長崎市議会 1994-12-12 1994-12-12 長崎市:平成6年第6回定例会(4日目) 本文
同事業は、都市型漁業の個性豊かな発展を図るため、外洋に面した橘湾において消波堤の設置により大規模な静穏域を造成し、増養殖漁場の整備開発を効果的、集中的に行うとともに、音響馴致システム等の新技術の導入により海洋牧場の造成に取り組むほか、漁業協同組合などによる関連施設の整備拡充を図り、水産業を核とした地域の総合開発を推進することを目的に事業費総額約35億円を投じて進められています。
同事業は、都市型漁業の個性豊かな発展を図るため、外洋に面した橘湾において消波堤の設置により大規模な静穏域を造成し、増養殖漁場の整備開発を効果的、集中的に行うとともに、音響馴致システム等の新技術の導入により海洋牧場の造成に取り組むほか、漁業協同組合などによる関連施設の整備拡充を図り、水産業を核とした地域の総合開発を推進することを目的に事業費総額約35億円を投じて進められています。
私は、その中で特にマダイの海洋牧場音響馴致システムに注目し、成功事例の大分県津久見市漁業協同組合を視察をしてまいりました。 海洋牧場とは、海域をいわゆる牧場に見立て、魚にえさを与えるたびに一定の周波数の音を鳴らして、音が出ればえさの時間だということを習性化させた稚魚を放流し、天然の魚を人工的に管理し、効率よく育成しようとする事業であります。
新築に当たっては、水産研究開発センターとは機能的に競合しないような栽培漁業に関する実証的研究でありますとか、音響馴致システムなど、マリンテクノファーム構想の推進のための技術開発をやることとしてはどうかと考えております。更には、御提案のありました北部海域の特性に見合った種苗生産など、地域沿岸漁業の活性化に直結できるような機能について、幅広い見地から検討を加えているところでございます。
このとき、県水産試験場において研究した結果、最もよいと思われます周波数300ヘルツというこの音を断続的に魚に聞かせながら、音が聞こえてくるとえさがもらえる、このことを繰り返すことによって音響馴致システムが行われるわけでございます。
また、音響によるえづけをした稚魚を放流し、魚の定着化を図る音響馴致システムの導入に向けて調査研究をいたしているところでございます。
また、既に気仙沼・大島地区におきましては、クロソイの音響馴致システムが、実用化に向けて実験中であり、その成果も着々とあらわれてきておりますことは、まことに喜ばしい限りであります。しかし、現在の沿岸漁業の環境からいたしますと、これらの事業の一日も早い早急な具現化を図らなければなりません。
このため、生産から流通に至る各種基盤の整備などにいろいろと取り組んでまいったわけでございますが、今後も産地の魚市場や気仙沼漁港の拡充整備、マリン・テクノファーム構想推進のための音響馴致システムの導入など、全国でも珍しい取り組みをいたしておりまして、今後とも総合的に政策を展開したい。
資源をふやす方策といたしましては、これまで県内各地でのサケのふ化放流、栽培漁業センターを拠点といたしましたアワビ、ヒラメ、ガザミなど七種の種苗の生産と放流、また、クロソイの音響馴致システムの導入、新栽培種目の量産化技術開発に取り組んでまいりましたほか、魚礁の設置、産卵育成場の造成等による海洋牧場化も図ってまいりました。
さらに、沿岸漁業構造改善事業、沿岸漁場整備開発事業などを効果的に取り入れながら栽培漁業を中心とした資源管理型漁業を推進するとともに、放流稚魚の定着化などを目的とした音響馴致システムを導入するための調査を行うことにしております。
現在、海洋牧場開発研究会、マリノベーション技術研究会、漁場施設研究会など八つの研究会を設置して技術開発に取り組んでおり、その成果としては、例えば、魚が一定の刺激を与えると一定の行動をとるという性質を利用し、囲いのない魚の牧場を形成するための「普及型音響馴致システム」が開発され、昭和63年度から沿岸漁場整備開発事業として採用されたところであります。