彼らも立派ですが、何よりも人命を最優先にしてくれるトップを選んだ県民や区民が立派なわけで、明治の『金色夜叉』じゃないけれど、金に目がくらんじゃ駄目で、寿岳文章先生が訳されたイタリアの政治家ダンテの『神曲』、地獄編でうろうろしている感じがいたします。
山口茂吉さんの歌の中に、杉原という言葉が出てくるのを新村出先生が気づかれ、寿岳文章先生とともに杉原谷を訪れられたのは山口茂吉さんを介してというふうに聞き及んでいます。今回の企画展で地元の方々に呼びかけて作品収集を行っておられますが、セキュリティーの問題で、貴重なものは展示ができないというふうに聞いております。
昔は桂女専という女子専門の学校ということで、桂女専という名前でして、それで、私の娘の名前を桂にいたしましたところ大変喜んでくださいまして、また、寿岳文章先生のご功績や、寿岳邸のある西向日、ここをやはり歴史と文化の、そして観光のメッカにして、多くの方が内外から訪れられるような、すばらしい西向日界隈にしていただきたいと心から願っているところでございます。
向日市でもこのように立派な文筆家の方はないかと考えましたら、寿岳文章先生の向日庵、寿岳邸がそっくり残っていることに気がつきました。近くには、西向日の桜並木と景観を保存する会のすぐれたNPOの方々もいらっしゃいます。寿岳文章先生は、英文学者、そして書誌学者、そして和紙研究、民芸運動などの業績があり、向日庵では戦前戦後、多くの国内外の学者、文化人、外交官の方々が交流されてきました。
この大会では、和紙研究家の寿岳文章先生が昭和12年から昭和15年に収集された全国の和紙を展示させていただきます。また、杉原紙の里やコウゾ畑の見学等を予定いたします。紙すきの職人さんを初め、紙すき和紙に関心のある全国のお方どなたでも参加いただけるという、そういうふうなイベントでございます。次に、杉原紙の総合調査事業でございまして、264万1000円で継続をさせていただきます。