不満の声が届いていました。児童デイサービスについては、今回の改正で、昨年の12月から、より一貫した療育を受けることができるよう、20歳になるまで利用できることとなり、満18歳を迎えた在学中の障がい者も、児童デイサービスを利用することが可能になったとお聞きします。そこで、改正後に対象となった在学中の障がい者のうち、実際に児童デイサービスの利用者がどれぐらいいるのか、また児童デイサービスの利用年齢の延長に当たっての本市の対応についてお聞かせください。次に、本市におきましても、松山市障害福祉計画を策定し、計画で定めた目標達成に向けて、さまざまな施策を推進されていると思います。この松山市障害福祉計画は、今年度に最終年度を迎えます。第3期計画を策定するには、第2期計画の達成状況を踏まえた上で、現場の声を大事にしながら、十分な検証が必要であると考えます。そこで、次の点についてお尋ねします。障害福祉計画については、23年度末までに重点的に取り組む事項について3つの目標が設定されております。その1つ目は、施設入所者の地域生活への移行、2つ目は、退院可能な精神障がい者の地域生活への移行、3つ目は、福祉施設利用者の一般就労への移行についてですが、それぞれの目標の達成状況とその見込みについてお聞かせください。また、障害者自立支援法の理念の一つである入所施設から地域生活への移行については、それは知的障がいを持つ御本人や保護者にとって、要望に沿ったものであったのかどうか、お尋ねします。また、障がい者が住みなれた地域で安心した生活を送るために、それぞれの障がいの内容に合った暮らし方や療育、訓練を受けられる環境を望む声が多数寄せられております。このようなさまざまなニーズに対して、市はどのような対応をとっているのか、お聞かせください。最後に、事業者にとって課題として、いわゆる旧法体系の施設の新体系の移行期限が、いよいよ今年度末に迫ってきております。全国的な移行率としては、昨年ようやく50%を超えましたが、愛媛県においては、全国平均に比べ、移行率が低調であったと聞き及んでおります。国会においても、公明党からの質問に対し、政府は、新体系移行を今後も推し進めると答弁を行っております。そこで、本市における現在の移行状況及び期限までの移行の見込みについてお聞かせください。移行が低調である理由について、事業者の声など、市はどのようにとらえていますか。より一層の推進のために、本市はどのような取り組みをされていかれますか、お伺いします。 次に、都市ブランド推進事業についてお伺いします。本年4月に総合政策部内に都市ブランド戦略課が設置されました。都市ブランドとは、都市そのものが持つイメージを高めることで、都市の魅力や価値、または個別商品の価値が高まり、ひいては交流、定住人口の増加などに結びつく効果が期待できるものが都市ブランドであると言えるとのこと。人口減少時代の到来や地方分権の進展により地域間競争が激化する中、都市全体の価値や実力の向上とともに、都市そのものに対する信頼や好感を市内外から獲得する必要から都市ブランドが注目され、各自治体による取り組みも行われているそうです。例えば、栃木県宇都宮市では、日本一の消費量を誇るギョーザのまちとして広く知られているところですが、ほかにもカクテルのまち、ジャズのまちという側面があり、これら個別のまちの資源すべてを、愉快で楽しいまちにするものとして、一体的に全国へ発信、宇都宮推進協議会を立ち上げ、各種施策を進めています。また、千葉県流山市では、5年前から住民誘致のためのイベント開催やプロモーションを積極的に行ってきたそうです。その結果、交流人口は確実に上がり、市外から流入するファミリー層が増加、5年前は60代が人口の市場のボリュームゾーンだったが、現在は30代の子どもがいるファミリー層が市に定着する結果となったそうです。さらに、市が最優先課題として取り組んでいる子育て支援を前面に押し出す中、30歳代のファミリー層をターゲットに絞り、首都圏でのPRポスターには、妊娠中の女性のおなかをクローズアップさせて、働きながら子育てができるまちであることを訴え、産休明けも安心、職場復帰の際には必ず保育園に入れますと住民誘致策に取り組んでいます。松山市におきましても、坂の上の雲のまちづくり事業を初め、修学旅行誘致や紅まどんな、カラマンダリンなどの農水産品のブランド化によるPRなどを積極的に展開することで、松山市の持つ価値を高めております。その結果、平成22年の観光客数は約588万人と対前年比63万人増となっていますが、一方で、民間調査機関による地域ブランド調査2010の市区町村魅力度ランキングにおいては、松山市は1,000自治体中98位となっており、全国的な順位ではいま一つの感が否めません。そのため、本市においても、歴史的、文化的な資源、特産品や伝統文化などの地域資源が数多くあることなどを生かし、都市全体の魅力や価値の向上を図るためのより総合的なPR戦略が必要ではないでしょうか。本市が都市ブランド戦略課を設置し、本市のブランド力を高めるための体制を整えられたということで、その取り組みを大いに期待しております。そこで、以下お伺いします。1つ目に、都市ブランド推進事業に充てられた補正予算の内容についてお聞かせください。また、都市ブランド構築の基本的な考え方と今後の進め方について御所見をお伺いいたします。さらに、都市ブランドを推進することで、どのような効果が期待できるのかについてお伺いします。 最後に、松山市低炭素社会づくり実行計画についてお伺いします。本市において、温暖化対策の実行指針となる松山市低炭素社会づくり実行計画が策定されました。低炭素社会とは、地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素の排出量の少ない産業システムや生活システムを構築した社会のことです。3月11日の大震災後の事態は、これからのエネルギー政策と温暖化政策を改めて検討し直す必要性を提起しました。電力供給不足の中での各主体の省エネの努力、再生可能エネルギーの振興拡大は、いずれも低炭素社会・経済実現と相反するものでなく、これらの施策を推進していくことは、温暖化問題の解決へと貢献していくこととなります。地球温暖化を防止する低炭素社会への転換は、我が国の最優先の課題であり、この転換を多彩な技術力で世界をリードし、経済成長へとつなげることが求められております。そこで、松山市低炭素社会づくり実行計画における目標の設定についてお聞きします。また、市民や事業者の取り組みを進めていくための方策について、どのような計画のもと進めていかれますか、お伺いします。次に、太陽光発電についてですが、太陽光エネルギーは、個人の家庭においても使用が可能なことから、太陽電池の出荷量が急速に増大し、技術の進歩も目覚しく、太陽の光を効率的に取り入れるため、新製品も次々と開発されていると聞き及びます。今補正予算では、太陽光発電システム設置の追加補正が行われております。今年度の申請件数の見込み数と現状についてお聞かせください。また、国の補助金額と本市の補助金額は、今年度減額になっている理由についてお聞かせください。また、本市のサンシャインプロジェクトに基づき、平成32年の目標達成へ向けての見通しはどうとらえていますか。本市の補助制度のあり方や市民向けの説明会の開催によるさらなる周知についての御所見をお伺いします。さらに、脱自動車依存型コンパクトシティについて、具体的な取り組みについてお伺いします。愛知県豊橋市では、昨年度、電気自動車と電動アシスト自転車の購入助成制度を創設し、今年度から新たに電動バイクの購入補助を追加したと聞き及びます。本市においても、このように電気自動車、電動アシスト自転車、電動バイクの購入補助制度の導入により、環境負荷の低い移動手段の利用を促進していくお考えはありませんか、お伺いします。続いて、市の節電対策についてお伺いします。松山市においても、市議会においても、東日本大震災に伴う東日本の電力不足対策への配慮等復興支援策の一環として、先月5月16日から10月14日までの間でクールビズが実施されるようになりました。従来よりも長い期間の設定となります。節電対策として、議会棟の4、5、6階の廊下の電灯の半分程度を消灯しております。相談に来庁した市民の方から、暗いなあとの声もありました。テレビを見ておりますと、東京都の地下鉄の通路で、節電対策のため、従来より照明の明るさを落としたところ、視覚障がい者の方が大変困っているとの報道が流れておりました。本市の節電の取り組みにおいても、市民に我慢を強いるようなことのないよう、またこのような障がいのある方に配慮した取り組みをお願いしたいところですが、本市のこの夏においての節電対策について、その取り組みの内容をお聞きします。また、環境省のほうからも、昼も夜もライトダウン2011への呼びかけが始まっていると聞き及びます。本年度は、例年の夏至の日と七夕の2日間に加え、東日本大震災を受けた節電の必要性も踏まえ、6月22日から8月末日を対象に、昼も夜も自主的ライトダウンの呼びかけを行うとのこと、そのうち特別実施日である6月22日夏至の日、7月7日七夕には、全国のライトダウン参加施設をカウントすることを予定しているそうです。本市においても、これまで取り組まれた様子と本年の取り組みについてお聞かせください。 以上で、一般質問を終わります。わかりやすい御答弁をよろしくお願いいたします。 ○田坂信一議長 これより、答弁を求めます。野志市長。 〔野志克仁市長登壇〕 ◎野志克仁市長 福岡議員に、私からは、松山市に避難した被災者の支援及び被災者支援システムの導入・運用並びに都市ブランド推進事業についてお答えいたします。 今回の大震災は、我が国がかつて経験したことのない未曾有の大災害となり、震災から既に3カ月が経過したにもかかわらず、いまだに復興のめどすら立っていない自治体も数多くあります。そのような中、先日私は、宮城県南三陸町を訪問し、被害の現状や避難所の状況などを実際にこの目で見てまいりました。復興に向けて休みなく懸命に活動されている南三陸町の職員を初め、避難所でのボランティアの方々の姿には、本当に心打たれるものがありました。一方では、津波のつめ跡を目の当たりにし、災害の恐ろしさを実感するとともに、今後とも長期間にわたる支援が必要であると感じたところです。そのほか、民間会社と協力し、1カ所に集められた支援物資を各避難所に届けるための物流システムには、大いに感心させられましたし、被災地で支援活動を続けている本市職員の姿を心強く感じる一方で、この貴重な経験をぜひ今後の職務に生かしてほしいと強く感じたところでございます。そのような中、本市には、3月11日の東日本大震災の発生以来、多くの方々が避難されており、これらの方々を支援することは、被災地の支援や復興につながることから、民間企業や団体などの協力も得ながら、全力で取り組んでいるところでございます。 そこで、お尋ねの本市に避難して来られた方々の把握についてでございますが、これまで各課にいただいた電話による問い合わせや直接来庁され相談された情報を被災地支援本部において集約する一方で、広報紙のほか、広報委員会や民生委員会などの御協力もいただき、広く避難者に関する情報提供を呼びかけた結果、6月17日現在で、73世帯、170名の方々が本市に避難されており、このうち被災地以外から自主的に避難されてきた方を除いた56世帯、136名の方々が、本市の支援対象者となっております。こうして集約した情報につきましては、速やかに愛媛県を通じて、避難もとの自治体に提供しており、これを受けて、避難もとの自治体から、被災地の現状や見舞金などのさまざまな情報が、順次避難者のもとに届くシステムとなっております。本市といたしましては、これらの方々に、市営住宅を1年間無償提供するほか、当面の生活資金として、本市と社会福祉協議会からそれぞれ5万円と2万円の支援金を支給するとともに、エアコンやテレビなどの家電製品の貸与を初め、寝具やリサイクル家具、自転車、学用品の提供、また児童の受け入れや上下水道使用料の免除など、各部局が連携する中で、避難者の方々のニーズに応じたきめ細かな対応を行っているところです。今後の生活再建への支援につきましては、現在避難者を担当者が直接訪問し、健康や子育てに関する要望などをお伺いしておりますし、その中では、メンタルヘルスケアの必要性も感じております。また、特に就労に関する要望が多く出されておりますので、新たな雇用対策などについて、今後とも関係機関と連携を図りながら支援に努めてまいりたいと考えております。 次に、被災者支援システムの導入、運用についてお答えいたします。 本市においては、平成17年度に、松山市防災情報システムを導入し、消防隊を初めとした関係部局の活動状況やライフラインの被害状況、自衛隊、緊急援助隊の活動など、災害初期の情報管理に重点を置いて運用しておりますが、本システムも導入から6年が経過し、保守管理などの観点から見直しも含め検討の時期を迎えております。こうした中、今般の東日本大震災を受け、東北地方の一部自治体では、阪神・淡路大震災で実際に被災した西宮市職員が、当時の経験を生かして開発した被災者支援システムを被災直後から導入し、罹災証明の発行、救援物資や避難所運営管理、仮設住宅の建設や入退去管理、義援金や遺族名簿の管理など、大規模災害時に必要な長期にわたる復旧、復興業務で有効活用されているとのことであります。こうしたことから、本市におきましても、これら自治体の動向調査を行うとともに、本システムの提供もとであります財団法人地方自治情報センター及び被災者支援システム全国サポートセンターの指導、助言をいただきながら、当該システムの導入も念頭に置き、検討してまいりたいと考えております。 次に、都市ブランド推進事業についてお答えをいたします。 まず、補正予算の内容及び基本的な考え方と今後の進め方についてでありますが、本市では、これまで坂の上の雲のまちづくりを初め、観光、経済、環境や農林水産分野、さらには言葉や文学といった松山ならではの特色を生かした対外的なプロモーション活動を行う中で、私自身もあらゆる機会をとらえて、松山のセールスマンとして、本市の魅力を全国へ積極的に発信してまいりました。しかしながら、松山という都市自体の対外的な知名度は、まだまだ高いとは言いがたい一面があると認識しておりまして、本市の知名度やイメージをより効果的に高めていくことの必要性を強く感じていたところでございます。こうした状況を踏まえ、本市がほかの都市と比べ優位性を保ち、選ばれる都市となるため、都市全体の価値や魅力の向上を図り、都市そのものに対する信頼や好感を市の内外から獲得する都市ブランドを確立することが肝要であると考え、その推進を包括的かつ一体的に進めていく体制を整備しました。そこでまず、松山という都市が、外からの視点、すなわち地域外の方々からどのようにとらえられているかの調査分析を行い、実態とイメージに乖離がないか、強みや課題などを把握することが重要であると考えております。こうした調査結果を踏まえ、今年度末までに、都市ブランド構築の指針となる都市ブランド戦略ビジョンを策定したいと考えております。さらに、メディアを効果的に活用するなど、本市の多彩な魅力や価値を、情報発信力の高い首都圏から全国へ発信するシティーセールスを推し進めることにしており、これら事業推進に必要となる経費を補正予算に計上いたしております。 最後に、期待できる効果についてでありますが、都市ブランドの推進は、地域の価値づくりであり、都市ブランド力が高まることで、交流人口の増加や企業誘致、産品購入による地域経済の活性化が図られます。ことし4月には、300人規模の雇用が見込める企業の誘致に成功いたしましたが、ますます力を入れていきたいと考えております。また、市民が、都市に愛着や誇りを持ち、地域をさらによくしていこうとする市民活動や地域活動の活性化も期待されます。こうした資金、人材の流入や市民意識の高まりにより、都市全体の活力が強まることで「全国に誇れる、わがまち松山」の実現につながっていくものと考えております。 そのほかの質問につきましては、関係理事者のほうからお答えをさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。 ○田坂信一議長 田中社会福祉担当部長。 〔田中郁夫社会福祉担当部長登壇〕 ◎田中郁夫社会福祉担当部長 福岡議員に、災害時要援護者の地域での支援について及び障がい者福祉施策についてお答えいたします。 まず、各福祉施設の防災対策マニュアルの見直しについてでありますが、愛媛県中央地方局が所管する社会福祉施設ネットワーク会議では、今年度、各福祉施設における防災対策マニュアルの見直し及びその取りまとめを行うこととなっており、本市といたしましては、各福祉施設が、防災対策マニュアルの見直しを行う際に、防災、福祉分野での専門的な見地から、近年発生した福祉施設の災害事例を示しながら、具体的な災害対応や避難誘導についてアドバイスを行うなどの支援をしてまいりたいと考えております。 次に、地域での災害時要援護者に関する情報の把握と共有、地域への支援の要請と啓発についてでありますが、本市では、民生・児童委員や障がい者団体などの協力を得て、ひとり暮らしや寝たきりの高齢者、障がいのある人など、災害時に援護を必要とする方の情報収集を行い、各地域の民生・児童委員や自主防災組織にその情報を提供し、地域と行政が情報の共有化を図り、常日ごろから地域でお互いに助け合う支援体制の構築に努めております。また、民生・児童委員と自主防災組織が連携し、地域が作成する防災マップへの要援護者情報の掲載や福祉施設と連携した避難訓練の実施など、実効性の高い啓発活動に取り組めるよう、支援してまいりたいと考えております。 次に、要援護者の避難場所となる福祉施設の確保についてでありますが、本市では、災害時要援護者などの二次的な避難先として、施設での安全性が確保され、バリアフリー化や障がい者用トイレが整備されているなど、災害時要援護者が利用しやすい公的施設を初め、民間の社会福祉法人などの施設を福祉避難所として指定する取り組みを平成19年度から順次進めており、平成22年度末現在で、市内48カ所の福祉施設に避難所を確保しています。 次に、改正障害者自立支援法についてのうち、発達障がい者への本市の取り組みについてでありますが、昨年12月の法改正で、発達障がい者が障がい者の範囲に含まれることが法律上明記されたことから、各自治体が地域の実情に応じて柔軟に実施している地域生活支援事業について、本市におきましては、その対象に発達障がい者を含めた要綱等に改正し、日中一時支援事業などのサービスの提供を行っているところであります。次に、対象拡大となった児童デイサービスの利用者数と本市の対応についてでありますが、法改正に伴って新たに対象となった在学中の障がい者は14人で、対象者全員に意向確認を行ったところ、希望された9人すべての方が、児童デイサービスの支給決定に至っております。 次に、松山市第2期障害福祉計画の検証についてのうち、まず重点的に取り組む3つの目標の達成状況とその見込みについてでありますが、1つ目の施設入所者の地域生活への移行者数は、目標47人に対し、現状が64人、施設入所者数の削減が35人に対し8人となっております。次に、2つ目の退院可能な精神障がい者の地域移行者数は、目標257人に対し、現状が166人、3つ目の福祉施設から一般就労への移行者数は、36人に対し49人となっており、現時点では、目標値に達していないものも、計画期間の最終となる今年度末までには達成できる見込みであります。次に、地域移行後の利用者などからの評価についてでありますが、本市では、地域移行を促進するため、その受け皿となるグループホームやケアホームの整備に対する支援をこれまでに11カ所行い、さらに本議会においても、ケアホームの整備補助に係る補正予算を計上し、良好な住環境の整備に努めているところであります。その結果、新築されたホームは、広い間取りの個室が確保され、また少人数の住まいの場であることから、家庭により近い環境で生活することによる情緒の安定はもとより、日中に仕事を持つことによる経済的自立や地域の方々との交流が図られたなど、利用者やその保護者の方々からも大変好評をいただいております。次に、障がい者やその家族からのさまざまなニーズへの対応についてでありますが、本市では、障がい者に対する相談支援事業を、社会福祉法人など、8事業所に委託し、福祉サービスの利用を初め、健康、医療などの障がい者やその家族の地域生活全般にわたるさまざまな相談に応じているところであります。さらに、松山市総合福祉センター内に開設している障害者総合相談窓口では、今年度より就労支援専門員を1名増員し、障がい者の就労や就労訓練に向けた支援に積極的に取り組むなど、多様なニーズに適切に対応しているところであります。最後に、本市における新体系への移行についてのうち、移行状況及び今後の見込みについてでありますが、6月1日現在で、本市の移行率は66.7%と、愛媛県全体の移行率よりもおよそ10ポイント上回っており、移行期限となる来年の3月末までには、すべて移行できる見込みとなっております。また、移行が低調であった理由につきましては、移行後の安定した運営に不安がある、あるいは他の移行施設の状況を見きわめた上で移行したいなどといった声を聞き及んでおりました。そこで、本市では、あらゆる機会をとらえて、国の移行促進施策などの情報提供を行った結果、施設の不安解消が図られ、円滑な移行につながっているところであります。今後におきましても、引き続き移行相談にきめ細かに対応することにより、本市の障がい者福祉施策のさらなる推進に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 江戸環境部長。 〔江戸通敏環境部長登壇〕 ◎江戸通敏環境部長 福岡議員に、松山市低炭素社会づくり実行計画についてお答えをいたします。 まず、松山市低炭素社会づくり実行計画における目標設定と市民や事業者の取り組みを進めていくための方策についてでありますが、2020年までに、温室効果ガス排出量を、1990年比で18%削減することを目標に据えており、再生可能エネルギーの利用促進を初めとする6つの基本施策のもと、14の主要施策を展開し、市民、事業者、行政の各主体が担う役割を明確にし、総合的かつ計画的に取り組むこととしております。 次に、太陽光発電システム設置の今年度の申請件数の見込み数と現状及び今年度国と本市の補助金額が減額となっている理由についてでありますが、平成22年度の太陽光発電システム設置に係る申請件数は1,440件と、前年度の2.6倍になっております。今年度の申請見込みにつきましては、ほぼ昨年並みを想定しておりますが、東日本大震災により、再生可能エネルギーへの関心が高まり、申請件数が増加することも考えられますので、その動向を注視しているところであります。また、本市は、平成12年度に補助を開始して以来、国が補助金を廃止した平成17年度以降も市単独で補助を続けてまいりました。国は、平成20年度から制度を復活させましたが、徐々に設置費用が下がってきていることや事業仕分けにより今年度はそれまでの1キロワット当たり7万円の補助単価を4.8万円に引き下げております。本市におきましても、設置費用の低下に伴い見直しを行ったものでありますが、減額後の1キロワット当たり6万円の補助単価は、中核市の中で最も高い水準を維持している状況でございます。 次に、本市のサンシャインプロジェクトに基づく平成32年度の目標達成への見通しと本市の補助制度のあり方及び市民への周知についてでありますが、余剰電力の買い取り制度等の支援措置や設備の低価格化及び再生可能エネルギーへの関心の高まりから、導入ペースの大幅な加速が見込まれます。そうした状況に加え、現行の補助制度について、さらなる導入促進につながる新たな仕組みを研究するとともに、再生可能エネルギーへの理解を深めてもらうための環境教育の実践などを含め、市民に補助制度の内容を効果的に周知する機会を広げることにより、平成32年度までに15万1,000キロワットの太陽光発電システムを導入するという目標達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 次に、電気自動車、電動アシスト自転車、電動バイクの購入補助制度についてでありますが、現在、本市では、環境に優しい電気自動車の普及促進に努めているところでありますが、まずは利用者ニーズに応じた環境整備が必要と考え、今年度は急速充電器2基を、道後地区と市内中心部に導入してまいります。また、購入補助制度につきましては、それぞれの普及状況や費用対効果をかんがみ検討してまいりたいと考えております。 次に、本市における今夏の節電対策についてでありますが、東日本大震災に伴う電力供給不足対策への配慮など、復興支援の一環として、市役所では、クールビズ期間の拡大を初め、庁舎でのエレベーターの稼働時間の短縮やパソコンの省エネモード設定、さらには市民の利用が比較的少ない廊下やトイレの消灯等を実施しております。また、市内の中小企業を中心に構成された松山サンシャインプロジェクト・パートナーシップにおいて、「まちごと省エネ・松山」をスローガンに、事業者へ節電を呼びかけるとともに、市民にはヘチマなどの種を配布して緑のカーテンを推進するなど、家庭や職場など、地域が一体となった省エネ行動の実践に取り組んでおります。 最後に、昼も夜もライトダウン2011における本市の取り組みについてでありますが、本市においても、例年、松山城を初め、約10の市有施設が、夏至と七夕のライトダウンに参加しておりましたが、本年は、約20の市有施設が参加するほか、期間中の自主的参加を広報等で市民にも呼びかけ、広範な取り組みを計画しているところであります。 以上でございます。 ○田坂信一議長 福本都市整備部長。 〔福本正行都市整備部長登壇〕 ◎福本正行都市整備部長 福岡議員に、市営住宅駐車場契約の要件緩和についてお答えいたします。 まず、他市の状況と検討内容及び保証人の条件、入居者に限った契約などへの対応についてでございますが、市営住宅に駐車場を整備している中核市を含む37市に調査をしたところ、駐車場の契約を行う際に、保証人を必要としていない市は37市中33市、また介護等を理由に入居者以外でも駐車場を使用できる市は19市となっております。そこで、この調査結果を踏まえ、これまでは車を所有している入居者本人、または同居者に限り駐車場の契約が可能であったものを、同居していない親族や訪問看護事業者が使用するなど、特段の理由がある場合には、入居者が車を所有していなくても契約ができるように、本年度より要件を緩和したところでございます。また、保証人の義務づけにつきましては、保証人を求めている自治体も少ないことや、入居者の申込手続等の簡素化などの観点から、今年度に規則、様式等の見直しを含め、廃止の方向で検討してまいりたいと考えております。 次に、住民説明会での丁寧な対応など、今後の対応についてでございますが、市営住宅の駐車場整備を進めていくに当たりましては、団地ごとの実情を把握し、自治会等とも十分協議を重ねながら、住民の方々に御理解いただけるよう、より丁寧な説明会の開催に心がけるなど、高齢者や障がい者に優しい居住環境の整備に今後とも取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 松本開発・建築担当部長。 〔松本勝志開発・建築担当部長登壇〕 ◎松本勝志開発・建築担当部長 福岡議員に、木造住宅の耐震診断と耐震改修についてお答えいたします。 まず、これまでの耐震診断補助事業の取り組み状況についてでありますが、本市におきましては、災害に強いまちづくりの一環として、市内の既存木造住宅の耐震化を促進するため、平成16年10月に、木造耐震診断補助事業を創設し、相談窓口の充実や診断マニュアルの作成など、実施体制の確立を図るとともに、防災キャンペーンなどと連携し、耐震診断の相談会を開催するなど、あらゆる機会をとらえて、普及啓発に取り組んでまいりました。その結果、平成22年度末までに569戸がこの補助制度を活用し耐震診断を実施しております。 次に、この補助事業を活用した方の耐震診断後の状況把握についてでありますが、耐震診断を実施した建物の所有者に対し、診断後における改修状況の実態把握などについて、継続的にアンケート調査を実施しております。その結果、診断により何らかの補強が必要と判定された550戸のうち、約26%の140戸については、耐震改修が実施されており、残りの約74%の建物については、多額の費用を要するなどの理由から、改修が行われていない状況となっております。 次に、木造住宅耐震改修等補助事業におけるその内容と市民への周知についてでありますが、この補助制度は、今後30年以内の発生確率が60%程度と予測されている南海地震などに備え、耐震改修を行う建物所有者を支援することにより、居住者と地域の安全・安心の増進を図るために創設したものであります。そこで、補助制度の内容についてでありますが、昭和56年5月31日以前に着工された木造住宅で、耐震診断の結果、基準を満たしていないと判定された住宅について、改修工事費用の3分の2、かつ限度額60万円、改修計画を策定するための設計費用の3分の2、かつ限度額20万円、改修工事の適正な履行を図るための工事監理費用の3分の2、かつ限度額4万円の合わせて84万円を上限として補助をするものであります。また、市民への周知につきましては、耐震診断補助事業と同様に、相談窓口の充実はもとより、補助の内容を広報紙やホームページに掲載するとともに、リーフレットによる市内全戸回覧や市有施設へのポスター掲示、さらに愛媛県建築士事務所協会など、関係団体の協力を得ながら、耐震化の相談会を開催するなど、普及啓発に努めてまいりたいと考えております。 最後に、市民耐震化戦略委員会を設置し、実行力のある戦略を策定することについてでありますが、今回、木造住宅耐震改修等補助事業の創設により、木造住宅の耐震診断から改修までの一体的な支援体制が整ったことから、耐震化が一層促進されるものと考えておりますが、さらなる耐震化向上策について、愛媛県を中心に、県内の市町や建設関係団体で構成し設置されている愛媛県建築物耐震改修促進連絡協議会との連携を図りながら、調査研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 越智下水道部長。 〔越智 誠下水道部長登壇〕 ◎越智誠下水道部長 福岡議員に、公立学校施設の防災機能の向上と防災教育についてのうち、マンホールトイレ設置の取り組み等についてお答えいたします。 まず、本市のマンホールトイレ設置の取り組みについてでありますが、平成19年度に国の下水道地震対策緊急整備事業を活用した松山市地震対策緊急整備計画を策定いたしました。この計画においては、耐震化された下水道に接続することを基本に、中心市街地の敷地面積1ヘクタール以上の避難所の中から、建物が耐震化されており、プールや雨水貯留槽でトイレ用水を確保することができる小・中学校等の11カ所を選定し、トイレ55基を整備することといたしております。 そこで、東日本大震災も受け、早期にマンホールトイレの設置に着手できるよう、消防局や教育委員会等と協議しながら、優先して設置すべき場所や箇所数、また国への補助要望なども含め検討してまいりたいと考えております。次に、本市の下水道の耐震整備の進捗状況と今後の計画についてでありますが、中心市街地の緊急輸送路や避難路に埋設されている管渠13.4キロメートルを調査いたしましたところ、緊急に耐震化工事が必要と考えられる部分が7.3キロメートルございました。現在、そのうちの5.5キロメートルにつきまして工事を完了し、進捗率は約75%となっており、残りの部分につきましても、計画的に耐震化工事を進め、平成24年度を目途に、整備を完了する予定といたしております。今後におきましても、市民の安全・安心を守るべく、下水道の地震対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 篠原消防局長。 〔篠原一志消防局長登壇〕 ◎篠原一志消防局長 福岡議員に、松山市における事業継続計画についてお答えします。 事業継続計画とは、大規模災害の発生により、本市の庁舎や職員が被災し、業務遂行能力が低下した状況下において、災害時に優先して実施すべき業務を選定の上、事業を継続するための計画であります。本市の防災についての事業継続計画については、現在、未策定でありますが、昨年度末から愛媛大学、愛媛県及び県内市や町が参加した自治体業務継続計画研究会において調査研究しておりますので、この結果を踏まえ、本市の事業継続計画を作成してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 山内教育長。 〔山内 泰教育長登壇〕 ◎山内泰教育長 福岡議員に、公立学校の防災機能の向上と防災教育についてのうち、耐震化の進捗状況、生活必需品の備蓄場所、飲料水の確保、防災教育、防災ずきん及びMACネットシステムについてお答えをいたします。 まず、本市における公立小・中学校の耐震化の進捗状況と第2次小・中学校校舎耐震化事業の内容と計画についてでありますが、本市では、第1次校舎緊急耐震化事業として、耐震性能の低い53棟の改築及び補強を順次計画的に進めていく中で、平成21年度に耐震化工事の前倒しを図ったことにより、補強が必要な校舎は、当初計画の平成28年度より3年早い平成25年度での完了が見込まれます。また、本市の耐震化率は、平成23年度において80.9%になる予定ですが、全国の公立小・中学校の耐震化率は、国の平成22年度の予算が執行された後には約83%となり、本市の耐震化率は、全国平均より約2%下回ると予測しております。これらの状況を踏まえ、第2次校舎耐震化計画を策定し、対象となる52棟の早期耐震化を図るため、平成23年度から第2次の耐震補強評定に着手することといたしました。事業が完了する平成33年度には、すべての学校施設の耐震化が完了する予定であります。 公立の学校施設は、災害時の指定避難所となっており、今回の東日本大震災においても、避難所の全小・中学校に分散備蓄を行っていた東北の市では、被災者への速やかな物資供給が行えたと聞き及んでいます。本市におきましても、飲料水や生活必需品などについても、公立学校での分散備蓄について、学校施設の現状を踏まえて、調査研究してまいりたいと考えております。また、飲料水確保の本市の取り組みについては、現在災害時の飲料水として、市内中心部の学校4カ所に、飲料水兼用型耐震性貯水槽を整備し、合計350トンを確保しておりますが、今後は浄水型プールの整備等他の飲料水確保の方策についても調査研究してまいりたいと考えております。 次に、学校での防災に関する学習につきましては、各教科や特別活動の中で、児童生徒の発達段階に応じたねらいを設定し、行っております。その中で、災害時の行動目標については、小学校低学年では、災害が発生したときに、教職員や保護者など、近くの大人の指示に従うこと、中学年では、災害のときに起こるさまざまな危険に関心を持ち、みずから安全な行動ができること、高学年では、自分の安全だけでなく、他の人々の安全にも気配りができること、さらに中学校では、的確な避難行動、そして応急措置などの技能を身につけ、ボランティア活動に関心を持つこととしております。今後は、この行動目標を再確認するとともに、今回の震災の現実や避難の実態に学び、すべての教育活動の中で、これまで以上に児童生徒の防災意識の一層の高揚に努めてまいりたいと考えております。そのためには、教職員の防災意識と危機管理能力の向上が重要であるととらえ、毎年実施しております総合危機管理研修会に加え、管理職研修会などにおきましても、災害時の具体的状況を想定した避難訓練や危機管理マニュアルの見直しなど、研修内容を充実することで、教職員の防災意識を高め、スキルアップを図ってまいりたいと考えております。 次に、防災ずきんの備えにつきましては、学校における児童生徒の安全確保の一環として、また児童生徒の防災意識の向上に役立つものの一つとして、今後他市の状況も調査し、保護者への啓発も含めた中で研究してまいります。 次に、MACネットシステムの活用についてお答えいたします。 このMACネットシステムは、松山市青少年育成市民会議と松山市PTA連合会が運用し、不審者や防犯などの子ども安心安全情報を、保護者の携帯電話やパソコンにメール配信しているシステムで、現在、松山市の小・中学校の保護者の約70%が登録しています。このシステムは、各携帯電話会社と特定接続契約を結ぶことで、災害時などの通信が混雑しているときでも優先的に通信できるような仕組みとなっております。このシステムを活用することにより、災害時における子どもたちの安否や引き取り情報を保護者に伝達することができ、また保護者の安否情報の収集も可能であり、災害時に有効な情報伝達手段となっていることから、今後も保護者の登録率の向上に努めてまいりたいと考えております。また、災害時に効果的に活用されるためには、現場の教職員がシステムや機能を熟知しておく必要があり、日ごろから連絡網として利用しておくことが訓練ともなることから、恒常的な活用を教職員に対しても啓発してまいります。 以上でございます。 ○田坂信一議長 以上で、答弁を終わりました。 ただいまから午後2時10分まで休憩いたします。       午後1時10分休憩   ────────────────       午後2時10分再開 ○田坂信一議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、傍聴人の皆様に申し上げます。傍聴される皆様は、傍聴席で拍手、その他の方法により賛成、反対の表明はしないでください。 それでは、一般質問を続行いたします。土井田議員。 〔土井田 学議員登壇〕 ◆土井田学議員 自民党議員団の一員として質問をいたします。市長を初め、理事者の皆様方には、明快なる御答弁をお願いいたします。 まず、危機管理、防災等に関してお伺いします。平成23年3月11日午後2時46分、我々日本人は永遠にこの日時を忘れることはできないでしょう。大地震と大津波、そして原発事故、三重苦の大災害が東日本を襲いました。人の命が、懐かしい思い出が、ふるさとのまちが、そして世界に誇った技術力が、安全神話が一瞬のうちに消え去ってしまいました。全世界に衝撃を与えた東日本大震災、あれからもう100日が過ぎました。改めて被災された皆様に、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。被災地の一日も早い復旧、復興を願ってやみません。あの日、信じられない光景を映し出すテレビニュースにくぎづけとなりました。津波に翻弄され、鉄の船がおかを走り、車が木の葉のように流され、家が押しつぶされ、ビルが崩壊するさまに、まさに日本沈没という言葉が頭をよぎり、怒り狂う大自然の脅威に戦慄しました。千年に一度の国難とも言うべき大震災と報じられました。松山消防出動だ、出なければならないと直観しました。私も地元の消防団に30年在籍していて、消防大好き人間です。松山消防は、春とはいえ、雪が舞い、大雨の降る中、3月14日から21日まで、緊急消防援助隊として活動なされました。本当に御苦労さまでした。松山消防は、愛媛県緊急消防援助隊の隊長として指揮をとられましたが、編成方法、指揮の権限、また、隊の活動範囲、出動するときの装備、規模等はどのように定められているのか、お伺いをします。隊員おのおの、さまざまな経験、体験をなされたことと思います。今回の現地での活動の成果を、今後の訓練や防災、救助活動にどのように生かすか、苦労したこと、改善すべき点、派遣隊員の選抜方法、次はおれが行くと士気旺盛な職員も多数いたと聞きましたが、なぜ1次隊のみで終了したのか。災害救助は、最初の3日間が重要と言われているのに、なぜ出動までに3日間も要したのか等々、総括をお聞かせください。今なお政権の無策、無能が引き起こした危機の連鎖が、被災地の方々や多くの国民に不安と不信を与えています。想定外を口にする連中に、国難に立ち向かう指導者の気概が感じられません。地震列島日本、地震は時と場所を選びません。天災から人災への感の強い福島の原発事故に代表される今回の大震災は、保身、日和見、大衆迎合が蔓延した平和ぼけの戦後体制がもたらした惨劇ではないでしょうか。大震災のニュースを見るたび、聞くたび、心が痛みます。原発事故のニュースに接するたびに、怒りが込み上げてきます。今、南海地震が発生したら、松山はどうなるでしょう。そればかりか、東海地震が東南海地震と南海地震を連動させる可能性が指摘されております。「治にいて乱を忘れず」、日々防災の備えを怠りなく進めていかなければなりません。非常用の食料、水、生活必需品、資機材等の備蓄状態、避難訓練、出動態勢、関係機関との連携等々、現在の松山市の全般的な防災体制をお聞かせください。また、東日本の大震災を受けて、防災体制の検証をなされたことと思います。100点満点の体制の構築は不可能ですが、常に改善の努力が必要と考えます。どのような問題点があったのか、その対策はいつどのようになされるのか、お尋ねします。千葉県市原市の石油コンビナート炎上の様子を見て愕然としました。本市でも海岸線のコンビナートで同様事態の発生の可能性は大であります。その場合の住民の避難対策、消防活動をお示しください。また、伊方原発で重大事故が発生し、本市の消防隊が出動する場合もあろうかと思われます。出動する根拠、指揮命令系統、具体的活動についてお尋ねします。今回の大震災でつくづく感じたことは、自衛隊、消防、警察の自己を顧みない献身的な活動であります。おれがやらねばだれがやる、今やらねばいつやるのかと皆さん使命感、責任感に燃えて頑張ってくださいました。天皇陛下も3月16日の東北地方太平洋沖地震に関するお言葉の中で、「自衛隊、警察、消防、海上保安庁を初めとする国や地方自治体の人々、諸外国から救援のための来日した人々、国内のさまざまな救援組織に属する人々が、余震の続く危険な状況の中で、日夜救助活動を進めている努力に感謝し、その労を深くねぎらいたく思います。」とお述べになられ、自衛隊を筆頭に上げられています。世論調査の自衛隊の活動について評価は、「大いに」と「ある程度」を合わせると95%もの国民が支持しています。他の行政機関が麻痺しても、機能する能力を持つ自己完結型の組織は、日本では自衛隊だけです。私は、以前、危機管理防災部門へのOBを含む自衛官の登・活用を提案させていただきました。その必要性について、引き続き検討させていただきたいとの答弁でございましたが、あれから5年目を迎えております。検討の結果をお尋ねします。また、松山消防と自衛隊との合同訓練の状況をお聞かせください。3月11日の地震発生後、菅首相は、自衛隊2万人の派遣を指示、翌日には5万人、2日後には10万人とその規模を一気に拡大しました。それを受け、自衛隊は、数日間で10万人を超える兵力を東北方面に投入し、国民の大きな信頼を得ました。その中には、陸上自衛隊松山駐屯地の隊員の方々もいらっしゃいます。先日、任務を終えて帰松しております。実際に現地で活動した消防の救助隊員や自衛隊の方々に、市内各地で市民との交流会や報告会を開催していただき、防災意識の向上を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。悲しみの中、「避難3原則、守り抜いた釜石の奇跡、防災教育で児童生徒無事」といううれしいニュースにも接しました。釜石市立14の小・中学校の校内にいた児童生徒約3,000人が、全員かけがえのない命を救ったということです。3原則とは、1、想定にとらわれるな、2、最善を尽くせ、3、率先し避難せよだそうです。校舎の3階から校庭へ駆け出し、後方の高台にあるグループホームへ、息つく間もなく、裏側のがけが崩れるのを目撃し、さらに500メートル先の高台にある介護福祉施設へと避難した判断力と行動力は、訓練のたまものではないでしょうか。下校し、自宅にいた児童は、祖母を介助しながら避難したそうです。国の宝、子どもの命を守る最大限の努力をしなければなりません。児童生徒の登下校時、学校内、放課後等、本市の防災教育の内容についてお尋ねします。市内の自主防災組織の中には、各家庭に非常用バッグを配布しているところもあります。それを見習い、市の負担で各家庭に非常用バッグを配布したらどうでしょう。1週間分の食料や水、貴重品を入れ、いざのときはそれを担いで避難する、御検討ください。6月1日付の広報紙、「台北市民から善意届く」の記事が目にとまりました。財団法人台北市松山慈祐宮から3,000万円、台北府城隍廟から100万台湾元、台北市松山慈福宮から5万台湾元の義援金を預かり、台北市民の善意を被災地へ届け、復興支援へ役立てるとのことでした。今議会にも早速予算計上がなされています。どういう経緯で本市に義援金が託されたのか、台北市民の善意をどのように役立てるのか、今後それらの団体との交流はどのように考えているのか、お聞かせください。台湾から日本への義援金は、既に200億円前後に達していて、他国の追随を許さない世界一の金額となっています。支援物資も既に560トンもの膨大な量に上っています。そればかりではありません。人道支援も積極的に行っていただきました。震災直後の3月11日には、救助隊の申し入れがありましたが、日本政府はなぜか中国隊15人を3月13日に受け入れ、その夜になって台湾に受け入れを通知しました。また、NGOのレスキュー隊は、中国隊より一足先に着いていたにもかかわらず、緊急通行証が出るまで2日も足どめされました。日本政府は、被災者の命よりも、中国への配慮を優先したのでしょうか。台湾の各世論調査によれば、日本は最も好きな国の第1位を占め続け、移住したい国、最も立派だと思う国、旅行したい国、台湾に最も友好的な国・地域でも日本が断トツの1位です。しかし、台湾に対して、日本政府は冷淡でした。震災1カ月後の4月11日に、感謝広告なるものを世界の7紙に有料で掲載しましたが、なぜか台湾は外されていました。多くの国民から、台湾に申しわけない、台湾の新聞に感謝広告を出そうという動きが広まり、民間有志から瞬く間に2,000万円ほど集まり、5月3日、台湾の自由時報と聯合報に「ありがとう台湾」と大書した感謝広告が掲載されたそうです。台北松山区との交流を図っている本市としても、台湾の方々に感謝の念をあらわすべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。震災直後から、市民の方々より、ボランティアで現地へ行きたいが、どのようにすればいいのかという御相談を受けました。市に問い合わせると、社会福祉協議会で受け付けするというので、その旨を皆さんにお伝えしました。皆さん次々と現地へ向かっているのかと思っていました。ところが、種々の事情があるにせよ、第一陣の出発は4月8日、そのうち松山市民はわずか4名、県全体で8名とは、何とも情けない。この規模は、だれがどのようにして決定したのか、第一陣の活動内容はどのようなものか、3月11日から第一陣の出発までに何名の方の登録がなされたのか、なぜもっと早く派遣できなかったのか、もちろん往復の交通費、食費等の必要経費は、すべて自己負担を承知で申し出ていると思います。その方たちが、一人でも多く迅速に現地で活動できる支援をするのが行政の役目ではないでしょうか。一方、驚くことに、震災3日目に松山から宮城へ高速道路も使わず救援物資を送り届けた市民の方たちがいらっしゃいます。帰りは被災地の市会議員さんが手配してくれた緊急車両の通行許可書で高速道路を走ることができたとのこと。私の知人は、宮城の友人から救援要請を受け、いても立ってもおれず、早くも震災後10日目には、その4トントラックに物資を満載して、3名で松山を出発、16時間で現地へ支援物資を届けたそうです。何という迅速さでしょう。彼らは、支援の輪を広げながら、現在までに5回も現地入りしており、炊き出しも4,000食以上に上ります。すべて自力で支援物資や資材等の調達を行っております。彼ら若き企業青年の行動力には、頭の下がる思いです。松山市として、現地へ向かうボランティアへの支援策は、どのように行っているのでしょうか、初期から現在までの状況をお尋ねします。本市も県社会福祉協議会のもとで、5回のボランティアバスを実施しておりますが、活動内容と参加者からはどのような報告が上がっているのか、その報告をどのように活用しているか、お聞かせください。7月31日までボランティア登録を受け付けるということですが、活動期間と活動範囲の予定はどのようになっていますか。本市への現在登録されているボランティア数は、また、登録者は全員現地で活動ができるのでしょうか。個人及び団体が自主的に被災地にボランティアで支援に行く場合、市長の災害派遣等従事車両証明書があれば、高速道路の通行料が免除される制度があります。この制度の周知方法と現在までの利用者数は、自主的に行かれた人たちの活動状況も今後の参考になります。情報提供をいただくべきと思いますが、どのような対応をなさっておいでか、お尋ねします。救援スローガン、頑張ろう日本、つながろう日本、助け合おう日本を実践しているボランティアの方々に、敬意を表します。次に、目に見えない危機について、5月9日11時過ぎに妻から電話が入りました。めったにしてこないのに何かなと思い携帯をとると、堀江農協のふれあい市で目が痛いとか、涙が出るとかという人が何人もおる。様子がおかしい。何とかしろとのことでした。おまえは大丈夫かと聞きますと、女房も目が痛くてたまらないとのこと。今まで病気一つしたことない、私より頑丈な妻が、痛いというほどだから、こりゃ大変だと思い、急いで環境部の方にしかるべき対応をお願いしました。すぐに関係機関と連絡し、現地調査を行っていただきましたが原因不明。しばらくして皆さんの痛みもおさまったとのこと。不思議なことに、同時刻ごろ、和気地区でもゲートボール中の13名が目の痛みを訴えて消防が出動中。興居島からも、また、北条地区の方からも目が痛いと言っていたとのこと。変なにおいがしたと言う人もいる。悪臭も目の痛みも数時間でおさまったとのこと。大勢の人が、においと目の痛みを感じているのに、消防の検査も大気汚染の測定データも異常なし。消防救命艇も海から異常なしの報告。一体何だったのか。どこかの国の工作員が、何か試したのかと言う人も。どこかの工場から何か有毒なものが出たのかと言う人も。何のために検査機器があるのか、あのときだけ全部壊れとったのかと言う人も。なぜ原因が究明できなかったのでしょう。城北地区の真昼のミステリーでありました。消防、環境指導課、保健所医事薬事課の職員さんたちが、一生懸命現地調査をしていただいたが、原因の特定はできなかったとのこと。海上保安庁、警察も動いたが、これも同様。200人ほどの人が目の痛みを訴えた施設もあります。小さな危機を軽視すると、大きな危機に対処することはできません。目に見えない異常事態に対処する本市の体制と検査機器の配置状況と種類、性能、今までの実績と今後の対応、対策をお聞かせください。 次に、教科書採択に関してお伺いします。ことしの夏、4年に1度の中学校教科書の採択が行われます。ことしの採択は、次の2点を考えると、より深い意味があるように思われます。まず、平成18年12月改正された教育基本法に基づく初めての新しい教科書の採択です。次に、去る3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震、それに伴う大津波と福島原子力発電所事故に襲われ、終戦時以来の国難に遭遇していることです。教育基本法の改正は、安倍内閣において、戦後レジームからの脱却を目指して行われた画期的なものです。前文において、個人の尊厳を重んじることに加え、公共の精神を尊び、伝統を継承しが加えられ、新設の教育の目標では、公共の精神に基づき、社会の発展に寄与する、伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛するなどが明記されました。家庭教育において、父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものと家庭の役割を明らかにしております。国及び地方公共団体は、家庭教育において、保護者に対する学習の機会及び情報の提供、その他家庭教育を支援するために必要な施策を講ずる、教育行政においては、教育は不当な支配に服することなく、法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、公正かつ適正に行わなければならないと国及び地方公共団体の役割も明瞭化されました。そして、東日本大震災によって、国民は次のことを教えられたのではないでしょうか。このたびの震災は、平安時代の貞観大地震以来の約1000年ぶりの大地震であり、その他の震災も含め、我が国が大自然の災害を受け続ける大地であり、その中を祖先が切り抜けてきたことを思い知らされるものでした。大災害に直面したとき、国民が頼れるのは、国家しかないことが明らかになりました。自衛隊、消防、警察、海上保安庁を初めとする国や地方公共団体の人々の懸命の努力なくして、被災者の救済は不可能でした。中でも自衛隊10万人の不眠不休の努力は、国民に強く印象づけられました。共同体の大切さも明らかになりました。共同体の忍耐強い相互扶助なくして、国の遅い対応を乗り切ることは難しかったでしょう。その最小単位は、家族であることは言うまでもありません。戦後ずっと国や共同体の価値を薄め、個人の自由に力点を置いてきた風潮を反省し、定常的に進めてきた行動も見直されるべきでしょう。以上の考察により、教育基本法の改正の意義がいかに大切か、この国難からの復興を図るには、今回の教科書採択の重要性がいかに大切かが考えられます。お尋ねします。教科書調査には、判定基準が示されると存じますが、教育基本法改正に伴う項目として、新しく具体的に提示される基準はありますか。例えば、歴史の学習指導要領の目標、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てるなどの具体的提示が必要と思います。地方行政の組織及び運営に関する法律において、教育には素人でもあり得る教育委員に、教科書採択権限が与えられている原点に立ち返り、間接的ながら、住民代表として選ばれた教育委員が、何を教えるべきかの観点から、最終的に教科書を採択するという重い責任があると考えますが、見解をお伺いします。民間の教科書比較研究では、既存の教科書は、教育基本法改正にもかかわらず、むしろ悪化していることが指摘されております。例えば、歴史・公民の教科書で指摘されている点では、国土防衛や災害派遣で活躍している自衛隊を、憲法違反と疑える集団という紹介をする教科書についてどう考えますか。拉致問題は、国民的課題であり、許されない人権侵害、国家犯罪であるというのが日本国政府の方針です。それを北朝鮮による拉致問題が、北朝鮮との関係好転を阻害している問題であるかのような記述をしている教科書についてどのように考えますか。外務省の公式見解と異なる領土問題を唱える教科書をどのように考えますか。学習指導要領にて、国旗、国歌の意義と相互に尊重することが国際的儀礼であることを理解させることを求めているが、数行でごまかして、きちんと教えていない教科書でよいと考えますか。歴史上、明確に疑われる事案について、偏っている教科書でよいのですか。例えば、南京事件について、日本側が一方的に極悪非道に扱われている教科書で、子どもたちの日本国への関心が高まりますか。私はその研究で評価が高く、本県でも既に9年の良好な使用実績がある関係社の歴史・公民の教科書こそが、採択されるべきと考えますが、見解をお伺いします。松山市の採択手続では、一般の住民の意見を聞く機会がありません。教科書展示会場にアンケート用紙を置くのも一考かと思いますが、いかがですか。義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律において、県教育委員会は、市の教育委員会に対して、指導、助言、援助をしなければならないため、その資料が来ていると思います。その資料は、どのように活用なされているでしょうか。歴史・公民教科書は、従来より既存の教科書を支持するグループから、反対運動が強いのですが、教育委員は、みずから目を通し、勇気を奮い、法律にのっとって公正な採択をお願いいたします。心構えをお尋ねします。 最後に、松山市発注工事に関連してお伺いします。3月4日付の愛媛新聞の報道に端を発した下水道部及び公営企業局を中心とした本市公共事業をめぐる裏金疑惑は、本市職員や現職幹部、そして裏金の使途先として、国会議員や元市最高幹部の名前が取りざたされるに至り、下請、孫請の単なる民民の話ではなく、市役所全体を巻き込んで、構造的な疑惑へと発展し、市民の皆さんの本市行政に対する不信は頂点に達しているのではないかと思います。疑惑解明の責務の一端を担うべき我々市議会に対しても、厳しい目が向けられているということを、おのおの議員が肝に銘じなければなりません。私もこの件に関する議会の特別委員会の一員として、この間、議論にかかわらさせていただいておりますが、不正を公にした孫請社長や中心的な役割を果たしたと言われる元市職員等、当事者に対する事情聴取への当初からの消極的と感じられる姿勢に、本当に疑惑を解明する気があるのかと思うほど、幾度となく壁に突き当たり、内心じくじたる思いを持ち続けてきたところですが、今月6日に、孫請社長の記者会見の内容を見るにつけ、その本心はここにあったのかという強い疑念を持つのは、私一人ではないと思います。事実は一つです。以前、堀端の石柱に係る不正や光センサー選果機導入をめぐる不正事件、そして県警をめぐる裏金問題等、ここ10年に起こった疑惑事件に共通しているのは、本来守らなければならない対象を見失い、えたいの知れない組織防衛を優先させたことにあるのではないかと思います。今回の事件で、守るべきものは市民の利益であるということをお互いがしっかり踏まえ、徹底した疑惑解明を行い、不正を許さない、起こさせない仕組みづくりが強く求められているということを申し上げ、質問に入ります。民民の話であり、調査権が及ばない。報道が事実であれば、公金詐欺の容疑者。話を聞けば取り調べに当たり、相手方から人権侵害、名誉毀損と言われかねない。捜査権のない我々に火中のクリを拾う勇気がないとの理由で、一貫して事件を明るみにした孫請社長、元市職員から直接話を聞くことを拒否し続けてこられた。以前から孫請社長は、要請があれば証言する姿勢を示しており、元市職員について言えば、本人だけでなく、以前所属していた市役所に対しての疑惑でもあると考えられる。その意味からも、みずから積極的に疑惑を晴らしていくべきであります。市当局は、少なくとも、両者に対しては、事情聴取の依頼をすべきであります。そのことが、人権侵害及び名誉毀損に当たるという法的根拠と、現在もそのお考えは変わっていないのか、お尋ねをいたします。6日の孫請社長の記者会見の内容を見てみるとき、そのことが表に出ることを避けるために、両名から直接話を聞かなかったのではないかと、その疑念を強く抱かざるを得ません。元市職員に対しては、元請企業との会食という不適切な関係で、公務員の倫理規程に抵触で事情聴取するとのことですが、当然、疑惑解明にも重きを置いたものとすべきと考えますが、御所見をお伺いします。また、孫請社長に対しては、どのように考えておられるのかもお聞かせください。さきの孫請社長の会見報道によれば、副市長初め、現職職員の関与、裏金の使途先の具体的な名前も挙がっており、業者ぐるみの企業局内部の派閥の存在等々の証言がなされています。もし事実なら、もはや一部の人の一部の裏金疑惑にとどまらず、役所全体、いわゆる構造的な体質そのものが問われていると言っても過言ではないと思います。名指しされた副市長は、6月9日付で2名の弁護士の先生を代理人として、エー・エス・ケー機工の社長に名誉を傷つけられたとし、抗議文を出されましたが、どうしたことか、相手に届かず返送されてきたとのこと。なぜ住所の確認を怠ったのか、6日の発言内容で名誉が傷つけられたのならば、なぜ9日まで放置しておいたのか、ほかに思惑があったのか、次の抗議はいつどのようになされるのか、名誉毀損であれば、当然、法的手段を講じられると思うが、いつごろ行うのか、お尋ねをします。また、名指しされた職員に対しては、どのような対応をなされるお考えか、名誉毀損であれば、副市長と同様の行動を、本市はもちろん、本市職員の名誉のためにも行うべきと思いますが、どのようにお考えか、お尋ねします。3月4日、疑惑報道を受け、中村前市長は、「市長就任当時、下水道部で市OBが何らかの役割を果たしているとのうわさがあった」と話し、必要な対策を講じたと強調されました。しかし、稲葉副市長は、「当時、そのようなことがあったか記憶にない」と発言されております。一体どちらが本当なのでしょう。平成11年当時、市OBに関するうわさはあったのですか、その内容はどのようなものですか、当時市長が講じた必要な対策とは何でしょうか、対策を指示された部局はどこですか、対策を講じた結果は、どのように改善されたのですか。副市長は記憶にないとのことですが、記憶にないのはOBのうわさですか、それとも市長からの対策の指示ですか、お尋ねをします。内部調査検証専門委員による検証について、疑惑そのものの解明のための第三者委員会の設置が求められていたにもかかわらず、委員一人一人が独立した専門委員制度とし、諮問内容も内部調査検証を主としたものであり、極めて不十分なものと言わざるを得ません。幾ら個々の専門委員が多忙であったとしても、全体で認識を共有する場を節目に置いて設けるべきであろうと思います。今回、個々からの検証結果を受けるとのことですが、委員によって見解が分かれた場合、どのように対処をなされるのか、また、提出された検証結果を、どのように具体化されるお考えか、お聞かせください。愛媛新聞に対する松山市発注工事解明調査特別委員会による参考人招致についてお伺いします。特別委員会の多数決によって、発信元である愛媛新聞、マスコミから、まず参考人として招致することが決定され、それに基づき、5月30日付で、議長名で愛媛新聞社編集局長あて出席要請されました。予測されたとおり、愛媛新聞社からは、出席拒否の回答が議長あてに届きました。拒否理由として、報道関係者の最も重要な職業倫理である取材源の秘匿を脅かす。国民の知る権利に奉仕する報道は、取材源との信頼関係があって初めて実現する。記者の参考人招致は、取材を受ける人たちのちゅうちょや萎縮を招き、民主主義の基盤である国民の知る権利の侵害につながるとしています。今回の招致については、罰則も拘束力もないものとはいえ、拒否理由に対する松山市議会の体質が問われるものと思います。議長は、マスコミの職業倫理である取材源の秘匿、知る権利、報道の自由についてどのように認識されておられるか、お尋ねをします。四知、天知る、地知る、我知る、人知るという言葉があります。2人の間だけの秘密でも、天も知り、地も知り、我も知り、相手も知っているから、いつかはほかに漏れるものであるということです。マスコミが報じた松山市裏金疑惑、今や市民の約8割が真相解明を求めています。議会は、議員は、市民の負託にこたえる責務があります。ゆめゆめ忘るべからず。このたび公共工事裏金疑惑取材班という文字とその報道に接し、10年前、副知事、商工労働部長、商工政策課長ら5人の元幹部が背任容疑で逮捕された高知県庁のやみ融資事件を思い出しました。高知新聞の記者が、県の末端職員の正義感から出た一言から異常を感じ取り、取材班を編成し、4年半の年月をかけて事件を究明、報道したことを知り、その記者魂に感嘆しました。この職員は、知事にも概要を知らせ、知事は賢明にも予算の執行をとめたそうです。当時の高知県は、ナンバー2が陰の知事化し、権力の二重構造を招いていたとのこと。二重権力構造のもとには、本当の意味のトップは存在しません。事件の深刻さに、議会も百条委員会を設置、事件究明へ最大限努力をしております。今日、地元新聞社の取材班を編成してまでの取り組みに接し、裏金疑惑解明へかける強い意気込みが感じられます。結びに、市長のリーダーシップの発揮を御期待申し上げ、真相解明にかける決意のほどをお伺いし、質問を終わります。 ○田坂信一議長 これより、答弁を求めます。野志市長。 〔野志克仁市長登壇〕 ◎野志克仁市長 土井田議員に、私からは、危機管理、防災などに関しての御質問のうち、台北市の団体からの義援金についてお答えいたします。 台北市との観光交流につきましては、平成21年10月に訪問団を結成して、台北市政府を初め、関係機関などを表敬訪問して以来、政府の支援を取りつけながら、7回にわたる交流事業を推進した成果として、松山ファン層の拡大と、600人を超える規模の市民交流を実現いたしました。また、今年に入ってからも、台北市から6月と9月に、合わせて700名のお客様をお迎えする予定でありましたが、このたびの東日本大震災の影響などにより、来日が自粛されたことを受け、先月2日に私自身が台湾政府などを訪問し、関係者に対して、被災を受けた日本の現状と松山の安全性についての報告を行ってきたところでございます。今回の義援金につきましては、そのときに財団法人台北市松山慈祐宮ほか2団体から、これまでの観光交流により松山市には大きな幸せをいただいた。松山市が支援している被災地の復興へ向けた支援活動に対して、有効に活用してもらいたいといった特別な思いとして、およそ3,300万円の義援金の目録をお預かりしたものでございます。このうちおよそ500万円は、松山慈祐宮の要望により、県のえひめ愛顔の助け合い基金に贈られましたので、残りの約2,800万円を、本市が被災地支援を担当しております宮城県南三陸町の復興のために活用させていただくことにいたしました。早速、南三陸町にこの旨を報告し、必要な支援内容についてお伺いしたところ、今回の震災により、水道のライフラインが閉ざされ、また、津波により給食運搬車が流されたことなどから、給水車1台、給食運搬車2台、ワゴン車2台、計5台の車両の要望を受け、先日南三陸町を訪ね、佐藤町長にお会いし、その実現へ向けて努力してまいることをお誓い申し上げたところでございます。震災の影響により、車両の部品調達などの都合から、実際の贈呈は秋以降になる予定ですが、そのときは再度南三陸町にお伺いし、このたびの台北市松山区の皆様の思いを改めてお伝えしてきたいと考えています。既に松山慈祐宮ほか2団体には、感謝状と記念品を贈呈し、敬意を表したところでございますが、今回の南三陸町への訪問により、町長みずからの心からの感謝の気持ちをお預かりしてきましたので、南三陸町の被災の状況などとあわせて、書面と写真にて報告し、揺るぎない信頼と友愛をお約束させていただいたところでございます。今後の台北市との交流事業につきましては、台湾民放テレビ局による松山道後のドラマロケが予定されるほか、先般、台北市政府観光傳播局、台北市温泉発展協会の連名により、本年11月に開催予定の中華民国建国100年、第10回台北市北投温泉祭りへの参加や道後みこしの披露の依頼があり、加えて、この記念すべき年に当たり、北投温泉、道後温泉と、ともに最古の温泉を有する都市として、さらなる交流を深める意味で、正式に友好関係を築く旨の提案をいただいております。これらにつきましては、10月に関係の役員がこちらへお見えになると伺っておりますので、その実現に向けた検討を行うとともに、私自身台北市に出向き、さらなる市民交流の発展や災害発生時の支援などについて、松山市としての精いっぱいの意を尽くしたいと考えています。 そのほかの質問につきましては、関係の理事者のほうからお答えをさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。 ○田坂信一議長 稲葉副市長。 〔稲葉輝二副市長登壇〕 ◎稲葉輝二副市長 土井田議員に、松山市発注工事に関連して、孫請社長の記者会見に関する質問のうち、なぜ抗議文が返送されたか、9日に送付した理由、次の抗議文及び法的手段はいつ講じるのかについて、さらに中村前市長就任当時のうわさに関する質問のうち、発言の食い違いについて及び記憶にないのはOBのうわさかあるいは市長からの対策なのかについてお答えいたします。 まず、孫請社長の記者会見についてでございますが、今回の抗議文書は、6月6日の県庁での記者会見の報道を見て、発言内容について、個人の立場で抗議を行ったものでございます。抗議の手段や内容について、弁護士との協議に一定の時間がかかったため、9日送付となったものであり、他意はございません。また、相手方の確認は、報道でのエー・エス・ケー機工の社長としか情報がなかったことから、私の代理人弁護士が、法務局の法人登記簿に登録されている同社の所在地に送付したもので、何らかの事情で、相手方が受け取れなかったことから、再度本人が受け取れる住所あてに送付し、先日その受領の確認がなされたと聞いております。また、今後につきましては、弁護士とも相談しながら、毅然とした対応をしてまいりたいと考えております。 次に、中村前市長就任当時のうわさに関する件についてでありますが、この件については、先日、私が発言しましたのは、平成11年当時の市OBに関するうわさの有無について、当時そのようなことがあったか否か、記憶にないということでございます。 以上でございます。 ○田坂信一議長 梅岡総合政策部長。 〔梅岡伸一郎総合政策部長登壇〕 ◎梅岡伸一郎総合政策部長 土井田議員に、危機管理、防災等に関してのうち、東日本大震災を受けての防災体制の検証、問題点、対策及び災害派遣等従事車両証明書制度の周知方法と利用者数並びに目に見えない危機についてお答えをいたします。 まず初めに、防災体制の検証、問題点、対策についてでありますが、このたびの東日本大震災を受け、本市では初めてとなる被災地支援本部を直ちに設置し、全庁体制で被災地及び被災地から避難してこられた方々の支援に全力を挙げて取り組んでまいりました。そうした中、被災地や被災者からの要望は、時間の経過とともに変化することから、想定以上にきめ細かな対応が必要であることがわかってまいりました。また、被災地に派遣した職員の救助活動や避難所の運営あるいは支援物資の円滑な供給体制など、それぞれの実体験を通して学んだことについては、報告会を開催する中で、全庁的に知識の共有を図ってまいりました。さらには、公衆通信網が途絶えた場合の情報連絡手段の脆弱性といった課題も見えてまいりました。今後は、これらさまざまな体験や貴重な経験を最大限に活用しながら、危機管理や防災対策に関連する部局が連携を図ることはもちろん、さらなる体制強化について検討してまいりたいと考えております。 次に、災害派遣車両等の高速道路の通行料免除制度の周知方法と利用者数についてでありますが、本制度は、被災地の災害対策本部等公的機関などから派遣要請があった場合に限り、救援物資やボランティアなどの輸送を目的とした車両に対し、それぞれの自治体が発行する証明書をもとに、高速道路の管理者が、通行料金を免除する制度でございます。これまでの本市での利用実績は、6月20日現在で11件、58名となっております。また、本制度の周知につきましては、これまで東日本高速道路株式会社など10社のホームページにおいて周知が図られてきたところでありますが、今後は本市のホームページ等も活用し、本制度の周知を行ってまいりたいと考えております。 次に、目に見えない危機についてお答えいたします。まず、異常事態に対処する本市の体制についてでありますが、今回のような異臭が発生した場合は、所管する部局が、直ちに初動対応及び情報収集体制を構築し対処することとしております。そこで、消防局におきましては、特殊災害対応車両を初め、消防車両10台及び消防職員26名を出動させ、現場付近の可燃性ガスや有毒ガスの測定を行うとともに、防災行政無線のほか、車両による注意喚起の広報、さらには情報収集活動を実施したところであります。また、環境部におきましても、市内8カ所に設置している測定局の大気汚染物質の濃度について、常時監視システムにより異常がないことを確認するとともに、職員5名、2班を出動させ、消防局と連携を図りつつ、被害状況や発生源の調査を行いました。この段階では、原因物質が判明しないものの、目の痛みなどの通報が広範囲に及んでいたため、市民の安全確保が最優先であると判断し、松山市大気汚染緊急時対策要領の連絡体系を準用し、保健所や小・中学校等関係部署へ注意喚起を行ったところであります。しかしながら、今回の事例では、目の痛みの発生時間が短く、異臭も消滅しており、有毒ガス等も検知されなかったため、対策本部設置には至らなかったものであります。次に、検査機器の配置状況と性能につきましては、消防局がガス漏れ事故や酸欠事故現場で災害の実態を把握し、適切な活動が行えるよう、また隊員や住民に二次災害が及ばないよう、可燃性ガスや有毒ガスを同時に検知する機器など、37台を消防車両に配備しております。次に、今までの実績についてでありますが、異臭事例により消防局が出動した件数は、平成22年は29件、平成23年はこれまでに7件で、調査結果は、異常なしが19件、硫化水素によるものが6件、原因不明が3件、その他が8件となっており、いずれの事例も、消防局で対応可能な案件でございました。最後に、今後の対応、対策につきましては、今回の広範にわたる異臭事例を参考に、各部局の連携を強化するなど、連絡体制をより一層充実させてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 田中社会福祉担当部長。 〔田中郁夫社会福祉担当部長登壇〕 ◎田中郁夫社会福祉担当部長 土井田議員に、危機管理、防災などに関し、東日本大震災に係るボランティアの支援に関してのうち、災害派遣等従事車両証明書制度の周知方法と利用者数を除く部分についてお答えいたします。 このたびの大震災におけるボランティアの派遣につきましては、被災地の社会福祉協議会などが設置している災害ボランティアセンターと都道府県の社会福祉協議会が連絡調整し、組織的に取り組んでいることから、愛媛県社会福祉協議会に確認いたしましたところ、まず第一陣の派遣につきましては、被災地のニーズや道路状況、ボランティアなどの受け入れ態勢などを踏まえ、愛媛県において派遣規模を決定したものであり、活動内容は、瓦れきの撤去、避難所の子どものケアや高齢者のリハビリなどを行っております。また、派遣までに41人の方が登録されておりましたが、被災地では、道路や水道などのライフラインが寸断されていることや、頻繁に発生する強度の余震による二次災害の危険性などから、ボランティアや救援物資等を受け入れる体制が整っておらず、ほとんどの災害ボランティアセンターでは、地元住民以外のボランティアの受け入れを断っていた状況などを考慮し、4月8日に第一陣の派遣が行われたものであります。次に、現地へ向かうボランティアへの支援策についてでありますが、派遣につきましては、県社協が市町の社協と連携し組織的に行っていることから、本市では松山市社会福祉協議会が、震災後、直ちにボランティア登録やボランティア保険、災害ボランティアセンターなどについての情報提供を行っております。また、県社協に登録し、派遣したボランティアのこれまでの活動内容は、高齢者や子どものケア、瓦れきの撤去、家屋内の片づけや泥かきなどを行っており、参加者からは感想文を提出してもらうほか、報告会を開催し、実体験に基づいた現地の状況や今後必要と思われる支援などについての意見や情報をいただいており、今後の支援方法などを検討する際の参考にしております。次に、登録受け付け後の活動期間、範囲及び登録ボランティア数と全員が現地で活動できる可能性についてでありますが、登録者数は、6月16日現在で261名となっており、派遣につきましては、県社協が、災害ボランティアセンターと連絡調整し、決定しております。今後、現地のニーズ等に応じて、活動期間や範囲、また、受け入れできる人数も変わることが予測されますことから、現時点では派遣の規模は確定しておりませんが、日程等の詳細が決まり次第、県社協がメール等で登録者に随時お知らせするとのことであります。最後に、自主的に行かれた方からの情報提供につきましては、把握が困難であることなどから、情報提供は受けておりませんが、県社協に登録し派遣したボランティアからの報告や災害ボランティアセンターなどに派遣している県社協職員からの情報などにより、現地の状況は把握されているものと考えております。しかしながら、今後は、ボランティアなどの受け入れが可能な災害ボランティアセンターの増加やNPOなどが行っている支援活動に参加する方もふえることが予想されますことから、参考情報として、市社協へお知らせしていただくことなども検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 越智下水道部長。 〔越智 誠下水道部長登壇〕 ◎越智誠下水道部長 土井田議員に、松山市発注工事に関連してのうち、中村前市長就任当時のうわさのうち、当時の対策について及び専門委員による検証について並びに疑惑真相解明に向けた市長の決意についてお答えをいたします。 まず、市OBに関するうわさと当時市長が講じた対策等についてお答えします。市OBに関するうわさの有無及び内容については、定かではありませんが、平成12年10月には、職員倫理条例を施行し、全部局の職員に対し徹底を指示するとともに、13年4月には、予定価格の事前公表を行うなどにより、職員倫理の確保や公共工事の適正化に、それぞれの部局において鋭意取り組んでいるところであります。 次に、専門委員による検証についてでありますが、今回専門委員に検証いただく市の調査結果報告の内容は、その範囲が複雑多岐にわたり、専門的な分野に関するものであることから、委員会や審議会のような合議ではなく、各分野において、専門の知識、経験を有するそれぞれの委員さんから、個別に答申をいただくことになります。その答申については、十分尊重しなければならないのは当然のことではありますが、御意見等が分かれた場合には、各委員さんの考え方やその根拠等について確認を行い、必要に応じて追加調査を行った上で、市の責任において、最終的な判断をしてまいりたいと考えております。 最後に、真相解明にかける決意についてでありますが、先ほど中西議員に市長から御答弁申し上げましたとおり、今回の問題につきましては、市の発注工事費に不当な上乗せがあったのかどうか、市に損害があったのかどうかを明らかにすることが最も重要であると考え、市としてその説明責任を果たすべく、調査に取り組んでいるところであります。いずれにいたしましても、不正に対しては厳しい姿勢で臨むという基本方針のもと、可能な限り徹底した調査を行い、その結果を公表することで、市民の皆様の御理解が得られるよう、最大限努めてまいる所存でございます。 以上でございます。 ○田坂信一議長 篠原消防局長。 〔篠原一志消防局長登壇〕 ◎篠原一志消防局長 土井田議員に、危機管理、防災等に関してのうち、緊急消防援助隊、現地での活動及び現在の全般的な防災体制、コンビナート火災発生時の住民の避難対策及び防災活動、伊方原発重大事故発生時の対応、自衛隊の活用等及び非常用バッグ配布についてお答えいたします。 まず、緊急消防援助隊は、大規模災害など、被災地の消防力で対応できない場合に、消防庁長官の求めや指示により、近隣の消防が都道府県の単位で応援出動するものであります。計画では、消火、救助、救急隊など、基本的に7つの部隊で編成され、本県においては、代表消防本部である松山市の指揮により、おおむね西日本を活動範囲とし、被災地で必要な装備を携行することとなっております。 次に、現地活動についてでありますが、今回の派遣では、情報や燃料の不足、寒さ、さらには可燃性ガスや油類の漏えいにより、携行した救助資機材が使えなかったことから、手作業による人海戦術を強いられるなどの苦労がありました。今後は、主に寒冷地仕様の装備とタンクローリーの確保等について検討してまいりたいと考えております。さらに、困難な活動ではありましたが、貴重な体験をしましたとの隊員からの報告もありましたことから、派遣隊員の経験を生かして、電気、水道などが全くない過酷な現場を想定するなど、実効性の高い訓練を行ってまいりたいと考えております。次に、派遣隊員の選抜方法は、経験年数や知識、体力、精神面などを考慮し、部隊ごとに人選をいたしました。また、出動までに3日間を要したことにつきましては、被災地の受け入れ態勢が整っていなかったことから、本件を含む四国、九州の各県隊については、消防庁長官からの指示が3日後となったものであります。また、なぜ1次隊のみで終了したかにつきましては、本市では、追加派遣の準備を整えておりましたが、国からの指示により、1次隊のみで終了したものであります。今回の派遣を通じ、正確な情報把握と本市が被災した場合における緊急消防援助隊の受け入れ態勢の確立が重要であることを改めて認識したことから、今後の計画の見直しに反映してまいりたいと考えております。 次に、現在の松山市の全般的な防災体制についてでありますが、本市では、消防局において、市の防災対策を担っており、災害時には消防局に災害対策本部を設置し、災害対応に当たることとしております。近年発生が危惧されております南海地震等への備えとして、避難者10万人を念頭に置いたアルファ米などの食料備蓄を初め、飲料水兼用型耐震性貯水槽の整備、毛布や紙おむつなどの生活必需品や医療品のほか、台風等風水害への備えとして発電機や水中ポンプなど、計画的に備蓄を整えております。また、自助、共助のかなめである自主防災組織による独自の避難、救助等の訓練を支援、推進するほか、毎年開催する総合防災訓練では、関係機関と連携した訓練を実施することにより、災害対応力の向上と連携強化を図っております。 次に、コンビナート災害についてでありますが、本市のコンビナートは、特別防災区域に指定されており、有事の際には、区域内事業所の自衛防災組織の消防隊と本市の化学消防車を主力とした消防隊が連携し、災害対応に当たることとなっております。また、住民の避難については、警戒区域を設定し、防災行政無線や車両広報により、迅速かつ的確な避難措置を講ずることとしております。 次に、伊方原子力発電所で重大事故が発生した場合の具体的活動等についてでありますが、本市から他の市や町への出動は、愛媛県消防広域相互応援協定に基づき、松山市長の命令により、本市消防が出動することとなりますが、被災地の消防長の指揮のもと、本市の装備、資機材で対応可能な活動を行うこととしております。 次に、自衛官の活用等についてでありますが、平成21年4月から、防災対策課に自衛官OB1名を非常勤嘱託職員として採用し、これまでに培ってきた知識や経験をもとに、防災に関する指導、助言をいただいております。次に、松山市消防と自衛隊との合同訓練の状況についてでありますが、本市では、大規模な林野火災を想定した合同訓練を平成20年から毎年実施しております。次に、東日本大震災に派遣された隊員の報告会等につきましては、松山市役所での消防隊員の活動報告会を皮切りに、講演会や報告会を行っているところでありますが、派遣隊員の惨事ストレスの問題もありますことから、産業医など専門家の意見もお伺いしながら、自衛隊の皆様にも御協力をいただき、講演会や報告会を通じて、市民はもとより、企業、団体への防災意識の普及啓発に努めてまいりたいと考えております。 次に、非常用バッグの配布についてでありますが、各家庭で災害に備え、食料品や飲料水、生活必需品などの物資を準備しておくことは重要であります。本市では、平常時において、自主防災組織を通じた助け合いや地域での緊急物資の共同備蓄などを啓発しており、各家庭に非常用バッグを配布している自主防災組織は、まさに自助、共助の意識のあらわれだと思います。災害に備えて、こうした自助、共助の精神で相互に助け合うことは、大変重要でありますことから、本市といたしましても、こうした先進的な取り組みを、自主防災組織や地域に対して周知啓発してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 山内教育長。 〔山内 泰教育長登壇〕 ◎山内泰教育長 土井田議員に、危機管理、防災等に関してのうち、児童生徒への防災教育の内容について及び教科書採択についてお答えをいたします。 まず、本市の防災教育の内容についてお答えをします。各小・中学校におきましては、教科や特別活動を初めとしたあらゆる教育活動の中で、児童生徒の発達の段階に応じて、みずからの安全が確保できることや、他の人への安全にも気配りができること、応急処置などの防災に関する学習を行っております。また、松山市地域防災計画に基づき、学校や地域の実情に応じた危機管理マニュアルを作成し、災害等に対応できるように備えており、学校内での災害に備えた避難訓練はもとより、登下校時や家庭にいるときなどの具体的な場面でいかに行動すべきかについて、児童生徒への指導を行っております。さらに、今回の震災は、想定をはるかに超えるものであったことから、各学校に対し、自然災害への対応力を強化するよう、防災対策の見直しを指示しております。 次に、教科書調査の判断基準、教育委員の採択の責任、展示会場へのアンケートの設置、県の指導資料につきましては、教科書採択の手続に関係することでありますので、一括してお答えをいたします。本市では、改正された教育基本法の理念や学校教育法の目的を踏まえ、学習内容の習得と活用を効果的に図ることができるか、伝統と文化、道徳教育、社会の変化への対応などが考慮されているか、主体的に自学自習ができるよう適切な工夫や配慮があるかなどの新しい教育課題を見据えた観点を基準として定めております。これらの観点に基づいて、多面的に各教科書についての専門的な調査研究を行い、その報告をもとに愛媛県で作成された選定資料も参考にしながら、教育委員会で採択を行っています。採択に当たっては、こうした資料に照らして、教科書を十分吟味することに加え、各界から選ばれた教育委員の豊かな経験と幅広い見識により決定することが極めて重要であり、十分にその責任を果たしているものと考えております。なお、展示会場へのアンケートの設置につきましては、回答内容の客観性に対する判断等が困難であることから、見合わせしております。 次に、歴史・公民教科書における自衛隊、拉致問題、領土問題、国旗、国歌や歴史上の事案に関する議員の御指摘について一括してお答えをいたします。採択される教科書は、いずれも法や学習指導要領に基づいた検定基準を合格したものでありますことから、特定の思想信条や偏った歴史認識に基づく記述は排除されているものと考えております。したがいまして、個別の表現の仕方や記述内容の取り扱い等につきましては、教育的見地から、本市の調査研究や採択に至る審議において、しっかりと吟味し、評価してまいりたいと考えています。本市といたしましては、松山の子どもが活用する教科書でありますことから、県や他の地域からは独立した公正な立場で採択すべきものと考えております。そして、一面的な視点にとらわれることなく、総合的に判断して、松山の子どもの学びや人間形成に最も資する教科書の採択に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 渡辺公営企業管理者。 〔渡辺滋夫公営企業管理者登壇〕 ◎渡辺滋夫公営企業管理者 土井田議員の松山市発注工事に関する質問の中に、これまでの特別委員会等での私の発言に対する質問が何点かございますので、それについてお答えいたします。 この問題につきましては、議員のおっしゃる「今回のことで守るべきものは市民の利益であるということをお互いがしっかり踏まえ、徹底した解明を行い、不正を許さない、起こさない仕組みづくりが強く求められている」との御意見は、私も全く同感であります。その一方で、「事情聴取への当初からの消極的と感じられる姿勢に、本当に疑惑を解明する気があるのか」との御指摘につきましては、私どもは、不正は不正として徹底的に解明すべきと考えており、決して消極的な取り組みをしているとは思っておらず、今後も議会等の御指導もいただきながら、全力で取り組んでまいります。そこで、御質問の1点目、人権侵害及び名誉毀損に当たるという法的根拠と考え方についてでありますが、当初新聞報道では、公金詐取という犯罪が疑われる内容となっており、それに対して聞き取りを行うということは、犯罪捜査以外の何物でもないということであり、相手の受け取り方によっては、プライバシーの侵害や刑法第230条に定められている名誉毀損罪で訴えられる可能性を否定できないということを繰り返し申し上げてまいりました。このことは、元請会社の調査依頼を受けた法律事務所の報告書にも、松山市当局は、行政機関であって、司法機関ではなく、強制的捜査権限がなく、行政監督上の監督権に基づく調査権しかないことから、松山市当局が直接関係しない民間対民間の商行為には調査権が及ばずとの記載があり、私どもの考えを肯定していただいたものと考えております。その後、孫請社長につきましては、自発的に話をしていただけるということが漏れ伝わってきましたことから、お越しいただけるならお聞きしますと申し上げてきたところであります。いずれにいたしましても、第三者の専門委員に諮問しておりますので、専門委員からの意見が出てまいりましたら、それを踏まえて対応してまいりたいと考えております。次に、2点目の下水道工事の元請企業と会食したとされる元市職員につきましては、倫理規定に抵触する可能性がありますことから、私どもで調査を行い、個人を特定できましたので、先般、面会についてのお願いの文書を送付したところであります。これに対して、現在までに面会をするとの返事はいただいておりませんので、面会に向けてさらにアプローチしていきたいと考えております。なお、疑惑にかかわったとされる元市職員につきましては、人物を特定できる材料を持ち合わせておらず、倫理規程に抵触する可能性のある元市職員と同一人物であるかどうか、不明であります。したがいまして、現時点では、倫理規程に抵触する可能性のある元市職員に対し、疑惑に関する事情を聞くことはできないものと考えております。次に、3点目の孫請社長につきましては、議会の特別委員会の動向や第三者である専門委員の意見と助言を踏まえた上で対応してまいりたいと考えております。 次に、4点目の名指しされた職員に対する対応及び本市と本市職員の名誉のための対応につきましては、私どもは孫請社長の記者会見の内容を承知しておりませんので、今後において職員の実名や行動が明らかになった時点で、適切に対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 〔議長登壇、副議長は議長席に着く〕 ○田坂信一議長 土井田議員に、愛媛新聞社に対する松山市発注工事解明調査特別委員会による参考人招致についてお答えをいたします。 本特別委員会では、疑惑の解明に向け、参考人を呼ぶ必要性から、去る5月25日の委員会におきまして、自民党議員及び新風・民主連合の議員は、愛媛新聞社、孫請業者、市職員OBの3者の招致、共産党議員及びネットワーク市民の窓の議員は、孫請業者、次いで市職員OBの招致、社民党議員は、孫請業者の招致、松山維新の会の議員、公明党議員及び無所属の会の議員は、まずは愛媛新聞社の招致との意見が出され、これらを順次採決し、結果、まずは愛媛新聞社を参考人として招致することを決定したものであります。私、議長といたしましては、このような委員会の決定を尊重し、委員長からの愛媛新聞社編集局長の参考人出席要求を受け、出席要請したものであります。報道機関に対する招致に当たりましては、平成15年3月の日本新聞協会編集委員会の見解もございまして、慎重を期さなければならないことは十分承知しておりますが、このたびの愛媛新聞社の招致は、あくまでも任意の参考人としての御意見を伺うこととしたもので、決して取材源の秘匿や知る権利など報道機関を抑圧するものではなく、また、報道の自由を脅かすものでもないと考えておりますので、御理解いただきたいと存じます。 以上で、答弁を終わります。 〔副議長退席、議長着席〕 ○田坂信一議長 以上で、答弁は終わりました。(「議長」と呼ぶ者あり)土井田議員。 ◆土井田学議員 自席から確認のため再質問いたします。 稲葉副市長が、うわさについては知らないということをおっしゃいました。そして、市長が対策を指示したことは御存じだったのかということを確認しておきます。 そして、越智部長、私は市長のほうからすばらしい決意を聞けるんかと思うたら、中西議員に言うたとおりだと。私、最近頭悪くなって、午前中のこと、大分忘れとんですけど、もう一度詳しくお願いします。 〔「議長」と呼ぶ者あり〕 ○田坂信一議長 稲葉副市長。 ◎稲葉輝二副市長 自席から失礼します。 先ほど答弁申し上げましたように、うわさの職員OBというのは記憶にございませんが、職員に対する市長からいろいろ全職員に向かって発せられた中身につきましては、記憶をいたしております。 以上です。 〔「議長」と呼ぶ者あり〕 ○田坂信一議長 越智下水道部長。 ◎越智誠下水道部長 自席から失礼して御答弁申し上げます。 真相解明にかける決意についてでありますが、今回の問題につきましては、市の発注工事費に不当な上乗せがあったのかどうか、市に損害があったのかどうかを明らかにすることが最も重要であると考え、市としてその説明責任を果たすべく調査に取り組んでいるところであります。いずれにいたしましても、不正に対しては厳しい姿勢で臨むという基本方針のもと、可能な限り徹底した調査を行い、その結果を公表することで、市民の皆様の御理解が得られるよう、最大限努めてまいる所存でございます。 以上でございます。 ○田坂信一議長 次に、渡部 昭議員。 〔渡部 昭議員登壇〕 ◆渡部昭議員 新風・民主連合の渡部でございます。市政一般について質問を行いますので、市長初め、関係理事者の皆さんのわかりやすい回答をお願いいたします。 まず冒頭に、3月11日に発生した東日本大震災において、命を落とされた人々の御冥福をお祈りし、被災された方々へ心からのお見舞いを申し上げるとともに、被災地の一日でも早い復興をお祈り申し上げます。さて、震災は、巨大地震、大津波、そして原発事故が同時発生するなど、阪神・淡路大震災と比べても、規模が大きく、しかも原発事故が進行するというまさしく複合災害で、人類史上初めての事態を招いたと言っても過言ではないと思います。それだけに、私たちは、この災害を教訓として、甘かった備え、次々に崩れた絶対安全神話をきっちりと受けとめ、想定外の災害が起きても被害を最小限にする備えを問うていく政策を行わなければならないと思います。具体的には、1つが、災害に強いまちづくりとは、2つが、住民の安全・安心とは、3つが、防災意識の徹底とは、そして4つが、原発事故に何を学ぶかであります。5月21日現在の警察庁のまとめでは、死者1万5,170人、行方不明者は8,857人、その合計は2万4,027人となっています。特に、岩手県の大槌町の死者は714人、行方不明は978人で、死者、行方不明の合計は、まちの総人口の11.1%、宮城県の女川町では、死者446人、行方不明869人で、その合計は人口の13.1%になっており、人口の1割以上を失った自治体もあることが被害の大きさを物語っています。警察庁のまとめでは、岩手、福島、宮城の死者は1万1,108人で、そのうちの65.2%が60歳以上で、死因の92.5%が溺死で、津波が原因と見ており、高齢者は自宅にいる率も高く、逃げおくれたのではないだろうか、高齢化率の高い地域を一気に襲った津波被害が、この震災の特徴であると報じています。そこで、質問です。その1つは、今回の震災では、自治体が指定した避難場所でも、津波にのみ込まれるという事態も発生しています。ゆえに、各自治体では、今までの防災計画を見直す動きもあるようですが、本市の考え方をお伺いいたします。その2つは、情報の伝達についてであります。津波は、地震の直後に来たわけではないにもかかわらず、こんなに多くの犠牲者が出たことは、逆にどのような情報伝達の手段があれば救われたのかと疑問がわいてきます。当然、地震により停電が発生したのですから、テレビ、ラジオは役に立たなかったのではないかと思います。そのときに役に立つのは、防災無線だったと思いますが、災害時の情報伝達方法についてお伺いいたします。また、本市における防災無線の設備数とその活用実態をお教えください。そして、予想される震災時での防災無線のマニュアルをお示しください。その3つは、津波被害の特徴についてであります。警察庁は、今回の震災の特徴は、高齢化の高い地域を、一気に襲った津波被害と報じています。高齢者や障がい者は、すぐには避難できない避難弱者であります。その方々への災害時における対応をお伺いします。さて、私が一番気にかける地震は、30年以内に起きる確率が70%程度と予想される東南海地震と30年以内に起きる確率が60%程度と予想される南海地震への対応であります。この南海地震への予想は、マグニチュード8.4前後で、東南海地震と同時発生の場合は、マグニチュード8.5前後と予想しています。ちなみに、本市にかかわる過去の大地震は、1854年、安政1年の安政南海地震で、マグニチュードは8.4、次は、約100年後の1946年、昭和21年に発生した南海地震で、マグニチュード8.0、松山での震度が5、そして2001年、平成13年に発生した芸予地震であります。マグニチュードは6.7、松山での震度は5強、ちなみに3月11日発生の東日本大震災は、マグニチュード9.0でありました。中央防災会議は、南海地震が起きると、瀬戸内海側でさえ約2メートルの津波に襲われると予想しており、2メートルは大人の身長も超えるだけに、車も人も流されると思わなければなりません。平成3年9月の台風19号では、強風と満潮の悪条件が重なった本市沿岸部において、高潮により郵便局の金庫が流されたり、護岸の決壊や家屋の全壊、流出が発生し、旧中島町は、災害救助法が適用されるほどの壊滅的な打撃を受けました。また、旧北条市の下難波地区では、帰宅途中に車ごと高波にさらわれ、行方不明になるなどの被害が出ています。この台風19号被害について、内閣府の高潮災害とその対応では、県内における高潮の被害は、1950年9月13日以来、これまで頻繁に起きてはいないが、一度に広範囲に被害が発生する海の恐ろしさを知っておく上で教訓となる災害、また、津波災害においても、参考とする災害であるとコメントしています。そこで、質問ですが、この南海・東南海地震による予想される被害対策については、台風19号の教訓をどのようにして生かしているのか、お聞かせください。岩手県の死者、行方不明者の2割近い1,300人以上という人口比率3%超えの犠牲者を出した釜石市ですが、子どもと保護者の犠牲率が圧倒的に低いという注目すべきことがあります。市内の小・中学生約3,000人のうち、死者と行方不明者は5人、犠牲者の大半は、欠席や地震後に迎えに来た保護者とともに学校を離れた人、保護者も同様に、人的被害は28人にとどまっています。市立釜石東中学校と隣接の市立鵜住居小学校は、明治と昭和の三陸地震で浸水を免れたことから、市の津波ハザードマップの外側にありましたが、今回は、小学校の3階に車が突き刺さるほどの巨大津波が押し寄せました。地震発生後、中学生は、教師の指示を待たず、自主避難を開始し、合流した小学生や園児の手を引き、指定の避難場所の高台に集合し、その後の揺れの大きさから避難場所をより高台へと次々に変えていきました。そして、最後の避難場所にたどり着いた直後、両校と最初の避難場所は水中に没したが、教師が点呼したところ、登校していた生徒は、全員が集結済みであったそうでありました。この東中学校は、2009年から2010年、毎日新聞社主催のぼうさい甲子園で優秀賞を連続受賞した学校で、週1時間を防災教育に割いていたそうです。また、明治三陸地震の津波では、住民の2人を残して壊滅、昭和三陸の大津波も4人を残すだけの被害を受けた岩手県宮古市重茂の姉吉地区は、3月11日の震災での津波の遡上高は、観測史上最大規模の38.9メートルに達していました。しかし、この震災で11世帯、約30人の集落の建物はすべて無事だったそうです。守ったのは、ここより下に家を建てるなと先人が石垣に刻んだ教えで、津波は石垣の手前でとまっていたとのことであります。「災害は忘れたころにやってくる」とのことわざを忘れず、この震災から学ぶべきことは、みずからの命を守るこだわりを基本に、徹底した防災教育などのソフト面と、防波堤などの備えのハード面、そして地域における先人たちの言い伝えの3つの組み合わせた政策を実行することが大切だと思います。そこで、質問ですが、報道では、本市は8月、津波を想定した大規模訓練を計画しているようですが、こうした訓練は、災害意識の高揚ということからも、継続した取り組みが必要だと考えています。ゆえに、具体的な訓練内容と今後の防災意識の高揚への取り組みをお伺いいたします。次は、原発問題です。原発から10キロメートル圏内の自治体は、毎年、県が主体となる原子力防災訓練を実施しているそうですが、その訓練は、原発の単独事故を想定したものでも、放射性物質が放出される前に事態は収束というシナリオになっているとのことです。今までは、放射性物質は外に漏れない、原発は安全だということを前提の訓練でよかったのでしょうが、今後は福島原発事故を教訓に、放射性物質が外に漏れたことを前提にした訓練にしなければなりません。畑村東大教授は、どんな産業分野でも、十分な失敗経験を積むには200年かかると考える。産業革命以降、ボイラーの爆発で1万人以上が命を失ったと見られる。ボイラーが出現して、約200年がたって、ようやく手に負える製品になったということだ。一方、原子力発電は、始まってまだ60年しかたっていない。原発事故の歴史を振り返れば、スリーマイル島事故、チェルノブイリ事故、そして今回の福島原発と、原子力も失敗経験を積んでいるのであると語っています。であるがゆえに、私たちは、電気は必要だが原発は危険だということを、今回の事故で痛感させられました。現在は、半径20キロメートル以内の地域に避難指示が出され、30キロメートル圏内が屋内避難対象となっています。しかし、半径20キロ圏外でも、1年間の積算放射線量が20ミリシーベルトに達するおそれがある地域は、計画的避難区域に指定されていますが、放射性物質は、風向きやその地形でも変わるため、半径20キロ、30キロで区切ることには、科学的根拠はありません。四国電力伊方原発から約50キロ強に位置する本市にあっても、原発の安全性に対しては、多くの方が関心を持っています。そこで、質問ですが、本市の地域防災計画では、原発事故についてどのような扱いになっているのか、お伺いいたします。あわせて、原発から10キロメートル圏内の自治体で行っている原子力防災訓練の内容をお教えください。また、原発事故にどのように備えていくことについては、今回の福島原発事故の教訓を生かし、市民一人一人が安全対策にかかわっていくような作風づくりも運動的に必要だと思います。そのためには、学習会を開くとか、原子力防災訓練を公開制にするなどの施策が考えられます。したがって、住民の安全・安心を守るための責務を持つ自治体として、今後の原発事故に対する取り組みをお聞かせください。この項の最後は、今回の原発事故を契機に、従来の原子力発電推進政策からの転換、いわゆる脱原発社会へのシフトにかかわる対応についてであります。電気代が安くなる、核燃料サイクルで夢のエネルギー、そして今はCO2を出さないクリーンエネルギーと、その時々の都合のいいキャッチフレーズを掲げ、原発建設を国策として進めた我が国。気がつけば、今や世界第3位の54基を保有する原発大国であります。福島の衝撃は、世界じゅうの原発政策に大きな影響を与え、イタリア、ドイツを初め、多くの国で脱原発へと動き始めています。大事故による国民への被害はもちろん、他国に対しても放射能の恐怖を与えた我が国。大事故から日を追って明らかになったのは、原子力と人類の共存の難しさで、特に我が国においては、事故に対する危機意識も対応能力もなかったという現実であります。安全神話がいとも簡単に崩れた今、従来の推進策の根本的な見直しを行い、いかに脱原発社会を実現させるかが問われていると思います。原発という大規模発電施設を、都会からはるかに離れた地方に建設し、地震や津波といった自然災害の被害を軽視し、何基も集中させた結果がレベル7で、チェルノブイリに匹敵する大惨事を招いた要因であります。耐用年数30年と言われたものが、いつの間にか40年になり、やがて50年、過酷な条件の中に長期間さらされると、思わぬところの金属疲労や劣化の進行、さらには人為ミスなど、自然の災害以外からも事故につながる危険性の増大が懸念されています。身近な仲間内で、この事故の話になれば、この期に及んで、なお原発が必要とされる方は、ぜひ自分の居住地に誘致運動をすればよい。それよりも不思議でならないのは、これだけの被害を出しながら、だれひとり安全基準などに対した法律違反の処罰者がいないということです。そのことがいかに今までの原発事故への対応がずさんで、いいかげんであったかをあらわしていると主張する人もいます。とりあえずは、これ以上の被害拡大をなくすため、一日も早い事故の収束を願っていますが、次に問題になってくるのが、原発の稼働停止による夏場の電力不足です。計画停電や15%の節電といった動きが出始めていますが、四国電力管内においても、現在、点検中の3号機が再稼働しない場合、余力電力が少なくなり、需要が逼迫するとのことです。しかし、データから見ると、原発1基分がなくても、四国管内は十分に対応できるということであり、しかも原発は、出力調整ができないため、点検以外は常に100%稼働をさせるため、その調整役として、火力と水力が使われるため、全体に占める原発比重が高くなっています。特に、四国電力は、全発電量に占める原発の比重が全国平均よりも高く、40%を超えるものになっています。温暖化対策と原発に頼らないエネルギーという2つの大きな命題を抱えた中での厳しい道のりかと思いますが、未来を生きる子どもたちのためにも、覚悟を決めた対応が、今を生きる私たちに強く求められてくると思います。いずれにせよ、今回の大震災により、大規模発電施設の一極集中には問題があり、危険回避のため、今後は小規模分散型への移行は必至となると思っています。そこで、まずお伺いしたいその1つは、四国電力から他電力に対する供給量についてであります。四国電力における他電力への売電は、どのようになっていますか。その2つは、四国電力管内及び本市における自家発電の状況についてであります。発電コストの関係で、使用されていないものも存在していると思いますが、その状況はどのようになっていますか。その3つは、コ・ジェネレーションの活用についてであります。この言葉の持つ意味は、ジェネレーションはつくる、コは2つ、つまり電気と熱の2つを同時につくるということです。ディーゼルエンジンやガスタービンの通常の発電機は電気だけをつくりますが、燃料を燃やせば同時に熱も発生します。これを捨てずに、給湯とか暖房にも利用するものです。発電効率、コストは、電力会社のものとほとんど変わりません。加熱を給湯などで有効利用すれば、全体の効率は飛躍的に高まり、70%から80%まで上昇するとのことであります。電気と熱の両方を大量に使うところでは、かなりのメリットがあり、ホテル、病院、工場、健康センターなどなどでの導入が進んでいます。今後は、福島発電事故を教訓に、さまざまな危険を回避し、より効率的な小回りのきく方法が求められてくると思います。本市におけるコ・ジェネレーションの導入状況及び本市施設も含めた導入についての考え方をお示しください。その4つは、小型の風力発電や太陽熱など、自然エネルギーのより積極的な利用についてであります。太陽光発電については、本市においても積極的な導入が図られ、この間、補助対象の累計が4,687件、補助額約15億2,000万円、年間出力総量約1万8,000キロワットと、全国トップクラスの普及率となっています。しかし、天候に左右されるという弱点を抱えていることも事実であり、その克服が大きな課題となっています。そこで、その弱点を補うものとして、小型風力発電機とのセット活用が注目されています。風速1メートルから発電し、60メートルまでが対応可能であり、経費も太陽光単独のものとほとんど変わらない状況となっています。太陽光と風力を組み合わせれば、より効率的なエネルギーになることは明白であり、本市でもその活用、普及に積極的に取り組むべきと思いますが、御所見をお伺いします。いずれにせよ、遠隔地からの送電ロスを考えれば、消費地近くでの発電とエネルギーそのものをストレートに活用することが大事であり、そこでより推進していきたいのが太陽熱の活用であります。本市では、7年前から、2万5,000円を補助する事業を開始され、現在まで累計が1,681件、それ以前に設置されている状況については把握されていないとのことですが、ある機関の調査では、家庭エネルギーの約36%が、ふろや台所の給水に消費されており、また本市の新エネルギーの賦存状況調査では、太陽熱のエネルギー能力は、約3万戸の年間エネルギーに相当し、家庭用給湯用エネルギーの半分以上としています。太陽熱の積極的な活用によって、電気はもちろん、ガスや灯油といった化石燃料の消費抑制によって、CO2削減にも大きく寄与すると思います。今後の太陽熱普及促進についての考え方もあわせてお伺いいたします。 続いての質問は、鳥獣被害についてであります。6月10日の報道で、2010年度の愛媛県の鳥獣による被害額は、過去10年で2番目に多い4億3,588万円で、前年比38.4%増、松山市の島嶼部でイノシシがミカンを食い荒らすなど、中予での被害が急増した。松山市の被害額は8,485万円と報じられました。県自然保護課と県鳥獣害防止対策推進会議によると、イノシシによる県内の農林作物被害は、1993年に約1億円だったが、2008年には約2億2,000万円、捕獲頭数は1993年度の1,850頭から2008年度には1万920頭と約6倍にふえています。捕獲数がふえているのに被害が減らない最大の原因は、里山の荒廃により、もともと山地にいたイノシシが、えさの豊富な耕作放棄地をねぐらにし、人間のすぐそばで暮らすようになったと語っています。各地に広がる農産物を中心とした鳥獣被害は、一向におさまる気配はなく、このまま放置をすれば、農家の生産意欲や所得を低下させ、地域の活力をそぐ一因になりかねません。一方、昨年は、県内の住宅地にイノシシがあらわれ、各地で生け捕り騒動が発生していました。具体的には、1月5日、JR北条駅近くに、約120キロのオスが出現、同6日、今治市の玉川町で約1メートルのイノシシが下校中の女子児童に突きかかった、そして、2月末は、松山空港、3月には伊方町の美容室にイノシシが突っ込んでおり、イノシシ被害は、農産物被害だけでなく、地域社会への被害をもたらしています。この被害に対し、西予市では、4月、捕獲意欲の向上とイノシシ肉の有効活用を目的に、獣肉処理加工施設を開設、今治市の大三島地区では、イノシシ肉のB級グルメ化への取り組みを行うなど、捕獲と食肉加工の体制を整え、鳥獣被害防止に対応する自治体もあらわれています。その他、猿対策としては、接近警戒システムの導入やモンキードッグ育成などを採用している自治体もあらわれていますし、私の知人は、打ち上げ花火で対抗しています。このテーマは、過去に私を含め、数名の方からも質問が行われておりますが、私は12月議会に引き続いての質問となります。質問その1つは、猟銃者の高齢化及び減少化の状況で、捕獲隊員の育成や確保のため、農業者の猟銃免許取得や箱わななど捕獲機材への支援などについて、総合的に検討との方向性が12月議会で示されています。そこで、まず聞きたいことは、前年度との取り組みの対比についてであります。21年度予算519万5,000円に対し、22年度予算1,469万5,000円で、どのような取り組みを行い、どのような成果があったのかお示しください。その2つは、23年度予算に対する対策であります。報道では、松山市の島嶼部で、イノシシがミカンを食い荒らすなど、中予での被害が急増した。松山市の被害額は8,485万円と報じていますが、この被害額を減らすための今年度の取り組みをお示しください。また、現在、イノシシ対策としての電気さく、金網、トタン板などへの鳥獣被害防止施設資材購入費補助金制度が実施されていますが、額と地区別申請件数をお教えください。その3つは、わな免許についてであります。これからの被害対策では、地域を越えた広域的な取り組みが必要で、その一つの有効な方法が、わな仕掛けへの取り組みです。猟銃免許の取得は、思いつきにくいが、そのかわりに簡単なわな免許の取得ならとの声を聞きますが、その取得について、総合的に検討された方向性の中でどのように考えているのか、お示しください。また、23年度予算にどのように反映するのかをお示しください。その4つは、被害実態をつかみ、地域を挙げた情報をもとにした防除対策で、被害の軽減につなげていく取り組みについてであります。12月議会で、農家から被害発生報告を受け、市、農協、中山間地域協定集落や地域代表者などが協力して、被害状況の把握に努め、捕獲数がイノシシは257頭、猿は14頭と明らかになりました。被害調査は、事後調査とならざるを得ませんが、一方、忘れてならないことは、被害の軽減を目的とした被害予知への対策であります。そのためには、1つ、地域にどれくらいの有害鳥獣が生育しているのか、2つ、被害の軽減のため、鳥獣の種類別管理をいかにしていくのかとの考えが必要です。総合的な検討の中で、今後の予算にこの2点をいかに反映するか、お教えください。その5つは、有害鳥獣防止対策協議会についてであります。本市は、この協議会を3月中に設置したと聞いていますが、目的、活動内容、そして期待する成果事項についてお教えください。この項の最後の質問は、野生鳥獣との共存についてであります。深刻な野生鳥獣の農作物被害を解決していくためには、生き物にとって住みやすい森づくりが必要であると言われています。鳥獣被害対策として、生き物を駆除、すなわち殺すことだけが目的ではありません。生き物に優しい森林を提供することも大事な対策だと思います。森林対策への考え方をお示しください。 続いての質問は、歴史に学ぶ平和教育についてであります。ことし1月、市議会海外視察研修に参加させていただき、視察先のポーランド共和国にあるアウシュビッツ博物館を訪問することにより、歴史に学ぶ平和の大切さを改めて痛感するとともに、我が国における広島、長崎の原爆記念館と同様に、人類が犯した過ちとして永遠に保存し、記憶にとどめなければならないところであることを強く感じました。第2次世界大戦中、ナチスドイツは、占領地のユダヤ人、ポーランド人、ロマ、共産主義者、反ナチ活動家や同性愛者などを捕まえ、各地に設けた強制収容所に送り、ある者は即座に殺され、ある者は過酷な労働に従事させられた後殺されたり、大戦中に殺りくされた人数については、確たるものはないが、推計では600万人程度ではないかとも言われています。ここで、簡単にアウシュビッツ博物館について触れてみますと、ドイツ名がアウシュビッツで、ポーランドの政治犯が最初に収容されたのは1940年6月14日で、ここで殺された人々は、28民族で150万人と言われています。収容所は、当時のままの状態で保存され、博物館として公開されており、昨年は138万人、日本人は約7,000人が訪れました。また、このアウシュビッツから約2キロ離れたところに、アウシュビッツよりもさらに大規模で、広大な敷地に点々と当時のままの建物が建っているビルケナウ収容所があり、連行された人々は、この収容所の線路の尽きたところでおろされ、ガス室行きと強制労働に選別されたと言われています。私たちを案内してくれた日本人ガイドの中谷氏は、「アウシュビッツ博物館案内」と題した著書の中で、この場所の出来事は、人類が犯した過ちとして、永遠に記憶にとどめなければならない。平和を守るため、歴史認識と経験を次世代に伝えることこそ、真の意味での人材投資であると訴えています。また、同氏は、ドイツの工科大学の学生たちは、休みを利用してアウシュビッツを訪れ、修復作業などをボランティアで行っている。ポーランドの学生たちは、社会見学で必ず足を運ぶ。このような積み重ねが、未来につながっていくと語ってくれました。まさしく同感であります。私たちが学校での教科書や資料集においてナチスのユダヤ人迫害を知り、修学旅行で広島の原爆ドームを訪れたりすることが、まさしく歴史に学ぶ平和教育であると思います。そこで、教科書をお借りし、ナチスドイツの大虐殺に関する部分に目を通しますと、小学校の資料集では、ナチスドイツは、ドイツの支配する地域に住むユダヤ人を強制収容所に連行し、約600万人を毒ガスなどで殺害しましたと記載しています。中学校では、ユダヤ系の少女アンネ・フランクの書いた日記に絡ませ、ユダヤ人に対しては、徹底的に弾圧を加え、アウシュビッツなどの収容所へ送り、殺害しました。これらの悲惨な体験は、長く記憶されることになりましたと記載されています。また、資料集にはリトアニア日本領事代理であった杉原千畝氏のユダヤ人への亡命支援も紹介されていますが、単なる歴史の一こま的であり、戦争の悲惨さ、非人間的行為、戦争による人権侵害などへの踏み込んだ部分が見当たらないところに物足りなさを感じています。そこで、質問のその1つは、歴史に学ぶ平和教育の必要性についてお聞かせください。そして、平和教育の基本的考え方をあわせてお聞きします。その2つは、ナチスドイツの恐怖政治が始まると、学校でのユダヤ民排除の教育も始まり、人権無視の始まりが平和の崩壊の始まりであったと言われています。人権という人間の基本的な尊厳を大事にしてこそ、平和が保たれると考えていますので、学校教育における人権と平和に関する考え方をお聞かせください。その3つは、歴史に学ぶ平和教育の実体験学習についてであります。小学6年生の教科書には、戦争中の生活との項で、集団疎開について、空襲が激しくなると、都市部の小学生たちは、地方へ集団で疎開しましたとして、手を合わせたいただきますとの食事の前の写真に、疎開先での1週間の食事メニューが紹介されていました。私が住む校区の小学校は、太平洋戦争末期の昭和19年から20年にかけて集団疎開していた大阪市此花区の四貫島国民学校の方々との交流が現在も続いており、2008年3月とこの2月27日、6年生を対象に、学童疎開の事実を風化させてはならないことを目的に、疎開体験を伝える平和学習を行いました。その概要については、同日に開かれた正岡公民館祭りの開会式で、訪れた疎開者の方々の紹介と報告を行っています。また、公民館祭りでは、昭和19年12月に写した集団疎開3年生児童に関する資料や学校と疎開者の交流にかかわる記事などが掲示されるなど、実体験を通した平和学習が、地域活動の中でも行われています。そこで、質問ですが、実体験を通した平和教育にはどのようなものがあり、どのような取り組みがなされているのか、お伺いいたします。 以上、少し長くなりましたが、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○田坂信一議長 これより、答弁を求めます。野志市長。 〔野志克仁市長登壇〕 ◎野志克仁市長 渡部 昭議員に、私からは、東日本大震災の教訓についてのうち、災害時の情報伝達方法について及び松山市総合防災訓練についてお答えをいたします。 3月11日に発生した東日本大震災は、地震の規模がマグニチュード9.0という、我が国が過去に経験したことのない巨大な地震となり、想定をはるかに超える大津波が、沿岸のまちを一瞬で壊滅させ、まさに未曾有の大災害となっております。私も先日、宮城県南三陸町及び福島県会津若松市に行ってまいりましたが、被災したまちを目の当たりにし、改めて自然の驚異を思い知らされるとともに、このまちが一日も早く復興できますよう、できる限り支援を行う決意を新たにしたところでございます。そんな中、本市では、災害時における情報伝達体制を強化するため、今年度から3カ年で、市内全域に同時に情報伝達できる、いわゆる同報系デジタル防災行政無線を整備することにしております。このデジタル防災行政無線は、双方向通話やデータ通信が行えるほか、デジタル波の特性を生かし、本市独自で雨量観測が行えるテレメーター装置や音声に加えてデータで情報を伝達できる文字表示装置などを設置することになっており、災害時には、市民の皆さんの有効な情報伝達手段になるものと確信いたしております。そこでまず、本市の情報伝達方法についてでありますが、災害時の情報伝達方法といたしましては、防災行政無線や携帯電話のメールサービス、災害時要援護者には電話で一斉に発信できる音声サポートシステムのほか、消防車などによる災害情報の伝達などがあります。次に、本市における防災無線の設置数とその活用実態及び予想される震災時での防災無線のマニュアルについてでありますが、現在、各地域で実際に送受信する設備、いわゆる屋外拡声子局を、旧松山地区122カ所、旧北条地区80カ所、旧中島地区31カ所の合計233カ所に設置し、消防団への出動指令への活用を初め、震度5弱以上の地震を感知した場合や大津波・津波警報が発令された場合には、全国瞬時警報システム、通称J-ALERTにより、緊急地震速報や津波警報を市内全域に伝達しております。また、風水害などにつきましては、気象警報や土砂災害警戒情報のほか、本市の避難勧告などのマニュアルに基づきまして、避難勧告などの緊急情報を市民へ発信いたしております。 次に、防災訓練の内容についてでありますが、本市におきましては、毎年、防災関係機関や多くの市民に参加していただき、総合防災訓練を実施しております。今年度は、東日本大震災の津波被害が甚大であったことから、市民の津波災害に対する関心が高まっておりまして、例年行っている南海地震に備えた地震対応訓練に加え、興居島地区を初めとする島嶼部や沿岸部において、市民の皆さんが自主的に津波から避難していただく訓練も計画いたしております。メーン会場の石井小学校では、自衛隊などの防災関係機関や本市と災害時の協定を締結している各団体が連携して、倒壊家屋からの救出訓練を実施するほか、市民参加による地震対応訓練も行うこととしております。また、市内一円で、地域や各事業所ごとに特色のある訓練も予定いたしております。次に、今後の防災意識の高揚への取り組みについてでありますが、昨年の総合防災訓練では、事前に内容を知らせず、火災や生き埋めなどの現場に対応するシナリオのない訓練を初めて取り入れましたが、市民の皆さんも大変熱心に取り組んでいただきました。そこで、今年度も引き続き実施することにしておりますので、一人でも多くの皆さんに参加していただき、防災への関心を高めていただきたいと考えております。また、市民の関心が高いこの時期をとらえまして、防災キャンペーンを初め、本市が開催する各種行事での防災啓発に加え、自主防災組織が実施する研修会や訓練を通じて、市民への防災意識の高揚を図ってまいりたいと考えております。 そのほかの質問につきましては、関係理事者のほうからお答えをさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。 ○田坂信一議長 田中社会福祉担当部長。 〔田中郁夫社会福祉担当部長登壇〕 ◎田中郁夫社会福祉担当部長 渡部 昭議員に、東日本大震災の教訓についてのうち、災害時での避難弱者への対応についてお答えいたします。 高齢者や障がい者などの方々にとっては、隣近所など地域住民による身近な支援が、災害時において最も有効な手だてであり、そのためには、日ごろから地域でお互いに助け合い、支え合う環境づくりが重要であると考えています。そこで、本市では、松山地域防災計画の中で、高齢者や障がい者の方々などの要援護者が、災害発生時に適切な支援が受けられるよう、災害時要援護者支援対策マニュアルを策定し、地域で要援護者を支援する体制の構築に努めております。具体的には、災害が発生した場合、行政を初め、民生・児童委員や自主防災組織が互いに連携し、あらかじめ登録している近隣協力員や独居高齢者みまもり員、消防団などと協力し、要援護者の安否確認及び避難誘導などを行うこととなっております。また、要援護者の救出に当たっては、市や消防局、警察などの指示のもと、地域住民が主体となって、要援護者の救出活動を行うこととなっております。さらには、民生・児童委員など、地域から随時、市の災害対策本部に要援護者の被害状況が報告され、被害状況に応じて、消防局などとの連携のもと、要援護者の支援に努めることとしております。今後におきましても、こうした災害時における要援護者の支援体制について、より一層の充実と周知啓発に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 江戸環境部長。 〔江戸通敏環境部長登壇〕 ◎江戸通敏環境部長 渡部 昭議員に、東日本大震災の教訓についてのうち、脱原発社会へのシフトにかかわる対応についてお答えいたします。 まず、四国電力における他電力への売電についてでありますが、四国電力によりますと、中国電力との送受電が可能である本四連系線と関西電力との送受電が可能である阿南紀北直流幹線の2本を通じて、同社の余力の範囲として、常時平均して50万キロワット程度を他電力に向け融通しているとのことでございます。次に、自家発電の状況についてでありますが、資源エネルギー庁による電力統計調査によると、1,000キロワット以上の自家発電所は、四国において、平成22年3月末時点では、99基が稼働しており、発電出力の合計は、約146万キロワットとなっております。このうち本市には、13基の自家発電所が稼働しており、発電出力の合計は約11万7,000キロワットとなっております。なお、使用されていない自家発電の状況については、調査資料等がなく、関係機関、電力会社などにおいても把握していないとのことであります。次に、コ・ジェネレーションの導入についてでありますが、コ・ジェネレーションは、エネルギーの利用効率が非常に高いことなどにより、省エネや温暖化対策の観点から注目されております。従来は、熱負荷の大きな工場、商業用施設で導入が図られてきましたが、最近では、発電出力が小さく、温室効果ガスの排出量が少ない天然ガスを使用した小型コ・ジェネレーションの開発などにより、家庭用などのより幅広い分野への普及が進みつつあります。本市における導入状況は、ガス会社によりますと、本年3月末で、一般家庭において18台となっており、今後利用者ニーズに応じた機器の開発や低価格化が図られることにより、さらに導入が進むものと考えております。また、本市施設におきましては、改築等を行う際に、施設の利用形態や費用対効果の観点を踏まえ、その導入について検討したいと考えております。次に、太陽光発電と小型風力発電機のセット活用についてでありますが、太陽光発電に小型風力発電を組み合わせることは、特性の異なった発電機を複合利用することで、偏った発電特性を平均化し、自然エネルギーの効率的利用を可能にするものであり、その普及が期待されているところでありますが、発電効率やコスト面の課題もありますので、今後の技術の進展状況や設置事例を検証する中で、普及に向けた検討を行いたいと考えております。最後に、今後の太陽熱普及促進についてでありますが、太陽熱温水器は、太陽光の40から50%を熱として利用でき、既存の再生可能エネルギー利用機器の中では、エネルギー変換効率や費用対効果が高いとされております。本市では、平成16年度から補助を開始し、平成21年度には、1基当たりの補助金額を2万円から2万5,000円に引き上げるなど、太陽熱利用機器の導入を積極的に推進してまいりました。ここ数年間の補助申請件数は、年間200件前後で推移しておりますが、東日本大震災の影響等により、節電、省エネ意識の高まりから、一層注目される可能性もありますので、今後も補助事業を継続する中で、普及促進に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 田那辺農林水産担当部長。 〔田那辺泰典農林水産担当部長登壇〕 ◎田那辺泰典農林水産担当部長 渡部 昭議員に、鳥獣被害についてお答えをいたします。 まず、21年度と対比した22年度予算の取り組みとその成果についてでありますが、本市におきましては、平成21年度、22年度ともにイノシシ及び猿の捕獲に対する奨励金支給並びに防護さく等の設置に対する支援を行っており、イノシシの捕獲頭数につきましては、21年度には257頭であったものが、22年度には524頭に、猿は14頭から39頭に、また、防護さく等の設置数につきましても、5件から65件と、ともに大幅に増加しておりますことから、農作物の被害軽減に効果があったものと考えております。 次に、今年度の取り組みについてでありますが、従来のイノシシや猿の捕獲に対する奨励金支給のほか、防護さく等の設置に対する支援の拡充、また、新たに農業者の狩猟免許取得に要する経費や猟友会等が箱わなを購入する経費に対する助成制度を設けるなど、事業内容の充実に努め、有害鳥獣による農作物の被害軽減に総合的に取り組んでいるところでございます。次に、鳥獣被害防止施設資材購入費補助金の額と地区別申請件数についてでありますが、本年の4月、5月の2カ月間で、補助金額は58万円、地区別申請件数は、松山地域が4件、北条地域が17件、中島地域が4件の合計25件となっております。 次に、わな免許取得に対する考え方及び23年度予算への反映についてでありますが、有害鳥獣捕獲の担い手である狩猟者の減少、高齢化が進む中、農作物被害を防止するためには、有害鳥獣の捕獲を農業者が担う必要があると考えており、平成23年度においては、農業者の箱わな等の狩猟免許取得に必要な講習費用や受験料への支援を行っているところであります。 次に、有害鳥獣の生息数の把握と種類別管理への考え方及び予算への反映についてでありますが、被害防止対策を効果的かつ効率的に実施するために、鳥獣の生息数を的確に把握し、種類別管理を行うことの必要性は認識をしております。しかしながら、鳥獣は、自然界で自由に行動することに加え、主な生息場所が複雑な地形であったり、植物の状況等により見通しが悪い場合も多いため、生息数について的確に把握することは困難であります。現在のところ、種類別管理のための生息数調査を予算化する予定はありませんが、今後、県の協議会や大学等との連携を図るとともに、他地域における先進事例等の情報収集に努めるなど、生息数の的確な把握や種類別管理の手法などの調査研究を行ってまいりたいと考えております。 次に、有害鳥獣被害防止対策協議会の目的及び内容並びに期待する成果についてでありますが、この協議会は、農業協同組合、猟友会、行政等関係団体で構成され、総合的な被害防止体系を確立し、農林業の被害軽減等に役立てることを目的としております。内容につきましては、有害鳥獣の被害防止計画の策定や被害の防除、捕獲、被害防止を担う人材育成等に取り組むこととしており、また、成果につきましては、有害鳥獣の被害軽減による農林業の発展及び地域の振興に寄与することを期待しております。 最後に、生き物に優しい森林対策についてでありますが、被害防止対策を実施するに当たっては、有害鳥獣の捕獲などのほか、鳥獣の良好な生息環境の整備、保全を図るために、地域の特性に応じた森林の間伐や広葉樹林の育成を行うなど、人と鳥獣のすみ分けを進める取り組みも必要であると認識をしております。現在、本市が実施している森林整備事業の中でも、間伐や竹林伐採後の広葉樹植栽などに取り組んでいるところでありますが、今後は野生鳥獣との共存を図るための森林整備についても、協議会の中で議論を深めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 篠原消防局長。 〔篠原一志消防局長登壇〕 ◎篠原一志消防局長 渡部 昭議員に、東日本大震災の教訓についてのうち、本市の地域防災計画の見直しについて及び台風19号の教訓をどのように生かしているのかついて並びに原発問題についてお答えします。 まず、松山市地域防災計画の見直しについてでありますが、このたびの東日本大震災を受け、国の中央防災会議により、ことしの秋をめどに、地震津波対策が取りまとめられることとなっておりますので、これに基づき、国の防災基本計画及び愛媛県の地域防災計画の修正を踏まえて、松山市地域防災計画の見直しを行うこととしております。 次に、台風19号の教訓をどのように生かしているのかについてでありますが、平成3年9月27日の台風19号では、台風通過と満潮が重なったため、本市沿岸部において、高潮により甚大な被害が発生いたしました。このときの潮位2.75メートルは、本市の最高潮位であり、本市が想定する南海地震の最高津波高さ2.4メートルを上回るものであります。こうしたことから、現在、本市で策定しております地域防災計画の津波、高潮による被害想定や昨年度末に全戸配布いたしました防災マップの浸水区域は、この台風19号の最高潮位を採用したほか、本市の高潮災害における避難勧告等や高潮警報の発令目安ともなっております。 次に、原発問題についてでありますが、まず本市の地域防災計画での原発事故対応については、愛媛県の原子力防災計画で、原子力防災対策を重点的に充実すべき地域に指定されていないことから、原子力防災計画は作成しておりません。こうしたことから、今後におきましては、国や県の原子力防災対策の動向を注視しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。次に、10キロ圏内の自治体が行っている原子力防災訓練の内容につきましては、国、県、四国電力や地元自治体であります伊方町及び八幡浜市などが連携して、毎年災害対策本部の設置訓練、通信連絡訓練、広報訓練、避難誘導訓練及び医療訓練などを実施しております。また、今後の原発事故に対する取り組みでありますが、事故が発生した場合には、四国電力や県などから情報収集を行い、市民へ迅速な情報提供を行うなど、市民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田坂信一議長 山内教育長。 〔山内 泰教育長登壇〕 ◎山内泰教育長 渡部 昭議員に、歴史に学ぶ平和教育についてお答えをいたします。 まず、歴史に学ぶ平和教育の必要性と基本的な考え方、人権と平和については関連がありますので、一括してお答えいたします。過去の大戦が、人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解し、国際協調と国際平和の実現に努めることは重要であると認識しています。そこで、学校教育では、すべての教育活動の基礎に人権尊重の理念を置き、教育全体を通して、思いやりや共感する心、伝え合い、わかり合うためのコミュニケーション能力や技能等を育てることを基本的な考え方とし、争いのない平和な社会の実現を目指しております。 次に、歴史に学ぶ平和教育の実体験学習についてでありますが、本市においては、多くの小・中学校で、地域の戦争体験者を講師とする学習会を行っております。また、ほとんどの小学校が、修学旅行で広島の平和記念公園を訪れておりますが、その際には、事前学習を行い、戦争や平和について児童が主体的に調べ話し合うことを通して、平和学習への意欲を高めております。現地では、平和記念資料館の見学だけではなく、原爆慰霊碑に千羽鶴をささげることや、平和の語り部から戦争や被爆体験等の生の声を聞くことなど、実体験を通じて、命の大切さや平和のとうとさを実感として学んでおります。 以上でございます。 ○田坂信一議長 以上で、答弁は終わりました。 これで、本日の一般質問は終わりました。   ──────────────── ○田坂信一議長 以上で、日程は全部終了いたしました。 明日は定刻から会議を開きます。   ──────────────── ○田坂信一議長 本日は、これをもちまして散会いたします。       午後4時50分散会    ────────────────────────────────    地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。                    松山市議会 議  長  田 坂 信 一                          副 議 長  八 木 健 治                          議  員  菅   泰 晴                          議  員  大 亀 泰 彦...